厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/10/18
会議録
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官坂篤郎君、警察庁警備局長漆間巌君、金融庁監督局長高木祥吉君、郵政事業庁郵務部長岡田克行君、厚生労働大臣官房技術総括審議官今田寛睦君、厚生労働大臣官房統計情報部長渡辺泰男君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、厚生労働省健康局長下田智久君、厚生労働省医薬局長宮島彰君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、厚生労働省労働基準局長日比徹君、厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君、厚生労働省社会・援護局長真野章君、厚生労働省老健局長堤修三君、厚生労働省保険局長大塚義治君、厚生労働省年金局長辻哲夫君、厚生労働省政策統括官坂本哲也君、社会保険庁運営部長冨岡悟君、農林水産省生産局畜産部長永村武美君、農林水産省経営局長須賀田菊仁君、農林水産技術会議事務局長岩元睦夫君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿部正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿部正俊君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○今井澄君 おはようございます。民主党・新緑風会の今井澄でございます。 私は、今大変国民にとって関心の深い医療問題、いよいよことしじゅうに一定の方向が出るということで、そのことの質疑を中心にさせていただきたいと思って準備を進めてまいりましたが、昨日も衆議院で厚生労働委員会があり、狂牛病の問題が取り上げられ、この問題をまず冒頭にさせていただきたいと思います。 私は、最初に個人的な感じを申し上げますと、小泉内閣が登場してから構造改革ということを言われ、構造改革には痛みを伴うということ、そしてその痛みは国民にもひとしく分かち合ってもらわなければならない、私もそのように基本的には思っております。 ところが、この痛みの問題に関しては、後ほど申し上げますが、医療保険改革、医療改革では専ら国民に痛みを押しつけて、政府や関係団体が痛みを余りとろうとしないところに問題がある、これが一つ痛みの問題で言われていますね。それともう一つ痛みの問題は、倒産だとか失業だとかあるいはそれに基づく自殺だとかホームレスだとか、そういういわゆるお金の問題での痛みのことが強調され過ぎている嫌いがあるんじゃないだろうか。私は、この構造改革は国民にも痛みを分かち合ってもらうというのは、これまで官主導と申しますか、そういうふうに進めてきた日本の政治とかそういうものをひとしく国民も参加の中でみんなで改革を進める、実はそこに問題があるんじゃないかと思うんです。 後ほども医療費のところで申し上げたいんですが、最近発表されたあるデータによりますと、むだな医療費の七割は医療機関側の責任、三割は患者側の責任と、こういうデータもあるわけであります。したがって、私は、国民に痛みを分かち合ってもらうというときの痛みというのは、お金の問題はこれは補正予算なりいろんな政府の対策で解決しなければならないし、できることだと思う。問題は、考え方の構造を変えてもらう点が実は国民にとっての一番大きな痛みじゃないかと思っているんです。それは、官の方も官主導で上意下達でやってきたそういう行政を変えなければならないと同時に、国民の方もお上依存でやってきたその意識を、やっぱり自立と自己責任、自分にも一端の責任があるという感覚で、この改革期にどう政策や政策の決定のあり方を変えるかということに参加していかなければならない、私はそういう精神的な痛み、そのことが非常に大きいんではないかと思っているんです。 ですから、今度の狂牛病の問題でも、私はただ単に、こういうことを言うとひんしゅくを買うかもしれませんが、政府を責めるということとか、絶対安全を保障しろとか、こういうことだけで騒ぎ立てるのはまずいと思います。例えば医療費の問題では、あるマスコミの世論調査によりますと、何か三〇%ぐらいが自己負担増もやむを得ないということもある。それは中身さえよければ金を払うよという意味なんですよね。だから、そういう意味では、私は、国民もそういう考え方の痛み、お上依存から自立や自分自身も参加するということがあるだろうと思うんです。 ですから、私はそういうことをまず最初に申し上げておきたいわけですが、実は、それはそれとしても、私も、日本でも狂牛病関連の新型のクロイツフェルト・ヤコブ病がひょっとしたら発症するんじゃないか、あるいはどうもそういうことを疑われている患者がいるらしいということは小耳に挟みました。しかし、このことを騒ぎ立てることはかえって不安を増すと。先ほど私申し上げましたように、正しい解決を図るためには余り不安を増すことはよくないなと思って余り自分では調べなかったんですが、いよいよきょう週刊文春に出ましたし、東京新聞にも出ましたね。ですから、このことから、私はきょう、きのうの質疑通告ではありませんでしたけれども、お話をさせていただきたいと思います。 この週刊文春の記事は学生向けの医学論文を読んでいるようなかなりきちっとした記述のもので、単なるいいかげんな記事ではないということを私も読んで深く痛感しましたが、都内に住んでいる十代の女性が七月にけいれん発作とかそういう神経症状を起こして入院をした。ところが、病気の原因がわからないということで九月に大学病院に移って、現在、新型クロイツフェルト・ヤコブ病の疑い、要するに確かである、それから二番目がかなり疑わしい、その三番目、ですからその下になるとこれは疑いはないということになるわけですから、ここのところを間違えちゃいけないんですが、否定できないという現在の段階にある、症状は進行してぼけ症状も出てきているということが書いてあるんですね。 そして、私はここで問題にしたいと思うのは、後で今度の狂牛病の問題をめぐっての幾つか昨日質疑通告した問題について聞きたいと思うんですが、一つは情報についてどういうふうに管理して公表したらいいのかということなんですね。やはり、少なくとも、この問題についてこういうマスコミですっぱ抜かれてから厚生労働省が慌てるというような情報管理や情報公開のあり方でいいのかどうかという問題なんです。 そこで、厚生省にお尋ねしたいのですが、この記事の中には、九月末に都内、首都圏の大学附属病院に移されたんですけれども、その前に最初にかかった、入院した病院に厚生省からひそかに派遣されたCJD専門委員会、サーベイランスのメンバーである神経内科医がこの医療機関を訪れていると書いてあるんですね。要するに、厚生省にはこのCJDの委員会、クロイツフェルト・ヤコブ病の委員会がある。そのメンバーである人が厚生省からひそかに派遣されたという事実はあるのかないのかということが一つですね。 それからもう一つ、こういう少なくとも否定されていない、ひょっとすると狂牛病からの感染かもしれない疑いが否定されていない、こういうことについて厚生省に設置されたクロイツフェルト・ヤコブ病の専門会議が、もう三カ月以上たっているわけです、この患者さんが発症してから、一度も開かれていないとすると、これは大変問題なんではないか。その事実はどうかということについて、まずお尋ねします。
○国務大臣(坂口力君) 今井先生からいつも含蓄のあるお話をいただきまして感銘をしているわけでございますが、この狂牛病の話に入ります前にいわゆるヤコブ病関連のお話が出ましたので、そのことについて──違いますか。
○今井澄君 済みません。時間が一時間しかなくて、医療もやりたいものですから、端的にお答えいただきたい。
○国務大臣(坂口力君) はい、わかりました。 その件につきましては、九月の二十日でございましたか、その病院から、こういう患者さんがいる、しかしその確定的なことが言える段階ではないというお話がございました。そして、そういうことがございましたので、このサーベイランス委員会のメンバーの方、これはもともとその病院と関係のある方だったものでございますから、その方にひとつ一緒に行っていただきましていろいろお話を伺い、そして同じに診断をしてもらった。結果といたしましては、症状として似たような症状もありますけれども違う症状もある、断定はできない、むしろ現在のところはそうではないのではないかという意味合いの強いお話であった、そういうことでございます。 サーベイランス委員会の方は、これはいつだろう、ちょっと確認いたしますが、この二、三日のうちにやる予定になっているというふうに聞いておりますが。
○今井澄君 私もいたずらに騒ぎ立てるつもりはありませんし、私も医者として経験してきて、これは非常に難しい問題だということから、ただいたずらに恐怖をあおるようなことはすべきでないということを思います。ですから、慎重に扱っていただきたいんですけれども、しかしここまで出た以上、これはきっちりやっていただきたいと思いますし、またサーベイランス委員会がいまだに開かれていないというのは、やっぱりそれはちょっと遅過ぎるんじゃないかと思うんですよ。やっぱりこういうことはきちっと検討をして、公表するならする、しないならしないでなぜかということをはっきりさせておいてもらわないといけないと思うんですね。 そこで、もう一つ実はこの週刊誌の中にも指摘されていることで私もそうだと思うんですが、この間見ておりまして、要するに縦割り行政の弊害、特に日本の場合は厚生省が食品行政で農林水産省が生産者行政みたいなことになっていることから利害が対立して、これほど国民の関心を集めている問題について国としてどうなのか。例えば、あれだけ姿がはっきりしている小泉さんの姿が見えないということもあるわけですね。 そうすると、この中に一つの提案として、総合科学技術会議というのがあるんだ、この際それをお飾りにしておかないで開いたらどうなんだと、縦割り行政を乗り越えて。そういうことをサーベイランス委員会のメンバーの一人が言っているということなんですが、大臣としては総理にも言って、総理のもとでこの会議を開いてこの間のことを整理して、農水省と厚生省とどうあるべきかということについてもやっぱり話し合いをすべきではないかと思うんです。あるいは、文部科学省にも参加していただいて。いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しいただきましたのは、それはこの狂牛病に関してのことでございますか。
○今井澄君 今のクロイツフェルト・ヤコブ病。
○国務大臣(坂口力君) はい、クロイツフェルトも含めて。
○今井澄君 含めて。
○国務大臣(坂口力君) 含めて。これは文部省も関係してくることでございますし、それからこの牛の方の話はこれは農林水産省も関係してくる話でございます。これは、人畜共通の病気というふうにされておりますから幅広く関係をいたしてまいりますので、今御指摘いただきましたことも一つの方法かなというふうに思いながら、ひとつ今聞かせていただいたところでございます。
○今井澄君 そこで、この問題もう早急にどうするか、本当にこれは真剣に深刻な問題と受けとめて対応していただきたいと思うんです。その点では厚生労働省、当時は厚生省ですが、イギリスで狂牛病騒ぎがあったときは、まあ比較的、ははという感じで第三者的に見ておられたと思うんですね。ところが、いよいよこれが原因で人間に新型のクロイツフェルト・ヤコブ病が出るということがわかって、それが発表されてから厚生省は大慌てして一九九六年から対策を立てられる。私はそれなりにやってこられたというか、世界各国を見ていますと、いち早く法的に含めても厳しい対応をしたのはアメリカとかその他の国ぐらいで、実はドイツでもことしになって対応がまずかったというんで二人も閣僚が辞任しているぐらいになっているんですね。本当にこれはみんな大変だったと思うんです。 私は別に当時の厚生省を擁護するつもりもないんですが、それなりにはやったと思うんですが、しかし、やってきたことが非常に、きのうも衆議院の厚生労働委員会でも指摘されたように、不十分だった。法的な措置をとらないで指導でやってきたんですね、行政指導。例えば農水省もそうです。それで肉骨粉を食わせるなというのに二十五軒ぐらいの農家が食わせたり、そういうことになっているんですね。やっぱりここに行政の非常な問題点があると思うんですよ。 確かに白黒つけるには時間がかかるし、つけられないこともあるから法的措置までは難しいという事情もわからないわけではないけれども、安易に行政指導でやってきている。このことについての反省はいかがでしょうか。行政指導だったら罰則もないわけだし、知らなかったんだったら済むし。また逆に行政指導が非常に大きな力を持ってしまって、法にもないのに官主導でいろんなことが行われたというのが、この分野だけではなくいろんな分野でこれまでの日本の政治、行政の弊害として出ているわけですね。その辺はやっぱり日本の行政のあり方として、通知を中心とする行政指導でやったことのまずさというのを、この狂牛病の問題、食品安全の問題でも反省しておられますか。どうですか。
○国務大臣(坂口力君) 今お話しいただきましたのは平成八年の英国におきます騒動で、それに対するものを日本に対して輸入するかどうかに端を発したもろもろのお話というふうに受けとめさせていただきました。 総論的に言えば、先生が御指摘になりますことを私も正していかなければならないところは多いというふうに思っているわけでございますが、この平成八年のときの状況を見ますと、その当時もう既にこの英国産の牛肉等につきましてはEUにおきまして輸出禁止措置が実はとられておりました。そして、この平成八年以前から、いわゆる口蹄疫の問題がございまして、そして家畜伝染病予防法に基づきますところの輸入が禁止をされていたということがありますので、屋上屋を架されるということではなくて、それがもう前に、先にあったものですから、ここは輸入自粛の指導ということになったのではないかと、私はこの経過を見ましてそんな感じを持っております。 しかし、ほかの面でそれはもう少しきちっとしておいてくれたらと、それは思うところもあるわけでございまして、しかし、それはその当時、そのときそのときの大臣のお考えもあろうと思いますし、またその当時のお考えもあったというふうに思いますから、これらの点を総合的に見て正すべきところは正していかなければならないと、そう思っております。
○今井澄君 それともう一つ、やっぱり行政指導あるいは行政依存、国民から見れば依存ですね、あるいは業界にとっても、私も現場で医療をやってまいりましたが、国が何とかしてくれるだろうというふうな感じもないわけではないので、その辺の問題点なんですが。恐らく人間にうつるらしいということがイギリスで発表されたときに、厚生省は物すごい危機感を持った、で、取り組んだと思うんです。ところが、いつの間にかその意識が風化しちゃうんですね。 私は実はエイズのことを、当時のことを覚えております。後でも医療費の問題の方で御紹介いたしますが、当時の郡司課長、実は私、大学の同級生でして、私は彼が非常な危機感を持って取り組んだということを私自身も医療の現場にいて感じたんですよね。ところが、取り組んでいるうちに、だんだんだんだん調べていくうちに、はっきりしないこともあってだんだんだんだん意識が麻痺してくる。そしてまた、お役人さんは二年か三年でかわってしまう。こっちも現場にいるから、危機意識を持っても忙しいものだから、まあそんなにめったにないことだとするといつの間にか忘れてしまう。こういうことがあるんですよね。そういうことがあって、ああ、あのときにやっておけばよかった、なぜあのときにもうちょっと取り組まなかったんだろうということが繰り返されて起こっている。これは医療事故でもそうだと思うんですよ。 私は、それを解決するための非常に大事な問題としては、これはお役人、二年か三年に一遍かわっちゃいかぬとも言えないでしょうしね。一つは、やはり政官業、市民団体を含めて、何かこの問題は中長期的に大変な問題になるかもしれないと思った最初の気持ちを大事にして、長期にわたるプロジェクトをつくるということが一つあると思うんですね。それともう一つ大事なのは、やっぱりこのことで直接被害をこうむる患者さんとか市民、この人たちを入れる方策を何とか考えなきゃならないということだと思うんですよ。私はこういうことをやらない限り、行政が何かをお預かりしている、あるいは専門団体が専門団体だからということで問題解決をやろうと思っても限界があるということが、もうエイズでもハンセン病でも今度の狂牛病でも全部明らかになっている。 私は、今こそまさに構造改革、痛みを分かち合うという意味でもやるべきだと思うんですが、その点では、既に日本生活協同組合連合会が千四百万人の署名を集めて食品衛生法を改正しろと。私たち民主党も食品衛生法を改正しろということを申し上げているんです。 この食品衛生法は、戦後のあの衛生状態の悪い、食べ物のない時代、粗悪品しかない時代に業者管理のためにつくったわけですよね。あるいは感染症とか、そういうことでつくった。今は食の安全が問題になっているわけですね。そうすると、やはり食品衛生法の基本的な目的の中に、国民の食べる食品を安全に供給するためにこの法律をつくるんだという視点にまず変えることと、情報公開と消費者参加、これを入れるべきだというので私どもも応援してやってきているわけです。ところが、厚生省は一向にそれに応じないわけです。応じなければ我々、議員立法を出しますけれども、いかがでしょうか、そのことに関して。
○副大臣(桝屋敬悟君) 先生から今お話のありました食品衛生法、この改正について先生の方から今、生協の皆さんの御活動も御紹介をいただきました。従来からそうした活動をされておられる、そして我が省に対してもさまざまな形で要請をいただいているということも十分認識をいたしております。 この問題ずっとこの委員会でも何度か議論がありました。委員からおっしゃったように、食品衛生法の法律を変えたらどうかと。特に第一条の目的規定をもう少し新しい時代に即応したものにしてもらいたいと、こうは言われているわけでありますが、これも何度も議論しておりますが、「飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。」というふうに規定をされているわけでありまして、これはまさに憲法第二十五条の国民が健康で文化的な生活を営むことができるよう国が公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと、こういう義務を規定していることを受けたものだということはもう今さら言うこともないわけでありますが、そういう意味では、目的の中には国民の健康のため食品の安全性を確保するという趣旨は含んでいるというようなことを私どもはお答えをして、ずっと議論が続いているわけでありますけれども、その目的というのはそうでありますし、また委員から御指摘をいただきました関係者の参画、特にエンドユーザーの参画ということについても御案内のとおりでございまして、薬事・食品衛生審議会、この分科会にも二名の消費者代表の方にも入っていただいておりますし、パブリックコメント等の対応もしているわけでありまして、確かに委員の御指摘は極めて大事な点でありますけれども、私どもも昨年来、食のアクションプランということも生協の皆さんの御指摘もいただいて取り組んできているということもぜひ御理解をいただきたいと思います。
○今井澄君 桝屋副大臣にしてもその程度の答弁しかできないのはまことに情けないと思います。 私はそういう答弁に対しては怒りが込み上げてきますよ。だれですか、今の答弁を書いたのは。食品保健部長ですか、そこの担当者ですか。そういう考え方を変えない限りこういう悲劇はなくならぬと言っているんですよ。何ですか、今の答弁は。国民にも参加してもらってひとしく責任を分かち合ってもらわない限りこういう問題なくならないですよ。いつまでも危機感を持っていけますか。官僚がそれを持っていけますか。政治家が危機感を持って一つの問題に取り組んで、それを徹底的にできますか、この我々の今、日常の活動の中で。何ですか、今の答弁は。とんでもない話だと思いますよ。 情報公開の問題もそうです。実はきょう週刊文春が、なぜきょうこれ出たのか。東京新聞がなぜ出たのか。私はこれは警告だと思います。あるいは、もちろんマスコミの単なる点数稼ぎや売らんかなのためかもしれないけれども、私はそれよりもこれを重く受けとめたい。きょう、十月十八日という日は非常に大事な日ですよね。きょうから牛肉の検査がきちっと行われ、きょうからはそれを通ったものは安全だということで、国民が本当に安心した食生活をできるかどうかという歴史的なターニングポイントなんです。その日に合わせてこれが出てきたということを我々は深く受けとめなきゃならないと思う。 そこでお聞きしたいんですが、厚生労働省と農水省が共同でつくった「国産牛肉は安心して食べられます。」、このパンフレットが発行されたのはいつで、何部印刷されて、どこに配られたのか、それをお答えください。
○政府参考人(尾嵜新平君) このリーフレットにつきましては、厚生労働省と農林水産省が協力いたしまして一千万部を作成したものでございます。 配布は十月三日から行っておりまして、先週末までに、ちょっと具体的に数字を申し上げますと、量販店に四百四十一万枚、食肉小売専門店に二百七十一万枚、各都道府県に九十二万枚、本省関係事業団七十八万枚、農協四十万、生協二十五万、食肉関係団体十万、イベント等配布用センター保管分二十三万、消費者団体三万、その他十七万、計一千万という数字でございます。
○今井澄君 十月十日時点で安心して食べられるなんということをどうして言えたんですかね。きょうからでしょう。きょうからだって不確かだと言われているけれども、きょうからは信じるということができるかどうかということが、この狂牛病問題だけではなく、日本の国のこれからのあり方を変える意味でも大事な時点なんですよね。きょうの前に出たと。しかも、今配られたところを見てみてください。ほとんど業者じゃないですか。消費者団体なんかわずか。もちろん配ってくれないんでしょうね。それはしようがないかもしれない。 だけれども、例えば介護保険のとき、私は全国どこを歩いても津々浦々まで、役場や農協にまで、あるいは郵便局にまで介護保険のチラシが配られていたんですよ。新しい制度ですからね、すごい努力しました。私も講演をやるたびに厚生省のパンフレットを配りました。これがどうしてそういう、じゃ行政の窓口にないんですか。私はこれ非常に問題だと思いますよ。なぜ十月十日の時点でこういうものを自信を持って配れたのかと、何百万枚も。あえてお答えは求めません。 それで、きょうにも安全宣言をするのかしないのかということが注目を集めているわけですが、私は、坂口厚生大臣、非常に残念だろうと思います。私は、一次検査の結果を発表するというふうに最初述べられた坂口大臣の考え方を支持したいし、心の中で喝采を送っていました。ところが、新聞記事にも見られるように、端的に言えば自民党とその農水族の圧力で、あるいは農林水産省の圧力でそれが二次検査の発表になる。こんな子供だましのことをするからますます信用されないんですよ。一度一次検査のことでこうなったら、これを今度隠すなんといったら、国民は不信を募らすだけでしょう。むしろ行政がやるべきは、あるいは我々がやるべきは、疑陽性というのは灰色という意味じゃないんだということを理解してもらう必要があるんですよ。検査の漏れをなくすために感度を上げるから、正常なものまで一次検査でひっかかっちゃうんだ、安全なものまでひっかかっちゃうんだ、だから皆さん、疑陽性というのは灰色じゃないんだよと、このことをやるのが行政や政治家、我々の務めじゃないですか。一次検査でひっかかったものを、精密検査、二次検査に回したものを隠すことじゃないと思うんですよ、我々のやる仕事は。 現にきのう、きょうの新聞を見ても、十二ないし十四の道県が厚生労働省の方針にかかわらず発表すると言っていますね。またこれがおもしろいんですけれども、朝日新聞は十三道県、日経新聞を見ると十四道県、日本農業新聞を見ると十二道県、まあそれはどれが正しいのかわかりませんけれども、まあいろいろおもしろいんですけれども。 私はやっぱりそういう意味では、もう一次検査の結果を一度発表しちゃったのに今さらここで二次検査までやると言ったら、情報を操作するんじゃないか、隠して操作するんじゃないかなんという疑いまで出ているわけですよ。私は、行政はそんなことをしないと思うんですよ。私はそれはできないと思うんです、はっきり言って。そんなことをしたら内部告発だって起こりますよ。もうそんなことできる状況じゃない。にもかかわらず、一次検査の結果を発表しないのは情報を独占して操作するんじゃないかなんという疑いまで持たれる。こんな情けないあり方でいいですか。あるいはそんな不信感の中で、国民とともにこれからの日本を築き、あるいは変えていこうとするんですか。 大臣、どうですか、その辺は。
○国務大臣(坂口力君) この点は消費者の皆さん、それから生産者も中には入るかもしれませんけれども、特に消費者の皆さんがどちらの方が安心していただけるか、どちらの方が納得をしていただけるかということだと私は思っておりました。 私は早く、スクリーニングのテストで出ましたら早く皆さん方にお知らせをする方が皆さん方に安心をしていただけるのではないかというふうに思ったわけでございますが、しかしここは人それぞれとり方が随分違いまして、そして、いやそうではない、これはやっぱり確定した検査のところまで行かないことには安心をしてもらえないんだ、動揺を与えるんだという御意見の方も非常に多かったこと、事実でございます。 この検査は、都道府県あるいは市町村も入るんでしょうか、地方の屠畜場で行われることであって、そこで責任を持っておやりいただけることでございますから、本当は、どういうふうに検査をしてくれとかそういうことは、それは一律でお願いしなきゃならぬですけれども、検査発表の時期までどうしろこうしろということを国が言うということもいかがなものかというふうに私は思っておりましたが、ここはしかし、その都道府県によりまして、いや早くするよというところもあるし、いやこれはやっぱり確実なところになってからするよというところもあるというふうに分かれておりますが、国の方も意見は分かれたと。どちらかといえばやっぱり確定してからという声が多かったものですから私も旗をおろした、こういうことでございます。
○今井澄君 最近、日本の民主主義は地方から大体始まっている。そういう意味では、地方分権の時代ですから、こういうふうに地方が独自に発表するというのは私もいいことだと思いますし、ここで国民がやっぱり選択するんだろうと思いますね。ですから、国があほだったと、国の方がおくれていたということがだんだんわかるんではないかと思って、これはこれでいいだろうというふうに思っておりますが、大臣、ぜひ当初からの御尽力、お気持ちを生かして、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、坂口大臣初め厚生労働省の副大臣や政務官の皆さんに私も期待するところ大でありますので、ぜひこの問題、過ちのないように、せっかく、もうここまでばれちゃったわけですから、このばれた上に国民にいかに、愚民政策ではなくて国民にも参加していただいて、どうやって解決するかということで頑張っていただきたいと思います。 さて、短い時間の中であれもこれもやりたいと思っているので、どうも一つ一つ不十分なんですが、次に、医療に入る前に、年金のことを三問ほど質問させていただきたいと思います。 第一問目は、私の学生時代からの親しい友人であります黒岩秩子さんがさきの通常国会のとき、この厚生労働委員会で質問しまして、ぜひ一緒にこれからも頑張ってほしいということで託されたことでありますし、私ども民主党もかねてから年金問題の重要な一つとして取り上げてきた無年金障害者の問題でありますが、去る六月七日の本委員会で、黒岩さんの質問に対して、まず局長とそれから障害保健福祉部長の方から、年金でも対応できない、福祉的措置でも対応できないというつれない答弁のあった後に大臣の方から、「しかし、検討します、このことを。お約束します。」ということで非常に真摯な態度を示されたということに多くの委員が感銘を受けたということで、これ、ひょっとすると長年の懸案であったこの無年金障害者の問題についてもここで一歩進むかなという期待が持たれているところでありますが、その後このことについてはどういうふうに検討が進んでおりますでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 黒岩前議員がお取り上げになりまして、また選挙が終わりましてからも、私の部屋にお越しをいただきましてお話をもう一度させていただいた経緯もございます。きょう、また委員から御指摘をいただいたわけでございますが、先般のときにも一遍検討させてくださいと、お話を聞いていて私もそう思ったものですから率直にそう申しました。 それで、今、障害保健福祉部とそれから年金局と両方とで今検討を進めております。まだ残念ながらもうちょっと結論まで至っていないわけでございますが、しかしその中もいろいろの意見が出ているやに今のところ私も聞いております。しかし、最終の報告を私もまだ聞くところまで至っておりません。早くひとつ議論を詰めてくれるようにお願いをしているところでございまして、そしてそれに対してどうするかという決断もできるだけ早くしたいと思っているところでございます。
○今井澄君 私どももこの問題ははっきり言って年金制度の中で対応するのは難しいと。下手に年金制度の中で対応しようとすると、今、年金どうあるべきかの基本的な議論が行われているときにかえってマイナスになると。そうすると、これは臨時特例的な福祉措置としてやるしかないんじゃないかなということで前々から提案を申し上げているところであります。 この福祉も、前回の障害保健福祉部長さんの答弁ですと、従来の福祉はこうだからできないという極めて冷たい答弁だったんですが、そこのところを臨時特例的な措置として、何しろ困っているわけですから、本当に生活に困っている人をどうするか、自立支援のために御検討いただきたいと思います。 さて、昨日お尋ねしようと思って通告いたしました女性の年金権の問題、女性と年金の問題なんかについては、ちょっと時間の関係がありますので、省略させていただきます。 そこで、私は年金については基本的な議論の方向を申し上げたいと思うんです。実は私は、一昨年ですか、年金の法改正案、この委員会で質疑があったときに繰り返し提案したのは、年金の問題というのは一党一派の問題じゃない、あるいはきょうあすの問題じゃない、四十年、五十年、超党派の問題なんだと、だから党派を超えて、参議院のこの国民福祉委員会の中に小委員会でもつくって、時間をかけてじっくり議論しましょうよと、この法案は法案として、ともかく賛否は別に。そういうことを提案して、個人的には何人もの方から賛意をいただいております。しかし、いまだにそういうことはできておりません。 私は、実は昨年の暮れ、十二月も押し迫ってから、民主党の年金調査団というのを組織しまして、ドイツ、スウェーデン、イギリスと視察に行ってまいりました。ちょうどドイツも年金改革の年、イギリスもステークホルダー年金、スウェーデンもいよいよことしから新型年金実施の年ということで、各国いろいろ悩んだ末の改革案、しかもそこに確定拠出みたいなものも公的年金の中に組み込んだり、非常な苦労をしておられる。やっぱり現地に行ってくると違うものですけれども。 そこで私は、スウェーデンに二つ学んだらどうかということを、きょうは二問御質問あるいは提案をさせていただきたいと思うんです。 一つは、スウェーデンがまさに超党派で政治主導でやってこられたんですね。 私ども行ってお会いしたのが自由党のショーンベリさん、それから穏健党のゲンセルさんという女性の議員お二人と、それからその他何人かの方とお会いしたんですが、実はこのショーンベリさんというのは、この年金改革、一九九一年から始まったんですね、実施まで十年計画で改革をしたわけですが、その一九九一年当時、保守・中道四党の連立政権で、そこの社会保険大臣だったんですね。このショーンベリ大臣が座長になって、各党から、七党から八名だか九名委員を募って続けた。数年かけて報告書を出した。今度その報告書を、それを国会で承認してもらって、そしてその後、今度は実施計画をつくるグループをつくって、これもまた超党派でやって、その間に政権が保守・中道連立から社会民主党にかわって今度は社会民主党の社会保険大臣が座長になって、このときは党が二つ減っているんですけれども、やっぱり五党超党派でやって、やっとことしから新年金が支給されるようになった。 この経過でもう一つ特徴的なのは、労働組合も経営者団体もこの議論には基本的に入れていないんですね。ある意味で、報告がまとまったところで半年かけて関係団体の意見を聴取している。その過程で聞いているけれども、入れていない。 この年金の問題というのは、私は、かねがね主張しているのは、もう厚生省から切り離した方がいいと。厚生省は言ってみれば保健衛生の省になって、やっぱり年金というのは別個なんだと。これは財政問題なんですね。だから、ある意味で言ったら非常に冷厳な経済成長率とか人口動態で決まるものであって、これだって政党の思惑で決まるものでは本来ないんですよね。 そこで、このスウェーデンでも、政党の役員と、あとは言ってみれば大蔵省とか社会省とか裁判所とか会計検査院みたいなところとか、有識者、学者を入れて専門家で七、八年かけて練ってきている。その間に関係団体は入れていないと。私はこれは非常に大事だと思うんです。 私は、この際、坂口大臣にいろんな面で期待するところが大きいんですが、年金ももうぼやぼやしているとすぐ次のあれになっちゃいますよね。またここで逃げ水のような、またまたもらえない年金改革をやる前に、今ちょうど女性と年金の問題をやっておられますから、この際どうでしょう、超党派でそういう私的な機関でもいいですからやったらどうでしょうね。我々も党派とかそういうことじゃないと思っているんですよ、本当は、安心をつくるために。 しかも、幸いこのショーンベリさんが一橋大学の高山教授のやるシンポジウムのお招きで来年一月の九日から十三日まで来日されます。ぜひそこで、多分ショーンベリさんも厚生労働大臣にお会いしたいという希望をお持ちのようですし、ぜひ会っていただいたり、そういうことで、これはほかの委員の皆さん方や委員長さんにもぜひ御考慮いただきたいんですけれども、日本もこういうふうにやったらどうかなということを一つ思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに年金と申しますのは息の長いものでございますから、そのときそのときの政権の考え方によって変わるということになってまいりますと、国民に対して非常に大きな影響を与えることは間違いがございません。したがって、そのときの政治の動きということではなくて、やはり安定した形で長期間続くということが大事であることは、私もそのとおりというふうに思っております。 今、御提案になりました件、これは言ってみれば国会の中でどうしていただくかということでございますから、私が私の今の立場でどうこう申し上げることは甚だ失礼なことだというふうに思いますので、そこは私は差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、しかし、先生が御提案になりましたその御趣旨というものは私もなるほどそのとおりかなというふうに思いながら聞かせていただいたところでございます。
