厚生労働委員会 第8号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/11/22
会議録
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る九日、段本幸男君及び西山登紀子君が委員を辞任され、その補欠として田浦直君及び小池晃君が選任されました。 また、昨日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として小宮山洋子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に田浦直君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童福祉法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君外一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、児童福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小宮山洋子君 民主党・新緑風会の小宮山洋子でございます。 きょうの本題でございます児童福祉法の質疑の前に、昨日、北海道で二頭目の狂牛病の牛が見つかったことについて、厚生労働大臣に何点か伺いたいと思います。 この二頭目の狂牛病の牛が見つかったということで、消費者の不安が高まっています。まあこれまで二頭目が出ない方が不思議で、これまでは比較的年齢の低い、危険性の少ない牛が検査に出ていたのでこれからはもっと出てくることもあるという意見もございますが、二頭目が発見された事実関係と、こうした感染の広がりへの懸念にどう対応なさるのか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) おはようございます。 ただいま御指摘をいただきましたいわゆる狂牛病、牛海綿状脳症が、昨日、二頭目が発見されたわけでございますが、経過を申し上げますと、十一月十九日、北海道の屠畜場で処理をされました乳用牛、雌でございますが、六十七カ月のものでございますが、いわゆるスクリーニング検査をいたしております。エライザ法、このエライザ法によりまして陽性でございました。それで、帯広畜産大学におきましてウエスタンブロット法という二次検査、これをしたわけでございますが、これを確認検査を実施しました結果、二十一日午前、陽性と判定をしたところでございます。このため、同日午後からこの牛海綿状脳症の検査に係ります専門家会議を開催いたしまして、そして免疫組織化学検査の結果もそれに加えまして専門家による検討を行い、当該のこの牛はBSEであるとの確定診断の結果を得たものでございます。 なお、この牛の特定危険部位は既に焼却されておりますし、肉類、内臓、その他、こうしたものも今後焼却処分にすることといたしておりまして、市場に出すことはございません。 全体としてこれで現在まで八万数千頭ぐらい検査をしてまいりましたでしょうか。そして、ここに二例目が発見されたわけでございます。一例目があり、そして二例目がこうして出たわけでございますので、今後も出る可能性としてはないとは申せません。起こり得ることであるというふうに我々も思っております。 問題は、その牛が出ましたときに、検査によってそれを一般市場に絶対に出さないという、その検査を徹底して行うということが大事だというふうに思っておりますし、消費者の皆さん方にも一番御安心をいただくことだというふうに思っております。 今回、こうして二例目を発見できたというのも十月十八日から実施をいたしました検査が十分に機能していることを証明しているというふうに思っておりまして、これからも厳しくこの検査を続けていきたいというふうに思っているところでございます。
○小宮山洋子君 その十月十八日に全頭検査が始まる日に、まだ一頭目の感染ルートが判明していないのに武部農水大臣とともに坂口大臣は牛肉を召し上がって安全宣言というのを出されました。 これは何に対する安全宣言だったんでしょうか。そこで召し上がった牛肉は全頭検査の前の肉なわけですよね。これに対しては消費者団体などからも時期尚早だったのではないかという意見がありますが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 十八日に出しました、私たち安全宣言とは言っておりませんけれども、いわゆる安全宣言でございますが、これは、これから屠畜場におきまして屠畜をいたします全部の牛について検査をいたします、したがいましてこれからはこの屠畜場で処理をされます牛の中から一頭たりともその疑いのあるもの、あるいはその病気にかかった、BSEに罹患したものは出しません、そういう安全宣言でございました。したがいまして、そのBSEという病気にかかった牛が今後出ないという宣言をしたわけではありませんで、出ましたときにも消費者の皆さん方の方にその肉が出回ることはありませんという安全宣言をしたわけでございます。 お肉を食べましたのはもう少し前の話でございまして、その日に食べたわけではございませんが、マスコミの皆さんが食べてほしい食べてほしいと言うものですから食べたわけでございますけれども、何遍か放映していただきまして光栄の至りというふうに思っておりますが、しかしこの肉はもともと安全なわけでございますから、たとえその検査前のものでありましても別に私たちは心配をいたしているわけではございません。 しかし、消費者の皆さん方はそうはいきませんので、厳しい検査を行う、特に若い牛につきましても検査を行う、すべての牛について検査を行うということで、皆さん方に御安心をいただきたいというのであの日にそういうことを発表させていただいたわけでございます。
○小宮山洋子君 次の質問は、事務方の方から農水省の管轄ということだったんですけれども、厚生労働省としても働きかけをしていただきたいという意味で質問させていただきたいと思います。 出回っている牛肉について、検査前の牛か検査後の牛かということが消費者には見分けがつきません。大体解体されて五日以上かかると言われておりますが、肉を手にして、私もスーパーなどで買いますが、手にしたときに表示されている加工日というのはカットされた日付で、解体日とか出荷日の表示はございません。中には消費期限しか表示していない店も多くて、消費者はその全頭検査の後かどうかが見分けがつきません。 ということは、一層の安心を図るために、検査前の牛肉の全量を回収する必要があるのではないかと思いますが、これは農水省の管轄ということですけれども、厚生労働省としてもぜひ安心のためにそういう働きかけを大臣にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘のように、ここは農林水産省の方のお仕事の範囲でございますけれども、十月十八日に我々検査を開始いたしまして、それ以前の牛肉というのは若干残っていたものがございます。これにつきましては全部農林水産省の方で市場に出ないように手を打っていただきました。したがいまして、現在出回っておりますものの中に検査をしない牛肉というのはないというふうに思っております。現在スーパー等で出回っております牛肉の中にはその前のものはないというふうに思っています。 ただ、これは今、備蓄されているわけでございますから、これを今後どうするかということを決定していかなければならないというふうに思っております。そこは今、鋭意、農林水産省の方でこれを廃棄処分にするのかどうするのかということは御議論をいただいているところというふうに聞いておりますので、我々といたしましても、この十八日以前の肉が現在の肉と同じように出回らないように農林水産省の方にもお話を申し上げているところでございます。
○小宮山洋子君 もう一点だけこの狂牛病関係で伺いたいと思うんですけれども、とにかく九月十日に感染の疑いが明るみに出てから行政の側の不手際とか後手後手に回った対応というのが不信感を招いているのだと思います。半年前に日本は安全と言い切ってEUからの忠告を拒否されたその方の責任はどうなっているのかとか、五年前に行政で禁止していた肉骨粉を相変わらず使っていて五千頭以上の牛に与えられていたという事実があるとか、消費者の不信感というのは本当に根強いんだと思います。 とにかく感染ルートの解明がまず第一だと思いますし、不信感を払拭するためにはさらなる安全対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 感染ルートの解明というのは、言うはやすくしてなかなか難しいものだというふうに思います。特に、一頭とか二頭とかという非常に少ない感染牛でその感染ルートを明確に早く出すということはなかなか難しい話であるということは私も十分にわかっているつもりでございますが、しかし消費者の皆さん方からすれば感染ルートを明確に早くしてほしいというお気持ちがあることも十分わかるわけでございますので、その解明のために農林水産省と我々も協力をいたしまして当たりたいというふうに思っているところでございます。 それから、今後安心をしていただきますためには、やはり厚生労働省の方で出しております検査体制、これを今後徹底してやっていくということを一日も早く皆さん方に御理解をしていただくことが大事だというふうに思っておりまして、現在やっておりますことをあらゆる機会を通じまして皆さん方に知っていただくように努力をしているところでございますし、これからもしたいというふうに思っているところでございます。
○小宮山洋子君 それでは、きょうの本題の児童福祉法改正の方の質問に移らせていただきます。 まず、認可外保育所についてが今回の一つの核だと思いますので、その点について伺います。 大和市でのスマイルマムの死亡事故などへの対応として、さきの通常国会にまず民主党として認可外保育所を届け出制にする児童福祉法改正を提出いたしました。残念ながら審議には至らなかったわけですが、今回の与党提出の改正案の中にも盛り込まれております。 今回の法律の中で、届け出、監督の強化、改善勧告などが盛られておりますが、これは具体的にどのように進められるのか、だれがするのか、十分な人員配置があるのか、実効性を上げるためのその具体的なやり方を伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 認可外保育施設への指導監督は従来から都道府県が市町村の協力を得て行ってまいりました。そのことは認可外保育施設指導監督指針において定めておりまして、その指針に基づいて自治体で実施をしていただいたところでございます。 主体は都道府県でございますが、市町村の協力がいかに得られるかというところが指導監督体制を確立するに当たっては非常に大事でございまして、そういうことから今回の改正法においてはその旨が規定されているというふうに理解をいたしております。 改正法が成立いたしましたら、都道府県が立入調査を行う際に市町村の保育士あるいは保健婦の同行を求めるということもできるというふうに思います。また、認可外保育施設から報告を都道府県が受けますけれども、それに基づいて情報公開を行うわけでございますが、その情報公開を図る際も市町村において広報などで協力をいただけるのではないかというふうに思っております。 都道府県の体制については基本的には従来の体制で対応できるのではないかというふうに思っておりますので、ポイントは市町村との協力体制をどういうふうに確立するかという点ではないかというふうに思います。
○小宮山洋子君 届け出をして監督を強化するからにはもっと国からの補助などがあってよいのではないかという声もありますけれども、認可外保育所への支援についてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育についてはそのサービスが安定的に継続されるということが大事でございますし、また質が確保されるということが大変重要であるというふうに思いますので、保育の提供は認可保育所が基本であるというふうに思っております。そういう考えから、認可外保育施設の運営に対して補助制度を創設することは、認可保育所の最低基準と別のいわば公費支出のダブルスタンダードを設けるということで、適当ではないというふうに思っております。 認可外保育所の運営費助成はそのような考えのもとで行っておりませんけれども、例えば認可外保育施設の保育士の研修についてはこれまでもやっておりますし、また十四年度の概算要求におきましては認可外保育所の保育士の健康診断のための経費助成なども要求を行っているところでございます。そういうような形では認可外保育施設に対して必要最低限の支援はやっていきたいというふうに思っております。
○小宮山洋子君 今、保育所全体の中で認可外が占める割合はどれぐらいなんでしょうか。 それで、今、厚生労働省としてはよい認可外の保育所は認可をしていく方向と伺っていますけれども、どれぐらいの認可外がこれまで認可になったのか、これからそういう方向で進められていかれるのか、そうしたことを伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 全国で認可保育所は二万二千二百九カ所でございまして、そこで百九十二万一千人の子供さんが育っております。認可外保育施設は、事業所内保育施設を除きますと、施設の数では五千八百十五カ所、入所児童数は十六万九千人ということでございます。 それと、今、先生のお尋ねの認可外保育所の認可化への移行の実績、あるいはその支援対策についてでございますが、認可外保育施設はその質など千差万別でございます。悪質なものについては指導監督を今回の法改正を契機にさらに一層徹底をするということでありますが、一方で少し努力をしていただければ認可になれるという、そういう良質なものについては認可への移行をさらに促進してまいりたいというふうに思っております。 これまでも設置主体制限の撤廃などの規制緩和を行ってまいりまして、その効果もあり、認可保育所への移行が進んできております。設置主体制限の撤廃を行ったのは昨年の三月からでございますが、それ以降、本年の九月末日までに六十一カ所の無認可保育所が認可保育所に転換をしているところでございます。 また、十四年度の概算要求におきましては、質の高い認可外保育施設が認可化されるよう必要な支援ができるように、財政的な助成も含めて必要な支援ができるように概算要求に盛り込んだところでございます。
