法務委員会 第11号
- 発言数
- 88 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2001/11/29
会議録
○委員長(高野博師君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十八日、有村治子君及び角田義一君が委員を辞任され、その補欠として片山虎之助君及び山根隆治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に法務大臣官房司法法制部長房村精一君、法務省矯正局長鶴田六郎君、法務省入国管理局長中尾巧君及び厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高野博師君) 裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○千葉景子君 おはようございます。民主党・新緑風会の千葉景子でございます。 きょうは裁判官の育児休業法について、限られた時間ではございますけれども、何点か伺わせていただきたいというふうに思います。 この法律そのものは、私も、男女共同参画社会を築いていく、そして仕事と家庭との両立支援という側面から見ましても当然のことであろうというふうに感じているところでもございますが、やはり一般の労働者等とは異なり、裁判官というちょっと特殊な職種にかかわる問題でございますので、そんな観点から何点か質問させていただきたいと思います。 まず、今、私も、男女共同参画社会の構築、あるいはその大きなポイントでもございます仕事と家庭の両立支援というような側面で育児休業制度などが設けられるということであろうと理解をしておりますけれども、改めて裁判官という特質に着眼をいたしまして、裁判官の育児休業制度の趣旨といいましょうか目的、これについて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(房村精一君) どこまで裁判官の特殊性ということになるのかはちょっとわかりかねる点もありますが、裁判官の育児休業に関する法律を制定いたしました目的といたしましては、育児休業に関する制度を設けて子を養育する裁判官の継続的な勤務を促進し、もって裁判官の福祉を増進するとともに裁判事務等の円滑な運営に資すること、こういうことを目的としております。
○千葉景子君 それは法律の本当に目的でございまして、ただ裁判官とはいえ、やはり背景に流れているものは、今の社会の大きな流れと、そして男性も女性も裁判官といえどもやはりともに生活も仕事もきちっと責任を果たしていく、こういうことであろうかというふうには思っております。 ただ、裁判官の育児休業制度については、普通、民間労働者等は育児休業がいわば形成権という形になっております。これは、法的には雇用関係という中で育児休業を権利として請求できるという形になるわけですけれども、裁判官の場合には雇用関係という形ではございませんし、裁判官としての独立した権能といいますか、地位を持っているということもございます。 そういう意味で、裁判官の育児休業制度というのは、法的にはいわゆる形成権であるというような民間労働者の休業制度とは異なる法的性格を持っておろうかというふうに思うんですけれども、これはどういう法的なものになるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) 先生御指摘のように、民間労働者の場合には、期間を明らかにして事業主に育児休業を申し出ますと直ちにそれによりまして労務提供義務が免除され、また事業主の方の賃金支払い義務が消滅するという法的効果が生じますので、形成権というぐあいに解されているわけでございます。 これに対しまして、裁判官の場合、裁判官の裁判事務という性格から、最高裁判所の承認を待って初めて育児休業をとれるという構成をとっております。これは一般職の国家公務員につきましても、その公務という性格から、任命権者の承認を待って初めて育児休業をすることができるという構成をとっているのとほぼ同じ考え方でございまして、やはり職務の特殊性を考えまして、そのような形成権ではなく請求権として、請求を待ってそれを承認して休業の効果が生ずるという法的構成をとっております。 ただ、これは一般職の国家公務員もそうでありますし、裁判官もそうですが、育児休業の請求に対しては原則としてこれを承認しなければならないという法律の規定を置いておりますので、結果的には形成権と構成しても請求権と構成してもほとんど差はないのではないかとは思っておりますが、やはり雇用契約で結ばれている民間の場合と任命権者によって任命されているという公務員、これは裁判官の場合も特別職の公務員でありますので、その性格の違いからそういう法的構成の違いが出てきているのではないかと思っております。
○千葉景子君 よくわかりました。 今御説明がありましたように、法的には性格が異なりますけれども、やはり請求があった場合にはそれが十分に担保されるようにこれは具体的な適用の際にはしていただきたいというふうに思っております。 今お聞きしたように、裁判官の育児休業制度というのは民間の労働者の制度とは法的な性格も異なっているわけですね。こうなりますと、どうもこの間の育児休業制度等の経過を見ていると、横並びといいますか、民間の育児休業制度ができた、一般の国家公務員等にもその法制度ができた、じゃ裁判所も裁判官についてもつくろうやと、どうもそういう横並びという格好になっています。 むしろ、こういう裁判官という独立の職種、そしてまた法的にも別建ての制度であるとすれば、後から、向こうがやったからさてうちもということではなくして、裁判官の職務に着眼をした独自な、あるいはむしろ先駆的な両立支援策とか、あるいは本当に仕事に気持ちよく専念できるようなそういう体制整備は、別にほかを待ってやることもなくやっても何ら構わないというふうに思うんですね。 これはどうして順次横並びでようやく裁判官というところにたどり着いてくるんでしょうか。その辺はいかがなものですか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 御指摘のように、確かに裁判官の身分とか職務とかにつきましては、民間とはもちろん異なりますし、一般の国家公務員とも違った面があるわけでございます。今回のと申しますか、育児休業制度上も裁判官については他の公務員と違う取り扱いがされている点がございます。 ただ、そういう裁判官の地位、身分の特殊性というものがございまして、制度上に反映している点もあるんですが、子供を養育する職業人という立場を見ますと、これは裁判官も人の親でございまして、他の公務員や民間の企業の社員とそういう点では違わないんじゃないだろうかと。今回の改正の趣旨も、男女共同参画社会の実現に向けた動き等の最近における我が国の社会経済情勢にかんがみて、子を養育する国家公務員の継続的勤務を促進し、公務の一層円滑な運営等に資すると、これが立法の目的でございますけれども、そういう目的という点から見ますと、裁判官もやはり同じように当てはまるんではないかと、そういうふうに考えております。
○千葉景子君 私は、やることは大変結構だと思っておりまして、ほかを横目で見ながら待っておるんではなくて、裁判所としてもやっぱり積極的なこういう両立支援、そして男女共同参画社会の構築と、こういう点についてむしろ先駆的に取り組むぐらいのことがあってもよろしいんでないかと、こういう趣旨で申し上げたわけでございまして、今回の改正について決して悪いと言っているわけではございませんので、むしろこれからも大いに、横目で見るなどという、遠慮することなく、積極的な対応をとっていただけたらというふうに思います。 さて、この育児休業制度ですけれども、今度は一歳が三歳というところまで延長になりまして、育児休業の可能期間が長くなるわけですね。これに伴う休業者数の増加とか今後の見込み、どんなふうに変化をしていくか、このあたりはどんなふうに見ておられるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 今回の改正によりまして育児休業期間が延長いたしますし、それから経過措置で、既に育児休業を取得した裁判官が再度育児休業を取得するということも可能になりますので、そういったことで育児休業取得者が一定程度増加する、その期間も伸長される、長くなるということがあり得るわけでございますが、実際にどの程度の裁判官がこの新しい制度を利用するのかということをあらかじめ予測する、試算するということはなかなか難しい面がございます。 ただ、これまでの裁判官の育児休業の実績を見ますと、出産した裁判官数は過去五年間の平均で毎年十六名程度でございますが、そのうちほとんどの裁判官が育児休業制度を利用しております上、子が一歳に達する日の限度いっぱいまで取得する例というのはむしろ少なくなっておりまして、そういうことから考えますと、今回の育児休業制度の改正によって育児休業制度の利用者や育児休業取得期間が、一定程度は増加するということは想定されるわけですが、それほど急激に拡大するということにはならないのではないかなというふうに見ております。
