法務委員会 第12号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/12/04
会議録
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十一月二十九日、山根隆治君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。 また、去る十一月三十日、小斉平敏文君及び大仁田厚君が委員を辞任され、その補欠として中川義雄君及び片山虎之助君が選任されました。 また、昨三日、江田五月君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に司法制度改革推進本部事務局長山崎潮君、警察庁刑事局長吉村博人君、法務省民事局長房村精一君、法務省刑事局長古田佑紀君、法務省矯正局長鶴田六郎君及び法務省入国管理局長中尾巧君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題といたします。 まず、両案について、発議者衆議院議員太田誠一君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員太田誠一君。
○衆議院議員(太田誠一君) ただいま議題となりました商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案並びに商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の両法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案は、株式会社の企業統治の実効性を確保するため、取締役の責任のあり方、監査役の責任のあり方等を見直すものであり、その内容は以下のとおりであります。 第一に、取締役の法令違反行為等に基づく会社に対する責任について、取締役が高額の賠償責任を負担することを恐れて経営が萎縮することがないように、商法が総株主の同意がなければ取締役の責任を免除することができないとしている点を改め、その取締役が負うべき損害賠償責任の額からその取締役の報酬の二年分等を控除した額を限度として、株主総会の決議をもって免除することができることとしております。 また、会社は、定款をもって定めることにより、取締役会の決議により、同様に、取締役の責任を免除することができることとしております。もっとも、この場合には、事後に、株主に異議があるかどうかを確認し、総株主の議決権の二十分の一以上の株式を有する株主の異議があるときは、この取締役会における免除はすることができないことといたしております。 さらに、社外取締役については、その人材の確保を容易にするため、あらかじめ定めた額を超えて責任を負わない旨を定款で定めることができることとしております。 第二に、株主の代表訴訟制度が乱用されることがないように、提訴権者につき、商法が六カ月以上継続して株式を有する株主はだれでも株主代表訴訟を提起できることとしている点を改め、株主が株式を譲り受けによって取得した場合において、取締役の責任の原因となる事実があることを知っていたとき等には、株主代表訴訟を提起することができないこととしております。 また、会社が取締役を補助するために、株主代表訴訟に補助参加をする場合には、監査役の同意を要することとして、補助参加が法律上禁止されないことなどを明らかにいたしております。 第三に、監査役の機能を充実させるため、株式会社一般につき、監査役の取締役会への出席義務等を明確にし、その任期を三年から四年に延長するとともに、監査役を辞任した者の株主総会における意見陳述を認めることといたしております。 また、監査役を三人以上選任することが要求されている商法特例法上の大会社の監査役について、社外監査役の員数を一人以上から半数以上にふやすとともに、社外監査役に該当するための要件を、就任前五年間取締役等でなかった者であることから、就任前全く取締役等になったことがない者であることへと厳しくいたしております。 次に、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案は、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、関係法律に所要の整備を加えるものであります。 以上が両法律案の趣旨であります。 よろしく御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(高野博師君) 次に、両案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員佐々木秀典君から説明を聴取いたします。衆議院議員佐々木秀典君。
○衆議院議員(佐々木秀典君) 衆議院の法務委員会の理事をやっております佐々木でございます。 ただいま議題となりました両法律案に対する衆議院における修正部分について、その趣旨を御説明いたします。 まず、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正について申し上げます。 第一は、取締役の会社に対する賠償責任の限度についてであります。 原案は、この限度を一律に報酬等の二年分としておりますところ、社外取締役を除く取締役につき報酬等の四年分、代表取締役につき報酬等の六年分とするものであります。 第二は、取締役の責任免除に係る株主総会決議の方法についてであります。 原案は、「株主総会ノ決議」と規定し、普通決議をもって行うこととしておりますところ、総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の三分の二以上に当たる多数、すなわち特別決議をもって行うこととするものであります。 第三は、取締役の責任免除に係る取締役会決議に対する株主の異議申し立てについてであります。 原案は、免除することができない場合の要件を、議決権の二十分の一以上を有する株主が異議を述べたるとき、すなわち議決権の百分の五以上としておりますところ、議決権の百分の三以上を有する株主が異議を述べたときは、免除することができないとするものであります。 第四は、株主代表訴訟の提訴権者の条件に関する部分を削除し、現行どおりとするものであります。 次に、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に対する修正について申し上げます。 本修正は、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正に伴い、関係法律の規定を整備するものであります。 以上が両法律案に対する衆議院における修正部分の趣旨であります。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(高野博師君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 いよいよこの臨時国会も終盤に入ってまいりました。そうしたこともございますので、法案の審議の前に若干、法務関係のことについて質問させていただきますので、提案者の方はしばらくお休みといいますか、ゆっくり聞いていただければと思います。 まず、司法制度改革推進本部がいよいよ立ち上がりまして、これから動くと思いますが、今現在、今日の時点ではどのような進捗状況になっておられるでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) お答え申し上げます。 司法制度改革推進法、今月の一日に施行になりました。同日に、内閣に小泉内閣総理大臣を本部長とする司法制度改革推進本部が設置されました。同本部は本日、その第一回の会合を開催する予定でございます。その後、速やかに司法制度改革推進計画の策定作業を行った上、関連法案の立案作業を行い、三年以内を目途といたしましてその成立を目指すなど、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。 現在、私も就任したばかりでございまして、本日、第一回の本部の会合がございます。それを終わりまして、明日からきちっと分析をして、なるべく早目にいろいろな手当てをしていきたいと考えているところでございます。
○小川敏夫君 民主党としては、その推進体制の中に民間人、弁護士とかその他の民間人、これを直接その任に当たるような、そういう組織体制にしてほしいということを重ね重ね要望しておるわけですが、その点についてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 顧問会議あるいは検討会のメンバーにつきまして、多くの民間人に参加していただくことは当然のことと考えておりますけれども、その役割に照らしまして適任の方にお願いできるように、これまでの国会審議における御議論を踏まえまして具体的に検討してまいりたいと考えております。 この推進本部事務局には、関係各省庁から派遣された者だけではなくて、現在も民間の関係では弁護士二名を登用しております。これ以外にも、法曹以外の多様な知識、経験を有する民間の方を活用していくということも検討しているところでございます。まだ具体的には決まってはおりませんけれども、その方向で検討をしているというところでございます。
○小川敏夫君 弁護士等につきまして採用していただいている。私ども、人数的にまだ決して満足しておるわけではございませんが、弁護士以外の税理士さんあるいは司法書士、それから弁理士等も、やはりこれから積極的に司法の職種に合わせた分野を担っていただこうということで進んでいるわけですけれども、そうした職種の方からもやはりそうした中に参加したいという要望が私の方にも寄せられておるんですけれども、弁護士以外の、例えば税理士、司法書士、弁理士等の参画についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) この点につきまして、各隣接職種の皆様方の御意見、これも十分に伺いながら、その協力も得ながら作業を進めてまいりたいと考えておりまして、まだもう少し皆様方、そういうところから御意見をちょうだいして、その上で考えたいというふうに思っております。まだ一定の方向性をお示しできる段階ではないということで、お許しを願いたいと思います。
○小川敏夫君 あと、いわゆる司法制度改革審議会が即時公開ということで審議が進められたことが大変に有意義で、議論も活性化したということが委員からも言われておりましたが、推進体制においても、さまざまな分野における、あるいはその役割に応じて会議があると思うんですが、これについても同じように積極的に同時に公開するというような公開体制で臨んでいただきたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 顧問会議あるいは検討会の会議の内容の公表、それからインターネット等による国民への情報提供等、できるだけの情報公開に努めてまいりたいと考えております。 また、顧問会議の委員の方、そういう方のいろいろ御意見も賜りながら、できるだけ即時に公開できるような、そういうような方法で考えていきたいというふうに思っております。
○小川敏夫君 ありがとうございます。 参加する委員の方の意見を聞きながらというよりも、もう公開するということを前提に、それに反対する委員はむしろ参加していただかなくていいぐらいの気持ちで積極的に公開していただきたいというような希望を述べさせていただきまして、この点に関する質問は終わります。 次に、最近起きましたアフガン人の、九人のアフガン人ですか、難民認定申請に関することで、収容等の処分に関しまして裁判所の判断が異なるというような事件がございましたが、この九人の現在の状況ですか、これについてまず概略、状況を説明していただけますでしょうか。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 お尋ねのアフガン人九名についてでありますが、四名につきましてはもう既に退去強制令書が発付されておりまして、現在、東日本入国管理センターに収容中であります。それ以外の五名につきましては、東京地方裁判所の収容令書執行停止決定に基づきまして収容令書の執行が停止されておりますので、現在、その身柄を解いた状態でございます。したがいまして、この決定につきましては、私どもの方で即時抗告をしている段階でございます。この五名につきましては、現在、退去強制手続中でございます。
○小川敏夫君 それぞれの個別の事情があると思いますので、余りその個別のケースについて具体的にここで議論する考えはないんですけれども、基本的な対処方針としまして、やはり人道的な観点ということをより重視していただきたい。特に、日本という国はやはり海外とともにあって成り立つ国ということでございます。そうした観点、人道的な配慮を十分に尽くしているんだということもぜひ踏まえた対処をしていただきたいんですが、そうした観点からもう一度御答弁いただきたいんですが。
○政府参考人(中尾巧君) 委員御指摘の人道的観点から従来からもこの種手続を進めておりますけれども、御指摘の点も踏まえまして、今後、人道的観点も踏まえながら適切に手続を進めていきたいというふうに存じます。
○小川敏夫君 では、また次の問題に移ります。いわゆる盗聴法でございます。 通信傍受法等の廃止法案、本日、私ども社民党、共産党と共同で提出する予定でございますが、通信傍受の実施状況について、ことしの三月に国会報告を受けておりますが、その後の今日までの状況について、法務省、検察庁を持っている法務省と警察庁の方から報告をいただきたいんでございますが。
○政府参考人(古田佑紀君) 通信傍受法に基づきます通信傍受の実施状況につきましては、傍受令状の請求あるいはその発付、傍受の実施等について随時これを明らかにするということになりますと捜査上さまざまな問題が生ずることが、そういうおそれがございますので、通信傍受法二十九条に基づいて毎年行うこととされております国会報告等により明らかにすることにし、それまではお答えを差し控えたいと存じます。
○政府参考人(吉村博人君) 平成十二年中の傍受の実施件数については、本年二月に国会に報告をいたしましたとおり、傍受法の運用はなかったわけでございます。 今、法務省の刑事局長から御答弁されたとおりでありますが、もちろん傍受を実施いたしまして既に一連の捜査が終了したというような、公表しても捜査上の支障がなくなったものにつきましてはもちろんその概要についてお答えすることはできるわけでありますが、現在までのところ、そのような事案はございません。
○小川敏夫君 ちょっと警察庁の答弁の趣旨がよくわからなかったんですけれども。 要するに、通信傍受をしていないというような警察庁の答弁ですけれども、まだ通信傍受を実際にはしていないという意味だというふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
○政府参考人(吉村博人君) あくまで仮定の話でございますが、答弁を求められた時点までに通信傍受を実施していないときに実施をしていないと答弁をもしするといたしまして、それじゃ別の機会に答弁を求められて、そのときには実は通信傍受を実施して捜査を進めているというふうにした場合には、そのときには実施をしているとお答えすることになるわけであります、これは仮定の話でありますが。そういたしますと、傍受を実施していることを、一方では実施していないと答弁して、実施をしていると答弁するわけでありますから、実施をしていると答弁した場合には、そのことで傍受を実施していることを犯罪者に察知されるおそれが高いと、捜査上の支障を生ずるおそれがあると思われます。 ということでありますから、傍受の実施の有無で二通りの答弁をしてしまっては犯罪者に察知をされてしまうところから、傍受の実施をしていてもあるいはしていなくても、お答えはいたしかねるという同じ答え方をせざるを得ないということを御理解いただきたいと思います。 先ほど答弁いたしましたのは、国会報告以前の時点でありましても、いずれにしても捜査が、傍受に係る一連の捜査が終了して、公表しても捜査に支障が全くないという事案については、それはその時点で御質問があればその概要等についてお答えすることはできるということを申し上げたわけでございます。
○小川敏夫君 私は、個々的な事案について聞いているんじゃなくて、統計的な数字で聞いておるんですけれども。 今言ったように、今現在行っているかと言えば、行っていない、行っているということがわかってしまうと、実際に行っているとなれば身に覚えのある犯罪集団は構えてしまうということもそれはわからないこともないんですけれども。 ただ、じゃ今行っているかどうかということじゃなくて、十一月までに行ったかどうかの統計的な数字として聞けば、今現在やっているかどうかじゃないんで、もう過ぎた過去のことについて行ったことがあるかどうかと質問を変えますが、どうでしょうか。ことしの十一月までに通信傍受を行った例があるかどうかということについてですが。
○政府参考人(吉村博人君) いろいろな質問が今後は考えられるわけでありますので、基本的に、先ほど申し上げましたように、行って、その結果捜査も遂げて、例えば被疑者、犯人が検挙をされて一応の捜査が一段落ついているという場合には、その時点で答弁を求められれば、それはその事案概要を説明して、確かに行いましたということはこれは申し上げられると言っておるわけでありますが、いろんなグレードが考えられますので、今時点において、しているのか、していないのかということについては、お答えしづらいということを申し上げておるわけであります。
○小川敏夫君 我々も捜査上、具体的に支障があればそれはやむを得ないとは思うんだけれども、具体的な支障もない。この問題は昨年のこの法務委員会でも同じ質問をしたところ、支障があるということで答えていただけなかった。ことしの三月になって聞いたら、一件も実施例がないと。実施例がない、まさに実施していないというのであれば、まさにそれまで、その時点で実施したことがないということ自体どれだけ具体的に捜査上の支障があったのか考えられないわけですよね。 ですから、捜査上の支障があると言えば、その一言でこうして国会で質問しても答弁しなくてもいいというのではこれは国会軽視も甚だしいわけでして、この法案ができた際になぜ年に一度の国会報告が義務づけられているのか。これは、ある意味では最低限度の法律上定められた義務でありますけれども、三月に報告されればそれだけでいいんで、それ以外には報告しなくていいなんということは法律には書いていないんで、当然そのあり方の趣旨に照らして、具体的な捜査に支障がない限りはこれはきちんと答弁していただきたいというふうに思っているわけですけれども。 ですから、今お伺いしましても、何か抽象論として、今やっていないと言えば実際にやっているときに答弁が困るということだから、私は質問を変えて、ですから今現在やっているかどうかを聞いているんじゃないんで、今過ぎた過去のことについて、ことしの三月以降今日まで、十一月末で結構ですから、その間にそういう実施例があるかどうか、統計的な数字について聞いているわけですが、どうでしょう。
○政府参考人(吉村博人君) 繰り返しで恐縮でございますが、傍受を実施して既に一連の捜査を終了したという場合にはもちろん捜査上の支障は全くないわけでありますから、その概要についてはお答え申し上げるべき性格のものだと思いますが、ことしは現在までのところそのような事案はないということを申し上げておるわけであります。 いろいろな質問のされ方もあろうかと思いますので、個別のケースについて傍受の実施をしているのかいないのかということについては答弁の言い方を変えるわけにもまいりませんので、御答弁は差し控えさせていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
○小川敏夫君 ですから、私は個別の案件について全く聞いていないので、統計的な数字として聞いているわけで、統計的な数字としてあったのかどうか。あれば何件あったのかということを聞いているわけで、それでどうして具体的な捜査に支障があるのか、どうして過去の実施例について統計的な数字を公表することが捜査に支障があるのか、その点に絞ってまた説明していただきたいのですが。私は、到底今報告しないということに納得できないから聞いているわけです。
○政府参考人(吉村博人君) 統計的な数字が一件かゼロ件かあるいは二件か等々ということについては、これは実施例があったかなかったかということに即結びついていく話でありますから、その部分だけを切り取って、あったのかなかったのか、今時点でどうなのかということを、きょう御質問を受け、これから一カ月後あるいは二カ月後の同じような時点でまた同様の質問がずっと継続的にもしあるといたしまして、その時点時点で答弁のしぶりはなかなかお答えしづらいということでございまして、それを常にやっています、やっていませんということを申し上げますと、実際に、先ほど先生がおっしゃいましたように、身に覚えのある連中が察知をしてしまうということでありますから、年に一回の法律の二十九条に基づきます国会への報告の問題とあわせて、その傍受を実施して捜査が完全に終結をすれば、それはすべて御説明申し上げるということを申しておるわけでございます。
○小川敏夫君 具体的な捜査に支障がないのに答弁しないという、国会軽視も甚だしいと、私は到底その答弁で承服するわけにはいきませんが、これ以上この問題で時間を費やすこともと思いますので、私は納得しないということを述べた上、その質問はとりあえず終わります。警察庁、お帰りいただいて結構です。 本案の方に入らせていただきます。 まず、法務省の方に質問しますが、今回、取締役が会社に与えた損害について、これを軽減することができるという法案が成立する見通しとなっておるわけですけれども、私は考えまして、取締役がそうして責任は軽減されると、今のこの法体系では損害賠償というのをこれは軽減されないので、軽過失だろうと重過失だろうと生じた責任の全部を賠償するというのが原則であるわけです。 それで思いまして、取締役についてそれを軽減すると、では、従業員あるいは取締役ではない執行役員ですね、こうした人たちの会社に対するいわゆる賠償義務について、そのつり合いがとれなくなるのではないかと思うんですが、そこら辺はどういうふうに考えておられるでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 委員のお尋ねでございますが、まず第一に、現行法においては取締役等の会社に対する賠償責任を免除するためには総株主の同意が必要とされております。 それについて、今回の法案で一部免除を認めるということが検討されているわけでございますが、従業員に対する会社の責任追及については、これは民法の一般原則によります。したがいまして、従業員が故意過失によって会社に損害を与えた場合に、原則として従業員は生じた損害についてその全額について会社に対して賠償責任を負います。 ただし、民法の一般原則によれば、会社の側は、会社による免除の意思表示によってその損害賠償責任を免除することは可能でございます。したがいまして、会社がその事業の性格であるとか従業員の業務の内容あるいは従業員の士気、そういった諸般の事情を考慮いたしまして、相当な範囲でその従業員の会社に対する賠償責任を一部免除するというようなことは現行法のもとにおいても可能となっております。
