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153回国会参議院2001/11/20

財政金融委員会 第11号

発言数
220
登壇者
20
会派数
8
開催日
2001/11/20

会議録

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十五日、大脇雅子さんが委員を辞任され、その補欠として大渕絹子さんが選任されました。  また、去る十六日、三浦一水君が委員を辞任され、その補欠として坂野重信君が選任されました。  また、昨十九日、大門実紀史君、尾辻秀久君及び上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美さん、伊達忠一君及び小林温君が選任されました。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官小林勇造君、内閣府政策統括官坂篤郎君、金融庁総務企画局長原口恒和君、公正取引委員会事務総局経済取引局長鈴木孝之君及び財務省国際局長溝口善兵衛君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 私は、今までの衆参両院の議論とダブらないように幾つか焦点を絞って御質問申し上げたいと思います。  我が国の株式市場をG7の中で見てみると、際立って大きな特徴が二つあります。  一つは、銀行の株式保有が非常に高い。アメリカは銀行本体で禁止されておりますし、それからドイツも非常な厳しい制限がある。日本だけが自己資本額を大幅に上回って所有している。  二つ目は、株の過剰現象というんでしょうか、バブルのときにエクイティーファイナンスをじゃかじゃか出したものですからROEが非常に低くなっている。去年なんかはアメリカは日本の十七倍。直近の数字を先ほど金融庁からもらいましたら、六、七倍ぐらいの格差がございます。  実は、この法律をつくるときに私は与党三党の中で強く主張しましたのは、最初はPKO的な発想があったんですけれども、それじゃ世論が納得しないだろうと。そうではなくて、貸し渋りの原因となっているのが銀行の株式保有じゃないかということが一つと、それからバーゼル2の会議で新BIS規制の議論が始まっていまして、むしろ国際協調というか、国際的なスタンダードに合わせるために日本の銀行の株式保有というのを早期になくした方がいいんじゃないかということを強く主張いたしまして、与党三党の文章の中にはそのことが書いてあるわけであります。ただ、緊急経済対策の文章の中には、政府としてはそういうことは書いてなかった。そこに実はこの法案の、いろんな議論を聞いていますと、生ぬるいんではないかとか、必要ないんじゃないかというふうな議論の発生する余地があったんじゃないかというふうに私は認識しているわけであります。  その貸し渋りの原因というのは、実は、一九九七年から九九年にかけまして大手十九行で株価の下落、これが、自己資本に組み入れていた株式含み益、当時四兆円ございましたけれども、その四兆円が減少いたしまして、BIS規制のもとでは、自己資本比率八%を守るために、その十二・五倍の資本勘定減額分に相当する貸し出しを回収しなくちゃいけない。  これは、計算上は五十兆円なんですけれども、その後、統計を見てみましたら、四十六兆円という数字がございました。専門家によりますと、いや、そうじゃなくて六十兆円ぐらいあるんだという指摘をする人もおります。この約五十兆円に近い信用収縮が発生して、それがGDPの二年間マイナス成長というプロセスで実体経済を大きく打撃したんじゃないかというふうなことが指摘できるんじゃないかと思っているわけであります。  そこで、この貸し渋りをなくすためにはどうしても、アメリカが一九九九年十一月の新銀行法で、銀行本体では三三年のグラス・スティーガル法と同様に銀行による株式保有を禁止したわけですね。同じように、日本でも早期に強制的にむしろ銀行から株式を奪った方がいいんじゃないか、銀行の株式保有を制限した方がいいんじゃないかということがこの法律の実は根底にあったわけであります。  そこで、第一問なんですけれども、今回の法律でなぜアメリカのように銀行本体での株式保有を禁止しなかったのかということについて、まず柳澤大臣の考え方をお聞きしたいと思います。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 今、委員が御説明なさいましたように、各国によってそれぞれ、金融機関が株との関係でどういう対応をするかということについて、あるいは国としてどういう制限をするかということについてやり方が異なっているわけでございますが、アメリカにおきましては、グラス・スティーガル法において、銀行が自己の勘定で事業会社の株式を保有してはならないということとして金融と産業の分離を達成していると、こういう形になっております。それでその後、最近になりまして、持ち株会社の子会社において株式を保有することができるというふうにされているわけで、それに基づいて、また今どういう子会社がどれくらい持てるかということは検討がなされているというふうには聞いております。  我が国の場合には、銀行法上あるいは独禁法上におきまして、銀行が他の会社の株式を原則として五%以上保有してはならないと、こういうことにされておりまして、金融による産業の支配というものがそこで根本的な基本的な手当てがなされていると、そういう法制になっているわけであります。その中で、銀行がどのような資産運用として株を持つかというのは銀行の経営判断に任されているということでございます。  しかしながら、さはさりながら、我が国の金融機関、銀行が持っている株の保有高が非常に多くて、そして自己資本比率規制の関係でも大きな変動要因になると、こういうことでございまして、今度は自己資本の範囲内ということで規制をかけるとしたことでございまして、我が国の金融機関が経緯的に非常に多額の株式を持っているということにかんがみまして今回はそういう制限を課していこうと、こういうふうにしたわけでございます。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 要するに、銀行本体で株式保有をしない、アメリカのように子会社だとか持ち株会社はいいというふうに分離しなかった理由は何かということをまず聞いたわけです。  ただ、今までの経済の実態からすると、モダレートなソフトランディングをもくろむという意味では、この法律のようなやり方もあるかなと思うんですけれども、法律の第一条に「当分の間」と書いてありますね。「当分の間」ということは要するに、将来、例えばBIS規制が非常に厳しい基準を出してきたと。内部の格付基準だとかいうことのほかに、リスクウエートを一〇〇から一五〇に上げるとかいろんなことをやってきた場合には、自己資本の範囲内というのを、あるいは自己資本の六割とか三割とかいうふうに改めていく可能性が出てくるんじゃないか、そこら辺についてはいかがでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 銀行の株式保有をどう考えるかというのはなかなか難しい問題でございます。  今、入澤委員が、アメリカの場合にはグラス・スティーガル法で完全に禁止した、これは一九二九年の大恐慌のある種の要因にもなったという反省からそういう規定を置いたんですが、先般、子会社ではいいですよというようなことに少し緩めたときに、マスコミなんかの報道でも、グラス・スティーガル法改正というふうにうたわれるわけですよね。つまり、そこでは、ユニバーサルバンキングというか、そういういろんな金融サービスを提供していくということもまた顧みられるべき価値ではないかという一種の価値観の変遷というようなものもあったようですね。そういうことからすると、なかなかこの問題というのは一刀両断に、アメリカ的にばしっと今までのグラス・スティーガル法のように決めるのがいいかどうかということについては、ややみんなまだ迷いがあるというか、そういう感じだろうと思うんですね。  そういうようなことで、じゃ日本の現状はどうかといったら、これは明らかに持ち過ぎということはだれが見ても、今、入澤委員が御指摘に冒頭なられたように、もうみんな共通の認識なんですね。そういうようなことで、ソフトランディングというより、リスクがとれるのは自己資本、そのうちでも一番かたいのはティア1のような一種の、それをそのまま対応させているわけじゃありませんが、考え方から、とりあえずティア1同額にしておこうと、こういうことで今回お願いをしておるということです。  しかし、これもまた、今、入澤委員がおっしゃられたとおり、片方で、バーゼルの銀行監督委員会の方ではリスクウエートをどうするかという、そういう問題が議論されているわけでございまして、それらもにらまなければいけないと。その出方というか結論の出され方によってはやっぱり非常にきついことになって、それは法的に規制する限度を下げるという方式になるか自主的に下げざるを得ないというところに任せていくかということはありますが、いずれにしても、それをある程度横目で見ていなければいけないというようなこともありまして当分の間ということにいたしたということでございます。  銀行の株式保有のあり方については、国際的にいろいろな面からの検討が行われているし、また、ちょっとまだ明解な結論が得られていないというような情勢もありまして、今後変化するものだ、こういう前提で当分の間ということにさせていただいたということでございます。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 このことについて、ことしの七月二十四日にアメリカの上院でグリーンスパン議長が証言をやっているんですね。  これは、ハンフリー・ホーキンズ・テスティモニーということで開催されたというような報道があるんですけれども、その中でアメリカの上院議員が、アメリカは日本と同じような状況になっていくんじゃないか、要するに、景気が悪くなって日本と同じリスクを繰り返すんでしょうかというような質問に対して、グリーンスパン議長は、アメリカの金融システムでは株価が下がっても流動性の欠如はほとんどなく、金融仲介機能に影響を及ぼすことはない。だから、日本の問題とアメリカの問題とは異なったタイプの問題である。アメリカは日本と同じようなタイプの問題は持っていない。つまり、日本では銀行が株式を保有しているので、株価が下落すると金融仲介機能、信用創造機能ですね、これが減退していくと。アメリカの金融システムと日本の金融システムは異なるシステムであるというふうにはっきりと証言しているんですね。  これについてはどうお考えになりますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ある面、グリーンスパン議長のおっしゃることは当たっていると言わざるを得ないと思うんですね。もちろん、先ほどちょっと入澤委員の観察というか御見解をお話しになられたわけでございますけれども、株価が下がったので仲介機能が、あるいはバーゼルの比率に適合するために貸し出しの規模をあんばいするというような直接の関係は、私はあったというふうには思っておりません。おりませんけれども、しかし、やはり今回初めて時価会計が導入されるというもとでの決算が行われるわけです。  それらを見ましても、これはまだ確たる数字を私自身が報告を受けているわけじゃありませんけれども、やはり非常に株価の下落の影響というのは無視できないというか、軽視できない影響を与えることは確かでございまして、やはりそれ自体としても非常に問題をはらんでいる、なるがゆえに我々はこういう措置をとりたいということで御提案を申し上げているというわけでございます。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 BISの規制を維持するために、ある意味で信用収縮を行っているということは統計上も出ているのでありまして、これは当局の方できちんと検証していただきたいと思うんですね。計算上はそうなるわけですからね。八%、要するに、自己資本の部分が減耗していくと、それ相当の貸し出しを抑えざるを得ないということは計算上なるので、それがどういうふうに経年的に変化してきたのかということをひとつ検証していただきたいと思うんです。  もう一つ、私は、このことはだらだらやるんじゃなくて、早期にやることが必要じゃないかということも検討の過程で主張してきたわけでございますけれども、どうして、二〇〇四年の四月とかいうことを言わないで、もっと早く二〇〇二年三月とかなんかに実施するというふうな決断を行わなかったのか、この辺の事情についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、入澤委員がおっしゃるように、すぱっと二年なり、もっと言えば一年なりでやればいいじゃないかと、こういうようなお話も理屈の上ではあり得るわけでございますけれども、いろいろなことが、構造改革三年というようなこともございまして、それらがそろって三年というようなことでいくというようなこともありまして、今回三年ということ、構造改革の集中的な期間というようなことも念頭にあったということでございます。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 その次に運営委員会の役割につきまして、前回も池田委員の方から非常に鋭い、また厳しい御質問がございました。原口政府参考人は、衆議院の委員会で末松委員の質問に対しまして、仮に機構の運営委員会の委員等が故意または過失によって機構に損害を与えた場合、要するに売り買いにおいてですね、その場合には損害賠償の対象にするという答弁を行っております。  私は、ちょっとこれはもう少し慎重に議論しなくちゃいけないテーマだと思うんです。なぜかといいますと、故意または過失により損害賠償とか、民法の規定により民事訴訟法の手続に従ってやるわけですね。裁判所が恐らく損害賠償額を算定するんだと思うんです。ところが、一方で国家賠償法がございます。これは、予算の執行責任者については当然のことながらいろんなことが予想されますので、故意または重過失によって損失を与えた場合に損害賠償の責めに任ずるという規定がございます。国家賠償法は、国家公務員と一部の特殊法人が対象になっていますが、一般的に特殊法人は対象になっておりません。  今回のこの法律を改正するに当たって、短期間でこれだけ大きな仕事をやるのであれば、当然のことながら国家賠償法と同じような構成要件の賠償規定をこの法律の中に盛り込んでもよかったんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 御指摘のように、機構の運営委員会の委員等が損害を与えた場合については特段の規定はないということで民法の規定が適用されるというふうに考えております。  原則論として、これは民間主導で民間の関与でやっていただくということがございますし、また、機構の運営委員会の委員は金融に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから任命されるということになっておりますので、過失に問われない程度の注意義務は十分に果たしていただけるのではないかというふうに考えられるということと、一方では、やはりこの機構の運営そのものが最終的には国民負担にもつながる、かかわりを持っているという、その両者勘案してこういう形にさせていただいたということでございます。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 一般的に、民事訴訟の対象にしますと、これは裁判期間が長くて機構の存立期間十年の間におさまるかおさまらないかという問題も発生すると思いますので、これからこういうふうな国家公務員に準ずる行為を行わざるを得ない場合には、国家賠償法を改正して、同じような構成要件で罰条規定を定めることが必要じゃないかなというふうに私は考えております。  その次の二つ目の問題は、株の過剰現象についての認識でございます。  ROE、先ほどちょっと申し上げましたけれども、直近の数字では二〇〇〇年は日本が二・一七で、アメリカは一二・九〇というふうになっています。一九九九年は日本が一・二〇で、アメリカは一七・八八だったんですね。明らかにこれは株の過剰現象を示しているんじゃないかと。  そういう中で、いろんな意味がありますけれども、金庫株の制度もできましたし、それから、トヨタみたいに資金力のあるところは大幅に市中から自分の株式を買って、そして自己消却をするというケースも見られます。この株の過剰対策について政府はどういうふうに考えておられるのか。具体的に、例えばトヨタのような大幅な自己消却の例はほかにあるのか。それから、金庫株制度は発足したばかりでまだその状況を云々するような段階じゃないかもしれませんけれども、これについてはどのような見通しを持っているのかについてお聞かせ願いたいと思います。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 御指摘のありましたように、トヨタ自動車、これは大幅な利益還元策として利益償却を行ったというふうに承知しておりますが、これに匹敵するというか、このような大きな事例というのはまだ他には承知しておりませんが、一方で、金庫株が解禁された十月以降の企業による自己株式の取得の動向については、証券会社等にヒアリングした感じでは、昨年に比べ自己株式取得の取締役会決議が相当増加しているというような話は聞いております。  なお、例年、中間決算発表前は余り自己株式の取得は行われず、中間決算発表後に増加する傾向にあるというふうに聞いておりますので、そういう動きが本格的になるのは今後の問題ではないかなというふうに考えております。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 それでは、最後の質問でございますけれども、株式市場の活性化ということがこういう一連の政策の中でやっぱり大きな課題であると思います。預貯金あるいは千四百兆あるという金融資産をできるだけ証券市場に呼び込むんだといっても、なかなか証券会社の体質、コーポレートガバナンスを含めて、十分でない。今度は税制で誘導するというので、この後、税制が出てくるんですけれども。  そのほか、私は二つちょっといつも疑問に思っていますので御見解を聞きたいんですけれども、一つは、どうして、株式市場を活性化しなくちゃいけない、株価を上げなくちゃいけないというのに、閣僚等あるいは一部の公務員、この方々は就任した途端に株式を供託して凍結しなくちゃいけないのか。政治資金だって政党助成金だって十分に来るわけじゃありませんわね、そうしたら何らかの形で政治資金を稼がなくちゃいけない。だから、稼いで、任期が終わったときに報告をして、一体インサイダー取引があったかどうかということを確認してもらえばいいんであって、閣僚とか一部公務員の株式売買の凍結制度は解除したらどうかと思うのが一つ。  もう一つは、証券会社に、有価証券取引法をつくったときに手数料依存から脱却するということが条件についたわけですね。にもかかわらず、まだ八割ぐらい手数料で収入を上げて経営をやっている会社がある。大体、片道にすればいいんじゃないか、往復で手数料を取るのはおかしいんで、買うときはただ、売るときだけ今までと同じように同じレベルで手数料を取る、そういうふうにしたらどうかと思うんです。  この二点について、ちょっと考え方をお聞かせ願いたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 政治家、それから公務員の株式取引に対して非常に厳しいいろいろな倫理規程というか、そういうコードがあるわけですけれども、これはいきさつ的に言って、私なんか三十五、六年に公務についたときには、むしろ証券局の職員だけはやっちゃいかぬよとかいうような非常に限定されたところでの規制であったような気がしますが、やはり不祥事というか、特に株式取引をめぐる不祥事がいろいろありまして、そういう中でだんだんだんだん規律が広がっていって、その範囲の中に今政治家とか公務員が入ってしまったと。これは恐らく、インサイダー取引の可能性が他の仕事をしている人たちよりも大きいというような考え方が基礎にあったんではないかと私、推測しておりますけれども。  確かに今となっては、それはそれでやっぱり、いかに捜査があるいは調査が負担になろうとも、そういうような前提を置いて、この人たちは危険な因子が多いんだというようなことでその方々を市場から遠ざけるということではなくて、やっぱりきちっとした、疑いがある場合にはちゃんとした調査、捜査をして、それを立件すれば足りるということで、もちろん、まさにその仕事をしている人たちは別としまして、一般に政治家、一般に公務員というようなところまで、さらに聞けば、このごろは民間会社の部長以上まで株を取引しちゃいけないなんというような、そうしたらだれが一体株を取引できるんだというようなことになっちゃって、非常に市場参加者をいたずらに縮小しているというのはやはり反省をして、もう一回見直すべき時期に来ているというふうにも思うわけでございます。  ただ、それはだれが言い出していただけるのかというようなことは、我々では少なくともないわけでございまして、どうぞ入澤委員などの御努力でそうしたことが実現するように私の方はお願いをいたしたいと、こういうように思うわけでございます。  それから、手数料の点ですけれども、手数料につきましては基本的に、何と申しますか、これはもう既に自由化されてしまっておりますので、したがって、どういうふうにお取りになるかというのはそれぞれの証券会社の経営判断ということに尽きようかと思います。

