予算委員会 第3号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/10/10
会議録
○委員長(真鍋賢二君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。筆坂秀世君。
○筆坂秀世君 米軍などによるアフガニスタンへの攻撃が八日未明に開始をされました。大変残念なことですけれども、多くの人が危惧していたとおり、国連の委託を受けて地雷の除去作業に当たっていたNGOの職員四名が死亡する、あるいは四人が負傷する、こういう大変残念な事態が生まれました。 まず最初に、総理に、この点についてどう受けとめておられるか、これを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いかなる状況であれ犠牲者が出たというのはまことに残念だと思います。
○筆坂秀世君 きょうの新聞を見ましたら、アメリカのマケイン上院議員は、誤爆は避けられない、こういう発言をされています。実際に、例えばこれまで過去を振り返っても、ユーゴ空爆のときには中国大使館が誤爆される、たくさんの方が死傷する、こういうことがありました。私は、今後もこうした誤爆というのは避けられない、しかも、さらに戦火が拡大するということになれば、これは無実の人々がさらに一層犠牲になる、こういう事態もこれは十分予測されることになります。 しかも、これから審議される新規立法、日本が米軍などに支援していくという内容ですけれども、これを見ますと武器弾薬の輸送ということも入っています。日本が、自衛隊が運んだ武器弾薬がこういうことに使われる、この可能性だってこれは十分あり得るわけであります。総理は、こういう事態もこれはやむを得ないんだというお立場でしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 九月十一日のテロにおきましても、無実の方たち、無関係の方たち、全く軍とは関係ない市民の方たちが犠牲になったわけであります。今回、そういう事態に対応して国際社会がどのようにテロに立ち向かっていくか、対決していくか、それが問われているのでありまして、そういう中でお互い、各国がこの卑劣なテロ攻撃に、全く無関係の市民まで巻き込んでしまうような事態にどう対応していくかというのが問われているんではないかと思います。そういう際には、今回のアメリカ、イギリスの軍事行動に対しましても、無関係の、無辜の人々たちの犠牲を出さないような配慮が必要だと思っております。
○筆坂秀世君 総理もおっしゃったように、九月十一日のテロ、これはもう全く許しがたい行為で、やはり今、テロ撲滅というのは二十一世紀に人類が安全に生存していく上での根本条件の一つになっていると、それぐらいこれは大事な問題だというふうに私たちも考えています。その際に国際社会がどう対応するか、これも今問われていると、こう思います。 武力行使ですべての問題が、テロ問題で解決できると、こう考えている人は恐らくいないでしょう。そうであるなら、やはり今大事なことは、国連を中心にして、そして私たちは今回のアフガン攻撃に対してもこういう性急な軍事報復的なやり方はやめるべきだと。 今、かつてない新しい条件が生まれている。それは、かつてならテロで国際社会がここまで一致したことはなかったですよ。例えば、ケニア、タンザニアの米国大使館が爆破されました。国連安保理でも制裁決議やりました。そして、各国に報告求めました。しかし、日本政府だって報告出していないんです。しかし、日本政府だけじゃないです。出したのが世界四十六カ国しかなかった。テロ撲滅に対して、その程度のいわば国際社会の対応でした。 今、違います。今、例えばタリバン政権と国交を持っていたサウジなんかも断交する。もう文字どおりテロ勢力を包囲する、こういう国際的な一致が生まれている。やはりこの条件を今大いに生かしていく、これが私たちは今大切だと。そのためにも、性急な軍事報復、これは中止すべきだということを私たちはアメリカにも求めていきたい、このように考えています。 そこで、政府が提案をされております新規立法、政府の名称はテロ対策特別措置法案ということになっておりますけれども、名称は私たちは対米支援法じゃないかと、こう思っていますが、それはともかくとして、それについて幾つかお伺いしたいと思います。 この法案は、戦闘地域には行かない、武力行使はしない、したがって憲法の枠内であって憲法違反ではないんだというふうに説明をされています。 そこで、まず最初に伺いたいんですけれども、米軍などに対する協力支援活動としてどういうことを行おうとすることになっているのか、これについて説明を願いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 協力の中身について簡単に申し上げれば、協力支援活動、捜索救助活動、そしてまた被災民救援活動、こういうことでございます。
○筆坂秀世君 その支援活動の中身を、項目を。
○国務大臣(福田康夫君) 協力支援活動ですか。──この協力支援活動の中身を申し上げます。 諸外国の軍隊等に対する物品役務の提供、便宜の供与その他の支援のための処置。それから自衛隊を含む関係行政機関。自衛隊が行う物品役務の提供の種類、これは補給、輸送、修理・整備、医療、通信、空港・港湾業務、基地業務。ただし、武器弾薬の補給及び戦闘作戦行動のための発進準備中の航空機に対する給油、整備は行わない、これが協力支援活動です。
○筆坂秀世君 それで、総理にお伺いしたいと思うんですけれども、今、官房長官が御答弁になりました協力支援活動の中身、これはいわゆる兵たんというふうに呼ばれているものであります。兵たんというのは、これなしには戦争ができないと、前線と同様に、ある場合にはそれ以上に重要な役割だというのが、これがいわば常識であります。 例えば、今回の米軍の攻撃でも、FA18戦闘爆撃機あるいはF14戦闘機が、これが使われました。当然これ弾薬が尽きれば、これは補給しなければこのFA18もF14も役に立たないというものであります。だから、この兵たんというのは非常に重要だと、兵たんなしに戦争はできないというふうに言われているわけであります。 今度、日本がやろうという協力支援活動の中身というのはまさにこの兵たんに当たるもので、これは通常は武力行使そのものと言われているものであります。そうなれば、当然これは憲法が禁じた集団的自衛権の行使ということになるんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そこの見解が共産党と我々とは全く違うところなんです。国際社会の中で責任を果たす、そして武力行使をしないという中で考えた、知恵を出した案なんです。武力行使はしない、戦闘行為に参加しない、戦場になっていないところでできるだけの支援を行うということであります。
○筆坂秀世君 今、そこが共産党と違うところだと。確かにそこが違うところなんです。全く違うんですよ。問題は、問題は総理の解釈が世界に通用するのか、私たちの解釈が世界の常識なのか、これが問われているんですよ。 そこで、これは外務省でも結構ですが、NATOは今度のアメリカでの同時多発テロに対して、十月二日、NATO条約第五条に基づいて集団的自衛権の行使を正式に決定しました。翌三日にはアメリカがNATOに対し集団的自衛権の行使による支援要請を行い、そしてNATO大使級理事会は集団的自衛権の発動として八分野の支援を決定いたしました。 この八分野というのはどういうものでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 御存じだと思いますけれども、一応読み上げましょうか。 一は情報の共有及び協力の向上、二、テロリストによる脅威に一層さらされている、またはその可能性のある国家に対し、個別的または集団的に適切かつ、みずからの能力に応じて支援を提供すること、三、関連施設の安全を向上させるための必要な措置、四、テロに対する作戦を直接的に支援するために必要とされるNATOの責任地域における特定のアセットを補てんする、五、テロに対する作戦に関連する軍事飛行のために包括的上空飛行許可を提供する、六、給油を含むテロに対する作戦のために港湾及び飛行場へのアクセスを提供する、七、常設艦隊の一部を東地中海に展開する用意、八、空中早期警戒戦力の一部を展開する用意等でございます。
○筆坂秀世君 要するに、NATOが条約第五条に基づいて集団的自衛権の行使ということで決定した八項目というのはいわゆる兵たんなんです。皆さんがおっしゃる後方支援というふうに呼ばれるものなんです。これをNATOは集団的自衛権の発動として今回やろうということを決めたわけであります。 今、外務大臣が御答弁されましたのを若干わかりやすく書いてきました、これは順番多少変わりますけれどもね。(資料を示す) 燃料の補給でしょう。空港、港湾の使用許可。米国施設などの警備強化、これは日本だってやること、やろうとしていること、あるいはやることです。地中海東部への艦艇の派遣、日本だってイージス艦、インド洋に派遣しようかという話出ています。AWACSの提供、これも日本も検討されているでしょう。加盟国の領空通過許可。軍事作戦に転用された部隊の補完、これはコソボなどに派遣されている米軍がこちらの方に動くので、そこを補充しようという話です。テロに関する情報交換。そして、テロの脅威にさらされた関係国支援。つまり、これはほとんどがいわゆる後方支援、兵たんというふうに呼ばれるものであります。 NATOはいわゆる兵たん、後方支援を集団的自衛権の行使だと言っておるんですよ。これは共産党の見解と一緒です。私たちと全く同じです。総理は、いやそれは集団的自衛権の行使じゃないとおっしゃるんです。これは通用しないでしょう、世界には。いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今お示しになったNATOの集団的自衛権ですか、行使の中身、これは項目は同じようなものございますけれども、中身はもう根本的に違うんですよ。 それは、これから御審議願う法案につきましては、今のいろいろ私が申し上げました項目につきましては、武力の行使を伴うか伴わないか、このことが決定的に違うわけですね。NATOの方は伴うわけでございます。私どもの方のこの法案につきましては、武力の行使に当たらない活動、これが大原則であるわけです。その活動の地域も、我が国の領域及び現に戦闘行為が行われておらずかつそこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に限られているという、そのことがNATOと決定的に違うんだということで御理解をいただきたい。 したがいまして、いわゆる兵たんという言葉がどこからどこまでを言うのか、私もちょっと正確に知らぬのでありますけれども、そういう言葉とは一緒にはならない活動の範囲であるということであります。
○筆坂秀世君 全く答弁になっていないですよ。 この八項目をNATOは集団的自衛権の行使として決定したんです。もちろん、これ以外にやらないということじゃないんですよ。だって、イギリスはミサイルだって撃っていますよ。ほかのこともやっています。直接の戦闘行動そのものもやっています。しかし、それとは全く別個にこの八項目を集団的自衛権の行使として決定したんです。燃料の補給を、空港、港湾の使用許可を、領空通過を、これを集団的自衛権の行使として決定したんです。日本と一緒じゃないですか。 これは全然答弁になっていないですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 明確に違う点があるんですよ。NATOは、戦場であろうが、武力行使を辞さないと言っているんです。しかし、武力行使を伴うか戦闘行為に参加するかというのはNATO諸国によっても違います。 日本は、今入れられた八項目の中に協力支援活動が、似たようなのがあるかもしれません。しかし、武力行使はしないんです。戦場には出ないんです。戦闘行為には参加しないんです。明らかに違うんです。
