国民生活・経済に関する調査会 第2号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/11/21
会議録
○会長(勝木健司君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十月四日、鴻池祥肇君が委員を辞任され、その補欠として中島啓雄君が選任されました。 ─────────────
○会長(勝木健司君) まず、本調査会の調査項目について御報告いたします。 調査項目の選定につきましては、理事会の協議によることとなっており、理事懇談会を中心に協議を重ねてまいりました。その結果、本日の理事会におきまして、お手元に配付いたしておりますとおり、調査項目を「真に豊かな社会の構築」とし、グローバル化が進む中での日本経済の活性化と社会経済情勢の変化に対応した雇用と社会保障制度のあり方をサブテーマとすることで意見が一致いたしました。 また、この調査テーマのもと、主な調査の内容につきましては、日本経済をめぐる諸問題、雇用環境の変化とその対応策、国民生活の変化に応じた社会保障制度のあり方などについて調査を進めていくことといたします。 何とぞ委員各位の格別の御協力をお願いいたしたいと思います。 ─────────────
○会長(勝木健司君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活・経済に関する調査のため、本日の調査会に内閣府大臣官房審議官谷内満君、内閣府政策統括官小林勇造君、内閣府政策統括官坂篤郎君、法務省民事局長山崎潮君、財務大臣官房審議官木村幸俊君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、厚生労働大臣官房審議官水田邦雄君、厚生労働省職業安定局次長青木功君、農林水産大臣官房審議官山野昭二君、農林水産省総合食料局国際部長村上秀徳君、林野庁長官加藤鐵夫君、経済産業大臣官房審議官桑田始君、経済産業大臣官房審議官濱田隆道君、経済産業省製造産業局長岡本巖君、中小企業庁次長小脇一朗君、国土交通大臣官房審議官榎本晶夫君及び国土交通省総合政策局長岩村敬君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(勝木健司君) 次に、国民生活・経済に関する調査を議題とし、「真に豊かな社会の構築」のうち、改革先行プログラムについて政府から説明を聴取し、その後、質疑を行うことといたします。 まず、内閣府より説明を聴取いたします。内閣府小林政策統括官。
○政府参考人(小林勇造君) 内閣府で経済財政を担当しております小林でございます。よろしくお願いします。 座って説明させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
○会長(勝木健司君) どうぞ。
○政府参考人(小林勇造君) それでは、お手元に改革先行プログラムが配付されていると思いますが、まず一ページ目をめくっていただきたいと思います。 この改革先行プログラムは、十月二十六日に経済対策閣僚会議で決定されたものでございます。 まず、目次を見ていただきますと、第一章が「基本的考え方」、「我が国経済の現状」、「基本的考え方」、それから第二章が「具体的施策」ということで三つに分かれておりまして、一つが「経済を活性化し、新産業・チャレンジャー、雇用を生み出す制度改革・環境整備」、それから二つ目が「雇用・中小企業に係るセーフティーネットの充実」、三つ目が「構造改革を加速するために特に緊急性の高い施策」という立て方になっております。 おめくりいただきまして、まず「基本的考え方」です。 一が「我が国経済の現状」。ここでは三点書いてございます。一行目にございますように、我が国経済の現状を見ると景気は悪化を続けていると。今月の月例経済報告では、一段と悪化しているという認識に立っております。それから、真ん中のところに、「さらに、」ということで、いわゆるデフレの状況にあるということで持続的な物価下落が続いているということ。それから、最後のところでございますが、先般のアメリカにおける同時多発テロ事件の世界経済への影響など懸念が強まっているということで、ダウンサイドリスクが非常に強いというような認識を持っております。 そこで、「基本的考え方」ですが、「政府は、」というところで書き出しておりますが、六月に概算要求の前に、ここにございます「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」、これを閣議決定しております。いわゆる骨太の方針でございます。この方針をもとに聖域なき構造改革を進めているのが現在の状況でございますが、ここで書いてございますように、現在、景気は一で見たように雇用情勢を含め厳しい状況にある。しかし、この状況に単なる公共投資等による従来型の需要追加策によって対応し、日本経済にとって必要とされる構造問題の解決を先送りにしてはならない。むしろ、このような時期にあってこそ、経済の潜在的な成長力を生かすためにも構造改革を加速させていく必要があると。これが基本的な考え方でございます。 次をおめくりいただきまして、二ページ目でございますが、それではこの改革先行プログラムは三つの目標を達成するために策定されたということで、第一が、経済の活性化、民間部門が生き生きと活動できるようにすると。それから第二が、雇用と中小企業等への影響に配慮してセーフティーネットの整備に万全を期すると。それから第三が、IT化や少子高齢化といった時代の流れに対応するということでございます。 そして、この目標を達成するために五つの施策の柱を立てております。一つが、まず規制改革でございます。それから二つ目が、証券市場・金融システムを改革して、資源が効率的に成長分野に流れるような環境を整備しようと。それから三つ目が、若年者の就職を支援するとともに、中高年齢層を中心にたとえ離職した場合であっても早期に再就職できるよう措置し、あわせて失業者の生活安定を図り雇用面でのセーフティーネットを整備すると、これが三つ目でございます。それから四つ目が、中小企業等の創業とか経営革新を支援するとともに、連鎖的に破綻することを回避しようというようなこと。それから五点目が、国民の利便性の向上、IT革命の進展を踏まえた人材育成、女性を初めとする個人や民間企業の潜在力の発揮などの分野で構造改革を加速するための緊急性の高い施策を重点的に推進するという考えでございます。 それで、三ページ目でございますが、この「基本的考え方」のところで二つほど重要なことが書いてございます。三ページ目の「なお、」というところに書いてございますように、構造改革を進める中で経済情勢によっては大胆かつ柔軟な経済運営を行うこととすると、これが一点でございます。それからもう一点は、金融政策に関しまして、日銀においても経済、物価の先行きや政府における本格的な構造改革への取り組みを踏まえ、デフレ阻止に向けて適切かつ機動的な金融政策運営を行うよう期待するということで、金融政策に対する注文を出しております。 そこで、四ページ目からが具体の施策に入っております。 まず第一の経済活性化等でございますが、(1)が「規制改革等の積極的推進」ということで、まず、四角の枠に入ってございますように、規制を極力撤廃し、競争やイノベーションを促すこと等により、消費者・生活者本位の経済社会システムの構築と経済の活性化を図るということで、幾つかの分野に関して施策を書いてございます。 まず、①が「IT関連」でございまして、五年以内に世界最先端のIT国家となるとの目標の実現のため、e―Japan重点計画あるいはe―Japan二〇〇二プログラム、こういうものがございますが、これに基づき着実に施策を実施するとともに、以下の項目について加速・前倒しを行うということで、未利用光ファイバーの利用以下幾つかの項目が入っております。 それから、②が生活者向けサービス分野に関する規制改革でございます。 一つ目が医療でございます。 真に国民の求める医療制度のために医療サービスの質の向上と効率化、安心感があり透明・公平な制度を構築するとともに経済活性化を図るということで、レセプトの電子化等IT化の推進ということで、レセプト関係のIT化、それからレセプト審査への民間参入の拡大等々書いてございます。 それから、次が福祉・保育等でございますが、ここでも介護・保育サービスの量的拡大・質的向上を早急に進めるということで、民間企業を含む多様な経営主体の市場参入の促進等々でございまして、黒ぽつが幾つかございますが、例えば、株式会社によるケアハウス等の経営の解禁、あるいは保育所やケアハウス等の運営への民間参入の促進等々を掲げてございます。 それから、おめくりいただきまして、次が人材(労働)でございますが、ここでも構造改革の進展に伴う低生産部門から高生産部門への円滑な労働移動や、働き方に対する価値観の多様化に伴うさまざまな就労形態を実現するとともに、新しい労働者像に対応した二十一世紀にふさわしい労働市場システムを構築するということで、四つの黒ぽつが打ってございますが、ここに書いてございますように、派遣労働の問題、それから有期労働契約の問題、裁量労働の見直し、あるいは職業紹介事業の抜本的緩和というようなことが掲げてございます。 それから、教育のところでございますが、大学教育におきましては、競争的な環境の整備を通じて教育研究活動の活性化を図る、あるいは初等中等教育においては児童生徒の能力だとか適性に応じた教育機会を提供するため、学校の透明性を高め、多様化を進めるということで、例えば、競争的資金による研究者の雇用と博士課程学生の給与型支援の拡充、あるいは大学教員の任期制の推進等々が書いてございます。 それから、ホが環境でございますが、健全で恵み豊かな環境を将来世代へ継承するため、循環型社会の構築、地球温暖化問題への対応、自然との共生等を推進するということで、自動車リサイクル法案だとか、あるいは関連する改正法の提出、以下幾つかの対応をここに書いてございます。 それから、規制改革の最後でございますが、都市の再生というのを書いてございまして、不動産関連情報の一層の開示等による不動産市場の再構築、都市の効用の増進及びマンション等の建てかえ需要への適切な対応等の制度の整備ということで、ぽつが五つほどございますが、例えば、固定資産課税台帳の縦覧対象範囲の拡大等、これまでは自己資産のみだったのを他の資産との比較も可能にするような、そういう改革を導入しております。 その次、八ページ目でございますが、証券市場・金融システムの構造改革、①がまず証券市場の構造改革でございます。 真ん中の二つ目のパラグラフのところでございますが、証券税制については貯蓄優遇から投資優遇への金融のあり方の切りかえなどを踏まえ、透明性・公平性の高い証券市場の構築に資する観点から、十五年一月から上場株式等に係る譲渡益について、申告分離課税への一本化、税率の引き下げ、譲渡損失の繰越控除制度の導入等を図るということ等がここに記されておりまして、所要の法案をこの臨時国会で御審議いただくという手はずになっております。 それから、②が不良債権処理の強化と金融の活性化でございます。 今回、不良債権処理については、この先行プログラムにおきまして幾つかの新しいイニシアチブが盛り込まれております。 九ページ目のロの、銀行の健全性確保のための迅速かつ厳格な対処ということで、五行目ぐらいの二つ目のぽつでございますが、さらに市場の評価に著しい変化が生じている等の債務者に着目した特別検査を主要行の自己査定期間中に実施することにより、企業業績や市場のシグナルをタイムリーに反映した適正な債務者区分及び償却・引き当てを確保する、特別検査は十月中に開始するということで、既に十月二十九日から開始しております。 それから次のページ、十ページでございます。不良債権の処理に関してハというところでRCC等による不良債権処理と企業再建ということで、預金保険機構・RCCは不良債権の買い取りについて価格方式を弾力化するとともに、時価による買い取り、入札への参加を可能とした上、十五年度末までに集中的に実施するということで、十五年度末までに集中的に不良債権を買うということ、それから三つ目のぽつでございますが、日本政策投資銀行、民間投資家、RCC等に対し企業再建のためのファンドを設立し、またはこれに参加するよう要請するということで、再建ファンドをつくったということでございます。 お時間の関係で少し省かせていただきますが、十一ページ、二の雇用・中小企業に係るセーフティーネットの充実ということでは今国会で雇用対策臨時特例法案を御審議いただく予定でございまして、①の民間活力の活用による職業紹介機能の充実、それから十二ページ目では職業能力開発の拡充、さらに③の再就職の促進と失業者の生活の安定、さらに十三ページ目では、新公共サービス雇用ということでさまざまな公共サービスに対して新しい雇用を生み出そうと。それから、十四ページ目が中小企業対策ということで中小企業のセーフティーネットの充実、特に最初のぽつ、売掛金債権の担保保証制度の新設等がございます。さらに十五ページでは、創業・経営革新の支援ということ、それから環境変化に直面する事業の構造改革、それから十七ページ目からが構造改革を加速するために特に緊急性の高い施策ということで六項目にわたって施策を盛り込んでおります。 一つ目が電子政府の実現、それから十八ページ目、(2)でございますが学校の情報化の推進、それから(3)が保育所待機児童ゼロ作戦の推進及び放課後児童の受け入れ体制の整備、(4)が廃棄物処理施設の緊急整備、(5)が産学官連携による地域科学技術振興を通じた地域経済再生のためのイノベーション、それから二十ページ目が(6)で、都市再生・まちづくり、公的施設整備に資するPFIの推進、以上がこのプログラムでございまして、最後のページのところをめくっていただきますと、このプログラムに要する国費ということで一般会計ベースで一兆円の国費をこれに計上しているということで、先般の補正予算がこの国会で通りましたので、これに沿って着実な施策の実行を図っていきたいということを考えております。 以上でございます。
