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153回国会参議院2001/11/06

内閣委員会 第6号

発言数
237
登壇者
23
会派数
7
開催日
2001/11/06

会議録

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、神本美恵子さんが委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子さんが選任されました。     ─────────────

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣府政策統括官安達俊雄君、警察庁長官官房長石川重明君、同長官官房国際部長村上徳光君、同生活安全局長黒澤正和君、同刑事局長吉村博人君、同交通局長坂東自朗君、同警備局長漆間巌君、防衛庁防衛参事官中村薫君、同長官官房審議官飯原一樹君、法務大臣官房長但木敬一君、法務省刑事局長古田佑紀君、同矯正局長鶴田六郎君、文部科学大臣官房審議官玉井日出夫君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、同職業安定局長澤田陽太郎君、国土交通省総合政策局長岩村敬君及び同自動車交通局長洞駿君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 自由民主党の西銘順志郎でございます。  村井国家公安委員長には大変御苦労さまでございます。我が国のテロ行為の防護体制、並びに二〇〇二年に行われるワールドカップについての警戒警護体制についてきょうは質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  まず、沖縄県の駐留米軍の施設等の警護体制について大臣にお伺いをしたいというふうに思っております。  十月八日、各管区警察局を通じて全国警察に、米国関連施設等に対する警戒警備の徹底をするとともに、米軍の軍事行動に伴う関連施設等に対する警戒警備の強化について通達を出しておられます。それに基づいて、アメリカ大使館、イギリス大使館、あるいは領事館、あるいは在日米軍基地、原子力発電所、政府関連施設、空港等約五百八十カ所を警戒中だということで聞いております。また、沖縄県に対しましては、県内の安全確保のために総勢四百五十名にわたる機動隊員を派遣しておられるというふうに聞いておるところであります。  今回の米国の同時テロの影響で沖縄県は大変な被害をこうむっておるわけであります。修学旅行や一般団体客のキャンセルが相次いでおりまして、観光客が前年度を二十五万人ぐらい下回るというふうに予想されておりますし、また観光収入にいたしましても約二百三十億というような減少が予想されておるわけであります。また、雇用の面につきましても、沖縄は本当に日本一失業率の高いところでございますけれども、さらに今回のテロの影響で三千六百九十人、約三千七百人の方々の雇用に影響を与えるというふうに言われて、試算されているわけであります。  在日米軍基地の七五%、また県土の一一%が本当に沖縄県に集中して米軍基地があるというような状況でございますので、もちろんそれらのすべての施設・区域等の関係者ばかりでなくして、その地域周辺の県民あるいは市民の生命、財産についてしっかりと保全をしていかなければならない、ちゃんと守っていただかなければならないというふうに私は思っておりますが、大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) お父様の西銘順治先生にも大変いろいろお世話になりました。沖縄の声を今度はお若い声で代弁していただく、本当にありがたいことだと思っておりますし、私自身も沖縄につきましては特別の思いがある一人でございます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げたいと存じます。  私自身も、今御指摘の観光客が減少した等々のお話につきましては、大変心を痛めている一人でございます。そういう意味で、いろいろな形で、基本的なインフラでございます治安の維持、これについては心してまいりたいと思っております。  御指摘のとおり、沖縄県警に対しまして管区機動隊が派遣されましておりますのは、これはもう委員ただいま御指摘のように在日米軍施設が大変多いということで、沖縄県警察の負担を軽減する、こういう目的に出るものでございますが、派遣された部隊が在日米軍関係施設等の警戒に当たるということによりまして、沖縄県警察は逆に県内の一般治安の維持、これに重点的に励むことができる、こういうことになるのではないか。そういうわけで、私は、派遣部隊とそれから沖縄県警察とあわせまして沖縄県民の生命、財産の保護に万全を期することができる、こんなふうに考えているところでございます。  今御指摘のようなこともございますので、各種警戒活動に当たりまして、いたずらに誤解や混乱を生ずることのないように十分に配慮をしていくように私どもも指導してまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。  いずれにいたしましても、今、現前、現に何らかの危険が存在するというわけではない、そういうことでございますから、沖縄はかえって安全なんだということをどちらかというと私どもは強調してまいりたい、そんなふうに考えておるところでございます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 次に、国際テロ緊急展開チームについてお伺いをしたいというふうに思います。  平成十年の四月に、国際テロ緊急展開チームを設置されたようでございます。同チームは、在外邦人が巻き込まれた国際テロ事件等の発生時に現地に緊急派遣され、現地の治安当局と連携、それから迅速、的確な情報収集、あるいは各国捜査機関への捜査支援活動等に当たる専門組織であるというふうにお伺いをしております。平成十一年の八月に、中央アジアのキルギスにおけるイスラム武装勢力による日本人技師拉致事件のときに派遣されたというふうにお伺いをしているわけでございます。  今回、米国の治安当局との情報交換及び邦人保護を目的として国際テロ対策室長等を派遣したとお聞きをしているわけでありますが、米国の同時多発テロはやはり国際テロリスト組織が周到に計画をし実行した大規模テロ行為であり、我が国の邦人二十名を含む多数の方々が犠牲になった前例のない事件でございます。そういう観点から大臣にお伺いをいたしますが、現地に派遣されたチームはある意味でどのような成果を上げられたのか、大臣の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) アメリカにおける今般の同時多発テロ事件の発生を受けまして、警察庁は九月十五日に、国際テロ対策室長以下三名から成る国際テロ緊急展開チーム、TRTでございますが、これを現地に派遣いたしまして、アメリカの治安当局との情報交換、それから邦人保護活動の支援などに当たらせたものと承知しております。  具体的に申しますと、アメリカの治安当局との情報交換の結果について申しますと、その後の我が国の各種テロ対策などに活用されている、これは非常に大きなことだと思っております。フェース・ツー・フェースでいろいろな接触をした経験というのは、その後のいろいろなコンタクトにも非常に有効に働いている、このように思っております。  それから、邦人保護活動という観点からいたしますと、その支援のために現地の総領事館に設置された対策本部のもとで情報収集や行方不明の邦人の身元確認などの活動に従事したところでございまして、今回派遣されたチーム、よくその所期の成果をおさめた、こんなふうに私としては認識しているところでございます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 テロリズムというのは、もう我が国とは関係ないというようなことではないというふうに思うのであります。もう遠い外国での事件ではないというふうに思うわけでありますが、我々が日常的にテロの脅威にさらされているということを認識させられるものであり、また、テロ対策は本当に日本の警察にとりましても大変な重要課題になってきたのではないかというふうに理解をするわけであります。  特に、国際テロリズムに対しては、情報収集あるいは国際的な連携が不可欠であることはもう言うまでもないわけでありまして、我が国でテロの情報の収集は、警視庁あるいは大阪府警を中心とする各警察本部が主体になって行われるというふうに聞いておるわけであります。活発化、広域化する国際テロを監視するには、やはり情報の一元化あるいは体制の整備がどうしても必要になるというふうに思うのであります。  私は、やはりアメリカにおけるFBIのような組織が日本にも必要ではないかというふうに思うのでありますが、大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今度の事例を見ておりましても、国境を越えて活動する国際テロリストの動向を的確に把握するというためには、やはり各国の治安機関との情報交換等による情報収集、これは非常に大事でございまして、これは日本の場合、基本的には警察庁が中心になってやっている、このように承知しております。  それから、テロリストが我が国に潜入する、それを防止するというのは、入管等関係機関がその任に当たる。そういう意味では、それとの緊密な連携を図っていく、これもまた大事なことだと思っております。  それから、いろいろな情報を総合するというのは、これは非常に大事な課題でございまして、そういう意味では、現在、日本の政府では、内閣情報官のもとで情報の有機的な連携、そしてその評価というようなものがされている、このように私は理解しております。  国内の情報収集につきましては、警察庁が指導、調整いたしまして、各都道府県警察におきまして関係情報は収集され、そして警察庁においてこれを一元的に集約する、そういう体制になっている。  私どもとしましては、こういった関係各省に散らばっております情報の集約と、それから警察の情報の集約、都道府県警察の情報の集約、収集体制、こういったものを一層強化していかなきゃならない。これはそれなりに効果を上げていると私ども評価しておりますが、今お尋ねのFBIの問題でございますけれども、私の理解しておりますところでは、アメリカの場合、各州の権限というのは、それなりにある意味では一つの国をなすかのごとく御案内のとおり強いわけでございまして、それぞれに警察権力を持っている。中には州兵なんというようなものも持っているわけでございますが、それを連邦レベルで統括するためにFBIがある。それで、FBIがそれなりにまたフォースを持っている、実力部隊を持っているという形態でございます。  このあたり、どっちの形がいいかというところはいろいろ議論があり得るところでございますが、私どもといたしましては、例えば情報収集という点では、今申し上げたような形で有機的にしっかり連携を保つというようなことで、連携をとるというようなことで対応できると思っておりますし、それから、実力部隊の運用という点で申しますと、例えば管区機動隊というようなものの運用につきまして、かなり警察庁が主導しながら動かすというような形でやっておりますので、私は、物理的に日本の大きさなどを考えますと、これはこれで現段階では一つの運用の形態かなと、こういう感想を持っているところでございまして、今委員の御指摘の点も、これから一つの常に意識しなければならない研究課題としてよく勉強をしてまいりたい、こんなふうに思う次第でございます。  ただ、もう一言余計なことを申し上げれば、やはり第一義的には、それは確かにテロというのは非常に大きな事象でございますけれども、一方で地域に密着した犯罪にどのように対処していくかという課題は、これはやはり都道府県警察、地域に密着した地方の警察本部でその地域地域に根差した活動をしてもらう、そしてそれをまた各都道府県の公安委員会において管理がされるという現在の体制、それはそれでまた意味のあるものだということもぜひ御認識をいただきたいと存じます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 次に、テロ対策に当たる特殊部隊、SATについてお伺いをしたいというふうに思うのであります。  昭和五十二年に発生したあの日本赤軍のダッカ事件を契機として、警視庁あるいは大阪府警に特殊部隊が設置されたようでございます。現在、全国で約二百人の部隊員がいるというふうにお伺いをしておるわけでありますが、本当に、現在は我が国に入国する外国人の国籍あるいは人数とも増大する中で、姿の見えない相手のテロリズム、そういうものに対抗するためにはこの二百人では十分ではないというふうに私は思うのでありますが、大臣いかがでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 御指摘のように、いわゆる特殊部隊、スペシャル・アソールト・チームでございますが、これは全国約二百名の体制で七都道府県に設置されておりまして、平素から、ハイジャック、人質立てこもり、それから強力な武器を使用した事件等の重大事件を想定しまして実戦的な訓練を実施しているところでございます。  これで足りるか足りないかということでございますが、これに加えまして、現在、警察庁では、各都道府県警察の機動隊に設置されております銃器対策部隊に新たに特殊銃を配備する等の充実強化を図ることを検討しておりまして、これによりまして警察の対テロ対処能力というのは向上できるんじゃないかと、こんなふうに考えております。  ただ、テロ対策というのは、もう一つ情報収集対策というのが一番重要でございまして、これを一層強化するとともに、体制の整備や装備資機材のさらなる充実に努めまして事案の未然防止に全力を尽くしてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 昨今の新聞等で炭疽菌の事件が報道されるようになっているわけでありますが、テロリストはもはや生物兵器あるいは化学兵器を使用するのにちゅうちょをしなくなったというふうに思うわけでございます。そういう意味で、テロリストの道具となり得る化学物質あるいは毒物、生物の性質あるいは保管、管理、施設の防護体制について警察はどのような形で把握されているのか、お伺いをさせていただきたいというふうに思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) テロリストの道具となり得る化学物質あるいは毒物、生物の保管、管理の状況につきましては、第一義的にはその物質を取り扱う事業者等を所管する省庁が把握していると、こういうポジションでございます。  ただ、そのうちで化学兵器の製造の用に供されるおそれがある化学物質として政令で定められている特定物質につきましては、これを取り扱う事業者等がその物質を運搬する際に都道府県の公安委員会に事前に届け出る、それから、この物質が盗まれたとか行方がわからなくなったとか、そういう場合には警察に届け出る、これが法律で義務づけられております。  それからまた、毒物につきましても、それが漏えいしたとか流出したとかいうような事故が発生しましたときには、あるいはまた盗まれたとか行方がわからなくなったとか、そういうことになりましたら警察へ通報することが法律によって義務づけられております。  警察は、こうした届け出等を通じまして、特定の化学物質及び毒物の保管管理状況を把握するとともに、テロリストの道具となる生物等につきましても、特段の法的な枠組みは設けられていないものですけれども、それぞれの関係省庁と緊密な連絡をとりまして、その物質の性質や保管管理状況につきまして情報の共有化を図るという努力をしているところでございます。  警察といたしまして、アメリカにおける一連のテロの発生を踏まえまして、テロリストの道具となり得るような化学物質ですとか毒物、生物等を保有する事業者等に対しまして、そういった物質の保管、管理の徹底、それから盗まれたり行方がわからなくなったりするようなことがありましたら、その通報を積極的にやるように働きかけているところでございまして、今後とも、関係省庁と連携を密にしてテロリストの手にこういった物質が渡ることのないように十全の対策を講じてまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 昨今の新聞等で見せていただいて大変びっくりするわけであります。天然痘、これはもう撲滅されて、一九八〇年ごろに撲滅されたものでございますけれども、こういう菌もテロに使用されるというような報道等がなされているわけでございまして、ぜひとも大臣、関係各国あるいは関係省庁との連絡を密にしていただいて、そういうことが起こらないようにしっかりと警護体制を築いていただきたいというふうに思います。  次に、もうこれは青少年に一番夢を与えるんじゃないかと思うようなワールドカップについてお伺いをしていきたいというふうに思うのであります。  二〇〇二年の五月三十一日から六月三十日まで、約半年後に迫ってきたわけであります。これについてお伺いをさせていただきたいと思うのでありますが、一九九四年の第十五回の大会、アメリカで開催をされたわけであります。この大会は、三百五十六万人というような観客の動員がなされておるわけでありまして、これはワールドカップ史上最高となるというふうに言われております。また九八年、前回のフランス大会では、テレビの視聴者数というのが三百三十一億人というような、これ見られた方がそれだけおるというような、本当に驚異的な数字でございます。これは、一九九六年に行われたアトランタ・オリンピックのテレビの視聴者数と比較いたしましても、これ百九十六億人がアトランタは見られたそうでありますが、それに比較しても三百三十一億人という方々がテレビを見て大変応援をしたというふうに思うわけでございまして、これはもう本当に世界最大級のスポーツイベントであるというふうに思っております。  そういうワールドカップが日本と韓国共催で行われるわけでありまして、これは世界各国の要人が来られることはもう当然のことでありますし、たくさんのまたサッカーファンあるいはサポーターという方々もおいでになるというふうに思うわけでありますが、こういう中でのテロの発生は何としても阻止をしなければならないというふうに思っております。  特にまた、昨今は欧米諸国でフーリガンというふうに言われている方々がおられるようでございます。非常に熱狂的なサッカーファンでございまして、こういうフーリガンの対策についても、これは本当にこのフーリガンというのは、私もテレビで見たことがあるわけでございますが、本当に競技場へ乱入したり、あるいは暴行を加えたり、スタンドを壊したり、さらに放火をしたり、もう本当に大変な集団であるわけでございまして、こういうフーリガンの対策について、警察庁あるいは大臣の御見解等をお聞かせをいただきたいというふうに思っております。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) フーリガン対策につきましては、基本的には国際テロ対策と変わっていないというふうに認識しております。つまり、フーリガンというのをまず日本の国内に入れない、あるいは日本の国内に拠点をつくらせない、それから日本で不法事案を起こさせないと、これがやはり基本だと思います。これは国際テロも全く同じだと思うんです。  そういう意味で、まずフーリガンを日本に入れさせないというためには、入国の時点でともかく基本的にチェックする、つまり水際対策、これが非常に重要だというふうに考えておりまして、そのために関係省庁あるいは関係機関あるいは海外の治安機関との連携をとりながら、関連情報の収集、分析を行っております。  また、今度は国内に万が一入ってきてしまったような場合につきましては、そのフーリガンが不法事案を起こさせないようにする、あるいは起きた場合についても取り締まりを徹底するようにする、そういうふうなために、現在、機動隊、それから管区機動隊という組織がございますが、それを全国的に集中運用しようというふうに考えておりまして、その集中運用によって、そういうフーリガンの国内での不法事案の未然防止やあるいは取り締まり、これに使うことによりましてしっかりした対応ができると考えておりますし、またそのために部隊練度向上のための訓練の徹底や装備資機材の整備等の諸対策を現在推進しているところであります。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 日本と韓国との共催でありますから、韓国の方ではソウル地方警察庁は専門部隊を発足させているというふうに聞いておるわけであります。我が国ではどのような体制、規模でもって警察が対応するのか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) ソウルの警察庁の方は特別な部隊を発足させているということでございますが、先ほどもお話し申し上げましたけれども、警察としては、今現在、各都道府県警察に機動隊、それから広域運用するための管区機動隊というのを管区単位でいろいろ置いているわけであります。これを先ほど申し上げましたように、具体的に集中的に警察庁が指導、調整をしながら運用をすると。どこの地点にはどういう部隊を派遣すると、これを決めまして、こういうものを的確に運用することによって、フーリガンに対して具体的な不法事案を起こさせないとか、あるいは起こしてもすぐ徹底した取り締まりができるというような仕組みにしようというふうに今考えております。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 EUの加盟国では、サポーターといいますか、フーリガンといいますか、サポーターについてABC三つの分類をしているようであります。応援していても特に問題のない通常のサポーターはカテゴリーA、あるいは飲酒して暴力的になる者はカテゴリーBだと、飲まなくても、これはもう飲む飲まないにかかわらず暴力的で非常に騒動の元凶になり得る者をCだというふうな分類の仕方をしているようでございまして、そういうEU加盟国の各警察と我が国はどのような情報交換をなさっておられるのか、お聞かせをいただきたいというふうに思っております。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) やはりサッカーの先進国といいますとヨーロッパあるいは南米というところでございまして、そういう経験豊富なところの治安当局とやはり日本警察も緊密な連携をしていくということが大切だというふうに考えております。  現在、フーリガンに関する情報交換、意見交換、これを行うために、欧州や南米各国の治安機関に警察庁側から都道府県警察も連れていきまして、いろんな意見交換をさせておりますし、また、欧州で開催されておりますようなフーリガン対策に関する国際会議というのがございます。そういうところに担当者を出席させるようなことをいたしまして、相互の連携強化に努めているところであります。  また、実際の本番になりましたら、その直前からスポッターと呼ばれる、フーリガンをこれは識別するまさに専門家でありまして、そういう専門的にそういうことをできる外国の警察官、これに日本に来ていただきまして日本警察を支援していただこうということを今検討中であります。  いずれにしても、出場国の治安機関との連携をよく強化しながらフーリガン対策の万全を期していきたいというふうに思っております。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 ワールドカップというのは、もう本当に先ほど申し上げましたように三百三十一億人の方々がテレビを通じてごらんになる、あるいは日本のサッカー協会の中に登録されているメンバーだけでも約九十万人ぐらいというふうに言われております。私も、小学生のころの小さな子供たちの父兄会をやったことがあるんですが、本当に一生懸命青少年が夢中になってボールをける、ああいう状況を見るときに、何としても、こういう世界一流の選手たちが集まって行われるワールドカップでありますから、この子供たちの夢を壊さないような形で、ぜひとも警護体制をしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。  そういう意味で、大臣ひとつ決意をしていただいて、御見解を賜りたいというふうに思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今、西銘委員からお話ございましたように、来年のワールドカップ、これは本当に、日韓両国で開催されるという意味でも、また極東で開催されるという意味でも非常に意義の深いイベントでございまして、また、今こういうふうにずっとるる御指摘ございましたような私ども責任を持たなければならない警察事象としても大変いろいろ問題を含む案件でございます。  そういう意味で、来年の最も大きな課題の一つとして位置づけまして、今から十分に対応を練りまして、また国際的な情報も十分にとりまして対応に遺漏なきを期してまいる決意でございますので、委員各位の御指導、またよろしくお願い申し上げます。

西銘順志郎自由民主党・保守党

○西銘順志郎君 終わります。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 自民党の松村でございますが、引き続き国家公安委員長に御質問させていただきたいと思います。  先般、テロ対策支援法案の連合審査がありまして、国内においてこれに誘発されたといいますか、関連したテロ事件が発生した際に、自衛隊が守るのか警察が守るのか、国内の事案は治安事象であるから原則として警察が守る、こういうような力強いお話があったわけでございます。  そこで私は、本日、ほかのテーマにも時間がありましたら触れたいと思いますが、この警察の実力の、実力を使うということに際して武器というものがどうしても必要であるというふうに思います。そこで、先般も、ただいま国家公安委員長も特殊銃を今度購入してというお話がございました。そのような関連についていろいろ質問をさせていただきたいと思います。  まず、先ほども国家公安委員長からお話があったわけですが、SAT、特殊部隊、これについてお話がありましたが、ちょっと重なるようで恐縮ですけれども、警備局長からこのSATチーム、SATというのがどういう組織でどれぐらいの人数があってどういう任務を内容にしているのか、人質救出とかテロ事案とかいうことになろうかと思いますが、どういう任務を内容にして日ごろどういう訓練をしておるか、教えていただきたい。  といいますのは、何か新聞報道によりますと、SATというのは何か時々新聞に載るわけですが、秘密のベールに隠されているといいますか、当然にこういう能力を持っているということを犯罪者に知らせたくないという要因かと思いますけれども、今まで余り明らかになっていないんじゃないかなというふうに思うわけです。  したがって、こういうテロ事案の発生が予測される現時点において、この国会において、どういう組織でどういう任務を持ってどういう訓練をして、またどういう武器を持っているか、ちょっと教えていただきたいと思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 特殊部隊、いわゆるSATと言っておりますけれども、これにつきましては全国で約二百名の体制を構築しておりまして、現在、警視庁、大阪府警、北海道警、千葉県警、神奈川県警、愛知県警、福岡県警、この計七都道府県警察に設置しているところであります。  SATは、ハイジャックそれから重要施設占拠事案等の重大テロ事件、あるいは組織的な犯行や強力な武器が使用されている事件等に出動いたしまして、被害関係者の安全を確保しつつ被疑者を検挙するなどによりまして事態の鎮圧を図ることをその主たる任務としているものであります。またSATは、ハイジャックや人質立てこもり等を想定した実戦訓練の実施をしておりますし、また、海外の特殊部隊との情報交換等によりまして必要な事案対処能力の強化等も図っております。  また、実際、SATが持っている装備資機材でございますが、自動式けん銃、ライフル、自動小銃等の特殊銃、特殊閃光弾、ヘリコプター等の装備資機材を保有しております。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 私は、けん銃とライフルを持っているということは、ライフルを持っているということは例の広島におきますシージャック事件のとき使われましたから国民もみんな知っていると思うんですが、自動小銃を持っているということは知らなかったんですが、どういう種類、どういう性能の自動小銃を装備しておるんですか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 基本的には、具体的にどういうものであるかというのはなかなか、これはまさに犯罪者の側に手のうちを明らかにするということになりますので、具体的な性能等についてはやはりお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 そこで、今度は警察庁の官房長にお伺いするんですが、先ほど来話題にしております、警察庁が補正予算で特殊銃を購入するという話が先ほどの国家公安委員長のお話の中で明らかにされたんですが、どういう自動小銃をどれだけの数量買う予定なのか、できたらお聞かせいただきたいと思います。

石川重明警察庁長官官房長

○政府参考人(石川重明君) 今、委員御質問の特殊銃でございますけれども、これは私どものこういった小型武器の範疇に入ると、こういう解釈でございまして、今回、補正でお願いをしたいというふうに考えておりますのは、性能に対する信頼性でありますとか、あるいは機動隊が今警備をしております重要施設の周辺環境でありますとか、外国警察における導入実績といったようなものを考慮をいたしまして、そうした警戒を行う機動隊が所持するにふさわしい銃種ということで、一定の連発機能を有した特殊銃というものを配備をしたいと。これにつきまして、数量的には千数百丁というものをお願いをしたいというふうに考えておるところでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 そこで、防衛庁にお伺いするんですが、現在、日本の陸上自衛隊は小銃、小型武器といっても防衛庁の場合、自衛隊の場合はいろいろあろうかと思いますので、小銃関係についてお伺いするんですが、自衛隊はどういう種類の小銃を持って、それはどれぐらい、どういう性能を持っておるのか、お聞かせいただきたいと思います。

中村薫防衛庁防衛参事官

○政府参考人(中村薫君) お答えいたします。  陸上自衛隊が保有しております主要な小銃は、一九六四年に制定された六四式小銃というものと、それからその後継であります八九式小銃というのがメーンでございます。そのほかに若干の空挺団等が持つ小火器は持っておりますが、メーンはこのような小銃でございます。  六四式小銃につきましては、主要な性能諸元は、口径が七・六二ミリ、全長が約九十九センチ、重量が約四・四キロ、それから装弾数が二十発入ると、自動小銃になっておるということで、最大発射速度が一分当たり五百発であると。  それから、その後継の八九式小銃につきましては、口径が五・五六ミリ、全長が約九十二センチ、重量が三・五キロ、装弾数が二十発または三十発、最大発射速度一分当たり八百五十発。若干小ぶりで軽量化されていて弾が、速度が速いという状況でございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 あわせて防衛庁にお伺いするわけですが、私はこの今度警察が購入しようとする銃が連発銃であると、一分間に何百発、弾倉は三十発しかないということですから一つの弾倉では三十発しか出ないと思いますけれども、一分間に何百発というような能力を持つ銃を警察が備えようと、こういうことなもので、従来、警察法が言う小型武器というのはけん銃であると、あるいはライフルも必要なんだろうと、こういう判断が戦後長い間あったと思うんですけれども、自動小銃を持つということになるとちょっと異質の警察が出現してくるんではないかなというふうに思うもので今ちょっとお聞きしているわけですけれども。  そこで、防衛庁に、自衛隊においてはこれらの小銃の保管、管理を、どのように使っているのか。それから、自衛隊というのは絶えず集団で行動しますので、小隊長、分隊長以下、お互いが監視し合うという面がきついし、またこれらをほかの目的に、あるいはいわゆる不祥事事案、そういうようなことで武器を使ったら大変だというふうな意識教育ですか、こういうことを日ごろしっかりやっておられると思うんですが、その辺の保管、管理について、あるいは意識の教育という点についてどういうふうに行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。

