文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/10/30
会議録
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君及び文化庁次長銭谷眞美君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(橋本聖子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(橋本聖子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿南一成君 おはようございます。自由民主党の阿南一成であります。 本日はまず、大学の構造改革、いわゆる大臣のお名前を冠して新聞紙上をにぎわせていますが、遠山プランと国立大学法人化との関係について直接大臣にお伺いをしてみたいと思います。 平成九年の十二月に橋本内閣当時の行政改革会議の最終報告におきまして独立行政法人化が打ち出されたことを受けまして、平成十一年、研究所、それから博物館、美術館などを独立行政法人とする法案が成立を見ました。そして、本年から各独立行政法人がその運営を始めたところであります。 そのような中で、国立大学の法人化については、閣議決定によりまして平成十五年までに結論を得ることとされております。現在、文部科学省内に置かれております調査検討会議において議論がなされていることを承知をいたしております。 このように、国立大学の法人化に向けた議論がなされておりますまさにその途上の本年六月、大学の構造改革、大臣のお名前を冠したいわゆる遠山プランというものが極めて鮮烈に打ち出されました。このプランの具体的な内容につきましてはまた別の機会を得て質問をさせていただきたいと考えておりますが、これはまさしく小泉内閣の掲げる構造改革であろう、時流にかなうものなのかなというふうに考えておるところであります。 しかし、多くの大学関係者には極めて衝撃的なこととして受けとめられておるわけであります。また、さらにその後、マスメディアを通じても非常に多くの議論を呼んでおるところであります。マスメディアの中には、国立大学の法人化に向けた議論が進んでおる中で唐突ではないのか、あるいは性急な議論ではないのかとの批判もなされているところであります。 そこで、現在進行中であります国立大学の法人化の議論と大臣が打ち出された大学の構造改革、いわゆる遠山プランとの関係について、大臣みずからのお考えをお聞かせいただきたいというふうに考えております。
○国務大臣(遠山敦子君) これからの日本を考えますときに、人材大国あるいは科学技術創造立国というものを実際に現実的なものにしてまいりますためには、やはり大学に期待するところが極めて大きいわけでございます。そのようなことから、大学のあり方というのは幅広い見地から論じられてしかるべきものとして、これまでもそういう形で論議されてきたところでございます。 国民のいろんな輿望を背景にいたしますと、日本の大学を一層活力に富んだ国際的な競争力を持つ大学であってほしいということは、国民一般、それから産業界あるいは特に構造改革を力強く推し進めております内閣の方針から見ても非常に大きな要望であるわけでございます。 そのような中で、六月に大学改革のための構造改革プランというものを打ち出させていただいたわけでございますが、それは突然、唐突というお話でございますけれども、私ども長く高等教育、大学問題にかかわってまいりました者といたしましては、大学のあり方について、これまでの大学改革についての非常に大きな積み重ねの中身、論議あるいは動きを前提といたしまして、時代の要請にこたえた構造改革というものをより力強く一歩踏み出していくということのために先般の構造改革方針というものを出させていただいたわけでございますが、その中には、国立大学の統合再編あるいは国立大学の法人化あるいは競争原理に基づく主として研究面の重点投資をやっていこうという考えのもとに打ち出したところでございます。 この方針は、これまでの大学審議会、今は中央教育審議会に統合されたといいますか、大学審議会、私自身も創設にかかわった者としてはいささか大学審議会が吸収されてしまったということについては感慨があるわけでございますけれども、その大学審議会において長い間実に精緻な、しかもきちんとした議論が行われてきた、そしてその幅広い議論を背景として各大学でかなりの部分で大学改革についての真摯な取り組みが行われているという現実、それから、御指摘のように、今我が省において置かれております国立大学法人化に関する調査検討会議の議論の方向というものも見据え、また国立大学協会において法人化の検討が行われている、そういう状況も踏まえた上で、これまでの意見も十分考慮した上で、法人化の設計図の方針にとどまらないで国立大学全体をどうやっていくかという観点に立って整理したものでございます。 そのねらいとするものは、これからの国立大学、これはいろんな役割を持っておりますが、特に科学技術あるいは理工系の大学院の教育研究というものが日本の将来を左右するというふうなこともございますし、また国立大学はこれまで計画的な人材養成に資してきたこと、あるいは地域の教育の中核となって地域の振興にも役立ってきたことなどさまざまな任務を帯びているわけでございますけれども、しかしこれからを考えますと、それらはもちろんのこと、もっと個性輝く大学であり、かつまた国際競争力を持つ大学であってほしいという願いを込めて方針をまとめたものでございます。 もちろん、これから個々の大学がどのように法人化に向けて準備をしていくか、あるいはどういう形で足腰の強い国立大学になっていくかということについては、それぞれの大学の意見も尊重しながら文部科学省と共同作業でつくり上げていくことだと思っております。 先ほどるる経過の御説明がございました。それらをもちろん尊重した上で、しかしその議論を少し加速させ、そしていい方向に持っていってもらうというねらいもあって基本方針を出したわけでございます。このことについて、大学関係者等の理解も得ながら進めてまいりたいと思っているところでございます。 ちょっとお時間をとって恐縮でございますが、遠山プランと呼ばれておりますけれども、これは別に個人がつくったわけでもございませんで、今るる御説明したような背景をもって省内のいろいろな英知を集めてつくり上げたものでございます。 どうして遠山プランというような名前が付してしまわれたのかといいますと、実は同じようなころ、産学連携についての経済産業大臣の名前をつけた平沼プランというのが出まして、これは産業サイドからだけ見た産学連携のあり方を示したものでございました。それを受けまして、文部科学省としましては、やはり大学というものを中心にして、そこでの研究者の自主性なり意欲なりというものを前提とした上で産学連携というものを考えていくべきということでまとめたプランがございます。それがタイトルも、これも長いんですね、大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プランとございますが、これが同時に出たということで、強いて言えばそれが遠山プランに対応するかと思っております。 ということで、遠山プランと、あの三つの原則が呼ばれておりますけれども、個人の名を冠してやるような軽々しいことではないと私は思っておりまして、私は一度たりとも遠山プランと言ったこともございませんし、すべての我が省の公的な文書の中に遠山という名前は出ておりません。しかし、使いやすいから使われているのだとは思いますが、この委員会のようなところでは、ぜひそのようなことではなくてきちんとした名称で御審議賜ればと思っております。 そのようなことで、もちろん方向性なり、あのときに出したということについては責任はすべて私にございますし、その方向性については誤りなきものと考えておりますが、若干補足させていただきました。
○阿南一成君 ありがとうございました。 よく真意もわかりましたし、大変重要な時期でありますので、大臣を中心として頑張っていただきたいというふうに思います。 次に、ワールドカップの警備、テロ対策に関連してお伺いしておきたいと思います。 米国における同時多発テロの発生によりまして、ワールドカップの警備体制についての全面的な見直しが緊急の課題として浮上をしてきております。これまでは、フーリガン対策を中心として検討がなされてきたわけでありますが、米国でのテロ発生により全世界が緊張を強いられております。来年に迫った我が国でのワールドカップについてもテロの標的となる可能性は否定できないところでありまして、決して対岸の火事ではないと思うのであります。 そこで、ワールドカップは世界最大のスポーツ大会とも言われておりますが、我が国の威信にかけて無事に成功させなければならないというふうに思うのであります。また、テロには絶対に屈しないという強い姿勢をテロ組織に対して明確に示すことが国際社会において非常に重要な時期であります。そうすることにおきまして、我が国は国の面目をかけてワールドカップを成功に導く必要があり、そのためには、省庁間の十分な連絡をとって、縦割り行政による弊害などがあってはならないというふうに思っております。 既に、日本組織委員会では、警備体制の強化等につきまして具体的に検討がなされていると承知をしておりますが、国としてはどのような体制でこのワールドカップに臨む方針でありましょうか。また、試合会場やその周辺地域の警備、さらには水際での防止等、このワールドカップ開催に係る国内の警備体制について、大会の運営に当たるワールドカップ日本組織委員会、それから所管であります文部科学省、そして警察庁、法務省などの治安機関との密接な連携が不可欠であると思うのでありますけれども、各省庁間の連携体制及び情報の共有というものがどのような形で確保される仕組みになっているかについてお伺いをしておきたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘いただきましたように、昨今の国際情勢あるいは社会情勢を考えますときに、このワールドカップの安全面での対策、従来のフーリガン対策に加えてテロ対策等、幅広く検討しなければいけない、こういった状況にあるということ、おっしゃるとおりだと思っております。そういった中にあって、関係機関の連携が重要だという御指摘でございます。 この点につきましては、従来この開催準備全般にわたりまして、まず関係副大臣会議というのを設けまして、その下に関係省庁の局長級の連絡会議を設け、そしてさらにその下に安全面につきましては警察庁を中心に安全対策部会というものを設けて検討を進めているところであります。 内容につきましては、ハイジャック防止に加えてBCテロ、バイオケミカル、要は生物化学テロに対する対策、こういったものがこの会議の大きな課題ということになっております。こうした課題を中心に、今、日本国内で各省庁の連携を深めているわけでありますが、加えて今回のワールドカップ、日韓共同開催でありますので、韓国との連携も深めなければいけないということで、今申し上げました日本側の安全対策部会と韓国側の安全対策統制本部、この間で九月末に二回目の定期協議を開催し、テロ対策等について協議を行ったという状況であります。 こうした国内外にわたりまして体制を整え、テロを含めて安全対策についてどう対応していくのか今真剣に協議を進めているところではありますが、このワールドカップ開催前に、ちょうど来年二月でありますけれども、アメリカのソルトレークシティーで冬季オリンピックが開催されます。この二月の冬季オリンピックでの状況が大きな参考になると思っておりますので、そのあたりもしっかりと参考にしながら、今申し上げましたような仕組みを通じてしっかりとした、そして具体的な対応を協議していきたいと思っております。 それからあと一つ、水際での対応というような御指摘もありましたが、それにつきましては今、今国会に出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案が提出されております。この法律、こうした新たな法律もつくられようとしておりますので、このあたりを中心に水際対策としてはしっかりとした対応を各関係機関と協議していかなければいけないと思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。
○阿南一成君 ありがとうございました。しっかり頑張っていただきたいと思います。 次に、テロの危険性と教育の問題についてお伺いをしておきたいと思います。 米国でのテロ発生を受け、国の危機管理のあり方について大きな課題が突如として突きつけられたわけであります。国の防衛等につきましては、当文教科学委員会の所管するところからは離れるわけでありますけれども、危機管理という問題はさまざまな場面で考えておかなければならない問題であろうかと思っております。 文教関係での危機管理と申しますと、やはり学校における危機管理がその中心になると考えるのでありますが、まだ記憶に新しいところでは大阪教育大附属池田小学校における児童殺傷事件がありました。この事件後、文部科学省においても、児童の心のケアや学校施設の整備、さらには各学校の安全対策等について次々と手を打たれ、通知を出されておる、早急に対策を講じられておるところでありまして、評価に値する点、多々あると考えております。 しかし、米国でのテロ発生を受けまして、不審者の侵入防止等、これまでの学校安全という観点ではなく、そこからさらに進めた議論、つまりはテロの危険性と教育の問題を考えてみる必要があるのではなかろうかというふうに考えるわけであります。 今回のようなテロの問題は、第一義的には国の防衛問題になろうかと思うのでありますが、米国での炭疽菌の郵送などを見るとき、テロは身近に起こり得る問題であるという認識を持たなければならないというふうに考えるのであります。今回のテロにより多くの人命が失われた悲しみを子供たちに伝えるとともに、テロという卑劣な行為に屈しない毅然とした姿勢、態度、さらには世界平和のとうとさについてきちんと子供たちに教えることが必要であると考えます。批判を恐れる余り何も教えないという姿勢では、情報がはんらんする現代社会において逆に間違った形で子供たちに伝わる危険性もあると思うのであります。 そこで、現在の学校教育においてはテロに関する教育について子供たちにどのように教えているのであろうか、そしてまた、今後テロ教育にどのように対応していかれることを検討されておるのか、当局の御見解をお伺いいたしておきたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 今般の事件のようなテロ行為は、これは断じて許されないものでございます。学校教育におきましては、児童生徒に、平和的な国際社会の形成に貢献する態度、さらには自他の生命を尊重する態度、こうしたことを育成することが極めて重要であるというふうに考えているところでございます。 これらのことは、学校教育における教科との関連で申し上げますれば、社会科において世界平和の実現と人類の福祉の増大に関する内容、また道徳において自他の生命の尊重に関する内容等が考えられるところでございますけれども、こうしたことは特定の教科等においてのみ指導するというものではなくて、児童生徒の発達段階に応じて、学級活動、朝の会や帰りの会、あるいは全校児童生徒を集めての校長講話など、学校教育活動のさまざまな場面をとらえて指導することが大切であるというふうに考えているところでございます。 今般の事件につきましてはテレビ報道等により児童生徒の関心も高いものと思われるわけでございますが、各学校において、人の命は何物にもかえがたいかけがえのないものであること、またテロ行為は断じて許すことができないものである、そういう認識のもとに適切な指導がなされることを私どもとしては期待をいたしているところでございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次に、ちょっと方向は変わりますが、捏造遺跡の調査状況等についてお伺いをしておきたいと思います。 昨年の十一月、東北旧石器文化研究所の前副理事長によります遺跡捏造が二カ所において発覚をいたしました。現在ではその数が四十二カ所に上っておると承知をしております。この数は聞き取り調査における本人の告白によるものでありまして、告白がそのまま証拠になるとは限らないのでありますので、今後の調査、検証を待たなければならないと思います。 しかし、この発掘捏造疑惑の発覚によりまして各方面に多大なる影響を及ぼしていることは否定できないのであります。中でも宮城県の座散乱木遺跡に関する捏造の告白は、我が国の旧石器時代の存在を裏づける遺跡と言われておりましただけに、考古学の学界のみならず社会全体に衝撃が走っているわけであります。 この問題は、前副理事長の個人的問題として片づけるのではなく、学問の世界でのモラルハザードとも言われているように、我が国の学問の根本にかかわる問題として受けとめるべきであろうかと思います。特に、長年にわたりこれほどまで多数の不正を見抜けなかった責任は非常に大きく、不信を払拭するようしっかりとした真相解明を行うことが不可欠であると思います。 そこで、この捏造の疑いのある遺跡の調査状況、現在どのようになっておるのか。また、調査にかかる国の支援体制はどのようになっておるのか。 さらに、今回の捏造問題は学問上史実として権威づけされ、問題が発覚するまで事実関係に疑いなしとされていたのでありますから、教科書検定制度に直接問題ありとするつもりはないのでありますけれども、教科書の執筆者や監修者、さらには学界も含め教科書関係者全体に対して教訓を与えたものとも考えるわけであります。 そこで、この捏造遺跡問題を受けて、教科書発行者の対応はどのように行われることになるのか、さらに文部科学省の今後の対応策についてもお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) まず、旧石器遺跡の捏造問題に対する対応及び調査の状況について御説明を申し上げます。 ただいまお話にございましたように、埋蔵文化財の学術調査におきまして事実の捏造という極めて重大な行為が行われたことが判明をいたしました。これは文化財の発掘調査に対する国民の信頼を著しく損なうものでございまして、まことに遺憾に存じております。 最近のこの問題をめぐる状況でございますけれども、今月の七日、盛岡市で開催をされました日本考古学協会の大会におきまして、東北旧石器文化研究所の藤村新一前副理事長が日本考古学協会の調査に対しましてお話しのございました史跡、座散乱木遺跡を含む四十二遺跡につきまして捏造を告白したことが公表されたところでございます。 藤村氏が関与をいたしました発掘の件数は直接あるいは踏査を含めまして百八十六遺跡でございますけれども、これまでに捏造が、本人が告白をしたものは四十二遺跡と。ただし、この百八十六遺跡以外のものもこの中には含まれているという状況でございます。 その後、今月の十一日に日本考古学協会の会長を初め三名の方が文化庁を訪れまして、これまでの協会による調査の経過報告とともに、協会が行います遺跡の発掘調査等の検証作業につきまして調査費も含めた国の支援について依頼があったところでございます。 これまでの文化庁としての対応でございますけれども、昨年の十一月にこの問題が報じられた後所要の調査を行いまして、昨年、埋蔵文化財の発掘調査に関する事務の改善について文化庁長官通知を発出をいたしまして、さらに都道府県の埋蔵文化財保護行政担当者会議を開催をし、通知の趣旨を徹底をしているところでございます。その内容は、埋蔵文化財の発掘調査に当たりまして都道府県が調査の申し出を受理する場合に、第三者による検証をきちんと行うようにするといったようなこととか、あるいは報告書の作成、公表というものをきちんとやらせるようにするといったような内容を含んでおります。 それから、調査に対する支援でございますけれども、平成十三年度におきまして、地方自治体によります再調査に対しまして国の方から補助を行うなどの対応を行っているところでございます。座散乱木遺跡を含む今回の協会からの検証調査の依頼につきましても、今後、調査費の支援を含めまして適切に対処していきたいというふうに考えております。
○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の問題についての教科書における対応でございますが、今後、学術的な発掘調査等の検証作業が引き続き行われるものというふうに承知いたしておるところでございますが、旧石器遺跡に関する教科書の記述の訂正につきましては、既に訂正が申請された教科書もあるところでございまして、教科書発行者から申請されました具体的な訂正内容や訂正理由を踏まえまして、検定規則等に照らして適切に対応してまいりたいと考えております。 また、文部科学省といたしましても、今後、必要がございますれば、学術的な検討の結果等につきまして関係の教科書発行者に情報提供を行うなどの対応をしてまいりたいと考えております。 また、教科書の検定につきましては、これは検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料等に照らして教科用図書検定調査審議会における専門的な審査を経て実施しているところでございますけれども、今後とも、御指摘の旧石器遺跡の問題も含めまして、学説状況の確認など十分な検定調査を実施してまいりたいと考えているところでございます。
