経済産業委員会 第4号
- 発言数
- 200 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/11/29
会議録
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、緒方靖夫君が委員を辞任され、その補欠として池田幹幸君が選任されました。 ─────────────
○委員長(保坂三蔵君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び新事業創出促進法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局長原口恒和君、金融庁監督局長高木祥吉君、厚生労働省職業安定局次長青木功君及び中小企業庁長官杉山秀二君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(保坂三蔵君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び新事業創出促進法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○魚住汎英君 おはようございます。自由民主党の魚住汎英でございます。 きょうは、平沼大臣を初め村田副大臣に御出席をいただき、古屋副大臣も御出席をいただいておりまして、日ごろの御苦労に対して心から敬意を表したいと存じます。 まず、皆さん方があらん限りの力を振り絞って現下の経済不況を何とか克服したい、こういう思いで努力をし、なおかつ苦悩しておられることに対しては痛いほどわかっておる者の一人として、あえてきょうは幾つかの点について質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。 まず、今、選挙区や数多くの国民の皆さん方の日ごろの政治活動の中での私たちに対する御意見というのは、政治家は何をやっておるんだ、我々が死んでしまった後にいろんなことをやろうと思ったって、人がいなくていろんな施策ができるわけがないじゃないかと。 私は小泉さんの言う聖域なき構造改革というものを決して否定するものではないんですけれども、やはりそれには時間とそして事々におけるいわゆる問題の大小があるわけでありますから、そういうことであるならば時差をつけながら順次に物事を進めていかないと、今みたいな形で同時一律的に水平切り、こういうような形での物事の処し方においては、もう我々が想像もできないような社会現象の中で、人間の人倫を踏み外したような行為が盛んに行われておる。これは私は政治の責任ではないかと思うんです。 そういうことの中において、今回、平沼プラン等をおつくりいただいて、新規創業を守り立てていこうじゃないか、こういうお気持ちで物事に対処しておられることに対して、まさに我が意を得たりということで最大の賛辞、賛意を表するものでありますけれども、そこに行きますまでの間のいわゆる中間的な物事、申せば真面目にこつこつとそれぞれの、そんな大きな望みじゃなくて、自分たちの生活を守り、そして地域の人たちに余慶を及ぼすことにおいて自分たちの生活が確保できる、そのことにおいて自分たちが今日まで世々代々にわたって存立をしてきた、そのことまでもだめにしてしまっておる。言うならば、善意の方々に対する社会の今の実態からのいわゆる加害ということがあることはもう御承知だと思うんです。 ですから、そういう面について、私は今真面目にやった人たちに対して何らの手だても行われていないという感を持つわけでありますから、もちろん政策としていわゆる経営支援としてのセーフティーネットの構築を初めとする、また経営革新をやろうとする人たちに対しての革新の支援、新しい分野についての創業支援等々もいろいろと考えて施策をやろうということでやっておられることも十二分に承知をした上で申し上げておるわけでありますが、現在のまず経済情勢、好況であるか不況であるか、それで社会のひずみの中で今どういうことが行われておるか、基本的な大臣のお考えをまずお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。 魚住議員の御指摘について私なりの認識を申し上げさせていただきたいと思います。 今の日本の経済というのは、御指摘のとおり非常に厳しいものがあると思います。特に、世界の景気が非常に厳しい状況の中であの九月十一日の米国における同時多発テロ、これがさらに世界の景気動向を悪化させた、その中で日本は消費が伸び悩み、そして設備投資も鈍化をする、それから企業の収益性も著しく落ちている、そういう中で全体の九九・七%を占める中小企業の皆様方が大変苦労をされている、こういう形で、私の今の景況認識というのは委員と同じように非常に厳しい、こういう認識であります。 そこで、やっぱり一生懸命真面目に頑張っておられる方々、特に中小企業の皆様方に対して経済産業省としてはでき得る限りのことをしていかなければならない、こういうことで、バブルの崩壊の後、特に九六年、七年あたりから厳しくなってきた景況に対して、委員も御承知のように、特別保証制度というものをつくって対応させていただき、大変私はある意味で成果があったと思っています。 これは異例、特例の措置ということで三年間、本年の三月三十一日で打ち切りましたけれども、しかしその後さらに保証制度というものを拡充し、そして今御指摘のように、本当に真面目にやっている方々に対してはでき得る限り支援の手を差し伸べなければならない、こういうことで今回お願いをしている売り掛け債権に着目した新たな保証制度を創設する。 それからまた、バブルのときに土地、株、そういったものの騰貴の中で、生業はあるんだけれども非常に厳しい立場に置かれている、そういう方々に対してはいいところに着目をしてそしてさらに頑張っていただく、こういう形でDIPファイナンス、こういった制度もやらせていただいているところでありますし、また将来に対しては、足元にはそういう雇用不安等に対してはきめ細かな対処をしなければいかぬということで、厚生労働省と八月に話し合いをいたしまして、全国の九拠点でタイアップをしながらきめ細かい対応をさせていただいています。 そしてさらには、新しく業を起こして、そして日本はイノベーションをやりながら競争力をつけて空洞化を防いでいく、こういう観点から、新たに新規に事業を起こしていただくそういう意欲のある方々に、今までは非常にいろいろハードルを設けて厳しい条件の中でなかなか新規創業が立ち上がらなかったんですけれども、そうしたことを改めまして、意欲ある方で事業計画がしっかりしていれば新規事業を起こしていただこうじゃないか、このことも今国会でお願いをしているところであります。 そして今、政府が実行しつつあります改革先行プログラムに基づきまして、経済産業省といたしましては、雇用ですとか御指摘の中小企業のセーフティーネットの構築に万全を期していく、こういう形であらゆる力を結集して、今の厳しい状況の中ででき得る限り私どもは頑張らせていただこう、そういう認識でやらせていただいているところであります。
○魚住汎英君 もうすべてわかっておられる大臣にいろいろ申し上げるのは本当に恐縮なんですけれども、私が思いますのに、いろんな知恵を出していろんなことが制度として法律として制定をされ、ただそれを国民サイドから見た場合にかなり意識の差があるんですよね。そういうことになりますと、その意識の差をどうやって埋めるかというと、いろんな方法があると思うんですけれども、それにはそれぞれ国民の皆さん方に団体へ加入していただく。例えば、私は商工会連合会の役員でありますが、商工会の会員になっていただく。都市部においては会議所の会員になっていただく。こういうような形でいろんな施策を、こういうものがありますよということを国民に知っていただく。 ところが、ここで議論されたことと国民サイドで受け取るそこの中の意識の差というものがたくさんあるわけでありまして、その辺のところも、これは今つくられておりますいろんな中小企業施策の中で、例えば経営指導員の経営指導実態、またその教育、研修、そういうようなものもやっぱりしていかなきゃならぬというのは我々の立場なんですけれども、どうも国会で議論されたことと現場でなされておることの中に大変な乖離がある。これはもう皆さん方ほとんどお気づきだと思うんです。 例えば、今度の狂牛病対策の問題等についても実は融資制度なんというのができた。ところが、いわゆるマイナスの二〇%でなければ、二〇%をアッパーリミットとしてそれだけしか貸さないなんということはどこにも決めていなかったと思うんですけれども、現実としてはそういうようなものが出ている。これは後ほどまた質問しますので御答弁いただきたいと思うんですけれども、基本的にここで議論されたことと国民サイドのいわゆる受け取る側の間に大変な大きな乖離があるというところにも、私はやっぱり今政治に対する不信感というものがあちらこちらで出ておることの最大の理由だと思うんです。 ですから、今度の売掛金をいわゆるもととした債務保証、債権を担保とした新しい制度なんというのはこれはもうよっぽどPRをしていかないと。例えば、制度ができました、じゃ、どれぐらいでというか、どういう形で評価をするのか。こういうような形になってきますと、例えば信用保証協会が評価をするというときに信用保証協会にそれだけの果たして能力はあるのか。じゃ、何をもとにして何がその何%なんだ、こういうようなことのいわゆる小まめな現場における利用のしやすい形での解説というものがなきゃ私はできないと思うんです。 そういうことについてどこまで物事が詰まっておるかというのを、今どういう形でどういう、これはもう中小企業庁長官でいいんですが、ぜひお答えいただきたいと思うんです。 ですから、せっかくこういう形でとにかく今の苦境をみんなで乗り越えようじゃないかと、こういうことで物事ができ上がっていくんだけれども、それが正しく国民に伝わらない、こういうような形になっていくということは何なのかと。これは今までつくられた法律制度もいっぱいそんなのがある。ところが、こうやって新しくせっかく苦肉の策で、もうこれは苦肉の策なんだ、これはだれが考えたか知らぬけれども本当にうまいことを考えたなと私は思っているんだけれども、じゃ、これが国民に正しく伝わる、その方法、そしてまた現場の信用保証協会なりなんなり、仕事を実際に実施する人たちのいわゆる感覚をどうやってきちんとしたものにしていくかという教育、その辺のところをぜひお聞かせをいただきたいと思うんです。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘がございましたように、この売掛金債権担保保証制度も中小企業の方にできるだけ幅広く、いわば使いやすい格好でもって幅広く使っていただきたいという基本的な認識に立つのが重要だという点は、先生御指摘のとおりだと思います。したがいまして、今私ども実務の運用にまず当たりましては、どういう具体的なルールで行うのか、これについて細目を早急なことで今詰めております。 具体的に申し上げますと、幅広く売掛金債権担保保証制度を御活用いただくとなりますと、個別の案件につきまして売掛金債権に伴うリスクをどう評価するかという問題が出てまいります。これは具体的には、一つは財務にかかわるリスクの問題がございます。それからもう一つは、例えば二重譲渡が行われないかとか、あるいは知らないうちに相殺されて債権がなくなってしまうようなことがないかといったようないわば法律的な意味でのリスクといったような二つの観点がございます。 私どもといたしましては、この二つのリスクの観点をどうやって判断するか今実務者で詰めておりますが、その両方の観点を総合的に評価いたしまして、担保価値としての割合をきちっと判断をするといったようなことをしたいと思っております。それによりまして、できるだけ幅広く、例えば極めて優良な売掛金債権だけを対象とするというようなことのないように、幅広く使われるようにいたしたいと思っておるところでございます。 それからまた、PRといいますか、幅広く中小企業の方々にこういう制度を認識していただくということが重要であるという御指摘も全くそのとおりだと存じます。したがいまして、法律をお通しいただきまして、細目が詰まり次第、ありとあらゆるルートを使って、例えば商工会議所、商工会のルートも活用させていただきたいと思っておりますし、その他さまざまなありとあらゆるルートを使ってこの周知徹底といいますか、広く中小企業の方々にPRをして御活用いただくように促すというふうなこともやっていきたいというふうに考えておるところでございます。 いずれにしましても、制度をつくってそれを使っていただくというのが重要なことでございますので、今申し上げましたことを含めて一生懸命努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○魚住汎英君 長官、お気持ちはよくわかるんです、しょっちゅう話している仲ですから。 今まで例えば実施をなされた特別保証制度というのがありましたね。あの特別保証制度だって基本的には銀行救済のためにしたんじゃないかと、結果的には。そういう批判があることは御承知だと思うんです。何か言えば、保証協会をつければ銀行が全部肩がわりできるわけですから、債権譲渡をしてもちゃんと銀行がするわけですから。そういうような形の中で、本当の意味での中小企業者の救済ということよりも銀行救済という形になってきたわけね。だから、そういう形にならぬようにだけは、細目を詰めていく中において、もう言わんとすることはおわかりだと思いますが、細目を詰めていく中においてそういうことにならぬようにだけはしていただきたい。 そういう中で、もちろん財務との関連もあるでしょうけれども、銀行はどういう今状況に、心理状況はどういうことであるかというのをちょっと教えてください。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 ただいまの我が国の金融の現状で申しますと、中小企業は売掛金債権を担保とした融資はほとんど行われていないというのが実情であります。したがいまして、金融機関はそういった手法に対しまして、習熟といいますか、経験の積み重ねは乏しいのが現実でございます。 しかし、他方、こういった保証制度を導入することによって売掛金担保制度を推進していきたいというような意欲といいますか関心は高うございまして、私ども、昨年夏に幅広く調査をいたしました。その結果では、そういう保証制度が導入されればこういった中小企業の持つ売掛金債権担保融資を推進していきたいというような金融機関が多数に上るというような事実結果が出ております。したがって、私どもは、こういった保証制度が呼び水になって金融機関のそういった態度が前進をしていく、前に積極的に進んでいくというようなことを今強く期待をしているわけでございます。 そんな意味もあって、現在、保証協会、金融機関、あるいは金融の専門家、学者先生、そういった方々を入れて詰めの作業を行っているところでございまして、その詰めの過程の中でも金融機関は積極的に関与をし、あるいはそれを活用したいというような態度を示しておりますので、できるだけそういった積極的な姿勢というものがさらに発展するように私どももやっていきたいというふうに考えております。 なお、先生御指摘の、本制度が銀行のためじゃなくて中小企業のためだと、これはまさにそのとおりでございまして、その辺はよく十分頭に入れた上でもって具体的な制度設計には取り組んでいきたいと思っております。
○魚住汎英君 そこで、銀行はそういう前向きであるというのは大変いいことだと思うんです。これはもう銀行も保証協会も一体でないと、これは制度はつくったけれども実効が上がらない、こういう形になるわけですから。 そこで、保証協会は今の任務でも、今の与えられた職務でも手いっぱいなんですよね。そうすると、新しいこういう制度ができてくるというと、特にこれはもう評価の問題なんというのは非常に難しい問題だと思うんだけれども、そういうことをする専門のスタッフというのはいないんですね。そのことについてはどう考えていますか。
○政府参考人(杉山秀二君) 御指摘のとおり、実際に運用するに当たりまして信用保証協会の職員、スタッフがこういったことについて的確な審査能力を持ち、あるいは状況のタイムリーな把握をする力をつけるということは、御指摘のとおり重要だと思っております。 したがいまして、今さっき申しましておりますように、具体的な取り扱いのやり方につきまして、信用保証協会の職員も含めて今研究会をインセンティブコースでやっておりまして、例えばこの売掛金債権に係るリスクの評価とか、あるいは売掛金債権の発生、残存をどうやってモニタリングするかといったような制度についての運用細部ルールというものを詰めております。これができますれば、全国の保証協会に早急にそういったルール、運用の仕方というものを早く周知徹底をしたいというふうに考えておりまして、それぞれの信用保証協会がそういったルールをきっちり把握して進めていくことができるようにいたしたいと考えております。 また、そのリスク評価に当たりまして、現在、私どもの方、信用保証協会などの協力を得ながら進めております中小企業信用リスク情報データベースというものがございます。これは、百万ぐらいの財務データを集計いたしまして、財務状況とリスクというものが統計的にどういう相関関係があるのかというのを把握するプロジェクトでございます。これを進めることによって財務状況とリスクとの相関関係を客観的、具体的に把握できるというようなベースができると思いますので、そういったこともこの信用保証協会のリスク判断の一つの基盤にしていきたいというふうなことで、信用保証協会にもこの信用リスク情報データベースのプロジェクトに参加をしていただいておりまして、そういったことも通じて、先生のおっしゃるような審査能力といいますか、そういった実務執行能力を上げていきたいというふうに考えているところでございます。
○魚住汎英君 実際やるということになると、もっともっといろんな問題が出てくると思うんです。 現に私は保証協会の役員ですが、現場サイドから見れば今でも手いっぱいなわけ。それで、この前の特別保証の制度で新たに債権回収機構みたいなのをつくって、別会社にしてそういうことをやっているんだけれども、基本的に、今銀行が貸し渋りよりも貸しはがしというような状態でありますから、国民サイドから見れば、保証協会の保証というのは要するに命綱ですよね。ところが、こういう新しい事業が出てくるということになってくると、これはもう手いっぱいの上にまた手いっぱいになってしまうと、こういうような状況が当然考えられるわけですね。ですから、その辺については十分な、十二分な配慮をしてやってほしい。これはもう申し上げておきます。 それと、今保証協会が抱えておる問題の中で、数多くの問題があるんだけれども、まず出捐金、出捐金を出していますよね、それぞれの市町村から。この出捐金をぜひ倍増でもするような形で、大体、中小企業施策というのは国の予算の中でも、もう御承知のとおり、非常にパーセンテージからいうと少ないですよね。人を雇い、そして地域のために納税をし、いろんな貢献をしておるんだけれども、国の中のいわゆる中小企業予算というのはもう本当に微々たるもの、零コンマの世界なんですね。民主主義の世の中でこんなことがあっていいのかというのが我々がいつも思っておる、心の中にある不満なんですけれども。 そういうようなことからしてももっと、今までのやつはすべてのもの、いわゆるこれも構造改革。構造改革なければ景気の浮揚ないと言うんだ、この構造改革の中に信用保証協会の今の制度自体も全部入れてもらって、それで新たなるスタートで新たなる取り組みができるという形のものをぜひお考えいただきたいと思いますが、その点どうですか。
○政府参考人(杉山秀二君) 信用保証協会が的確な業務を遂行していくためには、人的面、それから財政面、そういった意味での基盤整備が重要であるということは先生御指摘のとおりだと思います。 したがいまして、特に財政面につきましては、今回の新しい保証制度を導入するに当たりましても、今度の一次の補正予算でお願いをしておりますけれども、そういった予算面での対応というものは、今の先生の御指摘を踏まえて、我々としても十分できるだけの配慮をしていきたいというふうに考えております。 それから、人的面につきましては、全体の人間をふやすということもさることながら、改革と申しますか、需要のあるところに重点的に資源を振り向けるといったような格好で、必要な重要な仕事のところに保証協会の人的資源がいわば機動的に動けるような、そういったことも含めて対応をしていくことが重要でないかと思っております。 特別保証におきましても、当初は審査の関係に人員を随分張りつけましたが、その後は回収だとかそういったところに人員を振り向けるというような機動的な対応をそれぞれ信用保証協会していただいておりますので、そういった格好も含めて、人的面での対応に当たっていくことが重要でないかと思っております。
○魚住汎英君 大変だと思います。御苦労をかけます。 そこで、申し上げたように、新しい時代に向けてスタートするわけですから、一点だけ求償権の問題について、きょうは村田副大臣お見えいただいておりますから、認識のために申し上げておきますが、あなたのおじいさんがもし事業をされて失敗をされたと、お孫さんであるあなたが仕事を始めると、そのときに保証協会が保証するか保証しないか、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 今先生御指摘なさいました問題、求償権にかかわる問題でございまして、一定期間たった後なお求償権が残っているような場合というようなときにどうなるかという御質問でございます。 論理学といいますか、原則論で申しますと、おじいさんとかお父さんの求償権が残っていると、それが一定の期間が経過したままなお残っているというような状況の場合がもしあるとすれば、先生御指摘のとおり、その場合には中小企業者が信用保証を利用できないというような格好になってしまうという問題があったことは事実でございます。
○魚住汎英君 いや、村田副大臣、済みません、カーブを投げちゃって。シュートだな。 とにかく、財務省が反対だったわけ、中小企業事業団もその理解がなかったわけ、会計検査院もその理解がなかったわけ。そのままだれも指摘することなくずるずるとして、それで、信用保証協会のいわゆる業務の一環として、保証協会の一つの大きな部屋にその書類だけでもう満杯になるような状態に今なっているんです。税金だって不能欠損処分というのがあるわけだから、こんなのは当然あってしかるべき。 片一方は、創業支援ということで平沼プランで五年間で開業者三倍増にしようと、二倍増だったですか。二倍増にしようと、こういうことでやっておるわけだから。片方ではそんなものがひっかかっておる、片方ではこうやっておる。これはもうプラス・マイナス・ゼロじゃどうにもならぬ話であって、やっぱり我々は上向きの方を支援するわけでありますから、そういう過去の清算をもうするべきときに来ておるんです。 ですから、申し上げたように、信用保証制度自体のリストラをやっぱりしてもらわなきゃいかぬ時期が来ておる。そうでなければ、ここで幾ら議論したところで、例えば今ニュービジネスのためのいろんな支援策ができているけれども、結局、そういうやつだって、ここで議論されたことと国民サイドでニュービジネスに携わろうという人たちの間にも大変大きなパーセプションギャップというものがある。それは何かということです。 その辺も、先ほど来お尋ねをした中の一つとしてあるわけですが、もう余り時間がありませんからもう一つだけ言いますと、検査マニュアルについて、きょうは、大臣、せっかくお見えいただいたんで、検査マニュアル。金融監督庁、後でまた質問もあるようですが、金融監督庁のあの検査マニュアルというもののいわゆるいかがわしさについて申し上げておきますが、もう端的に言いますよ。なぜ信用組合や信用金庫にこの検査マニュアルが大手六行と同じような形、都市銀行と同じような形で適用されなきゃならぬのか。存立の基本的な要因が違うところに違うルールを持ってきて当てはめる、こういうことがあってしかるべきかどうか、この辺のところをちょっと一言だけ。
○副大臣(村田吉隆君) 魚住委員、検査マニュアルの内容についてはもうお読みの上で御質問なさっているというふうに思いますが、ほかの委員の皆さん方にも、私どもがそうした中小の金融機関にも配慮した金融検査マニュアルになっているということをお示ししたいがゆえに、一言、二言、その記述を読ませていただきたいというふうに思います。 金融検査マニュアルにおきましては、適用に当たっては、金融機関の規模や特性を十分踏まえ、機械的、画一的な運用にならないように配慮する必要がある、そういう記述もありますし、また各金融機関において、マニュアルの字義どおりの対応がなされていない場合であっても、業務の健全性及び適切性確保の観点から見て、金融機関の行っている対応が合理的なものであり、金融機関の規模や特性に応じた十分なものであると認められるのであれば不適切とするものではないとしておるわけでございます。 それから、償却引き当ての前提となります債務者区分の検証というそういう欄におきましては、特に中小零細企業等については、当該企業の財務状況のみならず、当該企業の技術力、販売力や成長性、代表者等の収入状況や資産内容等を総合的に勘案し、当該企業の経営実態を踏まえて判断するものとすると、こういうふうに記述がございまして、中小零細企業が主な資金需要者となっております中小零細金融機関の実態に即した内容になっていると私どもは解釈しているわけでございます。 それから、もう一方におきまして、債務者区分の検証について今申し上げましたけれども、今度は債務者側が中小企業の場合にどうなんだと、こういうことにつきましては、ここに特に中小企業者の借り入れの実態、そういうことに配慮すべきとか、経営の実態に配慮すべきとか、あるいは財務の内容に配慮すべきとか、そういう具体的な規定を置きますと私どもの検査がかえって画一的にならざるを得ないというところになりますので、その借入者の財務の内容とか実態はさまざまでございますので、我々はそういう意味で、検査に入る検査官の判断というものが柔軟にできるように、わざわざそうした債務者区分においてそういう中小企業者に配慮するような特段の規定は設けていないということでございます。
○魚住汎英君 いや、型どおりでありがとうございました。 実態はそうじゃないんですよ、実態は。これはもう検査官が来て、机をぼんとけってね、おまえらどこ見て融資しておるんだと、そんな話を言う検査官もおるんですよ。結局、銀行員というのはサラリーマンでしょう。そこまで踏み込んで自分たちが責任を持たなきゃならぬなんて、こんなこと避けますよね。まして今、整理統合というような形で三社、四社、合併していく。もし少しでも瑕疵事項があればもうそれでリストラの対象になる。こういうことの中にみんな縮こまってしまっているんですよ。 だから、そんなことにならないようにという、もともと金融監督庁ができたときの最大の理由というのは、これはまだ解析してみなきゃわからぬことですけれども、大体、金融監督庁ができたこと自体が間違いなんですよね。大蔵省を分割したことが間違いなんです。私はそう思っています。だけれども、できたんだからしようがない。だけれども、いわゆるオーバーキルになってしまっておると、これだけはもう言っておきますよ。その認識だけはぜひひとつ大臣、共通の認識として持っていただきたいと思うんです。 今、型どおりのお答えはよくわかります。だけれども、そうじゃないということを、現場におけるひどさというものはこれはもう目を覆うものがある。よって、最初申し上げたように、まじめにこつこつと、うちは魚屋さんやっております、肉屋さんやっております、八百屋さんやっております。五十万の金貸さないんですから。ですから、それは何なのかと。一に検査マニュアルにあるんです。検査マニュアルの運用にあるんですよ。信用組合でありますとか信用金庫、これは組合員ですから。 じゃ、お尋ねしますけれども、信用組合や信用金庫は大手の、例えばビッグビジネスである三井や三菱なんというところに金貸しますか。貸さないでしょう。ですから、そういうことをぜひ。 もう一つだけ。せっかくですから中小企業庁長官に聞きますが、狂牛病が出ましたね。それで、狂牛病に対するセーフティーネットということで関連の中小企業者に対してのいわゆる保証要件のいろんなものがあるわけですが、国産牛を二〇%扱っているというのが融資の対象条件になっておるんだそうですが、この風評被害のひどい中において、焼き肉業者だって食肉、精肉業者だってもうどうにもならぬような状態なんです。何でこんなことを決めたのかと。 現在の状況というのはどういうぐあいになっておるか、ちょっとお聞かせください。それから、今後の対応についても一緒にお願いします。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 いわゆるBSEの患畜の確認に伴いまして、影響を受けておられる中小企業の方々への対策といたしまして、当省として、まず国内の畜産業者と直接あるいは間接に取引をしている連鎖関係のある中小企業者の方々に対してセーフティーネット保証を適用するといったような対応策を講じたわけでございます。その意味で、今先生御指摘になりましたように、適用条件として国産牛を二〇%以上取り扱いというような要件がございます。 ただ、私どもとしては、まず第一に、この要件につきましてはしゃくし定規に行わないで弾力的に対応するように通達によって指導をいたしてきておるところでございまして、さらに引き続き、こういった要件につきまして実情に合わせて弾力的に対応するように指導、要請をしていきたいと思っております。 さらに、また先般、二頭目のBSEの患畜が確認されたこともございまして、現在、国内の畜産業者との取引の多寡を問わず、つまり国内の畜産業者の取引にかかわらない方も含めまして、広く焼き肉店あるいは牛肉関係の卸・小売といったような特定の業種に属します中小企業の方全体への影響を今調べております。こういった実態調査を早急に進めまして、その結果を踏まえて、国内の畜産業者との取引にかかわらない中小企業の方々も含めまして、セーフティーネット保証制度の適用をするといったような方向で現在早急な準備を進めているところでございます。
