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153回国会参議院2001/10/25

財政金融委員会 第4号

発言数
176
登壇者
19
会派数
7
開催日
2001/10/25

会議録

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る十八日、小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に山本保君を指名いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官坂篤郎君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長迎陽一君及び国土交通省河川局長竹村公太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

中島啓雄自由民主党・保守党

○中島啓雄君 おはようございます。  自由民主党の中島啓雄でございます。  本日は、塩川財務大臣、柳澤金融担当大臣、そして速水総裁初め関係各位の皆様に御出席をいただきまして、ありがとうございます。  まず初めに、当面の財政政策の理念といいますか、重点といったものをどのように考えておられるか、財務大臣にお伺いをいたしたいと存じます。  財政の役割としては、資源配分機能、それから所得再分配機能、それから経済の安定の機能というのがあると言われておりますが、これはマスグレイブの著名な教科書の最初に出てくる事柄でございますが、最近の景気情勢を踏まえて、党内外の声としては、経済の安定化というものをもっと重視すべきではないか、財政支出によって景気を回復させるべきだという主張がございます。  一方、小泉総理としては、構造改革なくして景気回復はないんだという立場で、むしろ資源配分機能なり所得再分配機能を重視をして、将来の財政の健全化というものを実現していこうということを目指しておられるんだと思いますが、低成長になり、予算も非常に税収が上がらないという制約がある。それに加えて、バブル後の大型財政ということで国債依存度が三〇%以上に増大をしてきたというような現状から、財政の構造改革、健全化というのは当然の要請であるわけでありますし、その要請にこたえるためには、やっぱり財政の全体の枠組み、それからその資源配分機能とか所得再分配機能を見直していかなければならぬと、これは当然の要請であると思います。  そういう意味では、一、二年で財政の健全化を急にやるというのは無理な話なんで、五年とか十年とか、かなり長期的な目標を持ってやることが大事だと思いますし、財政諮問会議等ではこれから御議論になるんでしょうが、やっぱり十年間ぐらいの長期的な財政健全化をどうやってやっていくかということを示すことが非常に大事なのではないかと、こういうふうに思っておりますが、短期的にはやはり景気変動というものにどう対処していくかというのが大事だと。  この辺のバランスが非常に難しいさじかげんだと思いますが、当面、平成十三年度補正予算、これから議論になると思いますし、十四年度にかけての財政運営の理念といいますか、重点をどのように考えておられるのか。いわゆる国債三十兆円枠というのが話題になっておりますが、この三十兆円の枠を堅持されるというお考えなのか、堅持されるとすれば、なぜ三十兆円なのかということも国民に向かってやっぱりもう少しPRをしていかなくちゃならないんじゃないかと思いますが、その辺のお考えについてお聞かせいただければと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの趣旨は大体了解いたしまして、相関連した御質問でございますので、総括してお話しさせていただきたいと思っております。  おっしゃるように、財政は資源配分の機能を持っておりますことは当然でございますが、同時にまた、国の財政の責任というものは経済の発展と密接に結びついてきておることも当然であろうと思っております。  ここ戦後五十数年の間、日本が歩んでまいりました道筋を見ますと、復興から成長へと入り、さらに高度経済成長となってまいりましたが、その間にとられてきた諸制度、習慣というものは、重厚長大産業を中心としたいわゆる護送船団方式であったと。一言で言ったらそういう形で経済体制が組まれてきておったと思っておりますが、これが現在の軽薄短小時代になり、さらにはデジタルの時代となりましたら、経済構造そのものを変えていかなきゃならぬということでございますが、財政の構造を見ました場合に、ずっと従来からの、いわゆる高度経済成長型の、それに順応した財政構造が組まれてきておると、私はそう思っておりまして、この際に新しい時代に即した、デジタル時代に即した経済体制に移行すべきではないかと、こう思っております。  そのためには何が一番大事かといいましたら、予算の中で今まず支出構造を見直してみることが必要であろうと思っておりまして、これは行財政改革を通じての一つの素地として、財政の中のいわゆる支出の面をまず洗い直してみるというこのことに現在私は力を注いで検討させておるところでございます。  同時に、それを通じて経済の構造の変化に、つまり、これを通じて規制を緩和することによって財政構造も変わってくると私は思いまして、そこに財政の基本を置いておるわけであります。  それでは、なぜ国債の発行を三十兆円に絞っておるのかということでございますけれども、大体日本の財政や国家予算を見ました場合に、先ほど言いました高度経済成長の延長線において景気回復を図ろうということに努力いたしました。このことはそれなりの効果があったと思います。つまり、経済が破局的に崩壊することを防いできたという意味においてこれは効果はあったと思うのでございますが、それでは、それを続けていきましても、そこに新しい産業の活力が生まれてくるとは思われない、やはり産業の構造を変えなけりゃならぬということになりますと、そうすると財政上の仕組みもそれに合ったものにしなきゃいかぬ。  高度経済成長時代のときは財政出動の中で三〇%以上のものが公債に依存しておるという、現在では八十兆の財政規模の中で三十兆円が国債に依存しておるという状況でございますが、これは何といたしましてもやっぱり不自然な財政構造であるということは間違いないと思っております。これをいつまでも続けていきますと、やっぱり財政だけじゃなくして経済の仕組みそのものも変化をもたらさないと思いますので、この際に国債を削減しよう、国債の発行を削減しよう、こういうことを基本にいたしました。  それじゃ、三十兆はなぜ三十兆なのかということでございますけれども、これは幾らにとるかということはなかなか難しい算段でございますけれども、今までの過去の実績並びに将来、中期展望いたしました見通しといたしまして国債の発行額の推移というものがおおよそ想像されてまいりますので、そこで、過去における実績上最高額をとってきたものをそこを天井にして、これ以上は新規発行はいたさないということを条件にいたしまして三十兆ということを決めたのでございます。  したがいまして、三十兆というものが財政規模の中でどのぐらい占めて、それがどういう財政上の効果あるいは圧迫になるかとかいう、そういう細かい分析をして三十兆というものを決めたのではなくして、甚だ政治的ではございますけれども、この程度でとめなければ国債の発行を抑制することができないという一つのめどとしてやったものでございます。  私は、財政のやっぱり今基本の理念に返るべきだと思っておりまして、従来は国家の予算は、支出の方を経済対策ということを重点に置いてまずはかって、その上で、入るをそれに合わせていったということが過去におけるやり方であったと思っておりますが、私はやっぱり財政の基本は、入るをはかって出るを制すという精神、これも必要なことではないかと思っておりまして、この十三年度補正予算並びに将来の十四年度、十五年度に向かいましての予算の基本的な理念といたしましては、先ほども申しました入るをはかって出るを制す精神でやっていきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。

中島啓雄自由民主党・保守党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  大臣の入るをはかって出るを制するという意味では、まさに支出構造の見直しということが必要なんだと思います。  そういう意味で、予算査定に当たって、支出構造というのを変えるための評価基準といいますか、そういうものがどうも今までは余り明確でなかった、政治的な力関係によって決まってきたというようなことが多いですし、特に公共事業については、政策評価の手法がかなり進んでおって、費用便益分析というようなことがやられてきておるわけでありますが、財務省の方として、予算編成にそういった政策評価の手法をもっとどんどん取り入れていくという面でどのようにお考えになっているのか。  財務省のホームページなどを見ておりますと、政策評価の項目は出てくるんですけれども、予算査定にどう使っていくかというのはどうも余りはっきり、迫力がないといいますか出てこない、こういうことで、例えば高速道路、今、九千三百四十二キロを削るか削らないかというのが非常に話題になっておりますけれども、確かに、九千三百四十二キロ、全く財政制約がないとすれば、これは費用に対して効果があると、費用便益比率で一以上ならばそれはやっていい、こういうことになるんですが、当然財政の制約があるからこそ、どうすべきかと。その限られた財源の中で、やっぱり費用対効果の高いものを実施していくのが当然の手法だろうと思いますが、その辺も含めて、特に公共事業の予算編成などについては、費用便益分析など数量的評価をどんどんやっていくべきじゃないかと思いますが、お考えを聞かせていただければと思います。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) 予算査定において積極的に政策評価機能を活用していくべきではないか、こういう御指摘でございまして、一言で申し上げますと、私どもも、全くそのとおりである、そしてそういう努力をしなきゃいけない、そのように考えております。  そこでまず、平成十四年度概算要求におきましては、八月十日に閣議了解されましたところの「平成十四年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」に基づきまして、まず施策等の意図・目的、必要性、効果・効率性等に加えまして、いわゆる重点七分野についての民間需要創出効果及び雇用創出効果にかかわる分析、これらの提出を各省庁に求めておるところでございます。今後、予算編成過程におきまして、今回提出のありました各省庁の政策評価資料の適切な活用に努めてまいりたいと考えております。  そこで、御指摘ございました費用対効果などの評価の手法でございますけれども、ここが今後の研究課題だと思っております。そして、これまた御指摘ございましたように、個々の評価をして、今度はそれを足して予算をつくるわけでございますから、そして当然その予算には全体の制約がありますから、その中で例えばどういう優劣順位にするのか、そして手法によってはそうしたものまで踏み込めるような手法があるのかどうか、今後大いに研究してまいりまして、御指摘の方向で努力してまいりたいと考えております。

中島啓雄自由民主党・保守党

○中島啓雄君 ありがとうございました。  次に、金融担当大臣にお伺いさせていただきたいと思います。  不良債権処理と、特に中小企業との関係などについてお伺いをいたしたいと思いますが、去る十八日の当委員会における大臣発言においても、遅くとも三年後には不良債権問題の正常化を図るべきであるということをおっしゃっていただいておりますが、これは、八月に経済財政諮問会議に出された試算よりはかなり短期間で不良債権問題を処理する、こういうことでありますから、思い切った手法を用いていかないとなかなか実現が難しいのではないかということで、具体的にどのような手法をとっていかれるのか。  オフバランス化の手法としては、清算型の手法と再建型の手法と当然あると思うんですが、特に中小企業については、地域経済への影響とか雇用への影響とか種々の観点から、なるべく企業再生といったような方向で不良債権問題を処理していただきたいと思いますし、その辺については改革先行プログラムの中でも、中小企業についてはその特性も十分に考慮し、再生可能性、健全債権化についてもきめ細かく的確な判断を行うというふうに述べられておりますが、現実問題としては中小企業というのは非常に数が多いわけでございますから、きめ細かくといってもある程度限度があるのではないかと思いますが、そういった今後の不良債権処理の一般的な手法と、特に中小企業に対してどのようなことを考えておられるか、お聞かせいただければと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権問題の正常化については、今先生御指摘のように、このところ一連の経済財政諮問会議における政策決定がございまして、その一環というか、むしろ経済再生のための第一歩というような大きな位置づけをされておりまして、これに取り組まなければならないということになっておるわけでございます。  私どもとしては、この集中的な改革の期間、調整の期間、これが大体三年ということを見込まれておりますので、それが終了をするということ、これに合わせて私どもの不良債権の問題についても正常化を図りたい。  不良債権の処理というと、何か全部不良債権がなくなってきれいさっぱりするというような素朴な誤解というか、そういうものが現実にあるわけですが、そういったことに配慮しまして正常化という言葉を使うことにいたしております。要するに、不良債権が貸し出しに占める割合というのが大体四%に近いところというか、そういうところになるということを計数的にはめどにしておりまして、これをぜひ実現したいと、こういうふうに考えております。  ということになりますと、不良債権の処理というのも、おのずからその主流がオフバランス化でなければならないということになるわけでございまして、そのオフバランス化を最終処理という言葉で言っておるわけですが、今、先生は直接償却というような言葉でこれを表現された。言葉が非常にたくさんあるものですから、ますます金融がわかりにくくなるというようなことがございますが、私どもとしては正常化だとか最終処理という言葉を使っておるということでございます。  最終処理という手法については、今先生御指摘のように、法的な処理をする場合でも清算型と再建型がある。私的な整理をする場合は、観念的には清算型もないことはないですが、通常は再建型ということで私的な整理が行われる。これらの手法をケース・バイ・ケースに適用してその最終処理を図っていこうと、こういうことが基本でございます。  もちろん、その前提として不良債権の認識というか把握というものが的確でなきゃならないということで、これは銀行の自己査定、それからまた当局の検査ということでこれを期していかなければならないということは申すまでもございません。  中小企業の問題ですけれども、中小企業については、これは特殊性があるわけです。やっぱり大企業あるいは公開の上場企業ということになれば、これは経営と所有というのがもう非常に截然と分かれているわけですけれども、中小企業の場合には、概して経営と所有というようなものも、法的な建前をぎりぎり言えばもちろん分離されているのが普通なんですが、しかし現実の問題としてはこれが一体化されている場合もあるので、そういう特殊性に着目して、我々は不良債権問題の処理に当たってもその特殊性に着目した処理をしていかないといけないということでございまして、今先生の御指摘のような、できるだけ再建の方向に向けてということをうたわせていただいておると、こういう次第でございます。