○小宮山洋子君 小泉総理が保育所の待機児童をゼロにするということを所信表明演説でも言われて、小泉内閣の大きな一つの方針になっております。三年かけて毎年五万人ずつ、合わせて十五万人、保育所で受け入れる子供の数をふやすということが政府の方針になっていると思います。 私自身も三人の子供を保育所で一緒に育ててもらってまいりましたので保育の問題にいろいろな形でかかわってきていますが、これは言うはやすくてなかなかふやすということは難しいことだと思うんですが、今回の法改正も受けてどのように具体的に取り組んでいかれるのかを大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 待機児童をなくしていくというのは、御指摘をいただきましたように、なかなか難しいことだという認識は私たちも実は持っております。 ちょうど二年ぐらい前でございますか、待機児童が三万二、三千人というふうに思いましたがございまして、そしてそれに対します予算を組んでいただいて三万五千人ぐらいの新しい人たちを増加させていただいたわけでございますけれども、やっぱりそれが済みましてもまだ三万二、三千人の新しい待機児童が生まれておりまして、なかなか思った数字のようには進まないというふうに考えているわけでございます。 そうした中でございますが、今回、三年間で一年間五万人ずつ、そして全体で十五万人という人数を出しましたのは、現在の待機児童から比べれば非常に大きい数字でございますが、次から次へとまた新しい待機児童が出てくるということを前提の上に立って十五万という数字を出したわけでございます。しかし、数さえふやせばいいというわけではございませんで、その質もまた問われるわけでございますから、質、量ともに充実をさせていくという作業が同時進行しなければならないというふうに考えているところでございます。 そうした意味におきまして、これからあらゆる角度から児童の安全、そして児童に対する育児、教育、そうした全体的な面から取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。
○小宮山洋子君 私は、今回の改正の中で一番疑問に思うというか問題だと思っておりますのは、やはり公有財産の貸し付けなども含む公設民営、これを推進していくという意味の文言が盛り込まれることにあるのではないかと思っています。今、大臣がおっしゃったように、量をふやすことも必要ですが、質をきちんと守らなければいけない。 児童福祉法の精神は第二条にあります「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」ということにあると考えるのですが、こういう精神の法律にそうした公設民営といった観点を盛り込むことには違和感があるんですけれども、大臣はその辺はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(津島雄二君) 提案している法律案にかかわる点でございますので、私から御答弁させていただきます。 委員御指摘のとおり、児童福祉法におきまして市町村が保育の実施責任を有する、これはもうそのとおりでございます。この場合に、それぞれの地域の多様な事情に応じてベストな仕組みでやっていく必要がございますから、保育サービスの提供そのものを市町村営で行うということを前提としているものではございません。 これをもう少し敷衍して申しますと、委員御承知のとおり、全国それぞれの地域でいろいろな問題を抱えております中で、例えば都市部におきましては需要が増大をする、ところが土地、建物の確保が非常に困難だというあれがございまして、こういう場合は公有財産の貸し付け等を通じて多様な事業者の能力を活用した方がいいじゃないかという意見がだんだんと強くなっております。また、急速な需要増大に対応するために設置主体制限を撤廃して多様な事業者の参入を促進することが必要であるという意見も強いわけでございまして、この場合には逆に公立保育所の場合の職員定員管理というような問題も一つの難しい制限になってしまうという面もございます。 したがいまして、委員も全国の自治体の首長のお話をお聞きになればすぐおわかりだと思いますが、私も日々言われておりますのは、私のところはぜひとも民間の人にさせてもらいたいと、こういう御意見が強いわけでございまして、その点を十分御理解をいただきたいと思います。
○小宮山洋子君 この第五のところにあります「保育需要が増大している市町村」というのはどれぐらいあるのか。 それで、現在既に民間での運営、それから建物の貸与というのは何件ぐらいあるのか。 現行でも行えるのに、先ほど私が申し上げた児童福祉法に盛り込まなくてもいいのではないかと思うんですが、それは厚生労働省の方の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育需要の具体的な増減を個々の市町村ごとに把握しているわけではありませんけれども、平成十二年四月一日現在で待機児童が百五十人以上いる市または区、こういうところは保育需要が大変ふえていて供給が追いついていないというところであろうかと思いますが、これが五十七カ所ございまして、都市部を中心に保育需要が増大している市区が相当数あるというふうに考えております。 公設民営方式の保育所の現状ですけれども、建物の貸与によるものが約百件、業務の委託によるものが約二百六十件ございます。 続きまして、わざわざ法律に規定することの意味は何かというお尋ねについてでございますが、その公設民営方式を進めることの必要性についてはただいま提案者から御説明があったとおりでございますけれども、これは一厚生労働省だけの方針ということではございませんで、例えば本年三月三十日に閣議決定しました規制改革推進三カ年計画でも公立保育所の民間委託の活用の促進がうたわれましたし、また本年六月に出されました男女共同参画会議の提言、それを受けた七月の閣議決定でも公設民営方式の重要性が強く指摘されたところでございます。 先生御指摘のとおり、改正法の根拠がなければ公設民営方式を実施することができないということではありませんけれども、保育需要の増大に適切に対応していただく国としての問題意識を法律上明らかにしていただき、保育サービスの提供拡大に資する方法を法律上明記していただくということは市町村に適切な対応を求めることで大変効果的で意義があるというふうに考えております。
○小宮山洋子君 提供拡大とおっしゃいましたけれども、先ほどから申し上げているように、やはり質が問題だと思うんですね。 今挙げていただいたように、かなりのところで既に公設民営で行われておりますが、全国の各地で保護者の間で保育の質の切り下げになるのではないかという不安が現に起きているわけです。厚生労働省に伺うと、国の認可基準はクリアするのだから切り下げではないとおっしゃるんですけれども、各自治体では独自に上乗せをして良質な保育を提供していた、その部分は民営にする中で切り下げられる、実質切り下げになっているというケースがあるわけです。 例えば大阪の高石市、ここでは六つの公立保育所のうち、来年、二〇〇二年の四月から東羽衣保育所を民営化するということ。保護者との話し合いが一回持たれたんでしょうか、うまくいかない中で裁判が起こされている。その原告の一人のお子さんはアレルギーを持っている。 この件については厚生労働省はどのように把握されているでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) お尋ねの大阪府高石市については、公立保育所の一カ所を来年度から民間移管するという市の方針があるというふうに聞いておりまして、保護者の理解を得るために相当回数の説明会を設けまして保護者の不安への対応を行っているというふうに承知をいたしております。 そして、説明会で示されました市の方針によりますと、一年間は市立保育所としての配置基準に準じた職員の配置を行うということ、二年目以降は国の最低基準よりは高い水準で、しかしながら現行の市立の保育所の水準よりは低い水準といいましょうか、その中間的な水準で移行したいということで今保護者の理解を求めているというふうに考えております。
○小宮山洋子君 やはり民営化の中で、今おっしゃったように、これまで一歳児は子供六人に保育士一人という国基準よりもよい四人に一人だったものが、今御説明のとおり、一年目はそのままだけれども翌年には五人に一人になり、その先はわからないというふうに言っているわけですね。 また、高石市の場合は、看護士、栄養士が各保育所に正規の職員としてこれまで配置されていまして、それで、アトピーのお子さんの食事も、そこを減らすというのではなくて、見た目は変わらないような代替食にしていくというような非常に心のこもった細やかな質の保育が行われていたということがあります。それから、あと障害乳幼児に対する療育システムというものもあって、担任のほかに障害児加配の一名がいて個々に必要な援助を行っている。あるいは、これから保育所は子育て支援ということで、虐待防止のことなども含めて、在宅のお子さんへの支援も必要なわけですけれども、育児教室とか園庭開放など、そのための加配の保育士も配置されている中で、六つの公立の保育所の中でも一番多い、二〇〇〇年度だけで千組を超える利用者がこうしたことにもあった、このようなことが行われていたわけです。 それから、今回、民間になると保育士の方がみんな切りかわるということを保護者の方は心配していらして、私も小さい子供を預けていた経験がありますけれども、担任の先生がかわっただけで子供は行きたくなくなるわけです。それが全部の先生が入れかわってしまう。 今申し上げたような実質的なこういう質の切り下げ、それから子供たちへの影響ということが民営化の中で出てくるんだと思いますけれども、こうした点はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 何が保育の質かということをまず考えてみたいというふうに思いますが、一つは、施設の面積ですとか保育士の人数ですとか、そういうものを最低限の面積なり人数を確保していただいて質のいい保育サービスをやっていただくということだというふうに思いますし、もう一つには、利用者のニーズにこたえた多様なサービスがどれだけ提供できるかという、そういう面での保育の質もあるというふうに考えております。 前者の保育の質につきましては、国としては、公立、民営を問わずに児童福祉施設の最低基準の遵守というのが義務づけられておりますし、また保育の内容といたしまして、保育所保育指針というものを定めておりまして、これを遵守していただくということが基本的に重要で、そういった意味で最低限の基本的な保育の質は経営主体がいかなるものであれ担保されるというふうに考えております。 また、延長保育ですとか特別保育ですとか、これは全国的に見ますとむしろ公立保育所よりは民営の保育所の方で頑張っておられるという実情もございますので、そういう多様なニーズにサービスがどれほどこたえられるかといったようなことも保育所の質の判断に当たっては重要な視点ではないかというふうに思っているところでございます。
○小宮山洋子君 今私が伺った中身とお答えはちょっとすれ違っているように思います。 民営化される場合、やはり今保育所の必要な経費のうちの八割が人件費ですので、そういう意味でやはり質が、今私が申し上げたような障害児とかあるいは一般の方とかアトピーの方とかそういう方への、そこにいる子供一人に対する質が落ちるのではないかということを申し上げているんです。 私が聞いているところでは、この高石市の場合、昨年九月に民営化が決められて、市の説明会があったけれども、ここでは、先ほどたびたびとおっしゃいましたけれども、一方的に民営化をするという通告であったと。住民投票の署名を集めたけれども、これも市議会で却下されて、ことしの八月に東羽衣保育所が民営化されるということが特定され、九月にこの保育所の保護者が原告になって裁判を起こして、今月、第一回の公判が行われたということです。 保育所の運営をだれがするかというのは大阪府が決めて、実際の運営を市が行うということだと思うんですけれども、国としてもやはりこうした事態に責任があるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育所の運営形態をどうするかというのは専ら当該市の判断であるというふうに思いますけれども、特に新設をする場合ではなくて既存の公立の保育所を民営化するということに当たりましては、先生おっしゃいますように、やはりそこに在籍している子供たちのこともございますから、それは保護者の理解を十分得て進めるということは必要であるというふうに思っております。 相当数の回数と申しましたのは、私どもが報告を受けているところによりますと、今日まで六回程度保護者に説明会を開いて理解を求め、理解が得られつつあるというふうに報告を受けているところでございます。
○小宮山洋子君 一番問題なのは、今もおっしゃったように、保護者にきちんと情報を公開して納得を得る努力が行われているかということだと思うんです。私が聞いているところでは、今、局長がおっしゃったように多くの方の理解が得られているとは聞いていません。民営化に反対という署名が四万五千の市の中で二万以上集まっているという現状があるわけです。 私は、今、高石市のケースを例として伺ったわけですけれども、そのほかにも鎌倉市、堺市、八千代市など、各地でさまざまな問題が起きていると聞いています。このような現状があるのに、公設民営をさらに後押しする条項を今回の改正で児童福祉法に入れるということは、質が切り下げられるという意味で私は疑問を持っております。特に、子供につきましては、子供にとってのよりよい保育という視点が必要だと思うんですね、そこにいる一人一人の子供を中心に置いた。それが欠けているのではないでしょうか。 その質を担保するために、前回の児童福祉法改正、これには私は審議会の委員としてかかわりましたけれども、その中で措置から契約に変わったときにも懸案になっていた、適切な情報がきちんと提供される、あるいはそこで行われている保育の質がきちんとチェックできる、そのような第三者による評価が必要だということをずっと申し上げてきたんですが、この点については少し来年進むことがあると伺っていますが、どういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、保育所についての情報開示、情報公開でございますけれども、児童福祉法に基づきまして市町村、そして保育所の経営主体それぞれが情報提供を行っておりまして、本年二月からはインターネットを使った情報提供も始めておりますので、利用者にさらに必要な情報を使っていただきやすい形で情報提供を進めてまいりたいと思っております。 また、保育の質を一層向上させるため、また利用者が適正な選択ができるようにするために、保育サービスの内容などについて第三者が公正でかつ専門的な立場から評価をし、その結果を公開する仕組みが重要かというふうに考えておりまして、十四年度から第三者評価システムが実施できますよう、昨年度、今年度、研究会を設けてその具体化に向けて今検討を進めているところでございます。
