外交防衛委員会 第13号
- 発言数
- 393 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/12/06
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府国際平和協力本部事務局長林梓君、防衛庁運用局長北原巖男君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君及び外務省中東アフリカ局長重家俊範君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤道夫君 それでは、質疑を行わさせていただきます。 きょうは、官房長官、防衛庁長官、そして外務大臣と小泉内閣を支えるお歴々三名の勢ぞろいをしていただきましてお尋ねをする、大変光栄なことだと思っております。どうかよろしくお取り扱いくださいませ。 そこで、法案に先立ちまして、最近いろいろと起きている世界情勢の中で看過し得ない問題を二つ取り上げまして、これにつきましてお三方の御所見を伺えればと、こう思います。 第一は、イスラエルでのイスラエルによるパレスチナ攻撃、無差別攻撃と言ってもいいあの空爆についてどのような御所見をお持ちなのかと、こういうことであります。 パレスチナ問題につきましては、九三年に、アメリカのクリントン大統領の仲介によりまして、ラビン・イスラエル首相とそれからアラファト議長が友好裏に会談をしようということで話し合いが進められてきたわけでありまして、この間、それに反発をする一部過激派が、アラブの過激派が動いたということもありましたが、全般的に見れば双方友好裏に話し合いが進められてきたと。しかし、ラビン首相がああいうことでいなくなりまして、その後を継いだシャロンという方、これがいささかどうなのかという感じすらするわけでありまして、三年ほど前に聖地訪問ということをシャロン首相がやりまして、まだ党首でしたけれども、それがアラブとユダヤの対立に火をつけたようなことになりまして、自爆テロが散見されるようになる。そして、今度のアメリカのアフガニスタン空爆、これがきっかけのようになりまして、また自爆テロ、爆弾テロが三件ほど最近起きたと。これが引き金になりましてイスラエルが空爆を始めたと、こういうことになっているわけであります。 自爆テロなどで二十八人ですか、が死亡した、それから百二十名ほどが負傷をしたと、大変なことでありまして、二十八人という数だって大変なことで、一切テロということは許されないことは間違いないわけですけれども、それに対して即座に報復攻撃に出る、これが一体許されることなのかと。当然だ、アメリカを見てみろ、アメリカだってやっているじゃないかと、こういう意見もあろうかと思いますけれども、権力を持っている者、力の強い者は、攻撃に対してすぐ反発をするということはやっぱり考えてもらいたいと思うわけでありまして、一歩二歩退いて話し合うということは、これ権力者のあるいはまた力ある者の私、義務だとも思うわけでありまして、とことん話し合ってみて、最後はどうしてもというならば、場合によっては武力の行使ということも考えていいのかもしれませんけれども、いかにも待ち構えていたかのようにすぐ空爆を開始したと、そして無差別攻撃と言ってもいいわけですから、同じような被害がパレスチナの住民の間に起きると、一体こういうことが許されていいんだろうかと。 キリスト教の教えには、右のほほを打たれたら左のほほを出せとか、なんじの敵を限りなく許せとか、そういうことがありますけれども、ユダヤ教だってある、キリスト教を生んだのはユダヤ教ですから同じような教えが多分あるんだろうと思います。そんなこと一々聞いていられるか、昔は昔、今は今と、こういう割り切りがあるのかもしれませんけれども、どうもシャロンという人物、テレビを見ておりますと、ブッシュさんと共通点があるように思う。かっと頭に血が上ってばんと机をたたいて立ち上がって、このやろうやったなと言ってやり返す。これ、率直に言うとやくざ者の論理なんですよ、やられたらやり返すというのは。 もうアラファト議長、これは当事者能力はない、あれが大体テロを支援していると、こういうことまでイスラエルは言っておりまして、そしてブッシュ大統領も全面的にこれを支援すると、徹底してやってやれと言わんばかりの勢いを示している。これが世界を支配する権力者の言うことなんだろうかと私、大変疑問に思っているわけです。 いずれにいたしましても、イスラエルとそれからパレスチナの紛争、もう何百年来、ユダヤとアラブとの対立ですから何千年と続いていること、一朝一夕に解決することはないんですけれども、二十一世紀、新しい時代だ、新しい対応があっていいんじゃないかと、こういう気もいたすわけでありまして、そこで御三方、政治家としてももう円熟されているお立場にあるわけですから、広いお立場で、少しくこの問題を取り上げて、御所見を承ればと、こう思います。 どうぞ順番にやってください。官房長官からやってください。当たり前ですよ。