中村薫防衛庁防衛参事官

○政府参考人(中村薫君) お答えいたします。  陸上自衛隊におきます小銃の保管、管理につきましては、陸上幕僚長の通達に基づきまして、施錠した武器庫の中にかぎつきの専用の保管器で固定して保管するようにしております。銃を数十丁並べて、それにかぎがかかる、重さが多分百キロとかそれくらいの重たい保管器を武器庫の中に持っておって、それに入れるというような管理をしています。  管理につきましては、部隊長が定める者がかぎの管理を行うとともに、小銃の出し入れの際にはこれに立ち会うということにしております。休日も含め、毎日その数を点検する等の厳重な保管、管理の体制をとっておるところでございます。  体制につきましては以上です。

飯原一樹防衛庁長官官房審議官

○政府参考人(飯原一樹君) 以上の関連規則に従って保管、管理をしているわけでございますが、陸上自衛隊におきましては、隊内の学校などにおきまして、小銃射撃に関する基本的な教育の中で、安全管理及び事故防止の観点から小銃について慎重な取り扱いを必要としますので、規則に従いまして保管、管理を確実に行うよう教育を行っているほか、部隊等におきましても、日ごろから隊員に対し、かかる意識を徹底すべく指導を行っているところでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 それから、小銃の訓練、自衛隊においてはどれぐらいの時間をかけて訓練しているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

飯原一樹防衛庁長官官房審議官

○政府参考人(飯原一樹君) 陸上自衛隊におきましては、学校などにおいて小銃射撃に関する基本的な事項を教育した上で、部隊等において練度を向上させるための訓練を行っているところでございます。小銃射撃に関する教育時間は、対象となる隊員によって異なるところでございますが、例えば新隊員教育におきましては、小銃の構造や操作法、安全管理事項、基本的な射撃などを含めまして約百時間の教育を行っているところでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 そこで、後からちょっと警察庁にお聞きしたいのは、基礎的な訓練が百時間と、それから応用射撃といいますか、実戦に使う訓練、部隊として銃を使うというふうなことも演習場等を使ってやっているんじゃないかなと、警察にそういう練習する訓練場があるのかなというようなことも私、疑問に思うんですけれども、それはまた後ほどお聞かせいただきたいと思います。  そこで、今防衛庁のお話を聞いてもおわかりのとおり、自衛隊がどういう銃を持っているということは、今はっきり性能についてもお話があったわけですね。先ほど官房長が、どういう銃を買うということが言えないと、先ほどおっしゃらなかったんですけれども、これはまた今、大蔵省に予算を要求する段階では明らかになると思うんですけれども、どうして国会でどういう銃を購入するということが言えないのか、お聞かせいただきたい。そして、今度買おうとする銃は、機動隊、SATが持っている銃と同じ銃なのか違うのか、これについてもお聞かせをいただきたいと思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) これから配備する、特に機動隊の銃器対策部隊に配備するという銃でありまして、今現在どういう銃を配備するのがいいかということを検討中でありますので、具体的な種別については明らかにしなかったわけであります。  実際上、これにつきましては、基本的に現在警察が持っているけん銃の訓練施設がございますが、そこでもやれるという前提で銃種を選定したいということでありまして、したがってその銃種の選定が決まりますと、当然、現在使っているけん銃の訓練場でも演習ができるということになります。

石川重明警察庁長官官房長

○政府参考人(石川重明君) 前提も含めて御答弁申し上げますが、警察法の六十七条に、委員も御指摘のように、警察官はその職務の遂行のために小型武器を所持することができると、こういう規定がございまして、ここで言う小型武器と申しますのは、個人装備といたしまして携行、携帯ができる程度の武器を指すと、こういうふうに解されておるわけでございまして、現在、既にけん銃とかライフル銃とか自動小銃等の銃器を装備しているところでございます。  ただ、携帯が可能であると申しましても、その所持を、実際装備品として所持をするかどうかということにつきましては、警察官の職務の遂行のために必要かどうか、こういう観点、それからその武器の殺傷能力、あるいは犯罪に使用される武器の火力の程度と申しますか、そういったようなことを総合的に勘案する必要があると、こういうことでございます。  近年の国際テロ情勢等というものを考えました場合に、重要施設の警備に当たる機動隊員にけん銃よりも強力な特殊銃というものを配備して、そしてテロの未然防止でありますとか事態の鎮圧を図るという必要性が高まっているという判断のもとに、今回、補正予算で今申し上げました特殊銃を配備したいと、こういうふうに考えておるわけでございまして、そしてその訓練等の問題でございますけれども、これは基本的にはけん銃弾と共用できるような銃というものを考えておりまして、基本的な訓練というものは警察にございます射撃場でできるのではないか。そして、射程の問題がございまして、射程が長いような訓練をするといった場合には、そうした機動隊の特別な施設といったようなものを使う、あるいはほかの機関の御協力をいただくといったようなことで訓練をしなければならないんじゃないかというようなことを今考えていると、こういうことでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 そうしますと、具体的には機動隊が使うと、今度購入するものは各県警にあります機動隊が使うというふうに考えていいんですか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 機動隊が使うというよりも、機動隊の中に銃器対策部隊というのがございまして、実際はその銃器対策部隊のメンバーがこれを使用するということを想定して銃種を今考えているところであります。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 日本の警察は、戦後いろんな折に銃器を使って犯罪者を鎮圧するということをやってきたわけです。昭和四十五年の五月に、先ほど例を挙げました、広島で銃を強奪して観光客四十四人と乗組員をいわゆるシージャックしたと、それで翌日、警察が狙撃で射殺したというケースが最も代表的な例かと思います。  それから、昭和五十四年に三菱銀行の大阪の北畠支店で、皆さん御記憶あろうかと思いますが、猟銃男が入りまして五千万円を要求して、行員と警察官二人を射殺して、三人重傷、四十人人質にして、二日後に犯人の梅川というのを狙撃して死亡させたという例が最も代表的な例かと思います。  そのほか、昭和四十七年の二月に例の浅間山荘事件がありまして、このときには相手が猟銃でしょうか、非常に銃撃をいたしまして、家をぶち壊すおもりをどんどん家にぶつけて壊して、催涙ガスでいぶり出して逮捕したと。このときは警察が銃を使ったかどうかつまびらかでないんですけれども、そういう例しかないわけですね。  それから最近では、ことしですか、福岡でバスの中で、バスをハイジャックしまして、女性を殺して広島まで走っていったと。これも何か銃を使わないで制圧したわけですね。  先ほど西銘先生が話をしました沖縄にいたしましても、サッカーフーリガンの警備にしましても、こういう銃を使うという場面が私には想像ができないわけですね。  それから、私ども福井県は原子力立地地帯ですけれども、原子力立地地帯で外周をパトロールするというときに、それじゃ特殊銃を持ってパトロールできるか、実際に撃つ場面があるのかな、使う場面があるのかなというふうに考えますと、なかなか日本では、先ほども話が出ましたSATチームが、特別に訓練を受けた少数のチームがこういう困難な事案に対応するということは考えられるわけですけれども、千何百丁も日本じゅうにばらまいて、それを果たして間違いなく使用できるのかなということが私には大変に疑問なんですね。  それと、銃というのは指揮者が使えないと使えないわけですね。お巡りさんだけ、巡査だけ、狙撃隊で日ごろけん銃、ライフルを撃っている人が自動小銃も与えられて、それでいざ困難な事案が起きたときに使えるかというと、指揮者が使えないと銃というのは使えないわけです。指揮者が銃を使えといって、そういう判断ができるかというと、当然指揮者が同じ程度の熟達度がなければ使えないものだというふうに私は思います。  それと、浅間山荘の事件のときに私もたまたま治安組織に、警察におりましたので、あのときもなぜあれだけ乱射しているのに日本の警察が撃てなかったかというと、警察庁あるいは警察本部長の指揮が、人質を助けろ、犯人を捕まえろ、それから犯人を傷つけるな、警察官も傷つくな、こういう命令が出るわけですね。そうしますと、もうにっちもさっちも現場では何にも動きがとれない、こういうことになるわけです。  したがって、ことしの広島の事件がどうだったのかわかりませんけれども、したがって、小銃を使用して、警察本部長が指揮できるのかなと。警察本部長の指揮なしに、勝手にアメリカの映画を見ているようなつもりでこういうものが使われるということならば、それは想像は、イマジネーションの世界ならいいかと思いますけれども、実際にはなかなか難しいことでないかなというふうに思うんですが、こういう問いに対してクリアできるお答えをいただきたいと思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) もともと委員のお考えの中に、本部長がその銃種を使用できなければ指揮ができないんだというお考えがあるようでありますが、現実にはSATはこれまでも運用されております。SATも当然ライフル銃も持っております。  実際、警察の本部長がライフル銃を使えるかというと、これはまず委員もおわかりのとおり、警察本部長の中でライフルを使える者がいるかどうか、私も警察本部長を幾つかやってきましたが、私もあれを撃つのは容易ではないというふうに思っています。というように、基本的にやはり訓練を受けた部隊、これが指揮官の指令のもとで動けるかどうかということでありまして、まさにSATはそういうことで、警察本部長の指揮下で基本的に今までも幾つかの事案に対して対応してきたわけでありまして、それについては本部長が的確な指揮をとった結果いい成果を生んだケースが多々あったわけであります。したがいまして、本部長ができなければそういう銃は入れてはいけないんだというのは私は当たらないのではないかというふうに思っております。  それから、実際、千数百丁というお話でありましたが、基本的には銃器対策部隊というのは、これから国際情勢、国際テロに関する情勢がいろいろ変化してきておりまして、いろんなところの警備をするわけですが、やはりテロリストがいろんな銃種を持ってくる、それに対して的確に対応しなきゃならない。  他方、それに対応するためには、SATというのが訓練を受けておりますが、実はSATというのは、先ほど申し上げましたように全国で約二百名で、七都道府県に置かれている。じゃ、実はその七都道府県に置かれているSATがいるところと遠いところで国際的なテロの侵入等が、テロリストの侵入等があったときにどう対応するか、こういう問題もあるわけであります。  したがいまして、基本的にはそういうような相手の銃種を見た上で、しかもSATを待っていては、SATの到着を待っていては対応できない、そういうことも考えまして、機動隊にある銃器対策部隊のメンバーにこの訓練をさせまして、それに対応して的確な対応ができるように、そういう形で考えようということで、この特殊銃を持たせようというふうに考えているわけであります。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 今、SATの運用例があるというお話でしたけれども、どういう例があったのか教えてください。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 実際に銃を使ったという意味では、まさに委員も御指摘がありましたように、三菱銀行、大阪のですね、北畠支店、このケースで実際に使っております。これはまさに、そのころはSATという名称はございませんから、しかも、これは函館でのハイジャック事件以降、このSATという形で表ざたにしたものでありまして、ただしかし、そのときには大阪府警には特殊部隊がございました。特殊部隊が現実にそれで中に入りまして、一定の銃を使いまして相手を射殺するという形になったわけでありまして、現実にそういうケースがあるわけでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 SATという部隊がまだできない先に特殊部隊がやった、それはSATの例だというのは、これは何か論理のすりかえじゃないですか。SATとして発足して、SATチームが実動した例があるかという私の質問ですけれども。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 基本的には、SATという形で表ざたになったということに関して、具体的に銃器を使うかどうかという場面になったのは、広島のまさにバスジャック、この事案でありまして、ただ、あれも実際のところは、銃で使うよりは基本的に、特殊閃光弾というのがございましたから、この特殊閃光弾で相手の目をくらませてやる方法が一番いいという判断を当時の警察本部長がしたということであります。場合によると、あの場合もSATの特別な狙撃チームが現実にそれを、一定の銃種を使って対応するということもあり得たわけでありますが、現実には、先ほど申し上げましたように、特殊閃光弾というのを使う形で他の部隊が突入したということでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 先ほど、大阪の北畠支店の場合はSATチームのできた後ではないという話がありましたが、今広島という例がお話あったんですが、広島は、私、さっき申し上げた昭和四十五年のシージャックを撃ち殺した例、これは当然にSATのはるか昔の話だと思うんですが、今のお話はあれですか、ことしのバスジャックの話ですか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 昨年に起こりました広島の事件です。広島のシージャックのときは、これはまさに大阪のライフル狙撃の名手が出ていったわけであります。そのときには特殊部隊というものではございませんでした。ただ、北畠支店のときは、まさにこれは特殊部隊であったわけでありまして、ただSATという名称はついていなかったということでございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 それから、さっき、警察本部長がライフル撃てなかったら指揮できないということはないでしょうと、こういうお話があったんですが、私がさっきから例を挙げていることは、やっぱり上の方がそれだけの指揮を、銃についての知識とか、何メーター飛ぶ銃なのか、どういうふうに連射される銃なのか、そういう知識もなしに、最高指揮官が急に部下から聞いて撃ちなさいというような無責任なことはできないでしょうと。  そして、戦後のいろいろな例が、けん銃一つにしてもなかなか現場の警察官が撃たない、もう本当に撃たぬといかぬときでも撃たないで殉職してしまうということは、やはり一番上の方が銃についての知識がないといいますか、理解がないというようなことがそういうことになっているんでしょうと、こういうことを申し上げているわけで、こういう自動小銃を購入する際には、私の今質問している意をよく含んでいただいて、やっぱり指揮官も必要な、あるいは警察本部長、警視総監に至るまでそういうものに習熟しないと実際には使えないということを指摘しておきます。  それから、訓練と訓練場についてお伺いしたいんですが、訓練は、先ほど自動小銃については二百時間、撃つだけなら二百時間も要らぬと思うんですけれども、自衛隊員というのは、陸上自衛隊員になったらやめるまで陸上自衛隊員で、鉄砲一つ、さらに付加した知識を持っていればいいんですが、警察の場合は、機動隊員といってもすぐ人事異動で、数年足らずしてかわってしまう例が普通の例ですね。したがって、入れかわり立ちかわりかわる警察官にそういう特殊銃の訓練をするということは実際には大変なんじゃないだろうかなということと、それと訓練場。いざとなったらどこかの役所へ行って借りてくると。きのうも自衛隊、防衛庁に聞きましたけれども、警察からそういう話はあるかと言ったら、まだないと、こういうことですけれども。  いざ銃を千丁も買って、それで今からどこで訓練しようかと思ったら、貸してくれる場所がないと。警察の射撃場というのは普通二十五メーターぐらいしかない。そんな二百メーターの、ライフルというのは二百メートルの射撃場でアメリカなんかでも訓練するわけですけれども、五十メーターしかない射撃場でどうやって訓練するのか。  そして、まさにこの自動小銃なんというのは、お互いが撃ち合ったらこれは大変なことになりますから、応用射撃といいますか、実動訓練というようなことがかなり綿密に行われないといかぬと、こういうように思うんですけれども。そういう訓練、あるいは訓練場の問題についても指摘させていただきます。  それから、最後に国家公安委員長にお伺いするんですけれども、銃というのは、けん銃についても時々暴発というようなことがありますけれども、こういう特殊銃で自動小銃ということになりますと、さっきの自衛隊のように、よほど管理をしっかりしませんと盗まれても大変。あるいは、こういうことは口にしたくないですけれども、それは、失恋で何か気がむしゃくしゃした警察官が銃を持ち出して違う方向に使ったら、これは大変なことですね。それから、自衛隊というのは部隊として銃を管理していますから、いわゆるクーデターとかそういうことには使えないと思うんですね。  ところが、やっぱり自衛隊の銃の管理に比較して、今おっしゃっているような機動隊が管理する銃というのは、自衛隊に比較すると、私は、ルーズといいますか、個人の、少人数の意思でかなり自由に動かせるという部分が出てくると思いますので、その辺、こういうものを買うときは、よほど周囲、訓練のことから管理のことから、それからどういう部隊がどういうふうにするのかということをよほど詰めてから導入していただきたいと、こういうふうに考えるんですが、国家公安委員長のお考えをお伺いします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 松村委員の長い警察の現場における御経験を踏まえまして、大変貴重な御意見を拝聴させていただきました。  私は、大変得るところの多い、御示唆に富んだ御見解だと存じますので、よくまた内部で検討をさせていただく際の一つの指針といいましょうか問題提起と、このように受けとめさせていただきたいと存じますが、私の立場から一、二申し上げさせていただきたいと存じますのは、一つは、私は、これは私見でございまして、かねてちょっと新聞などで、会見、懇談などで私見として申し述べたことでございますけれども、日本の警察官がけん銃を非常に抑制的に使っている、そのために例えば受傷事案なども起きておる、非常に残念なことだと率直に言って思っておりまして、私は、必要なときには適切に撃つということが認められてしかるべきだと、このように常に発言をいたしております。そして、その方向で現在、けん銃の扱い方につきまして現在の警察官職務執行法に定める規定の範囲内で一体どこまでいけるものか、国家公安委員会規則の改定も含めまして検討をさせているところでございます。  そのことをまず申し上げました上で、さらに私は、今度のテロの問題に関連いたしまして、一体警察でできるのかと。警察は国内治安の維持に当たる第一義的な任務を持っている。第一義的には警察が治安維持に当たるということを申しますと、警察に一体対処能力があるのかということを頻々と御指摘をいただいた。  これは私どもにとりましては大変重い課題でございまして、さすれば、自衛隊が、もう一つの実力集団である自衛隊が出ることができるのかどうか、そのあたりもいろいろ研究をする過程で、私どもといたしましては、現在、SATが持っております武器のレベル、そしてその訓練の実績等々も踏まえながら、このくらいなら可能だろうというようなことで、今、委員に事務方から御答弁申し上げましたようなところを詰めているところでございまして、御質疑、やりとりを伺っておりましてちょっと誤解があるなと思いましたのは、約二百名と言われるSATが、固定的にずっとその任にあるわけではなくて当然入れかわりがあるわけでございます。そして、ある意味では、SATOBがいずれかへ転じていくというようなこともございますし、そういうようなことで、能力のある警察官というのが結構二百人に限られるわけではない、そういう意味ではポテンシャルがあるということもひとつ御理解をいただきたい。  それから、先ほど防衛庁から御答弁がございまして、防衛庁における武器の取り扱いにつきましての御答弁、それから性能についてのお話がございました。  私も実は、松村委員とはちょっと時期がずれますけれども、防衛庁の内局で勤務をした経験がございまして、たまたまきょう出席の中村参事官の立場の下にいたことがあるわけでございますが、まずその武器の管理につきましては、これは警察も自衛隊もそう実際の手順において差異がない、私が実際の警察で今度いろいろ話を聞いてみましたなにと防衛庁時代にいろいろ武器の扱いにつきまして聞いた手続とそう差異がないと、このように感じております。  それから、性能につきまして警察の方で申し上げるのを控えたことにつきましてもうちょっと申し上げさせていただきますと、これは国会との関係でございますから非常に重要な点でございますけれども、先ほど中村参事官からお答えのありましたのは、いわゆる性能に関する部分というのは極めて希薄でございます。これは、やはり自衛隊も出しませんし、警察も出しません。これは、私はある意味では当たり前のことだと思っております。これは、答弁を差し控えさせていただくという立場は、中村参事官からは申し上げられる限りにおいて申し上げたというような感じがいたしておりまして、その程度のことでございましたら、逆に警察の現有のものでございましたら申し上げることができる。これは、念のために委員各位の御理解のために申し上げさせていただきます。  その上で、改めて、今御指摘の点はもうそのとおりでございますので、いろいろ御指摘の点、非常に得るところがございますので、松村委員の御指摘の点を十分に私どももかみしめさせていただきまして、それで、かりそめにも今お話のございました御懸念のようなことがないように、また指揮に当たる本部長を初め職員も、それぞれの武器の重さというものを十分認識してその対応に努めてまいり、そして結果的に国民の皆様に日本の治安は大丈夫だということで御理解をいただくように精いっぱい努力をしてまいりたいと存じますので、今後ともよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと存じます。  ありがとうございます。