○千葉景子君 なかなか予測といいますか、それは難しいことだというふうに思いますが、今お話がございましたように、むしろ一歳のところまでとるよりは、それ以降、いろいろなやはり子育てということで育児休業をとりたいという、そういうニーズも大変多いですし、それから資料を拝見すると、いわば出産年齢と言うとおかしいですけれども、二十代から三十代、こういう年齢構成の女性の裁判官などもやっぱりこれからも順次増加をしていく傾向にあるわけですから、当然、育児休業を取得される数も、ふえこそすれ、減るようなことにはならないんじゃないかというふうに思います。 そういう際のいわゆる代替措置とか、育児休業中の、あるいはそれをスムーズにとることができるような環境整備、こういうものについては、従来もやっておられるかと思いますけれども、より必要性が増してくると思いますが、その点はどのように措置されておられますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 育児休業の場合は、急な病気で休むというふうなことと違いまして、取得する裁判官があるかどうかという点、またその期間、いつからいつまで、どのくらいとるかということについてかなり早いうちから予定が立つということがございまして、そこで育休を取得することが予定されている、予測されているという場合には、その間の補充ができるようにあらかじめ人事上、手当てをしております。 今まで、育児休業の取得は毎年、先ほど申し上げましたように、十五名程度でありますので、ほかの裁判官への負担のふえ方というのも全体として見ますとそれほどではございませんし、裁判などの事務に支障を来すことなく今までは対処してきたところでございます。そのためもありまして、先ほど申し上げましたように、出産した裁判官のほとんどが育休を取得しております。 そういう意味で、育休をとりにくい環境にあるということはないと思いますが、しかし今回の改正によりまして、育児休業の対象となる子の年齢が三歳未満に延長されるというふうなこととか、御指摘もありましたように、女性の裁判官がふえてくれば取得者もふえてくるだろうというふうなこともございます。 今後、育児休業を取得する裁判官の職務を、代替的な措置としてどういうものが考えられるか十分検討いたしまして、裁判運営などに支障がないように遺漏なきを期すとともに、育休を取得しやすい環境整備を行っていきたいと考えております。
○千葉景子君 一般的に当然のお答えだというふうに思います。 やはり、こういう育児休業等もスムーズに取得をできるようにする一番根底には、裁判官がぎりぎりの数で仕事をしている、それでもう本当に何件もたくさんの事件を抱えて四苦八苦するというのではなくして、やはり十分な人数、裁判官の増員、そして少しゆとりを持って仕事の体制ができているというようなことが最終的には最もその環境整備にもつながっていくものだというふうに思いますので、ぜひいろいろな知恵を絞っていただくと同時に、これまでも努力はいただいておりますけれども、裁判官のより一層の増員なども心がけてその環境整備に努めていただきたいというふうに思います。 さて、育児休業については、復帰後の待遇といいますか、これが一つ問題になろうというふうに思います。 裁判官の場合には、例えば育児休業を、三歳までですから、長い、数年、育児休業をとったと。そうすると、例えば十年間の任期の後に再任をされるとか判事補から判事になる、こういう際の、何というんでしょうね、この育児休業を取得したことが何か影響するというようなことはありますか、ありませんか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 裁判所法四十二条で、判事補などの職にあった年数が十年以上あるということが判事の任命資格になっておるわけですが、これはあくまで判事任命の必要条件ということでございまして、判事に任命するかどうかということは、最終的には本人の能力、適性、その他すべての事情を総合的に判断して、判事としてふさわしい経験を積んでいるかどうかということを考えて決められるというものでございます。 今回の改正で育児休業期間が延長されたということで、育児休業をとったということがありましても、その育児休業を取得したこと自体で、それが判事任命資格に、今申しましたような資格で影響するということはないわけでございますけれども、ただ、例えば判事補の十年の期間のうち相当な期間、相当な年数を育児休業を取得して判事補等の、法曹等の仕事に従事していないというふうな場合には、先ほど申し上げましたような判事に任命されるにふさわしい経験をしているかどうか、積んでいるかどうかというふうな観点から審査を受けて、そういう点で判事に任命されないということがあり得るということはこれは否定できないのかなと思います。 ただ、判事の任命のあり方それ自体について、考え方についてこの法改正で変わるということではございませんで、今申し上げましたことはあくまでも判事への任命のあり方という点の問題であるというふうに考えます。
○千葉景子君 またそこは大変微妙なことがあろうかというふうに思うんです。育児休業をとったこと自体で確かに任命されないということには、理由にはならないということですけれども、今おっしゃったように、判事補としての経験とか実務経験みたいなことになると、やっぱりそれが影響をする結果になってしまうんじゃないかということを危惧するんです。 ただ逆に、やはり育児に携わり、あるいはそういうある意味では社会で、そして家族としての経験を豊かにしたということも、またこれは裁判などをするに当たって、人と人の問題を裁いたりするわけですから、そういう意味では一つのまたこれが豊かな経験であったりする、そういうことも可能性があるわけですね。 ですから、なかなかここは微妙な問題になると思いますので、ぜひ、やっぱり育児休業をとって、確かに裁判所で実務をとるということでは年数が少なくなるということはあろうかというふうに思いますけれども、やっぱり育児休業をとっての間のまた別な意味での経験なども十分に考慮いただいて、育児休業をとったということが任命に結果的には不利に働いたというようなことになりませんように、そこは十分に配慮、注意をしていただきたいというふうに思います。 さて、気になったのは、別に気になったというのも変ですけれども、資料によりますと、これまで数も確かにまだまだ少ないものでございますし、母数も少ないということもあるかもしれませんけれども、男性裁判官については育児休業の取得がこれまでの統計ですとゼロということになっております。その後の実情はどうなっておるでしょうか。 それから、ただ男性がとればいいというふうには私は思いませんけれども、やっぱりどうもなかなか、一般の育児休業もそうですけれども、裁判官についてもなかなかちょっととりにくいのかな、何かそういう状況というか背景があるのかなという気もいたしますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 前に御説明したときにはまだ男性でとった者はおらなかったということであったかもしれませんが、最近一人、男性の裁判官で育児休業を取得した者が出ました。 男性の育児休業取得者が少ないということにつきましては、これは制度上ではないいろいろな要因、理由、社会意識とかいろいろあるんだろうと思いますが、特にそういう点について調査をしているということではございませんので、個々の家庭の事情などにもよるんだろうなというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても私どもとしてしなきゃいけないのは、育児休業を男性であれ女性であれとりにくくないようにいろいろ環境整備をしていくということであると思っておりますので、その点は男女を問わずとれるようにということで努力していきたいと思っております。
