厚生労働委員会 第11号
- 発言数
- 330 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/12/04
会議録
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十一月二十九日、円より子君が委員を辞任され、その補欠として今井澄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君外十八名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鶴保庸介君 おはようございます。保守党の鶴保庸介でございます。 緊急雇用対策ということで、重要なテーマについて私も幾つか質問させていただくに当たりまして、どんなことを質問すればいいかということを考えたのでありますが、どうしても腑に落ちないというか、すとんと胸に落ちてこない部分が一つあります。きょうは短い時間、二十分という時間を与えていただいておりますので、もう本当にこの一問を聞いて時間が終わるんではないかというようなことをお伺いしたいんです。それは、この対策のそもそもの理念、哲学についてであります。 そもそも総理の言われる構造改革というものは、政策的に失業を創出しているような部分、側面があるんではないか。その一方で、労働市場を流動化させて創出された失業といいますか、そういうものに対してセーフティーネットをしいていこうじゃないかというような考え方であると私なりに理解をしております。これは違う側面から言いますと、非効率な官依存の経済体制を改めて活力ある競争社会をつくり出すための構造改革というふうに私なりに理解をしておるところでありますが、今回の緊急雇用対策を見ておりますと、ややもするとつなぎ的といいますか場当たり的といいますか、そんなところもあるのかな、まあ緊急でありますからそういう側面があるのもやむを得ないところでありますけれども、そういう印象を受けざるを得ない。その辺で、本来の構造改革の方向性とある程度矛盾しているんではないかと思われる点が幾つかあるものでありますから、その辺の哲学についてお伺いをしたい。 例えば、これまでやってこられた、前回もやりました緊急地域雇用対策といいますか、そのことの反省も踏まえて、もう一度大臣に、冒頭、今回の緊急雇用対策についての理念なり哲学なり方針なり、そういったものをお伺いしておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○国務大臣(坂口力君) 鶴保委員よりお尋ねがございましたとおり、今回の補正予算におきますところの雇用対策につきましては、つなぎという言葉がございましたけれども、私も率直に言って、とりわけ特別交付金の場合にはつなぎの役割というふうに思っております。つなぎというべきか、あるいは誘い水といいますか、そうした意味合いを込めた政策であるというふうに思っておりますし、これによって雇用がすべて解決するというわけではございません。年当初に行いましたさまざまな雇用政策、それを実現するのと並行して今回の特別交付金を実施する、それによってより円滑に雇用を創出していく、そういう立場だろうというふうに私も思っている次第でございます。 したがいまして、民間を中心にいたしました雇用創出というものの手綱をいっときも緩めてはならない、これを真剣にやりながら、一方におきまして、しかしそれでもなおかつ生まれてまいります失業というものに対して一つのつなぎとして、一つの誘い水としてこの交付金を使っていく、こういうことではないかというふうに思っている次第でございます。そして、全体としてセーフティーネットというものが整備をされるということが必要ではないかというふうに思います。 ですから、この特別交付金の使い方でございますけれども、できればこの特別交付金が次の雇用に結びつきますような、何かそれぞれの地域で知恵を絞っていただいたような形のものをおやりいただければそれにこしたことがないわけでございますけれども、しかしそこは地方のそれぞれの皆さん方にお任せをするとして、そして少なくともこのことが雇用の行き詰まりというものを打開する一つの糸口になるようにひとつお知恵を拝借したいと、そんなふうに思っている次第でございます。
○鶴保庸介君 それでは、その内容であります。 緊急地域雇用対策基金を各地域の方からアイデアを出していただいてというふうな話で私も聞いておりますが、その仕組みについて具体的にちょっとお教えをいただけますか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 仕組みについてでございますが、まず都道府県に国が交付する交付金を財源として基金をつくっていただきます。この基金を財源として、都道府県が直接実施する事業、あるいは都道府県が民間企業、NPO等に委託する事業、それからもう一つは市町村が都道府県から十分の十の補助金を基金からもらってみずからやる事業、市町村が委託して行う事業と、大きく言いますとこの四つのパターンで事業が推進されます。いずれも都道府県なり市町村が当該地域の実情に即して創意工夫を凝らしてやっていただくと、その場合に国として一定の事業例をお示ししますが、これにとらわれる必要はないという前提でございます。 そして、前回のといいますか現行の交付金制度の反省を踏まえまして、できるだけ雇用創出効果の高い事業にしていただくという観点から大きく二つのいわば要件をつけておりまして、市町村を含めた都道府県全体の事業として、各年度事業費の中に占める人件費割合を都道府県全体事業として八割以上、そして新たに雇い入れる雇用者のうち失業者割合を四分の三以上にすることと、こういう仕組みで運用することを考えております。
○鶴保庸介君 最後におっしゃった人件費八割以上とか、こういう要件というのは各市町村から上がってきた案をもう一度国の方で見直すというように理解をしていいんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 毎事業年度が始まる前に都道府県から市町村計画を含めた全体の事業計画を国の方に提出していただきまして、要件に合っているかどうかを国の方として一応確認をするということになります。 それで、全体として人件費比率八割におさめる作業は、これは都道府県が市町村と話し合って都道府県がやっていただく、こういう仕組みになっておりまして、事業計画として上がってくるものについては人件費率八割という枠におさまっていることが大体正常な姿として想定されるということになります。
○鶴保庸介君 わかりました。おおむね国としての方向性を示しつつも、各市町村及び都道府県の主体性に任せて、主体性を尊重していこうという趣旨だろうと思います。 ただ、そういうことであるならば、やはり国家として失業率の低減に向けてある程度の方針、先ほど例を示すということをおっしゃっておられましたけれども、示さなければならないんではないかというような気がいたしております。今、大臣もくしくもおっしゃいました抜本的な雇用回復のために必要なものに果たしてこれがなっているかというと、つなぎ的要素も少しあるのではないかというようなお話でいらっしゃいましたから、抜本的な雇用回復と言い切れるかどうかというのには少し弱い面があるのではないかというふうに私も印象を受けております。 もしそうであるとしても、今回の雇用対策について、ある程度未来の社会はこんなふうになっていくんではないかという面、例えば長期で見たトレンドといいますか、に沿ったような形で雇用対策を進めていくことが必要なんではないかというふうに思います。 例えば、少子高齢化が進んでまいります。その高齢化に対する対策として何か手を打てないか、あるいは女性の社会進出を促すために保育士などというのが例示として挙がっておるやに聞いておりますが、その女性の社会進出を促すための雇用創出、また環境面から新たに公が主導して新規産業分野を切り開いていくような、そういう雇用創出の仕方みたいなものが必要なんではないかというふうに思いますが、こういった調整をするべきではないかと思うんですが、その一方で森林作業員の採用あるいは補助教員の採用というような公的部門での雇用みたいなものもふやしていこうじゃないかというような話が実はある。 これは、ちょっと考えてみますと、経済効率を優先しようと、非効率な官依存の経済体制を改めていこうという構造改革そのものの方向性とはややもすると方向性が少し違うのではないかとも考えられるわけであります。 この辺の調整、矛盾についてどうお考えになるか、ちょっとお伺いをしておきたいんです。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しになりましたように、この雇用対策と申しますのは、やはり民主導、そして民間が中心になりました雇用創出というものが今後どういうふうに広がっていくか、広げなければならないかということが中心であることは御指摘のとおりというふうに私も思います。 この民間を中心にしました雇用をつくり出していきますためには、今御指摘になりましたような、やはり政府が中心になりまして、例えば環境の例をお挙げになりましたが、循環型社会ならば循環型社会の道筋をつける、そしてそこに新しい雇用をつくり出していくというような努力が必要なんだろうというふうに思います。介護なら介護の問題につきましては、これを手がけることによって大きな新しい雇用がここに生まれたわけでありますから、次にそういう大きなプログラムをどう組むかということが一方において大事だというふうに思っています。そうした大きな流れを一方でつくりながら、そしてそのときそのときの雇用の具体的なと申しますか、小さないろいろの問題点を処理していく、あわせてこれをやっていかなければならないんだろうというふうに思います。 大枠のところといたしましてはもう御指摘のとおりでありまして、民間主導、そして民間のその雇用をどう創出するかというところに最大のねらいを定めて政策を展開しなければならないのであろうというふうに私も思います。 したがいまして、そうした新しい大きな取り組みというものが一方にあって、そして、しかしそれでも幾つも山あり谷ありのひだが生まれてくる、そこをどう埋めていくかという、より細やかなと申しますか、具体的な政策が一方で必要である。その両方がやはり必要でありますから、今回の補正予算におきますところの取り組みは、どちらかといえばその幾つかの山あり谷ありのひだをどう埋めるかといったところの政策でありまして、その前提としての雇用創出という大前提があっての話というふうに私思っているわけでございます。 最近の厳しい雇用情勢等をにらみましたときに、その前提といたしますところの雇用創出ということが非常に大きなウエートを占めてきた、やはりそのことにもう少し重点を置く必要があるのではないかということを先日も私少し申し上げたところでございますが、そうしたものとあわせての雇用対策。雇用対策というのは、どちらかといいますと出口の対策になりますので、出口だけで支え切れない面もあることも事実でございます。今御指摘になりましたような大前提をもとにいたしまして我々も構築をしなければならないというふうに思っておりますし、ことしの当初予算におきますさまざまな政策と総合してごらんをいただければそうした双方が含まれているというふうに今思っている次第でございます。
○鶴保庸介君 大臣みずから御丁寧にお答えをいただきまして本当にありがとうございます。くれぐれも大きな流れを見失わないようにしていただきたいと本当に思います。緊急ではあれ、そのための雇用創出対策、緊急雇用創出の対策であろうというふうに思います。 時間が少しだけありますから、雇用のミスマッチのことについて一点だけちょっと最後にお伺いをして質問を終わりたいと思うんですが、その雇用のミスマッチに対して常々私が疑問に思っておりますのは、失業率何%のうちのその多くが雇用のミスマッチによって起こっている、こういうことを今までおっしゃっておられました。 しかし、よく考えてみますと、このミスマッチがそれほど大きいのであれば、そのことに対する対策というのは、これまで職業紹介であるとか、今回もそうですが、労働者派遣でありますとか、こういったものの充実によってそのミスマッチを解消しようとおっしゃっておられるんですが、ちょっと調べてみますと、職業紹介は常用労働者で二万人足らずの一部特殊技能者、エリートといいますか、の紹介にとどまっている。あるいは、派遣にしても、登録は百万人を超えていても実働は三十万人前後の小規模な労働市場での話だと。これが本当にミスマッチを解消するための抜本的な政策になっているのかどうかというのは常々私は疑問に思っておりました。 そこで、労働移動はそもそも、先ほども言いましたとおり、大きな社会の流れとしては必ず必要なもの、必要になってくるもの、セーフティーネットとして必要になるのではないかと思いますので、小手先の技術で賄えるものではないと思いますから、総合的に施策すべきものであると考えますけれども、その辺について最後に時間が許す限りお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 委員御指摘のように、失業率とか有効求人倍率で見ましても、地域間で相当な格差がございます。これが長期で見てもほとんど変動していないということでございますが、これは結局、当該地域の産業構造の変化というものが、国全体としてはサービス経済化という方向で動いておりますが、各地域におきましてもそうした全体的な動きに沿った動きはありますけれども、その地域においていわば抜本的と申しますか、非常に顕著な形での産業構造の変化が地域の特性に基づいて起きていないということがベースにあろうかと思います。 したがいまして、今後日本国全体の需給ミスマッチを解消していくためには、委員御指摘のように、産業間とか職業間の円滑な移動を進めていかにゃなりませんけれども、少子高齢化ということを考えていきますと、地域間の移動でそれを進めていくということはなかなか難しくなっているということになりますと地域内において職業間、産業間の移動をどう進めていくかということになりますので、それの受け皿たる産業を地域特性に即した形でどうやって起こすか、そこへ移動政策として適切なものをどう打っていくかということを総合的にやっていかないと全体としての雇用情勢の改善、失業率の低下と構造的部分の引き下げというものはできないんじゃないかと、かように思っております。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、辻泰弘でございます。 坂口大臣は、十一月三十日、失業率五・四%発表の折に、容易ならざる事態だ、雇用政策は限界に近づきつつあると、こんなふうにおっしゃっておられます。そこで、本日は、まさに土俵際に立たされた雇用政策、これを私の本日のテーマとして御質問申し上げたいと思います。 それに入ります前に、前回、私、この委員会におきまして、十一月六日、BSEについての審議の折に御質問したことにつきまして、最後の部分、御答弁をいただいていないことがございました。すなわち、それは、私の質問、農水省と厚生労働省の縦割りでなく、相互に問題点を指摘し合って、安易に安全だと結論づけずに、どこに穴があるかお互いにチェックし合う、そして連携して一体的に取り組んでいく、また生産者の立場だけでなく消費者の立場にも立って対応を進めていく、このことを求めたところでございますが、この点についてのお考えをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 農林水産省の方は畜産の振興ということが中心でございますし、そして我々の方の厚生労働省は食品による健康被害、危害といったものがないようにするのが務めだというふうに思いますが、いずれにいたしましても、その双方の接点というのは当然のことながらあるわけでありますから、その接点のところを両方が譲り合うようなことになってはいけない。重なって両方がやるのならばいいんですけれども、外野に上がったボールのように両方が遠慮し合ってすとんと真ん中に球が落ちるというようなことになってはいけないわけでございますから、我々は省庁の間のすき間をなくしていくということをやはり真剣に考えていかなければならないというふうに思います。 共同いたしまして研究会を立ち上げましたり、さまざまなことをいたしておりますが、その研究会をただ単に共同でつくったというだけに終わることなく、そのことが本当に機能しているというふうにしていかなければいけない、有機的な結合にならなければならないというふうに思っている次第でございまして、御指摘いただきましたことを真摯に受けとめて我々やっていきたいと思っております。
○辻泰弘君 十一月六日に御質問させていただきました折に、その日に十一月十九日にBSE問題に関する調査検討委員会を行うということの御決定の資料をいただいたんですが、そのときの封筒が実は今お手元にお配りいただきました封筒でございまして、これは私は非常にいいことだと感銘を受けた次第でございます。大臣の方にはちょっと行っていないようでございますけれども。 要は、農林水産省と厚生労働省が同じ枠の中に入っているということでございまして、実は私は本当に感銘を受けた次第でございます。私の部屋に来ていただく官庁の方にも、こういう封筒を今まで見たことがありますかと聞きましたところ、いや、ないという方がほとんどでございまして、非常に画期的なことだと思うわけでございます。この中には横にも縦にも線が入っていないわけでございまして、今おっしゃっていただきましたようなその精神がこの封筒にあらわれていると、このように思うわけでございます。 ちなみに、この封筒をどちらの役所がつくられたのか、どちらの予算からつくられたのか、お聞きしておきたいと思います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 今御指摘いただきました封筒につきましては、農林水産省の方から御提案をいただいたものでございますが、この調査検討委員会が両大臣の私的諮問機関でございますし、両省が連携してこれからの調査検討を進めていく場であるということから、今後とも両省が共同で情報提供をする機会がふえることが予想されるということで、当省といたしましても農林水産省の御提案に賛成をし作成をされたものでございます。 それと、予算的なお話でございますが、封筒自体は農林水産省の方で御提供いただいたということで、印刷は農林水産省の中の印刷機で印刷をしていただいたというものでございます。
○辻泰弘君 これは非常に画期的なことだと思いますので、どうかこのような精神でこれからも行政に当たっていただきたいと思うわけでございます。 私、事務局の方にお願いしまして、こういう封筒を、今後またお目にかかるのは何年後かわかりませんので、どうか各委員のお部屋に飾っていただければと、クリスマスプレゼントとしてお受け取りいただければ幸いでございます。 さて次に、このことに直結するわけじゃないんですけれども、大臣談話のあり方ということでちょっとお聞きしてみたいと思います。厚生労働行政の推進のあり方の基本にかかわる、こういう見地からお伺いしたいと思います。 いわゆるヒト乾燥硬膜ライオデュラ、これの移植に伴う薬害クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟について、東京、大津の両地裁が示した和解協議に対して、被告の国が十一月二十二日、応じることを正式に決定されたということがございましたが、その際の大臣談話と大臣発言について、第一症例がアメリカで発見された一九八七年六月以前の国の責任をめぐって食い違いが見られたわけでございます。 大臣のお気持ちといいますか、そのこと自体、私自身了とするところではございますが、しかし、大臣談話というものの重みといいますか、そのことを考えるときに、やはり混乱を招いているのではないかということを懸念する次第でございます。 その辺の経緯をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) あの日に記者会見をいたしましたときに私が少しアクセントをつけて申しましたのは、今回の和解勧告といいますのは、これは法律責任の争いを乗り越えてというところにある、これが大前提であって、そのもとに今回のこの和解にお互いにこれは歩み寄ったというふうに理解をしているということを私は申し上げたわけでございます。 そして、その和解勧告の中を細かく見ますと、一九八七年というのが一つの大きな目安と申しますか、目安の年である。少なくとも一九八七年には国の方もその硬膜を利用することによってこのクロイツフェルト・ヤコブ病が起こる可能性があるということを知るべきであったということが中に書かれているわけでございますから、これも一つの目安、前提になることは間違いないというふうに思います。 これからのいろいろのお話し合いの中で一九八七年というのは重要な年になるんだろうというふうに思っているわけでございますが、しかしこのことを余り強調をし過ぎますと、大前提でありますところの法的責任の争いを超えてというこの大々前提がおかしくなってくるということがございますので、むしろこの大々前提の方を中心にこれから和解を進めていくべきものと、こういうふうに私は主張したわけでございます。 しかし、この談話の文章の中身は、大前提の法的責任の争いを乗り越えてということを書きましたその後に一九八七年のことを書いたものでございますから、ややもいたしますとこちらの方が注目をされたわけでございますけれども、先に書きました方の大前提、こちらの方がやはり私は大事だというふうに今も思っておりますし、そのことに変わりはございません。
○辻泰弘君 そういたしますと、大臣談話については事前に大臣の御決裁があったと、こういう理解でよろしゅうございますね。
○国務大臣(坂口力君) そのとおりでございます。
○辻泰弘君 それでは、雇用対策本体についてお伺いしたいと思います。 今国会はまさに雇用対策国会と名づけられた国会でございますけれども、同時に来年一月に提出されると言われているところの二兆五千億の第二次補正予算の編成も同時に進められているということでございまして、そのことはある意味では今国会における雇用対策というものが不十分だったということを政府みずからが認めているに等しいと、このようにも思うわけでございます。 ただ、私は、この第二次補正の動きについては、迫力といいますか危機感といいますか、そんなものが感じられるわけでございまして、第二次補正への取り組みという姿勢については評価したいと思うわけですが、そこで見られることは、やはり私は数カ月おくれているということを感じざるを得ません。政府の対応は常にツーリトル・ツーレート、小さ過ぎる遅過ぎると言われて久しいものがございますが、やはり今回の例を見ても同じような轍を踏んでいると言わざるを得ないように思います。 雇用、生活に冷たい骨太の方針といい、また一度や二度失敗したっていいじゃないですか、一度や二度失業したっていいじゃないですかという小泉さんの発言、また八月二十八日、前の委員会でも申し上げましたけれども、五%になった次の日に雇用対策国会と決めたという場当たり的な対応、それらを見るときに、政府の対応というものが本当に国民の雇用という生活の根幹について本気で考えているのかというふうに疑問に思わざるを得ないところがございます。 一連の経過について、また今国会は本当に雇用対策国会の名にふさわしい国会であるかどうか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) バラエティーに富んだ質問をしていただきましてありがとうございます。 いよいよ雇用対策でございますが、政府がとってまいります雇用対策というものを私もそれなりに関与させていただいて今日を迎えておりますけれども、やはり皆さん方から御指摘をいただきますように、少しおくれるではないかという御指摘につきましては、これはある程度国が行いますことについてはやむを得ない面が率直に言ってございます。 私も野党のときには同じことを言っていたわけでございますが、自分でやらせていただいてみて感じますことは、この雇用対策一つを決めるにいたしましてもやはり合意がそこには必要でございまして、その合意を得る、あるいはまた国会で御審議をいただくという経過が必要でございますし、そして国会が存在しないとき、そのときにはやはり国会が始まるのを待たなければならないということもございまして、そういたしますとその間が三カ月なり半年なりというおくれが出てくるわけでございます。御指摘いただきますことはよくわかりますけれども、現実問題としてやはりそこには若干のタイムラグは生じるなというふうに率直に私も実は思っているところでございます。 しかし、おくれ過ぎないように私はしていかなければならないと思いますし、小さ過ぎないようにしていかなければならないというふうに思っているわけでありまして、限られた財源の中ではございますけれども、それを有効にいかに活用するかということに尽きるというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 それでは、先ほどの封筒の中に入れていただいているタウンミーティングのことについてお聞きしたいと思います。 実は、お配りしました封筒の中に入っておりますのはタウンミーティングについての二つの案内文でございまして、一つは十一月十八日日曜日の東京国際フォーラムでのタウンミーティングについての新聞広告でございますが、これは実は改革のテーマということでございまして、「その他」を入れまして二十三あるわけでございますけれども、この中に残念ながら雇用というものが全く入っていないということでございます。中には、「社会の構造改革」の中に「米国同時多発テロ事件への対応」、こういうものまで入っている。そしてまた、「その他」という二十三番目には「上記二十二項目以外に、重要であると思われるテーマがあるときは、別途、お書き添えください」と、こういうことがあるわけでございます。 しかし、いずれにしましても十一月十八日時点、当然ながら雇用のことも大変重要な課題であったわけでございますが、このことには全く触れられていない。私はこの広告を見て非常に残念に思ったと同時に、やはり政府の雇用に対する認識といいますか、冷たさというものがここにあらわれているのではないか、このように思った次第でございますが、このことについて、どういうことで入っていないのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(永谷安賢君) この二十二項目の選択肢の中に何で雇用に関する項目が入っていなかったかという御質問でございます。 御案内のとおり、今回のタウンミーティングでありますけれども、小泉内閣の構造改革を国民との対話のもとに問題意識を共有しながら進めていくというために行っているものであります。 このアンケート、新聞でのアンケートでありますけれども、これは当日その会場に参集していただく皆様方がまさに構造改革という側面にスポットライトを当ててどの分野に強い関心を持っていただいているかというのを探るということで実施したものでございます。 例えば、ここにありますように、今、先生がおっしゃったようなお話でまいりますと、短期的な景気対策といった当面する最重要の課題というのも入っていないわけですね。それと同じような趣旨でありますけれども、私どもの方からは、構造改革を進めることで景気回復を進めていく、それでもって雇用もふやしていく、そういうふうな意味で一般的な形では含まれているんじゃないかというふうに理解していたんですけれども、あえて、じゃ何で入っていないのかというお話をするとすれば、当然、雇用の拡大というテーマでありますけれども、構造改革に密接に関係する問題ではあるんですけれども、その反面ではどうしても短期の景気動向と密接な関連性を有してとらえられがちである、したがって、今の景気状況のもとで雇用のテーマというのをここにスペシフィックに掲げたときに、あるいは場合によっては短期的な問題と構造的な問題がごちゃごちゃになるんじゃないかというような危惧のもとにあえてここでは触れなかったということではないかと思います。 なお、実際、タウンミーティングの運営に当たりましては、その会場に参加していただいている皆さんから何でもいいですから質問してくださいということでお願いしております。 たまたま東京の会場では参加されている皆様方からの雇用に関する質問というのは余り多くなかったんですけれども、例えば東京以外では、宮崎あたりでは構造改革に伴い発生する失業者を吸収するような具体的な姿を示してくれとか、あるいは島根ではよりスペシフィックに、山林整備をすることで雇用の吸収をしてくれとか、あるいは宮城あたりでは有給休暇の取得を義務づける、今はやりのワークシェアリングみたいなお話でありますとか、それから働く人の健全な心の確保がとても重要じゃないかというような、これは静岡でありますけれども、そういうような指摘が行われるなど、雇用についても非常にたくさんの御議論をいただいたというふうに認識しております。
○辻泰弘君 次に、もう一つの十二月十六日の案内もございまして、実はこれはある意味ではいいわけですけれども、これだけ見ればいいわけですが、その継続性という面においてちょっと疑問を持つわけでございます。十二月十六日の方は、「前向きの明るい構造改革、すなわち「雇用創出型の構造改革」」を目指すということがうたわれているわけでございます。 今までの路線というのが国民の雇用、生活にとって後ろ向きで暗い改革だったというふうに認めておるならそれなりに評価する面はある気もするんですけれども、いつから小泉改革が「前向きの明るい構造改革」「雇用創出型の構造改革」と位置づけるようになられたんでしょうか。
○政府参考人(永谷安賢君) これも先生御案内のとおり、六月十六日から始めましたタウンミーティングですけれども、十一月十八日の東京でのタウンミーティングでとりあえず四十七都道府県一巡したということであります。 その後をどうするかということでありますけれども、これは今の臨時国会冒頭の総理の所信表明の中にございましたけれども、今後とも引き続き対話の機会を設けることとしていくというふうにされております。 では、それを具体的にどういうふうにやっていくかということでありますけれども、今どういうふうにやっていくかというのを検討中でありますけれども、この間、東京でのタウンミーティングのときに総理がおっしゃったのは、例えば雇用でありますとかあるいは教育でありますとか介護でありますとか、そういうふうな政策テーマ別のタウンミーティングを行うというのも一案だねというようなことをおっしゃっておりました。それから、私ども事務方としましては、これまでどっちかといったら官主導みたいな形でやってきたんですけれども、より国民の参加意識が高まるようなスタイル、まさに政府と国民、有志との共催みたいな形で行えないものかというようなことをいろいろ今検討しているさなかであります。 今度、十六日に開催しますタウンミーティングというのは、まさにそういう意味での試行錯誤の一つであるということであります。現下の非常に厳しい雇用情勢にかんがみて、官邸とも御相談しながら、雇用の問題にとりあえずテーマを絞ってタウンミーティングをやってみようかというようなことでやることになったということであります。
○辻泰弘君 それでは、この「前向きの明るい構造改革、すなわち「雇用創出型の構造改革」」という言葉が政府の文書で活字になったのはここからですか、以前にありましたか。
○政府参考人(永谷安賢君) 政府の公式文書にいつから載ってきたかというのはちょっと私も定かではないんですけれども、いずれにしましても、これにありますように、内閣府の特命顧問をされていらっしゃいます島田先生がよくこのフレーズをお使いになっていると。つまり、どうも構造改革ということで、やれリストラ、やれ失業ということで世の中暗いイメージだけが先行しているんじゃないか、むしろそういういろんな動きを逆手にとって、もっといいこともあるんだよという側面、そっちの方の側面を強調したらどうかというような気持ちを込めて明るい構造改革というような言葉遣い、ターミノロジーをされているんじゃないかというふうに想像をしております。
○辻泰弘君 それじゃ、今後ともこれは政府の一つのキャッチフレーズでお使いになるというふうに理解していいですか。
○政府参考人(永谷安賢君) それは、今回についてはとりあえずこういうことでいくということで官邸サイドの御了解をいただいているということであります。 先行き、テーマに応じてまたこのあたりのキャッチフレーズも変わってくることはあり得るんではないかというふうに思います。
○辻泰弘君 私は、構造改革を推進する当初から、やはりこういうスローガンというものがあった上でなされるべきだったと思っているわけでございまして、そういう意味では、おくればせではありますけれども、これもまたツーレートの一つになると思うんですが、こういう方向を打ち出されたこと自体は結構なことだと思うんですが、恐縮ながら、ある意味では最初からわかっていたようなことだと思うわけでございます。 私どもは温かい構造改革と申しましたし、公明党さんは人に優しい改革とおっしゃったように、前も申し上げましたが、だんだんそういう意味では、ある意味では当然のところに来ているのかなと思うわけでございますけれども、そのことはともかくとして、いささか場当たり的な感じもいたしますけれども、やはり今までよりは一歩前進と思うわけでございまして、前向きの明るい構造改革、まさに雇用創出型の構造改革にしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、ちょっと一言お願いします。
○国務大臣(坂口力君) この雇用創出型の構造改革という言葉はここが初めて出たわけではなくて、これはもうかなり前から使われているというふうに思っています。ことしの年当初から方針としてはこういう方針で来ていたわけでございますし、先ほどお話ありましたように、特に島田教授はそうしたことを踏まえて五百三十万の雇用創出というのをおまとめいただいたというふうに思っております。 したがいまして、明るい気持ちで我々は構造改革に取り組んでいこうという、その趣旨のところは私は今までからあったというふうに思っておりますので、とりたてて最近それが変わったというわけではありませんけれども、しかし十二月の十六日にこういうことを一つのメーンにしてタウンミーティングをするという行動を行う、これは今までになかったことでございまして、やはり取り組みとして色をより鮮明にしたということではないかというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 政府が掲げる構造改革は、島田教授の改革ではなくて小泉総理が主導されるところの改革でございまして、そういう意味において、小泉総理の所信表明なりにそういうものが入っているならば、それはそれでそのとおり受けとめるわけでございますが、こういう形で改革の方向性というものが何か知らないうちに修正されていくというふうな、そういうこと自体は私はある意味ではおかしいんじゃないかと思っておりますが、そのことを聞いても仕方がありませんので次に移らせていただきます。 さて、大臣の本国会における、この委員会における厚生労働大臣あいさつというのがございました。たしか十月の十六日であったかと思いますけれども、そのときの中に、雇用対策というところで、「今後、不良債権処理の進展等に伴い厳しさを増すことが考えられます。」ということを御指摘になっておられるわけでございます。小泉総理も、不良債権処理については遅くとも集中調整期間が終了する三年後には不良債権問題を正常化しますということをおっしゃっているわけでございますが、不良債権の処理の問題については、不況下では不良債権処理を急ぐべきではない、企業倒産が増加し景気の冷え込みが加速して処理しても処理しても不良債権がふえ続けるという悪循環を招く、政策としてはまず景気回復を優先させるべきだという、このような指摘もあるわけでございます。 そこで、雇用の問題に責任を持たれるところの厚生労働大臣にお伺いするわけでございますが、不良債権の処理について急ぐべきか、景気回復を優先させるべきかどうか、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これはなかなか難しい御質問だというふうに思いますが、やはり小泉内閣といたしましては、雇用を改善していきますためには、あるいはまた経済を改善していきますためには、どうしてもこの不良債権処理等々、こうしたものをまず早く決着をつけなければならないという立場に立っているわけでありまして、この不良債権処理がおくれてきたことが現在の不況の大きな原因になっている。ただ、それじゃ不良債権だけかと言われれば、私はほかの要素もあるというふうに思います。いろいろの要素がまざり合っていますけれども、その中で大きな要素として不良債権の処理というものがおくれてきたということがあった。 不良債権処理を行うことによって、そして構造改革、そして経済改革を早く進めていくということに結びつけていこう、そういう手順で今行っているところでございまして、私もその中の一員でございますから、当然のことながら、この不良債権処理というものを進めていく中で起こってまいります雇用の不安といったようなものをどう安全ネットをつくって、そしてそれをカバーしていくかということを考えていかなければならないというふうに思っている次第です。