○会長(勝木健司君) 以上で政府からの説明聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加治屋義人君 どうぞよろしくお願いいたします。 「育てよう 森の木 町の木 みんなの木」、これを大会テーマとして、去る十一月十八日に第二十五回全国育樹祭が盛大に開催をされました。かけがえのない森林をみんなで支えながら次の時代へしっかり引き継いでいこうよという、大変心強く、また今の私たちに強く求められている問題であった、そういうふうに思っておりますが、加藤林野庁長官には御臨席をいただいて、その感想をいただきたい。ともに、今後の二十一世紀に対する森づくりへの決意のほどもお伺いできればと思っています。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、先生からお話がございましたとおり、鹿児島県の霧島山ろくで第二十五回全国育樹祭が開催されたわけでございまして、皇太子殿下御臨席のもと、全国各地から緑の少年団を含めまして約七千名の参加を得て行われたということでございまして、大変盛会であったというふうに考えております。 新たな、今、森林・林業基本法を我々つくったわけでございますが、この理念では、森林の有する多面的機能の持続的発揮を実現するには国民各層の参加と合意を得て森林整備、保全を推進していくことが重要だというふうに考えておりまして、こういう国土緑化運動の象徴的な行事でございます全国育樹祭は、そういう意味でも大変重要でございますし、また国民意識の醸成、高揚を図る上でも大きな役割を担ったものだというふうに考えているところでございます。 今後は、今申し上げましたような新たな基本法に沿いまして、森林整備を効果的、効率的に進めていきたいというふうに思っているところでございまして、今回は重視すべき機能に応じて森林を区分いたしまして、その機能が最大限に発揮されるような施策体系をとっていきたいというふうに考えておりますし、また国土緑化運動の展開や市民の方々によります植樹活動の促進など国民参加の森づくりを一層推進して、多面的機能を持続的に発揮し得る多様な森づくりを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加治屋義人君 森林に関連して伺いますが、先般成立をしました補正予算において新公共サービス雇用に要する経費、三千五百億円分が計上されています。その中に森林作業員による森林整備の強化等が挙げられているわけであります。森林は国土の保全、水資源の涵養など公益的機能を発揮しておりますが、森林の整備を担う林業や山村を取り巻く環境は極めて厳しくて、まさにこの分野において公共部門が果たす役割がますます重要になっております。このことを受けて改革先行プログラムにうたわれたものと、そういうふうに思っています。 このような観点からお尋ねをいたしますが、第一点は、改革先行プログラムにおいて新公共サービス雇用の例として森林整備の強化が挙げられたのでありますが、経済財政諮問会議として、森林の整備が地域のニーズが高いことやまた改革全体の観点からも進めていくべき事業であるというふうな認識に立った上でのことだと承知をしておりますが、そのように理解をしていいのか伺いたいと思います。 第二点目でありますが、新公共サービス雇用、これはあくまでも今後二、三年の集中調整期間における雇用問題への対応の観点から緊急性の高い施策として講じられているものであります。一方、構造改革は、改革先行プログラムの基本的考え方にも示されているように、一つの道筋に従って中長期的な視野に立って取り組むべきものであると思っております。しかし、今回の構造改革がそのような形で進められようとしているのか、私は最近の経済財政諮問会議における審議経過を見て大変懸念をするものであります。先行プログラムにおいては、基本方針の重要七分野の一つである環境型社会の構築など環境問題にも該当をすることから、地球温暖化問題などもあって、森林整備はしっかりやりますよ、そういうことだと思っておりますが、一方では、来年度予算編成の基本方針の審議の中では、治山事業と森林整備については整備のテンポをおくらせるとかあるいは抑制をするとなっております。まさにこの議論は一貫した理念がないのではないか、私はこういうふうに理解をするわけであります。 そこで伺いますが、十四年度予算編成にかかわる基本方針は、改革先行プログラムなどの取り組みの方向と矛盾したものとならないように、特に森林整備の強化を図るという改革先行プログラムにおいて示された考え方と一貫性が保たれるべきだと思っておりますが、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(坂篤郎君) 私から、先生の御指摘の最初の方の点についてお答えを申し上げたいと存じますが、森林整備につきましては、先生御指摘のように、あるいは先ほど小林統括官から御説明申し上げましたように、改革先行プログラムにおきまして「森林作業員等による森林整備の強化等を通じて環境保全を図る。」という文章が入っております。 また、ちなみに、改革先行プログラムというのは先行する分ということでございますが、それのもうちょっと根っこになっている改革工程表という書類がございます。この改革工程表におきましては「森林整備の実施による緊急雇用対策を行うとともに、木材産業の経営革新に向けた取組を推進する。」という表現がございます。 このように森林整備につきましては、地球環境の保全でございますとか、あるいは御指摘のように雇用対策でございますとか、あるいは木材産業自体の経営革新に役立つものということで、構造改革の中で実施されるべきものであるというのが経済財政諮問会議のお考えだというふうに私ども理解いたしております。
○政府参考人(小林勇造君) 森林整備の強化に関しまして、十四年度の予算編成の基本方針に関して、さきの骨太の方針と矛盾することにならないのかということでございますが、私どもとしましては、この十四年度の予算につきましては、これから経済財政諮問会議における審議を経まして十一月末を目途に予算編成の基本方針の考え方を示していきたいと考えております。その際には、当然、さきの骨太の方針というものを踏まえた取り組みが記述されていくというふうに考えております。
○加治屋義人君 大切な分野でありますだけに、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 今、小泉内閣によって構造改革が進められております。改革の中身を見ると、これまであったものを廃止したり削減したりする部分と新しく構築したり創出したりする部分があります。 私は、構造改革に国民も参加をして、地方自治体も含めた全国的国民運動にしたらどうか、こういうふうに思っております。国全体のこと、そして自分たちの生活に直接かかわる改革でありますから、国民が傍観者であってはならない。ともすれば、小泉さん改革する人、私たち痛みを受ける人、そういう世間の風潮であるような気がしてなりませんが、これは大きな間違いではないか、そういうふうに思っています。構造改革を我が事として受けとめ、積極的に参加することが民主主義であり、この構造改革をもし失敗させたとするならば永久に日本の再生はできないのではないかと大変危惧をいたしておりますだけに申し上げているところであります。廃止したり削減したりするのは政治でできますが、構築したり創出したりするのは民間にゆだねるしかないのではありませんでしょうか。 このような前提のもとに地方自治体と民間が一体となって自分たちの改革計画と実行を推進することとして、例えば県別のコンテスト的発想の競争原理が働くような国民参加のよりよい手法を真剣に考えないと構造改革は実現できないのではないか、そういうふうに思ったりいたします。 所見をお伺いしたいのであります。
○政府参考人(小林勇造君) 今御指摘ございましたように、構造改革というのは国民経済のために行うという基本的な考え方でございます。 ただ、この構造改革に関しましては、地方自治体なりあるいは国民生活というものと非常に密接に関係するということで、当然国民の理解だとかあるいは地方の理解というものを得ながら進めていくということにしております。このため、政府としては、これまでタウンミーティングあるいはメールマガジンなどを通じて国民との対話、理解を図るように進めておりますが、今後とも国民との対話を重視しながら構造改革を進めるという方針でございます。
○加治屋義人君 景気の悪化に伴って失業者がふえて、ついに五・三%と戦後最悪の状況にあります。未登録の失業者を含めると九%とも言われております。今国会でもこのことを最重要課題ととらえ、構造改革に関する基本方針及び本調査会でも重要なテーマとして挙げられています。対策として、新公共サービス雇用に三千五百億円が計上されるなどしておりますが、このように国による失業対策は当面の一時しのぎの感を免れないと思っています。経済のパイを大きくするために創業や起業をもっと振興、促進することが大事ではないか、そう思ったりいたします。 本調査会の調査項目の中に心の豊かさを実現するための教育という項目が見られます。私も心の教育ということでは前々から問題意識を持っておりますが、きょうは経済回復や雇用とのかかわりで教育改革に触れたいと思っています。 我が国の戦後教育は、知識をどれだけ記憶したかで優劣を決めることにこだわり、それらを人間生活にどう活用するかといった知恵を磨くことや、人格を高め、志を高め、他人への思いやりなどといった面をなおざりにしてきたように思えてなりません。偏差値競争の結果、五%の勝ち組と九五%の負け組をつくり、総体的にはサラリーマンの養成をしてきたと言えるのではないでしょうか。今、日本が無気力になり、難局に直面しても、なすすべを知らない状況に陥っているのも教育と無関係ではありません。 これからの教育は、自立心の強い自営業志向の人間を養成する方向に重点を移行した方がいいのではないか、そのようにかねがね思っております。あわせて、学問分野としても人間学や企業学といったものを開発されて導入されることが望ましいのではないかと、そういうふうに思います。例えば、大学再編成などを実施する際などに検討すべきと思っておりますが、所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(工藤智規君) 大学の教育問題についての高い御識見をお聞きさせていただきました。 まさに大学で行っております人材育成というのは、社会の各層から必要とされる人材育成ということでございまして、各大学がそれぞれ競ってそれぞれの個性を生かしながら行っているところでございます。残念ながら、受験競争の中で一部知識詰め込みではないかという御指摘もございましたけれども、各大学がカリキュラムの編成など大変工夫を凝らしてやってございまして、今の特に経済再生への貢献、あるいは起業家マインドを持った人材の育成という観点で申しますと、国公私を通じてそのための講座、講義を大変たくさん工夫しながら設けておりますとか、あるいは学部学科でも専門のものを設けて人材育成に工夫を凝らしているとかいうことを行っているところでございます。 そういう面も含めまして、各界の御要請にこたえた大学改革、大学教育の充実に私どもは努めてまいりたいと思っております。
○加治屋義人君 時間がありませんが、それぞれ御答弁をいただき、まことにありがとうございました。 今、構造改革をよい形で進め、成功させることが我が国にとって大事なことであります。本調査会の一員として雇用問題を解決し、経済の再生が近い将来実現することを心から願って、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○松山政司君 それでは、質問をさせていただきます。 構造改革なくして景気回復なしというのが小泉内閣の要はキャッチフレーズであるわけであります。抜本的には、低生産性・低成長分野から高生産性・高成長分野への移行なくして日本の経済が本格的な回復の軌道に乗ることはあり得ない、このことはだれもが認めることであろうかと思いますし、私自身も、第三の大変革の真っただ中であるだけに小泉改革の断行を力強く今日まで訴えてまいりました。 先ほど御説明いただいた先行プログラムがそうした趣旨にのっとって速やかに実行されることを私も強く願っております。しかしながら、このプログラムも、タイミングを逃したりあるいは順序を間違えたりすると必要以上の苦痛を国民に強いることになりはしないか、そんな議論のポイントはそこにあろうというふうに思い、きょうは短時間ではありますけれども、私は中小企業問題を中心に御質問させていただきたいというふうに思います。さらに、時間がございましたら、激変が予想される農業問題等々にも触れさせていただきたいというふうに思っております。 私は、一昨年まで、四十歳までの主に企業経営者で構成される青年会議所という組織の中に所属をしておりました。ほとんどが中小、もっと言えば中小零細とも言える企業を経営しながら、その若干の余力を使ってそれぞれの町で町づくりをするという、そんなボランティア団体であります。 たまたま、その中で責任ある立場についておりましたので全国を回らせていただきました。中小企業は、御承知のように事業ベースで日本経済の実に九九・三%、従業員数で八〇・六%を占める、その実態を、各地で悪戦苦闘するそのさまをこの目で見てまいりました。いろんな形で確認することができたわけですが、この日本経済を生産、雇用の両面から支えていると言っても過言ではない意欲ある中小企業が今や未曾有の危機に襲われている、このことは本当に憂慮すべき問題であるというふうに思っております。 最初に、二点ほど続けて質問させていただきたいと思いますけれども、資金繰りの問題であります。 意欲ある中小企業は、この当面の危機を乗り切るために、融資制度というものは非常に緊急な問題でありますけれども、平成十三年度は別枠で四百五十万円上乗せをされたマル経融資の制度ですけれども、非常に使い勝手もよくて需要が多い。この現状を見ますと、この別枠と本枠とを一本化するということもぜひ前向きに検討ができないものかどうか、御見解をお聞きしたいということ。 それから、もう一つ続けて御質問いたしますけれども、現在余りにも過酷過ぎる個人保証制度の問題であります。 多くの中小企業経営者は金融機関から融資を受ける際に、個人の土地や建物を担保に入れて個人保証を御承知のように行っております。倒産時に基本的な生活権すら侵されるケースが多々あるわけでございます。民事執行法の第百三十一条を受けて、差し押さえが禁止される金銭の額は、施行令第一条で二十一万円とされておりますけれども、今日二十一万円で生活すると、非常に厳しい状況だと思いますし、米国では三万ドルが保障されておりますし、個人の住居やあるいは自家用車などは手放す必要はない、そんな状況であります。 せめてその程度の状況までは保障すべきではないかというふうに思っておりますけれども、御見解をお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(小脇一朗君) お答え申し上げます。 いわゆるマル経融資につきましてのお尋ねでございます。マル経融資の貸付限度額に関しましては、平成九年度の緊急経済対策によりまして、本枠五百五十万円に加えまして別枠四百五十万円を設けまして、合わせて一千万円まで融資可能といたしました。以降、毎年度、特例措置として実施をいたしているところでございます。 特例措置であります別枠を撤廃いたしまして本枠との一体化を図るということは、別枠が景気対策による時限措置として実施をしているというところから難しい面はございますけれども、昨今の厳しい経済情勢の中、小規模事業者向けの融資制度としてこのマル経融資制度は大変重要性を増してきております。使い勝手のよい融資制度という御指摘もいただきました。引き続き、私ども、平成十四年度におきましても、一千万円まで融資可能となるよう貸付限度額の特例、それに加えまして貸付期間の延長を実施すべく要求をいたしているところでございます。 以上でございます。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま差し押さえ禁止財産の点について御質問がございました。 委員が御指摘のとおり、民事執行法に規定もございます。同種の規定は破産法にもございます。現在、法務省では、破産法の大改正に着手しておりまして、法制審議会で検討を続けております。その中で、差し押さえ禁止財産の問題につきまして検討項目の一つに入っているわけでございます。 この問題につきまして、たしか、今委員御指摘のように、アメリカの例が出されましたけれども、二つの考え方がございます。まず、債務者の経済生活の再建を容易にするという観点から広げるべきだという意見は当然ございます。それともう一方は、やはり債権者、債務者のバランスの問題でございますので、これを広げることによりまして、今度、債権者に対する配当が減るという問題になります。 それからもう一つは、やはり債務者のモラルハザードの問題をどうするのかという問題もございまして、両方のバランスの問題がありまして、これは両者の意見がございます。 現在、私どもも、その調整をして、なるべく早く成案をもって改正案が出せますように検討中でございます。その検討の結果をお待ちいただきたいと思います。