中島啓雄自由民主党・保守党

○中島啓雄君 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いをいたします。  次に、日銀総裁にお伺いさせていただきたいと思います。  最近の金融政策につきましては、三月に金融調整の主たる操作目標をコールレートから日銀当座預金の残高ということに変えられまして、かなり思い切った施策をやってこられた。特に、九月にはもう六兆円を上回るということで、八兆円とか十二兆円の規模まで当座預金の残高がふえているということでございますが、なかなか景気回復ということに効いてこない、資金需要がないということで。  どうも総裁なり日銀のお立場からいうと、もうやるべきことはほとんどやり尽くしているんだ、あとは政府側の財政対策なり構造改革ではないかというようなニュアンスがちょっと強いわけでございますし、それから、三月の枠組みを変えるときだと思いますが、消費者物価上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで当座預金残高方式というのを続けるというふうに宣言をされておられて、これはデフレを許容しないというメッセージなんだというようなことを先日の増渕理事のお話でも伺ったわけでございますが、どうも国民に対するアナウンスメントという意味では、デフレを許容しないというか、アンチデフレというようなニュアンスがなかなか伝わってこない。  そういう意味で、もっと日銀としても、アナウンスメント効果を含めて、うまく金融政策というものの効果を浸透させていく方法があるんじゃないか。アメリカのグリーンスパンなんというのは非常にその辺はうまく利用をしているんじゃないかと思いますが、今インフレターゲット論というふうなこともありますが、インフレターゲットは問題ありとしても、アンチデフレ対策とか価格安定化ターゲットとか、そういったキャッチフレーズでうまくアナウンスメントしていくという方法が考えられるのではないかと思いますが、時間もなくなりましたのでごく簡単で結構でございますが、お考えを聞かせていただければと思います。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 今の御質問、実に私どもの今考えておりますことを的確におっしゃっていただいたと思います。  日本銀行は、先生おっしゃいますように、現在の金融緩和の枠組みにつきまして、消費者物価上昇率が安定的にゼロ%以上となるまで続けるということをこの三月の政策変更のときに公表したわけでございます。これは、いわばデフレを許容しないという日本銀行の強い姿勢を具体的に数値で示したと言ってもいいかと思いますし、中央銀行として物価の安定に向けた強い決意を示したというふうに思っております。  日本銀行は既に政策金利の引き下げ余地をほぼ使い尽くしておりますし、この約束のもとで何とか金融緩和の効果を上げるためにさまざまな努力を行ってきているわけで、こういった情勢を踏まえますと、現在の日本経済の問題を解決しますためには、こうしたアナウンスメント効果や金融緩和だけではやはり十分でないわけで、事実を直視する必要があると思います。  その問題は、手っ取り早く申しますと、一つは、市場までは金は十分行っているんですが、市場から企業や一般家計に金が回っていかないというところなんですね。これは、金融的な言葉を使わせていただければ、銀行が信用仲介の機能、これは銀行のもともとの機能ですけれども、それをもっと活発化させていってもらいたい。今までいろんな課題があったものですから、外へ積極的に出ていくということがなかったということが一つあります。  それともう一つは、やはり需要自体が非常に弱い。その需要を伸ばしていくためには、金融で幾ら市場に出してもだめなので、それこそ産業・経済構造改革を積極的に推進していただくということ。それによって民間が主導して新しい需要が生み出されていくことを私どもとしても待ち望んでいるというのが現状でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、きょうは、先日の両大臣の所信表明に対する一般質疑でございますので、ぜひこれからの論議を進めていくための前提としてかなり広範囲にわたってお話を聞かせていただければというふうに思っております。  竹中経済財政担当大臣は来ていただけるんでしょうか。──どうもありがとうございます。  それでは最初に質問させていただきたいと思います。  まず、竹中大臣、着いた早々大変恐縮でございますが、日本の経済。政府は今年度の経済見通しを一・七%というふうに見通しをしていたわけでありますが、最近、この経済成長率の見通しが、さきの四月—六月の大変大幅なマイナスによって、今後これは達成するのは不可能じゃないかということが指摘をされ、マイナス成長やむなしというような話がされていますが、政府として公式に今年度の経済見通しは、一・七%から変えて、今年度はどのぐらいを政府としては見通しをされているのか、まずそのあたりからお聞きしたいと思います。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員もう御指摘のとおり、日本の経済、大変厳しい状況になりました。四—六月期のGDP成長率はマイナス〇・八、そういった状況を受けて失業率も高まっているという状況であります。さらに、先行きにつきましても、今の同時多発テロに起因する世界経済への影響、非常に厳しい懸念すべき点がたくさんある、これはもう残念だけれども間違いない点だと思います。  今年度の政府経済見通しは一・七%程度でありますけれども、これはもうかなりこれを下回るというような認識を私自身は持っています。  内閣府としましては、この政府経済見通しを内閣府の独自試算という形で発表したいというふうに思っております。若干作業がおくれてはいるんですけれども、補正予算の国会審議前までには公表したいというふうに思っておりまして、その中で数字そのものについてはぜひ正確に煮詰めていただきたいと思います。具体的にいつ、どのような形で発表できるかという日程についてはまだ検討中であります。いずれにしても相当厳しい認識を持っているということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 マイナスに多分なるだろうと、こういうふうに予測されているんですが、そういう予測で大体間違いないでしょうか。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) これは数字のことでありますので、試算を積み上げている段階では何とも私の立場で申し上げにくいのでありますけれども、基本的には、各機関、非常に厳しいマイナスの成長を出しておりまして、個人的にどのぐらいの認識を持っているかということは申し上げてもよろしいのかと思いますけれども、数字のことでありますので、その数字の積み上げを待ってぜひ発表させていただきたいと思っています。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 実は四—六の数字を見たときに驚いたのは、名目が年率換算一〇%を超えるマイナスなんですね。いわゆるデフレというもの、つまり日本経済の名目値がどんどん小さくなっていっているということが大変大きな問題だと私は思っています。  その意味で、今年度の物価上昇の見通しについてはどんなふうに思っていらっしゃいますか。竹中大臣からまずお聞きしたいと思います。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 物価の見通しそのものも数字の話でありますので基本的には成長率と同じ立場に立たざるを得ないのでありますけれども、卸売物価、消費者物価、持続的な物価下落にある。特にGDPデフレーターそのものを見てみますと、これはもう五年ぐらいのタームで中期的にも下がり続けているというような状況になっています。  今、四—六月期の名目の成長率についてありましたけれども、実はこれは大変細かい話ですけれども、季節調整による物価の変動というのはちょっと過大に出ている可能性もありまして、これは技術的な問題としては検討はしております。  いずれにしても、こういった物価の下落というのは、これは国内的な要因のほかに対外的な要因、さらには技術革新という要因、もう全部これが重なっている要因でありまして、当面は続くというふうに思っております。  この物価の下落というのは、消費者から見ますと実質所得を上げるという効果はありますけれども、やはりマクロで見ますと、企業収益の減少、実質債務の増加、これは悪影響があるというふうに認識しておりますので、この動向については慎重に見ていきたい、さらには政府経済見通しの改定等々を通して数字的にもフォローしていきたいと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 日銀総裁にお伺いしたいんですが、日銀は通貨の番人でございます。まさに物価がどうなっていくかということについても見通しは出されておりますが、この物価上昇について日銀としてはどんな見通しをされているのか、あるいは、たしか半年に一回見通しを公表されるというふうに聞いておりましたけれども、それはいつごろになるのかということもあわせて教えていただきたい。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 御指摘のように、日本銀行におきましては年二回、成長率と物価につきまして、政策委員会で皆さんの見通しを議論した上、各人に出していただいて、それを公表することにいたしております。  今出ておりますのは本年四月にやったものでございますけれども、これは経済・物価の将来展望とリスク評価と言っておりますが、政策委員会委員の大勢見通しとして、本年度の成長率はプラス〇・三からプラス〇・八、消費者物価についてはマイナス〇・八からマイナス〇・四と、この数字が出ている数字なんですが、御承知のように、その後の経済の動き、海外経済の一段の減速、我が国経済の情勢の厳しさといったようなこと、さらに先月の米国のテロ事件の発生といったようなことを考えますと、この条件がすっかり変わってきているように思います。物価の下落傾向が続いております。  今後とも、需要の弱さに起因する物価低下圧力には十分注意を払っていくつもりでおりますが、十月三十日公表となっておりますが、成長率と物価の見通しについて本年度、明年度ということで、多分各委員の持っている見通しを数字で発表できるというふうに思っております。  ただ、こうやって物価が下がっておるわけですけれども、成長率が上がり、そして企業の収益率が上がっているときに物価が下がるのはそれほど心配でないんですけれども、それが逆になったときに物価が下がっていくというのはやはりデフレと言わざるを得ないわけで、その辺のところは数字だけでなく全体を見て判断してまいりたいというふうに思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうすると、内閣府の方も経済見通しは予算が出るまでに再度出しますと、物価見通し、日銀の方も近々には発表しますと。残念ながらきょうの議論のためにはなかなかそう進まないんですが、しかし、いろいろ条件を聞いてみても、どうも今年度はもうマイナス成長になるんではないか、あるいは物価についてもそれがどんどん、どんどんというか、マイナスで要するにデフレ状態というところから、先日もたしか日銀の報告に対する質疑の中でデフレスパイラルになっているんではないかというような、そんな議論もあったわけですが、そこまでは認識はまだ行っていないということなんでしょうか。  これは竹中大臣、そして日銀総裁、ともにお聞きしたいと思います。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) デフレという言葉そのものが、本来収縮でありますけれども、価格が下がるということを意味しているのか、需要が急速に下がるということを意味しているのか、ちょっと使い方がいろいろあるのかと思います。  委員御指摘は、スパイラル的に経済が悪化しているのかどうかという、そういう御趣旨だと思いますが、先ほど四—六月期のGDPがマイナス〇・八%という数字を挙げさせていただきました。しかし、これは御承知のように、実は個人消費を見ますとプラス〇・五に一応なっているわけですね。ということは、消費は四半期で〇・五、年率で大体二%ぐらいふえている、実質で。少なくとも四—六月期に関する限りはそのような状況が見受けられる。スパイラルというのは、一つの変数が悪くなってほかの変数がさらに悪くなる、だからほかの変数も悪くなるというような状況ですから、少なくとも四—六月を見る限りはそういう状況ではないというふうに認識しています。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 私どもの方も、日本経済が物価下落と景気後退の悪循環に入るということになると、これはデフレスパイラルに陥ったということにならざるを得ないと思っておりますが、今、これからどういう方向に進んでいくか、金融サイドではもうやることをやったとおっしゃいましたけれども、かなり潤沢に資金は供給しておるんですが、やはりこれからの民間需要、特に構造改革などがどのぐらいのスピードで実現していくのか、それから不良貸し出しの償却などもそうだと思うんですけれども、そういうものを含めて全体の動きを見ながら考えてまいりたいと。今まだデフレスパイラルに入っているとは私どもは判断しておりませんけれども、今後の動きを見ながら判断していきたいと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうすると、竹中大臣、今おっしゃって、個人消費が比較的堅調だったと、こういうことですが、アメリカの同時多発テロ発生に伴い、アメリカの経済が急速に減速になってきている。それに伴って、例えば半導体だとかあるいは自動車の輸出だとかどんどん下がってきている。そして、相変わらず失業が非常に多い。そうすると、これで個人消費が落ち込めば、実際上これはもう日本経済を牽引しているものが何もないという状況で、これはやはり相当ひどい状況だなと。  そこで、財務大臣にお聞きします。  財務大臣はたしかサミットに行かれて、ことしイタリアであったと思うんですが、世界各国の皆さんの前で、日本経済はマイナス成長には陥らせないと、そういう決意を述べられているんですね、私、国際公約だと思うんですが。  財務大臣、こういう現状を前にして、補正予算の論議にこれも関連してくるんですが、いずれにせよ、マイナス成長に陥らんとする、あるいはデフレスパイラルに陥るかもしれないと言われている経済の現状に対して、この国際的に約束をしたことをある意味では補正予算等を通じて何としても解決したい、こういう決意でおられますか。その点、いかがでございましょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私、ローマの会議でそういうことを申しましたが、これはフリートーキングの、国の問題というよりも、それぞれ財務大臣が現在の世界経済をどう考え、そして自国の経済の運営の基本について考え方を述べろというフリートーキングの場でございました。  そこで、私は、前提として、私の信念として、日本経済に対する非常な懸念はあるけれども、自分としてはマイナス成長にしないよう懸命の努力を続けていきたいと。それではそのような可能性はあるのかという質問がございました。そのときにも、いや、確たる可能性については私は自信はないけれども、しかし、現在の日本が持っておる構造改革を進めることによって新しい需要が、潜在的な需要が喚起されてくるということは間違いない、だから経済構造の改革を優先して取り組んでおるので、その中において経済は活力を取り戻していく、それによって私はマイナス成長をとることのないように努力をしたいと、こういう説明をいたしておりまして、これは議事録にも載っております。  でございますから、これは国際公約というのではなくして、私は信念として申し上げて、各国の大臣の取り上げ方が国際公約で取り上げているかどうか、これは聞いていただかないとわからないと思うことでございますが、私はそういう自分の信念としてこのような運営をしたいということを言っておるところでありました。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 何か二つのことをおっしゃっているんですよね。二つのことをおっしゃっているんですよ。つまり、信念として経済をマイナス成長には陥らせない決意だ、それから構造改革を進めることもやっていきたいと。  二つのことをおっしゃっているんですが、今、構造改革の方は後でまたちょっと聞きますが、構造改革の方はさっぱり進まない。経済の方はマイナス成長の方がどんどんどんどん現実になってきている。そうした中で、もちろん構造改革もやらなきゃいけないんでしょうけれども、その二つのことを同時に達成できるということを国際的に自分の信念として発言をされたということなんですよね。改めて確認します。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうすると、マイナス成長にさせないための努力というのは具体的にはどんなふうなことを考えておられるんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) これは政府としても発動すべきものは多々あると思いますが、同時に、民間におきます経済の実態もこれに大きく影響してきていることは事実でございます。  政府は、従来から、ここ十年にわたりまして経済対策を重点にしていろんな施策を進めてまいりました。その効果は、やはりあの危機的な状況にあった一九九五年、六年ごろ、あのときの補正予算の支えによりまして破局になることを防ぎ得たことは事実であろうと思っております。近年に至るまで、そういう経済の底打ちを防ぐためにやってきた努力というものが今日いわば低成長の中においても安定してきた状態になったのでございますが、しかしながらこの状態を続けましても新しい活力は生まれてこないということから、我々は構造改革によって新しい活力をつくろうとしております。  それでは構造改革が進まないではないかというお話でございますけれども、しかし、よく細かく拾ってまいりますと相当改革は進んでおることがございます。例えば、最近皆、町をお通りになりましても、タクシーの運転手さんが構造改革によって我々は非常に苦しい立場になっておるとおっしゃいます。これはやっぱり改革がもたらした私は痛みだと思うんです。  こういうことはやっぱり現実にあるわけでございまして、何もやっていないではないかという言い方は、私はそれは現状を、社会を知らない方の言い方であろうと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 何もやっていないとは言っていないんです。今タクシーの運転手さんのお話をなさいましたけれども、それとどう関係するのか私もちょっとわからないですが、しかしいずれにせよ政府が──今、九五年、九六年とおっしゃって、ちょっとこれは私、恐らく九八年、九九年、あるいは九九年、二〇〇〇年の誤りじゃないかと思うんですね。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) いや、村山内閣時代からこれは始まりました、経済対策は。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 経済対策が始まったのはバブル以降、九二年の宮澤内閣からです。私は、ちょうど当選してすぐでございましたからよく覚えているんです。その当時の宮澤総理大臣の発言というのは極めて無責任でして、まあここで披露することもないんですが、私たちが経済は大変だ大変だと言ったら、いや峰崎さん、あなたが今質問しているときには大体経済というのは上がっているものですよ、ですからそういう意味で心配なさらないでくださいなんという発言まで実は国会でしたことを覚えているんですが。  いずれにしても、つまり財政政策を中心にしていわゆる公共事業を中心にした景気対策を打ち始めたのは九二年の八月からじゃないんですか、ちょっと事実関係だけ。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 九二年当時といいますより、三年、四年ごろ、それは総合経済対策ということをやっておりまして、一九九五年、六年ごろから危機的な経済対策を、緊急経済対策を打ち出してきたということであります。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 わかりました。表現の問題は別にして、我々はよく、失われた十年と、こう呼ぶんですよ。その始まりというのは、やっぱり九〇年代の前半から始まっているわけですよね。  そこで、今ちょうど歴史の話になったので、余り財政の歴史ばかりたどる必要はないと思うんですが、これは逆に、竹中大臣、まだ大学におられたころ、恐らく日本の経済をウオッチされていたのでお聞きしたいんですが、九〇年代を失われた十年というふうに押しなべて見る見方と、もう一つ、実は九五年、九六年に景気の山があって、そして九七年に例の消費税の導入以下、そして金融不安、金融恐慌的な状況があって、それで大きく落ち込んで、また再び小渕さん、森さんの内閣で持ち上がっていくという。過去の経済の流れを見ると、やはり公共事業を中心にした財政政策、スペンディング政策を非常に大きくとったときに経済が上向きになっていると、こういうデータがあって、押しなべていわゆる失われた十年という形でとらえることには無理があるんではないかという意見を出す方がおられるわけですね。  今の議論と絡むんですが、デフレスパイラルあるいはデフレを脱却するために政府はマイナス成長から何としても脱したいと、こういう決意を出すとしたら、やはりまた公共事業、新型か旧型かは別にしても、政府の支出を拡大することによって日本の経済を再び財政がある程度引き上げていこうと、こういう考え方が出てくるのも一つの理屈かと思っているんです。  我々の民主党の考え方はちょっと違いますよ。違いますが、そういう考え方に対して、いやそういうことはもうやらないんだ、とにかくもう財政の構造改革を中心にして、これからはそういう政策はとりませんと。これが三十兆円枠に絞ろうという大きなねらいなんでしょう。  そのあたりについて、いわゆるマイナス成長になっても要するにこの三十兆円枠は守ります、これが国際的に私が信念として発露したことだけれども、これは構造改革の方を優先させてもらいますと、こういう考え方でいいのかどうなのか。この点、塩川財務大臣にお聞きしたいと同時に、先ほど申し上げたように、財政政策というものを中心にしてこれから日本経済を引っ張っていくための政策はこの小泉内閣は放棄したんだということを宣言されるのか、これは竹中大臣にもあわせてお聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 構造改革が先か景気対策が優先するのかということでございますが、これは私、先ほど中島委員の御質問の中でもお答えしたとおりでございまして、私は現在、失われた十年の間進めてまいりましたことは、決してむだなことではなくして、経済のいわゆる転換期における底固めをきちっとやってきたという意味において十分な効果があったと思っておりますが、それを踏み台にしていつまでも続けておりましても創造的な経済の発展はないと思いまして、それには構造改革がやはり先行すべきであるという考え方を持っておる者でございます。  したがって、景気対策を優先するか構造改革を優先するかというこの考え方は、私は、一義的に考えるべきではなくして、相まって、相協力して進めていくべきものだと思っております。  しかも、この問題の予算あるいは経済政策のあり方の本質につきましては、やはり私はこれは政治が決める問題だろうと思っておりまして、ここは統計によって物事を判断すべきものではない。そうではなくして、統計の読み方によって、その読み方に基づいて政治的に決定することが私は今大事な問題であると思っておりまして、私は政治的に見まして、この際に財政の構造を改革することによって経済の構造も改革し得る時期に来ておると、そういう判断をしておるものであります。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御指摘は、経済の動きと財政の役割、一国の政策体系の中での財政政策の位置づけという観点からだと思います。非常に荒っぽい言い方ですけれども、次のように私は考えるべきだと思います。  失われた十年という言葉がありましたが、やはり五年、十年というような中長期的な経済の動向を決めるのは、これは私たちの生産性とかいわゆるサプライサイド、供給力によるのだと思います。それに対して、短期的な需要調整に対して財政というのは当然のことながら非常に大きな役割を担っております。  基本的な日本の問題というのは、やはりこの供給サイドから見た潜在的な成長力が、今さまざまな構造的な問題によって非常に低いところにとどまっている可能性があると。これを引き上げない限り、やはり中期的な長期的な経済の発展はない。しからば、それに対して財政はどういう役割を果たすのか。  財政は短期的に需要を引き上げることは、これは今でも私はできると思います。もちろん、今の状況はちょっと非常に国際金利の問題という微妙な問題がありますが。したがって、経済がまさにスパイラル的に悪化するような危機的な状況においては、財政はそれなりの役割を果たさなければいけない。しかし、経済を中長期的に発展させるために財政が需要管理を通して直接できる役割というのは非常に限定的であって、まさに構造を改革して、生産性を高めて、中期的な潜在成長力を高めるような、そういう形でなければいけない。中期的な成長力を高めるために財政を使う、需要政策として使うことには当然のことながら限界があると、そのような位置づけになるんだと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 竹中大臣、最後まで出席できないというお話なので、ちょっと金融のところに実は竹中大臣にお聞きしたいことがありましたので、その点を少し触れさせていただきたいと思うんです。ちょっと財政から離れてしまいます。最後までいていただくと議論がうまくかみ合ってくるんだけれども、ちょっと金融の方にずれることをお許しいただきたいと思うのであります。  金融問題について、実はこの間ずっと私たち民主党としても、金融行政というものは非常に問題ではないかということを指摘をしてきたわけですが、実は経済財政諮問会議が、金融庁の資産査定がうまくできているかどうかを点検をしたい、こうおっしゃっておられるというふうに我々新聞等で拝見をするんですが、これは竹中大臣ですね。  この金融庁の資産査定がうまくできているかどうかを査定をするということについて、ある意味では、背景としてはやはり、実は先日、十月四日に衆議院の予算委員会で仙谷議員から総理大臣に対して日本の金融行政について質問をしました。そのとき小泉総理大臣が、仙谷委員の御指摘はもっともな点が多いと思うんですよ、信用されていないんですよと、こういう発言がございました。  そこで、竹中大臣も恐らく同じような共通な認識を持たれて、この金融庁が進めている金融査定あるいは金融行政がどうもやはり問題ではないのかという御指摘をしておられるのかなというふうに思ったんですが、その点、どのようにお考えになっておるんでしょうか。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 新聞は常におもしろおかしく書きますので、誤解を生じている部分があるのかと思います。  御承知のように、改革工程表、それと先行プログラムの中間取りまとめ案等々を通して金融庁は、柳澤大臣のイニシアチブのもとに、非常に新しい不良債権問題処理に向けた前向きの政策を打ち出しております。  私、二段階あろうかと思います。やはり御指摘の資産査定をきちっとすること、資産査定をより厳密にするような努力を重ねること。さらに第二段階としては、その査定を受けて、企業を再生させるための新たな仕組みをRCCを中心にしてつくること。経済財政諮問会議の役割は、そういった改革に向けての工程表という形でそういった政策の取りまとめ、調整を行うこと。加えて、これは総理が所信表明の中でもお述べになっているように、その進捗をレビューすること、評価、点検しなさいという形になっていますけれども、私が申し上げたのは、これはもう決して金融だけではなくてすべての構造改革の問題について、経済財政諮問会議では総理の命を受けて評価、点検していきますと、そういうふうに申し上げたわけで、新聞に書かれているような書き方は非常にバイアスがかかっているというふうに思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 それで、実は改革工程表の中に特別検査を実施するということを書かれてありますが、ちょっとこれは金融担当大臣にお聞きしたいんですが、これはいつから着手をされて、これは今度の中間決算に反映されるのかどうか、そういったことについてはどういうふうにお考えになっていますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今度、改革先行プログラムの中に特別検査というものを、今、竹中大臣が言われた、新しい施策として盛り込ませていただきました。  これは、従来の検査とちょっと趣を異にしまして、従来の検査というのは、当然金融機関というものに着目して、その健全性を中心として諸般のチェック項目をチェックすると、こういうことでございますけれども、そういうことをしている間にというか、大変私どもにとっては衝撃的なことが生じまして、何というか、マーケットの評価というものをもっと銀行の資産査定においてできるだけ即時的に反映させていくという必要があると。どうも従来の方式だとタイムラグがあり過ぎて、市場の発しているシグナルが資産の査定に反映しないことがあり得る、こういうことを厳しく認識をさせられたと、こういうことがございました。したがって、今度は、そうした債務者の市場評価、市場のシグナルというものをもっと即時的に反映させる必要があるということで、特別検査というものをやるということにいたしました。  先生のお尋ねは、それをいつから着手するかということでございますが、これは今月中に着手をしたいというふうに考えております。それがこの九月の決算、もう既に九月はある意味で過ぎているわけですが、決算は二カ月半とか三カ月近くかかるわけですが、それに反映するかといえば、これは状況によるんだろうと思います。  というのは、検査というのは、はっきり言えば、検査の現場というのはかなりいろんなそれぞれの、監督される銀行、金融機関と私ども金融検査の当局とが見方をぶつけ合うということでございまして、これは相当議論が行われるわけです。先生、たびたび私そういうことを申させていただいて、御認識もいただいているかと思うんですが、そういうものでございます。  そうすると、なるほどねと、非常に早い段階で、着手後間もなく金融機関側が当局の言い分、指摘に納得する、同意するということがあれば、それはまあそういう結果を生むし、なお自分たちに言い分があるんだということで何ラウンドも論議をしなきゃならないというような案件については、それはなかなか反映しにくいという、そういう状況に立ち至ろうと思うわけでございます。  したがって、これは今、反映する、しないということを明言するという見込みを立てることは率直に言って困難なんですが、私どもとしては、もともとこの特別検査というものの趣旨が今言ったような市場のシグナルをできるだけ即時的に反映させるという趣旨からして、できる限り私どものその趣旨が通るような成果を上げるように努めたいと、このように申し上げさせていただきます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 竹中大臣、これは経済財政諮問会議として改革工程表に入れたわけですね。これは早急にやろうということですよね。早急にやってもらいたいということですね。  そうすると、金融庁が特別検査に今月から入っていると。そうすると、逐一それは報告を経済財政諮問会議としては当然のことながらある意味では受けるべきだというふうに思うんですが、いわゆるこの工程表に従って、その特別検査の結果を受けてどうだったのかということについてのめどみたいなものは、いつごろまでに報告を受けることにされていますか。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 金融庁のみならず、膨大な行政の中での改革の進行というのを評価、点検するということでありますから、一つの検査についての報告をしていただくというようなことは、ちょっとこれは事業量としても、事務量としても不可能なのではないかと思います。  ただ、諮問会議としましては、ここに挙げられている政策が問題解決のための効果を上げているかどうかということに当然のことながら関心があるわけですので、それに対しては、逐次マーケットの様子とかを見ながら、場合によってはまた柳澤大臣に臨時議員として御参加いただいて議論を深めるということなのではないかと思います。その意味では、随時、様子を見ながらやっていくつもりでおります。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 構造改革に着手をされ、構造改革を急ぐとおっしゃっているんですよね。ところが、ずっとお話を聞いていると、その種の問題になると急に何か、つかさつかさに任せるとかあるいは膨大な仕事量、それはそうだろうと思うんです。だけれども、これがまさに国際公約として、日本の不良債権問題を早期に解決したいと。マイカル問題があって、どうも日本の金融庁のやっている検査というのは、あるいは金融の自己査定というのはかなり問題があるぞと、これを指摘されたわけでしょう。そうしたらそれを、じゃやりますというふうに言っているんだから、これはいつまでにこの検査を終了させて、そして早くその問題の所在を明らかにして、問題がなければ問題ないということでいいんです。だけれども、そこのところがどうも非常にはっきりしないで、司令塔が何か不在になってきているんじゃないかという気がしてならないわけです。  恐らく再質問してもそれ以上の答えは出ないんだろうと思いますので、竹中大臣、次のお仕事があるということなんで、私、もう一問だけ質問させていただきたいのは、金融から今度は財政に。ちょっとこういう質問をするのも本当にやりづらいんで、これからは竹中大臣はこの財政金融委員会に所属をする大臣というふうにぜひ位置づけていただきたいということを委員長に後で申し上げたいと思います。  そこで、財政再建の問題についてちょっとお伺いしますが、中期経済財政計画を年内に出すというふうにおっしゃられておるんですが、年内というのはいつごろ出されるんでしょうか。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、六月末に示した基本方針、いわゆる骨太の方針の中で、年内を目途に中期財政計画を策定するというふうにしております。  年内を目途にということですので、これもまた容易に想像いただけるように膨大な作業量でありまして、今鋭意やっておりますけれども、年内をまさに目途に、可及的速やかにこの作業を進めたいと思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 プライマリーバランスを黒字にさせる、当面まずそこが、三十兆枠というのは恐らくまだまだ生ぬるいんで、プライマリーバランスの黒字というのが非常に大きい。将来はさらに、六百六十六兆、GDP以上になっているやつを削減しなきゃ大変だと思うんですが、そのプライマリーバランスを歳出削減だけで、この中期見通しというのは歳出カット、これだけで実は想定をされているんでしょうか。それとも、プライマリーバランスを黒字化するのには、いわゆる歳入のところですね、租税ですが、そういったものに対してもちゃんとメスを入れて、そして中期展望をつくられる予定なんでしょうか、その点明らかにしていただきたい。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 委員の御質問は、まさに中期的な財政計画の中でどういう答えが出るかという、ある意味で非常に直接的なお尋ねになっているのかと思います。これは、どのぐらいの期間でそのプライマリーバランスの回復を目指すのか、そのときの経済状況をどのように想定するかという、これは非常に大きな判断にかかってくる問題だと思います。  その意味では、今の時点でこういうシナリオで中期計画が出てきますということは、これはちょっととても申し上げることは不可能かと思います。御承知のように、小泉総理の所信表明演説の中で、これは二段階で進めるんだと、当面は三十兆というキャップを設定して、それ以降、経済の状況を見ながらプライマリーバランス回復に向けた本格的な議論を始めるということにしておりますので、その第二段階の最終的なシナリオの姿というのは、今の段階ではちょっと描きかねるというふうに思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 それは、年内にそこら辺までの議論をしたものが出るということじゃなくて、年内のめどというのは、そうすると一体どんな中身のものを想定されているんでしょうか。それだけをお聞かせ願って、竹中大臣への質問を終わりたいと思います。