○辻泰弘君 いわゆる骨太の方針、六月閣議決定ですけれども、その中では、五年間で五百三十万人の雇用機会の創出、また離職者、転職者に対するセーフティーネットの拡充、これを図りつつ不良債権処理を急ぐべきだと、こういうふうになっているわけでございますが、大臣とされては、不良債権処理を推進していく上での雇用対策というものが既に、セーフティーネットができているというふうにお考えでしょうか。この問題は、すなわちセーフティーネットを張って落ちる人を救うというか、そのことをそもそもつくらないということが大事なわけでございます。不良債権処理を推進していく上での雇用対策が整っているとお考えかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 失業者が出ないようにしていくということは、それは大前提であろうというふうに思いますが、構造改革というものを行いますと、しかしそうも言えない。やはり構造改革をすることによって一時的に失業者が出るということもあり得るという、そういう一つの私は前提があるというふうに思います。 それで、そのためにはどうするか、もし起こったときにはどうするか。その安全ネットというものを一方においてつくりつつ、そしてこの構造改革というものを進めていかなければならない。そして、結果としては一日も早く失業のない、そして経済の安定をした状態をつくり出していくということを我々は大きな期待を込めてやっていくということだろうというふうに思います。
○辻泰弘君 骨太の方針に絡みまして一つ聞いておきたいんですけれども、骨太の方針にこういうフレーズがございます。「グローバル化した時代における経済成長の源泉は、労働力人口ではなく、「知識/知恵」である。」と、こういう指摘でございます。経済成長というものは、資本、労働力、技術進歩によるというのが経済学の基本であったかと思うわけでございますが、また現に今も生きている、閣議決定されている「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」、平成十一年閣議決定ですが、この中でも二〇一〇年ごろまでの経済成長を資本、労働、技術進歩の寄与の和で説明する成長会計で分析を行っているわけですが、この小泉内閣の構造改革というのはこれまでの経済学の基本まで塗りかえられるような理論に裏打ちされているというふうなことになるんでしょうか。この部分はどう理解すべきでございましょうか。
○政府参考人(磯部文雄君) 議員御指摘のとおり、労働力は成長の重要な要因の一つであると考えております。しかしながら、労働時間が減少傾向にあり労働力人口が減少していく我が国におきましては、労働投入の量的な増加に頼った経済成長は持続することは今後難しいのではないかというふうに考えております。 こうしたことから、御指摘の文章は、労働力を単に量としてとらえるのではなく、人の能力を生かすという意味で、技術革新を生み出し、生産性を高め、資本を効率的に回転させる知識、知恵が重要であるということを強調したものだと考えております。 労働力人口が成長の要因として重要でないというふうに考えているわけではございません。
○辻泰弘君 私は、選挙前でございましたけれども、この文章を見まして、この「労働力人口ではなく」というところに特に何か冷たいものを感じまして、そういうことで申し上げたわけでございます。 それで、同じくといいますか、本委員会における厚生労働大臣発言、十月十六日の中に次のことがあるんですが、雇用対策に万全を期し、新しい成長の基盤を構築すると、こういうお話がございました。 雇用対策に万全を期し、新しい成長の基盤を構築するという、ここの脈絡がちょっと必ずしも私は明確でないと思うんですが、ここの部分をちょっと御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから述べておりますように、やはり経済を立て直すということを中心に考えました場合に、その経済がなぜ現状のようなことになっているのか、そのことに思いをいたしたときに、やはり不良債権の処理でありますとか、あるいはまた構造改革というものがおくれているがゆえに現在の経済の状況が存在をするという理解のもとに今我々の政策は進んでいるわけでございます。 したがいまして、その政策を進めていきますと、全体として経済の立て直しというものを行っていく反面において、雇用問題というものがやはり重要になってくる。経済の立て直しを行います一方において雇用対策というものを並行してやっていかなければならないということを強調したと申しますか言ったわけでありまして、その経済の立て直しと雇用の創出というものとを相前後して、どちらが上でどちらが下ということを言っているわけではございません。一番中心になりますのは経済の立て直し、それに対しまして起こってまいります失業という問題を、これを最小限に食いとめていくというためにどういう施策を我々は重ねていったらいいか、そこがやはり大事なところだということを強調しているわけでございます。
○辻泰弘君 今も生きている第九次雇用対策基本計画についてお伺いしたいと思います。 この計画は、平成十一年八月十三日閣議決定でございまして、雇用対策法に基づく計画でございます。その中には、参考資料ではございますけれども、二〇一〇年ごろの完全失業率は三%台後半から四%台前半だと、このようなことが見通された計画でございまして、ある意味では状況が変わっている中で計画は前提が大きく変わっていると思うわけでございますけれども、この計画の改定についてお考えはいかがでございましょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 御指摘のように、第九次の雇用対策基本計画、平成十一年から十年程度を計画期間としております。したがいまして、繰り返しになりますが、先生御指摘のように、完全失業率につきましては三%台後半から四%台前半を見込むということになっております。 この第九次計画を策定したときのいわゆる我が国の経済計画、正式には「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」というものをベースにしておりますが、現在、経済計画として新しいものをつくるかどうかというのはいろいろな検討がなされているようであります。 中期経済財政計画というものが新しい経済計画になるということだとしますと、雇用対策法上、雇用対策基本計画は経済全般の計画と調和を持つようにしなければならないという規定がございますので、この計画の改定ということも検討課題に上がるというふうに思っております。
○辻泰弘君 今、経済財政諮問会議で取り組んでおられる中期的な経済財政計画、これは二〇〇二年から二〇〇六年度までの五カ年計画を作成中で、ことしじゅうに、一応十二月中に仕上げると、例の医療保険の問題でちょっとおくれているようですが、そういうことがあるわけでございまして、これはまさに雇用対策法で言うところの「政府の策定する経済全般に関する計画」ということになるわけでございますから、それに伴っての改定というもの、十次を作成するということが不可欠だと思います。 とりわけ、九次の計画の中を拝見いたしますと、後で質問したいと思いますけれども、これからの一つの大きな課題であると思われるワークシェアリングについてもあるわけですけれども、その対策の中の「基本的事項」の中の「新規事業展開等による雇用創出」の中の七番目に、「いわゆるワークシェアリングも視野に入れ、」「雇用の創出等を図ることが今後重要性を増すものと考えられる。」というふうな、ある意味で位置づけとして低いようになっているわけでございまして、そういう意味からも状況が大きく変わっているわけでございますし、また聞くところによりますと、経済財政計画、今、経済財政諮問会議でやっているその計画自体ローリングプランになっていて、毎年見直しを行っていくということのようでございますけれども、そういうような立場から状況に応じた雇用計画というものをつくっていただきたい。基本計画ですからそうころころ変えることもいけないかと思いますけれども、しかし一つのその時点での計画というのを持つことによって当面する政策というものをどうするかということが出てくるという側面もあると思います。 そういう意味で、大臣、第十次雇用対策基本計画の策定についてどういうふうに進めていかれるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今、先生御指摘の点について二点だけ明確にしておかなければいけないと、こう思います。 現在策定中の中期経済財政計画が最終的にどういう性格のものとして決定されるかということと雇用対策基本計画の改定との関係が、これは非常に、財政計画の性格に大分影響するという点で、今の段階で必ず連動して十次計画をつくるということにはならないという点が一点であります。 それから、雇用対策基本計画本来の使命として、国が雇用対策として基本的になすべきことについて新しい政策方向が必要だということであれば、例えばワークシェアリングの問題がそうであれば、財政計画の問題の反射だけではなくて、雇用対策基本計画の論理として当然見直すという要素が出てくると、こういう二点でございます。
○辻泰弘君 そういたしますと、どういう状況になれば政府の策定する経済全般に関する計画に値するということになるんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) ですから、現在策定中の中期経済財政計画が雇対法で言うところの国の経済全般の計画というものにオフィシャルになるかどうかということがかなり重要なポイントだと思います。
○辻泰弘君 ということは、閣議決定があるかどうかということでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 中期経済財政計画の中身にもよります。
○辻泰弘君 そうすると、この雇用対策基本計画の改定につながるような中身というのはどういう場合なんですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) ですから、繰り返しになりますが、国の経済全般の計画にふさわしいものといいますか、それに内容的に即したものかどうかということだろうと思います。
○辻泰弘君 そうすると、今、経済財政諮問会議でやろうとしていることは経済全般に関する計画じゃない可能性もあるということですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) そこはまだ可能性があるとかないとかいうことじゃなくて、どういう形で内容が確定して、どういう形式でオーソライズされるかということを見るということでございます。
○辻泰弘君 一般的といいますか、常識的に考えるならば、今、経済財政諮問会議が取り組んでいるのは経済全般に関する計画であることは間違いないし、またそれを閣議決定という形をとられるかどうかわかりませんけれども、政府の計画としてとらえてやっていくということは私は常識的な理解だと思うんですけれども、そうでないということが出てくること自体私はよくわかりませんけれども。 このことで時間を費やすことはあれですけれども、どうか大臣におかれましては、計画をつくること自体が目的ではございませんけれども、状況というのが大きく変わっている中で、やはり国の基本計画、それなりにしっかりしたものを打ち立てて、特に、後で聞きたいと思いますが、ワークシェアリングの問題もしっかりと位置づけたような計画をつくっていただきたいと思います。 大臣、一言お願いします。
○国務大臣(坂口力君) これはもう少し推移を見ないとわからないということが言えるというふうに思いますが、いずれにいたしましてもこれからの雇用状況というものも十分にもう少し踏まえないといけないというふうに思っています。雇用状況を踏まえるということは、その前に経済全体の状況をどう踏まえるかということになるだろうというふうに思います。テロ事件後の状況というのは非常に変わりました。その変化に対してどうしていくかというふうなこともあるだろうというふうに思っています。
○辻泰弘君 そういう意味で、まさに状況の変化があるわけですから、ワークシェアリングなんかも本当に一言触れているみたいな計画でございますから、そういう意味で、そういうものをしっかりと位置づけて、そういうものの新しい取り組みの基本姿勢を示していただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 次に、完全失業率の問題についてお伺いしたいと思います。 十月の失業率は五・四%と過去最悪だったわけでございまして、唯一好調だったサービス業でも新規求人数が急速に鈍化したということで、再就職の支援が急務となっているわけでございます。 これにつきましては各都道府県も力を尽くしておられるわけで、先般も東京都の緊急雇用対策が実施された、また東京都は独自の労働力調査を行って都内の失業率を出されたということもございました。また、私は兵庫県の選出でございますけれども、二〇〇四年度までに五万人の雇用創出だとか、県庁の職員の残業を減らして新たな雇用を創出するある意味でのワークシェアリングとか、そういう取り組みもございます。大阪府でも失業された方を雇用開拓員にというふうな取り組みなどをなされているわけでございます。そういう都道府県レベルでの取り組みが懸命になされている。 そして、先ほども議論がございましたように、緊急地域雇用創出特別交付金、補正予算で三千五百億つけられたわけですが、これの実施については客観指標に基づいて各都道府県に交付する。その客観指標としては労働力人口、求職者数、完全失業率などというふうになっているわけでございます。 それで、私は、完全失業率が今全国で十地域の数値しか示されていないわけでございますけれども、完全失業率についても都道府県ごとの数値というものがあってしかるべきじゃないかと、このように思うわけでございます。有効求人倍率は都道府県ごとに出されております。また、消費者物価指数、家計調査報告なども都道府県庁所在地のものが出されているわけでございまして、生活に密着した経済指標が都道府県という単位でなされているということを思うときに、失業率もぜひ都道府県のものが欲しいと思うわけでございます。 つくっておられるのは総務省の方でございますので労働省の直接ではございませんけれども、しかしお話をお伺いしますと、都道府県で調査をされたのを中央に持ってくるということでございますから、都道府県での調査をちょっと充実するといいますか、母数が少ないという御指摘もございますけれども、少し充実をさせることによって都道府県レベルの失業率というものが出せるだろうと思いますし、失業率が出たからといってそれで雇用が改善するわけではございませんけれども、そのような調査の過程の中に答えを出していくこともあるかもしれない、このように思うわけでございます。 そのような意味で、統計のために統計があるわけではございませんので、やはり生活だとか政策推進のための指標でございますので、そういう意味で完全失業率についても都道府県単位のものが出せるように労働行政の責任者たる大臣のお立場からも総務省に対して御尽力をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂本哲也君) 都道府県別の失業率の公表についてでございますけれども、ただいま先生お話ございましたように、これは総務省の統計局でやっておりますけれども、労働力調査の調査規模、現状では調査世帯のサンプル数は四万世帯ということなんですが、これは各都道府県別に信頼性を確保するというためには、このサンプル数をかなりふやさなきゃいかぬといったような問題点があるというふうに私どもも理解をいたしているわけでございます。 しかしながら、各都道府県レベルでの失業率の把握ということは、御指摘のように、地域の雇用情勢を的確に把握して雇用対策を行う上で大変重要な指標であるというふうに考えられるわけでございます。私どもといたしましても、いろんな機会をとらえまして、各都道府県ベースでの失業率がいろんな工夫ができないのか、そういった公表の方式につきまして総務省の方にいろんなお話を申し上げているところでございます。
○辻泰弘君 この点につきまして、ぜひお取り組みいただきたいと思います。 大臣、ぜひお願いします。一言お願いします。
○国務大臣(坂口力君) 先般の予算委員会におきましても御質問がございまして、失業率の問題ばかりいつも頭にあるものでございますから、できるだけそういうふうにいたしますというふうに答えましたら、総務省の管轄でございまして、少しおしかりを受けましてお断りを申し上げたところでございました。 しかし、思いといたしましては私も同じ思いをいたしております。統計を見ますときに、有効求人倍率は都道府県別に出ているわけでございますので、完全失業率もそういうふうになればなというふうにいつも思うわけです。例えば北海道でありますとか、あるいは近畿でありますとか、あるいは九州というような形ではブロック別には出ているわけでございますが、そうした九州の中でどこが特に悪いのか見たいなというふうに思いましたときに、それ以上のがなかなか出にくいというようなことがございますので、ここは御指摘いただきましたことを総務省にもよく伝えて、そしてぜひそういうふうになればというふうに私も思います。
○辻泰弘君 ぜひよろしくお願いいたします。 それで、失業、倒産がふえている中での問題として、未払い賃金の立てかえ払いの制度についてお伺いしたいと思います。 未払い賃金の立てかえ払い制度は、企業が倒産したために賃金が支払われないまま退職した労働者に対して、その未払い賃金の一定範囲について労働福祉事業団が事業主にかわって支払う制度でございます。そして、来年一月一日よりは上限額を引き上げるという方針が先般決められているわけでございます。 そこで、一つ私は申し上げ、お願いしておきたいんですけれども、この立てかえ払いの手続というものが、例えば破産のケースで、管財人の対応が遅くて制度の趣旨にそぐわぬ例があると。破産等の場合に、労働者のためのセーフティーネットとしてせっかくある制度がしっかり機能するように管財人、清算人等に周知徹底を図っていただきたい、このことをお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(日比徹君) ただいま御指摘のとおりでございまして、立てかえ払い、これは迅速な処理が望まれるわけでございまして、従来も管財人等の方々向けにパンフレットあるいは手引書のようなものを作成してお願いしておるところでございますが、今後におきましても、こういう迅速な処理を図る観点から、さらに一層周知あるいはお願いなりをしてまいりたいと思っております。
○辻泰弘君 私は自分自身が兵庫でございまして、その中で倒産された、破産されたケースがございまして、大阪に本社がある丸誠重工という件でございましたけれども、その点につきましても労働基準局の監督課の方で大変しっかりと対応していただきまして感謝しておりますけれども、どうかこの点、やはり年を越すということが生活にかかわるようなこともございますので、私がお願いした件だけではございませんけれども、どうか迅速な手続にお努めいただきますように御要請申し上げたいと思います。また、そのときにお世話になった皆さん方には感謝を申し上げております。 さて、雇用保険財政についてお伺いをしたいと思います。 今回の法案の中では、職業訓練の受講者に対する雇用保険の給付の拡充ということが一つの項目になっているわけでございます。現状といたしまて、失業者が急増し、雇用保険の財政、二〇〇二年度中にも積立金が枯渇するおそれが強い、このように思われるわけでございますが、雇用保険財政の現状と見通しについて御見解をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) まず、今年度の補正後予算ベースで見ますと、十三年度末の積立金残高が四千九百八十七億円と見込んでおります。十四年度の概算要求におきましては、収入が二兆三千二百三十億円、一方、支出が二兆六千五百七十二億円というものを見込んでおりますので、その差分、いわば単年度赤の分が三千三百四十二億円となりまして、これを積立金から受け入れるということになっております。したがいまして、平成十三年度末の積立金残高から十四年度概算要求で見込んでおります積立金の受け入れ三千三百四十二億円を引きますと、十四年度末の積立金残高は一千六百四十五億円ということになります。 なお、十三年度の支出、十四年度の支出にはそれぞれ予備費を計上しておりますので、幸いこの予備費を使うことがなかったということを考えますと、十三年度、十四年度の予備費合計が一千九百二十四億円になりますので、それが十四年度末の積立金残高にプラスされるということもあり得まして、そういう計算をいたしますと、加減しますと、予備費を使用しないという前提に立ちますと、十四年度末の積立金残高は三千五百六十九億円ということになります。
○辻泰弘君 雇用保険料は今年度に〇・四%引き上げられたばかりですけれども、今のようなお話でございますと、来年度いっぱいは再引き上げということにはつながらないのではないかと、こんなような理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 先般、国会の委員会答弁で大臣から現在は保険料の引き上げは考えていないという御答弁がございました。 今、十四年度いっぱいというお話がございましたが、雇用保険財政を見通すには、大もとの経済の動向がどうなるかということが大変重要でございます。それにつきましては、政府の経済見通しができますのは年末でありますし、それが正式に閣議決定されますのは一月に入ってでありますし、また雇用保険の独自の問題として、この四月に制度改正をいたしまして給付の重点化を図ったところでありますが、年度いっぱいは旧制度の給付を受ける方と新制度の給付を受ける方が混在しますので、制度改正の影響と申しますか効果がどう出たかを検証するにはなおしばらく時間がかかるというようなこと等々ございまして、いつの時点ということは今の段階では本当に申し上げることはできません。
○辻泰弘君 保険料徴収の問題についてお伺いしたいと思います。 医療保険制度改革という流れの中で坂口私案なるものが出まして、その中に医療、年金、介護、雇用など各保険料の徴収を五年以内に一元化という御指摘がございました。また、厚生労働省の医療制度改革試案におきましても、年金、医療、介護、労働の保険料徴収については早急に一元化するための準備を開始すると。骨太の方針でも社会保険と労働保険の徴収事務の一元化ということがうたわれているわけでございますが、この各保険料の徴収一元化についてどのように進めていかれるのか、御方針をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 医療制度改革を進めていきます上で、小泉総理は三方一両損ということを言っておみえになりますが、やはり役所の側、今まで保険等を扱ってまいりました役所の側もやはり痛みを感じなければいけないというふうに思っています。 現在まで年金、医療、介護、そして雇用と四つの保険があるわけでありまして、その徴収はそれぞればらばらに行われているわけでございますから、これは、これだけIT化が進んでまいりました時世でございますので、私は一元化ができるものというふうに思っています。 したがいまして、一元化を行って、そしてそこでむだの省けるところは十分にそのむだを省くということをひとつ行わなければなりませんし、ただ一元化をするというだけではなくて、それによって新しい社会保障の体系をつくり上げるということにも役立てなければならないというふうに思っている次第でございます。 現在、その取り組みにかかっているところでございまして、平成十五年度の電子政府化にあわせまして、インターネットによります届け出の一元的な受け付けを実施できるように今進めているところでございます。また、保険料の徴収などの実務につきましては、一元的に行うための体制のあり方を現在検討しているところでございまして、これらを総合的に見て、そして実施をしたいというふうに思っています。骨格はかなりでき上がってきているというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 それに関連して社会保障番号制ということの考え方についてお聞きしたいと思いますけれども、今後の課題としていわゆる非正規社員というものの社会保険適用というものを考えるときに、それをしっかりやっていくという上では社会保障番号制的なものが必要になるのじゃないかと。今おっしゃったこともその流れになるのかもしれませんけれども、例えば労働を開始する、人を雇うときには必ず社会保障番号が必要となるというシステムをつくるならば企業の思惑による保険未加入という問題はなくなるということもございます。 このことは骨太の方針でも社会保障番号制の導入ということがうたわれているわけでございますけれども、社会保障番号制のような考え方についていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 社会保障番号につきましては、現在既に年金における番号は存在をするわけでございます。この年金の番号を医療でありますとかあるいは介護の方に、あるいは雇用の方に広めていくべきかどうかということにつきましてまで現在検討はされておりません。しかし、これから社会保障を全体として考えていきますとき、先ほど申しましたように、徴収の一元化等を行っていくというようなことになってまいりましたときに、共通した番号制というものが大事になるということも私は起こり得るというふうに思っております。しかし、この番号制というのはいろいろのメリットと、そして使い方によりましてはデメリットもあるわけでございますので、そこはよく皆さん方に議論をしていただいて、そして合意を得た上でなければ、やはりここはなかなか前に進むことができない問題だというふうにも思っているわけでございます。 我々、この年金番号等を十分に活用させていただいて、そして皆さん方に番号の存在価値というものを十分にわかっていただくようにしていきながら今後のことを考えていきたいと思っております。
○辻泰弘君 先ほど申し上げましたワークシェアリングについてお伺いしたいと思います。 ワークシェアリングについては緊急避難型、中高年対策型、雇用創出型、多様就業対応型というような分類などがあるわけでございますが、それにつきまして坂口大臣は、日本で導入するにはまずどのタイプでいくかを決めなければならない、このようなことをおっしゃっているわけでございます。 現時点で、大臣としてはどういう形が望ましいといいますか、どのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) ここのところは労使の皆さん方の御意見も十分に聞かなければいけないというふうに思います。小泉総理からは、ぜひ労使とそして政府との間の三者協議というものを始めて、来年の三月ぐらいまでに結論を出してほしいと、こういうふうに言われているところでございます。 これを進めていくにつきましては、先ほど委員からも御指摘ありましたように、やはりどうした内容にしていくか、どうしたタイプのものを採用していくかということを決めなければならないというふうに思いますが、ここは政府の方が一方的にこの案でやるべきだというふうに言うのは控えなければならない、やはり労使の皆さん方が理解をしていただけるタイプにしていかなければならないというふうに思っております。 しかし、一時的な現在の経済動向、あるいは一時的な雇用情勢というものだけを踏まえたものではなくて、もう少し中長期的な展望を持ったワークシェアリングにしなければならないのではないかというふうに私個人は思っているところでございます。 そうした立場でこれからお話し合いに臨みたいというふうに思っておりますが、諸外国の例を見ましたときに、例えばフランスでありますとかオランダでありますとかといったようなところは中長期的展望に立ってこの問題に取り組んでいるというふうに思っておりまして、外国がやりましたのと同じことを日本でやるということはない、やはり日本は日本型としてのワークシェアリングを構築しなければならないというふうに思いますが、そうした諸外国のことも参考にはなるだろうというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 このワークシェアリングにつきましては、オランダにおけるワークシェアリングというものが注目されております。 オランダの労働市場改革の出発点は一九八二年のワッセナー合意、政府のイニシアチブによって賃金上昇率の抑制、パートタイム雇用の促進、労働時間短縮を通じた雇用の創出に政労使が合意をされたということからオランダ政府は同一労働同一賃金の法律をつくられた、また社会保険料の軽減を行うということをやられたわけでございます。また、フランスのワークシェアリングにおいても社会保障負担の軽減などの政策が講じられているわけでございますが、政府としてのそのようなワークシェアリングを推進していく上での支援方法にはどういうものがあるとお考えなのか、お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 支援方法。
○辻泰弘君 サポートする、支援する、推進方法。
○国務大臣(坂口力君) そこが一番我々としては決めなければならないところだというふうに思っておりますけれども、そこまではまだちょっと行っていないんですね。どういうタイプをつくるかということによって支援の仕方というものも私は変わってくるだろうというふうに思います。そのタイプの決定によって我々の支援体制というものの姿というものもそこで明らかになってくるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、労使の皆さん方だけにお任せをして、そしてただその調整役をするというだけでは済まないだろうと私も思っております。 そのときにそれじゃどういうことを政府としてやるかということにつきましては、そのタイプによってかなり内容は違いますので、今我々がここでこういうふうにします、ああいうふうにしますというところまでは申し上げることはできません。しかし、その労使のお話し合いが十分に進んでいくような方向で我々も協力をしなければならないと思っています。
○辻泰弘君 この問題につきましては、ワークシェアリングにつきましては塩川財務大臣も大変積極的で、財政措置を講じて支援すべきというふうなお考えも国会で御答弁されているわけでございます。また、塩川大臣が一定の助成金の提案を厚生労働大臣にされて、その検討を事務方に指示されたと、このようなことも言われているわけでございますが、このような塩川財務大臣の御見解、これを受けて来年度から何らかの支援措置を講ずるというようなお考えはないのか、せっかく財務大臣がおっしゃっているわけでございますから要求されてはどうかと思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 財務大臣は個人的な考えという前置きのもとに御発言になっているわけでありまして、財務大臣が年来、年来と申しますか、今までからお考えになっておりましたワークシェアリングについてのお考えを述べられたものというふうに思っております。かなり積極的な御発言をいただいたわけでございまして、私の方がびっくりするほどでございましたから、大変ありがたい話だというふうに思っておりますが、しかし個人的な御見解でございますから、その財務大臣の御主張のとおりになるかどうかは私も若干心配をいたしているところでございます。 そうしたことも含めまして、これからどういうふうにしていくか、そしてそれが十四年度の予算に関係をするものでありましたならば、これはもう早く結論を出さなければならないわけでございますし、この年末の予算を決定するまでにそれが間に合うかどうかということは非常に難しいところでございますけれども、年内にも第一回の会合を開きまして、そしてどういうことを詰めていくかということを早急にやりたいというふうに思っておるところでございます。
○辻泰弘君 このオランダの状況と日本の状況を比べますときに、やはり時間当たり賃金の概念がはっきりしている欧米と比べ、日本はそういうものがない。また、フルタイム、パートタイムの格差というものが日本の場合非常に大きいわけでございまして、ストレートにオランダ型を持ってくるというわけにもいかないと思うんですけれども、しかしこれからの雇用創出、雇用の確保の一つの大きな切り口だと思うわけでございまして、どうか政労使雇用対策会議等を通じまして全力でお取り組みいただきまして、三月とおっしゃっていただいたわけでございますが、ぜひ立派な方針をつくっていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 それでは、残余の時間、若干派遣に絡んでお伺いしたいと思います。 今回の法案の一つには中高年齢者の派遣期間の延長のことがあるわけでございます。聞くところによりますと、十二月七日に政府の総合規制改革会議が最終取りまとめをされるというふうに聞いているわけでございますが、この派遣労働者の派遣期間の制限撤廃という問題があったわけでございますが、やはり労働雇用全体に与える影響を考慮しつつ対処すべきだと思っているわけでございますけれども、この規制改革会議における決着というのを、見通しをどのように見ておられるか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 総合規制改革会議の最終取りまとめにつきましては、委員御指摘のように、今月の七日に開催が予定されております第十五回の総合規制改革会議におきまして、最終案文を確認してその後答申を行うことができるように検討を進めていると承知をしております。 最終取りまとめにおきます労働者派遣に関する記述につきましては、私どもは承知する立場にはございませんが、本年三月に閣議決定されました規制改革推進三カ年計画と、もう一つ本年七月に同じく取りまとめられました重点六分野に関する中間取りまとめ、この二つが基本になるものと認識をしております。
○辻泰弘君 派遣に絡んで一つお聞きしたいんですけれども、派遣労働者についての保険適用の問題です。 正規の労働者に比して低い派遣労働者の待遇改善というものがやはり重要な課題だと思うわけです。派遣社員は働いている間は派遣元の健康保険に加入するけれども、派遣が終わると国保に移る必要があるということで、結果として手続が大変面倒で無保険になる方が多いということがございます。 これは、厚生労働省の医療制度改革試案におきましてもこの点についての言及がございまして、派遣労働者の就労実態等を踏まえた健康保険組合の設立を認めるとともに、適用基準の明確化を平成十四年度に行うと、こういう指摘がございます。現に十一月二十八日に日本人材派遣協会が派遣社員が加入する健康保険組合を四月一日に設立するという方針も出されているわけでございますが、派遣労働者を対象とした健康保険組合の設立について今後どのように取り組んでいかれるのか、またここで言うところの適用基準の明確化というのは具体的に何を指すのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 派遣労働者の社会保険の問題につきましてお尋ねをいただきました。 委員御指摘のとおり、派遣労働者については就労と就労の間に空白期間があるということでありまして、御指摘のように保険の適用漏れあるいは届け出事務の繁雑さということが指摘をされてきたわけであります。 したがいまして、委員がこれも御指摘されたように検討を続けているわけでありますが、厚生労働省といたしましてはお話のありました社団法人人材派遣協会とも協議を行っております。派遣労働者の就労実態を踏まえた社会保険のあり方の検討を重ねているわけであります。その結果、派遣業を対象とした総合健康保険組合の設立を認めるということ、それから、今お尋ねがありましたけれども、適用基準の明確化を図りまして、就労と就労の間に短期の空白期間が生じる場合については使用関係が継続をしているものとして資格を喪失させないというような適用を検討しておりまして、その方向で今作業を進めております。派遣労働者に対する適用の促進を図っていきたいというように考えているところでございます。