○魚住汎英君 時間が来ましたのでこれでやめますが、大臣初め、皆さん御苦労さんです。どうぞ、現場の思い、現場の実態、そういうことをしっかりひとつ見詰めていただいて、フレキシブルに対応できるようにぜひひとつお願いします。とにかく、しゃくし定規で、もう何かこう改革だ改革だと言っておれば世の中が明るくなるみたいなやり方というのは、私もう本当に腹立たしい思いでありますから、申し添えて感謝の言葉といたします。 ありがとうございました。
○近藤剛君 自由民主党の近藤剛と申します。関連いたしまして、幾つか御質問をさせていただきたいと存じます。 現在の日本の経済情勢につきましては、先ほど大臣からお話ございました。極めて深刻な状況にあるわけでございますが、そのうちの一つの大きな理由は空洞化の問題でございます。工場を閉鎖して中国あるいは東南アジアに移転を製造業は加速をしているわけでございます。 この理由といたしましては、いろいろなことが言われておりますが、考えてみますと、九〇年代初頭に同じような空洞化の問題が起こりました。当時は円高が原因だということでございました。しかし、今回はそうではない。もっと構造的な問題ではないかなと、そのようなことが言われているわけでございまして、具体的に申し上げますと、中国あるいは東南アジアの工業化に関連をいたしまして、我が国の製造業の国際的な競争力を確保する、維持をするために海外移転を余儀なくされていると。要するに、人件費の問題も含めまして相当構造的な問題がそこにある。要するに、いわゆる世界の製造業の最適地立地に向けた日本製造業の構造改革が今行われているんではないか、そういうふうに思うわけでございます。 この点に関連いたしまして、今回のこの二法案を含めましていろいろな政策、平沼プランの一環ではございましょうが、いろいろなことを考えておられると、そのように承知をしておりますし、また我々としてもいろいろな、この二法案にとどまらず、これから関連して相当思い切った総合的な施策が必要だろう、そのように存じております。 今回の二法案がそのような総合的な政策の中において、タイミング、そしてその構造の中でどのような位置づけをされているのか、これからの二法案の審議に当たりまして、そのバックグラウンドとして大臣のお考えをお示しいただきたい、そのように存じます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 近藤委員にお答えをさせていただきます。 御指摘のように、今、日本の経済というのは九〇年代の初頭に続いて二番目の空洞化、こういう中で厳しい状況になっているということは御指摘のとおりだと思います。 九〇年代のころを振り返ってみますと、やはり円高の要因の中でいわゆる産業シフト、これが空洞化、こういう形に相なりました。そのときに日本が対処したのは、ある意味では付加価値を高めて、そして競争力をつけて、ある意味では空洞化というものを乗り切ったという、そういう背景があります。 現在の空洞化は、御指摘のように特にお隣の中国、こちらが非常に工業レベルも向上してきました。しかも、人口が十二億とも十三億とも言われていまして、その労働賃金というのが日本の二十五分の一あるいは三十分の一と言われています。そういう中で大変大きなシフトが行われておりまして、これが世界同時不況の様相を呈している中で日本の産業をある意味では直撃しているということは事実です。 そういう中で、やはり足元の経済対策はしていかなければならないけれども、しかし同時に必要なことは、中長期的展望に立って、そしてこれを克服して、まだポテンシャリティーのある日本の経済というものを活性化をしていくということが必要だと思います。 そういう意味で、今回お願いをしている二つの法案というのは象徴的でございまして、一つは、日本の経済の基盤を支えていただいている中小企業に対して非常に今厳しい状況に相なっています。そういう中で、中小企業の土地担保というのを全部集めますとこれは九十一兆あるわけですけれども、御承知のように、これはがんじがらめに相なっています。それから、日常の経済活動に必要な現金預金というのが七十八兆でございますけれども、これとても、ある意味ではとらの子の、そういう資金になる。そこで、八十七兆ある売り掛け債権に着目をしてきめ細かく対応させていただいて、そして意欲があって、そして潜在力のある中小企業に対してはでき得る限りの対策をさせていただく、こういった形で今足元で厳しい中小企業の方々に対してのそういう施策をさせていただきたい、これが第一点です。 そして、もう一つは、もちろん足元の、厚生労働省とタイアップした失業者対策ですとか、そういうことはやっていかなきゃいけない。これは現在やっていますけれども、しかし同時にやはりイノベーションを起こして新規産業を立ち上げて、そして雇用を吸収し経済を活性化するための方策として、今毎年百二十万人ぐらいの方々が新しく業を起こそう、こういう意欲を持っています。しかし、実際にはいろんな制約があって十八万人しか新しく業を起こしません。ですから、そこにやっぱり活力を持っていただくために、今まではいろいろハードルを設けてなかなか立ち上げる資金等を借りにくい、そういうシステムがございましたけれども、今回、事業計画に着目をし、そして速い審査の中で、新規事業に意欲を持っている方々に対して我々としてはできるだけ力の手を差し伸べさせていただこう、こういうことで倍増計画というのを出させていただいています。 それから、もう一つ言わせていただくと、やっぱり地域の経済というものが非常に大切でございますから、これは緒についておりますけれども、地域の経済、そして地域のイノベーション、地域の新規産業を立ち上げるために地域の産業クラスター計画というのをやっておりまして、これは現在十九の拠点で百五十の大学が参画をしていただき、まだ少ないんですけれども、三千社の企業もこれに参加していただいて、今これがだんだん伸びつつあります。 そういった形で、本当に今空洞化という大きな状況の中、それから経済が非常に減速している中で、我々としてはでき得る限りそういう対策を講じる、そういう考え方で今先生方の御協力もいただきながら頑張っているところでございます。
○近藤剛君 ありがとうございました。 しかしながら、これから来年にかけまして、一つ新しい問題が日本の産業界、そして中小企業に関連して起こってまいります。それが地球環境の問題でございまして、御承知のとおり、地球温暖化防止条約、一応合意をCOP7で見まして、これから批准の作業に入る、関連法案の制定の手続に入る、そのように承知をしておりますが、御承知のとおり、このCOP7での合意の内容、極めて問題が多いと私は認識をしております。 削減目標達成のコスト負担、極めて大きなものになると思います。特に、日本は今まで省エネの努力を徹底して行ってまいりました。欧米諸国に比べますと、我が国のその努力の程度は相当高かった、そのように考えております。そしてまた、この温暖化条約には、残念ながら、世界最大の温暖化ガス発生国でありますアメリカが参加をしていないわけであります。そしてまた、先ほど申しましたように、世界の工場となっております中国でございますが、この中国もまた参加をしていないわけであります。 そしてまた、先ほど申した繰り返しになりますが、アメリカ、ヨーロッパに比べて、内容的に我が国の努力が一段と必要になっている、ある意味では不平等条約ではないかなと、私はそのように承知をしているわけでございますが、これをこのまま現在の経済情勢を考慮しないで機械的に適用してまいりますと、そのしわ寄せを食うのは結局は中小企業になろうかと思うわけでございます。 この点につきまして、もう時間が迫っておりますので簡単で結構でございます、御見解をお示しいただきたいと存じます。
○副大臣(古屋圭司君) 近藤委員にお答えをさせていただきます。 委員御指摘のように、十一月の上旬にCOP7で我が国は合意をいたしました。これは、二十一世紀は環境の時代である、しかし一方では、環境と経済というものをいかに両立をさせていくか、これが一番重要でございまして、やはりそのためには我々としても最大限の努力をしていかなきゃいけない。その前提となるのは、やはりまず過度の負担は絶対避けていくということであります。それからもう一つは、やっぱり負担の公平性、それから経済的な合理性、こういうものをしっかりと基本にとらえていく。我々はそういうことを前提にこのCOP7の合意をいたしまして、今般、政府の中でも地球温暖化対策本部をつくって、総理大臣をキャップにいたしまして、関連省庁ほぼ全省庁入っておりまして、総合的な対策を政府の最重要課題の一つとして取り組んでいく、こういうことを対応しているわけであります。 したがって、我々としても、非常に厳しい経済状況でありますけれども、逆にこの環境問題というものを、マイナスの要素ではなくてむしろ新たな省エネ、新たな技術開発、そちらの技術革新、成長の方のエンジンという視点でとらえていくということも私は必要だと思います。かつて自動車が排気ガス規制で世界で一番厳しい規制を日本が受け入れまして、それに対して一時自動車業界が大変厳しい状況でございましたけれども、結果としては世界で最高水準の低公害のエンジンをつくることに成功いたしました。やはりこれも一つの例だと思います。 確かに今、経済状況は非常に厳しい状況であるからどうなのかという御指摘もありますけれども、一方では、やはりそういうところに着目をして、これから省エネルギーの対策の充実の推進あるいは技術開発を政府、そして官民一体となって対応していく、これが我々に課せられた一番大きな使命であるというふうに思っております。 また、今御指摘のありました、アメリカが参画をしていない、私たちもそれについては問題意識を持っておりまして、今後とも、やはり米国が参画をしていただくように引き続き働きかけはしていくということは申し上げるまでもないことであります。
○近藤剛君 ありがとうございます。 誤解のないようにつけ加えておきますが、私、環境問題に決して後ろ向きの人間ではございませんで、従来から地球環境問題には、個人的にも、また昨年まで企業人としても積極的に取り組んできた者の一人でございます。 ただ、この問題については二つの視点が必要だと私は思っておりまして、一つが、実効性があるということが一つでございます。そしてもう一つが、地球の温暖化を本当に防止していく、その真剣な努力は、例えば中国だとかインドだとか、あるいはアメリカ、これを巻き込まないとできないわけです。これを巻き込んでいくという努力を、本当に日本が地球環境の問題に貢献するのであれば、率先して何よりも優先して行っていかなければいけない、そのように思っております。 時間の関係もございますので環境の問題はそのくらいにいたしまして、次に中小企業向けの、先ほどからお話が出ております金融の問題につきまして、金融担当の副大臣にお伺いをいたしたいと存じます。 御承知のとおり、貸し渋りの問題もあるし、また、先ほど魚住先生からお話がございました貸しはがしの問題というものがあるということは言われているわけでございます。そしてまた一方で、現在、金融庁が大手主要銀行に対しまして特別検査を実施しているわけでございます。 銀行検査を厳正に行うことが必要であることはもちろんでございます。しかしながら、この査定の作業に当たりましては単なる財務諸表分析ということであってはならないなと、十分ビジネスの実態を把握して、一面的にならない、きちっとした本当の意味での分析が必要だろうと思っているわけでございます。 中小企業にとりまして今最大の関心事は、厳しい検査結果が出た、その場合には中小企業、債務者にしわ寄せが来る、それを心配しているわけでございます。本当に金融を必要としている中小企業にお金が回ってこない、本当に必要なところになかなか銀行は貸してくれないと、こういう声が多いわけでございます。また、事実、そのような行為を裏づけるように、統計資料を見ましても、確かに全国銀行の中小企業向けの貸出残高、相当程度減っております。時間がございませんので、数字の指摘は省かせていただきますが。 いずれにいたしましても、このような貸し出しを渋っている、あるいは貸しはがしをしていると言われている全国銀行の中の多くは平成十一年に公的資金の注入を受けておりまして、その際に健全化計画を政府に提出しているはずでございまして、そこでは中小企業向けの融資をふやすことを約束しているわけでございます。 しかしながら、一方、民間の金融機関側からはまた違った声が聞こえてきておりまして、中小企業向け金融ビジネスにおいては、公的金融機関との間で競合が起こっている、特に優良中小企業先の金融に対しては民業圧迫が起こっているんだと、そのような声も一方であるわけでございます。 いずれにいたしましても、これから本当に中小企業の健全な育成を考える場合には、民間銀行の中小企業向け金融の能力の強化、そして姿勢を正していくことが極めて重要だと思っておりますが、この点につきまして、村田副大臣、お考えがございましたらお示し賜りたいと存じます。
○副大臣(村田吉隆君) 私どもも、日本の企業のうち大多数を占めます中小企業が金融の面で運営が行き詰まるということのないように、金融機関が必要以上に資金仲介機能というものを萎縮させていくということのないように常時見ているわけでございまして、委員御指摘のように、資本注入行に対しましては健全化計画の中で中小企業貸し出しというものも毎期計画を出させまして、決算期にその結果を提出させる、その履行状況を見ていくというような形でもってパブリックプレッシャーというものを図りながら中小企業貸し出しの円滑な推進ということを見ているわけでございまして、また、先ほど魚住委員から御指摘がありましたような形でも金融機関が中小企業に資金の融通を円滑にするということについては平素から私どもの関心でございます。 今後とも、金融が枯渇することのないように引き続き努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○近藤剛君 中小企業の金融調達の問題、もう少し続けさせていただきたいと存じますが、これからは直接金融の時代だとよく言われるわけでございますが、資本市場を通じまして株式や社債の発行が中小企業にとってもっと簡単にできるようになることが必要だろうと思います。 昨今、資本市場も御承知のとおりナスダックあるいは東証マザーズというものが創設をされておりまして、また社債につきましても、適債基準の廃止あるいは格付制度の充実というものがなされているわけでございますが、しかし残念ながら中小企業にはまだ利用する先が極めて少ない、国際的に見ても非常にこれは少ないわけでございます。 この状況をどう打開して日本の直接金融市場を発展させていくのか、この点につきましても御見解をお聞かせいただけませんか。
○副大臣(村田吉隆君) 委員御指摘のように、中小企業の直接金融市場からの資金調達割合というのを大企業と比べてみますと、これは十一年の資料でございますが、中小企業は直接金融から調達しているパーセンテージは一三%、間接金融その他というのが八七%でございます。一方、大企業は直接金融が三六%、そして間接金融その他が、これも依然として高いのでございますが六四%、こういう形になっております。 なお、私どもといたしましては、操業を支えまして経済のダイナミズムを取り戻すためにも、間接金融から直接金融にシフトさせていかなきゃいけない、中小企業もリスクキャピタルを利用できるような状況にしなきゃいけないということでございまして、銀行法の中でも、銀行は一般会社の株式を五%以上保有してはならないという、そういう規定はございますけれども、銀行が子会社をつくりましてそこからベンチャーキャピタル、株式を取得する場合にはその例外とする、こういうような形でもって、銀行の方もいろんな形でそういった面で参加できるような措置も講じているようなわけでございます。 一方におきまして、八月に私どもは証券市場の構造改革プログラムというのを発表いたしました。その中でも、引き続き直接金融市場の活性化に向けた環境整備を行っていきたいということでございます。例えば、ベンチャー企業の育成とか公開前規制の緩和等々を取り上げているわけでございますし、そういうことを踏まえまして、既に全国の証券取引所と証券業協会で、上場申請事業年度において第三者割り当てが行われている場合であっても、割り当て新株について継続所有の確約がある場合には上場申請を受け付けることを可能とする等の規則改正を九月に実施したということで、未上場株式が上場前に第三者割り当てをするという、そういう道も、リクルート事件等がございまして規制が厳しくされましたけれども、それも制限を緩和しているというような措置も講じたところでございます。
○近藤剛君 いろいろとまた申し上げたいこと実はございますが、時間がございませんので、残念でございますがまた次の機会に譲らせていただきます。お考えよく理解いたしました。これからもまたよろしくお願いをいたします。 最後に、この中小企業問題に関連いたします税制につきまして、お考えを財務副大臣からいただきたいと存じます。 まず一つ、中小企業にとりましても極めて重要な、今議論されております税制改革の一つが連結納税制度でございます。これは、よく理解はまだ十分にされてはおりませんが、連結納税制度は中小企業にとりましても大変な恩恵のある税制でございまして、特に連結納税先進国でありますアメリカあるいはヨーロッパにおきましては、特にベンチャー企業にとりましてこの連結納税システムは極めて重要な、なくてはならない税制になっているわけでございます。 しかしながら、今回、財務省の主税局の体制が整わないというようなことで多少おくれるのではないかということが言われておりますが、これはもってのほかでございまして、これはもう閣議決定をされた方針であります。閣議決定をされた方針を一部局の事務的な都合でこれが先送りになる、これは許されてならないと、そのように思います。 したがいまして、内閣の権威にかけまして、絶対にこれは閣議決定どおり来年度実施をするということを副大臣からお約束していただきたいなと、そのように存じます。 それからもう一つ、時間がございませんのでもう一つ申し上げますが、大変重要な、今、平沼大臣から創業の問題がございました。起業率が我が国は極めて少ない、しかし潜在的な起業者はたくさんいるんだと、こういうお話でございましたが、一方で我々目を向けなければいけないのが、いわゆる第二の創業と言われる問題なんです。これは代がわりの問題でございまして、これはまさに事業承継の税制の問題でございます。これは世界各国に比較をいたしまして、極めて事業承継をする企業人にとりまして不利な税制になっているわけでございまして、この是正が急がれるわけでございます。 この連結納税、それから事業承継税制につきまして、ぜひ財務省の御理解をいただき、ぜひ早期の実現、できれば来年度、連結納税はもう決まっておりますので来年度これは実施していかなければいけないわけでございますが、この二点につきまして、副大臣のお考えとお約束をしっかりといただきたい、そのように思います。
○副大臣(尾辻秀久君) まず申し上げますけれども、お話しのとおりでございまして、この連結納税制度につきましては改革工程表でも十四年度ということが言われておりますし、また与党のお考えでもございます。したがいまして、財務省としても早急にやるべきこと、こういうふうに心得ております。決して、一部で言われておりますように税収不足を心配して引き延ばしをしている、そのようなことではないことだけは御理解をいただきたいと思います。しかしまた、今のお話のとおりに、それじゃなぜおくれているんだというおしかりでございます。 やや言いわけがましくもなりますけれども、これも先生が一番よく御存じの話でありますけれども、法人税というのが極めて精密といいますか複雑にでき上がっております。この複雑、精密にでき上がっておる上に連結納税制を乗せるわけでありますから、例えで言うと下の配線が複雑なものですから、一本一本線を結ぶ、これが極めて難しい作業になっているという、膨大な作業になっているということを御理解いただきたくてちょっと申し上げたところであります。 しかも、この法人税、熟知しておる人間といいますのは、財務省の中でも、これも率直に申し上げてごく限られた人間でございます。そしてまた、その人間が、十三年度導入いたしました税制のことなどもございまして大変今苦労いたしておるということでございます。 これは、おしかりはそのとおりでありますけれども、あえてこんなことを隠すこともないと思いますのでまた申し上げるんですが、率直に申し上げまして、そうした人間が過労で倒れてしまいまして、今二人も入院中であるということも申し上げます。こんなことを申し上げてお許しいただける話じゃありませんけれども、あえて率直なお話を今させていただいたところであります。 そこでであります。しかし、そんな言いわけをしていてもしようがありませんので、昨日、大臣も申し上げましたように、来年の五月にはちゃんときっちり仕上げまして法案を提出したい。今私がお約束申し上げられるものは、来年五月には法案を出させていただきます、このお約束でございますので、ここまででお許しをいただきたいと思います。その後、さかのぼってやるのかどうかという議論はございますけれども、これはまた今後御指導いただきたいというふうに思っておるところでございます。 それから、中小企業の事業の継承に関する税制についてでございます。もう余り時間がありませんので端的に申し上げます。 まず、これまでも最大限の配慮をしてまいったということだけは申し上げたいと思います。この中身については申し上げません。それから、今後の議論であります。今後の議論を考えますときに、いろんな観点があろうかと思いますけれども、二点ぐらい申し上げておきたいと思います。 一点は、新しく事業を始める人と今から事業を始める人、やっぱり公平に競争していただくという考え方もあろうと思いますので、今まで事業をやっていた人に対してどのぐらい優遇税制をとるのかということがあると思います。 それからもう一つは、一方からは、継承する人たちに対する手足を縛ることにならないかということでございます。そうしたことも考えながら今後の検討をしたいと思っておりますので、今後また私どもの検討課題にさせていただきたいということを二点目についてはお答えを申し上げます。 以上でございます。
○委員長(保坂三蔵君) 近藤委員、時間が来ておりますので、もしあれでしたら要望だけにとどめてください。
○近藤剛君 来年の四月からの実施、法案の提出はいつか、それは関係ありません。内閣で決まっているのは来年度実施でありますから、やはりそれをしっかりとお約束いただきたいと思います。 ありがとうございました。
○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。 きょうの法案は、私ども民主党としては賛成の法案でございます。しかし、この数日来、民主党の野党としての性格を他の野党の皆さんからも大変御心配をいただいておりまして、きょうは賛成法案ではありますが、辛口で質問させていただきたいと思います。 それで、法律に入る前に、これは平成十一年度の中小企業白書で、さっきちょっと大臣がお触れになった特別保証制度について、その効果を分析されておりまして、大変大きな効果があったと、一言で言うとそういう評価になっています。私も、事実これは大きな効果があったとは思っております。 ただ、問題は、例えば十月のこれは特別保証制度を利用した方の関連の倒産件数が過去最高で五百四十九件という数字になっています。つまり、これはかなり、さっきもお話あったように、債務超過でない方には基本的には融資をする、あの異常事態ですから、そういう対応をしたわけです。これが効果をきちっと出すためには、その後景気が回復をして成長軌道に乗らなきゃいけないわけです。確かに、平成十一年度はそういう状況でした。十年から回復基調に向かっていました。ですからこういう分析ができたと思うんですが、私は今の経済情勢を見ますと、この評価はまだ早いんじゃないか、むしろ単なる延命措置に終わってしまうとか、あるいは倒産の先送りになってしまうんじゃないかと、こういう心配もしているわけであります。 事実、今、中小企業の皆さんのお話を聞きますと、例えばきょう審議されているこの法案についても、それは資金を融資してもらえるのはありがたいけれども、基本的には資金の融資じゃない、需要がないんだと。だから、それでお金を借りて二、三年息つなぎをしても、その後はやはり展望が開けない、こういう声が多いんです。 ですから、この特別保証制度の評価等も含めて、大臣が今どのように認識されているか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 今委員御指摘のように、大変な九七年、貸し渋り、貸しはがし、こういうような状況の中で中小企業の皆様方が塗炭の苦しみを味わうと、こういう中で異例、特例の措置として御指摘の特別保証制度を導入させていただきました。そして、一年延長して本年の三月三十一日に締め切りまして、これも委員よく御承知の数字だと思いますけれども、百七十二万社の方々が利用していただいて、保証も二十九兆になんなんとする保証をさせていただきました。この間、約一万社の倒産が防げて、雇用も約十万人維持されたと、そういう成果が上がったと我々は認識しているわけです。 ただ一方、これも御指摘のとおり、それによって日本の景気が回復してくる、そういう予想でございましたけれども、非常に今厳しい状況の中で御指摘の点のようなこともあると思いますけれども、私どもとしては相対的に中小企業に対してこの特別保証制度をやったことは、今申し上げたような数字の中で私は効果があったことだと思っております。 それから、今お願いをしている売り掛け債権に注目をした、そういったことも、現下の中小企業の厳しい状況に置かれているその現状を踏まえますと、やはりこれは御要望もこれあり、私どもとしては早急にやらせていただかなければならない。しかし、非常にそういう意味では苦しいお立場ですから、そういう金融面だけではなくて、やっぱり幅広い支援策も同時並行で行わせていただくことが肝要だと、このように認識を持っております。
○直嶋正行君 今の大臣の御答弁を受けて、少し中小企業金融の問題について後で議論させていただきたいと思うんです。 次に、財政上の問題ということでちょっと取り上げたいと思うんですが、今議論した特別保証制度、これは私は成果がなかったと言っているわけじゃないです。まだ手放しで成果があったと評価するには少し早いんじゃないか、もう一つの経済政策そのものがうまくいかないと難しいんじゃないかということを申し上げたわけです。その一つの副作用と言えるかもしれませんが、この特別保証制度の国費負担総額というのは一応見積もられています。これは事業団出資金一兆一千六百億円と保証協会補助金が二千九百億円です。今回の補正予算でも一部手当てをされているわけですね。ただ、それは実は倒産された方の代位弁済、一兆数千億のお金をはじいたときのはじき方は代位弁済の回収率を、五〇%回収できると、こういう前提で計算しているわけですよ。 ところが、最近の特別保証制度にかかわる回収実績というのを見ますと、数字が一けた違うんですよね、五%強なんです。だから、この回収まであと五年ぐらいかかるんですかね、まだその先まで行くのかもしれませんが、とてもじゃないけれどもこんな一兆数千億の見積もりでおさまるわけがないと、私はそう思うんですよね。さらに大幅なこれは予算措置が必要ですから税金を投入すると、こういうことになるわけなんですが、その税金の投入が不可避ではないかと、こう思うんですが、この点の見込みといいますか、見積もりはどうでしょうか。
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきます。 委員御指摘の特別保証制度の回収、どうなのかということでございますけれども、当初は確かに五〇%、事故率一〇%ということで想定をいたしております。今、現状では事故率が三・二三%でございまして、これは当初の見込みよりは大分低くなっているんです。しかし、回収率が御指摘のように五・三八%でございます。 ただ、これは代位弁済をした後、求償権を得て、そして回収に行くわけでありまして、実際に回収が終了するまでは過去の実績から見ても十年以上かかるケースというのは間々ございます。したがって、時間をかけてじっくり、いろんな個々のケースによって情勢が違いますので、回収に努めていくということでございまして、今この制度が終了して一年たっておりません、半年程度でございますので、今の時点で回収率が低い、達成率が達していないということで論評するのはちょっとまだ時期尚早かなと思っております。 ただ、もちろん、この回収のためにあらゆる努力を傾注していくということはもう申し上げるまでもないことでありまして、本年四月からいわゆるサービサーを設立して今事業を開始いたしておりまして、一層この回収に対しては徹底的に働きかけをして、そして、それに対しての努力をしていくということはもう申し上げるまでもないことでございます。
○直嶋正行君 今、事故率の話もありましたが、今五%の回収率が見込みどおりもし五〇%行くのなら、何年かかるか知りませんよ、逆に言うと、今現在三%の事故率はひょっとしたら一〇%を超えるかもしれません。現にそういう声もあるんですよ。ですから、やはりこの部分は、私はさらにこれは公的な資金がこれから持ち出されていくんじゃないかというふうには危惧をしております。 それで、その関係でもう一つお尋ねを申し上げたいのが中小企業信用保険収支の問題であります。 例えば平成十二年度の決算を見ますと、特別保証の収支は二千六百億円の支出の超過になっています。保険収支全体で見ると四千五百億円の支出の超過になっています。この年度で事業団への準備金繰入額は一千三百六十六億円。非常に膨大な収支の、支出超過ということなんですよね。例えば、保険料とか回収金を合わせますと、保険収支で見ると、要は、収入の部は三千百億円しかない、支出は七千六百億円、だから四千五百億円マイナスになる、こういう状況なんです。 ですから、私は、今この中小企業総合事業団でおやりになっている保険事業というのはもう保険とは言えないんじゃないかと思うんです。保険の体をなしていない、こんな状況だと。この点についてはどうなんでしょうね。
