厚生労働委員会 第6号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/11/06
会議録
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨五日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府大臣官房審議官梅村美明君、内閣府大臣官房審議官谷内満君、外務省経済局長北島信一君、文部科学大臣官房審議官上原哲君、厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局長宮島彰君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省保険局長大塚義治君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長小林芳雄君、中小企業庁次長小脇一朗君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、牛海綿状脳症問題及びクロイツフェルト・ヤコブ病問題に関する件を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中原爽君 おはようございます。自民党の中原爽でございます。 本日はBSE、ボバイン・スポンジフォルム・エンセファロパチーにつきまして、現在いろいろ社会情勢の中で対応がなされているところでありますけれども、病態論と申しますか、この病気の全体像がまだ解明されていないわけであります。しかし、原因といいますか、病因論といいますか、そういったものが一応目に見える範囲内で今わかってきているわけであります。 それで、このBSE発症の病因論あるいは病因的根拠というふうに言われておりますのが異常プリオンたんぱく質ということでありまして、その摂取によりまして体内の増殖、それから蓄積に基づいて症状が発生するということでありますけれども、基本的にこの牛にかかわります問題というのは、草食動物でありますので、草食動物が肉食化するということは生物学上あり得ないわけであります。しかし、一九五〇年代から英国で牛の肉骨粉を飼料として牛に与える、すなわち草食動物であるべき動物が自分の同種族のものを食べるという形になるわけでありまして、いわゆる共食いが起こると、こういう現象であります。これが、一九五〇年代からずっと引き続いて恒常的に飼料を投与する、与えるということが行われたわけであります。結局、草食動物が日々同種の肉、骨を飼料として食べると、こういう状況が続いているわけであります。そこで、この何世代にもわたって自分の身体を食べ続けるということの中でこういうようないわば遺伝子的な生体異常が起こると、こういうことではないかというわけであります。 しかし、言われておりますのは、この異常プリオンたんぱく質というものが自分の身体と同じものであるというわけでありますから、経口摂取をする、たんぱく質を経口摂取いたしますと腸管で一たんアミノ酸に分解されて吸収されるわけでありますけれども、この異常たんぱく質は分解されないままたんぱく質の状態で自分の身体ということで吸収されるということなんでしょうか、その辺はよくわかりませんけれども。そして、それが神経組織に運ばれる。そこで、本来使い古されたこういうたんぱく質はいずれ分解されるわけでありますけれども、それが分解されない状態のまま蓄積をしていくと、こういう現象であろうということであります。 したがって、問題は共食いをするという状況を人為的につくってしまった、本来自然の摂理に反するようなことを人為的に長期間にわたって、牛の何世代にもわたって異常な状況を人為的につくったと、こういうことであろうというふうに思います。 同じような共食いと言われる状態について人間でも起こっているわけでありまして、かつてニューギニアの東部、フォア地区と呼ばれる高地、二千メートル級の高地でありますけれども、そこに未開の民族三万人ほどが文明を隔離された状態で幾世代にもわたって生活していた。一九三二年に初めて発見されたということでありますけれども、この部族は部族間の抗争あるいは死者に対する儀礼的なことから同種族の身体を食べるという状況のことがございまして、いわゆる人肉食、カンニバリズムと言われる状況を何世代にもわたって繰り返してきた、その結果いわゆるヤコブ病類似のクールー病という病気が発生しておるわけであります。三万人の中で年々二百十名ほどが死亡するということだそうでありましたけれども、これは主に死者の脳、脊髄、いわゆる神経系統を調理するということでありまして、その調理にかかわった女性の発生率が六〇%に達するという状況であります。幾世代にもわたって繰り返しておりますので、遺伝的ではありませんけれども、垂直感染が起こる、母親から新生児に病気が移行するということでありまして、小さいお子さん、四歳ぐらいから既に発病するという状況であります。 このことについてオーストラリアの政府は、こういう悪習慣をやめさせるということ、もちろんこの習慣の是正を行いまして、その後、一九五七年以降このクールー病と言われている病気の終えんがといいますか、発病がどんどん減っていくという状況になったということであります。 これはいわゆるヤコブ病とは少し状況が違います。言うならば、まともに共食いをしたという状況下にあるわけでありますので、発病の形態は、いわゆる痴呆の症状が起こるのは非常におくれた形で起こりますけれども、クールー病のクールーというのは震えるという意味でありますので、運動神経の麻痺の症状が先に起こるということだそうであります。 こんな状況下にあるということでありまして、結局、共食いをさせる、嫌な表現でありますけれども、同種族のものが同種族のものを食べるという状況が幾世代にもわたって続くとこういうような異常が起こる。すなわち、神経組織というのは生体からいうと非常に原始的、古い組織でありまして、免疫機構が本来働かない部分というふうに考えていいと思います。したがって、排除すべき異物に対する抗体ができない状況にあるということであります。 そんなことで、現在、牛に係ります異常プリオンたんぱくの蓄積というのは、WHOのデータによりますと脳組織に六四%ぐらい、脊髄に二五%、合わせて九〇%近い八九%前後ということでありまして、ここに異常プリオンたんぱくが集積をするということであります。 そういう意味で、これからこういう基本的な共食いの状態をやめさせる、すなわち自然の摂理に反するような、いわば今様の言葉で言えば環境汚染ということ、こういうことを中止させる、法的に措置をするということがまず基本的な立法府としての考え方でもあろうかというふうに思います。 そういうことで、このクールー病と言われる病気が終息に向かっている、こういう疫学的な見地から見まして、今後とも草食動物である牛に同一種族の牛由来の肉骨粉の使用を制限するような明確な法令上の対応を講ずるべきだというふうに思いますけれども、この点につきまして農水省の所管部局の御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話しございましたように、WHOの方からも、一九九六年四月でございますが、反すう動物の組織を用いた飼料の原料につきましては反すう動物に給与すべきではないと、こういった勧告も出されているところでございます。この勧告を受けまして、一九九六年四月にその旨の指導通知を発出いたしました。 また、ことしの九月十八日からでございますが、いわゆる飼料安全法に基づきます省令を改正いたしまして、こういった牛などからつくられた肉骨粉、これを牛へ給与することは法律上禁止する、罰則を伴う禁止措置ということにしたところでございます。 今後とも、こういった対策によりまして牛からつくられた肉骨粉が牛に使用されることのないよう、生産段階、生産者の皆さんへの周知徹底も含めて、指導の徹底を図っていきたいと思っているところでございます。
○中原爽君 ありがとうございました。 それでは、引き続きまして現在問題になっております医療制度の改革につきまして二、三御質問を申し上げたいと思います。 私の手元には医療制度改革試案、九月二十五日付の資料をいただいておるわけでありまして、ただいま机上に資料二種類を配付申し上げていると思います。最初のページは厚生労働省の老人医療費の伸び率管理の考え方を少し要約いたしましてまとめたもの、二枚目は厚生省の資料でありまして、伸び率の考え方についての図式ということでございます。その二枚を配付させていただいております。 最初にこの配付を申し上げた資料につきまして確認をしていきたいと思いますけれども、まず伸び率管理につきましては目標年度の目標値を設定するんだということであります。それには高齢者増加数と目標年度の前年度において直近二カ年のGDP実績と目標年度について、その目標年度で予測されるGDPの見通しの数値、すなわちこの三年間のものを勘案して設定するんだということであります。それが一つ。 そして、その点については、この目標値をBということで表現をしますけれども、そうすると今度は老人医療費の伸び率管理の設定方法というのが、診療報酬の点数に十円単価、一点単価十円を掛けて、それに縮減率のA分のBを掛ける、こういうことで算定をする、伸び率を抑えるための算定方式を出すということでありまして、しかし目標値よりも実績の医療費が大幅に伸びたということについて、その実績値をAというふうにあらわすわけでありますので、AとBの差の部分が過剰になった、オーバーした医療費になるわけであります。その分を算定して翌々年度で調整をする、こういう方式であります。 ここで診療報酬の点数、例えば初診料、診療所で二百七十点でありますので、それに一点単価十円を掛けます。したがって、医療機関が初診料を請求する金額は二千七百円になるわけでありますけれども、しかしそれにA分のBの短縮率、縮減率を掛けますので実際には二百七十円掛ける十円にはならない、単価が十円ではなくて九円ぐらいに下がるということであります。そういうふうに理解をしてよろしいと思いますので、そんなことをこのページに書いております。 したがって、御質問申し上げたいと思いますのは、最初に高齢者数の増加分の算定ということでありますけれども、この算定の基準が書かれておりませんので同様な資料、例えば国立社会保障・人口問題研究所のデータであるとか、それからGDPにつきましては、現在、二〇〇〇年の国内総生産五百十三兆円、それを国民一人当たりのGDPの金額に換算しますと四百万円、それを二年プラス一年の予測値を勘案して計算をするということでありまして、これが全体的に、十一年から平成十三年の平均で〇・八ぐらいを見越すということでありますけれども、実際にはもう平成十年からこの数値はマイナスになっております。 そういうことで、このあたりについてどういうふうに考えたらいいかということをお尋ねしたいと思います。高齢者の増加数の算定の基準、それからGDPにかかわりますこの考え方ということでありますけれども、説明はこういうふうになっておりまして、現在まで診療報酬改定は二年ごとに実施され、あわせて医療経済実態調査の結果が中医協、中央社会保険医療協議会において検討、審議されて、今回の伸び率管理における医療経済実態調査ということのかかわりについてもお尋ねしたいと思います。 現在まで二年ごとに診療報酬改定をしておりまして、その中でその年間にかかわります医療経済実態調査の結果を踏まえて次の二年後に診療報酬改定を行うかどうかということを中医協で検討されたということであります。そういうことが行われておりましたけれども、今回、この管理方式で考えますと、一年ごとに、毎年度ごとに管理が行われるわけでありますから、二年ごとの診療報酬改定とこの一年ごとの管理方式ということがダブってくるわけであります。したがって、その間に行われます医療経済実態調査の活用はどういうふうになるのか、これをお聞きしたいというふうに思います。 それから、先ほど申し上げましたけれども、一点単価十円ということで計算をしてきたわけでありますけれども、それが短縮率、縮減率を掛けますので一点単価十円以下に下がるというふうな現象がこの部分、老人医療費の部分で起こるということになります。そのことが、若人の方の短縮率、縮減率を掛けない、掛けていない部分の従来と同じ一点単価十円の部分との二つの状況が起こり得るわけでありますので、そのことについて法的な根拠があるのかどうか、これをお尋ねしたいというふうに思います。 それから、もう一点、続けてお時間の関係で申し上げますけれども、医療機関が払っております消費税というのがございまして、医療薬品、医療材料、診療材料、診療の消耗品、器具、備品、それから給食にかかわります材料費、それから歯科の場合ですと外注技工料、こういったもの、それから医員の通勤手当、それから課税ベースとしてのリース代でありますし、光熱水費、こういったものを医療機関が消費税を払っているわけであります。平成元年の三%改定のときは医療費ベースで〇・七六%の改定率を診療報酬に乗っけてもらいました。それから、今度の五%の改定のときは、これも〇・七七%診療報酬に消費税引き上げ分を乗せてもらうと、こういう格好になっているわけであります。 ですから、今度は二種類出てくる。若人の調整率が掛かっていない分、それから老人医療費の調整率が掛かっている分、それぞれ消費税というものに対する考え方をどういうふうに考えたらいいのか、この点をお聞きしたいというふうに思います。 それから、現在までフランスの制度、外国の制度、この管理制度が問題になっておりまして、フランスで行われたこの管理制度は、一たん医療収入として医療機関に入った収入から過剰になった分をまた戻させるという制度がかつて行われまして、これは憲法違反だということになりました。したがって、フランスは一九九九年以降、古い制度を改正しまして、一たん医療収入として医院のところに入った収入をまた吐き出させるというようなシステムをやめたということでありまして、医療費全体の総枠管理ということで公的な病院あるいは私的な病院、診療所あるいは老人施設、そういうことの区分で総枠の医療費を振り分けると、こういう制度に変えたということであります。 このことについて、この厚生省の試案の中でのこういった管理のシステムということとフランスで行われたものが変わったということについて、厚生省、今まで御説明されてこられたと思うんですけれども、その点を再度お聞きしたいというふうに思います。 以上、たくさん申し上げましたけれども、よろしくお願いをいたします。
○政府参考人(大塚義治君) できるだけ簡潔に御答弁申し上げたいと存じますが、お示しの資料につきましては私どものさきに公表いたしました改革試案の内容を整理をいただいた資料というふうに受けとめております。 それで、厚生労働省試案でお示しをいたしました、提案をいたしました老人医療費を対象とした伸び率管理制度につきましては、その趣旨につきましては御案内のとおりでございますけれども、医療、特に老人医療費の伸びが高齢化という背景もありまして大変大きいものですから、今後の中長期の医療保険制度の安定のためにその点の適正な伸びというふうな仕組みを導入したいということでございます。 その具体例で、幾つか具体的な事項についてお尋ねでございました。 まず、高齢者人口の増加、これは高齢化に伴う不可避の変化ということでございますから、私どもの案ではこれをいわば考慮をすることにいたしておりますけれども、その計数につきましては基本的には国立社会保障・人口問題研究所、先生お示しでございましたけれども、その将来推計人口を使いまして当該年度の人口を算定するという考え方をいたしております。 それから、今度は経済指標との関連で、過去二年及び直近の見通しのGDPの平均を三カ年平均をとるという案でございますけれども、一つには、単年度のGDPの計数ですとその振れ幅が大変大きくなる可能性があるということで、それは、中期的と申しましょうか、三年程度の平均をとることがなだらかな変化という意味でも適当だろうということで三年平均をとりました。もちろん、できるだけ実績に近いもの、あるいは現実に近いものということでございますので、その中に当該年度の見通しというものも加味するということにいたしております。 この加味する見通しのGDPの率につきましては、毎年末に閣議了解という形で示されます政府経済見通しの数値を使うのが妥当ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。 それから、診療報酬改定時に行われます医療経済実態調査の関係でございますが、これもお話にございましたように、診療報酬改定は、医療経済実態調査によりまして医業経営の実態を把握すると同時に、物価や賃金の動向、経済の動向あるいは保険財政の動向などなど、総合的に勘案して改定が行われるということになっているわけでございます。伸び率管理制度が導入されましても、医業経営の実態を把握するということは当然必要なことでございますし、そのための医療経済実態調査も実施をするということについては従来と変わりないと考えておりますが、おっしゃいますように、この伸び率管理制度は、毎年度毎年度目標が定まり、その実績を見て調整するということでございますから、毎年度のことでございます。一方、その診療報酬改定につきましては、いわばその診療報酬の配分係数でもあるわけでございまして、そのときそのときの医療のあり方にも関連する事項でございますから、二年に一度というのは法令上の定めではございませんけれども、私どもの今の段階の認識では、ほぼ従来のような考え方でこの診療報酬改定の議論が行われると、こんなふうに考えておるところでございます。 それから、一点単価を十円そのものは動かさないわけでございますけれども、診療報酬点数に単価を乗じたものに調整率を掛けるということでございます。実質的に単価の引き下げと同様の効果ではないかと、こういうことでございますれば、ほぼそれに近いものであることは否定いたしませんけれども、考え方といたしましては、全体の老人医療費のお支払いする額を、端的に言いますと、老人医療費全体を調整をするという考え方で、単価そのものを調整するという考え方にはいたしておらないわけでございます。そういう意味では、高齢者医療におきましてもその他の一般の医療におきましても、現在の仕組みにおける診療報酬の一点単価、これは共通のものという制度上の整理をしたいと考えております。 それから、消費税に関連するお話がございました。 これもお話の中にございましたように、消費税の導入時あるいは引き上げ時に所定の改定が行われまして、診療報酬の中に組み込まれているわけでございますが、今回の伸び率管理制度は、個々の経費あるいは費目に着目いたしまして所定の率を掛ける、例えば単価を変えるという仕組みではございませんで、ただいま申し上げましたことと重なりますけれども、全体の医療費に一定の調整率を掛ける、もしオーバーした場合でございますが、そういう仕組みでございますので、個々の経費に着目した措置ということではございませんので、その中で消費税がどういう直接的な影響を受けるかと、こういう形ではないということを御了解賜りたいと思います。 最後に、フランスにおきます事例でございますが、これも御紹介ございましたが、九九年社会保障予算法という法案の中で、開業医の医療費につきまして医療費の目標額を定めまして、これが超過をする場合には診療報酬引き下げ等の措置をとり、さらにその目標額を結果的に超過した場合には前年度の報酬に応じて各開業医から返還を求める、連帯して返還を求める、こういう案が一度法案として成立をいたしました。その実施前に、憲法院という組織のようでございますが、憲法判断がございまして、憲法に触れるのではないかということで、その後、改めて二〇〇〇年の社会保障予算法でいわば修正が加えられたと、こういう経過をたどっておると承知をいたしております。 その憲法判断でございますが、医療費の超過が見込まれる場合に診療報酬を調整する、あるいは見直す、これはそれ自体憲法に反しないけれども、各医師に対しましてその行動に関係なく超過分を返還させる、これにつきましては医師間の平等を阻害する、あるいはそれに反する、侵害するということで違憲という判断が示されたと。 私どもの今回お示ししている案は、ある意味では将来に向かっての調整ということで、もちろん返還をお願いするということではございませんで、そのままの傾向が続くならば高齢者の医療費が非常に大きくなる、その点を調整する、将来に向かって調整するための措置、中長期的に見れば一定の伸び率に収れんをしていくだろう、こういう考え方の提案でございますので、フランスで違憲とされました仕組みとは全く異なるものと考えております。 なお、全般を通じてでございますけれども、これも御案内のとおりで申し上げる必要もないのかもしれませんが、今回の私どもの案でございますと、高齢者の伸びを勘案するということから、総体としては恐らく高齢者医療費は絶対額としてはやはり増加をすることは避けられないと思っております。ただ、その伸びを、あるいは伸びの傾向を極力なだらかなものにするという考え方だというのが一つでございます。 それから、目標値を定めましても、その次にやるべきことは、できるだけその目標値の範囲になるように、例えば診療報酬もその一つの手段でございましょうけれども、さまざまな健康づくりその他の医療費の適正化対策を講じてこの目標の中におさまるようにそれぞれの立場で御努力をいただく、行政も努力をするということを前提に、その上でなおかつ結果的に目標を超えた場合の措置として調整をお願いする、こんな考え方でございますので、御承知のこととは存じますが、つけ足しをさせていただきます。 以上でございます。
○中原爽君 時間になりましたので、終わります。 どうもありがとうございました。
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。 きょうは、本委員会の検討テーマでございます牛海綿状脳症問題及びクロイツフェルト・ヤコブ病の問題につきまして、当局の見解をたださせていただきたいと存じます。 欧州に引き続きまして、本年、我が国でも不幸にして狂牛病の牛の発生が確認され、以来、国民の食生活に大きな不安を与えています。イギリスではこれまで狂牛病の感染牛は十八万頭と言われておりまして、また牛から人に感染したと思われる変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病、vCJDが百六例報告されております。 厚生労働省によりますと、日本では人への感染例はまだないとされておりますけれども、先日vCJDの疑いがある症例があると報道されるなど、人への感染に対する国民の不安は大きく、加えてその有効な治療法がないということが国民の不安を一層かき立てるものとなっております。 新聞報道によりますと、既にアメリカではvCJDの治療にキニーネ系のマラリア薬であるとかあるいは向精神薬を使って臨床研究が開始されて著効を示した症例もあるというふうに報道をされております。 厚生労働省は、CJDについて、平成九年から特定疾患治療研究事業の対象疾患として治療法についての研究を推進し、また脳科学研究事業においては堂浦九州大学助教授を研究班長としてCJDの治療薬の臨床試験を開始すると聞いております。CJDの治療法とか治療薬の開発というのは、これは非常に国民が待ち望んでおりますので、関係者の方々はぜひ全力を傾注してこの研究を進めていただきたいと考えます。 ただ、このCJDにつきましては、なお解明すべき点も多々あるというふうに言われております。プリオン自体の研究であるとか、TSE、伝染性海綿状脳症に関する基礎的な研究あるいは原因究明の研究等、総合的な研究をいわゆる体系的なシフトで精力的に進めなければなかなか国民の不安を取り除くことはできないのではないかと考えますけれども、この件につきまして厚生労働大臣の御見解を伺いたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘をいただきましたとおり、このCJDに関します治療法というのはまだ確立をされていないわけでございまして、早くやはりこの治療法を確立しなければならないことだと私も思っております。ひとつ研究班の先生方にも御努力をいただいて、そして早く何か明るい見通しを持ちたいというふうに思っているわけでございます。 先ほどお話もございましたとおり、マラリアの治療薬でございますキニーネを用いました治療法の開発というのが進んでいるということを私も承っておりますが、まだしかし動物実験の段階でございまして、そしてこれを本当に治療薬として用いるというところまでは現在のところ至っていないというふうにお聞きをいたしております。こうした新しい試み、新しい考え方をぜひ先生方に研究をしていただきまして、一日も早くそういう段階になるように我々も努めなければならないと考えているところでございます。CJDの発症の機序の解明も含めまして、ぜひ我々取り組まなければならないというふうに思っております。 先ほど中原先生からも大変含蓄のあるお話をいただきましたが、そうしたことも含めて大きな視野でもってこの問題に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
○藤井基之君 厚生労働省におきましては、平成八年にイギリスにおける変異型のCJD患者十名がBSE牛との接触と関連している可能性が高いんだという、そういう判断をされた、それを受けて平成八年、イギリス産の原料の医薬品等への使用を禁止したほか、平成十二年にはBSE牛の特にヨーロッパにおける広がりを配慮して、その規制の対象国を拡大するなどの措置をとられるとともに、危険性を回避するために狂牛病発症地域の原料を用いた製品等についてリスクに応じた回収を指導するなど積極的な行政対応をしていただいていると考えております。 ただ、医薬品等を見ますと、古くから非常に広く利用されておりました漢方薬でありますとか民間伝承薬のこれらの原材料にも、例えば牛の臓器等に由来する成分が含まれている、そういった製品も少なくありません。患者や消費者の中には、これまで使っていたにもかかわらず、ある日突然必要な医薬品が入手できなくなってしまったという事態が発生しまして戸惑いを感じている人もいるという、そういった状況になっております。 私は、厚生労働省が製品の回収を指示しリスクを減ずるという、これはそれで非常に立派な行政的な対応だと考えますが、それだけで十分かというと、やはりまだもう少しあわせて行政対応をしなければいけないことがあるんじゃないでしょうか。今回の措置によって影響を受ける例えば医薬品等につきましては、例えばこのような代替品だったらかえて使用することが可能ですよということを情報としてお示しするとか、あるいは代替成分へのスムーズな切りかえを可能にするような行政措置をあわせてとるとか、さらに必要であれば国において代替品の調査とか研究開発を行うとか、あるいは民間が行っておる研究開発に対する積極的な支援体制をとるとか、幾つかあわせて行政的に対応しなきゃいけないことがあるんじゃないかと考えますが、これにつきまして厚生労働省の御見解を伺いたいと存じます。