○千葉景子君 先ほどの問題ともかかわりますけれども、やはり育児休業をとったことが何か将来の昇進といいますか、いろんな処遇に多少なりとも影響をするんじゃないかななどという危惧を持つとなかなかとりにくいものでもございますし、特にこれまでの社会の常識からいうと男性の方がそういう意味ではよりそのプレッシャーを強く感ずるのかもしれませんし、これは男性、女性問わずしてとりやすい環境整備というものをぜひ整えていただきたい。ただ、取得者一号が出たということは、また後進に何か少し窓口がといいますか、開いていくのではないかなという感じもいたします。 さて、その環境整備という意味で、これから裁判所なども、裁判官のみならず、当然、職員の方もいらっしゃるわけですし、また考えてみると、将来は、これは今後の議論の推移ですけれども、市民参加、裁判員制度のようなものも提唱されている昨今でございますので、やっぱり裁判所自体が男性にも女性にも使いやすいといいますか、そこがいろいろな活動をしやすい場である必要が当然あるというふうに思うんです。 これは育児休業制度ばかりではございません。一つ、私はびっくりしたというか、ああ、なるほどなと思ったことがありまして、それは、私は横浜なものですから、横浜地裁が新庁舎ができまして、今なかなか裁判実務で伺うことはないんですけれども、機会を見ましてどのような構造になっているか拝見をさせていただきました。そこで、初めてびっくりしたんですけれども、まだ来庁者も少ない時間でございましたので男性の方のトイレも拝見をさせていただきました。そうしたら、そこにベビーベッド、おむつを取りかえることのできるようなそういうものが置かれておりまして、ああ、なるほど、女性のところだけではなくて男性の方にもそういうものが置かれているということは、やっぱり来庁した人、あるいは男性でもお子さんをしょって、抱えて、いろいろなその場に来られる人もあるということを配慮したものかと、これはなかなか感心をしたところでもございます。 そういう意味では、こういうことも、本当にささやかかもしれませんけれども、やっぱりこれから裁判所自体も、男性、女性それぞれが本当に共生の社会ということを全うできるようないろんな環境整備にさらに努めていただきたいと思いますけれども、そんなあたりのお考え方を聞かせていただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 御指摘のように、横浜地裁では、女性のトイレだけでなくて男性のトイレの方にも、トイレを利用する間に子供を座らせておく設備だそうですが、そういうものを設置したと聞いております。 今後とも、そういった点につきましては、各庁舎の実情を踏まえて、子供連れの来庁者に配慮した設備など利用者のニーズに応じた施設整備に努めていきたいと思っていますが、そのほかにも、委員から御指摘がありましたいろいろな観点で、働きやすい、あるいは利用者に利用しやすい環境整備に努めてまいりたいと思っております。
○千葉景子君 きょうは細かくあれしませんけれども、例えば育児休業はできるようになりました。例えば、女性の裁判官そして男性の裁判官、あるいはカップルで裁判官をやっておられるというような方もおられたりして、そうなると、ひょっとしたら裁判所に託児室とか保育のちょっとした保育室があったりするとこれからはよくなるんじゃないかなとか、こういうことも私は感じたりいたします。なかなか一つの裁判所で一つ保育室をというのは大変なことかもしれませんけれども、そういうことなども今後やっぱり念頭に置かれていろいろな環境整備に努めていただきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、こういう男女共同参画社会の推進ということで、これは大臣も、もう何度も何度もで大変恐縮でございますけれども、やっぱりその大きな一つとしての選択的夫婦別姓制度、これは機が熟してきたのではないか。新聞等の社説等でもそういうことが指摘をされる昨今でもございますので、私たちもこの国会で大臣の方から法案の御提起があるのかなと大変期待をいたしておりました。大分終盤まで、あと会期末まで限られた時間になってしまいましたけれども、ぜひこの国会もあきらめることなく、そして、新世紀一年目でちょっと難しかったかもしれませんけれども、二十一世紀スタートをするに当たって、ぜひ来年には必ずこれが実現方できますように、大臣に改めてお願いも、そして御決意も新たにしていただければと思っておりますが、御見解をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) おっしゃいますとおり、大分世の中の御理解も進んでまいりまして、政府提案をいたしますのに重要な要素であります自民党の中でも大分ためらう方が多かったんですけれども、だんだん理解していただけるようになったと感じております。きょう、あした続けて法務部会がまたあるということでありまして、どのような展開になりますかわかりませんけれども、一歩ずつじりじりと進んでいるということは何となく感じております。 会期末まで残り少のうございますので、今回はちょっと難しいかなという気持ちも確かにございますが、最後まで希望を捨てないで頑張っていきたいと思います。 ありがとうございました。
○千葉景子君 ありがとうございます。
○浜四津敏子君 公明党の浜四津でございます。 本日は、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案についての質疑でございますが、その質疑に入ります前に一点だけ、緊急の件でございますので、質問させていただきます。 アフガン情勢はタリバン後の新秩序構築に向けまして動きが進んでいるようでございますが、まだまだ混乱が続いておりまして、いわば無政府状態が続いております。この難民の数の多さ、またその置かれた状況の悲惨さについては他に比べようがないほどのものであると言われております。 そうした中で、国連は本年九月二十四日、アフガニスタン情勢について、恐るべき規模の人道上の危機が高まっているという声明を発表いたしました。また、あわせて、人道上の大惨事を予防するため、あらゆる手段の国際的支援をと呼びかけました。アフガン難民、かつてない規模と言われております。かつてない規模の人道危機であると国連が声明を発表しているわけでございます。 国連難民高等弁務官事務所、UNHCRによりますと、アフガンから流出した難民の数は本年九月十日現在で約三百七十万人に及んでいるということでございます。人道的支援こそが日本が中心的に取り組むべき分野でありまして、UNHCRの方々の日本に対する期待も非常に大きいと伺っております。 これを受けまして、我が国もアフガニスタン難民支援のため救援に乗り出しておりますが、同様に、アフガニスタン国内における一連の政治・軍事的危機を逃れ、安全と援助を求めて日本に来た、いわば足元のアフガニスタン難民申請者の保護についても取り組みをする必要があると考えております。 先日来、新聞で広く報道されております難民認定申請中のアフガニスタン九名に対する我が国の対応についても多くの人が関心を持って見守っております。 これまでの経過を追ってみますと、十月三日に難民認定申請中の九名が拘束され、収容令書により収容されました。同月十九日、東京地裁において執行命令取り消し申し立てがなされて、十一月五日、うち四名につき申し立て却下、翌日、残りの五名につき執行停止を求める決定がなされまして、この五名は身柄を釈放されました。また、九名の難民認定申請については、十一月二十六日、九名とも不認定とされまして、現在、異議申し立てが準備されていると伺っております。さらに、現在も収容されている四名につき、十一月二十七日、退去強制令書が発付され、東日本入管センターに移された上、現在も収容されております。また、あとの五名についても、昨日、難民不認定の決定通知がなされたと報道されております。 今なお東日本入管センターに収容されている四名については、強制送還までの間、収容され続けるわけでありますが、アフガニスタン国内は政権が崩壊状態、また次期政権及び国の復興のための多国間会議がスタートしたばかりで、政治的、社会的混乱が終息する見通しが全く立たない状況にありまして、早期の強制送還は事実上不可能と考えられます。