○筆坂秀世君 総理の答弁は明らかに違うんです。 じゃ、総理、聞きますけれども、NATOは、この燃料補給なり空港、港湾の使用許可なり領空通過なりなんなり、これを戦場でやるものが集団的自衛権の行使、戦場でやらないものは集団的自衛権の行使じゃない、そんな分け方していますか。そんな分け方していないですよ。戦闘地域であろうとなかろうと、この行為はすべて集団的自衛権の行使だと言っているんです。そんな分け方どこもしていないじゃないですか。日本と同じところでやったって、日本が言うように、戦闘地域じゃない、今後も戦闘地域にならないというところでやったって集団的自衛権の行使だというのがNATOの決定なんですよ。 ですから、総理、そこはどうなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そこも違うんですよ。NATOは集団的自衛権の行使として対米支援活動をすると言っているんですよ。日本は集団的自衛権の行使としてこのテロに対決するわけじゃないんです。国際社会の一員としてできるだけの協力はする、ただし武力行使はしません、戦闘行為には参加しません、戦場には出ません、集団的自衛権の行使でこの国際協力活動をするのではありません、明らかに違うでしょう。
○筆坂秀世君 見事な、詭弁にもなっていないです、しかし。詭弁にもなっていない。日本が集団的自衛権の行使だと言おうと言うまいと、世界はそう受け取るということなんですよ。日本の国内の戦争じゃないですよ。外国に出ていく、世界に出ていくんですよ。世界はどう見るかなんです。しかも、支援する相手は同じアメリカですよ、NATOだって、あるいは日本だってそうでしょうが。だから、日本の国内で総理は、私は集団的自衛権の行使じゃないと幾ら言ったって、外の世界に出れば全く通用しないじゃないですか。 何であなた方がそう言うかといえば、憲法九条の制約があるからですよ。だから、集団的自衛権を行使しても、そうじゃないと、そういう詭弁を言っているだけじゃないですか。そんな詭弁、外の世界でどうやって通用するんですか。内戦じゃないでしょう。外へ日本の自衛隊が出て行くんじゃありませんか。そんな詭弁を国会で、日本の国内じゃ通用したって、世界じゃ通用しないじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そこは、世界の見方と日本国内の見方と違う点はほかにもありますよ、憲法でも。それは、日本の自衛隊を世界は軍隊と見ていますよ。共産党は自衛隊を軍隊と認めるんですか。それで、日本も軍隊とは言わないんですよ、自衛隊と言っているんです。なかなかこの憲法解釈は難しいところがあるんですよ。国際社会の中で名誉ある地位を占めたいと思う、自衛隊、戦力は保持しないと言っても、人から見れば戦力を保持しているじゃないかという見方がある。いろいろ世界の見方と日本国内の見方、憲法解釈、独自のものがあるんですよ。 世界の常識は常識として、日本としては、日本の憲法の範囲内でできるだけの、テロ撲滅のために、テロ防止のために国際社会と協力してやろう、可能な限りの支援、協力体制をつくろうと、自衛隊も働いてもらいましょう、任務を担ってもらいましょうと。しかし、それは、武力行使はしません、戦闘行為には参加しません。そういう中で、国力に応じて日本は国際社会と一緒になって、このテロ撲滅、テロ防止のために支援、協力をしましょうというのが今回の法案の趣旨でございます。
○筆坂秀世君 今の答弁を聞いて、結局、世界とは違うということを総理は認めざるを得なかったんですよ。だから、つまり世界に通用しない詭弁を弄しているということなんですよ。 例えば、これは佐瀬さんという元防衛大学の先生ですね、「集団的自衛権」という著書も書かれています。この方、何とおっしゃっているか。法案に列挙されている事項を実行すれば、他国からは集団的自衛権を行使したとみなされてしまうのは間違いないと、こうおっしゃっています。 当たり前でしょう。だって、NATOが燃料を運べば集団的自衛権の行使だと、日本が燃料を運べば集団的自衛権の行使じゃない、こんなものが世界で何で通用するんですか。これは違いがありますと。それは、あなた方が言う集団的自衛権の行使じゃないということの破綻じゃありませんか。破綻を認めたのと一緒ですよ、世界と違うというのは、世界と違う基準で日本はやろうというのは。結局、集団的自衛権の行使を認めたら憲法違反になるから、できないから、世界では通用しない議論でごまかしてやりますと言っているのと一緒じゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としても苦労しているんですよ。国際社会の一員としての責任をどう果たそうか。 憲法解釈だって専門家の間で分かれているでしょう。日本は集団的自衛権は保有しているけれども行使しない、これは今の政府解釈ですよ。世界は違いますよね。集団的自衛権を保有したんだから行使しても当然だというのが世界の中では考え方、多いでしょう。しかし、日本は違うんですよ。集団的自衛権、個別的自衛権も保有している。集団的自衛権は保有しているけれども行使しないというのが今の憲法解釈なんです。(「それは間違い」と呼ぶ者あり)それは間違いと言う人がいるぐらい、憲法学者の中でも賛否両論、いまだに自衛隊は憲法違反だと言っている人もいるんです。合憲だと言っている人もいるんです。かつては政党の中にも自衛隊は違憲と言っていた政党もいたんです。 だから、この憲法というのはいろいろ解釈できる。その中で、日本は国際社会の中で名誉ある地位を占めるための活動はどういう活動があるのか、同時に憲法九条で武力行使はしないという規定がある、それをどうやって調整するか。そこが今まで日本政府としても、この憲法解釈については国民の理解を得ながら、その範囲内でどういう活動ができるかということでやってきたんです。 PKO活動でもそうでしょう。かつては、自衛隊は一切海外に出て活動しちゃいかぬと、PKO法案、平和維持活動でさえも自衛隊を海外に派遣しちゃいかぬと共産党も言っていたでしょう。今、もう堂々と国際社会の中で自衛隊もPKO活動をやっている。世界から、日本もようやく国際的な責任を果たそうとしているなと。難民支援でも感謝されている。そういう国際情勢の変化に応じて、憲法の範囲内でどういう国際社会としての、一員の責任を果たせるかということでやってきたんです。 今回、もう全く新たな事態です、このテロというのは。何もしなくても我々は被害を受けるかもしれない。おれは戦争に参加しなくてもテロ行為でそのテロ活動に巻き込まれるかもしれない、いつ犠牲になるかもわからない。こういう事態が起こってきたからこそ、これらに対しては国際社会が結束してテロ撲滅のために、テロ防止のためにそれぞれの国力に応じて責任を果たそう、協力しようということでやっているんです。 日本も国際社会の一員として、何とか憲法の範囲内でこのテロ撲滅のためにできるだけの支援、協力をしたいということで、憲法の範囲内でできることは何か、知恵を絞って苦労しながら今考えているんですよ。御理解いただきたいと思います。
○筆坂秀世君 ですから、憲法の枠内で本当にできることに徹するべきなんですよ。 集団的自衛権の行使というのは何かといえば、これは武力行使なんです。国連憲章二条四項で武力行使というのは禁止されているんです。例外措置として個別的自衛権、集団的自衛権というのが国連憲章五十一条で決められている。つまり、例外措置ということは言いかえれば個別的自衛権も集団的自衛権も、前私も総理に伺いました、この場で、武力行使そのものなんですよ。だから、それを日本ができないのは当たり前の話なんです。じゃ、そうじゃないところで世界と違うところ、憲法九条があるじゃないですか。この憲法九条をしっかり守りながら世界に貢献すればいいんです。 さっき総理は難民支援のことをおっしゃいましたから、私は難民支援のことについて伺いたいと思うんですけれども、飢餓で苦しむ何百万というアフガンの方々がいらっしゃいます。これはもう人道上もこの救援というのは最優先課題だというふうに考えます。ましてやテロと無縁の無実の人々が今回のアメリカなどの爆撃によって、これによって犠牲になるというふうなことは、これはもう絶対にあってはならないことだ、こう思います。 そこで、日本の難民支援について伺いたいんですけれども、今回、自衛隊のC130輸送機が国連難民高等弁務官事務所、UNHCRの要請にこたえてテント、毛布等々を輸送しました。昨日着いたようであります。このUNHCRからは支援物資の量について指定はあったのか、また、自衛隊機でという要請はあったのか、この点を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) UNHCRからその要請があったと、これは御存じですね。その要請に基づいてどのような物品を必要とするかという協議をいたしました。これはPKO室がございまして、そこの担当が現地に赴きまして、現地のUNHCRと協議をしてきた、こういう経過がございます。 また、その輸送手段について、特段向こうから要請があったということはございません。
○筆坂秀世君 種類については要請はあったんですが、量についてとかあるいは輸送手段について決めは、要請はなかったんじゃないですか。
○国務大臣(福田康夫君) ですから、現地に参りまして、それで、量それから種類、これについて相談をしてきたわけです。その結果に基づいて輸送を行ったわけです。ただ、輸送の量とかそういうこともございますので、これはもちろん協議の結果でございます。
○筆坂秀世君 それぞれの量はどうなっていますか。
○国務大臣(福田康夫君) 十人収容のテント三百十五張、毛布二百枚、ビニールシート七十五枚、給水容器十リッター入り四百個、スリーピングマット二十個、以上でございます。
○筆坂秀世君 自衛隊員は何人行きましたか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊員は百四十名行っております。
○筆坂秀世君 結局、自衛隊員一人当たり、テント約二張り、毛布一・五枚、スリーピングマットは七人で一枚ということなんですね。 私たち、国連難民高等弁務官事務所の日本・韓国地域事務所にお尋ねをしました。広報担当の方から回答をいただきました。こうおっしゃっています。要請した物資はC130が運んだテントや毛布などだと。今、官房長官がお答えになったこういうものだと。その際、自衛隊機であるとか輸送先の空港はどこにするかとかいうことをあらかじめ指定したわけじゃないと。要は、できるだけ早くできるだけ多く、これが要請の趣旨だったというふうに明快にお答えになっています。 ところが、実際はどうか。C130輸送機を六機飛ばしています。百四十人の自衛隊員も同行させています。ところが、運んだのはこれは六機で三十六トンの合計物資です。既にパキスタン入りしているNGOの数十分の一から数百分の一の量だというふうに言われている。事実、ペシャワールで活動しているアメリカの赤十字、IRCは、毛布だけでも六万枚確保すると。日本が持っていったのは二百枚ですね。 国連難民高等弁務官事務所は、できるだけ早くできるだけ多くということを言いました。ところが、民間機だったらこれは十一時間で行けるんです、イスラマバードまで。もしあの時点で民間機を飛ばしていたら、まだ戦争は始まっていなかった。ところが、これは三泊四日かかっちゃったんです。そのために、もう既に戦争が始まっているところへ、今でもまだ飛行機は民間機もちゃんと飛んでいますけれども、行くことになった。 つまり、結果としては、できるだけ早くできるだけ多く、こういう要請だったものが、できるだけ遅くできるだけ少なくということにこれはなってしまった。これ本当に真剣に難民のことを考えた取り組みだったと言えますか。