○松山政司君 今、二代目、三代目の後継者、特に若い世代の方々には、やはり既存の企業の中で新しい分野を開拓したり、あるいは新規に企業を立ち上げる、そんなことに懸命に努力をして、考えに考え抜いて頑張っておられる方がたくさんいます。 そんな中で、先代から受け継いだ自分の本体、伝統ある企業が揺らいだり、あるいは倒産の失敗に陥ったらと、そんな不安がどうしてもぬぐえなかったりするという現状もあるわけで、ぜひとも緊急な課題として重要視していただきますことをお願い申し上げたいというふうに思います。 続きまして、もう一つは事業承継税制に関してであります。 改革先行プログラムにおいても、若干、創業支援が新規産業にシフトし過ぎているような気がしてなりません。門前の小僧習わぬ経を読むということわざもありますけれども、子供のころからそのような環境にあって、商売のセンスみたいなものを知らず知らずのうちに踏まえて、相続税を初めとする過酷な事業承継のために、そんなことを身につけていながらもなかなか一歩前に踏み出せないという現状があるのも事実でございます。 そんな二代目、三代目、これもまた同じように後継者には一歩を踏み出せない、そんな現状があるというふうに思うわけですけれども、そんな若手の彼らにも本当にもっともっと自由に経営革新をしてもらうために、将来的には相続税の全廃も含めて検討していただきたいと思うものであります。 中小企業の経営者の多くは株式や土地などの事業資産を保有しておりまして、相続税の納税のためにその資産を切り売りするようなことになってしまうと事業継続が難しくなります。そのために、現在は、個人事業者の事業用宅地については、平成十三年度の租税特別措置法の改正で適用対象面積が三百三十平方メートルから四百平方メートルに引き上げられたと。 しかし、これも、米国では連邦遺産税いわゆる相続税が段階的に引き下げられて二〇一〇年には廃止をされるというふうに聞いております。また、フランスでは事業用資産や株式の相続については五〇%を控除されております。ドイツでも五十万マルクを控除の上、残額から四〇%控除がなされておると。 先般、十月の二十五日の新聞報道で、塩川財務大臣は、中小企業の経営を子供らに引き継ぐ場合に事業承継を条件に資産への相続税を軽減する優遇策を検討するというふうに伝えられております。我が国においても、諸外国と同様に、例えば五年程度の事業継続を前提として課税対象額の五割を控除するなどといった、そんな制度を創設すべきではないかと思いますが、御見解をお聞きしたいというふうに思います。
○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。 中小企業の事業承継の問題につきましては、これはこれまでも相続税を引きまして本当にさまざまな議論が毎年のようになされてきているところでございまして、ただいまも委員から御指摘がありましたように、事業用の小規模宅地等の課税の特例など、最大限の配慮を行ってきているところでございます。 それで、御指摘の中小企業の事業承継円滑化のためにさらなる優遇措置を講ずるということにつきまして、事業承継の実態等を踏まえまして、これまでとられてきた優遇措置との関係とか、さらには親の財産に依存せずにみずから起業する、そういった方々もございますので、そういった方々とのバランス、機会の均等とか、さらに我々給与所得者、サラリーマンの方々の相続税の負担、そういったものとのバランスとか、そういったいろいろのものを含めまして検討していかなきゃならない問題であると考えております。
○松山政司君 税制の問題につきましては、相続税に限らずに、とにかくこのような所得再配分に近いこのような税制、もっと言えば、あしき平等主義のようなことが意欲ややる気やあるいはチャレンジ精神みたいなものを阻害する要因になっているということ、そしてそれが日本経済のダイナミズムを喪失させる要因になっているということを危惧するものであります。 先ほど申し上げましたように、青年会議所のような団体を初め、全国の各地にやる気のある後継者、若手の多くの方々が本当に数多くおります。それぞれ各地で必死に歯を食いしばって頑張っておりますので、彼らのそんなパワーを日本経済再生の源として活用することができますように、制度、税制の再考を期待したいというふうに存じます。よろしくお願いを申し上げまして、私の質問にかえさせてもらいます。 ありがとうございました。
○会長(勝木健司君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(勝木健司君) 速記を起こしてください。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 私は、本日、大きく二つの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 まず、一つ目の問題は、日本が抱える構造的な問題は何なのか、これについて内閣府の皆さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。 私は、九〇年代の初めアメリカに留学をしておりましたのでよく覚えているんですが、アメリカは、九〇年代の初めころまで非常に景気はどん底状態にございました。本当に、町を歩けばそこらじゅうにホームレスの方々がいる、そんな状況がまさにアメリカの九〇年代の初めころでございました。しかし、その後急激な景気回復をしたというのは、もう皆さん御案内のとおりだと思います。 こういうふうに急激な景気回復をした国はほかにもございまして、例えばお隣、韓国。九七年末にはIMF通貨危機によって韓国経済はどん底に落ちた。しかし、早くも九九年には一〇%を超える経済成長率を回復いたしました。 そしてまた、フィンランド。私は九月に行ってきたばかりでございますが、このフィンランドも九〇年代初頭、バブル経済の崩壊とそしてまた最大の貿易相手国であったソ連の崩壊によって、これまたフィンランド経済は奈落の底に落ちた。ところが、今では世界で最も国際競争力を有する国にまで成長を遂げたわけでございます。そんな中、なぜか我が国日本だけがいまだ景気低迷にもがいている、十年近くももがいているわけでございます。 こういった国々、急激な回復を遂げた国々を見てみますと、一つ共通して言えることが見えてくるわけでございます。それは何なのかというと、不景気のどん底の中でこういった国々は旧来型の産業からITなどのハイテク産業へとダイナミックな産業構造転換が起こった、それも比較的短期間でどっと起こった。そして、そういった新しい産業が古い産業に取ってかわってその国の経済を引っ張っていった。だから、短期間に景気回復が進んでいったわけでございます。 ところが、これが日本では起こっていない。日本で産業構造の転換が遅々として進まないのはなぜなのか。私は、その理由はまさに日本社会が抱える構造的な問題に求めることができるんではないかと思います。 そこで、お尋ねさせていただきたいのは、何が日本の産業構造の転換を阻んでいるのか、日本が解決すべき構造問題とは何なのか、具体的にお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(坂篤郎君) 先生御指摘の問題意識というのは、経済財政諮問会議でも基本的に同じような問題意識を共有しているんだろうと私は思います。 お尋ねでございますが、若干前後をくっつけてお話しさせていただきますと、我が国も従来、昔のことを考えますと、例えば農業から製造業への転換というのは非常に戦後物すごい勢いで起きたと。あるいは製造業の中でも、例えば造船というようなところから電子機器あるいはITといった、ITと申しますかDRAMの製造といったようなところに、実は日本も高度成長してきたときというのはそういうことが起きていたんだろうと思います。それが近年やや停滞しておるというのは、先生のおっしゃるとおりかと思います。 なぜかということでございますけれども、なかなか難しいんだろうと思いますが、基本的には戦後はキャッチアップ型経済と申しましょうか、ある種ほかの国にモデルがあったと、それに向けていくというようないわば目標があったんだろうと思います。そういうようなのにうまく機能するような仕組み、しかもそういう仕組みというのが非常にうまくできちゃうとほかにうまく転用できない仕組みというようなことになっちゃうんじゃないかと思いますが、その仕組みを変えないと新しい発展というのがなかなか難しいんではないだろうかと、こういうことなのではないかと思います。そういうのを解決するためには、したがって構造改革と申しましても、一つの問題というよりはいろんな問題が複合的に絡んでいるんではないだろうかと。 例えば、よく言われておりますのが不良債権を処理しなくてはいけない、それから、あるいは二十一世紀にふさわしい競争的な経済システムにしていかなくてはいけない、あるいは先ほど新しい産業ができるということを先生御指摘でございましたけれども、そういうことにしていくためにはやはり民間の方が自由に伸び伸び考えて、あるいは失敗することも当然あるわけですけれども、失敗してもまた再挑戦できるような仕組みにしておくというような伸び伸びした社会にしなくちゃいけないと。 それを例えて言えば、民間でできることはできるだけ民間にゆだねると。これは、伸び伸びという面と、それから経済社会全体の効率、いわば政府というものの役割を限定して経済全体の効率をよくすると、こういうことではなかろうかと思いますが、そのためには、民営化でございますとか、あるいは規制改革をすると。先ほど申し上げました伸び伸びという面をちょっと別な言葉で言いますと、頑張りがいのあるような社会システムを構築すると、そういったこと。 それから、あるいは財政構造改革といったようなことを包括的に進めていくと。また、包括的に進めていきますと、恐らく制度というのは、いわば制度の補完性というようなことがよく言われておりますけれども、それぞれにある制度がほかの制度と組み合わさって非常に強力にきいてくる、効果が出てくるというようなことがあります。逆に、いろんな制度を変えていきますと、あるときから全体としての効果が非常にうまく出てくる、構造改革の効果というのも出てくるというようなことではないかと思います。 改革工程表というのは御承知と思いますが、あるいはそのうち先にやる部分ということで改革先行プログラムというようなことを策定して、できるだけ早くいろんな構造改革をしていきたいというのが経済財政諮問会議のお考えだろうというふうに理解をいたしております。 以上でございます。
○内藤正光君 今の答弁の中に若干の答え、次に私がさせていただく質問の答えが含まれていたかもしれませんが、しかしあえてまたお尋ねしたいんですが、こういった日本の硬直状態といいますかいろいろな問題を抱えていると、これを解決する具体策というのをお尋ねしたいんですが。
○政府参考人(坂篤郎君) 先ほども若干触れましたが、例えば財政構造改革というもの、あるいは社会保障についても改革をしなくてはいけないというようなこと。 これは、例えば社会保障につきましては、制度として、財政問題だけではございませんで、社会保障というのは、年金にいたしましても医療にいたしましても、社会の仕組みの中で非常に大きな仕組みでございまして、これが効率的にいっているということは社会全体が効率的になるということのための重要な要件と、そのウエートが大きいだけに重要であるということがございます。プラス、社会保障につきましては国民に安心感を与えるという大きな役割がございまして、残念ながら、今国民の方々の間で、例えば年金でございますとか医療制度につきまして、これは将来も絶対うまくいくというふうに確信しておられる方というのは多分余りたくさんいらっしゃらない、どちらかというと大丈夫かなというふうに思っていらっしゃる方が多いんじゃないかと思いますが、そういう状況というのは、やはり経済の状況にもいろいろ影響を与える。 例えば、こういうことについて将来もちゃんと維持できていく、あるいは維持できていくということを国民の方にもおわかりいただけるようなことが必要と、そのためにはいろいろな改革をしなくちゃいけないというようなことがあると思います。 それから、先ほどちょっと触れましたが、規制改革というのがございます。規制改革につきましても、例えば総合規制改革会議というのがございまして、そちらで、七月の二十六日でございましたか、たしか、六分野についての中間取りまとめというのをなさいました。 その六分野と申しますのは、例えば医療でございますとか、あるいは福祉、教育、人材、環境、都市再生と。特に、最初の方に申し上げたものはどちらかというと公的な関与の色合いが強い分野で、従来、規制改革というのは対民間と申しましょうか、例えば価格の規制でございますね。例えば証券の手数料の規制とかそういうもの。そういうものは随分進んできたわけでございます。改革が随分進んできたわけでございますが、やや、もともと公的だと思われているような分野というのは余り今まで手がついていなかったということがございます、そういった分野。それから、あるいは都市再生というようなもの。都市というのも考えてみますと、基本的にはいろいろの規制とかルールでそもそも都市というのはでき上がっているんだということだと思いますが、したがって都市を再生していくのには合理的なルールじゃないとうまくいかないと。では、どういうルールがいいかといったような問題意識でいろいろと検討をされたようでございます。例えば、そんなようなことというのが進められていると。 余り体系的じゃなく例を挙げましたが、以上のようなことかと思います。
○内藤正光君 ありがとうございます。 産業構造の転換ということで言うと、実はもう一つ注目すべき点が、共通点があるわけです。それは何なのかというと、産業構造の転換が起こっているのは、これは決して国という単位ではなくて、地域という単位。地域の産学官の連携が原動力、推進力となってダイナミックな構造転換が起こっているわけです。 例えば、アメリカでもアメリカ全体というわけでは決してありません。例えば、最近で言えば、テキサス州のオースティン市であったりコロラド州のデンバーであるわけです。また、インドも産業構造の転換が起こったことで有名ではございますが、これもまたインド全体ではなくてハイデラバードだとかバンガロールとかいう、そういう州であり市であり町なわけですね。フィンランドも決して国全体ではなくて市だとかそういった地域単位で起こっているわけです。 こういった現状と我が国を照らし合わせて考えた場合、やはり経済の活性化のために我が国がまず取り組むべき課題、重要な課題の一つとして、いかに地方に自立性を持ってもらうか、これも重要な課題ではないか、ある意味ではこれも一つの大きな構造改革ではないかと思いますが、これに対する御所見をお伺いをいたします。
○政府参考人(坂篤郎君) 恐縮でございますが、いわゆる骨太の方針、これは六月二十六日に閣議決定した文書でございますが、正式には「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」という文書がございます、あるいは御承知かと思いますが。それの第四章というのが「個性ある地方の競争―自立した国・地方関係の確立」という表題でございまして、まさに先生がおっしゃったようなことではないかと思いますが、若干御紹介させていただきますと、それの一番最初に出てくる項目が、国の過度の関与と地方の個性の喪失という表現でございます。あるいは、地方が潜在力を自由に発揮できるような仕組みにしなくてはいかぬとか、あるいは個性と自律というようなことが書いてございます。 先生御指摘のように、それぞれの地方が基本的には自立をして、個性と創造性をそれぞれに発揮していただくと。先ほどもちょっと触れましたが、あるモデルがあるときにはみんなで一斉に一つの方向に動いていくというのが割合有効であることが多いんだと思いますが、モデルがないと、自分で考えて自分でそれをやってみるということがモデルがない時代には必要だということなんだと思いますけれども、そういう時代には、おっしゃるようにそれぞれの、さはさりながら、各地方のそれぞれが知恵と工夫で、それぞれの置かれた環境あるいはいろいろな有利な状況とか不利な状況とかあるわけでございましょうけれども、そうした中でそれぞれに頑張っていただく、お考えになるということは非常に重要なことだというふうに考えております。