このような状況の中で、精神的にも肉体的にも既に限界を超えているとされる四名を収容し続けることは、人道・人権上大きな問題であると思われます。まずは仮放免により四人の拘束を解くべきではないでしょうか。 また、退去強制令書が出てしまいますと、送還されるか、もしくは延々と牢屋と同じ状況にある収容施設に拘束されたままになるということになります。政治的、社会的混乱の続く本国に送還することになれば、人々は現実に生命の危険にさらされることになるものと思われます。難民認定ができなかったとしても、せめて法務大臣の裁量である在留特別許可を出すことが人道上必要なのではないでしょうか。 また、昨日、法務省が、異例なことと言われましたが、記者会見をされて、なぜ難民認定がなされなかったかということについて発表されたようでございますが、難民認定そのものが全体的に日本は非常に厳しい、抑制的だということを常々言われております。これも人道上大変問題があるように思います。例えば、かつて来日したことがあるとか、日本で収入を得ているというようなことは、それが難民認定を不認定とする決定的な要因とは解しがたいと思うのですが、大臣、それらも含めまして、ぜひ仮放免あるいは特別在留許可という方向での解決が図れないものかどうか、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(中尾巧君) 仮放免の関係について、私の方から先に御答弁させていただきたいと思います。 収容令書等により収容されておる者につきましては、その者の情状等を考慮して、身柄の拘束を一たん解く必要が生じたときには仮放免することができるということにされておるわけでありますので、お尋ねの四人につきましても、その情状等を総合的に判断の上、個別に仮放免の可否を決定することになろうかと思いますが、現段階ではこれを許可すべきものと考える状況には至っていないというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(森山眞弓君) 先生が非常に人道的な立場を尊重して、仮放免あるいは特別在留許可というようなことはできないかとおっしゃっていただきまして、その気持ちは私もよく理解できるつもりでございますけれども、ただ在留特別許可というのは、今、局長も申しましたように、一人一人ケースによって随分状況が違いますので、その状況に応じて一人一人について判断をするということになろうかと思います。アフガニスタンの人であるからというようなことだけで単純に決めるというわけにもまいりませんで、その人によってケースが違うということを御理解いただきたいと思います。 アフガニスタンの情勢は大変流動的でございまして、これからはどうなっていきますか、この九人の人たちが難民申請をいたしましたのは八月ごろでございまして、八月の初めでしたでしょうか、それからわずかな間にも非常に事態が変化しております。これからもどうなっていくか、もう少し様子を見きわめないとわからないのではないかというふうに思いますし、個々の人によって事情が違うということもありますので、もう少し注意して検討していきたいというふうに思います。
○浜四津敏子君 森山法務大臣ですので、きっと人道的に深い配慮をされた御決断をされるものと期待しております。 それでは、本来の法案の質疑に入らせていただきます。 今回の改正案、裁判官の育児休業の対象となる子の年齢を現行の一歳未満から三歳未満に引き上げること、また経過措置としまして、既に育児休業を取得した者については養育する子が三歳に達するまで再度の育児休業を認めるなど、改善の方向で大いに結構だと思っております。 一般の行政職の公務員には国家公務員の育児休業等に関する法律というものがあります。裁判官についてこれと別の法律にするという理由はどこにあるのでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) まず、裁判官の場合、一般職の国家公務員と異なりまして司法府に属するという地位の特殊性、そしてその職務もやはり裁判官という相当の特殊性があるということがございます。そのことから、例えば裁判官には憲法上任期の定めがございまして、臨時的任用制度というものはとられておりません。一般職の国家公務員の育児休業法中では臨時的任用制度があるということを前提とした規定が設けられておりますので、裁判官についてはそういう点で異なった取り扱いをする必要がある。そのようなことから、裁判官につきましては国家公務員育児休業法と異なる別途の法律を制定するということになった次第でございます。
○浜四津敏子君 それでは、裁判官のほかに、国家公務員の育児休業等に関する法律の適用を受けない国家公務員にはどういうものがあるんでしょうか。
○政府参考人(房村精一君) ちょっと所管とは離れますが、国家公務員の中の特別職が一応外れるわけでございますが、ただ国会の職員の方につきましては国会職員の育児休業法が別に定められておりますし、裁判所の場合、裁判官以外の裁判所職員は裁判所職員臨時措置法で結局、国家公務員の育児休業法を準用しておりますので、内容的には国家公務員ほとんどの者が同じような育児休業の制度の適用を受けておりますが、それぞれ根拠条文が多少異なっているという関係に立っております。
○浜四津敏子君 先ほども千葉議員の方から裁判官の育児休業の取得状況についての質問がありまして、そのお答えが長い間ゼロということは、裁判官の育児休業に関する法律施行の平成四年以降長い間、男性裁判官についてはゼロで、ようやく最近一人と、こういう御答弁がありました。 なぜ男性裁判官はこれほど少ないのか、どこにその理由があるのか。この状況について、大変難しいさまざまな要因があるかとは思いますが、大臣、どんな御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) いろいろと環境は整ってまいりましたし、社会的な認識も進んでまいりましたので、最近は男性が育児休業をとるということもそんなに驚くような話ではございませんが、しかし何といいましても長い間、育児というのは女の仕事であるとか女の役割であるとかいう考え方が長く根深くございまして、その社会的な認識をさらに広めていく、改善を進めていくということが基本的に重要なんではないかというふうに思います。 私どもが最初に民間の企業に対する育児休業の問題を法制化しようということを話し合いましたときに、それはもちろん父母のどちらかが選択するんですという話をしましたら、そのとき同席しておられた何十人という男性の議員さんがみんなびっくりして、えっと驚かれたということを今でもありありと思い出します。 現在はそんなことはございませんが、なかなかそこのところの御理解をして、そして実際に実行なさるというのには相当の、初めての方は特に勇気が要るだろうと思いますし、周りの御理解も得にくいんではないかと。そのようなことからスタートが遅かったんだろうと思いますが、第一号が出たということで、これからは割合に進んでいくのではないかと期待しております。
○浜四津敏子君 裁判所法第四十条、下級裁判所の裁判官の任免の第三項で、「その官に任命された日から十年を経過したときは、その任期を終えるものとし、再任されることができる。」とあります。いわゆる判事補から判事への再任の規定でございます。 そこで、例えば三人四人の子供を継続的に出産してこの十年の任期中に育児休業をとった場合に、再任の際の扱いにそれは不利益扱いはされないのかどうか、裁判所にお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 御指摘がありましたように、裁判所法で判事補等の職にあった年数が十年以上あることが判事の任命資格になっております。これは、あくまでも判事任命の資格、必要条件ということでございまして、判事任命につきましては、先ほども申し上げましたけれども、本人の能力とか適性とか、その他すべての事情を総合的に判断して判事としてふさわしい人かどうかということで任命するかどうかを決めるということになるわけでございます。 お尋ねのように、育児休業期間が非常に長きにわたる、判事補の期間の非常に長い期間、育児に専念しておられるということになりますと、これは、先ほど申し上げました十年という資格の面では別に影響があるわけではございませんが、実際問題として、この十年ということ、法曹等としての経験を要求している趣旨の面から、実質的な面から判事に任命するにふさわしい経験を積んでいるかということで判事に任命すべきかどうかという場合に問題になるということは、これはあり得ることだというふうに思います。 しかしながら、今回の改正が我が国の重要課題である男女共同参画社会の実現に向けての環境整備の一環であるということを踏まえまして、こういう問題はこれからも対処していくべきものかと考えております。