○今井澄君 だから、委員会は委員会としてぜひまた委員長にも、またうちも理事を通じて申し上げますが、非常に不可能な理想論を言っているようですが、検討していただきたいと思うんですが、やっぱり政府の側も、スウェーデンでは社会保険大臣が座長になって各党を集めて、必ずしも国会議員だけじゃないです、やられたようですから、そういう道がないのか。あるいは、幸いと申しますか、今、総理が小泉純一郎さんでこの問題について大変心配しておられる。あるいはそういうことについて、一つそういう全く私的なものでもつくることも模索いただければと思います。 それから、時間の関係もありますので余りあれなんですが、一つはやっぱり私、スウェーデン方式というのを前からちょっとは勉強していたんですけれども、これはなかなかおもしろい方式なんですね。確かにスウェーデンは実験国家ですし、日本とは違って小さな国で小回りもきくということもあるし、こういう超党派のこともできるのでできたということもあるんでしょうが、私はやっぱり年金に対する不信、特に若者の不信というのはこれは物すごいものがあるということをずっとこの間、自分であれしながら実感していますね。 民主党としては、今の三階建て制度を基本にしながら基礎年金の税方式化、二階部分は公的年金で賦課方式ということで方針を一応出して主張しているんですが、なかなかこれが説得し切れない。やっぱり複雑な仕組み自身に問題があるんじゃないかということを私はつくづく最近考えているんです。 不信といったって、一階の国民年金の何か未納者問題、崩壊問題が一つ問題になったり、二階部分の賦課方式では掛けたものが返ってこないという話になってみたり、三階部分は厚生年金基金が企業の経営が悪くてつぶれていっているという問題が出てきた。一体、どこに不信の根があるかもわからない中で、いや三階建てでこの部分はこう、この部分はこう、ほとんど若い人には通用しないですね。 だから、そういう意味でいいますと、スウェーデン方式の所得比例といいますか、掛けた金に応じて年金が返ってくるというのは、ある意味でちょっと積立方式に似ていますけれども、若い人たちには非常にわかりやすい。所得比例といいますか、保険料に比例して年金が返ってくるという非常に単純なんですよね。ただ、もちろん人口構造が変わったり経済情勢が変われば、それはファクターとして変わるという、それも自動補正方式まで盛り込まれていますから、余り政治家や役人が介入する余地がない。結果的に減ることもあるということが実は問題なんですが、スウェーデンの国民がどこまで納得しているか。それでも、掛けたものが他人のところに行っちゃうというんじゃなくて自分に返ってくるという意味では、この所得比例年金というのはわかりやすいというのが一つ。 それからもう一つ、財政方式が賦課方式なんですね。積立方式というのは、私はもう絶対これは公的年金として成り立たないと思っています。なぜかといったら、うまく運用する保証なんてだれにもないわけですよ。個人に任せようと厚生労働省が引き受けようと、何とか基金が引き受けようと、こんなの保証の限りじゃない。やっぱりそのときの年金の保険料を納めた人のお金がそのまま年金として配られるのだったら運用の必要もないし、投資の失敗のおそれもないし、積み立てたお金をだれかが変に使うこともないし、むだに使うこともないし、猫ばばすることもないんですよ。賦課方式というのは私は財政方式としては非常にいいと。 しかも、これはマクロ経済的に物すごく単純化して言えば、その時々の経済がどんなに変動しようと、国民所得の総額が決まれば給与はそのうちの一定割合で、給与の一定割合を保険料で出すんだったら、年々入ってくるお金が決まっている。そこから計算されるわけですよね。それをその年の年金受給者がみんなで分ければ、もらった年金というのはちょうどその時代の貨幣価値といいますか、働いている人たちの生活水準を維持するのに比例してお金が回ってくるわけですから、この賦課方式という財政方式も私は非常にむだがなくていいと思うんですね。 だけれども、果たしてこれができるかどうか非常に問題だと思うんですが、これは検討に値すると私は思っているんです、できるかどうかは別として、日本で。スウェーデンではもう一昨年から始まりました。どうですかね、その辺検討に値するとお思いでしょうか、どうですか。
○国務大臣(坂口力君) 今、そのお話を聞かせていただきまして、日本との違いは、確かに日本も給付それから保険料にも格差がございますが、この保険料の格差よりも給付の格差の方が僕は小さいと思うんですね、今の日本のやり方は。保険料のところにはかなりその額には格差がある、しかし給付される側の年金の額の差の方が私は小さいと、こう思っているんですが、これで若干低所得の人も助かっている面もあるわけでございます。 最近、パートタイムの皆さん方が多くなってここをどうするかという問題で、このパートタイムの皆さん方もこの中に入っていただいて保険料を払っていただいてという話があるわけでございます。それも私はそういうふうになればいいというふうに思っておりますが、年金財政上から言うならば、そのパートの皆さん方に入っていただいてその少ない額の保険料を払っていただくということで、そうすると、もらっていただくところは格差はそんなに大きくはない、比較的上と下と詰まった形での年金をもらっていただくということになるものですから、年金財政上は非常に厳しくなるんだそうでございます、そこだけを見ますと、財政だけから見ますと。 だから、そういうこともあるもので、その辺を一体どうするのかなということが、ちょっと私は今の話を聞きながら、解決がどうしておみえになるのかなということをちょっと感じた次第でございます。
○今井澄君 確かに、今、大臣が言われたように、今の年金制度はそういう面では非常にもらう人にとってはうまくできている。特に低所得の人にとっては大変うまくできている。だけれども、本当にそれだけでやっていけるか、若い世代の理解が得られるかということが実は今問題だと思うんですよね。また、本当の低所得者に対しては、これは社会保険方式をとるとらないにかかわらず別途これは対策をしなきゃならない。これは医療でも介護でも年金でも何でも同じだと思いますので、それはそれとして、基本的な考え方をどうするか。 今、経済財政諮問会議から社会保障個人会計なんというとんでもない考え方が出てきている。あれは納税者番号制を入れるための打ち上げ花火だという話もありますが、私は、医療や介護に関してはこれは助け合いの精神で、お金を掛けたけれども戻ってこない、サービスをもらわない方が幸せという保険だと思うんですが、年金はやっぱりそうはいかないと思うんですね。やっぱり掛けた金が戻ってこないというのはどうもうまくないので、私は非常に難しいと思います。実現可能性はともかく、さっき申し上げました方法論も含めて、このスウェーデン方式、今後検討をするということをぜひ皆さん方もテーブルに上げていただければと思います。 さて、本来やりたかった医療があと十分ちょっとしかなくなっちゃって質問を大幅に削らなければならないのであれですが、今度この医療保険改革も非常に透明にやっていただきたいと思います。 そういう意味ではスタートはよかったと思うんですね。厚生省試案が出、それに対して坂口メモも出、それで一応まとまって、今度はあっちこっちからいろんな意見が出、これが後どこでやられるかが私ども一番心配なんですね。 この際、我々も今、二年前に改革案の中間報告を出していますし、これから鋭意出していきますので、やっぱり国会の場なり、そういう与党だけで決めるなんてことのないように、まして一定の圧力団体のもとで与党で決めるなんてことがあったら我々としてはもうこれは断固闘わざるを得ないということを最初に申し上げておきたいと思います。 さて、私は、基本的に今、経済財政諮問会議とか総合規制改革会議とか、あるいは産業構造改革・雇用対策本部とかいうところから出されてきているのをそれなりに、今の医療改革が進まないことへのいら立ち等、一般の人の意識を反映したものとして非常に重く受けとめたいと思いますが、しかし、なかなかその中には医療というものを、聖域だと私は全く考えませんけれども、ちょっと御理解が足りない面があるような気がして、その面でも坂口厚生労働大臣がその都度新聞に不快感を表明したとか、越権ではないかとかいった、それなりにチェックをしていただいているのを私は応援したい気持ちで拝見しております。 しかし、最近も経済財政諮問会議の牛尾治朗さんほか三名、四名の方の意見書が出ましたね、十月九日付で。そこの中の「Ⅱ「改革試案」に対する評価」の「(2)「改革試案」は国民の「痛み」が先行している」というところに、負担に伴う価値ある医療の確立に向けての考え方、具体的方針を明示せずに、痛みの側面だけを前面に押し出している感が否めないと。これは深刻に受けとめるべきだと思いますね。ついきのうですか、経団連と日経連の合同部会でもそういうことが出ております。 私たちはこの人たちの立場に立って言おうとは思っていないんですけれども、経済界からも反発が出ている。まして患者さんを直接扱っている医師会、歯科医師会初めその他あらゆる医療関係団体からも、痛みだけ、これはお金の面ですけれども、そういうことで改革の中身がないということになっています。 そこで、私はきょう幾つも質問してきて、これだけで一時間以上やりたいと思ったんですができないので、実は医療費の効率化ということについて今いろいろなことが言われているわけです。老人医療費だけでやるのか、管理枠を、あるいは若者にもふやすのかどうかということがあるんですが、基本的な考え方をしっかりしない限り、これまでと同じように診療報酬点数なり総枠予算なりでやろうとすれば反発を招くだけなんですよ。必ずすり抜けるところが出てくるんです。私は医療現場にいたからよくわかります。どんな改定をしようと、どんなにやろうと、必ず抜け道はあって、その中で、患者さんに支持されてちょっとプラスアルファをして経営を安定させる病院もあるし、患者さんの利益を無視してあくどいことをやって利益を得るところもあるし、何とかなるんですね。 そこで、実はどういうふうにすれば医療費は本当にやむを得ない医療費だけにできるのか、むだな医療費がなくせるのかということについて、私も参議院に当選させていただいて以来ずっとやってきました。それで、私はいつも我が長野県が一人当たり老人医療費一番低いですよということを自慢げに、なぜかということで議論を予算委員会の場でもここでもさせてきていただきました。 ついおとといですか、医療費マップが配られました。私も今、壁に張ってありますけれども、皆さんのところに配られたと思いますが、御承知のとおり西高東低ですね。西の方が真っ赤、それで北海道が真っ赤で、長野県とか阿部委員長の山形県とか前の中島委員長の山梨県とか、低いわけですよ。 何で同じこんな狭い日本の中でこんなことが起こるのか。これは高齢化で補正しても同じことなんですよね、高齢化率で。あと確かに風土病もあるかもしれません。風土病とは言いませんけれども、私が専門にやってきた肝炎に関しては西高東低です。これはもう地域的なことがあるのでぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、最近の厚生省の御尽力、努力は多としますが、それをのけても、何で地域差が出るかということは実は医療費のむだがどこにあるかを解析する上で非常に重要なポイントだと思うんですね。 一つは、老人医療費がなぜ高いかということでやってきました。最近、「医療費の地域差」という本が地域差研究会というところから出ました。東洋経済新報社、ちょっと高くて三千六百円なんです。この研究会の主宰者が、実は先ほどちょっと御紹介いたしました、あのエイズの郡司メモで悪名高くなった郡司篤晃君、私の大学時代の同級生であります。今は聖学院大学の教授です。九月十一日発行なんですね、最新のものです。 彼は、これまで医療費の低い、例えば長野県はどうかと。一方で平均寿命が長いじゃないかということで、予防活動をやったとかですね、我々予防活動やりました、あるいは家が広くて家へ帰れるんだとか、いろんな社会的要因とかいろんな分析がありましたが、これは純粋近代経済学分析なんです。中を読んでみてもよく理解できないんです、いろいろな数式が出てきたり表が出てきたり。レセプトをもとに分析しているんです。このレセプトというのがまたインチキでして、レセプトを通すためにレセプト病名というのをつけるわけですよ、レセプト病名というのをつける。だから、病名と医療費が適正かなんて判断できないんですね、だから非常に問題だと思うんですが。 ただ、がんについての医療費分析、私、びっくりしました。がんに関してはレセプト病名というのはないんですよ。CTを撮った、脳腫瘍の疑い、こういう病名はつけますよ。だけれども、それはオミットしますからね。がんはほとんど間違った診断はまずないだろうと考えていい。 ところが、そのがんの医療費が北海道が高いんですよ。何でですか。それで、私は二、三、地元の人にも聞いてみたり、この本をじっと読んでみました。わかりました。要するに、彼は結論的にこういうことを言っているんですね。これは老人医療費だけの問題じゃないんだと。今、医療というのは公定価格で点数が決まっています。公定価格が決まっていて価格競争ができない状況の中で、だけれども患者はどこの病院でもかかれるというフリーアクセス、非常にいいものだと言われている。言われているんですが、そのフリーアクセスのもとで、情報の非対称性ということはあるけれども、患者が自由に病院や医者を選べるということで、基本的に競争原理が働くんだ、市場が成り立っているんだという前提でやっているけれども、全然それがおかしいことになっているんです。 どうなるかというと、病院もどんどんどんどんふえてきた、医者もふえてきた、患者さんが来ないとやっていけないからどうするかというと、設備投資をするんですね、広い意味で、職員を雇うことも含めてでもいい。設備投資をすると、そのコストを回収しなきゃならない。コストを回収しなきゃならないから収入をふやさなきゃならない。患者さんがふえただけではだめで、一人当たりの患者さんにちょっとずつ乗せるんです、初めは良心の痛まない範囲で害のない検査や薬を。そのうちに苦しくなってくると、背に腹はかえられずで、害があろうがなかろうが点数を上げる。そのために実は出来高払い制というのが実にいい仕組みになっているんだ。 そして、その結果、その病院はどうなるかというと、経営が楽になるかというとますます苦しくなる。要するに、地域の中で競争ということが行われているということで、かえって医療費が上がってだれも得をしていない。患者さんも余分な治療をされたり余計な検査や薬をもらう、そして医療機関の方もやればやるほど苦しくなる。どこにお金が行っているかというと、きのうの夕刊に出ていました、医療機械屋さんとか、あるいは薬屋さんとか、あるいはお金を貸す銀行屋さんとか、そこへまたもってきて株式会社を入れて株主にまで配当をしようとする。どこか間違っていませんかということなんですね。 しかも、もう一つこれを読んでおもしろかったのは、むだな医療費は、医師がむだをつくっている部分が七割だ、だけれども患者がつくっている部分が三割ある。共同でやらない限りだめだということですね。 それともう一つ、北海道でなぜそうなるか。現場でいろいろ聞いてみますと、確かに北海道は人口だけじゃなくて病院が札幌集中なんですね。非常に競争が激しい。内地からまで患者を集めて老人病院が広がったことは有名ですよね。サービス競争をするわけです。そこで、そのコストを穴埋めするために少しずつ点数を上乗せするわけです。 私は十四年間審査委員をやっていたんですが、どうも調べてみると都道府県単位で医療費の高低が決まると。もう少し低いレベルで、二次医療圏とか市町村で比較しても余り差がなくて、都道府県ごとの差が出る。なぜか。これは審査会にあるんじゃないか。社会保険と国保と二つ審査会が都道府県ごとにありますね。私も十四年間国保の審査委員をやりました。 北海道の審査は、恐らく札幌で厳しい競争の中でちょっとずつ上乗せをしている医療機関の先生方が集まって審査会が構成されている。そうすると、悪意でなくても、まあ医療というのはこんなものだというおのずと高いレベルの意識が形成される。そうすると、北海道の道東であれ道北であれ、過疎の地であっても札幌基準の審査というか、このぐらいが標準の医療だなというふうなことでお金が支払われる、審査が行われる。 考えてみますと、長野県の私どもは、私ども国保、地域医療の大先輩、リーダーである吉沢国雄先生、浅間総合病院の院長、その後の後の院長の倉沢隆平先生、もう徹底的にむだな薬は使うなということを言われました。その浅間病院でも私の行った諏訪中央病院でも、全国レベルでも医薬品の比率は低いんですね。外来では患者とけんかですよ。腕を出して待っている患者に注射はしない、帰れと言って、なぜ注射が必要ないか、毎日そんなことをやってきたわけですよ。そういう国保の病院が組織立って運動をしていた。 ひょっとすると、それも地域の医師会の先生とも常日ごろ勉強会をやっていますからそういう雰囲気ができたのかもしれないということもありますと、彼が提案しているのは、やっぱりインセンティブを与える方向にしなきゃならない、もうこれは定額払いしかないと。フリーアクセスについても、情報を幾ら公開しても患者さんが完全判断できるかどうかわからないからゲートキーパーをつくる必要がある。言ってみれば、家庭医のような問題ですね。 私はそれは非常に大事なことだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) もう時間がないようでございますから簡単に申し上げさせていただきますが、医療制度改革、どうしても今回はやり遂げなければならないというふうに思っている次第でございます。 どこをどういうふうにやっていくかということにつきましては、もちろん財政上の問題もございますけれども、今お話がございましたとおり、制度そのものの改革をやらなければならない。制度そのものの大枠の改革をやらなきゃならぬですが、その前に現在の制度の中でむだになっているところを省かなければならない、これも御指摘のとおりだ思っております。そのむだになっているところを制度上、これはむだになっているようなところは制度上直していかなければならないと思います。 例えば、保険制度等につきましては、さまざまなところで、国保のお話が出ましたが、国保も各市町村に分かれまして三千からの保険者になっている。これはもう高齢者が五〇%にも達してきている町村があるわけですから、そういうところがこれからそこでやっていけるわけがないわけでありますから、ここは統合化を目指していく以外にないというふうに思っているわけでございます。そうした問題が一方にございます。 そして、今度は徴収をしますのも、いろいろなものを国は徴収していますけれども、ばらばら徴収しておったのでは徴収費が余計かかる。それは一つにまとめていただくものはいただくということにして、徴収費をそこでやはり国の方もこれは血を流すべきだというふうに思っているわけであります。 そうしたよく見えるものと、それから今もお話にございました見えない部分がある。見えない部分はどうかといえば、一番やはり中心になりますのは、これは保険診療。保険点数のあり方、保険の診療報酬の中身、そこを私はやはりもう一度見直す必要がある。基本的な考え方をそこにきちっと整理をしてやった方がいいだろう。よくホスピタルフィーだとかドクターフィーだとかということが言われますが、そうしたものもちゃんとやはり見るべきものは見なきゃいけない。 しかし、どの病院も大きな機械、機具を据えつけなければやっていけないような体制は、これは好ましいことではないというのが私の基本的な考え方でございまして、そこを少し議論を深めさせていただきたいというふうに思いますし、この委員会におきましてもまたいろいろと御議論をいただければ幸いでございます。
○今井澄君 実は、私の時間はもう五分で終わっちゃったんですが、ちょっと辻先生の御了解を得て、あと一つだけ。 今の定額払いの問題は、これは医療費抑制策と考えるからおかしいので、私は医療団体もそういうふうに考えるべきでないと思うんですよ。現に日医の坪井会長が最近出された本の中には、レセプト主義に陥って医師が裁量権を失っている。まさに、保険点数にあるからやる、ないからやらない、高いからやる、安いから控える。私は、周りを見ていても、本当に保険点数に振り回され過ぎていると思うんです。 大体、今世の中で医者にかかって行われている医療の八割は定型的な医療なんですよ。これはもうどのお医者さんだって納得すると思います。そうすると、それを何パターンに分けるかは別として定額にしたら、その中で腕のいい医者はコストをかけずにもうかるし、腕の悪い医者はいつもいつもコスト割れして損する。そうしたら、そういう医者は自然に淘汰されると。病院だってその方がいいわけですからね。そして、腕のいい医者は高い給料で雇えるし、むしろそういうふうに私はしていくべきなんじゃないか。だから、かねてから定額制を提案しているので、ぜひ。 一九九七年の改革がとんざした理由も出来高払いと定額払いのベストミックスなんという変な、いいかげんなことを言うからで、両方とも利点も欠点もあるのでどちらが百点なんてないんですよ。どっちに主軸を置くと。私は、八割は定額だと、例えばこういう方針のもとでやれば、やる気のある医者がもっと頑張れる、やる気のある看護婦が頑張れる、そういう医療現場もできると思っています。 そこで、最後にもう一つだけ。 実は、さっきの北海道の医療費が何で高いかといったら、ひょっとしたらこれは、そう言っちゃ悪いですけれども、風間先生おられないですよね、北海道にも幾つか大学があります。(「北海道いるよ。正しいことを言っているならいいですよ」と呼ぶ者あり)いや、やめます。済みません、今のは取り消します。 おととし、ある週刊誌に全国の一流と言われる三十のがん専門病院で何しろ五年生存率が三割も違うなんという驚くべき数字が出たんですよね。日本でその地域では一流と言われる病院の間でそれだけ差があるんです。随分日本の医療には差があるんですよね。 この原因は何かということが、大学医局講座による縦割りの人事支配にあるんだということはもう前から指摘されているわけです。もっともっとフリーの医師の市場をつくらなきゃならぬ。 その点で、私はぜひ、桑間雄一郎という今アメリカのベスイスラエル病院の日本人センターの所長をやっている若い医者ですけれども、この人の書いた「裸のお医者さまたち」という本を読んでいただけるとわかるんですけれども、本当に今、日本の医者のシステムは、とにかく卒業するとどこかの医局に一種の永久就職をして、生涯、結局その系列の中で治療法にしろ患者の紹介にしろ動いていくという縦割りの閉鎖的なシステムになっている。この中では情報公開なんてあり得ない。よそでやっている治療法がわからない。それを超えて頑張ろうとする人たちがいて、おとといのNHKの「生活ほっとモーニング」ですか、情報公開も、医師の成績まで出している病院があると。あるいは、ある地域では救急患者が死んじゃった、どうして失敗したんだろうということを病院を超えて、学閥を超えてやっている研究会があると。そういう試みが出ているんですが、大体そうなんですね。 そして、ついきのうもらった手紙にも書いてあります。「○○市という狭い地域に限ってみると医師は沢山おります。しかし○○大学出身者の城下町ともいえる状況で、競争がない分、技術的にも、規範的にも、人間的にも、頭をかしげたくなるようなことが少なくありません。」、私の旧来親しい医師から、ある都市で、ある大学病院の城下町では医師の競争がなくて技術だけでなく人間的にも問題がある、こういうことが今、日本全国で起こっている。こういうことが笑われている。 ついでに、亀田総合病院の特命副院長ジョン・C・ウォーカーという人が、「ニッポンの病院」、「なぜ日本の病院はダメなのか」、この根本は、医者が縦系列の狭い世界の中で、井の中のカワズで、世界の医療レベルもよその大学病院のレベルも知らないで、自分のやっていることが最良だと思って勝手なことをやっていると。私は、これを壊さない限りは、やはり日本の医療はお金だけではならないということを主張して、もう時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。
○辻泰弘君 民主党・新緑風会、七月の参議院選挙で当選させていただきました兵庫選出、辻泰弘でございます。 百戦錬磨、重量級の今井澄議員の後の軽量級の登場で、いささか見劣りするかもしれませんけれども、ちょうど私のおやじの命日でございまして、初陣、初質問、横綱の胸を借りる思いで坂口横綱と力相撲をとらせていただきたいと思っておりますので願わくは思い出に残る御答弁、また本日はマスコミの方もおられますので新聞記事にも残る御答弁を賜れば幸いでございます。 私は、政治運動、労働運動、また研究職などに生きてきた人間でございまして、二十数年前、当時、社会、公明、民社という予算修正、減税要求等々の取り組みの中で、当時の坂口大臣が大蔵部会長、政審会長をされていたころ、後ろで政策スタッフとしてお会いさせていただいた人間でございまして、以来の先生の今日までのお姿を拝見させていただいておりまして、見詰めているものにそんなに大きな違いはないというふうに思うわけでございますが、今はいささか立場を異にしているわけでございますけれども、小泉流改革路線、またその具体策について、今日の閣僚としてのお立場からお話を賜ればと思うわけでございます。 私の信念は、政治の目的は庶民の幸せを大きくすることにこそある、その思いでございます。時間も限られております。実は今、神戸市長選挙をやっておりまして、私、連日行ったり来たりしておりまして、のぞみ号の中でつくった質問でございますが、この質問も時間も限られておりますのでのぞみ号というような感じで質疑応答をお願い申し上げたいと思います。 まず、私は、さきの橋本内閣のころの行政改革会議、連合会長の芦田甚之助会長が出ておられたんですけれども、その随行ということで官邸にもお伺いをいたしまして、省庁再編の議論の一端を見せていただいた人間でございますけれども、当時、厚生省、労働省、経済企画庁の国民生活局等々を一本化して国民生活省をつくろうじゃないか、こういうような議論もあったわけでございます。そして消費者行政、生活者のための行政をやっていこう、こういう御議論もあったわけでございます。その後その構想はなくなって、厚生労働省か労働厚生省か、こういうような議論もあったわけでございますが、結果として厚生労働省ということになって、大臣は昨年の十二月からそれぞれの大臣を兼ねられて、本年一月からの合併ということに至っているわけでございます。 今日まで十カ月を経過したところでございますけれども、この十カ月の厚生労働省、新しい二つの役所の合併ということをどう総括、評価されておられるのか。省庁再編のメリット、デメリット、それぞれにつきましてお伺いしたい。そして、そういうような経緯も踏まえつつ、やはり消費者、生活者の立場からの行政に努めていただきたい、この思いでお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 辻先生のお話を聞きながら、ことしの一月六日からでございますけれども、旧厚生省と旧労働省が同じになりまして厚生労働省にしていただいたわけでございます。 確かにこれは両面、いい面と、それからこれは一緒になって大変だなと思う面と、やっぱり両面あるように思っておりますが、一緒になりまして、やはりこれで今までがばらばらだったのがスムーズにいくな、今までは縦割りになっていたのが両方一緒になったのでスムーズにいくなと思いますのは、例えば子育ての問題でございますとか、あるいはまた、今までは地域の例えば医療とそれから職域における医療とが違っておりましたりいたしましたのが一本になりましたりとか、仕事と子育ての両立がうまく一つの役所の中でスムーズにいくようになりましたりとか、そういう非常にうまくいくようになった面も確かにございますが、しかし一方におきましては、非常に大きくなったものでございますから、当然のことでございますが、全体をまとめていくということが大変になったなという率直な私の気持ちでございます。 私は、両方のことをやらせていただいて、一方におきましては、先ほどもお話がございましたが、医療保険のことをまとめていくというような医療保険の話をやらなきゃならないと思っておりますと、こちらの方で失業率五%ということになって雇用の問題をやらなきゃならないと思っておりますと、今度は狂牛病の問題が入ってくるというようなことで、とにかく目が届かなくなってくる。全体としてこれ全部責任持って自分はやっているのかなという非常に不安感に駆られることがございまして、そういう面では、大きくなったということは、先ほども申しましたいい面もありますけれども、担当させていただいておる者といたしましてはいささかそういう不安感もつきまとうというのが率直な意見でございます。
○辻泰弘君 本当に率直なお言葉をいただきまして、ありがとうございました。 確かに全体のまとめは難しい。幅広い行政になっていろんな質問項目もたくさん多岐にわたるわけでございまして、それだけ生活に密着しているということの一つのあらわれでもございますけれども、ぜひ生活者の視点、消費者の視点から、ともすれば生産者優位といいますか、そちらの路線が見え隠れするところもございますので、どうか消費者、生活者の立場に立った行政のリーダーという立場で頑張っていただきたいと思います。 さて、これからの厚生労働行政を考える上で、やはり世界の潮流、日本の国の潮流というものをしっかり踏まえた上で臨まなければならないと思うわけでございますけれども、やはり大きなものはグローバリゼーションということでございます。 グローバリゼーションにつきましては、さまざまな経済主体の効率性の追求が全地球的規模で行われるようになることというのが経済審議会等での定義であったと思いますけれども、この間のジェノバ・サミット等でもやはり反対運動等もございましたが、グローバリゼーションにはやっぱり光と影があるということでございまして、私は、やはりその影の部分をしっかり見詰めて対応していくことが政治の責任だと思うわけでございます。 一九九九年の国連開発計画の報告書、「グローバリゼーションと人間開発」というのがございますが、その中に、世界の中で最も豊かな国々に住む世界人口の二〇%と、最も貧しい国々に住む世界人口の二〇%、これを比較したときに、所得格差は一九六〇年のときは三十対一だった。一九九〇年には六十対一になった。そしてそれが一九九七年には七十四対一になったということでございまして、人や国の間の格差というのは拡大するばかりというのが今日の状況でございます。 私の信念は、政治の目的は庶民の幸せを大きくすること、世界平和と人類の幸福、ある意味では当然のことでございますが、同時に競争原理の貫徹の上に人間に幸せはない、これが私の思いでございます。今日のグローバル経済化のもとで市場競争万能、自己責任礼賛の風潮というものがはびこっているわけでございます。しかし、そのような弱肉強食、優勝劣敗の論理の激流が庶民の生活を覆ってしまうといいますか、激流に庶民の生活が巻き込まれてしまわないように、そのことが政治の大きな使命だと思っております。 大臣の御所属の公明党の運動方針、私は非常に感銘を受けたところがございます。世界は今、急速なグローバル化のもとで激しい自由競争、市場主義の時代に入っており、日本もまたその例外ではありません。市場の暴走への安全装置が不可欠です。激しい競争が激しい優勝劣敗、弱肉強食社会をもたらさないよう力を注ぐ必要があります。貧富の差の拡大、中小企業の悲鳴と破綻、額に汗して働く人々の未曾有の雇用不安、崩れ行く町や商店街、老後の不安等々、あたかもふるいにかけるような二極分化傾向が見られる今、政党、政治家たるものはこれを直視しなければなりません。激しい優勝劣敗、弱肉強食社会の到来を見るとき、今こそ体を張って社会的に弱い立場の人々のために行動し、庶民の側に立って働かねばなりません。これが一九九八年、新しく結党されたときの運動方針案でございまして、私は当時連合におったんですけれども、非常に感銘を受けたものでございます。 そこでお伺いしたいのは、こういうグローバリゼーションのもとでの政治の果たすべき機能、また厚生労働分野における政策立案、政策運営のあり方について大臣の御所信のほどを承りたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) グローバリゼーションのその中で今、日本は前進を続けているわけでございまして、グローバリゼーションの中を前進していくというその方向を今はもう変えるわけにはいかないところに私は来ていると思います。もうこれは真っすぐ前を向いて、そしてその中で競争と戦いながらも、経済の分野であれ他の分野であれ、進んでいくという以外に方向性はない。 しかし、そのグローバリゼーションの中で、勝敗を次々と重ねていくというその中だけで一体日本の国の中が維持していけるかといえば、それは、今御指摘になりましたとおり、そこにはお互いに連帯の精神というものが必要であろうというふうに思っています。その連帯の精神を一体どうつくり上げていくかということになるわけでございますが、特に厚生労働省はその連帯の輪をつくっていくためにどうしたらいいかということを最も考える省ではないかというふうに思っています。 確かに、今数字をお挙げになりましたように、地球規模におきましても大きな格差が広がっているのでございましょう。それがグローバリゼーションの考え方でいきましたときに、日本の国内においてもそれと同じことが進行していってしまいますと、そうすると日本の国の中の破綻を来す可能性もあるわけでございますから、他の国々との間の問題を外に向かっては考えると同時に、日本の国内におきましてもそうした格差の拡大が次々と進んでいることを何をもってとめていくか。 そこに、皆さん方が努力をされたことは報いられるということにして初めて私はそこをとめることができるんだろうと思います。厳しい言い方でございますけれども、努力のないところにやはり私はそこまで手を差し伸べることはなかなか難しい。それは障害者の皆さん方の場合なんかは別でございます。 しかし、最近は障害者の皆さん方の中にも、自分たちでITなどのことを中心に仕事をして、そしていわゆる納税できる人間になろう、こういう運動を展開もしておみえになりますことを、そういう団体がありますことを非常に敬服いたしているわけでございますが、やはり障害者といえども、これはもう社会保障だけを当てにしているというような考え方ではいけない、やはり自分たちで立ち上がって、自分たちでやはり納税者になるんだ、その意気込みをお持ちだということに大変敬意を表しますし、そういう運動を大変進めておみえになります方にも敬意を表したいというふうに思っています。 ですから、そういう土壌を育てつつ、やはり一生懸命に努力をしていただく方に報いていける枠組みをどう構築していくか、そのこととこのグローバリゼーションの中で生きていくということとはセットであるというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 グローバリゼーションに伴う格差の拡大というのは、国際面は先ほど申し上げたとおりでございますが、当然国内面においても進行しているというふうに思うわけでございますし、現にいろんな機関の調査等も出てきているわけでございます。 ちょっと古くなりますけれども、一九九六年の経済白書においても、「戦後の日本は所得・資産格差が比較的小さく、それが社会的安定の維持や階層分化の防止に役立ってきたと評価できる。」、「所得・資産格差を発生させないことが、公平性の点からも、また、社会の活力という点からも重要なことと考えられる。」という指摘があるわけでございますが、今日においての日本における所得格差、資産格差、これまで拡大してきているというふうに見ておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) つまびらかな資料というものを私まだ持っておりませんが、しかし傾向としてはやはり拡大をしてきているのではないかという危惧を持っていることは事実でございます。しかし、まとまりまして、例えば一九九〇年に比較をして二〇〇〇年にどれだけどうなったかという明確な資料を持ち合わせているわけではございません。