○辻泰弘君 私は、政治の目的、突き詰めていくと庶民の幸せを大きくすること、そのことにあると確信しております。今日的に考えますときに、雇用の安定、雇用の確保、その中に庶民の幸せがある、また雇用の安定、雇用の確保、その中に家族の幸せがある、このように私は思うわけでございます。 どうか厚生労働省、大臣以下の皆様方におかれましては、この点につきまして今後とも御努力いただきますように心よりお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 辻議員がワークシェアリングについていろいろと伺ってくださいましたが、私もワークシェアリングについて伺います。 小泉総理大臣は坂口厚生労働大臣にワークシェアリングの導入について検討するようにとの指示があったと伺っておりますが、この総理からの指示についてでございますが、導入を前提の指示と理解されているのか、あるいは導入の有無に関係なく検討するだけと理解されているのでしょうか、どちらでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 総理から御指示をいただきますまでに厚生労働省として、また私個人といたしましてもこのワークシェアリングというものに大きな関心を持ってまいりました。 と申しますのは、雇用情勢が非常に厳しい状況を迎えまして、現在までのきめ細やかな雇用対策というものがあることはもう御承知のとおりでございますけれども、それだけで果たして現在の雇用状況というものを乗り切ることができるかどうかということを考えましたときに、もう少し大枠の雇用対策というものが必要になるのではないか、その一つとしてワークシェアリングというものをもう少し積極的に進めることができればというふうに思っていたわけでございます。 労使の皆さん方と個別には私もお会いをさせていただきましたときに、このワークシェアリングの話につきましていろいろさせていただいてまいりました。しかし、今までは労使の間でなかなかお話し合いが煮詰まらなかった。煮詰まらなかったものですから御一緒にお話を三者でしようということがなかなかそこまで行かなかったわけでございます。 しかし、この十一月でございますか、十一月になりまして労使の間でお話し合いが進みまして、そうしてこのワークシェアリングの問題について積極的にひとつ話し合いを進めていこうということを一応合意されました。十一月と申しましたが、あるいは十月であったかもしれません。十月でございましたか、済みません。十月でございます、訂正いたします。十月にそういう合意をされまして、そして一気呵成にこの問題が浮上してまいりました。 そうした中にありまして、総理からも、それじゃその合意ができるのであるならばひとつ政府の方もその中に積極的に入らせていただいてやらせてもらってはどうかと、こういう話になってまいりまして、先日、その指示をいただいたところでございます。 辻議員にもお答えをさせていただきましたとおり、できるだけ早くまとめてほしいということでございまして、一応、来年の三月をめどにひとつ骨格をまとめてほしいということでございますので、精力的にこれから三者会談を持ちたいというふうに思っております。もちろん、これをまとめるということが前提のお話でございまして、そういうふうにしたいと思っている次第でございます。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 ようやっと同じテーブルに労使ともに着くことができたと、もう少し早くだといいのになと思いますが。四、五年前から取り組んで成功していらっしゃる大企業もあるやに伺っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。 厚生労働省として、ワークシェアリングに関する調査研究を三井情報開発総合研究所ですか、委託調査をされていますけれども、その報告書が本年四月に報告されておりますが、その調査結果について概略御報告をいただきたいのと、その調査結果に対して厚生労働省はそれをどう受けとめられたのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(坂本哲也君) ただいまお話ございました、ことしの四月に提出いただきましたワークシェアリングに関する調査研究報告書、委託研究でございますけれども、この報告書によりますと、ワークシェアリングはその目的からしまして四つのタイプに類型化することができるというふうに整理をいたしております。 一つ目のタイプといいますのは、雇用維持のタイプなんですけれども、そのうちでも特に緊急避難として行われるものでございまして、これは、企業の一時的な景況の悪化を乗り越えるために従業員一人当たりの所定内労働時間を短縮する、そして企業内でより多くの雇用を維持しようとするものでございます。 それから、二つ目のタイプといいますのは、雇用維持型のうちの中高年対策型と言われるものでございまして、これは、中高年層の雇用を確保するために、中高年層の従業員を対象としまして一人当たりの所定内労働時間を短縮して企業内でより多くの雇用を維持しようとするものでございます。 それから、三つ目のタイプといいますのは、雇用創出型、雇用をつくり出す型でございます。これは、失業者に新たな雇用機会を提供することを目指しまして、国あるいは企業単位で労働時間を短縮するというものでございます。 四つ目のタイプといいますのは、多様就業対応型と言われるものでございまして、これは、正社員につきまして短時間勤務を導入するなどその勤務の仕方を多様化いたしまして、女性とか高齢者を初めとしましてより多くの労働者に雇用機会を与えようとするものでございます。 また、この委託調査におきましては、この四つのタイプのワークシェアリングを通じましての今後の検討課題ということで五点ほど掲げておりまして、一つは労使の合意形成の必要性、二つ目は労働生産性の維持向上、三点目は時間を考慮した賃金設定に対する検討と理解、四点目は、職種によるいろんな差があるではないか、その考慮、それから五点目はパートタイムとフルタイムの処遇格差の解消、こういった指摘がなされておるわけでございまして、私どもといたしましては、今後、ワークシェアリングの検討を行う中で、こういった指摘についても十分留意をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。 このワークシェアリングの導入の判断は極めて難しいと思いますけれども、まずやっぱり労使の話し合いが前提になると思います。しかし、十月十八日の日経連・連合の「雇用に関する社会合意」推進宣言を拝見しますと、大変感動的な宣言であったなと思います。 十一年十月の労使の「雇用安定宣言」、いわゆる深刻な雇用情勢を打開するために労使が最大限の努力を傾注すべきこと、及び雇用安定と雇用創出に向けて、それぞれが社会的役割を果たしていくことを確認したと労使協調の宣言がなされ、またこのたびは我が国の景気が長期低迷する中、不良債権の処理などの構造改革等による国内の雇用情勢の深刻化が懸念されているとして、政府施策の一層の充実を要請して、ここに政労使による「雇用に関する社会合意」の推進を期するものであると。 この厳しい状況の中で労使が力を合わせていこうとされたことは産業界の中にあってルネサンスかなと思っておりますが、労働者にとって大きな希望ではないかと思います。 この宣言に対して、大臣はどう評価なされていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほども少し触れましたとおり、今までにも個別に、そして部分的には触れられていた面がございますけれども、労使が協調されまして、そして労使が一致した意見としてここまで述べられたことはなかったというふうに私は思っております。 したがいまして、この労使の雇用に対する協調して取り組もうという姿勢を高く評価したいというふうに思いますし、皆さん方と協力をさせていただいて我々もその役割を果たさなければならないと思っておるところでございます。
○沢たまき君 いずれにいたしましても、大臣は来年の三月をめどにまとめるとおっしゃってくださいましたが、労使がこれまで努力をされているわけですから、厚生労働省のいかんで決まるわけですので、ワークシェアリングについては労使に対して積極的に支援をしていただきたいと思います。十月現在、雇用者数が五千三百六十一万人ですから、このワークシェアリングが一%でも実現すると五十三万人の雇用の創出ということがありますし、大変な効果が上がると思っております。 雇用確保をするため似たような諸制度がありますけれども、必要によってはこのような諸制度全体を見直してもワークシェアリングを推進するべきではないかと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) もう先ほど申し上げたことに尽きるわけでございますが、このワークシェアリングを進めていくにつきましては整理をしなければならない問題点が幾つかあるというふうに思います。それらのことを十分に整理をして前に進まないと後でいろいろのまた問題が起こってくる可能性がございますので、そこはひとつ十分に議論を尽くして、そして前に進みたいというふうに思います。一応、三者構成で行いますメンバーのメンバー表もでき上がったところでございますので、この十二月中に第一回を開かせていただきたいというふうに思います。 その中で、やはりことしじゅうに、先ほどから御議論がございますように、どういうタイプのワークシェアリングに取り組んでいくかという一番のその大事なところを私は決定をしておかないと、来年から三月までの間三カ月あると思っておりましたらすぐになくなりますので、これはなかなか三カ月間で終わることは難しいというふうに思います。一月はもう半ばまで松の内でございますからせいぜい二カ月と思っていいというふうに思いますので、そう思いますと大枠のこの決定は年内にぜひやっておくという気迫でいかないといけないというふうに思いますので、三者の話し合いを積極的に進めたいと思います。
○沢たまき君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 じゃ、次に緊急地域雇用特別交付金についてお伺いいたします。 まず、緊急かつ臨時的な雇用、いわゆる新公共サービス雇用を創出する事業となっておりますが、単純に伺いたいんですが、新公共サービスとはどんな事業を指しているんでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 緊急の地域雇用創出特別交付金でそういう言葉を使っておりますが、言葉を使っておりますのは改革先行プログラムあるいは総合雇用対策の中でそうした用語が出てまいります。その意味するところは、地方公共団体が地域のニーズを踏まえまして、民間企業、NPO、シルバー人材センター等の活用を含めた公的部門におきまして緊急かつ臨時的な雇用を創出するための事業であります。そうした事業で創出された雇用就業機会のことを新公共サービス雇用というふうに定義しておりますので、御質問に端的に答えるとしますと、そうした雇用を生み出すような交付金事業を総称して新公共サービスを生み出す事業というふうになるんだろうと理解しております。 具体的には、例えば学校への教員補助者あるいは警察の支援要員、それから環境保全のための森林作業員等、国が推奨事業例を示しておりますが、これらの事業を当然含めまして、都道府県、市町村が地域の実情に即して、創意工夫に基づいて企画・実施する事業、それに伴って提供されるサービスが新公共サービスということになると思います。
○沢たまき君 ありがとうございました。 都道府県の事業計画で事業費に占める人件費割合がおおむね八割以上、失業者の雇い入れ割合がおおむね四分の三以上となっておりますけれども、地方自治体によると事業を選択するに当たって大変基準で苦慮されている声が出ておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 八割とか四分の三という基準は都道府県が市町村分を含めて県全体として計画をつくるときのいわば要件でございまして、個々の事業だとか市町村ごとにこの要件をかぶせるというものではございません。 したがいまして、現実の現行交付金事業の運用から見ても、この八割、四分の三というものは決して厳しい条件ではなくて、事業展開を効率的に行うという面だけではなくて、個々の事業者の創意工夫を縛るという点もなくて、十分クリア可能な要件であるというふうに考えております。
○沢たまき君 そうなんですけれども、そうはおっしゃってくださいますが、都道府県、市町村はかなりやっぱり苦慮されて、全国の市長会でも業務の内容の採択基準の緩和を希望されている方が多いですよね。 今回、推奨事業例が今おっしゃったようにいっぱい出ておりますね。教育とか文化、環境、治安、防災、福祉、保育、地域振興等々示されておりますが、こういう事業に民間企業が参入する場合、新規雇用があるとしてどういう形であれば参入ができるのでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 個々の交付金事業につきましては、その事業をやりたいといいますか、受託したいという事業者あるいはその事業につきたいという労働者といいますか失業者の方々について、十分そのアクセスが明確でなければならないということで、まず地方公共団体に対しましてこの事業の担当窓口をはっきりしてくださいということを要請いたします。そして、そこで事業についての周知を行いますが、実際どういう形で事業に民間企業が参入するかということを考えますと、その担当窓口の方に参入したい事業の方が、個々の事業について、いつ幾日、どういう形でアクセスできるんだということを聞いてきた場合にはそれにお答えする。 それで、実際の参入の形としては、公的資金の支出による契約でございますので、現在地方自治体で行われている例えば競争入札だとか、極めて限定された場合の随意契約とか、そういうルールに従ってまさに受託する、受託しないを決めていくということになると思います。
○沢たまき君 はい、わかりました。 ある都道府県が行った事業で、昨年の例ですと、例えば新規雇用が二名で二千四百万円の事業もあれば、六百八十万円で六百六十四人も新規採用しているという、こういう事業もあります。要するに、前回の交付金というのは一種の公共事業みたいに一つの事業を事業主体である地方自治体が民間にやらせて、そのかわり新規雇用者を二名採用したという方式で実施されたところもあるようなんですね。 これは厚生労働省からいただいた中にあったわけですが、今回は失業者の四分の三以上、人件費が八割の条件がついたわけですが、このことによってこのような事業は精査されていくんでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) まず、都道府県から事業計画段階ベースで私どもは計画をもらいまして、そこで事業についての雇用効果というものをチェックできるということがあります。 もう一つは、事業計画の段階あるいは事業を実施した後について都道府県、市町村に対して公表することを求めますので、事前の段階で雇用効果について私どもがといいますか都道府県も含めて、それほど雇用効果のないものをもしパスさせたとしたら、結果の公表段階において、第三者の目から見てこの事業は雇用効果が少ないんじゃないかという評価を受けますので、そういう形でも精査の仕組みができているというふうに考えております。
○沢たまき君 精査できているんですね。二千四百万で二名と六百八十万で六百六十四人というと、いただいたこの表ではどうなっているのかなという気がいたしましたが、そのようにしっかりと精査をしていただければと思います。 次に、雇用期間について伺いますが、前回は六カ月、半年となっておりましたけれども、今回は事業内容等によって一回の更新が可となっていますが、これは多くの失業者の方々に機会を与えてあげようという配慮のためだと思います。 前回の雇用期間が六カ月以内ということが逆に長期雇用の場というよりも六カ月以内に終わる事業が選択される傾向があると思うんですが、そこら辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 御指摘のとおり、現行交付金では雇用期間は六カ月未満、更新なしということで運用しておりますので、事業そのものが六カ月というものもありますけれども、実際をよく見ますと、雇用期間は六カ月であっても事業は一年というものも結構ございます。 今回の新しい交付金事業におきましてもやはり六カ月未満というのは原則でありますが、事業内容によっては更新オーケーということも仕組みとして設けておりますので、そうした面からは、いわゆる細切れ雇用ではなくて、限定的ではありますが、ある程度長い雇用も十分確保されるというふうに考えておりますし、そもそも都道府県、市町村がこの事業を企画・実施する段階で、この事業に半年あるいは一年なりあるいは三月なりついた就業経験が安定した雇用につく上で役立つというようなことも十分考慮して事業を企画してくださいということを都道府県、市町村にお願いいたしますので、そうした面からも御指摘の点についてはこたえるように一層努力していきたいと思っています。
○沢たまき君 私は二月にまとめられた交付金の基金の事業の事例を拝見させていただきました。 例えば、神奈川県の事例ですけれども、障害者職場定着支援等事業が紹介されておりまして、この事業の内容は、一般就労が困難な障害者の職業能力に応じた就労の場の確保と、職場の定着を支援する地域就労援助センターにジョブコーチとして配置されたんですね。二十二名中六名が事業終了後、正式の社員として採用されております。そのうちの一名は障害者を雇い入れている企業に指導員として採用されていると、こういう事例が出ておりました。 もう一つ、石川県ではバリアフリーマップ作成事業というのをされて大変好評だそうですが、この事業の内容は、バリアフリー社会を実現するために県内の官公庁とか文化、スポーツ、レジャーの施設など、生活関連施設等における車いす用のトイレとかスロープがあるかとか、点字ブロックなどの整備状況をバリアフリーマップとして作成したものらしいですね。三十七名全員が障害者の方と書いてありました。大変貴重な資料としてこのバリアフリーマップが喜ばれているんですが、このようなすぐれたといいましょうか、成功例といいましょうか、こういうものはいろんな方々に知っていただいて、全国に配布して参考にしていただいた方がいいんじゃないかなと思うんです。 その中で、東京が一例しか出ておりませんで、平成十一年、十二年で五百九十五件もあるのに、たった一件なんですね、東京の場合は。もっと載せてほしいなと思ったんですが、いずれにしても、拝見させていただいた中ですごくすばらしいのもあるので、前の子供のときの特別交付金みたいに、すてきな一冊の厚い本にしていただきましたけれども、平成十四年度から始まる前に今申し上げたようなすばらしい例は全国に事例としてまとめていただいて事業の参考にしていただきたいと思うんですが、御苦労でしょうけれども、ぜひ配布していただければと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 現行の交付金事業の中から好事例になるものを改めて早急に収集いたしまして、新交付金事業の企画・実施に役立つように地方公共団体の方に参考資料として供与したいと、こう思います。
○沢たまき君 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 では次に、産業の活性化に伴う雇用創出について伺います。 十月の完全失業率は二カ月連続で過去最悪を記録いたしました。坂口大臣は記者会見で、容易ならざる事態に至っている、局所療法としての雇用政策は限界に近づきつつあると述べて、全身の療法でなければ雇用の悪化は食いとめられない旨のお考えを示されております。 雇用は生産からの派生需要であるということから見れば、当然民間産業が活性化しない限りは抜本的な雇用の拡大は進まないと思いますが、提案されております本法律案は緊急の対応でありまして、構造改革の受け皿づくりでもあってセーフネットづくりであります。景気対策も含めた積極的雇用の対策を本格的に講じていく時期が来ているのではないかと思いますが、大臣、お考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 構造改革そのものが新しい雇用を生み出していくということは、私もそのとおりというふうに思っておりますが、その構造改革やあるいはもう少し具体的に規制改革でありましたり、そうしたものが新しい雇用を生み出しますまでには少し時間がかかります。そして、現在起こっております失業者をどうするかという問題との間に確かにやはりタイムラグが生じるというふうに思っております。そこをどうするかということに我々は全力を挙げなければならないというふうに思っておりますが、しかし、私が記者会見で申しましたのは、その出口であります雇用の問題、雇用政策だけでは対応し切れない、やはり経済全体の政策があって、そしてそこで初めてそこは可能になるということを言いたかったわけでございます。 雇用政策といたしましても、全力を挙げて行いますけれども、しかし言ってみれば雇用政策というのは健康障害のときに起こります一つの症状みたいなものでございますから、その症状がなぜ起こるかといえば健康障害にあるわけでありますので、その根源をどうするかという対策があわせて必要になってくることは論をまちません。その根源に対する対策としてやはり構造改革をやることによってその根源を治すのだという総理のかたい決意というものを私たちも十分に受けとめなければならないというふうに思っております。 しかし、先ほど申しましたように、構造改革を断行してからそこに新しい雇用が発生してくるまでの間の時間をどのようにつなぐかという大変難しい問題がそこには存在するわけでございまして、我々はそのことに全力を挙げていかなければならないと思っている次第でございます。
○沢たまき君 全く本当にそのとおりでございますが、痛みを、日々不安を感じている方もいらっしゃいます。失業保険を受け取って、終わって、その後の厚生年金に切りかえたんだけれども、本当に年を越せるかどうかという不安の声も本当に聞かれました。タイムラグはどうするかと、本当にそうだと思いますし、医療で言うと全身という、おっしゃることはすごくよくわかるんです。 景気対策についてちょっと伺いたいんですが、従来の公共投資型でなく構造改革、目的に沿った景気の対策を模索する必要があると思うんですが、大変古い話になって恐縮なんですけれども、明治維新のとき、時の政府は銀行とか鉄鋼を国営で経営して、日本の産業が欧米からの技術を導入し、日本の産業が発展してきてもうかるようになったらば、国はさっさと民間に渡してしまったと、民間に移行してしまったと。今考えると、明治時代の政治家は大変な先見の明があったのかなと大変感心しているところでございますが、この先達の例から見れば、いつまでも何でも国が保護していくことは逆に民間を衰退させてしまうのではないかという思いがいたしております。国がやるべき産業の政策は、民間産業を時代に適応した産業への転換あるいは再生させること、また産業の新陳代謝を図るため先導的役割を果たすための投資を国がしてあげることではないかと思います。 したがって、産業の構造改革を進める上で最も大切なことは、国の役割と民間の役割を明確にしてより健全な形で協調し合うということが大事ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(大村秀章君) 委員御指摘のように、産業政策全体として国の役割と民間の役割を明確にして、そして民間の能力をできるだけ引き出していくということが日本の経済の活性化に結びつく、まさしくおっしゃるとおりだと思います。 そういう意味で、私ども経済産業省といたしましても、従来、累次の経済対策で公共事業、いろんな公共投資も積み増してまいりましたけれども、これからはやはり構造改革を進めて、先ほど坂口大臣が言われましたように、経済の構造改革を進めていって、そして民間の事業者の能力を引き出していく、そして民間の事業者による経済の自律的な回復を図るというのが我々のこれからの大きな方向だというふうに思っております。 そういう意味で、こういう認識のもとに、先般取りまとめられた総合雇用対策などを踏まえまして、私ども経済産業省といたしましては、一つは研究開発投資の重点化ということで産業の技術開発力、これを強化をしていこうということ、それからまた大学とのこういった連携によってベンチャー企業をどっと起こしていこうという方策、それからまた新たな新規の開業・創業を応援をしていこう、それからまた企業の再編、組織の再編をもっと自由にして経営資源を選択をし、集中をしていく、そういったものを後押ししていこうということをこれからしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、事業の付加価値を高めていくということを通じまして、公共投資に依存した産業の体質から時代に適応した民間の事業者の能力を引き出す、そうした経済の構造改革、委員御指摘のように進めていきたいというふうに思っております。
○沢たまき君 要するに、安易な公共事業に依存をしない雇用創出型の産業、それから製造業をどう再生させることができるか、その道筋をつくることが国の役割ではないかと思います。 今の企業にとっては、雇用の確保か競争力を身につけるかの二者選択を迫られているのではないでしょうか。産業の海外への移転はまさにその最たるものではないでしょうか。国際競争に勝てないから雇用を捨てて海外に走らざるを得ないのではないでしょうか。したがって、海外に移転しなくても国内の工場も十分に競争に打ち勝てるという環境づくりを何かしら知恵を絞って対策を講じませんと積極的な雇用の創出は難しいのではないでしょうか。 また、今、大村先生がおっしゃっていただきましたように、大学も、ただ勉強するじゃなくて、大学で投資でも何でもやってもうけていただいて、それを自分のところの研究費に使えばいいわけでありまして、アメリカはどんどんやっているのに、日本は何だか勉強だけやって、それを実践に移すとその話は全然役に立たなかったなんと言われて授業料を返してもらいたいぐらいでございますが、そのように競争力に勝てるという環境づくりを英知を結集し知恵を出し合って対策を講じないといけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(大村秀章君) 今、沢委員おっしゃるとおりでございまして、特に大学も、確かに日本の大学はこれまでやはり大学の自治といいますか、研究というのは一つ違うんだというような雰囲気も少しあったのでありますけれども、やはりこれからは大学と産業界とをどういうふうに結びつけていくのか、そしてそこから新たな技術、新たな企業、それから、今、委員御指摘のように、大学の先生とかそういった先生と関係する人が新しいベンチャー企業をどんどん起こしていくということを我々はどんどん進めていきたいなというふうに思っておりますし、アメリカの例を見ても、そういったことでアメリカの産業がどんどん活性化してきたということはもうおっしゃるとおりでございますので、そういったものを進めていきたいと思いますし、そうしたことをやっていくことが今大変懸念をされております国内産業の空洞化に対する対策にもつながると思っております。 とにかく人件費は中国を初め大変日本に比べて大分格差がございますので、日本の産業が活力を持っていくためにはやはり付加価値の高いもの、そういうレベルの高いものを追求していくということが私は空洞化対策だろうというふうに思っております。そういう意味で、沢委員御指摘のとおり、そうした方面、これからもしっかりと進めていきたいと思っております。
○沢たまき君 どうぞよろしくお願いいたします。 日経の調査で、工場の閉鎖とか休止を実施したところは百二十四の工場、これは上場企業ですから、昨年の三倍以上、それから配置転換とか希望退職を迫られている従業員が一万人にも上るというわけですから、ここまで来ますとマクロ的な政策ではもう効果が上がらないわけで、産業の空洞化はとまらないわけですので、経済産業省、空洞化を防止するためにも全力を挙げて個別に対応をしていただきたいと、このように思っております。 あと五分しかないので、済みませんが、次に一つ法案の内容について伺いたいと思います。 今回の法案は、まさに最悪の失業率に対して緊急的な措置として実施されるものですから、したがって厚生労働省としても全力で取り組んでいただきますようよろしくお願いをいたします。 雇用のミスマッチを解消するため、訓練延長給付制度の拡充も実効あるものにすることは大変大事だと思っております。そのためには十分な訓練枠を確保しなければなりません。また、より効果的な訓練コースを整備する必要があります。また、個々の受給者の適性やそれまでの職業の経験や能力を見きわめた上で適切な訓練を受講できることが不可欠だろうと思っておりますが、その点、具体的にどう進められるお考えなのか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) まず、訓練延長給付の拡充でありますが、十三年度は補正後で十六万人分を確保いたしました。それから十四年度は、概算要求でありますが、十八万人分を要求いたしております。 そうした訓練延長給付を実際発動するためには、御指摘のように、まず多様な訓練コース、訓練枠の拡大ということが必要であります。したがいまして、今回の補正でもこの二点、大学、大学院あるいは民間を含めた多様な訓練コースの設定、そして訓練枠の拡大という点については予算措置をしていただいたところであります。 それから、訓練の中身の話になりますが、どういう訓練をするかにつきましては、どういう人材を求めるかというニーズと訓練をしたい方々のいわば供給サイドのニーズ、この両方を見て役に立つ訓練、就職に結びつく訓練をしなきゃいけませんので、職業能力開発機関と公共職業安定機関、そして地域の産業界、この辺が連携をとって、どういう訓練がこの地域では必要かということを決めます。それで、訓練コースを決めて、訓練の委託先、実施してもらう機関も選びますが、訓練を実施していただく機関につきましても、そこでの訓練実績がどうであったか、そこを修了した方々がどれぐらい就職したか、こういう実績評価もきっちりやりまして、委託先の訓練機関につきましても見直しをするということをやっていきたいと思います。 それから、実際の訓練の受講指示の点につきましては、実際、御本人が希望することを単に受けるということではなくて、訓練受講によって就職可能性がこの人はどれぐらい高まるかということを念頭に置いて訓練受講指示の対象者を選んでいきたいと思っております。特に、複数回受講の指示を発動する場合には、御本人が一回目の訓練でどれぐらいの訓練の履修効果を上げたか、まさに受講態度だとか結果、それから二回目の訓練に移る場合の技能、知識の到達度を踏まえた、どうした二回目の訓練がいいかということの選択とか、この辺をきっちりやって、まさに個々の訓練受講者の能力、意欲、適性等々を踏まえた形で受講指示を発していきたいと、こう思っております。
○沢たまき君 経営革新も聞きたかったんですけれども、もう時間がありませんので終わります。 ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、経済社会の急速な変化に対応して行う中高年齢者の円滑な再就職の促進、雇用の機会の創出等を図るための雇用保険法等の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。午後一番の審議というのが一番眠気も誘いますしお疲れになるときかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、質問通告をしていないことなのですけれども、お伺いさせていただきたいことがあります。 議員会館の私の部屋は、ちょうど自民党本部が真向かいに見える西側を向いております。今、自民党本部のあの建物には、この間まで小泉総理の大きな大きな顔写真がございましたけれども、ついこの間からは、「皇孫殿下のご誕生をお祝い申し上げます」、こういう大きな垂れ幕が下がっております。 私は、皇孫殿下というところがやっぱり自民党さんらしいのかなというふうに考えました。もし民主党がそういうものを立てるのならば、内親王の御誕生おめでとうございます、天皇陛下に対して祝意を申し上げるのともう一つは皇太子殿下御夫妻へのお祝いというのがあるとすると、多分民主党ならば、御出産を長い間待ち望んでおられた皇太子殿下御夫妻に、内親王殿下の御誕生おめでとうございますと、そんな垂れ幕になるのかなと思います。 さてそこで、リプロヘルス・ライツを担当していらっしゃる厚生労働大臣でいらっしゃいます、あるいは副大臣でいらっしゃいます。今回、内親王がお生まれになったことで皇室典範の改正問題が急に浮上しておりますが、この点につきましては坂口大臣はどのようにお考えになられますでしょうか。お伺いさせていただきます。
○国務大臣(坂口力君) これは衆参国会議員の皆さん方のいろいろの御意見を集約して決定されるものというふうに思っております。私が一存で申し上げるべき言葉ではないというふうに思いますので、お許しいただきたいと存じます。
○川橋幸子君 大変残念でございますが、副大臣、いかがでございましょうか。
○副大臣(南野知惠子君) 川橋先生の突然の鉄砲に当たりまして。 川橋先生のお部屋から自民党が見えるというのはうれしいですね。私、かわりたいなと思っているぐらいでございます。 看板の件につきましては、やはりお誕生になられるという、性別がわからないうちの看板を発注したのじゃないか、どちらがお生まれになってもいい看板ではないだろうかなと、そのように思います。玄関を入りましたら内親王殿下というちゃんとしたお祝いの花輪、花束なども置かさせていただいておりますので、自民党のドアをあけてちょっと中をのぞいていただければ、我々、内親王に対しての祝意を申し上げているということがわかるかなと、そのように思います。 それからもう一つ、天皇制のことにつきましては、これはもう小泉総理もお答えしておられるとおり、今まで長い経歴をかけてやってきた。もし雅子妃殿下、皇太子殿下がもうこの方限りというなら別でございますが、さらにまだまだ可能性を秘めておられる方だと思いますので、我々はまだ先でも、今の皇太子殿下が天皇様になられた後でもいいのじゃないかなと、そのように思っております。 女性として、女性がお誕生されたということは大変うれしく思っております。そのことは御報告できるかなと思っております。
