総務委員会 第7号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/11/20
会議録
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に行政改革推進事務局長西村正紀君、人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、総務省人事・恩給局長大坪正彦君、総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君及び郵政事業庁長官足立盛二郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は去る八日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。 先日の趣旨説明のときに大臣の方から、お経読みとはよく言ったものだと思いましたが、一分半の短い中で御説明をいただいたこの法案を、一時間お時間をいただきましたので、じっくりといろいろな角度から質問をさせていただきたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。 今回、この給与法が出まして、社会情勢、経済情勢、大変厳しい中で、公務員の給与に関しても年間所得三年連続してマイナスということになってまいりました。このことについてまず冒頭御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 趣旨説明のときは済みません、ちょっと早口で申しまして。お経じゃありませんで、趣旨説明でございますので。 国家公務員の給与につきましては、もう御承知のとおりで、民間準拠という大原則のもとに、今まで人事院の方でお調べになって勧告をいただき、それを受けて物を決めていく、こういうことでございまして、民間とのバランスということが一番のポイントでございますから、結果としては三年連続マイナスになったことは、国家公務員の皆さんにもいろんな思いがあると思いますけれども、私は今の制度の中ではやむを得ないことではなかろうか、こう思っておりまして、今後とも、景気の回復その他待って、民間も上がっていただければ公務員の給与も上がっていく、こういうふうに考えております。
○高橋千秋君 同じ質問を人事院総裁の方にもお伺いをしたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 昨年、給与法を御審議いただくときに附帯決議がついておりまして、その附帯決議では、民間の給与を正確に調べて、それをもとに公務員給与に反映させるようにという附帯決議がございました。私たちは、その附帯決議というものをできるだけ尊重するという建前で、民間給与をしっかり調べて今回の勧告に盛ったわけでございます。 したがいまして、民間の労働者の給与水準というものが今回の勧告にそのまま反映されておりますので、それによって公務員の給与というものが国民の理解を得られるというふうに考えております。
○高橋千秋君 昨日も私の地元の企業を幾つか歩いてきたんですが、先ほど民間企業の給与ベースを正確に反映をしてというお話がございましたけれども、民間の人から見ると、今回のこの措置というのは非常に生ぬるいんではないかという声もかなり聞くんですね。確かに、私がきのう行ったある企業でも、年間五%総収入を減らすという目的のもとで、この年末のボーナスは大体一五%から二〇%ぐらい下げないとそれにならないという非常に厳しい状態だそうなんですね。 今回のこの〇・〇五カ月下げるということも含めて、そういう民間の状況を正確に反映されているというお話だったんですが、大企業を中心にそれをとらえているんではないかなという気はしたんですが、その点はいかがでございましょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) いろいろなとにかく企業がございまして、私たちは日本の産業構造というものをそのまま反映させた企業調査というのを行っております。 今、議員が御指摘になりますように、企業によっては非常に厳しい企業もございますし、かなりことしの春に賃金水準を上げたところもございます。そういうところをすべて調べまして今回の調査結果になったわけでございますので、こういう時期には非常に厳しい措置をとられたところが往々にして新聞紙上をにぎわすということでございます。今、先生がお話しになりましたように、年末のボーナスもかなりカットしているという状況は承知しております。 しかし、先般、日本経済新聞が、一週間ほど前出ておりましたけれども、年末のボーナスというのは昨年よりもいいという日本経済新聞の記事が出ておりましたので、やはり全体として眺めてみる、それを全体として反映させるということじゃないかというふうに思います。
○高橋千秋君 私は、なるべくむだ遣いを避けるという点では、今回の措置についてもやはり必要なことではないかなというふうに思うんですけれども、これは春に人事院勧告が出されて、それで年末にいつもこういうふうに決まる。私は民間出身でございますので、いつも新聞に出ます、そのときに大体春までさかのぼってということでいつも出てきて、非常に奇異に感じるんですね、民間の人間から見ると。 私は、今までずっとやってきたことだからということであると思うんですけれども、この人事院勧告制度そのものがなかなか一般の国民から見るとわかりづらい制度だなというふうに思うんですが、もっと私はスピードを速めて即座にやっていくべきだと思いますし、それから、春から比べるとやっぱり景気というのはさらに悪化しているように思うんですね。だからこそ、民間の企業から見るとこの給与法を今ごろやるということ自体についても非常に奇異に見えるというのをあちこちで聞いてまいりましたけれども、その辺の即効性も含めて改善点等お考えであれば御所見をいただきたいんですが、人事院総裁。
○政府特別補佐人(中島忠能君) できるだけ早く作業をするように努めなきゃならないと思います。ただ、かなり大がかりな精密な調査をやっておりますので、今議員が期待されるように、四月一日現在で評価、比較する、その結果がそんなに早く出ない。といいますのは、五月の連休明けに賃金改定をするようなところもかなりございますので、できるだけそれを把握して反映させるということも必要でございますので、一般的に少し皆さんからごらんになりますと遅いなという感じを持たれるのかもわかりません。 ただ、御趣旨はよくわかりますので、できるだけ早く作業を進めるように努力をしたいというふうには思います。
○国務大臣(片山虎之助君) そこで、人事院の勧告は八月になるんですよね、御承知のように。八月の初めになるんです。それを受けまして、政府では給与関係閣僚会議というのをやっておりまして、給与関係の閣僚が集まって相談をして結論を出すと。これは、給与は法律ですから、国会を通さなきゃいけませんね。そうなると、九月ないしは十月の臨時国会に法案を出すと。大体会期が十一月末か十二月初めですから、その間給与法が決まって、十二月ごろ支給ができる、こういうことになるんですね。 だから、人事院の方の調査がもっと早くできて勧告が早ければ対応は幾らか違うと思いますけれども、今の仕組みの中ではこういうスケジュールになるのはこれまたやむを得ないかなと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 手順についてはよくわかっておりますし、こういう国会の中で審議しなければいけないということで非常に時間がかかるということもよくわかるんですけれども、やはり九月のあのテロ事件以降も急速にやっぱり景気というのは私も実感として悪くなっているように思うんですね。こういう急速に変化しているときに、やはり人勧というのは非常にほかの民間にも影響が大きいですから、なるべく早急な対応ができるような体制をぜひつくっていっていただきたいなというふうに思います。 それで、これは事前通告していませんが、今回の措置で大体どれぐらい費用削減できるんでしょうか。
○政府参考人(大坪正彦君) 今の今回の給与勧告に伴います経費の節減につきましては、国の一般会計ベースで二百億の減ということに相なります。
○高橋千秋君 二百億というのはかなり大きな数字だとは思うんですけれども、視点を変えて、今回のこの下げるということは、先ほど来いろいろ話出ておりますけれども、やはり社会に与える影響というのはイメージ的に物すごく大きいと思うんです。二百億というのが大きいのか小さいのか、とりようによると思うんですが、やはり一個人にとっては〇・〇五カ月という数字、この数字が大きいのかどうか、人によっては受ける感覚が違うと思うんですけれども、やはり公務員までもだんだん給料が下がってきているんだという非常にイメージ的なものが物すごくあると思うんです。 その影響というのは、このデフレが進んでいる中で非常に国民に対する影響というのが物すごく大きいと思うんですけれども、この点について、政策的にやはりある程度維持すべきではないかなというふうにも思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 委員の言われるように、なるほど公務員の給与もまた下がったのかと、こういうイメージは、やっぱり心理的な効果としてはプラスかマイナスかと言われると、余りプラスじゃないでしょうね。 ただ、公務員は、先ほど言いましたように民間に準拠して勤務条件を決めていく、こういうことになっていまして、基本的には先憂後楽でございまして、先楽にならないんですね、やっぱり公務員は。私は、これも御意見があるかもしれませんけれども、やっぱりやむを得ないかなと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 そういう意味でも、先憂後楽というお話がありましたけれども、やはり公務員というのは全国に広がっておりますし、さまざまな地域社会の中で非常に影響が大きいと思うんです。 今回のこの給与法については国家公務員ということですけれども、地方公務員、特に県とか役場の職員とか、そういうところについてもやはりこの人勧というのを参考にというか、当然しているわけで、人勧が出たときに即座に各地方の公共団体は対応するわけですよね。 私の地元の県でも、もう県の職員のそういう賃金引き下げだとか、そういうことについてももう出ておるわけでありますけれども、当然これは議会を経なきゃいけませんが、非常に地方に対する影響、この人勧というのは物すごく大きいと思うんですが、この地方に対する影響、この辺をどういうふうに考えておられるか、大臣とそれから人事院総裁の方にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方公務員の給与改定は、地方団体の議会で給与条例を議決することによって決まるわけでありまして、これは基本的には国家公務員の給与を基準としながら、それぞれの団体の組織、規模、地域の民間の賃金水準、生計費等、地域の実情を踏まえて決めてくれと、基本的には国家公務員に準じてと、こういうことでございまして、かつてラスパイレス指数という比較の指数が相当地方が高うございましたけれども、今給与のいろんなことの改善をやりまして、ほとんど国家公務員並みにはなっている、こういうふうに思うわけでありまして、給与改定もおおよそのところは国に準じて年内に措置が終わるんではなかろうか、こう思っております。 数が多うございますからね、地方公務員は。いろんな公務員を、教育関係や警察、消防まで入れますと三百二、三十万おりますから、そういう意味で、今回のこの改定によりまして地方財政計画上、今措置した金額が国の場合は二百億でございましたか、地方の場合には、地方財政計画上九百四十億の差が出る、こういうことになっております。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 今、大体総務大臣がお答えになりましたように、私も地方公務員の給与は国家公務員に準じておおむねいい方向で改定されているんじゃないかというふうに思います。
○高橋千秋君 先日、私の地元の役場の職員等に集まっていただいて、今回の件についてちょっと勉強会をやらしていただいたんですが、役場の職員にとっては人事院勧告制度というのはやはり非常にありがたいというふうに言っている方も中にはお見えになりました。それがないと、なかなか基準がないので決められないというようなことを言ってみえる方も見えるんですけれども、私が今回この質問に当たって勉強させていただいた中で、この人事院勧告制度自体、今公務員には労働基本権というのが認められていない中で、その代償制度としてこの人事院勧告制度があるというふうに判断しているんですけれども、そのような判断でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 地方公務員の場合の給与は、都道府県では人事委員会というのがあるんですよ、知事から独立した人事委員会。これが人事院と同じ機能を営んでおりまして、市町村の場合はそういう種類のものがありませんから、今言いましたような基本的な考え方で給与改定している、こういうことでございますが、今御指摘のように公務員は職務の公共性、地位の特殊性から全体の奉仕者じゃなきゃなりませんので、労働基本権が全部与えられておりません。普通の公務員は御承知のとおり団結権だけで、団体交渉権も争議権もないわけであります。現業の方は団体交渉権まであると。 こういう仕組みがございまして、そういうふうに労働基本権が大きく制約されておりますから、その代償機能を果たすということで独立した第三者機関の人事院が置かれておりまして、人事院が、勤務条件については本来、労使自決でありますけれども、労使自決じゃなくて第三者機関が中立、客観的、公平に調査をして、その結果に基づいて内閣と国会に勧告をして、それによって給与等の勤務条件を決めていく、こういう仕組みになっておるわけでありまして、これが今の我が国の公務員制度の根幹になっている、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 この制度は、後で触れたいと思うんですけれども、今後も維持、存続させていくということで、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) これにつきましては、これも昔からいろんな議論がございまして、一時は関係の公務員の職員団体の方も労働基本権を全部復活したい、こういうふうな要求もありましたし、政府側でもいろんな議論があって今日参っておるわけでありますが、私は現在の制約下においてはこの代償機能は大変根幹的なもの、大変重要なものだと、こういうふうに思っておりますが、今、公務員制度改革について、党でも、与党の方でも政府の方でもいろんな議論を行政改革の一環としてやっておりまして、その中で人事院の機能をどう考えるか、その人事院の機能をどう考えるかという意味合いで労働基本権についてどう扱うかについて議論がなされておりまして、それはまだ何も方向は決まっておりませんけれども、その議論は議論として、私どもの方は人事・恩給局というのがございますから、その動向は十分見守りたいと。 しかし、現在の制度は一貫した、何といいますか、これはこれで整合性がとれた制度として今あると、こういう制度としての認識は十分持っております。
○高橋千秋君 後でその件ももう一度触れたいと思うんですが、きょうは行革推進本部の方も来ていただいていると思うんですけれども、先ほど大臣の方が述べられました公務員制度改革、これ今進められているわけですけれども、やはり公務員というのは、今こういう情勢の中で大変公務員の存在意義というのがあちこちで問われるわけで、特に今の動きを見ても、外務省のいろいろごたごたを含めて公務員のあり方というのが問われているわけでありますけれども、ことし六月に公務員制度改革の基本設計というのが行革推進本部で決定されたというふうに聞いています。 それで、この十二月、来月をめどに大綱を出すというふうにそのときに決まっているそうなんですけれども、この作業状況をお伺いしたいんですけれども。
