予算委員会 第6号
- 発言数
- 433 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/11/15
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十三年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行理事増渕稔君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 平成十三年度補正予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、まず質疑を八十分行うこととし、各会派への割り当て時間は、民主党・新緑風会三十七分、公明党十四分、日本共産党十四分、社会民主党・護憲連合四分、自由党七分、無所属の会四分とすること、次いで締めくくり質疑を六十分行うこととし、各会派への割り当て時間は、民主党・新緑風会二十八分、公明党十分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合三分、自由党六分、無所属の会三分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 平成十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。小宮山洋子君。
○小宮山洋子君 民主党・新緑風会の小宮山洋子でございます。 予定された質問に入る前に、けさの新聞の記事のことにつきまして、田中外務大臣にまず伺いたいと思います。 きょうの朝刊の二面に出ている記事ですが、「田中眞紀子外相が一日のハラジ・イラン外相との会談で、米軍などによるアフガニスタン空爆について、」「米国に中止を求める考えを示していたことが十四日、分かった。」ということです。「複数の政府筋、与党筋が明らかにしたもので、首相官邸サイドや与党は外相の政府方針と異なる言動に懸念をもち、主要国(G8)外相会合への派遣を見送る要因になった」という記事が出ておりますが、これは事実でしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 御指摘のことは、本日ですか、それは産経新聞、本日の産経新聞をもとにおっしゃっておられますが、そうしたことは断じてございません。 ラマダン中の空爆につきましては、私は衆議院でもずっと、参議院でもきのうもそうしたお尋ねがあったかと思いますけれども、一貫してやむを得ないということで私は発言を続けてきております。すなわち、アルカイーダ、タリバン側がそうしたときも空爆を、戦闘行為をやめないであろうから、断固たる意思でその間もやらざるを得ないというアメリカの立場をサポートするということを私は言い続けておりますし、ハラジ外務大臣との会話でそうしたことを言ったことはございません。 ただし、ラマダンについては、食事中に、これは一種のピューリフィケーションである、そういう期間であるという御発言がありました。私は、日本にもみそぎという文化があるという話はいたしました。それとの、空爆等の話は一切いたしておりません。
○小宮山洋子君 外務省の中東アフリカ局長はこのとき同席されていたと思いますが、この事実があったかどうか、お答えください。
○政府参考人(重家俊範君) 先ほど大臣が御答弁になったとおりでございまして、その会談で空爆中止を求められたという事実はございません。
○小宮山洋子君 中東アフリカ局長はその席に出席をしていたんでしょうか。
○政府参考人(重家俊範君) 失礼しました。同席しておりました。
○小宮山洋子君 その中で、ラマダン中のことについては一切会話がなかったということですか。
○政府参考人(重家俊範君) ラマダンがどういう時期かということについては議論がありましたけれども、空爆中止について求めたということは一切ございません。
○小宮山洋子君 きょうは総理おいでになりませんので、官房長官に伺いたいと思いますが、今そういう事実はないということでしたけれども、複数の与党筋、政府筋からこういうものが出ていると。小泉総理は一貫して空爆を支持していらっしゃるわけですから、このような内閣不一致と思われるような記事が出ることについて官房長官はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 私も、けさ新聞見たばっかりでございますので、事実関係については一切承知しておりません。ですから、ちょっとコメントのしようないことなんでありますけれども、一般論で言えば、もし内閣不一致のことがあれば、言行があれば、これはよくないと。もうそれは当然のことでございますので、委員がそういうふうにおっしゃりますならば、それはよくない。しかし今、大臣も、それから担当局長も答えておられるのであるならば、そういうことであったというように考えるべきだろうというふうに思っております。
○小宮山洋子君 一日のハラジ・イラン外相との会談というのは、例の指輪がなくて捜されたので三十分おくれられた会談だと思いますけれども、この一日の会談の内容が十四日になって複数の政府筋、与党筋から明らかになったというのもおかしな話なんじゃないかと私は思っています。これまでも、ASEM内での第三国の外相との会談内容が一斉に新聞に報道されたり、海外の要人との会談の内容が漏れるということがたび重なっていると思います。これでは海外からの日本に対する信頼が失われるのではないでしょうか。 外務大臣はたびたび、意図的なリークだと責任追及も強調されていますけれども、今回のこういうことについてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) まず、ラマダン中の空爆を中止してほしいというふうな発言、会話はまず断じてございませんでしたので、そのことをきちっとまずしていただきたいと思います。 それから二つ目ですけれども、今お尋ねの件でございますけれども、その新聞社に対しましては、官房長と私が、記事がたびたび正確性を欠くので、張り出しというふうに申しますけれども、役所の中でマスコミのところで名指しで、この記事は事実に反するといって張り出しをしたことが何度かございます。 したがいまして、メディアも情報源の秘匿ということはあるとは思いますけれども、どうして今、委員もおっしゃったようにタイミングがずれて、政局絡みでそうしたことが出るのか、私は奇異に存じます。
○小宮山洋子君 今おっしゃいました、ラマダン中のこういうことはないということをきちんとしてほしいと私に言われても困りますので、だれにきちんとしてほしいのか。政局絡みでとおっしゃったのはどういう意味でしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) よくはわかりませんけれども、私の政治家としての直観と申しますか、そういうことでございます。違うかもしれません。 少なくとも、ラマダン中のその記事にあるようなことは私は発言は一切ハラジ外相とはやっておりません。
○小宮山洋子君 きちんとしてほしいのはだれにですか。
○委員長(真鍋賢二君) 立って発言してください。
○小宮山洋子君 そのきちんとしてほしいというのはだれにかという、最初の方の質問にお答えいただいていません。
○国務大臣(田中眞紀子君) やっぱり内閣不一致と言われるような、思われるようなことが報道されると困るのでメディアの方も、もちろん情報源というのは秘匿でしょうけれども、その辺のところをしっかりと正確な記事を書いてほしいという意味でございます。
○小宮山洋子君 田中外務大臣が外務省を改革されるということは多くの国民が期待をして支持をしているんだと思います。私も心から応援したいと思っておりました。 でも、外務省の官僚の皆さんのかなりの部分を敵に回してと言っていいのかどうかわかりませんけれども、そのような状態では改革もできないんではないでしょうか。私はその手段を誤られているように思えてならないんですけれども、もう少し官僚の皆さんの力を活用してうまくなされる方法はないんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 野党の皆様が思われるほど敵には回っておりませんで、非常に、政策の面もそうでございますし、協力的でありますけれども、不幸にして前の内閣から機密費の問題でありますとかあるいは上納の問題もいろんなことが何か、あるかないか知りませんが、いろいろ引き継いでこの内閣が発足してきているというところでやはり困難というものはありますけれども、やはりきちっとするべきところは、私は非力ではございますけれども、納税者の立場それから一般の外国との関係からいきましても、日本の外交が機能するためにこの問題にふたをしては済まないと思います。 しかし、じゃ外交をしていなかったのかということがあると、それは私は、もちろん国会日程の中でも今回、直近はテロ特措法の成立にも努力もいたしましたし、そのほか普通の、外国へ六回行って国際会議で発言をしたり、それから外国要人との往来、電話会談、そのほか、もう一〇〇%生活をこの外務省の仕事に傾注させていただいていますので、ですからそういう意味で、何というか、そのことがあるから、不祥事があるから、したがって外交が機能していないということはないわけでございまして、やはり役所のほとんどの方は本気でバックアップをしてくだすっておりますので、感謝もしております。
○小宮山洋子君 今おっしゃったようには受けとめていない人がかなり多いのではないかと思いますが、これだけ日本の外交にとって重要な時期に日本には外務大臣がいないというような報道も外電であったようにも聞いております。そのような事態は大変不幸なことだと思います。 指輪騒動ですとか人事課にかぎをかけて閉じこもられるとか、こういうようなニュース、話はもう聞きたくもありません。海外の要人との約束のキャンセルとか遅刻など、枚挙にいとまがない。これも私は目に余るのではないかと思っております。きょうのこの記事の前にも、指輪を捜していらして三十分遅刻されているので事務方との打ち合わせなどもなさる時間がなかったのではないかと思います。 改革をなさるのは結構なんですが、やはりこうした時期に、今も御本人からもおっしゃいましたように、日本の外交をしっかりやりながらでなければ、これは日本の外交にとって大変不幸な事態だと思っておりますので、一層その官僚の皆さんとうまくいくような努力をさらになさっていただきたい。もし、それがうまくいかないのであれば、大変重要な時期ですので、交代をしていただくということも考えていただいた方がいいのではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 民主党さんの小宮山先生のお立場はあるかとは思いますけれども、こういうことはもう総理がトータルでお考えになることだというふうに思います。
○小宮山洋子君 それでは予定していた質問の方に移りたいと思いますが、この件につきましても通告はしてございませんが、今うまくいっているとおっしゃいましたので、田中外務大臣にも、COP7のことは外務省も大きくかかわっていますので、幾つか伺いたいと思っています。 マラケシュで行われておりました第七回締約国会議、COP7で、京都議定書の運用ルールとなる法的文書について最終的な合意ができたことは歓迎できると思います。ところが、前回のボンの会議に続いて、今回も日本は自国の利益のための主張をして交渉を長引かせた、合意をおくらせたと非難をされています。削減量を他国と売買できる京都メカニズムの制約などに反対して、森林吸収量の引き上げを主張したロシアとともにギャングだとロイター電で報じられていて、NGOからも化石賞なるものをたくさんもらって、非常に不本意な立場だったのではないかと思っています。 日本でつくり上げました京都議定書は、率先して日本がなるべく早く合意ができるような働きかけをすべきだと思いますのに、こうした後ろ向きの対応と見られていることは大変残念です。 どうしてこうした対応になったのか、田中外務大臣にまず伺いたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) これは川口環境大臣じゃないですか。
○小宮山洋子君 田中外務大臣に伺いたいと思っております。
○委員長(真鍋賢二君) いや、それは違うでしょう。これは性格上、担当大臣から。川口環境大臣。
○小宮山洋子君 まず、先ほどの話の続きで、外務大臣にまず伺いたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 委員長の指名に従ってください。(発言する者あり) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(真鍋賢二君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(川口順子君) 今回の交渉におきまして、日本を含む先進諸国が一番心を砕きましたのは温暖化抑制のために京都議定書が実際に機能するということでございました。そのために、京都メカニズムの不確定性を排し、京都メカニズムを使えるようにするということが非常に重要でございまして、アンブレラグループの国々としてはそのことを確保することが重要と考え、行動をしたということでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 川口担当大臣がお答えになったとおりでございまして、十二日の、地球温暖化の対策推進本部を開催いたしまして、その推進本部決定を受けまして、我が国としては京都議定書の二〇〇二年の締結、批准に向けた準備を本格的に開始するということになっております。そして、政府といたしましては、このように二〇〇二年の締結に向けた作業を今後精力的に進めるということを決定いたしておりまして、政府の腰が引けているという小泉内閣に対する御指摘は当たらないというふうに思います。 そして、京都メカニズムを実際に利用し得るルールとすることは、我が国を初めとした先進諸国にとりまして、京都議定書の目標達成上極めて大切なこと、重要であるというふうに思います。政府のみならず、民間の事業者でございますとか、それから京都メカニズムを円滑に利用できることにつきまして、不透明性を排除して、そしてわかりやすく、各国とともに理解をし、協調していくというスタンスでございます。
○小宮山洋子君 今、これは質問は通告してございませんでしたけれども、日本の外交にとって大変重要な事柄ですので、当然事務方から御連絡が大臣のところに行っているであろうということで、私は大臣からまずお答えいただきたいと申し上げました。でも、すぐにお答えになれなかったということは、そこのところがどうも官僚の皆さんとの間に連絡関係がうまくいっていないんじゃないでしょうか。 そして、その結果として、日本がごねたとも言われておりますけれども、主張が受け入れられたのですから、すぐに日本は批准をする、締結をするという歯切れのよいメッセージを期待したわけですけれども、直後の総理の談話では批准には一言も触れられていません。推進本部が行われても、その手続を進めるということだけで、批准をする、締結をするという言葉は一切聞かれていないので、がっかりしましたのは私だけではないと思います。 十二日の地球温暖化対策推進本部の会合で批准の方針は決定されたということですけれども、ぜひこの場ではっきりと批准の意思を外務大臣並びに環境大臣、そしてできましたら福田官房長官からも伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 十二日の地球温暖化対策推進本部におきまして、次期通常国会に向けて、京都議定書の締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制度の整備、構築のための準備を本格化するというふうに決定をいたしたところでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 同じ閣内でございますから、今の環境庁長官と同じでございます。
○国務大臣(福田康夫君) 今、環境大臣が言われましたけれども、日本は十日のCOP7での合意を受けまして、直ちに地球温暖化対策推進本部を開催いたしました。そこでもって、今、川口大臣が言われたようなことを決定したわけでありますけれども、大変私は日本の取り組みは積極的だと思っております。こういうことを、こういう手続を踏まないと批准できないわけでありますので、これは政府だけのことでなく、日本全体の取り組みだと、こういう大きな枠組みの問題を解決していかなければいけないということでございます。 その中には、産業界、経済界の協力も得なければいけないし、また、国民にこれからこの問題について、お一人お一人の身の回りから環境を改善するためのいろいろな心配りをしていただかなければいけない、そんなふうなことでございますので、そういうことを着々と進行させなければいけない、その第一歩を今踏み出したと。私は、大変素早い対応であり、これはもう極めて積極的な姿勢を示したものであると、こういうように思っております。
○小宮山洋子君 私は決して素早いとは思わないのですけれども、来年、二〇〇二年の秋に南アフリカのヨハネスブルグで開かれますリオ・プラス10までに発効させるためには、批准をしてから三カ月必要ですので、六月十四日までに批准をしなければいけないのだと思います。それまでに五十五カ国以上が批准をし、批准をした先進国のCO2の排出量の合計が九〇年のCO2の総排出量の五五%を占めなければならない。そのためには、当面、アメリカの参加が期待できない中で、日本の批准がかぎを握っているわけです。 ですから、今お三人とも、閣内ですから同じですとおっしゃった方もありましたけれども、準備を進めているというところまでしかおっしゃっていただけていません。今、素早い対応だと官房長官おっしゃいましたけれども、衆参の国会で決議をもう、とうにしているわけですね。この決議などはどのように受けとめられているんでしょうか。官房長官にもう一言伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) これは、ことしの四月に衆参両院で、この京都議定書に関する決議、全会一致されたわけでございます。このことは十分承知しているわけでございますので、政府は当然のことながらこの決議の趣旨を十分尊重してまいるつもりでございます。
○小宮山洋子君 アメリカは残念ながら出席はしましたけれどもCOP7の議論には加わらず、批准の見込みも現在では立っていないわけですけれども、川口大臣は、忙しいスケジュールの中でCOP7に行かれる前にわざわざアメリカに寄られました。アメリカではどなたとお会いになって、何を話されたのか、そしてアメリカへは今後どのような働きかけをなさるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 米国への働きかけというのは、私としては非常に大事なことだと思っております。 ことしになりまして、七月のボンの会合の前にも参りましたし、それから九月にも参りましたし、この間のマラケシュの会合の前にも寄りまして、アメリカの政府のこの問題についての非常に重要な方々とお会いをいたしました。 前回ですと、コノートン経済諮問会議委員長、コノートンは環境ですね、それからハバード経済諮問委員会委員長、それからラリー・リンゼー大統領特別補佐官、それからポーラ・ドブリアンスキー国務次官、この方は会議に出席をなさった方ですけれども、そういった方々とお会いをいたしまして、日本として、アメリカがCOP7において積極的に参加をしてほしい、それから、日本としては基本的に大事なことは法的な文書に合意をすることでありますので一生懸命に対応したいと考えているということを言ってきました。 それから、あわせて二国間の対応、協議につきましても議論をいたしまして、この点についてはアメリカから非常に高い評価がございましたし、私どもも同じ考えでございますので、引き続きこの協議は続けていきたいというふうに考えております。 以上です。
○小宮山洋子君 これも本当は総理に伺うべきところかもしれませんが、官房長官に伺いたいと思います。 アメリカの真の友人であれば、都合のいいことだけをお話しするのではなくて、耳の痛いこともしっかり言うべきだと思っております。京都議定書への参加はあらゆる方法で日本がきちんとアメリカに働きかけるべきだと思っておりますが、内閣としてはアメリカにこれからどのような働きかけをしていかれるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 今、環境大臣が申されたことでもありますが、米国とは今回のことにつきましてもいろいろな角度で交渉を、交渉と申しますか、話し合いを続けてまいりました。それは、小泉総理みずから、このことについて何度もブッシュ大統領とお話をされましたし、また、環境大臣もこの会議があるたびに、米国との打ち合わせもしくは協議をしてその後でCOP7の会合に臨む、こういうことをずっと続けてこられたわけでございます。 今後も、やはりCO2排出大国の米国抜きにして世界の環境を守ることはできないという、その観点から、これは米国のこの枠組みへの参加を期待しつつ協議を続けていかなければいけない、また、日本の立場としても米国にそういうような考え方を持っていただくように努力をすべきであると、当然のことでございますので今後も引き続きやらせていただきたいと思っております。
○小宮山洋子君 合意された内容のことについて少し伺いたいと思いますけれども、森林吸収源について、日本はボン合意の中、そして今回もですけれども、三・七%という日本が想定した上限の枠を獲得する、そういう大幅な譲歩をEUから引き出した、このことについてもNGOやそれからEU各国からは非難を受けていると聞いております。この森林吸収源については科学的な根拠が極めてあいまいだと思うんです。ですから、森林吸収源には頼るべきではないと考えていますが、いかがでしょうか。 そして、森林の吸収をはかる方法というものもいまだに確立されていないのだと思いますが、どのようにしてはかるのか、あわせてお答えいただきたいと思います、川口大臣。
○国務大臣(川口順子君) 森林吸収源につきましては、これは京都議定書で三条三項、三条四項にきちんと決まっていることでございますので、我が国としては、これも我が国が削減目標を達成するために重要なツールであるというふうに考えております。 それから、そのはかり方でございますけれども、これは今後、IPCCという専門家の集まった団体でさらに議論をいたしまして、COP9ではっきりと合意をされるということになっております。 以上です。
○小宮山洋子君 先に森林吸収源に頼る数字があって、どうはかるかは次のCOP9で決めるというのは何か本末転倒というか、おかしいのではないでしょうか。やはり人為的な削減のところにウエートを置いてやるべきであって、このような、私どもは科学的根拠は極めてあいまいだと考えています。 先日も委員会でも伺いましたけれども、これはやはり木材にして例えば家を建てるとか腐るとかしたら、そこからまたCO2が発散するわけです。ですから、先送りにしていくだけにすぎない。こうしたはかり方もまだ決まっていないものに頼るような計画を日本としては立てるべきではないのではないかと思いますが、重ねて伺います。
○国務大臣(川口順子君) 少し細かくなってしまいますけれども、全くそのはかり方が決まっていないということではございませんで、既に幾つか決まっていることもございます。 例えば、議定書第三条三項の関係では、九〇年以降に行われた土地利用変更を伴う新規植林、再植林、森林減少を計上するとか、同じようなことが三条四項に、省きますけれども決まっているわけでございまして、今後決めなきゃいけないと私が申し上げましたことは、もっともっと細かいテクニカルなことでございます。 この森林につきましては、京都議定書で既に前提として位置づけられているところでございますので、それに基づいて各国は基本的な数字については大体概算を持っておりまして、それに基づいて合意が正式に見られたわけでございます。
○小宮山洋子君 国内でこれからどうやっていくかということにつきましては、反対を表明している経団連を初め産業界では、現在の不況の中で負担がふえること、あるいは国際競争力が失われるなどの理由で批准に反対をしているわけですけれども、これをこれからどのように具体的に説得をしていかれるのか、川口大臣と官房長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 経済界は今まで非常に一生懸命にこの温暖化問題については取り組んでいただいているというふうに私は考えております。省エネ機器の開発あるいはその生産プロセスでの対応といったようなことをやっていただいているというふうに認識をいたしております。 それで、十一月十二日、月曜日に温暖化対策推進本部で決定をいたしましたけれども、それにおきましては、「温暖化対策の推進に当たっては、経済界の創意工夫を活かし、我が国の経済活性化にもつながる環境と経済の両立に資するような国内制度の整備・構築を目指す。」という決定がなされておりまして、こういった点につきまして経済界の御理解をいただけるよう努力をしていきたいと考えております。
○国務大臣(福田康夫君) 経済界、京都議定書の成立以来、これは随分努力をしてもらったと思います。産業界のCO2の排出量の伸びというのは非常に低いですね、ほかの部門に比べて。そういうようなことも考え、さらに、今、経済も非常に状況悪いわけでございまして、このために特別な負担を迫るとかいうようなことについては、これはもう経済界も大変なことだなというふうな感じしないではないんです。しかし、こういうような、別の見方をすれば省エネ機器の開発とか、そこに新しい産業が生まれるかもしれぬというそういう期待を込めて、経済界がこれからいろいろと工夫していただくというようなこと、これは私はぜひそういう意味における御協力をお願いしたいなと、こんなふうに思っております。 いずれにしましても、政府と経済界、また国民の方々にも呼びかけるということは必要でございます。すべての国民と協力してやっていく、そのための道筋を政府として立てていきたい、このように思っているところです。
○小宮山洋子君 今、官房長官もおっしゃったように、温暖化防止は省エネ機器の開発とか新たな設備投資を生むとか新しいビジネスチャンスになるんだと思うんです。経済界の中でも、経済同友会の小林陽太郎会長ですとか、ヨーロッパ発のエミッション55という百五十社以上が参加している運動に日本からもリコー、キヤノン、富士ゼロックス、京セラなどが参加しているわけですので、こうした積極的な動きというのもぜひ広めていただきたいと思うんですけれども、川口大臣はいかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 私もそう思っております。
○小宮山洋子君 そう思っていらっしゃるのはいいんですけれども、どのようにして……
○委員長(真鍋賢二君) 挙手してください。
○小宮山洋子君 はい。 どのようにしてそれを広める工夫をなさいますか。
○国務大臣(川口順子君) これはもう通常いろいろな情報を世の中に広めていくという方法でございまして、いろいろお話をするとかさまざまな方法があると思いますので、ありとあらゆる手段を使ってそういうことをしていきたいと考えております。
○小宮山洋子君 イギリスでは気候変動税を導入して、二酸化炭素排出量の削減目標を設定した協定を結べば税率を八〇%下げる、こういう仕組みも取り入れたりしています。政府税調でも議論されていると聞いておりますけれども、環境税とか炭素税、これについてはどのようにお考えか。 十四日の新聞の中にも石油連盟が環境税を実質容認というような記事も、産業界の方からも出ているようですけれども、こういう仕組みについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環境税のお話でございますけれども、これは価格を通じて市場メカニズムを活用してということで、その結果としていろいろな、消費者ですとか生産者ですとかという経済主体が投資行動あるいは消費行動を非常に合理的にやっていくという効果を持ちまして、そういう意味では効率的な手法であるというふうに考えております。他方で、先ほど官房長官もおっしゃられましたように、足元のところの経済情勢は非常に難しいということでして、環境税について慎重に検討すべきであるという議論があることも十分に承知をいたしております。 COP7におけます合意を受けまして、日本といたしましては、京都議定書の二〇〇二年の締結に必要な国内制度の整備、構築をするためのその準備を本格化するということでございますけれども、環境税導入を京都議定書締結の前提としては位置づけてはおりません。しかし、環境税が導入されればより効率的に京都議定書の目標達成を実現できる可能性がございますので、環境省といたしましては中央環境審議会の専門委員会で御審議をいただくなど、引き続き日本の実情に合った具体的な制度面の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小宮山洋子君 今、大臣も言われたように、効果的に進めるためにとられる一つの重要な手段だと思いますので、引き続き積極的な御検討をお願いしたいと思います。 そして、やはり民生の部分などで非常に伸びが大きいということもありまして、最初に官房長官もおっしゃいましたが、徹底した省エネルギー、あるいは再生可能エネルギーの普及、新エネルギーの開発などが必要だと思いますが、それについてどのように取り組まれるか。 また、原子力発電による削減を新たに十三基建設することでカウントをしているようですけれども、電気事業連合会でもせいぜい八基じゃないかと、建設できるのは、そう言っております。 そして、新たに、このところ新聞紙上をにぎわしておりますけれども、静岡県浜岡の中部電力浜岡原発一号機配管破断、冷却水漏れ、重要な事故が相次いでおります。そして、これが復旧するのには半年から一年はかかるのではないか。続いて浜岡二号機も停止をしている。これが老朽化のものだとしますと、二十五年以上たっているこのような沸騰水型の原子炉が全国で九基あると聞いております。 こうした事情などからしましても、余り原子力発電に頼り過ぎた計画を立てることは私は問題ではないかと思っておりますが、資源エネルギー庁長官、そして川口大臣にお考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) お尋ねの省エネルギー、新エネルギーでございます。これは、エネルギーの安定供給確保、あるいはまさに御議論の地球環境問題への対応の観点から非常に重要だというふうに私どもも認識をいたしております。 省エネルギーについて御説明をさせていただきますと、平成十年にいわゆる省エネ法が改正強化をされております。このもとで、電気機器などに対しますいわゆるトップランナー方式の導入で省エネ性能の向上改善が図られるようになっておりますし、また工場、事業場におきます省エネの徹底を図ってきているところでございます。 さらに、総合資源エネルギー調査会省エネルギー部会の報告書、これはことしになって出たものでございますが、現在講じている対策に加えまして、トップランナー基準対象機器の拡大、あるいは高効率機器の普及促進、そういったさらなる対策の強化を提言をしていただいておりますので、その実現を図ってまいりたいと思います。 また、いわゆる新エネルギーでございますけれども、廃棄物発電ですとか、あるいは太陽光発電ですとか、また風力発電、こういった新エネルギーにつきまして、現時点では経済性における課題などがございます。 ただ、これまでも技術開発や導入促進の取り組みを行ってきたところでございまして、当省関係の新エネルギー関係の予算は過去五年間で倍増以上ということで、導入に積極的に努力をしているところでございます。 原子力について御指摘がございました。 浜岡の原子力発電所における事故につきましては、私ども原子力安全・保安院におきましてタスクフォースを設置しております。三つの大きな作業をしておりますが、一つは類似プラントの調査、御指摘のあったような類似のプラントの調査でございます。そして、原因究明のための検討、さらに原因究明を踏まえました再発防止策の確立、これの作業を開始したところでございまして、着実に作業を進めてまいりたいと思っております。 原子力の導入の計画でございますけれども、本年三月末に電力会社から私どもに届け出がありました平成十三年度の供給計画、これには今後二〇一〇年までに運転開始予定の原子力発電所の規模、数等が記載されているわけでございますが、その数は十三基でございます。 この供給計画を提出するに当たりまして、各電力会社は、需給状況はもとより、やはり立地地点の進捗状況も見きわめながら作成しているということでございますので、当省としても、この届け出のありました供給計画の内容を妥当なものだというふうに思っております。 また、環境保全を図りながらエネルギーの安定供給を確保するという私どもの政策の基本を実現いたしますためには、原子力の導入は不可欠というふうに申し上げるべきだと思います。引き続き、安全確保を大前提に、地元の御理解を得ながら一歩一歩着実に原子力立地を進めてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられましたように、民生部門での温暖化ガスの伸びというのは非常に大きなものがございます。 例えば、これは温暖化ガスのうちの二酸化炭素の例でございますけれども、産業部門において一九九〇年度比で〇・八%の増加であるわけですけれども、この間に、これは九九年度の数字でございますが、この間に民生部門では、民生のうちの家庭部門では九〇年度比で一五%の増加、それから民生の業務部門では二〇・一%の増加ということになっています。 日本は世界の各国でも知られた非常に進んだ省エネルギー法を持っておりまして、今までかなり努力をしてきているわけでございますけれども、こういった伸び率でございますので、今後とも引き続きこの面での努力が必要であるというふうに思っております。官房長官が先ほどもおっしゃられましたような例えば国民運動といったことも必要でございますし、国民の皆様お一人お一人に、ライフスタイルを変えるあるいはこの問題に取り組むことの重要性を理解していただく、そういった地道だけれども基本的に重要なこともやらなければいけないと思っております。 それから、原子力について委員もお触れになられましたけれども、今、資源エネルギー庁長官が詳しくおっしゃられましたので、私も同じように思いますので、それで答弁にかえさせていただきます。
○小宮山洋子君 原子力発電のことについてもう一問エネルギー庁長官に伺いたいと思いますが、今回の事故のとき、報告があるまで八時間もかかっている、そしてこれは定期点検などからはなかなか予見されないような事故であるとも言われておりまして、国民の不安は募っているのではないかと思います。 今、五十基ある原子力発電の中で、浜岡一号機、そのほかに福島の第一、女川も浜岡原発と同じような形状変更をしているというような事実もあると思いますので、これからほかの原子力発電のところをどのようにチェックをされていくのか、そしてこのような年を経ることによる変化をどうやって検出できるのか、そのノウハウを確立する必要があると思いますが、そのあたりの原子力に対する不安を持っている国民に対してお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) お尋ねのありました今回の浜岡の件でございますけれども、余熱除去のための蒸気凝縮系の配管の破断ということと、それから制御棒近傍からの水滴漏れということでございました。当然のことながら、こういった事故、トラブルにつきましては、安全当局そして地元自治体、速やかな連絡が必要でございまして、これは今後も徹底してまいりたいというふうに思っております。 先ほど御紹介いたしましたように、この問題につきましては、原子力安全・保安院の中にタスクフォースを設置いたしまして、類似のプラントの点検あるいは原因の究明、そういった点について集中して作業をする体制になっておりますので、この結果を踏まえまして適切な対応を講じてまいりたいというふうに思っております。
○小宮山洋子君 日本の削減目標は六%ですけれども、中央環境審議会の検討によりますと、二〇一〇年度の温室効果ガスの排出量は、現時点までに決定された確実性の高い政策、対策を実施した場合でも基準の九〇年に比べると八%ふえてしまう見込みだということです。全体ではそうしますと一四%の削減をしなければならなくなるわけですが、大綱の見直しとか工程表もつくられると報道されていますが、どのような考え方でどうした手順で取り組まれるのか、川口大臣に伺います。
○国務大臣(川口順子君) 先般、十二日に、地球温暖化対策推進本部で準備を本格化するということを御決定いただきましたので、それに沿いましてまず大綱の見直しをするということでございます。 それから、この間マラケシュで合意をいたしました法的な文書を今事務局で整理をしているところだと思いますけれども、それができ上がった後でそれを精査いたしまして、次期通常国会に向けて、京都議定書締結の承認及び締結に必要な国内制度の構築ということをやっていきたいと考えております。
○小宮山洋子君 温暖化防止への国際的な取り組みの話に戻りますが、途上国の参加については来年の会議で新たな枠組みの議論が始まると聞いています。途上国への支援につきましては、三つの基金を設立する、そして批准する先進国は資金提供の意思を政治宣言で表明しなければならないとされたと思っております。二〇一〇年ごろには中国など途上国の排出量は先進国を上回るとも言われております。 そうした基金への出資ですとか技術移転など、積極的に支援をしていくべきだと思いますが、川口大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 途上国の参加問題につきましては、来年のCOP8で新たな一歩が踏み出されることを私どもとしては期待をしているわけでございます。 それで、途上国の支援ということにつきましては、委員おっしゃられましたように、今後途上国からの排出が非常にふえてまいりますので、温暖化対策の実効性を高くするためには、この国々に削減に努めていただくことが必要であり、そのために支援をしていくということは重要な課題であるというふうに考えております。 七月のボンの会合で私から表明をいたしまして、その中で、我が国は従来から京都イニシアチブ等のもとで、九八年以来約七十四億ドルの支援を行うなどの地球温暖化に関する途上国支援を積極的に行ってきたということを申しまして、今後ともこれを引き続き取り組んでいくということを申しました。 それから、開発途上国を含めた一つの国際ルールが、今後、将来的に構築されますように、この面でも努力をしていきたいと考えております。
○小宮山洋子君 この地球温暖化関連の質問の最後に、改めて官房長官にもう一度伺いたいと思うんですけれども、やはり私たち政治にいる者は子供たちの未来に責任を持つという意味からもこの環境問題、大変大事だと思っています。ですから、京都議定書を早く批准をしまして、こうした環境の分野でこそ日本がリーダーシップを発揮するべきなのではないでしょうか。 先ほどから伺っていまして、通常国会に法案が出せるように準備をしているというお話は伺っているんですけれども、なぜ、批准をする、ちゃんとしますよということを、やはり一言ぜひ伺いたいと思うんです。いかがでしょう。
○国務大臣(福田康夫君) 我が国としてこれからやるべきことはたくさんございます。国内のことはもとよりでございますけれども、あわせて、例えば中国とか、また途上国に対してどういう働きかけをしてこの枠組みに参加してまいるか、本当に実効の上がる世界の環境対策というものを考えていかなければいけない、これは極めて大事な仕事だろうというふうに思っております。 そういうことを踏まえた上で、もちろん国内にあっては先ほど来申し上げているようないろいろな手続を踏んで、批准に向けた努力を懸命にしていく、そういう覚悟でございます。
