総務委員会 第4号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/11/06
会議録
○委員長(田村公平君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官村田保史君及び総務省総合通信基盤局長鍋倉真一君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は去る一日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森元恒雄君 初めて質問させていただきます。よろしくお願いをしたいと思います。 近年、情報通信技術が目覚ましく進展しておりますが、その中でも特にインターネットあるいはモバイル、そういう普及が世界的規模で進んでおります。特にインターネットは、電子商取引あるいはネットバンキング、あるいはホームページ、さまざまな方法を通じまして私たちの経済、社会あるいは生活のあり方を大きく変えつつございます。日本でも既に四千七百万人を超える人がインターネットを利用しているというふうに言われておりますし、政府もITを我が国の再生の中核的な手段の一つとして位置づけ、e—Japan戦略を推進していることは御承知のとおりでございます。 ただ、このインターネットにつきましては、そういう世の中を大きくいい意味で変えていく点がもちろん大きいわけでございますが、それと同時に、一方、不正アクセスの問題でありますとかコンピューターウイルスの問題でありますとか、あるいは今回の法律で問題になっております違法有害情報の流通というような今まで考えられなかったような面での問題もさまざま出てきております。これらの問題に的確、適切に対応していくということがこれからのIT戦略あるいはe—Japan戦略を進める上でも必要不可欠ではないかというふうに考えます。 そこで、まず大臣に、近年における急速なインターネット普及の要因はどこにあるとお考えか、そしてまたインターネットの普及によって社会は今後どう変化していくと考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 何でこれだけインターネットが急速に普及したかというお話でありますが、便利ですよね。これだけ便利なものはないので、世界じゅうの情報がたちどころに時間や距離をなくしちゃうわけですから、今までのテレビや電話とは全く違うわけでございまして、そういう意味での大変な有用性にすべての人が認識したということがあると思いますし、我が国ではやっぱりモバイルの携帯電話、iモードを中心にした、直接携帯からインターネットに接続できる、これが大きいですね。これが大変大きいと思います。 それから、今料金がどんどん安くなっているんですよ。ADSLというのが普及しておりまして、メタルを加工して流すというやつが。だから、そういう意味で、アメリカより場合によっては料金が安くなっておりますから、そういうこともあるし、これからブロードバンド時代になりまして多様なサービスが受けられるということの期待もあると思います。 私はそういうことがこれだけ普及した原因でないかと考えておりますが、それじゃどう変わるんだと。 私は、社会の仕組み、システムが大きく変わってくると思いますよ。とにかく、規模の大小にかかわらず新しいベンチャービジネスなんというのが生まれてくるし、それからだんだん中抜きになってくるんですね、中抜きに。例えば在庫管理なんというのはだんだんなくなってきている。そういうことで、産業構造も変わるし、それから、今私どもの方で力が入っておりますのは、電子政府や電子自治体になると届け出や申請がオンラインになるわけでしょう、インターネットで。それから、電子調達、電子入札、電子納税。さらには、ずっと先になるかもしれませんが、電子投票。こういうことになると相当変わってきますし、また遠隔医療なんというのが世界のあちこちでやられておりますし、遠隔医療、遠隔教育、バーチャル美術館、博物館、バラ色みたいなことを言っていますけれども、そう簡単にいかないところもありますけれども、そういう意味で相当私は国民生活も変わってくる、こういうふうに思っておりまして、それをいいように変えていくということが我々の務めではなかろうかと思っております。
○森元恒雄君 今、大臣の方からもお話がありましたように、インターネットに応じましていろいろ世の中は大きく変わってくるわけです、それをいいように変えていこうと。御趣旨はそのとおりですし、ぜひ推進をしていただきたいと思いますが、特にe—Japan構想を政府が進めている中で、総務省としては国あるいは地方団体あるいは情報通信というものを所轄しておる役所として非常にその役割は大きいんじゃないかなというふうに思っておりまして、大臣としてどういうふうに取り組まれるのか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、森元委員御指摘のように、総務省は、情報通信、放送の所管省でございますから、しかも国のいろんな行政組織管理、地方の行政組織管理等を所管しておりますから、そういう意味で私は、国、地方を通じる情報化、IT化、民間と行政、官と民を通じる情報化が最もできやすい役所ではなかろうかと。 こういうことでございまして、例のIT基本法に基づくIT戦略本部というのが内閣にありますけれども、総理が本部長で、私も副本部長の一人で、e—Japan戦略をまとめ、アクションプランをまとめ、二〇〇二プログラムをまとめ、それを現在、今一生懸命やっているところでございます。 特に私どもの方でこれからやらなければならないのは、高速や超高速のネットワークのインフラをもう隅々まで整備していく、それから競争政策を適正に促進して、今の料金が安くなる、サービスが多様になる、高度化する、そういうことも進めていかなきゃいけませんし、それから委員も言われました電子商取引、Eコマース、これも相当今伸びてきておりますから、これをもっともっと環境をつくっていく、あるいは人材の育成、電子政府、行政の情報化、そういうことを重点的にやろうと思っております。 特にその中で、全国ブロードバンド構想というのを発表いたしまして、民間に中心にやっていただくんですが、どうしても民間に及ばないところは公も出ていって支援して、全国くまなくインフラの整備をやろうということが一つ。これは、できれば我々はイントラネットを全市町村にやることによって整備していきたい。地域ごとのLANですね、学校をもちろん全部入れまして、それをこの補正予算から少し大々的にやろう、こう考えておりまして、ブロードバンド構想、それが一つ。 もう一つは、先ほども言いましたが、電子政府・電子自治体推進プログラムということで、少なくとも二年後までに国と地方の届け出申請は全部オンライン化しようと。できればワンストップサービスもやろうと。 こういうことで今進めておりまして、この二つをそういう計画をつくりまして重点的に取り組んでまいりたい、こういうふうに思っております。
○森元恒雄君 IT全体のことはまたいずれお聞きする機会もあろうかと思いますので、次に今回の法律の内容について入りたいと思います。 違法有害な情報の流通にどういうふうに対応するかということにつきましては、現在既にインターネット接続サービスを提供している事業者サイドで自主的な対応が講じられているというふうに聞いております。このように既にそういう手当てといいますか、措置がなされている中で、あえてといいますか、この法律を制定して規律を加えていこうと、こういうふうに判断された理由、ねらいはどこにあるのかというようなことについてお聞かせをまずいただきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 御指摘のとおり、これまでもプロバイダー等の団体ではガイドラインや契約約款モデル条項を作成をすることによりまして違法情報に対して自主的な対応を行ってきております。それもまた一定程度の効果を上げていることも事実でございます。 しかしながら、プロバイダー等は権利を侵害された者との間では契約関係がない場合が多うございますし、これらの者との契約関係を約款で規律することはできません。それからまた、約款に基づく自主的な措置であるということで、すべてのプロバイダーがモデル約款等に則した措置をとっているものでもないわけでございます。そういういろんな限界があるわけでございまして、この法案を整備することによりまして、特定電気通信役務提供者の責任が明確化される、そして他人の権利を侵害する情報の流通に対して迅速かつ適切な対応が期待できるものというふうに思っております。
○森元恒雄君 インターネットを通じていろんな違法な情報が流される場合に、その直接責任を負うのはだれかと考えましたら、それはプロバイダーではなくその情報の発信者、その人であるというふうに思います。 今、現行の放送法の分野では発信者である放送局に対して直接規制をするというような法制が行われておるわけですけれども、今回の法律が情報発信者を対象としないでその仲介をしているプロバイダーを対象としている、そういう規制の対応になっているのはどうしてか、なぜ情報発信者を直接規律しないのかという点についてお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 御質問の点でございますけれども、まず、情報発信者について規制を行うということになりますと、インターネット上での情報発信内容について、表現行為に対する直接の規制をとるというようなことにもなり得るということでございます。そんな意味から、より慎重な対応が求められるものと考えておりまして、この法律は、インターネット等において情報の仲介を行っている特定電気通信役務提供者が他人の権利を侵害する情報の流通について担うべき責任が不明確である、こういうことから、その責任を明確化することによりまして、違法な情報の削除等の措置を迅速かつ適切に行いやすくするということによりまして特定電気通信による情報の流通の適正化を図ろうと、こういうふうに考えたわけでございます。 なお、他のメディアを通じた発信行為と同様に、インターネットによりましても情報発信について民事法あるいは刑事法の一般的なルールは適用するものでございまして、少なくとも現段階ではそれを超えて、インターネットでの情報発信に限って特別の規制を設ける必要があるとは考えていないところでございます。 ちなみに、欧米各国におきましても、インターネットでの情報の流通に関しては、著作権等の保護にかかわる特別な規定は別といたしまして、その発信についての特別の規制を設けている国はないものと承知いたしております。
○森元恒雄君 今回の法律は、放送事業を対象から除いているわけですね。しかし、インターネットを利用して行われるサービスの中にはいわゆるインターネット放送局というようなものがあって、形は若干いわゆる一般の放送局とは違うにしても、ほとんど見ている人からすれば、テレビで見るのかパソコンで見るのかという違いだけで、形態が変わらないというようなものもあるわけですけれども、これについても、放送事業は除くということになれば、この規制が加わらなくなってしまうんじゃないかなと、こういうふうに思うんですけれども、この点についての扱いは本法ではどうなっておるんでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のとおりに、当初、技術的にも小さな画面でありまして、若干放送とは違うかなというイメージでございましたが、だんだん技術も進んでまいりまして、画面上はテレビなのかパソコンの画面なのかというほどにもよくなってまいりました。そんな意味で、これも放送と同じようなものではないかと、こう考えられる、御指摘はよくわかるわけであります。 しかし、この法律では、公衆により直接受信されることを目的とする電気通信の送信、すなわち広義の放送を特定電気通信から除外しているわけでございます。これは、放送については放送法による規律がなされていることによるものでございまして、インターネット上での情報発信についても他の場合と同様に民事法、刑事法の先ほど申し上げたような一般的なルールは事後的に適用されるものでありまして、現段階では、インターネットでの情報の流通に関して、一般法に加えて放送法のような一定の準則を定めるということは妥当ではないんではないかと考えておるわけでございます。 なお、欧米各国におきましても、インターネットでの情報発信については、現状においては放送と同様の規律がなされている国はないものと承知をいたしております。
○森元恒雄君 今の現時点ではそういう扱いが世界的にも一般的かとは思いますが、これからまだまだ技術が進むわけでございますし、それからいわゆるインターネット放送局と呼ばれるようなものがどこまで広がっていくのかというふうなことも考えられるんじゃないかなと。そういう状況に応じて、これは将来の課題として少し頭に置いておいていただくべきテーマじゃないかなと私は思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、この法律の中では相手が不特定な人に情報が発信される場合に限定しておるわけですけれども、相手が特定されている場合、いわゆるEメールと呼ばれているような形態での情報発信については規律の対象、規制の対象からは除いております。しかし、被害者という立場で物を考えた場合に、不特定であろうが特定であろうが同じ被害を受けるという形では同じではないかというふうに思います。それを除いている理由につきまして、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) Eメールは先生御指摘のとおり受信先を特定して行われるというものでございますので、本法案では不特定の者によって受信されることを目的とする通信を対象としておりますので、Eメールを対象としておりません。 これは一般的に不特定の者によって受信される、そういうものにつきましては、他人の権利を侵害する情報が流通した場合には被害が無制限に拡大して非常に大きな被害を生ずるということでありますので、本法に基づきまして特別の措置をとることにしたものでございます。 一方、一対一のいわゆる通信の場合には特定の者によって受信されるということでございますので、被害の拡大性の特色を持っておりませんし、また通信内容が通信の秘密によって保護されるものでございます。ということで、電気通信事業者等に送信防止の措置をとることを期待したり、あるいは通信内容が他人の権利を侵害するものであるか否かを確認させたりすることはできないものでございますので、本法の対象としなかったものでございます。
○森元恒雄君 今のような説明はそれで一応了解しますが、Eメールの中にも、形としては一斉に同時に二十万人とか三十万人の人に配信されるというふうな形もあるわけで、これが手紙、はがきでやろうとしますと手間暇、お金がかかるのが、パソコン上で自動的にそういうことが簡単にできてしまうというところがインターネットのいろいろ問題を内包している点の一つかなというふうに思いますが、そういうことであればホームページ上に掲載されるのと実質的には何も変わらないんじゃないかと。むしろホームページはのぞきに行かないと、見に行かないと見えないわけですけれども、Eメールは一方的に送られてきてしまうという点を考えますと、むしろホームページによるそういう情報発信よりもケースによっては悪質な場合もあるんじゃないかなというふうに思います。 迷惑メールに対する規制についてもやっぱり何らかの規制が必要ではないかなというふうにも思うわけですけれども、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 先生御指摘のとおり、Eメールの中には同時に多数のメールを発信する迷惑メールがあるわけでございまして、こういう迷惑メールの中には権利侵害に結びつくようなものもあるわけで、そういったことで今、社会事象として問題になっているということだろうと思います。 このようないわゆる迷惑メール対策につきまして、総務省は本年四月に各事業者に対して対策の検討を要請したところでございます。これを受けまして、各事業者はこれまでに、先生御承知だろうと思いますが、電話番号によるアドレスから数英字の組み合わせによる任意のアドレスへの変更を呼びかけたり、あるいは特定のアドレスからの指定受信あるいは指定拒否の件数の上限を拡大する等、対応策を実施してきたところでございます。 また、迷惑メールを送信していた者に対して、最近でございますが、NTTドコモが申し立てていた送信禁止の仮処分が認められました。総務省としましても、このような望まない受信者に対して大量に送信される迷惑メールによって利用者への迷惑やあるいは電気通信事業者の設備の機能低下がもたらされる事態は望ましくないというふうに考えておりまして、裁判所において適切に判断がされたものというふうに考えております。 今後の対策でございますが、例えば一回の送信によって多数の受信者にあてられて、しかもなおかつ架空のアドレスを大量に含むようないわゆるそういう迷惑メールにつきましては、電気通信事業者の適切な措置が可能になるように今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○森元恒雄君 確認ですけれども、検討するということは法制的に規制を加えるということも含めて、そういう方向で検討を進められるということでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) その辺は、まず実際には、アドレスを架空なものをコンピューターで順次、アルファベットからとか一から順繰りにとか、そして検索して、そして何通かに一通は当たるわけでございますが、そういう送信の仕方をするわけですね。そういう送信の仕方をするものについて、機械的な作業によってサーバーの部分でインターネットプロバイダー等がそれを防止するような、実際に行われているのは、携帯電話に対して、携帯電話で受信されるメールをインターネットのメールの機能を使って大量にコンピューターを使って発送信しているというのが多いものですから、そういうものについてプロバイダー等が機械的な方法等でこれを防止するとか、あるいは約款の中にそういうものを禁止して、そういうものについては差しとめることがありますというようなことを記述するとか、そういう方向で、民間の中でそういうことをやれるように、私どもとしてそういうことを業界と話し合いながら進めていきたい、こういう趣旨でございます。
○森元恒雄君 それでは、ぜひ実効が上がるような適切な措置が講じられるようにお願いをしておきたいと思います。 次に、この法律では、被害者から見て特定電気通信役務提供者、いわゆるプロバイダーがわかっているということが前提になっておるかと思うんですけれども、現実のインターネット上のいろんなサービスの場合に、受信者がだれがプロバイダーかわからない、あるいはプロバイダー相当の役割を果たしているのがだれかがわからない、そういうような場合がないのか。もしあるとすれば、そういう場合には受信者の権利救済というのがこの法律で考えているようなスキームでは難しくなるような気もいたしますけれども、その点について、これは技術的ですから、局長さんからお答えいただければと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 一般的には、特定電気通信役務提供者、プロバイダーは、みずからの氏名、住所等の連絡先をホームページとかあるいは電子掲示板上に明示している場合が非常に多いと思われますので、こうした場合には、そのプロバイダー等と連絡をとることは可能であるというふうに考えられます。また、ホームページあるいは電子掲示板上に連絡先が明示されていない場合でありましても、インターネットにおける各サーバーごとに割り当てられたアドレスがありまして、サーバーの管理者を割り出すことは可能であるというふうに考えております。 ただ、電子掲示板の設置者については、画面上に連絡先等が表示がない場合、この場合には把握が難しいという場合がございます。これに対しますには、電子掲示板等の設置者に連絡先を明示するよう義務づけることが必要になるわけでございますが、このような明示義務づけというのは表現の自由との関連で困難ではないかというふうに思っておりまして、先生御指摘の点、ここのこういった点についてはこの対象から外れちゃうということになると考えられます。
○森元恒雄君 それでは、確認ですけれども、外れてしまうということは、その場合に被害救済が十分行われないこともあり得る、やむを得ないというお考えではないですか。
○政府参考人(鍋倉真一君) そういうことでございます。
○森元恒雄君 それが実際上どのぐらいのケースがあるのか、私も十分承知しておりませんので、また先ほどのインターネット放送局と同じように、将来そういうことが頻繁に行われて問題が出てくれば御検討いただければというふうに思います。 次に、今回の法律が対象としています権利を侵害する情報、これが具体的にどんなものか、お聞きしたいと思いますが、お聞きしますと、権利を侵害する情報というのは民事上の違法情報と言われているものでありますけれども、このほかに、例えばわいせつな情報とか、あるいは出会い系サイトで、過日も新聞で報道されていますように、青少年、特に少女が被害に遭っているというようなケースが出ておりますように、刑事上の違法情報等あるいは青少年の健全育成上の有害情報、そういうようなものもインターネットを通じていろいろ流れております。そういうものについての対策も必要ではないかなというふうに考えますけれども、この点について、副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 今回、この法律が対象としております権利を侵害する情報というものは、今御指摘もありましたが、当該情報が流通することによりまして民事上の不法行為に該当する可能性がある情報でありまして、具体的には名誉毀損、プライバシーの侵害、著作権侵害などを内容とする情報でございます。 わいせつな情報は、刑事上違法となり得る情報でありますが、たとえ刑事上違法であっても、一般的には特定個人の権利を侵害する情報ではないことから本法案の対象とはなっておりません。 また、出会い系サイトの情報は、男女の出会いを仲介する情報でありまして、通常はその流通自体によって他人の権利が侵害されるものではないと考えられることから対象とはならないものでございます。ですので、特定の個人あるいはそういった特定者の権利を侵害する情報という形になった場合にこの法案の対象となる、このように考えております。