入澤肇自由民主党・保守党

○入澤肇君 終わります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 この法律の趣旨説明のところに、「株式の価格の著しい下落を通じて信用秩序の維持に重大な支障が生ずることがないように」という、こういう文言がありまして、そうすると、やはり大量に株式が放出されると問題なんだということなんだろうと思うんです。  それで、生保業界の中で三井生命がたしか五千億株式を放出するんだという、そういう記事が載っておりましたけれども、このことを考えてくると、大量の株を放出するのは銀行だけではなくて、こういう生保からも大量に出てくる可能性もあるわけです。そうしてくると、もちろんこの目的のところを読むと、金融機関がこれだけの株を持っていて、「株価の変動が銀行等の財務面の健全性」という、こういう文言はありますけれども、株価の変動によって、財務面の健全性ということを考えるとなると、実は生保も非常に私は重要なんじゃないかと思うんですね。  そうすると、今回は銀行だけに限って生保を外したという、その理由についてまず教えていただきたいんですが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、今回の規制ということが、特に今、金融の関係で銀行に視点が行っていたということでございます。これにさらに保険を加えますと、保険は一種の機関投資家でございまして、今御指摘になられたような動きは、私つまびらかにしませんけれども、それはそれの経営判断ということになるわけでございます。  他方、銀行の方は、先ほどの質問でも取り上げられましたように、もともとが、銀行が株式を保有することについては、いろいろな国がいろんな判断をしておりますけれども、いずれにしてもこれは政策的に規律をされる対象になっていたわけでございまして、そういう意味で我が国も規律の対象と新たにすべきではないかと、こういう観点から今回の法案がつくられたということでございまして、御理解を賜りたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうしてきますと、ここの説明にありますとおり、財務面の健全性ということが一つなんですが、もう一つは、金融機関が株式を持っていることによるその持ち合いの解消ということも含めて今回のこの法律案は策定されているんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 直接的には、やっぱり金融機関の健全性という観点から、価格変動リスクに余りにもエクスポージャーが高いということを是正しようということでございます。もちろん、こういう規制をすれば、少なくとも片方は持ち合いの解消に至らざるを得ない関係のところがたくさん出てくるでしょうから、副次的というか結果的にというか、また実践的にも、自分がこの規制のもとで株式を売却するに当たっては、今までその株式について、ある別の事業会社との間で持ち合いの関係にあれば、それはやはりそれなりに話を向こうへきちっとした上でやるんでしょうけれども、そういう結果的、副次的あるいは実践的にはそうですけれども、我々の法制の立脚点というか、よって立っている価値というものは、やはりあくまでも金融機関の財務を健全に保つために価格変動の著しいリスクからできるだけ遠ざけるというか、そのリスクを縮減しておこうと、こういうことに尽きるということを申し上げさせていただきます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 この法律案から外れますけれども、大臣としては、その株式の持ち合いというものは今後解消していかなければいけないというふうにお考えですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、そう思っています、正直言って。コーポレートガバナンスということが非常に重要になってくるというふうに思っていまして、持ち合いをしてお互いに株主としての発言を控え合うというようなことは企業の経営にとって決していいことではないと。もっと物言う株主というものをたくさんつくっていくことが企業の経営というか、そういう任に当たる人たちの責任というか、あるいは倫理というか、あるいは効率というか、そういうものを高めるゆえんだと、このように考えています。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その点の認識は全く同じなんですが、そうしてくると、今回の法律をつくられていて、入り口の部分は非常に簡単だったんだろうと思うんです。つまりは、ただ買い取ればいいと。そのかわり、出口の部分というのが非常に御苦労されているんだろうと思いますし、今後これから物すごい苦労があるんだろうと思います。つまり、いつのタイミングで売ったらいいのかどうかとか、そういうことを考えてくると、出口のところが非常に難しいと。  そういうことがあったからこそ、これまで世界でこういうことをやろうとしていたけれども、ほとんどやられていないんだろうと思いますし、うまくいった例というのがほとんどないんじゃないかと。香港で一例あっただけであって、その後、こういうシステムを使ってもなかなかうまくいっていないじゃないかという指摘もありますけれども、この辺について、ちょっとこれは通告していないんですが、いかがお考えですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 香港の場合も、香港でしたでしょうか、先生、今香港と言われたので私の記憶もちょっと香港の方に傾いちゃったんですが、それはどこの国でもいいです。香港で行われたことですが、要は、最後の出口というのは、あれはETFにしたと思います。信託にしたと思います。  そういうことで、あそこは非常にうまく出口を見つけ得たということでございますが、我々の方も、その先例もありますし、また、ETFというのは割となじみやすいいい商品だというようなこともあってこれを伸ばしていきたいというような、現物出資の形ですし、そういうようなことでこれを伸ばしていきたいというような気持ちがございます。  そういうことも、第一勘定というか、一般勘定の方では大いにやってもらおうという期待のもとでこの仕組みができ上がっていること、御理解のとおりでございますけれども、もう一つは、今成功した例はないと言ったんですが、何というか、日本は四十年の証券不況のときにこういうものをつくってそれなりの成果を上げたというようなことも体験としてあるものですから、あながち悲観だけしなきゃならぬということでもないだろうと。  ですから、一番の最近の事例、それから主としてはそっちでいきたいという気持ちで一般勘定と特別勘定というふうに分けているわけですけれども、これらを合わせわざで何とかいい出口を見つけていきたいという考え方でこの法律はでき上がっているということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ある方がこういう提案をされているんですけれども、もう一つ、先ほど大臣、持ち合いを解消していくべきだろうというお話をされていました。ですから、銀行が持っている株だけを買い取り機構が買うのではなくて、ある企業が持っている株式もそちらで買い取ったらどうなのかと。  つまりは、そのことによって、今度はお互いにもし、変な話ですが、自分たちのAならAという企業の株を金融機関がここで買い取ってもらった、そうするとAという企業が、もし銀行の株を持っていればですけれども、その銀行の株を持っていればそこで買い取ってもらって、そこの上でお互いの自社株を買い取るような、そういうシステムにしてしまえば出口というのは割と見えやすいんじゃないだろうかという、そういう指摘をしている方もいらっしゃるんですが、そういう方式についてどうお考えでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) もともとそういうことを、この構想が持ち上がったときに、ひとつ事業会社の方が持っている株も買ってやるという仕組みはどうだろうかというアイデアが持ち上がっておりました。それは私も記憶しているところでございますけれども、何といってもこの仕組みの本来の目的は、先ほど来申し上げておりますように、金融機関の健全性のために、価格変動リスクに余りにさらされる資産を持っているというのはやはり規制されるべきだという基本の観念からきておりまして、そういう意味合いで、その思想というものを一貫させてこういう形になったと、こういうことでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 もう一度、くどいんですけれども、そうすると銀行等の財務面の健全性ということなんだろうと思うんですね。そうすると、株式を持っている額が減ってくるから財務面の健全性が確保されるという考え方はもちろんあるかと思います、株式に影響を受けにくいという点で。  しかし、もう一点、先ほど大臣おっしゃいましたけれども、銀行も株式会社であります。そうすると、そこの意味でコーポレートガバナンスが働いてくるということも、財務面の健全性に非常に私は役に立ってくるものなんだろうと思うんですね。その意味では、やはり銀行の株主というものがどういう人たちになってくるのかということが非常に大事なことであって、その点から考えてくると、やはり持ち合いを解消してくるということは非常に重要なことではないかと思いますが、その点についていかがお考えでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 銀行の株主というか株式についてどういう考え方があるかといいますと、今先生御指摘のように、それに対してしっかりしたコーポレートガバナンスが働くような株式の保有形態が期待されるべきだと、こういう面もございましょう。ございますが、もう一つは、銀行の資産の反対勘定である、負債の側の保有者というか負債の側の出し手というのは、預金者という大きな固まりがあるわけでございます。  したがって、金融機関のコーポレートガバナンスというのは、もちろん株主によるコーポレートガバナンスというものも大いに期待をしなきゃいけないんですけれども、同時に、預金者によるコーポレートガバナンスというのも期待をしなければいけない。もっと言うと、預金者はそもそもコーポレートガバナンスに対して力を発揮できないんだから、預金者の利益を代表するという意味で、預金者保護という立場に立つ検査当局が頑張らないといけない。  ですから、銀行のコーポレートガバナンスというのは、株主のコーポレートガバナンスと監督当局による監督というものが、両方あわせて銀行のコーポレートガバナンスを規律していくということがもともとの形なんではないかということであろうかと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうしますと、今のお話ですと監督業務が非常に重要だということなんだろうと思うんです。その点でいうと、前々から峰崎さんも言っていることですけれども、要するに、監督業務をやる人数というのは非常に少な過ぎるんじゃないか。アメリカと比較したときに、数がたしか三十分の一とかそんなぐらいだった、十分の一以下だったと思いますけれども。  今おっしゃることであったとすれば、普通の企業であれば株主のコーポレートガバナンスで統治されていくというのが普通なんでしょうけれども、それ以外にその部分も非常に大きなウエートを占めてくるということになってくるとすれば、監督体制がきちんとできているのかどうかということが非常に重要なことなんだと思うんですよ。  大臣、その点について、今の体制で十分だというふうにお考えなんでしょうか。努力されているというのは十分わかっています。行革があるということ、行革でこれから人を減らさなきゃいけないのかもしれないという部分もわかっていますが、我々は本当に必要な場所には人をもっとつけていくべきだろうというふうに考えていますので、その点についていかがお考えでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 大変御理解のあるお言葉をいただきまして、感謝を申し上げるわけでございます。  監督、この場合にはあえて検査も含めさせていただいて、そういう前提でお話しさせていただきますけれども、検査の人数も正直言ってまだまだ足りないということを私感じておりますし、さらに、監督そのものをやっている要員の数も到底十分なものとは言いがたいというように思っていまして、金融庁の仕事を十全に行っていくためにはもっともっとマンパワーを拡充していただくということが必要で、この点はお願いを申し上げたいと、こういうふうに思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、通告していなくて大変申しわけないんですが、塩川財務大臣、そういう部分に予算をつけるべきじゃないですか。  要するに、金融庁なら金融庁で、その当局が人をふやした方がきちんとした監督業務ができるということになったとすれば、つまり、きちんとした監督業務ができないからこそ公的資金なりなんなりいろんな形で投入しなきゃいけなかった。そのことから考えてくると、アメリカなんかもきちんと監督した方が国民の負担というのは減るから監督業務をきちんとやっているわけですよね。その意味でいうと、そういう部分のところにもう少し予算をつけるべきじゃないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私は確かに金融庁関係の人員は十分じゃないと思っております。しかし、ここはエキスパートも養成していかなきゃならぬところで、急激にはふやしていきにくいだろうと思いますけれども、その心得を持って陣容を整えていただければいいと思っております。  大体、現在、日本の公務員の配置体制を見ますと、そういうプラン・ドゥー・シーのシーの方が全然抜けていますね。だから、この点において力を入れていかなきゃならぬ。その一環として金融庁関係の人員も重要な課題だと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ありがとうございます。ぜひ人をふやしていただきたいと思います。  我々、いつもかなりきついことを言っているんですけれども、金融庁の方々がかなり苦労されているのは重々承知しておりますので、ぜひ前向きに御検討いただきたいというふうに思います。  その上でですけれども、もう一つ。そうすると、今回、株式を保有していることによって、その株価の変動によって健全面で不安定さを増してくるということだったわけですけれども、今回、株式の時価会計が導入されました。この時価会計というのは、変動幅が非常に大きくなっていくわけであって、逆に言えば不安定要素の一つなんじゃないかというふうに考えているわけです。  メリットだけが取り上げられていますけれども、この株式の時価会計のメリットとデメリットについてどのような御認識をお持ちなのか、教えていただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も、ちょっと観念的に申しますと、委員と同じような感じというか、そういうものを持ちたいというか、持つような感じもあるんですけれども、要は、もちろん、換金というか、市場ですぐ資産の形を変えるといったようなことが本来考えられているような資産と、持ち合いは悪いわけで、それは別の問題なんですけれども、持ち合いと同じような仮に何かのそうした、これはすぐ換金をするというようなことで考えているんではないという範疇の資産がある場合に、それをどういうようにバランスシートの上で評価するかということについてはいろいろな考え方があっていいんではないかという気もするわけでございます。  しかし、どうもいろいろ、私も、事務のこうしたことの専門に携わっている者との議論をしてきますと、じゃ何にするかという場合に、結局フェアバリューなんですね、フェアバリュー。マーケットバリューではなくてフェアバリュー、公正な価格というものが観念としてはあるということなんですね。フェアバリューでやっぱり評価するというのが正しいんだろうと。しかし、フェアバリューというのはどういうことなのかといったら、いや、結局それは市場で実現されている価格がフェアバリュー、それ以外には人間の世界では考えられないんだという建前が貫徹しているということであります。  そういうようなことで、フェアバリューとしてマーケットバリューというものになっていくということがどうも世界の大勢のようでございまして、ドイツやフランスでもいろいろな考え方が今現在はとられていますけれども、それも二〇〇五年までにはEU加盟国の一つの義務としてやはり時価会計の方向に転換していく、こういうようなことであって、今、我々がフェアバリューと言って、何か時価とマーケットバリューと違うことを主張できるような根拠というか、そういうものはなかなか見出しがたいというふうに思っております。  メリット、デメリットということは、これはもう時価会計というのは大変だと、下がってきたときは大変だというのは私が今直面しているデメリットでございますけれども、しかしやっぱりフェアバリュー、フェアバリューはマーケットバリューというこのテーゼをなかなか押し戻すような理論というか、我々そういう議論をなかなか見出しがたいのではないかと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その変動を何らかの形でヘッジできるような、そういう方法はないんでしょうか。多分これは、今のところアメリカは時価会計ですよね。ほかのヨーロッパの諸国はまだ時価会計が導入されていないということなんだろうと思うんです。まだちょっとそれは調べていないんで、きょうはそれを教えていただきたかったんですけれども、つまり、時価会計を導入できなかった理由というのは何らかのものであるんだろうと思うんですよね。  今、大臣おっしゃったとおり、時価会計を導入した場合に、株価がどんどんどんどん上がっているような場合には全く問題ない。ただし、下落していって、しかもその下落がゆっくりであればそれなりの対処ができるんでしょうけれども、急激に株価が下落していったような場合には全く対処ができないような可能性も出てくるんだろうと思います。あっという間に自己資本比率が、まあマイナスになることはないんでしょうが、そういう八%を切ってしまうというようなこともあり得るんだろうと思うんです。  そういう意味で、もう一度お伺いしたいのは、ヨーロッパなどで今まで時価会計を導入してこなかった理由と、それから、下落することを前提として話をしていいのかどうかわかりませんが、そういう場合に何らかのヘッジ、こういうリスクをヘッジできる施策なり評価の方法というのをお考えなのかどうか、それについて教えていただきたいと思います。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) まず最初にヨーロッパの状況でございますが、先ほど大臣から御説明しましたように、英国においては時価評価が行われておりますが、ドイツ、フランスでは必ずしも時価評価ということではなくて原価法あるいは低価法による評価が行われていると。ただ、EU加盟国は二〇〇五年までに国際会計基準ということで株式についても時価評価になるという状況でございます。  なぜ採用してこなかったかということでございますが、これはやはり、いろんな評価の仕方があるという中で、従来はむしろ原価法とか低価法とかそういう取得価格等に着目したものというのが伝統的であったのが、大臣が御説明したようなフェアバリューといいますか、できるだけ実態、現在価値に合わせるという考え方が国際会計基準の方でも導入されてきたということ、今までの考え方に新しい流れが加わってきているということではないかというふうに思います。  それから、ヘッジということになると、まさにそういう変動が影響するために、何か仕組みというよりは、できるだけ保有を小さくしようという一つの対策がこの法案の考え方ということで御理解いただければと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、しかしそれは、この法案はいつまででしたか、平成十八年か何年かまでであって、そうするとその後というのは全くヘッジされないことになるんじゃないですか、そうおっしゃるのであれば。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) この法案で銀行の株式保有を制限していくという基本的考え方については、法案自身のこのスキーム自身は当分の間でございますが、そういう考え方については今後も維持されていくということで、全体的に銀行の株式の保有率が下がっていくということは一つの対策といいますか、それなりのヘッジ機能を今後果たしていくということではないかと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、銀行が抱えている株式の保有高が減るから時価会計を導入しても恐らくは大丈夫なんだという考え方でいいわけですね。そういう認識でよろしいんでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 少なくともリスクは減っていくということでございますし、また、その保有の限度額についても今後のBIS規制の展開等を踏まえながらさらに検討していくことによって、さらにそういう考え方を徹底といいますか強化していくということも十分考えられるというふうに考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 いや、別にこれは時価会計の導入が悪いと言っているわけではなくて、すべてアメリカンスタンダードがいいわけではないんじゃないだろうかという、そういう思いがあるからお伺いさせていただいているわけです。  例えば、これで株式が急激に下がってくるようなことがあれば、金融機関が何%持っているかわかりませんが、持っているものも恐らく放出し始めますよね。そうしないと多分自己資本比率が下がっていくことになると思います。そうなると、こういう買い取り機構がなくなって、もし市場にそれが放出されることになっていけば、株価はますます下がっていくというようなことも考えられるわけですよね。  そういう意味での何らかのヘッジするような手段というのは持たなくていいのかどうか、この点についていかがですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しますか、金融機関というのは基本的には預金という負債を持って、その反対勘定でたくさんの資産を持たざるを得ないということでございますが、そういう中でもできるだけ効率のよい、しかもトータルとしてリスクが少ないというか、そういうものをポートフォリオとして組成をしていくということをやはり考えていくことになろうと思います。  でありますから、こういう法案を出しておいて今そういうことを言うということはちょっと議論が混乱するかもしれないんですけれども、本当に株式というものを持たない方向、持たなきゃ持たないほどいいのかというと、なかなかそうとばかりは言えないと。それは、グラス・スティーガル法の反動が来ているというようなこともあって、そうなかなか割り切れるものではないというふうに思います。  じゃ、持った場合に、ヘッジができればいいんですが、なかなか株価のヘッジなんというようなアイデアは今ないわけでございまして、できるだけそれはやはり市場リスクのモニタリングというか、そういうものを非常に強力にやると。もちろん、デリバティブだ何とかというのを使えばまた別でしょうけれども、しかし基本的には、市場リスクでございますから、市場リスクのモニタリングというものの体制を強化してやっていくというようなことで対処することになるんだろうと、このように考えます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 やっぱり非常に難しい問題なんだろうと思うんですよね。だから、先ほど入澤委員がおっしゃっていたように、金融機関に持ってもらわなければそこの部分は簡単に解決するんでしょうが、先ほど大臣がおっしゃっていたとおり、今度は金融機関が持たなければ持たないで何らかの問題が出てくることになるわけですよね、恐らくは。  その辺はどういう点が問題になってくるわけですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) いや、やっぱり金融機関としては恐らくポートフォリオインベストメントの一環として持つということになろうと思います。これまでの持ち合いのように、若干経営参加的というか、そういうようなことで持つということは、一部ベンチャービジネスとか、そういう新発の企業についての株式というのはそういう観点があろうかと思いますが、基本的にはポートフォリオインベストメントの一環として持つということになっていくんだろうと思います。  ですから、なっていくだろうと思いますというのもちょっと言い過ぎで、これからBIS規制とかなんとかのことを考えると、そんなことはもう最終的にはグラス・スティーガル法の世界に戻るべきだというような考え方も今後あり得るわけですから、私がここでにわかにそんな軽率なことも言えないんですけれども、仮に持つとしたらやっぱりポートフォリオインベストメントの一環だろうと、こういうように思うわけでございます。  そうでありますと、何がメリットでデメリットかというようなことについてまで何かここで論じなきゃならぬ課題があるとは私は考えないのでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 はい、ありがとうございました。  塩川財務大臣にちょっと話題を変えてお伺いしたいんですが、済みません、これは通告なしで大変申しわけないんですが、きょうの新聞を見ますと二次補正ということが随分書かれているわけですけれども、政府として二次補正をもう組まれるということはお決めになったことなんですか、まだ検討中なんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) ある新聞は何か突発的にあんな書いていますけれども、ほかの新聞は書いていませんですね。まだ二次補正の問題は、閣内で議論はしておりますけれども、やるとか何かそういう問題ではございませんで、現在の経済状況をどう見るかということの議論、そして国際関係の変化、そういうのをどう見るかということでございまして、きょうも実は夕方から経済財政諮問会議がございますが、そこで議論があることだと思っております。まだ何とも、そんな二次補正の問題は、議論は俎上にのっておりません。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 小泉内閣で国債の発行額三十兆円という枠をつくっていらっしゃるわけですけれども、一応目安なんでしょうけれども、これは小泉政権下での財政再建だというふうに認識してよろしいんですよね。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) ただ単に財政だけではございませんで、私は、これを中心にした政府関係機関のやっぱり総合的な構造改革に入っていく道筋をつけるものだと思っております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 財政再建の意味合いもあるんでしょうが、そうしてくると、橋本内閣における財政再建というものに対して現政府はどのように判断されているんでしょうか。  つまり、あの時期に財政再建に取り組もうとした、そのことによって、日本の経済も含めてですけれども、あの財政再建は成功したとお考えなのか、それともあの時期にやはりやるべきではなかったとお考えなのか、その点についていかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 成功、不成功の問題になりますと、私たち直接やっぱり関係しておった者として評論はしにくいことでございまして、後世の史家がこれを評価するだろうと思っておりますが、しかしあのときに言えますことは、日本全体でございますけれども、特に政治家なんかは、バブルということ自体、そしてそれが崩壊したらどういう影響が出るのか、どういうぐあいに認識しなきゃならぬのかということについて日本国全体が甘かったんじゃないでしょうか。それが今日まで尾を引いてきておると私は思うんです。  アメリカ等におきましては、このバブルの崩壊の見方を非常に厳しく見ていましたですね。つまり、米ソ軍事停戦後ぴしゃっとやったと。それによって軍事産業の変化というものに対する対応というものは非常に明確にとりましたけれども、日本のバブルの崩壊は土地と株のいわゆる水膨れがしぼんだことでございますので、そこの認識がもうひとつ十分とれなかった。私らもそれは反省しておるんでございますけれども、そのことが、いわばバブルの崩壊に対する認識の甘さというものがずっと尾を引いておって、ですから高度経済成長の延長ばかり考えて、その上でいろんな施策を考えてきたことが今日まで累を及ぼしてきておると、私はそう認識しております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そうすると、若干その認識が甘かった、判断が甘かったというお話なのかと思いますけれども、そうすると、財政構造改革の推進に関する特別措置法が成立したのが平成九年の十一月二十八日なんです。結局これは実現しませんで、平成十年、翌年の十二月の十一日に財政構造改革の推進に関する特別措置法の停止法が成立しています。つまり、この時点でまず財政再建をやめましょうという、財政構造改革はやめようという話になったんだろうと思うんです。この停止の解除の時期に当たっては、「我が国経済が回復軌道に入った後に、経済・財政状況等を総合的に勘案して判断」するというふうになっているわけなんですよ。  そうしてきますと、先ほどは三十兆円の枠というのはいろんな意味合いがあるとはおっしゃっていましたが、少なくとも財政再建というものもあるということの御認識だったかと思います。そうしてくると、経済が回復軌道に入ったならばという、こういう条件つきで停止しているわけであって、今の時点が景気が回復しているとはちょっととても思いがたいと考えています。  つまり、GDPにしたってことしはマイナスになるんでしょうか、ちょっとまだそこははっきりしませんが、少なくとも失業者の数もこの当時は三・五%か、たしかそんなぐらいだったと思いますが、今は五・三%になっているとか、株価の問題とかいろんなことを勘案してみても、決して回復軌道に入っているわけではないと。先ほどのお話ですと、判断がちょっと甘かったかもしれないということですが、経済の回復軌道という点で、今、政府はどのように認識されているんでしょうか。  つまり、お伺いしたいのは、この停止法が成立した時期と現在とで日本経済というものは回復軌道にあるのかどうかということです。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) まだ回復の実態は計数の上で出てきておりませんけれども、しかし、平成八年、九年ごろ財政再建法案が出ました。構造改革法案が出ました。そして、あれは一年足らずの間に廃止しておりますね。あの当時の議論を見ましたら、右往左往しておったというのが、国会もそうであったと思いますよ。ですから、その右往左往がずっと尾を引いておって、そこで、これはだめだと、やっぱり根本的にやり直さないかぬというので、十年以降、金融二法ができたりいたしまして、そこで本当に日本の経済の立て直しを考え出したんじゃないかと思っております。  それからずっと参りまして、まだ三年ぐらいしかたっておりませんけれども、この構造改革は順調に私は進んできておると思っております。けれども、まだ二、三年はかかるんじゃないかと思っておりまして、基礎的に見ましたら、基本的に見たら決して悪い方向には行っておらない。  だって、企業がこれだけ決算状況が悪いというのは、営業の利益も少ない、確かにそれもございましょうが、そうではなくして、会社自体の中で一番大きい要件は、例えば退職積立金を忘れておった、だからこれ積み立てないかぬと。それから、株の評価を厳格にしなきゃならぬということで体質強化というのをやり出した。そういうようなものが重なって決算上物すごい赤字になってきた、それをリストラでカバーすると、こういうぐあいになってきた。そのリストラは何だといいましたら、結局、単純なリストラではなくて賃金の改定ですわね、賃金のベースを訂正しようということでリストラをやっておるというようなことでございますから、だから、今、一生懸命構造改革に取り組んでいるんじゃないでしょうか。ですから、もう少し時間がかかるんではないかと、こう見ております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ちょっと理論のすりかえがあるんじゃないかと思うのは、確かに構造改革をやろうとしている意欲はお認めします。それは今、壁にぶち当たっているのも存じ上げております。  ただし、その構造改革によって、何というんでしょうか、そのことによって経済が変わってくるまでには恐らくまだ五年なり十年なりかかるんだろうと思うんですよ。つまり、構造改革をやっているから、例えば、どんどん金を使えと言っているわけではありませんが、財政出動をとめてしまうということの理由にはならないんだろうと思うんですよね。いや、どんどん積極的に赤字国債を出せと言っているわけでもありません。ただし、必要であればそこの枠も考えていかなければいけないんじゃないんだろうかという、民主党の考えと違うじゃないかと言われるかもしれませんが、これは覚悟の上でして、現下の経済状況を見てきた際にどういう判断をしていかなきゃいけないのかというのは、これは必要なことなんだろうと思うんです。  その意味でお伺いさせていただいたのは、橋本内閣の財政構造改革自体が成功だったのかどうかということですね。その後に、例えばあのときには財政赤字が二十二兆円から三十七兆円にふえたとかそういうこともあるわけですから、そういうことを踏まえた際に、今この時期にやらなければ本当にいけないことなのかどうか、時期を誤ると大変なことになってしまうんじゃないだろうかと、そういうこちら側としては危惧の念を抱いていて、それで純粋にそういう立場からきょうは質問させていただいているわけです。  もう一度お伺いさせていただきたいんですけれども、要するに、もう経済が回復軌道に入って、それよりももう一つ大事な点は、今、財政構造改革を行うべき時期だというふうに大臣は認識されているわけですね。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) まさに私、そのように認識しております。  だって、平成八年でございましたか、財政構造法をつくりまして、それから廃止しましたのは平成九年だったかと思いますね。私は、あのとき落選しまして浪人でございましたんで横から国会を見ておりまして、何とまあもたもたしておるなと、方向違いをやっておるなと思って批判しておりましたが、そのとき見ましたら、GDPの三%以内に赤字をとめるということで国債発行額をGDP三%と決めた。間違っているかもしれませんが、私の記憶はそうなんです。そのことを思いましたら、今、GDPの六%国債発行しておるんですよ。これは櫻井さん、どう思いますか、財政緊縮でしょうか。どういうように見られますか。  そこらが私は、何といいましょうか、ずっとなれっこで来てしまって、本当に冷静な判断というものが、現在の時点とそれから平成八年と比べてもらったら物すごい違う、物すごい財政出動しておる。これだけのことを続けておっていいのかということを、そこはやっぱり国会議員としては考えてもらわにゃいけないんじゃないでしょうか。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 今までそういう立場にいたんですよ。ところが、今の不況というものがバランスシートの不況だという説を唱えている方がいらっしゃって、そのために各企業が財政再建に取り組んでいる。その中でただ一つ、赤字を覚悟でどんどん財政出動をしていたのが国なんですよ。  その国も、おっしゃるとおり、バランスシートから考えた際には、財政出動をもっと減らしていった方がいいのかもしれないんです。ただし、全体として支えてきていたのは国の財政出動であったということも否定できないことでして、ここで本当にとめて、民間がどんどん設備投資なりなんなりそういうものをやってきてくれるんであれば、それはそれでいいんだと思うんですよ。つまり、民間にバトンタッチできる時期なのかどうかという点が非常に大きな問題なんじゃないかというふうに考えているわけです。  ですから、財政赤字をいたずらにふやしていけとか、それから今までだって十分出ているということは知っていますけれども、しかし、橋本内閣のときに九兆円の、例えば消費税とそれから特別減税を廃止するとか医療費の窓口負担とか、要するに国が九兆円損得勘定では得したんでしょうけれども、そのことによって財政赤字をまたふやしているわけです、実際は。ですから、その意味でいった際に、果たして今の時期にやることが正しいのかどうかということを議論しなきゃいけないんじゃないか。それでただ問題提起をさせていただいているだけです。