○内藤正光君 ありがとうございます。内閣府はこれで結構でございます。 次の柱なんですが、働き方、もっと言うと働き方の変化ということについて厚生労働省さんにお尋ねをさせていただきたいと思います。 今までの私たち日本人の働き方というのはどういうものだったかといいますと、例えばなんですが、一つの例ではございますが、一家の大黒柱が家族全体を、全員を養い、そして奥さんはというと、子育てを終えた奥さんが家計の足しにということでパート労働をする、これ一つの典型的な日本人の働き方だと思います。 ところが、こういった働き方がこれからもずっと続いていくのかということなんですが、日本の一人当たりの給与水準というのは世界に比べると飛び抜けて高いということが言われております。なぜかというと、欧米というのは共働きを原則としている、だから二人分の給与で家族全員が、全体が生活できればいいと。ところが、日本の場合は一家の大黒柱、御主人が家族全体を養わなきゃいけない。それに見合った給料をもらわなきゃいけないということで、合計は同じなのかもしれませんが、一人当たりの給与水準ということで考えたならば、日本は世界に比べるとかなり高いと言われる。 ところが、国際競争という観点から考えていきますと、当然のことながら日本の給与水準、下げ圧力が働いてくるんだろうと思います、中長期的に。そうなってくると、今までのように一家の大黒柱が家族全員を養うという働き方が続けられなくなってしまうんじゃないのか。そうすると、日本もやっぱり共働きが当然のようになってくるんじゃないのかと。こんなふうに大きく、一例ではございますが、働き方に変化が出てくるわけでございます。 ほかにも変化をもたらす要因としては、少子高齢化だとかIT化の進展というものがありますが、そこでまずお尋ねしたい。いろいろな要素を考慮して、私たち日本人の働き方、今後どういうふうに変わっていくんだろうか、わかる範囲で結構でございますので、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 先生御指摘のように、産業構造の変化でありますとか価値観の多様化などさまざまな要因によりまして、我が国における働き方につきましてはまず多様化しているということが挙げられると考えられます。 例えば、これも御指摘ありましたIT化の進展でありますとか、それからもう一つの大きな要素は働く人々の意識の変化、具体的に申しますと、自由度の高い働き方を志向する方々がふえていると。そういったことを背景といたしまして、パソコンなどを活用した在宅就業でありますとか、それからパートタイム労働、これが増加をしているところでございます。 またもう一つ、これもお話にございました女性の就業の状況、これも大変変化がございます。雇用者に占める女性の割合は年々上昇しておりますし、また、他の年齢層に比べまして労働力率が低かった出産・育児期の女性につきましても、その労働力率は上昇傾向にございます。 いずれにしましても、今後、少子高齢化が進展をいたしますと、将来的には労働力人口が減少するということが見込まれますので、我が国の経済が持続的に発展していくためには、男女ともにその労働力が活用されるということが重要でございまして、そのための働きやすい環境の整備を推進していくということが必要であると認識しております。
○内藤正光君 お答えの中に、例えばパート労働が今後もふえていくだろうとか、あるいはまた女性の就労意識も高まっていくだろう、いろいろな変化が訪れるだろうということをおっしゃったわけなんですが、こういった変化に対し、今いかなる法制度を早急に整備しなきゃいけないのか、あるいはまた法制度だけじゃないかもしれません、いろいろな社会保障制度、いろいろあろうかと思いますが、この国会でどんな準備を進めて、早急に準備を進めていかなければならないのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(水田邦雄君) ただいま申し上げました変化に的確に対応するためには、いろんな施策が必要と考えられるわけでございます。 例えば、これは先日、育児・介護休業法の改正等を国会でやっていただきましたけれども、やはりそういった仕事と育児、介護の両立の負担を軽減していくこと、そういうことも今後とも必要であると思いますし、また女性が性別によって差別されることなくその能力を十分に確保できる雇用環境が整備されること、こういった雇用均等の施策が必要であると思いますし、また労働者が多様でかつ柔軟な働き方を選択でき、また働き方に応じた適正な労働条件、処遇が確保されるように、在宅就業でありますとか、先ほど申し上げましたパートタイム労働の就業環境が魅力あるものとなること、そういったことが重要でありまして、そのための施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会辻泰弘でございます。 本会議の冒頭、会長より本調査会の主な調査の内容といたしまして、日本経済の活性化をめぐる諸問題、こういう中で、起業促進に当たっての課題、企業の国際競争力の強化、物づくり技術の継承、産業空洞化の問題、法的規制の緩和と、このような御指摘があったわけでございますが、いずれも焦眉の課題であることは論をまたないところでございます。 そこで、まさにそれらの課題解決に当たっての具体的対応とも言うべきものであり、かつまた改革先行プログラムでも指摘されておりますところの工場等制限法の見直しについてお伺いしたいと思います。 工場等制限法は、大都市中心部への産業及び人口の過度の集中を防止するために、人口増大の主要因であった工場や大学等の新設の制限を定めたもので、首都圏については昭和三十四年に、また近畿圏につきましては昭和三十九年に制定がなされておるところでございます。 この法律の制定から今日に至るまでの当該地域の経済社会情勢の変化について、国土交通省といたしましてどのようにとらえておられるのか、簡潔に御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(榎本晶夫君) 先生御指摘の、経済社会情勢の変化でございますけれども、ただいまお話がございましたように、工場等制限法は昭和三十年代に制定されておるわけでございますけれども、当時、特に昭和三十年代の前半におきましては、東京都区部や大阪市などの区域におきまして非常に人口が大きく増大をいたしまして、これに伴います市街地の膨張あるいは居住環境の悪化、交通状況の悪化など、非常にさまざまな大都市の弊害が深刻な事態になりまして、都市機能の混乱が看過できない状況になったということで、先ほど委員からも御指摘ございましたような形で、この人口増大の主たる要因になっております工場や大学などの新増設を制限いたしまして、大都市中心部への産業や人口の過度の集中を防止するというような形で制度ができたわけでございます。 しかしながら、昨今の状況を見てまいりますと、産業構造につきましても、製造業がかなり大きなウエートを占めておりました時代からサービス産業が大きなウエートを占めるように大きく産業構造も変わってまいりましたし、また経済のグローバル化というふうなものも進展してまいりました。 そのほか、制限の対象になっております大学につきましても、大学の地方立地が相当進展をいたしまして、大学の進学状況を見てまいりますと、それぞれの地域の中で進学をされるというふうな傾向が非常に強まってきておるということでございます。 また、戻りますけれども、工場の立地状況などを見てまいりましても、かなり従来は大都市圏を中心にしたものがこの制度創設のころはございましたけれども、最近ではほとんどのところが地方圏に立地する、あるいは外国に出ていくというふうな状況になっておるというふうに認識してございます。 あわせまして、こういった施策も含めていろいろな大都市対策が講じられる中で、都市環境の改善、これは工場の公害規制の問題もございますし、都市計画の用途制限といったものもございましたけれども、さまざまな施策が講じられる中で都市環境の改善も進んでまいりましたし、それから大都市の交通混雑などについても、交通量は非常に増大はしておりますが、通勤混雑などは緩和の状況になっているというふうな認識を持っておるところでございます。 以上でございます。
○辻泰弘君 ただいまお話ございましたように、工場等制限法につきましては制定から四十年近くが経過し、産業、人口の空洞化現象が現在進んでいるという状況でございます。 今、日本は物づくりの衰退、産業全体の空洞化、景気低迷、雇用情勢の悪化等に直面しているわけでございまして、同法制定のころとは社会情勢が大きく変化しているところでございます。今や工場等制限法廃止のときが来ているのではないかと思うわけでございますが、政府のお考え、いかがでございましょうか。
○副大臣(佐藤静雄君) 先ほど審議官からもお答えさせていただきましたけれども、ここ三十年来、大都市にどんどんどんどん人口が集中してきました。工場を制限する、そういう必要もそのときはありましたけれども、今の時代見てみますと、製造業がだんだんだんだんサービス業に変わってくる、日本の国は製造業の形態がだんだん少なくなってくると。そんなことを見てみますと、この制限をするという目的が相当変わってきていると、そう思っております。 また、そういう時代を受けまして、地方自治体、公共団体や経済団体からも、もうそろそろ見直しの時期が来ているじゃないのかと、相当以前からそういうお話もお伺いさせていただいております。そういう御意見を受けまして、十月の十九日から、私どもの国土審議会に今、首都圏と近畿圏、二つの分科会をつくりまして、それぞれ現在御審議をいただいているところであります。
○辻泰弘君 冒頭、御説明いただきました改革先行プログラムでは、この工場等制限法の見直しにつきまして、平成十四年三月、来年の三月までに措置するものと位置づけされているところでございまして、今後のスケジュールをどのように考えておられるのか、廃止のための法案を通常国会に提出することがやはり必要だと思うわけでございますが、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
○副大臣(佐藤静雄君) ただいまもお話ししましたとおり、この審議会に今諮問しております。首都圏の分科会においては、十九日にスタートしましてから二回、三回と、十月二十九日、十一月九日と三回やっておりますし、近畿圏整備分科会も同じように三回させていただいております。私ども、最初のスタートをしましてから二回審議させていただいております。できるだけ早く答申をいただきまして、今、辻先生がおっしゃったように、次の通常国会と考えておりますけれども、まだこれから分科会の御意見をお伺いしましてから国土審議会の、本体の方の御審議もいただかなくちゃなりません。そういうものを見ながら、できるだけ早く、先生のおっしゃるとおり進めていきたいと考えております。
○辻泰弘君 おっしゃいました十月十九日に国土交通大臣が国土審議会会長に諮問されました文書には、諮問の趣旨として、法律制定から四十年近くたった今日、その有効性、合理性が薄れてきている、また規制改革会議において制限法の見直しが提言されている、また対象となっている地方公共団体から廃止すべきとの要望が提出されていると、このように指摘された上で、今後のあり方について諮問を行っておられるわけでございます。 このような流れを見ますときに、国土交通省としては実質的に廃止の方向に向けての取り組みを進めておられると思うのが当然だと思うわけでございますが、そのような意味で、後戻りをなされませんように、やはり日本の産業振興、都市再生、学術研究機能の強化という見地から大変重要なポイントだと思いますので、どうか政治の立場でしっかりとお取り組みいただきまして、来国会に向けて対処していただきますようにお願いを申し上げつつ、また、その点につきましての決意のほどをもう一度お伺いしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○副大臣(佐藤静雄君) 先生も神戸の出身でありますから、本当に長い間この問題を見ていると思いますけれども、随分、都市部の人口というのもだんだんだんだん減る傾向にあります。そういうことを見てみますと、大学や工場や何かを制限をしていくというのはもう時代に合わなくなっておるわけであります。先生のおっしゃるように、今諮問させていただいて、今答申をいただいて、全力を挙げて、なるべく早く実現できるようにやっていきたいと思っております。
○辻泰弘君 終わります。
○松あきら君 私は、中小企業対策についてまず御質問をしたいと思います。 中小企業対策は現下の経済状況のもとで特に手当てを急がなければならないテーマでございます。構造改革の進展で、潜在力を持ち、やる気のある中小企業までが連鎖的に破綻することがないように、中小企業向け金融面でのセーフティーネットの一層の整備が改革先行プログラムにうたわれておるところでございます。「信用保証協会によるセーフティーネット保証制度及び政府系金融機関によるセーフティーネット貸付制度について、制度・運用を充実する。」とおっしゃっております。 今、中小企業は、銀行を当てにできない、お金も貸してもらえない、本当に頼りになるのは仲のいい友達だけだということで、私募債などを発行して資金を調達した人もあるそうでございます。まさに、庶民、国民は知恵を出して生き残りをかけているところであるというふうに思います。 さて、先日の新聞報道で、貸し渋りで国が創設をしました中小企業金融安定化特別保証制度で、返済できない借り手にかわって全国の信用保証協会が金融機関に弁済した際に保険金を支払う特殊法人、中小企業総合事業団の保険準備基金が二〇〇三年にも枯渇すると報じられておりました。回収率も五〇%を予想しておりましたが、現実は五%程度というんですね。どのような融資が行われてきたのでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小脇一朗君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘いただきましたとおり、先般、中小企業総合事業団の保険準備基金はあと二年で枯渇すると、こういった報道がなされたところでございます。 これは平成十二年度末の保険準備基金の残高が一兆円でございまして、同年度の保険収支差がマイナス四千七百億円というところから、単純に割り算によりまして約二年で基金が枯渇すると、こういうような機械的な計算にすぎませんで、私ども適当でないと考えております。 今御指摘いただきました回収の状況に関しましては、特別保証制度においては無担保での保証が大半を占めるというところから、本年十月末時点で回収率は五・三九%にとどまっておりますが、代位弁済後の求償権の回収につきましては、過去の実績から見ましても十年以上の長期を要するものでございまして、今後、時間をかけて地道に回収をしていく必要があると考えられます。このため、本年四月に設立をいたしました債権回収会社、いわゆるサービサーを中心に回収体制の一層の強化を図りまして、収支改善を実行することが重要であると考えております。 さらに、私どもといたしましては、こうした回収体制の強化に加えまして、リスクに応じた保険料率の設定等々によりまして信用保険制度を将来にわたって持続可能なものにするための収支改善策を実施いたしたいと考えておりますとともに、今後の予算措置につきましてもその必要性、合理性を検討した上で適切に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○松あきら君 心配ないと、この新聞記事はちょっとオーバーであるというようなことだと思うんですけれども。 それでは、五%という回収率は改善、多少されなくても構わないということなのかなというふうに今ちょっと伺っておりましたけれども、もちろん改善する努力はするということなんだと思いますけれども。中小企業総合事業団に保険準備基金を積み増ししていく考えはおありなんでしょうか。