○小川敏夫君 そうした議論を踏まえた上での議論をしたいと思うんですが、今回のこの取締役の責任軽減は、いわば多数決でそういう手続が踏まれて、認められれば責任を限定することができるわけですけれども、従業員の場合はやはり免除をすると、一つの債権放棄ですから、債権放棄するについての合理性がなければ、今度はその債権放棄した取締役が逆に不当な債権放棄をしたということで責任を問われかねないようなことになると思うんです。 ですから、従業員に関しては、会社側が債権放棄をする、免除をするということについての合理性があって初めてできることになると思うんですが、取締役の場合にはそうした合理性がなくても手続を踏めばできるということで、少し差が出て、従業員の方に不利じゃないかなとは思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 取締役に対する賠償責任の軽減にいたしましても、全く合理的理由なしになされるものではないのだろうとは思っておりますが、今回の法案ではさらに合理性の担保としてそれなりの厳重な手続を要求しているように理解しております。 一方、従業員に対する賠償責任につきましても、先生の御指摘のように、全く合理的理由なしに免除をいたしますと、それは会社に対して損害を与えるということになりますので、それを実施した取締役等がその責任を追及されるおそれはもちろんございますが、しかしそれは適切な判断をして相当と認められるような合理的理由のある免除であれば、これは善管注意義務違反ということはございませんので、しかもそれを実施するに当たっては特段の手続的な要求というものはございませんから、取締役において適切な判断をして行えば、従業員の側は免除を受ける地位にありますので、一概にどちらが有利、不利ということはないのではないかと思っております。
○小川敏夫君 その点の議論の前提で提案者の方に確認したいんですが、この取締役の責任軽減ですが、これは定められた手続要件に従って手続を踏めば軽減されるということでして、軽減することが合理的かどうかという価値判断は、その手続の責任軽減の要件の中には入っていないんですよね。あくまでも株主総会の決議とか定款に定めた取締役会の決議によって手続を踏めば軽減できるわけで、軽減することが相当か不相当かという価値判断については、これは要件の中には入っていないですよね。
○衆議院議員(保岡興治君) 先生のおっしゃるような趣旨を要件として法文上規定しているというわけではありませんけれども、制度それ自体が、取締役の責任軽減をすることが中長期に会社の利益であるかどうか、あるいは株主の利益を害することはないか、いろんなことを総合的に経営判断としてなすということを前提としているわけで、かつ総会において特別決議を必要とすること、あるいは定款によって取締役会において軽減する場合も、またその定款の規定を株主総会で定めるということになっておると。 そういう株主の最終的な意思にかからしめる際に、当然軽減を求める提案者側、執行部の方としては軽減する理由、そういったものを明示して株主総会の判断を求めるということになっておりますので、そういうことからいって、先生のおっしゃるような事実関係は株主の判断にきちっとかかることになっていると思います。
○小川敏夫君 私も今、提案者から答弁ありましたこと自体は確かにそのとおりだろうというふうに思うわけで、もっと希望的に言えばそうあるべきだと私は思うんですけれども、私自身はどうも法律があるとその抜け道をつい探したくなるようなところがあるわけでして。 だから、理想的な形で進めば確かにそうなんですけれども、これは会社側、要するに取締役側が悪意があれば、それはいかに責任軽減することが世論に反する、責任軽減の合理的な理由がないというようなケースであっても、やはり支配株式を有しているそうした経営陣がその地位を利用して形式的手続を踏んでしまえば、あるべき姿の理想論とは全く別にして、責任軽減することが本来おかしいんじゃないかという場合であっても、手続が完成すれば責任は軽減されてしまうわけですよね。その手続が正当に踏まれているものについて、さらに裁判所がそれを不当だからやはり認めないというようなそういうことはないんで、ですからそういう意味では価値判断が入ってこないとは思うんですが。 それで、法務省の方にまた同じ質問をするわけですけれども、そうすると、私はどう考えても取締役会の取締役の責任軽減に関しては余りその価値判断はなくて手続を踏めばできるんだと、一方、従業員の賠償義務に関しては、やはり取締役がそれを免除するに当たっては免除するだけの合理性がなくちゃいけないんだというと、ちょっと従業員の方にきついんじゃないかとは思うんですが、どうでしょう。
○政府参考人(房村精一君) 合理的な理由を担保するための手続というのは、ある意味では乱用の危険性にどう対処するかというような観点から考えられているわけでございます。 従業員の側、免除を受ける側からいたしますと、そういう手続的制約のない方法によって合理的な理由のある場合に免除をしてもらえるという地位があれば、それ以上に不利な扱いということはないわけですので、比較して特段、従業員の地位が不利だということにはならないようには思っております。
○小川敏夫君 そうかな、私はどうもそういうふうには思わないんですけれどもね。 少なくとも従業員の方から、もともと責任軽減するような事情がないようなケースであれば免除する必要がないんだと言えばそれまでの話かもしれないけれども、しかしそういうようなケースでも取締役の場合には責任軽減される方策が講じられたわけですから、ちょっと、責任が重い取締役の方が少し優遇されて従業員の方がそういう道がないのは、とは思うんですけれども、法務省としては、じゃ、そこら辺のところ、別に取締役に関してこういう制度ができたといったからといって、その従業員とかそうした者に関して何らかの手当てをするという考えは、予定は今のところないということですね。
○政府参考人(房村精一君) ただいま申し上げましたように、現行法のもとで会社の側で適切に判断をしていただければ従業員に対する債務免除等は十分可能だと思っておりますので、特段の法的手当ては要らないのではないかと考えております。
○小川敏夫君 その点、私としてはやや不満が残るということを述べて、また代表訴訟の方について具体的にお尋ねします。 今回、提案者にお尋ねしますけれども、軽過失の場合に限って責任限定するわけです。そうすると、実際の訴訟では、軽過失ということで実際に手続を踏まれても、代表訴訟が起こされた場合に、実際に本当に軽過失だったのか、そうじゃない、悪意重過失なんじゃないかということが訴訟で争われるという構造になると思うんです。 まず、この基本的な構造なんですけれども、責任軽減の手続がとられた場合に、起こす株主の方が責任軽減ということを当然盛り込んで請求をするのか、そうではなくて、株主は損害の全額を会社に弁償しろという請求をすると、今度は請求を受けた取締役の方が、いや、こういう手続を経て軽減されているからこれだけでいいんだといういわば抗弁として主張するという構造なのか、どちらが責任軽減を主張する立場にあるんでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 今の先生のお答えの前に、先ほどの先生が疑問だと言われた点、これは法務省だけではなくて提案者側にもかかわる重要なことでございますからちょっとお答えさせていただきたいんですが、法務省も申し上げましたとおり、一般の従業員とかいう者に対する責任軽減というのはむしろ規制がないわけですね。経営者の判断で、適切な判断であれば減免が自由なわけですね。ところが、取締役の場合は、むしろ乱用とかあるいは株主代表訴訟の意義というものの重要性にかんがみて一定の制限を置いているということですから、そういった意味では、むしろ従業員の方が免責を受ける何というか制限がついていないという意味では取締役よりか有利ということも言えるわけです。そして、従業員であれ取締役であれ、合理的な理由なしに責任免除することは経営、営業活動として不適切でありますから、それに対してはそれなりの責任が生ずるという点では同じだということが言えると思いますので、そういうお答えで先生が御納得いただけるかどうかわかりませんが、提案者としてはそう考えていることをお話しさせていただく次第でございます。 それから、今の立証責任の問題でございますけれども、これは訴訟における各当事者の立証責任は、先生も裁判官をされたから十二分に御承知のとおり、自己に有利な法律効果の発生を定める法条に定めてある要件事実を主張する者が負うこととなっていますけれども、会社から取締役に対する損害賠償請求訴訟あるいは株主代表訴訟を想定して、会社、株主側と反対当事者の取締役側という両当事者がいるものとして説明いたしますと、まず第一に、会社、株主側が請求原因として損害賠償請求の要件事実を立証することになると思います。これに対して、取締役側が抗弁として今度は責任の免除がされることを立証することになる、すなわち取締役側がその職務を行うについて善意無重過失であったこと及び所定の決議要件を満たした免責決議があったことを立証した場合に限って免責額について免責を得られることになるわけでございます。 また、取締役側が責任の免除がされたことを立証した場合、会社、株主側がまた逆に免責決議の瑕疵あるいは株主の異議があったことなどを立証すれば取締役側は免責されないことになる。すなわち、これらの事実についての立証責任は会社、株主側にあるということになるわけでございます。 その理由は、所定の決議要件を満たした免責決議があれば一応当該決議が瑕疵のない有効なものと推定されるのが通常でしょうから、瑕疵があることを主張する側に立証責任を負わせるのが公平、妥当だという考え方に基づくものだと承知いたしております。
○小川敏夫君 最初の、従業員とのバランスの関係はどうも多少見方の違いもあるかなというところで、同じことは述べませんが、私としてはなおやや不満であるということを述べるだけにしておきます。 本題の方なんですけれども、そうすると、手続があったということを、受けたということを取締役が主張立証する。それに瑕疵があるかどうか、これは今度は株主の方が主張立証しなくてはいけないということになるわけでしょうか。 そうすると、ただ実際上として、株主総会の決議あるいは取締役会の決議に瑕疵があったかどうか、これの立証責任を株主に負わせるというのは、いわば部外者の株主にそうした、株主総会は総会の中の方に入っていたかもしれないけれども、取締役会の決議などというと全く外にいるわけですけれども、それの瑕疵を株主側に立証させるというのは実際上酷じゃないかと思うんですが、どうなんでしょう、瑕疵がないことをやはり取締役の方が主張立証すべきじゃないか。瑕疵がない決議があったということ、すなわち決議を受けたという形式的なことだけじゃなくて、その決議が瑕疵がない正当な決議であるということまで取締役側が主張立証するという構成でないと私はちょっと納得できないといいますか、この訴訟の制度の趣旨を没却するんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 今私が申し上げた、決議があればそれが普通は瑕疵のないものと推定されるという意味は、決議の例えば定足数とかそういう外形的な客観的な事実があれば一応推定されるという意味で、そういう客観的な決議を有効たらしめる事実については、これはそうでないということの利益を主張する側が責任を負うというのが挙証責任の原理だと思います。
○小川敏夫君 もう少し、じゃ具体的なケースを例に挙げてみたいと思うんですが、例えば取締役が、形式的な要件はあるかもしれないけれども、自主的に例えば取締役が年の報酬を偽っていた、つまり年収を低くすれば責任の限定額が低くなるわけですから。そんなようなうその報告がなされた上で、そのうそを前提とした決議があったような場合、これは決議の瑕疵に当たると思うんですが、それはいかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) ただいま御指摘のような場合は、決議の方法に瑕疵があるものとして、一般的に申し上げれば決議取り消しの理由があるということになろうかと思います。
○小川敏夫君 決議取り消しの理由があるということは、すなわち、じゃ決議の取り消しを主張する、あるいは立証するのは株主側にあるということですか。
○政府参考人(房村精一君) 会社法の一般的な決め方といたしまして、商法の二百四十七条で「決議取消しの訴え」というものを設けておりますが、そこにおきましては、ただいま申し上げた「招集ノ手続又ハ決議ノ方法ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナルトキ」、「決議ノ内容ガ定款ニ違反スルトキ」など一定の取り消し事由を定めまして、その場合には「株主、取締役又ハ監査役ハ訴ヲ以テ総会ノ決議ノ取消ヲ請求スルコトヲ得」という規定の仕方をしておりますので、この条文の解釈からは、そういう決議取り消し事由の事実の立証責任は訴えを提起する株主側にあるというぐあいに解されております。
○小川敏夫君 そうすると、取締役の方はそういう決議を受けたということを、つまり責任を軽減する決議を受けたということを主張立証すればいいと。その決議の中に、例えば自主的に不公正なものがあったと、いわば虚偽の報告を前提として決議がなされたとか、そういうような問題があった場合には、それは株主が主張立証しなくちゃいけないというような答弁だと思うんですが、そうすると、実際上、株主がそれを争うのは困難じゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは会社法一般の定め方でございますので、通常の手続をもって株主総会の決議が成立した場合には、利害関係者も多うございますし、その決議を尊重する、そのために株主総会の手続をいろいろ定めているわけでございます。その記録として議事録の備えつけ等を法律は要求しているわけでございます。 したがいまして、一応株主総会の決議がきちんとした手続を踏んで成立すれば、それを取り消すためにはその取り消し事由を、法律で定めた取り消し事由があるということを訴えをもって立証していただいてそれを取り消す、その場合に初めて決議が取り消せるというのが会社法における株主総会決議のあり方でございますので、その一般論が今回にも及んでいるということで、特に今回の場合について申し上げているわけではございませんので。
○小川敏夫君 ちょっとまた視点を変えて議論しますが、軽過失の場合だけ取締役の責任が一部免除できるわけですね。悪意重過失の場合にはできないわけです。そうすると、軽過失を前提に当然、株主総会の決議は出ているわけですよね。しかし、実際にそれが軽過失じゃないと、悪意だ、重過失だと、だからその決議は実際効力がないんだということを、これは現実的にこれからの訴訟の中で相当争われると思うんですが、軽過失でしかない、悪意重過失がないんだということを取締役側が主張し立証するのか、それとも株主が主張立証するのか、これはどちらなんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) これは私ども、現在出ております法案の条文を見てのお答えになりますが、この条文のように、取締役が職務を行うにつき善意にしてかつ重大なる過失なきときは一定の要件のもとでこれを免除することを得、という条文の規定ぶりになっておりますので、この免除をされたことを主張する側は、この決議が成立しているということ及び善意にしてかつ重大なる過失なきときに当たるということを抗弁として主張立証をすると。そして、初めて責任免除の利益を享受することができるということになろうかと思います。 これは、条文上の形式から見た場合の話でございますが、先ほどの立法者の、提案者の御答弁でもそういう趣旨でございますので、多分そういう解釈がこの条文については正しいのではないかと思っております。
○小川敏夫君 ええ、私もその見解を持っていますし、それでいいと思うんですが。 それで、お尋ねするんですけれども、悪意重過失じゃないということを取締役側の方が当然、主張立証すると。悪意重過失じゃない場合に定められた様式をとった場合に決議が出たら、そこで責任が一部免除されるわけですね。 その定められた要件もやはり適式になされたということを取締役側が主張立証するんじゃなくちゃ困るので、そういうふうに答弁していただきたいんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 取締役の側で、善意にしてかつ重大なる過失なきときということの立証に失敗してしまいますと、決議の有効、無効、有無を問わず免責は得られないわけでございますので、善意にしてかつ重大なる過失なきときという立証に成功して、初めて次に決議があって責任の免除になるわけですから、責任の免除が具体的に問題になる場合には、その決議の内容として、善意にして重大なる過失なきときでないのに決議を与えたというような場合は問題にならないわけです。 ですから、この立証責任の分配で、取締役の方に善意にしてかつ重大なる過失なきときの立証責任を負わせておけば、ただいま御指摘のような場合には決議の内容に問題があるということにはならないわけでございます。
○小川敏夫君 だから、その善意の瑕疵のところはお互いに意見が一致して解決済みなわけです。 少し話が戻るわけで、例えば株主総会の承認決議をもらうときに、その会社側が事情を説明すると。その際に、例えば当該取締役の報酬を偽って報告した、あるいはストックオプションの利益を実際に得ているのにそれを秘匿して承認を得てしまったというような場合、やはり私はその責任免除の決議は瑕疵があると思うんですが、じゃ、そのことについて、私はやはり取締役側の方が正しい報告がなされて正しい手続が踏まれた上で当然そういう決議が出たんだということを立証してくれないと、私は株主の側の方で立証するというのは実際上困難だと思うので、だから当然、善意無過失、すなわち悪意重過失、失礼しました、今の善意無過失は取り消します、悪意重過失じゃないということが取締役が立証責任があると同じように、正しい報告がなされて正しい決議がなされたということについても取締役が立証責任があるんだというふうに答弁していただきたいものですから、重ねてそこを聞いているわけですけれども。
○衆議院議員(保岡興治君) 先生のお考えのお気持ちはわかるんですが、そういった決議の方法に瑕疵があって、それがその効力を争う場合などは取り消し訴訟を起こすんだろうと思うんですね。ですから、それは取り消し訴訟を起こす者が当然、立証責任を負うんであって、それが同じ裁判の中でその立証責任どちらにあるかというときも同じような考え方に基づくんであって、例えば先生がおっしゃるように、報酬額が間違ってとか、あるいはあえて間違えて、秘匿してというんでしょうか、責任軽減をもっともっと法律で定める以上に得たいために偽装したというような場合、そういう場合はこれは報酬額の、何というんですか、明示とか、それは取締役の責任になるわけですね。だから、その責任を果たしていなかったということについては、取締役の報酬の開示が当然前提になりますから、訴訟でそのことについて関係書類の提出命令をかければ、先生も裁判所におられたと思いますが、当然、そういう主要な事実について客観的に資料があると思われるものについては裁判所は開示命令を出すんじゃないでしょうか。そういうことによって主張する側の立証責任は尽くせるというふうに私は思われますが。
○小川敏夫君 何かそういう答弁だと、私、聞かない方がよかったかなと。何か株主に不利なように傾いてしまったかのような気がして大変残念な形なんですけれども。 実際上、今取締役の報酬というのは取締役全体の報酬を決めて株主総会で承認するので、個々の取締役の報酬額というのは基本的には株主にはわからないわけですよね。といって、それは税務署に行ったってもちろん税務申告の収入を明らかにしてもらえるわけはないので、取締役の報酬が幾らかという質問をすれば、いや、プライバシーの問題だというようなこともあって、なかなか実際に株主に取締役の具体的な報酬が幾らかということは今の現状の仕組みではわからないわけです。あるいは、先般成立した新株予約権ですか、これも予約権を発行するということは公開されているけれども、だれに与えたかということについては別に株主総会の承認事項じゃないし、だから取締役が受けているかどうかは株主にはわからないわけです。 そうすると、年収が本来五千万あって、平取なら四年分で二億円のところを少なく申告して、年収一千万で申告すれば四千万円で終わっちゃうと。あるいは何億円ものストックオプション、ストックオプションというか新株予約権の利益を何億円まで得ていて、これも本来、賠償金額にしなくちゃいけないと。だから、責任軽減の限度は本来五億円なのに、偽って四千万ぐらいで手続をとっちゃったというような場合に、ただ取締役はそういう手続を受けたということだけ立証すればいいと。あとは、その手続は、実際その取締役の受けた利益に関する部分について虚偽の報告があるということを株主がそこまで主張して立証しなくちゃいけないということになると実際上困難であって、代表訴訟の制度の趣旨が没却されてしまうと。 すなわち、いわば取締役側がそのような不正をした場合にそれがやすやすと通るようなことになってしまうんじゃないかと思うので、私は何としてでも、そういう手続の適正さにおいても、当然事情を知っている取締役側が主張立証責任を負うんだという答弁をいただいて二、三分で終わるはずだったんだけれども、違う答弁をいただいたのでこんなふうに重ねて議論をしているわけですけれども。
○衆議院議員(保岡興治君) 先生も当然前提とはしておられると思いますけれども、悪い取締役というのを前提とすれば、何となくそちらの方が当然、主張立証しなきゃならないような気分にはなりますけれども、それを株主側に負わせるのは公正じゃないような感じなんですけれども。しかし、悪いことをしているかどうか、例えばおっしゃるところの報酬額を詐称しているとか、そういう形で総会の決議を求めているということが争われるわけですから、争われた場合に、まずやはり外形上、決議がきちっと行われたという立証をすれば、あとはやっぱり瑕疵があるということについての立証は反対当事者に私はあるものだと思います。 そうでないと、手続の安定という点からいえば、極めてすべてを何か悪いことをしたという前提でそちら側に挙証責任を負わせることになると、私は、決議の安定性が逆に法律的に危うくなるんじゃないかと、そういうふうに思いますし、また先生が言われるような株主側に気の毒な事情が仮にあるとすれば、取締役が不正を行っている、不正な決議を求めたということがある程度推認できるような外形的事実がかなりあれば、それは裁判官の心証上、事実上、挙証責任が取締役側に転換していくということはあるかもしれません。 その辺は、具体的な訴訟における挙証責任の公平な判断を最終的に裁判所がなさるという部分も残っているのではないかと、そういうふうに思いますし、またかなり明らかな不正があれば、それは先ほど申し上げたように、株主側から証拠の開示を求められれば立証がまた容易にできるということにもなろうかと思います。