○小宮山洋子君 やはり伺ったことにはお答えいただいていないのだと思うんです。やるべきことがたくさんある、海外とのこともいろいろあるはわかるんですけれども、なぜ批准をするということが一言はっきりおっしゃれないのか大変不満に思います。一日も早くそうした意思を海外に向けても、NGOの皆さんに向けても発していただかないと、また化石賞がたくさん積もっていくのではないかと心配をしておりますので、ぜひそのことを強くお願いをいたしまして、次の質問に移りたいと思います。 次に、子供の保育そして少子高齢社会の中での働き方などについて伺いたいと思います。 小泉総理は、保育所の待機児童をゼロにすると施政方針演説でも言われまして、その後三年かけて毎年五万人ずつ、合わせて十五万人、保育所で受け入れる子供の人数をふやすということになっております。 これまで施政方針演説でこのようなことを表明された内閣、総理はいらっしゃらなかったので、この点は評価したいと思うんですけれども、全体ある文章の中でたしか三行ぐらいだったとは思いますが、この子供の保育のことに触れられたのはどういう理由なのか、またどのようにしてふやしていこうと思っておられるのか、福田官房長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 小泉総理は、今回の所信表明で最初からこのことに言及をされたわけであります。それはやはり二十一世紀の日本のあるべき姿として、高齢化社会とか、人口がもしかしたら減るかもしれぬ、こういうようなことを予想する中で、やはりそういう日本の社会に活力をもたらすのは何か、このことに着目してそういう提言をされたわけでございます。 所信表明で今までなかったというふうに言われまして、私も調べたら、まさにそういうようなことでございましたので、そのぐらいやはり小泉総理はそのことを重要視しているというあらわれだというように思っております。 また、活性化させるために仕事と子育ての両立、これはもう極めて大事なことでございまして、よく御案内のとおりでございます。ですから、このことを実現させるための方策として具体的にこの十五万人というような数字も挙げまして、そしてこの政策実現の実施に向かって施策を進める、こういうことになったわけです。 男女共同参画会議というものが内閣にございますけれども、ここで決定をしていただきまして、本年七月に仕事と子育ての両立支援策の方針について閣議決定を行ったところでございますけれども、そこで待機児童ゼロ作戦、こういうようなことも挙げたわけでございますけれども、政府としての施策を、このことだけでございませんけれども、着実に実施して、そして活力ある二十一世紀社会、この実現を目指したいと思っております。
○小宮山洋子君 私も自分自身の子供を保育所で一緒に育ててもらったと思っておりますし、保育の問題につきましては、NHKの解説委員当時も、そしてまた中央児童福祉審議会の委員としても、前回の児童福祉法改正などにずっと取り組んでまいりました。ふやすという方針は大変結構なことなんですけれども、ふやしていくのは容易でないことも十分承知しております。 この国会で児童福祉法の改正も審議されていますが、その中で、公設民営を推進していくという意味の文言が含まれております。この児童福祉法の精神というのは、児童の健全な育成のために国、地方公共団体が保護者とともに責任を持つという、そういう精神の法律だと思っておりますので、その法律にこうした観点を盛り込むことには私はいささか違和感があるのですけれども、坂口大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘の趣旨は私もそのとおりというふうに思っているわけでありますが、公営だけで果たしていいかといえば、なかなか公営だけでもうまくいかない面も率直に言ってあるわけであります。 例えば、年度の途中で入りたいというふうに言いましたときに、公営ですとなかなか入りにくいというようなことがありましたり、あるいはまた延長保育等につきましても、公営の場合になかなかそれを受け入れてもらえないというようなことがありましたり、保育料そのものが非常に高かったりというようなこともございまして、一概には私は言えない、民営化の方がすぐれている部分もあるというふうに思っています。 しかし、結局のところは、保育の質をいかに高めるかというところに一番中心があることだけはもう御指摘のとおりでございますから、その保育の質を保てないような状況をつくり出すということはこれはぐあいが悪い。やはりそこの一点を見詰めて、公であれ民営であれ、これはやはり努めてやっていただかなければならないと思っているところでございます。
○小宮山洋子君 この児童福祉法に何も改めて盛り込まなくても、既に公設民営というのは全国各地で行われているわけですね。その中で、今、大臣がおっしゃったとおり、質の問題というのが非常に問題視されておりまして、保護者の間では保育の質の切り下げになるのではないかという不安が現実に起きております。 国の認可基準をクリアするのだから切り下げはないと厚生労働省ではおっしゃっているんですけれども、これまでも各自治体が国基準よりも上乗せをしていた部分があるわけです。その部分については民営にする中で実質的に切り下げられていく、そういうケースも起こってきております。 例えば、大阪の高石市で、六つの公立保育所のうち、二〇〇二年の四月から民営化をされる保育所がございます。これまで国基準ですと一歳児の子供六人に保育士一人でしたけれども、これまでは四人に一人でやってきたと。一年目はそのままだけれどもその先はわからないというふうに市の方でも言っているということで、保護者が反対したまま話し合いも持たれずに進められようとしております。このほかにも、鎌倉市、堺市、八千代市などでいろいろ問題になってそれぞれの取り組みをしているわけですけれども、こうした点についてはどのように大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 個々のケースにつきましては、いろいろの御事情もございましょうし、いろいろのことがあるのかもしれません。私もその一つ一つをつまびらかに知っているわけではございませんが、やはり先ほど申しましたように、その質を維持していくためには一定の基準が設けられているわけでございます。 しかし、現在、厚生労働省が決めておりますゼロ歳児でありますとか一歳から三歳まででありますとか、そうしたいわゆる人数に対しまして、それでは例えば小さなところ、一歳から三歳ぐらいなところ、六人に一人というのでは少し少ないのではないかといったようなお声があることも事実でございまして、そうしたことを少しでも緩和をしていくために、その皆さん方におこたえをしていくためにどうしていくかといったようなことでいろいろなことを考えて、今やっているところでございます。 人数が多ければ質がよくなるとも私は思いませんけれども、しかし余り人数が少なくなり過ぎて、質がよくなるかといえば、これもやはり問題点はあるんだろうというふうに思っております。それはケース・バイ・ケース、それぞれの地域でこれはお考えをいただく以外にないわけでございますが、少なくとも最低限度これだけは要るというところを我々は決めているわけでございますので、その中でそれぞれの地域、やはりお考えをいただく以外にないと思っている次第でございます。
○小宮山洋子君 先ほどから坂口大臣もおっしゃっているように、保育の量の確保ももちろん必要ですけれども、質を守るということが一番大事なんだと思っております。特に、子供につきましては、親とか周りの都合ではなくて、子供にとってのよりよい保育の視点、これが必要だと思いますけれども、それがいささか欠けてきているのではないかという心配を持っております。 質を担保するために、前回の児童福祉法改正のときにも措置から契約に変わりました。そのときから懸案になっていた第三者による評価、そして情報の提供、こうしたことについてはどのように進んできているんでしょうか、坂口大臣。
○国務大臣(坂口力君) 保育の質の確保につきましては、利用者がその保育内容を十分に把握することができる条件の整備というものが必要であることは今さら申し上げるまでもありませんが、この平成十年の児童福祉法の改正によります利用者への情報提供の仕組みの導入、あるいはインターネットを活用しました保育所の情報提供システムの整備、こうしたことを今まではやってきたところでございます。 さらに、公正な専門的な第三者による評価システムの平成十四年度からの実施に向けまして、現在、評価基準やそれから評価の方法などにつきまして検討をいたしているところでございます。十四年度から実施をしたいというふうに思っているところでございますが、こうしたことが現在の現状の進行状況でございます。
○小宮山洋子君 これの公設民営ということも規制改革の中から一部出てきている部分もあるのだと思います。 その規制の改革につきましては、経済的規制は私もどんどん進めるべきだと思いますが、暮らしの安心、セーフティーネット、ここはきちんと守らなければいけない。ですから、社会的な規制でもございます福祉の質を確保するということが必要で、福祉の部分は必ずしも競争原理、市場原理だけに任せるわけにはいかないと思いますが、この点について、坂口大臣についてはその保育など福祉の面について、その全体的な福祉を含めた社会的規制は守るべきではないかということについては、官房長官にも伺いたいと思っております。
○国務大臣(坂口力君) 現在、規制改革、各分野で進められておりまして、厚生労働省が担当いたしております今お挙げをいただきました保育の問題あるいは医療の問題、介護の問題等につきましてもいろいろの御意見をちょうだいをしているところでございます。 一部におきましては規制改革を進めなければならない、これはもう私もやらなければならないというふうに思っておりますが、この分野はしかし、この社会保障というどうしても達成しなければならない大きな目標があるわけでございますから、この目標を壊してまで規制改革をすることはできない、そこには一線がある、そういうことを今主張しているところでございます。
○国務大臣(福田康夫君) 坂口大臣のおっしゃるとおりであるのでありますけれども、何でもかんでも規制改革、規制緩和という、そういうことでもありません、もちろん。 問題は、個々のサービスの質、そしてもう一つ、全体のバランスというか調和がとれていなければいけない、総体として質の高いセーフティーネットを構築する、そういうことではないかと思っております。ですから、そういうことを念頭に置きながら改革を進めていくということになろうかと思います。
○小宮山洋子君 次に、もう一つどうしても伺いたい問題がございます。選択的夫婦別姓などの民法改正についてです。 この懸案の選択的夫婦別姓を認める民法改正につきましては、ことし五月の内閣府の調査で、法改正を容認するという意見が四二%で、反対の三〇%を初めて上回りまして、そのことから新たな動きがいろいろ起きているのだと思っております。 私ども女性の議員が激励に法務大臣のところに伺いましたときにも、この国会に改正案を出したいとはっきりおっしゃったと記憶しておりますが、森山法務大臣、ぜひこの国会に法案を出すという、そのときと変わらぬ意気込みをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) この問題については、おっしゃるとおり、私も大変強い関心を持って進めたいと考えていた一人でございますが、非常に結婚とか家族関係とか、そういうことに深いかかわりのあるテーマでございますので、いろいろな考え方の方が今なおいらっしゃいます。 私といたしましては、個人的にはそういう気持ちでございますが、やはり政府として提案するということになりますと、政府全体として合意を得なければならない、与党の皆さんにも御賛成をいただかなければならないし、できれば野党の皆さんとも一緒にやりたいというのが私の気持ちでございますので、そのための今作業を一生懸命やっているところでございます。 おかげさまで、多くの人の努力が少しずつ姿をあらわしてまいりまして、自民党の中でも法務部会その他担当の部会において具体的に取り上げ、勉強し始めていただいておりますので、まだ国会は十二月七日までありますので望みは捨てておりませんけれども、小宮山先生ほかがおいでいただきましたときよりも後に、テロの問題とか、その他思いがけないいろんなことが起こってまいりまして、国会は非常に多忙でございました。そんなこともございまして、今のところまだ出していただいておりませんが、できるだけ最後まで努力をしたいというふうに考えております。 ありがとうございます。
○小宮山洋子君 後ろからも、やりましょうという声が聞こえましたが、私もぜひ御一緒にやりたいというふうに思っております。 きょうの新聞などにも、法務省で政府案をこのように検討しているという記事も出てきておりますので、ぜひぜひ積極的に進めていただきたいと思います。 私たち民主党、共産党、社民党、それから無所属の皆さんなどで、前国会、選択的夫婦別姓の導入、そして子の氏はそれぞれの子が生まれるときごとに決めるということ、また非嫡出子の相続差別の撤廃などを盛り込んだ民法改正案を提出してきておりますけれども、この国会にもこの十三日に提出をいたしました。ぜひ政府案とともに審議ができるようにしていただきたいというふうに思っております。 そしてまた、公明党の方でも、さきの通常国会の最後のころですか、選択的夫婦別姓の案をつくられていると聞いておりますけれども、坂口大臣はこの点については積極的に御努力いただけるのかと期待しておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 党は別でございますけれども、私は賛成でございます。 私ごとを申し上げて恐縮でございますけれども、私は娘が二人おりまして、二人とも結婚をいたしました。二人とも主人の方の姓を何の抵抗もなしに受け入れて喜々として結婚をしていきました。しかし、残されました父親といたしましてはいささか物足りないところがございまして、万世一系、言い伝えなきゃならないほどの家柄でもございませんし、私一代で坂口姓が切れましても世界的にはどうこうないわけでございまして、しかし、そういう選択の幅もあったらなと思うのが娘を持ちました父親の代表としての言葉でございます。
○小宮山洋子君 大臣の個人としてのお気持ちは大変よくわかります。ただ、党は別とおっしゃったのがちょっと気にかかりますので、ぜひ党内でもそういう意見を広げていただきたいと思います。たしか、選挙のときの公約でも党でお決めになっていると思いますので、党も恐らくそういう考え方だと思いますので、もう一度御確認いただきたいと思います。 そして、夫婦別姓の、これは選択制ですので、同姓にしたい方をいけないというのではありません。選択の自由を認めるかどうか、選択肢が多いのが私は豊かな社会なんだと思っております。姓が変わりますと社会的に不利益がございます。私も小宮山というのは戸籍の姓ではございません。それから、アイデンティティーの喪失、生まれたときから自分の身と一緒にあったような姓がなぜそのときに奪われなければいけないのか、これは仕事をしているしていないにかかわらずあるものです。そして、女性が姓を変えるケースがいまだに九七%、これも男女平等ではないということも言えます。それから、海外を見ましても、同姓を強制しているのは日本とインドとタイだけです。 別姓に賛成の理由はたくさんございます。法制審議会で、各界の意見も聞きながら五年以上かけて審議をしてきて答申が出されまして、これは、これまでのルールでしたら当然国会で議論をすべきものと考えておりましたけれども、与党内からの反対などでこれまで据え置かれてきた。これは民主主義のルールからいってもおかしいことなのではないかと思います。 ただ、今幾つかのお話が森山大臣からもございましたように、自民党の野田聖子さんのホームページを拝見いたしましたら、民法改正について早急に党内で討議をしてこの国会に閣法が上程され審議されるようにということを求める、党三役への申し入れの賛同者が自民党内にも四十五人いらっしゃると。この中に座っていらっしゃる方の中にもいらっしゃいます。 このように着実にふえてきていると思うのですけれども、これまで福田官房長官は、男女共同参画担当大臣でもございますが、委員会などで伺っても、個人的には賛成だということ、それから、世論調査の結果も受けて進めたいという積極的な御発言をいただいております。 ぜひ前向きな御発言、この後どんな段取りで進むかも含めて官房長官に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 男女共同参画担当大臣として賛成をいたしますけれども、どちらかというと年が上の方が、反対の方が多いのでありますけれども、法務大臣もああいうようにおっしゃっていますので、恐らくこれはうまくいくのではないかと、こう思っております。懸命に努力させていただきます。
○委員長(真鍋賢二君) 関連質疑を許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 民主党・新緑風会の若林秀樹でございます。質問させていただきたいと思います。 まず、田中外相にお伺いしたいというふうに思いますけれども、ちょうど就任されて半年たったということで、この半年間を振り返りながらちょっとお答えいただきたいというふうに思いますが、当然小泉首相も田中外相の外相としての資質を買われたというふうに思っております。そういう意味では、実際に外相としてこの間、外交活動をやられて、外相としての資質は何なのか、実感を含めてまずお答えいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えいたします。 もとより私は浅学非才でございますけれども、一般論で、外務大臣といいますか外交の最高の責任者、世界じゅう、一般論で申しますれば、当然自分の国の生命、財産とか安定ということは大切ですけれども、同時に世界とどのように平和を構築していくかという、そういうことに対する配慮、そうした世界の平和と安定のために貢献をする、そうした大局的な見地に立ちながら、いろいろな価値観、いろいろな考え方がある中で融和を図るように努力をしていくというところに一番の観点を置きながら仕事をするべきものであるというふうに考えます。
○若林秀樹君 今、資質ということでお伺いしたということですが、次に外交活動そのものについて、どんな実感というんでしょうか、意義、役割をこの半年間に感じられたでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 時代の、今回のテロリズムを見ましてもそうですけれども、価値観が多様化していて、二十一世紀、二十世紀から時系列的にはもちろん続いているわけですけれども、世の中の価値観が非常に、今も男女別姓どうかという話もありましたけれども、世界的な外交の面で見ましても変化が極めて激しくて、そしていろいろな価値観があります。それがスピードが非常に速いために、意思決定をするためのコンセンサスのプロセスというものが極めて大事になってきているというふうに思います。 その中で、ITもありますし、航空機その他の移動の利便性の発達ということもありまして、非常に短い時間に密度の濃い接触、情報の発信をお互いにし合えるという状況の中にありますので、非常に集中力と、それから決断力といいますか、そういうものが求められる、緊張を強いられる立場に、各国の方たちがそういう立場におられるというふうに、政治の責任者はすべてそのように感じています。
○若林秀樹君 まさに今おっしゃったところは外交の重要性というのを非常に感じるわけでございますし、グローバル化が進展すればするほど経済と密接不可分なのが私は外交じゃないかなというふうに思います。 その上で、外相が就任時におっしゃられたことを私は非常に覚えているんですけれども、これからは外務大臣が世界を飛び回るんじゃなくて、ファクスやメールで済ませるんだったらそうした方がいいんじゃないかというふうにおっしゃっていました。 最近はどうでしょうか。国連総会へ行きたい、G8会合に出たい、パキスタンは本当に行きたいという意味では、当初のお考えを変更になったんでしょうか。それとも会うということの重要性を感じたんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ファクス、メール等でというのは、着任したときに大変多くのメディアの前で聞かれまして、そのように思いましたけれども、それは今までの外交担当者や総理経験者の方たちを拝見していて、ああそれで済むのかなというふうに思っておりましたけれども、現実になかなかそんなことではなくて、実際になってみますと、おなりになれば、委員もきっとそのうち外務大臣におなりになると思いますので、おわかりいただけると思いますが、すごい量ですね。 私は、歴代の外務大臣が短命と、内閣が短命ということもあるかもしれません、命が短いというふうな、過去ですよ、過去において安倍外務大臣も、ほかの外務大臣経験者の皆さんもお体を悪くなさったりしているのも、本当に優秀な方たちがこうなるのも、これだけの量のものがいっときに来て、それをさばく判断していくということ、それはもう大変な圧力といいますか、集中力が必要ですね。 ですから、対面、ところができないこともあります。絶対行かなきゃいけないような国連総会、G8があっても、国会審議があるからということで、もちろん国会審議は大事でございますからこうやってとどまっておりますけれども、実際にその後電話で、その前も行けないという電話をかけなきゃいけない。あちらからも招待状が来る。その後の結果も、パウエルさんも電話を下すって、ニューヨークでこうだったと。日本から代表はもちろん行きましたけれども、役所の方や宮澤前総理も行かれました、元総理。しかし、やっぱり連絡は下さる。もうそれは時間差はなしですね。それから、テロリズムが起こったときもそうです。今回の飛行機のときも、テロでもなくても即に夜中じゅう役所から電話が全部来ますし、その対応、その結果を私がすぐパウエルさんにかけて聞くとか、もう常時ですね。 ですから、そういうメールもファクスももちろん使いますけれども、対面できなくても、やはりそういうときはそういうものも機能するし、それからきのうの夜も、ルーマニアのこちらに来られていた上院の議長さんがその後表敬に来られるとか、もう本当に分刻みでございます。
○若林秀樹君 今の御答弁の中で、当初の考えは変更せざるを得ないような状況に遭遇したということで、改めて会うことの重要性も感じられたというふうに思います。 その意味で、この半年間、相当外相はいろんな要人の方に会われたんだろうなというふうに思うわけでございますが、ちょうど就任して半年間の会談数をちょっと調べさせていただきました。これは一般情報ですから、オープンになっている情報ですので丁寧に拾えばできるんですけれども、河野前大臣の最初の六カ月間と田中外務大臣の着任後六カ月間の会談数を調べさせていただいたところ、これは現職の閣僚級以上です、いわゆる首相とか大統領も含みます、あるいは国際機関の長も入りますけれども、河野大臣が半年間に会われたのが三十九件、そして田中大臣は十二件でございました。まさに、これは三分の一以下でございまして、じゃその分要人が来ていないかというとそうじゃなくて、両副大臣が会談された件数が二十九件、これで合わせてやっと河野大臣の件数に合致するということでございますので、非常に私はびっくりしています。 なぜ、杉浦副大臣だけで二十件も会談しているわけですから、外相が会わなくて何で杉浦副大臣が閣僚級と会わなきゃいけないのか、これ自体も不自然でございます。私は外務の副大臣が副大臣に会うというのはいいんですけれども、やっぱり閣僚級以上の人であればプロトコル上同じランクに会うというのは基本的なことですから、私はこういうことを見ても、私はやっぱり日本に特別な目的を持って来られたにもかかわらず、田中外務大臣にお会いできずに帰られるという気持ちをやはりこれは外交上のマイナスではないかということをつくづく感じるわけでございます。 そしてまたもう一つ、会談の中でさらに会食というのがあるわけです。これはやはりせっかく外国から来られたという意味では、会食を交えながら会談するというのはこれはやっぱり非常に重要な機会だというふうに思いますけれども、河野大臣は十六件会食されていまして、田中大臣は何と一件でございます。これは半年ですからね、ですから十月の中旬ぐらいだったと思いますけれども。これだけ見ても、お忙しいとは思いますけれども、田中大臣が河野大臣より三倍もお忙しいというふうには思えませんので、この実態についてどう思っているか、まず御見解をお伺いさせていただきます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私もそのような御質問を委員がなさるということを聞いておりましたので、歴代の、河野大臣だけではなくて高村大臣からその前ずっと調べて、先ほどいただきました。その数字については一々申し上げられませんけれども、例えばお会いしているといっても本省ではなくて、国連総会等があるときというそのサイクルがありますね。そうしますと、自分がそこにいてどんどんといろんな国の方が会いに来てくださるということがございました。私も科学技術庁長官のときにそういう経験がございましたけれども、自分が一カ所に、国際会議に行っているときに次々と来られるんですね。そうすると、一回に二十、三十だあっとこなすということもあります。 ですから、どういうタイミングで会ったかということもありますし、それからほかの大臣のときにも副大臣がおられますので、ほかの副大臣は一切、じゃ、ほかの私の、この小泉内閣以前のときは全然会食も、会っていらっしゃらないかといったらそういうことでもないと思います。大臣がこうして、大臣がどうしても答えなさいと、国連、G8と同じように、そういうときにはやっぱり副大臣が外国に行かれるわけです。今もずっともう十日ぐらい植竹副大臣行っておられますから、そうすると、会う回数はどんどん、毎日会食ですから、朝昼晩やっていますから、ワーキングブレークファスト、ワーキングランチ、ワーキングディナーですから、回数どんどんふえるんですよ。 要は中身なんじゃないんですか。中身なんですよ。いかによい人間関係をつくって、先ほど申し上げたような外交の基本に貢献するか、そして人が判断することで、今の進捗状況の中でもって、駆けっこもそうですけれども、走っている最中に何着、何着かわからない。最後まで行かないとわからないということもお考えいただければと思います。
○若林秀樹君 私、申し上げている件数は日本での要人との会見数ですが、外国のはもう向こうの大臣とはそれはやっているわけですから、そういうことでまずお考えいただきたいというふうに思います。 私は、やはり中身といえどもまず会うということが重要じゃないでしょうか。やっぱり一国の、どんな小さい国も、途上国もやっぱり外相だったら外相のプライドがあるわけですから、それを、目的を持って来られるのに、それを自分のスケジュールをおいておいて副大臣とか政務官に任せるということ自体が、私は外交をないがしろにしているというふうに思いますけれども、どうでしょう。
○国務大臣(田中眞紀子君) 例えば、WTOですとかASEANとかARFとか、そうした国際会議のときにはいろいろな国の、途上国であれ、あらゆる国の方と……
○若林秀樹君 日本に来た要人との件数で比較しているだけですよ。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、日本に来ることだけが外交じゃございませんで、こちらが出ていってお会いすることもあります。
○若林秀樹君 いずれにしましても、日本に来ている方に対してお会いされていないということを指摘しているということで、その会わないということが私は外交活動のマイナスになっているのではないかなというふうに思います。 例えば、五月に今アフガン情勢で非常に重要なタジキスタンの大統領が来られました。これは、外務省に来て外相のところに来られたんですけれども、結果的には副大臣が応対しているわけですよね。あのとき会っていればいいというのが外交には通じないので、やっぱり日ごろの日常的な積み重ねをきちっとやるということが私は外交活動の基本だということでございますので、先ほど一〇〇%自分の仕事を外務省の仕事にかけているというふうにおっしゃいましたけれども、それほど忙しいのであればもっとほかの仕事をやられた方がいいんじゃないでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一度外務省にいらっしゃるとよくおわかりいただけると思うんですが、来訪者も同時にいろいろな国から日本の外務省に面会に来られておられまして、同じ時間に一人の人が同時に会うのはそれこそプロトコル上も失礼になりますので、そういうこともあって、副大臣とか、それから政務官もやっておられますね。ですから、それはもう大変な量でございまして、その中でもって何が優先かということは役所と、事務方とも協議をし、そして副大臣も政務官も担当の地域というのを割り振っておられます。ですから、そういうルールをよくごらんになって御理解をまずいただきたいというふうに思います。
○若林秀樹君 いずれにしましても、河野外務大臣並みにお会いされているんだったらそういう理由はつくと思いますけれども、会っている回数が十二件ですから、もう動かしがたいこれは事実でございますので、これからは要人等が来られたときにはしっかり対応されるということをお約束していただけますでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 数だけたくさん会えばいいのではなくて、同時に三カ国というアポイントも入っておりますので、そういう場合にはやはり手分けをせざるを得ません。そして、それは今、大臣がだれに会うことが大事かということも、事務的な判断であったり、そのときによって内閣であったり、そういう形でもってお目にかかることもございますので、今ここで確約をするというわけには残念ながらまいりません。最善を尽くしまして、対面でもあり電話でもあり、そのほかバイでありマルチであり、外国であり、あらゆるときを使いまして最善の努力を傾注するということはお約束申し上げられます。
○若林秀樹君 そういう意味では、また半年後に数を調べて再質問するかもしれませんけれども、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。 いずれにしましても、今のお話を聞いている限りにおきまして、本当に外相としての資質があるのかどうか非常に疑問な感じもします。やっぱり会うということに対して惜しみもなく積極的にやっていただくという姿勢がやはり大事じゃないでしょうか。 外務大臣が齋木人事課長を異動させようとされたときにおっしゃった言葉がありました。やはり適材適所がある、あの人にはもっとほかの活躍できる場所があるんだというふうにおっしゃいました。私はその言葉をそっくりそのまま田中大臣にお返ししたいと思います。私は、やっぱり田中大臣の持って生まれた才覚、能力、そして鋼のような性格をもってすれば、もっともっといろんな場所で御活躍できる場もあるのではないかというふうに思いますので、外相としての仕事をやりながらも、人気のある間に次の場も考えていただくことも必要じゃないかということを申し上げまして、次の質問に移りたいというふうに思います。 続きまして、経済と雇用の問題についてお聞きしたいというふうに思います。 雇用対策というのは、セーフティーネット、能力開発の整備も必要だというふうに思いますけれども、本道としての雇用対策というのは、やはりマクロとしての金融、財政を安定化させ、そしてまた産業を興し経済を活性化させるというのが私はもう根本的な解決策ではないかなというふうに思っているところでございます。 〔資料配付〕
○若林秀樹君 その意味で、まず今お配りしております最初の資料を見ていただきたいんですが、主要産業別雇用者数・完全失業率の年平均の推移でございます。このグラフの見方は三つポイントがございまして、一つは、平成四年の製造業一千三百八十二万人をピークに、この九月が一千百六十二万人ですから、ちょうど二百二十万人雇用者数が落ちているわけでございます。 二番目のポイントは、同じように失業率、これは棒グラフの方を見ていただきたいんですが、平成四年が二・二%、これを契機にずっと右肩上がりで上がり始めて、今この五・三%というところに来ているわけでございます。ですから、二百二十万人というのは率で合わせると約三%強ですから、この二・二に三・三、直接足すということはこれは無理がありますし、産業間の移動がありますけれども、私は、最大の要因というのは製造業の雇用者数が落ちているということがあるのではないかという思いでございます。 もう一つの三番目のポイントは、一方、建設業は平成四年四百九十七万人、この間、最近は減っておりますけれども、五百三十三万人、それでもプラス三十五万人ふえているわけでございます。そういう意味で、やはり国際競争力のある製造業がこれだけ落ちながら、一方、公共投資を毎年何十兆円と使いながら、雇用の維持をしながら、建設業が若干ふえているというこのこれまでの過去の状況に対しまして、これまでの政府としての予算の使い方あるいは政策に間違いがなかったかどうか、厚生労働大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(坂口力君) お答えを申し上げます前に、若林さんには、ちょうど七年前になりますが、第一回のデトロイトにおきます雇用サミットのときに大変お世話になりまして、御案内から通訳まで全部やっていただきまして、七年目でちょっとお礼を申し上げるのは遅くなりましたけれども、心からお礼を申し上げたいと思います。 さて、今このグラフを拝見いたしまして、なるほどと思いながら見せていただいているわけでございますが、確かに平成四年当時からこの製造業がずっと減り続けていることも事実でございます。 その建設業の方につきましては、この二、三年と申しますか、この二、三年は若干減りぎみになってきていることも事実でございますが、今まで公共事業が非常に多かったということもございますし、そして、民間レベルにおきましてもまだまだ住宅の建てかえ等もかなり活発に行われてきたということもありますので、こっちの建設業の方に多くの皆さん方が従事をしておみえになったことも事実でございます。しかし、こちらの方もかなり現在は厳しくなってきておりますけれども、まだまだ、しかし個人的な住宅をおつくりになっている皆さん方は続いておりますので、比較的、ほかの産業におきますのと比較をいたしますと、この建設業のところは今なお安定をしているということも言えるのではないかというふうに思っています。 しかし、こういう状況を踏まえながら、これからどういうふうに運営をしていくかということをこれから考えなければならないわけでございますが、やはり建設業のところと、建設、これは土木、建設両方入ってくるのかもしれませんが、そうした皆さん方のお仕事も今まで非常に多かった、その皆さん方がこれから今までほどにはいかない、ほかの部分に移動をしていただかなければならないことも私たちは考えなければならない。とりわけ、地方におきまして土木、建築というのは非常に今まで盛んでございましたから、地方におけるその皆さん方のかわるべき産業をどうつくり出していくかということが最大の課題であるというふうに思っている次第でございます。 そうしたところを、この循環型社会等においてどれだけそれを埋めることができるかとか、そうしたことも含めて今検討をいたしているところでございます。
○若林秀樹君 政策がどこがおかしかったかどうかという言及が余りなかったかというふうに思いますが、次に、経済産業副大臣にそれに関連してお聞きしたいと思います。 二枚目の資料でございまして、「製造業の「国内雇用者数」と「海外現地法人従業者数」の推移」ということでございます。今申し上げましたように、国内の製造業は落ちている。しかし逆に、海外の日本の資本が入った現地従業員数は逆に倍増以上にふえているという状況でございます。これは平成十一年度ですから、十二年度、十三年度、さらに加速度的にふえていますから、もっともっとこの差は開いているんではないかなというふうに思います。 そしてまた、中国が二・六万人から五十一万人ということですから、この短期間に二十倍にふえているということで、さらにこれも加速度的にふえているということです。 いずれにしましても、製造業が減っている状況でございますけれども、国際分業はこれからも進みますし、産業構造の転換は否定しないわけですが、製造業の位置づけとこれから我が国が目指す雇用構造をどのように考えているかということを逆に副大臣の方にちょっとお伺いしたいと思います。前のページの資料と関連をあわせて、ちょっとそのお考えを伺いたいというふうに思います。
○副大臣(大島慶久君) 若林議員にお答えをいたします。 製造業が非常に日本の経済産業にとって重要であるということはもう議員御指摘のとおりかと思います。その上で、新たな産業の発展により十分な雇用機会が創出され、こうした成長産業へ円滑に労働移動が進んでいくこと、こういったことが我が国経済の活力ある発展のためにも今後は特に極めて重要であるというふうに認識をいたしております。 このため、新規改革や開業、創業のための環境整備を行いながら、新たな市場、産業の創出を図るとともに、民間も活用しながら、能力開発に対する支援、求人求職情報の積極的な提供を行うきめ細かな職業相談だとか職業の紹介などを行い、雇用のミスマッチ解消と就業の円滑化に積極的に取り組んでいくことが重要かと思っております。 こうした認識をもとにいたしまして、今般の総合雇用対策において、新市場、新産業の育成による雇用の受け皿の整備、あるいは雇用のミスマッチの解消、セーフティーネット整備を一体的に実施することといたしております。これらの施策を速やかに実行に移し、規制改革の推進による雇用創出や労働市場の構造改革を進めるなど、雇用対策に万全を期してまいりたいと思っております。 いずれにいたしましても、製造業の重要性を考えながら、新しい分野を一生懸命支援をして日本の産業育成に努めてまいりたい、こんなふうに思うところでございます。
○若林秀樹君 関連でまた副大臣にお聞きしたいと思いますが、いずれにしましても、もうちょっと違った聞き方をすれば、製造業の雇用者数減をどこで食いとめて、その分何で吸収するかという、もう少しの具体策が私は必要じゃないか。四分野、いろいろありますけれども、どれだけ、新しい四分野、ほかの分野でこれを吸収し、やっていくかということが必要だと思うんです。言い方を変えれば、我が国日本が何で飯を食っていくか、何で外貨を稼いでいくか、そういうものの私はやっぱり国家戦略がないんじゃないかというのが、日本が最大の、やっぱり今国民の方がフラストレーションを感じている部分ではないかなというふうに思うわけでございます。 そういう意味で、もう少し具体的にお答えいただきながら、さらに製造業を下支えするための対策についてお伺いしたいと思います。既にITとか云々というのはありますが、もっと具体的にお答えいただければありがたいというふうに思います。
○副大臣(大島慶久君) グローバル化が大変進展をしておりますし、各国間での競争が激化をしている中でございますから、我が国の強みとする製造業、それに付加価値等を通じて一層発展をさせる。従来型の製造業のあり方ではなく、我が国がもう強みとして持っている技術なんかを生かしながら、今申し上げました高付加価値をつけていく、こういうことが中長期的に不可欠であろうと、こんなふうに考えております。 その際、今、議員も御指摘いただきましたけれども、ITを初めとする技術革新や環境問題、こういった新たな社会ニーズに対応した新たな事業展開を促進していくことが極めて重要であると思っております。 具体的にという今お話しございました。これまでの我が国の製造業の発展において、技術の蓄積が重要な役割を果たしてきたことは事実でございます。そういった事実を踏まえながら、民間の研究開発に対する支援あるいは大学発のベンチャーなど独創的な技術を用いた新事業の創設やライフサイエンス、あるいは情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四分野への研究開発投資、そういった重点化を図ることにより産業競争力の強化に努めてまいりたいと思っております。