松村龍二自由民主党・保守党

○松村龍二君 国家公安委員長は非常にまじめに実務的に取り組んでおられる、かねがね敬意を表しておるわけでございます。  今のお話でよくわかりましたが、ただ、イギリスの警察なんというのは今もってパトロールするのにけん銃を持たないでやっているわけですから、世情がこういうふうになってきたからはやりで特殊銃を持とうというようなことではないと思いますけれども、それから、さっきから申しておりますように、沖縄やらフーリガンやら、どういう場面で実際に使うのか。  それで、日本の警察というのは昔から、今こんなことを言うと笑われますけれども、江戸時代から、刃物を持ったならず者がいたら大八車とはしごを持っていってみんなで取り囲んで捕まえてしまうという思想を持って、なかなか勇気を持ってぱっと事前に的確にやるということは、後でいろいろ非難されますのでやれないというような体質も持っておるわけです。  それから、情報のオープンの問題についてお願いしたいわけですが、自衛隊のお持ちの小銃はインターネットでも全部公開されて、五百メーターぐらい飛ぶというようなことももう全部明らかになっているわけですよ。これは、もう共産党を初め、戦後のあれで全くオープン化されているわけですね。  日本の警察だけが、いや持つ銃はこれは秘密で言えませんということは、そんなものはテロをやる相手からしたら、警察が持っている自動小銃というのがどれだけの能力があるかぐらいちゃんと承知してやるわけですよ。そんなもの、国民が知らされないだけで相手は全部知っているということでは間が抜けておりますので、その辺の情報のオープン化ということについても、可能な限りやはり開かれた警察として、また情報を共有していろいろな事態に国民とともに当たるというふうなことに意を使っていただきたいというふうに思います。  それで、もう時間がありませんのであれですが、もう一つ先ほどお聞きしようかなと思っていましたのはストーカー法案、法案というよりストーカー法ですが、これが昨年の夏、成立いたしまして、警察で六カ月準備期間を経られまして、よくよく各県警、体制を整えて婦人警察官等がよく相談に乗るというふうなことで、この間非常に成果を得ておる、ストーカーが現実に少なくなっておるということについてもお伺いしたかったんですが、ちょっともう時間がありませんので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。  以上をもちまして私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。  ただいまの松村委員の御質問、大変興味深く聞いておりました。とりわけ、警察の御出身ということでして、御発言の中に、警察の質が変わっていくんじゃないかという、非常に私は常識的なといいましょうか、国民みんなが思っている疑問だというふうに思いました。  村井大臣のおっしゃった小銃を持って警察官が命を落とすのはという部分はわからぬでもないですが、その部分と自動小銃を持つという話とはやっぱり分野が違いまして、手に携行できるものは全部小型銃器だと言われれば、じゃバズーカ砲でもいいのかという話になりますので、ここはやはりしっかりとした説明をしていただかないと私はいけないんだろうと。先輩の言うことはしっかりと聞くというのが警察の私はいいところだというふうに思いますので、しっかり聞いていただきたいと思います。  ただ、気にしておりますのは、アメリカで起きた事件を受けて日本でも同じようなことが起こるんじゃないかということで、いろんな可能性を皆さん御指摘されるわけですけれども、もう少し冷静な議論が要るのではないかと思うわけですね。  きのう、新聞によりましたら、公安委員長は横田基地に行かれまして、国内でテロが起きる可能性については、今すぐ何かが起こる状態だとは思わない、基本的には大丈夫であり、普通の暮らしを営むことが大切だ、ありとあらゆる情報に神経をとがらせたいと、こういうお話をされたそうなんですが、少し順番が変わってしまいますが、日本で今テロが起きるという可能性は、大臣としてはどの程度に認識をしておられるんでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) テロが起こる蓋然性というのは、私はやっぱり情勢分析、情勢の問題だと思うんですね。それは、やはりこういう世の中でございますから、いろんな形で情報を集め、それを分析するわけでございますけれども、そういう意味で申し上げますと、今の日本の状況というのは、それはもちろんないと言える性質のものではございませんが、しかし、もう今にも起こりそうだから、だから本当にアラートな状態で暮らしてください、気をつけてくださいという性格のそういう状態に今あるとは私は思えない。  そういう意味で、きのうもそういう意味で発言したつもりでございまして、例えば、いわゆる白い粉でございますけれども、その白い粉があったと。そうすると、もう大変だということで警察がすぐに呼ばれ、それはそれで決してそれがいけないとは申しませんけれども、それで直ちにその場所を公衆から遮断して、そして何があったのかということを大変時間もお金もかけて検査する。そうしてみると、でん粉だったり砂糖だったりするというようなこと。そして、中にはそういうものを総理官邸などへ送りつけるというような例もある。  こんなような状況を私自身は大変嘆かわしいことだと思っておりまして、私がいろんな機会に申し上げていますことの一つは、テロもやはりある程度コストがかかることでありますから、やること自体が、したがいまして、やる効果のある対象に対してやるのが常識的なことでありまして、一般、普通、市井の人が直接ねらわれるというようなことはそう簡単に起きることではない。起きるとしても、それはいわば巻き添えというような形で起きることはあるとしても、そういう性質の話であろうと、こんなようなことは折に触れて申し上げております。  長々と申し上げて恐縮でございますが、手短に申し上げれば、私は今、少なくとも私の立場でテロが非常に現実の問題として起こるというような状況であるとは考えておりませんが、しかし、いろいろ世上言われております米軍関連施設にどうだとか、いろいろな、あるいは米国その他、今度のアフガニスタンへの問題にかかわって積極的な行動を起こしている国々の関連施設にどうだとかいうような未確認情報がありますことはこれまた一つの事実でございますから、こういうところを踏まえまして、それにつきましては警察としてできる限りの警備体制をとっていると、こういう御理解をいただければありがたいと存じます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 少し質問の順番が違ったり質問通告なくてごめんなさいですけれども、今おっしゃった情勢の動き方次第だと、今はアラートな状態ではないと、こういうお話ですね。そうすると、考えられることとして、今回、自衛隊を派遣をするということを選択肢として持っているわけですけれども、自衛隊を派遣することにおいて日本国内におけるテロの発生の可能性は高まるという認識ですか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) これは高まるかどうかというのはやっぱりその態様、自衛隊がどのような形でかかわるということになるのか、現段階では私も報道以上のことを存じません。そういう環境、状況のもとで、ちょっと余りにも仮定の条件が広過ぎるものでございますから、ちょっとお答えのしようがないと言わざるを得ないと思います。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 先ほどの御答弁の中で、アフガニスタン情勢に絡んで、アメリカとともに行動している国においてそういった可能性が高まるだろうというような御趣旨に受けとれたものですから、日本も一緒に行動するということになれば、当然日本国内において、アメリカ軍基地あるいはアメリカ大使館等々の施設はもとより日本社会全体もその可能性が高まるという御認識なのかということです。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 先ほどちょっと申し上げましたのは舌足らずだったかも存じませんが、私どもいろんな形の情報を得ております。その中に、米軍とともに行動をしている国々の関連の施設に対してテロのおそれがあるという未確認情報がございまして、そういう意味では、それらの諸国もやはりそういった情報を共有しているわけでございますね。そういう関連の中で適切な警備の手続をとったと、そういうことの事実を申し上げた次第でございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 この際もう一度お聞きしておきたいんですけれども、テロとかテロリズムとかいろいろと言われておりますけれども、政府としてテロというものをどういうふうに定義づけておられるのか、お聞きをしておきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) これはちょっと読ませていただいた方がよろしいかと存じますが、テロ行為については国際法上確立された定義が存在するわけではないが、一般に、特定の主義主張に基づき、国家等にその受け入れ等を強要し、または社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等を言うものとされていると、このように承知をしております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 今お読みになった言葉とほぼ同じ表現で自衛隊法の改正で今回八十一条の二のところに表現がありますので、それをもって政府としてはテロということを認識し、定義しておられるんだと受けとめさせていただきますが、その情報の分析次第だとおっしゃる、私もそのとおりだと思うんですね。  どうもアメリカでのあの事件があって、炭疽菌の問題があって、さあそれも一緒に関連づけられるものかどうかわからないと私は思いますけれども、そういった中で、日本でも同じ状況がある、原発に突っ込むんじゃないかというような話も出てくるわけですね。  それから、私たち冷静に受けとめなきゃいけないのは、今アメリカで起こっているのは一体だれが何の目的でしているのかと、それと同じことが日本でも起きるとすれば、だれが何のためにやるのかというお話だと思うんです。そこを説明をしていただければ少し国民の側が冷静に受けとめられるんだと思いますので、御説明をいただければと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今般のアメリカにおける同時多発テロ事件につきましては、これはオサマ・ビンラーディンが率いるアルカイーダが関与しているものとアメリカ側が日本政府へ説明したわけでございまして、これは全体を読んでみますと十分説得力が、私もそれなりにドキュメントを眺めておりましたが、日本政府への説明はこれは十分説得力があるものと、このように認識をしておる次第であります。  犯行の目的でございますけれども、これにつきましては現時点では必ずしも明らかではございませんが、オサマ・ビンラーディンは、アラビア半島にアメリカ軍が駐留していることに反発をし、米軍がイスラムの地から出ていくまで、軍人や、これ引用でございます、申しわけございません。米軍がイスラムの地から出ていくまで、軍人や民間人を問わず、米国人とその同盟者を殺害することが全イスラム教徒の義務である、以上が引用でございますが、との呼びかけを行うなど、アメリカを標的としたテロ活動を継続してきたということは承知をいたしております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 いわゆるイスラム原理主義といいましょうか、という考え方で行動しているということだと思いますけれども、警察白書の中の第六章で、「国際テロ情勢の現状と対策」という章立てがございます。「厳しさを増す国際テロ情勢」でイスラム過激派のことについての記述がありまして、フィリピンでのグループ、あるいはミンダナオ島を中心としての活動、中央アジアでの活動等々が書いてございます。  それは、この記述でいきますと、イスラム原理主義、あるいはイスラム国家を建設するんだということでやっているわけですね。だから、日本のこの政府を転覆させて日本にイスラム国家を建設せよというふうには彼らは思っていないわけでありまして、そういう意味では日本の社会そのものはターゲットにはなり得ないのだろう。むしろ、日本が持っている豊かな経済力に着目して資金調達等を日本国内で行っている、そのことが問題なんだと、こう書いてあるわけですね。ハイジャックあるいは在外邦人の誘拐等々を見ておりましても、やはり日本の資金力にテロとしては着目をしているというふうに思います。  だから、やるべきことは、そうした本来やっていなければいけなかった、しかしやってきませんでしたこの資金のテロリストへの流れをしっかりと食いとめるとか、そういったところが実は一番大切なのであって、自動小銃を持つことではないように私はやっぱり思うんですね。どうもやるべき対策を違えますと国民の中に不安が高まっていくだけではないかと。先ほどの質問を聞いておりましても、しっかり日本の国内では対応ができてきたのではないかというふうに思うわけで、どうも政府の説明を私は、小泉さんのあのパフォーマンスがきつ過ぎるのかもしれませんが、国民には不安をあおっているだけのように思えるわけであります。  それで、念のためにもう一つお聞きをしておきたいんですが、諸外国を見ておりますと、テロ取締法とかテロ対策法ですとかさまざまにありまして、読ませていただきますと、別にテロの定義はなかったりもしていますし、主義主張にかかわりなく大量の殺人を行う、あるいは恐怖を与えることがテロなんだといったような書き方をしてあるわけですけれども、総合的なテロ対策法あるいはテロ取締法といったものは必要だという、済みません、質問通告ありません、必要だという御認識をお持ちなんでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) テロ対策についての法制のあり方というのは、私はこれから事態の推移も見ながら、いろいろ関係する省庁も多うございます、検討をする必要はあるのかなという気はいたしております。  そういう観点から、それで考えてみますと、テロ対策を適切に遂行する上で、果たして現在警察に与えられている権限で十分かというようなことも、またいろいろ考えてみなきゃいけないなという気がいたしております。ただ、今度のテロを考えてみますと、何といいましょうか、人権とか民主主義とか自由とか、そういったような価値をフルに利用して、しかしそういうもので構成されている現代社会を根底から揺るがす、壊すというような行為になっている、このこともやはり私どもは真剣に受けとめなければならないんだろうと私自身は感じているところでございます。  先ほど委員が、例えば資金の問題について仰せになりましたけれども、例えば私どもいわゆるマネーロンダリングの問題に関連いたしまして、金融機関におきまして、ちょっとうさん臭い資金の出入りというようなものにつきましてはきちんとチェックをしてほしい、あるいは口座開設に当たっては身分、身元を確認してほしいというようなことはやっておりますけれども、しかし、例えば米国で行われていますように、何といいましょうか、預金口座を開くのに例の年金の、失礼、あれは健康保険でございますか、それの番号を示さなければ口座が開けないとか、そういうことで名寄せができるとかというような仕組みには必ずしもなっていない。  そういう意味で、社会の仕組みそのものが日本の場合管理が比較的しにくい、そういう点では非常に自由な、そういう構造になっている。このあたりのところも、テロ対策法という以前に、もしそういう法律を必要とするならば、社会のインフラの整備という意味ではよく考えてみなきゃならない問題がまだまだいろいろあるのかなという感じがいたします。  もう一度警察の立場に戻りますと、警察の権限というのはやはり民主主義国家としての我が国の今のありよう、そして他の先進諸国とのバランス、並び、そういったところも真剣に考えながら対応をしていかなきゃならない、こんなふうに思っているところでございます。  もう一つ例えば例を挙げれば、宿泊設備に泊まります場合に、外国人が宿泊施設に泊まります場合に、外国ですと大体パスポートナンバーなんか全部きちんと書かせ、場合によってはパスポートを預かってしまう、こんなような例もあるわけでございますけれども、日本ではそこまでの拘束は何らない、本当にそれでいいんだろうかというような問題。  それから、捜査手続におきましても、諸外国はもっといろいろ何といいますか、犯罪防止のために便利な仕組みをいろいろ持っている。そんなような意味でも、いろいろまたこの委員会の御指導などもいただきながら議論を深めていく必要のある課題がたくさんあると、こんなふうに感じております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 お触れになりましたように、開かれていることが民主主義だと思いますので、人権の抑圧といいましょうか、制限にかかわることはできるだけ避けた方がいいんですけれども、いろいろな社会情勢を踏まえて、国民の一定の不自由もお願いしなければいけないということがあるとすれば、やはりこういう危機的な状況ではなく、しっかりと皆さんに御理解いただけるような状況の中で議論をさせていただきたい。そういうまたアイデアを出されるのが国家公安委員長という国内治安の最高責任者のお立場なのかなというふうに思いますので、ぜひそうしていただきたいというふうに思っています。  もう一つの問題は、いよいよテロ特措法の関係で、基本計画の策定ということになるんだと思っておりますが、私は報道等でしか聞いておりませんので、今月中ごろとかいろいろ言われておりますけれども、一応基本計画、閣議決定をするということになるわけですけれども、私、閣議というものの仕組みを知りませんのでぜひ教えていただきたいんですが、いろんな法律が出てきて閣議決定されて国会に提出されてくるわけですけれども、その閣議の場で、大臣も閣僚の一員として御参加されておられる。閣議決定をするときに、その前提となりますいろいろな情報、例えば今度のことですと基本計画ですから、今パキスタン領内はこうだ、アフガニスタンはこういう情勢になっている、あるいはこういうふうな装備で持っていきたいんだと、さまざまな基本計画の内容を説明する、あるいはその状況、戦況を説明しなければいけないと思うのですが、そういった説明を受けた後に、閣僚のお一人として、それならいいだろう、いやそれはどうだというふうに、こうなるんでしょうか。あるいは、総理大臣がこれでいくぞと言われると、はい結構ですと言って一瞬のうちに閣議決定は終わってしまうようなものなんでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 閣議というものの性格でございますが、それは内閣の一体性ということを担保する一つの手段として成り立っているわけでございまして、それぞれ主管は決まっている、主たる担当というものは決まっているわけでございますから、その主たる担当とそれから従たるあるいは関連する閣僚との間で調整がなされる、これはもうその事前の段階で当然のことでございます。  ただ、閣僚として閣議に参画いたしますのに、当然のことでございますけれども、今度成立いたしました法律の円滑な実施のために不可欠なさまざまな要素をよく考慮いたしまして、それで自分が賛成できるかどうか、それは当然吟味がされるということだと私は考えておるわけでございまして、まだその基本計画の骨組みといいましょうか、そういうようなものもまだ御相談にあずかっているわけではございませんし、承知しているところではございませんが、いずれにいたしましても、我らが、私どもの住んでいるこの文明社会の根幹を揺るがすような事件に対応する今度のアメリカを中心にするアクションでありますから、それに対しまして日本としてどれだけのことができるのか、それはやはり私は真剣に考えて対応していかなきゃいけない、そんなふうに思っているところであります。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 対応の部分はわかるんですけれども、どういった基本計画をつくるか。  とりわけ、自衛隊を戦闘地域でないとはいえ戦闘地域の近くまで出していく。基本計画が決まって、基本計画を今度変更するときでも、非常に早い手続で変更することに多分なるんだというふうに思います。その意味で、閣僚として、私はこの閣議決定に参画をする閣僚の責任は非常に重い。したがって、その前提条件をしっかり認識をしていただいた上で、手を挙げるのかあるいは結構ですと言うのか、閣議の状況は私にはわかりませんけれども、その責任の重さを持って閣議に臨んでいただきたいというふうに思うわけです。  とりわけ、今アフガニスタン情勢は、きょうの報道等を見ておりましても、数年かかる話ではないとアメリカの国防長官は言っておりますけれども、数年かかることではないということは二、三年はかかるというふうに私は理解をすべきだと思いますので、地上戦に入りますと南部の方でも戦線を開くと言っていますから、大変に長期化をするあるいは泥沼化をすると思います。B52のあのじゅうたん爆撃を見ておりましても、あの映像を見せられますと、やはりヨーロッパの諸国あるいはアメリカ国内においてすら、これは少し問題ではないだろうかという危惧の声が大分高まってきている、これが普通の判断だと思うんですね。  それから、地上作戦の進行状況というものを日本はやっぱりしっかりと見届けてから行動を起こすべきだと。法律はできましたので、基本計画はつくらなければいけない、自衛隊を派遣しなければいけないと、何かこうせわしなく追い立てられているような気がしますけれども、先ほど申し上げましたように、日本の行動次第においては日本国内におけるテロリストの活動の可能性というのが高まりますし、日本がこれからアジア中心に生きていこうとするときに、アジア諸国の反感等々もあります。  アフガニスタンのこの後の和平交渉において、日本が積極的に役割を果たすことが国際貢献につながるのではないかという思いを持っている者からしますと、ここで出すんだ出すんだと言ってやっていることは、結局日本の手足をすべて縛ってしまって、最終的には国益に反するという話にもなりかねない。  その意味で、ここでボタンを押すということは大変に重要な決定だというふうに私は思っておりますので、総理が決めたことだから、防衛庁長官が出してきたことだから、各事務方がすべて調整の終わっていることだから、閣僚としてはそこで異議を申し立てる立場ではないし、何も知らずに基本計画に、はい結構ですということはないようにしていただきたい。  そういう思いで、もう一度御答弁をいただきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 閣僚というものは、私の認識でも、自分のかかわる、直接関与する事案でなくても、当然のことでありますけれども、国の本当に根本的な決定にかかわるということでありますから、今委員御指摘のように、十分に後世に責任を持っていくことができるように、細心の注意をしつつ、また適切な判断をしてその決定に参画をしなければならない、このように私自身も日ごろ考えているところでございます。最終的には、文書に署名が行われるという形でそれも残るわけでありますから、非常に重いものがある、そのことは十分自覚しているつもりでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 よろしくお願いをします。  次の課題に行きたいと思います。自殺がふえているという問題でございます。  九八年以来、三年連続で三万人を超えておりまして、交通事故死者の三倍という数字になっております。一人の自殺者がおりますと十倍の未遂者がいると言われておりまして、一人の方が亡くなることで周囲で強い精神的障害を受ける人が五人はいるというふうに言われておりますので、この数字からしますと、毎年百五十万人を超える人たちが強い影響をこの自殺ということで受けているというふうに思います。  私が関係しておりますあしなが育英会という会がございまして、こうした「自殺って言えない」という、親が自殺をした子供たちの作文あるいは残されたお母さん方の手記で作文集をつくって、子供たちの進学の支援等々でせんだっても街頭募金で皆さんにお訴えをさせていただいているところでございます。  各国の状況を見ておりますと、例えばカナダでございますけれども、一九八七年にナショナル・タスク・フォース・オン・スーサイドをつくりまして、レポートを作成しておりまして、こういう分厚いレポートがございまして、九四年に改訂版が出ております。統計による実態の解説、予防、介入あるいは予後というそれぞれの段階でとるべき施策について解説をしております。アメリカはといいますと、アメリカも連邦保健福祉省のもとに関係団体、医療関係者、研究者、遺族が集まって協議をしまして、自殺予防の国家戦略と題しましての、自殺者減少に向けての十一の目標と六十八の具体的な施策を取りまとめた提言をしております。  一方、日本はどうかというふうに申し上げますと、日本は厚生労働省が健康日本21というものをつくりまして、この中で自殺者を二〇一〇年までに二万二千人以下にするという目標を掲げております。しかしながら、「こころの病気への対応」というふうに書かれておりまして、うつ病対策に厚労省としては絞り込んでいるように私は受けとめております。  うつ病の早期発見とか適切な治療を掲げるだけでは自殺者を減らすという効果にはならないんではないだろうか。働いておられる人たち、あるいは子供たちの自殺を考えますと、旧労働省あるいは文部省との連携というのが非常に必要でございまして、そこの取り組みは大切なんですが、進んでいるかと言われると、残念ですけれども、進んでいない。  御承知のように、本年の予算の中に総理の特別枠ということで三億五千万円、自殺防止対策に対しての予算が組み立てられました。その中で見ておりましても、残念ですけれども、有識者懇談会をつくると書いてありますがまだ置かれていない、啓発事業の「いのちの日」というのをつくると書いてありますけれどもこれも実施はいつになるかわからないという形で、残念ですけれども、停滞をしている。「いのちの電話」とか、あるいは学校の関係者、医療関係者ですとか、さまざまな方たちで相談機関、あるいは自殺の問題に関係している人たちが集まって、私は国家的な課題として取り組んでいかないとこの問題は解決しないだろうと思っているんです。  その中で、実は警察というものも非常に重要な役割を果たし得るんだと思うんですね。秋田県は自殺率が全国一位でございますけれども、警察は本来、検視捜査に基づいて犯罪性があるかないかということを判断するのが役割だとは思いますけれども、県と連携を深めながら自殺防止への糸口を探っておられるわけです。  こうした取り組みもありますので、私が申し上げたいのは、ぜひ各都道府県の警察の皆さんにおいても各行政機関等々と連携をとりながら自殺者の減少ということに取り組みをしていただきたいというふうに思うんですが、その警察の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 委員が、交通遺児の問題から始まりまして、いろいろ広くそういうお気の毒な状態になりました子供たちのために大変積極的な活動をしていらっしゃることは、私はかねて敬意を覚えているところでございますが、警察の立場からしますと、今委員まさに仰せになりましたように、その検視を担当するというところが警察のある意味で自殺との接点でございまして、自殺そのものは、病気を苦にしてでございますとかあるいは生活苦でございますとか、あるいは今おっしゃいましたうつ病でございますとか、私も実は親しい友人が、この年になりますと、本当に若い時期に一人、そしてある程度の年齢になってから一人、自殺してしまいまして、何であんなことをしたのかというような思いで、割り切れない思いがいまだにしている、そんな個人的経験もございます。  本当に防止対策といっても難しい話だなということをしみじみ感じるわけでございますが、警察が果たしてどこまでやれるか。これは、今厚生労働省がやっていることがうつ病を中心にする対策だという御指摘がございました。秋田県の事例も私どもも承知しておりますが、警察がどこまでやれるか、これはちょっと、今警察が把握しておりますデータ、それからそのとり方等々も少し持ち帰りまして検討をさせていただいて、どのような対応が、警察という国民にある意味では一番近いところで、二十四時間、三百六十五日活動しているそういう組織体として可能か、研究をさせていただきたい、こんなふうに申し上げるのがこの段階では一番適切かと、こんな気がいたします。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 ぜひ研究はしていただきたいと思うんですけれども、例えば交通事故なんかでも、遺族の感情等々もございますし、今かなり警察の皆さん方が各地で被害者支援という形で取り組みをしておられますよね。  私、自殺の場合も、例えば遺書はあるんですかとか、あるいは経済状態はどうだったんですかとか、仕事の悩みはあったんでしょうかとか、さまざま捜査で、犯罪性を明らかにするための一種捜査ということだと思いますけれども、いろいろと遺族の方に御質問をされるんだと思うんです。遺族側からすれば、同じ話をあちこちから聞かれるのもどうかと思いますし、何か警察から聞かれるのも余り気持ちのいいものではないのかもしれませんけれども、その意味でも、一種第一情報といいましょうか、最初にいろいろとお話を聞いてこられるのは警察の方だと思うんですね。そうしますと、そこでいろいろな原因に対しての分析というものを加えていくことができるんだろう。厚生省に持っていきますと、それはうつ病だ、薬の治療が悪かったみたいな話になってしまう。  いや、そうじゃないんだと。今、やっぱり二万人が三万人にふえているのは、明らかに失業という状態があって、経済状態が反映されて自殺率は非常に高くなっているわけですね。私も驚いたんですけれども、自殺率と、男性の自殺する率と失業率というものは全くパラレルなんです、グラフの上に書きますと。だから、経済の状況が明らかに自殺をすることに追い込まれていくということは間違いのないことなので、そういった状況もやっぱりわかってきませんと、しっかりとした、労働省側からもあるいは学校という意味では文部省側からもアプローチができないんだろうと思うんですね。そういう意味で、情報を持っておられる警察として、ぜひ一端を担うといいましょうか、中心にはなれないとしても一緒にスクラムを組んでいただきたいと思うんです。  大臣も御承知のように、例えば交通事故統計ですと、お正月が明けますと去年一年間にこれだけの方が交通事故で亡くなりましたという数字が出ますけれども、自殺者の統計というのは実は夏にならないと、八月になりませんと出ません。秋田県警は毎月その数字を出して社会の啓発につなげているそうなので、そうした統計の出し方一つでも随分違うだろうと。そこにちゃんとした、何でも病気だということにするんじゃなくて、経済状態なんだとかあるいは生活問題なんだとかという正確な統計につなげていくという意味でも、私は、統計の出し方一つでも警察の役割としてはあると思うんですが、その辺だけでもやれることはあるんじゃないかと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 交通事故というのは、ある意味では警察の警察庁交通局、あるいは警察の交通系統の仕事というのは、こういう車時代になりましてどうやって交通の安全、交通事故による死傷者を減らしていくかということがある意味では任務であり、そのために交通規制の権限を与えられているという立場でございますから、これはさまざまな統計等もそういう行政目的あるいは与えられた権限に基づきまして当然に収集する義務もある、そういう立場だと思います。  それとの並びで、今、委員御指摘の自殺というケースが把握できるものかどうか、ちょっと私そのあたりは率直に申しまして自信がないところでございますけれども、と申しますのは、役所の仕事というのはどうしてもどこの部局がやるんだという手の話になるわけでございまして、そこからそういうのをちゃんと全国統計という形でまとめる仕組みができているのかという話もまたあるわけでございまして、そのあたりについて何の吟味もなく無責任なお答えをするわけにもまいりませんので、これもちょっと研究させていただけませんでしょうか。  ただ、委員の御指摘の思いはよく私も理解できるところでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 交通事故の場合には交通関連法規がある、あるいは交通安全対策基本法なりがあって、基本計画もあったりして、総理が長になって国全体として当時の交通戦争と言われた時代からずっと取り組みをしてきたわけですね。関係する部局がないので、法律がないのでと。立法府で法律をつくればいいのであると私は思いましたけれども。  ただ、きのうも内閣府のお仕事というのを見せていただいておりまして、本来は官房長官にぶつける話だと思うんですが、内閣府のパンフレットを見ましても、国民生活に深くかかわる重要課題への対応というのは内閣府が担う事務のコンセプトとされておりまして、御承知のように、男女共同参画、あるいは青少年問題、高齢社会、障害者、消費者といった問題はそれぞれ対応する法律があったりしますけれども、内閣府でいわば国を挙げて取り組みをしておられるわけですね。  申し上げましたように、交通事故よりもはるかに多くの方が亡くなっていて、大変に大きな社会的問題だと私は思うんです。決して個人的な問題ではない。交通事故も、運転している人が悪いんだ、はねられた人が悪いんだといって個人的な問題にすりかえてきましたけれども、そうじゃないんだというところから交通安全対策基本法ができてやってきたんだと思うんですね。そういう意味でいきますと、やっぱり自殺という問題も私は内閣府全体、すなわち国全体で取り組むべき国民生活に深くかかわる重要課題だと思うんです。  内閣府設置法を見ておりますと、所掌事務として、「内閣の重要政策に関して閣議において決定された基本的な方針に基づいて、当該重要政策に関し行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務をつかさどる。」ことは内閣府の仕事だと書いてありますので、要は、内閣として自殺者を減らすということが内閣の重要政策だという認識を持って、先ほど申し上げましたように、閣議決定をして基本方針をつくって各省庁をしっかり束ねて対応していくというのは、私は内閣府としてやれない話ではないと。  そこに法律がないから入れられませんと事務方はおっしゃいましたけれども、いやそうではないでしょうと。「青少年の健全な育成に関する関係行政機関の事務の連絡調整及びこれに伴い必要となる当該事務の実施の推進に関すること。」というふうに書いてあるのと同じように、自殺者を減少させるために必要な関係行政機関の事務の連絡調整及びこれに伴い必要となる当該事務の実施の推進に関することと入れればいいことですから、国民的な課題として政府が認識するか認識しないかというだけの違いでして、そういう意味では、私は閣議でお諮りになったらいいことだと思います。  警察がやる仕事ではないと冒頭、若干かかわりが薄いというふうにおっしゃいましたけれども、自殺という問題について内閣官房からお答えをいただければいいんだと思いますけれども、閣僚のお一人として、また村井大臣からも国家公安委員長として、国民の生活にかかわる問題ですから、ぜひ小泉内閣の中でもそういった推進役を担っていただけないだろうかという思いで御質問させていただいております。どうぞよろしくお願いします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 自殺者が三年連続で三万人を超えるというのは確かに大変な数字でありまして、しかも自分で自分の命を絶つという大変つらい選択をした一人一人その事情はこれは本当に千差万別なんだろうと思いますし、いろんな背景があり理由があってこういう数字になった。しかし、それはやはり大変重い数字であることはそのとおりだと思うんです。  ただ、今委員仰せのような形でやるかどうか、これは官房長官が御出席のときに御質疑いただければよかったなという気はするのでございますが、国家公安委員長としてどういう見解を述べるのが一番適切かというのはどうもちょっと私も悩むところでございますが、少なくとも警察として、自殺防止対策につきましてできるだけの協力はするべきだろうと。それから、先ほどちょっと御指摘ございましたけれども、自殺事案が起こりました後、遺族の方のお気持ちなども十分おもんぱかった対応をするべきこと、これはまた私は一線の警察官においてぜひそういう配慮をしてほしいものだという思い、これは先ほど申し上げましたように、自分の友人でそういう自殺をしたような例を見ておりますだけに、お気持ちはよくわかります。  ただ、閣僚としてこれをどうするかという話になりますと、申しわけございませんが官房長官にきょうの委員とのやりとりにつきまして報告をさせていただき、山本委員からこのような強い御意向が示されたということを官房長官に御認識をいただくようにさせていただく、そういうことでひとつ御容赦をいただければありがたいと存じます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 お答えいただきましたように、警察としての取り組みのあり方についてぜひ研究をしていただきたいということと、統計の発表についてもできるだけ早くということもあると思いますし、官房長官によろしくお伝えをいただきたいというふうに思います。できないようでしたら特別立法を何か考えます。よろしくお願いします。  次の問題です。  治安が非常に悪化をしております。上半期の犯罪情勢というものをいただきましたけれども、検挙率全体で一九%と史上最低。平成九年は四〇%ございました、半分になりました。殺人や強盗などの重要犯罪の検挙率も三年前までは八〇%前後ございましたけれども、ことし上半期は五四%に急落をしております。なぜこういうふうに落ちてしまっているのか、そこの認識をお聞かせください。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 山本委員今御指摘のとおり、平成十三年上半期を見ましても、検挙率が大変落ちている、一九%。それから、重要犯罪の検挙率が五四・五%ということで落ちているわけでございますが、その要因でございますけれども、大体三つくらいあろうかと。  一つは、重要犯罪などの認知件数、これが非常にふえておりまして、そのために初動捜査に捜査力を投入するというのが非常に大きくなっております。このことが一つの原因だろうと思います。  それから二番目に、犯罪認知件数の増大に伴いまして、窃盗などで検挙した被疑者の余罪の解明率というのが低下している。これは案外知られていないことでございますけれども、一人窃盗犯を捕まえました場合に、時間がありますと、だんだん調べていきますと、その同じ窃盗犯の余罪というのが幾つも出てくるわけでございます。そうしますと、ああ、あの問題も片づいた、この問題も片づいたということになりまして、一人捕まえまして、結果的に数件あるいは十数件の事案が解明できる。結果的にその検挙率が上がったということになるわけでありますけれども、それが余り忙しいものですから、一人捕まえた一件だけで終わってしまうというようなことになりますと、あとのはわからぬという話になってしまう、こういう問題がございます。  三番目に、これは非常に深刻な問題でございますけれども、不法に入国した等々の不良外国人の組織犯罪というのが非常に増加しておりまして、これは大変捜査が困難になっているということでございまして、そういうことで犯罪の増加に検挙が追いつかないというのが今の状況でございます。  そういう治安状況に対処するために、警察としましては検挙と防犯と両面からいろんな対策を講じているところでございますけれども、何といっても警察活動というのは足で歩く、そういう人に頼るファクターが非常に大きいわけでございまして、そういう意味で人的体制の整備がどうしても不可欠でございますけれども、行財政状況が非常に厳しい中で、徹底的な合理化を行ってもなお不足する人員につきまして緊急に増員を行う必要がある、これが私、一番痛感しているところでございます。  そんなことで、現在約一万人程度は増加しなければいけない、こう考えておりますが、一方で警察官の資質の問題というのも考えなきゃなりませんので、全国規模で五千人の増員を現在要求しているところでございますが、なお当然のことでございますが、残り五千人につきましても引き続きまして国民の御理解を得ながら計画的に増員をしていきたい、こんなふうに思っているところでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 若干、時間の都合で質問をはしょりますけれども、例えばひき逃げ犯も検挙率が非常に下がっていまして、九五年の七一%から昨年は三九%まで下がっているわけです。これは余罪があるというふうには思えませんので、余罪が残っているということでは多分ないと思いますから、実際的な検挙率の低下だというふうに思うんですが、こういったあたりも捜査要員の不足が原因なのかと。  そうすると、人員をふやせば、先ほどは一万人必要、当面五千人とおっしゃいましたけれども、人員をふやせばそれで対応がきくことなのかどうか、ひき逃げだけにかかわらず犯罪全体として。また、どの部分でふやしていかれるのか。すなわち、警察官の皆さんの機能的な配置といいましょうか、地域的なことも、あるいはそれぞれの分野別においても見直しが要るのではないかと思うんですけれども、こういったあたりはどういう御認識でいらっしゃいましょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) ひき逃げ事案の事件の検挙率の低下、これの原因でございますけれども、一番大きいのはやっぱり発生件数が非常にふえているということであります。それからもう一つ、自動車の性能が向上いたしまして遺留証拠が減少している、そういう問題がございます。  それで、こういった現状を踏まえまして、私どもとしましては、警察本部による警察署への実地指導、それから現場鑑識活動の支援体制の整備でございますとか、捜査員に対する専門的な研修の充実でございますとか、遺留物、遺留痕跡から被疑車両を絞り込む検索システムの関係の機器の整備など、これを一生懸命推進している次第でございまして、こういうことでできるだけの対応をしてまいりたいと思っております。  それから、どういうところへ重点的に人をふやした場合に配置するかということでございますけれども、やっぱり今治安が非常に悪くなっているという一つの現象の中に、街頭におけるひったくりでございますとかいうような、要するに公共空間、公共スペースの治安が非常に悪くなっている、これが一つの特徴でございます。そういう意味で、街頭犯罪対策、これを私ども少し充実してまいらなきゃいけない、こういうふうに思っております。それから、先ほどちょっと三番目として触れました来日外国人による組織犯罪対策、これも大変重要だと思っておりまして、このあたりについての捜査体制の強化。それから、空き交番というのは始終いろいろな形で御批判をいただいているわけでございますが、こういう交番機能の強化、これをぜひ進めたい。  それによりまして各種犯罪を防圧するための体制の強化をやりたい。私どものテクニカルタームでいうならば、刑事部門、それから生活安全部門、地域部門、こういったところを重点的に配置していきたい、こういうふうに考えております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 日本では非常に安全だと、こう言われてきたわけですけれども、数字で見ておりますと非常に安全ではないという社会になりつつある。テロの問題で何か違う方に目が行っているようですけれども、やっぱり市民生活からするとテロの爆弾よりはひったくりの方が怖いといいましょうか、という感じもしますので、そういう意味で必要なところはやはり増員をしていくと。私は公安部門は余り要らないと思いますけれども、もっと必要なところはやっていただくということが必要であって、そういう説明といいましょうか、理解を求めていくということが大切なんだと思います。  あわせて、警察だけではもう対応がし切れないというのであれば、一般の市民の方々の御協力を得ていくような、そういうシステムをあわせて考えていかなければいけないんだろうというふうに思います。そういう意味で、ぜひ取り組みをしていただきたいと思います。  交通事故の関係で二、三お聞きをしておきたいと思います。  法務委員会がきょう衆議院の側でかかりますので、そこでも議論があろうかと思いますが、今、刑法の改正ということで議論がございます。その中で、刑の免除規定が創設をされまして、軽微な事故ということであれば免除するという形に今度なるわけですけれども、心配をしますのは、そういった免除規定が置かれることで警察の捜査段階での例えば実況見分等がおろそかになることはないのかという思いがするわけですけれども、例えば後で後遺症が出たときにトラブルにならないようなしっかりとした調書をつくっておくということが必要だと思うんですけれども、交通局長の御見解をいただきます。