○副大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘のように非常に厳しい経済状況でございますので、保険の収支が悪化をしているということは事実だと思います。ただ、悪化をしているということは、逆に中小企業信用保険制度が活用されているということでもありまして、そういう意味では中小企業金融のためのセーフティーネットとしての一定の役割を果たしているということも結果として言えると思います。 ただ、こういうものはやはり、保険でございますので長期のスパンで考えますといいときもあれば経済状況によって厳しくなるときもあるということは、ある意味で避けられない状況であると思います。 ただ、もちろん回収に努めること、あるいはほかの対策を講じていくということはもう申し上げるまでもないことでございまして、先ほど答弁をさせていただきましたけれども、例えば回収体制の強化をするとか、あるいはリスクに応じた保険料の料率体系、こういったものを導入していくということ。そしてまた、本年度の本予算でも二百六十一億円、そして補正予算では千四百三十七億円、トータルで千六百九十八億円投入をさせていただいて措置させていただいております。 いずれにいたしましても、信用保険事業を中小企業金融の主要な柱というふうに位置づけておりまして、今後とも中小企業の金融調達の円滑化に対しては、引き続き私どもとしては全力で取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
○直嶋正行君 今の御答弁の中に、いいときもあれば悪いときもあると、それで長期的に収支がとれればいいんだと。 ただ、実際にこれだけ大幅な支出超過になって、これは収支をとっていくというのは非常に難しいと思うんです。しかも近年、急激に悪化しているわけです。今いみじくもお話があったように、今の経済情勢を考えますと、さらに私は厳しいと思うんです。だから、今、古屋副大臣お答えになった例えば保険料率だとか部分保証を取り入れていくとか、そういう部分というのは私はこれは必要なことだと思いますが、今のこういう短期的な経済情勢を考えると極めて深刻だと思うんですよ。 本来、これは保険ですから、やはり収支は合わせていくというのは基本だと思うんです。少なくとも三年とか五年の間で収支を合わせていかないと、保険とは言えないと思うんですよ。ですから、この点はぜひそういう御認識をお願いしたいというふうに思います。 ただ、私がこういう話をしましたら、実は中小企業庁の事務方の方は、この中小企業保険制度は政府がかかわる保険制度の中で唯一、法律上、収支均衡をうたっていない保険制度なんですと、こういうふうにおっしゃったんですけれども、それはそうかもしれませんが、やはり物事の性格上、私はぜひ今申し上げたようなことで御認識をいただいて努力をしていただく必要がある、こう思いますので、大臣、もし御見解があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) それは委員御指摘のとおりでございます。非常に収支が悪化したということは古屋副大臣からも御答弁させていただきましたけれども、やはり民間の金融機関というものが非常に厳しい中で、そういう中小企業者に対してなかなか適切な対応ができなかった、それを一生懸命穴埋めをしたという結果もあると思います。 しかし、御指摘のように、やはり国の、国民の税金でやっていることでございますので、ここのところは収支をしっかりと考えて私どもはやらなければならない、こういうふうに思っております。
○直嶋正行君 次に、先ほど来議論ございましたが、金融検査との関係を私の方からもちょっとお伺いをしたいと思います。 直近の中小企業景況調査で資金繰り動向というデータを拝見しますと、現状は、例の九八年のいわゆる秋の金融危機と言われた状況にほぼもう状況としては達しているんじゃないか、こんな感じがいたします。 私は、そういう認識を置いた上でお尋ねしたいんですが、先ほど来、金融庁に関して同僚議員から御質問がありました。私は、基本的に、日本の金融慣行というのを見ますと、特に中小企業はやはり経常単名とか約定弁済とかいろんな方式はありますが、金融機関から継続融資を受けて事業を遂行していくというのが、やはり日本の金融慣行として定着していると思うんです。 ですから、突然、検査のせいなのかどうか知りませんが、不良債権の処理の問題がある、より自己資本比率を高めなきゃいけない、こういう理屈で融資を絶たれるということは、これは企業から見るともう前提条件が全く変わっちゃう話になると思うんですね。 ですから、私は、金融庁もそうですが、むしろ経済産業省なり中小企業庁にお願いをしたいのは、そういう慣行の中で、前提条件の中で中小企業は経営をしているんだと。そういうことをやはり踏まえた上で、金融当局に経済産業省なりからきちっと、金融機関のあり方等も具体的にこうしてもらいたいということを言っていただかなきゃいけないんじゃないかと、こう思うんですけれども、この点についてはいかがでございましょうか。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、大企業と中小企業ではその金融のあり方もおのずから異なっているということは私どもも十分承知をいたしております。 そういった観点から、今度の金融検査マニュアルの作成に当たりましても、私どもといたしまして、やはり中小企業向けの債権の査定上の取り扱いということにつきまして、たびたび金融庁とも相談をさせていただきまして、いろいろな配慮をしてくださいということで要望を申し上げております。 その結果、例えば要注意債権の判断においては、まず創業赤字への配慮というものが入っておりますし、また中小零細赤字企業への配慮という項目もございます。また、破綻懸念先につきましては、中小企業について経営改善計画が存在しない際の配慮はどうなのか、こういうようなことにつきましてもしっかり明記をされておりまして、私どもが金融庁に対して働きかけをしたことが一応金融マニュアル上は入ったという認識は持っております。 ただ、実際に金融マニュアルに従って金融検査を行うわけでございますが、この検査の実務に当たってもやっぱりそういう配慮がしっかりされていくということが大切でございますので、私どもも情勢を見守りながら、これからも引き続きやはり金融庁にはしっかりと要請等々を行っていかなくてはいけないというふうに考えております。 また、金融検査に関する事柄以外でも、これからも金融庁と密接な連絡をとりまして、必要な場合にはいろいろ中小企業の実情に応じて要請等々を行っていきたい、このように考えております。
○直嶋正行君 私もこの質問をするに当たりまして、幾つかの中小企業関連、ヒアリングさせていただきました。そういうヒアリングも含めて今いろいろと申し上げているわけなんですが、今、古屋副大臣からお答えがあったんですが、例えば、具体的に経済産業省から今金融庁にいろいろと御指摘されていると。このことについて、きちっと実行されているかどうかというのは、何か具体的なモニタリングとかそういう仕組みというのは今できているんでしょうか、そちらの方で。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 制度的に協議会をつくっているというようなことはございませんが、さまざまな機会に、具体的には私も含めて、金融庁のカウンターパートと日ごろ相当な頻度で接触をさせていただいているという状況でございます。
○直嶋正行君 私は、これからさらに経済情勢は厳しくなるということを考えますと、もっと具体的にそういう状況を聞き取れるようなことはしていただかなきゃいけないんじゃないかと思う。 そのときに、私も今回ヒアリングしてなるほどと思ったんですが、さっきもお話あった平成十年の秋の金融危機、あのときも貸し渋りと貸しはがしが大問題になったんですが、あのときと今回は状況は似ている、客観情勢は似ているんですが、一つ違うのは、やはりあの当時は一律にとにかく貸し渋りもあったし、はがされたと。今回は、やはり企業の優劣をかなり意識をしながら金融機関も対応しているようだという声が割合多いんですね。 そうすると、今の問題もやはりそういうところまで含めて情報をきちっと吸い上げていただかないと、これがまた一律にもう、何といいますか、立ち行かないところまで無理やり融資をさせるということになってくると、またこれは問題が出ると思うんで、ぜひ具体的なそういう掌握をしていただくようにお願いを申し上げたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘の大変重要な点でございますので、私どもといたしましても引き続き実情をしっかりと把握をしていくということが大切でございますので、我々はそういう観点に沿って対応していきたいと思っております。
○直嶋正行君 それで一点、ちょっとこれはその中で聞いた話なんで実態は私もよくわからないんですが、金融検査においては、企業の代表者の個人資産がいろいろ提供されていますが、そういうものは検査上それを加味されないというようなお話も聞いたんですが、これはどうなんでしょう、実態は。
○政府参考人(杉山秀二君) ただいまの御質問、金融検査の運用の問題でございまして、私ども明確なお答えをするのが必ずしもできないわけでございますが、一般論として私どもが承知をしておりますのは、金融検査マニュアルで代表者の個人保証を考慮しないというようなことは一律的に書かれていないと。具体的にケース・バイ・ケースによりまして、保証人となられます代表者の方の保証能力の状況によって評価をされるというふうなことになっているというふうに私ども承知をしているところでございます。
○直嶋正行君 そういうことならいいのかもしれませんが。 それで次に、これはぜひ大臣の御見解をお伺いしたいと思うんです。 これは、特に金融の問題についての貸し手と借り手の関係なんですが、もう私が申し上げるまでもなく、今、金融機関は経営体質の強化に躍起になっているわけですね。これは、国際競争力を強化するという意味で中小金融機関も統合されたりしています。つまりこちらは、従来からの体質を護送船団方式ではなくてそういう競争に耐え得る体質に変えようということで構造改革をやっているわけですね、簡単に言いますと。 ところが、さっき申し上げたように、借り手の方は全く変わってないんですね。従来どおりの継続融資を前提にして経営をしているわけですよ。そうすると、本当はここはすごく大きなギャップが出ているわけですね、今。先ほど来の議論も私はそうだと思うんですが、そのギャップの中でのいろんなあつれきだと思うんですよ。本当は、金融機能をきちっとしていくという視点で見れば、貸し手がそういう状況で変わるとすれば、借り手の方も変わっていかなきゃいけないわけですよね。でないと、これはなかなか金融機能そのものが私は戻らないんじゃないかと思うんです。 ところが、実は今やっていることは借り手に対して、僕らの今議論している法律もそうかもしれませんが、保証制度をつくってそれを手厚くやって、さっきの保険収支の話ですよね、手厚くやって、とにかく何とか今のそれを維持させようと、こういうことを政府がやっているわけですね。そうすると、これは一体先どうなるのかなと。 さっき大臣は、特別保証は臨時異例の措置だったと、こういう話ですよね。そういうことまでやってとにかく維持してきたと。今度は売掛金を、この売り掛け債権を担保にしてさらに融資できる制度をつくろうと。これも保証つき、保険つきですよとやっているわけです。 何かどんどん広がっているんですよね、ギャップが。これはどこで一致させるんでしょうかね。これはちょっと大臣にお伺いしたいんですが。
○国務大臣(平沼赳夫君) 直嶋委員御指摘の点は、私は確かにあると思います。金融機関サイドが不良債権処理等を推進していく中で、借り手である中小企業が厳しい経営環境を克服していくためには、中小企業自身においても、財務体質の強化をするとか経営革新等に積極的に取り組んで経営の健全化を図って、従来のようなそういう体質を改めていくということは私は非常に必要なことだと思っています。 このような認識の中で、経済産業省といたしましては、信用保証協会による私募債発行の保証でございますとか、中小企業総合事業団によるベンチャーファンドへの出資制度の充実等の直接金融の促進に加えまして、今回、売掛金債権担保保証制度を創設する等によりまして、中小・ベンチャー企業の資金調達の多様化、財務体質の強化に向けて積極的に取り組んでいるところでございます。 また、新事業に挑戦する中小企業の経営革新努力を強く後押しするために、経営革新講座等による最新の経営知識、情報の提供等の支援を行うとともに、産官学連携による技術研究開発の支援等も強力に推進をしているところでございます。 また、全国に三百カ所ある中小企業支援センター、これは今二万件以上の相談、そして六千件の専門家の派遣等しておりますけれども、全国各地の商工会や商工会議所において、これも実は累計二百五十七万件の御相談を受け、そして専門家派遣も五千回に及んでおりますけれども、財務やそして経営の改善を図ろうとしている事業者からいろいろ御相談があることにきめ細かく対応させていただく。そういう中で、従来型じゃなくて、経営革新だとか財務体質の強化ですとか、そういうことを、我々としては、そういった従来型ではないそういう取り組みの中で皆様方の体質改善を図っていこう。 こうした取り組みを集中的に実施をすることによりまして、より多くの中小企業が新事業分野に挑戦をしたり、また経営の刷新が実現できるように我々としてはきめ細かく最大限の努力をしていかなければならない、このように思っております。
○直嶋正行君 何年前でしたかね、中小企業基本法、去年でしたかね、変わりましたよね。(「おととし」と呼ぶ者あり)おととしでしたかね。あの中にも、基本的に、従来のように大企業との格差を解消していくということではなくて、中小企業の自立をということで中小企業基本法が改正されたわけですね。 だから、今大臣がおっしゃったような非常にきめの細かい施策をおやりになっているということは私も存じ上げているんですが、どうも実態がさっき申し上げたようにどんどん開いていくんじゃないかと。ちょっとしつこいようですが、あえてもうちょっと申し上げますと、実は、貸し手を変えるために、さっきもお話ありましたが、税金を使って資本注入しているわけですね、数兆円のお金を使って資本注入している。とにかく金融機関をそうやって変えようとしている。大変なコストを払っているわけですね、国家としては。 今度一方で、中小企業に対しても、さっきちょっと申し上げたように、保険収支を大変大きな穴をあけてこれも税金を使ってそういう努力をしているわけですね。ですから、こっちもあっちも税金を使って、どうも私はちぐはぐな方向にどんどん進んでいる。これは、今の経済情勢が厳しいから、そういう面も確かにあると思うんですけれども、ただ、ベクトルが違った方向に行っちゃうと、これはいつまでたってもこの問題を引きずっていくということになりますし、税金をずっとカウントすれば国民の負担もこれは大変な犠牲を払っていると思うんですね。 ですから、ぜひそういう税金の使い方といいますか、これも本当はもっと有効な方向にうまく使えれば、日本の経済も随分さっき大臣おっしゃったように活性化できると思うんですが、こういうこともどんなふうに、僕は、ですからもっと政府としての、経済産業省が中小企業問題をやる、さっきおられた金融庁が金融機関の問題をやる、それはそれでいいかもしれないが、すべてそこで終わってしまうんじゃなくて、やはり内閣としてそういう面での整合性といいますか、これをやはりとっていかないと、本当にこの変化の厳しい、大きい時代というのは、私は対応がだんだんできなくなってきているんじゃないかと、そういう心配をしているんですけれども、どうでしょうか。 もし大臣、御見解ありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 直嶋委員が御心配、御指摘の面は確かに私はあると思います。そういう意味で、やはり国として整合性を持って、そしてばらばらではなくて一体となってやる、こういう基本姿勢が私は必要だと思います。不良債権、不良債務処理に関して、この一月に金融庁と私どもとあるいは国土交通省も入って審議官クラスでいろいろ話し合いを積み上げてきております。 ですから、こういった体制も、やはり総合的に同じ一つの政府でございますから、そういう中で御指摘のように連携をとりながらやっていくということは私は必要なことだと思っておりまして、そういう方向で私どもは今までも心がけておりますけれども、これからもなお一層国民の皆様方の信頼におこたえするために頑張らせていただかなければならない、このように思っております。
○直嶋正行君 ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それでは、この法案のちょっと具体的な内容について幾つか確認をさせていただきたいというふうに思います。 まず、今回の売掛金債権担保保証制度は、確かにさっき御答弁の中でもあったように、いわゆる物的担保といいますか、それによらない新たな資金調達方法をつくるという意味では一歩前進なんですよね。 ただ、さっきからちょっと僕、同僚議員への答弁も含めてよくわからなかったのが一点ありまして、これは通告しておりませんが大臣のお考えをお伺いしたいんですが、この制度は今の短期的な対応を意図したものなのか、あるいはもう少しいわゆる構造改革的な中長期的なことを意図しておるものなのか、どちらなんでしょうね。どちらの面が強いんでしょうか。それをちょっとお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは、今の厳しい経済状況を一日も早く克服して、日本の経済を立ち直らさなければならないと思っておりますけれども、やはり今の経済指数たくさん出ておりますけれども、そういう状況を見てみますと、ことしの本年度のGDP成長率が一・七と想定されておりましたけれども、これがどうもマイナスになる、こういう状況があります。 そういう中で、私どもとしてはこういういわゆる新たな保証制度というのは短期で終結をするということは本旨だと思いますけれども、しかしやはり今の経済状況を見ますと、これはある意味では中長期で考えていくべき新しい制度だと、このように認識しております。
○直嶋正行君 私もお考えは多分そうじゃなかったかなと思っていたんですが、ただ、今の大臣おっしゃられたようなこういう経済情勢ですから、幾つかやはり心配な点が言われていまして、一つは、私も実務の関係者にいろいろヒアリングをしたところでお話があったのは、売り掛け債権を担保にしてお金を借りるという場合なんですが、これは金融機関の側から見ると売掛金が本当にあるのかどうか、あるいは売掛金の相手方の債務者がどれぐらい信用力があるのか、こういうことをやはりきちっと本当は審査しないとなかなかお金を貸せない。 ですから、取引相手が優良企業の大企業向けの売掛金だということであれば、いろんな法的な問題はちょっと別にして、信用力でいうとそれを担保にして融資するというのはそう難しいことではないかもしれませんが、特に債務者の方が数多く不特定多数の中小企業の皆さんであるとか、そういう取引も結構あると思うんですよね。そういう場合は実際にはなかなか、どれだけ審査できるかというのは非常に難しい。現実にちょっと金融機関の方に聞きますと、確かにこの制度は多様化していく上で望ましい制度なんだけれども、実はこれは総論賛成、各論反対とは言わないにしても、非常に各論では難しいところがあるんですと、こういう御指摘で、一番先に言われたのが今の話なんですよ。 だから、この点はどういうぐあいにお考えになっておられるんでしょうか、ちょっと見解をお伺いしたいと思うんです。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、売掛金を担保にする融資制度というのは新しい制度でございますので、やはりこういった制度が円滑に運用されていくためには、そのノウハウの蓄積というのはもちろん不可欠でありまして、そのためにやはり対象となります金融機関とか、あるいは信用保証協会が売り掛け先のリスクなどを的確にまず審査を行うということと、それから売掛金の弁済とか新たな売掛金の発生等の状況を適切に把握するということが私は不可欠だと思っております。 そのために、この制度をいかに運用していくかということで細部のルールづくりをしておりまして、今現在、弁護士であるとか公認会計士、あるいは学者の皆さん等々の専門家、あるいは金融機関であるとか信用保証協会の実務者も交えまして、今徹底したルールづくりをしておりまして、もう最終段階の実務の詰めを行っております。この法律が成立後、直ちにそういった検討結果を踏まえました具体的なガイドラインというものを各信用保証協会であるとか金融機関に対してお示しをさせていただきまして、十分これを活用しながら周知徹底をしていくという作業を行いたいと思っております。 また、リスク判断の問題でございますけれども、これも民間のいろんな調査機関がございますし、またいわゆるCRD、クレジット・リスク・データベース、中小企業の信用状況についてのデータベースでございますが、こういったものもしっかりと活用していただいて、的確な審査をしていくことに役立てていきたい、このように思っております。
○直嶋正行君 揚げ足をとるわけじゃなく、今の古屋さんの言われた的確な審査をするのが非常に難しいというのがね。 それで、例えばきちっとやろうとすると、場合によったら企業の売掛金台帳まできちっと過去のやつも見ないと、実際に債権が担保にたえ得るものかどうか判断できない、金融機関から見ると。ところが、企業から見ると売掛金台帳なんか見せられませんよと。もっと本音で言えば、一応赤字になっていますが本当はもうかっているというケースもあるかもしれないし、なかなかこれは金融機関もそこへ手を突っ込みにくいところがあるんですよ。これはもうざっくばらんに言ってそんな声があるんですよ。だから、そんな簡単に企業の方は、ガイドラインをつくって基準つくられても、本当にそんなことをやるのかどうか、非常にこれは難しい面があるんですよと。 金融機関はそこら辺をいいかげんにやるとこれはこれでまた問題が出ますから、ですから、何といいますか、いわゆる合理的な基準というよりむしろ取引慣行だとか、そこの経営者の企業家の心理だとか、いろんなものがこの問題、新しいことをやろうとすれば絡んでくると思うんですよね。 ですから、そういうことも含めてどれぐらい普及するとお考えですか、とりあえずスタートして。
○副大臣(古屋圭司君) 一応一兆円あるいは二兆円規模ということで考えておりますけれども、これは今回初めてスタートすることでございますので、やはり今のリスク判断の問題、運用の問題等々、そういった疑問点であるとかあるいは問題点を一つ一つ解決をしていくことによって、私は十分に定着する可能性があるし、また要するに資金調達手段の有効な一つの方法として、中小企業者にとっては極めてうまく運用すれば大変有効的かつ効果的な方法だと思っておりますので、いかにそういう方法に我々が持っていくかということが重要でございますので、しっかりその辺を絶え間なく検証しながら対応していきたいと思っております。
○直嶋正行君 それで、もう一つ、僕がさっき短期か中長期かと聞いたのは、実はここら辺が難しいのであえて実はお聞きしたんですけれども、今、古屋さんはそういうふうに御答弁されたんですが、そこで問題になるのはリスクの問題なんです、金融機関から見た。 ですから、今回はこれは確かに一〇〇%保証じゃありませんが、九〇%は保証をつけるわけです。もう保険もつける、こういうことですよね。そうしますと、金融機関側から見ると、リスクは一〇%なんですよ、貸出額の。そうすると、いろいろ聞いてみますと、結局初めてのことだからいろいろわからないこともあるし、複雑な審査をしなきゃいけないかもしれぬけれども、それは手間暇かかる。そうすると、はっきり言って、一〇%のリスクですから、それなりのことをやってお金をお貸しすると。金融機関の人はさすがにそこまで言いませんが、借り手の側の人たちをいろいろ聞くと、結局そんなことじゃないんでしょうかと。結局これは、もしそうなってしまうと、いわゆる今の無担保無保証人というこの融資の制度にさらにこれを上乗せしていく、こういうことになってくるわけですね。だから、非常に短期的対応ができる仕組みじゃないかなと。ちょっと皮肉な言い方ですけれども、そういう面があるんじゃないかというふうに思うんです。 実際に聞いてみますと、やはり一番これに期待している人たちはどういう人なんでしょうかというと、もう担保を全部出しちゃって、担保余力がなくて、今資金ニーズのある人、この人たちが一番期待しているんじゃないでしょうかと、こういうお話なんです。ですから、ここら辺を含めて、この制度はしようがない、こういうふうにお考えなんでしょうか。
○副大臣(古屋圭司君) 今委員御指摘の懸念がならないように運営していくことが大切なことでございまして、そういった観点から、まずは金融機関にも一定のリスクは負っていただくという考え方で九〇%と一〇%ということを設定させていただいたわけであります。今非常に厳しい経済情勢でもあるし、また金融機関に対しても経営の健全性であるとか自己資本率の問題等々、非常に厳しく審査内容がなっておりますので、ある意味では金融機関も非常に敏感になっておりますので、一割といえども、まあいいやというようなことは決してないというふうに認識をいたしております。金融機関もこの一割のリスク負担というものを非常に重く見まして、これはうまく活用していきたいという声も現にございます。 ただ、委員御指摘のように、とりあえず金融機関のリスク負担については一〇%ということで始めましたけれども、今後はやはり運営の実態を見ながら、将来的にはその比率というものも見直しということも私はあり得るというふうに考えております。ただ、最初にやはりスタートするときに、余り金融機関に過度のリスク負担ということになりますと、この運営自体が広がっていかないということにもなりかねませんので、まずその辺のバランスを考えながら一〇%からスタートして、状況を見ながら適宜適切に対応していきたいというふうに考えております。
○直嶋正行君 今ちょっと古屋副大臣からお答えがありましたが、私もやはり将来的にこの保証比率というのは、この制度だけじゃないかと思いますが、動かしていくといいますか変動させていく、さらに金融機関のリスクもきちっと管理をしていくという運用は絶対必要だと思いますね。 それから、さっき副大臣お答えになったように、保証率とか保険料率とかそういうものも、今いろんなデータベースをつくったり、そういうインフラも整備されるわけですから、当然マーケット機能が働くような仕組みに、いかに中小企業向けの保険制度といっても、そういう方向にやはり改善をしていかないと、さっきちょっと御指摘させていただいたような問題が解消できないんじゃないか、こう思うわけでありまして、ぜひこれは急いでそういう検討をしていただきたいと思いますが、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の点は、私どもはそのとおりだと思いますので、そういう形で我々としても準備を進めているところでございます。
○直嶋正行君 それから、ちょっと次にお伺いしたいのは、この制度の想定事故率というんですか、これは何か一・二六だというふうにお伺いしました。今の保険制度でいうと、一般保証の場合はたしか想定事故率が二%程度だというふうに聞いていますが、それよりかなり低いわけなんですが、これは何か根拠といいますか、そういうものはあるんでしょうか。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘ございましたように、この売掛金債権担保保証の事故率は一・二六%という想定でいろいろな予算措置を講じております。御指摘ございましたように、普通保証制度、これは二・〇%という想定の事故率でございますが、この売掛金債権担保保証に類似しております手形割引保証制度というのがございますが、その事故率の実績が〇・六三でございまして、私どもとしては若干安全サイドに立って、その二倍の事故率を想定して、前提としていろんな対応をするということで今やっているところでございます。 売掛金債権担保保証は、無担保保険等に比べますと短期でもあるといったようなこともありまして、リスク管理の面ではよりすぐれた制度というふうなことで考えておりますので、こういったことで対応することで十分できるのではないかというふうに考えているところでございます。