○若林秀樹君 今のお話を聞いている限りにおいては、まだまだ説得力がないかなという感じがしますし、どれだけその四分野等で雇用を吸収できるかというところが描き切れていないということだというふうに思います。 私は、国家戦略というのは、やはり相手があって日本があり、そのために勝てる作戦計画をいかに立てるかということでございます。そういう意味で、その相手というところの一つにやはり中国という国があろうかと思います。 それでまたお聞きしたいのですが、WTOへの中国加盟の流れが決まったようでございますので、これで貿易・投資の自由化が加わり、中国の世界の工場化という流れがますます強まるというふうに思いますが、これにはプラスとマイナス両方あると思うんですけれども、我が国経済の、そして雇用への影響をお答えいただきたいと思います。
○副大臣(大島慶久君) 今、議員が御指摘のように、この問題は確かにプラスとマイナスがあるわけでございますけれども、このたびの中国のWTO加盟による世界及び我が国経済に対する影響といたしましては、まず第一に中国の関税引き下げ、あるいは輸入数量制限の撤廃、サービス分野の自由化等による市場アクセスの改善によって対中貿易・投資が拡大する、こういうメリットがあると思います。 二番目には、アンチダンピング、あるいは知的財産権の保護、そしてまた基準、承認等のさまざまな面で国際ルールに基づいた透明かつ無差別な制度が整備あるいは運用されることにより、中国のビジネス環境が改善されるわけでございますから、さらなる対中投資が促進されるというふうに見込んでおります。 三番目には、通商関係の問題が生じた場合、共通の国際ルールのもとで解決を図ることができる、こういうふうになるわけでございますので、そういった面ではプラスかと思っております。 一方で、デメリットもあるわけでございますが、我が国の産業空洞化を引き起こすのではないかとの御質問、そういった面も確かにあろうかと思いますが、産業の空洞化については国内でもいろいろと議論がございます。今回の中国のWTO加盟は、中国という巨大なマーケットが出現することになります。そして、輸出も増大をするなど一概に我が国の空洞化問題につながるものではない、こんな認識をいたしているところでございます。 ただし、近年、我が国製造業は賃金やコストの内外価格差等に対応して、海外への進出、移転が続いていることは事実でございます。国内の雇用の減少などの影響が懸念されているのも事実でございます。 いずれにいたしましても、我が国においては魅力的な国内事業環境の整備を行うとともに、情報化投資による企業の生産性の向上、あるいは重点分野における研究開発の効果、そして独創的な技術を用いたベンチャー企業の創出等を促進することによりまして産業の空洞化問題にも対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○若林秀樹君 プラス面をより拡大化する方向でぜひ御検討いただきたいなというふうに思います。 続きまして、坂口大臣にお伺いしたいというふうに思います。 まず、企業に対する雇用助成制度の現状と課題ということについてお伺いしたいと思います。 これまでの助成制度の消化を見ますと、せっかくいい予算をつけても消化し切れていないという状況でございます。例えば新規・成長分野雇用創出特別奨励金につきましては、二年たってもいまだに二〇%そこそこの消化でございまして、私はやっぱり企業というのは、助成しなくても、雇用しているということに対して結果支給で後追い的なお金の使い方になっているんではないか。そういう意味では必ずしもやっぱり効果的ではないのではないかと思いますし、もっともっといいお金の使い方があるんじゃないかなというふうに思いますが、この助成金の活用状況とその課題についてどう認識されるか、まずはお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 旧労働省、すなわち現在の厚生労働省としてやっております助成金というのはたくさん実はございまして、もう少しこれは整理していかなきゃならないと私も思っておるわけでございますが、雇用保険いわゆる三事業と言われておりますものの中で、平成十二年度の失業予防ですとか雇用機会の創出でありますとか雇用の安定を目的といたします助成金の支給額は全体で二千七百億円でございます。予算額としましては三千六百億円でございますけれども、これはほかの部分も入っておりますからそうなったわけでございます。 代表的なものとしましては、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が休業等を行った場合に支給しますところのいわゆる雇用調整助成金でございます。最もポピュラーなものでございます。これが二百四十億円。それから、高年齢者それから障害者等の就職が特に困難な者を雇い入れた事業主に支給いたします特定求職者雇用開発助成金、漢字がたくさん並んでおりまして、覚えるのもなかなか難しいわけでございますけれども、特定求職者雇用開発助成金、これが八百八十億円ございます。それから、中小企業が創業、異業種に進出をしましたことに伴いまして労働者を雇い入れました場合に支給します中小企業雇用創出人材確保助成金というのがございます。これが七百三十億円を出しております。 こうした助成金は、雇い入れをしました後、労働者を一定期間雇用した事実を確認して事業後に支給するなど、定着状況にも着目をした運用を行っておりまして、労働者の失業の予防それから雇用機会の創出に一定の効果を上げているというふうには思っております。しかし、先ほど申しましたように、かなりきめ細かくやっているということもございますけれども、助成金がかなり煩雑になってきて非常に数もふえてきているということもございまして、もう少し整理をし、そして現状に合ったものにやはり改革をしていかなければならないというふうにも思っている次第でございます。 例えば、障害者につきましては、雇い入れの助成金の支給とあわせまして職場定着指導を行いますと同時に、フォローアップにも今努めているところでございます。例えば特定求職者雇用開発助成金につきまして調査をしてみますと、雇い入れ一年後の定着状況は八〇%、二年後では七一%、こういうふうに少し落ちてきているということも事実でございます。
○若林秀樹君 今おっしゃられましたように、非常に種類が多いんです。例えば、平成十年一月の連合大阪と関西経営者協会の調査によりますと、その時点ですから今は変わっていると思いますが、約五十も雇用の助成制度があります。 やはりこれは財源とか法的根拠により区別されるというのはわかるんですけれども、これはもう行政側の理由であって、使う側から見ればほとんどもう煩雑にして、行くところは違いますし、本当に意味ないわけですよね。私は、今、整理されるというふうにおっしゃいましたけれども、もう一回、この五十もあるような雇用助成をもうちょっと大ぐくりにする、そして申請もまたこれは一本化できないでしょうか。きのうはハローワークと能力開発の問題等が出ましたけれども、ワンストップセンターじゃないですが、そこへ行けばもう雇用のことがすべてわかるというようなものにやっぱりすべきじゃないでしょうか。 そういうことについて、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 平成十年に、いや本年ですね、本年の十月にこの見直しを行っているわけでございますが、それまでは六十一助成金があったわけでございます。それで、本年十月の一日からこれを三十九に再編成をした、まだしかし三十九あるということでございます。 しかし、これ、こういう雇用状態になってまいりまして、そしてきめ細かくやろうと思いますと、また新しいのが出てくるわけでございまして、そこもなかなか難しいところでございますけれども、御趣旨は十分に尊重を私たちもして、そして同じようなものはひとつ、難しいことではなくて、もう少し国民の皆さん方から来てわかりやすいような状況で提供しなきゃならないということが一番肝心なことだというふうに思っておりますから、鋭意努力をしたいと思っております。
○若林秀樹君 済みません、まだまだ質問いっぱいあったんですけれども、時間がだんだんなくなってきておりますので、一、二問まだお伺いしたいと思いますが、環境対策と雇用ということで、まず武部農水大臣と扇国土交通大臣にお伺いしたいと思います。 要は、これまでは公共事業というのは結果的に自然を破壊してきたというふうにありますけれども、これからはやっぱり自然を再生するような公共事業も逆にもっとあってもいいんではないかなというふうに思います。そのときにやはり生態系の問題がありますから、各省庁がばらばらでやるのではなくてやっぱり連携をとってやっていくということが必要だと思いますので、まず御見解を両大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○委員長(真鍋賢二君) 時間が参っておりますので、そのつもりで。
○若林秀樹君 それじゃ、そういう意味では環境大臣にもあわせてお伺いしても、三人の大臣に。
○国務大臣(武部勤君) 全く委員に同感でありまして、私ども、農林水産大臣に就任時、「食料の安定供給と美しい国づくりに向けて」ということを掲げて、農林水産公共事業についても、循環型社会の構築や人と自然の共生に寄与できる、そういう環境を創造するタイプの事業に大転換していこうということを試みまして、平成十四年度以降も新規採択事業はすべて環境創造型事業への転換をするということにいたしました。 環境省との連絡会議も新たに設置いたしまして、連携方策の方針決定や情報交換を行うこととしております。自然環境再生型公共事業の実施に向けた共同調査を推進するなど、環境省との連携には特に力を入れておりますし、国土交通省とも連携を図って、今後、自然と共生する社会の構築に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
○国務大臣(扇千景君) 若林先生、漁業、林業、農業、漁業は別としても、特に林業には精通していらっしゃいますけれども、私たちは、二十世紀公共工事は私はハードだと申しております。二十一世紀はソフトの世紀に公共工事も転換していかなけりゃいけない、それが、私は、環境問題も加味したという意味でソフトの公共工事に転換しようというのが私の大きな願いでございますし、また現実的に、ことしの五月でございますけれども、小泉総理が所信表明演説の中でもおっしゃいました、お聞きになったと思いますけれども。その中で、総理が主宰なさいまして、二十一世紀「環の国」づくり会議、これをおつくりになりまして、もう既に何回もしておりますけれども、その中で、自然と共生する社会というのを実現していこうということで、ここに担当の環境大臣もいらっしゃいますけれども、私もメンバーに入れていただきまして、一緒に公共工事の、今後、例えば河川でも、蛇行した、直線ではなくて蛇行した川にしていこう、そして緑をという、そういうことを、現実的にソフトに変換していくということを実行しております。
○国務大臣(川口順子君) 自然再生ということでございますけれども、これは生態系を重視するということが非常に大事でございまして、これを総合的に考えていく必要があるわけです。川も森林も非常な微妙な関係になっている生態系を一緒に考えるということが大事でございますので、各省連携をして政府一体とした取り組みが必要でございまして、環境省といたしまして、各省が共同で事前調査や基本計画策定を行うための調整費などを平成十四年度予算で要求をさせていただいております。国土交通省、農林水産省、あるいは地方公共団体やNGOの方々と連携をして、このプロジェクトを進めていきたいというふうに考えております。
○若林秀樹君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で小宮山洋子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、魚住裕一郎君の質疑を行います。魚住裕一郎君。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 きょうは、十四分いただいておりますけれども、全体を考えながら約十分間ぐらいでまとめていきたいなと思っておりますが、まず、けさの新聞にも載っておりましたWTOの閣僚宣言採択ということで、武部農水大臣におかれましても、けさ日本にお帰りになったということで大変御苦労さまでございました。 それで、今回の新ラウンドに向けまして、日本としてどのような姿勢で臨み、またどのような成果を上げたのか、わかりやすく総括をしていただきたいと思いますが、農水大臣とそれから経産省の副大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(武部勤君) 院の御協力をいただきましてドーハに行かせていただきまして、第四回WTO閣僚会議に出席させていただきましたことをまず感謝申し上げたいと思います。 今回の閣僚会議におきましては、閣僚レベルによる調整の結果、幅広くバランスのとれた項目を交渉対象とする新ラウンド立ち上げのための閣僚宣言が採択されたと、かように認識しております。これによりまして、既に開始されている農業交渉は新ラウンドの一部として他の分野とともに一括して合意されるものとして位置づけられたわけでございます。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 閣僚宣言のうち、私ども心配しておりました農業関係について、ケアンズ諸国の主張であります農工一体論や非貿易的関心事項への限定条件は避けられたわけでございます。農業交渉の結果を予断すべきでないとの我が国の主張が受け入れられたと、このように評価しております。また、林水産関係につきましても、持続可能な開発の目的が明確に位置づけられました。地球規模の環境問題や有限天然資源の持続的利用法を踏まえた議論が可能となり、総じて満足すべき内容であったと、かように考えております。 今回の閣僚会議におきましては、私ども、EU等友好国との連携を重視いたしまして、特に四十カ国の参加を得て非貿易的関心事項に関する閣僚会議をEU等と一緒になりまして主催させていただきました。極めてこのことも意義深いものであったと、このように思っております。 今回合意されました閣僚宣言を踏まえまして、今後行われる農業交渉及び林産関係の交渉において我が国としての主張を力強く主張してまいりたいと、かように考えております。
○副大臣(大島慶久君) 魚住議員にお答えをいたします。 今、武部大臣もお答えをいただきましたけれども、混迷する世界経済の中で、今回のこの新ラウンドの立ち上げは世界に対し極めて前向きなメッセージを送るものと、こういう認識のもとに、今回のWTO閣僚会議において、シアトルに続き二度目の立ち上げ失敗は許されない、こういう非常に強い信念のもとに臨まれたと聞いておりますが、我が省に関連いたしましては、本閣僚会議の成果、大きな成果があったというふうに認識をいたしております。 まず、鉱工業品関税引き下げ等の貿易の自由化、これは従来からやっておりますけれども、そういうことがございます。そして、大きな成果のまず第一番目といたしましては、アンチダンピングのWTOのルールの強化、そして投資ルールの策定、環境問題や電子商取引など、二十一世紀の諸課題への対応を含む幅広いアジェンダを内容とする新ラウンド開始に合意した閣僚宣言を採択をできたということでございまして、我々も心から喜びたいと、こんなふうに思っております。 とにかく、最終段階の閣僚折衝というものはほとんど徹夜状態であったというふうに我々もお聞きをしておりますので、非常に大きな成果が上がったんじゃないかと、こんなふうに思っております。 さらに、本閣僚会合におきましては、先ほども申し上げましたけれども、中国及び台湾の加盟が承認されたことも大きな成果であったと思います。WTOシステムが真に世界のものになることを歓迎したいと、こんなふうに思っております。
○魚住裕一郎君 今般のこの会議の中で中国それから台湾の加盟が承認されたわけでございますけれども、特に中国の参加に伴って、今、大島先生からも若干お触れになりましたけれども、特に農業に与える影響、また日本の産業、先ほども雇用に関してお話等もございましたけれども、産業空洞化ということも懸念されるところでございまして、再度、中国参加に伴う影響につきまして、農水大臣と経済産業副大臣に御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(武部勤君) 中国がWTOに加盟することによりまして我が国の農業にどのように影響があるか、あるいは農産物貿易にどのような影響があるかということにつきましては、両国内の農産物の需給動向、あるいは国際市場の動向、天候による各国の生産量の変化など、不確定の要因が多々あると思います。 したがいまして、現段階では見通すことはなかなか困難であろうと思いますし、いずれにいたしましても、中国の動向についてはしっかり注視していかなければならないと、かように考えております。 また、我が国は、既に中国に対してはWTO加盟に対するのと同様の最恵国待遇を供与しております。したがって、我が国が中国産品に適用している現行の関税等の国境措置については変更する必要はございません。 当面、中国のWTO加盟に伴いまして農産物貿易に大きな変化はないものと、このように考えておりますが、いずれにいたしましても、今後引き続き十分に注視してまいりたい、かように考えております。
○副大臣(大島慶久君) お答えをいたします。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 とにかく中国は世界の人口の五分の一を有する大国でございますから、経済的にも非常に地位を占める中国の加盟、まさにガットあるいは現在のWTOの歴史においてもこの加入ということは一つの大きな節目をなした出来事であると、こう認識をいたしておるわけでございますが、中国の加盟はWTOが一層普遍的な機関となる、そして多角的貿易体制を強化する観点から大きな意味を持つとともに、我が国との経済関係の深化にも資するものと考えております。 具体的には、先ほどの答弁と重複をいたしますけれども、中国の関税の引き下げ、そして輸入数量制限の撤廃、サービス分野の自由化等による市場アクセスの改善によって、対中貿易・投資が大きく拡大するものと思っております。そして、アンチダンピング、知的財産権保護、基準、承認等さまざまな面で国際ルールに基づいた透明かつ無差別な制度が整備、運用されることにより、中国のビジネス環境が改善され、さらなる対中投資が促進をされる、こんなふうにも考えておりますし、通商関係の問題が生じた場合、共通の国際ルールのもとで解決をすることができるということは従来のシステムから大きく前進である、こんなふうに考えているところでございます。
○魚住裕一郎君 農業関係なんですが、WTOに関連して、やはり貿易という観点からネギとか生シイタケ、畳表ですか、十一月八日までセーフガードの暫定発動という形になりました。それは期間を過ぎてしまったわけですね。 それに対して中国側からは、六月二十二日ですか、自動車とかエアコンとか携帯電話、特別関税が一〇〇%乗せられたということでございますが、発動期間は終了したわけでございますが、現時点でどういう状況になっているのか、農水副大臣、教えていただきたいと思います。
○副大臣(野間赳君) 魚住議員にお答えを申し上げます。 三品目につきましては、秩序ある輸入を確保する方策につきまして中国と粘り強い交渉を行っているところでありまして、早期に合意に達するよう努力をしているところでございます。 十一月九日以降の輸入量につきましては現段階では明らかになっておりませんが、政府といたしましては、中国との協議期間中に輸入急増があれば機動的にセーフガード確定措置を発動することといたしております。このため、毎週三品目の輸入動向をモニターすることといたしておりまして、具体的には財務省が輸入申告データを一週間単位で集計をしまして、輸入量を集計終了後、数日のうちに公表するといたしております。
○魚住裕一郎君 この中国との協議でございますが、昨年の十二月二十二日に政府の調査が開始されましたので、十二月二十一日までとにかく決着をつけなければいけない、そして小泉総理と江沢民さんとの会談で、とにかく話し合いということで今やっているというふうに伺っているわけでございますが、この期間内に何とか決着をつけ得るのか、その辺の見通しにつきまして農水大臣の御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) ドーハにおきまして十一月十二日に、平沼経済産業大臣とともに石広生対外貿易経済合作部長とネギ等三品目に係るセーフガードの問題について会談を行いました。 通訳が英語、中国語、日本語と、こういうことでありますので、結構意思の疎通を進めていくのに時間もかかりましたが、およそ一時間半という時間でございましたけれども、私ども会談におきましては、当方から、今後ともネギ等三品目の秩序ある輸入の確保が不可欠である、日中両国が需要の状況について共通の認識を持った上で貿易水準でありますとかその実効性の確保についてしっかり話し合いを促進すべきでありまして、この協議期間中、輸入が急増しないということが話し合いを信頼関係に基づいて建設的に進めていく最も大事な要点であるので、このことについての当方の立場を申し入れた次第でございます。石対外経済合作部長の強力な御指導を願いたいと、かようなことを申し上げた次第でございます。 これに対しまして中国側からは、中国側も困難な状況にある等の発言もありましたが、私は、もう国会において両院で、農林水産委員会で引き続き確定発動せよとの決議などもいただいているんだと、それから輸入が急増した場合には、これはもう信頼関係が損なわれるので継続して協議するというのは困難になりますよと、このことについては駐日大使にもお話ししているところです。もろもろ率直にお話をさせていただきまして、結果、石大臣と平沼大臣と私、三人がしっかり力を合わせて話し合いで決着すべく、もう最大の努力をしようじゃないかということで双方合意した次第でございます。 日本の国内事情が困難な状況に置かれているということの一定の理解も得たと、かように考えているわけでございまして、直ちに政府間の協議を行うように求めました。これを受けまして、今後速やかに政府レベルでの協議を行うことといたしまして、具体的な日程は外交ルートを通じて調整中でございます。 いずれにいたしましても、国会の御意思なども踏まえまして、私どももうしっかり対応してまいりたいと、このように考えております。
○魚住裕一郎君 余り時間がないわけですから、しっかりやっていただきたいというふうに思っております。 次に、狂牛病に関連してでございますけれども、一生懸命農水省また厚生労働省取り組んでいただきまして、ともかく全頭検査をするということ、また肉骨粉についても現在全部焼却をするというような体制をとっているところでございますが、一方で、肉骨粉というのは、狂牛病にかかった牛だけではないわけで、死亡してしまった牛も肉骨粉にしている、それが年間十六万頭ぐらい出ているというような話のようでございますけれども、その中でもまた検査もするのは年間四千五百頭ぐらいでしょうか、抽出的に検査をするという。 現時点は、全頭、肉骨粉全部焼却するという形になっておりますが、体制が整備されて安全性がもう確保されたという後、また肉骨粉、マーケットに出回るようになれば、今、死亡牛はいわゆる危険部位を含めて全部区別なく肉骨粉になっているわけですね。だから、非常にまたその部分で危ないんではないかというような懸念を抱いてしまうわけでございますけれども、今後それはどういうふうに取り組んでいくか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思いますが、これは農水副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(野間赳君) お答えいたします。 今回の事態を踏まえまして、BSEの摘発体制の強化を図るために農場段階におきますサーベイランス体制を強化をしてまいりました。具体的には、BSEを疑う症状や中枢神経系の症状を示します生きた牛または中枢神経症状を示して死亡をしました牛に加えまして、二十四カ月齢以上の死亡牛のうち、年間、申されましたように四千五百頭を対象といたしましてBSE検査を実施をしていくところであります。BSEの有効な摘発が可能とこれで考えられております。 このような体制を整えて実施をいたしておるところでありますが、さらに今後この体制を全頭検査を含めまして強化することにつきましては、死亡牛からの検体の採取、検査体制、死亡牛の検査終了までの取り扱い等の一連の検査システムのあり方を含めて検討をいたしていく必要があろうかと考えております。
○魚住裕一郎君 ぜひ不安が出ないようにやっていただきたいと思っております。 今般、BSE問題に関する調査検討委員会というのが設置されたようでございます。厚生労働省と農水省で一緒になって検討するということでございますが、狂牛病を疑われた牛を焼却したのかどうかというその辺の情報の交錯を含めて、非常に不信感、不安感というのが醸し出されたところでございますが、今回の調査検討委員会については行政対応上の問題とか検討されると思いますが、まずこの検討委員会の趣旨、目的について農水大臣、御説明をお願いいたします。
○国務大臣(武部勤君) その件にお答えする前に、死亡牛がレンダリングにされているのか、肉骨粉として出回っているのかということについては、誤解を与えてはいけませんのでもう一度私から申し上げますと、死亡牛については直接またはレンダリング処理後に肉骨粉として焼却されることもございます。しかし、食肉としても飼料原料としても出回ることがないということは、今、委員が前段お話しいただいたとおりでございまして、週刊誌等には、死亡牛が肉骨粉になって、これが出回っているかのようなそういう記事もございます。そんなことは断じてないということを改めて申し上げたいと思います。 それから、ただいまこのBSE問題に関する調査検討委員会の設置のことでございますが、これは、今、委員御指摘のとおり、BSEを疑う牛が発生いたしましてなぜこんな大きな問題になってしまったのかということについては、まず第一に、我が国はBSEは発生しないんだと、そういう非常に甘い認識ということがあったために、検査体制というものに対しての考え方が非常に甘かったと、不備であったということで、私どもはまず人の健康に影響を与えない体制づくりには全頭検査ということで厚生労働省と一体となってそういう体制をしきました。しかし、やはり国民の皆さん方の不信あるいは生産者の皆さん方の不信はなぜこういう事態が発生したんだということであります。そして、当初段階で混乱があったというのは縦割り行政ということが問題ではなかったのかと。あるいは、農林水産省は生産者サイドを重視して、食品の安全、消費者というものにしっかり目を向けていなかったという問題があるんじゃないか。さまざま国会におきましても、あるいはその他の場面におきましてもいろいろ私ども御批判を賜りました。 そういう観点から、国民の行政に対する不信を招いたことは遺憾にたえない次第でありますが、これをどのように払拭していくかということにつきましては、やはり過去にさかのぼりまして客観的な検証が必要であろうと。かようなことから、十一月六日に厚生労働大臣と私の私的諮問機関としてBSE問題に関する調査検討委員会を設置したわけでございます。BSEに関するこれまでの行政対応上の問題を検証いただくと同時に、今後の畜産・食品衛生行政のあり方についても調査検討を行うと、かように考えて最初の会合を十一月十九日に開催することとしている次第でございます。 本委員会においてどんなことを議論するかということについては、委員会の主体性というものを重視いたしまして、いろいろ御議論をいただき、幅広い視点から忌憚のない御意見を賜り、また御議論をいただき、御提言をちょうだいしたいと、かように考えている次第でございます。
○魚住裕一郎君 それで、この一連の問題の中で、どうしても国産牛の消費が回復してこないという問題がございますが、学校給食においてもまだまだ不安がっている。親からしてみれば、自分たちはもう牛を食ってしまったからしようがないけれども、少なくとも自分の子供はしっかり、プリオンなど、かからないようにしたいというのが普通の親の心情だろうというふうに思います。 千葉市においても、安全な供給体制は整ったということで来月から給食で使用を再開するようでございますし、また、きのう質問に立たせてもらいました渡辺さんの山形県では、何か県で助成金を出して給食費の超過分を助成するというような形で県産牛の消費を一生懸命やろうというような動きがあるようでございます。 文部科学省として、給食に使うということにつきまして、その安全性も含めてどのような体制で取り組んでおられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 十月十八日に厚生労働大臣と農林水産大臣からいわゆる安全宣言の談話が発表されましたが、そのことを受けまして、同日付で局長名の通知を発出いたしまして、各都道府県教育委員会等に対して、学校給食において牛肉の使用を自粛している学校については、保護者の理解を求めながら従前の取り扱いに戻すようにという指導をいたしました。 この通知を出しました直前の牛肉の使用状況については把握しておりませんけれども、九月末の状況といたしまして約三六%の学校、これ一万一千二百三校でございますが、こうした学校が保護者の要望等を踏まえて牛肉の使用を一時的に自粛していたと承知しております。 現在は、先ほどの通知を受けまして都道府県教育委員会が指導をして、それを受けた市町村の教育委員会が学校や保護者に対して牛肉の安全性と使用再開について周知徹底を図っている段階でございます。市町村や学校では十二月分以降の献立について今検討しているところでございます、学校給食は大体一カ月前ぐらいに献立を立てるものですから。その状況では、既に牛肉の使用を再開したり、再開の方針を決めた市町村がふえてきていると聞いております。 それぞれの都道府県におきましていろいろ御努力されているところも聞いておりまして、そうした保護者の理解を求めるため、地域の実情に応じて御努力がなされるということは大事なことだと認識しております。
○魚住裕一郎君 この狂牛病の処理体制の中で、肉骨粉の最終処理というのが一番大事かなというふうに思います。いろいろ残渣が残っていたらどうするのかという問題も出てくるわけでありまして、これは焼却をすると。そうすると、焼却炉の確保が大事であろうというふうに思っております。焼却炉も、一般ごみの焼却炉はかなり偏在をしているようでございますし、またそういう中でセメント工場等での焼却も考えているということでございますが、このようなセメント工場まで含めた一連のシステムというのはいつごろになって確立したものになるのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 最終処理といいますか、焼却は非常に大事でございまして、環境省が調べましたところでは、十一月十四日の時点でございますけれども、年間約十二万トン程度が受け入れ可能である、これは市町村等の廃棄物焼却施設によってということでございますが、という数字がございます。それで全部かといいますと、現時点で受け入れは可能であるけれども受け入れ量が未定であるという焼却施設がございます。それから、受け入れについて検討中の焼却施設が多数ございます。 ということでございますので、市町村の受け入れ量は今後さらにふえるということを私どもとしては期待をいたしております。 それから、セメントの方でございますが、廃棄物処理法で再生利用認定制度というのがございまして、セメント工場で廃肉骨粉をセメント原料として利用ができるという制度、認定されますとできるということでございますが、十月の十五日に所要の告示を行いました。現在、セメント業界でセメント工場で廃肉骨粉を受け入れて再生利用することについて技術的な情報等の確認のために処理実績のある欧州に調査団を派遣をいたしておりまして、この調査を踏まえまして来週以降に申請が出てくるということでございます。 という予定になっているようでございますので、環境省としてはこれを速やかに審査をいたしまして認定を行いたいと考えております。来週以降の早い時期にセメント工場での受け入れが開始されるであろうということを期待をいたしております。
○魚住裕一郎君 ぜひ万全の体制でお願いしたいと思います。 続いて、ごみの不法な投棄、焼却するんではなくして、最近多くなってきておりまして、特に千葉県とか回っていますと、本当に非常にすばらしい環境の奥はごみの山みたいな、そういう世界もございます。これは県別に見ても非常に千葉県多いなというのが実感でありますし、全県、県下約八百十カ所ぐらいそういう不法投棄場所があるというふうに数をもらっておるんですが、現在の不法投棄の現状につきまして、環境副大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(風間昶君) お答えいたします。 不法投棄の問題は、廃棄物処理においては大変重要な問題でございますので、環境省としましても対策を十分に練っていかなきゃならないというふうに思っておるところでございます。 まず、比較するために、ざっとですけれども、年間私たちが出しておる一般ごみは日本で五千万トンあるんです、一般ごみ。産業廃棄物として出されているのが四億トンあります。そして、平成十一年のデータでありますけれども、不法投棄として見つかったもの、見つかったものだけで四十三万三千トン、件数で千四十九件であります。これしかも、十トンダンプ、十トンとして見つけたものでありますから、十トン以下のものはこの中には入っていませんので、もう相当な量が不法投棄として発見されているというところでございます。四十三万三千トン。 そのうち、今、先生御指摘の千葉県が最も多くて、四〇%を占めております。十八万トンぐらいでございましょうか。したがいまして、千葉県は大変その対策に力を入れていまして、そのことを重視しまして、環境省としましても、千葉県ときょう本日四回目の会合でございますが、連絡協議会をさせていただきまして、不法投棄物対策のありようとそれから手法について検討させていただいているという状況でございます。 以上です。
○魚住裕一郎君 この不法投棄の問題は、不法投棄させないということがもちろん大事でありますけれども、今般のこの緊急地域雇用創出特別交付金、その中の事例として、新公共サービス雇用の具体例の中では、廃棄物が放置された場所等を明らかにしたごみマップの作成を進める。だけれども、ごみマップをつくられても全然意味ないわけで、これは撤去するという方向性に対処していかなきゃいけないと思うわけでありますけれども、この辺の取り組みについて環境省はどのような対策をお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられますように、捨てさせないということが大事でございますし、またごみマップをつくるだけでは十分でなくて撤去をしなければいけないということは、そういうことだと思います。 環境省におきまして、平成十三年度補正予算におきまして、不法投棄対策といたしまして、平成十年六月以前の不法投棄を都道府県が行政代執行で原状回復する場合に、その費用の一部を支援するための、原状回復措置推進費補助金という名前になっておりますが、を三十四億円計上をいたしております。 それから、片づけるだけでは十分ではなくて、どういうところにその不法投棄されたものがあるかということを見つけることも重要でございますので、IT機器を活用した不法投棄の未然防止対策といたしまして、GPSによる位置情報、デジタル画像情報及び文字情報を同時に送信できる携帯情報端末を全国の地方環境対策調査官に配備をいたしまして、不法投棄情報の迅速な伝達とそれから対策を可能とするためのシステムを整備するということで三億一千百万円を補正予算に計上をさせていただいているところでございます。
○魚住裕一郎君 ぜひ何らかの、大体、捨てたその関係者は逃げてしまうみたいなのが多いものですから、その対応をしっかりやっていただきたいと思っております。 それから、だんだん時間がなくなってきたんですが、COP7につきまして、今後の我が国の取り組み、それからアメリカがまだ参加をしていないわけでございますが、日本としてどうアメリカを引き込むかといいますか、その辺の引き込み策といいますか、アプローチ策につきまして御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) COP7における合意を受けまして、十二日、月曜日でございますが、地球温暖化対策推進本部を開かせていただきまして、そこで我が国として京都議定書の二〇〇二年締結に向けた準備を本格的に開始をするということを決定をいたしました。具体的には、京都議定書の目標を達成するため現行の地球温暖化対策推進大綱を見直すということ、それから次期通常国会に向けて京都議定書締結の承認及び京都議定書の締結に必要な国内制度の整備、構築のための準備を本格化するということでございます。 この決定を踏まえまして、温暖化対策推進大綱を見直し、目標達成のための道筋を明らかにしていくとともに、その進捗状況及び効果について評価、検証することも検討してまいりたいと考えております。それから、これらを含めまして、次期通常国会に向けて議定書締結の承認及び締結に必要な国内制度の整備、構築に総力で取り組んでまいりたいと思います。 それから、アメリカへの働きかけの件でございますが、今までも全力を尽くしてやってまいりまして、米国も、日本と米国が持っている二国間の環境のハイレベルの取り組みというのを高く評価していてくださっていますので、私どももこのチャンネルを初めさまざまなチャンネルを使って働きかけを続けていきたいと考えております。 以上でございます。
○魚住裕一郎君 産業界の中では、このCOP7によって国際競争力が低下してしまうんではないかというような懸念が出されているところでございますが、この点につきまして、経産副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(大島慶久君) お答えをいたします。 京都議定書の目的を達成することはまさに大切なことだと思いますが、今、魚住議員が御指摘のように、一方では、産業界への負荷がかかり過ぎてはいけない、こういう問題も確かにございます。そこで、この国内対策の検討に当たりましては、過度な負担を回避する、そしてその負担も公平なものとするように留意をしていくとともに、国際競争力など経済への影響を十分踏まえて、環境と経済との両立を目指すことをまず基本的に考えております。そして、温室効果ガスの排出量は経済活動と密接に連動いたしております。そのため、経済政策、そしてエネルギー政策と環境政策との三位一体で推進していくことが必要であると思っておるところでございます。 現下の厳しい経済状況にかんがみ、経済界の創意工夫を生かしながら経済活性にもつながる国内対策を進めるため、経済産業省といたしましては、省エネ対策等、エネルギー施策の充実、推進や技術開発の支援に積極的に取り組んでいきたい、かように思っているところでございます。
○魚住裕一郎君 これで最後の質問にしたいと思いますが、昨日の舛添先生ですか、いろいろテロ対応につきまして御質問をされておりました。その中で、アメリカにありますFEMAという組織の言及もあったわけであります。 テロあるいは災害対策という中で、いろんな大災害がしょっちゅう起きるものでもありませんし、いろんなタイプがある、だからそれに対応する人材も、ゼネラリストというかそういうものよりも、やはり危機対応の専門家をつくっていく必要があるのではないか。そういう意味では、アメリカにありますようなFEMAのもとのEMI、エマージェンシー・マネジメント・インスティチューション、そういう研修所がありますが、こういうものをやはり日本でもつくっていくべきではないかと思いますが、この点につきまして官房副長官の御答弁をお願いいたします。