坂東自朗警察庁交通局長

○政府参考人(坂東自朗君) 実況見分というものは、事故の状況を明らかにいたしまして、事故原因の解明、あるいは当事者の公平な過失認定等を行う上で必要不可欠でございますので、今後とも、たとえ軽微な事件でございましても今までどおりに的確に行っていくべきものと、このように考えております。  また、委員御指摘のように、後から被害者の被害程度がより重いといったようなことが判明した場合、こういった場合におきましても、必要に応じて関係当事者からの再度の事情聴取といった補充捜査を行うなどして対応しているところでございまして、今後ともこうした補充捜査等を初めとする的確な交通事故事件捜査の推進を図るように都道府県警察を指導してまいる所存でございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 免除規定が置かれることで、検察官が起訴猶予とする法的根拠が置かれるということになるんだと思いますけれども、そのことで、繰り返しになりますが、司法制度審議会の中でこういう御発言もあって、軽微な事故で起訴しないことが交通警官の負担が軽減されて、死亡事件やひき逃げなどの重要犯罪の捜査にそういう人たちを振り向けることができるんだと。だから、警察段階としてもこの免除規定はありがたいんだというような趣旨にとれるような御発言もあったものですから、今のお答えですと実況見分はしっかりするということですから、この免除規定ができることで交通警官の負担が軽減されるとか、あるいは重要犯罪に振り向けることができるとかということにはならないんですね。

坂東自朗警察庁交通局長

○政府参考人(坂東自朗君) ただいま申しましたように、警察といたしましては、傷害程度が軽微な軽い事故でございましても、その事故原因等を明らかにするために今後とも初動捜査を初めとする所要の捜査を行う必要があると、このように考えているところでございます。  ただ、私どもとして大きな課題といたしましては、やはり年々増加しているこういった交通事故に対処するためにどういった捜査体制を確立していくのかというのが非常に重要な課題でございますので、私ども部内におきましては、OA化等による捜査書類の作成事務の簡素合理化、あるいは交通事故記録装置等の捜査支援資機材の導入といった業務の効率化あるいは合理化等によりまして捜査員の負担軽減に努めて、そして重要なあるいは悪質な交通事故事件捜査等に可能な限り体制というものを振り向けるような形で努力しているところでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 法務省の刑事局長、来ていただいておりますのでお聞きをしたいと思いますけれども、免除規定が置かれることで起訴猶予とする法的根拠ができたと、そのことをもってして起訴すべきものまで起訴しない、あるいは起訴猶予がふえるということがあっては困るわけで、そこの対応はどうなりましょうか。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 御指摘のとおり、起訴すべき事案については当然起訴するべきものでございまして、今回の免除規定も、傷害が単に軽いということだけではこれは免除という対象にはしていないわけで、その中で情状がいいものに限るということでございますから、このような規定を設けることによりまして、おっしゃるような起訴すべきものまで不起訴にするというような事態が生じるということは考えられないわけでございます。むしろ、きちっと情状とかそういうことを考慮いたしまして、その上で処理をするということをはっきりさせるという意味があるわけでございます。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 しっかりとした対応をしていただきたいというふうに思います。  もう一つ刑事局長にお尋ねをしておきたいのですけれども、個々のケースを申し上げているわけではありませんが、交通事故の業務上過失致死で出てまいります検察側の求刑の量刑あるいは判決の量刑等を見ておりますと、普通の庶民感覚からすると随分ばらつきがあるのではないかというふうに思うわけです。  一つ心配しておりますのは、今回、交通事故にかかわるところの量刑の上限がアップされるということになりました。従来、刑法二百十一条の改正で、昭和四十三年の段階で三年から五年に上がりました。交通戦争という中で、実は私、ずっと御指導いただいてまいりました当時の新進気鋭の交通評論家でありました玉井義臣氏が随分この問題に取り組みをしまして、市民運動の盛り上がりの中で懲役三年が五年という形になりました。今回、東名の事故等を背景に量刑の上限が引き上げられるということになったわけですけれども、言ってみれば、上が上がりましたので、今申し上げた量刑のばらつきが出る可能性が高まったのではないだろうかというふうに思うわけです。  そういう意味では、ぜひ、遺族側に、あるいは一般の国民感情としても納得できるような、そうした量刑のばらつきがないような形の取り組みになるように指導していただきたいというふうに思うわけですけれども、刑事局長、見解をお伺いします。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 特に交通事故のような非常に多く発生する事案につきましては、処罰の公平というのは非常に重要な問題でございまして、そういう意味で、現在までも十分その辺については配慮して運用してきたわけでございます。  求刑は、御案内のとおり、具体的事件ごとに検察官におきまして、事案の内容でありますとか被害者の数、あるいは被害者あるいは遺族の感情、それから前科の有無等々、諸般の事情を総合的に考慮して決めるということではございますけれども、その場合にも、ただいま申し上げましたように、処罰の公平というのは非常に重要な要素でございますので、検察官におきましては同種あるいは類似事犯の量刑等を十分調べた上で求刑を決めているという実情でございまして、その点につきまして御指摘のような問題は起こらないように十分注意してまいりたいと思っております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 刑事局長、重ねての御質問で恐縮ですが、今回、この刑法の一部を改正して危険運転致死傷というものがつくられるわけですけれども、この危険運転致死傷というものが適用されるというか、これによって起訴される人の割合というのは過去の事例から見るとどのぐらい出てくるものなのでしょうか。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 現在までそういう処罰規定がないものですから、そういう観点からの捜査というのが実は行われていないわけでございまして、そういう意味で、ただいまお尋ねのあった件について明確にお答えするというのは率直に申し上げて非常に難しいことは御理解いただきたいと存じます。  ただ、これまでいろいろ話題というか世の中の関心を引きました泥酔運転での事故でございますとか、こういうものの多くはこの処罰規定によって対応されることになるというふうに考えられております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 そうすると、交通三悪で死亡事故を起こした場合には今回の新しいその対応で臨まれると理解してよろしいんですか。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 個別の案件、いろいろあると思いますが、例えば泥酔運転のようなケースというのは恐らく御指摘のとおりだろうと思います。  その一方で、例えば無免許運転みたいなものにつきましては、これは本当に車をいわばコントロールする技術がない人から更新忘れみたいな人までいろいろいらっしゃいますので、これについてはちょっと一概に申し上げることはできないだろうと考えております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 時間がございますので、大臣、申しわけございません、通学路の安全の確保にぜひ努めていただきたいというお願いをしたいと思います。  大阪には教育塔というのがございまして、これは、学業半ばで亡くなった子供たちあるいは教職員を毎年お祭りをさせていただいております。過去十年間に合祀された子供の四割が実は登下校中で亡くなった子供たちでした。  そういう意味で、聞きましたら、昨年はいろんな取り組みがあって登下校中の子供の死亡事故はなかったときのうは事務方からお伺いしましたけれども、大阪府の教職員組合等も先頭に立ちましてこうした通学路の安全点検をやっております。子供たちと一緒になって、例えば通学路の安全マップをつくってみずから危険を認識していこうというような取り組みもしておりまして、私のつくりましたボランティアグループの後輩であります大阪交通遺児を励ます会のメンバーも今こうした学校での安全教育に取り組みをさせていただいているんです。  警察としても全力を挙げて取り組みをしていただいていると思いますけれども、この通学路で子供が亡くなるということのないように、抜け道にしているような車ですとか、あるいは違法駐車をしているとか、あるいは信号の設置の場所が悪いとか、さまざまな問題ありますので、安全な通学路をつくるという意味で、ぜひ警察のさらなるお取り組みをしていただきたいというふうに思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 本年三月に決定されました第七次交通安全基本計画に基づきまして、地域住民や道路利用者の参加のもとに交通安全総点検というのを関係機関とともに積極的に警察として推進しているところでございますけれども、通学路の交通安全対策の検討につきましては、特に春の入学、進学の時期に当たります春の交通安全運動等の時期に交通安全総点検というのを機会をつくりまして各地で実施されていると、このように承知しております。  大阪で教職員組合が音頭をとってというのは、私は大変心強いことだと思っておりますけれども、こういう点検の成果を踏まえまして、警察としましては、通学路等における交通信号機の設置あるいはその改良、あるいは横断歩道の新設、あるいは通学時間帯の交通規制といったようなことをやっておるわけでございまして、今委員お示しのように、登下校時の子供を交通事故から守る、このために全国各地でこういう交通安全対策の点検が行われるように努めてまいりたいと思っております。  ちなみに、これちょっとタイミングが以前のものでございますけれども、平成十一年に千三百四十七の地点で交通安全総点検をやったわけでございますが、そのうち大阪は百六十六地点でやったそうでございまして、全国の中でも非常に御熱心にお取り組みいただいている地域ではなかろうか、そういう感じを持ちながら今のお話を伺わせていただきました。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 よろしくお願いします。  国土交通省に来ていただいております。  飛行機にフライトレコーダーが載っているのと同じように、車にドライブレコーダーをつけたらどうだろうということで今開発が進んでいるというふうにお聞きをしているんですが、これはなかなか便利なものがあって警察の捜査人員も手が省けるんじゃないかと思いますので、ぜひこのドライブレコーダーの開発普及に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

洞駿国土交通省自動車交通局長

○政府参考人(洞駿君) ドライブレコーダーは、先生おっしゃるとおり、装着した自動車の事故時の衝突の速度や、直前直後の車両速度の変化とかブレーキ操作の有無、あるいは車外の映像等を記録するものでございまして、これを用いて実際の交通事故の実態やその原因を詳細に分析することによりまして、自動車の事故予防や衝突安全性能の向上に効果があると考えております。  こういう考え方によりまして、私ども、その開発を行うことを目的といたしまして、平成十年に学識経験者、メーカー、トラック事業者等から成る検討会を設けていろいろ調査を行ってきたところでございますけれども、開発いたしました試作機ではおおむね良好な記録がなされているものの、歩行者に接触した場合とかあるいは大型車に搭載した場合には車両に加わる衝撃が非常に小さいために、その認識性能が低下するといった課題が残っております。  今後、ドライブレコーダーのこういう一層の機能の向上あるいは実用化に向けまして、私ども、二十一世紀における先進安全自動車の開発と、推進計画というのを設けて、検討会を設けて、この十月からスタートしたところでございますけれども、そういう場等におきまして引き続きこのドライブレコーダーの技術開発を促進いたしますとともに、その普及方策、これはなかなか一般的に普及させるというのはいろいろ乗り越えなきゃいけないハードルがいろいろございます。そういう点につきまして、多面的に検討していきたいと考えております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 ぜひ早期に開発をしていただいて、タコメーターがついているのと同じように、営業車だけでもつけ始めれば社会的な損失は私は減っていくというふうに思いますので、取り組みをしていただきたいと思います。  刑事局長、自動車交通局長、結構ですので。もうあと数分ですけれども。  あと、交通局長、二、三お願いを含めてお伺いをしたいと思いますが、一つは違法駐車の問題なんですけれども、皆さん、車に乗っておられてよくおわかりだと思いますが、必ずとまっているんですね、ここにはというところには。それ大体コンビニの前とか銀行の前とか、いわば、結局買い物に来る人、用を足しに来る人たちの駐車スペースがないままに営業をしているがゆえに必ずそこにいると。そういう意味では、私はやはり、今回は違法駐車については罰金の引き上げは見送られましたけれども、もう少し指導していただきたい。関係する業界に、しっかりと駐車スペースを確保して店舗展開をするようにといった私は指導をすべきだというふうに思っておりまして、御見解をお伺いしたいと思います。

坂東自朗警察庁交通局長

○政府参考人(坂東自朗君) 駐車問題というのは、委員御指摘のように、かねてから、交通問題といいましょうか、大きな我々が取り組むべき課題というようになっているところでございます。  ただ、委員御指摘のように、この駐車問題の解決というものは私どもの取り締まりだけでは必ずしも解決できない。車が動く以上は何か用を足しに行くわけでございますから、やはりどこかで駐車しなきゃいけないというような当然ながら需要があるわけでございますので、やはり駐車場というものをどのようにつくるか、あるいは道路というものを駐車需要のためにどのように利用するのかといったようなことを総合的に勘案しながら、我々警察におきましては、例えば交通規制を、必要なところにきめ細かな駐車規制をかける。そして、それに対して、違反している者に対しましては、特に幹線道路とかあるいは交差点というものにつきましてはやはり交通の危険とかいうものが非常に高いわけでございますので、そういったところに違法駐車している悪質あるいは危険、迷惑性の高い駐車違反につきましては重点的に取り締まりを行っているというところでございますが、いずれにいたしましても、我々が行います規制とかあるいは取り締まりとか、さらには関係各者のいろんな駐車対策といったようなものの御協力をいただきながら、委員御指摘のようなできるだけ駐車というものをなくするような方向で対応していきたいと、このように考えております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 車に乗っていますと、ここにとめれたら便利だなと思うときあるんですよ。しかしながら、それをやりますと結局は渋滞が起こって、渋滞があるがゆえにいらいらして事故につながっていくという話になりますので。後ろの席に座っていますと、局長、わかりませんけれども、前の席に座っていますと、必ずといっていいほどここにはいつも車がとまっている、だから絶対左を走っちゃだめ、走るんなら右側車線を走らなきゃと思うところがあるでしょう。だから、それぐらいにとまっているんですよ。  だから、それはもう常習犯ですから、というか、その店としては。だから、それはやっぱり業界に、本来はそこに店は開いちゃだめなんだと、車で来なきゃ買い物できないようなところに店を開いたら、当然そこに道路上に車がとまるわけですから。交通規制は全面的に、環状線の中なり山手線の中、かかっているわけでして、そういう意味では本来開けないところに店を開くということに問題があって、私は、警察としてはしっかりとした業界の指導はしていいと思います。  あわせて、車庫法もしっかりとした適用をしていかないといけないんじゃないだろうか。生活道路の中で夜間常にそこが駐車場がわりになっているというところがありまして、私もアメリカにおりました折に、日没になりますと道路上に車を置いてはいけないという規則があるんだといって、車をちゃんと車庫に入れさせられましたから。そういう意味では、非常に厳しい適用をしております。日本では車庫法がありますので、車庫法をちゃんと運用すれば、こういった道路を駐車場にしていて夜間とまっているのがわからずに追突をして死亡事故につながるということもありますので、そうした車庫法の適用もすべきだというふうに思っております。いかがでしょうか。

坂東自朗警察庁交通局長

○政府参考人(坂東自朗君) 委員御指摘のように、道路を車庫がわりに使用するいわゆる青空駐車というようなものは、交通の安全と円滑の障害となるほか、災害時等における緊急自動車等の通行の障害にもなるということもございますので、悪質、危険、迷惑性の高いものにつきましては重点的あるいは計画的に取り締まりを行っているところでございます。  今後とも、私ども警察といたしましても、この青空駐車の実態に応じた違反の取り締まりはもとよりでございますが、地域住民等の理解と協力を確保しながら、青空駐車の防止のための広報啓発活動等も推進してまいりたいというふうに考えております。

山本孝史民主党・新緑風会

○山本孝史君 お昼の時間帯に質問すると委員からぶうぶう言われますから、あと要望だけしておきます。交通局長あるいは警察への要望です。  一つは、今、交通事故、交差点で起こります事故に対して、事故多発交差点にカメラを設置して、それで監視をしております。私は、これ効果があるというふうに思っておりますので、ぜひ警察の人員を省くためにもこのカメラの設置、高いですけれども、これをぜひ進めていただきたいということが一点。  それから、ナンバー隠しをしております。東京都は道路交通規制を改正して禁止をしますけれども、ぜひ全国的な取り組みもしていただきたい。警察としての取り組みをするべき一つの課題だと思います。  それからもう一点は、運転者の再教育という問題です。免許をもらって、事故を起こしやすい人はやっぱり起こしやすいんですね。本来は乗ってもらっちゃ困る、だから免許はもう交付しないということにしたいんですが、車社会の中ではなかなかそうはいかないとおっしゃるんですが、やっぱり累犯というのは明らかにその人に性格的な問題あるいは運転技術上の問題がありますので、これは心理テスト等も含めてしっかりとした再教育システムというものをつくっていただきたい。自動車教習所は生き残り策をかけて今いろいろとやっておりますけれども、運転の技能だけの問題ではなくて、やっぱり個人の運転に向き合う性格ですね、ハンドルを持てば人が変わってしまうという人がいっぱいいますので、そういう人たちを、あんたはそういうのだということで、その人に、このときはちゃんと注意しなきゃだめよということを教育すれば事故率は減っていきます。その意味で、各業界、さまざまな輸送業界等ではこうした再教育システム、会社の中に組み込んでやっておられますので、保険料は安くなりますし社会的な損失は減りますので、そういった意味でもぜひこういった運転者の再教育のシステムを検討して広めていただきたいということをお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

白浜一良公明党

○白浜一良君 公明党の白浜でございます。  四十五分間いただいておりますので若干議論をしたいと思いますが、まず初めに危機管理という観点から何点かお話ししたいと思うんですが、NBCテロというのはかねてより問題視されていたわけでございますが、アメリカでこのような炭疽菌事件、こんな広範囲に事件が起こったのはおよそ初めてだろうと、こう思うわけでございますが、大変アメリカ国民に不安を与えているということでございますが、毎日ニュースで報道されておりますので、それによりますと、捜査がなかなか行き届いていないと、今の段階では。そういう報道をされておりますが、このアメリカの炭疽菌事件、どのように把握されておりますか。わかる範囲で結構でございますので、お述べいただきたいと思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) アメリカの炭疽菌事案につきましては、私どもも大変重大な関心を持って見ているところであります。  具体的に捜査の内容については、これは他国でやっているところでございますので、こちらの方から申し上げるわけにはいきませんけれども、実は、あそこで新しく国土安全保障局とかいうのができて、それとFBIとかほかのところの連携が一体どうなっているのかというのを実は私は一番関心を持って見ているわけでありまして、その中で、果たしてこの炭疽菌というのが本当に加工されたものなのかそうでないのか、これを今我々としては一番関心を持ってその情報を収集しているところであります。もし加工したものということになると、場合によると国際郵便を通じて日本にも入ってくる可能性もあるわけでございまして、そういう意味で、いろんな情報をとりながら、我が国に来た場合にはどうすればいいかということを我々として今対応策を考えているところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 今くしくも局長おっしゃいましたけれども、今回の場合は経路がはっきりしていないんですけれども、一つ言われているのは郵便物を利用して広がっていると、こう言われているわけでございまして、これも報道ですから確かじゃないんですが、パキスタンのアメリカ領事館に炭疽菌が発見されたという報道もございますし、ペルーのアメリカ大使館ですか、にもそういうお話がございますし、郵便物を使って送ればこれはどこでも、世界じゅう行くわけでございまして、そういう意味では、日本では幸いなことにまだそういう事実は判明されておりませんが、やる気になればアメリカの日本にある大使館であれ領事館であれ送りつけようと思えば送れるわけですね。そういう問題に対する、いわゆる予防的な取り組みというのはどういう形でされていますか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 米国の郵便物による炭疽菌感染事案の発生後、我が国でも不審物郵送事案が多発しているわけであります。  ちなみに、本日の午前十時現在で全国警察の取り扱い事案を集計いたしますと千三百六十一件と、これはいずれも基本的には炭疽菌ではないということになっているわけであります。  先ほども申し上げましたように、郵便物である場合には、特に加工された炭疽菌であれば十分日本に入ってくる可能性があるということもありますので、我が国といたしましては、厚生労働省や郵政事業庁と警察庁としても十分な連携を密にするとともに、不審郵便物の取り扱い方法とか、あるいは実際上それを捜査する場合には犯罪行為であるかどうかを見きわめることが必要でありますので、その場合の見きわめの仕方だとか、あるいは実際上、都道府県の衛生部局との連携強化によってどうであるかという判定も出ますので、そういうことについての措置要領を全国警察に示しておりまして、できるだけ早期にそういうものについて発見できるというような今仕組みを構築しているところであります。