○阿南一成君 これで私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○亀井郁夫君 自由民主党の亀井であります。 引き続いて質問させていただきたいと思います。 小泉内閣が発足して、早いものでもう六カ月たちましたけれども、依然として高い支持率を得ておられるわけでございますけれども、これはひとえに、国民の皆さん方が戦後五十六年の間にたまったおりを流して新しい形での二十一世紀をつくっていきたい、そういう思いの塊だろうと思うわけでありますけれども、そういう中で一番大事な改革は、私はやはり心の構造改革だろうと思います。そういう意味では教育の改革が非常に大きな役割を果たさなきゃいけないと思いますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思うわけであります。 この前の通常国会では、これまでなかったような不適格教員の排除等関係六法が提案されまして、これは通過したわけでございまして、そういう意味では教育改革に取り組む意欲というものも強く感じたわけでありますが、今回は残念ながら一本もないわけでございますので、そういう意味では若干寂しい感じがいたしますけれども、教育現場の風土の改革に、大臣、先頭に立ってこれからもぜひ頑張っていただきたいと思うわけでもございます。 具体的な質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず教科書の採択の問題でございますけれども、去年から検定、採択等通じて国の内外から大変いろいろな動きがありました。特に中国、韓国からは内政干渉とも言えるような干渉があったわけでございますけれども、文部省としては毅然とした姿勢でこの問題について対応されたことは私は高く評価したいと思うわけでありますけれども、しかし国内においてもいろいろと圧力がかかってきたのも事実でございまして、特に行政の面では、最近問題になっておりますのは、国立市においては、市長が教育委員の任命に当たりまして、扶桑社の教科書を支持したから不適当だということを理由にして教育委員の再任をしない、しかもそのことをわざわざ紙に書いて市民に配るというようなことをされておるようなことでございまして、こうしたことから、扶桑社の教科書については採択率もわずか〇・〇三%ということで非常に低くなったわけでありますけれども。 しかし、それはそれとして、やはり国民の皆さん方が歴史認識というものをいかに大事に考えていかなきゃいけないかということを知り、また議論をされたということは非常にいいことではなかったかと思いますけれども、今回の検定、採択という、大きないろんな事件がありましたけれども、そういうことを振り返りまして、あるべき採択制度あるいは検定制度について今後どのように考えていくべきか、大臣の方から御所感をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 亀井委員御指摘のように、これからの日本を考えますとき、教育またその中でも心の教育、大変大事でございまして、それを担う学校において、基礎、基本をしっかり学びながら心の教育についても指導を行っていくということは大変大事でございます。その中で教科書というのは大変重要な役割を占めるわけでございます。 今回の教科書採択につきましては、一部の地域ではございますが、いろんな組織的な働きかけが行われたりいたしました。私どもといたしましても、そのような報告を受けまして、まだ採択の途中でございましたけれども、ことし七月に都道府県の教育委員会に対して、域内の教科書採択の公正確保を徹底するよう特に指導したわけでございます。 教科書のあり方については、常に適正な教科書がつくられ、また適正な採択が行われていくということが望ましいわけでございまして、私どもといたしましても、今回の採択に関し混乱があった地域の問題点等について、現在、分析、整理を行っているところでございまして、これを踏まえて、次回の教科書採択が一層適切なものとなるよう検討してまいりたいと考えております。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 この採択の問題に絡みましてもう一点お尋ねしたいのは、従来は採択権が教育委員会にあるにもかかわらず学校票だとかあるいは絞り込みという形で事実上先生方が決めておったのが実態ですが、今、大臣がおっしゃったように、こういうことをやめるようにという形でいろいろと御指導なさったと。 ところが、採択地区協議会との関係ですけれども、採択地区協議会が各地域で決められておりますけれども、これと教育委員会の関係がそごを来したというのが栃木県の例でございまして、せっかく採択地区協議会で決めたのにそれに参加する市町がそれを否定したということでこれはほごになってしまったということで、二つの法律にそのように決めておるわけでございますから、その間の調整等について十分事前にやっぱりやっておくべきではなかったかと思いますし、これからもこの辺を明らかにする必要があるんではないかと思いますけれども、これについてお答え願いたいと思います。副大臣、お願いします。
○副大臣(岸田文雄君) 採択地区内の教育委員会は、法令によりまして、種目ごとに協議して同一の教科書を採択するということになっております。そして、協議につきましては、通常、採択地区協議会を設けて行われているわけですが、まず基本的にどのような方法で協議を行うかにつきましては採択地区内の教育委員会の権限と責任にゆだねられているわけであります。これが基本ではあります。 しかし、今、先生御指摘のように、今回その協議の過程において、採択教科書について採択地区協議会と教育委員会の判断が一致しない場合があったわけであります。この状況を見ておりまして、やはりどのような調整を行うかにつきまして明確なルールがないというのは大変大きな問題だというふうに認識しております。その協議の過程の透明化を確保するためにも、やはり明確なルールというものがなければならないというふうに感じております。 ですから、今後どうするかということについてでありますけれども、やはりこの協議の方法を含めた採択のルールにつきましては明確化するようにしっかりと指導していかなければいけないというふうに考えております。ぜひ、この採択の適正化のためにルールの明確化を中心にしっかりとした体制をつくってもらうよう指導していきたいと考えておりますので、また御指導賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○亀井郁夫君 採択地区協議会と教育委員会の関係、ルールづくりをぜひともよろしくお願いしたいと思います。 次に、採択の問題に絡みまして、教科書ではない副読本やその他の問題についての採択についてお尋ねしたいと思います。 地教行法の第二十三条六号では、教育委員会は、「教科書その他の教材の取扱いに関すること。」ということで、教科書以外にその他の教材という項目も三十一年に加えられたわけでございます。そうしますと、実際、副読本だとか夏休みの宿題帳等につきまして、我々見ておりまして、こんなものがというものがたくさんあるわけでありますけれども、これは実態上、全部先生方が選んでおるのが実情でございます。それじゃやっぱり困るのであって、教科書と一体となった形で副読本なりあるいは夏休みの宿題帳等は選ばれなきゃいけないと思うわけでございます。 そういう意味では、この「教科書その他の教材の取扱いに関すること。」の中に、その他の教材の中に当然こういうものが入るものだというふうに考えて私はいいんではないかと思いますけれども、そういう意味では、教育委員会で決定または承認するというような形になるべきだと私は思いますけれども、これに対してどのように大臣お考えでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今御指摘のように、教育委員会は、教科書以外の教材、学校で使われるものについてあらかじめ教育委員会に届け出るなりあるいは承認を受けるなりということになっているわけでございます。 各学校におきましては、校長の判断によって教科書のほか有益、適切な教材を使用することができるということになっているわけでございますけれども、ただ、何を使ってもいいということでございませんで、教材の内容が、一つは学習指導要領等の趣旨にかなっているもの、それから児童生徒の発達段階に即したものであること、そして政治や宗教について不公正な立場のものでないことが求められているわけでございます。 教育委員会は、学校の設置者としまして、各学校において適切な教材が使用されるよう指導する立場にございまして、届け出事項である場合におきましても必要に応じてその内容をチェックすると、そして不適切な教材が使用、採用されないよう指導、助言する責務があるわけでございます。 それぞれの学校でこのことは十分わかっているとは思いますけれども、我が省といたしましても、学校教育についてこういう有効適切な使用方法によって取り扱われるように指導してまいりたいと思います。
○亀井郁夫君 教育委員会に届けたり、そしてちゃんとチェックするという、そういう仕組みになっているということでございますけれども、事実上はなかなかそういうことが行われていないのが多いと思いますので、十分指導していただきまして、そうした副読本や夏休み帳などについても教育委員会が責任を持ってやるようにお願いしたいと思います。 次にお尋ねしたいのは、時間内の組合活動の問題でございますけれども、戦後、教育の現場についていろんな形で影響を及ぼしてきたのは言うまでもなく日教組でございますけれども、特に日教組の組合活動の中で一番問題なのは、時間中に給料をもらいながら組合活動を続けてきたというのが実態でございまして、広島県の場合は破り年休であり、北海道の場合は鉛筆年休ということで、これまでも何回か指摘させていただいたわけでございますけれども、それなりに改善が広島の場合は進んでおりますけれども、北海道の場合はまだ一向に進んでいないようでありますけれども、また後ほど北海道についてはお尋ねしたいと思いますが。 今回、三重県のケースについて問題を指摘したいと思います。三重県でも一昨年、有給で時間内に組合活動をしているということが明らかになりまして、これが非常に問題になりました。そして、平成九年度と十年度の二年間だけについて調べられたようでありますけれども、これは新聞報道でございますが、延べ二万八千人、時間数にして六十一万時間、そして不当に支払われた給料は十数億円というふうなことでございました。 そういうことから、昨年の十月には教育委員会はわざわざ二千四百七十八万円という精査のための補正予算を組んで、そしていろいろと調査を始められたようでございますけれども、ことしの四月には県会議長のあっせんによりまして組合と県教委が和解したということが報道されており、また県の教育長も議会で答弁しておりますけれども、その内容は、教職員組合が寄附金を、教育委員会からの給与返還請求を受ける前に県に対して教育関係のためにということで寄附をするということで、金額は八億円というふうに報道されておりますけれども、寄附しますと。それから、県教委だけじゃなしに、管理職も校長先生等の了解を得てこれも寄附しましょうという形が決まったと。寄附金の総額は、いわゆる債権総額といいますか、債務総額といいますか、その不当に支払われた給与の総額を超えるもの、それより少なくないということで、しかも県の教育委員会は、議会の決議を得た上で給与の返還請求を行わないということが決められたということですね、これは三重県の内部の話でございますけれども。 そういうことから、このことに絡んでお尋ねしたいんですけれども、時間中の組合活動は、いずれにいたしましても、弁済の有無にかかわらず地方公務員法に違反するということははっきり言えると思いますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 勤務時間内の組合活動についてでございますが、公立学校の教職員を含め地方公務員は、地方公務員法上、勤務時間中は職務上の注意力のすべてを自己の職務遂行のために用いなければならないこととされており、また給与を受けながら職員団体のための活動を行うことは原則としてこれは禁じられているわけでございます。 これらの点におきまして、ただいま御指摘のございましたような勤務時間中の組合活動は地方公務員法に違反するものと考えるものでございます。
○亀井郁夫君 地方公務員法に違反するとすれば処分の問題が当然出てくるわけでありますけれども、三重県では、先生は処分しないで、教育長なり管理職約八百名が去年の二月、三月にそれぞれ処分されておるわけでありますけれども、実行行為者である教師についても当然処分を考えるべきだと思いますが、これについていかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 法律や条例等に違反した場合には地方公務員法上、懲戒処分の対象となり得るものでございます。しかし、実際に処分を行うかどうか、また処分を行う場合にどの程度の処分とするかは、これは任命権者でございます都道府県教育委員会の裁量にゆだねられているものでございまして、任命権者におきまして、個々の事案に即して、問題となる行為の性質、態様、結果あるいは影響等を総合的に考慮し、適切に判断されるべきものでございます。 今回、三重県におきましては、従来このような勤務時間中の組合活動が長年の労使慣行として黙認されてきたことから、管理責任を明確にするために教育長や校長等に対して処分等を行うこととして、個々の教職員に対しては処分を行わなかったというふうに承知しているものでございます。
○亀井郁夫君 事情はよくわかりましたけれども、こういったことについては厳しくやはり指導していただきたいと思います。 同時に、お尋ねしたいのは、三重県におきましてはさっき補正予算をつけていろいろ調査されたそうでございますけれども、こうした勤務時間中の組合運動に対する精査の結果や、あるいは寄附金関係がどうなったのか、もし文部省の方でわかっていれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 三重県教育委員会におきましては、昨年十月に公表いたしました勤務時間中の組合活動に関する調査結果について確定作業を進めまして、本年四月に「勤務実態調査結果について」として報告がなされたところでございます。 それによりますと、三カ年で勤務時間中の組合活動の総時間数は約四十九万九千時間、またそれにかかわります債権総額は約十億五千八百万円ということを公表したところでございます。 なお、このことに関しまして三重県教育委員会からは、同教育委員会を初めとする管理職と三重県教職員組合が債権総額に相当する額の寄附を行うこととなったというふうに私どもとしては聞いているところでございますが、いずれにしても国としては、既に交付した義務教育国庫負担金のうち、勤務時間中の組合活動に係る給与費については返還させることといたしているところでございます。
○亀井郁夫君 今お聞きしまして、二年間で十億という金額ですから大変な金額だと思います。これが全国的に考えれば大変な金額になるわけでございますので、三重県に限らず、こうした勤務中の組合運動に対して厳しく指導していただかなきゃならないと思うわけであります。 給与の返還請求の問題ですけれども、三重県の場合には、県議会の決議もあり給与返還請求はしないということになっておりますけれども、国も二分の一は負担しておるわけでございますから、国も当然おっしゃるように返還請求すべきであると思います。特に、三重県が今後どのように対応しようとも、やはりこれについては国として強い姿勢で三重県に対して要求していただきたいと思いますけれども、これについてはどのように考えておられますか。
○政府参考人(矢野重典君) 三重県における勤務時間中の組合活動にかかわります給与費につきましては、これは義務教育国庫負担金の対象外でございまして、返還対象となりますことから、現在、返還金の算定作業を私どもとして、国として行っているところでございます。文部科学省といたしましては、その作業結果に基づきまして、遅くとも本年度中には三重県より国庫負担金の返還をさせることといたしているところでございます。
○亀井郁夫君 この三重県の例に見るように、あしき慣行がいろいろとはびこっておるわけでございますので、これについて文部省としてはぜひとも全国的に、既に調査されているかもしれませんけれども、調査されていないのであれば調査をして、そして正していっていただきたい、そして給与の返還等もちゃんとやっていただきたいと思いますけれども、こういった是正指導に対して大臣はどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 今御指摘をいただきました三重県を初め、広島県、東京都あるいは北海道において、慣行等によりまして適正な手続を経ずに勤務時間中に組合活動が行われていた実態がありまして、文部科学省としましてもこれらの教育委員会に対しまして是正を指導してきたところであります。 そして、各教育委員会におきましても給与返還等の取り組みを進めておりまして、先生も御案内のとおり、広島におきましてはもうその返還の手続が終わっておりますし、三重県、東京都、北海道におきましては手続を進めているという状況にあるわけであります。 そして、それ以外の都道府県について調査ということでありますけれども、現在、各都道府県教育委員会等の教育次長に対しまして個別に不適正な勤務時間中の組合活動の実態の有無について聴取をしているところであります。ですから、四十七都道府県に政令都市を加えました五十九の教育委員会におきましてそうした聴取を今行っております。そして、この聴取を行って実態が確認され次第、早急に是正するよう、他の都道府県そして政令都市につきましても進めていきたいというふうに思っております。 そして、いつまでにその聴取が終わるのかということでありますが、今鋭意進めておりますが、できるだけ十二月上旬までにはこの五十九の教育委員会すべての聴取を終えて実態を把握していきたいと思っております。
○亀井郁夫君 現在聴取を進めておられるということですけれども、これは本当に考えてみると画期的なことだと思います。これまで組合活動のそういう実態について文部省が直接全県的に聴取されたことがなかったんだろうと私も思いますし、そういうことで本当に画期的なことだと思いますので、いろんな問題があろうかと思いますけれども、ぜひともやっていただいて、十二月上旬に終わったらぜひともまた報告をしていただきたいと思うわけでもございますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、同じようにまた各論になりますけれども、北海道の教育の問題でございますけれども、北海道の四六協定、昭和四十六年に日教組の、北教組の委員長と教育長が結んだ協定、それが三十年間墨守されてきたということが北海道の教育の現場を大きく変えてしまったというのが実態であり、これにつきまして去年の十一月二日のこの文教・科学委員会で問題も指摘させていただき、時の大臣も全面破棄について指導するというお話がございました。 ところが、経過を見ておりますと、三月二十日に確かに道の教育長の方は破棄通知をしましたけれども、それも一部でありまして全部じゃない。帰省休暇をこれまでは、当然帰省するときのやつは帰省休暇ですが、それを校外研修にしておったり、あるいは事務職員に校外研修を命じておったということをやめるということであって、ほかのところは全部残っておるわけでありまして、しかも同時に、北海道の場合には、課長クラスのところで組合との交渉過程を全部議事録を送っちゃったと、この前言いましたように。それには継続交渉だということになっているということで、何かわからぬ状況がこの六月の参議院の自由民主党の調査でわかり、問題を指摘したわけでありますが、それを受けて六月二十日には改めてまた道の教育委員会がその項目についての修正通知を出されたと。 そこまではいいんですけれども、また九月二十五日に聞きましたのでは、四市の校長会でこれを説明するときに、勤務条件にかかわることについては一切組合と交渉していないので、だから従来どおりなんだというような話があったということで、非常に現場は混乱しているというふうなことでございまして、そういう意味では、やはりこれは、四六協定は全面的に破棄して必要なことだけ決めていったらいいと私は思うんですけれども、そういう意味では、北海道に対してどのように指導されるのか、大臣のお考え、ひとつよろしくお願いしたいと思います。これは、大臣がこの前指導すると言われたから、大臣からひとつお願いします。
○国務大臣(遠山敦子君) 前回の国会審議のときにも亀井先生から強いお話がございまして、私どもも全くその考えは同じでございます。四六協定がいまだに生きていること自体が大変な問題だと考えております。 ただ、これまでのいろんな指導の経緯なり取り組みなりということを背景としまして、御指摘のように、本年三月二十日に四六協定の一部削除というものを北海道教育委員会に通告したところでございまして、事態は少しずつ変化をしてまいっていると私どもは確信をいたしておりますが、今お話を伺いますと、まだ四六協定が生きている面があるし、削除したはずの、破棄したはずのところも問題であるというような御指摘もございました。 やはり、四六協定には校長の権限を制約する事柄が含まれておりますだけではなくて、この文書の運用によって学校の適正な運営管理に大きな支障が生じていると認識いたしております。我が省といたしましては、今後とも、北海道の教育の正常化に向けて、四六協定自体の破棄について北海道教育委員会に対する指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○亀井郁夫君 広島県の場合も、文部省から平成十年に調査団が来られまして、十数項目にわたって具体的な是正指導を行っていただき三年たちましたけれども、広島県の教育長をやった辰野、今課長ですけれども、こちらの課長ですが、辰野教育長も頑張ってもらって、文部省と相呼応して頑張っていただいたということで、ようやくよそ並みの形にまでなったと。しかし、まだ中身はこれからでございますけれども、しかしそこまでようやくなり、県民も大変だということで何とかしようという動きが盛り上がってきている状況でございます。 やはりそういう意味では、文部省の方から北海道の方にはぜひとも調査団を出していただきたい。これにつきましては、町村文部大臣のときには今調査中なので調査が終わったら調査団を派遣しますということもこの席で約束されたわけでございますけれども、そういう意味では、中間報告がこの前、五月にありましたけれども、最終報告がまだできているのかできていないのか、いつごろになるのか、これについてひとつお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 最終報告がいつごろになるのかというお尋ねでございますが、昨年の十二月に北海道教育委員会に対しまして管理運営上の諸問題について詳細な調査を求め、先ほどお話しございましたように、本年六月に調査事項の一部について第一次報告を受けたところでございます。 また、我が省におきましては、この第一次報告を受けまして、北海道教育委員会に対しまして、報告で明らかになった不適切な勤務の実態の是正等を指導いたしますとともに、残りの調査事項についても速やかに報告するよう指導いたしたところでございます。これを受けまして、現在、北海道教育委員会では、第一次報告で明らかになりました不適正な勤務時間中の組合活動に関しまして、その日時や時間数に関する詳細な再調査を実施するなど、調査全体の報告に向けて鋭意取り組みを進めているところでございます。 私どもといたしましては、北海道教育委員会に対しまして調査全体の報告を速やかに行うよう引き続き指導をしてまいりたいと考えておりますけれども、現時点で北海道教育委員会からは年内のできるだけ早い時期に報告をしたいと聞いているところでございます。私どもとしては、可能な限り速やかに報告するよう北海道教育委員会を引き続き指導してまいりたいと考えております。
○亀井郁夫君 今のお話だと、その後、調査に行かれて、一部指導もされているということでございますけれども、そうした文部省の是正指導の内容と調査の状況等につきましてやはり明らかにしていただくことが私は大事ではないかと思います。 広島県の場合は、十数項目にわたって逐一どうなっているということを報告があったのを公表していただき、それをもとにして我々も議論してきたわけでございますから、文部省としてもその辺を、別に遠慮することないんですから、調査結果と指導内容を具体的に我々に教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 必要に応じてその節々で状況については御報告をいたしたいと思います。
