外交防衛委員会、国土交通委員会、内閣委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 268 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2001/10/23
会議録
○委員長(武見敬三君) これより外交防衛委員会、国土交通委員会、内閣委員会連合審査会を開会いたします。 連合理事会の協議により、外交防衛委員長及び国土交通委員長が交代して連合審査会の会議を主宰いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 テロ対策関連三法案の審査のため、本日の連合審査会に警察庁警備局長漆間巌君、外務大臣官房領事移住部長小野正昭君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省アジア大洋州局長田中均君、外務省経済協力局長西田恒夫君、外務省条約局長海老原紳君、財務省国際局長溝口善兵衛君、国税庁課税部長村上喜堂君及び海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案、自衛隊法の一部を改正する法律案及び海上保安庁法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明及び平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法案の衆議院における修正部分の説明は、既にお配りいたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本一太君 今回のテロ対策特別措置法案、そして自衛隊法の一部を改正する法案、さらには海上保安庁法の一部改正法案、このテロ関連三法というものは大変重要な法律案であるというふうに認識をしております。これは、二十一世紀の国際社会における日本という国の役割、あるいは日本という国のあり方に直接深くかかわる法案だというふうに考えているからです。 衆議院の方では特別委員会が設置をされましてかなり濃密な議論が行われました。 きょうはこの良識の府である参議院におきましてこの法案について審議が始まる日でもございます。この法案のポイント等については、重なる部分もあるかと思いますけれども、この参議院におきまして改めてこの法案のポイントを確認をし、総理のこの外交安全保障に対する考え方あるいは政府の姿勢あるいは二十一世紀の日本外交のあり方等について改めてしっかりとしたビジョンを国民の方々に提示をし、考えていただくような議論にしていかなければいけない、そんなふうに考えております。 今回の参議院の審議では、自由民主党を代表してトップバッターとして質問に立たせていただくことを大変光栄に存じております。私の持ち時間は百分ということですが、気合いを入れて質問をさせていただきたいと思いますので、総理初め閣僚の皆様方におかれましても衆議院以上に魂を込めたお答えを御期待を申し上げたいと思います。 それでは、まず最初に小泉純一郎総理にお伺いをしたいと思います。 総理、小泉内閣が発足をしてから半年間がたちました。小泉内閣は発足以来聖域なき構造改革を掲げ、経済改革、そしてさまざまな改革に着手をしてきたわけでございます。これは経済の分野だけでなく、日本の政策全般にわたって小泉総理が大胆な政策転換を図ってこられたということは、これはだれもが認めるところだと思いますけれども、特に外交安全保障の問題についても、総理はこれまでよりもかなり踏み込んだ大胆な発言をされてきたというふうに私は認識をしております。 そういう中におきましても、小泉内閣は依然として国民から極めて高い支持を維持をしていると。私は、政治家として、この日本国民の見識、そして英知というものを信じております。大変厳しい時代状況ではありますけれども、こういう中で、国民の方々一人一人が小泉総理と小泉内閣に対してこれだけの大きな期待をしていただいている。その期待をしっかりと胸に受けとめていただきまして、原理原則を貫いて、内政、外政、この外交安全保障の問題についてもしっかりと日本をリードしていっていただきたいと思いますが、まず最初にその点につきましての小泉総理大臣の御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 四月に発足以来約半年が経過しようとしておりますが、おかげさまで多くの国民から支持をいただきながら精いっぱい総理大臣としての職責を果たさなきゃならないということで毎日一生懸命努力しているわけでございますが、経済の問題、そして外交安全保障の問題、それぞれの暮らしにかかわる問題、連日次々と多くの難問が降りかかってまいりますが、この困難な状況を打開するために、これからも皆様方の御協力を得ながら、進むべき、やるべき改革を断行して、日本経済に自信を取り戻して、そして世界の中での日本の責任を果たしていかなきゃならないと思っております。 そういう意味におきまして、まず、今までの状況を振り返りながらも、やはり変えるべきは変えていかなきゃいかぬと。改革なくして成長なしと。目先のプラス成長のためなら国債を増発して公共事業を上積みしていけば何とかプラスになるだろうという状況、そういう意識から転換が迫られているのではないかと。プラス成長だろうが低成長だろうが、改革なくして成長なしの方針は変わらないと。そして、持続的な民需主導の成長軌道に乗せるということが日本経済の発展のために必要だということから、改革なくして成長なしの作業に今取り組んでいるところであります。この考えは今回のAPECの会合でも私は理解を得られたと思っております。 さらに、九月十一日以降、米国での同時多発テロ、この事件によって、世界のテロに対する取り組み方、また自国の安全保障、外交、そして国際社会の中でそれぞれの国がどういう責任を果たしていけばいいかという点について大きく意識が変わってきたと思います。 日本としても、このテロの攻撃に対しては人ごとではない、アメリカのことだけではない、まず日本自身の問題として主体的にこのテロ撲滅のためにどうやって立ち上がるかというのが今問われているのではないかと思っております。 我々としては、このテロ撲滅・防止作戦には、各国の協力と、そして各国の多様な、多角的な支援体制、それぞれの国に応じた支援体制をとることによって、テロを二度と起こさせないという決意のもとにできるだけの協力をしていく必要があると思っております。
○山本一太君 総理の力強い御決意を大変心強く受けとめさせていただきました。 先般、私の衆議院の盟友である河野太郎衆議院議員と一緒に総理官邸をお訪ねをしたときに、総理が三十分間お時間をとっていただきました。目的は韓国の若手議員交流の結果を御報告することと総理が韓国料理を嫌いではないということを確認することだったわけですけれども、最後に総理にこれからも原理原則を貫いてしっかりと改革をやってくださいと申し上げたところ、総理は何もおっしゃらずににこっとされて、あれはどういう意味だったのかなとずっと考えておりましたが、きょう初めて、この改革に不断の決意を持って取り組んでいく、こういうことだったんだなということを確信をいたしました。 大変厳しい状況ではございますけれども、これからも十分健康に留意をされて、この改革に邁進をしていただきたいと思っております。 引き続き総理に伺いたいと存じます。 APECの会合、これ、上海で行われていたAPECの会合は先般首脳声明を採択して閉幕となりました。 今回のAPECの会合は、私は極めて歴史的に大きな意義があったというふうに考えております。米国、中国、そしてロシア、さらにはヨーロッパ、日本、アジア諸国、こういったところが一致協力して一つの敵、テロの脅威に立ち向かう、こういうことはこれまでなかったことだと思います。冷戦が終了して、世界が新しい秩序を模索するという状況が続いていたわけですけれども、大変皮肉なことに、この同時多発テロが、この世界が新しい世界秩序に向かって進む、そういうきっかけになったのではないか、そんな気さえいたしました。 その中で、改めて総理の日程をきょう確認をさせていただきまして、この忙しいAPECの会合の合間を縫って、何とこの期間に九人の首脳の方々と会談をしたと。大変感銘を受けたわけでございますが、まずこのAPECについて総理の率直な御感想を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二十カ国の、地域の首脳がそれぞれ一堂に集まり、経済の協力のみならず、九月十一日以後の、テロ発生後の世界をどう見ているか、また、どう立ち向かうべきかということに対していろいろ意見交換でき、なおかつテロを断じて許さないという強いメッセージを発出できる結論になったということは、極めて有意義だったと思います。 しかも、それぞれイスラム教国を含み、ロシア、中国、かつてはなかなかアメリカとも意見の一致を見ない点が多かった国々とも、ともに協力してこのテロに対決していこうという確認ができた。やっぱり九月十一日以降世界は変わったなという認識を強く持ちました。 そういう中で、テロに対決するためには軍事作戦だけではないと。それぞれ外交努力もあります、あるいは経済努力もあります、あるいは難民支援努力もあります、資金の経路凍結・管理の問題もあります。そして同時に、このテロの組織はアフガンだけではありません。全国に散らばっております。中にはこのテロリストグループと、国による反政府グループともつながっている面もうかがわれる、非常に複雑多岐な対応が必要ではないかということをいろいろな意見を伺いながら私も痛感した次第であります。 それだけに、日本としては憲法の範囲内でできるだけの協力をしていかなきゃならないなと。そういうことから今新法を御審議いただいているわけでございますが、今後、この作戦がいつ終わるか今のところ不透明ではございますが、できるだけ早く終結でき得るような努力をそれぞれの国が自分自身で考える点と、そして国際協調の観点からどういう国際協力の要請にこたえ得るか、それをその国自身が皆で考えるべき問題だと。日本もそういう国際協調体制、最も戦後国際協調が必要な事件が今回のテロ事件ではないかと思います。 そういう中で、主体的な協力体制、みずからのためにこういう協力をしているんだ、米国の問題ではない、我が国自身の問題として取り組む必要があるということをさらに強く感じた会議だったと思います。
○山本一太君 総理がAPECの会合の合間を縫ってこなされた九つの首脳会談はどれも大変意義深いものであったというふうに伺っております。 中国との会合ではODAについて率直に意見をされ、さらにロシアとの会合では領土問題について触れられ、日韓首脳会談においては先般の首脳会談のフォローアップともいうべき仕事をされたということですが、いろいろとテレビや新聞等々の報道で拝見をさせていただきまして、やはりハイライトは日米首脳会談、小泉総理とブッシュ大統領の会談ではなかったかというふうに考えております。 今回の会談がたしか四回目の会談になるというふうに記憶をしておりますけれども、総理の方から、日本は武力行使はできないけれども自衛隊を支援に使うことについて国民の理解を得つつあるというお言葉があり、ブッシュ大統領の方からは、戦闘行為に参加するかどうかというのは重要ではない、日本とアメリカの関係がより大事なんだという趣旨のことを申されたという報道も承っております。 私は、ぜひ小泉総理に御期待を申し上げたいのは、やはり外交関係においては首脳同士の信頼関係というのが非常に大きなファクターになるということは、これは申し上げるまでもございません。過去に例を見れば、中曽根元総理とレーガン大統領の関係、橋本元総理とエリツィン大統領等との関係、こういう形で、総理とブッシュ大統領の間に純一郎、ジョージと、こう呼び合えるようなぜひとも信頼関係をつくっていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 それに関して一言だけ大変興味があるのでお聞きしたいと思うんですが、総理から見てブッシュ大統領というのはどういう人物でありましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国の首脳と何回かお会いしましたけれども、率直に言って、最初の会談から四回目、一番気が合うというかウマが合うとかいう関係を構築することができたと思いますね。お互い率直に意見交換できる、日米関係の重要性をお互い一番よく認識していると。そういう中で言うべきことは言う。気さくな方でして、決して取り澄ましたところもないしね。 私は、非常時になってより一層指導者としての責任を感じながらみずからを成長させているという、国際社会の重要性も認識され、見事な今テロに対する、米国だけじゃない、国際的な問題なんだという協調づくりに成功していると。しかも、アフガンの今攻撃に見ても、冷静に対応し、武力攻撃でタリバン政権を崩壊させればいいという問題じゃないと。今後のアフガン国民のためにどういう安定政権が必要か、今後の復興策がどうあるべきかという長期的な視野から今回の局地的なアフガンの対応もしていると。 人間というのは困難な時期になるとその真価が出てくるとよく言われますけれども、非常の危機に直面して、指導者としての立場を改めて認識して、かくあるべしというような行動は何かと、いろんな方々の意見を聞きながら私は今回のテロに対しても見事な対応をされているのではないかと思っております。 今後、日本にとりましてもいろんな事態の展開が想像されますけれども、基本的な、日米関係というのは日米両国にとって最も大事だけれども、それだけじゃない、世界にとっても非常に重要なんだ、最も重要な二国間関係なんだということを共有できて、そういう観点から率直に話し合いをできる関係を築くことができたのは、単に私とブッシュ大統領との個人的な人間関係のみならず、両国にとっても、また世界にとってもいいことではなかったかなと。 これからもこの良好な信頼関係を維持発展させて、お互いの国の発展のみならず、少しでも世界の安定、発展のために尽くすような共通認識の上に努力を積み重ねていくような交流ができればいいなと思っております。
○山本一太君 ありがとうございました。 引き続き総理にお尋ねをしたいと思います。今度のこのテロ対策特別法案の精神についての質問でございます。 総理がブッシュ大統領との会談でおっしゃったように、今回のこの法律案、自衛隊を支援に使うということについてはおおむねの国民の方々に理解が浸透しつつあるというふうに私も認識をしておりますが、総理のその言葉の中にあらわれているように、依然としてさまざまな意見が国民の間にあることも事実だと思います。 今回のこの法案は、テロ対策特別措置法は、同盟国であるアメリカを支援するというよりも、むしろテロの撲滅という国際的な共闘に日本が参加をする、こういう構図であるというふうに存じておりますけれども、これは総理、衆議院の方でもたびたび答弁をされていると思いますが、大切な点なのでまずお聞きしたいと思いますが、今回、自衛隊を支援に活用するということの法的な根拠を総理がどこに求めておられるのか。衆議院の方では、憲法の前文と憲法九条の間にはすき間があって、あいまいな点もある、そこら辺をいろんな方々から知恵をもらいながら考えていくんだというような御趣旨の発言もされているのをお聞きをいたしましたけれども、この法的根拠について総理の方から改めて御表明をいただければと考えます。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 法的根拠について、条文からいえば、むしろ後ほど法制局長官からお話ししてもらった方がいいと思います。 私としては、今回、自衛隊の派遣を今までできなかった地域に出すという、自衛隊に新たな任務を与えるという法案であります。ということから考えれば、憲法の前文と憲法の九条を政治的に考えました、政治家として。一番国民が注目するところだろうと。そして、今までの憲法の解釈の上に立って何ができるかということを中心に、憲法の範囲内で、武力行使をしないと、戦闘行為には参加しないと、そういう中で自衛隊の役割もあるだろうと。 自衛隊だから海外で活動の場を与えていけないという勢力が一方に根強くあるのは承知しております。私は、そうではなくて、憲法の範囲内で、自衛隊も日本の貴重な国力の一部であり、財産であります。極めてすぐれた能力を持っております。日本の国力に応じて国際社会の責任を果たすという意味において、私はできるだけの支援協力態勢をとっていくために、自衛隊にも、自衛隊に対してもしかるべき任務を与えて日本の責任を果たそうということで今回の新法をお願いし、自衛隊以外にもそれぞれの活躍の場はたくさんあります。外交努力、経済努力あるいは医療活動、輸送活動、自衛隊以外の方々にも協力をお願いしますが、自衛隊にも新たな任務にもついてもらって、日本の国際社会での責任を果たす一翼を担っていただきたいという思いでこの法案を提出しました。 憲法観、法律観からいいますと根拠はたくさんあるんですね。それぞれそういう法的な定義については法制局長官から答弁させてもらいます。
○山本一太君 簡潔に。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 今回、自衛隊を派遣することにいたしましたことは、総理が憲法の前文との関係でいろいろおっしゃっておられますけれども、憲法は国の基本の、統治の基本的な枠組みを定めておるわけでございますが、その憲法のもとにおきまして、国等の行政権限の内容を定めたり、あるいは国民の権利を制限したり、あるいは国民に義務を課するというような場合には法律によらなければならないという、いわゆる法治主義の原則があるわけであります。言いかえますと、憲法という枠組みの中で新しい事態に対応するためには、新しい事態に対応すべきであるけれどもそのために必要な法律がないというような部分につきましては、新しい法律を制定してそれに対応していかなきゃいけないという必要があるわけであります。 その上で、いろいろ従来から総理がおっしゃっておられますけれども、憲法の前文と九条の間で、そういう法律的な枠組みの中で、国が新しい事態に対処するために必要な現行の法律がない部分を埋めるために今回のテロ対策特別措置法案を提出したというふうに考えておりまして、これは、憲法解釈を変更したり、あるいは拡大するとかいう、変更してその枠組みを変えるとか拡大したりするというようなことではございません。
○山本一太君 総理のおっしゃったことを要約すると、憲法の範囲内で国際協調主義の精神に基づいて武力行使以外の分野で自衛隊の貢献を可能にすると、こういうことだと思います。 きょうは総理に、ぜひ総理の口からお話をしていただきたい点がもう一点ございます。それは、今回のテロとの戦い、国際的な共闘の中、つまり国際社会による取り組みの中に日本が積極的に参加していかなければいけない理由、簡単に言うとそういうことになると思います。 総理に申し上げたとおり、毎週帰るたびに、私の後援会の方々とか、あるいは地元のさまざまな会合に出るたびにこの話をいたします。私が耳にする限りでは、大多数の方々が、あれだけのことがあったんだし、それにこのテロの脅威というのは国際的なものだから、やっぱり日本は協力をしていかなければいけないという方がほとんどだと言っていいと思いますが、それでも、総理がブッシュ大統領との会談の中で慎重に言葉を選ばれたように、国民の間にはさまざまなまだ意見があるというのも事実だと思います。 先般から、ある新聞社が主催するインターネット上の議論、パネルディスカッションに参加をしております。その「e―デモクラシー」というのに自民党を代表してこの世代の政治家として私が出席をし、さらに民主党からもあるいは社民党からも同世代の議員がこの議論に参加をし、読者との間で今回の日本の対応、テロ法案の中身等々について活発に議論をさせていただいております。 いろんな方々からメールをいただきます。特に興味深いのは、日本人で外国に住んでいる方、在外に赴任しておられる方、そういう方々はほとんど、今回、日本は積極的な、この国際社会のテロに対する共闘に積極的に取り組むべきだ、ほとんどの方がそうおっしゃっている。恐らく、日本を離れたところで世界の常識や世界の情勢を見る中でそういうお考えが出てきているんだと思います。 一方で、若い女性とかあるいは主婦の方とかあるいは七十歳以上の元特攻隊員の方々、そういう方々からは、やはり戦争という手段は市民を犠牲にする、軍事的な報復はすべてを解決しない、あるいはテロには前方も後方もない、こんな御意見もいただいております。 慎重意見を要約すると、簡単に言えば、日本が今回この国際的な取り組みに参加をすることによって日本自体に対するテロの危険性、日本がテロの標的になる可能性が飛躍的に増大してしまうんではないか、この一点に尽きると思っております。 私は、常に、もう既に、世界の情勢を考えると日本だけが安全な場所に行くわけにはいかない、この戦いに参加をすることが日本の国益であり国際社会の国益だというふうに説明をしているわけでございますが、これも総理はいろんな場所で総理のお考えを既に表明されておりますけれども、もう一度改めてお聞きをしたいと思います。日本がテロ撲滅のための国際社会の取り組みに自衛隊の支援も含めて積極的に参加をしていかなければいけない理由をお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) このテロ撲滅作戦において日本がアメリカに協力すると、テロリストはアメリカを敵にするんだから日本もテロに巻き込まれるのではないかという一部の懸念があります。しかし、私は今回のテロとの対決に中立はあり得ないと思っています。 これは、結果的にアメリカを支援しても、日本自身が支援しなきゃならない、日本自身の問題だと、日本もテロの脅威にさらされる可能性は否定できません。しかも、多くの方々が犠牲者になっております。だからこそ、世界のほとんどの国がテロを非難し、テロは国際協調のもとに対決しなきゃならない、アメリカ一国の問題ではないと。アメリカに対する強い敵意を持ってテロリストたちは行おうとしていますが、そうじゃない。 我々としても、今回、そういうテロに対しましては、テロのおどしに屈しないためにも国際社会と協調して、武力行使以外に、戦闘行為に参加しないという前提のもとに何ができるかということを積極的にかつ主体的に考える必要があるのではないかということで、我々は、できるだけ早く成立させていただきまして、いろいろな対応を具体的に進めていきたいと思っております。 テロがどこで起こるかわかりませんし、あるいはテロに対して攻撃を加えるとまたテロが起こるんじゃないかという、そういう危惧もありますが、かといって、じゃ何もしないからテロが起こらないかというと、何もしなくても今までも起こってきたわけです。話し合いが通ずる相手じゃありませんね。これが今回非常に難しい問題だと思います。 イスラムとアメリカとの、敵だと、テロリストのグループはそう持っていきたいんでしょうが、その挑発に乗ってはいけない。イスラム諸国もテロ非難声明を発している多くの国があるわけですから。ある人は中東の和平問題が解決しないから起こるんだとか言いますが、いかなる理由があろうとも、テロを正当づける理由は私は何もないと思います。 そういう点で、今回のAPECの中でもそういう認識を持てたという、テロを擁護するいかなる正当な理由もないという国際社会の認識のもとに、日本は毅然としてこのテロに立ち向かっていかなきゃならないと思います。
○山本一太君 今、総理がおっしゃった、これは日本自身の問題でもあるというのはまさにキーワードではないかというふうに感じました。 総理は、ニューヨークのあの世界貿易センタービル倒壊の現場に行かれてその惨状を目の当たりにし、たしかハートブレーキングだと、胸がつぶれる思いだというようなお話をされました。尾身大臣もたまたまアメリカにおられて、その現場に駆けつけたわけでございますが、後ほどお話を伺ったところ、もうこれは言葉では形容できないような惨状だったというようなこともおっしゃっておられました。 今回のテロは、総理がおっしゃったように、大変、犯罪を超えた犯罪と言ってもいいと思います。罪もない米国市民、もちろん外国人を含む五千人以上の市民が殺りくをされた。しかも、その中で日本人が二十名以上犠牲になっている可能性が極めて高い。まさにこれは当事者としてこの問題をとらえなければいけないというふうに総理のお言葉を聞きながら感じました。 私は、いたずらに国民の方々の不安をあおるつもりはありませんが、日本がこの国際的な取り組みに積極的に参加しようが、あるいは協力を逡巡しようが、既に日本はテロの脅威の輪の中に入っていると思います。もちろん、さまざまな外交努力を通じ、あるいは国内体制の整備を通じ、その危険性をできるだけ低下させていかなければいけない。そのための準備をしていくことは大事ですが、実は日本も好むと好まざるとにかかわらずこの戦いの中に、この状況の中に巻き込まれている、そういう当事者意識をつくることが極めて大事だというふうに考えております。 さて、総理、もう一つ私のメールに入ってくる意見の中で多いのは、軍事的措置は根本的にテロの問題を解決しない、こういう意見です。 それは当然のことだと思います。私がいつも答えているのは、軍事的措置はこのテロに対する複合的なアプローチ、さまざまなアプローチのうちの一つであって、相手が特定され、相手の組織が特定される場合には極めて有効なオプションの一つとしてやるべきものではないかと、そういうふうに答えているわけですが、いずれにせよ、この軍事的措置がテロの根本的な解決になるというふうにはもちろん私も思っておりません。 ただ、テロに対する断固たる決意、これが今までこのテロの連鎖を防いできた、これも歴史的な事実であると思います。七〇年代に頻発したハイジャックというテロ、このテロリズムの連鎖を防いだのはイスラエルやアメリカ等々の断固たる姿勢だったと思います。 八〇年代の初めにジョージタウン大学に留学をしておりましたときに、キッシンジャー博士をお呼びをいたしました。そのときに、キッシンジャー博士がテロに対する政策は一貫していなければいけないということをおっしゃって、原則として、ノーネゴシエーション、交渉せず、ノーコンセッション、一切妥協せず、リタリエーションアフターワーズ、後でしっかりと報復をする、この断固たる姿勢がこのハイジャックのテロを防いだ、こういう話をされていましたが、私はけだし名言だというふうに考えております。 さて、このテロの根本的な原因は、これは外務大臣にお聞きをしたいと思いますが、貧困問題であり、あるいは社会的な不正義の問題であり、社会のひずみの問題であり、途上国などにおいては恐らくグッドガバナンス、統治の問題でもあるかと思いますが、日本はODA、世界最大のODA供与国として私はこの貧困問題についてはかなり実績を上げてきたと、みずから援助の現場にもかかわった者としてそういうプライドを持っております。 非常に漠然とした質問で大変恐縮ですけれども、日本としてこの貧困の撲滅、あるいは人道援助、社会のひずみ、途上国問題を是正するためにどういう対応をとってこられたか、外務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) テロ問題の解決につきましては、もう小泉総理もずっとるる述べていらっしゃいますとおりに、本当に国際社会が一致団結をして取り組むということが大変一番重要であると思いますし、今、ドクターキッシンジャーのおっしゃったネゴシエーション、その他おっしゃっていますけれども、これは山本委員がアメリカでジョージタウンにいらしたときに学ばれたということですが、まさしくそのことに収れんされているのではないかということを私も実感いたしております。 そして、お尋ねの件でございますけれども、テロの発生する土壌はいろいろ考えられますけれども、やはり今回のものを見ておりましても貧困というものが残念ながら非常に大きなファクターであるということを認識せざるを得ません。そして、その貧困につきましても、じゃ、私たちがODAとの関係でどのようなことをやってきているかということでございますけれども、ODAは大体一般会計で一兆円の予算がございまして、その三分の一はこうした貧困対策でありますとかあるいはそれに関係する社会開発分野の支援等に向けてきております。 もちろん、ODA予算は私ども国民の皆様の血税を使わせていただくわけでございますから、これからも間違いのないように、世界の変化に対応しながら納税者の皆様に納得していただける形で使わなければなりませんけれども、そうした意識を持ちながら今までの経緯や今後の貧困問題とODAの関係でお答えを申し上げますと、例えば社会開発分野ですと当然インフラの整備ですとか環境の保全、そうしたものがございます。それから、むしろ紛争予防というふうな面で貧困対策に予算を使っていくべきではないかということを私常々考えておりまして、それにはやはり女性の問題、女性の支援ということは今回のアフガンでも非常に問題になっていると思いますけれども、そうした面ですとか、基礎教育はもちろん、医療とかあるいは保健の分野でございます。 具体的に申しますと、女性支援は、ジェンダーの問題でWIDというような組織もございますし、女子の保健の問題、母子ですね、母親と子供の保健の問題もあります。それから、あとは保健の分野でも人口計画でありますとか、医療ではHIV、エイズの問題もありますし、食糧支援等もございます。 ですから、そういうふうなことをトータルで見まして、きめ細かく、どういうふうなことが私どもの税金がODAで有効に世界の皆様のお役に立ち、貧困を撲滅し、そして結論としてはこうしたテロリズムの撲滅にも役立つかということを念頭に置きながら今後も行動していきたいと、かように考えております。
○山本一太君 田中外務大臣、御存じかと思いますが、私の地元出身の小渕元総理が外交の中に人間の安全保障というコンセプトを初めて位置づけられました。この人間の安全保障というのは、私が勤務をしておりました国連開発計画、UNDPという援助機関としては最大の国連機関がつくっている人間開発報告書が初めて出した概念です。 これは、人間の生活あるいは尊厳、存在感みたいなものを阻害する要因を排除して、そして一人一人の人間が自由で価値観をしっかりと持って生きると、こういう状況にするというコンセプトだったわけなんですけれども、日本政府は、御存じのとおり国連の中に人間安全保障基金というものをつくりまして、この分野の援助を行っております。 私はまさにこの人間の安全保障の考え方というものはテロに対する日本の取り組みにつながっていくのではないかというふうに思っております。そのコンセプトづくり、概念をつくる面におきましても、ぜひとも日本の外務省としてODAの長年にわたる経験を使ってリーダーシップをとっていただければというふうに考えております。 さて、ここで、衆議院で行われた二つの修正について御質問をさせていただきたいと思います。 久間衆議院議員が、質問を、提出したということで来ていただいておりますので、久間議員にお伺いをしたいと思います。 まず第一点でございますが、原案では入っていなかった部分、外国の領域において自衛隊が輸送活動に従事するケースがある、そのときに武器・弾薬については陸上輸送を、これを除外すると、こういう旨の修正が行われたということになっております。 これは与野党の間の修正協議の過程で行われ、結局、与党合意の修正案ということで出されたわけですけれども、この理由について久間議員の方から御説明いただければと思います。
○衆議院議員(久間章生君) 衆議院の特別委員会で、武器・弾薬の輸送につきましては、陸上に限らず、洋上も含めていろいろ議論がございました。しかしながら、これまでも洋上につきましては周安法でもやっておるじゃないかというような、そういう御説明もございました。 ただ、今回のこの法案が二年間ということで時限立法になっております。その二年間においてよその領土で陸上輸送する必要性があるかどうかについていろいろと議論がありまして、その結果、その必要性は非常に薄いんじゃないかと、そういうようなことから、みんなの意見がやはりこれはこの法案として外そうということで、陸上における部分を外したわけであります。決して陸上輸送が憲法九条に触れるからということじゃなかったことだけは念のために申しおきたいと思います。
○山本一太君 今の議員のお答えでいきますと、実際のなかなかニーズがないのではないかという判断もあり、またさらに、これは衆議院の方でも御答弁をされているようですが、国民のさらに幅広い合意を形成するためにと、こういうことと理解をさせていただきたいと思います。 次に、もう一つの修正についてお伺いをしたいと思います。 原案では自衛隊を派遣することの可否についての事前承認も事後承認も含まれておりませんでした。たしか基本計画に関する、基本計画の決定のときと変更のときと終わるときに関する国会報告だけが明記されていたように思いますが、今回、自衛隊の支援をする、この可否についての事後承認、この一項が加えられております。 これは今までも議論になっておりますけれども、自衛隊を支援として使うかどうかという可否は、この法律が国会において承認されればそれで事足りるではないか、さらにこれを事後承認するのはある意味では二重手間ではないかと、私は非常に極めてこれは論理性のある話だと思っているんですが、こういう変更になった理由をお聞かせいただければと思います。
○衆議院議員(久間章生君) 基本計画の承認をまず国会ですべきではないかという議論がたくさんございました。しかしながら、従来の周安法もPKOのあれもそうでございますけれども、基本計画を国会が認める認めないということじゃございませんで、自衛隊が海外に行くことを認めるか認めないか、そういう法の仕組みになっております。そういう意味では、今、委員がおっしゃられましたように、今回は出すための法律をつくって、しかも二年間という時限でやるわけだから、この法律を成立させればそれによって出すということを認めることになるんじゃないか、そういう意見が政府からも答弁としてございました。 しかしながら、基本計画がつくられて、それを背負って出ていくときに全く国会が関与しないでいいのかどうか、行った派遣先がまた変わった場合にそれについて国会として何らチェックできなくていいのかどうかという話がございまして、そういう中から、先ほど話がありましたように、幅広い国民の理解と支持を得るためにはやはり国会が関与すべきであろうと。 しかしながら、迅速に対応しなければならないという、そういうことを考えますと、この法律が成立して、基本計画をつくって、またそこで事前承認という形になりますと非常に二重になるじゃないかと。迅速性を考えれば、これはやはり事後的でいいんじゃないかということであのような修正を出させていただいたわけであります。
○山本一太君 こうした決定には国会がきちっと関与するべきだ、しっかりとした文民統制を図るためにもこうした仕組みをつくるべきではないか、しかも国民の幅広い合意を集めるためにと、こういう御配慮であるというふうに受け取らせていただきました。 今、久間議員がおっしゃった与党の修正案の中で、承認については、対応措置を開始した日から二十日以内に国会に付議し、そしてこれらの対応措置の実施につき国会の承認を求めなければならないということになっております。この二十日間という数字の根拠についてお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(久間章生君) 国会との関係では、治安出動をやった場合に、これは七十八条の二項で、二十日以内に国会に付議して承認を受けなければならない、そのときに不承認になったら出動をやめるという、そういう規定がございますので、それを参考にして二十日間という同じような日数を考えたわけであります。
○山本一太君 先ほど久間議員がおっしゃった迅速な対応という点は大変大事だと思います。私が記憶しているところでは、衆議院の方では附帯決議をたしかなさっていると思うんですけれども、これは二十日以内とはなっているけれどもできるだけ迅速に付議をするべきだ、こういう一節が入っているのは私は非常に意味があることだというふうに考えております。 私は、国会といいますか、政府がいろんな事情を勘案して、例えば事態の状況であるとかあるいは国民の世論であるとか、そういうものを勘案して決定した判断、つまり自衛隊をある場所で活動させる、支援に参加をさせる、こういう決断が国会で事後に否決されるということは実際には極めて考えにくいというふうに思っております。 それにしても、しかし二十日以内ということになりますと、理論的には、例えば自衛隊がある地域の勤務に出発をする、その後もし国会で否決をされると途中からくるっと引き返すということが起こり得るというような話でして、実際にはこれはないと思いますけれども、こういう混乱の可能性を残すということは、やはり現地の自衛隊員の方々、あるいは自衛隊のモラールにもかかわることだと思いますので、ぜひとも、この附帯決議にあるように、二十日以内とはなっておりますが、できるだけ早く付議をし、そして国会の方の承認もできるだけ迅速にできるようなそういう対応をとっていくということについて御要望を申し上げたいと思っております。 さて、次に防衛庁長官に御質問を申し上げたいと思います。 今、防衛庁長官、私の地元では中谷防衛庁長官が非常に話題になっております。私と同い年、私の女性部の方が一太君と中谷さんが同い年にはとても見えない、中谷長官は一太君よりも頭も少し白いし、かっぷくもいいし貫禄もある、同い年とは信じられないわねということが大変地元では話題になっております。それでも私は、中谷長官が私と同じ年で、石原伸晃大臣と並んで小泉内閣のかなめとして活躍をされている同世代の議員として本当に誇りに思い、心から応援をさせていただいております。 中谷長官、覚えていらっしゃるでしょうか。ウエルカム・マリーン・プログラムというのがありました。これは現在も恐らく続いているかと思いますが、当時、小渕総理夫人が中心となって、ジャーナリストや何人かの方々が協力して、沖縄にいる海兵隊あるいは軍の関係者を東京かあるいは日本の内地の方に呼んでいろんなことを経験させ、そしていろんな意見交換をするというプログラムでした。非常に意味のあるプログラムだというふうに私は考えております。 そのウエルカム・マリーン・プログラムの一環として富士山に登るという企画がありまして、屈強な二十代前後の海兵隊員あるいは軍の関係者と一緒にこの富士山登頂に無謀に挑戦したのが私と中谷防衛庁長官でした。私は、長官を見て一緒に参加した妻に言いました。おれの方が絶対早い、大体おなかもおれの方が出ていないしスリムだということで妻に宣言をしたんですが、この登頂が始まったら中谷長官は海兵隊よりも早く富士山に着かれて、しかも午後から仕事があるということでおりてしまわれました。後でお聞きをしたんですけれども、中谷長官は自衛隊のレンジャー部隊御出身だということでなるほどと、富士山はお茶の子さいさいだったんだなということがわかったわけです。 今回、自衛隊が外国の領域で活動することになりました。この気持ちを一番この小泉内閣の中で理解をされているのは中谷長官だと思います。これも、長官、いろんなところで聞かれてお話をされていることだと思いますけれども、改めてお伺いをしたいと思います。 必ずしも安全ではない、小泉総理によれば全世界のどこでも完全に安全なところはないということですけれども、ある程度の危険が伴う地域に自衛隊が行く、そのときには武器使用の基準というものを大幅に緩和する必要があるんじゃないか、これは根強い議論だと思います。今回の武器使用の基準、あるいは防護対象の基準等々につきましては、これは周安法とかあるいはPKO法等々の例も考えながら、新しい状況も組み込みながら練り上げられたものですけれども、これについて、中谷長官御自身、十分だとお考えになっているかどうか、それについてお話をいただければと思います。