○直嶋正行君 ちょっとその一・二六が、今の御説明は一つの論拠を持って、手形の倍だ、安全を見込んでいるよと、こういうことで、それはそれで理解できるんですが、結局この事故率の見方が、さっきの特別保証もそうですし、保険制度のいろんな予算措置をしていく前提になっているんですね。だから、二兆円の効果で事故率をどれぐらいはじいて、今回もたしか補助金とか出資金五十九億円でしたかね、何か補正予算ではじいていますよね。ですから、結局、こういう数字が将来的に税金を使っていったりする一つの根拠になっているわけですね。 ですから、これも今僕はこれは間違っているから上げろとは言いませんが、さっきるる申し上げたような実態とかいろいろ考えると、やっぱり保証比率が非常に高い、九〇とか一〇〇に近いときは、逆に言うと、過去の経験からいうと事故率は高目に設定しておかないと危なくてしようがないと思うんですよね。 そういうものも含めてやはり今後御検討いただきたいと思うんですが、この点はどんな、もし御見解があればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) 先ほど大臣、副大臣から御答弁がございましたように、リスクをどういった格好でもってカバーしていくかということにつきましては不断に見直す必要があると思います。したがいまして、事故率だとか回収率だとか、そういった点については制度の運用の中でこれをフォローして、それを改正すべきものがあれば改正をしていくというような格好で対応していくことが必要だと思っています。 その意味では、先生今マーケットというお言葉を使いましたけれども、私どものCRDといったようなデータ集積というものも活用しながら、そういった面での改善を間断なくやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○直嶋正行君 次に、ちょっと性格が違うんですが、最近、倒産がふえる中でかなり大きな問題になっていますのが労働債権の保護なんですよね。 こういうふうに制度をつくっていきますと、例えば今回の売掛金もそうなんですが、これを担保にしてお金を借りますと、もしその企業に何かあった場合は、担保優先ですから労働債権は後回しになるんですよ。ですから、その企業はそこで働いている人たちに対しては労働債務を負っているわけですね。ですから、この債務がこの問題にかかわってくるわけですよね。しかも、これはもちろん労働債権でありますから一人一人の生活に直結してくる話でありまして、ですからこの新しい制度をつくっていくというのは、僕はそれはそれで一つ意味があるとは思うんですが、しかし一方でやはりそういう新たな問題を生み出してくるということになると思うんです。 ですから、この点、労働債権の確保について、これは経済産業省の直接のマターではないのかもしれませんが、例えば倒産法制の中でどういうふうに位置づけていくかとか、そういうことも含めて、ぜひこういう制度をおつくりになった経済産業省の方でも御尽力をいただきたい、あるいは御検討をいただきたいと思うんですが、この点いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 今回創設を目指している売掛金債権担保融資に対するこの信用保証制度というのは、不動産担保に依存した従来の中小企業金融の制約から脱却をいたしまして、物的資産に乏しい従来の中小企業に対する資金供給の拡大を目的としたものでございます。 本制度の創設で売掛金債権が担保として資金調達に活用されるようになれば、中小企業が物的担保の不足から資金繰りに行き詰まって破綻し、労働者が失業するようなケースを減らすことに資すると我々は考えています。一般に公示された担保権は労働債権を含む他の債権に優先すること、こういうふうになっているわけでございますけれども、このことは売掛金債権担保に限らず、不動産担保の場合も同様でありまして、したがって本制度により労働債権の優先度に変更を加えるものではないと、このように我々は認識をしております。 労働者の立場からも、企業が健全に存続することが最も望ましいことを考えれば、事業継続の潜在力を持った中小企業の資金繰りに大きな効果が期待される今回の制度は、中小企業で働く労働者の立場からも意義を持つものでございます。 法務省においては平成十五年中を目途に破産法制の抜本見直しを行う、こういう予定だと私どもは承知しております。その中で労働債権の取り扱いも検討対象の一つになり得る、こういうことになっております。 ただし、本問題は利害関係者が非常に多いことから大変難しい問題であり、十分かつ慎重な対応が必要となると、こういうふうになっているところでございまして、今御指摘の面も踏まえまして、労働者の労働債権に対して非常に不利にならないように私どもは一生懸命働きかけていきたいし、そういう努力をさせていただきたいと、こういうふうに思います。
○直嶋正行君 後段の方の御答弁でちょっと安心したんですが、最初は倒産しないようにいろいろ手を打っているんだからそんなもの気にしなくていいじゃないかみたいな感じでちょっと聞こえたものですから。 確かに、新たな制度で中小企業にとってもこれは役に立つ制度だと思うんですが、やはりさっきも言いましたように、それだけ今度は、万が一のときには債権を回収する分母そのものが小さくなるわけですから、担保でとられちゃいますとね。ですから、これはやはりそこに働いている人たちの生活の問題等含めて、経済合理性ということではなくて、もう少し別の角度からぜひお考えをいただければというふうに思います。 それで、最後に一点ちょっとお伺いしたいのが、もう一つ特別小口保険の上限額のアップというのがあります。今回は一千万から一千二百五十万円に上限額を引き上げる、こういうことなんですが、ちょっと私の方も分析をしてみましたら、例えば一千万になったのが九八年、ですから平成十年に七百五十万から一千万になっていますね。しかし、過去五、六年を見ますと、大体小口融資の平均単価、平均金額というのですか、これは大体三百二、三十万、三百三十万ぐらいでずっと推移しているんですね。三百万強で大体推移しています。ですから、平均利用額というのは全然変わっていないんです。 こうやって三年単位で上げていっているわけですが、これは何かそういう理由が、これだけ見ると私の方はあえて上げる必要もないんじゃないかな、こういう感じもしないことはないんです。例えば去年は三百二十六万、十一年度は三百三十八万、十年度は三百三十二万ですから、ほとんど変わっていないんです。 この点どういうことになっているんでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) 御指摘の特別小口保険制度でございますが、これは昭和四十年に制度が発足いたしました。そのときの付保限度額は五十万円ということでございまして、それ以来、小規模企業者の資金ニーズの増大に合わせて限度額を逐次上げてきたわけでございます。 御指摘ございましたように、ここ数年の特別小口の一件平均の付保額を見てみますと、三百二、三十万円ということで推移をしているわけでございますが、他方、例えば七百万円から一千万円といった限度額に近いところの額を利用している割合がどうかということを見てみますと、最近では付保残高で七百万円から一千万円の間にある残高で二割を超えているというような状況になってまいりました。 したがって、そういったことで限度額に近いところの残高がふえているというような状況にかんがみまして、一千万円を引き上げるニーズ、これが相当程度あるんではないかというような判断から、今回限度額を引き上げるということにさせていただこうと考えたわけでございます。
○直嶋正行君 今のような根拠はわかりました。 ただ、ちょっとここでぜひ御検討いただきたいのは、これは零細企業向けの融資ですから、今お話のように金額の大きいところがいろいろふえてくるんで上限を上げているということなんですが、逆に言うと、この制度を使うとほかの保険制度を使えないというデメリットもあるんですよね。 ですから、そういうことも含めて比較的大きな金額でやれるところは、やはり零細なところに置いておくんじゃなくて次のところへ移していくみたいな工夫は何かできないのかなというのをちょっと私は感じました。これはもう指摘だけにさせていただきますので、もし御検討いただければというふうに思います。 終わります。
○委員長(保坂三蔵君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、午後一時に再開することといたしまして、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(保坂三蔵君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び新事業創出促進法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤原正司君 民主党・新緑風会の藤原でございます。 私は、この七月に当選いたしまして、当委員会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、新事業創出関連について質問させていただきますが、その前に、先般合意を見ましたCOP7の関連につきまして、大臣もCOP7の直後、WTOの会議にも出ておられたということで、改めて見解をお聞きしたいというふうに思うわけでございます。 まず最初に、私の質問の視点は、この地球温暖化対策というのは子々孫々に対してきれいな地球を残していくという意味において国際社会の大きな責務であり、日本もそれ相当の応分の責任を果たしていかなければならない、これはもう言うまでもありません。 しかし、このことと温暖化、とりわけ炭酸ガスの排出は、人類が文化的な生活を送る上で経済活動をやるとこれは当然出てくる問題でございまして、温暖化対策という問題は地球を美しくしなければならないという問題と同時に、そのことの及ぼす経済的な影響、あるいはそれは究極のところ国民生活にまで影響を及ぼしてくるわけですから、このこととどうきちっとやっていくのかということを論議しておかないと、ただ美しい地球が必要だということだけでは現実に進んでいかないというふうに思うわけでございまして、その点から質問させていただきたいというふうに思うわけでございます。 まず、その前提としまして、小泉内閣として京都議定書について批准をされるという方針が決まったというふうに承知をいたしておりますが、改めまして確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) COP7での合意を受けまして、十一月十二日に地球温暖化対策推進本部が開催をされたところでございます。この場で、京都議定書の二〇〇二年締結に向けた準備を本格的に開始することとし、京都議定書の目標を達成するため、現行の地球温暖化対策推進大綱を見直すことと、また同時に、これから次期通常国会に向けて京都議定書締結の承認と、そして京都議定書の締結に必要な国内制度の整備、構築のための準備を本格化する、こういうことになっております。 現在、内閣官房及び我が省を含めました関係各省において、この本部決定を踏まえまして検討作業を開始しているところでございます。
○藤原正司君 ありがとうございます。 その上で、具体的な質問をさせていただきたいわけでございますが、COP7におきましては、COP3の決定を受けまして、京都議定書を具体的に進めていく上でルール化を論議されたわけでございまして、今回合意を見たということはそれなりに評価しなければならないというふうに思っております。 しかし一方で、御承知のとおり、アメリカがこの議定書にサインをしないということを明確にいたしております。アメリカは、世界の四分の一、先進七カ国では三分の一の炭酸ガスを排出している国でございます。さらに、中国やインドなどにつきましても、削減義務についての論議が先送りされた。こういう中で、今後に残された課題も大変大きいわけでございます。 我が国が約束をした責任を果たす、そのために最善の努力を行うということは当然のことでございますが、全体としての実効性の観点から見ますと大変大きな問題をはらんでいるんではないかというふうに思うわけでございます。 小泉総理は、このCOP7終了後におきましても、アメリカの参加のために最後まで一生懸命努力するんだということを言っておられるわけでございますが、その後あるいは今後、このアメリカの参加問題についてどのような努力をされ、あるいはされていこうとするのか、この点についてまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のように、地球温暖化対策の実効性を確保するためには、全世界の温室効果ガス排出量の四分の一を占める米国、及び近年排出量が急速に増加をしております人口が十二億とも十三億とも言われております中国、あるいは人口が十億を超えていると言われているようなインド、そういった開発途上国を含め、全体での削減というものがやっぱり達成のためには私は不可欠だと、このように思っています。このような観点から、これまでも米国に対しては日米のハイレベル協議、こういったところを通じまして米国に対して建設的な対応を求めるべくさまざまな働きかけを行ってきております。 さきに開催されましたCOP7において、京都議定書に関する具体的なルールについては御指摘のように決着を見たわけでございますけれども、地球温暖化防止のための国際的枠組みのあり方に関する議論は、当然のことながらこれで終結したわけではございません。我が国としては、あくまでも米国、さらには今申し上げたような開発途上国、こういったすべてのものを含めて一つのルールで行動するように国際的枠組みの構築を目指して最大限の努力を傾けていかなければならないと思っておりまして、こうした方針は地球温暖化対策推進本部でも一度確認をしたところでございまして、総理を中心にこういった全部が一つになって取り組むような、特に米国に対して私どもはこれからも強力な働きかけを行っていく、こういう方針でおります。
○藤原正司君 ぜひ、引き続きまして最善の努力をしていただきたいというふうに思います。 そこで、これから温暖化対策を進めていく上で極めて重要なバックグラウンドとしての経済の認識、これまでいろいろ経済の認識につきましては論議されておりますので、簡単に現状についてお聞きをしたいというふうに思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 世界の経済というのは今非常に厳しい状況になってきておりまして、九〇年代の牽引役でございましたIT産業が一とんざを、私はITというのは将来第二段階を迎えると思っていますけれども、今一とんざの状況になっていると。それから、九月十一日のあの同時多発テロ等で、非常に今世界経済の状況、それから我が国経済の状況は厳しいものだと認識しております。
○藤原正司君 今大臣もおっしゃいましたとおり、我が国の経済指標はどれを見ましても、ふえてほしいものは黒三角、減ってほしいものは白三角、まさに見るのも嫌な状況にございます。唯一頼みの個人消費につきましても、勤労者の家計消費はこの九月で六カ月連続マイナスということで、この個人消費についても大変陰りが出てきている。こういう状況で、今や日本経済につきましては景気後退と物価下落の悪循環の中でまさにデフレスパイラルに飲み込まれそうな、そんな状況にあるわけでございます。 そこで、このような中で我が国が約束の履行に向けて取り組んでいく際、我が国の経済が受ける影響、その分析と、具体的にどのように対処していくのかということが極めて大事になってこようかというふうに思うわけでございます。 何とならば、地球温暖化問題というのは、先ほども申し上げましたように、環境という側面というものもございますが、片側で国益の衝突する通商の側面を大変強く有しているわけでございます。温暖化ガスの削減目標の難易度の違いがその国の経済活動に大変大きな影響を与えてくるということからでございます。 例えば、日本の場合、そしてアメリカの場合、EUの場合、この基本年度であります一九九〇年から考えまして、二〇一〇年におきますそれぞれの炭酸ガスの排出量予測でいきますと、日本の場合は二〇%、アメリカでは二一%、EUでは二%ということが予測をされているわけでございまして、日本の場合、この目標の達成のためには二六%、アメリカは二八%、そしてEUは一〇%の削減でございます。したがって、その難易度が大変違いがあるわけでございます。 我が国の場合、既に二度の石油ショックを契機に世界で最高の省エネ水準を達成しているわけでございまして、GDP当たりの炭酸ガスの排出量は、アメリカに比較いたしまして三分の一、EUに比較して二分の一という極めて低い水準になっているわけでございまして、これからさらにCO2を削減しようとすると、その追加的なコスト負担というのは極めて大きなものになるわけでございます。 例えば、日本の場合ですと、炭酸ガス一トン当たりの削減コストというのは約四百ドルでございます。これに対してアメリカは二百ドル、EUで三百ドル、こういうことでございまして、日本の場合は大変重いコストという荷を背負いながら取り組んでいかなければならない、こういうわけでございます。 このことは、今大臣もおっしゃいましたように、大変厳しい経済下のもとで、とりわけ中小企業には大変大きな影響を与えていく、こう考えざるを得ないわけでございまして、こういう点から考えまして、先ほど申し上げましたように、どのようにこの目標達成のことが我が国の経済に影響を与えてくるのか、そしてそういうことを勘案しながらどのような施策を講じていくのか、できるだけ具体的にお聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきます。 委員御指摘のように、今度のCOP7の合意、我が国にとっても非常に高い数値目標であるということは私も否定はできないと思います。このCO2の排出量というのは経済活動と密接に連係していますので、その経済政策、エネルギー政策と環境政策、この三位一体となって推進をしていくということが必要なわけでありまして、委員今御指摘ございましたように、実際にこのCOP7の合意目標のために取り組むことによってどれぐらい経済に影響があるか、こういうことでございますが、いろいろシンクタンクも試算を出しておりますけれども、現時点のままではGDPに対してマイナスになる可能性があるという報告を出していることは事実であります。 その背景には、やはり日本は、今御指摘がありましたように、オイルショック等々幾度かの試練を乗り越えて、もともとそういった省エネルギーであるとか排出ガスの削減に対して相当努力をしてきたという経緯があるわけでありまして、そういった観点からすると、さらなる努力をしていかなきゃいけない、こういうことであります。 ただ、やはり私は、この二十一世紀というのは環境の時代でもあります。したがって、その環境の保全というものと経済というものをいかに両立をさせていくかという、これが一番私は重要であると思っています。そのことこそが技術革新にもつながっていくということであります。 したがって、我が国の経済に、まず基本的な考え方としては、過大な負担というのはまず避けなきゃいけない。それから、負担の公平性というものは担保していかなきゃいけない。それから、あとは経済の合理性ということをしっかり考えていかなきゃいけない。そういった観点から、経済界も創意工夫をし、また我々としてもそういった環境を、COP7に向けての数値を達成するためのいろんな角度からの支援というのが必要であるというふうに考えております。 また、一方では、国民のライフスタイルというものもやはり変えていく必要があると思います。運輸関係あるいは民生関係はやっぱり九〇年レベルと比べまして相当ふえております。運輸はもう二十数%ですね、民生も二〇%程度はふえているということでございますので、ここでいかに省エネ的な生活、ライフスタイルにしていくか。あるいは、いろんな器具でも省エネの商品もございますので、そういうのに切りかえていく。あるいは、太陽光発電等々もありますので、こういうものに切りかえていくとか、個人のライフスタイルというものを環境に優しい姿に変えていくという努力も必要でありますし、また御承知のとおり、京都メカニズムがございますので、やっぱりこの京都メカニズムをいかに効果的に活用していくかというようなことが必要であります。 今申し上げたように、こういうことを総合的に対策を講じていくということが必要で、そのためにも、今大臣がお話もございましたように、政府の中に地球温暖化対策本部というものをつくり上げまして、総理大臣をキャップといたしまして、我が政府の最重要課題の一つとして総合的に政府を挙げて取り組んでいくべき課題である、こういうふうに認識をいたしております。
○藤原正司君 いろんな試算データもありますが、マイナス方向という定性的な表現にとどまったわけでございますけれども、〇・六%ぐらい影響あるだろうとか、いろんな試算データもあるわけでございまして、このまま放置していくならばかなりの影響が出ざるを得ないということではないかというふうに今思うわけでございます。 そういう面からも、先ほどございましたように、京都メカニズムといいますか、排出権取引の問題についても早期に日本が体制を整えていかないと、手おくれになってしまっては大変なことになる。この点についてもぜひ御検討を進めていただきたいというふうに思うわけでございます。 そして、今も副大臣がおっしゃいましたように、この温暖化対策という問題は、産業界のみならず広く国民全体が進めなければならない。そのためには、国民がこの問題についてどれだけ深い理解を持っておられるのか、あるいはこれからどう理解をしていただくのかということが極めて重要なポイントになるわけでございますが、これは内閣府が行った調査によりますと、今回の京都議定書の内容について国民の方で御存じの方は二〇%しかおられない、こういう状況にあるわけでございまして、この数字というのは極めて問題でございます。 これから国全体、国民も含めた全体が取り組んでいかなければならないというときに、国民の方は、COP7とかCOP3という言葉は知られていても、その中身が一体どういうことなのかということについて御理解がいただけていないということは、これから国が進めていく上でも大変大きな問題ではないかというふうに思うわけでございます。 例えば、批准された場合、総理が特別声明でも出されて、不断の決意を持って日本は約束を進めていく、その場合こういう影響もあるけれども国民も協力してほしいというふうなことぐらい言っていかないと、ただCOP7の問題と、そして日々の国民生活の問題を分けられた状態で進むということであったとすれば、これは政府が言われるような全体となって進むということにならないのではないか。この点についてお考えがございましたらお聞かせ願いたい。
○副大臣(古屋圭司君) 今、内閣府の調査で二〇%という結果が出たという御指摘もございました。確かに、今度のCOP7の内容はややテクニカルな部分もありまして、国民がそれをすべて理解をするというのはなかなか現時点では難しいと思います。 ただ、COP7でCO2の排出量を将来にわたって相当削減していかなくてはいけないんだという認識はある程度持っていただいたんじゃないかと。しかし、その具体的な内容になりますと、例えば京都メカニズムの問題だとか遵守事項の問題だとか、そういうややテクニカルな部分がございますので、そこまではまだ至っていないのかなという感じでございます。 いずれにいたしましても、やはり我が国がライフスタイルを変えていくためのPRも同時にしていく必要があると思っております。 先ほども指摘をさせていただきましたが、運輸部門では二三%、民生いわゆる家庭用では一五%、そして業務用では二〇%、実は十年間でCO2の排出量がふえております。こういったことも日々日ごろの生活の積み重ねでございますので、一つ一つそういうところを国民一人一人が工夫をしていただいて、省エネ、そしてCO2の排出抑制を図っていくという気持ちがまず必要だと思います。そのためにも、やはり政府を挙げてそういったコンセンサスづくりが必要だと思っております。 経済産業省としても、例えばシンポジウムを開催したりとか、あるいは展示会を開催してきめ細かな普及活動に努めていきたいと思っておりますし、あるいはラベリング制度を普及させて省エネ製品を購入していただくとか、あるいは関係省庁ともさらなる密接な連携をして地球温暖化対策に省を挙げて取り組んでいく、このことはもう申し上げるまでもないことでございます。
○藤原正司君 私が申し上げたかったのは、COP7の中のあるいはCOP3の中の京都メカニズムがどうだとか、細かい排出権取引がどうだとか、そういうところまで理解してもらうにこしたことはないにしても、そこまで理解してもらうということよりも、地球環境問題に対応していくということは、これはすなわち経済問題であり、国民生活に密接不可分の関係なんだということについて、まず深いところで理解をしてもらうということが極めて大事なんだということを申し上げたかったわけでございます。 その上で、これから国内対策について環境省あるいは経済産業省を中心に検討が進められていくということになるわけでございますが、私は、個人的な受けとめかもしれませんが、どちらかというと環境省というところが表に出てきて、実際に遂行していく経済産業省というところがどうしても見えない。これは私の個人的な受けとめにすぎないのかもしれません。 これから進めていく上で、これは内閣一体となって進めていかなければならない。組織的には総理が本部長になっておられます地球温暖化対策推進本部というのもあるわけでございますが、この点、内閣一体となって進めていくということについて本当にそうなっているのかどうか、恐らくなっているというお答えしかないと思うんですけれども、この点についてもう一度お尋ねしたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、温暖化対策は政府が一丸となって取り組んでいく必要があろうと思います。環境省あるいは経済産業省というそういう観点ではやはり解決できない問題でございまして、そのためにも、内閣総理大臣を長として地球温暖化対策推進本部を発足させたということ、そして、その中でもやはり環境省と経済産業省の役割というのは私は大きいと思っておりまして、この両省の大臣が副本部長として本部に入っておりまして、今後とも密接な連携をしていくということが不可欠だと思っております。 官房長官と連携して、環境省、そして我が経済産業省との意見交換をこれからも繰り返し行いながら、いかに環境と経済を両立させていくか、この一点を、我々共通点でございますので、その目標達成に向けて頑張っていきたいと思っております。 また、私ども与党の方でも対策本部をつくり上げる作業の準備を進めておりまして、これも内閣と与党が一体となって取り組んでいこう、こんなような体制をつくり上げる作業を今しているところでございます。
○藤原正司君 ぜひ一体となって、実効の上がる対策について取り組んでいただきたいと思います。 COP7関連の最後に、先ほど副大臣もおっしゃいましたように、やはり国民の理解、とりわけ国民がライフスタイルを変更して、省エネという問題について大きな問題として受けとめてやっていただく必要が大変あるわけでございますが、そういう中で、国民の理解を求めていくどのような運動をしていくかということがあるわけでございます。 我々国会議員もあるいは内閣も、小泉総理は低公害自動車に公用車の中で何台かおかえになるというようなことを言っておられたわけでございますが、例えば我々議員自身で考えましても、夏の暑い盛りになぜスーツを着てなければならないのか、あるいはなぜ省エネスーツといいながら半袖のスーツを着なければならないのか、半袖のシャツだけでなぜだめなのか。こういうことを変えていけば、あっ、変わったと。要は、スーツを着なければ権威が保てないわけではないわけですから、そういうことも含めて、これは我々自身の問題であると同時に、内閣も、国民にどういうアピールをしていくのかということが極めて大事だと思うわけですが、この点について、最後にCOP7の質問をさせていただきます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変重要な御指摘だったと思っております。やはり国民一人一人がそういう意識を持つ、それが共通の意識になったときに非常に大きな効果をもたらす、そういったことは当然だと思っております。 先ほどお触れになりましたけれども、小泉内閣では中央官庁で使っている公用車、約七千台あるわけですけれども、これを低公害車に切りかえようと。不肖、私が第一号でハイブリッド車に乗る、こういう形で順次今それが広がってきております。これを地方にも広めて、まず政府が率先垂範をして国民の皆様方の理解を深めていこう、こういうことであります。 さらには、各省庁の屋上の空間を利用して太陽光発電の装置をつくり、そして国民の皆様方に向かって、省エネ、そして新しいエネルギー、こういうようなものをPRをしていく、こういう体制をとっています。 そういう意味で、これからはやはりきめ細かく国民の皆様方の理解を得るために、広報活動を含め、またCO2を排出しないようなそういう機器の開発に対してはインセンティブを与えるようなことを率先やっていく、そういうこともあわせて必要だと思っておりまして、PR関係には万全を期してこれから臨んでまいりたい、このように思っています。
○藤原正司君 スーツの問題はお隣に議運の理事もおられますので、ぜひ私の方からお願いしたいというふうに思っております。 それで、新事業創出の前にまず一つ、先週、小泉総理は、四兆円程度の第二次補正をされるということを明言されたわけでございます。実は大臣も十一月六日に、政治家として個人としてではあるがということで第二次補正の必要性を言及され、真水かどうかというのは別ですけれども、四兆円までぴったり符合しているわけでございますが、十一月六日といえばまだ補正予算が上程されていない段階でございました。 あの時点で言及された意味というのは一体どういうところにあるのか。必要ならば補正予算の中でしっかりと必要な対策を打つべきではないか。ですから、あの時間の差の中でどういう状況の変化があったのか、その点も含めましてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藤原委員御指摘のとおり、私は、政治家個人とお断りしてそういう発言をさせていただきました。 実は、それに先立ちましてテレビの番組に出演したときに、私は、構造改革というのは絶対に避けて通れない道だけれども、しかし、やはりある意味では経済を活性化する政策も同時進行で必要じゃないか、こういう形で割合早い時期にテレビで補正について言及をさせていただきました。 その中で、一次補正というのが一兆円の規模で行われる。その後の会見の中で、私は今の経済動向を見ながら、政治家個人として、やはりやるんでしたら今の経済動向の中ではもう少し力強い、そういう補正予算を組むべきではないか、こういう考え方で申し上げたことでございまして、実は前段階で、そのときは一次補正というのをそのぐらいの規模でやるべきだと、こういう主張をしておりました。一次補正がそういう形になりまして、さらに意見を求められて、政治家個人としては二次補正が必要なのではないか、こういうことで申し上げた、これがその流れでございます。