○川橋幸子君 たしか小泉総理あるいは内閣官房長官も、個人的にはということでコメントはつけ加えられて、個人的にはいいと思うと、皇室典範の改正をというような、そんなお話があったような感じもいたしますが。 それでは、本題に入らせていただきます。 きょう午前中から同僚議員の質問がずっと続いておりまして、皆さんの関心事はほとんど一致しているという、そのような感じを受けました。ということで、これから私の質問申し上げることは午前中の質問とダブることが多いかもわかりませんが、ダブる部分はそれだけ国民の関心が高いことと、このように御認識いただきまして、重複質問もさせていただきたいと思います。 午前中の質疑で、大臣は私が思っていたようなことをおっしゃいました。どういうことかといいますと、この雇用対策臨時特例法、骨太方針があって、骨太方針に従いましてさまざま検討がされた中で、産業構造改革・雇用対策本部の決定に基づきまして、当面の対策それから長期の対策、その中で法改正をもって措置しなければできない対策、総合的な絵がかかれてこの法律が出てきているわけでございますけれども、私は、一番状況が変わっているのは、非常に日本の景気動向が大きく変わってきている、雇用失業情勢をめぐります状況が大きく変わっているところにあるのではないか。そういう時期に来て、果たしてこの臨時特例法案というのは、措置しなければいけないことだとは思いますけれども、何かもう一つ、いまいち効果に、あるいはパンチにといいましょうか、政策効果にまどろっこしさを感じるような、こういう状況だと思います。 例えば、そもそもこの雇用対策を考えられましたときには、バブルによって生じましたポストバブルの不良債権処理のおくれによって景気が低迷しているんだと、不良債権処理を二、三年以内に集中的に処理しなければいけないと。そのときの失業の発生が、大変大きなばらつきがありましたけれども、数万から百四十七万、こんな大きなばらつきがありましたが、それにいたしましても、政府も三十八万八千から六十万二千というような、こういう失業の発生を予測したわけでございます。いずれにしましても、不良債権の集中処理によりまして失業者の増大というのは免れないという、こういう予測でございました。 それに対してどのように措置するかということが骨太方針以来議論されまして、産業の停滞分野から成長分野へ労働力を円滑に移動させることによってこの痛みは和らげることができると。失業が発生いたしますような産業分野というのは、建設、不動産、卸・小売でございましょうか、こういうところから失業が顕在化してくるのではないかという、こういう予測のもとに一連の雇用対策あるいは今回の臨時特例法案が組み立てられているわけでございます。 しかし、八月以降は大変状況が変わりました。むしろ、ITバブルというんでしょうか、家電製品なりあるいは自動車関係なりのITを使うような産業分野を中心といたしまして、大企業のリストラが非常に大きく発表されているわけでございます。 ちょっと質問通告にはないですけれども政策統括官ならすぐお答えいただけるのではないかと思いますが、最近の企業のリストラ計画、大手のところではどんなものが出てきているのか、御紹介いただけますでしょうか。
○政府参考人(坂本哲也君) 突然のお尋ねで、ちょっと手元にデータを持っていないんですけれども、新聞等で報道されておりますように、電機・家電業界を中心といたしまして、かなり幅広くいろいろとリストラ計画が発表されておるというふうに承知をいたしております。
○川橋幸子君 全般の傾向はそのようなお答えのとおりでございますけれども、固有名詞を挙げてみますと、例えば松下電器五千人早期退職、三菱自工はグループ合わせて二千四百人、それから富士通が海外一万一千四百人の国内五千名、日本電気が、海外をやめまして中だけで申し上げますと、二千二百人の有期雇用等の終了、自然減三百人、東芝が国内人員十四万四千人に対して一二%の削減というような数字が出ておりますし、日立製作所が国内だけで一万二百人、それからNTTも大きな数のリストラ計画が発表されているわけでございます。 このように状況認識が変わってきているのではないかと。失業というのはどこまで高まるのかというのは、これは数字の問題ではなくて、本当にどのような状況変化が起きて、それぞれの国民あるいはサラリーマン、サラリーウーマンの人たちがどのように自分の人生設計に対して備えをするかという、そういう意味でもアカウンタビリティーが発揮されることが必要だと思うわけでございます。 そこでお伺いいたします。 失業率というのはどの程度まで高まっていくと予測されているのでしょうか。
○政府参考人(坂本哲也君) 完全失業率の動向でございますけれども、御案内のとおり、十月は五・四%ということで前の月よりも〇・一ポイント上昇いたしまして、雇用情勢は非常に厳しさを増しておるわけでございます。 中身を少し分析してみますと、中でも非自発的失業者がここ三カ月、前年比で増加をしておるということが一つございますし、また雇用者数でございますけれども、これも二カ月連続でかなり大幅な減少を見ておると。それから、三つ目といたしまして新規求人ですけれども、お話しございましたように、ITの関係を含めまして前年と比べて三カ月連続で減少しておる、こういったような状況が見られるわけでございまして、先行き大変懸念をされるところでございます。 今後の失業率の予測、具体的な数値というのは大変難しいわけでございますけれども、経済の先行きは非常に不透明でございます。しかし、不良債権処理がこれから本格化をしていく、あるいはアメリカでの同時多発テロの影響といったものが広範に浸透していくといったようなことを考え合わせますと、雇用情勢は今後もさらなる悪化が懸念をされるというふうに認識をいたしております。
○川橋幸子君 具体的な数字をお示しすることは避けられたようでございますけれども、厚生労働省からいただきましたシンクタンクがどのような予測を出しているかをこの場で御紹介させていただきますと、九月以降どのシンクタンクも五%を突破していると。現に五・四%ですから、今から振り返ってみると九月時点の五%突破というのはそう驚くことはないのかもわかりませんが、中でもアメリカの同時多発テロ発生以降一番最近時点で予測した第一生命経済研究所の数字をここで御紹介いたしますと、何と六・二%と。二〇〇一年度の失業率、完全失業率は六・二%になると。五%は言うに及ばず、六%も突破するというような、民間のシンクタンクですから、竹中大臣はいつも、オオカミが来たぞじゃないけれども、きつ目の数字を言った方がよく注目されるからなんということをおっしゃったことがございますが、そういう冗談は抜きにいたしましても、これからの失業率は非常に高まっていくということが予測されるわけでございます。 この四月から雇用保険法が改正されまして施行されたわけでございますけれども、そのときの予測がたしか四%半ばぐらいの失業率の予測で設計されたのではなかったでしょうか。そういたしますと、当然のことに、さらに弾力条項を発揮いたしまして、雇用保険の保険料率、なかなかサラリーマンの懐も厳しいときではございますけれども、また再引き上げ、消費に影響するというような、こんなことも見込まれるわけでございます。 そういう問題は同僚議員の今泉委員が後日本格的に御質問させていただくというそういう分担でございまして、私の方はもうちょっとおおざっぱなといいますか、大きなことを、大づかみのことを質問させていただきたいと思います。 さて、今回の特例法案の中身を見ますと、一つは、四十五歳以上の中高年の労働者については雇用保険の中の訓練延長給付、この部分を改正する。それから、四十五歳以上の派遣労働者の派遣期間、四十五歳以上に限っては一年という上限を三年まで延ばす。それから、中小企業につきましては、特に経営環境が厳しいので、経営刷新に努力するような中小企業に対しては賃金補助をやる。こういう三点のようでございますが、午前中も同僚議員の質問にございましたように、つなぎというんでしょうか、場当たりというそういう印象が強いというようなことが、先ほど紹介いたしました失業率のこれからの高まりに照らして、やっぱり偽らざる印象ではないのかなという、そういう気がいたします。 中高年の訓練延長給付につきましては、何回かこの委員会でも質問させていただきまして要望させていただいた一人でございますのでこの点については評価はいたしますが、特に派遣労働者の派遣期間、四十五歳以上に限ってですが、一年から三年に延ばすという、このようなことが一つは常用代替につながるのではないかという、こういう心配がありますこと、それから四十五歳以上に限って派遣期間を一年から三年に延ばして一体どの程度の中高年労働者の雇用確保につながるんだろうかと、このような気がするわけです。 そこで、大臣にお尋ねしたいと思います。 改めて申し上げますと、今回の法律改正といいますのは不良債権処理に伴う失業者の発生への対処を目的としていることが、これが主眼となっているわけでございます。その後の景気の変化とか世界同時不況と言われるような雇用情勢の悪化によりますと、今回のこの法案を含めました雇用対策というのは不十分なんじゃないでしょうか。盛り込まれました内容というのは対症療法的で、つなぎ的で、どうも根本的な労働市場の構造改革にはつながらない、小泉総理が言っていらっしゃるような抜本改革にはつながらないような、そういう気がいたしますが、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(坂口力君) 今回の補正予算の中に盛られております、とりわけ特別交付金の部分につきましては、先ほど私申しましたように、いささかつなぎ的役割があるということを申し上げたわけでありますが、先生が同時におっしゃった場当たり的というのはちょっと違うんじゃないかと思っておりまして、計算された上でのこれはつなぎであると思っている次第でございます。 こうした政策を一方で行いながら、そして雇用対策に当たっていかなければならないわけでございますが、きょう午前中にも申し上げましたとおり、全体としての大きな流れの中での政策と、そしてその時々に起こってまいります起伏の激しさの中、その起伏を埋めていくような政策と、双方なければならないのであろうというふうに思っております。 ことしの当初予算におきましては、今までから旧労働省時代から取り組んでまいりましたいわゆるきめ細かな労働政策というものをもうこれ以上積むことができないというほど満載をいたしましてスタートしたわけでございます。したがいまして、私は、今までの雇用政策というものの質をなかなかこれ以上上げることはもう難しいのではないか、量的拡大はともかくといたしまして、質としてはもうこれ以上新しいものは見当たらないのではないかというほどの内容を私は積み込んでいるというふうに思っている次第でございます。したがいまして、今回の補正予算と当初予算とトータルで見ました場合に、私は双方にこの対策が盛り込まれているというふうに考えております。 しかし、そうはいいますものの、これからの新しい雇用状況に対応していきますためには今までだけの雇用政策でいいか、もう少し大枠の雇用政策が何か必要ではないかといったようなことが今生まれてきておりまして、それに対しまして、これも午前中に御議論のございましたワークシェアリングの問題等もその中の一つではないかというふうに考えている次第でございます。
○川橋幸子君 大臣の御決意のとおり進めていただきたいとは思いますが、そこで一つ、せんだって参議院の決算に関する本会議で、今のこの時点でもう一回景気対策なのか、それから構造改革なのかというものを改めて見直されるというんでしょうか、煮詰めるというんでしょうか、そういう上に立って的確な政策運営をすべきじゃないかというようなことを本会議質問させていただいたばかりなんですけれども。 その関連でいきますと、今回五・四%に高まりました完全失業率、中身を見ますと、ミスマッチによる構造的・摩擦的失業、これももちろん高まっておりますが、高まり方が大きいのはむしろ需要不足失業ではないか、こんな見方を私個人はしたわけでございます。やっぱり全体にテロ不況という言葉が使われますように、さまざま世界経済が連動いたしまして様子がおかしくなってくる、こういうような状況のときに不良債権処理を当初の予定どおり集中してやっていいものだろうかどうだろうかということが私個人も大変疑問に思っているところなんです。 当面、ここでお伺いさせていただきたいと思いますのは、一次補正と言ったら変ですけれども、この前の補正が上がった直後からもう二次補正の話が出たわけでございます。二次補正を総理が自民党、与党の方にお約束なさったことによりまして、私は、どうも小泉総理のおっしゃる改革というのは、隠れ借金をつくる玉虫色の国民を欺く改革ではないかという少々御無礼な批判の仕方をさせていただいたわけでございます。 しかし、やはり雇用失業情勢を考えますと、二次補正というのは大事なことだと私も思います。沢議員も質問しておられましたけれども、二次補正というのは、やっぱり従来型の公共事業ではなくて雇用拡大に効果を上げるような事業を中心に組むべきではないか。 国務大臣としての坂口大臣の御見解を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 一次補正が決まりましたときは同時テロ発生の前の段階でございましたが、この同時テロの影響というのは初め予想をしていました以上に大変厳しいものがあるというふうに思っております。日本におきましてもそうでございますし、世界経済全体に与えました影響も非常に大きかったというふうに思います。 そうした状況を受けまして二次補正が決断をされたというふうに思いますが、その財源の性質上制約があることもまた事実でございまして、二次補正の場合にそれをできる限り雇用に結びつくような使い方をどうするかという、これは各省庁ともに知恵を絞らなければならないことだろうというふうに思っております。どういたしましてもこれは公共事業あるいはまた施設の建設等が中心になるわけでございますから、それを行うことによって雇用をどう生み出していくか、雇用を生み出せるような施設の建設であり、あるいはまた公共的な事業でありといったようなことをどう乗り越えるかということがこれから課せられた課題であるというふうに思っている次第でございます。 ぜひそうした本来の趣旨に沿った二次補正というものができまして、そして雇用対策に十分これが機能し得るということになることを期待いたしているところでございます。
○川橋幸子君 二次補正につきましては、もう最初の補正でもって雇用を中心にやったんだから雇用よりも、何というんでしょうか、金融経済政策にという、そういう声もあるやに伺っておりますが、今の大臣の御答弁のとおり、ぜひ二次補正でこの雇用失業情勢、深刻な情勢をしっかりと踏まえていただきまして、大臣にも閣議で御発言いただくなど、二次補正も雇用拡大につながるような御努力をお願いしたいと存じます。 さて、その次の質問をさせていただきたいと思いますが、今回の特例法の中で、先ほど私が紹介申し上げました四十五歳以上の派遣労働については期間を一年から三年へと、このように当面の特例措置をとるということが掲げられているわけでございます。 それから、今回の特例の廃止だけではなくて、骨太方針、それから改革先行プログラムとかあるいは総合雇用対策についての本部の決定とか見ておりますと、ミスマッチの解消の手段といたしまして非常に派遣の見直し、これが強調されているように考えられます。こうした派遣の見直しにつきましては、総合規制改革会議の方から年内に何かおまとめが出るようでございますけれども、労働分野の規制改革について強く主張が出されて、そうした政策との整合性の上に立っているんだと思いますが、どう考えましても、現実の派遣労働の実態を見ますと、先ほど大臣がおっしゃった雇用の質の改善に結びつくような現状にはない、そのように私は認識しております。 ミスマッチ解消のためのこうした労働分野の規制改革、特に派遣の問題についての規制改革というのはむしろ雇用機会の劣化を招いていくのではないかということが心配されておりますが、この点についてはどのようにお考えになられますでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 労働者派遣事業制度とか職業紹介制度につきましては、改革先行プログラムで必要な見直しを進めるということが明確になっておりまして、私どもも去る八月三十一日から労働政策審議会におきまして派遣事業制度のあり方、職業紹介制度のあり方について検討を開始したところであります。審議会でこの問題を検討するに当たりましては、以下申し述べるようなスタンスと申しますか、認識で検討が始まっております。 それは、極めて厳しい雇用失業情勢が続く中で、これは短期あるいはもう少し眺めて見通すわけでありますが、そうした中で一人でも多くの求職者が一日でも早く就職できるように需給調整機能の強化を図るべきである、そのためには公共、民間を問わず日本全体の需給調整機能のあり方を真剣に議論しましょう、そしてその検討に当たりましては需給調整の対象になる働く人、労働者の方々の保護というものもしっかり考えて議論していこう、そういう中で、労使がいろんな意見を出すわけですが、労使の真摯な話し合い、そしてこれまでの派遣法、職業安定法に基づく実績の的確な検証、これをしていく中で着実に進めていこうと、こういうことになっております。 したがいまして、総合雇用対策とか先行改革プログラムに盛り込まれたこの両制度等の見直しにつきましては、日本の労働市場改革を進めるという大きな枠組みの中で考えていく問題でありまして、審議会での今申し上げたような意見、スタンス等々を考えますと、必要な円滑な労働移動をどう図るか、そうした中で働く方々が意に反して嫌な移動をするようなことは、強いるということはほとんどあり得ない話でございまして、意に沿わぬ雇用形態が強いられ、それが広まるというようなことは、委員御心配されているとすれば、審議会においてもそういうことがないようなという前提のもとで議論が進んでいくと思いますし、私どももそのように考えているわけでございます。
○川橋幸子君 これは厚生労働省にも行っているかもわかりませんが、「均等待遇アクション二〇〇三」という、市民運動というのでしょうか、あるいは組合、組合でもないんですね、派遣の方が大部分、女性の方が加入しておられまして、むしろ連合のような大きな組織労働者の中ではなかなか意見が上げにくい、そういう方々の団体でございます。「均等待遇アクション二〇〇三」といいまして、未組織の分野に働く方々を組織している、大変活発なというんでしょうか、現実の労働相談なんかにも応じながら、苦情処理にも応じながら、新しいタイプの労働運動として進めている団体でございます。そこから意見書というものを、私ども国会議員のところには全部送ったのではないかと思いますが、私はもらいました。厚生労働省にも行っていると思います。 そこの意見が、特に四十五歳以上の派遣の期間延長につきまして、大変憂えるといいますか、今国会では派遣労働に関する規制緩和が緊急立法として上程されているとのことで緊急に意見をまとめましたという、そういう意見書を出しているのでございますけれども、詳しいことは申し上げませんが、結論的には四十五歳以上の労働者の雇用確保にはならないのではないかと。それから、もし中高年の男性がフルタイマーといいますか正規雇用から派遣の方に転換するようなことになるとすれば、逆に女性との競合が起きるのではないかと。彼女たちの意見によりますと、そうした場合の競合関係はきっと女性の方が勝つのではないかというようなことを言っておりましたけれども。もう一つは、女性労働者の中で中高年の働く女性というのはいつもコスト負担感が高いというようなことで雇用調整の優先順位の高いところに上げられてしまう嫌いがございましたが、そうしたコスト負担感の強い中高年労働者を常用労働から派遣労働に転換させる、そのようなことになるのではないかと、こういう強い懸念が表明されているところでございます。 先ほど澤田局長は大丈夫なんだと答弁でございますけれども、なおこうした労働分野の規制改革については現場で働いている人たちからは強い懸念が寄せられていることを十分厚生労働省としても考慮していただきたいと思います。 それから、質問の順番が狂って恐縮でございますが、狂わせた方がスムーズにお聞きいただけるのではないかということで、ちょっとチェンジいたします。 さまざまな派遣についての見直しというものが総合雇用対策の中でうたわれているわけでございます。例えば、今回の四十五歳以上だけじゃなくて、二十六業務の範囲の見直しですとか、これはもう十三年度中に結論を得たいとか、それから派遣のあり方、一年ということで上限を設定しているわけでございますけれども、そうしたあり方を四十五歳以上と同じようにさらに延ばすのではないかとか、それから、本法の中で物の製造業務については派遣の対象業務に外しているわけでございますけれども、期間だけではなくて対象業務にも含めるようなそういう検討が開始されると、このようなことになっているわけでございますが、こうした労働者派遣法の見直しというものは、派遣法ができて施行されてそれほどたっていないこの時期にもう見直しに入るということは、施行状況の検証が十分なされないままに見直しに突入してしまう、実態をよく見ないうちに規制緩和というこの競争力強化の声に押されてそちらの方に入っていってしまうんじゃないかというこういう懸念がございますが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今御指摘の御懸念については、八月末にスタートしました労働政策審議会で、今回国会に御提案し御審議いただいております臨時特例法とは別に議論をするということがはっきりしております。それで、労働政策審議会で議論するに当たりましては、先ほど申しましたようなスタンスで行くと。その際大事なことは、委員御指摘のように、これまでの、とりわけ平成十一年改正派遣法施行以降の状況を十分検証することが大事でありますので、総合的な実態調査を踏まえて議論を詰めていくということに当然なります。 その総合的な実態調査は、昨年の十二月から紹介予定派遣制度がスタートいたしましたので、その紹介予定派遣の実質的な対象者として多数を占めるであろう新卒者について紹介予定派遣が動くのはこの三月に卒業された四月からの方々であります。そうしますと、四月から例えば紹介予定派遣につかれた方々の状況がどうであったかということを検証するには、派遣期間が一年と限定されておりますので来年の三月まで、少なくとも三月までの状況を検証する必要があります。その辺考えますと、総合的な実態調査は早くても来年の春から夏以降ということにならざるを得ません。 そうしたことで、今回見直しを始めましたが、実態調査をし、その結果が出るまでの間は議論することがいっぱいございますので、その前に議論すべきことはできるだけ早く議論していこうということでスタートしておりまして、結論を出す時期としては、当然、実態調査を踏まえて労使が十分意見交換した後ということになりますので、決して施行状況の検証を不十分なままに進めるということにはならないと考えております。
○川橋幸子君 検証不十分なままにさらに見直すということではないということと、それと前段では、四十五歳以上について期間を一年から三年に今回延長するのはそれの前倒しではない、派遣の期間あるいは対象の範囲の見直しというのはもっと別個のものなんですよと、そこははっきりしているということですね。議事録ですので、はいという言葉だけ一言。
○政府参考人(澤田陽太郎君) はい。 今回の臨時特例措置は派遣法本体をいじっているものでもありませんし、それの前倒しでもないということは委員御指摘のとおりであります。
○川橋幸子君 そこを確認していただきましたので、もう一つ今の政策ではちょっと不十分だと思われることを、こちらの方はむしろ前倒しでやってもらいたいと思うようなことを質問させていただきたいと思います。 再びミスマッチの解消についてということでございますが、年齢による労働力需給のミスマッチが非常に大きい、年齢による格差が大きいということが指摘されております。そのことに注目されまして、ことし十月から募集・採用については年齢差別禁止というものを努力義務規定で置いているわけでございますが、識者の中でもそのようにおっしゃる方は多いですが、私は個人としてもこれは努力義務規定ではなくて義務規定化すべきではないかと思います。 現在の雇用失業情勢を見ますと、四十五歳以上は目に見えて求人倍率も下がりますし就職率も下がる、求職数も下がると、こういう状況なわけでございます。 年齢差別の努力義務が十月一日から施行されまして、それのPRのための補正予算も今回講じられてはおりますけれども、雇用機会均等法が初めてできたときに努力義務規定から入って、そして小さく産んで大きく育てるというんでしょうか、世の中にそれが普及したら義務規定化するからということで改正まで十年かかったわけでございます。つくるのに十年かかり改正するのに十年かかったという、私はそういう思いを持っております。 それから、先日のこの厚生労働委員会で、子供の看護休暇については普及率が低いから努力義務規定でもって当面はスタートするという、そういういうお話がございまして、この件については現在の子育て支援の重要性にもかんがみてなるべく早く、三年の見直し規定にかかわらず、できれば、一年とはいかないけれども、二、三年ぐらいの間に見直しができればというようなことを大臣は言ってくださったわけでございます。 それと同じようなことで、募集・採用の年齢差別の禁止、この件についてはやっぱり義務規定化すべきではないでしょうか。今の深刻な雇用失業情勢、特に中高年の雇用失業情勢を見ますと、そのように考えます。お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 募集・採用に係ります努力義務規定につきましては、委員御指摘のように、これを禁止規定にすべきである、こういう意見があるということは十分承知しております。 この問題についてはどういうアプローチで行くか、上からといいますか禁止規定の方から迫るのか、現状を十分踏まえた上で現行法のように努力義務規定から迫っていくのかという議論はこの法改正をする前段の審議会でも両論相闘って大変でございましたが、結果、現状の日本的雇用慣行、とりわけその中での賃金の状況だとかいうことを踏まえると、まずは努力義務規定からスタートすることで行こうじゃないかということに労使の意見、公益も含めて、意見がすり寄ったことになるわけであります。 したがいまして、私どもも年齢差別禁止ということは課題としては十分あるということで認識しつつ、この努力義務規定がいかに定着するかということに当面全力を注いでおります。公共職業安定所だけではなくて民間の職業紹介機関に対しましても啓発、指導していただくというようなことを要請しておりますし、地域の経済団体あるいはマスメディア等への働きかけ等々によりまして事業主に定着するよう努力をしております。 年齢差別禁止の問題につきましては、年齢にかかわりなく意欲と能力がある限り働ける社会を目指すという目的のもとに、今、有識者会議を開いておりまして、議論を進めております。そうした中で、雇用全般のあり方ともこの年齢差別禁止の問題は深くかかわりますので、トータルデザインとしてどういうことが必要か、目的に達するにはどういう手順を踏んでいったらいいかというようなことを御議論していただいておりますので、そうした中で御指摘の御意見等も十分踏まえて考えていきたいと、こう思っております。
○川橋幸子君 こうした質問は、実は、人間が生涯を通じてどういう働き方をするか、どこで引退してどういう人生を送るかということにかかわることで、聞いている言葉はすごく技術的なのですけれども、人間の働き方、引退の仕方という点では私は大きな問題だと思っています。政府参考人からのお答えで結構ですと申し上げたんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。今、具体にこれを禁止規定にしろということではなくて、将来あり得る日本人の働き方の姿として、年齢によって差別されるのではなく、本人の意欲、能力に応じて働けると。 それから、せっかく厚生労働省になったということの一番生かすべき利点というのは、今乖離しております定年と厚生年金の支給開始年齢、雇用と年金の接続ということだと私は思っています。ですので、今すぐにとは申し上げませんけれども、理想とする問題意識としては、まず定年制をなくすと。そのかわり、いつ引退するかは個人の選択ではございますけれども、制度的には雇用と年金というのは接続させると。そうした中で、年齢による差別というものをなくしていく。賃金カーブも現在もう年功的な部分というのはかなりフラットになりつつあるわけですし、それぞれ人の意識も多様になってきている。 こういうことから考えますと、これは、年齢差別という技術的な話ではなくて、人間の働き方ということから考えますと、大きな課題としてこれから取り組んでいただくべきものではないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) まさしく、ここは働き方の問題だと私も思っております。 この働き方を変えていきますためにはいろいろの方法がありますが、いわゆる働き方を年齢によって制限するという生き方は、これは将来だんだん私もなくなっていくのではないかというふうに思っておりますが、その方向に行こうというふうに思いますと、今までの働き方というものに対してやはり改革をしていかなければならない。 現在のように、高等学校なりあるいは大学を卒業いたしますとその時点で就職をする、そして六十歳なり六十五歳なりが参りますとそれで退職をする、こういう慣習と申しますか、こういう生き方でずっと長い間やってまいりましたが、年齢のことを言わないということになりますと、そのスタートの時点も、別に高校卒とか大学卒といったことに限定されずにさまざまな形での入社の時期が訪れる、そしてやめるときもまたさまざまなやめ方があるということにならざるを得ない、そうしたことをお互いに共有するということが前提として私は必要ではないかというふうに思います。 そうしたことを前提にして働き方というものを、それぞれ生き方がありますから、それを改革していくんだ、そういう多様な生き方に我々は入っていくのだという大前提を置いて、そこがお互いに理解ができることが先でありまして、それができれば私は御指摘になりますような年齢による制限というのはなくしていくべきだと、そう思っております。
○川橋幸子君 もう一回、募集・採用のところの年齢制限の問題に戻りますと、きょうの東京新聞の朝刊でございます。実は、民間だけではなくて公務員にもさまざまな試験制度の中に年齢制限を設ける例がございまして、きょうは残念ながら総務省をお呼びしておりませんでしたので紹介だけにとどめておきたいと思います。片山虎之助総務大臣のお写真入りの記事でございます。 ここでは、年齢制限をなくした地方自治体の例が静岡など三県挙がっているそうでございまして、一つ、富山県の例から見ると、全国から受験者が殺到したという、こういうことがこの記事では紹介されております。それから、三重県の北川知事のコメントですけれども、四十五歳になると求人が急になくなるような実態というのは本当に真剣に考えないといけないということが書かれておりましたり、それから片山虎之助総務大臣のお話ですと、各地方自治体の実情を踏まえた上で、できるだけ幅広い年齢層から募集し採用を行えることが適当だというような、こんな感想も述べられているわけでございまして、民間、公務部門を通じまして、将来は年齢差別禁止に向かうとして、当面は募集・採用の年齢差別禁止といいましょうか、求人の年齢上限制をなくすというところに力を注いでいただきたいと思います。 少々また細かい話を伺わせていただきたいと思います。 年齢によるミスマッチが非常に大きいというのはもうさまざまなデータから出るわけでございますが、そうしたところで、さらに研究者の方々あるいは一般の人も使うのではないかと思いますが、労働力調査特別調査といいますのが年齢別の分析が割合詳しくとれるように設計されていたわけでございます。しかし、この調査はもう廃止されてしまったのですかね。 年齢によるミスマッチの状態が非常に大きな問題だと言われているこの時期にこうした貴重な調査が廃止されるというのはいかがなものかと思うのですが、総務省統計局長、お見えだと思いますけれども、まずこの調査が今どうなっているのか、お答えください。
○政府参考人(久山慎一君) お答え申し上げます。 労働力調査特別調査につきましては、統計審議会における審議と答申を経まして、平成十四年一月から毎月の労働力調査と統合しまして、就業者、完全失業者及び非労働力人口に関する詳細な情報を経常的に提供することとしております。統合に当たりましては、年齢のミスマッチを含めまして、従来の特別調査と同様の調査事項を引き続き把握できるようにいたしております。 なお、現行の労働力調査特別調査につきましては年二回公表してきたところでございますが、平成十四年一月の改正後は、同様の内容につきまして年四回公表することといたしております。
○川橋幸子君 それじゃ、廃止された危険というのは全くないと。二回発表したものが四回になり、時系列的にもこのデータはこれからも使えるということですか。
○政府参考人(久山慎一君) そうでございます。
○川橋幸子君 リストラされたのではなくて充実されたということだとすれば、それは私の早とちりでございましたが、でも一般には、それこそ狂牛病じゃないですが、風評被害があるようでございますけれども、なおよく御説明いただきたいと存じます。 それから、労働力調査については、先ほども同僚の辻議員の方から、都道府県別の失業率がとれるぐらいに今の時代だからこそよくすべきではないかという、そういう意見もあったわけでございますけれども、これはもうお答えは要らないので、私としては要望させていただきたいと思います。総務省と厚生労働省と両方に要求させていただきたいと思います。もし二次補正の要求事項にこういう調査項目、調査費の要求も入るものでしたら、一番基礎になるデータでございますので、御検討いただけないでしょうか。これは要望だけに終わらせていただきたい。 それじゃ、どうぞ統計局の方は結構でございます。ありがとうございました。 さて、それでは、次はどうしてもワークシェアリングの課題に入ってしまうわけでございます。もう何人かの方が質問しておられまして、ほとんど出尽くしている感もございますけれども、やはり私自身も改めてお伺いさせていただきたいと思います。 ここに来て非常に骨太方針なり雇用対策なりが色あせて見えるのは、やっぱりワークシェアリングの課題、これこそが本当の雇用対策になり得るのではないかという、そういう期待感が膨れ上がっているわけでございます。明るい構造改革ですとか冷たい構造改革ですとか温かい構造改革なんという話が午前中ございましたけれども、ワークシェアリングというのは本当に痛みを分かち合う、そういう意味で温かい構造改革なのかなと思います。 ここの委員会でも何回か私自身も質問させていただきました。オランダのようなわけにはいかないかもわからないけれども、そういう痛みを分かち合う方法があるんだと、このようなことを紹介しながら質問させていただいたわけでございますが、これまではほとんどそれは労使の間でお考えいただくことということで余り肯定的な大臣答弁はちょうだいできなかったわけでございますが、今回、日経連と連合の「雇用に関する社会合意」でございますか、これがワッセナー合意に匹敵するほどの合意になってくれると日本も再生間違いなしではないかと思います。 そういうことで、十一月二十八日の参議院本会議では総理が、厚生労働大臣に私が指示をしました、ワークシェアリングについてはしっかり取り組むように指示をしましたというような、こういう発言があったわけでございますけれども、改めまして大臣から、総理から厚生労働大臣に出された指示というのはどんなもので、これから政府はどのように取り組んでいって、いつごろまでに結論をおまとめになるのか、そのあたりをもう一回改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 十月でございましたけれども、労使の間の話し合いがある程度進みました。それまではなかなかワークシェアリングの話は労使間で進まなかったわけでございますけれども、十月の段階で正式に発表できるところまで来たわけでございます。大変大きな進歩であったというふうに思っております。 それを受けまして、先日、政労使三者の会談がございまして、その直後でございますけれども、総理の部屋に連合の会長、事務局長と私が呼ばれまして、そして何のお話かなと思いましたらワークシェアリングの話でございまして、ぜひ進めてもらいたい、厚生労働大臣にその段取りを頼むからひとつそのようにしてほしいと、こういう話でございました。そこで、それじゃ早速経営者側にもお話を申し上げて、そして今年中にも第一回の会合を持って、そしてスタートをさせていただきましょうと、こういうことに実はなったわけでございます。 具体的な指示はございませんけれども、とにかく大枠でワークシェアリングを進めていく、どういう内容にするかもあわせてひとつ検討をしてもらいたいと。ただ、余りいつまで検討していてもこれは始まらないので、来年の三月ぐらいまでの間に何か結論をひとつ得られるようにしてほしいと、こういう内容でございました。