○政府参考人(小脇一朗君) 繰り返しになりますけれども、先ほど御説明申し上げましたとおり、回収体制の強化とともにリスクに応じた保険料率の設定、これによりまして保険制度を将来にわたって持続可能にしていくということが必要かと考えておりますが、今先生御指摘のとおり、今後の予算措置に関しましてもその必要性、合理性を検討した上で適切に対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○松あきら君 すごくもったいぶった言い方だなと。そういう考えは、積み増していく考えもありますよ、政府の予算で下さるかどうかわからないけれどもと、まあ簡単に言えばこういうことじゃないかなと思いますけれども。 中小企業、ベンチャー企業、新しく起業をする方々の経営をしやすくする政策をぜひ準備されていただきたいと思うし、また準備されていると思いますけれども、その辺のあたりをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小脇一朗君) 私どもといたしましては、新市場、成長分野に果敢に挑戦する創業者あるいは中小企業をできる限り後押しして、構造改革後の発展基盤となります中小企業群、これを育成するために創業・経営革新支援策の強化が大変重要であると、このように考えております。 こうした観点に立ちまして、具体的にはまず創業支援策といたしましては、無担保無保証人の創業者向けの新しい融資制度を創設する、あるいは新事業を創出する関連保証、この限度額の引き上げを行う、あるいは全国の商工会、商工会議所あるいは全国三百カ所の中小企業支援センターによります創業塾あるいはセミナー等々の拡充を図りたいと考えておるところでございます。 さらに、経営革新支援策といたしましても、経営革新講座あるいは経営革新支援セミナー等々の人づくり、あるいはビジネスのマッチングを行いますとともに、技術革新によります経営革新の支援、あるいはITを使った経営革新の支援、これに取り組みたいと考えております。 さらに、資金調達手段の多様化の観点から、政府系金融機関によります経営革新企業に対します低利融資制度、あるいはただいま御指摘いただきました私募債についての対象拡大も図ってまいりたい、かように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、強力に創業・経営革新を進めてまいりたい、支援を進めてまいりたい、このように考えております。
○松あきら君 ぜひしっかりした対策をとっていただきたいというふうに思います。 それでは次は、保育所と放課後児童のことで御質問させていただきたいと思います。 先ほど内藤委員からお話ございましたけれども、いろいろな日本の構造改革、大きく進めていかなければならない。しかし、いろいろな閉塞感があって、今のままではなかなかこの日本は変わっていかない。その中で、女性の就労という問題が大きく私はかかわってきていると思うんですね。 今、ちょっとこれ飛びますけれども、東京に住む三十代の男性は三人から四人に一人が独身だそうでございまして、女性だけではないという、女性はもちろんなんですけれども、恐ろしい時代に入っているんですね。少子化ということは、つまり支えていく人がない、いろいろな意味で怖い時代でございますけれども。 なぜ、それでは例えば女性が結婚しなくなっているかということを考えますと、本来は欧米では二人で支えていくということでございましたけれども、日本では大黒柱が支える、そういうような状況になっている。ところが、今だんだんリストラ等々でこれが変わってきている。それでは女性が働こうと思っても、社会で子供を預かってもらえる制度、社会で支えていく制度がない、ここに大きな問題があるというふうに思います。ですから、お金の面、そしてまたそうやって預かってくれる、そういったところでなかなか女性も就労ができない、なかんずくなかなか結婚もしないというようなことになっているんじゃないかなと、簡単に言えばそうかなというふうに思っているところでございます。 ところで、保育所待機児童ゼロ作戦の推進及び放課後児童の受け入れ体制の整備について質問させていただきたいと思います。 五月の所信表明で、小泉総理は、必要とする地域すべてに放課後児童の受け入れ体制を整備していくと表明をされております。「仕事と子育ての両立支援策の方針について」の閣議決定では三年間で一万五千カ所という目標が示されました。新エンゼルプランの目標値は平成十六年度までに一万一千五百カ所なわけですね。そうしますと、年間約五百カ所見込んでいるわけでございます。また、来年度の概算要求ではそれを上乗せをして一年で八百カ所ふやすと、こういう目標があるわけでございますけれども、しかし、じゃ実態はどうなのかといいますと、もう今既に年間七百五十から八百カ所増加しているわけでございます。ですから、実態を追認している程度じゃないかなと。 設置箇所数を引き上げていくためには、ぜひこの目標値を上げていくことが必要なんですね。つまり、すりかえが起こらないようにしていただきたいと。こういうものだけ出して、実際は追認するだけでは何にもならない。いかがでございましょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) 放課後児童クラブに関しましては、今先生御指摘ございましたとおり、これまでの実績を見ますと、平成十四年度当初には一万二千六百カ所が見込まれております。それに十四年度から三カ年間毎年八百カ所ずつ整備をして一万五千カ所を達成しようと、こういうプランでございます。 実績でございますけれども、最近の設置状況を見ますと、その増加数は年度によってかなり異なりがございます。五百カ所前後の年もございますし、八百カ所を下回っている年が多いのが実情でございます。 したがいまして、平成十四年度に、これも先生御指摘のとおり、八百カ所を概算要求しておりますけれども、この増加は、これまでの状況に照らしてみて決して低い水準ではない、むしろ努力をした結果の数字をさらに今後三年間続けていきたいと、こういうことだと御説明したいと思います。
○松あきら君 さらに努力をしていただきたいと、国民の切なるこれは願いであるというふうに思うわけでございます。 留守家庭児童を含む子ども放課後・週末活動等支援事業のために文部科学省が来年度予算に概算要求をしてございます。政府は、学童保育と合わせて三年間で五千カ所を整備するということなんですけれども、子ども放課後・週末活動等支援事業というのは一体どんなものか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。 私どもが来年度の概算要求をいたしております子ども放課後・週末活動等支援事業でございますけれども、先生御案内のとおり、平成十四年度から、来年度から完全学校週五日制が実施をされるわけでございまして、そういった週末の家庭、地域社会における受け皿の整備ということが関係方面からも強く求められているわけでございまして、私どもといたしましては、そういうことで都道府県に幅広い関係者で組織する推進協議会を設置をする。あわせまして、学校ですとか社会教育施設、スポーツ施設などを拠点にいたしまして、これは小学校の低学年児童だけではございませんで、中学生等を含めた児童生徒を主たる対象にいたしまして、地域のスポーツ指導者あるいは大学生、高齢者等、そういった地域の人材を活用いたしまして、いろんな子供の活動を支援する事業、あるいは子供と地域のお年寄りが交流をするとか、そういった地域の実情に即しましたさまざまな取り組みをモデル的に、しかも時限的に実施をし、その成果を全国に普及してまいりたい、このように考えているところでございます。
○松あきら君 学童保育とどういうふうに違うのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤信司君) 学童保育事業につきまして私どもが答えるのもなんでございますけれども、これは、児童福祉の観点から、保護者が労働等により昼間家庭にいない児童、おおむね小学校低学年と認識をいたしておりますけれども、そういった児童に対しまして、学校の授業終了後に児童厚生施設等を利用していろんなものを行う、こういうような事業と承知をいたしております。 私どもが考えております事業は、先ほど申し上げましたように、来年度から実施をされます完全学校週五日制への対応でありますとか生涯学習振興の観点から、そういった小学校の低学年の児童のみならず中学生も含めました児童生徒を対象にいたしまして、学校の空き教室あるいは社会教育施設等を活用して、先ほども申し上げましたようないろいろな事業あるいは高齢者等との触れ合い交流活動、こういったものをモデル的に実施する、そういったさまざまな体験活動を通じて地域の教育力の活性化を図ってまいりたいと、こういうものでございます。
○松あきら君 一部の地方自治体では、すべての児童の健全育成、放課後の居場所づくり、これを行うことはすばらしいんだけれども、これをつくってくれたから学童保育はそれにかわり得る、学童保育は解消されてよいと考えているところが実はあるというんですね。それでは私は何にもならないと。今御説明いただいたように全く別の事業でございますし、それぞれがふえればそれぞれのところで喜んでくださるということなので、それぞれの事業、施設がそれぞれの役割を果たせるように、役割が違うんですから、このことを、これはもう時間がないので、厚生労働省と文部科学省にぜひこれは要望として、こういう自治体で勝手にもうどっちかをやめちゃえばいいみたいなことがないようにしていただきたいというふうにお願いをいたします。 次に、学童保育の最低限の水準を確保した学童保育の整備がなされるべきと思っておりますけれども、学童保育施設の設置基準について、どのように決められているのでしょうか。
○政府参考人(水田邦雄君) お答え申し上げます。 放課後児童健全育成事業につきましては、児童福祉法の施行令で設備の基準が定めてございます。若干かいつまんで紹介させていただきますと、「放課後児童健全育成事業は、これを利用する児童の健全な育成が図られるよう、衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施されなければならない。」ということで、必要最小限の実施基準を定めているところでございます。 また、実施通知におきましては、活動に要する遊具、図書及び児童の所持品を収納するロッカー、こういった設備を備えるものとしているところでございます。
○松あきら君 今、とても学童保育の場所が狭いという、子供たちの体も大きくなっていますし、やはりそういう意見もすごく多いんです。そして、運営費の補助単価は一施設当たり年間百五十三万円、それも国の補助がその三分の一ですよね。そして、この単価は三年据え置きとなっているわけでございます。どういう積算をしているのかなと。改革先行プログラムでうたわれている割には地方自治体の負担だけに任せているようにしか見えないわけでございます。 政府として、十分な施策と予算措置をお願いいたします。それを最後の質問にいたします。
○政府参考人(水田邦雄君) 放課後児童クラブの国庫補助につきましては、預かる子供が放課後であるということから、常勤の人件費を基礎とするものではないということがございます。また、利用する子供の保護者からやはり受益者負担ということで一定の利用料を徴収するということを前提として、今、先生おっしゃいましたとおり、年額約百五十三万円というふうに積算をしているところでございます。 この基準額に関しましては逐次改善を図ってきているところでございまして、具体的に申しますと、平成十年度におきましては補助単価の改善をし、かつ大規模加算というものを創設しております。また、平成十一年度には長時間開設加算を創設しております。それから、十三年度におきましては、過疎地等の小規模クラブへの補助対象の拡大、それから障害児受け入れ促進施行事業の創設などを行ってきているところでございます。また、十四年度の概算要求におきましては、小規模クラブにつきまして過疎地の補助要件を撤廃するとともに、一定の日数を超えて土、日、祝日も開設する、そういったクラブに対しまして補助額の加算を行うように要請しているところでございます。さらに、これらに加えまして、今年度の補正予算におきまして放課後児童クラブ単独の施設整備費が新たに認められたところでございまして、これらを活用して放課後児童クラブの普及に努めてまいりたいと考えております。
○松あきら君 終わります。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 先ほど、本調査会の調査テーマが決められました。「真に豊かな社会の構築」ということでございます。 私は、言いかえれば、これは真の豊かさとは何かということをメーンテーマといたしまして、国民生活と経済のありようについてグローバルな視点も交えて調査することを決めたというふうに考えております。いわゆる物やお金だけでは味わえない、人間らしいゆとりのある、また心の豊かさも十分に共有できる新しい未来社会、日本の社会をどうしてつくっていったらいいのかということを私たちもともに考えていきたいと思っております。 そこで、先ほど改革先行プログラムの説明を受けたわけですけれども、これは、いろんな角度から見ましても銀行や企業側の供給サイドの対策が主でありまして、国民の側の需要不足を打開する、いわば国民生活のゆとりを大きく拡大していくというような対策がなかなか見当たらない、そういうプログラムになっているように思います。 しかも、私が大変懸念いたしますのは、これは私の地元の京都の京都新聞という大きな新聞ですが、この新聞が十一月十八日にこんな報道をしているんですね。内閣府が二〇〇一年度の経済財政白書の最終案を出すということなんですけれども、この経済財政白書の最終案には、二〇〇五年から消費税を八%に引き上げる試算をしているというように報じているわけなんですね。これは大変な問題だというふうに考えます。 そのような検討が進められているのかどうか、これを一点お伺いいたします。 そして、もしそういうことを検討されているというのであればこれは非常に問題でございますし、政府の、経済産業省の諮問機関であります産業構造審議会の新成長政策部会というのが中間取りまとめをことしの七月二十四日に出していますが、その中でも大変懸念をしている問題として、やはり需要不足が不況の原因になっている、だから家計消費の活性化が経済浮揚のかぎであるということまで明記をしているところでございます。 政府のこういう諮問機関ですらそういうことを明記するという事態になっているほどに、個人消費の落ち込みというのは非常に厳しいものがあります。こういう状況の中でさらに消費税の増税を行うということになりますと、これは非常に国民生活を根本から破壊していくことになると考えます。 そうではなくて、消費税の減税こそ国民の購買力を高めるために今必要ではないかと考えるんですが、政府にそういう御認識はおありかどうか、まずお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(小林勇造君) 御指摘のありました本年度の経済財政白書でございますが、これにつきましては、十二月の公表を目途としまして現在作業中でございまして、内容については現時点ではコメントを差し控えさせていただきたいと思います。 なお、御指摘のございました消費税の問題でございますが、消費税の引き上げについては、現在の経済情勢等を考えましてそのようなことができるような情勢ではないというふうに考えております。 また、今お話のございました一方消費税率の引き下げにつきましては、現下が極めて厳しい財政状況であるというようなことを考えれば、これもとり得る政策じゃないというふうに考えております。
○西山登紀子君 九七年、消費税が増税されまして、社会保障の負担増も含めまして九兆円の負担増が今日の不況の引き金になったということについて、私は厳しく反省をしていただかなければいけないというふうに考えております。 次に、消費不況も深刻ですけれども、やはり雇用の不安というのは極めて深刻です。親はリストラ、子供は就職浪人という泣くに泣けない状態が広がっているわけですね。失業率、とりわけ私は、青年労働者の失業率が極めて高いということについて私たちは真剣に考えなければいけないというふうに思っています。十五歳から二十四歳の失業率は一〇・九五%にも達しているわけですね。 そこで、お聞きしますけれども、新規の高校卒業者に対する求人数の九〇年から二〇〇〇年についての推移、企業別あるいは業種別の特徴について簡潔にお答えください。