○政府参考人(宮島彰君) 医薬品、医療用具、医薬部外品及び化粧品のBSE対策につきましては、今もお話がありましたように、EUでのBSEの拡大を受けまして、昨年十二月の時点で、原産国のいかんにかかわらず、いわゆるリスクの高い危険部位の使用を禁止しますとともに、狂牛病発生国または発生リスクの高い国を原産とする原料の使用を禁止するよう指導してきたところでございます。 これに基づきまして、各社とも予防的な措置としてリスクの高い部位を含まない製品への切りかえに努めていただいておりまして、いわゆる一部変更承認申請につきましても優先的な審査を行ってきているところでございます。現在のところ、相対的にリスクが高いものを中心に、おおむね順調に切りかえが進行しているものと思っております。 また、さきの日本におきますBSE感染牛が確認されたという状況の変化を踏まえまして、去る十月二日に、いわゆる原料の使用を禁止する原産国の範囲を日本を含めたものに拡大して、同様の原料の切りかえを各企業にお願いしているところでございまして、これにつきましてもそのための一部変更承認申請の優先的な審査を現在進めているところでございます。 今、先生から御指摘いただきましたように、医療上の必要性をやはり十分確保しつつこういったものをしなければいけませんので、医療上の必要からやむを得ない場合には、代替原料の入手が困難であるとか、あるいは新たな原料の製造に相当な時間を要するというものにつきましては、必要な安全性に関する確保措置を講じた上で、一部変更承認までの間、製造・輸入を認めているという措置も行っております。 さらに、ほかに代替する医薬品がないなどによりまして、切りかえに伴いいわゆる治療上のデメリットが発生する可能性がある場合につきましては、一部変更承認手続も他と区別いたしまして、よりきめ細かな指導を行うということができるように審査担当課がいろいろ相談に応じ、そうした手続についても公表しているところでございます。 それから、医薬品の開発につきましては、国民の健康を守る観点から必要でありますので、そのための研究助成をこれまでも行ってきているところでありますけれども、先生の御指摘の点も踏まえまして、今後引き続き必要な助成について行ってまいりたいというふうに思っております。
○藤井基之君 この狂牛病とは別に、人におけるCJDというのは、これはどうも人口百万人に一人の割合で発症すると、こういうふうに言われているわけです。 厚生労働省の感染症調査によりますと、日本では毎年約百例の症例が報告されております。これらの発症例にはいわゆる孤発性のもの、遺伝的素因が疑われるもの等に加えて移植された乾燥硬膜による感染例も含まれております。プリオンに汚染された乾燥硬膜によるCJDの発症というのは、これは生物由来の医薬であるとか医療用具等の安全性に対してどのような確保策を講じればいいかという、これに対して大きな警鐘を鳴らしている問題だと考えております。過去、我々は血液製剤によって肝炎の発生を見たりあるいはエイズの発生等、不幸な経験を幾つも経験してきているわけです。そのような反省に立ってこの種の対応というものを講じなければならないと考えます。 近年においては、バイオテクノロジーの発展によりまして、例えば再生医療等を目指して、培養皮膚であるとか培養軟骨など新しいタイプの医薬品だとか医療用具の開発が進展しております。これらの製品が開発されて供給されるということは患者にとっては大きな福音を与えるものでありますが、しかしこれらの原材料となるものは人や動物の細胞や組織を用いてつくるわけですから、ドナーでありますとかあるいは製造過程の中で感染因子が混入する危険性が想定されるわけでございます。 こうした生物臓器とか生物由来の医薬品とか医療用具、いわゆるバイオロジックスと、こう呼ばれているものについて、これは化学的な合成医薬品とは異なりまして、先ほど申し上げたように、ドナースクリーニングによって安全な原料を確保しなきゃいけないとか、製造段階ではバイオロジックス特有のコンタミ防止の策が必要となるなど多くの施策が、特にバイオロジックスの特性に応じて、それに従った安全対策であるとか承認審査というものが必要になってまいります。加えて、この種の新しい製品は有用性が非常に高いと言われておりまして国際的に流通をする動きがあります。 このグローバル化等にも対応して、国際的な動向も踏まえて、我が国におけるこれら商品の安全性確保、審査というものを充実していかなければいけないのではないかと考えますが、この種バイオロジックスに対しての承認審査の問題、これについて私は強化する必要があると考えておりますが、これに対して厚生労働省のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○政府参考人(宮島彰君) 人や動物の細胞、組織に由来する医薬品、医療用具につきましては、従来より血液製剤、ワクチンといった一部の製品につきましては生物学的製剤基準というものを設けましてその品質向上を図ってきたところでございますが、現在、先生から御指摘いただきましたように、特に感染症対策を中心とする安全性確保の重要性が増してきているところでございます。 このため、平成十一年七月に、通知によりまして、こうした細胞、組織に由来する医薬品に係る治験計画の届け出を行う前に治験依頼者が厚生省に品質及び安全性の確認を求めるシステムを整備いたしました。さらに、平成十二年十二月には、中央薬事審議会バイオテクノロジー特別部会におきまして、それまで約一年半余りの御審議を受け、先生御指摘のいわゆる国際的な動向も踏まえた審議を重ねて、基本的な考え方を昨年の十二月にまとめていただきました。これを受けまして、本年四月に医薬品、医療用具の製造管理・品質管理規則、いわゆるGMPと言われるものでございますけれども、これを改正しますとともに、新たに細胞組織医薬品及び細胞組織医療用具に関する基準というものを定めたところでございます。 今後とも、原料段階でのドナースクリーニングから使用段階のいわゆる情報収集、こういったものまで一貫した安全対策を確保するため、一層のレベルアップを図るべくさらに努力してまいりたいというふうに思っております。
○藤井基之君 厚生労働省が去る十月三十一日に都道府県あてに通知を発していらっしゃいます。「ウシ等由来原料を用いて製造された医薬品、医療用具等の自主回収の取扱いについて」という表題の通達でございます。この通達を見ますと、この中にいわゆる厚生省が把握されておる、リスクが高いか低いかというリスクのこういう高低、そしてそれに伴って行政的な措置あるいは自発的な措置をどういうふうにとらせるかという考え方を述べられている。 これによると、リスクが高くて市場より直ちに回収を行うよう要請した品目というのが四十四品目というふうに記されておりまして、そしてその約九割に当たる三十九品目というものは実はこれ医療用具という分類のものです。また、この四十四品目のうちを見ますと、いわゆる狂牛病の発生国であるとかあるいはリスクが非常に高い国を原産国としている、そしてなおかつリスクの高い牛の部位を使用しているという、そういう厚生労働省としては最もリスクが高いんだと、こう判断した十品目、これはすべて医療用具ですよね。 医療用具というのは、我々としては、言葉としては余りなじみがないんです。でも、御案内のように、この医療用具というのは今まで私ども一般的に考えるメスやピンセットのように一過性で使用するものだけではなくて、乾燥硬膜であるとかペースメーカーのように永続的に体内に残るものもある。使用者の、追跡調査が必要になるケースも考えるなど、原料の段階から使用に至るまで一貫した安全対策、そういったものの強化がこの医療用具に対しては必要であるというふうに私は考えております。 これまでの厚生労働省の医薬品等の安全対策というと、ともすればキノホルムであるとかサリドマイドによる副作用等々のように、医薬品というものがどうも念頭に置かれていたのではないかと、そういうふうに考えられます。 ただ、医療用具につきましては、今申し上げたとおり、生物臓器に由来する医療材料等からME機器であるとか器具器械に至るまで、医薬品よりはるかに多種多様な商品群が医療用具というふうに分類をされておりまして、またそれらを製造する企業であるとか取り扱い企業等もこれさまざまな業態がかかわっているわけでございます。 私は、医療用具の審査であるとか製造であるとか安全対策とか販売、使用等、医療用具の薬事法の規制のあり方というものは、今までともすればどうも薬事法の規制というのは医薬品の規制を先に決めておいて、どうも医療用具はそれを準用するような形で対応していたんじゃないかという節が見られてならないんですが、私は、医療用具の特性を踏まえて法改正も視野に入れたような体系的な見直しをする時期に来ているというふうに考えますけれども、これに対しまして厚生労働大臣のお考えがありましたらお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(坂口力君) これも御指摘をいただきましたとおり、医薬品が今まで中心でございましたが、最近は医薬品もさることながら医療器具あるいは医療機器も非常にふえてきましたが、その中で体内に入れます医療器具というものが非常にふえてまいりました。 また、今後はバイオでありますとかゲノムでありますとか、こうした方面に大変大きな広がりを示すことが予測されておるわけでございます。そして、これらのものにつきましては、例えば濃縮をいたしますとか培養をいたしますとか、さまざまなことがついて回るわけでございますから、生体の中に入れますその物質によります感染その他のことが大変心配になるわけでございます。これらのことにつきましては、今まで以上にひとつ調査をし、そして注意をしながら新しい開発を進めていかなければならないというふうに考えております。 今までは、人や動物の細胞でありますとか組織を使いますときに、それはビールスでありますとか細菌でありますとか、そうしたものだけを見てきたわけでございますが、今回のこのCJDを見ましてもわかりますとおり、ビールスでもあるいは細菌でもない新しい形の伝播が起こってきているわけでございますし、これからもまた新しいものが起こる可能性なしとしないわけでございます。 したがいまして、各般にわたってこれから研究も進め、そして配慮をしていかなければならないだろうというふうに思っておりますが、特に医療用具の規制のあり方につきましては、御指摘をいただきますように今までのものは医薬品を中心にしてきたわけでございますので、これは医薬品だけではなくて医療用具につきましても十分な配慮をしていくという意味から、この法律の目をもう少し広げていかなければならない、現在までの法改正を視野に入れてこれから検討を進めていかなければならないと考えているところでございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。 またBSEの問題に戻らさせていただきたいと存じます。 国におきましては、狂牛病感染牛のチェックのために、家畜衛生保健所におきます牛の全頭検査に加えまして、食肉として処理する際に食肉衛生検査所において牛の全頭検査をする体制、それを強化されていると伺っております。 ところで、この狂牛病の検査に用いられる試験キットというものがございますが、これについては我が国ではこれはその流通に関しては薬事法の承認がなければ一般流通できないと私は理解をしております。今般、国が緊急避難措置として検査キットを入れられまして、そしてそれを国が、形式的に国が調査研究用として輸入して、それを検査に今は使っているという。これは現時点において緊急避難だということで、私はそれはやむを得ないと考えておりますが、これから先まだ永続的にこの検査をしなければいけないわけです。そうしたら、検査の信頼性を担保するためには、やはり今後はこういった国内での承認審査といいますか、そのキットの効果であるとか品質等の検討を十分受けて、厚生労働大臣、農水大臣がこれならちゃんと結果が出るよと、そういうお墨つきを与えたそういった商品を確保してそれらの安定的供給を求めるのが筋だと考えておりますが、現在、キットの承認審査というのはどのような状況になっているか、農林水産省の方からお答えいただきたいと存じます。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話ございましたように、BSE検査に用いる試験キット、これはEUで広く用いられているものでございます。 動物用医薬品に該当いたしますので業として輸入する際には薬事法に基づく輸入の承認許可を得ていただくということでございまして、ただ、今般、先月の十八日に開始されました牛の全頭検査におきましては、緊急的な措置ということで国が試験研究用として一括輸入して、それで各都道府県の方に使用してもらうと、こういうことをやっているわけでございます。 今、業者さんの方から申請が来ておりますこの試験キットにつきまして審査を鋭意進めているところでございまして、これは早急に対応いたしまして、これが承認されますと、今度は都道府県もこういったキットを業者から直接入手すると継続的に出回ってくるようになりますので、この審査の方を急いでやっていきたいと思っているところでございます。
○藤井基之君 今そういうふうな正規の流通経路に戻すという方向にあるということで、私はその方が適切だと考えております。 ただ、一つ心配になりますのは、やはりこの検査、都道府県でも非常に御苦労いただいている、国としても御苦労いただいて試験をやっていただいているわけでございますけれども、例えば今国が調査研究用で入れられて緊急避難的にお使いになっている、これをもしも業者にやらせるようになったとき、そのような商品の供給されるときの価格が例えば高くなるとか、あるいはそういったような心配というのがないように、ぜひその辺についての流通について円滑な供給体制を確保できるような御指導をお願いいたしたいと存じます。 さて、時間もありませんので、最後、お話をさせていただきたいんですが、食肉の検査体制の問題につきましては、まさに我が国においては降ってわいたような事件であったというふうに考えます。関係の方々の努力をいただきまして、地方自治体の食肉衛生検査所のいわゆる検査設備の整備でありますとか、あるいは食肉衛生検査所におけるエライザ法の試験検査キットの経費であるとか、このようなものについては予算措置あるいは予算の前倒し等によって国としても御努力をいただいているというふうに伺っておりますけれども、この種の検査というものは非常に国民が心配をしている、本当にちゃんと答えが出ているか、その検査の精度というものは間違いないのか、あるいはその答えというものに対してはちゃんと情報を、いわゆる操作もなくその情報を国民の側に提供してもらえるのかどうか、まだまだ国民はそれに対していろいろ不安を持っているわけです。 私はぜひお願いをしたいんですが、これから先も例えば食肉衛生検査所、今非常に多くの、全頭検査になりましたので、多くの検体がラッシュのような状況になっているわけですよね。で、必ずしもと畜検査員の数が急激にふえたわけでもないわけです。そうすると、限られた人員でこれを処理しなければいけない、しかも時間が限られた中でしなきゃいけない、とするならばこれから先やはり厚生労働省を中心にしてまだまだ必要な施策を打ってもらわなきゃいかぬと思うんですよね。特にこれらの食肉衛生検査所の検査担当職員に対する指導、研修等、地道な対応が要ると思いますし、また精度管理というものに対する配慮も必要であろうと思います。 そして、先ほど検査キットのお話を申し上げましたけれども、検査キットができているからそのキットが最善である、現時点じゃそうかもしれませんけれども、このキットについてもより感度の高い製品というものが研究できないのか、あるいは敏速かつより簡便な検査方法というものが、そういったものが具体化できないのかどうか、このようないわゆる検査の精度管理、ひいてはこれによって国民はより一層安心できるわけでございますから、私はこの種の対応というのはこれからもきめ細かく永続的に続けていただかなければならないと考えております。 私はこれにつきまして一応要望にとどめたいと思いますが、もしも大臣の御決意がございましたら、一言いただけたら幸いでございます。
○国務大臣(坂口力君) 大変大事な問題でございます。これから引き続きまして十分な研究を重ねていかなければならないというふうに自覚をいたしております。
○藤井基之君 ありがとうございました。 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 本題に入る前に坂口大臣にちょっとお伺いしたいことがございます。 大臣は、大臣とは一体どういう立場だとお考えなのか。つまり、これは非常に大事な点なんですけれども、行政のトップとしてというふうにお考えなのか、それとももう一つは、国民の代表として、国の施策を執行する中でその施策をきちんと執行していく立場であって、それからきちんと監督する、要するに国民の側の立場に立って今行政の長としておやりなのか、その点についてまず御意見をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) それは両方ともあると思っております。
○櫻井充君 その中でどちらに重きを置かれていらっしゃいますか。
○国務大臣(坂口力君) それは両方とも大事なことでございますから、両方とも相見てこれはやっていかなきゃならないと思っています。
○櫻井充君 私がここでなぜこんなことをお伺いしているのかというと、要するに組織を守るために大臣というのはいらっしゃるのか、それとも国民の声をきちんとした形で反映するために大臣というポストにつかれているのか、私はその点だけ確認させていただきたいんです。もう一度お伺いしたいんですが。
○国務大臣(坂口力君) それは、私が今日まで、十一カ月ぐらいになりますが、私の過去の姿勢をごらんをいただいて評価をいただく以外にないと思っております。
○櫻井充君 私はハンセン病のときの大臣の対応に本当に感動しております。その意味で、改めてお願いしたいことがございますけれども、クロイツフェルト・ヤコブ病の患者さん方がぜひ大臣とお会いしたいというか、御本人方はもう来られない状況にございますので、ぜひお見舞いに来ていただきたいというような御家族の方の意向もございます。 この点について、大臣、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) お会いをさせていただきたいと思っております。 ただ、私がお邪魔をいたしますときには、ただ単にお見舞いに参りましたというだけでは済まないというふうに思います。やはり、先ほど御指摘いただきましたとおり、行政上のトップにいるわけでございますから、それ相応の思いを持ってお邪魔をしなければならないというふうに考えております。 したがいまして、この十一月の十五日前後というふうにお聞きをいたしておりますけれども、裁判所の方の和解勧告の条件もお示しをいただくというふうにお聞きをいたしておりますから、そうした裁判所の条件もお聞きをし、それに対する私たちの思いも固めながらお邪魔をするのが、これが私の課せられた任務ではないかというふうに思っている次第でございます。
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思います。 そして、実は前々回の衆議院選挙の前に、今、ある国立療養所に入院されている患者さんがいらっしゃいまして、そちらの方のお宅を大臣たしか訪ねていらっしゃるんだろうと思います。写真もございます。その方々が、やはり大臣になったから立場を変えるということではなくて、前々からのおつき合いもありますし、ぜひどういう状況にあるのかということを知っていただきたいというふうなお話もございます。 今の大臣のお話でわかりました。ぜひこの点について前向きに検討していただきたいと思います。改めてお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 今申し上げましたとおり、その言葉に相違はございません。
○櫻井充君 そして、今回、いろいろ裁判中なのでなかなか難しいとは思いますけれども、少なくともちょっとこの点についてだけ確認させていただきたいことがございます。 裁判所の方から、早期、多面的、抜本的、全面的な解決というようなことが示されてきております。まず一つずつお伺いしたいんですが、裁判所から今回早期と、早期に解決しなさいというようなことが提示されていますが、これはなぜ早期に解決しろと裁判所からこのような勧告がなされているとお考えでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) やはりこの病気の特殊性と申しますか、今日までの経過、そしてまた多くの患者さんがお亡くなりになっている、そうしたことを踏まえてやはりこの問題は早く解決をすべきだというふうに裁判所がお考えになっているものと私は理解をいたしております。
○櫻井充君 その裁判所の考え方に対して、つまり早期に解決しなさい、するべきだと、そしてもう一つは、今、原告団の方の中で生存されている方が三名しかいらっしゃいません。正直言うと、いつ亡くなるかわからない状況にあるということも、私は早期解決の道を裁判所が探っているということなんだろうと思いますが、この点に関して、厚生労働省としても早期に解決したいというふうにお考えでございますか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今、委員から、裁判所から私ども勧告をいただいておりまして、早期、多面的、抜本的、全面的と、こうお話をいただきました。大臣から、早期の意味合いについても大臣の思いが今吐露されたところでありますが、おっしゃるとおりで、大臣が申し上げたとおりでありまして、国としても、この問題を早期に解決させたいという裁判所の御意思というふうに理解をいたしております。十分に尊重しなければならぬと、こう思っているわけでありますが、しかしながら、ヒト乾燥硬膜ライオデュラによりますこのクロイツフェルト・ヤコブ病発症の問題につきましては、過去の事実を客観的に見詰めた上で国の法的責任の有無を議論すべきだということが最大の論点でありまして、それは委員も恐らく御承知のとおりでございます。 こうした点に立ちますと、患者さん方がヒト乾燥硬膜の移植を受けられた当時というのは、もう何度も衆議院でも議論されましたけれども、原因因子あるいは感染のメカニズムも不明であった、さらに症例報告も皆無あるいは一件程度であったということからいたしまして、やはり国がその危険性を予見するということは極めて困難であったと、したがいまして国の法的責任は認めがたいというのが今日までの裁判に対する私どもの姿勢であります。 先ほど委員から早期、多面的、抜本的、全面的と、まさにそういう勧告をいただいているわけでありますが、この勧告の意味するところは委員が御指摘のように一日も早くということなんでありましょうが、しかしながら私どもから考えてやはり最大の問題の法的責任という観点等からいたしまして、裁判所のお考えということをさらに伺う必要があるということでありまして、早期にもちろん解決をしたいわけでありますが、裁判所からの具体的な見解、協議の方向性、十一月中旬という大臣からもお話がありました。そうした裁判所のお考えを伺いつつ適切に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 今のことはもう意見書に書かれているとおりでございまして、存じ上げております。 そこの中で、これは意見書の解釈論になってしまうのかもしれませんけれども、最後のところに「被告国の法的責任を前提とした協議には応ずることは困難である。」と、しかし「以上のような基本的考え方に立つものであるが、裁判所を含めた関係者の御意見を伺いながら対応したいと考える。」と。つまり、この文書を読む限りにおいては、国はある程度柔軟な姿勢で臨みますというふうに私は解釈したいと思っておりますが、大臣、これはそれでよろしゅうございますか。
○国務大臣(坂口力君) 裁判所からいわゆる和解勧告をいただいているわけでございますから、現在までのそれぞれの、原告の側の御主張、そして我々の側の、国の側の主張、裁判における主張はそれぞれあるというふうに思います。しかし、和解勧告というのはそのいずれでもないところに裁判所の方がやはり条件をお示しをいただくのではないかというふうに、私の予測でございますけれども、そんな気持ちを持っております。 したがいまして、そのときに双方が今までの裁判におきます主張をそのままでなければ受けないということでありましたら、和解勧告にはこれは応じることができないわけでございますから、この御趣旨に沿ってそこに参加をさせていただいたということは、それはとりもなおさず、今、委員が御指摘になりましたような、やはりある程度の柔軟な姿勢を持って臨まなければならないものと思っております。
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思うんですよ。つまり、その場でお互いの立場を主張し合うということは非常に大事なことですけれども、しかしながら、そこでまず話し合いをした上でお互いが納得するようなところを探り合っていくということが非常に大事なことなんだろうと思うんです。 再度、その繰り返しになりますけれども、そういう裁判所からその所見が出た際に、その裁判所の所見というものを最大限尊重していただけるんでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 裁判所のお示しになります条件がどうしたものかということをお聞きをする前に、それに対する態度を言うことは難しい面がございますけれども、我々は裁判所がそうした、早期に解決をすべきである、そして和解勧告をするという、そういうお立場をおとりいただいたわけでございますから、我々はその裁判所のお立場というものを尊重していきたいと思っているところでございます。
○櫻井充君 私も大臣も同じ医者でございまして、医療人として患者さん、そして家族、そして遺族の苦しみというのはよくわかっている立場の人間だと私は思っております。どうぞぜひ大臣、私は最初に質問させていただきましたが、行政側のトップとしてという立場よりも、やはり国民の代表として、そしてもう一つお願いしたいのは医療人として、そういう態度でぜひこの問題の解決のために当たっていただきたいと、そう思っております。 そしてもう一つ、これは硬膜の移植、つまり頭部の手術をした際にということが随分取り上げられておりますけれども、実は歯科の医療の中でインプラントの際にやはりこういう硬膜が使われているという事実がございます。これがなかなか世間の知るところになっていないわけですけれども、実際今どの程度そういう治療を行った患者さんがいると推定されているのか、それからいつからいつの時期までについては厚生労働省として把握されているのか、この点について教えていただきたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 歯科インプラント分野でのお話でございます。恐らく委員もことしの七月十二日のあの新聞報道をもうごらんになっているんだろうと思いますが、既にマスコミに報道されている内容でもあるわけであります。 それで、歯科インプラント分野でこの乾燥硬膜がどの程度利用されていたかということでありますが、実際に歯科医療機関における使用状況の詳細については私ども承知をしていないところでありますが、実は平成九年三月の「全てのヒト乾燥硬膜に係る回収命令」、この回収命令を受けまして同年五月に日本ビー・エス・エス社から提出のあった回収報告書がございます。この回収報告書の中で、例えばその名称の中に歯科でありますとか歯学でありますとかあるいはデンタルという用語が使用されている医療機関、これにつきまして確認をいたしましたところ、百二十八施設あるということが確認をされているところでございます。 また、この当時までに歯科医師がヒト乾燥硬膜を個人輸入していた状況、これは私も歯科医師ではないから詳しくは知りませんが、個人で輸入をされていたという可能性もあるわけでありまして、じゃそれについて確認ができるかということでありますが、厚生労働省が有しております輸入手続に係る関係書類、これは薬監証明書あたりが確認資料であるようでありますが、この保存年限が三年間ということでありまして、これを経過しているために実態については不明であるという状況でございます。 以上でございます。