○国務大臣(中谷元君) 山本委員からウエルカム・マリーン・プログラムのお話がありましたけれども、これは橋本龍太郎総理の奥様のときに中心になって始めたものでありまして、ことしで六回目になりますけれども、ことしも富士山の上まで登ってまいりましたが、やはりともに我が国の有事のために勤務している米兵と汗を流すということがお互い人間同士の信頼関係を深めるということで、非常にともにやっぱり汗を流すということが大事だなという趣旨で力の限り続けてまいりたいというふうに思っております。 そこで、お尋ねのこの法律に基づいて自衛隊を派遣する際の安全確保の問題でありますけれども、山本委員が言われるとおり、派遣される隊員並びにこの活動の安全を図るということに配慮するというのは当然なことでありまして、二点考えております。 まず第一点は、活動を行う地域においては、戦闘行為が行われていない地域ですね、将来に対しても戦闘行為が行われることがないと認められる地域においてのみ活動を実施するということにしておりまして、万が一予想されなかった事態が発生した場合は一時休止、避難、実施区域の変更、活動の中断によって危険を回避することができる枠組みとしておりますし、実際に外国領域内で行う場合は外国領域の同意も必要でありますし、安全確保については当該外国の治安当局と十分に話し合いをして実施区域を決めるということになっております。 そして、武器使用におきましては、自己あるいは自己とともに現場に所在するほかの自衛隊員、さらにその場所にいる、職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命・身体の防御のため、やむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合に、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるというふうにいたしておりますし、自衛隊法九十五条の武器防護の規定も入れております。 このような形で、適時適切に隊員の安全確保、それから実りある活動ができるという点につきまして配慮した内容になっておりまして、これの実施におきましても、十分その点を留意して実施をしていきたいというふうに思っております。
○山本一太君 今の長官のお話を総合いたしますと、いろんな要素を勘案するときちんと機能するだろうと、こういうことだろうというふうに思います。 さて、長官、引き続き御質問させていただきたいと思いますが、武器の使用の基準、防護対象等々と並んで、また別の意味で大事なのがどの程度の武器を携行してもらうか、つまり装備のレベルだと思います。装備のレベルについては基本計画の中で決定をすると、こういうことになっておりますけれども、これについては当然のことながら、現地の治安情勢等々を勘案しながら、ぜひ慎重に検討いただければというふうに考えております。 PKOにおきましては、これはもう釈迦に念仏でございますが、基本的に──釈迦に説法、失礼いたしました、釈迦に説法でございます。訂正をいたします。釈迦に説法でございますが、ちょっと上がっているかもしれません。釈迦に説法でありますが、PKOにおきましては基本的には小型の火器を携行するということで、大体機関銃あるいはピストル、けん銃ですか、それと最大限でも今までの例を見れば機関銃とそれから装甲車という形になっていたように記憶をしております。 日本はこれまで幾つかのPKOに参加をしてまいりましたが、たしかカンボジアとかゴラン高原とかあるいはモザンビークのONUMOZとか、このときは自動小銃だったように記憶をしておりますが、ルワンダのときに機関銃を携行し、たしか指揮通信車という名目で装甲車を持っていったと、こういう記憶がございます。ルワンダのときに機関銃を一丁持っていけばいいのか二丁持っていけばいいのかという議論がありましたけれども、結局これは一丁ということになりましたが、一丁故障したらどうするんだろうと私はずっと思っておりまして、こういうところはぜひ実態を踏まえた上でしっかりと装備のレベルを検討していただきたいと思いますが、この点について長官の御意見をいただければと思います。
○国務大臣(中谷元君) 隊員の武器等の装備につきましても十分に検討しなければなりませんが、この装備につきましては基本計画において武器の種類等を定めるということになっておりまして、その際に現地の状況を十分に把握するということが極めて重要だと考えております。 どういうふうな危険があるかといいますと、先ほどお話ししたとおり、戦闘行為は起こらないところでやりますので、戦闘行為に至らないテロ活動などの不測の事態が想定されるところでありますけれども、実際に活動する際に、そのような不測の事態等を予測をいたしまして、必要最小限の観点で、具体的に必要な武器の種類等につきましてはよく現地の状況を見て総合的に勘案して決定をいたしたいというふうに思っております。
○山本一太君 次に、外務大臣に再びお聞きしたいと思います。 日本の自衛隊が活動する可能性のある地域としてパキスタンが一つの候補地になっているということは、これは周知の事実だと思います。まだもちろん申請も出しておりませんし、向こうの政府の許可もありませんので、これはまず想定をされるという表現になると思うんですけれども。今パキスタンが非常に政情不安定になっているというニュースが日々伝えられてまいります。イスラム原理主義者の人口を多く抱えているということもあるかもしれませんが、政府に対するデモも含めた現在のパキスタンの状況について、情勢をお聞きできればと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) パキスタン情勢でございますけれども、在パキスタンの沼田大使はもちろんのこと、在京のフセイン大使、そのほかあらゆるルートを通じまして情報収集をいたしております。 そして、結論から申しますと、この間、十七日に小泉総理がムシャラフ大統領と電話でお話をなさっておりまして、その中で、結論的には、ムシャラフ大統領は状況は十分にコントロール可能な状態であるということをおっしゃっておりますが、あれからまた日にちが動いてきております。そして、昨今の報道を見ておりましても、アフガニスタンからの難民の方がたくさんパキスタンへ流入していていろいろ困難な状態にあるということもわかっておりますし、それから週末には抗議集会もございました。それから、イスラマバード空港の駐車場内で不審な荷物の爆発騒ぎ等もありました。 ですから、すべての面をトータルで見ますと、総理がお話しなさったころに比べますと予断を許さない部分も確かにあると思いますけれども、自衛隊の派遣につきましては、委員ももう御案内のとおりに、仮にパキスタンの領域において対応措置をとらなければいけないという状態になった場合にはパキスタンの政府の同意を得る必要があるということになっておりまして、現時点においては政府としてそのための協議をパキスタン政府とは行ってはおりません。しかし、やはり今は、一応アンダーコントロールとは言われておりますけれども、注意深く情勢の変化を見きわめてまいりたい、かように考えております。
○山本一太君 今の大臣の御報告で言うと、政府はしっかりと事態をコントロールしているということだと思います。 いずれにせよ、今回のテロとの戦いの中でパキスタンが占める非常に重要な役割にかんがみ、日本政府としてももう既に経済援助を発表しておりますけれども、引き続き必要な支援をする方向で検討いただければというふうに考えております。 引き続きまして、この件について官房長官にも御質問させていただきたいと思います。 まだパキスタンに自衛隊が派遣されるかどうかということは決まっておりませんが、仮にパキスタンに自衛隊の派遣が決まった場合、現在よりも治安情勢が悪化するとか政情が悪化するとか、こういう事態に対しては政府としてどういうふうに対応していくのか、そこら辺のところをお聞きできればと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 山本委員のおっしゃるとおり、まだパキスタンに行くとかいうようなことは、ただいまの外務大臣の答弁にもありますとおり、非常に不確定な状況でありまして、今申し上げることできません。 ですから、一般論としての話としてお聞きいただければよろしいかと思いますけれども、行く前に現地情勢等十分に把握した上で参るわけですが、一たん行って、その後の変化というものも当然あるでしょう。しかし、そういうような変化がどういうものかということを見越した上での派遣であると。要するに、戦闘地域には行かないんだということは、これは基本でございまして、そういう可能性の少ないところに行くということで考えてはおるんでありますけれども、それでも万が一ということもあるわけですね。そういう場合には、その状況を把握した上で活動の中止とか中断とかというような方法もございますし、その時々の状況に応じて安全というか、本来の我が国の自衛隊の活動が安全に行われるということを十分に考えながら対応していきたいというように考えておるところです。
○山本一太君 明快な説明、ありがとうございました。 さて、昨今イージス艦の派遣が取りざたをされております。一部のマスコミ報道によれば、アメリカからイージス艦派遣のための要請があったということですけれども、これは総理にお聞きをさせていただきたいと思いますが、そういう正式な要請があったのか。そして、このイージス艦派遣については日本政府としてどのように対応するのかということについてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 意見交換は常にしておりますので、具体的な艦艇の派遣とか、そういう問題については防衛庁長官の方が詳しいのではないかと思います。その時点で、どういう状況で、どの程度の規模で派遣すべきかという点については私もかかわりますけれども、それまでのいろいろな状況、情報についてはむしろ防衛庁長官の方が詳しいと思いますので、防衛庁長官から答弁させます。
○国務大臣(中谷元君) イージス艦の派遣の要請につきましては、今回のテロ事件が発生以来、現在まで米政府から具体的な要請はなされておりません。 今後のことにつきましては、現在、新法におきましても審議が行われている時期でございます。イージス艦を派遣するかしないかにつきましては現時点におきましては検討中でございまして、具体的なお答えをできる段階ではございません。
○山本一太君 これからさまざまな検討が、このイージス艦のことに限らず、日本の協力について行われるということだと思います。 私は、個人的には、これは情報収集というものは一般的なものであれば日本の貢献の範囲として許されるのではないかと、個人的にはそのように考えております。私は軍事の専門家ではありませんが、イージス艦はさまざまな艦船とタイアップをしながらその機能を発揮していくということですけれども、たとえ単体であっても、あるエリアが安全であるかどうか、あるエリアにどういう動きがあって、どういうものがあるか、それを総合的に調べてデジタル化するということについては極めてすぐれた性能を持つというふうに考えておりまして、その地域が安全かどうかということを確かめる、あるいはそういう目的であれば、例えば何時何分にこの方向にこういうのが来るから撃てとか、これはもう完全に、これはもう論外だと思いますけれども、そういう形の協力も個人的にはあり得るのではないかというふうに思います。いずれにせよ、憲法の範囲内でできる協力をぜひとも御検討いただければというふうに考えております。 さて、引き続き防衛庁長官に御質問をさせていただきたいと思います。自衛隊法の一部改正についての質問をさせていただきます。 今回の自衛隊法の一部改正によって米軍基地を初めとする施設については初めて日本の自衛隊がこれを警備すると、こういう道が開かれたわけです。このいろんな議論の過程で、日本にある重要施設についてはどうやって守るのかという議論が行われました。例えば、原子力発電所とかあるいは官邸とか、その他の重要施設については、これを警察が所掌すべきなのか、あるいは防衛庁といいますか自衛隊が守るべきなのか、こういうさまざまな議論があったことは、防衛庁長官、御存じだと思います。 私は日本の警察の実績を疑うものではありません。特に、国内の治安ということについては、六〇年代、七〇年代の安保につきましても、しっかりとこれをおさめてきた優秀な実績があると思います。しかしながら、今回の同時多発テロに見られるように、新しい形のテロリズムをやはり我々は想定していかなければいけないということであると、やはり重要施設の警備については改めて検討していく必要があるのではないかというふうに思います。どちらが守るというよりも、どうやったら最も効率的にその重要施設が守れるか、被害を食いとめられるか、こういう観点から検討するべきではないかというふうに考えております。 ちょっと小ちゃいんですが、これはパネルをつくってみました。(図表掲示)小ちゃくてちょっと見えないかもしれませんが、余り生々しくない私が考えた概念図です。こういう概念図なんですけれども、済みません、ちょっと小さくて見えにくいかもしれません。 これは余り生々しいことは書いてありませんが、重要施設があると。そこに向けて例えば新しい飛行機のテロがあるとかあるいは爆弾を搭載した大型トラックが突っ込んでくるとか、こういったことが考えられるわけですけれども、例えば重要施設の周りを機動隊が警戒、阻止すると。これは全く素人ですので、機動隊が外で守れば、中で守ればいいかというのはこれは技術的にはわかりませんが、例えばその第一陣をこうやって警察がつくり、その第二弾としてここを自衛隊が守ると。例えば、重要施設の中は大きな火器が使えないんで、むしろ警察の方に守っていただいた方がいいんではないかというようなことを考えながらつくった本当に簡単な概念図なんですけれども、私が言わんとしているところは、自衛隊と警察がきっちりと協力することによってこの施設の警護する能力、これがやはりパワーアップできるんではないかというふうに思います。 既に防衛庁と警察庁の間においては警備についてさまざまな連携があると思いますけれども、まずその現状についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 重要施設の警備におきましては、第一義的に警察当局が担当するということになっております。そして、その一般の警察力をもっては治安を維持し得ない場合に治安出動がかかりまして対処するということになっておるわけでありまして、現時点におきましても国家公安委員会との間で治安出動の際における治安の維持に関する協定が締結をされておりまして、平素から情報交換等を通じて連携を行っているわけでございますが、今回、新たな脅威ということで生物・化学兵器の攻撃とか突然の急襲等がございましたので、より一層警察当局と緊密な連携をして、平素から訓練等も実施して国民をテロから守っていける、そういう体制をつくっていかなければならないというふうに思っております。
○山本一太君 既に警備等々に関しては、長官がおっしゃったように、防衛庁と警察庁の間で連携のメカニズムあると思いますが、実際にこうしたテロが起こった場合にきちんとそれが機能する形をつくるために、やはり例えば政府内に、もう既にいろいろと調整のメカニズムあると思いますが、危機管理監を中心とした局長レベルの、例えば重要施設警備タスクフォースみたいなものをつくって、本当の意味での警備計画のすり合わせを行う必要があるのではないかということで、これについてもぜひまた検討いただければというふうに考えております。 さて、国内のテロについては、例えば武装した少数のゲリラが施設を襲う等々のことにつきましては内閣官房の方でもある程度調整のメカニズムを考えているやに聞いておりますけれども、これについて官房長官の御意見を一言伺えればと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 御質問が日本国内のテロというようなことであったかと思いますけれども、現在は、今回の分については緊急テロ対策本部、こういうものを設置しまして、これは内閣総理大臣が本部長になっているわけでございまして、そういう対応でございますが、一般的には、国内で重大テロが発生するという場合には政府でもって既に閣議決定をしております初動措置についての、るるございます。それからまた、対処マニュアルもございますので、そういうものに従いまして対策本部をまず設置するわけであります。そして、関係省庁において被害者の搬送とか専門家チームの派遣などの人命救助措置を講ずると。そしてまた、輸送に関する便宜供与等、警察活動への協力とか国民への情報開示、情報提供、また初動措置ですね、国民向けの初動措置等々が講じられると、こういうことになっております。 そしてまた、再発防止と申しますか、そういうことも同時並行に行わなければいけないということでございますけれども、これは警察が中心になりますが、警察力では対応が困難であるというようなことになりますれば、これは警戒、例えば治安出動というものも発令するというようなことを含めて警戒警備力を十分に確保すると、こういうような流れになっております。
○山本一太君 今の官房長官の御説明で日本でテロが起きたときの政府の対応の大体の流れをお聞きしたという感がございます。 外交の問題にまた戻らせていただきたいと思います。このテロとの戦いにおいて将来日本外交がどういう役割を果たすかという点についてお伺いをしたいと思います。 総理がAPECでブッシュ大統領と会談されたときに、総理の方から、アフガニスタンの和平・復興のプロセスについては日本として積極的な役割を果たす、そういう意思があるという旨の発言をされ、ブッシュ大統領もこれに期待を表明したということが一部報道で言われております。 総理のお考えになるアフガニスタン復興のイメージというのはまた後ほどお伺いしたいと思いますが、その前に、日本がアフガニスタンに対してこれまで和平プロセスにおいて、あるいは人道援助等の分野においていかなる実績を、いかなる役割を果たしてきたのか、どんな実績があるのかについて外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) アフガニスタンの国民の方というのは、本当に地政学上も恵まれていませんし、あらゆる意味で大変困難の中で長い歴史の中で歩んできている方たちであるというふうな認識は、世界じゅうの方が今回の事件をきっかけにして再認識したというふうに思っております。 我が国は、意外に思われるかもしれませんけれども、かなり早い段階からそうしたところに注目をしておりまして、たしか一九九六年の国連総会で当時の小和田大使が東京において何かアフガンの和平の復興会議ができないかというような提案もしてきております。そして、今回の事件が起こる前までにも四千五百万ドル以上の人道支援を行ってきております。過去にそういう実績が日本にはあるということは、外務省もシャイだったのか、余り宣伝をしておりませんけれども、しっかりと実績を積んできておりまして、例えば国連のアフガニスタン特別ミッションでありますとか、そういうところに政務官を派遣いたしましたり、それから今はもう有名なタリバンでありますとか北部同盟関係者を含むアフガン関係者との和平に関する協議、こういうことも行ってきております。あとは難民支援でありますとか細かいところで、かなり早い段階から熱心に私は日本は協力してきているというふうに思います。 そして、一番大事なことは、直近では、最近、林イタリア大使がザヒル・シャー国王に会ったとか、どのような安定の方向へ持っていくかということがありますけれども、お尋ねのポイントは、要するに今までどういうふうなことをしてきたかということでございますので、細かい数字等は申し上げることはないと思いますが、究極的にどういう形でこのアフガン問題を解決することに日本が協力するかという、その目標の設定を私はしっかりしなければいけないと思っておりまして、それはアフガンのいろいろな国民各層の皆様の合意を得ながら、国際社会に広く受け入れられるような政権をこの地に安定的に持続的に樹立する、そのために、今までの日本からの努力と、これから今から始まっている努力が継続してつながっていかなければならないというふうに考えております。 申し上げたいことは以上でございます。
○山本一太君 今の外務大臣の御答弁で、日本がこれまで長年にわたって人道援助の分野とか、あるいは北部同盟とタリバンの間の和平交渉に労をとるとか、こうした点で貢献をしてきたということを確認をさせていただきました。 それを踏まえて小泉総理が、アフガニスタンの復興については、これは経済援助だけでなく、和平プロセス等についても幅広い役割を日本は果たせるのではないかというふうにおっしゃったことは理にかなっていると思いますが、総理に改めてお聞きしたいと思います。 総理の言うそのアフガニスタン復興会議、これはポストタリバンがどういうふうに動くかによっても変わることなのでなかなか明確なものはないかもしれませんが、どういうイメージなのか、どういうメンバーが集まってどういう内容を話し合うのか、そこら辺の総理のイメージ、アフガニスタン和平復興東京会議でしょうか、それについてお考えをお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはまだ戦闘行為が継続中でありまして、アフガンの内部にも、タリバンといっても一様ではない、北部同盟との長年の確執もありますし、どういう状況で新しい政治的体制が生まれるか、今の時点で予測するのは困難な面が多いと思います。 しかし、ブッシュ大統領との会談の中で話題になったのは、私は日米開戦の例を出しまして、昭和十六年十二月八日が真珠湾攻撃、そして翌年の十七年六月がミッドウェー海戦。ミッドウェー海戦で日本が敗れた、これが一つの転機だという見方が一般的であります。そこでアメリカはミッドウェー海戦で勝利して、これで勝てると思ったんじゃないかというんですが、今までいろいろ私も歴史小説なり歴史書を読んでおりますと、学者の中には、既にアメリカは真珠湾攻撃を受けてからの翌年三月か四月、ミッドウェー海戦でまず勝つかどうかわからない時点で日本に対する占領計画を立てていた、日本の復興計画を練っていた、その辺がアメリカのすごいところだと。勝つか負けるかわからない、日本が戦勝気分に沸き立っていたころに、アメリカはこの戦争は当然勝つだろう、戦後どうやって日本を占領するか、日本の復興に協力するかという、その三月、四月の時点で立てていたということを例に出して、今回のテロとの対決も、今アフガンを攻撃してはおるが、いずれ軍事的解決はつくだろうということも踏まえて、そのアフガンにどういう勢力が政権を担当すればアフガン国民のためになるか、またその後、復興支援策を各国がどのように協力すればアフガンの経済が復興し安定するか、そういう軍事戦略だけでなく政治戦略、復興戦略を考えて今のアフガン攻撃に当たってほしいと私はブッシュ大統領に申し上げたんです。 そういう点でブッシュ大統領は同感だと。この復興戦略については、日本はいろいろ過去、人道支援あるいは難民支援の経験がある、その経験を生かしてほしいと。その復興計画につきましてはアフガン周辺国が参加するのは当然だろうと。しかし、日本は周辺国じゃないけれども、国連、アメリカ、どういう形で参加できるか、今後緊密に協力しながら日本も相応の支援を期待しているという話がありましたので、私としても、そういう政治戦略、復興戦略にはできるだけの協力をとりたいというお話をしたわけであります。 そこで、東京でアフガン復興会議を開くかどうかという記事が一部では報道されているようでありますが、そこまでまだ具体的には話しておりません。いずれにしても、今後緊密に連絡をとりながら、テロの撲滅に向かって、テロの防止に向かって、そしてその背景にある貧困とか経済の安定とか難民の問題について幅広く今後協力していこうという話の中で出たわけでございます。
○山本一太君 総理のおっしゃるとおり、これからアフガニスタン情勢がどうなっていくのかということをにらみながら、日本としても総理のおっしゃる復興戦略に積極的にかかわっていく、こういうことではないかというふうに思います。 よくアフガニスタン和平復興会議、これはまだどういう形になるか全くわからないわけですけれども、日本が主導するという話になったときに引き合いに出されるのが日本のカンボジア、UNTACでの経験だと思います。当時、私は国連開発計画のニューヨーク本部に勤務をしておりまして、明石康当時の国連本部の事務次長がUNTACの特別代表に決まり、カンボジアに赴任をされたとき、私の国連の同僚も随分明石さんについてカンボジアに行った覚えがあります。 これも総理よく御存じのとおり、カンボジアの場合には日本政府はいわゆるメジャープレーヤー、ここで主要な役割を果たす方々としっかりとしたパイプがあったということもありますし、アフガニスタンに比べるとカンボジアは人口も少ない国だということもあります。 アフガニスタンは一方部族社会で、各部族の方々がずっと戦ってきたという歴史もありますし、国土も違いますし、人口も多いということで、全くUNTACと同じようなもちろん復興計画にはならないと思いますが、ぜひ総理がおっしゃった哲学に従ってアフガンの復興援助、これこそ私はまさに日本外交が果たすべき最も大切な役割だと思いますので、引き続き御検討いただくようにお願いをしたいと思います。 さて次に、テロに対する国内体制の整備という観点から外務大臣にお聞きしたいと思います。 今、先般の国連決議にもありましたけれども、国際社会が協調してテロの問題に取り組むそのメカニズムの中心の一つがテロに対する不正な資金の流出といいますか、供与をとめるということだと思います。この点に関して、今、日本政府は、不正テロ資金防止条約でしょうか、ちょっと正式な名前がわからないんですが、それとあと爆弾テロ防止条約、これについて署名または批准を検討しているということをお聞きしています。これはもう一刻も早くこうした枠組みに入るべきだと思うんですが、今の現状について簡単に御説明いただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 簡単に御説明申し上げます。 テロ関連の条約は今十二本ありまして、十本は批准済みでございますが、あと二本残っているのが今おっしゃった二点でございまして、そして爆弾テロ防止条約につきましては実施するための国内法の改正につきまして関係省庁間で鋭意検討作業を行っておりますけれども、これもまた衆議院でも相当質問がございましたので、なお一層加速化して作業をするように申しておりまして、締結準備作業もさらに加速して今臨時国会に提出できるように鋭意作業を行っておりまして、国会でできるだけ早い時期に提出をして御審議いただけるように、今最大限努力をいたしているということを御報告申し上げます。 二つ目のテロ資金の問題でございますけれども、テロ資金供与防止条約と申しますけれども、これは犯罪化が義務づけられている行為の構成要因の明確化あるいは適正な金融規制措置のあり方などについて、これは財務省も関係ございますので、ほかの省庁も関係ございますが、お互いに緊密に連絡をし合っておりまして、年内のできるだけ早い時期に署名をして、そしてその後に締結をしたいと考えております。 いずれにしましても、総力を挙げて早く対応できるようにいたしております。
○山本一太君 今、外務大臣がおっしゃった方向でぜひとも迅速に作業を進めていただければと、このことを御要望を申し上げたいと思います。 引き続き、この条約に関連して田中外務大臣に御質問を続けさせていただきたいと思います。 大臣、二年前になりますが、ある超党派の勉強会をつくりました。その超党派の勉強会で外為法の改正案を議員立法で出そうという話をし、改正案を実際につくって、当時の自民党の外交部会にかけていただきました。 それは、外為法が、簡単に言いますと、今の状況でいうと、例えば今回のように国連安保理の決議があるときはもちろん機能するわけですけれども、そこにやはり安全保障に関する概念というものがすっぽりと抜けていると。そういう事情によっても常に日本の外交のいわゆる対話と抑止、こちらは抑止のチャンネルになるわけですけれども、日本から不正な資金が出ていくことを主体的にコントロールできるやはり外為法でなくてはいけないんではないかということで外為法の改正案をつくり、当時、細田自民党部会長でしたが、一応自民党の部会まではオーケーをいただき、さらに各党の部会でもオーケーをいただいた経緯がございます。 これが、実は当時、テポドンの事件があったり、あるいはノドンミサイルの脅威等々も議論されていた時期で、対象が北朝鮮ではないかということもありまして、政治的ないろいろな理由から断念をいたしました。 今回、しかし、こういう事態になり、テロに対する不正な資金をとめる、日本から資金が流出することをとめるという、こういうことを検討する段階になったわけなんですけれども、どういうメカニズムでされるのかはちょっとわからないんですが、このテロに対する不正資金の防止条約でやるのかというのはちょっとわかりませんが、今回、外為法の改正によって日本がさらに主体的に不正な資金が外に流れることを防ぐと、こういう検討を、これはもちろん財務省等々にもかかわりがあることですが、条約の関連ということで外務大臣に、そういう検討をされているのか、外務大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、委員がおっしゃっている北朝鮮への資金をターゲットとして法律をつくろうと思っていらしたことはよく承知しておりますけれども、この外為法自体は御存じのとおり外務省の所管する法律ではございません。 ですが、今おっしゃっている御認識の不正資金が外国に出ることを防ぐんだというような観点で主体的に日本もコントロールするべきだということは、まさしく今回のテロがありましてから私どももアラートになっている点でございますので、国内法の整備を、法制整備をできるだけ関係省庁と鋭意協力をしながらやっていきたいと思いますし、また御報告も申し上げたく存じます。
○山本一太君 引き続き外務大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。 これはもう小泉内閣が実践をしてきたことだと思いますけれども、今回のテロの事件、国際的な、テロとの、共闘における日本の外交の役割の要諦といいますかポイントは、もうひとえに、日本のイスラム諸国等あるいは穏健派諸国等との関係を生かしてこれらの国々の離反を食いとめる、さらにはいろいろなチャンネルを使って、今度の戦いが反イスラムの戦いではないということをアピールする、私はこの一点に尽きるのではないかというふうに考えております。 この点について、本年の一月、当時外務大臣だった河野大臣が湾岸諸国を訪問されたときに、カタールで声明といいますか一つのイニシアチブを打ち出されました。これはもう外務大臣は御存じだと思いますが、イスラム文明との対話という河野イニシアチブで、そこにおられた方から伺いましたけれども、そこに集まってきたアラブ諸国の方々が、ああ、日本はアラブというと石油とかお金とか、そういう形の関心だけだと思っていたのが、ここまで自分たちときちっと相互理解を深めようとしてくれているのかということで、大変この提案に感銘を受け、好評だったというふうに伺っております。 今もこの河野イニシアチブといいますか、イスラム文明との対話についてはさまざまなフォローアップがあるというふうに記憶をしておりまして、イスラム研究会はいまだに続いておりますし、今たしか外務省のホームページ上で、日本のイスラム研究の有識者のリストをつくって、イスラム諸国からも有識者のリストをつくって、これをネットワークしてセミナーをしよう、こういうようなことも相談されていると思うんですけれども、イスラム文明との対話、これについての内容は結構ですが、これを外務省として、あるいは政府として、ますます拡大をしていくと、こういうことについてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も最近一番熱心に読んでおります本の一つが「世界の民族」という本なんですけれども、それを見ましても、世界人口の五分の一がイスラムであるということを改めて私たちは、五人に一人がイスラムであるということをやっぱり地球市民としてしっかり再確認しなければならないということを感じてきております。 そして、今御指摘なさいました前大臣がなさったイスラム世界との文明の対話ですが、これは事務的には重家局長、今はちょっとアメリカ、ヨーロッパへ出張いたしておりますけれども、局長が東大の板垣先生とか、定期的に湾岸諸国、六プラス四でもって定期的に勉強会をやっていらっしゃいまして、ホームページも立ち上げておられますので、インターネット等でこうしたことを周知せしめるということはもちろんできると思いますが、それ以上に一番大事なことは、私たち国民一人一人が、日本人が、地球の裏側で違った生活習慣、宗教を持ちながらもともに暮らしているそういう方たちとどのようにして平和に仲よく、平和的に安定的に暮らしていくかというマインドを持つ、そういうことが私たちが一番大事にしなければいけないことではないかというふうに思いますので、そのためにも河野前大臣が立ち上げられましたイスラム文明との対話というものも一つのきっかけでありますし、日本じゅうでそうした気持ちが広がって関心をお互いに持っていくこと、これがもう大変重要なことであるというふうに考えております。
○山本一太君 ありがとうございます。 実は、このイスラム文明との対話をさらに進めるための山本一太私案というのをつくってまいりまして、それを発表しようと思ったんですが、時間がございませんので、後ほど提出をさせていただきたいと思っております。 内容は、このイスラム文明との対話について独自のホームページをまずきちっと立ち上げたらどうかということを書いてきたんですけれども、外務省のホームページからしっかりクリックの接続をつけて、このホームページの中でチャットをお互いに、イスラムの方々、いわゆる有識者を含めた方々とチャットができる、こういう状況にするというのが一つのアイデアです。 もう一つは、これは極めてスタンダードなやり方ですけれども、留学生をふやす。今いる留学生に加えて、来年一年間でイスラム諸国との留学生交換というものを日本との間で活発化させる、こういうことも私は必要だと思いますし、田中大臣がおっしゃった今も続いている学術交流をさらに広げていくということも大事だと思いますし、さらに、もう一つ私が提案したいのは、文明間対話のための拠点といいますか、シンクタンクといいますか、そういう、中東イスラム研究所、いろんな研究機関が日本にありますけれども、こういうものを政府の肝いりでしっかりとつくって、ここから日本がイスラム文明とはしっかり対話をしていかなければいけないというメッセージを世界に発信していくべきではないか、こんなことを山本プランでまとめましたので、後ほどぜひとも御検討をいただければというふうに考えております。 時間があと五分ということになりました。最後に、小泉総理に御質問させていただいて終わりたいと思います。 総理がおっしゃったように、今回のテロはもうこれまでだれも経験したことのなかったような国際情勢を生み出す、そういうきっかけになったテロだったというふうに考えております。 私はアメリカの外交が過去すべてうまくいってきたとは思わない面もございます。冷戦時代の外交にはいろいろなひずみもあったというふうに考えております。中には、このアメリカのテロについて、これまでのブッシュ政権の一国主義的な、ある程度そういう傾向が何らか関係をしているのではないかと言う方もおりますけれども、私は、アメリカという国は自由社会のリーダーとしてこれまでずっと民主主義の重荷を背負ってきたと、これはどなたも否定ができないことではないかと思います。 私は、あのニューヨークのビルが倒壊する現場を見て、たまたまあそこに友人はおりませんでしたけれども、大変な憤慨と怒りと悲しみを覚えました。これは、あのブッシュ大統領の反応についてはいろんな意見がありましたけれども、私は、このアメリカ国民の憤慨、ブッシュ大統領の気持ちはよく理解できます。同盟国として、五千人以上の方々が犠牲になったテロに対しできる限りのことをすると。さっき総理がおっしゃった、憲法の範囲内でできる限りの支援をしようと思うのは、これは同盟国として、人間として私は当然のことだと思っております。 今回の件については、アメリカ議会が良識の府として大変活発に活動したことは総理も御存じだと思います。 先般、衆参両院の三十代、四十代の若手の超党派の議員に声をかけてアメリカの議会に手紙をドラフトいたしました。あて先は上下両院の議長、上院は副大統領、下院は下院議長ということになるわけですけれども、それぞれ三十代、四十代の党派を超えた有志が集まったわけですが、立場は違います。法案について反対をする人もいます。政府の方針について賛成でない人もいます。しかしながら、我々の共通の思いは、このテロがやはり人類に対する共通の挑戦であって、これは同じ議会人としてしっかりアメリカ議会の活動をサポートしていきたいという気持ちでした。 その手紙をドラフトする中で、これは自由社会、すなわち自由な物の流れ、人の流れ、そういうものに対する挑戦だと、そういうドラフトをしながら署名をいただいたわけですけれども、近くベーカー大使に会って、この我々の気持ちを議会関係者に伝えていきたいというふうに考えております。 総理、世界は新たな状況に入りつつあります。このAPECの会合を契機に、あるいはこのテロを契機に、新しい国際秩序を国際社会は模索をしていかなければいけません。どういう形の国際秩序をこれから国際社会は模索していけばいいのか、その中で日本はどういう役割を求めていけばいいのか、最後に総理の哲学を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今までにテロ行為は各国で何件もあったわけです。しかし、ある場合には、一つの政権の圧制による犠牲であるとか、貧困が理由だとか、あるいは宗教間の対立、仕方がないんだという面もあったと思います。いわばテロにも三分ぐらいの理があるのじゃないかという見方も一部では根強くあったと思います。 しかし、九月十一日のニューヨークの同時多発テロは、テロリストたちも限度を超えたと思いますね。それが世界全体の憤慨を買った、憤りを買った。もうこれに対しては黙っていられない、話し合いの通じない相手だというのが国際社会の首脳たちの大方の認識だと思います。あらゆる手段、それは軍事行動も含めて、外交面、経済面、いろんなあらゆる手段を講じてこのテロを封じ込めない限り世界の平和と自由、これはないと。大きな分岐点だったと思います。 そういう中にあって、アメリカが積極的にこのテロとの対決に覚悟を決めて、忍耐強く長期戦を覚悟して、何としてもこのテロ組織を壊滅すると。テロをなくす、テロを防止するということで世界に働きかけて、世界がこれまた協調していると。冷戦時代のソ連とアメリカとは考えられないような、むしろ今、ロシアも中国もイスラム諸国もこのテロに立ち向かわなきゃならない、そういう中で、日本も今、国際協調の一環として日本の国力に応じてできる限りの支援をしない限り、私は日本の平和と安定もあり得ないと思っております。 今こそテロ撲滅のために日本はあらゆる力を振り絞ってこれに協力すべきだ、それが今後の日本の自由と平和と民主主義、経済繁栄をもたらす道だと。日本が国際社会における責任をきっちりと果たすこと、それが今、小泉内閣に課せられた責任だと思っております。