○小宮山洋子君 私は規制改革については、経済的規制についてはどんどん進めるべきだと思いますけれども、暮らしの安心、セーフティーネットという部分はきちんと守らなければいけないと思っています。福祉の質を確保するためには、やはり競争原理、市場原理に任せるだけというわけにはいかないと考えるんですけれども、先日、予算委員会でも坂口大臣はこの趣旨に沿った御答弁をいただいて、福祉についての規制改革は一線を画して行うべきだと言っていただいたと記憶しています。 今の高石市の状況を聞かれてどう思われるか、保育の規制改革についてはどのようなお考えで進めていかれるかを、これは大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) この保育所の民営化につきましては、もう二、三年前からいろいろと取り組んできたところでございます。 それで、公営と民営とはそれぞれ持ち味が違いますし、いいところ、そしてうまくいかないところ、双方に私はいろいろあると思うんですね。公営の場合にはなかなか、例えば時間延長をしてほしいということを言いましてもなかなか時間延長ができなかったりとか、いろいろのことがございましてうまくいかないというようなことがございましたりいたしまして、必ずしも公営だからすべてがうまくいっているというわけでは私はないというふうに思います。また、民営の方につきましても本当に一生懸命お取り組みをいただいておりまして、そして大変地域の皆さん方から感謝をされている民営のところもあるわけでございますから一概になかなかこれは言えないわけでございます。 ただ、民営化を進めていくに当たりましては、しかし民営化になりましても質を下げてはならないことだけは事実でございますので、そこをどうしていくか。民営化にしました場合に、今、市町村におきましても、すべてをそれじゃ民営化にしたから民間にだけゆだねていけばいいというふうにお考えになるのではなくて、やはり支援をするところは今までどおり支援をしながら民間の皆さん方の御協力をいただくというようなことも私は大事ではないかというふうに思っております。 今まで保育所というふうにいいますと、株式会社でありますとかあるいはNPOでありますとか、あるいはまた農協でありますとか漁協でありますとか、そうしたところは今までこれはできなかったわけでございますけれども、そうしたところが中心になっておやりをいただいてもいいということにしたわけでございまして、そうしたことはその質を高めるという意味で私は役立つということもあり得るのではないか、したがいまして民営化をするということ自体が決して悪いことではない、それをその後どう運営をしていくかということについては知恵を絞らなければならないということではないかというふうに思っております。
○小宮山洋子君 私も民営化が全部悪いと言っているわけではなくて、その質を保つこととやはり保護者の納得が必要で、そうした取り組みをしっかりしていただきたいと思っております。 そして、去年から民間参入できるようになったわけですけれども、どれぐらいの民間が果たして参入しているのか。先ほど申し上げたように、運営費の八割が人件費です。それで、多様なニーズにこたえるといいますけれども、ニーズにこたえられていないゼロ歳児、低年齢児、夜間などはコストがかかって採算が合わないわけです。本当にニーズに合った保育が民間参入でふえるのかどうか。 これは南野副大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 御質問でございます。 保育についてのベテランな小宮山先生でございますのでもうそこら辺は御存じの上だろうというふうに思っておりますが、私の民営化に対する気持ちといたしましては、やはりフレキシビリティーが子供との生活の中には必要になってくるだろう、どのようなことが起こるかわからない子供さんをお預かりすることについては、やはり仕事の上でもそれが柔軟にできる私立化、民営化というのが必要だろうと思いますので、ニーズは高まってくると思っております。
○小宮山洋子君 それから、今回の改正の中で保育士の名称独占が盛り込まれていますけれども、現在、児童虐待への対応とか子育て支援の核としても保育所、保育士の皆さんへの期待が高いわけです。スーパーバイザー的な機能も求められている中で、これまでも養成課程が二年でいいのか、四年制が必要じゃないかということもずっと言われてきたんですが、この点は提案者はどのようにお考えでしょうか。
○衆議院議員(田村憲久君) 御質問いただきましてありがとうございます。 今回の我々の改正案はもちろん保育の質を高めると、先生おっしゃられるところでございまして、そういう意味からいたしますと先生の御指摘の点、大変重要な点であろうと思います。ただ同時に、保育は大変現場が重要でございますから、保育現場の対応がどうなるか、それから保育士養成の体系自体がどのような影響が出るか、こういう部分をやはり十分に検討をしていかないことにはなかなか早急には導入できないであろうな、これからもしっかりその部分は検討していく課題になってくるであろう、そんなふうに思っております。 ただ、保育士自体の質を高めるという意味からいたしますと、現在も児童虐待等々への対応でありますとか、また子育て支援等々、今回、保育士自体にも相談業務というものを規定いたしております。ですから、それへの対応という意味では、それぞれの機能強化の意味でいろんな研修をしていただくということでございまして、それはいろんな関係機関等々に、今もお話ありましたけれども、国の方から助成をいたしておりまして、そのような部分で対応をしていっていただきたい、そんなふうに思っております。
○小宮山洋子君 時間がなくなりましたので、最後に大臣に幾つかの点をまとめてちょっと伺いたいと思うんですが、最初におっしゃったように、幾らニーズにこたえるようにしても、どんどんどんどん新しいニーズが出てきてしまう。これは対症療法だけでは無理で、前回本会議でも申し上げたように、今の働き方を改めていく、女性も男性ももっと家族と向き合えるような働き方にしていく、同一価値労働同一賃金ということも、せっかく厚生省と労働省が一緒になられたので、大臣がお考えになればできることだと思いますので、基盤を整備して多様な働き方ができるようにしていくということが過剰な保育需要を抑えることになるのではないかと思うのが一点。 それから、児童福祉法の改正、これまでも何回も行われてまいりましたが、前回の改正のときにも、例えば福祉の対象として、保護の対象として子供を見るのではなくて条約にも批准した子供の権利を認めるものにしてほしいということを含めてたくさん課題が残っております。当時の児童家庭局長は、百メートル競走ではなくて、リレーでバトンを渡すように次々必要な改正は行っていくとおっしゃったんですけれども、そのあたりが行われていない。 児童福祉法のこれからの改正のあり方についてもあわせてお答えいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 前半の過剰にならないようにするためには男女の働き方、そして社会全体の構造の変革ということが大事でありますことは御指摘のとおりというふうに私も思います。 これはぜひ進めていかなければならないわけでございまして、いわゆる職場におきます勤務のあり方、そして男女における格差の是正、これらが中心でありますことは論をまちませんが、それだけではなくて、会社及び社会全体の変革の中で子育てというものを男女がともどもにこれを受け持ってやっていく、そしてみんなで、社会全体でこれを支えていくという気風というものをつくり上げていかなければならないというふうに思っております。そのためにやらなければならないことはたくさんございますし、これからワークシェアリング等の話し合いになりましたときにもそうしたことは大きなテーマの一つになるのではないかというふうに考えているところでございます。 それから、もう一つの方の子供の権利のことにつきましては、今まで部分的にはいろいろの分野でこれを取り上げてきておることも事実でございます。 例えば、児童は心身ともに健やかに育成されるべきであるといったようなことを中心にいたしまして児童福祉法の中にも位置づけられておりますし、それから児童虐待の問題等につきましても新しい法律をつくりましたりとか、さまざまな分野で新しい試みがなされていることも事実でございますが、しかしこの精神は、今までこれこれをやったからそれでもういいというわけではございませんで、さらに児童福祉法の中に盛られております精神というものを前進をさせるための努力というのは絶え間なくこれは続けていかなければならないものというふうに考えている次第でございます。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、質問する前に、きょうは津島前大臣がいらっしゃっております。出産育児一時金の無利子貸付制度の決断で今たくさんの方が喜ばれておりますので、その御礼をまず申し上げたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 時代の変化、多様な生き方やライフスタイルにより女性の社会進出も著しくなっております。しかし、現実はそれだけではございません。今までは日本の男性は一人で家庭を支える大黒柱でありました。しかし、今は社会のいろいろな状況において、リストラがあり、また先ほどワークシェアリングなんという話も出ておりましたけれども、いろいろの状況のもとで男女がともに働かなければならない時代、夫婦がともに働いて家計を支えなければならない時代に入っております。しかし、残念なことに、今、日本の社会の構造は、その中で女性が子供を預けて働ける社会構造には残念ながらまだなっていない、確立されていないというのが現状であるというふうに私は思っているところでございます。ですから、そういった中で今回の改正法も出てきたのであるというふうに認識をしているところでございます。 保育所は平成九年の改正から契約施設となっているものの、神奈川県下では、横浜市では平成十三年四月現在で保育所への待機児童は千七百五十八人を数えております。また、川崎市でも千百八十四人、全国では三万三千人という数字が報告をされているところでございます。私の地元の横浜や川崎はワーストワンとかツーとかいう残念な数字が出ているところでございます。公設公営で保育所が整備されればもちろんこれにこしたことはないわけでございますけれども、現実では財政的にもそんなに簡単にはいかないということがあるというふうに思っております。 こういった現実を解決する方法として、もちろん福祉のセーフティーネットの確立、またその質の確立、こうした上で私は公設民営化には賛成でございます。そして、多くの子供たちが保育所に入れて、しかも安心して御両親が働ける、これは少子化の時代にどうしても進めなければならない政策だと私は思っております。先ほど申し上げましたように、もう夫婦がともに働かなければならない時代に突入しているわけでございますから、これは現実問題、こういうふうにしていかなければならないと思っております。 認可外保育所で事件が起こっております。私の地元のスマイルマム大和の事件も、ちびっこ園の事件も非常に残念な事件でございますけれども、こういうことが起こっているわけでございます。 ですから、国の定める施設や人員配置等の最低限の基準を満たした公立、私立の保育所で、ここはその基準を満たした保育ができるように国や自治体から運営費が出ているわけで、保育料は世帯の収入によって国で基準が決められている。認可外の保育所となると、ところがそうはいかず、いろんな事件が起きていると。安心した施設が欲しい。 そこで、今回の公設民営の保育所でございますけれども、先ほど伺ったところによりますと認可の保育所に限られるということでございます。そして、その公設民営の保育所は、運営が民間であって基準や施設は認可保育所の基準を満たしている施設ということであれば、私はこれはいい方法であるなというふうに思っているところでございますけれども、公設公営と公設民営ではどこがどのように違うのか、あるいは公設民営にするとこういう点でよいところがありますというようなところで、この違いについて発議者の方に教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(江田康幸君) 公明党の江田でございます。 公設公営と公設民営の違いということに関して、基本的には、先ほども申されましたように、公設公営は地方公共団体が設置してかつ運営するものであるのに対して、公設民営というのは、公有財産の活用などにより地方公共団体が一定の関与を行いながら、社会福祉法人を初めとした多様な事業者が運営を行うものであるということでございます。 まずはそういうことでございます。
○松あきら君 この公設民営化は、先ほど小宮山先生からもお話がございましたけれども、これを進めていく上でいろいろな利点も出てくるというふうに私は認識しているわけでございますけれども、児童福祉法二十四条によれば「市町村は、」「保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。」とあります。 保育所を設置するのは地方自治体の仕事で国が口を出すべきではないという意見もありましたが、これについてはどのような御見解かなというふうに思うところでございます。 また、こうして公設民営保育所がふえますと、公設公営の保育所は今後どうなるんでしょうか。これからも増設していただけるんでしょうか。それとも増設は打ち切りになるんでしょうか。 実は、新エンゼルプランの目標値は平成十六年で一万一千五百カ所で、年間約五百カ所を見込んでいるんですね。私は、きのう、実はこれは国民生活でもちょっと申し上げたんですけれども、来年度の概算要求ではそれを上乗せして一年で八百カ所ふやす、こういう目標があるんです。でも実態は既にもう年間七百五十から八百カ所ふやしているんですね。ですから実態は追認している程度だというふうに思うわけです。 ですから、設置箇所を引き上げていくためにはさらに目標値を上げていかなきゃならないと、私はこういうふうに思っているのでございますけれども、こういう点を含めて今の御見解を伺わせていただきたいと思います。発議者で結構です。
○衆議院議員(江田康幸君) 公設公営にするのか公設民営にするのかという点についてですが、そういう需要の増大を見込みながらその市町村がいわゆる政策判断をしていくというのが、児童福祉法の第二十四条第一項によってこの保育所をどのような形態にしていくかというのは市町村がこれを判断していくようになっておりますので、そのような地域ごとの需要に対応してその市町村が判断して、公設民営を増加させるのか公設公営でいくのかというのを判断していただくということになろうかと思います。当然、その需要を認識しながらその形態を進められていくものと考えております。