○森元恒雄君 この法律が対象としている情報は、そういう今副大臣のおっしゃられた情報だということはわかりますが、それでは、ここの法律から除かれている部分については、他法も含めてですね、どういうふうに対応できるというふうになっておるのか。あるいはまた、出会い系サイトなんかはそれが即違法だと、有害だとか決めつけられないということでありますけれども、そうしますと、特に出会い系なんかの場合には規制のやはり手の加えようが現実には難しい、あり得ないと、こういうことと理解してよろしいでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 残念ながら、確かにそういう側面がございます。これらの情報は本法案の対象外でありますけれども、御指摘のように、利用者が安心して電気通信サービスを利用できるようにするためには、そういった今御指摘のような情報への対策については別途検討が必要であるというふうに認識をいたしております。 そのために、現在までの対策としては、総務省としては、これまでにもプロバイダーによる違法有害情報に関する自主規制ガイドラインの策定、それをまた周知することの支援、また有害情報のフィルタリング技術等の研究開発、すなわち、何といいますか、有害情報、言葉だとか図画だとかということがあるわけでございますが、これらを電気的に検知をして、そういったものが掲示されたときに、機械的にそれに対してそれをリジェクトしてしまうというようなことができるわけでございますが、こういったものを電子板の掲示者が導入をして、またそのことを事前に約款等で断りを出して、利用者に対してそれを拒否できる権利関係を明確にするとか、そういったことが可能かと思っております。 また、電気通信サービスを利用する際の注意点等をまとめたパンフレットの配付等、利用者向けに周知活動を行うように積極的に取り組んできているところでございまして、基本的にはこのインターネット社会の、言ってみればリテラシーという言葉が適当かどうかわかりませんが、そういったものに対する利用の能力といいますか、そういった知識というものを普及させていくことが必要なものだというふうに認識しておりまして、今後とも、国民が安心して電気通信サービスを利用することができるように、通信の秘密や表現の自由等にも配意しつつ適切に対応してまいりたいと思います。
○森元恒雄君 今回の法律は、プロバイダー等に対しましてその責任の明確化とまた免責要件を定めると、こういう手法をとっておるわけですけれども、このような規制、規律の仕方で果たして被害者の権利救済が実効が上がるのかどうか、この点について副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 基本的には有害情報が削除されることが必要なんだと思うんですね。その削除等の措置に関して、プロバイダー等が責任を問われない場合を明確にすることによって迅速かつ適切な措置が講じられることを期待しているということでございます。 米国やEUなど諸外国の立法例におきましても、免責を規定する方法で行われているところでございまして、国際的な制度との調和の観点からもこのような規制が望ましいものと考えております。 なお、情報発信者の開示につきましては、これまで請求権がなかったために全く開示が受けられなかったところでありますけれども、本法案で発信者情報開示の請求権を創設することができますので、必要な場合には開示が受けられるようになるため、被害者救済の観点から効果があるものと考えております。
○森元恒雄君 普通、違法情報を流す人は、うっかりということも間々あるかもしれませんが、一般的には意図的に流しておるのではないかなというふうに考えられるわけですけれども、そうしますと、今お話しの削除するという場合にも、同意を発信者側がするかといえばなかなか簡単には同意しないのではないかなというふうに思います。 結局、被害者からすれば、裁判所に訴えないと権利は救済できない、されないということになってしまうんじゃないかなというふうに思いますが、この点について、局長さんにお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) プロバイダー等は発信者の同意がなければ削除等の措置ができないわけではございませんで、情報の違法性が外形的に本当に明らかであるというような場合には、この法案の第三条第二項第一号に基づきまして、情報を削除しても責任を問われないことになっております。 ですから、必ず裁判に訴えなければならないというものではございませんで、一定の場合にはプロバイダー等による迅速な対応がとられるものというふうに考えております。
○森元恒雄君 ただ、プロバイダーからしますと、できるだけ責任を発信者にも受信者にも負わないようにしようという意図が働いて、安全に安全にということになりがちではないかなと。今お話しのように、客観的に明らかな場合には同意がなくてもということですけれども、その判断はプロバイダーが一応とりあえず一義的にはやるわけですから、そこのところは実効が上がるように運用の面でぜひお考えいただきたいなというふうに思います。 プロバイダーの段階で権利救済が行われればそれでいいわけですけれども、それではうまくいかないという場合にやはりどうしても裁判に訴えるということになるのかと思いますが、果たして裁判という手段が一般人にとってなじみがあるのかどうか、やはり裁判所に行ってこれが名誉毀損に当たるかどうか、著作権侵害に当たるかどうかというふうになりますと、相当プロフェッショナルなテクニックあるいは法律知識がないとできないんじゃないか。そういうふうなことになりますと、手間暇がかかってブレーキがかかってしまうんじゃないかなという懸念もあるわけですけれども。 私は、むしろそういうことを考えますと、裁判に行くまでもなく、行政機関がそこに介在することによってその侵害情報を削除するというふうなことが可能なように、そういう法制化をするというふうなことも考えられるんじゃないか、その方が効果が上がるんじゃないかなというふうに思うわけですけれども、この点について副大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のように、簡易、迅速ということを考えるとそういった方法もあるのかもしれませんが、行政による表現行為への関与は最小限にとどめるべきというふうに考えております。 私どもの行いましたパブリックコメントにおいてもこのような指摘が多かったところでございまして、インターネットでの表現行為について行政が一般的にその内容に関与するような仕組みをつくることは妥当ではないと、このような指摘も多いわけでございます。私どももそのように考えております。欧米各国におきましても、インターネットにおける表現内容について行政が関与するような制度はつくっておりません。 なお、この法案によりまして、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任を明確化することによりまして、特定電気通信役務提供者による迅速かつ適切な対応が促進されるものと考えているところでございます。
○森元恒雄君 ちょっと細かい点になりますが、この第三条第一項第二号、そしてまた第二項第一号に相当の理由があるときという規定がございます。しかし、何が相当なのかというのがなかなかプロバイダーのサイドに立てば判断が難しいんじゃないかなと。 その判断を誤ると責任を負ったり負わなかったりというようなことになるわけですので、運用を実効のあるものに、また適切にということを考えましたときに、この相当の理由についての一つの基準というものを示していく必要があるんじゃないかなというふうにも思うわけですけれども、こういう点についての扱いを今後どうするのか、そのお考えを、これは局長さんにお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) おっしゃるとおり、実際にどのような場合に相当の理由があるというふうにされるのかについて、必ずしも明確とは言えない場合が出てくるというふうに考えられます。ですから、私どもとしましては、この法律の解釈指針というものを示そうというふうに思っておりますし、またこれに基づきましてプロバイダーの業界団体等が事例の蓄積を行うことや、あるいはこの法律の具体的な解釈指針をもとにガイドラインを作成するというようなことを行うというふうになると思いますので、その支援を行っていきたいというふうに考えております。また、これらの事例の蓄積とかあるいはガイドラインにつきましては、総務省としてもあらゆる場面で周知のお手伝いをしていきたいというふうに考えております。
○森元恒雄君 じゃ、次にプロバイダーのことについてちょっとお聞きしたいと思いますが、このプロバイダーが中心的な役割を果たす法制になっているわけですけれども、このプロバイダーが情報発信者がだれであるかということが把握できているということが、特に発信者情報の開示の場合なんかは前提になるかと思いますが、おおよそ情報発信者がだれかがわからないというようなケースはないのかどうか、その点について政務官にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(山内俊夫君) 特定電気通信役務提供者が有償でサービスを提供している場合、これはもう課金のために情報発信者は把握されているものと考えるのが常識である。しかしながら、御指摘のとおり、例えば特定電気通信役務が無料で利用できる電子掲示板等、こういったものの開設者であるような場合は情報発信者を把握していない場合もあるものと思われます。
○森元恒雄君 そうしますと、今のようなケース、把握していなければ連絡のしようもないわけですけれども、その場合にはどういうふうな手順を踏んで被害者の権利救済を行うということになるんでしょうか。
○大臣政務官(山内俊夫君) 違法な情報の発信者と連絡できない場合があっても、他人の権利が侵害されると信じるに足りる相当の理由がある場合、当該情報の削除が可能であり、被害者の救済は可能ではあります。 一方、発信者情報開示については、法案は、現に保有している発信者情報について開示をさせるものであるから、発信者情報が当該プロバイダー等に存在しない場合には開示すべき情報は存在しないということになります。しかしながら、現在は保有されている発信者情報であっても開示を求める手だてがないことから、少なくともこれらについて開示を求める道を開こうとするものである。ですから、一歩前進であると御認識をいただけたらと思います。
○森元恒雄君 ですから、今回の法律がすべてのケースを全部きちっと網羅できるわけではないと、こういうふうに受け取ってよろしいわけでございますか。わかりました。 それでは、発信者情報の開示に当たりまして、この法律ではプロバイダー等は当該発信者に意見を聞かなければならないと、こういうふうに規定しております。意見を聞くだけでその同意は必要でないのかどうか、それから同意を求めるとしても、先ほどもちょっと申し上げましたようにうっかりというケースは別としたら、大半の場合は意図的に流しているわけですから、同意するとは考えにくいわけでございます。 しかし、プロバイダーは一応意見を聞いた、相手がノーと言っているからということで責任が免れるわけですけれども、それで果たして被害者救済がうまくいくのかという点について、これも政務官にお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(山内俊夫君) 発信者が発信者情報の開示に同意しない場合であってでも、プロバイダー等においては発信者情報開示請求権の要件を満たしているものと判断すれば、裁判外で開示をすることも可能ではあります。もっとも、プロバイダー等が判断を誤って開示したような場合には、発信者に対して民事責任を負うことにはなる反面、開示に応じなかったことによって開示を請求した者に生じた損害については原則として免責ということになると思います。当面、慎重な取り扱いがされるものと思われますし、また裁判上で開示されることは多いと考えております。 しかしながら、判例がある程度集積され、いかなる場合に発信者情報開示請求権の要件を満たすかが判例上明確になれば、裁判外で迅速に開示がなされる場合がふえるものと想定はいたしております。また、被害者は、裁判外で発信者情報の開示を得られない場合であっても、少なくとも発信者情報の開示を求める請求を提起することによって権利救済を得ることができるものと考えております。少なくとも、裁判所へ行った場合、言葉は悪いですが、門前払いはなくなる、先ほど言ったように一歩前進であると考えていただいたらと思います。
○森元恒雄君 確認ですけれども、要するに、発信者が自分の情報を開示するのに同意をしなくてもプロバイダーの判断で発信者情報を開示するということは可能であるし、その場合に発信者に対してプロバイダーは何ら責めを負わないと、こういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○大臣政務官(山内俊夫君) 結構でございます。
○森元恒雄君 次に、発信者情報がこの法律の手続で開示されないという場合には裁判にやっぱり訴えるしかないわけですけれども、通常、民事事件ではほとんど発信者というのは通信の秘密にかかわる情報であるからということで開示されない、こういうふうに言われておりますけれども、この法律ができることによって、裁判に行った場合に、より前に比べてはるかに開示されることになるのかどうか、その点について局長さんにお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 御指摘のとおり、発信者情報はプライバシーや通信の秘密にもかかわるものでございますので、これまでは開示を認める法律上の根拠はなかったということで、御指摘のとおり、刑事事件で裁判所の令状に基づいて開示される場合のほかは開示されなかったということでございます。 この法律が制定されますと、一定の要件を満たす場合には民事事件でも発信者情報の開示が可能となるということで、これまで開示がなされなかったということを考えれば、政務官からも御答弁申し上げましたように、従来よりも相当程度に被害者の権利救済が進むのではないかというふうに思っております。
○森元恒雄君 そうしますと、被害者側からすればかなり前進だとなりますが、発信者からしますと、発信者のほかにもいろんな人、いろんなケースがあるわけですけれども、前よりもたやすく情報が開示されるということによって、発信者の方の今度は権利が侵害されるというようなことも懸念されないわけじゃないわけですけれども、こういうようなことにならないのかどうか、この点について副大臣に確認したいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のような懸念を考えまして、発信者情報開示請求権の要件といたしましては、権利の侵害があったことが明らかなとき及び損害賠償請求権の行使の必要その他開示を受けるべき正当な理由がある場合という要件を厳格にいたしておりまして、不当な開示がされることはないものと思料いたします。 また、本法案におきまして、発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて不当に発信者の名誉または生活の平穏を害してはならないと第四条三項において規定をいたしておりまして、この点でも発信者の権利保護に十分な配慮がなされているものと思料いたしております。 なお、本法案におきましては、発信者情報を開示しないことによって開示を請求した者に生じた損害については原則として免責とすることとしておりまして、発信者の権利が不当に侵害されるのを防ぐ観点から、プロバイダー等に開示をするかどうかについて慎重な判断を促しているところでございます。
○森元恒雄君 次に、国際的な関係でどうなるのかというのを二、三お聞きしたいと思いますが、インターネットは電話電信回線を通じて、あるいは有線を通じて情報が行き交うわけでございますので国境の垣根というものがないわけであります。そうしました場合に、国内だけでの対応では不十分ではないかと。特に、意図的に人の権利を侵害するような情報を流そうとする人はできるだけわからないような形をとろうとするんじゃないか、あるいはまた、それが一方的に抑えられるというようなことのないようにしようという行動に出るかと思います。 そうした場合に、海外のプロバイダーを通じて情報を流すとか、あるいは外国人を頼んで外国から情報を日本の方に発信してもらうとか、さまざまなケースが考えられるかと思いますが、外国のプロバイダーあるいは外国人が日本人の権利を日本の国内で侵害したというような場合にこの法律の適用がどうなるのか。そしてまた、実際に救済を求めて裁判で争うという場合にそれがどうなるのか、その点について局長さんにお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 本法案は、私人間の権利義務関係を調整する民事的な法規でありますので、国際的な適用関係は国際私法の一般原則に従って判断されることとなります。 プロバイダーの所在地やそれから発信者の住所地が外国にある場合でありましても、例えばプロバイダーが日本国内に営業所を置いている、そういう場合でありますれば、当該侵害情報が当該営業所の管理下にあるような場合であれば基本的に本法案の適用があるというふうに考えております。ただ、例えばプロバイダー等が日本国内にそういう営業所を置いていないということになりますと本法案の適用はないのではないかというふうに考えております。
○森元恒雄君 そうしますと、救われる場合もあれば救われない場合もあるということかと思うんですね。 先ほど、この法律は国際的な、欧米の国々における法制化の動きも見ながら、それと調和を図る形で内容を検討したというお話がございましたけれども、私はむしろもう一歩進んで、こういう事案については国際的な取り決め、条約なんかを締結して諸外国と一致してきちっとした法律上の手当てが、実効が上がるような、そういう形がどうしても必要に将来なってくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけですけれども、こういう国際的な取り決めについて御検討される向きがあるのかどうか、副大臣にお聞きしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のとおり、インターネットでは国境を越えて情報が流通するものでありまして、国境を越えた権利侵害が発生することが考えられます。その意味で、結論から申し上げるならば、御指摘のように諸外国の立法動向についても引き続き注視をして積極的に対応していくことが必要と考えております。 国際的な権利調整の必要が生じた場合につきましては、本法案は民事上のルールを定めるものであることから、ただいま局長が答弁しましたように、国際私法の一般原則に従うこととなるわけでありますが、どの国の法律を適用するかによって結果が大きく異なるということは望ましくないことから、諸外国での類似の法制との調和を御指摘のようにとっていくことが必要と、このように認識しているところでございます。
○森元恒雄君 今までのやりとりの中でも、この法律ができることによって、今現在、業界で自主的に行われている規制よりも大きく一歩前進した形での被害者の権利救済が行われることになるということがわかったわけでありますが、同時に、この法律だけでは今後起こってくるだろうというようなケースすべての場合に網羅的に対応できるかどうかという点は若干様子を見ないとわからないという点もあるやに受け取ったわけでございますが、最後に大臣に、総括的にこの法律が制定されることによりまして具体的にどういうふうに問題になっているケースが前進するのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今までの委員と政府側とのやりとり、私も聞いておりましたが、これだけインターネットが爆発的に普及して、そこで流通、インターネットを流れる流通についての保護というのが余りなかったんですね。だから、これがそういう意味では初めてに近いわけでありまして、これによって、他人の権利を侵害するような情報というものは、例えば今言ったように排除できるとか、プロバイダーによる迅速、的確な対応ができるということは、私は予防的な効果も相当あると思いますよ。 それからもう一つは、発信者情報の開示については請求権が今までなかったわけですが、これによってその根拠が置かれたわけでありますから、そういう意味ではまさに被害者救済の観点からも相当進んだことになる。というより、さらに言えば、インターネット全体の信頼性が向上したと、そういう大きな効果もあると思いますので、今いろいろ森元委員指摘されたような点は、これで十分かというと私は必ずしも十分でないと思いますけれども、この法律の適正な執行によって、さらに問題点があれば深めていく、いろんな対応を考えていくということができるようになると思いますので、そういう意味では、ぜひこの法案を早く成立させていただいてうまく使っていきたいと、こういうふうに思っております。