○国務大臣(福田康夫君) 現状と申しますか、ここ一週間ほどの間のイスラエルとそれからPLOとの、というかパレスチナの関係が大変悪化していると、こういう認識は、これは委員と同じでございます。まことに遺憾なことであるというふうに思わざるを得ません。 それに対してブッシュ大統領が、というふうにおっしゃいましたけれども、アメリカの対応というのは、イスラエルが直ちに反応して空爆をするということについてアメリカは、すぐ報復するのはけしからぬと委員おっしゃられる、そういうような見方もこの世の中あるように思いますけれども、しかしブッシュ大統領は、ブッシュ大統領は必ずしもこういう空爆そのものを直接支持しているわけではない、このように私どもは理解をいたしております。ですから、正確に申し上げれば、和平交渉に戻るためにはテロを根絶しなければならない、こういうふうな発言をしているということも承知いたしておるところでございます。 アメリカも必ずしも、必ずしもというか、こういうことが続くことをそれは喜んでいるわけではもちろんないし、こういうことはあってはいけないということは当然考えていることだと思います。それよりも、当事者同士が暴力を使ってお互いに報復し合うというそういう構図を何とかやめてもらえるような、そういうようなことを考えてもらうしかない。当事者が考えることなんですね、これは第一に。そのことについて国際世論も大変関心を持ち、今この成り行きを監視しているところでございますから、今後いろいろな形でもってこの問題について、両当事者、またそれを取り巻く国際環境という中でもってよい方向に向かっていってもらいたいと、こんなふうなことは当然これはもう委員もお考えになっていることだし、私どももそういうふうに考えておるというふうに思っているところでございます。 いずれにしましても、我が国も、この中東和平ということは、これは中東だけのことでなくて、これは世界に波及する問題であると。宗教の問題もあろうかと思いますし、またあの地域はエネルギー資源の宝庫であるといったようなこと等を考えまして、またあの十年前の湾岸戦争のことも考えまして、我が国としても無関心でいられない地域の紛争だ、このように思っております。一刻も早い和平に到達するように全世界、一致協力して何とかおさまる、和平に到達するような、当事者のみならず国際社会も同じ歩調でもってやらなければいけないと思っておるところでございます。 具体的に日本がどういうことをしているかということについては、外務省の方からお答えをさせていただきます。
○国務大臣(田中眞紀子君) このたびの、先月の末からきのうにかけましてのパレスチナ過激派による自爆テロ、そして今、委員がおっしゃったような、大勢の人がけがをし、また命をなくされたということ、これは痛ましいことだというふうに思いますし、それから暫定自治政府諸施設への攻撃が行われているわけですけれども、現地の情勢は本当に極めて緊迫しているというふうに承知しております。 そして、九三年のオスロ合意というのがあったわけですけれども、これは何かというと、イスラエルとパレスチナが武力ではなくて話し合いによって解決をするべきだということを示しておりますし、ミッチェル・レポートの履行ということもG8の会議がありましたときにも私どもG8でメッセージとして発出いたしました。 その後、また私もペレス外務大臣それからアラファト議長、シャース長官とも電話をいただき、こちらからもおかけし、一番頻繁に電話連絡をとったのではないかというふうに思っておりますが、ほかの国もいろいろありますが、この問題、極めて重要な問題だというふうに認識をいたしておりますけれども、いずれにしましても、アメリカがとっている態度にしましても、日本も、最終的には暴力を使わないで、そして和平交渉の場に戻れと、話し合いによって解決をするべきであるということは基本的に同じでございます。