○内閣官房副長官(上野公成君) 前に委員が青木官房長官に御質問をして、いずれ日本型のこういうものもつくっていかなきゃいけないということでございましたけれども、今のそのEMIでは、宿泊をして研修するのが四千人ぐらい、それから通学といいますか、行ってやるというのが年間十万人ぐらいでありますので、そういったものも考えていかなきゃいけないということでございます。 危機管理、ここのところ非常に、近年ですか、ここ一、二年、充実していかなきゃいけないというのはこれはもう御承知のとおりでありますし、一生懸命取り組ませていただいているわけであります。特に今、副大臣会議というのがこの一月からできまして、その中にこの危機管理のプロジェクトチームがございます。この中でもFEMAを参考にしながらいろいろ検討していこうというのが進んでおりまして、今まで三回やっただけでありますけれども、これを引き続きやっていくことになりますので、FEMAの中にこういうものがあるわけでありますから、そのことも踏まえて、またできるだけ日本型の、日本に合ったものをこれはいずれつくっていかなきゃいけないというのはもう青木官房長官も答弁していることでございますので、引き続き、なるべく早く実現するように検討をしていきたいと思っております。
○魚住裕一郎君 終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 衆議院、参議院のきょうまでの議論を通じて、小泉総理も竹中大臣も、景気が一段と悪化しているにもかかわらず、相変わらず構造改革なくして景気回復なし、また、だから構造改革をやるんだということを繰り返し述べてこられました。 昨日、十一月の月例経済報告が出たわけですが、さらに悪化ということが出ているわけですが、もう一度お聞きいたしますけれども、それでもほかに言うことは何もないんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 申し上げるべきことはたくさんありますけれども、その基本は、構造改革なくして景気の回復はないということだと思います。
○大門実紀史君 そういうことでありましたら、きょうは、構造改革論そのものに私は大変疑問を持っております。その矛盾といいますか、問題点そのものについてお聞きしたいというふうに思います。 まず最初に、あなた方が言われてきたセーフティーネット論でありますけれども、この予算委員会の議論を通じても百万人だとか五百三十万人という話が飛び交っているわけですが、最初に、内閣府が九日に発表されました百万人雇用創出プランについて伺いたいと思います。 この百万人雇用の各事業とそれぞれの雇用創出人数について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今御指摘いただきましたように、今回の雇用対策の効果につきまして、いわゆる予算措置の対象人員などから計算したところでございますが、今後約三年間でおおむね百万人の雇用創出ができるというふうに見込まれているところでございます。 その内容でございますけれども、一つは新公共サービス雇用、すなわち今回のいわゆる特別交付金等を含めての問題でございますが、これが五十万人強。そして、緊急雇用創出特別奨励金、いわゆる失業率が五%になりましたら全国行いますよと。全国的でない場合には五・四%でございましたか、今までも北海道でございますとか近畿でございますとか、これを行ってきたものでございます。これが十七万人分。それから、各種再就職支援措置というのがございますが、これが十九万人分。合計いたしまして約百万人分の雇用創出のできる予算措置をしたということでございます。
○大門実紀史君 小渕内閣のとき、九九年にも雇用創出七十万人プランというのが出ましたが、その実績がどうなっているか教えていただけますか。これはトータルで結構です。
○国務大臣(坂口力君) もう内容をそれじゃ省かせていただきましてトータルだけで申しますと、三十万人強というのが現状でございます。これは十三年度末というところまでになっていますからまだふえる可能性もありますけれども、現状のところではそういうことでございます。
○大門実紀史君 相当の開きがあると。七十万に対して三十万人ですから、半分以下というのが今までのこういう関連事業の実績ですけれども、今度の百万人というのはこういう実績を踏まえて実現可能な数字なのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これはその時々の経済状況によっても違うわけでございますし、そして、皆さん方の方でそういう要求がどれだけあるかということによってもこれは違うわけでございます。ですけれども、予算措置としてお申し出があればこれだけは用意をしておりますというこれは数字でございますので、このとおりになるということでは私はないというふうに思いますけれども、しかし、なるべくならば、こういうふうに用意をしたわけでございますから、できる限り御利用をいただければありがたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 この中の、緊急雇用創出特別奨励金等というのがありますけれども、細かく申しません。これは、今まで目標三十五万人でやってきたものが、実績が五万八千人というのが実績なんですね。どうしてこれで今後この部分だけで十七万人もふえるのかよくわかりませんし、次の事業の十九万人というのも新事業であって予算だけ組んだと。つまり、実績はどうなるかわからない。今、坂口大臣がおっしゃったとおり、そうなるかもしれないし、ならないかもしれないという数字だと思います。 ですから、私が申し上げたいのは、この公的雇用そのものがどうのこうのというわけではありません。我が党も要求してまいりましたし、助かる人もいらっしゃるわけですから。私が申し上げたいのは、内閣府が出したこの百万人雇用創出プランといいますかね、実績を踏まえないで、いかにも大ぶろしきといいますか、すぐ大きく大きく見せようという、そういう政府の姿勢が非常にこそくじゃないかと。こそくな、非常に今本当に失業で困っていらっしゃる方の逆なでする、何かぶち上げて大きく見せるというその姿勢について非常に問題だと思っているわけです。 これを発表されたのは内閣府ですから、竹中大臣、お答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 雇用といいますのは、基本的にはよく言われるいわゆる派生需要に当たるわけです。企業というのは、人を雇うために決して存在しているわけではなくて、売り上げをふやして利益を上げるために存在している、その過程において必要な人員を雇う、だから派生的に発生する需要である、それに対して政府が直接コントロールできるということはやはり非常に限られている、であるがゆえにその予測も大変難しい、そういう点は十分認識をしております。 今回、そういったことも、経験も踏まえて、綿密に予算を積み上げた厚生労働省と御相談の上、こういう数字を出させていただきました。特に、今回の百万人のうちの半分は公的雇用、直接の部分でありますから、これはいわゆる派生ではなくて直接政府がコントロールできるものでありますから、従来に比べて格段精度の高いものになっているのではないかというふうに思っております。
○大門実紀史君 精度なんか全然高くないじゃないですか。実績、先ほど申し上げたとおりじゃないですか。 私は思うんですけれども、これはどう見ても新規雇用とは言えないんですね。三年間に限って、しかも一人一人についていえば短期雇用で臨時雇用なんですね。今、失業で困っていらっしゃる方は、一番多いのが中高年でリストラされて定職を求めて、住宅ローン抱えたり家族抱えて大変な方なんですよ。そういう方が定職を求める場合は、この公的雇用はもうまさに皆さん方がおっしゃるとおりミスマッチなんですね。ニーズに合わないんです。それがどうして新規雇用創出と言えるのか、私、非常に不思議なんです。 内閣府というのは、この何年間で何万人というのがもう大好きなんですね。絶えずそういうふうに広げたがると。私は、もっと地道に誠実にこういうものを打ち出すべきだということを申し上げたいと思うんです。 骨太方針発表したときも、五百三十万人雇用と。構造改革で痛みが伴いますから、失業者がふえるから五百三十万人ふやすんだということをかなり大きく宣伝されました。また、十二日の予算委員会でも、きのうの参議院の予算委員会でも、小泉総理がテレビに出ているところで五百三十万人ふやすんだと胸張っておっしゃっているわけですよね。これも本当にそういうものなのかどうか、私、大変疑問を持っています。 五年間で五百三十万人ということは一年間で百万人以上ふやすという計算になりますが、これについて現状はどうなっていますか。
○国務大臣(坂口力君) 五百三十万人というのは努力をすれば生まれてくるものが五百三十万人ぐらいはあると、こういうことでございまして、百万人というのは予算措置をしたものが百万人あるということでございます。 したがいまして、これからこの五百三十万人の方はいろいろ規制緩和等を行いましてつくり出していくものでありますから、来年も、そこでその五分の一ずつにうまくいくかどうかは別にいたしまして、その目標に向かって我々は努力をすると、こういうことでございます。
○大門実紀史君 竹中大臣に伺いますが、これは内閣府が出された五百三十万人です。これ、フォローアップされていますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) この数字は、正確には経済財政諮問会議の専門調査会が独自の試算としてまとめたものであります。 フォローアップには二つの意味があろうかと思います。これは潜在的な労働需要がこれだけあるということを示している。その五百三十万人という数字は、八〇年代、九〇年代に現実にサービスでふえた雇用と比べるとそんなに過大なものではないだろうというのが基本になっている。 フォローアップの意味でありますけれども、一つは、これは潜在的需要でありますから、そのためには規制改革等々を行っていかなければいけない。その必要な政策がどのように行われているかということのフォローアップ、その意味が一つだと思います。 それに関して言いますと、例えば公立保育所の民間への運営委託促進というのは十三年度から措置されますし、例えば住宅関係、中古住宅の流通市場のためのは、これを制度化するのは十四年度中にやるということを工程表に書いております。その工程表に書かれたことを点検、評価するということを諮問会議が行うということになっております。これは今点検を行っております。その結果何が出てくるかという、これはまだ結果が出てきておりませんから、結果についても出てきたら評価をしたいと思います。
○大門実紀史君 要するに、紙の上で書いた話なんですね。そもそも私、これは以前竹中大臣に質問しましたけれども、この五百三十万人雇用創出というのはサービス業に労働移動すると、サービス業の仕事がふえるという前提ですよね。そういうことですよね。しかも、今までのスピードの倍のスピードでサービス業の仕事をふやすというプランだというふうに伺いました。それがアメリカモデルということもおっしゃいましたけれども、大体アメリカは、この何年間でサービス業の仕事がふえたのは需要が活発だったから、個人消費が活発だったからなんですね。どうして今の日本で、需要が低迷しているときに、サービス業の仕事が今までの十年間に比べて倍のスピードでふえるんですか。どういう根拠があるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、アメリカモデルなどということを言った覚えは特にございません。アメリカやヨーロッパの事例を参考にしながら、潜在的な需要がこれだけあるからということを申し上げたわけです。潜在的な需要がこれだけあるということでありますから、これは、潜在的な需要があるにもかかわらずこれを供給させないような供給側の問題があるからであると。したがって、供給側の仕組みをきちっとつくる、規制改革を行うことである。 もう一つ、供給側のその仕組みをつくることによって、つまり供給というのは稼ぐということでありますから、稼ぐ人が出てきたらそれを使う人が必ず出てくる。供給はみずからの需要をつくり出すという、セーの法則という有名な言葉がありますけれども、そういうことを念頭に入れながらこの数字を御理解いただきたいと思います。
○大門実紀史君 だから、理解できないと言っているんですよ。百万人というのは、私は誇大広告だと思うんですよ、実勢からすると。この五百三十万人はもっとひどくて、私は虚偽の広告だと。はっきり言って、何も根拠ないんですよ。潜在的需要というのはあくまで潜在的で、これは後で御質問しますけれども、どうなるかわからない話をされているんですよ。そういうことじゃありませんか。 だから、私が申し上げたいのは、あなた方セーフティーネット、セーフティーネットと言いますけれども、今失業している人たちが、そうか、政府はそういうものを用意してくれたのかと思っていたら、そこに行ってみたら何もない、落ちてしまう。バーチャルネットですよ、本当に。何が根拠があるんですか。セーフティーネットと言えるんですか、こんなもの。大体、あなたはもともと資本主義ではセーフティーネットを用意するのは難しいとおっしゃったわけですから、それが本音だったらば、こういう見せかけのいろんなことを言わないで、できないならできないとはっきりおっしゃるべきじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そこは、資本主義におけるセーフティーネットの意味と、社会主義、共産主義におけるセーフティーネットの意味の違いだと私は思います。つまり、労働需要というのは先ほど言いましたように派生的な需要ですから、やはり民間企業の活動を活発にして、そこで需要が出てくるような体制をつくるしかないわけであります。それを国が無理やり用意するというのは、これは計画経済だったらできると思いますけれども、これはやはり資本主義経済では容易にはできません。 したがって、それを五百三十万人という潜在的な需要があるということを見越して、それに向けた政策の対応を行おうというのが資本主義経済におけるセーフティーネット、政策、そういった論議の私は正しいあり方だと思います。
○大門実紀史君 だったら、五百三十万人が受け皿だとかセーフティーネットって出さなきゃいいじゃないですか。そういうこともあるかもしれないという話で、試算か何かで出せばいいんじゃないですか。雇用創出とか、総理がここでですよ、テレビの前でですよ、安心してくださいと、五百三十万人やりますと、ふやしますと言っているから、私は言っているんですよ。いいかげんなことを言っちゃだめですよ。 そもそもあなたの話は、構造改革をやればいろいろあって雇用もふえるかもしれないというふうな話だと思いますので、構造改革なくして景気回復なしというスローガンといいますか、それそのものについて質問をしていきたいと思います。 私は最近思うんですけれども、大変、同じ言葉を繰り返して非常に神がかり的なものを感じるぐらいなんです。 例えば、本会議で我が党の池田議員が小泉総理に、どうして構造改革をやったら景気が回復するのかと聞いたんですよね。総理がどうお答えになったかといいますと、改革なくして景気が回復したら改革の必要がなくなっちゃうからですと。こんな珍妙な答弁ありますか。 要するに、景気よりも改革が大事なんだと。もう改革が自己目的化しているんですよね。それが先だと。何だかわからないけれども、そういう話じゃないですか。そういう精神状態にもうあなた方はあるんではないかというふうに私思います。 そういう点でいきますと、もうそういう、自縄自縛といいますか、構造改革なくして景気回復なしと言い過ぎてもう身動きとれなくなっているんじゃないかと。それが今の景気の悪化を招いているんじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 神がかり的な議論だとおっしゃいましたが、総理の強い信念がカリスマ的な総理に対する人気を生み出しているのだと思います。
○大門実紀史君 それならばお聞きします。 なぜ構造改革を進めれば景気が回復するのか。その神がかり的じゃなくてカリスマ的な総理はこの予算委員会の議論で、何でも民営化すれば景気はよくなるんだと、これしかおっしゃっていないんですよ。あなたは学者ですから、科学的に説明していただけますか。ただし簡潔にお願いします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 学者として話すと余り簡潔にならないのですけれども、基本的には私は、要するに大門議員の御指摘は、やはり需要回復が先だと、そういうことを常におっしゃるのではないのかと思います。 私は、今起こっていることは、ちょっとオーバーですよ、でも簡潔に申し上げるならば、これは産業革命を起こそうということだと思えばいいんですね。要するに、民間でできることは民間でやって、効率の高いところに資源を移して生産性を高めていこうと。これはたまたま新しい発明で機械が出てきて産業革命が起こったわけですけれども、そのときの議論と今非常に似ているわけですよね。産業革命で、今まで三人でやっていた仕事が一人でできるようになりました。そうすると、二人余って大変なことになるじゃないか、それが景気の悪循環を起こすじゃないか、だから機械を壊してしまえというのが一つの議論、だから構造改革なんかするなという議論、これは要するに機械の打ち壊しの議論ですね。しかし、機械、産業革命があって、それで三人のうち余った二人がさらに新しい付加価値を生み出していったから今日の経済発展があったわけです。 供給サイドがしっかりしない限りはどこに需要をつけたって、需要がはげ落ちたらまたもとに戻るだけで、これをしっかりと、まあ産業革命というのはちょっとオーバーですけれども、供給サイドをしっかりさせていこうというのが構造改革の意味であります。これが一番わかりやすい説明だと思っております。
○大門実紀史君 そういう話は私何度も伺っているんですけれども、要するに、私思うんですけれども、風が吹けばおけ屋がもうかるというような話なんですよ。だから、それだったら何でおけ屋さんが繁盛するようなことを直接やらないのか。民需を何で直接温めないのか。何で回りくどく、供給サイドから供給サイドから風を吹かせると、どうしてそういう議論になるのか。 仮に、それであなたがうまくいくと言うんだったら、あなたのシナリオが、大体でいいですけれども、そのシナリオどおりうまくいってあと何年後に景気がよくなるんですか。その見通しを教えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 直接供給力をふやすことは政府にはできないから民間にやってもらうしかないわけです。例えば、日本国営の鉄工所を持っていてそこで生産することができるならば、それはそういう方法は可能だと思います。そういうことができないから民間に頼るしかない。 一体どのぐらい時間がかかるのかと。これは大変難しい問題だと私は思います。例えば、サッチャーの改革、レーガンの改革、本当に物すごくはっきりと成果があらわれるまではやっぱり十年ぐらいかかっています。そのぐらいの忍耐が必要かもしれません。しかし、政治の世界で十年待てというようなことは私たちもさすがに言う気はありません。この二年ないし三年を集中調整期間にして、その間に改革の成果が方向性として見えてくるような形での運営をぜひしたいと思います。
○大門実紀史君 もうとにかく説得力がないんです。実体経済というのは需要と供給が絡み合って動いていくわけですから、あなたの供給サイド論では、紙の上で書いた公式なんですよ。実体経済に合わないですよ。だって、悪くなっているじゃないですか。この半年、小泉内閣になってから景気が悪くなっているでしょう。どう説明するんですか、それを。みんなこれからだと言うんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) レーガンの改革のときもサッチャーの改革のときも、レーガンの一九八〇年代の前半を思い出していただければわかりますけれども、やはりシステムを変えるときには大変な幾つかのショックが出てくるんだと思います。 しかし、それを経ない限りに、例えば需要をつけるといったって、私たち需要をつける力なんかないんです。借金をするしか需要をつけられないじゃないですか。あれは、借金するのは子供から借金しているわけですから、そんなことをいつまでも続けられない。こういう意味では、私たちはレーガンやサッチャーの経験からも学ぶように、やはり当面のショックというのは出てくるんだと思います。 しかし、今、日本経済が悪くなっているのは、改革のせいではありません。これは外需です。したがって、今の経済が悪いということと、しばらく、総理がおっしゃるような痛みということとはちょっと分けて考える必要があると思います。
○大門実紀史君 レーガン、サッチャーと言われましたけれども、需要対策やっているんですよね、そのときは。あなたはちょっと極端なんです。 何を言ってもそういうことしか言いませんから、違う角度であなたの構造改革論の矛盾をちょっと指摘したいと思うんですが、資料をお配りさせていただきましたけれども、合成の誤謬ということです。 これは、日経新聞が十一月の八日に、細かく言いませんが、とにかくもう九七年度末から各企業がコスト削減、リストラ競争を強化して、昨年後半あたりから日本はもう合成の誤謬に陥っているという分析を日経新聞がしています。 実は、私もこの問題を追いかけてまいりまして、お手元にとりあえずその資料をお配りいたしました。これは一々数字申し上げません。要するに、企業の経常利益は増加している。約三割増加しています。しかし、売り上げは減少している。雇用者も横ばい。この横ばいというのは、実は常用労働者がリストラで首を切られてパートとか臨時はふえているという中身がありますが、全体としては横ばい。失業者数は、御存じのとおり九七年から八十三万人もふえていると。給与所得も減少していると。需給ギャップも五%以上ふえて、これは金額にすると約二十五兆円ぐらいになると思いますが、ギャップが広がっていると。 これは、いわゆるみんながリストラを一生懸命やれば不況大運動になって需要がスパイラル的に低下するという、合成の誤謬という段階に入っているんじゃないんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 海外的な要因もあって生産が今縮小過程にあって、その中で御指摘のような厳しい状況になっているというのはそのとおりだと思います。ただ、これをどうして合成の誤謬と言うのか。これは合理的な民間行動の結果であって、今まさに調整を行っているわけです。 合成の誤謬というのは、例えば一つの個別の、個々の主体にとっては正しいことでもマクロでは間違っているということでありますから、例えば、とにかく今需要をふやせ、需要をふやしたらいいことがある、消費もふえてみんないいこともある、しかしそれ全体で見ると、結果的に財政赤字が積もって子供に負担をかけて大変なことになる、こういうのを普通、合成の誤謬と言うのだと私は思います。 今起こっていることは決して合成の誤謬ではなくて、少なくとも危機意識は持っています。例えば、ここで消費が大幅に落ち込むようなことになりますと、これは合成の誤謬ではありませんけれども、スパイラル的な悪化の懸念というのはやっぱりあるわけで、それに対しては、これはもう繰り返し言いますけれども、私たちは柔軟に見ていかなければいけないと思っております。 供給サイドだけで需要がないとおっしゃいますが、日本は今三十兆の国債を出すわけですから、GDP六%の財政刺激を行っている、世界最大の財政刺激、需要刺激を行っている国であります。
○大門実紀史君 三十兆円国債を発行しているから需要をやっているという話だけ、一言だけ批判しておきます。 御存じのとおり、国債というのは赤字国債と建設国債があって、赤字国債というのは国の歳出不足を補うだけじゃないですか。去年と予算規模は変わっていないじゃないですか。建設国債というのはあなたも効果が余り認められていないと言う公共事業じゃないですか。それがどうして需要対策をやっているということになるんですか。おかしいじゃないですか、あなたの言っていること。そういう、とりあえず苦し紛れ、いろんなことを言わない方がいいですよ。 今言われたことに戻りますけれども、あなた本当に経済学者なのかと私、今疑いました。合成の誤謬というのは、あなたが言われたことが合成の誤謬だと私、思っていません。日経新聞や日本共産党の私が言っている方が合成の誤謬だというふうに思います。 あなたの認識そのものが非常に甘いというのが私、雑誌を見ていて発見しました。竹中大臣は、九月十七日号のプレジデントで、書かれたばかりだから覚えていらっしゃると思いますけれども、松下のリストラのことをこうおっしゃっています。要するに、松下がリストラをやっても、いずれ松下が大きくなって新しく人を雇えば、もっとたくさん雇えば、今の松下のリストラもこれはいいんだという話をされているんですね。そういうお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) そこで書かれている松下のリストラは少し前の事例であったとは思いますけれども、基本的には、それによって企業が収益力を高めてさらに前向きの投資を行って経済を発展させていく、そのプロセスである、その再構築のプロセスであると考えるならば、これは必要な調整だと思います。
○大門実紀史君 大体、松下が、今リストラするよりも将来たくさん雇いますという計画なんか発表しているんですか。何も発表していないでしょう。どうしてそんなこと言えるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) それが資本主義です。
○大門実紀史君 もう聞いてもそういうことしか言わないんですけれども。 あなた、要するに、この言葉の中に、このプレジデントで言われた中に、ミクロとマクロをごっちゃにした、本当に経済学者かなと疑うようなあなたの見解が私、示されているというように思うんですよ。一つや二つの企業がリストラをやっているわけじゃないんですよ。今、日本じゅうやっているわけですよ。どうして将来それで雇用がふえるんですか。合成の誤謬に陥るじゃないですか、その前に。将来というのは何十年後のことを言っているんですか、あなたは。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の大門先生の御指摘の中には全く供給サイドの話がやっぱり出てこないんですね。どうですか、需要をシュリンクしたらこちらもシュリンクする、需要だけ考えたらそういう議論が成り立つ、だから合成の誤謬なんです。 しかし、そこで供給サイドが強くなっていくじゃないですか。現実問題として、そういうプロセスを経てアメリカの経済もヨーロッパの経済もすべて強くなってきたのではないですか、八〇年代に。それをやらないで、何かどこかから、天からお金が降ってくるような形で経済がよくなるようなことはあり得ないわけで、どういうシナリオを大門先生が描いておられるのか、私にはむしろ逆に全く見えてまいりません。
○大門実紀史君 あと一分しかありませんから。 一言申し上げますと、需要対策なしに供給対策だけやったって矛盾に陥るということなんです。だから、需要対策きちっとやりなさい、特に家計を温めることをやりなさいと。今需要の低迷の最大の原因でしょう、家計が。それを申し上げているわけです。 要するに、私はお聞きしたいんだけれども、経済学者ですよね、だから合成の誤謬はもう説明しなくても御存じだと思うんです。どうやってあなたの供給、サプライサイド論だけで突き進めてそれを防げるんですか。理論的に説明してください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済学者ですよねと聞かれましたので、あえて、大門先生は国会議員ですよね。ですから、国全体の経済がどのようになるかということを私はやはりトータルで示す必要があるんだと思います。 繰り返し申し上げますが、私はサプライサイドしか議論していないと申し上げておりますけれども、補正予算をつけるというのも、これは需要を若干なりとも刺激するという意味はあります。規制改革を一生懸命議論しておりますけれども、規制改革によって、それによって需要が刺激されるということを私たちは大変期待しております。需要管理はしっかり行っておりますし、それが私の重要な仕事だと思っております。 需要と供給のバランスをとる、これは両方とも大変ですけれども、その狭い道を歩むことが、これは経済学者としても政治家としてもともに両方の立場から必要な求められるやっぱり観点なのではないでしょうか。
○大門実紀史君 今、需要対策をやるとおっしゃいましたけれども、具体的にどういうことをやられるんですか。もういいです。 私、思うんですけれども、ニューヨーク・タイムズを読んでいたんですよ。そうしたら、コラムでポール・クルーグマンが小泉改革のことをインプリシットスローガン、妄信的なスローガンだというふうに批評していますし、あなたのことをどう言っているかというと、暗やみの中の跳躍、読まれたと思いますけれども。要するに、クルーグマンが言うには、日本の最大の問題は需要不足だと。ところが、あなたは供給サイドばかりやっている。危なっかしい姿を暗やみの中のジャンプというふうにおっしゃっているわけですよ、クルーグマン先生は。 私は思うんですけれども、あなたがひとりどこでジャンプしようが勝手なんだけれども、国民を巻き込んでこんな危険な小泉構造改革をこれからも推し進めようということに非常に私は危険性を感じていると、このことを強調して、私の質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 自由党の平野達男でございます。 まず、補正予算関係で質問させていただきたいと思います。 今回の改革先行プログラムに関する国費一兆円が計上されておりますが、全体を大きく三つに分けておりまして、雇用対策、中小企業等対策、構造改革を加速するための対策という、この三つの柱で整理がされております。 全体を見ますと従来の施策の延長線上のものが多いという感じがしまして、若干新鮮味に欠けるのではないかという感じがしますし、構造改革を加速するというテーマの割には額も小さい。また中小企業等対策について見ますと、過去に実施された施策の後追い的なものがありまして、何で今ここに予算を計上しなければならないのかというようなものも目立ちます、あります。 とはいっても、何かの目玉があるということなんですが、今回の目玉は、いろいろ聞き及ぶところによりますと、やはり公的雇用を初めとした緊急地域雇用創出特別交付金三千五百億円だというふうに考えておりますが、厚生労働大臣、よろしいでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたとおり、今回のこの補正予算の中に三千五百億円の額をお組みをいただいたわけでございますが、この三千五百億円の中身は、これは、現在失業しておみえになります皆さん方が新しい職についていただくことが一番大事ですけれども、言うならば、そこをどうつなぐかということでございます。 このつなぎの間がそのまま完全な雇用に結びついていくことが一番望ましいわけでございますけれども、中にはしかしそうもいかないこともあるだろう。このつなぎをやっております間に新しい雇用をどう見つけていただくかということを並行してやっていかなければならないわけでございますが、そうした中でこの三千五百億円の新規の交付金をつくらせていただいたところでございます。
○平野達男君 今の大臣の御説明にもございましたけれども、これは雇用予定者五十万人と言っていますが、三年間で五十万人。しかもこれ、三年間でやりまして、雇用すれば六カ月という期間を区切っております。中には、きのうの御答弁の中では先生なんかに関しては一年間もあるよというお話だったんですが、これは五十万人を三年間雇用するということではなくて、六カ月雇用したら場合によったらこれはまた失業者に戻ってしまうという、そういう性格のものであります。 ましてや、今の、この現下の経済状況を踏まえますと、雇用する雇用すると言っても、六カ月間という期間は確かにこれは仕事するかもしれませんが、すぐ失業者に戻ってしまう。そういった意味で、五十万人というのはかなり誇大な数字になっているような気がしますし、悪くとらえますと、非常に数字的にちょっと欺く数字のような感じがしています。ましてや、今の失業率五・三%、三百五十七万人の失業者がおりますけれども、こういう現下の状況を踏まえますと、今の施策というのは余りにも小さいんじゃないかという感じがするんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 現在失業しておみえになります皆さん方の状況というのはさまざまだというふうに思います。もうそんな特別交付金なんかをもらうよりもその間に自分の次の仕事を探していこう、その方がいいというふうに思われる方もあるでしょう。それから、この交付金がたとえ半年であれ、その間で少しつないでいこう、その間に本格的なのを探そうというふうに思われる方もあるでしょう。そこはそれぞれかなり私は違うと思いますから、これ以上大きくして、そして雇用対策をやるというのはなかなか私は難しい。このぐらいで一遍ひとつ皆さん方にやっていただくというのが大事ではないかというふうに思っている次第でございます。
○平野達男君 実施の方法を見ましても、新公共サービス雇用、ここに考え方が整理されておりますけれども、地方公共団体に自主性を任せますよと、ゆだねますよというような中身になっております。 ただ、これをよく考えてみますと、ばらまき的な性格になるような感じがあります。それでまた、雇われる方も、何かとにかく六カ月間何でもいいから仕事をしろというような形で雇われるような感じがしまして、雇われる側も何かせっかく仕事をするときに意欲がわかないんじゃないかというような感じがしますし、こういう状況のときはむしろ、今後三カ年間についてはこういう施策、例えば森林整備でも何でもいいです、大きな施策を掲げて、あなた方が雇用することについては、これは働けばこういった効果がありますというような枠組みをしっかり出した上で雇用対策をやるというような発想が必要ではないかと思いますけれども、労働大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(坂口力君) 昨日も申しましたとおり、ばらまきという言葉は悪いわけでございますけれども、必要なところに必要な額をばらまけば、それは私はばらまきということも許されるのではないかというふうに思っているわけでございます。 これをどういうふうにやっていくかということにつきましては、それぞれの地方にやはり任せていきたいということなんです。というのは、今までいろいろなことをやりましたけれども、東京発で全部やっておりましたのでどういたしましても地方とのそれこそミスマッチがある。地方は、もっと自分のところではこういうことをやってもらったらといういろいろの御意見があるものですから、そこはやはり地方の自主性にゆだねて、お願いをして、自分のところで一番いいものを選んでいただくということ、そのことがその地域における失業者の皆さん方の思いというものとの一致点というのが非常に大きいのではないかというふうに思っています。 そして、それをおやりいただきますときにただ注意をしていただかなければならないことの中には、できればその仕事が将来継続をしていくというようなことの中で取り上げていただくのが一番いい。最近いろいろ寄せられておりますものの中にも、例えば環境の問題、山林の問題等をやる人にこれを使いたい、それでその後はひとつその地域の森林組合でこれは雇っていくということにいたします、こういうお話があったり、そういうふうに使っていただくのが一番私はありがたいというふうに思っているわけであります。
○平野達男君 実施の仕方についてはそのような考え方だろうということでお伺いしましたけれども、その規模につきましては、どうも先ほどからお伺いしておりますと、国債発行額三十兆円ということが頭の中にちらちらちらついてきて規模が決定されたのではないかというような感じがしますが、どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 多ければ、大きいほどいいという話もあるわけでございますが、実質的にはそれが、先ほど申しましたように、どのように国民の皆様に受け入れられて、そしてそれが実現に移るかということもあるわけでございます。余り大きな額を申しましても、それがまたうまく受け入れられないということになりますと、そこにまた差が出るじゃないかというおしかりも受けるわけでありまして、これは補正予算でございますから、一兆円規模、その中で五五%をこの雇用のために使っていただくということは今までになかったことでございますから、私たちは、これで一遍効率的にやる、それで国民の皆さん方の対応を見ながらまた次の手を考えるということでよろしいのではないかと思っております。
○平野達男君 次のテーマに移らせていただきますけれども、三十兆円枠の話でございます。 私は、本来、財政出動というのは常に弾力的であるべきだというふうに思っている一人であります。 財務大臣は、ことしの六月の衆議院の財務金融委員会で、我が党の鈴木淑夫委員との議論の中で、秋になって世界経済の状況が活況化してくる兆しもなきにしもあらず。特にアメリカ等におきましても税制改正等が進んでまいりましたら、やはり多少の影響が出てくるであろうし、我が国の経済全体を見ましても底は固まりつつあるという、極めて他力本願ながら楽観的な見通しを立てておられまして、積極的な財政を発動しなくても、あるいは三十兆円を守ることできちっとした構造改革は進められるというような認識を示されておりますが、その当時と現在の状況は随分変わっております。 この三十兆円枠を守らなければならないという状況についての認識は変わっておられないのか、変わっていないのでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、方針としては変えておりません。
○平野達男君 先般、経済見通しの大幅修正、先般というよりもきのう閣議決定がされまして、いろんな数値を見ますとあらゆる数字がダウンサイド、下方修正になっています。たった一つ上がっている数字、これは失業率です。こういう状況に変わっていましても、当時の六月の状況、今の状況、大きな差があるというふうに思いますが、これは塩川大臣の理解ではどのような説明になるんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) これは非常に残念なことでございます。失業率が上がるということは残念でございますが、しかし八月、九月、十月、十一月とずっと横ばいになってきております。 私は、今、失業問題につきまして、非常に根本的に考えなきゃならぬ問題があるんではないかと思っております。 それは、現在の失業者の中で何割かは、はっきりした数字はつかんでおりませんが、おおよそ半々で、自発的失業者と非自発的失業者と半々だろうと思っております。そうしますと、どこにそのミスマッチがあるのかということもその失業となった動機によって違ってくるんではないかと思っておりまして、そこらにメスを入れたいわゆる雇用対策というものをやっぱり講じていかなきゃならぬと思っておりまして、これは労使双方の間でもやっぱり話し合っていくべき問題であって、政府の責任ばっかりじゃないと思っておりまして、そこらの総合的な問題を解決してさらに一層きめの細かい雇用対策を講じるべきだと、そう思っております。
○平野達男君 これだけ景気の動向がダウンサイドで向かいますと、当然税収等が非常に落ち込むんじゃないかというような感じがあります。それでも平成十四年度予算編成は三十兆枠は守ると、こういう御覚悟でしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりでございます。