○政府参考人(西村正紀君) 今、公務員制度改革大綱を十二月に策定すべく作業をしておるところでございます。 今お話ございましたように、六月に策定しました公務員制度改革の基本設計がございます。これに基づきまして、各府省を初め関係者、組合の方も含めまして意見交換を行っておるところでございまして、具体的な制度設計を鋭意検討しておるところでございます。今後、なるべく早く素案を取りまとめまして、関係省と協議を行いまして十二月には大綱を策定したいというぐあいに考えております。
○高橋千秋君 これについては公務員の方々、それぞれやっぱり非常に注目をされているというふうに聞いています。今、特殊法人の改革のことも進んでいるわけでありますけれども、大体十二月中ということなんですが、十二月にもいろいろあると思うんですけれども、いろいろ公務員の方では注目されているんですが、大体いつごろかというのはわかりますでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 十二月中目途ということを決めまして作業を行っております。十二月のどの辺になるかというのは、なるべく早くはやりたいと思っておりますが、今お話ございましたように、行政改革推進事務局では特殊法人の改革等もあわせて進めておりまして、十二月のいつごろというところまでは具体的にはまだ決めておりませんけれども、なるべく早くまとめたいと思っております。
○高橋千秋君 その大綱なんですけれども、中身については今鋭意検討中ということだと思うんですけれども、今後の改革スケジュールだけ入れるのか、その公務員制度改革の中身についてかなり詳しく出てくるのか、どの程度の内容になるのかというのはお話しできますでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 六月の基本設計では、十二月に改革に向けた法制化の具体的な内容と、それから改革期間が十七年度まででございますから、それまでの改革のスケジュールを盛り込むことを予定しておりまして作業をしております。 法制化等の具体的な内容につきましては、今まさに検討をしているところでございまして、できる限り具体的なものになるように努力はしていきたいと考えております。
○高橋千秋君 もう来月の話ですので本当に日にちがないわけですよね。やはり、かなり大胆な内容を含んでいると思うんですけれども、もう少し中身を徐々にでも明らかにしていただきたいなと思うんですが、これは閣議決定という形で出されるんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 具体的な決定の方式を閣議決定にするかどうかは今時点では決めておりませんけれども、いずれにしましても、基本設計もそうでございましたけれども、政府の共通認識として拘束力のあるものにしたいと考えておりますので、同じような形のもの、要するに共通認識として取りまとめたいということを考えております。
○高橋千秋君 これは、大綱を出されてその方向性というのは出てくると思うんですが、具体的に最終いつごろにそれを実施に移すというのをめどにされているのか、お伺いできますか。
○政府参考人(西村正紀君) 今度の改革は公務員制度全般にわたるわけでございまして、国家公務員法の改正、それから給与法の改正、退職手当法の改正等の広範囲にわたります。したがいまして、直ちにすぐ実施できるというものではないと思いますが、スケジュールについては今検討をしておるわけでございますけれども、この実施ということになりますと、当然法律の大きな改正を伴いますので、ある程度の実施までは時間がかかると思っております。
○高橋千秋君 十一月上旬に行政職に関する新人事制度の原案というのを提示したというふうに聞いているんですけれども、ここでは六月の基本設計に入っていたことで触れられていないことが幾つかあるようなんですけれども、例えば、退職手当の見直しだとか、それから超過勤務の削減とか、その辺についてもその中に入るんでしょうか、大綱の中に。
○政府参考人(西村正紀君) 今言われましたような事項は重要な課題であると考えております。十二月の大綱には、そういうものも各省に原案をお示しして意見交換を行いましてまとめていきたいと考えております。
○高橋千秋君 これは大臣にお伺いしたいなと思うんですが、今回のこの公務員制度改革ですね、私は大事なことだと思いますし、国民にとっては注目されることだと思うんです。 ただ、今回の来月出る大綱、中身を見てみないとわからないところもありますけれども、全体的にその基本理念というのがよくわからないところが多いんですね。どういう方向にこの公務員制度を持っていくのか。今は大変問題、問題を拾っていけば数限りなくあるんでしょうけれども、やはりこの基本理念というのが原案を見てもよくわからないんですけれども、今回のこの公務員制度改革についてどのように、基本理念の部分ですね、お考えなのか、大臣からまずお伺いしたいんですが。
○政府参考人(西村正紀君) 大臣のお考えの前に、私どもの今事務局の方で作業しております基本設計、その前に三月に大綱大枠というものを決めさせていただきました。そこに基本理念を整理しておるわけでございますので、ちょっとこれについて御説明をさせていただきたいと思います。 今の我が国の行政の現状に対しましては、複雑、高度化した行政ニーズに的確に対応できない硬直化した企画立案というような問題とか、お役所仕事という言葉に象徴されますようなコスト意識やサービス意識が欠如していると、こういう問題について内外からいろんな厳しい指摘があったわけでございます。こういう指摘を踏まえまして、公務員が国民の視点に立った政策を立案し、国民のニーズにこたえた行政を推進することが国民から強く求められていると。こういう国民の声にこたえまして、公務員自身の意識、行動原理を変革して、中立公正で国民から信頼され、質の高い効率的な行政の実現を図る。これが、私どもが進めております改革の目指すべき理念と考えて作業を進めております。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、事務局長が答えたようなことで、今、公務員制度改革の事務局を中心に議論が進められていると思いますけれども、私も、二十一世紀になったわけでありますから、二十一世紀をどういう時代にするかということを踏まえてのやっぱり新しい公務員像というのが要るんではなかろうかと。今、西村局長が言いましたように、やっぱり国民の期待と少し乖離があるいはあるのかもしれません。今の公務員のあり方、公務員のいろんな事務処理その他、そういう意味で国民の期待にこたえるような公務員像と、こういうことでございまして、民間のいいところは取り入れたような効率的なコスト意識のある、こういうことを踏まえた、しかしそれは、やっぱり全体の奉仕者ですから、大変な公共性がある、職務には公共性がありますから、そういうこともしっかりと対応できる公務員と、こういうことがねらいだと思いますね。 公務員制度というのは物すごく大きくは変わっていないんですよ、今の、戦後できましてから。もちろん、いろんな改正、修正がありましたけれども。そういう意味で、もう一遍、二十一世紀になったところで公務員制度全体を見直そうと、こういう発想だと私は思います。
○高橋千秋君 ぜひ見直していただきたいと思うんですが、ただ、今説明を聞かせていただいても、なかなかその基本理念になるのかなというふうにも思うし、非常にあいまいな部分も多いなというふうに思うんですね。私は、公務員というのは、国家公務員とまた地方公務員は随分立場が違いますし、特に役場の職員なんかというのは東京でキャリアの方と比較するのもなかなか難しいのかもわからないんですけれども、それぞれやっぱり住民、国民に対してのサービスだと思うんですね。その意味では、そのあり方というのをもっと国民に親しみの持てる、もっと開かれた透明性のあるものにしていくべきだと思うんです。 今回の公務員制度改革の中身というか基本理念の部分でそういう部分がどうも欠けているような感じがしますし、基本理念が、その部分がよくわからないんですけれども、もう一度お伺いしたいんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 今回の公務員制度改革は、国民の視点に立ってということでございまして、公務員にとってはオーナーでもあり最大のクライアントである国民ということを十分意識して、公務員自身の意識それから行動原理を変えたいと、そういうことで具体的な検討を今進めているところでございます。
○国務大臣(片山虎之助君) 西村局長とほとんど同じなんですが、やっぱり国民に信頼される、国民に愛される公務員であるということは必要でしょうね。それはいろんなことが私はあると思いますよ。いろんなことがあると思うけれども、そういう視点から新しい公務員制度はつくるべきではなかろうかと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 大臣は国民に愛される公務員だったと思いますので、ぜひそういう、本当にもっと親しみの持てる公務員のあり方というのはこれから望まれていくと思うんですね。 私は、特に民間におりましたので、役所とかへ行くと非常に入りにくい、お話もしにくい、いまだにそれは、立場が変わりましたので多少変わったところもありますけれども、やはり役場なんかへ行っても、それから県の事務所、特に国の事務所なんかへ行っても、なかなか一般の方々がフランクに話ができるというような雰囲気にはなっておりませんよね。これは、もうそれぞれ仕事上、仕方ないと言われればそうなのかもわからないんですが、やはりさっき申しましたように、もっと国民に親しまれる制度にというか、あり方を目指していっていただきたいと思うんです。 ただ、今回、公務員制度改革の基本設計等を見させていただいても、キャリアという問題、国家公務員のキャリア、きょうも多くの方がお見えになりますし、私の事前の質問取りに来ていただいた方もほとんどの方はキャリアだと思うんですが、今回の公務員制度改革では、キャリアというのがいて、一部の方ですね、その方がずっと、言葉は悪いですけれども、支配するような形で、そういうヒエラルキーができていると思うんです。これをやっぱり解消することが大事なことではないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(西村正紀君) いわゆるキャリアシステムでございますが、これは、国の行政を支える高い意欲、能力を持った幹部というものが必要でございまして、その養成ということも重要でございます。また、やりがいと責任のある仕事を早くからできるということで優秀な人材の確保ができる、そして業務経験とか留学等の限られた機会をこういう方が活用して人材養成をする、そういうようなことでキャリアシステムの合理性もあると考えておりますが、今言われましたように、キャリアシステムにもいろんな弊害があるということを言われておるわけでございます。 したがいまして、幹部要員の確保、育成のシステムにつきましては、本省の幹部職員の登用に当たりましては、採用の区分にとらわれない能力本位の人材管理、そういう適材適所での登用ができるような形の育成制度を検討しておるところでございます。
○高橋千秋君 そういう御答弁だったんですが、どうも私が見た範囲では、このキャリア制度をもっと強くしようというような原案だったように思うんですね。 先ほど、一部の方をそういう、登用して特に意欲を持たせるというお話もありました。確かにそういう部分は必要だと思います。しかし、一方でそうでない多くの公務員が、そっちの方が多いわけですね。もう大部分がそうであって、特に地方の公務員なんかから見れば、キャリアの本省の方々、影を踏むのも怖いような雰囲気があるやにも聞いております。 そういうことを、そういうほかの一部の人ではない多くの方々から見ると逆にやる気をなくしてしまうんではないか、多くの公務員のそういうやる気を阻害をしてしまうんではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでございますか、そういうことに関して。
○国務大臣(片山虎之助君) キャリアシステムというのは、功罪が相半ばしていると言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、それはそれで意味があるんですね。やっぱり採用のときの上級、中級、初級とあって、主としてどういう仕事をやるかというのはあるんですが、ただ、それが固定化して、キャリアなら余り仕事をしなくても、頑張らなくても偉くなれるということではやっぱりぐあいが悪い。 私は、やっぱり競争原理が要ると思いますし、それから上級、中級、初級で採用されるというのはしようがありませんけれども、入れかえがあるといった中で、ノンキャリの人でも優秀な人はちゃんと高い仕事ができる、そういうポストにつけるという、そういう風通しのいい競争原理を入れたらいいと思うんですよ。それを全く平等にして、全部採って平等に上げていけと、そんなことはできませんよ、組織が死んでしまいますから、御承知のように。 やっぱりそれは、私は今のキャリアシステムというのはやむを得ないと思いますけれども、ただ、今のままでいいのかどうかについては、今までの総括、反省の上に立って直していったらいいと思います。運用の議論だと思いますね。そういうふうに私は思っております。
○高橋千秋君 その点について今度の大綱には、先ほど少し述べられたと思うんですが、そういう形になっていくということで判断してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) キャリアシステムというか採用区分というものは、今のものを変えるということは直ちには考えておりませんけれども、採用されてからの育成の段階におきましては、幹部職員に対しまして試験区分にとらわれないで登用していくというような仕組みにしたいと考えております。
○高橋千秋君 そういうふうになっていくということになれば、やっぱりこれは評価という問題が非常に大きな問題になっていくと思うんですね。我々国会議員というのは選挙で評価を受けると言えるのかもわかりませんが、やっぱり公務員の評価ということが非常に大事になっていくと思うんですけれども、その意味で、今回の大綱には能力主義とかそういう部分が随分入ってくると思うんです。 それで、先ほど大臣から競争原理というお話がありましたけれども、私はある意味ではこれは当然のことだと思うんですが、ただ、そういうことを入れていくときにはやはりだれがどのように客観的に透明性のある評価ができるのかということが問題になってくると思うんですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 今度の改革は、任用とか給与の人事管理のシステム全体を能力、実績に基づく、そういうシステムとして機能させたいと考えておるわけでございますが、そのためには、公正で納得性の高い評価制度、評価システムが不可欠だと考えております。 このためには、今の勤務評定制度にかえまして能力評価と業績評価から成る新しい評価制度を導入することといたしまして、これによりまして、職員の能力開発や業務の主体的な遂行を促して人的な資源を最大限組織として活用しパフォーマンスの向上を図りたい。導入に当たりましては、評価基準を明確化し評価をフィードバックする、それから評価者の訓練を行う、また職員の評価に対する苦情に適切に対応する仕組みを整備するなど、評価の公正性、納得性の確保にこれから十分配慮してまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 そういう御答弁になると思うんですが、先日、地元の市役所の職員とちょっと話をしておりましたら、その人は、別に急ぎの仕事をしていたわけじゃないんですが、何か書類を持って役所の中を走り回っておったらしいんですね。そうすると、近所の市民の方がお見えになって、あんた走っとって偉いね、忙しそうにしておって本当に大変やねというふうにそこの地元の市民の方に言われたと。これもまあ国民に対する奉仕者としての公務員としては、国民から見ると評価の一つなんですね。 公務員というのは御存じのようにいろんな業種がありますし、いろんなことをやっていかなきゃいけなくて、なかなかこの評価というのは難しいと思うんです。民間企業の場合ですと、私がいた会社なんかだと三十段階ぐらいのいろいろ問い合わせというか、上司との、あるんですね。その中で点数つけていって、何点だからおまえの来年の給料はこれにするというような、そういう評価が出てくるんですが、公務員ではそういうわけにはいかない。さっきの話で、その市民から見たら、ただ走っておっただけなんだけれども評価は高いわけですね。 だから、今回のこの大綱の中にそういう今のお話のようなことが出てくるのかもわからないんですが、非常に難しいと思うんですけれども、これまたいろんな論議が分かれるところだと思うんです。ぜひ、もう少しわかりやすく透明性のあるものにしていかなきゃいけないと思うんですが、その辺の所見と、それからそういう努力についてどういうふうに考えておみえになりますでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) おっしゃるとおり、すぐこういう制度ができて完全なものとして運営できるかというところについてはなかなか難しいと思いますが、初めてのことでございますし、こういう制度を導入するに際しても試行的に始めていくと、なるべく公正で納得性のできるようなものにしたいと考えております。