○国務大臣(中谷元君) 私も、ゴラン高原のPKOの関係がありまして、イスラエルとパレスチナを三回訪問しましてアラファト氏やラビン氏双方とも面会をいたしましたが、その状況は日本と全く置かれている環境が違って、両国の首脳とも、国の安全保障こそ国家の仕事の第一であって、国を守ることが国家の最優先事項だというお話をされたのが印象に残りました。 つまり、両国とも、国民の生命を守るために国家があって、そのためにどうあるかということを真剣に考えておりますし、またエルサレムも訪問しまして、三宗教の聖地も訪問しましたけれども、そのときの私の印象は、この宗教がある限りは紛争というものはなくならないのではないか、なぜならその宗教というのは原理を説いているわけであって、その原理が変わらない限り折り合うことは難しいんじゃないかというふうに率直に感じましたが、その辺は人類の知恵によっていろんな会談を通じて和平が保たれていたわけであります。 パレスチナは暫定統治を認められまして、その前提となるのは、自治の警察権によってパレスチナの国民がそういうテロ行為を起こさないようにきちんと自分で監督する、警察機能を持ってパレスチナの地をコントロールするという前提で和平が成り立っておりましたが、十一月の二十九日から五日にかけてテロ事件が多発をして、イスラエルの一般市民が犠牲になったということに対してイスラエルが国家として軍事行動をとっているわけでありまして、この点につきましては、やはりその大前提である、アラファト氏もパレスチナの国内をきちんとコントロールし、またイスラエルに対しても首相が自制を求めるという双方の当事者の努力が必要でございますので、今後とも、この地が合意に基づいて平和裏におさまることを期待するものでございます。
○佐藤道夫君 官房長官、外務大臣、まさしくそのとおりだと思います。大いに頑張っていただきたいと思います。 なお、防衛庁長官、宗教がある限りこの争いはなくならないと。いささか悲観的過ぎるのではないかと。もう二千年来それを繰り返してきているわけですから、二十一世紀に入ってもうそういうことは打ち切りにしようというぐらいの私は決意を持って臨むのが政治家ではないのか、こういう気がしておるわけであります。 いずれにいたしましても、小泉総理は改革改革、国内に向けていろんなことを言って人気を集めておりますけれども、その若干の時間のゆとりがあるとすれば、国際問題に向けても発言していただいて、もう本当に新しい時代をつくり上げていこうと、何か世界の人がさすが日本の小泉は違う、ああいうことを言っているのかと耳を傾けて聞いてみようというぐらいのことを彼をして言わしめるように頑張ってもらいたい。特に官房長官の役目は私は極めて重大だと思います。 この問題をここで議論したって全然何の役にも立たないわけですから、やっぱり国際に向けて、国連の場で、あるいはいろんな会合で小泉総理みずからが発言して、平和を実現しようと。こういうことを言うのが平和憲法を持っている日本の私は役割だ、重大な任務だと思うわけでありまして、改革も大事ですけれども、ひとつその合間を縫って国際問題にも目を向けていただきたいというふうにお願いいたします。 そこで、次の問題は、これは私は法律家としてまことにけしからぬ、我慢ならない問題なんですけれども、アメリカの二、三の高官の間でこういうことが言われておる、それがマスコミにも取り上げられているわけでありまして、オサマ・ビンラディン、あれを捕まえてアメリカで裁判にかける、これが第一の目標だろうと私ら思っておりましたら、そんなことをしたら彼は無罪になると。 アメリカの裁判所というのはきちっとしておりますから、弁護士がついて、有能な弁護士がついて、証拠は何だということを一々吟味して、それから陪審がありますので、陪審は全員一致じゃないと有罪になりませんので、だれか一人ぐらいがこれは問題だ、証拠がないぞと言い出したらこれはどうにもならぬと。 しかも、アメリカの裁判、アメリカは死刑廃止国ですから、御存じと思いますけれども、二、三の州はなお死刑を存置しておりますけれども、連邦を初め多くの州がもう死刑を廃止している。だから、捕まえて連れてきても死刑にはできない。 そこでもって何を彼らが言い出しているかというと、軍法会議にかけようと。真面目な話なんです、これ。軍法会議というのは、これまた御承知と思いますけれども、裁判官も検察官も弁護人も皆軍人ですから、それと公開されていないわけです。もう一つ大事なことは、控訴ができないんですね。一審でおしまい、こういうのが軍法会議なんですよ。そこでやろうと。