○辻泰弘君 大臣も傾向としてはやはり広がっているのじゃないかというふうにおっしゃっていただいたわけですが、そういう状況の中での厚生労働行政はいかがあるべきかということについてお願いを申し上げたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) その中で厚生労働の関係の仕事、一方におきましては年金、医療、介護等あるわけでございますし、そして旧労働関係のことでいうならば雇用、働く場をどう確保するかという問題がございますし、それらの問題を厚生労働省としては総合的にこれから考えていく必要があるわけでございます。 そういういわゆる所得格差というものが生まれてくる、それに対してそれを何で埋め合わせていくのか、その格差是正を何で行うのかということになってくるだろうというふうに思いますが、そこの格差是正につきましては今まで社会保障分野と言われておりましたことが大きな威力を発揮するというふうに思っています。 先ほど今井先生の方から少し年金のお話が出ました。年金のあり方はどうしたらいいかということを真剣に考えなきゃならないときでございますけれども、やはり現在の年金制度は、先ほども申しましたように、どちらかといえば、いわゆる負担と給付の関係でいえば、負担の幅は大きいけれども給付の幅はより小さいという形に私はなっているというふうに思っておりますが、そうした考え方は私は今後も維持をしていくということが一つの方向だろうというふうに思っておりまして、そうした基本を一つ持ちながら対処していくということが大事ではないかというふうに思っています。
○辻泰弘君 構造改革の牽引役である竹中経済財政担当大臣にこういう御発言がございまして、全体の流れとして頑張った人が報われる制度が従来以上に必要になっているのですから最高税率は引き下げるべきだ、所得税という意味だと思いますが、最高税率は引き下げるべきだというのを本にも書いておられるんです。 この点について、やはり私は、所得再分配機能を果たす政策というものが大事だとおっしゃっていただいたこともその中に入るのじゃないかと思うわけですが、この最高税率、格差が広がったという例のアメリカのレーガン減税、その結果としての税率よりも今の日本は低くなっているわけでございますから、そういう中で、竹中経済大臣、構造改革の牽引役の方の信念といいますか、その考え方、私はいささか異にするわけですが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 私が税制のことまでここで言えるかどうかということでございますが、今までの日本の税制が余りにも格差が大き過ぎた、勾配が厳し過ぎたということは、これはそうだったんだろうというふうに思っておりますが、しかしかなり現在是正されておりますことは事実でございます。 その議論のときにいつでも出てまいりますのは、高額所得の人に余り厳しくすると、そうするとその人たちが、この国際化の中でさらにその人たちが活躍できないということがある。したがって、高額所得の皆さん方がそれによってさらに国際的な中で活躍ができるようにしてあげないといけないという意見もあるわけでございますが、もしそこを認めるのであるならば、その皆さん方が活躍をしていただいて、その活躍をしていただいたことによって非常に所得の低い層の皆さん方にどういう形でそれを分配をしていだたけるのかということになるのであろうというふうに思います。 ですから、この税制の中で所得税だけで物を考えていくというのは非常に難しい。そこはもう少し幅広い税全体の中でそこをどうするかということになってくるというふうに思いますが、一部の人たちのこれから頑張っていただくためにだけ税制をつくる、税制をつくっていくということになりますと、それは問題が起こってくる。したがって、そこにはある程度の限界が生じることはやむを得ないというのが私の今までの考え方でございました。 余りにも今まで高額所得者の人たちの税額の、このなにが厳し過ぎましたから、そこは直さなきゃならないということを私たちも言ってまいりましたし、現在のレベルになっている、もうそろそろ現在のレベルのところぐらいのところでぼつぼつお許しをいただけるのではないかという気持ちが私にはある、これは個人的な意見でございます。
○辻泰弘君 ありがとうございました。 そこで、構造改革についてお伺いしたいと思います。 いわゆる骨太の方針というのが六月、閣議決定されているわけでございまして、私はちょうど選挙前でございまして、じっくりは読めなかったんですけれども、一読して感じたことは、経済合理性の追求というものが前面に出過ぎているんじゃないか、競争、効率の論理に偏っているんじゃないか、庶民の生活や家族の幸せ、そういうものに、それにかかわってくる雇用というものに対しての優しい、温かいまなざしというものが感じられないというのが私の率直な実感でございました。 そもそも、構造改革なくして景気回復なしというキャッチフレーズが端的に示すように、今、小泉総理が進めようとされている構造改革というものは、当面の景気回復、今後の経済再生、経済成長、それ自体が目的化しているのじゃないかというふうに私は思われてならないのでございます。 〔委員長退席、理事中島眞人君着席〕 もとより景気回復、経済再生は重要な課題でございますが、それらはあくまでも国民、庶民の生活をよりよくするための一つのある意味では手段であって、それ自体が目的になるものではない。ジョブレスリカバリーという言葉がございましたけれども、突き詰めて言うならば、経済がよくなったとしても、国民の、庶民の生活、雇用というものが悪くなるのでは、果たしてどんな意味があるのかということが問われることになると思うわけでございます。 また、これも公明党の運動方針、拝借して恐縮ですが、これは第二回の一九九九年のときなんですが、「大事なのは、「何のための改革か」を常に問い掛け、「社会を支えている庶民・民衆が豊かで安心して暮らせる社会であるべきだ」との観点に立った国民のための改革を不断に実行していくということです。」と、こういう指摘がございます。まさにそのとおりだと私は思うわけでございます。 お立場でございますのであれですけれども、私から見ますと、小泉流構造改革というものが経済合理性の追求、競争、効率の論理に偏っているというふうに私は思っているわけですけれども、そもそも小泉流構造改革の目的は何なのか、坂口大臣としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 小泉総理の今回の所信表明演説におきましても、小泉総理が今進めている構造改革は、人をいたわり、安全で安心に暮らせる社会をつくることや、子供たちの夢と希望をはぐくむ社会をつくることである、こういうふうに述べておみえになるわけでありますから、私はこの小泉総理のおっしゃっていること、そのことと自分が考えていることとは大きな隔たりはないな、大きな隔たりがないというよりも、むしろ総理が代弁をしていただいているなと、こういうふうに感じているわけでございます。 〔理事中島眞人君退席、委員長着席〕 構造改革の話が出ましたけれども、これも先ほど今井先生のお話の中にもありましたとおり、やはり我々の意識改革が一番大事なところであろう。どれほどこの枠組みだけを変えましても、意識改革が進まなければそれは全然用をなさない。だから、何をやらねばならないかというのは今、総理のお言葉にありますように、人をいたわり、安全で安心に暮らせる社会でありますとか、子供たちの夢と希望をはぐくむ社会であるという、その目標に向かって、そして構造改革をしているのであると。その構造改革をしていくための、そこに意識改革が伴っていなければいけない。ただ枠組みだけを変えていくのではいけないというのが私の思いでございます。
○辻泰弘君 参議院選挙に際しまして、御党のことばかり申し上げて恐縮ですが、公明党は人に優しい改革ということを唱えられて、ポスターにも幹部の御主張にも入れておられました。私ども民主党も温かい構造改革ということを申しておりましたので、気持ちはわかるというふうに思うわけでございますけれども、人に優しい改革とはどういうことなのか。また、小泉流改革路線というのが出ている中で、あえて人に優しい改革ということをおっしゃったその心といいますか、思いはどうだったのかということについてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 古い文章は私がかかわってきた文章でございますので、なるほどそういうことを書いたかなと、こう思っていたわけでございますが、一番直近の選挙のなには私にかかわることなくでき上がったものでございますので、さてどういう気持ちでそういうキャッチフレーズと申しますか、標語ができ上がってきたのかということを明確に私が把握しているわけではございませんけれども、しかし察することはでき得る。 それは、先ほどからお話がございますとおり、これだけ国際化というものが進んでまいりまして、今までの産業界におきましても第一次産業、第二次産業が音を立てて崩れるような形になってきた。そして、辛うじて持ちこたえているのは三次産業と言われる分野だけになってきた。この状況を見ましたときに、本当にみんなに胸を張って優しい政治を自分たちがしているというふうに言うためには、この大きな流れの中で何をなさねばならないかということを常に考え続けていなければならない。そういうことを考え続けていく我々は政治集団でありますよということを表現したというふうに私は思っておりますが、あるいは書きました者がそんなことなかったよといって怒るかもしれませんけれども、私はそんなふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 ありがとうございます。 今、先ほど小泉総理の言葉といいますか、人をいたわりということがあったわけでございますけれども、そもそも小泉総理、私はいろんな御発言を聞いてきた、雇用、生活にまつわることをいろいろ聞いてきたわけですが、若干庶民の生活、庶民の暮らし、雇用、こういうことを本当に身近に感じておられるのかなというのを疑問に思ったようなことがございます。直接お会いしたことはございませんし、お話ししたことはございませんのですが、大臣におかれましては常日ごろおつき合いも多いと思いますが、小泉総理は痛みのわかる男かどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) そこは痛みのわかる人だというふうに私は信じております。特に、小泉総理大臣は二回、三回でございますか、厚生大臣もお務めになった方でございますし、この厚生労働省が抱えております社会保障の隅々までおわかりをいただいている方だというふうに思っております。 したがいまして、小泉総理が今おっしゃっているのは、みんなに優しい政治を実現をするためには一つ越えなければならない山がある、その山を越えなければそこに到達できないということをわかってほしい、その山がこの構造改革であると。ここを一つ乗り切ることによって優しい政治というものがそこに生まれてくるんだと。だから、ここはそれを乗り切るまでの間は、どうぞひとつ皆さん方も大変これは痛みを与えるけれども一緒にそこは頑張ってほしい、どうかひとつそこを理解してほしいということを懸命に小泉総理はおっしゃっているというふうに私は理解をいたしております。 そこは、小泉総理のおっしゃるとおり、越えなければならない山がある、越えなければならない川があるというのは御指摘のとおりではないかというふうに思っておりますが、その越えなければならない山、越えなければならない川を渡りますときに、その山の中で途中でダウンをしてしまわないように、国民が本当に、よしわかった、みんなとともにこの山を登ろう、この川を渡ろうというふうに思ってくれるように、やはり何がしかのそこに手だてが必要であると、その手だては何かというのを考えていくのがこの厚生労働省ではないかというふうに思っている次第でございます。
○辻泰弘君 今、小泉総理が二回、三回厚生大臣をというお話がございましたが、ちょうど厚生大臣をされているときに構造改革という橋本内閣の一環で難病患者に対する負担の増大をされたということがあったわけで、痛みがわかるのかなという気もするわけでございますし、また選挙中も一度や二度失敗したっていいじゃないですかというふうな、一度や二度失業したっていいじゃないですかと、こういうような発言があったわけですが、大変厳しい雇用情勢のもとで、三万人を上回る自殺者が出ているような状況の中で、日本の政治の最高指導者の言葉としてはどうも私は言ってほしくないと、このように思ったわけでございます。また、自分も二度、三度ですか、二度ですか、自民党総裁戦に負けたというふうなことも引き合いに出しておられたわけですが、それは何も生活にかかわるわけではございませんので、そのこと自体、引き合いに出されるという感覚自体がちょっと私もわからないわけでございますが、その大臣のおっしゃった言葉を受けとめてこれからも注視していきたいと思うわけでございます。 さて、今回の国会はテロ対策国会という側面に結果として状況としてなっておりますけれども、当初は雇用対策国会ということで銘を打たれてきた。そしてまた、今日もそのことは変わっているわけではございません。もとより、そのこと自体緊急課題でございまして、私も異を唱えるものではございませんけれども、しかし、私は、今のことにも関連するのですけれども、雇用対策国会と位置づけられるまでの過程を考えますと、大変腹立たしい思いがするわけでございます。 すなわち、六月には雇用、生活に十分目を向けない、これは私どもの価値ですけれども、そういう改革路線を打ち出した。そして、七月には、一度や二度失敗したって、一度や二度失業したっていいじゃないですかと言い放っていた、選挙で勝たれたので何をか言わんやの部分もございますけれども。しかし、その方が、八月二十八日に失業率が五%になった途端に、翌日の八月二十九日には雇用対策国会と位置づけるんだということを表明されているわけでございます。 五%という数字は確かに象徴的ではございますけれども、雇用情勢が厳しい状況であったことは六月、七月、八月、変わるものではない。一国の総理たるもの、当然のこととして、国民生活、雇用情勢の実態というものをしっかりした見識を持って見ていただいた上で構造改革を唱えていただいておるものと思っていたのでございます。そして、そうであれば、たとえ五%になろうとも、残念ながらそれは予想していたことです、大変つらいことだがそれは承知の上で改革を訴えてきたんです、そういう意味からそのために来るべき国会はやはり改革国会と位置づけますと言うのが小泉総理のとられるべき対応だったのではないかと。六月、七月に雇用のことを安直に語っていた人が八月になって雇用対策国会と言ったということは、六月、七月には、構造改革を打ち出したそのときには雇用や生活のことを本気で考えていなかったということを示すものと私は思わないわけにはいかないわけでございます。 そんな意味で、雇用、生活を軽んじた構造改革を唱え、国民生活の基本にかかわることに対して場当たり的に対応してきた小泉総理の姿勢に私は怒りを禁じ得ないという思いでございます。 大臣が雇用対策国会という位置づけにかかわっておられないであろうことは私も思っておるわけでございますが、率直な御感想をお伺いさせていただければと思います。
○国務大臣(坂口力君) 小泉総理は四月末から総理の席にお着きになったわけでございますから、言ってみれば五月から、本格的な月は五月からということになるだろうというふうに思いますが、五月、六月の時点におきましても失業率はかなり厳しかったわけでありまして、そして厚生労働省が担当いたしております有効求人倍率にいたしましても徐々に落下してくると申しますか、数字が悪くなってきたときでございますから、そうしたことを率直に総理にも御報告を申し上げ、そして総理の方もそれを見ながら、徐々に経済の状況が思わしくない方向に来ているということをよく認識をしながら、そしてこれは何とか手を打たなきゃいけないなと。雇用対策をそこでどうするかという話が五月、六月ごろから、新しくひとつこれは打ち出そうというので、そこでこの大きな枠組みができ上がってきたというふうに思っています。 それをやろうと思いますと、ここは国会でありますから、予算をやはり必要としますし予算を通さないとできないわけでございますので、なぜ六月からやらなかったか、五月からやらなかったかというお話はありますけれども、そこは前の、去年つくりました十三年度の予算の中にもいろいろなことが組み込まれてはおりましたけれども、そこに足らないものがある、それをやはり補正予算でということで今回これを出すわけでございますから、そこに若干のタイムラグがあるということは、それは私は国会の枠組み上いたし方のないことだというふうに思っているわけでございます。 そこの御理解をいただいて、そして私は、そうした意味で小泉総理が雇用国会ということを初めに言われたのか、あるいはマスコミの方でそういう言葉が先にできたのかはちょっとよくわかりませんけれども、雇用のことがやはり大事、構造改革を進めていくためにはこの雇用のことを整理しなければ構造改革が本当に進んでいかないという思いをお持ちになったことだけは間違いないというふうに思っております。
○辻泰弘君 御説明を受けとめるわけでございますが、そうであれば、八月二十九日に、五%の失業率が出た翌日じゃなくて、選挙が終わって今後のスケジュールを考えて言うというときにそういう位置づけで言ってほしかったと、こういうふうに思うわけでございます。 さて、ちょっと前になりますが、橋本内閣の折の財政構造改革への政策転換ということでございますが、これについてちょっとお聞きしたいと思います。 少し前になりますが、消費税の二%引き上げ、特別減税の廃止、社会保険料の引き上げということで九兆円の国民負担増を図ったということがございました。それが景気回復の兆しを見せていたものの足を引っ張って、以後の景気低迷、今日の雇用情勢の悪化につながったと思うわけでございます。 竹中大臣は、これについて、政策転換は正しかった、そうでなければもっと悪くなっていたんだとおっしゃっておられるわけでございますが、大臣はこのときの政策転換がその後の経済・雇用情勢にどのような影響を与えたとお考えでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) このころ私は在野にいたわけでございますから、どういう発言をしていたかは記憶をいたしておりませんが、この平成九年後半というのは金融国会で非常に苦労したときではなかったかというふうに今記憶いたしております。特別委員会ができまして、私はその中でその委員会の理事を務めさせていただきまして、そして現在の大臣であります石原大臣等と同じに、あるいは津島大臣でございますとか、あるいは民主党でありましたら仙谷理事でありますとか、そうした皆さん方と御一緒にやらせていただいた経験というのがこの九年の末ではなかったかというふうに思っています。 したがいまして、いろいろの構造改革の問題も、私は影響が全くなかったかと言われれば、それはそんなことはないだろうというふうに思いますけれども、しかし一番その中心になりましたのはやはり経済のその当時のあの停滞、それを切り抜けるための金融機関の相次ぎます経営破綻、この辺のところが一番大きな影響を与えたし、またさらに与えかねない状況にあったというふうに記憶をいたしておりますが、そうしたことを切り抜けることができたので今日を迎えているとも言える。その辺のところをどう判断するかというのはもう少し検証が必要ではないかというふうに思いますけれども、そういう時代であったというふうに記憶をいたしております。
○辻泰弘君 当時、私が連合で仕事をしていたときに坂口先生に激励のごあいさつをいただいたように記憶をしておりますけれども、それは今の言葉を受けとめさせていただきました。 さて、医療制度改革というのは経済政策とは本来別物、別の範疇に属するものだと思いますけれども、今のことに関連して、先ほど出された医療制度改革試案、国民負担増を求めるということですが、景気への影響というのはどう見ておられるのか、簡単にお伝えいただければと思います。
○国務大臣(坂口力君) ちょっともう一回、大事なところですから。
○辻泰弘君 今回の医療制度改革案が、国民負担増があるわけですが、景気に影響があるのかどうかという、先ほど二兆円のかつて負担増ということがあったことを申し上げたことにつなげてということでございます。
○国務大臣(坂口力君) これから先の景気動向というものが医療制度改革につきましても大きな影響を与えることは、私は当然だというふうに思っています。これからの経済動向というものを十分に直視しながらこの医療改革というものも進めていかなければならないというふうに思います。 その中で、国民の皆さん方に痛みを分かち合っていただくような形でしていくのであるならば、国民の皆さん方に痛みだけではなくて、そして、よし、そのかわりにこちらの方では全面的なバックアップをいたしますというようなものがなければならないだろうというふうに思うわけでございますから、そうしたことはそのときの経済動向を踏まえて、そして予算全体の中でどう枠組みがつくられるかということに私はなってくるというふうに考えております。 だから、その辺もにらみながらこの医療制度改革は進めていかなければならないというのが基本的な認識でございます。
○辻泰弘君 時間も限られておりますので少しピッチを上げたいと思いますが、竹中経済担当大臣は、おとといですか、十月十六日の記者会見で今年度の経済見通し実質一・七%成長をマイナス一%程度に下方修正するということを明らかにされておりますが、それに伴って完全失業率の当初見通し四・五%などの労働雇用指標というものを修正される御方針か、何%ぐらい、これからの推移をどう見ておられるか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(坂本哲也君) 政府経済見通しの下方修正のお話でございますけれども、これは内閣府の試算という形で行うということを私ども新聞報道で承知をいたしておるわけでございますけれども、内閣府の方からはこれまでのところ具体的は話は全く参っておりません。 また、失業率の今後の見通しとなりますと定量的にはなかなか難しいわけですけれども、八月の完全失業率はもう御案内のとおり五%と、また新規求人も減少に転じておる、あるいはまた生産の動向ですとか設備投資の見通し、こういったものを見ますと、今後も雇用情勢は予断を許さない状況が続くだろうということで雇用対策に万全を期していかなきゃいかぬというふうに思っております。
○辻泰弘君 補正予算絡みのことでお聞きしたいと思うんですが、十一月九日に閣議決定の由が伝えられているわけでございます。雇用対策、保育所の増設などで政策的経費一兆円程度、社会保障の自然増などの義務的経費の追加で一兆七千億程度、トータル二兆七千億程度というふうなことが言われているわけでございます。いずれにしても、厚生労働省にかかわるものが多いと思うわけですが、補正予算の概要について、雇用、社会保障面それぞれにお示しいただきたい。 また、時間が限られておりますので一括して申し上げますけれども、そのことによって雇用創出をどのように、どのぐらいふえるんだと、五百三十万という数字が出たりしていましたけれども、今度の雇用対策、緊急雇用対策も含めてどれぐらいの雇用創出につながるのか、考えておられるのかということについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 雇用対策につきましての補正予算は現在編成中でございまして、御説明できる段階にございません。 ただし、補正予算編成作業の下敷きは、九月二十日に政府の産業構造改革・雇用対策本部が取りまとめました総合雇用対策が下敷きになっております。その主な点だけを申し上げますと、例えば新たな緊急地域雇用特別交付金の創設とかという形で地域のニーズに沿った雇用機会の創出を図る、あるいは再就職支援という観点でいいますと事業主が民間の再就職支援会社等を使った場合にそれを国が支援するなど民間を活用した失業なき労働移動の推進、あるいは、大臣がこれまでもたびたび申し上げておりますが、五年間で五万人程度のキャリア・カウンセラーを養成し、そうした方々を活用して能力、年齢等のミスマッチを解消していくとか、こういう政策が盛り込まれております。 そうした総合雇用対策に盛り込まれた政策のうち緊急に実施すべきものは先行改革プログラムにのせて補正で組むということでございまして、現在その額等につきましても調整中と聞いております。したがいまして、そこがはっきりいたしませんと雇用創出の規模も確定しないということで、現段階ではそれ以上の御説明はできないところでございます。
○辻泰弘君 改革先行プログラムでは、新公共サービス雇用というような考え方も出されて、資金確保の方針を出しておられるわけでございます。そういうことについてもぜひ頑張っていただきたいと思いますし、また、学校における少人数学級の推進とか、保育、介護、看護、こういった分野に携わる方々の人員の確保というのは、もともとは個々の政策目的のために求められるべきものではございますけれども、それは結果して雇用の創出につながるということでございますので、大臣のお立場も雇用創出に資する政策の実現のために閣内においてお力添えいただければと思います。 さて、労働分野の規制改革についてお聞きしたいと思います。 骨太方針では、派遣労働の対象と期間、また有期労働契約の期間、裁量労働の職種の拡大などの規制緩和が主張されているわけでございますが、使う側からの使い勝手のいい、いつでも切れる労働形態、これを無原則に拡大していくということはやはり働く者の雇用、生活にかかわる重要なポイントで、常用雇用にも影響を及ぼして国民生活の基本や日本の社会の安定性というものにかかわりかねない問題だと思いますので拙速は厳に慎むべきだと思うわけでございます。また、労働分野の規制改革に先立って、正社員、パート、派遣などにおいての均等待遇の公正労働基準の確立を図ることが先決ではないかと思うわけでございますが、その点について御所見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(澤田陽太郎君) 私の所管が派遣事業でありますので、その点を中心にお答えすることをお許しいただきたいと思いますが、派遣事業そのものの見直しは去る八月三十一日に審議会ベースに落としまして議論が始まっております。 本件につきましては、先般、前回の派遣法改正の際に三年後見直しという附則第九条がつけられておりますので、そういうものも十分念頭に置いて実態の調査、把握をしっかりやった上で議論を粛々と進めていくということで動いております。 ただ、先般の総合雇用対策でも明らかになりましたように、大変現在の厳しい雇用情勢のもとで、とりわけ中高年齢者の方々にしわ寄せが大きく出る可能性があるということで、特に再就職が難しい中高年齢者に限ってその再就職促進あるいは新たな雇用機会の創出等々の観点から、今国会に所要の緊急特例法を提出したいと考えておりますが、その一環として中高年齢者に限って派遣が現在一年と認められているものを三年にするということを盛り込みたいということで、近々国会にお諮りをしたい、こう思っております。 ただ、基本的な派遣の見直しにつきましては、冒頭申し上げましたように、三年後見直しという法律上の規定も十分に踏まえて粛々と議論をしていくということにいたしております。
○辻泰弘君 促進するわけではございませんけれども、結果してパート、派遣、短期雇用という形態がかなり大きくなっているという見地から、やはりその方々が不利になるような制度というものは変えていくべきだと思うわけでございます。 そのような見地から、パート、派遣労働の待遇改善という見地からの社会保険の適用拡大、このことはかねがね言われてきたことでございますけれども、例えば労働時間、日数要件の四分の三を二分の一に引き下げるとか、被扶養者認定の収入要件である百三十万を六十五万に引き下げるとかいうようなことがあるわけでございます。このことについては医療保険制度改革の方針の中でも「年金の次期再計算時に向けた議論を踏まえ、結論を得る。」とされているわけですけれども、十六年度の財政再計算を待つことなく早急に対応すべきだと思うわけでございます。 もう一点、短期の勤続者に相対的に不利になっているという意味で、退職所得控除の算出の方式、これもやはり中立といいますか、短期の方に相対的に不利にならないような形にすべきだと思うわけでございまして、十四年度の厚生労働省の税制改正要望項目には入っていないわけでございますが、ぜひ追加的な要望としてお願いをしたいと思います。 その二点でございます。
○国務大臣(坂口力君) 諸般、いろいろの範囲のお話をいただきましたので私が全部なかなか答え切れないところもございますが、税制等の問題につきましては鋭意検討をいたしているところでございますから、これはひとついろいろと議論を深めていきたいというふうに思っております。 医療制度にかかわります問題につきましては、先ほどもあるいは申し上げたかもしれませんけれども、ことしの暮れまでにその骨格をつくり上げなければならないわけでございますので、今御指摘をいただいたようなことも含めてひとつこの骨格形成のために努力をしたい、こういうふうに思っているところでございます。
○辻泰弘君 時間も残り少なくなりましたので、三つ四つ一括してお聞きしたいと思います。 特定疾患、難病のことについてでございますけれども、私にいろいろと御支援いただいた中に難病連の方、腎友会の方もおられるわけですけれども、人工透析は更生医療ということに位置づけられているわけですけれども、特定疾患は昭和四十八年の次官通達、通知ということで特定疾患治療研究事業という位置づけになっていると。さっき言いましたように、小泉厚生大臣のときの一律カットの中に補助事業でございますので対象になってカットされて、結果として難病患者に対する負担が導入されたと。こういうことがあったわけで、今回もこういう形でその部分にしわ寄せが来るんじゃないかということがあり得るわけです。 人工透析の更生医療の方は当然増経費に入るわけですので、その分にしわ寄せは来ないといいますか、そういうことになるわけですが、難病患者のところは荒波にさらされるといいますか、そういう対象になり得るわけです。 すなわち、特定疾患というものについての制度的な位置づけ、更生医療とか育成医療とか養育医療とかあるわけですが、何々医療とか、そういうふうに言われるようにしっかりと制度的な位置づけがなされるべきじゃないかと思うわけでございます。同時に、財政状況多端の折柄はよくわかっておりますけれども、やはりこういう血も涙もないような負担を一方的に課していくようなやり方、小泉さんの厚生大臣のときにあったと思いますが、こういうことはぜひ来年度予算においてなさらないように要望しておきたい。 それから、これは医療保険制度改革の中に入っておりますけれども、小児救急医療の充実ということは非常に生活の実感として思っているわけでございますので充実をしていただきたい。 また、病院の夜間の勤務体制等を聞きましても、やはり看護要員の充実というものが必要だと思う。この点についてもお力添えをいただきたい。 また、最後に、介助犬、盲導犬という、こういう補助犬の位置づけを法律上明確にして、社会的な認知を高めて普及促進を図るべきだと思っております。 幾つか申し上げましたが、特定疾患の問題、小児救急医療の問題、看護要員、補助犬の問題、この四点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 最後にたくさん言われたので、お答え漏れがあるかもしれません。 まずは難病、特定疾患の問題は、委員が御心配をいただいて、本当にありがとうございます。 御指摘のとおり、財政構造改革のその後ということになりましょうか、全体としては受給者の適正な受給ということで今日まで動いてきておりますが、そうした御指摘もあり、いずれにしても三十年ぐらい時間がたっているわけでありますから、改めてもう一回特定疾患・難病対策について、そのあり方について検討するということでただいま検討をいたしているところでございます。御指摘も踏まえて検討を進めたいと思います。 それから、小児救急医療の充実についての御要請をいただきました。おっしゃるとおりであります。救急救命センター、それからドクターヘリの導入など特段の取り組みをいたしておりますが、二次医療圏を中心にしっかりと体制づくりに力を入れていきたい、このように思っております。 介助犬についても、実はこれも検討会を立ち上げまして、介助犬については、介助犬だけでなくて盲導犬等も含めて今検討させていただいております。 それから、介護要員の充実についても御提言をいただきました。看護職員の確保と、それから質の向上もあわせて今取り組みをさせていただいております。委員の御提言を踏まえてしっかり取り組みたいと思います。 以上でございます。
○辻泰弘君 十二時五分までいただいておりました。ありがとうございました。