白浜一良公明党

○白浜一良君 これ、書類をもらったんですが、十月十九日付で警備対策本部ということで種々取り組みが書いてございます、私、書類いただきましたけれども。今局長がおっしゃったよりももう少し詳しく具体的な取り組みも書いてございますけれどもね。ここに「対応上の留意事項」ということで何点か今後の問題として書かれているわけでございますが、これ、都道府県にそういう体制をつくるというようになっていますね。二十四時間体制を確立すると、こう書いてございますが、これはどうなっているんですか、どういう状況になっていますか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 現実に、全国の警察は二十四時間体制で不審物があればすぐ通報を受けて対応できるようにはなっております。  現在、警視庁とか大阪府警におきましては、このNBCテロ対応の専門部隊というのが置かれておりまして、これはまさしく二十四時間体制ですべての事案に対して対応できるという形になっております。そのほかのところも、実は、いわゆる生物あるいは化学、そういうような物質について具体的にその辺の取り扱い方法について、あるいはそれについての具体的な防護服とかそういうものも全部全国警察に配備してございますので、少なくとも、こういう事案の発生があるということを認知できれば即座に対応できるということで、二十四時間体制で迅速な対応を行っています。その結果が、先ほど言いましたように、千三百六十一件というものに対して二十四時間体制で対応しているということになっているわけでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 もう一つ、各種防護装備についての教育訓練の徹底と、こういうことも書いてございますが、これは、こういう事態になって応急的に実施されたんでしょうか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 実は、このBCテロの関係につきましては、オウム真理教がまさにこのBCテロを敢行して、Bの方は失敗に終わったわけでございますが、そういうような反省、教訓のもとに、全国の機動隊等に生化学防護服やガス検知器、除染器等の装備資機材を、これをくまなく整備してきたところであります。このような装備資機材を着装すれば、生物剤や化学剤が散布された環境下においても支障のない現場活動が可能でありますし、被害者の救出や捜査活動を行うことができるものであります。  したがいまして、今こういうのが起こったからやったというのではなくて、もう既に我が国は、大変不幸な事態ではありましたけれども、まさにBCテロの、あるいはC、生物じゃなくて化学兵器のテロについては先進国になっているわけでありまして、そういう教訓を受けて、しっかりとその当時から装備資機材の充実に努めてきたというところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 サリン事件以降こういう体制をつくられた、それは承知していますが、私が言っているのは、今回は郵便物を利用して炭疽菌がアメリカじゅう広がっているわけですよね。日本に、これは新たな要素として可能性があるわけですから、そこの体制を、サリン事件以降という体制は体制として、この炭疽菌事件に対する日本への影響をどう防止するかということで手を打たれたらどうかということを言っているんじゃないですか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) この辺については、まさに先ほども少し申し上げましたけれども、厚生労働省とかあるいは郵政事業庁、特に郵便物ですとやはり郵政事業庁との関係と、それから一線においての郵便業務を行っている部局と都道府県警察との関係、これがやはりいかに密接な関係を維持できるかということに尽きるわけでありまして、現在、都道府県警察でも密接な関係ができておりますし、中央レベルでも密接な関係ができておりますので、したがって、もしそういうような外国からの郵便物なんかが入ってきて、具体的におかしなものがあるというようなことを認知できれば、我々としては早期に対応できるシステムにはなっておりますし、当該公衆衛生当局とも連携も十分にできるという形になっております。  ただ問題は、そういうものが見過ごされて、実は生物テロの一番怖いのは、中に入ってしまって、今度は実はそれが後で発病してきたというときに、これが本当にその、これは炭疽菌だとすれば炭疽菌によるものであるかどうか、ここを見きわめるのが一番大事でありまして、これについても厚生労働省等を通じながら、やはり一線の医療現場、ここら辺の方に注意喚起をしていただいて、ともかく早くおかしな事案を認知したんだというのが、警察がそういうことに、連絡がしていただけるようなそういう仕組みも今構築しているところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 そこの問題ですよね。これを見ましても、要するに不審物があったら、不審な郵便物の取り扱いと、もし疑わしい物は通報せよと、こういうふうになっておるわけで、実際、国際郵便局、海外から郵便物が来る、そこの取り扱いをどういうふうにされているのかと。それは警察だけの責任じゃないですよね、それは郵政庁の話でもあるわけでございますが、そこの中身にはお互い連携をとって具体的にきちっと決めないと、何か疑わしい物があったら連絡してくださいよ、不審な物は注意して扱ってくださいよと、こういうことだけ確認したって絶対防護できませんよ。そこのチェックをどうするかということをきちっと詰めないと、そのことを私は言っているんです。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今、警備局長と白浜委員との質疑を伺っておりまして、Bの問題というのは非常にこれ、今警備局長からもるる御説明申し上げましたが、もう委員もまた十分御認識のとおり、非常に難しい要素がございます。  それに加えて、加工された炭疽菌であるなら炭疽菌というもので、もしアメリカのケースがあるならばということで警備局長申し上げましたけれども、郵便物で確かに運び得る、これは郵便というものはいわゆる信書の秘密というような問題もございましたりいたしまして、今どういう形でチェックをするのかというお尋ねでございますけれども、私、午前中にもちょっと申し上げたことでございますけれども、例えば何といいましょうか、行動の自由でございますとか信書の自由でございますとか、そういうもろもろ私どもの民主主義社会というものが成り立っている基本的な人権の、いわばそれをすべて活用といいますか利用いたしまして、そしてそのすき間を突いて、言ってみますとそのシステムを壊す。これがある意味では今度のテロの一大特徴だということまで考えますと、なかなかそこは現実的には難しい。  ですから、取り扱い中に何らか不審な物が出てきたとか、明らかにどうも入っていそうだとかいうようなことになりましたときにどうするかというようなレベルで、言ってみますと関係当局間のさまざまな調整がなされているということだろうと存じます。  ついでながら、ちょっとこれは今、白浜委員の御質問と直接関係のないことを申し上げて申しわけないんですが、一般にどうも誤解されているものでございますから申し上げさせていただきますと、先ほども警備局長から申し上げたように、サリン事件を契機にいたしまして、いわゆるNBCのうちのCにつきましては、日本は私は非常に高い水準の検知能力、それから対処能力、これを警察レベルでも、また他の諸機関との連携も含めまして持っていると認識をいたしております。この点については、余り御不安を感じていただく必要はないと思っております。これが何であるかということの同定につきましても、非常に軽便な検知システムを備えておりまして、この点は私はかなり自信を持てると思っております。  それから、Nにつきましては、東海村のあのジェー・シー・オーの事件でございますけれども、あれを通じまして非常に貴重な教訓を得たと、このように思っておりまして、一般的に原子力発電所につきましてNの問題を危惧する必要というのは一般論としてそうないと思っておりますけれども、そうある状況ではないと思っておりますが、その周辺も含めまして、私はあれが、あのジェー・シー・オーの事件というのが大変な、何といいましょうか反省材料になりまして、この点でも相当な進歩を見ておると思います。  問題はBでございまして、こちらの方は言ってみますと、原因が起こりましてから現象が出まして、そしてそれが何らかの異常なものだということを認識していただくのはこれは現場じゃございませんで、どうしてもお医者様の診断のレベルになってくるということがBの非常に強い特徴でございます。  この特徴といいますか、この問題点に着目いたすと、これは確かに非常に大きな問題、難しい問題でございまして、まさに厚生労働省を通じて、医療機関と申しますより医師の方々に十分なこういった問題についての御認識を持っていただかなきゃならない、そういう性格のものではないか、こんなふうに思っておりまして、そのあたりの違いというのはぜひ国民一般に御理解をいただきたい、こんなふうに思うところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 今、大臣くしくもおっしゃったんで、私もそのとおりだと思うんです。要するに、化学剤ですか、化学剤に対する対応というのはそれなりにいわゆる検知器材も含めて体制をつくってこられたと。ところが生物剤は体制がないらしいですね。  これ、局長、この生物剤に対する体制ですね、今後どうされるか。今、大臣も少しおっしゃいましたけれども、お考えあれば少しお述べいただきたいと思います。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 実は、確かに生物剤というのも炭疽菌だけじゃなくていろんなものの種類がございまして、これはなかなか大変なのでありますが、今、我々として実はこういう資機材を整備しなきゃならないと思っておりますのは、実はその生物剤を簡易に検知する機械というのがございまして、これは確かにサンプルをつくるのに習熟して四十分、それから習熟していないとサンプルさえつくれないということですから、専門家を養成しなきゃいかぬわけです。で、現在、今警察の中にも専門家がおります。こういう者がこの資機材を使いますと、少なくともこれは炭疽菌ではない、何ではない、こういうことをすぐ、つまり四十分から一時間の間で判断できる、こういうものが実はできているわけでございます。  警察としても、こういうものを今後整備、早急に整備していかなきゃならないと思っておりますが、できることであれば、これまた郵便を扱うところももしそういうものが整備できるのであれば、ただし先ほど申しましたようにサンプルつくるのがかなり技術的にいろんな研修を積まないとできませんけれども、そういうことができればその場でいろんな判断ができる。もしそういうものができれば、かなり何かがあったときには素早い対応ができる、こういうことにはなると思います。

白浜一良公明党

○白浜一良君 いや、今、そうおっしゃったような体制を今具体的にスケジュール化してこのぐらいは整備しようというような、そういうまだまとまった考えはないんですか、まだ。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 警察としてはもう持っております。あとは、ただ先ほど申し上げましたように、これは警察だけの話ではございませんで、まさに郵便物で来れば郵便の機関、その辺のところも場合によってはそういうものを持っていただくことも必要なわけです。つまり、問題がありますよといって警察が出かけていったということになりますと、問題がありますよと言っていただかないと警察は動けませんから、警察としてはこれは関係のところに必要なそういう検知資機材を補正予算でぜひやっていただくように今検討しております。  したがって、私としては、警察としてはそういうことはできますが、できれば他機関もそういうことに関心を持っていただければということで、我々の方としては、実はそういうことがあるということについては関係省庁との連絡会議の場でも申し上げているところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 警察としては持っているということでございますが──いやいや、持っているというか、要するに全国的に見たらどの程度そういうものが配置されているんですか。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 先ほども申し上げましたけれども、実はそういうものは持っていないわけであります。これを今、今度の補正予算で持てないかということで今検討をしているところであります。実はそういうものがあるということはもう我々も認識しているわけです。  だから、これはまさにそういういろんな資機材がいろんなところからできているというのは我々としてもわかりましたので、これがあれば生物兵器については、サンプルさえつくれば少なくとも三十二種類のそういう生物剤について簡易な検知ができるというものでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 そういうことなんですよね。そういう体制をつくっていくということなんですが、今いわゆる警視庁と大阪府警に、生物剤だけじゃないですが、NBCテロ対策の専門メンバーができていますね。そういう制度とも関連してくるんですが、東京と大阪だけでは、全国どこで何が起こるかわからぬということで見ますと余り対応力がないので、大臣、ある一定のレベルというのは、そういう全国展開がきちっとできるような体制をつくるべきだと思うんですね。例えば、少なくとも四国で一カ所、北海道で一カ所とか、そういうことをやるとか、ある程度地元で起こった問題を、こういう専門的な問題も対応できるようにすべきだと。検知資機材も対応策も含めてそのように考えるわけでございますが、大臣、関係省庁予算を含めてしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げますが、御所見がございましたら。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) まさに先ほどちょっと申し上げたところでございますが、Cにつきましては、それからまた、BCに対応できる防護服、Cにつきましての検知器、それからBCに十分対応できる防護服、こういったようなものは、これはどこでも対応できるような体制に整えるべく、今度の補正予算等も含めまして、まず一応の対応はできる体制になろうかと、こんなふうに考えておりまして、今、白浜委員御指摘の方向で私なりに精いっぱいやってまいりたいと思っております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 これ以上議論はやめますが、なかなかこれは専門的になってくるんですよね。単純な犯罪じゃないから専門知識も要るし、専門的ないわゆる技術というものがなければ対応できないということでございまして、防護服は当然なんですが、そういう検知資機材も必要ですし、対応するいろんな薬品も含めて持っていないと対応できないわけでございまして、それを訓練も含めて専門的な体制を、今は大阪と東京にはそういう専門的にいろいろやるチームができているんですが、ある程度そういう全国展開をやるべきだということを私は申し上げて、そこまで含めて推進していくべきだということを私は申し上げているわけでございます。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 東京、大阪にございますのは、これはそれを専門にするプロ集団でございまして、今委員御指摘のような能力というのは、これはかなり広く各都道府県警に持たせるということでやっております。  それで、検知器でございますけれども、これは私は実際にいろいろ詳しい話も聞いたんでございますけれども、非常に簡易な形で識別ができるわけでございまして、Cにつきましては私は大体大丈夫だとこう申し上げたのはその背景もあればこそでございます。例えば、これがサリンであるとかどうとかというようなことは、過去の例でございましたら、あれがサリンだとわかる前に、私は実は松本が選挙区の中心でございますけれども、松本サリン事件のときなど、あれがサリンであるということがはっきりするまでに非常に時間がかかっておる、御案内のとおりでございますが。そういうようなことは今度はもう日本じゅうどこでもあり得ない、これはもう確信を持って申し上げることができる。  それから、それの除染、これを除く方法でございますけれども、こういった技術につきましても、これもそんなに難しい話じゃございません。やれる体制になっておる。それをやるにつきましての防護服の配置、こういったこともやっておる、そういう意味で、Cについては私は大丈夫だということを申し上げたのはそういう背景があればこそでございます。

漆間巌警察庁警備局長

○政府参考人(漆間巌君) 今、大臣の方から御答弁申し上げましたけれども、実はそういう化学テロだけじゃなくて、生物テロについての先ほども検知器というのもございます。そういうものを全部含めまして、今、委員が御提案にありましたように、東京と大阪が二十四時間体制でやれる仕組みにありますけれども、これだけではまさに不十分でございますので、これを大きなところにさらに分散して、そういうふうに二十四時間対応できて、しかも生物、化学、あるいはNについても対応できる、こういうようなものを今度の補正予算でそういうものをとれるように今検討を加えております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 今みたいな話を大臣がしてくださったらよろしいんですよ。もうCはよろしいんですよ、別にもう。一生懸命Cをおっしゃっているけれども。  それで、次の問題で、いわゆる異状死体の検案というんですか、検視というんですか、その問題を少し議論したいと思うんですが、ここ三年ぐらい異状死体と言われる数の経緯はどのようになってございますか、まずお知らせください。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 警察において死体を発見または死体がある旨の届け出を受けまして取り扱った死体の数は、ここ三年で申しますとおおむね十万件を超えておりますが、昨年、平成十二年中では十一万六千百六十四体に上っております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 いや、ここ三年ぐらい言ってほしいと言っているんです。私、知っていますけれども。平成十年が十万七千百七十三ですか、平成十一年が十一万四千二百六十七、それで十二年が今おっしゃった数と、だんだんふえてきているわけでございます。  それで、大事なことは、そういういわゆる異状死体と言われる方々に関するトラブルがあるわけでございます。実際、亡くなられた場合、死因によりまして、これは労災なのかどうかという問題もございましょうし、交通事故の場合はその補償がどうだこうだと、こういう問題もございましょうし、生命保険がどうだこうだと、こういう話もあって、極めていわゆる死因をどう特定するかということが大事なんですが、それに伴うまたトラブルもいろいろ起こっておるわけでございますが、この点は警察当局としてどのように認識されておりますか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 基本的なことを申し上げさせていただきますが、警察が先ほど申しましたような死体を発見あるいは死体がある旨の届け出を受けたと、その場合に一番のポイントは当該死体の死因でありまして、今委員御指摘のとおりでありまして、この死亡が犯罪に起因するか否か、ここの判断を間違えますと大変なことになりますので、そこを適切に行うことが極めて重要であると考えております。  類型的には三つございまして、まず一目で明らかに犯罪に起因している、そういう死体であるという場合には、これはストレートに死体の検証あるいは実況見分を行います。そうではなくて、犯罪に起因するかもしれない、そうでないかもしれないと疑われる変死体を発見した場合には、死亡が犯罪に起因するものであるかどうかを判断するために死体の状況を調べる、いわゆる検視を行うわけであります。三つ目に、犯罪に起因するものではないことが明らかな死体を取り扱った場合に、死体を見分いたしまして死因、身元等の調査を行うと、この三つのパターンがございますが、いずれの場合にも医師の立ち会いを求めまして、死亡の事実を医学的に確認するいわゆる検案を行っていただいているところであります。  さらに、検視だけでは死因等が判明をしないという場合もございますので、そういう場合には解剖を行っているところでありまして、警察として適切に死因の究明がなされるように努めているところでございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 今、局長がおっしゃったように、いわゆる犯罪につながっている死かどうかと、ここが一番大事なところですよね。ここは大変シビアにされているということで、それはもう当然なんですが、それでない場合、犯罪でない異状死体の場合は、そこも問題があるわけです。先ほど申しましたように、民事上のいろんな問題があるわけでございまして。  それで、例えば検案をされて、いわゆる急性心不全だと、こういう死因にされた、しかし解剖して調べたら交通事故が原因だったというケースもございましょうし、また、今お医者さんが判断されると言いましたが、お医者さんもいろいろ専門がございまして、外科をやっている方は外科的なところしか見ませんね。それで、脳の人は脳を主体に見ますが、それ以外のどこか原因があったというのはなかなかわからないわけで、そういう面でいわゆる医者の判断というか、その死因の特定というのは大変これは大事なことだということをまず申し上げたい。実際そういうトラブルもたくさんあるわけでございまして、その点に対して御認識をいただきたいと思います。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 先生御指摘の点はいろいろと議論があるのはよく承知をしております。  まとめて申し上げますと、いずれにいたしましても検視の責任はこれは警察にあるわけでありまして、そのために警察におきましては一定の刑事経験を、具体的には十年以上でありますが、を踏んだ警視または警部を選抜をいたしまして、警察大学校に二カ月間入校をさせて、その上で大学の法医学教室あるいは東京の監察医務院等に派遣をして専門教育を施して、各県に立ち戻って刑事調査官、いわゆる検視業務に当たっておるところでありますので、まずもって警察の検視の能力をきちんとしていくということがまず第一であろうかと思います。  ただ、先ほど申し上げましたように、医師の立ち会いで医学的見地からのいろいろな専門的な御意見、アドバイスを実際はいただいているところであります。これは、規定上はだれが検案医師になれるのかということになりますと、これは規定上は制限がありませんので、医師免状をお持ちの方はこれはだれでも極端な話なれるということではありますけれども、実際に都道府県警察なり警察署の管内におきましても、比較的そういう知見にこれまでたけてきた人を、ある程度はこちらもリストを持っておりますから、実際にその先生方にお願いをして検案をしていただくと。その際に、検案のいわば能力も高めていただくことも必要になってこようかと思いますから、それはそれなりにそれぞれの単位で勉強会なり研修会を行っているというふうに承知をしております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 そこが大事なんですよね。警察の立場からいろいろよくわかる人を訓練されているということでございますが、立ち会う医者の質の問題がございますね、そこも今大変大事だと。それは所管が違うのでそれ以上お述べになるわけにいかぬと思いますが。  それで、まず制度的に言いますと、戦後、アメリカの指示を受けまして、いわゆる監察医制度というのは、これは大臣、五都市にしかないんですよね。東京の都区部と横浜と名古屋と大阪と神戸、そこしかいわゆる監察医制度というのはないんですよ。ところが、その五都市しかない監察医制度も実態見ましたら、こればらばら。予算のつき方から実態からばらばら。ちょっとこれ、局長、実態言ってくださいよ。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) ただいま御指摘のありました監察医制度でありますが、これは死体解剖保存法によりまして、今御指摘ございましたように、政令で定める地を管轄する都道府県知事は云々という定めがございまして、政令で東京都二十三区、それから大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市に監察医が置かれていると承知をしております。したがいまして、これ以外のところには監察医と称するものはございません。

白浜一良公明党

○白浜一良君 時間がないので余りもう詳しい話はやめますけれども、これは大臣、例えば監察医制度というのはその五都市にだけあるんですよ。特別そういうために、いろんな複雑なそういう死亡事故が多いということでしょうね。つくったんですが、実態から見たら東京とか大阪とかたくさん案件挙がっておりますが、名古屋市なんか六件ですよ、六件しかないんです。  だから、監察医制度はつくったんだけれども、実際その地域の文化ということもあるんでしょうが、全然制度が生きていないんですよ。それもあって当然予算なんかも全然違うんです。予算がないからこういう監察医の制度にかかっていないということかもわかりませんけれども、これ随分差があるんです。これ、まず大臣、ひとつ認識だけしておいていただきたいと思います。  監察医制度、この五都市だけでも物すごい落差があって、ここをどうするかという問題もあるんですが、厚生労働省、来ていただいているね。ちょっとこれ言ってください、この差があること。

篠崎英夫厚生労働省医政局長

○政府参考人(篠崎英夫君) 今、先生御指摘のとおりでございまして、例えば監察医の数につきましては、東京二十三区では常勤職を含め五十名おられますのに対しまして、横浜市では三名というように数の上でも差がありますし、それから予算上見ましても、これは人件費を除いておりますが、東京都二十三区で十三年度予算で約三億七千万円でございますが、先ほど御指摘の名古屋市では十三年度予算で約四十万円というように、この五つの都府県で大きな格差があるということは事実でございます。

白浜一良公明党

○白浜一良君 これも問題なんです。これもまた機会を見つけてやりますわ。  しかし、もっと問題なのは、それは五都市だけやから、それ以外は警察医の方が担当したり、医師会に頼んで一般の医者の方がそういう立ち会われているわけでございますが、もう全然いわゆる都道府県によって実態が違うわけです。まして司法解剖の場合はわかりやすいんです、これは犯罪につながることですから。ただ、司法解剖でなくて死因を特定しなきゃならないと、家族から要望される場合もございますし。その場合に、何というのですか、行政解剖というのですか承諾解剖というのですか、そういう措置をされているわけでございますが、これがまた都道府県によってもう全然ばらばらなんです。  一番高いところは一件につき二十万円取っているところもございますし、安いところは一万五千円ぐらいのところもございまして、これは厚生労働省の責任なのか、どこになるんでしょう。どちら側の制度上の問題なんでしょう、これは。物すごいそこのところのばらつきがあるんですよ。これはいかがですか。

篠崎英夫厚生労働省医政局長

○政府参考人(篠崎英夫君) 私ども厚生労働省で所管をしておりますのは死体解剖保存法の方でございますが、この法の趣旨、目的と申しますのは、先生御案内のように、公衆衛生の向上を図ったり、あるいは医学の教育または研究に資するというところが目的でございますので、先生今申されたのは、この死体解剖保存法の趣旨からは少し違うところではないかというふうに認識をいたしております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 いや、そんなこと言うてへんがな。それはわかって言うてんのや。いわゆる行政解剖と言われるそういう解剖はあるんですよ、その死因を探すために。それは家族が要求する場合もあるし、その検案された医者が勧める場合もいろいろケースはあるでしょうけれども、それぞれ各都道府県の体制がばらばらやから、取り組みが全然違うということを言っているわけですよ。そんなの全然知らぬでというのはそれはあかんで、担当されているんだから、それは。  だから、私の言いたいのは、これは実際、厚生労働省としていわゆる行政解剖と言われる都道府県の実態を調べるべきですよ、これを一遍。物すごくばらばらですよ。そのぐらいちゃんと答えてよ。

篠崎英夫厚生労働省医政局長

○政府参考人(篠崎英夫君) 監察医制度の置かれていない地域のことでございますが、今先生御指摘のとおりだというふうに思っておりますが、検案あるいは解剖に対する社会的ニーズ等もあろうかと思いますが、御指摘の点につきましては関係省庁や各都道府県とも連携をしながら、その実態の把握に努めてまいりたいと思っております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 そういうことです。しっかり現状を知って指導、両方の管轄、警察の方も関係されているわけやから、両方からやってもらわにゃあきませんのやけど、これはこれでしっかり調べてもらうということと、もう一つは、要するに警察医とか一般のお医者さんがこういう立ち会われている場合、何のサービスもないんですよ。情報交換の場もないわけや。そういう安い費用でお仕事のほかに担当してくださっているわけですよ、こういうお医者さんは。だから、少なくとも、例えば警察医やったら警察医というそういうネットワークを、私は、警察でしたら警察の方でつくるべきじゃないか、医師会は医師会の方でそういうものをバックアップすべきじゃないかというふうに思うわけでございますが、それぞれお考えをいただきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 大変お詳しい、何といいましょうか御調査を既に白浜委員していらっしゃいまして、私なんかまだどうも素人でございまして申しわけないのでございますが、検視の立ち会いに御協力いただいている医師の方々に日常の診察など大変お忙しい中やっていただいているというようなことでございまして、警察から要請を申し上げますと、本来の業務を後回しにしてまでやっていただくということで大変御迷惑をかけていると。  私どもとしては大変感謝しているわけでございますが、こういった検案と呼ばれる仕事の重要性を考えますと、非常に大事な仕事でございますので、各都道府県におきまして警察医会というような名前で、何とか県警察医会というような名前で団体を設立して、こちらと警察としましても連携を密にさせていただいて、いろいろノウハウの共有化でございますとかいうようなことに努めている、これが一つでございます。  それから、医師の方々もそういう場で同じように知見の交流を図っておられる、こういうことでございまして、私どもとしましても、これにできるだけのお手伝いをさせていただくように努めてまいりたいと思っております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 篠崎さんも来ていただいたので一言いただきますが、例えば大阪でも、私は大阪なので、警察医の方が勉強会もされているんですよね。そういう場合、講師を呼んでいろいろされているのですが、そういう謝礼もみんなでボランティアで出し合ってやっている。そのぐらい制度のない中で御努力されているわけですよ。だから、警察は今大臣おっしゃったんですが、厚生労働省としてもやっぱりもう少し真心の対応が必要じゃないですか。