○亀井郁夫君 最後にもう一点お尋ねしたいんですが、これは補助教員制度の問題でございますけれども、長引く不況対策、雇用対策の一環として、小泉総理、山の仕事と同じように、並べて補助教員の問題が提案され、これにつきましても、大臣の所信表明にありましたように、学校いきいきプランを新たにやっていきたいということで、こういう形で受けとめていかれるようでございますけれども、私申し上げたいのは、確かに雇用問題への対応になるかもしれませんけれども、三年間で五万人ということでございますけれども、単にそういった雇用を守るということだけでは困るんじゃないかと私は思います。 戦後、ニコヨンという言葉がありましたね。要するに、働く人のためにニコヨンで、二百四十円の日給をもらうということでニコヨンだったと思いますけれども、そうした形でありましたけれども、そういった救済事業的な格好でこの補助教員制度を考えては私は大きな間違いだと思うんですね。やはり教育の現場のこれからの活性化の問題、そこの中で長期的な観点から受けとめてもらって、三年たったらやめじゃなしに、ずっと続けていく制度としてこの問題は取り組んでいただかなきゃならないと私は思います。 そういう意味で、これについての期間だとか給与だとか、そういったいろんな条件について今決まった案があれば、考え方があればそれについてもぜひ教えていただきたいし、そういうことを含めまして大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 学校いきいきプランと申しますのは、地域社会の人材を学校に入れて学校を活性化させるということでございまして、それは子供たち一人一人に目配りのきいた教育をしていくということが目的でございます。もちろん、波及的効果としましてそれが雇用にも裨益するということでございまして、私は、学校教育の中では、本質の議論としては、やはり社会人の健全な目を学校に注いでもらって、そこでいろんな活動をしてもらい補助的な仕事もしていただくということで運用したいと考えております。 給与の面も、今の日本の財政状況で、たっぷりとした給与を出せたらとは思うのでございますが、そういうわけにもまいらない面もございまして、ある程度の労働に対してこたえ得るものを用意をして、もちろん地域によって、それをもとにしながら、あるいは呼んでくる人の状況あるいは能力なり役割ということによってかなりその辺を裁量的に用いることができるようにもしたいと考えております。そのようなことで、健全な形で社会人の力を学校教育に活用していただきたいというねらいでございます。 とりあえず、今は補正予算においてこの問題に対する措置をとりたいということで今お願いをしているところでございまして、将来どのようなことになっていくかについて今の段階でお約束するというのはなかなか難しいわけでございますが、私はこういう方向というのも大変大事な方向であろうかと思っております。 一方で、定数改善も着々と行われておりますし、学校の教職員の定数も十分に配置をし、そしてまた、いろんな外側の社会人も有機的な連携をとりながら活用させていただくというこのような方式というものは、今後とも考え方としては続けてまいりたいと思うものでございます。 先ほどちょっと私は答弁の中で間違いをいたしました。大変申しわけございませんけれども、北海道教育委員会のことでございますが、本年三月二十日に四六協定の一部削除を北海道教育委員会に通告したと言ったような記憶でございますが、北海道教職員組合に通告したということでございまして、ここに改めさせていただきます。
○亀井郁夫君 ありがとうございました。 くどいようですけれども、今の問題は長期的なプロジェクトとして、そして結果として雇用にはプラスになりますけれども、そのためだということじゃなしに、やはり本当に教育の現場になじむ人を、ちゃんとやってもらう人を採用してもらわなきゃいけないと思いますので、そういう点でよろしくお願いしたいと思います。 私、これで終わります。ありがとうございました。
○大仁田厚君 おはようございます。 今回の質問をさせていただくことに、諸先輩方に御礼申し上げます。 今回、質問をいろいろ考えたんですが、人間というものはつくづく答えのないものだなと自分の中で本当に思います。 十五歳のときに中学校を卒業し、そして長崎の県庁前から、先ほど西岡先生出ていかれましたけれども、同じ同県人なんですが、長崎の県庁前からリュックと寝袋を背負って十五歳の少年が歩いて日本一周徒歩旅行の旅に出るんです。二十八日間かけて神戸の元町の駅にたどり着きました。手持ち資金二万三千円。そして、プロレスの世界に入り、来年で三十年になります。 プロレスの世界で三十年やってきて、じゃプロレスとは何ぞやと言われたら、僕は多分答えが出せません。僕ながら、教育とは何だと自分の教育の現場から、学んできた現場から考えているときに思ったんです、ああ答えのないものだなと。じゃ人間とは何だと言われたら、多分答えのないものだと僕は思います。 その中で、考えている中で一つの問題が出ました。ああ、体験があるじゃないか。FMWという、有刺鉄線を使ったり、ばりばりという試合があるんですが、その団体をあの故ジャイアント馬場さんのところから僕が出まして自分で旗上げしたんです。飛騨高山の高山から二十五キロぐらいの吉城郡古川町民会館、使用料六千円です。安いから借りました。スタッフとレスラーと合わせて二十四人、お客が五人です。 不思議なもので、人は人間の目を見て話し、そして真っ正面で話します。後ろで話す人はこれは失礼であり、これが僕は礼儀だと思うんです。ということは、リングの中で何を表現するか。人に訴え続けるわけです、人に見せるわけです、人に表現するわけです。 ちょっと適切な表現ではないと思いますが、ちょっと血を流し、ぼろぼろになりながらリングからぱっとお客さんを見たら、おじいさんが握り飯を食っていました。はっきり言って、そういった状況に置かれると人間はへこみます。だけれども、私はある種の表現者です。だから私は一生懸命闘いました。そして、ぼろぼろになりながら控え室に向かっていると、八十ぐらいの腰の曲がったおばあちゃんがやってくるんです。そして、あんたと言うんです。あんた、名前何て言うのと言われたときに、はい、僕は大仁田厚ですと言ったら、私、あんたのこと知らぬ、だけれども、あんた一生懸命頑張っているねと言われたんです。 ということは、ああ、人間て才能だけじゃないな。僕は馬場さんのように大きくありません。決して大きい人間ではありません。プロレスラーといえば大きい。プロレスラーといえば力強い。だけれども、ああ、そうなんだ、一生懸命やればどうにかなるんだ。そのところで考えたんです、才能って何なんだろうと。才能ある者だけが、選ばれた者だけがいい職業につき、そしてまた選ばれた者だけがトップの人たちになっていく。そうじゃなくて、才能がなくても頑張っているやつが正当に認められる社会でなければ、そういう社会でなければ僕は人は頑張らないと思うんです。 なぜこの国会という公の場に私が来たか。私は、人間として、自分で才能がある人間だとは思いません。ただ、自分の体験を通して自分が模索し、人間とは何だということを体で表現し、それが一番説得力のあるものではないだろうかと思って僕はやってまいりました。 話は変わりますが、最近の若い者はなとよく言われます。あのエジプトのピラミッドの中に、だれが彫ったんでしょうか、親方が彫ったという説があるんですけれども、最近の若い者はという、何千年も前に。時代は繰り返されます。 確かに、最近の青少年の犯罪というものはだんだんだんだん凶悪化しています。だけれども、私が四十一歳で高校に行ったときに、はっきり言って年齢は倍以上違います。あの教室の中には十七歳、十八歳の子供たちです。僕ははっきり言って一週間でやめようと思いました。考えてみてください。四十一歳の男が十七歳、十八歳の世界に、笑われると思いますが、入ったときに、じゃ、一緒に勉強をともにし、できるか。はっきり言ってできません。机に座って数学を学んだ瞬間に、因数分解、微分積分が出てきたときに、全然わかりませんでした。 そして、その高校を卒業して行ったときに、インドの教育を見てきました。これが去年、おととし、僕が使った数学の教科書です。これが日本の今の高校の教科書です。そして、同時期に行ったインドの数学の教科書がこれです。確かに、中身が大きいとか太いとか、そういった問題でなく。 僕はその子供たちに聞いたんです、何でそんなに勉強するんだ。一日平均十三時間から十四時間勉強すると言っています。何でそんなに勉強するんだと言ったら、国のためだと言うんです。おい、ちょっと違うんじゃないか。もう一回質問するんです、自分のためだろう。そうしたら、家族のためだと言うんです。確かに、国の状況も違い、カスタムも違います。いろんなことが違います。だけれども、僕はその子供たちを自分の中で感じたときに思いました、今のこの国はちょっと違うんじゃないだろうか。 申しわけありませんが、今の社会をつくったのは私たちであり、諸先輩方です。その責任は、僕は大人がとるべきだと思っております。大人が今何をしなければならないか。夢や希望を持てる社会を私たちが最後のエネルギーを振り絞って今つくり上げるしか私はないと思っております。夢や希望をと語ると何か冷やかされるような社会です。熱く語ると、何そんなに熱くなっているんだ、僕しょっちゅう言われます。 村上龍さんが書いた本の中に、「希望の国のエクソダス」という、僕ははっきり言って読んでいません、その中に、現在の若者はすべて満たされている、ただ一つないものは希望だけだという。 はっきり言いますと、僕は目立ちたがり屋です。そうやってここまではい上がってまいりました。はっきり言って、申しわけありませんが、文部科学省は地味です。だって、考えてみてください。予算委員会には多くのマスコミが駆けつけ、人がたくさんいて、目立とうとします。カメラが入っているから、どうにかして映ろうかなと皆さんされます。それは人間の自然な行為です。大人だって僕はそうだと思うんです。 ということは、単純に考えてみてください、大人がどうするかによって子供が変われる。もう一回、私たちが最後のエネルギーを絞って夢の持てる社会、その実現に向けて私は頑張らなければならないと、そう信じております。 本当は、きょうはほとんど僕の三十分間しゃべり続けようかなと思ったんですが、それをやると、どうしても大臣に僕は質問したくてきょうやってきたものですから。大臣、夢や希望の持てる社会の実現のため文部科学行政の果たすべき役割について大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、ぜひ大仁田先生が持ち時間いっぱいその元気な話をしていただいて我々を、謹聴すること自体が、謹んで伺うこと自体がもうまさに日本のあり方を指し示すのではないかというふうに思います。 ただ、せっかく御質問いただきましたので答えたいと思いますが、私は、先週の金曜日ですか、沖縄へちょっと行く機会がございました。沖縄の小学校で子供たちに大歓迎をしてもらったんですね。そして、子供たちはもう生き生きと体験学習の成果を私に次々に立って、今は一人の優秀な子が言うだけじゃないんですね、一人ずつ一言ずつ言ってくれまして、本当に活力に満ちた授業を見せてもらいました。ですから、先生のおっしゃった中で、体験が大事だ、それに基づいて自信を持ち、そして自分でみずから生きる力を身につけていくということはすごく大事だなと思います。 そのときに子供たちに言ったんですが、実は文部科学省というのは先生のように私地味と思っておりませんで、ことしいろんな悲しいことがございましたね。テロは起きる、殺人事件は起きる、池田小学校事件は起きる、本当にひどい二十一世紀の始まりでございました。そんな中で、日本国民に希望を与えることができたのが我が文部科学省であると。一つ、ロケットを打ち上げて成功しました。二つ、ノーベル賞を二年続けてもらってもらいました。もう一つ、別の席ですね、スポーツ功労賞の席に行きまして、そして今スポーツ界であんなに活躍してくれています云々ということで、我が省は日本国民に希望を与え得る唯一の省だと考えております。 夢と希望の話でございますけれども、まさにそれを私ども大人自体が前向きに生きることによって子供たちに示していかなくてはならないと思っています。そんなことで、今度の新しい教育改革が目指すものは、一人一人の子供に生きる力を与え、そして確かな学力とそして豊かな心を持つことによって自分自身で生き方を見つけ、希望を自分で探し、そして未来に向かって歩いていける、そんな子供を育てたいというのが私どもの今考えでございます。ぜひとも大仁田先生のその勢いでバックアップしていただきたいと思います。
○大仁田厚君 大臣の言われることは僕はよくわかります。だからこそ私は言ったんです。だからこそ、確かに予算委員会はマスコミが来て取り上げられます、大臣の言われているように、だけれども、僕は今まさに文部科学省が真剣に取り組むことがこの国のためになるんじゃないかと私は思ったから、僕は入ったんです。 これはなぜかと申しますと、景気とかそういったものというのは確かに時代の流れとともにいろいろ変化します。いや、確かに教育というものも時代の流れとともに変化すると思います。今、この国に何が必要かというと、僕は生きる力だと思うんです。それを教えるのはこの文部科学省なんです。教育の中にいかに取り組み、やっぱり。 僕はヨーロッパに二年、アメリカに五年、通算七年間プロレスを続けながら外国で暮らしました。そのときに何を食べたいかと言われたら、サンマ定食が食べたかったんです。それをロサンゼルスに行ったときに食べた瞬間、ああ、おれはやっぱり日本人だなと感じるんです。僕ってやっぱりこの国が好きだし、今のモラルが欠落した、おふくろさんを、殺すという言葉は嫌いなんですけれども、あやめたり、人のことを傷つけたり安易にしてしまう国であっては絶対にいけないと思うんです。 そういった中で、私は自分のコンプレックスを消すために四十一歳で高校に行きました。高校に行くとドアがありますね。鏡の中からぽっと見える世界が十七歳、十八歳の世界なんです。ぱっと考えられますけれども、今ぱっと、自分の中でプロレスラー大仁田厚というものを確立した、先生方もそうです、先生方も先生というものを確立した方がその世界に入るというのは多分勇気が要ると思います。先生から言われたんです、おい、大仁田、そこの席に着けと。二十六年ぶりに席と机を感じたとき、小さいなと思ったんです。いや、当たり前だと思われます。当たり前だというのはわかると思います。当たり前じゃないか、二十六年ぶりなんだから。だけれども、僕はここが違うと思うんです。だってそうでしょう、大臣。朝、大臣が新聞を読まれます。そしてテレビを見ます。あたかも自分の体験かのように第三者に話したことはありませんか。だけれども、それよりも、ああ、わかるということですけれども、二十六年ぶりに僕がそのいすと机をぽっと感じたときに小さいなと。これはわかることであっても僕は貴重な体験だと思うんです。 はっきり言って、高校に行って友達ができず、もう一週間でやめようかなと思いました。そのときに僕を救ってくれたのが十七歳、十八歳の子供たちだったんです。その子たちが僕の友達になってくれました。そうしたら、僕は学食へ行くんですよ、こうやって。そうなると、僕は何というんですか番長になりまして、あいさつしないと、おまえ、あいさつしろよと言っちゃうんです。 それで、学食へ行ってカツどんを食べていたら、一人のぽちゃっとした男の子が寂しそうにカツどんを食べています。それで、元気を出せよと、こうファイヤーとか言おうかなと思って、元気を出せよと言おうとしたら、その男の子のカツどんが唐辛子で真っ赤っ赤なんです。それで、友達が言うんです、大仁田さん、これはいじめられているんですよと。申しわけありませんが、僕はそのときは高校生ですから、その大地という同級生と僕は、百人ぐらいの食堂でどなりました。だれだ、こんなことをやったのはと言った瞬間、政経の西谷先生と化学の大沢先生が、何を思ったか、大仁田、やめろととめるんです。だから僕は言いました。済みませんと僕は言ったんです、その先生に。これは子供の問題です、済みません、これは子供の問題です、僕らの問題です、済みませんが僕たちだけで話し合いますのでと。 ある程度の僕も立場になりましたから変な言葉遣いはできませんが、いじめた皆さん、ちょっと顔をかしてくださいと表に連れていきました。そうですよ、連れていきました。それで、いじめられた子も、君もお顔をおかしくださいと、こう表に。そのときに僕は言ったんです。おい、三年間いじめ続けるのか、寂しくなるぞ、おまえ弟いるのかと言ったら、たまたまいたんです、はいと言う。おまえ弟にこんなことをするのか、いえ、しませんと言う。おまえもおまえだ、ずっとこうやっておまえ黙って食べているから、どんどんいじめ抜くんだ、おまえ三年間いじめられたいのかと。そして、何を思ったか先生に言われたのか、僕が数学の時間が終わったら僕のところにやってくるんですよ、先輩、済みませんでしたと。おまえ試合に来いと言ったんです、試合に来いと。そうしたら、その二人が最初、試合場でファイヤーとかやっているんですよ。 それで、僕がやった行為が正しいのか正しくないのか、それはわかりません、僕ははっきり言って。これは結果論ですから、人間に答えはないと思っていますから。だけれども、二学期のときに食堂に行ったら、その子供は三人ぐらい友達ができて一緒に御飯を食べていました。 本当は質問よりも、あと七分しかありませんから、大臣によろしかったら、本当は副大臣にもたくさんの質問を僕は用意していたんですが、最後に副大臣と橋本委員長にだけ質問をさせていただきたい事項があるんです。 はっきり言って、本当に皆様方に、何で大仁田厚が国会議員になったのかと。人間というのは一〇〇%じゃありません。こうやって公の場に出てくれば、出るくいは打たれるということわざのように、いろんなことがあります。そして、それで人間はへこみ、悩み、苦しみます。 じゃ、副大臣にお聞きします、男として。出るくいは打たれる、だけれども、じゃ、そこで人生をあきらめるのかと言われたら、副大臣、どうされますか。
○副大臣(岸田文雄君) 先生のお話を聞いておりまして、本当にいろんなことを考えさせられました。 出るくいは打たれるということですが、それで打たれるのが嫌だといえば、おっしゃるように夢を持つことはできないでしょうし、夢のない社会になってしまうんだと思います。 今、日本の社会見ておりまして、出るくいは打たれるというか、要するに出ることによって人から批判される、批評される、そのこと自体嫌がる風潮がある。本当にそういったことが夢をしぼませる大きな原因だと思いますので、出るくいは打たれる、これにへこたれているようじゃ日本の国はいつまでも夢を持つことはできないんではないか、そのように感じます。
○大仁田厚君 私も同意見です。 ということは、ある種物すごく重要な部分を大臣、僕は占めていると思うんです、この場が。だから、僕、世間にいたときに、だれも僕はそうだと思いますけれども、はっきり言って文部科学省の人たち何をしているのかなと思いました。だけれども、僕は、はっきり言って、何人かの文部科学省の人たちと話をしたときに、ああこの人たちも夢を語ろうとしているんだという可能性を見ました。 人間というのは、面と向かい、本当に真剣に話さなければ、同じ目線の中で話さなければ決してわからないことがあります。確かに礼儀というものはあります。目上の人に対して礼儀を尽くすのは当たり前のことです。僕たちが、僕たちの世代が何かを主張します。そうすると、先輩の世代がもし僕たちを受け入れてくれたら、僕たちは可能な限り闘うと思うんです。そうしたら、受け入れられたという喜びを心の中で感じます。そうすると、何をするかといえば、僕たちは多分後輩を育てるでしょう。そしてまた、その後輩はまた下の子たちを育てると思うんです。社会というのはそういうふうに連係がなっているのでしょうか。 大阪で悲しい事件が起こりました。だけれども、不思議なことに世の中は流れています。毎日刻々と流れています。だから、人間の意識の中のキャパシティーの中で全部は記憶できません。だから、どんどんどんどん消化されて消えていくことがあります。だけれども、決して忘れていけないことというのは、僕は部分的に絶対にあると思うんです。 ちょっと思い返してみてください。僕らが行ったときの学校には怖い先生がいました。そして、クラスの中には番長と呼ばれる人がいて、じゃ番長が所構わず人をいじめたかといえばそうではなかったんです、弱い者を助けていたような気がします。そして、町内の中には怖いおやじがいて、僕らが悪さをすると殴りつけるんです。全然僕知らないおじさんなんです。そういったように、地域と学校が何か知らずのうちにコミュニケーションをとり、密着していたような気がするんです。何かそういったものがどんどんどんどん欠落していく世界。 僕は思うんですけれども、本当にこの次もし質問させていただくことがあれば、具体案はいろいろ考えているものですから、もう時間がないと先ほどこうやって、質疑の時間は十一時三十分までですということがあったものですから、あと三分少々しかありませんので、最後に質問と自分の独演会で終わりたいと思います。 最後に、橋本委員長に質問なんですが、私自身として考えておるのは、文教科学委員会のこういった討論の場で、大臣にもお考え願いたいんですが、僕は、子供たちやそして現場の人たちを呼び、生の声をじかに聞き、そして討論をしながらいろんな具体的なものを討議していく必要性があると思うんです。その中では大人と子供が闘い、闘いというのはそういった部分の闘いではありません。ある部分の精神的なものであり、コミュニケーション、同じ目線の中で意見を交換し合う必要が僕は絶対にあると思うんです。そういった意味で国会の立場から行政と取り組む必要があると思いますが、橋本委員長はいかがお考えでしょうか。
○委員長(橋本聖子君) 委員長への質問というのは初めてだと、私も今戸惑っているところが正直な気持ちなんですけれども、やはり大仁田先生の今のお考えというのは私としてもとても大切なことだと思っておりますし、またこの件につきましては大変貴重な御意見として承りたいと思っております。ありがとうございました。