竹中平蔵経済財政政策担当大臣

○国務大臣(竹中平蔵君) 今回、中期財政計画を今議論しているわけで、その中でプライマリーバランスの回復に向けたその終わりまでの完璧なシナリオが出るかどうかというのは、これは期間をどのように設定するかという問題とも絡まってくるので、はっきりとはまだ確定しておりません。  ただ、プライマリーバランスに向けた議論をどのような時点で始めるかとか、中期というのを三年とするか、五年とするか、もう少し長くするかという議論もありますので、まさに議員お尋ねの問題はその中期財政計画、プライマリーバランスのトータルシナリオの話でありますので、今回の中では中期の、とりあえずの財政に向けたマクロと、財政の整合的な一つの中期的な姿をあらわして、その中でプライマリーバランスの議論の進め方も模索する、そういうものになろうかと思っております。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 竹中経済財政担当大臣には退席をいただいて結構でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 本当にやりづらいなというふうに思っておりますが、きょうはありがとうございました。よろしくお願いしたいと思います。  そこで、また行ったり来たりするんですが、今度は、日銀総裁にお見えになっていただいておりますので、日銀の金融政策を私の方からも質問させていただきたいと思うんですが、もう時間もそれほどありませんので、端的に。今、中島委員の質問を聞いていて、日銀が三月十九日に決定をしたいわゆるゼロ金利、再びゼロ金利になり、そして量的なコントロールを行うということになりましたけれども、この効果はあらわれているんでしょうか。まずその点からお聞きしましょう。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 三月以降の日本銀行による措置につきまして、金融市場では非常に強力な金融緩和効果をもたらしております。例えば、金融市場で潤沢な資金が供給されているとか、各種の金利が大きく低下してきたと。また、社債とかCPといったような市場が企業の資金調達環境、またノンバンクのそういう形での企業の資金調達が改善してきている、こういうことは新しい一つの構造的な変化でもあると思います。  しかし、こうした金融緩和効果が、金融システムの外側で企業や家計にまでは十分にまだ到達していっていないというところに問題があるんだと思います。先ほどから申しておりますように、こうした状況を打開するためには、不良債権の処理による銀行の信用仲介機能というものを回復していく、そのためには例の不良債権問題の早期解決といったようなことが役に立つと思うんですが、そういうこととか、それから、経済・産業面での構造改革が進んでいって民間需要が引き出されていく、あるいは財政支出の見直しが着実に進められていくといったような政策面での政治を含めた政策が打ち出されていって初めて金融緩和というものが効果を発揮してくるというふうに私どもは期待しておるわけでございます。そういう意味でも早く進むといいがなというふうに思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 総裁、今のお話を聞いていますと、確かにそれぞれの市場で金利がさらに一層低下したという効果があらわれてきたと。  構造改革の中身について、一つは不良債権問題を処理してもらいたいと。これは不良債権の多分、引き当てを積むという作業ももちろんそうでしょうが、最終処理を恐らくおっしゃっているんだろうと思うんですね。そうすると、最終処理ということになると、これは企業が事実上、破綻先や破綻懸念先を中心にして問題になってきている。もちろんそれ以外にも、要注意先みたいなものも問題だということにもなっているわけですけれども、そうするとその企業が倒産をする、実質上もう破綻先ですから。そうするとこれはデフレ効果になりますよね。それから、財政支出も削減してもらいたいとおっしゃいました。そうするとこれもまたデフレ効果をもたらす。  そうすると、今、日銀が目標として掲げた、恒常的に物価上昇率がゼロになるまでこの措置を続けていくということとの間に矛盾が出てきやしないかなというふうに思えてならないんですが、その点との関連はどんなふうに考えておられますか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) 日銀の超低金利政策というのは構造改革の政策にある程度の矛盾が生じやしないかという御質問かと思います。  金融緩和を長期化していく副作用としては、構造調整を阻害する可能性を指摘する声がほかにもあることは承知しております。一方で、現在の緩和措置には、景気を下支えするとか、あるいは企業がリストラ等の経営努力に取り組みやすい環境を整えるとか、構造改革を促していくんだという側面もあるわけでございます。  日本銀行としましては、現在の十分緩和された金融環境を最大限利用する形で、各方面での改革に向けた取り組みが一層具体的に進められていくことを期待しておるわけで、それが出てきたときに金融緩和の効果というのは一段と発揮されることというふうに信じております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 次の質問を先取りして答えられてしまって、本当に答えになっていないなというふうに今聞いているんですが、それはちょっと後にまた構造改革との絡みで聞きたいと思うんですが。  そこで、塩川大臣と柳澤大臣にお二人にお聞きしたいんですが、経済財政諮問会議等でもそうだし、巷間あるいは自民党内にも随分あるんですけれども、インフレターゲティングについて、日銀の方からはこういうものはとらないということをおっしゃっているんですが、塩川財務大臣、何か一度発言されたことがあるのをちょっと新聞記事で読んだことがあるんですが、両大臣、どんなふうに考えておられるのか、まずお聞きしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私もインフレターゲットというものを設けることには反対であるということは申しました。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 柳澤大臣は。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) インフレと比較するのはデフレ、物価の下落でございますけれども、私の所掌する仕事からすれば、物価の下落というのは実質債務負担を引き上げますし、金融機関の側からいえば債権と債務者との関係というのはなかなか厳しい状況になるということからいたしまして、物価の下落は望ましくないという立場でございます。  しかし、具体の問題としてインフレターゲット論というようなことにつきましては、私は、マクロ経済政策のことについては、自分がミクロの仕事をさせていただいているという立場を堅持したい、マクロについては私は一々具体の施策についてコメントすることは差し控えたい、こういう立場を一貫させております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 十月一日に内閣府主宰でフォーラムがあって、日銀の中原さんという政策委員の方が、物価目標を政府が設定したらどうだと、こういう話が出ているんですよね。日銀の政策委員会の内容は我々も後でフォローすることができるんですが、日銀総裁、こういう意見が恐らく大分中にあって議論して日銀の決定がなされているんだろうと思うんですが、こういう物価目標というものを設定せよということに対しては、改めて、これは長い答弁は要りませんが、日銀としてはそういう考えはあるのかないのかということだけ、信念でも結構でございますから、一言お聞きしたいと思います。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) インフレターゲティングというのを、透明性をさらに発揮するためにはこういうことも将来考えていいというふうに思ってはおりますけれども、今こういうものを取り上げるというのは全く考えておりません。  先ほど申し上げたように、ゼロインフレを超えていくように物価が落ちつくまで現在の政策は続けていくということを言い続けておるわけでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そこで今度は、先ほどもうちょっとお答えになったところがあるんですが、ゼロ金利にしていることが日本の経済を、構造改革をおくらせているんではないかという意見があるわけです。つまり、ゼロ金利ということは実質金利を生まない資本ということになるわけですから、むしろ逆に、金利が上がることによって限界企業が淘汰をされていく、これが実は構造改革を促進させていくことじゃないか、こういう有力な意見がございますね。  と同時に、物価を上昇させたいと思っても、今の低金利、つまりゼロ金利だったら上がらないというふうに言明する学者もいるんですよね。言明というか、ある学者はこう言っているんです。低金利の中で通貨供給量をふやしても物価上昇は結びつかない、なぜならば、金利の低い分、お金を持つコストがかからないので通貨市場に滞留してしまう、こういう意見があるんですよ。これはどういうふうにお考えになりますか。  そうすると、日銀がいわゆるマイナスの物価上昇からゼロ%に持っていきたい、デフレを阻止したいと言っているけれども、今のゼロ金利だったらそれはできませんよという意見があるし、今申し上げたように、構造改革を主張されて、構造改革をやってくださいやってくださいと言っているけれども、ひょっとしたら、ゼロ金利政策と資金がじゃぶじゃぶしていることに伴って、実は銀行の不良債権、お金が回っている間はつぶれない、そのことに伴って、これは構造改革をおくらせているんじゃないのかと、こういう意見がございますね。  この点、どうでしょうか。