○政府参考人(青木功君) 一九九〇年三月、それから二〇〇〇年三月の高等学校卒業者の方について申し上げます。 一九九〇年三月卒業者につきましては、百七十七万人の就職希望者がおられて求人数は百三十四万人余り、二〇〇〇年三月卒業者につきましては、百三十三万人の希望者に対して求人数が二十七万人ということで、この十年間で百万人を超える減少ということで、年平均すると一四・八%ずつ減っているということでございます。 事業所別に見ますと、三十人未満あるいは百人未満というところでは一三%、一四・八%、それぞれ減少しておりますが、千人未満あるいは千人以上規模というところで見ますと、それぞれ一七・六%の減、一六・一%の減、規模の小さいところに比べて大きいところが減少している。 それから産業別に見ますと、金融・保険業が年平均それぞれ約二割ぐらいずつ減っております。また、製造業が一六%余り、卸・小売も一六・二%ということで、こういった産業で求人が減少をしているということでございます。
○西山登紀子君 それで、そういう状況についてどのような対策を講じていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(青木功君) とにかく学校を出て社会に出る人たちでありますので、第一に、一にも二にも仕事を探すということで、高等学校の担当の先生それからハローワークの職員、それぞれ活動をしておりますし、また学卒専任の求人開拓推進員というものを全国で今百五十人活用をしておりますが、そういったことでいわば足で稼ぐ求人、それから都道府県の労働局幹部あるいは昨年の例でございますと、大臣もみずから経済団体に回ったりしまして求人開拓を行っておりますし、さらに集まった求人については、高校新卒者対象の集団就職面接会とかいろんな催しをするなどして一人でも多く安定した仕事が見つかるようにという努力をしているところでございます。
○西山登紀子君 この問題は、今述べられたような対策だけで解決が図れるそんな簡単なものじゃないと思います。これはやっぱり企業の身勝手なリストラと新規採用の抑制、これについてもいろいろなルールづくりをしていかなければいけませんし、サービス残業をやめさせて九十万人の雇用ができるというような試算もある。労働時間の短縮などもいろいろルールづくりをしていって、求人をふやしていくということをもっと真剣に政府も一体となって考えていかなければいけないというふうに思います。当調査会でも、もっともっとこの若手の青年労働者の失業問題についてもこれからの一つのテーマとして真剣に調査を進めていかなきゃならないというふうに思います。 時間の関係がありまして、経済産業省、済みません、ちょっと質問を飛ばさせていただきますけれども、文部科学省にお伺いをしたいと思います。 これは、私も地元でハローワークだとかそれから学校だとか調査をさせていただきましたけれども、この「近畿の高校生就職黒書」というようなものも高等学校教職員組合連絡協議会が出して真剣にいろいろやっていらっしゃいます。その中では、今学校によっては百社から二百社もの企業を教職員が手分けして訪問をしているそうなんですけれども、最近は企業訪問しても断られるのが多く出ていると。九月現在で、高校生の内定率は三七%、前年同月比で五・五%減っていると、過去最低になっているということで、もう二次、三次と求人要請のために企業訪問をしなければならなくなってきているそうでございます。六十名近い生徒の就職指導をわずか三人の教員で担当していて休みも全くとれないというような学校も生まれているそうなんですね。まともな就職指導ができずに教師として本当につらい思いをしていると。こういう先生の訴えも出ているんですね。 こういう緊急の今の事態に対して、教員の増員など緊急に対策を講じるべきではないでしょうか。また、企業訪問がふえているので交通費や通信費の増加が学校予算を圧迫しているということも要望として出ておりまして、ぜひこれの改善を緊急に求めていらっしゃいますけれども、これについてはどうでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) それぞれの学校におきます進路指導体制といたしましては、学校には進路指導を組織的、計画的に運営していく責任者でございます進路指導主事というのが必ず置かれることになっているわけでございますが、その進路指導主事のみならず、校内の校務分掌における進路指導部を中心に全教職員が一体となって進路指導に取り組んでいるところでございますけれども、私どもといたしましては、これまで、これらの進路指導等の体制の充実のための教職員定数の改善を図ってきておりまして、現在、そのための加配措置といたしましては、全日制につきましては、生徒の収容定員が六百八十一人の場合の課程につきましては一人、また千四十一人の場合の課程につきましては二人、定時制の課程につきましては、生徒の収容定員が四百四十一人以上の課程に一人をそれぞれ加配措置として配置をし得るようになっているところでございます。 そういう意味で、今後とも高等学校において全教職員が一体となって組織的、計画的に進路指導がなされるように私どもとしては努めてまいりたいと思っております。 また、企業訪問等における交通費、通信費等についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、高等学校の旅費、通信、運搬費につきましては、現在、地方交付税で措置されているところでございまして、各都道府県においてはこの積算をベースといたしまして、都道府県や学校の実態を勘案して実際の経費を措置し、それぞれの学校に配分されていると、そういうふうに私どもとしては承知いたしているところでございます。それぞれの学校においては、配分された旅費等について、御指摘の企業訪問活動も含めて、他の教育活動に要する経費全体の中で十分工夫をして取り組んでいただきたい、かように考えているところでございます。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 先ほどから議論が行われておりますけれども、総務省が十月三十日に発表いたしました九月の完全失業率は五・三%と、史上最悪、完全失業者も三百五十七万人ということで、調査以来初めて三百五十万人の大台に乗るという、さらに潜在的失業者を加えれば十人に一人が失業しているとも言われるような深刻な事態になっております。 私たちの党は、雇用失業対策という点では、何よりも百万人にも及ぶ膨大な失業者が生まれるような不良債権の最終処理はやめて、大企業の社会的責任を放棄したとも言えるようなリストラ計画を規制すること、このことなどでこれ以上の失業者を出さないということと同時に、雇用をふやすという点では、サービス残業の根絶あるいは労働時間の短縮や年次有給休暇の完全消化、そして国や自治体が本来国民のためにやるべき仕事に着手をして、教育、福祉、防災など、それぞれの分野で人員を計画的にふやしていく、このことを提案してきたところでございます。 そこで私は、待ったなしで求められている失業者の生活保障について、特に新公共サービス雇用と先ほど言われました緊急地域雇用創出特別交付金に限って質問をいたします。 各都道府県でもこの新しい特別交付金をどのように活用するか真剣に考えられ、また頭を悩ませている自治体も少なくないというふうに伺っております。私の地元の神奈川県でも、来年度の予算要望を聞く際に、雇用期間が一人一回六カ月未満という制約についてどうかと伺いますと、やはり長い方がいい、厚生労働省の方にもそのことは伝わっていると思うけれどもと、このようなことが出されてまいりました。 これは十一月十日の地元紙ですけれども、「県内自治体 使い道頭痛め 目玉も制約多く」と、こういうようなことで報道をされております。この点では、厚生労働省が先日、我が党の議員の質問に対しまして、六カ月未満を原則としつつも事業内容等により更新を認める旨の答弁をされました。これは大変大事な答弁だと思います。 具体的にどういうことになるのか、また事業内容等というのはどのような事業を具体的に指しているのかという点について、お伺いをいたします。
○政府参考人(青木功君) お答え申し上げます。 今、お話にございましたように、今度の交付金におきましても、やはり大勢の失業者の方が次の仕事につくまでのつなぎということで六カ月未満を原則としておりますけれども、それには必ずしもよりがたいものもございますので、例えば児童生徒あるいは障害者といった方々についてお世話をするようなお仕事のように特定の人間関係が生まれるようなもの、あるいはその事業を継続するためのいわば事務局的なお仕事をされる場合、あるいは例えば三宅島のように災害で土地を離れてお仕事をなさっているようなケース、そういった場合には、一回限りでありますけれども、雇用期間の更新を認めていきたいと思っております。
○畑野君枝君 その点についてちょっと確認なんですけれども、例えば前回の特別交付金のときに、公園で環境美化事業に就労した方のお話を伺いますと、月十五日で四カ月、実働六十日以内という条件だったということで、長引く不況のもとで簡単には再就職先が見つからない、こういう状況では余りにも短過ぎる、せめてもう少し延長してほしいという声も出されているわけです。 今、幾つかの具体例が出されましたけれども、例えば自治体によっては六カ月を超すような事業計画を立てられた、今おっしゃったこと以外も含めて、そういう場合には、それは当然六カ月以上更新して雇用するということも含めて進めていただくことが大事じゃないかと思うんですけれども、そういう裁量に任せるという点ではいかがですか。
○政府参考人(青木功君) 限られた予算の中で多くの方に利用していただくわけでございますけれども、こういった臨時的な仕事ができれば常用的なものに切りかわっていくというものは私ども持っておりまして、それはむしろ事業を行われます自治体の中で、例えばそのあるお仕事、それをこの事業をステップにしてスタートをされて継続してやる、それは今度は御自分のところで措置しながらやっていくと。 実際にも地域の相談受けておりますが、森林組合の作業員の方であるとか、あるいは教育の補助者のケースなんかでもそういった臨時的な就労を、その経過を見ていわば恒常的なお仕事にして、自治体の常時委託するお仕事として常用就職者を生んでいったという例もございますし、またこれからそういうふうにしていきたいというお考えも聞いておりますので、そんなようなやり方をしながら、この中から少しでも安定した仕事につく方が生まれてくるというのも私ども期待しております。
○畑野君枝君 確認なんですが、その話は、常用雇用の話は後に二つ目に聞こうと思ったんですけれども、今言ったのは、六カ月で終わらない事業計画を自治体がやった場合には、先ほど例に挙げた以外にも広がるということはあり得るわけですね。
○政府参考人(青木功君) 基本的に、先ほど申し上げましたように、半年ずついわば仕事を分かち合うという部分がございますので、先ほど申し上げたような特別の内容を含むもの以外については難しいかと考えます。
○畑野君枝君 そういう特別な例というのは、先ほど言わなかった中身も含めて、もしあれば当然そういうことになるということは、くどいようですが、よろしいですね。
○政府参考人(青木功君) ただいま申し上げたものに尽きるものではございません。一般論としてそういった継続的な関係なんかが前提となるというものを示したものでございます。
○畑野君枝君 はい、わかりました。 それで、二つ目に確認をしたかったことにちょっと先ほど触れていただきましたけれども、こういうことが恒常的な雇用につながるということが大変大事だというふうに思います。この間、二年間の実績のサンプルがあるというふうにも伺っておりますが、そういったものを踏まえて今後さらに進めていくためにどのようにされるおつもりなのか、この点について伺います。
○政府参考人(青木功君) この交付金の事業、臨時的なつなぎの仕事なんですけれども、今お話にございましたように、そういった仕事で経験を積む、そこでその仕事が当該自治体なり地域にとって必要なものであるということになると、恒常的に行われるわけですから、そこでお慣れになった力をそのまま地域に使っていかれるというのは非常にいいことでありますので、むしろそういった形での事業設計もして私どもに御相談いただければということで、地方自治体にも御相談をしております。
○畑野君枝君 時間が参りました。サンプルの調査の結果も伺おうと思ったんですが、もう具体的に伺う時間がございませんので、また詳しく伺いたいというふうに思います。資料もいただきたいというふうに思います。 最後に、私はやはりこうした特別交付金の予算を抜本的にふやして、あるいは原則民間委託とか雇用期間の六カ月未満などの原則の規制もなくして、本当に雇用保険に加入していない青年、あるいは失業給付がつかない人にも仕事が大きく回るようにしていただきたい、このことを要望して終わります。
○山本正和君 十三年ぶりにこの国民生活調査会での発言をさせてもらうわけですが、随分昔と違った感じで、大変勉強しておりますが、調査会は今から三年間かかって国会並びに政府に対して我々が調査したことを報告する、こういう任務があるわけでして、したがって二十一世紀のかなり何十年間か、何十年というとしかられますか、少なくとも十年ぐらいの展望に立った格好での報告をしなければいけないだろうと思うんです。 ただ、政府は、今差し迫っておりますから、どういうことを考えているんだということで、きょうは政府の考え方を聞こうというので小林さんにも来てもらってプログラムの説明を聞いたんですけれども、私どもは今からいろいろ議論をしてみんなで知恵出し合って、またあちらこちらにも行って調べもして、日本の抱えている課題、先ほど内藤委員からお話がありましたけれども、なぜこんなになったんだというふうなことを含めた議論をするんだろうと思うんですが、私はこの先行プログラムを見て、私どもとしてはそういう長期的な展望で議論しなきゃいけないんだけれども、当面やれるんじゃないかと。 これは今からどんな調査をしようとしまいと、国民がなるほど、ぜひやってくれというふうな部分がこの中に、文言の中にはたくさんあるんです。非常にいいことたくさんあるんですけれども。でも、その具体的なイメージがなかなかわかないので、私なりにイメージしたことをもうちょっときょうは申し上げてみて、これは統括官が恐らく事務当局としては責任者でいろいろとお取り組みされるので、その中で参考にでもしていただければと、こう思うんです。 というのは、宮澤大蔵大臣のときに、これは大変まだ当時は景気のいいときで、そして毎年決算をすると剰余金が五兆とか六兆とか、これは勝木会長も記憶あると思うんですけれどもね。それを、あと補正で使うのは使い切ってしまえと。本当からいえば残さなきゃいけないんですものね。どんどんどんどん使っちゃったわけです、景気のいいときにね。そして、今赤字になってきている。 それから、その当時、税収の問題も随分議論しましたし、消費税の問題も議論したんですね。そういうときに、私が当時宮澤大蔵大臣のときにこういう質問をして大蔵省が大分困惑しておった。資産再評価をやれと、それから国際会計基準にそろそろ合わせなきゃだめだよと。我が国独特の会計基準でやっておるけれども、これだけ国の経済大きくなってきたら、必ずやってくるぞと言った。そしたら大蔵省は当時は、いや、そういうことを言われましても我が国独特のやり方であるがゆえに今や経済が世界でナンバーワンなんですと、こういう言い方も当時しておったんですね。しかし、それがだめだったことが今、今日来ているんですね。 ですから、そういう意味でいろんなそういうことはもっと考えなきゃいけない中であるのに、もう一つあったのは、経済構造をぼつぼつ考えなきゃいかぬという議論を当時しておった。それは何かといったら、確かに日本の国の景気は今いいよと、アメリカがどうにもならぬというときに日本は非常によかったわけですよね。しかし、このままじゃだめになるよという議論は実は通産省の中でもかなり深刻にやっておった。 それは何かといったら、日本の国が戦争負けて何もない惨めな時代、そして、それからとにかく何でもいいから一生懸命になって復興だというんで傾斜生産をやった。石炭を掘って掘って掘り抜かしたんですよね。