○大仁田厚君 ありがとうございます。 済みません、そういう機会をぜひ設けていただいて、見えないところも皆さんと一緒に、子供たちと一緒に見ていこうと思っております。 最後なんですが、あと一分で終わります。 小泉総理が言われた米百俵という言葉を私なりに解釈いたしました。明治新政府は国家予算の三分の一を使って教育改革をしたそうです。私は、小泉総理が掲げられる聖域なき構造改革は教育改革なくして絶対にないと信じております。だから私はこの文教科学委員会に来ました。先ほど言いましたように、頑張っているやつが正当に認められる社会でなければだれも頑張りません。 私は声が大きいです。ここにマイクがあるのに一々声を張り上げることはないとあるアナウンサーが言いました。だけれども、この世界は僕はライブだと思うんです。人を感じ、勢いを感じ、熱を感じ、そこで人間を感じるのが僕はライブのよさであり、こういった討論の場だと思うんです。 はっきり言いまして、モラルはどんどん欠落しています。僕は、国会に来たらできるだけあいさつをこうやってするようにしているんですけれども。あいさつが基本だ、だけれども、そのあいさつをできない大人の人も何人か見かけます。その人たちが真剣な顔をして子供たちに、そのあいさつをできない人が子供たちに真剣にその場だけを繕って語ってみても、僕は子供たちに通用しないと思います。 文部科学省を支えている方々、もしよかったら、大仁田厚、現場に赴き、いろんな生の声を聞いてみようと思います。そしてまた、私は今回、パキスタン、アフガンに行くことをあらゆるところに嘆願しましたが、通りませんでした。だけれども、この姿勢は変えるつもりは全くありません。大仁田厚、失敗だらけの人間です。だけれども、その失敗の中から人間は貴重な体験を得て、そしてそこで答えをどんどん見つけていくんじゃないでしょうか。もしよかったら、こういう若輩者ですが、全力でこの国のために頑張りますので、皆様、よろしくお願いいたします。 それでは、大仁田厚の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○鈴木寛君 民主党・新緑風会の鈴木寛でございます。 私も大仁田委員と全く同じ気持ちで、夢と希望の国日本をつくりたい、そういう思いで本委員会に所属をいたしました。 質問をさせていただきたいと思います。 今日の世界そして日本の現状を見ますと、歴史上これほどまでに教育の重要性が高まっている時期はないと痛感をせざるを得ません。先日、世界じゅうを震撼させ、私たちも本当に心を痛めました米国の同時多発テロ事件、あの大惨事を発生せしめたその根底には、行き過ぎた洗脳教育があるということを私たちは忘れてはならないと思います。 「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。」という名文句の宣言のもと創設をされましたユネスコにおきましても、今回テロリズムの根絶に関する決議を採択いたしましたが、平和の回復と創造の出発点もまさに教育であるということを私たちは再認識したいと思います。 同時に、個人並びに家族の人生の充実とそれを支える社会、国家、その健全な発展もまさに教育にかかっております。 そうした観点から、人が学ぶ権利、すなわち学習権は最も尊重されるべき基本的人権の一つであり、すべての人々の学習権の向上と充実を図っていくことが二十一世紀にこの国会に身を置く我々の務めであると存じております。 特に、二十一世紀は知の時代になると言われております。そうした中、日本人並びに日本国の将来は知恵と人材をいかにはぐくみ活用できるか、まさにそのことに尽きている、そのように思います。我が国におきます高等教育の盛衰こそが二十一世紀の日本の命運を決すると言っても過言ではありません。 私自身も、本年三月まで慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスの助教授として教鞭をとってまいりましたし、現在もなお、先ごろノーベル化学賞を受賞されました野依教授が学ばれました高等学校におきまして、毎週生徒の指導にも当たっております。 そうした現場経験から、高等教育を受ける意欲のある人々への経済的支援とそうした学生を受け入れる側の大学のガバナンス、これについてもっときちっとした議論を行ってその抜本的な拡充と強化を行うことが大変に重要なことだということを常々感じてまいりました。 大学のガバナンスにつきましては次回に譲ることといたしまして、本日は、高等教育を受けていきたい、そうした思いを持った学習者の支援に絞って御質問をさせていただきたいと思います。 現在、政府内におきまして特殊法人改革の議論がなされておりますけれども、その議論の俎上に日本育英会も上っていると思います。同会は、昭和十九年の発足以来、我が国の育英奨学事業の中核的な機関といたしまして極めて重要な役割を担ってまいりましたが、その育英会が現在廃止の方向で議論が進められていると仄聞をいたしております。 このままの議論が進みますと、本当にこの日本育英会が廃止をされてしまうのかどうか、具体的に行革事務局と文部科学省との間で今までにどのような議論があって、この議論が今後どういうふうになるのか、その見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 日本の将来は人にありということで、特に学びたい人に奨学金を与えるということは大変大事だと思っております。私どもはその信念に変わりはございません。 このたびの特殊法人等改革におきまして、八月十日に個別事業の見直しの考え方というのが出たわけでございますが、その中で、日本育英会につきましても行政改革推進事務局の指摘と我が省の意見が両論併記の形で公表されております。 そこでは、行政改革推進事務局からの指摘に対しまして我が省が答えているわけでございますが、事務局からの指摘は、一つは無利子奨学金の絞り込み、二つには有利子奨学金の国民生活金融公庫の教育貸し付けとの統合の点が主な指摘点でございました。これに対して我が省といたしましては、奨学金制度全体の充実の必要性、それから奨学金と教育貸し付けとは機能が異なるなどの意見を述べていたところでございます。 廃止・民営化というのが大きな特殊法人についての構造改革のねらいになってございます。その中で、九月四日に我が省より、日本育英会の行う事業は公益性が高く、独立採算できないものであって、廃止・民営化は困難であるということで、ただ、その必要な条件が満たされて、育英奨学事業が今よりさらに充実されるというのであれば、現在とは別の法人形態について検討の余地はあると報告させていただいたところでございます。 これに対しまして、十月五日には、行政改革推進事務局より、廃止・民営化について、育英奨学事業の拡充の方針に留意しつつ、他の法人との統合による廃止を含め引き続き検討というふうに意見が示されたところでございます。 今後は、平成十三年中に策定されることとなっております特殊法人等整理合理化計画に向けまして、さらに行政改革推進事務局と協議していくこととなっておりますが、我が省といたしましては、いろんな角度からこの問題について十分に考え、政策金融のあり方の方向なども踏まえながら、育英奨学事業の充実を図る観点から引き続き適切な対応に努めてまいりたい、そのような所存でございます。
○鈴木寛君 米百俵を唱えられております小泉政権下で、形はともあれ、日本育英会を廃止せよという意見が出ていること自体残念でございます。とりわけ、やはりこの育英会の将来については多くの方々が御心配をされていると思います。今、国民金融公庫などへの移管というお話もございましたが、その場合に本当に受給者にとって条件などで厳しくなることがないのか、そのことについてはぜひ御留意をいただきたいと思います。 それから、日本育英会が消えてしまうかもしれないということに関連をいたしまして、地域改善対策特定事業に係る国の財政特別措置法に基づく奨学金制度についても少しお伺いをいたしますが、本制度は二〇〇一年度末をもって期限切れとなる予定でございまして、政府はこれについては期限の延長をせず、別制度、予算枠を持って対応するとし、同制度の切り捨ては行わないとされておりますが、仮に育英会がなくなってしまうということになりますと大変心配なわけでございますが、ぜひ期限切れ後も同制度の趣旨が実質的に損なわれないようにお願いを申し上げたいと思いますが、文部科学大臣の御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘いただきましたように、この事業、平成十三年度末をもって地対財特法が失効することに伴い、終了することとなっております。他の地域改善対策特定事業と同様に、その後は同和地区や同和関係者に対象を限定しない一般対策によって対応するということになっているわけであります。 そこで、今後のことでありますが、高等学校と大学とそれぞれ、まず高等学校につきましては、平成十四年度以降は都道府県が行う一般奨学事業の拡充により対応することとしておりまして、都道府県が経済的理由により就学困難な高校生に奨学金を貸与する場合、これに要する経費の一部について補助を行う事業を新設するため、概算要求を今行っているところであります。また一方、大学の奨学金につきましては、日本育英会の奨学制度により対応して、予算の拡充を図るというようなことで、それぞれ対応を考えております。 いずれにしましても、事業は平成十三年度末をもって終了をするわけでありますが、その内容におきまして後退がないようにしっかりと対応していきたいと考えております。
○鈴木寛君 それでは、ぜひよろしくお願いを申し上げます。 それでは、学ぶ意欲のあるすべての人々をどのように経済的に支援をしていくか、その基本的な考えについてお伺いをしたいと思いますが、現在、日本で十八歳以上の大学生、専門学校、大学院などを含めますと約三百五十万人の学生がいます。それぞれが大体約百五十万から二百万ぐらい年間学費と生活費がかかっておりますから、日本社会全体で見ますと大体五兆円から七兆円のお金がいずれにしても必要になってくるわけでございます。これを本人負担、それからお父さん、お母さん、要するに家族が負担をする。それから民間の教育ローン、それから民間の奨学金、それから公的な奨学金、それに授業料の補助などによってこれから賄っていかなければならないわけでありますが、この五兆から七兆というその学習活動を支援する社会全体の費用をどのような考えに基づいて社会全体として分担をしていったらいいというふうにお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 今御指摘のように、高等教育に学ぶ学生の皆さんへの支援というのは大事なことでございまして、憲法、教育基本法で教育の機会均等をうたっております趣旨からしまして、経済的に困難な、しかも勉学意欲のある学生諸君への支援というのは、国や地方公共団体も含めて役割分担をしながら施策の充実を図っていかなきゃいけない課題だと思ってございます。 ただ、御指摘のように、それぞれがどういう分担割合がいいかどうかというのはなかなか公定的にきっちりしたものがあるわけでは必ずしもございませんで、御承知のように、今、奨学金につきましても、日本育英会のほかに地方自治体それから公益法人、あるいは各大学等も含めて種々のところでいろんな施策を講じているわけでございますが、最近の傾向を見ますと、特に公益法人、ある程度、基金をベースにしまして援助する奨学財団が幾つかございますけれども、残念ながら、最近の低金利時代の中でその活動にかなりの支障を来している部分もございます。 そういう意味からしまして、日本育英会を初めとして、公的な支援の拡充というのが我々に課された課題であろうかと受けとめてございます。
○鈴木寛君 私も実は私立大学で教鞭をとっておりました。近年、大変に気になることがございます。経済的な理由で退学、退籍、休学をする学生が徐々にふえていること、これは実質、表面に出ている以上にございます。そうした相談も私、受けてまいりました。我が国の場合は特に学生の多くが私立大学に通っておりますので、特にこのことは心配なわけでございます。 例えば、あのアメリカですら私立大学の学生は全体の約三割でございますし、それからアメリカは授業料高い高いと言われておりますけれども、授業料二万ドルを超える私立大学に通う学生数は全体の四%にすぎないわけでございまして、日本の場合は約七割が私立大学に通っているという現状でございます。そして大変な負担を強いられております。 ちなみに、私立大学の下宿生の場合は学費と生活費で年間に平均二百五十四万円かかって、うち二百十九万円は家庭、家族が負担をしております。それは家族の家計の、親御さんの家計の平均可処分所得の実に三七%ということですから、二人もお子さんを大学生で下宿させたら八割が、家計の八割はもうとられちゃう、こういうことになっているわけでございまして、しかも、日本育英会から給付を受けている私立大学生はわずか一四%というありさまでございます。 こうした昨今の経済不況、雇用不安が家計を直撃をいたしまして、実質的に学ぶ意欲を持っている若い人たちの学ぶチャンスを奪っているとしたら、これは大変にゆゆしき事態だと私は考えております。 こうした実態を踏まえまして、遠山大臣は、我が国の先ほどもお話がございました奨学金支援の拡充ということについて、具体的にどのような目標を立てて、どのような具体的な内容を考えておられて、そしてそれをどういうスケジュールで実行をされるおつもりなのかを伺いたいと思います。 いずれにいたしましても、私は、今申し上げましたように、大変な過度な負担を家庭は強いられているわけでございまして、これは大幅に軽減すべきだと思います。加えまして、やはり学生は自立をしてきちっと勉強していくということが大事でありますから、そうしたことも含めて御所見を大臣から伺いたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 御承知のように、今、育英会の貸与事業について申しますと、無利子貸与と有利子貸与事業があるわけでございますが、現在、学種別に見ますと、大学レベルでは約一七%の学生の皆さんに貸与してございます。それから、大学院レベルですと四三%余でございますが、今御指摘がありました家計の急変等によって大変勉学が困難になっている学生の皆さんについては、緊急貸与奨学金制度というのがございまして、随時それを受け付けながら家計急変等の学生諸君の支援に努めているところでございます。 それと、御指摘ありましたような、じゃこれからどういうふうに充実するのかということでございますけれども、これは先ほどの御質問にもありましたように、育英会だけではなくて地方自治体あるいは民法法人等々、各種の支援の窓口があるわけでございますが、その全体の兼ね合いではございますけれども、私どもとしては、少なくとも財政事情の許す限り育英奨学事業の拡充に努めさせていただくということで、来年度概算要求に当たりましても、無利子、有利子を合わせまして約四万五千人増の七十九万八千人の奨学生を対象に奨学金の貸与を計画しているところでございます。 なお、これで必ずしもまだ十分ではございませんが、おっしゃいましたことで私ども申しますと、目標といたしましては、十八歳自立社会の実現というのが一つの私どもの量的というよりは質的な目標でございまして、高校を卒業して十八歳になったら自立して勉学に努められるような環境の整備に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○鈴木寛君 私は、ぜひ学生の側からもう少しきちっと実態を踏まえて御議論をいただきたいというふうに思いますが、私は、国際的に見て日本の大学生がいかに苦労しているかということについて少しお話をしたいと思いますが、現在、日本の場合は、奨学金をもらっている、これは育英会だけじゃなくて民間すべてでございますけれども、もらっている学生は二割でございます。そして、その二割の学生といえども必要額の約三割しか賄われていないというのが日本の実態でございます。 では、海外はどうなっているかということを申し上げますと、ヨーロッパ主要国におきましては、学費、生活費が学生やその家族の家計を圧迫するという状況は全くございません。例えばドイツの場合は、大学のほとんどは州立大学でございますから原則学費は無償でございます。加えまして、生活費は、連邦奨学金法という法律があって、必要生活費と家族収入の差額をすべて全部の学生がもらえると、こういうことになっていますし、イギリスにおいても、年間の学費は二十万円で、しかも四割の学生がそれを免除されている。加えて、生活費については、希望者全員に奨学金制度というものが実現をされておりますし、その額も十分な水準になっております。 アメリカについて申し上げますと、アメリカはかなりヨーロッパと違います。私立大学、州立大学が中心でございますが、このアメリカにおきましても奨学金制度は大変充実をいたしておりまして、先ほど局長よりお話がございました日本の額の約十倍に上る五百億ドルの奨学金が総額で給付されておりますし、学生全体の七割が奨学金をもらっております。加えまして、給付型、貸与型、それから学業にマッチしたカレッジワーク、日本と違って学業と全く関係ないアルバイトじゃなくて、自分の学力増進にもつながるカレッジワークと、この三つのタイプの経済的支援制度が用意をされておりますから、これを大変うまく組み合わせて学生の皆さんは経済的な不安なく学習ができるということになっております。 各国の事情を申し上げるのはこれぐらいにいたしたいと思いますが、要するに先進諸国の中で、学生が経済的な理由で修学を断念をしたり、さらにそうした学生の学費、生活費が親の家計を圧迫したりしている国は日本以外に見当たらないということを文教科学委員の先生方にはぜひ御理解をいただきたいと思います。 こうした諸外国の実情を踏まえまして、私は、ぜひ日本におきましても、経済的な理由による高等教育就学機会の損失をゼロにするという具体的な目標のもとに、奨学事業拡充方針を明快かつ明確に示していただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。 私が申し上げておりますこの考え方は決して私の独善ではございませんで、実は一九七六年に発効をいたしました経済的、社会的及び文化的権利に関する国際条約、いわゆる国際人権A規約でございますが、この十三条の2の(c)では、「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとする」と規定されておりますし、また、同条の(e)では、「すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し」云々と規定をされております。これらの規定から明らかなように、私が申し上げております目標は、国際条約に規定されている基本的人権の実現をしていただきたいということを申し上げているということを皆様方に御理解を賜りたいと思います。 実はしかし、驚くべき事実がございまして、我が国はこの条約の締結に当たり、同項の無償教育化について留保をいたしております。文部省にお伺いをいたしますが、締結国、百四十五カ国ございますが、日本以外にこの条項を留保している国があれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 突然のお尋ねでございますが、手元にある資料によりますと、今御指摘の条項を留保しておりますのはマダガスカルと承知してございます。
○鈴木寛君 私は、この留保をぜひ解除をいたしていただき、きちんと国際条約の実現に向かって努力をすべきだというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、ほかの国は、百四十三カ国は、この条約に基づきまして、既に二十年間、それぞれの国民の高等教育の無償化に向けて懸命な努力をしてきているわけでございます。その一方で、日本だけがどんどん取り残されてしまっているという実態には大変な危機感と懸念を感じるわけであります。 それから、私は、現行では余り奨学金の対象となっていない方々へも積極的に道を開くべきだと思っております。例えば、数多くの日本人がファッション、デザイン、スタイリスト、ゲーム、アート、アニメ、ミュージック、料理などの分野で世界的に活躍をしていらっしゃることをかんがみますと、現在約八%しか受給をしていない専修学校、専門学校生に対する奨学金制度の拡充にも特に御留意をいただきたいと思いますし、加えて、これからは大仁田委員のように一生涯学び続ける時代となると思います。社会人を初め年齢を問わず学びたいという意欲があるすべての方々への奨学金制度に向けて特段の配慮が必要だと思います。 いずれにいたしましても、日本社会全体で総額、先ほどお話ございました約五千億強の奨学金をやはり急速にふやしていくということは喫緊の課題として取り組むべきだと思いますが、行革だけではなくて、こうした前向きな議論をぜひとも進めていただきたいというふうに思います。 本日は高等教育における学生の経済的な支援に絞って議論を重ねてまいりましたけれども、学生やその保護者の方々の家計が大変に苦しんでいるということを十分に踏まえていただきまして、奨学事業の抜本的な拡充を図るために、早急にそのための検討体制を整備をしていただきたいというふうに思います。そして、日本育英会の存廃問題の決着に合わせて、同時にその奨学事業強化の具体的な成案をまとめていただきたいというふうに思います。日本育英会の廃止法だけが国会に提出されるというのは大変残念な事態でございますので、決してそういうことがないように強くお願いを申し上げたいと思います。 私自身は、我が国における高等教育機会の均等を図ることを目的として、学習者に対し学費そして生活費も含めたそうした費用の確保を保障するために、官民あわせた奨学事業の抜本的な拡充とそれに必要な所要資金の確保、あるいは利子補給、政府保証などの実施を盛り込んだ高等教育における学習活動支援法の制定をぜひ御提案をしたいと思いますので、御一考を賜りますようにお願いを申し上げます。 我が国は、先ほども大仁田委員が御指摘ありましたように、本日議論をしてまいりました奨学金を初め、余りにも教育に対する投資を怠ってきたというふうに思います。まさに教育投資の量的、質的な拡充は不可欠だと思います。年間の高等教育に係る公財政の支出の対GDP、GNP比率を見ましても、アメリカ一・一、イギリス一・三、フランス一・〇、ドイツ一・五に対しまして、日本は〇・七%。世界先進各国に比べていかにおくれているかということがよくわかります。 遠山大臣は三十年余り文部省にいらっしゃいました。遠山大臣を初め多くの文教関係者が教育投資の充実を図るためにこれまで懸命な努力をされてこられたことは私も十分承知いたしておりますし、本委員会には実は三名の文部大臣経験者がいらっしゃいますが、そうした先輩の皆様方の御努力にもかかわりませず、我が国の公的教育投資がドイツの半分、民間教育投資主体の米国にすら劣後しているということは大変残念でございます。これは、日本の教育を充実をしたいとの遠山大臣を初め皆様方の思いが結局従来の与党の政治力学の中でいつも踏みにじられてきたことの結果であるということは言わざるを得ないと思います。従来型の建設・土木事業には野方図に予算を投下する一方で、教育投資がいつも後回しにされてきたことは、遠山大臣が一番よく御存じだと思います。 私も、隣の通産省にありまして知的立国日本創造のために我が青春の日々をささげてまいりましたが、二十一世紀への準備がどんどんおくれていくことへの焦りと、我々若手官僚の真摯な思いが通じない悔しさを毎日味わってまいりました。その後、大学に身を転じ、やはり懸念したとおり日本の人づくりが危機的状況にあるということを目の当たりにいたしました。そして、私は今般、参議院選挙に当たりまして、皆さんの税金をコンクリートから人づくりへというメッセージを発しさせていただきまして、私のメッセージに対し東京だけでも七十六万人という多くの皆様方から賛同と共感をいただきましたことによって、本日、この場に立っている次第でございます。 人づくりは今やまさに国民の総意であると思います。私も大仁田委員とタッグを組みながら頑張ってまいりたいと思いますが、全国に学ぶ三百五十万人の学生と、そして将来の学生、今の学生を抱えるすべての御家庭の切なる思いを十分にお酌み取りいただきまして、これまで日本の人づくりに人生をかけてこられました遠山大臣より御決意のほどを伺いたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