○小川敏夫君 法務省の方に先ほども法文を読んでということで御回答いただきましたが、その法文ですけれども、二百六十六条第七項で、先ほど言われたように、「善意ニシテ且重大ナル過失ナキトキハ」ということだから、当然、取締役側に主張立証責任があるということですけれども、この八項の書きぶりで、「前項ノ場合ニ於テハ」、すなわち免除の決議を得るためには「株主総会ニ於テ左ノ事項ヲ開示スルコトヲ要ス」ということで、限度額及びその算定の根拠というものを開示することが義務づけられておるわけですよね。 すると、正しい限度額やその算定の根拠を正しく報告しなければこの決議の効力は出ないんだから、当然、その責任軽減を主張する取締役側に主張立証責任があるんだと、私はそう考えたいんですが、そういうふうには考えられないんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) この条文にありますように、「責任ノ原因タル事実及賠償ノ責ニ任ズベキ額」、「限度額及其ノ算定ノ根拠」、「責任ヲ免除スベキ理由及免除額」、これを株主総会において開示し、それを前提として株主総会で議論していただいた上で特別決議がなされれば責任の免除はされるということになるわけでございまして、さらにこの開示した個々のことについて、限度額及びその算定の根拠が誤っている、あるいは異なっているというようなことでその決議の瑕疵を主張する場合には、先ほど申し上げましたように、決議の瑕疵を主張する側が主張立証責任を負うということになるのが会社法の一般的な解釈でございます。
○小川敏夫君 何か私の期待に反する方向にますます傾いてしまったような感じなんですけれども、私が傾いたんじゃなくて、法律がそうなっているんだったら私の責任じゃないので、法律の問題でしょうけれども、大変残念に思います。 恐らく、提案者の方は非常に善意な役員の方、取締役のことを考えていらっしゃいますけれども、私は性格が悪いので、悪い取締役がいた場合にどうするかということばかり考えるものですから、どうもそういう心がけの悪い取締役がいた場合に株主は対処できないんじゃないかという感想を持って、ちょっと残念ながらその部分の質問は終わらせていただきます。 今回、報酬の何年分、何年分ということが争点になっていますけれども、報酬だけでなくて、退職慰労金とか新株予約権を受けたことの利益というものがその責任軽減の金額算定の中に含まれておるわけですけれども、これについて、まず一般的に説明していただけますか。
○衆議院議員(保岡興治君) 株主代表訴訟の請求原因の発生時点における地位によって、代表取締役が報酬等の六年分、それからいわゆる社内取締役が四年分、社外取締役が二年分、監査役までひっくるめたらそれが二年分、こういうことでございます。 その報酬の中身でございますけれども、報酬等の中身ですけれども、それは使用人兼取締役の使用人としての報酬の額、あるいは取締役の退職慰労金及び使用人兼務の取締役の使用人としての退職手当、それぞれの在職期間中の二年分に相当する額、それからストックオプションの権利行使により得た利益ということでございます。
○小川敏夫君 このストックオプション、新株予約権によって受けた利益の点なんですけれども、これが実際に権利行使している場合、あるいは予約権を譲渡した場合、そこで実際に具体的な利益額が固まると思うんですが、まだ行使していない場合もあると思います。それの対処は、法文上盛り込まれていると思うんですが、どういうふうになっているんでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) まず、免責決議を得た取締役が当該決議の後、新株予約権の権利を行使し、または譲渡する場合には株主総会の承認を要することといたしております。 したがって、この株主総会の承認の段階でなければ新株予約権の権利行使はできないわけであります。じゃ、その新株予約権は第三者に譲渡することができるんだけれども、この譲渡は新株予約権証券の交付によって行われるわけであります。新株予約権証書の交付というのが手続として入るわけでございます。 そして、二百八十条ノ三十四でありますけれども、幾ら免責決議後の新株予約権の譲渡に株主総会の承認を要するとしても、当該新株予約権証券を当該取締役が有している以上、株主総会の承認を得ずに新株予約権証券を交付して譲渡を行うおそれがあると。 そこで、本案では、当該取締役が免責決議の後、新株予約権証券を所持するときは遅滞なくこれを会社に預託させることといたしております。二百六十六条の十一項であります。これらの手続。
○小川敏夫君 新株予約権、有利発行と有利発行じゃない場合があるんですが、有利発行なら当然有利だけれども、実際には、有利発行だったんだけれども株価が下がっちまえば有利じゃなくて現実には損が発生すると。それから、別に有利発行じゃない普通の発行だって、株価が異常に高騰すれば予想以上の利益が出るわけですよね。この場合は、有利発行かそうじゃない普通の発行かということを別にして、現実に得ている利益というものをこれは基準にするんでしょうね。
○衆議院議員(保岡興治君) そのとおりでございます。
○小川敏夫君 法務省の方にお尋ねします。 この法案を離れた一般的な議論なんですけれども、今回は実際に取締役が何らかの賠償責任が生じるような、そうしたことをしでかした後の出来事なわけですけれども、基本的により理想的には、取締役が何かしでかしたことの賠償責任の問題をいろいろ代表訴訟制度とかそういったことを構築するよりも、まず一番の原則は、会社法のあり方として取締役がそのような不正ができない、いわゆるコーポレートガバナンスですか、そういう仕組みを構築することが私は一番根本的なんだろうと思います。そこら辺で、商法改正の動きもしているようですけれども、そうした取締役等の不正ができないようなそうした会社の仕組みを構築するということについて、今、法務省はどのような方針でおられるのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 先生御指摘の取締役等による不正行為の未然防止というのは、これは非常に重要な課題であるというぐあいに考えて、現在、種々の観点から検討を進めているところでございますが、まず大きく分けまして、不正防止のための仕組みといたしましては、株主総会を活性化する、あるいは株主代表訴訟による監督を行えるようにするというようなことが一つ考えられます。それから、社外取締役を含む取締役会による監督をより強化していくという方向性があります。それから三つ目に、監査役による監督を強化するというような観点がございます。 こういう各手法を組み合わせて適切な企業統治の実効性を確保するということがこれからの監督のあり方だろうと思っておりますが、この国会におきましても、会社法制のIT化を図るための商法改正法案をお願いして成立いたしました。これによって、株主総会の招集通知であるとか、議決権行使をより行使しやすくするということが可能になったのではないかと思っておりますし、また情報開示の観点から、計算書類をインターネットにより公開することを認めるというようなこともしております。 このような種々の方法を組み合わせることによって株主総会による監督を実効あらしめるということを考えておりますし、さらに取締役会の強化による企業統治の実効性の確保という観点で、現在、商法の見直し作業を進めておりまして、できれば次期通常国会にまとめて提案をしたいというぐあいに考えております。 今回の立法、議員提案のものにつきましては、監査役の監査機能の強化という観点からのものと承知しておりますので、これらの諸方策を組み合わせて企業統治を実効あらしめるものにしていきたいというぐあいに考えております。
○小川敏夫君 ぜひ実効あらしめるような企業統治方策を構築してもらいたいと思いますが、ひとつ私は情報の開示ということを本当に徹底していただきたいと思います。 先ほどの議論、私の期待に反した結果に終わったんですけれども、例えば個々の取締役の報酬を今株主総会で役員全員の報酬ということで承認ですけれども、あれを個々の役員の報酬ということできちんと開示して承認を得ていれば、これはもう取締役が報酬をごまかすことが実際上できなくなるわけですよね。あるいはストックオプションの付与だって、取締役に付与するときには逐一、株主総会に報告するというような情報が徹底して開示されていれば虚偽の報告なんかできないわけですから、虚偽の報告がなされた後どうするかこうするかという議論をするよりも、そうした虚偽の報告ができないようなそういう仕組みづくりをぜひしていただきたいと思います。 また少し細かいところに入っていきますけれども、社外取締役あるいは社外監査役ということがあるんですけれども、どうもそれは社外という意味がその当該会社にいた者ではない人、あるいは当該会社の子会社にいた人ではないということだけのようで、どうも社外の要件が緩くて、実際上、関連企業とか親会社とかそこら辺から来た人も社外に入っているというようなことで余り機能していないようにも思うんですが、どうでしょう、ここら辺の社外の要件を厳しくしたらいいかとは思うんですが。
○衆議院議員(太田誠一君) 今おっしゃった、これ普通の感覚でいうと、親会社とか関連会社の役員をやった人とか役員である者は社外にふさわしくないじゃないかというふうに思われがちでありますけれども、事柄は、要はその子会社の方の、この場合は子会社の方の代表取締役などの執行権を持っている人から見て独立しているかどうかというところにポイントがあるわけでして、親会社の方は、これは定義によって親会社は大株主でありますから、つまり大株主としての発言権の行使をするのが株主の利益を大事にするというコーポレートガバナンスの考え方からすれば、その人が来て社外取締役として発言することは逆にふさわしいということになるわけです。 それから、関連会社というのは、定義は恐らく親会社みたいなものなんだけれども株式の持ち株比率が若干低い、一種の親会社ですけれども、そういうところから来る人もまたふさわしいということになるわけでございます。 子会社のまた子会社にとってはまた話は逆でありまして、まさに子会社の取締役に支配されている孫会社というのは独立した発言権がないわけでありますから、その人たちはふさわしくないということになるわけです。
○小川敏夫君 本当に社外という意味では、ある意味じゃ当該会社と全く利害関係がないということがあるべき姿だと思いますので、法務省の方もぜひそういう方向でさらに検討していただければと思います。
○衆議院議員(太田誠一君) これは株主の中の代表だから、つまり赤の他人じゃなくて株主の中の代表をするような人というのはふさわしいわけなんですよ。あくまでも株式会社のコミュニティーの中の訴訟でありますので、株主の中のだれかが、今の経営権を持っている人に支配されていない株主の代表が来ることがふさわしいわけだから、全くの赤の他人よりはこちらの方がいいと。
○小川敏夫君 どうも私は少し考え方が違うんですけれども、株主の代表といいますと経営権を持っているのが、株主のいわば多数の代表が経営権を持っているわけですけれども、同じ株主総会の母体から出れば、別に少数株主にその選任権があれば別ですけれども、そうじゃないとすれば、同じ集団から出てくるんであると余り機能しないんじゃないか。 むしろ、私は、その企業が単に株主の利益のためという会社の目的があっても、そうではなくて企業が持つ社会性というもの、幅広い観点から考えたらやはり単に株主の利益というふうにこだわらない方がいいんではないかと私は考えております。そのぐらいの議論にさせていただきたいと思いますが、目的は要するに取締役が不正を働いたり誤った方向に行かないように監督するという方向ですから、そうした方等、利害がない方が当然なるべきだというふうには私は思っております。 話はまた別の問題、法務省の方にお尋ねしますけれども、社債の償還不能になったマイカルの件ですけれども、一般論として質問しますけれども、社債の管理会社に銀行がなって、一方、銀行が債権者であるといって利益が相反するような場合があると思うんです。今回のマイカルの例を見ますと、少しそこら辺の利益相反に関する規定が今の商法の規定では緩過ぎるんじゃないかと私は感じたんですが、一般的なお話で結構ですけれども、どうでしょう。もう少し、社債権者のいわゆる一般投資家なりそうした保護という観点から見直すような考えはありますでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 一般論でございますが、社債権者というのは非常に数も多うございますし、さまざまな方がいらっしゃいますので、その社債を発行する場合には社債権者のためにその弁済あるいは債権の保全その他債権の管理を行う債権管理会社を設置することを法は要求しております。 この債権管理ということになりますと、相当の経験、知識、能力が必要となりますし、万が一社債権者に損害を及ぼしたときに賠償ということもありますので、法律はこの債権管理会社となり得るものを銀行あるいは証券会社などに限定しております。そういうことから、社債管理会社となり得る資格を持っているものが限定されているものでございますから、委員の御指摘のように、銀行が社債管理会社となりまして社債発行会社に融資をしているような場合に利益相反となり得る場合が起こるのは事実でございます。 ただ、そういう場合を一律に禁止してしまいますと、結局、社債管理会社の引き受け手が見つからないということになるものですから、この現行法におきましては社債管理会社になり得るといたしました上で利益相反を防ぐ規定を準備しております。商法の現在の三百十一条におきましては、「社債管理会社ガ本法又ハ社債権者集会ノ決議ニ違反スル行為ヲ為シ之ニ因リテ社債権者ニ損害ヲ生ジタルトキハ其ノ社債管理会社ハ社債権者ニ対シ連帯シテ其ノ賠償ノ責ニ任ズ」ということをして損害賠償責任をやっておりますし、その前提として社債管理会社は公平かつ誠実に善良なる管理者の注意をもって社債の管理をしなければいけないということを定めております。 さらに、具体的な行為につきまして、例えば社債管理会社が社債を発行した会社から担保の提供を受けたり弁済を受けたりして、その後三カ月以内に社債発行会社が社債の償還が不可能になるとか、あるいは支払い停止になるというような事態が生じて社債権者に損害が生じた場合には、通常の立証責任を逆転いたしまして、社債管理会社に損害賠償責任を負わせるというような規定も用意してございます。 そういう意味で、一般的に申し上げれば、現行法において社債管理会社と社債権者とが利益相反になる場合についての法的手当ては、相当の手当てがされているというぐあいに考えております。
○小川敏夫君 この質問で私の質問を終わらせていただきますけれども……
○政府参考人(房村精一君) 済みません、ちょっとよろしいでしょうか。
○小川敏夫君 じゃ、どうぞ。
○政府参考人(房村精一君) ただいま証券会社と申し上げましたが、銀行、信託会社等ということでございますので、訂正をさせていただきます。
○小川敏夫君 じゃ、また最初から。 この質問で私の質問は終わらせていただきますけれども、法案の中身の質疑というよりも、実際に起きました大成損保ですか、再保険のかけ方が不適切であったということで多大な保険金支払い義務を負って会社が破綻してしまったわけです。この再保険のかけ方が不適切であったということが重過失になるのか軽過失になるのか、あるいは経営判断だから過失がないということになるのか、これはまだ個別の判断で私はそこまでまだ判定できる資料は持っていませんけれども。 これは提案者の方に感想を伺いたいんですけれども、これが軽過失だというふうにして今回のこの責任軽減の対象となるという可能性が多分にあると思うんですが、取締役のそうした判断の誤り、軽過失を持った判断の誤りによって三百何十億円という負債を負って会社が破綻してしまったというようなことが現実に生じていると考えますと、少しこの責任軽減も軽かったかなというような感想も私は持ったりもするんですけれども、提案者の方、どうでしょう。そこら辺の感想を述べていただいて、この大成損保の破綻の例に関して、何か感想がありますれば披露していただいてと思いますが。
○衆議院議員(保岡興治君) 我々の今度の改正の主眼というのは、あくまでも個人ではとても背負い切れないような訴訟リスクをあえてかける、背負わせることによって経営者が萎縮する危険性というものも非常に大事な経済社会における要因で、この点はやはりリスクを思い切ってとって挑戦して、いろんなことに努力していただかなきゃならない。日本の経済の活性化、その基本はやはり経営者の姿勢ですから、それを必要以上に萎縮させることを避けようという趣旨でございまして、今回の先生がおっしゃる大成火災の件は、これからどういう事案かということが明確になって、おっしゃるように重大な過失や悪意というような、悪意まであるかどうかわかりませんが、重大な過失であればもちろん責任軽減はありませんし、軽過失であれば経営判断として株主の利益その他を含めて総合的に適切な軽減の判断が、そういう措置がとれるということは私はあってもおかしくない、そういうふうに思います。
○小川敏夫君 終わります。
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。 それでは、初めに提案者の方々に御質問させていただきますが、コーポレートガバナンスの本質論から始めさせていただきたいと思います。 日本におけるコーポレートガバナンス論の直接の契機といいますのは、何といってもバブル崩壊で、従来はうまくいっていたと思われていた、また国際的にも大変評価されていた日本の経営システムが、結果的には不公正な取引やあるいは不正な行為や不祥事、こうしたことが多発いたしまして、それに対して内外の批判が高まったことにあると思われます。一体、株式会社というのはだれのものなのか、だれの利益を追求するためにあるのか、また何かあったときの経営の責任というのは一体だれがとるのかという議論になってまいりました。 このコーポレートガバナンスの中身の問題としましては二つ、一つは一体、公開会社というのはだれのものなのか、それからもう一つは会社の経営、管理のあり方がどうあるべきなのか、この大きく二つに収れんされるのかと思っております。従来の日本の経営では、株主の利益というのは後回しにされがちでありました。したがいまして、広く一般投資家はなかなか投資市場に安心し、また信頼して参加しない、こういう実態が続いてまいりましたが、今回の改正案、公開株式会社の主権者あるいは所有者というのはだれであるという考えを前提としているんでしょうか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今、浜四津先生おっしゃったように、戦後五十数年過ぎて、我が国の企業社会が大きく変質をいたしておるわけでございます。企業における不祥事、またバブル崩壊後のいろんな問題が出てきておるわけでございまして、今企業におけるコーポレートガバナンスは一体何なのか、こういうことが問われておるわけでございます。 そこで、今の御質問でございますが、本来、株式会社は株主のものでありますし、株主の利益を最大化するといったところに目的があるんだろうというように思うわけでございます。今回の法改正におきましても、株主の利益の最大化、こういうところに観点を置いた法改正でございます。そういう意味におきまして、会社の主権者また所有者はだれかと言われれば、これは株主である、このようなことになるんだろうというふうに思います。
○浜四津敏子君 それでは、二点目の会社の経営そして管理のあり方でございますが、これまでの日本型経営システムの最大の問題点はどこにあったのかを考えますと、それは経営の意思決定、そしてその執行及びチェック、それが取締役会の手を離れたところで行われておりまして、いわゆる取締役会が形骸化して、またチェックシステムが機能麻痺を起こしているというところにあったのではないかというふうに思っております。 例えば、経営の意思決定につきましては、法律上は取締役会が決定し、代表取締役が取締役会の監督のもとに執行すべきと、こういうことになっているわけでありますけれども、現実には代表取締役が立案し、常務会などで決定し、取締役会は形式的にそれを追認する、こういう企業が多かったのが事実でございます。 また、執行につきましても、法的には代取が取締役会の監督のもとに業務を執行すると、こういうことになっているわけですけれども、現実には社長を含む代表取締役の指揮のもとで取締役全員が何らかの執行の行為を担当している、それが実態でございました。つまり、監督すべき者が逆に指揮監督される、そういう逆転現象があったのではないかと思います。 またさらに、執行の長である社長に過度に権限が集中しておりまして、経営トップに対してだれがチェックするのか、それが問題とされてまいりました。本来は取締役会と監査役会によるダブルチェックシステムがあるわけですけれども、これが十分に機能してこなかったというのが実態でございます。 こうしたことから、取締役会の形骸化というのが今回のコーポレートガバナンス論、深刻に議論されてきた背景の一つにある、それが最大の課題の一つではないかと考えておりますが、今回の改正案の立法趣旨をお伺いいたします。
○衆議院議員(谷口隆義君) まさに、今おっしゃいましたように、株式会社制度そのものがうまく動いておるか、ワークしておるかというような観点で申し上げますと、今、先生おっしゃったように、取締役会の機能、また監査役の機能等々、まだまだ十分でないようなところがあるわけでございます。商法の改正におきましても、監査役の権限強化、幾たびかの権限強化の法改正を行ってまいりましたが、やはり実務の世界におきますと十分にチェックが働いておらないのではないかと、このような声も聞こえるわけでございます。 また、取締役会におきましても、外部取締役を取締役会に入れてチェックをさせるというようなシステムをとるような会社がふえてまいりましたが、一方で、今回の法改正でも大きな問題になっておりますが、高額な賠償が課せられるということで企業に有能な社外取締役が集まらないというようなこともあって、十分にそういう点においても機能しておらないというようなことも言われるわけでございます。 そこで、今般、取締役会のあり方、取締役会改革につきましては、政府におきましても今検討中であるというようなことのようでございますので、これは我々もそういう状況を見守っていきたいというふうに考えておるわけでございます。 今、バブルが崩壊して、企業の信頼と申しますか、社会的、経済的信頼感が大きく失墜し、ひいては株主の利益が大きく損なわれておる。このような状況の中で、株主の利益を保護し、また公正で透明な、国際的信用を得られるような企業体質の確立を図る必要がある。経営の効率化、また競争力の強化といったようなことを通じて株主利益の最大化を図っていく。また一方で、企業倫理の確立を図っていかなきゃいかぬ。こういうことを一体としてコーポレートガバナンスの確立というように考えておるわけでございますが、そういう意味におきまして、今回、法改正で責任軽減制度を見直したわけでございますけれども、やはり機動的な経営を行う場合に、どうも高額な賠償が課せられますと経営が萎縮するといったようなことがございますので、このような観点での責任減免制度であるとか、またいわゆる会社荒らしと言われるような乱訴の傾向も出ておるというような状況でございますので、株主代表訴訟制度の合理化を通じて企業の経営の見直しを図っていくというようなことが今回のこの法案の立法趣旨でございます。監査役の機能を強化し、企業倫理の確立を図り、経営の健全化を図っていくと、こういうことでございます。