篠崎英夫厚生労働省医政局長

○政府参考人(篠崎英夫君) 厚生労働省といたしましては、医師の死体検案能力の向上を図ることは大変重要であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、関係省庁等の御協力も得ながら、今後さらにどういうことができるか検討してまいりたいと考えております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 時間がないのでもう一点。本当は高級車の窃盗問題をやりたかったんですが、もう余り時間がないので。  もうこれ、組織的犯罪になっているんですね、高級車を盗んでそれで海外で売りさばくというような。いろいろ対応策を考えてはいらっしゃるんですが、結論的に言うと、プロジェクトチームをつくって年末に結論を出すんですか、いろいろ協議されているというように聞いておりますが、これが海外で発見された場合、それを引き取る場合は個人の責任になっているんですね。こういう問題も含めて、ルール化を考えていらっしゃるのかどうかということと、ヨーロッパではもう盗難が前提なので、盗難されにくいこのイモビライザーというんですか、そういう装置を車につけるようにいろいろ啓蒙されているということなので、捜査されている皆さんの御苦労は当然ございますが、防備をするという面から、私が今申し上げた二つの点も含めて検討されているかどうか、その点、お知らせください。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) 官民合同プロジェクトチームにおきましては、基本的には、我が国国内における自動車等に対する対策と盗難自動車が我が国から海外へ不正に輸出されることを防止するための対策について検討を行うものでございますが、御指摘の点につきましては、プロジェクトチームにおきまして、いかなる方法がとり得るのか、つまり、海外に行ってしまった車をどうするか、どのような方法がとり得るのか、今後検討を進めるよう努めてまいりたいと考えております。  それからもう一点、イモビの問題でございますけれども、実は警察庁といたしまして、平成十一年の十二月でございますが、生活安全局長名で日本自動車工業会に対しまして早急に実施が必要な盗難防止対策、幾つかお願いをいたしたのですが、その中の一つにイモビライザーシステム搭載車の普及拡大につきまして要請をいたしておるところでございます。今、官民合同のプロジェクトチームにおきましても、このイモビライザーの普及拡大のためにどのような措置が考えられるのか、議論を行っているところでございます。  警察庁といたしましては、自動車盗難の防止を図るため、プロジェクトチームにおける検討結果を踏まえまして、関係省庁、関係民間団体と連携をいたしまして、イモビライザーの普及促進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今、生活安全局長からお答えしたとおりでございますが、私の立場からもぜひ申し上げたいと思いますのは、ことしの七月に内閣国際組織犯罪等対策推進本部、これは官房長官をヘッドにいたしまして、私が副本部長、そして各関係副大臣を入れまして特別なチームをつくりました。その際にも、この自動車の盗難の問題、これを一重点項目として取り上げました。まさに委員おっしゃいますように組織犯罪でございます。  具体的な対応といたしましては、今、生活安全局長申し上げたとおりでございますが、何分、私どもだけでできる話じゃない、それからまた、外国へ行っちゃったのを返してもらうというやつは、どうも各国の法制もいろいろ違うようでございまして、いわゆる贓物につきましての法制がそれぞれ違うというような問題がございまして、また、イモビライザーの問題は経済産業省などにも真剣に取り組んでもらわなきゃならない問題、そういうような意味で、関係省庁の間の連携を密にいたしまして、非常に重要な課題でございますから、しっかりやってまいりたいと思っております。

白浜一良公明党

○白浜一良君 わかりました。  終わります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 日本共産党の吉川春子です。  まず、児童ポルノ、少女買春処罰法の問題を質問いたします。  児童買春、児童ポルノ処罰法は、自民党から共産党までの超党派の議員が二年以上かかって学習をしましてまとめ上げた法律です。日本ではずっと買春行為を行った者については処罰の対象にしてきませんでしたけれども、本法律は十八歳未満の児童に対して買春行為を行った場合は罰することといたしました。子どもの権利条約とか九五年の北京での世界女性会議の行動綱領など、子供とか女性の人権擁護の国際的な潮流に沿ったものです。  新聞を見ていますと、この法律が施行されてまだ一年半なんですけれども、いろんな人が次々逮捕されるので私もびっくりしておりまして、今これで有罪となった裁判官の罷免の弾劾裁判が行われている、国会で、最中なんですけれども、九九年の十一月に施行されて以来の検挙・起訴数についてそれぞれ法務省と警察庁から。まず、警察からお願いします。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) 検挙でございますけれども、法施行から、これはことしの六月末、上半期までの法律違反の検挙状況でございますが、検挙件数にいたしまして千九百二十二件、人員にいたしまして千二百七十八人の検挙でございまして、そのうち児童買春事犯につきましては千六百五十九件、千二十七人、児童ポルノ事犯につきましては二百六十三件、二百五十一人とそれぞれ承知をいたしております。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの点につきましては、平成十一年について申し上げますと、平成十一年度における同違反事件の起訴人員は合計四十三人、内訳を申し上げますと、児童買春等十八人、児童ポルノ頒布等二十五人、十二年につきましては六百五十七人、児童買春等が五百十一人で児童ポルノ頒布等が百四十六人という数字でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 こうした事件が二千件近く検挙され、千人近く受理され起訴されていると。その過程で少女たちに対する事情聴取が行われているわけですけれども、警察、検察で詳しい事情聴取が行われて少女たちのその体験が詳しく聞き出されているわけです。児童買春、児童ポルノ処罰、児童の保護に関する法律の十二条で、児童買春等の事件の捜査、公判に職務上関係のある者が職務を行うに当たって、児童の人権に配慮し、名誉と尊厳を害しないように注意しなければならないと、こういうふうに、もうちょっと明確な規定にしたかったんですけれども、こういうふうになっているわけです。  この超党派の議員が相談するときに一番問題になったのは、構成要件の明確化もそうなんですけれども、捜査段階で、捜査の段階でいわゆるセカンドレイプに遭ってはならないということで、そのためにも女性の捜査官、検察官が事情聴取に当たることが必要だということで国会でも議論しましたし、その前の段階でも議論したんですけれども、この点についてはどのように徹底されておりますでしょうか。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) 委員御指摘のとおり、児童買春事件の捜査に当たりましては、被害児童の人権及び特性に配慮いたしますとともに、犯罪の特性にも十分配意して事情聴取を行っているところでございます。  こういった観点から、いろんな施策をとっておるところでございますけれども、ただいまお尋ねの女性警察官、女性職員の問題でございますけれども、事情聴取につきましては女性警察官に担当させる、女性職員を立ち会わせる、こういったことに配意をいたしておるところでございます。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 検察当局におきましても、ただいま生活安全局長からお話のありましたとおりの配慮をしておりまして、被害児童からの事情聴取等に当たりましては、その心身への有害な影響、その精神状態等に十分配慮するように努めており、個々の事件やその児童の特性に応じまして、必要な場合には女性検察官や女性検察事務官に事情聴取あるいはその立ち会いを行わせたり、検察庁に来ていただくにつきましても、女性警察官や保護者に同行や送迎を依頼するなど、いろんな観点から配慮をしているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 女性の捜査官、検察官の比率をお伺いします。  取り調べに当たるのは巡査部長が多いんですけれども、全警察官の中での女性の比率と、そしてその中での女性の巡査部長の比率、それから検察官の全体の中で女性の比率、単純に数字だけおっしゃっていただきたいと思います。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) 女性警察官でございますが、比率で申しますと三・八%、約八千八百人女性警察官がおります。それから、巡査部長が約七万人おりますが、女性警察官の巡査部長は約千五百人、したがって約二%という状況でございます。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 検察官について申しますと、検事に限って数字を申し上げれば、女性検事は百四十九名、全体の一一・二%でございます。これは本年の三月三十一日現在で、その後十月にさらに女性検事が任官して若干ふえております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そういう配慮をしていただいているとは思うんですけれども、今お示しのように、大体女性の巡査部長とか検察官の数が非常に少ないわけです。  この問題の締めくくりに大臣にお伺いしたいしお願いしたいんですけれども、今、裁判官弾劾裁判所で高裁判事の罷免請求の結審をしまして判決を待つばかりの状態なんですけれども、私は裁判員でございまして、ここの事件に関係のある五人の少女の調書、検察と警察のを見たんですけれども、一つの例外を除いて全部男性によって取り調べられているわけです。  この事件は、未成年者ですから十四歳とか十五歳とか、そういう少女たちが男性の捜査官に取り囲まれていろいろ微に入り細にわたって事情聴取されるということは大変苦痛を伴うものであるということはもう想像にかたくないわけです。  それで、私はぜひ、この法律はもう非常に必要な法律として超党派でつくったわけですけれども、その捜査の過程でもう一度レイプに遭うような、セカンドレイプというんですけれども、そういうようなことがもう極力避けられるように女性の捜査官をふやしていただくと同時に、親の立ち会いということも私たちそのとき考えたんですけれども、法律には盛り込んでいませんけれども、そういうようなことも含めて、捜査の段階で十分な配慮をしていただきたいと思います。大臣、いかがですか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 本当に被害児童の名誉が傷つけられ、そしてまた気持ちの上でもぬぐい去ることのできない大変な屈辱、それを繰り返して問われると。本当に想像するだけでも気の毒なことだと私も思います。  せめても、今、委員御指摘のようないろいろな手段を通じましてその傷ができるだけ少なくなるような努力をする、これは私どもが精いっぱい努めなければならないことだと思っておりますが、同時に、事案の早急な解決という、解明、解決というようなこともまた大きな課題の一つであろうかと思います。  現在私ども持っておりますマンパワーの点から申しますと、さっき生活安全局長からお答え申しましたように、女性の警察官三・八%、巡査部長レベルになると二%というような状況でございますけれども、これは私も着任以来、ほかにもうオプションないぞと。これからやっぱり少子高齢時代に警察官の、ある程度の質の警察官を維持していくということでは女性の力に頼るしかないという思いもございまして、それは警察幹部にも、女性警察官の採用についてもっと積極的に対応した方がいいのじゃないかというようなことも申しております。  その余のさまざまの手続の問題などにつきましては、私も決して専門家じゃございませんし、ただ、委員今御指摘の点につきましては、確かにそういう配慮も一つの方法であろうかということで、なお研究をさせていただきたい、そのように考える次第でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ぜひよろしくお願いします。  続きまして、愛媛県宇和島での誤認逮捕事件について伺います。  一九九八年、愛媛県宇和島市で起きた窃盗事件の冤罪なんですけれども、預金通帳などが盗まれるという事件が発生いたしまして、一九九九年の二月一日に、知人の女性の預金通帳と印鑑を窃取したとして五十一歳の男性が容疑者として逮捕されました。犯行を自白させられ、窃盗、有印私文書偽造、同行使、詐欺罪で起訴されました。  ところが、一九九九年十二月、その年の十二月、裁判が結審しまして、二月の判決直前、一月の六日に別件で逮捕した人が、さっきお話がありました余罪を自白いたしまして、そして真犯人が新たに見つかったわけなんです。その結果、判決公判を延期いたしまして、検察官は異例の無罪の論告を行いまして、裁判所でも無罪判決が言い渡されました。  しかし、この男性は、犯人ではないにもかかわらず三百八十日間も勾留されました。そして、職も失い、当然社会的信用も大きく失墜しました。国家権力による重大な侵害、人権侵害だと思うわけです。  ことし八月に四百八十二万五千円の刑事補償が支払われたわけですけれども、もちろんそれで済むものではないと思います。これは、警察、検察による重大な人権侵害であったと思いますが、まずそこだけ確認させてください。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 委員お尋ねの愛媛県の宇和島警察署で発生した無罪事件でございますが、概要を申し上げてよろしゅうございますか。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 いや、概要はいいです。  人権侵害だったでしょうと聞いたんです。それだけに答えてください。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 結果として無罪事件が起きたということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私の質問に答えてくださいね。  人権侵害だったでしょうと、無罪の人が一年以上も勾留されたんだからということなんです。人権侵害じゃなかったと言うんですか、人権侵害だったですか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 御本人は一年余りの間勾留をされたということでございまして、無罪の言い渡しになったわけでありますので、まさにその事実だけを見れば人権侵害にはなろうかと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 なぜこういう誤認逮捕、その後に引き続く公訴提起ということが起こったのか、その点についてはどのようにお考えですか。これも長々と言わないで、端的にお願いします。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 平成十一年の一月の末になりまして、自分の家から、自宅から通帳と印鑑が盗まれて農協から自分の預金が引き出されたと、そういう窃盗事件があったという届け出を愛媛県の宇和島警察署が受けました。それが平成十一年の一月末でございます。  農協には防犯ビデオが設置をされておりまして、その防犯ビデオの画像を当該届け出女性にお見せをいたしましたところ、その届け出女性の知人といいますか、被害者になりますが、被害者の知人、この方は被害者方の合いかぎを所持をいたしまして、たびたび被害者の家を訪ねていた人物でもあったわけでありますが、この男性に似ているという証言が得られたところであります。  そういうことで、それ以外にも捜査資料を幾つか集めまして、同年の二月の一日になりまして当該男性を取り調べました。  午前八時からお昼ごろまで取り調べをやりまして、否認でありました。お昼御飯を済んで、午後一時から午後二時まで取り調べをいたしまして、午後一時からの取り調べ後一時間ほどたちまして本件犯行を自白を、自供するに至るということでありまして、御本人の言い方では、被害現金の一部が入っているとする封筒を自分の車に隠しているというようなお話があったものですから、そこを捜索をし、同日、二月一日にその当該知人の男性を捕まえたということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 なぜこういう誤認逮捕が起こったかということを質問いたしました。  今のお話では、本人の自白があったということです。釈迦に説法ですけれども、自白だけではその人を犯人に仕立て上げ有罪判決を下すことはできないですよね。それに対する補強証拠というのが絶対に必要なわけです。これはもう憲法上の要請ですよね。そういう補強証拠が非常に不十分というか、不十分じゃなくてでたらめだったわけですね。それによって、やっぱり自白だけで事実上は逮捕し起訴されたということがこの事件の非常に大きな問題だと思うんですけれども、取り調べをするときの規範というのありますよね、犯罪捜査規範。  この場合、裏づけ捜査の必要性ということについてどのように決められているんでしょうか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 委員御指摘のとおり、本件につきまして十分な被疑者の自白の裏づけを行っていないわけでありますので、結果として間違った人を捕まえたということでありますから、おっしゃるとおり十分な被疑者自白を行っていなかったということはまさにそのとおりであります。  ただ、捜査過程を振り返りますと、今申しましたように、五十万円の一部を自分の車の中に入れている、あるいはもう一つ、引き出した、被害金額は五十万円であったわけですが、この一部の二十万円を自分の会社の借金返済に充てたということを御本人が言われまして、それではということでその会社に確認をしたそうであります。そうしましたところが、確かにその時期に二十万円が返済されたということでありました。  そういうこともあって、これで自供の裏づけをとったとなったわけでありますが、その後、愛媛県警察においてこの検証を行っております。そういたしますと、さっき言いました二十万円を会社に返したということにつきましても、実は犯行が行われる直前に二十万円返されております。したがって、これは被害品の処分ということには当たらないわけでありますが、そういうことで、一々が、裏づけ捜査、もう一つ、もう一歩より徹底をしておればあるいは違った結果になったのではないかと思いますけれども、そういう意味合いにおいて捜査として非常に残念な思いはいたすところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 だから、そういう犯罪捜査規範、裏づけ捜査をどういうふうにやるべきだというふうに警察の内部規範で決めているんですかということを伺ったわけです。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 犯罪捜査規範の百七十三条におきまして、「裏付け捜査の必要」と題して、「取調べにより被疑者の供述があつたときは、その供述が被疑者に不利な供述であると有利な供述であるとを問わず、直ちにその供述の真実性を明らかにするための捜査を行い、物的証拠、情況証拠その他必要な証拠資料を収集するようにしなければならない。」、このように定められております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そういう裏づけ捜査がなされていなかったということが一つ大きい問題ですけれども、同時に、自白の強要ということもあったんじゃありませんか。これも憲法上ですけれども、憲法上というか、憲法に基づいて黙秘権の告知もされていなかったと本人は言っているんですけれども、裁判所は、黙秘権の告知というのは普通するからそういうことはあり得ないと判決では言っていますが、自白の強要ということは本当になかったんですか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 先ほど御説明申し上げましたように、二月一日当初から、午前八時からお昼まで、この間は否認といいますか自白が得られなかったわけでありますけれども、比較的警察署に任意同行をしましてから自白が得られるまで長い時間ではないということがまずあります。それから、委員も御承知かと思いますけれども、松山地裁で御本人の無罪判決が出ておりまして、この判決の中でも、被告人がその供述を自白に転じた時期は任意同行後約六時間後のことであると、取り調べを担当した警察官が取り調べに当たった際の態度としても、机をたたいたことはあったが、被告人に対し暴行や脅迫をしたようなことはないと、このように認定をされているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 これは、愛媛弁護士会の検事総長などに対する警告書が発せられておりまして、その中に、自白の強要について申立人は次のように言っているわけですね。ちょっと関西弁なので私アクセントがおかしいかもしれませんが、ちょっと読んでみます。警察官が机をたたくなどしつつ、証拠があるんやけん、早く自白したらどうなんや。実家の方に捜しに行かんといけんようになるけん、迷惑がかかるぞ。会社とか従業員のみんなに迷惑がかかるけん、早く認めた方がええぞ。長くなるとだんだん罪が重くなるぞなどと自白を強要され、実家や職場の人たちに迷惑がかかると思ったからだと言い、その旨の供述書も作成され、判決もそのように認定している、今答弁をされましたけれども。申立人は弁護士会の事情聴取に対して、やくざに取り調べられているような口調で怖かったというふうにも答えているわけですね。  補強証拠をまじめに集める、地道な捜査というのが日本の警察の何か特徴だというふうに私も伺ってはいるんですけれども、容疑者をおどかして自白させると、こういうことは違法だと思うんです。判決を引かれますけれども、本人は弁護士会のところでそういうふうに述べているわけで、こういう証拠を集めずに自白だけに頼るということは非常に危険だということを今度の事件は教えているんじゃないですか。どうでしょう。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 繰り返しになりますが、いずれにいたしましても、本件は非常に不適切な事案であることは、これは申すまでもないことでございます。  その際に、愛媛県警におきまして、私どもが聞いておりますところでは、確かに自白をしたと、その自白を裏づけるような補強証拠を集め、裏づけ捜査をしたということでありますが、結果としてそれが不十分な結果、不十分なこととなってこのような事態になったということでございますので、決してこの捜査が合格点に達しているなんということは申すつもりもございませんし、まさに不合格の一字でありますが、一応のことをその時点時点でやった、しかしながら裏づけ捜査が不十分でこのようなことになったということを申し上げておるわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私は、これは一つの窃盗事件なんですけれども、誤認による窃盗事件なんですけれども、自白に偏重した捜査が非常に行われた結果、自白を証拠で裏づけることが全く不十分だった、それはそちらも認めているし、それから判決文も、被告人と犯人の同一性については自白以外に裏づけに欠くと、こういうふうに断じているわけなんです。  私は、自白に対してはもう補強証拠が必要だという、なぜこういう刑事訴訟法の細かいような規定が憲法の三十一条以下のあそこにわざわざ盛られたかと、そういうことに対するやっぱり警察、検察の注意を喚起したいと思うんですよ。やっぱり、戦前の刑事訴訟においてはもう徹底した拷問ですね、戦前だから拷問、自白、それによって犯罪をでっち上げていったことも多かったわけです。それから、終戦直後もしばらくの間、アメリカの刑事訴訟に変わった直後だから、自白偏重が続いていろいろな冤罪事件が起こったじゃないですか、もう歴史的な事件になっているけれども。  そういうことを考えたときに、これは一窃盗事件だという感覚じゃなくて、やっぱり黙秘権の告知とかあるいは自白の補強証拠とか、これは日本がもう本当、痛恨の歴史、戦前の歴史を踏まえてこの憲法にわざわざこんな具体的な訴訟法の規定まで憲法に書かれたと、そこを大臣、重く受けとめてほしいんですよ。そして、こういう補強証拠を欠くまま逮捕し、あるいは起訴するというようなことがないということが本当に必要だと思うんですけれども、この点について大臣の御認識はいかがですか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 私も、新しいといいますか、現在の憲法になってからいろいろ経験をしてきた人間の一人でございますから、今委員おっしゃることは全く基本的にはそのとおりだろうと思うわけでございまして、ただ今、刑事局長と委員と、委員の御質問に対する刑事局長の答弁を聞いておりまして、自白のみによってというわけでは必ずしもない、一応補強証拠を集めることはやった、ただそれが十分ではなかったということではないか、そういうふうに拝聴をとりあえずはいたしました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その補強証拠があれば、補強証拠がちゃんと集められていれば、その人は犯人にならなかったんですよ。ビデオで映った姿も、職場の社長はいやこれは本人と違うと言っているし、それから、お金をおろしてそれで借金を払ったというんだけれども、借金を払ったのは被害者のお金を引き出す前の日なんですね。それから、そのビデオに映っていた時点でその犯人とされた男性は職場にいたわけなんですよ。だから、アリバイをとるための捜査でもやっていればわかるので、もう一つ一つがやっぱりお粗末なんです。  法務省に聞きますけれども、こういう形で警察から上がってきた捜査をそのままうのみにして公訴提起しちゃったと。仮に警察がそういうことで上げてきたとしても、これは検察でもう一度捜査し直したりして、おかしいなと思って公訴提起をしないということが検察の役割じゃなかったかと思うんだけれども、検察もやすやすと見逃して、しかも裁判でのその論告ですよね、検察官が有罪という前提でやっているんですけれども、こういうふうに言っているんですよね。被告人が預金通帳とその届け出印を盗んだとされる日に被害者宅に立ち寄ったことは間違いないが、印鑑と通帳を盗んだことも農協で被害者の通帳から預金を引き出したこともない、農協で引き出したとされる時間帯には職場におり、農協に行っていないと、男性はこう言っているけれども、そうじゃないんだという論告を検察官はとうとうと述べているんですよ。今となってはとっても読むのに恥ずかしいんじゃないかと思うんですけれども、全くでっち上げなんですね。  だから、偶然真犯人が見つかったから、この人を無実の犯罪人に仕立て上げることはしなくて済んだんだけれども、こういう警察のずさんな捜査をなぜ検察はチェックできなかったんでしょうか。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) お尋ねの件につきましては、長期にわたる身柄の拘束という大変御迷惑をおかけする結果になって遺憾なことだと考えているわけですが、一般論として申し上げまして、検察庁におきましては、おっしゃるとおり、警察から事件の送致を受けました際に、当該事件につきまして、それが本当に犯人と認めるに足りる証拠があるのかどうかというようなことにつきましては常々慎重にチェックをしているということでございます。  本件におきましても、後から振り返ってみますと、いろいろここをもう少しこうしておけばよかったかというような点がないとは申しませんけれども、起訴当時におきましては、自白ということだけではなくてそのほかのいろんな証拠関係も検討した上で、そこに特段疑うべき事情も存在しなかったと、そういう事情のもとで検察官が起訴をするという判断をしたということ自体は、それについてはこれは特に相当性を欠くというふうにはちょっと考えられないところでございます。また、その後もさまざまな角度からいろんな補充捜査をいたしまして、その時点の証拠関係としては、やはり検察官としてはこの方が犯人であると認めるに足りる証拠があるという判断をしたものと承知しております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 それでは、その無罪の論告なんかしなくて、有罪の論告してそのまま判決を得たらよかったじゃないですか、今日に至ってもそんなことをおっしゃるんだったらば。その証拠がみんなでたらめだったわけでしょう。それをなぜ検察はチェックできなかったのかと言っているんです。そういうことをするのが検察じゃないんですか、それともそういう能力は検察は持たないんでしょうか。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) ただいま私が申し上げましたのは、委員御指摘のいわば第一次論告までの証拠関係及びそこまでの本人からのいろんな話を受けましての補充捜査の結果を踏まえてのことを申し上げたわけでございます。したがいまして、証拠関係が大きく変わるということになりますれば、それはまた違った対応になっていくわけでございます。  おっしゃるとおり、検察当局といたしましては、本人の弁解の内容を十分確かめるということはこれは当然のことでございまして、そういう角度からも、本件起訴後、さまざまな観点からの補充捜査を行ったというふうに承知しているわけでございます。その時点でなぜ見抜けなかったかというふうなお話でもございますけれども、結局、それはその時点におけるいろんな証拠を総合的に評価しての判断ということになり、その中で当時の証拠関係としては、検察官としてはやはり犯人と疑うに足りるだけの十分な理由があったという判断に当時達していたという、そういうことを御理解いただきたいということを申し上げている次第です。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 だから、何度でも無罪の人が犯人にでっち上げられる危険性があるし、それを見逃す検察の体制もあるという、非常に私としてはその答弁はとても理解できないし、こういうことでいいのかと思うわけですよ。検察とか警察が真犯人を捜し出したんじゃないんですよね。偶然捕まった人が余罪を吐いて、それで、ああこの人は犯人じゃなかったということがわかって論告をやり直したというだけなんであって、その前のその捜査は適正に行われていたということであれば、やっぱり何回でも無実の人を犯人に仕立て上げるようなそういう捜査が行われる可能性があると思うんですけれども、大臣、どうでしょう。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) どういう経過であれ、無実の人にこのような御迷惑をかけるということになったというのは、私は非常に残念なことだと思うわけでございまして、先ほど刑事局長が御紹介いたしました自白がありました場合にその証拠を採証をしっかりやるという規範百七十三条でございますか、こういった対応を、警察の裏づけ捜査をしっかりやるという対応を警察がこれからしっかりやっていくというのが私ども警察に対しまして十分に督励していくポイントになろうかと、このように思う次第でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 法務省の刑事局長が御退席されるそうで、その前にちょっと一問聞きたいんですけれども、こういうチェックしないで見逃した検察体制といいますか、個々の検察官の責任というふうではないんですけれども、その上司もいるでしょうけれども、こういう体制、人々に対して、何というんですか、何か懲戒とか分限とか、そういう処分がなされたのか、その点質問します。