○松あきら君 そうすると、別に打ち切りにするとかなんとかじゃなくて、それぞれの自治体で考えていただくと。 これは私、厚生労働省にお願いでございますけれども、先ほど申し上げましたように、ぜひ目標値を上げて公設公営の方もきちんと数をふやしていただきたいと、これはお願いでございますけれども、ぜひそのように、総理ももう所信表明でもおっしゃっているわけでございますから、ぜひお願いいたしたいと思います。 公設民営の保育所における保育料はどのようになるんでしょうか。やはりこの点が一番主婦にとって心配、女性にとって心配でございます。やはり民営というのは、普通で考えても民営というのはもうけ主義じゃないかなと、ちょっとこういうふうに思ってしまうんですね。ですから、そのお金に対してよい保育ができないというような声もあります。ですから保育の質に関して心配するわけでございますけれども、この点はいかがでございましょうか。発議者で結構でございます。
○衆議院議員(江田康幸君) 保育料というのは各市町村において定められておりまして、市町村が徴収するものでございます。同一市町村であれば、運営主体のいかんを問わず、所得に応じて同一の保育料となるということでございますので、御心配は要らないかと思います。 また、同じく運営主体のいかんを問わず、児童福祉施設最低基準また保育所保育指針の遵守が求められているものでございまして、基本的な保育の質は、先ほども申されているように、確保されるべきものと考えております。 また、あわせて保育の質が確保されるように、都道府県等による指導監査が適切に行われていることも重要でございまして、これらを通じて保護者の方々の御理解をいただいていくことが大切であるかと存じ上げます。
○松あきら君 お金のことはわかりましたけれども、ぜひその質ということを確立していただきたい、質を落とさないようにしていただきたいというふうに思うわけでございます。 東京都において認証保育所という施設を始められました。なかなかこれは好評であるというふうに伺っておりますけれども、横浜にももともと横浜保育室という、そういう施設がございます。これはどのような施設と把握されておりますでしょうか、伺いたいと思います。
○衆議院議員(江田康幸君) 質問に直接答えられるかどうかわかりませんけれども、まずどのような施設であるかと認識しているかということでございましょうか。 東京都認証保育所というのは、もちろん認可外保育所であるかと思いますが、その認可外保育所に対して東京都がある一定の認証要件を満たしておればその認証をする、また助成を行うということであるかと思っております。 その認証要件については、設営、運営に関する基準は認可保育所とほぼ同等であること、また直接契約で保育料は一定範囲で自由設定、そして駅前設置でゼロから二歳児受け入れ数は定員の五割以上であること、二時間以上の延長保育を実施すること、こういったことが認証要件になっているようでございます。そしてその補助は、補助額としては認可保育所と同程度ということになっております。これは国庫負担はございません。 設置状況としましては、平成十三年十一月現在で目標を上回る十五カ所、そのような設置状況であるということで伺っております。 よろしいでしょうか。
○松あきら君 つまり、お金を出していただいて、公設公営が少ないですから東京都がこういう判断をして、また助成をしていただくということに対して喜ばれているわけなんです。 今まで、認可保育所になると規制がいっぱいありますよね。ですから、夜も遅くまでは預かってあげられない、いろんなことがあってあえて無認可にしているところが私の地元なんかでもあるんですね。ですから、そういう意味でこの認証保育所というのも、多分本当に皆さんのニーズに合わせているから喜ばれていると思うんです。 こういった質のよい、皆様のニーズに合わせている無認可の保育所は今後どうなるんでしょうか。これも発議者の方がおわかりになれば、もしそうでなければ厚生労働省、どちらでもよろしいです。お願いいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 認可外保育施設は、その質はさまざまでございますけれども、中には、今、先生がおっしゃいましたように、例えば乳児保育ですとか夜間保育ですとか、なかなか認可の保育所では十分な対応ができていないところをそれにかわってやっていただいているという面もあるというふうに思います。原則としては、そういう良質なところについてはいま一歩頑張っていただいて、それを私たちも応援したい、助成したいというふうに思っておりますので、それを何とか認可化していただいて、認可保育所としてそういう多様なサービスを提供していただくということが重要ではないかというふうに思っております。 多様な保育所への対応については、新エンゼルプランで具体的な数値目標を掲げまして、延長保育ですとか一時保育ですとか休日保育ですとか、取り組んできております。そして、十四年度については、その中でも目標を、先生何回も目標をもう少し高く設定しろという趣旨のことをおっしゃいましたけれども、新エンゼルプランの最終目標を前倒しして、十四年度にやれるものはやりたいということで十四年度の概算要求をやらせていただいているところであります。
○松あきら君 まさに公設民営ができるとこういう対応ができるということを今伺って、非常に心強い思いがいたしました。 それから、第三者評価制度を厚生労働省はスタートさせると。これを伺おうと思ったらさっき小宮山先生も伺って、これはもう絶対必要なんですね。ですから、こういう制度ができるということは非常に質の高い保育園、保育所が維持できる、そういう期待が持てる。こういう第三者評価をぜひ進めていただきたいというふうに思っております。 時間がないので次に参ります。 続いて、児童委員についてお尋ねをいたします。 児童委員というのはふだんどのような任務をどこでされているんでしょうか。民生委員の方はよく私もわかっているんですけれども、児童委員というのはお母さん方にはいま一つよくわからないというところがございます。主任児童委員と児童委員の役割を御説明お願いいたします。
○衆議院議員(青山二三君) 松あきら議員の御質問に私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 児童委員の方々には、それぞれが担当する区域におきまして、児童福祉法などに基づきまして、地域の子供や妊産婦の実情等の把握、また地域での子育てに関する相談・援助活動、また児童相談所や福祉事務所などの行政事務への協力などを行っていただいているところでございます。 また、今回法定化されます主任児童委員の方々は、区域を担当する児童委員と児童相談所などの児童の福祉に関する機関との連絡調整を行っていただくとともに、児童委員の活動に対する援助また協力を行っていただいておりまして、今回の法改正で法定化されることを機会に一層の活躍を期待したいと考えているところでございます。 いずれにいたしましても、児童委員及び主任児童委員がそれぞれの立場において児童を取り巻くさまざまな問題により的確に対処していただけるよう、今回の法改正では研修等の充実を図ることとしておりまして、その活動が一層活性化されることを期待しているところでございます。
○松あきら君 そうしますと、今問題になっております児童虐待防止にもこれは大いに役立ってもらえるのではないかなというふうに期待したいと思いますけれども、この辺についても提案者の方、いかがでございましょうか。
○衆議院議員(青山二三君) 今回の法改正におきましては、児童委員に対する研修を充実することによりまして資質の向上を図ることとすることでございます。また、児童委員の職務として「児童の健やかな育成に関する気運の醸成に努めること。」等の規定を追加するなど、その職務を明確にすることといたしております。 このような改正によりまして、児童委員の方々の地域の子育て支援への積極的な参加を促して、児童虐待に関して重要な役割を担っていただきたいと考えているところでございます。 例えば、具体的に申し上げますと、住民の身近な相談者、また聞き役、支え役として児童虐待を予防するとともに、児童虐待の早期発見と速やかな通告を行っていただき、さらには児童相談所等と連携しながら児童虐待の再発防止やまたフォローアップなどの活動を行っていただく、このようなことによりまして児童虐待の予防やまた早期発見、再発防止の面で効果を上げることを期待しているところでございます。
○松あきら君 今伺って、本当に大事なことだと私は思っております。 例えば第三者評価制度、あるいは今の主任児童委員、児童委員、もちろん公設民営の利点、こういうふうによくなりますという点もすべて含めて皆さんに知っていただくことが大事だと思うんですね。 その広報活動ということに対しまして大臣に伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、議員の方からも答弁がありましたとおり、この民生委員というのは児童委員を兼務いたしておりまして、そしてお年寄りのことをいろいろと御相談に乗ったりする一方におきまして、児童におきますさまざまな家庭での問題、虐待の問題等いろいろの問題を御相談に乗っていただいているわけでございまして、今回、主任児童委員というのをつくるわけでございますが、この主任児童委員の皆さんというのは、児童のことを中心にしてひとつ御活躍をいただく、そして民生委員の皆さん方がいろいろとお取り組みをいただいているその中で児童に関することを、横の連絡と申しますか、そうしたことの連絡役もひとつお引き受けをいただいて、全体でひとつその地域の児童がより健やかに育っていけるようにしていこう、こういうことでございます。今回この人数をことし十二月から六千人ふやすことによりまして、そしてさらに充実をしてもらいたいというふうに思っているところでございます。 さらに、こうした組織がありますことを皆さん方にもよく知っていただかなければなりませんから、あらゆる機会を通じて広報にも努めたいというふうに思っておりますし、すべての人がインターネットをごらんになるというわけではございませんけれども、ごらんになります皆さん方にはお示しをしたいというふうに思いますし、できれば国やあるいは都道府県が出します出版物等の中にもそうしたことを御理解いただけるようにひとつ書いていただくようにお願いをしたい、そういうふうに思っている次第でございます。
○松あきら君 ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 待機児童の増加は本当に深刻で、その解消の問題というのは大変急がれているというふうに思います。厚生労働省は四月段階の待機児童数しか余りお使いになりませんけれども、昨年の十月段階では五万六千人と前年を上回っているんですね。今、資料を皆さん方のお手元に配っておりますけれども、それを見ますとそのことがはっきりいたします。四月一日と十月一日では数字が違っているということがはっきりするというふうに思います。保育所の整備計画そのものをやはり政府が持ってこなかったということ、やはりこの責任が問われているというふうに思うんです。 私ども日本共産党は、保育所の整備計画自身を目標に持つということをずっともう本当に主張をし続けてきているんですけれども、なかなかそれにはこたえられなかったわけなんです。 私は、質問したいのですけれども、まず児童福祉法の二十四条を見ます。そうしますと、ここには主語が「市町村は、」というふうにあります。そして、「保育所において保育しなければならない。」という言葉で結ばれているわけです。こういうことが規定をされておりますけれども、市町村は保育所を整備する責任があるということになるわけです。 昭和六十一年十二月の十一日ですけれども、参議院の内閣委員会で、当時の厚生省の児童家庭局長でありました坂本龍彦さんは、市町村において保育に欠ける児童があればそれを保育するということは市町村の義務になると、こういう状況がありながら保育所をつくらない、あるいは保育に欠ける児童に必要な措置をとらないことはむしろ市町村として法令違反と、こういうふうに答弁をされております。 今回の改正案によってこの二十四条を形骸化することがあっては絶対にならないと、こういうふうに私は考えておりますけれども、大臣の基本的な認識をお聞きしたいと思います。御答弁をお願いします。
○国務大臣(坂口力君) 今お話をいただきましたとおり、児童福祉法の第二十四条第一項によりまして市町村の責任により行うことというふうにされておりますが、このことはもう御指摘のとおりでございます。 保育サービスの提供主体につきましては、公立のほかに社会福祉法人やその他の主体が認められているのもまた事実でございます。保育所の施設整備に当たりましては、地域の保育需要に対応いたしまして保育所の供給量を確保することが必要でありますし、また公立、民立を問わず、多様な保育ニーズに対応いたしまして、保護者等が利用しやすい保育サービスの提供体制を整備することが肝要というふうに考えております。 今、委員が御指摘になりましたように、市町村が責任を持ってやる、行うということはそのとおりというふうに思うんですが、しかしそのことは市町村が自分たちで保育所を持つということとは少し内容が違うというふうに思います。市町村が責任を持ってその地域における公立、私立の保育所を十分管理をし、そしてその地域に住む皆さん方の要望、その地域に住む皆さん方の保育が完全に実施されるようにしていくということの責任がより大事というふうに思う次第でございます。