○委員長(阿部正俊君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続きまして、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎秀樹君 自由民主党の宮崎秀樹であります。 坂口厚生大臣、大変、医療制度改革で熟知されているゆえに苦悩な毎日を送られているとお察し申し上げる次第でございます。また、私の隣には大先輩の元厚生大臣、斎藤先生もいらっしゃいますし、そういうことを、感慨を抜きにしまして、私は現実の問題をただしてまいりたいと思います。 御案内のように、今、経済財政諮問会議、さらには厚生労働省、そして、これまた異例なことに財務省案なんというふざけた案が出ておりまして、これはもうまさに厚生労働省をばかにしたようなことで、私どもも、財務省がこの医療問題に口を出してくるという、これは私は異例のことじゃないかと思うのでありますが、私はやっぱりそういうのを全部見ていまして、まさに理念があるのかないのか、ここが非常に私は問題であります。出てきた案を見ますと、本当にこれは小手先のことの改革でしかないのじゃないかと。 と申しますのは、これは一つの例でありますが、平成七年一月にこれは厚生省が官報に載せているんですね。どういうことか申しますと、厚生省は一月三十一日の官報で、老人保健の外来一部負担金現行千円について、平成七年四月より物価スライド制の導入によって十円引き上げると。千十円になったわけですね。物価スライドと申しますから、これは今デフレスパイラルで物価は下がっているんですね。ですから、このことを頭に置くと、私は患者さんを診ていまして、患者さんから、先生、こういうことをやっていて、今度は物価が、今消費者物価が下がっているんだから、負担は下げるのが筋じゃないですかと、こう言われたときに困るわけですよね。こういういわゆる小手先のことをやるとこういうことが出てくる。 さらに、健康保険組合の中では付加給付なるものをやって、一千億、付加給付をやっているんですね、毎年。これは非常におかしな状況であります。さらには、これは全体で平成十一年度の保険者の財政を全部調べますと、これは全部連結して調べたところ、損益計算書上では千九百六十六億円の純利益、正味財産においては五兆六千億円にもそれが達していると。さらに、健保組合については二兆二千億の別途積立金、国保では八千億円の未収金、そして政管健保では国の一般会計との間に一兆七千億円の未精算金、精算されていない、こういうお金がまだあります。 私は、大臣がおっしゃっているように、統合一本化、さらには財源の一元化、これをまず先にやるべし、そしてその姿をはっきりさせて、そしてお金が、実は高齢社会になってきて、そして足りなくなったと、医療費は。だから、皆さん、ここはこうしてくださいよと言うのが先ではないかと。構造改革、構造改革というのは、やはりその辺をしっかりやらないと構造改革に私はならないと思うんですね。これをやっていますと、また来年小手先をやる。また二、三年やると小手先のことをやる。これでは国民は不安でしようがありません。景気が低迷している中、お年寄りが負担増、負担増と言われるから、私のところに、田舎の有床の診療所をやっていますけれども、三千円の個室に入りませんね。お年寄りに、何であなた、四、五千万ぐらい持っているんじゃないのと言ったら、まあそこまでないけれども三千万円ぐらい貯金ありますよって。何で三千万円と言ったら、いや老後が心配だって。あなたは一年しかもちませんよなんて言えませんからね、こっちは。いや、それは大変でしょうと。そういうようなのが現実であります。 また、近くのおすし屋へ行ったら、最近、年寄り来ないよと言うんですね。どうしてと言ったら、やっぱり心配だから、一週間に一回来ていたけど、これは二カ月に一回にしたとか、おじいさん、生きているうちだけしかすし食えないよと、こう言うんだけれどもなかなかわかってもらえないと、こんな話がありましたけれども、まさにタクシーもそうです。毎回、駅でおりるお年寄り、あのお年寄りは乗ってくれるんだけれども最近乗ってくれない。みんなバスを待ってバスで行っちゃう、こういうのが今、現実であります。 ですから、負担増、負担増と言うのはいいんですが、本当にこういうことをやって制度を全部やってみて、そしてだめなんだというならこれは国民にもやっぱりわかってもらえる。そういうことについて、大臣のまず御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 医療保険の改革につきましては、午前中にも少し議論をさせていただいたところでございますが、年末までにその大綱と申しますか、案をまとめまして、そして皆さん方の御理解を得て来年の国会にその制度改革の法案提出をさせていただきたい、こういうふうに思っているわけでございます。しかし、年末といいましてもそんなに長い時間があるわけではございませんで、非常にせっぱ詰まってきているなというふうに実感をいたしております。 その中で、やらなければならないこと、いろいろございますけれども、今御指摘をいただきましたように、現在の制度の中におきます改革点、なるほど、ここは改革をすることによってむだを省くことができ得るといったところは、そこでむだを省いていきたいというふうに思います。そういう改革をやりたいというふうに思います。 その中の一つが、これはなにだけではありませんけれども、むだを省くという意味だけではありませんけれども、その医療保険の問題はそれだけではなくて、やはり負担と給付の公平化と申しますか、そうした意味からいきましても、もう少しこれは一元化をしていかないといけない。一遍に一元化といいますか、一遍に一本には難しいといたしましても、地域保険とそれから職域保険への収れんと申しますか、そうしたことはひとつ考えていかなければならないのではないかというふうに思っている次第でございます。 そうしたことでありますとか、あるいは一方におきましては、年金、医療、介護、雇用といった徴収の一元化をして、そして事務費の削減に努めていくといったようなことも、これは今後のためにやらなければならないことというふうに思っております。 もう一つ、今度はその先にと申しますか、同時にと申しますか、午前中にも申し上げましたが、診療報酬のところの基本的な考え方というものをやはりもう一遍整理をし直してみる必要があるのではないかというふうに思っております。立派な病院がたくさんできることはよろしいわけでございますが、しかし、どこもここも重装備の病院でなければやっていけないということでは、これは日本の医療に大きなひずみが来るのではないか。聴診器一本で開業ができるといったようなあり方もこれは十分に検討をしていかなければならないのではないかというふうに考えている次第でございまして、その辺の基本をもう少し整理をして、こういうこの診療報酬体系、こういう形にして、ここもむだがあるというふうによく言われますが、ここはこういうふうに改革をしていきますという基本的な物の考え方はやはり示さないといけないのではないかというふうに思っている次第でございます。
○宮崎秀樹君 大臣のおっしゃっていることは、これはまさに筋論でありますから、私はその方向で、むだというのはやはりこれは省いていかなきゃならない、有限なものでありますから。やはりそれはそうだと思いますが、いずれにいたしましても、手をつける順序が、やはりきちっと基本的なところにやはりメスを入れないと、末梢的なことを幾らいじくり回しても、これは抜本的改革にならないということを申し上げたいわけであります。 また、保険者も日本は現在五千二百七十二あるんですね。これはドイツが今四百二十、フランスは十五であります。こういう大変な数の保険者があって、給付も負担も不平等、そして先ほど言ったように付加給付をやっているところはこれは大変なことをやっておりまして、救急箱を配ったりいろんなことをやっております。 そこで、生涯医療費というのがあるんですね。これは厚生省が出しております、大体二千二百万円。じゃ生涯保険料というのはどのくらいだと。大体四十年これは掛けます、平均ですね、これは。そうすると大体一千万ぐらい。それに事業主負担、国庫負担、それから自治体負担、こういうもの、患者負担入れますと二千二百万円になるんです、これは。これは厚生省が試算したのもそうですし、私がこの院の調査室にお願いしてつくったデータも、これはやり方は違いますけれども、ぴたっと合ったんです。 そうすると、二千二百万、二千二百万ならこれはツーペイで何で足りなくなるんだと。そこが問題でありまして、この保険料の中から、いわゆる社会保険庁でやっている社会保険病院ですか、あれは政管健保の保険料を使い込んで、使い込むと言ったらこれはちょっと語弊がありますけれども、使って病院を建てたり、そんなお願いしないことをやっている。組合もやはりお願いしないような保養所をつくったり、そういうところにまた流れていって、徹夜でマージャンして体を壊したというようなことをやっているから私はおかしくなるんで、やはりそういうところもきっちりと切り込まないとこれはやっていけないんだと思います。 そこで、総枠医療費というのが今度の中で出ておりますけれども、この総枠医療費というのは非常に問題がありまして、フランスは既に憲法評議会からこれは違憲だということが出ております。我が国でそれをもしやったとすると、これは医師法で応招義務というのが医師にありますから、患者さんが来れば断れない。また、健康保険法でも保険証を持ってくればこれを拒否することはできない、インフルエンザでも流行したらこれは拒めないわけですから、これはどこも医療機関が悪いわけじゃありません、医師が悪いわけでもありません、これは社会情勢でそういうような状況になる。それからまた、インフレになったらこれまた大変なことになるわけですね。こういう無謀なことをまず考える前にやるべきことがあるんじゃないでしょうかと。 私は、今度の医療提供体制、それも見直す必要がある。例えば、国公立病院に約一兆円の税金が入っていますね、これ。こういうこともやっぱり正さなきゃいけない。それから、きょう新聞に出ていましたけれども、あの医療機械、これは日本はべらぼうに高いんですよ、これ。こういうところもやはりメスを入れなきゃいけない。さらに、製薬メーカー一社で二千億も純利益を上げているんですね。私は一千億ぐらいでいいんじゃないかと思いますよ。そういうこともきちっとやはりメスを入れていかないと、蔵出し価格がきちっととんでもないところで決まっちゃうわけですね。 我々の今の医療機関がやっているのは、医療機関を見ていますと、全然もう薬価差はありません。逆ざやや消費税を入れたら、そんなものはまさに薬で今どうこうするような時代じゃないです、もう。そういうことはみんなわかっていますから、院外処方に切りかえるところもあります。しかし、患者さんは、院外処方をやらないで先生のところから薬を下さいという方もいるから、やはりそれはそれでまたやっている。だから、これは任意医薬分業で、私はこの形はこれでいいと思うんですが、いずれにいたしましても、そういうメスを入れる方向性というのをきちっと、ところがそういうことはこれは余り触れていないですね、今度。触れていなくて、粗っぽい医療費の総枠制と、こうなっておるわけです。 この点に関して、大臣、どうお考えか、お尋ねをしたいと思います。ちょっと簡単でいいです、私、二十分しか時間ございませんので、ひとつよろしくお願いします。
○政府参考人(大塚義治君) 幅広い御指摘でございますけれども、生涯保険料のお話がございました。理論的な計算は先生が御指摘のとおりだと思いますが、私の考えるところ、やはり基本的にはその過程で現在高齢化が進展をしていると。人口構成が大きく変化をしているわけでございまして、医療保険は短期保険でございますから、原則として、単年度単年度、収入と支出を均衡させるという基本に立ちますと生涯保険料、生涯給付が均衡する、こういう基本に立っておるわけでございますが、今日のように高齢化が進む過程におきましては、どうしても高齢化が進むに伴って医療費が増大をすることが避けられない。そういうことで保険料への御負担もお願いをしなければなりませんし、逆に申しますと、高齢化に伴うやむを得ざる増加はございますけれども、全体として経済との大きな乖離が生じないように、そうした工夫が必要だということで、今回、いわゆる高齢者を対象に伸び率管理制度の導入という案を御提案しているところでございます。 また同時に、薬の問題でございますとか、医療機械の問題でございますとか、確かにさらに効率的な仕組みにいたしまして、医療費の効率化、適正化を図る必要のある部門は数々ございまして、現在も関係の審議会で御審議をいただいておりますけれども、例えば薬価にいたしましても、これも御指摘ございましたが、いわゆる薬価差というものは大幅に縮減をしてまいりました。また、薬そのものの使用量も絶対額で減少するというような傾向が続いておりますので、これまでの施策の効果は一定の程度見えているようには感じますけれども、なお引き続きその合理化、効率化に努めなければなりません。 そうした点は、当然のことながら、我々引き続き努力をいたしてまいりますけれども、全体として今後の高齢化をにらんで中長期的に維持可能な制度にするという観点から今回のさまざまな御提案を申し上げているところでございます。
○国務大臣(坂口力君) 一言だけよろしいですか。 全体の医療費の伸びにつきまして財務省ともいろいろと話をしているわけでございますが、高齢化の中でこの六十五歳以上の高齢者の人の伸び、これは十分認識してもらわないと、高齢者の増加も認めないというそんなむちゃくちゃな話はないと。 ここはどんなことがあっても、厚生労働大臣として、高齢者の伸びはこれはやむを得ないわけですから、この高齢者の伸びに経済の伸びを合わせと言われてもそれは合わない、むしろ経済の方の伸びを高齢者の伸びに合わせてくれと、こう言っているわけでございます。
○宮崎秀樹君 大変心強い、まことにそのとおりでありまして、高齢者を早く殺せと言うわけにはいかないわけでありますから、これは年をとればみんなやはり病気をして、そして何らかの医療機関にかかってそれで亡くなるわけですね。それ以外は事故で死ぬか自殺しかないわけですから、だから私はやはり高齢者がふえるというのはこれはしようがないと思うんですね。そこの頭を押さえ込むというのはやはり問題があるので、これは二〇二五年になると嫌でも高齢者が減ってきます。そうすると、今度は高齢者の医療費というのはどんどんまたかからなくなる。 これは長いスパンでこの医療というのは見なきゃいけないんで、単年度単年度と今保険局長はおっしゃったけれども、それはまさに無味乾燥でありまして、やはり人間というのは生きているんですから、これは生きているのはことしだけ生きているわけじゃないです、来年も生きるんです、これ。そういうことを考えた中での医療行政というのを、やはり医療政策をやってもらいたいというふうに思うわけであります。 我が国の、皆さん御承知でしょうけれども、一人当たりの医療費というのは、OECDの諸国の中ではこれは七番目ですね。それから対GDP比ではこの医療費というのは二十番目という大変まだ低い医療財源で、そして効率のある、そして世界に冠たる長寿国家、そして世界に冠たる国民皆保険制度、それでフリーアクセス、これを堅持してきたわけでありますから、これはどうしてもこれを生かして知恵を絞ってこの医療制度の改革というものを将来性のあるものにやっていく必要があるということを私は申し上げたいと思うわけであります。 それから次に、通告してありますので、アルファ型インターフェロンについてちょっとお伺いしたいと思います。これは、今狂牛病が出ておりますが、この牛の血清由来ということで、製造方法で夾雑物にこれを使っているんですが、この薬の名前を言うとこれはダメージがあるから申し上げませんが、こういうものに対して厚生労働省はどういう対応をされているか。既にソルコセリルとかそういうものはもう今回収しておりますね。 それと同時に、人の血清を使って、しかもこういう安くできるインターフェロン、これの申請をもう六年前にもやっているけれども、全然相手にもしてくれないよということをその学者さんから私、要望を受けまして、こういうときにこそ安全性の高いもの、人間のものを使った方が、私は、これ、きちっと赤十字を通してやっているそうではありますが、そういうことをひとつどういうふうに考えているのか。時間がありませんから、一分でございますが、一分以内にひとつ御答弁願いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘のアルファ型インターフェロン製剤につきましては、慢性肝炎等を効能・効果として平成五年に承認申請がなされまして、これまで旧中央薬事審議会において二回の審議が行われまして、現在、医薬品医療機器審査センターにおける審査が継続されているところでございます。 御指摘の製剤につきましては、ヒトの白血球を原料として製造されるということから、ウイルス等の病原体の混入リスクをどの程度排除することができるかが問題の一つとされておりまして、この問題に関するデータ、資料等について申請者との間でやりとりを行ってきているというふうに聞いております。 一方におきまして、現在ではウイルス等の病原体の混入が少ないとされます遺伝子組みかえ技術を用いた製剤が既に承認され、医療現場で使用されているという状況も一方ではございます。こうした状況も踏まえまして、この製剤につきましては、他剤と比較しての安全性、有効性の観点から、臨床的な意義が審議されているところであると承知しております。 いずれにいたしましても、できるだけ速やかな審査を進めてまいりたいというふうに思っております。
○中島眞人君 自由民主党の中島でございます。 けさ、厚生労働大臣と農水大臣が緊急な共同記者会見をしております牛海綿状脳症、BSEの共同記者会見に関連をして、ちょっと順序を取りかえて御質問を申し上げたいと思います。 率直に言って、きょうから一斉に全頭検査が始まるということで大変結構なことだと思いますけれども、本当に全頭検査できるシステムが全国各都道府県で構築されているのかどうか。私の耳に入っているところでは、いやいやまだまだそれは手が足りません、器械もそろっていませんという声を聞くんですけれども、その辺についてはいかがかとまず冒頭お聞きをし、それと、これは一種の、安全ですよ、全頭検査をするんですから安全ですよという、これは一種の安全宣言みたいな形だろうと思うんですね。しかし、私は、この両大臣が出した共同記者会見によって牛肉に対する恐怖が消えてもとへ戻っていく、あしたから戻っていくんだろうかというと、私はまだまだ国民の中には大変強い不安があると。 きょうの新聞の社説に、私はそういう新聞の事例を引くことは大変嫌いでございますけれども、一つだけ端的な社説が、「政府は消費者を恐れよ」という社説が書いてございました、このことに関してであります。 確かに、じゃ今、きょうからの解体される牛は安全ですよ安全ですよと言えば言うほど、在庫は、今まで検査をしなくて解体された在庫の牛肉というのはどのくらいあるんですか。私が聞いておるところでは一億数千万トンあるというふうに聞いておるんですけれども、その在庫のある今まで解体された牛肉というのはどういうふうにあるんだろうか。それがまぜられて一緒に出てくるんではないかという国民の不安もあることも事実であります。 これは質問が幾つかありますから、時間がありませんからそれぞれ答えていただきたいと思います。 それと、一九八六年以来ヨーロッパで発生をしたこの種の症状、これの運び屋は肉骨粉だという定説があったんですね。その肉骨粉が直接英国ではないにしても迂回をして入ってきた懸念もあるということを考えてみると、これを取り扱ってきた日本の危機管理というのは余りにもずさんだったんではないかという指摘がございます。 これを私はやっぱり国民の前にこれからはという形で明確に出していかなきゃならないと思うんですけれども、きょう共同記者会見の中で出された表を見ますと、「供給体制の構築」という中に「肉骨粉輸入の一時停止」とあるんです。懸念のある運び屋だというものに対して、なぜ一時停止ですか。この一時停止と言っているのは、一とき停止するけれどもまた復活するんだという意味が込められているんではなかろうかというふうに私は思うんです。 こういうことを含めて、やっぱり「政府は消費者を恐れよ」という言葉、こういう反省をもっと強く、いわゆる解体までは農水、そしてされた肉は厚生という形の中で、両省にまたがっている中で、なかなか従来縦割りの一つの弊害というものがこの中にもあったんではないかという反省を込めながら、数点申し上げた質問にまずお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 私からは最初の検査体制の関係についての御質問の部分についてお答え申し上げます。 今回のBSE技術研修におきましては、十月二日から十日間をかけまして全国から二百五十人の方々に研修に参加をしていただきまして、食肉衛生検査所等におきます検査の実施についての必要な知識なり技術の習得を行っていただいたという状況でございます。こういった方々がお帰りになりまして、他のと畜検査員に対しまして技術の伝達がなされている、そういった中での体制が整ってきているというふうに考えているわけでございます。 さらに、今後、詳細な検査マニュアル及びCD―ROMを配布しますとともに、要請に応じまして検査キットの販売元が食肉衛生検査所等に出向きデモンストレーションを行うということにしております。 こうした取り組みによりまして、本日から受け入れについてはある程度計画的に受け入れなければいけないというふうに考えておりまして、そういった中で、徐々にやっぱりなれていただく、初めてやる技術でございますのでなれていただく部分もあるんではないかと思っておりますが、そういったものを、状況を踏まえながら、だんだん受け入れを拡大していっていただくというふうな体制に持っていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今後、検査の実施状況を注視いたしまして、さらに必要な支援について努めてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(坂口力君) この狂牛病の問題につきましては、国民の皆さん方に本当に不安やそれから動揺を与えるようなことがあってはならない、心してやらなければならないというふうに思っているわけでございます。 きょう検査をいたしまして、これから安心ですよといいましても、今までのものとまじっているのではないかという、そういう不安もあるというお話でございますが、これは農林水産省の方でお考えをいただいていることでございますので私が余り言うのもどうかというふうに思いますけれども、ここは今までのものと一緒にしない、そしてきょうからのものを出すというふうに分けて考えられるようにするためにはどうしたらいいかということを検討をしていただいているようでございます。それ以上のことはちょっと私も存じておりませんが、そうしたことをお聞きしたところでございます。 それから、牛の検査の話にいたしましても、これは国民の皆さんやそれから消費者の皆さんやそれから生産者の皆さん方がどういう形で発表したら一番安心をしていただけるか、動揺を少なくしていけることができるかということだろうというふうに思っておりまして、私はどちらかといえば早くオープンにした方が皆さん方の動揺は少ないのではないかというふうに思っておりましたが、ここは皆さんのお考えというのはいろいろございまして、それはやはり確定検査を、確定が出た段階で発表する方がその不安は少なくて済むのではないか、動揺を与えないのではないか、こういう御意見が非常に多かったわけでありまして、ここは消費者や生産者の皆さん方に不安を与えるかどうか、その少なくする方法はどうかというところを基準にしてやはり考えなければならないというふうに思っておりましたので、皆さん方からそういう御意見がございましたので私もその案に従うということにさせていただいたわけでございます。 しかし、この問題、それぞれの地方でこれは検査をしていただくわけでございますから、その検査の結果につきましては、地方自治体がどういうふうにお考えになるかということもこれはあるわけでございまして、そこまで我々の方でどうしろこうしろと言うわけにはいかないというようなこともあって、多少ここも意見が分かれているようでございますが、多くのところは確定検査をしてというふうな方向に落ちついてきているというふうに理解をしているところでございます。
○政府参考人(永村武美君) 私の方からまず先生お尋ねの在庫の数量でございます。 これは確定したものとは申し上げられませんけれども、農畜産業振興事業団が通常この在庫水準について定期的な調査をいたしておりまして、非常にアバウトでございますが、現段階で一万トンを少し超えるぐらいの数量ではなかろうかと考えております。 今も坂口大臣からお話しございましたけれども、あす以降出荷をされる、販売をされる牛肉とそれ以前との区分の問題についてのお尋ねでございますけれども、やはり私ども、もともと本日までの牛肉につきましても安全だという原則はこれあるわけでございますが、やはりBSEの検査を受けていないということをもって売れにくくなるおそれがある、こういう声も非常に強いのは事実でございます。さらにまた、市中の、特に卸売段階で滞留をしております在庫、これについても一応凍結をすることによって牛肉の流通が少しでも円滑化するのではないかと、こういう意見もあるわけでございまして、今、私どもこれらの牛肉を国がきちんと責任を持った形で市場隔離する方策について検討を進めているところであります。 それから二つ目の、肉骨粉の輸入をもっと早くから禁止すべきではないか、こういう御指摘がございました。 これにつきましては、一九九〇年以降でありますけれども、私ども、イギリスあるいはアイルランドからの肉骨粉の輸入について、現在、国際獣疫事務局、OIEで決められております百三十三度、三気圧、二十分、プリオンが死滅をするこの温度条件を前提として輸入を認めてきておるところであります。同様に、フランス、ドイツ、イタリア等、これらBSEが発生した国からの肉骨粉についても、正直申し上げて、この国際基準による加熱処理がなされたもののみの輸入、これを行ってきたところであります。もちろん、ことし一月以降はEU全体からあるいはスイス及びリヒテンシュタインからの肉骨粉を全面的に中止をいたしておるところでございます。 いずれにいたしましても、こういった輸入の措置につきましては、東京大学の小野寺教授を座長といたしますBSEに関する技術検討会、この専門家の御意見を聞きながら実施を進めてきたわけでございます。もちろん、十月四日からは当分の間、先ほどもお話がございましたけれども、すべての国からの肉骨粉の輸入は一時停止をいたしております。 最後に、この一時停止についての御指摘がございました。 これは、現在、ことしの年の初めから、EUにおきましても一時的な措置として輸入を停止をしております。その根拠といたしましてEUが申しておりますのは、この肉骨粉を豚、鶏に給与しても科学的には問題がないわけであるけれども、政治的な判断として一時的な輸入停止を講じておる、こういう意見を公表いたしておりまして、私どもも今回、肉骨粉を反すう動物以外の鶏、豚に給与すること自体、科学的に問題はないという認識ではございますけれども、いろんな情勢にかんがみまして政治的な御判断をいただいた上で、今一時的に停止をいたしておるわけでございまして、今後の一時停止措置をどうするかということにつきましては、今月五日に設置をいたしました消費者、生産者、関係業界、広く委員の方々にお集まりをいただきましたBSE対策検討会、これで具体的にお諮りをしてまいりたいと。ちなみに、あすもこの会議を開く予定にいたしております。 以上でございます。
○中島眞人君 先ほど坂口大臣からお話がございました内容は、副大臣が午前中の記者会見では、疑義のあるものは、いや坂口大臣が、全面的にいわゆるあれが、どっちでしたか、公表を控えると、そしたら副大臣ですか、ああ反対ですね、それは疑義のあるものはある段階、確定するまではという、大臣と副大臣の発言が違ったというところに、今、大臣からお聞きになりまして私は、そういう意見が多数あったんだと言うけれども、そういう多数あったのが午前中と夕方で違うというようなことが、結果的にはこの食肉を、いわゆる安全な食肉を供給する厚生省の中でもてんやわんやなんだなという印象を与えたということは紛れもない一つの事実だったろうと思いますので、これには十分これからは両大臣あるいは局長、ひとつ一致した方向性の中で対応していただきたいと、こんなふうに思います。要望しておきます。 次に、農水省にお願いしますけれども、僕の言った一億数千万トンというのは訂正します。一千万トンということですね。
○政府参考人(永村武美君) 一万トンでございます。
○中島眞人君 一万トンか。一万トン、これを冷凍をして隔離をしていく。永久にやっていくんですか。ブレアは狂牛病が出たときに四百五十万トンの牛を全部焼却したんですよ。国民の前に、そのくらいの今までの無検査のものを焼いて焼却をしていく。さあ十八日からのものは安全ですよというぐらいなことをやっぱり果敢にやっていく。それにお金はかかるかもしれないけれども、これは国の責任でそれを買い上げてやっていく。そのくらいのことをやって国民の皆さん方に強い姿勢を見せていくということも私は必要じゃなかろうかと思うんです。そういう選択肢もあるのかどうか。 そして同時に、肉骨粉が現在やっぱり在庫があるんですね。これの焼却についても、いや、都道府県ではまちまちなんですけれども、これについても期日を切って、どう処理をしてこれがえさとして出回らないようにしました、しますという形を国民の前にはっきり明示しない限り、国民の不安感というのは私は消えていかないと。そういうことを急ぐ。同時に、焼却をする、国が買い上げて焼却をしていくということもこれ一つの選択肢の一つだというふうに認識してよろしいですか。
○政府参考人(永村武美君) 先生が御指摘になりました焼却をするかどうかと、一つのお考えとしてはあるのかもしれませんけれども、私どもの現在の認識は、まず市中にある一万トンを超えるものについてできるだけ早く国の責任で市場隔離をする、その後の扱いにつきましては、またこういった緊急事態がおさまった段階で考えたいというのが率直に申し上げて私どもの考え方でございます。 それから、肉骨粉につきまして、これは私ども、十月の当初、輸入の全面禁止に伴いまして、国内における家畜のえさへの全面禁止、これを自粛要請いたしました。しかしながら、法的な規制でなければ弱いんではないかということを受けまして、これも十月十五日付でいかなる家畜のえさにも肉骨粉を使用してはならないという省令改正、いわゆる法的な規制を、枠組みをきっちりとしたところでございます。 したがいまして、もちろん今えさ用に全く使えない形の肉骨粉が日々屠畜場から出てまいります残渣を原料にどんどん積み上がってきております。私ども、できるだけこれを早目に焼却をしていただきたいということで、都道府県、自治体等にもお願いをしておりますけれども、なかなか一般焼却場等では受け入れていただけないという状況、正直申し上げてそういう状況があるわけでございまして、現在のところ、私ども、毎日生産される肉骨粉、これが少しでも保管をできる場所、これをまずとりあえず数週間あるいは一カ月程度の保管場所を確保していただくということにもお願いをし、事業を実施していきたいと考えておりますし、あるいはまたセメントの炉、この中でも焼いていただけるような形、これを環境省にもお願いをして可能になったわけでございまして、現在、個別具体的にどういうようなところで焼却をしていただけるか、鋭意それぞれの立場で努力をしている最中だ、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○中島眞人君 今までの在庫の肉は隔離しておくんだと、時間がたてばたつほど市場へ出回っていくものは価値が下がっていくんですよ。これを果敢に、検討なんて言わないで、やっぱり国の責任で英断を持ってこれを処分していく、します、市場へは出しません、こういう一つのメッセージを国民に与えていかなければ、いつになったって国民は、あれは焼き殺しました、いや、二、三日たったら、あれは焼いていなかったそうですなんという、おたくのことを言っているんですよ、農水省のことを。そういうことに不信感を助長するんで、この際、英国のブレア首相が全頭の牛を全部焼却をして、さあ国民の皆さん安心してくださいと言ったあの姿勢を農水省は持たなかったら日本の畜産はつぶれますよ。心して私は強く警告をしておきます。答弁は結構です。またのらりくらりの答弁なんか聞く必要ありませんから。そういう気持ちで臨んでいただきたいということを私は強く警告しておきます。 次に、雇用対策でございますけれども、本来ですと大臣、今国会は大臣が主役でいく国会だったわけですけれども、テロの問題とか狂牛病等が出まして雇用問題というものが若干論議が後退をしている、後退はしておりませんけれども、なかなか中心的な課題になってきておりませんことに一つの焦りも感ずるんですけれども、五%という失業率を迎えている現下の労働情勢、これは今後の見通しとしてはどんな御認識をお持ちですか。
○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、今国会は雇用問題が一番中心になるだろうというふうに私も思っていたわけでございますが、思わないことが幾つか出てまいりまして、そしてこの雇用問題がやや横に置かれた感もなきにしもあらずでございますが、非常に大事な、一番最も今大事な問題であることに変わりはないというふうに思っております。 五%という八月の数字が出ました。中身をもうちょっと見ますと、やはり非自発的失業者、すなわち企業の都合でどうしてもやめなきゃならなくなった失業者が、今までは昨年の同月に比較をいたしましてふえていなかったんですけれども、八月にはそれがふえた、去年よりもふえたということが一つ。それから、今度は求人の方でございますが、サービス業を中心にしてまだ求人はふえてはおりますけれども、そのふえ方ががたっと少なくなってきたという二つの特徴がございます。この両方を見まして、この状況が今後続けば、これは厳しい状況が今後さらに続く可能性があると危惧をいたしておるわけでございます。 これから先、不良債権処理がどんな形で進みますのかはっきりしないところもございますが、そのスピードと量によりましてはこの数字がさらに悪化する可能性もなしとは言えないということでございまして、この際に徹底したやはり雇用対策を立てておかなければならないだろう。 一つは、小泉政権が立てております構造改革、そして構造改革の中で新しい雇用をつくっていくのだという規制緩和も含めましてのその行き方がございますが、これはしかし新しいそういうふうなのができたといたしましても、それができ上がりますまでの間のタイムラグというものがあるだろうというふうに思いますので、今すぐそれじゃこの人たちにどうするかという問題になってまいりますと、やはり政府の財政出動を伴うことでないと急な間に合わないというようなことがあろうかと思います。 そうしたことで森林の作業員等、いわゆる間伐等がおくれております地域でどうするかといったような問題も含めまして、その森林の作業をしていただくような方をふやしていくとか、あるいは補助教員の皆さん方の雇用をふやしていくとかといったような、いわゆる政府の力によりますところの雇用創出というものがまず先行をしなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。