○国務大臣(遠山敦子君) 今、鈴木委員から御指摘のことは私ども身にしみていつも感じておりまして、そのことを大声を上げて言ってまいった何十年間かでございます。 まことにおっしゃるとおりでございまして、大変力強いものを感じますけれども、全体の財政的な状況、日本の経済停滞、そんな中ではございますが、私どもとしては、先ほど局長が説明いたしましたように、奨学金のことにつきましても、その中でも、最善とは申しませんけれども、ベターなことで力いっぱい頑張ってまいりたいと思っておりますが、これは少し息の長い活動になろうかと思いますけれども、このことの重要性については国民各位が恐らく応援していただけると思っておりまして、私どももそういう声を背後にいたしまして今後とも力を尽くしてまいりたい、先生の御指摘について十分受けとめさせていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○鈴木寛君 ありがとうございました。 質問を終わります。
○委員長(橋本聖子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(橋本聖子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続きまして、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。 私は横浜市と福岡県で小学校の教員を二十数年してまいりました。初めての質問でございますけれども、先輩でありました久保亘先生たちのお仕事を引き継いで、頑張ってまいりたいと思っております。 初めに、九月十一日以来、テロや軍事報復によっていたいけな子供たちを初めとする無辜の民の犠牲者が続出している、今この瞬間にも続出しているという現実についてお尋ねします。 遠山大臣、突然のテロによって我が親を亡くした子供たちやアメリカの空爆、誤爆によって亡くなった母親にしがみついて泣く子供たちの立場から見て、私はとにかく一刻も早くこういった武力行使はやめてほしいと念じているんですけれども、大臣はいかがでございますか。人の命をはぐくみ健やかに育てたいという立場から、一人の人間として、また女性としてのお考え、御感想を一言お願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、二十一世紀についてはもう少し平和でかつ希望のある世紀であろうかと思っていたわけでございますけれども、最近のいろんな出来事というのは、そうではなくて、二十一世紀は下手をすると大変な時代になってしまうのではないかという予感さえ覚えるようなことが次々に起こってまいっております。いろんな形での武力行使、それに伴う人命の損失ということはまことに許せない、なぜ人類がこれだけの歴史を重ねながら英知を持ってそういう問題に対応できないかというのはつくづく考えさせられるところでございます。 ただ、今回のきっかけになったのはまさにテロであります。同時多発テロという許せない行為に対してそのまま傍観しているわけにはいかない、そのようなことから今日の問題が起きていると思っております。 基本的には、今回のような問題が早く終息を見て一刻も早く世界に平和をというのはあらゆる国のあらゆる人々が希望していることではないかと思いますし、もちろん私もそういう考えでございます。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 遠山大臣は、過日のユネスコ総会におけるスピーチで、テロリズムの根絶のためにあらゆるレベルでの対話を力強く促進し、紛争を抑止、解決し、平和な世界を構築するために異なる文化や文明間の相互理解に全力を注がねばならないと訴えられております。 また、教職員組合の国際組織でもありますエデュケーション・インターナショナル、EIというんですけれども、今回のテロ問題に関する緊急アピールを発しております。その中では、教育支援のための基金の呼びかけや、学校がいかにして極端主義との戦いを助け平和と非暴力の文化に貢献できるかを探るための国際教育会議開催などを提起しております。 残虐なテロ行為や、また紛争や戦争を根絶する意味でも、異文化に対する理解と寛容、違いを認め合ってともに生きる人間教育こそ子どもの権利条約の精神でもあります。 そこで、大臣に再度お尋ねしますが、とにかく一刻も早くこうした武力紛争は根絶すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) ユネスコ総会におきまして、テロに対する、これを批判する決議が採択されたわけでございます。その背景には、百八十国に上る加盟国すべてが今回のテロの同時多発事件に起因する問題についていろんな議論を行って、やはりテロは許せない、そのような角度からの決議が行われたわけでございます。私もその決議を行うべしということで、日本政府代表としての演説の際にそのことを申し上げまして、できるだけ早い機会にそのことを明示すべしということを申し上げました。そのこともあり、私が帰国してからでございますが、そういう決議が採択されたところでございます。 私は、ユネスコというフィールドというのは、教育、科学、文化、そういうことを専念してとり行って、そしてそれを通じて世界平和に貢献するという役割を持っていると考えておりまして、その意味で、その機能を十分に果たしながら、将来のこういう問題が起きないようにするためのいろんな努力をユネスコとしてもしていくべきではないかということを具体的な提案として幾つかしたところでございます。 テロを許さないという決然たる決意とともに、できるだけそれを起因とするいろんな今日のような状況についても終息が早いようにと願うのは、先ほども申したようにすべての人々の願いであると私も思っております。
○神本美恵子君 それでは次に、午前中の質疑の中でも幾つかの側面から教育の重要性が語られましたけれども、私も、社会の持続可能性を担保するという、この側面から、最も重要なものの一つがほかならぬ教育であるというふうに考えております。 大臣も所信の中で、人材・教育大国と述べられておられます。歴代の内閣は、教育は未来への先行投資であると位置づけてまいりました。日本社会の持続的な発展にとっての教育の重要性についてひとつ大臣の御所見もお伺いしたいんですけれども、あわせて、大臣は所信の中で、みずから先頭に立って、国民の学校教育への信頼を取り戻し、学校がよくなる、教育が変わることを目指し、より一層の教育改革の推進に取り組むと述べておられます。 私も、学校現場にいた者として、三十人以下学級を初めとする教職員定数の改善や学校の施設設備などの人的、物的教育条件整備が緊急課題だと切に考えております。教職員定数改善五カ年計画の二年次を必ず達成するという大臣の決意をお伺いしたい、お聞きしたいと思います。 あわせて、子供にとっては学びの場だけではなく生活の場でもある学校の施設設備についてお尋ねします。 学校施設の現状は、二十一世紀を迎えた日本社会の一般的水準に照らして極めて劣悪だと言わざるを得ません。五Kと言われる学校トイレ、御存じでしょうか、暗い、汚い、臭い、怖い、壊れている。今や学校にしかない、先ほど大仁田委員もおっしゃいました小さな机といす、粗末な内装、更衣室もなく男女一緒に着がえなければならない。また、ほこりの舞う教室での給食。子供にとってエアコンのない生活空間が一体学校以外のどこにあるでしょうか。さらに言えば、このIT時代にパソコンのインターネット接続ができないとか、学校に電話回線が二本しかないとか、保護者や外部との緊急な連絡にも事欠く、こんな例えば事業所が学校のほかにあるでしょうか。 このような一般社会に比べての学校の立ちおくれを解消して、子供たちにあなたたちは大切にされているんだよという大人からのメッセージを伝える必要があると私は思います。 そのために、先ほど鈴木委員からも御指摘がありましたが、教育予算の対GDP比をせめて欧米並みの五%に引き上げるべきだと考えますが、来年度教育予算の獲得について、午前中、大臣はその決意として国民の声を背に受けて力を尽くしたいとおっしゃいましたけれども、再度決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 幾つか御質問がございました。定数改善のこと、施設のこと、それから教育予算のことであったかと思います。私からは最初の点と最後の点についてお話を申し上げて、施設の点はもう少し実情を知っている局長の方からお答えすることをお許しいただきたいと思います。 まず、今年度からスタートいたしました第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画、ここでは基礎学力の向上ときめ細かな指導を充実するという観点から、教科などに応じて二十人程度の少人数指導が実施できますよう法改正もさせていただき、平成十三年度から十七年度までの五カ年計画で二万六千九百人の改善を図ることといたしておりまして、平成十四年度はその第二年次分として五千三百八十人を概算要求しているところであります。 また、高校に関しましては、第六次の公立高等学校教職員定数改善計画を立てておりますが、ここでも教科等に応じて習熟度別指導や少人数指導を可能とするとともに、中高一貫校でありますとか、あるいは総合学科、単位制高校など多様な指導が実施できますように、同じく五カ年計画で七千八人の改善を図ることといたしております。平成十四年度は千四百一人の改善を要望しているところでありまして、我が省としましては、この改善計画の着実な推進をぜひとも図ってまいりたいと考えております。 それから、施設の具体的な計画については局長からお答えさせていただきたいと思いますけれども、今、先生は随分汚いとかといろいろおっしゃいましたが、私、各地を回っておりまして、すばらしい学校が今たくさん建ちつつございますね。私は、その中での子供たちの生き生きした顔を見ると、ぜひもうこれはできるだけ早くすべての学校がそうなるといいと思っております。それについては着実な年次計画で図っておりますが、ぜひいい学校についても目を配っていただければと思うところでございます。 それから、教育予算につきましては、先ほども申しましたように、我が国の初等中等教育を初めとする教育に対する予算の国際比で見ますと、まことに諸外国に比べて低いように見えます。ただ、GDPに対する公財政支出の割合とか総人口に占めます学齢児童の割合などもありまして、国によって条件が非常に異なっている面もありますから、単純に何%、〇・何%の違いということで言うのもどうかとは思いますが、しかし、先生御指摘のように、また午前中からの御指摘のように、日本の将来は人にありということを考えますと、厳しい財政状況のもとではありますけれども、教育改革に寄せられる国民の期待に私どもとしては最前線で十分頑張ってまいりたいと思っているところでございます。
○政府参考人(矢野重典君) 私の方からは、公立学校施設整備予算についてお答えを申し上げます。 平成十三年五月現在でございますけれども、公立小中学校の建物の面積は約一億六千万平米あるわけでございますが、そのうち築二十年以上の学校の建物が六五%、築三十年以上の学校建築は二三%に達している、このような状況にあるわけでございます。こうした傾向は、児童生徒急増期に大量に建設されました学校建築が今後十年から十五年の間に一斉に改築、補修の時期を迎えますために、この老朽化の傾向はさらに進んでいくものと予想されるところでございます。 文部科学省といたしましては、平成十三年度におきましては、老朽校舎の改築、補強、そして教育内容、方法の多様化に対応いたしますために、公立学校施設整備費といたしまして一千六百十九億円を計上いたしているところでございますけれども、十四年度概算要求におきましても、老朽化対策を中心といたしまして、必要事業量の実施に支障が生じないよう同額を要望いたしているところでございます。 今後とも、市町村などの設置者が中長期的な見通しを持って施設整備計画を円滑に進めることができますように、国といたしましてもより必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○神本美恵子君 ありがとうございました。 先ほど大臣、すばらしい学校もあると。私もそういう学校も見ておりますけれども、総体として、今、矢野局長の御答弁にもありましたように非常に老朽化が進んでいる。また、老朽化だけではなくて、例えば地震や台風などの自然災害への備えも弱いままになっているというような問題点も指摘せざるを得ません。 また、局長の御答弁の中に、今年度の二〇〇一年度の予算として一千六百十九億円というふうにおっしゃいましたけれども、これはこの間のずっと学校施設整備費を見ますと、二十年前には五千五百億円、十年前には二千三百億円であったものが今年度は三分の一以下に激減しているというようなことにもぜひ目を向けていただいて、充実に向けて予算を確保していただきたいというふうに思うわけでございます。 地域の風が行き交う学校を保護者、地域、子供の意見によってつくろうという文科省の出されましたすばらしい報告を実現するためには、どのように建てかえや改築を進めていかれるのか。また、現在、その見通しと進め方について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 少し技術的な話でございますから、私から申し上げたいと思います。 先ほど申し上げましたように、現在、老朽化の傾向が全体として進んでいるわけでございますけれども、四十年代後半から五十年代前半にかけましての児童生徒急増期に大量に学校建築がなされたわけでございますが、それが三十年という一応の耐用年数を迎えるわけでございます。それが相当のボリュームとしてあるわけでございまして、ざっと今私の手元の資料で見ますると、今これがあと十年から十五年たちますと全体の四二%ぐらいがそういう耐用年数に達する、こういうわけでございます。 そういう状況でございますから、私どもといたしましては、設置者である市町村が計画的な整備を進めていただくようにということを強くお願いをいたしているところでございまして、私ども、その計画に基づきまして必要な予算を計上し、市町村の整備計画に支障が生じないように今後とも努力してまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 さて、文部省も進めておられます学校を開くという点についてお尋ねをいたします。 学校評議員制度が導入されましたけれども、市町村段階では必ずしも機能しているとは言えません。現在のように校長が個別の評議員から意見を聞くというだけでは、地域のコンセンサスをつくることに役立っていないためではないかというふうに考えます。 私は、この制度を地域と学校の合意形成の場として学校協議会といったようなものに改革し、必要に応じては子供たちの声にも耳を傾けるということが大切だと思います。また、同様に、市町村の教育行政が住民の意思を十分に反映するためのシステムとして教育委員の公選制や推薦制といったものの導入が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 教育改革に向けていろんな制度の枠組みができまして、これからいよいよ本格的に学校がよくなる、教育が変わるということを実現していかなければならない段階だと思います。 学校評議員制度、平成十二年の四月から新たにできた制度でございまして、まだまだスタートした段階でございます。これは、学校外の保護者や地域住民を学校評議員として委嘱しまして、校長がそれらの方々の学校運営についての意見を聞くという制度でございます。これによって、従来よりは極めて広い、開かれた形で学校運営に対して保護者や地域住民の意見を生かすことができるというふうに私どもは考えているわけでございます。 そういう制度を通じていろんな意見を聞くことによって、学校が、単なる学校の内に向けた存在というのではなくて、広く地域社会との連携をとりながら、開かれた存在としてこれから活性化されていくということが大事だと考えているところでございます。 これは、学校評議員制度は、学校運営に対する学校外の意見を求めるものでございますので、児童生徒を学校評議員とすることは想定していないところでございます。ただ、学校は常に子供たちの様子を見、子供たちのいろんな意見とか希望とかを聞きながら学校運営を考えていく、まさにそういう場でございまして、子供たちを学校評議員とすることは制度としてはなじまないわけでございますけれども、子供たちに目を向けていくということは当然ながらやっているものと考えております。 学校評議員は、個々に委嘱をいたしまして、一人一人にそれぞれの立場からのお考えを求めるものでございまして、学校評議員会といったような合議制の機関として位置づけられたものではないわけでございますけれども、必要に応じて学校評議員が一堂に会して意見交換を行う機会など、運営の工夫の仕方はあろうかと考えております。 我が省としましては、今始まったばかりのこうした制度を活用しながら学校教育の活性化につなげてまいりたいと思っているところでございます。
○神本美恵子君 さて、初めにも申し上げましたけれども、初等中等教育の最大の価値は、お互いの違いを認め合い、ともに生きる資質を養うことであると考えております。その意味において、経済的、文化的な違いや国籍の違い、あるいは障害のあるなしにかかわらず地域の学校でともに生き、ともに学ぶことが大切であると考えます。そして、これがサラマンカ宣言の精神でもあります。 サラマンカ宣言とは、大臣も御存じのように、一九九四年にスペインのサラマンカで開催されましたユネスコの特別ニーズ教育世界会議で採択された、インクルーシブ教育を進める合意文書でございます。当然、日本も、当時の文部省が参加をして賛成をしてきたものでございます。 そこで、文科省が現在進めておられます学校教育法施行令の見直しについてお伺いをしたいと思います。 ことしの一月に出されました二十一世紀の特殊教育の在り方の最終報告では、一部の障害児が普通学校に就学することを認める一方、障害が重複している子供や情緒障害など対人関係に著しい問題のある子供の普通学校への就学については慎重な判断が必要としております。これはサラマンカ宣言に逆行する危険性を持っているのではないかと危惧をいたします。つまり、障害児にかかわる就学実態の地域間格差解消という前進面があることは一定の評価ができるのですけれども、他方で、重複障害がある、対人関係が困難などと判定された子供については、画一的に特定の遠い学校への就学を義務づけられることになるからであります。 実際、この間、障害を持つ子供の保護者の方々からも、そういった心配の声が私の方にもたくさん寄せられております。地域によっては、どんな障害を持っていても、子供や保護者の希望によって地域の普通学校に就学する実績がございます。 私自身、普通学級に障害児を受け入れた経験を持っております。障害の有無、種類、程度にかかわらず、幼いときからのともに生き、ともに学ぶ教育がいかに健常と言われる子供さん、障害を持っている子供さん双方の豊かな成長につながるかということを身をもって体験してまいりました。時間があれば御紹介したいんですけれども、きょうは時間がありませんので別の機会にしたいと思います。 そこで、お尋ねしたいんですけれども、今回の見直しで、文部科学省として既にそうした独自の取り組みを行っている市町村の教育委員会に対してどのような対応をおとりになるのか、また、地方分権の趣旨に立って、本人、保護者の希望を尊重した就学指導が行われることが望ましいと私は思いますけれども、文科省としてどのようにお考えかをお伺いします。
○国務大臣(遠山敦子君) 私ども文部科学省といたしましては、社会のノーマライゼーションの進展、あるいは障害の重度・重複化、教育の地方分権など、特殊教育をめぐります状況の変化を踏まえましていろいろ調査研究を行って、さきに最終報告を取りまとめました。そして、その中で、一人一人の教育的なニーズに応じた教育を行うために就学指導のあり方を見直すことが提言されたところでございます。 今回のその提言の趣旨といいますのは、社会のノーマライゼーションの進展でありますとか教育の地方分権という観点からのものということでございまして、市町村の一人一人の教育的ニーズに応じて支援をしていくという姿勢を貫いているわけでございまして、それによって市町村教育委員会が行う就学事務に関して弾力化を図ろうとするものでございます。 したがいまして、これまで市町村教育委員会が行ってまいりました就学についての措置を違法としたり、または現在小中学校に在籍している児童生徒の就学状況を変更するものではないということを私から申し上げまして、それ以上の詳しいことにつきましては局長の方からお伝えを申し上げます。
○政府参考人(矢野重典君) 後半の御質問で、保護者や本人の意見を就学指導に当たっては聞くべきであるということについてのお答えでございますが、御案内のように、障害のある児童生徒の就学すべき学校の決定につきましては、法令に定める基準に従いまして市町村教育委員会が行うこととされているところでございます。 我が省では、これまでも教育委員会に対しまして、就学指導に当たって児童生徒の状態を十分に把握し、あわせて保護者等の考えも聞いて適切な就学指導を行うよう指導をしてきたところでございます。 また、先ほど御指摘がございましたように、今年一月に「二十一世紀の特殊教育の在り方について」の最終報告がなされたわけでございますが、その報告の中では、就学指導に当たって保護者の意見表明する機会を設けたり、体験入学などによりさまざまな情報を提供するということが提言されたところでございまして、今後、我が省といたしましては、この最終報告を踏まえまして、保護者の意見を聞く機会を設けるなど適切な就学指導の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○神本美恵子君 以上、申し上げましたように、我が国の文部行政がサラマンカ宣言や子どもの権利条約、さらには女性差別撤廃条約などなどの国際的な潮流に沿って日本国憲法と教育基本法の理念を生かし、実現するということを目指して行われることを遠山文部大臣に心から期待しております。 そして、先ほど大仁田委員、いらっしゃいませんね、からもございましたが、当事者である子供あるいは保護者、地域、現場教職員、全く教育の当事者でございますその声に十分に耳を傾ける、そういった機会をたくさんつくりながら、パートナーシップの立場から教育行政が行われますことを心から切望しまして、期待しまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山下栄一君 私は、三点質問させていただきたいと思いますけれども、まず第一点目は、今も御質問ございました障害児の教育のあり方の問題でございます。大綱、大臣から、局長からお話がございましたけれども、確認の意味で質問させていただきます。 協力者会議の報告に基づいて、就学基準、特に盲・聾・養護学校への就学についての基準、就学基準ですね、これが時代に合わなくなってきていると。これは昭和三十七年に学校教育法施行令、政令で決めておるわけですけれども、これを医学的な観点、科学技術の進展の観点から見直す必要が出てきたと。昭和三十七年ですから、四十年ぶりぐらいからの改正になると思うんですけれども、これはやるべきことだと思うんですけれどもね。これ、盲・聾・養護学校への就学基準だと。そのとおり、基準どおりにしなさいということになると、基準に合わない人はどうなるんだという、全部、盲・聾・養護学校に法令で縛られて行かないかぬのかと、こういうことになる。そうではないという、今、大臣の御発言だったというふうに理解するわけですけれども。 この就学基準は国で決めるけれども、就学事務、就学指導も含めた就学事務は地方分権推進一括法で機関委任事務から要するに自治事務になったと。したがって、具体的な一人一人の子供がどのような教育の場で教育を受けるべきかということの判断の最終決定権は、私は、例えば小中学校という段階でしたら市町村教育委員会になきゃならないと、このように理解するわけですけれども、最終決定権ですよ、就学先はどこにするかという、この理解でよろしいですか。