○森元恒雄君 ぜひそういう弾力的、柔軟に、時代の変化、状況の変化に応じて的確な対応をこれからもお願いしたいと思います。 先ほども申し上げましたように、このインターネットの負の側面、マイナス、問題点としては不正アクセスあるいはビールス等々あるわけですけれども、特に過日のアメリカの同時多発テロ、あれは物理的な形でのテロでございましたけれども、世界がこれだけ一つのネットワーク、インターネットを通じて結ばれるというふうになりますと、そこで一つの何かアクションが起こるとそれによって社会全体が機能麻痺に陥ってしまう、いわゆるサイバーテロというふうなものがこれから発生するとも限らない、こういう状況が出てくるんじゃないかなと。これは非常に、インターネットを普及させ、社会、経済、生活を豊かにしていく意味でも、それへの対策は非常に大事なテーマ、課題ではないかなというふうに思います。 この点について、取り組みの考え方、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今お話しのように、サイバーテロ等から国民の生命、財産を守っていかなきゃなりません。そのために、IT戦略本部の中に情報セキュリティ対策推進会議というのをつくっておりまして、そのための特別行動計画、正確に言うと重要インフラのサイバーテロ対策に係る特別行動計画というのもつくっておりまして、政府全体として、内閣府が中心ですけれども、このサイバーテロ対策に取り組んでいこうと、こういうことに今なっております。 それから、総務省としましては、関係のところと連携を図りながら、不正アクセス禁止法というのが平成十一年の夏ごろにできておりますから、これの運用を図っていく。あるいは情報通信ネットワーク安全・信頼性基準というものがありますが、この基準の中にサイバーテロ対策の項目を追加していく。あるいは情報セキュリティーに対するいろんな研究開発をやっていく、こういうことを今進めておりまして、内閣府その他警察庁等と連携を図りながら、先ほども言いましたが、このサイバーテロ対策の万全を期してまいりたいと、このように考えております。
○森元恒雄君 最後に、それじゃもう一度確認的にお聞きしたいと思いますが、日本のこれからのいろんな再生に向かっての施策を進める中で、e—Japan戦略というものは私も大変重要な柱の一つであるというふうに思います。総務省、総務大臣としてもその先頭に立って推進するというお話でございましたけれども、そのためにも、やはりマイナスに対する手当て、それから人々の心配というものをぬぐい去っておかない限りには、社会全体、人々全体がそこのコンセンサスを持ってそういう方向に進んでいこうということになかなかならないんじゃないか、そういう意味で負の側面の対応が不可欠であるというふうに考えております。 再度、このe—Japan戦略との関係で大臣の決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 冒頭にも委員から御質問ありましたように、e—Japan戦略は、二〇〇五年までに日本を世界で一番進んだIT国家にすると、こういう目標を掲げていろんなアクションプラン等をつくって今いろいろ進めているわけでありまして、その主要な部分は私どもの方の総務省が担うと私も考えております。 ただ、いい部分だけ、プラスの部分だけ、正の部分だけが強調されておりまして、今、森元委員御指摘のように、その陰の部分、負の部分、これをどうやって少なくしていくか、なくしていくかと、こういうことも大きい課題で、とにかく迷惑メールなんというのも本当に迷惑でして、私らのところの携帯電話にもどんどん入ってきて、金取られるんですから。 だから、そういうことを含めて万般の陰対策、負の部分対策というのを私はやっていかなきゃいかぬと、こういうふうに思っておりますから、先ほども申し上げましたが、いろんな今まで、できる法案、この法案その他の法制的な整備も必要ですし、いろんな研究開発、技術面でのいろんな進展ですね、そういうことも図らねばなりませんし、運用上の工夫も私はこれからいろいろ要るんではなかろうかと、こういうふうに思っているわけであります。 とにかく、日本はインターネットがおくれている、おくれていると言いますけれども、もう私は中の上ぐらいになったと思うんですよ。モバイルは世界のトップですから、情報家電もトップですから。そういう意味で十分そういう下地がありますので、世耕委員がいろいろ今話をされておりますけれども、ぜひそういう意味で陰の部分対策についても全力を挙げてこれから対応してまいります。
○森元恒雄君 終わります。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 いわゆるプロバイダー法案について、およそ三十分でございますが、質問をさせていただきたいと思います。 最近、インターネットを使ったさまざまな犯罪行為が散見されます。あるものは違法な行為であったり、有害な情報のはんらんであったり、あるいはまた犯罪そのものであったりと、いろいろあるわけでございます。しかし、こういったことを放置しておいて、それじゃネット社会の健全な育成を見込むことはできない。そこで、今回の法律が成立したとしたならば、私はそういった野放しのネット社会にルールをつくり上げるものだということで、基本的に評価をさせていただきたいと思います。 その上で何点か質問をさせていただきたいと思います。 まず、これは定義の問題なのかもしれませんが、本法案で言う特定電気通信役務提供者とは一体何なのか。ニフティなどのプロバイダーを言うのか、あるいはまた掲示板の管理者を言うのか、あるいはまたケースによって違うのか、わかりやすくお答えいただけますでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 言葉につきましては、第二条第三号に記載がされているわけでございますが、特定電気通信役務提供者とは、「特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者をいう。」というふうに書いてございます。 具体的に申し上げますと、例えばインターネットにおいて問題となった情報が記録されたサーバー、特定電気通信設備でございますが、の管理運営を行っている者が該当することにまずなります。そしてまた、いわゆる電子掲示板の場合には、そのサーバーを管理運営しているプロバイダーだけではなく、電子掲示板の管理者も含まれてくるというふうに考えております。また、フォーラムというような、ニフティのような場合にはフォーラムという名前で呼んでいるところの方が多かったわけでございますが、その場合にはシスオペと呼ばれるような管理責任者がおりましたけれども、そういった者もプロバイダーと一体である場合にこれが含まれてくるということになってまいります。 このように規定するのは、インターネットによる情報の流通によって他人の権利が侵害されたとする場合に、現行法のもとではどちらの者も損害賠償を問われるおそれがあるところでありまして、それらの者による迅速かつ適切な対応を促進するために、本法案によっていわゆる免責の範囲、責任が生じない場合を明確化する等の必要があると、このように考えたわけでございます。
○内藤正光君 その関連でちょっと一つ質問をさせていただきたいんですが、では、管理者あるいはまたシスオペ、違法な情報が掲載されているということを知りながら放置した場合、たとえ自分はプロバイダーに給料をもらって雇われているわけではないとはいっても、責任を負う可能性があるという理解でよろしいわけですね。
○副大臣(小坂憲次君) 掲示板を管理する責任がある者がどのような雇用形態であるかということではなくて、その管理者そのものがこの対象責任を負うことになるということでございます。
○内藤正光君 よくわかりました。 では、続きまして、本法案の第三条二項の一にあるんですが、プロバイダーが情報を削除しても発信者に対する責任が免責されるケースとして、「他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき。」というふうに書かれております。 この「相当の理由」というのは、例えば、先ほどもおっしゃっていたように、著作権侵害だとかプライバシー侵害あるいはまた名誉毀損等のことを指しているんだろうとは思います。しかし、もうちょっと具体的に、プロバイダーさんが運用するに当たって指針となるぐらいにわかりやすく説明をしていただけますでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 発信者との関係で責任の制限、いわゆる信ずるに足る相当の理由があるというふうに言われる場合、すなわち第三条第二項第一号にあります規定は、普通の人を基準にいたしまして、通常人といいますか普通の人が違法な権利侵害があると信ずることがもう当然である、もうやむを得ないというようにだれもが考えるような事情があるということでありまして、具体的に申し上げますと、例えばだれもが信頼するような著作権団体が権利者の権利の存在を証明しているような場合、著作権の場合ですね、あるいはプライバシー情報なんかの場合には、流通している情報が通常は明らかにされることがないであろうプライバシー情報、例えばタレントさんの電話番号とか著名人の住所、同じように電話番号等、こういったような場合がこれに当たるものと考えております。
○内藤正光君 かなり何かわかったようでちょっと判断に苦しむところもあるわけなんですね。例えばタレントの電話番号がネット上に載った場合は、それは問題だということですぐ対処すればいいんだけれども、例えば政治家の電話番号が載った場合果たしてどうなのか、いろいろ判断に苦しむ場合があるわけなんです。 そこで、私、ちょっと一つさらに質問させていただきたいのは、プロバイダーという事業の大半は零細だと思います。本当にわずか数人でやっている。ニフティだとかアメリカオンラインなんて本当にごく一部分、例外的なところだと思います。その大半はもう零細な経営を行っているんだと思いますが、結構難しい判断をすべてプロバイダーにゆだねるのは酷ではないのか、現実、無理ではないのかなとは思うんですが、私はその「相当の理由」に関するある一定の基準、ガイドラインというものを何らかの形で、別に国がやるとかそういうことは申し上げておりません。やはり何らかの形でつくり上げる必要があるんではないかと思いますが、その辺の所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) おっしゃるように、相当な理由というんですからなかなかわかりにくいというふうに私も思います。 そこで、本法案の要件に該当するかどうかの判断は最終的には裁判所において行われることになるわけですね、これが迷って、それが判断がつかない場合には訴訟に持ち込まれるケースもあるでしょうから。しかし、一義的にはプロバイダー等によって行われるものでありまして、今おっしゃるようなことになるわけでございます。このために、実際どのような場合に相当な理由があるとされるのか等につきましては必ずしも明確とは言えない場合が出てくることが考えられることから、法律の施行に当たりましては、解釈指針、例えば過去の判例等の引用等そういうような事例を示すとか、そういうような形を、解釈指針を示すとともに、業界団体等が事例の蓄積を行うことやガイドラインを作成することを支援する等の対応をしてまいりたい、このように考えております。
○内藤正光君 ということを政府としては期待するということでいいわけですね、その協会がつくるということですね。 正直言って、プロバイダーはまず一義的な判断をしなきゃいけない。そして、もしかしたら裁判になってしまうかもしれない。裁判になったら、また弁護士を雇わなきゃいけないだとか、大変な負担を強いられるわけでございます。ですから、私は、少しでもその辺、現実に即してプロバイダーの負担を軽減するような形で運営をしていっていただきたい。その一つがやはりある一定のガイドラインを早急につくり上げることだと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 さて、ちょっと話は変わるかもしれないんですが、本法案が成立をすれば、被害者は一個人だけじゃなくて企業も当然その範疇にあるわけですから、企業も例えば営業妨害だということでプロバイダーに削除を申し出たりすることができるわけですね。できるというか、するわけですね。当然プロバイダーはそれに対応しなけりゃいけない、そういう責任がある、義務がある。 そこで考えていただきたいポイントは、プロバイダーは、その経営というのは往々にして零細だと。それに対して大企業というのは力がある。立場がどっちが強いかといったら、やっぱり当然大企業の方が強いわけです。当然、そういった大企業を前にして、大企業に削除せいと訴えられたら、零細プロバイダーは削除せざるを得なくなる立場に追い込まれるかもしれないと考えるわけなんですが、そこで、ちょっといい例があるんです。 それはどういう例があるかというと、ある生命保険会社にまつわる一連の事件なんです。これはN生命と言っておいた方がいいかと思います。N生命は、昨年の秋から、他社の経営状態に関する風評を利用した販売方法をしているということで、ある掲示板、2ちゃんねるという掲示板なんですが、そこでいろいろ批判が繰り返された、N生命は掲示板の管理者に対して削除を要請した、ところがこの掲示板管理者は拒否をした、そこでそのN生命は、三月二十一日だったかと思いますが、東京地裁に訴えたと。いろいろな審議が行われたんでしょう、最終的に八月二十八日に東京地裁では、N生命の訴えを全面的に受け入れる形で2ちゃんねるに対してその掲示板の内容の全面的な削除を命じたわけです。 その後どうなったかといえば、十月三十一日、金融庁からこのN生命は業務改善命令を出されたわけです、風評を利用した販売をしていたということで。他社の保険会社は危ないんですよとかいうこと、2ちゃんねるでいろいろ言われていたことは事実だったわけですね、風評を利用したということで。 そういった一連の経緯を踏まえて質問をさせていただくわけなんですが、大企業と、プロバイダーその大方は零細、その零細なプロバイダーとの力関係を考えたときに、下手をすると今回の法律というのは大企業に甘く、逆にプロバイダーに対して大変な圧力となってしまいやしないかというふうに私は危惧するんですが、副大臣はどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 本年八月二十八日付で東京地裁において、ただいま御指摘の大手生命保険会社が掲示板管理者に対して申し立てていた仮処分の申し立てが容認されたということは聞いております。事案の詳細につきましては、非公開手続なので把握することができません。 ただ、私もこの新聞報道を見たわけでございますが、この報道によれば、仮処分により削除を命ぜられた悪質な誹謗中傷部分というのがあるということでございます。また、その前後関係、前後の掲示板内容と削除との因果関係といいますか、正当性といいますか、事実関係の内容の詳細は存じないわけでございますが、そのようなことがあったということは存じておるわけでございます。 今御指摘のように、プロバイダー等に削除等の圧力をかける、そういうような大企業が圧力をかける、そういうことにならないか、こういう御指摘でございますが、本法案においては、プロバイダー等が情報の削除等の措置を講じた場合に、一定の要件がある場合には発信者に対する責任を免除する、免責するということにしているものでありまして、この免責が認められる場合としては、プロバイダー等において違法な権利侵害があったと信ずることが相当である場合、またプロバイダー等が権利を侵害されたとする者から申し出を受けて発信者に照会をした後、七日を経過しても発信者から同意しない旨の申し出がなかった場合に限っているわけでございまして、このように本法案の規定する一定の要件を満たさない限りプロバイダー等は免責されることにならないのでありますので、本法案が不当な削除等の圧力を助長することにはならないと考えております。
○内藤正光君 そういっても、最終的に東京地裁ではすべての情報の削除を命じてしまったわけなんですね。 私は、こういった一連の経緯を考えると、今回の法律が、私は評価します、今回の法律は評価しますが、ただ、運用を気をつけないととんでもないことになってしまうと。 そもそも、こういった非常に難しい、営業妨害といえば、その時点でもし判断を求められたら営業妨害と私も思っていたかもしれないんですが、結果的にはやっぱりその中に事実が隠されていた、これもまた事実なんですね、結果的に、振り返ってみれば。こういう非常に難しい判断を裁判所も間違ってしまったわけですね、結果的には。 こういう難しい判断をプロバイダーにゆだねるのは非常に酷でもあるし、現実的に無理ではないのかなと思いますので、ネット上のトラブルを、裁判所ではなくて、もっと簡易に扱ってくれるような私は中立的な紛争処理機関というものが必要ではないのかなと思うんです。いかがお考えでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 委員の御指摘の趣旨は私もわかるのでございますが、裁判所ですら判断が難しかったということの事例でございますね。それを裁判所以外の機関がより正確にやれるかといったら、それもまた難しいことになるわけでございます。 そんな意味で、本法案はあくまでも民事的な権利関係を調整するルールを定めたものでございまして、その要件の充足性の判断は当事者において行うのが原則でありまして、当事者において解決困難な場合には裁判所にその判断がゆだねられるべきであると、かく考えているわけでございまして、新たな第三者機関をつくったから、今申し上げたような手続よりもより迅速性があってより正確性があるということを担保できるかというと、必ずしもそうではないのではないか。 したがって、この法案ができたことが一歩前進であるという理解のもとに、事例の積み上げによって当事者間の認識を高め、そしていわゆるリテラシーと言ったらよろしいんでしょうか、インターネットに対する一般の対応する態度というものを構築していくことが必要なのではないかと、このように認識いたしております。
○内藤正光君 大臣にお尋ねさせていただきたいと思うんですが、このN生命の一連の事例を踏まえて、私は、今回の法案、何度も言うようなんですが、基本的には評価するんです。しかし、運用上、私は気をつけなきゃいけないことはたくさんあるんじゃないかなと思うんです。 そこで、大臣、お尋ねしたいんですが、このN生命の一連の事例を踏まえて、本法案の運用上、具体的にどんなことに気をつけていくべきとお考えなのか、御所見をお尋ねします。
○国務大臣(片山虎之助君) こういう情報の、インターネット上の流通における最初のルール化の法制だと私は思います。それは百点じゃありませんよ。百点じゃないけれども、やっぱりないよりはある方がずっといいんで、だからこれをどうやってうまく使っていくかということだと思います。 今、委員の言われるN生命ですか、すぐわかりますけれども。これも考え方なんですけれども、法律上免責の要件をはっきり書いているでしょう、御承知のように二つ。書いていることで、その解釈、運用の議論はあるかもしれぬけれども、それによるとどういう場合が免責になるかということをはっきり書いているから、私はそれは不当の圧力だとかということにはならない。ただ、解釈はありますよ、いろいろ。だから、それは今の、できるだけ行政の方から解釈指針を出すとか自主的な団体を中心にガイドラインを積み重ねていくとか、今の判決も裁判所の方も必ずしも私はなれていないと思うので、なかなか判断が難しいところがありますので、そういういろんな推移を見ながら、もう少しうまく、やってみて、トライ・アンド・エラーでやってみて、そしていろいろ問題点なり直すべきところが出るなら私は直していけばいいと。何にもなかったところにこの法律ができたということは、そういう意味ではルール化の一歩だと、こういうふうに思っておりまして、うまく運用する、うまく使ってもらう、こちらもうまく運用する、使う方にもうまく使ってもらう、プロバイダーも発信者も、そういうふうに今我々は考えているところでございます。 委員御専門家であられますから、いろいろ御指導賜って、我々も足りない知恵を出しながら一生懸命やっていきたいと思っております。