○国務大臣(中谷元君) あの時点では、実際に空爆があるかもしれないというような可能性もあって、非常に情勢が流動的であったというふうに思っております。 民間に頼むというのも、そういう手段はございますけれども、やはり民間は企業であって、民間の判断によって中止をしたりすることもできるわけでございますが、ある程度政府として責任を持って物資を届けるという点、それから確実に輸送の確保が必要であったという点、こういう点を勘案すれば、今回は自衛隊機を活用して行うことが適当であるというふうに判断されたのではないかというふうに思います。
○筆坂秀世君 じゃ聞きますが、同じ時期に中国や韓国やイギリスも国連難民高等弁務官事務所からの要請を受けています。中国、韓国、イギリスはどういうふうに運びましたか。
○国務大臣(中谷元君) 他国の輸送については把握をいたしておりませんが、あくまでもこれは我が国が主体的かつ積極的に取り組むべき課題だと考えておりますし、ある程度、運ぶ以上は責任を持って運ぶわけであります。しかも非常に事態が流動的な情勢にあったという点を勘案いたしまして、我が国として判断したわけでございます。
○筆坂秀世君 あのね、韓国も中国も民間機ですよ。イギリスにも私は「しんぶん赤旗」の特派員を使って調べてもらいました。イギリスも二回とも民間機で運んだという回答でした。一回、一機で、ジャンボ機で八十六トン運んでいますよ。日本はC130一機六トンですよ。はるかにたくさんの量を、そして早くイギリスは運んでいるんです。現地の状況、イギリスの方がはるかに詳しいでしょう、アメリカと一緒に攻撃に加わって一緒にやっているぐらいですから。そのイギリスだって民間機でちゃんと運んでいるんですよ。何でかといえば、その方ができるだけ早くできるだけ多く、そしてできるだけ安全に運べると。だからそういう選択をしているんですよ。 大体、自衛隊機持っていったと言うけれども、四十丁けん銃を持っていった、短銃ですか。外に持っていけなかったんでしょうが。そうしたら、何のために自衛隊機飛ばす必要があったんですか。できるだけ早くできるだけ多くだったら民間機に頼んだ方が、そしてイギリスが選択したように、その方がより安全だったということは明瞭じゃありませんか。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろ御意見もおありかと思いますけれども、政府としても、政府の持っている能力、この能力を最大限利用する、こういうことも大事なことではなかろうかと思います。 私どもは政府として、じゃこれだけかということになりますと、このUNHCRに対する支援というのは、金銭的な支援も随分することになっております。これはもういち早くそういうことは表明いたしまして、UNHCRからも大変感謝をされている、こういう現実もあります。そういうことを総合して考えていくべきだろうというように思っております。そのうちの一環としてこの物品の提供をしたということでございます。
○筆坂秀世君 これは、朝日新聞を読んでいましたら、航空自衛隊の幹部は、民間機が運航しているところにC130を飛ばす必要はない、ショー・ザ・フラッグだから仕方がないのでしょうと。毎日新聞によれば、やはり自衛隊の幹部の方が、結局、旗を見せるには一番自衛隊が効果的、我々は便利な道具なんですよというふうに語ったと報じられています。 私、こうやって結果的に見れば、自衛隊機飛ばす必要は全くなかった、民間機でやった方がより多くより早くできたわけですから。これだって真剣に考えてもらいたい。 そして、今、官房長官が言われたように、難民支援はやはり引き続きやっていく必要があると思うんです。その場合には資金援助というのは、これは私は一つの大きな手段といいますか対策だと思います。現に政府もこれまで随分資金援助をしてこられました。私は、やはりこっちの方にもっと力を入れる、そして必要なら国連難民高等弁務官事務所であるとかあるいは国際赤十字であるとか、こういうところに人を派遣する。だって、難民支援というのは、やはり戦争に、その戦争にかかわっているその国の軍隊がやるなんというのは一番危険なんですから。これは、今後の難民支援あるいは被災民支援のあり方としても、政府としても真剣に検討していただきたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、もう一つ今度の法案にかかわって伺いたいと思うんですけれども、今度の法案というのは、テロの脅威の除去というために行動する米軍などへの支援というのが今度の法案の中心的な仕組みになっています。 そこで伺いたいんですけれども、テロ対策だということで米軍が軍事行動を起こす。その際に日本が主体的に判断をして、この軍事行動は確かにテロ対策になる、しかしこの軍事行動はどうだろうか、本当にテロ対策になるんだろうか、こういう判断をして、この軍事作戦には日本は支援しましょう、この作戦には日本は支援できませんと、こういう判断をされるようになっているんでしょうか。法律上の仕組みでは、少なくともそういう限定をする仕組みはないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 今回の法律案では目的がまず第一条で書いてありまして、その中の第一号に「テロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努めることにより国際連合憲章の目的の達成に寄与するアメリカ合衆国」というふうにちゃんと書いてございますから、その点は御心配ないと思います。
○筆坂秀世君 今、法制局長官がお答えになりました。 ということは、官房長官に伺いますけれども、つまり、米軍の行動というのは必ずテロの脅威の除去を目的としたものだという大前提でこの法律はできている、したがって日本が断ることはない、すべて協力するというのがいわば大前提の法律だと、こういうふうに考えていいわけですか。
○国務大臣(福田康夫君) この法律では、テロ対策ということにかんがみて、この趣旨に沿った方向であるということにおいて、それを大前提とした上で我が国が主体的に決める、そしてそれを基本計画に盛り込んでいく、実際の行動については、そういう仕組みになっております。
○筆坂秀世君 主体的に決めるというふうにおっしゃるんですが、つまり、断ることは、主体的に判断してこれはできませんよと、幾らアメリカの軍事行動でもこれは支援できませんよということもあり得るということなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) それはないということは言えないと思います。それは、あくまでも主体的に、その趣旨にのっとっているものであるということで判断するしかないと思います。
○筆坂秀世君 そうしますと、例えばアメリカの、これは国際的にも今問題になっていますけれども、ジョン・ネグロポンテ国連大使は八日、国連安保理事会に対して、アフガニスタン以外の国にも軍事攻撃を加える可能性があるということを報告しています。これは国連安保理での正式の発言ですから、大変重い発言だというふうに思います。事実、例えばアメリカの国防副長官ウォルフォウィッツは、イラク、スーダンも攻撃対象にということを繰り返し述べてきました。 もし、ネグロポンテ国連大使が言うように、アフガニスタン以外への攻撃にも拡大するんだということになった場合、日本は引き続きやはり、この法律が仮にできれば、支援業務を行っていくということをお考えですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今の状況において、どういうことがこれから起こってくるかということを予測するというのは非常に困難であると思います。委員のおっしゃるようだと、もう世界じゅうどこでも行かなきゃいかぬような話になってきますけれども、そういうことは私どもは想定しているわけではありません。
○筆坂秀世君 では、イラク、スーダンなどへの攻撃拡大という話が、しかし現に出ている、アメリカの高官から出ている。国連安保理ではそういうこともあり得ると、こういうアメリカの発言に対して日本政府はどういう考えなんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、どういう事態になっていくか今のところ確かに予測することは困難でありますが、アメリカが軍事作戦を起こす場合にはアメリカの判断があるでしょう。しかし、日本はそういう場合でも武力行使はしないんです、戦闘行為には参加しないんです。そこははっきりしております。
○筆坂秀世君 総理、そういう答弁を聞いているんじゃないんです。スーダンやイラクへの攻撃拡大になったときに、あるいはそういうことを現にアメリカは言っている、これについて総理はどう考えているのか、日本政府はどう対応するのかということを聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その時点で、これはテロ撲滅行為である、テロ防止行為であるということであれば、日本は主体的に考えて、今の武力行使にならない、戦闘行為には参加しないという範囲内で日本としてどういう協力ができるか、その時点で考えます。
○筆坂秀世君 これは非常に重大です。その時点でどういう協力、協力しないとは言わないんです、協力はするけれどもその中身ということでしょう、総理がおっしゃっているのは。つまり、イラク、スーダンに攻撃を拡大しても、日本政府は、小泉内閣はできる協力はやっていくという立場、これはもう非常に重大ですよ。 例えば、八日、EU外相理事会、どういうことが議論されているか。各国の外務大臣から、アフガニスタン以外への拡大にくぎを刺す発言というのが相次いでいますよ。 例えば、ベルギーの外務大臣、今度の戦争というのはイスラム・アラブ諸国に対する戦争ではない、これをもしイラク、スーダンにやればそういうことになってしまう、イスラム対あるいは西側なり、そういう対決構造をつくってしまう、これではテロ包囲ができなくなる、そこに大きな国際的な亀裂が生まれると、こう言っているんですよ。あるいはイギリスの外務大臣、標的はアフガンの軍事施設とテロリストに限定している、アフガン以外に拡大するなんてとんでもないと。EUじゃ外相会議でそう言っているんですよ。初めてですよ。イラク、スーダンに拡大したってそこにまでついていきますという答弁をしたのは日本政府が初めてです。 総理、これは重大ですよ、あなた。だって、この法律、何て書いてあるんですか、表題は。九月十一日のテロ事件に対する特別措置法だという、この法律は。じゃ、今、スーダンに、イラクに容疑者だと言われているビンラディンがいるんですか。いるんですか、そこに。(発言する者あり)いたらどうするかという、今アフガンにいるからといって攻撃しているんでしょう。自民党というのは、どこにいるかわからないからどこでも攻撃していいというんですか、あなたたちは。随分無責任な政党ですよ。 これ重大ですよ、総理。本当にそれ、やるつもりですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく聞いてくださいよ。
○筆坂秀世君 よく聞いていますよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク、スーダン、名指しされましたけれども、まだそういう事態になっていないんですよ。なるといって、現実になったらその時点で判断すると言っているでしょう。 その時点で、これがテロ撲滅行為かテロ抑止行為か、それはその時点で日本は主体的に考えますよ。その時点でEUがどう判断するかもそれは一つの考え方でしょう、イギリスがどう判断するかもこれは考え方でしょう、日本と違うんだからわからない。 私は、その時点で日本として、これがテロ撲滅行為かテロ根絶のための戦いか、その時点で考えて、その時点で判断して、その時点でもし協力が必要ならばできるだけの協力はするというのであって、まだイラクに行くとかスーダンに行くとか全然言っていないじゃないですか。余り誤解しないでください。