○中島眞人君 内閣官房が総合雇用対策というのを出しました。この下敷きは厚生労働省がほとんどかかわっている。三本の柱がございまして、雇用の受け皿整備、雇用のミスマッチ、これは時間がありませんから、もう私はあと五分くらいしかありませんので、セーフティーネットの整備、今森林整備の問題も出てまいりました。これにいわゆる国が、地方自治体がかかわっていっときの雇用を確保するという問題ですけれども、私は従来の縦割り行政が依然として大きな壁になっている、この現実をやっぱり認識をしていかないといけないと思うんです。 昨年、緊急雇用対策をやりまして、学校の教育現場へカウンセラーを配置する、一律六カ月。そして経験のあるカウンセラーの先生が行った。貝のように閉ざしておった子供がやっとその先生に悩みを打ち明けたと思ったら、六カ月たったらやめちゃった。新しくまたカウンセラーが来た。もう子供はこの先生には言わなくて、一番先に悩みを打ち明けた、やめていった先生の家を訪ねてやっているというふうな形で、いわゆるいい案なんですけれども、現場になじんでいない、現場の実態というものに即していない、そういうセーフティーネットという案があるんではないか。 森林整備の問題が出ましたけれども、もっと端的に言えば、例えば、これは農水にもお聞きしますけれども、いわゆる新規参入の農業への問題。四十五歳から六十歳ぐらいの人が農村へ帰ってもらう、自然に親しんでもらう、そういう方いっぱいいると思うんですね。また、してほしいんです。しかし、土地の購入の問題で壁があります。土地の取得資金の融資の問題で壁があります。それじゃ借りればいいじゃないかということになりますけれども、今度は新しく新規参入は小作制度をつくるようなものですから、土地を購入していくという形になりますと、やっぱりそこには現代の農水が考えている土地取得のいわゆる緩和策というような問題、各省庁間の縦割りというものをならしていかないといけない。 こういう点で、地方のセーフティーネットという問題は、まず各都道府県、各自治体が何を要望しているんですかという、何が必要なんですかという一つの必要性を聞き出すということを手順としてやっていただきたいということを私は申し上げておきたいと思うんです。 まとめて申し上げます。 私は、昨年ですか一昨年ですか、機関委任事務が全部廃止されました。機関委任事務の中でもよかったものがあるんですよ。労働行政ですよ。これが今、地方労働局という形の中で分離をしちゃった。今までは地方自治体の中に職業安定課というのがあった。職業安定課は知事の指導監督下にあった。そして、ハローワークというのは安定課長の指導のもとにあった。ところが、地方労働局へ行っちゃったら自治体と全く切れちゃった。労働行政は全く地方の中で新しくつくってやっていかなければいけない。 連携をすればいいじゃないかと言うけれども、今までのやり方よりはもっと後退をしているという現実を直視していくとするならば、地方の実態、地方の声というものをまず下敷きとして吸い上げていただく、こういうことが必要だと思うんですけれども、幾つか申し上げました諸点につきまして時間がございませんから簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) それじゃ、私からまず最初に地方との関係のことだけお答えをさせていただきたいというふうに思いますが、そこはもう御指摘のとおりでございまして、すべての計画は東京から地方に送るというのではなかなか地方の雇用は達成されないだろうと私も思っております。 それで、八月からでございますけれども、経済産業省とタイアップをいたしまして、そして全国四十七都道府県で本当はやればいいんですけれども、四十七、そういかないものですから、全国を九ブロックに分けまして、それでブロック別のそれぞれの地域の県や市町村の皆さんにもお入りをいただいて、そしてその地域における新しい雇用をどう考えていったらいいかということの会合を、我々の方も入れていただき、経済産業省も入っていただいて、そしてそれぞれの地域でスタートをさせていただきました。 そして、ここでいろいろのお話を煮詰めていただいて、そしてそこから、うちの地域はこういうことをやりたいというお声をひとつ上げていただこう、それに対してどう対応するかをこちらは考えようと、こういう手順をつくらせていただきまして、現在、鋭意スタートさせていただきまして、そのお声の上がってくるのを待っていると申しますか、上がってきているところもございますしいたしますので、それをやっているところでございます。 ちょっと時間が長くなりますからこの辺にさせていただきますけれども、そういうことでございます。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農業の新規就農の問題でございます。 先生御指摘のように、ここ数年、四十歳以上の離職就農者と言われる方々、とみにふえておるところでございます。例えば、平成二年一万人程度だったのが、平成十二年には六万六千人というふうにふえておりまして、特にこの人たちのうちで農業外から農業に就農する新規参入の場合に、やはり一つは農業技術をどのようにして身につけるか、二つ目に農地でございますとか施設でございますとか農業機械といった生産手段をどのようにして確保していくか、三つ目にやはり住宅といったようなものを初めとする生活の基盤というものをどのように得ていくかという問題がございまして、わけてもやはり、先生言われましたように、農地と住宅の問題というのが大変な課題というふうに私どもも認識しております。 それで、その地方の中で、自分のところに担い手が不足なので来てほしいという情報を全国の段階、都道府県段階にそれぞれ情報網を設けまして情報を提供する、農地情報、住宅情報を含めまして情報を提供するという仕組みを厚生労働省とも連携をしながらつくっております。 そして、その農地の取得に関しましては、長期低利の農地等取得資金というものを用意をいたしまして、特に就農の方には据置期間を長くする等の措置を講じておるところでございますし、住宅につきましても、我々の方で特定農家住宅資金というような資金制度を講じるとともに、市町村の段階で市町村独自に住宅を準備する、あるいは住宅の改修に補助をする、あるいは生活資金を助成する、こういったことを講じておられる市町村が多々ございまして、そういう情報もきちっと伝えるようにして、地方と相まちまして就農環境の整備というものに努めているところでございます。
○委員長(阿部正俊君) 暫時休憩いたします。 午後一時五十四分休憩 ─────・───── 午後二時三十一分開会
○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田浦直君 自由民主党の田浦でございます。 先月、厚生労働省から出されました医療制度改革試案について質問をさせていただきたいと思います。 これ、私、読ませてもらいました。この副題に「少子高齢社会に対応した医療制度の構築」と、こう書いてあるんですけれども、非常に期待をして読んだんですけれども、私が正確にこの副題をつけるとすれば、高齢社会に対応した老人医療費の増大に対する構築とか、そういうのが正しいんじゃないかなと思うんです。というのは、少子高齢化と書いてありますけれども、少子というところの案といいますか、私は少子というのは非常に大事だと思うんですよ、少子対策というのは。高齢者対策よりももっと本当は大事かもしれません。そのくらい思って期待して読んだんですけれども、余りないんですよね、中身が。 それでまず、これは保険局長で結構ですが、どういうふうに試案の中に少子化対策というのを取り込まれておられるのか、まず御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(大塚義治君) 先般公表いたしました厚生労働省の医療制度改革試案におきましては、おっしゃいますように高齢化への対応というのがもちろん大きな柱の一つでございますが、同時に少子化への対応ということも重点と考えておりまして、具体的に申し上げますと、厳しい医療保険財政のもとではございますけれども、制度を通じ、あるいは世代を通じて給付の整理、見直しをすると。その中において原則的には七割の給付、三割の御負担をお願いするという中で、三歳未満の乳幼児に対する給付率につきましては八割に引き上げるということを御提案しておるところでございます。 また、保健医療ビジョンと名前をつけておりますけれども、保健医療システムの改革の中で小児救急医療対策を取り上げまして、小児救急患者を二次医療圏の範囲を超えて広域で受け入れる拠点病院の整備、これは来年度予算要求とも関連する課題でございますけれども、そうした体制の整備、あるいは在宅当番医の体制におきます小児の初期救急に対するモデル的な取り組み、こうしたことを具体的に盛り込んだ小児医療対策を推進する、こうしたことを盛り込んでいるところでございます。
○田浦直君 今おっしゃられました乳幼児の三歳未満、八割給付にするということなんですよね。これは少なくともプラスの方向ではあると思うんですね。でも、今まで七割給付だったのを八割にする、一割ふやす、そして年も三歳未満と。何か私は、非常に少子化対策としてはみみっちいんじゃないかなという気がするんですよね。大体、七割を八割給付にして三歳未満に適用するということになると、どのくらい医療費が要るのか、国費が要るのか、その辺の数字はありますか。
○政府参考人(大塚義治君) 粗い数字で試算ということになりますけれども、三歳未満の乳幼児につきまして、現行の給付率を見直して八割に統一をするということにいたしますと、満年度ベースでございますけれども、給付費でございますから保険から給付する分、つまり八割分ということでございますけれども、これが四百億円程度の増加でございます。また、国庫負担につきましては、これも粗い数字でございますが、約百億円程度の増加ということでございます。
○田浦直君 七割から八割に一割増やして三歳未満に適用すると四百億新たに必要だということですね。私は、老人医療、これはもう何千億という単位で計算されるんですけれども、もう少し、少なくとも一千億とか二千億とか少子化対策として使ってもいいんじゃないかと思うんですよね。 これは坂口大臣にちょっとお尋ねをしたいと思うんですけれども、八割にする、そして三歳未満というのは、一つの過渡期というんですか、目標はもっと先にあるんだという考えでこういうふうな数字を出されておられるのか。例えば私は、少なくとも五歳未満、一割負担、家族がですね。小児の病気というのは老人と違って社会的入院も何もないんですよ。本当に母親が困って病院に連れていく。若い母親ですから医療費も負担が大きい。しかも期間は短いわけですから、そんなことでいえば九割の五歳未満、就学から本当は未成年というところまで適用すればもっといいと思うんですけれども、そのくらいの数字を出さないと国民にアピールするというところがないんじゃないかと思うんですよね。 一方は、ほとんど九割は増税あるいは患者負担なんですよね。だから、もし一つでも明るいものを出すとすればこの少子化、でもこれは余りにも貧弱過ぎるというのが私の感想ですので、もう一度御検討できないのか。そういう意味を含めて、ひとつ大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 田浦先生にそういう質問をされるとまことにつらいわけでございますが、この試案におきましてはこういうことに落ちつきました。先生からもそういう御提言をいただいたわけでございますしいたしますから、これからあらゆる点の見直しも行われるわけでございますので、ひとつできるだけ先生の御意見も尊重させていただきたいと思っております。 いずれにいたしましても、限られた予算の中でどうするかと、モザイクみたいな中でやっているものでございますから、一つを上げますと一つをどこでどうするかというような話になってしまいまして、大変先生からのお言葉をいただくような調子になってしまったわけでございます。ひとつ先生の御意見を十分拝聴させていただいて、年末までにまとめたいというふうに思っております。
○田浦直君 大変ありがたい御答弁をいただきました。坂口大臣は小児あるいは子供に対しての御理解があると私はかねてから思っておるところでございますから、ぜひ何らかいい方向に御検討をお願いしたいと申し上げさせていただきます。 それから、今度は老人の話になりますけれども、試案の中に、先ほども宮崎委員からも質問が出ておりましたけれども、老人医療費の伸び率管理というのが盛り込まれているんですよね。これも全く新しい発想だと思うんですよね。 私はこれは厚生省が考え出したものではないんじゃないかなという気がするんですけれども、一応その伸び率管理というところのエキスだけでいいですから、保険局長、ちょっと説明をしてください。
○政府参考人(大塚義治君) お話がございましたように、今回の試案の中で老人医療費の伸び率管理というような仕組みを導入することを御提案をいたしているわけでございますが、さまざまな背景の中で今日の厳しい医療保険財政を考えますときに、その最大の要因は老人医療費の伸びでございます。もちろん、その背景に高齢化に伴う老人人口の増というのがございますから一部やむを得ない要素は当然あるわけでございますけれども、例えて申しますと、平成十一年度の数字でございますが、約一兆円の国民医療費の増のうち九千億円、つまり九割は老人医療費の増というような状況でございます。 と同時に、老人保健制度は各保険者がみずから管理をするというよりも共同事業ということで、実施主体は市町村でございますけれども、その費用を医療保険全体で賄う、こういう仕組みになっているわけでございまして、ここの適正な管理と申しましょうか、運営というのがどうしても必要になってまいりますし、また裏から申しますと、この老人保健拠出金の増加というのが個々の保険者の財政運営に非常に厳しい状況に、重圧になっているという事実もございます。 こうした背景の中で今後中長期的に医療保険制度あるいは老人保健制度を安定的に維持するためには、今回御提案をしているような仕組みの導入というのが必要であろうという御提案でございます。 具体的な方法でございますけれども、毎年度高齢者がふえる分、これはもうやむを得ないわけでございますから、高齢者の伸びに一人当たりのGDP、いわば経済の伸びの指標でございますけれども、この伸び率を乗じまして、全体としての一定の目標値を設定する。その目標値を踏まえまして、診療報酬の合理化でございますとか保健事業の推進でありますとか、保険者も医療機関もあるいは国民もこの効率化に取り組んでいただきまして、その達成に努めるようにしていただく。その結果、結果において目標を達成できれば一番よろしいわけでございますが、仮に目標を超えてしまうという結果になった場合には、その結果がわかりますのは翌年度末ぐらいになってしまいますので、実質その翌々年度におきまして、その後支払われます当該年度の老人医療費につきましては調整率を掛けさせていただく。この調整率は目標値と実際に支払いが超えたその比率を用いまして一種の調整措置を講ずる、こういうような仕組みを考えているわけでございます。
○田浦直君 老人医療費をいかに抑えるかということで随分策を練られたんじゃないかと思うんですけれども、私はこれはちょっと無理じゃないかなという気がするんですね。 例えば、今おっしゃられたように、老人の数がふえるというのはもうこれは統計的に決まっているわけですよね。ほとんどみじんも狂わずに毎年ふえていく。四%なら四%ふえていくんですね。でも、このGDPというのは、これはもう経済ですから毎年変わるんですよね。それでもって老人の医療費を決めるということになると、非常に不安定になってきますね。しかも、GDPというのは、これは予測しておっても外れることはたくさんありますよ。ことしでもほとんど外れていますよね、三カ月の短観を見ておっても。そういうものでもう確定している老人の増加の医療費を定めていくというのはこれは非常に医療が不安定になってしまうという私は心配があるんですけれども、その辺はどうお考えになりますか。
○政府参考人(大塚義治君) ただいま申し上げましたような仕組みを考えているわけでございますけれども、繰り返しになって恐縮でございますが、高齢者の増、これは私どもとしては避けることのできない増大要因でございますから、当然カウントをいたしまして、言ってみれば一人当たりの医療費の伸び、単価の伸びとでも申しましょうか、高齢者の一人当たりの伸び率につきましては経済とのバランスということを考えざるを得ないし、またそういたしませんと長期的な安定というのが図れない。 したがいまして、過去十年ぐらいの平均をとりますと、高齢者医療費全体の伸びは約八%程度でございました。そのうち高齢者の人口増による要因がそのうちの約半分、四%程度、その他がいわば一人当たりの単価の増、一人当たり医療費の増、こういうことでございますので、この四%について経済とのバランスをとるというふうに考えているわけでございます。したがいまして、全体の医療費が下がるとかいうことは私どもの仕組みではどうしても考えにくい形でございまして、老人医療費は増大をするけれども、その伸びを適正なものにしたいということでございます。 経済とのバランスをとる指標としてGDPを一つの指標としようと考えておるわけでございますが、お話がございましたように、例えば単年度の指標をとりますとこれはぶれると。ぶれが単年度単年度で生じますから、今御提案している内容は、過去二年の実績と目標を設定する年の見通し、予測、この三年をいわば平均して使うということを考えておるわけでございます。こういうことをいたしますと、大きな変動というのは、三年間平均いたしますのでおおむね経済のトレンドに合った形で動く、比較的連続的、安定的な指標になるのではないか、こういう考え方をしているところでございます。
○田浦直君 GDPが三年をとればほぼ安定しているという考え方は今の経済の実態からいうとちょっとそぐわないんじゃないかなと思いますね。このあれでいうと、二年間はこれは過去の実績、最後の一年はこれは見通しなんですね。見通しはことごとく、ことしでも外れているんですよね。そういうものをもってその医療費というものを確定してしまう。これはやっぱりどう考えても理屈が成り立たないような私は気がするんですね。 だから、三年なら三年と仮にこれを認めるとしても、三年とするなら三年目の確定した数字でやらなければおかしいというのが私の考えなんですね。見通しが外れているでしょうが。日銀の短観を見ているんですか。もう三カ月三カ月みんな外れている、ことしなんか。そういうものをもって医療費はこう決めますよと言われても、それは納得できませんよ、国民は。 その辺について、何だか粗っぽい決め方ですね。恐らく私は局長が考えたことではなくして、これは経済学者かだれかが考えてこういうものをつくっているんじゃないかと思うんですね。厚生省がそれを本当に心から気持ちよく受け入れているんじゃなくして、嫌々ながらでもやらざるを得ぬというふうな立場でされておられるのかもしれませんけれども、しかし決めてしまうとこれはそういうふうになるわけですので、私はやはりこの伸び率管理ということについては、やるならやるでもっと緻密にやってもらわなければならぬと思うんですね。 これはまたあれですが、こういうのを他の国でやっている、例えばフランスなんかでそれをやっているんですね。やっているというか、やったんですよ。やったんだけれども、これは訴えられて、憲法違反だということで負けた。 しかし、日本ではそれをまた取り入れていこう、方法を変えてでも取り入れていこうというふうなことになっているようですけれども、その辺はどうなんですか。よその国で負けているのを日本でまたやる。その辺のことはちょっと私は理解できないんですけれどもね。
○政府参考人(大塚義治君) 諸外国におきましてはそれぞれ医療の体制でありますとか医療制度の仕組みも違いますから、全く同一に論じるのはなかなか難しいわけでございますけれども、今のお話の出ましたフランスあるいはドイツにおきましても、一種の俗に申します総枠管理と申しますか、過去の実績をもとにしながら、開業医、病院、薬剤といった分野ごとに総枠を決めて運営するという仕組みをとっておりますし、またアメリカ、これは公的保険はメディケアになるわけでございますが、メディケアにおきましても、医師の技術料部分を対象に、ちょうど一見私どもの仕組みとよく似た、受給者数や一人当たりのGDPの伸びを基礎にして目標を決めて、これとそごが生じた場合には診療報酬の単価調整を行うというような仕組みを導入している国は実は少なくないわけでございます。 ただ、お話しのフランスの件でございますけれども、フランスにつきましては、九九年社会保障予算法という法律が一九九八年に成立をいたした際に、目標値を決めて、目標値を超えた場合には、これを開業医、開業医の場合ですけれども、開業医が前年度の報酬に応じて連帯して返済をする、返還をする、こういう仕組みの法律が成立をしたわけでございますけれども、その合憲性が論議になりまして、目標を超過した場合に診療報酬を見直していくということは合憲であるけれども、いわば個々の医師の状況に関係なく連帯責任でかつて支払った額を返還させる、こういうことにつきましては、医師の間の平等を侵害するということもあって、憲法に反するおそれがあるということで司法判断が出されました。 したがいまして、その後、二〇〇〇年社会保障予算法という法律におきましては、目標を超過する場合には診療報酬の引き下げといったような事後的な措置をとる、将来に向かっての措置をとるというふうに制度が変えられておりますけれども、全体の医療費総枠をいわば管理していこう、コントロールしていこうという仕組みは現在もフランスにおいても実施をされているわけでございます。
○田浦直君 今、フランスとかドイツの話が出ましたけれども、ドイツは確かに制度はできても実際には動いていないと思いますよ。フランスは診療報酬ということで変えるんだということになっているわけですね。 だから、私も、日本も同じように診療報酬でやれば、何もこんな問題というか、違憲だとかそうでないとか、そういうふうな訴訟が起こるようなものを持ち込まなくてもいいんじゃないかと思うんですね、今までそれでずっとやってきておったわけですから。ここに新しい制度を、それは新しい制度を入れてもいいんだけれども、ちょっとこういうふうな経済が主導するような医療制度ですね、経済がいいときには医療費はたくさん上げます、悪ければ医療費は上げませんと。患者まで経済の動向につれて病気になったりならなかったりするわけじゃないんですよ。それはやっぱり経済と医療費をこういう格好で結びつけるということは、私はこれはよくないんじゃないかと思いますね。 午前中も宮崎委員から出ましたが、いつ病気がはやるかわからぬ。インフルエンザだってはやる年とはやらぬ年とあるんですよ。はやるときには爆発的にはやる。そのときに経済の動向が悪くて、三年前の動向が悪くて医療費を抑制すると、そうすると患者は一体どうするのか。いろんな問題がこういうやり方では生じてくると思うんですね。 だから、医療は医療なんですよ。経済は経済。もちろん全く関係ないとは言いませんけれども、その辺は厚生労働省としては患者の立場とか病人の立場とかいう立場で考えていただきたいというふうに思うんですね。 最後に、これは大臣にちょっと、老人医療費の伸び率管理制度について大臣がどういう御認識を持たれているのかなということをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 老人医療費が大幅な額で伸び続けておりますことも事実でございます。 御指摘になりますように、高齢化率がだんだんと上がってくるわけでございますから、高齢者がふえる分だけ高齢者医療がふえていくのはこれは私も当然と思いますし、それに掛けるところの経済成長率はそれはやむを得ないだろうというふうに思いますが、その二倍も三倍も上がっていくということになると、それは何が原因でそんなに上がっていくかということになってまいります。 しかも、全体の医療費の中で、それじゃ、それがどれだけの割合を占めるかということになれば、全体の中で高齢者医療費の伸びがほとんどであるということになってくると、若い皆さん方にも保険料の負担をしていただかなければならないわけでございますので、その内容を、なぜそんなにふえるのか、少しそこを検討してほしい、それで皆が納得のできる意味でふえるのはそれはやむを得ないだろう、しかし納得のできるようにしてほしいと、こういうことだと私は思うわけでございますが、それで納得のできるような案をどうつくるかということで今までいろいろやってきたんだけれども、そこがなかなか今までまとまらなかったということだと思います。だから、今回、ひとつえいやと、少し荒っぽいやり方ではございますけれども、新手のことをここに登場させてこういうことも考えられるではないかという一石を投じたということではないかと思うんです。 今御指摘をいただいておりますことも十分我々も理解をしているわけでございまして、そういう意味で、これにかわるべきもっといい方法があるのか、あれば我々も採用したいというふうに思いますし、これに固執しているわけではございませんけれども、しかし全体の枠としてやはりある程度高齢者医療の伸びというものの中を精査しなきゃならないことだけは間違いがないわけでございますので、個々に精査をするのか、それとも大枠でこういう方法をとるのかという、結局は最後は選択に迫られてくるのではないかという気がいたします。 その辺、非常に苦しいところでございますが、我々としてもある程度やらなければならないことになってくる可能性がありますので、私もいろいろこの辺のところをどうするか、最初のこの案でいくかどうか、ほかに案があるのか、勉強も重ねているところでございます。
○田浦直君 ぜひ御検討をお願いしたいと思います。 この試案についてはほかにもまだ幾つか論議したい点があるんですけれども、時間がありませんので、きょうはこれくらいで終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。この厚生労働委員会に初めて所属をさせていただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。 伺いたいことがたくさんございますけれども、二十分という短い時間でございますので、まず喫緊の問題でございます狂牛病の問題についてお伺いをしたいと思います。 先ほど中島眞人先生からも御質問ございましたけれども、本年九月に日本で初めて狂牛病の疑いがある牛が一頭発見をされた、ここから始まりました。これは皆様よく御存じのことでございますけれども、私は、日本には狂牛病は発生をしないという、そういう思いがあったのではないかなと思うほどの対応のおくれがあったり、あるいはいろいろ後先になったりということで今日まで来てしまったのかなという思いがするわけでございます。 まず、平成八年に肉骨粉はもう牛には食べさせてはいけませんよという行政指導がなされたにもかかわらず、実は八千頭の牛がこの肉骨粉を食べていたということも言われているわけでございまして、多分、多分ですけれども、その中の一頭が発生した牛ではないかなというふうに思うわけでございます。やはり、いろいろな体制が整っていなかったと言わざるを得ないというふうに思います。 その一次検査というのはエライザ法という、これがとても反応がよくて、例えば全く菌がない牛にも反応してしまうということで、これが疑陽性が出てしまうということですけれども、この疑陽性というものが出た段階で発表するという県と、最終確認が出た段階で発表するという自治体、当然のように、国も最初の発表と変わりましたので、これが分かれているところでございます。 私が調べましたところでは、北海道とか岩手県などを初めとする二十二の自治体が、一次検査の疑陽性ですね、この疑いが出た段階で公表するとしておりまして、ちなみに私どもの神奈川県でもそうするという発表がございますけれども、当然、最初の発表と国が違ったわけですから、こうやって自治体が違う発表の仕方になるということはわかっているわけで、そして、じゃ、疑いで発表したところ、全く最終確認で発表したところ、一般の国民はどっちがどっちだったっけな、最初は、あ、ここは疑いだったのねと思うかもしれないけれども、そのうちいろんなところから出てきたら、これが何だかまぜこぜになってしまって、詳しく一般の国民の皆様は勉強するわけでないので、やはり何が何だかわからない、随分怖いなという思いもするのではないかなと。 こういったそれぞれの発表の仕方が違ってくる、これによってどういう対応をなさるのか、その対策をとられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) これは午前中にも少し触れさせていただきましたが、どの過程で公表をするかというのは、どの過程で公表をした方が消費者や生産者の皆さん方に対して不安や動揺を少なくすることができるかという、そこが基準だと思っております。 そこの基準なんですけれども、そこが都道府県におきましても、いや、やはり最初のスタートのところで陽性に、スクリーニングのところで陽性に出たらその時点で発表した方が不安はないというふうに判断をするところと、そうではなくて、やはり確定検査をしてから発表した方の方が不安は少ないのではないか、動揺は少ないのではないかという判断をするところと、そこは自治体も分かれているというふうに思います。 午前中にも申しましたとおり、私もどちらかといえば早くした方の方が不安は少ないのではないかという考え方を最初持ったわけでございますけれども、多くの皆さん方の御意見を聞いてみますと、いや、それはそうではない、やっぱりきちんと最後まで、これはもう確定をしてからの方が不安は少ないのではないかという御意見がかなり多かったことも事実でございます。 それで、国といたしましての発表は一応確定をしてからということにいたしましたが、各自治体の方でそれぞれ御判断をいただくことは、それは自治体で検査をしていただくわけでございますからそこはお任せをしたいというふうに思っております。 今御指摘のように、そうすると、するところ、しないところが出てくるから国民の方が混乱するではないかというお話もあるわけでございますが、いずれにいたしましても今回のこの検査は、それが疑陽性であろうと陽性であろうと、そこで陽性に出ましたものはもう一度検査をして、そして徹底的に検査をして、そして最終的にマイナスのものでなければそこから外へは出さないということでございますから、皆さん方にお上がりいただきます肉はBSEとは関係のないものであるという一点だけは変わらないわけでございますので、皆さん方がどの段階、神奈川県はスクリーニングのところで発表して陽性だった、じゃ東京はどうかといったようなことで、多少その発表の仕方の時点によって違いはあったとしましても、最終的にはその牛は外に出さないわけでございますから、皆さん方には御迷惑をかけないということでございます。
○松あきら君 何となくわかったようなわからないような、まだきっと国民の皆様は多分混乱をすると思うんですけれども、私自身は、実は疑陽性というのは年間二、三千頭だというふうに言われている、予測なんですけれども、恐らく疑陽性の牛というのは二、三千頭は年間出るんじゃないかというふうに言われていると伺っておりますけれども、それであれば疑陽性の牛はもう処分しちゃいますよと、そこから先きちんと、もちろんシロかクロか検査はするとしても、それぐらいのことをしても、ある程度一年か二年そういうふうにすれば皆さん完全にもう安心なさるんじゃないかなと、私、個人的にはそういうふうに思っているわけでございます。疑陽性の牛の二、三千頭ぐらいは国の予算で処分をしても私は安いものではないかというふうに思っている次第でございます。 また、これがなぜ皆さんが心配なさるかというと、実は背割りというところに大きな問題があると私は思っているわけです。これが調べる状況のときには実はもう背割り、解体をある程度したところで調べるということで、この脊髄を真ん中でこうのこぎりみたいなので切ると普通の大丈夫と言われる肉にもそれが飛び散るんじゃないかと、こういうふうに言われておりまして、ですから、例えば先にシロかクロか検査ができる方法はないのか、そしてシロのものだけを背割りをするというような方法にすれば一番皆さんが御安心できると思いますけれども、これについて事務方でも結構ですので御返事いただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) そこはいい方法が実はないんです。正直なところを申しまして、いい方法がございません。 それで、先に、いわゆる屠殺してしまいました後でないとその検査をする方法がないということでございます。まあ中には頭の一部に穴をあけて、そこから中を引き出してというようなこともあるようでございますが、多くのものを処理しようと思いますと、一頭か二頭のことならばそれもできないわけではないだろうというふうに思いますが、なかなか多量の牛を処理をいたしますときに、そこはかなり無理があるということでございます。 そして、この病気はいわゆる普通の細菌ですとかあるいはビールスによって起こる病気とは違うわけであります。したがいまして、長い間の一つの、例えばいわゆるプリオン体というそのたんぱく質、異型、構造の違ったたんぱく質、正常のたんぱく質プリオンではない、構造の変わったいわゆるプリオン体というものができた牛のものを食べるといったことに、えさとしてその一部を食べるといったことになりますと、長い間それが継続をして食べておりますうちに罹患をするものである。 したがいまして、そのときに菌が飛び散るではないかなんというような話ではないわけでございますので、そこは洗浄をしっかりとやって、そして周辺に飛び散らないようにできるだけ背割りをしますときにも注意をする、した後も徹底的にそこは洗浄をするといったことで次に移るというような中の作業をしてもらうようにいたしております。専門家の皆さん方にもそこからうつるということはないだろうと、こういうふうに言われております。 しかし、将来的にはもう少しそこをもっと違う方法でやる方法はないかというので検討をしていることも事実でございまして、できれば、それが来年の一月からになるかどうかわかりませんけれども、できるだけ、そうした器械を導入することができ得ましたならば、脊髄を抜き取るというような作業をして、それで行うといったようなことも今後の問題としては考えております。
○松あきら君 御丁寧にありがとうございました。ぜひよろしくお願い申し上げます。 肉骨粉というものがもちろん最大の原因であるらしいと、確定ではないですけれども、ほぼそうであると言われておりますけれども、この肉骨粉について、先ほども保管場所はきちんと確保してあるというような農水省のお話でございましたけれども、これが実態は、私どもの神奈川県だけじゃないんです、積み上げられてありまして、もう腐って異臭を放っているところなんかもう随分あるんですね。 そして、私が心配するのは、例えば、そういう人はいないでしょうけれども、もうどんどんどんどん肉骨粉出てくるわけですよ、つまり。それで、焼却するところがないと。みんな一般廃棄物だと国は言っているんですけれども、じゃ、焼却してくれない、産廃でも焼却してくれない、積み上がっている。そうすると、豚や鶏には発生は絶対しないと言われているから、ちょっともらって食べさせても、あるいは肉づきやあれなんかがよくなるからなんて持っていっちゃう人が出てきたり、そういうことも含めて心配をしているわけで、やはりこの保管場所をちゃんとしていると言うけれども、これが本当に徹底をされているのか。そしてまた、完全に焼却がされるようにこれは義務づけるべきであるというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか、農水省。
○政府参考人(永村武美君) 先生の御指摘でございます。 確かに一部の県でこの保管場所の確保が難しいという情報もございますけれども、今私どもが都道府県から得ております情報では、焼却施設をきちんと確保したという報告がある県が二県、それから保管施設が一応確保されておるという県が三十三県、場所が確保されていないという県が一県、レンダリングの工場がないという県が十三県と、こういうふうな状況になっております。 また、仮にその保管場所の肉骨粉を何らかの形でえさの用途に供するような人が出てきた場合どうかという御指摘でございますが、これは罰金、懲役の刑を科するということになっておりまして、これについては私ども厳重な法律の規制のもとに置いておるというふうに御理解をしていただきたいと思います。 また、この焼却を義務づけてはどうかと、こういうことでございますが、なかなかこれ、今私ども、一般廃棄物で焼けるようにというようなことも環境省の御尽力で何とか実現をいたしましたし、あるいは廃棄ゴムタイヤとかプラスチックと同様に、いわゆる特例制度でセメントの炉でも焼けるような方途も環境省の御協力で今、道を開きつつあるところで、何とか焼く場所を鋭意確保しようと努力をしておる最中でございます。 いずれにしても、とりあえずの間はこの保管場所をきちんと確保する、ここに重点を置いて対処してまいりたいと、かように考えております。