○高橋千秋君 さっき大臣の方からも、キャリアじゃない人をキャリアに登用するという話ありましたけれども、やはり試験だけでやってしまえば、当然一生懸命点数取りの勉強をしてきた人は強くなるでしょうし、なかなかそうでない、キャリアでない人がそういうふうになっていくというのは難しいと思うんですね。その意味でも、やはりもっと人の中身を見るような評価制度というか評価をしていくような努力をぜひしていただきたいと思うんですが、その評価について、大臣はどのようにお考えでございましょう。
○国務大臣(片山虎之助君) 民間の仕事と違いまして、公務というのはなかなか評価が難しいんですよね。走っているだけでもよくやっていると、よく動いていますよね、それは。だから、民間の場合だと営業の成績を上げたとか何をどうしたとか、大変私は評価がわかりやすいと思うんですね、外形標準じゃありませんが。公務員の場合にはなかなか難しいんですね。 しかし、これやっぱり見ておりますと、長い間に次第に、この人はこれだけの実績を上げて仕事がちゃんとできる人だと、そうでない人と、こういうやっぱりだんだん区別はできてくると思いますね。それを任命権者なり一次評定、二次評定をされる上司が的確に私は評価して、それをいろんなことにつなげていくということが必要だろうと思いますね。 上から見る人は少ないですからね、数が、上司は。部下というのは多いですから、中間管理者なんかの場合に。少ない人が見るより多くの人が見た評価の方が私は正しいと思うんですよ。だから、部下の評判がいい人というのは大体そういう意味では仕事ができていい人だという、上司だけに評判がいい人よりも部下に評判がいい方が私は信用できるのじゃないか、見ている目の数が違うから、上と下と。そういうふうに、これは私の経験でそういう感じを持っておりますけれども、いずれにせよ評価は大切なので、客観的で科学的で中立公正な評価基準というものを考えていく必要が本当にあると思います。 行政の方でも政策評価、行政評価というのを来年から法律が施行になりますし、いろんな施策、政策、事業の評価もやっていこうと、それによって予算や組織やいろんなことにつなげていこうということを国も本気で考えておりますから、我々も。そういう意味では、まさに公務員の評価というのが一番の公務員制度のある意味ではポイントかもしれないと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 まさに大臣今言われたように、部下からの評価が大きいほどその人は仕事ができるということもあり得ると思うんですね。民間会社の中では、特に部下からの評価、上司からの評価、両方から点数制度のような形にしてやっているところもありますけれども、今回のこの公務員制度改革の中にそういう部下からの評価みたいな部分というのは入るんですか。
○政府参考人(西村正紀君) 部下からの評価をするということまでは決めているわけじゃございませんけれども、基本設計では、評価結果の公正性を高めるために、複数の評価者が関与して評価を決定するということを書いておりまして、今言われましたようなものも検討の一つとして考えております。
○高橋千秋君 ぜひそういう部分も多面的に入れていただきたいなというふうに思います。今、大臣からもそういう所見ありましたので、ぜひ入れていただければと思います。 先ほど、最初の方で少し触れさせていただきましたけれども、その労働基本権という問題、今回のこの人事院勧告制度そのものは労働基本権が公務員に与えられていない代償制度としてあるということなんですけれども、この基本設計の中で、人事院など中央人事行政機関等について、それぞれのあり方を明確化した上でそれらの組織、役割の抜本的な見直しを行う。それからもう一つは、給与制度を初めとする勤務条件に関する制度改革の具体化に向けたさらに詳細な検討を進めていく中で、引き続き労働基本権制約のあり方について十分検討するとしておるわけなんですけれども、この原案にはこのことが触れられていないんですが、この件に関してはいかがでございますか。
○政府参考人(西村正紀君) 中央人事行政機関のあり方の見直しでございますが、これは労働基本権の制約のあり方と密接に関連する課題でございます。 労働基本権の制約のあり方につきましては、給与制度を初めとします勤務条件に関する制度を具体的にどのように改革していくかというところが明らかになって議論されるものだと考えております。今、この給与制度を初めとする勤務条件に関する制度の検討を行っておりますので、それらが明らかになった上で中央人事行政機関のあり方、労働基本権制約のあり方についても検討をしたいと考えております。
○高橋千秋君 連合系の公務員連絡会なんかはやはりこの基本権、それから賃金決定の制度のあり方をなるべく早く出していただきたいと、そうしないとなかなか原案への賛否についても論じられないというような御要請もいただいておるんですけれども、早くその結論を出すべきではないかと思うんですが、いかがでございます。
○政府参考人(西村正紀君) 先ほど御答弁をさせていただいたようなことで給与制度等の検討を今行っておるところでございますけれども、なるべく早く基本権制約のあり方についても結論を出したいと考えており、鋭意努力をしておるところでございますし、組合等からもそういう御要望もございますし、また意見交換を頻繁に行わせていただいているところでございます。
○高橋千秋君 そういう結論を出すというお話でございますけれども、やはり過去の最高裁の判決なんかでも全農林警職法事件というのがあるんですね。かなり有名な事件だそうですけれども、この中でもこういう労働基本権の問題がいろいろ出ております。やはり日本の憲法を見ると、労働基本権に関しては非常に他の国に比べて充実した内容になっているんですけれども、公務員に対してはこの労働基本権を認めていない。これは、ほかの国なんかは基本権を認めていますね、争議権を認めていないところもありますけれども。 その点、やはり労働基本権、公務員も国民に対する奉仕者という意味もありますけれども、一方、翻ってみると、やっぱり勤労者の一人でありますから、こういう部分を認めていくべきだというふうに考えているんですが、その意見に関しては大臣、いかがでございます、労働基本権に関しては。
○国務大臣(片山虎之助君) これはいろんな意見が私はあると思いますね。やっぱり公務員に労働基本権を丸々認めているのがいいかどうか、私は最終的には国民の皆さんの選択だと、こういうように思っておりますが、私は、今の我が国で直ちに全面的に労働基本権を認めるということはどうかなと、こういう感じを持っておりますが、いずれにせよ、公務員制度全体のこれからの設計について今一生懸命議論されておりますから、その動向を見ながら考えていきたいと、こういうふうに思っております。 もし完全に回復するということになりますと、その代償機能というのはもう要らないわけですから、労と使の自決ですからね、民間と全く同じになる。そして、そういう場合に、公務員というのは全体の奉仕者ですから、国民全体の。そことの兼ね合いの調整というのがどういうことになるだろうかという、私はやや危惧を個人的には持っております。
○高橋千秋君 私は、逆にそれでいいと思うんですね。団体交渉権与えて、自分たちの給料、自分たちの職場環境というか、そういうことについては自分たちで決められるような制度に私はしていくべきではないかなというふうに思うんですが、今回の行革推進事務局が出しているこの原案についても、見ていると、人事院の権限を縮小していこうと、それぞれの各省庁の人事管理権限というのを拡大をしていくという方向にあると思うんですけれども、そういう判断でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 公務員制度改革の基本設計では、各省が主体的に組織、人事の制度についての設計、運用を行っていくと、また内閣が責任を持って国家公務員制度の企画立案機能を発揮していくべきだということを基本には据えております。そういう考え方で進めてはおります。
○高橋千秋君 さっき大臣の方から代償機能という話がありましたけれども、やっぱり代償というのはあくまでも代償なんですよね。かわりですよね。本来あるべき姿に私はすべきだと思うんですが、大臣、その代償機能ということに含めてどうでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 労働基本権には争議権もあるんですから、ストライキも可能、サボタージュも可能と。それが全体の奉仕者である国や地方団体の公務に従事している人が、そこのところは私がやっぱり少し憶病なのかもしれませんが、公務員のあり方としてどうかなという感じは私は持っておりまして、団体交渉権、今も現業の方にはあるわけですから、御承知のように。例えば、私どもの方の郵政の関係でも、それから地方公務員の場合の現業の方にも団体交渉権はあるんですよ、争議権がないんで。一般の公務員は団結権だけですけれどもね。 この辺がいろんな議論を集約して、私は最終的には、先ほども言いましたが、国民の選択、そういう形で、もう公務員あってもいいと、労使で自由に交渉して自分で勤務条件その他を決めてくれと、こういうことの国民の皆さんがそういうことなら、それも私は一つの考え方だと思いますけれども、まだ今我が国の状況の中で直ちにそこまではどうかなと。 そういうことで、労働基本権を制約するとすればやっぱり代償の機能が要るわけですから、人事院なり、あるいは、人事院とは少し違いますけれども、都道府県における人事委員会なりの存在意義が私はあると考えております。
○高橋千秋君 その意味で、その代償権、人事院が、勧告があるから代償権があるわけですよね。今回の公務員制度改革でいけば、人事院の権限を下げていくということになるとその代償権としての作用というのはなくなってくると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 局長から、恐らく事務局長から答えると思いますが、まだはっきりした方向づけはできていないんで、人事院の位置づけとあわせて労働基本権をどういうふうに認めていくかということの兼ね合いでの議論が私はされているものと理解しておりますが、事務局長から詳細な御答弁があると思います。
○政府参考人(西村正紀君) 先ほど申しましたように、基本設計の考え方は、各省の主体的な設計、運用または内閣が責任を持った企画立案という基本的な考え方はございますが、今現在、人事院が職員の救済機能、労働基本権制約の代償機能など、さまざまな機能を担っているということも十分認識しておりまして、こういう状況を踏まえまして給与制度の検討を具体化しております。 そういうことを踏まえまして、人事院の組織、役割の見直しを進めてまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 さっき大臣からスト権の話あったと思うんですね。私の考えが甘いのかもわかりませんが、今もうスト自体もなかなかしづらいというか、ようやらないようなところも多いわけですよね。しかし、さっきの労働基本権の中でいえば、団体交渉権とさっきのスト権の部分、別に考えてもいいんではないかと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 私ども、中央人事行政機関なんですね、人事院と私どもの人事・恩給局は中央人事行政機関という法律の位置づけでございまして、そこの私がトップということになっておりますので、私が軽々にいろんなことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、公務員も労働者であることは事実でありますから、労働基本権というのは、本来保障されるべきですね。 ただしかし、それは何度も言いますけれども、公務員という地位の特殊性と公務の公共性から労働基本権の一部が制約されていると。そうしますと、それは普通の労働者に比べて大変ハンディがありますから、人事院という代償機能を置いて、代償機関を置いて、そこでそれを補っていると、こういうふうに理解しておりまして、これはこれで整合性がとれていると思いますけれども、いや、そうじゃなくて、もう代償機能は要らないんだと、直接に労と使が話し合って物を進めていったらいいんではないかという考え方も当然成り立ち得ると思います。それは一国の立法政策の問題でございまして、それを最終的に判断するのは、何度も言いますけれども、国民の皆さんではなかろうかと、こう思っております。
○高橋千秋君 国民の皆さんが判断するということは、我々が与党にならぬといかぬということを言ってみえるということですね。 ぜひ私はそれを方向を目指していきたいと思いますが、今回の公務員制度改革を進めていく中で、この原案それから大綱をこれから出すということなんですが、これをやっているのが総務省の人事・恩給局とか人事院とかそういうところではないわけですよね。行革推進本部という中でやられているわけですけれども、私、このやり方自体に問題があるんではないかなというふうに思うんですが、その点についていかがでございますか。これはそちらからは言いづらいと思うので、大臣、どうですか。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、内閣の権限配分というか事務配分の一つでございまして、行政改革というのは大変困難、しかもいろいろに関係ある仕事でございますから、行政改革特命大臣というのを前のときからつくっておりまして、今の大臣はそういう意味では特命大臣二代目でございますけれども、そこで集中的に企画立案すると、こういうことでございまして、仮にその行政改革で案ができて国会でお認めになって、例えば公務員法が変わるとかいろんな組織法が変わるとかということになりますと、施行の方の責任は当然私どもの方の総務省の人事局なり行政管理局なり行政評価局の方に移ると、こういうことでございます。 企画立案、取りまとめ、調整をやっていただいて、法律がもしできますれば、そのときに変えれば別ですよ、制度を変えれば別ですけれども、今の制度なら我々の方が施行の責任を持つと、こういう仕組みになっておりまして、私はそういう企画立案をまとめてやる、特命でやると、こういうことはもう内閣の今の制度からいって、あってもいいと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 もう時間が少なくなってまいりましたけれども、こういう公務員の給与だとかそういういろいろな条件等決めていく上で、やはり一番関心を持ってみえるのはそこに働いてみえる方だと思うんです。大臣もそうだと思うんですけれども、そういう部下の方、公務員の方を上手に使っていい方向に持っていくというのは、これは当たり前のことでございますから、その意味でも、公務員の方々がいろいろな目にさらされておりますけれども、働きやすい環境をつくっていく、それはもう与野党問わずそれは当たり前のことだと思うんですね。 ですから、ぜひこれは今回の公務員制度改革についても、もう少し労使双方がやっぱり十分協議できるような、働く方の意見ももっと入るような形で協議していくべきだと思うんですけれども、その点はいかがでございますか。
○政府参考人(西村正紀君) 今回の制度改革については、国民的な視点を踏まえた実効性の高いものにしたいと考えておりまして、関係者の意見を幅広く聞く必要があると考えております。 職員団体とも交渉、協議はこれまでも誠実に行ってきたところでございます。これまで五十六回会見等を行っております。今後も、こういう交渉、協議を誠実に行ってまいりたいと考えております。