○筆坂秀世君 総理、法律というのは将来起こり得ることに対してつくるんですよ。当然、ある仮定が全部前提ですよ、過去に起こったことのために法律をつくるんじゃないんですから。 ですから、総理は、さっき、しかもそうおっしゃらなかったんです。どういう協力をするかその時点で考えるとおっしゃったんです。つまり、それは協力するということが前提なんです。私は、そうじゃないと、今とるべき態度は。 本当にこの戦争を拡大していけばどうなるんですか。既にわずか二日、三日の攻撃だってNGO職員が、NGOの人たちが四人死亡するということだって起こっているわけでしょう。 どうやって拡大をしないようにするか。あなたたち、あの戦争を肯定する立場だって考えるのが当たり前じゃありませんか。だからEU外相理事会は、アメリカが国連安保理で正式に国連大使がそういうことを報告したものですから、それに対してくぎを刺す発言をしているんです。 日本政府はそういう、それはとんでもないよと、アフガン以外への攻撃拡大、これはとんでもないよという態度は表明されないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは日本とNATO諸国、イギリスとは違います。日本と違って、彼らはアメリカと一緒に武力行使をすることを辞さないと言っております。その辺は明らかに日本と違うんです。 日本は武力行使もしないし戦闘行為にも参加しないんです。戦場にも出ていかないんです。明らかにNATO諸国と日本は違うんです。そういう中に立って主体的に国際社会の一員としてこのテロ防止行為に立ち向かおうとしているんですから。しかも、どこでテロ行為が起こるかわからないんです。アフガニスタンだけじゃないかもしれない。これからの展開を見なきゃわからない。だから、その時点で判断すると言っているんですよ。 しかし、テロ撲滅のために、テロ防止のためには、日本としてはできるだけの協力をする、協力しないというんじゃないんです、協力するんです、テロ防止のために。テロの脅威に屈しちゃいけない、そこははっきりしているんです。
○筆坂秀世君 テロの脅威には屈服しちゃいけないなんて、だれもそれは否定しない、当たり前の話、そんなことは。 NATO諸国だって全部違うでしょう。NATO諸国、一緒じゃないでしょうが。日本と同じ、あるいは日本よりも支援しないところだってNATO諸国の中にはありますよ。だから、NATO諸国と違いますと、それは通用しないんですよ。それはさっきの話、集団的自衛権のところで話をしたでしょう。世界に通用しないんですよ、そんな議論は。 しかも、あなたはともかくイラク、スーダンへの攻撃拡大についても否定しようとしない。これはEUですらくぎを刺しているのに、否定しようとしない。主体的にじゃ判断するとおっしゃいますけれども、アメリカは軍事作戦について事前に日本政府に連絡はあるんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のアフガン、アフガニスタンへの、タリバン政権への攻撃については事前に連絡がございました。
○筆坂秀世君 それは攻撃開始するというだけでしょう。軍事作戦の詳細な中身について事前に説明があるわけじゃないでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては軍事作戦にも軍事行動にも戦闘行為にも参加しません。
○筆坂秀世君 だから、非常にはっきりしてきましたよ。要するに軍事作戦にも、知らなくたって、アメリカがやればついていくということじゃありませんか、あなた方の立場は。 しかし、アメリカがどういう選択肢を持っているんですか。大変な選択肢を持っていますよ。規模について言ったって、今言ったようにイラク、スーダンにだって拡大する、こういうことだって国連安保理で、アフガン以外に攻撃対象を拡大する、はっきり言っているわけでしょう。ところが、それについても、事前に当然のことながら軍事作戦ですから日本政府に詳細に説明されることはないんです。しかし、それでもついていくということだけははっきりしているんですよ。 じゃ、どんな戦争になるのか。例えばラムズフェルド国防長官は何と言っていますか。アメリカCBSテレビのインタビューで核兵器の使用について聞かれて、米国は冷戦時代から核兵器の先制使用を排除しないと言ってきた、核兵器使用の可能性は排除したことはない、こう述べているんです。そして、実際アメリカという国はB61という地中深くにある建築物を破壊するそういう戦術核兵器だって持っているんです。ですから、核兵器の使用さえこれはあり得る。私たちはもちろん絶対そんなこと反対ですけれども。そういう選択肢だってアメリカは持っているんですよ。 そのときに、事前に軍事作戦も知らずに、ただ支援します、これは武力行使じゃありませんから、戦闘行為が行われているところじゃやりませんから。通用しないでしょう、それじゃ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いろいろな選択肢を持っているということとその選択肢を行使するということとは全く別だと思います。 現に国防長官は、テロリストに対して核兵器を使うことは有効でないとも言っております。
○筆坂秀世君 それは手段と選択肢と、実際に持っている手段がたくさんあるのと何選択するのは、これは別の話です。しかし、すべての問題を排除したことはないと言っている、核兵器だって。 ですから、私は、この法律というのが衆議院でも地域無限定ということが明らかになった。きょうのこの議論を通じて、軍事作戦についてもまさにアメリカに事実上の白紙委任だと。こんなことで、自衛隊を初めて、あなた方は何と言ったって、これは戦争に参加させるんですから、こういう法律がつくられようとしている。こういうことは私たち絶対認められない、このことを指摘して、時間が参りましたので質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で筆坂秀世君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、西岡武夫君の質疑を行います。西岡武夫君。
○西岡武夫君 自由党を代表いたしまして、小泉総理に御質問申し上げます。 小泉総理が就任されましてから、国民的な高い支持率を維持しておられます。その理由はいろいろあろうと思いますけれども、一つは、建前と本音を分けないでお話しになっておられるだろうと、国民の皆さん方は今でも思っておられるわけです。また、自分の言葉でお話しになる、そのことに対して多くの国民の皆さん方が信頼を寄せていると、私はこのように考えております。 今回の、このアメリカにおける不幸な出来事を発端として、我が国が取り組んでいく対応につきまして、小泉総理のいろいろお話を承っておりますと、どうも首尾一貫していないところが多いのではないかと、このように考えます。 それはどういうことかといいますと、アフガニスタンのタリバン政権の立場から日本を見た場合に、日本という国はどういう立場にあるのか、どう見ているのかと、総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としては、今までの歴史的な経緯を見ますと、アフガンに対しては領土的野心もないし、過去に侵略の事実もない、現在も行っていない。そして、今回のテロ発生以前には、タリバン政権とも、あるいは反タリバン勢力とも接触を持っていた。割合中立的な立場で、今後アフガンの発展のために寄与できる立場にあるのではないかと。また、今後このテロに対する戦争が、あるいは撲滅、抑止が成功すれば、私は他の諸国とは違った独自の日本としての貢献策がいろいろ考えられるのではないかと思っております。
○西岡武夫君 私がお尋ねしておりますのは、タリバン政権の立場から今の日本をどう考えているか、これをお尋ねしております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはタリバン政権に聞いていただく方がいいんじゃないでしょうか。 我々としては、テロ根絶のための戦いを国際社会と協力してやっていこうということが主眼であります。
○西岡武夫君 総理の御答弁というのは、そういう一種のはぐらかしの御答弁が非常に見えるわけでございますけれども、今回のこのアメリカにおける不幸な出来事、日本を含めて多くの国々の国民の皆さん方が犠牲になったという不幸な出来事を前提として、テロを撲滅しなければいけない、このために日本は何ができるかということから始まったわけでございますけれども、日本はどういう根拠で自衛隊を派遣するのか、どういう考えで小泉総理は今回のこの法案を提出されているのか、何を根拠として法案を提出されているのか、このことについてお尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロ根絶のために、テロ抑止のために日本の国力をしてできるだけの支援、協力をしたい、その際には自衛隊ができることがあれば自衛隊も新しい任務を担ってもらいたい、国力を挙げて国際社会と協力してこのテロ根絶のために立ち上がろうという趣旨で、できるだけ、日本としてもできるだけのことは支援、協力をしようということの趣旨でこの法案を提出したわけでありまして、いずれこの法案を審議するための委員会も開催されるでしょうし、これから御審議をいただけるんではないかと思っております。
○西岡武夫君 総理は、憲法解釈上、集団的自衛権は本来持っているけれども、これは行使しないんだということをお考えのように承っておりますけれども、そうでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そのとおりであります。
○西岡武夫君 今回のこの日本の行動は集団的自衛権に相当しない、本当に言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 言えると思います。
○西岡武夫君 それに関係いたしまして、かかわりまして、後方支援ということを常におっしゃっているわけです。しかし、先ほどからお話があっておりましたように、後方支援というものはまさに戦闘行為と一体なものであって、これを分けることはできないと。総理はたびたび、自衛隊を戦闘には参加させないんだ、危険なところにはやらないんだと、こういうことを答弁されているわけですけれども、どういう状況が起こるかわからない、そのときそのとき、いつ戦域が拡大をして今まで戦闘行為でなかったところが戦闘行為になるかもしれない。こうしたことをどのように総理はお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のテロ行為以来、どこにこういうテロ行為が発生するか、なかなか予測できない状況になったと思いますね。 戦争といいますと、これは普通、国家と国家との争いなんですが、そういう中で集団的自衛権というのは考えられていた。今回、国家間の戦争じゃないんですよ。そこがまた全く新しい事態である。そういう中で、我々としては、どういうテロ根絶のための戦いに日本は協力できるかということを考えているのであって、今までの集団的自衛権、あるいは国家と国家との戦争ということとは事態が変わったと思います。
○西岡武夫君 確かに、形態としては新しい形の戦争であるということは言えると思います。 しかし、イギリスの場合に、昨日でございましたか、戦時内閣であるということを宣言をされて、これはチャーチルが第二次世界大戦のときに戦時内閣というものを成立させたわけですけれども、これで戦争でないと言えるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イギリスは武力行使をするということですから、まさに戦時体制でしょうね。日本は武力行使しないんですから、今までの言う国家と国家との戦争、戦時体制ではない。しかし、アメリカは戦争状態だと言っておりますが、これも人によって解釈が違うでしょう。戦争の定義というのは法律家に独自の法解釈というのはあるんでしょうが、私は、今の状況はテロとの戦争と言っても過言ではない。そういう状況で、日本は、武力行使はしないけれども、このテロとの戦いにどうやって毅然と立ち向かっていくかと、それが大事なことではないかと思っております。