速水優日本銀行総裁

○参考人(速水優君) ゼロ金利政策というのは、やはり非常に正常な金利政策であるとは私は思いません。それがゆえに、去年の八月、少し情勢が改善し始めたときにゼロ金利を解除して市場が非常に活発化しました。その後、御承知のように、IT、米国を中心として景気が急激に減速していったというようなことが起こって、また戻ってきたわけでございますけれども、私どもとしてはやはり、市場の方にはこれで潤沢に資金を供給しているんですけれども、問題は、そういうものが銀行その他を通じて企業や一般の消費者に必ずしも流れていっていないというところに問題があるんで、そういう意味での銀行の信用仲介能力というようなもの、こういうものを今こそ引き立てて活発化していくこと、それからノンバンクにつきましても、その資金をもっと配分していくだけの能力を発揮してもらって、これまで間接金融一方であった日本の金融構造というものを、だんだんもう少し直接金融に流れていくようなこともこれからやっていかなきゃいけない。そういう意味でも、銀行やノンバンクのこれからの機能というものについて、私は非常に気分を新たにして臨んでもらいたいと。そのためにも、構造改革のうちの不良貸し出しの調整というものが早く行われていくことを、対応ができていくことを期待している次第でございます。税制も同じでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 まだ何かかみ合わない議論になっちゃったような気もしますが、日銀総裁、結構でございますので。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 速水参考人、御退席いただいて結構でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 それでは、銀行の不良債権問題を中心にちょっとお話をさせていただきたいというふうに思います。  何か二転三転したりして大変柳澤大臣恐縮でございますが、小泉首相が十月四日の衆議院予算委員会で、要するに「信用されていないんですよ。」と、こうおっしゃったんですね。これは、私聞いていて、もう柳澤大臣も本当に立つ瀬がないんじゃないかと思ったわけですよ。  要するに、この間自分たちがやってこられて、もう私ずっと聞いていて、本当に真摯に一生懸命やっておられるという姿を見ていて、ああいう形で、要するに「信用されていないんですよ。」と、こういうふうに総理に、テレビを通じて国民の皆さんみんな見ている中でお話なさいました。  それを、どういうふうに信用されていないということを受けとめられましたか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ああいうお言葉が総理の口から出ること、それ自体について私は、まあ何というか、うれしいとかあるいは喜ばしいとか、そういう気持ちでないことはもとよりでございまして、非常に何というか、不徳だということを感じたところです。  ただ、その後、総理の言葉をずっと子細に後いろいろこう、まあ総理というのはああいう立論の仕方をされるわけですよね。それはそれで、そんな言った言葉が、自分の真意はどういうところにあるかというのは、後、敷衍されるわけでございまして、それを聞いてみますと、私は、総理としては、論点を後でいろいろ明らかにしておるんですけれども、まあ何というか、私の言葉で言えば、市場の一部からそういう考え方が投げかけられているというふうに受けとめればよろしいんではないかというふうに受けとめさせていただいたわけです。  それはどうしてかというと、市場の評価というか、これもいろいろありまして、私もちゃんとできるだけ見るようにしているんですけれども、評価というか、そんなにネガティブな立場をとっている方々ばかりではないわけで、もちろん非常に厳しい見方をしている方もいらっしゃる。それが特にマスコミなどではやっぱり報道されることが多いというのはこれは、もう否めない事実でございまして、私どもも、それだから軽視しているとかというんじゃなくて、私はできるだけそういう声にも耳を傾けよう、こういうふうに考えているわけでございます。  いずれにせよ、金融行政が信頼されるということが最も大事なことであるということは、私はもう自分の個人的な信念でもありますので、そういうことが揺らがないように、これからも最善を尽くしていかなきゃいけないと考えている次第です。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今、市場の一部からと、こうおっしゃったんですが、世界各国を回ってこられましたね。それと、最近APECで上海で、総理大臣がブッシュさんからまた、日本の金融問題、不良債権問題を何とか早く解決してくれと。IMFは絶えず日本の金融行政に対する警告を発して、これまではIMFの査察を受ける必要はないと、こうおっしゃっていたのに、帰ってこられたら、それは受け入れると、こうお話しになりました。  そういう意味で、国際社会からも余り日本の金融行政というのは信頼されていないということではないのかと思うんですが、そのあたりは大臣としてはどう受けとめておられますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、イギリス、アメリカを休会中に回らせていただいたんですが、これは、どういう会談の内容だったかということを私から一方的にディスクローズするわけにはいかないと私は思います。  そういうことなんですが、総括的に言いますと、マスコミが伝えるようなこととは、ややというか、かなりというか、違うというのが実態であります。その程度抽象的にしか私は言うべきではないと思いますけれども、これは非常に、何というか、皆さん受けとめているものとはちょっと違うということでございます。  それから、IMFとの関係で申しますと、IMFの査察と、こう申されたんですが、これは評価であります。金融システムの安定度の評価、アセスメントをするというものでして、これはもう本当に、何と申しますか、G7で大いにやろうじゃないかといって、日本も提唱をしてつくり上げた仕組みなのでございます。  私どもも、これを受け入れないなどというようなことは金輪際言ったことはないのでありまして、私どもの今のマンパワーからいって、とても今それを受けとめる余裕がないということは、最初にケーラー専務理事が私のオフィスを訪ねてくれたときにも申し上げたわけでありまして、私は、オープンですから、アセスを受け入れるということについてはむしろ積極的ですよと。しかし、現実問題、今の金融庁の職員にかかっているロードからいって、そういうことをやるということはできないんですよと、こういうことを言っておったというのが初めの話です。  ただ、それもまたマスコミが、マスコミがといってマスコミのせいばっかりにするわけではありませんが、世の中では、どちらかというと金融庁が、何というか、検査等で非常に甘い、外からは見られちゃ困るようなことをしているというような、そんなことをまた調べるわけでもないんです。ところが、そういう受けとめ方をするんで、私はこれは、マンパワーの問題で申し上げているということだけではまた痛くもない腹を探られるというのは、もうまことにもって不本意な状況だと、こういうふうに考えたというのが一つでございます。  また、現実にイギリス、ドイツ、現実に私イギリスへ行ったときにその話もしたんですけれども、受け入れることにしましたよというような話だったものですから、アメリカへ回った後も、そういう状況も踏まえまして、総合勘案して受け入れますと、ただし、事務的にこれからスケジュール等についてよく話し合わせてください、しかし、これは決して我々先送りしようというような仕掛けの話ではありませんよというところまで私はだめ押しをして、このアセスメントを今後盛り上げていかなきゃいけない、こういうことを申したということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今お話を聞いていて、要するにここではしゃべれないことがあると、この会話の内容。これは恐らく、こういうある意味では秘密会でないですから、多分そういうことをおっしゃっているんで、国際的にどんな話し合いが行われて、これは我々からすれば、IMFとかあるいは国際社会からどんな日本の不良債権問題に対して指摘があり、それに対して大臣はどういう対応をされたのかというのは逆に知りたくなったんですよ、今。私は、そういう意味では、秘密会にして、そして速記もとらないで、場合によっては話を聞くような場を設けてもいいんじゃないかと思うんですが、大臣、それだったらお話しくださいますか、その中身を。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) そこまで大仰に構えられる必要もないというふうに思うんですが、相対的に言いますと、不良債権処理というものとマクロ経済政策というのはある種の緊張関係にありますねということを指摘する向きがやっぱりございます。これは、今の日本の不良債権の問題に対する世論というか、マーケットの声もそうなんですが、私はこれに対していささかもあんばいするとかというようなことは絶対言えない立場なんです。また、する気もない、そういうことは。  しかし、本当に冷静に考えたときに、マクロの金融政策あるいはマクロの政策の責任者がどういうふうにこういう状況を見るかということについては、今の世の中の人たちよりもやっぱりもっと姿勢がニュートラルに、本当にどういうふうになるんだというような観点で見る向きもあるということで、要は、それぞれの金融当局者が最大の注意深さと最大の果敢さをもって取り組まなきゃいけない問題だ、大体そういうラインの話であります。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 何だかよくわかったようなわからないような話なんです。どうも大臣の話は後で議事録を正確によく読んでみないとちょっとわからないところがあるんですが。  マンパワーが足りないということを先ほどおっしゃっている。今年度の改革工程表を見ると、毎年検査をしなきゃいけない。そして特別検査も入る。恐らく相当疲労こんぱいしながら第一線の検査官は対応されているので、これは本当に定数をやっぱりふやす必要があるんじゃないかなと私思いますので、その点はまたぜひそういう方に配慮してほしいんですが。  実は今、マーケット、国際社会、もう一つ、自由民主党の党内に、私のところに絶えず資料を送ってくれる、塩崎恭久さんからもいただいている。これもう民主党の考え方とほとんど変わらないのです。要するに、不良債権の資産査定がきちっと行っていないのじゃないか、そこをきちんと査定して、そして過少資本になったところを、それはある意味では、減資をして経営責任を問うて公的資金を投入しようじゃないか、こういうような議論が出ていて、これはもうラストチャンスだというようなことを、一番最後の一手ということで、きのうも私のところに資料を送ってきていました。  そうすると、マーケットの一部、国際機関は今お話しなさったような状況だ、党内からも出てくる、野党の我々もいわゆる金融機関の査定は問題じゃないかと。そして、改革工程表では特別検査をやれと、こうなったわけです。そういう意味でいうと、四面楚歌という言葉がありますけれども、柳澤大臣の周りは、総理大臣からも信頼されていない、自民党からもおかしいじゃないかというのと、それから国際社会もそうだ、マーケットからも、まさにそういう四面楚歌に置かれている状況じゃないかと思うんですが、その点、今の心境をもし伺わさせていただければと思うんですが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融庁、特に金融検査と金融監督と申しましょうか、そういうもののことについては、実は、峰崎委員はあるいは御存じなかったかもしれませんが、この組織建てをするときに物すごい議論をしたわけです。  私は、一般には企画立案と執行を分ければいいというのが行政改革の筋なんだけれども、今までの日本の金融行政を考えれば、むしろ検査と監督のところを切り離さないとだめじゃないかということで、塩崎議員も相手だったんですが、そういう議論をしました。塩崎議員は逆でした。  私は、この問題、非常にそういう議論の尾を引いて新しい金融庁ができ上がったんですけれども、私は自分が在任中はそういう議論を吐いたこともあって、金融検査には、監督だとか管理の責任者は、ほとんどその経過等について介入しない、思う存分やりなさい、金融検査マニュアル、この基準に基づいて思う存分やりなさい、そういう立場を堅持して行政を運ばさせていただいています。  ですから、今、金融検査が甘いんじゃないかとかいうようなことは、私にしてみますと非常に、実際にその場に臨んでいる検査官たちの苦労を思うときに、あんまりだなという気も情緒的にはしながらこの話を聞いているということでございますが、そういうことではあるんだけれども、やっぱり最高に責任を負うのは私の立場でございますからこうしてお答えも申し上げているわけですけれども、我々は、検査の独立性、検査は基準に基づいて徹底的にやるという趣旨で行政を運ばさせていただいておるということは御理解を賜りたいと、こういうように思います。  ただし、そうは言っても、じゃ何で変えたんだといえば、やっぱり今までの金融検査マニュアルというのは、お金を貸している金融機関が最もたくさん債務者についての情報は持っている、こういう前提なんです。そういう前提ででき上がっていて、それでいいんじゃないかということで来たんだけれども、今度の事案で我々は、マーケットの力、マーケットの評価というのも、これもそういうシグナルを出している以上、マーケットがこういうことを言っているんだけれどもどうなんだというチェックをかけなきゃいけない、こういうことで新しい施策を打たせていただいたということでありまして、この我々のルールの中でこの問題をどう組み込んでいくかということでこういう案を、案というか、こういう施策を出させていただいておるということであります。  四面楚歌じゃないかということについては、先ほど来お答えしていることで私の申し上げたいことはもうこれ以上繰り返すことはないと、このように考えております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ある意味では、総理からそこまでおっしゃられるというのは、総理なりの一流の表現だとおっしゃいましたけれども、私はやはり金融行政の責任者に対する不信というものが出てきているんじゃないかなというふうに思えてならないわけでありまして、この問題は引き続き、これからの財金委員会その他でまた進めていきたいと思います。  たくさん質問を用意しましたので、順次、ちょっとこれだけはどうしても聞いておきたいということについて別途進めていきたいと思います。  そこで、法務副大臣お見えになっていますね。ちょっとこれはどうしても聞き捨てならないなと思っているんですが、ちょっと固有名詞出して恐縮なんですが、大和銀行というのが株主代表訴訟を受けました。大変な株主代表訴訟の結果、いわゆる経営者が訴えられたわけですけれども、この大和銀行が持ち株会社になると、その訴訟というのは無効になっちゃうという話を少し聞いたことがあるんですが、これは本当にそうなるんでしょうか、どうなるんでしょうか。

横内正明自由民主党法務副大臣

○副大臣(横内正明君) 大和銀行の問題ということではなしに、一般論としてお答えをさせていただきます。  委員の御質問の点は、ある会社のある株主が会社の取締役に対して代表訴訟を起こしているという場合に、その訴訟の最中に持ち株会社化をすると。そうしますと、その株主の株式というのは持ち株会社の株式に振りかわるわけですから、従前のその会社の株主ではなくなるわけですね。そうすると、結局、株主代表訴訟の原告適格でなくなるんじゃないか、そういう議論だろうと思います。  この点につきましては、一つ判例がございまして、東京地裁の平成十三年の判決ですけれども、その株主は持ち株会社化した場合には原告適格は失う、したがって訴訟は、裁判は却下されるという判決がございます。ただし、これに対しては、いやそうじゃないんだ、それはおかしいという有力な学説もございまして、見解が分かれているというのが実態でございます。  以上でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうすると、これは司法の場で最終的には決着をつけるということになるんだと思うんですが、そうすると、持ち株会社ができるということ、独禁法第九条の改正に伴ってこういう問題は必ず起きてくると。  そうすると、本来、大和銀行の問題を追及する株主代表訴訟制度というのが非常にある意味では、立法の趣旨からすれば、これは著しく問題が生じたということなんで、法務省としてはそういうときに、大和銀行というか、個別行は別にして、そういう企業の代表訴訟というものをどうこれから、判決いかんにもよるんだろうと思うんですが、本来の法の趣旨にのっとったものに変えていく意思があるのかどうなのか、その点いかがでございますか。

横内正明自由民主党法務副大臣

○副大臣(横内正明君) この点は、今申し上げましたように学界でも判例でも議論が分かれている問題でございますので、株主代表訴訟の今後の動向といいましょうか、その辺を把握をしなければいけませんし、また、そういった判例、学説の動向というのも見ていかなければならないわけでございますけれども、私どもとしては、もし株主の利益が不当に害されるような事態が生ずることがあれば、それは問題だというふうに考えますので、所要の立法措置を講ずることも検討してまいりたいというふうに考えております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ありがとうございました。ぜひ検討していただいて、立法の趣旨、進めていただきたい、改正していただきたいと思いますが、ちょっともうあと五、六分しかなくなりましたので、次々とアトランダムに行きますので。  財務大臣、七月二十三日に日本証券業協会会長に、深刻な決意で株価に対応してくれ、こう発言されていますが、事実ですか。七月二十三日、財務大臣が日本証券業協会会長に、深刻な決意で株価に対応してくれと、株価が下がってきたので電話を入れられたそうですけれども、それは事実ですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 事実です。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 それはどういう趣旨でそういうふうに、真剣に対応するというのはどういうことなんでしょうか。ふまじめに対応していたんですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 趣旨も何もありません。  ただ、私は奥本とは古い友達でございますから、いろんなことを話しております。その中で一つそういうことを言ったんです。そうしたら、証券の活性化ということについて、税制改正してくれといろいろ要望しておりました。電話の中でもそれを言いますので、おれはそれは一生懸命やるよ、しかしおまえのところは何をやっているんだ、投資信託を高い値段でぼんぼん売っておいて、値下げた、半分になっておっても知らぬ顔しておるじゃないか、それを引き上げることをやらないのかと、こういうことを私は言ったんです。  だから、我々も、税制上の問題として、これをインセンティブを与えて活性化に努力すると。けれども、やっぱりその業界の人たちが一生懸命株価の維持を図るための努力もしてくれなければ、そして同時に、一般の投資家が、零細な投資家も入れて、証券会社を信頼し、投資信託も買い、株も買うというような、そういう環境をつくらないと、いかに税金だけやったって効果はそんなに出てこないよということを言ったんです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そういう趣旨でやるのはわかるんですが、深刻な決意で株価に対応してくれという、要するに、株式市場の株価に対するある意味では財務大臣としての、すわ介入かと思ったわけですよね。今のお話を聞いていて、要するに、株式市場が本当に活性化するようにみずからも努力という意味ではやってくれるねという意味で、ちょっと新聞の表現ぶりが悪かったんでしょう。しかし、大変株価が低落していたときだけに、みんな、やはり株価介入じゃないか、こういうふうに思った次第でございまして、またこの問題について整理したいと思いますが、もう本当に時間が少なくなりましたので、来年度の予算の問題について聞きます。  来年、三十三兆の国債が増発されるかもしれない、そのうち三兆は、国債発行額を何としても三十兆内におさめる、二兆円は国で、一兆円は地方でということだったんですが、一兆円の削減というのは一体どうなっているんでしょうか。これは、財務大臣が答えるより、総務大臣に聞きましょうか。総務副大臣ですか。

遠藤和良公明党総務副大臣

○副大臣(遠藤和良君) 地方も国と歩調を合わせまして歳出の削減に努力する、これは当然のことだと思います。  ただ、地方交付税を一定の目標を決めてこれを削減するということは、これは地方交付税の仕組みからいってできないわけでございます。地方財政計画をどのように縮減するか、これは国の歳出とあわせて検討することは可能でございまして、その結果として地方交付税の削減はあり得る、こう考えております。  地方の一般歳出のそのほとんどの部分が、公共投資とかあるいは社会保障とか教育という分野、これが七割占めておりまして、これに対する国の歳出を削減をするということであれば、同様に地方でも歳出効果があらわれる、このように理解をしているところでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 財務大臣、これはもう地方の自主性に任せるということでよろしいでしょうか。イエスかノーかで結構です。副大臣で結構です。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) ただいまの御質問でございますが、今お答えありましたように、要するに、国と地方が協力して聖域なき歳出見直しということの強い決意を申し上げたところでございますので、今後ともその努力をしてまいりたい、きょうはそういうお答えにさせていただきます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 交付税の中で、総務大臣もどこかで答弁を認めておられましたけれども、いわゆる事業費補正。要するに、これをやりなさい、いや金がないんだ、借金した、その後それは交付税で面倒を見てやると、この仕組みだけは何とかしようよという話があったように聞いているんですが、そこの検討は進んでいるんですか。

遠藤和良公明党総務副大臣

○副大臣(遠藤和良君) 交付税の見直しの中で一番大きな問題は段階補正の問題と事業費補正の問題でございますね。そのうち、事業費補正ということは、確かに後で交付税措置をするということがモラルハザードを起こしているのではないかという御指摘もございますものですから、それは今慎重に検討を進めているところでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ということは、来年に間に合わないですね、これは。  それは別にいたしまして、今度はじゃ道路特定財源問題についてお聞きします。  国土交通省、お見えになっていますか。  どうなんですか。見直しするということについて、私どもは随分予算委員会等で、総理大臣から厳命が下って相当検討が進んでいるんだろうと思うんですが、担当省としてはどんな状況になっていますか、この一般財源化は。