○高橋千秋君 時間が来ましたので最後にしたいと思うんですが、さきのILOの総会でも、日本政府としてこの件に関して十分協議をしていくという国際公約をされております。ぜひとも、本当にこれから二十一世紀、大変な時代になってくると思うんですが、公務員の役割は非常に大きい、国民も十分注視をしておるわけでありますから、十分労使双方、今までの敵対関係ではなくて、やはりパートナーとして十分協議をしていっていただきたいということをお願いしたいと思いますが、その所見だけ伺って、最後にしたいと思います。大臣、お願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) 公務の重要性は、恐らく委員と私は共有していると思いますけれども、その認識を。ぜひ、今言われましたように、労も使もパートナーとして手を携えて本来の公務のあり方に努めてまいる、これは当然だと思っております。
○高橋千秋君 ありがとうございます。
○木庭健太郎君 人事院勧告が提出された以降、各マスコミの論調、いつも厳しいんですけれども、今回は特にこの人事院勧告についてはさまざまな指摘がなされておりました。当たっているものもあれば当たっていないものもあると思っております。 まず最初に、その点でお伺いしたいのは、今回三年連続の減少となったわけでございますけれども、これにつきまして、さらに本来は──総務大臣がいないとこれは答えられないな、ちょっとこれ待っていよう。総務大臣が帰ってからにしよう。 それで、先ほどもちょっと指摘があったんですけれども、人事院総裁にお聞きしておきたいのは何かと申しますと、実際に中小零細企業の給与の実態が十分にこれに反映されているのかどうかという疑問が随分投げられておりました。人事院が現実に調査し、やっている部門というのは、いわば大企業だという問題もありました。いわば調査対象となっているのが、調べてみると、労働者三千三百六十万人、これは百人以上でございますけれども五八・三%ですし、実質的に見ていると結局十人に四人が対象外というようなことにもなるわけでございまして、その意味では民間の給与実態が正確に反映されていると本当に言えるのかどうかという疑問があって、したがって、そのためにこの給与水準自体が高く設定されてしまうのではないかという不信感だろうとも思うわけでございます。ですから、この調査方法自体がどうなのかとお考えになっているのか、まずこれが一点です。 もう一点は、やはりさまざまな理由から調査外になっていることもわからないでもないんですけれども、やはりこの調査方法というのをもう少し幅広い形でできるようなことをお取り組みになる考えがないのかどうか。特に中小零細の意見というか、その実態を反映させるような方法をとることができないのかどうか。 この点について、人事院総裁からまずお聞きしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 民間の給与調査をするときに私たちは、企業規模百人以上、事業所規模五十人以上ということで調査をいたしております。 今まで長い間こういう仕事をしておりますけれども、景気がよくなると大体国会でももう少し大きな企業を調査したらどうだと、そして公務員の給与をもう少し景気のいい企業をにらみながら改定することも考えてみたらどうかという話が出てまいります。今回のように、景気が悪くなると今おっしゃるような話が出てまいります。したがいまして、調査の対象の企業規模というのは非常に時によってはいろいろな議論が出てきて難しいわけでございますけれども、現在の企業規模で調査をするというのは私は現在の段階では妥当じゃないかというふうに思います。 なお、国家公務員の場合にはⅠ種とかⅡ種とかⅢ種という職員を採用しておりますけれども、そういう試験に合格しながら民間の方に行っている職員もいますけれども、民間の方に行った人たちというものを追跡調査をいたしてみますと、大体七、八割の人が百人以上といいますか、あるいはまた五百人以上の企業に行っているということでございますので、人材獲得競争ということもまた考えておかなきゃならないという気がいたします。 なお、そういう小規模企業の調査もやれということで、私たちも調査を十二年と十一年にやってまいりました。やってまいりましたところが、どういう結果が出たかといいますと、そういう小さな企業規模の従業員というのは中途採用者が非常に多い、したがって、中途採用者というのは同年齢の、標準労働者といいますけれども、学校を卒業してすぐに就職した人を標準労働者といいますけれども、その標準労働者と比べると賃金がやはりかなり低いということがございます。 また、私たちが民間企業に伺って、それぞれの民間企業で雇用されている労働者の賃金を調べますときに賃金台帳というものを現実に見せていただいて調べておるわけでございますけれども、小規模企業になりますと賃金台帳もない、あるいは賃金表もないというようなところがございまして、そういうところで調べさせていただいた小規模企業の賃金というものが官民比較にたえ得るかというと、かなり技術的に難しい問題があるなという感じを持っております。 したがいまして、最初に申し上げましたように、現在の段階では、今の企業規模で調査させていただくのが私は妥当ではないかというふうに考えます。
○木庭健太郎君 もう一点、国家公務員の給与というのはもちろん全国一律であるために、地方との関係という問題でやはり較差という問題が出てきているのではないかという指摘も、随分これは今までもなされてきましたし、今回のようにこういういわば全体が厳しいときの状況のときは特にこういう話がまた出てきます。 人事院の方では、公務員給与がその地域の民間給与を反映したものになるように給与配分のあり方を見直す方針を打ち出したというふうにお聞きしておりますが、この点、どのように見直すお考えなのか、お伺いしておきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員の給与勧告をいたします場合に、できるだけ広く国民の各界各層の意見を聞いてみようというので、私たち、全国各地に出かけていって話を聞いております。そのときに、今回、五月、六月、七月ごろにそういうヒアリングを行いましたけれども、そういう席上で、それぞれの地域の民間企業に比べて公務員の給与が少し高いなという御意見がございました。 したがいまして、その御意見というものを率直に私たちは今回の勧告の際に記述して問題提起をしたわけでございますけれども、そのときに私たちは考えなきゃならないのは、やはり最近、民間企業におきましてもそれぞれ企業の事業執行体制をかなり変えてきておる、そしてまた給与制度も改革しておるということでございますので、そういう実態というものを意識してもう少し詳細な調査をしてみる必要があるなと。そしてまた、調査対象企業を選ぶときに、今までのような選び方でいいかどうかということも考えてみる必要がある。そうして民間の給与の実態というものを正確に把握した上で官民比較をする、そのことによって私たちは何らかのアクションが次にとれるかどうかということを考えていこうということでございまして、一つの問題提起を率直に申し上げたということでございます。
○木庭健太郎君 大臣が帰ってこられましたので、冒頭聞いておきたかったことを聞いておきます。今回の〇・〇五カ月引き下げるという勧告でございます。 先ほどもさまざまな影響の問題もありましたけれども、逆の見方もあると思っております。つまり、今のこの民間が厳しい時代に、本当にこの勧告でよかったのかどうか。いわば政治判断でこれをもう少し切り込むべきじゃないかという意見も現実にあるわけです。国会議員の給与の問題も何かいろいろ各政党間でも議論がなされているようでございます。ある意味では、政治判断で、こういう時代のときにどう公務員の給与を考えるかと。厳しく削減するべきという意見もかなりありますが、大臣としてどう判断されたのか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) もう何度も同じ答弁をさせていただいておりますが、人事院制度というのは、人事院勧告制度というのは公務員の労働基本権制約の代償措置である、こういうことでございまして、人事院勧告制度は昔からあるんですが、かなり昔までは勧告どおりやらなかったんですよね。勧告を一部カットしてやると。完全実施になったのが大分前ですけれども、それ以降はずっと完全実施なんです。 それは、やっぱり代償機能を重く見るということでございまして、今回も、今、木庭委員が言われたような意見も給与関係閣僚会議でありました。財政事情がこういうこと、民間の状況がこういうこと、景気がこういうことの中で、完全実施がいいのかなという議論がありましたけれども、もう長い間いわば慣行として確立した人事院勧告はできるだけ尊重して完全実施すると、こういうことを貫いた方がいいんではなかろうかという大方の結論になって、今回も完全実施させていただくと、こういうことになったわけでありますが、完全実施といってもマイナスですから、だからこのマイナスをさらに、一時金がありますよ、さらに切り込むということはなかなかこれは公務員の皆さんにとってもという議論もあったことも事実でございますが、基本的にはやっぱり人事院勧告というものを尊重していくと、こういう姿勢からこういう判断をさせていただいたわけであります。
○木庭健太郎君 それはそうなんですけれども、実際、企業にとってみると、定期昇給もないようなところも本当は多いんですよね。現実を見ると、今年度は一・七二%、六千三百二十八円、定期昇給は保証されているという現実もあるわけですよね。その辺本当はきちんと見ていくべきなんだろうと私は思います。 ともかく人事院勧告は、先ほどから議論になっておりますけれども、労働基本権制約の代償措置ということでございます。その較差を埋めるために調査もして民間準拠という問題がもう半世紀にわたって続けられているという現実がある。それに対して調査の方法その他と総裁おっしゃいましたが、やはりこれから全般的に物を見直す中で、もう官も民も構造改革という問題も言われているわけでございまして、業績や能力を評価したり、いろんな方法をお考えだろうとは思うんですけれども、本当にそういうものを本格導入する時期にも来ているのではないかと思うわけでございます。そういったことをどう今後議論されるつもりなのか、これは人事院総裁にお聞きしておきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私たちが給与勧告をするときにいろいろな要素というものを考えなきゃならないと思います。ただ、その要素の中には、政府の方で御判断いただく要素と人事院が給与勧告する際に考慮しなきゃならない要素があると思います。そして、私たちが給与勧告する際に考慮しなければならない要素というのは、国家公務員法に書いてあるとおりに情勢適応の原則と、そして情勢適応の原則というのは、民間の企業の労働者の賃金水準というものを参考にしながら、参考にしながらといいますか基準にしながら勧告していくということでございまして、それ以外の要素というのは主として政府側においてお考えいただくことだというふうに思います。 なお、今回の給与勧告を出しました際にいろいろな新聞でいろいろな評価というのがございました。その評価を見ますと、やはり賃金というものを考える場合には、合理化とかリストラというのを民間企業がやっているんだから、そういう面の配慮も必要じゃないかとか、あるいはまた生涯賃金というものの観点からも考え直すべきじゃないかというような指摘もございましたが、そういうような問題につきましては、人事院も関係各省とよく連絡とりながら総合的にそういうことを進めて、公務員賃金についての国民の理解が得られるように努力していかなきゃならないというふうに思います。
○木庭健太郎君 今回のいろんな論評を見ながら、一番、ああそこまで言うのかなと思ったのは、やはり人事院勧告制度がもう限界ではないかというような論調も今回、ここ最近は余り見なかったと思うんですよ。やはりことしの論調の中でそれが出てきている。もちろん、これは公務員制度の改革という問題が絡んでいる部分もあるだろうとは思います。しかし、こういったことも言われる時代になっておると。 もう一度ここで、人事院総裁及び総務大臣、人事院勧告制度というのは今日的な意義は何があるのかということをお二人からきちんとお聞きしておきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 先ほどから御答弁申し上げておりますように、民間企業で働く労働者の賃金水準というものを基準に考えた場合に公務員の賃金水準はこういうことですよということを国会と内閣にお示しするという意味合いで人事院勧告制度というものを理解していただきたいというふうに思います。 ただ、その場合に、先ほども御答弁申し上げましたように、賃金というのはただ民間企業と比較してということだけではなくして、それ以外に民間企業で行っておりますような種々の合理化とかリストラとか経営合理化努力というのはございますけれども、そういうものもあわせてお示しするということによって国民の理解が得られるということも事実でございますので、そういうことについて御努力いただいております総務省初め関係各省によく御説明するというか、協力を要請して歩調を合わせて努力していくということじゃないかというふうに思います。
○国務大臣(片山虎之助君) この制度ももう長くやっていますからね、戦後。そういう意味では、少々制度疲労というのが出てきたのかもしれませんね。いつまでも勤務条件、官と民がパラレルで平等でなきゃいかぬのかどうかということ、そういうこともあると。 それからもう一つはできるだけ平等にと、戦後の我が国の一番いかぬところはできるだけ平等にと、結果の。こういうことも一つあるので、やっぱりもう少し官は官らしく、民は民らしくとかあってもいいのかもしれぬし、官の方も、もう少し能力主義や業績主義、本当の意味でのメリットシステムで貫くべきじゃないかという議論があってもいいので、ただ、そこでそうなると、やっぱり労働基本権を制約しているということが私は一つのネックになると、こういうふうに思いますね。 しかし、いずれにせよ、もうこれは相当長くやってきていますから、もう一遍、今のこの人事院勧告制度を中心にした公務員制度のあり方を見直すいいチャンスではなかろうかと。しかし、最終的にはやっぱり国民の皆さんが使用者ですから、国民の皆さんに我々雇われているパブリックサーバントですから、大臣も特別職の公務員でございますので、もう皆さんもそうでございますけれども、そういう意味ではやっぱり国民の皆さんが納得して、そうかと、こういう制度でなければならないんではなかろうかと私は考えております。
○木庭健太郎君 そこで、公務員制度改革関係について何点かお尋ねしておきたいと思います。 いろんな方向性は出されておりますが、まず一点お伺いしておきたいのは、人事管理という意味でいけば、職務能力の評価の重要性というのはあえて指摘するまでもございませんけれども、いざこれを具体的手法ということになると、何が適正で何が公正な評価なのかと、かなり困難をきわめるだろうと私は思います。 従来、どのような方法で職務能力というのを評価を行ってきたか、この点について遠藤副大臣から御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) これは、人が人を評価するというのは大変難しいんですよね。しかも、その評価が適正で公正であるということは大変難しいわけでございます。 今までどのように国家公務員の勤務評定を行ってきたのかというお尋ねでございますけれども、まず法律がございます。国家公務員法第七十一条、七十二条のほか、勤務評定の根本基準というのがございまして、これは人事院規則の一〇―二でございますが、並びに勤務評定の手続及び記録に関する政令及び内閣府令がございまして、そこに定められたルールに従いまして、各府省においてこれらの規定に基づいて適正に行ってきたと。 例えば、その中身については、各府省ごとに若干の差異があるわけですけれども、例といたしまして総務省の例を申し上げますと、例えば仕事のできばえ、これは知識とか交渉力等含まれるわけですけれども、あるいは仕事の速さ、あるいは仕事に対する態度、あるいは部下の統率力などの評価を行ってきております。これらの評価に当たっては、直接の上司が一番接する機会が多いんですけれども、その上司だけではなくて、日常的に多くの皆さんの目で見ていただくと、こういうことによってさらに客観性を担保したい、こういうことで進めているところでございます。