○山本一太君 魂を込めた御答弁、本当にありがとうございました。 これにて終わります。(拍手)
○委員長(武見敬三君) 関連質疑を許します。野沢太三君。
○野沢太三君 自由民主党の野沢太三でございます。 ただいま同僚の山本一太議員の若々しくまた使命感あふれる質問を感銘を受けながら伺った次第でございます。 私は国土交通委員会に属しておりますが、せっかくのこの連合審査のチャンスでございますので、テロ関連あるいは自衛隊法改正につきましても言及させていただきながら質問を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 小泉総理におかれましては、このたび上海で開かれましたAPECの首脳会議に御出席いただきまして、まことに御苦労さまでございました。 発表されました首脳宣言の内容を拝見いたしますと、APECが本来環太平洋の経済協力会議と、こういう基本的な枠組みであるにもかかわりませず、テロ対策につきまして大変討議を深められ、また、米国のこの同時多発テロによりまして世界が同時不況に陥るのではないか、あるいはこれに対して一層の我々は努力をしなければならないのではないかと、こういった意味の決意が大変酌み取られる内容となっておるわけでございます。 しかも、今回、日本の立場につきまして、小泉総理は大勢の首脳と会談をされ、特にブッシュ大統領とはこれまで既に四回目と伺っておりますけれども、この中で、日本の果たす役割は何か、自衛隊の後方支援あるいは難民対策、さらにはアフガンの復興、そして日本の経済構造改革を含めたやっぱり能力を回復するんだと、こういった決意を述べてこられたと思います。 これらの一連の会談、そしてまた決議にあらわれました中身につきまして、総理の所見、感想をお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全部を申し上げると時間がかかりますので要点だけお話ししたいと思いますが、本来APECは、経済協力、自由貿易体制をどうやって協調して確立していくかと、経済面が主な議題になりますが、今回、テロ発生後初めての各国首脳が集うという会合でありました。当然テロに対してどう対応するかという議題がかなり中心的なものになったということは、ある意味では当然だと思います。いわば政治的に意味合いの持った会合になったと思います。 まず、それぞれが経済を発展させるためにはどういう国内改革をしていけばいいかと、そういう協議と、それとテロに対して断固として対決していく。それはイスラム諸国も入っているわけでありますから、このテロとの対決は、たとえテロリストがイスラム教徒、アラブ人であっても、テロリストとの戦いであって、アラブとの戦いでもないしイスラムとの戦いでもない。 そして、各国はその国に応じて協力の仕方があるはずだと。アメリカが武力を行使するから、イギリスが武力を行使するから、そのほかの国も武力行使しないとおかしいんじゃないかという議論は一つもないので、当然各国の事情に応じて、経済面の支援、テロ資金凍結の支援あるいは難民に対する支援、その他の経済援助、いろいろあるわけです。そういう支援をその国々自身が主体的に考えることが大事だということでありまして、私どもとしては、今回、まず経済を発展させるためにはAPEC諸国間の協力が大切だと、そのためには、各国が各国の投資を快く受け入れられるような投資環境を整備をしなきゃならない。 自由貿易の理念、これは平和のためにも、お互いの国が発展するためにも、自由貿易体制をどうやって推進していくか。いずれWTO新ラウンド立ち上げに向けて行われます、そういうWTO新ラウンド立ち上げに向けての協力、そういう広範な経済問題に加えて、今お話ししましたようなテロとの毅然とした対決、その会議の合間を縫いまして、それぞれの国が二国間で首脳会議を行われたと思います。 私だけではありません。各国がそれぞれ会議の合間、寸暇を惜しんで会談を持ち、お互いの協力態勢と経済面での協力とテロに対する対策を話し合われた、実に有意義な実り多い会談だと私は思っております。
○野沢太三君 今回APECに集まった首脳並びに国の事情を含めまして、非常に多様性に富んだ地域であり、また歴史を持っておるということが大きな特徴であろうかと思います。その中で、イスラム教を国の国教として奉じております国も多く含まれておるわけでございますが、この国々も含めての今回の合意形成であった、あるいはテロ対策の声明であったと、こういう点、大変意義があると思います。 今回のこの事件を一部の評論家などが、文明の衝突であるとか、対アラブ、対イスラムとの摩擦であるとか、あるいは一時言われた十字軍の問題であるとかいうような話がございますが、これは明らかに犯罪行為である。ブッシュ大統領は、これは新しい戦争ではないかという見方すらあるわけでございますので、これに対しては断固たるやはり決意と、また周到な計画を持ちまして対応をしなければならない。 今回のアフガニスタンにおけるアメリカの軍事行動等いろいろございますが、要はこのテロ根絶のための一連の施策であると。こういうことで、経済的支援というものはやはりここで非常に重要ではないかと。特に、私は、その周辺諸国をしっかりこの際助けるということが大事だと思います。イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、そしてパキスタン、直接国境を接しているこの国々、これに対して、やはり日本はこれまで比較的良好な外交関係を維持してきたわけでございますので、ぜひともその立場を生かした施策を展開していただきたいと思います。 特に、パキスタンにつきましては、難民が大変多数流入しておるということもあり、あるいはアメリカの基地提供等もあり、また国内にタリバン系の住民も相当いるということを踏まえますと、何としてもやはりこのパキスタンの政情、経済が安定することが大変大事だと思います。 これにつきまして、総理、いかような判断でこれから臨まれるか、お考えを聞かせていただければ幸いでございます。また、あわせまして、外務省におきます援助の計画がございましたら、よろしくお願いします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 総理の御答弁の前にちょっと概略だけ御説明申し上げたいと思いますが、パキスタンの問題は、先ほどの山本委員からのお尋ねでもありましたように、非常に今回の事態の影響を強く受けている国でございますので、緊急の経済支援を我が国も行っております。 具体的な内容について申し上げます。 まずは、難民支援として十七億円を拠出いたしておりまして、これはもう既に供与済みでございます。それから、緊急の財政支援を三十億円ということでございますし、それからあとは、パリ・クラブというような合意がございますけれども、公的債務の繰り延べ、これがトータルで六百四十六億円というものを実施済みでございます。それからあとは、IMFとか世銀等の融資につきましても積極的に支持、支援をしていくということでございまして、これが実績ですが、今後につきましては、状況の推移をしっかりと見きわめながら検討してまいります。
○野沢太三君 ぜひひとつこれは遅滞なく届くように、冬ももう近いわけでございますから、そういった面でぜひイニシアチブをとって進めていただきたいと思います。 総理からもお考えを聞きたいわけでございますが、これまで核実験に伴う制裁措置がインド、パキスタンにそのまままだ実行されておりますが、今度のこの機会を通してこれは解除していくべきではないかと思いますが、これにつきましてあわせてひとつお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) パキスタンの支援というのは、アフガンの問題を考える上でも大変重要な隣国であります。今後、パキスタンの状況を考えますと、今難民も一番多くアフガンから出ておりますし、そういう面の支援と、パキスタンが核保有国であります、そして、かなりあの国は反米感情も強い国民が多くいるという存在、そういう点からも、このパキスタンに対する支援というのは、各国と違った対応が日本にもできることがあるのじゃないかと思っております。現に、今後のアフガン復興策を考える場合でも、ブッシュ大統領もパキスタンの重要性を指摘しておりました。 日本としても、今のところ、核実験という問題がありまして経済措置をとっております。しかし同時に、今こういうテロ発生後のいろんな事態を考えますと、経済支援というものも考えないわけにはいかぬ。その辺の今調整を検討しているところでありまして、核実験による経済措置と、今のパキスタンの窮状を考えて黙っているわけにはいかない、経済支援をどうやっていくかということもありますので、総合的に考えて、この経済措置と経済支援、どうやっていくか。インドとの整合性も考えなければいけません。総合的に情勢を検討した上で判断をしたいと思っております。
○野沢太三君 先般のパキスタンの大統領からの電話によるお話があったようでございますが、ぜひとも、これにつきましては弾力的にかつ適切な時期に決定をしていただきたく、私どもの方からもお願いを申し上げるわけでございます。 そこで、テロによります不況というものが大変世界的に今深刻な状況になっておりまして、思いもかけないような分野までその影響が及んでいるわけでございます。 今回のアジア地域につきましても、対米輸出という点から見ても、あるいは航空関係の産業の状況を見ても、深刻な状況と受けとめておるわけでございますが、先般のアジアにおきますいわゆる通貨危機のときにも、日本が適切なイニシアチブを発揮しまして、融資その他の支援措置をしたことが大変喜ばれており、また実効を上げておるわけでございます。 この夏、私は、山崎幹事長のお供でインドネシアの独立記念日の祭典に伺いました折、向こうの政府高官から、大変日本のあのときの措置について感謝をしておると。敗戦後の独立支援、そしてそれに続きます長年のODAを初めとする開発援助、加えてこの間の経済危機に対する適切な支援ということで、まさに感謝と敬意という態度で私どもを受け入れてくれたような次第でございます。 ASEANの諸国は、大変その意味で、厳しい日本に対する意見もございますが、温かい目でまた期待をしておるということも事実でございます。これにつきまして、今後、日本としてどのようにこのアジア諸国に対してその能力を発揮していくか、ひとつ御決意をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) APECの会合でも、たびたび各国の首脳から今までの日本の支援に対して御礼の言葉をいただきました。また、パキスタン大統領とも先日電話会談をいたしましたけれども、その際にも、今の日本の支援策、今までの支援、協力に対しても感謝の言葉もいただきました。いわば、日本という国の協力に対して非常に多くのASEAN諸国は期待しているということを、じかに会談してみてよくわかりました。 しかしながら、日本としても、今、財政状況非常に苦しい中でありますので、ODA等の問題も見直しの必要な点も出ております。できるだけ各国の援助要請に的確に日本がどうやってこたえることができるか、あわせて日本の国内の経済の再生、これがひいてはASEAN諸国にもいい影響をもたらすし、日本の経済が回復してくれば、貿易の観点からも経済交流の観点からも各国にとってもいいことであります。 そういうことをかんがみますと、日本の経済再生・改革というのは、日本自身のためだけではなくて、ASEAN諸国も期待しているという点からも非常に重要な点でありまして、これからもアジアの一員として日本はASEAN諸国とも関係を深めていって、お互い自由経済体制の確立に向けて、またいろいろ投資環境の整備に向けて、経済発展に向けて協力できる点が多くあると、その中で日本も日本としての責任を果たしていきたいと思っております。
○野沢太三君 よろしくお願いいたしたいと思います。 毎日、テレビあるいは新聞等で報道されておりますが、アフガニスタンからおびただしい数の難民がパキスタン側等へ出てきているという状況がございますが、この対応については国際機関と協調してということが一つあろうかと思います。直接の援助、二国間援助のほかに、国連機関への拠出その他についての状況はいかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連機関等が行うアフガニスタンの難民ですとか避難民への支援につきましては、総額五億八千万ドルの国連のドナーアラート、要するに支援国への警報ということでございますが、それを踏まえまして、今後の具体的な要請に応じまして、全体として二〇%程度、最大一億二千万ドル、円にいたしますと百四十五億円でございますけれども、それまでの支援を行う用意があることを表明いたしておりまして、国連の、UNHCRですけれども、緊急アピールに対しまして六百万ドル、これは今後二カ月間必要な額ということでございまして、六百万ドルすなわち約七億円を支援することにいたしております。 このほかには、もちろん、何度か報道もされておりますが、物資のテントでありますとか毛布でありますとかもいたしておりますけれども、とにかくお役に立てるように最大限情報を集めて、早くに活動ができるように、機敏な行動がとれるようにというふうに思っております。
○野沢太三君 資金の援助とあわせまして、さらに直接難民の皆様の受け入れ、こういったことについても日本は配慮が必要ではないかと思うわけでございます。 そこでお伺いしたいわけですが、日本へ入国あるいは亡命を希望しておられるアフガンの皆様というのはどのくらいいるのか、掌握していられるかどうか。先般も報道によりますと、日本に入りたいという九人の皆様が出入国法の違反ということで入管に収容されておるという状況があり、これの取り消しを求めて訴訟も起こされているということが報道されておりますけれども、この辺の見通し、あるいはこれからさらに急増してきた場合にこのような状況でいいのかどうか、法務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 今、先生が御指摘になりました九人のアフガニスタンの人というのは、かなり前に、どうも組織的らしい多数のアフガニスタンの方がいらっしゃるらしいという情報が入りまして、八月の時点で既に調べを始めていたところでございますが、難民というのは、御存じのように難民認定申請というものがございますと、その申請者が国際的な取り決めであるところの難民の地位に関する条約に決められております難民に該当していれば難民として受け入れるわけでございますが、その九人の方に関しては今調査中でございますし、まだ結論は出ておりません。しかも、その方々が日本に入られた状況が不法入国あるいは偽造旅券等によるものであるらしいということもございまして、それらとあわせ調査しておりますものですから、その二つは別々のものなのでございますが、それぞれ必要な調査をするために収容もさせていただいているというようなことでございます。 いずれはっきりといたしましたら、それぞれ対応しなければいけないと思いますが、今後、アフガニスタンから難民の申請をするという方がございましたら、人道的な観点を踏まえて、まずはこの条約にのっとった適正な処理をしていかなければならないと思います。 また、避難民というのはまた難民と違いまして、おっしゃいますように、国境を越えて隣接した国々に避難してくる人々のことを避難民というふうに申しますが、その人たちに対する人道的な支援というのは、さきに申しました難民条約云々の人とはまた違ったものでございますので、これは政府全体として考えなければいけない問題だと思います。 このようなたぐいの人々が非常に数が多くなってきたと、つまり、避難民で例えば日本に定住したいというような人が何百、何千というような単位で出てくるというような事態になりましたら、それはそのときに改めて考えなければなりませんが、日本といたしましては、昭和五十四年のころ、インドシナ難民についてそのような閣議了解をいたしまして、現在までに一万人を超える方々の定住を受け入れております。
○野沢太三君 テロリストに入ってもらっては困ると、これはもう明確でございますから、これはしっかりやっていただくことが大事ですが、難民、これは政治的な迫害というような条件があろうかと聞いておりますが、それと先ほどの避難民、この皆様方に対する温かい万全の措置を何としてもひとつ御配慮をいただきたいものと考えるわけでございます。 そこで、やはり日本がやらなければならない国際的な義務として、先ほど山本議員からも指摘がありました爆弾テロ防止条約あるいはテロ資金供与防止条約、この二つがまだ日本として発効していない。これはやっぱりやれることを早くやるという意味でも大事なことでございますが、お伺いをいたしますと、関連法の改正が大変これ多岐にわたっておるということでございます。爆弾、爆発物関係とか火炎瓶対策、あるいは核物質の管理、生物兵器、化学兵器、サリンその他もろもろございますので、ひとつ代表して法務大臣に、この辺の扱いについてどうするか、なるべく急いで結論をいただきながら結果が出るようにお願いをしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(森山眞弓君) 先生御指摘のように、国内で整備しなければならない法律がかなり多数ございまして、関係する省庁も多いわけでございます。法務省も各省庁と連携をとりまして、できるだけ早く法律改正、そして条約の批准ということに持っていきたいと今努力しているところでございまして、この国会中にできればそうしたいというので今鋭意努力中でございます。
○野沢太三君 ぜひとも各省庁、ひとつ御努力をいただきたいと思います。 それから、テロ資金供与の問題がございますが、これは非常に難しい技術的な要素もあるというふうに伺っておりますが、この辺につきまして財務省の方からの御検討を伺いたいと思います。
○政府参考人(溝口善兵衛君) テロ資金対策につきましては、先ほど外務大臣の方からお答えになりましたけれども、テロ資金供与防止条約の締結がまずございます。これを受けまして、これを批准されますと、同時に国内法の整備が必要なわけでございます。それにつきましては、現在、関係省庁間、法務省、金融庁それから財務省等で検討いたしております。 テロ資金に対する資金供与を効果的に防止するための国内法の整備といたしましては、現在、次のようなことが検討課題になっております。一つは、テロ資金に対する資金供与を犯罪化する、テロリストに対して資金支援をする人、そういう人は犯罪として扱うということでございまして、これは法務省を中心に検討がなされていると承知しております。 もう一つは、テロリストに対しまして資金を供与する際に金融機関等を経由して行うことがあるわけでございまして、この点につきましては金融機関の監視を強化する必要があるわけでございまして、これはマネーロンダリング等を担当しております金融庁を中心に検討しておりまして、政府部内におきましてこの関連の法整備のための作業部会をつくりまして、内閣官房の指揮のもとに鋭意検討しているところでございます。
○野沢太三君 この辺の資金の流れからやはりしっかりとめていくということがテロ対策の、これは少し回り道になるかもしれませんが、大事な仕事であろうかと思います。黒いお金を白くするという問題もありますし、白いお金を黒い方へ回すという問題もあるわけでございますから、この辺についてはまさに専門家がしっかり知恵を絞って幾つか歯どめをかけていただきたい、かように思います。 そこで、現在、このテロが生物・化学兵器で禁止されている炭疽菌などというようなものを使って蔓延をしておるということで、報道によりますと、アメリカの上下議院、上下の議会、さらに放送局、郵便局などに被害が波及しているというふうに伺っております。我が国のこの生物毒素兵器ということに対する取り組みというのは一体どうなっているのか。 この問題につきましては、一九七五年に発効しておりますジュネーブの議定書の中ではっきり国際的に禁止されておるにもかかわらず、このようなものが出るということはやはり悪意のあるグループのしわざではないかと、かように思うわけでございます。この中で、生物毒素兵器禁止条約、随分時間がかかりましたが、八二年には我が国も批准をしておりますけれども、このために、防止するため必要な国内措置をとると、こういう取り決めがあるわけでございます。 この炭疽菌に対する取り組み、これは一体どうなっているのか、これに対する抗生物質の準備等は十分あるのか、あるいは専門家、医師等についてもその道で研さんを積んでいるのかどうか、お伺いをいたしたいと思いますが、防衛庁長官、よろしゅうございますか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁といたしましては、この生物兵器に対する研究につきましては、研究すること自体、国民の理解を得ながら進めてきたわけでございますが、現在、各種の基礎研究を行い、この体制の確立を整備中でございます。 ことしの三月に陸上自衛隊に開発実験団部隊の医学実験隊を編成いたしまして、同隊に医学・特殊武器衛生研究科を設置をいたしまして、感染症の傷病予防の研究等を実施をいたしております。また、体制の整備も連絡会議を設置をいたしまして検討いたしておりますが、平成十四年の概算要求において、検知、防護等の各機能に関して基盤整備の充実を図るということにいたしております。 御承知のとおり、生物兵器というのは目に見えない、また後で気がつく、非常に即応できない体制で、お医者さんの方から連絡があって気がつくような状況でございますが、こういう生物・化学テロに対しましては、全国で約二千七百名の常時要員、部隊をもって二十四時間体制で対応する体制を維持しておりますし、大宮に化学学校がございますけれども、全国十五カ所に所在するすべての化学科部隊においても所要の要員がおおむね一時間を基準に出動可能な体制を維持をいたしております。 現在、米国においてもこういう炭疽菌の事案が連続発生していることを踏まえまして、さらに防衛庁としても体制の強化をいたしたいというふうに思っておりますので、来年の予算並びに十三年度の補正予算においても、炭疽菌に対する抗生物質、また医療研究でバイオスーツを用いた隔離・治療システムの研究促進等を行いたいと思いますので、御支援よろしくお願いいたしたいと思います。
○野沢太三君 これまで災害のときには随分自衛隊には働いていただきましたが、どうも体の調子がおかしい、風邪がこじれているのかと、こういったことにつきましても自衛隊が頼りになるんだと、大丈夫だと、こういうことを国民の皆様にわかっていただくことが今非常に重要ではないかと思います。そして、安心して仕事ができる、健康の維持管理ができるんだという体制は日本ではしっかり整えられていると、このことをひとつ大いにPRしておいていただきたい、かように思います。 それから、今回のこのテロの対策法案がいろいろ議論の末いわば時限立法にもなり、あるいは武器の使用についてもおのずから制約を持ち、また警護対象の設備、対象物についても、これも最小限でと、こういうことで、とりあえずこれは成立させることが大事だということでございますが、今回のAPECにおける記者懇等の中で、総理におかれましては、この成立後に恒久的なテロ対策新法を検討しなければならないかというような報道もございましたが、総理の御真意をここでお聞かせいただければ幸いと思いますが。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回は時限立法でございますが、もし日本にテロが発生した場合にどういう対応ができるかということについては、発生する前に考えておくのが政治の責任ではないかという観点から検討する必要があると申し述べたわけでありまして、今言ったように、テロ資金一つ管理する面においてもまだまだ法的に整備しなければならない点もございます。あるいはまた、全くテロの資金だと証拠がない時点で、できる点、できない点もございます。 危機管理というのはいろいろ基本的な人権にもかかわってくる問題がありますので、そういう点も含めて今から考えておく必要があるのではないかと、そういう点から私は検討をする必要があると。いわば平時から備えあれば憂いなしの観点でやっていこうと。今までのように、どちらかというと備えを考えると憂いが来るからやめようというような意識を変えなきゃいけないのではないかという観点から申し述べているわけでございます。
○野沢太三君 日本の国の安全保障という点から考えても、今までどうしても事件が起こって後追いで法律をつくっていくというようなことがしばしば行われてまいりましたが、これからはむしろあらゆる事態を予測した法的な措置、対応をとるべきだというのを、今の総理のお言葉はまことに胸に落ちるものがございます。私どももせいぜい努力をいたしまして、御期待にこたえていかなければならないかと思います。 そこで、今回のこのテロ対策を進める上で、国連の決議が大変大事にされておる、それが重要なよりどころとなって今回のさまざまな行動が起こされておるわけでございます。ある意味で、国連がよみがえったと、国連の役割が見直されたというふうにも指摘をされておるわけでありまして、時ちょうど、時を得ましてノーベル平和賞というような栄誉にも輝いたということがございます。 国連につきましては、これまでもさまざまな問題点が指摘をされまして、参議院の国際問題調査会でも二年、三年にわたっての議論を重ねてきた課題でございます。組織の肥大化とかあるいは要員のむだであるとか、あるいはテーマの拡散であるとか、さまざまな問題が行われておりますが、特に安全保障理事会の改革については、これはもう喫緊の課題ではないかとも言われておるわけでございます。 ここで国連の再評価が進むことは大変有意義なことと考えますが、これにつきまして総理並びに外務大臣のお話を聞きたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連が国際的な場での国際的な平和維持機構として十分に機能を果たすようにするということは委員がおっしゃるとおりでございますけれども、ところがその反面、なかなか安保理改革等が遅々として進みませんで、我が国といたしましても国連改革の三本柱として、財政の改革、安保理改革、そして開発分野の改革、少なくもこの三つの柱はしっかり均衡のとれた形で実現すべきであろうというふうに思っております。 そして、安保理改革につきましては現在の加盟国の総意であるということを言ってもよいと思いますし、日本が常任理事国入りをすることにつきましては大多数の国が支持をしてくれております。きのう、おとといにいたしましても、オーストリアあるいはアイスランドの外務大臣が訪問してくださっていまして、結果的にこのテロリズムの話をすると国連の機能という話に帰結するのですけれども、そこでやはり同じような認識をどこの国も持っているということを感じます。 昨年のミレニアムサミットなどを通じまして常任と非常任、議席、双方の拡大を大多数の国が支持していることが示されました。日本は拡大後の安保理の議席数を二十四にするべきだと主張してきておりまして、改革に関する他の論点につきましても議論を進めていくことが重要であるというふうに存じております。
○野沢太三君 今のお答えで結構でございます。総理もひとつ同様の趣旨でリーダーシップを発揮していただきたい、かように思います。 それから、今回のテロ対策法は、当然現行憲法の枠内で行うということで進めており、何としてもとにかく結果を早くまとめなければなりませんが、この議論の過程で集団的自衛権の行使についてこれまでの憲法解釈を変えてやるべきではないかと、こういった御意見も有力者から出されておるわけでございますが、これにつきましての政府のお考えをお伺いしたいと思います。官房長官、ひとつ。
○国務大臣(福田康夫君) 御案内のとおりでございますけれども、集団的自衛権を行使するということは憲法上許されないということになっております。今回の今お諮りしております法律案につきましても、これは武力の行使をしないということにおいて集団的自衛権とかというものには関係のない範囲の問題であると、こういうふうに思っております。 なお、今後、この憲法に関する問題でございますけれども、これは世の中の変化もございますし、幅広い議論が行われる必要があるだろうと、こういうふうに思っております。また、この集団的自衛権の問題につきましても、いろいろな角度から検討、研究をしてもいいのではないかと、これは総理からも再三申し上げているところでございます。
○野沢太三君 これまでの法制局の解釈は、一貫して集団的自衛権、これはあるんだ、国連憲章でも認めているんだという中で、日本の憲法の制約上これは行使できないということで来ておるわけでございますけれども、必ずしもそうではないという学説もございます。これにつきましては、法制局長官、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 集団的自衛権につきましては、政府は従来から、我が国は国際法上、集団的自衛権を有しているということは主権国家である以上当然でありますけれども、憲法第九条のもとにおきまして許容されております自衛権の行使といいますものは、これは我が国を防衛するための必要最小限度の範囲内にとどまるべきものであるというふうに解してきておりまして、集団的自衛権を行使することはその範囲を超えるものであって、憲法上許されないというふうに従来から考えているところでございます。
○野沢太三君 この問題を議論するために衆参両院に憲法調査会が設置されまして、既に二年目の活動に入っておるわけでございます。私も幹事の一角を拝命いたしまして議論に参加させていただいておりますが、これまでのいわゆる安全保障あるいは戦争、そういった概念を超えたもう時代が来ているのではないか。相手が見えない、敵が見えない戦争が始まっている。そういったことも含めますと、私どもの考えております戦争、戦い、あるいは憲法ができました戦後のあの時代における概念と相当なさま変わりがしていると思わなければならないのではないか、かように思うわけでございます。 私ども憲法調査会、今回欧州の調査団に、私、団長として参りましたが、ドイツ、スペイン、イギリス、三カ国を回ってまいりました。この中で、ドイツに伺いました折、ドイツは戦後つくりました基本法を実に四十八回にわたって改正をしておるわけでございます。なぜそのように変えなければならなかったか、そしてまたなぜ変えられたか、この理由をお尋ねすることが最大の私どもの目的の一つでございましたが、要は、ドイツが国としてあのヨーロッパの中で存続していくためにこれはもう必要やむを得ない措置である、周りの国、東西の冷戦時代を経由する中で何としても安全を保障する、安全保障の観点からしてもこれは不可欠だったと。 したがって、NATOができたときにこれに加盟するために改正を幾つかやっております。そして、徴兵制を含むいわゆる再軍備も、これはやむなしということでドイツはやりました。そしてまた、東西ドイツの統合という大きな課題がありましたが、これについてもやはり相当数の改正が出てきた。そして、最近ではいわゆるEU十五カ国の中心的な国としてドイツが機能していくためにもやはり憲法の改正が必要であったと、こういう御説明をちょうだいしたわけでございます。 そして、ボスニアの紛争に関しても、EUが出ていくならばそれについては応分の貢献をしなければならないということで、これは憲法改正に至らず解釈の中で実現をしておるような状況でございますが、この調査の中で私は大変感銘を深めましたのが、フンボルト大学、クレップファー教授という、これは日本にも滞在したことのある親日的な憲法学者でございますが、その方の御意見、変わるものだけが命を持つ、そして憲法が政治に影響を与えようとするならばそれなりに改造されるべきである、ドイツ国の基本法は完全に改築されております、こういう御指摘をいただいておるわけでございます。 私どもはこういった諸外国の調査事情も受けまして、せっかく設けられましたこの憲法調査会、ここは護憲派もおります、改憲派もおります、論憲派もおりますが、徹底的な調査検討を経てしかるべき日本の将来を決める憲法をつくっていかなければならない、かように思っておりますが、総理、御所見いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 各国それぞれの事情があると思いますが、日本としてもこれからいろいろな憲法論議が出てまいると思います。また、今までもしてきました。今後、二十一世紀の将来に向かって、改めて憲法かくあるべしという議論がこれからも行われてまいると思いますので、その推移を見守りながらこれから考えていきたいと思います。
○野沢太三君 そこで、私、国土交通委員会に所属をしておりますので、海上保安庁法についてお伺いをしてまいりたいと思います。 この法案は昭和二十三年に原案できておりますけれども、私今回も見直してみますと大変よくできた法律であるなと、かような印象を持っておるわけでございます。アメリカのコーストガードといった法案も下敷きにはあったようでございますが、四面海に囲まれた日本にとりましては、まことに頼りになる法律である、こう思うわけでございます。 ただ、唯一の不足、欠点が武器が使えない、ほとんどこれが縛られたままで今日まで来ているとこういうことが指摘をされ、この間の能登半島沖の不審船の追跡では如実にその問題点が顕在化したわけでございます。 私は、過日、参議院の外交・安全保障調査会のメンバーとともども佐世保の基地にお邪魔をいたしたんですが、ここで密漁船を取り締まる現場の皆様の御苦労をつぶさに拝見をしてまいりました。大波の中で揺れる相手の漁船を追跡し、それをとにかく舷側で捕まえて飛び乗って相手を制圧するという、これはもう命がけの仕事をしているなと。私ども立法府として、何としてもこの皆さん方がより的確により安全に不審船なりあるいは違法の領海侵犯なりを制御できる状況にしてやらなきゃいかぬ、かように思っていたわけでございますが、このたびこのチャンスが訪れたと理解しております。 そこでまずお伺いをいたしたいんですが、海上保安庁の巡視船は、我が国船舶の航行安全その他の目的であればどこまで出していいのか、これが一つあろうかと思います。その可能性と実績について大臣からのお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先日も先生方が、野沢先生、佐世保までわざわざお出ましいただいて視察していただいたことに心から御礼を申し上げながら、今の大事な点で、海上保安庁の巡視船の派遣につきましてのお尋ねでございますけれども、海上保安庁、御存じのとおり、海上保安法第二条によりまして、少なくとも海上の安全及び治安に関するという、この確保を図るということに関しましてはそれを任務としておりますけれども、少なくとも海上の範囲、また日本の海域、あるいは日本の沿岸水域等々におきまして限定されたものではございませんので、海上一般に及ぶものというのが従来からの解釈とされております。 また、今御質問にございましたように、海上保安庁の巡視船の派遣先の地理的限界というものはございませんけれども、外国の領域内に入ってそして活動する必要がある場合にはその国の了解を得るというのは当たり前のことでございまして、その所要の任務を了解を得ながら遂行するということに当たっております。 また、主な実績を挙げろという先生の御指摘でございますけれども、現在まで例えば平成四年十一月から平成五年一月までの間に実施しましたプルトニウムの海上輸送の護衛でございますとか、あるいは平成十一年十月に海賊に襲撃されましたアロンドラ・レインボー号の捜索、まだ記憶に新しいところでございますけれども、その捜索に当たりましたとか、平成十三年の七月に実施しました東南アジアにおきます海賊の対策等々に、海上保安庁として保安と安全のために警護に当たりました。
○野沢太三君 今のお話のように、世界じゅうどこの海にでも必要があれば行かれる、こういった法律で今日までやってきておるわけでございまして、これを活用いたしますと、例えば今回のパキスタンその他に対する物資輸送なんかも、民間船をチャーターし、巡視船がそれをガードする、こういったスタイルも場合によっては可能ではないかと、こういうふうにも考えられるわけでありまして、ぜひこの法律の持っている特徴を生かした今回これからの活動をお願いしたいわけでございます。 ところが、昨今の海上保安白書等を拝見いたしますと、世界じゅうの海で日本の船が拿捕されている。これが、正規のルールに違反して拿捕されたものもあるかと思いますが、先ほどのような海賊にやられたと、こんな例もあろうかと思います。海上保安庁はこれに対してどのように対応しているのか、御説明いただきたいと思いますが。長官、ひとつ。
○政府参考人(縄野克彦君) 御説明申し上げます。 過去五年間で我が国の船舶が外国に拿捕された隻数は、平成八年から、四隻、平成九年六隻、平成十年五隻、平成十一年十四隻、平成十二年八隻、平成十三年は本日現在で一隻となっております。これはいずれも漁船でございまして、外国の領海あるいは排他的経済水域におきまして、法令に違反するとみなされて拿捕されたものでございます。 海上保安庁におきましては、漁業組合関係者などを通じましてこの防止につきまして指導を行うとともに、特にその拿捕事例の多い海域におきましては、巡視船艇を常時配備するなどによりましてその防止に努めているところでございます。
○野沢太三君 法令違反はこれはやむを得ませんけれども、不当に拘束されるとか、特にシーレーンの関係で海賊にやられるとか、この辺についてはやはり海上保安庁としても適切な対応をして、事前にこれを防止するということも努力をしていただきたいと考えるわけでございます。 そこで、今回のこの保安庁法改正の契機になりました平成十一年三月の不審船追跡事件でございますが、この事件の反省にかんがみまして、今回、武器使用の範囲を見直そうと、こういうことに相なったことはまことに時宜を得ていると思いますが、不審船というのは、しかしこれだけではなかったのではないか。 これまで発見されました不審船というものはどのぐらいあるのか、御説明いただきたいと思いますが、長官。
○政府参考人(縄野克彦君) 御説明申し上げます。 これまで海上保安庁が確認しました不審船は、平成十一年三月の能登半島の事案を含めまして、海上保安庁として確認しておりますものだけで二十隻でございます。