○平野達男君 経済の状況について、竹中大臣に御質問したいと思います。 竹中大臣は、今まだデフレスパイラルには陥っていないんだと。デフレスパイラル、今、デフレという状況にあるということについては皆様方の認識、一致しておるようですが、今、日本はデフレスパイラルの入り口にあるというようなことを、これは堺屋長官のころからずっと言われております。竹中大臣もそのようなニュアンスのことを言っておられました。 今、まだこれはデフレのスパイラルに入っていないという、そういう御理解でしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) スパイラルの意味は、デフレ、物の値段が下がって、それで企業の収益が低下して、それで投資も低下して、賃金が低下して、それで消費が低下して、消費が低下するからさらに生産が低下している、そういうらせん階段を滑るような悪循環。 実は、大変厳しい、全般に厳しい指標が出ておりますので、デフレスパイラルに注意を払わなければいけない非常に厳しい状況であるというふうには思っております。 しかしながら、先般、今年度の見通しの見直しを行いましたが、マイナス〇・九%の残念ながらマイナス成長。しかしながら、消費についてはプラスの〇・五を今のところ見込んでおりまして、消費に一応の何とか歯どめがかろうじてかかっている状況である。その意味では、デフレスパイラルの中にはまだいないというふうに認識しています。
○平野達男君 今の御説明の中では、個人消費がかろうじて指数的に悪い状況になっていないという御説明だと思うんですが、それでは、個人消費がどういう状況になればデフレスパイラルになるんでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済の判断は、一つの指標だけでするわけではなくて、全般のバランスのようなものを注意しなければいけないと思いますが、そういった指標が、消費を含む多くの指標が持続的かつ加速的に悪化している状況になるとやはり大変危険だと思います。
○平野達男君 今の状況がデフレからデフレスパイラルに入る状況だというときに、どういう状況がデフレスパイラルかということを客観的にわかりやすく説明していただかないと施策の立てようがないような気がするんですが、もうちょっとわかりやすく説明できないでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) しかし、その際の判断は極めてやはり高度な政治的かつ総合的な判断だと思いますから、先ほど申し上げましたように、一つの指標で客観的にというのは、これはやっぱりちょっと大変難しい、無理なのではないかと思います。そこはやっぱり総合的に、しかししっかりと判断をしたいと思います。
○平野達男君 何かわかったようなわからないような答弁なんですが、次の質問に移りますけれども、竹中大臣は、経済がまさにスパイラル的に悪化する危機的状況においては財政もそれなりの役割を果たすというようなことの、ニュアンスの発言を財政金融委員会でやられておりますし、ケインズも、いわゆる流動性のわなというような状況に陥ったときには積極財政しかないんだというようなことで、財政支出の有効性を認めております。竹中大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) これはもう私が申すまでもなく、総理が再三強調されておられるように、そういう場合には柔軟かつ大胆に財政を含めた対応が必要だというのは、これはもう一般論としてはそのとおりだと思います。
○平野達男君 そうしますと、デフレスパイラルに、この判断基準がなかなか示していただけませんが、それに入ったときには今までの方針が大きく転換されて積極財政に移ることもあり得るという見解ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 繰り返し申し上げますが、これは私が申し上げるまでもなく、総理が所信表明の中で、場合によっては柔軟かつ大胆にという表現を明示的に用いておられます。
○平野達男君 塩川大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、デフレスパイラルという言葉がひとり歩きしているような感じがしておるんですね。私は竹中大臣と同じような見解でございます。
○平野達男君 そうしますと、塩川大臣は、先ほどは十四年度については三十兆円の枠を堅持するというふうに主張されました。先ほどのお話の中では、いろんな状況を見ながら機動的に対応するというふうに説明されております。そこに矛盾はないですか。
○国務大臣(塩川正十郎君) それは平野さん、私の立場でどうでもよろしいなんてことは言えませんよ。それはやっぱり堅持するのは私の使命ですから、その努力はしていかざるを得ないのでございまして、しかし内閣としてこうするということがもし決まったら、それはその方針があるでしょう。けれども、私は、私としての任務は、やはり財政の秩序を保つということが私の一番の最大の責任なんです。今の財政の秩序を保とうという一つのかんぬきというものは何かといったら、三十兆円で一応抑える、これがかんぬきでございます。
○平野達男君 日銀が金融緩和政策をとっていますけれども、これが効果が出ていない。それから、もう一方の財政出動については三十兆円枠の枠をはめる。そして、残されているのは構造改革なわけですけれども、この構造改革についてもいろんな議論がございます。そこに単純に三十兆円枠をはめると言ってしまっているためにもう財政出動はないんだなということが、ひょっとしたら、これは経済のいろんな状況を見たときにマイナス効果になっているんじゃないかというふうに私は思っているから、その三十兆円枠というのを言っているわけです。 時間になりまして、柳澤大臣と大島副大臣については、午後の総括質疑がございますので、そのときに質問をさせていただきたいと思います。 質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
○又市征治君 社民党の又市征治です。昨日に続いて雇用問題で厚生労働大臣に、関連で総務副大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。 先ほど来、雇用問題、大変多く追及が出ているんですが、補正予算案で雇用対策に五千五百億円、八項目があると。雇用創出効果が百万人とありますが、二〇〇五年三月に雇用が現在より百万人ふえているという意味なんですか、違うんですか。ここのところをもう一度確認をいたします。
○国務大臣(坂口力君) これは三年間で百万人ということでございます。
○又市征治君 では、そのうち短期雇用を除いては一体何万人なのか。また、政府見通しの四・五%の失業率という問題と、せんだって見直しをされた五・三%の格差は、この差は何万人なんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) まず、この百万人の中身でございますが、これは先ほどからもお話ございましたように、新公共サービス雇用で五十万人強、そして緊急雇用創出特別奨励金で十七万人、各種再就職支援措置で十九万人、その他あるというふうに思いますけれども、約百万というのがその数字でございます。
○又市征治君 短期雇用を除いた分。
○国務大臣(坂口力君) 短期雇用を除いたら、この緊急雇用創出特別奨励金の十七万人と各種再就職支援措置の十九万人、この二つだと思います。
○又市征治君 四・五%と五・三%。
○国務大臣(坂口力君) 四・五%から五・三になったらそれでどれだけになるかというきちっとした計算を、私、今持ち合わせておりませんが、何でしたらちゃんと計算をしておきます。
○又市征治君 企業給付金の効果が全員三年まで続いていると仮定をしましても四十万人弱ということになるんでしょうかね。これでは、政府の政策責任である、まさにこの差は、今おっしゃいませんでしたが、完全失業者の数は五十万ふえているわけですね、この五・三%と四・五%の差というのは。そうしてみますと、まさに政府の政策責任なわけですよ、四・五%という見通し立てて閣議決定もしたわけですから。これと比べても非常に少ない、こう言わざるを得ません。 これはこれ以上論議してもしようがありませんから、ここで総務省にお聞きをいたしますが、せんだって、緊急地域雇用の三千五百億円の中の一例なわけですが、総務委員会で私、雑居ビルの火災で遠藤副大臣にお尋ねをいたしましたが、補正予算を出して消防防災支援要員、要求をしていくと、こういうふうにおっしゃったわけですが、これは一体この中に何人、幾らを見込んでおられるんでしょうか。
○副大臣(遠藤和良君) 消防防災支援要員の必要性は、私、総務委員会でも申し上げたとおりでございますが、今回この事業を、緊急地域雇用対策特別交付金制度、交付金事業、この中で国が示す推奨事業例の中にきちっと書いていただく、このようにいたしております。 これは進んで地方公共団体がみずから企画をして実施するものでございますものですから、あらかじめ具体的な数あるいはこれに要する経費等を示すことは困難であると、このように思っております。 しかしながら、四十四名の死者を出しました新宿歌舞伎町の火災のような惨事を防止するためにも、地方におきまして違反是正をきちっとしていく、これは大変重要な問題でございますから、各地方公共団体に対しまして、この消防防災支援要員を積極的に確保するように指導し、要請してまいりたいと思っております。
○又市征治君 ちょっと自治体任せと、こういうことですから、どうもこの一例を挙げましてもあいまいなんで、全体のどうも百万人も怪しくなるなと、こんな感じがしてしようがありません。本当にこの補正予算が雇用に実効性があるのかどうか疑わしいと、こんなふうに言わざるを得ないわけです。 そこで、雇用対策の実質や実効性が余りにも小さいということでありますから余り賛成できませんが、メニューの中で、教育だとか環境、防災あるいは福祉、こんなところで雇用に弾みをつけようと、こういうふうに方針転換をされていることについては一定の評価をしたいと思います。 あわせて、厚生労働大臣、このパート、いわゆるパートの均等待遇であるとかあるいはワークシェアリング、きのうも言われているわけですが、この残業規制を基本としたようなやっぱりワークシェアリング、こんなことなどによって雇用の確保や創出を図っていくなどということに本腰を入れる、こういう考えはございませんか。
○国務大臣(坂口力君) ワークシェアリングの中にはいろいろ考え方がございまして、今御指摘になりましたように、パート労働やあるいは女性の労働等を中心に考えていくワークシェアリングの考え方も中にはあるわけでございます。 これは、日本の場合にどういうふうにしていくかはこれから話し合いの中で進めていかなければならないというふうに思っておりますが、一つは、やはりパート労働というものが一千万人を超えて非常にふえてきているわけでございますから、この皆さん方の立場、やはり社会保障を含めましてこの立場というものもやはりこれから考えていかないといけないというのが我々の考え方でございます。
○又市征治君 自衛隊の派兵問題に移ります。 昨日もお聞きのとおり、難民支援には自衛隊が必要ではないということは明確なわけですが、ところで、政府は派兵を中心にあすにでも基本計画を出すというふうにお伺いしていますが、それに基づく支出は新たに国会に提出をするんですか、官房長官。今回の補正には含まれていないと思いますが、確認ください。
○国務大臣(福田康夫君) 今、基本計画を策定作業中で、急いでやっておるところでございますけれども、そういう状況でございますから、この基本計画に基づく行動でどういうような経費が発生するか、そういうことはまだわからないんですよ。ですから、この経費は今どういうふうにするかということは決まっておりません。しかし、実際に内容が固まれば、必要な経費等、適切な財源措置についても考えていかなければいけないと思っております。
○又市征治君 つまり、基本計画に伴って、何億円ぐらいまでならば既定予算でやる、あるいはそれ以上ならば予備費を使う、さらにそれ以上ならば補正予算だ、こういうふうに考えてよろしいんですね。そして、これは、支出は基本計画に基づくわけですから、極めて重要な部分でありますから、当然国会に提出をすべきだというふうに思いますが、その点お答えをいただきたいと思います、官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) その予算の経費の額にもよるんですけれども、その辺はいろいろ対応は考えてまいりたい。
○又市征治君 区分してね。
○国務大臣(福田康夫君) はい。
○又市征治君 いずれにいたしましても、新聞報道では、外務省でも、もう米軍に対して燃料費だけでも十億円を超えると、こんな外務省の幹部の声もあるわけでありますから、大変な費用がかかるんだろうと思います。ぜひ、そういう意味で、きちっと国会に提出をいただいて、そして論議をいただくようにしていただきたいと思います。 私ども社民党としては、海外派兵自体が憲法違反だと。国民を戦争に巻き込むようなこんな予算、当然反対でありますが、そのことを申し上げて、時間が参りましたので終わりたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、西川きよし君の質疑を行います。西川きよし君。
○西川きよし君 本日も庶民の代弁者としてしっかり質問をいたします。よろしくお願いいたします。 まず、坂口大臣に医療制度改革についてお尋ねを申し上げます。 現時点で、今、厚生労働大臣は内容をどういうふうに想定されているのか、まずお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 先般、厚生労働省といたしましての試案をお示しをしながら、皆さん方にそれを中心にしていろいろとお話をしていただいているところでございまして、十一月末かあるいは十二月になりましたらその結論を出していきたいというふうに思っているところでございます。 問題は、このままでいきましたら医療が行き詰まることだけは間違いがございません。したがいまして、将来に通じる、いわゆる通用するところの安定した制度を確立をしなければならない、これが一番大事なことでございます。そのためには、やはり医療保険制度は今後も堅持をするという考え方でいかなければいけない、そしてむだはやはりなくさなければならない、むだをなくするということをやらなければならない。その上で、その必要な額につきましては、これは税と保険料と自己負担の三つをどう均衡あるものにするかということになるわけでございまして、それらのバランスを考えていくのがこれからの課題というふうに思っているところでございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 いずれにいたしましても、本当に生活者にとりましては痛みの伴うものでありますし、改革を進める国として、そして日常生活に密着している自治体、このあたりが僕は大事ではないかなと思います。自治体の保健医療部局、さらには社会保険事務所など、こういった信頼関係を構築する、極めて大切なことではないかなと。高齢化になってまいります。国民は安心をいたします。こういった部分では大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(坂口力君) そこは御指摘のとおりだというふうに思っておりまして、国の機関あるいは県の機関、そして市町村の機関と、できる限り医療なら医療にかかわりますところはタイアップをして、そして意思疎通を十分にしていかなければなりませんし、国民の皆さん方に御理解をいただけるような体制をつくり上げていかなければならないと思っております。
○西川きよし君 いつも御丁寧に御答弁いただいてありがとうございます、委員会でもずっとそうでございますけれども。 そこで、一通のお手紙をちょうだいしましたので、読ませていただきます。 早速ながらその内容ですが、家内が三年ほど前から膀胱に管を入れて尿の処理をする治療を受けておりますが、その処置料がことし十月から国の指導で改定されまして、その中身が、別途診療費明細もいただいておりますが、従来の七倍から八倍に値上げされました。治療内容も使われる材料も今までと全く同じです。わずか十分程度の処置内容にもかかわらずびっくりするような値上げが認められるんでしょうか。 社会保険事務所にも相談に参りましたが、こちらは病院側からの請求に基づいて支払う機関だから病院と話し合ってほしいとの返事で、支払う内容もろくに審査もしないずさんな大まかな機関であることを思い知らされました。 という怒りのお便りをいただいておるわけですけれども、なぜ一気に七倍も八倍もの負担になったか。八月一日に官報で告示されてから十月二十九日に「疑義解釈資料の送付について」という通知を出されるまでの経緯のすべてについて、御答弁をいただきたいと思います。 副大臣、お願いいたします。
○副大臣(桝屋敬悟君) お答えをいたします。 カテーテルあるいは人工関節などの一部の医療材料につきましては、これまで医療機関が購入をした価格で保険償還を行うということを行ってきているところでありますけれども、価格の適正化を図るという観点から順次公定価格を設定をしてきたという経緯がございます。 今、先生御指摘の医療材料につきましては、尿管狭窄等の患者の方が使用するカテーテルセットであろうかと思いますが、これにつきましても、本年八月一日、御指摘のとおり公定価格を告示いたしまして、十月一日から新価格で保険償還を行うという措置をとったところでございます。 問題になりましたのは、本年八月に告示した価格は、カテーテルとそれから附属品のセットの価格でありますけれども、カテーテルのみを交換した場合の取り扱いを明確にしていなかったということがございまして、一部の医療機関におきましてカテーテルのみを交換した場合にもセットの価格で患者負担を徴収したということがあるようでございまして、御指摘のような結果になったものでございます。 十月一日以降、同様の事例が幾つかありましたことから、十月二十九日、委員からも御指摘のありました通知を発出いたしまして、カテーテルのみを交換した場合の取り扱いについて明確化したところでございます。 既に過払いとなっている患者の数につきましては把握はしておりませんけれども、十月一日からのことでございます。こうしたケースについては、医療機関の窓口において患者の方に返金をしていただくよう、あわせて通知を発出したところでございます。その周知徹底を図ってまいりたいと、このように考えております。 ありがとうございました。
○西川きよし君 副大臣もいつも委員会で御丁寧に御答弁をいただくんですけれども、本当にありがとうございます。 実は、細かい内容の御答弁がなかったら、私はまた新たにその八月一日の官報でちゃんとしていただいたのかという部分も問いたかったわけですけれども、それから、十月一日以降に過払いとなっている患者はどの程度であるかということもお伺いしたいと思っておりましたけれども、今の副大臣の御答弁で納得しようと思います。 そして、患者への返金についてですが、今度は返す場合にはどういった方法でもってお返しするんでしょうか、これだけ一つ御答弁願います。
○副大臣(桝屋敬悟君) これは、医療機関の窓口においてお返しをするという措置になろうかというふうに思います。
○西川きよし君 そのときの、しつこいようですが、御説明などはあるんでしょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 委員も御紹介いただいた事例、この治療はずっと継続して治療を受けておられる方が多いわけでありまして、主治医の先生もいらっしゃるということもありますことから、医療機関の窓口においてきちっと対応していただくように我々も指導していきたい、このように思います。
○西川きよし君 わかりました。 通知の内容に行き違いがあったとか、取り過ぎ、お金は返すということで納得いたしますが、この方がただあの請求金額を見たときにどんな思いだったでしょうか。奥さんの世話をしながら、高齢で、我が家も年寄りたくさんいるんですけれども、世の中そういう心配ばかりで、きよしさん、これどうなってんねん、きよしさん、これどうなってんねんと、財務大臣、そういうことばかりなんですけれども、財務大臣も大阪ですからよくわかっていただけると思うんですけれども、この額だと先々なかなか払えぬではないかなというようなことで心配で手紙やらお電話がうちの事務所にあったわけです。 そして、不安だからわざわざ地域の社会保険事務所に相談に出向いたと。そのときの対応ですけれども、こちらは病院側からの請求に基づいて支払う機関だから病院と話し合ってほしいと、先ほど手紙読んだとおりでございますけれども、今後、医療制度においても痛みを伴う改革を必要とするので、こうした住民への一つ一つの対応の積み重ね、地域での支え合い、そういったものが本当に大切だと思います。 信頼関係というものを非常に大切にする坂口厚生労働大臣に御答弁をいただいて、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 社会保険事務所が言ったことも、それは大変事務的なことを言ったと思いますが、間違いではなかったと思うんですね。その言っております内容は間違いではなかったと思うんですね、あそこは支払いをするところでございますから。医療機関で治療するのは間違いでなかったと思いますが、それは言い方だと思うんですね、それは御理解をいただくように。 西川議員のようにいつも懇切丁寧に言うようにちゃんと指導してまいりたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で西川きよし君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ─────・───── 午後二時一分開会
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十三年度補正予算三案を一括して議題といたします。 これより締めくくり質疑に入ります。円より子君。
○円より子君 民主党・新緑風会の円より子です。 この四日間、衆参で補正予算の審議が行われてまいりましたが、いよいよ締め総になりまして、この四日間、どの議員さんからも、景況感が一段と悪化して国内景気が下げどまる兆しが見られないこと、このことについても、倒産、失業についてもいろいろ厳しい状況についての質疑がございました。実際に失業、倒産も増加の一途でございます。こうした株価の低迷や失業、不良債権処理のなかなかはかどらないことについても多分もう総理初め関係大臣は夜も眠れないほど心配なさっているのではないかと私思いますけれども、そうした危機感が残念ながら国民の方に見えてまいりません。伝わっていないんですね。 この不況をまずどう見ていらっしゃるのか、痛みを分かち合うとともに、その先に希望があるのかどうか、景気と雇用の回復に向けて何をしていらっしゃるのか。総理とそして経済財政担当大臣、そして日銀総裁にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 厳しい経済状況、雇用状況が続いておりますが、こういう情勢に対応して、今回、雇用対策等関係予算を提出いたしまして今御審議いただいているわけでございます。 悲観的な見方をすれば悲観的な材料ばかりですが、翻って日本の潜在力に目を向けてみますと、まだまだ日本の潜在力というのは強いものがあるなと。この潜在力をどうやって引き出すかということが大事だと思っております。他国に比べましても、非常に優秀な国民が多い、勤勉能力も高い、さらに貯蓄率も高い、失業率が戦後最高になったといってもヨーロッパ、アメリカ等では日本よりまだ高いと、そういう状況を見ますと悲観的な材料ばかりではないなと。あすに目を向けて、しばらくは、塩川財務大臣ではございませんが、我慢のしどころだと、そういう気持ちを持ちまして新しい時代に対応できるような改革をなし遂げていくのが、今、我々の置かれた状況ではないかと思っております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済の認識につきましては大変厳しいということは認識しております。昨日の月例報告でも下方の修正をさせていただきました。 しかし、今、総理からもお話がありましたように、日本の潜在力は相当強いものを持っているし、さらにその潜在力を引き出し、さらにそれを伸ばすということが構造改革である、構造改革進めることが大変重要だということで施策を進めております。 その先にどういう姿が見えるのかというお尋ねがありましたので、骨太の方針の中で実は中期の経済財政の計画というかビジョンというか、中期の経済財政の姿を示すということを約束しております。その中で、この先にどういう日本の姿が見えるのかということをぜひ示していきたいというふうに思っております。
○参考人(増渕稔君) 日本銀行から、私からお答えさせていただきます。 景気情勢につきましては、ただいま経済財政担当大臣からお話がございましたのと同様でございまして、輸出、生産の大幅な減少の影響が雇用面、所得面にも広がってきており、大変厳しい調整局面にあるというふうに認識いたしております。また、先行きにつきましてもさまざまな懸念材料があるというふうに認識いたしております。 そこで、日本銀行でございますが、内外の中央銀行の歴史に例のないような思い切った金融緩和策を現在続けております。今後とも、物価の継続的な下落を防止し、日本経済の持続的な成長の基盤を整備する観点から、中央銀行としてなし得る最大限の努力を続けてまいりたいと考えております。
○円より子君 今、日銀から金融緩和のことがございましたけれども、私は、資金はたび重なる緩和で銀行にはじゃぶじゃぶあると思うんですけれども、全くこれが市中に出回っていないという状況、この、そうですね、市場の流動性をどう確保するのか、この辺についてお聞きしたいんですが、まず、今までの金融緩和は効果があったんでしょうか。
○参考人(増渕稔君) 私ども日本銀行では、ことしの春以降、金融緩和、思い切った金融緩和措置を講じております。その効果は、金融市場においては非常に強力にあらわれているというふうに認識いたしております。すなわち、金融市場には極めて潤沢に資金が供給されておりまして、その結果として、翌日物のコールレートはほぼゼロ%まで低下するなど、各種の金利は大きく低下いたしております。また、社債やCPなどマーケットを通じた企業の資金調達の環境も改善いたしております。 ただ、残念ながら、そうした緩和効果が金融システムの外側にいる企業や家計にはなお十分浸透していないというのが現実であるというふうに認識をいたしております。
○円より子君 先ほども私は、関係大臣や総理の危機感のなさもあるんでしょうけれども、それが伝わっていないということを申し上げましたが、これはもう銀行等、企業等もそうでございまして、希薄な危機意識というものが今の日本の景気の悪化、それを招いているのではないか、なかなか回復しないんじゃないかと思っているんですが。 まず、元利払いに支障のある企業の借入総額が百五十兆円に上っております。それなのに、金融の量的緩和が実施されているがために、私は、企業、銀行ともに危機意識がないんじゃないかと思っているんですね。このあたり、柳澤大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと御質問の趣旨がとらえられなかった点もありますが、日銀が金融緩和をしているわけだけれども、それはまだ、いわゆる銀行間の信用であるとかというようなところにとどまっていて、あるいは日銀と市中の銀行という間にとどまっていて、それが銀行を通じて一般の企業等に流れていないのはなぜか、こういうことであるといたしますと、これは観念的には、銀行が貸し渋っているか、あるいは資金の借り手の方にそれだけの需要がないか、こういうことのいずれか、あるいは両方ともと、こういうことになるわけです。 現在の状況を見ますと、かつての、一九九八年、平成十年に起こったような強烈なクレジットクランチと申しますか、信用の逼迫があるというような状況を示すような指標は全くないわけであります。企業の資金繰りはどうですか、あるいは企業の側から見て銀行の貸し出し態度をどう見ますかというようなことについては、基本的には、あの当時に比べて格段にもう全く様相が違うような、低いというか緩和された、このことを表現するような数字が出ているということでございます。このところ若干貸し出し態度が厳しいというような見方をする人の比率がふえてはおりますけれども、基本的にあの当時に比べれば格段と緩和されている状況が見てとれるような指標があらわれていると、こういうことです。 だとすると、やはりこれは企業の側にむしろ資金を返済したりあるいは設備投資等をするという意欲がないため、そういうことを反映する資金需要がないということの方に主因があると、こういうふうに見るのが適切ではないかと、このように考えております。
○円より子君 日銀の方にもお伺いいたします。 私は、マネーは銀行間市場だけで空回りしていると思っているんですが、それはなぜなのか、どうすればそういう状況から抜けられるのか。お願いいたします。
○参考人(増渕稔君) 金融緩和の効果が十分に金融システムの外側にいる企業や家計に浸透していかない、その理由、背景につきましてはさまざまな事情があると思いますが、その中でとりわけ指摘されなければいけないことは、一つには不良債権問題が存在しているということ、それからそのほか経済全般にさまざまな構造調整の圧力が残存しているということ、そうしたことのために前向きな企業活動が活発化していかないという事情があるということがあると思います。それからまた、先行きについてさまざまな不安感が存在しますために個人消費が活発化しにくいという事情があるということもあると思います。 そうした事情、不良債権問題、構造調整圧力による企業活動の不活発化、それから個人消費が活発化しない、そういったことが金融緩和効果の浸透を妨げているというふうに認識をいたしております。
○円より子君 私が今金融の問題等をお話ししておりますのは、今失業が本当多くなっています。倒産も多い。そして、雇用の安定を図らなければいけない。テロの、同時テロのせいで、雇用国会と呼ばれていたこの国会のそうした問題の審議がおくれましたけれども、やはり雇用の安定をするにはまず経済の立て直しが必要だというそこから今質問をさせていただいているわけですが、今、日銀の方もおっしゃったように、速水さんも以前、不良債権処理を進めることが景気回復のかぎを握るとおっしゃっております。 昨年のちょうど夏に、森総理のときに、所信表明演説に対して私、代表質問させていただきましたが、そのときもやはりこの不良債権のことについて質問させていただいたんですが、当時森総理は、もう不良債権の処理の峠は越したとおっしゃっているんですね。それから一年以上たってもなおかつまだ不良債権処理が進んでいなくて、今おっしゃったようなマネーが市場の銀行間だけで空回りしているような状況があるとすれば、これを早速とにかく早急に進めなければいけないと思うんですが。 そこで、いわゆる大手三十社問題についてお聞きしたいと思いますが、柳澤大臣はこれについてどのようにお考えなのか。この要注意先の大手三十社に対する引き当てを厳正にしたらどうかというそういった案が出ているわけですが、破綻懸念先以下の直接償却をするという方針を金融庁は徹底していらっしゃいますけれども、これでは中小企業がつぶれるだけではないかと、不良債権問題は解決しないというふうにも皆さんおっしゃっていますし、私の周りでも本当に中小企業が続々と破綻しています。このことについて御意見聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 森総理が不良債権の処理は峠を越したというのは、いろんな見方がありますが、処理損ですね。処理すると、引き当てをしたりあるいは償却したりすると損が立つわけですけれども、その損失額が、ずっと推移を見ていると確かにあれは九七年、九八年度と、九年度、十年度ですね、平成で言いますと、そのときが十三兆円余り、両方十三兆円余り。それに比べると、ここのところはもう処理損が四兆円台というようなことですから、十三兆に対して四兆円ということになれば下がっているということは言えると思うんですね。それで、そういうことを多分おっしゃったということでそれはもう間違いではないわけです。 今、三十社問題という、私もマスコミでちらほらそういう数字は見ました。そういう何というか数字を挙げた社の話というのは見ましたけれども、私ども、こういう立場でその問題についてコメントをすることはちょっと適当でないというように思います。何と申しますか、個人個人の御意見でございますので、ここで公の立場で論評するというのは適切でないと、こういうように思います。 ただ、そうではなくて要注意先であった企業が破綻をするというようなことが起こったじゃないかと、こういう御指摘がありまして、それについては私どもいろいろ調べて、確かに何というか市場の評価等それが変化をした場合に銀行の対応というか引き当て等がおくれるということは、やっぱりこれは適当でないと、こういうことで今度そういうタイムラグを縮めるという特別の検査というものをしようということにいたしまして、先月に既に着手したということでこの間の問題に対処していこうと、こういうことにいたしたわけでございます。
○円より子君 その特別検査ですけれども、内容が問題だと思うんですね。もし中途半端だと市場は失望してしまいますし、具体的にはどのような銘柄、要注意先債権ですが、を対象にするのか、見取り図を描く必要があると思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 見取り図をはっきりさせますと、もう今ですらこういうことではないか、ああいうことではないかといって、個別の企業名を挙げていろいろ推測をたくましくする記事も見られるというような状況で、ひっくるめて言うと風評の被害を関係のない人たちに与えていくということでありまして、私どもとしてはそういうことはもう一切明らかにしない、こういうことで対応はきちっとさせていただくという方針を貫かせていただきたい、このように存じております。
○円より子君 先ほど、森総理の不良債権の処理の峠を越した、これはこういう点で間違いではないとおっしゃいました。そして、今も、もちろん風評被害があると困るから言えない、それもよくわかります。しかし、国民の側は一部だけこう言われて、大丈夫だ大丈夫だと言われながら追加のロスがどんどん出てくるという状況では、なかなか、本当に不良債権の処理ができるのかというところに不信感が出てしまいます。 そういったことをきちんとやっぱり払拭することも必要ですし、それから大手三十社、大手三十社といってもいろいろな、銀行によっても違うかもしれませんが、その銀行が運命共同体だと言われていたり、金融庁は銀行と共犯関係かなどとまで言われている、別に私が言っているわけではありませんが、そういうものまで出ていると、やはりそのときの金融庁の役割というのは何なのか、これだけはきちんとこうしますよというのをぜひわかりやすい言葉で柳澤大臣が言ってくだされば、もう少し国民は信用が増すと思いますし、市場だってその信用を基礎に、体して何か頑張っていけるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 本委員会でもちょっと長話に過ぎるんじゃないかと思われるほどに、先般来、私いろいろ申させていただきましたが、要は金融庁というのは、銀行の健全性を中心として、その他法令遵守の状況であるとかというものをきちっと検査をするということが大切だというように思っております。そして、もちろん今新しいシステムのもとでは銀行は自己責任のもとで資産などについても自分でちゃんと査定をするということになっているんですが、検査ということでそういうことがしっかり行われているのかということを検査をさせていただいているのが金融庁の立場であるわけです。 だから、そういう仕事をきちっとして、そして銀行が健全であるということを金融検査ということを通じて担保していくということが非常に大きな我々の使命だというふうに思っております。それが何か今、円委員が言われたように、金融庁は銀行と癒着をしているというか、そんな関係にあって、お互いに甘え甘えられの関係にあるのではないかというようなことが取りざたされるとしたら、それは極めて残念なことだというように思います。 円委員は御案内かとも思うんですが、私はこの日本の金融行政の組織をどういうふうに改革したらいいかというときに、この日本の現状というものを考えると検査というものをむしろ独立させた方がいいんじゃないかという議論を吐いた、恐らく最初にそういうことを言い、それを強く主張した人間です。そういう人間が今たまたま金融庁におるわけでございまして、私ども内部的にも検査というようなものを何か監督の立場からいろいろあんばいしろとかなんとかということは一切やってはいけないと、そういうことだし、またそんなことができるはずのものでもないですね。 検査官もたくさんおるわけでありまして、そういうことができるはずもないんですけれども、そのことを制度の運用でも、またできれば制度的にきちっと担保するということには大変気を使っているつもりでございまして、ぜひそういうことを、円先生などのような大変影響力の強い先生も大いに我々の言わんとするところを広めていただければ大変ありがたいと、このように存ずる次第であります。
○円より子君 そんな共犯関係だとか何だとかと言われるのは本当に一生懸命やっていらっしゃる金融庁の方々に申しわけないことだと思いますけれども、そのためにも、灰色債権と言われるようなそのもやもやを晴らす戦略みたいなものを、きちんとこういうものがある。 例えば、灰色債権への一括引き当てをする、これは銀行はすっきりしますけれども、企業側のリストラが進むかどうかが問題ですし、もう一つ、灰色債権の受け皿銀行による一括買い取り、これもまた受け皿銀行のマネジメント能力がどうかという問題もあるとか、また産業再生委員会と受け皿銀行の導入で企業のリストラにメスは入りますけれども、過度のこれは国家介入になるかもしれない。幾つかいろんなシミュレーションが考えられるわけですけれども、こういったものがあってこうだというようなことを、やはりそろそろ金融再生か金融と産業の一体再生かというようなことを決断しなきゃいけない時期ではないかと思うんですね。 こんなことをいろいろ考えますと、今現実には金融庁が検査を一生懸命やっていらっしゃる。そうすると、銀行の側はやはり市民の側を向いていなくて金融庁の方を向いていて、そして市場になかなか融資ができていないんじゃないかと、そういうことも随分言われておりますので、ぜひとも柳澤大臣がおっしゃるようにしっかりして、きちんと検査は別にして、独立させて、そして銀行の方と企業の一体再生を図っていただくというふうなことを果断に実行していただかなきゃいけない時期ではないかと思っております。 そういうときに、実は新旧勘定についてお聞きしたいんですけれども、もう今は戦後の、こんなに皆さんいい服を着て豊かになって、総理もきのう、戦後すぐのころに比べれば今は天国だとおっしゃって、確かにそういう豊かになった部分はあります。私も戦後生まれですけれども、本当に貧しかった時代、よく覚えておりますから。でも、現実に失業も多い倒産も多いという状況になっていますと、見た目と、下で進行している、見えない部分で進行している危機感、危機的な状況ですね、危機感というよりも危機的な状況に対して、見えないだけになお怖いということもありまして、今は戦後のすぐと同じように新旧勘定で分けて不良債権処理をやらなきゃいけない時期なんじゃないかと思っておりましたら、たまたま先週の財金委員会で塩川大臣がそれについておっしゃったんですが、もう一度ちょっと。 今、私も必要だと思うんですが、その辺をお聞きしたいんですが。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は昔のことを思い出して申し上げたようなことでございまして、私が復員して中国から帰ってまいりましたときに、私のおやじがやっておりました会社が軍需工場でございましたので、国家賠償資金が全部凍結されてしまった。それで、私どもの方も売り食いしてその会社をやっておったんですが、たまたまそのときに制度ができまして、軍需産業で国家補償を受けるところは一たんこれを旧勘定の会社にして、旧勘定に入れなさい、そして新会社を新しく自分でつくりなさい、その新会社に対しては復興金融公庫あるいは銀行が融資をして、それをもって旧会社の、自分のところの会社ですね、そこの施設を買い取るなりあるいは借りて清算をしなさい、融資をしてあげましょうと、こういう制度で、それで運転を開始したことがございました。十年たちましてその旧会社の方は全部清算いたしまして、私の方も連帯保証をしておりましたものは連帯保証で責任を果たしたと、こういう経緯がございます。 したがって、現在のこの不良債権問題は、私は金融機関の問題としてとらえても解決しないと思うのでございます。そうではなくして、金融機関を介して不良債権ができておるのでございますけれども、銀行から金を借りた、借り入れしている企業が、そこが清算に本当に取り組んでいかなきゃいかぬと。それをどうしてサポートしていくかということが経済界であり政界の問題だと思っておりまして、そういう会社は旧会社に入ってもらうということにしたらいい。 それじゃ、どういう会社をするかということは、これは一概で決められません、経営者の責任も伴ってくることでございますから。そこで、一定の基準というものを、例えば五年以上無配にしておるとか、配当もできないようなものとか、あるいは極端な債務保証の会社であるとか、あるいは銀行から借金の棒引きをしてもらったとかいう、こういういろんなファクターを入れて、これに該当する会社は自分で再建計画を立てさせる。立てられないならば旧勘定、新勘定ということで清算したらどうでしょうかと。それに対しましては、政府の方も金融機関を政府機関である程度は応援をしましょうと、こういうこと。その新会社を立て直して金を貸して事業をさすかささぬかということは、これは新しく応援するところの金融機関が判断すればいいことであって、政府がやる部分ではない。こういうことで、自力でもって判断をしてもらいたい、こういうことを申し上げたようなことでございました。