村上誠一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(村上誠一郎君) 委員の御質問はもっともなんでありますが、多分おっしゃっているのはリチャード・クーさんのお話だと思うんです。私はリチャード・クーさんと何回も議論したんですが、リチャード・クーさんの見方は、今の日本の不良債権問題は一九二九年のアメリカの大恐慌当時と似ていると。それについては私も異論はありません。しかし、彼が言っているのは、本当の投資マインドが戻ってくるのには二、三十年かかったと言うんですね。それならば、今、塩川財務大臣が申し上げたように、二、三十年間毎年二、三十兆円の赤字国債を垂れ流すように発行し続けていいんだろうかと、そういう実は問題があるわけです。  我々の見解は、いろいろ見解はあると思いますが、三つの要素が重なっていると思うんです。一つは、経済のボーダーレス化、グローバル化によって十億以上の中国、ロシアの人が労働力として参入してきた。そのためにユニクロ化現象やいろんな問題が起こっている。それからもう一つは、私が大蔵委員長のときに感じたんですが、あのときに不良債権問題処理を金融機関のトップが先延ばしすることによって逃げようとして、今でもその傾向がありますが、結局その資産デフレと信用収縮がとまっていない。それからもう一つは、そのためにずっと安易に公共事業を中心とする財政出動を続けたために、非ケインズ効果が出てきた。その三つが複合的に重なっているわけです。  だから、先生方が言われるように、じゃ今までのように財政出動だけして、二、三年かあと何年かわかりませんが、その間に民間の活力が出るまでやるといっても、財政当局としてはその将来性がきちっと見切られないのに、リチャード・クーさんの言うようにあと二、三年ですぐ立て直れるというのは私は甘いんじゃないかなと、そういうふうに考えています。  そういう面で、先ほど塩川財務大臣が申し上げているように、財政構造改革を中心にしながら金融の構造改革、それから経済の一番原動力である経済の構造改革を一石三鳥でやらなきゃいけないという今大事なときじゃないかと、そういうことであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 時間なので終わりますけれども、今は先行き見えないというふうにおっしゃいました。その先行き見えないときこそ、国がどういう政策をやっていくのかという、きちんとやっていくということの方が重要じゃないかというふうに思っております。済みません、時間がないので、これで終わります。

村上誠一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(村上誠一郎君) これは重要な問題でして、体で例えますと、例えば私のような肥満体質の糖尿病体質に、幾ら元気が出ないからといって補正予算の飯を食わせたって体質改善にならないんです。それから、不良債権のように、がん細胞を放置していたらがん細胞が蔓延しちゃうわけです。それからやはり、本当はフルマラソンできるような実質的な経済の構造改革をして体力をつける、これをやらなきゃいけないところに難しさがあるのであって、私は、元気が出ないからといって補正予算による飯ばかり食わせることが本当の政策かどうか、ここは皆さんがもう一回原点に立ち戻って考えていただきたい、そういうふうに思うわけであります。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 期せずしてリチャード・クーさん対植草一秀さんの議論を聞いているような気持ちでしたね。タイプ的には櫻井先生の方が植草先生っぽいんですけれども、立場が逆で非常に興味深い議論で、私も参戦させていただきたいところですが、ちょっと話を株式保有制限の方に戻しまして、そちらの方から入らせていただきます。  せんだってのこの委員会の審議で銀行法改正、異業種参入に伴う銀行法改正の議論をさせていただいたと思うんですが、柳澤大臣にお伺いしたいんですが、異業種から銀行業に参入してくる方々が出てきたということは、そしてそれに伴って銀行法を改正したということは、銀行業務はいろんな方ができるようになってきたと、そういう理解でよろしいですか、能力的にですね。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) フルバンキングというか、やはり新規参入の方々は、みずからが大体持っているようなものを活用して、その範囲でとりあえずは銀行業に参入するということであるというふうに認識しておりますので、フルバンキングというか、あらゆるサービスについて既存の銀行と同じようなことを考えているというふうには必ずしも思っていないわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 決済専門銀行とかインターネットバンクはそういうことだと思いますが、この二、三年といわず、大体八〇年代後半ぐらいから、例えば商社なんかで航空機リースとかプロジェクトファイナンスを手がけている皆さんとか、事実上、金融界の方より金融のハイブリッドな手法に詳しい方とかいっぱいいらっしゃるわけですね。  そういう大前提でお伺いをしたいんですが、今回のこの法案、株式保有制限をすること自体は私も賛成ですから、もう衆議院の審議も読ませていただいていますので、そこは余りきょうは議論しません。  取得機構の運営に関してですが、この法案の二十二条に絡んで、金融庁からの御説明では、銀行界から選出した役職員を配置する、こういう説明がなされているわけなんですけれども、これは実は法律案には何も書かれていないんですね。二十三条の四号に、銀行法等に抵触した者は一定期間に役員になれないというネガティブクローズが書いてあるだけです。ところが、金融庁が我々に御説明に回られたときには、いやいや、役員は銀行界から選出する方向で考えていますということですが、これについていかがお考えですか。できたら大臣に所感をお伺いしたいんですが、所感で結構です。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) この機構は政府保証が一定限度でついているわけですけれども、基本的なスキームとしては、民間が出資金、拠出金と申しておりますけれども、拠出金を提供してそこからスタートするということでございますので、基本的に民間の方々にその運営をやってもらう、こういうことを考えているということでございまして、政府が政府保証の、何と申しますか、機能を監視していくのは監督権、認可だとかそういう認可権とかというようなものを通じて監督をしていくという、権限配分というか業務配分というか、そういうことになっておりまして、別段、それでよろしいのではないかと考えております。    〔資料配付〕