木村仁自由民主党・保守党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(木村仁君) 道路特定財源の見直しにつきましては、六月二十六日の閣議決定において見直しをするという方向が示されており、また、九月十一日には総理から国土交通大臣に対して、特に自動車重量税を一般財源化してはどうかという指示があったことは事実でございます。  これに対しまして、国土交通大臣は、道路特定財源は、特に道路の整備を目的として、暫定税率、本則の二倍以上に当たる暫定税率を適用していることでもあり、純粋に一般財源化することについては、暫定税率を下げよという納税者の反発が強いであろう、したがってそれが先決であるという反論ないしは了承しないということを言った時点で、現在のところは国土交通省の内部の検討になっております。  私どもといたしましては、道路を整備するという特定財源の目的、つまり納税者にそのような御負担をお願いしているわけでありますから、納税者の納得のいく見直しの結果を得たいと、こういうことで鋭意努力をいたしておりまして、今後、関係機関と十分調整を行いながら、十四年度の予算編成過程を通じて検討を進めてまいりたいと、このように考えております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 何かお話聞いていると、総理大臣が六月の予算委員会で改革しますということで本当に力説された割に、何か全然進んでいないんですね、今まで聞いていると。関係省庁との連携しながらとかという。  大体、その暫定税率が設定されたのはいつですか。相当古いですよ。ヨーロッパの税率と比べてくださいよ。そんな低い税率になったら、当然のことながらいわゆる本則を引き上げていますよ。そして、六千万人も八千万人も運転免許を持っていますよ。そうしたときに、利用者の納得性という、要するに国民全体の判断ということで国会で判断をして、その税のあり方については一般財源化するということで決めていけば、これは我々、国会は国民の代表として選ばれているわけですから、そういう意味では、特定業界のことは余り気にしないでいい財源だと私は思っているんですよね。  財務大臣、この問題について、地方に対して一兆円、交付税を中心にして減らしたいとおっしゃいました。それから、道路特定財源の問題を含めて特定財源制度を改革したいと。今のこの進展状況、今のお話を聞いていて、どうなんですか。この小泉改革と言われているものは、改革工程表とか先行プログラムとかいろいろ言われているけれども、何にも我々の目の前に進んでいるものはないんじゃないんですか。  そういった点について、担当大臣としてどうお考えでしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 骨太の方針が決まりまして、それ以降、その方針に基づいて政策はしんしんと進んでおります。これはもう事実でございます。  そして、特に特定財源の問題につきましても、これは私はもう何遍もこの委員会でも申し上げておりまして、峰崎先生自身がもうこれで三回目の質問だと思うんですが、もうこの質問、私二度ほどお答えしています。  要するに、特定財源となっておるけれども、道路に関連したものに使うんですと、こういうことは何遍も言っておるはずです。そして、道路というのは、今までの規定された道路財源の中で、従来は高速道路であるとかあるいは国の骨幹的な道路とかいうものに集中的に投資しておりましたけれども、そうではなくして道路に関係あるもの、例えば駅前整備なんて道路に関係ございますし、それから連続立体高架だってそうでしょう。だから、そういうところの方に幅広く使って、一般公共事業と結びついた用途の拡大をすることによってこれをだんだんと一般財源化していくんだと、こういうことを私は言っております。  そして、法律が十四年まで生きておりますから、その時点において道路財源をどうするかということは、十四年度にこれを考え直していって、それで十五年度からできれば新しい制度に移行したい、こういうことをもうこれで二度言っていますからね。だから、どうぞ御理解していただきたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 たくさん質問を用意しておりましたけれども、後日また進めたいと思います。今の反論もまたいつかしたいと思いますので。  終わります。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 浜田です。よろしくお願いいたします。  三十五分しかございませんので、まず答弁は簡潔にひとつお願いいたします。それと、財政政策に絞って御質問をしたいと思います。午前中の峰崎委員の議論でかなり尽くされておりますけれども、私の方はちょっと具体的に伺ってみたいと思います。  まず、新聞報道等で補正総額三兆円というのが出ております。一般会計ベースで、いわゆる真水の歳出増というのは一兆円程度にとどまるだろうということでありますが、今の時期にこういう補正予算を組むということは、これは景気対策というふうに考えてよろしいですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねの、先生の御意向の景気対策というよりも、私はむしろ、経済構造を推進するための、それの準備的発想において補正予算を組むということが一つ。それからもう一つは、雇用対策とセーフティーネットを少し補強しなきゃならぬという考え方がございます。それから三つ目は、実は特別会計等からの借り入れの残高が残っておるものがございまして、それをこの際に返済しておきたいということと、この三つのねらいで補正予算を組んだような次第であります。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 今の大臣の御答弁の中には景気対策という言葉はなかったわけですが、そのように理解をさせていただきます。  そして、これも新聞報道ですけれども、自民党の内部の議論も含めて、追加補正予算を組むのではないかという憶測というんですか、そういうことが言われておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちの方で追加補正をするというコメントを出したことはございませんが、しかし、マスコミでどうもそのような言葉が独走しておるような感じがしてならぬのであります。  私ども財務省として言っておりますことは、補正予算は十一月の上旬に、九日の日に提出できると思っておりますが、それ以外の補正予算は現在のところ考えておりません。ただ、よく言われることは、総理が、非常な事態が起こった場合に柔軟な姿勢で大胆に対応するという発言がございました。それが第二補正のうわさというか、予想につながっておるんだろうと思うんでございますが、総理の意向は、このテロ事件がどのように発展をするかわからない、そしてこの進展のいかんによっては世界的な恐慌を生みそうな状況に懸念される場合、その場合には各国協調した上で対策をとるべきだろうと。そのときには大胆な措置をとると、こういうことを言ったのでございまして、それが第二補正が必要かということの何か報道に走ったと思っております。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 そうしますと、今年度の補正、それから追加補正の可能性も含めて、現状では、日本の経済の状況に対して財政による刺激策といいますか、財政による対応というのは必要ないと御判断になっていらっしゃるということですか、財務大臣として。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 必要ないとは絶対思っておりません。必要も大いにあるだろうと思っておりますけれども、今のところ財源がないのでいかんともしがたいということでございまして、その財源の数字として、この際、国債発行三十兆円の枠にこだわらずして、国債を発行してでも補正を組んで景気刺激対策を講ずべきではないかという意見があることは承知いたしております。  しかし、それは先ほども峰崎先生の質問にお答えいたしましたように、我々は政治決定として直ちに財源を国債に求めて補正を組む意思はないということを申し上げたということであります。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 わかりました。  そうなりますと、次の質問に移りますが、真水といいますか、一般会計歳出増は一兆円程度、これは既定方針だということですが、これで仮に追加補正なしということで二〇〇一年度の歳出規模というのが定まるとすれば、二〇〇二年度の国債発行枠三十兆円で試算というか、財政収支試算がありますから、それにのっとって予測される歳出規模との比較はどういうふうになりますか。補正後と二〇〇二年度の予測規模との比較です。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 十四年度は現在よりさらに一層厳しいと思っております。それは、税収の落ち込みは十三年度より以上にあるということは想像しておかなければなりません。ですから、十四年度予算全体は非常に苦しいだろうと思います。けれども、三十兆円の枠は堅持していきたいと思っております。  そういたしますと、いわば収支のギャップといいましょうか、差は五兆円近くになってくるんではないかなと思ったりいたします。この処理について、税収でこれを補っていくということはもう先ほど言いましたように不可能であろうということでございますから、どうしても歳出の面をある程度見直していって、それに合った措置をしなければならぬと思っております。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 大臣、予測される歳出規模と補正後の規模と、それを比較してどのくらい落ち込みますか、そういうふうに今伺ったつもりなんですけれども。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 補正後ですか。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 一兆円補正なさるわけですよね。仮にこれが追加補正なしと前提した場合に、二〇〇一年度の歳出規模がそこで決まるわけですね。それに対して三十兆円の国債発行を堅持するとおっしゃったから、それを堅持しつつ、予測される二〇〇二年度の歳出規模、一般会計ですね、それを財政収支試算ベースで結構ですからどの程度の違いになりますかと、そういう質問です。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それは、恐らく十四年度は八十兆円規模を割るであろうということを思っております。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 補正後と比較してどうですかと聞いているわけです。マイナス何兆円になりますか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 二〇〇一年、十三年度の補正を入れますと八十三兆六千億円になるわけでございますね。それは若干、十四年度におきましては割り込むのではないかと思っておりますが、国債発行三十兆円とすると、八十三兆の十三年度予算の総額に対しましては落ち込んでいくと思います。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 何兆円というのは計算できませんか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それはちょっと不可能です。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 仮定計算の話ですから、計算するかしないかということで、しないということですからそれはそれで結構ですが、要は、二〇〇二年度の財政は本年度の財政からマイナスになるということですね。それは、従来我々が考えていた経済対策という意味では引き締めですよね。超引き締めです。というふうに理解しますが、よろしいですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それが私が先ほど来申しております、高度経済成長の右肩上がりのそれ行けどんどんのときの発想でございます。私たちは、そうではなくして、この際に、入るをはかって出るを制する政策に移っていきたいと思っております。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 米国では、今度のテロ事件の後、消費の落ち込みを大変懸念いたしまして、グリーンスパンは思い切った金利の引き下げを矢継ぎ早にやりました。これは金融政策の問題です。それにあわせて、財政の出動を現在まででおよそ十兆円規模で既に決定をしておりますし、今後追加的に減税を含めた財政出動というものを検討しているというふうに伝えられておりますが、それは事実でしょうか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 漏れ承るところによりますと、追加補正でアメリカは九百九十億ドルですか、追加をするとかいうことを言っております。しかし、これはまだ下院の話でございまして、今、国会は閉会中のような状態になっております、あの炭疽菌の問題で。まだ決まっておりませんけれども、下院の方ではそのような意向があるということでございますが、上院の方の意向は必ずしもそうでもないということを聞いております。  しかしながら、それにいたしましても、アメリカの財政は非常に健全化しまして、しっかりとした余剰金も持っておりますし国債の減額も確実にやっております。実にうらやましいなと思っております。これはすなわち、一九八〇年代にレーガノミクス、あれが有効に働いて、その結果、十数年たってその効果が出てアメリカが非常に健全な財政状態になったということでございまして、我々も十年、十五年の先を見込んで今苦しいところを辛抱して乗り切って、アメリカのように余裕ある財政状態に持っていきたいと思っております。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 そのお考えとか志は大いに結構だと思うんですけれども、現実の経済はそれに対応した動きに必ずしもならないわけであります。  私は、上院でどうなるかという問題が残っているにせよ、少なくともアメリカの経済を考えますと、この矢継ぎ早の金利引き下げと相まって、十兆円規模の財政出動というのがマーケットにいい影響を与えたと。少なくとも、テロによる金融マーケット、株式マーケットを含めた米国の経済の危機意識というのがこれによってかなり緩和された、そういう全体的なあの評価になっているというふうに私は受けとめておりまして、それがアメリカの株の下げどまりにつながっているだろうというのが一般的な観測で、そのいい影響を受けて日本の株式マーケットも辛うじて踏みとどまっている、そういうふうに私は全体の推移を理解しているんですけれども、違いますか。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) ただいま大臣からもお答えをいたしましたけれども、そして浜田先生御案内だと思いますけれども、まず先般の同時多発テロ事件後にアメリカのとりましたことをちょっと申し上げますと、九月十七日には、市場への流動性供給を目的に、米国連邦準備制度が米国株式市場再開にあわせ〇・五%の緊急利下げを実施いたしております。また、翌十八日には、テロ対策、災害支援のため総額で約四百億ドルの緊急財政措置を行っておりますし、さらに二十二日には、総額で約百八十億ドルの米航空業界への支援策が決定されておるところでございます。また、大臣から申し上げましたように、現在、景気刺激のための減税等も検討をされておる、こういうことでございます。  そこで、こうした米国のとりました対応というのは、米国の財政・金融政策面での対応余力、余った力でございます、この辺が大臣がうらやましいと申し上げた気持ちの部分でございますけれども、こうしたものを図らずも示しておりますけれども、これは今お話しのとおりに、米国経済の混乱を未然に防ぐため、迅速かつ適切に対応されたものと私どもも受けとめておりまして、米国経済、さらに世界経済に好ましい影響を与えることと期待をいたしておるところでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 米国が緊急の財政支出を決定し、かつまた追加補正も、追加補正といいますか追加支出も検討しつつあるということは、そのテロの影響あるいはそれに関連するもろもろの出来事の影響によって消費の落ち込みを懸念しているわけですね。それに対して財政に一つの役割を果たさせようということであって、それは今すぐすべてをはかるわけにはいきませんけれども、当面は効果を上げているというふうに私は理解をしております。  我が国の直面している現状も、これは不良債権の問題とかいろいろあるけれども、要するに経済として見れば、消費が順調に伸びてこない、貯蓄率はあれだけ高いのにそれが消費に回らない。だから、テロがあろうがなかろうが、日本の場合の状況というのは近似しているわけですね。  アメリカにおいては財政政策というのは効果的である、日本においては財政政策は効果がないというふうにお考えなのか。さっき大臣は別のことをおっしゃったわけで、余力がないというのは今までの財政政策運営の問題であって、経済とのかかわり合いにおいてもう財政が全く意味を持たなくなったのか。私はそうおっしゃっているような気がしてならないんですけれども、そこはどうですか。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) まず、我が国経済が長期にわたる低迷を余儀なくされてまいりました原因につきましては、これは一義的に申し上げることはできませんけれども、今、先生お話しのとおりに、先行きの不透明感による民間消費が抑制されていることが大きな原因の一つだと私どもも認識をいたしておるところでございます。  そこででございますけれども、では今、先生のお話のように、一体我が国がどういう手段を講じるのかということでございますけれども、他の主要先進国と協調いたしまして、金融市場に対する潤沢な資金供給や金利引き下げの措置をとるなど、これはもう御案内のとおりでございますが、そういうことでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 私の申し上げたいことは、三十兆というのは一つの意気込みで設定された、しかしそれがどれだけの根拠を持つものか、論拠を持つものか。これは私ども必ずしも納得していない。そして、日本経済の現状をどうとらえるかというのはそれとは別にあるわけですよ。  そして、アメリカでも消費の落ち込みを懸念して財政の出動も含めた財政政策というものをやっぱりきちんと位置づけているわけで、じゃそれは、アメリカはアメリカで、日本は全くそれは効果がないというふうに御判断なのか。  ですから、やろうとしていらっしゃることは、補正ではたった一兆円の真水の追加しかしていないし、それから来年度予算においても今年度予算より減らそうとしているんですよ。つまり、私に言わせれば、財政は役割放棄である、それでいいんですかということを聞きたいわけです。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) そこでどうしても申し上げざるを得ませんことは、やっぱり我が国の財政が極めて悪化しておりまして、安易に景気刺激策としての財政出動や減税を行うということは、私どもといたしましては、財政状況のさらなる悪化となって国民の将来に対する不透明感を増幅し、かえって個人消費を抑制するなど、経済にマイナスに働くおそれもあると考えておりまして、慎重にやりたいと考えておるところでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 そこで金融の話なんですが、盛んに聞こえてくるのは、きょう私、竹中大臣に出席をお願いしたんですがお出になれない。これはやむを得ないんですが、竹中大臣の御発言も含めて、どうも今の内閣の経済政策というのは、もう財政はだめなんだ、財政は役に立たない、金融でやる、そういうふうに言っているようにしか聞こえないんですよ。では、金融政策にあと何がありますか。  私も、ゼロ金利というのは離脱できる、できるだけ早い時期に離脱せよ、ゼロ金利の弊害というのはもうきわまっているよということを何度もここで申し上げてきましたけれども、しかしゼロ金利政策を堅持しておられる。それで流動性も、じゃぼじゃぼと日銀総裁が言われるぐらいじゃぼじゃぼにしておられる。効果ないでしょう。  それから、今インフレターゲット論なるものが出ていますけれども、私に言わせれば、実際はもう日銀はインフレターゲット政策に踏み切っていますよ。この前の金融政策の変更の決定の中で、物価水準を継続的にゼロ以上にするということをうたっておられる。この間の月例報告にもございました。月例報告じゃないのかな、何報告ですか。私は、最初のその決定をなさったときにこの場で、それはインフレターゲット政策でしょうと申し上げた記憶があります。つまり、物価水準を継続的にゼロ以上にするというのはどういう意味ですか、では物価水準を六、七%まで持っていこうという意味ですかと。  そうじゃないと思うんですね。これは今までの経験則なり、どれだけ理論的な裏づけがあるかわかりませんけれども、我々は二、三%の物価上昇率というのが多分健全であろうというふうに思ってきました。だから、ゼロ以上に物価水準を持っていくために金融を調整しますというのは、まさに、これはもう金融政策の目標として一種の、言葉は悪いですけれども、そういうものに踏み込んでおられる、私はそう理解している。つまり、もうやることは全部やっているんですね、金融政策としては。ですから私は、それでは景気に対してはどうするのか。  午前中の議論の中で竹中さんが言っておられましたね、峰崎さんの質問に対して、短期的には財政のそういう役割、機能については意味があると考えていますと。私も、今短期の話をしている。短期というより今の経済の局面の話をしている。ここで政策を間違っていませんかということを申し上げたいわけです。  つまり、言葉は過ぎるかもしれませんけれども、私は、財政政策は責任を放棄しているんじゃないか。金融でやれと言ったって、金融はもうやることがないじゃないですか。ですから、それでは景気に対しては何もしないということなんですか、あるいは来年度予算まで考えれば、マイナスで組む、つまり緊縮財政でいく、それで本当にいいんですか、その理由は財源がないからだということだけでいいんですかということを聞きたいわけです。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) 繰り返しになりまして申しわけございませんが、私どもとしては、財政構造改革をまずやるべきだ、これがもうすべてだと。すべてだと言ったらちょっと言葉は過ぎるかもしれませんが、要するに、まずこれをやることがすべての解決につながる、こういうふうに思っているということを、大変繰り返しで申しわけございませんが、申し上げます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 私は、財務大臣はそう考えていらっしゃらないんじゃないかと思っているんですけれどもね。  つまり、財政構造改革がすべてだみたいな発想で今の状況を私は乗り切っていけると思いませんね。財政構造改革も必要なんですよ。でも、財政構造改革がすべてじゃないでしょう。小泉さんのおっしゃる構造改革なくして景気回復なしというのは、ある面では正しいですね。しかし同時に、やっぱり景気回復なくして構造改革なしですよ。どうして両方やれないんですか。どうして短兵急に、この悪い状況の中で、一緒じゃなきゃならないと言い張るんですか。状況は変わりつつある、より悪化しつつある。もっと柔軟に対応していいはずだと思います。  三十兆というのが、死守すべき目標なのか。これは私は非常に疑問だと思いますし、同じ公共事業費でも、生産性のより高い分野に流すというのを、これはこの構造改革の意味だと思いますけれども、それをやればいいじゃないですか。どうしてその議論は全く別になっちゃって、財政の役割はもうないんですというふうにしか受けとめられない対応をしておられるのか。私は、その辺をもうちょっとお考えいただいた方がいいんじゃないか、そうじゃないと、この構造改革、一生懸命やろうという気持ちがどうもそれで逆になえていって失敗してしまうんではないか。  そういう意味で、景気回復なくして構造改革なしだということも私は考えて、それこそ柔軟に大胆に対応すべきではないか、そう思いますが、大臣いかがですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 博識、経験の深い浜田先生にしては、ちょっと論争を一方的に引っ張っていこうとして、何か多分に誘導尋問的なところがありまして、私たちは何も財政がすべてであるということを言っておりませんし、また財政を無視して金融政策に頼っているものじゃございません。  金融政策は、既に物価問題については御質問ございましたが、私たち、より以上に、平成九年度中の平均物価水準に持っていくことを目標として、これを目標として自然な形でそちらへ移行するように努力してほしいということを各界に要請しておるのでございまして、物価の目標というものは具体的に挙げておりませんけれども、平成九年度中が一番この十年間で高い水準であったわけでございまして、そこを私は言っております。  ただ、ターゲットと言いにくいということは、ターゲットといたしましたらすべての政策がそれを重点にどうも志向する傾向が出てくるから、だからターゲットと言わないで、それを努力目標にしてほしいということを言っておるんで、そういう点で御理解ひとつしていただきたいと思っております。  それから、経済政策でございますが、これを無視してただ財政の国債三十兆を死守するのかと。私たちはそういうかたくなな発想からやっておるものじゃございませんで、何遍も申しておりますように、日本の財政構造が、高度経済成長、しかも生産優位の絶対主義のそういう右上がり構造の中に組み込まれてきた財政の仕組みになってきております。補助金行政一つ見ましたかて、また公社公団の政府関係の経済団体との関係を見ましてもそういう関係になってきて、しかも、予算の規模のうち三十数%が国債に頼らざるを得ないという財政自体がもう既に国民が不信感を持っておるような状況でございまして、そういうことが国の経済的な威信というものを傷つけておることは、もう十分浜田先生も御承知のとおり、国際的にもそれは非常に危惧しておる状況でございます。  ですから、ここで国の経済政策、財政政策というものを一度転換するんだという意味でどこかに節目をつけなけりゃいかぬ。その節目をつけるのに国債発行をということを我々基準にしておるということでございまして、それじゃ三十兆はどうかということでございますが、この三十兆を決めたかどうかということは、これはまさに政治決定なんであります。でございますから、計数的にあるいは経済理論的にいろいろな点から検討してやったということではなく、過去における経験と政治的なこれからの志向するところを見て三十兆というのを決め、同時にプライマリーバランスへの一つの導入を開こうということをしておると、こういうことであります。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 財政政策にはもう一つ税制もありますね。税制の活用も含めた財政の役割をここでもっと深刻に考えるべきである。  ですから、三十兆というのは、大臣おっしゃるようにこれは政治的目標ですよ。ですから、それを守ろうというのは、それは政治的な一つの姿勢として評価すべきでありますけれども、しかし、実体経済は動いているわけでありますから、しかも今よりデフレ的な状況を深めているわけですから、その中に結果として何が出ていくか。構造改革はまだ議論の段階です。ですから、構造改革に伴う経済の活性化というのが直ちに効果を出してくる段階にはありません。その中で、財政は超緊縮で組まれるわけです。そして、補正という機会も景気対策という形では使わないわけです。ですから、それでいいんですかということは私はもっと考えてほしいというふうに思います。  それで、最後に不良債権でちょっと質問してみたいと思うんですが、趣旨は同じことです。  あの骨太の方針で、まず二、三年我慢しろというのが出てきましたね。それに呼応するように、不良債権の処理を二、三年で大急ぎでやろうというのが一つの、あの文言にあったかどうか、一つの理解として定着してきていますよね。だが、私は、そこがどうも本当につながるのかという疑問があるんですよ。  二、三年で不良債権処理を急ぐ。柳澤さん、正直な大臣でいらっしゃいますから、かつて七年ぐらいの話をされましたね。むしろあの方が自然だと私は思うんですよ。何が何でも二、三年だというテンポでやっていく、そして二、三年我慢すればあたかも景気がよくなるような幻想を与える、それがしっかりつながっていないんじゃないかということなんですね。前にも同じことを申し上げました。不良債権の処理は必要ですよ。これは私ももうここずっと言ってきました。柳澤大臣がそれを急がせようということは、私はあの段階では大いに評価をしてきました。しかし、この状況の中で、経済を考えて、不良債権処理は今のテンポでやらざるを得ないのか、そして同時に、それはどうしたら、おっしゃるような景気、二、三年我慢すれば済むということにつながるのか。  そのプロセスをちょっと、不良債権処理に当たっていらっしゃる柳澤大臣のお考えで結構ですから、聞かせていただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) まず私ども、不良債権の処理の概況というか概括的な状況という、あるいは展望というものを示そうとしてモデル推計というものを明らかにいたしました。これは七年のタイムスパンをとりましたので、何か七年で不良債権に取り組むのかというような受けとめ方をされたわけですが、この七年をとったという理由はどういうものかといいますと、要するに三年をまず、後でこれちょっと申しますが、集中調整期間として置いているわけですけれども、その三年の最後のときに、要管理先であったものが次の年度には必ず破綻懸念先に落とすということをルールとして、推計の前提として決めてあるわけですね。  そして、その後、その破綻懸念先を三年間に処理するという全体のスキームでできておりますので、集中調整期間三年、それから要管理先が破綻懸念先に遷移する年度が一年、それからその遷移した破綻懸念先が最終的に処理されるのが三年ということなものですから、この三年のタイムスパンの中に起きたことを全部一応結末を遂げるまでの期間を想定すると、それがトータル七年になるということで七年間の状況を展望したと、こういうことでありまして、あのモデル推計も決して七年かかるとかというようなことではないということをまず御説明しておきます。  そして、それでは、三年という集中調整期間に不良債権処理が行われたときに、それがどういう経済全体の中での位置づけになっているかということが次の問題でありますが、これについては、まず、不良債権の問題だけではなくて、構造改革政策全般、これはもう規制緩和から何から全部含まれたところですが、これを三年間に集中的に行うと。そして、その期間は、構造改革の性格からいって、マクロ経済に対してはどちらかというと成長抑制的な方向にベクトルが働くであろうと。したがって、この期間は低成長を余儀なくされるだろうというふうに見通しておるわけですね。そして、四年目ごろからは、その三年の集中的な構造改革の時期が終了して、その後の成長というのはプラスの成長が期待されるだろうと。これが全体の骨太の方針のうたっているところだろうと思うわけです。  我々の不良債権処理というのは、そういう構造改革の一環でありまして、不良債権処理だけがひとりで頑張って景気を四年目からよくするというふうには考えているわけではありません。もちろん、不良債権は当初はデフレ的な、特に最終処理ということになるとデフレ的なことになるんですが、中長期的にはそういうことで、貸出先企業のバイアブルな部分、ノンバイアブルな部分を分けるというようなことをやることによって、じっとしているときに比べればはるかに力の強い部分が前面に出てくるということで、それが構造改革の一環という意味ですが、そういうことになるだろうということで、今言ったスキーム全体が整合的なものになっていると、このように言っておるわけでございます。