○木庭健太郎君 これからそういう新たな人事管理システムの確立ということになると、今もこれまでのやり方を御説明いただきましたけれども、新たな評価制度を導入するということになっているわけでございます。ただ、これ能力等級制度ですか、そういうものを導入するにしても、今もちょっとお話、職務能力の評価手法とか手続というのがまさに適正に定まらなければこれはどうしようもなく、給与もどう適正なのかという問題にもなるわけでございまして、この点、どんな検討されているのか、西村さんからお答えいただければいいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) 今度の改革の任用、給与等の人事管理システムの全体を能力、実績に基づくシステムとして機能させるためには、言われましたように、公正で納得性の高い評価制度の導入が不可欠でございます。 今の検討状況でございますけれども、現在の勤務評定制度にかえまして能力評価と業績評価という二つの評価制度から成る新しい仕組みを導入したい。そして、まずは評価基準を明確にする。そして、評価が適切にフィードバックされる必要がある。そして、評価者が訓練されなければ適切な評価も行えないということで、訓練を行うことも考えるべきである。それから、職員がその評価結果について苦情がある場合、これを適切に対応させるような仕組み、こういうものの検討を今行っておるわけでございますが、いずれにしましても、公正で納得性のある評価システムをつくっていかなくてはいけないと考えております。
○木庭健太郎君 要するに、業績ということになると、多分お役人の方たちは、新たな予算を獲得したり、役所の権限を拡大するという法律をつくればプラスの評価なんですよね。ところが、今はどんな時代になっているか。そうではないわけですよ。まさに、どういろんなものを縮小していくかとか厳しく見ていくかみたいな話になるわけですよ。でも、これ、もし一生懸命やったらどうなるか、多分マイナスの評価になるんだろうと思うんですよ。そういうことの難しさをこれ、含んでいると思うんですけれども、こういう部分もどんなふうにしてやるのかなと、もう私、よくわからないんですけれどもね。 だから、この職務遂行能力評価について、今、具体的にどのような手法、仕組みを準備しているのか、もしあるなら、これも西村さんからお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) 評価で、業績評価につきましては、職員ごとに業務目標を設定させてその達成度を評価するということを考えておりまして、その業務目標を設定するに当たりましては、行政に対する国民のニーズを十分反映したような目標を設定していかなくてはいけない。そういうことで、その業績評価を通じて国民のニーズに対応していかなくてはならないと考えております。 また、今言われましたように、予算や権限の削減や予算の効率的な執行ということを評価に反映させるということも重要だと考えております。 まず、そのためには、組織の目標や国家公務員として求められる行動基準というものを明確にいたしまして、職員が国民の視点に立って業務の改善を行ったり、サービスの質の向上や業務の効率化を図る、そういう取り組みができるような仕組みということで、評価制度の中で組織の目標とともに職員の行動の基準に沿うようなものを織り込めたらというようなことを今考えております。
○木庭健太郎君 最後に大臣に、天下りの関係の問題で具体的な提案も、ひとつどうお考えかをお聞きしておきたいと思います。 つまり、キャリア組の方たちというのは、本省の課長とか部長、審議官、局長と上がっていく中で選別淘汰されていくわけでございまして、そこにどうしても処遇しなくちゃいけない天下りの問題が生じている。大臣はよく、それこそ御出身でございますからおわかりになっていらっしゃると思うんですけれども、だから、その選別淘汰されたキャリア公務員をどうするかという問題が一番ポイントになってくるんだろうと思うんです。 一つは、公務部内に置くような仕組みをつくればというような考え方もあるでしょうし、ただそうなると、出身省庁にずっと置いておくということはなかなか現実は不可能でございまして、それならば、例えば内閣府の中に調査部門をつくって、そういうところにキャリア公務員を集めてみて、いわば省庁の壁という問題も言われるわけでございますから、そういう枠を超えたようなスタッフ的な仕事をしてもらうとか、いろんなあり方が私はあると思います。 そういうやり方をすれば、つまりキャリア公務員の知識、経験もきちんとした形でゼネラリストとして生かされるというような方法もあるんだろうと思います。ぜひこの点、どんなふうにお考えがあるのか、これを大臣からお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今のキャリア組の退職管理システムというのはなかなか難しいんですね。今、木庭委員が言われましたように、だんだん偉くなっていくと同期の方はやめていかれるというようなことで天下りにつながってくると。 そこで、今は、みんなゼネラリストというんでしょうか、万般をわかってみんな昇進していくわけでありますけれども、私は、任用の仕組みの中でスペシャリストというのか専門家を養成していったらいいんで、キャリアを全部ゼネラリストにしないでスペシャリストにして、それは専門の部門でそれ相応の処遇をして残していくということがいいんじゃなかろうかと。ずっとだんだんだれかが偉くなっていくとほかの人はみんなやめていけというのも、これはなかなか合理的なようで合理的でない仕組みなので、そこは、退職管理システムとして人事院にも御検討いただければいいと思いますし、我々も検討しますし、西村局長の事務局の方でも検討してもらったらいいと思います。 それから、そういう人を、今、木庭委員提案のように一つの省で抱えておくというのは限界ありますよね。だから、人材バンクみたいなものをつくって、プール機関を、そこで要請があればそこに行ってもらうとかあっせんをするような、各省が自分の範囲で天下りということもないけれどもOBのお世話をしているのが今の実態ですけれども、それを内閣としてまとめてそれぞれの専門家というのかそういうことにしてやるというのもあるのかな、こう思いますけれども。 基本的には、天下りをなくするのは、もう役人として一生を終える、途中どこかに行って第二のあれというよりも役人として人生を全うするという仕組みを、よその国ではありますよね。そういう意味では、定年制度を含めて、あるいは退職金や年金を含めて、そういう総合的な退職管理の仕組みを私は検討したらいい、こういうふうに思っておりまして、大変重い大きな課題でございますが、関係のところと連携して検討させていただきたい、こういうふうに思っております。御示唆ありがとうございました。
○木庭健太郎君 終わります。
○宮本岳志君 提案されております給与法の改定によって、例えば三十代から四十代の係長で一万数千円の年収減になります。これは、生活改善を求める公務員労働者の声を裏切るというだけでなく、実は国民的な問題だと思うんです。 今日の深刻な不況の原因が個人消費が弱含んでいることにあると、これは十一月の政府の月例経済報告でも明確に述べております。一般的に、賃金の引き下げは家計所得の低下を生み、個人消費をさらに冷え込ませる結果になることは言うまでもありません。 〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕 そこで人事院の総裁にお伺いいたしますけれども、今回の給与改定で直接影響を受けるのは何人ぐらいおられるのでしょうか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 私たち、国家公務員四十九万人を対象に勧告をいたしておりますが、私たちの勧告というのは、地方公務員あるいは特別職の公務員、また特殊法人の職員とか福祉法人で働いている方とか商工会議所とか農協で働いている職員にも影響します。そういうのを全部合わせますと、私たちが二、三年前に調べたところではおおむね七百五十万人というふうに思います。
○宮本岳志君 七百五十万人というのは、雇用者全体の大体一四%なんですね。間接に影響を受ける年金、恩給の受給者まで含めると、さらに膨大な国民の所得に影響が出ます。これは、弱含んでいる個人消費を一層冷え込ませる結果になると考えます。そういう点では、国民経済的な観点からも私たちは賛成できないと思うんです。このことを明確にした上で、私、公務員制度改革について質問したいと思います。 片山総務大臣は、去る十一月の六日、衆議院の総務委員会で我が党の春名議員に、労働基本権と代償機能はパラレルな話であり、代償機能を弱めるならば基本権を回復していく必要がある旨の答弁をされました。これは歴史的な経緯からいっても当然の認識だと思います。しかし、同時に人事院の代償機能のこの中身が大事だというふうに思っております。 人事院は、年一度、官民較差を埋めるために俸給表を何%引き上げるといった給与勧告を国会及び内閣に行っておりますけれども、これだけでは実際の職員の給与、処遇は決まらないわけです。民間では、全体水準を労使で決めた後、具体的な配分についてもさらに労使交渉で決めており、労働組合からの交渉の申し入れに対して使用者側が拒否すれば不当労働行為になるという性格のものであります。 公務員についてのこのような具体的な昇給、昇格など給与制度の運用基準については、今まで人事院が人事院規則などによって労使交渉にかわるものとして定めてきたかと思うんですけれども、このような機能も労働基本権制約の代償機能ではないのかということ、仮にこのような基準を各省庁がみずから定めることになると問題が起こるのではないかということ、これを人事院にひとつお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) かなり突っ込んだ御質問で、ちょっと驚いて聞いておりましたけれども、代償機能というふうによく言いますけれども、実際は給与勧告だけで代償機能が果たされているものじゃないと。給与勧告で決まるのは給与水準が決まる、決まった給与水準をどのように各労働者に配分するかというのがその次の問題で、そのときに昇格基準とかあるいはボーナスの査定基準とかそういう話になってくる。そういうものをトータルに合わせて代償機能だということだと理解していただきたいと思います。 〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕 したがいまして、今お尋ねのありました件については、勤務条件だというふうにお答え申し上げておきます。
○宮本岳志君 つまり、人事院が果たしている代償機能というのは、単に官民較差が何%で何円なのかを決めるにとどまらず、それを職員にどう配分するかについても職員の声を反映するという役割を担っておるわけです。民間では、賃金配分に直結する事項は労使の交渉事項であり、労使協定でこれを定めております。公務員から協約の締結権を奪っている以上、これも人事院の代償機能の重要な中身なんです。 現在、級別定数というのは、級ごとの職員数を省庁ごとに人事院が人員枠として定めております。ところが、行革推進本部の議論では、現在人事院が級別定数を定めているのを廃止して、新たに設けられる能力等級を基準として職務を分類、整理し、各等級ごとの人員枠を設けるとされております。 そこで、これも人事院に確認するんですが、この級別定数というのは勤務条件に当たるのか、お伺いしたいんですが、いかがですか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 勤務条件ですね。
○宮本岳志君 勤務条件の基準を一方的に使用者が決めるのは問題だと、そして級別定数というのは明確に勤務条件だと、これが人事院の答弁でありますから、今検討されている新たな人事制度が公務員の労働基本権の再検討と無関係に進められないものであることが改めて具体的な問題で明白になったと思うんです。 今の人事院総裁の答弁を踏まえるならば、人員枠の設定を人事院の代償機能から各省庁に移すとすれば、それとパラレルな問題、つまり労働基本権の問題が、団体交渉権の問題が起こってくる、これはもう当然の理だと思います。 そこで、大臣にお伺いをするんです。大臣が繰り返しお認めになっております労働基本権と代償機能とのパラレルな関係ということの中身として、人員枠の設定について、これまでどおり人事院の代償機能でいくのか、それとも、それを外すのなら団体交渉権を完全に認めるか、この二者択一、パラレルな問題がここには横たわっていると、こういう問題があるということはお認めになりますね、大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 代償機能というのは、勤務条件は本来労と使で決めるべきだけれども、公務員という特殊なあれだから、かわりに中立公正、第三者的な権威のある機関をつくってそこで勧告をして、勤務条件等についてそれをできるだけ尊重していくと、これが大まかに言うと代償機能ですよね。ただ、バリエーションは委員、いろいろある、バリエーション。 そこで、今の制度は一つの代償機能としてセットされておりますけれども、この例えば人事院の機能を強くするか弱くするかに見合って、それは労働基本権の方をどう考えていくかということのいろんなあれがあるので、等級別定数なんというのは勤務条件といえば勤務条件でしょうけれども、勤務条件以外の要素もあるんですよ。だから、その辺どういうふうに、というのは等級が給与につながっているからですよ。配分の問題でもあるからですよ。 だから、その辺はいろんな議論があるところで、私は今、公務員制度改革の事務局が、行革事務局がどういう案を検討しているか詳細は知りませんけれども、全体の案を見て、どういうセットというのか、バランスのとれた仕組みを考えているかということによると、こういうふうに思いますが、現在の制度なら人事院総裁の言われたことはそのとおりだと思っております。
○宮本岳志君 じゃ、少なくともこの問題が代償機能にかかわる問題を含んでいるということはお認めになりますね。
○国務大臣(片山虎之助君) 一〇〇%とは思いませんけれども、相当部分は含んでおります。
○宮本岳志君 大臣自身が労働基本権と代償機能はパラレルだと、そうおっしゃっている以上、この十二月に発表すると言われている大綱の内容も、やはりこういう検討抜きにはできないと私どもは思っております。 今検討されている新しい人事制度なるものは、人事院から級別定数の決定権を奪うものであり、その代償機能を崩す以上、公務員の労働基本権問題の再検討抜きに進められないものであることは明白です。これをあいまいにしたまま大綱を発表する、こういうことは絶対許されないということを指摘いたしまして、私の質問を終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 今の宮本委員の続きで質問をしたいと思いますが、今も明らかになりましたように、労働基本権に多くかかわっております公務員制度改革、とりわけ大綱をつくるに当たっては、そういう中身がありますので、職員団体や労働組合と交渉、協議をしなければいけないというのは当然のことかというふうに思います。 政府は、ことし六月のILO八十九回総会、条約勧告適用委員会で、今後は職員団体初め関係者と誠実に交渉、協議しつつ、制度の内容について検討していく、制度の内容については、今後職員団体を初めとする関係者と交渉、協議していく中で順次決まっていくものと考えていると述べています。この委員会では、委員長から日本政府に対し、誠意を持って労働組合と協議し、権利を保障することを期待する、労働組合との社会的対話を希望し、次回、政府が詳細に報告されることを希望する、こう結論を述べて、これが採択をされているわけですね。 しかし、関係労働組合からは現在不満の声が出ておりますね。先ほどの答弁でも事務局長の方から回数は五十六回やったんだと、こうありますけれども、この基本設計が出てからは二十九回です。しかし、回数だけで、この回数をILOに報告されるのか知りませんが、その中には十五分、二十分のセレモニー的なものも実際には含まれておりますので、十分というふうには言えませんし、論より証拠で、労働組合からは意見が出ています。 誠意を持って協議をし、双方の合意と納得が私は必要だと思うんですけれども、総務大臣に伺いますが、ILO総会での政府自身の発言をきちんと守って、一方的な制度改革をするということはあってはならないというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは、私に聞くよりは西村局長に聞いていただく方がいいんですけれども、西村局長も五十六回も会議を持ったということですから、その会議はどういう持ち方か知りませんが、恐らく職員団体を初め幅広い意見を聞いておまとめにならないとなかなかいいものになりませんから、そういうことは十分御承知の上でおやりになっていると思います。