○浜四津敏子君 以上で終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 男女共同参画社会の実現に向けて育児休業制度の拡充を図ることは当然であります。同時に、育休がとりやすい環境整備を進めることが不可欠だと思います。育児休業をとっても裁判官としての不利益にならないということを現実のものとすることと同時に、裁判官のいわゆる多忙化という問題の解消が必要だと思います。 この間、一定の増員がありましたけれども、例えば、いただいた資料によりますと、地裁の民事訴訟及び民事執行事件の新受件数、平成二年と十二年を比べますと、合計で埼玉は三千九百四十八件が一万九十四件、京都地裁は五千三十四件が九千九百七十八件と急増している中で、やはりまだまだ手持ちが多過ぎるという状況があると思うんです。 同時に、裁判官を支える職員の体制を整える必要がある。この点でも多忙化は一緒でありまして、政府の男女共同参画基本計画に基づく人事院の女性職員の採用・登用の拡大に関する意識調査が行われました。これに準じて最高裁も本年七月に調査をしていると思うんですが、女性が能力を一層発揮し、さらに活躍していくために必要な制度は何だと思いますか、この問いに、育児休業、部分休業、介護休暇、産前産後休暇、保育時間等既存制度の充実、こう回答した人は、人事院の調査では、管理職員で三二・五%、女性職員三九・〇%になっていますが、最高裁の調査はどうなっているでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) お尋ねの調査でございますが、女性が能力を一層発揮し、さらに活躍していくために必要な制度は何だと思うかとの問いに対する答えで、育児休業、部分休業、介護休暇、産前産後休暇、保育時間等既存制度の充実という回答をした者は、管理職においては五九・〇%、女性職員については六六・九%、さらに申し上げますと、裁判所の調査では女性退職者のグループも調査しておりますが、それは四七・〇%でございました。
○井上哲士君 もう一つ、その他、女性が能力を一層発揮し、裁判所等でさらに活躍していくために必要なことは何だと思いますか、こういう問いもあるわけですが、これで出産・育児期の代替要員の確保と回答した人は、人事院調査の結果では、管理職員が四六・四%、女性職員三八・〇%となっていますが、この点でも最高裁の調査はどうなっているでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) お尋ねの数字でございますが、人事院の数値に対応する数値を申し上げますと、管理職においては五八・四%、女性職員のグループにおいては五四・九%、それから、先ほど申し上げましたように、女性退職者のグループにおいては四五・五%でございます。
○井上哲士君 女性が能力を発揮する上で出産、育児の環境整備を望んでいるという数が他の国家公務員と比べて大変高いというのが今の数字で出ております。これは管理職員、女性職員とも同じ傾向です。裁判所職員の専門性が強いという問題もあろうかとは思うんですが、やはり何よりも人員不足の慢性化という問題があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 御指摘の項目については、いずれも人事院の意識調査よりも裁判所の意識調査の方の割合が上回っているわけでございますが、最高裁といたしましては、職員が安心して育児休業や部分休業等を取得し、仕事と家庭の両立が可能となるよう職場環境の整備に努めてきているところでございます。 なお、御指摘になったアンケート項目を対比した場合に、女性の能力の活用の程度などの点で裁判所の意識調査の結果の方が人事院のそれよりも高い数値を示しているというものも相当ございます。 裁判所の書記官、裁判所の調査官及び裁判所速記官におきましては、いずれも高度で専門的な知識や技能を必要とする資格官職でございますために代替要員の確保が実際上困難な面がありますけれども、職員の配置がえ、中途退職者や定年退職者を代替要員として臨時的に任用するなど種々の方策を講じておりまして、近時、代替要員の確保率も上昇しておりますなど、育休を取得しやすい環境整備に努めているところでございます。 なお、裁判所といたしましては、適正、迅速な裁判の実現のために、これまでも裁判官の増員など必要な人的体制の整備に努めてまいったところでございまして、現在の育休取得状況を見ましても、裁判所が育児休業などをとりにくい環境にあるとは考えておりませんけれども、今後とも必要な体制を整備してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 実際の職員の皆さんの実態をよく把握した上での御答弁かなと私は疑問を持ったんですが。 全司法の労働組合が毎年、大変詳細な出産者調査というのをやっておられます。最新の調査結果を見せていただきました。私が心配するのは、例えば妊娠中に何らかの障害があったと回答している方は年々ふえております。一昨年が四三%、昨年は五二%、ことしは六四%です。しかも、妊娠中に障害が出ても休めなかったという人は、昨年の一五%からことしは二八%にふえておるんですね。 いろんな声がついておりますけれども、これ以上周囲に迷惑をかけられないので耐えていたと、こういう声もあります。母親学級にも過半数の方が参加をできていないというのがこの結果です。迷惑がかかるので遠慮した、仕事が忙しい、少人数の職場なので気兼ねした等々なわけですね。 こういう実態については最高裁、御存じなんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 裁判所といたしましては、管理職に対しては妊産婦の事務量等には常に十分な配慮をしていくように周知徹底を図っているところでございます。事務量の調整等について管理職が責任を持って工夫をするなど、十全の配慮を行うように今後も指導を徹底していきたいと考えております。 妊産婦の方で具体的に障害が出てきてそういう申し出があるのに仕事を休めないというふうなことは、これはまずないものと考えておりますけれども、今後ともこの点についてはそういうことが起こらないようにさらに徹底を指導していきたいと考えております。
○井上哲士君 十分な配慮と言われましたけれども、同じ調査で、妊産婦でありながら休日出勤という方は一五%、持ち帰り一八%、残業に至っては四三%の人が行ったと回答しているんですね。特に、書記官の場合は八七%が残業していると回答をしております。 その内容を見ますと、調停が長引いたり急ぎの調書作成など、平日の残業では間に合わずに休日出勤などですけれども、中には、産休に入るために、日常業務をやりながら残務処理をやるということでこの残業、休日出勤というのがあるわけですね。 人事院規則では妊産婦の時間外勤務は原則禁止ということですから、事実上、サービス残業になっているんだと思うんですが、こういう事態については御承知されているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 妊娠のために通勤を緩和している職員の中で超過勤務を行ったという事例も一部にあったようでございますが、ほとんどすべての場合、母性保護の趣旨に沿った相応の措置がとられているものが多いというふうに認識しております。これまでも裁判所では、妊産婦に対して原則として超過勤務を命じないこととしておりまして、管理職に対して妊産婦の事務量等には常に十分な配慮をしていくように今後とも周知徹底を図っていきたいと考えております。 また、休日出勤や仕事の持ち帰りにつきましては、超過勤務削減の趣旨からいたしますと、仕事を家庭に持ち帰って仕事を処理するということは、男女を問わず、あるべき姿ではないと考えております。とりわけ、女性職員につきましては、母性保護や子供の養育等の負担が男性職員に比較して多いといった特有の事情もあると認識しておりますので、そのような実態があるのであれば改善するように指導していきたいと考えております。