○井上美代君 今の御答弁をお聞きしましたけれども、これまでの保育所の歴史を考えてみますときに、公立保育所で見たならば、八〇年代から九〇年代にかけて九百カ所の公立保育所を減らされております。表に見るようにそこははっきりしていると思います。そして、その分もう本当にやむにやまれぬ親の思いを含めて無認可保育所がふえてきたわけです。私も無認可保育園にお世話になりながら子供を育てました。無認可依存率をやはり非常に増加させてきたというふうに思います。そうした中でちびっこ園など子供の死亡事故というのが多発するようになってきた、そういう経過というのがあると思います。 政府は肝心の保育所整備計画を持たないで来たということ、それどころか、私は、公立保育所は激減してきたということはこれは非常に重要なことだというふうに思っているんです。九〇年代、待機児童問題が社会問題化する中で、都市部においては公立保育所は統廃合を伴うという、そういうことでしか創設ができなかったということがあります。 私は、次の質問として、二十四条に「ただし、」というところがあります。これは普通ただし書きというふうに言われているんですけれども、ただし書きは、市町村は「付近に保育所がない等やむを得ない事由があるときは、その他の適切な保護をしなければならない。」と、このようにしているわけなんです。本来は保育所整備へ対応しなければならないが、それができないために無認可保育所に預けてもらってきたと、こういうわけなんです。 ところが、今起きているのは、既に認可の条件がほとんど整っているのに認可申請をしても認めてくれないという訴えが私のところにも寄せられていることです。認可の推進についてやはり本当に速やかに徹底すべきだというふうに私は思っております。 認可推進について、概算では百六十カ所に幾らか予算をつけるというものが出ておりますが、無認可保育所は現在一万カ所あり、そして予算枠が少な過ぎると。一万ある割には予算枠が少な過ぎるというふうに思っているんです。認可推進を進める上でやはり補助をすべきだと考えているんです。 さらに、事故があった場合の救済策として、認可園において公的な災害共済給付制度というのが定着をしてきておりますけれども、無認可園についてはそこまで行っていないのが現状なんですね。それで、民間の保険会社が入っていて、例えば事故があったという、そういうときには救急車よりも早く保険会社が飛んでくる、そして到着して窒息死を乳幼児突然死として届けさせるという、こういう悪質なケースもありました。 子供の命に認可も無認可もないというふうに思うわけなんです、子供はまさに平等ですから。ましてや、今回の改正で届け出制を義務づけたのであり、せめて何かあったときの保険制度というのは統一的な基準にして、そして助成をすべきではないかと、このように思っているんです。 二つのことをお聞きしましたけれども、御答弁を大臣、お願いいたします。──大臣にお願いしたのですが。
○副大臣(南野知惠子君) お答えして、もし足りなければ、また大臣の方からというふうにお願いいたします。 先生はもう本当に保育の機微に触れておられ、本当に大切なポイントを押さえておられるというふうに思っておりますが、今、無認可から認可への迅速なものと、これはもう我々も当然考えているところでございます。認可外保育施設というものにつきましては、今回の児童福祉法によりまして、質に問題があるものについてはという、質の問題は先ほどから議論がございますが、そういった意味におきましては指導監督の一層の徹底を図る一方、また認可保育所へ移行できるものについては認可化を進めていくことが重要である、もう先生のおっしゃるとおりでございます。 これまでも設置主体制限の撤廃、これは十二年の三月にいたしましたが、それらの認可保育所への移行を促進しております。さらにまた、昨年三月の設置主体制限の撤廃などを受けまして、十三年九月末までには六十一カ所が認可保育所に転換しておるという数字も出ております。これは一年半ほどの間に転換できたものでございます。 また、ことし九月には都道府県、指定都市または中核市に対しまして、保育サービスに対する需要を踏まえながら、認可基準等に適した保育所について迅速かつ的確に認可事務がなされるよう通知をいたしております。 さらに、平成十四年度の概算要求におきましても、これまでの認可化への実績も踏まえまして、認可保育所へ移行できるものについてその移行を支援する事業を盛り込んだところでございます。さらに事業の創設によりまして認可外保育施設の認可化が促進されるものと考えております。 さらに、先生お尋ねの災害の件につきましてでございますが、国といたしましては、新たな保険制度を設けるということではなく、今回の法改正の御趣旨に沿いまして、認可外保育施設の保険への加入状況について利用される方々へ情報提供できるような工夫ができないか検討いたしたいというふうに思っております。 なお、お尋ねの認可外保育施設の民間損害保険の加入率は九〇%となっております。そのことも申し添えさせていただきます。
○井上美代君 大臣に質問いたしましたので、一言、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) この公営と民営の問題につきましてはなかなか一口で言いがたい難しい問題があるというふうに思うんですが、民営の中には本当に保育に、育児につきまして一つの哲学を持っていて、そしてこういう保育をやりたいという考え方のもとにおやりになっている方もあるわけですね。そういう皆さんの中には、いわゆる認定をしてもらいたくない、認可外でやっていきたいというふうに宣言をされる皆さん方もおありになることは事実でございます。 それから、本当は認可してほしいんだけれども、しかしなかなか基準が合わないというようなことがあってなれないという皆さんがおありになることも事実だろうというふうに思っておりますので、私は一概にここを線を引いて言うことは難しいというふうに思いますが、我々の、政府の側といたしましては、認可された保育所になりたいという思いをお持ちになっている皆さん方に我々の方からそれを阻止するということはあってはならない、やはりできる限り認可の保育所になりたいというふうに思っていただく皆さん方に対してはなっていただくような体制を整えることが大事であると思っているわけであります。
○井上美代君 哲学を持っていて認可をしてほしくないと思っていらっしゃる方もおいでになると、それは確かだと思います。だから、認可をしてほしいという人たちをすぐに認可できるようにしなければいけないと思うんです。私は、無認可にこれだけ国はお世話になって今日まで来たわけなんです、だからそういう意味でも認可をきちんとするのが国の責任である、このように思っております。 私は、次に最低基準の問題で質問をいたします。 この最低基準はいろいろありまして、時間をほんの少ししかこの大事な保育所の問題でいただけないという、そういうことがあるわけで、部分しか質問ができないんですけれども。 政府は保育所もつくらずに無認可保育に本当に頼んだままで、父母の力を合わせた無認可の、良識ある無認可保育所なんですけれども、全くここにも補助もしなかった、してこなかったということは本当に、私は長く運動もやってまいりましたので、そういう点でも悔しい思いでございます。やはりそこに私は、待機児童がふえていったというのにも国の責任があるということを私はこの際はっきりと申し上げておかなければいけないというふうに思っております。 私は例として保育所の最低基準を取り上げますが、特に一つは待機児対応ということで入所の定員というのがありますよね。だけれども、待機者が非常にふえてきたというので二五%増しで入れていいよというのを国は決めて通達を出された。しかも、この十月からはその二五%さえもなくしてしまわれました。この際、最低基準は守るというふうに言いますけれども、その最低基準が私は問題だというふうに思っているんです。 面積の基準で例を挙げていきたいというふうに思いますが、戦後、一九四八年から五十二年になりますけれども、少しも面積が変わっていないということなんです。厚生省自身がその後、一人当たり五平方メートルということが適切と通達まで出されてやってきたほどなんです。しかしながら、ことしの三月、さらに通達を出して、定員オーバーについては、匍匐、はいはいのことですけれども、子供がはいはいしない乳児については一・六五平方メートルに戻してやりなさいと。言ってみれば、さきの五平方メートル、全然違いますよね、広さが、の改善通達を事実上撤回してしまったということになるわけです。 一・六五平方メートルといえば、ベビーベッドをまず置きます、そしてそこに保育者が立ちます、それだけのスペースなんですね。生後四カ月から五カ月で匍匐し始める子供もおります。匍匐をしない子に対しては、保育士が刺激を与えながらいろいろやって匍匐できるように導いていくわけですね。一・六五平方メートルで乳児にはいはいなどをさせる十分な保障の面積というふうにはならないわけです。 大変こまい話なんですけれども、面積が一・六五平方メートルなんて非常にこまい話なんですけれども、やはり子供たちが成長するのには余りにも狭い面積だということを私は申し上げたくて数字と通達を繰り返しました。 今、定員をはるかにオーバーしているわけなんです。それは二五%を外されたりする中で、入れるんだったら幾らでも入れていいという状況になっていて、そして定員がオーバーしております。最低基準を下回っている事態も報告を受けております。 一歳児でも一・六五平方メートルで計算して、もうぎゅうぎゅう詰めのところが出てきております。廊下や階段まで入れて計算をしているんです。そして、子供をそこに入れております。だから、子供をまたいで、踏みつけそうになるけれども、踏みつけないようによく注意をしながら職員の方たちは、保育士の人たちはやっている。保育室を乳児室にして、そしてロッカーも足りないとか、廊下を仕切って保育室に使っています。そして、保育士が廊下にカーテンで仕切って着がえをやっているというような、そういう現状も出ているんですね。この状態というのは、もう子供にはゆとりのない保育が強いられているという、そういう状況なんです。保育士には過重な労働がありまして、もう保育士さんたちはとても大変と、こういうふうに言っております。 こういう現状になっている事態を一日も早く解決しなければいけないということは確かだというふうに思いますけれども、やはり厚生労働省が出されるその通達でこの事態になっているわけですね。この事態をどのように考えられるのか、大臣、御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 先生にいろいろと御指導をいただきました。私が足りないところはまた大臣の方からお話があるだろうというふうに……
○井上美代君 時間がないんですよ。私は三十分しかないですから。
○副大臣(南野知惠子君) はい。先生より私の方が少し細かい分野については知っているんじゃないかなと、そのように思います。 今、先生がお尋ねのいろいろな課題がございますが、国の責任というふうに言われましても、我々、国を支えている議員全体が国の責任を負うべき立場であろうと思っておりますので、私もいろいろな保育所をお訪ねしてまいりました。保育所の間取りの問題、今先生がおっしゃった匍匐の問題などもいろいろな課題があろうと思っておりますので……
○井上美代君 短くしていただきたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) わかりました。先生も長い御質問でしたので、それにお答えしなきゃと思っておるわけで。 匍匐の場所についても、我々としましては、保育所がどのようになっているかということをチェックしなければいけない役割も国の立場としてあろうかなと、そのように思っているところであります。 では、短くするためにちょっと読んでまいります。 保育環境の改善につきましては、国としても努力をいたしておりますし、また地方公共団体が地域の実情に応じて保育所の設備や人員配置に係る児童福祉施設の最低基準の上乗せをしているということは認めざるを得ないというふうに思っております。 具体的には、国といたしまして、保育所の施設整備に係る国庫補助に当たりましては最低基準を上回る面積を補助基準といたしております。また、地域子育て支援スペースの確保などを通じまして、ゆとりのある空間の整備ができるようにしているところでございます。 しかしながら、地域によりましては待機児童が多い、先生御指摘でございますが、かつ緊急度が高い、そのような場合には保育サービスの量的な確保が地域における最優先の課題となっている場合があり、これらの場合につきましては、最低基準を超えて設定している水準が相対的に低下しても、住民の保育ニーズに的確に対応するための地方公共団体としての判断をしていただくということであり、児童福祉施設最低基準第四条の規定、これは先生御存じの文でございますが、それの趣旨に反するものではないと思っております。
○井上美代君 済みません、時間がないんです。
○副大臣(南野知惠子君) あと二行でございます。 なお、最低基準に抵触した場合には国として自治体に適切な指導を行ってまいります。 いろいろと現場も視察してまいりますので、その件については御安心いただければというふうに思います。
○井上美代君 なかなか安心できないものですから。 私、時間が欲しいんですけれども、時間がありませんので。 私は随分数字を挙げたんですけれども、やはりこういう事態になっているということを説明するために数字を挙げたんです。だから、その数字に答えていただかなくていいんです。そういう事態になっていることについてどう思うかということですので、大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(坂口力君) 私もこの数字のことまでちょっとよく率直に言ってわかりません。わかりませんが、トータルで申し上げれば、やはり保育の質というものを維持しなきゃならない、大事にしなきゃならないということは、それはもうそのとおりでございますから、余り小さなところで本当に廊下や階段にまでその面積の中に入れておるというようなところがあるのかどうか、私はちょっとわかりませんけれども、私は普通はそんなことはないのではないかというふうに思っております。 そこは私たちもよく調べますけれども、ぜひひとつそうしたことも十分に考えながらこれからやっていきたいというふうに思っております。
○井上美代君 きょうはもう五十人ぐらいの方が後ろで傍聴してくださっているんですけれども、皆さん方が一番体験しておられることです。今調べると言ってくださったのですけれども、ぜひ調べてほしいというふうに思います。 大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 個別そういう事案がございましたら調べさせていただきます。