○円より子君 敗戦後にとられたそのときは、もちろん新円切りかえですとか、もう大変なスーパーインフレだったわけですから、国民も全国的にやられてもしようがないということがあったと思います。 ですから、今そういうことをやるというのはなかなか国民の納得を得られないかもしれませんけれども、でも、もう今そこまでしないと不良債権をたくさん抱えた会社というのは、なかなか企業は立ち直れないんじゃないかということもございまして、旧勘定にもし追いやられた企業にRCCを活用するとか、そういったことも考えられるかと思うんですけれども、今の新旧の勘定を分類することについて、柳澤大臣はどうお思いでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 塩川財務大臣がちょっとそういうお話をなさいましたので、私ども勉強をしなければいけないということで勉強を始めたところでございます。 要すれば、今、塩川大臣がおっしゃられたように、軍需会社、こういうのは政府に対して債権を持っているわけですね。その債権がゼロになっちゃった。戦時補償特別税でしたか、そういうことで全部税金として、もう支払いはしません、税金としていただいちゃったんですということになりました。そうすると今度は、反対勘定の方に銀行からの借り入れというのを何とかしてもらわなきゃいけない。銀行は、まさにそれは不良債権になっちゃったんですね。その塩川株式会社に対するものが不良債権になっちゃいました。そこで銀行は、じゃ政府からお金が払ってもらえないのなら私どもの方の債権もこれは棒引きしましょうと、仮に棒引きします。そうすると、塩川株式会社の方は両方とも、債務も資産も、負債も資産もゼロになりますからバランスするわけですね。銀行の方はどうなるかというと、銀行の方は塩川株式会社に対する貸付金という資産がゼロになっちゃったわけですね、これで、棒引きしちゃったわけですから。そうすると、今度はそれをバランスさせるためには負債の側でだれかにこの損を背負わさなきゃならない。 こういうときに、当時の法律で預金者、封鎖預金というものがゼロになると、こういうことをやったんです。つまり預金者まで、預金者にその見合いの不良債権を、塩川株式会社に対する不良債権を棒引きしたその銀行がこうむった損を、今度は預金者の方に損を転嫁するというか、負債の側もそれに見合ったように、基本的な話ですよ、帳消しをするということをやったということですね。 そういうことが、どうも今まだ勉強の初めですけれども、大体そういう骨格だなということがわかり始めてきたのでございまして、さあどうでしょうか、預金者に泣いてもらうということが今お願いができるものかどうか。やっぱり今は預金者こそ保護されるべきだということでそんなことは到底言えないと、こういうことだ、ではないかなというところが途中の報告でございます。
○円より子君 新旧勘定については、これからしっかり勉強していただきたいと思いますけれども、とにかくそのくらいしないと間に合わない情勢じゃないかというような考えもかなりあるという、そういった危機感でぜひ不良債権処理をやっていただきたいと思っております。 では、総理にちょっとお聞きしたいんですが、昨日のこの委員会で、来年のペイオフ解禁の延期は絶対ないときっぱりおっしゃったんですけれども、そうなりますと、急速な預金取りつけ騒ぎが起きることも可能性としてあると思うんですね。 そういった状況下で、実はもう思い切った政策転換で事態の打開を図らなきゃいけないんじゃないかという、そういうときに、同時テロ事件というのは大変不幸な事件ではありましたけれども、それ以降雰囲気が変化してまいりましたから、逆にその不幸な事件をばねにして、要注意先企業や銀行の整理再編に踏み切っても抵抗はない時期じゃないかと思うんですね。 総理として、今後のその不良債権処理や今後の景気、構造改革、いろいろ含めて、ぜひお聞きしたいと思うんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) ペイオフ凍結、もう既に延期しているわけで、また再延期しろという声が一部で起きておりますが、それはしないということを言明しているわけでございます。そのために、各金融機関も健全性をよく国民に理解してもらうようにしっかりとした経営内容にしてもらいたいと。その準備をしているわけでありますから。 同時に、不良債権処理をめぐりましても、一方では早くしろ早くしろという声があると同時に、余り急ぐとかえって倒産が出るんじゃないか、貸し渋り、貸しはがしが出て企業をいじめることになるんじゃないか、もっとゆっくりやれという声もあるぐらい、もう必ずあることをやれば別の批判が出てくるわけです。 しかし、今の日本の経済状況を考えますと、金融システムの健全性、そして早く資金が生産性の向上できるような方に向くようにしていかなきゃ日本の経済は再生しないと。非生産的な部門ばっかりに行き過ぎるから今の日本経済の低迷があるんじゃないか、そのためには不良債権処理を急がなきゃならないという声もあるわけでありまして、我々としては、日本の金融機関の健全性、しっかりした経営体制になってもらいたい。 同時に、資金が有効に使われるように不良債権処理を急ぐべきだという方向を持ってやっているわけでありますので、この方針を堅持していくことが大事ではないかと思っております。
○円より子君 二〇〇一年度上半期の貿易黒字は前期比四三・一%減の三兆三千四十七億になっております、御存じのことだと思いますが。このままいきますと、貿易黒字国であった我が国の貿易収支が赤字に転落することもあり得ると思うんですが、黒字の間に蓄えた国民の資産をどう積極的に運用するかという、そういう点において円の信用を高めることが大事だと思うんですが、円の国際化ということについて塩川大臣、お考えございますでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 今、御承知のように、世界は全部ドル決済されておりまして、これはアメリカーナの中においては経済的にも当然のことだろうと思っております。しかしながら、アジア地域におきましては円決済も順次ふえてきておりますし、またEUにおきましてはEUの決済手段をとると。まだアジア等におきましては、日本も、少のうございますけれども、何としても円の信頼というものは私はまだ十分に各国間で認識されておると思っております。ただ、取扱量としては少のうございますが。 通貨安定を図るということがやはり私たちの重大な使命でございまして、そのためにはやっぱり一番問題となりますのは国債の発行、国の借入残高というような状況、こういうことと、それから貿易の収支、こういう総合的な問題がございます。 私が一番心配いたしておりますのは、輸出入がほぼもう天井を打つぐらいの差になってまいりました。といって、しからば資本収入、利子収入が大きいかといいましたら、これも漸次ふえてはおりますけれども、貿易収支を、逆転しましたときにこれを十分カバーし得るだけの力が果たしてあるかどうかということも考えておかなきゃならないと思っておりますが、したがってこの際にできるだけ輸出を振興して、円のバランスを崩さないようにする一つの大きいてこにしなきゃならぬと思っております。幸い、為替は現在のところ順調に推移しておりますので、このスタンスは維持していきたいと思っております。 こういうことから、やっぱり長い間の実績を積み重ねて円の信用を確立していき、それがやっぱり国際通貨への一つの決済手段になってくるということを図っていくより仕方がないと思っております。
○円より子君 経済を活性化するために半年前に都市再生本部が立ち上げられましたけれども、この都市再生プロジェクトは今どのように進展しているのか、お願いいたします。
○国務大臣(扇千景君) 都市再生本部は小泉総理のもとに設立されまして、我が国の都市というのは、少なくとも今は長時間勤務でございますとか、勤務通勤時間の慢性、それと慢性渋滞化、そして緑やオープンスペースが少ないと、そういう大きな課題を抱えておりますので、真の国際都市になるにはどうすべきかということで、ここで本年の五月から総理のもとで現在四回にわたりまして本部会議が開かれております。 その中で幾つかのものが、大体八つでございますけれども、八つ全部言っていると時間を食いますので代表的なものを申し上げさせていただきますと、一つは東京湾臨海部の防災拠点の整備、または大都市圏におきますごみゼロ都市への再構築、それから中央官庁施設をPFIで、民間の活力でしていこうと、そういうようなことで八つのものを決めさせていただきまして、それを今このプロジェクトとして決定したものを関係の地方公共団体とともに協議会をしまして、これを振興していこう、また必要な予算をこれによっていただいていこうと、そして皆さん方に理解していただこうと。 現下の経済情勢を考えますと、今もお話しになっていますように、大変苦しいところではございますけれども、民間の都市の開発投資を促進するための緊急処置ということでこれは着手したものでございますから、全国から三百十六地区に及ぶプロジェクトの要望の提出を受けて私どもはここで決定をしておりますので、公共団体と相談をしつつ関係の対象のプロジェクトの達成に努力していきたいと思っております。 現状でございます。
○円より子君 日銀の方、結構です。済みません、先ほど言い忘れまして。 扇先生、今ありがとうございました。 日本の活力の源泉である都市に目を向けられた小泉総理のあれは、私、大変評価しているんですけれども、まだ従来型の景気対策としての公共事業の域を出ていないように思うんですね。総理から見て、この半年間の都市再生プロジェクトの進展ぶりはいかがなものでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) やはりいろいろ規制がありますから、規制を緩和するなり改革するという点を考えますと、今まで規制緩和してはいけない、規制は必要なんだと言う人たちを説得するのに一日や二日でできる問題ではございません。あるいは土地収用法にしても、法律があっても反対するとできないというような状況もあるわけですから、一つの理屈があるとまた必ず別の理屈が出てくると。都市なんかは特にそうですね。住宅容積率の問題もそうです。そういう点を一つ一つ調整し、また説得し、今の都市再生にどうやって生かすかということを考えれば、私はかなり進んできたのではないか。 特に、民間の手法を活用するという、税金だけ使えばいいわけじゃないでしょうと。民間は、むしろ採算性を考えながら、あるいは公共用地を使わせてくれるんだったら利益さえ考えながら、税金を使わなくてもできますよというような手法も使おうと。 今までできないことをやろうとしてその準備を進めている段階でありますので、この方向に沿って早く都市再生の事業が進むように今関係各団体に、また機関に要請をしているところでありますので、できるだけ早くこれが日の目を見るように、さらに促進する努力をしていきたいと思っております。
○円より子君 収益性が低くて塩漬けになったままの虫食いと言われる土地ですけれども、こうしたものは幾ら民間の活力を活用してもできないのではないかということがありまして、やはり行政主導の再開発計画ですとか周辺道路整備とか、もちろん規制の見直しも必要なんですが、そういったことを行って不動産の投資価値を高める必要があると思いますが、扇大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(扇千景君) 円先生がおっしゃいますように、昨日もここで虫食い状態の話を私させていただきましたけれども、まさにあらゆるところ、東京都のみならず大都市圏どこへ行きましても虫食い状態の土地で、しかもそれが塩漬けになっているということで、私はそれが、大変今の経済状況、土地の流動化というものがまさに国民の活力、民間の活力になると思っておりますけれども、それを、細分化された今の敷地を何としても集合させて、そしてそれを再活用しようということで努力していますけれども、基盤の整備の不備な面、そしてそれをどうしていくかということで都市計画の道路等の必要な基盤整備を重点的に取り組んでおりますけれども、都市基盤整備公団が虫食い土地を買い取ってはいるんですけれども、都市基盤整備も見直せと言われておりまして、これも大事なところなんですけれども、難しいところで、私も板挟みにはなっていますけれども。 これは、私はやっぱり今一番の問題が土地の塩漬けという、活力の、経済の活性化の原動力になっていますので、この土地問題、都市再生には、今、円先生おっしゃいますように、何としても頑張ってこれを解消しなければ、あるものを動かさなければ経済の活性化が出てこないわけですから、その根本に当たります都市再生というものを私たちは留意をしながら、また民間に虫食い状態を集約して、民間にここで何かをしてくださいというと民間もまとまったところで二十一世紀型の環境を考えたものができるということで、私は相乗効果が大変大きいと。 今の経済の行き詰まっているものを動かす大きな原動力になると思って、これを頑張っていきたいと思っております。
○円より子君 都市の再生というのは、確かに経済活力を高めることで大変大事だと思うんですが、当然そこに住む人たちのことを考えなければいけません。 それで、少し細かいことになるかもしれませんが、例えば木造密集市街地の改造ですとか災害の際の避難路の確保ですね。それからまた、私たちはライフサイクルが変わってまいりまして、どんどん家をその家族の人数、またそのときのライフスタイルに合わせて変えたいというようなときの中古住宅の市場が整備が進んでいるかどうか。また、五千万戸の住宅のまず五割近くが耐震基準を満たさないと言われております。阪神大震災のような大きな地震が起きれば倒壊、損傷するおそれのある住宅や家屋の建てかえをどうするのかとか、老朽マンションの建てかえもございます。このあたりのことについて御意見をお伺いしたい、対策をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 多岐にわたった御質問でございますけれども、一度に御質問なさいましたので、まず都市におきます災害対策の面からお答えしたいと思います。 これは、少なくとも東京都内でも約六千ヘクタール、災害のときの耐震性の危険性が高い密集地、これが六千ヘクタールあるわけでございます。その中で街路樹、街路事業等々道幅を広くしたり、そして避難通路、それから避難場所等々を整備していくということで、今まで約二十二ヘクタールの避難地区のための土地を確保することができて、これを老朽住宅の建てかえ等の推進を含めましてやっておりますので、少なくとも密集住宅市街地の整備の促進事業を、これ全国では百六十地区ございます、それを今実施しております。これが一点でございます。 それから、老朽化したものをどうするのかという中古住宅のお話もございました。 中古住宅に関しましては、今、長もちする質の高い住宅をということで私たち目標にしておりますけれども、その目標で比較しますと、アメリカの場合は中古住宅の販売戸数、これは平成九年の資料ですけれども、四百三十八万二千戸あるんです。同じ年に日本では十五万七千戸と。アメリカは日本の二十七・九倍の中古住宅の活力が生かされているんですね。 そういう意味で、私どもは何としても耐用年数を持続するような良質な住宅をしたいということで、この中古住宅の活性化を図ろうということで三つのことを行っております。 それは、民間によります中古住宅の検査とか、あるいは性能評価、あるいは表示システムの導入をするというのが一つでございまして、民間の皆さん方が買いに行っても、この中古がどの程度中古なのか、あと何年住めるかという評価ができないわけですので、そういう専門家を、判断を導入するということ。 それから、マンションの維持管理に係ります、これも、マンションの歴史とか、あるいは何年に建ってどの程度の、A級かB級かと、これもわかりませんので、マンションも登録制度にしようというのが二つ目でございます。 三つ目は、少なくとも中古住宅の質の管理状況を考慮して価格査定のシステムをつくろうと。中古ですとどの価格がいいのかという判断ができないものですから、この査定をする制度を今度システムとして導入しようと。そして、皆さん方に中古でも安心して買ってもらえますよ、この程度だったらあなたは買い損ではないですよと、そういう査定システムを導入しようということで、中古住宅の活性化も図っていきたいと思って頑張っています。
○円より子君 今、都心部に人口が逆流といいますか、戻ってきているわけですけれども、実は江東区などでは保育所を一生懸命建てても、総理は保育所をなるべくふやして待機児童をなくすということを掲げていらっしゃいますけれども、保育所が追いつかずに待機児童がどんどんふえているという傾向がございます。これは当然、マンションがどんどん今都心部に建っているわけですね。そのときに子供のこと等を全く考えていないものですから、保育所はない。また、小学生、中学生の子供の通学距離がお父さんやお母さんの通勤距離よりも長くなってしまうというような問題や、日常の買い物ができない等、都市再生もいいんですが、生活にいろいろな不便が出ている。 これはやはり、二十一世紀の都市再生のキーワードというのは何か。住民、もちろん暮らす人というところや自然、環境、いろいろあるかと思いますが、人々の生き方が多様になっているときの都市再生ということについて、総理はどんな都市の姿を考えていらっしゃるのか、お聞かせ願えたらと思うんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは一言で言えば、都市の利便性、今、農村と都市との交流というのが大事だということでやっているわけでありますが、なかなか、両方のよさを組み合わせると一言で言えばいいんですが、これをいかに実現するかということで今苦労しているわけです。地方のいい、おいしい空気、緑と同時に、都市の利便性といいますか、快適な環境、さらには芸術文化に触れる機会、いわば都市の中でそういう魅力的な利便性と自然との共生がどうできるか、これが私は都市再生の中で生かされていかなきゃならないと、一言で言えばそう思っております。
○円より子君 都市の再生といいますと、地方が置き忘れられるのかという、そういった意見もございますが、決してそうではなくて、都市の再生をすることが日本の経済の活力につながりますし、今、総理がおっしゃったようなそうした都市の生活が本当に豊かになっていく、そういう都市再生であってほしいと私も願っております。 それでは、いよいよ雇用の安定と雇用の創出についてお伺いしたいんですが、当然、不良債権処理を進めますと、また新たな失業、倒産も出てまいりますし、デフレスパイラルの懸念という別種の、よくマイナスの不確実性なんということが言われますけれども、それを生み出すおそれもあるわけです。 そこで、失業対策等の景気の下支えを十分な規模で実施しなきゃいけないと思うんですけれども、まずこの失業率五・三%、完全失業者数三百五十七万人という最悪な状況について、雇用が安定していないということは社会不安を呼びますので、さてその社会不安が出ないように、また、きょうの新聞ですと高卒の内定率が最悪の三七%と出ておりますが、せっかくこれから世の中に出て将来に希望を持って働いていこうという人たちが、これでは本当に気の毒だと思うんですが、この辺をどう変えていくのか、ぜひ力強い対策を言っていただきたいんです。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、失業率が五・三%になりましたし、ただそれだけではなくて、その中身をもう少し詳しく見ますと、いわゆる非自発的失業者というのが二カ月連続してふえてきたということもございます。それから、いわゆる新規求人、これがまた二カ月連続して減少してきたといったこともございまして、ただ五・〇が五・三に上がったというだけではなくて、内容的にも少し問題になってきたのかなと、大変危機感を持っているわけでございます。 私も、この一年間、どうすれば景気対策に一番何が大事なのか、ずっと考え続けてきているわけでございますが、現在の結論は結局のところは二つある。一つは、失業者の皆さん方に徹底して情報をよく伝えること。それからもう一つは、今、大きく時代が変わっていこうとしているわけでありますから、時代の変化が起こっているということを皆さん方によく理解をしていただいてそして次の就職を選んでいただく、そうしたことのアドバイスがやはり大事だというふうに思っております。いわゆるキャリアカウンセラーという言葉がございますけれども、やはりそうした人たちを少し緊急にふやして、そして、ぜひとも皆さん方にその現況というものをよく認識をしていただくということ、これは助成金だとかいろいろなことがございますけれども、私は、その二つのことに尽きるのではないかと実は今思っているわけでございます。 それで、キャリアカウンセラー五万人、とにかくやろうと。一人六十人ずつ持っていただきましたらこれで三百万になるわけでありますから、とにかく少なくとも五万人、制度を決めて、そして一定のやはり資格を持った人をつくり上げていく。それで、それは官だけがやるのではなくて、民間にできるだけそういう人たちをつくり上げて、そのかわりにそれで生活ができるようにしてあげて、そしてやっていくというようなことをして、世界が大きく変わっているこの現実を理解をしてもらうということを、やはり失業者の皆さん方に本当に親身になって御相談を申し上げるということが今一番大事なことではないかと私は実は思っている次第でございます。
○円より子君 例えば、緊急地域雇用特別交付金というのは直接雇用がふえる事業として大切だと思いますけれども、最長六カ月の臨時雇用に限られておりますね。更新も認められません。人々は一カ月、二カ月、その時々に更新されているような状況では決してその雇用が、仕事があるからといって安心できないと思うんですね。やはりどんな人でも一年、二年というしっかりした期間があって、その間に、じゃ、また今おっしゃったようなキャリアカウンセラーの人と相談しながら自分には何が向いているかという、ちゃんとした定職についていくという、そういう状況が社会不安をなくすには必要だと思うんですが、なぜこれは六カ月までなのか。
○国務大臣(坂口力君) ここは一つのつなぎでございます、率直に申しまして。ですから、このつなぎは本格的な雇用に結びついていくようなつなぎであれば一番いいわけでありますが、必ずしもそういううまい調子にそういういいのばかりができるかどうかはわかりません。しかし、とにかく次のことを考えていただく間の、とにかく大事なこの半年なら半年の間にそこに働きながら次の一手を考えていただくということでは意義があるというふうに思っています。 過去の、半年だけということになっておりましたけれども、今回はその半年を、状況によってはもう一遍それを半年間延ばすこともでき得るという制度も取り入れて、そして全部が全部延ばせるというわけではありませんけれども、そういう仕組みも入れながら、そして皆さん方にこの間に次の一手を考えていただく。市町村の方におきましては、できるだけそのことが後に続くことができるような制度をとにかく知恵を絞っていただく。その二つで、これは御指摘のようにいつまでもというわけにはいきませんけれども、そうした意味での大きな意味はあるというふうに思っております。
○円より子君 つなぎとおっしゃられましたけれども、今、四十代、五十代の失業が大変多くなっております。つなぎで少し仕事が見つかったとして、その間に別の仕事を見つけるときに、そのネックになるのが年齢制限です。 今度、改正雇用対策法が十月一日から施行されましたけれども、現実には罰則規定がない、努力義務ですし、効果が本当にあるのかどうか。現実に、ハローワークですとかいろいろ行っていらっしゃる方は、みんな年齢制限で仕事がないとおっしゃっているんですが、その点についてどう対応なさるおつもりでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘をいただいたように、法律改正をしまして努力義務、そして経営者の皆さん方には極力四十代、四十歳とか四十五歳というような年齢制限で採らないというようなことのないように今徹底をしているところでありますが、結局、いろいろ聞いてみますと、年齢制限というのもやっぱり賃金なんですね。それで、三十五歳未満の人の中で一番ミスマッチというのは、これはやっぱり賃金なんです。四十歳以上のところも年齢というふうに表面は年齢で出ていますけれども、よくよく聞いてみると、やっぱり賃金が高いから年齢になっているわけなんですね。これが非常に多いわけなんです。 こういう元気なときですから、四十歳だったらもう働けないなんて思っている人は全然いないので、これは働き盛りですからいいんですけれども、やっぱり賃金が高いということがあって年齢制限に結びついてきている。それも、そこのところをよくよく聞いてみると、雇う側の人に、会社にとってみれば最初からそんなに高い金は出せないと、こういうことなんですね。それじゃ、二年なり三年なり勤めてその人が立派な仕事をしてくれたら、それはそれでまた上げていくというところもあるわけですが、そこを入り口のところの額だけで見てするものですからミスマッチがより大きくなる。だから、そこは、その中に入って向こうの企業にも相談して、この人は立派な人だからこれはひとつぜひお願いしますよということを言ってくれる人がやはり必要だ、それが私はカウンセラーだと思うわけですね。 だから、失業された皆さんの中にもかなり無理なことをおっしゃる方もあって、私は部長という名前のついたところでなけりゃ困るという人も中にはあるわけですね。三百人以上の会社でなけりゃならぬというふうにおっしゃる方もあるわけで、いや、そうじゃありません、小さくても、会社の大きい、小さいじゃなくて、これからはもう違います、わずか五人でも世界を動かすような企業ができるんですよ、あなたの能力を発揮してもらうこういうところはどうですかというようなことを双方に説得をしていただく人が、今は大きな転換期ですから、そこがやっぱり一番大事だと実は思っているわけでございます。
○円より子君 私も、二十年来、女性が年齢差別を受けてなかなか再就職できないというもののアドバイスをしてまいりましたから、しっかり自分の能力というものをどういうものか見て、棚卸しをしながら再就職のあれをしなさいよというのはもちろんよくわかっているんですけれども、でもやはり、部長でなきゃどうのこうのじゃなくて、何にも言わないけれども、とにかく仕事が欲しい、家族を支えなきゃいけないという方たちもいるわけで、そういう中高年の失業者に対して、カウンセラーがいても、どういうカウンセリングをするというよりもどんな職種の訓練をするのか、そこが大事だと思うんですね。 訓練の中身について、中高年の方のために何があるのか、教えてください。
○国務大臣(坂口力君) 訓練の中身につきましても今いろいろとやっているところでございますが、まず、具体的なことの前に、やっぱり二次産業から三次産業と申しますか、今まで二次産業が日本は盛んであったわけで、これは二次産業をできるだけ維持していかなきゃいけないわけですけれども、どうしましてもこの国際化の中で限界が出てきているわけですね。 どうしても三次産業にある程度移行をしてもらわざるを得ない大きな、大枠での状況がありますから、そこはひとつ皆さん方にもよく理解をしていただいて、いや、二次産業に今までこの十年なり二十年勤めてきたんだから、もう三次産業なんて嫌だ、自分はやっぱり二次産業でなきゃだめだというこだわりのある人たちもたくさんあるわけでございまして、そこのところをどうするかという問題もあるわけでございます。 離職者の訓練を、この人たちに対しまして、とりわけ最近はホワイトカラーの皆さんなんですね、ホワイトカラーの皆さんの中に新しい職を求めることがなかなか難しい人が出てきているといったようなことでございまして、このホワイトカラーの皆さん方に向けました新しい雇用をつくる。例えば、住宅建設の分野でありますとか介護でありますとか、あるいはビル施設でありますとか、そうしたことに対します新しい分野をつくったりいたしまして、その皆さん方にも新しい分野をひとつつくっていこうということも実はやっているわけでございますが、恐らくこれだけでは十分とは私も言えないというふうに思いますが、できる限りの中高年に対する手だてというものも今考えてやっているところでございます。 最近、このほかにバリアフリーのための住宅のリフォームがこのごろ盛んでございますので、そのための訓練コースをつくりましたりとか電子商取引のための訓練コースを立ち上げましたりとか、そうしたことを行いまして、本年六月から八月までに約九千人に受講をしていただいたというような経緯もございます。そうしたことを今やっているということを御報告申し上げたいと存じます。
○円より子君 キャリアカウンセラーの人が何人いても、その方たちがむなしい気持ちになられてはしようがない。つまり、アドバイスをしカウンセリングをしても、的確な資格を取れるような訓練の場もなければ、仕事もなければ仕方がないので、ぜひとも新しい雇用の創出や、それから職業訓練校でこんなものでは古臭くて仕事にならないというものではない新しい職業訓練を早急につくっていただきたいと思います。 少し経済産業省の方にお伺いしたいんですが、大臣いらっしゃらないので、副大臣でいらっしゃいますか。 今、自殺者が三年連続で三万人を超えております。それは、ほとんどが零細企業の自営業者や経営者がやっぱり借金を返せなくて自殺をしたり保険金で借金を賄わなければいけないとか、そういったものが多いんですが、中小企業、零細企業での倒産や失業の実態等をつかんでいらっしゃいますか。
○副大臣(大島慶久君) 円議員にお答えをいたします。 我が国の経済は、一段と今、景気が悪化しております。そういう中で、企業の倒産も多くございますし、また今お話しのように大変多くの方が失業している。まことに残念でありますけれども、最近の倒産の動向ということでお尋ねがございますのでお答えをいたしますが、民間機関の調査によれば、平成十三年度上半期の全国の企業倒産件数が九千三百六件、これは戦後四番目でございます。そして、負債額は七兆二千四百二億円、これまた戦後二番目の高水準。雇用への悪影響が大変懸念されるところでございます。そして、最近の雇用失業情勢については、先ほど来、数字が出ておりますけれども、九月の完全失業率が過去最高の五・三%となるなど、さらに厳しさを増していると我々も認識をいたしております。 こうした厳しい状況に的確に対応するため、今回の総合雇用対策やあるいは改革先行プログラムにおいて、構造改革の推進とあわせて、雇用や中小企業に対するセーフティーネット整備に万全を期することとしております。これらの対策の早急な実施により、国民の皆さん方の不安を少しでも和らげることができるように努力をしてまいりたいと思っております。
○円より子君 自殺した人の中には経済生活の問題を、不況とか失業とか、経済苦を原因とする自殺者が前年比で五・三%と増加しておりますし、四十代、五十代という働き盛りの男性の自殺理由の半数近くを占めております。この働き盛りで自殺した男性の場合、残された遺族の生活というのは大変苦しいと聞いておりますが、この生活実態を厚生労働省では把握なさっていらっしゃいますか。
○国務大臣(坂口力君) そこはなかなか私たちもつかみ切っておりません、率直に申しまして。プライバシーの問題もございましたり、また御遺族の皆さん方のそれぞれのこともございまして、なかなかそこはお聞きしにくいところなものでございますので、我々もそこまで立ち入っての調査というのをいたしておりません。 ただしかし、全体といたしましては、この皆さん方に対して手を十分に差し伸べなければならない、そのことは十分に自覚をいたしているところでございます。
○円より子君 ぜひ早急に調査をいい形で進めていただきたいと思うんですが。 これは新聞記事に、投稿なさった法政の大学生ですが、あしなが学生募金事務局長をしている方の新聞投稿によりますと、彼らの高校奨学生の出願調査で、自死、自殺ですね、自死を含む遺児家庭の母親の四人に一人は失業などで勤労収入ゼロ。また、働いている母親の平均勤労年収は税込み百七十二万だったというのが出ております。 私が二十年来持っております離婚女性のネットワークで、離婚女性の、いろいろこれは厚生労働省も調査していらっしゃいますが、その年収よりも低いんですね。離婚女性の年収も一般世帯の三分の一しかありませんけれども。こうした自殺なさった方の遺族、毎年三万人以上、これは若い人も含めてですが、いるわけですが、その家族に対する、つまり女性が突然夫に死なれた後、また離婚された後、専業主婦だった場合にどうこれから働いていくのか、その就労支援については何か対策を考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そういう御家庭がすべて母子家庭かどうかわかりませんけれども、特に母子家庭のところにつきましては、その雇用につきまして最も優先的にこれは取り組まなければならないというふうに思っておりまして、そのように今言っているところでございます。 この皆さん方の中には本当に低所得で頑張っていただいている皆さんもおありであることも十分存じておりますが、しかし、それすらもなかなか、雇用が難しいという方々もお見えでございますので、今最優先、その人たちを最優先にひとつ雇用のお話し合いに乗るようにということをハローワークにも言っているところでございます。
○円より子君 私の周りには、例えば手術をしなきゃいけないと言われながら痛みを抱えて働いている女性がたくさんおります。なぜ入院しないかと申しますと、例えば四年制大学を出て職業訓練校の講師をしているんだけれども、非常勤で、もし入院などして三日も四日も休めばいつ首を切られるかわからない、それでは二人の子供の高校、大学の費用も出せないと、もちろん今大学生はアルバイトをして奨学金をもらいながら働いておりますけれども、そういう方が周りにたくさんいらっしゃいます。 離婚女性の母子家庭の平均年収は二百二十九万円です。七八年と九八年、二十年間で調べますと、常用雇用は六割から五割に減っているという状況なんですね。こういう状況下で大変苦労しておりますと、当然子供にも余裕を持って接することもできないということがございまして、やはり子供たちというのはこの国の宝ですから、そうしましたら、母親が収入の安定もない、住居の安定もないというところで暮らしているということに対して、やはりきちんと行政が何とかしなければいけない。 ところが、彼女たちは大変やはりみんな気位も高いですから、何も福祉に依存しようとは思っていないわけですね。きちんと働いて勤労所得で生活できるようになりたいとみんな思っているわけです。そういう人たちに対して、厚生労働省では、今まで働いていて失業した人に対して雇用保険で何とかしようという、そういう政策はずっとあったと思いますけれども、そうじゃない、これから働こう、これは死別や離別だけじゃなくて、夫が失業したりリストラに遭ってという人もいるでしょう。これから働きたいという専業主婦だった女性たちに対する政策というのはもうすっぽり抜けているように思うんですが、その就労支援について、特に離婚女性の場合、今度、児童扶養手当を削減しようという動きがもうはっきりとあって、十八歳までというのを五年間に減らそうという動きもあるそうですが、その辺をどうクリアして就労支援の方に振り向けるのか、そのあたりを大臣、お願いしたいと思うんですが。
○国務大臣(坂口力君) ここは、母子家庭の方がその支援をお受けになっているのは、大体七、八割は五年以内なんですね。それで自立をされていかれるわけですよ、それ以後は。それで、我々はどちらかといえばそういう自立をしていくことを援助をしようと、自立を。今までのように補助をする、助成をする、そのことを中心にした母子政策というものから、自立をしていただくことを中心にした政策というものをこれからやっていかなきゃならない。それは、やはりその皆さん方のためにもプラスになる話だというふうに思っております。 例えば、障害者の皆さん方でも税金を払う障害者になろうというような運動を展開をしておみえになる皆さんもおありでございますから、私は、やはりこの母子家庭の皆さん方につきましても、そうした自立というものを大事にした支援というのがやっぱり大事だろうというふうに思っています。それを中心にしてこれから考えて、まだこの法案、固めたわけではございませんで、今やっているところでございますが、できる限り皆さん方にも理解のしていただけるような線でこれはおさめなければならない、しかし方向性としてはそういう方向であると、こういうことでございます。
○円より子君 私も今申し上げましたように恩恵的福祉に頼ろうとは思っていないと。労働所得によって生活できることをと、ほとんどの方が思っていらっしゃいますので、その就労支援のシステムをきちんとつくって、そこにこそ予算を使うべきだと申し上げているので、ぜひそうしていただきたいと思います。 それについて総理はいかがお考えでしょうか。──いいですか。 もう一つ扇大臣にお伺いしたいのは、高齢者の居住の安定確保に関する法律が三月にできまして、そして十月に施行されました。先ほど申し上げたように女性たちは福祉に依存するよりも自立していきたいと思っているわけですが、住居に入れないということがあるんですね、保証人がなくて。ですから、この今の法律に高齢者だけではなくてそうした離婚女性も入れていただければと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(扇千景君) いかにも円先生が一番専門にしていらっしゃることの御質問なんですけれども、少なくとも今後高齢者の、十五年間、今後、少なくとも五百万世帯、高齢世帯になると言われておりますので、この対策ということで今おっしゃいました高齢者居住法というものができたわけですけれども、一般の大家さんにしてみればなるべく高齢者を入れたくないと。何かがあって家賃を払ってもらえなくなるんじゃないかという、そういう大変不安があって高齢者には貸したくないと。そういう傾向があって、初めてこの高齢者の居住法というものができたわけですけれども、これができましたおかげで私たちは少なくとも高齢者の入居を拒まない賃貸住宅がふえると。 そしてまた、そういうためには、まず登録をしていただく。そして、閲覧制度を設けて、ここに入る人はこういう人だということできちんと保証していこうということで、家賃の債務保証制度というものができました。そのおかげで、民間業界の皆さん方も、ああ、この保証制度があるんだったらお年寄りに貸してもいいなということで、今高齢者世帯以外を対象としました家賃の債務保証をするという民間業界がたくさん出てまいりまして、この債務保証事項というこの事業者が拡大していくと、今、先生がおっしゃいます離婚されて子供を持っている大変行き場のない人たちも、私はこの保証協会等、協会ではない、事業者ですけれども、民間ですけれども、これがどんどんできて保証ができると、今、先生がおっしゃったようなことも、私は高齢者のみならず、そういう離婚をされた人とか子供を持った人とか、急に主人が出ていけと言うかどうかは知りませんけれども、自分で探さなきゃいけないという人たちも賃貸の枠が広がるということで、今回の民間の保証業者ができたことだけは、私は大変今後広がりを持って、そういう人たちの救済にも役立つと思っております。