○西岡武夫君 総理、後方支援と申しましても、これは戦争と一体なんですね。例えば、食糧を運ぶことはいい、お水を運ぶことはいい、あるいは武器を運ぶ、どこまで運ぶかということでいろいろ議論があるようですけれども、これは第一線で戦っているアメリカやイギリスの兵士が全く食べるものがないという状況の中では戦争はできないということになると、食糧や水を運ぶこと自体もこれは戦争と一体ですから、これはどう総理お考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういう考え方、解釈もあるでしょう。しかし、違う解釈もある。我々としては武力行使と一体でない活動を考えているわけですから、いろいろ解釈です。水も食糧も武力行使と一体であるというふうに考える方もあるんですが、我々はそうは思っておりません。
○西岡武夫君 それはどういう根拠でそうおっしゃっているんですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 前提として、ちょっと誤解があるかもしれませんから御説明させていただきますが、憲法第九条は、あくまでも戦争とそれから武力の行使と武力による威嚇を国際紛争を解決する手段としては放棄しているわけであります。したがいまして、武力の行使に当たらない行為、これはもちろん先ほどから言っております武力の行使と一体化となる行為を含めましてですけれども、そういった行為を禁止しているんであって、それ以外の行為につきましては憲法九条は禁止しておらないわけです。 ですから、先ほどから申しておりますように、集団的自衛権の定義、これは国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する、そういう権利でありますから、そういった実力をもって阻止しない以上、集団的自衛権の行使にはならないということでございます。
○西岡武夫君 委員長に申し上げますが、きょうは総理、小泉総理にお尋ねをしているので、内閣法制局の御意見を承るわけではございませんので、よろしくお願いを申し上げます。 総理、先ほど私が申し上げましたように、後方支援と第一線の戦い、これは一体である。日本が後方的な支援をやっているというふうに幾ら総理がおっしゃっても、それを今アメリカとイギリスを中心として戦っている相手方からしますと、日本は明らかに戦争に参加をしている国であると、こう断定をすると思うんです。それについてはどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回、テロとの戦いについて日本は傍観者になるつもりはありません。毅然として立ち向かいます。その憲法の範囲内でできるだけテロと対決していきたいと思います。テロリストたちがどう考えるか、どう判断するか、それはまた別の問題だと思います。
○西岡武夫君 日本が後方支援をやっていることに対して、これはその後方支援がアメリカそしてイギリスを中心とした軍事行動に大きな力になっていると、こう判断をしたときに、日本が攻撃をされる、受ける、そういう可能性を総理はお考えじゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、何もしなくても攻撃を受ける可能性はあります。現にニューヨークがそうであります。日本が何もしなくても、日本だけが攻撃を受けないという状況にはないと思います。テロリストに対しては、いつどこで日本も攻撃を受けるかわからない。しかし、攻撃を受けるかもしれないからといって、日本はそのおどしに屈して傍観者になるつもりはありません。
○西岡武夫君 私がこのように申し上げておりますのは、憲法の解釈を、小泉総理が、集団的自衛権の行使について小泉政権はこれを認めるんだという憲法解釈を行って、そしてその上で今回の決断をされると。もちろん、自衛隊という軍事力を持った一つの組織を海外に派遣をするわけでありますから、これは抑制的であり慎重でなければなりません。これはもう当然でありますけれども、そういう決断を行って初めて今回の行動というものが正当なものになる、わかりやすいものになる、こう私は考えます。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 一つの考え方として私は理解できます。しかし、今の憲法に対しましていろいろ解釈があるのも事実であります。私は、今までの考え方として、集団的自衛権を行使できるという解釈に立つならば、よりすっきりした形で憲法を改正してからやった方がいいのではないかと。今そういう状況ではないという状況を考えて、憲法の範囲内でできることは何か、協力できることは何かということで考えたのが今回の新法案でございます。
○西岡武夫君 私どもも、憲法を改正すると、この問題について、もちろんほかにもいろいろ憲法の問題はございますけれども、そのことについてはそのとおりであると思います。しかし、こういう事態の中で、小泉総理が集団的自衛権の行使、これをあいまいにしたまま、やれ後方支援だとかなんとかというような、そういう非常にわかりにくい、そして場合によっては自分の生命をかけなければいけないという、そういう状況の中に自衛隊の皆さんに行っていただくと、そういうことを決定する以上は、明確なやはり方針というものを打ち出さなければいけなかったのではないか。これからでも遅くないと思います。どうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今の憲法についてあいまいさは残ると、それは認めます。あいまいだから苦労しているんです。いろいろ解釈がある。今の自衛隊だって憲法違反だと言う人がいるわけでしょう。自衛隊も軍隊と認めない人がたくさんいるわけでしょう。戦力を保持しない、認めないと言いながら、自衛隊は認めるという人もいるわけでしょう。あいまいな点は認めます。 そういう中で、日本としては、自衛隊を海外に派遣する限りきっちりとした、任務がどういうものなのか、どういうところまで任務を認めるのか、法的な裏づけが必要だということで、私は、新たな任務を法的な裏づけのもとに自衛隊を出す場合は不安のないような措置を行いたいということで、新たな任務を加えるために新法を提出したわけでございます。
○西岡武夫君 私が申し上げているのは、先ほどから官房長官もお答えになっておられましたけれども、どういう事態が起こるかわからないと、そういうところに我が国の自衛隊を派遣をするわけですね。その場合に、それが起こってから考えるというのでは現地ではもう遅いわけですから、そこのところはやはり内閣総理大臣としてはきちっとした解釈を確定をして、そして今回の行動を決定すべきではなかったんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) きちんとしたことを確定してします。戦場には自衛隊を派遣しない、戦闘行為には参加させない、武力行使はしない、そういう前提の中で、日本としては支援協力体制、自衛隊がどういう活動をできるのか、今までの法ではできない、新たな法律的な裏づけをもって自衛隊に働いてもらおうというのが今回の法律であって、しかもこれが九月十一日のテロ、この撲滅、抑止に限定しております。極めてはっきりした法案でございます。
○西岡武夫君 総理、どういう事態が起こるかわからない、戦域が拡大をしたと、そうしたら自衛隊は直ちにそこでもう黙って帰ってきてしまう、そういうことですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、どういう形態の戦闘が行われるかというのはまだ予想できない点がございます。今、アフガンで起こっている事態、アフガンには自衛隊は派遣しません。そういう戦闘行為という状況が起こるのか起こらないかもこのテロというのはわからない。今までと全く違う形態の戦闘行為です、ニューヨークのテロにしても。あれが継続的に起こっているかどうか、あのニューヨークで世界貿易センターが攻撃された、ここに救援活動に行くのにも戦闘行為と見るのか見ないのか、人によって見方が違うでしょう。一機だけじゃない、二機が突入したからこれは継続されていると考えるのかどうか、一日たてば戦闘行為じゃなくなった、戦場でなくなったから行っていいのか行っていけないのか、その事態で判断しなきゃいけないでしょう。 予測できない状況でありますが、はっきりしていることは、自衛隊といえども、これは今までの解釈で無理があるんだったらば、新しい任務をするためには新しい法的裏づけがある方が不安のない活動ができるでしょうし、日本国民もしっかりとした、これは戦闘行為に参加するんじゃないんだ、武力行使じゃないんだという確認のもとに行った方が不安がないと思いまして、私は新しい法律が必要だと思って、自衛隊が支援活動に出る場合は法的な裏づけが必要だということで今回新法を出したのであって、どういう形で戦闘が行われるか、どういう形の戦場になるかというのは、今回のテロ行為というのは全く今まで想定できないんですから。そういう点は想定できる範囲内で考えましたけれども、予測できない戦闘行為、あるいは新たなテロが発生した場合にはその時点で判断するしかないと思います。
○西岡武夫君 そこが問題なんでして、その時点でと言っていましても、瞬間的に起こるわけですから、だれが判断するんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その時点で、今これから法案が審議されると思いますが、現在でも審議されていると言ってもいいんですが、委員会で具体的な詳細な審議が行われると思いますが、そういう審議の経過を踏まえ、政府としてその時点で判断したいと思います。
○西岡武夫君 いや、国会での審議のことを申し上げているんじゃなくて、総理が今おっしゃった新しい事態がその現場で起こったときに、突然、だれが判断されるんですか。 いや、総理お願いします。総理。(「政治論、政治論」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(福田康夫君) ただいまの、事前に予想されなかったような戦闘行為、これが活動実施中に発生したと。この場合にいろんなケースがございまして、例えばその実施区域の変更、これは防衛庁長官が内閣総理大臣に承認を求める、こういうことになっておりますし、また実施区域を縮小することも防衛庁長官の判断でできます。また、活動を中断するということも防衛庁長官の判断であります。また、活動の一時休止または避難ということも実施部隊の長、隊長らが判断してできる、こういうふうなことになっております。
○西岡武夫君 私は細かい技術的なことを申し上げているんじゃないんです。まさに総理が今ささやかれておられましたように、政治論を申し上げているわけで、内閣総理大臣としてこういう事態が起こったときにどうするかということについて、こういう集団的自衛権の解釈をあいまいにしたままこういうことをやっていいのか、このことをお尋ねしているわけです。 明快にやはり、いろいろな学者の意見は別です、小泉内閣総理大臣としてはこう考えるんだということを国民の皆さん方の前で明確におっしゃっていただいて、その上で自衛隊の皆さん方に本当に御苦労していただく、これが筋じゃありませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はっきり私は言っているつもりですけれどね。今回の自衛隊の支援活動は集団的自衛権の行使ではないとはっきり言っています。
○西岡武夫君 後方支援は、先ほど共産党さんの私ども自由党とは全く違う観点からの御質問があったわけですけれども、共産党さんとの御質疑の中でもありましたように、そういう後方支援に徹するんだといっても、これは一体として見るのが普通じゃないんですか。重ねてお尋ねします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そこもはっきりしているんですよ、一体と見ないんですから。