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 私は余りよろしくないと思っています。  今お手元に今回の法案のイメージ図を配らせていただきました。これは実は、国会が始まった当初に党内の議論で使わせていただいて、衆議院や本会議での議論を伺って、あるいは金融庁さんの御説明を聞いて修正すべき点があったら修正しようかなと思っていたんですが、どうも基本的にこんな図のイメージでよさそうだなと思っております。  それで、塩川大臣、後で塩川大臣にもこの問題に絡んでぜひ所感をお伺いしたいと思っていますのでちょっと聞いておいていただきたいんです。つまり、いずれ塩川大臣はこの図の右側にある政府のお立場で株式取得機構に多分お金を出すことになるわけですよ、歳出を。そのときに、この株式取得機構なるものに株式売却金融機関から役員が来るという、こういう構想で進んでおられるわけですよ。これについては後でぜひ、内閣の御意見番の塩川大臣にも歳出を出すというお立場で御意見を伺いたいと思いますのでちょっと聞いていていただきたいんです。  それで、原口局長、今お立ちになりたそうでしたのでお伺いしたいんですが、衆議院の審議で、私が今お伺いしているのは、利益相反行為が出るんじゃないかとか、そういう懸念からお伺いしているわけですが、職務上の義務とか利益相反行為を回避するための代表権の制限とかがあるから大丈夫ですというような発言を原口局長はしておられるんですが、これは多分二十五条のことだと思うんですが、「機構と理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。」と書いているんですが、これ以外に何か具体的に利益相反行為を回避するためのもうちょっと各論的なアイデアはお持ちでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 今の御指摘になった規定が中心になると思いますが、さらに本法律では、利益相反行為を回避する観点から、機構の役職員等に対しては守秘義務が課されていると。それから、その守秘義務に違反した場合に罰則規定が課されております。また、機構の業務に関する重要な事項については、業務の適正な運営を確保する観点から、機構の役員に加えて、金融に関する専門的な知識と経験を有する第三者もメンバーとした運営委員会で審議をするというようなことを通じて、取引の公正性等の機構の業務の適切な運営を確保していきたいというふうに考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 後段の部分はそれで結構なんですね、二十六条の五項にちゃんと書かれていますし、そういう専門家を配置した運営委員会があるのはいいと思うんですよ。ところが、この二十五条の規定は、これまで多くの委員が御指摘になっておられるように、今回恐らく、実際にこの取得機構に株を売却したいと思う金融機関はそう多くはなくて、四大銀行のうちの一角、ないしはそのうちの一行か二行か、そういうことになるわけですよ。  そうすると、これは推測ですから、間違っていたら、あるいはいやそうは思っていないというんでしたら否定していただきたいんですが、ここでおっしゃっている、皆さんが我々に説明の行脚に回られた、銀行界から選出した役職員が行うというその銀行界というのは、恐らく四大銀行のどこかから出てくると思うんですよ。そうすると、その役職員の方の出身母体の四大銀行から買い入れを要請された取引については、ここで言う二十五条の利益が相反する事項に私は当たると思っていて、それについて代表権を有しないということは、この機構のかなりの業務について代表権を有しない人がトップに就任する可能性が極めて高いんですが、この点について局長の見解をお伺いしたいんですが。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) まず、どういう方が役職員になるかということについては、これは機構の設立の後、自主的に御相談をされる話だろうと思います。ただ一方で、今の御指摘で、一つ一つの取引について、これは必ずしも、一定の方の出身母体から売られるものが市場価格で売買をされるということが、その方がその出身母体であるということをもって直ちに利益相反になるということでは必ずしもないのではないかと思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 局長、今の御説明は、金融界が信頼を国民から得ていて、平時においては成立する説明ですけれども、大臣、どう思われますか。今、局長は、役員の方が出身の金融機関から委託された買い入れについても、その一事をもって必ずしも利益相反に当たるとは思わないとおっしゃったんですけれども、これは、公的資金をこれだけ投入している現下の情勢で、例えばですよ、例えばの話なので個別名を出して恐縮ですが、みずほグループから役員の方が来たとして、そのみずほグループから株を買ってくれと言われてこの機構が買った、それは国民の皆さんは何となく変だなと思われるわけですよね。  私は、今の局長の答弁には納得できないんですが、大臣として今の局長の答弁を否定されるのか肯定されるのか、ぜひお伺いしたいんですが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは基準も、そのほか細やかでないではないかというようなこともありますけれども、基本的に基準を決めます。そしてまた時価でございます。時価というのはマーケットバリューですから、これは天下にもう明らかでございます。そういう前提のもとで売買が行われるということを考えたときに、何か売り主と買い主との間に利益相反を疑わなきゃならないような大きな理由があると考えるべきだという考え方は、私はちょっと納得できません。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そこは見解の相違かもしれませんが、やはりこれから金融界にまたかなりの公的資金を入れていく可能性もあるわけですから、そういう中において極力、李下に冠を正さずという運営をしていただくことが結果として金融行政全体に対する信頼を形づくることになりますので、ぜひ銀行界出身の役員を置くというところだけはやめていただきたいなと。  つまり、現に、業務の運営は専門家を配置した委員会を置くと法律でうたっておられるわけですから、これで私は十分だと思いますし、冒頭御質問させていただいたように、金融業務というのはかなり詳しい人はいっぱいいるんですよ、銀行界じゃなくても。今の銀行界の幹部はむしろ銀行経営に失敗したわけですから、何もその人たちを持ってくる必要はないなと。  それで、再三私は申し上げておりますが、議会のこういう委員会で議論をして、大臣が、事務方の皆さんが一生懸命労力をかけてつくり上げた法案ですからお気持ちはわかるんですが、びた一文変えないよと、そういう姿勢で審議に臨まれるのでしたら、もうほとんどこれは時間のむだ以外の何物でもなくて、多分、今回のこの法案、与野党がこういう構成ですから通ることは間違いないんですが、一点だけ申し上げますけれども、本当に幹部を銀行界から、とりわけ四大バンクから持ってくるようなことをされると、この機構についてはまたいろいろと後で取りざたされることになろうかと思いますので、ぜひそこだけはお考え直していただきたいなと思います。  やはり、今回のこの機構、利益相反をどう防止するのかというのは非常に大きな問題なんですけれども、例えば信託銀行がこの絵の中で出てくると思うんですが、塩川大臣は初めて中身をごらんになるかもしれませんが、この株式取得機構は実際の業務を信託会社、早い話、信託銀行なんですよ、信託銀行に委託できることになっているんですね。そうすると、信託銀行自身もこの一番上の株式売却金融機関にもなり得るわけなんです。  そこで、副大臣にお伺いしたいんですが、信託銀行は、自分で売却した株式の処分を機構から自分が受託することは可能なんでしょうか。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 一つちょっとその前に御指摘申し上げたいと思いますが、この図で信託会社から投信会社に対しての信託設定というのは、これはちょっとこういうことはないので、すべからく右側の方に、証券会社に株式の処分をする、こういうスキームになると、こういうことであります。  それから、信託会社はこの機構の会員でございますので、そういう意味では、会員として売ることもできるし、それからそれを受託することもできると、こういう形になると思います。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これも先ほどの役員の話と一緒で、なるべく変だなと思われないような仕組みにしておくことが必要なわけですよ。  塩川大臣、株式売却金融機関も信託会社も同じ人がこれをやれると思うと何となく変だなというふうに思われてほしいなと思っているんですけれども、後でお伺いします。  そうしますと、もう一つ、信託会社が、波線が右に延びていると思うんですが、議決権を行使できるということがこの法律の中でうたわれているんですが、副大臣で結構ですが、この議決権を行使するというのはどういう意味でございましょうか。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 信託会社が受託を受けた株式の配当等財産価値を高め、あるいは運用を高める、そういう意味から議決権の行使がなされるのではないかと、こういうふうに思っております。  それから、もう一つつけ加えますと、それにつきましては業務規程によりまして運営委員会がきちんと定めて、その方針に従って議決権の行使も行われるということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 時間も余りありませんのでこのぐらいでこの論点はとどめたいと思いますが、早い話が、かなり込み入ったスキームになっていて、しかも信託銀行も既に四大銀行でグループ化され始めているわけですから、全体の金融界の再編の中で証券会社すらグループ化が行われ始めている中で、どうも非常に、言葉は悪いですけれども、マッチポンプ的な業務処理が行われるリスクがあるということを言っているんです。するとは言っていませんよ、リスクがあると。  やはり金融行政の信頼を取り戻すためには、なるべくそういうふうに思われる余地を狭くしておく、リスクを極小化するという御努力をされることが大臣、副大臣に課されたお仕事ではないかなと思っておりますので、ぜひ利益相反に当たると思われるような形にしないでほしいなと、このことをお願いして、ちょっと次の論点に移らせていただきます。  次は、金融審議会で株式保有制限に対するいろいろ御審議をされて賛否両論があったわけですね。株式保有制限、するべきだ、いや、しない方がいいといういろいろ御議論があって、最終的にことしの六月に報告書をまとめられたんですが、その中では機構の話は一切議論されていなかったんですね。  そういう意味で、副大臣で結構ですがお伺いしたいんですが、この賛否両論が委員の中であったものをどうやって集約したのか。そして、株式保有制限に対する賛否というのは、確かに機構の議論そのものは金融審議会の中では細かくはなかったんですけれども、株式保有制限に賛成するという方は、おおむねその延長線上に機構をつくるということが念頭にあったわけですね。そうすると、要は機構をつくることに賛成の方も反対の方もいたわけですが、意向を集約して報告書をまとめたということですが、どうやって意向を集約したんでしょうか。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 結論だけ申し上げますと、やっぱり銀行の株式保有が非常に高いと、こういうことで、銀行の保有する株式の株価変動に対するエクスポージャーからできるだけ早く避ける、遠ざける、そういう意味で株式保有を制限する、こういうふうに集約されたと、こういうことでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 どうやってというのは、賛成の方も反対の方もいたわけですから、最終的に反対の方に御納得をいただかなきゃいけないわけですよね。  それは説得して回られたわけですか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 御指摘のようにいろんな御意見があったわけですが、委員会としては、最終的な文言としては、「銀行の自己資本を超える株式の保有を禁止する上限規制も是認できる。」という表現になっておりまして、こういう案文のもとに座長の方で取りまとめをしていただいたということで、否定的な方も含めて是認できると、こういうことで委員会の意見として集約していただいたということでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これもせんだっての議論で、銀行法改正のときに、大臣、銀行法改正のパブリックコメントについて私いろいろコメントさせていただきましたけれども、金融審議会の第二部会の報告書をよく読ませていただくと、きょうは時間がないので一個一個取り上げませんけれども、必ずしも今回の法案やスキームどおりのことは書いてない部分もあるんですね。  例えば、国会の審議の中で幾つか出ました、株は制限するけれども何で債券、国債は制限しないんだという話も、金融審議会の報告書の中では、非常にわかりにくい表現なんですが、「金利リスクと株式の価格変動リスクが同方向に動きうることも勘案し、それぞれのリスク間の相関については考慮しない方向で議論がなされている。」と書かれているんです、報告書に。これは平たく言うと、債券暴落と株価暴落が同時に起こることもあり得るよということを言っているわけですよ。そういうことにも気をつけてくださいと書かれているんですけれども、そこはすとんと落とされているんですね。  私が申し上げたいのは、この間のパブリックコメントもそうですしこの金融審議会の報告もそうなんですけれども、議論をしましたという証拠をつくるためにパブリックコメントをとったり審議会をやるんだったらそれは時間のむだだから、もっと金融庁のお考えですぱっとやればいいわけですから、余計な労力を割かないでいただきたいと。  そういう意味で、金融審議会でこういう報告書をつくったからいいんだということではなくて、私は、この株式取得機構をつくることで、将来損失が出るかもしれないし出ないかもしれないんですが、出た場合の行政の結果責任はどうなるんだということをお伺いしたいんですが、これはエイズ裁判で御承知のように、行政の結果責任ということが二十一世紀初頭の日本の行政のあり方に非常に大きな論点として出てきているわけですね。国民の生命にかかわることですから割と行政の結果責任というとわかりやすくて、厚生労働省さん大変苦労しておられるんですが、私は国民の税金の使い方でも一緒だと思うんですよ。  これは大臣よりも、大臣はこの結果が出るころには、さすがに十年もおやりになっていないと思うのでおかわりになっているかもしれないので、局長はまだいるかもしれませんから、金融庁として行政の結果責任ということをどういうふうにお考えになっていますか。原口局長で結構です。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) もちろん、こういう仕組みをつくった中で、公的支援を行う場合でも最終的に極力国民負担につながらないようにするということは非常に重要だと思っております。  ただ、一方で、機構がこのようなセーフティーネットとしての機能を発揮するためには政府保証等の公的支援の枠組みを設けるということが必要であり、これは公共性を有する信用秩序の維持という目的のために必要で、やむを得ないものと考えております。したがって、我々としては、そういう考え方、るる説明申し上げていますように、可能な限り一般勘定を活用するとか、あるいはセーフティーネットとしての買い取りの場合にも対象株式を限定する、あるいは運営委員会の議決を要するとともに、いろんな意味で適切な売却をやっていく、あるいはあらかじめ銀行等から拠出金を拠出させて、なるべくそこでカバーをするという方策を講じているわけでございますし、これらの適切な運営を確保していくということに最大限の努力を尽くすということが行政の責任だと考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今後、厚生労働省や農水省マター以外でも行政の結果責任ということは大変大きな問題になってくると思いますので、ぜひ、私たちも一生懸命考えますけれども、真剣にお考えいただきたいなと、こう思います。  結果責任云々を申し上げるということは、そもそもこの機構が何の目的でつくられるかということが非常に大きな論点となるわけですが、局長はこの間の池田委員の御質問に対して、できるだけ国民負担につながらない努力が大切という答弁をされているんですよ。それに対して、十一月八日には村田副大臣の御発言で、「恐らく市場では処分できないというようなケースにおいてこの機構の買い取りという措置が発動されるのではないかと、こういうふうに思います。」と、こう言っておられるんですよ。これ、全然逆のことを言っておられるんですよ。  二つお伺いしますが、この機構が本当に目的としておられることは何かということと、そして、この機構の運営が疑義を招かれないために運営委員会を設置してきちっとやると言っておられるんですが、運営委員会がじゃ一体どういう判断基準で買う買わないを決めるんだというこの基準について、この二点について副大臣からお伺いしたいんですが。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 運営委員会が業務規程を決めていきますけれども、運営委員会、法律を見ましても、重要事項を審議をして決定すると、そういう中で業務規程も重要事項の中の一つの事項として決めていくと、こういうことになるというふうに思います。  そのときに、どういう機関に窓を開いて、それでどういう価格で買うのかと。これは政令あるいは省令で書いていくということでございますけれども、そういう意味で価格のケース。それからあと、今度は処分をすることにつきまして、信託銀行に委託してその処分もやっていくわけですから、その場合に、処分をする場合のいつ、どういうときにやるかということについて審議をされて、そのまず業務規程で大枠を決めて、それの中で要するに具体的な処分がなされていくのではないかと、こういうふうに思っておりますので、そういう意味ではかなり細かいところまで、価格、それから買い取りの期間、それから処分の方法、そういうことについて決めていくのではないかというふうに思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 時間も大分迫っていますので、最後に一点、この件に関してお願いをしたいんですが、これ実は四十条に商法の特例を設けているんですよ、大臣、御承知のとおりだと思いますが。これは、金庫株購入の事業法人が安易に金庫株購入ができないようにきちっとした手続を踏めという、こういう法律が本年六月二十九日、法律第七十九号で通っているわけですが、決めたばかりの法律の例外を設けているんですよ、それをちゃんと適用しなくていいよと。  ここから推測しますに、この機構をめぐる今後の問題点として一つこういうことが起こり得るんではないかなと私は思います。これはそもそも、これから株価が下がるかもしれない、どちらかというとダウンサイドリスクの方が大きいという前提でこの機構が立ち上げられているわけですが、そうすると、株式が下がったときにメリットをこうむるのはだれかというと、これは株式を発行している事業法人が自己株消却をやるときにはメリットをこうむるんですよ。  私が大変懸念しているのは、ひょっとすると、これは大臣、副大臣はそう思っていないかもしれませんよ、企画をされたどなたかは、どこかの事業法人が、これ銀行じゃなくて、本当の目的は、どこかの事業法人が自己株消却をするときに、この新しい規定の商法の特例もくぐり抜けて、何とかこの自己株をスムーズに消却しちゃうと、しかもそのときに、機構の役員は自分たちのメーンバンクの役員が座っていると、すうっと自己株消却しちゃうという、そんなことも理屈の上では起こり得るんではないかなと、こう思っているわけです。  したがって、この機構が取得して処分した株式については後日きちっと公表されると、そういう理解でよろしいかどうかをお伺いしたいんですが。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 機構が株式を処分した場合には、これは財務大臣それから総理大臣に報告を要すると、こういう規定になっているわけでございます。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ぜひ情報開示をきちっとしていただきたいなというふうに思っております。  そこで、塩川大臣にお伺いしたいんですが、この絵でいいますと、(資料を示す)この株式売却金融機関がどういう行動をとるかというのは、これは金融庁さんがきちっと監督されて、おかしければ是正するという、金融庁さんがおやりになるわけですが、ただ、今回金融庁さんがお考えになったこの株式取得機構がうまくいかない場合には、その損失は公的資金で埋めるという案になっていますので、将来財務省さんが歳出としてそれを負担する可能性がおありになるわけですが、そういう前提で今の一連のこの機構の仕組みをお聞きになっていて、どういう御感想をお持ちになられますですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それは、存続期間十年でございますから、十年の間に日本の経済はもっと確実な、実質的な成長を遂げていくであろうと思いますし、そういたしますと、今セーフティーネットとしてやっておりますのは、まさにセーフティーネットの役割を果たすことであって、私は、十年もかからない間にこの株式取得機構は立派に清算されてその使命を果たしてくれるだろうと思っております。  こういう機構を現在の資本主義社会において永続的に残していくということは、余りその状態においていいことではないと思っておりますので、できるだけこの取得機構の使命を果たしたら、やはりそれの使命を終わったのに伴って解散をしてもらうということ、その見通しといたしまして、私は非常にこれを楽観的に見ております。十年という歳月でございますので、そんなに悲観する必要はないと思っております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今のお考えは、衆議院で自由党の鈴木先生が、山一のときの共同証券だって結局ぼろもうけしたじゃないかという、その御発想に近いと思うんですが、ただその一方で、大臣御自身は、十月二十六日の衆議院の財務金融委員会でこういうことをおっしゃっておられるんですよ。「私も二兆円ということを聞きまして、これはもう将来また額を上げるんだろうと思いますけれども、ちょっとこれは私も、まあ二兆円というのはどこから来たのかなと思っているんですけれども。」と。  つまり、今回二兆円の枠で始めるわけですけれども、その二兆円の枠が広がるかもしれない。広がるかもしれないということは、ひょっとしたら株価の状況がまだよくならずにこの機構の役割が拡大するかもしれないというようなことを言っておられるわけですので、十年というスパンで考えると、おっしゃるように回復する可能性も大いにあると思いますけれども、歳出をコントロールするお立場から、ぜひこの機構が適正に運営されているかどうかということについては塩川大臣も監視の目を向けていただきたいな、こう思っております。  さて、ちょっと次の問題に移らせていただきますが、今話に出ました景気がよくなるかどうか、それから先ほどの村上副大臣と櫻井委員の議論も景気がどうなるかということなんですが、景気をよくするために改革先行プログラムというものがつくられたわけですね。構造改革をして景気をよくするために。そして、この改革先行プログラムの中には不良債権問題は三年後に正常化するというようなことが書いてあって、先般の当委員会での峰崎委員の質問に対して柳澤大臣は、じゃその三年後というのはどういうことがメルクマールになっているかというと、不良債権比率が四%ぐらいになれば、例えばですね、例えば正常化だという、こういう御答弁をされて、非常に定量的におっしゃっていただいてよかったなと思うんですが。  ところが、内閣府、それから金融庁のスタッフの皆さんの私どもの部会に来ていただいたときの説明等では、三年後に正常化するというのは、その時点で株価とか地価がある一定の水準まで上がっていることが前提なんですという御説明をされているわけですよ。それはそうですね、景気が回復すればある程度上がるわけですから。そうすると、この改革先行プログラムには当然何がしかの経済見通しが前提となっていなければいけないと思うんですが、それについては一言も触れられていないんですね。  そこで内閣府にお伺いしたいのは、この改革先行プログラムが不良債権問題は三年後に正常化と言っているその前提となっている経済見通し、地価、株価の見通しについてお伺いしたいんですが。

小林勇造内閣府政策統括官

○政府参考人(小林勇造君) 先生もよく御存じのとおりだと思いますが、株価とか地価に関しましては、いろいろな要因をマーケットが評価してマーケット自体が決定していくという、マーケットが評価して決定されるものというふうに我々考えておりまして、したがいまして、もちろん不良債権の問題と株価の問題というのは密接な関係があると考えておりますけれども、株価自体について私どもが言及することはできないというふうに考えております。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 次は大臣にお伺いしたいんですが、やはりこれは、株価と地価が一定の水準まで上昇していることが三年後正常化の前提であるというふうに考えてよろしいんですか。今の内閣府の御説明では予断は抱けないということをおっしゃったわけですが、それはわかるんですけれども、それは前提ではないですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、そういうことをどういう意味で申したかちょっと私理解がしかねるんですけれども、要するに、今の御質問にお答えするとしましたら、三年間は低成長ですよと。その低成長というのは、当時、立案のときには、大体二〇〇〇年度と同じくらいというか、実質でいうとゼロから一とかというような、そういう感じの成長率であると。そういうことが継続するとしたら、どのような不良債権の新規発生、あるいは既に不良債権となったものの劣化というものが起こるかということを推計しているわけでして、それから、例えば担保不動産については毎年一〇%下がっていくということを前提にしているわけですね。そういう厳しい前提で三年間を過ごすということで、それが急に回復するなどということを言っているんじゃなくて、そこである種下げどまるというか、そういうようなことが前提になっていると、こういうふうに理解をいただければと思います。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 持ち時間が終了しましたので、簡潔にお願いします。

大塚耕平民主党・新緑風会

○大塚耕平君 よくわかりました。最後に一点だけ。お昼前に済みません。  せんだっても、柳澤大臣が御欠席のときに塩川大臣にお話し申し上げましたのは、財政再建も、これ歳出官庁が本気にならないと、歳出の中身がよくならないと絶対にできないということを申し上げました。そして、不良債権問題の処理も金融機関が本気にならないと絶対によくならないです。金融機関と歳出官庁の皆さんがこの構造改革をうまく進めるかどうかということのかぎを握っていると思うんですが、内閣府にぜひお答えいただきたいのは、この間の委員会で、特別会計の国交省の三勘定でPFIの予算、PFI推進対策の推進というので何十億円か、百億円近くですかね、ついているんですけれども、あれが何かということを簡単にお伺いして、終わりにさせていただきたいと思います。

坂篤郎内閣府政策統括官

○政府参考人(坂篤郎君) PFIは、たしか予算編成の予算の説明の六ページにPFIについてざっと列挙したところがあるかと思いますが、約百億円だと存じますが、それにつきましては、例えば道路関係でございますと道路整備事業の特会、特会の方には受け入れという形で出てまいりますけれども、こちらは一般会計の方に書いてありますが、民間事業者の資金とかノウハウを活用した市街地の再開発をやりますと。あるいは、組合の形式をとって道路なんかの基盤整備を含む土地区画整理事業と、その道路と土地区画整理事業といわば一体として進めるということのようでございますが、そういったことについての道路ないしその周辺のための予算と、こういうものは全体としてPFI的に進められると。こういったものが百億円のうちに入っておるわけでございまして、道路整備事業全部がそうだというわけでは必ずしもございませんが、あのうちにそういうものも入っておりまして、それがたしか六ページだったと思いますけれども、百億円の内訳として列挙されていると、こういうことかと存じます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、小林温君、浜田卓二郎君、金田勝年君及び溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として上杉光弘君、荒木清寛君、小斉平敏文君及び松山政司君が選任されました。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山本保公明党

○山本保君 どうぞよろしくお願いします。  最初に、短い時間、貴重な時間をちょっとおかりしますが、法案審査とは直接は絡まないんですが、ただ、内容を見ておりましたら何らかの関係があるのではないかと思いました。先週末ですか、オタワで開催されたIMFの国際通貨基金の委員会でございますか、この委員会に日本からも副大臣、また日銀総裁が行かれたそうでございますが、この内容について、どんな議論があったのか、我が国に関係するところだけで結構でございますが、御説明いただければと思います。財務省。

溝口善兵衛財務省国際局長

○政府参考人(溝口善兵衛君) 御指摘のように、先週末、カナダのオタワにおきましてIMFの国際通貨金融委員会というのが開かれております。毎年春と秋に行うものでございまして、二十四カ国の蔵相、中央銀行総裁たちが集まりまして、その時点時点におきます世界経済の状況につきまして意見交換をするという会合でございます。  今回は、九月十一日にテロ事件がございまして、それが世界経済にいろいろな影響を与えておるわけでございまして、そういう影響をどういうふうに評価するか、あるいはそのためにどういう政策を各国は検討していくべきかというようなことが議論されたわけでございます。これが一つでございます。もう一つは、そういうテロ事件にかんがみまして、テロリストに資金が行くということをどうやって防止するかと、これは既にG7なんかで議論されていますが、IMFC、国際通貨金融委員会においても議論されたということでございます。  世界経済につきましては、テロ事件によりまして減速は長引き、不確実性が増しているということでございまして、国際社会として、経済の安定を維持し、成長を支援するために時宜を得た対応をとる必要があるというのが共通の認識だったというふうに考えております。  それから、テロ資金対策につきましては、国際的な取り組みの重要性が強調されまして、IMF加盟国に対しまして、国連安保理決議の実施等の措置をそれぞれとっていく必要があるということが合意されたということでございます。