○八田ひろ子君 私は、担当の総務大臣にもしっかりと認識を持っていただいて、意見を言っていただきたいというふうに思うんですね。 今、宮本議員との質疑の中でも明らかになっているんですけれども、人事院の代償機能が事実上発揮されないままで、使用者である政府が公務員労働組合の合意も図られないままで労働条件の変更、これを大綱で決定する、しかも、先ほど来拘束力のあるものだというふうにおっしゃっています。ですから、こういうことは憲法上の問題でもありますし、ILOそのものが誠意を持って協議をし、労働者の権利を保障することを言っているわけですから、双方の合意と納得というのが私は絶対に要ると思うんですよね。だから、そこのところを私は大臣に強く言いたいと思うんです。 ところで、ちょっと話は違いますけれども、大臣に労働時間のこともこの際聞いておきたいと思うんです。それは、この委員会でも私、前に公務員労働者の皆さんの年間一千八百時間の目標に向けての労働時間削減の問題を質問させていただきました。大臣は努力するというふうに答弁されているんですけれども、その後、ことし八月三十一日に国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会、いわゆるA規約人権委員会ですね、ここで公務部門、日本に対してですけれども、日本に対する最終見解ですが、公的部門での過大な労働時間を容認していることに重大な懸念を表明し、労働時間を削減するために必要な措置をとることを勧告しているわけですね。 大臣、こういう勧告も受けて、しかし、私から見ていますと、長時間労働や、あるいはあってはならないサービス残業、そして過労死などが改善されているというふうに見えないんですが、どういうふうに改善をされているおつもりなのかお示しください。
○国務大臣(片山虎之助君) 労働時間の短縮はいろんな意味で重要な課題だということは認識しておりますし、この委員会でも何度もそういう答弁をさせていただいたと思います。 今御指摘の、本年八月に行われた国連のA規約委員会のレポートですか、これにつきましては政府と余り調整をせずに、政府の方の言い分も聞かずに何か出されたようなことを聞いておりますから、それはやっぱりそういうことを出すときは政府の言い分をちゃんと聞いて公平に出してもらわないと、そういうふうに思います。 ただ、大変政府としても、全省庁一斉定時退庁日をつくったり、あるいは年次休暇を計画的にとるように慫慂したりしておりますけれども、何しろ国会と予算が大変ですよね。やっぱり国会の関係で超過勤務がふえるというあれもありますので、そういうことはひとつよろしく国会の方でもお願いいたしたいと思います。 できるだけ労働時間の短縮については努力してまいりたいと、こういうふうに思っております。
○八田ひろ子君 私は、労働時間が多いということは先日も片山大臣はお認めになっておりまして、そのための努力を聞いているわけです。国会審議は当然ですけれども、与党の運営なども、与党の一員である大臣は心されたいと思います。 私どもは、公務でも民間でも男女共通の残業規制を法的にも百五十時間としっかり規制すべきだということをせんだっても申し上げたんですけれども、今でも非常に大変だということはたびたびここで議論している中身なんですね、労働時間が長い。それで、今考えられております能力等級制度の導入というのが、じゃ実態として長時間労働の助長や、ましてやサービス残業根絶に逆行するということになってはいけないと、こういうふうに私は考えているわけです。 そこで、行革の事務局長に伺うんですけれども、能力評価、業績評価が基本設計では目玉だというふうに言われております。先ほど来の答弁の中でも、国民の視点に立ってと何度も御答弁があるんですが、国民や住民の相談に親身になって乗っていますと、要望にこたえるサービスというのは実際には大変時間がかかることも多いわけです。また、余裕を持って対応をしなければなりません。数量的に把握できないこうした苦労がたくさんありまして、大臣もなかなか難しいと御答弁されましたけれども、こういうものが評価されないとすれば弱者切り捨ての、行政サービスが軽んじられるということが実は懸念されているわけなんです。 今、リストラや不況で国民生活、非常に大変ですが、失業者が押し寄せるハローワークでは、じゃ紹介状の数を、枚数をたくさん書けばいいのかとか、あるいは税の徴収であったとしても、また地方での保育料や授業料の滞納も深刻なんですよね。こういうときに新しい人事管理システムで、国民に顔を向けたサービスが保障されるのか。国民の視点と言われるけれども、こういう懸念は非常にあるわけで、こういった今の公務員の皆さんが苦労されているもの、こういうものも新しい能力評価や業績評価の対象としてしっかりと位置づけなければならない問題だと思いますが、その点ではいかがでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 新しい評価制度設計に当たりましては、御指摘のように数量的な評価が難しいという業務もあると思います。しかし、どのように業務目標を設定して、どう評価していくかということについて民間の事例等も参考にしながら工夫をしていく必要があると考えておりますが、いずれにしましても、公務の実情を考慮した職員の能力・業績評価ができるような仕組みにしていきたいと考えております。
○八田ひろ子君 給与にもかかわる重要な労働条件なんですけれども、それが実際には明確になっていないと。だけど、十二月に大綱を決めるというのが私はどうしても許せない問題だと思うんですが、仮に能力評価、業績評価というんでしたら、客観的で公正公平な評価、国民にとって透明性があること、情実が入ることを排除したシステムづくりというのが先ほど来言われておりますし、その評価は当然本人開示、上司だけでなく部下からもというふうに答弁があったんですけれども、当然それでは本人開示や情報公開というのが必要ですし、各省庁でそれがされるんでしたら、各省庁で職員が不服申し立てをする権利を認め、救済機関を強化するということが大事だと思いますが、そういうことはどうなっていましょう。 何よりも、評価基準をつくる際に必ず労働組合が関与することが必要になってくるというふうに思うんですが、そこの点ではどうなんでしょうか。
○政府参考人(西村正紀君) 評価の公正性、納得性を確保する仕組みといたしましては、基準の内容を明示する、それから複数の評価者による評価の実施、下の人とか、そこまでは決めているわけじゃございませんけれども、複数の評価ということが重要だと考えております。それから、評価者が適切な評価ができるような能力向上のための訓練、それからもちろん職員に対する評価のフィードバック、それから評価の手続や結果に対する職員からの苦情に対して適切に対応する仕組み、そういうものも必要だと考えております。 組合が評価基準にどのようにかかわるかということにつきましては、労働基本権のあり方とも関連する事項であると考えておりますので、この基本権のあり方の検討とあわせて考えていきたいと考えております。
○八田ひろ子君 労働条件の問題なんですけれども、基本権の関係ともあわせて考えていきたいと。当然考えていただくんですけれども、やはり双方がきちんと合意をしないままに、私は何度も聞いているんですが、それだったらもう一度聞きますが、きちんと合意をして、そしてそれを進められるというふうに確約をしていただけますか。
○政府参考人(西村正紀君) 制度を設計するに当たりましては、各方面の意見をなるべく聞き、できるだけ御理解を得るような形のものにしていきたいと考えております。
○八田ひろ子君 各方面の意見を聞くのは当然でありますけれども、労働組合の皆さん方と、直接かかわるわけですからね、ですから私は合意をしていただくということが大事で、意見を聞くだけだったらILOの求めているのとも全く違いますし、世界の常識からも外れていると私は思うんですね。そもそも、今までの人事制度でも運用が適正であれば、さっきお答えになったようなことというのは優秀な方はそれなりのポストにきちんとつけられますし、なぜ変える必要があるのか、私はきょうの議論を聞いていてもよくわかりません。 この能力評価、業績評価を二〇〇五年に本格施行、来年からは一部の官庁で一方的に試行をするということも聞いております。国会の審議でも私はまだ十分じゃないと思いますし、労働組合の合意と納得、これを得てからというお答えをいただいていません。そういうときに試行ということが許されないと私は思うんですね。 次の質問に行きますが、こういった能力・業績主義賃金、民間ではそういう名のもとに導入をされて実際には女性差別を拡大している実態があります。こういうものを導入して公的職場での男女差別がなくなるのか、拡大しては困ると思います。 そこで、二十一世紀最重要課題と内閣が位置づけております男女共同参画社会の実現の観点から伺いたいと思うんですが、男女共同参画ビジョンには、男女共同参画とは、「人権尊重の理念を社会に深く根づかせ、真の男女平等の達成を目指すもの」とあります。総務大臣も、この最重要課題を討議されております男女共同参画会議のメンバーで真の男女平等実現のために先頭に立っていただきたいと思うんですが、真の男女平等を推しはかるメルクマールとして男女賃金格差の問題があります。諸外国でもこれは是正が大きな問題になって取り組まれているわけでありますが、日本では、民間でいいますと、女性は男性の賃金の六五・五%、パートを含めますと女性は男性の四九・八%で、これは一時金が入っておりませんので、一時金などを含めればさらに男女賃金格差というのが拡大をしています。 そこで、数字的にお示しいただきたいんですが、国家公務員の分野ではどうなっているかということです。国家公務員の一般職員の男女の職員数を男女別に、それから男女平均給与、これも男女の数字を、それから非常勤、臨時の男女別人数と非常勤、臨時職員を含めた男女の平均給与、これをそれぞれ数字で結構ですのでお示しください。
○政府参考人(大坪正彦君) 初めの常勤の国家公務員の男女の数字につきましては、人事院の方から御説明をいただきたいと思います。 私は、非常勤の職員のことについてお話し申し上げますが、総務省といたしまして、非常勤の職員の方々の人数については押さえております。省庁別、職名別の人数は押さえておりますけれども、男女別という押さえ方はしておりません。また、非常勤の職員の方の男女別の平均の給与、この辺の実態についても承知しておりません。
○政府参考人(大村厚至君) 常勤職員の方でございますが、国家公務員給与実態調査におきまして調べております。 これ、平成十三年四月一日現在の数字でございますが、ただ新規採用者とかそれから在外公館とか休職者等は除いております。全俸給表計で、男性が三十六万三十五人、それから女性が十万六千六百四十四人、合計で四十六万六千六百七十九人。行政職俸給表(一)でございますと、男性で十七万七千四百八十八人、女性で三万五千七百十七人、合計で二十一万三千二百五人でございます。 それで、男女別の給与の集計でございますが、私ども、その国家公務員給与等実態調査と申しますのは、給与勧告を行うために官民給与較差を算出するための調査でございまして、この官民給与を比較する場合には男女を分けて算出しておりません。そういう区別をしておりませんので、特にその男女別の平均というのは集計していないところでございます。
○八田ひろ子君 男女別の統計が賃金の場合はないということは私は大きな問題だと、大臣、思うんですよね。男女共同参画社会基本法に基づく男女共同参画計画でも、あるいは国連でもそうですが、ジェンダーバイアスを取り除くためにあらゆる統計を男女別にとることを求めています。これは、こういった統計がなければ直接差別、間接差別の是正ができない。そういうものがあって初めてまず不平等であるという認識が社会的にも認識され、男女差別をなくすということになるからなんですよね。 先ほど、国連A規約人権委員会で公務の長時間労働の問題のことがありましたが、ここで公務部門、行政にも男女差別のことが言われていますね。広範な女性差別及び男女の間に依然存在する事実上の不平等について懸念が表明されているわけです。 例えば、今、数字がいろいろとないということだった、給与の数字がないということだったんですが、総務省を例にとりますと、非常勤の九五・三四%、女性なんですね、これ八カ月前の委員会で大臣と議論しましたけれども。郵政職員、これで見ますと、正規、非正規合わせて三十九万九千二百七十八人中、女性は二七・四%ですね。これ、女性職員のうちの非正規は五八・八七%。半分以上、約六割ですね。ですから、現在でも民間の平均値より女性の非正規の率がこの場合、多いわけです。今後、郵政の職場というのはさらに非正規をふやす、これ男女をおっしゃっていませんけれども。非正規をふやすということになると、ますます女性の中での非正規の率も高くなるのではないかと心配されます。 こういう公務の分野でも……
○委員長(田村公平君) 八田ひろ子君、時間が来ております。前回もそうでありました。時間を守ってください。
○八田ひろ子君 はい。 そういうことですので、やはり男女の人数は無論のことですが、平均給与、賃金の男女格差の実態調査をきちんとしていただきたいと、これを大臣に最後に質問したいと思います。
○委員長(田村公平君) 片山総務大臣、答弁は手短にお願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) はい。 常勤は、これは男女で差別するようになっていないので、男女全く同じです、任用は。非常勤については、各省庁でそれぞれが採用し、それぞれが実際の運用しておりますから、これはもう各省庁任せで、それを調査するつもりはありません。
○又市征治君 社民党の又市です。 人事院勧告制度と公務員制度改革についてお伺いをしてまいりたいと思います。 初めに、労働基本権のあり方と当事者能力の問題についてでございますが、公務員制度改革で、人事や給与などの制度も改革をやるということであるならば、今ほど片山大臣からも制度疲労もあるというお話でございましたが、そういう形でやろうというのであれば、OECD二十九カ国初め世界の多くの国々で公務員労働者に労働三権が保障されておる。当然我が国においてもこの中で労働三権は回復すべきである、これが私どもの党の基本的な方針です。 そこで、人事院総裁にちょっと聞きにくいことをお聞きしますが、どうも人事院はこの考え方に反対だという仄聞をするわけですが、もし、人事院を存続するために反対だとするならばとんでもないことでありまして、総裁、真意はどこにあるのか、ひとつしっかりとお聞きをしておきたいと、こう思います。 また、行革推進本部は五十六回も組合側と協議をしたというふうにお聞きしますが、相当組合側と隔たりがあるというふうに聞くわけでありまして、この基本権問題、どこまで考えているのか、この点もお聞きをしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 労働三権を回復するかどうかという話になりますと、回復したときに国民生活にどういう影響があるだろうかということをやはり執行部の責任者としてはやっぱり考えるだろうと思うんです。 それで、執行部の責任者として、もし、回復してもいいんじゃないかと、こう言えば、仮に混乱が起こったときに責任とらされるということになりますので、なかなか執行部の責任者としては回復に賛成ということは言わないだろうと思うんです。恐らく、片山大臣もそのようには言わないだろうというふうに思います。 私は、ただ、この問題というのは公務員制度の根幹にかかわる問題でございますので、回復する回復しないという議論については、いろいろな人がいろいろな立場から御議論いただくということで結論を出していただければどうだろうというふうに思います。 ただ、そのときに、いつも申し上げていることでございますけれども、その結果、整合性のとれた制度にしておく必要がある。それでないと、公務員の勤務条件というのがきちんと適正に守られないということになりますので、いずれの結論になりましても、整合性のとれた制度にしておくということが大切じゃないかというふうに思います。