○井上哲士君 調査でそういう事態がはっきり出ているわけですから、これは十分に改善の指導、そして裁判官も職員も安心して育休がとれるような体制の充実という点で一層の努力をお願いしたいと思います。 次に、男女共同参画社会を実現していく上で、裁判官への人権研修という問題についてお尋ねをします。 これは、国連の規約人権委員会からも勧告されるほどおくれている非常に重大な課題だと思っております。特に、きょうはジェンダーバイアス、性に基づく偏見という問題について絞ってお聞きをいたします。 今、女性弁護士が中心になりまして、この問題、司法におけるジェンダーバイアス、性に基づく偏見の問題に取り組んで、それを取り除くことの重要性を指摘しております。第二東京弁護士会の両性の平等委員会がこういう「司法におけるジェンダーバイアス」というパンフレットをつくられているのは、局長は御存じでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 私自身はまだ見ておりませんが、人事局の方では入手しております。
○井上哲士君 ぜひお読みをいただきたいと思うんです。大臣もお持ちかもしれませんが、後ほどお渡しをいたしますので、ぜひごらんになって御感想を聞かせていただきたいと思います。 このパンフの中でこう指摘しているんですね。「法制度が整っても、司法の担い手である裁判官自身がジェンダーバイアスを有しているために判決が偏向する、という結果が生じる」、「裁判等の法的場面での偏向は、人権の侵害に直結する問題であり、司法におけるジェンダーバイアスの有無を確認し、これをなくす取組みを推進することは極めて重要」、こう指摘をしておりますが、こういう指摘をどう受けとめていらっしゃるでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) なされました個々の判決の内容について事務当局として述べるということは差し控えざるを得ませんが、裁判官が人権やジェンダーの問題について正しい認識を持つということは非常に重要なことであるというふうに考えております。 裁判官は各自、自己研さんによりまして裁判官としてふさわしい人格、識見の涵養に努めておるわけでございますが、裁判所といたしましても、そういった自己研さんの一助とするために人権に関する多くの研修を設けまして、その中で、セクシュアルハラスメントでありますとかDVの問題でありますとか男女共同参画社会のあり方など、女性の権利保護または福祉に関する問題を取り扱っているところでございます。 今後とも、これらの問題の重要性にかんがみまして、裁判官に対するこの面からの研修をより一層充実させていくよう努力してまいりたいと思っております。
○井上哲士君 いわば、裁判官個人の問題ではなくて、やはり判決、司法への信頼にかかわる大変大事な問題だと思うんです。昨日、弾劾裁判で村木裁判官への罷免ということがありまして、大変この点での国民のまなざしは厳しいわけですね。 今、研修を行っているというお話でありましたけれども、この問題は、例えば女性の労働者の賃金差別とか雇用差別の問題の根底にも据わっている問題だと思うんです。ここを深く認識しなければ、公正な事実認定や厳正な裁判もできないと私は思うんですね。 今、研修のお話がありました。どういうタイトルでやっているかということを資料もいただいたんですが、これを見ますと、「人間関係について」、それから「現代社会における家族関係」、「子の監護をめぐる諸問題」、「民事裁判の当面する諸問題」、DV法の問題等ですが、どうもこの問題のとらえ方の幅が狭いんではないかという印象を私はこのタイトルを見て受けるんですね。もっと職場の問題、社会の問題なども含めた幅広い研修へと見直すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 今までも、国際人権規約あるいは日本国内の差別問題、セクシュアルハラスメントなど、社会的な見地から広く人権分野を扱う、そういう研修を行って、その中でジェンダーの視点を盛り込むというふうに努めてきたと思っておりますけれども、今後とも、ただいまの委員の御指摘を踏まえた上で、ジェンダー教育のさらなる改善を図っていきたいと考えております。
○井上哲士君 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 この問題での偏見が最も鋭くあらわれますのは、セクシュアルハラスメントとか女性に対する暴力の問題だと思うんです。ことしの三月に、上司の教授に性的関係を強要されたとして私大の元女性職員が男性教授を訴えた裁判の控訴審判決が仙台高裁でありました。判決は、セクハラそのものは認めましたけれども、原告も必死で抵抗しなかった、暴力行為による強要はなかったとして、一審の賠償額七百万円を二百三十万円に減額をしたんですね。 これにつきまして、作家の落合恵子さんが「セクシャルハラスメントとどう向き合うか」というブックレットの中で厳しい批判をされております。「この裁判長は、自分の娘が被害者と同じような恐怖にさらされたときも、「衣服がずたずた」でない限り、被害を認めないのか。傷ついてうずくまる娘に、「どうしてもっと必死に抵抗しなかったのだ。おまえのその態度に落ち度があったのだ」と加害者を擁護するようなことを言い、娘をさらに傷つけ、追い詰めるのだろうか。彼はセクシャルハラスメントの基準について、まったく知らないか、あるいは確信的に逸脱を選んだか、あるいは、社会の流れも、差別の歴史も、ひとの痛みにも残念なことに鈍感なひとだと言わざるをえない。」と、こういう手厳しい批判がされております。 やはり、司法の場では、こういう女性の視点からの批判を重く受けとめて反映をさせていく必要があると思います。そのためにも、研修も重要でありますけれども、裁判所全体をジェンダーの視点から見直していく、この取り組みが必要だと思います。 アメリカではタスクフォース、特別の委員会等を組みまして裁判官みずからがジェンダーバイアスの調査に乗り出しているわけですが、日本でも、弁護士会やジェンダーに関する女性の専門家からの意見も聞いて、総合的な調査と、そして検討をする専門の機関を立ち上げるべきだと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 裁判所といたしましては、男女共同参画社会の実現を目指す社会におきましてはジェンダーという視点がますます重要なものになっていくものと考えておりますので、今後はこのようなジェンダーの視点の重要性にかんがみまして、御指摘のようなジェンダーバイアス、男女共同参画の問題を調査検討する場などを裁判所内に設けることも含めまして、積極的に検討していきたいと考えております。
○井上哲士君 ぜひ積極的な検討をお願いします。 最後に、男女共同参画社会の実現に、こうした分野での取り組みについて大変造詣の深い大臣からの所信をお願いいたします。
○国務大臣(森山眞弓君) 基本的には、おっしゃいますような問題が社会全体としてまだ十分に認識を得ていないということにあるんだろうと思いますが、司法の世界も決して例外ではないというふうに思います。しかし、社会全体の中でこれから新しい時代をつくっていくためには、司法の世界というのは、指導的な立場と言っては言い過ぎかもしれませんが、非常に重要な役割を持っていると思いますので、そのような観点から、固定的な役割分担の意識を是正いたしまして、人権の尊重を基盤にした男女平等の意識を高めていくということは、二十一世紀の我が国社会の司法として非常に重要なことだと思いますので、御指摘を踏まえて努力をしていかなければならないというふうに思っております。