山本保公明党

○山本保君 ありがとうございます。  少し詳しく、今回のこの法案とも関連するかということと、それからテロの問題、先回も特措法行いましたし、そのときに余り議論に、私も用意したんですが、しなかったのがありましたので、後半についてもう少し詳しくお聞きしたいと思います。  最初に、二つの内容があったと、まさに世界経済への影響と対応であり、二つ目はテロの金融面への対応であるということでありました。最初の方の世界経済について、この会議の担当の方からいただきましたら、IMFによる世界経済の見通し、これが、二〇〇一年十月の見通しから一カ月、二〇〇一年十一月の見通しということで修正値が出されたと。そして、日本については、二〇〇一年、これを見ますと、マイナスがついておりますのが日本だけでして、二〇〇一年の修正値を見ますと、十二月までがマイナス〇・九%、来年一年間のGDP成長率見通しがマイナス一・三%と、大変大きな幅で下方に修正されているようであります。  これをもとにして議論がされたというふうに聞いておりますけれども、アメリカなども、これを見ますと日本と同じ幅でマイナス一・五ですか、アメリカと下げ幅が同じだから同じじゃないかという冗談のようなことを言っておったらいかぬわけでありまして、こういう数字が出てきたということについて、財務省としてはどのようにお考えでしょうか。

溝口善兵衛財務省国際局長

○政府参考人(溝口善兵衛君) 御指摘のように、会議に先立ちまして、IMFの当局がIMFの見通しとしてそういう数字を発表しております。  テロ事件の前から、世界経済は、アメリカにおきますITセクターのバブルの崩壊のようなことを通じまして減速が進んでおったわけでございますけれども、それに加えまして、テロ事件が消費者の心理あるいは企業家のマインド等にいろんな影響を与えて、さらに秋の時点よりも減速をするだろうというふうなことでございます。  具体的に数字がどうなるかは、それぞれの経済政策、今後の運営などにも依存しますし、これは今後のことではございますが、大勢としてさらに減速が進むということでございますから、そういうことを踏まえながら、今、政府におきましては来年度の予算の編成でございますとかそういうことが議論されているわけでございます。  そういう中で適切な対応を政府として図っていくということになろうかと思いますし、金融政策につきましては、既にことしの春以来、日本銀行におきまして、少なくとも物価上昇率がゼロになるまで金融の緩和を続けますという明確な方針を立てられて潤沢な資金供給を行っているところでございますし、それは引き続き実行されるものだというふうに考えております。  いずれにいたしましても、そういう経済の状況を見ながら、よく注視しながら政府として適切な対応を図っていくというのが私どもの立場でございます。

山本保公明党

○山本保君 国際局長にお聞きするのは失礼かもしれませんけれども、今のお話でいけば、一応今回、この十月と十一月、一月の間に大変大きな見直しをされたけれども、これはIMFのこの時点での見方であって、我が国の経済の動き大変だと、きょうは午前中もそんな話がたくさんあったわけですが、それについて、今回のこの変化は大きな変化だけれども、これはもう織り込み済みという言い方をしたらいけないかもしれませんが、そんなに驚くような修正値ではなかったと、もちろん低いんですけれども、このことは当然頭に入れて進めていると、こういうふうな今の御認識だということでよろしいでしょうかね、確認しておきます。

溝口善兵衛財務省国際局長

○政府参考人(溝口善兵衛君) 数字についてはいろんな幅があろうかと思いますけれども、政府の月例経済報告等においても指摘しておりますけれども、経済情勢は厳しさを増しているという認識は政府も持っておりまして、そのように対応して、できる限り適切な対応をしていくべきだというふうにいろんなところで検討がなされている最中であるというふうに理解しております。

山本保公明党

○山本保君 それでは今度、金融庁にちょっとこれに関連してお聞きしますが、IMFのこのコミュニケ、その第一の方の、テロ事件の経済への影響というところに日本が言及されていますね。そこには、日本は銀行・企業セクターの強力な改革を推進していくことが必要でありというような言い方になっているようです。アメリカ、そして欧州というふうにある中で日本が特筆されているというふうにも読めますけれども、この銀行・企業セクターの強力な改革というのはどういうようなものを、イメージとしてどういうことを議論され、そしてどんなことを、今回のこの法律なども含まれると思うんですけれども、銀行・企業セクターと割と具体的な言い方をされておりますけれども、これはどういうことを意味しているのかをお聞きしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、やはり銀行における不良債権の問題、それから企業の側における過剰債務の問題というものを念頭に、このように銀行セクター、企業セクターの改革というふうに述べたのではないかと、このように思っております。

山本保公明党

○山本保君 いわゆる不良債権というようなものも当然含む、また今回問題になっておるような銀行の持ち株というようなことも含まれると、こういうふうに解釈してよろしいでしょうか、大臣。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 株式の問題ということになると、銀行・企業というふうに結んでおりますので、ほぼ同じような問題の裏表というふうに認識しているんだろうと思います。そういうことからすると、先ほど言ったようなことですが、広い意味では今の株式の問題等も、銀行セクターの金融仲介機能というようなことからすると、それとの関連で若干は念頭にあろうかと思います。

山本保公明党

○山本保君 ありがとうございます。  次に、二番目の内容にテロ資金対策が挙げられておりまして、これはちょっと簡単にお聞きしておきます。  テロ資金の供与という今回の問題をもとにしたものについての措置、また、いわゆるそのほかの不正な取引といいますか、不正な金ということについてのマネーロンダリングの防止のためのという二つの内容があるようでありますけれども、これについて最近どんな措置をとられたのかということについて、これまでもいろいろお聞きしたような気はいたしますが、簡単に御説明いただきたいと思います。  財務省、金融庁両方にお願いいたします。

溝口善兵衛財務省国際局長

○政府参考人(溝口善兵衛君) テロ資金の関連につきましては、まず、タリバーン関係者につきまして、その資産を凍結するということが国連で決議をされております。その決議に基づきまして、国連の中に国連制裁委員会という委員会ができまして、どういう人を制裁の対象にすべきかというリストが順次発表になっております。これまでに四回リストが発表になりまして、それに応じまして、日本政府におきましても外務省の告示でもちまして二百七十七人の個人、団体を対象として指定をしております。  その指定に基づきまして、財務省におきましては外為法に基づきましてこれら関係者に対する資金取引を許可制にしております。普通は原則自由で、外との取引は自由にできるわけでございますけれども、許可制にすることにいたしまして、その関係でチェックをして関係者を洗い出しております。  今のところわかりましたのは、アフガニスタンの政府系の銀行四行が、日本の銀行にコルレス先預金と申しまして資金取引をするときにお互いに決済用の口座を持つわけでございますが、それが四つ見つかっております。アフガニスタンの中央銀行、国立銀行、農業開発銀行、輸出促進銀行でございます。これらの金額は残高で大体六十万ドル弱でございますが、これは凍結されております。しかし、これらはそういう決済のための口座でございますが、ここ数年動いておりませんので、テロに直接関連があったものではなかろうと推測をいたしております。  以上でございます。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) マネーロンダリングの対策につきましては、現在、組織的犯罪処罰法におきまして規定がございます。それによりますと、金融機関等が収受した資金が犯罪収益である疑いがある場合には金融庁長官へ届け出をするようにというふうな義務づけが行われているわけでございます。他方、国連の安保理事会決議では、まず第一に、タリバンの資金、タリバンが薬物犯罪で収益を得ているという指摘がございました。  そういうようなことで、私どもとしてはこの関係のものについては届け出を期待しておりましたわけでございますけれども、そこへ国連の方で、タリバンの関係者というのはこういう個人、団体であるということを明らかにしてくださるというようなことがありましたので、それをまた、今、財務省国際局長が答えられたとおり告示をされるということでございましたので、九月二十七日以降、告示が行われる都度金融機関等にこれをつなぎまして、こういう者がタリバンの関係者である、また、タリバンは麻薬犯罪で収益を得ているという指摘もあると。そうなると、これらの名義の預金というか資金の収受があった場合には、それを金融庁長官に届け出てくれるようにという、いろいろな情報をあわせて届け出義務というものを確認をして、その届け出を期待をするという立場に立ったわけでございます。  現在のところ、複数の金融機関等から相当数の届け出の情報がもたらされておりまして、これは法の規定によりまして私どもとしては捜査当局等にこれをつないでいるわけでございますが、その内容等につきましては、これは犯罪捜査に密接にかかわるものでございますので、具体的な数字、金額等については開示は差し控えさせていただいておると、こういうことでございます。

山本保公明党

○山本保君 ありがとうございます。  この問題については以上で結構なんですが、ちょっと感想だけ申し上げますと、大臣も今最後におっしゃいましたように、同じような内容について実は二つのお役所が非常に複雑に絡んでいるなということを担当の方に丁寧に説明していただいたんですが、なかなか自分でもわかりませんでした。そのことが問題になることはないと思いますけれども……

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) もし今委員がおっしゃられたのが財務省と私どもの関係だとしたら、それは全然混乱というものはないわけです。  財務省がやっているのは外為法上の凍結なんですね。私どものやっているのはマネーロンダリング絡みの組織犯罪取締法の法の運用としてのいろいろな措置でございまして、これはもう全く、片方は凍結という直接に権限を持ってやっていらっしゃることだし、私どもの方は、いわば金融機関に対する政府の窓口として情報をいただいて、それを犯罪捜査につなげている、こういうことでございますので、両者の関係は全く截然と分かれているということで御理解を賜りたいと思います。

山本保公明党

○山本保君 どうもありがとうございます。  なかなかこの分野、まだ日が浅いものですから、法律の違いがあるということはわかっておったんですけれども、そういう実際の実務は大丈夫かなという気がちょっとしたんでございます。安心いたしました。  じゃ、本来の今回の株式保有についてお聞きいたします。  先回も大分お聞きしましたし、きょう午前中もお話ありましたので、同じようなことになるかもしれませんが、最初に、株式の保有を自己資本の範囲内に制限するということにこの法律のもとがなっているわけであります。これもけさもお話がありましたけれども、この目的は銀行の健全性を確保するためであると。また、ひいては、株の持ち合いという日本的な状況についても、日本の銀行についてもこれを直す、改めていく、法律がそれを後押ししようというようなこともこの前お話があったと思うんです。  よく言われますように、預金者保護というような観点が大体こういう銀行の法律には出てくると思うんですけれども、今の二つのことは当然回っていけばそこへ行くとは思うんですが、例えば自己資本ということに決めたことと預金者保護ということとは何か関係があるのではないかということでいろいろお聞きしたんですが、私自身も余り理解ができないんですけれども、この預金者保護という観点は特に取り上げて論じられていないのかどうか、これについてお聞きしたいのでございます。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 預金者を保護するということについては、まず基本的に、預金者、負債側ですが、資産の側でこれを健全に維持すれば自動的に預金者は保護されるという関係が成り立っているわけでございます。したがって、資産の方のリスクをどうやって回避するかということは預金者保護にまさに結びつくわけでございます。  資産の方が仮に、そうはいっても元来がリスクを抱えているものでございますから、したがって、そのリスクが顕在化して何がしかの損が立つということになった場合には、まず担保だとかそういうもので保全がなされるわけです。あるいは引当金であらかじめそういう損失を見込んで手当てがなされるわけですけれども、それで及ばないということになれば次は資本というものに、資本が負担を引き受けるという形で、毀損をするということでそれを受けとめていくと、こういうことになるわけでございます。  そこで、それじゃ資産の側にある株式の保有制限というものをしたわけですけれども、これについては別に、例えば価格変動準備金のようなものが、仮に税法が認めていればそういうようなことだってあり得るわけですね。しかし、そういうものは今はもう認められておりません。したがって、もしそういうことになればいきなり資本のところに直撃をしてくるというような仕掛けになっていると言っていいんだろうと思いますけれども、そういうことで、この株式の保有というのはやっぱり価格変動リスクというものがなかなか大きいものだと、こういうことでございますので、これをリスク管理の視点から間接的に規制をしていくということも可能なんですね。  というのは、要するに自己資本比率を計算するときに、資産は百という値段なんだけれども、リスクウエートをかけてこれはもう一・五倍しちゃうと。リスクの資産としては百五十持っているというふうにすれば自己資本比率は下がりますから、そういう負担のある資産は余り持ちたくないねということで間接的にこれを規制していく方法もあるわけですけれども、そのリスクウエートによるリスク管理というのはまだバーゼルの銀行監督委員会の方でも結論が出されていないわけですね。したがって、今は一というか一〇〇%になっているわけでございます。  そういうようなことで、じゃこれをほっといていいのかというと、やっぱり日本のようなかなり大きなウエートで株式を持っているというところについては、これはやっぱり今度は総量で直接規制をとりあえずしておいたらどうだろうかという発想に今回なったと、こういうことでございまして、そのときの限度というか上限というものをどういうふうに考えたらいいかと。これは結論はなかなか、一義的に何か論理の問題として決まってくるかというと、そうではなくて、これは政策判断の問題と、こういうことになるわけです。  そこで、いろいろ考えたところ、自己資本の中の最もコアな部分とされるティア1、いわゆる基本的部分というものですが、それと同額ぐらいのところに、当分の間、上限として規制していくのがよろしいだろうということになってそういうことにしたということで、これは論理とかそういう理論の問題というよりも、むしろ限度についての一種の政策判断というふうに御理解を賜れればと思います。

山本保公明党

○山本保君 二番目にお聞きしようかと思っていたことにももう入ってお答えいただいたんですが、いいえ、本当にそれでわかるんです。  これはちょっと通告していなかったんですが、きのう担当の方と少しお話ししていたことで、午前中にも話がありましたので大臣お答えいただけると思うんですが、そうしますと、例えば株以外の国債ですとかそのほかの有価証券なども何らかの数字を、パーセントを入れてそれで総額というように考えた方がわかりやすいんじゃないかなという気はする。今、政策判断だとおっしゃいましたけれども、株だけを自己資本と同じというふうに見るというのはちょっと甘いんじゃないかなという気もするんですが、いかがでございますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) もし株と国債を合計しようとしたら、何か共通の物差し、次元に置きかえないといけないんですね。それを共通の次元に置きかえるという操作はやっぱりリスクウエートだろうと思うんですね。そういうことでやるのがバーゼルの委員会で今検討していることであります。  総量で直接的に今の、何というんですか、総量というかそういうものでこれを規制しようということになると、どう考えても国債の金額と株式の金額を足しちゃうというわけにはいかないわけですね、これは。そういうことでして、そうはならないと。そういうことで、じゃ実際にそこのところの量を規制する必要があるかというと、国債の変動率というものと、暴落といえばそれは暴落はあるかもしれませんが、現実問題の日常の変動幅というものと株式の変動幅あるいは変動率というものを比べると、これは問題なく株式の方が大きいものですから、そういう価格変動リスクがどっちが大きいかということで、一番無視し得ない、放置し得ない変動幅を持つ株式の保有量を規制したと、こういうことです。国債については、こういう持っているリスクについてはモニタリングでもってよくこれを監視していこう、こういう手法をとったと、こういうことです。

山本保公明党

○山本保君 今のことと関連しまして、条文について、第三条なんですね、ちょっとお聞きしたいんです。  ここに「当分の間」という言葉が出てきます。この「当分の間」が、文章からいけば、これは最後の「超える額の株式等を保有してはならない。」と、ここへ係るわけだと思うんですが、細かい話なんですけれども、当分の間持ってはならないと、こう言っているのか、当分の間主務省令で定める自己資本というところを強調しているのか、両方の意味があると。つまり、今、大臣は専門的にお答えになりましたけれども、その辺については、当初出す主務省令、状況の変化によって法律を変えずに省令を変えることによってその中を変えていくということも考えられるぞと、こういう意味なのか、ちょっとお聞きしたいんですが。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 現在の自己資本の上限の決め方については、先ほど大臣が御説明いたしましたように、必ずしも国際的にも共通の認識なり確定したものはないということで、今の形にしているわけでございます。  そういうことから、今後も、自己資本比率規制における株式を含む金融資産に係るリスクウエートのあり方、これは自己資本比率規制の見直しに関する議論の中で検討が進められるというふうに考えられますので、その議論を踏まえ、整合的なものに変えていくということは十分あり得ると思っておりますので、そういう意味では、今後、株式等保有制限の具体的なあり方につきましては、社会経済情勢の変化、あるいは自己資本比率規制の進展に応じ見直すことはあり得るというふうに考えております。

山本保公明党

○山本保君 局長、つまりそのことは、この法律ちょっと変わっているかもしれませんが、「当分の間」というのが出てくる。しかし、附則等で三年間はこの制限はかけないと、こうありますね。ちょっと珍しい、「当分の間」と言いながら、片方で三年間はかけないと。もし三年間の間にこの状況が大きく変わったりしたときにどうするんだろうかと思ったわけなんですね。そうすると今のお話になるわけですね。ちょっとこの辺をもう一度お願いします。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) まず、三年間というのは、ある種段階的にと申しますか、現状相当数の株を金融機関が保有しているという現状と、これを当面望ましい自己資本の額までというところに、マーケットの状況等も勘案すると一定の年限をかけて達成するのが妥当だろうということで、保有制限という考え方そのものはもう法律が成立した段階から始まると思いますけれども、その具体的なターゲットには三年かけることも猶予しますという意味になっております。  また一方で、当分の間というのは、今御説明したように、そういう規制の具体的な基準については、当面この基準でいきたいと。  なお、その間に変更があるのではないかという御指摘もございましたが、バーゼルの委員会もいろんな角度からの検討ということで、また実施に対する準備もありますので、これは早くても二〇〇五年程度になるというふうに聞いておりますので、それより前に何か劇的な変化があるということは今のところ予想しておりません。

山本保公明党

○山本保君 どうもありがとうございます。  それから、これは午前中にもあったことですが、私の方からもちょっとだけ簡単にお聞きしたいんです。  この持ち合いということが問題になるとして、銀行が大変多くこれを持っていると、一部だと言われていますが、そのほかにも生命保険会社とか、また一般企業についても、資料を見ますと、七十七兆ですか、相当大きな持ち合いがあると。これは日本のまさに経済といいますか、構造の特徴なのかと思うわけですけれども、これは、銀行が公共性があるがゆえにということで、銀行だけに制限をかけていっていいものなのか。午前中のお話は、ビジネスのところはビジネスでというような御説明であったかとは思うんですけれども、この辺については、御所感といいますか、どのように考えられておられるのか、もう一度お願いしたいと思いますが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今回の株式保有制限というのは、たびたび申し上げておりますように、銀行の株式保有がかなりの程度に上っておると、そして、その株式というのは価格変動リスクを持っておると。したがって、銀行の健全性の観点から、これは保有量を制限するというのが当面とるべき施策である、こういうことで、この保有制限を課することにする法律を御審議をお願いしていることでございまして、持ち合いそのものについて、第一義的な問題意識を持ってこの法律案をつくっているというわけではないわけでございます。  ただ、保有制限をする結果として、持ち合いというか、特に銀行の側が一抜けたというか、そういう形に結果としてなるということであるということで御理解を賜れればと思います。