○櫻井充君 桝屋副大臣、新聞報道で私が知ったように、そのようにお話しされましたが、私の方が知り合いの歯医者さんからこういう実態があるということを受けまして、そして私の方で厚生労働省の方に調べてほしいというお願いをしているのでございますので、そこら辺は誤解のないようにしていただきたいと思います。 そこで、大事な点は、厚生労働省としてこういう歯科のインプラントの患者さんからクロイツフェルト・ヤコブ病の患者さんが発症するとお考えなのかどうか、その点についてです。その点についてどうお考えですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 私も専門家ではありませんが、歯科のインプラント、この分野で硬膜移植を受けた患者、これがまさに新変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病に感染するのかどうかというお尋ねでありますが、もちろんメカニズムそのものが、機序そのものがまだよくわかっていない段階ではありますが、感染例につきましては、国内外において歯科領域の手術から感染をしたという症例については国内外において一例も報告をされていないというふうに認識をしております。現時点において疫学的な危険性があるとは、必ずしもあるとは言えないという状況であろうというふうに理解をいたしております。
○櫻井充君 今、新変異型とおっしゃいましたが、新変異型じゃないんじゃないですか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 訂正をさせていただきます、医原性のクロイツフェルト・ヤコブ病と。済みません。
○櫻井充君 今、症例報告がないから大丈夫かもしれないというお話をされました。つまり、ここが危機管理のなさなんじゃないでしょうか。 つまり、こういう病気が発病するまでに潜伏期間がありまして、ましてやきちんと診断されるのかされないのかというところも問題がありまして、しかもこれまでそうやって亡くなっていかれた、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなっていかれた方の歯科の治療が行われているか行われていなかったかというチェックもされていないはずなんですよ。 そこで、何を言いたいのかといいますと、今輸血をする際には、提供者は頭部の手術をした既往があるかないかというチェック項目がございまして、そのチェックがあった上で頭部の手術をやっている方の献血というものは受け付けないような形になっているはずです。これは、血液感染というものは今まで一例も示されていませんが、可能性があるということでそういう措置がとられているはずです。これは危機管理からこういうことになっているんだろうと思うんですね。 そうすると、一方で、その当時に乾燥硬膜を使われていると、その乾燥硬膜が果たして危険なものだったのかどうかは定かではありません。ですから、私はきちんと調べていただきたいのと、もしそう疑わしいという形での危機管理をお持ちであったとすれば、輸血業務の中で同じように、そうすると血液製剤が足りなくなりますよという議論になるのかもしれません。そこはどちらを優先させるのかということになると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先ほどから歯科インプラント分野での御指摘をいただいているわけであります。先ほど私が御答弁をさせていただいた中で、疫学的に危険性があるとは言えないという、症例がないという事実だけを申し上げたわけで、決して私どもはこれをもって歯科インプラント分野で大丈夫だというふうに思っているわけではありませんで、多分、委員も御案内のとおり、そうした事実もありましたものですから、日本歯科医師会等に対しましてクロイツフェルト・ヤコブ病の予防に係るヒト硬膜の利用についてということで通知も発出をいたしまして、歯科領域の手術に用いる場合も含めてヒト乾燥硬膜を使用することのないように、万全を期する意味で御通知も申し上げたという状況でございまして、御理解をいただきたいと思います。
○櫻井充君 わかりました。 要するに、何でかというと、今回のBSEに関しても危機管理のなさからこうやって非常に大きな被害を受けているわけでして、早目早目の措置ということが非常に重要なんだということは、これは以前、坂口大臣と我々薬害ヤコブ病問題を考える議員の会の有志が意見交換させていただいた際に、大臣が、今までは疑わしきは罰せずだったけれども、疑わしきはこれから罰していかないとこういった薬害を含めたものは根絶できないなというお話、僕は大臣されたかと思います。 そこで、もう一つ、大臣のお考え方をお伺いさせていただきたいのは、裁判所からその抜本的な解決というお話がございました。この抜本的な解決というのは恐らく私の解釈ではこういった薬害を二度と起こさないようにということも含めてなのではないかと思いますが、この辺の対策について大臣のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これから先の問題とそして過去の問題と両方ございますが、過去の問題はこれなかなか改めるというわけにはいかないわけでございますけれども、これから先の問題につきましては、先ほど御指摘をいただきましたように、これは危険だというふうに感じましたときには、そのことが学問的な結論が出なくてもやはり先に行政上は手を打つ、そして結論として後でそれが問題ないということがわかったときには、それはそれでお許しをいただくというぐらいにやっていかないとこの分野はいけないんだろうというふうに私は思っている次第でございます。 そこは現実にやってみますと非常に難しいところもございます。例えば、昨年暮れから化粧品の問題につきましてEU等からの製品の輸入を禁止するといったようなことをやりますときに、それでは化粧品からうつるのかといえば、それはうつったという例は今までないわけでございますし、また専門家の間でも意見は相半ばするわけでございます。しかし、可能性としてなしとしないということであるならば、それはやはりその対策を講じていくというのが一つのこれからのやり方ではないかというふうに私は思っている次第でございます。
○櫻井充君 ぜひ、ほかの国々ではかなり危機感を持ってこういう管理に当たっているので、その辺についてもきちんと厚生労働省でやっていただきたいと思っております。 そこで、BSEについてお伺いしたいんですが、厚生労働省も、たしか十月十八日だったでしょうか、安全宣言を行われたかと思いますけれども、その安全宣言は何に対しての安全なのか、そしてその根拠をお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) BSEにつきまして我々が十八日に申し上げましたのは、日本におきましてBSEの牛が出現をした、一頭出現をしました以上、これから先さらに出現をしないということはなかなか言えないだろうというふうに思いますが、しかし、たとえ日本の中でさらに出ることがあったとしても、肉として消費者の皆さん方にそれをお渡しするときに、その肉としての段階においてはそうしたBSEの牛の肉をお渡しすることはありません、食品として国民の皆さん方にお渡しするその肉について、あるいはまた内臓について責任を持つという意味でその検査体制を明確にしましたと、こういうことを申し上げたわけでございます。
○櫻井充君 そうしますと、それまで以前、これは厚生大臣にお伺いした方がいいんでしょうか、それとも農水副大臣にお伺いした方がいいんでしょうか、これまで食べていた牛肉に対して、牛肉だけでなくても結構ですけれども、それの加工品でもいいです、そういうものを食べていた者に対して、新型のというんですか、変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病にはなりませんよと、そういう人体に対しての影響は全くないという宣言ではないということですね。
○国務大臣(坂口力君) いわゆる今までの科学的知見に即して言えば肉というのは大丈夫だということでございますから、私は科学的に言えば大丈夫だというふうに思っておりますけれども、国民の皆さん方からすれば、しかしそこはそうはなかなか理解ができない、強い不信をお持ちいただいておるわけでございますので、私は、過去のものにつきましては、それは一度その国の方が抑えるという、これは農林水産省の方で手を打っていただいたわけでございますけれども、その処置は正しかったというふうに思っておるわけでございます。
○櫻井充君 済みません、ちょっと……
○国務大臣(坂口力君) 今のは違いますか。
○櫻井充君 いや、そうじゃないんです。 要するに、過去のものに対しても問題ないということでございますね。
○国務大臣(坂口力君) これまで食べてきたものについてでございますか。これまで食べてきたものにつきましては、それが国内のものでありますのかあるいは外国のものでありますのか、中には海外旅行をしてお上がりになった方もおみえでございましょうし、そうしたすべてについて大丈夫ということを私は申し上げることはなかなかできないというふうに思いますが、これから後は大丈夫ということを申し上げざるを得ない。
○櫻井充君 わかりました。 そうすると、これから後は大丈夫だと、政府がそういうふうに宣言しているわけです。 しかし、現実アメリカは一体今どういうことをやっているかといいますと、十月十二日付ですべての肉類から抽出のエキス製品及び加工品でしょうか、こういったものに対しての輸入制限措置をとっております。 この点について、外務省、このアメリカの判断というのは正しいんでしょうか。
○政府参考人(北島信一君) まず、事実関係でございますが、米国農務省は九月十八日に我が国でのBSE発生の疑いのため我が国からの反すう動物及び反すう動物製品の輸入を九月十日以降制限している旨公表しました。さらに、九月二十八日には当該措置を緊急措置としてWTOへ通報しております。 米国が我が国の牛肉等に対して輸入制限措置をとったことにつきましては、当該措置が暫定的なものであること、現在まで我が国国内での感染経路が特定できておらず、食肉処理時の牛全頭に対するBSEスクリーニング検査が開始されて間もないことからして、今回の米国の措置がWTOのいわゆるSPS協定に違反すると現時点で判断することはできないと考えております。 いずれにしましても、今後とも米国の措置を精査し、必要に応じて内容の照会等を行っていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 そうしますと、ちょっと今重大な発言だと思うんですが、感染ルートがはっきりしないからと。そうであるとすると、感染ルートがはっきりするまでは輸入制限をするという解釈になるかと思いますが、それでよろしゅうございますか。
○政府参考人(北島信一君) 今申し上げたのは複数の事情を申し上げたわけですけれども、恐らく一番大事な要素は、アメリカ側もこの措置を暫定的な措置であると、インテリムという言葉を使っておりますけれども、そういうことで発動していますけれども、いずれにしましてもアメリカ側の措置につきましては、外務省としまして、厚生労働省それから農林水産省等と御相談して、要すればいろいろなことを申し上げていきたいということです。
○櫻井充君 私がお伺いしているのはその点じゃありません。要するに、感染ルートがはっきりしなければ輸入制限措置は解除されないということですか。
○政府参考人(北島信一君) その点はほかのこともいろいろ考えてということだと思います。 ただ、その時点で感染ルートが特定できていなかったということは、アメリカ側としてもこの措置を暫定的に発動するに当たって考えた要素ではなかったかというふうに思うわけです。この点がではクリアされれば状況が変わるのかというのは、当然重要な要素になると思います。
○櫻井充君 そうすると、感染ルートがはっきりしない限りにおいてはこのまま続くということですよね。 そうしますと、内閣府の方にお伺いしたいんですけれども、こういうことでどれだけ、日本の国益と言った方がいいんでしょうか、損ねることになるんでしょう。そしてもう一つは、風評被害で、私の地元の宮城の方々の、畜産農家の方々ももうやめようという方もいらっしゃいますし、それから販売業者の方から、それから国民の皆さんも困っているわけですが、経済に及ぼす影響というのは一体どの程度だとお考えでございますか。
○政府参考人(谷内満君) 今回の狂牛病が経済に与える影響としましては、主に消費、それから輸出を通じた影響ということが考えられますけれども、まず個人消費に与える影響ですけれども、牛肉等の消費支出に与える影響は減少させる効果があると考えられます。個人消費全体に占める牛肉そのものの消費は大体一%以下というもので、非常に小さいものでございますけれども、加工製品ですとか、あるいは外食等を含めますと、数量的に把握は非常に難しいんですけれども、ある程度影響があるというふうに考えられます。ただ、ほかの代替的な食料品あるいは商品に消費者の消費が向かうという可能性も考えられますので、経済全体の個人消費を押し下げる影響は限定的なものになるというふうに考えております。 ただ、風評被害というものにつきましては、やはり消費マインドを低下させるということで、消費に悪い影響を与えるという可能性がありますので、今後も注視していかなければいけないというふうに考えております。 それから、輸出の関係でございますけれども、米国における肉の加工製品の輸入制限措置が日本の輸出全体に与える影響につきましては、米国向け輸出に占める食料品の割合は非常に小さいものでございますので、輸出全体あるいは日本経済全体に与える影響というものは限定的だというふうに考えられます。
○櫻井充君 要するに、トータルとするとどうなんですか。個人消費とそれから輸出とあわせて、今回の狂牛病騒動によって日本経済に与える影響でございます。
○政府参考人(谷内満君) 今のところ、牛肉の消費全体に占める比率が小さいこと、あるいは輸出全体に占める比率が非常に小さいということから、経済全体に与える影響としては限定的なものだというふうに考えられますけれども、先ほど申し上げたように、風評被害という形で消費者マインドを下げるということになりますと経済に対する影響も心配になりますので、注視していかなきゃいけないというふうに考えております。
○櫻井充君 それじゃ、この風評被害を引き起こした原因はどこにあるとお考えですか。
○政府参考人(谷内満君) やはり新聞等あるいはテレビ等でこの件が大きく報道されているということで、消費者がそこの問題に注目しているということで風評被害の可能性が出ているということだと思います。
○櫻井充君 それはマスコミの責任ですか、じゃ。マスコミのせいで風評被害が起こっているということですか、じゃ。
○政府参考人(谷内満君) マスコミのせいということではありません。マスコミを通じてこの件を皆様が知っていると、知るようになっているということを申し上げたんです。
○櫻井充君 これはマスコミの方、怒った方がいいですよ、これは。事実を伝えて、これがための風評被害だと言われたら、本当に立場ないんじゃないでしょうか。 農業新聞に農水大臣がこう言っています。「「焼却処分したと発表したことで最初は風評被害が無かったが、(後に)焼却していないことが分かり、信用できないということで風評被害が広がった」と述べ、農水省の対応のまずさが風評被害をもたらしたとの認識を示した。」と、農水大臣がこう言っているんですよ。 それで、農水省の方にお伺いしたいんですが、農水省として、これだけの、今後どれだけの被害が広がっていくかわかりませんが、責任はお感じになっていらっしゃるんですか、まず。
○副大臣(野間赳君) お答え申し上げます。 BSEの侵入防止を図るために、肉骨粉の輸入に当たりましては、英国から輸入の場合は、一九九〇年以降、国際基準に沿いまして、加熱したもののみ輸入を認めるものといたしてまいりました。その後、一九九六年以降は輸入の禁止措置を講じてきたところであります。同様に、BSE発生国からの肉骨粉につきましても、BSE発生確認以降は国際基準に沿った加熱処理がなされたもののみ輸入を認めてまいりました。さらに、昨年の末、EUにおきましてBSEの発生が急増したことから、本年一月一日より、EU等からの肉骨粉についての輸入を停止をしてきたところであります。 また、飼料につきましても、肉骨粉を含めて適正な利用を図るために、一九九六年四月の指導通達を受けまして、牛用飼料を製造する飼料工場に対しまして、肥飼料検査所が飼料安全法に基づく検査、また、それで、今回の事態が発生を……
○櫻井充君 関係ない御答弁は結構でございます。 風評被害、とにかくこうやって、国民の皆さん方がこうやって困っていらっしゃるわけですよ。それに対して農水省として責任を感じているかどうか、その点、イエスかノーかだけでお答えください。
○副大臣(野間赳君) 今回の事態が発生をしまして以来、省内及び省外との連絡体制が十分に機能しなかったこと等から初期段階で対応に混乱が見られたこと等、国民の行政に対する不信を招いたことは遺憾であると思っております。 このため、省内の連絡体制を含めて、関係省庁、都道府県とも緊密な連絡を図りながら、今後、報告、連絡、相談、点検、確認を徹底をして、国民の立場に立って迅速かつ的確な対応に努めていくことが肝要であると思っております。 今回のようなことが二度と起こらないよう、当省の幹部を初め職員に対して大臣から厳重に注意が出されたところであり、今回の教訓を今後行政に生かしていくことが大変重要なことであると考えております。
○櫻井充君 答弁になっていません。再答弁をお願いします。 イエスかノーかで結構です。農水省に責任があるかないかだけ聞いているんです。
○副大臣(野間赳君) ただいま答弁を申し上げましたとおりであります。
○櫻井充君 じゃ、私の認識は、農水省に責任があるということでいいんですね。 じゃ、そういう聞き方にしましょう。農水省は責任があるとお考えですね、風評被害に対して。
○副大臣(野間赳君) 申し上げましたように、遺憾であるということでお答えを申し上げております。
○櫻井充君 済みません、学のない人間だからなんでしょうか、遺憾であるということは、これは責任があるということなんですか。わかりやすい言葉で話していただきたいんですよ。
○副大臣(野間赳君) 申し上げましたように、遺憾であるということで御理解をいただきたいと思います。
○櫻井充君 そうしますと、今回の件で、農水省、どなたか責任はおとりになったんですか。
○副大臣(野間赳君) そういうことにはなっておりません。
○櫻井充君 これだけ大きな問題になっていて何にも責任、だれ一人として責任とっていないんですか。
○副大臣(野間赳君) この対策につきましては、現在、農水省挙げてその対応に当たってまいりました、今日まで。今後ともそのことに、農水省また厚生労働省とも連携をとって、全力を挙げてやってまいる所存でございますので、よろしくお願いをいたします。
○櫻井充君 これは量販店の方から言われたんですけれども、そこで消費者の方から苦情を言われるのは国の責任のことだけであって、お店の方がその対応に追われているんだそうなんですよ。ですから、国の責任を厳しく追及してほしいということを言われてまいりました。 先ほどの言葉が私にはよくわかりませんが、政治、こういうかいわいの用語では責任があるという表現の一つらしいので、ぜひやはりそこら辺のところは、特にここで農水大臣がおっしゃっているわけですよ。これは確認しなきゃいけないんでしょう、主意書で後で提出させていただきますけれども。 焼却処分と発表したことで最初は風評被害がなかったが、焼却していないことがわかって信用できないということになったって、こうおっしゃっているわけですよ。少なくともそういう連絡ミスがあったりとか、そういうことがあったわけであって、少なくともやはりこうやって被害を起こしているわけですから、この場合に関して言えば責任をとるというのが社会の一般常識じゃないかと思いますが、いかがですか。
○副大臣(野間赳君) 今回のようなことが二度と起こらないように、当省の幹部を初め職員に対し大臣から厳重に注意をなされたことでありまして、今回の教訓を行政に生かして全力を挙げてまいりたいと思っております。
○櫻井充君 外務省の官房機密費の件でもいろんな方々が責任とられていると思うんですね。国民生活に対しての影響というのはあの問題よりはるかに大きいと思います。それでも責任とらないんですか。おかしくないですか。
○副大臣(野間赳君) 現在は当面しておりますこれらの対応に全力を挙げて、農林水産省、力いっぱいやってまいらなければならないと思っております。
○櫻井充君 副大臣にお伺いしたいんですが、最初に坂口大臣に私が質問したものと全く同じでございます。 副大臣は行政の代表者ですか、国民の代表者ですか。
○副大臣(野間赳君) 両方の立場であると思っております。
○櫻井充君 両方の立場であるとすれば、少なくとも国民の方々は農水省に責任をとってほしいと思っているはずですよ、半分はですね。もし副大臣が半分国民の代表の方だって結構でございます。そういう思いを国民の皆さんが持っていらっしゃるということは、それじゃ副大臣は御存じですか。
○副大臣(野間赳君) そういうふうな中で、今日この問題に全力を挙げて頑張っておるところであります。
○櫻井充君 全力を挙げるのは当たり前ですよ。それは当然のことじゃないですか。そういう問題じゃないわけですよ。 それじゃ、先ほど感染ルートの話になりました。感染ルートはじゃ今どこが調査されているんですか。
○政府参考人(小林芳雄君) ただいま、いわゆる感染牛が出ました地域、千葉それから北海道の方でえさの給与の状況等、こういったところからさかのぼって、いわば川下から川上にさかのぼるという調査を続けております。 あわせまして、輸入肉骨粉、こちらの方がどういった状況で国の方に入ってきたかということをチェックするために、これは輸入から川上、川下ということでございますが、イギリスのほかイタリア、デンマーク、また今アジアの方、各国に調査員を派遣してその輸入状況等についてチェックし、いわば川上、川下の双方からの調査をしてそれをつなぎ合わせていく、そういった体制で進めているところでございます。
○櫻井充君 これは要するに肉骨粉などの飼料から感染したということを想定してやられているわけですね。
○政府参考人(小林芳雄君) まだ感染原因は特定できておりませんが、今までのイギリス等ヨーロッパの経緯を見ますと、肉骨粉、これが主として感染源という疑いがありますので、今そこを中心に調査を進めているという段階でございます。
○櫻井充君 垂直感染はあるんでしょうか。垂直感染の可能性は否定できているものなんですか。
○政府参考人(小林芳雄君) 垂直感染につきましては、イギリス等での調査結果がございますが、ただEUの方の調査ではなかなか有意なものはないと言われておりまして、これを結論づける確たる根拠はまだないというふうに、そういった状況でございます。
○櫻井充君 農水省も安全宣言をされたかと思いますけれども、感染ルートがきちんとした形でわかっていない中で安全宣言を出された意義は何ですか。
○政府参考人(小林芳雄君) 先ほど厚生労働大臣からもお答えございましたように、今、屠畜場の検査体制、これが整いまして、これから検査をすることによって消費者の皆さんにお届けする肉等につきましては、これはきちんとした検査のもとで行われますからもう完全に心配はなくなったということでございます。 また、あわせまして肉骨粉、これにつきましては、十月四日、輸入を一たん停止しております。また、国内の方でも出荷とかそういったものの抑制を一たんお願いしまして、またそれは逐次検討会を開きながら対応を進めておりますが、そういった体制の中で、まず消費者の皆さんにお届けする肉については、これは万全な体制がとれましたということを両大臣から御説明申し上げます。 一方で、今度、生産農場等の方でどういうふうにやっていくかということになりますと、そちらはまさに今の感染源の特定をし、これからの肉骨粉につきましては体制を整えましたけれども、感染源の特定等によりまして、またその辺の対策もとっているということでございます。
○櫻井充君 都合のいいところだけを公表しているんじゃないですか。要するに、今後は大丈夫だ。じゃ、その前はどうなっているんですか。感染ルートもはっきりしていない。 それからもう一つ言っておきますと、動衛研で検査したプリオニクステストですけれども、これやり方間違っているじゃないですか。方法が違っていたからこれシロと出ていませんか。つまり、その前にやった検査で本当に正しかったのかどうかなんかわからないじゃないですか。
○政府参考人(小林芳雄君) まず、その前の肉につきましては、これも先ほど厚生労働大臣からもお話ございましたけれども、今私ども、肉とかそれから牛乳、これはOIEという国際機関がございますが、そちらの方で示しております危険部位、四つございますけれども、こういったものが含まれておらないわけでして、そういう意味で牛肉とか牛乳につきましては本来安全なものであるといったことを、これもあわせて御説明し、またその上で今度の対策がとられたということで、さらに屠場から出るものが安全になったというふうにわかりやすく御説明したところでございます。 それから、プリオニクステストでございますが、これにつきましては動物衛生研究所の方で今般感染源につきましてテストをいたしましたところでございます。プリオニクス段階では陰性という結果が出たわけでございますが、これにつきましてはその検体のプリオン量が微量であったということではないかというふうに考えております。 EUなんかでもこの検査法が行われておりまして、このEUなんかでの検査法を他の検査と比較してみますと、陰性である検体を陽性と誤って判定することは少ないけれども、逆にBSEの異常プリオンの量が微量でありますと検体が陰性と判定されてしまうことが示唆されておりまして、今回の場合も今申し上げましたように検体のプリオン量が微量であったために陰性となったと。それで、その後で免疫組織化学的検査をいたしました。そちらの方は感度がよかったことで陽性になったというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 じゃ、検体量が少なかったことでもいいでしょう。しかし、疑陰性というのは、要するに疑陰性はあり得るということですよ。今みずからおっしゃったじゃないですか。つまり、平成十三年四月二日にサーベイランスを強化してプリオニクステストを加えたと言っております。つまり、少量のものに関しては結果的には検査不能なわけです。できないものです。つまり、そういう検査を使っていたわけじゃないですか。ですから、本当に安全なのか安全でないのかということは言えないんじゃないですか。