○浜四津敏子君 今回の改正案の立法趣旨の概要をお答えいただきましたが、その中で取締役会のあり方については今、政府で検討中というお話がありました。取締役会の活性化の方策について、現段階で提案者の皆様はどのように考えておられますでしょうか。 取締役会が活性化しない原因の一つとして、日本の企業の取締役の多くが、いわゆるもともとの経営プロというよりは、長年、従業員をやってきてそのまま取締役になったという方が多いということが原因の一つともされております。そんなこともあわせて、提案者の皆様に何らかの取締役会活性化の有効な方策についてのお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(谷口隆義君) 取締役会活性化の方策ということでございますが、先ほど申し上げましたように、今、政府の方で取締役会機能の強化のための方策が検討されておるというような状況でございますので、これは慎重にその推移を見守っていきたいというように考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても取締役会の活性化というのは非常に重要な問題でございます。この活性化の方策につきましては、取締役会のなれ合いを防止する、また各取締役の業務執行についてのチェックが働く方向で検討していくというようなことが必要なんだろうというように思うわけでございます。 取締役の構成員に外部取締役が入ることによりまして、取締役会における業務執行の妥当性の監査がより客観的に、精緻に行われるということが期待されるわけでございますし、取締役会に外部監査役が出席することによりまして、第三者的な立場から適法性監査が一層図られる、取締役会の業務執行がより緊張感を持ったことになるだろう、こういうことが期待されるわけでございます。 また、今回の改正案におきましては、先ほど申し上げましたように、社外取締役の事前責任限定契約制度ということを盛り込んだわけでございますが、これはどうも有能な社外取締役が集まらない、人材が集まらないという観点で、このような制度を導入することによって企業に十分なチェック機能が働くような有能な社外取締役に来ていただくというような観点で法改正をいたしたものでございます。
○浜四津敏子君 確かに、社長の権限が極めて強い日本企業では、その社長に対して面と向かって物の言える有能な社外取締役というのが必要になるかと思います。そういう意味では責任限定ということも必要だというふうに考えておりますが、それがうまく機能するようにこれから見守ってまいりたいと思います。 次に、取締役の責任軽減についてでございますが、定款変更によって取締役会決議で責任軽減ができると、こういうことになっておりますが、これでは身内によるお手盛りと言われても仕方がないんじゃないだろうか、あるいはその危険性が非常に大きいと言われてもやむを得ないのではないかと思われますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今回、この責任を軽減する場合に三つの方法があると。一つは株主総会によって責任を軽減する方法と、もう一つは定款の変更によりまして取締役会決議にゆだねる方法と、もう一つは先ほども申し上げた社外取締役の事前責任限定契約制度でございます。 この場合に、今おっしゃったような取締役会決議で責任軽減ができるということは身内のお手盛りにならないかということでございますが、この取締役会決議で責任の軽減ができるということは事前に定款の変更が必要でございますし、定款の変更には株主総会の特別決議が必要でございます。ですから、そういう意味においては一次的な株主のチェックを受けるといったことになっておるわけでございます。 またさらに、この責任軽減の対象になる当該取締役は、特別の利害関係を有する取締役ということになりますので、取締役会の決議に参加することはできないということになっております。加えて、商法特例法の小会社以外の会社につきましては、定款を変更する議題を株主総会に提出するとき、また責任の軽減に関する議案を取締役会に提出するときには監査役全員の同意が必要だということになっておるわけでございまして、議案にする段階から取締役会のチェックが入る、このようになっておるわけでございます。 そして、仮にお手盛りになるような決議が取締役会で行われたというような場合におきましては、この決議内容を株主に明らかにするわけでございますし、異議申し立て制度、この法案にも盛り込んでおるわけでございますが、原案では二十分の一、修正案では百分の三以上の議決権を持った株主から異議が申し述べられれば軽減が認められないというような事後的なチェックも入っておるわけで、そういう意味におきましてお手盛りを認めるといったことにはならないというように考えるわけでございます。
○浜四津敏子君 ただいまのお答えで大半重なるかとは思いますが、たしか当初の公明党案では、取締役会による責任軽減は好ましくないと、こういうふうにしていたと思います。にもかかわらず、今回これを認めることになったのはどうしてでしょうか、そのポイントをお教えいただければと思います。
○衆議院議員(谷口隆義君) おっしゃるとおりでございまして、我々は当初そういうように考えておりましたが、その後、機動的な意思決定が必要だというような現状の状況、また仮に株主総会で責任の軽減をやらなければならないといった場合には臨時株主総会を開かなければならないと。そうしますと、なかなかこれは難しい話になりますから、定時株主総会まで待つというようになるわけでございますが、そうなりますと、長期間非常に不安定な状況になって、経営の萎縮が考えられるというようなことであるとか、経営の専門家が集まっておる取締役会のメンバーが専門的な見地から責任軽減の是非を判断することに合理性があるだろうといったことを考え、中でもこの異議申し立て制度は事後的にチェックできるだろうというような総合的な観点から了といたしたわけでございます。
○浜四津敏子君 取締役は、先ほどもお話しさせていただきましたが、日本の取締役は必ずしも経営のプロではない方が多いわけですが、その取締役の責任軽減事由を今回、善意無重過失に限定しておりますが、それは必ずしも経営のプロでない取締役に余りに重い責任を負わせるのは酷だという理由なんでしょうか。そのほかに特別にこれを限定した理由はどこにあるんでしょうか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 現行制度が総株主の同意がなければ取締役の責任の軽減ができないということになっておりまして、実際上はそのようなことが不可能だというようなことがあるわけでございます。一方、取締役が予見しがたい高額の賠償責任を言われる可能性がある、このようなことになりますと、経営の萎縮ということが考えられるわけでございます。そこで、株主総会の決議また取締役会の決議で責任の軽減を認めていこうというようなことになっておるわけでございます。 以上のようなこの法の趣旨からいたしまして、取締役が職務を行うについて悪意の場合まで責任を軽減すべきではないということは当然のことでございます。また、取締役が職務を行うにつけ重過失の場合、すなわち著しく注意義務を欠く場合につきましても、悪意の場合と同様に評価できる主観的事情があるということで、損害賠償責任の発生については極めて帰責性が高いため、責任軽減の対象とすべきでないと考えたわけでございます。
○浜四津敏子君 次に、株主代表訴訟についてお伺いいたします。 代表訴訟に関しての監査役の考慮期間を現行の三十日から六十日とした理由及びその必要性はどこにありますか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 企業の業務の形態が多岐多様になっておりまして、現在激しい企業間競争が行われておるというような状況の中で、個々の取締役が経営の判断をしなければならないということが極めて高度な専門化になっておるというような現状があるわけでございます。大変複雑な状況になっている、こういうことがございますので、取締役の責任を追及する訴訟を提起する請求を受けても、実際に訴訟を提起すべきか否かということは慎重な判断を要するということになるわけでございますが、そういう状況の中で、監査役の熟慮期間を延長して十分な期間をとるということが望ましいといったことがあるわけでございます。 こういう観点で、現在、三十日という熟慮期間でございますが、倍の六十日ということに今回の法改正でいたしたわけでございます。
○浜四津敏子君 また、代表訴訟では、取締役の責任についてさまざまな限定がなされております。 責任額の上限については、代取については役員報酬の六年分、取締役は四年分、社外取締役は二年分と、こうなっておりますし、上限の設定には監査役会や株主総会の同意が必要と、こういうことになっております。 また、取締役が犯罪行為あるいは重大な過失で会社に損害を与えた場合は対象にはしないと、こうなっておりますが、一つには、この上限の基準となる報酬については、これは外部から一体、報酬額が幾らなのかというのがよくわからない状況にございます。明確な情報開示がないまま上限を定めるということになりますと、表面上の報酬額を圧縮していざという場合の負担をできるだけ小さくするという操作の余地を生みかねないのではないか、こういう抜け道を生みかねないという指摘もあります。 こうした抜け道についてはどのように防ごうとされるのでしょうか、お答え願います。
○衆議院議員(谷口隆義君) 現行法におきましては、取締役の報酬は定款または株主総会の決議事項でございますし、また賞与につきましては利益処分案ということで株主総会の決議が必要になっておるわけでございます。その他、取締役が会社から利益を得るという行為は利益相反行為として取締役会決議が必要であるということになっております。以上のようなことから、表面上、報酬額を圧縮するということが現行法上困難であろうというように考えるわけでございます。 また、本改正案におきましては、狭義の報酬につけ加えまして、賞与、退職金、使用人兼務取締役の使用人部分の給料、また取締役が会社から受けるストックオプションなどもここに言う報酬に含めておるわけでございまして、この抜け道はふさがれておるというように考えておるところでございます。
○浜四津敏子君 これまで乱訴と言われるような株主代表訴訟が起こされてきたということも言われておりますが、そうした乱訴ともいうべき訴訟については、例えばどういう訴訟が提起されていて、その件数はどれぐらいあるとお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 乱訴ということでございますが、株主代表訴訟の提起が権利の乱用であるとして訴えを却下した裁判例といたしましては長崎地裁平成三年二月十九日判決が挙げられるというように考えるわけでございますが、この判決は、原告の提訴の意図は会社や被告取締役を困惑させ、会社が担保として取得している土地、建物を原告に任意処分させるように応じさせ、その結果、個人的な経済的な利益を得るための手段として提起したものと認められると判断したものでございます。 これ以外に、担保提供命令が出された事件についても、被告取締役による悪意の疎明が認められた事例であるということでございますので、乱訴であると言うことができると考えておるわけでございますが、これにつきましては、例えば東京地裁で平成十一年十一月一日から平成十二年十月三十一日までの一年間におきまして二十件の株主代表訴訟が受理されておるわけでございます。このうち、八千代銀行、日本興業銀行、第一勧業銀行、ジャレコ、日本航空の各会社に関する株主代表訴訟について担保提供命令が出されておるわけでございます。このうち、八千代銀行、ジャレコ、日本航空の担保提供命令は、訴訟の提起が不当な目的によるものであると認められた事例でございます。その他は勝訴の見込みがないと認められた事例でございます。
○浜四津敏子君 今お話に出ましたように、現行株主代表訴訟制度におきましては乱訴防止のために裁判所が原告に対して担保提供命令を出せるということになっております。この担保提供命令だけでは乱訴防止のためには不十分だとお考えなんでしょうか。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今おっしゃったように、担保提供命令は乱訴ということの防止に対して一定の効果はあるというように考えるわけでございますが、しかし十分ではないと。代表訴訟の提訴権者の、今回も提訴権者の適正化を図る改正を行うといったようなことになっておったわけでございます、原案におきましてはですね。現行法では六カ月の株主である期間がなければ提訴権者になれないということを取り除いて、だれからもこの訴訟ができるというような法改正を考えておりましたが、しかし一方で現行法は提訴権者の範囲を画する基準としてはより明確であるというような指摘があったわけでございまして、衆議院におきまして原案を修正し、このような改正を行わないこととしたものでございます。
○浜四津敏子君 終わります。
○委員長(高野博師君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 商法の改正についての議論でありますが、つい先日、閣法の商法の改正を行ったところであります。この間、百二十六国会、百二十九国会、百四十国会、百四十一国会、百四十五、百四十七、百五十一国会と商法改正が行われてきました。百四十通常国会を除いて、商法改正案というのは一本だけでありました。基本法である商法を一つの国会、しかも臨時国会で二度にわたって変えるということ自身が極めて私は異例だと思います。しかも、内容的には株主代表訴訟の制限など大変大きな問題を含んでいる、こういう法案を会期末の短時日の審議で成立させよう、こういう審議のあり方は重大だと指摘せざるを得ません。 朝日の十一月二十八日付でも、「なぜ改正を急ぐのか」、法制審議会の場で商法の抜本的改正作業が進んでいる中、この問題だけを議員立法で先行させることには違和感が残ると厳しく指摘をしております。参議院には同じ議員立法で民法改正案も提出をされております。提出の順からいっても回数からいっても、また国民の世論からいっても、この民法改正から審議をするのが私は当然であり、世論にも背くような党利党略的な審議のあり方には厳重に抗議をしたいと思います。会期末だからといって拙速に審議するのではなくて、通常国会での商法改正とあわせて、参考人質疑も含めた徹底した審議を改めて要求をしておきます。 その上で、質問になりますが、まず法務省にお伺いをいたします。 来年の通常国会に五十年ぶりの商法大改正の提出の準備が進められております。中間試案には経営監視機能の強化など抜本改正が盛り込まれておりますが、この間、戦後の商法の改正の中で監査役制度がどう改定をされてきたか、その流れと、通常国会で予定をされている改正の方向についてまずお尋ねをいたします。
○政府参考人(房村精一君) それでは、戦後の商法改正で、監査役制度についての改正内容について概要を簡単に御説明申し上げます。 そもそも監査役制度、明治三十二年の商法制定当時から存在していたわけでございますが、昭和二十五年に、それまで監査役は会社の業務及び会計を監査する機関とされておりましたものを改めまして、会計監査のみに権限が縮小されております。これは、従来その業務及び会計を監査する機関とされながら、必ずしも十分に業務監査の権限が行使されていなかったこと、それから米国の制度に倣って取締役会制度が導入されたことと、このようなことを考慮して会計監査のみに権限を縮小したものであります。 その後、昭和四十九年に再び改正がなされておりますが、これは山陽特殊製鋼株式会社事件等に代表されます有力会社の粉飾決算が相次いだというようなことから監査役制度が見直されまして、監査役は再び取締役の職務の執行を業務及び会計の両面にわたって監査をするということとされております。 また、特に大規模な会社につきまして、利害関係人が多数に上るということから、会計処理の適正の確保を図るために商法特例法が制定されまして、資本金五億以上の大会社については専門的な知識のある会計監査人の監査を受けなければならないというようなものとされております。 その後、昭和五十六年に再び改正がされまして、このときはロッキード事件等の企業資金の不正使用が問題とされたというようなことをきっかけとして検討がされまして、監査役に取締役の法令・定款違反の行為を報告するため取締役会を招集し得るというような新たな権限が付与されております。 また、商法特例法上の大会社では監査役は二名以上で、そのうちの少なくとも一名は常勤監査役でなければならないというような監査役の体制の強化が図られました。 その後、平成五年に再び監査役制度の見直しが検討されましたが、これは金融・証券不祥事等をきっかけにやはり監査役制度が見直されたということでございます。商法特例法上の大会社にあって監査役は三人以上で、そのうち一人はいわゆる社外監査役でなければならないというような改正、また監査役の全員で監査役会を組織するということで監査役会の権限を強化するという改正がなされております。 以上のように、戦後、必要に応じまして監査役制度についてその都度改正を行い、相応の対応をしてきたものと考えております。 以上でございます。
○井上哲士君 それでは、今後の改定も準備をされているわけですが、商法におけるコーポレートガバナンスの基本的な考え方について大臣からお願いをいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 一般に、コーポレートガバナンスと言われる企業統治でございますか、そのあり方の問題は、企業経営の効率化及び適正化をいかに図るかという問題として認識されておりまして、会社法制を主な内容とする商法におきましては当然のことながら極めて重要な問題であると考えられます。 現在、法制審議会会社法部会では、来年の通常国会への法案提出を目途といたしまして、企業統治の実効性の確保を重要な柱といたしました商法等の改正法案の審議を行っているところでございます。具体的には、社外取締役の選任の義務づけ、また執行役及び各種委員会制度の導入などについて検討を進めているところでございます。
○井上哲士君 戦後の商法を見ますと、このようにさまざまな不祥事のたびに企業統治の強化が言われ、監査役の強化がされてきたわけでありますが、しかし依然としてさまざまな不祥事が生じてきている。こういう中で、来年の通常国会の中でも、企業統治の実効性の確保ということが今言われましたけれども、改正が予定をされようとしているわけです。大きな流れでいえば、こういう監査役の強化という方向から取締役会の改革という方向に商法が流れていっていると。 そういう中で、今回出されていますこの法案は、むしろ監査役の強化という方向になっているわけで、私はこの流れから大きく逆行する方向だとも思うんです。同時に、代表訴訟制度についても、中間試案が示した社外取締役を中心とした監査委員会などとかかわる問題でありまして、全体的な商法の見直しの中でこそ議論をされるべきだと思います。なぜ代表訴訟制度の制限だけを先行させるのか、来年の通常国会での閣法とともに会社法全体の中で議論ができないのか、数カ月も待てないというその理由について提案者から答弁願います。
○衆議院議員(太田誠一君) 井上議員の今御議論は、大分事態の経緯を誤解しておられると思うわけでございますが、このコーポレートガバナンスという言葉自体も我々は平成九年の時点で、自由民主党のコーポレートガバナンスに関する改正案をまとめたときまでは世間で使われていなかったわけであります。やっと最近使われるようになったわけでありまして、その当時、我々が党内でもって検討したこと、あるいは特に衆議院の法務委員会や、特に参議院の皆様にもお呼びかけをいたしまして、超党派で平成九年から勉強会を繰り返しております。その中からこの法律が出てきたんだというふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。 今、コーポレートガバナンスという言葉を使われるときに人は何をイメージするのかといえば、それは株式会社という一つのコミュニティー、株式会社というコミュニティーの中でそこにいる主権者、株主主権とすれば主権者たる株主の長期的な利益を最大にするにはどうしたらいいのか、株主全体の長期的な利益を最大にするにはどうすればいいのかということがコーポレートガバナンスのテーマでございます。そこでは株式会社は株主のものであるという大前提があって、その主権者である、所有者である株主たちの利益をきちんと守るような歯どめになる、みずからを治める、みずからを統治する、みずからをガバーンする仕組みは何かということを考えていくのがこれはコーポレートガバナンスの議論でございます。 その中で、残念ながらいつもアメリカがお手本になってしまうわけでございますが、アメリカのコーポレートガバナンスの仕組みというのは、我が国と同様に、ロッキード事件などのスキャンダルがあったときに集中的にこのことが議論をされて、そして今日の取締役会を中心として社外取締役に重きを置くコーポレートガバナンスの仕組みが確立をしてきたわけでございます。それを我々もモデルにいたしております。 ですから、社外取締役を中心として、そこでもって取締役会の中に主として四つの機能、四つの委員会を設けてやると。一つは、今我々がかかわっております監査委員会というものを取締役会の中に社外を中心にして設ける。それからその次に、訴訟が起きた場合に訴訟に対応する訴訟委員会というものを設ける。それから、取締役、特に代表取締役の人事などを扱う人事委員会。それから、報酬を決める報酬委員会。四つの委員会をもって、いずれも社外が過半数であることが要件でございますけれども、それによって執行権を持っている経営幹部に対するチェック、モニタリングの機能を果たすというのが考え方でございます。 そこで、我々も当然そこに一気に行きたいというふうに思った時期もございますけれども、やはりどうしても我が国は監査役制度でずっとやってきているわけでございますから、監査役制度でそれでは全部これは、この監査役制度を改善することについてできないかというか、とりあえずは考えるわけでございまして、その結果、今日提案したものが出てきたということでございます。 ただ、これはぜひ先生にも御留意いただきたいのは、こういうことなんですね。今の言う四つの委員会の機能、つまりアメリカの取締役会における監査委員会の機能とそれから訴訟委員会の機能は、今度の我々が提案しております代表訴訟にかかわる取り扱いというのはこの二つで、この機能は我が国では、この提案では新しい監査役制度でその機能が果たせるわけでございます。それに加えて、それじゃ代表取締役の人事権を社外取締役を中心にして持たせられるかということは、私はまだちょっと時期尚早ではないかというふうに思っている。それからもう一つは、報酬を社外の人たちに決めさせられるかと、これもなかなか時期尚早だなと思っております。それがこの段階でとどまっている理由でございます。 だから、もし政府で出されるときに、法務省で出されるときに、この後半の二つの機能をあわせて提案をされるんならば新しい提案になりますけれども、そうでないならばここは余り違わないということになるわけでございます。ですから、そう違ったものではないかもしれないという気はいたしますけれども、ただどちらが先だったかということはぜひ誤解のないように。これは我々議員立法の方が五年間先行しておるということは、ぜひそれは御理解をいただきたいと思うのでございます。