古田佑紀法務省刑事局長

○政府参考人(古田佑紀君) 先ほども申し上げましたとおり、当時の証拠関係として検察官としての判断はどうかという問題でございまして、そういう観点からいたしまして、本件については懲戒処分その他の手続はとられておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 それは私とても納得できませんが、御退席くださって結構です、法務委員会があるそうですので。  それで、警察の方に伺いますけれども、その県警の監察の調査の結果はどうなっていますか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 本件につきまして、県警の監察官室におきまして、先ほどから御説明申し上げております任意同行のあり方、態様、それから取り調べの問題、それから逮捕に至った経緯、全般的な捜査指揮等につきまして検証を行っておるところでございますが、また、あわせて五月二十六日の松山地裁宇和島支部の判決文も取り寄せまして検討をいたしました結果、捜査手続に違法があるなど関係警察官の個人的責任を問うべき事由は認められない、そういうことでありまして、懲戒処分は行わないということに結論づけているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 愛媛県弁護士会の警告書によりますと、警察と検察に対して重大な人権侵害事件として警告書を発しています。県弁護士会としては初めてのことだそうでございますけれども、この中で、逮捕、長期間の勾留で男性の人権は侵害され踏みにじられたということで、否認後の裏づけ捜査が全く行われていない、捜査官の脅迫的取り調べが虚偽自白を招き、違法な取り調べが行われた、真犯人が出現し男性の冤罪の疑いが生じてからの著しい処理の遅滞は違法と、関係者の処分を再考すべきだと、速やかな慰謝の措置を講ずべきだとしております。  こういう問題について警察としてはどう受けとめておりますか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) 重ねて申し上げますが、本事案は非常に全く窃盗事件とは無関係な方を逮捕したわけでございまして、まことに遺憾なことではございますが、捜査全体を見た場合に懲戒処分に該当する事由はないとの判断から、県警本部長が謝罪コメントを発表する等の対応をさせていただいたものと承知をしております。  ただ、今後の問題がございますので、それはまた後ほどのことになるのかもしれませんが、この種の事案の絶無を期すべく各種の対策をとっているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうすると、警察は手順を踏んで捜査をすれば、その結果、無実の犯人をつくり出すこともあるということですね。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) あくまで本件の個別ケースに即して考えました際に、警察官個々におきまして懲戒事由に該当する事由は認められなかったということでございますから、一般的に何でもできるということではもちろんございません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 このケースについて聞いているんですよ。  それで、警察について、もう懲戒ということは一切行わないんですか。県警監察の結果はどういう結論を出したんですか。何にもおとがめなしと、こういうことですか。

吉村博人警察庁刑事局長

○政府参考人(吉村博人君) それは先ほど申し上げましたように、懲戒処分に該当する事由はないということでございますから、懲戒処分等は行っておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その県警の監察というのは内部監察ですよね。そして、外部からの人は全く関与せずに内部だけで身内のこういう誤りを監察するということについて、かばい合いといいますか、そういう結果になるんじゃないでしょうか。  警察のいろんな不祥事がマスコミを随分にぎわしてきましたけれども、やっぱり厳しくこういう身を処すという立場でいえば、内部監察制度というものは、今度のこのような事件についても全くおとがめなしというような結論しか導き出せないとすれば、これは効果を発揮できないものだと言わざるを得ません。  それで、私は大臣に申し上げたいのですけれども、やっぱり外部の人も導入して、そして外部監察ということもまず考えるべきではないかと。  それから、国家公安委員会ですね、国家公安委員会についてもどういう対応をとられたのか、その点についてもちょっと重ねてお伺いします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) この件につきましては、今刑事局長からお答えしたような経過でございますけれども、五月の二十六日でございますか、無罪判決が行われましてから、それを受けまして県警としていろいろ点検をいたしまして、また監査を行い、その結論として懲戒処分の理由が認められなかったということで関係職員を不問に付するという判断をしたわけでございますが、これは県警の監察部門、それから刑事部門において精査した結果でございますけれども、この方針を決定するに当たりましては、愛媛県公安委員会にこの事案の概要を報告申し上げまして、その御意見も踏まえまして結論を得たと、このように私どもとしては承知をいたしております。  申し上げるまでもないことでありますけれども、各都道府県公安委員会、これは各都道府県県警に対しましていわゆる管理権を持っているわけでございまして、私どもといたしましては、そこで行われました判断は一つの完結した判断なのではなかろうかというふうに承知をしているわけでございまして、国家公安委員会としてこの問題を改めて特段の議論をしたということは私は承知しておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 国家公安委員会の問題についても大分国会で議論になりまして、やっぱり警察庁が国家公安委員会のメンバーを、これでいいと思う人が選ばれてくるというような、そういう問題とか、やっぱり事務局が独立していないとか、大臣、最後に聞きます、さまざまな問題があって、やっぱり国家公安委員会ももっと権限を持って独立して、そしてそのメンバーはもっと、例えば私たちは公選制がいいと考えているんですけれども、それはもうきょうは時間がないので議論の外に置きますけれども、そういうような形で国家公安委員会をもっときちっとしていくという必要もあるのではないかと私は思うわけです。  大臣、あわせて最後に、私、時間がもうなくなりまして、最後に国連人権、自由権規約委員会の最終意見で、日本の警察に対して規約上の人権についての教育が何ら用意されてないことを懸念すると、委員会はかかる教育が得られるようにすることを強く勧告すると、こういうふうに言っているわけでございます。  警察刷新委員会でも警察官の教育が指摘されていますけれども、人権教育こそまさに必要だと思います。取り調べる警察官の側の人権意識をしっかりと育てていくと、そういうことによって、非常に重要な捜査とか重要な人権を守る仕事を警察は一生懸命されているわけですから、その具体的なそういう問題に当たる警察官あるいは職員の人権教育ということを、国連のその勧告に沿ってきちっとやっていただきたいと。最後にそれをお伺いしたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 今、委員の御指摘につきまして、今の国連の人権に関する勧告でございますか、大変私も不敏にしてその勧告自体、申しわけありません、ちょっと存じませんものでございますから、ちょっと勉強させていただきます。それについてコメントをする用意がございません。  ただ、私は日本の警察は、世界的な水準から見ましたら、率直に申しまして、非常に人権を重んじて取り調べ等々をやっておる。本件の場合は、大変不幸にして自白の後のチェックが十分に行き届かない、裏づけ捜査が行き届かなかった、これは非常に遺憾なことだと思っておりまして、こういうことの再発のないようにそれを注意していくのは当然でございますけれども、私は、日本は一般的に申せば世界の中でも最も人権を重んずる警察になっていると確信をいたしております。そういう意味で、今の国連のコメントというのはちょっと私、正直申しまして理解できない。  それからもう一点、先ほど第三者の監察が必要だと仰せになりましたが、私は、公安委員会はまさに第三者として十分に機能をしているというふうに思っておりまして、特に国家公安委員会でございますけれども、これは国会の御同意もいただいた大変識見にすぐれた方々が大変自由な立場から御議論をちょうだいしていることは、私、この四月に委員長になったばかりでございますけれども、いつも国家公安委員会に出席いたしますたびに非常に緊張した思いで御意見を拝聴しているところでございまして、それはやはり国家公安委員会のその委員の方々の名誉のためにも、非常に見事な仕事をしていらっしゃるということをこの機会に一言申し上げさせていただきたいと思う次第でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間がないので、もうこれで打ち切りたいと思います。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 社民党の田嶋陽子です。  少年犯罪の実情とそれから更生方法についてお伺いします。  村井国務大臣は、所信表明の中で「少年による凶悪、粗暴な事件の続発、」と言っておられます。それから、十三年度警察白書でも少年の強盗罪の検挙人数が、人員が急増しているとも書かれています。村井国務大臣は、この凶悪、粗暴な犯罪の背景は何だと考えておられますでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) いろんなことがあると思うのでございますけれども、私はやっぱり、どう申しましょうか、ここ五十数年の間、考えてみますと私どもの国というのはどうも物質的な豊かさのみを求めて、家庭にはしつけがなくなり、それから学校教育からは道徳教育というものがうせ、言ってみれば子供がそのまましたい放題、自分の欲望を一切抑制することなく、要するに、言ってみますと、植物、私も百姓のせがれでございますから感じることなのでございますけれども、農産物にしましても、あれはやっぱりある程度手をかけてそれで初めてある形をなすという面があるわけでございまして、そういうことがなくただ徒長してしまう、いたずらに伸びるというような面もありまして、私はそういう意味で、社会が悪いとは申しませんが、そういうさまざまの家庭の中、それから社会における言ってみれば放任というようなものが一つの原因になっているのではないかというような感じもいたしております。  それからさらには、マスメディアの、例えば暴力肯定的なメディアの存在、それから一方で、私どもの子供のころでございましたら、例えば取っ組み合いのけんかなんというのはしょっちゅうやったものでございますけれども、それがすぐにいじめということになりまして、どのぐらい殴ったらどのぐらい痛いかといったようなことは全然お互いわからなくなっちゃっているというような感じもなしとしないのではなかろうか。  ちょっと言いたい放題なことを言わせていただきましたけれども、そういうようなものも、いろいろな意味で何をしていいか悪いかということが弁別ができないでいるというようなことも一つあるのではなかろうか。  さらには、もう一点だけ申し上げさせていただきたいのは、少年犯罪で非常に私は残念だと思っておりますのは、自分が少年なるがゆえに厳しく罰せられることがないということを認識して犯罪を犯しているようなケースもなしとしない。そういうようなことは、まあ私も元官僚だったんですが、官僚の立場では考えていても言えませんからあえて政治家としての立場で言わせていただくと、そんなようなところが背景にあるのではないかと存じます。  もうちょっと詰まった答弁は生活安全局長からしてもらいます。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 ありがとうございます。  でも、これはよくマスメディアで言われていることをまとめて言ってくださった感じで、ちょっと私なんかが考えていることと違うんですが。  それでは、例えばこういう記事があります。そういう犯罪を犯した子供たちが何を感じているかということですね。非行を犯した子供たちは、よく話していくと、まず、ありのままの自分を愛してもらえなかったということですね。それともう一つは、崩壊した家庭に育った子供が多かったということです。それはどういう家庭かというと、お父さんがアル中だとか家庭内暴力を振るう、振るわれるお母さんを見ている、その結果、おまえなんか要らない子供だとか出ていけだとか死んじまえとか言われている。そうした家庭が崩壊した家に育った子供が多いですね。それから、暴力を受けているということですね、親に。そこから、人間不信を持っている。これらの子供たちが、いわゆる調査官の目から見た子供たちだということです。  すると、村井国務大臣は、今おっしゃったこととこのこととをどんなふうに結びつけてお考えになられますか。簡単にお願いします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) はい。できるだけ簡単に申しますと、私はさっき約五十年余りというようなことを申しましたけれども、言ってみますと、今、田嶋委員が指摘された子供たちというのは、私はある意味ではしつけや道徳教育なくあるがままに伸びたその親たちから生まれた子供たちという面があるのではないか。その親御さんたちの方にも、大変失礼ですけれども、既にそういう要素があり、それがさらに強まったんじゃないかというような全く偏見に満ちた考え方を私はあえて申し上げさせていただきたい。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 親もそういう親だったんじゃないかというのはある意味で真実だと思うんですね。  例えばここにこういう統計があります。これは、このことをどうお考えになりますでしょうか。一九九八年に岐阜県の笠松刑務所に入所していた六十七人の女性受刑者を対象にした調査ですね。そこで、約七割が過去にレイプなど性的虐待を受けていた。すなわち、犯罪者として入所している人たちの七割が、加害者なんですけれども、その人たちは被害者だったということですね。  それから、ことしの八月に法務省法務総合研究所が発表した少年院在院者の二千三百五十四人を対象にした調査では、半数以上が親などに虐待された経験を持っていたと。これは、現場の少年院教官の感覚でも、いじめや虐待など被害体験をしている子供が犯罪者の中には多かった、非行少年の中には多かったということですよね。  すなわち、これらの結果から私たちが言えることは、非行を犯した、犯罪を犯した少年たちのその多くが、それから女性もそうですが、そして恐らく男性の犯罪者もそうだと思いますが、虐待体験が犯罪の要因の一つになっているという、そういう仮定が成り立つと思いますけれども、そのことに関してはどんなふうにお考えでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) ただいまの田嶋委員引用されましたデータ、必ずしも私存じませんが、それはもう十分あり得ることなんじゃないだろうかという気がいたします。特に、幼い、比較的小さいときに虐待されたというような体験というのは非常に大きな傷としてその人の精神形成に影響している、それはもうよく言われることであろうかと、それを実証する一つのデータではないかという気がいたします。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 そうしますと、最初に大臣がおっしゃった、放任したから、あるいはマスメディアだからとか、何かそういうことと違ってきますね。おかしいじゃないですか。  放任したと、放任するということとは、自由にほっておいたということとは違って、もしかしたらネグレクトされた、無視されて育ったということにも言えるわけでして、家庭教育、道徳教育とはどうもこの犯罪は無関係、犯罪する人とはある意味で無関係じゃないかというふうな想定も成り立ちますが、大臣が最初におっしゃったこととちょっと違ってきますが、その辺の整合性はいかがでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) いや、それは、論理学の論理の問題として、私は大量観察としてこういう印象を持っておるということを申し上げた。それに対しまして委員は、特定の、あえて言えば集団についての認識をお尋ねになられて、これがこうだという論理を展開された。それとこれとは別に相矛盾するものではないと私は思うわけでございます。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 相矛盾します。  でも、今犯罪者のことをやっているんですから、少年犯罪の実情と更生方法のことをお伺いしたいと思っているので、現に入所している人を調査して言っていることですから、これに基づいて議論しなければ、犯罪をなくすこともできないし、それから、私たちがどうこの人たちを更生させていくのか、そのことを考えることもできないですね。単なる論理の問題ではないと思います。  そこで、もう一度お伺いします。  被害者が加害者に転ずるという、さっきいみじくも国務大臣はトラウマという言葉をおっしゃったけれども、実はこのトラウマが問題でして、トラウマというのは、私たちは余りにもつらいからみんな忘れていきますけれども、体も心も忘れないで心の中に沈殿していて、そして悪さをするんですよね。例えば、腹が痛い人に──その話はよします。それで、沈殿していくんです。それが無意識のうちにいろんな形で出てきて、そして悪さをしていくわけですよね。  ですから、被害者が加害者に、加害者が被害者にというこの被害、加害の連鎖を断ち切らない限り犯罪は少年でも女性でも男性でも私はなくならないと思うんですけれども、どうお考えでしょうか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) それは、確かにそういう面もありましょう。  ただ、私が冒頭に申し上げましたことは、一般的に少年の犯罪の比率というのが大きくなっているという現実を踏まえまして、大勢観察といいますか、社会の印象として申し上げたわけで、今委員が仰せのように、刑務所に今入っている人たちについてどうだということであれば、それはまたちょっと議論が別になってくるのかもしれません。  私がさっき申し上げましたように、少年の場合には、刑に処せられることなく別途の扱いを受けるとか、いろいろなケースがございます。それも包含して私は先ほどは冒頭のお尋ねに対しては申し上げた。そういう意味で矛盾しない、このように申し上げたわけでありまして、今委員が御指摘になられたような犯罪に至るような連鎖をどこかで断たなきゃいけない、それはそれで一つの御議論だと思います。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 じゃ、質問の仕方が悪かったということですね。  少年犯罪を減らすために、私はもう時間がないので先に進みます、少年の厳罰化が必要だと言われていますけれども、少年法も改正されましたけれども、私はそんなふうには考えていません。  先ほどの続きになりますけれども、平成十二年の犯罪白書では、保護観察処分とそれから少年院仮退院者を比較します。保護観察処分の少年の再犯率は、平成九年以降上昇したとはいえ、一七%とか一六%とかそういうところです。でも、少年院仮退院者の再犯率は二十数%を下ることがありません。すなわち、保護観察処分の少年よりも少年院の仮退院者の方が再犯率が高い。すなわち、重罪犯と言うとおかしいですけれども、重罪犯の方が再犯率が高い。それはなぜだと思われますか。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) 犯罪を犯す少年につきましては、今いろいろ御議論がございましたけれども、まさにいろんな要因が複雑に絡み合っているものだと認識をいたしておるところでございます。それは、規範意識の問題、家庭の問題、学校の問題、地域社会の青少年への無関心の問題、あるいは青少年を取り巻く環境の悪化等の要因、もろもろの要因が複雑に絡み合っておるところだと思います。  少年院仮退院した人の方が再犯率が高いのではないかと。その原因についても一概には申し上げることはできない、いろんな要因が絡み合っておるのではなかろうかと思います。  そしてまた、今、被害と加害の連鎖のお話がございましたけれども、私どもは、いろんな犯罪を犯した少年につきまして健全育成、更生を図るという、そういう健全育成の側面と、それから、実は少年が犯罪の被害に遭うケースが大変多くなっておるところでございまして、私どもは、そういった心身に与える影響が大変甚大だという観点から、少年の保護の面からもいろんな施策を講じておるところでございまして、まさに非行防止、それから非行を犯したものの健全育成、更生、そしてまた被害に遭った者のケアといいますか保護、こういった両面にわたって施策を進めておるところでございます。  今御指摘の問題につきましては、いろんな要因が絡み合っておるものだと考えておりまして、一概には申し上げることはできないのではないか、かように考えておるところでございます。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 何でもいろんな要因が絡み合っているとか、そういうことを一般化してしまうと問題が見えなくなるというふうに思うんですね。  具体的にいきます。  法務省の矯正保護審議会が十二年十一月にまとめた提言、「二十一世紀における矯正運営及び更生保護の在り方について」、ここで少年矯正のあり方についていろいろ述べられていますけれども、私から言っちゃいましょうか。言ってくださいますか、そちらで。どんなことを具体的にやっていらっしゃるのか、一つ一つをお伺いして。でも、時間がないですね。私のところにあるので言っちゃっていいですか。それが間違っていたら、言ってください。  まず、どういうことが挙げてあるかというと、社会的スキルを学ばせ、行動のレパートリーを広げさせるための訓練、これは職業訓練でいいですよね、大体が。それから、カウンセリングや感受性訓練を実施。カウンセリングは大体見当がつくとして、感受性訓練ってよくわからないですよね。これはクエスチョン。  それから、少年院では以前から、犯罪被害者の視点でみずからの非行を見詰めさせたり、犯罪被害者の問題を一般化して考えさせたりする指導を行っている。これは、要するに、犯罪を犯した人が自分が犯した相手の視点で自分の非行を見詰めさせるんですよね。だから、これは被害者の立場に立って物を見させるという訓練です。  それからもう一つは、最近では、被害者及びその家族などに謝罪する気持ちを育てることに主眼を置いた贖罪教育というのをやっているんです。すごいですよね。だから、これは、被害を及ぼした他人だとか自分の親に、ごめんなさい、申しわけございませんでしたという思いを抱かせるための教育ですよね。  それから次が、内観療法というのがありました。これはちょっとよくわからないんですが。その次には、ロールレタリングなどを使いと。これは、自分と親などの役割を交代しながら手紙を書くことで自分とは別の立場になって考える姿勢を身につけさせる。  すなわち、私がここでわかることは、ここからわかることは、まず職業訓練、外に出てからのこと、それから、全部、対相手とのことです。被害者のことを済まないと思いませんか、親に迷惑をかけて済まないと思いなさい、社会に迷惑をかけたことを済まないと思いませんか、こういう教育ですよね。そして、ここにある内観療法というのがよくわからない。カウンセリングというのもちょこちょこっと入っている。感受性訓練とか、よくわからないんですが、これは一体何かわからないですけれども。  私は、これでは再犯はなくならないと思います。そして、これではその罪を犯した子供たちは再生しない、更生しないと思います。なぜなら、罪を犯した人、その人たちの心のケア、本物の意味での心のケアが何もなされていないからですね。  例えば、アリゾナ州にアミティーという施設があります。そこでは、犯罪を犯した人のさまざまな依存症を抱える人たちが治療共同体をつくっている。アミティーというのは友達、友愛という意味ですけれども、そこではどういうことを言っているかというと、まず、犯罪を犯した人、加害者、その人が実は自分がもとは被害者だったということ。親に虐待されたり、殴られたり、言葉の暴力を受けたり、それからレイプされたり、親にですね。そういう被害者だったということ。それから、先生にののしられたり、殴られたり、いじめられたり、そういう被害者だったという。もう忘れたい事実ときちんと向き合う作業をやってから初めて相手に対しての思いが生まれると、こういうことを言っているんですね。  でも、日本の場合は逆で、その被害者の心の傷を、さっき大臣がトラウマとおっしゃった、それをいやす前にごめんなさいを言う練習をさせている、世間に対して申しわけないと言わせる練習をさせている。これをやっていったら、再犯はやまないと思うんですね。  私は、犯罪者がかつては被害者であったというその痛みに気づくこと、痛みを自覚して、そして一番大事なことは、それを意見として言わせることじゃなくて、実はある方法によって、リエバリュエーションカウンセリングと、私なんかはそう言って自分が大学の教師だったときに教室にも取り入れていることですけれども、自己再評価カウンセリングと言うんですね、それをやることによって、そのつらかった、隠ぺいしてある感情を表に吐き出させる。吐き出させることによって、体が軽くなる。  だから、さっきちょっと言いましたけれども、胃が痛い人に対して、胃が痛いときに暴れ回ってほかの人を殴ったりしたときに、胃が痛いのに、ごめんなさいと言いなさいと言ったって言えないんですね、死にたいぐらい痛いんですから。そうしたら、まず、胃を治してあげる。そうしたら初めて胃の痛かった人は、さっきごめんね、胃が痛かったからあんな暴れちゃったけどと謝れるという、そういう論法ですね。  でも、私が聞いた話もそうですけれども、ここにもあるように、要するに、先に謝らせることを学ばせているというこの方法は違うんじゃないか。すなわち、日本の少年あるいは犯罪を犯した人たちを更生させる方法は、もしかしたら昔からずっと同じ方法でやっていて、相変わらずごめんなさいを言わせるための方法なんじゃないか。ずっとそういうことに疑問を持っています。  そして、例えば、犯罪を犯さなくなるときというのは、この犯罪を犯した人たちというのは、死んじまえと言われたり殴られたりすることは自尊感情が、自分をとうとぶ感情が非常に低くなっているわけですから、その自尊感情を取り戻させてやるわけですよね。そういうことをしないと、ああ、自分は犯罪を犯してしまった悪い子なんだ、悪いことなんだ、ごめんなさい、ごめんなさい、自分が悪かったんだ、そのままで社会へ出ていくと、トラウマはそのままですから、また胃が痛くなるわけですよね。体の中で暴れるわけですよね。そうやって再犯を犯していくと思います。  私が今お話ししたようなRCの方法というもの、自己再評価カウンセリングみたいなものはもう考えていらっしゃるんでしょうか、それともそのことに関しては全く無関心でいらっしゃるんでしょうか、お伺いしたいと思います。

黒澤正和警察庁生活安全局長

○政府参考人(黒澤正和君) いろいろ貴重な御意見を拝聴いたすことができまして、厚く御礼を申し上げたいと思いますが、私どもはいろんな施策を講じておりまして、平たく言いますと強く優しい少年警察の運営というようなことで、犯罪を犯した非行少年につきましては、その意味というものを理解させる。そこには、厳正に対処をすると同時に優しい、これは先ほども申し上げましたけれども、犯罪被害に遭った少年につきましては保護をする、そういう強く優しい少年警察運営の推進に努めておるところでございます。  そしてまた、いろいろカウンセリングの面等につきましても、いろんな施策の中で、私ども警察官が少年警察に従事するのはもちろんでございますけれども、少年相談専門職員という専門的な教育を受けた職員も配置してございまして、これは何も犯罪を犯した非行少年ばかりではなくて、犯罪の被害に遭っている少年、あるいはいろいろ悩んでおる少年、そういった人たちにつきまして保護者も含めて相談に応ずる、継続的に相談に応ずる、そういったこともやっておりますし、また相談専門職員のほかに補導職員という職員もおりまして、主として女性がこの職についておりますけれども、こういった補導職員も街頭で少年の補導をする、あるいは少年の悩み事を聞く、相談に応ずる、いろんなそういった保護の面、優しい面からもいろんな施策を講じておる。これが警察で現在行っておるものでございます。  いずれにいたしましても、幅広くいろんな視点から、まさに少年犯罪は複合的な要因、いろんな背景があり、いろんな原因があって少年非行問題が生じておるわけでございまして、私ども、学校との連携、あるいは家庭、地域社会との連携、こういった関係機関との連携にも努めながら、そしてまた、少年を取り巻く環境の浄化、少年による深夜の遊興や不良行為を助長する環境の浄化、こういったようないろんな施策を総合的に推進をいたしておるところでございます。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 いろんな施策を推進していらっしゃる、そのことは大変結構なんですけれども、私は、傷ついた犯罪人の心との接し方のことを申し上げているんです。いろんなことをやってくださることは大変結構なんですけれども、その一番大事な心の接し方を間違えると、強く優しいというのは昔からありますよね、あめとむちというやつで。私はこの言葉は余り信用しません。強く優しくの中身がどれほど現代的か、最先端の心を扱う対処法に向かっているかということが私は問題だと思います。  ちょっと時間がないのでいろんなことをはしょってしまいます。  私は、警察官のことも近ごろ不祥事が目立っていて、そして一人の人間としての警察官がどれだけ警察署の中でメンタルヘルスを受けているかということを非常に気にしています。  例えば、警察官は、いじめというかストレスがあると、大人は、例えば児童虐待もそうだし、それから家庭内暴力もそうですが、力のある人がストレスにかかったときに弱い者いじめをします。警察官の不祥事もいろんな原因があるとは思いますけれども、新聞を見ますと、被害に遭っているのは女性や子供たちです。一体、警察官、私が思うには、勝手に思うと申しわけないかもしれませんが、私は、警察官たちは大変なストレスに遭っている人たちではないかと思います。  そして、例えばこの間ニューヨークであの大変な事件がありましたけれども、そのときに、例えばニューヨークではそういう警察官たちのためのメンタルヘルスを、カウンセリングを設けて、ちゃんと心のケアをしているわけですね、大変な情景を見ているわけですから。  私は、日本の警察官も日々いろんな事件と遭遇して、大変につらい思いをしていらっしゃるんじゃないかと思うんですね。それに対して多分組織の中では、何、おまえ男だろうがと、こういう言葉がまだはやっているんじゃないかと思うんです。男だろうが、そんなことでめそめそしているんじゃないよ、そんなことでめげるんじゃないよ、そんなこと言っていたら役に立たない、男だろうが、こういうことはぐっとこらえてと。多分、そのような強さと優しさのあめとむちでまだケアしているんじゃないかという私はおそれを抱いています。実はそういうことじゃないんだと思うんですね。  そうしたら、ちょっと調べていたら、やはりメンタルケアのことを考えていらして、そこでは弱さを認めてもいいんだよみたいなことを言っていらっしゃるようですね。ええと、どこかへ行っちゃいました、資料が。弱さを認めていいと。どこだったかな。そういうことをおっしゃっていらっしゃるんですね。  弱さを認めていいということはどういうことで言っていらっしゃるんでしょうか、メンタルヘルスに関してです、警察官の。お願いします。