○政府参考人(矢野重典君) 先生先ほど御指摘のとおり、就学に関する事務は平成十二年の地方分権一括法の前までは国の機関委任事務でございました。国の事務を地方に委任して行う事務でございましたが、平成十二年四月の地方分権一括法の施行に伴いまして、これが国の機関委任事務から地方の自治事務へと事務の性格が基本的に変わったわけでございます。 そういう意味で、この事務は、基本的には市町村、地方、具体的には市町村教育委員会でございますが、市町村の主体的な判断と責任において処理される事務というふうになったものでございます。
○山下栄一君 私、確認しましたように、局長、だから、ある障害を持っておられる子供さんがどこの学校に行くかということの決定権、これは国にあるのか市町村教育委員会にあるのかということを確認しておるわけです。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど申し上げましたように、この事務の性格を考えますれば、法令に従って、最終的には国ではなくて市町村、地方、市町村の教育委員会にその最終的な決定をする権限があるわけでございます。
○山下栄一君 それで、これは大臣も先ほどおっしゃいましたんですけれども、私が住んでいる枚方市もそうなんですけれども、自治体の努力で、もちろん住民の意見、市議会の意見もあって、できるだけ多くの子供さんを、障害はいろいろあるけれども、障害を持っていても分離教育ではなくて普通の小中学校で受け入れようという努力をやってきた歴史があるわけです。 もちろん、健常児のお子さんの御家庭とかの若干の理解の程度が進まない面も当初はあったとしても、学校で、いろんな学ぶ場の中で経験を経るにつれてお互いに、お互いにという意味は、障害を持っておられる子供さん、持っておられない子供さんがお互いに正しく理解し合って、励まし合って、そして卒業にこぎつけて、よかったねと、こういうふうに、もちろん、私の場合経験したのは自閉症の子供さん、中学生でしたけれども、感動的な卒業式がなされたわけでございます。これは、今一番求められているまさに人格教育、私の人格教育というのは知育も含めたものでございますけれども、そういう観点からの努力をしているところもある。そのかわり、そういうお子さんを受け入れようと思いますと、人の配置、そしてさまざまな設備の問題、施設の充実も図らなきゃならない面もある。そういう場合にあっても住民の理解によって自治体がそういう取り組みをしているところもある。 そういう観点から、就学基準はあるけれども、基準どおりにはいかないけれども、そういう各地域の取り組みによって多くの障害を持っている子供さんが小中学校で授業、教育を受けられるということの努力は私は尊重すべきだし、そういう意味で最終の決定権はどこにありますかということを確認させていただいたわけでございます。しつこいようですけれども、この点は先ほど大臣もそのとおりとおっしゃったわけでございますけれども。 それで、この就学指導、具体的に例えば幼稚園から小学校に行く段階でどの学校を選択するかと。あるお子さんの御家庭は、私は養護学校で教育を受けたいという方もいらっしゃる、だけれどもそうでない、小中学校で教育を受けたいという方もいらっしゃる。そのためにも就学指導があるわけですけれども。 それで、就学指導委員会というのが今まで通達によって組織として義務づけられていた。これが地方分権推進一括法によってこの義務づけがなくなると。だから、この就学指導委員会、専門的な方の意見も聞いたり、そして保護者の、場合によっては子供さんの意見も聞いてという組織は一体どうなるのかというこの疑問があるわけですけれども、この点についての考え方を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 就学指導におきまして、盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度に関する基準に該当するか否かを判断するには、これは医学的、教育的あるいは心理学的見地から、諸般の事情を総合的に考慮して客観的に行われる必要があるわけでございます。 そういう意味で、機関委任事務として設けられておりました就学指導委員会というのは、そういう意味での就学指導委員会というのは根拠がなくなるわけでございますけれども、私どもといたしましては、今後も専門的な知識及び経験を有する専門家の意見を聞くことが大変重要であり、市町村教育委員会の判断で引き続き就学指導委員会を設置することが望ましいと考えているわけでございまして、今日においてなおそういう就学指導委員会が設けられていないところにつきましては、これは機関委任事務としての事務ということではなくて、地方事務としての就学指導事務について、国としてその設置について指導をしてまいりたいと考えているところでございます。
○山下栄一君 文部科学省のお考えはもちろんそうであるべきだと思うんですけれども、結論としてはそれは自治体でどうするかということを決めるんだということだと思うんですね、それが自治事務の意味だと思いますので。 私は、だけれども、各地域で、それらの地域で、例えば小学校区も含めてですけれども、この地域の取り組みというのが教育は物すごく大事だというふうに思います。国で指示して動くものではない。やはり地域の保護者も含めたさまざまな理解の輪がぐんぐん高まっていって、そして教育というのはいかに大事かということをお互いに共有していくということが大事だと思いますので、機械的に組織をつくればいいというものではないと思いますので、市町村教育委員会が就学指導のための組織をつくるという、私はつくるべきだというふうに思うわけですけれども。 それで、その場は医学の見地、そして福祉の見地や、また教育的な見地から専門的な意見を反映させていくと同時に、先ほども質問の確認がございましたけれども、学ぶのは子供なわけですから、その学ぶ子供たちの教育を受ける権利、学習権をきちっと保障していくという観点から、保護者の意向を聞く、そして同時に子供さんの御意見も聞いていくという、そういう考え方が非常に大事だ、子どもの権利条約の観点からも大事だというふうに私は思うんですけれども、そういう基本的な考え方についての確認を再度お聞きしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 御案内のように、障害のある児童生徒の就学すべき学校の決定に当たりましては、法令の定める基準に従いまして市町村の教育委員会が行うことになっているわけでございます。また、教育委員会におきましては、就学指導に当たって児童生徒の状態を十分に把握いたしますとともに、保護者等の考えも聞き、十分に話し合うなどして適切な就学指導を行うことが大切であるわけでございます。 この点につきまして、先ほど来御指摘がございますけれども、今年の一月に、「二十一世紀の特殊教育の在り方について」の最終報告がなされたわけでございまして、その最終報告の中では、一つは、教育、福祉、医療、労働が一体となって障害のある児童生徒及びその保護者に対する相談、支援体制を整備することということが一つの指摘としてございますし、もう一つは、先ほど委員からの御質問でございましたけれども、就学指導に当たって、保護者の意見表明する機会を設けたり、体験入学などによりさまざまな情報を提供することが提言されたところでございまして、私ども、この最終報告の趣旨を踏まえ、保護者の意向をどのような形で取り入れていくかについて今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
○山下栄一君 検討するということはわかるんやけど、文部科学省、教育を担当される国の行政所管として、そういう保護者の意見や子供さんの意見を聞くことについてはどう考えますかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 就学指導に当たって保護者の意見を聞くことは大変大事なことであるというふうに思っております。
○山下栄一君 子供の意見を聞くことについては答えられませんけれども。 大臣にお伺いいたします。 統合教育か分離教育かという、そういう考え方、それぞれあるわけですけれども、私は、障害児、障害者の方々の自立と社会参加、こういうことは言葉では言われ続けているけれども、だけれども現実はなかなか、やはりまだまだ、日本の社会大分進んできましたけれども、障害者の方々の雇用問題も含めまして理解が不十分であるというふうに思います。 なぜそうなっていくのかということにもうちょっと一歩突っ込んでやっぱり考える必要があるのではないかというふうに思います。小学校、中学校、高等学校と、養護学校というところで教育を受けてきた、その方々が要するに基本的には分けて教育を受けてきている。その受けてきた方が突然社会参加と言われても、日ごろから、もちろん時々は健常児の皆さんの学校に行ったりして交流をすることはあったとしても、学ぶ場が別々のところでずっと来て十八年間過ごした方が突然社会参加と言われても、社会全体としては健常者と障害者の理解のレベルというのは進まないのが当たり前だというふうに考えます。そういう意味で、作業所をつくっても作業所だけで終わってしまう、みんなと一緒に仕事をするということがなかなか社会として理解が進まないという、そういう面は厳然と私はあるというふうに思うわけです。 そういう意味で、できるだけ、もちろんいろんな現時点での財政的な面とかさまざまな面の現実的な制約はあるかもわからぬけれども、例えば保育所、保育所というか幼稚園、そういう段階から一緒に学ぶという、そういうことを積み重ねる中で、社会全体として、そういう小さい子供たちがずっと大きくなっていくわけですから、社会参加という言葉どおりのそういう意識と現実が達成されていくのではないかというふうに私は考えるわけです。それがまさにノーマライゼーションの理念ではないかというふうに思います。 そういう意味では、日本の現実はなかなかそういうふうにいっていない面がある。そういう意味で、できるだけ早い段階から一人一人の教育ニーズに合わして教育をやるんだけれども、その学ぶ場がともにということの方が望ましいと、これを私は強く感じるんですけれども、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 本当に先生がおっしゃいますように、これからの社会といいますものは、障害のある者と障害のない者が同じ社会に生きる人間として、ともに助け合い、支え合って、また正しくそれぞれの立場を理解していく、そういう形で生きていくことが大切であることは言うまでもないと思います。 こうしたノーマライゼーションの理想に沿って次第次第に日本も進んでいるとは思っておりますけれども、障害の程度にもよるかもしれませんけれども、私は二つの段階があるのではないかと思うわけでございます。 ノーマライゼーションの理念を本当に実現していきますためには、まず障害のある児童生徒がその可能性を最大限に伸ばして、そしてみずから自立し、また社会参加するために必要な力をまず養う、そういうことを培うためには、より手厚くきめ細かな指導をまず受けるということが大事であると思うわけでございます。 したがって、障害の種類や程度に応じて盲・聾・養学校でありますとか特殊学級等において特別な配慮のもとに指導を受けて、そして自分ではこれだけはできるというような確信を持つ、あるいはこういうことについて自分は興味を持つというようなことについても自覚する、あるいは力をつけるということもまずある段階では必要なのではないかと思います。ただ、それだけでは十分でありませんで、御指摘のように、ともに障害のない人たちと学ぶ場を提供するということも大変大事だと私は考えます。 したがいまして、障害のある児童生徒の社会性や豊かな人間性をはぐくむのと同時に、障害のない児童生徒が障害のある児童生徒に対する理解と認識を持ってもらう、そしてともに生きていくというふうな意識を持ってもらうということのために、盲・聾・養学校と小中学校の交流を行う、あるいは小中学校の通常の学級と特殊学級の交流、さらには地域の人々との交流など多様な交流活動を推進していく必要があるということで、私どもといたしましても、そういう考え方から交流活動を推進してまいっているところでございまして、今後とも、一人一人の教育的ニーズに対応した教育を行って、障害のある児童生徒の社会的な自立あるいは社会参加への準備について努力をしてまいりたいと思います。
○山下栄一君 学ぶ場を共有するということが私は大事だなと、それはその理念に向かって努力していくことが大事だという観点から質問申し上げました。 次の質問に移ります。 教員採用試験における年齢制限の問題でございます。 公立学校の採用のための採用試験、各自治体でやっているわけですけれども、年齢制限を設けていないところは非常に少ない。このいただいた資料によりますと、現在では五つの県、市だけだと、こういうふうに報告を受けておりますけれども、確かに少子化に伴って採用試験の枠はどんどん減ってきている。だから、教職員、学校の職員室がもう非常に高齢化しておる、活力もなくなっているというふうな言われ方する場合もあるわけですけれども、ただ、だからといって、大阪なんかそうです、三十七歳以上はもう初めから受けられないという、これはどうかなというふうに私は思います。 さまざまな社会経験を経た人が教壇に立つということは大事だということを、午前中も大臣おっしゃっておりました。四十歳になった、四十を超えた、いろんな仕事、一般会社も経験して、一般会社から自営もした、だけれども、四十を過ぎてから、あと残された生涯を教育にかけるんだと、こういうふうに目覚めた中年の方が教員採用を受けようと壮絶な決意をした、子供も奥さんもおるのにそういう中で決意したと。だけれども、これによって自分をかけたいんだという、そういう人も私も知っております。その方が三十七歳以下でないと受けられないからもう初めからシャットアウトされる、受けることもできないと、これはおかしいというふうに思います。 そういう命がけの人を今教育現場は求めているわけで、それは高齢化しているから余り年輩の方を採用するのはちょっとちゅうちょするかもわからぬけれども、そんな人ばかり採用してきているわけじゃなくて、初めからチャンスを与えないというふうな、年齢で切ってしまうというのはこれはもうどう考えてもおかしい。四十過ぎてから高校に入学しようかという、そういうこともこれからの時代あり得る、生涯学習の時代。と同時に、人生を教育にかけるという方々に対する配慮も私はすべきだというふうに思うわけで、こういう年齢制限を設けて採用試験するというようなことを法律でやったらいけないという年齢制限撤廃法みたいなものをつくるべきかなとも思うぐらいなんですけれども、今の教育現場の事情から考えて、そういう意欲のある人を、初めからチャンスを奪うようなことはあってはならないと思いますけれども、大臣のお考えをお聞きしたい。
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘されましたように、さまざまな社会経験を持つ社会人を教員として採用するということ、これは学校の活性化という意味で大変重要なことだとまず認識しております。 その中で、教員採用における年齢制限の話ですけれども、平成八年四月の局長通知によりまして、教員の年齢構成の現状、先生も御指摘ありましたが、こうした現状も踏まえながらも、やはり教員に豊かな体験を有する多様な人材を確保するため、そこの受験年齢制限の緩和を図るよう各都道府県あるいは政令都市の教育委員会を指導しているところであります。 また一方、平成十一年十二月の教育職員養成審議会第三次答申、この答申におきましても、民間企業等の勤務経験を有する者を対象とした一定の採用枠を設けた選考の実施が提言されております。こうした動きを受けまして、既に幾つかの都道府県におきまして社会人を対象とした特別選考を実施しているところであります。 ぜひ、こうした取り組みを通じまして、社会人採用に関する各教育委員会の取り組み、これを促進するよう文部科学省としても支援していかなければいけないと考えております。現状そういった状況の中で前向きに考えたいというふうに認識しておるところでございます。
○山下栄一君 だから、今、副大臣おっしゃった年齢制限緩和じゃなくて、年齢制限を設けることはおかしいということを同じ指導するんだったら指導すべきだということを私は申し上げております。緩和の努力をされている、そういう意味で御指導されていることもよくわかりますし、私は常勤の観点から、非常勤じゃなくて、やるべきだということを申し上げているわけです。 三点目の質問、もう時間なくなってきましたけれども、芸術教育です。芸術振興、文化振興、各政党取り組み、法案作業も進んでいると聞いております。聞いておるというか、うちの党も主体的にやっておるわけですけれども。 学校教育における芸術教育は、時間数は減ってきておりますね、小学校も中学校ももう週二時間もないと。こういう中学二年生、三年生、また小学校三年生、四年生ですか、五年、六年もそうです。一方では、芸術科の美術、音楽、習字、書道、そして場合によっては工芸、こういう分野は非常に大事だということが叫ばれている。心豊かなものを養うんだと、そういう面が欠けてきているから芸術教育は大事だと言っているけれども、全体授業時数が減る中でこの授業の時間が非常に減ってきているという現実があるわけですね。これは非常に難しい問題だなと私は思っておりますけれども、どういう授業時数をどう各教科に割り振るかということは非常に重要な、それぞれの教科の、どの教科も大事だというふうな観点からの調整は非常に難しい、予算の調整と一緒だと思いますけれども。 そういうふうに考えましたら、家庭も含めてですけれども、地域における子供に視点を当てたそういう芸術の観点からのさまざまな体験活動、これは私は大変大事なのではないかと。取り組みも始まっておるんですけれども、例えば伝統文化の承継ということも言われておりますし、そういう取り組みもされておりますけれども、学校現場における芸術教育が非常に確保が難しい中で、そういう例えば美術とか音楽の免許を持っている方も含めて、地域における子供さんに対する芸術教育という視点からのさまざまなサポート、支援の取り組みも国もすべきではないか、こういうふうに感じております。 そういう意欲が各地域で盛り上がってくること、もう盛り上がっているところもありますけれども、そういう取り組みについては積極的に支援するという方向性が大事なのではないかというふうに考えますけれども、この点についての取り組みを、またお考えを大臣にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生御指摘のように、地域における子供の文化芸術体験活動の推進を図るということは大変重要な課題だと考えております。このため、文化庁におきましても、公立の文化会館の活性化、あるいは地域に所在をする芸術団体の活動基盤の整備、地域に伝わる伝統文化の継承、発展などを柱とする地域の文化活動の活性化支援の施策の充実を図っているところでございます。 子供に焦点を当てたという観点から一、二御紹介をさせていただきますと、公立文化会館において子供、青少年向けにすぐれた舞台芸術の公演やワークショップなどを開催する芸術文化総合体験事業というのを十三年度から実施をいたしておりまして、子供がすぐれた芸術文化を鑑賞したり体験できる機会を提供しているところでございます。また、お話にございました地域の伝統文化を子供たちに継承していくという観点から、地域の伝統文化保存団体などが実施をいたします伝承者の養成、用具の整備等の事業を支援するふるさと文化再興事業というものも本年度から実施をすることといたしております。 こういった活動を通じまして、地域における子供の芸術文化体験活動の推進を図りたいというふうに考えている次第でございます。
○山下栄一君 ありがとうございました。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。 今、大変深刻な不況が続く中で、私立学校に通う高校生の中には、親が突然のリストラに遭ったり会社が倒産するなどして授業料が払えず、泣く泣く退学せざるを得ないという状況が広がっています。文部科学省の調査でも、昨年度、私立高校の生徒で経済的理由によって退学した子供たちが二千三十五人、退学理由の五%を占めているということが明らかになっております。 私は、この委員会で九八年九月、九九年三月と二度にわたりまして、ぜひ国、文部省が都道府県任せにしないでこの問題を調査もし具体的に対策をとるべきではないかと質問してまいりました。昨年度から、ようやく授業料減免事業臨時特別経費ということで三億円、二千五百人を対象に事業が立ち上がったわけです。 昨年度のこの事業の実施状況はどうなっているか伺いたいと思います。
○政府参考人(石川明君) 授業料減免事業の臨時特別経費についてのお尋ねでございますけれども、先生お話しのとおり、平成十二年度にこれは新たに三億円が措置をされまして、十三年度におきましても同額が計上されているところでございます。 この経費につきましては、都道府県が実施する授業料減免補助事業の一部を国が補助するというような形をとっておりまして、平成十二年度の補助実績につきましては一億三千七百万円、対象となった児童生徒数につきましては千百人というふうになっているところでございます。