○井上哲士君 太田議員が「取締役の法務」という本の中でこの経緯も書かれておりますが、今回の中間試案について、「われわれが国会に提出した企業統治に関する改正法案を内容的には一歩先を行くような問題提起がされている。」、こういう書き方をされております。確かに、議論がどっちだったのか、そういうことは今るる長々と御答弁があったわけでありますが、現実に議論を始めたのはどっちが先か知りませんが、その先を行くような法律が出てきておると、こうお認めになっているわけですね。 そして、それが今度の通常国会に出されようとしている。今のお話では、なぜ通常国会まで待って共通、一緒の議論をしないのかということの理由にはならないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 内容が同じならば、それは仮に内容が同じだとすれば、逆に、何で今ごろ出すのか、我々のところで一緒にやればいいじゃないかということにもなるわけでございます。 これは、ここは立法府なわけでありますので、我々は国民から負託をされて国民自体を縛る立法権をゆだねられているわけでございますから、我々が立法するのは当たり前のことでございます。だから、政府が出しそうだから遠慮しておくというのはどうも理解できない。 これは、民主主義の国では主権者たる国民の代表が法律をつくり、イニシアチブを握るものであって、それは政府が、それは大変ですよ、やるのは、手間もかかるし、あるいは組織も必要でございますから、本来は政府と一緒に何でもやった方がこれは楽ではありますけれども、やっぱり当初において相当これは開きがあったわけでございます、考え方。法務省、法制審議会の方々と我々は相当開きがあったわけでございますから、我々の方が先に進んで今時に至ったと。 この国会においても、別にこの国会で初めて出したんじゃなくて前国会からの継続でございますので、そこは、いぶかしがることに対して私の方はいぶかしいというふうに思うわけでございます。
○井上哲士君 最初にも言いましたけれども、基本法である商法を虫食い的にそうやって改正をしていくのが本当に今いいのかということだと思うんですね。まさに、大改定がやられようとしている目の前でなぜ、まさに数カ月前にこの国会で、しかも会期末の議事の中で日程もない中でこういう審議になるのかという、納得のいく御説明では私はなかったと思います。 時間がありませんので、先に進ませていただきます。 この株主代表訴訟の中で、株主オンブズマンの皆さんが大変大きな役割を果たしてこられました。弁護士や公認会計士などの専門家と株主や市民で構成される企業監視の市民団体として一九九六年に結成をされております。 私はいろいろお会いをしてお話も伺って、こんなパンフレットもいただきましたが、例えばこの間、高島屋に対して元暴力団組長に渡した総会屋対策費の返還を元役員に求めて提訴をして、一億七千万円を支払うという和解が成立をしております。高島屋自身もこの和解に参加をして、総会屋との断絶や株主総会のモニター公開などが実現をしております。さらに、総会屋への巨額融資などの利益供与で第一勧銀の元役員なども提訴をされるなど、いろんなこの間の大きな訴訟の中で役割を果たしておられます。 特に、八四年、五年ごろから住友商事の元ディーラーがロンドンの金属取引所を舞台にした銅の違法な簿外取引によって二千八百五十二億の損失を出したことが明らかになった、この問題を訴訟を起こして元役員などに損害賠償を求めた代表訴訟もやられております。 この住商の事件では、かつてオンブズマンのメンバーの方が住友商事の株主総会で退任取締役の退職慰労金に関する質問をしたところ、総会に出席していた社員株主が異議なしという大合唱をしてその声をかき消すと、こういう怒りもあって訴訟を起こされたということを言われておりました。しかし、結果として、翌年からこういうしゃんしゃん総会をやめて、丁寧に説明するようになり、株主総会の招集通知の早期発送、役員報酬の開示、これは総額、最高額、平均額が示されております、こういう改革が進められております。こういう株主総会の改善というのは、この代表訴訟の意義というものを大変明瞭に私は示していると思います。 この間のこうした代表訴訟が果たしてきた役割や意義については、提案者はどのように御理解をされているんでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 株主代表訴訟という制度は、先ほど申し上げましたコーポレートガバナンスという視野の中で見ると必要な制度であるというふうに思っております。そして、我が国においてもよその国においても、その果たしてきた役割は非常に大切で、株主の利益を常に念頭に置いた経営がなされるようになるという中で役割を果たしてきたものと思います。 しかしながら、先ほど申し上げましたアメリカでもってこの枠組みについて相当変化があった、あるいは進歩があったというのは何かというと、結局は、これは株主が主権者であるコミュニティーの中の民事的な紛争でございますので、その民事的な紛争を解決するのに、少数株主がいきなり裁判所に行かなければ解決ができないということなのか、それともそのコミュニティーの中に一定の秩序、株主総会や取締役会やあるいは我々が今度導入しようとしている独立した監査役会というものを設けて、そこで同様の役割を、チェックをし、モニタリングをする役割が果たせないかということを考えてこの制度を洗練させてきたという経緯があるわけでございます。 したがって、現状はそこまでこの代表訴訟にすべてを頼らなくても、代表訴訟というこのコミュニティーの外の権威に頼らなくても、自分たち自身でみずからを統治していくという、そういう方向が一定の役割を果たすようになってきたということだと思います。
○井上哲士君 この代表訴訟は、例えば日本航空については、障害者法定雇用率の未達成による障害者雇用納付金の支払いに対する責任を追及して提訴されておりまして、これは和解をいたしまして、日航は法定率達成努力をするという約束をして和解するなど、企業のあり方を問うという点でも大変大きな役割を果たしているかと思います。 この株主オンブズマンのパンフレットには、現在は民主党の参議院議員でもあります佐藤道夫さんも登場をされておりますが、「国民が選挙を通じて政治に発言していくように、株主は株主権を行使して会社経営に発言するのは当然のこと」であると言った上で、「今いろいろな面で株主の基本的な権利を制限し会社経営者の地位をぬるま湯状態で保全しようとする動きが陰に陽に活発化しつつある。とんでもないことである。」ということで、この間の動きを批判されているわけであります。 修正案ということで民主党も答弁をいただいておりますけれども、民主党としては、この修正案提案者としては、この間のこうした株主代表訴訟の役割をどう評価して、そして今回のこの法案をその中でどう位置づけていらっしゃるのでしょうか。
○衆議院議員(佐々木秀典君) 御質問にもありましたように、お答えいたしますけれども、私どもは株主代表訴訟というのは極めて大事で、企業のあり方を企業の所有者である株主が正していくという制度として必要なものだし、意義のあるものだと考え、そしてまたこれまでも非常に、御指摘のあった中でも代表例などのお話がありましたけれども、それにもあらわれておりますように、私は今後もやはり活用されるべきものだと考えております。 そういうことから、今回のこの法案の提起に当たりましても、さまざまな私ども、党内で議論をいたしましたけれども、原案のままではむしろこの株主代表訴訟などについてもこれを減退させるということになりはしないかということを大変心配いたしました。それに基づきまして対応を考えようということになりました。 それで、本修正案になった次第でございますけれども、株主代表訴訟の原告適格の制限ということが原案にはございましたけれども、私どもとしては、今申し上げましたような立場からこれを肯定するわけにはいかないということで、折衝の結果、提案者の方もこれについては原案どおりでよいということになりましたので、私どもは一応の満足を得ているということになるわけでございますので、その点、御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 一応とはいえ、満足のいけるものなんだろうかと私は思うんです。 今、提案者からも修正案の提案者からも、その意義というのについてはそれぞれお認めになったわけでありますが、しかし実際にやられようとしているこの法案を見ますと、代表訴訟が果たしてきた役割を私は奪っていく方向だと思うんです。ですから、先ほど来紹介してきました株主オンブズマンの皆さんも無責任経営者を免責する立法に反対しますと、こういう声明を衆議院での通過後に発表されております。 先ほど紹介しました住商の代表訴訟にしましても、違法行為を問うものでありませんでしたが、裁判所の勧告でことし三月に和解をしております。住商のような例は、この法案が通りますと取締役の責任減免に直結することにもなりまして、株主総会の改善どころか、逆行させるんではないかという指摘もあります。 今回のこの法提案の理由は、乱訴ということが言われております。しかし、実態はどうかといいますと、地裁の代表訴訟の新しく受けた件数は、九三年の法改正以降でいいますと、九四年、九五年はゼロ、九六年に六十八件、九九年に九十三件、二〇〇〇年八十一件、こういうことで最高裁、間違いないでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 株主代表訴訟の新受件数、今の御指摘の数字に間違いございません。
○井上哲士君 ですから、件数としては非常に安定をしてきていると思うんです。平成十二年のこの新受件数のうち、取締役の賠償責任が認容された事件、和解で終わった事件、請求棄却、請求取り下げ、訴え却下、それぞれ数はどのようになっているでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) 最高裁といたしましては、既済事件の内訳につきましては正式な統計というのはとっておりませんけれども、取り急ぎ手元の資料を調べてみましたところ、平成十二年の既済件数の総数は九十六件でございますが、その内訳につきましては、請求認容が十五件、それから和解が十六件、請求棄却が二十六件、取り下げが二十件、訴え却下が十七件、不明なものが二件、以上でございます。
○井上哲士君 大体三分の二は取締役の方が勝訴をしておるわけです。しかも、衆議院の答弁では、東京地裁で見ますと大体八割ぐらいがいわゆる同族会社の訴訟という御答弁ですが、この認識で間違いないでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(千葉勝美君) この点も最高裁の統計ということではございませんが、全国で一番この種の事件が係属しております東京地裁の担当の裁判官の方に問い合わせをいたしまして、その感覚的な意見ということで御理解いただきたいと思いますが、感覚的な意見では非公開会社のものが大体八割以上である、こういうことでございます。
○井上哲士君 このように、実際のところでいいますと、言われているような大企業の取締役などの責任が認められるという件数というのはごくわずかであります。しかも、乱訴の歯どめは裁判所の担保提供命令で十分に私は機能をしていると思うんですが、こういう実態でなぜ乱訴と提案者は言われるんでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 世の中に株式会社というものは恐らく百万社を超えるかもしれないと言われております。その中で話題になるような大企業といいますか、上場企業は数千社にすぎないわけでございますから、百万分の五千ぐらいだったとして、〇・〇五、もっとですかね、〇・〇五ぐらいですから、今おっしゃった、相対的には大会社の方がずっと多いということになるわけでございます。わかりますか。いわゆる大会社が二割だったらば、それは全体的にいえば大会社に偏っているということになるわけでございます。 それからまた、訴訟件数が少ないといっても、それは大変世間の耳目も引くし、また人々の関心も強い。どちら側においてもですね。訴訟を起こそうとする人たちの間でもその関心は高いし、先生なんかも関心をお持ちであるぐらいでございます。それから、やられる方も関心が高い。それで、この訴訟が起きて、実際に担保提供命令ができるまでも相当時間がかかるわけでございますから、この間に眠れない日々を過ごして、経営が萎縮するということは実際あるじゃないですか、これ人間として考えてみれば。だから、この法改正の意義は、今の制度をさらに改善するという意味で十分な意義があると思いますね。
○井上哲士君 比率としては少ないその大企業のいろんな不祥事や総会屋との関係などを含めまして毎日のように新聞をにぎわしていると、こういう事態があるからこそ、この株主代表訴訟が大きな役割を私は果たしてきたんだと思うんですね。今のは御説明にならないんではないかと思うんです。 今、そして萎縮ということを言われました。これも盛んに理由とされるわけですが、何をもって言われているんだろうかと私は思うんですね。責任をかぶるのが怖くて、取締役に就任する者が実際に減って定員が満たないとか、そんな事実が一体起きているのかと。やはり、法改正をして新たな制限をかけようとする以上、そんな話もあるようだとかじゃなくて、具体的なこととして私は明らかに示していただく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 人が何をどう心配をするかというのは、起こってしまった人にはこれはほぼ発言権はなくなるわけでございます。これからあるいは目下さらされている人たちのその主観的、それはアンケート調査でもやればいいけれども、アンケート調査まで、どこかでやっていましたよ。そういうものをお示しもしてもいいけれども、アンケート調査にしたって主観的なものですからね。そんなに心配するなと、おまえは気が小さいと言われれば、みんなそのとおりなんだけれども、現にその心配をしている声がほうはいとして沸いていることも間違いないし、聞こえてくるし、そしてそれはそうだろうと。 何十億という、あるいは何百億という総額のものを抱えて、そして会社の仕事をしながらやっておるというふうなことは、会社の仕事を仮にやめてしていなくても、自分の一代で終わればいいけれども、仮に自分が亡くなった後判決が確定したら、それは子々孫々まで伝わるわけでございますから、起こってくる事態をありありと想像すれば、だれだって心配で夜も寝られなくなるのは当然じゃないでしょうかね。
○井上哲士君 大和銀行の訴訟でああいう判決が出た直後に新聞などが一斉に社説も書きました。 例えば、平成十二年九月二十一日付の東京は、暴走防止を名目に株主の権利を守る制度を骨抜きにすることは許されない、経営者が常に緊張し、忠実に職務を遂行していれば訴訟などを恐れることはないはずだ、こう指摘をいたしました。それから、同じ日の読売は、法令を遵守し、情報公開で経営の透明性が確保されていれば恐れることはないと、こう書きました。今回この審議、この法案が議論をされている中で、つい先日の十一月二十八日付の朝日は、危険な出資や回収の見込みの乏しい融資などについて代表訴訟に耐えられないとの理由で断る企業は少なくない、制度のこうした効用も忘れるべきではないと、こういう指摘をいたしました。 夜も眠れない経営者がおるということを言われましたけれども、法を遵守し、情報公開で透明性が確保されていれば恐れることはないと、こういう各種マスコミの指摘は、提案者はどう受けとめていらっしゃるんでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) それは、自分自身がそういう目に遭わないという状態であれば、恐らく、人には厳しさを求めみずからには甘いというのは人の常でありますから、それを書いた人たちが実際にそのような状況に身を置いてみればわかると思うのでございます。 それから、責任が重い地位についた人たちがその責任を問われるのは当たり前でありますけれども、しかしながら一たんそういう世間的に見れば恵まれた地位についたからといってみんなにいじめられてもいいとか足を引っ張られてもいいんだ、そういうことはない。やっぱりリーダーはリーダーとしてそれは尊重されるのが健全な社会だろうと思うのでございます。だから、我慢をしろとか、それに耐えられるはずだとか、そういうことではない。それはやっぱり、世の中にはいい人ばかりじゃありませんから、悪意で訴訟を起こす人だって現にいたわけですから、そうしたらば、悪意で訴訟を起こした者が、本当にそのとおりにきちんと正邪を区別してもらえばいいけれども、区別されるかどうか決まるまでは心配で心配でしようがないというのは当たり前のことじゃありませんか。
○井上哲士君 提案者自身がおっしゃいましたけれども、大企業という極めて社会的な責任の大きいところの経営に携わる人には当然のそういう責任がつきまとってくるわけであります。 そして、悪意の訴訟を起こされて、それが心配でたまらないということを言われましたが、例えば東京地裁の判事がこの間の地裁における商事事件の概況を雑誌で出されておりますが、最近の事件処理の動向としては、担保提供命令の申し立てに対する判断が迅速に行われるようになってきていると。この点でも改善はどんどん進んでおるわけでありますし、先ほどの最高裁からの御答弁にもありましたように、実際にはこういう担保提供命令など乱訴の歯どめというのは随分されているはずだと思うんですね。それにもかかわらず、この乱訴、萎縮ということをあくまでも理由にされるということは、これはやはり国民的に私は理解、納得のいかない方向だと思うんです。 改めて、忠実に職務を遂行していれば訴訟など恐れることはないはずだ、こういう各種マスコミ等の指摘について御認識をお伺いします。
○衆議院議員(太田誠一君) ちょっと私は、この株式会社の中の紛争の処理ということについて、従来の全体として商法学者などの考えていたことと我々が考えていたことと大分違うと思うのは、これは普遍的な正義を貫くというような考え方が従来あったように思えるわけであります。社会全体のための正義を貫くためにこの代表訴訟制度があるんだというふうに考えていた嫌いがある。 我々は、そうじゃなくて、株式会社というのは株主のものであって、その中のいってみれば大多数がこれでよいと思う、何が大事かと思うことがこれは大切なんだ、その株主の大多数の意思のとおりに動いていくことがよいことなんだと思っておりますので、例えば従来の法律のように、全員が一致しなければ免責ができないというのはこれはどう考えたっておかしいと。たった一人の人が反対すれば残りの九九%は賛成してもできないというルールはワークしないルールでございます。 この場合について言えば、免責をする、取締役がこの失敗をした、間違いを犯したんだけれども、これは軽い許されるものではないかというふうに九九%の者が判断をしているのに、最後の一%、たった一人の人が、いや、それは許さないと言い、非寛容な態度をとり続けたらばそのようにならないということであれば、これは株式会社という、みんなが主権者なんですから、一人が主権者じゃない、みんなが主権者なのでありますから、そこでの大多数の意見が一つの結論になるというのは、これは健全な変化でございます。 恐らくそれはこういうことですね。今までの損害賠償についての取り扱いというのは民事の問題、私はこれは専門じゃない、保岡提案者が専門でございますので、民事のことでありますので、それは和解でやるというのが普通でございますし、それを取締役の社会、株式会社における取締役については今までが制限をしておったと、これからも制限をしておくということでございますから、そこはその全体として見ていただければちっともおかしくない。
○衆議院議員(保岡興治君) 今、太田提案者が言われたことは、コーポレートガバナンスの基本中の基本を言われたわけですね。株主の最大利益を目的とする、その会社の所有者の意思を最大限尊重するのが、そしてガバナンスしていくのが基本ではないかと。したがって、多数の株主が取締役の責任軽減をしたいと考えても、一単位株主が訴えた場合に全員がこれに同意をするということはあり得ないわけですから、事実上、多数の株主の意思を無視しているような法制になっているわけですよ。 それが基本であると同時に、また今、会社は小さい同族会社、中小企業というものもたくさん日本の経済を支えておりますけれども、また国際競争力を有し、そして国際的な舞台で日本を牽引している企業もたくさんあるわけです。そういう企業がやはり複雑な国際的な広がりの中で法制をきちっと理解し、いろいろな複雑な事態に対して経営判断するということはかなり大変な難しい、厳しい判断を日々しているわけでありまして、そういう中にあって取締役の報酬というものを、会社が大きく利益を上げたから、あるいは日本の経済の発展のためになったから物すごい役割をある意味ではしているわけですね、そういうケースでは。ところが、損害を受けたら、会社が損害を受けて経営判断を仮に軽過失で間違って損害賠償を、これまた会社規模ですから、どんと個人の負い切れない、背負い切れないような訴訟リスクがその代表訴訟の欠陥によって襲ってくるわけですね。 そういった意味での、報償の原則と参考人が衆議院で言われましたが、やはり一生懸命努力して会社全体のため、日本経済のために頑張る。その反面、ミスをした場合に、やはりそれを軽減したり、会社自身が株主の中長期の利益を考えて総合的に経営判断して軽減する措置を封鎖するというのは、これは私は公正なコーポレートガバナンスのルールではないと。そういう基本的な立場に立って我々はやっているのであって、あわせて現実の問題としても、そういう個人で負い切れない、背負い切れない巨額な訴訟リスクを背負う経営者というものになり手もなかなかないというようなケースも考えられないわけじゃないし、先ほど太田提案者が言われたように、日々眠れない夜を過ごしていたり、乱訴に悩まされている会社や経営者がいるということをこれはきちっと理解しておかなければならない、そう思って提案したわけでございます。
○井上哲士君 個人で負い切れないリスクということが言われました。今回、二年、四年、六年ということが上限として出てきたわけでありますが、現在、取締役の報酬というのが日本では情報開示をされていないという問題点ありますけれども、いろんな報道などを見ますと、大体この二年から六年ぐらいの報酬であるならば保険で賄えるじゃないか、何の痛みも感じないんじゃないかと、こういう批判があります。 取締役の損害賠償保険の加入の状況については、提案者、承知をされているでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) そういう商品が世の中に出回っているということは聞いております。それはこういうことですね。大変なリスクがあるということに対して、それぞれの努力でもってどういうふうにヘッジをしていくのかというのは合理的な行動でありますし、それだけ商品が売れるということは、それだけみんなが心配しておる、夜も寝られない人の数が多くなってきているということじゃないですかね。