でも、彼は軍人ではありませんから、どうして軍法会議にかけるのか、戦争犯罪だと、こういうことを言うんだろうと思いますよね。戦後の東京裁判がそうであった。あれも一審で終わり、こういうことになりましたけれども、ああいうことを何かやろうとしているのかなと。 しかし、これは法治主義、法治国家としては全然許されないこと。裁判制度がありながら軍法会議にかけるなんということは聞いたこともない話で、さすがヨーロッパの先進諸国、イギリス、フランス、ドイツあたりは、それは問題だと、そんなことじゃどこまでもアメリカの後をついていくわけにはいかぬという声が出ておる。スペイン、あそこに、スペインという国は何となく次元が低いような目で見られておるようですけれども、この問題に関する限りは一番スペインが神経質でありまして、アメリカに対してはっきりと、これは問題ですよと、法治主義というのはそんなものじゃないですよということも言っている。 そこで、またアメリカは知恵を出して、生きて捕まえてくるからそんなことになる、その場で殺しちゃえということをまた相当な政府の立場にある人がそういうことを平気で言っている。一体アメリカは文化国家と言えるんだろうか、法治国家と言えるんだろうかと。この前もちょっと私、あるところで言いましたけれども、ならず者国家と言われても仕方がないんじゃないかと。 今回のテロの問題、暴力団と暴力団の争いで、このやろう、やりやがったなということで仕返しをしてやろう、もう徹底してやってやれと。暴力団の組織を壊滅して、その後に今度は何をするのか、タリバン後を考えていこう、そんなことが、これテロ犯人を捕まえるかどうかという問題だったんですよ。何でアフガン政府を取りかえねばいかぬのかということにもなってくる。 いずれにいたしましても、彼を捕まえたらもうなるべく裁判などというややこしいことはやらないでぱっぱと死刑にしてしまえという、こういうアメリカの指導者層の考え方につきまして、まず、官房長官、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 今回のテロというものは人類全体に対する極めて卑劣で許しがたい攻撃でありまして、このテロに対して断固と戦うというその米国の行動、これ強く支持をして、テロ特措法などによる行動も今実施しているところでございます。 法治国家ということでありながら軍事法廷にかけるといったようなお話ございましたけれども、そのことにつきましては、米国は十一月十三日、大統領令による設置可能とした軍事審問委員会、これを指すものと理解いたしておりますけれども、米国政府は、この軍事審問委員会はアルカイダのメンバーなどを法に照らして裁くための一つの選択肢であるという説明をしております。一つの選択肢ということでありますね。また、この大統領令は、対象者は追って個別に認定し、具体的な手続、規則等は国防長官が追って制定すると承知しております。 現段階で、おっしゃられるような具体的な方針が決まっているわけでございません。状況によって今後考えていくべき問題である、こう考えております。
○佐藤道夫君 次に外務大臣、お願いいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) ブッシュ大統領がおっしゃっていることは、ウサマ・ビンラーディンは厳正に処罰をされるべきであるということをまずはっきりと言っておられるというふうに私は認識しておりまして、十一月十三日に大統領令によって軍事審問委員会というものが設置をされまして、これは設置可能ということになっていますけれども、そこでアメリカ政府はアルカイダのメンバー等を法に照らして裁くための一つのこれが選択肢としてあるというように説明をしていますので、軍法会議ということよりも、むしろそういうふうに米国政府としては一つの選択肢として今この軍事審問委員会というものを考えているのではないかというふうに思いますが、いずれにしましても、現在の段階ではアメリカ政府は具体的な方針を決めているわけではないというふうに私は認識いたしております。