○政府参考人(西村正紀君) 労働基本権の制約のあり方でございますが、何度も申し上げておりますように、給与制度を初めとする勤務条件に関する制度が具体的になった段階でこれを検討していくという問題だと考えております。今、鋭意努力をしております。 また、職員団体とも、回数だけではなく、実質的にも十分議論をしておると思っております。できるだけ理解をいただくようにこれからも努力をしていきたいと考えております。
○又市征治君 公務員制度改革では労働基本三権は回復をする、少なくともそれに近づけるという改革でなきゃならぬ。今ほど人事院総裁からもそういう整合性という問題を出されていますが、それは労働者側も当局側も交渉当事者としての決定権を持つということが必要なんだろうと思います。 そこで、事務局長にまたお伺いしますが、さきの衆議院での我が党の質問に対して一部答えておられませんのでもう一度伺うわけですが、公務員制度改革の基本設計では、「各府省の人件費予算は、各給与項目ごとに、」云々と書かれておるんですが、したがって、もし基本設計のとおりに新制度を決めていくということになるならば、予算の範囲内で能力給だとか職務給及び業績給は各府省で独自に決めるということになる、そのとおりですね。
○政府参考人(西村正紀君) 基本設計では、基本的な考え方は、基本設計というのは各府省が自主的に組織、人事、運営制度を設計、運用するということと責任ある人事管理体制の確立ということを目指しておるわけでございますが、給与制度につきましては、基本設計では「各給与項目ごとに、明確な統一基準に基づく積算により設定」ということでございます。 こういう観点から、各府省の統一的なルールを定めるとともに、必要に応じまして政府全体としての総合調整を通じてバランスをとることが必要であると考えております。こういう考え方をベースに、今具体的な制度設計を進めているところでございます。
○又市征治君 明確な基準というお話ですが、一定の基準は必要なんでしょうけれども、各省が全く画一的では、一体、政府の言う改革というのは全く意味がなくなるんじゃないでしょうか。 私は、ここで問題にするのは、賃金の交渉権あるいは当事者能力をだれが持つのかわからないと労働者側の交渉権が事実上奪われてしまうという問題が起こるんじゃないか。今までは、労働基本権制約の代償として、先ほど来やっていますが、人事院勧告制度があって、曲がりなりにも民間準拠方式で給与が決まってきた。しかし、これからは各省で決めろというなら、各省は当事者能力、つまり自主決定権を持った上でそれぞれの労働組合と交渉するのでなければ改革の意味がないんじゃないのかと。当事者能力のない各省相手に交渉にもならない話し合いをしろということぐらいならば、労働組合の側はむしろ今の人事院制度の方がましだということになりはせぬのか、こういうことになってくると思うんです。 そこで、石原行革大臣が、六月八日の衆議院内閣委員会で、給与について労働団体と交渉するのはどこかと、こういう我が党側から質問をしたことに対して、各大臣だと答弁をされております。これは事務局長、この答弁は確認できるわけですね。
○政府参考人(西村正紀君) 交渉を具体的にどういう形でどういう事項を大臣と、あるいは、今でしたら人事院でございますが、第三者機関とやるかということはこれから、今具体的な設計をしておるところでございます。 各省が新しい制度設計でそれなりの責任を持つ部分ができますと、その範囲では各大臣の交渉、協議という余地も広がると思いますが、まだ具体的にどのような形にしていくかというのは、これから検討していくところでございます。
○又市征治君 いや、石原大臣が、さっき申し上げた給与について労働団体と交渉するのはどこかと、こういう問いに各大臣だと答弁されているんですよ。余りこれは曲げる話をされたらちょっと困るんです。 そこで、次に移りますが、実はもう形式上の当事者能力を持って使用者側が責任ある交渉をしないために労使交渉が泥沼化してきたという前例がやっぱり幾つかあると思うんです。特に、それは特殊法人の中でそういうことがあったと思います。とりわけ特殊法人幹部の無責任体制というのは天下りに大いに関連がある、こういう悪弊を政府の全府省に拡大してはならないと、こんなふうに思いますから、ぜひ労使の交渉権については改めて別の場でまた論議をさせていただきたいと思います。 そこで、話題を変えて、批判の強い天下りの問題について少しお伺いをいたしてまいりますが、今度の行革推進本部の案では、人事院による事前規制をなくして各省大臣が許可をしてよいという、私にしてみますとこれは改悪だと、これが検討されているというふうに思います。 人事院総裁として、一体全体各省の大臣に全部任せる、これは国民の批判にたえ得る改革だというふうに認識されますか。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 六月の末でしたか、基本設計が出まして、このいわゆる天下り問題については、マスコミ界あるいは言論界、いろんなところでいろんな議論がございまして、総じて申し上げますと非常に厳しい批判的な意見が多かったというふうに思います。 私たちも、新聞とかあるいはまた評論家とかあるいはまた経済界の人からいろいろ意見を聞いてまいりました。非常に丁寧に意見を聞いたわけですが、問題というのは二つあるのかなという気がします。一つは、その制度改革によって今国民が一番求めておる官民癒着というのが防止できるのかどうかという点が一つ指摘されておったと思います。もう一つは、国民から見れば、民間企業へ再就職するのも特殊法人や認可法人へ再就職するのも同じ天下りだというとらえ方をやはり国民はしておると。したがって、そういう問題が一括して解決できるのかどうかというような指摘があったというふうに思います。 そういう指摘を踏まえまして政府部内でよく議論をしていかなきゃならないと。そして、国民が、いずれにしても納得するというか、これでいいだろうというような制度にしていく議論をこれから重ねていかなきゃならないなというふうに考えております。
○又市征治君 郵政事業庁長官にお伺いしてまいりますが、天下りと似た悪弊が暴露されたのが郵政の組織挙げてのせんだっての選挙違反事件だったと思うんです。 そこで、特定郵便局長の採用についての問題ですけれども、十月三十日、衆議院総務委員会におきまして、我が党の重野議員が、これを公務員の採用原則にのっとって行うように質問をいたしました。それは当然、公務員の採用問題ですから、公開、中立、公正、成績主義、この原則で言っているわけでありますけれども、これに対して足立長官は、運用につきましては今後改善をする、こう答弁をされながら、他方で、特定郵便局長は地域の信望を担い得る人と言いつつ、どうも現在の縁故採用の正当化を示唆されているように思えてならないんですが、地元の名士という古いこういう慣行が世襲であるとか利権、そしてさっきの選挙違反などを生んでおるという、こういう悪い例になっているんだろうと思うんです。 郵政事業庁としては、競争相手である銀行や生命保険会社だってそういう点では支店長はみんな着任後に地域の信望を得るべくさまざま努力をしているわけでありまして、特定局長といえども公務員採用の原則に従って行うべきではないのか、この点、長官から改めて見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(足立盛二郎君) 国家公務員の採用につきましては、国家公務員法によりまして原則競争試験ということになっておるわけであります。ただし、一定の場合には選考による採用が認められるということで、現在、特定郵便局長につきましては地方郵政局におきまして一定の試験を行い、総合的に評価して行っておるわけであります。 これは、特定郵便局長というものの職務が、ただいま先生もお話がありましたけれども、やはりその地域の住民の信望を担う中で局内の現業事務を経営的立場から管理監督するということでございます。また、その採用につきましては、欠員が生じた都度行われるものでありますので、いわゆる国民に広く公告いたしまして競争試験を行うということは必ずしも適当ではないというふうに考えておるからでございます。 しかしながら、選考による任用とはいいましても、国家公務員の任用であります以上、選考のプロセスはやはり公正性を確保する、国民に疑念を持たれないようにするということが当然でありますので、今後、選考任用の透明性を高めるといった観点から改善方法について検討しているところでございます。 具体的な内容につきましてはまだ申し上げられる段階ではございませんが、例えば試験問題の公開等についても検討をしているところでございます。
○又市征治君 関連して人事院総裁にお伺いをしたいと思います、これは通告もしておりませんで、申しわけありませんが。 ただいまの足立長官の答弁を聞いて、いかがですか。特に、国営企業だから所管外だと言わずに、全公務員を管轄する人事院総裁としての所見をお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 郵政事業庁も、国会でいろいろ議論されましたので、真剣に私は考えておられるだろうと思います。今の採用問題につきましてもいろいろ考えておられる。したがって、私たちの方も、この採用については、その面においては所管当局でございますので、郵政事業庁に対していろいろアドバイスをし、また郵政事業庁と意見を交換しながら、できるだけ疑念のないような制度にしていただくようにやっぱり努力していかなきゃならないだろうというふうに思います。 なお、この間から郵政事業庁と少し話しておりますのは、ああいうふうに選挙違反が出てくるというのは、全体の奉仕者といいますか、公僕であるとかあるいは政治的中立性というものについての認識もしっかり持っていただく必要があるから、ともに研修のあり方についても相談しようじゃないかという話をしておりますので、郵政事業庁も前向きに受けとめていただけるだろうというふうに思います。
○又市征治君 最後になりますが、強く要請しておきたいことが幾つかございます。 我が党としては、通常国会以来、行革推進本部の案の中で、何が勤務条件なのか、したがって交渉事項は何かについて関心を持って質問を続けさせていただいてきました。 給与総額は交渉事項だという石原大臣の答弁は当然の原則だろうと思います。また、去る八日、人事院総裁からは、個々の職員の職責給の算定基準はだれに聞いても勤務条件だと、こういうお答えもありました。この二つははっきりしているわけでありますけれども、どうも行革事務局の話は、万事が大綱を待ってくれ大綱を待ってくれと、こういう格好で全く明らかになってこない。これは、先ほど来も同僚の議員の皆さんから幾つも出されておりますが、どうも全くはっきりしない。 そこで、年末に法案のもとになる大綱が決定、発表されるわけでしょうけれども、その際にぜひきちっと勤務条件の一覧表、先ほど来からも出されておるわけですが、つまり交渉事項は一体何なのか、この点は必ず提出をしてもらいたいと思います。 あわせて、また、さきのILO総会で政府は関係職員団体との誠実な交渉、協議に基づく検討というものを約束した。つまり、これはILOに約束しているわけですから国際公約と言って過言でないんだろうと思います。したがって、これはやはりちゃんと労働側とも合意を得られるように忠実に実行すべきなんだろうと思います。 これは委員長にもお願いをいたしますけれども、極めてこの問題は重要な問題でございますから、ぜひとも理事会で善処いただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。 行革事務局、この点はよろしゅうございますね。
○政府参考人(西村正紀君) 十二月の大綱は、できるだけ各方面の意見を聞いてわかりやすい実効性のあるものにしていきたいと思っておりますし、これからも職員団体等とよく交渉、協議をしてまいりたいと考えております。
○又市征治君 終わります。
○松岡滿壽男君 人事院の問題に入る前に、二点ほど総務大臣の方に伺いたいと思うんです。 昨日ですか、第二十七次地方制度調査会が発足ということになったようですけれども、地方行財政の構造改革を諮問するということのようですが、中身は、地方分権や市町村合併の進展を受けて自治体の役割の見直しなどを審議する、さらに道州制導入や県の合併など都道府県制度のあり方についても討議する、そして、せんだっても議論いたしました地方への税源移譲、住民投票制度の拡充などもテーマとなるというようなことであるわけですけれども、この調査会に対する総務省の今後のかかわり方と大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しの第二十七次地方制度調査会は、昨日の二時、首相官邸で第一回の会合を開いたわけでありますが、その際、総理から、社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革についてと、こういう諮問をいたしました。 それについてこれから審議を始めていただくわけでありますが、私はあいさつの中で、地方のことはできるだけ地方にやってもらうというのが総理の方針ですから、地方分権の推進をさらに徹底していただくということが一つ。 それから、今、市町村合併について主にその促進方を図っておりますけれども、そういうことを前提に今後の地方行政体制の整備、その中に市町村が合併で一応合併の見通しが立つということになりますとやっぱり府県制度というのが視野に入る、こういうことでございますし、また市町村も、今のような制度がいいのか、何といいますか、政令市というのがありますけれども、また事実上、中核市や特例市もありますけれども、そういうものの、市町村を一つの制度じゃなくてもっと区別したそういう制度というものを考える必要があるのかどうかという点。 それから、三つ目は地方税財政のあり方、これについての御審議をお願いできればと、こういうことを申し上げたわけであります。
○松岡滿壽男君 当面する国、地方が抱えている問題についての議論にこれから本格的に取り組まれるということで、非常にそれはそれで大切なことだと思いますし、結構な方向だというふうに思うんですが、結局、バブル以降、百三十兆円以上の景気対策を打ってきて、結果的には、巨大な税金を投入したけれども日本の景気は回復しなかったという実験をやってしまったようなことになっておるわけですね。それに地方が全部つき合わされてきているわけですよ。 御存じのように、四十二兆という地方債残高。十八日の朝日を見ますると、公共事業はピークの七割だと、全六百九十三市区で。結局、公共事業で国の景気対策につき合わされた地方が大変な状況に実はなっているということなんですね。経常収支比率も八〇%を超えると大体財政硬直化が進んでいるということですが、十年前に比べて、もう既に十年前は八十二市ですか、八〇%以上が、それで去年はとにかく五百二十四市区でしょう。市の四分の三がもうどうにもならぬ、一〇〇%を超えているのが十六市あるという状況なんですね。だから、これ以上どうにもならぬところに地方が追い詰められている。そこにもってきて、ここでも議論しましたが、堺屋さんが東京、大阪だけでも頑張ろうかというような議論をされると、非常に地方としては、一体これからどうやって生き残ったらいいんだという状況になっていると思うんですね。 それで、経済と政治というのは物すごく関連性がありますから、経済が非常に弱っているということはやっぱり政治が弱っている。だから、国の政治だけではなくて、地域の政治も非常にリーダーシップがとりにくい状況になってきている。そうなると、大臣がいつも言っておられる、総理もこの前そういうお答えでしたけれども、道州制の導入というよりはとにかく地方の合併が先やと言われますけれども、今の状況で地方の合併というのは非常に難しいところに来ていると思うんですね、民意を問うという形だけでは。 かつての明治、ここでも大臣とも議論しましたが、昭和の大合併にはそれぞれ一つの推進力があった。今回の推進力は何かと思ったら、やっぱり財政破綻ですよね、これをどう救うかと。合併問題についてもう少し積極的な対応をしないと、もう時間が間に合わないんじゃないでしょうかね、地方の破産の。そういう点について、まず大臣のお考えを伺っておきたいと思いますが。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、明治の大合併はそれなりの一つのテーマがあったわけですね。昭和の大合併もありました。平成の大合併というのは、なるほどこれは自主的な合併ということもありますし、特定のこういうことのためにというあれありませんから、強いていえば地方分権の受け皿としての強化であり、地方行財政の仕組みの効率化ということにあるいはなるんでしょうか。 そこで、今一生懸命合併特例法をつくりまして旗を振っておりますけれども、それじゃ大変地域によって温度差がありまして、相当進んだところもありますし、そうでないところもありまして、今一生懸命そういう雰囲気づくりをやっておりますが、既に答弁したような気もいたしますけれども、全国で半分以上の市町村が合併のための協議会や研究会をつくっていただいておりまして、そういう意味では前よりは大分進んできたなと、こう思っておりますので、今後とも、市町村合併支援本部というのが内閣にありますので、そこを中心に、そこでつくりました支援プランをよく説明して啓蒙させていただいて、ムードをつくってまいりたいと、こういうふうに思っております。 動き出せば私はかなりいけるのかなと、こう思っておりますが、どういう契機で大きな流れになるかと、そこが一つのポイントではなかろうかと。相当胎動はあるんですね。それが大きな動きになるかどうか、そこが勝負ではなかろうかと、こう思っておりまして、現在、そういう意味での努力を重ねているところでございます。