○井上哲士君 保険金の実態などはなかなか個々の保険会社などのこともありまして公表もされていない部分があるんですが、私ども聞きますと、例えば支払いの限度額、年間十億ぐらいの保険で年間保険料が一千万ぐらいというようなお話も伺いました。この一割程度が取締役本人の負担で、残りは会社の負担ではないかと。実際はしかも取締役の報酬自身は開示をされておりませんから、一割本人負担といいつつ、それは上乗せされて報酬に行っているんではないか、こういうようなことも言われているわけですね。そうしますと、ほとんど本人の懐は痛まないと。 最近は、こういういろんな動きの中で保険会社もいろんな商品を出しております。私、インターネットで幾つか見ておりますと、ある損害保険は、通常の会社役員の賠償責任保険に五十億円を上限とする責任限度額の積み増しを可能にする上乗せDアンドO保険、こういうのを発売したということになるわけですね。 もう上限がはっきりとした場合に、そういう保険に、しかも自分の金じゃなくて会社の金で入るということになりますと、事実上、免責ということになるわけですね。先ほどもありましたように、今回の訴訟が適度な緊張感をこの制度がもたらしているという中で、こういういわば保険で賄える、何の痛みも感じないということになった場合には、結局、問題の解決にならない、モラルハザードを引き起こすようなことになるんではないかと、こういう指摘についてはどうお考えでしょう。
○衆議院議員(太田誠一君) よく法律を読んでいただきたいんですが、我々が提案しているのは、免除できる額の限界を決めているのでありまして、訴訟そのものにしたって、それから取締役会にしたって、幾らでも、これ以上はまけちゃいけませんよという下限を示しているのであって、それから上は青天井ですから、どんな結果にもなり得ますよ。株主代表訴訟で損害賠償請求されるのは、これはいまだに青天井でございます。ですから、それは心配ないじゃないかと、これはそこまでみんながぎりぎり幾らまけたとしてもこれ以上まけられないという下限を示しているのでございますから、これはよく大変誤解している人が多いんですけれども、下限を示しているので、したがってそれから上は幾らでもあるということでございます。 それから、十億円の保険で一千万円の保険料といったら、すごいですね、これは。すごいもうかる商品じゃないですかね、一千万円を払うと十億円。例えば私、それは計算してみないとわかりませんけれども、今例えば六年だとしますね。下限ぎりぎりで損害賠償額が決まると。十億だったらばどうなるのかといえば、代表取締役でしょう、恐らく、あるいは会長までやった人でしょう、十年以上やった人でしょう。そうしたらば、年間に五千万円ぐらいの報酬をもらい続けたと。四期か五期かやったと。そうしたらば、それこそ五億、それだけで。それにいわゆる退職慰労金が出ますから、退職慰労金が五億というようなことだとしますよね。 そうすると、年間に五千万円の所得があってやっておる代表取締役が年間に一千万円の保険料を払うというのは、これは痛くないと言えますかね、ぎりぎりのところ。そこは人の考え方でありまして、税金も払っておるし、生活もしなくちゃいかぬので、そこで一千万円を毎年払い続けることは大変な負担だろうと私は思いますが、しかしながらそこは一つの物の考え方でございますから、リスクがなくなったというふうにいえば、リスクに対するヘッジをするのは、それは自由主義社会なんだから、いろんな商品が出てきてもあれだし、入るのも自由でございますけれども。 それは、また、会社が払うのが当たり前のようにもおっしゃっておりますけれども、そうなんですかね。本人が払うというところも随分あるんじゃないですか。いろいろなんじゃないですか。
○井上哲士君 私ども、株主オンブズマンの皆さんなどにもいろいろお話を伺いましたけれども、やはり今、実際のところは大半は会社が負担をしておる。先ほど言いましたように、本人負担は一割程度ではないかということが現実の問題として行われているわけで、やはり結果として、これは最低限だと言われましたけれども、実際の運用でいいますと、これがむしろ上限になっていくと私は思うんですよね。 そうなりますと、結局、事実上の免責という方向になって、本来のこれが損なわれるということになると私は思います。いかがですか。
○衆議院議員(太田誠一君) いや、申し上げますが、法律に書いてあることは下限を決めてあるので、これは法律上、非常に日本語として難しいからよく誤解を受けるわけで、これ以上は下げられないという、これ以上は下げない、これ以上でいきなさいということなんですから、そこはちょっと世間に誤解を与えるといけませんので、ぜひそこはすっきりしていただきたいと思います。
○井上哲士君 いや、別にすっきり理解をしているつもりでありますが。 次に、そうしたら、取締役が結果負うべき責任額がどうなるのかと、こういう問題になってくるわけですが、悪意とか重過失とか軽過失とか、いろいろ裁判官で非常に認定も難しい問題を総会や取締役会にゆだねるということにもなるわけでありますが、本来、裁判所が公平な、公正な結論を下した、その判断を総会や取締役会という私人が覆すことになるではないかと。法律とは本来、最終的によるべき判断基準を示すものであって、裁判所が間違った判断をするから私人がひっくり返すような、法律のあり方としてはいかがなものかという指摘も学者などからされておりますが、この点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 先ほどから申し上げておりますように、これはだれがこのような紛争の当事者であるのかといえば、結局は株主の全体が、全体としての株主が当事者でありますので、そこでみずからを統治するという考え方でこういうこともできると。こうしなさいと言っているんじゃなくて、こういうこともできるというふうにしておくことは、みずから統治をして、そこで秩序を自分自身でつくっていくということは大変いいことであると思っております。 裁判官が判決を下すのは大事なことですけれども、裁判官は、これはそのコミュニティーの中の人じゃないわけでありますので、一般的な社会正義とか社会通念に基づいた判決を下すわけでございますので、何が優先するかといえば、私は、それはみずから統治するコミュニティーの決定の方が私は優先するんだと思います。お金を出し合っている仲間なんだから。
○井上哲士君 今の日本の株主の構造からいいますと、法人の持ち株とか、法人持ち合い株の株主の比率が極めて高いということがあるわけですね。そうしますと、今コミュニティーと言われましたけれども、結局、そういう法人持ち株が高いという中で、各会社の経営者がその権力を、議決を行使していくということになりますと、いわばコミュニティーの中のお手盛りという批判も受けざるを得ないと思うんですよね。 もともと、いろんな問題が起きても同僚取締役同士が経営判断のもとになれ合って問題を解決しないというときに、この株主代表訴訟というのが機能をしていくわけですね。そうしますと、先ほど来言われているようなコミュニティーの中でということになりますと、これはやっぱりお手盛りという批判を免れないと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 株式会社は、それは株、上場をしていれば随時これは譲渡可能なわけでございますから、いつそのコミュニティーに入るかどうかというのは、だれでも常時選択可能なわけでございます。国のように、一回そこに生まれたらなかなか外に変わるわけにはいかないとは違うわけであります。そうしたらば、そういう任意の集まりであるコミュニティーの中でどういうふうに物事を決めていくかということが、それはどうしたって多数決にならざるを得ないわけじゃないですか。大多数がどうかということで決められるわけでありますから、一部、例えば一割か二割の人が反対の気持ちを持っていたとしても、八割の人がこれでいいと言えばいいわけでありますから、それがなれ合いと言うのはいかがかなと思います。 ただ、今おっしゃった、今株式持ち合い状態が支配的であって、そのことが株式会社らしい株式会社がこの国には少ないではないかというお話は、私もそのとおりだと思います。それは、しかしながら、ここ数年間急速に持ち合い関係は解消されてきて、ややアングロサクソン型といいますか、アメリカ型に近づいてきている途中だと思います。特にアメリカにおいても、どうしてアメリカでそれじゃこれだけの株主の長期的な利益を最大にするということが仕組みとして成り立ってきたのかといえば、やはり個人の株主の固まりである年金ファンドのようなものが典型的な株主としてその存在を増してきた、存在感を増してきたということがこの二十年ぐらいの間の歴史だと思います。 そういうものが我が国においてもあった方がいいし、それは、特にこの秋から導入されました四〇一kのような制度でもって、たくさんのサラリーマンやOLの方々が株主の、小さな株主になっていて、それが年金ファンドとして統合されるというあたりから我が国においても株主らしい株主が登場してきて、今私が申し上げたような姿に近づいてくるとは思っております。
○衆議院議員(谷口隆義君) 今、太田提案者からおっしゃったわけでございますが、本改正案におけるお手盛りのお話が出たわけでございますので、若干、本改正案についてどのようなチェックがなされておるかといったことについて御説明をさせていただきますと、本来この取締役会決議でやるからお手盛りじゃないかと、こういうことになるわけですが、そのまず前提として、定款を変更しなきゃいかぬということですから、株主総会の特別決議をやらなければならないということがありますね。ですから、一次的にその株主のチェックを受ける。 また、取締役会で議決をする場合には、当該取締役はその利害関係があるわけですから、その取締役会に参加できないということになるわけでございます。 また、最終的には、取締役会で決まって、仮にお手盛りといったようなことがなされますと、それに対して異議申し立て期間がございまして、それの期間内に、当初は二十分の一以上、この修正後におきますと百分の三以上の議決権を持っておる株主が異議を申し立てるとその決議が成り立たないといったようなことで、これはお手盛りにならないというように考えておるわけでございます。
○井上哲士君 二十分の一から百分の三に修正をされたということでありますが、しかし現在の、やっぱり今の株の持ち合いの状況などを見ましたときに、その百分の三でも一体正常に言われたような方向で機能するのかどうだろうか、私は大変疑問でありますし、そういう声もいろんな方面から出ておりまして、やはり国民の目から見たときにお手盛りという批判は私は免れ得ないのではないかと思います。 時間が残り少なくなりましたので、私は、今本当に求められるのは、こういう形での代表訴訟のいわば制限という方向ではなくて、もっと利用しやすい方向に改善をすることこそ先決だと思っております。 法制審の委員でもあった元神戸大学教授の河本一郎弁護士は、株主代表訴訟は現在の我が国で経営者の不当ないし違法行為防止に最も大きな力を発揮していると言えます、あるいはそのための唯一の制度であると言ってよいというような指摘もされております。こういう点からいろんな改善を図るべきかと思うんです。 持ち株会社への移行で代表訴訟が却下をされたという判決も先ほどありました。大和銀行ではどうなるんだろうかという声もあるわけでありますが、例えばアメリカでは親会社の株主が子会社の取締役の責任を追及する多重的代表訴訟が判例上肯定をされていますが、例えばこういう方向での改正こそもっと私は進めるべきだと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) もちろん、これで何もかも百点満点のものができたとは思っておりませんので、さまざまな角度から新しく起きてくる事態に対しては適応して、まず手直しをしていかなくちゃいけないと思っております。
○井上哲士君 時間が参りましたが、御議論を聞いておりましても、私には、提案者の皆さんからは経済界の言葉は聞こえてまいりましたけれども、やはり国民の今の目線、個人株主の声というものがなかなか聞こえてまいりませんでした。 やはり、我が国のこの間の企業の実態を見ますと、取締役、経営陣の力が強大であります。経営陣のモラルハザードを示すいろんな一連の事件がとりわけ九〇年代以降起こりまして、異常なバブル経済を引き起こすその一因ともなりました。これに対するチェック機能がまだまだ日本が弱いということこそが問題にされるわけでありまして、そういう機能の強化こそ今必要な問題だと思っております。これに逆行するような方向になっている法案には反対ということを最後に申し添えまして、質問を終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 商法の改正がたびたび行われておりますが、来年の商法改正も俎上にのっております。法務省においては商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案の法制化作業が進んでおりますが、法務省が現在進めている法制化作業と今回の議員立法の商法改正との関係というものはどうなるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 先生御指摘のように、ただいま法務省では会社法制の全面的な見直しを行っております。法制審議会では、企業統治の実効性の確保、高度情報化社会への対応、資金調達手段の改善及び企業活動の国際化への対応、こういった各種の観点から会社法制の見直しのための審議を行っているところでございます。その審議途中の本年の四月十八日に商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案を公表したところでございます。 この中間試案におきましては、企業統治について申し上げますと、企業統治の実効性をより高める観点から取締役の機能強化を図るという、そのために社外取締役選任の義務づけであるとか執行役及び各種委員会制度の導入といった諸方策を検討しております。 この取締役制度の改善というのは、代表取締役の業務執行につきまして、主として妥当性の観点に基づいて行われる取締役の監督機能の強化を図るということが主たるねらいでございます。一方、監査役による監査は主として適法性の観点から行われますので、今回、改正で監査役制度についての監査機能の強化が図られておりますが、その部分とは現在、法制審議会等で検討しております法務省のものとはやや違う観点から行っている、いわば相補うような形になっているということが現状でございます。
○福島瑞穂君 商法改正のメニューは二つあると思うのですが、監査役制度をできるだけなくすというか少なくしていく方向と、それから役割を強化するという方向と、二つあると思います。 というのは、この質問をまずさせていただくのは、今おっしゃったように監査役の機能を適法性の面に限るのか、それとも監査役の権限を強化するのかということで、基本的に商法改正の方向がきょう議論になっている議員立法と今法制化作業が進められている商法改正は方向性が異なるというふうに考えますが、これは全体としての整合性として非常に問題があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 法務省で取締役会の機能強化と申し上げましたときに監査役との違いが一番大きいのは妥当性監査の部分でございますが、当然のことながら、取締役会は適法性監査も行うわけでございます。それで、今回の取締役会機能強化で、特に選択制、経営委員会制等をとった場合に監査役を不要にするという考え方でございますが、これはそういう取締役会の監査機能を非常に強化した場合にはあえて監査役をそのほかに置く必要がない場合もあり得るということからこれを会社の選択にゆだねるということでございまして、決して監査役そのものを不要とする、そういうことではないわけでございます。 今回の法案で監査役が存置される場合に監査役の機能をさらに強化するということが主たる内容になっていようかと思いますが、そのことと現在、法務省が考えていることが決して矛盾するわけでないと理解しております。
○福島瑞穂君 説明をしていただいたんですが、取締役会の監視の機能を強化するという問題と監査役に注目をして監査役の権限を強化し、そのことによって会社を監査するというのはやはり方向性が違うのではないか。というか、端的に、監査役の位置づけがやはり議員立法と法務省の今法制化手続は違うんではないか。監査役の位置づけという点ではいかがですか。
○政府参考人(房村精一君) 法務省として取締役会強化の場合に考えておりますのは選択制ということで、会社にその選択を許すという形でございます。 したがいまして、取締役会の機能を十分に強化して、妥当性監査も適法性監査も十分に行えるような体制をそこでとれる場合にはあえて監査役を置く必要はないということを申し上げているわけでございまして、監査役を置く場合にその監査役の機能をどの程度に強化するかということとはやや観点が異なっておりますので、そういう場合に備えて、監査役を存置する場合に備えてその監査役の機能をさらに強化するという今回の立法とはある意味では相補うものではないかというぐあいに考えているわけでございます。
○福島瑞穂君 選択といっても、取締役会の権限強化という方向と監査役の点ではやはり個人的には矛盾していると思うんですが、次の質問に移ります。 ずっと取締役の責任の免除のことが議論になっております。先ほどの議論で、責任の上限を決めたもの、免除の下限を決めたものという点では非常に問題だと思いますが、ここで取締役の報酬に関して、例えば銀行に関して公的資金が投入されておりますが、どんなに調べても各取締役の報酬は現在のところ出てきておりません。情報開示が日本の企業では非常にされていないわけですけれども、アメリカの企業に比べて。 そういう制度のもとでこの責任の上限を決める、免除の下限を決めるということはやはり私も大変問題だと思います。この点についていかがでしょうか。あるいは、せめて責任の上限、免除の下限を決めるのであれば、取締役各個人の報酬の開示を最低限すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(太田誠一君) 先ほど私の方にお尋ねがなかったんですが、それは監査役の制度と今回のこの法務省で検討しているものの関係ですが、それは答えさせていただいてよろしいですか。
○福島瑞穂君 どうぞ。
○衆議院議員(太田誠一君) さっき井上先生の御質問に対し申し上げたんですけれども、もともとモデルは一緒なんですよ。モデルはアメリカの株式会社の取締役会の制度のモデルがあって、それは、もう一回申し上げますけれども、取締役会の中にそれぞれ四つの委員会を設ける。それは、一つは監査委員会、訴訟委員会、それから人事委員会、報酬委員会、四つの委員会を設ける。そして、それぞれの小委員会に過半数が社外取締役でなくちゃいかぬというルールがあるわけですね。それで前半の二つ、監査委員会と訴訟委員会の果たす機能というのはやや我が国の監査役が従来から求められている役割に近いわけなんです。
○福島瑞穂君 太田先生、後の質問をしたのでちょっと短目にお願いします。済みません。
○衆議院議員(太田誠一君) わかりました。じゃ、もうやめます。 今の報酬の情報公開の問題ですけれども、これは一体どういう人が自分の報酬を公開しなくちゃいけないのかということでございます。 どういう人が公開しなくちゃいけないかというと、株式会社の取締役が一般的に世の中に何十万、百万を超える会社があってそこに取締役がいるわけでございますが、全部その人たちの報酬は株主総会で一人一人細かく開示しなくちゃいけないかどうかということになりますと、我々は今報酬は、所得は開示させられている、資産も開示しておるけれども、この人たちはすべきであるということはどうかなと。そこは、公的な権力を持っていても開示をしていない人というのは大勢いるわけでございますから、そこは公的な権力の人たちの全部が開示しているわけでもないときに、民間のコミュニティーの中のリーダーにそれだけのノルマを課せられるかどうかということでございます。 それから、なぜアメリカで開示されていたのかというと、アメリカで開示されたのは、途方もない給与を取っているから彼らは開示を求められるんです。一人で何十億円という所得をアメリカの取締役は持っているから開示をする意味があるわけでございます。日本の取締役は少なくてもいいから出せと、こういうふうに言うんでしょうけれども、それに比べれば百分の一、そのぐらいのものでしかないから、それは開示した方が私もいいと思いますよ。いいと思いますけれども、恥ずかしいから見せたくないと言っているものをどうして出せということを強制できるかどうかというのはちょっと微妙なところだと思います。
○福島瑞穂君 日本の取締役の収入が少ないのであれば、むしろこの責任の免除の下限を決めることは問題ではないですか。
○衆議院議員(太田誠一君) 下限を決めることが問題。だから、少ないというのはそれだけ責任が重くないということに私は通じてくるのだと思うけれども、それでもその数千万円の、僕は幾らみんながもらっているか知りませんけれども、例えば二千万円と、我々と同じぐらい、二千万円もらっているとして、普通の常勤の取締役だったら二千万円掛ける四で八千万円というものを軽い過失でも取られるというのは大変なペナルティーじゃないですか。
○福島瑞穂君 報酬が幾らかわからないにもかかわらず、二年あるいは六年ということで、幾らまでという、要するに、上限と言うか下限と言うかは別ですけれども、責任の上限が決められるわけですよね。それは私はやっぱりフェアではないと思います。つまり、この人が幾らもらっているから何倍で幾らの上限ならわかります。しかし、そもそも報酬を明らかにしていなくて、そして何年間分にまけてくれと言われたところで、どうやって判断ができるんですか。
○衆議院議員(保岡興治君) 株主総会が決議をもってする責任軽減、あるいは定款をもってする取締役会における責任軽減、いずれも軽減する理由や、それからどういう報酬であって、それはどういうふうに計算したかということを示して株主に判断を求めるわけで、そこできちっと株主は責任軽減の意味を理解して決議をすることになっております。 また、我々立法に当たった者は、通常の取締役が得ている報酬の、代取の場合は六年、いわゆる普通の社内取締役は四年、そして社外取締役は二年と一定の基準を決めて対応したのは、先ほど太田提案者が言われたように、確かに取締役は経営の責任を果たすに当たって、会社に大きな利益をもたらすことについても責任がある。しかし、大きな損失が仮に軽過失で生じた場合には青天井で損害賠償責任の範囲を画されるというのは、報償の原理からしてと参考人は衆議院で言われましたが、公正を欠くんじゃないかと。やはり、もらっている報酬との関係においてきちっと関係づけて責任軽減の下限を考えるという我々立法者の姿勢については一定の評価をしていただいた。それも責任発生時における地位にかんがみて責任の重さが違うということで、六、四、二という割合の違いを定めたことに合理性がある、納得できるという評価をいただきました。