○佐藤道夫君 具体的方針を決めていない、法に照らして裁くであろうと。 法に照らすということは、現在の制度に被告人を持ち込んで、そして裁判をする。当たり前ですから。犯人を追いかけながら新しい裁判制度をつくってそれで裁判しようなんというのは、こんなことは許されることではないのでありまして、現在の秩序を破壊した、それに対してどういう措置をするか、それは現在の裁判でやっていくのが、これが法治国家というものでありまして、何か今までの裁判はちょっとこれは手間がかかる、費用がかかる、ひょっとしたら無罪になるかもしらぬというので、新しい制度を、仕組みを考えていこうと。こんなことは絶対に許されないことなのでありましてね。 私、言いたいことは、これまたこういうことで議論しても始まらないことなので、これは大変な問題ですよ、スペインだって大騒ぎしているんですよということを小泉総理に御理解いただきまして、機会を見て、あなた方からもそれぞれ向こうの国防長官、国務長官あるいは司法長官等にそういう話をする。考え直してほしいと。万が一そういうことはないだろうとは思うけれども、あったら大変な問題ですよということを折に触れてあなた方からも話してもらうし、小泉総理もブッシュ大統領等にそういう話をしていく、これが日本の最大の役割だと私は思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 もう、アメリカの後をくっついていくことも大事なことなんですけれども、くっついていくと、アングロサクソンという民族は変な民族で、後ろからついてくるやつは軽べつしているんですよ、腹の中じゃ。いや、日本、金を出してもらってありがとうなんて言いますけれども、決して腹の中じゃ別なんですよ。ところが、堂々と言うべきことを言う。中国がそうなんですけれども、それはそれらしい待遇をする、敬意を払う。昔から植民地を統治してきましたから、そういう考えがあるんですよ。きちっとあの中で言うべきことを言うものは尊敬されるんです、アングロサクソンからは。 ぜひとも、日本はそういう立場に立って本当に遠慮なく言うことを言う。彼らも、なるほどな、そうかな、じゃ議論をしましょうよということになると思うんですよ。これは極めて大事なことと思うので、官房長官も外務大臣もそれから防衛庁長官も、こういうことは、ひとつそういう佐藤議員の言っているような考えもあるんだなということを頭のどこかに置いて今後の対応を考えていただきたい、こう思います。 そこで、この問題はおきまして、次は、法案に戻ります。 まず最初に、ここから議論をした方がわかりがいいのかなという気がしまして。日本の自衛隊というのは、あれは軍隊ですか軍隊じゃないんですか、軍隊でないとすれば一体何なのか。そこら辺について、これは内閣法制局というところがありますけれども、まあ俗に言うと三百代言と言われているぐらいであって、ああいう意見を聞いて、私もすべて知っていますから今さら聞くこともないわけで、むしろ政治家であるあなた方、自衛隊を、最高指揮官である防衛庁長官、その自衛隊をどういうふうに見ているのか、軍隊なのか軍隊でないのか、軍隊でないとすれば何なのか、その辺をちょっとお聞かせ願えればと、こう思います。また官房長官から参ります。
○国務大臣(福田康夫君) この問題は、たびたび繰り返してお尋ねをいただいているところでございまして、政府も、そういうような状況で統一見解的なものを持っておるわけでございます。 それを申し上げますけれども、自衛隊が軍隊であるかどうかは軍隊の定義いかんに帰する問題である、しかしながら、自衛隊は外国による侵略に対し、我が国を防衛する任務を有するものであるが、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ないなどの制約を課せられております、通常の観念で考えられる軍隊とはしたがって異なるものであると考えております、というのが政府の見解でございます。
○委員長(武見敬三君) 中谷防衛庁長官。
○佐藤道夫君 ちょっと待ってください。私は、政府の見解じゃなくて、政治家としての……。 それは知っておりまするから、政治家としてあなたはどういうふうに考えておるのかと、こうお尋ねしておるわけであります。
○国務大臣(福田康夫君) 政治家の一人とは申すものの、今こういう立場では、内閣官房長官として、政府のスポークスマンとして出ておりますので、今の見解をもって私の考え方とさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 世界各国、軍隊を有しております。この軍隊の定義をどう考えるかということでありますが、侵略から国を守る武装集団であり、また外国からの侵略に対抗する実力を持つものを軍隊と言うのであれば、自衛隊も軍隊と言うことは可能であるというふうに思いますが、先ほど官房長官も言われたように、憲法上の自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられておりまして、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものであるというふうに考えております。