○西岡武夫君 しかし、先ほど私がお尋ねをしました、たとえ食糧であっても水であっても戦闘行為と密接不可分なものであると。それを日本が輸送をするんだということは、もう事実上共同作戦の中に組み込まれている、こう思うんです。どうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、それは後方支援であって武力行使と一体ではないと政府は解釈して、私もそういう解釈はとらないと、集団自衛権の行使とは見ない、そこははっきりしております。
○西岡武夫君 私ども自由党の立場は、憲法解釈を少なくとも小泉政権が、小泉総理大臣が明確にされた上で、少なくとも自衛隊の皆さん方に海外に出ていただくわけですから、これをするのが責任ある政治の姿である、このように考えます。 それともう一つは、先ほどからるる申し上げておりますように、後方支援というものは実際に戦闘行為と一体というふうにみなされてもいたし方ない、このことをやはり私どもは真剣に考えていかなければいけないと思います。 そして、今回のことが起こったときに、やはり私は、国連に対して日本はもっと積極的な働きかけをすべきであったと思うんです。国連としてどう行動するのか、これからもいろいろと起こってくると思いますけれども、それについて総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、西岡議員の集団的自衛権に対する憲法解釈、私も、そういう考え方がある、また西岡議員がそう思っておる、それは理解できます、十分。しかし、日本にはいろいろな憲法解釈があり、政府としては、今そういうような集団自衛権を政府解釈で変えるということはしないという前提でこの新法を考えております。 また、国連活動についてはそうであります。日本としても、国連の一員として国連活動、積極的に展開したいと思っております。
○西岡武夫君 今は憲法解釈として、小泉政権は集団的自衛権の行使は我が国はできないんだという解釈であると。しかし、事態が変わればそれは解釈を変えることもあり得るという意味ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、集団的自衛権を行使できるという解釈に立つのならば、憲法を改正した方がいいと思います。それは変わりません。しかし、今、憲法を改正する時期ではないと。また、憲法を改正するエネルギーは今の政治状況にあって使っていいのかどうか、それも政治家として判断しなきゃならない。今、憲法改正を提起する考えはございません。
○西岡武夫君 その点は私も同感でございますが、私がお尋ねしているのは、現憲法のもとにおいて新しい事態が、状況が変化する中で起こったときに、今、小泉総理がおっしゃったことを、集団的自衛権についての解釈を変えるという可能性がございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) はっきり申し上げておきますが、集団的自衛権を解釈によって行使できるというんだったらば、私は憲法そのものを改正した方がいいと言っているわけであります。 しかし、集団自衛権に関する解釈がどういうものか、その研究、勉強、いろいろ解釈に幅があります。そういう点についての研究、勉強は妨げるものではございません。
○西岡武夫君 憲法を改正するということについては、今そういう状況下にないということについては私ももう十分理解しております。しかし、研究しているという状況じゃないんじゃないでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、提出しております新法においては、集団的自衛権の従来からの政府の解釈を変更するものではありません。しかし、西岡議員のように解釈を変えろという議員もおります。変えるべきでないという議員もあります。どこまでが集団的自衛権の行使に当たるのかということについても、人によって違います。 ですから、研究、勉強、それはいかなる形であってもいろいろ新しい事態を想定して、想定し得る範囲内でいろいろ検討するのはいいことではないか。しかし、現在の新法の中で今までの政府解釈を変えないで行うということについて政府としては決定しておりますので、集団的自衛権に対する解釈は今までの政府と同様でございます。
○西岡武夫君 それは、小泉政権が続く限りその解釈は絶対変えないということですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在、新法を出しておりますが、現行政府解釈を変えないで行おうというのが新法でございます。小泉内閣としてもそうでございます。
○西岡武夫君 いや、新法についてはもちろんそれを前提としてお考えのようでございますが、それは先ほど申し上げた後方支援という問題とのかかわりの中で、総理がおっしゃっていることにはかなりの無理があるというふうに私は思っております。 そこで、最後になりますけれども、この今回のアメリカにおける不幸な出来事、このことが世界経済全体に大きな影響を与えていると。これについて、これまで取り組もうとしてこられている小泉総理の経済政策について大きな変更はございますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 改革なくして成長なし、構造改革を断固として進めるということには全く変わりはございません。 しかし、このテロ活動、あるいはこれから経済現象、どのように変わってくるかわかりません。そういう不要な混乱、無用な混乱を起こさせないためには大胆かつ柔軟な対策をとる。しかし、基本的に、改革なくして成長なしと。構造改革に断固として取り組むという姿勢には全く変更がございません。
○西岡武夫君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で西岡武夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。
○福島瑞穂君 アメリカの軍事報復という最悪の事態が生じました。軍事報復を避けられなかったということについて、非常に残念に思います。テロの犠牲者に対して心から哀悼の意を表すると同時に、戦争によって新たな犠牲者が生じ、これからも新たな犠牲者が生ずるであろうことに関してショックと怒りを感じています。 そこで、お聞きいたします。 この一カ月、日本は武力行使を避けるために果たして一体どんな努力を具体的にしてきたのでしょうか。総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 武力行使をしないということについては、今まで一貫しております。
○福島瑞穂君 武力行使という事態を避けるために具体的に主体的にどう、何をしてこられたんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 日本としてはもともと武力行使しないんですから、そしてこのテロにどうやって立ち向かっていくかと。もともと武力行使しないし、戦闘行為にも参加しないんですから、それはもうはっきりしているんです。そういう中で日本としてはどういう努力があるか、そしてテロにどうやって立ち向かっていくか、このテロ撲滅のために、テロ抑止のために国際社会の一員としてどう責任を果たしていくかということの努力をしてきたわけでございます。
○福島瑞穂君 答弁になっていません。 アメリカの軍事報復を避けるために何をやってきたのか。それが唯一の最終的な回答ではなかったはずです。例えば、日本は石油の関係もありますから、イスラム世界とのさまざまなチャンネルもあります。タリバーン政権のスポークスマンに話しかけること、引き渡しについて日本が主体的に要求すること、いろんなことができたはずです。どんなことを具体的に日本政府はおやりになったんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは外交活動、さらには経済支援活動、あるいはこのテロとの戦いは、テロとの戦いであって、アラブとの戦いでもないし、イスラム教との戦いでもないということが事あるごとにはっきりしてきておりますし、私は、現在のテロ行為というのはいつどこで起こるかわからない、日本も人ごとではないという形で取り組むことが必要だという、そういう中で行動してきた。御理解いただけると思います。
○福島瑞穂君 具体的に教えてください。この一カ月、日本は何をしてきたのか。タリバーン政権に対する説得などは具体的に行ってこられたんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) きのうもお答えしましたけれども、事件前は日本にアフガニスタンの関係者を呼んだりして会議しておりましたけれども、お尋ねのこの事件後でございますけれども、その後は直接にパキスタン政府の方に連絡をとったり、それから日本から行っております沼田大使から、駐パキスタン沼田大使から情報を聞いたりとか、そのほか国際社会のあらゆる要請を受けまして、代表団が来られればお会いしたりとか、あらゆる努力をいたしてきております。
○福島瑞穂君 情報を得るということはわかります。しかし、具体的に非軍事的な面で日本がどう説得などをなさったか教えてください。
○国務大臣(福田康夫君) それは、国連の安保理の決議がございましたね。ああいう決議に基づいてこのテロ抑止、テロの抑止のための諸活動は国連を中心として行われてきたわけで、それは日本もそのことについて、国連の中においていろいろと意見の集約などに努めてきたところでございます。
○福島瑞穂君 日本の主体的な非軍事面での貢献あるいは説得が全然見えてきません。今の話でも、情報収集やそういう意見の交換にとどまっています。日本はアフガニスタンやさまざまな国から実は尊敬されている国だと言われています。チャンネルはあるわけですから、すぐ軍事報復支援あるいは自衛隊派兵というふうに行く前に、日本がなぜこの一カ月やってこなかったのか。その具体的なことが見えません。
○国務大臣(福田康夫君) ですから、今私申しました国連を中心としていたしてまいりましたけれども、日本は国連だけでなく、その前に、国連の決議をしたとか、そういうような国連の活動に対して、また決議に対して、テロを行ったと目される勢力がその決議の言うことを聞かないと、こういう現実があったわけですね。 日本は、それだけでなくて、避難民が出てくる、そういうものの救済とか、直接関係あるかどうかということについて疑問がおありになるかもしれぬけれども、周辺諸国に対する話しかけとかいうことはいろいろやってきたわけでございます、公式、非公式、両方ございますけれども。そういういろんな活動をしてきて、そして国連を中心としたそういう活動に対して一切耳をかさないというのが今の実態なんでしょう。それをこれ以上放置できないということで、抑止、撲滅、絶滅のために立ち上がったというのが今の現実だと思っております。
○福島瑞穂君 日本が独自に主体的に軍事力でない点で何をこの一カ月本当にやってきたのか、実は見えないと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 具体的にこの一カ月間でやってきたことについて申し上げます。 例えば、イスラエル、中東の問題も関係が非常にあるというふうに委員も思っていらっしゃると思いますけれども、パレスチナのシャースさんという外務大臣に相当する方でありますとか、それからイスラエルのペレス外務大臣とは三回以上も電話が来てお話をしておりまして、そういうときにもいろいろな、平和と安定のために何ができるか、テロをやめるためにはどうすることができるかということについての話し合いもしております。 それからまた、外務省としては、具体的に難民、避難民の支援の問題ですね、どういうふうな取り組みができるかとか、それからG8を通じた国際協力がどうであるかとか、国際的な法的な枠組みを強化するにはどうすればいいかと、そういう形でテロに対してこの一カ月間、具体的に情報交換もし、そして具体的な対策も立ててきております。