○林紀子君 お聞きしましたら、残念ですけれどもまだまだこの制度が十分活用されていないという状況だと思います。 全国私立学校教職員組合連合、全国私教連と略しておりますが、この最新の調査では、三カ月以上授業料を滞納している生徒は二千二百七十六人、これは全私学の高校の一割強を調査した結果だということなんですが、それでも二千二百七十六人いるし、しかも昨年よりも長期に滞納する家庭がふえているということです。 十月三日には、NHKの首都圏を対象にしたニュース番組でこの問題が大きく取り上げられました。そして、相談窓口として紹介された全国私教連には、どういう制度があるのかと次々に電話がかかっているということです。 この中ではいろいろな声がありましたが、ある男性からは、きのう会社を退職しました、失業して先が真っ暗です、子供の問題でどうしようかと迷っていたら、テレビを見てこういう制度があるのかと思い電話をしましたと、こういう声が寄せられているということですし、またある県では、私学に通うお子さんを持つ親が授業料が払えなくなってしまったと学校に相談して、今度学校は県に問い合わせをしたところ、そういう制度について話は聞いておりますと、大変心もとない返事だったということなんですね。 国や都道府県がこうした制度を行っていることさえ知らない人たちがたくさんいるという証拠なんじゃないかと思うわけですし、学校自体が減免措置をとっていないという状況もまだまだあります。ですから、私立学校にはもちろんのことですけれども、教職員、父母、生徒にこうした制度があって利用ができるということを大いに知らせてほしいと思うわけですね。 そして、都道府県には、担当者の会議で説明はしておりますというお話は聞いたんですけれども、たくさんのことを説明するその中の一つということで説明していると埋没をしてしまうということがあるので、文書でもきちんと知らせるということも含めて周知徹底をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石川明君) この事業につきましては、平成十二年の初めなど、例えば平成十二年度予算の政府原案が決定しました後ですとかあるいは予算の成立後などに、本事業の趣旨でありますとかあるいは概要を都道府県に対しまして通知をいたしますとともに、管下の私立学校に対しましても周知徹底を図るよう求めているところでございます。 また、今お話がございましたように、都道府県の担当課長などが集まります会議のそんな場におきましても、制度の積極的な活用、それから学校に対する周知等につきましても強く要請をしてきているところでございまして、私どもとしましては、この事業そのものはしかるべく活用されているのではないかというふうに考えておりますけれども、先生の御懸念、御心配も今述べられたところでございますし、経済情勢等引き続き厳しい中、また、この事業が児童生徒の就学に果たす役割の重要性等、そういったことにかんがみまして、この事業が今後とも十分に活用されますように、さまざまな会議の場ですとかいろいろな機会をとらえてなお一層の周知に努めてまいりたいと、このように考えております。
○林紀子君 本当にこういう制度で助かったという人が本当にふえるようにぜひ周知徹底していただきたいと思います。 そして、大臣に決意も込めてお伺いしたいと思うんですけれども、これから小泉内閣の痛みを伴う構造改革というのが進められる中で、さらに不況は深刻になるんじゃないかと思うわけですね。ですから、先ほどの御説明でも、来年度の概算要求ではこの事業、三億円というのは要求をしている、これをぜひ確保してほしいし、そして、授業料がこれでは間に合わなくなった、三億円を超えてしまったというときには、補正予算も含めて対応していただきたいということもあわせてお願いをしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) この制度の重要性につきましては、最近の経済情勢を反映しましてますます大きくなっているわけでございまして、そのような背景のもとに、十四年度概算要求におきまして今年度と同額の三億円を要求しているところでございます。この事業の重要性にかんがみまして、厳しい財政状況のもとではありますけれども、ぜひとも確保したいと考えております。
○林紀子君 それでは次に、私も、障害児教育のお話が今まで出ましたけれども、その点につきまして、特に私は重度の、家庭訪問でなければ教育を受けられない子供についての問題をお聞きしたいと思います。 訪問教育というのは、この間、高等部も昨年度から本格的に実施されるなどと発展してきました。一九九七年に試行的に始まったスタート時に比べますと、昨年度は実施する学校が二・八倍にもなった、そして生徒は五・四倍、八百七十八人が訪問教育を受けられるようになったということで、本当に親からも、そして子供たちも笑顔を見せるようになったという喜びの声が聞こえてまいります。さらに充実してほしいという点がいろいろあるんですけれども、きょうは二つの点についてお聞きしたいと思います。 一つは、いわゆる既卒者の問題です。先ほど四十一歳の高校生というお話も伺ったわけですけれども、中学校を卒業しましたらどの子に対しましても高校に入るというその門戸は国民には開かれているわけですけれども、高等部の訪問教育を受けている子供たちは、中学校卒業後、何年も教育を受けられずに待っている子供たちが大勢いるわけですね。例えば、北海道などでは昨年の時点で三百人を超える既卒者がいるのに、訪問教育を受けられた子供は十三名しかいなかったということです。 文部科学省としては、この過年度卒業生は訪問教育の受け入れの対象ということにはしているわけですね。財政措置も交付税措置ということをしていると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほどお話がございましたように、障害の状態が重度または重複していることから養護学校等に通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対し、養護学校の教員が家庭や児童福祉施設等を訪問して行う訪問教育でございますが、これにつきましては、高等部でも平成九年度から各都道府県で試行的に実施をいたしまして、平成十二年度からは本格的に実施をいたしているところでございます。平成十二年度では四十七都道府県、二百五十九校、八百七十八人で実施をいたしているところでございます。 そこで、中学部の既卒者、いわゆる過年度生でございますが、その過年度生の受け入れでございますけれども、これについて、そうした生徒を高等部の訪問教育の対象とするか、あるいは年齢制限なしに受け入れるかどうかということにつきましては、これはそれぞれの都道府県教育委員会が高等部の整備状況やあるいは訪問教育の対象者数を総合的に勘案して御判断をいただくものと考えているところでございます。 中学部の既卒者の受け入れ状況は、平成九年度は八県でございましたが、前年度、平成十二年度には十九県となっているところでございまして、各県の実情を踏まえながら取り組みが進められているものというふうに理解をいたしているところでございます。また、高等部の訪問教育につきましては、既卒者も含めて生徒三人につき担当教員一人を地方交付税により措置をいたしているところでございます。
○林紀子君 十九県とおっしゃいましたが、私の方で聞いたところによりますと二十五県ということになっておりまして、文部科学省がとらえているところと違っているのかなと思いますが、それはちょっと時間の関係がありますのでまた後ほどお伺いいたしますが、ぜひ、ある県に住んでいる既卒者は教育は受けられない、ほかの県では受けられるというのはやっぱりおかしいと思いますので、交付税措置にしているんでしたら余計のこと各県でもこれをきちんと実施をしていくようにというふうなことも文科省の方からもぜひ強力に指導していただきたいというふうに思うわけです。 それからもう一つですけれども、訪問教育の授業回数の問題です。 現在は週三回、一回二単位時間で先生が訪問をしてくれるということになっているということですけれども、福井大学の教授である加藤忠雄先生は、訪問教育の指導においては、通常の場合だがということを断りながら、対象児の発達の状況を見てみると指導内容の密度を濃くすること及び長時間にわたることはできない、なかなか難しい、すなわち単位時間に指導し得る内容量は限られるし、また単位時間自体も長くすることができない、したがって指導回数を多くすることが求められるというふうに論文で書いていらっしゃいます。 そこで、確認をしたいのですが、これも確認ですので長くなくお答えいただきたいんですが、一九九九年の決算委員会の場で当時の御手洗局長が、「訪問教育あるいは重複障害の子供たちにつきましては子供の実態に応じて校長が適切な授業を実施せよ」、つまり回数も単位時間も内容もということだと思いますけれども、「校長が適切な授業を実施せよということでございます」というふうに答弁をなさっているわけですが、これが訪問教育についての文部科学省の基本的な考え方と理解してよろしいですね。
○政府参考人(矢野重典君) 各学校において、訪問教育の実施に当たりましては、どのような教育課程を編成するのが最も望ましいかにつきまして総合的に判断をいたしまして、御指摘のその回数につきましても、それぞれの学校が実情に応じて適切に定めるものと考えているところでございます。
○林紀子君 時間がなくなりましたので、要望ということにしておきたいんですけれども、ぜひ、その校長先生たちのアンケートを見ましても、今三人に一人の先生ということではやはり回数は限られてしまう、二人に一人の基準にしてほしい。そして、親御さんからはもちろんその声は大変大きいわけですので、ぜひ今三人に一人の基準を二人に一人という基準にして回数も強化し、教育そのものを充実していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 子供たちに行き届いた教育を行う上で、教職員の多忙の問題、もう本当に忙し過ぎるという問題の解決が求められていると思います。その点についてきょうはお伺いをいたします。 きのうの、十月二十九日のマスコミでもこの問題は取り上げられて、国立教育政策研究所の調査なども紹介をされているところでございます。 私は、ことしの五月にこの問題、教職員の長時間過密労働について取り上げて質問をいたしました。その点について再度伺いたいわけでございます。 四月の六日に厚生労働省から出されました、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」の通達につきましては、その委員会の中で、総務省からは、四月二十七日に通知を行って、教育委員会も対象になると答弁されました。また、文部科学省からは、厚生労働省の基準は私立学校の教職員には当然適用され、公立学校教職員にも基本的には適用されると答弁をされております。 そこで伺いたいのですが、一つは、総務省のおっしゃった教育委員会も対象になるという点につきまして具体的に伺いたいと思います。あわせて、文部科学省からは、公立学校教職員にも基本的には適用される、この具体的な中身について伺いたいと思います。
○政府参考人(板倉敏和君) 総務省といたしましては、地方公務員には原則として労働基準法の適用があることから、従来より労働基準法に関しまして各地方公共団体に必要な情報提供を行ってまいっております。 厚生労働省が定めた基準は労働時間を適正に把握するためのものでございまして、その点につきましては公立学校の教職員も基本的に対象となるものでございます。したがいまして、教育委員会も対象となる旨お答えをしたところでございます。
○政府参考人(矢野重典君) 私の方からは、地方教育公務員についてのお答えを申し上げたいと思います。 地方公務員にもこれは適用されるわけでございますので、当然のことながら公立学校の教職員にも基本的に適用になるわけでございまして、具体的には、この基準の項目のうち、一般的に申し上げますと、少し細かい話で恐縮でございますけれども、始業・終業時刻の確認及び記録についての項目でございますとか、またその確認、記録の原則的な方法についての項目、さらには労働時間の記録に関する書類の保存に関する項目、また労働時間を管理する者の職務に関する項目、こうした項目が適用になるものと考えているところでございます。
○畑野君枝君 そうしますと、総務省に伺いたい、確認したい点ですけれども、教育委員会も対象になるということは当然学校にも周知徹底されるということになるわけですか。
○政府参考人(板倉敏和君) そのように考えております。
○畑野君枝君 次に、文部科学省に御確認なんですが、労働時間の適正な把握の問題につきましては、当然、始業・終業時刻の確認及び記録と言われました。 そこで、始業・終業時刻なんですけれども、これは、例えば命令のない超過勤務というのも始業・終業時刻の確認及び記録というのに入りますか。
○政府参考人(矢野重典君) 個々のケースでその判断が難しい場合もあろうかと思いますが、一般的には命令のない勤務につきましても始業時刻に入るものと思っております。
○畑野君枝君 そうしますと、命令のある超過勤務ですとか部活動などについてもこれは当然入るということでよろしいですか。
○政府参考人(矢野重典君) そのとおりでございます。
○畑野君枝君 今御説明があったわけでございますけれども、現場の教育委員会に聞きますと、そういうことが徹底されていないような実態もあるやに伺っているんですね。 そこで、私、ぜひ文部科学省といたしましても、こうした厚生労働省の通知について、いろいろな手だてを尽くしてきちっと現場にまで徹底されるように必要な措置をとる必要があるのではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほど申し上げましたように、この基準につきましては地方公務員である教育公務員についても適用があるわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、この基準につきまして、各種会議の場等におきましてその趣旨あるいはその内容について周知を図ることなどによりまして各教育委員会に対し教職員の勤務時間管理を適切に行うように指導してまいりたいと考えているところでございます。
○畑野君枝君 何か会議以外に具体的に出すとか、そういうことは考えていらっしゃるんですか。
○政府参考人(矢野重典君) 当面、今考えておりますのは、人事主管課長会議等の勤務時間管理を扱う、そういう会議において指導いたしたいと思っております。
○畑野君枝君 いろいろな手だて、例えば総務省につきましては通達が出されているということでございますが、各省庁連携しながら、あらゆる手だてを通じてこれを現場にまで徹底させていただきたいというふうに思います。 そこで、もう一つの問題としてなんですが、先ほど少し申し上げました国立教育政策研究所がことしの九月に学校・学級経営の実態に関する調査の報告書を速報版ということで出されております。その中では、小学校の教員の学校で仕事をする時間は九時間四十二分、睡眠時間は六時間二十分。同時に、持ち帰り仕事があるということで、自宅に戻ってからも採点や授業の準備などに一時間十七分費やしているという報告が出されております。これは全国の公立小学校千百五十四校、六千六百十四人の教員を対象に行われた、ことし三月のかなり大きな調査であります。 この調査の中で私、注目をいたしましたのは、持ち帰り仕事の点に触れていることでございます。この持ち帰り仕事の問題は、この間も申し上げましたが、過労死の問題ともかかわっておりまして、私は、ことし、二〇〇一年二月に大阪高等裁判所で判決が出されました京都教員過労死裁判のものを国政調査権で最高裁からいただきました。読ませていただきました。一言で言えば、持ち帰り仕事が常態化していることや、あるいは職務内容のストレスが有力な原因となって過労死が起きているという認定になっているわけなんですね。 それで、文部科学省としては、先ほど終業後の命令でない超過勤務についても基本的には今後始業・終業時刻の確認となるというふうにおっしゃいましたけれども、そういう実態、あるいはそれにかかわっての持ち帰り仕事を含めましてきちっと把握をするべきではないかというふうに思っているのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 先ほどお話がございました持ち帰り仕事、これは当然のことながら労働時間には、勤務時間には含まれないものでございますが、そうしたことも含めて、公立学校教職員の勤務の実態そのものについては私ども調査を実施していないところでございます。 この点につきましては、さきの国会においても私ども申し上げましたけれども、公立学校の教職員の勤務時間、これは服務監督権者であるそれぞれの教育委員会が、また私立学校につきましては教職員の使用者であるそれぞれの法人がその権限と責任において適切に管理すべきものであるというふうに考えているところでございます。 しかしながら、教職員が心身ともに健康を維持し児童生徒への教育に携わるためにも、教職員の勤務時間を適切に管理することは極めて大事なことでございまして、そういう意味で、私ども、先ほどの通知の趣旨も踏まえながら、各教育委員会に対しまして教職員の勤務時間の管理を適切に行うように指導をしてまいりたいと考えているものでございます。
○畑野君枝君 趣旨を徹底しているのは当然なわけですけれども、それを本当に改善していくためにもやはり実態をきちっとつかまなければその方向は出てこないというふうにも私は思うわけです。 それで、教職員の特殊性というのはこの間も議論されてまいりましたけれども、今、本当に子供たちの願いにこたえて、教育現場で教職員の皆さんが本当に努力、苦労されておられるというふうに思います。 例えば、これは神奈川県の藤沢市が市立中学校三年生の学習意識調査の報告書というのをことし三月に出されております。 三十五年間にわたっての比較研究というふうになっているわけなんですが、その中では、例えば、この三十五年間の中で、「勉強はもうしたくない」という「勉強の意欲」については、一九六五年が四・六%だったのが二〇〇〇年には二八・八%、このように六倍にふえているという子供たちの意識の変化がございます。 その一方で、「授業に期待する事柄」は何か。この多い中身というのが、これは、勉強がほとんどわからないというふうに言っている生徒と、よくわかると言っている生徒それぞれに聞きましても、共通して言われているのが、一つは、「楽しくリラックスした雰囲気の授業」とか、それから「自分の興味や関心があることを学べる授業」ということで、非常に先生も努力をしていい授業にしていく、そのことが子供たちからも求められている、こういう調査報告も出されております。 これに本当にこたえようとしていけば、やはりいろいろな形で、時間内に終わらなければ持ち帰りの仕事が出てくる、ですから、それをそうしなくても済むような状況に、学校の時間内にできるような、そういう体制をつくっていくことが私は必要だというふうに思っております。 そういう点では、横浜市のある学校の先生から伺いましたら、ことしの四月から十月まで、自分は放課後どんなふうな仕事をしているかというのを毎日つけていらっしゃるというのを見せていただきました。例えば九月一日。これは夏休みが終わった最初の新学期の土曜日ですけれども、学校を出た時間というのは十七時で、四時間四十五分長く学校にいて働いたと。主な仕事は三、四年の打ち合わせ、学年研、週案作成というふうになっておりますけれども、それ以外にも持ち帰って仕事をしている、そういう記録もつけられているわけでございます。そういう点からも、きちっとした勤務の状況をやはり全体がつかんで改善していく、そういうことが必要になっている。 私は、五月に委員会で、こうした勤務の実態把握を厚生労働省や総務省とも協力しながら進めていただきたいというふうに質問いたしましたら、遠山文部科学大臣からは、そういう方向は必要であろうというような答弁もされました。 ことしの八月に、国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会の最終見解というのが出されまして、日本に対する勧告が出されております。例えば、教育システムの包括的な見直し、ストレスの多い状況を直すということも言われておりますし、それから労働時間の削減、これは公的部門及び私的部門を含めて労働時間の削減ということが言われております。 ですから、本当にいい教育をしていくために、こうした教員の多忙の実態、子供たちと本当にかかわっていく時間すら奪われている、本当に過労死するか、それとも本当にあとはやめるかと、そういうふうに追い込まれている先生もいるわけですから、こうした実態を明らかにする必要な調査をすべきではないかと思いますけれども、文部科学大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 本当に教育の成否は教師にありということでございまして、教職員が心身ともに健康を維持しながら児童生徒への教育に携わるということは大変大事なことでございます。各教育委員会等に対しまして、私どもとしましても、常に教職員の勤務時間管理を適切に行うよう指導してまいっておりますし、今後ともそういう姿勢でまいりたいと思っております。 先般五月二十四日の質疑のときのことが紹介されましたけれども、そのとき私が答えましたのは、そういう方向でという意味は、一般的に教員の勤務時間の適正化を図ることは必要であるという趣旨でございまして、文部科学省として勤務実態把握を行うということではございません。 なお、服務監督権者である各教育委員会が、その権限と責任において必要に応じて教職員の勤務時間管理の実態調査を独自に行うことはもちろん可能ではあろうかと考えております。
○畑野君枝君 今、各県でというお話がありました。もちろん県段階で福岡県などもそういう調査を進めております。あわせて国としても必要な調査を進めていただきたい。あわせて三十人以下学級やあるいは教育条件の整備も本当に進めていくことが必要だということを申し上げまして、質問を終わります。