○政府参考人(小林芳雄君) ちょっと繰り返しになりますが、今、先生からのお話二つあると思います。 一つは、私どもサーベイランス、農場等含めてやっております検査で、これがどこまで的確に対応できているかというお話と厚生労働大臣、農水大臣の十月十八日にお話ししました件は屠場から出ていく牛肉等、これが安全であるということでございまして、それで前者の方のサーベイランスにつきましては、先ほど申しましたようなプリオニクステストの経過もございました。それで、現在サーベイランス体制を強化いたしまして、このプリオニクステストのほかにエライザ検査法、こういうものを随分使いまして、きちんとした的確な検査ができるような体制で今進めているところでございます。
○櫻井充君 そんなこと聞いていませんよ。要するに、これ以前は十分じゃなかったんじゃないですかと聞いているんですよ。 大体、今回だって何で見つかったんですか。たまたま三百検体、家畜保健衛生所で検査をしたいということで集めたからたまたまこうやって見つかっただけじゃないですか。つまり、今までだって、本来クロのものがシロと判定されて、絶対になかったとおっしゃれますか。そういうことないでしょう。 ましてや、もう一つ言っておきますけれども、獣医さんが狂牛病という診断を下せましたか、その当時。じゃ、起立不能というのはどうですか。しょっちゅうあることじゃないですか、栄養状態が悪くなったりしたような場合にはですよ。そうすると、果たして本当にそういった意味で安全だと言えるんですか。 そして、なぜそんなことを言っているかというと、世界は何年もかけて初めて安全宣言をしているんですよ。いいでしょうか。つまり、日本の安全宣言のあり方が余りにいいかげんじゃないか、ずさんじゃないかということを言いたいわけですよ、こっちは。
○政府参考人(小林芳雄君) 繰り返しております、安全宣言というふうに先生がおっしゃっているとらえ方のあれが一つあろうと思いますけれども、屠場から出る食肉の検査体制が全頭検査で的確なきちんとした体制になりましたという意味で、両大臣、十月十八日に申し上げております。 一方で、私どもの方の農場を含めたサーベイランスなり、牛の方のそういった体制を含め、さらに今後、肉骨粉のいろいろなそういった防止措置も強化したということによって、これから国内のそういう農場を含めた清浄化というのをどういうふうに進めていけるかと。これはまさにこれから私どもさらに努力しなきゃいけない点があるわけでございまして、その両方、全体を含めた意味での安全宣言という意味でありますれば、先生おっしゃったとおり、農場とかこれからの肉骨粉の体制とかそういうのは残っておりますが、ただ少なくとも、屠場から出ていく牛肉につきましては、これは万全の検査体制ができたということは御理解いただけるんじゃないかと思っております。
○櫻井充君 そういうふうにお話しされているんでしょうか。我々のそれは誤解だったのかもしれません。誤解であれば、それは訂正しなければいけないんですが。 そして、何でこんなことを言っているかもう一つよくわからないのは、農水大臣がたしか牛肉食べられましたよね。何のためにあれ食べられたんですか。
○政府参考人(小林芳雄君) まず、今私が申し上げました安全宣言ということの意味について、屠場から出ていくことが万全な体制がとれたということであるということにつきましては、これは私どもの大臣、記者会見等でもおっしゃっておりますし、また十月十八日付で出しました「安全な畜産物の供給」とか、そういった資料の中でも今の趣旨を御説明しておるところでございます。
○櫻井充君 あと、何で食べたんですか。(発言する者あり)
○委員長(阿部正俊君) 不規則発言はやめてください。
○櫻井充君 何でこんなことを聞いているかというと、菅さんがカイワレダイコンを食べたときと全然違うんですよ。つまり、O157のような場合には数日で結論が出るものなんです、安全か安全でないかというのは。こういうものは潜伏期間がありますから、安全なものだから食べているのかもしれませんが、それが安全なものであったかどうかの証明というのは数年かかって初めてわかるものなんですよ。 つまり私が言いたいのは、例えば、安全宣言というふうに出されているんだろうと思いますが、果たして本当にすべてをきちんと把握した上でそういうことをやられているのかどうか疑わしいから言っているんですよ。
○政府参考人(小林芳雄君) 私ども十月十八日の段階で、厚生労働省、農林水産省ともども「BSEの疑いのない安全な畜産物の供給について」というペーパーを国民の皆様にお示ししているところでございます。 そこで、先ほど申し上げましたような繰り返しになりますけれども、すべての牛につきまして検査をする体制ができましたということが一点ございまして、それでこれからチェックが完全に行われますので食用としても、それから飼料原料としても一切市場に出回ることはありませんということをまず申し上げているわけでございます。それで、この中で、新しい検査システムで採用する検査、そういったものの内容とか、それから今後のいわば検査の中で新しいシステムをどうやって動かしていくかということもあわせて触れていると思います。 それで、ちょっとそこについて少し読ませてもらいますけれども、よろしいですか。「今後の感染経路は遮断されます」、これは先ほど申しました肉骨粉のルートを遮断したという意味ですが、「遮断されますが、今回BSEと確認された一頭に関しては、現在、輸入肉骨粉の流通経路の解明など全力で原因究明を進めているところで」あります、原因究明は原因究明でまた進めておりますと。ただ、先ほど来申しておりますように、食用としてあるいはえさ原料として出ていくことは、これは大丈夫になりましたということを御説明しているところでございます。
○櫻井充君 クロイツフェルト・ヤコブ、薬害エイズのときもそうですけれども、今回の狂牛病も全く同じことの繰り返しだと私は思っています。行政側の対応のまずさがこういうことを引き起こしてきているのは間違いないことなんですよ。残念ながら、現時点において厚生労働省は責任をお認めにならないし、そして今回の狂牛病に関して言えば、農水大臣は責任をお認めになっているようですけれども、農水省自体として何も責任、まあ、お認めなんでしょうか。しかし、だれも責任をとらない、責任はあるけれども、全く責任とらないというようなことでございまして、これで果たして行政が国から信頼されるのかどうか、私は、全く信頼されないんじゃないだろうかと、そういうふうに思っています。 そしてもう一つ、今回のこのプリオンというたんぱくは、異常たんぱくは今までのものと、概念と全く違います。つまり、遺伝子を介さないで正常なプリオンが異常プリオンに変わっていくということであって、そういう難しい側面を持ち合わせていますから、なかなか学問的にきちんとしたものが出るまで時間がかかるものでございます。そういった場合に、危うきを早くに罰するというような、そういう危機管理体制がなければ何度でも同じことが繰り返されるんではないだろうかというふうに思っております。 これは答弁はもう結構でございますが、私は、農水大臣は責任をとっておやめになるべきだと思っております。そのことを最後に申し伝えまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、牛海綿状脳症問題及びクロイツフェルト・ヤコブ病問題に関する件を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会の辻泰弘でございます。 前回、初質問の折には横綱の胸をかりるということで、坂口力大臣に力相撲をということで申し上げたところでございますが、きょうは牛をめぐる闘いでございますので闘牛相撲、そのように位置づけて頑張りたいと思っております。 冒頭でございますけれども、BSEそのものの議論の前に、関連するわけでございますが、総務省の家計調査報告、十月三十日の発表を見ましても、農水省の調査を見ましても、牛肉の消費が落ち込んでいるという実態が明らかにされております。午前中の会議でも経済全体に与える影響は限定的であるという御指摘もございましたけれども、やはり焼き肉店の売り上げの激減、パート、アルバイトの雇用削減、こういうのが現実の問題としてあるわけでございます。 そのような中で、十月三十日に九月の完全失業率五・三%ということがあったわけでございます。テロの問題、BSEの影響などがこれから十月以降、一層本格化、影響が出てきて悪化しかねないと、こういう状況だと思うわけでございまして、大臣御自身も、影響は十月により大きく出るのではないか、雇用情勢は緊急事態を迎えたとおっしゃっておられ、失業問題が今後さらに深刻化するとの見方を示しておられるわけでございます。 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、大臣の御所信、それは了とするところでありますが、私は、この雇用の緊急事態、内閣として小泉総理みずからが雇用の緊急事態宣言というべきものをおっしゃるべきだと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今回の補正予算が間もなく出されまして、皆さん方に御審議をいただくことになるわけでございますが、一兆円という枠組みの中で五五%に当たります五千五百億円を雇用対策にということでございます。予算全体の中で五五%の多くを雇用に充てるといったことは今までなかったことでございます。このことは、小泉総理が緊急事態であるとお考えになっているその証拠であるというふうに受けとめているわけでございます。 御審議をいただきました後は、それを積極果敢に効率的に運用できるように頑張りたいと思っております。
○辻泰弘君 大臣は、今の厳しい景気・雇用情勢に対してですけれども、厚生労働省の施策だけでは限界があると語っておられる。また、今後必要性があるかどうか判断しなければならない、すなわち第二次補正の必要性も言及されているわけですが、この五・三%という大変厳しい状況、ある意味では新たに迎えられたところだと思うわけです、従来の補正の議論からですね。 そういう中で、今の雇用対策、もっと充実すべきじゃないかということについてどうお答えになるでしょうか。すなわち、今ので十分かということです。
○国務大臣(坂口力君) 雇用情勢が非常に厳しい状況でありますことは、もう委員が御指摘になって、私もそのとおりというふうに思っております。 これから先、これをどのようにしていくかということになるわけでございますが、いわゆる失業率でありますとかあるいは有効求人倍率といいますものはどちらかといえば出口の話でございまして、入り口の方が一体どうかということによって非常に影響を受けるわけでございます。 出口のところの雇用の問題につきましては、どうしても我々頑張って、そして皆さん方の御期待におこたえをしなければならないというふうに思いますが、しかし雇用全体の問題は出口だけの問題ではなくて、やはり経済そのものの入り口がどうなるかということによって大きく変化をするわけでございます。むしろそちらの方が大きいと言っても過言ではございません。 そうした意味で、私が皆さん方にお願いをいたしておりますのは、出口としての雇用対策、それは私たち厚生労働省として一生懸命に頑張りますけれども、しかしそれは出口だけではなくて入り口の問題とこれは連動した問題でございますから、全体としてやはりいろいろとお考えをいただきたい、そういうことを申し上げているわけでございます。 今回、第一次の補正予算が間もなく出るわけでございますから、その次の次というのは今まだ申し上げる時期に来ていないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、この補正予算を早く御議論をいただいて、そして成立をさせていただいて、それによって、まずその中で三千五百億円に達します地域の交付金を初めといたしまして、できるだけ効果的にこれを運用させていただくようにしたいと考えているところでございます。
○辻泰弘君 十月十八日、日経連・連合が雇用に関する社会合意宣言を出しておられて、経営側は雇用を維持・創出し失業を抑制する、労働側は賃上げについて柔軟に対応する、そして両者はワークシェアリングに向けて合意に取り組むということを合意されているわけですが、近々、政労使雇用対策会議が開かれるとお聞きしておりますけれども、このような労使の取り組みに対して、政府としても予算や雇用対策を通じて全面的にバックアップする、ついては両者それぞれ雇用維持・安定に向けて力を尽くしてほしいということで御要請をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 労使でいろいろのお話し合いをしていただいているようでございます。先日もおまとめになりましたものを拝見させていただきました。今までよりも各般にわたって御協議をいただき、そして各般にわたっての合意事項もあるというふうに読ませていただきました。 その中で特に注目を引きましたのはワークシェアリングの問題でございまして、これは今までどちらかといえばワークシェアリングという言葉は双方ともに発言をしていただいておりましたけれども、その中身につきましてはなかなか前進しなかったわけでございます。使用者側におきましては、ワークシェアリングを実現するときに、時間の短縮をするけれどもその短縮分だけは賃金は当然安くなりますよという御意見でございますし、連合側の皆さん方は、時間の短縮はあってもいいけれども賃金そのものがその分圧縮されるというのでは困るという、こういう御意見であったというふうに思っておりますが、今回かなり歩み寄って、とにかくこの問題をひとつやっていこうという合意をしていただいたということは、それぞれがやはりこの問題について少し譲り合いながら踏み込んでいこうというお気持ちを持っていただいた証拠であるというふうに私は理解をいたしております。 九日に政労使の会議を持たせていただく予定にいたしておりますので、そこでも議論をさせていただきたいというふうに思っておりますが、少し我々も積極的にその中に入らせていただいて、そして実りある効果をひとつお願いをしたいと思っているところでございます。
○辻泰弘君 時間の関係で端的にお聞きしたいと思います。 坂口大臣、十一月四日の会見で解雇ルールの法制化の方針を示されたということがございました。大変厳しい雇用情勢の中でございますので、大臣が解雇が安易にできるような方向性に積極的だというふうに受け取られることはやはり問題だと思うわけでございまして、その点について、あくまでも解雇というものを安易にやってはいけない、日経連の会長もおっしゃっているわけですが、そういう立場からこれに処していただきたいと思いますので、その点について簡単にお答えいただければと思います。
○国務大臣(坂口力君) 解雇ルールにつきましては、これは中身をどうするかという問題でございます。 今まで、最高裁でございましたか、あるいは高裁であったかもしれませんが、あの結論をもちまして、そしてそれによってお互いに考えてきたということがございますが、しかし雇用の場もだんだんと多様化をしてまいりました。パート労働の皆さん方が非常にふえましたこと、あるいはまた嘱託等の方がおみえになります。あるいはまた有期雇用といったものもございますし、派遣業もできてまいりました。そうした中にありまして、どのようにしていくかということはいま一度やはり真剣に考えておかなければならない問題であると思っております。 もちろん、その中の議論につきましては、労使の皆さん方にもよく御議論をいただいて結論を出したいというふうに思っておりますが、私がその中身を今、どういうふうにしたいこういうふうにしたいという私自身の考え方を持って今申し上げているわけではございません。よく皆さん方で御議論をしていただいてその結論を得て、そして、できましたら法制化をしたいということを申し上げたわけでございます。
○辻泰弘君 医療制度改革についてですが、大臣は、今後の医療制度改革の日程は経済動向も影響してくる、景気の状況を見て最後に政治決着しなくてはいけないと三日に語っておられますが、今後の医療制度改革の推進の日程といいますか方針について、簡単で結構ですので、お願いします。
○国務大臣(坂口力君) きょうも朝から中原議員を初め皆さん方から医療改革につきましての御議論をいただきました。 今後のスケジュールといたしまして、私たちといたしましては、できる限り今月末、十一月末には一つのまとめをひとつさせていただくことができればというふうに思っている次第でございます。 さまざまな分野で今御議論をいただいているわけでございますが、できればこの十五日前後におまとめをいただいて、そして二十日から二十五日ぐらいの間には最終の結論をまとめさせていただくことができればというふうに思っているわけでございますが、これはしかし皆さん方のいろいろの御議論をお願いした上での話でございますので、予定どおりいくかどうか、それはわからないわけでございますけれども、私たちの希望といたしましてはそのように思っている次第でございます。
○辻泰弘君 残りの二十分、BSEの問題について集中的にお聞きしたいと思います。 私もこの問題をずっと追っかけましてやっぱり一貫して思うことは、常に対応が後手後手であるということでございます。 肉骨粉の輸入に関しましても、一九九六年三月にイギリス、北アイルランドを含むイギリスからの輸入及び反すう動物由来の肉骨粉等の輸入停止ということになったわけでございますが、一九九五年までには既にデンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、ポルトガル、スイス、イタリアと、これだけの国で発生していたにもかかわらず、九六年三月にイギリスだけ輸入停止をしたと、こういうことが非常に、その他の国々はなぜしなかったのかということが一つあるわけでございます。 現にアメリカは一九九一年にBSE発生国からの反すう動物由来の食肉及びそれらの加工品の輸入禁止を行っている。また、オーストラリアでは一九六六年から、これは羊のいわゆる狂牛病と言われるスクレイピーが見つかったことによってですけれども、肉骨粉の輸入禁止というものをやっている。こういう諸外国のそういう対応に学ぶことなく、日本がEU諸国からの牛肉及び肉骨粉等の輸入停止を決めたのは二〇〇〇年十二月で、二〇〇一年一月からの輸入停止を決定したわけでございまして、大変対応がある意味では犯罪的と言いたくなるほどおくれたと言わざるを得ないと思うわけでございます。 どうしてこのように対応がおくれたのか、諸外国の例に学ぶことができなかったのか、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 我が国におきまして、BSEの侵入防止の対策の経緯でございます。 お話しございましたように、イギリス、アイルランド、こちらの肉骨粉につきましては、九〇年でございました、当時、OIEという国際機関がございますが、そちらの方で加熱処理がされたものの基準がございまして、それのきちんと処理されたもののみの輸入を九〇年から認めてきたというふうにしております。 また同様に、フランス、ドイツ、イタリア、こういった国でBSEが発生してまいりましたが、それらの国の肉骨粉につきましても、そのBSEの発生が確認された以降は、今の国際基準に沿ったそういった加熱処理がなされたもの、こちらを認めるという形で輸入を進めてまいりました。 その中で、昨年末はEUにおきますBSEの発生が急増したことを受けまして、この一月一日から、EU、それからスイス、リヒテンシュタイン、こういった国の肉骨粉の輸入を全面的に停止したということがございます。 いずれにしましても、OIEの国際基準に基づきます加熱処理というものを条件といたしましてそれの輸入を進めてきたというところでございます。 それで、これらの措置を講じるに当たりましては、我が国の獣医学の権威の皆さんから成ります技術検討会など、そういった専門家の皆さんの御意見も踏まえながら実施してきております。 そうはいいながら今般我が国でBSEが発生いたしました。これにつきましてはまことに残念なところでございまして、汚染肉骨粉のこれからの侵入防止、新たな侵入防止を図るという観点から、十月四日から当分の間、すべての国からの肉骨粉の輸入を一時停止すると、こういった措置をとっているところでございます。
○辻泰弘君 そのこと自体議論をしたらもうかなり時間を食うのですけれども、今のお話でも、肉骨粉のBSE国際基準の加熱処理、百三十三度、三気圧、二十分ですか、これも、この基準をやったのが一九九〇年から九六年の間についてですね。九六年からはイギリスからのをやっているわけですから、ですからその発生国を、一九九六年三月、イギリス以外にもちゃんと適用しておくべきことをしていなかったということでございますから、その点については率直に言って本質的な反論には何にもなっていないと思うわけです。 ただ、このことだけで議論しても仕方がないので次に行きますが、肉骨粉の給与についてです。これも大事な問題です。 一九九六年四月、反すう動物由来の飼料等を反すう動物に給与しないように指導をしたということがございました。そして、その法的義務づけというのはこの間の二〇〇一年九月十八日までなされなかったわけでございまして、肉骨粉が感染ルートであることはよくわかっていたということである中で今日までこの措置が指導ということだけにとどまった、このことが非常に大きな問題だったと私は思います。 何ゆえ指導にとどめられたか、この五年間ぐらいですね、四年半ですか、法的義務づけがなかった、このことは大きな問題だと思いますが、お考えを聞かせていただきたい。
○政府参考人(小林芳雄君) 一九九六年でございます、WHOの専門家会議の方での反すう動物の組織を用いた飼料原料については反すう動物に給与すべきではないと、こういった勧告を受けまして、同年四月十六日から指導通知で対応してまいりました。 この指導通知のもとで、この趣旨を徹底するということで、一つは、牛用の飼料を製造する飼料工場に対しまして、肥飼料検査所という機関がございますけれども、飼料安全法に基づく立入検査を実施して徹底を期しております。また、同じように、流通飼料対策事業、こういった事業の一環としまして、都道府県等を通じまして地区講習会の開催などを通じ啓発指導、これは生産者の皆さん等に対しましてそういった指導も実施しているところであります。こういったいわば実質的な措置を講じることによりまして飼料の製造ないし農家段階での使用の適正化というところを図ってきたところでございます。 それが、今般、BSEの発生という事態を踏まえまして、牛の飼養農家の全戸調査を行いました。この結果、事例としまして、十月二十五日現在、全国で百六十五戸、五千百二十九頭というふうに確認されております。これは全農家数からしますと〇・一二%だとか、また頭数では〇・一一%に相当するものでございますけれども、結果としてこういう不適正使用の事例を確認したということはまた残念なことでございます。 そういう意味で、今お話ございましたように、九月十八日あるいは十月十五日付の中で飼料安全法の省令を改正して、肉骨粉等の牛への使用を法律上禁止しているという、そういうことで対応しているところでございます。
○辻泰弘君 このことが指導ということだけで義務づけていなかったことが大変大きなことだったと思います。 今のことも本当はもっと議論したいところですけれども、次に進ませてもらいます。 二〇〇一年六月、ことしですけれども、EUの、欧州委員会の専門委員会、日本でも牛や羊の肉骨粉をイギリスから輸入してきた時期があると。そういうことで、その育った牛がいわゆる狂牛病に感染する可能性があるという報告をまとめていたけれども、日本の協力が得られないとして報告書の作成が中止されたということがあったわけでございます。 当初、この報告書、日本からつくってほしいと依頼したという話もございますけれども、いずれにしましても、このこと一つを見ても大変閉鎖的な体質、問題の隠ぺい体質というものが明らかだと思うわけでございます。そのことが国民の行政への不信というものを大きくもたらしていると思うわけでございますが、この点の経緯について、恐縮ですけれども、短くて結構ですからちょっと簡潔にお聞かせください。
○政府参考人(小林芳雄君) EUのステータス評価、EUとしましても第三国からの再侵入、BSEの防止ということで進めております。私ども、我が国としましても、このEUのステータス評価の開始に対しまして、我が国も化粧品、医薬品の輸出がございますので、その対象となるということでBSEステータスの評価を受けるということで進めてまいりました。 ただ、この議論を進める中で、従来、EUの方で行ってきておりますBSEの評価手法につきましての議論があったところでございます。これはEUの方では各国の発生状況でありますとかサーベイランス体制、こういうことが基準の中で考慮されておりません。また、その評価基準自体が国際基準、いわゆるOIEの規約でございますけれども、そちらからも大きくかけ離れていると、そういった問題点がございまして、我が国としましては、この基準は妥当なものではないというふうに議論をしてまいりました。 それで、EU自身も、今申し上げました基準にかえまして、ことしの七月にはOIE規約、これはことしの五月に決定されたものですが、このOIE規約を踏まえた新しい基準を採択したという経緯がございます。 いずれにしましても、こういった背景のもとで、我が国としましては、国際基準との整合性のない基準、これにより評価を行うことは適当でないということで、EUが従前の基準での評価を行うことについては問題があるということでEU側と協議をしてきたところでございます。その結果、EU側による我が国に対するBSE評価は行われないこととなったという、こういった経過でございます。
○辻泰弘君 このことも深く突っ込みたいところですが、次に行かせていただきます。 九月十九日に厚生労働省は三十カ月齢以上のすべての牛についてBSE検査を行うことを公表されて、これで安全だとおっしゃったと思います。イギリスでは発生牛の九九・九五%が三十カ月齢以上だったことからそういうことになったわけでございます。 しかし、逆に言いますと、この時点で〇・〇五%の危険性を容認していたと言うべきであろうと思うわけでございます。十月九日には厚生労働省が三十カ月齢未満も含めすべての牛についてBSE検査を行うことを公表されているわけでございます。 この点に関して、武部農水大臣、十月十八日の記者会見で、なぜ三十カ月齢以上かというと、イギリスの例ではBSE感染率が九九・九五%である、しかし私どもは〇・〇五%でも絶対にしようということで全頭検査に至ったわけですと語っておられます。 そういう意味では、当初から九九・九五%カバーするだけで事足れりとした、それをもって安全だと考えたこと自体間違いだったんじゃないでしょうか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 今御質問ございましたように、当初は三十カ月齢以上全頭でございますが、それに加えまして二十四カ月齢以上につきましても、神経症状といいますか、症状のある牛について検査の対象にするという形でございました。これはEUの今の対象牛、対象の範囲と同じものでスタートしたいということで三十カ月齢だけではなかったわけでございますが、そういう形でスタートしたいというふうな考えを持っておったわけでございます。