○野沢太三君 そのような数があるということは、ハインリッヒの法則からいきますと、さらに大きな根っこがあるのではないかな。大変その意味で危惧されるわけでありまして、今までも密航あるいは密輸等で発見されたものが必ずしも少なくないということからいたしましても、まずは海で捕まえる、海で日本の安全保障、これを確保するということが第一義的に大事であろうかと思うわけでございます。 そこで、大事なことは、今度の不審船の発見の端緒というものを調べてみますと、いわゆる電波傍受の中で不審な電波が出ているということが海上自衛隊の方に連絡があって、それを海上保安庁が受けての追跡が始まったと、こう伺っておるわけでございますが、その意味からいたしましても、情報の収集、連絡並びにそれに基づく協調体制というものは、極めてこれは大事であろうかと思います。この事件の教訓として、十一年六月には関係閣僚による反省並びに教訓ということでまとめが出ておりますが、それ以来改善されたことも含めまして、これは国土交通大臣と防衛庁長官、両方からお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(扇千景君) 防衛庁との連携にかかわる御質問でございますけれども、これは御指摘のとおり、能登半島沖の不審船のあの事件以来、私どもは、平成十一年の三月二十三日午前十一時ごろ及び午後一時ごろに海上保安庁は、海上自衛隊から能登半島沖の不審な漁船に関する情報を入手いたしました。それを端緒といたしまして不審船の追跡を開始いたしましたけれども、御指摘のとおり、不審船の対応に当たっては関係者、関係省庁間の連携あるいは情報の収集、この連絡が重要なのは言うまでもございませんけれども、十一年のあの能登半島の不審船に対しましては、反省事項について、少なくとも関係省庁間の迅速な情報の収集と、そして海上保安庁と自衛隊間の共同の対処マニュアルを整備するということが盛り込まれました。 それによって、政府関係省庁間で海上保安発生時の初動時におきます情報連絡体制を整備するとともに、海上保安庁としましては防衛庁等との迅速な情報連絡の実施、これは随時しております。それから、自衛隊との共同対処マニュアルの策定、これは平成十一年の十二月に策定をいたしました。そして、同マニュアルにかかわります共同対処の訓練の実施、これは十一年十月に二回、そして同年十一月、平成十二年九月と連続してこのマニュアルの実施をいたしました。そして、海上保安庁の巡視船と自衛艦の艦艇等の間におきます情報の交換訓練、これも随時行っております。 今後につきましても、同マニュアルに基づきまして、相互間、防衛庁との間におきまして定期的な相互の研修と情報交換と共同訓練を絶えず行っていきたいと、国土交通省、海上保安庁としてはやっております。
○国務大臣(中谷元君) 海上自衛隊におきましては、平素からP3Cによりまして我が国周辺海域における警戒監視を行っておりますが、その情報等につきましては、海上保安庁に対して密接に情報提供等を行ってきております。 しかし、平成十一年の三月の不審船の反省、教訓等も生かしまして、さらなる協力体制の確立ということで、同年十二月にマニュアルをつくりまして、このマニュアルによりますと、もう平素から、海上警備行動発令前後また最終段階までの連絡通報体制をきちんとルールで決めまして、それをもとに図上演習、また実動訓練を実施いたしました。 また、ことしの五月には海上保安庁の観閲式に護衛艦が参加いたしまして、不審船対処訓練を実施いたしましたし、また通信におきましても、秘匿通信の実施を含む通信体制の強化等を充実させていただいております。 さらに連絡協力体制を強化いたしまして、万全の体制を期してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○野沢太三君 国連海洋法条約が批准されて大分たちますが、大変これ広範囲な区域を調べる、あるいは警護する、調査する、こういった状況がございますので、ぜひともひとつこの海上自衛隊の能力、機材等も十分活用して海上保安庁との連携をしっかりとっていただきたい、かように思います。 今度の不審船の追跡事件の中で指摘がなされておりますのが、海上保安庁の巡視船が低速で不審船を追い越せない、むしろ離されてしまうという、そういう性能上の問題点が指摘されて、それで取り逃がしたということも言われておるわけでございます。 これまで、これを上回る三隻の高速船が建造されたというふうに伺っておりますが、これからの計画はどうなっているのか。また、保安庁の持っております巡視船の相当数が二十年以上の経年船舶でありまして、もうそろそろかえた方がいいんじゃないかというものが多数あると伺っておるわけでございます。これにつきましては、早急に高性能の艇にあるいは船舶に取りかえあるいは改良するべきだと思いますが、保安庁長官、これについていかがでしょうか。大臣ですか。
○国務大臣(扇千景君) 今も先生から御指摘の、かつての能登半島沖の不審船追跡に間に合わなかったという情けないことを反省といたしまして、少なくとも私どもは今後も設備、性能を上げていこうということで、特に不審船に対しましては三隻の高速特殊警備船を中心にしておりますけれども、これも新潟、舞鶴、金沢に配備しておりますけれども、これが速力四十ノットということでございますけれども、これ四十ノットと言うと向こうはまたもっとそれより速いものを持ってくるので、余り何ノットというのを公表するべきではないかと思いますけれども、実質的には四十ノットでございます。 一方、巡視船艇の老朽化につきまして御説明がございましたけれども、日本の一般の商船等に関しましては、船齢といいますか、船の寿命が二十年を超えるものというのは全体の約一割しか普通の商船ではございませんけれども、巡視船につきましては、今、先生がおっしゃいました、寿命が二十年を超えるものというのは百四十隻と大変多くございまして、全巡視船艇の、三百五十六隻のうちの四割を占めているという状況でございます。 そういう情けない状況でございますけれども、代替整備を着実に私たちは進めていく必要があると認識しておりますし、また、代替にあわせまして速力の向上とかあるいは夜間の能力、監視能力等々を整備したものをこれからは強化して高性能のものを配置していかなきゃいけないという、それでなければ不審船に対処できないという巡視船艇の整備を今度計画的に進めていきたいと思いますので、国会及び財務省、政府を挙げての御対応をよろしくお願い申し上げたいと存じます。
○野沢太三君 日本の造船技術あるいは造船業というものは世界に冠たる実力を持っているわけでございますが、それを抱える日本の国の船がこのようにおんぼろだということではちょっと心配でございますので、ひとつ頑張っていただきたいと思うわけでございます。 それからもう一つ、今回の不審船対策の中で、海上警備行動がもっと早く発令されまして、海保と海上自衛隊が当初から共同作戦がとれたらあるいは捕捉できたかもしれない、こういう指摘もございます。これを発動するについては、当時の小渕総理はわずか二十分で決断していただいたというまさに異例とも言われる措置をしていただいたわけですが、結果としては逃げられたということでございます。もう少しこの海上警備行動が迅速に、また必要な時期に発動できるような対応をすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。 防衛庁長官かな、これは。
○国務大臣(扇千景君) おっしゃるとおりでございまして、何よりも初動態勢のおくれがすべて国民の安全につながるわけでございますので、海上保安庁としましても、今度、九月の十一日の米国におきます同時多発テロに対しましては、即時、海上保安庁としましてもこの事件から今日まで関係省庁あるいは関係機関との連携の強化を図り、必要な情報の収集ですとか、あるいは巡視船艇、航空機によります臨海部におきます米軍施設等々の監視、または原子力発電所、これ全国で十七カ所ございますけれども、この原子力発電所の警備、そして国際空港、全国の国際空港九カ所、これらに対しましても重点の警備の対象施設として対応して整備を強化しております。 これで、全省庁の体制でテロの対策に万全を期しておりますけれども、どこまで行っても一〇〇%というのはございませんけれども、できる限りの中で協力していきたいと思っていますし、まして臨海部におきます原子力発電所、これは全国十七カ所に関しましては少なくとも海上保安庁としては厳重な体制をしようということで、また、石油の備蓄施設などに関しましてもこの警護に当たるということを重要視しております。 また、最寄りの海上保安部署に対しましても緊急の連絡体制の確立を、関係者と連携をいたしまして連携を強化して、海上の巡視船艇とかあるいは航空機を配備するによって、この連絡の関係の皆さん方と密にして、即整備あるいは配置できるようにということをしております。 このほか、原子力発電所のハイジャックによります攻撃等々の警戒に関しましても、発電所の警備も視野に入れまして、海上保安官によるフェリー等への警備も随時実施しているところでございますので、今できる限りの中では万全を期しております。
○野沢太三君 防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 速やかに海上警備行動を実施するためには、何といっても情報交換並びに情報連絡体制の確立が必要でありまして、この点につきましてはマニュアルをつくりまして、平素から対処時に至るまでの過程を確立したわけでございます。この手順に従って速やかに対処できるように今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。
○野沢太三君 当時の運輸大臣が、川崎大臣だったかと思いますが、談話といたしまして、海上保安庁の航空機にも武器を積むことが必要ではないか、これについて検討しようという談話が報道されておりますが、その後の経緯はいかがでしょうか、保安庁長官。
○政府参考人(縄野克彦君) 御説明申し上げます。 海上保安庁の武器につきましては、海上保安庁法第四条によりまして、海上における治安を維持する等のための適当な設備を有するものでなければならないと、必要十分な武器を使用することを認められております。航空機につきましても、武器を搭載することは可能でございます。 航空機にどのように武器を搭載するかということにつきましては、例えば巡視船艇には数十ミリの口径を持ちまして停船を実施するために相手に被害を与えるに十分な機関砲を固定搭載しております。例えばこのような武器を航空機に固定搭載することも考えられますし、それから海上保安官が携帯用の自動小銃のようなもので対応することも可能でございます。 私どもとしましては、いずれが、例えば航空機に固定搭載をすれば航空機の重量が増し、いろんな用途に使っております航空機につきまして速力の低下、航続距離の低下などが生じます。そういう点を勘案いたしまして、私どもとしまして、航空機につきましてどのような武器使用をするかということにつきましては引き続き考えてまいりたいというふうに思っておりますが、現在の時点では私どもの航空機は携帯用武器だけを使用している現状でございます。
○野沢太三君 やはり相手船舶に警告を出す信号弾であるとか、あるいは夜間の場合であれば照明弾であるとか、そういった必要なものはきちっとやはり積んだ上で出撃する、こういったことが必要ではないかと思います。人命救助等のこともありますから、この辺はひとつ適切な対応をよろしくお願いいたしたいと思います。 なお、海洋法条約で二百海里までとにかく経済的排他水域と、こういうことになりまして、これを見て歩く、あるいはここを管理するということが大変大事なことになっておりますが、この条約の中で無害通航でない船舶に対しては主権の行使ができるということになっておりますけれども、これにどのように保安庁としては対応しているのか。また、過日の中国船の海洋調査に対する対応はどのようにしているのか、これをひとつ御説明ください。
○政府参考人(縄野克彦君) 御説明申し上げます。 国連海洋法条約で定められました無害通航でない船舶のうち、国内法違反を構成する船舶に対しましては、私どもがそれに従いまして処罰等の措置を講じております。これに至らない場合でございましても、犯罪の予防、秩序の維持を図るために必要がある場合には、海上保安庁法に基づきまして可能でございますが、停船、航路変更、領海外への退去、そういうものを求めるなどの措置を講じておるところでございます。 今お話がございました中国の海洋調査船につきましては、平成十三年、ことしの二月でございますが、いわゆる相互事前通報制度が取り決められたところでございまして、これに基づきまして、相互に事前に通報がなされた調査船につきまして、私どもとしましては監視をしております。その中で、その通報がなかったもの、あるいは事前通報の枠組みに合致しない行動をとったものがこれまで五件確認されておるところでございます。 私どもとしましては、これらにつきましてはいずれも追尾監視を行いまして、中止要求を現場で行うとともに、外務省を通じまして、外交ルートによりまして中止要求、厳重抗議を中国に対して行っておるところでございます。
○野沢太三君 時間も参りましたので、あと一問だけひとつお願いいたしたいと思います。 先ほどからも議題になっておりますが、原子力発電所やあるいは関係の重要施設、いわゆるオイルタンクとかさまざまな問題があろうかと思います。これに対するテロがどう出てくるか、海から来るもの、あるいは陸から来るもの、あるいは空から来るもの、いろいろあろうかと思いますが、ひとつまとめまして国土交通大臣からまずお願いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 九月十一日の同時多発テロ以来、特に国土交通省としましては、陸海空でございますので、あらゆる手だてをとっております。 海上保安庁のみならず、少なくとも何か国内であったときには、同時に日本じゅうの飛行機、または出発予定、飛行中の飛行機、あるいは日本に向かっている飛行機をどういう手だてでどういう順序でこれを誘導するかというマニュアルも初めて今回を契機につくらせていただきまして、そのマニュアルを既に実施したところでございます。 また特に、少なくとも個人の飛行機を持っていらっしゃる方が日本じゅうに千人いらっしゃいます。その人たちが所有している飛行機、個人の飛行機をどのように停止させられるか、あるいは情報を把握するか。そしてまた、農林水産省と一緒に、農薬散布のヘリコプター、これも今は農薬散布の時期ではございませんけれども、このヘリコプターがジャックされないように、これも所有者とどのような連絡をとるかというマニュアルも、これも初めて実施して、何分間で全国の発信できるかというのも実施してみました。そしてこれも修正しまして、また第二次の実施もしようとしております。 また、新幹線等々、先生に御関係のあるところでございますけれども、新幹線も、少なくとも線路に入る警戒、そして運転席に行けないこと、そういうことに関しましても、常時これは監視のカメラをたくさん設置しますとかあらゆることでこれも対策をとっております。 今、最後に海上保安庁、先ほど私が申しましたような大きな要素に対しましては海上保安庁として万全を期しておりますけれども、願わくば少なくとも私は、情報収集するために人工衛星を利用するということをぜひ実施していかなければならないと。その人工衛星ということに関しましても、少なくとも私は、平成十年十一月六日にこれは閣議において内閣官房長官がその当時の北朝鮮のミサイルの事件によってこれを研究したわけでございますけれども、日本としては少なくともこの衛星を打ち上げて、そして十四年度冬期、あるいは第二回目の打ち上げを十五年度夏というふうに目標を立てて、これもお金のかかることではございますけれども、まず情報収集を空から衛星で探知できるようにしていきたいという、その陸海空三つ合わせた厳戒体制と警備を万全怠りないようにして、皆様の安全と安心の確保に努めてまいりたいと思っております。
○野沢太三君 あらゆる手だてを尽くしてこのようなテロから国を守る、国民の皆様を守るということを私どもは一緒に努力することをお誓いしまして、質問を終わります。
○委員長(武見敬三君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会 〔外交防衛委員長武見敬三君委員長席に着く〕
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会、国土交通委員会、内閣委員会連合審査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、三案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。 山本一太君の関連質疑を許します。松村龍二君。
○松村龍二君 自民党の松村でございます。山本議員の関連質問ということで、一時間にわたりまして質問をさせていただきたいと思います。 九月十一日、あのテロ事件が発生いたしました際、私は、先ほど御質問されました野沢太三先生等と、与野党あわせて憲法調査会でロンドンに行っておりました。それで、会合が終わりまして町の中へちょっと出ましたところ、そういう連絡がありまして、ジャンボがトレードセンターに自爆した、自爆といいますか突っ込んだと、まさかと、こう思いましたけれども。それから、その夜、大使館にお招きいただいておりましたけれども、皆さんと相談しまして、少しでも大使館が有効に機能するようにということでごあいさつだけして、その次の日、無事飛行機に乗って日本へ帰ってきた次第でございます。 このたび、総理大臣、けさからいろいろ御苦労の状況をお話しいただいておるわけでございますが、あの十一日にテロ事件が発生いたしました以後、日本がどのような役割を果たすべきか、当然にテロを憎むという気持ちから日本独自の行動を決めるということと同時に、また日本が世界の中にあってどういう役割を果たすべきかというようなことにつきましても心を砕き、本当に寸分のいとまなき御活躍をしてこられたんでないかなというふうに思います。そして、週末には中国あるいは韓国、また先日はAPECへ行かれまして、世界の各国の首脳とも調整をされておられるわけです。片やインド、パキスタンあるいはエジプト等周辺、中東あるいは南西の諸国にも特派を出されまして、そういうふうな手も打ってこられた、こういうことでございます。 そこで、まず総理にお伺いいたしたいのは、これまでやってこられたことに対しましての手ごたえと、また今後どのような課題が残され、どのような決意で取り組もうとされるのか、そのことについてまずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 九月十一日、ニューヨーク、ワシントン、米国等で発生しましたテロリズム以降、世界の意識も変わってきたと思います。この卑劣な人類に対する攻撃、特に自由と平和と民主主義という戦後一貫して日本国が尊重してきた理念に対する攻撃でもあると、アメリカ初め各国がテロ撲滅のために戦うためにはどういうことが必要かということを日本国民も真剣に考えるようになってきたと思います。 私もあえて、戦後、平和国家として自由と民主主義を基調にする日本国民、憲法前文を何回も読み直してみました。だからこそ、所信表明演説にも、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、」、共通の目標に向かっては国家の名誉にかけてこの達成、実現のために全力を尽くすということを誓っているわけですね。 そういう意味において、私はこのテロに対する国際協調、これに対しては日本が何ができるかということで、私は、自衛隊も含めて、民間も含めて外交、経済、あらゆる手段を講じて、憲法の範囲内でできることを日本が考えなきゃならないということを打ち出しているわけであります。 この方針に対して、幸いにして多数の国民が支持をいただいていると思っております。もちろん、民主主義の時代ですから、一方には反対論もあるのは承知しております。しかし、多数の国民はこの方針、世界協調の精神のもとで、自由と平和と民主主義に対するこのテロの脅威に対して日本国民はどのように立ち向かったらいいか、できるだけのことをしよう、協力しようということでは大方の、多数の支持を得ていると私は思っております。 この支持を背景に、日本としてできるだけの支援協力態勢をもってテロ撲滅のために、テロ抑止のために立ち向かっていきたいと思っております。
○松村龍二君 よく自由と民主主義のために頑張ろうという言葉があるわけですが、私もいろいろな経験の中で、アメリカ人とおつき合いしておりますと、自由と民主主義、こういうことをお話がありまして、そうだと言いますと、何か言っていることが違うことがあるんですね。 アメリカ人が言う自由というのは、やっぱり個人の責任において自由に競争して、そして規制緩和というようなことも自由主義の一つかと思いますけれども、そういうような意味で自由と言う。また、民主主義というのは、我々は何事も何となくうなずいてしまうんですが、多数決というのは民主主義の原理であると。 ところが、日本では、やっぱりコンセンサスの国柄でございますので、なるべく多数決でなくて、みんなが丸く合意するように行こうと、こういうようなことがありまして、よく自由と民主主義という言葉を聞きますときに、日本人もその辺、アメリカ人の言っている自由と民主主義と我々が何げなくうなずく自由と民主主義というものと、ちょっと場合によっては違うということも認識しておく必要があるというふうに私は思っております。 それから、ただいま総理から、日本はいろんな意見があるだろうということでございます。 日本には昔から判官びいきということで、さっき言いましたようにコンセンサスの国ですから、小さい声を大切にしませんと、とんでもない方へ行ってしまうというふうな長年の経験からでしょうか、判官びいきというふうなこと。あるいは、ビンラーディンの放送等を見ておりますと、アメリカだけがひとり勝ちしているじゃないかというふうなことを聞くと、私ども北陸のお米をつくっている県からしますと、何か三割も減反をしながら何でアメリカを中心とする国々から七十万トンものお米を強制的に買わされるのか。何かアメリカだけひとり勝ちしているんじゃないかといったような気持ちになることもあるわけですけれども、それとこれとは違うと。 このイスラム原理主義のゲリラというのは、ルクソールにおいて、エジプトの南の方の観光地において、たしかあのときも日本人が犠牲になったと思うんですけれども、このようなテロを見境なくやってきている、こういうことであろうというふうに思います。 そこで、私、まずお伺いしたいのは、この集団的自衛権という問題が衆議院以来、けさほどもいろいろお話があるわけですけれども、集団的自衛権は、今質問しましても集団的自衛権は行使しないという回答があろうかと思うんですけれども、国連憲章五十一条によりまして、武力攻撃が行われた際に、安全保障理事会が行動するまでは個別的自衛権、集団的自衛権があるということが国連憲章にもはっきり書いてあると。 そして、過去の幾多の日本の解釈の歴史の中におきましても繰り返しいろいろな解釈が行われてまいりましたけれども、これは昭和五十六年の政府答弁書ですけれども、林法制局長官が集団的自衛権というものを、言葉をもう少し広く解釈すれば、軍事行動以外の面もいろいろございましょう。そういう面について日本の憲法上禁止されておるということにはならないと思います。それから続きまして、集団的自衛権を有しておることは主権国家である以上当然であるけれどもとつながっていくわけですね。 それで、今回やっておりますことは武力の行使をしないという憲法の範囲内という解釈でありますけれども、やろうとしておることは、先般の周辺事態法以来、事実上集団的自衛権の行使というようなことを行ってきているんではないかというふうに思います。そういう意味におきまして、今後集団的自衛権は我が憲法上行使できる。七〇年安保のときに、やはり国民のコンセンサスが、第二次世界大戦のあの経験から一切変えない、危ないことはしないというコンセンサスを満足させるためにあのような解釈を苦心してひねり出してきたんではないかという点に立ちまして、集団的自衛権の行使につきましても前向きに取り組んでいただきたいというふうに思うわけでございますが、総理大臣の御見解を伺います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のテロに対しては、確かに国際社会と集団的に対応しようという考え方でありますが、この集団的自衛権の問題は武力行使ですから、我が国は集団でこのテロに立ち向かいますけれども、武力行使はいたしません、戦闘行為には参加しませんということでありますので、憲法上に言う集団的自衛権の問題とは別でございます。
○松村龍二君 私も、例えば憲法九条が、自衛隊が憲法九条かどうかといったときには、あの二項が、前項の目的のため、我が国は陸海空軍を有しないということで、中学生が読んでも現在の自衛隊が大変な陸海空軍に相当するものである、しかもそれを持っておると。 憲法上は二項で持てないというふうな解釈があるわけですけれども、私も昭和十三年に生まれまして、終戦あるいはその前後、なぜ日本はあの戦争に惨めな負け方をしたんだろうかといったことを考えたときに、やはり国民は、軍あるいは政府あるいはその上層部、いろんなものを信用してあの戦争についていったところ、地獄のふちまで連れて行かれた。日本は下士官の判断はなかなか優秀だけれども、陸軍大学を出たような人の判断は、インパール作戦を初め、ガダルカナルを初め、もう兵たんとかそういうのを全く無視してむちゃくちゃな戦争をする。上の人にくっついていくととんでもないことになるという不信感が、終戦が一九四五年ですからもう五十八年たっているんですけれども、それがなかなか抜けない。やっぱり信用できないということが憲法九条の改正、あるいは先ほどの集団的自衛権の解釈、いろいろまだ尾を引いているなということを感ずるわけでございます。 したがいまして、このような質問を機に、少しでも国民がそのタブーを解いていくことができればなというような気持ちを持って質問しているわけです。 それから、PKF解除の問題でございますけれども、私も参議院の視察団で中東を視察しまして、ゴラン高原へ行ってまいりました。 日本から四十三名、四十五名ぐらいの部隊が行っておりまして、ゴラン高原のPKOに参加しておったわけですけれども、よくよく内容を聞きますと、輸送の任務であると。輸送とは何かといいますと、イスラエルの海岸へ行きまして食料を購入してカナダの部隊にお届けすることである。ゴラン高原はもう全く戦闘状態がないわけですけれども、自衛隊は平和監視の活動には一切参加しない。いわば魚河岸へ行って魚を買って料理屋の裏先にまでお届けするというふうな仕事をしておるなという実感を持ったわけでございます。 したがって、我が国もだんだん自信を独立国として持ってきた以上、やはり武力の行使に当たらない、あるいは憲法に違反しないという中においては応分の参加をしなければならない。そうしない限り、世界の中で尊敬される状況にはならないというふうに思うわけでございますが、PKF解除の問題につきまして、御高見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 委員御指摘のとおり、日本の国連平和維持活動、これは今非常に限られているというように言わざるを得ないと思います。 一つの例を申し上げれば、世界の平和維持活動に活躍している人は五万人近くいる。しかし、日本は四十数人しか今出ていない。出ていないというのは、その仕事がないからです。ほかの国は出られるけれども、日本は出られないという場面が非常に多いと、こういうことでございまして、そういう意味におきましては、委員の御指摘のとおり、PKFというものについてこれから考えていかなければいけないのではないかというようには思っております。 しかし、このことにつきましては今凍結をしておるわけでございまして、この凍結解除ということにつきましては、与党三党とか国会における議論、この議論を踏まえて対処していかなければいけない、そういう状況にあるということでございます。
○松村龍二君 次に、武器の使用について防衛庁長官、お伺いしたいんですけれども、このたびのテロ対策支援法の十一条で武器の使用と、もう先刻皆さん御承知のとおりでございますが、自己または現場に一緒にいる他の自衛隊員あるいはその職務を行うに伴い自己の管理に入った者の生命、身体の防護のためやむを得ない必要があるときは、合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる、こういうふうになっておりまして、上官の命令でやりなさいと。それから、武器の使用に際しては、刑法三十六条または三十七条、正当防衛または緊急避難に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならないこと、こういうような決め方でございます。 国内において警察官職務執行法が第七条で、武器を使用することができる、または危害を加えることができる場合は、正当防衛または緊急避難等であるとこう書いてあります。それに準じて、このいろいろなPKO諸法案、周辺事態法案または今日のこの法案になっているわけです。 けさも山本議員から、どういう武器を使用、持っていくつもりかと、こういう話がございましたが、私はこの条文について異論を言うわけではないんですが、私も昭和五十年代に東南アジア、バンコクの日本大使館にいまして、ラオス等の国境地帯に共産ゲリラというのがありまして、よく国境警備隊が襲われるわけです。夜、寝静まっている兵舎に銃を持って乱射されて襲われる。大体三人に襲われると三十人に襲われたと言って翌日報告してくるそうですね。十人に襲われたら大体百人に襲われたと言って報告をしてくる。バンコクにあります警察のゲリラ課長は百人という報告があるとゼロを一つ消して十人と解釈していると、こういうお話がありました。 したがって、何を言いたいかといいますと、現実に日本の国内で行われる武器の使用というのは、せいぜい覚せい剤で頭がおかしくなった人が包丁か日本刀を振り回す、これに対して警察が対応すると、こういうことなんですね。ところが、今申しましたように、銃で夜中に襲われる、あるいは迫撃砲で何百メーターか離れたところからスポーンと飛んできてドンと落ちる。正当防衛で、守るにしても敵がどこにいるか見えもしないというときに、一体こんな規定で自衛隊が活動できるのかなというふうに思うんですけれども、今後この武器の使用につきましてはもっと実際的にする必要がある。 自衛隊法の防衛出動という条文がもちろんございます。「防衛出動時の武力行使」というのは、武力行使に際し「わが国を防衛するため、必要な武力を行使することができる。」、「武力行使に際しては、国際の法規及び慣例によるべき場合にあつてはこれを遵守し、かつ、事態に応じ合理的に必要と判断される限度をこえてはならない」と、これだけしか書いていないんですね。 昨日、防衛庁の方をお呼びしまして、そういう慣例とか交戦法規とかいうのはどういうことが書いてあるのかということを聞きましたら、制服を着ないで戦争しちゃいかぬとか、あるいは毒ガスを使ってはいかぬとか、そういう条文があるけれども、どういうときに鉄砲を撃っていい、どういうときに何しろというようなことは条約にも何にもないと、こういうお話でございます。 そして、ついでですから私も申しますが、日本の警察が戦後、昭和四十六年、一九七一年に成田で三里塚の警備をしておりますときに、警察が銃を持って何か悪さをしちゃいかぬ、世論上よくないということで、丸腰で現場へ行かせましたところ、極左の大集団に襲われまして、三人の警察官がなぶり殺しになってしまったと。そのとき、その夜、たしか後藤田さんが警察庁の次長だったと思うんですが、お宅へ行きまして慰めの言葉を申しましたところ、警部補の方の奥様は黙っていたそうですけれども、巡査部長の奥さんは、何ですかと、警察はそんな危険があるところに丸腰でやったんですかということのお話があったということを聞いたことがあるんですけれども、それからその後、一九九〇年ですか、平成五年にカンボジアで文民警察官が殉職したわけですけれども、そのときも丸腰で行っているわけですね。 したがいまして、我々国会議員として、こういう法律をつくったときに、やっぱり現場の自衛官が今言ったような悲劇に遭わないようにするということが責任だと思うんですね。そういう点におきまして、今回の規定ぶり、あるいは今後の問題について、防衛庁長官のお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 松村委員は警察庁にも防衛庁にもお勤めでございまして、この武器の使用につきましてはよく御存じであると思いますが、この法律の大前提は武力行使をしないということでございます。かつまた、実施する際には、派遣された隊員及び活動の安全確保については十分配慮をされていなければなりません。そういうことで、武器使用の件につきまして、この法案の基本となるのは自己保存のための自然権的権利ということでございますが、この自然権的権利とは何かといいますと、自己の生命・身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合は、その事態に応じて合理的に必要と判断される程度で武器を使用することができるという点と、同じ現場にいる人たちも同じ危険が迫った場合には、管理に入ったということならば防衛をするということが基本でございます。 そこで、具体的に隊員がねらわれた場合どうするかという問いがありましたけれども、これを基本といたしますと、発砲等がなされた後でなければ武器を使用できないというわけではなくて、相手による危害が切迫して相手による危害に備えなければ自己を守り切れない場合は、まず武器を構えたり威嚇射撃をしたりする形態で武器を使用することができますし、また、さらに急迫不正の侵害があると認められる場合には、自己の被害が発生する以前であっても、人に危害を与えることを含めて、その事態に応じて合理的に必要と判断される程度で武器を使用することができるものだというふうに考えております。 さらに、発砲者が発砲をやめてその現場を移動して、それでもまた弾の装てんなどを行っているという場合には、その状況から判断して、人に危害を加えることも含めて、事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるというような対応を考えておりますし、さらにお尋ねの、遠方から迫撃砲が飛んできたり、狙撃されたりした場合はどうするかという点におきましても、基本的には戦闘の行われていない地域で実施するわけでありまして、基本的にはそういう可能性は、脅威は少ないと考えられますけれども、実際に狙撃銃やロケット砲といった比較的射程の長い火器による脅威があると考えられる場合には、これに適切に対応できる武器を携行することはこの法律上配慮されていないというふうに考えております。
○松村龍二君 今後、基本計画ですか、計画を立てられると思いますので、十二分に御検討をいただいて、よろしくお願いします。 そこで、私も内閣委員会ですので、同僚に、この大変に歴史的な連合審査において何か質問してあげるけれどもと、こういう話をしましたら、遺族会を支援の主とされます森田先生から、殉職隊員に対する給付がしっかり行われているのか、自衛隊は警察等に比較して、かつて少ない、賞じゅつ金その他ですね、ということがあったけれどもどうだろうというお話がございましたが、ちょっと時間もございませんので、こういうことも十二分に念頭に置いて、まさか行く前からそういうことはあれでございますけれども、安心して行動ができるようにということをお願いするわけでございます。 次に、総理初め、我が国も非常に固い決意で取り組むということになりますと、その前に、今回のテロ事件が国内にいろんな影響を与えているわけですけれども、経済がどうだこうだという非常に深刻な問題あります。私の地元にもございますが、ちょっと代表的な問題としまして、これも、同僚の西銘議員が沖縄御出身でございます。西銘先生からのお話は、沖縄はやっぱり米軍基地が、大変大きな基地があるという関連、あるいは日本から海を渡って飛行機に乗っていくというふうな関連等もありまして、修学旅行生を中心に観光客が大変な減少で十三万人キャンセルがあった、それから一般の方が二万五千人キャンセルがあったと、こういうようなお話でございます。 あわせて伺うんですけれども、NAHAマラソン、これが十二月二日に行われまして、一名、軍港マラソンというふうなことで今大変盛り上がってまいりまして、二万人の参加者、県外からも三千人の選手が参加するというふうなことで、沖縄の十万人の人が出て大変な行事になっておると。 それについて、いつも那覇軍港を、アメリカの基地をちょっと駐車場に貸してほしいということでやっておったところ、ことしはちょっとこういう状況なのでお貸しできないというようなお話があったと。しかし、そこのところを何とか、本当に軍事上都合がつかぬのならいざ知らず、多少工夫できるのではないかというふうなことについて、先日も施設庁、防衛庁にも何とかならないのかとお願いしておるわけですけれども、この二点について、沖縄の振興と今度の問題の被害をいかに少なくするかといいますか、これから立ち直るということにつきまして沖縄担当大臣、また防衛庁長官からマラソンの点について御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 今回のテロ事件によりまして、修学旅行等、沖縄観光のキャンセルがある程度生じておりまして、影響が出ているわけでございます。私どもといたしましては、先ほど来のお話のとおりテロ対策には万全を期しているところでございますし、またテロの性格から見まして、どこが危なくてどこが安全だということは言えないと考えております。 沖縄につきましては、在沖縄の米軍を代表いたしますグレグソン四軍調整官も、沖縄に具体的なテロの脅威があるわけではないと明言をしておりますし、また沖縄の県議会におきましても、去る十五日に、沖縄の県民生活や経済活動は支障なく平常どおり行われていることを全国にアピールして沖縄観光の安全を宣言するという旨の決議を満場一致で行っているところでございます。私どもとしても、関係方面に過剰な反応をされないよう要請をしてきているところでございますし、また沖縄県当局等とも相談をいたしまして、この問題に連携しながら協力をして積極的に対応策を実施しているところでございます。 影響を受けている観光産業等につきましては、沖縄振興開発金融公庫に相談窓口を開設いたしまして対応をし、そして中小企業に対する資金支援を強化するための低利の特別緊急融資制度を設ける等の対応をしたところでございます。 沖縄の観光客の落ち込みを防いで観光需要を喚起することが大事でございまして、私ども関係の省庁と連携をして大規模なキャンペーンを行いたいというふうに考えております。また、関係省庁の局長クラスの会議を開催いたしまして、国際会議等、各種会議の沖縄開催をぜひ推薦していただくということで、そういう申し合わせもいたしました。 私自身も、近く後援会の沖縄旅行を計画しておりまして、現在であれば沖縄旅行は極めて料金面でもサービス面でも有利な対応をしていただけるわけでございまして、ぜひ関係の皆様も沖縄旅行をお薦めしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(中谷元君) NAHAマラソンの件でございますけれども、九月二十七日に米側から回答があって、一たん十月以降は立ち入りについては承認しない旨の連絡がございましたが、その後各方面から要請がございまして、防衛施設庁、再度米軍に対して調整をいたしまして再検討をするよう要請したところ、今般、現地の米軍から、主催者側において基地内外の保安上の措置をとることなどを条件として、米軍として立ち入りを支援したいとの回答が得られました。この保安上の措置等につきましては、主催者が米軍との調整を急ぎまして、その実現に努力をしてまいりたいというふうに思います。