山本保公明党

○山本保君 前回のときにもちょっと私も、余分なことかもしれませんが、基本的に、どういう状態にあるのかということが一般の国民、株を持ちたい方にわかれば問題はそれほど大きな問題じゃないんじゃないかなという気はするんですけれども、今回、銀行がおっしゃるように率先してそういう形をとっていくということであれば、よい影響が出てくるのではないかなという気は私もいたします。  最後に一つお聞きしたいんですが、私も役所におりましたことがありまして、銀行、特に日本銀行とか、また一般の大手の銀行なども、きょう午前中にもお話あったんですが、いわゆる専門家、エキスパートというのが育っていないんじゃないかなという気がしてしようがありません。  といいますのは、日本の場合、ある一組織の中で、企業とか組織の中で上昇していくことが専門家になる道であるという感覚が非常に強いわけですけれども、アメリカなどの場合、当然そうではなくて、異業種または大学とか、全然違う団体を動きながら専門性というのは高めていくものだと思うわけなんですね。  そういう点で、どうも日本の銀行も、民間のものではありますけれども、おっしゃるように非常に公共性が強い、まさに役所型の運営をされてきたんじゃないかという気がしてならないわけでありますけれども、もちろん省庁にも銀行から若い方が来られていることも知っておりますが、非常に短期間ですし、はっきり言って若い方で、ほとんど何の権限もなくて、お手伝いに来るというような状況じゃないかと思うんです。もっとこの辺、人材交流といいますか、交流というよりももっとはっきりと、職業として、専門家としてのあり方というものを、特に役所ではなかなか動きにくいですが、銀行は民間だということを考えればもっと動かすべきではないかなという気がしております。  この辺について大臣の御所感をお聞きして、私の質問を終わりたいと思いますが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融業というのは、昔は割に安定した形をとってきたということです。私の友人なぞも銀行に就職した者もおりましたけれども、最初に会ったときには、自転車をこいで、真夏でございますけれども、町の中を走っていたので何をしているのと言ったら、預金をとりにこうやってやっているんだよというようなことで、預金をいただいてそして融資をするというようなことで、経済の成長の中では割と融資先がそうリスクを顕在化させるというようなこともなかったんで、割とそうした預貸業務という伝統的なバンキング業務というのは安定的なものだったと言ってよろしかろうと思うんです。  ところが、それが国際化、ボーダーレス化の中、さらには経済そのものも変動が非常に激しいものになったと。それから、情報技術が発展して、そういうものを活用して、銀行が資金を融通するということからやや変質しまして、リスクの配分をするというような仕事が最近には非常に重視されるようになるというようなことになってきたようでございまして、そういうものを受けて専門知識が非常に大事になってきているというのが現在の金融業をめぐる大きな変化でございまして、この点、先生の御指摘のとおりというふうに思います。  したがって、その要員を育成するという場合も、常識をわきまえていればいいわというような、そういうどちらかというとゼネラリスト養成のような観点ではなくて、専門知識を持って、いわゆるプロフェッショナルとして人材を育成したりあるいは確保したりするということが非常に金融機関にとって大事になっているということでございます。  そういうことで、最近一部の我が国の銀行でも、職種としてプロフェッショナル職とかスペシャリスト職などの制度を人事の制度として導入するというようなこともございますし、また、ちょっと役所との関係で申しますと、私どもも例えば金融検査の定員なぞを少し増加させていただくと、そこで採用する人というのは中途採用で、今まで銀行業務に携わっていた人もぜひお願いしたいと、そういうようなことも現に行っておりますし、逆に、そう多くはないんですけれども、金融庁で非常にできるというとヘッドハントされて民間に行っちゃうというようなことも必ずしもないわけではないというようなことで、プロフェッショナル集団としてそういうある種の人事交流も現実に行われ始めている、そういう兆しも見えるということを言った方がよろしいんでしょうか、そういう状況にございます。  そういうことで、これからは、今、先生がおっしゃったような点を十分念頭に置いて人事政策あるいは人事管理というようなものをしていかないといけないと、このように考えている次第です。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。  前回に引き続いて、株式取得機構について、これは若干確認しておきたいと思います。  この買い取りスキームについてなんですが、まず買い取り対象株式ですね、これについては条件がついているわけです。国内上場株式または店頭登録株式であって、あらかじめ指定した格付機関、BBBマイナス格以上というのが一つと、それから平成十三年三月末時点で保有していた株であるということ、このいわば三つの条件ということになっているわけですね。  私は、この条件を満たしていさえすればすべての株を買い取るということじゃないかというふうに前回聞きました。そうじゃないんだという答弁でした。そうじゃないと、運営委員会でさらに必要な事項を決めるんだという、そういう答弁でした。先ほどの大塚委員の御質問への答弁でもそれが若干出てきたわけですが、基準のことがここで問題になってくるわけなんです。  その基準のことなんですけれども、運営委員会でさらに必要な事項を決めるということだったのでただしたわけですけれども、そのときに柳澤大臣は、ぼろ株のごみ捨て場になってはならないので、均衡のとれたところでできるだけ緩やかに、私は、緩やかという意味は、余り事細かにでなく決めておかなければいけないだろう、こういうように思っておりますという、そういう答弁でした。先ほどの副大臣の答弁はちょっとかなり事細かに決めるような御答弁がまたありました。どうもここが混乱するところなんです。  ここで、大臣のお考え、これをまず伺いたいんですが、緩やかにということになりますと、この三条件にプラス緩やかというのは一体どの程度のことを、どんなことを考えていらっしゃるんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生お尋ねなのは特別勘定の方ですね。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そうです。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) そういう確認のもとでお話し申し上げますと、私どもが注意をしているのは、余りにも具体的にあるいは詳細に決めることによって、市場のいろいろな悪巧みをするような人たちにつけ込まれるようなことを避けたいということが眼目でございます。  したがって、結局この問題というのは、セーフティーネットとして機能しなければ意味がないということが一方にあるわけです。その一方では、そうかといって国損を生ぜしめて国民負担をふやしちゃいけない。それともう一つ、あえて言えば、マーケットで悪巧みをするような人のえじきになってはいけない。こういうことを考えてどういうふうに決めていくかということに尽きるわけでございます。  この辺のことを勘案して私が緩やかにと言ったのは、余りいろいろこっちの意図がわかるようなところまで詳細にディスクローズをしてしまうような要件、こういうのは、いたずらにそうしたつけ込まれるすきをつくることではないかという考え方から主としてそういうことを申したと、こういうことでございます。  あとは、今言ったような、セーフティーネットとして機能しなきゃ置いている意味はないじゃないかと。そうはいったって、何でもかんでも買うというわけにはいかぬぞ、国民負担が発生してしまうようなことはできませんよと、これをどのように決めていくかということが我々の課題でありまして、この課題を十分研究、認識した上で具体的に決めていく、こういうことになるというふうにお話ししておきたいと思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そういうお考えだと思うんですよ。まさにそうだと思います。  結局、運営委員会が新たにルールを決めるとします。これも厳しい条件をつける、ぼろ株をつかまされたらまずいと。悪意を持ってやってくる銀行があった場合、これはもうその銀行が一番事業会社の実態をつかんでいるわけですからね。これは危ないぞと思って、これを先に処分しちゃえということで悪意を持って持ってきたやつについて、これを排除するというのはなかなか困難なことなんですね。しかし、困難だけれどもそれをやろうと思えば、それを担保する条件を、基準を決めておかなければいかぬ。そうなりますと、緩い条件じゃ意味がないわけですから非常に厳しくする。  これは、この法律の目的からすると、これはだれも売りに来ない。そうするとこの法律は意味がなくなっちゃうわけです。そうすると、だからということで、今、大臣がおっしゃったように、銀行にとってインセンティブを持たせるためにはといって緩やかにやる。均衡をとるといっても、これはどこで均衡をとるんだと。言葉では均衡をとるというと美しく聞こえるけれども、具体的に一体何なんだ、その均衡というのは。  これをやりますと前回と同じようにまた長々なやりとりになってしまいますので、私はそれ以上やりたくないんです。結局は、この法律を機能させるということを優先させれば、大臣がおっしゃったように緩やかにしておかなければいかぬ。結局はこの三条件、これさえ満たしておれば全部買う、無条件にということになるんじゃないのか。それじゃやっぱりぼろ株を持ち込まれる、そのおそれを排除できないじゃないか、結局そうなってしまうんじゃないかと思うんですね。均衡といっても、具体的に均衡というのはこういうことを意味するということを恐らく大臣は説明できないと思うんですが、いかがですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生がぼろ株と言うことは、何かインサイダー情報を持っていて、この会社は非常に近々悪いことになるぞというのを持っていて、しかしまだ格付会社も気がついていなくてトリプルBマイナスをつけている、それならこれを売り払っておきたいなというようなことを御想像なのか、あるいは、今はそういう情報はないけれども、ちょっと遠い将来、構造的に経済が変化する中でこの会社は見込みがない、余り見込みがないから今は高値じゃないかというようなことで考えているという、ちょっと将来の話とインサイダー情報を持っている場合の話ということで考えるわけですが……

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 前者です。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生は前者であるということでありますと、これはむしろ基準の問題というよりも、何と申しますか、先ほども先生がおっしゃられたとおり、この基準に合致したものだったら機構は買わなきゃならない、買い受けの申し出を受けたらこっちは応諾をしなきゃならないという構造にはなっておりません。そこでまた個別の売買の意思の合致というものが必要なのでございます。  そういう意味では、何と申しますか、現実に売買に当たる人たちというのはかなりいろんな情報を持っている。つまり、いろんな株式の動向あるいは会社の動向といったようなものについて情報を持っている方々にお願いをするわけですから、そんな悪いことばかり考えてこのスキームをとらえるということはちょっと必要ないのではないかと、このように思っております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 悪いことばかり考えて、ばかりではないにしても、悪い状態を考えてやるからこれはセーフティーネットなんでしょうね。セーフティーネットである限りはそういうことも考えていかなければいかぬ。  私は十分理解しています。要するに、この三条件を満たしていなければ買っちゃならないということを言っているだけなんですね、法律は。だから、その逆ではないということはそのとおりなんですけれども、前回からのやりとりでもうこれ以上やりませんけれども、事実上、そういうおそれがあるじゃないか、三条件さえ満たせれば、買わなければこの法律をつくる意味がなくなっちゃうということになるじゃないかということを申し上げておきたいと思うんです。  さらに、ディスクローズの問題について伺います。  前回の質疑で、副大臣の御答弁なんですけれども、個別の問題についてはディスクローズしないけれども、認可法人として必要な財務諸表とかそういうものはタイムリーに報告しなければならないと答弁されました。そこで、じゃ、個別ではなしにトータル、トータルでは、購入した株式数とか株価、購入価格、それから売却の際の売却額、それから半期ごとの保有株式の時価、含み損益、こういったものについてはそれぞれディスクローズするというふうに理解していいんでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 御指摘のように、機構自身、公共性ということを考えればできるだけのディスクローズはしていきたい。一方で、市場における仕手取引の誘発の回避といった点を留意いたしますと、個別ということはなかなか難しいと思いますが、可能な限り詳細な情報をタイムリーに開示することが適当だと考えております。  具体的には、期中の売買総額あるいは期末時点での保有株式評価総額、あるいは業種構成といったようなものを開示することを考えておりますが、なお詳細についてはまた機構の中で議論をしていく必要があるとは思っております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 その点に関してちょっと具体的な問題を挙げながら聞きたいんですが、国は既に銀行が保有していた株式をかなり買っています。旧長銀、日債銀、これの譲渡時に買った株があります。これが合計して約三兆円になっていると思うんですけれども、預金保険機構の方、ちょっと確認を願います。

松田昇預金保険機構理事長

○参考人(松田昇君) 先生今おっしゃいましたように、旧長銀と旧日債銀から私ども保有株式で買い取りましたやつは合計で、約でございますけれども二兆九千百三十七億円、こういうことでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 私、約三兆円と申し上げた、大体それでいきたいと思うんですが、この株の買い取りで、去年の三月を中心にやられておるんですけれども、これでもって長銀には二千五百億円、日債銀には八百五十億円、これ、持参金として持たせてやったわけですね。これは本来、国民の負担減に使われるはずだったやつがリップルウッドをもうけさせちゃったと、こういうことになるわけですが、国民にとってはこれだけじゃ済まないわけですね。さらに、この株を買った時期は去年の三月中心ですから、大体日経平均株価で二万円程度でした。この事業会社の株、これは今一体幾らになっているのかということがこれは一つ問題ですよね。  預金保険機構に伺いますけれども、十月一日に行政コスト計算書を発表されました。これの中の金融再生勘定の中に民間企業仮定貸借対照表があるんですが、それを見ますと、その他の有価証券評価差額金として二千九百八十八億二千百万余りが載っておるんですけれども、この二千九百八十八億二千万、これは去年買った旧長銀、日債銀、それの保有していた株式の含み損、これに当たるんじゃないかと思うんですが、預金保険機構、お願いします。

松田昇預金保険機構理事長

○参考人(松田昇君) 公的勘定の個性を捨象して民間企業に移しかえたときにどういう計算になるかということで、今、行政コストの計算を私どもも指示を受けてやったわけでございますが、それによりますと、今、先生が資本の部に計上してございます二千九百八十八億円余が評価損といいますか含み損といいますか、そういうものに該当すると思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そうしますと、二千九百億、約三千億ですね、これが含み損ということになるわけです。そうしますと、先ほど言いましたように、約三兆円の約一割です。一割がもうこんなに含み損として抱え込まざるを得ない、そういう状況になってしまったわけですね。国民の将来の負担とか、今、特殊法人がどれだけ損失を抱えているかといったこと、これは当然私は国民に明らかにしていかなければならないと思うんですね。  それで、預金保険機構はこういった形で若干の時価評価をやっているわけですけれども、株式取得機構、これも当然同じことは、この程度のことはやるというふうに私は先ほどの答弁で確認できたと思うんですが、それはいいですか。お一言で。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) まさに、行政における説明責任の確保あるいは透明性の向上という意味では行政コスト計算書と同じ考え方に立つと思いますけれども、個別の点につきましては、いわゆる市場における仕手取引の誘発を回避するといったこの機構の特殊性も有しておりますので、それを勘案しながら決めていきたいと考えております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 個別のことについてやらないというのはもう前回聞いたし、先ほどもお聞きしているからそれはいいんです、トータルでの話ですから。先ほど確認しながら話は進んでいますので。  じゃ、そこまではいいです。ところが、預金保険機構と同程度じゃ私は困ると思うんです。やっぱり売買を目的にしているわけですね、これ。買った株を今度売るわけですね。そういうことをやる以上は、当期の損益などはもう少し預金保険機構で半期ごとに、このトータルでぼそっとあらわれるんじゃなしに、もう少し細分化したディスクローズというのが必要なんじゃないでしょうか。──いやいや、これはもう大臣で。要するに、事務方の話じゃなしに、政治的にどこまでやるかの話ですから。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ディスクロージャーということと、それから行政のコスト・ベネフィットをできるだけ明らかにしようというようなことが合わさって行政コスト計算というものが公表されているんだろうと思います。コスト・ベネフィットと言ったんですが、実はベネフィットの計算というのは物すごく難しい。これはもう、この前もどこかで議論がございましたけれども、物すごく難しいものですから、とりあえずコストだけということでやっておるわけでございます。  そういうことで、今、池田委員からは、預金保険機構よりももっと細かいディスクローズが必要じゃないかということでありますけれども、それは何をおっしゃっているのかちょっと判然といたさないわけでございますけれども、私どもとしては、今言った市場への配慮というものは当然お認めいただかなければならないと思いますけれども、そういうことを除けばできるだけディスクローズをしていくべきだと、このように考えております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 個別の銀行、個別の企業という形でやるというのはやらないと。しかし、その時期その時期で何企業、幾つの銀行、それで何銘柄の株をどれだけ買ったと、それぐらいのことは当然言えるだろうし、さらにもう少しはやっていいんじゃないかなと私は考えております。まあそういうところなんですね。  そこで、いわゆるディスクローズのことなんですけれども、預金保険機構にしても、一番大事なところといいますか、そういったところは全く手つかずなんですよね。例えば優先株、これは時価開示ないんですよね。優先株には時価がないからとおっしゃるんですけれども、買うときは時価があるわけですから、買うときは購買価格だと、そのときは時価で買いますと。その後はもう全く優先株だから時価はないと、こういう考え方になっているようなんですけれども、しかし、これはまずいんじゃないかなと私は思うんです。  九八年十月の時点で健全化法案が審議されました。そのとき私は、銀行への資本注入が、これはもう明らかに投資なんだということです。この論議がありました。融資じゃなくて投資だから一〇〇%返ってくるなんということは言えないじゃないかという論議をやりましたですね。そのときに、提案者も、それまで必ず返ってくるとおっしゃっていたんですけれども、返ってくるようにみんなで努力しようよということだという答弁になりました。そういうものだと思うんですよ。  このことについてはさらに昨年、これは柳澤大臣も覚えておられると思うんですけれども、七兆四千億円、この優先株をいよいよ購入するという段階になった。そこで、もう一度このことについては論議しました。これは出資なんだ、返ってくるというものじゃないんだなということで論議して、いろいろあったんですけれども、大臣も、これは文字どおり出資だと、貸付債権のように債権者優位というような性格のものじゃないんだというふうに答弁されたわけです。  そこでなんですが、じゃ、この九七年以降買い取った株が大体七兆円を超えていますけれども、優先株、今一体その時価はどうなっているんだと。国民にとってはやっぱり知る権利があると思うんですね。やっぱり知らせる義務があるだろうと思うんですよ。いかがですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、とにかく、転換権を行使して普通株にして市場で売却する、あるいは銀行の方で剰余金か何かを積み立てていって返済をするというようなことが現実化されないと本当のところはわからないわけですね、本当のところはわからない。今やろうとしたら評価ということになるんだろうと思いますけれども、これは技術的にどういうことになりましょうか、特に、転換の時期が来ていないとかなんとかというようなところも相当部分まだあるわけですから、やっぱり正確にはいかないんじゃないかと、こういうように思います。  ですから、やはりこれは、すべからく、今言ったような決算というか、その関係が清算されたときに現実のものになるということを御理解いただくほかないのではないかというふうに考えます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そういうことなんですよね。清算のときしかどうしようもないんだと。じゃ、それまでどうなんだと。ふたをあけて最後の段階になって、ああやっぱり国民はひどい損失をこうむっていたとなってしまう。それでいいのかと。  普通株の場合はちゃんと評価できますよね、下がっておると。二万円のころに買ったやつが既に今はもう一万円、下がっている。じゃ優先株は下がらぬのかと。そんなことはないですよね。普通株が下がっていれば優先株も必ず下がっているに決まっている。だから、この程度のことだという形の一定の枠をはめた国民に理解を求めるやり方というのは、何か知恵を絞れないのかなと。  確かに、普通株と優先株はワンクッションありますから、いろいろ計算の仕方は難しいのかもわかりません。事前に事務方に伺いましたけれども、何かもうA4にして二ページから三ページにわたる条件をばっと書いて、それをいろんな数十項目の要件をやらなければ出ないんだとおっしゃるから、そんなものかなというのもありますけれども、しかしそれを言って、できないんだと言ってしまえばもうおしまいですよ。やっぱり何らかの形で知恵を絞って国民にディスクローズするということは考えなけりゃいかぬだろうというふうに私は思います。  その点で、具体的な点で一つ例を挙げたいんですけれども、あさひ銀行、これは資本注入したのが九九年三月末ですけれども、そのときの株価が六百二十五円なんです。今、先週末の終わり値九十八円。株価で見ればもう六分の一に激減しているわけです。  ところで、このあさひ銀行から買った優先株、これは四千億円です。この四千億円、これは損失の可能性があるんじゃないか。あるとしたら、一体どれぐらい損失をするんだということは、これは預金保険機構、お答えいただけますか。