○藤原正司君 この問題はまた次に、二次補正のときに我が党の方からやると思いますので、とめておきたいと思いますが、新事業創出の問題について入らせていただきたいというふうに思います。 大臣は、いわゆる平沼プランというものを九月二十日の日に策定された。この中で、開業、創業を合わせて現在年間十八万社程度のものを五年間で倍増したい、こういう方針を打ち出されたわけでございます。 ところが、このねらいとするところは、私なりに理解しまして、アメリカが一年ほど前まで百四十カ月程度ですか、順調な経済成長を果たしてきたその背景といいますか、要因の一つにベンチャー企業の目覚ましい誕生があった。こういうものがあって、日本においても沈滞した経済を何とか立て直していきたい、その一つとしてベンチャーといいますか、新しい企業をたくさんつくっていかなければならない、こういう大臣の強い意思のあらわれであるというふうに理解をしているわけでございます。 しかし一方で、御承知のとおり、新しい企業のいわゆる創業の倍増計画というのは、実は平成十一年にもあるわけでございます。経済新生対策、この中でも打ち出されているわけでございます。経済の状況が悪いというようなことはあったにしましても、結果としてこの方針というのは、創業よりも廃業の数が多いというこの逆転した格差をさらに拡大した状況で今日に来ている、こういうことになるわけでございます。 そこで、大臣のこの平沼プランというのは、いろんな施策をやる上で一つの根拠立てとして用意されているものなのか、いや、そうではないんだ、やっぱり五年で何としても倍増していかないと日本の経済が活性化して立ち直っていかないんだ、したがってこれは極めて重い意味を持つものなんだと、こういうふうに受けとめるべきなのか、この点について大臣のお覚悟も含めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藤原委員御指摘のように、平成十一年十一月の経済新生対策において、中小企業基本法の改正や投資事業組合への公的機関による出資の拡充といった中小・ベンチャー企業振興の総合的施策の効果として、五年後に開業数が十万社程度増加する、これを期待すると、こういうことが打ち出されました。 各施策をそれに基づいて着実に実行に移してきたところでございまして、この結果、まだ比較可能な正式な統計は出ておりませんけれども、平成十一年と十二年度では、新たに登記された会社数をもとにいたしますと新規開業数は着実に増加しているという傾向は見えるわけでございます。そういう中で、平沼プランというのはこうした施策の効果をさらに加速化いたしまして、開業、創業の促進に向けたある意味では経済産業省の決意を示させていただきました。 その中で、ストックオプション制度の拡充、これを図っていく。それから、土地担保等に乏しい場合も多い創業者を対象として、ビジネスプランを審査して、担保や本人保証を求めないで融資できる制度の創設など、平成十一年度に比べれば深掘りをした、そういう新たな施策を盛り込ませていただきました。 今の景気動向から見ますと、やはり足元の経済というのは非常に厳しいわけでございまして、そういう中で、今御指摘がありましたアメリカの九〇年代が、新規産業を起こして、そこに雇用を吸収して、そしてさらに経済が拡大した、こういうことでございますので、私どもとしてはこれは避けて通れない道だと。 ですから、平成十一年度、これはこれなりに効果がありましたけれども、さらにこれに本腰を入れて、そして今回お願いをしているような新規開業に対しても、開業しやすいそういう仕組みをつくる。そういうことで活力を与えながら、日本の経済、そして雇用の拡大、こういったものを図っていこうと不退転の決意で臨んでいるところでございます。
○藤原正司君 今大臣の力強い決意をお聞きしたわけでございますが、その実現を裏づけていく、そういう手だてといたしまして今回もいわゆる支援パッケージというものが付加的に用意をされているわけでございますが、これまでの施策に比べて一体どう違うのか。これは、これまでの新事業創出促進法の評価も含めまして、私は今回の内容が平成十一年の経済新生対策の反省とフォローというものを十分踏まえた上でつくられているのかどうか、疑問を持たざるを得ないというふうに思うわけでございます。 それだけに、今回用意された付加的な施策をもって本当に平沼プランといいますか、倍増計画というものが進んでいくのかどうか疑問を持たざるを得ないわけでございますが、その点についてあわせてお尋ねをしたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 平成十一年の支援と平沼プランの支援の違い、そしてその内容はどうなのかといった趣旨の御質問だと思いますけれども、まず平成十一年当時でございますが、いろんな実績は上がってきておりまして、例えば中小企業総合事業団の投資事業組合、いわゆるベンチャーファンドへの出資を開始しまして、現在までに十二の組合に出資しまして、ファンド総額は二百億円、二百三十四のベンチャー企業に出資をいたしております。また、ストックオプション制度、これも拡充をいたしておりまして、この制度は御承知のように活発に活用されているということでございます。 また、今回の創業倍増計画に基づく支援でございますけれども、これをさらに強力に肉づけをして補強していこうということでございまして、まず、そのうち平成十年に創始した創業向けの融資制度はいろんな要件がありまして、例えば勤務要件五年以上していないとだめだとか、実際に立ち上げるときにそんな五年というのはなかなか不可能な話でございますので、そういうやや実情にそぐわないということもございましたので、そういった反省を踏まえまして、このような形式的な要件は廃止をいたしまして、すぐれた事業計画を有する創業者に対しては、その事業内容を担保に、無担保、無保証、本人保証もなしということで融資をするという制度を今回補正予算でお願いしているところでございます。 また、全国各地区の商工会あるいは商工会議所において、やはり何といっても人づくりというのが重要でございますので、人をつくるための塾、創業塾、こういうことですぐれた事業計画をつくる後押しをしていこう、こんなようなことも考えておるわけでございます。 また、地域での産学官連携による新事業創出を強力に推進しておりまして、今回の補正予算でも二百億円計上をしているところでございます。 このような対策によりまして、創業支援ではいわばハイテクベンチャー、何となく創業といいますとハイテクベンチャーという感じがしますが、それだけではなくて、全国にあるいろいろな物づくりであるとかあるいはサービスであるとか、津々浦々にそういう新しい多様な業種を数多く創業させていこう、そのためには力強い推進をしまして、平沼プランに掲げますような創業倍増の目標達成を何とか図っていきたいと、このように考えているところでございます。
○藤原正司君 ということは、今大臣の御答弁あるいは副大臣の御答弁あわせますと、やっぱり五年での倍増計画というのは極めて重いものがあって、必要ならば今後十分な対策をとっていくという決意のあらわれでもあるというふうに理解をしていいということでございますね。 その上で、この新事業創出関連保証についてでございますが、今回、一千万から一千五百万円に引き上げられるということでございますが、この一千五百万の根拠というのは一体何なのか。そして、現在の一千万円の限度額の中において、一体どのような実態になって、実績があるのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 御指摘のございました新事業創出関連保証制度、これまでに六千七百件、三百七十八億円以上の実績を上げておるわけでございますが、その利用の金額の分布状況を見ますと、いわば天井といいますか、上限に近い九百万円から一千万円という金額レベルを見てみますと、これが件数ベースで全体の二五%、それから金額ベースで見ますと全体の四四%を占めるに至っております。そういう意味で、私ども、一千万円を超える保証のニーズというものが実態的に相当数あるんじゃないかというような判断で、今回こういった法案を提案させていただいているわけでございます。 それから、他方、創業者の資金ニーズというものを見てみますと、私どもの調査によりますれば、創業時の借入資金の規模が一千五百万円以下という方が創業者全体の約九割を占めております。したがいまして、本保証制度の限度額を一千五百万円まで引き上げるということにいたしますれば、大部分の創業者向けに対しまして十分な開業資金を御支援申し上げることができるんじゃないかという判断で、こういったことを御提案させていただいているわけでございます。
○藤原正司君 そこで、今回の支援策も含めまして、中小企業に対しますさまざまな支援制度というものがあるわけでございます。 私自身、この中小企業の金融問題を初めとして詳しくないものですから、資料を取り寄せたり、あるいは中小企業施策総覧、これは中小企業庁が発行されております厚さ二、三センチある分厚い本ですが、これを見れば見るほどわけがわからない。余りにも複雑でわからぬというのが正直なところで、それは私の頭が悪いのかどうかわかりませんが、とにかくわからない。 私も現場の方にいろいろお尋ねをいたしますと、もうとにかく官製のいろんな制度というのは使い勝手が極めて悪いと。例えば、会社を起こそうとすると、金融面においても、その資金の調達をどのようにしていくかという面においても、融資があり、信用保証があり、出資があり、さまざまな手だてがある。その中の融資においても、国民生活金融公庫あり、中小企業金融公庫あり、マル経ありと。信用保証も、以下たくさんあると。そうすると、私が創業しようとすれば一体どういうふうにしてやっていけばいいのか。 私、この中小企業施策総覧でも、これは担当者用ということでつくられていると善意に理解して、それぞれの部署がこういうものがありますよというつくり方になっているわけですが、実際に利用する立場から見てマーケット・インの形での資料のつくり方になっているかどうかと、そういうこともございます。 いずれにしましても、私も労働組合やっておりましたから、いろんな制度をつくっていくときに、会社側も組合側ももう先輩のつくったこんなものだめだというのはなかなか言いにくいものですから、ちょっと横っちょに何かをひっつけると。お役所は決してそんなことはないんだと思いますが、いろんなものがちょこちょこひっついて、いろんな制度はそれなりに理屈が立つようにちょっとずつ制度の中身が書いてある。 しかし、これほどたくさん種類をつくり、そしてこれほどたくさんの組織が対応しなければできないのかどうか。これは行政改革にも関連してくる問題なんですが、余りにも多くて複雑多岐にわたっているというのが私の感想といいますか、思いでございます。 こういう点から、もう少しスクラップ・アンド・ビルドという観点からすっきりした制度にできないものかどうか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藤原委員御指摘のとおり、大変きめ細かく対応させていただいておりまして、そういう意味ではなかなかわかりにくい面がある、それは御指摘のとおりだと思います。 そこで、我々といたしましては簡素化をしていかなきゃいかぬし、しかしそれぞれ多様なニーズがありますから、それにもおこたえをしていかなければならない、そういう一方の側面もございますので、やはり簡素化できるところは簡素化をしながら、しかし多くの窓口、そういうものを通じて御相談を受けたらわかりやすく説明できる、そういう体制をつくる。 そういう形で、全国の経済産業局もきめ細かく対応するシステムをとっておりますし、また商工会議所や商工会を通じましても、そういう御相談を受けて実際に希望を持っておられる方がどれに合致するかということに対しても懇切丁寧にお話を申し上げるようなそういう体制をつくる、こういう対応もさせていただいていますけれども、御指摘のとおり、簡素化すべきところは簡素化し、国民の皆様方にわかりやすい、そういう体制をつくることを心がけていかなければならないと、このように思っています。
○藤原正司君 現場でそれなりの任におられる方も十分まだ使いこなし切れないというところが率直なようでございまして、ぜひ今申し上げました内容について御検討いただければと思うわけでございます。 そこで、会社を起こそうとする人が、どのような制度が国にあるのか、どのようにこれを知っていくのか、まず一番最初の窓口のところについてお聞きをしたいわけでございます。 既存の業種で、例えば散髪屋さんでありますとかあるいは食料品店でありますとか、そういうのはある程度業種別に業界の組織ができて、それが商工会議所とか商工会に入っておられる。だから、縦の流れで大体のことがわかるわけでございます。 ところが、脱サラをした、今は自発的退職もありますし非自発的退職も大変多いわけでございますが、このような方が割り増し退職金をいただいたと。そうすると、今までの技能を何とか活用する形で会社でも起こしてみようか、こう思われたときにどこへ相談に行けばいいのか、その一番最初の接触面がよくわからないという方が大変多いわけでございます。 ですから、先ほど言いました既存の業種の方は割合御存じで、確かに利用度も高い。そういうこととは無縁の方は全くわからない。資金調達の関係についても非常にその選択肢が狭いものになってしまう、こういう状況があるわけでございます。こういうせっかくの制度があったとしても、それを必要とする人たちに対してどのようにその宣伝をしていくのか、PRをしていくのかというのは、これは極めて大事な問題だというふうに思うわけですが、この点について。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘なさいましたように、施策を中小企業の方々あるいは創業を希望されている方々に周知徹底するといいますか、十分知っていただくということが中小企業政策としては非常に重要であるということは御指摘のとおりだと思います。 私ども、従来、例えば商工会議所だとか商工会といったような組織にもいろいろお願いをして普及啓蒙に努めてきたわけでございますが、先生御指摘のあられましたような、例えば脱サラで創業をしたいというような方々に関しましては、そういった既存のPRのルートに加えまして、国の支援策の情報収集手段といたしまして、例えばマスメディアの活用だとか、あるいはインターネットを活用して情報収集をするといったようなことも有力なものだと考えております。 このインターネットの関係で申しますれば、私ども、ことしの十月にe—中小企業庁というホームページを立ち上げました。そこで電子相談窓口を開設いたしまして、電子的な手段によっていろいろな支援策等の相談サービス、これも応じております。また、メールマガジンも発行いたしておりまして、無料でございますが、既に一万四千人ほどの人が会員になっていただいていますが、そこでは毎月新しい情報をリフレッシュしてお届けをするといったようなこともやっております。 こういったことによりまして、例えば平成十二年度に商工会議所で創業塾というのを一生懸命やっていただいておりますが、そこでの参加者の過半数の方が、こういった新聞広告だとか、あるいはホームページというようなことで塾の存在を知って御参加をいただいたというような状況になっておりまして、そういった新しい手段というのもなかなか有効ではないかというふうに思っております。 そういったことも含めまして、例えば地域の中小企業支援センターあるいは各地の商工会、商工会議所にも引き続きお願いをいたしまして、さまざまな多様なルートを通じて脱サラの方々を含めました創業希望者の方々にきめ細かな情報提供ができるように努めてまいりたいと考えております。
○藤原正司君 大臣の倍増プランを実現しようとしますと、さまざまな努力をやっていく必要がある。したがいまして、創業の可能性のある芽というものについて、できるだけ広く掘り起こしてそれをどう育てていくかというあらゆる努力をしていかないと、そう簡単にこの現在の厳しい経済環境下で新しい企業がどんどん出てくるとは思えないわけでございます。この点で、実は厚生労働省の方にもちょっときょう御無理をお願いしているわけですが。 先般、ハローワークに行きました。ハローワークというのは厚生労働省の所管でございます。私は、新しく企業を持ちたいという中には、先ほど申しましたように、リストラをされた方でありますとか、要は脱サラの方が新しい雇用、就職先を求めてハローワークに行かれる。ところが、今、年齢的なミスマッチで、特に四十代あたりの一番脂の乗った中堅層あたりはなかなか仕事が見つからない。これはもう年齢というよりも給料のミスマッチということが一番正しいのかもしれません。 そういう方が、今までの会社生活を通じて身につけられたさまざまな技能というものを生かしつつ新しい会社を起こしていくという選択も、生活の糧を得ていくという上において一つあると思うんですね。そこで、そのハローワークに行きましたときに、いろいろ仕事は探したけれどもないと。そのときに、会社を起こすという選択、あるいはそういうヒントを与えていくという上で何らかの、例えばポスターであるとかチラシであるとか、そういうものがあるのかなと思ったんですが、今のところ見当たらなかった。 そこで厚生労働省は、これは雇われ人の対応をするのが仕事なんだから、無関係なのかどうかもわかりませんが、現在の厚生労働省のハローワークの実情についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(青木功君) ハローワークにおける創業支援へのかかわりについてのお尋ねと存じます。 御案内のように、ハローワークには、今、毎月大体二百数十万人の求職者の方がお見えになっております。そういう中では、先生のお話にございますように、いい仕事がなければ自分から仕事を起こしたいという方もたくさんおられるのではないかと思っております。 そこで、厚生労働省と経済産業省におきましては、ことしの八月からでございますけれども、両大臣がイニシアチブを持ちまして地域産業・雇用対策プログラムという共同の事業をスタートいたしております。そこでは、ハローワークを含む職業安定機関、それから経済産業省の出先機関でございます経済産業局あるいは商工会やその他創業関係の窓口と一緒になって、例えば就職面接会とそれから創業のためのベンチャープラザといった、経済産業省のイニシアチブを持った会合を一緒にやるとか、さまざまな協力事業を展開いたしております。 そこで、なかなか第一線、委員お話にございましたように、求人に対してどうやって結びつけるかというマインドが先に立つのは私どもの機関の性格として当然でございますけれども、お話にございましたように、求職者の方、多様な希望がございますので、そういった創業支援の窓口、せっかく両大臣のお力でできた共同プログラムでございますので、そういった創業者の方々に対して情報を提供するなりあるいは適切な情報窓口を御紹介するなり活動してまいりたいと存じます。
○藤原正司君 結局は今、大変な雇用情勢にあって、多くの失業の方がおられる。これは、経済を活性化させていきながらその中で雇用を吸収していくということも、大臣が言われるように、新しい会社をつくって起こしていくこと自身がこれは一面雇用対策であるわけでございます。 その意味で、ハローワークにこだわるわけではないんですけれども、例えばハローワークあたりにここへ行かれればこういう創業についての相談ができますという大きなポスターが一枚張ってあるだけでも変わってくるわけでございまして、ぜひその点につきましても、部門は別かもしれませんけれども、部門の垣根を越えてそういうサービスといいますか、PRというものについて、経済産業省の方からもぜひ御努力をお願いしたいというふうに思うわけでございます。 もう時間がなくなってきました。 次に、中小企業におきます資金調達といいますか、特に創業時におきます資金調達の問題につきまして、先ほど、午前中の論議にもございましたように、日本の場合はほとんど間接金融が多い。直接金融というものはさまざまな面においてメリットがある。すなわち、投資をした人が投資を回収し、そこから利益を生み出すためにその会社に対して指導、助言を行い、さらには顧客サービスまで行い、それは育成にもつながっていく。ただ金を貸すというだけではなくて、出資するというのはそういう意味でも大変大きな意味があると。 その意味で、日本が直接金融の比率が低いというのは、あるいは直接金融そのものがなかなか育っていかないというのは大変大きな問題ではないか。これは国民性の問題もあろうかと思いますけれども、直接金融をどのように拡大していくのか。アメリカの実態は午前中にもお話がございましたので特に言及はいたしませんけれども、どのようにこれを拡大されようとするのか、お聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、日本はまだまだ直接金融のマーケットが成熟しておりませんで、アメリカの場合は、いわゆるスタートアップ企業の資金調達はもうベンチャーキャピタルによる投資によって賄われている、それが大体平成十年度末で十四兆円を超えている、これぐらいの直接金融市場が今整備をされているというところでございます。そういった意味では、日本はまだまだおくれておりますけれども、やはり中小企業の資金調達も直接金融というものを活用していくということが私は非常に重要だと思っております 残念ながら、日本は今、アメリカのそういった投資額の二十分の一ぐらいであろうと、こう予測をされておりますし、また投資段階も、いわばスタートアップ段階ではなくて、もう株式を公開する直前とか、こういうところに偏重しているという状況でございまして、そのため、本日御審議をいただいております新事業創出促進法を制定して、創業及びスタートアップ段階でのベンチャー企業に対する資金供給を活性化させるため、民間からのリスクマネーの供給となる投資事業組合への公的な出資制度、いわゆる中小企業総合事業団からのベンチャーキャピタルファンドの出資制度でございますけれども、これを創設させていただいたわけでございます。 また、十一年に法律の改正が行われましたけれども、ここにおきましては公的出資をさらに強化をいたしておりまして、いわばスタートアップ段階でベンチャー企業に対する支援というものを積極的に行っていこうと、こういった環境整備を行っているわけであります。また、御承知のように、平成十一年度にはマザーズだとかナスダック・ジャパンといったベンチャー企業向けの新しい市場が開設をされたところでございます。 いずれにしても、今後とも、やはりベンチャー創業のためにはこういった直接金融市場というものを育成していくことが不可欠でございますので、個人の投資家の育成も含めて積極的に対応をしてまいりたいと、こんなふうに思っております。
○藤原正司君 時間が参りました。 人材育成のことで先ほども創業塾のお話がございました。これは限られた地点で限られた頻度でしかできないと。問題は、そういうさまざまな支援機関の中にそれだけの能力を持ったアドバイザーといいますかコーディネーターという人を配置しながら、常時いろんな相談に乗っていける、あるいは指導、育成できる体制というのが望ましい。それは末端まで置くということではないにしても、そういうことが望ましいし、その人材については、今民間には大変な技能を持った方が残念ながらリストラでおられる方もたくさんおられるわけですから、そういう民間の人材を活用しながらこの人材育成ということの手だてを講じていただくということも含めましてお願いをいたしまして、これはもう答弁は結構でございますので、私の質問を終わらせていただきます。
○草川昭三君 公明党の草川であります。 まず最初に、中小企業の金融機関の貸し渋り状況についてお伺いをしたいと思います。 御存じのとおり、十一月二十七日に重機メーカーの新潟鉄工が東京地裁に二千二百七十億の負債で申請をしておるわけでありまして、ついにここまで来たかというような感じであります。かなりの関連する中小企業も大変困っておみえになると思うんですが、全国の中小企業の貸し渋り状況を把握している当局の見解を賜りたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) お答え申し上げます。 最近の中小企業に対します民間金融機関の貸し出し状況についてでございますが、私ども毎月、中小企業への貸し出し姿勢実態調査というものを実施いたしております。その調査結果によりますれば、金融機関の貸し出し姿勢が厳しくなったと、こういうふうに回答する中小企業の割合は、昨年の九月には二〇%以下の一九・四%でございましたが、その後急上昇いたしている。特にことしに入りまして急上昇いたしておりまして、ことしの十一月の調査では二四%近くというところまで上昇をしているという状況でございまして、私ども、ことしに入って非常に厳しい貸し出し状況になっているというふうに認識をしているところでございます。
○草川昭三君 そこで、中小企業に対する金融機関の対応なんですが、たまたま商工中金というのがあるわけでありますし、中小企業金融公庫、いわゆる政府系の金融機関の果たすべき役割というのは私はますます大きくなってきておるのではないかと思うんです。 ところが、特殊法人改革の中で政府系金融機関の見直しが論議をされているわけでございますけれども、ぜひ見直しに当たっては中小企業への公的金融サービスの低下を招かないようにしてもらいたいと思いますし、円滑な資金供給がなされるように配慮すべきではないかと、こう思うんです。 それで、たまたま今申し上げました商工中金は、国から四千億の出資だけですね、それで全国の二万八千の中小企業者の組合から千億、それであとはワリショー等を発行して資金調達をしている。約十一兆円の融資をしているわけでございますし、ワリショーの発行で約十三兆円の資産運用をみずからの市場で調達をしておるという、外国にも非常に高く評価をされる機関だと思うんです。 これをもし完全に民営化するということになりますと、モルガン・スタンレーという評価会社がございますが、暗黙の政府保証がこれは否定されたと見るべきではないだろうか。同金庫の財務格付は、Aプラスから考えて格付はトリプルBまで低下する可能性があるというようなことが伝えられているわけですが、改めてこの問題についての見解を賜りたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 小泉内閣のもとでは、民にできることは民でということで特殊法人改革を進めている、これはもう事実でございますし、進めていかなくてはならないということも当然だと思っています。 しかしながら、今委員の御指摘のございました政府系金融機関、特に商工中金、私どもはあと中小公庫がございます、そのほかに国金がございまして、これはいわば中小企業者への、なかなか資金調達が民間の金融機関からおぼつかないというところに対してその補完機能としての役割を果たしておりまして、極めて重要な役割を私は果たしていると思っておるわけでございます。特に、今のような非常に景気状況が厳しいときには、こういった政府系金融機関の役割というのは非常に大きいというふうに認識をいたしております。 これは具体的に申し上げますと、まず中小企業のための金融のセーフティーネットの役割でございます。これはもう委員御指摘のとおりでございまして、特別融資等大変効果がございました。また、最近はテロの影響あるいはBSEの影響等々でもこういった政府系金融機関によるセーフティーネット機能というものが大きな役割を果たしているわけでございます。 また、新たな試みといたしましては、今も質疑がございましたけれども、いわゆる創業者に対する融資、これも始めております。また、リスクの高い資金の円滑な供給あるいは企業が倒産した場合の再生途上にある企業への融資、いわゆるDIPファイナンスなど新しい資金調達方法の中小企業への普及支援というもので重要な役割を政府系金融機関は果たしているわけでございます。 したがって、私どもといたしましては、こういった役割を十分に認識しながら、政府系金融機関として民間の補完をしていくという立場から支援をしていきたいと、このように思っております。
○草川昭三君 小泉内閣の基本的な考え方はあるわけでありますし、我々も協力をするのはやぶさかではございませんけれども、だめなものはだめだということだけは明確に、やっぱり中小企業を足場に置いて主張すべきは主張すべきだということを特に強く申し入れておきたいと思うんです。 それから、本議題にもなるわけでございますが、売掛金債権担保の融資保証制度を今回創設すると。これは、小泉内閣の中でも竹中経済担当大臣も非常に強い関心を示し評価をしておるというやに我々は聞いておるわけでありますけれども、その中小企業が抱えている、先ほども出ておりますが、約八十七兆ぐらいになると見込まれる売り掛け債権をうまく活用するというのは、これは非常に私は知恵を出す方法としては、さまざまな心配はありますけれども、画期的なことだと思うんです。 しかし一方、来年度の予算編成にいよいよこれで入っていくわけでありますが、来年度の予算編成は、もう御存じのとおり諮問会議が主導権を握っておるわけですよ。この諮問会議の今のあり方は、これは我々も、一般論ではありますけれども、どうしても旧大蔵省というんですか、財務省主導型で予算編成がなされていくわけでありますが、ここらあたりになりますと、今のこの法律もそうですが、新しく物をつくっていこうという新規の予算要求とぶつかる点が私はこれから多々出てくると思うのでございますが、前向きの改革を進めるためにも、私は、ここでぜひ大臣の、来年度の予算に対して、いわゆる経済産業省として時には財務省の基本的な考え方とぶつかることもあると思うんですが、どういう態度をとっていかれるのか、このことに関連して一言お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) この売り掛け債権を担保とした新しい保証制度に対して御評価をいただいたと、大変ありがたいことだと思っております。 そして、予算編成についての所見と、こういうことでございまして、私は経済財政諮問会議のメンバーの一人でもございます。そういう中で、私どもとしては、一つの例を申し上げますと、小泉内閣の一員ですから、それは大方針には従わなきゃいかぬと思っておりますけれども、例えば、二次補正というのはNTTの株式に依存したそういう無利子貸し付けということがベースになっております。そうしますと、やっぱり箱物に限定をされる、こういうことになりますと、今、新規産業創出でございますとかきめ細かい中小企業対策、こういったところに予算というものが十分反映されない、こういう形に相なっておりますので、私も経済財政諮問会議の場で、やはりこのことはランニングコストも含んだ形で、ちゃんと新しい、例えばイノベーションに寄与するあるいは研究投資に寄与する、そういった形で柔軟性を持つことが必要だということもずっと主張させていただいております。 そういう中で、私どもはやはり経済産業省でございまして、その中でも中小企業を抱えている役所でございますので、そこに力点を置いて、私どもとして主張すべきことは主張し、そして譲れないところは一生懸命頑張って獲得をする、こういう基本姿勢で臨んでいかなければならないと思っております。
○草川昭三君 会計検査院は見えていますか。 会計検査院にお伺いをしますが、特別保証制度について、昨年、特定検査対象として検査状況を掲記していると思いますが、その内容を述べてもらいたいと思います。