○佐藤道夫君 自衛のためにあるものだから軍隊ではないと、そういうふうには短絡的にいかないでしょう。自衛のための軍隊、大体が皆、世界各国そうなんです。侵略のための軍隊を持つなんということはないわけですから。皆攻められたらこれで防御をする、これが我が国の軍隊ですよという説明に皆なっておるわけです。そういう意味からいったら、軍隊なんじゃないですか。 政府の答弁の中で私ちょっと注目を引いたのは、どなたか忘れましたけれども、限りなく軍隊に近い、しかし軍隊ではない、しかし諸外国は日本の自衛隊を軍隊と見ている、何かわかったような実はこれ、わからない答弁なんですよね。正面から聞いているのは軍隊かというだけなんです。そして、これは軍隊ではないというのがどうも結論のようですけれども、自分を守るから軍隊ではないというのは理由にもならぬと思うんですよ、各国の軍隊は皆そうなんですから。これは侵略の軍隊だなんと言っている国は一つだってありませんよ。自衛のための武装集団、これをイコール軍隊。 ですから、ちょっと言いかけましたけれども、防衛庁長官、やっぱり軍隊だというお考えなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 軍隊というのは、定義の問題でありまして、私が言いましたように、外国からの侵略に対抗する実力を持つものを軍隊というのであれば軍隊でもありますが、通常の軍隊からすると、我が国の場合は、自衛の範囲ということでその制約がございまして、そういう通常の軍隊とは異なるものであるというふうに考えております。
○佐藤道夫君 やや理屈っぽくなりますけれども、自衛の範囲だから軍隊ではないと、こういうことですか。何度も言っているでしょう、各国とも皆そういうことで軍隊を持っているわけですから、それを世界では皆軍隊、軍隊と、こう言っている。あなたはこれは軍隊だということを認めるわけですね、しからば。お認めにならないんですか。
○国務大臣(中谷元君) 軍隊については、いろんな人が頭で考えておりまして、軍隊と言う人もあれば軍隊でないと言う人もあるというふうに考えております。
○佐藤道夫君 くどいのは嫌なんですけれども、先ほどから政治家としてのあなたの考えを聞いているんだと、こういうことをお断りをしてありまして、こうだああだいろんな定義があるとか、そんなことは皆さん百も承知ですから、あなた自身が防衛庁長官として、三軍の長ですから、これを統べておる立場で、これは軍隊だと考えるのか、こんなものは軍隊じゃないと、こう思っておられるのか、結論だけでもいいですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 結論的に考えますと、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられておりまして、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものだと、こういうふうに考えております。
○佐藤道夫君 また理屈っぽくなって恐縮ですけれども、今度、テロ特措法で海外に派兵、出兵するということで、インド洋まで出かけていって何か補給業務か何かをやっているみたいですけれども、あれもやっぱり自衛のためなんですか、しからば。
○国務大臣(中谷元君) 今回のテロ対策の措置につきましては、九月十一日に発生しました米国のテロリストによる行為等におきまして、国際的に容認できないという見地で行動している国際社会とともに我が国も支援措置を講じるという趣旨でございます。
○佐藤道夫君 自衛隊が軍隊かどうかというお尋ねでありまして、あなたは自衛のためだから軍隊とは言えないと。しからば、インド洋まで出かけていったのはあれは自衛のためかと、こう聞いておるわけで、世界各国がどういうような動きをしているとか、そんなことは私一切聞いておりません。あれが自衛のための行動かと、こういうことを聞いているわけです。
○国務大臣(中谷元君) この自衛という意味もいろんな意味がございますが、基本的に国家国民の生命、財産を守るという見地からいたしますと、我が国におきましても、あのような国際的なテロが発生した場合に、いかに国民を守っていくかと考えますと、どうしても国際社会と連携してテロに対応しなければなりません。そういう見地におきましては、国際的にテロを撲滅することが我が国の安全を確保するという意味合いもありまして、我が国の安全を確保するという見地におきましても必要な対応だというふうに思っております。