○井上哲士君 終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。 裁判官の育児休業中の代替措置などの環境整備の必要性についてまずお聞きをいたします。 代替教員という、言葉は変かもしれませんが、代替裁判官というのは存在していませんので、裁判官の休んだときの環境整備の必要性が大変あると思いますが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 一般の国家公務員につきましては、育児休業期間中の代替措置として臨時的任用と任期付任用の制度が設けられているわけでございますが、裁判官につきましては、憲法上の身分保障などの観点から、そういった裁判官、臨時的任用とか任期付採用の裁判官といったものを認めることができない、こういう制度を導入する余地がないわけでございます。 ただ、育児休業の場合は、急病で休むといったこととは違いまして、どの裁判官がいつ、どのぐらい、いつからいつまで育休をとるということはあらかじめ大体わかりますので、それに備えましてあらかじめ人事配置上の手当てをしております。これまでのところは育児休業の取得が毎年十五名程度でございますので、ほかの裁判官への負担のふえ方も全体として見ればわずかなものでございますし、裁判等の事務に支障を来すことなく対処してきたところでございます。 今回の改正等によりまして今後この問題がより重要になってくるかと思いますが、今後、これに対応する措置としてどういうものが考えられるか十分検討いたしまして、育休取得を容易にしつつ、裁判運営にも支障がないよう、遺漏がないようにやっていきたいと思っております。 裁判所としましては、これまでも事件数の動向等に基づいて必要な人的体制の整備を行ってきたところでございますけれども、今後、司法制度改革審議会の意見書に言っております裁判所における人的体制の充実の趣旨も十分踏まえまして、多種多様な要因を総合的に考慮して必要な体制を整備していこうと考えております。
○福島瑞穂君 育休をとりたくてもとらない多くの理由は、自分が休むとやはりみんなに迷惑をかけるということがあると思いますので、裁判官の増員の必要性はこの観点からも極めて高いと考えますが、そういうことでよろしいでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 先ほども申し上げましたように、増員の関係につきましては、これから裁判所としても十分な増員をしていくということを司法制度改革審議会に対する意見で述べているところでございまして、そういう点で努力してまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 現場の復帰なんですが、衆議院の議事録を見ますと、もとの裁判所に戻しているという答弁なんですが、これはもとの部に戻れるんでしょうか。今まで育児休業をとった裁判官の人たちはどのように職場復帰をしているのか、もう少し詳しく教えてください。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 復帰する場合に必ずもとの職場といいますか部へ戻るかどうかという点につきましては、これは必ずしもそうでない場合もあるかと思います。その間に育児休業をしている裁判官のかわりに他の裁判官が入って仕事をしておりますので、むしろほかの仕事へかわるということも大いにあり得るのではないかと。 それからまた、同じ裁判所へ戻るかどうかという点につきましても、若い裁判官ですと三年ごとに異動しておりまして、ちょうど異動期が来ているというときには育児休業から復帰すると同時に転勤をして新しい裁判所へ復帰する。特に、夫婦の裁判官などでございますと一緒に異動をして同居できるようにという配慮もしておりますので、そういう観点から必ずもとの職場へ、狭い意味でのもとの職場へ戻るということではございません。
○福島瑞穂君 現実に働いている女性たちは、育休をとってちゃんと戻れるだろうかということを心配している人も多いので、その点については育児休業をとったことが何ら、戻れないというような不安とかがないように、ぜひお願いします。 先ほども育児休業の男性の取得率について問題になっています。御存じ、日本は欧米、ヨーロッパに比べても男性の育児休業の取得率が一般的に大変低いのですが、きょうは厚生労働省に来ていただきました。一般的な育児休業の取得の状況、男性の育児休業の取得の状況を教えてください。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 平成十一年度女性雇用管理基本調査によりますと、育児休業を取得した者で男性と女性の比率を見ますと、女性が九七・六%、男性は二・四%でございました。非常に低い率であるというふうに思っております。
○福島瑞穂君 裁判官で育児休業をとった人は一人ということなので、もっともっとこれよりも、コアラやパンダ並みみたいで、これが早く、ゴキブリ並みとは申しませんが、一家に一件、犬猫並みになってほしいというふうに本当に思います。 厚生労働省は、一般的に男性の育児休業の取得を高めるためにどのような努力をされていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 育児休業取得者に占める男性の比率が低い、その理由は何かというふうに考えてみますと、まず育児は女性の仕事ではないかといったような固定的な役割分担意識が我が国の社会に根強いということですとか、あるいは家庭生活よりも職場を優先すべきであるという職場優先の風土がございますし、また大変長時間で忙しい働き方をしているといったような労働の実態もございます。これらが原因になって男性の育児休業の取得率は低いというふうに思われますので、これらの原因を除去するというのが対策ではないかというふうに思います。 今後、特に力を入れてやりたいというふうに思っておりますのは、この臨時国会で成立いたしました育児・介護休業法の改正案の中で、国が広報活動などの意識啓発活動をやっていくということになっておりますので、その中で特に男性の育児休業の取得を促進するような方向でやってまいりたいというふうに思っております。 もう一つは、この改正法案が成立いたしましたときに衆参の厚生労働委員会で附帯決議が付されておりまして、そこでは「男性の育児休業取得促進について調査研究を行い、有効な措置を講ずること。」とされておりますので、この附帯決議を受けて調査研究もしっかりやってまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 ノルウェーなどはパパクオータ制をとって制度的に男性の取得率を高める努力をしていますので、今後、育児・介護休業法の附帯決議に基づいて厚生労働省が前向きにぜひぜひ取り組んでください。 ところで、今のように厚生労働省が取り組んでいるのですが、ではお聞きします。最高裁判所は男性の育児休業の取得率を高めるためにどのような具体的な努力をしていらっしゃるのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) まずは育児休業制度について男性の裁判官が十分認識しているかどうか、認識していると思いますが、そういう点で啓発活動みたいなものがまず先になろうかと思うんですが、この点につきましては、裁判官になりましたときの研修で育児休業制度につきましては十分な説明をしています。それからあとは、私どもの方で裁判所側としてできますことはやはり育児休業をとりやすい環境を整えるということで、これは男女を問わず、そういう面で努力してまいりたいと思っております。
○福島瑞穂君 もう少し前向きに取り組んでいただきたいのですが。 先ほどジェンダーバイアスの話がありましたけれども、判決の中にジェンダーバイアスがあるのではないかという研究は大分進んできました。 その中で、転勤の判決例なんですが、有名な帝国臓器の事件、ケンウッドの事件などですと、帝国臓器の事件は川崎市にいる共働きのカップルで子供が三人いる、赤ん坊というか小さな子供がいる。夫に名古屋に対する転勤命令が出た。夫はその転勤命令を、名古屋に転勤するんですが、その転勤命令を争うという裁判が起きました。つまり、共働きで小さな子供を三人抱えているので、これがILO百五十六号条約、夫の家庭、私生活への権利、子供を養育する権利、妻の働き続ける権利、子供の父親に養育を受ける権利が侵害されているのではないかと争ったケースです。しかし、残念ながら、これは最高裁まで争って負けてしまいました。それは、妻が名古屋に仕事をやめてついていけばいいという判決なんですね。 私は、どうしてこんな判決が出るんだろうと思ったときに、裁判官の数多くのライフスタイルが比較的妻と一緒に三年置きに転勤をしていくというライフスタイルで、子育てというのにどれぐらいかかわっているのかという問題もあるのですが、転勤命令のさまざまな労働判例の中で、妻が仕事をやめてついていけばいい、あるいはケンウッドの事件ですと二時間かけて共働きの女性が通勤するという転勤命令が出て争われたケースなんですが、どうもその判決で出てくる結論と裁判官のジェンダーバイアスというのはやはり関係があるのではないかと思います。 先ほどから研修のことが出ておりますが、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアルハラスメントなどの研修はしていただいていて、DVに関しては保護命令を迅速に何件も出していただいておりますけれども、もう少しこのILO百五十六号条約、仕事と家庭の両立やそういう基本的な問題についての研修をぜひしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) ジェンダーの視点からの研修というのは非常にこれからますます重要になってくると思っております。 御指摘の点も踏まえまして、研修の充実に努めてまいりたいと思います。