○川橋幸子君 もう一つお伺いしたいと思いますのが、骨太方針それから本部の決定、改革先行プログラムと一連のものが来ている中で急浮上した形でございますが、これはやっぱり政府の雇用対策の中にしっかり位置づけて書くべきものではないかと思いますが、こういう位置づけはこれからどのように整理されていくのでしょうか。
○政府参考人(坂本哲也君) ワークシェアリングにつきましては、先ほど大臣の方から御答弁申し上げましたように、これまでのところは労使の間の意見がかなり大きく隔たっていたということがございました。どういった形で実施するのか、それからまた特に労働時間の短縮に伴う賃金の取り扱いをどうするのか、こういった点について隔たりが大きかったわけですけれども、これが十月十八日の合意に見られますように、話し合いの方向へと歩み寄りが見られるということになったわけでございまして、そういった状況を踏まえましてこういった話し合いの促進に政府も積極的にかかわっていこうということになったわけでございます。 そういった経緯もございまして、骨太の基本方針などにつきましてはワークシェアリングの考え方というのは明確には盛り込まれていなかったわけでございますけれども、ただ骨太の基本方針ですとかあるいは改革工程表、そういったものの中には就労形態の多様化ですとか、あるいはこういった多様化に対応した社会保険の適用拡大、こういったワークシェアリングにもいろいろ関係のある事項についての記述も盛り込まれておるわけでございます。 私どもといたしましては、今後、ワークシェアリングについての政労使の合意形成に向けて当然努力をしていくことになるわけでございますけれども、その際にはそういった基本方針等との整合性といったようなものにも十分留意をしてまいりたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 いずれ議論が進む段階でということで、私もそれに異存はございませんけれども、ワークシェアリングにつきましては非常に広い国民的な論議が必要になる課題だと思いますし、それから総理から指示があって小泉内閣ではこの課題について取り組むという政府の姿勢もはっきりしたわけでございますので、適切な時期にしっかりと位置づけてもう後戻りしないように労使が決めることで、労使が反りが合わなくなったからこれで終わりということではなくて一段と政府のイニシアチブというのを発揮していただきたいと思います。そうした意味で、全体の雇用対策の中でしっかりと位置づけてほしいということをこの場では要望だけさせていただきます。 さて、先ほど大臣は、そういつまでもというわけにはいかないので来年三月までには何とかまとめたい、それからどういうタイプのワークシェアリングについて議論するか、ことしじゅうにはそういうタイプの問題だけでも決めていきたいと、このようにおっしゃられたわけでございます。 そうした場合、先ほど午前中に四つのタイプについて紹介がございましたけれども、いま一度その四つのタイプを御紹介いただきまして、大臣としてはどういうタイプでお進みになりたいと思われるのか、これもまた労使の話し合いということなのかもわかりませんけれども、構想がおありでしたら答弁いただきたいと思いますが、大臣じゃなくて統括官の方でいらっしゃいますか。
○政府参考人(坂本哲也君) ワークシェアリングについてのいろんなタイプ分けの問題でございますけれども、私どもの方でお願いいたしました委託研究の中で整理をしていただきまして、四つのタイプということで仕分けをしておるところでございます。 一つは雇用維持型の緊急避難タイプというものでございまして、これは生産量ですとかあるいは労働費用の削減のために一時的な措置として労働時間の短縮と賃金の削減を実施するといったようなタイプでございまして、例えば我が国でも日野自動車などで取り入れられた手法でございます。 それから、二つ目の雇用維持型の中高年対策型というのがございます。これは高年齢者の短時間勤務の延長雇用といったようなものを実施するために、高年齢者、中高年齢者を対象としまして、労働時間の短縮、賃金の削減を実施するタイプでございます。 それから、三つ目のタイプは雇用創出型、雇用をつくり出すというタイプでございまして、これは法定労働時間の短縮とかいったような形で取り組む、これはフランス等で典型的に取り組まれているようなタイプでございます。 それから、四番目のタイプといたしまして多様就業対応型というものでございまして、これは、例えば短時間労働の条件整備などを行いまして、短時間勤務、短時間正社員といったような働き方の変化を目指す、こういったタイプのものでございます。 こういった典型的な四つというふうに区分けをされておりますけれども、ワークシェアリングの検討に当たりましては、一時的な当面の対応として雇用を維持する、そういった観点ももちろん大切ですけれども、それにとどまることなく、もう少し中長期的な視野に立った、仕事と家庭の両立といったような働き方を見直すという観点も視野に入れて検討をしていく必要があるのではないかと、そういう認識でございます。
○川橋幸子君 今、四つのタイプを御紹介いただいて、一時的なものじゃなくて人間の働き方といいますか、社会のシステムとして長期的に持ちこたえられるようなシステムということを考えますと、四つのうちの二つはもう自動的に消去されるというそんな感じがいたしますけれども、とどのつまりは三番目の雇用創出型か四番目の多様就業対応型かと、こっちに焦点が絞られていくと思います。 労使の話し合いによるという、そう御答弁されますとそれ以上は聞きにくいものでございますが、日本にとってやりやすい、あるいは日本にとって好ましいタイプというのはどんなことが考えられますでしょうか。大臣の方で構想がおありでしたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) まだ構想というほどのものはありませんけれども、現在の雇用状況を考え、そしてまた将来のことを考えましたときに、短時間で、短期間で終わるという状況にはないというふうに思っております。 雇用政策は中長期的な展望のもとにやっていかないといけないというふうに思っておりまして、そうした意味では、先ほど四種類挙げられましたけれども、どちらかといえば中長期的展望に立った中での私はワークシェアリングというものが必要ではないかと個人的には思っている次第でございます。
○川橋幸子君 大変お答えぶりがお上手でいらっしゃるものですから、絞り込むタイプもにじみ出てくるというふうにはちょっと今の答弁では受けとめかねたところでございますが、いずれにしても長期的に考えるとすると三か四のタイプ、しかも日本で適用可能なとかあるいは日本で無理なく消化ということを考えるとフランス型の雇用創出、法定労働時間をさらに三十五時間というような形で短縮する、こういうハードなやり方というのはできない、結局のところ多様就業対応型というところに来るんだろうと私は思っています。そうじゃないということをもし説得なさってくださるなら、そのように御発言いただきたいところでございます。 この多様就業型と言うときにも、オランダでは成功したけれどもオランダと同じようなことができるわけではないと、いつも日本的とか日本型とかというのが入ってくるんですね。そこがどうもいまいち働き方のルールとしてはっきりしないところが残ると私は思います。オランダであろうと日本であろうと世界共通の物差しというものは私はあるのではないかと思います。つまり、どういうことかというと、時間当たりの賃金というのはその仕事の価値が同じならば平等であるべきだと思います。 そうしたこの多様就業対応型をとる場合にしっかりと押さえなければいけないポイントというものはどのようなものなのか、解説していただけるとありがたいと思うんです。
○政府参考人(坂本哲也君) 多様就業対応型と一口で言いましても、いろいろ詰めるべき問題点はたくさんあるだろうと思っております。特に、先生今おっしゃいましたように、時間当たり賃金というもの、これをどういった形で明確化することができるのか、このあたりがヨーロッパ、オランダ等のそういったところと日本とでは随分状況が違っておりますので、そのあたりについての検討というのは大変大きなポイントになってくるのではないかと思っております。
○川橋幸子君 現にパートタイム労働研究会では何が公平な物差しなのかというものを研究しているわけでございますし、それからきょうは岩田局長がお見えですけれども、男女賃金格差の問題についても、市場の中における性にとらわれない公平さという、言葉は違うかもわかりませんが、そういう視点から検討が進むはずでございますし、いろいろ考えなければいけない、特に、時間当たり賃金の問題は重要だといっても、今のように正規社員か非正規社員か身分差によって同じ仕事でも時間当たりの賃金が大幅に違うというのは是正されていかなければいけないと思いますが、そういう考え方、基本的な考え方についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) パートタイム労働者につきましては、今、先生おっしゃいましたように、特に正社員との処遇の均衡をどういうふうに実現するかということで、ただいま学識者によります研究会を設置して検討を進めているところでございますので、またその検討結果を踏まえて対処したいというふうに思っております。 また、別の場で川橋先生にもお答えいたしましたけれども、男女間の賃金格差問題というのも大変大きい女性労働対策の課題の一つでございまして、十一月から研究会を設置いたしまして、この問題にも取り組んでいるところでございます。 特に、前者のパートタイム労働者とフルタイム労働者の均衡処遇のあり方につきましては、ワークシェアリングを進めていくという観点からも大事な検討課題になるというふうに思っておりますので、そういうことも念頭に置いて検討を進めてまいりたいと思います。
○川橋幸子君 結局のところ、今回のワークシェアリング、選択されるであろうタイプは多様就業対応型、そしてその中で詰める要件というものはもう大体明らかになってきているわけでございます、あと詰めの作業があることはもちろん知っておりますけれども。 今の日本の労働市場の中で何を構造改革していかなければいけないかと私はいつも個人的に頭の中で考えるわけですけれども、日本型なるものから脱皮する、これが一つ求められている。日本型なるものから脱皮するときの一つの尺度というものは、全く水準が同一で同額であるとか、まずそういう目盛りの話よりも物の考え方として公平さは担保しなければいけない、公平さを担保すること自体が市場改革になっていく。そして、さまざまな働き方ができることによって、冒頭、大臣は場当たりではないとおっしゃいましたけれども、小泉内閣としての構造改革という名前に値するような雇用対策のイメージが明らかになっていくと私は思いますけれども、こうした考え方については大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど日本型あるいはオランダ型等のお話がございましたけれども、雇用形態が異なります以上、日本は日本としての雇用形態に合ったワークシェアリングというものがあるんだろうというふうに思っております。そこを無視したワークシェアリングというのは存在し得ないというふうに思いますから、そうした意味では、やはり日本の今までの雇用形態というものを大事にしながら、その中でのワークシェアリングを構築していく以外にないというふうに思っております。 さて、その中で何を最も価値あるものとして掲げていくかというのは、先生が今御指摘になりましたような公平というようなことを中心にしていくというのも一つの行き方でございますし、今までの日本の雇用の中で改革をしなければならないのは、やはり一律に労働時間が長過ぎるということもあると私は思います。ここはどうしても労働時間をもう少し短縮して、そしてお互いに日本の中におきます生活そのものの改革をしていくということが私は求められているというふうに思っております。 したがいまして、もちろん公平にということも大事でございますけれども、公平にということと同時に、働く時間というものについてもう少しやはりゆとりを持った生活ができるようにしていかなければならない。そこが改革されなければ、私は雇用の改革に結びついてこないというふうに考えております一人でございます。
○川橋幸子君 大臣にお話を伺っているうちに、大臣がおっしゃるのは果たして四つ目のタイプかどうか、何か疑問を感じてきてしまいましたけれども、それはさておきまして、取り組んでいただきたいと思います。 もう一つ、それじゃこういう伺い方をさせていただいていいでしょうか。 今、女性と年金という問題がずっと検討されてきております。その一つには、女性のライフスタイルの選択に対して今の年金制度というのはどうも中立的ではないと。無業の主婦、専業主婦を選んだ方が得になるような年金制度の設計になっていて、そこに不公平がある。それから、国の制度としては個人のライフサイクルを左右するような制度ではなくて、もっとニュートラルにすべきだというようなことから始まっているわけでございますが、今のその賃金の公平さというんでしょうか、そうした問題というのは年金ともかかわってくると私は思っています。 ですので、ワークシェアリングの問題を考える場合はどのように分かち合うかの話が一つ。それから、その分かち合うときの賃金レベルはどのようなレベルで、これは労使が話し合うことでございますが、設計していくかという問題は年金問題とも密接に絡むと思いますので、これらを総合的に同時にちょうど解決していただくときに来ているんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 女性と年金については年内に何か中間まとめを出されて今年度中に結論を出されると、このようなことも伺っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 足らないところがありましたらまた事務的な局長からの答弁もあろうかというふうに思いますけれども、やはり年金だけにかかわらず社会保障全体につきまして今見直しが迫られているわけでございます。 個人単位にすべきかどうかという問題につきましても、年金ももちろんでございますが、その他医療保険、介護保険等を見ましたときに、日本の社会保障の保険制度というのも家族単位でありましたり個人単位でありましたり、実はばらばらでございます。これらのことをどうしていくのかということと、これからどういう働き方をしていくのかということとは非常にかかわりのある話だと私も思っている次第でございます。 なかなかしかしその辺のところが突破できない、税制につきましてもなかなか突破ができないというような問題がございましたが、ひとつこうしたワークシェアリングというような問題が起こってまいりまして、ここを突破したいというふうに思うと、その周辺のところもやはり突破をしなければならないという問題がつきまとってくることは事実でございます。したがって、ワークシェアリングだけではなくて、周辺のそうした諸問題もここで一気に突破するのだという決意を持っていかないと、ワークシェアリングそのものの挫折ということも起こり得るという気がしてなりません。 私は、ワークシェアリングが決して最後のとりでという形ではないと。一番大事なことは雇用の創出であって、そうした中で多くの人がゆとりを持って雇用をすることができるということになれば無理をしたワークシェアリングという方向に行かなくてもあるいは済むかもしれないという考え方も当然あるわけでございます。 しかし、中長期的な展望で考えれば、そして雇用を中心とした生き方を変えていくためにはどうしてもやはり必要になってくることだというふうに考えている次第でございます。
○川橋幸子君 ワークシェアリングが究極の形ということではない、それは私もよくわかるような気がいたします。やっぱり当面どのようにして乗り切っていくかという一つの課題でございまして、そういう意味では厚生労働大臣が社会保障と労働分野と両方を担当されまして、総合的にどこか突破口を見つけ出すように御努力いただくということに最大限のエールを送るものでございまして、ちょっと早目でございますが、ほかにも質問に対してたくさん御用意いただいて大変恐縮でございますけれども、時間がもうすぐ参りますので、たまには早目に私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 最初に、雇用情勢全般について大臣にお伺いをしたいんですけれども、十月の完全失業率が過去最悪の九月からさらに〇・一ポイントふえて五・四%と。新規求職者のうち事業主都合による離職が前年同月より四六・五%もふえてリストラ離職が急増をしております。完全失業者の数は一年前の十月よりも三十八万人増加して三百五十二万人、働いている人、就業者数は百三万人減っている。減少幅が百万人を超えたのはオイルショック以来だと、二十七年ぶりだというふうに聞いております。 小泉総理はこの問題で、記者会見で記者団に対して、構造改革を進めていく中で一時的に失業率は上がると答えている。当然だというような言い方をしているんですね。私はこんなふうに済ませられる状況じゃないと思うんです。 厚労大臣は雇用を直接担当する立場ということでこの問題をどういうふうに認識されているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘いただきましたとおり、十月の雇用統計は非常に厳しい内容でございました。完全失業率が五・四%、そして有効求人倍率が〇・五五倍ということになりました。 その中身につきましても、今御指摘をいただきましたとおり、非自発的失業者というのが非常に顕著に多くなってきているということがございます。また、新規求人者というのもこれまた減少をいたしておりまして、前年同月比で見ますと、サービス業がほんのわずかふえているということだけでございまして、その他の分野はほとんどが減少をしているという状況でございますから、質的にも非常に大変な状況を迎えているというふうに思っている次第でございます。 こうした状況を抱えまして、厚生労働を担当させていただいている者といたしましては、やはり雇用というものをより重視をしていかなければならない、全体の政策の中における雇用の位置づけというものを、もう少し見方をレベルアップすると申しますか、雇用に対する考え方を高めていかなければならないと私は思っている次第でございます。 したがいまして、閣議等におきましても、現状を認識をいたしましたときに、ただ出口の雇用対策だけでは追いつきがたい状況になりつつあるということを認識していただきたいということを率直に私の意見として申し述べたところでございます。
○小池晃君 出口の問題だけでは足りないという認識であれば、私は本当にやるべきことをやられていないと思うんです。 我々、これまでも主張してきたように、今、大リストラを進めている例えばNTTにしても大手電機にしても、これは命運がかかってつぶれそうだというような企業じゃないわけです。低成長の中でどうやって当面の利益を保障するかというような企業なんですね。そのためにリストラしていると。私は、こうした企業の、本来大企業が持っている社会的責任を放棄していわば全体の流れに便乗してどんどんリストラをしていく、こういったことにきちっと規制をかけるというようなことはやはり政府として何ら手を打っていないんじゃないだろうかと。 今度の雇用対策を見ても、私、そういう点では非常に不足が大きい、余りにも不備だと思うんです。言ってみれば、今どんどんどんどん火事が起こっているのに、しかも火事といっても放火ですよ、言ってみればね。勝手に大企業が火をつけている、そういうときに消防車をどうやってふやすかというような程度の対策にしかなっていないんじゃないかと。消防車をふやすことは大切なんだけれども、やはり根本的な、どんどんどんどん企業がわがままにリストラ進めているような現状にこそ厚生労働省としてきちっと規制をするという方向に切り込むということが今こそ求められているんじゃないですか。どうでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) すべての規制を改革していこうというときでありますから、そういう次から次へとまた新しい規制をしていくということは私は好ましい方法ではないというふうに思います。やはり、それだけの社会的責任を持って企業は対応していかなければなりません。そういう企業をどう育成するかということに今かかっていると思います。 これから世界の中で競争し、そして生き残っていくというためには、ただ単に雇用者を少なくする、そうしたことだけがテーマになっては決していけない。やはり社会の中で、世界の中で、この日本の企業が生き残っていきますためにはどういうことが一番大事なのか、そのことを大きい企業であればあるほど考えて行動をしていただかなければならない。決してそれは規制をし押しつける問題ではなくて、みずからそこで選択をし、そしてみずから世界の大企業としての貫禄を示していただくことが今大事であると思っている次第でございます。
○小池晃君 みずからやれと言ったって、そんなふうにならない現状があるわけですよ。だからこそ、その雇用を守る立場の責任ある厚生労働省としてきっちり大企業にも物を言うべきだと、私はそういうふうに申し上げているんです。 その点で、やはり今の政策というのは、本当にこれ以上の失業者を出さない、一方で大もうけを出しながら労働者をリストラするような大企業の身勝手をやめさせる、こういう根本的な部分にメスを入れない雇用対策では私は失業者はますますふえるばかりだと思うんです。 そういう中で、一方で同時に既に失業している人たちに対して生活を保障しながら再就職の援助をする、これも非常に深刻に求められているわけであります。 きょう、ちょっと前半、新たな緊急地域雇用特別交付金の創設についてお聞きをしたいんですけれども、この交付金事業、これは九九年に創設をされて、二〇〇〇年度までに二十一万人の雇用を生み出したと。改善して継続すべしという声が関係団体からも寄せられております。地方公共団体あるいは労働組合からも寄せられております。 私、この問題、四月十二日の当委員会で事業継続をすべきではないかというふうに申し上げた際に大臣は、雇用動向を見てどういう対策が一番適切かこれからの検討になる、過去のよい例も参考にしながら新しい対策がつくられるだろうと、そう答弁されました。そして、今回この新しい交付金事業の創設に至っているということだと思うんです。 最初に、この新たな交付金を創設した目的についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 新しい交付金につきましては、構造改革の集中調整期間におきます雇用問題への対応を期するということでいろいろな対策をとっておりますが、その一つとして、臨時応急の措置として、地方公共団体が地域の実情に応じて創意工夫に基づく事業を実施し、臨時的な雇用就業機会を創出するということを目的にしております。
○小池晃君 具体的にさらにお聞きしたいんですけれども、この事業の実施要綱はいつ発表されることになるのかということと、そして各自治体で実際にこの事業が開始されるのは一体いつごろからになるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 新事業の実施要綱につきましては、現在、最終の詰めをしております。 各自治体におきましては、十一月から十二月にかけて地方の議会がございますので、この議会で交付金を受けて基金をつくるための条例を提案し可決していただくという手続が要りますので、現在その準備を進めてもらっていただいております。 実際、交付金の申請を都道府県からしていただくわけですが、その際には事業計画を同時期に出していただく。事業計画を交付要綱の要件等に合っているかどうかを確認させていただいた上で交付する金額を決定するということを十二月中にいたしたいと、こう思っております。
○小池晃君 ということは、一月中に手続は開始できるということですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 各自治体におきましては、この交付申請の時期について多少ばらつきがあろうかと思いますが、総じて年明け一月から二月にかけて事業がスタートするというふうに考えております。
○小池晃君 これを進める上で最も重要なのは失業者の新規雇用にどれだけ結びつけるかということだと思うんです。 現行事業でもいろいろ問題がありまして、例えば大阪ではこういう例がありました。六千万円で大企業に委託した事業で十三人雇用されたけれども、そのうち新規雇用は三人だけだったという例があります。 そもそも、現行事業、今までやってきた事業全体でどれだけの人が働いて、そのうち本当に困っている失業者はどれだけだったか把握することが前提として必要だと思うんですね。さらに、今後失業者の雇用がきちっと確保されるための実効ある措置が必要だというふうに思うんです。 その点で、新たな事業ではこの点でどのような改善を図ろうとしているのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 新しい交付金につきましては、現行の交付金の今御指摘ありましたようなマイナスの実態等々も踏まえまして、幾つかの点を考えております。 一つは都道府県、市町村も含めた都道府県の計画全体で事業費に占める人件費割合をおおむね八割以上、そして都道府県計画全体で事業に従事する全労働者に占める新規雇用の失業者の割合を四分の三以上にすること。 そして、計画を策定段階で当然国の方にお出しいただいて私どもが確認するわけですが、計画の策定後、各地方自治体において、都道府県は都道府県、市町村は市町村でそれを公表すると。 それから、計画を実施した後の結果報告を私どももいただきますが、それも地方自治体において公表すると。結果報告をいただくスタイルでありますが、現行事業の結果報告を求めているスタイルよりは多少、多少と申しますかかなりと申しますか、詳しい情報をいただこうと思っておりまして、例えばその事業で全労働者が何人ついたか、これは当然でありますが、その中で実際に新規雇用された失業者の方々は何人か、そしてその事業についた労働者の雇用期間はどうであったか、こういうことを報告事項として求めようと考えております。
○小池晃君 さらに、失業者の雇い入れを具体的にどのようにして担保するのかということが問題であります。失業者であるかどうかということをどういうふうに確認をするのか。これは当然要綱にも盛り込むべきだというふうに思うんですけれども、その点も含めてお願いします。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 交付金事業に新たに雇用される方のうち失業者を確認しなければなりませんが、今考えておりますのは、一つは、雇用保険の受給を終了した失業者の方につきましては、雇用保険受給資格者証という証書の裏にこの人は支給終了しましたという判こを押すことになっていますので、それで確認ができると、一点であります。それから、自営廃業者の方々につきましては、廃業届というものが地方自治体の方に届け出る形でもらえますので、それで確認ができるということ。ほかにも、本人に失業者かどうかということを、例えば委託事業を受けた事業主に対しましては、委託契約の中で委託を受けた事業主として雇おうとする方について失業者であるかどうかを確認をとることということを契約事項として入れてもらうというようなことを考えております。
○小池晃君 そのことは要綱に盛り込むということでよろしいんですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) はい、そのようにしたいと思っております。
○小池晃君 さらに、昨年、労働省が出した通達で公共職安との連携が強調されております。やはり、より多くの失業者が仕事につけるようにするためにも管轄の公共職安で求人の申し込みを行うというようなことがますます重要になっているんだと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 当該事業を実施する地域を管轄する公共職業安定所への求人申し込みを事業を受けた事業主がするということも一つの大事な方法だろうと思います。 ただ、この際、募集方法はなるべく多くていいのではないかという考えを持っておりまして、例えば自治体が広報紙で県民に対し広報する、広報紙といいますか県報といいますか、広報というものがございますし、それから事業を受けた事業者自身が求人広告を打つとか、いろいろなやり方があろうと思います。 ただし、委員御指摘のように、この事業を実施するに当たっては雇用創出効果が高くなるということが一つの大きな要件でございますので、そうした観点からは都道府県、事業実施主体、事業を受けた方、安定所間の連携をよくしていかなければならないと、こう思っております。
○小池晃君 いろんな方法で周知徹底することはもちろん必要だと思うんですけれども、失業者が職安に行ったらばその県内のすべての交付金事業についてどんな内容になっているのかということが一目瞭然でわかるようにするということが私は大切だと思うんですね。個別の求人票を見るだけではなかなか自分に合った仕事ってないわけですから、何々県の事業はこれだけあるんだという全体像がわかる、やっぱり職安に行ったら全部わかるというふうにすることが必要ではないかというふうに思っているんですが、この点ではどういうふうに考えておられますか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) その点はなかなか難しい問題がございます。端的に申しますと、すべての情報と申しますか求人を安定所の方に出すといいますか集約するということについて、ある意味非常に規制が強いという御意見もあり得るかと思いますので、安定所としては、例えば都道府県と都道府県労働局の間で事業の計画段階、策定段階でよく連携をとっておりますので、都道府県の事業計画の情報を労働局経由で安定所の方に蓄積するということは当然できるでしょうが、そのほかにも、私どもが考えておりますのは、都道府県あるいは市町村にこの事業の担当窓口を明確に決めていただく、その窓口の方は県民、住民から問い合わせがあればこの事業についてはこういうアクセスの方法がありますということをちゃんと広報するあるいはお伝えするということもあわせてやっていくことが大事だろうと、こう考えております。
○小池晃君 広報の仕方については、例えばこれは北海道が北海道新聞に出しているんですね。道が行う四十事業全部を紹介しているというような例もあります。ぜひこういういろんな手段で、本当にどういう事業をやっているか、失業者に事業全体を広く知らせるということが私は大切だと。 その点でのこういう費用の財政的な保障はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 交付金事業の広報、周知に必要な経費はこの交付金事業の中でいわば附帯事業費として認めておりまして、財源はその交付金を使っていいということにしたいと思っております。
○小池晃君 さらに、委託の対象なんですけれども、これは民間企業、シルバー人材センター等となっていますけれども、この「等」にはNPOあるいは失業者を組織した団体、こういったものは含まれるんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 委託先につきましては、地方公共団体が契約を結ぶことになりますが、私どもが今典型的に考えておりますのは、いわば普通の企業、それからNPO、シルバー人材センター等々を考えております。 いずれにいたしましても、事業を的確に実施する能力、体制がある方を委託事業の相手とすることが当然のことでありますので、そうした観点から御指摘のNPOや失業者が組織する団体についてもそうした条件を満たせば都道府県が委託先とすることは十分あると、こう考えております。
○小池晃君 さらに、雇用期間についてお伺いしたいんですが、現行事業では六カ月未満の期間限定がありました。これは改善すべきだという声があったわけです。今度は原則六カ月未満だが事業内容等によっては一回更新できるとされておるんですが、この更新できるというのはどういう事業になるんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) これも要綱の中で明らかにしたいと思っておりますが、考え方として三つほど今考えております。 一つは、児童生徒あるいは障害者等の特定の者との対人関係の中で継続的にサービスを提供するような事業であって、そこに雇用されているといいますか、就業しております失業者等の方が対象の範囲としてあるだろうと。 それから、事業を実施する場合にどうしても管理したり企画したりする人が必要でありますが、そうした六カ月でかわっては困るような企画・管理部門等であって事業を継続するために必要不可欠な業務に携わる方、これは第二類型としてあろうかと思います。 そのほか、これは不幸な話でありますが、重大な災害が起きてどうしても仕事の機会を失ったような方々が出た場合には、そういった方々も更新の対象になるのではないかということを今のところ考えております。
○小池晃君 六カ月で中断するといろいろと支障がある事業というのはいろいろ幅広くあると思うんですね、私は。そういう点では、どういう事業が該当するのかということについては、個々の事業についての判断は自治体がやっぱり最終的には行うというふうに理解してよろしいんですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) ただいま申し上げたような、これは例でありますが、考え方を要綱の中でお示ししたいと思っております。それに基づきまして地方公共団体が判断をするということになります。地方公共団体におきましてもなかなか判断が難しいということになりますと私どもの方に照会が上がってくる、こういうことになろうかと思います。
○小池晃君 さらに、ちょっとこれは確認なんですが、雇用保険の失業給付を受ける場合、一般にですけれども、これは必要な加入期間というのは一般被保険者で六カ月以上となっていると思うんです。交付金事業で働く人についても当然この要件を満たす場合については雇用保険に加入できるというふうに理解してよろしいんですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用保険に加入できるということに限って言いますと、この交付金事業に従事した方がいわゆる短時間ではないということであれば、雇用期間がどうのこうのということはなく雇用保険の適用になるということでございます。
○小池晃君 六カ月以上働けるようにしてほしいという希望は非常に強いものがあります。失業保険につなげるという点から見ても、私は六カ月以上働けるようにすべきだということを申し上げたいというふうに思います。 その上で、新たな事業で対象事業を建設・土木事業以外というふうにしております。これは、建設労働者の今の転職の事情などを見ると、十人のうち七人前後は同じ建設業界に再就職するという実態があるわけです。 大阪府も平成十四年度の国家予算に対する重点要望で、新たな基金事業の対象に、建設・土木事業についても公共施設の維持補修等に該当するものは対象にすることとの項目を挙げているんです。全国市長会も対象となる業務の内容の採択基準の緩和ということを要望しております。 建設・土木業を今回も除いている理由について御説明を願いたい。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 現行の交付金事業におきましても建設・土木事業を除くということになっております。その考え方は、建設・土木事業につきましては、各種の施策、例えば国の補助金事業だとか公共事業による予算というものが国の予算あるいは県単の予算等々でついている、あるいはつく場合が多いということであります。 この交付金事業は既存の事業の振りかえではないということが原則になっておりますので、そうした観点からは予算措置がなされる蓋然性、現実性が高いものという意味で、公共建設・土木事業が一つ除かれているというのがあります。それからもう一つは、かつて失業対策事業で公共土木事業をやりましたが、そのときのいろいろな問題点、それを避けるという意味で除外されている。こういう二つの大きな理由があろうかと思います。新たな交付金につきましてもそうした現行の取り扱いを踏襲することにいたしております。