○辻泰弘君 そのことも議論したいところですが、次に進ませてもらいます。 八月六日のBSE感染牛の処分について、農水省は九月十日、緊急記者会見を行われて、永村畜産部長が額に汗をにじませながらということのようですが、この牛の肉はすべて焼却したと語っておられます。しかし、九月十四日には焼却処分されず肉骨粉に加工されて徳島、茨城に置かれることが判明した、こういうことがございました。 そもそも九月十日の段階でどのような調査の上で焼却したとおっしゃったのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 今のBSE患畜の牛でございますが、それにつきまして、八月六日に屠場に持ち込まれた段階では、これは千葉県の食肉衛生検査所で検査いたしましたが、敗血症という診断でございます。その際、食用に適さないということで全部廃棄というふうにされまして、この事実自身は九月十日の最初の私どもの記者会見の時点で千葉県から農林水産省に伝えられたという経過がございます。その意味で、この記者会見用資料にも当該牛はすべて廃棄され、食用には供されていないというふうに記載されておりました。 この廃棄という意味でございますが、と畜場法上は焼却または化製場で処理するなど衛生上支障のないように処理すると定められておりまして、特に牛につきましては、BSEである場合には焼却するというふうにされておるわけでございます。 このために、この記者会見を行った畜産部長の立場からしますと、今回の牛が屠畜場での検査段階でBSEを疑われたものと思っていたために焼却されていたというふうに思い込んでいたという経過でございます。
○辻泰弘君 感染源の主たるルートと思われる肉骨粉についてですが、これまでつくられた肉骨粉、管理はしっかりされているのかというのが正直言って疑問に思わざるを得ないところでございます。管理が大丈夫なのか、焼却施設がちゃんと確保されているか、この点について簡潔にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今まさに都道府県におきまして、畜産部局と環境部局双方の連携のもとで一般廃棄物焼却施設の確保のための作業を進めております。なかなか焼却施設の利用ということになりますと地域住民の皆さんの御理解を得る、こういったことも必要でございまして、また市町村などとの調整も必要でございます。 また、手法としましても、一般廃棄物の焼却施設の際には投入口が小さい、こういったいろいろな特徴がございまして、この投入方法なんかについても鋭意検討を進めていると。そういう中で、焼却施設の確保そのものにやはり時間が必要だというふうに考えられますので、現在、保管施設の方も、こちらもきちんと確保しながら進めているということで、当面、保管という意味での施設というものはほぼ全国的に確保されていると思っております。この管理も的確に進めていきたいと思っております。
○辻泰弘君 今の点も大変重要なところですので、しっかりやっていただきたいと思います。 もう一つ大きな問題、背割りのことですけれども、解体の際に付着するということがやはり現実にあると思うわけです。実際、屠畜するときに頭部だけ持っていって、あとは一応背割りをして分解してしまうわけですから、そういう意味では付着の可能性はやはりあると言わざるを得ないわけでございます。 そういう意味で、きょう午前中の議論でも、十月十八日以降、完全に心配なしとか今後の感染ルートは遮断されますとか万全の検査体制ができたと言っておられるんですが、完全にその危険性を排除することはできないと思うわけでございます。付着防止について吸引機を入れるとか、いろいろ考えておられるようですが、簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 屠畜解体の方法の改善につきましては、十月十一日に牛海綿状脳症に関する研究班会議を開きまして、専門家と屠畜場の関係者も交えまして検討していただいたところでございます。 その結果、生体検査におきましてBSEが疑われる牛等については屠殺・解体を禁止するということが一点でございまして、生体検査で合格した牛について、欧州におきます汚染防止措置を参考にいたしまして、背割りについては、今回、一つは背割り時ののこくずの回収、焼却、それと背割りののこぎりにつきましては一頭ごとの洗浄消毒、それと三番目に高圧水によります枝肉の洗浄、その後に脊髄の除去の徹底、こういったことで専門家の御意見等では問題はないという御指摘をいただいているわけでございます。こういった内容につきまして特定危険部位の管理要領として十七日に通知をしたところでございます。 御指摘のフランスでやっております吸引の関係につきましては、来年一月からフランスは義務づけるというふうに承知しておりまして、私ども研究班の方でこういった内容について御検討をいただいて、方向としては導入する方向で検討を進めたいというふうに考えているところでございます。
○辻泰弘君 十月十七日以前の肉の処分について、国民の不安を念には念を入れて払拭すべくということで今保管されているわけですけれども、そして最終処分は国の責任において万全を期すとなっているわけですが、どういう方針でおられるのか、時間がありませんので簡潔にお願いします。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話ございましたように、十月十七日以前に屠畜された国産牛肉在庫、これを市場隔離するということで進めております。具体的には、全国的な生産者団体などがその会員などが所有する十月十七日以前に屠畜された国産牛肉在庫、これを買い上げまして冷凍保管して冷蔵庫から搬出させないということでございます。 この市場隔離後の最終処分につきましてはこれから検討することとしておりますが、さまざまな選択肢を検討することによって消費者に不安を与えることのないように国の責任において万全を期すということで進めていくことにしております。
○辻泰弘君 時間も残り少なくなりましたので、ちょっと幾つか申し上げたいんですけれども。 牛の総背番号制ということがございました。やはり、もしものことがあったときの追跡調査ということ、また消費者が購入した肉のルーツをたどれるようにすること、こういうことをこれから考えていくべきだと思いますが、農水省はそれを補正予算で入れられるようですけれども、やはり流通まで、厚生労働省の管轄のところもやはりそれを当てはめていくべきだと思うんですが、それはいかがでしょうかということが一つ。 それから、今回のことを考えてみても、やはり消費者の安全、食品の安全を確保しなければならない、また情報公開、こういうことをしっかりと盛り込んだある意味では食品衛生法の改正等が求められるんじゃないかと思うわけですが、この点についてお聞きしたい。 それから、きょうの段階で、十一月十九日に農水省と厚生労働省がBSE問題に関する調査検討委員会を開催されるということを決められたようにきょう出ておりますけれども、ぜひ縦割りでなくて相互に、それぞれ専門家の方ですから、問題点を指摘して、安易に安全だというふうなことを結論づけないように、どこに穴があるかということをお互いにチェックし合う、そして連携して一体的に取り組んでいく、そして生産者のみならず消費者のサイドに立ってやっていく、このことに向けてお力を込めていただきたいと思います。 その三点についてお聞きしたい。そして、終わります。
○政府参考人(小林芳雄君) 最初に、背番号の関係と、それから情報伝達の関係でございます。 今お話ございましたように、生産現場から屠畜場まで、これはいわば耳標をつけまして総背番号の仕組みをつくっていく。これとあわせまして、屠畜場から小売段階まで伝達する手法、これまた重要でございます。 そういう意味で、平成十二年度から国内での情報伝達の状況とか海外における実態調査などを実施しておりまして、また十三年度、本年度からは新しいバーコード、こういうもののITを活用したシステムの開発、実証試験を開始したということでありまして、これから川上の家畜個体識別システムとの連携も含めまして、我が国に適した情報システムの確立に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(尾嵜新平君) 牛の背番号制の関係について、厚生労働省といたしましては、この検討会に参加しておりますが、これについても、流通食肉を含めて、食肉の安全確保の観点から本システムの具体的な活用について検討していきたいというふうに考えております。 二点目の食品衛生法の改正の御質問でございますが、現在でも審議会はすべてオープンになっておりますし、いろいろな情報につきましては厚生省のホームページ等で十分情報提供させていただいているということでございます。 今後とも、そういったものの充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、食肉関係者の経営安定のための救済について伺います。 先日、私のところに親子二代、五十年にわたって牛肉専門のしにせの料理店を経営している方がお見えになりました。今回の影響がいかに厳しいかというお話を承りました。そして、何よりも早急に牛肉に対する国民の信頼回復のために対策を講じていただき、消費の回復を図ってほしいと強い要請がありました。 また、売り上げが九月十一日から九月の末までは一六%の減少、十月の一日から十三日までが四〇%の減少、十月の十五日から二十六日までが七五%の減少という、このように短期間での急激な売り上げの減少にもう大変大きなショックを受けていらっしゃるようでした。 今まで三店舗を経営していらしたんですが、十月の末で二店舗を閉鎖し、本店の一店舗だけにするということでございました。それで、乗り切るためには仕入れの支払いをストップしていると言われてもおりました。そうしなければやっていけないと。専門料理店にとって一たん離れた顧客を取り戻すというのは至難のわざであると、こうもおっしゃっておられました。 そこで伺いますが、農水省は今回の狂牛病問題の肉屋さんとか焼き肉屋さんとか外食産業への影響について、このような実情をきちんと掌握されているんでしょうか、いかがでしょうか、伺います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話ございましたBSEの今回の患畜の発生によりまして、食肉販売店あるいは焼き肉店、こういった流通関係の皆さんにおきましても、牛肉の消費が控えられたということによりまして売り上げの減少を初めとした経済的影響を受けておられるということは認識しております。
○沢たまき君 今回、狂牛病関連中小企業者対策について、セーフティーネットの保証と貸し付けを講じられましたけれども、BSE関係中小企業への実施の状態はどうなっておりましょうか。
○政府参考人(小脇一朗君) お答えいたします。 私ども中小企業庁といたしましては、食肉の小売店などの関係の中小企業者の方々につきまして、売り上げの減少等の問題が発生しているというところから、その対策といたしまして相談窓口の設置、あるいは運転資金の融資等の措置を農林水産省からの御要請のあった直後の十月四日から実施をいたしているところでございます。 具体的に申し上げますれば、政府系の中小企業金融関係の三機関、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、各経済産業局等に相談窓口を設置したところでございまして、十一月二日現在でこれまで合計で五千六百五十九件の相談に応じているところでございます。 また、影響を受けます中小企業の方々に対しまして、政府系の三金融機関から運転資金を別枠で貸し付ける制度を適用いたしております。三機関合計の融資実績は、これまた十一月二日現在でこれまでに二百七十八件、約三十三億円となっているところでございます。 さらに、影響を受けます中小企業の方々に対しまして、別枠で信用保証をいたしますセーフティーネット保証制度を適用いたしておりまして、信用保証協会による保証実績は、十一月二日現在でございますけれども、三百八十三件、約五十億円となっているところでございます。
○沢たまき君 今伺いました金融機関と保証協会などの現場はしかし、お話がありましたけれども、大変混乱をしております。 申し込みに行っている食肉販売業者の方はもっと混乱しておりまして、何が混乱していますかといいますと、このセーフティーネット枠は別枠と今もおっしゃったように明記してありますが、現場の実情と政府の政策の間に大きな乖離が生じているのではないかと懸念しております。 特に、牛肉の専門店、あるいは牛肉を専門に取り扱っている料理屋さんは悲惨な状態ですね。実態としてわずか一カ月の間に、先ほど申し上げましたように、約八〇%の売り上げの減少という問題を抱えています。中小企業庁も、余りにも緊急でしたので、中小企業者の実態が掌握し切れないまま当面の対策として講じられたんでしょうけれども、保証協会などの現場は、別枠という意識ではなくて、通常の審査をされているというのが実情なんです。 別枠とはどういう制度の内容か、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(小脇一朗君) お答え申し上げます。 今回のような不測の事態に直面をいたしまして、急激な売り上げの減少等に見舞われます中小企業の方々に対しましては、信用保証協会によるセーフティーネット保証、そしてまた政府系金融機関によるセーフティーネット貸し付けといった制度を用意いたしておりますけれども、保証や貸し付けの別枠が適用されているというところでございます。 保証の別枠とは、一般の信用保証について、企業が利用できる限度額とは別にそれと同額、つまり合計で申し上げれば二倍の信用枠を設ける、そういう保証を行うものでございます。また、セーフティーネット貸し付けにつきましても、通常の貸付限度額とは別途貸し付けを受けることが可能となっております。 ただし、それらを実際に御利用されるに当たりましては、返済可能性などにつきまして保証協会あるいは政府系金融機関の審査を受ける必要がございます。個々の中小企業の利用金額につきましては、借入額が多い場合には月々の返済が増すということにもなりますので、審査を十分にさせていただいた上で個々の事業者の実態に即した適切な金額が御融資されるということになるわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、保証や融資に当たりましてはこうしたすべての事情を勘案して適切な対応がきめ細かく行われるように従来から保証協会、そして政府系金融機関を指導してきているところでございますけれども、セーフティーネット保証・貸し付けの趣旨を十分踏まえまして今後とも指導の徹底に努めてまいりたい、このように考えております。
○沢たまき君 きめ細かにとおっしゃってくださったのでちょっとほっとはしておりますけれども、ちょっとついでに申し上げさせていただきますと、国の別枠というのは、中小企業庁が説明されましたように、狂牛病対策ということで別枠の融資枠があるということなんですよね。しかし、食肉販売業者の側から見ますと、別枠といっても結局その事業者の返済能力という枠がありまして、政府の融資対象になってはいても実質的には融資されていないんですよね。 本来、事業者側から見れば、別枠という意味は、今二倍借りられるということになっていますけれども、返済能力プラスアルファと事業者の方は理解しているんですよね。それで、ありがたいな、これでこの危機を乗り越えていかれるかな、そういう意味の別枠と思っているわけですけれども、反対にこの長い不景気の中で金融機関の民間の事業者に対する審査が大変厳しくなっております。 私のところにお見えになった店主も、数年前までは返済能力八千万円と見ていただいたようでございますが、一回も返済を滞ったことがないんですが、ただいまは返済能力は五千万に落とされている。いわゆるこの料理店の返済能力は五千万になっているわけですね。 したがって、幾ら中小企業庁、今おっしゃったように、政府系の金融機関だとか商工だとか全部おっしゃいましたけれども、政府系の金融機関、保証協会が別枠と言っても事業者の返済能力の枠というのがありますから、政府のおっしゃったような別枠は全く機能していなくて現場は本当に混乱しているんです。 このことは中小企業庁、御認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(小脇一朗君) 私どもといたしましても、今回の重要性にかんがみまして、融資先の返済可能性についてはいろいろ審査をさせていただいておりますけれども、既に多額の債務を有している、そういったことのみをもって融資を拒絶するというようなことはなく、あくまで個々の中小企業者の実情を踏まえたきめ細かな総合的な融資判断をするようにという指導をしておりますが、今後ともそういった指導を徹底したい、このように考えておるところでございます。
○沢たまき君 これをお聞きいただいたら本当に皆さん喜ぶと思います。ありがとうございます。 確かに、融資というのは大変難しい問題ではあります。さきに中小企業金融安定化特別保証という問題の融資がございましたので、私は決してずさんな融資をせよと言っているのではありません。しかし、特殊な事情でございますのでそれなりに、きめ細かとおっしゃってくださいましたのでそれなりの工夫をぜひしていただきたいと思っております。例えば、店舗の形態によって多様な基準を設定してもいいのかなと思っておりますので、今の御答弁のように実効性のある救済策をぜひ講じていただきたい、ぜひ現場の金融機関の皆様にも徹底をしていただきたい、このように御要望を申し上げたいと思います。 大変うれしい御答弁をいただいて、あしたの公明新聞はでかでかと出るでありましょうと思っております。ありがとうございます。 次に、厚生省に伺いますが、今日の雇用失業情勢を踏まえて、激変緩和措置として十一月、今月の一日から雇用調整助成金の特別措置を講じられました。まさに時期を得たものとして高く評価をいたします。この狂牛病の、食肉販売業者の皆さんにとって閉店にするか休業にするか、大変苦慮されております。 そこで、この制度の対象事業主、それから支給の要件、それから支給の内容、どこへどういう手続をすればいいのか、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用調整助成金は失業の予防を図るための制度でございまして、経済上の理由によりまして事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の休業とか出向という形で雇用の維持を図っていただく事業主に対しまして支給するものであります。 従業員の休業を行った場合で申し上げますと、この受給対象期間一年の間に百日を限度に従業員の休業手当相当額、中小企業の場合には三分の二を助成するというものでございます。 雇用調整助成金の適用基準は原則として生産量、生産額、あるいは販売量、販売額等の事業活動をあらわします指標で見まして、直前六カ月の、今申し上げました例えば販売額が前年同期に比べて一〇%以上減った場合に適用するということになっておりますが、今回御指摘のような事態がございますので、中小企業に限っては、直前二カ月の売り上げ、あるいは生産量、額等が前年の同期二カ月に比べて一五%以上減ったという場合には適用するという特例を設けまして、十一月一日から本年度末まで発動しているところでございます。 この場合の中小企業は、中小企業基本法に定義します中小企業でございますので、業種的には製造業からサービス業から販売業から卸・小売すべて入りまして、雇用保険の適用事業主であればすべてカバーされるという形になります。
○沢たまき君 このままいきますと、国内の畜産業という産業がすっぽり消えてなくなってしまうのではないかと、そういうぐあいに皆さん危惧されております。極端な人は、国は意図的に輸入政策重視に転換するのではないかという不安を持っていらっしゃる方もいらっしゃるんですよ。その不安を払拭するためには、何よりも食の安全性を確保して、消費者の不安感を解消して国内の消費を拡大することが最も大事だろうと思います。 そこで伺いますが、全頭検査をしたという牛肉について、店頭で消費者にわかるような表示はできないものでしょうか。厚生労働省にお伺いします。 あわせて、農水省は店頭牛肉に識別番号表示をなさるということですが、これは消費者の信用回復に向けて大変有効だと思いますけれども、具体的にはどう取り組んでいらっしゃるんでしょうか、伺います。
○政府参考人(尾嵜新平君) BSEの検査に合格して店頭に商品として並べられた牛肉に検査済みのそういった表示を行うというお話でございますが、こういった牛肉がBSEの検査導入前の屠畜解体されました牛肉とその安全性の面からどうかと言われますと、基本的にはどちらも安全であるということでございまして、公衆衛生上の見地からの表示ではなくて、食品衛生法上に基づく表示というものにはなかなかなじみがたいお話ではないかというふうに思っているわけでございます。 ただ、民間の事業者等におきまして、十月十八日以降に検査に合格した牛肉に検査済みの表示を自主的に行うというお話は既に出ておりまして、全農の方からもそういうお話は出ております。そういうことにつきましては、基本的には業界の対応にゆだねるということで対応をするということで、農林水産省の方のJAS法でもそういったお考えだというふうに伺っているところでございます。
○政府参考人(西藤久三君) 先生御指摘の食品の安全性、品質に対する消費者の関心の高まり、おっしゃるとおりの状況がございます。こういう中で、私ども農林水産省、食品の生産方法などの情報を最新のバーコード等ITを活用することによって、食品とともにそういう情報を流通させる、そういうことを通じまして、一つは食品の事故が発生した場合の原因究明を容易にするということ、二つ目は消費者がニーズに応じて商品情報を引き出せる、そういうトレーサビリティーシステムの開発事業を始めているところでございます。本年度は、全農や食品関係団体等の協力を得まして、米、野菜、牛肉、それと一部の加工食品、具体的にはお茶と業務用の液卵ということを例示的に考えておりますが、これらにつきまして情報提供システムの開発と実証、どううまくいくかという実証試験に取り組みたいというふうに思っております。 具体的には、牛肉につきましては、先ほど来御指摘があります番号がついた耳標を牛に装着しまして、生年月日なり移動履歴、飼養方法等を管理するとともに、屠畜後もこれらの情報が小売段階に提供できる仕組みを構築していきたいということで、本年度、具体的には北海道の牧場と大阪の生協とを結んだモデル実証試験を実施し、実用化を図る上での課題を抽出していきたいと。 いずれにしましても、今回のBSEの発生等によりまして牛肉の生産方法等に対する消費者の関心の高まりを踏まえまして、このトレーサビリティーシステムの早急な構築に努めていきたいというふうに思っております。
○沢たまき君 どうぞよろしくお願いいたします、食べるものは命をつなぐものでございますので。 実は、ここに農畜産業振興事業団のポスターがありますが、(資料を示す)これはどうも何となくすっきりいたしません。ここに「厳しいBSE検査体制がとられました。」と書いてありまして、その下に「牛肉は、もともと安全です。」と書いてあります。上の標語と下の標語が言わんとすることが全く逆の意味を呈しているんですよね。これはどう理解したらよろしいんでしょうか。 だから、もともと牛肉は安全です、しかし念には念を入れて検査しましたというならわかりますけれども。検査しました、もともと牛肉は安全ですと言われると、何か違うんじゃないかなと。これを考えた方は頭を使ったんでしょうけれども、普通の消費者は安全なのかどうなのかはっきりしません。もっと安心するポスターを、練りに練ったんでしょうけれども、ひねり過ぎてだめだというのがよくございますので、もっと消費者がどうしたら安全であるかということを容易に理解するように丁寧に広報すべきであると思いますが、こういうのをつくり直すというお考えはあるでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 今お話ございましたように、このポスターにつきましては、厳しいBSE検査体制がとられましたということと、それから牛肉はもともと安全なんですけれども念には念を入れてと、こういうふうにつながっておりまして、今まさに先生がおっしゃったとおりのことをこの一枚のポスターの中で訴えようとしているものでございます。 ただ、なかなか実際に、消費者の皆さんを含めてこれを見られて、このPRの仕方ということでわかりにくいとか足りない点があれば幅広く御意見をいただいて、また今後いろいろな普及活動を私どもしていきますので、その中で十分生かさせてもらいたいと思っております。