○福島瑞穂君 難民支援は当然ですが、難民が出ないための努力ということの例えば具体的なことは見えません。 次に、今パキスタンが極めて政情不安定になっております。反米デモが続いており、イスラム原理主義者の人たちが軍事報復について非常に怒っているという現状があります。 今度の新法は、アメリカがパキスタンに対してもし武力行使をした場合にそれを支援することまで範囲内としているでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アメリカがパキスタンに武力行使をするというのは、今私の想像できる範囲内ではちょっと想像できないですね。考えられないですね。パキスタンはアメリカを支援すると言っているんです。アメリカを支援すると言っているパキスタンにアメリカが武力行使するとは思いませんね。
○福島瑞穂君 では、もし万が一、アメリカがした場合は日本は撤退するんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) そういうことが起きるかどうか、今の世の中ですから、テロもどこに起こるかわからない時代ですから、もしそういう事態が起きれば、その起きた時点で判断するしかないですね。今ちょっと想像できませんね。
○福島瑞穂君 私がこの条文を見て問題だと思うのは、この新法が全然地理的なさまざまな限定を持っていないからです。 イラクに対してもしアメリカが武力行使をした場合、この新法の適用範囲内でしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回の新法は、九月十一日にテロが発生した、このテロ行為に対して世界がテロ撲滅のために、テロ抑止のために立ち上がった。その中で日本がどういう協力ができるかということを考えているわけでありまして、どこでどういう活動が展開される、テロ抑止行為、テロ撲滅行為が展開されるかというのは今の時点でわからない点がかなり多いわけであります。 そのテロ抑止行為、テロとの戦いが実際にどの国で起こるかという、その時点で日本としても判断して遅くないのではないかと私は思います。
○福島瑞穂君 新法をつくるときには、その法律の射程距離が一体どこまでかが極めて重要です。 それでは、全くその地理的限定を置いていないこの新法は、アメリカがイラクや他の国を武力行使をした場合も日本の支援が含まれるということでよろしいですか。確認いたします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロがどこで起きるかわかりません。しかし、テロ撲滅、テロ抑止のための支援活動は日本としてできるだけのことはしたい、ただし武力行使はしません、戦闘行為には参加しませんという極めて限定的なものでございます。
○福島瑞穂君 このテロに対する武力行使の戦争がどういう形で終結するのか、停戦をするのか、と思います。日本はポツダム宣言を受諾をして戦争が終わりました。ベトナム戦争もパリで和平交渉を続けて終わりました。この戦争はだれを交渉の相手方として終結をするのでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、テロリストが一人なのか複数なのか、その組織が複数なのかどうか、またこれを支援する国が一つなのか複数なのか、今の時点でわからない点もございます。 そして、テロ組織あるいはテロを支援する組織はなくなったと、もうテロの起こる可能性が極めて少なくなったという判断は日本だけではできないと思うのであります。国際社会と情報交換しながら、今後の状況を見ながら判断すると。その時点で、今テロリスト活動をする拠点もなくなった、テロリストもいなくなった、テロ支援国もなくなったという判断が来れば、もうそういう対応をとる必要はなくなると思いますが、それがいつになるのか、これは今の時点でいつになるのかということは言えないと思います。
○福島瑞穂君 ですから、私はこの武力行使の実効性についても非常に疑問を持っています。 つまり、これまでの議論でも明らかなように、テロの根本原因は、田中外務大臣もおっしゃいましたが、貧困と差別、イスラムの中の貧しい人たちがやはり怨嗟あるいは絶望感を持っている、中東和平もなかなか進まない、その中で起きているわけです。これに対して軍事行使をすれば、もしかしてラディン氏はその一人かもしれませんが、ヤマタノオロチで、だれかの首を切ったところで下のところは、問題は、テロの根本原因は残っているわけです。武力行使をする、そしてアメリカが例えば軍隊を引き揚げる、しかし三年後にテロ行為が起きるかもしれないんです。 果たしてこの戦争をどうやって終わらせるのか。その展望がない泥沼化の危険性が今、交渉の相手方の当事者がいないんです。だれが正統の当事者なのか、それが出てきません。それについてどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 現在のところ特定しているわけですね、テロの容疑者としてウサマ・ビンラーディン、そしてタリバン政権。過去にも国連の安保理決議で身柄引き渡し要求をしているわけです。特定しているわけです。幾ら話しても応じない。話し合いの通ずる相手じゃないんです。福島さんが、出てこい出てこい、裁判にかけろ、話し合いしなさいと、言うことを聞かないんですよ。それでもうみんな国際社会が困っちゃっている。 今、何もしないからテロが起こらないと。何もしなくてもテロが起こっちゃったんです、ニューヨークで、ワシントンで。どこでも起こるかもしれない。じゃ、今、何もしなくてテロが起こらない保証があるのかと聞けば、答えられないでしょう。だから、このまま放置して、それじゃテロリストのしたい放題に任せておきましょう、話し合いに任せましょうということにして本当にテロが起こらないのか。そうじゃないと思いますね。だから、このまま放置できないということで国際社会が、もうこういう話し合いに応じない、話し合いに応じなさい応じなさいと言っているだけではいつになってもテロが解決する状態にない、そういうことで今立ち上がったわけですから。 何も関係のない市民たちが、五千人、六千人の人たちがテロ行為によって殺されちゃった。このまま、さあ話し合いに来てくださいと言って、再びテロが起こらないという保証はない。テロリストの言うことを聞きなさい、あるいは我々の言うことを聞きなさいと。話し合いに応じないんですから。 それで、結束してテロ撲滅のために立ち上がろうと、世界が。アメリカも、イギリスも、NATOの関係諸国には、そのためにはあえて武力行使を辞さないということで、今武力行使を始めた。しかし、日本は武力行使はいたしませんよと。その範囲内でテロ撲滅のために、国際社会の一員として国力に応じた支援をしましょうということを御理解いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 ロッカビー事件も、安保理が、国際社会が圧力をかけて、非常に長い時間をかけて引き渡しを要求しました。私は、八月末に南アのダーバンで開かれた人種差別国際会議に出席をしましたが、パレスチナ問題が議論になるかもしれない、なるということで、アメリカは高官を送らず途中で引き揚げました。さまざまな国際会議での議論はそういう形でとんざをしています。また、日本、アメリカ、国際司法裁判所の批准もしておりません。私は、果たして努力をしてきたのか、むしろ軍事報復をすることで、今イスラム原理主義者の人たちが非常に反発を強めています。テロリストの思うつぼではないかと私は思います。 次に、難民の問題についてお聞きをします。難民の最大の原因は戦争です。戦争、戦渦が広がることで難民が起きる、そしてその難民支援をするということで自衛隊が行くと言われています。しかし、根本の軍事報復をやめさせることの努力はなかったのか。 そして、この間、衆議院の予算委員会で法務省は日本の難民の数についてお答えになられました。ドイツは十五万六千七百、フランスは七万三千、アメリカはこの十年間八万二千三百、日本はわずか四十九名です。 アフガニスタンの難民を今後どれぐらい受け入れるつもりがおありなんでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 法務省としましては、その申請がございましたら、難民の地位に関する条約等に言う難民に該当しているときは難民として認定しておりますし、これからもそういう方針でございます。 ただ、委員がおっしゃっておりますその難民というのがもしパキスタン等の隣の国に流出したアフガニスタン人の避難民という御趣旨であれば、これは今申し上げた難民とは別のものでございまして、政府全体として別に取り組むべき話であるというふうに考えます。
○福島瑞穂君 どれぐらい引き受ける覚悟がおありか、できれば教えてください。 また現在、十二名のアフガニスタンの難民認定者を含む人たちがこのテロ事件後、むしろ入管に拘束をされております。この人たちは強制退去をさせられるんでしょうか。強制退去先はアフガニスタンでしょうか。難民支援といいながら、軍事報復に協力をする。そして今、難民認定をしている人も含めて日本にいるアフガンの人たちを拘束する。強制退去先はアフガニスタンでしょうか、どうなんでしょうか。 本当に難民支援ということを、ですから、それは矛盾すると思うんですね。難民支援をするおつもりがあるんでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今申し上げましたように、避難民と難民はちょっと違うと思います。難民として条約に決められている条件に該当する方については、日本も決してためらうことなく、十分審査はいたしますけれども、それが該当している場合には受け入れているわけでございます。 ただ、我が国に対しては、よその国から見ますと歴史的、地理的にも大変かけ離れている、日本に来るのに海路、空路でなければならないというようないろんな条件がございますし、言葉も習慣も違うということで、申請する方自身が非常に数が少ないわけでございまして、申請がありましたものについては、従来どおり、条件が整えば受け入れているわけでございます。
○福島瑞穂君 難民支援ということであれば、日本が諸外国に比べて極端に少ない数を見直し、難民の受け入れについてもぜひ取り組んでくださるようにと思います。 総理、私はこの間、国際法の根拠があるのか、アメリカの軍事報復に、お聞きをしました。回答は役人に任せて政治でやるのだとおっしゃいましたが、きょうはその根拠を教えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは、アメリカが個別的自衛権の発動で戦いに赴いている。それを、国連でも安保理決議でもテロ抑止のためにお互い共同して防止策を講じようということで、日本としてもその活動に参加し協力していこう、ただし武力行使はしないという前提でやっているわけですから、私はそれが根拠だと思います。
○福島瑞穂君 アメリカの自衛権の行使については国際法上疑問があります。また、国連の決議は、テロ行為について断固対処するとはあっても軍事報復を容認するというものではありません。国連はそのような決議を出しておりません。 以上、私は、日本が戦争ができない国を五十六年前に選択をしました。現在、戦争ができる国にこの国を変えようとしている。その重大な基本原則の転換を非常に簡単にやることは許せないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で福島瑞穂君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(真鍋賢二君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。衆参両院の予算委員会、最後の私が質問者になるわけでございます。 けさのNHKのニュースで世論調査の結果が出ておりまして、それを見ますると、今までの政府の対応については六七%の人が支持をしている。内閣支持率も七五%。 今回、昼から審議されるテロ対策法案については、賛成が四六%、反対が一六、態度を決めかねている人が多いわけです。その中で特徴的なのは、男性が五八%賛成しているのに対して女性が実は三四%、二〇%以上差が開いている。こういう現象を総理はどのようにお考えでございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 支持が多いということは、日本国民も国際社会の中で日本も責任を果たさなきゃならないということを理解していただいているんじゃないかと私は判断しております。 また、男性の方が女性よりも支持が多いということについても、これは……