○山本正和君 きょうは、大学教育、特に法律家になる人たちの教育とか、あるいは医学、薬学のところをちょっと聞こうと思っておったんですが、その前に、午前中亀井委員からお話がございましたし、今、畑野委員からお話がありましたので、ちょっと私も触れておきたいんですが、学校というのは私は役場や県庁とは違うと思うんですね。ですから、先生が朝八時出勤で五時までおって、はい、さようならと、その後は知りませんよということでいうのならば、私は教育は崩壊すると思う。自分のうちへ帰ってもお父さん、お母さんから電話がかかってくるんですよ、子供はこうだと。それにいつでも相談に乗る。あるいは子供が自分の下宿に、若い先生の、遊びに来る、一緒に遊んでやる。そういうことがあって初めて教育というのは行われるので、それを勤務時間を朝八時から五時までにちゃんとやりなさい、それさえすればチョンと、一週四十四時間勤務しなさいと、そんなことでは学校はできないんだ。 私は、午前中に三重県のことを亀井先生がお話しになったからちょっと言っておきますけれども、これは実は昭和二十二年に、当時の三重県知事と、青木さんという保守系の知事です、と三重県教職員組合の当時の委員長とで話し合いをしまして、先生の勤務というのはどうだと。先生というのは役場や県庁と違う、だから校長さんが認めればよろしいと、勤務は。要するに、ちゃんと一人前働いていると校長が認めるか認めないかが前提だと。だから、それはもしも自分が低学年の担任で昼からきょうは生徒がおらぬと思ったら、うちへ帰って休んでもいいよ、しかし夜の夜中まで走り回らなきゃいかぬときもあるということでもって、かなりいろんな話をしました。 そのときに、実はその当時は日教組なんというのは本当はなかったんですよね。つくらされた、占領軍の命令もありましてね。そして、どうやって組合をつくるかというのがわからなかったんですよ。初めのころは大日本帝国教育会と間違えて、やろうかというような話まであった。それで、どうやら組合をつくった。そうしたら今度は組合の役員のなり手がいないんですよ。だから、校長からお願いして、組合をやってくれと頼まれた。それでみんな出てきたんですね。ですから、そのときに、そういうところから出ていった場合には旅費が要りますから、旅費はしかし払わぬぞ、しかしこれは勤務時間だから、勤務として認めるから行ってこいと、こういうことで組合が生まれた。そういうのが出発点なんですね。 だからそこは、今、日教組がやれ文部省とけんかしてどうとかこうとかなんとかという時代とは違うんですよ。そこから始まっておって、そこでトラブルが起こって、例えば広島なんかでは随分激しいところあるからね。それで、何か人間的な憎しみまで生まれたところもありますけれども。三重県なんていうのは非常にのんびりしていますから、ずっと長い習慣でね。そうすると、校長さんが認めれば、はい、行ってらっしゃい、御苦労さんよと。そのかわり、おまえさん、頼んだら朝まで仕事せいよと、よっしゃというのがずっと続いていたんですよ。 そうしたら、北川さんという元気のいいのが出てきて、知事になったら、県庁の職員から、こら、おまえら空出張しただろうというので、空出張返せと言われた。空出張は悪いですよ、あれはね。だから、学校の先生の勤務時間中の組合活動と一緒にとられちゃった。返せと言われたものだから、県庁の職員、みんな真っ青になって、それでも返したんですよ、かわいそうにね、安いのも一人十万円ぐらい返したのかな。しかし、それは実際はそのお金で酒飲んだり食ったりしたんだろうから返してもいいですよね。 ところが、教員の方はそれは関係ないんだ、全然。しかし、そこも、教育委員会といろいろな話し合いして、まあしかしこれからよくしましょうということで、調べようというので、朝八時から午後五時までの間に何時間ぐらい組合運動したかという調査した。そうすると、お昼休みに職場会議やった、これも組合運動だと。それから、分会長会議を例えば勤務時間内でそこでやっておると。それも入っておるんだ。そんなものも全部一緒に出しちゃった。それは校長が認めているんですよ、ちゃんと。校長も地教委も認めている。それから、ほとんどの市町村長もみんな知っているんですよ。こんなことを言うとおかしいけれども、文部省から教職員課長もずっと歴代来ておったから、文部省、皆知っておるんですよ、そういうことは。 だから、組合運動というのは、まさに全面対決してストライキを打つとかなんとかいうやつはぴしゃっとしておるんですよ、そこは。日常の教職員の活動をお互いに組合員の名前で、あるいはPTAの名前で、校長会の名前でやるんですよ。それはみんな合同でやる。そういうのも含めてみんな報告したのがあの十億という金なんですよ。 ところが、そいつがそうなっておるものだから本当は困っておるんですよ、県教委もね。文部省にはちょっとうそも報告しておるけれども、実際にこれを裁判で争われたら困るんですよ。それは勤務時間なのか勤務時間じゃないかといったら、証拠は何かといったら教員が報告しただけ。教員の報告は朝八時から五時までにこういうことしましただけの、それしかない。 そこで、裁判どうする、こんなことでもめても仕方ないだろうというので、まあ教育委員会と関係者がいろいろ話し合いしまして、とにかくこれからちゃんとしましょうということで、教職員組合の金で八億円の寄附しますと。そして、校長や教頭も、みんながこれからちゃんと三重県よくやっていくために金を寄附しましょうと。それで、十億八千万を県の教育に寄附しようと。その金なんか文部省に返さぬでいいんですよ。文部省も本当は欲しくないんだ。それだけの金もらったら、これまた会計検査院からやられるんですよ。というのは、行政処分したやつです、一たん。給与ですよ。 もし、例えば私が商売人で商売したとする、月給を払ったと、おまえ返せといったときに、どうやって取りますか、余分に払っている。しかし、その場合は明らかに違法であると認めにゃいかぬですよ、違法行為である。違法行為であるということをめぐって議論しているから、やるのなら裁判せにゃいかぬですよ。しかし、県教委からそういう申告があれば文部省としては違法行為で払ったものは返してくれというのは当たり前ですよ。もしこれ払ったとしたら、今度は県の段階で訴訟が起こる。本当の違法行為かどうか明らかにせいとなる。これは最高裁まで裁判せにゃいかぬ。そんなつまらぬことで学校現場がトラブルせぬでもいいんです。 先ほど畑野委員が言われたように、本当に学校の先生というのは、勤務というのは大変なんですよ。あとはだれを信頼するかの問題。一番信頼しなきゃいけないのは現場の校長先生ですよ、あるいは地教委ですよ。地教委の教育長も一生懸命苦労して見ている。そこを、さっき矢野局長はうまいことを言ったんですよ。服務監督はすべてそこで裁量を持っておやりになっていると言うたから。 だから、そういう信頼関係を持った中で行政をやらぬと、例えば超過勤務手当よこせという訴訟をかつてやったんです。大変な金になる。文部省も弱ったんですよ。各地教、県も皆困った。先生の超過勤務全部調べてやったらね。そしたら、先生もそんなことを言うの大概にせいよという話をして、当時の日教組もそれを引いて、そして超勤訴訟を和解した。これはもう西岡先生がよく御存じのこと。 だから、先生に超過勤務で云々と言って、勤務時間云々と言い始めたら大騒動になるんですよ、これは。だから、そういう意味で、それよりは文部省としては各都道府県に、何とか現場で働く先生たちが安心して働けるような体制をつくれ、また、労使間で十分話し合いをして教育がうまくいくようにやれということを指導してもらう方がいいと、こう思いますから。 ちょっとこれは午前中の先生のお話と畑野委員のお話に絡んで質問の前に感想だけ申し上げておきます。お受けとめになるのは自由ですが、場合によってはまた私なりのいろんなこと、悪いことを考えるかもしれませんから。 そこでお願いしたいんですが、実は私どもが若いとき、私は戦争に負けて昭和二十四年にもう一遍学校を卒業したんですけれども、そのときに非常に感銘したのは、奈良県の検事さんが食管法違反だからやみ米一切食わぬ、食糧配給だけで耐えますと言って頑張ったんです。栄養失調で亡くなられた。本当に感銘したんですよ。すごいんですよ、法律家というのはね。そんな人がおるんですよ、法律違反しませんと言って。 ところが、この前から国会でも裁判官訴追がありましたですね。ああいうふうなことがちょこちょこ出てくる。また、弁護士さんや検事さんの事件等も出てくる。 この前、実はテロ行為の九月十一日の朝、私どもは国会からの視察でちょうどワシントンにおったんです。連邦裁判所におった。そこで裁判官はどういう身分かというような話を聞いていた。そのときにどかんとやられたんですけれども。私はそれを聞いたもので頭にきて、その翌日大使館のところに行って柳井さんに、こんなものは日本国憲法も予想していないやつだと、取っ捕まえて全部ひっくくれと、日本もそれ全部入るよと、こう言ったんです。そしたら、山本さん、そんなことを言っていいんですかと、あなたのところの社民党はそうじゃないでしょうと言った。それは違うよと言ったんですよ。テロというのは絶対許さぬという決意をまず日本国が表明せにゃいかぬと。だから、柳井さん、それしっかり言ってくれと。 それで、そんな話をしたんですけれども、そのときのアメリカでいろいろ聞いた話では、裁判官というのは、人間のいろんなものがある、一生たくさんの出来事がある、人間にはいろんな性格がある。そうすると、全くいい人が突然凶暴な犯罪を犯すことがあるかもしれない。何が起こるかわからぬ。そうなると、裁判官というのは人間としてのさまざまなものがある。そうかといって万能じゃないわけですよね。 じゃ、どうするんだというようなことでいろいろ議論した結果、アメリカでは裁判官になるについては、例えば弁護士なら弁護士でどれだけの経験があるとか検事がどうとかというふうなそんなことを含めてやっていますよと。 そればっかりじゃないんですと。アメリカのロースクールというのは、普通の大学を出て、その大学の中で例えば音楽の先生もおる、音楽で勉強した人がこれでじゃどうするかと、よし、じゃロースクールに行こうという人が来る。同じようなことで、お医者さんの学校も、医者というのは人間のもう本当に死ぬ間際までの苦しみを見にゃいかぬわけですよね。だから、こういうロースクールとか医学とかいうものは特別な制度でもって資格を与えるための制度にしようとなってきたんですという話を聞いたんですね。 私はそれは本当にそうだと思うんですよね。今の日本は、何か知らぬけれども、子供のときから英才教育を受けて、偏差値をぴっしりつけられて、東大の法学部を出て、正直言って、こんなことを言ったら語弊があるけれども、若い弁護士の中には本当に人間がわかっておるかしらんというような人もいますよね。私は心配で仕方がない。そういうことも含めたら、そういう部分は何とか文部省としても、日本の教育の根本にかかわることですから、そういう法律だとか医学とかいうふうなことについては考えるべきじゃないかと、こういうふうに私は思っておるんです。 それからもう一つは、今、炭疽菌で大変です。そうすると、アメリカは薬剤師がそれについては全部知識を持っていて、一斉に各地域で始まっておる。ドイツでもそうですよ。日本の薬剤師というのは社会的地位が非常に低いんですよ。昔から諸外国と比べてなぜ日本の薬剤師はこんなに低いんだと、学歴が低い。よそはみんな五年制ないし六年制です。日本だけ四年制というけれども、それも実際にやる専門教科、カリキュラムは二年しかやっていない。ほかは専門を三年ないし四年やっているんですよね。そういうことからいったら、どうしてもこの薬剤師の問題も取り上げなきゃいかぬ。 そして、もっと言えば、きょうはお医者さんはお見えにならぬけれども、お医者さん出身の国会議員もおるもので一言言うんですけれども、医療費の問題の出発点は何かといったら、お医者さんが処方せんをたくさん書いて薬を出したら経営が楽だということですよ。本当ならばお医者さんというのはそういうもので経営を考えちゃいけないんです。それができなかったのはなぜかといったら、医薬分業がないからです。医薬分業がない理由は何かといったら、日本の薬剤師は程度が低いと、こう言われておる。程度を高くしなきゃだめなんですよね。 そのことも含めて、ぜひこれは文部省としても真剣に高等教育の問題を考えていただきたいと、こう思うんですが、時間が過ぎましたのでこれで終わりますので、答弁があれば。
○政府参考人(工藤智規君) いろいろ御示唆に富む御指導をいただきまして、ありがとうございました。 アメリカと日本とで確かに制度が違いますので、アメリカの場合、法曹界を目指す方は四年間のいわば教養を中心とした学部教育の上に三年制のロースクール、それから医者になります場合の医師養成については、学部教育の上に四年制のメディカルスクールという専門大学院が発達しているわけでございます。 日本の法学教育についてもいろいろな問題が確かにありますけれども、他方で、法曹界の人材育成につきましては、現在は司法試験という試験に合格すればどなたでもなれるという広いチャンスがあるというメリットも言われている一方で、受験対策にだけなって、先生おっしゃるように人の痛みとか法の基本とか、もう少し幅の広い人間性が求められておりまして、そのために、近々国会でも御審議賜ると思いますけれども、司法制度改革、点の養成から面の養成へという中でいわば日本版のロースクールをこれから整備していこうということで、政府部内でもそのための準備を進めているところでございます。 他方で、法学教育の充実についても私どもも大学も取り組んでいるところでございますし、医学それから薬学のような医療人の養成についても、先生の問題意識と共有しているわけでございますが、ただ他方で、アメリカ型にすぐ移行するには、関係者でいろいろ御議論いただいているのでございますが、なお乗り越えなきゃいけない課題等もございますので、今後とも御指導をいただきながら進めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○西岡武夫君 私の持ち時間は十四分でございますので、初めに委員長にお願いがございますが、これまでにもこの委員会で国立大学の独立行政法人化についてのまとめた御議論が当然あったことと思いますけれども、ぜひこの国会中にこの問題を中心とした集中的な審議の時間を持っていただきたいということを、理事会で御検討いただきたいということをまずお願い申し上げたいと思います。 そこで、限られた時間でございますから、大臣に、私はマル・バツ式は大嫌いでございますけれども、時間が限られておりますので、大体イエスかノーか、あるいはそうではない、この三種類でお答えをいただきたいと思います。 義務教育の問題につきまして、私も文部省で仕事をさせていただいて常々感じていたわけでございますけれども、行政の責任というのは一体だれが持っているのか。義務教育について最終責任はだれが持っているのか。少なくとも私の経験では文部大臣は持っておられない、持っていない。そうすると、どこに存在するのか。これだけ大きな教育の問題が起こってきている中で、学級崩壊などはその大きな一つの例でございますけれども、義務教育についての教育行政について責任の所在がどこにあるのかということを大臣はどうお考えか。文部科学省は少なくとも私はないと思いますけれども、大臣の御認識を承りたい。
○国務大臣(遠山敦子君) イエス、ノーでとなかなか答えにくいのでございますけれども、やはり一番の基本の、国の基本、国民にとっての一番の基礎を学ぶ義務教育につきましては、これは国あるいは地方公共団体がそれぞれの責任を果たしながら、互いに協力をして責任を果たしていくべき問題と思います。 簡単に申し上げますと、国は、教育の機会均等を図る、あるいは全国的な教育水準の維持向上の観点から基本的な制度の枠組みについてあるいは基準の制定を行う、そして地方公共団体に対して財政的な援助なりあるいは指導、助言ということを行っていきますし、地方公共団体は、学校の設置者としての場合もございましょうし、それから各種の事業の実施主体ということで、それぞれの学校あるいは地域の創意工夫ある取り組みを支えて地域に根差した主体的かつ積極的な教育行政を展開していくということで、義務教育についての責任というのは私自身はそのように考えているところでございます。
○西岡武夫君 文部大臣には最終責任はないということですね。
○国務大臣(遠山敦子君) 私自身、個人としては、義務教育なり教育のあらゆる問題について私は責任を持って取り組んでまいっております。責任感を感じると申しましょうか。
○西岡武夫君 制度としては、当然行政につきまして責任と権限というものが一体でなければ責任を果たせないと思うんです。ところが、教育行政につきましていろいろ考えておりますと、教育委員会自体も、皆様方御承知のとおりに、教育委員は教育長だけが常勤して、あとは非常勤だと。財政は、知事がその財政の権限は持っている。したがって、教育行政についての責任の所在は最終的にはどこにも存在しない。 問題が起これば文部大臣だけが責め立てられるわけですけれども、しかしそれを果たすだけの仕組みになっていないということを大臣はお認めになりますか。
○国務大臣(遠山敦子君) それは何か端的にイエス、ノーで答えられるような御質問ではないと思います。恐らく、西岡先生は大臣の御経験もあり、各種のいろんな御経験を踏まえられて、何らかのうんちくあるお考えのもとにの御質問かと思っております。 しかし、先生もいみじくもおっしゃいましたように、あらゆる問題が起きるとやはり文部科学省ないし文部科学大臣の責任やいかんという形で降ってくるわけでございまして、その事柄の、先生のおっしゃるところの責任ということの趣旨がいささかちょっとわかりにくい点がございますけれども、私はこの問題については、国として、あるいは地方公共団体、教育委員会、そういうふうなところがそれぞれの責任を果たしながら、あるいは法令上定められた権限に基づいて行政を行っていくことでそれぞれの責任を果たしてまいる、そういう総合的な制度であるというふうに考えております。
○西岡武夫君 別に私は意地悪いことを申し上げているのではなくて、私は常々、最終的には文部大臣が常に問題が起こるとその責任を追及される。しかし、それを果たすという権限を最終的には持っておられない。持っていない。そのはざまの中で、それはだれが持っているのかと。 私は、昭和五十一年か二年でございましたか、予算委員会で質問をしたんでございますけれども、教育委員会制度というものを前提にするならば、教育委員、少なくとも都道府県の教育委員は常勤でおられるのが当たり前の話ではないだろうかと。非常勤という形で教育行政に責任を負うということは、これは不可能だと。しかも、財政的には知事部局がこれを持っている、責任を持っていると。しかし、教育の問題が起こりますと、それぞれの地方自治体の議会で答弁するのは教育長だと。 何だかじゃんけんぽんみたいな形で、どこに権限が存在しているのかわからないという、そういうもたれ合いの形というあり方を改める必要があると私はかねがね思っているわけですけれども、その点についての大臣の御見解を承りたい。
○国務大臣(遠山敦子君) 教育委員会をどのように考えるかということについての西岡委員のお考えを披瀝されたものだと思いますけれども、教育委員会制度はこれまでやはり教育行政の中立性あるいは安定性を確保して各自治体において教育行政を適正に執行する上で大いに寄与をしていると考えております。 もちろん、その運用上いろんな問題がございます。それぞれの教育委員のあり方、あるいはそれが非常勤であること、あるいはその人たちの持っている情報量ないし意思決定についての見識の問題、そのようなことがございますけれども、我が省といたしましては、こういう教育委員会の果たすべき役割ということについて十分認識をし、かつまたそれが有効に機能するように、制度的な面での改善、あるいは教育委員会自体が活性化していくためのいろんな方途などについて改善を次々に重ねてまいってきておりまして、私はやはり今後とも教育委員会というものが地域に根差した特色ある教育行政を積極的に展開していくべく、その機能を十分に発揮してもらいたいと思っておりますし、またそういうふうなボードですね、そういうふうな機能を私どもとしてもこれを支えていく、そういう責務があろうかと考えております。
○西岡武夫君 この問題はまだ議論をいたしますと限りなくございますからまた別の機会にいたしますけれども、少なくとも義務教育という大事な問題について非常勤の機関が、非常勤の委員の皆さん方が最終責任を持つということは私は不可能だと思うんですね。これはぜひ大臣としても御検討をいただきたい。改善という問題ではない、もう根本的な問題だというふうに私は思っております。 それから、次の問題ですが、あと数分しかありませんけれども、国立大学の独立行政法人化の問題については、ずっとこれまでの資料をいろいろ拝見しておりますと、どうも独立行政法人化ありきというところから始まっているという感じを私は持っております。 この問題につきましては、あと二分ぐらいで話をするのは不可能でございますけれども、例えば学長が経営的な手腕を発揮するということが書かれてございます。ところが、学問的な権威を持った方が必ずしも経営的な感覚を持っておられる、そういう方もたまにはおられるかもしれませんけれども、これはなかなか言うべくして簡単なことではない。 そういうこと等々考えて、我が国のやはり基礎研究、学術の研究というのは非常に大事、これだけが唯一の資源と言ってもいいくらいのこういう国立大学のあり方について、こんな安易なと言うと大変言葉が過ぎるかもしれませんけれども、たまたま独立行政法人という構想が出てきて、それに乗っかっていって、果たして日本の学術基礎研究の将来がどうなるんだろうかと。 私は、昭和四十八年から五十一年にかけまして、日本に学術地図というものをつくって大学の設置についての基本的な下敷きにすべきであるということを提案したわけでございますけれども、微力にして今日に至っておりますけれども。 例えば、独立行政法人ということになりましたときに、一体国家公務員なのか非国家公務員なのか、そこは、大臣、詰まっているんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今の最後の点につきましては、目下非常に集中的な議論が行われておりまして、調査検討会議において二つの考え方がありということで、それを、すべての国立大学を同じようにするか、あるいはそれぞれの個々の大学がそれぞれの意思においてどちらの形態をとっていくのかなども含めて、目下最終的な詰めを行っている段階でございます。
○西岡武夫君 そういう基本的なところを全然決めないで、とにかく国立大学法人法を制定してできるだけ早期に移行するという方針を政府はお出しになっているようでございますけれども、もっと文部科学省として大学のあり方はどうあるべきなのかということを、独立行政法人に乗っかっていくという形ではなくて検討されるべきではないかと私は思うんです。 大臣、これに御賛成でしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、西岡委員の文部大臣としての御在籍の期間ないしいろんな機会を通じまして、委員が日本の大学教育なり大学研究なりに対しての強い希望、期待を持っておられて、そのお考えの基礎として非常によく考えられたいろんな御意見をお持ちということはよく存じ上げております。 ただ、今回の一連の流れは、ただ独立行政法人ないし国立大学法人ありきと、では急いでそれにということでは私はないと考えております。各国を見ましても、国立の大学というものは日本以外のところは法人化をされております。それによっていろんなメリットも出てくる。むしろ自由濶達に教育研究が行われていくというような面もあるわけでございます。 その意味で、私ども当然ながら、日本の大学の教育研究というものをどのようにして活性化し、そして本当に内実から出た真の教育への情熱あるいは独創的な研究への発想、そういったものを大事にしていくかということを常々考えている点では私どもは人後に落ちないわけでございますが、しかし、それらの上に立ってなおかつ大学改革というものを進め、またその大学改革の目指すところ、いろいろな議論があった上で、もっと個性に輝く大学であるべし、あるいは国際競争力を持った日本の大学であってほしいといういろんな要素を勘案した上で、であるならば、やはり国立大学法人というその流れを活用しながら、本格的な輝ける大学といいますか、国民の期待にこたえるような大学になっていってほしいと、そういう気持ちもございますし、大学人の多くは私どもの意図も十分受け取っていただいている、今そういう状況であろうかと考えております。
○西岡武夫君 もう時間が参りましたからこれで終わりますが、少なくとも私が個々の国立大学の教授、先生方にお尋ねをいたしますと、表には意見として出てきておりませんけれども、大変な疑問を持っておられるというのが実態だと私は思います。ぜひ、冒頭に申し上げましたように、このことにつきましては十分な時間をとっていただいて、何か事柄がとんとんとんと進んでしまって、あれよあれよというふうになって、後世に大変な批判を受けるということのないようにしていただきたいということを委員長にも特にお願いを申し上げます。 終わります。
○委員長(橋本聖子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時散会