○内藤正光君 インターネット社会のよさをつぶすことがないよう、運用にはぜひ最大限の留意をしていただきたいと思います。 続きまして、違法な情報ではなくて有害な情報に対する対応について何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。 昨年の十二月、インターネット上の情報流通の適正確保に関する研究会というものが当時郵政省のもとに置かれていたかと思いますが、その報告書にこういう一文があったかと思います。有害な情報については、削除をしないでも受信者との関係で法律上の責任を問われることはない、だから当面は有害な情報は検討の対象としないで今後の検討課題とすると。先送りしても構わないだろうというような一文を見つけたわけでございます。果たしてそれでいいんだろうかと私は読んでいて思ったわけなんです。 私は、公共の安全を害するような、違法ではないけれどもこんな情報が出回ったら世の中大変なことになると。爆弾のつくり方だとかサリンのつくり方だとか、簡単に化学兵器なんて、生物兵器つくれるということなんですが、これを教えるだけでも間接的に私は犯罪を起こす、招き入れているような行為に等しいんではないかなと思うんです。ですから、違法な情報のみならず有害な情報についても早急な、こんな報告書の文言ではなくて、早急な手当てを講ずべきだと私は思います。 そこで、お尋ねしたいんですが、本法律案が成立したとして、有害な情報の除去に対して具体的に効力を発揮し得るのか、あるいはまた全然発揮しないのか、お尋ねします。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のように、いわゆる有害情報は一般には特定個人の権利を侵害する情報ではありませんので、本法案の対象とはならないわけでございます。 しかしながら、今御指摘のように、例えばサリン等の薬物をつくるつくり方だとか麻薬のつくり方とか入手の仕方とか、有害な情報と言われるものはたくさんあるわけですね。こういうものを野放しにするわけにはいかないと思うわけでございます。このような情報は本法案の対象外ではありますけれども、利用者が安心して電気通信サービスを利用できるようにするという観点からは適切な対応が必要だと私どもも認識しておりまして、別途検討が必要であると思っております。 今の現状としては、業界団体でありますテレコムサービス協会が一九九八年二月に出しましたインターネット接続サービス等に係る事業者の対応に関するガイドラインというものがございますが、この中で「事業者は、公然性を有する通信に関して、違法または有害な情報が発信されたことを知った場合、当該情報を発信した利用者に対し、」、その後にとれる措置が書いてあるわけですが、そういった措置をとることができるとして、削除をさせたり有害な情報を利用者が受信できないような状態にするような対策をとるということを指導しておりまして、こういった一つのガイドライン、また同じテレコムサービス協会がインターネット接続サービスの契約約款のモデルとなるものをつくって、そのモデル約款の中で同様の趣旨のものを規定しておりまして、例えば「その他法令もしくは公序良俗に違反し、または他者に不利益を与える行為」とか、こういった有害情報とか、こういうような公序良俗違反の情報等についてはそういうものを削除できるようにしなさい、またそういったことを約款上明記しておきなさいと、こういうようなことで権利関係を調整することを考えております。 総務省といたしましても、これまでも業界団体が行ってきたこれらの措置とともに、プロバイダーによる違法有害情報に関する自主規制ガイドラインをさらに周知徹底し、またこれを支援をしてまいりたいと思いますし、また有害情報のフィルタリング技術等の研究開発に力を尽くしていきたい、支援をしたいと思っております。また、電気通信サービスを利用する際の注意点等をまとめたパンフレットの配布等、利用者に向けた周知活動もあわせて行っていきたい。 このような対策によってこの分野における安全性を高めてまいりたい、このように考えておるわけでありますが、インターネットの場合には表現の自由との関連というものも出てまいりますので、幅広く意見を伺って、あわせて諸外国の状況等を十分に調査して、インターネットの健全な発展のために施策を考えてまいりたい、このように考えておりまして、委員御指摘の点について、確かにこの有害という基準はこれまた不明確でありまして、時代の変遷とともに有害性というものも変わってまいりますし、そういった中でどのような規制、どのような対応が適切であるか、お知恵をいただきながらさらに検討を進めてまいりたいと存じます。
○内藤正光君 事前通告にはないんですが、今回の法律案というのは、プロバイダーが違法な情報を削除しても責任を問われないということでしたね。先ほど、何年か前に業者でガイドラインをつくったと。このガイドラインに従って、もし仮にプロバイダーの判断で違法ではないが有害な情報を削除してしまった場合、それでそれに対して発信者が訴えた場合、プロバイダーを擁護する法律というのはあるんですか。
○副大臣(小坂憲次君) これは基本的には裁判に持ち込まれるようなことになると思うわけですね。それは裁判上の判断ということになりますが、表現の自由を侵したというふうに判断をされる場合もありますでしょうし、そうでないというふうに判断される場合もありますでしょうから、そういった意味では表現の自由とかそういう形になってまいりますので、この法律ではございませんので、判断基準は別にあるということになります。
○内藤正光君 確かに副大臣おっしゃるように、有害な情報といってもいろいろあります。例えば、公序良俗に反するような情報というのは、いろいろ表現の自由の問題もあっていろいろ判断が難しい。政治の立場で、あるいは行政の立場でマル・バツをつけにくいところはあろうかと思います。ところが、爆弾のつくり方だとか化学兵器のつくり方、生物兵器のつくり方、いわゆる公共の安全を害するような情報というのは、これはもう表現の自由云々以前の問題だと思います。権利云々を言うのであれば、国民が安心して暮らせる権利をこういった情報提供というのは侵しているんだと思います。 ですから、私は、こういった公共の安全を害するような情報というのは表現の自由以前の問題ですから、できるだけ早急にしかるべき対応、法的対応をとっていただきたいと思います。 そのことに対する答弁をいただいて、私の質問を終わります。
○副大臣(小坂憲次君) 有害情報の中には、明らかに刑法違反の場合もあると思うんですね。こういった場合には刑法の規定によって、あるいは公序良俗を害するということが著しい場合、そういった場合にはそういった対応がとられると思いますし、またそういった有害な、刑法上の有害情報を掲示しておくことが、プロバイダーがやはりそれに加担した、幇助したと認められるような場合、それも想定される、非常に限られた場合だと思いますが、そういう場合には、プロバイダーは削除しても、これは緊急避難あるいは正当防衛として認められる場合もあると思います。 こういったものに頼ることなく、今おっしゃったような形でどのようなことが適当なのか、これは本当に非常に難しい問題だとは思いますが、逃げずに、インターネットの健全な発展のためにしっかりと外国の事例等も研究しながら努力をさせていただきたい、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 同僚の内藤議員に続いて質問をさせていただきます。 また、本法案の質疑に入る前に一点だけ大臣に確認をさせていただきたいことがありますが、先般の当委員会での質問に関することでありますのでお願いいたしますけれども、最近、特定郵便局の渡し切り費について、東北地方の事例が新聞で報道されております。 先般、総務委員会での大臣の答弁は、これは渡し切り費について質問したわけではありませんが、選挙違反について質問したときに、本来の職務以外のことなので内部調査はせずに捜査当局に任せたいという御答弁だったと思いますが、この渡し切り費はまさに本来の職務に関することだと思いますので、東北地方に限らず内部調査をされた方がいいんではないかなと思いますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 渡し切り費につきましては、いろいろ今までも御指摘を賜っておりますし、また最近、某紙によって東北郵政局管内で不適正な経理、支出があったのではないかと、こういう記事が出ましたので、郵政事業庁長官に対しまして事実の有無を調査するように指示いたしまして、郵政事業庁の方では、首席監察官と東北郵政監察局のメンバーで特別調査チームをつくって調査に着手したところでございまして、できるだけ早くと私は言っておりますが、年内ぐらいかかるのかもしれませんけれども、いずれにせよ調査いたしたいと。 そして、それ以外のところはどうだと、こういうことでございますけれども、東北以外の管内は、地方郵政監察局によって特推連の会長局に対して特別考査をしてくれと、こういうふうに今言っておりまして、その調査を実施いたしたいと、こう思っております。それから、特推連の会長局以外の特定郵便局につきましては、郵政局による会計監査と地方郵政監察局の考査によって調査をいたしたいと、こういうふうに思っております。 それから、これは委員から御質問があったわけじゃありませんが、そういう状況の中で、再来年には公社になるわけでありますからいずれにせよ渡し切り費についてはやめようと、こう思っておりましたけれども、一年前倒しをいたしまして、来年度から渡し切り経費については全廃いたします。 以上です。
○浅尾慶一郎君 ぜひその内部調査の結果をまた国会にも御報告いただきたいと、こういうふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、法案の方の質問に入らせていただきたいと思いますが、今同僚の内藤委員の質問あるいは先ほどの森元委員の質問等でも、いろいろと法案の内容、問題点等々も明らかになってきたと思います。 私自身もこの法案の趣旨そのものについては賛成の立場でありますが、若干、法案の内容をもう少し明らかにすることによって、当然この立法過程での審議というのが判例の蓄積がない場合にはこれが参照されるということでございますので、その観点から幾つか条文に従って質問をさせていただきたいというふうに思いますが、まず第一に、条文に従って質問をさせていただく前に現状を少し理解をしておきたいというふうに思いますので、法案が提出された背景について、例えばプロバイダーが管理する掲示板の数や民事上のトラブルの状況について、現状をどのように把握されておられるかお伺いしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 背景といいますか、現状でございますけれども、まずプロバイダーと呼ばれる事業者でございますが、これは第二種電気通信事業者が多いわけであります。中には第一種のものもございますが、大手のみならず中小を含めまして、二〇〇一年、本年の九月の時点で六千三百三十社あると言われております。 インターネット上の民事上のトラブルの現状については、昨年の九月に当時の郵政省が行ったアンケート調査がございます。これによりますと、プロバイダーが違法有害な内容の情報に関する苦情を受けた件数でございますが、大手プロバイダー五社の合計で年間一万一千件であったというふうになっております。また、本年八月に日本インターネットプロバイダー協会が会員プロバイダー四百社を対象として実施したアンケートによりますと、過去一年間に寄せられた違法な情報に関する苦情相談件数は合計で三万七千八十五件というふうに聞いております。 このように、全体からすればまだまだこれでは全部ではないと思いますので、いずれにしても傾向値としては飛躍的に拡大していると、このように思われます。 このような状況を放置しておきますと、インターネット上に違法な情報が多数流通することになりまして、インターネットへの信頼が薄れてしまうことになるために、早急な対応が求められているというふうに認識をいたしているところでございます。 なお、インターネット上の掲示板の数については、だれもが容易に開設することが可能でありますために把握できておりません。 以上でございます。
○浅尾慶一郎君 では、法律の適用対象について条文に従って質問させていただきますが、先ほどの森元委員の質疑でも明らかになりましたが、一条の「情報の流通」は、名誉毀損、著作権侵害等の違法の情報に加えて、わいせつ情報や誇大広告、迷惑メールということでいうと、迷惑メールだけは含まれなくて、あとは含まれるということなんですが、まずその確認ですが、それでよろしゅうございますか。
○副大臣(小坂憲次君) 先ほど御答弁申し上げたところでございますが、本法案の対象となります特定電気通信とは、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信であるということでございまして、特定電気通信によりまして一たび他人の権利を侵害する情報の流通が行われた場合にその被害が急速に拡大してしまう、現在、こうした通信における他人の権利侵害が深刻化している現状ということにかんがみて、今回、必要なルールづくりのために立法を行うものでありまして、このため、わいせつ情報については、刑事上違法な場合であっても通常特定個人の権利を侵害する情報ではないことから、三条一項、二項に規定がありますように、本法案の対象とはならないわけでございます。 また、誇大広告につきまして、一般的に有害な情報にとどまるのであれば、本法案の対象となる権利侵害には当たらないわけであります。しかし、当該広告の情報により特定個人の権利が侵害されており、情報の流通と権利侵害との間に因果関係が認められれば、本法案の対象となる場合があると思料されます。 またさらに、本法案が対象としている特定電気通信による情報の流通とは、不特定の者が受信することを目的としたものでありまして、電子メールは、迷惑メール等多数の者に送られるものであっても受信先を特定して行われることとなるものと考えられることから、本法案の対象とはならないと解しておるところでございます。
○浅尾慶一郎君 わいせつ情報について、これは対象とならないということでありますが、これはなかなか難しいことだと思いますが、わいせつな情報が流れることによって、受け手の見たくない権利というか、何というのかわかりませんが、が侵害されるというふうには総務省としてはまず第一点解釈しないということですか。
○副大臣(小坂憲次君) 確かに、わいせつな情報のみならず社会的に有害な情報が流通されることにより、平和な生活が侵害されたとか、精神の安定を害されたとか、いろいろな権利侵害が起こる可能性はあるわけでありますが、そういった社会的な権利侵害に対しては、本法案は残念ながら適用にはならないわけでございます。
○浅尾慶一郎君 二点目は、迷惑メールについてでありますが、先ほどの審議の中でも若干明らかになりましたが、機械的に送付をされるいわゆる迷惑メールというものは、事実上不特定の人を対象にしていると解釈した方がむしろわかりやすいんではないかと思いますが、総務省の解釈としてはそういう解釈をとらないと、これは確認ですが、確認の答弁をお願いします。
○副大臣(小坂憲次君) 確かに、機械的に送られるものでありまして、なおかつ再送信が容易な電子メールという形態をとっているということから、御指摘の趣旨は私なりに理解はできるわけでありますが、本法案としてはその対象に入れていないところでございます。
○浅尾慶一郎君 もう一点、ちょっと掘り下げて伺いますが、入れていない理由はどういうところにあるんでしょうか。機械的に送られているものとそうでないものとの判別が技術的に難しいということなのか、そのほかのところにあるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 掲示板あるいはフォーラムと言われるように、受信者がみずからアクセスをしてその情報を入手するという形態ではなくて、特定の者、機械的に選択をされたといっても、メールというものの送達の経路からすると特定の者について発信をされたということでありまして、特定の者との間の通信というふうに解されることから、本法の対象に該当しないと理解をしているところでございます。
○浅尾慶一郎君 それでは、三条一項に規定します「技術的に可能」という部分について伺いますが、技術的に可能か不可能かというものの基準を伺いたいと思います。例えば、量的に大量で不可能な場合はどういうことになるのか。あるいは、これは社会一般の技術水準なのか、その会社の技術水準なのか、その点について伺います。
○副大臣(小坂憲次君) 本条、第三条第一項の「技術的に可能な場合」に該当するかどうかは、その当時の社会一般の技術水準を基準として判断をされます。したがって、社会一般の技術水準を基準とすれば送信を防止する措置を講ずることが可能であるけれども当該プロバイダー等の技術水準では措置が不可能な場合であっても、「技術的に可能な場合」に該当すると、このように理解されます。 また、他人の権利を侵害する大量の違法な情報が存在するために当該プロバイダー等がすべてに対応することができないような状況である場合、社会一般の技術水準を基準としても送信を防止することが不可能なときには、「技術的に可能な場合」には該当しない、このように解されます。
○浅尾慶一郎君 それでは、三条一項一号に規定する「知っていたとき。」というものは、その社員のだれか一人が知っていればよいか、あるいはそうではなくて、どういう場合を指しているのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 第三条第一項第一号の「知っていたとき。」ということに該当するためには、社員のだれか一人が知っているだけでは不十分であります。すなわち、大きな会社の社員一人が知っているというだけでは、これは当然防止することは不可能なわけでございますので、そういうものは対象に該当しませんで、法人としての認識があることが必要であって、具体的には当該プロバイダー等における権限のある者が知っている必要があると解されます。 だれが権限ある者かについては、当該プロバイダー等の内規等によりまして一概には言えないと思うわけでありますが、例えば、当該プロバイダー等が違法な情報に関する苦情相談を受け付ける窓口を設置している場合には、この当該窓口の担当者が知っていれば本法の第三条第一項第一号の「知っていたとき。」に該当すると考えられます。 また、苦情が一件しかなくても、当該情報が具体的な事実を示してなされたものであって、それによってプロバイダー等が他人の権利侵害が起こっているということを知るに至ったときは、この第三条第一項第一号の「知っていたとき。」に該当すると考えられます。
○浅尾慶一郎君 それでは、重複するところを避けて質問させていただきたいと思いますが、第三条第二項で規定します「必要な限度」というのは具体的にどういうことでございましょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 三条第二項においては、「情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において」としておりまして、行われた措置についての免責対象としているものであります。 ここで「必要な限度において」としているのは、送信を防止する措置は表現行為に対する制約となり得るものであるために、必要な限度を超えた措置については本項による免責の対象とはならないということとするものであります。 具体的にどのような場合に必要な限度を超えているのかと解されるかについては、一概には言えないわけでありますが、問題とされる情報が発信者が記録した情報のごく一部に含まれているにすぎず、その部分に限って送信防止の措置を講ずることが容易であるにもかかわらず、当該発信者が記録した情報をすべて消去してしまうような場合が考えられると思います。
○浅尾慶一郎君 それでは、三条二項の一号に規定します「不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由」というところで質問をさせていただきたいと思いますが、若干、以前のこの委員会での質疑と重なるかもしれませんが、先ほど、例えば名誉毀損の例で申し上げますと、名誉毀損は御案内のとおり私人と公人で分けて、犯罪の構成要件が分かれております。つまり、公人の場合にはそのことが事実であるかないかが問題になってくるということなんだと思いますが、事実であるかないかということをプロバイダーが判断するというのは、具体的にはその相当性というのはなかなか難しいと思いますけれども、どういうふうに想定をされておられるか、お答えをいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 確かに難しいのは、先ほど例として著作権団体の場合を申し上げました。この場合には著作権の権利書みたいなものがあって明確に示せる。それ以外の場合、プライバシーのような場合、これは例えば電話番号であれば、自分の電話番号はこれであるということを、電話帳に開示をしていなくてもそれを証明する手段は幾つかあると思います。権利を侵害されているということを申し立てるときにそれを多分提示されるんだと思いますので、確認はできるかと思います。しかし、一番難しいのが名誉毀損に当たるか当たらないかという判断であろうと思いますが、これらの場合については、これは相当の理由という部分に違法な権利侵害があるということを信ずるのが当然であると言えるかどうか、この辺は本当に難しいわけでございます。 ですので、これを私として説明の上で御理解の足しになればと思って申し上げるわけでありますが、例えば、裁判の例というふうに申し上げたらよろしいんでしょうか。過去の判例で、名誉を毀損されたと訴えられたものがそれが認められた判例のようなもの、そういうような問題の場合にはそれが一つの例として挙げられるんではないかと思います。また、公人に対する名誉毀損の場合には、事実が真実であることを立証することができればこの損害賠償責任は発生しないということでありますので、かなりケースは限られると思いますが、そういうことで判断を積み重ねていくということだろうと思うわけでございまして、そういった意味からも適切なガイドラインの構築というものが必要だと私どもも認識をいたしております。