○円より子君 それでは、時間も少なくなりましたので狂牛病のことに移りたいと思いますけれども、きのうの新聞に、狂牛病の全頭検査が行われたけれども、死亡牛の大半が検査の対象外だったという報道がございました。死亡牛の方が狂牛病の危険度が高いと言われていますが、この記事は正しいのか。また、今後どのような検査システムをつくるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(武部勤君) 死亡牛の場合は、一つは焼却処分をするという、そういうケースがあります。それからもう一つは、レンダリングにして肉骨粉にしてから焼却処分にすると、そういうことでありまして、現在、牛由来の肉骨粉は出荷されておりませんから、今の新聞の記事のような懸念はないわけであります。 しかし、今後、一番消費者の皆さん方や国民の皆さん方が懸念しているのは、もう二度とBSE発生はないのかどうかということを懸念していると思います。あるいは、今飼育されている牛の中でそういう牛はいるのかいないのかという心配、懸念があると思います。 このことにつきましては、農場段階でBSEを摘発する体制を強化するというのが第一点でありまして、このためにもう既に九月二十日以後、農場段階で中枢神経症状のあるものあるいは起立不能の牛、これは検査しております。今まで出た頭数はすべて陰性でした。 それから、御案内のとおり死亡牛というのは年間十六万頭ぐらいあるんですね。これはけがしてもう屠殺しなきゃならないと、そういう牛からいろんな病気で亡くなったという、死亡したという牛などもございます。これらについてどうするかということについては、二十四カ月齢以上の死亡牛のうち年間四千五百頭を対象としたBSEの検査を実施しているところでありますが、さらにEUは死亡牛全頭の検査をやる、そういう体制をとろうとしております。しかし、これは農場で亡くなった牛をどのようにして運ぶかとかさまざま問題がありまして、こういったことについての、死亡牛からの検体の採取あるいは検査体制、死亡牛の検査終了までの取り扱い等、一連の検査システムのあり方を含めまして私どもも前向きに検討してみたいと、このように思っておりますし、既に今度のBSE発生以後、農協等がそういった牛はもう一切外に出さないと、したがって十五億円ぐらいかかるんだそうですけれども、全部焼却処分にしたいと、こういう要請もあります。そういったものを支援するということも一つ検討しております。 さらには、大きい動物ですから、これを、簡単に言うと細かく刻まないと焼却に持っていくにも運びようがないというようなところもあるわけです。そういったことも含めて、今農林水産省としてはどういう方法が一番いいかということを検討してまいりたいと思います。
○円より子君 私は、これは大変な問題で、ゆっくりやっているような暇はないと思うんですね。EUでは死亡牛の検査というものをすぐ始められるそうですけれども、そもそも感染経路の究明もまだなされていないと思いますが、そうしますと、もう大変迷惑をこうむっていらっしゃる生産者や加工業者、そして消費者の信頼を取り戻すには本当に時間がかかって、一体日本の食の安全というのはどうなるのかという問題がありますけれども、そもそも行政のミスから私はこれきているんじゃないかと思うんですね。 九六年に英国で初めて人間に狂牛病が発症したときに農水省は通達のみで済ませて、このときの畜産局長が今は事務次官でいらっしゃいますけれども、なぜこういったことになったのか。責任は追及なさったんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 一つお断りしておきますけれども、人の健康に影響を与える体制は今断じてありませんので。屠畜場からは安全な牛の食肉しか出回らないということは誤解のないようにもう一度繰り返して申し上げます。 今の責任問題ですけれども、これは過去にさかのぼりまして、第三者委員会を厚生労働大臣と私の諮問機関として立ち上げまして、十九日に第一回目の会合を持ちます。これまでどうしてこういうことになったのか、今御指摘のようなことも含めましてさまざま検証しなきゃならないと、客観的に、科学的に検証しなきゃならないということで、そこでしっかり御議論いただいて御提言をいただこうと、かように考えております。
○円より子君 例えば、昨年十一月に最初の狂牛病の感染例が発表されたドイツでは、御承知のように、ことしの一月にこの対策のおくれの責任をとって閣僚二人がおやめになっておりますが、こんなに、千五百億でしたか、何かこの狂牛病によって予算が使われて、国民の税金が使われるわけですけれども、食の安全を脅かしたという点と、いまだにまだ不安感が残っている、決して今おっしゃったようには皆さん思っていらっしゃらないということから、本来だったらおやめになるのが筋ではないんでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) とにかく、まだ間断なくやらなきゃならぬこと、たくさんあるわけです。そういったことをしっかりやらなきゃならないということが私の責任だと、かように思っております。
○円より子君 循環型社会というのは、これから二十一世紀、私たちが築いていかなければならない社会なんですが、実はそのリサイクルにはさまざまな危険が伴うということがこれでわかったと思うんですね。 こういった循環型社会の中でリスク評価をどうしていくかという問題が今後出てくると思いますが、環境大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 二十一世紀を通して循環型社会をつくっていかなければいけないということはそのとおりでございまして、それは、リサイクルだけではなくて、リユースの場合でもリサイクルの場合でも、あるいは廃棄の場合でも、それに伴うリスクというのをきちんと踏まえ、食の安全だけではなくて、生態系への影響、生態系への安全ということも視野に入れて、その二つの重要なことを両立させていかなければいけないと思っております。 そのために、委員おっしゃられるようなリスク評価の手法なりということが重要になってくるわけでございますけれども、環境省といたしまして、委員御指摘の基本的な問題意識は十分に問題意識として持っておりますので、関係省庁、農林水産省や厚生労働省と一緒に対応していきたいと考えております。
○円より子君 今、環境大臣おっしゃったように、一つの省庁だけでこの問題は解決できないと思うんですね。やはり、人々の命にかかわる食の安全ということから考えますと、それこそ農水省という名前にもう一つきちんと消費者保護とか食糧とか、そういうのがつくぐらいの、それは名前を変えるだけではなくて、そういった今後体制が必要だと思うんですが、そういったこともしながら、実は対応のおくれがあったことの責任はやはり私は大臣こそがとられるべきだと思うんですが、もう一度いかがですか。
○国務大臣(武部勤君) 私のどういう責任を求めているかわかりませんけれども、とにかく国民の皆さん方に、一日も安心していただくような体制をつくるために全力を挙げるのが私の責任であります。 それから、過去にさかのぼっての検証は、先ほども申し上げましたように、専門家の皆さん方や消費者の皆さん方で委員会をつくるわけでありますから、そこで月二、三回、まあ二、三カ月ぐらいの間にやっていただこうということでありますので、客観的に、科学的にそういった問題を御検討いただく。その上でどうするかということは、これは当然いろいろ考えていかなきゃならないと思います。 先ほど職員のことにつきましてのお話ありましたが、この委員会では、人事権は私にありますから、そういったことまで議論いただくというのは適切ではないと思いますけれども、いずれにいたしましても、過去にさかのぼって検証して、客観的に、科学的にどうあるべきか、そして畜産、食肉、衛生、こういったことについての行政のあり方ということは、御案内のとおり、御指摘のとおり一元的なものにしていかなきゃならないと、どうあるべきかということもそこで検討いただきたいと思っております。
○円より子君 経済の状態はひどいですし、同時テロ事件は起きますし、その陰でそれほど大きくはなっておりませんが、この狂牛病については女性たちはみんな、本当に子供たちに食べさせていいのか、もう牛肉だけではなくて、ベビーフードからさまざまな牛肉エキスを使ったもの、みんな心配しております。 この行政の対応のおくれ、責任について、総理はどう思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二度とこういうことが起こらないように、今、検査・管理体制を強化するということで責任を果たしていくべきではないかと思っております。
○円より子君 それでは、あと二分の中で実はテロ対策特措法についてお聞きしたいと思っているんですが、これは、ちょっとけさの新聞報道でしたので、同僚の小宮山議員からも質問のあったもので、一言だけ総理にちょっとお聞きしたいんですが、田中外務大臣が閣内不一致の発言をなさった件でございます、ラマダンの間は空爆。それについては言っていないとおっしゃられたんですが、そうしましたら、その新聞記事に対して、きちんと訂正を出されるとか、また、名誉毀損なり、閣内についてのこんないろいろ混乱を起こされては困るという注意をなさるべきだと思うんですが、まず田中大臣、そういった行動をなさいましたでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 産経新聞でございましたか、今お持ちのものは。けさ、小宮山洋子先生もおっしゃいましたけれども、この新聞は毎日のように、連日これはもう私が着任以来あって、何度か役所と相談して、張り出しといいますか、けさほどお話もしましたけれども、役所の方の霞という記者クラブを通じて張り出しでもって抗議もしておりますけれども、なぜそういうことを書くのか私もわかりませんし、その中身にいたしましては、私はとにかくそのような発言は、ラマダン中だから空爆をやめろとかそんなことは言ったことはございませんし、一緒にいた役所の幹部もそう言っております。 以上です。
○円より子君 じゃ、産経新聞に抗議なさったというふうに確認してよろしいんですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 一々今やっておりません。
○円より子君 ぜひともそういったさまざまな、外相の本来の外交ではないところでこんな記事が起きないようにしていただきたいと思いますけれども、では、外交の方でお聞きしたいと思います。 今アフガンで空爆やいろいろ起きておりまして、北部同盟が占有したりとかありますが、今の戦局をどのように考えていらっしゃるかというのをお聞きしたいんですが、今後の戦局展開をどう予測し、そして、衆議院の参考人質疑ではペシャワールの会の中村さんというずっとNGO活動を続けている方が自衛隊派遣は有害無益だともおっしゃっていますが、現実はいつ自衛隊を派遣したら有効なのか、状況ごとのシミュレーション等は行っていらっしゃるんでしょうか、総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 状況を把握して必要な体制をどうとるかということを今検討しておるわけでありますので、いずれ近い将来にはその基本計画を国会に報告できる状況になると思っております。 また、現在のアフガン状況につきまして、アメリカ政府も、アメリカ内部においても軍事戦略、軍事状況については秘密にしなきゃならないところがたくさんあるので、公表できない面があるということを申しております。 日本としてはこの軍事戦略に参加しておりませんし、また、するつもりもございませんので、今の状況、どういう状況かということについては、我々としては一日も早く、テロリストによって多くの国民が被害を受けているアフガン、こういうアフガン情勢に対して早く和平をもたらしてもらいたい、そして、アフガンに対して今後の復興戦略に対して日本ができることがあるならば必要な支援、協力はしたいということを述べているわけでありまして、どのように状況があるかと、厳しい状況は確かでありますけれども、どういう状況かということをここで詳しく述べることが果たして私の立場としてどのようなものかと。現在の状況は、まだタリバン政権も崩壊しておりませんし、ウサマ・ビンラーディンも逮捕されていないわけでありますから、一日も早いそういうテロリスト並びにテロリストの拠点が壊滅されてテロがなくなるということを願うばかりでございます。
○委員長(真鍋賢二君) 時間が参りました。
○円より子君 済みません。大量に発生する難民の可能性……
○委員長(真鍋賢二君) 時間が参りましたので、時間厳守を願います。
○円より子君 そうですか、わかりました。 では、これで終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で円より子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、草川昭三君の質疑を行います。草川昭三君。
○草川昭三君 公明党の草川であります。 最初に、多分あすではないかと思いますが、テロ特別法についての基本計画の閣議決定が行われるのではないかと思うんですが、そのことについて長官と総理に一問ずつ最初に御質問したいと思います。 現在、防衛庁設置法の情報収集を目的に三隻の自衛艦が出動をしておりますけれども、基本計画閣議決定後はこの三隻の任務はテロ対策特別措置法の派遣任務に一元されるのか。一元されないとするならば、防衛庁設置法の情報収集は地域制限もないために、地域と任務を限定をしているところのテロ対策特措法がしり抜けになるのではないかというおそれを私も本日ちょっと思ったものですから、特に冒頭にこの点についての質問を行いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今般の情報収集のための艦艇の派遣は、今後、協力支援活動等を円滑に行うための、その海域や地域に沿って、その選考のために行っております。 現時点においてこの時期、その部隊の内容等を申し上げる段階ではございませんが、仮定の議論といたしまして、今後、テロ対策特措法に基づいて協力支援等のために艦艇を派遣する場合に、この予定をする地域においてこの情報収集のための艦艇が所在しているときは、部隊の運用上の効率性等を考慮してこれらに協力支援活動の任務を付加するということはあり得るというふうに考えておりますが、このような場合におきましては、草川議員のおっしゃるように、この基本計画において改めて協力支援活動のための部隊として位置づけるなど、一元化をするための必要な手続をとるということを検討してまいりたいというふうに思っております。
○草川昭三君 護衛艦の活動目的とされた情報収集はテロ特措法の活動内容に挙げられて実はいないわけでありまして、このため、基本計画では情報収集は独立した項目として明記されていません。そこで、本来は護衛艦というものは輸送を目的に派遣され、米軍への情報提供等はテロ対策法に基づかずに自衛隊の従来の任務として行わざるを得ないと思うから今のような御答弁になったと思うんです。 そこで、総理に、私のこれは要望として聞いておいてもらいたいんですが、護衛艦の活動目的とされた情報収集はテロ特措法の活動内容に挙げられていない、今言ったように。国民に疑問、疑念を持たれないためにも防衛庁設置法の任務を私は解いた方が本来はいいのではないか、既に三隻出ておる分ですね。三隻出ておる分については防衛庁設置法の任務を解くべきだと思いますけれども、これは私の要望ですが、総理に見解を賜って次の質問に、終わりたいと思うんですが、一言、総理から答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 防衛庁設置法とテロ対策特別措置法と一元化する必要もないのではないかと。設置法に基づいて活動している自衛隊の艦艇がテロ特措法に基づく任務をする必要がある場合はそちらに行きなさいということもできるということでありますので、それは状況を見て判断すべき問題ではないかなと思っております。
○草川昭三君 この問題は議論をすると大変長くなる議論でございますし、我々も与党でございますので、それを支持するという立場の質問を念のためにしたと、こういうわけでございます。 そこで、実は本日は、いうところの医療制度の改革の問題について本来の質問をしたいのでございますが、非常に削減効果を急がなければいけないということはもうきのう来からも議論になっておるところであります。私は、いずれにしても薬価に切り込まざるを得ないという意見なんです、薬価を切り下げざるを得ない。過去ずっと薬価は切り下げてきたわけですから。 そこで、取り上げたいのは、いわゆる同一成分で同一効能、中身は同じですよ、飲めば効き方も同じですよといういわゆる薬でありながら、値段が先発の薬と後発の薬とは半分の違いがあるわけです。これはおかしいじゃないですかということを長年私は取り上げてまいりました。 しかし、残念ながら、医療費は、薬剤パーセントは、きのうも総理おっしゃったように、二〇・一%に下がってきた、三〇%から。しかし、医薬品というのは約六兆円を前後していると。約六兆円を前後しています。それが減らないということを減らすことが私のきょうの趣旨なんです。 そういう趣旨で、これは厚生労働大臣にお伺いをしますが、後発品の薬価は一体どの程度違うのか、先発と。例えば、高脂血症剤の先発品ベザトールSR錠と後発品のベザテートSR錠とでは、一年間例えば服用、薬を飲んだ場合に薬剤費はどの程度違うか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お述べになりましたベザトールSR錠というのと後発品でベザテートSR錠という、名前もよく似ておりますが、こういうのがございますが、この先発品でございますところのベザトールSR錠は一年間分で四万四千三百八十四円、それからベザテートSR錠というのは二万二千二百六十五円、年間の差額は二万二千円、こういうことになります。
○草川昭三君 今おっしゃったように、同じ中身の同じ効能でも半分の値段の違いがあるんです。しかし、俗に言うこの後発品というのはなかなか大学附属病院だとか国立病院だとかという大手の病院では使用されていない。昔はそこに薬価差益があったのではないかと言っていたんですが、薬価差益も大分縮まってまいりました。 なぜそういうように後発品の使用が悪いのかということですが、同じく厚生労働大臣に国立病院における薬の使用状況についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 国立病院でありますとか療養所におきましては、各施設の診療機能によりまして取り扱う疾病もそれぞれ違いますので、使用される薬剤も多岐にわたっていることはもう御承知のとおりでございます。 このようなことで、各施設の判断によりまして医薬品を選定、使用をしているところでございますが、後発医薬品の全国的な使用状況についてはデータを持ち合わせていないというのが役所からの答弁書でございますけれども、ここはそんなできないことないわけでございますので、ちゃんとやらせます。やらせたいと思います。
○草川昭三君 同じような点を文部大臣にお伺いします。大学附属病院はどうなっていますか。
○国務大臣(遠山敦子君) 国立大学病院におきます後発医薬品の採用状況につきましては、残念ながら我が省といたしましても調査を行っておりません。 ただ、都内の大規模病院であります東京大学医学部附属病院に今年度の使用状況を照会いたしましたところ、二品目において後発医薬品を採用していると聞いております。 各国立大学病院におきます医薬品の採用は、各病院に置かれております薬事委員会等において、まずその安全性を第一にした上で経済性、利便性を総合的に判断して後発医薬品も含めて採用を決定していると承知しております。
○草川昭三君 今、総理、答弁を聞かれておわかりだと思いますが、国立病院も後発品の採用はほとんどしていないんです。それから、大学附属病院も後発品の採用はしていないんです。ここが今まで余りメスが入れられていなかった。私は衆議院のときにずっと長い間この問題を取り上げてきているんですが、残念ながらこれを打ち破るわけにはまいりません。 そこで、この点について大蔵省は、日本の薬価問題について主計局がいろいろと提言をしておみえになりますが、その提言の内容についてこの際御説明を願いたいと思います。
○副大臣(尾辻秀久君) 御指摘のとおりに、薬剤費が下がりますことは財務省にとりましてもいいことでございますので、成分、薬効が同じであれば価格も同じである、そういう考え方のもとに、先発品価格は原則として後発品価格の水準まで引き下げることとしてはどうか、それからまた、後発品の使用拡大のための誘導策はとれないか、そうしたことを厚生労働省に御検討をお願い申し上げておるところであります。
○草川昭三君 一方、いわゆる経済産業省の方でいろいろと将来の日本の企業のあり方について議論をしておみえになり、提言があるわけですが、経済産業省の方からの答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。 バイオインダストリーというのが二十一世紀のリーディングインダストリーとして大変大きな期待が持たれているわけですが、その大きな出口の分野というのがゲノム創薬でございます。ただ、このゲノム創薬は、画期的な新薬につながる期待が大きいと同時に、他方でその研究開発に膨大な投資を要するという側面がございます。したがいまして、関係の企業は内外で合併等の努力を今懸命に進めているところでございますが、私ども、こうした産業界の努力と並んで、大きな研究開発投資を要しますこういった革新的新薬の開発投資の回収を可能とするような価格制度というものが必要ではないかというように考えております。 他方で、先ほど来議論にありますように、消費者利益の増進のためにはこういった画期的新薬の創出に加えて、ジェネリック等の安価な医薬品が患者の選択によってより普及していくことも重要であると考えております。 こうした観点から見ました場合に、現在の薬価制度はいわゆる改良型新薬の開発インセンティブが高いとも言われておりまして見直しが必要な部分があるのではないかと考えております。 そうしたことから、産業構造改革・雇用対策本部の中間取りまとめにおいても、「画期的新薬の薬価算定ルール等薬価制度の見直しについて検討する。」とされていると承知をいたしております。 いずれにいたしましても、患者の方々や財政の負担を抑制しつつ、バイオインダストリーの育成による経済、雇用の活性が図られることが大事だという観点から、中央社会保険医療協議会や総合規制改革会議等における薬価制度の見直しについての議論を注視してまいりたいと考えております。
○草川昭三君 今、経済産業省の方からかなり立ち入った提言が出ております。例えば、ジェネリックというのは後発メーカーのことをいうんですが、安い医薬品が患者の選択によって普及をされることもひとつ必要ではないだろうか、こういう提言もあるわけであります。 そしてまた、厚生省の方も今中央薬事審議会の中で、まさしく同時並行的にこの種のことが議論をされておるやに聞いておるわけでございますけれども、私は、後発品使用促進のガイドラインを思い切ってこの際つくったらどうなんだろうと。 それで、後発品のガイドラインというのは、数字でどういうところの数字がいいかわかりませんけれども、平成十一年度の市場から数字を出してまいりますと、後発品のパーセントは四・七%であります。これはいわゆる金額ベースでありまして、数量ベースでは一〇・八。これを少なくとも倍ぐらいに目標値を与えながら、例えば国立大学の附属病院あたりも割り切ってもらう、あるいは国立病院も割り切ってそういうことをやっていただくようなことをやったらどうかと思うんですが、その点、厚生大臣の御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これ少し検討をさせてもらわないと、なかなかいろいろな点があるというふうに思いますが、よく代替調剤というんですか、ございます。調剤をいたしますときの薬剤師さんが、同じ薬でありましたら、商品名はどれであってもどれかを使えばいいと、こういうことを、薬剤師さんの方にそれを与えようじゃないか、こういう話でございますが。医師の方がこの薬という今度特定をしました場合には、それはその薬を使う、しかし特定のないときにはやってもいいというような何かルールをひとつできないかというようなことも今検討をしているところでございます。 それらも含めまして、患者さんの方が安い薬がいいか高い薬がいいかという選択ができるように、うまいぐあいにそれができるかどうかということも、これなかなかわかりにくいことがございますし、しますから、その判断をどうするかというようなこともございますので、その辺もあわせて検討させていただきたいと思います。
○草川昭三君 そこで、ここからちょっと総理に聞いていただきたいんですが、今は俗に言うところのゾロ、後発が値段が安いという話をしたんですが、実は長い間薬価を下げておりながらも、薬剤費は例えば平成三年度から六兆四千億、これが一時高くなりまして、七年に薬剤費が七兆を超しまして、今は五兆九千万で下がってきたんです。それはそれなりの努力を評価しますが、先ほど経済産業省の方から、新規性の乏しい新薬、いわゆるゾロ新の薬価のあり方という発言があるんです。これは非常に難しい問題ですが、後発品のことを今まで我々はゾロ、ゾロと指摘してきたんですが、そうではなくてゾロ新というジャンルがあるんです。これが非常に今の日本の薬価を高目にしておるのではないか。 ゾロ新というのは、薬は十年とか十八年かかる、開発をするのに。大変なお金がかかる。それで特許をとるわけです。特許は大体二十年です。その特許の二十年の間は独走できるわけです。その特許もさらに五年間延長してくれるわけですよ。その間に、新薬だけれども、高い値段がついた新薬だが値段下がるんです、毎年、流通をすれば、買いたたきもありますから。 だから、そこの市場調査をやられて薬価を決められちゃかないませんから、メーカーは特許権の存在期間であるにもかかわらず改良型新薬というのをやるわけです。多少手直しをするわけです。手直しをした薬をいわゆる上市、市場に提案するときに、結局類似薬効ですから、今までの一番高い薬価がつくわけです、それに参考になる。だから、下がってもカメの甲を少し変える、それだけで高い値段がつくわけですから、私が今言った後発の薬とは全然違う。 問題は、日本の六兆円の薬価というものをなかなかこれ押し下げるわけにはまいりません。ここを、ここのメスを破らない限り私はこの医療費の改正というのはどうしても限界が来ると思うんです。 それですから、もう時間が来ましたので、最後に私がこれ一方的に演説をしますが、いわゆる再審査期間が終了をして後発品があるというのが全部で三四%あるんです、三四%。それを少なくとも金額に直しますと二兆二百億になっているんです、薬剤費。だから、後発品を半分使うと一兆円浮くんです、半分使うならば。簡単なんですよ。だから、この後発品を、一兆円浮くという私の提言を総理がきちっと対応をしていただくならば、そんなに無理をしなくても我々の今悩んでおるところの医療の改革はできると思うんですが、少し丁寧に答弁をしていただきたいと思うんですが、どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、私の厚生大臣のときもいろいろ御指摘をいただきまして、先発品、後発品、いい薬が出ると後からぞろぞろぞろぞろ出てくるので、ゾロ、ゾロ薬品というお話も伺いましたが、これは本当に今言っているような安い薬を使っていただければいいんですが、同時に新しい薬を開発するためには時間もかかるしお金もかかる。そういういい薬を開発する意欲を損なわないように、しかもできるだけ安い薬を使ってもらうような方法、今言ったような御指摘も踏まえましてこれからよく検討して、できるだけ御趣旨が生かされるような改革をしていきたいと思います。
○草川昭三君 以上で終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、緒方靖夫君の質疑を行います。緒方靖夫君。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 この九月以来、総理とは二度にわたりましてテロをいかに根絶するかという議論をしてまいりました。私は、十月末から一週間にわたりまして、アフガニスタン問題の党調査団長といたしましてパキスタンに行ってまいりました。きょうは、その調査を踏まえて幾つか質問したいと思います。 まず、アフガニスタンの国内情勢でありますけれども、この二、三日に各派勢力の配置に大きな変化があったと思います。私は二十二年前にカブールを訪問して以来、アフガニスタンに何度もいろいろかかわってまいりました。ですから、あそこの部族間の矛盾や対立やどういう感情を持っているかということについてよくわかりますので、私は、今回の事態というのは国内の事態が複雑になるな、そんな直観がいたしました。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 もちろん、情勢の見きわめ、これは注意深く見ていかなきゃなりませんけれども、その点で、部族間の報復とか、あるいはまたアメリカも恐れていた、実際に人権侵害とか、あるいはその抗争、それは既にあらわれているなと思います。 あるいは、じゃ軍事的にどうかと見ますと、これはラムズフェルド国防長官が一番最近、きのうの会見で、タリバンが山岳地帯に散らばって、さらに北部同盟の今占拠しているところにも出没する、そうすると戦線がかなり広がるだろう、とすると、空爆は、彼の言葉で言うとフルレンジで全面的に継続されるだろう、そう述べて、テロとの戦いで戦争終結はほど遠い、そう述べながら、情勢の複雑さとその任務の困難さ、そのことを述べていた、このことは大変印象的でした。 そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、アフガニスタンをめぐる今日の情勢について、もちろん予断を入れるようなことはできませんけれども、総理御自身の御所見、これをまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロとの対決、そして今のアフガンの状況を見ていますと、いかにこのテロリズムとの戦いが困難を伴うものかというのを日に日に感じているわけでございます。それだけに、国際社会が協力して、あらゆる手だてを講じながらこのテロ根絶のために立ち上がらなきゃならないと。 特に、アフガンの情勢というのは、今までいろんな部族間の権力闘争、さらにはイギリスとの戦い、ソ連との戦い、そして同じ部族間の戦い、もうさまざまな戦いを経験している国でありますので、それだけに一層難しさが加わってくると思います。 我々としては、そういう状況に対しましても注意を払いながら、日本としても何ができるか、また何をしなければならないかということを考えながら、テロ根絶のために、国際社会と協調体制をとりながらいろいろな努力をしていかなければならないと思っております。
○緒方靖夫君 さて、きのう、一緒に調査に参りました小池議員が、クエッタでクラスター爆弾の被害者、そのことについて述べました。私自身もペシャワールで十一歳の少女と十六歳の少年がクラスター爆弾で負傷して入院している病院を訪ねて証言を得ました。調査団としてクラスター爆弾の使用を確認したことについて国連に通報したところです。 米軍はクラスター爆弾以外に、戦術核兵器に次ぐ殺傷能力を持つ、そう言われております気化爆弾、これを使っていると確認しております。これは、二キロ四方、これはちょうど東京ドームの六十七個分に当たるわけですけれども、その面積の生物をすべて一瞬にして窒息死、焼け死なせるという、そういう兵器なんです。 それだけじゃないんです。私はイスラマバードでケリー国連地雷除去活動責任者と会いました。彼は私たちに、米軍は放射能兵器である劣化ウラン弾も使用している模様、このように証言いたしました。 総理、御存じのように、劣化ウラン弾は湾岸戦争で初めて使われた。放射線被爆などによる健康障害が広がるなど、大きな問題になった兵器なんです。アメリカは訓練使用を禁止している、国内で。開発実験も核兵器並みの特別管理を行っている、そういう兵器。こういう兵器が使われる。 これが使われる以上、市民に犠牲が及ばないようにと幾ら細心の注意を払ったところで、そういう使い方ができるわけはないと思うんですけれども、いかがでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我々としては、このテロとの戦い、アメリカを強く支持しております。また、軍事戦略においてアメリカは言えないこともあると。しかし、民間人に対してできるだけ犠牲を出さないような細心の注意を払うということを表明しておりますので、そのような形でテロ撲滅の戦いが成功するように、我々も支援をしていきたいと思っております。
○緒方靖夫君 総理、劣化ウラン弾は放射性物質を飛散させ、それを吸い込んだ兵士や市民の間でさまざまな疾患を引き起こす、そうしたことが今進行中ですね。 私、きょう、こういう写真を持ってまいりましたけれども。(資料を示す)これは湾岸戦争のときに劣化ウラン弾が使われた、そのときに放棄されたイラク兵士の死体ですよ。黒くなったのが、これ人間の死体なんですね。私はこれを見て、広島のあの悲惨な原爆の跡を思い起こしました。こういう兵器が使われる。今日、退役したアメリカ、イギリスの軍の兵士からも、あるいはその家族からも、また戦場だったイラクの軍人、市民の間からも放射線被爆のさまざまな被害、白血病、慢性疾患が広がっております。それから、その親からは先天性の障害を持つ子供も生まれている。 私は、このような残虐兵器の使用、これはアメリカの作戦だからといって、あるいはアメリカが細心の注意を払っているからといって、同盟国の日本がこれを放置していいのか。私は、そのことを総理に率直にお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 戦争というのはむごいものであるということを、我々みんな今回の事態を見ても認識しているわけでありますが、まずテロとの戦いと。そうすると、このテロによる犠牲者、これに対して、このままアフガンに対する空爆等をしないでまたテロの被害が起こらないのかというと、そうでもない。そこに難しさがあると思うのであります。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕 テロとの戦い、したくない戦いをせざるを得ない。アメリカも好きこのんで、私は、空爆をやっている、あるいは戦闘に参加しているとは思っていません。しかしながら、このテロ、ほっておいて、何年の間も次々と無辜の市民を、全く関係のない人を犠牲者にしてしまう。反省の色がない、これからもどんどんやると言っているんですから。やらないで、じゃテロはなくなるのかと。そうじゃない。そこに難しさがあると思います。
○緒方靖夫君 こういう残虐な兵器を使うことについても仕方がないと言われる。 そして、国際人道法の世界では、やはりこういう残虐な兵器は使うべきではないという、それが一致した声として上がっているわけですよね。今、戦争のことについて言われましたけれども、総理の頭にはどうやら戦争を進めるしかテロと戦う道はない、そういうふうに描かれているようですけれども、私たちの党、これは何度も議論してまいりました、それからまた国際社会においては、別の手段、戦い方をすべきだという、そういう主張もある、このことをやはり念頭に置いていただきたいと思うんです。 そこで、この残虐兵器の点ですけれども、細心の注意を払うと総理言われましたけれども、例えば軍事目標にピンポイントでこういう兵器を使用することはできるのかという問題があるわけです。 ラムズフェルド国防長官は、米軍の空爆の命中率は八五%だと、これはいい成績だと自画自賛していますよ、八五%。実際に、米軍の基準では五〇%、今の科学技術の水準で五〇%命中すれば合格だと、これが米軍の基準ですよ。軍事目標にピンポイントはあり得ないんですよね。そして、通常の兵器だって必ず民間の犠牲を生む。これはもうこの間議論していたとおりです。そして、さらにクラスター爆弾でいうと周囲七百メートル、東京ドームの八個分、この広がりに子爆弾を飛ばすわけですね。そしてさらに、今言いましたように、気化爆弾は東京ドーム六十七個分の広がりで人を殺す。 こういう兵器を使って、総理、細心の注意を払って軍事目標に当てる、そういうふうに言われますけれども、幾らそういうふうに言ったところで、これだけの兵器を使うということはそんなピンポイントの攻撃があり得ないということを示すんじゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 言っていることはわかりますが、それよりもひどいのは、アメリカはできるだけ民間の被害を出さないように細心の注意を払う。一方、テロリストは何ですか。あらかじめ意図的に全く民間の人を犠牲者にすることを計画的に組織的に引き込んで、なおかつ全く反省の色はない。ハイジャックして、武器でない飛行機を武器にする。しかもあらかじめほとんどの乗客は、計画する前からわかっているわけですよ、無実の人たち、無辜の人たち、関係のない民間人。そういう人たちを意図的に長期間、計画的に犠牲にしよう、こういうことは私は卑劣な許せる行為じゃないと。それに戦わなきゃならない。
○緒方靖夫君 総理と負けないぐらい我々はこのテロリストと戦う。そして、テロリストをこの地球上から放逐する。その戦いを私たちはこの間総理に対しても提起し、そして訴えてまいりました。 大体、テロリストのやっていること、もう糾弾しなきゃいけないそのテロリストのやっていることとアメリカ軍のやっていることを並べたこと自身、私はこっけいだと思いますよ。 そして、アナン国連事務総長は十二日に、アフガン情勢に関連して大量破壊系兵器の使用、拡散に反対する国際規範をつくろう、総理御存じだと思いますが、そういう呼びかけを行いました。要するに、アメリカがこういうことをやっている、そのことに対する国際世論が高まっている、それを受けての発言なんですよ。総理は、こういうアナン国連事務総長の、こういう野蛮な兵器を使うこの問題についてどうお考えなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、できるだけ民間人に犠牲を及ぼさないような形でこの軍事戦略は展開していかなければならないというのは当然でありますし、またそのような兵器に対しましては細心の注意を払うということは私は十分理解できます。