○井上美代君 やはり事実を調べるということがもう一番改善にとっても大事であるというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 それで、私は、最低基準の省令がありますけれども、その第四条ですけれども、「児童福祉施設は、最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない。」と、このように書いてあります。そして第二項には「最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている児童福祉施設においては、最低基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。」と、こういうふうに書いてあります。 ところで、この七月に総合規制改革会議が出しました中間取りまとめという文書があります。ここには「国の設置基準等に、地方公共団体が合理的でない基準を上乗せすることのないよう、」と、こういう言葉が入っておりますが、これは私、問題だというふうに思うんです。質の改善には取り組まず、そして効率化だけを優先させている、企業参入のために規制緩和で最低基準を緩和させることと一体で準備されたのがこの改正の五十六条の七ではないかと、こういうふうに思うわけなんです。 最低基準が不十分であり、改善の努力をするために地方自治体が上乗せをしてそして保育の質を向上させようとしているのに対して、国が最低基準の上乗せをするななどというのは、これは最低基準違反ではないかと、こういうふうに思うわけなんです。 ここのところはどういうふうに考えればよろしいですか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 最低基準は国が定めている認可保育所としての最低の基準でございますから、自治体の判断でそれを上回る水準が確保できるということであれば、そういう御判断は的確な御判断であるというふうに思っております。 ただ、ここで問題になっているのは、自治体の財政事情も大変厳しい中で、そして一方では待機児童がたくさんおられる、あるいは無認可保育所に入れざるを得ないような状況があるという、そういう状況の中でどういう水準、どういう質の保障とどういう量的な拡大を総合的に判断していくか、これは本当に自治体が責任を持って判断されるということだと思います。 その結果、先ほどの南野副大臣の答弁の中にもありましたけれども、量的な拡大が今はもう最優先の喫緊の課題であるというふうに判断される自治体が、もちろん最低基準はクリアしていただかないといけませんけれども、その範囲内で条件を見直すということは場合によってはあり得るんではないかというふうに考えているところでございます。
○井上美代君 最低基準の上乗せをするなということはないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 地方自治体単独事業の上乗せ、これを理由として新規の保育サービスの供給量増大の努力をしない、努力ができないという自治体があるのであれば、それは再考すべきだというふうに思っております。
○井上美代君 時間がなくなりましたけれども、私は五十六条の七について質問をしたいと思います。 改正案の五十六条の七ですけれども、市町村に対して、公立保育所の整備ではなく、今後の保育所整備について多様な事業者に土地を貸与するなどという、PFI方式などの措置を講じて民間企業などの参入を促進しろと、この整備の中身まで含めて義務規定としているのは地方自治権と矛盾するのではないかということです。 あくまでも実施主体は市町村です。保育所整備について児福法二十四条は市町村の整備義務を明確にしているわけで、それは先ほど申し上げたとおりです。公立にしても、私立にしても、社会福祉法人やそしてまた非営利団体などいろいろあります。今後の保育所の整備において、公立保育所を排除し、まず民間にゆだねるということなのかということをお聞きしたいと思います。 社会福祉法人の場合は現行法でもかなり整備費が措置されるが、今回大きく整備が措置されることになるのは民間企業なのだということ、五十六条は何を義務規定にしているのかということ、手法まで縛るつもりなのかということをお聞きしたいんです。そうなれば自治権の侵害になっていくというふうに思うんですね。これは発議者に聞きたいと思います。御答弁願います。
○衆議院議員(塩崎恭久君) 井上議員、先ほど来、保育の質の問題を特に大事にしなければいけないというお話がございました。 まさにそのとおりだと思いますが、この五十六条の七というのは、まず第一に、どういう市町村でこういうことをやってほしいかといいますと、保育の実施への需要が増大している市町村ということでありますが、都市部の特に先ほど先生御指摘の待機児童の多いところを中心にやってほしいということでありまして、何をお願いしているかといえば供給を効率的にしてほしい、ふやしてほしい、こういうことだと思うんです。 質と供給とはまた別問題であって、結論的に申し上げれば、先生が御懸念の公立保育所を排除するのかと、こういうことでありますが、それは決してそういうことではない。ただ、どういう方法をとるかはそれぞれの市町村がまたいろいろ御検討の上でそれぞれが判断をするということで、地方自治の侵害でももちろんないわけでありますが、そのときの例えば公立でやるとすれば当然定員の問題もこれあり、予算の制限もこれあり、いろんな制限があるわけでありますから、そこのところをいろいろ知恵を絞ってやってくれと、そのときに民間の知恵も使えと、こういうことでございますので、先生の御懸念の点は安心して結構だと思います。
○井上美代君 懸念は消えません。 私は、最後に短く。 株式なども参入することになるわけですね。そういうことで、それは配当にまで行くわけなんです。この問題についてどのように、もうけの、やっぱり利潤追求の対象になっていくわけですから、そのことについて御答弁願いたいのと、そして今既に育児産業になっているものがあるんですけれども、そこでベビーフードだとか保育雑誌だとか何々ゼミだとかというふうにやられているわけなんです。だから、それと一緒にやられるわけなんですけれども、これについて、営業活動としてやられるということについてどう考えるのかということをお聞きします。 そして、あと賃貸料の問題ですけれども、取り扱いを含めて具体的な対応をどういうふうにしていくのかということを大臣と、そして発議者に求めて質問を終わりたいと思います。
○衆議院議員(津島雄二君) 改正法にかかわるところでございますから最初にお答えをいたしますが、御質問の点は、認可保育所につきましては、認可基準は設置主体のいかんにかかわらず、経営形態のいかんにかかわらずぴしっと同じように適用をいたしますから、そのことによって基本的な保育の質が変わるということはまずないと、これは法律的にしっかりしておりますから御理解をいただきたい。 公立保育所の運営を民間へ委託することについていろんな御懸念があるようですけれども、これはあくまでもそれぞれの地域において関係者が児童福祉の観点から十分配慮をしながらやることでございます。それで、私も坂口大臣の前任者として二回この問題について取り組んだのでありますが、その経験を申し上げさせていただきますと、やっぱり待機児童等の問題は地域的に非常に偏っております。大都会と地方とでは非常に違う。それに対しまして、国の認可基準というのは性格上画一的に適用せざるを得ない。そこに地域の違いが出てきて、待機がある場所に非常に多くなる。また、公立の保育所も、延長保育がなかなかできないとか、子供さんはこれ以上この面積基準を画一的にやられると預かれないという問題があるわけです。先生が先ほどおっしゃいましたように、事実をきちっと調べた上で議論をしていく必要があるわけであります。 その事実の上に立ってみますと、今、大事なことは、それぞれの地域で知恵を出していただいて、待機児童をなくしていくためには私たちの地域は何をやったらいいかと、その努力をしていただく。その一つが、例えばあの神奈川県の努力であるとか東京都の努力であるとかいうことでございます。 私ども国としては、全体として認可基準に行っていただくように国の助成をきちっと出してそちらに誘導していくわけでありますが、同時にそれぞれの地域の御努力に対しても私どもは声援を送り、その中で民間の人たちの力をかりることも十分に含めて考えたい、そういうことでございますから御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 津島前大臣からもう事細かくお答えがございましたから私がそんなに申し上げることはないと思いますけれども、要は育児の質を落とさないということが大事でございますから、そこに対するきめ細かな配慮をしていかなければならないというふうに私も思っている次第でございます。 規制改革会議等でいろいろの御意見のあることも承知をいたしますが、それをすべて私たちは受け入れるつもりでいるわけではございませんで、取捨選択をして受け入れていきたいと思っているところでございます。
○井上美代君 終わります。
○大脇雅子君 まず、保育に関する国と地方自治体の責務について大臣にお伺いしたいと思います。 保育所論議の中で欠けておりますのは、親のニーズや規制緩和や改革ばかりで、子供のニーズ、子供が健やかに成長できるような保育を受ける権利という視点が重要だと思います。 日本が一九九四年に批准いたしました児童の権利に関する条約においても、その第三条に、児童に関する措置をとるに当たっては、公的もしくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局または立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとするとうたわれております。 アメリカの例を見ましても、市場原理の導入は、高い利用料を払えば質の高いサービスをという傾向にあるというふうに言われております。今回の法改正では、民営による認可保育所をふやすのが目的と挙げられておりますが、一部自治体では公立保育園の民営化も進んでおります。 今後、保育における国の責務とは、最低基準を策定、監督し、あとは市場に任せるものであると考えておられるのか、保育に関する施策策定に当たっては社会的コストとして国及び地方自治体が負担すべきであるということを基本に考えておられるのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどから議論が続いておりますように、保育の実施につきましては、児童福祉法あるいは市町村の責務として規定されておりますことはもう御案内のとおりでございます。また、保育所の運営経費に対しましては、それが公営であれ民営であれ、そのいかんを問わず、国、都道府県、市町村がそれぞれ一定の負担をすることとされております。今回の児童福祉法の改正によりましてもこの点に変わりはないものでございまして、今後とも国及び地方公共団体がそれぞれの役割分担によって責任を果たし、保育の実施に努めてまいりたいと考えております。 民営化というのは、決して親の立場だとか経済の立場だけでもちろん申し上げているわけではございませんで、そうした民営化をそこに織りまぜることによって子供たちのためによりよい育児の環境が育つということも考えながらやっていることを御理解いただきたいと思います。
○大脇雅子君 働く父親、母親のニーズとして挙げられておりますのに延長保育、夜間保育、病児保育あるいは病後保育等々がございます。一部自治体では実施されておりますが、これらは主として認可外保育所や認可保育所でも私立のものが多く実施しているという実情もございます。 実際に十六万人を超える子供が認可外保育所で保育を受けている状況を見ますと、いわゆるPFI手法による認可保育所への民間参入を進める前に、現在既に保育に携わっている無認可保育所への支援あるいはその底上げが必要ではないかと。 良質な保育を継続している認可外の保育所の認可化に向けてどのような形で助成ないし指導をされるべきか、お尋ねをしたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 先生の御質問でございます。 先生は法律的にはもうばっちりといろいろと研究しておられますので、その研究かたがたでございますが、先生のおっしゃるとおり、認可化を促進すべきと、これはもう先生と同じ考えを持っておるところでございます。 特に、質に問題がある認可外保育施設につきましては今回の児童福祉法によりまして指導監督の一層の徹底を図る一方で、また認可保育所へ移行できるものについては認可化を進めていくということの重要性を痛感いたしているところでございます。 これまで設置主体制限の撤廃などによりまして認可保育所へ移行を推進してまいりましたが、さらに平成十四年度の概算要求におきましても、認可保育所へ移行できるものについてはその移行を支援する、そのような事業を盛り込んでいるところでございます。
○大脇雅子君 具体的にどのような形で認可化を推進されるのですか。細かくお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、市町村が判断をしていただくということがございまして、市町村がその地域の保育資源といいましょうか、無認可保育所の中でここはちょっと努力すれば認可化してもらえる、あるいはこの地域に認可保育所が要るというふうに認定した認可外保育所施設につきまして、まず認可化計画、認可に向けてどういう努力を進めるかということを、三年程度かというふうに思いますけれども、計画を立ててもらい、それに従って認可外保育所については認可化の準備をしていただくわけでございますが、一つは、まず保育の質の面でそれを確保するために、例えば市町村が保育士を一人、一年間、無認可保育所に派遣いたしまして、その保育士さんが一年間、無認可保育所でそこの保育従事者と一緒に保育をしながらその質を高めていくとか、あるいは認可化に当たりまして内装を整備、改装する必要がある、あるいは教育玩具を整備する必要があるといったようなケースについては、そういうことに対する助成もしてまいりたいというふうに思っております。
○大脇雅子君 平成十四年度に組み込まれた予算によりますと、そうした無認可保育所のいわゆる認可保育所化に向けましてどのような予算措置、一カ所当たり幾ら云々ということの詳細をお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) まず、市町村が保育士を雇い上げて派遣をし、そして実際に保育の指導に当たっていただくわけでございますが、これを百六十カ所程度。これは先ほど副大臣の答弁の中にもありましたけれども、一年半で無認可から認可に転換したのが六十一カ所でございましたので、一年で四十カ所というのがここ近年の動きでございます。そのペースを四倍程度に引き上げようという目安でございます。 またあわせて、先ほど申し上げました認可する時点での内装の整備や備品の整備などについては一カ所について二百万円ということでございまして、トータルで一億二千八百万円の要求をさせていただいております。