○浅尾慶一郎君 今の副大臣の御説明に沿ってもう少し掘り下げていきたいと思いますが、一番わかりやすい例で申し上げますと、○○のばかと書いてある書き込みがあった場合には、これは私人であればそれだけで多分名誉毀損になるんだと思いますので、それを消去するということは問題ないんでありますが、多分、○○に当たる人が公人であって、なおかつその人が、これ、ばかという言葉だとちょっと事実かどうかというのはなかなか立証が難しいんであれですが、ばかに相当する部分が事実かどうかわかりにくい場合の判断を一義的には多分プロバイダーがせざるを得ないような状況になると思うんです。その判断が、一つの基準は、その人が公人かどうかということの判断をプロバイダーが一義的にせざるを得ないんだと思いますが、それは負担になると思われるかどうか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 今、浅尾委員御本人が難しいだろうとおっしゃるように、大変難しい判断でございます。 ○○のばかというような場合は、いずれも名誉毀損に当たるだろうと思われますので、これを削除しても損害賠償を請求されるケースというのは余りないんだろうと思うんですね。 また、私どももこの議論の段階でいろんな事例を出して考えたんでございますが、それぞれにやはり同じような理由で、これはプロバイダーが削除した場合に損害賠償責任を問われるかどうか、それは相当な理由とか必要な限度とかという部分をやはりしんしゃくしながら、ケースの積み重ねということに最終的にはなるんだと思いますが、問われないものについては削除する傾向が強くなるかもしれませんし、あるいは逆にさわらないという方向に行ってしまうのか、その辺は運用の中で蓄積されてくる一つの傾向だと思いますので、その傾向をまた見ながら、私どもはガイドラインというような形で業界と相談しながらさらにこれを詰めていきたいと、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 先ほどガイドライン、解釈指針の中で、過去の判例を参照するということを御答弁いただいております。一点だけその点に関して、これは質問通告をしておりませんが、過去の判例を参照せざるを得ないことは十分認めた上ででございますが、インターネットと、今までの積み重ねてきた判例は恐らく書面によるものに対応したものだというふうに思いますので、その点について、判例を超えた部分で何かガイドラインを考えられる、解釈指針を考えられる御予定があるかどうか、そこを伺いたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) そのような場合はやはり慎重にすべきだと思いますので、余り超えるような部分をあえて踏み込んでいくべきではないと考えております。 また、先ほどの○○のばかという場合は、名誉毀損というものに当たるかどうかという部分になりますとこれは裁判上の問題になりますが、侮辱されたというふうな、削除要求はあるだろうと思うんですね。そういった意味で、いずれも侮辱には当たるんだろうと思うんですが、その辺の判断だというふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 それでは、時間の関係で次に移らさせていただきますが、四条の一項で省令に委任する形になっておりますが、基本的にはこの法律に人権侵害が許される範囲が明示されていないわけですから、省令で幾らでも開示の範囲の拡大をするというのは一方でまた問題があるんではないかなというふうに思います。 そこで、発信者の特定に関する情報の具体的な中身について、明確な、これ以上のものはないということを含めた御答弁を大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 法律で書くというのが一番はっきりするんですね。法律でなければ政令で。政令は委任政令か施行政令、執行政令ですよね。そういう省令というのはやっぱり極めて技術的なこと、政令よりはレベルの低いことを省令で決めると。 そこで、ここの法律を今見ますと、「氏名、住所その他」云々と、こう書いておりますから、おのずから附帯的なことではなかろうかと、こういうことになりますので、今私どもの方で考えておりますのは、氏名、住所はここにもう表示しておりますからそれは決めますけれども、あとは電子メールアドレスやIPアドレスが一応規定の対象になると、こういうふうに考えております。
○浅尾慶一郎君 それでは、次に移りますが、四条一項一号の「明らかであるとき。」ということが四条一項一号で規定されておりますが、これは具体的にどういう場合でしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 四条一項における「当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。」ということを要件として規定しているのは、発信者情報はプライバシーや表現の自由、場合によっては通信の秘密にもかかわる問題でありまして、安易に開示が行われることのないようにこのような要件が必要であると考えております。 したがって、権利の侵害が明らかであるときとは、権利の侵害がなされたということが明白であるという趣旨でありまして、単に権利の侵害の可能性が高いということでは足りない、このように考えております。
○浅尾慶一郎君 次に、四条一項二号の「正当な理由」というのはどういうものか、具体例を挙げてお答えください。
○副大臣(小坂憲次君) 「正当な理由」とは、発信者情報開示請求権の要件として、開示の請求をする者に発信者情報開示を受ける正当な理由があることを要件としたという意味でありますが、発信者情報はプライバシーや表現の自由、場合によっては今申し上げた通信の秘密にもかかわる問題でありまして、同じように安易に開示が行われないように、開示の請求をする者に発信者情報を入手することの合理的な必要性が認められることを意味しておるわけでありまして、具体的にはそれによって損害賠償請求を起こすとか、そういったようなことでございます。
○浅尾慶一郎君 四条二項では「意見を聴かなければならない。」と規定されておりますが、聞けば拒否されても開示してよいかどうか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 開示をするかどうかについて「発信者の意見を聴かなければならない。」としているのは、この趣旨は、発信者情報について最大の利害関係を有しているのは発信者自身であることでありまして、本請求権を受けた後に、プロバイダー等が開示の是非を判断し、手続を進めていく上で発信者の意思を確認することが不可欠と考えられることによるわけでございまして、したがって、発信者が開示について拒否の意思表示をしているような場合には、拒否する理由については十分に考慮することが望まれるわけでありますが、拒否しているからといって開示できないというわけではありませんで、第四条一項に定める要件を満たす限り開示は可能であるというふうに解されます。 なお、発信者が開示を拒否しているような場合に、第一項の要件を満たさないにもかかわらずプロバイダーが任意に開示したような場合には、発信者に対してプライバシー侵害等の民事責任が生ずることになると考えられます。
○浅尾慶一郎君 四条四項で、じゃ、今の場合でいいますと、発信者が開示を了承している場合に提供者が開示しないというものは故意というふうに見ることができますか。
○副大臣(小坂憲次君) 四条第四項の「故意」というのは、開示しないことによって被害者側に権利の侵害が発生することについての認識、認容があるということであると考えられます。発信者が開示に同意しているのに開示しないような場合は、特定電気通信役務提供者が開示を請求する者に対して何らかの意図を有している場合が多く、その場合には故意があると認められるものと考えられます。
○浅尾慶一郎君 それではまとめに入らせていただきますが、まず、この法律は非常に重要な意味を持っていると思いますが、同時に規定が漠然としている部分もあろうかと思います。どのようにして国民にこの法律の趣旨について周知徹底をしていかれるのか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) なかなか難しい、嫌われるところを規定した法律ですから、これから解釈も解釈をしながら、運用上いろんな事例を積み重ねていくということが必要だと思いますが、既に御答弁申し上げましたように、やはり法律の解釈指針をできるだけはっきりしたものをつくるということが一つと、それからガイドライン等自主的なルールづくりを関係のところにやってもらって、我々もできるだけそれを応援するということと、そういうことを広く国民の皆さんに周知していくと。みんなでいろんな事例を積み重ねて、まあこういうことだなということにしていかざるを得ないのかなと、こういうふうに思っておりまして、全部法律で書くというのはやっぱり限界がありますね、こういうものは。 今後とも努力してまいります。
○浅尾慶一郎君 時間が参りましたので終わりますが、この法律に予算が計上されておりません。必要に応じて来年度の予算に計上すべき場合がある場合にはそのように対応されるかどうか、その点だけについて伺いたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) これは、今のいろんな一般経費でとりあえず対応していこうと思いますが、相当な予算を要するというようなことになりますれば予算要求を別にしていくことも考えております。
○浅尾慶一郎君 終わります。
○木庭健太郎君 プロバイダー法案の問題に入ります前に一問だけお尋ねをしておきます。 昨年、旧総務庁を初めとしまして、霞が関の三省庁のホームページにハッカーが侵入して画面を書きかえた事件が多発をいたしました。いまだに犯人は特定されておらないというふうにお聞きしておりますが、今後、テロの問題を含めて、サイバーテロというような問題もある、そういう問題も含めても、その後、まずは昨年起きたこの問題について万全の対策を講じられているとは思いますが、今後侵入される心配はないのかどうか、まず最初にお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(村田保史君) 昨年一月に発生いたしました中央省庁のホームページ改ざん事案につきましては、政府におきまして大変重大に受けとめております。情報システムの安全性確保に向けた情報セキュリティー対策を強力に推進するために、同年二月に内閣官房に情報セキュリティ対策推進室を設置したところであります。また同時に、当時の高度情報通信社会推進本部、これは現在のIT戦略本部になりますが、このもとに、政府側については全省庁の局長級から成る情報セキュリティ対策推進会議を設け、また、民間有識者から成る情報セキュリティ部会をあわせ設けまして、外部の攻撃から情報システムを防護する施策の検討などを行ってきたところであります。 特に、コンピューターウイルスやハッカーなどの脅威から情報システムを防護するためには、総合的、体系的な安全対策を盛り込んだいわゆる情報セキュリティーポリシーの策定、運用が有効でありますことから、昨年七月に、情報セキュリティ対策推進会議においてはこのためのガイドラインを策定したところであります。各省庁におきましては、これを踏まえて、それぞれ独自の情報セキュリティーポリシーを策定し、これに基づいて現在対策に取り組んでおります。 今後とも、ハッカーなどの脅威から政府の情報システムを防護するために、政府一体となって情報セキュリティーの確保に万全を期してまいる考えであります。
○木庭健太郎君 村田審議官、もう結構でございます。 さて、本法律案でございますけれども、午前中から専門家の皆さんの質疑を聞かせていただきながら、本当に今法律を出すのがよかったのかどうかと逆に感じてみたり、実際にこういう自主的に業者の皆さんがガイドラインを作成してそれに取り組んできた、そして、これからそういういろんなものも蓄積しなければいけない段階でこの法律を出さなければならないという今政府は判断をしたと。 こう考えてきますと、これまで業者さんたちが、一生懸命プロバイダーの業者が取り組んできたガイドラインというものに対して、一体政府としてはどんな評価をしているのか、それがどんなものなのかということも教えていただけるなら教えていただきたいし、それとともに、やはりそれでもなおかつ今この時期にこの法案をどうしても出さなくちゃいけないんだという問題について、もう一度整理をして、なぜ今出すのかという整理をした上で御説明をいただければと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 自主的なテレコムサービス協会等がつくっておりますガイドラインの評価は後ほど副大臣か局長に答弁してもらいますけれども、なぜこの法律を出すかということなんですけれども、先ほども申し上げましたが、インターネットがこれだけの普及で、いろんな情報が中に流れていて、しかもそれ、先ほど小坂副大臣が言いましたように、権利侵害に属するものが相当あるわけですね、件数が。そういうことで、一方ではぜひルールづくりをやってくれという強い要請がありまして、やっぱり自主的なガイドラインでは限界があるんですね、モデル契約約款ですか、そういうものではやっぱり限界があるんで、法律があるかないかで物すごく違うんですよ。 そういうこともありますし、いろいろ法律づくりの難しさもありましたが、とりあえず、とにかくこういうことで、いろんなことの責任を明らかにする、あるいは開示請求権等を認めるということから始めてみようではないか、こういうことなんで、これで十分だと思っておりません。さらにこれを深めていく、あるいはほかの法制が必要ならほかの法制も考えていく、こういうことが必要だと思いますけれども、これだけインターネットが、普及率が急速に進んでいる中で何にもしていないというわけにいかない、そういう事情が背景にあるわけでありまして、ぜひこの法律を成立させていただいて、適正な運用をしてみて、さらに次のあれを考えたいと、こういうふうに思っております。
○副大臣(小坂憲次君) 大臣が申し上げたことに加えますと、プロバイダー等は、権利を侵害された者、すなわちいわゆるビジターと呼んでいる部分でございますが、そういった人たちとの間に契約関係がない場合でございまして、そういった場合、約款で規律することができないということが一つございます。 それから、すべてのプロバイダーがこのような約款を設けているわけではございませんので、そういったものにおいて限界がやはり同時に指摘をされておりまして、今、大臣申し上げたような形で規定をさせていただくということになりました。
○木庭健太郎君 もう一つ、基本的問題でお聞きしておきたい点は、やはりどうしてもこの法案だけ見てしまうと、プロバイダー等の責任の明確化というものを法律ではうたっていらっしゃるんですけれども、権利の侵害を受けた受信者の問題についていろいろ御意見もあるようでございます。一つの意見としては、これは決して受信者を救済することにならないとおっしゃる方もいらっしゃいます。 実際に、今回の法律において、権利の侵害を受けた受信者にどのようなメリットがあるのかということについて、もう一度きちんとした形でお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほど申し上げましたように、プロバイダー等の責任というものを仕分けをしていくということがありますけれども、受信者にとりましては、権利を侵害された場合には削除ということがとれるわけですね。それは私は一種の救済になりますし、発信者について情報開示の請求権を行使して、いろんなそれで手だてがまたとれるわけでありますから、裁判その他、そういうことでは、とにかくすべての救済ではないかもしれませんが、相当の救済になると、こういうふうに思っております。
○木庭健太郎君 先ほど、この法律をつくる理由、これだけのいろんなインターネット上の問題が起きているからだという御指摘もありました。 私は、もう一つの視点として、やはりこういった問題について、日本だけでなくて諸外国でいろんな問題について同じような、同種の問題についての取り組みというのが行われている。いわば、今回、一つ法律をつくっていかなくちゃいけないのは、欧米諸国を見るとそれなりの法的整備が整えられつつある。それに従って日本を見た場合、自主規制だけでできるのかといえば、やはりそこは法的措置が要るんだという視点があるから、私は、今回こういう法律を出さざるを得なかったというか、もう本当はもう少し蓄積した方がいいかと、いろんな意見があったと思うけれども、出さざるを得なかったんだという一面があるんだろうと私は思っている一人でございます。 その意味で、欧米諸国でどのように、このインターネットにおける名誉毀損とか著作権侵害とかプライバシー侵害とか権利侵害についてどういう対応をしているのかというような点についてお聞かせをいただくとともに、またそういう各国の状況から見て、今回の法案、日本の場合は非常にこれ、規制が緩やかじゃないかという御指摘をされる方もいらっしゃいます。そういったこともあわせて御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) プロバイダー等の責任の制限につきましては、今回御提案申し上げましたこの法案と同じような中身が、アメリカ、ドイツあるいはEU指令等において規定が整備をされております。いずれも、これもプロバイダー等が責任を負わない場合についての規定ということで、私どもが御提案申し上げたのと同じような中身になっております。 具体的には、アメリカではもう通信品位法が一九九六年、それからドイツにおきましてはテレサービス法が一九九七年、それからEUにおきましては電子商取引法的側面指令というものが二〇〇〇年に制定をされまして、加盟各国において国内法制化の検討がされているというふうに伺っております。 また、発信者情報の開示でございますけれども、これにつきましても、アメリカあるいはイギリスにおきまして開示を可能とする手続が存在をしているところでございます。 なお、アメリカの場合には、名誉毀損、プライバシー侵害等と異なりまして、著作権侵害の場合にはこれだけ特別法でデジタルミレニアム著作権法というものが一九九七年に制定をされております。 以上、御説明しましたとおり、私どもはこの法案は諸外国と国際的な整合性が非常にとれているというふうに思っておりますし、インターネットがグローバル化を念頭に置かなければいけないものでございますが、国際的に見ても十分調和が図られているということであるというふうに考えておりまして、この法案が諸外国に比べて規制が緩やかであるというようなことはないというふうに考えております。
○木庭健太郎君 午前中からずっと一番のこの法案の議論になったところはどこかというと、法案で、他人の権利が侵害されると信じるに足る相当の理由と、この部分ですね。ここが午前中からずっと論議をしてきているわけでございます。 お話をお聞きしていますと、この判断基準、だれがやるのかという問題ではプロバイダーがやるんだと、こうおっしゃっております。ただ、本当にそれだけに任せてしまうと、例えばプロバイダーの裁量となれば、そのプロバイダーごとに異なるような、削除する場合とか削除されない場合とか、そういうプロバイダーごとの違いが出るというような可能性もあるわけであって、そうすると、権利を侵害された受信者と情報提供者と双方に混乱を来すおそれもありますし、このことによって、逆に規制の緩やかなプロバイダーの方に情報提供者が移動しようとか、いろんなさまざまな問題が起こってくるんではなかろうかと、こんなことも考えるわけです。 ただ、午前中からの議論を聞いておりますと、総務省としては、まず、これについてはどうするかとおっしゃったら政府として解釈指針をおつくりになると、こうおっしゃっている。そして、これは協会の方にはガイドライン作成を促していこうと、こうおっしゃっている。そうすると、これは答弁を私が言ってもしようがないんで、じゃ一体、解釈指針というものについて、例えば公布の関係でいくと、いつまでにこれをきちんとした形でまず解釈指針というものを示そうとなさっておられるのか。また、この法律が実際運用されるまでには、ガイドラインができ上がっているという状況をつくった上でこれが運用されるように実際にこの法律がなるのかという問題もきちんと整理をしていただきたいし、それが逆に言うと、プロバイダーに対する安心感を与えることにもなると思うんで、ただ、その一方で、余りこれ総務省がかみ過ぎると、先ほど局長の答弁では、表現の自由という問題があるんだから、これに余り役所がかみ込むのはどうのこうのとおっしゃっている。その一方で、解釈指針はつくらなきゃいかぬ、ガイドラインにはできるだけお手伝いしたいと、こうおっしゃっている。 この辺、なかなか難しいなと思いながらお聞きしておりましたが、現実にこの問題、どういうふうにして整理をされていこうとしているのか。特に、少なくともこの法律が運用される時点では、解釈指針ができ上がってガイドラインができ上がった状況でスタートするのか、その点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 今すぐにと言われますとなかなか難しい部分がありますが、実際にはこの法律を成立させていただきまして施行までに六カ月間あるわけでございまして、その六カ月間にこのプロバイダーの業界の皆さんと積極的に話し合いを進め、また業界の中での相互の話し合いも行われるというふうに思うわけでございまして、そういった中から私どもの解釈指針というものを出させていただき、またそれに沿った形の業界のガイドラインというものが制定されてくると、こう期待をいたしております。 それがスタートラインになるかと思うわけでございますが、今御指摘のように、プロバイダー間が常に全く同じ基準になるとは限りませんので、そういう意味で若干、規制の緩い方にシフトするということが一時的には起こるかもしれません。しかし、それによって移ったことにまた反作用というものが起こるわけでございまして、時間の経過とともに平準化してくるということになるということに私は期待をいたしているところでございまして、そういうふうになるような解釈指針というものもつくっていきながら業界の皆さんの自助努力というものを促していきたい、こう思うところでございます。