○沢たまき君 いろんな方の御意見を伺っていただいて、わかりやすい、消費者にとって直接もう本当に安全なんだと一目瞭然に理解できるようにぜひしていただきたいと思っております。 次に、文部科学省にお伺いいたします。 今回の狂牛病問題で多くの小中学校では学校給食から牛肉が外されたと伺っております。安全宣言がなされてから徐々にではございますが復活されているようですが、状況は把握なさっていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(上原哲君) 文部科学省といたしましても、当初から関係省庁とも御協力申し上げまして、牛肉並びに牛乳その他の安全性につきまして周知徹底を図ってきたところでございます。 特に十月十八日以降につきましては、両大臣からの安全宣言が出されたところでございまして、同日付で通達を発出しておりまして、両大臣の趣旨につきまして御理解いただくとともに、特に学校給食におきましては、牛肉の使用を自粛している学校について、保護者の理解を求めつつ従前の取り扱いに戻すように要請をいたしているところでございます。 それで、十月十八日以降でございますが、九月末時点の調査によりますと、三分の一程度の学校が自粛していたところでございますけれども、私ども承知している範囲では、市町村の中では既に学校給食の中で牛肉の給食を再開したり、また他の市町村におきましても再開の方針を決めているというふうに承知いたしております。 いずれにいたしましても、今般の両大臣の安全宣言の趣旨につきまして、これからも周知徹底を図ってまいりたいと考えている次第でございます。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 学校給食で使う牛肉の量は微々たるものと言われてはおりますけれども、保護者の方の御理解をいただくとおっしゃいましたけれども、御理解いただければ少し消費の拡大にもつながると思いますので、ぜひ保護者の皆さんの御理解を得られるように御努力をお願いを申し上げたいと思います。 ところで、我が公明党が狂牛病のこの問題が発生して以来すぐに我が党の渡辺孝男参議院議員を本部長といたしまして家畜伝染病対策本部を設置いたしまして、九月二十八日に農林大臣、厚生大臣に緊急の申し入れを行いました。そこで、まず何よりも消費者の不安を払拭することが最も優先されなければならないことを強く申し入れをいたしました。特に、狂牛病に対する安全性が確認できるまで食用に供する牛は年齢にかかわらずすべてスクリーニング検査を行い、安全性が確認できない牛肉の市場出荷は行わないことと消費者優先の安全対策を講じるべきだと訴えてまいりました。 私はこの対策本部のメンバーではありませんでしたけれども、この公明党のいち早い全頭検査を行い安全なもの以外は市場に出さないとの申し入れをどう受けとめられたのか、そして全頭検査の実施まで狂牛病の発生から三十八日もかかった理由はなぜでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど御指摘いただきましたとおり、最初は三十カ月齢以上のもの、大体それで、大体と申しますか、それで十分科学的には用を足すのではないかというふうに考えておりましたけれども、今お話がございましたように、全頭検査した方がいい、消費者の皆さん方のいろいろの御不安を考えましたときに、そうすべきだという御意見をいただきました。党からも確かに九月の二十八日にちょうだいをいたしましたし、また自民党の農林水産部会からも同様の御趣旨の提言をいただいております。その他消費者団体や農業団体など各方面からもやるのならば全頭の検査をというお申し入れをいただいたところでございます。 そうしたお申し入れを受けまして我々もこの全頭検査に踏み切ったわけでございまして、これによって百三十万頭、三十万頭ぐらいこれで年間では増加するわけでございますが、しかしこの際、国民の皆さん方の不安を払拭するということが第一であるという立場から踏み切らせていただいたところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございます。 狂牛病の対応は食品の安全という視点を最も重要視するべきです。したがって、農水省、厚生労働省におかれましても重大な危機管理の一つとして位置づけをしていただきたいと思っております。消費者の優先、食品安全対策最優先で今後とも対策を講じていただきたいと思っております。 世界で最も被害が大きかった英国、皆さんもおっしゃっておりますが、十八万頭もの狂牛病が発生しております。八六年に初症例が出てから二年後に肉骨粉を禁止しております。その結果、九一年、九二年、九三年のピークを経て十五年たった今日、狂牛病の発生は年間百頭台に低下しております。このことから見ても最大の要因は肉骨粉にあると思います。 農林省といたしましては、肉骨粉と異常プリオンの因果関係のメカニズムは解明されておりましょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) プリオンでございますが、正常な個体にも存在するたんぱく質でありますけれども、汚染された肉骨粉の摂取などによりまして外部から異常プリオンが体内へ入り込むとそのときに異常プリオンと接触した正常プリオンが次々と異常化するということでございまして、この異常プリオンが脳細胞に蓄積することによって牛海綿状脳症、BSEが発症するというふうに言われているところでございます。
○沢たまき君 ところで、農水省は今月の一日から肥料用として全頭検査前の牛骨粉を解禁することを決定いたしましたね。牛骨粉による異常プリオンの発生のメカニズムを今ちょっと伺いましたけれども、たとえ肥料とはいえ使用することは消費者の方としては納得できないんではないでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 十月四日に国内の肉骨粉の使用をすべて停止いたしまして、その後この肉骨粉の取り扱いにつきましては生産者、関係事業者、消費者、学識経験者の皆さんから構成されますBSE対策検討会、こういうものを立ち上げました。そこで今の対応と、それからこの肉骨粉をどういうふうに扱っていくかということにつきまして、御意見を伺いながら進めてきているところでございます。 それで、肥料でございますが、十月十九日に第二回目の検討会を開きました。その場におきまして、消費者委員の皆様含めまして、肥料用の肉骨粉につきまして、一部でございますけれども、えさの方への誤用とか流用防止、この措置が確実に講じられる場合に限って一時停止の対象から除外することが適当とされたところであります。 それで、今般、十一月一日に今の肥料用の肉骨粉の製造・出荷の一時停止の措置を一部解除いたしましたが、今のような経過を踏まえまして、その原料や製品の中に蒸製骨粉というのがございます。これはいわゆる牛由来のものも含まれるわけでございますが、OIEが定める不活性化条件、百三十三度C、二十分、三気圧を超えた条件で処理されておるということでございまして、こういったものを含みます肉骨粉であること。 それから、肥料でございますが、製品として硫安とか石灰とか、こういうものとまぜた複合肥料、この利用に限定するということでございます。 それから、今の秋のまさに肥料、秋肥と言っていますが、その注文がございまして、これから製造・保管するということでございまして、その際には肥料袋に、家畜の口に入らないところで保管するとか、それから放牧地への散布、これは当然禁止でございます。また、あわせまして、肥料の生産業者、販売業者、そういった段階から工場から農家まで、だれからだれにどれだけ購入、販売したか確認できるよう帳簿を整備する、こういった措置を講じまして、こういったものが満たされる場合に限って、まさに飼料への誤用・流用防止に万全の措置を講じながら進めていくということでやっているところでございます。
○沢たまき君 伺いました。だけれども、肥料って土にまくでしょう。それで、肉骨粉に硫安だとか石灰とまぜてやったとしても、その肥料でできた大根とかホウレンソウを食べて私たちは大丈夫なのかなと、そういうのがあるでしょう。やっぱり食べ物は循環するわけですから、そこら辺はとても不安ですよね。 だから、今日まですごく、十五年も英国がかかったというのは、やっぱり二年間、ほかの先生方もおっしゃいましたけれども、やめなかったからじゃないかなという思いがございますので、大丈夫と言われてもどうなのかなと思っているんですよね。行政指導で肉骨粉の使用禁止が功を奏さなかったからこうなったと我々は思っているわけなのに、今度は肥料なら大丈夫だろうと言うけれども、土からは食べ物をとるわけですからね。
○政府参考人(小林芳雄君) まず、肥料に活用した場合の植物、農産物への影響でございますが、こちらは植物でありまして、このプリオンが転移することはございません。そういう意味でまず大丈夫でございます。 それから、繰り返しになりますけれども、今回特例的といいますか一次解除しますのは蒸製骨粉ということでございまして、先ほどのOIEの基準を満たしたものでございます。ですから、いわゆるそういった加熱処理とか、そういうチェックをされていない肉骨粉は除外しておりまして、それからさらに、先ほど申しましたように、完全に肥料に使われるということをチェックしながら進めていくと、そういうことでございますので御理解いただきたいと思います。
○委員長(阿部正俊君) 時間も参っておりますので、簡潔にお願いします。
○沢たまき君 はい、済みません。もうありませんので。 最後に、ちょっとヤコブの、世界で百十一例あるようですが、幸い我が国には現在患者は発生しておりませんが、この病気の把握の体制と診断体制だけはお聞かせください。それで終わらせていただきます。
○政府参考人(下田智久君) 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症につきましては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、いわゆる感染症予防法と言っておりますが、この法に基づきまして四類感染症に位置づけ、七日以内の届け出を義務づけております。また、疑わしいケースにつきましては、遅発性ウイルス研究班のサーベイランス委員会にお願いをいたしまして専門家による判定を行い、その正確な把握に努めているところでございます。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党の井上美代でございます。 きのう、薬害ヤコブ訴訟の生存原告の一人であります千葉県の山村桂子さんが亡くなられました。十月五日に超党派のヤコブ病問題を考える国会議員の会で千葉県の病院にお見舞いに伺ったばかりです。どんなに無念だったことでしょうか。桂子さんと御家族、そしてたくさんの被害者とまたその御家族の皆さんの無念を込めて、私はきょう質問をさせていただきたいと思っております。 まず初めに、ヤコブ病の病原因子に汚染された可能性があるアルカリ未処理のライオデュラを使った手術を受けた人は日本に二十万人以上いると言われております。少なくない人が自分はヤコブ病を発症するのではないかと不安におびえておられるのであります。 厚生労働省として、どれだけの人にアルカリ未処理のライオデュラが使われたのか把握しておられるのか、これらの方々の不安にこたえるためにどのような対策をとっておられるのか、参考人にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) ヒト乾燥硬膜ライオデュラの使用枚数等でございますけれども、一九七三年から一九九六年六月までアルカリ未処理製品については大体二十万から二十五万枚、その後のアルカリ処理製品については二十万から二十五万枚、合計しますと約四十万から五十万枚が輸入されているものでございます。 今、先生御指摘のように、アルカリ処理をしていないヒト乾燥硬膜の移植を受けた患者さんにつきましては、なかなか個別の把握というのは難しいわけでございますけれども、一つには、いわゆるヤコブ病対策の一環といたしまして、各都道府県ごとに拠点病院なり協力病院を設けておりますので、そういった不安をお持ちの方につきましてはそういうところで必要な相談なり情報提供をするという形の対応をまず第一線ではしていく形になろうかというふうに思います。 それで、万一クロイツフェルト・ヤコブ病に罹患された場合にありましては、現在、医療費の全額公費負担でありますとかホームヘルパーの派遣とか、そういった特別事業でもって支援を行っているという状況になっているところでございます。
○井上美代君 私は、まだ発症はしておられないけれども不安を持っていらっしゃる方がたくさんいるということを申し上げました。 イギリスでは国と民間団体が協力をして患者と家族などへの支援体制というのをつくっておられるということです。小人症治療で用いられた成長ホルモン製剤で十六人が薬剤のヤコブ病を発症しています。注目すべきは、このホルモンを投与された約千九百人に対して、感染への不安に対応するために心理療法士が精神的なケアを行う体制がつくられているということなんです。 日本でも、私はいろいろ相談を受けている方にもお話を伺いましたけれども、やはり感染への不安を持っている人たちがたくさんおられます。こうした人たちに対して、当事者の求めに応じて情報開示を行い、そして発症の不安に対する相談体制が絶対に必要だというふうに考えているんです。 それで、ぜひ検討していただきたいというふうに思っておりますけれども、御答弁を願います。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の乾燥硬膜の手術を受けられまして不安に思っている方々に対しまして必要な情報をできるだけ提供するという形は今後もいろんなメディアを通じてやっていきたいと思いますし、実際のいろんな御相談に応ずるという体制につきましても、私どもの持っていますいわゆる資源であります保健所なり、あるいは先ほど申しましたいわゆるヤコブ病対策の拠点病院なり協力病院、こういうものをできるだけ総動員いたしまして対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○井上美代君 支援体制というのは、先ほど言われましたように、二十万から二十五万という人たちが受けているわけですから、私はぜひ早期にきちんと相談体制をつくってほしいというふうに思います。 新しいことでもありますので、私は大臣にもお答えをいただきたいというふうに思っております。御答弁願います。
○国務大臣(坂口力君) 御提案、一度検討させていただきます。
○井上美代君 何よりも国として責任を認めてきちんと解決をしていくということが私は多くの方々の不安を取り除くことになるんだと思うんですね。被害を受けた方や家族にできる限りの支援をする立場にやはり立つべきだと思いますので、ぜひそれを実行してほしいというふうに思います。 次に、私は、薬害ヤコブ病の原因となったヒト乾燥硬膜ライオデュラの承認についてお聞きします。 ライオデュラは一九七三年に輸入承認がされました。まず確認をいたしますが、ライオデュラは、我が国で初めて輸入・製造が承認された、人の遺体からつくられた医療用具だということで、確認を願います。
○政府参考人(宮島彰君) ライオデュラは、御指摘のように、人の死体から採取した硬膜を用いた医療用具でございまして、昭和四十八年七月に承認されています。こうした人の死体から採取した組織を用いた医療用具としては、ライオデュラが我が国では初めて承認されたものでございます。
○井上美代君 我が国で初めての遺体からとった医療用具、今答弁があったとおりです。厚生省が承認するに当たっては慎重に判断するのが当然だったと思います。実際はどうだったのか。 私はここに、コピーではありますが、そのときの書類を持っております。これを見ますと、書類はわずかに九枚です。業者が東京に申請書を提出してから厚生省が承認するまでたった三カ月足らずです。安全性について実質的に審査されたとは言えないと思います。その点、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 当時の状況を見てみますと、審査期間につきましては今三カ月という御指摘ございましたけれども、私どももその当時のほかの医療用具の承認状況を調べてみましたが、ほかも大体三カ月を中心にしまして、若干長いもの、短いものございますけれども、特にこのライオデュラの審査期間が突出して短いという形ではなかったと思います。 それから、ライオデュラにつきましては、いわゆる人の組織からとるということで、審査の主体も、いわゆる無菌性の確保といいますか、滅菌条件を中心に審査が行われたというふうに承知しておりまして、当時の審査内容を見ますと、当時としては一応最高レベルの滅菌方法を用いて滅菌には徹底した確保を行い、無菌性を確保するということを一応確認した上で承認したというふうな経緯をたどっています。
○井上美代君 これは、先ほど申し上げましたように、初めてのケースです。しかも、死体からとっているという、そういう特殊なことです。だから、ほかのと比較をされては困るというふうに思います。 申請書には「原材料 ひとの硬膜」とあります。どのような死体から硬膜を集めるのか、承認に当たって確認したのかどうかということについてお聞きいたします。答弁してください。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のヒト硬膜の採取がどのような死体から採取したかという、いわゆるドナースクリーニングにつきましては、当時におきましては特段ドナーについての条件設定は行っていないという状況でございました。 ただ、先ほど言いましたように、こういった製品につきましては無菌性確保が一番重要な問題ということで、滅菌条件等につきましてはかなり厳格な条件を付加して安全性の確保を図ったという状況でございます。
○井上美代君 どのようなドナーから硬膜を集めたのか、医療用具の安全を審査する立場であれば確認するのが当然ではないですか。確認したかどうか。それさえもしていないわけですよね。ないんですよね。全く信じがたいことです。そのまま頭の中に使うそういうものを、当時は当時はとおっしゃいますけれども、確認もしないでそういう死体からとっているものをそのまま使っていたということ、これは大変なことだというふうに思うんです。 私は、次に行きますけれども、臨床試験について聞きます。 当時、医療用具の承認を申請するときは臨床成績を添付のことと、こういうふうに決められておりました。そして、一九六一年に薬務局長通知が出されております。それも私はここに持っております。これは一九六一年、昭和三十六年に出された書類であります。 ライオデュラの承認に当たってはどうだったか。申請書に添付された臨床試験の報告書もありますけれども、この中に入っておりますけれども、二通入っているんです。臨床試験報告書というのがこの中に入っております。大学の脳外科の教授二人がそれぞれ、十分に補強に耐え、副作用は認められなかったので報告しますというふうに書いて、そして報告書の下の方にサインがしてあるんです。それぞれ一枚だけです。私はこの報告の内容を見て驚いております。字数も、もう読んでもいいぐらいなんですけれども、点も丸も入れて数えましたら百五十字でした。筆跡も文面も全く同じです。違うのはサインだけなんです。お医者さんのサインだけが違います。そしてもう一つ、この臨床実験に使った人数が書いてあります。人数も、一人の先生は「百五十名を越え」と書いてあります。もう一人の先生は「二百名を越え」と、こういうふうに書いてあるんです。ただそれだけです。 本当にきちんと治験をしたのであればその裏づけがあると思います。そうしたら裏づけがあると思いますが、それもこの中には出てこないんです。幾らめくっても、九ページあるだけで、出てまいりません。このように、治験が行われたと言うのですけれども、これは全く疑問だというふうに思うんです。 薬務局長通知では、治験に当たっては申請者、業者ですけれども、これは治験の届けを出すことが定められている。そして、ライオデュラ申請の際にどのような治験の計画だったのか、届けは出ているのかどうかというところを答弁願います。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のように、ライオデュラが承認されました昭和四十八年当時におきましては、申請者が治験を行う際にはあらかじめ厚生省の認定を得ることを指導しておりました。 本件ライオデュラに関しましては、当時の文書発出簿を調べてみましたところ、申請者である山本和雄に対して、昭和四十七年七月に治験用医療用具の認定書を発出した旨の記録が残っております。ただ、この発出簿には具体的な製品名なり内容等の記載がございませんので詳細の内容については特に確認できませんでした。
○井上美代君 治験には、今答弁されましたけれども、計画を立てるというのが当然なのに、その計画があったかわからない。我が国で初めて人の遺体からつくった医療用具だということ、そしてまた全く死体の病歴も不明です。そして、その死体からとった硬膜なのです。記録ももちろんその硬膜にはついていません。だから、そういうものなのにこんないいかげんなことでいいのでしょうか。それで済ませているというところに問題があるのではないでしょうか。御答弁願います。
○政府参考人(宮島彰君) 確かに先生おっしゃいますように、現在でありますとドナースクリーニングが一応審査基準の中に盛り込まれておりますけれども、当時においてはそれがなされていなかったということであります。 ただ、仮にそういうドナースクリーニングのような形が可能であったといたしましても、クロイツフェルト・ヤコブ病に限定して考えますと、当時におきましては発症原因等がまだ未解明で医学的治験等もないような状況でしたので、それをとらえる、把握する、審査するということは極めて難しかったのではないかというふうに思います。
○井上美代君 それは私は言いわけにすぎないと思うんです。 しかも、この臨床試験の報告書にサインをした元教授なんですけれども、お一人の方は亡くなっておられます。そしてもう一人の方が元気でいらっしゃるんですけれども、最近、臨床試験としてはやっていないと、このように本当に答えておられるんですね。私はこれを聞いてまたびっくりしたわけです。安全性の確認はしていないと、このようにも言っておられるわけなんです。これはテレビで明確に証言をされているんです。テレビは無数の人たちが見ているんです。そういう人たちの前で証言をしている。これはひどいではありませんか。もう本当にとんでもないことだというふうに思うんです。 厚生労働省はそれでもまともな治験が行われたと言われるんですか、考えておられるんですか。そこを聞きたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 今、先生御指摘のように、当時の治験医の方がテレビ番組等でいろいろ御発言があったということは承知しておりますけれども、ただ実際に、ライオデュラを三百五十名の患者に用いまして、その使用結果を集めて報告書が作成されて、それを踏まえてそのお医者さんが報告書にサインしたという事実は否定されたものではないというふうに考えております。 ただ、四十八年当時におきますこういった臨床試験報告書につきまして、ほかのもの等もいろいろ見てみましたけれども、大変簡単な形でありますけれども当時としては一般的なもので、したがって治験それ自体として特段の問題があったというふうには言えないかと思います。 ただ、現在のこういった臨床試験報告書、治験のデータにつきましては、当然その後大変レベルアップしておりますので、現在からしてみますと内容的にレベルの低いという見方も一方であるのかもしれませんけれども、そういう患者に実際に使用し、その結果を集めて報告書をつくったということは事実だというふうに我々は考えております。
○井上美代君 当時としては、当時としてはというふうに言われますけれども、責任があるのははっきりしているんじゃありませんか。実際にあるのはこれっきりなんですよ、これっきり。何も治験はされていない、裏づけもないわけなんです。だから、私はそれは厚生労働省の言いわけにすぎないというふうに思うんです。 当時のレベルとしては十分だったという考えは今も変わっていないようですけれども、そうではない。薬務局長の通知で見ますと、「製造の承認」というところがあるんです。そこに「臨床成績は、」「形式、内容とも、学会で発表できるように作成されたものであること。」と、これが決められているわけなんです。ライオデュラの承認申請書に添付されたこのペーパーは果たして、ほんの百五十字で、学会に発表できるものかどうか。どうなのでしょうか、私はここは大臣にお聞きしたいと思います。医の心を知っておられるという大臣にお聞きしたいと思います。御答弁願います。
○国務大臣(坂口力君) 今いろいろお話を聞いておりまして思いますことは、一つはこの治験を行った先生がただ何もせずにサインだけをなすったということが本当だろうか、もしもそれが事実であったら大変なことだと思うわけです。 私も医療の場におりましたが、さまざまな薬の治験等に携わったことがございますけれども、上の先生がみんなにいろいろその趣旨を説明いたしまして、そしてこういう方をひとつ治験に選んで、そしてこういうことを注意して診てほしいということを言って、そしてそれに当たる人たちをお互いが診ましたときに、患者さんに当たりましたときにその薬を使うといったことで、そして最終的に集めていたわけでございます。私がそれに携わりましたのは昭和三十年代でございますから、これよりもまだ前の話でございます。したがいまして、ほとんどのところではそういうふうにやっていたわけでございますので、もしもその先生がその発言をなすったようにこれがなっていたとすれば、これは大変なことだという気がいたします。 サインをするということは、それは一種の診断書を書くわけでございますから、その診断書を書くのが、自分が何も診ないで診断書にサインをなすったとしたら、それは大変なことではなかったかというふうに今お聞きをしたわけでございます。 私はその当時の事実関係を率直にその先生からお聞きしたわけではございません。しかし、これらのことを今総合的に判断をいたしましたときに、やはりその当時といえども、手順を踏んで明確に行われるべきことが果たして手順を踏んでいたかどうかということになってくるだろうというふうに思います。もし委員が今御指摘になりますようなことが事実であったといたしましたら、それはまことに遺憾なことであり、そして、現実に、そうしたことをそういう手順ですべてが判断をされていた、その当時といえども、時代ではなかったというふうに私は思っております。 ですから、もしもそうしたことが事実であったとしたら、これは解明しなければならない問題だと思っております。
○井上美代君 大臣はテレビをごらんになりましたでしょうか。私、ここにビデオを持っているんです。ぜひ、後でお手元にお届けしますので、見ていただきたいというふうに思います。 やはり、忙しくても見れる短いビデオなんですけれども、私は、ここで証言をされているその大学の教授の言葉を聞きまして、それは事実だと思うんです。事実だと思いました。過去において、確かにそのように治験はしていなかった、しかしながら判こを押した、サインをした、そういうことをしているけれども、これは事実だと、証言は事実だというふうに思いますので、大臣にもぜひ見ていただきたいと私は思います。 たった七行の臨床試験の報告書なんですけれども、とてもこれは当時であったとしても学会で発表できるようなものではないということは、私、素人であってもわかるんです。ちゃんと学会できちんと出せるようなものを作成しなきゃいけないということを薬務局長通知でやっているわけですからね。だから、そういう点で、このような百五十字ぐらいのを出してそれでやったなんて言っているというそこに問題があると思うんです。 しかもなお、今日の厚生労働省でそのことを、過去は、あのときは当時は当時はでしたね、当時は当時はとおっしゃるんですけれども、私はそこが重要なところだというふうに思うんです。ほかの医療用具も同様だったような話もちょっと出ておりますけれども、こんないいかげんなことでは済まないというふうに思うんです。特に、人の死体からとって、そして初めてこれを医療用具として認可しているわけですから、そういう点でも認識がないという、これに対して、当時は当時はということで、今日の認識がないということがはっきりしたのではないかというふうに思うんです。 やはり、治験もまともに行われていない、そして実質的な安全の審査がないままに承認されたこと、これはやはり明らかであると思います。そしてまた、こういうずさんなことが行われたということ、これはやはり厚生労働省、当時の厚生省だと思いますけれども、安全を確認したということにはならないのではないかというふうに考えるわけです。 特に、被害者の家族は、これが国がやることですかと、こういうふうに言っておられます。当時のもう本当に、その家族の怒りというのは、私、当然のことだというふうに思っているんです。大臣がどういうふうに受けとめられるのか、何しろ国民の健康の向上と、そして医療用具の安全に責任を負っているお医者さんであり、厚生労働省の役割というのを認識しておられる大臣に私はお聞きしたいと思います。御答弁願います。