○松岡滿壽男君 テロ対策法案ですよ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロ対策法案についてですね。戦争状態が今アフガンとの間で、米英との間で起こっていますから、そういうことに対してやっぱり女性の方が不安感が多いんじゃないでしょうかね。どちらかといえば男性の方が多い、女性の方が少ないというのは、それは、どういう分析かは専門家に聞かなきゃわかりませんが、今お話を聞いた範囲内では女性の方が不安を持っている方が多いのかなという、そういう気がしますけれどもね。
○松岡滿壽男君 せんだって私、たった二分の質問時間でこの問題、テロ問題についての質疑をいたしました。その後、たった二分なのという話になりました。委員長に、ひどいじゃないですかという話をしましたら、いや本当はあなたたちは一分だと、一分じゃちょっと気の毒だから二分にしたという話でありますが、どうも私は今、国会運営がこの緊急のときに硬直化し過ぎていると、いろんな面で。過去の取り組みにこだわり過ぎている。 例えば、私ども、今、無所属の会は六人います。それで、自由党が八人、そして社民党が八人ですね。そうすると、十人以上でないと、取り決めがあって、議院運営委員会にも出れないし、予算委員会の質疑をやるにもその理事懇にすら出席できないという縛りがあります。これは何年に決めたことと思いますか。今から四十数年前に決めているんですよ、議運の決定事項。 それから、総理はきのう、大橋巨泉さんとのやりとりで、本会議が非常に形骸化している、答弁がどうだと。総理は、いや三十問も一度に質問されたら、それはおれは答えられぬよ、一問一答ならいいんだと。ところが、この「参議院先例録」、この中ではっきり、「質疑事項が数項にわたる場合であっても、一問一答をしないで質疑者が質疑事項の全部を述べるのを例とする。」と、こういう取り決めなんですよ。 そこで、総理にお尋ねしたいんですけれども、やはり聖域なき構造改革、国会の改革を少ししないと、どうも永田町の常識は国民から見たらちょっとわかりにくい部分がある。こういうことの反省を何十年も前の、例えばさっき言いましたやつは五三年に決めた議運の決定事項だと、十人の会派というのが。それは、五三年というのは私は昭和五十三年と思ったら一九五三年ですよ、昭和二十八年に決めた。今から四十八年前に決めたことですよ。こういうことにこだわっておって、これだけ大きく変化している世の中に国会が対応できているんでしょうか。 これは自民党総裁としての小泉さんに、そろそろ国会改革もしたらどうだという点からひとつお答えをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 国会の運営は、原則的に国会の議院運営委員会、理事会とか、あるいはこの予算委員会、委員長を中心とした理事会とか、いろいろ運営についてのルールは決める場があると思いますが、そういう中で、現実に即した改正、変更を行うというのは、まさに議院独自の良識といいますか、見識でやっていただくべきものだと思うのであります。 この質問時間の割り当ても、自民党が本来議席が多いからたくさん時間があるわけですけれども、むしろ自民党の分は削って野党に提供するとか、そういう運用はしているわけですね。だから、野党間でも、一分や二分じゃちょっとかわいそう、かわいそうというんじゃなくて、一分や二分じゃちょっとまとまった質問できないだろうと、たまにはそれはちゃんと時間を上げますよと、野党なら野党としての協力、話し合いもできるんじゃないでしょうか。 私は、やろうと思えばいろいろな改正、変更はできると思いますよ。
○松岡滿壽男君 私は、発言できる場がないものですから、あえて、八、八、六といいますと、足したら二十二人いるわけですよ、参議院のやはり一割ぐらいいる、それが全然発言の場がないということについて申し上げたかったわけでありますが。 次に、十二月二十二日に、衆議院の選挙制度について、国勢調査に基づいて五増五減という答申が出るようです。その中で、与党三党合意で、一部中選挙区にしようということがまとまっているように聞いておるわけです。 もともと小選挙区にするについては、金のかからないきれいな選挙にしようという政治改革の面と、もう一つは、将来、国民から選択可能な二大政党にして政権交代ができるような仕組みにしようということで出発したと思うんです。 今回、そういう仮に中選挙区にするとしたら、国民に対して、どういう目的でどういう理念でやるかという説明ができるんでしょうか。この辺の経緯をちょっとお話をいただきたいというふうに思うんですが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この選挙制度が変わった経緯、特に中選挙区から小選挙区比例代表制に変わった経緯というのは、私よりも詳しい方たくさんいると思うんですが、政党本位の戦いにしようと、それから政権交代が容易な制度にしようと、そのためには中選挙区よりも小選挙区制の方がいいのではないかという議論が出てきたということは承知しております。 そういう中で、私は当時この小選挙区比例代表制に反対したんですけれども、必ずしもそういうことじゃなくても、中選挙区制度でも政権交代はあり得るよと。現に中選挙区制で自民党は過半数獲得していなかったんですから、それ以外の政党はまとまって政権をつくろうと思えばできたわけですよね。しかし、そうじゃない、小選挙区制の方がいいんだということで、この小選挙区比例代表制が出てきたわけでありまして、この選挙制度という問題が今必ずしも当初の意図どおり進んでいない、また趣旨どおりになっていないという現状は随所に見られるということは認めております。私もそういう認識を持っております。 今後、どういう形で趣旨どおりこの選挙制度が機能していくかというのは、もう少し選挙をやってみないとわからない面もありますし、また候補者自身の考え方、有権者がそれについてどう判断するかによっても違ってくると思います。選挙制度が同じでも出てくる議員というのはその国によって違いますし、比例代表の運用を見ても、これは比例代表を導入すれば、当初は出たい人よりも出したい人が出るんだというので比例代表を導入されたわけでしょう。現実には必ずしもそうなっていないですよね。出たい人も出ているし、出てもらいたいと思って出てくれと言うと断られる場合もあるし、これなかなか難しいんですよね、選挙制度。 それは、よくこれからも今までの経緯を踏まえながら、反省すべき点は反省して、どういう点を直していくかというのは今後、議員間同士で話し合う必要があるのではないかと思います。
○松岡滿壽男君 今、テロ問題はあるし、失業はふえてくるし、産業の空洞化はどんどん進んでいく。先が見えない閉塞感の中に国民は投げ込まれているわけですよ。そういう中でどうも何か国会だけ制度をどんどん変えていくと、自分たちのためだけに変えていくんじゃないかという意識がある、今のタイミングでは私は国民は受け取ると思うんですよね。 そうだとすれば、例えばこの比例の問題がありますね、参議院、今ちょっと総理がおっしゃった、これはもう非拘束にしたらいいんだということでやったと。ところが、今度の選挙結果、二百四十万票無効票があるんですよ、二百四十万票。やっぱり十分な認識が国民にされなかったという部分と、これは、しかもこのところずっと比例で、友部さんから始まって小山さん、村上さん、逮捕者も出てきていると。しかし、片山大臣は三月の予算委員会では、いや、非拘束にすれば大丈夫だと、解党的出直しをするんだと言いながら、今度はまた高祖さんの辞職という問題が出てきた。 むしろ考えるべきは、いろんな形でこの比例をどうするかと、参議院の。比例を続ける以上は政党化がどんどん進んで、参議院の独自性とか良識とかいう部分がどんどん消えていってしまう。何のために参議院はあるのと。 これはもう十年ぐらい前にPHPで日本のムダ大事典というのが出た。一番が官僚の天下り、二番目が国会、三番目が参議院と、こう書いてあるわけですよ。だから、やっぱりここはその辺の問題をきちっと整理すべきときじゃないかと。比例についての総括を、選挙制度をお願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 御承知のように、昨年の参議院選挙制度の改革で非拘束比例代表にいたしたわけであります。これはずっと前にやりました全国区の反省、その後、昭和五十八年ですか、拘束式比例代表制度を導入して、その反省、その中で今回の非拘束比例代表制度を採用いたしたわけですが、私は、顔が見える、やっぱり参議院は党よりも人というところがありますから、良識の府ですから、顔が見えるということ、しかも順位を党が決めるのでなくて有権者の皆さんに選んでもらう、こういうことは私は正しいのではなかろうかと、こう思います。 ただ、非常にいろんなことがあったと思いますけれども、我々が思いましたより、個人得票より党の得票の方が、個人が三割で党が七割でございまして、これはやっぱり制度になれていない、浸透していないということが私はあると思いますが、次の選挙から個人得票が私はふえていくんではなかろうか、こういうふうに思っております。 その過程で、例えば高祖さんの事件等が起きましたことは、これは我々も反省しなければならない、こう思っておりますが、今の無効票、二百四十万票ですよ、四・二%。前回が二百二十万票、三年前が。六年前が二百四十万票、さらに九年前が二百四十万票なんですよ。そういう意味では、今回この制度をやったから無効票が多いというわけでは私はないと、こういうふうに思っております。
○松岡滿壽男君 私があえてこの問題を取り上げていますのは、国民に変わることを恐れちゃいけない、スリムで効率的な仕組みにつくりかえていこうということを求める以上、やはり国会の意識も変えなきゃいかぬと。総理が所信表明で言われたダーウィンの進化論ですよね、やっぱり変化に対応できるものだけが生き残る。 それと同じことを、この前、憲法調査会でドイツに行きましたら、ドイツは戦後四十八回憲法を改正しているわけですよ。どうしてこんなに変えているんだと言ったら、向こうの大学の先生が、フンボルト大学のクレップファーという教授ですけれども、生きているものは変わる、死んだものは変わらないと、まことに明快な答弁がありました。 私は、やっぱりまさに小泉内閣、聖域なき改革をやられるのであれば、まず国会の意識から変えていかないと国民に対して申しわけないと私は思って、こういう意見を申し上げているんですが、最後に総理の御決意を伺って終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 新しい時代の到来に対して、どんどん世の中変化してきておるのは御承知のとおりだと思います。そのような変化にどう対応できるかというのが今、日本国民、問われているのではないかと思っております。 そういう意味において、今の御指摘、この変化にどう対応できるか、日本も誤りない対応をしなきゃならない難しい時代に直面していると思います。よろしくお互い協力しながらやっていければなと思います。
○松岡滿壽男君 私、実体経済の非常に厳しい状況について実は質疑をしたかったんですけれども、あそこにもう赤いランプがついてしまいまして、時間が参りました。ルールは守ります。 次回、十分に質疑の時間をお与えいただきたい、こちらの方々にお願いして、質疑を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(真鍋賢二君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時八分散会