○木庭健太郎君 ぜひその点だけはきちんとやっておかないと、いざやっても、先ほどから言われておるように、何が一体何なのかという問題で最初からがたがたするのでは仕方ありませんし、ある程度の基準、そしてガイドラインというものはぜひこの法律が運用される段階では整えておいた状態でのスタートという、少なくともそのことぐらいはやっていただきたいなと、このように思っております。 さて、電気通信事業法という法律におきましては、第三条で、「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。」というふうに三条でなっております。四条二項を見ますと、「電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。」というふうにあります。 今後、プロバイダーの判断による発信者の削除という問題と検閲の禁止及び権利を侵害された受信者への情報提供という問題、秘密の保護との関係について、それぞれお聞かせを願えれば。 〔委員長退席、理事景山俊太郎君着席〕
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のように、プロバイダー等は、今御指摘の電気通信事業法の規定が適用されるというふうに思うわけでございますので、この義務は当然課せられることになってまいります。 電気通信事業法第三条によって禁止されている検閲というのは、思想内容等の表現物について発表前にその内容を審査することをいうと考えられております。このため、本法案が対象としているような、既に流通に置かれた、開示されて流通状態に置かれた後の情報についてプロバイダー等が削除等の措置を講ずることは同条の検閲には当たらないものと考えております。 また、発信者情報は通信の秘密の保護の対象となり得るものでありますけれども、本法案により一定の要件を満たす場合に開示を認めることといたしまして、この場合には通信の秘密侵害の違法性を阻却することになると、こう考えております。
○木庭健太郎君 また細かいことをお聞きしますが、この法律では、権利が侵害されたとする者から違法情報の削除の申し出があったことを発信者に連絡し、七日以内に反論がない場合に発信者の情報を削除できることになっておりますが、削除の申し出はどのようにして行われるのか、まず一点お尋ねしたいし、また、発信者への連絡はどのようにして行われるのか。七日以内という七日と区切った理由はなぜかということをお聞かせを願いたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 措置の申し出、それから発信者への照会につきましては、特に方式は定められておりませんので適宜の方法で行うということになるわけでございますけれども、ただ、事後的な紛争防止の観点からは、例えば電子署名ですとかあるいは配達証明つきの郵便ですとか、プロバイダー等それから発信者側で確実に認識ができる方法によって行うことが望ましいというふうに考えているところでございます。 それから、七日以内ということの根拠でございますが、これは、権利を侵害された者から見ますればできるだけ早く削除をするということが必要でありましょうし、それから逆に発信者側からしますと、やはり表現行為に対する制約ということになりますので、申し出をするのに十分な時間的余裕がある必要があるわけでございます。その上で、申し出の方法は発信者において選択されるものでありますので、郵便という手段も含めて多様な方法を前提とする必要があるということで、可能な限り短縮した日数として七日間というふうに定めているものでございます。 なお、ほかの法律を見ますと十四日間の経過を必要とするというものが非常に多うございまして、そういった意味からできるだけ短い期間にしたということでございます。
○木庭健太郎君 もう一つ、プロバイダー等が権利侵害に当たらないと判断して手続を踏まなかった場合など適切な措置を怠った場合、総務省はどのような措置がとれるのか、またとるおつもりなのか、その点についてもお尋ねしておきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) 他人の権利を侵害する情報の送信を防止する措置を講じなかったことに関しましてプロバイダー等の責任でございますけれども、これは、この法案の第三条第一項の規定による責任の制限に該当しない場合、この場合には民法の不法行為等の一般法の規定に基づいて責任が生ずることになるわけでございます。 なお、プロバイダー等が実際にどのような場合に送信防止のための措置をとることができるのかどうか判断がつきにくい場合が出てくるわけでございますので、種々この場で御議論がありましたけれども、解釈指針ですとかあるいは自主的ガイドラインということで支援をしてまいるということを考えておるところでございます。 なお、総務省がどういう関与をするのかというお問い合わせでございますが、特定電気通信において他人の権利を侵害する情報の削除が行われなかった場合があったとしましても、総務省として個別のケースに何らかの関与をするということは考えておりません。 〔理事景山俊太郎君退席、委員長着席〕
○木庭健太郎君 最後に別の観点から、これもずっと議論になっておりましたけれども、携帯電話からのインターネットの接続に伴って迷惑メールという問題もきょう随分議論になってまいりました。ただ、特定の者とはいうものの、携帯電話利用者を保護して安心してサービスを利用できる環境を整えることは確かに今必要なことだと思っております。現在の迷惑メール対策について、もう一度、どのような問題として総務省として対策をお取り組みになっているのか。 また、この迷惑メールに起因する利用者のこういう利益阻害要因を除去するための施策を義務づけるためには、先ほどから法的措置まではというお話もありましたが、やはりさまざまな検討をなさる中で、それはいろんなものとの整合性はありますけれども、法的措置をとらざるを得ないというようなことも起こり得るだろうと私は思っておるんですけれども、そういったことも含めて検討すべきだとこの迷惑メールの問題については思っておりますが、いずれにしても現状の対策及び今後どう検討をなさっていかれるつもりか、最後にお尋ねして、私の質問を終わります。
○副大臣(小坂憲次君) 御指摘のように、Eメールの中にも何十万件というものをコンピューターを使って発信をするといういわゆる迷惑メールがありまして、これが社会事象として問題になってきているということについては認識を同じくいたしております。 このように望まない受信者に対しても送信される迷惑メールに対する対策につきましては、本年四月に私どもから各事業者に対して、携帯電話事業者に対して対策の検討を要請したところでございまして、これを受けて各事業者においてはこれまでに、電話番号を先にくっつけたアドレスから英数字の組み合わせによる任意のアドレスへ変更するように利用者に働きかける、周知を図るということ、また、端末の機能の充実を図りまして、特定のアドレスからの指定受信、着信拒否をできる設定の件数の上限を拡大する等の対応策を実施してきたところでございます。 また、先般、迷惑メールを送信していた者に対してNTTドコモが申し立てていた送信禁止の仮処分が認められた事例がございました。総務省としても、望まない受信者に対して大量に発信される迷惑メールによって電気通信事業者の設備の機能低下がもたらされたり利用者の利益が阻害される事態は望ましくないものと考えておりまして、裁判所において適切に判断されたものと考えております。 総務省としては、例えば一回の送信によって多数の受信者にあてられ、かつ架空のアドレスを大量に含むようなそういった形態のメールの発信、いわゆる迷惑メールについて、電気通信事業者による一定の措置を可能にする。例えば何十万と出しますので何万件という戻りが来るわけですね、そういったようなメールの発信形態は、発信者のアドレスからのものをサーバーが拒否するような装置をつけるとか、いろんな形は考えられるわけですので、そういったことにつきまして、必要に応じてこの防止策について業界団体と話し合い、適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 終わります。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。 我が党は、インターネットが持っている人類の文化と民主主義の発展、大きな可能性を重視をして、政策的にその普及を図ることにも大きな意義を認めてまいりました。そして、これまで政府の出してこられたIT関連の法案に反対した場合でも、それは出されたものがIT化の促進に役立たないものだったり、税金のむだ遣いを助長するものだと考えたからであります。 また、政府が通信と放送の融合を掲げて幾つかの法案を出してきたことについて、私はことしの五月二十九日、この委員会で、通信が放送と融合するということを議論するのであれば、放送の規律をこれからどうしていくのか、通信の秘密をどう扱うのか、こういう大問題を避けて通れないということを指摘をいたしました。名誉毀損やプライバシーの侵害などから国民の権利をどのように守るのか、自由な言論、市民の情報発信の権利と機会をいかに拡大するのか、こういう大きな観点から見るならば、本法案はプロバイダー営業保護法案とでも言うべき範囲の狭さを指摘せざるを得ないものになっております。 しかし、その範囲で見る限り、もちろんルールづくりは必要だと我々も考えます。しかし、ここには非常に微妙な問題、かつ根本的な問題が含まれておりますので、そもそも論に立ち返った検討を行いたいと思います。 そこで、まず大前提からお伺いしたい。 本法案は、電気通信事業者が厳密に守るべき義務としての通信の秘密の保護に対して一定の例外を設ける効果を持ちます。それは法案の用語で言う「特定電気通信」が公然性を持っている通信であることを前提にしていると思うのです。したがって、これと違う典型的ないし純粋な個人間の通信、言葉をかえれば公然性を持たない通信に関して電気通信事業者の負っている義務には何らの変更を加えるものでないということは明らかだと思いますが、そういう理解で、大臣よろしいですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 宮本委員御指摘のように、この法案は不特定の者によって受信されることを目的とする通信を対象にいたしております。不特定の者によって受信されるということは、もしそこで権利侵害の情報が流れれば被害が相当甚大になる、こういうことのために特別の措置をとろうと、こういうことでございまして、電子メールのように特定の受信先、こういう公然性を持たない通信というのですか、それを対象にしておりません。
○宮本岳志君 通信の秘密の保護は憲法第二十一条にかかわる権利でありまして、ゆめゆめおろそかにしてはならないものだと思います。それは当然、大臣もお認めになられました。 ところで、いわゆる電子掲示板などに書き込まれた内容は、もともと不特定多数が見ることを前提にしている以上、通信の秘密の保護の対象とはなり得ません。しかし、だれがいつそれを書き込んだか、あるいはだれがいつその掲示板を読んだかという記録は、それとは別の問題となってまいります。 そこで、局長に聞くのですけれども、インターネット上のいわゆる電子掲示板への接続の記録は通信の秘密として保護の対象になると思うんですが、間違いないですね。
○政府参考人(鍋倉真一君) 電気通信事業法第四条に保護されます通信の秘密の範囲でございますけれども、これは、通信内容にとどまらず、通信当事者の氏名、それから発信場所等、通信の構成要素、それから通信回数等、通信の存在の事実の有無を含むものでございます。 したがいまして、インターネット上のいわゆる電子掲示板への接続の記録も、それが個別の通信に関するものである限り、通信の秘密として保護の対象になるものというふうに考えております。
○宮本岳志君 普通の常識でも、インターネットでいつ、どんなサイトにアクセスしたかといったことは個人のプライバシーにかかわる問題です。法律上も電気通信事業者はそれを通信の秘密として守る義務を負っております。したがって、電子掲示板に書かれていて、だれでも見ることのできる書き込みであっても、それをだれが、いつ書き込んだかの通信記録には通信の秘密の法理が適用されることになります。 つまり、電気通信事業者がみだりにそれを開示することは許されないばかりでなく、それを開示させる法令をつくろうという場合でも、憲法上の通信の秘密の適用から除外するに足るだけの十分な理由がある場合に限るのでなければ、憲法違反となると私どもは考えます。 そこで、これも局長にお伺いするんですが、本法案において、発信者情報が開示される場合の規定について、通信の秘密との兼ね合いをどのように考慮されたかお聞かせください。
○政府参考人(鍋倉真一君) 先生おっしゃいますとおり、通信の秘密につきましては、憲法上の基本的人権として保障されているものでございます。その制約が許されますのは、他者、ほかの者の正当な権利行使のために必要であって、しかもなおかつその目的達成のために必要な限度で行われる場合に限られるというふうに考えられます。 本法案でございますが、発信者情報開示請求権の要件としまして、開示の請求をする者の権利の侵害があったことが明らかであること、それからもう一つ、開示を請求する者の損害賠償請求権の行使に必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由のあることというものを要件としているものでございますので、開示の要件は極めて厳格というふうに考えております。 したがいまして、本請求権は、通信の秘密の制約としての適切な要件を備えておりまして、問題はないというふうに考えております。
○宮本岳志君 これは憲法に保障された表現の自由にかかわる問題でもあります。個人が行った意見表明やさまざまな表現活動については原則として制約を設けないということが社会の民主的な発展に最も有益だという見地が憲法第二十一条の規定の土台となっていると思うんです。 それは、必要な場合には匿名で発言するという形態も含めて、他人の権利を不当に侵害しない限りは自由だということであります。そして、同じ二十一条に通信の秘密が規定されているのは、この二つの原則が深い関連を持っているからだと思うんです。 今審議している法案との関連でいっても、匿名で行った発言の発信者がたやすく暴かれるようではネット上で匿名の発言をするという自由はなくなるということになります。憲法上の表現の自由から、ネット上で行った匿名での発言について、それが違法なものでない限り責任を問われないし、だれが発信者かの追及もされてはならないということを、総務大臣、これお認めになっていただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今御質問のネット上で行った発言について、匿名で行われるものでございましても、違法でなければ、それが、一般の民事上の原則に従って発信者は責任を問われない、こういうことになると考えております。
○宮本岳志君 情報の削除というのは、仮に誤って行われたとしても、再びアップロードすることで原状が回復され得ます。しかし、発信者情報の開示は、万一誤って開示してしまうと後からは原状回復できない性格のものであります。その意味でも極めて慎重かつ適正な対応が必要だと思います。 電気通信事業を所管する総務省として、その点を踏まえて、事業者が発信者情報の開示をみだりには行わないように指導するといいますか、インセンティブを与えていくというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 言われるとおり、発信者情報が誤って開示されるということはまた別の意味で問題となるわけでありますから、開示に当たっては慎重に判断が行われることが必要でありますので、この法案では、発信者情報の開示を請求できる要件を大変厳格に規定いたしております。 したがいまして、本法案の実施に当たりましては、規定の趣旨が十分理解され、適切な運用が図られるよう、必要に応じ関係者に周知徹底を図りたいと考えております。
○宮本岳志君 同時に、ネット社会特有の人権侵害に対して被害者の救済に万全を図っていくことが早急に求められております。それは、瞬時に情報が世界を駆けめぐるというインターネットの特質から、深刻な人権侵害が極めて容易に行えるようになっているからであります。 ことし四月に日弁連が総務大臣に提出したサービスプロバイダーの法的責任における判決、執行等の問題に関する意見では、サービスプロバイダーに対する免責の範囲及び方法は、被害者、権利者の法益を過度に制限することはあってはならない、そして、違法な状態の解決が速やかにできるようにする必要があることを指摘をしております。これは、違法な情報の解決をおくらせると取り返しがつかない場合がしばしばあるからであります。 そこで、局長にお伺いしますけれども、インターネット上の違法な情報の削除がおくれ、一定の期間放置された場合に起こり得る事態についてどのように認識しておられますか。
○政府参考人(鍋倉真一君) インターネットにおいては、一たん権利を侵害するような情報の発信が行われますと、先生今御指摘のとおり、次々と受信されて際限なくその被害が拡大していくという可能性がございます。したがって、違法な情報の削除がおくれ、一定の期間当該情報が放置されるというようなことになりますと、被害者の権利侵害はより拡大をして、回復しがたい損害が生じるおそれがあるというふうに考えております。 そこで、このプロバイダー等特定電気通信役務提供者としては、本法案の規定の趣旨に従って、違法な情報の流通に対しては速やかな削除措置を講じるなど、適切な対応をとることが期待されるということでございます。
○宮本岳志君 人権侵害に当たるような文言や画像その他の情報がネット上に存在した場合、その違法性について争って決着がついてから削除するというのでは、被害者は実質的に救済されない可能性が高くなります。それは、ネット上の情報というものは容易にコピーをされるために、ダウンロードされていつまでもだれかのコンピューターにデータとして残る、場合によっては、法律に基づき削除された後で第三者がまた別のところにそのコピーを提示するというようなことも起こりかねないわけです。 この点についての大臣の認識と対応の方針についてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(山内俊夫君) ただいまの質問に対して、本法案は、権利を侵害しようとされる情報の流通によりいたずらに被害が拡大し続けることのないよう、特定電気通信役務提供者による迅速かつ適切な対応を促進するため、特定電気通信役務提供者の責任を明確化するための規定を設けているということであります。 本法案によって、例えば他人の権利が侵害されていると信じるに足り得る相当の理由がある場合には速やかに削除等を行うことが期待され、権利の侵害の有無に関する争いが最終的に決着するまで漫然と放置されるという状況は回避できるものと考えております。 なお、本法律の円滑な施行を促進するため、必要に応じ、本法案の趣旨等について関係者への周知を十分行ってまいりたいと、そのように思っております。
○宮本岳志君 ぜひ厳正な対処をお願いしたいと思います。 法案についてもう少しお伺いしたいところなんですが、情報通信関連で他にどうしても聞かなければならないことが幾つも出てきております。 一つは、先月十九日の日経に載った、ドコモが一五%を出資しているKPNモバイル株の評価損四千億円を中間決算として計上するという記事です。伝え聞くところによると、この記事が出た日に当のドコモ自身はまだ決まっていないと否定のコメントを出し、それを遮るように、持ち株会社の宮津社長が評価損の計上を明言するという混乱ぶりだと報道されております。 まず、総合通信基盤局長にお伺いするんですが、監督官庁であり、持ち株会社から見れば最大株主の立場でもある総務省として、この件をどのように認識しておられますか。
○政府参考人(鍋倉真一君) NTTドコモは平成十二年八月にIMT二〇〇〇それからiモードなどモバイル・マルチメディア・サービスの欧州での早期展開を図るためにオランダのKPNモバイル社に一五%、約四千億円を出資したというふうに伺っております。しかし、最近の海外市場におけるIT不況の影響等によりまして、KPNモバイル社への出資に対する評価の見直しについて種々先生御指摘のとおり報道されているということは私どもも承知をしているところでございます。 NTTドコモからは、KPNモバイル株の評価に関する具体的な会計処理につきまして、実際に評価損を計上するかどうかも含めて現在検討中であるというふうに聞いておりますけれども、その詳細については承知をいたしておりません。