松田昇預金保険機構理事長

○参考人(松田昇君) 先ほど大臣もお答えになりましたように、この優先株式自体の評価は非常に難しゅうございまして、もともと転換開始の時期とか配当率とか、転換価格の上限、下限、それから配当期限が来ているかどうか、一体となってセットされているものですから、それを今何かの仮定を置いて評価をするというのは非常に難しいということがまず前提にございます。  したがいまして、例えば今御指摘の銀行の株が市場でかなり下がっているという一定の趨勢は何となく感じることはできますけれども、それをもって直ちに優先株式がそれと同じ割合で下がるだろうということは言えないと、このように思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 結局、最後の最後の段階で、さっきの話にもありましたように、結局はツケが一般会計、国民に回ってくる、損した場合ですよ、回ってくるということになるわけですね。そうしますと、私は、結局、政府が投資している株について何らかの形の共通のディスクローズ、預金保険機構とか今度の買い取り機構とか、そういった株のものについては何らかの共通の基準を設けてやっぱり情報開示するといったことが必要じゃないかなということを重ねて指摘しておきたいと思うんです。  もう一つ、時間が詰まってきたんですけれども、五%ルール規制の問題についてなんですが、これは、政府の規制緩和三カ年計画で銀行の株式保有について、いわゆる五%ルール、これを見直せということが出されまして、今年度中にその結論を出すことになっているようですけれども、公正取引委員会においでいただいているんですが、独占禁止法研究会報告書というのを先月末お出しになりました。  そこでは五%ルールの見直しについてどう言っているかということを簡単に御紹介いただいて、そして公取としてはそれにどう対応するのか、ちょっとお話しいただきたいと思います。

鈴木孝之公正取引委員会事務総局経済取引局長

○政府参考人(鈴木孝之君) お尋ねの問題を含みます一般集中規制に関しまして、独占禁止法の見直しについては、検討を行うために、本年二月以降、ただいま御指摘いただきましたように独占禁止法研究会を開催し、十月三十一日にその結果を報告書として取りまとめたところでございます。  この報告書におきましては、独占禁止法第十一条の金融会社を対象としたいわゆる五%ルールは維持することが適当であるが、証券会社等を対象とする必要性は低くなっていることや、競争上の問題の中心は金融会社が事業会社と結びつくことにあることから、規制対象を銀行及び保険会社に限定するとともに、これらが事業会社の株式を取得、所有する場合を対象とする規制とすべきであるとされたところでございます。  公正取引委員会としましては、今後、第十一条について、この報告書を踏まえ、また関係各方面からの意見を参考といたしまして、今年度中に政府としての結論が得られることを目指して検討を進めてまいりたいと考えております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 銀行法の方も五%ルールがあるわけですけれども、銀行法の方は見直し検討、これはどういうふうになっているんでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 銀行の五%ルールは、銀行の他業禁止の趣旨の徹底を図るとともに、銀行の子会社の業務範囲制限が逸脱されることを回避するために設けられた規制でございますが、現在のところこれを変更する特段の必要性はないものと考えております。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 先ほどの論議にもありましたけれども、金融審議会でもこのことを随分論議されているんですね。  それで、結局今度の法改正は、今まで銀行法で五%ルールがあって、他業禁止ということがある。しかし、これもやはりいわば株の保有規制ですよね。今度の法律でいえば総量規制ということを持ち込んできた。総量規制をやるのは株価変動リスクを遮断するといいますか軽減するといいますか、そのためなんだと。  そうすると、この五%ルールのことを考えてみましても、銀行の経営健全化ということから考えますと、これはもう少し厳しくしていくという方向で考えなければいけないんじゃないかなと思うんですけれども、ところが、ことしの春ごろ論議ありました例の債務の株式化ということで、貸付金は株にしてもらいます、その場合に五%超えてもよろしいよという形で規制を緩められましたですね、大臣。これは考え方、これ逆じゃないですか、そうすると。矛盾しませんか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 恐らく池田委員も確認的な御質問だと思います。矛盾していないかということの御確認だと思うんですが、これはドイツなどの銀行の保有株式制限にも同じような仕組みがありまして、要するに、価格変動リスクを軽減するための総量規制と、それからもう一つは、銀行法の場合には他業禁止あるいは企業支配の関係もあわせてやっているんだろうと思うんですが、そういうような意味で一社当たりの株式の制限、こういう二つの基準を同時に併用するという格好でそれぞれの目的に資する制度をしいておるということでございます。  ですから、今回の私どもの方も、総量規制をやるからこっちの他業禁止あるいは企業支配の関係の規制ももっときつ目にするべきじゃないかというのは、そこはそう結びついてはいなくて、両者は一応独立の関係にあると考えてよろしいんではないか、このように考えます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 総量規制の方は、幾つかの株を持っておると、株価が下がったときのリスクということですね。考えますと、一つの特定事業会社の株、これをたくさん持っている、五%に近いところまで持っていると。五%を超えちゃいけないんですね、五%近いところを持っていると。それによるその株の変動リスクというのは、これは結構大きいものなんですよね。  この法律の目的を考えれば、そういった変動リスクから軽減することを目指すのだとするのであれば、やはりこの特定事業会社についても一つ問題があるんじゃないか。  これは先ほどの論議にもあるわけですけれども、例の悪意を持った会社の場合、これを先に処分しようという形でやっていくというふうなことで、そういうふうなことが起こらないためにももう最初から基準を決めて、一社についてももうそんなにたくさん持てないようにしておくというふうなことは、むしろ考え方としては整合性を持ったことじゃないかなと。  しかし一方では、債務の株式化で逆に五%を超えてもいいという、公取までこれを認めてしまっていますね、五%を超えてもよろしいと言って、そうでしょう。これは、公正取引委員会、おかしいんじゃないかと思います。  まだ時間があるので、ちょっとお答えください。

鈴木孝之公正取引委員会事務総局経済取引局長

○政府参考人(鈴木孝之君) 債務の株式化につきまして、私どもは、特別の事情があるものとして五%ルールを超えてもということで、ただ、これにつきましては、一年以上持ちます場合には私どもの認可が必要とか、一定の制限をかけているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 一年以上は持てない、こういうことですね。

鈴木孝之公正取引委員会事務総局経済取引局長

○政府参考人(鈴木孝之君) 事前の認可で一年以内という条件をつけてございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 わかりました。  要するに、私、そういう点ではそれでいいだろうと思いますけれども、五%という形で今までやってきた、今度新たに総量規制という考え方を入れた、であるならば、整合性を持たせて特定株についてもそういった方向で考えていくべきじゃないかなと思います。  最後に大臣のお考えをお伺いして、終わります。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今ちょっと確かめたんですが、ドイツの場合は、我が方の五%に当たるのは一〇%なんですね。それで、我が方の一〇〇に当たるというんでしょうか、それは六〇%ということであるようでして、これどういうふうに考えるべきでしょうか、やはりユニバーサルバンキングというようなことも依然としてあるにはあって、我々の方も、例えばベンチャービジネスとか発足間際の企業には銀行が融資するだけじゃなくて株も持つということは十分あり得るというふうに思います。  そういうようなことでございますので、私どもとしては、今回、自己資本ティア1に総量を規制するので五%をもっときつ目にすべきだというのは、ちょっとすぐに結びつくというふうに考えなくてよろしいんではないかともう一度申させていただきたいと思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 終わります。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 大臣、現在の銀行株の下落についてどのような分析をなされているのかなということをまずお聞きをしたいと思います。  銀行が保有株式制限ということにあって、持ち合い解消をしなければならないということで相手方企業の株式を売るということになりますと、その相手方企業も当然持ち合っている銀行の株式を売却をするというようなことが見越されて銀行株が売り急がれているのかどうか。あるいは、実際にもう持ち合い解消がかなり進んできていて株価が低下をしているのか、そこの見きわめというのはどういうふうになさっているのかということ。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 株価は、いつもお答え申し上げておりますとおり、複雑な、複合的な要因で市場で決定されることでありますので、私どもが直接、当局として、今の株価がこういうことになっている原因はこうでございますというふうには申さないということで御理解をいただいているところでございます。  しかし、市場でよく話題になることは御披露することは可能でございまして、それを御披露させていただきますと、一つには、今回、私ども新しい施策として特別検査をやる、こういうことでございまして、そのことの影響として不良債権の処分損というのが増加するのではないか、こういうようなことであるとか、あるいは九月中間決算はどうも厳しそうなので、その具体的な姿というものが最終的にどうなるかということを見きわめたいというようなことであるというようなことでございまして、今現在、持ち合いの解消売りというものが今日のような状況を大きな力で動かしているというふうには、私どもそういう見方が強いというふうには認識しておりません。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 そこで、前回の質疑のときに、三月末時点で過剰の分、十一兆円というふうに言われていましたけれども、その株式が九月末現在でどのように推移をしてきたかというのを資料にして出していただきたいということを委員会でお願いをしておきましたけれども、その調査結果についてお答えをいただきたい。事務方の方で結構でございます。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 銀行等におきましては、現在、十三年九月期の決算についてまだ銀行において作業を進めているところでございます。そういうことから、ティア1を超過して保有している株式等の額を現時点で把握するということは困難であるということを御理解いただきたいと思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 その調査をするときに、ぜひ資料をつくるときに私の要望を聞いておいていただきたいと思いますけれども、三月末現在で積算をした株式銘柄にあわせて、その銘柄が九月にどうなっているか、株式数。全然個別のことを私は必要としていませんけれども、総額で、三月の末の十一兆円の積算根拠になったものに対して九月末にどうなっているか。それから、三月から九月までの間、新たに購入されて蓄積されている分の、そこを分けた表にしていただきたいということですが、よろしゅうございますか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) できるだけ御趣旨を踏まえてヒアリング等に努めたいと思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 なぜそういうことを言うかというと、今、三月から九月にかけて急激な株価下落を招いていることが、この持ち合い解消が原因ではないかという思いがあるわけでございまして、株は、市場は半年先を先取りするというふうに言われていますから、必ずしもそうではないのかもしれませんけれども、実態の数字としてきちんと確認をしない限り今後の手当てができないというふうに思うんですよ。ややもすると金融庁はいつも景気対策やあるいは株価について後手後手の政策しかできてこなかったのは、そういう分析がきちんとなされておらなかったのではないかというふうに思うわけでございます。  ぜひ大臣からも、私がお願いをした件についてきっちりとやっていただくということをお願いをしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生が御指摘になられたことをできるだけ配慮した形でヒアリング等をさせたい、このように思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 保有株式が制限をされるということもあって、銀行の資本が制限されることは一方でありながら、しかしその検査等々によって自己資本比率を増強しなければならないという状況の中で、株式の持ち合いは解消させながら優先出資証券を発行をして、企業に対して引き受け要請をしていくという手法が盛んに行われているということですけれども、これは銀行の健全化ということから問題はないのでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 現在、銀行は、株価の下落というものがかなり自己資本を直撃するというようなこともおもんぱかりまして、優先出資証券による資本増強ということを考えている、あるいはもう既に実行したものもあるという状況、御指摘されたことの事態がございます。  それが、今我々が銀行の健全化のために行おうとしている株式の保有制限と何か背馳した関係になるおそれはないのかというお尋ねなのでございますけれども、私どもとしては、優先出資証券というのは、告示にもございますように、いわゆるティア1性というか基礎的部分であるという、そういう性格を持つ資本としてこれは国際基準でも認められておるところでございますので、その意味では、それ自体として何か問題があるかと言われれば、問題はないということでございます。  ただ、金融機関が、いわゆるダブルギアリングと申しますが、を持つというような場合には、これはもうルール上控除して考えなきゃいけないということにされておりますので、そういうのは意味がない、自己資本の増強上意味がないということで、これは行われているとは思いません。  そういうようなことで、この問題については別段今回の措置と背馳するような機能を持つものではないと考えております。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 大臣は自己資本比率の増強に直接つながっていかないという認識ですよね、今の優先出資証券の発行というのは。そうではないんですか。私は、そこがつながっていかないのではないかというふうに思うんですよ。  なぜかというと、配当をすごく優先をいたしますよね。そうしますと、銀行はとにかく経営をやりながら自己資本を内部留保させていく、利益を内部留保させていかなければならないわけですけれども、配当を優先させるために株式よりも高配当ということになっていくと内部留保そのものの蓄積が細くなっていくという観点からすると、本当の意味の自己資本の比率の増強にはつながらないのではないかというふうに思うわけですけれども、大臣とは違うのでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、先ほどちょっと申したように、自己資本の算定上ティア1として算入されるというのが国際ルールでございます。それは、確かに優先出資というのは配当を優先されるというようなこともあるわけでございますが、もし資本が毀損される場合には、これは文句なく優先出資の分も毀損されるわけですから、そういう意味では一〇〇%の資本性を持っていると、こういう位置づけかと思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 そのことが進むことによって、さらに株式がだぶついたり、それから、持ち合い解消といいながら、結果としてやっぱり企業にそれを買っていただくという構造というのは全然変わらないのではないかということを懸念をするわけでございますけれども、次に行きたいというふうに思います。  株式の買い取り機構の最終的な損失は、もうここ随分と議論をされてきましたけれども、税金で負担することになっていますけれども、それを最小限にするための施策として、大臣はちゃんと仕組みでそうなっているんだということをおっしゃるわけですけれども、その国民負担最小限の原則を担保するための仕組みというのをもう一度お話しをいただけませんでしょうか、わかりやすく。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 機構の業務について、最終的に国民負担につながらないという工夫といいますか考え方に立ちまして、一つは、できるだけその対象になっていない一般勘定による買い取り、あるいは一般勘定を通すことにしていると。それから、政府保証を付しますセーフティーネットとしての買い取りについても、対象株式の限定、さらに、銀行等によりまして売却時拠出金をあらかじめ納付をしていただくといった諸施策を講じているところでございます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 そこで、この機構の最高責任者に一体だれを持ってくるかということは極めて重要なことになってくるのではないかというふうに私は思うわけでございます。損失を出さないために、法と正義のもとで英断を下すことができる指導者をこの機構に送り込むことは可能なのでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) まさにそれを我々も期待しておるわけでございますし、法律的には、機構の役員については、創立総会または総会において選任された後、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受けるということにされておりまして、この認可に当たっては、そういうことにふさわしい方であるかどうか、十分配慮していくということになろうと思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 その答弁だったら最初の日と一緒ですからね。そうではないと思いますよ。もうここはずっと審議をされてきて、ここの部分が極めて重要な部分、国民に税負担を課さないため、損失を出さないための極めて重要なところになってきていると思うんですよ。その買い取り機構のトップをどういう人になっていただくかという極めて具体的な御答弁をいただきたいのですが、大臣、いかがでしょう。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、大渕委員の言われるような方を私どももお願いしたいというふうに考えておりまして、そういうことを実現したいというふうに思っております。  今の段階ではそれしかお答えができないわけでございますが、御理解をいただきたいと、こう思います。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 大臣が努力をするということで御答弁をいただいたということでよろしゅうございますでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 結構でございます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 住専の問題のときに、中坊さんが勇気を持って社長になっていただきましたですよね。そういうような英断ができる人をきちんと機構のトップに据えることによって国民負担を最小限に食いとめることが可能になるというふうに思いますので、ぜひすばらしい人を選び出していただきたいというふうに思います。  実際、これは株式会社ですから、普通の一般の株式会社だったらば、それと同じ損失の処理の仕方というのが当然あっていいわけですけれども、最終段階で税金を入れるというこのスキームだけは何としても納得がいかない。  ですから、営業で上げた利益を配当し終わった部分、残った利益については国庫に入れるんだから、損が出たときの最終の処理は税金で賄うんだと、本会議でも大臣は声を大きくして答弁なさっていましたけれども、それは違うんですよね。普通の会社だったらば、利益は配当する、そして損が出れば、当然その株式会社をつくった人たちで応分に負担をするというのが当たり前の原則ですから、この当たり前の原則がきちんとこういう国がつくった株式会社でも、これは違いますね、民間がつくるんですね、民間がつくった株式会社でもきちんとそういうふうに対処できるようにしていただきたいというふうに思います。  しかし、法律で最終的には税で補てんすると書かれている以上、それは願ってもできないことでございますから、そうであるならば、その最終的な損失をいかに出さないかという工夫をしていく以外に私たちはないということを申し上げたいというふうに思います。  それで、この機構に売り出される株式なんですけれども、一定程度、まあトリプルBマイナス以上の株でないとだめということになりますよね。そうすると、それ以下の格付の会社の株式については銀行は売ることはできない。市場に売れば当然損をかぶるということになりますけれども、持ち続ければ今度はBISの規制でリスクウエートが多くかかるということで、これも持ち続けることができない。そうすると、市場に放出をすればその企業が危ういかもしれない、倒産に追い込まれるかもしれないことを承知でも株式市場に放出せざるを得ないような状況というのが私はとても懸念されるんですね。  ですから、企業にとっては、株安転じて、不況ももちろんですけれども、最終的なところでは本当に倒産ということにもなりかねない、そういう引き金を今回の法律が引く可能性があるのではないかという懸念があるのですけれども、これについて大臣答えていただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、ちょっと先ほどの件で、中坊さんのお話が出たので申し上げますが、やっぱり住専の場合は、かなり司法的なことに通じているということがあらかじめ見込まれていたという面があったと思います。かなり公権力の行使にわたるようなこともあるし、不動産をめぐる権利関係について裁いていかなきゃいけないというようなことも予想されましたので、法律家、そういう中で、そういったことに練達であり、かつ人望も高い方ということで中坊さんが選ばれたというようなことだったかと思います。  それに対してこの機構は、そういった法律的なことが予想されるということではなくて、銀行から買い入れてそれを適正に売るということでして、むしろ経済的なこと、特に株式の売買などについてよく事柄がわかっている人ということが一つの大きな選択に当たっての眼目になるというふうに思いますので、もし中坊さんをもう一度お願いしたらどうかというようなことだとしたら、ちょっと違うかなという感じ……

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 それは違います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) はい、それはもう申しません。  それで、その次に、市場の評価の低い株式ということで、要するに、何というんですか、トリプルBマイナスに至らないところは何かというと、投資適格でないということですね。ですから、そのあれを買うということでしたら、それはもうある種投機であるということだということを意味するわけでございます。  そういう会社というのは、別に株価の変動によって倒産に追い込まれるということではなくて、そういう格付になっているというのは、株価云々ではなくて、その会社の経営の実態そのものがやや、ややというかかなり危ないと、こういうことでございますので、この制度による株の市場への放出の引き金を引くというようなことが何か大きな役割を果たすというふうには私どもは考えません。それよりも、こういうところについては、三年ございますので、私どもが今、不良債権の処理というようなことでやっていることは、そうした企業についてはできるだけ経営をもっと上向きに改善するようにしてくださいということを不良債権処理の一環として我々言っているわけでございまして、むしろそちら側の努力をすることの方が先行されるべきだというように考えているわけでございます。

平野達男自由党

○平野達男君 自由党の平野達男でございます。  私は、株式取得機構の特別勘定にまず限定しまして、何点かお聞きしたいと思います。  銀行がここの特別勘定に株を売るというときの動機なんですが、恐らく時価というものがあって、その時価を想定してこれを出したときに、百分の八以上の価格の下落が起こるときに特別勘定に買ってくれというふうに持ってくるのではないかというふうに想定しますけれども、こういう理解でよろしいでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 一般的に非常に売りにくい状況であるということはありますが、その八%の売却拠出金というのは、これはその後相場が上向いた場合にはさらに配当がつくということもございますので、完全に八%以上下がるからということだけではなくて、いろんな総合的な判断が働く余地はあるというふうに考えております。