○説明員(円谷智彦君) 本制度につきましては、平成十、十一、両年度の検査報告におきまして、「特定検査対象に関する検査状況」として取り上げておりますけれども、昨年は保証承諾の状況や代位弁済、それから回収の状況について分析をしたところであります。 そして、所見といたしまして、本制度は、中小企業者の資金融通の円滑化の面からは一定の効果があったものの、企業の倒産件数の推移などの状況から見て、その効果が限定的になってきていること、また同制度を利用した小規模企業のその後の財務状況の推移を見ますと必ずしも財務体質の強化となってあらわれてきていないこと、そして返済額の軽減など保証条件の変更の件数が増加していることなどから、今後事故率が上昇する事態も懸念されること、さらに無担保の比率が非常に高いことなどから想定した回収率を下回る事態も懸念されるところでありまして、こういったことから、本院といたしましては、今後とも本制度の実施状況について引き続き注視をしていくという旨の記述をしたところであります。 以上です。
○草川昭三君 簡単な今の発言ですけれども中身は相当深刻で、しかも正鵠を得ているというんですか、問題点を指摘をしていると思うんです。いわゆる効果がまだまだ限定的ですよ、それから財務体質の強化になってはまだあらわれていないよ、そしてまた今後回収率の下回るということも考えなければいけないという非常に重要な問題提起をしておるわけです。 本制度はことしの三月に終了しておるわけですが、検査院はことしも取りまとめの報告をされることになると思うんですが、どうかということです。また、その内容がどの程度の、今私が質問をしたようなことを踏まえて、どの程度の内容になるのか、まだ発表すべき段階ではないんでしょうが、さわりぐらいはこの際お聞かせ願いたいと思うんです。
○説明員(円谷智彦君) 本制度につきましては、今お話ございましたように、今年度も重点的に検査を実施したところであります。 その結果につきましては、「特定検査対象に関する検査状況」ということで取りまとめる予定にしておりますけれども、実は近日中に内閣に送付をいたす予定でありますので、詳しい内容につきましては、その後、必要がございましたら先生のところで御説明をさせていただきたいというふうに思っております。 ただ、新聞報道等が一部なされまして、その中に、信用保険が二年後破綻というような記事の内容がございましたけれども、そういった内容にはなっていないということを申し添えておきたいと思います。 以上です。
○草川昭三君 そこで中小企業庁にお伺いしますが、大臣でもいいんですが、今お話ありましたように、これは先日の朝日新聞の記事ですが、「国一兆円拠出の中小企業信用保険 二年後、破たんの恐れ」という大きな見出しで、「会計検査院指摘」と、こう書いてあるわけですが、これを見た人は相当深刻に思うんですが、当該の役所としてどのようなお答えになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) ただいま先生が御指摘なさいましたような趣旨の報道が先月末になされたことは私どもよく承知をいたしております。 しかし、これは、平成十二年度末の保険準備基金の残高が約一兆円、これに対しまして平成十二年度の保険の収支がマイナス四千七百億円という二つの数字から、単純に一兆割る四千七百億ということで二ということで、基金が二年ぐらいで枯渇するんじゃないかというような計算をして発表したというものじゃないかと思っておりまして、その意味で、私どもは、単なる全くの機械的な計算でございまして、客観的な事実といいますか状況を正しく反映しているものではないというふうに考えております。 先ほど来、大臣、副大臣から御説明がありますように、信用保険制度は中小企業の金融セーフティーネット対策の重要な柱として非常に大きな役割を担っているというふうに私ども考えておりまして、その意味では、その役割というものは今後ますます重要になると思っております。 こういった観点に立ちまして、一つとして、信用保険制度の財政基盤の充実強化を図るということを一生懸命やってまいりました。平成十年度以降の三年間で合計一兆二千億円を超える出資を中小企業総合事業団に対して行ってきたわけであります。また、各信用保証協会の共同出資によりまして債権の回収会社を設立する等のいわば回収体制の強化といったことも努めてきたわけであります。また、リスクに応じた保証料率体系の導入といったようなことも今後の大きな課題として取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。こういった各種取り組みによって、この保険制度が果たす役割あるいは機能というものが十分できるように今後とも努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○草川昭三君 基本的な点でございますので、ぜひ頑張っていただきたいと思うんです。 それで、新事業創出促進法のことについて一つ質問をしたいわけでありますが、これの認定は、ただいまのところ経産省関係で百五十件、総務省ですから多分郵政関係だと思いますが二十六件、その他若干の各省庁関連の認定がございまして、全部で百九十一件と承知をしておりますが、これは国がお墨つきを与えたものだ、大変これは私は立派な認定だと思うんです。これはもう当然、業者というのですか民間会社としては、新事業創出促進法で認定を受けたよというのは誇り中の誇りだと思うんです。それで頑張ると。 ところが、私も驚いたんですけれども、経済産業省の新規産業室から「新事業創出促進法の認定に係る注意事項について」というのがことしになって、平成十三年一月にこの注意事項が出ておるんですよ、A4判の。これを見て、ちょっとさわりだけ読みますが、もう持ってみえると思うんですが、皆さん聞いてください。「「認定」について 当該認定は、新事業分野開拓の実施に関する計画(以下、「実施計画」)を認定したものであって、事業者やその具体的な商品やサービス、技術自体を認定したものではありません。認定を受けた旨を商品に刷り込むことや宣伝に利用すること、その他当該認定の効力について消費者や取引先に誤解を与える行為は厳に慎んで下さい。」と書いてある。こういうのを宣伝しちゃだめよとこう言っているわけです。 せっかく一生懸命知恵を絞って、こんな厚い資料をもう半年ぐらいかかり、通産局だとか本省へ行って、私はこういうことをやったんですよ、こんなすばらしいことですよ、これで事業を立ち上げるんですよと言っていたら、それを宣伝しちゃだめですよ、中身は知りませんよと、こう来るわけです。計画だけをひとつ認定しましょうと、こういうことだと思うんです。中身の責任は国は負いませんと、こういうことだと思うんです。だけれども、私はそれはよくわかるんですよ。中身についてずっと、これ、このものを購入したんだけれども責任とるかと言われたときに、それは知りませんということだと思うんだけれども、それにしても、せっかく片一方でこう盛り上げておきながら、片一方で厳に慎め、宣伝しちゃだめよというのはいかがなものかと思うんですが、その点どうですか、大臣。一回お答えを願いたいと思うんです。
○副大臣(古屋圭司君) 委員御指摘の件でございますが、これについては認定ということがどういうことかということをまず説明申し上げたいと思います。 この認定というのは、最低限の審査を行いまして、可能な限り迅速かつ簡素に手続を行って、そしてこの法律の支援の措置の適用を受けられるかどうかということをまず認定するということでございまして、認定を受けるということが即その事業も全部うまくいきますよというところまで認定しているものではないということは御理解をいただけると思うんですけれども、実はこの認定をある意味で悪用しているケースというのが結構散見されるんですね。 いわば、お墨つき的に悪用して消費者にあらぬ誤解あるいは取引先に不利益を生じるというようなケースが実は起こっているわけでありまして、例えばちょっと調べてみたんですが、人の体型を3D計測した上で補正下着をオーダーメードする事業ということで、これは認定を受けたわけでございますけれども、このときに経済産業省が補正下着の効能が非常にすぐれていると、こういう認定を受けたというようなことで商品の説明をして販売していたということでございまして、こういった趣旨の認定はしておりませんので、そういった誤解が生じないようにその通達を出させていただいたということだと思います。 やはり事業者がその趣旨を十分に御理解いただいて正当に活用していただくということが一番いいわけですが、中にはこういうケースも出てきているのでやむなくそういう通達を出したという経緯があるということは、ひとつ御理解をいただきたいと思います。 ただ、この認定件数は、平成十二年三月に制度を行って以来、現在で百九十一件数えておりまして、実は株式公開にまで至ったケースがもう既に二件ありまして、これは非常に事業者にとってありがたい制度でございますので、今後ともこの事業というものをやはり有効的に、そして合法的に活用していっていただきたいと。事業者の皆さんの意欲に水を差すような状況にはぜひさせていってはならないし、またこういった通達を出すこと自体がそういった事業者の意欲に水を差すということには必ずしもならないんじゃないか、むしろそういった不正を未然に防止するという趣旨であるということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○草川昭三君 ならば、今申し上げたように、長い期間かかってわずかまだ百九十一件ですよ。その中の大半はベンチャーですよ、俗に言うベンチャー。そして、その後はストックオプションを従業員にも与えましょう、いずれは上場しましょう、今二件成功しておるという話、これは大変な話なんですよ。それが私は大半だと思うんです。 そういう一部の下着メーカーですか何かで、まがいをしたということから、何かやったというようなことからこういう通達が出たとおっしゃるんですが、私は、それはこの趣旨にこの通達自身がもとると思うんです。何なら、それは直ちに役所として撤回させりゃいいんですよ、それは話が違うじゃないか、我々はあくまでもベンチャーを育てるんだという。それを、こういう通達を見ると、せっかくまじめに一生懸命、将来我が社は上場を目指してというのが全くへなへなとなってしまうということを私は言いたいわけで、そこは、そういう悪例があったからといってこの通達を出すということについて、私は一言申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、ベンチャー企業を創造するためには規制改革を推進するということが私は非常に重要だと思うんです。これは、それぞれの分野には所管省庁という厚い壁があるわけですが、これはやはり勇気のある行動を私は期待したいと思うんです。 例えば、非常に新しいものを開発する、そのものを設置しよう、例えば具体的なわかりやすい例で言うならば、新しいエネルギーを各家庭に配給したいとしますね。ところが、建築基準法でひっかかってこれがだめになる。あるいは新しいエネルギーをその中に注入しようと。わずかな新しいエネルギーだけれども、消防庁の許可があり、その消防庁の許可が得られない。もういろんな細かい障害があり、せっかく設置をしようと思ってもできない、あるいはそれが販売できないというようなことにもなっていくので、そういう場合に駆け込み寺をやっぱり役所の方で受けていただいて、役所のレベルで、これは我が省で認めたんだから十分協力をしてあげてくださいという横のラインでバックアップをするようなことが大切ではないだろうかと思うんですが、その点どうでしょう。
○国務大臣(平沼赳夫君) それは、草川先生の御指摘は大変重要な御指摘だと思っています。 これからいろいろ新規産業を伸ばしていく、また経済を活性化するということについては徹底的な規制改革を進めなきゃなりません。そういう意味で、今例でお出しになった建築基準法の問題で新エネルギーを利用することができない、そういう壁がある。そういったことをやっぱり大胆に私は取り払っていかなきゃいかぬということで、このたび、私が副本部長を務める産業構造改革・雇用対策本部で九月に取りまとめました総合雇用対策や、また九月に閣議決定された改革工程表では、規制改革の加速化に向けた具体的な施策を盛り込んでおりまして、やはりそういうことは、その本部、そしていわゆる改革工程表に基づいて横の連携を密にして、迅速に協力し合って規制の壁を取っ払っていく、そういうことで私どもとしても積極的に対応しなきゃいかぬと、このように思っています。
○草川昭三君 私募債を本当は少し、数点質問したかったんですが、時間がございませんのでそれを飛ばします。 そこで、マイカルの社債のことについて金融庁にちょっとこれはお伺いをしたいと思うんですが、いわゆるマイカルが倒産をいたしまして、社債のデフォルト問題というのが出ておるわけです。 私は、この問題についてはかねがね非常に疑問に思っておりまして、これは九月の十四日、民事再生法の適用をマイカルが申請しましたんですが、そのときには約三千二百億もの普通社債が債務不履行という状態でありました。そのうちの約九百億は個人投資家でございまして、約二万人が対象なんですね。これは、もちろん引受会社の大手の野村証券というのもあるわけですが、こういうところの責任というのは、私はもっと社会的にも糾弾をされるべきだと思うんです。最大の債権者は第一勧銀だと思うんですが、これが社債権者のために本来は回収に動くべきですけれども、社債の管理会社を兼ねているという、利益相反というんですか、そういうような問題もある。 いろいろと問題があるんですが、こういう点について一体金融庁はどのような監督をされておるのか、お伺いをしたいと思うんです。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 まず、本件のような証券会社による社債の引き受け、販売に当たりましては、引受審査が適正に行われて、投資家に対し目論見書をちゃんと交付し、適切な説明をするという必要があるわけでございます。 一般的に、証取法上、こういうケースの場合にどういう点が問題になり得るかといいますと、例えば有価証券報告書だとか目論見書に虚偽の記載がないかとか、あるいは販売に際しまして目論見書がちゃんと交付されているかとか、あるいは投資家に対して適切な説明がなされているか、例えばですが、断定的な判断だとか虚偽の説明を行っていないかとか、そういった点が問題となり得るわけでございます。 本件につきましては、現在までのところ、このような法令に違反する行為があったとは承知しておりませんが、今後、法令違反行為が把握された場合には厳正に対処してまいりたいというふうに考えております。 なお、野村証券は販売証券会社としての立場から、民事再生法申し立て後のマイカル社、それから監督委に対しまして、社債権者に対する情報の適時開示だとか、それから社債権者、特に個人の社債権者への弁済の配慮、弁済率の引き上げ等を要請しているというふうに聞いております。 私どもといたしましては、こういった努力も含めまして、社債権者に対する情報提供や相談に適切にこたえることを要請していきたいというふうに思っております。
○草川昭三君 今、私これマイカルだけ何か突如として質問を取り上げたようなんですが、実はこの前段に私募債の質問をし、マイカルに移ろうという順番だったんですよ。 それで、異様かもわかりませんけれども、今、国民の金融資産というのは千三百兆とか千四百兆ある。それを何とか市場に呼び戻し、そういう資金というものをベンチャービジネスに注入するというのが新しい業を起こす日本のまさしく今日的な役割だと思っているんですよ。 だから、そういうためには、例えば今私が申し上げましたように、いろんな証券会社の責任というのは大きいよ、常に情報を開示しなければだめですよ、あるいはまた企業のいわゆる監査制度というものは一体どうなっておるんでしょうねと、こういうものが一つのトータルの問題として、国民の信頼がありませんとなかなかベンチャーのところに国民の金融資本というものが流れ込んでこない。これは信用という意味、信頼という意味で私は非常に顕著な例だと思うんです。 それで、それはもともと仕方がないんですよといえば仕方がないんですよ。ないけれども、もう二度と失敗をした方は手を出さぬでしょうね。いかにベンチャービジネスがあり、私募債を発行する、お金を出してもいいなと思っても手控えようと。これではお金が動かぬわけですよ。金を動かすことが日本の再生ということになるわけですから、私が取り上げたということを御理解願いたいと思います。 それから、非常にこれは細かいことになりまして難しい話ですが、過日、実は全国の商工会の大会がございまして、私の地元の方からも商工会の方がお見えになりましてこういう話があったんです。小さなスーパー等の小売店が、小さなスーパーなんですが、取引先の問屋から例えば卵だとか衣類だとか、八百屋の問屋からいろんな野菜を仕入れる、仕入れ分の前金を問屋から要求をされて困っておりますよ、それだけ実は信用がなくなっているんですよと、こういうわけです。 今までは、大きなスーパーが問屋さんに対して人を派遣しなさいよとか、権利金を出しなさいよとか、何とか協賛金を徴収したというのが問題なんですが、今は小さなスーパー自身が仕入れ先から信用がなくなり、現金を積まないと品物が入らぬということがどんどん出てきましたよ、草川さん、何とかこういうものに対応を考えてくれと、こういうわけです。 いろいろと相談はしましたが、これは難しい話なんですね。難しい話だけれども、そこまで実は零細なスーパーなんかは追い込まれておるということを一言私は申し上げたかったんですが、この点について、お答えがあればお伺いしたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 最近は消費が落ち込んでおりまして、スーパーさん、特に中小のスーパーさん、大変厳しい状況であるということは私もよく認識をしております。そういうこともありまして、最近は一部の小売業者から問屋の支払いにつきまして、その支払い期間を短縮しろであるとか、あるいは今御指摘のあったような保証金を積めというようなケースが実際にあるということは聞き及んだことがございます。 第一義的には、決済条件というのはそれぞれの事業者間でそれぞれの立場に立って決めていただくケースでございますので一律に申し上げるというわけにいきませんけれども、具体的な問題が出てくるということであれば私どもとしてもしっかり耳を傾けていく必要があると思っております。 例えば、大手の問屋が中小零細スーパーに対して、正当な理由が全くないにもかかわらず、優越的な地位を乱用したということであるならば独禁法の問題になってくるという認識は持っております。
○草川昭三君 それはそれで結構です。 それで、来年度の予算要求に、ベンチャーに関係するわけですが、大学発ベンチャー千社計画ということが今主張されております。産学官連携の推進ということになると思うんですが、これは新規開業を五年間で倍増させることを目標に、いわゆるこれはことしの五月に十五の提案という重点提案が出ておることの具体化だと思うんですが、これも新しい事業だと思いますが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 技術革新を活性化し、その成果を活用して新たな産業や雇用を創出していくということは我が国にとっては極めて重要な課題だと思っております。このような考えのもとで、技術革新の主要な担い手として期待される大学等からのベンチャー創出を促進する観点から、私自身が取りまとめました新市場・雇用創出に向けた重点プランにおいて、御指摘のように大学発ベンチャーを三年間で一千社創出する環境を整備することを目標として掲げさせていただきました。これを踏まえて、本年九月に、産業構造改革・雇用対策本部で取りまとめました総合雇用対策におきましても、政府全体で大学発ベンチャーを育成していくことが盛り込まれたところでございます。 経済産業省といたしましても、現在行っておりますTLO、技術移転機関の整備促進に加えまして、創業人材の育成、大学の技術シーズと産業界のニーズのマッチングによる実用化研究開発の支援、大学発ベンチャー創業に対する法務、財務等の経営面での支援の充実、地域における科学技術の振興等により大学等の技術の移転や活用を促進する施策を検討しております。 関連予算といたしましては、十三年度三百二十億、そして十四年度では五百億、そういう形で拡大をさせていただき、引き続き関係府省と一体となってこれらの施策を総合的に展開することによりまして、大学等と産業界との連携を一層強化いたしまして、我が国の産業競争力を強化するように全力を挙げてまいりたい、このように思っております。
○草川昭三君 その決意、大変大切だと思うんですが、これもことしの十月十九日の資料ですが、ダボス会議の主催者として知られる世界経済フォーラムの経済競争力報告というのがあるんですが、日本はこれで二十一番目に落ちてしまったんです。これはもう非常に容易ならぬ事態であります。どう考えるのかというのが大臣に一問。 それからついでながら、工作機というのがあるわけですが、これはマザーマシン、私どもの地元にも工作機メーカーが非常に多いんでございますが、つい過日、たしかヨーロッパで世界の工作機展というのがございました。それで、世界じゅうの工作機メーカーが出展をしておるわけですが、リニアマシンというのですが、リニアで機械の加工物が移動する、これは超スピードになるわけです。生産性は三倍ぐらいになるわけですが、これが日本の工作機械の出品は二割だそうです。ところが、ドイツの出品は八割以上はリニア駆動の工作機が出品をされているというので、非常にこれ日本の工作機技術というのはトップだと言われていたんですが、大分落ちておるのではないかという批判がございます。その点についてどう思うのかという質問は二つ。 それから最後に一問。愛知万博に関連する事業で早急に関係閣僚会議を開いてもらいたい。これは要望ですから、関係閣僚会議の要望だけ申し上げて、三点まとめてお答えを願って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お許しをいただいて、一点目と三点目は私で、二点目が副大臣ということでお許しをいただきたいと思います。 御指摘のように、世界経済フォーラムが発表しました順位は、我が国は七十五カ国中二十一位ということでございました。昨年は実は二十位でございましたので、さらに下がったということでございます。この順位というのは各国の今後五年程度の中期的な経済成長の潜在力を技術力、公的機関の役割、マクロ経済環境の三つの観点から評価をされるものですけれども、いずれも我が国は二十位前後と、こういうふうに低迷をしております。 こうした低い評価の背景というのは、我が国の研究開発を取り巻く環境が必ずしもイノベーションを活発に生み出すものになっていないこと、我が国経済が長期にわたり低迷をしていること、さらに公的セクターによるさまざまな規制や高コスト構造により我が国の潜在的な活力が十分に引き出されていない、そういった総合評価だと思っております。そういう意味で、私どもといたしましては、こういう状況を打破するべく、全力を挙げてあらゆる分野で取り組んでいかなければならないと思っております。 それから、愛知万博につきましては、関係閣僚会議でと、こういうことでございますけれども、関連公共事業の取り扱いについては、御提案の点も含めて、今後、関係閣僚と閣僚会議の場を通じ、また個々にも通じて全力を傾注したい、このように思っております。
○副大臣(古屋圭司君) 今御指摘いただきましたのは、リニアモーターを初め、日本の工作機械の状況はどうなのかといった趣旨の御質問だと思いますけれども、まず工作機械産業というのはもう世界一でございまして、日本は世界の三分の一、七十五億ドル生産しておりまして、その半分は海外に輸出をしておりまして、これはまさしく製造業の競争力を維持している源泉になっているところであります。 今御指摘いただいたリニアモーターの工作機械は、非常にここ数年、開発あるいは商品化が進められておりまして、決して欧州とかに比べて日本が劣っているということは一切ないと思っております。ただ、この機械はコストとかエネルギー消費の面でメリットとデメリットがございまして、やはりすべての工作機械をリニアモーターにするということはいかがなものかと思っておりまして、やはり高速な加工あるいは精密な加工など、この長所が生かされる分野に限ってリニアモーターが生かされていくんではないかと、こんなふうに思っております。 経済産業省としても、高速化と省エネルギーを両立しておりますリニアモーター、この開発につきましては、三年間で約八千万円の開発補助金を支給させていただいておりまして、いわば工作機械がこのリニアモーターに象徴されるように世界の最高の水準を維持していけるように、今後とも私どもとしては支援をしていきたいと思っております。
○草川昭三君 以上です。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 今回の二法案の改正案につきましては、私どもは基本的には賛成でございます。その上で、現下の景気の悪化、デフレの進行というのは史上最悪でございますので、そのもとで中小企業がもっともっと利用しやすい制度にするにはどうしたらいいのかというようなことで質問をさせていただきたいと思います。 私の地元は京都なんですけれども、先般も、二十七日ですけれども、上京団がたくさん来られまして、経済産業省、いろんな省庁に交渉などをさせていただきましたけれども、そのときに私思いましたのは、ことしの二月にも同じような交渉に来られているんですけれども、この十一月の二十七日に来られたときの様子というのは、極めて二月からわずかな期間ではございますが厳しくなっているなというのが実感です。 例えば、ある庭師の方で、四十九歳の若さで、税務署の非常に取り立てが厳しい、非常に非人道的な、入院中の人にまでいろいろ厳しくやったというようなことで、心筋梗塞で亡くなられたということで奥さんが来られたわけですけれども、そういう例だとか、それから呉服商の方が生活保護になってしまったというような訴えがあるんですね。 ですから、大臣もおわかりいただきたいのは、わずかこの数カ月の間で非常に事態は厳しくなっている、そういうもとでのこの法律の改正ということでございますので、私はそういう背景から幾つか御質問したいと思います。 まず第一なんですけれども、中小企業信用保険法の改正案です。 今回の法改正は、普通保険、無担保保険、特別小口保険のほかに売掛金債権担保保険を創設する、四種類の保険制度にするということなんですが、売掛金債権担保保険、これを創設することによって銀行からの融資の拡大を図るという点は、これは私は大変評価ができることだと思っています。 ただ、より根本の問題は、日本の銀行の融資のあり方、つまり物的担保主義とよく言われておりますし、あるいは土地担保の至上主義というふうな言葉でも言われますように、いわゆるそういうのが非常に強いものがございます。 今、不況、しかもデフレで売り上げが伸びない。資金繰りに困っている中小企業者の方がそういった金融機関から融資が受けられないで、今何に手を出しているか。町金融、日掛け金融、サラ金ですね、いわゆる、そういうところにうんとシフトしているというのがこれはもう事実でございます。 私も、地元で中小企業者やいろんな団体の皆さんとも懇談いたしましたけれども、京都の中小企業家同友会の方々なんかでも、銀行とかあるいは保証協会の要望などを聞きますと、やっぱりこの物的担保主義はどうしても改めてほしいんだというふうな御要望が強うございます。中小企業家の経営理念だとか経営方針だとか技術だとか、そういったものを総合的に判断して、それを担保として融資ができるようにしてほしいというような御要望は非常に強うございました。 そこで、大臣にお伺いしますけれども、やはり担保になる不動産などがなければ融資が受けられないといういわゆる金融機関の担保至上主義といいますか、偏重主義というようなものはやはり問題ではないでしょうか。銀行の使命からいいまして、地域経済の支援を円滑にしていく資金の提供、中小企業の経営を本当に支えていくという面からも、ぜひともそういう点で、経営内容だとか技術だとかを総合的に判断して貸し付けを積極的に行うべきだというふうに思いますけれども、大臣の基本的なお考えをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 金融機関がさまざまな形で融資を行う際に担保を徴求することは、それは一定の合理性があると思っております。我が国において、今、不動産等を担保とする貸し付けが二二%、第三者保証のついた貸し付けというのが三七%の割合、こういうような割合でございます。 しかし、先生御指摘のとおり、地域経済や中小企業への円滑な資金供給を図るためには、不動産に偏った担保徴求を前提とするのではなくて、御指摘のとおり、例えばプロジェクトファイナンスでありますとか、そういうプロジェクトファイナンス等の事業が生み出す将来のキャッシュフロー、こういうものに着目したり、それから今度は新規事業の創出で考えております事業計画、そういうものに着目をして融資等を一層活性化する、こういうことは私は基本的に行っていかなければならない、こういうふうに思っております。
○西山登紀子君 それでは、具体的な問題でお伺いをしていきたいと思います。 今回の改正では、保証協会と中小企業総合事業団で再保険契約を結んで、そして中小企業者と金融機関で売掛金債権に基づいて融資枠が設定されるということでございますが、保証協会と事業団の契約は一年の包括契約になっておりますけれども、中小企業者と金融機関との契約はどうなるのでしょうか。 一年間の期間、あるいはこの融資枠との、その金額まで融資が受けられる仕組みになるのか、それとも一回一回決めていくのか、それもお伺いいたしたいと思いますし、それからどのくらいの規模を予定されているのでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(杉山秀二君) 売掛金債権担保保証制度の仕組みの詳細は今検討をしているところでございますが、今、保証期間の御質問がございました。 多くの場合、あらかじめ中小企業者ごとに一定の保証金額の限度額を決めまして、その限度額の範囲内であれば一定の保証期間の中で繰り返し借り入れができるといったようなケースが多いんじゃないかと思います。そういった場合の保証期間としては、現在、一年間ぐらいを考えております。 なお、いろいろなニーズがあると思います。例えば、そういうことじゃなくて、個々の売掛金債権を個々に、個別に保証してもらうというようなことを御希望の中小企業の方もおられるんじゃないかと思います。そういうふうな場合には、保証期間というのは六カ月程度、あるいはそれよりちょっと短いかわかりませんが、六カ月ぐらいを念頭に置いて今制度設計をしているという状況でございます。 それから、どのくらいの融資規模を目指すのかという御質問でございましたが、現在、私ども、対象融資規模二兆円というものを目標として頑張っていきたいということで今考えておるところでございます。