○宮本岳志君 これはKPNモバイルだけではないんですね。ドコモが一兆一千億円を出して出資したAT&Tワイヤレスは、株価大幅下落という報道がございます。NTTコムが六千億円で買い取ったベリオに至っては、倒産の瀬戸際だという報道もされております。 私は、ことし六月の委員会でもこういったNTTが進めてきたリスキーな投資を批判したわけですけれども、片山大臣は、損になると思って投資したわけじゃないなどとNTTを擁護いたしました。当たり前なんですよ、損になると思ってやられたらこれはまさに背任なんです。そうして、経営責任を不問にするばかりか、NTTが一層海外投資を拡大するための法改正まで行いました。 これは総務大臣にお伺いするんですが、NTTドコモ、NTTコム両社の保有する海外の出資会社の株価がほとんど軒並み大幅な下落をしている、評価損の実態は両社を合わせれば一兆円を超えるとの報道もございます。これだけ重大な事態になっても、NTTの社会的責任に照らして問題はないと大臣はお考えになるのか、どうぞお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、宮本委員お話しのように、NTTドコモとNTTコミュニケーションズが海外投資をやったことは事実であります。その結果が、評価が大幅に下落しているその他の指摘がありますけれども、具体的な処理方針、検討状況については詳細にまだ私は聞いておりませんが、しかるべき対応をされると、こういうふうに思います。 国際競争力強化という、いろんな観点からそういう投資を選ばれたんだろうと思いますけれども、世界的なIT不況だとかその後のいろんな情勢とかで、実態としては今お話しのようなことになっていると思いますが、それぞれの経営陣が一生懸命考えて、その結果でございまして、民間企業の経営判断について我々がどうだこうだと言うことが必ずしも適当でないわけでございますので、具体的なコメントは差し控えたいと思いますけれども、ぜひ適切な会計処理によって健全な財務状況に返していただくことを期待しておりまして、もう少し状況を見守りたいと、こういうふうに思っております。
○宮本岳志君 いや、民間の会社だとおっしゃるけれども、紛れもなく持ち株会社は総務省が最大の株主ということであります。 それから、この間の委員会審議でも、やはりNTTのネットワークというものが旧逓信省、そして電電公社以来受け継いできたものであるということも繰り返し議論をさせていただきました。そういう中でつくられたこのいわばお金をそういった形で投資をした、それがそういう形で特別の損失を生むということになっていると。そのことについてやはり社会的な責任があるのではないかということをお伺いしているので、いかがですか、その点はお認めになりませんか。
○国務大臣(片山虎之助君) それは経営者としての経営判断、いろんなことについての私は責任がないわけではないと思いますけれども、しかし、それはそれぞれの会社の経営の問題として正規な手続で意思決定をした結果でございまして、しかもその対応については現在検討中と聞いておりますから、我々はそれを見守ってまいりたいと、こういうふうに思っております。 もちろん、言いましたように、全く民間の会社だとは思っておりませんけれども、しかし、かなり民間の会社に近い会社でございますので、特にドコモもコムズも持ち株会社の下にありますけれども完全に一体じゃございませんので、その辺できるだけ我々は自主性を持ってそれぞれ動いてもらいたいということはお願いしておりますし、そういう観点から総合的に今後見守りながら我々としての対応も考えたいと思っております。
○宮本岳志君 しかし、私は、総務大臣初め総務省は、このNTTに対して、なるほど海外投資はえらく自主性をお認めになるんだが、もう一方で、経営合理化については、自主性を認めるどころか、私は一つの方向性を押しつけてきたと思うんです。 NTTは一方で十一万人のリストラ計画を発表しております。この海外投資の失敗を不問に付したまま、地域会社を中心に十一万人もの労働者の生活と将来にかかわるリストラ計画を進めるということは絶対に認められないと私は思うんです。片山大臣はことしの六月、我が党の八田議員の質問に、今進められている十一万人リストラ計画について総務省には責任がないかのような答弁をいたしました。 そこで聞きたいんです。片山大臣は、五月二十九日、衆議院総務委員会で「過剰雇用問題を中心にどういうふうな経営改善をやるかというのはNTTにとって大きな課題」と、こう答弁されました。NTTに過剰雇用問題が存在するという認識なんですか。そして、それは経営改善の中心問題だという御認識なんですか。いかがですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 過剰雇用問題と私が答弁したかどうかは今定かではございませんけれども、経営基盤の安定化に向けてNTTがいろいろ努力している、取り組んでいるということはそのとき答弁いたしました。 それで、今、十一万人云々と言われますが、基本的にはアウトソーシングなんですね。分社化じゃありませんけれども、アウトソーシングをやって経営体質の強化ということでいろいろ取り組んでおられますから、私はそれはそれでそれまたNTTの御判断で、しかも労使である程度協調しながら事を進めようということでございますから、それが全部おかしいとかというわけにはなかなかならないのではなかろうかと。 ただ、我々も経営の効率化ということはNTTさんの方にお願いしておりますので、そういうことの中でNTTが今努力されている、こういうふうに理解しております。
○宮本岳志君 いやこれは五月二十九日の衆議院総務委員会議事録でも明確に「過剰雇用問題を中心にどういうふうな経営改善をやるか」と大臣述べておられますよ。 じゃ、過剰雇用問題は存在しないという御認識ですか。
○国務大臣(片山虎之助君) 過剰か過剰でないかはそれはどういう判断でどういう基準で物を考えるかということでありますけれども、とにかく大幅なアウトソーシングをやるということは、やっぱりそれはそういう私はNTTグループとしては認識ではなかろうかとこういうふうに思っております。
○宮本岳志君 つまり、当事者の自主的な問題だと言うんだけれども、例えば五月八日に社長あてに文書を出しておられます。ここにその基盤局長名の文書がありますけれども、結論のところを読むとこう書いています。「ついては、貴社において、上記の考え方を踏まえ、自主的な実施計画を速やかに作成・公表することを期待するとともに、その実施状況について報告されたい。」。なぜ実施計画の作成は期待するとしているだけなのに実施状況については報告されたいとなっているのか。実施計画がなければ報告のしようもないんですから、これはつまり事実上実施計画の作成と報告を強制するものではないのかと思いますが、これは基盤局長の名前の文書ですから、これは強制じゃないんですか。
○政府参考人(鍋倉真一君) 五月八日に、私の前任でございますけれども、基盤局長から文書をもって自主的な実施計画の作成を要請したところでございます。 これは、先生御承知だろうと思いますが、政府の規制改革推進三カ年計画がございまして、この決定の考え方に従いまして、電気通信市場における競争の促進に資する計画をNTTが自主的な経営判断に基づいて作成、公表することを期待するというその政府の立場を伝えたものでございます。 したがいまして、あくまでNTT自身の経営判断を尊重するものであって、当該文書によりましてNTTに対して計画の作成を強制したというものではございません。 なお、御承知だろうと思いますが、NTTにおきましては、去る十月二十五日に、この政府決定を踏まえ、「当面の経営課題に対するNTTの取り組み」ということを自主的に公表されたところでございます。
○宮本岳志君 時間が参りましたけれども、自主的、自主的なものだと言いながらも、実際上はこうして報告されたいという文書を出してきているわけです。そして、衆議院の答弁では大臣は過剰雇用問題ということを口にされたわけであります。その一方で、海外投資の失敗は一切責任を問わない。 週刊東洋経済は、この十一万人リストラでの賃金抑制効果のシミュレーションを行っております。この週刊東洋経済によりますと、会社側主張のとおりで賃金抑制した場合でも二百二十九億円という計算になっているんですね。NTTコムとドコモがこの間海外投資に投じた額は二兆四千億円、百年分ですよ。そして、損が出ていると報じられている一兆円でさえ五十年分なんです。こんなことは絶対に許すわけにいかないと思います。 委員長、私、この問題、本委員会での集中審議を行うこと、そしてNTTの宮津社長を参考人にお招きすることを要求したいと思いますが、御検討願います。
○委員長(田村公平君) 追って理事会で検討いたします。
○宮本岳志君 委員長。
○委員長(田村公平君) 時間が来ております。
○宮本岳志君 我が党は、国会の内外で、NTT十一万人リストラ計画を初めあらゆるリストラ攻撃に反対して国民とともに闘う決意を申し述べて、質問を終わります。
○又市征治君 社民党の又市征治であります。 初めに、我が党の基本的な見解を述べておきたいと思います。 電子情報の普及は、社会にメリット、デメリットの両面をもたらしました。そもそもインターネットの原型は、アメリカの軍事目的の情報網であったわけです。それが大学等の学術研究のネットワークに転用されて、さらには世界じゅうの一般市民にほとんど無料で開放されて現在の姿になってきました。 こうした経過が示しますように、情報通信技術そのものは中立的なものであります。インターネットの普及の結果、従来は一般市民にとても手に入れられなかった行政や企業、団体の情報が、安価に迅速にいながらにして入手できるようになりました。このことは、国民の知る権利にとって大きな前進であります。反面、名誉毀損あるいは著作権侵害、プライバシーの侵害といった違法な情報や、法で取り締まることができない青少年などには有害な情報も流されるようになったわけですけれども、こうした違法や有害な情報の流布はインターネット以前にもあり、既存の法体系でこれは規制されています。ただ以前と違うのは、インターネットは即時性があり、もし被害が出れば広範囲に及ぶという点でしょう。 そこで、今回の法案はおおむね必要な内容だと考えますけれども、この種の自主規制としての初めての法案であり、また表現の自由、通信の秘密を守る立場からの批判的意見も多く寄せられているところでありまして、十分な審議が必要でありますが、きょう半日だけの審議という時間の制約は大変残念であります。 さて、問題は言論の自由と電子情報による個人の権利侵害とのバランスにあります。法案に批判的な意見では、この法律で他人の権利を侵害した情報について、プロバイダー等が、ある場合には賠償責任を負わされる結果、扱う情報への自主規制を強める。その結果として、発信者が行政機関や企業、団体に対して批判を書き込んだ場合、プロバイダー等が争いを避けようとして、結局発信者の意見を述べる権利及び第三者の情報を知る権利をあらかじめ制約をして、ひいては争議権や環境権などが制限されるのではないかという意見があるわけであります。 そこで幾つか質問に入りますが、まず第一に、法案第二条の第三号に特定電気通信役務提供者の定義がありますけれども、これによれば、プロバイダーだけでなく、その提供を受けてホームページを持ち、そこに掲示板などを開いている団体や個人、もちろんここにおいでの多くの政治家の皆さんもホームページをお持ちですけれども、これらすべてが含まれるように読めますけれども、ここに言う具体的な対象というのは、プロバイダー、サーバーの管理、運営者に絞られるというふうに確認してよいのかどうか、これがまず第一点目でありますし、二つ目に、現在テレコムサービス協会に加入をして自主的なガイドラインをつくっているのはわずか四百社だというふうにお聞きをしておりますが、プロバイダー事業者は約六千三百社といわれますけれども、この法案で対象になる役務提供者は、今申し上げた数字に当たるのか、もっと広いインターネット事業者に当たるのか、この点が二点目としてお聞きをしたいわけであります。
○副大臣(小坂憲次君) 今御指摘のありました特定電気通信役務提供者には、電気通信事業者であります御指摘のプロバイダー以外にも、大学、企業や個人でプロバイダーと同等の役務を提供するものが含まれるものでございます。 インターネットの普及によりましてこうした役務を提供するものは増大してきておりまして、確定的な数字は把握していないのでございますが、主なものとしては今御指摘の電気通信事業者としてのインターネットサービスを提供しているいわゆるプロバイダーと呼ばれるもので六千三百三十と先ほど申し上げました。これは本年の九月の時点でございます。また、このほかに大規模企業で自社内でLAN、ローカル・エリア・ネットワークを構築している企業、これが一万一千七百というふうに調査で出ております。また、全国の大学、短期大学で一千二百、このほかに、今御指摘がありましたが、個人で電子掲示板を開設している、あるいはホームページを開設しているものも対象となるわけでございまして、電子掲示板は容易に開設が可能なものでありまして、その数については把握をいたしておりません。 そういった形で、今御指摘の部分ではこれは含まれるというふうに解していただきたいと思います。
○又市征治君 かなり多くの国民に影響がある、そういう意味では国民への周知が大変大事だということですね。 そこで、この法案でちょっとあいまいな点ですが、プロバイダーのもとで働いているシステムオペレーターなどの労働者にまで責任があるのかどうかということをお聞きをしたいんですが、この法案がまだない段階での判例で、先ほどもちょっとお話が出ていましたが、ニフティ事件ではシステムオペレーターが訴えられて、地裁、高裁ともにこれに情報削除の権限と義務があるというふうにされています。一審では三者、つまり発信者、シスオペ、そしてニフティの連帯責任、二審では実際には情報を削除したのでシスオペとニフティの責任は問われなかったということになっていますが、しかしこれは会社、団体等の経営管理責任者よりも前に、被使用者であるシスオペに責任があるとした点で現場労働者に非常に酷な判決ではないのか、こんなふうに思われます。 そこで、法案に言う役務提供者とはその会社、団体の中でだれまでを指すのか、単なる今申し上げた労務提供者のシスオペまで責任を問うのは妥当性を欠くんではないか、これは経営管理責任者を指すんだということを確認をしたいと思いますが、どうですか。
○政府参考人(鍋倉真一君) 従業員たるシスオペが不法行為責任を負う場合には、当該従業員を指揮監督している法人も民法の規定に基づいて使用者としての責任を負うということでございまして、要するに両者とも負うということでございます。その意味で、本法案は法人の従業員の責任についても規定しているということでございまして、ただ、これは本委員会でずっと御議論ございますように、この法案は責任の制限ということでございますので、当該従業員は本法案の要件を満たす場合にはその責任が制限されるというものでございます。
○又市征治君 例えばシスオペ、アルバイトの人だとかそういう人々まで、業務命令でやらされている人までも問われるのかという点で、これは先ほど、もう時間がありませんからこれ以上追及しませんが、法律解釈の指針だとかということも出そうというお考えのようですから、そういう点はもう少し具体的に、それから余り広範囲の者を問うことのないように求めておきたいと思います。 次に、時間ありませんから総務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、当初報道されていた案では総務大臣の是正命令権という条項がありまして、これによると罰金が五十万円も盛り込まれていたわけでありますが、今回の成案にこれが入っていないということは、双方の権利のバランスの上で対応すべきだということであって、妥当な判断なんだろうというふうに私は思います。 つまり、あくまでもプロバイダー等の自主規制であって、最終的には当事者同士が裁判で争いなさいという、こういう法律になっている。今後とも行政の直接介入はないんだというふうに確認をしてよろしゅうございますね。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、又市委員言われますように、検討の過程ではいろんな案がございましたが、最終的には民事上のルールを決めようと、こういうことでございまして、特定電気通信役務提供者の責任の制限と発信者情報開示請求権と、こういうものを民事上のルールとして決めたものでございまして、行政による規制、介入は含まないと、こういうことでございます。
○又市征治君 行政の介入とは別に、利用者や事業者による社会的な合意形成が非常に大切なんだろうと、こう思います。 先ほども若干、局長から御説明がありましたが、アメリカではインターネット監視財団という組織が違法なコンテンツに関する苦情を受け付けしたり排除を要請するというスキームが一九九六年からとられているとか、あるいはまた、フランスではコンテンツ提供者とプロバイダーの代表で構成するインターネット評議会が自主規制と調停役も務めていると。さらに、EUでは九七年の行動計画で各国に対して苦情処理センター、いわゆるホットラインでしょうけれども、これの設置と業界の自主規制による安全なインターネット環境の実現を求めているなどという、こういう例があります。 我が国では今のところ、御説明ありましたように四百社の加盟する協会がガイドラインをつくっているということですが、今申し上げた欧米の例を見ても、政府が直接介入すべき問題ではないとしていますけれども、業界の動きをどのように支援をして、そしてまた社会的合意形成をしていくのかが問われているだろうと思います。先ほどもお話がありました法律の解釈指針も一つでしょうけれども、特に苦情処理について、とりわけ発信者の正当な権利行使に支障を及ぼさないように、裁判を待たずとも簡易で迅速な苦情解決の体制というものをぜひとも第三者機関、例えば専門家などによる情報開示審査会のようなものをつくっていくべきではないだろうか、こう思います。 総務大臣からの見解を承りたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、委員御指摘のように、特にヨーロッパにおきましては、業界団体等が中心となりまして違法有害情報まで含めまして、関する利用者の苦情等に対する機関が設立されております。 私は、それはそれで一定の効果があるものと考えますけれども、我が国でつくるとした場合に、憲法で保障されている表現の自由等との関係だとか、だれがどういう形でつくるのか、内容はどうするのかというようないろんな議論がございますので、やはり多角的、総合的な検討が必要ではなかろうかと、こう思っておりますけれども、私は個人的には、将来の課題としてはそういうことの研究も必要ではなかろうかと、こういうふうに思っております。公にやるというわけじゃありませんよ。行政や公じゃなくて、自主的なこういう機関が必要ではなかろうかと個人的には考えておりまして、当面はいろいろと研究をさせていただきたい、外国の例を含めまして、そういうふうに思っております。
○又市征治君 終わります。
○渡辺秀央君 ちょうど三時間今まで審議をいたしましたが、大体問題点はもうこういう法律ですとほぼ出尽くしているように思います。しかし、私としてもなるべく重複しないような角度から許された時間内で端的に御質問し、簡潔にまたお答えをいただければと思うわけであります。 インターネットは高度情報通信ネットワークの急速な普及で進んでいるわけですが、総務省の調査によると、三四%にもその普及率は達している。言うなら三分の一ですわな。大変な普及率だと思うんです。なおまだこれからもふえていくということだと思うんですね。これだけ多数の国民がインターネットを利用して多大な利便をもたらしている状況で、その一方ではインターネット上の、まさに今までいろいろ懸念された議論の中にあるように、違法な情報、有害な情報が蔓延している事実もある。実際に見るにたえないようなものも含めて問題のある情報は流通しているわけですが、こうした情報は青少年も含めて多数の人の目に触れるものであって、早急に適切な措置を講ずる必要ということでこの法案が恐らく考えられた。 先ほど来の議論を三時間聞いておりましても、まあ法律というのは百点満点はあるわけないことはよくわかりますが、特に途上の、発展途上、普及途上、発達途上の中での法律はなかなか大変なことだと、これもよくわかりますし、あるいは大臣や副大臣一生懸命御答弁されている。また、こちらの方も、同僚議員もいろいろ問題点を指摘する、なかなかこれはすっきりしたことにはならぬということもよくわかります。わかりますが、しかしこのインターネットなどの高度情報通信ネットワークにおける情報の適正な流通に向けて、さらに今後、これで終わりということじゃなくて、いろいろ工夫もし、これから幾つかの質問が時間内にできればと思いますが、この法律を補強もせにゃいかぬ面も出てくるでしょう。 それらを考えて、大臣、今後どういうふうに取り組んでいくべきかというような、今後の発達状況にもよるでしょうが、また新しい技術があるいは普及してくるかもわかりません。しかし、そういうこともなかなか予測しがたいことでありましょうが、大臣の考え、今の段階でどういうふうに情報の適正な流れに向けての取り組むべき基本的な姿勢とでもいうべきものがもしおありでしたら、簡潔にお答えいただければと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、とにかくIT社会をつくる、世界で一番進んだIT国家にするというのが当面の大きな政策目標でございまして、e—Japan戦略、アクションプラン、二〇〇二、中間的な目標、プログラムと、こういうことをやっておりまして、私は、インターネットの普及も相当伸びてまいりましたし、電子商取引も進んでまいっておりますし、インフラの整備も進んでおりますけれども、これからは、ここでも相当議論がございました負の部分、陰の部分の対策はセキュリティー、サイバーテロ対策、こういう対策、違法有害情報をどうやって流通面から抑えていくか、そういうことがややおくれている、著作権法の改正を含めまして、そういう気がいたしておりまして、その面にこれから力を入れていく必要があるんではなかろうかと。 インターネットが安心できるものだ、信頼できるものだ、これを利用することがいろんな経済活動も社会活動もそれぞれの国民生活の上でもいいんだということを徹底するためには、セキュリティーの確保というのがどうしても必要だなと、こう思っておりまして、その点、個人情報の保護法もどうもこの国会、継続審査でございますけれども、ちょっと日程的にどうかということもありますし、私はそれができれば政府機関の情報の保護法の徹底も図りたいというようなことも含めておりまして、そういうことの第一歩でこのプロバイダーに関する責任法を出させていただいたわけでありまして、今後とも、元郵政大臣でございます渡辺委員の御指導を得ながら、負の部分の対策、セキュリティー対策に全力を挙げてまいりたいと思っております。