○松あきら君 ぜひ、大事なことですので、よろしくお願い申し上げます。 ちょっと時間がないのでどんどん行きたいと思うんですけれども、これはもう質問というよりも、実はこのレンダリングの工場ですとか食肉関係の皆さん、中小企業です。そして、非常に今こういう状況で、つなぎ融資ということで心を痛めていらっしゃるんです。ですから、このつなぎ融資という点に関しましても、これはぜひ進めていただきたいと、これは要望をさせていただきます。 今、食の安全ですけれども、生活の安全ということを考えますと、今、米国では炭疽菌の問題が広く、皆さんの心はもうまさに恐怖に陥っているというような状況であるというふうに思います。日本でも朝日新聞を初め幾つかの新聞社に白い粉の入った封筒が届いているという、こういういたずらはもう決して許されるものでないというふうに思っておりますけれども。 実は、私の地元でなんですけれども、不審な国際郵便が来まして、きのうのこれは読売新聞なんですけれども、炭疽菌ではないかということで、港南署ですけれども、ここに、警察に届けましたら、自分の判断で捨ててください、処分してくださいと、こういう返事が来たというんですね。 これはとんでもないことで、もちろん多分大丈夫なんでしょうけれども、もしも万が一ということになったら大変なことで、これに関しましてそれぞれ、まず警察、そして例えば厚生労働省、総務省、各省きちんと対応をとっているのか、それぞれ連携をとってこういうことに対処しているのかどうか、それぞれ伺いたいと思います。短く、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(漆間巌君) 議員御指摘の事案は、最終的には当該郵便物は外国の宝くじ購入を勧誘するダイレクトメールと判明したわけでありますが、その過程で警察署員が報道されたとおりの不適切な対応を行ったということは事実でございます。 このような不審物郵送事案が現在多発しておりますので、警察庁では厚生労働省やあるいは郵政事業庁等との連絡を密にするとともに、不審な郵便物等の取り扱い方法等について、その都道府県の衛生部局との連携強化等、そういうものを内容とする措置要領を、昨日、全国警察に示したところであります。
○政府参考人(岡田克行君) 郵政業務に対する犯罪につきましては、従来から郵政監察と警察庁とで取り決めを結びまして連携して対処してまいりました。今回、米国における炭疽菌事件が広がりを見せておりますので、国内におきましても炭疽菌等が含まれている疑いのある郵便物が発見されたことから、そのような場合の処理につきまして警察庁と緊密に連携をとりまして対処を行っているところでございます。 具体的には、炭疽菌等が含まれている疑いのある郵便物を局内の作業中に発見した場合、またはお客様から申し出があった場合は、私どもの監察の方から警察へ通報するような体制ができておりますので、両庁連携してこの調査に当たりたいというふうに考えております。 今後とも、警察庁とは連携を密にして適切に対処してまいりたいと思います。
○政府参考人(今田寛睦君) 厚生労働省といたしましては、一つは一般の方々に不審な郵便物の見分け方でありますとか、あるいは受け取った場合の対応につきましてホームページに国民に向けた情報の掲載をしておりまして、注意喚起に努めているところであります。 また、特に炭疽菌が疑われるような事例につきましては、検査をともかくすぐにでもしなくちゃならないということでありますので、地域の衛生研究所に対しましてまず基本的な検査を行うように指導をいたしております。 なお、地方衛生研究所の職員を対象といたしまして炭疽菌の検査法に関する講習会を開催して、検査の実施を支援することといたしたところであります。さらに高度な検査を必要とする場合にありましては、国立研究機関におきまして検査できる体制を整えております。 今後もさらに関係省庁との連携を踏まえながら努力していきたいと思います。
○松あきら君 きのう、それぞれの方たちにしっかり申し上げましたので、きょうのお返事は、それぞれお調べになったり、いろいろこういうふうにしてくださいと申し上げたことをお返しになってくださいましたけれども。 例えば、七百人のお医者様に炭疽菌を見たことありますかと、患者さん診たことありますかと。一人のお医者様しか炭疽菌の患者さん診たことないと。炭疽菌の患者さん来たらわかりますかと。わからないということで、私は、やはりこれはノウハウをきちんと、お医者様にきちんとこういうときはこういうことですよというノウハウを教えるといいますか、そういう講習会あるいは相談窓口というのをつくってくださいときのう申し上げたんですけれども、そういうことで、今お伺いしたように、しっかりとした対策を、これも転ばぬ先のつえということで、よろしくお願いをいたします。 それでは、済みません、とんとん行きまして、最後に介護タクシーを、もう時間がないので。 私は、この前、予算委員会でこの介護タクシーについて質問いたしました。残念ながら大臣はお出ましじゃなかったんですけれども、タクシー通院介助なぜ違法という新聞論説がありまして、それによって質問をいたしました。 今、ヘルパーの資格を持つ運転手さんが乗車中も介護を続けます、乗車料金は不要という企画があります。もちろん、調理やおむつの交換などをする訪問介護事業者の指定を受けての参入でございますけれども、大体三十分以内の身体介護なら給付額は二千百円で、利用者の負担は往復料金の一割、四百二十円で済むということなんですね。 私は、実は香川県の例えばヤマトタクシーですかダイワタクシーですか、ここは大手のタクシー業者さんなんですけれども、今、女性の運転手さんですね、ヘルパーをやってくださる運転手さんをたくさん雇っているということで、女性の雇用ということにも役立っている。しかも、やっぱり皆さんとってもこれ喜んでいらっしゃるし、実は介護保険でこういうところまでカバーしてほしいというのが皆さんの願いなんです。 ちょっと時間がなくなっちゃってしっかりできなくて申しわけないんですけれども、予算委員会では扇国土交通大臣は、今までは運賃を取らないのは違法だと、こう言っておりましたけれども、そうじゃないと。こういう試みを認めなければ二十一世紀型の福祉は育たない、新しい福祉のあり方として今後とも後押しをしてまいりたいというふうに国土交通大臣はおっしゃっていただきましたけれども、最後に坂口大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 私もこの話を前にしていただいたということをお聞きはしたんですが、余り詳しくお聞きをしておりませんでした。きょうはもう一度また勉強をし直しまして、なるほどいろいろの問題点があることも事実でございますけれども、新しい試みでございますから、こうした試みが生きていくように、これからどうするかというのを、もう少しこれは私の方も勉強させていただきたいと思っています。
○沢たまき君 公明党の沢たまきでございます。 今、メディアでも大変に、松委員もおっしゃいましたけれども、炭疽菌についてちょっと御質問をさせていただきます。本論は雇用問題でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 アメリカで炭疽菌の連続の感染がアメリカの国民を震撼させております。バイオテロの疑いも出ております。一人でも珍しいんですが、一昨日は乳幼児にまで感染したと伝えられております。このアメリカの状況について、大臣はどう受けとめられていらっしゃるか。 私は、もし生物化学兵器を使う者があるとすれば、それはいかなる大義名分、正義を唱えようとも、その当事者は人間の顔をした悪魔であると世界じゅうから非難されるべきであると思っております。 特に、生物化学兵器というのは爆弾テロにまさる不安と恐怖を世界じゅうの市民に与えるものであるからであります。日本では殊に、私どもは天然痘をやっておりますけれども、今の若い方々は天然痘をやっておりません。二十五歳以下はやっていないとすると、それをねらわれたらイチコロだなという恐怖心が、恐ろしいんですが、特に患者発生をどれだけ迅速にキャッチするか、極めて重要だと思いますけれども、そのためにいかなる方策を講じていくおつもりなのか伺いたいと思っております。
○政府参考人(下田智久君) ただいま御指摘の炭疽あるいは天然痘など、生物テロに用いられる可能性が非常に高いと考えられております主な感染症の対応につきましては、都道府県が指定をいたしております感染症指定医療機関というのがございますが、こういったもの、あるいは救命救急センターというのがございますが、こうしたところでまず第一に発見をしていただくことが重要だと考えておりまして、その現場で疑いを持った時点で直ちに保健所あるいは国立感染症研究所に情報を提供するようにお願いをいたしております。 また、その場合には感染経路の究明が非常に重要でございますので、直ちに国立感染症研究所の疫学専門家を現場に派遣をいたしまして、自治体の迅速な対応の支援を行うということも考えてございます。 また、地域の健康危機管理の中核となっております保健所あるいは地方衛生研究所、こういったところの技術レベルを上げるために、おのおの講習会等を開きまして、その能力向上に努めておるところでございます。
○国務大臣(坂口力君) 先ほどお話しいただいた中で大事なのは、医療従事者の中にも、この炭疽症といいますか、炭疽菌を見た者あるいはこの炭疽という病気を扱った人がほとんどいないという現状だというふうに思います。ここは、同じ医療機関でありましても、そういう病気に出くわしたことがないわけでありますから、そこは心配といえば大変心配なところだというふうに思います。 最初は非常に感冒様の症状を呈するということだそうでございますから、風邪だと思っていたら、それが炭疽菌によるものだったということだってないとは言えないわけでございますから、そうしたところを十分に皆が注意をしてこれからかからなければならないということでございます。 したがいまして、医療機関に対しましても、徹底的にこういう状況にあることを認識をしていただくようにそれぞれのルートを通じて流していただいておりますし、そしてもし万が一そういう患者さんに遭遇をしたときには、今局長の方から申し上げましたようなそうしたそれぞれの基幹病院の方にすぐ連絡をとっていただく。一方においては警察の方に連絡をとっていただくというようなことをお願いをしなければならないというふうに思っている次第でございます。
○沢たまき君 よろしくお願いいたします。 風邪に似ているということが一番、大臣がおっしゃったとおりでございます。ですから、そのように開業医の方、それから大きな病院でも徹底してお医者さんにわかっていただきたいというふうに思っております。 それから、全国で感染症の研究所とか地方の衛生研究所とかいっぱいあるということでございましたけれども、住民の方々にも近所にこういうものがあるよというものもぜひ広報していただきたい。これは要望しておきます。 また、総務省に伺います。 国際郵便物についての対応策を講じる必要がある、やっているよとテレビのニュースでは伺いました。また、厚生省でも抗生物質は、きのうのニュースでは十万人以上大丈夫だよというふうに、一応安心はしております。 しかし、一方でこういうものが、今は粉だけですけれども、水道にも入る、それからまた大変に精製してある細かいものだと空気にばらまいてもできるとかという、メディアを通しての、恐怖ばかりメディアがあおっておりますけれども、国民が安心できるための広報、宣伝も必要だと思いますけれども、いかがでございますか。
○政府参考人(岡田克行君) 先ほど御説明いたしましたように、郵便局で不審な郵便物を発見した場合の即応態勢をとるとともに、国際郵便につきましては国際郵便交換局というのがございまして、そこで主に処理しているわけでございますが、従来は主要な国際郵便交換局四局にそれぞれ一台ずつエックス線検査装置を配備いたしまして郵便物の検査を行っていたわけですが、一局当たりの配備台数を平均三台増備するなど、また交換局全局、八局ございますが、これを全局に配備しまして検査体制のまず強化を図っていきたいと。 また、利用者の不安に対応するため、炭疽菌に関する利用者への情報提供を強化しようということでございまして、本日からインターネットによりまして不審な郵便物の見分け方ですとか発見した場合の対処方法、例えば通報先ですとか万が一接触した場合の対処方法などを、それから炭疽菌に感染した場合の治療方法等につきましての情報提供を行っております。また、これらの情報をすべての郵便局窓口に提出しようということで、パンフレットも二百万枚今後配備する予定でございます。 今後とも、関係省庁のほか、特にアメリカの郵便庁と密接に連携をとりつつ対策を講じていきたいというふうに考えております。
○沢たまき君 ありがとうございました。 では、本論に入らせていただきます。 雇用対策、もう最重要の課題であると大臣もおっしゃいまして、本当は今国会でこれをしっかりやるべきだったと思っておりますが、政府におかれましても総合雇用対策を打ち出して関連法案も準備されております。 問題は、これからの対策がいかに雇用の効果を上げることができるかということが大変大事なことだと思っております。与党三党も緊急雇用対策を一次、二次にわたって対策を発表しております。私は、その中の離職者等の生活支援について的を絞ってお伺いしたいと思います。 そこで、雇用対策はどうしても一般会計というよりも雇用保険特別会計からの財源ということになります。したがって、自営業を廃業した失業者、あるいは雇用保険受給者以外のその他の失業者は蚊帳の外に置かれております。現在でも更生資金、生活資金、福祉資金等、生活福祉資金貸付制度というのがありますけれども、これらの離職者はその対象になっておりません。新たに離職者支援資金というのを創設すべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに完全失業率なんかの統計を見てみますと、その中でいわゆる自営業者及びその家族、この離職というのが非常に多いわけでございます。大変な勢いで自営業者が減っている、中小企業を含めまして自営業者が減っているということでございます。この人たちの中には、雇用保険に入っている人たちももちろんおりますけれども、入っていない方も中にはあるというふうに思います。そうしました場合に、その皆さん方に対してどうするかという問題がなければなりません。 そこで、今御指摘のように、そういう皆さん方に対する貸付金制度というものをひとつつくろうということになっておりまして、貸付金制度を今度創設をしたいというふうに思っています。 これは今度の補正予算の中で設立するわけでございますから、このとおりにまだなるかどうかということはよくわかりませんけれども、現在、私たちが要望をいたしておりますのは、離職の日から二年以内の人に対して一年以内の期間の貸し付けを行う、こういうことでございます。 それから、月額は大体二十万円以内ぐらいで、最終貸し付けの日の属する月から六カ月以内、据置期間経過後五年以内に償還をすると、こういうものを今考えて、ぜひこれをひとつやらせていただくようにしてくださいということを言っているわけでございます。 しかし、これは補正予算でございますので、このとおりできるかどうか、今のところはまだ明確には申し上げることはできません。
○沢たまき君 ぜひ次の仕事が見つかるまでよろしく援助していただきたいと思っておりますが、今伺うと、まだこれは決まったかどうかわかりませんのであれでしょうけれども、次の仕事が決まるまで返済が不可能になるわけなんですが、月額二十万で六カ月据え置きで一年以内に返すんですか。
○国務大臣(坂口力君) 五年以内。
○沢たまき君 五年以内に返せばいいんですか。 貸し付けの額、それから償還期間にもぜひ御配慮をいただきたいと思います。 また、失業した方がすぐにでも重くのしかかってくるのは住宅ローンの返済なので、住宅金融公庫は現行の返済繰り延べ制度を平成十四年度の概算要求でさらに拡充するようでございますが、民間の金融機関はどうなっているんでしょうか、金融庁の方に。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 民間金融機関の場合には、住宅ローンも含めまして、どういう融資の仕組みをとるかとか、あるいはどういうケースに先生おっしゃるように返済繰り延べを行うかと、そういった問題につきましては基本的に個々の金融機関の判断になってまいりますわけでございます。 ただ、御指摘のような住宅ローンを借りております債務者が離職いたしましたケースにつきまして、一般的に申し上げますと、金融機関は、まずは今後の返済見通し等について債務者といろいろ話し合いを行いまして、その実態に即してケース・バイ・ケースで判断されるということになってくると思います。したがいまして、まずはそういったケースにつきましては、返済計画等につきまして当事者間で十分な話し合いが行われることが重要だと思いますが、金融庁といたしましては、ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、民間金融機関が適切な対応を行うように今後ともきちっとフォローしてまいりたいというふうに考えております。 なお、民間金融機関におきましては、債務者が失業したときに住宅ローンの返済のために保険金が出るという保険をつけた商品を開発している場合もございます。こういった面での努力も促してまいりたいというふうに考えております。
○沢たまき君 よくわかりました。 例えば、緊急雇用対策法案、仮称ですが、その中で訓練の延長給付制度が拡充されるときのう伺ったわけですけれども、一方で再就職のための対策が講じられながら一方で厳しい取り立てが行われたのではもう何のための雇用対策かということになりますので、金融庁として、今いろいろとそういう保険もあるとか当事者同士とおっしゃいますけれども、厚生省というか片方では一生懸命延長してやっているにもかかわらず、民間だと返せ返せと言われると。これじゃ困りますので金融庁としても民間金融機関に対して国が真剣にいかなる雇用政策を進めているのかということを御説明いただいてお願いをしてくださったり指導してくださったり、もう一押しやっていただけるとありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(高木祥吉君) ただいまの先生のお話も踏まえまして、適切に対応したいと思います。
○沢たまき君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。せっかくの雇用対策が無にならないよう、関係省庁の協力が大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。雇用政策を生かす離職者の生活支援を本当によろしくお願いを申し上げます。 次に、あと二分ですね、未払い賃金の立てかえ払いの改善についてちょっと大急ぎで伺います。 倒産企業で働いていた労働者の賃金は優先して確保されなければならない、しかし立てかえ払い制度の概要と近年の立てかえ払いの状況をもう少しはっきり説明していただきたいなと思っております。いかがでしょうか。
○政府参考人(日比徹君) 立てかえ払い制度でございますが、その趣旨は、企業の倒産によって賃金の支払いを受けられない、そういうことが起こった場合に未払い賃金、これは退職金を含んでおりますが、その未払い賃金の一定部分について国が立てかえて支払うという制度でございます。
○沢たまき君 どのくらいの金額かはわかっていないんですね。
○政府参考人(日比徹君) お尋ねが最近の支払い実績ということでございますれば、平成十年度約百七十三億円、十一年度二百一億円、十二年度二百八億円という状況になっております。
○沢たまき君 未払い賃金について、現行八割の立てかえ払いになっておりますが、与党三党の提案は全額立てかえ払いを基本として現行上限額を引き上げたいとしておりますが、いかがでしょうか、大臣の御所見を伺いたいと思いますが。
○政府参考人(日比徹君) 事務的な点をお答え申し上げます。 与党三党で今おっしゃられたような提言があり、また政府におきましても産業構造改革・雇用対策本部において決めました総合雇用対策におきまして賃金立てかえ払い制度の上限額、これについては引き上げる、そしてその引き上げ方については今与党三党の方では先ほど言われたようなことが御提言になっておりますし、私どもとしては今後の補正予算で対応すべく、ただその具体的な上限額の引き上げ幅等につきましてはいろんな御意見等も踏まえて検討をいたしておるところでございます。
○沢たまき君 あと一分です、済みません。 最後に伺いたいのは、横浜の南労働基準監督署の管内で起こった事例なんですけれども、孫請が十三名、三カ月分の労働者の賃金五百九十万円が下請企業の破産によって未払いとなりました。この未払いという請負の形態が存在するということで、労働者性が認められず、却下されたんですね。まあ、これはしようがないんですが。実態としては警察署新築工事のための下請、孫請の労働者が一緒になって働いた分なんです。もうこれは労働者性がないとなってしまっておりますが、賃金債権については下請あるいは孫請も差別はないと思っておりますので、離職者にとって賃金が支払われないのはもう死活問題ですから、破産に伴う孫請の賃金債権にも何らかの救済措置が検討されてしかるべきだと思っておるんですが、最後に大臣の御所見を伺わせていただいて、質問を終わらせていただきます。
○政府参考人(日比徹君) 事務的な点、ございますので。 今おっしゃられた点でございますが、御案内のように、未払い賃金立てかえ払い制度におきます労働者性の判断につきましては、労働基準法等と同様、その実態をよく見るということをいたしておるところでございます。その結果、労働者性が認められないということになりますと、いわばそこで生ずる不払いの何らかの金員というのは請負代金であるとかそういうことになりまして、賃金とは言えないと。したがって、現行の制度では対応できないということでございます。 なお、下請代金等につきましては、これは建設業は現在適用されておりませんけれども、下請代金の支払い確保等、別途、私どもの所管ではございませんけれども、そういう制度等もあるところでございます。 なお、私ども、御案内のように、家内労働者の問題等も厚生労働省としては扱っておりますので、厳密な意味の雇用関係のある労働者以外の方々の問題というものを全く検討の視野に置いていないわけではございませんけれども、現状は今申したとおりでございまして、先々の勉強をさせていただければと思っております。
○沢たまき君 ありがとうございました。
○井上美代君 日本共産党の井上美代です。 私は、狂牛病の対策についてまず最初に御質問をします。 狂牛病の発生は、日本の畜産や酪農、そして関連産業、肉販売業者、そしてまた消費者等にもう本当に深刻な影響を与えております。政府が一九九六年四月にWHOの勧告をきちんと受けとめて、そして万全の体制をとっていれば狂牛病の日本への侵入は防げたというふうに思います。そういう意味では、政府の責任というのは非常に大きい、重大であるというふうに思っております。 きょうは十八日ですけれども、きょうの十八日からは全頭の検査が行われるということですけれども、食肉店だとか、それから飲食店、焼き肉屋などを訪問してみますと、とにかく牛肉を買わないということなんですね。そして、食べないということ。そのために廃業や倒産の危機にさらされているというのが現状であるということです。 現地に調査してみたんですが、文京区では年内に肉屋さんが半分になってしまうのではないかと、こういうふうに言われているんですね。焼き肉店の従業員が一生懸命ビラをまいているんですけれども、ビラも受け取ってもらえないということで本当にがっかりしているんです。 これらの業者が営業を続けるために、このような状況になっていることに対する補償だとか無利子の融資制度を設けるべきだというふうに考えますけれども、政府はどのようにお考えになっているのかということをまず質問したいと思います。 今、牛肉を食べないのは、もう幾ら安全、安全、安全と、こういうふうに言ってみましても、不安感がある。これまでの政府の対応というのはやはり国民が信用できるようなものではなかったというふうに思うんですね、最初の農水省の対応からして。国民が安心して牛肉を食べるようになるには、やはり信頼回復が一番重要だというふうに考えております。 今、流通している、そして在庫になっている、このすべての牛肉を政府が買い上げて、そして処分をする。新しく販売される肉はもうすべてこれは完全に検査を済んでいるんだよと、狂牛病とはまた関係ないよと、このようになりましたら、それこそ保証された消費というのが急速に回復をしていくんだというふうに思うわけなんです。 これまでのすべての牛肉というのは一万三千トンと言われておりますけれども、これを買い取っても百五十億、こういうふうに報道されているわけですけれども、特に農水大臣は牛肉の在庫の全部の量を買い入れるということをきのう述べられたということが報道されておりますが、やはりすべての在庫も流通も国が買い上げて、本当にもう後はすべて検査をしたよという状態をつくり出すということが大事だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。まず質問をいたします。
○政府参考人(永村武美君) お答えをいたします。 まず、食肉の小売店とか焼き肉店に対する融資に対してどう考えるかという御質問でございますが、私ども、今こういった流通業界の方々、もちろん焼き肉店も含めまして、いわゆるつなぎ融資といたしまして私どもが利子補給して、末端の金利が一・数%になるような形で、これは年度内に貸し付けるという形で今対応させていただいておるところでございます。 私どもの段階で残念ながら無利子というところまでいきませんけれども、これは一部の生産者、流通業者あわせて私どもこういった融資をやっておりますが、生産関係の融資につきましては、一部の道府県で、大体十の道府県でそれぞれの自治体が利子補給の上乗せをしていただいて末端では無利子になる、こういった例も今あるところでございまして、私ども、今後とも地方レベルでの支援協力を呼びかけながら、資金の円滑な、つなぎ融資の円滑な貸し付けが図られるように努力をしてまいりたい、かように考えております。 それから、あわせて私ども、あすから新たな体制で牛肉が検査をされた後、市中に出回るわけでございますが、今までもやってまいりましたけれども、さらに牛肉の安全性につきまして、畜産物の安全性につきまして大々的にいろんなメディアを通じてPR活動を積極的に進めて少しでも消費者の方々の安心感を回復させていきたい、かように考えております。 それから、牛肉の買い上げでございますが、これにつきましては午前中もお答えをいたしましたけれども、基本的に私ども、今まで市中に出回っておる牛肉自体が安全であるということで、これは学校給食関係者にもいろいろ訴えてまいりましたし、いろんな消費者の方々にもPRをしてまいったわけでございます。ただ、新しいBSEの検査を受けていないということでどうしても売れにくくなる、こういったおそれがある、こういった御意見もございますし、また市中に特に卸売段階でどうしても在庫として滞留しておるもの、これを一たん市場隔離することによって今後の牛肉の流通の円滑化を図る必要がある、こういった御意見もございますので、少なくとも私ども国が責任を持った形できちんと市中の在庫を凍結保管して市場隔離をしたいと、今そこに全力を挙げて事業を仕組んでおる最中でございます。
○井上美代君 今、在庫のことを言われましたけれども、流通についてはどうでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) 流通としてのどういう意味でございましょうか。
○井上美代君 流通してたまっている分があるわけです。
○政府参考人(永村武美君) 私が申し上げましたのは、今卸売業者の段階で売れないで滞留をしておる、そういった在庫について、これをまず国の責任で凍結保管をし、きちっとした形で市場隔離をしたいと、こういう事業を今大至急進める準備をいたしておる、こういうことでございます。
○井上美代君 今、御答弁されたんですけれども、きのう農水大臣が買い入れて保管する期間というのは消費者の信頼が回復するまでと、こういうふうに述べられているんですね。これが事実ならば、私は随分国民をばかにしたことだというふうに思うんですよ。廃棄処分にして、今後流通するのはすべて検査済みと、こういうふうにしなければ、私は、狂牛病のおそれというのは、もう本当に国民の間では不信も起きておりますし、不安もありますし、恐怖もあります。だから、そういう点で国民は納得しないというふうに思うんです。 だから、やはり安心して食べられるようにする。それは在庫も流通についてもやはりきちんと国が処分をするというふうにならなければいけないんですが、今言われたのは、特に流通、滞留しているものについては凍結保管ということを言われております。それは農水大臣が消費者の信頼が回復するまで保管するということとつながるんだというふうに思いますけれども、私は厚生労働大臣に、こんなことが認められるようでは本当に心配がさらに重なってくると思うんですけれども、買い上げて廃棄処分をするべきだというふうに考えるんですけれども、その辺どうでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) 私からお答えをさせていただきますが、今私ども一番大事なことは、今、先生御指摘のような不安が仮にあるとすれば、とにかく急いで市場の隔離をすると、ここがまず先決だと思っておるわけであります。これも私ども責任を持って隔離をするわけでありまして、国の許可がなければそれを市中に流通させるというようなことはできない状態にしようと思っておりますから、実質的に。その後の処分につきましては、これまた御相談することになると思いますけれども、今の段階で緊急を要するのは少しでも早く市中の在庫を凍結して隔離をする、こういうことだと認識をしております。
○井上美代君 今お答えいただきましたけれども、市場隔離する、保管をするということですけれども、じゃ保管したものをどうするかというところがやっぱり一番重要なところだと思うんですね。これはやはり大臣がどのようにそれを処分していかれるかというところが一番大事で、これから決めていかれるということを今答弁で言われておりますが、大臣は、じゃ、どのようにしようと思っておられるのか。これがやはり廃棄されなければ国民の信頼は回復しないし肉は売れない、どんなに安全だといっても売れないというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) この件につきましては私どもの所管で行うべきことと考えておりまして、農水省としてお答えできるのは今私がお答えした範囲でございます。
○井上美代君 今、農水省の方からお答え出ていますけれども、やはり厚生大臣は重要なポストにいらっしゃる閣僚のお一人です。やっぱり今後の問題については政治的な問題もありますので、ぜひ答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今、農林水産省の部長さんの方から御答弁がありましたとおりでございますが、今後その肉をどうするかということにつきましては、これはやはりよく御相談をして決めなきゃならないものだというふうに思います。 もちろん、市場から除外をして、そしてそれを蓄積していくわけでありますから、肉でありますから新しくなっていくということはありませんので、だんだん古くなっていくことは間違いがないわけでございますから、それが再び同じ、安心できる、出てくる肉と同じようにその中にまじっておるということはあり得ないことだと思っております。
○井上美代君 今そういうふうに、腐っていく肉だというふうに言われたんですけれども、それが保管されて何に利用されるかというのはやはり国民の大きな関心事ですね、それがどういうふうにされるのかということ。それをきちんと廃棄をしていかなければいけないということで、先ほどからやはりどういうふうに対応していかれるかというのが国民の関心事ですから、私は廃棄するということでやってほしいというふうに思います。 それでは、時間もたくさん持っておりませんので私は次のところに移りたいと思いますが、きょう午前中に首都圏のところで総合病院に入院している十代の女性患者がいらっしゃるということが報道されていて、これは私どもも非常にびっくりしております。特に、何かもう足元へやってきたようなそんな恐怖を感じますけれども、この方は重い脳の病気、そして新変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病というふうに、その可能性があるというふうに言われているわけなんですけれども、厚生労働省とそして総合病院との意見が違っているわけですね。一方は可能性はないというふうに言って、一方は可能性があると、こういうふうに言われているわけなんですけれども、こういうことについてやはり国民は非常にもう報道だけでも不安を感じるわけですね。だから、そういう意味で情報公開をやはりきちんとやっていく、そして国民の不安を取り除くという方向で、その内容についても詳しく情報公開をしてくださるということが非常に大事だというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 午前中にも少し触れさせていただきましたが、九月二十日の日に関東地方のある医療機関からCJD、すなわちクロイツフェルト・ヤコブ病、このいわゆる新異形型というんですか、異形型、変異型のCJD、ヤコブ病の疑い、この疑いのある患者さんが入院しているとの通報が厚生労働省になされた。そして、その二十一日に厚生労働省の、遅発性ウイルス研究班がございますが、その中のCJDサーベイランス委員会の委員長が当該医療機関に出向きまして主治医とともに詳細な診察を行った。その結果、CJDに特徴的な症状に乏しく、CJDとしても若年発症であるということ以外に積極的な所見がなかった。若い人に出ているということで、それは可能性としてはないとは言えないけれども、しかし積極的な所見がなかったと。その時点ではこのクロイツフェルト・ヤコブ病、すなわち変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病の可能性について、完全には否定できないものの、臨床所見としては考えにくいという見解でございました。 その方は以後病院をかわられまして、現在また違った病院におみえになります。そこの先生のお話では、現状では病名を確定できる症状ではない、両方とも否定されていないわけですけれども、病名を確定できる症状ではないというのが現状の御報告だというふうに聞いております。