○西山登紀子君 売り掛け債権が担保としてできるということは初めてのことでございますから、非常にこの点では利用者の側にもいろんな懸念がございます。私、四つの懸念を今お聞きをしたいと思います。これをなくしていくということの御努力もお聞きしたいわけでございます。 一つは、持っている売掛金債権の質の問題なんですけれども、結局大企業とか優良企業への売掛金は問題はないわけですが、そうでない場合の売掛金債権が認められるのかどうか。つまり、その審査をする権限というのは銀行が持っているというようなことで、その辺で振り分けがされるんじゃないかというこの心配が一つです。 それから二つ目は、売り掛け債権担保として金融機関に提出したことが相手先の企業に知れ渡って取引の中止などにつながらないとも限らない。この点はどのように担保されるのか。 それからもう一点は、債権担保で運転資金が得られることを、これは悪用ということになると思うんですが、条件にして、手形や支払いが延ばされるというようなことはないのかどうか。これが三つ目の懸念でございます。 それから四つ目は、売掛金債権担保制度というものが企業倒産のときに労働債権の保全に影響を及ぼさないかどうかということなんです。労働債権の優先順位について十分配慮を払う必要があるということなど、この運用に当たっての四つの懸念、どのように払拭されるのでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(杉山秀二君) 順次お答え申し上げます。 まず第一の懸念と申しますか御質問で、大企業向けなどの質のよい売掛金債権しかこのたびの制度の対象にならないのでは、そういうことにならないのかというお話でございました。 私どもといたしましては、できるだけ広く本制度を中小企業の方々に御活用をしていただきたいと考えております。したがいまして、売掛金債権の債務者企業が特に立派な優良な企業でない場合であっても幅広く対象にしたいというふうに考えているわけです。 ただ、その場合に、そうしますと個別のケースごとにそれぞれの債権というもののリスクを評価する、あるいはリスクに応じた判断をしなくてはいけないという問題が必ず起こってまいります。これは、一つには売掛金の売り掛け先の企業の財務状況の問題といったような経理、財務上のリスクあるいは売掛金債権が二重譲渡されないかとかいったような法律上のリスク、さまざまございます。そういった点を判断をいたしまして、それぞれその担保価値としての評価を一定の割合で行うというようなことをやる必要があると思っております。 こういった細目を現在詰めておりますが、いずれにしましても、特に優良な売掛金債権だけを対象にするというようなことではなくて、そういったリスク判断をし、そのリスクに応じた担保価値評価を行うということを含めて、その対象をできるだけ幅広く考えたいというふうに考えておるところでございます。 それから二番目の御質問の、金融機関が売掛金債権を担保にとったことを相手方に通知をしていわば信用不安といいますか、そういったことが起こるんじゃないかというような御懸念、御質問でございました。 確かに、我が国の場合、これまで売掛金債権を活用した融資というのはなじみが薄いものですから、売掛金債権に中小企業の方が譲渡担保の設定を行うというふうなことをいたしますと、どうもその企業の資金繰りが苦しいんじゃないかといったような風評といいますか評判が立って、当該中小企業の方の信用不安を惹起しかねないという御指摘があることは私ども認識いたしております。 これに対しまして、今般、こういう公的な支援の仕組みというものを確立いたしまして、この新しい信用保証協会による新たな信用保証制度を創設するんだということをよく啓蒙普及あるいはPRをいたしまして利用の促進を図っていきたい、そういうことによってこの売掛金債権を資金調達手段として活用することのいわば認知度というものを高めまして、そしてこういった風評被害といいますか、そういったような問題が起こらないように意識改革あるいは認知度を高めるといったような努力をしていくことが私どもとしても重要ではないかと思っております。 なお、一言申し上げますと、新しい債権譲渡特例法という法律によりまして、売掛金債権の譲渡担保の設定方式として登記という制度ができ上がってまいりました。これは、今御心配のございました風評被害の発生を回避するという意味では売り掛け先への通知を留保するというふうなことも認められるという制度的な対応も進んでいるところでございます。 それから三番目に、その保証制度によって売り掛け先であります企業が下請企業などに対してその支払い期日を延ばしたりすることがないのかというような御懸念でございました。 売り掛け先の親事業者が下請事業者と合意をした上でもって支払い期日を決めた場合には、その決めた後これを支払わないということに相なりますれば、下請代金支払遅延等防止法というものに違反になります。また、商品を提供した日から一定の期日を超えて支払い期日を延ばしてしまうというような場合にも同じように法律違反の問題が起こってまいりますので、こういった違反が起こった場合には、私ども法律にのっとりまして厳正に対応したいというふうに考えております。 それから、労働債権の保全の御質問がございました。 午前中、大臣が御答弁したとおりでございますが、本制度、物的担保の乏しい中小企業に対する資金供給の拡大を目的としているということでございまして、ある意味では物的担保の不足から資金繰りに行き詰まって倒産をしたり破綻をして労働者が失業するといったようなケースを減らすことにむしろ役立つんではないかというふうに思っておりますが、この労働債権のいわば順位といいますか、そういった問題につきましては、法務省の方で、平成十五年度中を目途に破産法制の抜本的見直しを行う中で労働債権の取り扱いも検討対象の一つにしているということで、いろんな利害関係者が多うございますので、また問題もなかなか複雑、難しい問題でもございますから、いろいろ各方面からいろんな意見を聞いて慎重な対応を図っていくんだというようなことを今法務省でお考えになっているというふうに承知をしているところでございます。
○西山登紀子君 ぜひ実効を上げられるように努力をしていただきたいと思います。 次に、特別小口保険の質問をさせていただきます。 これは、付保限度額を一千万円から二百五十万円ふやして千二百五十万円に引き上げるということなんですが、この点については賛成でございます。 それで、保険引き受け実績を見てみますと、非常に驚きました。といいますのは、平成十二年度なんですけれども、普通保険は約二十五万件あるんですね。無担保保険が約百二十一万件あるんですが、この特別小口保険には二万九千七百九十七件しかない、全体の二%しかないということ。これは中小企業者に有利だと言われる無担保無保証人の特別小口保険の制度なんですけれども、利用者がこんなに少ないというのはどういうわけなんでしょうか。
○政府参考人(杉山秀二君) 特別小口保証制度の利用実績、今先生御指摘なさいましたように、平成十二年度約三万件、一千億円という規模でございます。確かに、ほかの保険制度に比べて利用実績は少のうございます。いろいろ理由があると思いますが、一つには、この特別小口保証制度は無担保、無保証、無本人保証ということで非常に条件が緩やかといいますか、そういうことであるわけでございまして、事故率も高うございます。そういった観点から、やはり一定の財務基盤といいますか、経営基盤がある企業に御利用いただきたいというようなことの、そういう意味での利用の要件といいますか、そういうものがあるということが一つの要因だと思っております。 またさらに、特別保証制度というものがことしの三月末まで実施をされておりましたものですから、こういった制度を利用された小規模企業者の方も多かったんじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○西山登紀子君 その利用の要件なんですけれども、その中で私一番やっぱりネックになっているのは、納税をしないと保証が受けられないという点ではないかと思います。特別小口保険の利用者をずっと年度的に見てまいりますと、九八年には五万二千百二十一件あったんですが、それがだんだん減ってまいりまして、昨年は二万九千七百九十七件ということですね。つまり、不況やデフレがうんと深刻化して、結局は税金を納めることもできなくなっている業者がふえているためじゃないかと思うわけです。これはやはり納税要件の緩和が必要じゃないかと思います。 九九年の十二月十三日に、参議院の中小企業特別委員会で、実は山下議員がこの問題を取り上げております。当時、深谷大臣が「引き続いて検討すべき課題であるので十分に認識するようにという指示を出しております」という御答弁をなさっているんですけれども、平沼大臣はどのようにお考えでしょうか。ぜひ要件緩和が必要だと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別小口保証制度というのは、小規模企業者の方々を対象に、無担保、無保証、本人保証もなしで信用保証を行う特別な制度でございます。かかる本制度を持続可能な制度として運営しつつ、一方では簡易な審査によって迅速に小規模企業者への資金供給ができるようにするため、納税要件という客観的かつ明確な要件を設けて対応しているものであります。 このような趣旨から、現段階で納税要件は本制度の目的の達成のために必要であるとは考えておりますけれども、今後も小規模企業者が必要な事業資金を円滑に調達できるように、種々の観点から検討を続けていきたいと考えております。かつての特別減税等の政策の結果として納税するに至らなかったようなケースについては、私どもは前向きに対処すべきだと、このように思っています。
○西山登紀子君 ぜひその大臣の御答弁、履行していただきたい。今まで何回も、与謝野大臣も深谷大臣も検討する、検討すると言ってきたんですよ。だけれども、そのときとは事情が違って極めて厳しい現状になっておりますので、ぜひそれは大臣、もう一度、やってくださる、お約束をしていただきたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) 前向きに検討させていただきます。
○西山登紀子君 そのお言葉をぜひ私も信用したいと思います。 その次に、実はこの併用問題なんですけれども、無担保保険が百二十一万件もあるということなんですけれども、これの利用者の五百万円以下が何件か、百万円以下が何件か、わかったら教えてください。
○政府参考人(杉山秀二君) 無担保保証制度の五百万円以下の利用実績でございますが、平成十二年度、約六十万件、金額にして約二兆円というふうに承知をいたしております。 ちょっと百万円以下の利用実績については、申しわけありませんが、今データが手元にございません。
○西山登紀子君 この併用が今認められていないんですが、その理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(杉山秀二君) 特別小口保証制度というのは、先ほど来申し上げておりますように、無担保、無保証、それから本人保証も不要という、いわば信用保証を受ける場合の特別の保証制度でございます。こういったことで、現在のところ、特別小口保証制度につきましては、事故率も他の保証制度に比べて高うございますし、また、こういった担保もなし、保証人もなし、本人保証もないということで、回収の比率もほかの保険に比べまして大変低い状況にございます。 こういったことから、もし特別小口保証制度をお使いなさる方が他の併用を認めるというようなことになりますれば、皆さん、小規模企業の方々はまずこの特別小口保証制度をお使いになって、それがゆえにまた事故が非常に多発する、あるいは回収が少ないということで保険の会計の方に非常に大きな負担を課すと。これは保険制度として、持続可能な保険制度という観点から見ると適切ではないんじゃないかというふうに考えておりまして、真にこの特別小口保証が必要な小規模企業者の方にこれを御利用いただくという観点で、現在そういう制度になっているというふうに理解をいたしております。
○西山登紀子君 事故率のお話がございましたけれども、この特別小口保険の事故率というのは、無担保保険に比べても事故率というのは少ないんですよね。これは山下議員の質疑のところではっきりさせておりますけれども。 それで、先ほどもいろいろ質疑がありまして、いろんな制度が非常に込み入っているというお話がありましたけれども、実はこの調査室のいただいた資料を見ておりまして気がつきましたことがあります。新事業創出関連のいろんな制度がある中で、実は新事業創出関連の場合は、無担保保険と特別小口と同じような条件の一千万円までの併用が実は認められているんですね、実質上認められている。 ですから、私は大臣にお伺いしたいのは、新事業創出関連の制度設計の中にはそれが認められているのであれば、本体の一般関係保険の特別小口保険と無担保の保険の併用、これも認めるべきじゃないでしょうか、使い勝手がよくなるわけですから。どうですか。
○政府参考人(杉山秀二君) 今御指摘がございました新事業創出関連の保証制度というのは、これは担保を、第三者保証はございませんが、本人保証というものが必要でございます。したがいまして、そういった意味でリスクヘッジというものがなされているというような観点から、併用を認めるというようなことになっているというふうに理解をいたしております。 特別小口保証制度は、先ほど来申しますように、土地の担保あるいは第三者保証、本人保証も不要といったようないわば非常に特例的に要件の緩やかな制度でございますので、先ほど来申しますように、その併用というのはなかなか難しいんじゃないかというふうに考えているところでございます。
○西山登紀子君 違うんですよ。新事業創出関連の中で、ここに、調査室のパンフレットの三十ページですよ、そこには無担保一千万円、それは無担保、無保証人枠。ですから、特別小口と同じ条件なんですよ。それは創業等事業資金であって、ややこしいですね、これ、無担保の合計額が八千万円までの中にそれは含まれてもよろしいということになっているので、実質上は併用になっているんですよ。 ですから、本体の方がいわば併用を禁止しているんだけれども、この新事業創出関連の中ではもう一千万と無担保、八千万円までの枠があります無担保は併用してもいいというふうになっているので、本体の方もそういうふうに改善したらどうですかという意味でお聞きしているんです。 そこで、ちょっとやりとりをしていると時間がないので、大臣、どうですか。先ほど納税の条件の緩和ということを言いました。今も併用をするべきじゃないかということもお聞きをしておりますので、まとめて、この特別小口保険、現状に、実態に合っておりませんので、ぜひその点については、大臣、いろいろと知恵を出していただいて、もっと使いやすいものにするべきじゃないでしょうか。まとめて御答弁ください。
○国務大臣(平沼赳夫君) これは中小企業庁長官からもお答えをいたしましたけれども、特別の小口保証制度というのは、無担保、無保証人、本人保証もなし、こういう異例の制度でございます。無担保保証制度等の保証制度を利用できるような者については特別小口保証を利用できないこととしまして、真に特別小口保証が必要な小規模企業者に限って特別の条件を適用して、円滑に資金供給が図れるようにしているものであるわけであります。 仮に他の保証制度との併用を認めますと、こうした異例の制度がより一般的な企業にまで幅広く利用できることになりますので、小規模企業者対策の特別な制度という性格が大きく変容しまして、結果的に小規模企業者への施策が薄くならざるを得ないことから、併用を認めないというルールは私どもは維持すべきだと、こういうふうに考えているところでございます。
○西山登紀子君 非常に厳しい中でうんと中小業者の皆さんを支援していくというときに、余りいろんな枠をかぶせない方がいいわけですから、ぜひその点についてはもっともっと、この新事業創出関連のところでは実質上一千万円まで、無担保無保証の条件を持っているものを一千万円まで認めて、そして八千万円までは無担保で認めるということをやっているわけですから、その点は研究をしていただきたいというふうに思います。 次に、その新事業創出促進法が制定されて三年がたつわけですけれども、ちょっとお伺いいたしますけれども、今回の改正にかかわる保証の支援について、三年間の実績はどうなっているでしょうか。創業支援の新事業創出関連保証が何件あるかということですね。
○政府参考人(杉山秀二君) 新事業創出関連保証制度でございますが、創設以来ことしの十月末までの間に六千七百二十二件、三百七十八億円の保証実績ということでございます。
○西山登紀子君 今、六千七百二十二件ということなんですが、その中で何件が分社化、子会社化による新規事業者でしょうか。
○政府参考人(杉山秀二君) 六千七百二十二件の中で、個人創業と分社化、子会社化の比率がどうかと。実は、その六千七百二十二件ということをベースにしては数字がないわけでございますが、サンプル調査をいたしておりますところによりますれば、創業者それから分社化という全体の中で、分社化、子会社化による保証の実績というのは件数ベースで大体六%ぐらいというふうになっているというふうに承知をいたしております。
○西山登紀子君 サンプルということで、六%ということになりますと約三百六十件ぐらいになるんですかね、そうだと思います。 それで、その中、それがすべて中小企業なのかどうかということをお聞きしたいわけでございます。新事業創出関連保証の対象には、ちょっと言葉は悪いですが大企業のダミー、実質的な大企業の子会社、こういうものは排除をしておりません。ということになりますと、資金力のある大企業の関連子会社などが多数申請をして個人の創業者の枠を狭めてしまう、こういうことは起こらないのかどうかという懸念がございます。 そこで、中小企業信用保険法の特例措置の対象をうたっておりますこの法律の第八条、明確に「中小企業者」ということで限定をしているわけですから、それを生かすということで運用上どのような御努力をなさっているのか、お聞きをしておきたいと思います。
○政府参考人(杉山秀二君) 分社化とかあるいは子会社化によりまして創業をするという場合に、新事業創出関連保証を受けようとする創業者が中小企業者であれば、その親会社が大企業であるといったような場合であっても、それ自体をもって直ちに保証を拒絶するということには制度的にはならないわけでございますが、ただ、実際は親会社が大企業であって信用力が十分あるといったような場合にあえてこの信用保証制度を活用するというようなことに、そういうケースがありますればケースに応じて、実態的な、そういう必要性が乏しいんじゃないかというような指摘をするというようなことでやっているという実態にございます。
○西山登紀子君 実際的には、中小企業、零細な中小企業やあるいは個人がこれを利用できるようにということで御努力いただいているということなんですよね。
○政府参考人(杉山秀二君) 制度の趣旨を生かして、その制度が悪用されるとか、そういうことにならないように運用をするということだと思います。
○西山登紀子君 ぜひ、引き続きそういうことで努力をしていただきたいと思います。 次に、大臣にお伺いしたいんですけれども、これも、実はいろんないただいた資料を見て調べておりますと、新事業創出関連保証の一件当たりの保証額、これを計算、はじいてみますと五百六十三万円というふうな数字が出てまいります。ですから、この限度額が引き上げられても、いっぱいいっぱいまで、じゃ利用できるのかな、利用するのかなと。五百六十三万円というふうな実態になっているのは果たして何がネックになっているのかということで、いろいろ調べてみました。すると、やはり運用基準で保証額に相当する自己資金を求めているということが一つのネックになっております。 この新事業創出関連保証制度の創設を受けまして、実は各自治体で新事業創出融資制度を求める運動がずっと起きたわけですが、実際に東京都などでは創業支援融資制度が実現をいたしました。しかし、それまでは満額の融資も実現していたんですけれども、国が自己資金の半額の要件を持っているということから、それを実はじゃ適用しようということになって保証協会の保証が半分になってしまったというような、こういう事例も生まれております。 そこで、大臣にお伺いしたいわけですけれども、この自己資金の比率を引き下げるということ、半分とは言わず、創業者の資金繰りを考えてもう少し引き下げるということがやっぱり必要じゃないでしょうか。その方が、やっぱりこの創業をしていく、企業を起こそうとしている人たちの意欲を、チャンスを広げるということになるんじゃないでしょうか。どのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(大村秀章君) お答えいたします。 創業の立ち上がり段階におきましては、販売ルートの開拓でありますとかオフィス設備の整備、さらにはあらかじめ想定できなかった出費、いろんな種々のリスクがあるわけでございます。そういう意味で、過大な融資を受けた場合には利息が利息を生んでいくということも想定をされるわけでございます。そういう意味で、せっかくの個人の創業を着実に立ち上げるというためには、融資の規模も、これは当然のことでありますが、現実的な範囲に抑えて手がたい事業計画とするということが重要と考えられるわけでございます。 そういう意味で、御指摘のように、今回の保証額が、この新事業創出関連保証の保証額が自己資金の範囲内という要件がつけてあることは御指摘のとおりでございますけれども、そのことは、こういう新たな事業を立ち上げるという趣旨から見て、これは適当であるというふうに我々は認識いたしております。 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、創業を五年間で私どもは十八万社から三十六万社に倍増していこうということで進めていきたいと思っておりますので、今回の法律改正も含めて、こういった制度を改善をしながら進めていきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○西山登紀子君 今のそういうお答えなんですけれども、私もこの委員会で何回か言ってまいりました、廃業率と開業率というのが逆転をして、さらにその差が廃業率の方がうんと高くなっていますよね。最近は五・六%、開業率は三・五%ということで、これは九九年度の数ですけれども、そういうことになっております。 大臣にお伺いいたしますけれども、いわゆる平沼プランでいろいろな数字を出しているわけですけれども、これが絵にかいたもちにならない、その保証はないと思うんですね。ですから、せめて創業者の資金繰り、自己資金を半分とは言わず少し下げるというようなことが必要だと思うんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の厳しい経済情勢の中にあって、御指摘の点もそれは私は一理あると思いますけれども、私どもといたしましては、今、大村政務官がお答えしたように、やはり新事業創出に当たっては今私どもが提案をさせていただいているその形でやることが、やはり新規に事業を立ち上げる方にとってもある面では必要なことだと、そういう認識で、この案で御理解をいただければと、このように思っています。
○西山登紀子君 それでは、次の質問に移りたいと思います。 創業者の支援と並んで、既存の中小企業者への支援、融資を拡大するということが今求められていると思います。とりわけ史上最悪の事態の中で年末をこれから迎えていくという事態になるわけです。大変なことになると思います。 ことし三月までは何とか安定化特別保証制度というもので銀行の貸し渋りというものが一つの、これはやっぱりいけないことなんですけれども、それに対する資金難の解消策として何とかそこで持ちこたえてきた人たちがいよいよ返せなくなっていく。据置期間も過ぎてだんだん返済期間が迫ってきているし、今実際返していらっしゃる人もいるわけですけれども、この大変な事態の中でどのように返済に困っていらっしゃる人たちを支援しているのか、お答えください。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 中小企業金融安定化特別保証制度というのは、御承知のとおり本年三月末をもって終了いたしております。本制度の保証を受けた中小企業が、経済環境の変化等さまざまな理由によりまして、当初の約定どおり返済することが困難となる場合がございます。このような場合において、月々の返済額あるいは返済期限を変更することによって事業の継続が見込まれる中小企業者については、個々の中小企業の実情に即しまして、これら既往債務の条件変更につききめ細やかに対応することが私どもは必要であると認識しております。 このような観点から、経済産業省におきましては昨年十二月に、各信用保証協会に対しまして通達を出させていただきまして、こうした条件変更への対応についてその後も指導をしております。本年十月末までに既に累計で十万五千件、累計保険引受件数の六・一%でございますけれども、条件変更に対応してきているところであります。 さらに、これからでございますけれども、中小企業の経営環境が一層悪化していることを踏まえまして、改革先行プログラムにのっとりまして、対応の一層の徹底を図ることといたしております。具体的に申し上げますと、去る九月二十八日に、中小企業庁から全国信用保証協会連合会あてに、本件について再徹底を図る、その通達を発しまして、十月二十二日には全国の信用保証協会の代表者を一堂に集めまして、改めて趣旨の徹底を直接行いました。 また、金融庁におきましても、民間金融機関に対して同様の趣旨を徹底するように要請を行ったところでございまして、今後とも金融庁と相連携をいたしまして、一層の周知徹底を図ってまいりたい、このように思っております。
○西山登紀子君 大臣がもう先の質問までまとめて御答弁なさったので。もちろん、重ねて質問をさせていただきたいと思うんですけれども、今おっしゃいました通達を出していろいろと改善を図ってくださっているということなんですけれども、具体的に通達の内容を、今度は長官の方からでいいですが、説明をしていただきたいと思うんです。 といいますのは、条件変更を申し込みに行きますと、反対に全額返済を求められたケースだとか、あるいは事故扱いされたなんかの事例も出ておりまして、もう怖くて条件変更を申し入れに行けないという声がずっと私たちの方にも寄せられておりますので、せっかくの通達が実はうまく使われていないということなので、どんな条件に緩和がされるのか、その点をお話しください。
○政府参考人(杉山秀二君) 具体的にどういう条件変更の方法があるかということでございますが、昨年十二月にガイドラインを示しておりますが、その中で例えば、当初決めた期日は変更をしないでそれは維持をするわけですが、毎月の返済額を軽減いたしまして残りの額を期日一括返済とするといったような場合、あるいは期限を延長いたしまして均等返済をする、したがいまして毎月の返済額が軽くなるといったような場合、あるいは期限を延長して毎月の返済額を軽減し残りの額を期日一括返済をするとか、あるいは据置期間を延長するといったような方法があるということで、このガイドラインによりましてこういった具体的なやり方について周知の徹底を図っているというところでございます。
○西山登紀子君 今ちょっと説明から漏れていないかなと思うんですが、再度保証、説明ありましたか。条件変更を行った方が再度保証の申し込みをした場合にはどうなるのかということですね。
○政府参考人(杉山秀二君) 条件変更を行った場合に中小企業の方から再度保証の申し込みがあった場合ということでございますが、そのような場合におきまして、条件変更をした後、その条件変更にのっとって履行なされているという場合におきましては、当該の条件変更があったということを理由にして、保証をもう一遍しないというようなことはしない、もう一遍再度保証をすることはあり得るということでガイドラインを示しております。
○西山登紀子君 非常にきめ細かく条件の変更ができるということなんですが、しかし先ほど私が例を出しましたように、かえって全額返済を迫られたりして条件変更を申し入れに行きにくいというのはこれは事実でございます。 ですから、この点をどういうふうにして改善を図るかということなんですが、そういうふうに通達ではこうなっているんだ、こうなっているんだといって、確かに先ほどもお話がありました。ここではそういうお話になっているんだけれども、実際現場に行くと怖いことが行われていて、もう条件変更に行くなんというのはそれこそ怖いんだというようなこういう状況はどうやったら、どうすれば払拭できるのかということなんですよね。 先ほど大臣はその点も徹底するというふうに言われたわけですけれども、例えばこういうことがあります。 十月の中旬に国民生活金融公庫に条件の申し込みに行ったと。しかし、行ったら、財務省の方から、縦割りですから、経済産業省の通達と同じような通達が財務省の方から出ているはずなんですけれども、実は国金の方はその通達知らないといって断られて、そして仕方なく私どもの方に問い合わせがあって、わざわざこういうふうな財務省から出ているよという資料をわざわざ取り寄せて、それを持っていって国金に申し込みに行くというようなことをやらないと、うまくすうっと下まで徹底がされていないというようなことがある、実際にあったと。それから、二千万円借りていた安定化特別保証に基づく条件変更、半年間の据え置きを申し込んだけれども、銀行にストップをかけられたりという、宇治の下着の縫製加工の会社の例なども依然としてあらわれております。 先ほど大臣もお答えいただいたわけですけれども、もう一度確認させていただきたいんですが、この九月の通達で安定化特別保証の条件変更というものは基本的にきちっと認めるということ、条件変更するんだということ、これは一つ確認したいのと、それから非常に徹底を欠いております。今、業者の方々はそれこそ自殺に追い込まれる方あるいはホームレスに追い込まれる方、それこそ漁師さんじゃないけれども、板子一枚下は地獄というふうな感じの人たちが本当に広がっています。ですから、徹底を急ぐと思うんです。大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほども申し上げましたけれども、こういう厳しい経済環境の中で、条件変更等については積極的にきめ細やかに対応するということは当然のことでございまして、今そういう事例を西山先生からお聞きしましたけれども、私どもとしてはさらに徹底を図って、そういうことがないようにさらに厳しく私どもは監督していきたい、このように思っています。