○国務大臣(坂口力君) 繰り返すようでございますけれども、先ほどお聞きいたしました話が本当に真実であるとすれば、これは医師として大変な罪を犯していると私は思います。その当時のことを私もつまびらかに知っているわけではございません。ございませんが、その当時といえどもやはり明確な審査が要求されていたはずでございますし、その手順を間違えているということがあったとすれば、それはやはり大きな責任であると思っている次第でございます。
○井上美代君 私はやはり、今裁判が行われておりますし、二十五人の人が提訴して三人が残っておられる。山村さんはきのう亡くなられました。家族を初め関係者は、もう大変な苦しみとそして悲しみの中で裁判にまで立ち上がられたんだと思うんです。だから、一日も早く全面的な解決をしなければならないというふうに思います。山村さんの夫の伊吹さんは、桂子さんが結婚式や孫の成長も見ることなく病に倒れた無念さを語りながら、厚生労働大臣もぜひ訪ねて妻の状況を見てほしいとずっと言い続けてこられました。 私は、そういう点からも大臣がぜひこの残された数少ない患者のところに行っていただいて謝罪をし、そして解決の方向で頑張るということを言っていただきたいというふうに思っております。 大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) けさもお答えをいたしましたとおりでございまして、私がお邪魔に上がりまして、そしてただ病気のお見舞いを申し上げるというわけにはいかないというふうに思っております。私がお邪魔をいたしまして、そしてお見舞いを申し上げますときには、それだけではなくて、やはり行政の長としての立場、そのことも明らかにしなければならないというふうに思っている次第でございます。 したがいまして、現在、この裁判におきまして間もなく和解勧告、その条件が示されるということでございますから、そうした条件をお聞きしました暁において、私たちの心も決めながら、そしてお邪魔をするときにはお邪魔をさせていただきたいと思っているところでございます。
○井上美代君 このビデオにも出てこられますけれども、生存の青年がいらっしゃいます。ヒロ君というのですけれども、生存被害者の一人であり、北海道に住んでおられます。一歳のときに脳腫瘍の手術を受けられました。手術は成功いたしましたが、手術後十四年たって発症されました。ことしは十八歳になられるというふうに思いますが、自分で呼吸ができなくなってしまわれているんです。そのために人工呼吸器をつけて、そしてお母さん、お父さんに一生懸命見守られながら頑張っておられるんですけれども、ヒロ君にとって私は時間はもうないのだというふうに思います。一日も早く国が責任をとって謝罪をして、そして全面解決に向けて話し合いを早めてほしいというふうに思います。 このヒロ君というのはわずかに反応をされるんですね。わずかに反応をされるんです。今だったらその反応で青年の心の中に本当に無念な思いをしている、悔しい思いをしているのが伝わるのではないかというふうに思っております。 どうか大臣が朗報をこのヒロ君のところにももたらしてくださいますことを私は心から願います。そして最後に大臣の御決意を聞きまして、私はこの質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 先ほど申し上げましたとおりでございますが、一応十五日前後に和解の条件をお示しいただくということでございますから、その後になるというふうに思いますけれども、適当な時期を選ばせていただきまして、そして皆さん方にお会いをさせていただく機会があるのではないかというふうに思っている次第でございます。
○井上美代君 私は、では引き続き牛海綿状脳症、BSEについて質問をいたします。 この間私、国民の信頼を取り戻すのにはどうすればいいかということで質問をさせていただきました。何といっても今、肉をみんなが食べなくなっているんです。牛肉も食べませんけれども豚肉まで食べないというふうに、肉をもう食べなくなってきているんですね。だから、それには私は、肉というのは、先ほどのポスターにもありましたように、牛肉は安全ですというふうに幾ら書いていただいても、決して安全だと思っていないのが国民なんですね。 だから、そういう点で、やはり何といっても、肉をみんなが食べるようにするためには、安全な肉だということをはっきりとみんなに認識してもらえるような政府の施策が必要だというふうに思うんです。そういう意味で、今ある肉を全部凍結してということで一定の肉が凍結されたというふうに思います。しかしながら、ポスターがあのように出ると、その肉はまだ廃棄されていないわけですから、まだまだ心配があるんですね。 私は、きょうの読売新聞を読みまして、ああ、私が思っていたのはこれだったんだということがわかったわけなんですけれども、それは「未検査牛肉 店頭から一掃」というのがあるんですね。「狂牛病の影響で牛肉の売り上げが低迷する中、杉並区内の二つの精肉店組合支部は六日、未検査の牛肉を店頭からすべて回収し、区内の清掃工場で焼却する。」と、こういうふうになっているんです。「「検査前の肉を一掃する以外に消費回復の道はない」として、杉並区に牛肉の回収と焼却を要請していた。」と。これは牛肉の肉組合が要請していたようですけれども、それを杉並区が受け入れてこのようにしたということなんです。これは杉並区としては相当の費用がかかりますし、大変だと思うんです。 やはり、町に出て封を開いてしまっているそういう牛肉についても、本当に回収され焼却をされたということがわかれば区民も、ここの場合は区民だと思いますけれども、十八日からは全頭検査をしておりますから安心して食べられるというふうになるのではないかと思うんですね。 その点、どうでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 今の、十月十七日以前に屠畜解体処理されました国産牛肉在庫、これは市場隔離するということで今事業を進めておるところでございます。 具体的には、全国的な生産者団体等がその会員等が所有する十月十七日以前に屠畜された国産牛肉在庫、これを買い上げるということで、これは卸売段階を中心にしまして部分肉という形で流通しているものを対象にしています。これを買い上げ、冷凍保管し、冷蔵庫から搬出させないということでございまして、また最終処分につきましては国の責任において万全を期することで今事業を進めているところでございます。
○井上美代君 国の責任の部分と、そしてこのように、これは私、けさ見たばかりでよくまだ事実は確認しておりませんけれども、こことの関係というのはどういうふうになりますでしょうか。
○政府参考人(小林芳雄君) 今、私どもの方で進めている事業、先ほど申しましたように、全国団体の方で会員から買い入れるというそういう仕組みでございまして、その際には卸売段階を中心に部分肉の形のものが対象になっております。 そういったこととの関係で、杉並の方でやられているものがどういう関係になるのか、それはちょっと私どもの方で具体的に調べてみなければわかりませんけれども、今私どもがやっている事業はそういう形で進めておりまして、それとは別に杉並区の方で精肉店の皆さんが進められたというふうに、ちょっと具体的な関係はまだあれですけれども、理解しているところでございます。
○井上美代君 私は前のときに凍結の答弁をいただいているんですけれども、凍結したものについて焼却をするのかどうかという、その辺はどうでしょうか、答弁していただきたいのですが。
○政府参考人(小林芳雄君) まず、完全隔離ということでその事業を進めております。最終処分につきましては、これから検討もございますけれども、消費者の皆さんに不安を与えることのないよう、国の責任で万全を期すということでしっかりやっていきたいと思っています。
○井上美代君 国の責任において。
○政府参考人(小林芳雄君) 国の責任において万全を期すということでしっかり進めていく所存であります。
○井上美代君 私は、何といっても、それはもう全部焼却をしたよと、そして十八日からは全頭検査できちんと検査をしているよと、ここのところがはっきりしてくれば国民のところでも信頼が回復してくるのではないかというふうに思うんですね。 もう長引く不況の中で、年末に向けて本当に多くのところが大変になっているんですね。東京商工団体連合会が調査したところによりますと、ある肉屋さんは売り上げが五分の一に減ってしまったとか、またある焼き肉屋さんは……
○委員長(阿部正俊君) 時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
○井上美代君 はい。 売り上げは四割減になってしまった、廃業するしかないと、こういう状態が年末に向けて出てきておりますので、そういう点でもぜひ努力をしてくださいますことをお願いして、私の質問を終わります。
○大脇雅子君 今、井上議員の方から、東京訴訟の原告の一人がきょう亡くなられたと。生存者は二十五名中二名になったということで、命をかけた訴えをし、病床で時間との闘いを行われて命が尽きた原告、この事実に対して厚生労働大臣はどのような感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) この病気が大変厳しい病気であり、そして、御本人はもとよりでございますが、御家族、御親戚を含めまして大変な御努力、御心痛を煩わさなければならない病気であると自覚をいたしております。この皆さん方が長い間闘病生活を送られてきた、その皆さん方のお気持ちを察しますときに、一刻も早くこの問題の解決をしなければならないと私は思っております一人でございます。 心から御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
○大脇雅子君 これまで櫻井、井上両議員からもぜひ早急に大臣にお見舞いに行っていただきたいという言葉がございました。 十一月十四日に東京地裁、二十二日には大津地裁の第二回の和解協議が行われると聞いております。二十五人中既に二十三人が亡くなったという場合、大臣は行政の長としての立場を明らかにしなければならないので和解の条件が提示された後に伺うというふうに言われておりますが、ともかくその実態を一日も早く現場で把握していただきまして、患者の人たちにお見舞いの言葉をかけられてはどうかと思いますが、いかがでございましょうか。 十月の二十三日には原告から面談の要求書が大臣のもとに出されたと聞いております。一日も早くお見舞いをしていただきたいと念ずるものでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 御趣旨は十分に尊重したいと存じます。
○大脇雅子君 十月の二十五日、私は和解に臨む大臣のお気持ちをお尋ねいたしました。裁判所の勧告を、できる限りその趣旨を尊重して臨みたいというふうにおっしゃいました。心ある厚生行政の遂行のためにも、どうか一日も早くお見舞いをされるようお願いをいたしたいと思います。 さて、BSEの人に対する伝播に関し、英国での事例を受けまして、日本でも一九九六年、緊急調査を行いました。その調査では、図らずも四十三例の医原性ヤコブ病患者の存在が確認され、現在は七十名と言われております。この調査の結果、何人の硬膜使用歴のあるクロイツフェルト・ヤコブ病の患者が今判明したのかということを改めてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(下田智久君) 平成十二年三月まで国内でのクロイツフェルト・ヤコブの患者総数は一千二十九例というふうに承知をいたしております。
○大脇雅子君 しかし、患者や家族、遺族に対しては医原性のヤコブ病であるという連絡は厚生省からも病院からも何もないということであります。九六年調査で確認されたある患者の遺族は、原告弁護団のホームページを見て初めて自分の母親が医原性ヤコブ病であったことを知ったと言われています。 現在はどのようにして患者にそのような医原性ヤコブ病に罹患しているということを知らせる手だてを講じておられるでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 患者、家族への病名の告知の問題でございます。こういった病名の告知につきましては、医師と患者、家族との信頼関係の中で適時適切に行われることが望ましいものと考えているところでございます。
○大脇雅子君 そうしましたら、その医師と患者、家族の病名告知をめぐっての協議というものは具体的にどのように行われたのでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 個々のケースにつきまして、具体的にどのように行われたか承知をしていないところでございます。 繰り返しで恐縮でございますが、行政が病名の告知に関与することにつきましては種々の問題があると考えておりまして、医師と患者の信頼関係に基づいた中で適時適切に行われることが望ましいとお答えを申し上げたところでございます。
○大脇雅子君 それでは、病院を通じて患者や家族に知らせるということだとすれば、必ずしもその情報が正しく当事者に伝わっていないという現状があります。厚生労働省としては、その病院等に問い合わせて調査するなり、あるいは病院の医師に指示をするなり、適切な対処が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 病名の告知のやり方等々につきましては、症例報告をされました医師と症例報告を受けました研究班の先生方のいろんな御意見をお聞きしました上で、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会というのがございますので、その中で専門家の御意見を聞いてみたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 調査の結果、一千名を超すそのような患者を確認されたということですが、いつまでにそうした手順を踏んでいただけるのでしょうか。審議会における医師の意見と言われても、それが時間が延びれば延びるほど患者や家族にとっては大きな苦痛になると思います。的確な情報をまず届けることが第一、必要であり、これは患者、家族にとっての知る権利の基本的な人権の問題だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(下田智久君) 十一月中にクロイツフェルト・ヤコブ病等の委員会を開くことといたしておりますので、その中で病名告知等のありよう、現状、こういったもののいろいろの御意見を聞いてみたいと思っております。
○大脇雅子君 そうしますと、病名の告知やその意見聴取等については、今度の十一月中に行われる審議会で初めて議論されるわけですか。これまで議論の経過はございませんか。
○政府参考人(下田智久君) 最初に申し上げましたように、あくまでも病名の告知、これは医師と患者、家族との信頼関係に基づいて行われるべきものであるというふうに申し上げましたが、今まではそのような考え方で行われてきたものというふうに承知をいたしております。 したがいまして、今後、実際現場でどのようにやられているのか等々の現状、こういったものを委員会でお聞きをしたいと、こういうことでございます。
○大脇雅子君 ぜひ早急にそのような病名の伝達については確実に私は患者、家族に行うべきだと思います。積極的にその審議会における議論というものをぜひ患者、家族等にお示しになりまして、そうした適切な対処ができるようにお願いをしたいと思います。 さて、今度の狂牛病の事件でさまざまなテレビの報道等ありまして、こうしたヤコブ病の患者の人たちに対する風評被害というものが出ているということが言われております。 この病気がどういう病気であって、そうした危険性がないという、伝播の危険性がないということをきちっと厚生労働省としては出されないと第二のハンセン病のような形でクロイツフェルト・ヤコブ病の患者の人たちや家族がその苦しさに耐えなければならないと私は思うのですが、この風評被害に対してどのような対策を考えておられるのか、お聞きします。
○国務大臣(坂口力君) これはもう少し私も検討をさせていただかなければならないというふうに思いますが、いずれにいたしましても、今までのビールスでありますとかあるいは細菌といったような、そうしたものを媒体としての病気でないことはもう科学上明白でございます。たんぱく質の構造が変化をするという今までになかった疾病であり、この問題は他に人から人への伝播をするものでは決してない、そのことはもう明確になっているわけでございます。 したがいまして、そうしたことを多くの皆さん方に御理解をいただくようにしなければならないというふうに思いますが、先ほどからのお話にもございますとおり、いろいろの皆さん方の御心配、風評というのはそう簡単に消えるものでございませんから、どういう形で皆さん方にお訴えをしたら一番効果的なのかということにつきましては少し検討の時間をちょうだいしたいというふうに思います。しかし、そんなに長い間かかっていてはいけませんので、早く結論を出させていただきたいというふうに思います。
○大脇雅子君 きょう、氷雨の中で、多くの人たち、原告を含め弁護団その他、その支持者たちが厚生労働省前で座り込みをしています。そして、このお昼には、人間の鎖ということで厚生労働省を取り巻きまして、国の責任を求めて大きな抗議行動が行われております。 どうか心ある厚生行政として血も涙もある対処を厚生労働大臣にお願いをいたしたいと思います。クロイツフェルト・ヤコブ病の薬害問題の早期解決を求める各地方自治体の意見書も数多くございます。ぜひ、厚生労働大臣におかれましては早期全面解決への大きな機関車の役割を果たしていただきたい、心から念じて私のヤコブ病の質問を終わりたいと思います。 少し時間がございますので解雇ルールの法制化についてお尋ねをいたします。 厚生労働大臣は解雇ルールの法制化について発言をされたというふうに新聞紙上にございます。法案は大体いつごろまでにまとめるつもりなのか、あるいはその手順というものについてお尋ねをいたします。
○国務大臣(坂口力君) きょう、お昼までにもどなたかの御質問にお答えをしたところでございますが、この解雇ルールにつきましては、今まで裁判所の判例がございまして、そうしたものを参考にしながら現在いろいろの労使の間の問題解決がされているところでございます。 しかし、考えてみれば、やはり行政府が法律を持たずに裁判の判決だけに頼っていていいのだろうかという疑問も一方で起こるわけでございます。ましてや、最近は雇用が非常に多様化をしてまいりました。パートで働く皆さん方も大変ふえてまいりましたし、また有期労働といったものもふえてまいりましたし、またその他の問題も出てきているところでございます。こうしたさまざまな雇用形態になってまいりましたときに、今までのようないわゆる雇用ルールというものだけではなかなか決着がつかない問題も存在するのではないかというふうに思っている次第でございます。 これらの点につきまして、今、労使の皆さん方もお入りをいただいていろいろと検討会で検討を始めていただいたところでございますので、この皆さん方の御意見というものをひとつ十分に拝聴して、そして決定をしたいと思っております。決して急いでいるわけでもございません。御議論が十分にできるということが一番最初だというふうに思っておりますので、早く結論を出していただければ早くそれは法律にということにもなってくるだろうというふうに思いますけれども、現状から申しますとなかなかそう簡単ではないというふうに思いますから、十分な御議論をいただいて、その後でどうするかということを決めたいというふうに思っている次第でございます。
○大脇雅子君 解雇ルールの法制化ということになりますと、いわゆる四要件の手続を踏めば解雇ができるということに誤解というか認識されがちでありまして、韓国では労働者の反対運動も起きていると聞きます。私は、個別紛争処理について各労働委員会において解決促進のルールができて間もないこの時期にどうしてこのような発言をされるのだろうかと思わずにはいられません。さらに、失業を出さないために労使がこれからワークシェアリングを行っていくというそのやさきにこのような発言をされたということは影響が非常に大きいのではないかと思います。 その意図を明確にお答えいただきまして、今、ゆっくり十分に慎重に審議するというお答えをいただきましたが、私は、このような提起自体、皆を不安にするのではないかと思いますので、最後に厚生労働大臣の御意見を伺って質問を終わります。
○国務大臣(坂口力君) 問題は中身をどうするかという問題に尽きると思うわけです。その中身につきましては、先ほど申しますように、よく議論をいただいた暁においてということでございます。 なぜこういうことを私が申し上げたかといいますと、それは、雇用が大変多様化をしてきた、今までの終身雇用という一本やりの時代が過ぎつつある、こういう状況の中で、やはりルールはルールとして明確にしておかなければ働く皆さん方もかえって不安に思われるのではないか、そういうふうに思った次第でございます。したがいまして、私は、そういうルールをつくるということ自体が問題ではなくて、問題にされるとすればその中身をどうするかということの御議論をいただくことではないかというふうに思っている次第でございます。
○大脇雅子君 働く人たちにとっては、雇用がどう保障されるかということにあり、今、雇用の不安ということに多くの人がおびえている状況ですから、このような法制度というのは慎重にも慎重に対応していただきたいということを申し上げて、終わります。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。 まず初めに、九月十日に千葉県でBSEの患畜が確認されてから二カ月たちましたけれども、この間の狂牛病の被害、まあ公害と言ってもいいかと思うんですが、この問題に関して起きたいろいろな被害を坂口大臣、そして野間副大臣はどのように位置づけられていらっしゃいますか。個人的見解で結構でございますので、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 日本が飼っております牛に新しい病気が発生したときに厚生労働省としてどんな責任があるのか考えながらお聞かせいただいたわけでございますけれども、なかなか考えがまとまりません。しかし、それでは厚生労働省として問題なかったのかという御質問に対して何らかのお答えをしなければならないのだろうというふうに思います。 関係いたしますところは、九月の、いや九月じゃなくて八月ですね、ちょっと日時忘れましたけれども、八月にいわゆる敗血症だという牛が屠畜場に運び込まれた。そして、そこで屠畜をいたしましたところ、敗血症であることに間違いはありませんでした。筋肉あるいは肝臓等に感染が及んでおりまして、全身の敗血症であることに間違いはございませんでした。そして、その敗血症にかかりました牛につきましては、肉等につきましては焼却処分にしたわけでございます。しかしそのときに、敗血症であることに間違いはなかったわけでございますが、敗血症のその牛にもう一つ、BSEの検査もそこで行えば問題はなかったわけでございますが、そこまでいかなかった、敗血症として処理をしたということでございます。 そのときに、いわゆる肉等につきましては処理をしたところでございますが、骨等につきましてはいわゆる肉骨粉として出荷をした、そして一部それが農家の皆さん方に渡った、あるいは渡るやさきであったというところにあった、そして後で回収をしてもらったという騒ぎがあった、その辺のところで我々が農林水産省とよく連携をさせていただければそういうことが起こらなかったのかもしれない、そのことに対しまして私たちはこれから農林水産省との連携あるいはこの厚生労働省内におけるさまざまな連携を密にしていかなければならないと反省をしているところでございます。
○副大臣(野間赳君) 九月十日に今般のBSEが発生をいたしたことを大変に残念なことであると受けとめております。また、今回の事態が発生をして以来、省の内外、連絡体制が不十分なことでありまして機能を非常にしにくかった面があったかと思います。初期段階でそういったことで対応に混乱が生じたということで、国民の行政に対する不信を招いたということは大変遺憾なことであると思っております。 今後、この対策につきまして、将来、連絡体制を十分密にして今後の対応に当たってまいりたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○森ゆうこ君 私に与えられた時間は本当に二十分しかありませんで、あともう十五分ほどしかありませんのでお答えは簡潔にお願いいたします。 私は、今回のことが不幸にして突然起きた災害というふうにおっしゃる方もいらっしゃいますが、そんな認識ではこの対策がきちんととれるはずもないと思います。今回のことは、日本の畜産の制度、食肉の流通制度、そしてそれを指導監督する行政、そして殊さら恐ろしさを強調するマスコミ、そして私たち立法府の怠惰、そういうものがもたらした人災である、新しい公害ではないかと、そういうふうにとらえるべきではないかと考えます。 そういう視点に立って行政の責任を問わせていただきますが、最初のときにも質問したんですが、まず過去の責任について先々回の初質問のときにたしか大臣はこのようにしておけばよかったなという点もありますというふうなお答えもされていましたが、五年前に英国で狂牛病が大量に発生したとき、社会問題化したときにもっと有効な対策をとり、または危機管理ということでシミュレーションをしてこのような事態に準備をしておくべきだったと思うんですけれども、そのような対策が講じられなかった責任というのはどこにあるでしょうか。厚生労働大臣、そして農水副大臣、それぞれの立場でお答えください。
○国務大臣(坂口力君) 平成八年当時、英国におきましてBSEが多数発生をし、そしてそれが人のヤコブ病、ヤコブ病というふうに言っていいかどうかわかりませんが、人との関連もあるということが指摘をされたわけでございまして、我々は、どういたしましても、厚生労働省といたしましては、人への感染、人に対する問題をどうするかということが中心でございますので、まずは、その当時、英国を中心といたしました数カ国というふうに記憶をいたしておりますが、そこからの肉あるいは内臓物の輸入禁止ということをとらなければならなかった。そして、英国の問題は、口蹄疫等の病気が既にございまして、その前から肉等の輸入の禁止は既に行われていたわけでございますが、そこで一応、肉等の自粛を申し合わせたということが平成八年当時のことでございます。そして昨年になりまして、昨年の十二月にはそれをEU全体に広げたということでございます。EUに広げましたし、そのほか、先ほどから議論のありますように、これは薬でありますとか化粧品にまでその範囲を広げていったということでございます。 そういうことを行いまして今日を迎えた次第でございまして、私たちもそれなりにそのときそのときの対応をしてきたというふうに思っている次第でございます。