○大脇雅子君 ぜひ認可化への動きを早めていっていただきたいと思います。 次に、専門的な保育士の養成についてお尋ねをいたします。 衆議院の答弁でも岩田局長は、民間企業に保育所運営を委託する場合にも、自治体において保育の質の観点から保育士の労働条件についても御配慮いただければと思います、そして問題があれば知恵を絞らなければいけないと答えておられます。 保育士の労働条件と保育の質、そして子供と保育士との安定的な関係の維持ということは非常に大きな関連があると思います。今後、実施状況によって問題があれば国としてどういう施策を講ぜられるべきであるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 衆議院でもお答えさせていただいたとおりでございまして、公立保育所の運営を例えば株式会社に委託する事例などについてですけれども、委託をされる市町村においては保育士の労働条件、これがまた保育の質と大変関係があるというふうに思われますので、保育士の労働条件については十分配慮していただきたいというふうに思っているところでございます。 仮に株式会社の運営の保育所であったとしても、認可保育所の場合には、例えば正規の常用の保育士を子供の年齢、数に応じて充てられるだけの人件費を措置してございます。そして、運営費は人件費と事業費と管理費というふうに区分されておりまして、その中でやっていただくということでございまして、区分間の流用をするときには非常に慎重にしていただくということで、幾つかの条件をクリアしていただかないといけないことになっております。 その条件の中で、やはり労働条件、給与に関する規定が整備され、その規定により適正な給与水準が維持されているなど、人件費の運用が適正に行われているという、それ以外にも幾つかの条件があるわけですが、そういう条件を満たして初めて人件費として助成したものを他の区分に流用するということがあり得ると、こういう整理になっております。 そういうような仕組みになっているものでございますので、各都道府県が保育所の指導監査をやるという仕組みになっておりますので、その指導監査の折に保育所の運営状況、あるいは国、自治体が助成した運営費の適正な執行状況について見ていただくというのがまず当面はやるべきことかなというふうに思っております。
○大脇雅子君 第三者機関というものでいわゆるさまざまな保育の評価をするということになっております。しかし、ここには保育士の労働条件は入っていないというふうにチェック項目など見させていただきますと考えられます。評価機関は非常に多種多様なものになるということですが、やはり企業参入の前に、評価をする第三者機関の具体的な姿を示すべきではないかと思います。 ともかく、具体的に第三者機関というものはどのようなものとして考えられているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 昨年から今年度にかけて児童福祉施設等評価基準検討委員会を設置いたしておりまして、その中で評価の基準のあり方、そして実際に評価をする評価調査者のあり方、特にその養成のあり方、さらには評価の具体的な方法などについて検討をいただいておりまして、年度末までには結論を出していただくことになっておりますが、その中で、今、先生御質問がございました評価をする第三者機関、これの具体的なあり方についても検討をすることになるというふうに思います。 この検討におきましては、既に参考になる基本的な考え方が示されておりまして、それは、本年三月二十三日、福祉サービスの質に関する検討会から「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」が出されております。 その報告書の中で評価を行う機関のあり方、要件について基本的な考え方が示されておりますので、それをベースに検討されることになるというふうに思いますが、例えば原則として法人格を持っているということ、あるいは、評価基準は国がガイドラインを示すこととしたいというふうに思っておりますけれども、国のガイドラインを満たす評価基準をその評価機関が持っていること、あるいは評価調査者の養成研修あるいは継続研修についてプログラムが定められ実施されることが確実であることなどの要件が先ほど申し上げました検討会の報告書から出されております。 これは児童福祉に限らず福祉サービス全般についての報告書でございましたので、これを参考に児童福祉の分野でどういうふうに具体化するかという検討を年度末までにお願いしているところでございます。
○大脇雅子君 ぜひ第三者機関が適正なものとして設立をされ、悪質な保育所に関しましては大きな改善がなされることを期待いたします。 最後に、大臣にお尋ねしたいのですが、労働者の教育訓練制度については、一九七四年に採択されましたILO百四十号条約、有給教育休暇に関する条約がございまして、職業上や職務上必要な技能の取得とかさまざまな労働者の技能研修のため継続的なそうした休暇を付与すべきものとして、この批准というのは労働者が広く求めているものであります。 日本はこの条約は未批准でございますが、早急に批准すべきであると考えますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今、御指摘になりましたILOの百四十号条約でございますが、その中には大きく分けまして三つのことが書かれているというふうに思います。一つはあらゆる段階での訓練、それからもう一つは一般教育、社会教育及び市民教育ということの重視、そして三番目に労働組合教育というものでございます。 これらのうちで、あらゆる段階での訓練を目的とする休暇ですとか、あるいは有給の教育訓練休暇につきましては、これは他の法律におきましてかなり取り入れてきているところでございます。職業能力開発促進法におきましても、事業主に対しまして労働者にその付与を配慮義務として課しておりますし、また具体的な付与につきましては厚生労働大臣が指針を定めることといたしております。休暇中の訓練経費でございますとか賃金等の助成措置等につきましても講じておるところでございます。 しかし、この二番、三番の一般教育、社会教育及び市民教育のための休暇でありますとか、あるいは労働組合教育のための休暇ということにつきましては、国内法制の、他の法律との問題もございまして、整合性の問題もございますし、さらにひとつ慎重な検討が必要であるというふうに思っているところでございます。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。 通告しておりました質問はかなり省かせていただいて、大臣に一点だけ質問させていただきます。 児童福祉法の平成九年の改正で措置から契約へと大きく転換したわけでございますが、しかし改正後も保育に欠ける児童ということで要件があり、そして保育サービスを受けるための申請内容というのは基本的には変わっていないということで、現実の問題を考えますと申請も非常にナンセンスな場合もあるかと思います。以前にも申しましたが、保育の社会化といいましょうか、少子化問題を解消するためにも、基本的な視点を変えるといいましょうか、大幅な法改正が今後も必要ではないかと思いますが、その方向性について、見通しについての大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 高齢者の問題に比較いたしまして子育てあるいは育児、そして子供たちの問題というのは、やや社会保障の面から見ましてもおくれてきた感じがあるというふうに私も思っております一人でございます。そうした意味で、やはり子育てというもの、あるいはまた子供の教育というものを、今までの家庭に依存をする、あるいはそれぞれの企業でありますとかそうしたことだけに依存をするというのではなくて、社会全体で子育て、子供の育児というものもやはり取り上げていかなければならないという私は認識を持っております。 ただ、そういう認識のもとでこれから何をどのようにしてやっていくかということが本当は大事なんだろうというふうに思いますが、先ほどから議論がありますように、質をどう維持をしていくかというその一点をやはり大事にしていかなければならないというふうに思っております。公立か民営かという、そこだけがクローズアップされておりますけれども、いずれの場合であれ質を確保していかなければならないわけでございますから、そのことについてこれから努力をしたいというふうに思います。 保育に欠けるという言葉が適切かどうかということにつきましては、これは委員の御指摘も私はわかるような気がいたします。今までこの言葉でずっと参りましたので、今急にこれを変えるべきかどうかは別にいたしまして、現在の社会の中で考えますときに、保育に欠けるという言葉が適切かどうか、そしてその意味するものが一体何であったかということは時代の変遷とともに私は考えなければならない問題の一つだというふうに思っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 本当に、保育に欠けるという考え方で今の少子化、そして男女ともに働くというこれからの時代に合った保育サービスというものが提供されるとは思えませんので、今後この点についても御検討いただきたいと思います。 そして、公設民営、とにかく民営方式に関していろいろ異論があるわけですけれども、要は情報公開が進んで保護者が選択できる、本当の意味での契約という形での保育サービスの選択ができる環境が整うということが必要ではないかと思います。大いにそういう点を保障されて民営化が進められるべきと思います。 という意見を申し上げて、私の質問を終わります。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 保育に欠けるという御説明について若干補足をさせていただきたいというふうに思います。 保育に欠けるという表現の問題はあろうかというふうに思いますけれども、例えば保護者が自宅で子供を養育できるような家庭についても、そういう方も含めて保育所で養育するのがいいのかどうかということにつきましては、これはもう大変大きな議論をすべきだというふうに思うんですね。ですから、現時点ではそれについての社会的な合意、子供さんというのは親が在宅で養育できる状態であっても保育所に預けられるんだということも認めようというところまではまだ行っていないんじゃないかというのが担当局長としての感じでございます。 ですけれども、先生のおっしゃる趣旨は、保育所も含めて、共働きであれ専業主婦家庭であれ、すべての子育てを地域がいろんな形でサポートをすべきであるという趣旨でございましたら、そのとおりだというふうに思いますので、例えば保育所に併設されております地域子育て支援センターでそういうサービスをやっていくとか、あるいは専業主婦の方も育児で疲れるということもありますから、そういうときには保育所で一時預かりをするとか、そういったような対応というのはこれまでもやってきましたけれども、ますますこれからも重要になっていくというふうに思います。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、今泉昭君が委員を辞任され、その補欠として若林秀樹君が選任されました。 ─────────────
○西川きよし君 私が最後になりました。よろしくお願いを申し上げます。十五分しかありませんので、よろしくどうぞ。 私の方からはまず児童虐待の問題についてお伺いをしたいと思います。 先週、厚生労働省より、児童相談所における児童虐待相談処理件数についての御報告がございました。平成十二年度の児童虐待相談処理件数は何と一万七千七百二十五件ということで、児童虐待防止法により広報だとか啓発に積極的に取り組んだことで相談なり通告が促進されたという分析もありますけれども、その一方で児童相談所の関与があった死亡事例については十一件と報告をされております。 この背景につきまして、どういうふうに厚生労働省といたしましては分析をされておられますのか、政府参考人で結構です、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童相談所がかかわりながら昨年度十一名のお子さんが亡くなってしまいました。そのことについては大変残念でありますし、行政に関与している者の一人として大変申しわけないというふうに思っております。 この十一件の事情はケースごとによりましてさまざまでございますので一概に言えないところもあるんですけれども、例えば初期対応の段階で、初期対応がまずかったということで亡くなったケースもございましたけれども、むしろ数の上では、初期対応はうまくいったんだけれども、施設から退所させた後、あるいは一時保護を解除してうちに戻して、そして在宅の状態でフォローすべきであったそういう時期に発生した事例というのも少なからずございました。 そういうことで、初期対応が重要であるということとあわせて、計画的に関係機関とよく連絡をとりながら、継続的にその子供、そしてその家族を支援していくことが大変重要ではないかと思います。
○西川きよし君 二十二分までですのでスピードアップをさせていただきます。 この虐待の防止対策については、家庭の孤立化を防ぐための地域づくり、または早期発見・通報のための地域のネットワークづくり、さらには児童相談所、児童福祉施設の体制の強化、さまざまな分野におきましてまだまだ多くの課題が指摘されているわけですけれども、八月に発生をいたしました兵庫県の尼崎の事件、児童養護施設から一時帰宅中の出来事でございましたけれども、また二月の福岡で起きました六歳の子供に脳障害を負わせた虐待事件も施設から家庭に戻った後に発生をしているわけですけれども、この家庭帰宅後のフォローアップ体制、これを考えていただきたいと思います。早急にそれも体制の整備が大変必要であるのではないかなというふうに思います。 そこでお尋ねするんですが、平成十一年の報告では、家庭に戻った後のフォローアップを何も行われていなかったというケースが二七%以上ございます。その後どのような対応をとっておられるのか、また現状についてどのようにお考えになっておられるのか、よろしくお願いいたします。
○副大臣(南野知惠子君) 西川先生にお答えさせていただきます。 平成十一年度の児童相談所におきます被虐待児童処遇のあり方に関する研究というのがございますが、それにおきましては、児童虐待に対する児童相談所の取り組みの分析が行われたところでございます。 二つございますが、申し上げたいことは、一つは、通告義務などに関する広報啓発や初期介入における迅速な対応などにつきましては一定の評価がなされたというふうにも思われております。さらにもう一つは、施設などから家庭引き取り後のフォローアップが十分でないというような課題が指摘されております。そのような大きな課題、さらに先生がお話しになっておられるような、こういう課題については大変難しい分野であるということを痛感いたしております。 さらに、家庭引き取りの判断ということにつきましては、児童相談所と施設の協議によりこれが決定されておりますが、引き取られた後は、親子が別れて生活していたことなどを視野に入れますと、また虐待の再発防止を十分に配慮しながら、また地域の関係機関が連携して多面的、総合的な支援を行う必要があるだろうというふうに思っております。 さらに、厚生労働省といたしましては、緊密な関係機関の連携によりまして、これは継続的な指導、支援につきまして、自治体、児童相談所等に対しさまざまな機会を通じまして徹底するとともに、児童相談所の体制の強化や、また地域における支援の取り組みの充実に努めていきたいと思っております。 周りにおられる大人はみんな子供の親であると、共同体制をとりながら子供を育成していかなければ二十一世紀の宝物は育たないというふうに思っております。