○松村龍二君 大変血の通った対応をしていただいて成果をおさめたということで、敬意を表する次第でございます。 あと一つ、沖縄についてお話のありましたのは、何か十一月十日に小泉内閣タウンミーティングというのが沖縄であるそうですけれども、ぜひ総理が御出席いただいて、沖縄は安心なところだなという気持ちを与えてほしいというのが沖縄の県民のお話である。もちろん予定もございますでしょうから、そういう御要望もありますが、何か御返事、お話、官房長官。
○国務大臣(尾身幸次君) タウンミーティングにつきましては総理以外の閣僚が出るということになっておりまして、なかなか総理の御都合がつかないということでございまして、残念ながら総理にはおいでいただくことができないという状況でございます。 私自身はもう楽しみにしておりまして、関係の役所の皆様と一緒に参りまして、沖縄の皆様としっかりと話し合いをさせていただきたいと思っている次第でございます。
○松村龍二君 時間が限られておりますので、私は、治安対策の各論の重要なポイントについて御質問したいと思います。 当然に、国内で第二次、第三次のテロ等があっては大変だということで、先ほど総理のお話がありましたように、七つの対策を立ててやっておられるということでございます。その中で、生物、炭疽菌の問題と原子力施設に対する警備ということについてお聞きしたいと思うわけです。 まず、原子力施設に対してテロがあるかどうか。 私は官房長官から御意見伺いたいんですけれども、テロというものは、私も先ほど御紹介いただきましたように治安官庁にもいたんですけれども、イスラム原理主義者も数が限られておりますし、当然に優先順位というものがあるわけですね。そういう中にありまして、何もかにも全部心配だ心配だというんじゃなくて、やはりテロがある蓋然性というものを考える。 昔、関東大震災のときに、朝鮮人が青酸カリを東京じゅうの井戸にまいておるというふうなデマが飛んでパニックになりまして大変な事件が県境地帯で起きたわけですけれども、それについてコメントしているある方が、東京じゅうの井戸に青酸カリを入れるとすればどれぐらいの分量になるのかと。リュックサックに担ぐのか大八車に積んで歩き回らないと東京じゅうの井戸に青酸カリ配ることできないじゃないかと。だから、そういうものはデマなんだというふうなことを書いた本がありまして、私もこういう考えがあるなと思っておるわけですが。 そういう意味において、今度のケースについても、やはり蓋然性といいますか、やっぱり落ちついて物を判断するということが大事だと思うんですね。その辺の情報のいろんな一元化の取り扱いの問題について、官房長官は日ごろ苦労しておられると思いますが、一言よろしくお願いします。
○国務大臣(福田康夫君) そういうテロを発生してしまいますとこれはもう甚大な被害をこうむるということになりますので、そういうことをさせないということがまず第一に必要なんですね。そのためには、やはり情報の収集、これに尽きるだろうというふうに思っております。 そういう意味におきましては、内閣におきましては二十四時間体制の情報集約センターというものを持っておりまして、ここであらゆる情報を入手する、そしてそれを必要な箇所に、部署にそれを分け与えると、こういう仕事を二十四時間やっているわけでございます。また、政府の中には内閣情報官、こういう役職もつくりまして、その情報を集約する、そういうこともやっております。情報官が機動的に情報を分析して、そしてそれを必要部署に伝達する、こういうことでございます。 いずれにしても、この今回、同時多発テロ事件発生しました。その後の事態の推移を踏まえまして、国内においても十分なテロへの備えが必要であるというように判断しております。さらに、このことにつきましては強化を図ると、日々新しい事態に備えて十分な体制をつくるということに努力するべき性質のものであるというように思っております。
○松村龍二君 海外におきます情報収集というのは非常に重要だと思うんですけれども、日本におきましては外務省が一元的に情報を扱っておるというふうに承知しておるんですけれども、外務省におきます、在外におきます情報収集、こういうものはうまくいっているのか、国民の前に明らかにしていただきたいと思います。外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今回のテロももちろんでございますけれども、情報の収集活動はしっかりとやっております。 これは外務省の機能といいますか、ファンクションと関係することでございますけれども、各地域を担当しております地域局というところがございまして、そこは所掌する地域に関する外交政策の遂行の観点からテロ情報、今回のようなのですが、そうしたものを収集いたしておりますし、それから領事移住部というものがございまして、そこでは海外における邦人の生命・身体の保護、それから財産の保護の観点からテロの情報を収集いたしております。そして、大きく分けますと三つ目に国際情報局というのがございまして、これはいろいろな情報の収集とか分析とか、機微にわたるものもございますけれども、国際機関から情報をとるようにいたしております。 そして、最後に大臣官房がございますけれども、これらを全部、トータルでもって連絡を、連携を密にしながら、これを必要に応じて内閣官房でございますとか関係省庁に速やかに情報を提供いたしております。 以上です。
○松村龍二君 そこで、国内テロ問題の双璧に挙げられる問題としまして、原子力施設の警備の問題があろうかと思います。 先ほど国土交通大臣から、海上保安庁は鋭意精力的にパトロールしておると。私どもも週末帰りましたところ、海上保安庁の船が昼夜を問わず、たびたびパトロールしておるということで、その御苦労のほども伺ってきたわけですけれども、海上保安庁もそういうふうにやっておるということです。 そこで、この原子力施設が、だれもがぱっとこう思うわけですけれども、どのように危険なのか、国民、皆さん承知していないと思うんですね。何か天井が弱いので真っ逆さまに何かが落ちてきたら危ないという説もありますし、横のあれはもう何メートルの鉄筋コンクリートで固められておるし、また中もコンクリートで固められているので大丈夫だという説もありますし、原子力テロに対して、先ほど申しました意味において、自爆する、そしてそれをやっつけて、何で日本国民を困らせないといかぬのか、そういうばかなことは私はしないというふうに思うわけですけれども、原子力施設の警備の重要性と、どういうところに、余り弱点言ってしまうと相手に情報を与えるわけですから、どういう観点で警備をしておるのか、まず経済産業大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 九月十一日に同時多発テロが起こりまして、我々としては原子力発電所の安全と、こういう観点から民間の事業者に対して徹底した警備体制の強化、これを命じました。そこで、いわゆる構内に立ち入る際のチェックを厳重にする、こういうことをまず第一に徹底をいたしました。それから、防護壁というのが二重、三重あるわけですけれども、それの再チェックをいたしまして、ここに万全を期すようにさらに徹底をする、こういう形にいたしました。 しかし、やはりそういうテロが入ってくる場合にはそれだけでは十分じゃございませんので、警察庁に御協力をいただきまして、二十四時間体制で今陸上の方は本当に力強いそういう意味では警備体制をしいていただいています。それから、今、委員も御指摘のように、海上からは海上保安庁の巡視船がこれも二十四時間体制で警備体制をしいてくださっている。そしてまた、報復攻撃が始まったことを受けまして、十月八日にさらに事業者等に対して徹底するように私どもは依頼をさせていただきました。 また、原子力発電所というのは、これはIAEAのいわゆる基準でも、御指摘のように、上からに対しては、非常に確率が低いわけですけれども、それは横に比べては脆弱だと、こういうことは事実であります。 以上であります。
○松村龍二君 国家公安委員長に伺うのですが、諸外国ではこの原子力発電所に対してどのような警備をしておるか、また警察は現在どのような警備をしいておるのか、それから先般、この自衛隊法の改正と関連しまして、自衛隊も警備した方がいいというような議論が新聞に書いてありましたが、警察に任せておいて大丈夫なのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) ただいま経済産業大臣からもお話がございましたが、諸外国の例を見ましても原子力施設の、あるいは原子力発電所等々でございますが、いわゆる構内につきましては事業者が警備する、そして外周は、これは一般治安の問題でございますから警察が警備に当たるという、責任を持つというのが通常の体制でございます。 通常でございますと、これはもう普通の、流動警戒と俗に申しておりますが、時々パトロールをする程度のことでございますが、現在は経済産業省とも御連絡をとり、また事業者とも打ち合わせまして、私どもとしまして、十六道府県、三十四の施設になりましょうか、これにつきまして、常時警察の機動隊を張りつけまして非常に厳しい警戒を現在しているというのが今の状況でございまして、諸外国に比べましてもまず私は十二分な警戒がなされていると、このように考えているところでございます。 よく上からというお話がございますけれども、こういうのに例えば航空機が突っ込むという場合にどういう対応が可能かということになりますと、これはもうまさにその飛行機をどうやって撃ち落とすかという話になるわけでございまして、飛行機の大きさにもよりましょうが、私どもが承知していますところでは、小型の航空機に関する限り、炉頂から仮に飛び込んでもまず大体日本の原子炉の場合大丈夫だというふうに聞いております。 アメリカで世界貿易センタービルに突っ込みましたような規模のものが入りました場合、これは先ほど経産大臣からもお話がございましたけれども、大丈夫だとはなかなか言いにくい面があるんだと思いますが、こうなりますと、どうやってそれを事前に落とすかという、そういう世界の話になるのではないか、こんなふうに考えておりまして、現段階では、私は、原子力施設につきましても警察で十分対応できる、これ以上いろいろ何らかの情報があるような状態になりましたらまた政府内部におきまして治安出動等々の対応を考えなければならない、そういうことではないかと思っております。
○松村龍二君 自衛隊との関係につきましては、命令による治安出動というようなことをタイミングよく計画、あるいは県知事が公安委員と相談して協議して治安出動を要請するといった現在の自衛隊法の法律もあるわけですから、またゲリラ、直接侵略に近いようなものになれば、これはもともと警察の仕事じゃないわけですから、その辺をよく防衛庁とも密接に連絡してやっていただきたいと思います。 そこで、警察もこれ、今から何年続くかわからぬ警備をずっと警察が張りついてやっているというのもなかなか大変なことだと思うんですね。それで、私が勉強しているところによりますと、諸外国では警備員が、警備業の人が銃を持って警備をやるというような例がアメリカにもあるようです。こういうことに関して、やはり日本の警察も今いろいろ忙しいわけですから、何でもかんでも全部抱え込んでしまって、銃はもう昔のサーベルのように、ピストルは警察官だけが持つものだ、人に持たせたらメンツにかかわるということではなしに、また日本の警察権はすべて日本の警察庁が握るというんじゃなくて、やっぱり高速道路交通警察とか今回の問題とかいろいろ分けていく場合も場合によっては、せっかく国家公安委員会があるわけですから、警察庁の言うなりのことを判こ押しているだけでなくて、国家公安委員会はまさにそういうことを検討してほしいというふうに思います。 それから、このたび何か新聞によれば自動小銃を一千丁購入するとかいう話がありまして、私は、アメリカの警察はけん銃、ショットガンですね、散弾を撃つショットガン、そこまで持っているんですが、それ以上、日本の警察が自動小銃を千丁持つということは何か非常に奇異な感じがしますので、今ここで論議しませんけれども、慎重に検討していただきたいというふうに思います。 それから最後に、今炭疽の問題で、日本にそういう白い粉の入った手紙が来ないかという心配があるわけですけれども、これ等が、炭疽菌は白くないという話もありますけれども、厚生労働大臣、どのように対応しておられるか。また、総務大臣から、救急車、救急医療体制、医療といいますか救急体制、あるいは郵政事業庁を持っておられる総務大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 炭疽菌についてでございますが、この問題につきましては早く迅速に対応するということが一番大事でございますので、医療機関等からもしそういう患者さんが出ましたときには迅速に対応してほしいということを今要請しているところでございます。 ただ、この炭疽病なるものに対しましては、現在のお医者さんのほとんどは遭遇したことがないわけでございますので、そうしたことにつきましても、基礎的なことにつきましても御理解をしていただくように今いたしております。 それから、薬につきましては、全国各地域、どの地域でありましても手に入るような配分をするように心がけているところでございまして、そこは大丈夫ということでございます。 いずれにいたしましても、医療関係だけではなくて、警察その他との迅速な対応、ネットワークが大事だというふうに思っておりまして、そうしたことに誤りのないように今整備をしているところでございます。
○国務大臣(片山虎之助君) 御指摘の炭疽菌の問題でございますが、アメリカで事件が起こりまして、そこで郵政事業庁では十月の十三日に全国の郵便局に通知を出しまして、とにかく不審な郵便物があったらあけずに郵政監察局に回せと、こういうことをやりまして、現在、白い粉等がある不審な郵便物が四十件あるんですよ。全部調べましたら、炭疽菌がありません。そこで、一次検査と詳細検査で、今詳細検査まで終わっているのが二十七件、これはもう全く問題がない。残っている十三件について、一次検査では炭疽菌は出ておりませんが、現在詳細検査をやっているところであります。 そこで、郵政事業庁では、国民の皆さんに情報提供ということで、ホームページに、不審な郵便物を見たらどうやるのか、あるいは炭疽菌が出たらどういう治療があるのかということ、これは厚生労働省の方と連携してホームページで情報提供していますし、郵便局の窓口にはパンフレットやポスターを張っております。 そこで、きのうから、とにかく白い粉を送る場合には、例えば小麦粉や食塩や調味料やお化粧や、お化粧品なんかそうでしょう、そういうものの場合にはポストに入れずに窓口に出してくれと、そしたら窓口の方で調べて、大丈夫ですと附せんをつけてちゃんと相手に送りますと、こういうことをやっておりますし、そのためにエックス線の検査装置を百台入れましたし、それから特別のチームをつくっておりますし、例えば病人が出た場合等の診療体制も整備いたしておりますので、万全を期してまいりたいと。 消防の方は、これは医療機関や警察や自衛隊と一緒になって、もし問題が起これば、例えばそういう炭疽菌等が出れば、それを指定する、それから汚染地域には立ち入りを禁止する、それからその後負傷者等が出れば救助をやって搬送する。こういうことのために補正予算等でいろいろ要求していますから、生物・化学防護服ですか、そういうものの提供だとか、あるいは検知、検査の、設備のですね、補正予算で要求しておりますから、財務省が認めていただければこれは全都道府県に配付しまして、万全の対応をしてまいります。
○松村龍二君 先ほど来、国土交通大臣が何か質問が漏れたようなことでございますが、だれもが常識的に新幹線大丈夫かという心配するわけですけれども、新幹線についてどのような警戒をしておられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先ほど、ちょっと話が戻りますけれども、沖縄のお話をなさいましたので、これは観光は国土交通省所管でございまして、実は副大臣が昨日参りまして、一番新しい情報で二つのことを決めてまいりました。 一つは、第一に、旅行会社、航空会社が一致して協力して、沖縄に関する大型キャンペーンを実施すること。二つ目には、その具体化のために、国土交通省、航空、観光関係のトップが沖縄に集合して沖縄観光振興会議を開いていただきたいということで、即決めまして、十一月の四日、日曜日でございますけれども、これは沖縄で、日本の国内の航空会社社長、観光業界の社長、そして修学旅行の協会会長すべてを集めまして、私が参りまして、大型で、皆さん方に安心していただけるように、沖縄の観光振興会議を十一月の四日に開催することになりましたので、付議させていただきたいと思います。 それから、話題は変わりまして、今の新幹線の話でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、新幹線すべてに乗車するわけにいきませんので、各主要駅にはテレビを、台数をふやしまして監視体制をしました。それから、巡回を多くしました。それから、沿線等についての警備も、これを手抜かりなくするようにという巡回作戦をいたしました。それから、新幹線の運転席に入れないようにということで、これも施錠の再確認ということも、錠をかけるということの再確認をするようにいたしまして、少なくとも、一日に多くの皆さん方がお乗りいただく新幹線の安全を期して対策を練っているところでございます。
○松村龍二君 先ほど入管の体制を強化するようにと。入管も、入管局長が従来ずっと外務省の方がおられたように私承知しているんですけれども、治安関係のセンスのある人も入管局長になるなどして、そういうような国の出入りにつきまして、また海上保安庁、密航船、先週ですか、何か千葉沖でえらいたくさんの密航者を検挙もしておられるようですけれども。 総理大臣初め各大臣大変御苦労さまでございます。特に総理大臣、もうお昼の御飯も食べる暇もないぐらい立て込んで大変だろうと思いますが、国民のため、また世界のため頑張っていただきたい。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○委員長(武見敬三君) 松村君にかわり、関連質疑を許します。月原茂皓君。
○月原茂皓君 保守党の月原です。関連質問いたします。 初めに、九月十一日、米国で同時多発テロが起きた。米国が武力攻撃をするまでにどういうふうな対外的な手続、どういう根拠で行動したのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
○政府特別補佐人(津野修君) 失礼しました。 戦前の統帥権の話……
○月原茂皓君 いや、違う違う。
○政府特別補佐人(津野修君) 違いますか。どうも失礼しました。
○国務大臣(福田康夫君) これは経緯ということになりますけれども、九月十一日、テロ発生しました。これは、米国はブッシュ大統領が連邦議会でもって演説をいたしておりますけれども、すべての国家にテロへの戦いに参加することを求め、全世界の支援を要請しているということでございました。そういうことで個別自衛権の発動を宣言したと。それに対して、ヨーロッパ、NATO諸国が集団的自衛権の発動を決定したと、こういうことになりました。 なお、それに対して、我が国がその国際的な協力に参加しよう、日本の国内、日本の法制度、憲法法制度に基づいてその枠の中でやろう、こういうふうなことを決定いたしたわけであります。なお、その間に国連からも一三六八号という国連決議も出ておるわけでございます。
○月原茂皓君 今、官房長官がお答えいただいたように、米国は直ちに個別的自衛権を発動した、そしてNATO諸国は集団的自衛権、それを初めて発動した、しかも国連においては一三六八号、そしてアナン総長は十月八日には米国が集団的自衛権、個別的自衛権、それに基づいて行動していることを是認した、こういうふうな手続ですね。 私は、あえてこのことをお尋ねしたのは、もしこのテロが、日本の例えばどこかのビルに同じようなことが起こった場合に、総理大臣、我が国はどういうふうな行動をするんでしょうか。そのことをまずお尋ねしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 我が国にあのようなテロが起こった場合というのは想像するだけでも嫌なことですけれども、起こった場合どうするかということは、まず、今まで国と国との戦争という観念からいえば、今回のテロはそういう観念に当てはまりませんよね。ですから、個別自衛権で、どこにいるかわからないテロ組織に対して、テロリストに対して個別自衛権を使って武力行使ができるかというと、これはとてもできそうもない。では集団的自衛権、アメリカと組んで一緒に戦ってくれ、日本人が犠牲になったと言っても、これが国際紛争を解決する手段として武力行使を放棄しているんですから、これもできない。どうやってこのテロに対して対応するか。犯人出てきてくれと言ったって出てくる相手じゃないですからね、非常に難しいと思います。 今回、日本人も犠牲になりましたが、アメリカは個別自衛権を発動してテロリストたちに対決する。イギリスを初めNATO諸国は、これはアメリカだけの攻撃ではない、国際社会に対する攻撃だということで、集団的自衛権を発動して武力行使も辞さないという形でテロとの対決に臨む。 そういう中で日本は、日本一国ではできないけれども、アメリカを初め国際社会と協調してテロに対決します、テロ撲滅に向かって進みます、集団的行為でありますけれども、ただし武力行使はしません、戦闘行為にも参加しませんということで、新しい対応が必要だと。個別的自衛権、集団的自衛権の観念とは別の観念から、国際協調のもとで日本の責任を果たさなきゃならないと。できる限りの支援協力態勢を各国とともにとります、ただし武力行使には参加しません、戦闘行為には参加しません。これが憲法の枠内であるということで、今、日本としては国力に応じて国際社会と協調していくことが必要ではないかと思っております。
○月原茂皓君 今、総理が苦渋の判断というか考え方を示されたわけですが、私はここで申し上げたいのは、要するに、我が同胞も亡くなっておる、そして米国の中枢にこういうことが起こり、八十カ国に上る方々が犠牲になっておる、国際的な立場でみんなが立ち上がっておる、それに対して我が国が現行で許される限りのことの努力をしようとしておる、私はこのことがやっぱり世界に訴える力があると思うんですね。 今、あえて私が申し上げたのは、今、日本にそのことが起こったらだれが助けてくれるんだと。犯人出てきてくれと、国連に決議してくれと、それで済むか。その間、またそういうことが起こり得るぞというおどしがかけられる、そのときどうなるんだと私は思うわけであります。 そういうことで、総理はテロの対策も含めて新しい法律も考えなければならないということを既におっしゃっておりますが、今後の課題だと私は思います。 そして、これが我が国自身の問題であると。かつて緒方前高等弁務官の方、最初起こったとき、何か人ごとみたいですねと、日本の国の対処が。今はそうじゃないですよ、最初のときにそんなことを新聞にも書かれておった。みんなが自分の国のことだと。総理が主張されておる、主体的に日本国のものなんだ、日本国が積極的に考えなければならないんだ、こういう立場が私は大切だと。 それがまた今度自衛隊の方々に御苦労をおかけするかも、することになると思いますが、そういうときに彼らが自信を持って国のためなんだ、世界のためなんだと言っていくための強い信念になると私は思って、あえて私は申し上げたのであって、情けは人のためならず、こう言いますが、このことは我が国のためなんだと。よく米国を助けるんじゃないかと。政府の方はそう言っておりません。しかし、いろいろ質問する人たちの中には、また世論の中には、アメリカをそんなに助けぬでいいんじゃないかと、こういうような考え方、もってのほかであります。私はそういう立場からあえてショッキングなことをお尋ねしたわけであります。 それでは、次の質問に行きたいと思います。 まず、御承知のように、九月十一日を境にして戦争の概念というものが変わった、こういうふうに言われておるわけであります。今までは自衛隊が防衛をするものは国だと、そしてまた相手国からの何らかの働きかけに対して対抗していくんだと、こういうのが今までの概念であったと思うんです。アメリカ自身もそういうことである。だから、海外に巨大な基地をつくり、そして大変な金額をかけて情報網も、しかし、あけてみたら全然、ナイフでおどされて、そして中枢をやられたと。これはもう大変これからの安全保障の観念、それから世界の戦争そのものに対する考え方が私は変わってきたと思う。 そういう意味では、自衛隊自身も、総理のもとにある自衛隊自身もその組織編成も含めて考え直さなければならないときが来たんではないかと、このように思うわけでありますが、防衛庁長官、また総理、このことについて、この九月十一日をもって大きな流れが変わったことについてどう受けとめられておるか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回のテロ事件は、従来から言われていた新たな脅威、新たな危険というものが現実のものとなったということで、私自身、その事実を直視している次第でございます。 やはり、従来の国家対国家、民族対民族といった概念は変わったということでありますが、防衛庁といたしましては、実は六年前から防衛計画の大綱を定めまして、従来の我が国の防衛という役割に加えて、大規模災害などの各種事態への対応、それから、より安定した安全保障の環境の構築という三本柱を立ててやっておりまして、今回テロリズムによって起こされた特殊な災害を含む各種事態への対応というのは防衛力の一つとして挙げておりまして、より一層自衛隊の対処能力の向上に努めてまいりたいというふうに思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回、できるだけの支援協力態勢を国際社会の中で国際協調精神のもとで構築していきたいという中にあって、私は憲法の範囲内で、憲法九条に違反しない範囲内において何ができるかと。今までの活動、国対国の戦争ではございません。世界的な協力が必要だと。テロリストも一国にとどまっておりません。拠点も、数十カ国に拠点があると言われています。そういう中にあって、軍事面のみならず、経済面、外交面あるいは難民の支援、医療活動等、普通の組織ではでき得ない場所も、あるいは仕事も出てくる場合、自衛隊だったらできるだろうという仕事があるはずであります。 自衛隊は一切海外に派遣しないというのはかつての考えでありましたけれども、PKO協力法等いろいろ、戦後の国際社会に対応して日本の国力に応じた貢献をしていこうということで、今やPKO活動には自衛隊が派遣されております。 今回も、今までの法の範囲内で自衛隊の任務が与えられていないという場合には、自衛隊に法的裏づけをつけてしっかりとして日本の責任を果たしてもらおうということから、新しい法的な裏づけを持って自衛隊も、戦闘攻撃には参加しないが、武力行使はしないが、自衛隊としての能力あるいは機能を生かすことができるのだったらば自衛隊にも参加していただこうという形の新法であります。 そういう意味において、これからの自衛隊の任務というものは、また今までとは違った新しいものも加わってくるだろうと思っております。
○月原茂皓君 今、世界の情勢の変化に応じて、また大きく九月十一日をもって変わった世界の流れに対して、公共財である自衛隊というものをどのように使うか、働いてもらうか、そういうことについて総理が的確な判断を示されたことを感謝いたします。 そこで、私は、我が国で自衛隊の議論をするときにいつもひっかかる問題があります。 それは何かといったら、先ほど、法制局長官がお答えになるようですが、ちょっと早まって、済みませんでしたが、現在、議院内閣制に基づいてシビリアンコントロールのもとに自衛隊があるわけですね、総理を長とする。ところが、これがやはり生い立ちのところから問題になっているのは、旧軍と同じように見る人たちがいたということですね。 だから、私はここで、テレビで全国の皆さんがごらんになっておるわけですから、戦後の自衛隊というものは、国会によってコントロールされ、また国会によって選ばれた総理大臣のもとにちゃんとした行動をしておるんだということを論じていただきたい、その場合に戦前の軍というものと法的にはどういうふうに構造が違うのだということを説明していただきたい、このように思うわけであります。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほどはどうも大変失礼いたしました。 お尋ねの点でございますけれども、旧憲法、大日本帝国憲法でございますが、この第十一条におきましては、天皇は陸海軍を統帥すという規定がございます。そして、軍の統帥権というものは、天皇が単独でこれを行使するということにされておりまして、国務大臣の輔弼の外に置かれている、政府及び帝国議会はこれに関与できないということにされていたわけであります。 このいわゆる統帥権の独立の対象となりますのは軍の指揮権などでありますが、「国家ノ歳出歳入ハ毎年予算ヲ以テ帝国議会ノ協賛ヲ経へシ」とする旧憲法第六十四条第一項の規定は、これは軍関連の予算にも適用されていたわけでありますけれども、かつて内閣に設置されました憲法調査会が昭和三十九年に出しました報告書を見ますと、本来の統帥作用、すなわち作戦用兵に関する事項はもとよりも、それ以外の軍に関する事項について内閣の統制の及び得ない範囲を広く認める運用が行われていたというふうに理解しております。
○月原茂皓君 今、法制局長官、明治大日本国憲法、これについての解説がありました。そのとおりだと思います。そして、その上に陸海軍大臣が現役の者でなければならないというようなこと、これが契機となって広田弘毅さんが極東軍事裁判で責任を負うことになったわけでありますが、そういうふうなことから内閣そのものを揺さぶる力も持っておったと。こういうようなところで、これは法制度としてこういうふうになっておったわけでありますね。 しかし、戦後はどうなっておるか。今、私が申し上げたとおりであるし、もう総理大臣は十分防衛大学校にも毎年お行きになって若い皆さんとお話しになって、みんな民主主義のもとで伸び伸びと、そしてちゃんとそれを身につけて成長してきておるということはおわかりのことだと思います。そういう私は観念とそういう考え方というのを持ってもらわぬといかぬと、持っておられると思いますが。 私が防衛庁に入ったのは昭和三十五年でしたが、そのころは旧軍の方々もまだおられた。そして、これは日本人の悪い風習でしょうが、すべて戦争の責任は軍にありと、こういうようなことで、ほかの人たちはもうそれにさわらないことが一番いいんだ、できるだけ力を抑えなければならないと。例は悪いですが、大蔵省からもトップの人が、後にトップまで行った人が経理局長でして、抑えることが最大だと、こういうふうに言って、本来国家について必要な防衛の問題というものをそういうふうな違う考え方で取り扱われて今日まで来て、今日までというか、それが非常に尾を引いてきていると思うんです。 だから、総理自身が、今自衛隊のいろいろな国際に対応して活動することは当然のことだというふうに言われましたが、私は、そういうふうに民主主義のもとで、総理のもとでちゃんとした任務を与えられて動くのが自衛隊でありまして、かつてのように統帥権があるんだ、そして既成事実をつくってそのまま第二次世界大戦まで導いたというふうなことも言われているような、そういうような組織ではないんだということを私はまず政治家が皆認識して、そしてもし自衛隊を否定するのだったら戦後の民主主義そのものを否定せぬといかぬことになるわけです。 そういう意味で、十分自衛隊の役割というものをその時に応じて公共財として扱うという姿勢が私は基本的に大切だと思います。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自衛隊という役割、任務は今までも重要でありましたし、いざ日本が侵略を受けた場合には日本国民がその侵略に立ち向かう、敵対する、打ち破る組織というのは一義的には自衛隊しかないわけですから、絶対侵略が起こらないというならともかく、今回のテロみたいにいつ侵略が起こるかわからない。そういうことを考えますと、そういう一つの実力部隊を持たないということは、侵略勢力が日本に侵略しようと思った場合には無抵抗で白旗を掲げろと言うか、訓練を受けない力のない人にも一緒に戦えと言うか、いわば泳げない人にも泳げというようなことになるから、政府としては非常に無責任だと思います。 そういう意味において、私は自衛隊の役割というのは今までも重要ですし、これから国際社会のこういうテロに対応する新しい任務ということを考えますと、日本としても自衛隊の、国民の支持のもとに自衛隊の役割を果たせるような機能を、能力をしっかり備えていくことが極めて大事なことだと思っております。
○月原茂皓君 この法案成立の暁は、総理の命令のもとに、今まで、平穏なところに行くにしても、現にドンパチが行われているその近くにまで出ていくことになるわけですから、そういう使命感というものを、きょうの今までの総理の答弁で自衛隊の皆さんも自信を持って行動できる準備ができたと、私はそのように思うわけであります。 さて次に、隊員の安全確保に関して今までも多くの質問がありましたが、任務遂行のために派遣される自衛隊及び活動の安全確保を図る上で新法の武器使用の権限は十分と言えるか、このことについて、防衛庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 派遣された隊員及びこの活動を行う上においては十分な配慮が必要だ、安全確保について配慮が必要だと思っております。 そこで、この法律は、自己保全のための自然権的権利という概念で、自分自身、そして自分とともにその現場にいる隊員、またその現場でともにいる管理をする人、こういう人の身体の防護のためにやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じて合理的に必要と判断される程度で武器を使用することができるように措置するというのが自然的権利でございます。それに加えて、隊法九十五条の武器防護、これは武器を奪われるのを阻止するための武器使用、この規定を盛り込んでおります。 こういった武器使用の権限に加えて、この活動を実施する地域といたしましては、戦闘行為が行われていない地域、また戦闘行為が仮に発生したとしても一時休止、避難、実施区域の変更、活動の中断によって危険を回避できる仕組みを設けておりますし、当該外国で行う場合はその治安当局とも十分話し合い、協議をいたしまして、その治安についての責任を負う外国と協議をした上で活動範囲を加えるというような点が柱になっておりまして、こういう武器使用権限と活動地域に関する枠組みによって派遣された隊員の安全を十分確保することができるというふうに考えております。
○月原茂皓君 いろいろ高度の配慮のもとにそれにふさわしい武器、それに適用できる武器の使用基準あるいは装備、そういうものをお考えでしょうが、やはりこういう国会の場でお話しするのとややもすると抽象的だと。現に、現地に行っておったかつての指揮官は、新聞等に投書されておるのを読むと、現地と通信が確保されていても直面する状況は心理的状態まで東京にわかるわけではない。 やはり、そういうふうないろいろな条件が重なるわけですから、そういう条件が重なった上ででもやはり自分の任務遂行あるいは自分の身の安全、そういうものが保てるだけのものをちゃんと政治の場で権限を付与しておく、そういうこと。そして、防衛庁長官、総理大臣がその問題については責任を持っておく。こういうふうな形が私は大切で、いろいろ私は先ほどシビリアンコントロールの話もしましたが、あえて申し上げたのは、一つ一つ細かいことまで法律で規制して現地と全然そのギャップがある、行っている人間というのはたまったものではない、こういうような状態にならないように、最後はこの国会そのもの、それから選ばれた総理大臣を初め閣僚の方が責任を負うんだ、こういうふうなことで進んでいただきたいと、こういうふうに思うのであります。 さて次に、今、松村議員からもちょっとお話がありましたが、これは行く隊員についてどういうふうな処遇のことを考えておるんだと、こういうこと、このことをまずお尋ねしたいと思います。 これは、行く人は今申し上げたように、総理大臣、国家の責任、そういう日本の国のために、また国際社会における日本の地位を、そういうことのために力いっぱい頑張ってくるわけですが、しかしそうかといって、そうか行ってこいということだけが政治じゃない、万一の場合にはいろいろな手当ても考えておる、そしてちゃんと家族のことも考えておる、そういうのが私は政治だと思うんですね。 そういうことで、あえて、その人たちが口で言っているわけではないけれども、そういうものを取り上げて真剣に扱うのが政治の仕事であると思うだけにお尋ねするわけであります。防衛庁長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) やはりこういった業務に隊員を派遣する以上は、隊員が誇りを持って、そして安んじて活動が行われるように、かつまた、しっかり頑張ってこいという国民の皆様方の御期待がいただけるような、そういう名誉を持って十二分に活動ができる、そういう条件をつくらなければならないというふうに思っております。 実際、派遣された隊員が、やはり第一に、日本との、肉親や家族、友人等の心と心のつながりが絶えないようなメンタルサポート等を実施を検討いたしております。具体的には留守家族の間のビデオレターというようなもので、画像も含めて、顔と顔を忘れないようにいたしたいと思います。 それから、処遇等につきましては、万々が一不幸にしてこれらの者に対して事故が起こってしまった場合には、公務災害補償、これを行うとともに、身の危険を顧みずに職責を全うした隊員については特別昇任をさせるほか、当該隊員の功績に報いるために、その功績に応じて賞詞、これを授与するということにいたしております。さらに、賞じゅつ金等につきましても検討を行っているところでありまして、防衛庁といたしましては、派遣される自衛官が安心して職務に精励できるように、できる限りの措置をとって派遣をしたいというふうに考えております。