○副大臣(野間赳君) 英国からの輸入の場合に、一九九〇年以降、国際基準に沿いまして加熱処理をしたもののみ輸入を認めるものとしておりまして、その後、一九九六年以降は輸入禁止措置を講じてきたのであります。同様に、BSE発生国からの肉骨粉につきましても、BSE発生確認以降は国際基準にのっとって加熱処理がなされたもののみ輸入を認めてきたところであります。さらに昨年の末、EUにおきましてBSEの発生が急増をしましたことから、本年一月一日からEU等からの肉骨粉につきましても輸入を停止したところであります。 これらの措置を講じることによりまして、リスクを最小限に抑え、BSEの発生防止を図ってきたところでありますが、今般BSEが発生したことは、先ほど申し上げましたように、大変残念なことであると受けとめております。
○森ゆうこ君 これまでの経過は既にほかの先生方も聞いていらっしゃいますし、詳しいことは結構なんですけれども、要は対策をとるべきだという危機感があったのかなかったのか、あってもとれない何かメカニズムがあったのかどうか、そういうことを聞きたいんです。そして、そのとるべき責任というのはだれが負うべきだったのか。その辺がはっきりしないと。そして、情報が公開されないという、政府のやることはどうも信用できないと、そういう意識が国民の中に広がっていることがいたずらにこの状況を長引かせているというふうに考えるわけです。 それでは、時間もありませんので、今現在、全頭検査を行っておりますけれども、今後全国でどの程度狂牛病の患畜が発生するであろうと見込んでいらっしゃいますか。これは農水副大臣、これは通告しておりませんが。
○政府参考人(小林芳雄君) 先ほど来御答弁もございましたけれども、屠畜場段階から出てくる牛は完全に、検査で仮にBSEにかかっている牛がいましても、それが肉として消費者の皆さんに届くことはないという、これは確実になったわけでございます。 一方で、農場の方では、引き続きサーベイランスというような形でこういった患畜がいるのかいないのか、それはきちんとチェックしていきますが、これからどういうふうに出るかということにつきましては今私ども確実に言える材料はございませんが、とにかく国民の皆様に不安を与えないようきちっとしたサーベイランスの体制をとっているという状況でございます。
○森ゆうこ君 本当に拙速だったと思うんですが、安全宣言を出されました。それは午前中の質問で、要するに食肉になるものに関してはもう全く狂牛病にかかった牛は出されない、とにかく食肉は安全であると、そういう安全宣言だというお話でしたけれども、ただこれは一般の消費者からするとある意味で誤解を招いている部分があるんですね。要するに、もう安全です、つまりもう狂牛病は出ませんというようなイメージでとらえていらっしゃる方がいろいろお話ししてみると多いんです。 そうしますと、今度仮に、今度仮にというか、全頭検査をしていった段階で狂牛病の牛が発見されたと、それでそれが報道されたときの衝撃というのは非常に大きいと思うんです。そのときにどのような対応をされるのか。そして今、感染源というものがきちっと特定されておりません。狂牛病が次に発見されたときにまた社会が混乱するという可能性がありますが、その点に関してお願いいたします。
○政府参考人(小林芳雄君) 十月十八日に両大臣から安全な畜産物の供給についてという形でいろいろお話しいただきましたが、その際に両省で出しておるいわゆるPRペーパーがございます。その中にこういった形で今の点につきまして国民の皆様に御説明しているところであります。「今後、万一、BSEの感染が疑われる牛が発見されても、新しい検査システムによって完全にチェックされ、食用としても飼料原料としても一切市場に出回ることはありません。」ということで、あわせまして「輸入肉骨粉の流通経路の解明など全力で原因究明を進めているところです」と。それから、「今回確認された一頭以外に既にBSEに感染している牛がいないと断定することはできません。」と。しかし、この新しいシステムで発見され、すべて焼却処分を行うことになりますので、「このため、食用としても飼料原料としても、市場に出回ることはありません。」ということで、今の点につきましてできるだけわかりやすく国民の皆様に訴えているところでございます。 あわせまして、この感染経路の究明の状況でございます。今、私ども、発生農家を起点とする川下から、それから輸入を起点とする川上からの調査、これを双方から実施しておりまして、発生農家の段階につきましては、使っていた飼料に肉骨粉の使用がなかった、こういうことが確認されておりますが、ただその補助飼料等につきましてさらに現在調査を進めております。また、輸入肉骨粉につきましては、我が国の実績があるイギリス、イタリア、デンマーク、それからアジアの方でも香港、タイなどに職員を派遣して調査を取りまとめしてございますし、また今、インドネシア、フィリピン、韓国、台湾にも引き続き職員を派遣して調査しております。 この調査につきましては、内容分析、補完的なデータの収集・確認、こういうことを鋭意進めているところでございまして、多岐にわたりますけれども引き続き調査に全力を挙げてまいる所存でございます。
○森ゆうこ君 今、川上からの調査というふうなお話がありましたが、それに関しても、肉骨粉の輸入業者について、平成十二年に肉骨粉を輸入した業者のうち、実数二十九社、そのうち公表に同意した二十三社の業者名がここにあるわけですけれども、すべてをやはり公開して、そしてきちんと調査しますという姿勢が見られなければまた今後もいろいろな都合の悪いことは隠していくのではないかという国民の不安は除かれないのではないでしょうか。 そういう体質、構造そのものを改める必要があるのではないかと申し上げたいんですけれども、大臣、それぞれいかがでしょうか。
○副大臣(野間赳君) 肉骨粉の輸入業者につきましてはすべての名前を公表すべきではないかというお尋ねでありますが、肉骨粉の輸入業者のリストにつきましては、関係者の了解を得た上で公表するということは可能なことであると考えております。 この観点から、先般の衆議院の農水委員会におきまして、二〇〇〇年に肉骨粉を輸入いたしました二十九社のうち、同意が得られました二十三社につきましてその名前を公表いたしたところであります。そういうことで、関係業者の同意が得られることができますれば公表をするということで、二十三社の名前の公表をさせていただいたところであります。 今後とも、同意を得るべく努力をいたしてまいりたいと思っております。
○委員長(阿部正俊君) 時間も来ていますので、よろしくお願いします。
○森ゆうこ君 それは午前中の質問にありましたけれども、大臣はどちらの立場なんですかということだと思うんです。 それでは、坂口厚生労働大臣、今のお話は、情報公開法による、つまり法人等に関する情報について、公にすることにより、当該法人等または当該個人の権利、競争上の地位、財産権、その他正当な利益を害するおそれがあるものは公開できない、同意を得るということなんでしょうけれども、事は国民の生命、健康にかかわっていることなんですが、厚生労働大臣はどのようにお考えですか、食の安全を守る立場ということで。
○国務大臣(坂口力君) 私の方は牛肉をどうするかという問題があるわけですが、肉骨粉は私の方の担当じゃございませんので私の中にはございません。肉骨粉の問題は、したがいましてこれは農林水産省にお任せをする以外にありませんが、食肉あるいはまた内臓等の問題につきましては、それは公にし、そして国民の皆さん方に御理解をしていただけるようにしなければならないと思っております。
○森ゆうこ君 今回、問題が大きくなったことの一番大きな原因は、都合の悪いことは隠そうとするというその体質といいますか、そういう姿勢が国民の不安をまたいたずらにあおることになった、意図しなかったかもしれませんが、最初の時点でうそをついたような形になってしまった、そういうところが問題だと思います。 今後とも、それはうちの担当じゃありませんということではなくて、連携してより早く安全が確認できるようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず最初に、BSE対策についてお伺いを申し上げます。 第一問目は特定危険部位の焼却等による処理体制について伺ってまいりたいと思います。 厚生労働省では、先月の十八日より、安全確保対策の一環といたしまして、と畜場法の施行規則を改正いたしました。そして、感染のおそれのある特定危険部位の除去、焼却を義務づけたわけですけれども、その改正の趣旨について、まず大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 西川委員から今御指摘をいただきましたとおり、国産牛におきますところのBSEの発生を踏まえまして、感染性を有するというふうに思われますところの特定危険部位、脳、脊髄、目、そして回腸の遠位部というふうに言われておりますこの四部分につきまして、食用や飼料用等として流通をしないように、九月二十七日から、都道府県等を通じまして食肉処理時における除去、それから焼却を指導したところでございます。さらに、十月十八日からは、その実効性を担保いたしますために、と畜場法の施行規則を改正いたしまして法律上の義務としたところでございます。
○西川きよし君 その危険部位についてですけれども、十月二十七日から廃棄物処理法上の産業廃棄物に指定をされておるわけですけれども、この対応についての御説明も、こちらは環境省の方からお願いいたします。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃棄物処理法におきましては、廃棄物を市町村の処理すべき一般廃棄物と事業者が処理すべき産業廃棄物に区分して処理を行っているわけでございます。 牛の特定危険部位につきましては、これまでは肉骨粉等の原料として回されていたわけでございますけれども、厚生労働省が除去、焼却を義務づけたことによりまして、新たに屠畜場からの廃棄物として排出される状況に至ったわけでございます。そのために、この特定危険部位につきましては、食料品製造業等から発生する廃棄物と同様にこれは事業者責任のもとで処理すべきだということを考えまして、廃棄物処理法の施行令の改正を行い、産業廃棄物に指定したものでございます。この改正によりまして、新たに屠畜場から出ます産業廃棄物につきましては処理基準とか産業廃棄物のマニフェストというふうな各種の規制を受けることになりますので、適正な処理が確保される体制ができたというふうに考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 そこで、この危険な部分、この部分につきましては一頭当たり約五キロ程度だというふうに言われておりますけれども、現状におきましてこの焼却処理施設の確保、これはちゃんとされているのでしょうか。 それとまた、この処理に当たりましては焼却施設のいわゆる周辺住民にも大変大きな不安を与えているということも伺っております。こうした住民の不安を払拭させるための対策も考えなければいけないのではないかというふうに思うわけですけれども、そして一部自治体の方からは死亡牛についての広域な焼却処理体制を確立をしていただきたいという要望も出ておるわけですけれども、こうした点についての対応策、さらには不法投棄の防止対策につきましてもあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 特定危険部位の焼却処理に関する屠畜場の対応状況についてでございますけれども、厚生労働省の方の調査によりますと、十月二十九日現在、牛の処理を行っております全国の屠畜場百七十カ所のうち百三十八カ所、パーセントで申し上げますと八一%でございますが、におきまして焼却処理が行われている、その他の施設については冷蔵庫に保管しているという状況でございます。 それから、焼却の安全性に関してでございますが、特定部位の焼却につきましては、厚生労働省に確認したところ、具体的な焼却の基準といたしまして八百度以上で焼却するということだというふうに聞いておりまして、またヨーロッパでも同様の条件において焼却処理が行われているところでございます。 一方、廃棄物処理法に基づきます焼却施設の技術上の基準というのがございまして、これでは廃棄物を燃焼するための必要な温度として八百度以上で焼却すること、それから燃焼温度を測定して記録すること、その記録を三年間保存することということが定められておりまして、こうした廃棄物処理施設で特定危険部位を焼却することで十分に安全に焼却できるというふうに考えております。 それから、死亡牛の広域処理の体制ということでございますけれども、死亡牛自体は産業廃棄物でございまして、排出事業者責任のもとで産業廃棄物の処理業者等に委託して処理を行うということが原則になるわけでございますが、現在、必ずしもこうした施設が十分整備されているという状況ではございませんので、今後、公的なセクターが関与いたします方式によりまして死亡牛の広域的な処理施設を整備していかなきゃならないというふうに考えております。環境省としても、廃棄物行政の立場から、こうした広域的な処理体制の整備を含めて農林水産省とも連携をとりながら、現在どういう体制で整備を進めるかということについて検討を進めている段階でございます。 それから、不法投棄が起こり得るのではないか、対策はどうかということでございますが、昨年の廃棄物処理法の改正におきまして、例えば排出事業者に最終処分まで責任を持たせる規制の強化とか、マニフェスト制度の充実だとか、不法投棄の罰則の強化等、不法投棄対策の強化を行ったところでございます。今般、屠畜場からの廃棄物を、先ほど申し上げましたように、産業廃棄物に指定したわけでございますので、産業廃棄物である特定危険部位にはこれらの規制が適用されるということになりまして、こうした対策を講じることで不法投棄の未然防止が図れるものというふうに考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくそのあたりお願いを申し上げたいと思います。 次に、牛以外の肉骨粉の対応についてお伺いをいたしたいと思います。 この肉骨粉の原料については、牛に限らず鶏や豚などが使われております。先月の四日以降、先日までですけれども、すべての肉骨粉についてその流通は停止をされてきました。この牛以外を原料とする肉骨粉についても流通停止にしていたその理由、また今回、鶏、豚には一部解禁をされたということなんですね。その内容についてぜひお伺いしておきたいなと思いますが、これは農林水産省の方からよろしくお願いいたします。
○政府参考人(小林芳雄君) BSEは、今までの海外の知見でも肉骨粉をえさとして摂取することにより感染するということが主原因でございまして、今回の発生を受けまして、この肉骨粉については、国内、それから輸入品につきましてもすべて一たん使用の停止あるいは輸入の停止をした上で、もちろん豚、鶏は牛と違って安全なんですけれども、すべて一たんとめた上で、それをまた関係の皆様にどうやってこれを扱っていくかということを一から検討していただいて、それで再度活用するものはしていこうという方針で十月四日にまず一たんとめました。これがまず十月四日の経緯でございます。 かつ、いわゆるとめるあれとしましても、特にえさの使用につきましては飼料安全法という法律に基づく、いわば法律に基づく禁止といいますか、そういった措置もあわせて講じてきたところでございます。 あわせまして、今申し上げました、じゃ一たんとめた上でどういった形で使えるものは使っていくかということにつきましては、これは検討会というものを設けておりまして、そこにいわば事業者、消費者、学識経験者の皆さん集まっていただいて、BSE対策検討会ですけれども、そこで議論していただいております。 その中で、十月十九日に議論いただきました。それで、この一時停止措置がありましたけれども、例えば鶏と豚につきましては、これはそもそも使用についてBSEとの関係はないものでございますが、これが例えば牛のものとまざることがないのかとかそういったことがございますし、また、いろいろな豚、鶏由来のものにつきましても、使い方としまして、例えば肥料だったら、先ほども議論がございましたけれども、肥料として完璧に使える、それからえさでしたら豚、鶏由来のものが牛のものとまざらないで使っていける、そういうことにつきましていろいろ御説明、御議論いただいた上で、その検討会の方の御了承もいただいて、この十一月一日付で一部、ペットフード等につきましては豚、鶏由来の肉骨粉の利用を認めるとか、それから肥料につきましても、先ほども申しましたような枠組みのもとで限定的に認めていくと、こういった措置を講じたところでございます。
○西川きよし君 わかりました。ありがとうございました。 次に、今回のこの事態の発生によりまして、消費者にとっては本当に、牛肉への関心はもちろんですが、これまではほとんどなじみのなかった肉骨粉への関心というよりも不安、これを強く抱いているわけですけれども、そうした中で、牛を外した豚や鶏を原料とする肉骨粉の流通が再開されるのであれば、その不安を今度は払拭をする対策ということも必要になってくるのではないかというふうに私は考えるんですけれども、例えば、関係者からの声として、畜種ごとの分別処理がしっかりしていることを示すために、例えばHACCPというのがございましたですね、随分前に問題になりましたが。もうメーカーの名前など出しますと、副大臣、あちらの方で──はい、よく御理解していただいておるようですけれども、この食品の衛生管理の認証ということでございますけれども、このHACCPを取得することも一つの方法ではないかというふうに考えてみるというのも、これは一つはあるのではないかな、一理あるのではないかな。 この牛以外の肉骨粉への安全性確保については農水省に、またこのHACCPによる対応については厚生省よりぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) 今御指摘ございましたように、これからの対応といたしまして、確かに、牛由来のものと豚、鶏、牛以外のもの、これを屠畜場であれあるいはレンダリング段階であれきちんと分別して、そこでつくっていくと、これが一つのポイントでございます。 この点は先ほどのBSE対策検討会でもそういった点につきまして御指摘をいただいておりまして、これからまさにその両方を区分していくための、いわば原料段階あるいはレンダリング段階で処理できる体制の整備ということをひとつ進めていきたいと思っています。 また、あわせましてOIE基準というもの、例の百三十三度C、二十分、三気圧と、こういったものに適合した調整ができるように、そのための機械の整備というようなこともあわせまして、牛の肉骨粉が牛以外の肉骨粉に混入することを防止する措置の徹底を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○政府参考人(尾嵜新平君) 鶏や豚の肉骨粉の製造に関してHACCPの導入という御質問でございますが、先生御存じだと思いますが、HACCP方式というのは、食品の製造、加工におきます各工程で発生するおそれのある微生物汚染等の危害を分析いたしまして、特に重点的に管理する事項を定め、これが守られているかを常時監視するという自主管理のためのシステムということでございます。こういった方法につきましては欧米を中心に進められておりまして、我が国でも食品製造施設におきまして本システムの導入を進めておるところでございます。 御質問の肉骨粉の製造管理におきます本システムの有効性がどうかというのは、正直申し上げまして私どもちょっとわかりかねる点がございますけれども、いずれにしましても、こういった肉骨粉の製造について分別処理という御指摘についてはまさしくそのとおりだと思いまして、先ほど農林水産省の局長がお答えしましたように、農林水産省と私どもと共同で開催しておりますBSE検討会というのが肉骨粉の処理について検討する場でございますが、そういったところにおきまして今の御指摘の点も含めて御検討をいただくものと、そういうふうに考えているところでございます。
○西川きよし君 どうもありがとうございました。 それだけ我々は不安、いろんな角度から御質問をし、また御答弁をいただきたいというふうに思うわけですけれども、どうぞ一日も早い不安の払拭をよろしくお願い申し上げたいと思うのですけれども。 時間が短いものでもう最後の問題になってしまいましたが、牛を原料とする化粧品の問題について質問をいたします。 牛を原料とする化粧品への対応については、十月の二十九日、朝日新聞に載っております。アメリカ、オーストラリア、インドなどBSEが発生をしていない、発症をしていないという国の牛が原料の場合は、こちらの国の牛の成分でつくった化粧品については売ってもよいとの方針をとられたということでございます。 いただいた資料によりますと、リスク評価ごとに回収をしていくという内容になっておりますが、この点についてはどのような対応をおとりになっているのかをぜひ最後にお伺いをいたしまして質問を終わりたいと思いますので、厚生労働省、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の化粧品も含めました医薬品、医療用具等につきましては、昨年の十二月に、原産国にかかわらずリスクの高い部位の使用を禁止しますとともに、狂牛病発生国または発生リスクが高い国を原産とする原料の使用を禁止する措置をいたしました。 これに基づきまして、企業側におきましては必要な切りかえ措置を順次行っていただきまして、具体的には、いわゆる一部変更承認申請というものを出していくわけでありますけれども、比較的企業が積極的に取り組んでいただきまして、現在までに約五千百品目ほどこの一部変更承認申請が済んでおります。その後、国内でいわばBSE感染牛が確認されるというような状況の変化がございましたために、本年十月二日に日本を狂牛病発生国に追加するなどのいわゆる追加措置を行いました。その際に、さきに行いました十二月の措置に対応したいわゆる製品の切りかえがきちんと徹底しているかどうか、そういうものをさらに図っていくためにいわゆる自主回収という形でより徹底を図るための措置をお願いしたということでございます。 その際、回収の対象となる製品についての報告を企業から求めておりますけれども、その報告を十月二十六日時点でまとめましたところ、合計三千九百三十五品目があるということが判明したわけでございます。この大半の大体約七〇%ぐらいがいわば化粧品であるということでございまして、実は化粧品につきましてはことしの四月から規制緩和の関係でいわゆる承認が不要というものになりましたために、医薬品等と違いまして行政側から直接アプローチするという形での確認がちょっと難しかったわけでありますけれども、十月二十六日の時点では多くの化粧品がまだ残っているということが判明したわけでございます。 これらの報告対象になりました品目につきまして、十月の二十九日に開催いたしました伝達性海綿状脳症対策調査会に報告いたしますとともに、より効率的かつ効果的な回収を進めるために詳細なリスク評価をその際行っていただいたわけでございます。これも結果は公表しているところでございますけれども、このリスク評価におきましては大きく三つのランクに分けておりまして、言うなら高リスク、中リスク、低リスクという形に分けております。このうちの一番高い高リスクについては、これに該当するものはすべてもう回収済みという措置になっています。あと、大変たくさん残っておりました化粧品につきましては、大体その八割が一番低い低リスクに該当しておりまして、二割程度が中リスクという分布になっております。 こういったリスク評価を踏まえまして、厚生労働省としましては、いわゆる予防原則に立ちまして、できるだけ速やかな切りかえ、回収等をお願いするということで引き続き企業に指導してまいりたいということをやっておるわけでありまして、一部新聞報道で報じられたように自主回収の指導方針を転換したというものではないということを御理解いただきたいと思います。 このフォローアップ状況につきましては、毎月定期的に企業名なり製品名を公表して、それがいわゆる回収されたのかまだ残っているのかという状況もあわせて公表することにしておりますので、こういう形をとりましてできるだけ早い、迅速な企業側の対応を求めていきたいというふうに思っております。
○西川きよし君 わかりました。 ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 少子高齢化等が進行する中で、労働者が仕事と家庭を容易に両立させることができるようにすることは、労働者の福祉の増進を図る上でも、経済社会の活力を維持していく上でも極めて重要な課題となっております。 このような状況に対処するためには、育児休業の取得や職場復帰をしやすい環境を整備するとともに、労働者が子育てをしながら働き続ける上で必要な時間を確保すること等が必要となっており、政府といたしましては、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、事業主は、労働者が育児休業や介護休業の申し出や取得をしたことを理由として不利益な取り扱いをしてはならないこととしております。 第二に、育児や介護を行う一定範囲の労働者が、一年につき百五十時間、一カ月につき二十四時間を超える時間外労働を免除するよう請求することができる制度を設けることとしております。 第三に、育児を行う労働者に対して勤務時間の短縮等の措置を講ずる事業主の義務に関し、対象となる子の年齢を一歳未満から三歳未満に引き上げることとしております。 第四に、事業主は、労働者がその子の病気またはけがの際に休むことができる子の看護のための休暇制度を導入するよう努めなければならないこととするほか、労働者の転勤について育児や介護の状況に配慮しなければならないこととする等の事業主が講ずべき措置を定めることとしております。 第五に、国等は、仕事と家庭の両立に関し、事業主、労働者その他国民の理解を深めるために必要な広報活動その他の措置等を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、衆議院において修正が行われたところであります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員棚橋泰文君から説明を聴取いたします。棚橋泰文君。
○衆議院議員(棚橋泰文君) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、施行期日を公布の日に改めること。 第二に、国は、子の看護のための休暇制度の普及のための事業主、労働者その他の関係者の努力を促進すること。 第三に、政府は、主な改正規定の施行後三年を経過した場合において、その施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点から子の看護のための休暇制度その他この法律に規定する諸制度について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(阿部正俊君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十一分散会