国からの予算もほうり込んだ。それは鉄鋼だと造船だと。それを二十年代に一生懸命やった中で繊維産業がまず没落しちゃったんですね。没落しちゃったその繊維産業はどこへ行ったかといったら、いわゆる商社活動、貿易、通商へ進んで行ったんですね。 そして、それに伴って、石炭から石油への転換をやった。これは当時の財界にとっては大変だったんですよね。三井、三菱、住友といっておった旧財閥はみんな石炭ですからね。持っておるわけですからね。それを全部やめさせてしまって石油に切りかわった。これは当時、関係労働者を含めたら百万人ですよね、あの当時の人口で。繊維産業もこれもちょっと数字忘れたけれどもね、大変な数でした。 それだけのものの構造転換するに当たってどこが中心になってやったかといったら私は政府だと思うんですよ。政府の役人が自信を持っておったし、気概を持っておったんですよ。当時の国会はどっちかといったらそれを応援しておった。中で議論が対決しますから、例えば社会党は総評とつながってストライキをどんと打てと。首切りだと、同盟が闘わぬと何だといってしかられて同盟が随分苦しんだというような、そういう時代ですよね。しかし、それを乗り越えたんですよ、必死の思いでね。だから、石油コンビナートは世界一のすばらしい設備をつくった。どうやっても世界じゅうは全部石油産業、日本に負けちゃったんですよ。そういう中で戦後の大変な勢いの日本の復興があった。そういう大変な時代だった。 そういうふうなことを含めて、ちょうどバブルが始まる前に、そんなことも含めてこれは政府内部でも、また役所というところは頭のいい人たくさんおるんですからね、研究機関もあるし、このままじゃいかぬと議論しておったんです。 ところが、あれよあれよという間にどんどこどんどこアメリカに、応援もしたけれども、我が国が惨めなことになってこうなった。これは新しい国会議員の皆さんには責任がないんで、十年ぐらいの間の古い国会議員に大分責任があると思う、与党、野党を問わず、こうなった責任。政治の責任なんですよね。 しかし、そういうことを乗り越えて政府は今やらなきゃいけないんです、この国の再興を、再建を。そうとなると、国民にわかりやすく言わなきゃいけない。小泉さんがなぜ支持を得たかといったら、あの人の言い方が国民にとってはやってくれるんじゃないかと、こういう期待感を持たせるような発言がたくさんあったんですね。ところが、今やっぱりちょっといいんですかと、こう言っているのは具体的な提案がないからなんですよね、具体的な提案が。言ってはおるけれども、国民生活に直結した形での具体的な提案はない。 ここで私はかねがね思っていることをちょっと、これは簡単な例ですよ、言っておきたい。 さっき内藤さんからフィンランドが今競争力世界一になったんですね。これは国際競争力は世界一位、日本は二十一位ですよね。こんなべらぼうな話はないんだけれども、そのフィンランドは、あのどん底のときにすべての子供に、学校の子供全部にパソコンを一台ずつ渡したんです。それでパソコン教育を徹底的にやったんです。そこからどんどんどんどん新しいものが生まれてきたんですね。 日本も実は私が、森さんが、前総理が通産大臣のときにこれはパソコンをやらないといかぬと言った。彼はもう大賛成だと言って、そして文部省と話をしてパソコン導入してくれたんですよ。これは本当に森さんのことをぼろくそにマスコミは言うけれども、あの人でなかったら私はできなかったと思いますね。 そういうふうなことを含めたときに、私が思うのは、今日本じゅうの学校に、子供一人一台ずつパソコンを配ったらどうだと。パソコン一台ずつ配るといったら大変な投資かと思うかもしれない。しかし、国家予算で今言うところの緊急経済対策の中にかける予算からいったら大したことないんですよ。そして、それだけの金をほうり込んで全部の子供にパソコン一台ずつ渡せる。パソコンをどんどん利用して子供たちはどんどんやりますからね。そういうふうなことをまず示す。それに伴う新しい需要が生まれるわけでしょう。なぜそういうことをしないんだろうかと。 それからもう一つ言うと、子供が学校嫌いになっている原因の一つにこういうことがある。小学校の特に女の子ですよ、学校行くの嫌だと。なぜと言ったら、トイレが汚い。自分のうちと比べて違うんですよ、学校のトイレは。私は実は孫が、大きい孫が大学一年生で、一番下が小学校一年生。そうすると、孫がやっぱり言うんです、学校のトイレは嫌だと。日本じゅうの学校の全部トイレを直したらどうですか。子供が少なくとも安心して行けるようにね。それでどれだけの金が要るかと、これも計算しても大してないんですよ。大したことないというのは、私は十兆、二十兆という金と比べて大したことがないという意味ですよ。 そして、もっといえば、日本のエネルギー技術の中で世界で一番進んでいるのは何か。これはもう小林さん御承知でしょう。日本のエネルギーの技術で一番進んでいるのは太陽光ですよ。バイオマスはアメリカに負けている。風力はもう北欧にさっぱりやられていますよね。しかし、その太陽光というものが、これが本当に国が総力を挙げてここのところに力を入れたらもっともっと伸びるんだ。また、それに伴う新しい産業が生まれるんですよね。 そういうふうなことをどんと提案して、さあ、皆さんやりましょうと、そしてそのために、済まぬけれども国民の皆さん国債買ってくれと言えばいいんですよ、そういう新しい部分で。教育債でよろしい、エネルギー債でよろしい。そんなものをどんと出して、そして従来のものはみんな見直しますと。しかし、新しいものはこういうことでやりますよというような形をやってくれたら、私はもうちょっと国民がよっしゃという気になると思うんですよ。もう元気がないんですよ、今。だから、昔だって、あのとき、これはもう石油に切りかえるときに、石炭産業で働く労働者はみんなどうしていったらいいかと、首つろうかと、また実際に首つった人もおったですよ。そういう中で何が起こったかというと、新しい産業への展望が開けた。 私は、ですから言うのは、もう一つ残念なのは、若い青年が男の子といわず女の子といわず外国へ行きます。日本の国はどんな国ですと聞かれる。何が自慢ですかと聞かれる。アメリカの青年は、アメリカは世界一の国だと、戦争しても世界一だと、何でも世界一だと、こうばんばん言うんですね。それと同じで、日本の青年が外国へ行って何が言えるかと。言えるようにしなきゃいけない。 私は思うんですよ。もしも今の話で太陽光の技術を、世界一の技術を持っている、そこへどんどんいろいろなことをやって、例えば今の小学校、中学校、あるいは国立のさまざまな施設の上の屋根を全部太陽光の屋根にしましょう。これは大変な投資です。しかし、それを国策としてやればどんどん進むんですよね。その技術を持ってアフリカへも、アジアへも日本の技術者がどんどん行って指導する、こんなアフガニスタンなんて真っ暗な中で、しかも発電機を回して明かりつけているんでしょう。あそこは太陽さんさんと照るんですからね。そういうさまざまな、我々が世界に対して発信し得るもので頑張りましょう、そのために皆さん国債を買ってくれというふうな提案をしたらどうなんだろうかと、こういうふうに私は思うんですよね。 ですから、確かに今もう迫られて、また各界からさまざまな要求がありますから、矛盾のさなかに改革プログラムを進めようとする人たちがいると思うんですね。特にその当事者の皆さん、小林さんが一番苦労すると思いますけれども、その中で、しかしみんなの議論の中で明るい展望を出しますよというようなことをこの中でぜひやっていただきたい、これが私の希望なんです。 もう時間がありませんからこれで終えますが、もし感想があれば、一言だけ。
○政府参考人(小林勇造君) 今、先生の方からさまざまな御提案ございました。 私どもも、二十一世紀を担う新しい産業の創出、あるいは技術の開発、そしてそれを担うチャレンジャーの支援、こういうことが非常に重要だというふうな、同じ認識を持っておりまして、今回の改革先行プログラムにおきましては、まず最初にできるものからやろうということで今回取りまとめておりますけれども、その中でも、例えば先ほど先生のおっしゃられました学校の情報化の推進だとか、あるいは科学技術を通じたイノベーション、新産業の創出というようなことも取りまとめてございますが、何分もう一つ具体性が欠けていてわかりにくいじゃないかというふうな御指摘もございますけれども、この構造改革に関しましては国民生活に大変関係が深いということで、私どももパンフレットを、きょうもお配りしてあると思いますけれども、パンフレットをつくって御紹介したり、あるいはタウンミーティングだとか、それからメールマガジンを活用した活動も行っているわけでございますが、いずれにしろ、そういう元気が出る構造改革をするための理解を十分得るよう、これからも努めていきたいと思っております。
○山本正和君 しっかりやってください。 終わります。
○森ゆうこ君 山本大先輩のお話を、演説を聞いて非常に感銘を受けております。先生は十二年ぶりだということでございますが、私は七月の参議院選挙で当選したばかりですので、初めての質問ということで、どうぞよろしくお願いいたします。 改めてこの改革先行プログラム、そして骨太の方針というものをよく読ませていただいて、何か似たものを見た気がしたなと思いまして、気がつきました。自由党の「日本再興へのシナリオ」でございます。これが出されたのが実は平成十年六月でございまして、早く再興へのシナリオが具体的に実現されていれば、こんな厳しい経済情勢の中でもう非常に大変な改革をやらなくてもよかったのになと今さらながら、先ほど先生もおっしゃいましたが、これは政治の責任だったのではないかと思っておりますが、ただ、この「日本再興へのシナリオ」とこの骨太の方針、そして改革プログラムの一番大きな違いを申し上げますと、基本的な理念というものがどうもこの骨太の方針、改革のプログラムに見えてこない。 このことに関しましては、六月二十日の党首討論のところで小沢一郎自由党党首が小泉総理に尋ねております。総理は、日本の社会のあるべき姿をどう考えておられるでしょうかというところで、余り具体的なお答えはなかったように思うんですけれども、先ほど内藤委員の質問にでしたでしょうか、お答えがありました。今まではキャッチアップ型経済であったと。要するに、追うべきモデルがあった、これからはそのモデルがないという話がありましたけれども、これからのモデルは私たち自身がつくっていくものであって、そしてそのモデルをつくるにはやはり基本的な理念、日本のあるべき姿、日本人のあるべき姿というものをまず最初に想定されるべきではないか、提言されるべきではないかと思うんですが、先ほども出しました「日本再興へのシナリオ」には、日本と日本人のあり方ということがまず書いてあるわけですけれども、そこで、小泉内閣の政策統括官の第一の責任者でいらっしゃいます小林統括官にこの理念ということについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小林勇造君) 今回の小泉内閣の構造改革でございますが、基本的な認識といたしまして、日本には潜在的な成長力がたくさんあるというふうに認識しておりますが、残念ながらその潜在的な成長の力が今発揮できない、それはなぜだろうと。 私ども、この六月の骨太の方針をつくった際もその問題を徹底的に経済財政諮問会議で御議論いただきまして、そのときに、やはり潜在力が発揮できないのは大きく言うと二つあるんじゃないかと。一つは、やはりバブル崩壊後の負の遺産である不良債権がまだまだたくさんあって、したがってお金がうまく経済に回らない、これが第一の問題だろう。それからもう一つの問題が、やはり民間企業が生き生きと活動することを阻害している古い規制だとか制度だとか慣行だとか、そういうものがたくさん残っているんじゃないか、あるいは公的セクターのプレゼンスが少し大き過ぎるんじゃないかと。 そういうような問題がございまして、したがいまして、今回の骨太の方針でも、民間にできることは民間に任せようじゃないか、あるいは地方にできることは地方にきちっと任せようじゃないかと、そういうような基本的な考え方のもとに六月の骨太の方針をつくりまして、そしてその方針の進め方につきまして、その道筋をスケジュールつきで示したものが九月につくりました改革工程表でございます。その改革工程表のうち、まずとりあえず構造改革を加速するものを取りまとめようということで取りまとめたものがこの改革先行プログラム、そういうことでございますので、基本的な考え方としては、民に任せられるものは民に任せる、地方に任せられるものは地方にというようなことが基本になっていると考えております。
○森ゆうこ君 理念ということについてはやはり総理にお聞きするような質問なのかもしれませんが、ただ一つ非常に気になるのは、日本という国は社会主義の国でしょうと、ついこの間まで海外に行くとそう言われていた。要するに、社会主義型資本主義というんでしょうか、いろいろな言い方があるかと思うんですが、それが非常にうまくいって、本当に国民の生活の一応のレベルというんでしょうか、が上がったということだと思うんですが、ただ、今、竹中大臣を中心につくられているいろいろな案といいますか、また理念の話に戻りますけれども、どうもアメリカのような弱肉強食、私どもも本当に自由な社会をつくるということを訴えているわけですが、弱肉強食というんでしょうか、レッセフェールというんでしょうか、自由放任というんでしょうか、そういうふうなものをむしろ理想としていらっしゃるのではないかというようなどうも心配があります。 私どもは、本当にフリーでフェアでオープンな、それは弱肉強食ではないと思っているわけですけれども、アメリカのようになりたいと思ってさまざまなプランをつくられているんでしょうか。
○政府参考人(小林勇造君) 今、御指摘のございました点でございますが、やはり今回の改革先行プログラムあるいは基本方針の考え方としまして、諮問会議での御議論の中では、例えばシュンペーターの創造的破壊ということが非常に重要じゃないかと。つまり、日本経済が再生するためには低い生産性のところから高い生産性の分野へ資源を移動させなくちゃいかぬ、したがってそこには経済活動が活発化するようなさまざまな方策を導入すべきだということ。 ところが、一方で、それだけで国民が安心して暮らせるわけじゃないということで、保険機能の強化ということで、例えば今回の雇用のセーフティーネットとか、あるいはさまざまな高齢者とか女性に対するいろいろな施策の展開、そういうものを含めて保険機能の強化というようなプログラムも非常に重要な位置づけになっておりまして、今御指摘ございましたように、弱肉強食型のプログラムというふうな理解は私ども必ずしもしていないということでございます。
○森ゆうこ君 いずれにせよ、あるべき姿というか、ビジョンがやはりもっと具体的に見えた方がいいのではないかと思います。これに関しては、小泉総理自身が御自分の声で、御自分の言葉で一度きちんとあるべき姿というものについて発言されることを望みたいと思います。 先ほど来の質問の中で、今非常に厳しい経済情勢ということについてのお話がありましたけれども、先週の予算委員会で、総理が今の日本の現状を尋ねられて、戦前に比べればまだ天国だよという発言がありましたけれども、あれはたしか取り消していませんでしたよね。たしか天国だよという話があったと思うんですけれども、戦後の焼け野原の状況、そのころの国民の生活と比べるとというお話だったと思うんですが、非常に無責任な発言だなというふうには思ったんですが、ただ、今、総理がやろうとしていることの中でこの五・三%の失業率などというのはまだまだだ、構造改革をするためにはこのぐらいはまだまだ天国、実は経済財政諮問会議の中では一〇%ぐらいは覚悟してやるんだというふうな、そういう雰囲気というのか、そういうのがひょっとしてあるんでしょうか。
○政府参考人(小林勇造君) 経済財政諮問会議での御議論では、この構造改革を実行している調整期間中は、やはり調整中ということで三年ぐらいは低い成長率を甘受しなければその後の明るい展望は開けないんじゃないかという御議論はされております。しかしながら、失業率についてそれほどそんなに高いような数字の予測があるわけではございませんので、あくまで低い成長率は二、三年続くであろうけれどもその後は明るい展望が開けると、そういうような御議論がされているところでございます。