○渡辺秀央君 この種はまさに表現の自由、通信の秘密、人権、言うならブレーキとアクセルを一緒にするようなこれは法律にならざるを得ない。非常によくわかりますね。それから、どういうぐあいに普及しかつ発達していくか、これは今考える、予測している中で法律ということでありますから完璧ではない。しかし、そういう中でお互いに議論をしていかにゃいかぬだろうと思いますね。 私は、今までの議論を聞いておりまして、幾つかの質問も用意したんですが、大分重複もあります。そこで、最後の今の又市議員の質問にもありましたが、私は逆に、これ、どうも免責の要件だけであって、罰則というのは本当にいいのかなと。しかも、もう一つ、これは副大臣でいいですよ。ぜひ、それと同時に裁判、さっき大臣がおっしゃった民事でいくんだと。これは問題が起こってから相当な時間がかかる。その間というものに対する保護というか、あるいは人権というか、その裁判をやっている間の、そういうことというのは、これだけ普及されてきているインターネットの中で一体全体時間の誤差というのをどう考えるかというのは難しい問題だと思うね。しかし、考えていくべきではないかなと。 今、私は基本的に、冒頭で言い忘れましたが、この法律は今の段階でこれでやむを得ないだろうと、賛成をいたします。ですから、そういう前提で、多少の老婆心ながら、その辺について、今後の方向性を言ったから責任はどうだなんということを言うわけじゃないけれども、若干のそういう思いがあっていいのではないかと。そうでないと、どうも今、大臣がおっしゃったように不安感というのは、あるいはまた不信感というのが、憲法上保障されているものとこの問題との関連というものを心配するわけです。副大臣、どうですか。
○副大臣(小坂憲次君) 渡辺委員御指摘のように、従来このようなメディアというのはなかったんですね。例えば週刊誌による情報だとかそういった印刷物による場合は、編集段階を経て出てくるまでに若干の時間があって、どのような記事が掲載されるか事前に察知することができたり、あるいは放送というようなものであっても、一瞬にして消えてしまって、そんなにいつまでも残らない。しかしながら、このインターネットの情報の場合には、掲示をされると、先ほど別の委員の御質問にもありましたけれども、ダウンロードをしてコピーが容易にできて、また再送信が可能であって、転載掲示することも可能である。したがって、時間の経過とともに被害が拡大するスピードというのは飛躍的なものがあるということで、今回の法律でも十分に被害者の権利救済がなされるのかという意見は私どもも注意をして耳を傾けているところでございます。 しかしながら、違法な情報の流通による被害者の救済という観点からいいますと、これまで開示されてこなかった発信者情報が本法案により開示されることとなるのは大きな前進であろうというふうに思うことが一つ。 それから、この発信者情報開示請求権は訴訟外においても行使可能な権利として規定されておりまして、必ずしも裁判を経なければ開示されないということではないわけであります。しかし、発信者の利益を考慮した場合に、訴訟外において誤った開示が安易に行われるということもこれまた問題が大きいと考えられますし、またプロバイダー等も、開示を行わないことによる責任または故意、重過失の場合を除き免責するとかされているために、安易に開示に応じることはないものと考えられることから、当初は裁判を通じて行使されることが多いと思料されます。しかし、ただし今後、裁判の判例が蓄積されることによって、どのような場合に開示することが可能であるかが明らかになっていけば、プロバイダー等がみずからの判断で適切かつ迅速に発信者情報を開示することができるようになり、迅速な被害者救済が図られるものと考えるわけでございます。
○渡辺秀央君 丁寧に答えてもらってありがとう。 そこで、もう全部承知しておりますし、また副大臣もよく勉強しておられるからよくわかっておりますし、今までの三時間の議論でお互いに理解していることですから、例えば端的に、もう時間がなくなってきたが、いわゆるインターネット上で必ずしも子供によい影響を与える情報ということだけでなくて、有害な情報もかなり流されるおそれがありますね。子供たちがまたインターネットを楽しいものだからやるでしょう。例えば家庭にお父さんが持って帰る、お母さんがおもしろくやっている、自分もやってみる、そういうことに対してどういう措置を考えたらいいのか。なかなか難しいとは思うんですけれども、しかしガードすべき問題として問題意識を持っているかどうかだけ、どうぞそれだけ、結論でよろしい。
○副大臣(小坂憲次君) 問題意識は非常に強く持っております。フィルタリング技術等を早急に開発しなければならない、こういう認識を持っております。
○渡辺秀央君 その問題意識を持ってしっかり研究していってもらいたい。 それから、もう時間があと一分でなくなりましたから、まさにこれ、大臣、公布まで六カ月かかる。もう六カ月の間に、あなた、さっき協会の皆さんやらあるいはまたいわゆるガイドラインというものを一緒になって考えるというふうにおっしゃっておられました。やむを得ないことなんでしょうが、しかしこの種の法律ができる、必ずこの間を間隙するようなことがもう既に研究されている。それが世の常ですよ。 そこで、なるべくさっきの裁判に時間かけないということと、それから六カ月を待たずして、施行を六カ月以内というのなら、なるべく早く、準備するのも大事ですよ、大事ですけれども、百点満点無理ですから、なるべく早く施行されるように、まさにリーダーシップを発揮したらいかがかと、また、そう期待をしたいということを申し上げて、もし御意見があったらお聞かせをいただいて、質問を終わります。
○国務大臣(片山虎之助君) 施行期日は、渡辺委員御承知のように、六カ月を超えない範囲で政令で定める日でございますので、できるだけ早く、全力を挙げて対応いたします。
○松岡滿壽男君 今回の法案につきましては、専門家の皆さん方が三時間余の間に一巡、二巡しまして、ただいま元郵政大臣まで質疑をされたわけでありまして、もう既に私が質問することはほとんどないんですけれども、せっかく小会派に配慮いただいて時間もいただいておりますので、若干の質疑をさせていただきたいというふうに思います。 インターネットの急速な普及でありますけれども、このネットワークを統括する管理者が不在ということで、さっきブレーキとアクセルの話が出ましたが、今回そういう対応をするということについては、私自身もこれは必要なことであろう、適切であろうというふうに考えているんです。ただ、プロバイダー等が判断基準とするガイドライン、業界の自主的な基準という形になっていくわけでしょう、当然。これは非常に先ほど来議論の中で一番難しい問題だろうというふうに思うんです。 その前に、インターネットの普及が、総務省の資料をいただいて見ますと四千七百八万人、前年度比で七〇%も急に伸びちゃっている、高齢者も多用しているわけですから。そういう点ではこれは大変な伸びだと思いますし、接続サービスの会社については五千六百十二社、これが前年比三〇%増。ところが、さっき小坂副大臣のお答えですと六千三百三十社ということですが、この数字はどちらがどういうふうに食い違っているんでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) インターネット接続サービス業者、平成十二年末で五千六百十二事業者となっておりまして、先ほどのは平成十三年の九月でございますので、その時点の差というふうに考えられますが。
○松岡滿壽男君 さっきのガイドラインの話ですけれども、現在六千三百三十社ですか、こういうばらばらのサービス業界にガイドラインを浸透させるというのは大変厳しいことだろうというふうに思うんですが、一つの協会にすべて加入しておればそれは簡単ですが、これはばらばらになっているだろうと。そういうところにガイドラインを浸透させるためにどういう対応をなさろうとしておられるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 今回の法律の施行に当たりましては、プロバイダー等による違法な情報の流通への対応方策についてガイドラインを今おっしゃったようにつくっていくわけでございますが、このガイドラインづくりは関係団体内部に限らず、いわゆる権利者、一般国民等の意見を広く聞きつつ行っていくことによりまして、一般に受け入れられるルールとなることが考えられております。 また、こうして作成されたガイドラインが広く活用されるようになれば、裁判上も法解釈の有力な参考資料として用いられるようになるために、未加入の事業者についてもガイドラインに則した対応が求められるのではないか、こう考えるわけでございまして、まず、一般の個人もこういった関係者になってまいりますので、インターネットのホームページ等を通じたりいろいろな機会を通じて、団体のいろいろな会合等を通じて、またこういった事例についてのマスコミにおける取り組み等を通じて普及を図ってまいりたい、そういった機会を有効に利用してまいりたいと考えております。
○松岡滿壽男君 ただ、プロバイダー等については、資本力とか資金力それから人的規模、ばらばらだろうと思うんですよね。そういうガイドラインをつくることによって、新規企業がせっかくつくろう、立ち上げようというものを抑制してしまうという部分もあるんだろうと思うんですけれども、その辺過度な負担になりはせぬかという点についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 本法案の策定以前でありましても、特定電気通信役務提供者は特定電気通信による情報の流通に対して責任を負う立場にあったと思うわけでございます。 むしろ、本法案によりまして、他人の権利を侵害する情報の存在を知らない場合には責任を負わなくていいと、こういうことが明確になりましたし、また一定の場合には削除等を行っても責任を負わないことが明確になりましたので、本法案がプロバイダー等の足かせになることはなく、逆に新規参入を支援するといいますか、明確な指針を与えていくということで、この障害を除去するふうに働くことを期待いたしておりまして、本法案の定める要件のうちの三条の二項のいわゆる「相当の理由」などの要件について具体的な例を示しつつ、指導指針のようなもので周知を図ってまいりたいと考えております。
○松岡滿壽男君 先ほど、昨年比でこのプロバイダーが三〇%伸びたというデータを総務省が出しておられますけれども、今後こういう種類の業界というものの成長、これをどのように考えておられるんでしょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 引き続き成長を遂げていくと思われます。 また、通信技術といいますかサーバーの技術とか、それから各国のインターネットのいわゆるブロードバンド化と言われるような帯域の拡大によりまして、むしろ動画情報等のようなもの、それからリアルタイムでより放送に近い形態のサービス等がふえてくるのではないか、そういったものを取り扱う事業者というものがまたふえてくるのではないか、このように考えられますので、態様も少しずつ変化をしてくると思われますから、諸外国の例等も見ながら順次的確に対応することが必要かと認識をいたしております。
○松岡滿壽男君 先ほど木庭議員の方から七日間の問題についての質疑がありましたが、結局、「照会を受けた日から七日を経過」というのは、七日の起算日は照会を受けた日は含まないということなんでしょうか。その辺をちょっと確認したいんですが。
○政府参考人(鍋倉真一君) 七日の経過の起算点でございますけれども、民法の原則に従いまして照会を受けた日は含まれません。その翌日から起算されるということであります。
○松岡滿壽男君 インターネットに国境はないと言われているわけでありますけれども、ネットワーク全体を総括する管理者が存在していない現実の中で、日本国内においては被害者とプロバイダーと発信者の関係が今回法律案で対応できるというふうに思われるんですけれども、例えば海外のプロバイダー等が対象になった場合はどのように考えたらいいのか。 例えば、受信者が日本国内、プロバイダー等及び発信者が外国の場合、あるいは受信者、発信者が日本国内でプロバイダー等が外国の場合、いろんなケースが考えられるんですけれども、そういう点についてはどのようにお考えかお伺いしたい。
○副大臣(小坂憲次君) 本法案は私人間の権利義務関係を規定する民事的な法律でございますので、国際間の紛争といいますか、権利関係につきましては国際的な私法、国際私法の一般原則に従って判断されることになると思います。 したがって、端的に申し上げれば、ただいまおっしゃったように、プロバイダーが海外にある場合にはこの法律の適用はないわけでございまして、この法律では救済ができないことになるわけでございます。
○松岡滿壽男君 経済活動でのいろんな広がりが将来出てくるわけでしょう、急速に。そういう点では国内法の整備が後追いながら何とかこれで少しずつ整備されていく、それが蓄積されていくだろうと思うんですけれども、インターネットの特性を考えれば、国内法の整備だけでなくて、やはり国際間におけるルールづくりが私は必要だろうというふうに思うんですけれども、総務省としてはどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) おっしゃるとおり、インターネットは国境を越えてまいりますので、そういった意味で国際的な整合性のあるルールづくりというものが望まれるところであると考えております。 このインターネットのセキュリティーの部分もそうでございますし、今御指摘の違法有害情報の流通の面でもそうでございますし、またネットワークの安全性向上、安定的な利用という点においても国際協調というものは欠かせないものと思っております。そういう意味で、各国の法制度等を参考にしつつ、さらに充実を図ってまいりたいと思いますし、また条約等の動きというものをむしろ積極的に働きかける場面も必要になってくるんではないかと思っておりまして、そういった国際団体としてのインターネットドメインを管理する民間団体もございますし、いろいろな国際会議等も、こういった関係のものもございますので、そういう場を通じて意見発表等をしながら、そういった動きを喚起してまいりたい、このように考えております。
○松岡滿壽男君 ぜひそのように対応をお願いいたしたいというふうに思います。 若干時間がありますが、プロバイダー関係はこれで終わりまして、郵政大臣じゃなくて自治大臣、前回私が、例の堺屋太一さんの地方切り捨て論、いわゆる東京、大阪だけ生き残ろう、それによって、そこに集中的に公共投資をすることによって地価を上げることによって不良債権を片づけようという提案が出ているんですよ。それに対して、この前の委員会で私は地方を守るべき立場の総務大臣としてはいかがお考えかということを申し上げたんですが、その後お読みいただいたのかどうか。 きょう、あすとずっと道路整備の問題で地方からたくさん陳情に来ていますよね。非常に地方は切り捨てられるんではないかという危機感を皆さん持っておられるわけです。最後に日本がどういう形で生き残るかという姿が、例えば百年先には六千万になるわけですから、半分に。そのときに地方はどうやって生き残るかということをやはりしっかり考えていかなきゃいかぬところにあると思いますので、最後に総務大臣としての意見を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 前回、松岡委員から御質問ございまして、早速、堺屋さんのを読みました。 あれは一つの考え方であると思います。そういうことに、全国二%のところに集中投資をしてあらゆる規制を緩和して、それによって日本の経済全体の効率化を図ろうと。昔ありましたよね、拠点開発だとか一点豪華主義だとか。ややそういう感じを私は受けましたが、そこだけに投資というわけにいきませんね、やっぱり。だから私は、都市は都市で、大都市は大都市で再生する、拠点都市は拠点都市で整備する、それ以外のところはそれ以外のところでそれぞれ個性を競って、全体がつながっていくような、きょうはネットワークの話ばかりでございますが、日本はネットワーク社会にせにゃいかぬでしょうね。 そういう意味では、堺屋さんの御意見は御意見として承りながら、私どもの方は大都市と地方と共生をしていく、対流をしていく、そういうぜひ我が国を目指したいと、こういうふうに思っておりますので、今後とも御指導よろしくお願いいたします。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。 終わります。
○委員長(田村公平君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、伊藤君から発言を求められておりますので、これを許します。伊藤基隆君。
○伊藤基隆君 私は、ただいま可決されました特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び無所属の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、特定電気通信役務提供者による情報の削除や発信者情報の開示が濫用されることのないよう配慮し、発信者の表現の自由の確保並びに通信の秘密の保護に万全を期すこと。 二、インターネット等の普及により、情報公開や国民の知る権利等の利便が向上する一方で、違法な情報の流通等を原因とする名誉毀損等の権利の侵害が増大している現状にかんがみ、自己の権利を侵害されたとする者の救済等に当たっては、発信者の正当な権利の行使に支障を及ぼすことのないよう配慮しつつ、迅速かつ適切に行えるよう運用の在り方等について検討すること。 三、今後とも、誰もがインターネットを安心して利用することができるよう、違法な情報等に対する適切な対応策を講じ、利用環境の一層の整備を図ること。 四、本法が、国民の権利義務に深くかかわることにかんがみ、その内容について国民への周知徹底を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(田村公平君) ただいま伊藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(田村公平君) 全会一致と認めます。よって、伊藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、片山総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(田村公平君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田村公平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(田村公平君) 次に、地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題となりました地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 この法律案は、住民の利便の増進を図るとともに、地方公共団体の組織及び運営の合理化に資するため、地方公共団体が処理する事務のうち特定のものを郵政官署において取り扱うための措置を講じようとするものであります。 以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 第一は、郵政官署における事務の取り扱いのための手続に関する事項であります。 地方公共団体は、郵政事業庁長官または権限を委任された郵便局長等との協議により規約を定め、戸籍の謄本、抄本等、納税証明書、外国人登録原票の写し及び外国人登録原票記載事項証明書、住民票の写し及び住民票記載事項証明書、戸籍の付票の写し並びに印鑑登録証明書の交付の請求の受け付け及びこれらの証明書等の引き渡しの事務を、郵政官署において取り扱わせることができることとしております。なお、この協議については、地方公共団体は、議会の議決を経なければならないこととしております。 また、規約においては、郵政官署において取り扱うこととした事務及び当該事務を取り扱う郵政官署の名称、取り扱いの方法に関する事項、当該事務に係る経費に関する事項、取り扱う期間その他当該事務の取り扱いに関し必要な事項を定めることとしております。 第二は、郵政官署において取り扱うこととした事務の適正な執行確保のための措置に関する事項であります。 地方公共団体の長は、郵政官署において取り扱うこととした事務の適正な処理を確保するため必要があると認めるときは、郵政事業庁長官または権限を委任された郵便局長等に対し、報告を求め、または必要な指示をすることができることとしております。 また、郵政事業庁長官は、郵政官署において取り扱うこととした事務に従事する郵政官署の職員が、当該事務に関して知り得た情報を当該事務の取り扱い以外の目的のために利用することを防止するために、必要な措置を講じなければならないこととしております。 その他、総務省設置法等関係法律について、所要の改正を行うこととしております。 以上が地方公共団体の特定の事務の郵政官署における取扱いに関する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(田村公平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十分散会