浜田卓二郎公明党

○浜田卓二郎君 先ほど、各国の金融担当者とお会いになった感想として、経済のマクロの政策と不良債権処理というのは緊張関係が高いというような微妙な表現をされましたけれども、私は、不良債権の処理も含めた、それから公共事業費の配分の見直しも含めた構造改革、これは大いにやっていってほしいんです。  だけど、同時に財政改革まで一緒にやらなかったらだめだというのはちょっと欲張り過ぎではないか。だから、上手にやってほしい、景気もほったらかしにしないでほしい、財政の責任も財政政策の責任も自覚してほしいということを申し上げて、質問を終わります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。  きょうは、経済政策の基本問題についてお伺いしたいと思います。  六月に竹中大臣にお聞きいたしましたので、きょうは塩川財務大臣を中心にお考えをじっくり伺いたいと思います。  今も浜田議員からありましたけれども、私は、この構造改革といいますか、構造改革なくして景気回復なしということそのものを、進めてもらいたいというよりも、大変疑問に思っています。  何かこれは当たり前のことのように、構造改革をやらなければもうすべてお先真っ暗なんだというふうなことがあたかも当然のようにいろいろ言われているような気がいたしますが、本当にそうだろうかと。竹中大臣にお伺いしてもそうですし、この間、政府が出された文書をいろいろ読ませてもらいましたけれども、何といいますか、そもそも論理の飛躍といいますか、この理屈には問題点なりすき間が多いというふうに感じているところです。  大体、そもそも論を言いますと、供給サイドの改革論ですよね、構造改革のベースにあるのが。どうして供給サイドの改革だけやって需要が回復できるのかと。簡単に言えばそういうことからいろいろ疑問がわくわけなんですけれども、そこがどうお聞きしても、何を読んでも余り解消されないというふうに思っているところです。  そういう点で、きょうは、この構造改革なくして景気回復なしという、何というんですかね、テーゼというんですか、メッセージというか願望といいますか、そのものについて伺いたいというふうに思います。  これは裏返して言いますと、要するに構造改革をやれば景気は回復していくというようなことになると思うんですし、国民の皆さんの多くは、今失業もふえて倒産もふえて大変だろうけれども、これを我慢すれば政府はいずれよくなると言っているんだから、構造改革は我慢しなきゃいけないと受けとめて辛抱しなきゃいけないと思っていらっしゃる。そういうところから、まだ小泉さんも高い支持率が一定してあるんではないかというふうに私は思いますけれども、そもそもこのテーゼが正しい、このメッセージがそのとおりになるんだと思っておられる国民が多いから支持が高いんではないかと。逆に言えば、このテーゼが違ったら、これはそのとおりじゃない、そうならないということになれば全然違うんではないかというふうなことも問題意識として持っているところです。  そうはいっても、この構造改革は短期的には景気にとってマイナス面が多いということは、これはもう政府も認めてこられていることですし、だから痛みがある、しばらく我慢してくれと言われているんだと思いますが、問題は、長期とは私は経済政策ですから言うべきじゃないと、少なくとも中期的には回復するんだ、需要の回復につながるんだということが本当にそうなるのかどうか、それが今問われているんではないかというふうに思うんです。  この点については、六月にも竹中大臣にお聞きしましたし、いろいろ資料を読みましたけれども、そのメカニズムといいますか、中期的にはよくなるというメカニズムが十分説明されていない。さっき言いましたけれども、はっきり言えば、論証抜きにはっきりとただそうなりますと言い切っているところがあって、非常に論理のすき間があるというふうに私は感じています。  結論からいいますと、後でいろいろお伺いしますけれども、中期的にも私は悪くなる可能性を大いにはらんでいる構造改革論ではないかと。もちろん、その一部の輸出関連の企業なり銀行なりの収益性が上がるとか、そういう国際競争力は一部の企業に高まることは間違いないと思いますが、日本経済全体、マクロで見ますと私は悪くなる可能性の方が高い、そういう路線ではないかというふうに思います。  そこで、財務大臣にお伺いしたいのは、どうしてこれが、この構造改革路線を進めれば中期的に需要が回復するのか、ここのところを簡単に簡潔に説明をしてもらいたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 今の御質問でございますけれども、根本的に申しまして、構造改革をするということをもっともっと煮詰めて一言で言いましたら、戦後五十五年の間に培われた高度経済成長の中で巣くってまいりました利特権の権限というのがあります。要は特権的な利特権があります。これは果たして現在の社会に合うんでしょうか。それを変えなければだめなんじゃないでしょうか。私は、そういう既得権を、既得権じゃありませんよ、もっと自由な競争の創意工夫の中でやっていただかなければだめですよという、こういうことを実施するのが、それが構造改革の私はねらいだと思うんです。  今まで何遍も言っていますように、日本の経済の仕組みはすべて護送船団方式です。はっきり言って、もっとさかのぼれば、戦争中の昭和十五年に国家総動員法ができまして、そして、十六年に産業体制改革をやりました。そのままの体制でずっと来ているじゃありませんか。官主導でずっと来ているじゃありませんか。共産党がいつもおっしゃる、官主導の政治をやめろとおっしゃるのはまさにここのことでございますので、ですから、どうしても構造改革をして自由な競争を保障していかなきゃならぬということです。  現に、改革をしていないと皆さんおっしゃいますけれども、随分と変わってきておりますよ。例えば、小売店一つとりましても確かに痛みができてきて、この痛みをどうするかということが大問題でございますけれども、大型店舗のいわば制限というものをどんどん解除いたしまして、現在では逆に物価が下がっているじゃありませんか。そういう事態が起こってきておるんです。それは改革の効果じゃないかと思っております。  そこで、非常に難しいのは改革のスピードなんです。急激に改革しますと痛みが非常に大きくなる。けれども、改革をしないということになってくるとこれは逆に化膿してくるおそれがある。ここらが非常に難しいところでございまして、私は、実情に合った改革を進めていくべきだ、そういうことを思っております。  そして同時に、それじゃ十三年度、小泉内閣が成立してからどういうことを改革してきたのかということでございますけれども、まず一番大きい改革の手は、概算要求が根本的に変わりましたよ。私はこれは先生方ももっと勉強していただきたいと思うんですが、今までの、去年までの概算要求とことしの概算要求とはすごく変わってきております。これが反映されて、じゃ十二月に編成いたしますところの本予算でございますが、これを見たら、やはりこういう点が新しく変わっておるのかということを見ていただける。今その渡り廊下のところを歩いているところでございますので、まだそれが全体がわからないけれども、十二月ごろになっていただいたら、こういうことを言っておったのかということはわかっていただけると思っております。  改革は、私が申しましたように、しんしんと進んでおるということをひとつ御承知いただきたいと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ちょっと聞いたことと違うと思うんですけれども、塩川大臣が特にこの間言われているのは、規制緩和をしていったり、いろんなことで競争がふえ、自由競争が高まれば成長力が上がるというようなことだと思うんですが、規制緩和についてはまた別途議論したいと思いますが、例えば、一つだけ申し上げておきますと、タクシーの運転手さん、私もこの前、話ししたんですけれども、規制緩和で台数がふえて一台一台の水揚げは落ちるし、サービスはよくならないし、何も生産性上がっていませんよね。  規制緩和が必ずそういうふうになるとは限らないというふうに思いますし、規制緩和があったから日本の景気が悪くなったわけではありませんし、その規制緩和中心にいろいろ変わっていくというのは、一つそういう部分も否定はしませんけれども、そういう分野もあるかもわかりませんが、この骨太方針そのもので言われているのはもう少し根本的なことではないかというふうに思うんです。  その点で、あっちこっち話が行くとあれなんで、骨太方針に沿って、先ほど言った疑問点をお伺いしたいというふうに思います。これは骨太方針の頭のところに非常に簡潔に凝縮されて、なぜ構造改革をやれば景気がよくなるのかというのが書かれているんですね。  ちょっとここだけ短いんで読みますけれども、「創造的破壊」として、構造改革はその過程で痛みを伴うけれども、経済の潜在的供給力を高めると。もう一つは、成長分野における潜在的需要を開花させる、眠っているものを開花させるわけですね。それが新しい民間の消費や投資を生み出すと。だから構造改革をやれば、「真の」と書いてありますけれども「景気回復」、これは中期的なという意味だと思いますけれども、短期的な意味じゃないと思うんですが、景気回復するんだというようなことが書かれています。  この理屈そのものが私よくわからないんで何度も竹中さんにも聞いたんですけれども、例えば一つ目の言っているのは、構造改革をやれば経済の潜在的供給力が高まると書いてあるわけですね。高まるというふうに書いてあります。二つ目には何が言いたいかといいますと、構造改革というのは新しい消費や投資を生み出すと。つまり、この二つのことを主にこのパラグラフは言っているんではないか。これは、ただここで言っているだけではなくて、いろんなところで発言をされているのはこの二つに沿って発言されているんではないかと思います。  例えば、一つ目の構造改革で経済の潜在的供給能力が高まるということですけれども、これは、この流れでいきますと、三つの過剰を日本経済は抱えていたと、過剰雇用と過剰設備と過剰債務と。これをきれいさっぱりしていけば供給力が高まるんだというふうな流れでずっと来て、この骨太方針になっているんだと思います。  ですから、各企業が自分のところの生産性を上げるために過剰設備を廃棄したりリストラをやったり、それで収益が上がるというのは、これはまあ別に証明なしに、実際そうなっていますからだれが見てもわかることなんですけれども、気をつけなきゃいけないのは、ここでよく言われております、五月の予算委員会で麻生さん自身が竹中さんに確認までされたように、合成の誤謬ということですよね。  今、実際にすさまじいリストラをやっていますけれども、そういう企業はリストラをやったり古い設備を廃棄して収益性は上がっているんですけれども、上がっているんだけれども、これを日本じゅうの各企業が全部やり出せば、当然これはその需要が縮小してしまうわけですよね。これもよく御存じだと思いますけれども、合成の誤謬というのは。その可能性が伴うわけですね、この供給力だけ、需要が低迷しているときに一生懸命会社がそういう供給力を伸ばそうとやりますと。  この合成の誤謬の可能性について、これをどう防ぐか、あるいは起きていたらどうするか、これについてはいかがお考えでしょうか。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) 私も、先日、経済学で合成の誤謬という言葉があるんだということを勉強いたしました。  私が理解いたしましたのは、もう少し平たく言うと、例えば我が家で私がもう今晩から飲むのをやめたと、こう言うと女房は大変喜ぶ。しかし、それは我が家にとっては極めていいことでハッピーになることかもしれないけれども、日本全体でみんなが飲むことをやめたらどうなるんだと。それじゃ経済的に大変な事態が生じるだろうと、こういうことが合成の誤謬だというふうに教えられましたので、そのように理解してお答え申し上げますけれども、今、先生おっしゃったように、確かに合成の誤謬ということ、これはまた一方から考えなきゃならぬことだということは、私もそう思います。  ただ、ちょっとお答え申し上げることがすれ違うのかもしれませんけれども、その構造改革、私どもの認識は、もう待ったなしにやらなきゃならぬところまで来ておる。ちょっと表現が悪いのかもしれませんけれども、そういうふうに追い詰められておる。ちょっとこの表現、財務省が必ずしもそういう認識かどうかということについては私も責任持てませんので、私の個人の表現だとお断りして申し上げますけれども、言うならば、そこまで追い詰められておる。だから、もうどうしてもこれをまずやらないとならない、そういう認識で取りかかっておる、こういうふうに御理解いただければと思うわけであります。  したがって、財政構造改革をやったら必ず何年か後にこうなるんだな、今そういう御議論のように思いますけれども、まず、逃げるわけじゃありませんけれども、私どもが申し上げたいのは、ここで構造改革をやらなかったら一体どういうことになるんだ、ここのところを実は心配いたしておるわけでございまして、このことについて先生も御案内のとおりでございますから、あえて私が申し上げることもないだろうと思うわけでございまして、その辺のすれ違いが少しあるのかなと思いながら先生のお話を伺っておりましたということを率直に申し上げます。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 規制緩和をしたら潜在的供給力というものがふえるのかと、どうなるのかというお話がございまして、これは裏から見ますと、需要がふえてくるということと同義になってくると思っております。  この一例をちょっと申し上げますと、例えば、住宅金融公庫の融資が大幅に変わりました。自民党が中心となって、今百八十平米までですか、融資対象になりましたですね。そして、融資の金額も上がりました。これは大きい一つの改革ですね。  それから、マンションに対する規制を緩和いたしましたですね。その結果、どうしているかといったら、都心に優秀ないい住宅がどんどん建ってきました。そうすると、この結果どうかといったら、公共事業に頼っておった建設業者は苦しいけれども、住宅とかマンションとかを手がけておった、主としておった業者は非常に大きく今飛躍しておるという、業界の中における大きい変化が起こってきております。こういうことが起こりまして、そして市民の方々はこれによって裨益を受けておると思っております。  航空業界を見てごらんなさい。航空の規制を相当撤廃してまいりました。そうしたら、航空は非常に便利になったし、料金も下がったじゃありませんか。それから、小売、物品の販売もそうでございますし、それから飲食店の規制も緩和いたしまして、二百九十円ですか、親子どんぶりじゃないですか、何かあれ食べられるということになってまいりましたし、そうしますと、やはり規制の緩和というものは方々に大きい影響を及ぼしております。  それで、さっきタクシーが困っているとおっしゃいました。私もそれよく知っています、私も運輸関係よく知っておりますので。しかしながら、一般市民はこれによって喜んでいるんです。物が安くなったし便利になったし、タクシーは幾らでもいつでも拾えると。  要するに、何のために行政をやっておるかというと、やっぱり国民が喜んでくれることをやるということ。国民が喜ばないことをやったんでは行政は失敗でございますが、喜んでくれるんだったら、そうすると、タクシー業者の苦しみをどうして緩和するかというのが、ここに政治が働いてくるということでございますので、だから、政治の裏表を両面で解決していくという努力をしなきゃならぬ、こう思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 一々反論するとまた長くなりますので、ちょっと質問に戻っていただきたいと思うんですけれども。  合成の誤謬に陥ることをどう防ぐのか、どうするのかといったときに、感想だけ副大臣述べられただけで、その手だては何もないわけですけれども、もう一つ私は、実際にこの間、リストラで大企業、特にITの電機の大企業やっていますよね、リストラ。それで、調査と意見交換ということで回ったりしているんですけれども、これは私、直接行ったわけじゃありませんが、大阪で松下電器の本社に我が党のリストラの調査団が行って話を伺ったんです。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  御存じのとおり、松下電器というのはもう大リストラの制度を設けて今やっているわけなんです、IT関連各企業やっていますけれども。それで、広報部長と話をしたときに、松下さんはそうやって自分のところの、ITバブルがはじけて、設備投資をやり過ぎて、縮小するのでリストラをやっている。松下として収益を上げるためにやっているんだろうけれども、みんながやり出したらこれは合成の誤謬になるんじゃないかという話をしたときに、広報部長さんが、それはそういう側面はありますと。だけれども、これは国の政策で雇用を守れとかそういうふうに切りかえてもらわないと、うちだけ、自分の会社だけリストラをやらないということはできないんだというふうなことを言われているわけですよ。  私は、ですから、この間のすさまじいリストラ、今度は自動車もやると言っていますけれども、それそのものがもう合成の誤謬を起こしちゃっていると。この間の失業率の推移を見ても、あるいは需給ギャップが十年ですごく拡大していますよね、十年で見れば。そういうものを考えますと、この合成の誤謬を今起こしているのではないかというふうに思うんです。  もう一つは、もう待ったなしなんだと言われましたけれども、例えば、ITの各企業がリストラをやっていますけれども、リストラをやらなきゃつぶれる会社は一つもないですよ。何千億と利益を出しているわけですから、つぶれるわけでもないんですよね。待ったなしでもないんです。この国策といいますか、構造改革論というのは企業リストラもそのメニューの一つに入るわけですから、その中でそういうことが行われているというふうに私は思うんです。  ですから、この合成の誤謬について何ら回答がないんですよ。どうなるかといっても何も回答がないし、それを防ぐ手だてもないし、起こってしまうだろうということしかないわけですよね。それが小泉さんの構造改革論の、構造改革なくして景気回復なしという点の第一の問題点を抱えていると。これに回答できない限り、その後需要が拡大するなんてあり得ないわけですよ、合成の誤謬に陥った場合。あり得ないんですよね、合成の誤謬というのはそういう意味ですから。ですから、これは一つの問題点だというふうに思います。  二つ目は、今、塩川大臣が言われたこととも関連するんですけれども、つまりもう一つの、何といいますか、構造改革をやると規制緩和も含めて潜在的な需要が開花するという二つ目のくくりがありますよね。それが新しい投資と消費を喚起するんだというふうに書いてあります。要するに、構造改革をやれば新しい消費とか投資が生まれるんだ、総需要が拡大していくんだということですけれども、これも私、論理がはっきりしないといいますか、論理にすき間があるような気がしてならないんですよね。  例えば、一つの企業が不採算部門を切り捨ててリストラをやると。そのかわり、新しいこちらは成長する分野だと思ってそちらに投資をやると。これはわかりますよ、実際やっていますよね。これはわかります。新たな設備投資、その企業がふえるというのまでわかります。何でそれが新しい需要を、潜在的需要を開花させるのかということですね。企業が見込んでやって、必ずそれにこたえる、需要がついてくるという前提がないとそうならないわけですね。  これは、もう少し理解しようと思ってお話ししますと、要するに今の需要不足は、今需要が低迷しているのは、みんな新しく買いたいものがないからだと。欲しいサービスとか新しい商品がないから、そういうものを見せれば潜在的需要が開花して需要がふえるんだという理屈なら一つだけ成り立つんだというふうに思うんですが、そういうことですかね、この骨太で言われている潜在的需要が開花していくというのはそういう意味ですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) まさにそうですよ。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 そうすると、今の需要不足の原因は、とにかくもうみんなが買いたいものがなくて、あるいは受けたいサービスがなくてということですかね。そういうふうに需要不足の原因を政府としてとらえておられるということですか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) そればかりじゃございません。いわゆる産業構造が変わってきておるのに対応する、そういうものをしようと思いましても、既往の設備の過大さ、私は今、世の中はすべて供給過大からきておると思うておるんです。古い施設が多過ぎる、これが不良資産になってきておるんですけれども。そのために、新しいものをやりたいと思いながら、なかなかそこへ踏み切れないというのが実情でございまして、これが産業界、企業の努力と金融機関の努力が相マッチしていかない、そこに改革がおくれてきておると思うておりますが、しかし、そういういわゆる新規産業に取り入っていった企業は非常に大きい収益を上げておりますし、また発展もしてきております。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  ですから、そこの新しいニーズにこたえていく努力をどこがするのか。これは政府がやるということもできませんし、それを誘発していく努力は政府がやらなきゃいけませんが、企業自体がそこに目を覚めて向かってくれることを私たちは歓迎いたしております。そのためには、ベンチャー企業の育成であるとかあるいは金融支援体制をとるとか、いろんな方策を講じておりまして、努力をしておるところであります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 私は、今また話が今度は供給サイドに行ってしまいましたけれども、需要の話でいきますと、もしも今国民の需要不足、消費の低迷というのが、もう買いたいものがないということだったら全くそのとおりになると。欲しいサービスが生まれればどんどんお金を出していくということになると思いますが、そうではないというふうに思うんですよね。  仮に、今この骨太の論理についてお伺いしているわけですが、需要低迷の今の主な原因が、そういう新しい商品とか新しいサービス、買いたいものがないんじゃなくて、例えば将来不安だとか雇用不安だとか、そういう将来の見通しが立たないから需要を控えているとしますと、それで需要が低迷しているとすると、幾ら企業側が投資しても私は売れないと思うんですよ。たとえ一つの商品が売れても全体として経済は伸びないと思うんですよね。  例えば、携帯電話をよく竹中さんも例に出されますけれども、携帯電話は、確かに携帯電話だけ見ればたくさん普及しましたよね。ところが、家計で見ますと、家計の調査を見ますと、携帯電話で家計の通信費がふえて、これはその分ほかで節約しているわけですよね。子供が携帯電話を買って電話代かかるといったら、お父さんの小遣い減らされたりしているわけですよ、簡単に言えば。家計全体で伸びていないわけですよね。そういうことが需要不足だと一つの商品が売れても起こるということなんです、私が申し上げたいのは。  その点でいきますと、前提がもし違えば、さっき言いました需要不足、需要低迷の原因が将来不安だとか先行き見通し立たないから消費を控えているんだとすれば、幾ら新しい商品、新しいサービス、新しい成長分野だと思って投資しても、経済全体は伸びないし、需要も回復しないんじゃないですか。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) 国民の皆さんの消費マインドが起きない、その理由は何だということになりますと、今お話しいただいておるすべてがやっぱり理由だろう、そういうふうに思います。そして、今お話しのように、将来に対する不安、これが大きな一つの要因になっておる、これはそのとおりだと思います。その国民の皆さんの不安の一番の原因というのは、やっぱり今日の国の置かれた財政的な状況、これにあるのではないか、私どもはそう思います。  したがって、その一番根本の不安を取り除かなければ消費マインドも起きてこない、そういうふうに判断いたしますと、まずはやっぱり一番大きな不安の部分である財政構造改革をきっちり行うということが必要なんだろう、私はそう思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今、財政構造改革のお話を聞いているわけではありません。経済全体の話をしているんで、ちょっと絞ってお答えいただきたいというふうに思います。  例えば、成長分野に投資すれば必ずうまくいくというわけじゃないんですよね。この間のIT、電機の各企業が、さっきも言いましたけれども、これからはITだと、ITバブルというようなことを見込んで過大な設備投資をやって失敗だったと、見込み違いだったということで、経営者責任を棚上げにして今リストラやっているわけですよ。こんなことをやったら、幾ら成長分野に投資したって、またリストラやっているわけですから、必ずしもその成長分野への投資も、そんなに紙にかいたように、きれいごとといいますか、うまくいかない場合もいっぱいあるわけですよね。  だから、この二つ目の論理といいますか、不採算部門を切り捨ててリストラやれば収益上がるのはわかりますけれども、次に成長分野に投資すれば必ず需要が伸びる、必ず需要が開花されるんだというのは、私、非常に論理の飛躍といいますか、これはすき間があると思うんですよ。そうなるためにはさっき言った幾つかの条件がそろわなきゃいけないと。それだってどうなるかわからないと。つまり、構造改革やらないと景気回復なし、つまり構造改革をやれば中期的にも景気が回復しますという論理そのものが非常にあいまいなところを含んでいるし、下手すれば合成の誤謬なり、さっきの話を含めますと悪くなる可能性だってあると、私はその方が高いと思いますけれども。それが今の、いろいろ言われて、余りだれも疑問を持たないといいますか、そうなのかなと思っているような構造改革論ではないかというふうに思います。  今、将来不安の話も出ましたけれども、申し上げたいのは、構造改革なくして景気回復なしという、このスローガンといいますかメッセージといいますか、これそのものがやっぱり不確定要素あるいは心配要素をいっぱい含んでいるということを私は国民の皆さんにはっきりと言うべきだと。それを抜きに、あたかもよくなるようなイメージだけでやっているような気がして、これは後で大変なことになると。それを信じて国民の皆さんが小泉さんなり支持してやって、何の保証もないわけですよ、私から言わせれば、中期的には、このメッセージといいますか、このテーゼそのものが。そういう点ではもうはっきりと、短期的には悪くなります、中期的にはわかりませんと言うべきだと私は思います。  結局、この構造改革論そのものが、先ほど経済学の話をされましたけれども、私もいろいろ読ましてもらいましたが、簡単に言えば、ミクロの会社経営学みたいな話を全体に広げているようなところがあるわけですよね。これはマクロの観点で需要をどうするかと見ていかないと、一方的な、規制緩和すれば会社が頑張るみたいなことばかりの話になってしまうというので、先ほどもありましたけれども、経済対策全体として需要をどうするのか、どうやって今の需要を支えながらやっていくのかという観点を持たないと大失敗するというふうに思います。  将来不安の問題で一つだけお伺いいたしますけれども、私は、この構造改革論、小泉さんの構造改革論そのものが、先ほど言われましたけれども、将来不安の要素いろいろあると、将来不安そのものを私はあおっているというふうに思うんですよね。  これはもう言うまでもありません。社会保障の医療改悪、年金、どうなるかわからないと将来不安になってきますよね。企業もリストラをやって供給力を高めなさいと言われるわけですよね。もう不良債権処理では失業、倒産がふえるわけですよね。このメニューそのものが将来不安をあおる要素の方が多いというふうに私は思います。  そういう点でいきますと、もう悪循環をやっているんではないかと。消費が低迷して、さらにこの構造改革というメッセージを出せばまた将来悪くなるんじゃないかというふうに、こう悪循環に入っているというふうに思えば、私は、何が何でもこの構造改革を進めれば景気回復が成るんだということそのものがもう崩れているというふうに思っているところです。  先ほど将来不安のことがありましたので、一つだけ申し上げますが、そういう点で、この構造改革路線そのものが将来不安をあおって需要を低迷させているという点では、財務省がこの間、医療改悪案を厚生省案よりもさらにきつい、負担が大きい案を出されましたけれども、この中身はきょうは触れません、これは厚生労働でやるべきことですから。そういう構造改革ということでさらに将来不安をあおる、財務省自身があおるということについて、需要低迷との関係でどういうふうにとらえておられるのか、最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 医療改革につきましては、何も財務省が不安をあおっているというようなことは実はございません。  厚生省から、概算要求のときに、そのときに十四年度に向けて改革案を出すと、こうおっしゃいました。それが九月の中旬に出てまいりまして、それに対しまして、財務省としてはなお検討していただきたい点がかくかくしかじかございますから、これを検討してくださいということをメモにいたしまして厚生労働省に提示したということでございまして、あれは決して、具体的にこうしろ、あるいはこうでなければ認めないという、そんなものではございませんで、論点を明記して提出したということでございます。  これをめぐりまして、これから両省間で意見のいろいろすり合わせが必要になってくると思いますし、また当局、支払い側、それから医師側の方の意見も聞いていかなきゃならぬと思っております。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 まず、きょうは財務大臣に冒頭に。今、国会では、アメリカの同時テロに対して日本ではどう対応するかというようなことで法案の審議がなされておりまして、きのう、おとといと二日間も塩川大臣も委員会に出席をされておられましたけれども、戦前から戦中、戦後、塩川財務大臣はずっと経験をなされてきておられる年代でございますが、今、財務大臣として自分がかかわっている内閣において違憲の法律が成立されようとしている、このことについてどんなお考えを持っていらっしゃるのかなということを私は聞いてみたいというふうに前々から思っておりましたので、きょうは冒頭そのことから入らせてもらいたいと思っています。  日本国憲法の九十九条には、最高法規として、「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と書かれていますが、憲法違反の法律をつくることはもろこの憲法九十九条に違反をするということになるわけでございまして、私も国会議員の一人としてそうした義務を負っていることを深く認識をして今の法案審議にかかわっているわけでございますけれども、大臣として、閣僚として、この法案をつくるということに対してどういう心境をされておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、昭和十八年、軍隊で行きまして、作戦にも参加したことがございますし、経験も持っております。でございますから、大渕さんが戦争を忌避しておられる、そして平和を望んでおられること以上に私たちはそれを望んでおることは事実でございます。  ですから、この憲法を違憲状態に置いてでも現在のテロ対策法案を成立さそうと、そういう感情はもう全然ございませんで、それよりも、総理が言っておりますように、憲法の範囲内においてやっていくんだと。それじゃ、その憲法の範囲内というもののとり方が、政治家個々において、政治理念と、あるいは法解釈とによってそれぞれ違うところ、いわゆるグレーゾーンのところがあるということは総理自身も言っておりまして、それは多少のすれ違いのあるところがあると思っておるというところでございますけれども、しかし私たちは、憲法の前文に書いてあるような、やっぱりこの憲法を制定するときの精神、国際的な信念に、やっぱり誇り得る国をつくろうということでございまして、こういうことが書いてございます。「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」という、こういうことからいいまして、やっぱり国際協力は必要であろうということは間違いないと思います。これは大渕さんも賛成していただける。  それならば、その国際協力がどの範囲でできるかというたら、憲法の範囲内しかできないよと、こういうことでございまして、その憲法の範囲内でたがをはめておこうというのが今回の法案でございますね。だから、あの法案を逸脱した行為をするということは、ある場合には憲法違反の行為になるかもわからぬけれども、あの法案の範囲内で行動する場合は私は憲法違反にならないと思っております。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 PKO法案がつくられたとき、あるいは周辺事態法がつくられたときに、その今のテロ関連法案のところで踏み込んだ部分、いわゆるアメリカ軍の後方支援に当たる部分は憲法の規定でできないから盛り込むことができなかったという議論があるわけでございまして、憲法そのものも変わっておりませんし、そういう状況の中で、状況が変わったからといって憲法の違反にはならないというお考え、そのすき間の中に入るんだという塩川さんのお考えですけれども、私はそうは思わないわけでございまして、戦争を経験されている大臣はもう少し慎重な御答弁がいただけるのかなと思っていましたけれども、まことに残念でございます。  九十八条には、憲法の条規に反する法律は、その全部または一部、その効力は有しないということも明快に書かれておりまして、今度の法律が成立をしても、憲法違反に当たる部分がある、その部分については効力を持たないということを私は申し上げておきたいというふうに思っております。  それでは、補正予算についてお聞かせをいただきたいと思います。  平成十三年度の補正予算の骨格というのが示されておりますけれども、その中で、改革先行プログラムに伴う歳出一兆円には、雇用対策、保育所の増設などを含んでいますが、雇用問題は非常に深刻な状態にございます。  平成十三年の政府の経済見通しの中でも、失業率の見通しは四・五%程度となっていましたですよね、当初。ところが、現在、実際には五%に達しておりまして、その見通しを大幅に上回ってしまっているという状況ですが、この補正予算一兆円で、改革プログラムの予算一兆円を組むことによって失業率を当初の見通しのところまで下げることができるのかどうかというところからまずお聞かせをいただきたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 五%から引き下げたいということを私たちは目標にして努力しております。  そこで、私は、予算上、つまり国が支援する範囲ということも大事でございますけれども、なお同時に、やっぱり当事者、つまり使用者とそれから労働者側、この双方の努力も私は必要だろうと思うんです。それが十分になされておるかといいましたら、私どもが見ておりますのは、まだまだ努力していただける段階はあるではないかと思っております。  この前も私はNHKの討論会で申しましたように、リストラが行われるというときに、労使間でどこまで話を煮詰めてそのリストラを組合側が承諾されたのかということが全然わかっていない。一方的に会社はこれだけリストラだと言って発表いたします。  私は、少なくとも財政上は責任ございますので、その雇用上の問題は雇用予算を組む必要があって各社に聞きました。そうしますと、新聞で、例えば日立製作所、二万人リストラと出ておりますけれども、これは中身を聞きましたら全然違う話になってきております。二万人じゃないんです。本当にリストラの対象になるのは四千名近くであって、あとの方は配置転換なり職種を変わる。だから、一たんやめてその子会社に行くとかいう、それも全部リストラに入っておるということでございます。しかも、日立で言っていますのは、二年間でやるということ。  ナショナルに、松下に聞きました。松下も同様な話でございまして、そうであるとするならば、それをもう少しやっぱり丁寧に報道してもらうということがやっぱり大事だろう。二万人リストラ、一万五千人リストラと出ますが、わあわあといってびっくりしてしまうんですが、中身を、やっぱり何年間でこうなるんだと、その中身はこうこうだということを言ってもらわなきゃいかぬと思うんです。それと同時に、大渕さん、でなければ、組合がそう簡単に二万人のリストラ、オーケーなんて言っていませんよ、それは。言っていませんよ。  ですから、私は、その実態もつかむと。それで、そういうリストラに対して、焦眉のリストラに対してどういう措置を講じるかということが、労働省の方と相談いたしまして、今度補正を組んでセーフティーネットを強化しようというのが今度の予算の趣旨でございます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 それで、その失業率を五%からどのぐらいに下げることができるかという質問だったんですけれども。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) どうも申しわけございません。ちょっとそれは、何パーセント下がるかということは想像つきませんけれども、少なくとも若干は下げたいと思っております。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 財務省がこういう補正予算を組むときには、当初目標に沿ってどのくらいのことまでやりたいという思いでつくっていただかなければ、効果というのは極めて薄いのではないかというふうに思うわけですよね。  テロ対策費と狂牛病対策で五百億円程度が見込まれているわけですけれども、国内の航空会社等への支援策について改めて二次補正の対応が必要なのではないかというような報道もなされていますけれども、塩川大臣はどのように考えておられますか。