○小池晃君 一般に、近年の巨大プロジェクト中心の公共事業というのは、これは非常に雇用創出効果が低いというふうに言われております。 一方で、こういう試算もあるんですね。交付金事業の雇用効果と公共事業の雇用効果を比べた研究があるんです。北海道大学の椎名助教授らが行っています。これによると、北海道内の公共事業百万円当たりの雇用創出効果は十一・三人日、それに対して交付金事業では八十・八人日、かなりこちらの方が雇用創出効果が高い。 そういう点で、交付金事業である公共事業というのは、要求にもあるように、小さな中小の事業、公共施設の修理、こういったものであれば私は雇用創出効果が高いし、公共事業に対して予算を確保されているということは、この交付金事業での土木・建設事業を排除する理由にはならないんじゃないだろうかと。むしろそういったことを本当に、小規模の生活福祉密着型の事業というのをこの交付金を使ってやっていくということに、私は積極的な意味があるんじゃないだろうかというふうに思っておりますので、ぜひこれは検討をしていただきたいと思います。 ちょっと大臣にお伺いをしたいんですけれども、この交付金事業全体について、事業の内容は、これは地方の皆様にお任せするんだというような御答弁が午前中にもあったかと思うんですね。私、基本的には交付金の使い方ということについては、やはり地方の創意工夫といいますか、地方公共団体の裁量といいますか、そういった中で大いに生かして実施していくんだというのが基本的な考え方というふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) そのように理解していただいて結構かと思います。
○小池晃君 ぜひこれを、こういう厳しい中ではあるけれども、活用するべきだと。大阪市なんかでは失業率八・九七%、大阪府は六・八七%、全国最悪であります。こうしたところでかなり自治体が頑張って、ホームレスの方々の仕事であるとか、交付金による環境美化事業などをやっているわけです。 ぜひこれは予算を増額してもっと活用できるようにすべきだ、中身も本当に地方自治体が実情に合わせて使えるように改善をしていくべきだということを申し上げて、次に法案の中身である派遣労働、労働者派遣の上限延長の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 まず最初に、労働者派遣法が同一の業務に一年を超えて労働者派遣の役務の提供を受けることを禁じている、現行の一年以上の派遣を禁じている理由は何なのか、ここをお答えいただきたい。
○国務大臣(坂口力君) 現行の派遣期間の一年の制限というのがございますが、これは派遣先が派遣元事業主を順次入れかえることなどによって同一の事業について継続して労働者派遣の役務の提供を受けることを認めるならば派遣先での常用雇用の代替が起こりかねないために、これを防止するために認められたもの、そういうふうに理解をいたしております。
○小池晃君 今言われた禁止理由については、これは今も同じことが私は言えるはずじゃないかと思うんですね。この理由が必要なくなるような環境の変化があったんだろうか。私はないと思う。何も変わっていないと思う。それなのに、なぜ派遣期間の上限を一年から三年に延長するということになったのか、ここをお伺いしたい。
○国務大臣(坂口力君) ですから、トータルとしての派遣業というものにつきましては鋭意今検討をさせていただいているところであり、そして皆さん方の御意見もお伺いをしているところでございます。そしてこれは決定をさせていただきたいというふうに思っております。 その中で、中高年の問題は現状を見ましても非常に深刻でございまして、やはり雇用の選択肢というものを少し拡大しておく必要があるといったことで、これは特例措置として、ここに中高年の問題だけを取り上げさせていただいたわけでございます。したがいまして、全体の構造といたしましては今後議論を重ねていきたいというふうに思っている次第でございます。
○小池晃君 中高年齢者が厳しいから雇用機会を拡大するためにというふうにおっしゃる。しかし、雇用機会を拡大するというのは本当なんだろうかと。 今回、中高年を派遣労働者として雇用する場合に一年から三年にするということで、大臣は、十一月二十八日の本会議で、中高年の方の派遣期間を一年から三年に延ばすと五万人の雇用増があると、そういう答弁をされていますけれども、一体この根拠は何なんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今回の臨時特例措置を講ずるに当たりまして、緊急に派遣先につきましてアンケート調査を実施いたしました。 そこの回答によりますと、派遣期間が一年に制限されている場合に比べて三年に延ばした場合には、四十五歳以上の中高年齢者を派遣労働者として受け入れる機会は増加すると思われますかと、こういう設問であります。それに対して、増加すると思うという回答が一七・六%ほどございました。 それをベースに、現在、最新、直近のデータで派遣先が約二十六万件ございます。その二十六万件の派遣先が一七・六%という割合で中高年齢者を一人受け入れるという計算をいたしますと約五万人ということになりますので、その数字を答弁で使わせていただいているところであります。
○小池晃君 私は、今のアンケートの結果というのをそう使うというのは、ちょっととんでもないんじゃないかと思いますよ。 だって、今のアンケートというのは、これは、そもそも慌てて法案提出する直前の十月に、聞くところではわずか百二社対象のアンケートですよ。そういうやっつけ仕事でこういう数字出したわけですけれども、このアンケートというのは、派遣期間が一年に制限されている場合に比べて四十五歳以上の中高年齢者を派遣労働者として受け入れる機会は増加すると思われますかという問いに対して、一七・六%ふやすと言ったといいますけれども、八二・四%はふやさないと言っているんですよ。これがその実態だと思う。百二社中八十四社は一年から三年に延びても中高年齢者を派遣労働者として受け入れる機会は増加しないと。私、注目するんだったらこっちに注目すべきだと思うんですよ。八割以上の企業が雇用はふえないと言っているんです。 しかも、仮に中高年齢層の派遣労働者がふえたとしても、こういう世代というのは一家の大黒柱なんだから、お父さんが派遣労働者になったからといって家族喜ぶか、安心できるか。そんなことないわけですよ。中高年齢者の雇用に期間があるような派遣労働者では生活の安定というのは私は得られないと思う。 私、大臣、お聞きしたいんだけれども、こういう数字の根拠も非常に危ういと思いますけれども、私は、これは実効性もないし、中高年の雇用不安にこたえるような中身ではないというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) そこは大分認識が違いますね。 私は、派遣業というのには新しい役割があるというふうに思っています。これからの新しい社会、例えば男女共同参画社会がこれから進んでいきまして、そして、育児にいたしましても介護にいたしましても、これからどんどんと育児休業、介護休業というのが進んでくる。そういたしますと、そこをだれが一体埋めるのかといえば、それは派遣業の皆さん方に埋めていただく以外に私はないと思います。 一年という限定をされた、あるいは半年という限定をされたその中で、適当な人を雇うということはなかなか難しい。そして、その人がどんな立派な人であったとしても、半年たてば、一年たてばまた交代をしてもらわなければならない。もとの皆さん方をもう一度雇用の現場に戻さなければならないわけでありますから、そうするとその皆さん方にはまた帰っていただかなければならない。それは、半年とか一年という時間をとって、そしてそれを自身の企業の中でそういう人材を見つけ出すということはなかなか私は難しいと思います。これからの男女共同参画社会の先々において、派遣業というのは大きな役割を私は果たすと考えております。 そして、また中には、そうした生き方をしたい、一つの企業の中で終生勤めるという生き方ではなくて、いろいろの職場で勤めたいという生き方の人がふえてきていることもまた事実でございます。こういう人たちにもやはり対応していかなければならない。 私は、何もこの派遣業で一から十まで、これを全部そういうふうにすることがいいと私は言っておるわけじゃありません。しかし、そういう生き方も選択肢としてある、その選択肢を広げるということが、私は中高年の雇用に対しまして大きな役割を果たすと考えております。 したがって、派遣業を中高年に広げることによって、そしてすべてが解決するなどというような大それたことは考えておりませんけれども、しかし、現在のように中高年がどこにも行き場がないと言われております中で、やはり選択肢を広げるということが大きな支えになることは間違いないと思っている次第でございます。
○小池晃君 派遣労働というような労働のあり方が一つの選択肢なんだと、そういう生き方もあるんだとおっしゃいますけれども、今回の派遣労働の規制緩和について、規制緩和すべきという要求を出しているところは、例えば日本人材派遣協会、経団連、リース事業協会、全国地方銀行協会、こういう経営者団体ですよ。雇う側からの要求が出ています。 ちょっと政府参考人でいいですけれども、お聞きしますけれども、中高年労働者の側からは派遣労働の規制緩和、拡大してくれという要求は出ていますか。出ているんだったら教えていただきたい。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 私どもにいろんな方々からいろんな形の要望が出てくる形を考えますと、ある程度同質の方々が集まったグループ、団体とか協会とかいう形になるわけであります。残念ながら、中高年齢者の方々でそうした派遣労働者を代表する方々の組織とかいうのはないものですから、そうした形での要望、意見等はいただいておりませんし、なかなか届けるチャンネルもないんではないか、こういうふうに思っております。
○小池晃君 そういう要望なんかないんですよ、労働者の側には。中高年労働者はやはり安定雇用につきたいんですよ。でも、実態として、やはりやむなくもうこういう短時間労働しかないということになっているわけで、自分の生き方として派遣労働を選ぼうなんという、そういう実態に私はないと思いますよ。そこは認識が私、大臣違うと言うけれども、大臣の認識の方が私は誤りだと思います。 さらにお聞きしたいんですけれども、派遣労働を拡大していけば常用雇用が減少するんじゃないかという危惧が広がっていると。これは私は当然だと思うんですね。 厚生労働省が出している平成十三年版の労働経済の分析、ここでは雇用者の中の常用雇用と臨時雇いの関係についてはどういうふうに記述をしておられますか。
○政府参考人(坂本哲也君) 雇用労働者のうちの常用雇用労働者とそれ以外の臨時雇い、日雇いの労働者の割合でございますけれども、平成十二年で平均しますと約七対一ということになっておりまして、常用以外の労働者の割合が上昇傾向にあるという状況でございます。 その背景といたしましては、雇用者数の増加がパートタイマーやアルバイト、こういった臨時雇いによるものでございまして、常用雇用は平成十年から平成十二年まで三年連続で減少をする、こういった弱い動きが続いている、そういった状況があるというふうに分析をいたしております。
○小池晃君 今、答弁にあったような実態なんですね。この資料のもとになっている総務省統計局の労働力調査、これを見ると、常用雇用は一九九七年から二〇〇〇年までに百三十一万人減少、一方で臨時雇いは六十二万人増加、まさに常用雇用が臨時雇いに置きかえられている実態があるんじゃないかと思う。 さらに、常用雇用労働者をどけて派遣労働者が入っているわけじゃないというようなことをおっしゃることがあるんですが、これ本当だろうか。 これもちょっと調査結果をお聞きしたいんですけれども、厚生労働省がことしの九月三日に出した労働者派遣事業実態調査結果報告、ここでは派遣労働者の受け入れ前に担当していた者の雇用形態について聞いています。この結果、どういう結果になっているか、お示し願いたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 御指摘の実態調査の内容をかいつまんで申し上げますと、派遣労働者の受け入れ前にその業務を担当していた者の雇用形態を調査いたしますと、常用労働者であったというのが七三・七%、新規業務のため前任者がいない、これが二三・二%であります。 この七三・七%の解釈でありますが、一つは、常用労働者が処理していた業務が増加したということが入っておるでしょうし、また事業所内での担当業務の見直し等による場合もここに入りますし、常用労働者が急に離職した場合に次の常用労働者を雇い入れるまでの間つなぎとして派遣労働者を入れるというようなケース、さまざまなケースがこの中に入っているものと考えています。 したがいまして、この七三・七%という結果が直ちに派遣労働者の受け入れが常用労働者の代替に使われているということを意味するものではないというふうに私どもは考えております。
○小池晃君 いや、今もう都合のいい解釈をするものだなと思いましたけれども。でも、実態としてこれは明確じゃないですか。だって、派遣労働者が入ってくる業務の受け入れ先がそれまでは常用雇用者が七割を超えているわけです。常用雇用が派遣労働によって置きかえられることはないというふうにおっしゃいますけれども、実態としては、まさにこういう中で常用雇用が派遣労働によって置きかえられているという実態は私はあると思うんです。 そういう中で、今度三年に延長するということでありますけれども、この三年間に上限を延長するということによって具体的な仕組みがどうなるのかちょっとお聞きしたいんですけれども、企業側の受け入れ形態はこれはどうなるんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 派遣労働者の受け入れ期間が一年から三年以内に延びるということになりますと、現在一年の形態で中高年の派遣労働者がいるという仮定をします。そうすると、こうした方々を一年を超えたところから引き続き当該本人を派遣労働者として受け入れるという形が一つであります。それからもう一つのケースは、現在おられる方に一年で帰っていただく、そのかわりその業務について他の中高年齢者を派遣労働者として受け入れるという、この二つのパターンが出てくると思います。
○小池晃君 要するに、企業の側というのは、中高年の派遣労働者であれば、三年間ずっとやる人も中にはいるでしょうけれども、何人かで三年間つないでいくということも可能になるということですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) はい、そうです。
○小池晃君 ということであれば、結局このやり方でいけば企業にとっては一つのポスト、派遣労働者によって埋めるポストが、これはできるだけ安価で雇用調整もしやすい派遣労働者、これを中高年であれば三年間まで受け入れることができるようになる。逆に労働者の側から見れば、三年間別に、今度は上限が延びるといっても三年雇用される保障ができるというわけではないわけでありまして、次から次へと使い捨てにさせられていくということになる。これはまさにそういう仕組みじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 現在、一年の受け入れ制限の中で派遣労働者として働いている中高年齢者の人から見れば、一年を超えて三年までの間、引き続き安定的にそのなれた仕事を専門性を発揮して、あるいは専門性がないにしても十分能力を発揮して安定的につけるというメリットは相当あるというふうに考えておりますし、もう一つは、マクロの観点からいえば、最長三年間の間で受け入れる中高年齢者が途中でかわるにしても、かわった後のところを見ればそれは新たな中高年齢者にとっての雇用機会の拡大ということになりますので、先生御指摘の点についてはなかなか意見が一致しない面があろうと思います。
○小池晃君 派遣労働者について、雇用の努力義務の問題をちょっとお聞きしたいんですけれども、これは三年間という上限になったとしても今までどおり雇用の努力義務があるということを衆議院の議論でも御説明されていますけれども、その点についてちょっと説明をしていただきたいんですが。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 派遣法四十条の三というところで優先雇用の努力義務がかかっております。ここにつきましては、中高年齢者が一年を超えて三年以内の間で引き続き派遣労働者として受け入れられるという実態が現に出てきた場合に、現行の派遣法本体の規定の効力と申しますか規定の意味がそのまま中高年齢者にも適用されるということは当然のことでありまして、これは条文にそのように書いてありますし、そのように設計をしておるところであります。
○小池晃君 努力義務についてちょっとお聞きしたいのは、現行の制度のもとでこの努力義務によってどの程度の効果があったのか、そういう実態調査はされていますか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) その点は現在までの調査では調べておりませんが、今後、先ほどの質疑の中で申しましたように、総合的な実態調査をするという中では調査対象に含めることを考えていきたい、こう思っております。
○小池晃君 派遣労働制度ができて努力義務があるといっても、実態調査もやられていないわけですよね。 しかも、今の話で、一年従事した場合の優先雇用の努力義務が残るんだと、それは法の中にあるんだとおっしゃいますけれども、これは、企業にしてみれば、一年以内の有期雇用にしておけばその努力義務すら全く意味をなさないという実態があるわけです。 現に、労働者派遣事業実態調査結果報告では、派遣契約の期間の割合というのは三カ月未満が六六・一%だと。ほとんどの派遣労働者は実態としては努力義務が適用される前に契約を解除されている、これが私は現状なんじゃないかと思うんですね。 こうした中で、先ほどから中高年の不安定雇用がふえるだけだというふうに言っているんですけれども、結局、こうした仕組みでは、今でさえ短い派遣労働者の契約期間がさらに切り詰められてどんどんどんどん使い捨てられる。企業の側は、中高年であれば三年間同じポストを派遣労働者で埋められる。企業からも要求が出ているのは、私はそのとおりとうなずけるんですよ。企業にとってみれば非常に使いやすい制度になる。一方で、中高年の労働者にとっては逆に不安定雇用が拡大する。 私は、改めて今までの議論を踏まえて大臣にお聞きしたいのは、どうしてこういうようなやり方で今深刻な雇用不安にあえいでいる中高年の不安にこたえることができるというのか。私は、こういうやり方では逆に不安が強まるばかりだ、そういう改悪だというふうに思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申し上げましたとおり、私は雇用の選択肢というものを大いにふやすことができると思います。今までの雇用状況だけでありますと、今までの雇用慣習の中でしか雇用ができない。しかし、こういう選択肢がふえることによって、たとえそれが一年であれ三年であれ、新しい雇用の場につくことのできる場ができるわけであります。 それは、中にはそれをつなぎとする人もあるでしょう、つなぎにして次のまた新しいステップを考える人もあるでしょう。しかし、そういう生き方もまた一つの生き方だとそこに割り切る人もいるでしょう。少なくとも、現在の雇用慣習の中で、派遣業という新しい勤め方、生き方というものがまだ成熟をいたしておりません。それを引き受ける側も十分な知識がないままにやっているということもあります。しかし、これから先、日本の雇用慣行が成熟をしていくにつれまして、こうした働き方は多くなっていくことは避けられないと私は思っております。 そういう意味で、私は、その始まりと申しますか、その始まりを開くものだというふうに思っておりまして、決して私はこのことが高齢者の皆さん、中高年の皆さん方に御迷惑をかけることではないというふうに思っております。選択の問題でございますから、もしも御希望でなければそれは選択をしなければいいわけでございまして、それを選択をしてでも一時をしのいでいこうという皆さん方にとっては、私はそれはプラスだというふうに思っています。
○小池晃君 選択だ、選択だとおっしゃるんだけれども、先ほどから紹介している派遣事業実態調査報告を見ると、派遣労働という働き方の選択をした理由で一番多いのは、就職先が見つからなかった、これが二八・八%なんです。就職先が見つかるまでのつなぎとしてという人が一二・三%。本当は常用雇用で働きたいんだけれども、就職先がないからやむなく派遣労働者になっているという実態が私はあると思うんです。 そういう中で今回のようなやり方をすれば、まさにどんどん派遣労働者をふやしていく。それで常用雇用がどんどん切り詰められていく。結局、中高年の将来の雇用不安に対しては、逆にやはり不安を与えるような中身にならざるを得ないんだというふうに思うんです。 それから、現状が果たして法の規定どおり行われいるかどうかということも改めて私は聞きたいんですけれども、現行の労働者派遣法では製造業への労働者派遣を除外してきております。この理由について、政府参考人、お示し願いたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 現行法体系の中で物の製造業務について適用除外にされている例でございますが、製造業の直接工程で働く労働者が我が国の雇用労働者に占める割合の大きさ、また我が国の労働者の労働条件の決定に与える影響の大きさ、いわゆる構内下請など製造業の製造現場における就業の実情等を考慮したことによるということになっております。
○小池晃君 今回の特例法案でもこの製造業への労働者派遣の除外というのは変わらないわけですね。
○政府参考人(澤田陽太郎君) そのとおりです。
○小池晃君 一般論としてお伺いしたいんですけれども、製造業の生産ラインにおいて請負と称して受け入れ先が現場での労働者に対する業務の遂行に関する指示その他の管理を行っている場合、これは違法派遣に当たるということになるんでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 製造業の生産ラインで請負という形でといいますか、称して行われている事業につきましては、注文主の事業所の従業員と混在して注文主の直接その指揮命令を受けて業務に従事しているということであれば、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準を定める告示というものを厚生労働大臣が出しておりますが、こうした告示等に照らして実態として労働者派遣となっていると判断される場合には違法な労働者派遣事業に該当することになります。
○小池晃君 こんな実態が寄せられたんですよ、私のところに。 三洋電機の大阪の住道工場、ここは形式的に請負契約という形にして実態は派遣労働という実態です。私が聞いている話では、新日本という請負の会社と契約をして三洋電機の工場で働いている労働者、工場内では最終的な指揮命令は三洋の社員がやっていると。製造ラインの一部では三洋の女子社員とこの新日本という会社の社員が一緒に働いていると。これはまさに派遣労働そのものである。今の例からいえば違法派遣、偽装請負に当たるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今初めてお聞きいたしましたので、実態の方を私どもも把握しておりません。したがいまして、どうかと言われても答弁するだけの材料を持ち合わせておりませんので、お答えしかねるということになります。
○小池晃君 情けない話で、これは朝日新聞の一面に出ているんですよ。あなた方、そんなことも勉強していないんですか。大変なことですよ。このことが朝日新聞の一面で報道されたことをあなたは御存じないんですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 怠慢と言われるとそうかもしれませんが、私が見ている新聞の版においてはなかったように思います。
○小池晃君 そんな、でたらめですよ。朝日新聞の一面にこの問題は取り上げられているんですよ、ちゃんと実例を挙げて、住道工場と名前まで挙がって。 それで、私、ホームページを見たんです、三洋電機の。三洋電機のホームページを見たら、何を言っているか。住道工場を見学した社長からのメッセージが載っているんです。この社長さん、何と言っているかというと、生産現場でも「生産要員も毎月毎月急激に変わる生産量に対応して、派遣社員の人たちでも、「いつでも」「どこでも」「誰でも」生産できるように、作りやすく、作業指導票もビジュアル化されています。」と。これ、三洋電機のホームページを見てください。出ていますよ。 こういうふうに明確に社長が派遣労働だと言っているんですよ、派遣社員だと。これは明らかに違法じゃないですか。どうですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 社長がホームページ上でおっしゃっていることはそうかもしれませんが、私どもとしては、その実態判断をしなきゃなりませんので、恐縮でございますが、調査をして、その結果必要な対応をとっていきたいと思います。
○小池晃君 こんな新聞で大々的に報道されたことは、これはすぐに調べるべき問題でしょう。私は、インターネットのホームページで、何か秘密資料を手に入れたわけじゃないんですよ、インターネットを見たら、これは派遣社員だと認めているんだから。こういうこともきちっと調査もせず、規制もせずに、さらに派遣労働の年数を広げようなんということは私は本当にとんでもない話だと。 派遣労働の期間延長の問題については、新聞報道でも、これは役所にとっても想定外のことだったと。これも九月十九日付の朝日新聞ですけれども、「一年から三年に延長する労働者派遣法の見直しが盛り込まれたのは、役所にとって想定外」だと。「九九年の改正の際に、法改正の影響などを詳しく調査したうえで三年後に見直しを検討するとされた。議論のたたき台となる実態調査すらできていない。」と。 先ほどからいろいろと指摘しているように、派遣労働のいろんな実態について慌ててこの間、この十月に調査をしたり、今いろいろと起こっている問題についてもまともな調査もやられていない。そして、私が指摘したような実態もあると。こんな違法派遣がまかり通っているような実態の中で、現状の中で派遣期間を三年に延長するようなことをしたらばますますこの事態が悪化するんじゃないですか。 大臣、どうですか、こういう状況で、将来のあり方をめぐっていろいろ議論はあるということはおっしゃったけれども、少なくとも三年前にいろいろ調査する、見直す、それで調査した上で出すと言っていたものを何もやっていない中で、これを一年から三年になし崩し的に延長するようなやり方が私は許されるのかと。このことについて、大臣、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) ですから、先ほどから申し上げておりますように、この部分は特例措置であり、三年の期限をつけたものである、こういうことでございまして、とにかく現状の危機を打開する一つの手段であるというふうに思っています。 派遣業というものが悪の代表であるかのごとく言われますけれども、決してそういう働き方ではない、これからの働き方の中にはこういう働き方もあるということを私たちはそういう信念でもってやっているわけであります。
○小池晃君 認識が全く私は間違っていると思うんです。 全体で見れば、雇用の統計すべてそうですよ。語っているのは、派遣労働者がどんどんふえて常用雇用が減っているんです。そういう現状があるんです。その中でこんな規制緩和をしたらますますそういう方向に拍車がかかるでしょうと。次から次へと派遣労働者に置きかえられていっちゃうわけですよ。 しかも、現状を見れば、これはあなた方厚生労働省が四月十三日に出した文書を見ても、「厚生労働省所管行政に係る規制改革要望及びその検討状況」を見ても、これは何と言っているかというと、派遣労働の見直しについては、「改正労働者派遣法の施行から日が浅く実態把握もできておらず、加えて、紹介予定派遣の実施状況等も勘案する必要があることから、派遣期間の在り方については、改正法の施行状況等を踏まえ、施行三年後における制度全体の見直しの検討の中で検討する予定である。」と。今すぐできませんということをはっきり言っているんですよ、これを見ても。全く実態調査はできていないんだと。こういう中で派遣労働を三年に延長する今回の法案、私はもう断じて認めるわけにまいりません。 さらに、あとはもう言うだけにとどめますけれども、政府の総合規制改革会議の最終取りまとめの中で、さらにもっと規制を取っ払う、すべての業務に広げる、あるいは派遣期間の上限を撤廃するということまで言われていると。 つまり、こんな中では全く、こんなときに派遣労働の拡大、規制を原則撤廃するような改悪は断じて認められないということを申し上げて、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 それでは、個別の法案の質問に入ります前に、経済政策、雇用政策の全体的な問題点についてお尋ねをいたします。 まず、規制緩和が始まって、競争政策の積極的な展開を目指してさまざまな政策が展開されてきているのですが、規制緩和のこの間の経済効果をどのように把握しておられるでしょうか。また、地域の空洞化や商店街の閑散化等、マイナス効果も生じておりますが、それがどのようにその経済効果に組み込んで評価されているのか、またそれに伴う失業の予測についてはどのように把握しておられるのか、内閣府の方にお尋ねをいたします。
○政府参考人(岡本保君) 規制改革は、御案内のように、競争の進展とか生産性の向上に伴いまして価格や料金が引き下げられます。その結果として、消費者に大きなメリットが伴うわけでございますし、また、新たな産業の創出ということで雇用の拡大などにも経済的に好ましい効果をもたらしていると考えております。 最近の経済効果の分析等では、生産性が上がったとか、あるいは最近、経済財政諮問会議に設置されました雇用拡大専門調査会では、五月にまとめました報告で、今後五年間でサービス部門を中心に構造改革を実行すれば五百三十万人規模の雇用創出が期待できるというような試算も出されております。 しかし同時に、今御指摘ございますように、これまで規制に守られてきた分野等、規制改革によります新規参入が起こった場合に、競争にさらされたり、失業の発生など、ある程度の痛みも伴うことが予想されるところでございます。 もちろん、改革を進めるに当たりましては、移行期間を設けましたり、情報提供に努めるなど、セーフティーネットを適切に整備するなどいたしまして、できるだけ摩擦、そういうものが少ない、防げるというふうな努力をしていかなければいけないと承知をいたしております。 それから、規制改革を進めた場合に失業率がどのぐらいというような数字は現在出ておりませんが、先般、経済財政諮問会議に提出されました日本経済の再生シナリオというものによりますと、構造改革、規制改革も含めました構造改革を進めた場合には、今後十年間で、実質の経済成長率が平均二分の一、〇・五程度にとどまるものが、構造改革、規制改革も初めとします構造改革を進めていけば、一・五を超える成長が期待できるというような報告も出されております。
○大脇雅子君 そうしますと、当初、経済効果が、どのようなスケールの経済的なカウントがあるのかということを経済企画庁等は出しておられますが、このところは、そういう形では、規制緩和の総合的な効果というものについては数値的には算定しておられますか。
○政府参考人(岡本保君) これまでの行ってまいりました規制改革の効果につきましては、例えばこの十年間で電気通信業等など代表的なもので生産性が上がったとかいうようなものがございますが、今回のものについて失業率がどうこうというような数字はございませんで、先ほど申し上げました諮問会議に提出されました再生シナリオというものによりますと、構造改革をやった場合としない場合というもので実質経済成長率が〇・五と一・五というような差が生ずるのではないかというような見通しが出されているというものでございます。
○大脇雅子君 そういたしますと、その〇・五が一・五ということですが、これは大体何年度を見越してプログラム化されているんでしょうか。
○政府参考人(岡本保君) 何年度といいますか、そのレポートによりますと、構造改革を進めた場合、今後二年程度の集中調整期間は低い成長にとどまりますが、その後は実質、今後十年間程度の平均的な成長、一カ二分の一程度の成長が見込めるというふうなレポートになっております。また、進まない場合には、この二〇一〇年度までの平均的な経済成長率が二分の一%程度にとどまるのではないかというふうになっております。
○大脇雅子君 先ほど五年間で雇用の創出を五百三十万人と言われておりますが、それは何年度を目標にして、現在の達成率はどのくらいになっているのでしょうか。
○政府参考人(岡本保君) これは諮問会議に出されました雇用、サービス業等を中心に今後構造改革を実施していく場合に、今後五年間で五百三十万人程度の規模の雇用創出が期待できるということを示しております。
○大脇雅子君 そのような大枠の中で、次は労働分野における構造改革、すなわち規制改革の具体的な中身、そして規制改革に対するトータルな基本理念をどのように考えておられるのか、大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(坂口力君) 国際競争が非常に激しくなってまいりました。こうした中で日本の企業がどのように生き、その中で我々の雇用がどのように確保されていくのか、今までなかなか考えられなかったようなことが次々と起こってきております。非常に栄枯盛衰は激しいというふうに思います。ことし大変景気がよくてそして順調にいっていた企業が来年そのままでいけるかといえば、それはわからないような事態が生まれてきているわけでございます。 こうした変動の激しい中で、日本の経済そして日本の雇用を維持していきますためには、どういたしましても、その中でいわゆる労働市場システムというもの、これを確立していかなければならない。一番大事なことは、この労働市場システムをいかにつくり上げていくかということがこれからの雇用にとりましては大事になってまいりました。 個々の企業、個人個人の雇用がどうかといったその個人の、個々の企業やそこに働く人たちの問題というとらえ方ではなくて、全体としてこの労働市場システムというものをどうつくっていくかということが非常に大きな役割を果たすようになってきたというふうに思っております。
○大脇雅子君 そのように規制緩和が推進をしていく中で、雇用者の所得は増加するのかどうか、それに対する見直しあるいは見通し、そういったものはどのように評価の中に組み込まれているのでしょうか。内閣府の政府参考人の方と大臣にお尋ねします。
○国務大臣(坂口力君) これからどういう方向にこの雇用問題が向かっていくのかということは、現在の経済状況から見ますと予断を許さないところがございますけれども、私たちが心がけていかなければならないのは、先ほど申しました労働市場システムだということでございます。 そして、その中で新しい産業をどう開拓していけるかということは、これは新しい雇用をどう創出できるかということにかかってきておりますが、これはしかしなかなか簡単なことではございません。お互いに新しい雇用の創出を行いますために新しい産業を育成しといったようなことを私たちは言うわけでございますけれども、たとえ新しい産業を育成いたしましても、それが一年ないし二年先にはもう世界の共通の場にそれがのせられてくるというようなことを考えますと、今までほど手放しでいられるような状況ではないというふうに私は認識をいたしております。 そうしたことを考えますと、やはり政府が一つ一つ大きなプログラムと申しますか、一つ一つの大きなひとつ方向性を示しながら、政府の政策の方向性と、そして雇用というものをよく認識してその方向性を決めていかなければならないと。午前中にも申し上げましたとおり、介護なら介護という大きな一つの施策が打ち出されることによりましてそこに多くの雇用の場が広がりました。循環型社会ならば循環型社会を形成するという政府の大きな方針の中で私は大きな雇用の場が広がっていくものというふうに思っておりますので、そうしたやはり方向性というものを政府が明確にしていかなければならない。それとセットの話であると思っているところでございます。