平野達男自由党

○平野達男君 いつも総合的と言われてそこでちょっと判断が迷ってしまうんですけれども、基本的に銀行は、中長期的というか、短期的に見た場合には、損得勘定で特別勘定に行くかどうかというのはやっぱり判断されるだろうというふうに私自身は判断せざるを得ないというふうに思っています。  そこで、この今回の機構というのは公共的な役割があるわけですが、銀行はそういう形で銀行の経営判断から特別勘定に売り買いをすると、売り買いするというか、売りを持ってくるということで、その判断をどのようにするかというのはまさに委員会の役割というふうになっていきます。  その委員会の役割は、私は今までのいろんな議論を聞きますと二つあるんじゃないかと。一つは持ってきた株の質です。この質については、きょうのずっとの議論で明らかになったように、トリプルBマイナス以上のものしか相手にしないということで、これは三十八条の第三項でその規定をしていますけれども、これはちょっと一つの確認ですけれども、トリプルBマイナス以上であれば無条件に株は質として、質という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、オーケーだというふうな理解でよろしいんでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) これは、他の議員の質疑でもお答えしましたように、トリプルBマイナス格以上のものでなければ買い取ってはならないということでございますから、あと、例えば、会員が平成十三年三月末時点で保有していたとかそういう条件も課しておりますし、また、運営委員会で具体的な買い取りに当たってさらにきめ細かいことをお決めいただくケースも場合によってはあり得るというふうに考えております。

平野達男自由党

○平野達男君 その場合に、今きめ細かいというお話がございましたけれども、具体的にちょっとわかりやすく説明していただけませんか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) これはまだ我々予断を持って、ということなんですが、例えば頭の体操といいますか、一つのケースとして、ある格付機関が例えば引き下げの方向を出したというようなケースについては、これは必ずするかどうか別として、一つの検討の対象になり得るケースではないかなというふうに考えております。

平野達男自由党

○平野達男君 よくわかりませんけれども、委員会としてそれを判断する余地というのは余りないような感じを受けますね。  もう一つの委員会の役割は、第五条の、これ一番大きな問題だと思うんですけれども、「銀行等の保有する株式の短期間かつ大量の処分により、株式の価格の著しい変動を通じて信用秩序の維持に重大な支障が生ずることがないようにする」と、このチェックは委員会がやるというふうに法律上はなっていますけれども、その理解でよろしいでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 今のは買い取り開始についての規定というふうに考えておりますが、やはりセーフティーネットとしての性格、またこれが最終的には国民負担につながる可能性も否定できないというものであるということから、買い取り開始についての判断というか、その決定については運営委員会の議決を要件としたところでございます。

平野達男自由党

○平野達男君 ちょっと質問に答えていないと思うんですけれども、「著しい変動を通じて信用秩序の維持に重大な支障が生ずることがないようにするため」という目的があるんですけれども、この支障が生じることがないかどうかの判断は、委員会が判断するというふうに理解していいですかという質問なんです。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 今の引用された文章そのものは、法律の第五条の「目的」そのものでございますので、まさに具体的な行動開始に当たっては、その法律の目的の趣旨に沿って行うべきであるということを定めたものというふうに理解しております。

平野達男自由党

○平野達男君 そうすると、この「支障が生じることがないようにするため」ということは、あとの条文に行きますと、これは例えば株を買ったといっても全部報告になっています。特別勘定で株を買いましたといった後に財務大臣とか総理大臣に報告という形になっています。基本的に、あとどこをめくっても、支障が生じることがないようにするためという、委員会がどういう判断でどういう基準でやるかということの規定がどこにもないように思うんです。  これは法律上はどこで担保するんでしょうか。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 一方で、まさにこの機構の目的そのものは今申されたような信用秩序に密接にかかわっているわけですが、買い取りを開始いたしますと、あとはやはり市場価格をベースに買っていくということでございますので、そういうことを、淡々とやるというとあれですが、一定の基準に沿ってやっていくということで、そこをまたきめ細かくといいますか、さらに何か制限をするというのはなかなか難しい面があると思います。

平野達男自由党

○平野達男君 結局、この「重大な支障が生ずることがないように」というのが、株を買うか買わないかのスクリーニングになっているわけですよね。そこのスクリーニングになっているところに、基準も何か緩やかでというような、いろんな状況を見て、左右の状況を見て判断をするとか、非常にわかりにくい表現になっていると思います。  そこで、副大臣、途中で急遽お呼びして申しわけなかったんですが、副大臣にちょっとお伺いしますけれども、財務相はこれに主務大臣として入っています。これは恐らく政府保証の枠を決めるという意味において財務大臣は入ったと思うんですが、財務省の側からすれば、政府保証を与えるというものがきちっと運用されているかどうかというのをチェックする必要があると思いますが、ここの第五条というのは「重大な支障が生ずることがないようにするため」と書いていますけれども、今の機構の中でこういう基準もよくわからない、これは要するに性善説という立場に立っていると思うんですが、そういったことで運用を全部任せてしまうということで財務省は了解したということなんでしょうか。

村上誠一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(村上誠一郎君) 委員の御質問にお答えします。  これは御承知のように、銀行等保有株式取得機構というのは、銀行の持っている保有株をスムーズに処分できるように補完するセーフティーネットでありまして、五十四条のところに、監督上必要な命令、役員の解任命令とか、業務の一部の委託の認可、三十五条、それから業務規程の変更の認可、変更命令、三十六条二項、三項にありますように、セーフティーネットとしての機能を発揮するために必要があるわけですけれども、極力国民負担につながらないようにやはり我々は目を光らせていくと。そして、その機構の業務運営に対して適切な監督を行っていく、そういう姿勢で頑張っていきたいと、そういうふうに考えております。

平野達男自由党

○平野達男君 私は、法律的に言ったら重大な支障が生じるとわかったときは、セーフティーネットですから、それは政府保証をぽんと与えてもいいと思うんです。要は、重大な支障が生じることがないということをどこで判断するかということが全然わからない。全然わからないと言ったら言葉が悪いですけれども、今までの説明の中ではきちっと説明されていないと思うんです。  これを非常に悪くとらえますと、これだけ議論してここがきっちり示せないというのは、委員会のメンバー一人一人がいろんな意見を持っていて話がまとまらないと、結局、銀行が株を持ってきたときには、ぜひ買ってくださいと持ってきたときには、話がまとまらない、断る理由もない、ノーズロで銀行が持ってきたものをどんどん買うという方向に走ってしまうんじゃないですか。  もちろん、基準を相当きつくしてしまえばセーフティーネット全体が機能しなくなる可能性もあります。ただ、そこに対しての一定の判断基準、あるいは方向性みたいなものをもう少しわかりやすく説明しないと、財務省だって保証を与えるわけですし、それから金融庁だって機構全体を監督するわけですから、その監督するという立場の中の責務というのを果たせないんじゃないでしょうか。もうちょっとそこをうまく説明していただけないでしょうか、特に素人に対してわかるように。

原口恒和金融庁総務企画局長

○政府参考人(原口恒和君) 買い取り開始の基本的考え方については業務規程で定め、これを財務大臣と総理大臣の認可に係らしめることにしておりますが、考えられる要件としては、会員の株式の処分状況、それから会員のニーズ、市場の動向、そういうことから見て買い取りを開始することが法の目的に適当だと判断されるという、そういう客観的状況だろうと思います。

平野達男自由党

○平野達男君 テーマが株の売買ですから、どうも言葉も売り言葉に買い言葉になってしまいますけれども、今の話は本当に一般論ですよね。これで本当に第五条の目的というのは達成できるんでしょうか。大臣、どうでしょうか、ここは。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど私が申し上げたとおり、一つはセーフティーネットである、それからもう一つは国損を招来しないことということがこの制度を運用していく場合の仕えなければならない二つの理念ということになるんでしょうか、そういうことだろうと思います。それと、技術的に言うとマーケットにつけ込まれないということを常に考えていかなければいけないということです。  そして、セーフティーネットを何で張っているかといえば、まさにさっき委員が御指摘になられたように、それなかりせば信用秩序に重大な影響が出てしまうんじゃないかということで、私はそういう仕組みができ上がっているというふうに申させていただけるんじゃないか、こういうように思います。  ですから、その二つの要請を満たすというのを委員会が定め、そして定めたときには内閣総理大臣及び財務大臣の認可に係るというその業務方法書というか業務規程ですね、こういうものにそういうことをきちっと書かせていただくということで、今言った二つの要請にこたえられるようなことでこの制度を運用する、そういうことを通じて、今言った大きな大命題であるところの信用秩序の維持を図っていく、増進していく、こういう仕組みになっているというふうに考えているわけです。

平野達男自由党

○平野達男君 今の大臣の御答弁によると、この業務規程の中で、株を買うときの判断基準とまではいかないと思うんですけれども、基本的な考え方というのは入ってくるんだと、そういう御答弁でしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) はい。

平野達男自由党

○平野達男君 そこに何が書かれるかというのが正直言って今までの議論の中でまだきっちりとした説明がなかったように思うので、若干不満は残るんですけれども、そこの業務規程でしっかり書いていただくよう、まずそこをお願いしまして、ここの法律に関しての質問は終わりますが、繰り返すのは、やっぱりその基準をしっかりして、委員会に全部任せて、どうしても疑問なのは、みんな個々人の委員が一人一人思いがあって意見がまとまらなくなると、結局、先ほど言いましたように、銀行が持ってきた株についてのチェック機能がその段階で実質的に働かなくなってしまうということがちょっと懸念されますので、ぜひそこは運用方厳しくやっていただきたいというお願いを申し上げまして、法律に関する質疑を終わります。  あと一つ、ちょっと時間がありますので、一般論なんですけれども、今回の株式等の保有の制限等に関する法律案を聞いていて、やっぱり株式というのは非常にリスキーなものだなというのを素人ながら改めて感じました。その一方で、間接金融から直接金融だということを今度は推進しなくちゃならないと。そういうことでこれは恐らく次の租特法の改正なんかでも議論になると思うんですけれども、どうも株の取引を活性化しなくちゃならないということの、ちょうどブレーキとアクセルみたいな感じのことが今同時並行的に進んでいるような感じがするんですけれども、株のいわゆる取引の活性化ということについての大臣の考え方をちょっとお聞かせ願えればありがたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほどもちょっと申したんですけれども、金融というものが何だということのときに、昔は、資金そのものの融通というか、今資金が欲しい人と今資金が余っている人、これをつなぐのが金融と、こういうように一概に考えてきたわけですが、最近では、そういうことよりもリスクをどういうふうに分担するかということを決めるのが、あるいはそういう配分をしていくのが金融だというようなことが言われ始めまして、金融そのものに対してリスクという要素を非常に考えるようになってきたということでございます。そういうことの変遷が、きょうあたりの御議論の中にも、リスクというか、そういうものがたびたび言及されるということになっている背景としてあるというふうに考えております。  ところで、このリスクマネーをだれが供給するか。だれもリスクはとらない、国だけが最終的にリスクを全部とってしまうと。これはあってはならないことで、そのリスクをどうやって分散し、少しずつみんなリスクを持ち合うというシステムをどうやってつくっていくかということが課せられた課題だと思うんです。  そういう意味では、株式の保有者というものをもっと細分化して、最終のリスク負担者、中間のところに置いておくとそこにお金を出している人がまたリスクを背負ってしまうということになるわけですから、できるだけ最終のリスクの負担者にこれを配分していくという意味で、直接金融というか株式の保有の層というものを広げていく必要があると、こういうように考えているわけでございます。  いろいろな議論があり得ると思うんです。今度また、先ほど委員がおっしゃられたとおり、株式というか証券税制を改正するに当たって御議論が行われるわけでございますけれども、例えばの話をちょっとだけつけ加えますと、例えば、株式よりもとりあえずは投資信託という手段がいいじゃないか。投資信託のことを考えると、証券会社に投資信託を買いに来る人と銀行の窓口に投資信託を買いに来る人の層は違うというようなことも最近非常に注目をされているようでございます。  そういうようなことで、できるだけ銀行とかそういう、先ほど言ったように広い範囲でリスクを負担してくれる人たちにそういう金融商品で保有していただくというようなことを今後目指していかなければならないんじゃないか、こういうように基本的には考えておるということでございます。

平野達男自由党

○平野達男君 時間ですから、通告申し上げていた質問についてはまた別の機会にお願いします。

椎名素夫無所属の会

○椎名素夫君 椎名でございます。  この法案に関する私の感じというのはこの前にも申し上げたようなことで、それから、せんだって参考人の先生方三人来られてお話を伺ったんですが、余りその感覚は変わらなかったというように思っております。  いろんな懸念がつきまとっているようなところもあるかと思うんですが、きょうの皆さんの御議論を伺っていて、本当に国民が持っている懸念というものがほとんど網羅されて出ているように思いますので、もう特に質問はございませんが、これから政令を書き、省令を書き、規程をつくり、そして何より大事なことは、委員会にどういう人をそろえてきちっとした仕事をやってもらうかという仕事にかかったときにつまらない穴があいて、せっかくつくったセーフティーネットだからこれはやっぱり使わなきゃというような、予算を期末に全部消化するようなつもりでやられちゃ困るので、そこらあたりをきっちりやっていただくように、どうせ実施されることになるんでしょうから、ぜひぜひそのことはお願いをして、私の質問は終わります。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 答弁はよろしいですか。

椎名素夫無所属の会

○椎名素夫君 要りません。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ただいま議題となりました銀行等の株式等の保有の制限等に関する本法律案に対し、民主党・新緑風会を代表し、反対の討論を行うものであります。  民主党は、九八年の金融国会において、金融システムから不良債権といううみを完全に取り除き、破綻した金融機関を即座に市場から退出させるため、金融再生関連法を制定いたしました。  本来であれば、この金融再生の枠組みにより、我が国の金融システムは既に健全性を取り戻し、企業セクターに円滑な資金供給が行われているはずであります。しかし、実際には、当時の自自公によりつくられた早期健全化スキームに従って多額の公的資金が金融機関につぎ込まれただけで、資産査定や不良債権の償却は不完全なまま問題が先送りされてしまいました。  その結果、数年もたたないうちに、当時積み残した不良債権問題が再燃し、金融システムの健全性や金融行政の透明性に対する不信感が増幅することになったのです。これは、業務純益と株式含み益の範囲内で時間をかけながら不良債権処理を行わせようという、場当たり的な金融行政の限界が見えてきた結果と言えるでしょう。  しかし、みずからの責任を認めたくない政府・与党は、顕在化する金融危機に正面から向き合うこともなく、銀行救済のため、銀行の保有する株と不良債権を税金に肩がわりさせる政策を打ち出してきました。金融庁も銀行役員も全く責任をとらない中、なぜ痛みだけが国民に押しつけられるのか、まさに理不尽としか言いようがありません。  以下、本法律案に反対する理由を申し述べます。  第一は、本法律案は、持ち合い解消が進む株式市場において、株価の維持のみを目的として、国家が株式を塩漬けにするものにほかならない点であります。  銀行は、自助努力により、年間三兆円余りの株式を市場で売却しています。このペースで売却を続ければ、株式保有制限が始まる平成十六年九月末には、多くの銀行が保有制限をクリアできるはずです。当局は、セーフティーネットという名目で銀行等保有株式取得機構の設立を正当化しようとしていますが、実際には、一部の大手行の保護が目的であることが明白であり、全く説得力がありません。  第二の理由は、機構の役職員が銀行界から派遣されることから、機構の業務運営が役職員の出身行の影響を大きく受け、取引の公正性が害されるおそれがあるという点です。  昨今、証券市場の公正性及び透明性をいかに高めるかという問題が議論されておりますが、アメリカのSECのような強力な監視機能に欠ける我が国の証券市場においては、機構による株式の売買は、相場操縦やインサイダー取引などの不公正取引を引き起こす可能性があります。機構の設立を議論する以前に、民主党が提案しております証券取引委員会設置法案を速やかに成立させることが証券市場の公正性、透明性を確保する上で不可欠であると考えます。  第三の理由は、機構の解散時に利益が残れば銀行に、損失が残れば国民負担にという極めて不公正な仕組みになっているということです。  常識的に考えれば、銀行は、優良株は市場で売却し、市場で売却が困難な経営不振企業の株式を機構に引き取らせるはずです。そうなれば、機構は最大二兆円の損失を負うことになり、結局その負担は国民に回されることになるのです。金融機関の情報開示を促し、市場原理を徹底させる旗振り役であるはずの金融当局が、これまで以上に市場原理をゆがめるような枠組みをつくることには到底納得できません。  以上をもちまして、反対の討論を終わります。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 私は、日本共産党を代表して、銀行等の株式保有制限等に関する法律案に対する反対討論を行います。  本法案は、銀行の保有する株式の総量を規制する一方、銀行保有株式の売却に伴う株式変動リスクを緩和するために、銀行保有株式取得機構を創設し、最終的に銀行保有株の売却損が出た場合、その損失を新たな財政資金投入で穴埋めしようとするものであります。  機構が購入した株式に損失が発生した場合、銀行の負担は拠出金の一千七百億円弱が上限となり、一方、それを超えたすべての金額が国民の負担となる本法案の仕組みは、銀行の株式損失リスクを国民に肩がわりさせるものであり、株価変動による自己資本比率の低下を公的資金で支えるものにほかなりません。  また、政府は、金融の信用秩序の維持を最大の理由に、この公的資金による株式売却の損失補てんを正当化しようとしています。しかし、株式保有の上限となる自己資本を超えて多額の株式を保有しているのは一部の大手銀行であり、本法案はその救済のために税金を使うものであります。  支援の対象となる都市銀行は、過去五年間を見ても莫大な株式の売却益を手にしています。これまでの利益は銀行のもの、今後見込まれる損失は国民に押しつけるという銀行の身勝手は断じて許されません。  全銀協の会長など業界からも、銀行の自己責任で株式の売却はできる、機構に株を売却するニーズはないと主張しています。銀行が自己責任でできると言っているのに、わざわざ政府が新たな財政資金投入の枠組みをつくるこのような法案は、到底認められるものではありません。  以上の理由から、我が党は本法案に反対するものであります。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。塩川財務大臣。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、証券市場の構造改革に資する観点から、個人が上場株式等を譲渡する際の課税について、申告分離課税への一本化、税率の引き下げ、譲渡損失の繰越控除制度の導入等を図るとともに、緊急かつ異例の措置として、新規購入額一千万円までの要件を満たすなど、一定の上場株式等に係る譲渡益について、非課税とする措置を講ずることとし、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、国民が安心して参加できる透明性・公平性の高い証券市場の構築に資する観点から、株式譲渡益に係る源泉分離選択課税を平成十四年末をもって廃止し、申告分離課税へ一本化するとともに、平成十五年一月以後に譲渡する上場株式等について、申告分離課税の税率の引き下げ、譲渡損失の繰越控除制度の導入を行うこととしております。  第二に、最近の経済情勢等を踏んまえ、緊急かつ異例の措置として、個人が平成十四年末までに新たに購入した上場株式等を、平成十七年一月から平成十九年末までの間に譲渡した場合において、その購入額が一千万円に達するまでのものに係る譲渡益について、一定の要件のもと、非課税とする措置を講ずることとしております。  その他、既存の百万円特別控除制度の適用を平成十七年末まで延長するとともに、平成十三年九月末以前に取得した上場株式等に係る取得費の特例を創設するなど所要の措置を講ずることといたしております。  以上が、租税特別措置法等の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三分散会

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