○西山登紀子君 ぜひ厳しく、そしてやっぱり血の通った行政を、大臣、きちっとやっていただきたいと思うんです。本当に今大変です。 最後にお伺いしますけれども、安定化保証の条件の変更だけではなくて、既往債務の条件の変更というものも今切実な要望になっております。十月の倒産は千九百十一件と、十七年五カ月ぶりに千九百件を超えてまいりました。バブル崩壊後最悪の件数になっているわけです。 ですから、これは最後の質問ですが、大臣にお伺いしますけれども、十月三十日の当委員会で私も質問いたしましたけれども、安定化特別保証以外の既往の融資についても条件変更など認めるべきじゃないかということで御質問させていただきました。大臣からは、きめ細かな対応で、状況を見て検討していきたいというお答えもいただいたところでございますが、今非常に事態がこのように厳しい事態になっております中で、ぜひそれが必要じゃないか。 というのは、もう一つ状況が変わってまいりましたのは、今国会で預金保険機構の私どもは改悪というふうに呼んでおりますけれども、銀行の判断でRCCに債権譲渡ができるという可能性が高くなってまいりました。そういたしますと、新たな融資とか運転資金が確保できないということからいきなり倒産というふうなことに追い込まれる事態がふえるんじゃないかというふうに危惧をしております。 年末を控えて、既往の融資についても具体的な対策を講じる時期に来ているというふうに考えますので、大臣のお答えをいただいて終わります。
○国務大臣(平沼赳夫君) 信用保証制度というのは幅広い中小企業者に御利用いただいているところでございます。保証を受けた中小企業者が、経済環境の変化等さまざまな理由によりまして、先ほど申し上げましたように、当初の約定どおりに返済することが困難となる場合が間々あります。こうした事態に対応するため、特別保証制度に限らず一般保証に関しましても、既往債務の返済に係る条件変更につきまして、個々の中小企業者の実情に応じた柔軟な対応を行うよう全国の信用保証協会等に対して従来から随時指導を行ってきているところでございます。 なお、特別保証制度に係る既往債務の条件変更については、これは先ほど申し上げましたように、これも徹底をしているところでございまして、あわせてこの特別保証制度ではない保証制度についても私どもは柔軟に対応させていただく、こういうことで進めさせていただきます。
○西山登紀子君 終わります。
○広野ただし君 自由党の広野ただしでございます。五時間コースのしんがりになります。大臣初め関係の皆さん、本当にお疲れでございますが、最後やらせていただきたいと思います。 私は、今回の中小企業信用保険法ほかもう一法、非常に大切な法律であり、中小企業の特にセーフティーネットということでは、信用保険法の改正は、物的担保だけの世界からこういう売掛金債権をもとにしての融資、債権の流動化ということでは非常に大切な改正だ、こう思っておりますが、セーフティーネットも非常に大事なことなんですが、日本経済の根本をしっかりと立て直すということがやはり大事なことだ、こう思っております。 さきの委員会でも大臣にもお聞きをしたわけですが、戦後五十有余年、日本経済がマイナス成長に陥ったのは、オイルショックの後と、失われた十年と言われていますが、あの金融危機のときの二回だけなわけですね。今度、マイナス成長必至と。しかも、来年度はまた日銀の政策委員等が見ていますようにマイナス成長と。二年連続ということはかつてなかったことで、これは私はある意味では総理の政治責任を問われる事態ではないのか、こうも思うわけですね。 そういう中で、どう考えてもことしの初めごろから、もうやはり大臣もまさに地元等でいろんなお話を聞いておられると思いますので、経済がおかしくなってきている、特に四月からは急ブレーキを踏んだようにおかしくなっている、こういうことが言われていて、GDPも四—六はもうマイナスに実際入ったわけで、そういうことから、本当にある意味ではツーリトル・ツーレートといいますか、そういうようなことがあったんではないか、あると、こう思っております。 そのことで大臣は、補正のことでも積極的に発言をされて、そのことが第二次補正ということになってきておるとは思いますけれども、なお私はやっぱりマクロ政策において、特に今度は通産省は経済産業省というようなことで経済全般の大臣になっておられるわけであります。それの中にもう一人、何か経済財政大臣というのが出てこられまして、これは一体全体どういうことになっているのかということでありますが、やはり経済の実態、産業の実態をよく知っておられる経済産業大臣にもっともっと積極的に発言いただき、経済の土台をしっかりと立て直していただきたいと思いますが、その点、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 本当に、委員御指摘のように、日本の経済というのは全般的に厳しい状況にあると思っております。その中で、世界経済も減速でございまして、貿易立国の日本の例えば貿易収支を見ましても黒字幅が減少してきている。そしてまた、産業立国の日本にとって一つ大きな経済的なインパクトを与える設備投資も大変鈍化をしてきている。それにつれて企業の収益性も落ち込んでいる。本当に大変厳しい状況であります。 そういう中で私は、私の持論として、日本の経済というのはまだまだポテンシャリティーはあるんだと。したがって、構造改革というものをしっかりやりながら、そして適宜適切な経済対策というものを国民の皆様方の合意をいただいて力強く実行すれば、私は二十一世紀、日本の経済というのは安定的な経済成長、そういうものを達成することも不可能ではない、こういうふうに思っています。 そのためにはやっぱりいろいろなことをやっていかなきゃいかぬと思いますけれども、一つは、やはり現下のこの経済状況に対してここに活力を与える適宜適切なきめ細かな対策を講じていかなきゃいけない。その一つは、やはり現下の厳しい雇用情勢に対して、雇用が拡大する、そして今の失業者という方々に対する救済措置、これは足元のいわゆる対策としてやる。しかし同時に、中長期的な観点から、やはり日本はポテンシャリティーがありますから、そういう意味では、イノベーションを起こしながら新規事業を創出して、そしてそこに雇用を吸収しながら日本の経済を活性化していく、こういうことも必ずやっていかなきゃいけない。 それから、さらに空洞化現象というのが起こっております。それは、お隣の中国というものが大変賃金等が安い、しかも工業化ができてきている。そういう中で私どもとしては、この空洞化を防ぐためにも、今申し上げたようなことを同時進行でやらなきゃいけない。ですから、それをやっぱり是正していくためには、日本の高コスト構造というのもこれは直していかなきゃいけない。 そういう中で、もろもろのことを一生懸命取り組んで私どもは努力をしていかなきゃいけませんし、私も、経済産業省、そこのいわゆる経済、産業、ここを本当にお預かりしている役所として、その責任を痛感しながら国民の皆様方の御期待におこたえをしていかなければならない、こう思っておりますので、今言ったようなことを含めまして、皆様方のお力をおかりしながら一生懸命に頑張っていく、そういう認識でございます。
○広野ただし君 やはり経済、産業の実態をよく踏まえての大臣の御発言あるいはどうも学者めいた話で、果たして本当に責任を持って日本経済を任せられるのかどうかがよくわからないのと、そういう面では本当に積極的にもっと御発言いただいて、日本経済の立て直しをしていただきたいと思いますが、先ほどおっしゃった構造改革、この構造改革の中身がどうもはっきりしない。構造改革をどのように見ておられるのか、もう一つ突っ込んでお話しいただければと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は小泉内閣、小泉首相が提唱している構造改革というのは、これは避けて通れない道だと思っております。そして、日本のいわゆる経済を見ますと、やっぱり戦後五十年、右肩上がりの経済成長を遂げてまいりましたけれども、いろいろな面で制度疲労が起こってきていると思います。 ですから、そういう意味では、抜本的なそういう構造改革をやっていかなければならない。そのためには、やはり経済面での例えば規制、そういったものを緩和をしていくということも必要だと思いますし、あるいは税制の面でも、やはり日本の経済にさらに活力を与えるような二十一世紀にふさわしい税制に改めなきゃいかぬと思っておりますし、そういう意味で日本のあらゆることの構造というものをここで抜本的に見直していかなければならないと思っています。 そういう意味で、やはり構造的に例えば日本が今抱えている金融サイドの不良債権やあるいは産業サイドの不良債務という問題も、これはやっぱり構造改革上の一点ととらえて、ここも思い切ったそういう一つの意思で私どもは頑張っていかなければならない、そういうふうに思っておりまして、私どもとしては、この構造改革というものはやはり喫緊の日本が取り組むべき避けて通れないことで、それは一つ経済のみならずあらゆる分野にわたって総点検をして見直していかなければならない、そういうふうに思っておりまして、私どもとしては構造改革には全力を挙げて取り組んでいかなきゃいかぬ、このように思っています。
○広野ただし君 今大臣がおっしゃいました中で、特に税の問題、私非常に大事だと思っております。江戸時代でも四公六民ということで、六つは民がちゃんと取っているわけですね。それを、税は下がりましたけれども、私はなお下げても、公の方を下げてでも民間の活力を出すということがやはり日本経済にとって本当に大切なことだと思いますし、先ほどおっしゃいました規制緩和のことでは、私たちは、昨日、各種業法がございますけれども、業法の経済的規制を撤廃をするという、百七十本の法律について、業法について撤廃するという法律を衆議院の方に議員提案をいたしておりますが、そのほか特殊法人改革も、七法人とおっしゃっていますけれども、まだ具体的なことが実施されているわけでもない。 そういう意味では、私どもは例外なしに特殊法人の廃止、民営化ということを言っておりまして、やはり民間活力をいかに出すのかということを思い切ってやっていかないと、日本経済というのは本当に立ち直らないんじゃないか、こう思っております。 それと、この間の予算委員会で私どもの同僚が竹中大臣にデフレスパイラルに陥っているんじゃないかということについて質問をいたしましたが、そのことについて、実際のところ、今マイナス成長、実質でもマイナス成長に陥りましたけれども、名目ではここ平成十年からマイナスが続いております。平成十年がマイナス一・一、平成十一年度がマイナス〇・二、平成十二年度もマイナス〇・五ということで、やっぱり名目が落ちますとこれは問題なことでありますし、しかも実質値よりも名目値がもう下回っているという、これがまさにデフレの現象だと思うんですね。 先ほどおっしゃいました空洞化の根本的なところがこのデータにもあらわれている、こう思うわけです。このデフレスパイラルをどうやってとめればいいのか、この点について大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘のとおり、政府はこれまでいろいろな対策において公共事業を積み増ししたり、減税による景気回復策を講じてきました。しかしながら、現在、結果として我が国経済がなかなか厳しい状態、こういうことにあることは、私どもとしては肝に銘じなければならない問題だと思っています。 デフレスパイラルに陥っているかどうか、こういうことでありますけれども、私は非常に今厳しいデフレ状況にある、それは各データが示しているとおりであると思います。 ただ、日本の場合には、いろいろな物価が下がっておりますけれども、しかし高コストというのも依然として残っておりまして、そういう面では非常にアンバランスな状況になっております。例えば、賃金というのもある意味ではまだ世界最高水準にありますし、物流コストも非常に高いわけでございますし、あるいは食料費等もまだまだ高い状況にある、そういうアンバランスがあります。 そういう中で、私どもはこのデフレというものを克服していくためには、経済をある意味ではポテンシャリティーを生かして活性化をして、やはり拡大の方向に持っていかなければならないと思っています。そのために私は、構造改革というのは今御指摘の特殊法人等も含めて一生懸命に頑張らなきゃいけませんし、同時に私どもとしては限られた予算の中でより効率的な経済対策をやり、そしてこういうデフレ現象に歯どめをかける、そういうことを最大限努力をしていかなければならないと思っています。 そういう意味で、私は第一次補正に続いて二次補正、これは規模等でまたいろいろ御意見があると思いますけれども、こういう二次補正を効率的に展開をする、こういうことも私は効果があることだと思いますし、そういった面で平成十四年度の本予算もしっかりとその効果が上がるように予算編成をして、そしてこのデフレ状況に歯どめをかけるということが私は必要なことだ、これを政府としては挙げて努力をしていかなきゃいけない、このように思っております。
○広野ただし君 ところで、今、地元等に行きますと、倒産、この企業は危ないんじゃないかというようなことで巻き込まれるのを嫌がってつき合わないというような形になってきていまして、非常にそういう面では疑心暗鬼になってますます縮小してくる、こういうところがあるわけです。 そういう連鎖倒産の問題で、問題企業三十社とか言われておりますが、そういう不良債権処理をやっていった場合に倒産等も出てくる、それに巻き込まれるところもある。 こういうときに、中小企業庁の方で中小企業倒産防止共済制度というのがございます。これがまた、私どもの同僚議員の和歌山であった件なんですが、毎月八万円の掛金を四十カ月掛けてきている。ところが、取引のところが倒産をした。事業団に持ち込んでも、もう二カ月近く、どうも過失があるとかなんとか言ってなかなか扱ってもらえない、こういうような話がございました。これはもう氷山の一角で、せっかく掛けておるのにいざというときに役に立たない。しかも、もうあすをもというような気持ちでみんな焦っているのに一カ月半以上待たされる。こんなことでは本来の目的が達せられない。 しかも、一昨日も新潟鉄工さんですか、会社更生法を適用と。会社更生法を適用すると認定ということになるわけですけれども。いずれにしても、そういういざというときに役に立たないんではこれは意味がないので、この点いかがですか。
○大臣政務官(大村秀章君) 厳しい景気情勢の中で倒産件数も増加しておるわけでございます。委員御指摘のように、これから不良債権処理が少しずつ進んでいきますと、そうした意味での連鎖ということも大変懸念されるのはもう御指摘のとおりでございます。そういう意味で、私どもは、やる気と能力のある中小企業までが連鎖的な破綻に陥るといったような事態を極力回避するために、連鎖倒産防止のセーフティーネットの対策の強化といったことに最大限の努力を尽くしているところでございます。 具体的には、まず取引先の企業の倒産や金融機関の破綻に伴う連鎖倒産のおそれに直面をする中小企業などを対象にいたしまして、別枠で運転資金を融資するセーフティーネットの貸付制度、また別枠で倍の信用保証を適用するセーフティーネットの保証制度といったものを充実してきたところでございますし、今般成立をいたしましたいわゆる第一次補正におきましても約千四百億円これに対する予算を計上させていただいたところでございます。 また、資金繰りが厳しさを増す中で、中小企業の資金調達手段の一層の多様化、円滑化が急務ということから、今般の補正予算でももちろんでありますけれども、今御審議をいただいておりますこの売掛金債権担保保証制度の創設、また特別小口保証制度の拡充といったこともお願いをさせていただいているところでございます。 また、委員御指摘の点でございますけれども、中小企業総合事業団のこの中小企業倒産防止共済制度によります無利子、無担保、無保証の貸付制度も倒産防止のため大変重要な制度であるわけでございます。その制度の実を上げるべく、より簡易迅速に利用できるように努力をしているところでございます。 ちょっと細かい話でございますけれども、具体的には、事業団の貸付審査員はずっと増員をしております。その結果、貸し付けにかかる処理期間はここ三、四年の間に半分以下ということに短縮をしてきておりまして、この平成十三年度におきましては、三年前、四年ぐらい前が大体二カ月弱ぐらいといいますか、五十日ぐらいかかっておりましたのが、今は、ことしの上半期でございますが、大体平均いたしまして二十何日ぐらいで、これは全国平均でございますけれども、そういう処理期間ということになってきております。 いずれにいたしましても、委員御指摘の点を重々踏まえまして、できるだけ迅速に、これ制度がうまく迅速にできませんと、確かに委員がおっしゃるとおりでございますので、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○広野ただし君 本当に制度は経済産業省、中小企業庁、きめ細かく準備をしておられると思います。だけれども、やはり血の通ったものを、いざというときに役に立たないということになったのでは、これはそのことが役所仕事だと言われるわけで、その点ぜひよろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。 それと、この信用保険法の関係で、一般的な契約の中に債権譲渡禁止特約というのが入っているわけでありますけれども、特に、こういう制度がつくられますと、国ですとか地方公共団体あるいは特殊法人等公的機関においては真っ先に隗より始めよで、例えば国土交通省あるいは防衛庁等がそういう契約は多いと思いますけれども、そういうときに禁止特約を外して、その債権をもとに融資が受けられるように、これはぜひ各省に働きかけ、また地方自治体にも働きかけてやっていただきたいと思います。この点について。
○大臣政務官(大村秀章君) 委員御指摘のように、譲渡禁止特約が結ばれていることが間々あるというのは御指摘のとおりでございまして、また公的機関におきましてもそういった場合があるということも事実でございます。 そういう意味で、今回この制度を創設させていただくこととあわせまして、やはりこの保証制度を生かしていくためにも譲渡禁止特約というのを見直していただきたいということが、我々そういうことを進めていきたいと思っておりますし、今委員御指摘のように、今月の中旬以降、順次関係省庁に実は説明会をしながらお願いをさせていただいておりまして、関係省庁からもそういったことを前向きに取り組んでいただけるという御回答もいただいておりますし、また関係機関にもその旨の周知をしていただくということも御回答を順次いただいているところでございます。 また、地方公共団体に対しましても来月初めにはこの要請も行ってまいりたいと思いますし、また各業界団体、工業会も含めて、そういった団体にもこれからそういったこともお願いをし、そして周知徹底を図ってまいりたいと存じます。
○広野ただし君 それと、各地方都市等において非常に問題なのは、大型店等が商店街から撤退をする。場合によっては、銀行あるいは電力の支店等も商店街にあるわけですね、そこが撤退をしていく。これはもう各産業リストラで生き残りのために一生懸命やっているわけですけれども、そういうことが間々あるわけで、そのときに商店街がくしの歯が抜けたようになってしまうということであります。 この跡地利用について、結局、土地を駐車場ですとか公園整備ですとかあるいはごみ処理だとかいろんなことに使うということ、あるいは中小企業の店舗がそこに入るようにとかいろいろと制度がありますけれども、土地について手当てが、土地が除外されているんですね、いろんな措置に。バブルのときに比べると下がっているので、その点を何かぜひ考慮いただきませんと、本当のところ商店街が崩れていくという危機感を私たちは持っておりますが、その点について。
○大臣政務官(大村秀章君) これも委員御指摘のように、最近、中心市街地の集客の核となる大型店舗が撤退をするとか、またいろんな支店等が撤退をしていくというような事例が間々見られることも、これも御指摘のとおりでございます。そういう意味で、その後がすぐ入ってくればいいんでありますけれども、そうでない場合、なかなか地元関係者にとりまして大変頭の痛い問題というのも御指摘のとおりでございます。 そういう意味で、こうした状況を踏まえまして、今年度の第一次補正予算におきまして、大型店が撤退した地域などにおいて、その撤退した店舗を活用して中小企業の皆さんが新たな実験的な店舗を開設するチャレンジショップでありますとか、そうした中小企業の皆さんによります計画、新事業に対して緊急に支援をするという予算措置を講じさせていただいたところでございます。 また、その跡地対策としては、やはり環境整備ということが大変重要だと思っております。そういう意味で、中心市街地の活性化をこれまで進めてまいりました制度、予算等々によりまして、駐車場などの基盤施設の整備、それからまたポイントカードなどのソフト関係の事業の整備といった関連施策を総動員いたしまして、地域の取り組みとあわせて、私どもこういった中核になる店舗の跡地対策をしっかりと進めていきたいというふうに思っております。
○広野ただし君 続きまして、この創業・新事業開発、これはもう日本の経済の活性化にとって最重要課題だと、こう思っております。平沼プランも非常に意欲的、画期的なものだと思いますが、ただ、それをやるときに、もう私は一けた予算が違うんじゃないかと。もう一つ大きくやっていただかないとこれはなかなか大変なんじゃないかと思いますのと、もう一つ、いろんな意味でこれはリスクマネーだと思っていただきませんと、例えばこの間、医薬品メーカーのファイザーの会長が、きょうもインタビューに出ていますけれども、百やって一つの薬が当たるというようなものを、今度は何とか効率化してそれを五つ当たるようにすれば大変すごい新しいビジネスが生まれてくるんだと、こういう考え方なんですね。 ですから、すべてが百発百中なんてことはあり得ないので、これは新しいビジネスを、新しい事業を起こすときにゼロから、無から有を生み出すことなんですから、そういうリスクマネーからいって、もう一けた大きな予算を確保しませんと、私はこれは動かないんじゃないかと思いますが。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変心強いお話を伺ったわけでございますけれども、現下の経済情勢で我が国の経済を活性化して、そして活力を出す、このことは大変必要なことでございます。 今般成立をいたしました補正予算においても、創業・ベンチャー支援策として種々の対策を盛り込みました。そして、少ないという御指摘でございますけれども、創業資金の調達の円滑化のため、担保や勤務要件などの形式的要件によらずに、すぐれた事業計画を持つ創業者には無担保無保証で融資を行う制度、これを補正予算で、これは少ないという御指摘ですが百億計上しております。それから、大学発の創業を加速するために、特に技術研究開発等を強力に支援することとしておりまして、これも補正予算で経費二百億を計上させていただいています。さらに、創業のための人づくり支援や小売業でのチャレンジショップ、こういった支援を含めて、今般の補正予算で創業・ベンチャー支援のためこれは合計約三百五十億計上しております。そういったことで、さらに当初予算では人材面の支援、技術面での支援のために八百二十億を計上しておりまして、今年度合計では、本当は一兆二千億と言いたいんですけれども、しかし千二百億円近くを投入して創業・ベンチャー支援に取り組もう、こういう意気でおります。 そのほかに中小企業総合事業団のいわゆるベンチャーファンドへの出資制度やエンゼル税制等、創業・ベンチャーへの投資促進措置も推進しているところでございまして、ある意味では御指摘のように限られた予算ですけれども、私どもとしては全力で効果が上がるように努力をしなければならない、このように思っております。
○広野ただし君 それでは、最後の質問にさせていただきますが、やはり研究開発等というのは無から有を生み出すということで非常に大切だと思っておりますが、そのときにアメリカの調達規則等を見ますと、研究開発のときは箱物をつくるのとちょっと違いますので、例えば年度末にどこまで進むかとか、そんなことはわからないわけですね。 ですから、繰り越しを非常に楽にして通年度でやれるようにするとか、あるいはソフトウエアのような知的資産といいますか財産に対してちゃんとノウハウ料を払うとか、あるいは直接人件費だけじゃなくて、それを支援している経理関係の人たちのものもちゃんとお金を出すとか、あるいは複数の省庁からお金をもらっても合算できるとか、あるいはよく日本の場合は文教と厚生労働省としますと入り口を二つに分けなきゃいかぬとかばかげたことがあるわけですけれども、同じプロジェクトに対して二省庁からもらっても合算できるような、そしてその成果はちゃんと一本出せばいいんだというような特別の調達規則といいますか、そういうものをやりませんと研究開発が赤字を生んで結局やらなくなってしまう。だから、研究ビジネスがちゃんとやっていけるように、特別ちゃんと黒字が出るように、今の研究契約なんかを二倍にも三倍にも手厚いものにしませんと本当の開発というのは起こらない。 だから、特別規則を、特例法みたいなものをつくったらどうかと私は思っておりますが、その点御答弁をお願いします。
○大臣政務官(大村秀章君) 研究開発を進めていくために国を初めとしたこうした公的機関における特別の調達の関係の規則が必要だ、この趣旨はまさしくおっしゃるとおりだと思っております。 そういう意味で、私どもで研究開発の特性を踏まえまして、実際に研究開発を実施する民間企業が柔軟かつ効果的、効率的に使用できるということを旨としてこれまでも取り組んできたところでございまして、一つは、国などの委託による研究成果であります知的財産権につきまして、これを場合によってといいますか、許可に基づいて受託者に帰属することもできるというバイ・ドール方式というのも平成十一年、産業活力再生特別措置法の中でこれを取り入れさせていただいたところでございます。 また、今御指摘になりました研究資金におきまして間接経費を、私ども経済産業省でありますけれども、三〇%ぐらいは計上させていただいているところでございます。また、平成十三年度予算におきまして、これを研究の進捗、確かにこれはなかなか箱物のようにぴったり終わるというのは難しいところもおっしゃるとおりでございまして、翌年度に繰り越して使用することを弾力的にする繰越明許、そうしたものの活用ということにも取り組んできたところでございます。 いずれにいたしましても、委員御指摘の点を踏まえまして、引き続きその御趣旨を踏まえて、こうした研究開発の投資、取り組みが円滑にできるように頑張っていきたいと思います。
○広野ただし君 終わります。
○委員長(保坂三蔵君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、平田健二君より発言を求められておりますので、これを許します。平田健二君。
○平田健二君 私は、ただいま可決されました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 本改正により創設される売掛金債権担保融資保証制度が十分に活用されるよう、積極的に制度の広報を行うこと。また、中小企業金融における物的担保への過度の依存を緩和しようとする制度の趣旨にかんがみ、信用保証協会の審査能力の向上を図ること。 二 売掛金債権担保融資の普及に資するため、企業が公的機関に対して有する債権に係る譲渡禁止特約の解除について検討すること。 三 中小企業信用保険制度の健全な運営のために、制度全体の見直しと併せ、将来に向けての保険の財政基盤の抜本的な強化策について検討を急ぎ、速やかに対処すること。 四 中小企業金融における個人保証は、企業破綻時に保証者に与える影響が甚大であり、このことが創業の意欲を低下させる一因となっていることにもかんがみ、政府系金融機関及び信用保証協会においては、その見直し・改善を図ること。また、差押さえ禁止項目の拡大など、再起しやすい環境整備に努めること。 五 売掛金債権担保制度が、企業倒産時における労働債権の保全に影響を及ぼさないよう、労働債権の優先順位等について十分配慮を払いつつ、倒産法制の見直しを進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(保坂三蔵君) ただいま平田健二君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、平田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平沼経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(保坂三蔵君) 次に、新事業創出促進法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(保坂三蔵君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(保坂三蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会