○政府参考人(岡本保君) 規制改革の推進につきまして、今、大臣からもお話ございましたように、私ども、いわゆるそういう規制改革がどのような効果をもたらすか、あるいはこれからどういうことをやっていく必要があるのかということにつきまして、総理の諮問機関でございます総合規制改革会議等でもいろいろ御議論をいただいております。 そういう御意見等を踏まえまして、それを適切に、三カ年計画というものをつくっておりますので、そこに反映をさせていくことによって着実な雇用、それから全体としての経済の発展というものに結びつけていきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 この規制緩和の中で、働く者の立場からいたしますと、企業の収益がアップしたにもかかわらずそれが労働者に分配されていかない、そして非常に収益重視の企業がふえて、企業の行動様式が規制緩和の中で変わりつつあるということが指摘されています。 そういった点の中で、やはり雇用者の立場に立ったいわば生活の基準のアップということを規制緩和や労働市場のシステム作成の中に一つの評価要素として組み込む必要があるのだということを指摘させていただいて、総体としての質問を終わりたいと思います。 内閣府の方はもう質問ございませんので、どうぞ退場してください。 さて、今までさまざまなワークシェアリングの取り組みについて質問がございました。非常に私が注目をさせていただいている発言は、大臣のいわば中期、長期にかけてワークシェアリングを考えていきたいという御主張であり、坂本統括官ですか、がおっしゃったのは、これは男女の働き方を変える、そうした仕事と家庭の両立をするシステムとして考えたいというふうに言われましたことであります。 今、ワークシェアリングでさまざまな議論が言われておりまして、先日も毎日新聞の社説で山路さんという方が、「出発点で肝心なことが抜け落ちているのではないか。」という指摘があります。非常に長い労働時間、そして年休の取得率がない中で、単なる賃下げをワークシェアリングと呼ぶ事例さえ出てきているんだということに警鐘を鳴らしておられまして、勤労者にだけ痛みを強いることのないワークシェアリングを考えるようにというふうに言われております。 私は、やはり二十一世紀に向けて、日本型ワークシェアリングの導入について、哲学といいますか、理想を持って取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。それはやはり均等処遇の原則でありまして、時短、労働時間によって差別を生まないという原則の確立、雇用形態によるそういう差別を禁止するということと、それから労働条件は賃金を含んで均等に処遇するという原則を立法化する、これをワークシェアリングとセットで考えるということが将来の日本のワークシェアリングのシステムをつくり上げる上で重要な点だと思いますが、その点いかがでしょうか。大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 私ぐらいの年齢でございますと、労働時間というのは長ければ長い方がいいみたいなところがございまして、いつも常に何かの形で働いているのが一番好ましい状況と考えがちな世代でございます。しかし、よくよく考えてみれば、そのことがやはり日本の社会というものをいろいろの面でひずみに追いやっていることも私は間違いがないと思っております。 先ほど労働時間の短縮の問題をお挙げになりましたけれども、労働時間の短縮、そして労働時間の差別を生まない、二つをお挙げになりまして、これらの問題とセットでということを御主張になりましたけれども、私もそのことに異論はございませんが、ワークシェアリングということを言います前に、今御指摘になりました労働時間の短縮ということができれば、それが一番私は根本ではないかというふうに思っております。 やはり、なかなか変えがたい日本の慣習を変えることによって私は新しい時代を日本はつくることができ得る。今のような働けど働けどというような形の中でやっていくのは好ましいことではない。国際競争力の中で時間を短縮するということは経営者にとりましては大変なことであるというふうに思いますけれども、やはりそうしたことをお互いにすることによって、そこの分かち合いをすることによって日本全体が世界の中で生きていける環境をつくるということが大事ではないかというふうに思います。
○大脇雅子君 賃金やあるいはその他の労働条件の均等処遇の原則というものを考えていくということについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) これも大変大事な問題であるというふうに思います。 いわゆるオランダ型のような形にするのかどうかということは、これは議論をする余地があると思いますし、そしてそれからでないと言えない問題でございますけれども、大きな原則として、方向性として、それはそうした大きな差が生じないようにしていく、そうした中で私たちはお互いのワークシェアリングは考えざるを得ないと思います。
○大脇雅子君 それでは、雇用状況のさらなる悪化と対策についてお尋ねをいたします。 経済産業省の方にお尋ねをしたいのですが、今回、改革先行プログラムに基づく施策として提案されております新事業創出促進法の一部改正案では、人材育成、需要開拓支援等、支援のための施策が盛り込まれておりますが、具体的には内容はどのようなもので、どのような効果を生んでいるのでしょうか。
○政府参考人(西村英俊君) 去る十一月三十日に成立いたしました新事業創出促進法の一部改正におきましては、今後五年間で創業を倍増するとの目標を達成するために、人材育成、需要開拓支援等の施策を総合的に推進することを法律上明確にしております。これらの施策の具体的な内容につきましては、従来からの施策に加えまして、十三年度補正予算、十四年度予算要求の中で拡充を図っておるところでございます。 すなわち、具体的には、まず人材育成施策といたしましては、今年度約二万人を対象に、商工会、商工会議所等による創業塾、創業セミナー等を行っておりまして、来年度は対象人員を倍増、四万人に倍増したいというふうに考えております。また、創業塾のこれまでの実績と効果につきましてでございますが、平成十一年度、十二年度の受講者約八千六百名に対しましてアンケート調査を行ったところでございますが、回答約二千五百のうちの約五割が開業した、または開業準備中となっております。 次に、需要開拓の支援といたしましては、創業者の販路開拓等を後押しいたしますために、創業者の試作品の展示会でありますベンチャーフェアを開催しておりまして、平成十二年度におきましては約三百社の出展と約一万八千人の来場実績がございます。このうち、出展企業の約二七%が販路開拓を含む他社との事業連携に成功したという成果が得られております。 また、創業者が投資家等に対して事業計画等を発表する場でございますベンチャープラザを全国各地で開催しておりまして、平成十二年度におきましては約二百四十名が事業計画を発表し、約二万二千人の来場実績がございます。このうち、事業計画の発表者の約一三%が販路開拓を含む他社との事業連携に成功したという成果が得られております。 さらに、資金調達の円滑化といたしまして、すぐれた事業計画を有する創業者のリスクへの挑戦を後押しするために、無担保・無保証人、本人保証もなしで国民生活金融公庫の融資を行う新融資制度を創設いたしました。また、創業者への民間金融機関からの資金供給を一層円滑化するために、新事業創出関連保証制度の限度額の引き上げを図ったところでございます。 経済産業省といたしましても、これらの施策を積極的に実施することにより、新市場、新産業創出の源となります創業の拡大のために全力を挙げて取り組んでまいります。
○大脇雅子君 それでは、そのような効果の中で、我が国は新しい産業としてどのような分野が将来的に開拓されると考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(桑田始君) 我が国経済を牽引しまして、また雇用創出の担い手となります産業は、御承知のように、技術革新でございますとか社会経済構造の変化に対応する形で生まれてくるものと認識しております。 具体的に申し上げますと、少子高齢化社会の進展でございますとか環境制約の高まりということに伴いまして、国民の間には潜在的な需要が健康に対する不安の解消や豊かで居心地のよい空間への消費といったより高度なニーズに変化をしてきている状況でございます。こういう状況の中にありまして、IT産業に加えまして、バイオ産業、さらに医療・介護等の社会福祉産業、環境関連産業などが今後の雇用創出を担う次代の成長産業になると認識をしております。 こうした新たな成長産業を育成するために、経済構造改革をまず第一に強力に推進をし、民間の経済活動が自由濶達に行われ、国民の潜在的な需要に的確にこたえるイノベーションが創出される環境を整備していくことが必要であると認識しております。 政府といたしましては、産業構造改革・雇用対策本部で先般決定されました総合雇用対策に基づきまして、第一には医療、環境など成長分野の市場拡大に向けた規制・制度改革、第二には開業創業倍増プログラム、第三には大学発ベンチャーの加速化などの技術革新の促進による新事業の創出、第四には民間研究開発の支援などによる産業競争力の強化といった施策を講じてまいることにしております。 以上でございます。
○大脇雅子君 加速的な不況の状況にありまして、現在、IT産業が大量のリストラを推進している様子がマスコミで報じられておりまして、雇用創出を担うことが非常に困難になっているのではないか。 このIT産業の雇用創出の実情をどのように見ておられるのでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 IT産業におきましては、現在、電子部品を中心とするハード面での業況が悪化しておりまして、各企業、人員削減策を含めた構造改革策を打ち出しているところでございます。一方、現状でもソフトウエア開発等の情報サービス分野は引き続き堅調でございまして、各企業におきましては、いわゆるSE、システムエンジニア等を中心に、サービス部門については人員の増強に取り組んでいるところでございます。 ただいま御答弁を申し上げましたように、IT産業、大変厳しい経営を強いられているところでございますが、当省といたしましては、各企業が選択と集中に基づいて構造改革を行うことによって競争力を高め、IT産業が引き続き我が国経済を支えていく産業であり続けることを強く期待しておりますし、必ずやそうなると思っております。 私どもとしては、今後とも技術開発に関する支援、あるいはIT産業における雇用創出のために必要な人材の育成等の支援を強力に行っていきたいと考えているところでございます。
○大脇雅子君 やはり、新しい雇用の創出がまさに今の大失業時代にとっては非常に大切であろうというふうに思いますので、さらなる努力をお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。 さて、このような状況の中で、新規学卒者、とりわけ女子学生の就職難は超氷河期と形容されて久しい。内定率が七割で推移してきたのですが、高卒の予定者は四割。今言われましたように、新しい事業の創設ということがあるにしても余りにも厳しいということで、未来に対する失望感を若者に与えていると思います。 これに対してどのように対処するつもりなのか。学校だけではなくて雇用政策全般の課題ではないかと思いますが、文部科学省と厚生労働省にお尋ねをいたします。
○政府参考人(矢野重典君) 高等学校卒業予定者の就職内定率は、内定が始まります九月から年度末にかけて徐々に上昇していくのが例年の傾向でございまして、昨年の場合は三月の末には約九割程度となっているところでございます。ただ、御指摘がございましたように、厚生労働省が発表いたしました平成十四年三月高等学校卒業予定者の平成十三年九月末日の就職内定状況は三七・〇%と極めて厳しい状況になっているわけでございまして、私ども大変心配をいたしているところでございます。 このような状況を踏まえまして、文部科学省といたしましては、本年九月に厚生労働省と共同で、各都道府県教育委員会等に対しまして、高校新卒者の就職支援につきまして、職業安定機関と教育機関との連携による積極的な求人開拓など、一層の取り組みを依頼したところでございます。またあわせて、主要経済団体に対しましても、高校新卒者の求人枠の確保、拡大について特段の配慮をお願いしたところでございます。 さらに、十月には文部科学省、厚生労働省、全国高等学校長協会、主要経済団体で構成いたします新規高卒者就職問題懇談会を開催いたしまして、それぞれの立場で求人の確保に努めることを確認いたしたところでございまして、例えばハローワークが中心となって合同の就職面接会を実施するなどの取り組みが行われているところでございます。 私どもといたしましては、今後とも厚生労働省とも一層の連携、協力を図りながら、一人でも多くの生徒が就職できるように努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 新卒者の厳しい状況は、今、文部科学省から御説明申し上げたとおりであります。私どもは、新たに職業生活に対して意欲を持って踏み出そうとしている方の就職が非常に厳しいということはまことに残念でございまして、厚生労働省としてその就職に向けて最善の努力を払っていきたいと思っております。 先般、政労使雇用対策会議、それから経営側、労働側、有識者のトップが集まります産業労働懇話会を開催いたしましたが、その場で坂口厚生労働大臣の方から、特に新卒者、とりわけ高卒者の採用枠の拡大につきまして経営側に強く要請をいたしたところであります。 地方におきましても、都道府県労働局の幹部が地元の経営者団体、大手企業等々に対しまして求人の要請をしておりますし、安定所におります学卒求人専任の求人開拓のための推進員、こういうものを総動員いたしまして、求人開拓を今一生懸命進めているところであります。そして、高卒新卒者対象の就職面接会というものも集中的に開催するということで取り組んでおるところであります。 今後とも、文部科学省ともよく連携を図りながら、一層の努力をしていきたいと思っております。
○大脇雅子君 これまで、例えば在職者の求職活動支援助成金というものとか雇用調整助成金、特定求職者雇用開発助成金、再就職促進講習給付金等、さまざまな制度が活用されてきたと思いますが、これらの最近の実績はどのようになっているでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) ただいま例示されました各種助成金につきまして申し上げますと、まず在職者求職活動支援助成金でありますが、昨年十月に制度を創設いたしました。本年十月までの実績は、残念ながら三千八百万円ということにとどまっております。それから、雇用調整助成金でありますが、平成十二年度で二百四十一億円という支給実績になっております。それから、高齢者、障害者等、就職が難しい方々を雇い入れた事業主に支給いたします特定求職者雇用開発助成金につきましては、平成十二年度で八百八十二億円ということになっております。それから、再就職を促進するための講習給付金につきましては、平成十二年度で一億四千六百万円という実績になっております。
○大脇雅子君 これは、達成率というのは一体何%ぐらいになりますか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 在職者求職活動支援金実績、この十月までで三千八百万円と申し上げましたが、十二年度の予算は六十億円を組んでおりました。これでいいますと、達成率は極めて低いということになります。それから、雇用調整助成金でございますが、十二年度予算五百十億円に対しまして、実績が先ほど申しました二百四十一億円ということであります。それから、特定求職者雇用開発助成金、十二年度予算一千一億円に対しまして、実績八百八十二億円等々でございます。
○大脇雅子君 再就職はどうですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 再就職促進講習給付金は、十二年度予算七千八百万円に対して、実績が一億四千六百万円でありました。
○大脇雅子君 そうしますと、この達成率から見て、これらの助成金の制度というものは効果がどのようにあるのか、あるいは障害として何を考えておられるのか、あるいはもう少しどこを手直ししたらいいのかということについては議論をされておりますか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 助成金の性格によりまして、例えば雇用失業情勢にその支給状況が大きく影響されるものとか、あるいは本来なるべく支給されない方がいいもの、経済状況がよければ発動されないもの等々ございまして一概に申し上げられませんが、この間、雇用保険の各種助成金につきましては重点化を図るということで見直しを進めてまいりました。そして、昨年度からも見直しを進めておりますが、この十月からはさらに一段の見直しを進め、必要なものは厚く、効果の薄いものはスリム化するというようなことでやっております。 私ども、全体の効果はどうかと問われますと、一定の下支え効果とか、あるいは一定の雇用創出効果があったものと考えておりますが、経済情勢もあるいは企業の経営環境も刻々と変わってまいりますので、不断に助成金のあり方等々は見直していき、効果的、効率的な助成金の制度を組み、かつ支給実績等々も制度の趣旨に合って予定と乖離することのないように制度の一段の改善を図っていきたいと、こう思っております。
○大脇雅子君 その助成金制度というものの方向性と経済効果を見定めて有効に活用をしていかなければいけないというふうに思うのですが、この点について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 助成金制度、助成金というのはいろいろございますけれども、それらを有効にどう活用するかということが今一番大事なことでございます。限られた助成金でございますから、その使い方が大変大事でございまして、効率的な使い方をしていかないといけないというふうに思っております。 したがいまして、それぞれの地域あるいはそれぞれの人がどのようにそれを有効に使うかということを私たちもよく見きわめながら、それぞれの制度のさらなる見直しといったものも行っていかなければならないと思っている次第でございます。
○大脇雅子君 さて、解雇ルールの検討の必要性について、坂口大臣は既にこの委員会でも御答弁をいただいておりますが、ILO条約、例えば使用者の発意による雇用の終了に関する第百五十八号条約、あるいは雇用の促進及び失業に対する保護に関する百六十八号条約、このような条約は早急に批准すべきであると考えますが、日本が批准していない理由はどこにあるのでしょうか。
○副大臣(南野知惠子君) 先生お尋ねのILO第百五十八条、この条約は、使用者の発意によって雇用の終了から労働者を保護することを目的として、そして雇用を終了させるに当たっての妥当な理由、それから雇用の終了前または終了後の手続などにつきまして規定しているものと認識いたしております。さらにまた、ILOの第百六十八号条約、これは完全雇用、生産的雇用及び職業の自由な選択の促進並びに失業に対する保護のための措置などについて規定したものであると認識いたしております。 それらに関しての先生のお尋ねでございますが、これらの条約につきましては、国内法において規定がないというのが一つの大きなポイントであり、法律の改正をしなければ批准が困難であるというような意味も含まれているわけでございます。例えば、雇用の終了につきましては多様な形態がございます。先生御存じのように、一律に規制するのが可能かどうかということなど、なお問題点がありますのでさらに検討を進めていかなければならないというふうにも思っておるところでございます。
○大脇雅子君 そのような国内法上の問題がありますが、批准に向けて取り組んでいかれるのでしょうか、どうでしょうか。
○副大臣(南野知惠子君) もう先生の強い御意思がそこら辺にあるのじゃないかなというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしても、解雇ルールの明確化につきましては、現在、労使等関係者の意見を聞きながら御議論をいただいているところであり、これらの結論が得られましたらそれを踏まえて検討してまいりたい。例えば労働政策審議会の労働条件分科会、そういうところでもこれらの点について検討を続けていっていただいているところでございます。
○大脇雅子君 それでは、時間も迫ってまいりましたので、雇用対策臨時特例措置法についてお尋ねをいたします。 改正法案を三年間の時限立法とする趣旨はどこにあるのでしょうか。
○副大臣(南野知惠子君) 本年六月に行われました経済財政諮問会議、これで取りまとめられたものでございますが、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、先生御存じのいわゆる骨太方針、それにおきましては、今後二、三年間の間に不良債権の処理などを進めていくとともに、この期間を日本経済の集中調整期間というふうに位置づけており、短期間に構造改革を進めるとされてきているところでございます。 現在、雇用失業情勢は厳しさを増していることはもう御承知のとおりでございますが、今後、構造改革の進展などに伴いましてさらに離職者が発生するなど問題が生じ得るということはもう十分に、悲しいことですが、認識していかなきゃならないのかなと思っております。 このために政府といたしましては、総合雇用対策を策定し、補正予算において必要な措置を講ずるとともに、これらの措置のうち法的措置が必要なものにつきましては今後の集中調整期間を視野に、これは三年間でございますが、所要の臨時特例の措置を講ずることといたしまして、本法案を作成しているところでございます。 また、この法案につきましては御審議の上に速やかに御成立させていただき、補正予算の迅速かつ効果的な執行と相まって国民の雇用不安の払拭に努めてまいりたい、そのように我々念じているところでございますので、どうぞこの御審議を有効にしていただきたいと思っております。
○大脇雅子君 特例法の対象労働者は四十五歳以上の中高年労働者とされておりますが、実は二十代、三十代の若年労働者も再就職が困難な状況は同じではないかと思いますが、この点について四十五歳以上としたことの意味、若年労働者に対してどのような施策をしようとしておられるのか、お尋ねします。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 本法案で派遣期間の延長の対象を四十五歳以上の中高年齢者にした理由でございますが、とりわけ中高年齢者の就職環境が厳しいということで、あらゆる方策を講じて中高年の方々の再就職支援をするということで補正予算等々お願いしているわけでありますが、その一環として、派遣期間につきましても三年間に限り三年にするということをお願いしているところであります。一方、若年者につきましても、とりわけ若い方につきましては失業率が一〇%を超えるというような状況がことしに入って続いておりますが、厳しい状況は変わりないと思います。 ただ、対策の内容が違ってしかるべきであろうということを考えておりまして、若年者につきましてはとりわけ学卒未就職の方が最近フリーター等々という形で社会的にも話題になるわけですが、こうした方々につきましては実践的な能力開発をぜひしていただこうということで、先般の補正予算の中でもトライアル雇用制度というものをお願いし実現したところであります。三月ほど事業主の方に預かっていただいてOJTで実践的な能力開発をしていただく、そうした中で事業主の方と本人との意向が合えば本格的な雇用という形でそこに定着していただく、不幸にしてマッチングしない場合にはもう一回安定所へ戻っていただいてまた別の事業場で実践的能力開発をしていただくというようなことでございます。 このほかにも、恒常的なものとして若年者の就職支援ということでございますが、事業主に対します求人開拓あるいは就職面接会の開催、さらには学卒者が早い段階から職業意識を形成するように学校と連携した啓発、指導等々に取り組んでいるところでありまして、労働力需給のミスマッチの解消という基本的な命題の中では、この若年者のミスマッチの問題を解消することが将来にわたる日本の人材育成、活力等々の面でも大変大事だと思っておりまして、引き続きいろいろな施策を活用して取り組んでまいりたいと、こう思っております。
○大脇雅子君 中高年労働者の職業訓練について給付の拡充の必要性ということが言われておりますが、訓練の受講終了後にその訓練内容をハローワーク所長の受講指示に係らせて延長するということになっておりますが、労働者の意思はどのように保障されるんでしょうか。本人の意思に沿った訓練の確保ということが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(酒井英幸君) 複数受講の問題でございますが、複数回やる場合につきましては求人者が求める能力、それから受講者御本人の一回目の訓練への取り組み状況、成果、あるいはさまざまな状況を的確に把握した上で、もう一回やれば就職可能性がさらに高まると見込まれる方に対して対象としていくと。求職者の希望も尊重しながら本人の適性あるいは知識状況、経歴、そんなものを十分勘案して、真に必要な訓練受講をしていただくことによって就職に結びつけていくということでございます。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 もう一つ、じゃ訓練の機会はどうかということでございます。これにつきましては、今般の補正予算におきましてもさらに訓練の量、枠を拡大いたしましたほか、内容につきましても大学あるいは大学院といった高い内容の訓練の機会をさらに広げるといったことやら、さらには事業主さんに受託していただく訓練といったようなことを初めといたしまして、官民あらゆる教育訓練機会を最大限に活用していくという形で、これまで以上に多様な、効果的に成果が上がるような訓練の機会を確保するということで取り組んでいるところでございます。そういうようなことによって一人でも多く就職に結びついていっていただくということがねらいであるわけでございます。
○大脇雅子君 それでは、派遣期間を一年から三年に大幅に拡大をしていくという派遣法の改正についてお尋ねをいたします。 現行の枠組みというのは、就業場所ごとの同一の業務というものを中心にいたしまして、いわば業務単位の規制をしていたわけでありますが、高齢者の派遣の特例を設けることによってこれは人単位の規制に変質するのではないかと言われて、それが危惧されておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 御指摘の点でございますが、法案の第四十条の二のところにかかわる問題だと思いますが、この条文をごらんいただければ明白なように、今回も事業所の場所ごとに同一の業務について一年から三年ということで、業務単位の規制から人単位に変わったということは全くございませんで、同一業務という枠の中で、その下位概念として中高年に限ってというものを臨時特例で設けたということでございます。
○大脇雅子君 この改正案は四十五歳以上の雇用拡大が目的と言われておりますが、常用労働者を派遣労働者によって代替することを促進するということではないということは明確にしていただきたいと思うんですが、この点は、そのような危惧が現場であるわけですが、いかがお考えですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今回の臨時特例法案は、現在あります派遣法の外で時限的につくっております。したがいまして、その基本的な枠組みはすべて現行派遣法に乗ってやっておるわけでございます。唯一違いは中高年に限って一年を三年にということで、あとはすべて現行法の枠組みに沿って制度ができておりますし運用されるということでありますので、今回の特例法ができることによって常用代替が進むとかいうことが新たにオンされるということは制度的にもあり得ない話でございます。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 その問題は、先ほどいろいろ御議論がありましたが、現在の派遣制度についてどう考えるかという点から出てくる議論でありまして、今回の臨時特例法からはそういう議論は出てこないというふうに私どもは考えております。
○大脇雅子君 例えば、料金徴収の業務に関する労働者派遣におきまして、派遣先がノルマを指示し、ノルマ達成度によって契約の更新を行っているという事例や、二カ月の契約更新方式による事例などがあるというふうに聞いております。こうした派遣は、今回、雇用を確保するために三年の雇用期間が可能となる中高年労働者についてはますます顕著になることが懸念されますが、そのような実情を把握しておられるのでしょうか。あるいはまた、このような事例にはどのように対処されるのでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 労働者の派遣契約の期間につきましては、平成十一年度の労働者派遣事業報告によって見ますと、契約期間三カ月未満というものが契約全体の三分の二を占めております。これらの契約につきましては、更新を前提とする契約に限られるものではないというふうに私どもは承知しております。 いずれにいたしましても、労働者派遣契約そのものは派遣元事業主と派遣先の合意により締結されます私契約でございまして、これに関しまして派遣法上の、あるいは派遣制度上の規制を設けることは困難であるというふうに考えております。 なお、更新の場合でございましても、労働者派遣法第二十六条七項の規定に基づきまして、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、派遣契約の締結に際しまして、派遣労働者を特定することはできない仕組みになっておりまして、こうした観点から、契約の更新が適切に行われているかについて指導監督を行っていくことは可能であります。 今後とも、この二十六条の七項が適切に運用されるように対処していきたいと、こう思っております。
○大脇雅子君 派遣期間が一年から三年に延長されるということになりまして、四十条の三の三年以内の派遣について派遣先事業主の雇い入れの努力義務を課しておりますが、本体の派遣法によりますと、努力義務というのは一年というところで発生をするということで、労働者が派遣一年を経過した時点で雇い入れを希望した場合には雇い入れ努力義務が発生するんだというふうに考えますが、この点はいかがですか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 今回の特例法におきましても第四十条の三の読みかえ後の規定がございまして、それによりますと一年以上三年以内の期間継続して同一の中高年齢者である派遣労働者を受け入れた派遣先企業が引き続きその労働者を必要とする、雇おうというような場合につきましては、必要な要件を満たせば当該中高年の派遣労働者が希望すれば雇用しなければならないという仕組みは派遣期間が一年以内の場合と同様でございます。
○大脇雅子君 そうしますと、一年を経過した時点で雇い入れ努力義務が発生をしたと、そしてその申し出をしたことを理由に継続就労することを拒否される場合は不当な解約に当たるのではないかということを指摘しておきたいと思います。 それから、派遣先の決定に際して、派遣先から事前面接を受けさせられたり、履歴書の提出を強要されたり、しかも他社との競合を理由にして一方的に断られるなど、多くの派遣労働者が現行労働者派遣法の二十六条七項に違反する方法で非常に不安定な就業にさらされている実態がございますが、このような実態を把握されておるでしょうか。紛争解決の実情はどのようなものでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 平成十三年度の労働者派遣事業実態調査で調査しておりますので、そこを見ますと、履歴書の取り寄せについて、よくある、たまにあるというふうに回答された派遣労働者は四三・七%に上っております。また、事前面接の実施についても四七・四%の派遣労働者があったというふうに答えております。この状況は平成九年の調査の時点よりは若干改善されておりますが、まことに残念ながら、なお派遣労働法第二十六条の第七項に違反する事例が存在するものと承知しております。 こうした事案につきましては、派遣労働者から苦情等が公共職業安定所に申し立てられた場合について、安定所としては派遣元事業主や派遣先に対しまして是正のための指導等を実施しております。安定所で把握できた事案について申しますと、現在、指導中というものを除けば、基本的には指導により改善が図られているものと考えております。 ただ、この派遣法第二十六条第七項の違反がまだかなりあるという点につきましては、労働者派遣制度に対する基本的な理解だとか認識が欠如しているという点に起因することもかなりあると考えておりますので、今後とも事案の把握に努める一方、派遣事業制度そのものについての理解を派遣先、派遣元に求め、必要な監督指導はしていきたいと、こう思っております。
○委員長(阿部正俊君) 時間も来ていますので、よろしくお願いします。
○大脇雅子君 はい。 最後に、派遣労働という言ってみれば安上がりの労働による正規雇用の代替を企業に選択させることにつながるのではないか。この三年派遣あるいは規制緩和委員会における原則規制解禁について私どもは危惧するわけであります。 リストラ策として整理解雇を実施した企業がその後の補充に派遣労働者を活用するという手法は、そもそも整理解雇は無効と評価すべきではないか、そしてそう解することが労働者派遣法制定の趣旨にも合うのではないかというふうに私は考えまして、雇用保障を根底から崩すことになる施策ということについて警鐘を鳴らして、私の質問を終わりたいと思います。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。大変お疲れのところ、あともう一時間だけおつき合いください。よろしくお願いいたします。 今まで雇用対策について坂口厚生労働大臣も何度も御答弁されておりますが、量的拡大はあるとしてももう出尽くした、雇用政策の限界であるというふうにおっしゃっておられます。 特に、助成金制度というものに関しまして、本当に大変きめ細かくありまして、それに関しましては、先ほど大脇委員の方からも経済効果それから実績等について質問がありましたが、大分合理化が図られているようですけれども、今回の特例のものも含めまして、まず幾つ助成金制度はありますでしょうか。局長にお願いいたします。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 数え方にもよるわけですが、六十一あった助成金を先般三十九まで絞りました。その後十三年度補正予算で若干の助成金のメニューがふえましたので、今は四十台の前半ぐらいの数になっていると考えております。