○井上美代君 今かなり詳しく言ってくだすったんですけれども、やはりああいう事実を話していただいて、それがまたひっくり返ってしまうようでは困るわけなんですけれども、だけれども情報公開を今後もやって国民に伝えていただきたいというふうに思います。 次に、私は雇用問題に移っていきたいと思います。 九月に発表されました完全失業率は五%、三百三十六万人ということで、五カ月連続の増加です。それで史上最悪の状態になっていることはもう皆様方御存じのとおりです。その後も大手の電機などのリストラ計画が、先をもう本当に争うように次々とリストラの発表があっておりますので、さらにこの失業率というのは悪化するということはもう確実に予測されるわけなんです。 ホームレスの患者さんの相談に追われている医療機関の深刻な実態を私ども日本共産党の赤旗記者が取材しましたけれども、五十八歳の男性、職場の健診で糖尿病と診断され工務店を解雇されました。仕事がなくアパートを追い出され、公園で三カ月野宿をしたわけですね。そして、病院へたどり着いたときには合併症もあり、もう非常に重症だったということを言っておりますし、五十七歳の建設現場で事務の仕事をしている人ですけれども、仕事が減ったと解雇されました。仕事が見つからず、公園で暮らすうちに体調不良になり、病院前の公園へやってきました。そして一生懸命考えて、二日間迷ったあげくに受付を訪ねたときにはもう心臓病で脱水症状も起きていたと、こういうふうに言っております。このようなケースというのは特別なことではありません。失業やホームレス、そして病気と連動していく事態なんですね。 そして、小泉首相は、最悪の失業率の発表を受けて、やむを得ないとあのとき冷たく言い捨てられましたけれども、先日の参議院本会議におきましても、我が党の市田書記局長の質問に、実態を反映しない毎月の求人数を単純に足して、そして求人数は求職数を上回っている、ミスマッチだと、こういうふうに答弁をされたわけです。あれを私聞きまして、いかにも仕事はいっぱいあるよという、そういう説明をしたかったのかなというふうに思いましたけれども、しかし十月二日には日経新聞でも「労働力需給の実態を示すなら、有効求人倍率を使って説明すべきだった。」と、こういうふうに批判をしているんですね。 一人一人の失業者にはそれぞれの人生と、そしてまた家族、命がかかっております。だから、この最悪の失業率ということはやはりもう直視しなければいけないというふうに私は思うんです。 大臣、求職者の一人一人に対してどれだけ求人があるのか、そしてまた有効求人倍率はどうなっているのかというところで見なければいけないというふうに思うんです。百人いたら百人以上の求人が小泉首相が言われたようにあるのかということですけれども、そうではないというふうに思いますけれども、御答弁をお願いしたいというふうに思います。
○国務大臣(坂口力君) 完全な数字が私の手元にあるわけではございません。ただし、雇用情勢が厳しいことは間違いがございませんし、有効求人倍率が〇・五九倍ということになってきております。 この状況の中の特徴を見てみますと、一つは非自発的失業者というのが前年同月比を八月には上回ったというのが一つの特徴でございますし、それからもう一つは、求人の方もまだふえてはおります、サービス業を中心としましてまだふえてはおりますが、そのふえ方が非常に低下をしてきたということでございます。 小泉総理がおっしゃったあの数字は、確かに、あれは昨年の数字ですね、昨年一年間の数字でございますが、七百二、三万というふうに記憶いたしておりますけれども、そういう求人があったということも事実でございます。 今、この雇用問題を考えますときに一番大きな問題はミスマッチでございまして、そのミスマッチの中で三十四歳未満の若い年齢層の皆さん方のミスマッチというのは何が一番大きいかと言えば、それは労働条件、とりわけ賃金の問題が一番大きな問題になっている、そういうことでございますから、求人はあったといたしましても、そうしたことでなかなか前進をしないものというふうに思っております。
○井上美代君 小泉総理のあの答弁というのは、新規のものを足して毎月を足されたんですね。だから、前から就職できないでいらっしゃる方のは足していないからそういうことになったわけなんですけれども、八月の有効求人倍率というのは、今御答弁くださいましたけれども、〇・五六というのが求人倍率のようです。百人に五十六人分しか仕事がないということですね。これを四十歳代と五十歳代で見ますと、〇・一三というふうになるわけです。そうしましたら、百人のうち十三人しかこれは仕事がないと、こういうふうになって、やはり四十代、五十代が大変な実態になっているということがはっきりするというふうに思います。 小泉首相のずれというのは、やはりちょっと私ども国民の感覚からすればずれておりますので、私は厚生労働大臣の、担当大臣としてぜひそこのところはお話しいただきたいというふうに思います。 さて、先日、労働組合の連合の定期大会が開かれておりましたけれども、そこで確認されたことが過大な人員削減計画発表や、それから横並びでリストラ、企業モラルがあってはならないというような状況になってきているということで、便乗解雇などもってのほかだとして、そして企業の社会的責任を果たすこと、またそして政府についても、深刻化している雇用の不安定化にさらに拍車をかけていると、こういうふうに連合は言われまして、すべての労働組合がこれまでの枠組みを超えて新たな雇用創出と失業支援策確立へと、こういうふうに呼びかけておられるんですね。全労連も積極的に受けるとして、まさに今、労働組合の方から政府に対する責任が私問われているんじゃないかなというふうに思っているんです。 特に、この間、日産だとかマツダ、三菱、東芝、ソニー、富士通、ずっと挙げているとまだまだあるんですけれども、こういう自動車だとか電機、それから情報産業、この大手三十社だけでも十六万人以上のリストラ計画が出されております。 もう本当にこれは人員過剰になる、失業者が出てくるという状況だということですが、政府は年間労働時間一千八百時間を掲げていますけれども、年間の総実労働時間、これがどういうふうになっているのか。また、年休取得率も下がっているというふうに聞いているんですけれども、これは昨年度どういうふうになっているのか、前年と比べてどうだったのかということを参考人に御答弁いただきたいんです。
○政府参考人(渡辺泰男君) では、年間の総実労働時間の推移について、毎月勤労統計調査によりますと、調査産業計、事業所規模五人以上の事業所におきまして、十年前の平成二年は二千六十四時間、五年前の平成七年では千九百十時間、平成十二年は千八百五十三時間となっております。 それから、同じく年次有給休暇の取得率につきましては、就労条件総合調査によりますと、企業規模三十人以上の民営企業につきまして、同じく十年前の平成二年には五二・九%、五年前の平成七年には五五・二%、昨年、平成十二年では四九・五%となっております。
○井上美代君 やっぱりこれはふえておりますし、労働時間はふえておりますし、そして年休取得率は、十年前は五二・九、そして十二年が四九・五ですから、うんと低下しているということになると思います。 これは厚生労働省が事業者に聞いた調査なんですけれども、先進各国と比べて異常な労働時間の長さなんですけれども、総務省が労働者自身に聞いた調査では、平均の週間の就業時間を年間換算すると二千二百二時間となり、前年よりもこれは増加しているということになるんですね。これと、厚生労働省の調査のパートを含む一千八百五十九、今答弁してくだすった数字なんですけれども、これとの差が三百四十三時間あるんですね。つまり、これがサービス残業になると、違法な、言ってみれば不払い残業と推定できるわけですね。 サービス残業の問題については財界系のシンクタンクであります社会経済生産性本部でさえもサービス残業をなくせば九十万人の雇用が確保できるという試算を出しているんです。私が新しい数字でもう一回計算をし直してみますと、サービス残業をなくすならば百二万人の雇用が確保できるというふうになるんですね。 さらに、過去最低となっている年休の取得率というのは、今御答弁いただいたんですけれども、これを完全に消化するならば、ここからも雇用創出が出てくる、いわゆる雇用労働力が出てくると、百十四万人という数字が計算できるんですね。だから、やはりサービス残業や年休取得率、ここのところで雇用が創出できるんだということを申し上げたいというふうに思います。 そして、四月六日、厚生労働省はサービス残業の撤廃に向けての通達を出されました。そして、事業主が労働者の時間管理をしっかりやるということであの通達はできておりますし、その通達の中でも、必要に応じて実態調査もやるというふうになっております。 これ以降、その通達を出して以降、是正をした事業所、そしてまたそこでの金額、こういうものがどうなっているのか、相談件数はあったんだろうと思うんですけれども、どういうふうに調査をしておられるか、そこのところを聞きたいんですけれども。通達が出てから変化がありましたでしょうか。
○政府参考人(日比徹君) お尋ねの点でございますが、通達を四月六日に出しまして、本年度前半、つまり九月までにつきましては通達の趣旨の周知徹底を図るという期間に当てようと。そして十月から、今月からでございますが、監督指導ということで現場にも入って物事を見るという期間に当てることといたしておりますので、お尋ねのような点は今時点では出ておらず、今後、今後といいますか、十月以降の問題ということになります。
○井上美代君 今、まだ出ていないということでございますけれども、サービス残業をなくそうということであるならば、やはり調査も必要ですし、そこをきちんと把握した上でやっていくということがなければいけないというふうに思いますので、ここのところはぜひ今後きちんとつかんでいただかないと、この法違反のサービス残業を取り締まるということはできないと思うんですね。だからぜひ、あれだけの通達を出しておられるんですから、きちんとやってほしいというふうに思います。 それで、先ほど答弁いただいた年間の労働時間、この実労働時間と、それから年休の取得率を聞いたんですが、私は、昨年度どうだったか、前年と比べてどうだったかということをお聞きしたんですね。十年前の話をしてくださったんですけれども、そこをもう一回きちんと答弁お願いしたいんですが。
○政府参考人(渡辺泰男君) 失礼いたしました。 総実労働時間は平成十一年には千八百四十時間でございます。平成十二年は千八百五十三時間ですので、十三時間ほどふえております。 それから、年休の取得率でございますが、平成十一年には五〇・五%、先ほど申し上げましたように平成十二年は四九・五%で、一ポイント下がっております。 以上でございます。
○井上美代君 それで、私次にやはり大臣にお聞きしたいんですけれども、きのうの衆議院の質問のところで、やはり調査には、実態調査に現場にも行ってみるということを答弁されていたというふうに思いますけれども、今、やはり至急に調査をしてほしいというのが、日産だとかマツダだとか三菱、東芝、ソニー、富士通など、リストラ計画を持って先を争うようにリストラをやっている事業所があるんですね。ここについては、私は緊急な調査が必要だというふうに思っているんですけれども、それはいかがでしょうか。行っていただけるでしょうか。
○政府参考人(日比徹君) 基準監督機関における今後の予定ということもちょっと事務的にはございますので、先ほど申し上げましたように、私ども監督指導なりなんなりにつきまして計画的に行うと、効率を図るためにそういうことをやっております。もちろん、計画外のことを何もしないということを申し上げているつもりは毛頭ございませんけれども、そういう意味で時間管理の通達、四月六日に発出いたしまして、今まで周知徹底を図り、十月から監督指導を実地にも入ってやっておるところでございまして、そういう中でやってまいりたいと思っております。
○井上美代君 大臣にも私ぜひ現場を、お忙しいお体というのはテレビ見ているだけでもわかりますけれども、ぜひやはりこのように大企業のところで次々とリストラ計画が出されているわけですから調査をしてほしいというふうに思っております。 大臣が行かれない場合でも調査はできるわけで、そういう点でぜひやってほしいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか、一言。
○国務大臣(坂口力君) きのう衆議院の方で小沢議員にお答えをいたしましたのは、それは時間外のことについての御質問がございまして、そして電機産業等について調査をしてはという、こういうお話をいただいたものでございますから、電機産業も含めて全体のこれから調査というのは我々の方も行わせていただきますということをお答えを申し上げたわけでございます。 いろいろの分野において時間外の問題はやはり大きな問題になってきておりますから、我々もこの四月に通達を出しまして、そしてそれがどのようにそれが実施されているかということについてはこれから我々も詳しく見ていきたいというふうに思っております。
○井上美代君 私は、続いて質問ですけれども、監督官の増員の問題なんです。 やはりこのサービス残業をきちんとやっていくというためには、実態調査をする上でもやはり体制というのが非常に大事だと思うんですね。監督官については数が全国で三千五百七十五人いらっしゃるんです。それしかいらっしゃらないんです。一人の監督官当たりの事業所というのは一千二百七十七カ所やるわけですけれども、全国の表をいただいておりますけれども、埼玉でも東京でも一千八百台のところを訪ねることになっております。 私は、先日、東京の労働局に伺ったんです。そして、そのときは日本共産党の雇用確保の呼びかけを持って、お申し入れで行ったんですけれども、私はそこでいろいろ懇談ができました。そして、通達の周知をするためにいろんな工夫をしながら頑張っておられる労働者の方にお目にかかったんですけれども、その際にサービス残業はどうですかと聞きましたら、ふえておりますかと言ったら、私は減ったというふうに言われるかと思ったら、ふえたというふうに言われたんです。そして、実際現場を回る人たちというのは、監督官というのは東京で何人いらっしゃいますかと聞きましたら、百六十四人だということだったんです。これは、毎日回っても十四年かかる、一人が十四年かかる数なんです。だから、本当に毎日は回れないわけですから、これは大変なことだというふうに思っているんです。 私は、三月に質問をしましたときに、この監督官の増員をお願いしたんです。そうしたら、局長が増員要求すると、こういうふうに約束もしてくださっているんですけれども、私はサービス残業をなくすためにはどうしても増員が必要だというふうに思っております。だから、ぜひ厚生労働省やまた監督署にも、サービス残業一一〇番などをやったりして、実態もわかる、そしてまた厚生労働省のサービス残業をなくすキャンペーンに努力もしているというのが見えるようなことをしていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか、大臣。
○副大臣(南野知惠子君) 先生おっしゃっておられる一一〇番でございますが、いわゆるサービス残業の解消につきましては多岐にわたりまして労働基準行政の中でも重要な課題の一つであるということは我々十分考えております。同時に、行政を効率的に展開することも必要であるということも考えているわけでございます。このような観点から、現在も監督署におきましては、いろいろな相談または情報の提供を受け付けているところでございますが、このことにつきましてはさらに周知を徹底していこうという努力をしていこうと思っております。
○井上美代君 これはサービス残業、余りにも長く続いていて、言ってみればこんな犯罪的なことが続くなんというのはおかしいと思いますので、きちんとやっていただきたいというふうに思います。 それで、私は中高年の労働者の問題に移っていきますが、六十歳以上の労働者の再雇用の問題なんです。 これは雇用延長するということなんですけれども、労働条件が大幅に切り下げられるという問題があります。厚生年金制度を中心として、公的年金の大幅な給付削減というのがなされて、報酬比例部分の支給開始年齢が六十五歳へと先送りされましたね。まさに六十一歳から六十五歳までの生活保障をどうするのかということが言ってみれば待ったなしの課題になっているんです。 それで、改正されました高齢者の雇用安定法があるんですけれども、ここでは六十歳定年を義務づけて六十五歳の定年の引き上げや継続雇用を努力するという努力義務として据えられている法律なんです。 このような中で、大企業のところがどういうふうになっているかと見ましたときに、例えば新日鉄ですけれども、定年退職者のうち会社が必要とする人をまず指名するんです。そして、フルタイム勤務で給与は、年収は退職前の七割弱になります。そして、月額が十七万五千円ですけれども、月十二日しか働かないハーフ勤務というのは九万五千七百円となります。このハーフの勤務は退職前の五割になっていくということです。これはトヨタでも行われておりますし、日産でも行われているんです。欧州ではもちろんこういうのは禁止されておりますし、アメリカでも一九八六年に雇用における年齢差別禁止法が制定されておりまして、四十歳以上の労働者に適用されて、年長者の排除を目的とする労働力の削減というのは許されないというふうになっているんです。 だから、日本でももっと専門性や熟練度を尊重して年齢による労働条件差別をなくしていく点で、生活を保障する点でも、それから厚生労働省としてはこれをやはり指導を強めていかなければいけないというふうに思うわけなんです。 こういうふうに六十歳を過ぎて非常に労働条件が悪くなるというのとあわせまして、さらに今度は進んだのが出てきているんですね。それは例えば東芝ですけれども、東芝は六十歳定年制をとっているんですけれども、昨年、定年前の段階で雇用延長をするか六十歳定年を選ぶか、どっちにするか選択をしなさいという制度になったんですね。雇用延長を選ぶ場合には、年金に連動させて、雇用延長期間を延ばして、延長した年数だけを前倒しにして退職をさせるんです。そして、六十三歳まで雇用延長するか六十歳の定年にするかというところを選択させていくんですけれども、現在五十一歳以下の人は五十五歳でその選択を迫られるというふうになるわけです。そして、賃金はカットされて、五十五歳で雇用延長を選んだ人は賃金は一五%カットされます。本当だったら、六十歳が定年だから六十歳まで働けるんですけれども、その前にもう退職をさせられるんです。こういうことがやられております。 だから、五十五歳で六十五歳までの雇用延長を選んで、六十歳でもし病気になったりしましたら、もう退職せざるを得ないですね。そうしましたら、幾ら六十五歳までの雇用延長を選択したとしても、もうそこで結局五十五歳から六十歳までのところで賃金カットされてしまうんですね。だから、戻らない。
○委員長(阿部正俊君) 井上さん、ちょっと時間ですので。
○井上美代君 時間ですね。 だから、このようなことが幾つもの企業でやられているんですけれども、この事実を大臣はどのようにお考えになっているのか、そしてどのように指導をされようとしているのか、そのことを御答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
○副大臣(南野知惠子君) 今、先生から二つの要件についてお伺いがございました。最後の問題についてはちょっとはしょらせていただきたいと思いますが、指導のことについて御報告申し上げたい、お答え申し上げたいと思っております。 厚生労働省におきましては、高年齢雇用者、その安定法に基づきまして、定年の引き上げや継続雇用制度の導入などによる六十五歳までの安定的な雇用の確保、それに向けて事業主に対する指導及び援助を行っているということは先生御存じだろうと思っております。これに関する継続雇用制度の導入などに当たりましては、高齢者の処遇について各企業が労使間で十分話し合うということが一番大切であって、お互い納得するというところに決定されることが基本であろうというふうに思っております。 なお、雇用保険制度におきましては、六十歳以降の賃金低下を伴う給付が設けられております。これは先生御存じの高年齢雇用継続給付でございますが、こうした制度も活用しながら高年齢者の安定した雇用の継続を支援してまいりたいと思います。 あと一分お時間をいただければお答えできるんですが、次に回してもいいかと……
○委員長(阿部正俊君) 簡潔にお願いします。
○副大臣(南野知惠子君) よろしゅうございますか。 高年齢者雇用の安定法ということでございますが、事業主が定年の定めをする場合においては六十歳を下回ることができないこととしている、これはもう既に御存じです。この場合の定年と申しますのは、労働者が所定の年齢に達したことを理由として、自動的にまたは解雇の意思表示によってその地位を失わせる制度ということを指しているわけではございますが、御指摘のような事例につきましては、詳細を承知していませんけれども、従来からの会社で六十歳まで働くことを選択するのか、あるいは六十歳以降も何らかの形で働くことを選択するのかという、これは労働者の希望が重視されるということであれば、高年齢者雇用安定法の趣旨には反しないというふうに我々は考えております。 また、雇用継続の際の高年齢者の処遇につきましては、各企業が労使間で十分話し合いをしていただきたい、お互いに納得できる形で決定されていくことが基本であろうということには変わりございません。 以上でございます。
○大脇雅子君 私は、時間も限られておりますので、雇用失業情勢についてお尋ねをしたいと思います。 本年七、八月の完全失業率五%というのは改めて雇用情勢に厳しい現実を労働者とその家族に与えました。 まず、失業率の算定について確認をしたいのですが、本年二月の数値をもとにして、九月の十三日に内閣府が公表した完全失業率は、適当な仕事がありそうにないとして求職をあきらめている、いわゆる求職意欲喪失者というものを完全失業者に分類をしてみますと、一〇・四という数値を示しました。これは二月の完全失業率の数値四・七に対応した数値ですから、さらに現在ではこの数値もふえて悪化しているのではないかと考えます。 こうしたいわゆる潜在的な失業ということを含めて私は対策を考えなければならないと思うのですが、この点について大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 確かに、内閣府が本年二月の調査を用いまして一〇・四%という試算をしておりますことは、それは御指摘のとおりでございます。 それで、適当な仕事がありそうにないから求職活動をしていないというふうに答えております層の失業率はしたがいまして一〇・四%ということになるわけですが、この適当な仕事がありそうにないから求職活動をしていない層の中身についてもう少しずっと見てみますと、その特徴といたしましては、一つはパート、アルバイト等の仕事を希望している場合が多い、当然といえば当然でございますが。 それから二番目としまして、求職活動をこの人たちはしていない人たちでございますが、求職活動をしていない理由としましては、時間が合わないとか、近くに仕事がないなどが非常に多いという特徴がございます。実際の求職活動を全くしていないか、少なくとも一カ月以上していない人が多いと、こういうことがその内容としてございます。 それで、この一〇・四%の求職者というものを見てみますと、それは景気の悪化のために仕事を探すことをあきらめてしまっているという意味ではなくて、もう少し広い意味での人たちではないかというふうに理解をいたしております。 いずれにいたしましても、この人たちがどこまで雇用を身につけようというふうに思っておみえになりますのか、少しわかりにくい点はございますけれども、いずれにしてもそういう人たちもおみえになるということを考慮の上で我々も雇用対策というものを考えなければならないというふうに思っております。
○大脇雅子君 大手企業のリストラが新聞紙上にも発表されまして、大量の失業者が予測されるわけです。大量の失業者が出てからでは私は遅いと思います。そして、その失業者の受け皿として不安定雇用のみが拡大すれば社会保障の保険料も徴収できないということで、少子高齢化社会のいわば社会保障の危機も招くと。私はそのためには日本でもワークシェアリングということを早急に労働省の政策として設定をしなければならないというふうに思います。 社会経済生産性本部のワークシェアリング研究会が二〇〇一年一月十七日に発表いたしました労働時間短縮の雇用効果に関する研究、シミュレーションの結果というのによりますと、五%の時短を一般の雇用者が、被雇用者が行いますと一カ月で八時間の時短になる、そして給与を削減するということで対応すれば二百十五万人、給与を維持して二百八十五万人、これはパート等の増加であろうと思いますが、注目すべきは消費支出もそれぞれ〇・一一%、〇・七七%増加ということであります。 過日のNHKテレビで坂口大臣は、労働者側の賃金に関する柔軟な対応があれば、いわば労使の間を仲介するような形でこの制度の導入というものについて積極的な意欲をお示しになったと私は見ておりましたが、このワークシェアリングに対して坂口労働大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) 現在、雇用政策がいろいろとられておりますが、そうした個々の政策も大事ではございますけれども、こういう大枠のことを決めていくということも非常に大事な時期に来たというふうに思っております。 今までは、経営者側と、そして特に連合等との間でのお話はありましたし、そしてワークシェアリングということについては双方ともにいいことだというお話があったわけでございますけれども、経営者側の方としては時間が減少した分は賃金のやはりそれはカットが伴うという御意見でございましたし、連合側の方は時間がカットされても賃金はもとのままでなければならないという御意見でございまして、そこがなかなか一致、歩み寄りがなかったわけでございますけれども、先日のNHKのあの討論会の中でお聞きをしておりますと、かなり両方とも歩み寄りの姿勢を示されたということでございますので、私もあっと思ったわけでございます。 きょう、日経連と連合が「「雇用に関する社会合意」推進宣言」というのを出されまして、そしてその中でやはりワークシェアリングのことに触れておみえになりますのをちょうだいをいたしました。 その中を拝見しますと、「雇用の維持・創出を実現するため、日経連・連合は多様な働き方やワークシェアリングに向けた合意形成に取り組み、労使は雇用・賃金・労働時間の適切な配分に向けた取り組みを進めること。」ということになっておりまして、そして検討委員会の設置に合意をしたということでございますので、また一歩ここへ進められたのかなというふうに理解をいたしております。 そういうことになってまいりましたならば、労使だけではなくて政労使の間でこの問題につきまして真剣に取り組んでいく土壌ができ上がったのではないかと思っている次第でございます。
○大脇雅子君 フランスではオーブリ法というので時短新奨励法というのもできておりまして、要するにワークシェアリングや時短の雇用効果というものは非常にさまざまな成功例があります。 連合の方が雇用の維持ならば時短をしても給与を削減しない、経営者の方は削減をするということになれば、私はやはり中間の賃金率というものを設定して、それを政府が支援策として何らかの形で援助すると。そして、事例を見ますと、賃金の据え置きとか凍結とか抑制というようなものもある程度弾力的に考えて、しかし賃下げを伴わない、多少伴っても伴わないような形で効果があるということがさまざまな先進国の事例でもございますし、あわせてパート雇用者の賃金アップや均等処遇の原則を確立する中で、やはり働き方や暮らしを見直すという大きな社会の活力というものを引き出していると思うので、ぜひ労働省の方も労使の協議と支援策の構想をできるだけ早く打ち出されまして対応をしていただきたい。 失業者を出してその受け皿だけを議論している今の雇用政策に対して私は大きな警鐘を鳴らして大臣の御奮闘を申し上げたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) いろいろの御提言をいただきました。 まだそこまで踏み込んだ考え方をいたしているわけではございませんので、今ここでどうこうというところまで私が申し上げることはでき得ませんけれども、しかし総論として、大枠の話としましては、御指摘のことは十分に私も理解をしているつもりでございます。そして、そうした双方の何とかしようじゃないかというこの意気が上がりましたときにやはり手を打たないといけないとも思いますので、ひとつ真剣に取り組んでみたいと思います。
○大脇雅子君 その他はございますが次に回しまして、いわゆる狂牛病についてお尋ねをしたいと思います。 十八日に安全宣言をするということですが、もうされたのでしょうか、それともどういうスケジュールをお考えでしょうか、そしてその根拠、宣言の根拠をどうお考えか、大臣と農水省にお尋ねします。
○国務大臣(坂口力君) けさ九時半から農林水産大臣と同じに記者会見をさせていただきまして、そしてこれからの検査体制のこと、そしてその内容、そしてこれから後、疑わしい病気の牛の肉が出回ることはないということを申し上げたわけでございます。 そうしたことをきょう申し上げたことに対しまして、第一例目の感染ルートが明確にされていないのに安全宣言ができるのかというような御質問もございました。しかし、第一例目の感染ルートが特定されないというふうに言いますのは、それは何で感染したかわからないということではなくて、これはえさによって感染することだけは間違いがないわけでありますから、そのえさを特定することができないということでありますので、そのことと、それからこれから出回る肉が安全であるということは別次元の話でございますと。このルートが明確になっていないわけでございますから、我々はこの狂牛病、その病気を持った牛が出てこないということを言っているわけではなくて、それは出るかもしれませんと。しかし、出たとしても肉として国民の皆さん方の食卓の上にそれをのせることはありませんということを宣言をしたわけでございまして、そのことを私たちはきょう強く主張したところでございます。
○政府参考人(永村武美君) 基本的に今坂口大臣がお答えになったとおりでございますが、私ども農林水産省の立場からいたしますと、厚生労働省が屠畜場における牛のBSE検査を強化されるのと相呼応いたしまして、私どもは生産現場における、特に神経症状を示す牛でありますとか、いろんな事故で年間かなりの牛が死にますけれども、そういった牛に対してもBSEの簡易診断、これは厚生省と同じエライザ法を使った診断を適用いたしまして、最終的に動物衛生研究所の方で確定診断をすると。言うなれば、厚生労働省と相呼応した似たような形で、フィールドからもこのBSEのチェックを強化をしてまいりたいということが第一点でございます。 それと第二点は、今回も千葉の患畜のベースに生産農場でございます北海道、いろいろ追跡調査をいたしました過程の中でやはりいろんな困難にぶち当たったわけでございまして、できることであれば、今年度中に四百数十万頭日本で飼われております牛にすべて個体識別をすることによりまして、これらの牛がどこで生まれてどこで屠殺をされてという牛のこの流れをきちっと管理できる個体識別事業まで乗り出したいと。 こういったことを相補完的に行いながら、この安全宣言の趣旨を徹底してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○大脇雅子君 市場に出回る食肉についてはそのような御説明でございましたが、しかし消費者の不安としてはやはりこの感染ルートがわかっていない、そしてその原因究明の状況もなかなかにわからない。とりわけ、九六年以降、英国産ないしはEUから肉骨粉をどの期間どのくらいの量を輸入したのか、あるいは輸入元や国内販売元などは把握されているのでしょうか。そういった点がどの程度まで研究調査が進捗しているんでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) お尋ねの件につきましては、特に英国からの肉骨粉の輸入がいろんな形で今まで問われておるわけでございますが、これについてまずお答えをいたしますと、イギリスでBSEが確認されたのは一九八六年でございますが、一九八〇年以降、私ども貿易統計あるいは動物検疫所の統計におきましては英国からの肉骨粉の輸入実績はございません。しかしながら、英国から、要はヨーロッパの統計の中でイギリスから一九九〇年から九六年にかけまして三百三十三トンの肉骨粉が日本に輸出されていたと、こういう情報がございましたので、私どもこれまでも再三再四、在イギリス日本大使館を通じて調査をやりましたけれども、今までのところ解明できずという回答を得ておりました。しかしながら、今回、九月下旬にイギリスに担当官を派遣いたしましたところ、現地で大体次のような中身の確認ができたわけでございます。 まず、調査に行きましたのはイギリスの税関、税務局というところでございまして、数量は三百三十三トンではなく百六十六トンであるということ、しかもこの百六十六トンについては哺乳類の肉骨粉以外のものであることを明らかに示す書類が見つかりましたと、これが第一点でございます。 それから、三百三十三トンという原データの中に誤った品目コードを含むものがあったと、これは要すれば輸出業者による記入ミスや入力ミスであると、これはイギリスの方がおっしゃっておることでございます。さらにもう一つは、原データにおける仕向け先国のコードが間違っていたと。 こういうことで、百六十六トンという数字が得られておりますが、これはいずれもフェザーミールと申しまして、鳥の羽から高圧で加水分解をしてたんぱくをつくる、こういったえさになっておると、こういうことが明らかになっております。 さらに、委員が御指摘の、それ以外の国から入っておるではないかということにつきましては、現在、直近で日本が肉骨粉を輸入をいたしましたデンマークとかあるいはイタリア、あるいは一部迂回輸入の懸念を指摘されております香港とかタイ、こういった国々に今担当官を派遣をしておりまして、近々帰国してまいる予定でございますので、その結果を分析してまた情報を開示をしてまいりたいと、このように考えております。
○大脇雅子君 さらにもう一つ、昨年の十二月は、医療用具とか医薬品、化粧品の原料としてBSE発生の国産の材料の使用禁止の通達が出たわけですけれども、それ以前の今現在もう出回っている医薬・化粧品あるいは加工食品等に関する安全性というのはどの程度関心を持って調査されているのでしょうか、お尋ねします。
○政府参考人(宮島彰君) 先生御指摘のように、昨年の十二月の時点で、EUでのBSEの拡大を受けまして、医薬品、医療用具、医薬部外品及び化粧品につきまして、一つは原産国にかかわらず狂牛病のいわゆる危険部位の使用を禁止するということ、それから二つ目には狂牛病発生国または発生リスクが高い国の原料を使用禁止という措置を行ったところでございます。 これに基づきまして、医薬品、医療用具、医薬部外品につきましては、すべての製品につきまして各製造業者等が牛等由来原料の点検を行いまして、この十二月の措置を遵守するための一部変更承認申請をおおむねことしの三月までに行ってきております。 それから、このいわゆる一部変更申請の審査を通じまして、これらにつきましては品目ごとに平成十二年十二月の措置の遵守状況を私どもとしては確認しているというところでございます。 それから、化粧品につきましてはことしの四月以降、製造承認制度そのものがなくなりましたので、今申し上げました医薬品等のような一部変更承認申請による確認が行われるシステムというようなところは現在ございません。 ただ、いずれにしましても、現在、昨年十二月の措置に基づくこうした製品の切りかえ状況につきましては調査を行っているところでございます。