○緒方靖夫君 私は、今アメリカがやっていることというのは、いみじくもビンラディンを捜すのは干し草の山の中の針一本捜すことに似ていると言いましたけれども、私はこの一本の針を見つけるために干し草を全部焼き尽くす、まさにそういう対応が行われている、そういう武器が使われている、そのように思うわけです。 そこで一つ具体的にお伺いしたい。総理は先ほど、日本として何ができるか、何をしなければならないかということを言われました。私は、アフガニスタンで地雷を除去するという活動を本当に長い時間かけて粘り強くやられてきた活動、それを見たし、それからまたその責任者のケリー氏と会って話を聞いてきました。やはりこの活動が、今戦争によって中断されているけれども、非常に重要になっていると思います。 その点で一つ具体的にお伺いしたい。日本の貢献の問題です。この分野で日本政府がこの間やってきた貢献、非常に大きかったと思うんです。しかし最近はどうか。具体的にお伺いしますけれども、日本は国連アフガニスタン人道援助調整官事務所あての地雷撤去作業、つまりアフガニスタンの地雷撤去のために二〇〇〇年度と二〇〇一年度の拠出金、幾ら出していますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員が今おっしゃっていますアフガンの難民支援事務所でございますね、それに対しましては拠出はいたしておりません。しかし、NGOとかそういうところに対しましては平成十年と十二年には二百三十万ドルを拠出済みでございます。 それから、十二年には義足による歩行訓練ですね、そうしたことももちろんこの地雷等に関係ありますけれども、そうしたところに支出もいたしておりますし、十三年はNGOに対して草の根無償拠出として、これはUNOCHAというところがアフガニスタンの人道援助、もう委員御存じと思いますけれども、調整官事務所に対して拠出もいたしております。 そして、ますます御存じでしょうけれども、UNOCHA、草の根無償というのは、日本が直接現場にいる方に、額は大きくありませんけれどもじかに手渡すようにということで、今うちの官房長がかつて知恵を出しましてつくったもので、大変歓迎されております。 したがって、この政権も、ずっと日本の政府も拠出もいたしております。
○緒方靖夫君 大臣の答弁で最初の点が重要ですね。 去年もことしも地雷撤去の点についてゼロなんですよね、その額は。それは九七年から累計すると千三百六十万ドルずっと払っていた大きな貢献があるわけですよ。それに対して、この二年間連続してゼロになっている。スウェーデン、カナダ、アメリカに次ぐ非常に大きな拠出があったわけですね。 私は、そのケリー責任者と会ったときに、やはり日本としてぜひ地雷撤去のためのその活動の拠出、これがぜひ行われる必要があるということを聞きました。私もそう思いました。日本政府に対して何度も何度も、彼は十五度と言っていましたけれども、十五回要請してもそれに対して答えがない。 総理、やはり私は、戦争によってこの活動、中断を余儀なくされておりますけれども、また不発弾もふえて一層困難を大きくしていますけれども、日本としてこういう貢献、これこそ私、大事だと思いますけれども、ぜひその点は再開の御検討をしていただくことを要求したいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員長、私から。 ことしと昨年は拠出していないとおっしゃっていますけれども、今、事務方が詳しい正確な数字を調べましたけれども、昨年は百三十一万ドル、これを国際機関に出しておりますし、本年はぐっと額が減っておりまして現時点で七万ドル、草の根ですが、本年はこれからの状況も踏まえて検討してまいります。総理もそのおつもりでおられます。
○緒方靖夫君 総理に求めたんです。 地雷一般じゃないんですよ。アフガニスタンの地雷で言っているんですからね。 総理、最後に一言お願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 地雷対策においては日本は非常に評価されているんですよ。ことしの七月現在、国連の地雷対策支援信託基金への拠出総額は約千六百万ドル。右基金に対する全ドナー国の二〇%を負担しているんです、日本は。
○緒方靖夫君 アフガニスタンです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それで、これからアフガニスタンも今から、聞くところによりますと、PKO活動で日本が、日本の自衛隊が地雷撤去に協力してくれないかという声もどんどん来ております。共産党、反対でしょう。 しかし、日本国としては、アフガンの地雷が、これから和平になった後、多くの地雷を撤去するのに、民間人はできないからぜひとも、自衛隊は非常に優秀な能力を持っている、自衛隊も出てきてくれという声を今、真剣に聞いているところなんです。 そういう面で、日本としても、戦闘行為ではない、武力行使ではないことで自衛隊も新しい役割があるんだったら、任務があるならば日本も貢献していかなきゃならないなと思っております。
○委員長(真鍋賢二君) 緒方靖夫君、時間が参りました。
○緒方靖夫君 最後です。 国連が要求しているのは、日本としてアフガニスタンの地雷撤去の拠出金を出してほしいということなんです。 したがって、これはNGOと国連がやっている仕事ですから、自衛隊が出る必要は全くない、このことを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で緒方靖夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
○平野達男君 自由党の平野達男でございます。 一般質疑に続きまして、ちょっと経済の問題について質問をさせていただきます。 今、不良債権の処理が緊急課題として位置づけられております。柳澤担当大臣、大変御苦労されております。本来であれば、この不良債権の処理なんですけれども、破綻懸念先以下と位置づけられるような企業の不良債権を対象としていたというふうに理解しておりますけれども、最近ではマイカルの倒産なんかもありまして、もうどうやら要管理先も危ないということで、不良債権の範囲がどんどん広がっているように思います。 一方で、マイカルの件もありましたから、金融検査もしっかりせないかぬということで金融検査を厳しくやると。銀行は今、極めてナーバスになっているんじゃないかというふうに思いまして、またナーバスになっているというような感じを持っております。 私は、この不良債権処理ということ自体が目的化してしまっていいのかというような感じを持っております。金を貸した者よりも借りた者が相対的にいいような結果、いい結果が得られるような社会にすべきだと。これは、前の前の銀行局長がある著書で言っている言葉でありますけれども、金を貸した者よりも借りた方が相対的にいい結果が得られるような社会にすべきだというのは、なるような社会にすべきだというのはそのとおりだと思います。 主体はあくまでも、経済をよくする主体というのは銀行ではありません、企業だと思います。企業が自発的にいろんなアイデアを出して、それを銀行が支援をする。主体はやっぱり企業であるべきでありまして、ところが、どうも不良債権処理がどんどんどんどん先に出て、企業の活力がどうもうまく生かされるような雰囲気になっていないんじゃないかという気がするんですが、柳澤大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、不良債権の最終処理というか、不良債権の残高の縮減というものも、確かに一つは破綻懸念先以下の債権を対象としてという言葉でくくられている部分もありますけれども、要注意先以上の、要管理を含めた以上の、いわば概念的には不良債権でない部分についても不良債権化しない努力をする、こういう両方をやっているということについて御認識をいただきたいと思います。もう専ら破綻懸念先以下の処理だけというようにとられて、議論がえてしてそういう方向に傾斜しがちなんですけれども、私どもとしては、また銀行も我々の意向を酌んで、要管理以上の債権についても、いわゆる我々が言う不良債権の方に劣化しない努力をするという努力もしております。この点をまず御理解いただきたいと思います。 それから、不良債権のいわゆる処理というか破綻懸念先の問題についても、これはできるだけ、私、委員が何というかまだ我々の前にお見えでないころから随分言っておったんですが、バイアブルな部分とバイアブルでない部分を仕分けして、全体として水面下に沈んで、沈滞しているんじゃなくて、非常にその中にいい部分がある。例えば、本業はとてもよかったんだけれどもバブルのときにちょっと横道にそれたということで、それが足を引っ張って企業活動全体が沈滞しちゃったというような場合には、そのいい本業の部分、いい技術を持っているというような部分をできるだけ残す形でこちら側の悪い部分を処理していこう、つまり企業再生に役立つ格好でできるだけ処理を進めるようにということを基本の方針にしているわけであります。この点、まず申し上げたい。 それから第二番目に、確かに今、委員がおっしゃるように、余りにも不良債権の処理、不良債権の処理と世の中でもう何というか活字の数も大変です。テレビに映る放送の言葉も大変です。そういうようなことが現実に起こっていますものですから、金融機関もそちらの方の処理に頭が、あるいは人材が、あるいは資源が投入されがちなんですね。本来の前向きの金融の疎通ということについてそういうものが割かれないという事態はゆゆしいということで、私ども今度の先行改革プロジェクトでもそういうことのないように配慮してバランスをとってやっていくようにということを呼びかけておりますし、私、現実にそのことを直接に銀行経営者に申し上げた次第でございます。
○平野達男君 柳澤担当大臣が不良債権をどのように処理されているかということの御説明だったと思うんですが、私のポイントは、やはり政策の目的というのはやはり企業再生を選択の一番最初の優先順位に挙げるべきじゃないかと。どうも不良債権が先に入ってしまったために、世の中の全体の動きが負の連鎖といいますか、もう不良債権の処理だ不良債権の処理だというふうにどっと流れができてしまった感じがするんです。 それで、先ほど竹中大臣は産業革命だというふうにおっしゃいました。要するに、世の経済というのは今新しい産業から次の産業に移るんだということをおっしゃいましたし、私も、今やろうとしているのは産業の生まれ変わりだというふうに思っています。なぜこれを一番最初の、第一番目の問題は産業の再興だというふうに打ち出さないんでしょうか。これは柳澤担当大臣でしょうか、それとも、ちょっと担当の大臣がわかりませんが。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、金融の再生と企業の再生は車の両輪というふうに位置づけているのが小泉内閣の大方針です。もう余り長々申して時間を使うことは避けたいと思います。
○平野達男君 車の両輪であるということは十分理解しております。ただ、政策の順番としてどっちがいいかといったときに、企業の再生というべきじゃないかということを言っているわけです。
○国務大臣(竹中平蔵君) どちらが答えてもよろしいのかと思いますけれども、これは車輪の両輪というかコインの両面というか。 ただ、ちょっと考えていただきたいんですけれども、企業が再生されないでおいておく、これは企業が停滞しているだけであります。しかし、金融の場合は、表裏一体になっていますけれども、金融の場合はそれをおいていくことによって金融の仲介機能が損なわれますから、金融を通して負の影響というのはよりはっきりと出てくるわけですね。だから、大前提はやはり金融の再生であり、同時にその裏側としての企業の再生を行わなければいけない。したがって、まず危機を起こさないようにするためにも金融の不良債権の償却というのはその大前提にあって、その上で企業を再生していくというのは、そういうプログラムの構成になっているわけです。
○平野達男君 今の企業再生ですけれども、今の国会の議論を聞いていますと、ずっとやっぱり不良債権の処理、あるいは銀行のいろいろなBIS規制への対応、そういった議論が随分なされております。出されている法案を見てみましても、たまたま今臨時国会がそういう金融関係の法律が多いということかもしれませんが、どうも経済産業省の出番が少ないんじゃないかというふうに思います。 大島副大臣、おられておりますけれども、企業の再生につきましてもっと積極的に発言してもいいんじゃないかと思いますが、どのように考えておられるでしょうか。
○副大臣(大島慶久君) 平野議員にお答えをいたします。 やや重複いたしますけれども、我が省の考え方、これは、日本経済の活性化のためには金融サイドにおいては銀行の不良債権の処理を一刻も早く進める。そのことによって経済の動脈である金融システムの安定化、健全化を図るとともに、一方、産業サイドにおいても、個々の企業が経営資源を効率的に活用し生産性の向上を図ることが必要であると考えております。ですから、両者ともに進めることが重要であるだろうと我々は認識をいたしております。 経済産業省といたしましては、今、議員からも御指摘がございました我が国産業の活力の再生を現実のものとしていくために、引き続き産業再生法の着実な運用に努めておりますし、また、企業の戦略的な事業再構築の支援に全力を挙げ、我が国企業と経済の再生を図ってまいりたいと思っております。 また、我が国産業の再生のためには、再建可能性のある企業が再建していくことが大変重要であります。具体的には、再建途上の企業に対する金融機関からのDIPファイナンスの推進、あるいは倒産法制の見直し等を通じ、再建可能性のある企業が再建できる環境を整備してまいりたいと思います。 我が省も、これからもしっかりと声を大きく出して頑張っていきたいと思いますので、御支援をいただきたいと思います。
○平野達男君 やっと最後のところで我が省も元気を出してという答えが出ましたので、そのようにやっていただきたいと思いますが、要はアナウンスメント効果というのがありますけれども、不良債権の処理と言うのがいいのか、これは企業の再生を目指しているんだとはっきり言うのがいいのか、この違いだと思います。入るをはかりて出るを制すというのは塩川大臣の言葉ですけれども、今の現下の状況を見ますと、情勢を冷静にはかりて誤った政策を正す、制すということもあるかと思いますが、不良債権の処理が誤った処理とは言いませんけれども、どちらがウエートするか、ウエートに重いかということをしっかりとして判断するということも、これは私は重要だというふうに思います。 ちょっと小泉総理に初めて御質問したかったんですが、よろしいですか。──それでは、初めて小泉総理に質問をさせていただきます。 まずもって、国事多難の折、またいろんな難題が山積みの折、さきの参議院選挙、まげて岩手県に二回も入っていただきまして、いろいろな思いを込めまして感謝を申し上げたいと思います。 そこでゆっくり岩手県の景色なんかを眺めるという余裕はなかったと思いますが、岩手県の景色あるいは岩手県の県民性、そういったものに触れましてどのような感想をお持ちになったか、お聞かせ願えればありがたいなと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 岩手県は、自然に恵まれていいところだと思います。たしか四国四県よりも広い県だと言われておりますが、そういう中で、いろいろ歴史的に見ても人材を輩出し、原敬総理ですか、戦後では鈴木善幸総理、さらには文化人では石川啄木、宮沢賢治、いろいろすばらしい人材を輩出しているいいところだなと思っております。
○平野達男君 岩手県を大変よく評価していただきまして、今回は素直に感謝を申し上げます。 ちょっと話題を変えますけれども、イタリアの映画に「山猫」という映画があります。これはイタリア統一革命の映画でありまして、この映画のクライマックスのシーンに、バート・ランカスター扮するこれは紳士だったと思うんですけれども、ウイ・マスト・チェンジ・ツー・リメイン・ザ・セイム、変わらずに生き残るためには変わらなければならないと、こういう名せりふを吐いております。古い映画ですからリチャード・ギアでないのがちょっと残念なんですが、これを政治に例えてみますと、いい状態を継続したければ、国内外のいろんな動きを見ながら、来るべき時代の動きを想定しながら、それに対応した経済、財政、教育といった改革をしっかりやらなくちゃならないんだというようなメッセージだと思います。 自由党は、日本の大きな岐路に立っているという時代認識のもとに時代の大きな変化を先取りする形で、政治改革、財政改革、教育改革、防衛改革等の必要性をいち早く唱えてきました。その集大成が「日本再興へのシナリオ」ということでこういう小冊子にまとめられております。ぜひ皆様方に熟読玩味をお薦めするものであります。 こうした改革を先送りにしまして既得権を温存してきたのが今までの自民党政治じゃなかったかというふうに思います。早く、少なくとも経済改革というのは、十年前はもっともっと日本は体力がありました。この「日本再興へのシナリオ」が出てきたころにはもっともっと体力がありました。経済改革をそのときにやっていればもっと素直にできたはずです。そういったしわ寄せが今のここに来ておりまして、今日のようなデフレと言われる最悪の状態の中で経済改革を進めなくちゃならない。 こういう中で、小泉総理が改革改革というふうに唱えているわけですけれども、今までの自民党政治を総括するとともに、今回のこれからの改革に対する意気込みをお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 委員御指摘のように、変えなきゃならないところはたくさんあると思います。 私も、今までのいい面もあるが、現行の制度を変えなきゃ新しい時代には生き残れないということで、改革しよう、変わらなきゃならない、変えなければならないと言っているわけでありますが、最近ではちらほら、変えなければならないと言う小泉をかえようという動きも出ておりますので、それに恐れず、ひるまず、変わらなければならない、変えていこうという意欲を持って改革に取り組んでいきたいと思います。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 十一月二日の日に防衛庁設置法に基づいて海上自衛隊が英領ディエゴガルシア島に向かいました。総理は首相官邸で、米国にとっては戦闘地域だとおっしゃいました。戦闘地域に行くことは問題ではないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、コンバットゾーンという話が出たから、これは日本語に訳せば戦闘地域だろうと。しかし、アメリカのコンバットゾーンと日本の戦闘地域という場合においては違う場合も出てくるということを言ったんですよ。ディエゴガルシア島が戦闘地域じゃない場合もあるでしょう。戦闘地域の場合もあるかもしれない。これは戦争が起こってみなければわからない。ディエゴガルシア島で戦争が起これば戦闘地域、戦争が起こらなければ戦闘地域じゃないんですよ。そこを言ったんです。
○福島瑞穂君 私は、問題なのは、米国にとって戦闘地域だと首相がおっしゃったことです。つまり、戦争はもう起きているわけです。B52はディエゴガルシア島から飛び立っています。アメリカにとっては戦闘地域で、日本にとっては戦闘地域でないなんてことがあるんですか。国際社会では物差しは一本でしょう。どうして米国にとって戦闘地域が日本にとって戦闘地域じゃないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、戦火を交えたり、実際に武力行使をしていたりしている場合はわかりやすい戦闘地域でありますが、ある場合によっては、既に、物資を補給するところでも、これは戦闘地域だという見方をする人もいるわけですから、日本は戦闘地域、テロの戦いで、どこでテロ行為が起こるかわかりませんから、そういう状況を見きわめながら、いわゆる軍事専門家から言えば戦闘地域だ、あるいは戦闘行為だという場合において、日本においては自衛隊も軍隊と言ってはいけないんですから、それは見方はいろいろあるでしょう、軍事。ところが、アメリカでは、外国では自衛隊を軍隊と見ているという面が多い。しかし、日本じゃ軍隊じゃない、自衛隊だと。 だから、アメリカでコンバットゾーン、戦闘地域だから、そこへ行けば日本はすぐ戦闘地域だということは当てはまらないと。場合によっては、物資を補給しているところは、日本はこれは後方支援地域だと言えるんですから。そういうことを言っているんです。
○福島瑞穂君 日本が勝手に戦闘地域ではないと言っているだけではないですか。 では、お聞きします。アラビア海は戦闘地域ですか。日本はアラビア海に行くのですか。
○国務大臣(中谷元君) 米国の言うコンバットゾーンというのは、その派遣される軍人の手当、福利厚生とか税制の優遇的なそういう措置を受けるために設定されたゾーンでありまして、そのアラビア海とかいうのは、もう十年前になりますけれども、湾岸戦争のときもコンバットゾーンに指定されて、いまだに指定されたままだというふうに聞いておりまして、米国の意味するコンバットゾーンというのはそういう税制の優遇面があります。 他方、日本が言う地域で言うなら戦闘行為が行われていない地域でありまして、この場合の戦闘行為というのは、「人を殺傷し又は物を破壊する行為」であるというふうに法律で定義をいたしておりまして、米国とおのずと異なるというふうに思っております。
○福島瑞穂君 済みません、アラビア海には、では行くんですか。これは戦闘地域ではないと判断されるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 現在も石油のタンカー等民間の船舶がここを航行いたしておりますが、現在、情報収集のための艦艇の派遣等も行っておりますが、この地域が戦闘行為が行われている場所であるか否か十分に調査をする必要がございますけれども、現時点においては民間の船舶が航行いたしておりまして、戦闘地域でないというふうに思っております。
○福島瑞穂君 よくわからないんですね。 そこでB52が、実際に艦船から飛び立ち、攻撃をするわけです。直接に攻撃をするわけです。ですから、そこは相手方から見て十分攻撃される場所ですから、アメリカは戦闘地域と考えているわけです。日本がいつまでも、日本は戦闘地域と考えないと日本だけが言って、だから自衛隊は行けるのだとすることは極めて問題だと思います。 次に、北部同盟が、少年兵、十六歳から十七歳の捕虜を百人から六百人処刑したという報道があります。これは明らかに国際人道法違反、国際法違反です。 アメリカのNGO、ヒューマン・ライツ・ウオッチは、北部同盟は過去に虐殺を行っていたというレポートを提出をいたしました。アメリカは北部同盟に武器を提供し、地上戦を行わせております。日本も、日本が運んだ武器が北部同盟に使われるということも十分あるわけです。そうしますと、日本は、こういう北部同盟が少年の捕虜を処刑している、こんなことに加担している、支援していると言えると思いますが、問題ではないですか。
○委員長(真鍋賢二君) どなたですか。だれですか、答弁者。
○福島瑞穂君 総理大臣、お願いします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 外務省は今、その少年兵の問題は事実かどうか、実態は今の時点では把握ができておりません。
○福島瑞穂君 戦争を行う際にも、国際法、国際人道法というものが国際法上確立をしています。そういう意味では、捕虜を処刑するというのは極めて問題で、そういう北部同盟の行為に関して日本がどういう加担をしていくのかをぜひ考えていただきたいと思います。 今、誤爆の件も確かにありますけれども、国境が封鎖されているために、この冬、食糧がアフガニスタンの中に入らないために十万人、これは国連が最低見積もって十万人が餓死するというふうにも言われています。私は直ちに空爆をやめるべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 日本が加担をしているというお言葉はどうかというふうに私は思いますけれども、アフガニスタンの内部とか、いろいろと難民も出るわけでございますから、そういうことももちろん福島先生は御心配でいらっしゃると思いますけれども、そうしたことのための救済策として今回の補正で三十九億四千万円も計上しておりますし、具体的に例えば、親とはぐれてしまった子供でございますとか、あるいは食糧とかも今までずっと議論されていますけれども、ワクチンなどの医療保健関係のものとか、防寒具でありますとか、シェルターとかテントとか、そういうものをお渡しして、少しでも日本も人道上のお手伝いも支援ができるように努力もいたしております。
○福島瑞穂君 ニューヨークで亡くなった六千人の人たちも痛ましいと思います。しかし、誤爆で亡くなる人、そして国境封鎖のために亡くなる、これから餓死するかもしれない十万人、もっと多いかもしれません、その人たちも問題です。 難民支援が重要だけれども、一番には難民を出さないことだというふうに考えています。そのためにも空爆をとめるようにお願いしたいと思い、私の質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 答弁よろしいですか。
○福島瑞穂君 じゃ、総理大臣。(「終わったんだよ」と呼ぶ者あり)はい。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 総理、今国会は雇用対策国会ということでありまして、衆参両院、四日間にわたりまして、特に私、昨日は、実体経済が非常に悪くなっている、日本経済の生き残りについて戦略を立てなきゃいかぬのではないかということを申し上げたわけでありますが。 経済が非常に弱くなってきているということと、やっぱり政治も非常に脆弱になっている、経済の弱さと政治の弱さ。バブルがはじけ、冷戦構造が変わって、失われた十年、いろんな変遷があったわけですけれども、政治経済というのは一つの熟語だと思うんですね。私も何十年か前にそういう名前のついた学部を卒業したわけですけれども、この経済と政治との問題、これをどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治経済、よく政経学部という学校もあったぐらい一緒に密接な関係を持っていると思います。 いろいろ各国の事情を見ていますと、政治というものが経済に与える影響は実に大きいと思います。一国の中でも、ドイツ、同じ国民でも東ドイツと西ドイツ、政治形態が違うといかに経済の発展度合いに、あるいは生活水準の向上に違いがあるか。朝鮮半島、北朝鮮と韓国、これまた同じ国民、同じ民族でありながら政治形態が違うと経済にどれだけの影響を与えるか。 だから、経済と政治というのは非常に大事な密接な関係がありまして、経済をいかに活性化するという意味においても、政治体制どうあるべきかということは非常に重要な問題であると思っております。
○松岡滿壽男君 きのうも舛添議員が何であんた政治家なんかになったのと言われたという話をしておりましたけれども、政治自体がかなりいろんな面で国民から信頼を失ってきているということがやはり一つ背景にあるんだと思うんですね。特に今回のように改革をするということになると、やはり国民的結束、国民の理解と協力というものがなきゃいけない。それはやっぱり政治に対する信頼というものがベースになきゃいけない。 今回、小泉さんがこれだけ支持をされているということは、やはり何とか強いリーダーシップで頑張ってもらいたいという期待が私はあると思うんです。それに小泉さんはこれからこたえられようとしているんですけれども、いろんな話を聞きますと、党内が非常に難しくなってきているというような話も聞きます。 半年前にこの場で政党について議論をさせていただいたんですけれども、そのときに総理がお答えになったのは、国民は自民党というのは与党と野党を包含している政党というふうに理解しているんじゃないかというふうに答えられました。 今、総理は自民党の中で与党なんでしょうか、当然与党だと思いますが、野党なんでしょうか。先ほどちょっとお話がありましたが、それはどうなんでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう考えは全く浮かばなかったですね。今、自民党と公明党と保守党が与党なんですよね。私は自民党の総裁ですから、当然与党ですよね。
○松岡滿壽男君 それであれば、やはり断固、公約をしておられる、きのうも三十兆円の問題、これもやはり、これが揺らぐと国民の信頼というのは変わってきますよ。やはり構造改革、これは断固として実行してほしいというのが国民の期待だと思うんですね。 それにしっかりこたえるためには、私は半年前に政界再編のお話もしました。中曽根さんが言っておられるように四つぐらいの軸で、憲法改正とか集団的自衛権行使とか教育基本法とか財政構造改革とか、それを申し上げたら、総理は、いや一つで一緒になったって二つ目はまた割れるんだというお話をされました。 一番わかりやすいのは、国民から見て、小泉改革賛成の党と反対の党、これが一番わかりやすいんじゃないかと私は思うんですけれども、お答えにくい話だと思いますけれども、御意見を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これも改革が終わるとまた違う問題が出てきて、ずっと一緒にいくというのもなかなか難しいし、私はできるだけ今の小泉内閣の進める改革に賛成してくれる政党、議員が多ければ多いほどということを言っているんであって、どういう事態になるか、これはもうちょっとたたないと、私の改革に反対する人たちがどういう人たちなのか、何人ぐらいいるのかというのを見きわめないと、そうすぐ白か黒か、賛成か反対かというのは、今ちょっと判断が早過ぎるんじゃないでしょうか。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) それでは、これより討論に入ります。 討論の通告がございますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。藤原正司君。
○藤原正司君 私は、民主党・新緑風会を代表して、政府提出の平成十三年度一般会計予算外二案に反対する立場から討論を行います。 小泉内閣が発足して既に七カ月が経過しようとしております。聖域なき構造改革の筆頭に掲げた特殊法人改革は、今や、身内の与党内から改革反対のあらしが吹き荒れ、改革断行のかけ声とは逆に、その抵抗勢力に恐れ、ひるみ、とらわれて、改革の行方は混沌としております。 一方、昨年後半以降、景気後退局面に入っていた我が国経済は、小泉政権発足以降、一段と悪化の一途をたどっております。加えて、米国同時多発テロや狂牛病に対する政府の対応のおくれが事態を一層深刻化し、消費者心理を冷え込ませ、倒産や赤字決算企業が続出するなど、我が国経済は底の見えない泥沼の不況に突入していると言わざるを得ません。しかるに、小泉内閣はかかる経済情勢の悪化を放置し、その無為無策ぶりは目を覆うばかりであります。 以下、本補正予算に反対する主な理由を申し述べます。 反対の第一の理由は、過去最悪の雇用情勢にもかかわらず、雇用対策が不十分な点についてであります。 雇用のセーフティーネットを整備して働く者に安心感を与えるとともに、構造改革につながる職業訓練制度の整備を進めることこそ、今何よりも求められております。しかるに、本補正予算においては、実際の雇用対策に結びついていないとの極めて批判の強い緊急地域雇用創出特別交付金の新設や、ほとんど利用されてこなかった奨励金の実質延長など対症療法的なものにとどまり、セーフティーネットとしての機能は全く期待できないものであると言わざるを得ません。 反対の第二の理由は、前年度剰余金を全額補正予算の財源とすることであります。 本来、国債償還に充てられるべき財源の流用は、今年度国債の新規発行を三十兆円に抑えるためだけの小手先の手段にすぎません。こうした見せかけの予算編成に猛省を促すものであります。 反対の第三の理由は、歳出の見直しが不十分な点であります。 例年どおりの予算執行状況であれば、今月末時点で二兆円程度の未契約の公共事業が見込まれます。しかしながら、この中から不要不急な公共事業を見直して、少しでも多くの予算をセーフティーネットに充て、国民不安を解消するとともに、歳出構造を改革しようとする努力は全くもってなされておりません。これは、小泉内閣もまた旧来の公共事業偏重予算から根本的に脱却できないことを物語る何物でもありません。 小泉内閣は、高い支持率とは裏腹に、政権運営の随所に破綻とほころびが出始めていると言わざるを得ません。改革の展望は今や全く開けないばかりか、倒産、失業など景気悪化のしわ寄せだけが国民に押しつけられようとしております。これまで国民が小泉内閣の何に高い信頼を与えてきたのか、今やその根幹が問われているということを強く申し述べ、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(真鍋賢二君) 次に、入澤肇君。
○入澤肇君 私は、自由民主党・保守党及び公明党を代表して、ただいま議題となっております平成十三年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論を行うものであります。 小泉内閣は、発足以来、内外の厳しい局面に直面しながらも、我が国の未来への発展基盤を強固なものとし、真に経済社会を活性化するための構造改革に意欲的に取り組んでまいりました。特にこの間、米国における景気後退や同時多発テロ事件等に起因する世界経済の減速は、我が国の経済にも重大な影響を及ぼしつつあり、とりわけ雇用をめぐる情勢は、九月の失業率が五・三%に上昇するなど一層の厳しさを増しております。 かかる状況下で構造改革を果敢に推進していくためには、国民が安心して働き、日々の生活を送ることができるための各種セーフティーネットをさらに充実強化するとともに、構造改革の加速を促す緊急性の高い政策を優先的、積極的に講じることが最重要の課題であると考えます。その具体的な方途を示すものとして、先般、改革工程表が明らかにされ、今まさに各般の施策が着実に実行されようとしております。 本補正予算案には、大型で即効性のある緊急雇用創出策を中心とする総合的な雇用対策のほか、中小企業支援策等、我が国経済の活性化を図る諸般の措置が盛り込まれております。 また、小泉内閣は、米国で起きたテロ行為に敢然と立ち向かい、国際社会において名誉ある貢献を果たすため、テロ対策関連法の整備や自衛隊の海外派遣を決断いたしました。今回の補正予算にはこのようなテロ対策に要する経費が盛り込まれておりますが、これはかかる国際貢献と国民の社会生活の安全確保に万全を期すためにまさに不可欠のものであると考えるものであります。 以下、賛成する主な理由を申し述べます。 賛成の第一の理由は、本補正予算案において緊急で大型の雇用創出策を講じるとともに、従来から実施してきた雇用対策における各般の取り組みをさらに拡充強化している点であります。 特に、地方公共団体が地域独自のニーズを踏まえた新公共サービス雇用を創出するための三千五百億円規模の緊急地域雇用創出特別交付金を創設することとしておりますが、これを含め、中高年失業者等を対象に約百万人以上の雇用創出が見込まれ、この点を高く評価するものであります。また、失業手当の受給者増に対して追加的財政措置を講じるほか、失業者の生活安定を図るための離職者支援資金の創設などは雇用のセーフティーネットの一層の充実強化に大いに資するものと考えます。 賛成の第二の理由は、中小企業対策として中小企業等の創業、経営革新を支援し、不況による連鎖的な破綻回避や経営再生を支援するための諸施策が盛り込まれている点であります。 特に、売り掛け債権担保保証制度の新設など、中小企業等向けの融資・保証制度の強化拡充は、厳しい環境に置かれる中小企業等に対する緊急支援策として早急に実施されるべきものであると考えます。 賛成の第三の理由は、我が国経済を活性化するための構造改革への取り組みを積極的に行おうとする点であります。 IT革命の進展を踏まえた人材育成、民間部門の潜在力発揮等に向けた施策は、経済活性化に加えて雇用創出面でも効果的であり、まさに時宜にかなった政策であると高く評価するものであります。 以上、私は、本補正予算案に盛り込まれた諸施策は、直面する雇用問題等に効果的に対処し、国民生活の安定と我が国経済の早期回復のために緊急かつ不可欠なものであると考え、本補正予算案の速やかな執行を要請いたしまして、討論を終わります。(拍手)
○委員長(真鍋賢二君) 次に、宮本岳志君。
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、提案されている補正予算三案に反対の立場から討論を行います。 小泉内閣が誕生して六カ月、今まさに日本経済は小泉大不況ともいうべき事態にあります。完全失業率は史上最悪の五・三%に達し、GDPもマイナス〇・九%と、今年度見通しを大きく下方修正せざるを得なくなりました。しかも、まさにそのときに小泉政権は国民に一層の苦しみを押しつけようとしているのであります。 リストラの応援で雇用をさらに悪化させる一方、五百三十万人の雇用創出なるものが全く根拠のないものであることが本日の審議で明らかになりました。医療費の負担増が将来不安を広げ、逆に医療保険制度の持続そのものを危うくするものであることも昨日の審議で明らかになりました。そして、不良債権の早期処理は一層の中小企業の倒産と失業をふやすことになり、これではまさに国民は三重苦であります。 そもそも、本補正予算がこの深刻な景気の回復に役立たないものであることは、この補正予算の骨格を決めた経済財政諮問会議で、早くも二次補正を検討すべきとの声が出されたこと一つとっても明らかではありませんか。景気対策というなら、我が党が主張してきたように、家計を中心に個人消費を温める政策こそ国民は切望しているのであります。 以下、本案に反対する理由を具体的に申し上げます。 反対の第一の理由は、今何よりも切実に待たれている雇用対策において、見るべき内容を全く欠いたものとなっているからであります。 塩川財務大臣は財政演説で、本補正は雇用対策を最重点に編成したと述べました。しかし、今日の雇用悪化の最大の原因である大企業のリストラをやめさせるどころか推進しつつ、それとセットにして若干の雇用対策を講じたとしても何ら問題は解決しません。 第二に、景気対策と称しながら、長期化し深刻化する不況を打開する何の見通しもない補正予算だからであります。 小泉首相は、どんなに景気が落ち込んでも、構造改革なくして景気回復なしと呪文のように唱えるばかりであります。この間、政府は効率の悪い分野をつぶしても成長産業で吸収するなどと説明してきましたが、その期待をかけてきたIT産業は一転不況のどん底にあります。今やNTT十一万人リストラ計画を初め、東芝、日立、NEC、富士通など、まさにそのIT産業こそ最も大きな人減らしをやっているではありませんか。 リストラを促進し、不良債権の最終処理を進め、大量の失業と倒産をふやす小泉構造改革そのものが、今や景気悪化の最大の原因と言わなければなりません。 第三に、勤労者や中小企業への冷たさとは裏腹に、大銀行や大企業には相も変わらぬ大盤振る舞いを続けるものだからであります。このことは、例えば銀行の不良債権を最終処理するといって中小企業を倒産に追い込む一方、銀行には株式買い取り機構への二兆円の債務保証を与えるという不公平にもはっきりとあらわれています。 以上、本補正予算は、構造改革なくして景気回復なしという誤ったスローガンで国民を欺きながら一層の生活破壊に追い込むものであり、国民の暮らしに目を向けない小泉内閣にはこれ以上日本経済のかじ取りを担う資格はない、このことを指摘して、反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(真鍋賢二君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 平成十三年度一般会計補正予算(第1号)、平成十三年度特別会計補正予算(特第1号)、平成十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(真鍋賢二君) 多数と認めます。よって、平成十三年度補正予算三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十九分散会