○森ゆうこ君 本当にきめ細かくいろいろと用意されているということで、ここにいただいたパンフレット、「雇用の安定のために」ということで、これは当省のものですけれども、本当に分厚い資料でして、それで「パンフレットの利用に当たって」という最初のページを見ますと、どの給付金を、「お問い合わせ先」とかいろいろありまして、何かこれをどうやって使ったらいいかよくわからないんです。せっかく出す助成金ですから、本当に困っている方やこれから経営強化を図ろうという中小の企業の方等に早く使っていただくために、今回の特例のものはもちろんでございますが、窓口を一本化してアドバイザーを置いてすぐにわかるような体制をとるべきだと思いますが、現状はいかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用保険三事業に基づきます各種助成金は物によって大分性格が違いまして、公共職業安定所による再就職支援の一環として支給するということがふさわしい助成金もあれば、高年齢者の継続雇用だとか職場定着指導をするために出している助成金などはそれを行っている機関に支給事務をお願いしているとか、助成金の性格によって担当のチャンネルが分かれているわけであります。 これはそういう指導業務あるいは本来業務との関係で必要なものと私どもは理解しておりますが、委員御指摘のように、利用者からすれば、物によってあっちこっちというのは大変煩雑でございますので、できればワンストップサービス的に情報提供なり相談業務を行いたいということで、主要な公共職業安定所にはいわゆる総合相談窓口というものを設けておりまして、そこに相談員が座ってあらゆる助成金についての相談、実務的な御指導等々しておるということであります。 そのほかにも、基本的に各種助成金を事業主等によく理解していただくということが大事ですので、安定所まで一々足を運んでいただかなくてもインターネットを使いまして、各安定所が独自にホームページを設けていたり、厚生労働省としても全国的にハローワークインターネットサービスでそういう助成金情報を流すとかいうこともやっておりますが、さらに努力をしていきたいと、こう思っております。
○森ゆうこ君 今詳しく御説明ありましたが、助成金を受けるための手続が非常に煩雑だと。それから、役所の出す助成金というのはどうしてもそうなりがちなんですが、要するに決算、予算等の関係で、実際にもらえると思ってそれを事業に組み込んで助成金の申請をしたら、結果的にその助成金についてはもう希望者が殺到したので希望の半額しか受けられなかったとか、さまざまそういう苦情が寄せられておりますけれども、特に申請の手続に関してもっと簡素にするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 申請の手続あるいは申請に必要な書類等で一番事業主の方が煩雑に思われておりますのは、私ども、賃金助成という形が多いものですから、実際支払われた賃金の何分の一とかいう形でこれまでやってきたわけです。ところが、その実際に支払われた賃金を証明するには賃金台帳を持ってくるとか大変膨大な手数がかかりますので、かなりの助成金につきましてはこの十月一日からかなり事務簡素化をしました。 それは、雇用保険の保険料を払うベース、ですから使用者から見ますと総賃金支払い総額と、これをつかまえまして、それを労働者の数で割っていわば平均支払い賃金というものを算出して、それをベースに賃金助成をするということで大幅な簡素化を行いました。これは大変事業主の方の負担軽減になるものと思っております。 そのほかにも、例えば今回この法案でお願いしております経営革新を行う中小企業に雇い入れ助成を出すということにしておりますが、その場合も経営革新のための計画を経済産業省の経営革新法に基づいて承認してもらう、私どもには中小企業の雇用管理改善のための計画を都道府県に出して承認してもらうと、こういうことになりますので、その二つの計画を承認するに当たって少しでも事業主の負担が軽減されるように経済産業省と今協議中であります。 そのほかにもいろいろ御指摘の問題がありますので、引き続き簡素化、申請の簡便化に向けて検討はしていきたいと、こう思っております。
○森ゆうこ君 さらに簡素化の方向へという御答弁でしたが、なぜ今までそのように複雑だったのでしょうか。
○政府参考人(澤田陽太郎君) いわば助成金という形で使用者からいただいた保険料を財源に支出しておりますので、いわば厳格な支出をしたいという気持ちがありまして、それは簡素化した後でも変わりませんが、そのために使用者から見れば過大な負担になっていた面があるということを前からいろいろ言われていたわけですが、今回かなりの決断をもってやったということであります。 ただし、簡素化をしたからといって、その助成金の支給について過誤払いがあったとか不正があったとかいうことがないようなチェックシステムはしっかりとるということは当然のことだと考えております。
○森ゆうこ君 要するに、不正受給を防ぐということだと思うんですが、もちろん不正受給というものは排除されなければならないと思います。しかし、助成金というものはそもそも公的な支援を求めている人たちに給付されるべきものだと思います。ということは、そういう申請に関してはやはり簡素でなければ親切ではないと思います。 同じ問題を大臣にお答え願いたいんですが、要するに今までの行政のやり方というのはとにかく行政指導、入り口のところでいろんな規制をかけて、ちょっと話が飛躍し過ぎるかもしれませんが、事業の参入にしろさまざまな業法等で規制をして、その入り口のところできちっとお上の監督のもとに置く、これだけ条件を整えておけば悪いことはしないだろうという形だったと思うんですが、そうではなくて、もう自律、自己責任、規制は緩和して自律、自己責任、そしてそのかわり国民にとっての不利益を働いた者に対しては厳しく罰する、きちっと事後のチェックをする機能をもっと拡充するという方向へ向かわなければならないと思うんですが、その件に関しては、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 正式の答弁としましては、先ほど局長が申しましたように、窓口を強化します、あるいはインターネットを整備いたします、そういうことなんです、正式に申しますと。 ところが、正直申しまして、旧労働省の言葉というのは難しくて長いんですね。例えば、緊急地域雇用特別交付金というのは十一字あるわけでありまして、中小企業雇用創出等能力開発助成金というのは十六字あるわけで、なかなか間違わんと言うだけでもこれは大変なことなんですね。 それで、私も先ほどから考えていたわけですが、もう少し名前だけでもわかりやすい、もう少し取っつきやすい名前にしないと、二度と再びよう言わないような難しい名前ではなかなか一般の皆さん方に御理解をいただくことは難しいなという気もするんです。 インターネット、確かにやっておりましたりしますけれども、インターネットで見ていただくような方は大丈夫なんですね、正直申しまして。だけれども、そんな難しいことはしない、一遍見たらわかるという名前で何とか仕事を探したいと思っておみえになる皆さん方に対しまして、一体どうするかという問題は確かに私もあると思っています。 これは、そんな易しい名前がうまくつくのかどうか。例えば特別交付金にしましても、私が先ほど言った言葉が当たっているかどうかわかりませんけれども、つなぎ資金とか、それだったらつなぎかということになってまたおしかりを受けるから私もなかなか言いづらいんですけれども、何かもう少しわかりやすいネーミングで皆さん方に理解をしていただいて、そして窓口に御相談をいただくということが大事かなというふうには思っています。 余り難しい名前ですと、相談に行きまして、どういう名前のを相談していいかもわからぬというようなことでありますと、これもなかなかぐあいが悪いなというふうに思っておりまして、私も実は悩んでいるわけでございますが、そうしたことを、先ほど御指摘になりましたように、これからはだんだんと自己責任でおやりをいただかなければならないという時代になってきたわけでありますから、皆さん方に御理解をいただけるようにしていく努力を私たちも懸命にしなければならないというふうに思っております。
○森ゆうこ君 先ほどから国民の不安の払拭というふうなお話もありましたので、これにはメディアを活用して、今回これだけの雇用政策を用意しています、気軽に御相談くださいという情報をぜひ流していただきたいと思います。 次に、産業構造改革についてお聞きいたします。 構造改革についての認識を確認したいんですが、特にこの産業構造改革については、雇用の観点からいいますと、現在言われている雇用のミスマッチを解消して新しい成長分野への労働力の円滑な移動をすることだ、そしてその結果として労働生産性が向上するということになると思うんですが、これでよろしいでしょうか。大臣、お答えいただけますか、構造改革について。局長でも結構です。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 構造改革を進め、産業としてあるいは一国としての労働生産性を高めるという方向はまさにそのとおりだろうと思っております。
○森ゆうこ君 では、労働生産性の向上ということについて伺いたいと思いますが、一たん失業率がかなり低下したものの産業構造改革がスムーズに進んで、結果として労働生産性が非常に向上したという国があると思うんですけれども、その例をお示しください。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 労働生産性の上昇率を結果的に、例えば一九九〇年から九八年の間で見ますと、その国が構造改革を進めて産業競争力を高め労働生産性が上がったかどうかというところはよくわからない、そこまではうかがい知ることはできませんけれども、例えば中国などは労働生産性上昇率は九〇年から九八年の間で六・一%と非常に高いわけでありますが、その上位のところを見ますと、例えばシンガポール、韓国、この辺は労働生産性上昇率が高いわけで、この辺の国はいわばITをかなり中心にした産業の競争力を強化したとか規制緩和を進めたとかいう話も聞いております。 北欧などでそうした国があるかどうかという点につきましては、例えばフィンランドなどが九〇年から九八年の間に生産性上昇率が三・〇で世界第十二位とかいう形で若干あるように聞いておりますが、詳細なところまではちょっと把握しかねているところであります。
○森ゆうこ君 我が国の経済は、最初はキャッチアップ型経済と言われて先進諸国のモデルをいわば追っていたわけですが、これからは自分たちのモデルをつくらなきゃいけないと言われておりますが、それでもなおかつ、日本で失われた十年と言われているこの期間にスムーズな産業構造改革を進めた先進事例があるとすれば、それは検証に値するのではないかと思います。 そこで、先ほども申し上げましたが、要するに雇用の観点からは雇用のミスマッチを解消して労働力を円滑に成長分野へ移動するということだと思うんですが、職業訓練制度について伺います。 労働力の移動をスムーズに行うためには、リストラされた、または非自発的に離職した労働者を成長分野で欲しがる人材になるように再教育する必要があると思いますが、まず雇用のミスマッチについて具体例をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(酒井英幸君) うまく答えられるかどうか心配でございますが、よくミスマッチということで言われるものの中には年齢のミスマッチ、あるいは賃金のミスマッチ、それから能力のミスマッチということでございまして、いつも我が大臣の方から能力のミスマッチにたどり着くまでの年齢あるいは賃金のミスマッチというものの対応を急ぐ必要が国会でもいろいろと御答弁があるところでございます。 能力のミスマッチにつきましては、先生、今、具体例ということをおっしゃいましたのでございますが、これは非常に産業の動向が、変化が激しゅうございますので、例えばITの訓練をやっておっても簡単なITの知識だけではなかなか再就職には役に立たないとか、あるいはITで就職をしようという場合にもできるだけ高い内容の訓練でなければ事業主さんの方でも雇っていただけないとかいうことは、ごく一例を挙げて申し上げますと、そんなようなことがございます。 ですから、それに対してはできるだけ高いことをお教えできるような、能力開発ができるようなことも我々は考えていかなければならないというふうに申し上げることが多うございますけれども、それはそういうようなミスマッチが起こっているからでございまして、その辺、いろいろな分野でよく気をつけて取り組まねばならないというふうに思っているところでございます。
○森ゆうこ君 それでは、現在、実際の職業訓練制度でコース別の再就職率というのはどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(酒井英幸君) これは、先生、離職者関係のことを申し上げさせていただきますけれども、トータルでは公共施設でやりました場合の訓練終了時におきます就職率は約六割、民間委託で行っております訓練では四〇%というところでございますが、公共施設で行いましたもので分野別に、同じ訓練終了時でございますけれども、例えば建設業関係では就職率が五六%、製造業系統では六一%、サービス系統では五七%、事務系で六二%、それから介護の関係といった分野では六七%というようなことでございます。
○森ゆうこ君 今の就職率はたしかサンプル調査だと思いますが、先日、NHKの「あすを読む」という番組だったと思いますが、その中で、個別の就職率に関しまして、例えば先ほど出ましたIT分野での専門職等情報系では非常に少ない、就職率が低い、十数%というのがありました。一方で、サービス系の中でもすぐ使えるもの、例えばビルメンテナンスそしてホテル業などでの職業訓練ではほとんど一〇〇%に近い就職率があるという報告がありました。 この件に関しましては、担当官に尋ねましたけれども、厚生労働省の方では把握していらっしゃらないというお答えでしたが、それでよろしいんですね。
○政府参考人(酒井英幸君) 先生、先ほどの分野別に申し上げました数字は公共施設内における全数調査を分類したものでございます。サンプル調査というよりも全数でございます。 それから、今の先生の御指摘につきましては、先ほどから私は訓練終了時における数字を申し上げておるわけでございますが、最後までなかなかこれをフォローいたしておらないのが率直なところ実情でございます。終了からしばらくたった時点ではもう少し高くなっている。ですから、その後の状況をできるだけ詳しくフォローするのは必要なことと思いますので今後その辺は努めたいと思っておりますけれども、御本人のいろんな、回答いただけるかどうかといったようなことも含めまして、そういう問題点もございますこともありまして十分把握し切ってはいないというのが率直なところでございます。
○森ゆうこ君 先に答えを言っていただきましたけれども、本当のつなぎの、失業保険の失業給付を延長するためのいわばモラルハザードとして職業訓練が行われるのであれば、本当の意味で目的としています構造改革、新しい産業分野への円滑な労働力の移動ということに関してはむしろ阻害要因になるという場合も考えられるということで、今後、職業訓練制度に関しましては短期間ではなくて、本当に中高年を再教育する、例えば私がSEになりたいといったときにそれが可能になるような制度、これは担当官に無理だと言われましたけれども、冗談じゃなく、これが新しい産業分野への労働力の移動じゃないでしょうか。 そういう視点で考えられたらいかがかなと思うんですが、大臣に一言、この点についてお願いいたします。
○副大臣(南野知惠子君) 先生はすてきなお仕事を見つけられたんですね。SEというんですか。
○森ゆうこ君 SE、システムエンジニアです。
○副大臣(南野知惠子君) SEですか。そうですか。じゃ、ぜひ先生、そういう方向を目指していただけるのかなと思いますけれども。 先生がお尋ねの、中高年の離職者の再就職を促進する上で必要な職業訓練機会を提供することが重要である、しかも短期間じゃなく長期間やれというようなお話だと思いますけれども、従来より受講者本人の意向というものを大切にしながら、我々ハローワークが就職に当たって真に能力開発が必要と判断する方に対して、これはただ受講させればいいという問題じゃなく、その人が就職に適切な訓練機会というものをこちらの方で提供してさしあげているというようなこともその中にございます。 また、離職者に対しましては、職業訓練につきまして、従来、先生おっしゃっておられる三カ月とか六カ月の訓練が主でありましたけれども、中高年のホワイトカラーの方々には高度な人材ニーズに対応していただくためにより高度な訓練コースを設ける必要があるということから、大学などにおける一年間の訓練コース、これを来年度から新設するということを検討しており、現在、大学側と協議を行っており、準備を進めているところでございます。 なお、一年コースの受講者の選定ということに当たりましては、受講の必要性というもののほかに高度な訓練を受講するための能力または適性、そういったものなどを厳格に判断する必要がございます。皆様方の大切な税金を使わせていただくんですから、受講前に試験または面接などを実施することも考えながら、適材適所でのお仕事を再度自分の身につけていっていただきたい、そのような願いがございます。
○森ゆうこ君 今後さらに検討をしてほしいと思います。私、その面接のところでいきなりはねられないことを祈りたいと思います。 それで、職業訓練という新しい成長分野に求められる人材の育成ということは、これは中高年だけの問題ではないということで、きょうは文部科学省からもおいでいただいておりますので関連でお聞きしたいと思います。 若年層の失業率の高さもかなり深刻だと思いますが、確かにこれは一種の言ってみればわがままという側面もあるという話も聞いたことがありますが、若年層でのミスマッチ、失業率の高さということに関していかがお考えでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 例えばでございますが、ただいまの御指摘の点で高卒者、大卒者の就職後三年以内の離職率を見ますと、これは平成九年三月の卒業でございますが、高卒者で四七・五%、大卒者で三二・五%といったような状況にございますし、フリーター、無業者の現状でございますが、これは平成十三年三月の卒業者で見ますと、高卒者九・八%、十五歳から三十四歳までのフリーターの数が百五十一万人というふうに推定されていると、こういう状況にあるわけでございます。 そういう意味で、高校生、大学生の今申し上げたような厳しい就職状況、あるいは若年者の早期離職、フリーターの問題など、高校生、大学生の就職や進路を取り巻く状況には大変厳しいものがあるわけでございますが、そのため、私どもといたしましては、学校教育におきまして望ましい職業観、勤労観あるいは主体的な職業選択能力を育成いたしますとともに、職業に関する知識や技能を身につけさせていくことが大変大事であろうというふうに考えているわけでございます。 そのため、具体的に申し上げますと、高等学校におきましては、職場体験やインターンシップを通じて、先ほど申し上げました望ましい職業観、勤労観、さらには職業に関する知識、技能、さらには主体的に進路を選択する能力、態度、こうしたものを身につけさせる教育、これをキャリア教育というふうに呼んでいるわけでございますが、こうしたキャリア教育の充実に取り組んでいくことが必要であると考えているところでございます。 また、大学におきましては、学生がしっかりとした職業観を持って自己の能力、適性に応じて適切に職業を選択できるように、インターンシップの導入を初めといたしまして、学生の職業観をはぐくむ就職指導あるいは就職指導体制の充実に取り組んでいるところでございます。 そういう意味で、今後とも学生生徒に先ほど来申し上げておりますような望ましい職業観、勤労観をはぐくみ、職業に関する能力等を向上させるようにさまざまな施策を通じて努力をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○森ゆうこ君 職業観の育成という点はわかりました。 それでは、日本は今後、科学技術創造立国を目指して知識集約型の産業を育成していかなければならないということが構造改革の中でもたしかうたわれていたのではないかと思いますが、その知識集約型の産業で求められる人材とはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(矢野重典君) 大変大きなテーマでございます。 御案内のように、知的創造力が最大の資源でございます我が国にとって、科学や技術の発展というのは大変大事であるわけでございます。そういう意味で、私どもの立場といたしましては学校における理科教育の充実は大変大事なことと考えているわけでございまして、そういう観点に立ちまして、来年度から新しい学習指導要領がスタートするわけでございますけれども、そういう新しい学習指導要領の中では、観察、実験あるいは課題学習などを通じて児童生徒の学ぶ意欲、知的好奇心あるいは探求心を高めて、理科好き、数学好きな児童生徒がふえるように内容の改善を図ったところでございます。 そういう施策を通じて、今後とも私どもの立場といたしましては科学技術、理科教育の充実に努めていきたい、かように考えているところでございます。
○森ゆうこ君 ITの分野で最近非常に急成長したインドについて皆さんも御存じだと思いますが、世界のソフトウエア上位三十二社のうち十七社はインドの企業でございます。そして、それを支えているのがインドの数学教育であるというふうに伝えられております。 きょう、ここに実物がなくて申しわけないんですが、数学の教科書がこのぐらいの分厚いものでして、特に、私たちは九九をやりますけれども、インドは九、九、八十一で終わらない、九十九掛ける九十九でしたか、九百九十九掛ける九百九十九、二けたか三けたかちょっと忘れて済みませんが、そのような数学教育をやっているということで、「インドの数学教科書から学ぶこと」というのが「数学セミナー」にも載っております。 今ほどの答弁では理科教育というふうなお話がありましたけれども、先日、文教科学委員会で行われた学力低下問題ということで指摘されたんですが、新しい指導要領ではさらに授業時間が減るという。それは先進諸国と比べましても、例えば十四歳の総授業時間、OECD諸国の平均が九百五十一に対して日本は八百七十五、そしてさらに来年度からの指導要領では八百十七。このIT、科学技術創造立国に大変重要だと思われる数学、理科の時間に関しましては、数学についてはアメリカが十六、日本が十二、理科はアメリカが十四、日本が十一。 このような現状についてどう考えられますか。
○政府参考人(矢野重典君) 少し御説明をさせていただきますけれども、新しい学習指導要領のもとでは、平成十四年度から完全学校週五日制が実施されることに伴いまして、全体の授業時数が年間で七十時間、これは率でいいますと約七%になるわけでございますが、七%縮減されているわけでございまして、教科ごとにこれを見ますと、例えば中学校においては数学で一八%、理科で八%縮減されることになるわけでございます。 これは説明いたしますと長くなるわけでございますけれども、私ども、こういうふうな授業時数の構成をとった指導要領でございますが、これは、ねらいといたしましては、児童生徒の学習意欲を向上させるとともに、知識を真に身についたものとする、そういう観点に立ちまして、全員が一律に学ぶべき内容は厳選いたしますけれども、その厳選をしたところに生じてまいりますゆとりを活用いたしまして、新たに総合的な学習の時間を導入いたしますとか、あるいは選択教科を大幅にふやすといったようなことを行った結果であるわけでございまして、そういう意味で、今回の新しい学習指導要領は、学習意欲などを含めた総合的な学力、そういう意味では新しい学力観だと思いますけれども、総合的な学力を向上させようという、そういうねらいで構成されているものでございます。 なお、今、数学、理科の国際的な時間数の比較をなさいましたけれども、これも細かく御説明申し上げますと時間を要するわけでございますが、私どもといたしましては、数学や理科の授業時数は見かけは先ほど申し上げたような形で縮減いたしますけれども、それにかわって新たに総合的な学習の時間、これは週三時間でございます。また、選択教科というのが大幅にふえるわけでございます。そういう大幅に新しく導入された総合的な学習の時間やあるいは選択教科というものが確保されているわけでございますので、実質的に数学や理科に充てることの時間はそういう意味で確保されていることを加味して国際比較をする場合にはやるべきであろうと思っております。 そういうふうに比較をいたしますれば、新しい学習指導要領におきましても、理科、数学の授業時数は先進諸国と比べて遜色のないレベルにあるものというふうに考えているところでございます。
○森ゆうこ君 いずれにせよ、生物をやっていないお医者さん、生物を高校でやったことがない医学部の学生とか物理を高校でやったことがない工学部の学生というものが実際に今いるわけでして、きょうは初等中等教育の担当の方ですが、何にも資源のない国で、あるのは人材だけ、そして本当に知識集約型の新しい産業構造に改革していかなければならない日本にとって、産業界からも教育に関して、もちろん私も先ほど申し上げました中高年の再教育に関しても同じですけれども、産業界からも警鐘が発せられているということを指摘して、今の問題は終わります。どうもお疲れさまでした。 ということで、次にワークシェアリングについて私なりに少し問題点をお聞きしたいと思います。 ワークシェアリングについて、まだモデル等も決まっていない、急に浮上してきたお話だということでございまして、私としては、このワークシェアリングによって労働者の受ける賃金がどのような影響を受けるのか、そしてこれが日本の高コスト構造を改革する手だてになるのかという労使双方の立場に立ったそれぞれの試案というものがありますかという質問をさせていただきました、その点についてお答えはなかったわけですけれども。 そこで、いただいた回答、ワークシェアリングが賃金に与える影響については、労働時間の短縮に伴う賃金の取り扱いを個々の企業の労使でどのように決めるか、賃金を削減するとしても何時間短縮するのか等によって異なるものです、このため標記の試算はございませんので御理解いただきますようお願い申し上げますという回答があったんですけれども、ワークシェアリングが本当にこの雇用問題を抜本的に解決する一つの手だてになるかどうかは別として、とりあえずこの厳しい状況の中でわらにもすがる思いでといいますか、幾つかモデルをつくって試算をされてみるのもいいのではないかと思うんですが、その点についてお答えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから、ワークシェアリングにつきましては、これは分け方にもよりますけれども、四つなり五つなりタイプを分けることができるという話がございました。あるいはもっと違った分け方があるのかもしれません。しかし、それぞれのタイプの中で、このタイプを採用したらこういうことになるのではないかという、御指摘のように将来像と申しますか、そうしたことにつきましてもやはり少し議論を重ねて明らかにしていかなければならないというふうに私も思います。 今はしかしそこまで至っておりません。ようやくにしてどういうタイプのワークシェアリングがあるかという選別、そうしたところを行った段階のところでございますので、御指摘のような内容に踏み込んだものをひとつこれからつくって、こういうタイプを選んだらこうなるということがお互いの認識として一致できるようにしていかなければならないと私も考えております。
○森ゆうこ君 今後、いろいろな働き方が選択できる、その選択肢を広げるということが重要だと先ほども大臣が御答弁になりました。 いろいろな働き方を選択する、選択できるということに関しては、次に社会保障制度の問題に移りたいんですけれども、多様な働き方をカバーできる社会保障制度、大臣も基本的にもう根本からシステム自体を考え直すべきときだというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、まず最初に派遣社員それからパートなどの正規雇用者以外の現状について、その年金等についてどう把握されていますでしょうか、お願いいたします。局長、お願いいたします。
○政府参考人(辻哲夫君) パートにつきましての年金、医療保険も今は同じでございますけれども、適用の仕組みの現状について御説明申し上げます。 現在、厚生年金適用事業所で働いている一般的な就労状況に比較いたしまして、大体四分の三以下ぐらいの就労時間ないしは労働日数でしかない方々につきましては、まず厚生年金は適用されません。そしてまた、収入のある方々の中で、さまざまな収入のある方々がいるわけでございますけれども、百三十万円未満となりますといわゆる厚生年金あるいは健康保険の被扶養者となってしまうと。 そういった今の適用基準がありますことから、百三十万未満の収入の方、あるいは通常の就労者の四分の三未満の就労状況の方、こういう方々というのは厚生年金が適用されないといった形で、パートの方々の適用が狭いのではないかということが今問題になっておりまして、恐らく派遣労働の場合におきましても、就労時間が短いという方々につきましてはこの厚生年金、健康保険の適用がなされにくい状況にあるといったことが指摘されております。
○森ゆうこ君 それでは、大臣にお尋ねいたします。 派遣の社員は身分が不安定でなるべく正社員になるのが望ましいとの考え方が一方で先ほどからも主張されていますが、これからの日本の国際社会への生き残り、それから多様な生き方、男女共同参画、さまざまなことを考えたときに、必ずしもそうでなければならないというような考え方である必要はないと私は考えます。その点についていかがお考えでしょうか。 そしてもう一つ、その正社員、それから派遣、パートと多様な働き方のそれぞれがどの形態の雇用を選択したかで社会保障の点で有利であるとか不利であるという差が生ずるのはやはりおかしい。これからはそのようないろいろな働き方を選択できる社会という方向に移っていくとすれば、どのような働き方を選択したとしてもきちんと社会保障が受けられるという制度に変えていかなければいけないと思うんですが、その点について大臣のお考えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) この派遣業というのが生まれてからまだ日が浅いわけでございますので、これからこの派遣業ということがもう少しここに競争原理も働き、そして立派な一つの働き方の場所として定着することを期待いたしているわけでございます。現在の状況を見ました場合に、あるいはまだそこまで至っていないのかもしれませんし、そしてまだ競争原理も十分に働いていないのかもしれません。これらの点を今後改善していく必要があるというふうに思っております。 先ほど私は質問をしていただきました皆さん方にも御答弁をいたしておりますが、この派遣業で働く働き方というのは一つの働き方であって、決して終身雇用と上下をつけるべき立場にはないというふうに思っている次第でございます。ただ、ここに働く人たちが他の終身雇用の皆さんやあるいはまたパートで働く皆さん方と比較をした場合に社会保障その他の面で非常に不利益を受けるというようなことであってはいけないというふうに思いますから、そこはどうしても見直しを行い、そしてこの皆さん方にも十分な安全ネットが張れるような形にしていかなければならないというふうに思っているわけでございます。 先ほど局長の方からも若干答弁がございましたが、現在、医療保険につきましても、派遣をされている皆さん方が次へ移りますときに、その間があき過ぎますと、現在のところでございますと健康保険から国民健康保険になり、また次に勤めますと組合健保ですか、あるいは政管健保かもわかりませんけれども、組合健保に変わるというふうに常に変わっていなきゃならないというようなことがありますとこれはなかなか煩雑でございますし、手続等も面倒くさいというふうなことでしばらくの間掛けないと。もうそこが一つの谷間になってしまうというようなことになるわけでございますので、そうしたことをなくするという意味で、この派遣業の皆さん方で一つの組合をつくっていただいて、そして健康保険につきましても、そこに入っていただきましたら若干のそこに、一つのAという会社に勤めておみえになって、そしてそこが終了して次に移るまでの間が例えば十日とか二週間とかというようなことがあったといたしましても一つの健康保険で継続をしていけるようにしていくというようなことが今議論をされているところでございまして、そうしたことをあらゆる社会保障の中で取り組みながら、この派遣業の中で働く皆さん方にもこたえていくような体制をとらなければならないと考えているところでございます。
○森ゆうこ君 私の友達に社会保険労務士の資格を持って独立した人がいるんですが、物すごく繁盛していまして、すばらしい事務所に入って、もう仕事がたくさんあってしようがないと。なぜかといいますと、この社会保障制度というのが、その友達が言うには、専門家のおれでもわかんねえというぐらい複雑だと。いろいろな場面に、いろいろな立場の人たちに対応できるように継ぎはぎのような形で少しずつ変えてきたもので、また今のような多様な働き方、多様な人生の選択に対して対応できないでいるということで、これは一つの提案なんですが、自由党の政策というか考え方の基本をなすものでもあるんですが、現在のこの深刻な雇用危機をむしろ制度を見直すチャンスととらえて、この際、財源を保険方式から税方式へというふうに見直すということに関してはいかがでしょうか。大臣、お答えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 自由党が社会保障費につきまして保険方式ではなくて税方式をおとりになっているということは私もよく存じております。一つの考え方ではあるというふうに思っておりますが、日本の将来を考えました場合に、特に高齢化が進んでいきます日本の将来を考えましたときに、やはり税方式で、特に消費税方式でこれをすべてカバーしていくというのは大変難しいというふうに私は思っております。ここのところは保険、税、そして自己負担とのベストミックス、ベストミックスといいますとどこがベストミックスかということになりますけれども、私はこの三者構成でやっていかざるを得ないというふうに考えております一人でございます。 このところにつきましては、自由党、保守党の皆さん方とも過去に何度か議論をさせていただいたことがございまして、皆さん方の御主張というものも十分に存じているつもりでございますけれども、どうしても私にはその一点、やはりそういうふうにしないとやっていけないのではないかという思いが強いということを申し上げておきたいと思います。 税制にいたしましたときには、足りなければその税に頼るということになるわけでございますから、どういたしましても国民の全体の御理解をいただかなければなりませんし、果たしてそこがうまくいくだろうか。私はいささかそこをちゅうちょする一人でございまして、いろいろの御議論、いろいろの御意見のあることは存じておりますけれども、私個人はそういうふうに思っておりますし、現在の厚生労働省といたしましても、そうした三者構成でいく以外にないというふうに今思っている次第でございます。
○森ゆうこ君 いずれにせよ、この社会保障制度というものに関しては、継ぎはぎの改革というよりは、本当の意味での改革の先送りということはもう許されない状況に来ているということは大臣も十分御承知だと思います。そして、そういうソフトの、社会インフラ整備のソフトの部分をもう一度再構築することが国民の不安を払拭し、また景気の回復にもつながると。 そして、もう時間がございませんので最後に言わせていただきますと、新しい雇用の受け皿というのは、先ほども申し上げておりますように、新規の産業の、成長分野である新しい産業ということで、その新しい産業の創出に関して、他の委員への答弁の中に、規制緩和がどの程度進んだかということに関しては、はっきり言って規制緩和、規制改革がまだ何もやられていない、新しい産業を生み出すようなところまでいっていない。相変わらず経済活動を規制しているのではないかと思います。まだ何も構造改革が進んでいないのに、この失業率。 今、小泉内閣がやられていることは、構造改革を進めているのではなくて、単なる緊縮財政で景気を悪化させているのではないかという批判があります。この点に関しては答弁を求めるものではありませんが、本当の意味での構造改革を進め、景気の回復を図るために、緊縮財政ではなくて景気対策をやりつつ、さらなる規制緩和を進められるよう申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(阿部正俊君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時四十一分散会