○福島瑞穂君 一般の企業の男性の育児休業の取得率が二・四%、裁判所の裁判官の取得した人はまだ一人しかいない、一%をはるかに切っているという状況が、また今後国会で議論するときにぜひもっと上がっていることを本当に期待をいたします。 それで、衆議院でも出ているのですが、八年目の裁判官が三年間育児休業を取得する、あるいは九年目、判事補で育児休業を取得する人が多いでしょうからどうしても再任と重なってしまうというときがあるんですが、そうしますと、再任を間近にした裁判官はそもそも育児休業を極めてとりにくいというふうにも思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) まだお尋ねのような件については制度が始まって以来例もございませんし、確たることを申し上げるのはなかなか難しいことでございますが、先ほどから申し上げておりますように、形式的な資格という点では十年判事補をしていれば判事任命資格が出てくると。ただ、判事に任命される時点で判事にふさわしい資質、能力を備えているということが総合的に認められて初めて判事に任命されるということになるわけでございます。現に、仕事をしていない状態でその点をどういうふうに判断していくかということがなかなか難しい問題で、今からその場合はこうなるというふうに明確に申し上げるのはなかなか難しいかと思っております。
○福島瑞穂君 再任制度という制度の理解はあるのですが、ただ判事補で育児休業をとるとどうしても、多分我慢をするというか、絶対それにかからないようにとってしまうという問題があるので、ぜひ形式的答弁ではなく、この問題をどうクリアするか最高裁としても考慮をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) いずれにいたしましても、こういった問題につきましても、育児休業法の趣旨、それから男女共同参画社会の実現という、そういった観点を踏まえて判断していくべきものと考えております。
○福島瑞穂君 ぜひ前向きにお願いします。 育児休業をとったときに目に見える物すごい不利益は受けないとしても、例えば勤続年数の加算の問題に関して、育児休業をとった期間はすべて勤続年数にならないとか、ですから女性も男性も育児休業をとると将来発生する勤続年数や昇進、昇格に微妙に影響するのではないかと思ってついついとらないという問題があると思います。その点については裁判所ではどうなっているのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 育児休業取得者の復帰後の待遇の問題でございますけれども、育休制度の趣旨にかんがみまして、育休を取得しにくくなることを避けるために、ほかの育休をとらない裁判官に比べて不利にならないように運用をしているところでございます。 育休期間が今回延長されるということに伴って待遇上検討すべき問題は生じてくるという可能性はありますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の改正が我が国の重要課題である男女共同参画社会の実現に向けての環境整備の一環であるということを踏まえて対処していきたいと思っております。
○福島瑞穂君 育児休業をとった人たちのその後について、またぜひぜひ教えてください。 それと、部分休業の問題についてお聞きをいたします。 裁判官は勤務時間というものがありませんから部分休業という概念も国会議員と同じように生じにくいとも思いますが、ただ国会の中で、参議院の規則の中で産休の規定を置いたように、部分休業制度が裁判官で認められれば、半日休むとか、いろんな形でもう少し気兼ねをしないで休めるのではないかと思いますが、そのような制度についての検討はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) 裁判事務の中には、令状事務でありますとか保全処分でありますとか、緊急事態に直ちに対応する必要があるものも含まれておりまして、事件の適正、迅速な処理のために、夜間など一般職員の勤務時間外においてもこれに対処するということが要求される場合も少なくないことなどから、裁判官には勤務時間を観念するということが困難でございまして、法律上、勤務時間の定めがないということになっております。 こういったところから、現行法上、裁判官の育児休業制度において部分休業の制度が導入されていないわけでございまして、部分休業制度の必要性という事柄につきましてはなお慎重な検討を要するものと考えております。
○福島瑞穂君 ぜひお願いします。 先ほど、千葉委員の方から横浜地裁におけるチャイルドルームの話がありました。御存じ、家庭裁判所などには、東京家裁などには子供用の部屋があるわけですが、国会の中に保育室をつくろうと、国会議員、スタッフ、秘書あるいは傍聴に来られる人のために保育室をつくろうという動きも今出ています。 全国の裁判所の中で、保育室や例えば傍聴に来た人の保育ルームなどについてはどうなっているのでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(金築誠志君) その点については把握しておりませんが、ないのではないかと思います。
○福島瑞穂君 今、裁判所の職員の中にも女性が大変ふえていますし、傍聴に来る人や、赤ん坊を抱えて裁判所に行けない人たちもいます。国会で保育室ができれば本当にいいと思いますが、ぜひ裁判所でも、特に家裁は必要な場合もあると思いますので、保育所を設けるようによろしくお願いします。 先ほど、ちょっと言い直します。 男性の育児休業の取得がコアラやパンダ並みのように珍重されるのではなく、もっと当たり前に普通にとられるようになるといいと思いますというふうに言葉を訂正いたします。 最後に、先ほど育児休業を取得したことで不利益取り扱い、あるいは出世に響かないようにという要請を申し上げました。育児休業を取得することはむしろ、キャリアアップとは言いませんが、いろんな世界を見ることができるので、裁判所の方でも男性、女性を問わず、育児休業についての積極的な取り組みをお願いします。 私も、大先輩で均等法や育児休業法の成立に大変尽力されてきた法務大臣にこの法律を施行するに当たっての決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 大変御熱心な御審議をいただきまして、この法律の審議も大分終わりに近づいていると思いますが、先生方の御声援をいただきまして裁判官の育児休業というものがその実を上げてまいりますように、また環境の整備も整いますように私も希望したいと思います。 これはやはり先ほど来申し上げておりますように、社会全体の意識の改革ということも必要でございますので、そのようなことのために私も、微力ですが、さらに頑張っていきたいと思っています。
○福島瑞穂君 以上です。
○委員長(高野博師君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(高野博師君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山虎之助君及び中川義雄君が委員を辞任され、その補欠として大仁田厚君及び小斉平敏文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高野博師君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高野博師君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高野博師君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 暫時休憩いたします。 午前十一時三十三分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