○月原茂皓君 今、防衛庁長官からお答えがありましたが、いろいろ配慮されておるし、今度はまた新たなものとしてPKOとかその以上のいろいろなことを検討されておるということ、これは大切なことだ、今後ともそれを進めていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。 究極の問題として言えるのは、今、賞じゅつ金のお話が防衛庁長官からありましたけれども、今、松村議員が森田先生からも言われたのでということで言っておりましたが、地方の警察官とやはり最終的に差が出ると。これは私もかつて経験したことがあるんですけれども、浅間山荘のころの話でありますが、結局あの以降、国が幾ら積んでも地方はそれぞれの自分のところの条例で同じだけ積む。そうしたら、もっと極端なことを言うと、片山大臣おられますが、地方の市町村はもう一度そこで条例つくって色をつけると。こういうことで、国が何ぼ積んでもかなわぬのですね。それは地方の権限で積んでいくわけです。それが大分是正されてきたことは事実なんですね。しかし、いまだにまだ差がある部分があるわけですね。 ですから、私は金額をこういうところであえて申し上げるわけではありませんけれども、少なくとも、これは内閣総理大臣のところで特別褒賞金という制度があるわけですが、そういう、閣議決定で処理することができるわけですから、私は、銭金の話ではないんだけれども、万一のときには国内において公務員に対して支払われるものを下回らないだけのものはちゃんと補償するということを私はお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま防衛庁長官からも基本的な考え方が示されましたけれども、委員御指摘の褒賞金の制度ですね。これは制度と申しますか、閣議決定でもって都度決めているという、そういう前例がございます。平成三年のペルシャ湾への掃海部隊派遣時、それから平成四年のカンボジアでの国際平和協力業務遂行時という、そういう場合に殉職した場合に内閣総理大臣は表彰及び最高一千万円の特別褒賞金を授与する、こういうふうなことがございました。 こういうような前例を勘案しながら、今後のことについては適切に、このテロ対策特措法に基づく自衛隊の出動も含めまして検討していかなければいけないと思っております。
○月原茂皓君 今、官房長官からお話がありましたが、検討を進めていただきたいと思いますが、もう一度繰り返しますと、地方と国、地方公務員と国家公務員との差がなかなか埋めがたいと、それを埋める手だては、最もほかに波及しなくてできるのは私は特別褒賞金ではないかということなのであえてお尋ねしたわけで、官房長官においても高度の御配慮をされると、そういう方向で検討したいというお話なので、よろしくお願いしたいと、こう思います。 次に、警護出動の問題でありますが、警護出動の対象というものが自衛隊と在日米軍の施設ということになっているわけであります。そこで、その問題については後でまたお伺いするとして、自衛隊が自衛隊や在日米軍の施設の警護に当たったときに周辺の民家が被害を受けたときはどうするんだということ、そのことについてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) このたび御提案を申し上げております法律案に関連いたしましてそういう御質問が出たわけでございますが、治安出動下令前ということでございましたら、これはもう一般的に警察が第一義的に治安の責めに任ずるということでございまして、その部分は警察において対応すると、こういうことでございます。 一連のお話の流れの中で、ぜひこの機会にちょっと一言だけ申し上げたいと存じますのは、今度の米国における同時多発テロに関連しましていろいろな御議論が、きょうもこういう形で当院が連合審査会でいろいろ御議論があるわけでございますが、テロの防止というのは、これ非常にある意味では複雑な体系でございまして、やはり一番重要なのは、もう申し上げるまでもなく情報収集活動でございましょうし、それから先ほど来いろいろございます出入国管理でございますとか、あるいはハイジャック対策でございますとか、あるいは一般の治安の維持というようなことをやりながらこれに対応していくということが非常に大事なことなのではないかということを思っております、考えておる次第でございまして、第一義的には私ども、委員御指摘のように戦争の形態が変わったという御認識は確かに一つございましょうけれども、それはまた一つの事実として、私はこれは一つの治安事象として取り上げ、それに対しまして警察として現在一生懸命対応に努力をしている、そのことを申し上げさせていただきたいと存じます。
○月原茂皓君 今、村井国家公安委員長からのお話、これは後でまた私、小型武器というようなことに関してお尋ねしたいと思いますが、そのとりあえずの問題として、自衛隊が出ていったと、その近くが火事が行ったとか、そういう場合にはどうするんだと。この間も衆議院の方で、私はたまたまテレビ見ておったらそういう議論がありましたが、自衛隊が出ていっても見ておるんだと、そういうようなことなのか、あるいはそこのところはどういうふうに考えておるか、これ防衛庁長官お尋ねします。
○国務大臣(中谷元君) 警護出動における警護対象というものは自衛隊施設並びに米軍施設でありますが、仮にこの警護対象施設に対するテロ攻撃によって周辺の民家にまで被害が及ぶような場合には、この警護出動を命ぜられた自衛隊が警護対象を防護する一環としてそれらの攻撃に対処し得るものでありまして、万が一、周辺の民家に被害が生じた場合は自衛隊が被害の拡大防止に当たるというのは当然だというふうに思っております。 なお、警護対象施設に対するテロ攻撃を防止するための自衛隊の行動は、仮にその攻撃があれば生じ得る周辺の民家への被害を未然に防止するということとなると考えております。
○月原茂皓君 そういう私は治安の第一次責任は、村井大臣のおっしゃったことは当然のことだと思いますが、しかし警察が手薄で何か離れたところに自衛隊がたまたま米軍の基地があるということで行っておったとしたら、その近くの民家が、行ったときはこれはどっちだというようなことで、やっぱり問題は国民がいかに安全であるということであって、どこの役所がどうせぬといかぬという、そこにすき間があっては私はいかぬと。こういうことで、もう百も御承知でしょうが、あえてお尋ねしたわけであります。 そこで、察しのいい村井公安委員長がお話しになったことに関連するわけでありますが、先ほど警察出身の松村議員からの質問もありましたが、警察が今度このテロ対策として、これ新聞に載っておったわけですが、私はそれは正しいと思っているわけではありませんが、小型武器の問題があります。 警察が所持できる小型武器というものはどういうものをいうのか、そのことについてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) 警察法第六十七条によりまして、「警察官は、その職務の遂行のため小型武器を所持することができる。」という規定がございます。ここで言う小型武器とは個人装備として携帯できる程度の武器を指す、このように理解されておりまして、現在既にけん銃、それからライフル銃、自動小銃等、こういったものを装備しているというのが実態でございます。 しかしながら、携帯が可能な武器であっても、その所持の可否についてはその警察官の職務の遂行のために必要か否か、そういう点をよく吟味いたしまして、その武器の殺傷能力でございますとか、それから犯罪者が使用する武器の程度、こういったものを総合的に勘案する必要がある、こんなふうに私どもとしては認識しているところでございまして、今、今度の米国の同時多発テロ事件に関連いたしまして、我が国でも大変強力な武器によるテロの発生も懸念されるというようなところから、私どもといたしましては、通常警察官が一般的に所持しておりますけん銃よりもさらに強力な特殊銃を所持する必要も高まっている情勢にある、このような認識がございまして、自動小銃を若干増加させるというような対応をしているところでございます。
○月原茂皓君 法制局長官にお尋ねいたしますけれども、この小型武器というものは、今、村井大臣がお話しのような定義でよろしいんでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) 警察法第六十七条で、先ほど国家公安委員長から御答弁がございましたけれども、「警察官は、その職務の遂行のため小型武器を所持することができる。」というふうに規定しているわけでございますが、従来の見解からは、この小型武器につきましては、けん銃、ライフル銃等警察官が個人装備として携帯できる程度の武器をいうと解されております。 ところで、今、国家公安委員長から御答弁がございましたが、警察法の解釈、運用に関する問題でございますので、小型武器についていかなる範囲を考えるべきかということにつきましては、先ほど言いましたような従来の見解ございますが、そういった見解も勘案し、さらに各種の武器の特性あるいは警察官に所持させることの必要性などを踏まえまして、第一次的には警察庁において慎重に検討していただくべき問題であろうというふうに考えておりまして、私の方から具体的にお答えすることは難しいかと存じます。
○月原茂皓君 なかなか難しい話になると思いますが、私は、例えば自衛隊が出動するときには総理大臣のいろんな手続があって出るということ。すると、テロ対策だということによって軍が持つと同じようなものを持って部隊として行動したといった場合には、これはやはりコントロールとしては総理大臣のコントロール下に置かぬと私はいかぬと、こういうふうな、これ突き進んだ場合の話ですよ。 ですから、そういうふうな観点から小型武器というものを、先ほど野沢先生の質問にあった海上保安庁の武器の問題にしても、テロだからどんなものでも持ったらいいと、こういうことじゃなくて、やはりそういうふうな機能を、じゃ、悪く言う人から言わすと、海上保安庁は小型海軍でないかと、どこまででも行って。プルトニウムを運ぶとき、総理も御記憶になっておる、大分自民党の中で議論したですよね。そういうふうに、理屈だけからいったらどんどん行って、後でよその方から見たら、何だ、自衛隊という名前ではないけれどもやっていることは皆第二自衛隊でないか、第二海上自衛隊でないかと、こういうことになったら、資源の配分の議論もあります、それともう一つはコントロールの議論があります。まさに私は、先ほど冒頭にあえてシビリアンコントロールの話、これをしたのはそういうところにあるわけです。 だから、全部総理のもとにあるんだから、どういう機能をどういうふうに持たせていくか、そして限られた資源の中でどう有効にやっていくかということを、私はここで結論を出していただきたいということでありませんけれども、小型とかそういう抽象的な話ではなくて、実質的になぜシビリアンコントロールをしておるんだと。それは、自衛隊だけではない、武力集団である警察だって海上保安庁だってそうだと。その他のところもそうだと。 そういうところをやはり私は、総理大臣のもとで各大臣寄り合って、やはり国のためにどういうふうに機能配分しながら、機能配分と言うとちょっと大げさになりますが、それぞれの持ち分で組み合わせていったらいいのかということを考えていただいたらと、こういうふうに思います。 それで、次に申し上げますが、警備行動の場合ですが、自衛隊というのは動くときには物すごい計画を、どこでもそうなんでしょうけれども、特に自衛隊の場合、細かい計画をつくっていくわけですね。ですから、自衛隊に今の法律に基づいて自分の基地とそれから米軍の基地守りなさいよと。これはもう精緻な検討をする。じゃ、もしよそへ行きなさいと言ったとき、これはもう本当に、行ったって何の役にも立たないぐらい、全然白紙で取り組まぬといかぬわけですから、幸いなことに、幸いというか、今度の法律ではこの二つだけに限定しておりますけれども、もし重要な施設とかそういうものに対して行動するような場合にはあらかじめそういうことについて警察なり海上保安庁と一緒に訓練をさす、それからもう一つはそういう計画もつくるという、そういう機会を与えておかないと自衛隊というものはなかなか動きづらいということを私は申し上げておきます。 それからもう一つは、原子力発電所にしてもどこにしても、今、平沼大臣及び村井大臣からもお話があったところですが、やはりそこの防備を見て攻撃してくるわけでないんです。それを超えるような弱点があったら、そういうものを持ってくるわけです。ですから、デモみたいにわっしょいわっしょい言うて、そして警察が増員して、強化して、それから原子力の担当の職員の方も頑張っておると。しかし、上の方からどんと来るかもわからぬ。だから、そういうときは一緒になって、上から来るのは、やっぱりそういうことはなかなか難しい話だけれども、例えばスティンガーとかですね、いろいろなことがあり得る、守る方法があるわけです。 だから、脅威に応じてどういう組み合わせがいいのかということを考えぬといかぬのであって、おれのところは治安だと、おまえのところは国と国との戦いのときだと、こういうような感じのものであっては、私は、大きな穴がこれからあいていく可能性があるから、そこはリーダーシップのある小泉総理のもとでいろいろ工夫をしていただきたいと、こういうふうにお願いするわけでありますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それぞれの役割、任務考えて、適切な装備なり行動は必要だと思います。 今までの自衛隊の議論になりますと、割合想定しない極端な議論に行く面があるんですよ。というのは、武器使用の面においても、我々は、自衛隊が海外に行く、今回の支援活動に出ていく場合も戦闘行為に出るんじゃないんですよ。それをあたかも戦闘行為が起こった場合どうしようかという質問や答弁を求める場合が多いでしょう。 ところが、自衛隊が出た場合に、支援活動の場合で万が一攻撃を受けた場合、自分がどのような、盗賊が起こるかもしれない、山賊が出てくるかもしれない、ゲリラが出てくるかもしれない場合に、どういう対応、武器を持っていれば防ぐことができるか。あるいは、同じ仲間同士で支援協力、物資協力、輸送協力をしている場合に、仲間がそういう思いがけない賊に襲われた場合に、見逃すことはできないと。自分たちのことだけ考えていればいいというものじゃない、仲間を助けるためには、これは憲法で禁じられている戦闘行為でもないし武力行使でもない、その範囲内でどういう装備がいいかということを考えているにもかかわらず、あたかも武器を持っていると自衛隊が戦闘行為に参加するんじゃないか、武力行使に参加するんじゃないかと思わせるような議論がある。 全くそうじゃない。その辺は、現場の指揮官も見識があるし、常識があるし、国会でしっかりとした、自衛隊を派遣する場合には基本計画も立てるわけであります。決して戦闘行為に参加するんじゃない、目的が武力行使じゃないという中で、私は常識的な武器の携行が必要ではないかと、そう思っております。
○月原茂皓君 時間が限られておるので、当面の非常に国民の方も不安がっておる問題の一つとして代表的なのは、航空機の安全、航空機に搭乗する人たちの安全であると、こういうふうに思いますが、そのことについて国土交通大臣に、現在既に処置済みのもの、あるいは今度の補正で早く手を打つんだいうようなもの、そういうことについてお尋ねしたいと思います。あわせて、海上保安庁の方で現にもう既に処置しているものがあれば簡単に御説明願いたいと思います。
○国務大臣(扇千景君) 先ほどからのるるのお話で、いかに国内の皆さん方が安全で安心に飛行機に乗っていただけるか、先ほども沖縄に飛ぶ話をいたしましたけれども、私たちは少なくとも今し得る中で何をできるかということで、まずハイジャック防止のために手荷物の検査機器、そして身体の検査機器、この機器を強化しようということで、これはフェーズⅠ、フェーズⅡ、フェーズEとあるんですけれども、フェーズEまでしておりましたけれども、もっと私たちは強い探知機を入れようということで、これは補正予算を待っていたのでは間に合いませんので、これは補正予算を待たないで既にもう手配をいたしております。どことどこに入れたかということも、これも言えませんけれども、少なくとも私どもは、皆さん方に御迷惑はかけますけれども、ハイジャック防止のためにはこの手荷物検査、ボディーチェック等々のこの検査はぜひ御協力いただきたいということで、その機器を既に手配しております。まだ足らざるところは補正予算でお願いすることになると思いますけれども、それを待たずして、すぐ処置をとっております。 それから、海上保安庁では、テロの対策といたしまして、御存じのとおり、米軍施設あるいは原子力施設、そして臨海部の国際空港線、あるいは重点の警備対象の施設、厳重な警備・管制体制をしいているところでございます。また、これらの一層の充実を強化させるために、少なくとも装備等につきましては補正予算についても要求もさせていただきますけれども、何よりも、我々海上保安庁のみならず、警察、自衛隊、そしてあらゆるところの連携と、そしてお互いの情報収集を密にして、国民に安全、安心の対策を万全を期していきたいと思っております。
○月原茂皓君 今のお話で、まず最初に起こったのが航空機の米国の問題でありますから、みんなが航空機に乗るのもどうだと、こういうふうに思うだけに、国土交通省として予算にはないものまでちゃんとほかの方のを工面してやったと、そして補正予算では直ちにそういうものに対処しようとしておる、こういうことで、これ、皆テレビ見ておりますから、扇大臣が言ったことを皆信じて、これからちょっと飛行機にようけ乗るんじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。 さて次に、総理はよく言われておるのは、備えあれば憂いなしと、こういうふうに言われておる。この間の本会議でもそうです。 そこで、今、日本のこういう安全保障関係のを考えてみたら、九一年一月に湾岸戦争が起こった、そうしたら九二年六月にPKO法案ができ上がったと。それから、朝鮮半島の危機が、これは俗に言う北朝鮮の核開発疑惑の問題ですが、それが九四年六月だと。テポドンが九八年八月、不審船が九九年三月。まあ、ここらになってくると、いよいよ周辺事態法が九九年五月にでき上がると。今度は米国のテロの問題でこういうふうになっておる。 どうも、いろいろその研究は重ねておったんだと思いますけれども、国会の場に出てくるのは泥縄にしか見えないんですね、ややもすると。そういうところが、何も総理に言っておるんじゃなくて、我々国会議員全部含めての反省でありますけれど。 そこで、今後残された課題としては、PKOの凍結解除の問題、それから有事法制の議論。まあ有事法制については、総理は所信表明にも言われておりましたが、またその後の答弁に、その所信表明においては備えあれば憂いなしとおっしゃって、そしてそれに関する質問に対しては、検討を続けてできるだけ早く状況を見ながら出していきたいと、こういうふうなお話でありました。 それから、ちょっとここは異なることですが、これは議員立法で出ておる国防省の、防衛庁を省にする問題。それから、今いろいろ総理もおっしゃったことに関係ある、テロ新法というのか、本当に日本の国にこういうことが起こったときに、どういうふうにそれをもって総合力を発揮して手を打っていけるんだというようなことも含めた、そういう法案。 そういうことが、当面、このテロに関しての、あるいは安全保障の当面の課題としてそういうことがあるんですが、それに対する取り組みについての総理の考え方をお尋ねしたいと思います、まあ姿勢というか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 口で言うのは、備えあれば憂いなしというのはみんな当然だと思うんですけれども、備えをするとある程度不自由を覚悟しなきゃならないという場合がありますね。基本的人権も、一時的な危機状況に対しては我慢しなきゃならないという点が出てくる。そこですよね、一番問題は。 危機的状況が起こらなくて自由に行動できたら、こんないいことはないんです、平和で。もしハイジャックという事件がなければ、もっと我々、自由に飛行機に乗るときに検査もなく楽に自分の荷物も調べられないで簡単に乗れるはずなんですよ。ところが、ハイジャック事件が起きてから、ある程度みんな不自由を我慢しなきゃならない、余分な料金を払わなきゃならない。 危機管理、有事、戦争状態を考えると、これがもっと拡大した面ですね。そうすると、国民の今まで平時の場合、基本的人権をある程度制約しないと危機に対処できない場合がある。不自由を覚悟しなきゃならない場合がある。そこなんですよ、一番問題は。それを考えるのも嫌だという勢力があるでしょう。そこがなかなか難しいんです。備えがあると憂いが来るんだという勢力がなきにしもあらず。見ない、悪いことは直視しない、悪いことを考えると悪いことが起こるから嫌だと、そういう状況が長く続いてきた。 しかし、こういう時期が来ると、そうでもないなと。考えられないような事態が起こる。戦争なんか絶対ないんだ、侵略者なんか絶対ないんだと思っていれば、自衛隊なんか要らないわけですよ。そういう勢力もいるけれども、絶対起こらないんだという。 しかし、政治の責任と言うならば、いざというときを考えて、国民の安全、財産を守るというのが政治の責任でしょう。だから、そこが一番難しい。だから、これから、万が一、最悪の事態を考えて、そのために人命が失われないように、国民の基本的な人権、自由が守られるように、財産が守られるように考えるのが有事法整備なんだけれども、そういうことを考えると基本的人権が縛られる、抑圧されるからそれはだめだという、こういう人たちに対してどういう説得力のある必要性を訴えるかというのは今後大事じゃないか。 ある程度、有事法制を考える場合には、そういう基本的、公共の利益のためにどの程度、非常時において基本的人権というものが制約されるのもやむを得ないか、その議論をしないとこの有事法制できませんから、そういう点を調べ上げて検討して、提供して、多くの国民から、なるほどなと、備えはしておかないと大変なことになるなと。事件が起きてから対応すると、泥縄だ、泥縄だと。その前やっていなかった、全然やっていない。やると怒る勢力があるでしょう、そこが難しいんですよ。
○月原茂皓君 最後に、今、総理が、備えあれば憂いなしという体制をつくるための国会議員及び国民に対する心構えのお話、十分承りました。 最後に、もう時間終わりですが、お願いしたいことですが、私は、今回のテロ事件の後、恐らく、アフガンの復興の問題とかそういうことを総理もおっしゃっておったんですが、それとともに、やはり日本に経済的にちゃんと元気な国になってくれ、世界を引っ張ってくれと、これがさらに大きな声になってくると思うんです。 そのことについて総理の決意をお聞きして、私の質問を終わります。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今回のAPECの会合におきましても、このテロとの戦いは軍事的問題だけじゃないと、経済対策あるいはそれぞれの国の経済の復興策、これも重要だと、それぞれの経済をしっかりさせることによってこれからのテロの背景というものに対しても備えていこうという点がありますので、我が国としても早く経済を持続的成長軌道に乗せるような経済改革が必要だということを痛感いたしました。
○月原茂皓君 ありがとうございました。(拍手)
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 今回の審議の対象となっておりますテロ特別措置法案について、まず議論させていただきたいと思います。 関連三法案とともに、いち早くこの法律の成立をなし遂げて、そして日本として積極的に国際社会の取り組んでいる今回の行動に参加をすべきであると、こう強く考えるものであります。 そこで、総理は先般、APECにおきまして、精力的に首脳会談をこなされて多大な成果を挙げたことに対して、深く敬意を表するものであります。特に、日本とアフガニスタンの関係につきましては、軍事的なプロセスあるいは政治的なプロセス、さらには復興のプロセスと、三つの側面があると思うわけでありますけれども、総理はこの三つの側面について、首脳会談においてみずからどのような主張をされて、そしてその結果をどのように評価をされていらっしゃるでしょうか、まずお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) アフガンの情勢は非常に複雑であります。いろんな勢力が入り組んでおりますし、国連で対応しようという場合にも、国連の関与を結構だと言う北部同盟もあれば、国連の関与を嫌うタリバン勢力もあります、将来のことを考えても。 しかし、アフガニスタンの国民のことを考えますと、今回の軍事戦略、軍事行動が終わった後、また権力闘争が始まって、新たな政権がまた国民を抑圧するのでは何にもならないということから、今の時点から後のことを考えるべきではないかということを私はブッシュ大統領との会談でお話ししたわけであります。 特に、これは日本の首相の私だから言えたことだと思いますけれども、それは、日米間は戦争をしたことがある。しかし、終わってみれば、今世界で最も強固な二国間関係、友好関係に発展してきている。当時の戦争、日本が昭和十六年の十二月八日に真珠湾を攻撃したけれども、そして十七年の六月にミッドウェー海戦で日本は敗北して、これが転機になったようだけれども、アメリカのすごいところは、日本が戦勝気分に沸いて、勝った勝ったと言って叫んで、まだミッドウェー海戦の六月前に、既にアメリカは戦後の日本の占領計画を立てていたと。こういう戦略が今回のテロ対策にも必要ではないかということを私は言ったんです。 アフガンをやっつければいいというものじゃない、テロリストの拠点を壊滅させればいいというものじゃない。今後のアフガン国民のためにどういういい政権をもたらすかということ、この政治戦略も大事だと。その後の復興戦略、これは一国ではできない、世界全体が取り組むべきではないか。その中で日本は、今のアフガンの攻撃の軍事戦略には参加できないけれども、安定した政権のための政治戦略と復興戦略には参加できるということをお話ししたわけであります。 〔委員長退席、外交防衛委員会理事吉村剛太郎君着席〕 その際に、ブッシュ大統領は、当然周辺国の意見も聞かなきゃいかぬと。アフガンの難民が出ている周辺国はたくさんあるわけであります。その中で、周辺国ではない日本の支援も大変大事だと。そういう面においてこれから緊密に連絡をとり合って、将来のアフガンの復興戦略も視野に入れてこのテロ対策を進めていくべきだということに対しては同感だと。 だから、日本としても、それは周辺国で直接利害関係はないアフガンに、もちろん領土的野心も全くない、しかし日本の持てる力を世界のテロ撲滅、あるいは難民支援、人道的支援に対してできることがあればできるだけの協力をしたい、そういう際には国連ともアメリカともロシアとも周辺国とも協力してやっていこうという、そういう話をしたわけであります。
○山口那津男君 これまでの我が国のアフガニスタンに対する和平プロセスの関与のあり方、これと、このたびの事態に対してタリバン勢力が著しく勢力を弱めるだろうと思います。したがいまして、今後の関与につきましては変化が当然予想されるわけであります。 これについて、APECで米ロ首脳会談が行われまして、タリバン勢力は今後の和平プロセスの中には入れるべきではない、こういう趣旨のことが語られているようであります。しかし、また一方で、多数派を占めるパシュトゥン人の代表、この代表の存在しない今後の和平プロセスというのは私はあり得ないと思うわけであります。 この点について、今後、我が国がこの和平プロセスに積極的に関与するに当たって、ロシアとこれまでのアフガニスタンの関係、あるいはアメリカとアフガニスタンの関係、それらと全く日本は異なる、より中立的な立場で関与できる重要な役割があると思うわけであります。 今後の日本の関与のあり方について、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、経過をお話しした中にも触れたと思いますが、日本は各国の今までかかわってきた国々の意見と、国連あるいは国連機関の意見、そしていろいろアフガン自身の意見、もろもろの意見を聞いていかないといけないと思います。日本がやりたいというよりも、日本がその復興のためにどういう支援ができるかと。むしろ十分アフガン自身の意見も聞きながら、国際社会の中でふさわしい役割があるのであって、今まだ戦争も終わっていません。どういう勢力がこれから政権を担当するのかわかりません。そういう時点で、今、タリバンがどうの北部同盟がどうのと言う時期はまだ早いのではないかと思います。もう少し見きわめてからで遅くないと思っております。
○山口那津男君 これからいわば武力行使の終わった後アフガニスタンの和平を、安定をいち早くなし遂げなければならないと思いますが、なかなか政治的な枠組み、統治機構を再建するというのは簡単なことではないと思います。 そこで、国連のPKO活動がアフガニスタンにどのように当てはまるかということについて今さまざまな見方があると思いますけれども、一方で我が国は国連のPKO局に人を派遣する、そういう法律も用意をしているところであります。これらの法律を見通した上で、我が国としてこのアフガニスタンに対する国連のPKO活動のあり方をどう主張していくか、この点について官房長官のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国連PKOをアフガニスタンで設立されるかどうかと。これは、今の状況で判断するのはちょっと難しい段階ではなかろうかと思います。まず国連安保理において検討がなされると、こういうことで、現時点において確たる見通しを申し上げるということにはいかない段階だと、こう思っております。 ただ、日本が、これもし設立をされた、されるんだということになりますれば、この国連に対する協力の可能性、これはもちろん現地の情勢とか国際機関なんかの意向というようなこともございますけれども、しかし我が国としては国際協力をするという観点から積極的に参加に対して提案を行っていくと、こういうことになろうかと思っております。
○山口那津男君 そこで、我が国のPKO協力法について今後どう取り組むべきかということに関しまして、まず一点、従来凍結をされてきた任務についてこれを凍結解除する、他の点は考慮せず、この凍結されている部分のみ解除をするという考え方について官房長官はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 凍結されている部分についてのみ解除すると、要するに凍結解除するということですね。 我が国が世界から信頼される国家というそういう国家であるためには、やはり国際社会で求められている責任、役割を着実に果たしていくと、このことは大変大事であると思っております。そのために、この平和維持活動、国連を中心とする平和維持活動に協力していく、それも積極的に協力するということは大変大事なことだというふうに思っております。 この凍結解除しますとどういうことをするかと申しますと、停戦監視とかそれから地雷の除去とか、そういう我が国として今までやっていないことをする、そういうことができるようになると、こういうことになるわけでございます。そういう我が国としては新しい業務についてもするということが、私は真に国際的な協力活動、平和時における協力活動ということになるのではないかというように思っております。
○山口那津男君 このPKO協力法をつくった当時、これを凍結したいきさつがいろいろありました。しかし、法律に書いた以上は政府としてはこのような活動をやるべきであるという基本的な考え方だったと思います。しかしまた、日本もそういう活動の経験はなかったし、また国民の皆さんあるいは諸外国の理解も十分ではなかったと。そういう前提のもとに凍結をしたんだろうと思います。 以来十年近くたちまして、いろんな経験も積みました。国民の皆さんも、世論調査の結果を見れば明らかなように、もう当時の倍以上の賛成を得られていると思います。国際社会も日本のPKOの参加については確固たる認識を持っていると、こう思うわけであります。 そこで、この凍結を解除するということは私はやるべきだと思いますけれども、この凍結解除に当たって、前提となっていました五原則、これの一部を変更する、特に武器使用の原則についてはもう少し幅を広げるべきであると、こういう考え方もあるようであります。また一方で、外国の要員、PKOの要員、これは文民、軍人問いませんけれども、こういう要員を警護するという新たな任務を加えるべきである、こういう議論もあります。 政府・与党の中でこのような議論もあるやに聞いておりますけれども、私は、まずその凍結解除というところに国民のコンセンサスを形成すべきであって、十分な議論をした上で、その後の五原則の変更あるいは警護任務の追加、これらについての議論を進めるべきである、短兵急に一気にやるということについては私は慎重を期すべきであると、こう考えておりますけれども、官房長官はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 微妙な問題も含むわけでございますけれども、私は、委員も御指摘のように、PKOのその凍結解除、これはやはり今の日本のPKOというのが余りにも限られたところでしかやっていないと、もう何も起こらないということを前提にして、全く安全なところでしかやらないといったような、そういう印象すら他国のPKOの方々に与えている、こういうことであります。そのことは私は大変残念なことだというふうに思っております。ですから、凍結解除ということについては前向きに対処すべきではないかと、そして国際社会並みの、平和活動でございますから、これはやらせていただきたいなというようには思っております。 その際、武器の使用の規定とかいったような問題も当然あるわけでございます。それは結局、派遣される自衛隊員が本当に安心して、みずから安心して納得して行けるかどうか、こういう問題とも関連がありますのでこれは一概に言えないこともございますけれども、国際社会で、国際社会と同等の水準と申しますか、基準と申しますか、そういうものは備えてもらった方がよいのではないかというような感じを私は今持っております。
○山口那津男君 次に、集団的自衛権について議論したいと思いますけれども、集団的自衛権の行使につきましては、やや議論に混乱があるように思います。人によって定義が異なる、狭い定義をする人もいれば広い定義で議論する方もいる。さらにまた、国際法上どうだとか国内法上どうだとか、こういう二元論的な説明がなかなか国民の皆さんにはわかりにくい、そういう側面もあろうかと思います。 〔委員長代理吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 とにかく違った定義で議論していたんではかみ合わない議論になるわけでありますから、この点について政府の考え方を私はこの際明確にお聞きしたいと思います。法制局長官、集団的自衛権の行使についての憲法解釈をまず確認をしたいと思います。
○政府特別補佐人(津野修君) 集団的自衛権についての政府の解釈でございますけれども、国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される、そういう地位を有しているものとされておりまして、我が国が国際法上この集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然であるというふうに考えております。 しかしながら、政府は従来から一貫いたしまして、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することをその内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものとして憲法上許されないという立場に立っているわけでございます。
○山口那津男君 今の定義の中で、実力をもって阻止するというところが許されないということの核心だと私は思います。 この実力をもって阻止するということはちょっとわかりにくいわけでありますが、ほかの言葉に置きかえて、武力行使ということと実力をもって阻止することというのは同じ意味でしょうか、念のため確認したいと思います。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 集団的自衛権の行使とは、他国に対する武力攻撃を実力をもって阻止するということでございますので、この場合における実力をもってとは、武力をもってと同義であるというふうに考えております。したがって、それに当たらない行為については集団的自衛権の問題は生じないというふうに考えております。 ただ、なお、従来からいつも政府としていろんな補給、輸送等の関係で、それ自体武力の行使に該当しないか等についても、他国による武力の行使と一体化する場合には憲法九条との関係で許されないというふうに解しておりまして、それはまた、憲法九条の武力の行使に当たるかどうかというようなことでまた判断をしているということでございます。
○山口那津男君 そうしますと、今の説明ですと、国内法、つまり憲法を頂点とする法体系、国内法上考えた場合に、この集団的自衛権の行使の中にいわゆる後方支援活動、これも集団的自衛権の一種であると、一つであると、そういう考え方ではないと。つまり、後方支援活動は集団的自衛権の行使とは言わない、そう理解してよろしいわけですね。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほどお答えしたこととまた重なりますけれども、集団的自衛権の概念と申しますのは、憲法九条との関係で議論されてきたところでございます。 政府としては、その集団的自衛権とは、国際法上、先ほど言いましたような、国家は自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利だと、こういうふうに言って、国家による実力の行使に係る概念であるというふうに理解しているわけでございます。したがって、実力の行使にかかわらない行為につきましては集団的自衛権の問題は生じないと。 ただ、なお、政府は従来から補給、輸送等の、例の先ほど申しました一体化の関係は、これは九条の関係で武力の行使に当たるということがあり得るということを答弁してございます。
○山口那津男君 そこで、国際社会でこの集団的自衛権の行使がどう理解されているか、この点についてもお聞きしたいと思います。 まず、今回のテロの対応に当たって、国連加盟国の中で国連憲章五十一条に基づいて自衛権を行使した場合、つまり武力を行使した場合には報告をする義務というのが課せられているわけであります。 この憲章五十一条に基づいて国連安保理に報告をしている国が、現在いずれがあるでしょうか。これは外務省総合外交政策局長に伺います。
○政府参考人(谷内正太郎君) 今般の軍事行動につきましては、アメリカ及びイギリスが国連憲章第五十一条に基づく個別的及び集団的自衛権の行使として安保理事会に報告いたしております。
○山口那津男君 そうしますと、NATOの加盟国は、集団的自衛権の行使に当たって、武力行使以外のこの八項目にわたるさまざまな支援活動というものを列挙して、決定したわけであります。しかし、加盟国の中で、今お話がありましたように、武力行使の報告をしているのはイギリスとアメリカだけだということになるわけですね。 そうだとすれば、武力行使を行わないNATO諸国というのは支援活動をするにすぎないわけでありますから、つまり支援活動にとどまる限りは集団的自衛権の行使をしたことにはならない、国連に報告する必要はないと、そう理解されていると考えるわけでありますけれども、この点について確認をしたいと思います。