○福島瑞穂君 株主総会で免除をするときに、ある程度の根拠規定を出すというのは条文に載っていますから、それはわかります。ただ、立法者の意思として、今現に、例えばどれぐらいの規模の会社のどれぐらいの代表取締役、取締役が年収どれぐらいもらっているかさえ私たちにはわかっていないわけですよね。そもそも公的資金を投入された銀行の取締役の報酬すら国会議員でも国民でもわからないわけですから、このような状況で何年というふうに出すということを私たちは果たして判断できるのでしょうか。 確かに、会社の経営者というのは特別かもしれません。でも、個人的なリスクということでいえば、弁護士だって、医者だって、いろんな人たちだって、車を運転する人だって、保険を掛けて多額の賠償に関しては対応しているわけです。株主代表訴訟が社会の中で会社をチェックするという役割を持ちながら、なぜ取締役だけ今現在において年収を明らかにしていなくて責任の上限を決められるのかという点が私にはわかりません。
○衆議院議員(保岡興治君) 別に会社の関係者がもらっている給与は、取締役だけ不開示で他の従業員が全部給与を外に明らかにしているわけではないわけで、やはりそこは確かに、太田提案者が言われたように、日米においても企業文化の差がある。 確かに、取締役の報酬を個々に明示する、開示するというやり方もあるかもしれないけれども、今回はそういう開示の問題と代表取締役の責任の軽減と直接リンクする話じゃない。これは報酬についての開示一般の問題でございますから、我々としては責任軽減を報酬を基準に決めて、株主がそれを決定するときに明らかにしていることで、我々は取締役の報酬が総額で株主総会で決議されることを前提に取締役の責任軽減のシステムを法改正として提案しているわけです。
○福島瑞穂君 私は、従業員まで報酬の開示をする必要はないと思いますが、株主代表訴訟において取締役の責任軽減が問題になっているわけですから、最低限、日本の企業も取締役の、これは一定規模以上になるかもしれませんけれども、報酬を開示することが最低限の前提ではないかというふうに考えております。 限度枠を設ける場合の報酬の範囲、これは退職慰労金、賞与等は含まれるのでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 退職慰労金、それから使用人としていただく退職手当も含みます。それの任期と、それをもらう前提の就業期間との割合によって、その就任期間の割合に応じて報酬と見るということにいたしております。
○福島瑞穂君 軽過失か否かの判断が現実問題として非常に難しいのではないか。故意過失という点では、故意か過失かというのは比較的判断ができると思うのですが、軽過失と考えた場合に、軽過失か否かの判断というのは困難だと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 我々の提案している責任軽減というのは、悪意あるいはそれと同等に評価できるような重大な過失というものの場合は、それは株主全員の判断にかからしめるのが適当であろうということですから、決して悪意と同等の評価を受けるような重大な過失という範囲を認定することはそう難しくないことだと思います。 責任が発生するかどうかの無過失か過失があるかの判断というものについては、経営判断の原則等、いろいろ日本でもアメリカでもその判断についてはできるだけ正しい公正な適正な判断が行われるように、損害賠償の責任がどういうケースで発生するかということについてはいろいろ工夫の必要なところだと思います。
○福島瑞穂君 商法の例えば二百六十六ノ三の責任などの裁判をやったことがあるんですが、実際、軽過失か過失か重過失かというときに、その状況においてどちらかという判断が実は現実問題としてかなり難しかったんですが、立法者としてはこの部分はどういう議論をされていらっしゃるんでしょうか。今の重過失と過失と軽過失の問題です。
○衆議院議員(保岡興治君) それは、今申し上げたように、悪意に準ずるような、同等に評価されるような重大な過失、はっきり事実を認識しているわけではないけれども、認識しなかったことについて著しい悪意と知っていたと同じように評価しても、評価されても仕方がない状況、そういった著しい善管注意義務、忠実義務違反があったケースを頭に置いているわけでございます。
○福島瑞穂君 株主代表訴訟を社会の中でどう位置づけるかと考えたときに、会社がやはり、取締役がモラルハザードを起こしたり、会社の中がなかなか社会の中に見えにくいという状況があって、裁判に株主代表訴訟を提起することによって会社の経営を合理化する、あるいは日本の株主会社のあり方をやはり変えていこうという情報公開の大きな流れの中にその株主代表訴訟が位置づけられると思います。 ところが、今回ですと、それはやはりしにくくなってしまう。例えば、株主の異議申し立ての要件が少数株主権となっておりますけれども、百分の三、あるいは百分の三は少ないと見るか多く見るかというのはさまざまですけれども、それだけ大会社であれば株券を持っている人は実は少ないのではないかというふうに思っています。今回の立法が、株主代表訴訟をやはり弱体化させるということについてはいかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 弱体化させることはないと思います。むしろ、適正な公正な原理によって改めてきちっと調整された仕組みに提案していると考えております。
○衆議院議員(谷口隆義君) ちょっと補足をさせていただきますと、御存じのとおり株主総会のやりようも若干変わりまして、インターネットで議決権行使ができるといったようなことにもなるわけでございますので、従来の考え方とは若干考え方が変わってくるんじゃないか。 ですから、百分の一、当初は我々は二十分の一と言っておりましたが、今回百分の三ということになったわけでございますが、これは必ずしもおっしゃるような形でもうなかなか異議申し立てができないということはないんだろうというように考えておるわけでございます。
○福島瑞穂君 大会社の場合に、百分の三株券を持っているというのはかなりお金がないと百分の三にはならないと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 百分の三ということに特定した話であれば、それは少数株主権として総会招集権がそれに当たりますし、取締役の解任要求というものもそれに当たると思います。したがって、そういうレベルの少数株主権の権能というものとこの取締役会の決議を覆していく、そういった権能とは並べてみて決しておかしくない基準を我々は百分の三として定めたと思っております。
○福島瑞穂君 大企業であれば、百分の三持つということはかなりの資力がなければならないんではないかと思いますが、私自身も素朴な疑問でどうして今回の改正で上限制限だけを、だけをではないですけれども、上限制限を、ですからそれは免除の下限というか責任の上限というか、同じことを言っているわけですけれども、なぜそれを急がなければいけないのかはやはりわからないという。 先ほど井上委員の方からもありましたが、経営を萎縮させるという批判が代表訴訟にあるというふうにも言われておりますが、ただ実際の裁判例では、裁判所が経営陣の責任を認定したのは談合や総会屋への資金供与などの違法行為が多いわけで、真っ当な経営を心がける限りいたずらに恐れる必要はないと考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 確かに、正しいことをやっているという神様みたいに自信を持ってできるのが人間の立場であれば、それはおっしゃるとおりだと思います。しかし、先ほど委員が御指摘になったように、軽過失と過失がないケース、重過失との間はなかなか判断が難しいと言われました。非常に複雑な法制化において、しかも国際的な法律、法制もよく知悉した上、さらにいろんな経営上判断しなきゃならない事情を総合して適切な経営判断をしていくということは並大抵でないんです。 先ほど申し上げたように、国際的な規模で大きな営業活動をやっている会社などは、損害も発生するときは巨大だし、もうかるときも巨額なんですよ。そういうふうに利益追求をして、ひたすら日常起こる経営判断をする経営者の判断というものは、やはり悪意とか重大な過失まで、それは全員の株主の同意がないと軽減できませんよというところに置くのはよいとしても、軽過失について、その点についてはよく工夫をして、責任軽減についても全員じゃなくていいよ、多数の株主が、三分の二以上の特別決議の株主が賛成するならば、株主自身の会社の経営というものへの参加権もあるわけですから、決定権もあるんですから、そこは株主主権という立場からいっても、今度の制度改正は決して公正を欠くものでもなければ、いたずらに代表訴訟の力を衰えさせるものでもない、むしろ個人で負い切れないような巨額な訴訟リスクに対して適正な仕組みを我々は用意したと、そういうふうに考えております。
○福島瑞穂君 諸外国で上限設定、下限責任と言ってもいいですが、外国の例はどうなっているのでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) それは主としてアメリカの例でありますけれども、定款により一年分の報酬まで制限できるというのが、かなりの州でそういう制度になっているかに聞いております。場合によっては、その下限の制限がなく、全額免除できる制度の州もあるかに聞いております。 詳しく申し上げますと、アメリカの各州の会社法において、全米五十州のうち四十八州及びコロンビア特別区において株主代表訴訟に関する取締役等の責任の軽減規定を設けておりまして、このうち、デラウエア州やニューヨーク州を初めとする少なくとも三十九州では、会社が取締役等の責任をあらかじめ減免することができる旨の定めを定款に置くことも認めており、またオハイオ州を初めとする数州では、州会社法の規定により、直接一定の理由がある場合には取締役等の責任が減免されているところでございます。
○福島瑞穂君 定款の規定により取締役会決議で責任を免除することは先ほども問題になりましたけれども、ちょっとやはり株主総会を、裁判に提訴することで経営をかなり合理化させる、外からのチェック機能を働かせると見るのか、会社の内部に着目して主権者の中の多数決である程度免除をするのかという、そこの見方の対立が根本的にはあるような気がします。 例えば、立法者にお聞きをしたいんですが、代表訴訟制度は経営にめり張りをつけるというふうな言い方もあります。つまり、回収の見込みがない乏しい融資や危険な出資に関して代表訴訟に耐えられないとの理由で見るとか、将来、株主代表訴訟がこうやると提起される可能性もあるからこういうふうに合理的にやろうというふうに、経営にめり張りをつけるという言い方もされているわけです。 そういう意味では、株主の中で、定款で例えば取締役の決議で免除できるというよりは、もう少し、日本の場合は企業の中になかなかメスが入らないので、そういうことは若干問題があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 確かに、企業活動のコンプライアンスということは非常に重要であり、経営の判断の妥当性というものもとても大切なことだと思いますから、そういうことを株主がチェックできるということは非常に重要な役割で、確かに株主代表訴訟が提起される可能性を頭に置いて経営の適正を慎重に、あるいは妥当性を慎重に検討するという機能は十分働いていると思います。 ただ、それが過ぎたるは及ばざるがごとしということもありますから、やはり両方の調和を、いろんな理念の調和を適切に図ることが法の、制度の仕組みとしては大切なことで、一般的に言って恐縮ですが、我々は先ほどからるる申し上げておりますので、今回の改正は適切な改正だと思っておるところでございます。
○福島瑞穂君 外国の不良債権の処理に関して、御存じのように、アメリカやその他の国で経営者の責任が厳しく問われていると、ホワイトカラー層の経営者の人たちがかなり刑務所に行ったというふうに報道をされています。 それに比べて、日本の場合はやはり経営者の責任が問われにくい。不良債権問題などいろいろあっても責任が問われてこなかったという面があって、株主代表訴訟の一定の意義というのは実は大変あると。 この間、それで、責任の上限を決める、免除の下限を決めることがやはり株主代表訴訟を弱くするというふうに社民党は考えておるのですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(保岡興治君) 株主代表訴訟だけが経営判断の妥当性や、それから適法性をチェックするシステムではなくて、ほかに、それが犯罪であれば、これは当然のことながら背任とか詐欺とかその他の刑事罰を受けるということもありますし、それから何よりも会社の信用を損ねて会社の業績が後退していくという、社会、市場の批判を受けるということもありますし、いろんな角度からチェックするので、株主代表訴訟だけでぎりぎりすべての答えを求めるというのは私は無理があると存じます。
○福島瑞穂君 もちろん、株主代表訴訟だけでではありませんが、株主代表訴訟の日本の社会における意義というものは実は大変大きいものだというふうに考えております。 今回の改正の前提として、やはり経営者の責任をきちっと追及する、あるいは経営者の報酬などの、取締役の報酬の開示は最低の条件だと考えております。 残りの時間、ちょっと別の質問をさせていただきます。 まず初めに、過剰拘禁の問題についてお聞きをしたいと思います。 今、どこの刑務所も過剰拘禁で収容率が一〇〇%を超えていると言われております。過剰拘禁になっているが、犯罪の発生がそれほどふえていないのになぜ過剰拘禁になっているのか、その御説明をお願いします。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 今、委員が御指摘になりましたとおり、行刑施設の収容率は全体として一〇〇%を超え、特に刑務所につきましては一〇八%くらいになっておるということでございます。 この原因、要因は何かというお尋ねですけれども、矯正という立場から申し上げますと、行刑施設における収容人員の急増は、主として新受刑者の増加、特にこれまでに受刑した経験のない初入の新受刑者の急増によるものが多いのではないか。これに加えまして、犯罪の凶悪化を反映した刑の長期化傾向等も要因の一つになっているのではないかと、そういうふうに考えております。
○福島瑞穂君 今、二つの理由をおっしゃったんですが、犯罪が重大凶悪化しているということには実証的な根拠はあるのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 刑事司法全体にわたる統計を分析したわけではありませんが、矯正の立場から見ますと、新受刑者、その数、それからどんな罪名で来たのか、またその刑期はどうなのかというのはきちっと統計をとっておりますので、そういった数字からただいま申し上げましたような分析をしたわけでございます。
○福島瑞穂君 新規で入る人が多いというのは法務省から説明を聞いているのですが、具体的にどういうことでしょうか。つまり、過剰拘禁の原因と背景について、もう少し詳しく教えてください。
○政府参考人(鶴田六郎君) 数字で申し上げた方が的確かと思いますが、新受刑者につきましては、今から五年前の平成八年につきましては二万二千四百三十三人だったのが、平成十二年には約五千人ふえまして二万七千四百九十八人になっておると、そういった数字が出ているわけであります。
○福島瑞穂君 失業とそれから新規で入る人との関係というのはあるのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) ちょっと、失業との関係。 これは大変難しい問題ですので、正確なところはちょっと責任持って申し上げられませんが、非常に長いスパンで見ればある程度、失業率が高まるときには若干の、二、三年のタイムラグが出てきておりますけれども、収容者数がふえるという大まかな傾向というものは、先ほど言いました新受刑者の数字の推移からそんな感じはしております。
○福島瑞穂君 検察官の求刑や、判決における執行猶予率の推移や量刑の分析までさかのぼって分析が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) ただいま御指摘のあった件につきましては、犯罪あるいはその処理をめぐっていろんな意味で調査あるいは統計の結果等を公表しているところでございますが、その中に執行猶予率でありますとかそういうのもあるわけでございます。 執行猶予率を参考までに申し上げますと、平成五年までは五〇%台でありましたが、平成六年以降は六〇%台で大体推移しているという状況でございます。禁錮につきましては、懲役に対するものよりもさらに執行猶予率は高く、九〇%台で推移しております。 それから、例えば検察官の求刑につきましては、これは委員御案内のとおり、個々の事案における事情を考慮いたしまして、その上で決めているものでございまして、それが従前より重くなったかあるいは同じようなものかということについては、事件の個性もかなり影響いたしますので、一概に申し上げることは困難であろうかと思っております。
○福島瑞穂君 日本も受刑者の数がふえておりまして、アメリカも、御存じ、一九八九年には百万人の受刑者が現在は二百万人を超えるというように、短い間に倍になっているという状況があります。 過剰拘禁の対策としては、施設をふやすことだけではなく、刑罰を重罰化させない、あるいは自由刑以外の代替刑の導入や仮釈放の推進など、拘禁自体を減らす対策が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) もちろん、御指摘のようないろんな対策ということもさまざまな角度から検討をしていく必要があることはそのとおりと思いますけれども、一つ御理解いただきたいことは、ここのところ刑法犯等も含めて認知件数が非常にふえてきていることは事実でございますし、強盗でありますとか殺人とか、こういう重要犯罪につきましても増加傾向にあるわけでございます。 そういう意味で、犯罪の絶対件数というのもやはり増加しているという実態は踏まえなければならないわけで、これに対して、適正な刑事の機能を発揮させるという観点から、やはり刑事制裁について処罰すべきものは処罰するということも、これが基本であるということは御理解をぜひいただきたいと思います。
○福島瑞穂君 再犯防止に力を注がなければ、やはりどうしてもどんどんどんどんふえていくと思いますが、薬物犯罪の再犯防止のための講義形式以外のカウンセリングやグループディスカッションなどの特別なプログラムはどの程度実施されているのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 平成十一年しかちょっと把握しておりませんので、その年度の実施状況について説明いたしますけれども、平成十一年度に覚せい剤を初めとする薬物乱用防止教育を実施した全国の七十一庁の行刑施設中、その指導カリキュラムにおいて集団討議を取り入れた施設は五十五庁、これは全体の約七七%です。それから、個別面接を実施した施設は十七庁、全体の約二四%になっております。 次に、薬物乱用防止教育の指導方法につきましては、いわゆるロールレタリング、これが十庁、ロールプレーイング、これが八庁、それが取り入れているということで、それぞれの対象者の特性に応じていろいろ工夫しているということです。
○福島瑞穂君 再犯の防止、社会復帰のためには、家族の面会、通信をふやして社会復帰を援助してくれる友人との面会や通信も奨励する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 受刑者の面会につきましては、監獄法令等によりまして累進処遇の段階ごとにいろいろ、例えば一級であれば随時、二級であれば週一回、三級の者は月二回、四級の者等は月一回とそれぞれ定められておりまして、刑務所長は、その個別的、具体的状況に応じまして、教化上必要があると認めたときには、その制限以外、制限を超えて面会も許可するというふうな取り扱いになっております。 ただいま申し上げたように、面会の場合、親族、保護者ということに限られておるわけですけれども、これについても刑務所長の具体的状況に応じて、先ほどと同じような教化上の必要等に応じまして例外的な措置もやるという建前になっておりますので、今後とも円滑な社会復帰等も十分考慮して適切に対応していきたいと思います。
○福島瑞穂君 前向きの答弁、ありがとうございます。面会、通信をふやすことと、例外的としても友人との面会や通信もぜひぜひ奨励して頑張ってください。 再犯防止のために出所者の住居と職業の保障が急務となると思います。満期出所者の住居と職業の保障に関する生活保護行政、職業安定行政との緊密な連携が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 満期の釈放者につきましては保護観察の対象とはなりませんが、本人からの保護の申し出がありました場合には、犯罪者予防更生法及び更生保護事業法に基づきまして更生緊急保護の対象となります。 この場合、保護観察所が食事や衣料の給与、医療援助、家へ帰るための旅費の支給を行うほか、更生保護施設に委託して宿泊所の供与の措置をとっております。また、保護観察所、更生保護施設におきましては、福祉機関や公共職業安定所等の関係機関と連携しながら、満期出所者の職業のあっせんなども行っております。
○福島瑞穂君 ぜひ再犯防止のために職業安定行政などとの緊密な連携を今後もよろしくお願いします。 では次に、認書、認める書と書く手続についてお聞きをします。 認書のために独居拘禁とされた例があるようですけれども、その法的根拠は何でしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) お答えいたします。 この認書というのは、行刑施設の現場で実務上使用されている言葉じゃないかというふうに承知しておるわけですけれども、一般的には、例えば受刑者が裁判所、検察庁あるいは行政機関等に裁判・法律関係に関する書面を作成することを通称、認書と言っております。 この認書なるものは、今申し上げたように裁判・法律関係の書面を作成することですので、そのことのみを理由といたしまして独居拘禁にするということはしていないわけでありまして、それぞれ、その当該受刑者の所内での状況とか、他の受刑者との折り合いがうまくつかないとか、その他のいろいろの点がありまして独居にするか雑居にするかというその基準で決めているということで、認書だからということでやっているわけではありません。
○福島瑞穂君 認書のために独居拘禁とされたという訴えがあったものでお聞きをしました。ちょっとこちらとしてもまた調査をしてみます。 認書の対象とされる文書についても、情願申し立て、情けの願と書きますが、情願申し立て以外は検閲をするのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 検閲いたします。