○森ゆうこ君 一〇%の失業率までオーケーなんという、そんな楽観論ではもちろん困ると思いますし、そして創造的破壊という言葉が何カ所か出てくるわけですが、今ほど小林統括官もおっしゃいましたけれども、それであれば、私としては、この中で出し方が非常に弱いなという部分があるんですが、この改革先行プログラム、それから骨太の方針に関しては、その理念というものが見えないというのが非常に不満ですけれども、これが本当に先行してスピードを持って行われるのは非常にいいことだと思うんです。 それで、それを国民も望んでいると思いますが、ただ、地方と国の関係、確かに触れられておりますけれども、要するに中央集権から地方分権へということだと思うんですが、やろうとしていることがいきなり地方交付税の削減をやるんだとか、非常にただ不安をあおっているだけで、本当に財源を先に移譲しますよ、補助金も一括して地方に渡しますよ、本当の最終的な行政執行機関である地方がそれによって仕事をしますよと安心感を与えて、この構造改革をそのためにやりましょうというのであればいいんですが、何かやり方が逆じゃないかなと。 特に、この地方と国との関係ということに関して、お考えをよろしくお願いいたします。
○政府参考人(小林勇造君) 六月の骨太の方針をつくるときに、先ほども言いましたように、これからの二十一世紀は地方に任せられるものは地方に任せようということを基本とすべしという考え方が出ております。 おっしゃるように、そのためには財源をどうするんだとか、あるいは権限をどうするんだとか、いろんな問題があると思いますが、そういう点に関しましては、当然ながら国民なり地方なり皆さんの御理解を十分得ながら進めなくちゃいけないということで、今回の改革先行プログラムにはまだそこまでは入っておりませんが、いずれにしろ慎重な検討をしつつ、長い目で見ればやはり地方に任せるものは地方に任せるというふうな方向を目指していこうということでございます。
○森ゆうこ君 この調査会に関しては、先ほども山本先生がおっしゃいましたように、本当に今後の私たち日本の国民の幸せのあり方、どんな暮らしが幸せなのか、そしてそのためにどんな制度が必要なのかということをさまざまな形で議論して役に立つような結果を得たいというふうに思っておりますので、政府の方でもさらに改革を一層進められるよう希望いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○松岡滿壽男君 先ほど来、新旧それぞれのお立場から改革先行プログラムにつきまして真摯な質疑が続いておりまして、大変参考にさせていただきました。いつも私はどの委員会に出ても最後の発言ということになるわけですが、たまには反対に回ってくれぬかなという感想も持っておるんですけれども。 本国民生活・経済に関する調査会、たまたま一番最初に、もう十何年前ですか、発足しましたときに高齢化社会の問題に取り組みまして高齢社会基本法ができ上がりましたし、また三年ほど前からのは少子化対策ということで議論をしてまいったわけであります。 今回、どういうテーマにするかということで、私はオブザーバーではありましたけれども、とにかく日本の経済というものが非常に厳しい状況になってきている、アメリカからは内需拡大、市場開放、片方で予期せざるアジアの経済の勃興という中で、我が国のグローバル化の中での生き残り戦略というテーマにしたらどうかという御提言もしたんですけれども、「真に豊かな社会の構築」というテーマになりました。 それはそれで結構だと思うんですけれども、きょうは青木さんにお越しいただいているわけですけれども、雇用対策、もちろんこれは必要だし、セーフティーネットも必要なんですけれども、バブル崩壊後に百三十兆を超える景気対策を打ってきて、成長率はもうマイナスに転じている。OECDあたりも、来年、日本はマイナス一%という予想が出ておりますし、失業率の話も、今、森さんしておられましたけれども、五・三と言いますけれども、実質的には私──まず景気後退のときには、日本は二重構造ですから、中小零細企業と大企業と。そこにまずしわが寄って、ある面ではコストを下げろとか仕事量を減らす、出向は引き受けてくれよということでバッファーになっていたわけですね。そのうち景気が回復すればまた伸びていくという繰り返しをやってきたんですけれども、今回は大企業自身が生き残りのためにリストラをする、第二次、第三次のリストラをするということになると、もう受け皿がない。それがもうもろに失業に出てきているわけですから、恐らく来年は六%以上になっていくだろうという感じがするんですね。 それで、地域でもいろんな手だてをしているけれども、地域も全部つき合ってきて、国の景気対策に、もう地方債は四十二兆円超しているわけでしょう。それで、経常収支比率だって六百数十市のうち四分の三がもう経常収支比率は八〇%を超しているわけですよ、一〇〇%超しているところもあるんですね。だから、全然その手が打てない。だから、ある面では、この改革先行プログラムにあるようにやはり構造改革が先だと。それは多額の税金を投入してやってきたことが全然実っていないわけですから、実験をやったと、それでやってもだめだということなんですから。だから、その方向としては、小泉さんが言っている改革の方向というのは正しいだろうと私は思っておるんですけれども。 そういう形で、地方も疲弊しているということで、雇用対策だけではもう対応できない。その中に、民間はもうベースアップもあきらめちゃったと、きのうも人勧の中で公務員も三年連続という形ですね。片方ではやっぱり二十分の一、三十分の一という中国という巨大なそういう市場があるわけですから、これはもうどうしようもない状況になってくるんですけれども。 そういう中での雇用対策だけではもう対応できないような状況が現出されていると思うんですけれども、御担当なさっておってどのような対応をされようとしておられるのか、伺いたいというふうに思います。
○政府参考人(青木功君) ただいま松岡先生の方から雇用をめぐる大変厳しい環境についてお話があったわけでございますけれども、私どもの認識といたしましても、雇用をめぐる環境、現在非常に厳しいんですけれども、今後のことを考えてみましても、世界競争が活発になる中で生産拠点が動いていくとかあるいは新しい技術が出てくると、それの中で産業も動いてくるといった需要面での大きな動きがございます。 それから、今度は供給面で見ますと、ますます本格的に高齢化社会になっていく。それから、少子高齢化という問題がございますけれども、働く女性の皆さん方を中心とした両立支援の問題だとか、あるいはその働き方にしましても、通常いわゆる伝統的な常用雇用以外にもパートタイマーであるとかあるいは派遣労働とか、あるいはSOHOといったいろんな多様化が進んでおります。 そういう中で、その成長が厳しい中でどうやって一人一人が仕事を分かち合えるかということは大変課題としては厳しい課題であろうかと思います。しかし、そういう中でも、現実問題としてハローワークだけ見ましても相当の求人が来ておりますけれども、それぞれ、例えば能力問題であるとかあるいは労働条件的に問題があるとか、そういったことで活用されない求人というものもたくさんございます。 そういう中で、例えば仕事の仕方を変えていくとか、あるいは仕事の仕方についてのさまざまな規制を取り払っていくことも検討に値するかと思いますし、またそういった受け皿となるところに新しい仕事を生み出す、開業、創業の支援といった形でお仕事をふやしていくという方法もございます。 それから、緒についたばかりでありますけれども、我が国の大きな問題としての採用年齢を区切る慣行だとかさまざまそういったものを解消する中で、少なくともミスマッチということで生じている失業、失業率の現在五・三%のうちの四%ぐらいがいわゆるミスマッチ失業というようなことが言われておりますが、そういうところも中長期的に一つ一つ問題の課題を設定し、その問題を解消することによって、少なくともその分野では大きな失業が出てこないというところまでやっていければなというのが雇用対策の中の一つの課題であるというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 もうよろしゅうございますから、御苦労さまでした。 先ほど来、内藤さんからの話もありましたけれども、私は確かに製造業から第三次産業にシフトしていくということももちろん大事であるというように思うんですけれども、やはりたまたまことしはものつくり大学で村上さん、小山さんという逮捕が出たりして、非常に物づくりにとっては不幸な年になったんですけれども、やっぱり日本という国は物づくりから離れたらおかしくなる国だろうと私は思うんですね。どの国だって大体そうなんですよ。 しかしアメリカは、物づくりはそれこそメキシコや中南米や日本やアジアに大分シフトしているけれども、航空機がつくれるとか兵器産業があるという、よその国ができないものをやっぱり持っているわけですね、それは下請させるにしても。ところが、日本は今何があるのかなと。台湾も同じように、中国本土の、あっちも大分賃金が違いますから、空洞化が進んでいると。それに対してはやっぱり官民挙げて生き残り戦略、それぞれ得意な分野を残そうと。それから、わずか二千万の国民の数としても、国内で組み立てられるやつは外国人労働力三十五万人ですか、入れて、何とか総生産は維持しようという生き残り戦略をやっているわけですよ。我が国の場合、どうもその辺の形がよく見えてこない。 この前も予算委員会でその部分を総理にちょっと質疑をさせていただいて、尾身さんの御答弁をいただいたんですけれども、例えば中国と分業していくと。自動車用鋼板とかあるいは産業用ロボットとか高級繊維素材とか、そういう川上の部分でできないものがやっぱり中国はあるわけでしょう。そういう部分についてはもう産官学で何とかこの物づくりは守っていこうと。新しい分野の立ち上げというのはそう簡単にできないと私は思うんですよね。だから、せめて今あるものについて全力を挙げて生き残りをかけていこうという、そういうことも考えなきゃいかぬのじゃないかと思います。 例えば失業率の話がさっき出ましたけれども、平成四年から平成十二年の間で製造業の就業者数が二百五十万人減っているんですよね。この前の産業構造審議会の報告、十一月、ついこの前出ましたね。それで見ると、平成十二年から平成二十二年で、今までの八年間で二百五十万減り、これからの十年間で二百五十万人減ると。これは失業の原因というのはやっぱりこの製造業なんですよね、基本的に。それを新しい第三次にシフトできればいいけれども、日本人というのは割かし三次産業は向かないと言うと言い過ぎかもわからぬけれども、そういう部分がやっぱりあるんですよね。農耕型民族ですから、一カ所に定住して、先祖代々。 そういうことをやらぬと私は失業問題も解決しないし、やはり我々はこれができるんだと、そういうことでメガフロートの話もちょっと予算委員会で総理にお話ししたんですけれども、そういう夢をやはり持たないと、これだけはほかの国にできないものがあると。そういう点で製造業は生き残ることが必要だし、その生き残りについての戦略とか展望というものをお持ちであれば、ひとつお述べいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。 製造業は、先ほど以来の御議論の雇用の関係でも日本のGDPの約四分の一を占めているということで、その面でも大きなウエートを占めているわけでございますが、加えまして二点、私どもがアメリカとかあるいはヨーロッパのかなりの国と違いますのは、一つは、加工貿易立国という日本の大きな国の成り立ちのパターンということに一つかかわっていくんじゃないかというところがございます。エネルギーと食料はどうしても買ってこざるを得ません。基軸通貨国でもありません。日本の今輸出の八割強というものは製造業で稼いでいて、貿易とそれからサービス、両方を合わせた収支で見れば、サービスの方は毎年五、六兆円の赤と、貿易の方で十兆前後の黒字を上げて何とか経常収支の黒字を維持するという形で、この国のお金は外との関係で回っているという部分が大きいわけですが、その関係で、加工貿易立国のベースを支えている製造業というのはどうしても日本にとってこれからも大事ではないかというふうに考えております。 もう一つは、先ほど来、松岡先生の御指摘にもありましたように、日本はこれから大きな方向としては中国等の少し先を行く技術をベースにして科学技術創造立国という方向を目指すんだと思いますが、それを目指すにつきましても、今、日本全体の例えば研究開発投資の三分の二というのは民間の産業界がやっていて、その九割というのは製造業が賄う。あるいは研究者も、ほぼ日本の中の六割弱というのは製造業に研究者もいらっしゃるという研究開発のリソースの面がそうですし、それから物づくりの現場を離れて科学技術創造立国が成り立つかという点で、これまた大変心配をせざるを得ない面がございます。 そういう意味において、雇用の面ではこれからサービス業に期待できるところは大変大きいと思っておりますけれども、今申しました加工貿易立国を支える、あるいは科学技術創造立国を支えるという意味において、製造業の重要性はこれからも、これから先を見ました場合も、いささかも減ずるところはないんではないかというふうに考えているものでございます。 そういう製造業が近年、御指摘のように、中国を初めとする海外にどんどん出ていっていて、いわゆる第二の空洞化ともいうべき事態を今招来いたしていることについて、私どもも大変強い懸念を持っております。そういう懸念に発して、昨日通産大臣の懇談会として産業競争力戦略会議というものを発足いたしたところでございます。各産業界のリーダーの方々、それから一部の学者の方々にもお入りいただいて、まさに今、松岡先生から御指摘のあった、日本の中で製造業というものを競争力のある形でどうやって存続させ、あるいは発展をさせていくかということについて幅広い角度からの総合戦略の検討に着手したところでございます。 きのう、皆様に御紹介しました主要な検討の課題という点で、一つは為替レートの問題があろうかと思います。それから、大きな方向として、出ていくのをとめるというわけにいきませんので、やっぱり技術の面で日本独自の中国等の先を行く技術の開発、それも産業の競争力の強化に結びつく、あるいは実用化に結びつくというものにエンファシスを置きながら技術開発を進めていくというのが二つ目の大きな課題かと思っております。三つ目には、研究開発の成果というものをしっかり保護するあるいは管理をするという知的財産の戦略の面で考えていくべきものが少なからずあろうかと思っております。 さらに、日本の高コスト構造を是正するということも大きな課題で、一連の規制緩和を進めてまいっておりますが、この分野でもなお残されている課題は少なからずあろうかと思っておりまして、そのほかにも人材の教育の問題、あるいは産業金融の問題、そういったことを含めた幅広い角度からの私ども検討を急ぎ、精力的に進めてまいりたいと考えているところでございまして、諸先生方の引き続きの御指導をよろしくお願い申し上げたいと存じます。
○松岡滿壽男君 今おっしゃったように、やはり日本独自の科学技術力、それから最後に触れられたインフラコスト、非常に高コストになっている体質を変換していくという、そういう非常に大事なことにもお触れいただいて、力強い御返答をいただきましたので、ぜひその方向で頑張っていただきたい。 質問を終わります。ありがとうございました。
○会長(勝木健司君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○会長(勝木健司君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(勝木健司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会