石川重明警察庁長官官房長

○政府参考人(石川重明君) 委員御指摘のように、警察の現場は大変事件、事故が増加をしておりまして、業務の負担も多いわけでございますし、また殺人事件とか交通死亡事故の現場といったような悲惨な現場で仕事をしなければならないということで、大変ストレスを感じておる職員が多いというふうに私どもも思っているわけでございます。  そういう意味で、このメンタルヘルスの問題というものは大変重要であるという認識のもとに部内で委員会をつくりまして、いろいろメンタルヘルス対策というものを検討いたしました。そして、部外の研究機関にもいろいろな警察官の悩み事を聞いてもらったりして、そういうものを分析いたしましてガイドラインを作成いたしました。  その中心になってガイドラインをつくっていただいた外部の委員の中に小田晋先生がおられるわけなんでございますが、この方が、結局、消極的に何かがあったときに精神衛生的なものを考えるというよりも、むしろふだんから積極的な、そういう精神的な、心理的な健康管理というものを行うべきであると。こういうことで、それに役に立つ、元気が出る、心の元気をつくる十カ条というものをそのときに私どもに教えていただいたわけであります。その中の一番最後の部分に、弱さを認める勇気を持とうと。  こういうことで、一たんいろいろな相談機関を部内外に持てば、一般に精神科医とかそういうところに相談するというのは何か行きづらいと、こういうような気になる、あるいは自分の悩み事が外に出てしまうんじゃないだろうかといったような心配もあると。そういうことはプロはないんだと。その秘密を、いろいろな悩み事の個人の秘密というものを外に出すようなことはプロはしないんだと。  そういうような意味で、精神的な落ち込みや心の不調、悩み事などでカウンセラーのところへ行っていろいろな受診をするということは決して警察職員としての不適格者を意味するものではない。必要なときに積極的にそういう相談をしたり受診をすることがストレス社会を生き抜くための生活の知恵なのであるということで、うつ状態あるいは心身症にもなり得る自分の弱さというものを認める勇気も時として必要なのであるということをおっしゃったわけでございます。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 大変失礼ですが、あと二分でございますので。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 あと二分。いっぱいあります、言いたいこと。わかりました。  じゃ、とにかくそれはこれから全国に広まってちゃんと。警察はマッチョですよね。怖いですよ。すごく怖いですよね。もう怖い警察ははやらないということを覚えておいてください。  それから、生活安全部局というのがありますね。今いろんな法律ができて、例えば児童買春、児童ポルノ禁止法、ストーカー規制法、児童虐待法、ドメスティック・バイオレンス、いろんなものができて、警察官の人たち大変だと思うんですね。  私が関心があるのは、そういう人たちはこの新しい事態にどう対応しているのか、そのための教育をきちんと受けさせてあげているのかということ。というのは、私は教師でしたから、学生たちが痴漢に遭ったときの渋谷警察、言っちゃいかぬ、何かいろんなところの警察署でお巡りさんの対応がひどいんですよね。実にひどいんです。さっきはいいこと言っていらっしゃいましたが、違うんですよ。だから、そういうことをもっと、そのことが一つ。  それから、生活安全部局というのは七%ぐらいしか人がいないということですね、全体の中で。でも、これからそういうところが非常にはやるといいますか、大きくならないといけないところですよね。今度五千人も警察官をふやすということですけれども、果たしてそこにはどのぐらいの人が行くんでしょうか。  それからもう一つ、もう言えないと思いますけれども、言っちゃいますけれども、その生活安全部局というところは非常に過小評価されているところで、そこで働いている人たちはみんなバーンアウトしちゃうということですが、本当ですか。要するに、そこにいる人たちは、おまえこんなことをやっていたって出世しないよとか、何か犯人を捕まえて検挙するみたいな誉れもないしとか、とても何か寂しい部署なんだそうですけれども、いかがなものですか、違いますか。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 大変警察に御理解をいただいて、いろいろ御質問をいただいておりますが、この生活安全部局、確かに非常に広い分野につきまして仕事をしているということは事実でございまして、そういう意味で、私ども今度何とか五千人増員を図りたいと、こういうふうに思っておるわけでございますが、本当のことを申しまして、実は一万人足りないわけでございます。それで、とりあえず五千人増員をするということでございますが、この中には、ストーカー対策を初め、今委員御指摘のように少年事件対策ですとか、覚せい剤事犯対策ですとか、こういった生活安全部門の要員が多く含まれることになるだろうと私ども考えております。  それから、生活安全部、これは生活安全局長も、例えば現在、何といいましょうか局長の中で最もシニアな局長でもいらっしゃいますし、決して委員御指摘のようなそんな部門じゃございませんで、私も生活安全局から説明を聞く機会というのは非常に多いということでございまして、まさに警察の私は花形だろうと、こう思っておるわけでございます。また、それでなきゃいかぬと思っております。そういうふうに御理解をいただきたいと存じます。

田嶋陽子社会民主党・護憲連合

○田嶋陽子君 これで発言を終わります。  委員長、一言だけ。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 時間ですから後日にお譲りください。恐縮です。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 無所属の島袋宗康でございます。  きょうは、アメリカにおける同時多発テロによって沖縄の観光産業が危機に瀕しているというふうな状況で、その問題をいかに活性化させるかということで質問をさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。  それで、沖縄県の調べによりますと、米国同時多発テロ以降の沖縄旅行のキャンセルは、十一月一日現在で、修学旅行が六百九十七校、十五万七千九百九十六人、一般団体、観光客が四万七千三百八十六人に上っていると。修学旅行の取りやめは昨年度実績の五割を超したと言われております。  昨十一月五日の朝日新聞は、「沖縄とテロ 基地の島の厳しい現実」というふうな社説で「テロは、基地だらけの沖縄の厳しい現実をあらためてあぶり出した。」と、「それに対して本土の大方の反応は、触らぬ神にたたりなし、」というふうに書いております。さらに続けて、「この島は、いつまで切り捨てられれば済むのだろう。」というような問いかけ文章が結びにされておりますけれども、これは一体だれに対する問いかけだと思っておりますか。  まず、国務大臣として村井国家公安委員長に、この問いかけをどのように認識されておるのか、お尋ねします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 島袋委員から大変深刻な沖縄の現在の状況、お話を伺いました。私、個人的なことを申し上げて恐縮でございますが、沖縄復帰の前後から沖縄関係のことにかかわることが比較的多うございまして、個人的にも大変関心を持っているところでもございますし、これまでも何度か参ったこともございます。観光産業がこういう打撃を受けているという報道もよく承知しておりますし、今お読みになりましたコメントも、まさに私ども閣僚が同じように痛みを感じながら対応しなければならない主題だろうと思っております。  同僚の尾身幸次沖縄担当大臣は、自分の後援会五百人引き連れて沖縄へ後援会旅行に行くというようなことで準備をしていると聞いております。私自身も、できるだけ早い時期に沖縄を訪れ、また実態に触れたい、こんなふうに思っておりますし、また努めて日々の暮らしでも、東京におきまして沖縄の物産を求めるように、私自身もわずかなことではございますけれども、していく、そういうことで、本当に大変な事態だと思っておりますが、同時に、私の立場でぜひやらなければいけないことは、別に沖縄が何かそう避けられるような危険な場所じゃないんだということを強調することも大切だと思っております。  けさ、別途この委員会でも申し上げたことでございますけれども、沖縄に機動隊を一部、若干派遣いたしましたことは、これは沖縄警察の、沖縄県警の言ってみれば負担軽減のためでございまして、一般的な治安という意味では、沖縄はそういう意味ではずっといいということを私はいろんな機会に申し上げているところでございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 今のお話の機動隊の派遣については、後でまたお聞きしますのでよろしくお願いします。  そこで、テロの発生直後に文部科学省が都道府県教育委員会に海外修学旅行の注意を促す通知をしておられます。そういうことで、その直後に沖縄が非常に修学旅行が敬遠されたというふうに言われているわけです。文部科学省のこの通知は、沖縄観光に対する配慮が欠けていたのではないかというふうに考えております。そして、今日、大量の修学旅行キャンセルの結果、沖縄観光のみならず、産業全般への影響、雇用情勢の悪化という厳しい局面を迎えておりますけれども、文部科学省はその後、この点についてどのような対応をされたか、お伺いいたします。

玉井日出夫文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(玉井日出夫君) 現在、海外への修学旅行だとかあるいは沖縄県への修学旅行の中止あるいは行き先の変更がかなり出ていることはよく承知をしております。  そこで、我が省といたしましては、これらに対応するために、去る十月十六日付でございますけれども、国土交通省と連携協力を図りまして、各都道府県教育委員会等に対して通知を発出させていただきました。その中身は主に二点ございまして、一つは、沖縄県民の生活は平常どおりであり、今後、沖縄修学旅行の実施に当たり予定どおりの実施が望まれること、二つ目は、海外への修学旅行の国内への変更を検討する際に沖縄県を代替地とすることも検討に値すること、こういう内容について、国土交通省からの依頼を受けまして、各都道府県教育委員会と学校へ通知をしております。  それからさらに、我が省は依頼を、修学旅行の全国団体がございます、日本修学旅行協会、それから全国修学旅行研究協会、ここがございまして、ここが各学校に修学旅行の状況なんかをかなり情報提供しておりますので、そこで中学、高等学校や各教育委員会に対する沖縄県への修学旅行のPRに努めていただいているところでございまして、今後とも、関係省庁と連携協力して適切に対応してまいりたいと、かように思っております。  なお、御指摘のありました文部科学省の九月十二日の通知でございますが、これはあくまでも米国など海外の修学旅行ということでございまして、国内の、沖縄県などの国内の修学旅行、それを自粛とか注意喚起を求める趣旨では全くなかったわけでございますので、この趣旨の徹底もまた図っているところでございますし、さらに具体的に先ほど申し上げたような施策を講じているところでございます。今後とも努力をしてまいりたいと、かように思います。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 その沖縄が米軍基地があるために危険であると、それが非常に沖縄県がやはり海外旅行をする気分でまだ修学旅行をされているんじゃないかというようなことも現実に私はあると思うんですよね。ですから、こういう公文書を出すことによって、沖縄県に行くのは海外旅行に行くんだというような姿勢に変わってきたんじゃないかというふうに思われるわけですよ。  だから、こういったことをどうやって挽回していくかということが、これからの沖縄の観光産業をどう皆さんの方で、これ何といいますか、活性化させていくかというふうなことが問われていると思いますので、よほど一たんこう公文書を出しますとなかなかこれは取り返しがつかない結果になっているんじゃないかというふうに思うわけですよ。その辺の対策を、もう少しやはり具体的に示してもらわないと県民の心をいやすにはちょっと難しくなるんじゃないかというふうに思っているわけですが、この辺について再度お願いします。

玉井日出夫文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(玉井日出夫君) 通知の趣旨は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、やはり何よりも今理解が求められるのは、現に沖縄に今も修学旅行へ行っております。そして大変意義深いそういう修学旅行の実施が行われておりますので、そのことを、先ほど申し上げました修学旅行協会等々さまざまなところから現に行って、そして意義があるということがPRできますように私どもとしても努力をさせていただきたい、かように思っております。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。  大臣にお伺いします。  沖縄のホテル業界によると、米軍基地警備のため本土から警察官が派遣された途端キャンセルが倍増したというふうな位置づけをしております。沖縄観光の正常化のためには、まず本土から派遣した機動隊員を撤収させるべきであるというふうに思います。機動隊は米軍基地の警備を優先する余り沖縄県民を見殺しにするのかという問いかけもあります。沖縄の県民感情を著しく損なう結果を招来するかもしれないというふうに危惧するものであります。  そこで、国家公安委員長の御決断によって、直ちに本土から派遣した機動隊員をとりあえず一たん引き揚げるべき局面であると私は理解していますけれども、これについて御理解いただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 沖縄に管区機動隊を派遣をいたしましたのは、沖縄県警それから沖縄県の公安委員会などとも御相談を申し上げました上でやりましたことでございます。そのベースにありますのは、やはりアメリカでの同時多発テロの後、米軍関連施設に対してテロの危険があるという一般的な情報がございました。それに対応いたしまして、沖縄県警だけでは米軍関連施設のそういう環境の中における警護というのは必ずしも十分にいかないのではないかという判断からやったことでございます。  そういう意味で、キャンセルが続発したというのは本当に私は残念なことだと思いますし、何といいましょうか、社会の反応、人間の心理の読み方というのは難しいものだということをしみじみ感じている次第でございますが、管区機動隊の派遣の終了でございますけれども、これはやはり沖縄県警の治安状況についての判断、それからさらには私どもが持っておりますさまざまのテロ等の蓋然性、可能性に関する情報、こういったことを総合して判断をしていくということになるんだろうと思っております。  ただ、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、ともかく沖縄県警も含めまして、それはもう機動隊もみんなそれは沖縄の治安、トータルとしての治安を守る、それが目的なんでございますから、そういう意味で安全だということはこれはもう私どもが責任を持って警察力を用いてきちんと担保していかなきゃいけない、そういうことでございまして、沖縄の方々を機動隊は守らないと、こういうようなことではない。言ってみますと、今まで県警が基地も、ある意味では外側は警備しているわけでございますね。この分を機動隊に任せて、県警はより手厚いといいますか、厚い治安維持の努力を沖縄県内でやることができる、そういうことになっているわけでございますから、ぜひ御理解を賜りたいと思う次第でございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 逆にこっちから御理解をお願いしたいわけです。これは、沖縄県民としては、やはり基地があるために警官隊が派遣されたと、そのことによって観光客がやはり危険だというふうな感じを受け取ってしまったというところに大きな原因があるわけですから、それは一日も早く、県民の側からすると非常に安全で観光は十分にできるというような観点に立っての話ですから、その辺は、今の説明もわかりますけれども、しかし沖縄県民の現実の問題としては、やはりそこは機動隊を一日も早く撤収された方が沖縄の観光振興につながるということ、いうふうなことに転換していただきたいというふうなことは、むしろこっちの方から要望しておきたいと思います。  それで、第三次産業の比率が全国一位の沖縄では、観光収入の減少は県経済の足腰を直撃すると言われております。琉球銀行は、年間観光客の一〇%減で失業率が〇・四ポイントふえると試算しております。九月の県内完全失業率は九・四%で、全国平均の五・三%の約二倍です。このままでは沖縄は間もなく失業率一〇%時代に突入し、社会不安が増大することになるでしょう。  政府の政策はいつも後手に回る傾向がありますが、この沖縄の高失業率を前にして政府はどのような対策を考えておられるか、お尋ねします。

安達俊雄内閣府政策統括官

○政府参考人(安達俊雄君) 本年の九月の末に八月の沖縄の完全失業率が確認されまして、九・二%でございます。そして、十月の初めに、私ども関係省庁にも協力を求めて産業・雇用特別連絡会議を発足いたしまして、早急にこの状況の中での緊急対策をまとめていこうという方針をここで確認をいたしました。九・二%、九・四%という数字は相当の緊張感を持って私ども臨まなければならない厳しい数字だと認識しておりまして、今週中にも関係省庁の協力をいただきながら、この産業・雇用の特別緊急対策を取りまとめたいというふうに考えております。  財源的には、補正予算等をフルに活用して対応したいというふうに思っております。  内容につきましては、雇用創出、中小企業対策、そして人材の育成あるいは新規事業の創出、そういった点を中心にまとめていくべきではないかということを、今最終的な取りまとめをさせていただいているところでございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 時間がないので次に進みます。  扇千景国土交通大臣は、去る四日、那覇市内のホテルで沖縄観光振興会議を開いて、国の予算で二百人の教育関係者を沖縄に招くなど四項目の対策を発表されたようでありますけれども、どのような対策を今後とられることになっているのか、国土交通省の当局の説明をいただきたいと思います。

岩村敬国土交通省総合政策局長

○政府参考人(岩村敬君) 委員御指摘のとおり、沖縄におきましては、観光産業が非常に大きなウエートを占めているわけでございまして、県の総生産の一二%が観光だということで、全国に比べても三倍近い、三倍強のウエートを占めているということで、この観光がどうなるかということが沖縄県の経済に大変大きな影響を与えるということを十分認識しているわけでございます。そういう中で、九月まで入り込みの観光客、若干ふえておったわけですが、十月、対前年二〇・七%減ということで非常に大きな打撃を受けたということでございます。  こういう状況のもとで、沖縄の観光の一刻も早い回復というために、扇大臣、まず十月の半ばに関係業界のトップ、すなわち航空業界、そして旅行業界のトップを呼びまして沖縄観光の促進についての協力要請をいたしました。また、次官を派遣して地元の業界の現状把握も行いました。それから、先ほど文部科学省からございましたように、修学旅行についての要請もいたしました。さらには、沖縄観光振興セミナーを東京で開きまして、沖縄に関する正確な情報提供、そして旅行商品の企画、販売の強化を関係の業界に要請もいたしました。等々、対策を講じておりますが、今委員御指摘のように、十一月の四日に扇大臣が沖縄に参りまして沖縄観光振興会議を催しました。関係者が一堂に会しまして、この会議におきまして観光振興宣言というものを取りまとめました。その中で具体的に、これまでに今申し上げた具体策に加えまして新たに四つの対策を講じることを発表いたしたわけでございます。  一つは修学旅行でございますが、沖縄県の協力を得まして、全国の中学、高等学校の校長先生、そして修学旅行担当の先生方二百名を目標に、年内をめどに沖縄に招待をする修学旅行教育関係者沖縄招聘事業、これを実施すること、これが一つでございます。  二つ目は、従来から毎年行っておりました日独の、日本とドイツの観光交流促進会議、これは東京でということでございましたけれども、今年度については沖縄で開催をするということを発表いたしました。  また、外客の誘致を担当しております国際観光振興会に対しまして、大臣の方から、アジア諸国におけるテレビ、新聞広告を実施して、沖縄ツアー造成支援をするように、そして沖縄への外客誘致の緊急支援策、こういうものをとるように指示をいたしました。  それから四番目は、日本観光協会に対しまして、これも実は東京で近日開催だったんですが、ちょっと予定を変えまして沖縄で開催すると。その会議は、都道府県そして政令指定都市の観光協会の会長の会議というのを年に一回東京で開いておりますが、これを沖縄で開催するという要請をして、その方向で会議が開催されるという、以上四点について発表をいたしたわけでございます。  そういうことで、国土交通省としては、沖縄観光が非常に深刻な状態にありますので、この観光がせっかくいろいろな施策でこれまで伸びてきていたわけですから、これが回復するように対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 観光客のキャンセルが実に二十五万人、それからその被害が五十億円というような試算もされておりますし、このまま続くと失業率がさらに一〇%を超すと言われているような非常に大きな問題になっておりますので、ぜひ沖縄県を推進していただいて、そしてこれを契機として、もっと沖縄の観光産業の実態を把握されて、より発展のために尽くしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  そこで、内閣府沖縄担当部局としては、この事態をどう受けとめ、どのような対処をされているのか、よろしくお願いします。

安達俊雄内閣府政策統括官

○政府参考人(安達俊雄君) 観光の関係でございますが、十月の十九日に内閣府としての対応を決定させていただきました。国土交通省を初め、関係の深い省庁と連携をとりながら対策を進めるということでございまして、一つは、昨年でございますけれども、ポストサミットの沖縄の灯を絶やしてはならないということでキャンペーンをいたしましたけれども、そのとき四千万の対策でございましたが、今回四億円を投じまして大規模キャンペーンをやっていこうということで始めました。  それから、私どもが取りまとめをいたしまして、各省庁が行う国際会議等につきまして、これは十月の十五日でございますけれども、沖縄の県民生活は平常どおり行われておるということで、過剰な反応を慎もうということで、できるだけ引き続き積極的に国際会議等を開いていくということも申し合わせをさせていただきました。  あわせまして、非常に影響を受けておりますホテル等の関連業界でございますけれども、これに対しての運転資金の融資が円滑に行われるようにということで、これは決定後、十月二十九日に既に実施しておりますけれども、これまでにない特利、そして担保がないから貸せないということにはならない、そういった特別の対応の緊急融資制度を既に発足させる等々取り組んでおりまして、またさらなる取り組みにつきましては今後の状況の中でまた考えてまいりたいというふうに思っておるところでございます。  ちなみに、修学旅行、大変なキャンセルが出ておりましたけれども、ひところ一日一万人という状況でございましたが、ようやくこれが十分の一まで減ってまいりました。まだまだ予断を許さない状況でございますけれども、かつての状況から少し底打ちをしてきたかなという、期待値かもわかりませんけれども、そういう状況になってきているところでございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 大臣にお伺いいたします。  先日の当委員会において村井国家公安委員会委員長は、不法滞在者等の在日外国人による犯罪の凶悪化、組織化に対しましては、政府内に関係省庁から成る国際組織犯罪等対策推進本部を設置して総合的な対策を推進していかれるとの御説明がございました。これについて具体的に御説明いただきたいと思います。

村井仁自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(村井仁君) 来日外国人、不法滞在者等の来日外国人による犯罪、非常に目に余るものがございまして、政府といたしまして、内閣官房長官を本部長といたしまして、私が副本部長ということになりまして、関係各省の副大臣をメンバーとする本部をつくったわけでございますが、そこで議論しましたことでございます。  とりあえず中間報告というのを出したわけでございますが、そこで取り上げましたのが、一つが不法入国、不法滞在というような事案であります。それから二つ目が、ピッキング用具使用の組織的窃盗、申し上げるまでもなくかぎを特殊な用具を用いましてあけるピッキングでございます。それから三番目が、自動車の盗難とそれから盗難自動車の不正輸出でございます。それから四番目が、偽造、変造のクレジットカード問題、この四つの問題につきまして特に重点的に、また計画的に対応しなければならない課題と決めたわけでございまして、この四つの課題につきまして警察といたしましては、取り締まり体制の強化、それから関係機関との連携の推進、それから防犯対策の強化、さらには例えばピッキングなどはその周知を図る、皆さんにかぎをかえていただくとか、いろいろ用心をしていただく点も必要でございますので、周知を図る等のことをやったわけでございます。  さらに、これの具体的な適用といたしましては、今主題になっております警察官の増員でございますとか、あるいは装備資機材の整備をいたしまして、警備体制、取り締まり体制を強化する、あるいは入国管理局あるいは海上保安庁あるいは税関等と積極的な合同捜査をやる、あるいは情報交換を進める、さらには不法就労防止のための広報啓発活動でありますとか、これは何と申しましても国民各層で不法就労を認めないということをきちんとやっていただかなきゃいけないわけで、いわゆるそういう人を使う立場の人たちの御理解が要る、それからさらには各種の防犯対策の強化、こういったことに努めることにいたしておるところでございます。  総じて、こういった対策が効果を奏しますように推進してまいりたいと思っておりますし、それからいずれ補正予算をお願いすることになっておりますけれども、それに際しましても、これら今申し上げました項目につきましてはとりわけて重点的に対応をしていただくように関係の各省庁にお願いを申し上げている、そういう状況でございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 それで、関連してお尋ねいたしますけれども、沖縄県内における外国人犯罪の実態はどのようになっているのか。米軍関係者の犯罪とに分けてその実態を直近五カ年の数値をお示しいただきたいというふうに思います。

村上徳光警察庁長官官房国際部長

○政府参考人(村上徳光君) お答え申し上げます。  犯罪統計の主要な指標でございます刑法犯について、少し長くなりますが、具体的数字を挙げさせていただきます。  まず、過去五年間の沖縄県における米国籍を有する合衆国軍隊構成員による刑法犯の主たる罪種別の検挙人員でございます。  平成八年、検挙人員総数二十一人、内訳は、窃盗七人、器物損壊等五人、傷害四人、強盗傷人二人などでございます。平成九年、検挙人員総数二十三人、内訳は、窃盗七人、傷害四人、強盗傷人三人、器物損壊等三人などであります。平成十年、検挙人員総数十四人、内訳は、窃盗六人、傷害、これは致死も含みますが、二人、器物損壊等二人、強盗傷人一人などであります。平成十一年、検挙人員総数四十五人、内訳は、窃盗二十二人、住居侵入六人、詐欺四人、器物損壊等四人などであります。平成十二年、検挙人員総数四十八人、内訳は、窃盗二十五人、器物損壊等五人、住居侵入四人、暴行三人などであります。  次に、軍人ではなくて、沖縄における来日外国人についてでございますが、これは米軍人等軍関係者を含んでおりません。  過去五年間の沖縄県における来日外国人による刑法犯の主たる罪種別の検挙人員は、平成八年、総数二十九人、内訳は、窃盗二十人、傷害五人、強制わいせつ二人、公然わいせつ一人などであります。平成九年、検挙人員総数三十二人、内訳は、窃盗二十人、傷害二人、文書偽造二人、器物損壊二人などであります。平成十年、検挙人員総数二十八人、内訳は、窃盗十九人、傷害三人、強姦一人、暴行一人などであります。平成十一年、検挙人員総数十八人、内訳は、窃盗十人、住居侵入四人、公然わいせつ二人、強制わいせつ一人などであります。平成十二年、検挙人員総数三十三人、内訳は、窃盗十六人、傷害七人、器物損壊等三人、暴行二人などであります。  次に、来日外国人によるただいま申し上げました過去五年間の沖縄県における刑法犯の国籍別の検挙人員でございますが、平成八年、アメリカ十四人、中国、これは台湾、香港等を含んでおりますが十一人、ベルギー二人、インド一人などであります。平成九年、中国十四人、アメリカ十三人、韓国・朝鮮一人、インド一人などであります。平成十年、中国十人、アメリカ八人、韓国・朝鮮四人、フィリピン二人などであります。平成十一年、アメリカ七人、中国四人、ロシア三人、ミャンマー二人などであります。平成十二年、アメリカ十五人、中国五人、韓国・朝鮮四人、フィリピン四人などとなっております。  以上でございます。

島袋宗康各派に属しない議員

○島袋宗康君 時間ですので、終わります。

佐藤泰介民主党・新緑風会

○委員長(佐藤泰介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四分散会

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