尾辻秀久自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(尾辻秀久君) 二次補正についてのお尋ねでございます。  我が国の景気につきましては、テロ事件の世界経済への影響など、先行き不透明でありますが、こうした状況にありましても、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、構造改革を積極的に推進していく必要があると考えております。今お話しのように、雇用対策に重点を置くほか、申し上げましたように、構造改革に直結し、かつ実施の緊急性の高い施策に絞り込むこととしたところでございます。これがまず今のお話でございます。  そこで、二次補正でございますけれども、このような今申し上げたような補正予算の編成作業を進めておるところでございますので、お答え申し上げますと、二次補正については今のところ考えておりません。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 国債発行三十兆円の枠の中で、本年度はこの一次補正でおさまっているけれども、来年度予算編成で三十兆円を超えることができないという総理の公約とも言うべき問題ですから、そうすると、その足りない部分について二次補正で補てんをしてつくっておけば十五カ月予算というようなことができるのではないかというようなことも取りざたをされておりまして、大変懸念をしておりますけれども、二次補正、今考えておらないということでございますので、そういう一次補正で何とかよい方向が見えるように頑張っていただきたいというふうに思います。  もう一点、きょう読売新聞を見ましたら、塩川財務大臣が「デノミ「検討してみたらどうか」」という、こういう囲み記事がありますが、私はわからないから聞くんですけれども、デノミを実施をするとどれほどの経済効果が見込まれて、日本の経済がどんなふうによくなっていくのかというのを具体的にちょっと短く教えていただけませんか。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) これはなかなか難しいことでして、見込みが立たぬから、私は、アイデアとしてすばらしいけれども十分に検討しなきゃいかぬなということを言っているんです、そこで。そう言ったんです。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 日本の財政とか金融にとってデノミ政策を実施するかしないかというのは極めて重要な問題だと思うのですよ。そういう重要な問題を、竹中大臣はこう言われてリップサービスをしているかもしれませんけれども、財政担当の大臣が言われることによってかなりインパクトは違ってくるというふうに思いまして、そのプラス面、マイナス面がきちんと検証されていない段階で言われることは極めて不謹慎じゃないかなと思って私は言わせていただきます。  それで、時間が大変なくなって、きょうは大臣に、入るをはかって出るを制する精神で財政の運営をしていきたいということを再三お聞きをしておりますので、出るを制する方の問題をひとつ具体的に一つ二つ指摘をしてみたいというふうに思っております。  きょうは経済産業省に来ていただいておりますけれども、今、私たち公共事業チェックの会で問題にしております柏崎刈羽原発の電源三法交付金にかかるラピカ問題というのについて、十月一日、経済産業省は報告書を出しましたけれども、この報告書を出してきた経過について手短に教えていただけますか。

迎陽一資源エネルギー庁電力・ガス事業部長

○政府参考人(迎陽一君) お答え申し上げます。  新潟県の刈羽村におきまして、生涯学習センター、通称ラピカと言われておりますけれども、これの建設が平成七年から平成十年度まで行われました。これにつきまして、電源立地促進対策交付金として総事業費六十二億円のうち五十七億円を交付いたした次第でございます。  しかるに、昨年になりまして、当該施設については設計に見合わない工事が行われていたのではないかと、こういうふうな地元からの御指摘等ございまして、村当局あるいは村議会あるいは衆議院の調査局におきましても予備調査をなされたところでございます。  それで、私ども経済産業省といたしましても、交付金の交付金額の確定の検査等が適正であったかどうか、こういった点につきまして村から報告の徴収を受けますとか、あるいは建築の専門家に実際にできた建物を精査していただくというふうな形で調査をしてまいったわけでございます。これを踏まえまして今月の一日に調査報告書を私どもまとめたわけでございますけれども、この施設のうち、茶道館という部分につきましては、交付目的に沿った修復、やり直し等の措置が必要ではないかと。それから本館部分全体の工事については、一億六千万程度の事業費の圧縮が適当ではないかというふうな報告書をまとめ、公表いたしますとともに、現在、会計検査院の方にも御報告申し上げているという次第でございます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 大臣、この問題が発覚をしたのは、一枚、見積書では十二万八千円の畳が、実際には一万円に満たない畳が入っていたんですよ、それは実際に茶道館というところなんですけれども。それだけではございませんで、もうありとあらゆるところに不正の建築が行われておりまして、地元からも、あるいは私たち国会議員も何度も調査に入って、経済産業省に交付金の交付状態がおかしいじゃないかということを再三指摘をしてようやくここまで動いてきているんですが、今、一億六千万円と言いましたけれども、とてもそんなものにとどまっている額ではないと私たちは積算をしています。  そこで、会計検査院にお伺いをいたしますけれども、この問題について会計検査院はこれから先どういうふうになさろうとされているのか。私たちは、十一月に出されます会計検査報告にきちんと載せていただいて、そして対応してほしいということを願っているわけですが、そのことについてお答えください。