○西川きよし君 ありがとうございます。 次は、やはり虐待が確認をされた後の対応にしましても、やむを得ず入所措置をとった後の対応ですけれども、可能な限りにおいて親の手で、家族とともに暮らせることが子供にとっては一番幸せではないかなと僕は思うわけですけれども、皆さんもそうだと思います。現場の方々にとっても、それを求めるがゆえに御苦労も並大抵ではないと思います。しかし、そうした判断によって子供が亡くなるとか、再び虐待を受けることが許されてはならないと思いますし、在宅処遇を受ける家庭あるいは措置解除後の親と子に対するフォローアップ体制を整備することの必要性を痛切にもう皆さん感じておられると思うんですけれども、この点について厚生労働省はどういうふうにお考えなのか。 その中におきまして、今回法定化される主任児童委員、大変な権限を持つわけですけれども、あるいは児童委員の方々の役割についても極めて大きいと思うわけですけれども、この点については提案者の方に御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 児童虐待の対応の中心機関は児童相談所でございますが、先生おっしゃるように、できることであればまた親子をもとに戻して家族を再構築することが大事なわけでございますので、そのためにも保護者の方を教育、カウンセリングする、これを児童相談所の児童福祉司や心理判定員が行ってきております。 この児童相談所の実施体制を強化をすること、そしてその資質を向上させるということが重要でございますので、厚生労働省といたしましては、児童福祉司の増員について、これは地方交付税の算定基礎にその人数が盛り込まれているわけでございますので、この増員について努力をいたしてきておりますし、また、親のカウンセリングに当たって非常に専門的な知識、技術が必要である場合もあるということで、地域の精神科の医者にお願いしてカウンセリングができるようなこともやっておりますし、また児童相談所の職員に対しましては児童虐待についての専門性の高い研修なども取り組んでいるところでございます。 また、在宅で処遇を受ける家庭や措置が解除されて子供が戻された家庭も含めまして、この虐待の発生の予防そして再発の防止は地域ぐるみで家庭を支えていかないといけないということがありますので、市町村域における関係機関が連携を図れるようなネットワーク事業ということをやっておりましたり、また十四年度の概算要求では、市町村が子ども家庭支援員、これは仮称でございますが、子ども家庭支援員を委嘱いたしまして、その方が個々の家庭を訪問して、深刻な問題は難しいかもしれませんが、軽度な虐待の問題や施設から退所した後の御家庭をきめ細かく訪問して相談に乗ったりというようなこともやってみたいということで十四年度の概算要求に盛り込んでいるところでございます。
○衆議院議員(鴨下一郎君) 児童委員の役割について、先生、大変これから重い役割があるんだという話がありました。 現在は特に、児童委員はもう身近に住民の立場に立って相談役だとか聞き役だとか、それからある意味で親の支え役、こういうような形で活動していくというようなことでありまして、特に今までは児童委員は不登校だとかなんかが事案として多かったんですけれども、ここ急に児童虐待の問題が非常にふえてまいりましたので、先ほど局長からの答弁にもありましたように、これからより一層研修をして、そして地域の中で役割を演じられるようにと、こういうようなことが今回の改正の趣旨でございます。
○西川きよし君 ありがとうございました。 今御答弁いただきました民生委員それから児童委員の方々の仕事の量も高齢化の進展とともに大変ふえてきているわけですけれども、例えば平成十二年度の大阪市の活動状況を見ましても、相談指導件数は何と二十六万件、これをたった三千四百人で対応するわけですけれども、これからは高齢化が進んでいきます。高齢者への相談、支援というものもふえていくと思いますし、一方、これだけの児童虐待が社会問題となっているわけですから、そういう中で施設退所後のフォローアップなどの極めて重要な役割も担っていただくことになると思いますし、そうした中で、現実の問題といたしまして民生委員、児童委員をお一人の方が兼任をするということで、これは過重な負担になって当然と思うんですが、またそういった適任者を見出す、見つけ出すということもこれまた難しいと思うんです。 それぞれの地域では大変御苦労されていると思いますけれども、今回、職務を明確化することは十分に理解をいたしますけれども、これだけ高齢者、児童を取り巻く状況が本当に厳しいわけですから、民生委員、児童委員のあり方についても改めて見直しの検討が大変僕は必要ではないかなと思うんですけれども、大臣、一言お答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 先ほども議論が出ましたが、民生委員というのは高齢者でありますとか障害者でありますとか、あるいはまた生活保護の問題を引き受けましたり、それからお子さんの問題、児童それから妊産婦の問題等、幅広くおやりをいただいているわけでございます。 それで、先生が御指摘になりますように、それぞれ専門で分けたらどうだという御意見もあるというふうに思いますが、子供さんの場合には、子供だけそこを割り切って家庭から分離をして考えるというわけにはいきませんで、子供の場合にはどうしても家族全体の中での位置づけと申しますか、家族全体の中でどうなっているかということを考えていかなければなりませんから、やっぱり家族全体を見ながら、その中で子供の問題をどういうふうにするかということを考える立場というものも私は大事だというふうに思っております。 今回、主任児童委員という名前の特別な役割を持った人たちもふやさせていただきましたが、その人たちは児童のことを中心にしておやりをいただくとして、そして一般の民生委員の皆さん方は、大変でございますけれども、トータルな家庭、地域の環境の中で子供さんの問題を見ていただくということにいましばらく御専念をいただきたいと、そういうふうに思っております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 こうして委員会中でも本当に助けを求めているような子供さんたちがたくさんいらっしゃると思うんです。本当にまさに燃え盛っているところに消防が行かないようなものですから、どうぞひとつ、少しでもお早目によろしくお願いを申し上げたい、よい方向にお願いを申し上げたいと思います。 最後にいたします。 保育所の問題についてお伺いしますが、今回の法案審議に当たりまして、連日、僕の部屋にもたくさんのファクスが全国から届きます。皆さん方のお部屋にも多分多く寄せられたと思いますけれども、一通だけ御紹介をさせていただきたいんですが、大阪市西淀川区の方からでございます。保育所が民営化されるといろんな面でお金がかかると聞いています、おむつかえ一つでも別料金とか、アレルギーなどがあると特別料金とか、子供が好きで働いてお世話くださる先生と違い、安心して子供を預けられなくなるのではという気持ちにどうしても母親としてなりますと。 やはり、保育所の民営化については多くの不安を抱えていらっしゃる方々がたくさん全国にはいらっしゃると思います。これは僕も事実だと思います。やはり、政策を進めていく上で、特に子供さんが対象になるわけですから、こういう問題に至っては、こうした不安に対して十分な説明と理解、そして親御さんの不安を払拭するということが大変大切ではないかなというふうに思います。 これも最後に大臣に答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今朝来、同じような質問がずっと続いてまいりました。保育所入所の待機児童解消に向けまして、多様な設置運営主体の参入でありますとか公設民営などの取り組みが今行われているところでございますが、その一方で保育の質の確保ということが最も大事な問題であることは論をまちません。 基本的な保育サービスの質につきましては、設置運営主体のいかんを問わず、児童福祉施設最低基準でありますとか保育所保育指針の遵守を求めているところでございます。また、保育料につきましても市町村が定めることとなっておりまして、設置運営主体のいかんによって異なるものではございません。 委員が大変御心配になりますように、そうした私立化によって、公立ではなくて私立の保育所の誕生によってそうした問題がなおざりになるのではないかという御心配があるわけでございますが、そうしたところにつきましては、市町村はもとよりでございますけれども、県や国といたしましても十分にそこは配慮して、私たちも、市町村あるいはそれを設置してそして実際にやってくれております経営者に対しましても、十分なひとつ説得をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。また、そのことにつきましては十分に住民の皆さんに理解が得られますように、そうした努力もあわせて行っていきますことをお誓い申し上げたいと思います。
○西川きよし君 よろしくお願いします。
○委員長(阿部正俊君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、児童福祉法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の理由の第一は、待機児童の解消のためには公的責任の強化こそ求められているのに、本法案は国の責任を後退させるものであるからであります。 男性も女性も、仕事と子育てを両立させるために、保育所の待機児童の解消は緊急の課題です。待機児童数は昨年十月時点で五万六千人、最初から入所をあきらめている潜在的な待機児は十万人から十五万人と言われています。保育所整備の計画を持たず、保育士配置基準や面積基準は五十年前のまま、保育運営費の予算の比率を後退させてきた政府の責任は明らかです。待機児童解消のため、緊急に政府の責任で保育所整備を進めるとともに、最低基準を改善し、保育所運営費の国の負担率を早急に十分の八に戻すべきです。 ところが、自民、公明、保守の与党三党が提案した本法案は、待機児童の解消を公的責任の強化ではなく、株式会社などの企業にゆだねて安上がりに進めようとするものです。子供を預けたくても預けられないという国民の願いに正面からこたえるためには、政府の責任による保育の整備、改善こそ中心に据えるべきです。 反対の理由の第二は、営利企業の参入により、保育の質の低下が懸念されることです。 これまでも通達により株式会社への業務委託が認められてきましたが、本法案により社会福祉法人以外の民間事業者の参入が一層強力に進められます。さらに、今年度中に関係通達の規制緩和を行い、営利企業の利潤追求を認める検討がされていますが、このままでは人件費の削減による労働条件低下や保育の質の低下につながるのは必至です。参入した企業の撤退にどう歯どめをかけるかも明確でありません。こうした方向は、安心して預けられる保育所をという父母の切実な願いに逆行するものであります。 反対する理由の第三は、保育所整備へのPFI方式の導入により、営利企業に公的財産が提供され、公費である運営費が株式配当に回される可能性が生まれることです。 以上、今後の保育所のあり方に重大な変更をもたらす法案であるにもかかわらず、関係者、関係団体の意見を聞く場も設けず、わずか二時間余りの議論では全く不十分です。これでは到底立法府の責任を果たしたとは言えません。 従来から我が党も提案してきた認可外保育所の届け出制や保育士の法定化、児童委員の法定化などは当然必要な改正ですが、同時に認可外施設への財政支援なども欠かせません。全体として、待機児解消、保育所増設という国民の切実な要求に対する国の責任を棚上げにし、保育を市場原理にゆだね、公的保育制度の解体をもたらす本法案には賛成できないことを申し述べ、反対討論を終わります。
○委員長(阿部正俊君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 児童福祉法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿部正俊君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました児童福祉法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合、自由党及び無所属の会の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童福祉法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。 一、認可外児童福祉施設に対する監督の強化、児童委員の活動の活性化等を通じて、児童の死亡事故防止等の安全確保や児童虐待の未然防止に万全を期すこと。 二、保育所の待機児童問題については、その解消を目指して、保育所等の整備、受入れ児童数の拡大を図るとともに、延長保育、休日保育、乳幼児健康支援一時預かり事業、放課後児童クラブなどを少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランに基づき着実に推進すること。その際、子どもにとってより良い保育を充実させる観点から、量の確保のみでなく、質の確保を図ることに十分留意すること。 三、公有財産の貸付け等の措置により保育所の設置運営を行う場合は、市町村が情報を公開し、保護者の理解を得る努力をするよう指導すること。 四、保育士の養成課程の充実等、保育環境の改善に引き続き積極的に取り組むこと。 五、「児童の権利に関する条約」の趣旨を踏まえ、児童福祉法の理念及び在り方等について早急に検討し、その結果を踏まえて必要な措置を講ずるとともに、施策の実施に当たっては、児童の最善の利益を考慮した取扱いが図られるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(阿部正俊君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(阿部正俊君) 全会一致と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいま御決議のありました本法案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十分散会