○政府参考人(谷内正太郎君) 山口委員のおっしゃったとおりでございます。
○山口那津男君 この集団的安全保障機構にどういう形で参加をするかというのは、それぞれの国によって考え方が違うわけです。同じNATO諸国の中でもアイスランドという国がありますけれども、この国は軍隊を持っておりません。しかしながら、NATOの加盟国として堂々と安全保障に対する貢献を主張しているわけであります。ですから、もともと武力行使の能力を持たない国でさえ、この集団的安全保障機構に加盟をする、そしてそれが集団の中で評価をされると、そういう国のあり方もあるわけであります。 したがいまして、我が国がこれからの国際社会での生き方を考える上で、武力行使、つまり集団的自衛権の行使がその集団安全保障機構に加わるに当たって必然であるとは考える必要はないと私は思うわけですね。どういう選択をするかについては、これから議論の余地があろうかと思います。 さて、そこでちなみに、アメリカは個別的自衛権の行使をしていると、こう理解していいわけですね。
○政府参考人(谷内正太郎君) 山口委員のおっしゃるとおりでございます。
○山口那津男君 そうしますと、アメリカは外国で、つまり他国の領域内で武力を使っている、これが個別的自衛権の行使として認められているということになります。我が国が外国の領域で武力を使うことは個別的自衛権の行使として許されるでしょうか、法制局長官、お伺いします。
○政府特別補佐人(津野修君) これは、従来から自衛隊の海外派兵に関係する問題といたしまして、いわゆる武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、我が国の必要最小限度の自衛権の行使を超えるものであるからこれは許されないというふうに従来から解しているところでございます。
○山口那津男君 今のお答えだとしますと、集団的自衛権の行使については、国際社会と我が国国内法の考え方はほぼ一致していると思います。しかし、個別的自衛権の考え方についてはむしろ違っているというように今のお答えが聞き取れるわけでありまして、この点について、今回の法案の審議に当たっては直接関係のない問題だと思いますのであえて答弁は求めませんけれども、今後の議論すべき課題の一つだと、こう思っております。 さてそこで、今回のテロ対策措置法のタイトルの中に、国連憲章の目的達成のためにという文言が入っているわけですね。日本を含む国連加盟国がさまざまな形で活動を行っているわけであります。これを国連決議に基づく活動と、こう見た場合に、一体的に見た場合に、これは国連の集団安全保障機能を発現した一つの姿であると、こういう評価ができるとお考えでしょうか。
○政府参考人(谷内正太郎君) まず最初に、集団安全保障について若干御説明させていただきますけれども、集団安全保障と申しますのは、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとることにより平和を回復しようとする概念でございまして、国連憲章第七章にはそのための具体的措置が三十九条から規定されておるところは御承知のとおりでございます。 それで、今回のテロに対しましてアメリカ及びイギリスがとった軍事行動は、この集団安全保障機能の発動としてであるかという御質問かと存じますけれども、この点につきましては、先生御自身が既に御指摘なさっておりますように、米英両国は自衛権の発動として整理すべきものであるという立場をとっておるわけでございます。したがって、米英両国も、既に申しましたように、国連憲章五十一条に基づいて、安保理に今回の行動が自衛権の行使であるという報告を行っておるわけでございます。 他方におきまして、この国連憲章第七章における集団安全保障措置と申しますものは、御承知のように、本来、特別協定を結んで国連軍を各国が提供することによってこの安全保障措置をとる、こういう考えでございますけれども、これはいろいろな理由によって現在まだ機能を発揮していないわけでございます。そういう現実を踏まえて、多国籍軍その他の措置がこの憲章七章で今考えられている、こういう状況にあるわけでございます。そういった広い視野のもとで、今回の米国、イギリスの措置も考える必要があると思いますけれども、これはまだ理論上の問題ということであるかと存じます。 なお、国連安保理決議の一三七三号では、国連憲章第七章のもとにおいて行動するということになっておりまして、これは国連憲章第四十一条に基づくという意味におきまして、国連加盟国の非軍事的な措置、すなわち集団安全保障に当たるものである、こういうふうに考えております。
○山口那津男君 まだ一連の事態が終結しているわけではありませんので、いずれまたこの評価については伺いたいと思います。 ところで、今回の事態に際して、イージス艦をインド洋に派遣すべきである、こういう議論が一部にあったようであります。仮にこの船を派遣するとすれば、これは防衛庁設置法の五条第十八号に基づく調査研究ということになると思うわけであります。 今回の法律、この審議している法律が成立する前に、この法律が成立した後にとるべき具体的な措置を、あらかじめ準備のために、調査研究するために航空機や艦船を海外へ派遣する、こういうことは許されるでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この法案の対応措置のための調査研究ということでございますか。 そのことにつきましては、新法の法律前には新法に係る業務は防衛庁の所掌事務として規定されているものではないために、現時点においては、新法に係る業務遂行のための調査研究を目的として自衛隊の艦艇または航空機を派遣することはできないものだと考えております。
○山口那津男君 この設置法五条十八号の調査研究というのは、ある意味で一般条項的なものに基づく調査研究活動だと、こう思われるわけであります。ですから、何でも自由自在に調査研究できるというものではなくて、一定のルールというものがあると私は考えます。 今の防衛庁長官の発言の中に、所掌事務の遂行、つまり所掌事務といまだなっていないものについて事前に調査活動するということはできないというお話でありました。ですから、まず所掌事務が存在すること、そしてそのために調査が必要であることが要件となると私は思うわけです。もっと言えば、その必要性があったとして、今度はその調査にふさわしい能力、それに対応する能力をもって調査に当たるべきなのであって、それを越える調査活動までするべきではないと私は考えます。つまり、一般条項であるがゆえに、この条文に基づく調査研究活動というのは、そういう一定のルールというものを明確にすべきであると私は考えるわけであります。 この点について、防衛庁長官の御見解を求めます。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁の所掌事務に該当しない点につきましては、そのための情報収集ということはできないというふうに思います。 が、一般的に、所掌事務に現在含まれている事項に関する調査研究のための艦艇等の派遣はできるものでございますが、先ほど申し上げましたとおり、この新法の成立前には、新法に係る業務の調査研究というものはできないというふうに思います。
○山口那津男君 今お述べいただいたことは先ほどの考えを繰り返しただけでありまして、私が聞きたいことは、所掌事務に基づく調査研究の必要性が明確でなければならない、それが明確であったとしたら、今度はその調査の必要に応じた自衛隊の装備を使うべきであると。そういう、その調査の手段、これにもおのずから限界があると、そう考えるわけです。 それについて、防衛庁長官の御見解を伺いたいということであります。
○国務大臣(中谷元君) お答えいたしますが、現在においても、レーダーサイトとか航空機の艦艇による警戒監視というものは、さまざまな活動として設置法の第五条十八号を根拠として行っておりまして、現実にイージス艦にしてもAWACSにしても、我が国の周辺の警戒監視の情報収集ということで使用をいたしております。 当然、今後行う調査研究活動等につきましては、それぞれの内容に応じて、しかるべきものが調査研究を行うというふうに考えております。
○山口那津男君 明快な御答弁をいただけないようでありますけれども、それはそれとして、この設置法に基づいて、じゃ具体的に、本法が成立した後にイージス艦を派遣して情報収集調査に当たる必要があるとお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この法律の成立後の状況等につきましては、いろんな情報を収集するわけでありますけれども、まだ確たることを申し上げる段階にはございませんが、一般論として申し上げますと、イージス艦は他の護衛艦と比較しまして高いレーダー探知能力を有して、また衛星を活用してその情報を我が国に直接送れるという、ほかの護衛艦にない能力がございます。 そういう能力は有しているわけでございますが、実際、イージス艦が必要かどうかということにつきましては、現段階で確たることは申し上げることはできませんので御了解いただきたいと思います。
○山口那津男君 イージス艦は高い能力を持っていることは疑いありません。これを用いてどのような調査をするか、その必要があるかについては、もっと国民にわかりやすく、仮に必要だとすれば説明することが大切だと思いますので、この点を確認しておきたいと思います。 さて次に、自衛隊法の一部改正案について御質問したいと思います。 改正案で、新たに自衛隊は警護出動ができることになったわけであります。そして、それに当たって、九十一条の二の三項に武器の使用の規定が新たにつくられました。これはどういうことが書いてあるかというと、警護の対象に何らかの攻撃がなされた場合にはそれに対応する武器の使用が可能であると、そういうことが書いてあるわけであります。つまり、攻撃の能力に対応した武器の使用が可能と、いわば比例的な原則がここに書かれているわけであります。 さてそこで、今回の任務となりました自衛隊の施設の警護、これをやるに当たって、具体的に例えばテログループの乗った小型の航空機、これが突入しようとしていると、こういう場合を想定して、自衛隊の持つ能力、武器を使ってどのように対処できるのか、これについて説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 警護出動した場合の武器の使用等につきましては、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度に限られるわけでございますが、これは当然指揮官がおりまして、その指揮官の統制のもとに実施をいたしますし、それぞれ部隊行動基準を定めますので、必要最小限度ということは当然のことでございます。 また、種類につきましても、事態に応じて合理的に必要と認められる範囲内において個別的、具体的な状況に即して定まるものでありまして、あらかじめ武器の種類においてお示しをすることは困難でございますが、お尋ねの小型航空機が突入するような想定の事態におきましては、自衛隊が有する対空火力を用いて当該の侵略を排除することが可能でもありますし、また爆弾を搭載した車両が施設に突入するような事態に際しましても、自衛隊が有する重火器を用いて侵害を排除するということが考えられるわけでございますが、いずれにしましても常識的な範囲でその都度判断をいたしたいというふうに思います。
○山口那津男君 今の事例に対応する御説明の中で、小型航空機が突入した場合には自衛隊の持つ対空能力、これを使って排除することもできると、こういうお話でありました。 そうだとすると、こういう能力というのは我が国の組織の中で自衛隊しか持っていない能力だと私は考えるわけであります。このことが、同じような攻撃が今後の警護対象以外のところ、先ほど来、例えば原子力施設とかいろいろ例が出ております。例えば石油化学コンビナートを例にとりましょう。こういうものが小型航空機の攻撃の対象になった場合に、これを警護する任務というのは警察庁が担う、警察が担うわけですね。じゃ、警察の現在持っている能力でこれを対抗、排除することができるでしょうか。国家公安委員長に伺いたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) いろいろな機会にお答えしていることでございますけれども、いわゆるテロにつきましては、これはまず情報の収集等々のいろいろな手段でまず対応するというのが基本でございますが、今、委員お示しの点に即して申し上げるならば、率直に申しまして、航空機が突入してというような状況になりましたら、これは確かに現在警察が持っていることではなかなか、持っている装備等々では対応できない。しかし、もしもそのようなことで対処しなければならないような、それで対処できないような事態ということであれば、私は、これはやはり治安出動という制度が自衛隊法上あるわけでございまして、そういうことで対応するということなんだろうと思うわけでございまして、現在のお示しのお話は、あくまで治安出動という状態ではない、しかし自衛隊施設あるいは米軍施設等につきまして警護出動を命じなければならない、そういうような事態である、そして一般の施設につきましては警察において対応するというその程度のその状態ということでございましたら、先ほどの防衛庁長官の答弁に即して若干申し上げさせていただきますと、例えばいわゆる自爆テロといいますか、爆弾を積んだ車両が飛び込んでくる、それに対しまして対応できる装備、武装というのは、それは確かに警察は持っていない、いわゆる小型火器ではどうしようもないということなんでございましょうが、これは常識的には、これは原子力発電所などの場合を想定していただけばよろしいわけでございますけれども、巨大な花壇をつくりましてそこでともかくとめる、あるいは電動さくでとめる、防護さくを組んでとめる、とめてそこでチェックをする。これが大体国際的には防護の一つの基準でございまして、そこでいきなり武器を使うというような状況は通常は考えられないということだろうと思っております。とりわけて、市街地でございますとかなんとかでございましたら、当然そういう受け方しかないんだろうと思います。 それからもう一つ、小型飛行機の問題を先ほど例におとりになりました。これにつきましては、人家稠密と申しますか、家屋連檐と申しましょうか、市街地などでは当然、小型機が仮に突っ込んでくるとしましても、それを例えばスティンガーミサイルで撃ち落とすとかなんとかいうことがそう簡単にできるものではない。 私は、今の段階でといいますか、そういう警護出動というような段階で恐らくやらなければならないことは、例えば小型航空機の盗難防止でございますとか、その他の犯行を未然に防止するようなさまざまの努力というのが大切なんだろうと考えているわけでございまして、そういう意味で、冒頭申しましたテロに対する対応としましては、それに関連する情報の収集ということを政府の力すべてを挙げて、また国民の皆様の御協力を得ながら対応していく、こういうことになるのではないかと思っております。
○山口那津男君 今のお答えの中にありました、例えば爆弾を搭載した車両が突入してきたという場合には、防衛庁長官のお話の中でも、ある程度対応する能力がある、今の警察の対応能力としてもいろいろ防護さく等を設けて対応できそうだと。この点については明確な差はないかもしれません。しかし、さっきの小型航空機の突入に対する対応能力という意味では確かに警察力では対応し切れない部分があると、こうお認めになったわけであります。一方で、さまざまな手段を尽くしてそういう事態に至らないように努力すると、これは当然のことだろうと思うんですね。 そこで、私が申し上げたいことは、先ほど別の委員からも質問があったところでありますけれども、やはり国民の生命、財産、これを守るために国の持っている力をどう活用していくべきなのかと。自衛隊もその一つの能力、一つの選択肢である、それをどう適正に使っていくべきかと、こういう視点でこの警備の万全を期していかなければならない、そう思うわけであります。 したがいまして、この点について今後のことを考えた場合、総理大臣は、新たな法律、つまりテロに包括的に対応できるようなそういう法律についても検討の余地ありと、そういうお考えのようでありますから、その検討事項の中に一つ加えていただいて、ぜひ国民に不安感を与えないようなそういう結論を導いていただきたいと思います。 さてそこで、さっきの国家公安委員長のお答えの中で治安出動、つまり警察の力をもって対応できない場合には治安出動も可能であると、こういうお話がありました。 さて、ここで治安出動の要件、特に命令による治安出動を考えた場合、緊急事態に際して一般の警察力をもっては治安を維持できない場合と、こういうふうに規定されているはずであります。この緊急事態に際して一般の警察力をもっては治安を維持できない場合というのは実際どういう場合を言うのかというのは、国民の皆さんにはよくわからない、私もよくわかりません。これはどういう場合を言うのかというのをもう少しわかりやすく説明していただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 質的な意味と量的な意味があるというふうに思います。 質的な意味といいますと、警察官の所有する武器等の能力が、対応するものに対して質的に足りないときに、自衛隊の持つ装備がこれに対処できるということであります。 量的な面では、同時多発かつ長期間に及ぶ場合に、全国で警察官の方がたくさん長期間にわたって対応するわけでありますけれども、それを上回る場所で、しかも長期間というふうになった場合には、量的に警察で対処できないというようなものを言っているのではないかなというふうに思います。
○山口那津男君 量的、質的というお話がありました。そういう考え方に立つと、先ほどの小型航空機の突入に対応する警察能力では、確かに足りない部分があると。それを補う意味で治安出動するとすれば、まさに質的な対応かというふうに私は理解をいたします。 さてそこで、この場合には緊急事態の実際の発生が必要なんですか。それとも、発生のおそれある場合、もう少し前の場合でも治安出動は可能なんでしょうか。その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 治安出動の下令の要件では、「間接侵略その他の緊急事態に際して、」というふうにございまして、確実に緊急事態が現実のものとして発生している場合を言って、そのおそれがあるにすぎない場合は含まないというふうに思っております。
○山口那津男君 今のお答えだとすると、おそれがあるだけではだめですよと、実際に緊急事態の発生した後ということになりますと、これをテロに当てはめて考えますと、もう重大な被害が出た後に自衛隊が治安出動するといってもこれは後の祭りでありまして、実質的な意味がないのではないかと私は言わざるを得ません。したがいまして、この治安出動をもって対応する制度はあったとしても、テロに対して実際にそれを使って万遺漏なきを期すということはいささか欠陥があるのではないかと、こう考えるわけでありますけれども、この点について防衛庁長官、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 出動に際しましては、行動の目的と権限のバランスの関係から極めて慎重な考慮が必要だと考えておりますけれども、現実問題といたしましては、かなり警察当局と話し合いをいたしておりまして、昨年の十二月に自衛隊と警察の治安出動に関する協定を改正をして、防衛庁と警察との間の協定の具体的な運用要領を策定すべく、現在検討を進めているところでございます。 今後におきましては、やはり警備計画等をあらかじめ検討したり警察との共同訓練等を実施することによって、その治安出動に至る前後の問題等につきましては、具体的な問題として詰めていけば対処できるのではないかなというふうに思っております。
○山口那津男君 ぜひ、今おっしゃった協定が存在するというお話でありますから、この法律ができましたら、その連携を密にしていただいて対処する最大限の努力をしていただきたいと、そう思います。 そこで、今協定があると、こうおっしゃいましたけれども、午前中の質疑を聞いておりましたところでは、海上保安庁と海上自衛隊、これは海上の警備活動においては、マニュアルをつくったり実際の図上演習をしたり、さらには共同訓練をしていると、こういうお話でありました。 この点について、治安出動の場合、警察と自衛隊は、何らかの協定を具体化して警備計画をつくるとか、あるいは訓練、教育を実施するとか、そういうことを今実際に行っているんでしょうか。
○国務大臣(村井仁君) 主として自衛隊法の運用の問題でございましたので防衛庁長官からこれまでお答えがございましたが、ある意味では、今、委員の御指摘の問題は、治安出動のその出し方という、これにつきましては国家公安委員会がいろいろな形で関与をする仕組みにはなっておりまして、さればこそ協定という形になっておりますが、これはかなり詳細なことは書いてございます。それをマニュアルと呼ぶかどうか、これはある意味で定義の問題だと思っております。 一般論として若干ここで申し上げさせていただきたいと存じますのは、警察と、いわゆる日本の場合でしたら自衛隊、あるいは諸外国でございましたらこれに相当するのがいわゆる軍ということになるんでしょうが、これとの関係というのはある意味では非常に複雑なものがございまして、どこでその境界を引くか、それでどこで軍が出るか、そしてまた、出ました場合に、これは日本の場合は現在は治安出動という形になっているわけでございますが、その命令は一体どういう形で行われるのか、運用はどういうふうになされるのか、そのあたりは諸外国の例を見ましてもかなり区々でございます。多くの場合、警察担当大臣のもとで軍が運用されて国内治安の維持に当たるというようなケースが一般的には多いようでございますけれども、日本の場合は、治安出動というのはあくまで内閣総理大臣のもとで自衛隊が動き、それから一方で警察は警察で別途動く。 警察につきましては、もっとも、警察を全体として警察庁長官のもとで内閣総理大臣が運用する緊急出動、緊急命令というのが制度としてございますけれども、こういう体系との調整等々、いろいろ問題がございまして、先ほどテロ対策のための何らかの法令は新しく検討する必要があるのではないかというような御質問がございましたけれども、そういう広いパースペクティブの中で検討するべき大きな課題の一つであろうとは考えております。 ただ、警察といたしましては、現在の状態が、私どもが現在持っております情報を総合いたしまして、今、委員がいろいろなシチュエーションを想定されて御下問になられました。これ、テレビを見ていらっしゃる国民の皆さんが今そういう状況が現に起こるおそれがあるかのごとくに考えられますと、これはまた私ども治安の維持に任ずる立場といたしましてはいささかいかがかと思いますので、今そういう状況を私ども認識しているわけではないということをちょっと申し上げさせていただいた次第でございます。
○山口那津男君 最後の大臣の御認識の点は私も同様であります。 ただ、過去に児玉誉士夫邸に小型航空機が突入した例とか、現にアメリカで今回のような大型旅客機が突入した例というのが存在するわけでありまして、全く日本で起こり得ないと断言するわけにはいかない点もあるわけですね。 一方、阪神・淡路の大震災のときに、自衛隊は災害派遣で出動、出動といいますか派遣をされました。しかし、日ごろの連携という訓練が十分じゃなかったものですから、どこでどう効果的に活動するかというところで、特に初動のときに混乱というか不手際があったと私は思っております。 その経験に照らして、今、災害派遣計画というのをしっかりとつくりまして、そして自治体と協力をして日ごろの共同訓練等、防災訓練等に参加をしながら、いざというときに具体的に実効的に対応できるような、そういう経験を積み上げてきたわけですね。先ほどの海上保安庁と海上自衛隊の連携も同様であります。 今回、警護出動と治安出動、こういう二つの制度をもってテロに対応する、そういうことが法的に可能になるわけですね。警護出動の面では、ある意味で警察といわば空間的に接して活動が行われると、こう言ってもいいかもしれません。治安出動の場合は、時間的に接して活動を行うということと言ってもいいかもしれません。 いずれにしても、きちんとした、どこでどういう活動をするのが最も効果的かと、そういう視点から実際の計画をつくり、そして教育訓練を施す。例えば、警察官職務執行法が幾つか準用されて自衛官が実際の活動に当たるわけです。しかし、この準用規定をどう使ったらいいか、そういう教育というのはこれまで自衛官に対して十分に行われてこなかっただろうと思うんであります。ですから、そういう基礎的な部分も含めて、密接な連携と教育訓練、これが今必要な段階に至っているだろうと私は考えております。 この点について、国家公安委員長と防衛庁長官、それぞれから御答弁を簡潔に求めたいと思います。
○国務大臣(村井仁君) 先ほど申し上げたとおり、このような形で法案を提案申し上げているわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国家公安委員会とそれから防衛庁、さらには警察庁、そしてまた各県警本部と自衛隊の各部隊等々との連携、これはいろいろな形で密にさせていただく。 そして、何よりも、先ほど委員は、アメリカにおいて全く想定もしないテロが起きたということを仰せになりました。まさにそのとおりでありますが、論ずる人によれば、あれは、ある意味ではCIAの、何といいますか、人的なインテリジェンス、ヒューミントでございますね、これが欠けたためであるというような議論もあるわけでございまして、そういう意味で、改めて情報の重要性というのを私どもは痛感しているわけでございまして、関係機関ともよく連携を保ちまして対応してまいりたいと思っております。
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の共同の訓練の必要性につきましては、私も痛感をいたしております。 手元の資料では、昭和四十年代は行われておりましたが、五十年の半ば以降が実施された記録が残っておりませんので、やはりこういった訓練等はいざというときのために役に立つためにやるわけでございますので、平素からこういった訓練及び警備計画等を作成して、警察の皆さんと共同で対処できるように、今後とも私も努力をいたしたいというふうに思っております。
○山口那津男君 この治安出動や警護出動によって自衛隊が活動するということ、その活動のいわば権限、任務というのは警察官職務執行法で定められているものでありまして、決して有事立法と言われる範疇の問題ではありません。ですから、法制としてはいわば整っているわけでありますので、ぜひこれが国民の皆さんに安心感を与える運用ができるというところを今後しっかりやっていただきたいというふうに思います。 時間も参りましたけれども、最後になります。 今回、防衛秘密ということが処罰を規定されて、処罰もなされることとなりました。これについて、従来いろんな議論がありましたけれども、ややもすれば一般国民や一般の国会議員やあるいはマスコミ関係の人々や、非常に広く処罰される可能性があるのではないかとか、あるいは防衛秘密の定義といいますか、これが必ずしも明確ではないのではないかと、そういう観点から不安を主張する向きもあるわけでありますけれども、しかし私はこの従来の議論を今回の立法に当たってはかなり慎重に配慮して規定がつくられている、そう考えております。 この防衛秘密の定義と、そして処罰の対象についてどういうふうに明確になっているかということを国民の皆さんにわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回の改正案を簡単に御説明させていただきますけれども、内容につきましては四点ございまして、自衛隊についての表に定める事項ということで、別表に十項目定めております。自衛隊の運用またはこれに関する見積もりもしくは計画もしくは研究とか電波情報とか、そういう十項目を羅列をいたしておりますが、その中でも、公になっていないこと、そして我が国の防衛上特に秘匿をすることが必要であるもの、そして防衛庁長官が指定したものということで、防衛秘密としてこれらの中から明確に限定をいたします。 そして、防衛秘密を取り扱う者を定めまして、これには三つの種類がありますけれども、防衛庁の職員、もしくは国家公務員の中で防衛に関する仕事をする人、もしくは防衛庁との契約に基づいてこの防衛秘密に係る物の製造もしくは役務の提供を実施する者、この三つの部類の方が罰則の対象者でございます。そういうふうに限定をいたしておりまして、「防衛秘密を取り扱うことを業務とする者」というふうに明確に限定をいたしております。 また、報道の方とか国会議員の自由を奪うのではないかという点につきましては、漏えい行為に係る正犯としての罰則の対象とする規定にはしておらず、さらに報道関係者等による教唆というものは、手段、方法が罰則法令に触れる、例えば贈賄とか脅迫といった犯罪行為を用いるなどのような場合、また情を通じるといった著しく社会通念をじゅうりんするような事態、これでなければ教唆に該当しないということでございまして、その防衛秘密の定義及び罰則の対象を明確に限定しておりまして、報道の自由を侵すものではないという内容になっておりますので、御説明させていただきました。
○山口那津男君 これにて私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(武見敬三君) 関連質疑を許します。山本保君。
○山本保君 公明党の山本保です。 私はちょっとこれまでの議論とは違う角度から各大臣に御質問というか少しお話し合いをしたいなと思っております。 最初に、小泉総理大臣、今回のテロ、大変なこの事件に対しまして、私どもの同胞も犠牲になっております。私の高校の同級生もかわいそうにその中に入っておるようでございます。これに対して、私どもが自主的に、また憲法の枠内でということできちんと対応しようではないかというこの法案、そしてきょうの議論をお聞きしましてもさまざまな形でその条件を厳しくされているというふうに私も認識しております。 ただ、今までの日本の平和外交または日本国憲法に基づく絶対平和という社会を何とかこの二十一世紀につくりたいというこの理念、こういう面から申しますと、人間というのは本当に愚かで弱いものだという気もいたしますけれども、確かにこのための対応をするということではこれまでより日本が一歩踏み出そうと、こういう御決意をされたということであるのであれば、同時に平和の推進、維持、またもっとより安心できる社会をつくっていくということに日本外交、日本は努力をより一層していくべきではないかと私は考えるわけでありますけれども、総理大臣、ぜひこの辺につきましての決意、所感をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 世界、世の中、自分が敵対行動を起こさなければ相手も敵対行動を起こさないんだという世の中ではないというのが今回のテロ多発発生事件で、起きたからこそ世界が衝撃を受けている、世の中話し合っても通じない相手がいるんだなというのがわかったと思うのであります。 この自由と平和と人類に対する共通の敵に対してどうやって立ち向かうか、それぞれの国が足らざるところを補い合いながら、一緒になってこの理不尽な卑劣なテロ行為にどうやって立ち向かうかということも日本も問われているんだと思います。 私としては、武力行使をしない、戦闘行為には参加しないという範囲内で、日本の国力に応じたできるだけの支援協力体制をとることによって国際社会の中での日本の責任を果たしていきたいという視点が最も大事ではないかと思いまして、今まで非常に難しかったであろうという自衛隊の役割も、新しい法的裏づけを持ってこのテロと立ち向かうために新しい任務のもとで活動してもらおうということで今国民に御理解を得たいと思っているわけでありまして、我々としては、日本国民の持てる能力、経済力、機能、総動員して、憲法の範囲内で国際社会の中での責任を果たしていきたいと思っております。
○山本保君 ぜひ、この法案に関連しましても、私は、大変その平和の維持、推進に関係することがあると思っておりますし、またそれに関連するアフガン地域のものについてもあるであろう。また、それ以上のまた将来のこともあるであろう。 きょうは最初の二つについてもう少し具体的に検討してみたいと思うんですけれども、防衛庁長官にお伺いしたいわけであります。 今回までずっと特に自衛隊の出動についての議論がされてきたわけですが、衆議院から通じまして見てみましてちょっと欠けているなと思いましたので、少しお聞きしたい、確認をしてみたいわけであります。 それは、第三条にあります三つの自衛隊の仕事の中で「被災民救援活動」というものが規定されているわけでありますけれども、これについての中身をポジティブにもう少し出せないものかというふうに考えるわけであります。鉄砲を撃たないとかこういう地域には行かないとか、こういうノットということでの説明はあったと思うんですけれども、どうもその中身がまだ見えてこない。条文には国連等の要請に基づきとあるわけですが、ここをもう少し具体的にちょっとお聞きしたいんです。 例えば国連難民高等弁務官事務所、UNHCR、もしくは例えば国連児童基金、ユニセフというようなこういう団体が今までも子供たちのために、また被災民のために仕事をされているわけですけれども、こういう国連機関との関連について、今後、これから基本計画をつくる、またそれについて当然もっと細かな実施計画をつくり、そしてまた現地の司令官等との関係になるわけだと思うんですが、この辺について、内容についてはまだこれからということでしょうが、まずこの国連との関連について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) これまではPKO法に基づいてPKO協力本部というものがございまして、そこがおっしゃったUNHCRとかユニセフとか、そういうところから要請に基づいて計画づくりをされました。今回は新法でございますので政府が基本計画をつくるわけでありますけれども、この中に「被災民救援活動」という項目がありまして、その基本計画をつくる際に、先ほどおっしゃったユニセフとか国連高等弁務官とか、そういうところから要請があって、それに基づいて計画づくりをするわけでございます。 今回どのような活動をするかということにつきましては、まだ政府に対しても正式に国連の方からこの活動の全容について要請がございませんし、きのう私もPKOの局長のゲーノさんという方とお会いしましたけれども、現実にアフガニスタンの復興後の活動については具体的にまだ計画はされていないというふうに言われておりますし、またNGOの方々からも御意見を聞いておりますけれども、非常にNGO自身も入っていけないような状況でありますし、国連自体もなかなか活動については現時点ではされていないというのが現状でありまして、今後、具体的に政府に対する要望がありましたら、それに基づいて計画づくりをしていくものではないかというふうに思っております。
○山本保君 もう少しでは具体的にお聞きしたいんです。 つまり、それは、決して自衛隊の方が行かれてその時点で独自に何か動いて行うというのではなくして、あらかじめ、まず基本計画の中で国連、そして今NGOにも言及されましたが、そのNGOの意見などを聞きながら計画を立て、そしてより細かくはまたそのときに定めた上で仕事をするんだということだというふうに思いますけれども、それでよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) 数年前に行いましたルワンダの難民支援のザイールの活動は、完全にUNHCRからの要請と計画のもとに各国の一つとして行っております。 今後、この活動をする場合は、当然UNHCR並びにユニセフ等の国連機関やNGOの計画のもとで、そういう方々と連携をして実施するのは当然だというふうに思っております。
○山本保君 大変ありがたい、内容のある話だと思います。 つまり、私も福祉などやってまいりましたけれども、鉄砲を持って動いているということだけが情報として流れおりませば要請など来るわけがないわけでありまして、まさにどういうサービスをするかということをきっちりさせれば、それに対して要請、ニーズというのは出てくるわけであります。ですから、ぜひそのことを最初にきちんとしておかなければ、今の法にもある要請に基づくと言ってもちっとも要請が来ませんでしたということになってしまうわけでありますから、ここは順番を間違えないようにしていただきたいなと思っておるんです。 特に、子供の医療、医薬品とか衣食住ということは当然ですけれども、私は、言うならばおもちゃでありますとか、そしてもっと言うならば将来この祖国を本当の平和にしていくんだという、そういう強い意思を持った子供をつくっていく教育というようなことについてもぜひ応援をしていくということをこの仕事の中に入れられると、これは当然NGOなどが一番よく知っているわけですから、それを受けていただきたいと思っております。 では、これについて、同じようなことでございますけれども、これは外務省のやはり仕事だというふうに思います。外務大臣にやはりこの辺についてお聞きしたいんです。 ユニセフなどの情報を聞きますと、現在もう既に五百万人以上の方がアフガン国内でいわゆるインニードの状態になっていると。また、今後も、既にもう百五十万人が国外へ脱出していて、その七割は子供と女性であると、こういうふうな状況も聞いております。また、九月二十八日から二十日間かかって、いろんな形でもう大変ロバなどを使いながらやっと二百トンの物資を運んだということもお聞きしておるわけであります。 はっきり言いまして、こういう仕事に自衛隊が助けてくれれば大変いいというような意見も私も漏れ聞いておるわけでございますが、外務大臣、このようにこういうNGOの活動ですとか、また民間のこういう活動ですね、これに対して外務省としてはどんな形で応援をしていかれるのか、お願いいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今ほど防衛庁長官のお立場からの御意見がございましたけれども、これはやはりNGOの問題、民間レベルでの支援というものを国がバックアップしていくという視点は、アフガン後の復興のことのために、本当にその地域に平和をもたらすために今から考えていかなければいけないと思いますし、先ほどの山口委員のお尋ねの中にも関連があるんですけれども、このアフガン支援ということは、もちろん皆さん善意で世界じゅうでかかわっていますが、非常に特殊な地域でございまして、そして歴史的なものもだんだんと世界じゅうに知られてきていますが、この国の中の部族間の対立ですとか、先ほど午前中も申しましたが地政学上の問題とか、非常な難点があって、そしてその中でもって本当に、じゃ国連がとかNGOがコミットするといっても、一般、我々がこうした平和な生活を享受している中で何かの一種の災害が起こってできるような状態とは違うということをやはりしっかりと認識しておく必要があるのではないかというふうに思います。 そして、NGOは、先般ジャパン・プラットフォームというグループが出発いたしまして、私も役所でお会いいたしました。その中には七つ八つのグループが入っていまして、例えば難民を助ける会でありますとかピース・ウィンズ・ジャパンとかJEN、何と発音するのか、そういう方たちが八人ほど若い方来られまして、そして自分たちができることからやっていくんだと、非常に力強いことをおっしゃってくださいました。 国は五億八千万円の活動資金をお出ししましたけれども、こういう方たちがじゃ実際何をやってくれているかということが意外と知られていないのでよく私は申し上げたいと思いますが、例えばペシャワール会というところがありまして、ペシャワールの病院で日本人スタッフ五名が現在も医療活動をしてくれております。それから、アフガン東部の三十七カ所の村で井戸を掘削しているんです、みんな日本人です。それから、山岳地帯の三カ所で診療所を運営しているという方たちもおられます。あとは、ペシャワールのリハビリセンターでアフガン難民を対象にローカルスタッフが医療の援助をしていて、日本人スタッフもそこに増員をしているということもありますし、それからクエッタにおいてはアフガン難民の子供たちを対象とした学校運営等をやっております。 ですから、NGOが非常にこうして先ほど申しましたような厳しい環境の中でも善意で一生懸命やっているという実態も知るべきですし、そういう方たちがくじけないようにバックアップをする体制が政治的に求められているというふうに考えております。