円谷智彦会計検査院事務総局第五局長

○説明員(円谷智彦君) 本件につきましては、問題が大変ふくそうしておりました上に、関係書類等の不備等がございまして事態の解明に大変時間を要したわけでございますけれども、可能な限り問題点を整理いたしまして、現在、平成十三年次の検査報告を取りまとめておりますけれども、この中に検査の結果をきちっと御報告したいと思っております。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 ありがとうございました。  もう一つ、出るを制する方なんですが、今、計画が調査段階というか、調査継続が行われています清津川ダムについてなんですけれども、計画発表から平成十二年度までに使われた調査費総額、それから平成十三年度単年では幾らになっているのか、そして、どのような調査が行われてきたのかということを国土交通省にお伺いいたします。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) お答えいたします。  先生御承知のように、新潟平野は大変水はけが悪い平野でございまして、縄文時代はほとんど海でございました。そこに大穀倉地帯ができたわけでございますが、大変水はけが悪いということで水害が幾度たび起こっております。その水害を防止するために清津川ダムが現在調査中でございます。  現在までの累計の支出額は五十二億円。内容でございますが、調査の関係で二十八億円、そして、営繕または職員がそこでいますので、職員の給料等を入れまして二十四億円ということで、調査が二十八億円の内容でございます。その調査の内容は、環境調査、地質・地形調査、測量等の調査でございまして、十三年度の予算額は八億円でございます。十四年度も、私ども現在概算要求額は財政当局に八億円を要求してございます。

大渕絹子社会民主党・護憲連合

○大渕絹子君 こういう状況でございまして、計画から今日まで何一つなされていないのにもう既に五十二億円、十三年度予算で八億円でもう六十億円ですよね。そしてその上に、来年の調査費と称して八億円というようなことが今概算要求されておる状況にございます。  ダムの建設については、昨年、自民党さんの見直し勧告の中で廃止が一度うたわれましたけれども、地元、国会議員等々の強い要請があったということで、もう一度再調査をしようということで今専門委員会が立ち上げられておりまして、その専門委員会の皆さんで検討が進められている状況にございます。  私たちも先日調査に入ってまいりましたけれども、どこにこの六十億というようなお金が使われてきたのかというのが全くわからないような状況になっておりまして、むだ遣いの典型とも言える、そして、これから先もさらに調査と称して何年も何年も八億円とか十億円とかというようなお金が流されていくのではないかという懸念をしておりまして、水の問題は極めて大事な問題で、いろんな多岐の問題があるので今この時間のない中では申せませんですけれども、出るを制するという大臣の考え方からすると、こうしたむだの一つ一つ、額は国の予算全体からすれば少額かもしれないけれども、しかし一つ一つとめていかないと出るを制することにはならないのではないかなと思ってきょうは質問をさせていただきました。  あわせて、竹村局長には、その調査をした調査報告について私に資料を出していただきますように委員長に要求をしておきたいと思います。  大臣には、こうした出るを制するというような、きょうはたった二つしか事例が申し上げられませんでしたけれども、むだに使われている税金について何かお考えがあれば聞かせてください。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) じゃ、簡潔にお願いいたします。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) 私は以前からこのことを思っておりまして、それで、大臣に就任いたしまして早々、五月に主計局の主計官を集めまして、それぞれの担当のところで配分した予算が実情どのように使われておるかということを調査せよということで、地方財務局と主計官が共同で調査いたしました。そういう点が二、三上がってきております。  それらにつきましては個々に指導いたしておりますし、そういうことをチェックしていくことによって今後の予防に大きく役立つと思っております。来年度も再来年度もこれを連続して継続してくれるように希望しております。

平野達男自由党

○平野達男君 自由党の平野達男でございます。  きょうの質問の最後でございまして、今までのなされた議論と重複するところがあるかもしれませんが、御容赦願います。  まず一番目なんですが、日銀はことし六月、通貨及び金融の調節に関する報告書を出しました。御承知のように、金融緩和政策の中で、今まで日銀は日銀当座預金の量をふやすということを主体として金融緩和政策をやってまいりましたけれども、この報告書の中では、資金を文字どおりじゃぶじゃぶに供給しても金融緩和の効果が金融機関行動や実体経済になかなか伝わっていない状況が続いている、このような状況のもとでは物価の下落傾向を金融緩和だけで食いとめることは難しいということを、先ほど日銀総裁もこういった旨の発言をされておりましたが、こういった報告になっております。これを読みますと、こういうふうに言いまして、なおかつ不良債権の処理、需要の創出に向けた税制面の改革、政府財政支出の見直しなど構造改革をやらなければならないというふうに締めくくられております。  これを見ますと、日銀としては、持っている施策については既に相当程度のことはやった、ある意味ではもうやり尽くした、これから景気回復については構造改革だよということで、これは政府側にげたを預けたという報告書になっているのかなというふうにとりましたけれども、大臣、どのような御感想を持っておられたでしょうか。これは金融庁に質問通告したと思ったんですが、金融庁でよかったんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本銀行のいわゆる金融政策、マクロの金融政策ですけれども、これはもう本当に量的にも、今、委員御指摘のように、銀行の日銀に対する当座預金の残高を非常に、実際資金繰り上必要なものの倍とか、あるいはそれ以上とかというように積むことができるような、そういうオペレーションをしてくれていると。  他方、金利的にも、公定歩合あるいはその他の金利におきましても、これ市場金利ですが、そういうものについても、本当にもはや瞑目的とも言えるようなレベルに低下せしめていると、こういうような状況だと考えております。あとは、先ほど来お話のあったいわゆるインフレターゲット論でいわばアナウンスメントエフェクトをねらうというようなことしか残っていないのではないかというようなことが取りざたされているわけでございます。私どもも、この日本銀行の主張というものについては理解をしているわけでございます。  他方、先ほども日本銀行総裁はおっしゃっていましたけれども、銀行までにはお金が行っているけれども、それがそこでとまってしまっている、あるいは豚積みというような格好で、今御指摘になられたような当座預金の残高に全く金利も何も払われずに積まれているとか、あるいは逆に国債を買うというような格好で運用されているにとどまって、企業の段階、普通の事業会社あるいは家計、こういうようなところに流れていっていないということが金融の仲介機能云々と言われているところに指摘されている点なんでございますけれども、私ども見るところでは、正直言って、企業の資金繰りであるとか、あるいは銀行の貸し出し態度において非常にタイトになっているというようなデータはございません。  では、そういうふうな資金繰りの観点あるいは企業の貸し出し態度に対する見方というものがそういうものであるにもかかわらず貸し出しが伸びないのは何かといったら、あと残っているのはもう資金需要しかないわけでございまして、やっぱり資金需要が非常に弱いという状況だというふうに私ども考えているわけでございます。  それにはじゃどうしたらいいか、資金需要を出すにはどうしたらいいかといえば、これは実体経済がもっと活発になることが必要だというふうに考えているわけでありまして、私どもとしては、不良債権処理を初めとする構造改革、これを推進するということが真っ当な政策の割り当てとなるだろうと、このように考えてそれを推進している次第であります。

平野達男自由党

○平野達男君 先ほどの議論にもございましたけれども、平成十四年度の編成に当たっては国債発行三十兆円の枠は堅持すると。入りをはかりて出るを制するですか、ということで三十兆円という枠組みをセットすれば、当然税制の見合いで支出の枠組みも決まってくるという意味において新たなシーリングみたいなものが出てくるということで、先ほどの議論の中で、そういうふうに設定をすれば、私はやっぱりこれはもう景気対策としての財政出動としての手段というのは、放棄という言葉が強ければ、少なくともこれ以上の国債を発行して出るデメリットが、国債を発行してまで積極的財政に転じるメリットよりもデメリットの方が大きいというふうに判断したのかなというふうにとりますし、いよいよもってそうだとすると、今の景気対策のブレークスルー、これを突破するためには構造改革しかないんだなというふうに認識せざるを得ないわけです。  そこで、構造改革を進めるに当たっての現状の経済の認識なんでありますが、今その構造改革、私も全体像のその構造改革がどういう形で進むのかというのはまだよくわからないんですが、どうもいろいろ総合しますと、例えば金融機関につきましてはいろいろな法律を整備したりして金融改革を進めるんだということになっていますが、どうも周りの条件は、いろんな条件は整備するけれども基本的には金融機関の自主的な再建に期待をするんだという、どちらかというと緩い穏やかな方法がとられているような感じがします。  その一方で、もう今の経済状況はそんなのんきなこと言っていられないんだ、もう非常に緊迫した状況になっているんだ、むしろ銀行のそういった経済の自浄能力に期待するんではなくて、公的資金をぼんぼんぼんぼん投入して政府なりがどんどん経営そのものにも介入したらどうだ、そうしなければブレークスルーというのはないんじゃないかというような、そういった意見もあります。そういった意見に対して柳澤大臣はどのような考えを持っておられるでしょうか。

村田吉隆自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村田吉隆君) 今、委員は、非常事態である、それをどうやって回避していくのかと、こういう御質問でございました。  私どもといたしましては、先ごろ改革先行プログラムの中間取りまとめというものをまとめまして、その中でも、金融庁関連部分の具体的施策として、一つは証券市場の構造改革、それから不良債権処理の強化と金融の活性化という項目を立てまして金融システム改革を進めていくということをうたった次第であります。  その中で、不良債権の最終処理でございますけれども、これは我々、自己査定、そして外部監査を通じまして金融機関が自主的にその債権を評価する。その後、金融庁が事後的な検査を行う。その後で銀行法に基づく、自己資本に問題があるということ、その他の銀行法上の問題があれば改善命令を出すということ、そういうことを通じまして金融機関の構造改革あるいは不良債権の処理を進めていくという一連のスキームに従ってやっていく。ただ、市場におきまして、市場のいろんな評価というものをできるだけ反映させるということから特別検査というものを導入したらどうかということでこれをやり始めたと、こういうことであります。  不良債権の最終処理でございますけれども、金融機関の収益力を向上させる、あるいは非効率な企業部門への効率化を図ると、こういうことで経営資源を成長分野に効率的に流れることを進めていくということであります。  それから、我が国の経済といいますか、これが間接金融に依存し過ぎているということから、これも証券市場の改革を通じまして直接金融の方に動かしていくと、こういうことをねらっているわけであります。

平野達男自由党

○平野達男君 何をやろうとしているかという具体策をお聞きしたんじゃなくて、今の状況をどのように考えているかということをちょっとお聞きしたかったわけですが。  今、短期金利がもう極端にゼロに近くなっていて、それでも景気の効果が出なくなっていると。あのケインズが流動性のわなという、リクイディティートラップという言葉を使って、これ以上金利が下げられない状況、一般の市民にとってみれば通貨を持っていた方が投資するよりはもうずっと楽だ、いいというような状況をリクイディティートラップというふうに言っていて、かつ、デプレッション、大恐慌になったときには、もうこれを脱出するときには政府の思い切った支出しかないというようなことを言って、実際やったわけですが、私ら、教科書ではそれでTVAとか何かで効果があったというふうに教えられたんですが、どうも最近では、それは効果がなくて、あのデプレッションそのものの脱出というのはもう戦争しかなかったんじゃないかというような、戦争の効果だったというふうな説もあるようです。  何を言いたいかといいますと、今の状況は、日銀も今は流動性のわなに陥っているというふうに認めていますよね。だけれども、まだデフレスパイラルにも入っていないし恐慌にもまだ入っていないと。だけれども、今、そういう局面に直面して構造政策をやろうとしている。だけれども、構造政策自体が、本当にそれが成功するかどうか、これもよくわからない。だけれども、これを一歩誤りますと、これが本当にデフレスパイラルという中に入っていって恐慌という状況になってしまいますと、今でさえ私らはこういう不況の脱出ができなくて四苦八苦しているときに、実は私らは何にも手段がなくなってしまうんじゃないかと、そういう危機意識というものを鋭く持っておく必要があるのかなというふうに思っているわけです。  そういう中で、今までの議論を聞きますと、例えばインフレターゲティングもだめだ、もうそれは採用できない、それから積極財政もだめだ。私も積極財政については非常に危惧の念を持っているんですが、今の構造改革だけで、今のスキームだけでこれを乗り切るというふうに安易な、安易というか、そういうふうに安堵していいものかどうか。そういったことに対しての危惧の念を持っておりまして、今のこの状況を、何かの指標でもってある一定の枠を超えたらまた別な政策に入るんだというような、そういった二重の方式といいますか、縦深陣地といいますか、そういった方策をとる必要があるんじゃないかというふうに考えますが、何かコメントがあればお聞かせ願いたいと思います。

塩川正十郎自由民主党財務大臣

○国務大臣(塩川正十郎君) それは大いに議論のあるところでございまして、心配されると。そこに私はどうするかということの政治決定が一番大事なところだと思っております。  私たちは、やっぱり構造改革を進めるということに選択をいたしました。その理由は何かといったら、現在、日本の経済が閉塞状態にありますことは、あらゆる面で自由な活動を制限されてきていることになると思っております。先ほど例に出ました携帯電話の例をとるまでもなく、今度はNTT自体の経営のあり方につきましても、もっとこれをオープンにすることによって新しい需要を開拓してくれるんではないかということが思われますので、したがって、これは時間ございませんで申し上げられませんが、私たちは、経済構造を改革していくこと、そして財政においても財政構造を改革することによって新しい時代に対する刺激が起こってくる、その刺激が大事なんだと思っております。

平野達男自由党

○平野達男君 ちょっと次の質問に移らせていただきますが、先ほど柳澤大臣が銀行の貸し出しの姿勢についてということでコメントしていただきましたので、もうあれで答えになるのかなという気はするんですが。  先般も日銀総裁に同じような質問をさせていただきましたけれども、いわゆるバブルのときに、私が聞いてきた話では、もう銀行というのは、土地がどんどんどんどん値上がりしていますから、貸し出し物件を審査するときにはもうほとんど何も、極端な話をすればしなくてももうどんどんどんどん貸し出しができた、いわゆる担保がしっかり、裏づけがあるために貸し出しが安心してできたというような状況にあったと思います。  今、御承知のように、土地はどんどん値下がりしている。そういった中で銀行が、そういったバブルの中での貸し出しでそういった状況を経験していますから、どうもその審査能力が本当に大丈夫なのかなと。片方で確かに、BISの導入とか不良債権の処理とか、そちらの方に労力を割かなければならないということもありますけれども、銀行のいわゆる姿勢が本当に大丈夫なのかなというような懸念を持っておりますけれども、柳澤大臣はどのように考えておられるでしょうか、とらえておられるでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、委員がお話しになられたことはある意味で当たっているわけであります。バブル期に担保主義が行き着くところまで行き着いたというか、要するに審査部門なんというのはもう要らないじゃないかというようなことで、これを本当に廃止してしまった銀行すらあらわれたと、こういうことが事実としてあったようでございます。私もそれを聞いております。  これはどういうことかというと、貸し出しに当たって、本来金利等に反映させるべき信用リスクというものを担保でカバーをしてしまうということになるわけでございまして、そうすると、Aに対する貸し出し、Bに対する貸し出し、ともに信用リスクの部分は担保でカバーされちゃいますから、実際の事業の信用力というようなものに差があるにもかかわらず、金利は同じというようなことが起こってしまったということであるわけです。  そういうことが行われた結果、そういう担保による信用リスクのカバーということが今非常に難しくなったということの中で、審査能力というか、いわば情報能力ですが、この情報能力の再構築をしなければいけないということになってきたし、またその情報でつかんだ信用リスクというものを金利に反映させなければならない、こういうようなことが現実から要請されているというところに来ているわけでございますが、ここのあたりは私もなかなかいわく言いがたいところがあるんですが、じゃ、審査機能というものをそこまで軽視してしまった期間というものがどのぐらいあったんだと。  そうすると、その経過後、いややはり審査能力は、審査部門は必要なんだといって再構築したときに、そういう人材というのがそんなに調達するのが難しいのか、あるいは再興するのが難しいのかと。なかなか判断の難しいところでございますけれども、今、懸命にその再構築を図っているということが現況かというように思っております。

平野達男自由党

○平野達男君 時間がなくなってまいりましたので関連してちょっと質問したいんですけれども、今、土地の価格がどんどん下がってきている。一説によると土地本位制という言葉がございますけれども、土地が基礎となって金融がしっかりしてきたと。今はその土地の本位制が崩れているというふうに言われていまして、土地にかわる担保物件というんでしょうか、そういったものがあるでしょうか。それはどのようにお考えになっているでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) かつての土地が持っていたような担保力、あるいは金本位制というようなもので本位という言葉があらわしていたような、そういう力がほかに何かあるかと言われれば、私はないということだろうと思っています。

平野達男自由党

○平野達男君 ほかに何点か通告しておりましたけれども、時間になりましたから、これは次回に譲らせていただきます。  どうもありがとうございました。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 次に、銀行法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。  なお、本案は衆議院において修正議決されましたので、この修正部分につきましてもあわせて政府から説明を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま議題となりました銀行法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  昨今、金融業以外の事業会社による銀行業への参入の動きが本格化してきていること等、銀行業、保険業その他の金融業等を取り巻く社会経済情勢は著しく変化してきております。  このような状況のもと、銀行等の株主に関する制度の整備を行うとともに、金融における新たなビジネスモデルに対応した環境整備を行うことにより、銀行等の健全かつ適切な経営を確保し、その信認の向上を図りつつ、我が国金融の活性化を図るため、この法律案を提出することとした次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、銀行等の経営の健全性確保の観点から、銀行等の発行済み株式の五%を超える株式の所有者については、その株式所有に関して届け出ることとするとともに、原則二〇%以上の株式の所有者については、銀行経営等に対する実質的な影響力に着目して主要株主と位置づけ、株式所有の目的や財務面の健全性等に基づいて、あらかじめ認可を受けることとしております。これらの株主に関しましては、特に必要な場合における報告等の徴求や立入検査等、適切な監督の仕組みを設けることとしており、また五〇%を超える株式を所有する主要株主に対し、特に必要があると認めるときは、銀行等の経営の健全性確保のための措置を求め得ることとしております。  第二に、金融における新たなビジネスモデルに対応した環境整備を図るため、銀行の営業所の設置等について、認可制を原則届け出制に改めるとともに、銀行、保険会社及び協同組織金融機関について、子会社における従属業務と金融関連業務の兼営を認めるなど、所要の制度整備を行うこととしております。  以上が銀行法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。  なお、本法律案は衆議院において一部修正されておりますが、その概要は次のとおりであります。  原案では、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律の一部改正等の規定の施行期日が平成十三年十月一日となっておりましたが、これを公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日に改めることとされております。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○委員長(山下八洲夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十八分散会

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