○福島瑞穂君 例えば、もし万が一刑務所の中で虐待か暴行を受けたとして、それが検閲をされるとすると、例えば証拠隠滅をされてしまうとかそういう問題もあると思いますが、人権侵害の訴えなどについては検閲をしない、そんなことはできないのでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 認書につきまして検閲する根拠は、監獄法施行規則第百三十条一項に「在監者ノ発受スル信書ハ所長之ヲ検閲ス」という規定になっておりまして、法務大臣の情願書の場合につきましては当該収容されている施設には秘密にするという取り扱いになっておりますけれども、情願以外の認書につきましてはやはりこの規定に基づいて検閲するというふうになっております。 その目的は、不法な物品の授受等、刑務所の規律及び秩序を害する行為や逃走その他収容目的を阻害することを防止するとともに、発受信書を通じまして了知される事情を被収容者に対する適切な処遇の実施の資料にするところに目的があるわけであります。したがいまして、認書につきましても、このような規律、秩序を害する行為等の記載の有無を確認するため、やはり信書は必要ではないかというふうに考えております。 もとより、検閲により了知した内容をこのような使用目的以外に使うということはしませんし、またその内容につきましても、施設の処置に対する不服等であったとしても、それにより関係証拠を改ざんするとか隠滅するというようなことはないと確信しております。
○福島瑞穂君 人権救済のための第三者機関をどのようなものにするかということは議論があるところですが、私は、そのような例えば将来、人権救済のための第三者機関ができれば、その機関に対して、あるいは弁護士や司法機関に提出する文書は検閲してはならないとすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田六郎君) 将来の立法課題なのかもしれませんけれども、現在の監獄法の規定では、先ほど申した原則が、規定があります。それに基づいて適正に運用していかなければなりませんが、将来についてはそれ相応に研究していきたいと思います。
○福島瑞穂君 将来については研究していきたいという前向き答弁、ありがとうございます。すべて検閲しないと急にはもちろんできないと思うのですが、人権救済のための第三者機関や弁護士あるいは司法機関に提出する文書については、法務大臣に対してと同じように検閲してはならないと、将来ぜひ立法課題というか検討課題としてくださるように改めてお願い申し上げます。 次に、国際組織犯罪防止条約についてお聞きをいたします。 この条約について批准の予定はあるのでしょうか。あるとして、いつごろでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘の条約につきましては、我が国は昨年十二月に署名をしております。 この条約は、国際的に組織犯罪対策のための条約として非常に重要な条約というふうに認識されておりまして、当局といたしましても、その条約の批准を早期に進めるということが国際的に見て必要だと考えてはおりますが、現在、その内容について分析、あるいはいかなる国内法をつくるべきか、そういうことについて関係省庁とともに検討を行っていると、そういう状況でございまして、その批准あるいは法整備の時期について現時点で具体的に申し上げる段階には至っておりません。
○福島瑞穂君 今検討中ということですが、条約の批准のため、国内法の整備ですが、条約中のどの条項について新たな立法が必要と考えていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) この条約の主なポイントは、一つは重大犯罪の共謀あるいは犯罪組織集団の活動への参加の犯罪化、それからいわゆるマネーロンダリング、汚職、司法妨害などの行為の犯罪化、それから犯罪収益の没収及びその国際的な共助等々、さまざまなものがあるわけでございます。その内容は、したがいまして実体法の面と手続法の面、双方のかなり広範な分野の内容にわたっております。 この中で、既に我が国の国内法で担保されているものももちろんあるわけですけれども、そうじゃない部分、例えば重大犯罪の共謀あるいは犯罪組織集団の活動への参加、こういうような点につきまして、これに見合う処罰法規というのは我が国にはないわけでございまして、そういうふうな条約の内容と国内法で、それに照らして抜け落ちて手当てが要る部分、それがどういうところかということも含めて現在検討中と、そういうことでございます。
○福島瑞穂君 組織犯罪集団の認定についてどのような法的な仕組みを考えていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) これは、組織犯罪、犯罪組織集団、そういうふうなものに参加する、あるいはそういうものを結成するという犯罪をもしつくればそういう問題が起こってくることになるものであろうとは思いますが、その辺につきましては、先ほども申し上げましたとおり、具体的にどういうふうな国内法を整備すべきかということについては検討中でございます。 ただ、既にそういう結社罪と呼ばれる犯罪類型を持っておりますヨーロッパ等の実情を見ますと、もちろん検察官がその要件に当たる組織であるという証拠を提出して裁判所がそれを認定していくという刑事裁判の中での認定手続がとられていると承知しております。
○福島瑞穂君 この国際組織犯罪防止条約は非常に多岐にわたっておりまして、国内法の改正も問題となり得るところが非常にたくさんあります。また、表現の自由、結社の自由に対する重大な侵害をもたらすおそれがある文言も大変ありますので、ぜひ慎重に研究を進めてから対応をしていただくように要望したいと思います。 次に、テロ資金供与防止条約についてお聞きをいたします。 これを批准する予定はあるのでしょうか。あるとして、いつごろでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) この条約につきましては、委員御案内のとおり、米国の同時多発テロ事件を契機として国際的にもその早期批准が求められているという状況でございます。当省といたしましても、関係省庁と協力して関連する国内法の整備について鋭意検討を進めているところでございます。 この条約につきましては、去る十月三十日に日本も署名をしたわけですが、こういうことを踏まえまして、できる限り早期に締結できるよう鋭意作業を行っている状況でございます。
○福島瑞穂君 国内法の整備のため、どのような新規立法が必要と考えていますか。
○政府参考人(古田佑紀君) まだ詳細な具体的内容を申し上げられる段階ではございませんが、この条約の条文に照らしまして、テロ行為に関連する資金供与行為等の犯罪化、あるいはその資金の没収などとともに金融機関による顧客の身元確認義務及び疑わしい取引の届け出義務などのテロ行為を資金面から防止するための行政的な規制の導入、こういうことを考慮することも定められておりますので、国内法の整備としてはこういうような面に対応ができるように検討する必要があると考えております。
○福島瑞穂君 さまざまな権利と衝突する可能性もあります。国連における包括的テロ防止条約に関して、テロの定義について、正規軍を入れるのか、民族独立運動を除外するかなどが欧米諸国と第三世界の諸国で意見がまとまらず、起草作業が停止していると聞いております。 このような対立を見ると、アパルトヘイト下のANC、アンクや、民族独立運動を展開している東チモールのグループなどへの資金カンパも犯罪化されることになるのではないか。チベット独立運動についてはどうでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 特定の組織等を前提としたお尋ねについてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げました条約の内容に対応できるような整備が必要であると考えております。 なお、一点申し上げますと、このテロ資金防止条約と申しますのは、題名などにはテロリズムという言葉は使われておりますけれども、実際にどういう義務を各国締約国が負うかという犯罪化の条項その他におきましてはテロリズムあるいはテロ団体というふうな概念は用いておりません。むしろ、一定の類型に当たる犯罪行為に対する資金の提供を犯罪とすべきことが定められていると承知しております。
○福島瑞穂君 テロの定義や、それから国内法化した場合のさまざまな権利、経済活動との衝突など非常に問題がありますので、ぜひ慎重にしていただきたいと思います。 あと、国際社会から日本が早急に批准を求められているのは、自由権規約の個人通報制度を定める選択議定書ではないかと思います。 一九九八年十一月の自由権規約委員会の最終見解で選択議定書の早期批准が勧告をされております。なぜ早期に批准できていないのでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 条約の選択議定書批准に関しましては、第一義的には外務省の所管するところでございますけれども、法務省における検討状況についてお答え申し上げます。 国際人権B規約第一選択議定書におきましては、いわゆる個人通報制度が規定されているところでございます。この個人通報制度につきましては、この条約の実施の効果的担保を図るとの趣旨から注目すべき制度であるとは考えますが、他方において、司法権の独立を含め、司法制度との関連で問題が生ずるおそれもあると考えられます。この問題につきましては、今後の制度の運用状況等を見ながら、規約委員会の最終意見における勧告の趣旨も踏まえて真剣かつ慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
○福島瑞穂君 司法権の独立と選択議定書の批准は矛盾をしないと考えますので、ぜひ早期に批准をよろしくお願いします。 また、ヨーロッパ評議会からこの六月に死刑廃止に向けた具体的な前進を求められております。亀井静香先生が死刑廃止議員連盟の会長にもなられました。二〇〇三年一月までに前進がなければヨーロッパ評議会のオブザーバー資格を見直すという決議がヨーロッパ評議会の総会でとられました。現在、どのような検討を行っていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘のような決議が採択されたということは承知しているところでございます。 しかしながら、死刑制度の存廃の問題、これは基本的には各国においてその国のいろんな国民感情や犯罪情勢等を踏まえて慎重に検討して独自に決定すべきものと考えているところでございます。 我が国におきましては、国民世論の動向や昨今の凶悪重大犯罪を初めとする犯罪の発生状況等を考えますと、刑事責任が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に死刑を科することもやむを得ないと考えられるところでありまして、死刑制度を廃止することは適当ではないと思っております。 御指摘のような決議がなされたということは、これは率直に申し上げまして双方にとって大変残念なことと思っておりまして、今後とも欧州評議会のさまざまな活動に協力して友好関係を保ちながらも、死刑制度をめぐる議論に関しましては我が国の実情や考え方についてさらに説明、理解を得られるような努力を重ねていきたいと考えているところです。
○委員長(高野博師君) 時間です。
○福島瑞穂君 じゃ、ぜひ前向きに、人権問題についての条約の批准や前進をよろしくお願いします。
○平野貞夫君 自由党の平野でございます。 発議者の先生方にはお疲れだと思いますが、短時間で終わりますから。 通告した質問とちょっと趣旨が違いまして恐縮でございますが、この改正は三点あるということで、監査役の機能の強化、それから取締役等の責任の軽減に関する要件の緩和とか株主代表訴訟制度の合理化というふうに承っておりますが、この三点の改正でいわゆるコーポレートガバナンスの実効性を確保することができるんですか、保岡先生。
○衆議院議員(保岡興治君) 我々としては四、五年前からこの問題に取り組んで、各党、これは与野党ともできるだけ範囲を広げて参加してくださる方と一緒に勉強してまいりまして、私も昨年、法務大臣の時代に、就任直後に、従来のようにこれが終わったらこれ、これが終わったらこれというんじゃなくて、並行して一気に法制を進めていかなくちゃいけない、スピードと変化のついた企業法制を実現していこうということで、会社法の全体的な抜本的な見直しを法制審議会にお願いして、ことしの春にはそのための中間試案も出されました。 我々は、この株主代表訴訟の見直しや監査役の機能強化等のコーポレートガバナンス法案というのは、ずっとそれと並行してお互いに補完し合う形で進んできておりまして、我々の今回のコーポレートガバナンスに関する議員立法、そして来年の通常国会に出されるであろう会社法全体の見直しなど両々相まって、最近とみに企業活動というものの本当の活力、そしてまた同時にそれが、株主主権と企業の場合にはよく言われますけれども、そういった企業の民主化というか、そういったことを含めた大きな時代の変化というものに対応しつつ、企業の営業活動の妥当性、それからコンプライアンス、いずれも我々の努力によって適切に対応しているところだと思っております。
○平野貞夫君 自由党はたしか協議にも参加したと思いますし、この案に賛成という態度でございますが、けさからのお話を聞いてみますと、やはり拙速性というか、何か不自然さを若干私も感じるわけなんです。勘ぐった言い方で甚だ申しわけありませんが、慌てて議員立法するということのねらいの中に、一連の不良債権処理を早期にしなきゃだめだと、金融再生法の改正も議員立法でやっているという、そういう一連の現実的なねらいがあるんじゃないですか。ちょっとそこら辺、関係があるかないか。
○衆議院議員(保岡興治君) これは九七年の春前後から株主代表訴訟の問題点は非常に顕著になってきていて、それに対する議員立法の努力を開始したんですが、むしろそれを超えていろんな問題がどんどん起こるものですから、ストックオプションの一般化であったり、それから株式の消却の機動性を確保する取締役における株式消却であったり、そういった議員立法が先行するような形で、かつそこに九七年の秋には金融の危機が訪れて、九八年が、おっしゃるあの金融国会でございました。 そういう中で、むしろ次々に後回しにされて、やっと今日、日の目を見た。しかし、私が昨年、法務大臣になったときにもこれを私自身非常に重視しておりまして、議員立法の努力を引き続き仲間にお願いしつつ、先ほど申し上げたように、政府としても会社法の抜本改正をそれと矛盾しない形で並行して進めるということを努力してきたわけでございまして、先生の御指摘のようなことはありません。
○平野貞夫君 先ほど保岡先生のお話の中に、コーポレートガバナンスの社会的意義という、特に新しい社会情勢に対応するために、株式会社の社会的責任といいますか、そういったものに触れられたお話がありました。私もそのとおりだと思います。 そこで、けさからのお話を聞いてみますと、株式会社システム、制度のアメリカ化というような印象も受けますし、同時に、それでいいのかなという思考も発議者の中にあるということもわかるんです。 これは質問じゃないんですが、率直に言いまして、私はマネー投機資本主義という、もう非常に資本主義の行き過ぎがアメリカ初め日本の中にもある、そういうものが非常に人類社会をおかしくしている、今後の資本主義のあり方として非常に問題だと。ですから、コーポレートガバナンスというのは本来そういうところに切り込んでいくようなものも持つべきだと。今のところ、株主あるいは取締役、あるいはそういう会社のシステムの中をどうするかという範囲なんですが、本来、私は大げさに言えば、資本主義のあり方自身が、おかしくなったそういったもの自身が問われてくるんじゃないかという問題意識を持っております。私は、かなりやっぱり資本主義というのは変えていかなきゃだめだという意見を持っております。 そういう意味で、明治の初めに渋沢栄一さんなんかが唱えた道徳経済合一説といったものを政治のレベルで議論する、そういう日本の伝統的な、企業者活動における利潤追求の理念は経世済民の理念が必要であるとか、私的利益と公益はこれにかかわる人間の道徳を媒介として融合されるべきだというようなことを我々は日本人としてもう一度考えた上で資本主義の構築をする必要があるんじゃないかと、こう私は思っておるんですが、保岡先生のお話を聞いて、それで質問を終わります。
○衆議院議員(保岡興治君) 平野先生がいつも質問されるとどきっとするわけですけれども、本当に今グローバル化が経済の一つの当然の姿のように言われて、それに合わせるグローバリゼーションとの調和ということが一つの重大な命題にもなっていますが、しかしながら先生が御指摘のように、私はやはり市場原理というのは行き過ぎる場合もある。したがって、その勢いの赴くところ、混乱したり病むこともあり荒れることもある。そういう場合にどうやってそれを防いでいくかということをやはり考えなければならない。しかも、アメリカ基準で世界が統一されていくような流れが私は必ずしも決して絶対的な基準ではないし、もちろん最善の基準でもないだろうと、そういうふうに思います。 ですから、やはり我が国は我が国で経営のあり方、企業のあり方、こういったものを我が国独自の文化あるいは伝統、歴史の中から今日に照らして次の時代の経済のあり方、経済の基本的な物の考え方というものを求めていくべきだろうと思います。 そして、いろんな企業不祥事が次々起こると。これは何も、バブルで一億総自信満々になって、また一方で一億総自信喪失になって、その中に起こっている現象でありますけれども、私は、これは何も企業社会だけでなくて官僚の中にも起こっておるし、社会のあらゆる分野に起こっている現象ではないだろうかと。 建前と本音を使い分けたり、ルールというものと自己責任という、これから大事なテーマに対して我が国社会がどういうふうにこういったテーマに取り組んでいくべきかというようなこととかですね。私は、やはりそういう時代の大きな変化の中で我が国のあるべき姿を求めていく、そういった意味では、社会全体について共通なことでいえば、私は、国民意識改革を根幹からやらないと、この国は底を打たない、長期低落傾向に底を打たないと。 演説になって恐縮ですけれども、言いたいことは、スイスのダボスの会議を主催するビジネススクール、IMDですか、これが発表する国際競争力の比較を見ますと、十数年前日本がトップクラスだったんですね。これがどんどん落ちて、今このところ十七位、二十位、二十四位。二十六位、ことしは。そんな数字を見る。しかもその中で、大学の経済に与える影響は四十九カ国、これは比較すべき国を全部挙げて、世界で影響力のある国ということでしょうけれども、そのピックアップされた四十九のうちで一番びりだ、しかも政治のマネジメントも一番びりだと、こういうことでは大変だという意識を持たなきゃいけない。 そういう中で、やっぱり国民の意識改革というのを含めた、国全体がこういった社会のあり方について、公と私との関係とか、そういったことに非常にコントロール機能を持っていた伝統、恥の文化とか、あるいはもののふは名こそ惜しけれとか、さっき先生が言ったようなこと、そういったことが改めて問い直されているような時代ではないだろうかというふうに考えて、こういう立法も、起業家精神のチャレンジ精神、日本の企業の活力を国際基準において決してまさるとも劣らないものに整えていかなきゃならないということを一つの主眼に改正に当たったわけでございます。
○委員長(高野博師君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(高野博師君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋千秋君及び青木幹雄君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び西銘順志郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、商法等改正案外一案に反対の討論をいたします。 まず最初に、来年の通常国会に商法改正が予定されているにもかかわらず、会期末ぎりぎりに株主代表訴訟の制限という重大な内容を持つ議員立法を強引に押し込み、わずか一日、四時間二十分の審議で、参考人の意見を聞くこともなく成立させようとする暴挙に強く抗議をいたします。 そもそも、商法という基本法を一国会に二度も改正すること自体が異例であり、また本院には既に民法改正案の議員立法が提出されており、国民的要求から見ても早急な審議が求められていた課題でありながら、それをなおざりにして、経済界の要求のみを優先でごり押しすることは許されません。 本法案は、株式会社取締役等の法令・定款違反による会社に対する損害賠償責任額について、実際に発生した会社の賠償額の大きさに関係なく、一律に代表取締役についてはその報酬の六年分、取締役については四年分、社外取締役については二年分を限度に抑えることを可能にするものです。 一九九〇年代以降、我が国企業社会において経営陣の違法行為が相次いで露呈し、会社に大損害を与え、株主、従業員、債権者等に大きな被害を与えました。同時に、それらの事件は、大企業においても取締役らの違法行為が十分に監視されていないというチェック機能の不十分さもまた明らかにしました。 現状では、会社内部における自律的な監視機構は、株主総会の形骸化に見られるようにほとんど機能しておりません。また、外部からの監視システムとしての株式市場の公正さもアメリカ等と比べて極めて不十分であります。 その中で、株主代表訴訟は、九三年の法改正以後、取締役の責任追及と経営監視のための重要な手段として機能し始めたばかりであります。会社に社会的責任を果たさせる上で、違法な行為を行って会社に損害を与えた取締役を追及し、会社に損害を補てんさせる極めて有効な手段であります。今なすべきは、株主代表訴訟をさらに提訴しやすくすること、持ち株会社に移行した場合でも提訴できるよう法定すべきことであります。 ところが、経済界は、こうした代表訴訟を乱訴と言って敵視し、経営が萎縮するとの根拠のない理由で株主代表訴訟を制限するよう与野党に圧力を強めてまいりました。しかし、提訴件数、担保提供命令等の現状を見ても、経済界の言う乱訴の批判は全く当たりません。 本法案は、企業の社会的責任を果たせとの国民の声に背を向け、経済界の身勝手な要求のみを受けて強行されるものであり、許されません。取締役の責任を株主総会や取締役会の判断にゆだねることにより、お手盛りの決議がなされ、取締役らの責任軽減が進められることになるでしょう。 こうした問題点は、修正でも基本的には変わらないものであり、賛成することはできません。 以上で反対討論を終わります。
○委員長(高野博師君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高野博師君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高野博師君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会