○山本保君 今、お話にも出ましたジャパン・プラットフォームという、外務省が五億八千万ですか、そしてまた経団連、経済界からもお金が集まり、NGOの方たちとのそういう評議会といいますか、そういう団体も立ち上がったということだそうでありますし、また今いろんなお話がありました。 確かに、まだまだ知られていないなという気がいたします。ぜひ外務省は、なかなかNGOというのは国が直接ということには難しいことがあるかもしれませんけれども、先ほど防衛庁長官がおっしゃいましたように、国連の機関を通じてというこういうことが書いてあるわけでございますから、こちらがひとつ言うなら窓口になっていただければ相当いろんな仕事ができるんじゃないかと思います。ぜひ進めていただきたいと思っております。 外務大臣にもう一つお聞きしたいんですが、今のはNGOのことで、ちょっと順序が逆になりますけれども、国として、外務省として、また日本の国の外交として、タリバン後というようなものも今話が出ているわけですけれども、先ほどちょっとほかの質問の答えにも触れておられたかと思いますが、この数年間、日本も大変国際、各国とともにアフガン地域への支援というのを進めてきたというふうに聞いておりますけれども、こういうのはどんな活動を行われて、そして今後どういうふうに進められていかれるのか、国の仕事についてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 世界平和というものを確立するために道はなかなか険しいと思いますけれども、どのようなことの対話の推進をして私たちが端緒をつかみ国際的に貢献できるかということなんですが、タリバン後の問題が、これは非常に先ほど来の御質問と関連してございますけれども、これは水面下で進んでいると言われていますが、現実にはブラヒミさんという前の、これはだれでしたか、アルジェリアの外務大臣をもとやっていらした方が、この方がアフガン問題の担当の国連の事務総長の代表に今度なられましたので、その方とも今外務省から行っている局長も接触もしておりますし、こういう方が実際に和平に向けてどのようなことができるかという現実に基づいた情報分析等をしてくれております。 そして、きょう午前中も申しましたけれども、古くからアフガン復興のための和平の会議というものを東京でやろうというようなプロポーザルですとか、細かい、この九月十一日以前から何年間もにわたって日本はアフガンのために努力はしてきております。 しかし、現実に、分析は私はずっと情報をもらってしておりますけれども、例えば、ちょっと違う角度から申しますが、チェチェンにいたしましてもタリバンとの縁があり、それからウイグル地区、これチェチェンはロシアですが、ウイグルもこれもやっぱりタリバンとの関係がある。それから、あとはカシミール問題、この間パウエル長官が行ってこられたばかりで、飛行機の中から、インドから上海に行く飛行機の中から電話をくださったんですけれども、やはりパキスタン、インド、これも、カシミールもタリバンと縁があるわけですね。それで、しかも、先ほど総理がおっしゃったように、タリバンにいたしましても北部同盟にしても、今すぐ国連の場でもってやりましょうという気持ちになっていないわけです。 したがって、今はNGOでありますとかあらゆる国際機関でバックアップをしなければなりませんけれども、長い目で、大きな目で、世界的な目で見た場合に、この地域にどうやっていい政権、国民のために、世界のためにいい政権をつくるかというと、それは今言ったようなウイグルでありチェチェンでありカシミールであり、それらのことをトータルで見ながら、どういうことが日本ができるかというようなストラテジーがなければならないと。それは、答えはその国の、アフガンの方々が求めて、そして世界の人たちがなるほどねと思えるような、世界にも貢献ができるような、そして世界じゅうが納得し、もちろんアフガン国民の方が納得するような政権を樹立できるように私どもが善意で誘導し、そうした対話の端緒を開くことであるというふうに考えております。
○山本保君 今回私も勉強してみましたら、確かに、去年ですか、その関係者をお呼びになったりとか、またこの数年、先ほど数字も出ていましたけれども、九八年以降四千五百万ドルですか、というような世界の中でも三番目のお金を出して、このアフガン地域について仕事をされてきたということを私どもは今回知ったわけでありますが、はっきり申し上げまして、このような努力、昨年来の努力がほとんど国民の側には知られていないのではないかなと。外務省はそれどころじゃなかったのかなという気もしないでもないんですが、ぜひここは、これまでの努力というものをもっと目に見える形で進めていただければと思います。 ちょっと観点を変えまして、文部科学大臣にちょっとお聞きしたいのでございます。 きょう午前中にも少し関連する山本さんから話があったわけでありますが、私、国際化時代になりますと、キリスト教文明を中心とした今の近代文明、ヨーロッパ文明と同じぐらい、同じ以上に、イスラムに対する、イスラムの文化についてきちんとした理解をすることが必要だというふうに思うわけであります。なかなか、学者に聞きますと専門家もまだいないんだということだそうなんでありますが、私は宗教というものの本質は人間の幸せのためにあるものだというふうに思っておりますので、ぜひ見ていただきたいんです。 それで、今回、ちょっとお願いをしまして、教科書、子供の教科書などを、中高の教科書を見てみましたら、イスラムについては歴史でありますとか地理というような形で取り上げられているのが大半でありまして、例えば現代社会における社会的なまた政治的な意味でありますとか、また一方、反対に自分たちとの生活、コミュニティーの中での生活というようなことで具体的にすぐに役立つというような形での教育、教科書というものも大変少ない、一冊しかなかったのかなという気がいたしました。 学校教育において、イスラムについて偏見をなくし、そして正しい理解を得るような努力が必要ではないかと考えますけれども、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(遠山敦子君) 委員御指摘のように、学校教育におきまして子供たちにイスラム文化を初めとする世界のさまざまな文化に対する理解を深めさせることは大変重要なことと思います。 今、イスラムのことについて教科書は余りできていないというお話でございましたけれども、今の学習指導要領におきまして、特に高等学校の世界史の授業でございますが、これは必須になっておりますけれども、その中でイスラム世界の特質を理解させるということが明確に書かれておりまして、この学習指導要領に基づいてそれぞれの編集者なりあるいは執筆者が工夫をして教科書をつくり、私も幾つか散見してまいりましたけれども、なかなか、イスラムのことについて、単に歴史だけではなく、ある程度文化についても、あるいは宗教のことについても触れた教科書はございます。 私は、歴史の観点、それから公民的な観点、そういったところからイスラム文明について深く理解するということは大変大事だと思う一人でございます。たまたま私は、二年前まで三年余、イスラム世界の一角のトルコに駐在する機会がございました。そこで初めてイスラム世界に触れたわけでございますけれども、それは私どもが時に考えてしまう世界とは全く違っておりまして、大変文化も豊かで、かつ人々の生活、それから社会のあり方自体もなかなか深い内容を持っていると思いました。大いに感銘を受けたところでございます。 そのような経験から照らしましても、今日、十二億とも言われるイスラム世界のことについて、我が国民そして子供たち、ともにもっと関心を持っていく必要があると思います。関心を持てば、今世界の注目を集めているタリバンのイスラム原理主義勢力のような行動は本来のイスラム世界とは違ったものであるということが理解できるのではないかと思います。 今後とも学校教育においてそのようなことがきちんと教えられるように努力してまいりたいと思います。
○山本保君 どうもありがとうございます。 それで、もう一つ、今度はちょっとまた観点が変わるんですが、先ほどから特にNGOとか民間の団体に頑張っていただいている、またはそうしていただきたいというお話をしたわけでありますが、財務大臣にお聞きしたいのでございます。 まさにこういう市民の仕事、NPO法というのがありまして、ちょうどこの十月から、偶然といいますか、いわゆる寄附金控除の制度が始まったわけであります。アフガンの難民とか、今回の問題に間に合うかどうかというまた問題はありますけれども、特に、例えばこういういろんな、難しいんですね、条件が。 それで、このことは今回は抜きますが、ただ、外国のこういう方のために行うとなれば、営利事業であるとか、そういう心配は余りないわけでありますから、ぜひ税制的に寄附などが、善意がたくさん集まるような形で、国の方の予算は結構出ているわけですが、私は日本の国の国民であればもっともっとお金が集まるんじゃないかという気がするわけなんですけれども、大臣、ここはこういう制度をこれからつくっていくというようなお考えはありませんでしょうか。
○国務大臣(塩川正十郎君) 現在、私の方にそういう団体からの指定のたくさん申し出があることは事実でございます。私、一つは、制限をしております規定、寄附金が何割以上なけりゃならぬと、ああいう条項等とあわせまして一度検討はしておく必要はあると思っておりますが、ただ、一般的に言われますことは、これがよく脱税の手段に使われるんじゃないかと言われますけれども、私は必ずしもそうとは思わない。もっとこういうようなものは、特に高齢化社会になって、このNPOとかNGOを利用する運動が非常に盛んになっておりますので、今後さらに勉強しておきたいと思っております。
○山本保君 もう少し、じゃちょっと詳しいことで、この認定制度が始まったわけでありますけれども、ちょうどきょうは課税部長さんに来ていただいているはずですが、この制度の運用について、もう少し徹底していただくための何か方法についてお話しいただければと思います。
○政府参考人(村上喜堂君) お答えいたします。 ただいま御指摘のNPOに対する税制上の特別措置は十月一日から施行されているところであります。大臣もお答えになりましたが、認定NPO法人の認定要件は法律で詳しく定められております。国税庁といたしましては各NPOの申請内容がその要件に該当するかどうかを審査させていただくということになろうかと思います。 認定までの期間につきましては申請内容によって異なってくるかと思いますが、要件に合致するかの審査につきましては一定の期間を要するということは御理解いただきたいと思います。いずれにいたしましても、法令の要件を満たしていると確認できた場合には速やかに認定したいと考えております。 なお、国税庁におきましては、こういった認定事務を円滑に行うための申請の手引、こういったものを配布しております。また、各国税局におきまして事前相談を受け付ける体制を整備し、周知を図っております。したがいまして、こういった申請をされるNPO法人におかれましては、この事前相談を積極的に活用していただきたいと思います。
○山本保君 なかなか民間の方というのは全部そろってからでないと役所に行くのがということがあるようでございます。 今のお話ですと、まず、そういうことを考えた段階でもいいから相談に来なさい、こういうことなのかなと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思うんですが、財務大臣、実はこの辺を考えますと、国からの補助金とか、こういうお金が行っていますと、それがたくさん行けば行くだけ、まず認定にはならないという制度なんですね、今。これは今度またゆっくりやりたいと思うんですけれども。 ですから、ここが何か非常に矛盾しておるわけであります。ですから、ぜひ、当初は国から応援するにしても、だんだんと民間の善意がもっと集まるような制度にしていくような、今はその段階で、もう実績だけでずばっと切ってしまいますから、そうではないようにしていただきたいなということを最後にちょっと申し上げます。 大体以上で、私、質問を終わりたいので、最後にひとつ、小泉総理大臣、また田中外務大臣にも一言。 最初に繰り返したことではありますけれども、小泉内閣、大変人気がある、皆さんの、国民の期待があると思っております。今回のようなこういう厳しい状況に対応しなければならないという決断、これについては私も十分わかりますし、またそのための努力も了とするわけでありますけれども、ぜひここで、日本がこの二十一世紀を絶対に平和の社会にする、世界にするというメッセージをどんどんこれ以上に出していただきたいなということを希望するわけであります。 また、外務省というのは、外務大臣、まさにあの大戦下におきましても、軍部というよりも、もっと言えば一般の国民までもすべての者が戦争に走っているときに、最後の最後まで平和外交をということを試みたという私は伝統がある役所だという気がするわけです。大臣、女性の大臣でもありますし、ぜひここは、この役所のそういう体制というものをしっかり整備されて、国民に安心のできる日本の外交というものを進めていただきたい、庶民は期待しているということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。(拍手)
○平野貞夫君 自由党の平野貞夫でございます。 けさ九時から三百八十二分という長時間、与党の先生方の質問をお聞きしました。閣僚の方も大変御苦労だったと思います。議院内閣制度をとる国で与党がこれだけ政府に質問するという国はまずないと思います。よっぽど与党内、政府内の連絡が悪かったのか、そんなちょっと感じしますが。 ただ、私の持ち時間は三十二分という十分の一弱の時間ですが、武見、北澤両委員長の御配慮で二分、時間をオーバーしていただきました。せっかくの機会でございます、十分の一弱の時間でどれだけ反論、反撃できるかということなんですが、ちょっと考えまして、質疑に関連しまして、一連の問題の認識といいますか、私の意見を最初に申し上げて、それから質問に入りたいと思います。 米国で発生しましたこの同時多発テロ事件と言われる問題、あるいはバイオテロと言われている事件のことでございますが、これをテロリズムあるいはテロリストの犯罪という視点からとらえることは私は間違っているという認識でございます。 テロルとかテロというイメージは、御承知のように、フランス革命とかロシア革命時代のものです。今回の事件は、何といいましても世界資本主義の総本山である米国に対する私は異次元からの戦闘行為、違った次元からの戦闘行為であり、侵略行為であるというふうに認識しております。この認識の仕方によって対応の方向が全く違ってくると思います。あえて定義づけるとすれば、情報社会の戦争と言えると思います。ブッシュ大統領が言うように、全く新しい戦争だと思います。 その原因とか背景について述べる時間はございませんが、一つだけ私指摘しますと、工業社会文明から情報社会文明へ移行、激変するときに発生する混迷だというふうにとらえております。したがって、これは一回限りの事件じゃないと思います。エイズとか今大変国民が心配しております狂牛病とか、あるいは覚せい剤、高校生の二割以上がもう日本では汚染されたというこういう問題なんかのように、これからもさらに複雑困難化して、頻発する問題ととらえなきゃいけないと思っております。 ちょっと理屈っぽいことを言わせていただきますと、文明が原始社会から農耕社会に移行するときに奴隷と土地の争奪の悲劇が起こりました。人類はそういう体験をしております。農耕社会から工業社会に移行するときに資源と植民地の争奪戦争をやりました。これは皆、異次元の価値観を持った集団からの戦闘行為でした。そういう意味で、米国で発生した新しい戦争は、人類の体験したその文明の転換期の混迷ということでとらえる必要があるんじゃないか、同じ性格のものじゃないかという考えを持っております。 そこで、今回の問題をこのように位置づけた場合、事は日本国民と日本国家の存立に係ることだけではございません。世界の平和と秩序が乱れることでございます。ちょっと言葉は悪くなりますが、日本国憲法の本当の理念を無視したこのテロ対策特別法案、慌てて出して、無原則の場当たり、まやかしの対応で国民を欺こうとしている政府の姿勢に私はまことに残念に思っております。 私たち自由党は、この問題につきまして、国連の武力行使容認決議をぜひ要請して、それをやっていただいて、そして集団的自衛権に対する憲法の解釈を変更して堂々とこれに対応すべきだという意見でございます。したがって、衆議院に国の防衛と自衛隊の国際協力に関する基本法というのを提出して、審議中でございます。自衛隊の憲法上の位置づけ、これが極めて大事だと思っております。 しかしながら、衆議院の審議では、残念ですが、政局の思惑という党利党略が優先して、国家の基本である安全保障や危機管理、そして自衛隊の海外派遣という重要な課題が憲法との関連で明確に位置づけられませんでした。私は、日本国家の崩壊がきしんでいく音を聞く思いでございます。 日本はこのままでいいでしょうか、テレビをごらんの国民の皆さんによく考えていただきたいと、これが私の意見でございます。 そこで、最初の質問に移りますが、防衛庁長官、お父さん、お母さんに私は高知でお世話になっておるんですが、小泉総理は十月十二日に衆議院で自由党の山岡さんの質疑に対して、「戦力がありますよね、自衛隊。」と、こういう発言をなさっております。 要するに、戦時に自衛隊を海外に派遣しようという法律でしょう、この法律は、テロ対策特別法律というのは。これは戦後の政治の大転換なんですよ。そういう意味で、自衛隊の最高指揮官である総理大臣が、私もこれで自衛隊というのは小泉総理は憲法が保持しないと言っている戦力のことを言ったという認識をしましたし、ということは、自衛隊は違憲である、憲法違反であるということを総理が言ったというように私も感じたし、マスコミもそういう報道をしておりました。 また、十月十九日に参議院の本会議で共産党の吉岡先生の質問に対して、一般国民の考え方では戦力があるだろうと、しかし憲法の規定で戦力であるとしたものではないと。新聞は禅問答という表現をしていましたが。 自衛隊をこういう戦時下に海外に送るというときに、最高責任者が、自衛隊に対する認識がこれでは困るんですよ。 防衛庁長官、所管の大臣としてどういう御見識ですか。
○国務大臣(中谷元君) 私は、非常に光栄で頼もしく思いました。 というのは、自衛隊というのは有事の際に我が国を守るために戦うための集団でありまして、総理が発言された意味は、戦力というのは戦う力があるんだという意味で、自衛隊が実力組織であるという点に着目して、一般的な戦う力という意味で言われたというふうに私は受けとめました。 したがいまして、自衛隊は有事の際に戦うための実力集団でございますので、憲法に違反する発言ではないというふうに思っております。
○平野貞夫君 冗談じゃないですよ。一般的に戦う力がある戦力というのは憲法の戦力と同じ意味ですよ。そういう緊張のないことを言っちゃだめですよ、大臣が、防衛庁の長官が、それは。 坂口大臣、公明党を代表して出られているわけですが、この件について総理の意見をどういうふうに感じられますか。
○国務大臣(坂口力君) なぜ私が指名されたのかよくわかりませんが。 自衛隊は、自衛のために戦う力を持つことはそれは当然でありますから、そのことを総理はおっしゃったのではないかというふうに思いますが、今おっしゃったように、私も今ちょっと持ってまいりましたが、先日、参議院本会議において、吉岡先生の質問に対しまして、総理は、「憲法上の規定、戦力という憲法上の規定では、これは必要最小限度の実力、これは戦力に当たらないと規定しているんですから、」と、こうおっしゃっているので、まあそうかなと私も思います。
○平野貞夫君 吉岡先生への答弁の後段はかなりトーンが落ちています。私もそれは理解しております。 となりますと、総理は、この山岡さんの答弁に対する「戦力がありますよね、自衛隊。」、これは文法的に言いますと自衛隊イコール戦力という文法になりますから、この山岡さんの答弁を訂正されたと、参議院の本会議で。そういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 訂正したわけではありません。 一般国民から考えれば、自衛隊は戦力だと思っているでしょう。しかし、憲法上の規定では戦力じゃないんですよ。ここが日本憲法の難しさ。必要最小限度の実力、これが憲法九条に規定している陸海空軍その他の戦力は保持しない、それではないんですよ。すっきりさせろ、すっきりさせろといったって、ここに今の日本の憲法論の解釈の違いがあるということを御理解いただきたいために、国民的常識で見れば自衛隊はだれが見ても戦力を持っていると見ているでしょう。今まで総理大臣はこういう答弁しなかったんですよ、建前ばかりに終始して。そういう建前じゃいけない、本音で議論しようと、本音で。そういう言葉上の定義でやると、もう袋小路に入っちゃうんですよ、この日本の憲法論議の。 私は、そういう意味において、国民の常識と違うじゃないかと言うから、憲法そのものも国際常識に合わないところあるんですよ。しかし、国民の知恵で、今、日本の国民として憲法の範囲内でどういうことができるかということを考えているんですよ。 どんどん問題があったら質問していただきたいと思います。
○平野貞夫君 私は別に神学論争とか言葉にこだわって言っているわけじゃないんですよ。基本的な、やっぱり自衛隊の長としての総理大臣の見識というか、それを言っているわけですよ。一般の国民の考え方を聞いているわけじゃないんです。 それでは、別の角度から聞きます。 自衛隊を憲法違反か違反でないかというのを決めるのはだれですか、総理。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これはいろいろ論争がありまして、最高裁判所が自衛隊は憲法違反の存在ではないと判決を下しているんですよ。かつて裁判があったんです。片一方からは自衛隊は憲法違反の存在であるという、そういう訴訟があったんです。しかし、日本の最高裁判所は自衛隊は合憲であるという判決を下しているんですよ。
○平野貞夫君 これは大変な答弁ですよ。 最高裁判所は合憲とも違憲とも判断していないんですよ。保留しているんですよ。そういうデリケートな存在なんですよ、自衛隊というのは。これは大変なことです。 内閣法制局長官、これに対して答弁してください。
○政府特別補佐人(津野修君) この憲法第九条の解釈につきまして、これは有名な最高裁判所のいわゆる砂川事件に関する判決がございます。 そして、そもそもの憲法第九条の解釈といたしましては、憲法九条の規定におきましては、国際紛争を解決する手段としての戦争、武力による威嚇、武力の行使を憲法第九条は禁じているが、独立国家に固有の自衛権までも否定する趣旨のものとは解されない。昭和三十四年十二月十六日のいわゆる砂川事件に関する最高裁判所判決は、憲法第九条によって我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然であるということを明白に承認しているわけでございます。政府としてもこのような見解を従来からとってきたところでございます。 そして、自衛隊の合憲性でありますが、憲法第九条は、先ほど言いましたように戦争を放棄し、戦力の保持を禁止して、いわゆる戦力の保持を禁止しておりますけれども、これによって我が国が主権国として持つ固有の自衛権までも否定しているものではなく、この自衛権の行使を裏づける自衛のための必要最小限度の実力を保持することはもとより同条の禁ずるところではない、自衛隊は我が国の平和と独立を守り国の安全を保つための不可欠の機関であって、右の限度内の実力組織であるから違憲のものではない。このことは、従来、政府が国会を通じてしばしば表明してきたところであります。
○平野貞夫君 私の認識は、最高裁の判決は態度を決めていない、保留という認識でございます。このことをこれ以上議論しますと、あと二十分しかありませんから、これはひとつあした、野党の方に引き続き、また後日私も論します。 次の問題に移ります。 私、小泉さんの表現能力といいますか、小泉総理の表現能力、大変すばらしいと思っています。 例えば、衆参の答弁、答えを聞いていますに、世界の常識、国民の常識、市民の常識、一般国民の考え方。それから、例えば憲法前文と九条のすき間とかですね。すき間なんという表現をそんなに簡単にできる政治家はいませんよ。それから、きょうは、多数の国民の支持と、ちょっと、ちらっと格好をつくっていましたけれども。それから、憲法の範囲、憲法の範囲も、これも非常に得意なところ。それから、盛んに言っているのは、そこがなかなか難しいところですよということで、そこから先、追及させないのね、何かみんな難しくなっちゃって。こういう物すごくいい表現、いいといいますか、独特な、しかしこれらの表現は、すべて具体的定義づけが難しい言葉、表現を使っている。これを国会の答弁で使われるということは非常に野党側は攻めにくい。 政治家の言葉には本当のことを言う信言と直言と苦言と軽言と大言と放言と食言と虚言があるんですよ。その中で、これらの総理が使う言葉は、一つ間違えば、これは虚言、食言、放言の責任をとるような可能性のある言葉なんですよ。私は、タリバンのスポークスマンよりずっと才能があると思っている、その表現能力は。 ですから私は、そういうことじゃ国会の審議は深まっていかない、そういうことは気をつけていただきたいという苦言を申し上げて、次の質問に入ります。 扇大臣に質疑要求しておきましたけれども、もうよくわかっていますから、考えていることは、きょうは省略させてもらいます。 官房長官。官房長官の責任で出された百十三文字のこの長い史上初の何とか百科事典に載る法律なんですが、これは要するに、諸外国の活動に対して我が国が実施する措置と、それから人道的措置ですね、この二つをまとめたものだと思いますが、この諸外国の活動に対する我が国がやる措置というのには、この中の三条を読みますと、いわゆる協力支援活動の中に諸外国の軍隊の活動に対する支援協力、協力支援があると。 となると、これは戦闘行為というもの、直接の戦闘行為というのはないと思いますが、に、諸外国の行う、諸外国といっても大概アメリカだと思いますが、アメリカの行う戦闘行為を協力支援するという、簡単に言えばそういう内容の法律ですか。
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおり、武力行使に該当しない活動であるということでございます。
○平野貞夫君 非常に明快ですね。お父さんも明快な答弁していましたんですが。 そこで、資料を配付していただけたでしょうか。 実は、(一)の「自衛隊の海外派遣についての村山首相の見解」というのが最初に書いてあるんですが、ちょっと文字が小さいから私も老眼鏡をかけさせていただきますが。 これはルワンダに自衛隊がPKOで出るときの議論なんですが、村山総理は平成六年十月に、一般論として、自衛隊の海外派遣の条件として、「そうした戦闘行為につながるようなものに対して自衛隊がそれに加担をするということについては、協力するということについては、これは憲法上は許されない。」と、こう一般論を述べております。 今回の、先ほど明快に官房長官がそうだと言っていただいたことは、相手がだれであれ戦闘行為につながることなんですが、戦闘行為につながるものに協力することについては、これは憲法上は許されないというのが、これが政府の私は自衛隊海外派遣の基本的方針、憲法解釈じゃないかと思いますが、となるとこの法律は憲法に違反していることになるんじゃないんですか、官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 「戦闘行為につながるようなものに対して」、これは言葉の問題もございますけれども、つながるかつながらないかといったら、いつかどこかでつながるということもあるわけでありまして、その程度の問題、密接性の問題と、こういうふうに解釈しております。
○平野貞夫君 あなたね、自衛隊の生命にかかわるこの重要法案を、そんな緊張感のない姿勢で、だめですよ。 これ、国民の常識、市民の常識でこの文章を読んだときに、明らかに、明らかに憲法上許されない、今回の法案は、その対象に入るんじゃないですか。(「言葉じりだ」と呼ぶ者あり)言葉じりじゃございませんよ。言葉というのは大事ですよ。
○国務大臣(福田康夫君) この委員のお配りくださった文章の中で、政府の見解というのもございますね、政府見解。「軍事行動以外の面もいろいろございましょう。」と、こういうことですね。 本法案に基づいて自衛隊が行う活動というのは、それ自体としては武力の行使に当たらない、そして国家による実力の行使にかかわる概念である集団的自衛権との関係が問題となることがないような活動において許されておるということでございます。
○平野貞夫君 私は集団的自衛権のことを言っているんじゃないですよ、自衛隊派遣の基準について言っておるんですよ。集団的自衛権のことは何ぼでも言いますから。よろしいですか。 総理大臣の憲法上許されないという言葉は、これは憲法解釈でしょう、法制局長官。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 これは平成六年の、このお配りいただきました十月二十七日の衆議院安全保障委員会での村山内閣総理大臣の御答弁だということでございますが、先生の方が御引用なさっておられるのは、最初に集団的自衛権のことがございます。それで二番目に、海外、いわゆる海外派兵のことがございます。三番目に、いわゆる多国籍軍、湾岸戦争の際の多国籍軍のことについての、何といいますか考え方が、従来の考え方、いわゆる従来から日本政府が従来からの見解としてとってきている見解をずっと述べているわけでございます。 それで、その後で、「言うならば、そうした戦闘行為につながるようなものに対して自衛隊がそれに加担をするということについては、協力するということについては、これは憲法上は許されない。」云々かんぬんと後続くわけですが、これはまさにこの前の、すぐその前の多国籍軍のところを受けまして、この村山元総理の答弁と申しますのは、「先般の湾岸戦争のときに派遣されましたような多国籍軍、これに日本の自衛隊が参加するということも我が国の憲法上は許されないことである」というふうに答弁しておりますが、それは従来から政府、何度も答弁していることでございます。 これを「言うならば」ということで言いかえているわけでありまして、このことから、村山元総理の御指摘の答弁は、我が国が多国籍軍に参加する、そういうことを違憲とするという趣旨で申し述べたものでありまして、政府がこの答弁以前からずっと示してきております見解と一致するものであるというふうに考えております。
○平野貞夫君 実に三百代言がうまいですね。これは村山政権の一般論なんですよ。このときに閣僚だった人が現在も閣僚でいますよ。けれども、質問通告していませんからその方には質問しませんけれども。ね、外務大臣。 要するに、私は、この村山総理のその憲法解釈を変更なくしてこれを多国籍軍についてのことだと限定するのは、村山さんに聞こうじゃないですか。私は聞いたんですよ。よろしいですか。村山さんの憲法解釈の変更なくしてはこの法律は成り立たないというのが私の論拠ですが、これはどなたに聞いたらいいですかね。福田官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) いろいろと御答弁申し上げておりますけれども、要するにこの法律でもって、この協力支援活動等でもって対応措置を行う、その措置の中身は戦闘行為が行われていないということですね。そういうところで、またそこで実施される活動の期間を通じても戦闘行為が行われることがないと認められる地域において行う活動であるということで、これは武力行使でないし、また一体化という問題を生じさせるようなものでないというのが我々の考え方です。
○平野貞夫君 よろしいですか。戦闘行為につながるんでしょう、今度の自衛隊の協力支援活動というのは。それは直接ドンパチやらなくとも、自衛隊が。そのためにこの法律つくったんでしょう。ですから、憲法の解釈を、変更を政府がしないというんだったら、この法律を通して国会でもって、国会の議決で憲法の解釈を変更させようということなんですか。結果的にはそうなりますよ、これが可決されたら。これによって憲法の解釈が変わりますよ。
○政府特別補佐人(津野修君) 村山元総理のこの考え、御答弁でございますけれども、さらにつけ加えますと、「そうした戦闘行為につながるようなもの」というようなことでございますので、これは仮に広い意味での後方支援というようなものを念頭に仮に置いたものだというふうに考えたとしましても、これは専ら他国の武力の行使と一体化するような形態のようなものについて述べたんだろうというふうに考えられるわけでありまして、これは一体化の考え方についての従来からの政府の考え方と矛盾するものではないというふうに考えております。 それで、今回の法案におきましてはいろいろ協力支援活動等規定してございますが、それ自体としては武力の行使に当たらない活動でありますし、またその活動の地域は我が国の領域及び現に戦闘行為が行われておらず、あるいはまた、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に限られていることなど、そういったことにかんがみますと、本法案に基づく協力支援活動等が米国等の武力行使との一体化の問題を生じさせることはないというふうに考えられますので、これにつきまして憲法上問題があるというふうには考えておらないわけでございます。
○平野貞夫君 国民の皆さん、これが神学論争なんですよ、これが。 そこで、私はあと五分しかありませんから、これ突っ込むわけにいきませんが、あと一つ法制局長官にお尋ねしますが、今度の法律の別表で、武器・弾薬の供給はないんですが、輸送というのはありますね。あれは、工藤長官のときの一体化論の中に、輸送はやっぱり憲法にひっかかるという発言があったんですが、その点ではどうですか。輸送をやるということについては憲法にひっかかるという、この法案が。
○政府特別補佐人(津野修君) お答えいたします。 この点につきましては、しばしば御党の方からいろいろ御質問を受けておりますが、政府は従来から、輸送協力等、それ自体が我が国の武力の行使ではない行為であっても、他国の武力の行使への関与の密接性などから他国の武力の行使と一体化する場合、そういう場合には、その行為は憲法九条の規定に違反することとなりまして行い得ないというふうに考えておりますが、他方、いわゆる後方支援活動でありましても、それが他国の武力の行使と一体化しない限りにおいては、憲法第九条との関係で問題を生じないというふうに考えているわけでございます。 これは湾岸戦争当時、いろいろ弾薬、武器・弾薬の輸送に関しましても御議論があったところでございますけれども、考え方としては、一体化しない限りその武器・弾薬の輸送であっても憲法上問題はないということは、従来の湾岸戦争当時の国会答弁でも、中山外務大臣等からもきちんと述べられているところでございます。
○平野貞夫君 私は東京大学出ていないもんですから、こういう話が全然理解できない、入ってこない。これも神学論争ですよ。これも総理の言う常識で考えたら、こんな論理は成り立たないんですよ。 あとわずかな時間ですから、最後に私もう一回意見を述べたいと思いますけれども、総理、この集団的自衛権を含む安全保障の問題の悲劇は、六〇年安保が起こるまでは、林修三法制局長官は、松村先生もけさ指摘していたとおり、集団的自衛権を幅広く考えて、直接武力やるところでない部分も入れてひとつ考えようというのが岸内閣のころまであったんですよ。それが、米ソ冷戦、その結果、難しい法案や予算を通すために当時の社会党と自民党が妥協せにゃいかぬというので、法制局が嫌かどうかは知らぬけれども、法制局の解釈をだんだんそれ寄りに、いわゆる冷戦型に変えてきたんですね。 ですから、国の骨格に当たる部分をそういう党の都合あるいは国会運営の都合で変えてくるというこの日本の歴史を、これ変えなきゃだめなんです。それが政治の構造改革だと思います。 それから、現在は、失礼な話ですけれども、このテロ対策特別法案の憲法問題が、私たちが腑に落ちないのは、結局、連立政権を運営していくためにはそこまで踏み込めないという、もう総理のハートは見えます、透いて見えますよ。 私は、これから日本はやっぱり、まともな国のあり方、文明の転換期の混迷ですから、根本的に政治はこういうことについて過去のとらわれをなくして、新しい政治をつくることを要望して、あと一分でございますが、総理、何かあったら言ってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは基本的に憲法論議というのは大事な点であります。すっきりしろという御意見もわかります。しかし、もともとすっきりしない部分があるんですから、そのすっきりしない部分をどうやってお互いの知恵を出しながら平和に国際社会と協調していくか、日本の責任を果たすかということで考えた新法ですから、私は、全部すっきりしろなんていうことは、望ましいことですけれども、すっきりしない部分があるということは認めます。
○平野貞夫君 あと三十秒ありますから。 いや、国の……
○委員長(武見敬三君) 既に時間となりました。 本日の質疑はこの程度といたします。 明日は午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会