○委員長(阿部正俊君) 簡潔にお願いします。
○政府参考人(尾嵜新平君) 加工食品についてのお尋ねもございましたので、その点について私の方から御説明申し上げます。 これまで、二月からBSEの発生国からは牛肉を含めまして加工品もすべて輸入禁止という措置をとっているわけでございます。 今回、日本でBSEの牛が出てまいりましたことから、国内での流通の関係につきまして、十月五日に食品関係の団体を通じまして、牛由来の原材料を使用します食品の製造業者及び加工者に対しまして、あるいは委託を受けて食品を製造する者を幅広く対象としまして、特定危険部位の使用、混入の有無を点検するように指導をしておりまして、この通知に基づきまして保健所の方に報告をしていただくと。その場合に特定危険部位を含んでおると、それが非発生国であるかあるいは不活化をしておるか、そういった条件を満たさない場合には、原材料を変更するあるいは自主回収をしていただくと、そのような措置をとっていただくというようなことでお願いをしているわけでございます。 これにつきましては、本日、中間的な報告のまとめを厚生省のホームページでさせていただいているところでございます。公表をしておるところでございます。 また、全体につきましては今月末に最終的な報告を公表いたしたいというふうに考えているところでございます。
○大脇雅子君 そういう十分な研究・調査体制をしいてこの問題に取り組んでいただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○森ゆうこ君 自由党の森ゆうこでございます。 七月の参議院選挙で初当選させていただきまして、きょうが初めての質問です。どうぞよろしくお願いいたします。 子育ての現役世代ということで、私自身、大学生、中学生、小学生を育てる働く母親の代表ということで県民に選んでいただいたと思っております。 午前中の御答弁の中で大臣が、省庁再編のメリットはという質問の中で、子育て支援というところで非常にメリットがあるという御答弁がありましたので、私としましては非常に期待をさせていただいているところでございますが、家庭と仕事の両立に関して、大臣のまず基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 今お尋ねいただきましたとおり、女性が社会に出て、そして活躍をしていただきますためにはどういたしましても育児の問題それから介護の問題、これはもうこれを片づけることは基本的な問題だというふうに思っております。 そうした意味で、仕事と子育ての両立のできる体制をどうつくり上げていくかということが非常に大事でございまして、厚生労働省のプランにも新エンゼルプランというのがございますが、その新エンゼルプランにも今まで各般の施策を決めてきたところでございます。 しかし、それに加えて、今度は労働省の方も一緒になったわけでございますので、その子育ての問題と、そしてそこでお子さんを預けていただく皆さんが、今度はお仕事を持っていただくためにどうするかということをあわせてやっていこうと。一つの省庁としてあわせてできるではないかということを今申し上げているわけでございますし、そういう両方できる体制をつくり上げていこうというので一生懸命やっているところでございます。本年の七月に「仕事と子育ての両立支援策の方針について」というのを閣議決定いたしておりますし、九月に決定しました総合雇用対策におきましても、保育所の整備というものをその中に盛り込んでおります。 待機児童ゼロ作戦というのを打ち出しておりまして、年間五万人ずつ新しく保育所にはいれる皆さん方をふやしていこうと。三年間で十五万人ということでございます。現在、待機児童としてはそんなに数があるわけではございません。三万人から三万五千人ぐらいでございますが、三万人なり三万五千人の人たちに入っていただくようにしますと、また次にちゃんと三万人から三万五千人新しい人が出てくるものでございますから、そこは少し余分にとって十五万人という計算で今やっているところでございます。 それから、もう少し上の放課後の児童クラブの方も、一年間、年間八百カ所、そして三年間で二千四百カ所でございますか、そうしたものをふやしていこうというので、今、計画を立てているところでございます。 こうしたことを行いながら、皆さん方の御要望におこたえをしていくそのステップを一歩一歩上がっていきたいというふうに考えているところでございます。
○森ゆうこ君 進んでいるということで、確かに以前よりは子育て支援も充実してきているのかなという感じもしますが、でも実際にはまだまだ本当に安心して子育てをしながら仕事が続けられる環境にない。実際、子供を持って、そしてフルタイムであろうとパートタイムであろうと仕事を両立させていくというのは本当に並大抵のことではありません。 そして、今回、緊急雇用対策としても学童保育の充実ということでプランができているようですけれども、私はついこの間まで地方議員でしたけれども、せっかく国の方で予算措置をされても、いろいろ縛りが多くて、実際に地方におりてくるとすぐに使えないと。その辺のところで条件の緩和というものがあるべきだなと思います。 そして、今、社会の仕組み自体、さっきワークシェアリングという話もありましたけれども、そもそも一家の大黒柱のお父さんが働いて、そして会社が母親、そして子供たちの分もそっくり福利厚生、面倒を見るというような形になっているわけで、社会保障も世帯単位という部分があると思います。もう家族の形態も変わっておりますし、そしてグローバリゼーションの中で日本の賃金体系の高さというものがまた国際競争力をそいでいると、そういう部分もありますので。 そして、私自身、雇用のミスマッチという言葉は、何かいつの間にかひとり歩きしているようで自分自身としては余り認めたくないんですけれども、雇用のミスマッチがあるとすれば、実際、例えば今まで八百万円の年収のあった人が、求人してみると今不況で五百万とか、その程度の仕事しかないと。もしこれが仮に、その家族が夫婦ともに働いていれば、別に一家全員のための収入を得る必要はないわけですから、家庭経営のリスクの分散という意味でも、男女が家庭生活を維持しながら仕事を続けられる社会の環境というものを整えるということが急がれるのではないかと思うんですが、特に今回、緊急雇用対策ということで出されている学童保育等の補助金について、もっと条件を緩和するということはお考えではないでしょうか。その点についてお答えをお願いいたします。
○国務大臣(坂口力君) 放課後児童の場合には、今まで年齢等がかなり制限されておりまして、なかなか使いにくいという御要望があったわけでございます。これは、地方から一番何が多いかというと、これが一番多かったわけでございます。 今回、小規模クラブというものの国庫補助要件を緩和いたしまして、そして十人以上二十人未満、十人ありましたらそれはおやりいただいてもいいと。今までも過疎地にはあったんですけれども、そうでないところはなかなかこれが認められなかったわけでございますが、都市部でありましても少人数でも結構ですということでございます。 こうした要件の撤廃をもう少し、ほかにももしあれば、またできるだけやっていきたい、できるだけ使いやすいものにしていきたいというふうに思っているところでございます。
○森ゆうこ君 今のお話も存じておりますけれども、その条件の緩和についても、すぐにということではなくて、一応来年度から全体的に実施する、とりあえず今年度は拠点づくりという、小規模なものになるというふうなお話を伺っています。でも、実際、今本当に不況の中で、やはり子育て中ということで非常に不利なんですね。リストラの対象になりやすいというものもありますし、実際、子育てをしながら仕事を続けている人たちにとっては今すぐ対策が欲しいわけですから、公共事業の前倒しというのはよくやる話ですし、緊急の課題についてはどんどん前倒しして対策を講じていただきたいと思います。 また、補助金については、これに限らず、ほとんどのものが本当に規制が多くて実際使いにくい。今、構造改革ということがちょっとテロ事件でかすんでおりますけれども、構造改革の一つの一番大きな根幹をなすものは、やはり中央集権から本当の意味での地方分権、ひもつきの補助金ではなくて一括して地方に財源をおろすという、そういうところから始まるものだというふうに私は思っておりますので、またよろしくお願いいたします。 次に、先ほど来御質問のありましたBSE、狂牛病について質問させていただきます。 今回、この狂牛病の問題が我が国で初めて起こったのであれば、農水省を初めとするどたばた劇もある程度仕方がないことなのかもしれないということは言えるのかもしれませんが、狂牛病の問題について、既に英国である程度いろんな試行錯誤の末に、それが奏功して終えんに、終息に向かっているというような事例でして、当然日本においてもこの可能性というものはあったわけで、それについての、日本での狂牛病発生についての現場で危機感というものをどの程度持たれていたのかどうか。それに基づいてある程度シミュレーションをしておけば今回のようなどたばた劇は起きなかった、今回のように消費者の不安をあおり、そして関連業者が本当に多大な被害を受けるようなことはなかったのではないかと思っております。 特に、一九九六年以降、食の安全を保障するという厚生省の立場で、現場ではどのような危機感を持たれて、どのような対策を講じるべきであるというふうな御議論がなされていたのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 一九九六年、平成八年でございます、BSEの人への感染性が指摘をされた年でございまして、それからこちらへさまざまな施策をとってきたところでございます。 まず、平成八年の三月から英国産の牛乳及び加工品等の輸入自粛を指導いたしまして、これは午前中も申しましたように、その前の年ぐらいからEUでは英国のものの輸出を禁止いたしております。これは口蹄疫ほかの病気のこともございまして禁止をしていたわけでございますので自主的に、これは日本にはもう自粛といいましても入ってこなかったというふうに理解をしていただいていいかと思います。その後、EU諸国におきますBSEの急増、英国だけではなくてその周辺の国々に対しましても、周辺と申しますか、ヨーロッパの国々に対しましても、BSEのヨーロッパの諸国への拡大を受けまして、そして本年二月にはEU諸国からの輸入を食品衛生法に基づきまして禁止をいたしております。 それから、食べるものではございませんで、肉も含めてでございますが、薬品でありますとか、あるいは化粧品でありますとかといったものにつきましての原材料、それから製品等につきまして、昨年の十二月から、十二年の十二月からこれは禁止にしたところでございます。そのほか、平成十三年、ことしになりまして二月からはさらにより具体的にさまざまな施策をとってまいりました。 これらの施策を通じて、我々も外国から入ります材料につきましてはかなり目配りをいたしておりましたが、国内におきますものをどうするかという、国内では出ていなかったものですから国内の対策がどちらかといえばおくれてきた、外国からの輸入するものの制限ということでは一生懸命にかなりきめ細かくやってきたということでございましょう。
○森ゆうこ君 素人が考えても、本当にいろいろなものが自由に行き交う時代ですから、いずれ日本でもこの狂牛病が発生するだろうという、そういう予測はできたと思うんです。そういう危険、危機意識が今の御答弁ですとなかったということになるんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) 御承知のとおり、BSEはBSEに感染をした牛の肉骨粉を通じて感染をしていくということでございまして、委員御指摘の点について二つほど私からお答えをさせていただきますが、一つはこの肉骨粉の海外からの輸入に当たりまして、九六年以降というよりも九〇年以降、私ども現在OIEの基準でございます百三十三度、三気圧、二十分、この加熱条件をクリアしたものでない限り輸入をさせないということで、輸入をする相手国との間できちんとした衛生条件を結んだ上で輸入をさせてきた経緯が一つございます。もちろん、ことし一月からはEUからの肉骨粉の全面輸入停止をしたところでございます。 二点目はえさの問題でございます。これは九六年にもこの肉骨粉を牛のえさに使わないようにということで指導通達を出したわけでございますが、これとあわせて工場に対する立入検査を実施いたしましたり、あるいは都道府県における講習会を通じて農家への巡回指導、これはやってきたということでございます。 残念ながら、これらの措置を講じたにもかかわらずBSEが発生したということは大変我々も残念なことと受けとめておりますけれども、現段階で今申し上げたような指導を、法制度の規制に変えたり、全面的に肉骨粉の全世界からの輸入停止を決めたり、あるいは鶏、豚にも肉骨粉の給与を法律で規制したり、こういった措置を講じたところでございます。
○森ゆうこ君 つまり、やはり発症するであろうという危機意識、発症したらどうするという対策を考えていなかった。とにかく問題が起きないと何も始まらない。これは、今回のテロ対策法をこのどたばたの中でつくろうとしていますけれども、同じ体質ですよね。政治、行政の責任、何か起きないと物事が進まない。今回のテロの問題に関しても湾岸戦争の後できちっと議論をしておけば、こんな状態で、原理原則もしっかりと議論しないままこんな法律をつくるということもなかったわけです。狂牛病も同じじゃないでしょうか。全く同じ体質、同じ構造から起きる問題ではないでしょうか。 この危険性が認知されていなかったということが、そうであるとすればそれは問題だと思います。そして、危機意識がもしあったとすれば、そうあるべきだと思いますが、対策をとられなかった。これは、先日、薬害エイズの問題で不作為の罪というのが問われましたけれども、今回のこの狂牛病ではだれが不作為の罪を問われるべきでしょうか。大臣、お答え願います。
○国務大臣(坂口力君) 不作為が問われましたのはハンセン病でございまして、エイズではございません。 それで、今回もだからいろいろな手を打ってまいりましたのは、それはやはり日本の国に感染したものが入ってきたとき、あるいは日本の人が感染をしてはいけないということでいろいろな手を打っているわけです。今日までまいりました。しかし、牛の方で不幸にして一頭入ってきたということでございます。 これは全然何もやっていなくて入ってきたということではなくて、今、農林水産省の方からもお話がありましたけれども、それはいろいろな手を打っていた、打っていたけれどもその中をくぐり抜けて入ってきたということだろうというふうに思いますので、かくなりました以上はこれ以上日本の国の中においてBSEが発生しないようにどうするかという次の手を打たないといけない、そういうふうに思っております。
○森ゆうこ君 もう時間がありませんので、加工品についても聞きたかったんですけれども、それであれば、今回、加工食品について出された通達の中で、私は一点問題点を指摘したいと思います。 三ページ目なのかな、ただし、特定危険部位であっても、原産国がOIEに報告されたBSE発生国以外の国であるものについては報告の義務はないという部分があるんですけれども、BSE発生国以外でも来月にBSE発生国になる可能性はあるわけですよね。 なぜ、わざわざここにこんな逃げ道を入れたんでしょうか。そして、加工食品の肉エキスの生産現場、ほとんどは下請です。その現場の状況はおわかりでしょうか。その人たちに自主検査というようなことで任せて大丈夫なんでしょうか。その現場を御存じなのかどうか、もしお時間があればお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(尾嵜新平君) 御指摘の点につきましてはこれまでも、先ほど輸入食品につきまして肉を含めまして加工品も含めてのお答えを申し上げましたが、BSEが発生した国からは一切そういう加工品も含めて輸入を禁止しているという状況でございます。 そういったことから、BSEの発生していない国につきましてはそういった牛肉等が入ってきているわけでございます。そういうものにつきまして、貿易上の関係から申し上げまして、なかなかそういったものについてある部分はだめというふうなことは貿易のバランス上は難しいという点がございます。 御指摘のような点について今後どうしていくかという点については、私どもも少し考えさせていただく必要があるのではないかというふうには思っております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。 二十一世紀は平和で希望の持てる世紀と言われておられましたが、大変な世紀になってまいりました。私の方からは、日々の生活もこれまた大変だという観点から、介護保険についてお伺いをしたいと思います。 今月から高齢者の保険料の満額徴収が始まったわけですけれども、まず大臣の認識からお伺いしたいと思うんですけれども、私も八月に二人目の孫ができたわけですけれども、親子四代同居しております。今この世に生を受けた者、それから生を全うしようとする者、そして中間世代にある私たち夫婦、ともに生活をするわけですけれども、それぞれの世代における役割の責任をつくづく感じているわけですけれども、そうした中で私の父親と妻の母親はともに要介護状態であります。この父と母については家族による介護と介護保険サービスの利用によりまして介護をしている状況でございますけれども、そうした実体験も踏まえまして考えることですけれども、確かにこの介護保険によるサービスを利用することによりまして相当大きな負担の軽減になっていることを痛感しております。ありがたいことだと思っております。 要介護老人がいる家庭においては実際のところ要介護者中心の生活にこれはならざるを得ませんし、それが現実です。例えば、排尿、排せつでありますとか、体位の変換など介護の実施時間が予測できないわけです。大体二時間から二時間半ぐらいで、夜中もみんな交代制でやるわけですけれども、閉会中などはもちろん私も手伝ってやるわけですけれども、絶えず注意を払わなければなりません。また、ほぼ寝たきりの状態になりますと、家族が介護するにしても相当な介護の知識、技術、そういうものが必要になってまいります。 もちろん、本人の意思、希望をかなえてあげたいとの思いで家族は一生懸命いろんな介護をやるわけですけれども、正直申しまして、その長い介護生活の間には、施設に預かってもらおうかな、毎日そういう生活を繰り返しておりますと、いつまでこういう生活が続くのだろうか、そうした思いを持つことがあります。 そうした中で、現実の問題といたしまして、介護保険制度の導入後において施設志向が上昇傾向にあると言われておりますが、もちろん介護保険の導入によって費用負担がフラットになったことであるとか、措置制度時代とはイメージ的にも随分と変わったということもございます。 まず、こういった傾向について大臣に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 介護保険がスタートいたしましてから、もちろん、今お話がございましたとおり、介護によって在宅介護がかなり進んでいることも間違いはございません。数字の上から見ましても在宅介護が進んできておりますが、しかし在宅介護だけではなくて、やはり依然として施設入所というものに対する要望というものも、これもまた強いことも事実でございます。これは、かなり本人がそう思うかどうかということと、あわせて家族の対応と双方あるというふうに思いますけれども、しかし個人にとりましては、介護をしてもらう方といたしましては、在宅で介護ができるようになってきたということは非常にこれは大きなことであり、そしてその人数がふえていることも私は事実だというふうに認識をいたしております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 先月、敬老の日もございまして、毎年寄せていただいておるんですけれども、老人の福祉の施設へたくさん寄せていただきました。現場の方々と勉強させていただいたり、そしてまたタレント議員としての部分では楽しんでいただいたり、いろいろと訪問させていただいておるんですけれども、我が家の親もショートステイなども利用させていただいておるんですけれども、施設に伺う機会も多いんですけれども、本当に福祉の現場の皆さん方、施設長さん初め職員の方々は本当に一生懸命頑張ってくださっております。本当に頭の下がる思いですけれども、一方でお年寄りの姿を見まして、もう三十年以上私も寄せていただいておるんですけれども、本当にだんだん自分の親が年をとってまいりまして、九月の月に思ったのは、みずから望んで施設の生活をされている人が本当にどれぐらいいらっしゃるのかなというふうにふと疑問を持ちましたし、しかしお体のぐあいはもちろん、それぞれの事情にもよって違うわけですから、家族にとりましてもやむにやまれない複雑な思いというのもあると思います。決して割安感であるとか安易な施設志向という一言で片づけられることではないと思います。その意味では、なお一層在宅サービスを伸ばして、在宅での介護を支援するためにはどのような方策が考えられるのか、またそうした検討が大変に重要であると、こういうふうに僕は思うわけです。 そこでお伺いしたいんですけれども、現在までのこの施設サービスと在宅サービスの利用者と費用総額を比較した場合はどうなっておられますのか、政府参考人にお伺いします。
○政府参考人(堤修三君) ことしの十三年四月のサービス分という一番直近のデータを見てみますと、利用者数でございますが、施設サービスを受けておられる方が約六十五万、在宅が百四十二万、在宅が施設の倍という感じでございます。それから、一月の給付額を見ますと施設が約二千億、在宅が一千二百億ということで、これは逆に施設の方が二倍近い額というふうになっております。 この利用者数、給付額、それぞれ去年からことしにかけましてふえてきておりますが、特に十三年度四月以降は在宅サービスの伸びが大きくなってきておる、そういう傾向にはございます。
○西川きよし君 ありがとうございます。 在宅サービスと施設サービスの利用者の割合と費用の割合が逆になっているということでございますけれども、例えばこの不均衡を調整する一つの方策として、特別養護老人ホームなどにおいてホテルコストの負担の問題が検討されていると思うわけですけれども、このホテルコストを徴収することについては、対象施設の範囲でありますとか、またその水準をどうするのか、結果といたしまして低所得者の施設利用を困難にするんではないかなというふうにも思うわけです。非常に対応が難しい問題であるのではないかなというふうに思うわけですけれども、この不均衡については政府といたしましてはどのようにお考えでしょうか。御答弁をお願いします。
○政府参考人(堤修三君) 特養ホームは入居者にとりましては生活の場でございますので、その居住環境を抜本的に改善をして人間の尊厳を重視したケアというものを実現するという意味で、平成十四年度の概算要求に個室・ユニットケアを特徴とする新型特養ホームの整備を要求をしております。 この新型特養ホームでございますけれども、個室とかあるいは小人数での家庭的なスペース、こういう部分につきましては一般の住居に近い環境で生活ができるということになりますので、こういう部分に関しますホテルコストを御負担をしていただくということを考えております。これは御指摘のように、この結果として在宅と施設の利用者負担の均衡を図るといいますか、そういう不均衡が少し是正されるということにもなります。 ただ、今、先生御指摘のように、低所得者の方は個室に入れないということではいけませんので、こういう方々が新型特養の利用が阻害されることのないように負担の軽減の措置がやはり必要ではないかということで、その具体的な方法につきましては、今これから介護報酬のあり方を審議する介護給付費分科会という審議会をスタートさせますけれども、その中で御議論をいただきたい、検討していただきたいと考えております。
○西川きよし君 ありがとうございました。 今の御答弁のように、低所得者の皆さん方のこともお考えになりまして、どうぞひとつ細やかによろしくお願いしたいと思うわけですけれども。 お年寄り御本人ができる限りおうちで暮らしたい、そのように願うのは当たり前ですけれども、できる限りの支援をしなければいけない、それが介護保険のそもそもの役割であると思うわけですけれども、そうした中で、要介護認定を受けた方の中で約五十万人の方が介護サービスを利用されていない、あるいはサービスを受けている人の中でも限度額いっぱいまで利用されている方はわずか数%であると。平均をいたしまして四割程度の利用でとどまっているということでございます。家族介護の負担を軽くしていただくためにも、いかにしてできる限りの在宅サービスを使っていただくかということも今後の重要な課題の一つではないかと思います。 例えば、我が家の場合ですと、デイサービスの利用の場合は、これについてはどうしても引きこもりになりがちなんですけれども、本人のことを思って僕ら夫婦は勧めるわけですけれども、特に僕なんかは父親にも母親にも外へ出てみろということで勧めるわけですけれども、このデイについては本人も比較的、朝出れば夕方には帰ってこれるというようなこともございまして、積極的にとまではいかないんですけれども行ってはくれるんですが、ショートステイになりますと、これが正直申し上げまして、やはり我が家のことですから言えるんですが、介護する側、我々家族というよりも、たまには娘や嫁や、そしてまた家内を休ませてやりたいなというような思いでショートステイにお世話になるという機会もたびたびございます。 この利用を父親や母親に勧めるわけですけれども、デイには行ってくれるんですが、ショートとなりますとなかなか本人たちもやっぱり抵抗があるようです。やっぱり寂しい、できることなら行きたくないというようなことも申します。そういうときには大変困るんですけれども、大変難しい部分がたくさんあります。そこはできる限り話をして、親にも理解をしてもらい、家内の母親にも理解をしていただくように話はするんですけれども、いろいろな今もお話を聞きまして、決して我が家だけのことではこれはないな、このあたりにいたしましても、利用したくても利用できない、そんな事情も一つあるのではないかなというふうに感じます。 そこで、何でもかんでもということではありませんが、やはりこうした点におきましても、特にケアマネジャー、ケアマネジャーさんの役割が本当に大変大きいものだというのは実感いたします。在宅サービスの利用促進に向けたケアマネジャーの役割、そしてまた介護報酬面です。 この介護の報酬面も含めたケアマネジャー支援のあり方について大臣はどのようにお考えになっているか、ここでひとつ大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 全国各地域にお邪魔いたしますごとに、私もこの老健施設でありますとかあるいは特別養護老人ホーム等にお邪魔をさせていただきましたり、それから介護施設等にもお邪魔をさせていただいて現状をお聞かせいただいております。 そういたしますときに、一番やはり出ますのが、今、先生も御指摘いただきましたケアマネジャーの件でございまして、ケアマネジャーが現在決められている人数だけこなすのは大変だと、せいぜい一人当たり三十名ぐらいが限度ではないかというようなお話がどこに行きましても出ることは事実でございます。 そういたしますと、このケアマネジャーというのが非常に大きな役割を果たすことは私ももうそのとおりというふうに思っておりますが、その仕事の内容と、そしてこのケアマネジャーに対する報酬と申しますか、与えられるものと、そうしたものをもう一遍少し基本的に見直していくことがやはりこれは避けられないのかなというふうに私も感じながら各地域の話を聞いているところでございます。
○西川きよし君 ぜひよりよい方向へよろしくお願いを申し上げたいと思います。 大体、今、大臣が三十名というふうにおっしゃったんですけれども、大体、今、皆さん方現場では五十名ぐらいのお仕事をなさっておられますし、せいぜい三、四十名かな。また、中身のお仕事の部分もいろいろお伺いしますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、老人保健施設のあり方についてお伺いをいたします。 この施設につきましては、介護者の負担の軽減、あるいは在宅復帰が他の施設に比べても最も期待される役割を担っていると思うわけですけれども、このところ逓減制の廃止ということもありまして、本来の中間施設の役割よりも第二の特別養護老人ホーム、特養とも言われているぐらいこの入所期間が長期化をしております。 今後は、こうした現状を踏まえまして、その役割を再検討していくという考えであるのか、それとも本来の中間施設としての役割でいくのか、この老人保健施設の今後のあり方でございますけれども、大臣はどのようにお考えであるのかお聞かせいただきたいと思いますし、あわせて、施設サービスの利用対象者を要介護四、五に限定すべきではないかという意見も一部には出ているようでございますが、こちらはいかがでございましょうか。
○国務大臣(坂口力君) ことしの八月に開かれました、これは東京で開かれたわけでございますが、全国老人保健施設協会の大会がございまして、私もお邪魔をさせていただきましたが、「老健施設のアイデンティティの確立を求めて」というのがテーマになっておりました。 ここでのお話を伺いますと、やはり老人保健施設は老人保健施設としてこれからもやっていくべきだと。やはり特別養護老人ホームと役割が違うということを強調しておみえになったように私には思えました。やはりそういうふうに皆さんが、現場の皆さんがそういうふうにお取り組みをいただくということは大変私は結構なことではないかというふうに思っております。 できる限りやはり病院から家庭に帰していただく中間施設としての役割をぜひともこれからも果たしていただけるようにしなければならないというふうに思っておりますが、これはなかなかそこに入院をしておみえになります御本人あるいは家族がやはり帰りたくないという一面もあるわけでございまして、それを一体どうするか。もうおうちの方も受け取りたくないという気持ちがあるのも、そこをどうするかという問題も実はあるわけでございまして、それらの点を十分に勘案しながら最近はこうした在宅介護の問題もでき上がったわけでございますので、そこをセットにしてこれからどのように進めていくかという、そこがこれからのポイントになってくるだろうというふうに思っております。
○西川きよし君 今、本当に考えながら、大臣も悩んでおられるような御答弁でございますが、まさしくそんな内容の課題であると思います。よろしくお願いいたします。 次に、介護費用の所得控除制度についてお伺いをいたしますが、現状は医療費控除の対象ということで、その効果も余り実感としてないという声が非常に強いわけですけれども、やはり施設サービスの利用に比べて、在宅サービスの場合、保険外の負担も合わせますと大変に家計を圧迫いたします。そういう意味でも、今回の要望につきまして、ぜひとも実現をされますようにお願いをしたいと思います。 また、かねてより要望し、御質問もさせていただきました寝たきりの方のおむつ代の控除についてでございますが、医師の証明書の簡素化につきましても引き続き御検討いただきたいと思いますが、これは政府参考人に御答弁いただきます。
○政府参考人(堤修三君) 介護費用の税制上の問題でございますが、十二年度の税制改正で一定の要件を満たす介護サービスについて医療費控除の対象とするという形で認められたわけでございます。 今回は、再度、十四年度の税制要望ということで、真正面から介護費用に関する所得控除制度の創設を要望いたしております。他のいろんな人的控除との関係など、いろいろ確かに難しい問題はございますけれども、医療サービスとの均衡、バランスという観点からもやっぱり重要な課題でございますので、私ども引き続き税務当局と議論をしていきたいと思っております。 それから、おむつの問題でございますけれども、従来はお医者さんの証明書の発行日、発行された日以降のおむつ代に限り控除が認められていたわけでありますが、この七月から、国税庁ともいろいろと御相談をして、証明書が発行日以前であっても、お医者さんが実際に必要だと認められた日以降の、そこまでさかのぼっての費用が認められるというふうな改善が行われました。 さらに、先生御指摘のように、手続自体もう少しさらに簡素化できないかということは、今申し上げました十四年度の介護費用の所得控除制度創設を要望しておりますので、その中でこの手続の簡素化についても引き続きまた税務当局と議論をしていきたいと考えております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願い申し上げます。 最後の質問になりますが、介護保険料の税控除についてお伺いします。 ただいま、生計を一にする扶養親族の保険料について、年金から保険料が天引きされている場合は扶養者の社会保険料控除の対象とはならないことになっております。年金から天引きされている場合は、本人が支払ったものであって、扶養している親族が払ったものではないという理由のようですけれども、これはわずかな年金で生活ができないので扶養されているわけですし、その天引きされた分は当然のこととして扶養者の負担となるわけでございます。ここはそういうしゃくし定規にするのではなく、社会保険料控除の対象にすべきであると私は思うわけですけれども、直接的にはこれは財務省の判断になると思うわけですけれども、今回は厚生省のお立場からお考えを最後にお聞かせいただいて、終わりたいと思います。政府参考人、お願いします。
○政府参考人(堤修三君) 社会保険料控除の扱いでございますけれども、年金から天引きをするという場合には御本人さんに対する年金から天引きをするということで、扶養者の控除にはならない扱いになっているのは御指摘のとおりでございまして、先生御指摘のような形で扶養者に対する控除として認めるべきではないかという意見もいろんなところから私どもも聞いております。 ただ、今言われましたように、まさに税法そのものの問題でございまして、私どもも税務当局の方にもいろいろと照会してみたりするわけでございますけれども、所得税法の決まりからいきますと、社会保険料控除が現に保険料を支払った方、天引きをされる場合にはお年寄り御本人が支払ったわけでございますので、その所得から控除するということになるということで、扶養義務者、扶養者から控除するというのはやっぱりなかなか難しいというのが税務当局の見解でございまして、その理屈は確かにそうかなということもありますし、また実務的にもなかなか難しいという話も税務当局から聞いておりまして、確かに実態とすれば先生御指摘のようなこともあるし、あるということはよく承知をしておりますけれども、なかなか今攻めあぐねている、どういうふうなポイントで考えていったらいいのかというのを今攻めあぐねているというような感じでございます。なかなか税務当局の壁は厚いような感じがいたしております。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いします。 終わります。
○委員長(阿部正俊君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時三十三分散会