○松岡滿壽男君 人事院勧告については質問通告もいたしておったんですけれども、木庭健太郎さんとほとんど同じような角度であれしておったものですから重複してしまうんですが、一つは、やはりさっきのお話のように、企業規模百人以上ということになると、例えば雇用労働者がたしか六千五百万人ぐらいですか、そのうちやっぱり百人以上というのは恐らく一千万ちょっとぐらいの数字じゃないでしょうか。あとは公務員。それで四千万人ぐらいがやっぱり中小零細なんです、実際。かつての日本の経済を支えてきたのはこの二重構造で、好不況がいろいろありましたけれども、結果的には右肩上がりだから、しばらくの間は下請に我慢してもらって、そのうち回復するということを繰り返してきたんですが、これはもちろん賃金格差の非常に歴然たるものがあるわけですよ。 それで、そういう人たちが今や中国との二十分の一、三十分の一という賃金格差の中でもうどうにもならなくなってきている。だから、私は予算委員会でも、国家戦略として日本の生き残りをかけにゃいかぬところに来ているんじゃないですかということを申し上げたんですけれども、ベースとして結局人勧、確かに私も三十何年前ですか、民間企業から田舎の市長になりましたら、えらい報酬が低いので、民間企業の管理職より低いという時代があったんですよ、実際に。これは公務員というのは大変だなと私は思いましたよ。 しかし、四十八年に民間も二回ぐらいベースアップしたりして、ずっと人勧の努力によってここまで来たんですが、これから先、中国の賃金なんというのは上がっていく可能性なんというのはまずない。そうすると、こちらがベースダウンしていくと。それから、物価も下がるというメリットもそれはあるんでしょうけれども、そういう中で、結局、対象にしておられる人勧の民間給与というのがかなりエリートの部分だけを一つの目印にしてやってきている。四千万の本当に苦しんでいる一般の人たちはもっと低い水準にいるわけですよ。だから、その辺が国民の方から見て一体どういうことなんだろうかなと。 例えば、ゴーン改革なんかやると、それは確かに日産で生き残りというすばらしいことをやっておられますよ。しかし、それはコストダウンという形で、別の鉄鋼とか電機とか、いろんなところにしわが寄ってきて、それでそれが残ってくると。そのしわというのは末端にまで行くわけですよ、中小零細の方に。 そういう中で、どうもこの人勧の依拠している民間基準というものが一般よりかなり高いところにあるという感じが私どもはする。それに対して、いや、そうじゃない、こうですよという説明が、先ほど総裁もいろいろ木庭さんに対して質問に答えておられましたけれども、いや、そういうところはいろいろ移転するし、途中入社になるから低いんだということを言われますが、ずっと働いている人たちもいるわけですよ、最初から中小企業で。それじゃ私はやっぱり国民から見て、ああそうか、さすがきちっとしたあれをしておられるんだなと、調査を。確かに皆さん方から聞きますと大変な調査をしておられますよ、それは認めますけれども、今の私の質問に対してひとつ納得ができるような、難しいとは思いますけれども、お答えをいただきたいと思います。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 公務員給与のあり方について、松岡先生が今いろいろお話しになりました。松岡先生も苦しんでおられるといいますか、悩んでおられるという姿がよくわかります。私も同様、もう質問されるたびに非常に答えにくい問題でございまして、私自身も悩まざるを得ないわけでございますけれども、今、先生がおっしゃいました六千万人と、こういうふうにおっしゃいますが、その六千万人の中には個人事業主の方もいらっしゃいますし、その中で家族労働者の方もおりますし、また臨時的な人も含まれておるというようなことでございますので、この六千万人を基準にしてお話をされると、我々の方ももう少し御説明しなきゃならないかなというふうに思います。 ただ、公務員の給与というのがどういうようにすれば納税者である国民の納得を得られるかというのは、我々自身のこれから追求していかなきゃならない大きな課題だというふうに思いますので、こういう場でいろいろ御議論いただきまして私たちに聞かせていただくと、それで、聞かせていただいたものをもとに、また各省の人事責任者とかあるいは労働団体の意見も聞きながら、いい、とにかく比較ができますように考えていかなきゃならないなというふうに考えています。
○松岡滿壽男君 中国に製造業の三割ぐらいが出ていってかなり産業の空洞化が進んでいるわけですけれども、そういう人たちの話を聞いてみると、結局賃金が安いというだけじゃなくて、労働意欲といいましょうか、日本の若い人たちの、それと競争心のなさというものが、これはもう対照的ですから、向こうの人たちは。そういうことをやっぱり評価している部分があるんですね。民間でもそういう感じがしてきているところにもってきて、公務員の場合はやはり地域の中でそういう競争はないという部分が非常にあるわけですよ。 だから、今度いろいろ新しい公務員の人事管理のあり方とかそういうものについて、国民の奉仕者としての意識をきちっと持たせるとか、競争心を導入するとか、いろいろと取り組んでおられるわけですけれども、こういうグローバリゼーションの中で、民間は民間でやはり確かに戦後五十何年一生懸命やってきたんだけれども、何らかのほころびが出てきていると。その中で、公務員は特別待遇の中でずっと来ている。そこにどういう形で本当に人事管理面で風穴をあけて競争心を呼び起こすようなシステムというのができるのかなというのが非常に我々は懸念をいたしております。その問題についてのお考えを伺いたいというふうに思うんですが。
○政府特別補佐人(中島忠能君) 松岡先生は、実は市長をしておられるときに、私は水道事業に従事する職員の給与水準について激しく議論したことが実はございます。もう先生は忘れておられるかと思いますけれども、私自身ははっきり覚えていますので、先生と話しするといつも公務員給与とかそういうものの引き下げの話ばかりされるので非常に私もつらいんですけれども。ただ、今おっしゃいますように、公務組織の中で働く労働者というのが、いかにとにかく活性化して行政サービスの提供に努めていくかというのは非常に重要なことでございますので、私たちもかねがねそういう意識を持って、例えて言いますと、ボーナスの中の勤勉手当につきましては標準者の倍の勤勉手当を出せる、成績の悪い人はもうゼロにできるという制度を実はつくっております。 けれども、それがそのまま運用されてない、効果的に運用されてない。あるいはまた特別昇給につきましても、かつては一号昇給しかできませんでしたけれども、それが二号昇給、特別昇給できるという制度をつくっておりますけれども、それもほとんど活用されてないと。なぜ活用されてないんかということをやっぱりしっかり反省しなきゃならないなというふうに思います。 今、行革推進事務局の方で公務員制度改革の議論をしておられます。そしてまた、いい制度をつくっていただけると思いますけれども、そのいい制度を本当の制度のねらいのとおりに効果を発揮していくためには、現在の制度がなぜとにかく制度のねらいどおりの効果が発揮できないんかということも勉強していかなければ前向きな効果が上げられないんじゃないかというふうに思いますので、私たちは、今、先生がおっしゃいましたことをよく念頭に置きながら努めてまいりたいというふうに思います。
○松岡滿壽男君 古い友人であるということですからもうこれ以上は質問はいたしませんが、やっぱり意識改革のときに来ていると思いますね。その意識改革をするためには、やはりシステムといいましょうか、制度をいじるということしかないんですよね。やっぱりぬるま湯に入っている人に、ぬるま湯から出なさい、言い方は悪いかもわからない、ある面では。それはみんな、ある面では我々も一緒にぬるま湯に入っておったんですよ。だけど、もうそういう時代じゃない。しかし、なかなか飛び出せをして飛び出せない。だから、そういうときにはやはりきちっと仕組みを変える。私はこの前も大臣と、いわゆる道州制の導入を申し上げたんですが、そういうショック的な対応ですね、これしかないんかなというふうに思いますが、時間も参りましたので、これで終わります。 ありがとうございました。
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○宮本岳志君 私は、日本共産党を代表して、議題となっている二法案について、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案には反対、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案には賛成の立場で討論を行うものです。 一般職の職員の給与に関する法律案に反対する理由の第一は、暮らしの改善を求める公務員労働者の願いに逆行するものだからであります。本法律案によって、一般職の、例えば二十五歳独身の係員では年間の給与が六千円の減少、四十歳有配偶で子二人の係長では一万六千円の年収減をもたらすものであり、認めるわけにはいきません。 反対理由の第二は、今日の深刻な不況に一層の悪影響を及ぼすものだからであります。国家公務員の賃金水準の引き下げは、本日の審議でも人事院自身が直接影響を受けると認めた七百五十万人ばかりか、間接に影響を受ける年金や恩給の受給者等も含めて所得を抑えることにつながるものです。これは、多くの国民の暮らしにマイナスの影響を及ぼすばかりでなく、これらの人々の消費を抑制することで個人消費の低迷を長引かせ、不況を悪化させるものであります。 第三には、人事院の本来の役割から見て、賃金引き下げの給与勧告には問題があるからです。憲法には労働基本権の明文の規定があるにもかかわらず、現在、国家公務員法第九十八条により公務員の争議行為等は禁止されています。人事院による勧告制度は、そのことの代償として位置づけられているものであり、待遇の改善ではなく引き下げが勧告されるならば、国家公務員法第九十八条の合憲性の根拠が失われることにもなります。このような問題を含んだ勧告を機械的に実施する法的措置には賛成できません。 なお、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、この一般職職員への措置と横並びになるものではありますが、賃金引き下げの部分はこの法案自体には含まれておりません。法案の内容は、秘書官に対して一般職職員と同様の特例一時金を支給するものです。秘書官は、給与水準等も一般職職員の水準であり、特例一時金を支給することに反対はいたしません。 以上、二法案への反対及び賛成の理由を申し上げました。 人勧制度の存在意義を問われる給与引き下げ勧告が三年続いているまさにこの時期に、公務員制度改革の名のもとに、人事院が担ってきた機能を否定するような内容での議論が進められようとしています。公務員制度の改革というのならば、時の政権に都合のいい公務員制度づくりでなく、真に全体の奉仕者と言える公務員制度こそ求められています。また、憲法に規定された労働基本権を無視することは許されないということを指摘して討論といたします。
○委員長(田村公平君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、自由党及び無所属の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び人事院は、本法施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、人事院勧告制度が労働基本権制約の代償措置であることを踏まえ、政府は人事院勧告制度を引き続き尊重するとともに、人事院は官民給与の精確な比較等により公務員給与の適正な水準の維持・確保に努めること。 二、現下の厳しい社会経済事情にかんがみ、国民の公務に寄せる期待と要請にこたえるよう、公務能率及び行政サービスの一層の向上を図るとともに、行政経費の節減に努めること。 三、昨今の不祥事にかんがみ、公務に対する国民の疑惑を招くことのないよう、綱紀の厳正な保持に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(田村公平君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 多数と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨に沿い努力してまいりたいと存じます。
○委員長(田村公平君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、地方税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 証券市場の構造改革に資する観点から、個人住民税について、所得税において源泉分離課税を選択した株式等に係る譲渡所得等を課税の対象としない措置の期限を平成十四年十二月三十一日までとするとともに、平成十五年一月一日以後に譲渡をする上場株式等について上場株式等の譲渡に係る軽減税率の特例及び上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除制度を創設するほか、所要の規定の整備を行う必要があります。 以上がこの法律案を提案いたします理由であります。 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。 個人住民税につきまして、所得税において源泉分離課税を選択した株式等に係る譲渡所得等を課税の対象としない措置の期限を平成十四年十二月三十一日までとするとともに、上場株式等の譲渡に係る譲渡所得等について適用される税率を五%に引き下げるほか、上場株式等の譲渡により前年前三年内に生じた譲渡損失の繰越控除制度を創設することとしております。 また、平成十五年から平成十七年までに所有期間が一年を超える上場株式等を譲渡した場合には、当該譲渡に係る譲渡所得等について適用される税率を三%に引き下げることとするほか、所有期間が一年を超える上場株式等の譲渡に係る譲渡所得の金額から百万円を控除する特例の適用期限を平成十七年十二月三十一日まで延長することとしております。 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(田村公平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十分散会