○佐藤道夫君 この問題はいずれまた改めて小泉総理に直接お伺いした方がいいだろうと、こう思いますので、これだけにしたいと、こう思っておりますけれども。 自衛隊発足以来もう六十年近くですか、半世紀を超えている、超えていないかな、いずれにしろ、それぐらいはたっている。最初のころに自衛隊は日陰者と、こう言われた言葉、お若い方はよく覚えておられない、知らないと思いますけれども、官房長官はそれなりの年配ですから知っておる。自衛隊は日陰者だと言われて、隊員が通りかかると、子供たちは、ああ日陰者が来たと言って石を投げたりした、本当に耐えがたい思いをしたと、こういう話を私の知り合いの自衛隊員あるいは防衛庁の幹部の人たちからも聞いたことがありまして、何とかしてこれだけはもう本当に国民に真の姿を理解してもらいたいということで頑張ってきました、これからも頑張っていきますと。 そういう人たちにとって、あの湾岸戦争のときに自衛隊を派遣しないで金を出した、これがまた諸外国からさげすみの目で見られた、本当に情けない思いをしたと。そして今度、テロ特措法で海外に出せることになって本当に肩の荷がおりた思いがする、ようやく日陰者がひなたに出てきたと、こういうふうな言論、言い方もされておるようであります。 同じことはPKOについても言われまして、あのPKOをつくったときに、危険な地帯にはやらない、後方で補給の任務あるいは道路の工事をやると。危険な地帯には行かない。各国は皆、PKOは軍隊ですから、軍人というのは命がけで頑張るわけです。命を惜しむような者は軍人ではないと言われても仕方がないわけで、何ら危険のないところには軍隊が行く必要は全くないわけでして、当たり前のことですけれども、ボランティアでも十分間に合うわけです。なぜ軍隊が行くかということになれば、やっぱり命がけで戦わねばと、戦うという言葉は語弊がありますけれども、頑張らねばいかぬということで軍隊が出かけていく。我が自衛隊は、そこは軍隊ではないから行かないと。 情けない思いをしてきた、今度は晴れてそういう仲間入りができるんだと、そういう思いでしょうか、今回のPKO法案の改正。いかがでしょうか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 国連が行うPKO活動の軍事部門につきましては、先生のおっしゃるように、各国軍事組織から軍隊の派遣をいたしているわけでございます。我が国は、こういったPKO活動におきましては、自衛隊のような自己完結的な能力を有し、またそれぞれ、通常、有事に際して、すなわち、危険な場合におきましても、身の危険を顧みず行動し、また対処する能力を有しておりますので、このような自衛隊の組織が参加することが適当であるという観点でPKO活動に参加いたしておりますけれども、我が国のいろんな憲法の制約、また定められた法律の範囲内でPKO活動が実施可能なところに参加しているわけでありまして、このような観点で、各国は軍隊を派遣しておりますが、我が国は自衛隊を派遣しておりまして、こういう状況の中で活動を続けているわけでございます。
○佐藤道夫君 これはどこまで行ってもイタチごっこなんですね。頑張って汚名を晴らすためにここまで行こうと。しかし、限界があるみたいなんですね、PKO五原則、危険なところには行かないと。それを行くのが軍隊のPKOではないのかと言われたら、またさげすみを、あざけりを受ける。どこまで行っても同じこと。 インド洋に出かけたから、今度はもう外国からああいうことは言わせない、金だけ出して済ますのかなんてことは言わせないと言ってみたって、何を言っているか、後方でうろうろしているだけじゃないのか、それが日本の態度なのかと。こういうことはもう本当に、イタチごっこという言葉がありますけれども、どこまで行ったってそういうさげすみの目というのは払うことができないわけで、あなた自身も外国のいろんな人と、防衛関係の人たちと折衝を持って、日本はだらしない、もっと何かしっかりやれないのか、自衛隊は軍隊だろうと、こういうことを言われたことがありますか。
○国務大臣(中谷元君) そういうPKO等の国際社会の場で働いている人たちから、そういう支援をする際において、いろんな制約において、日本のなすべき活動の内容が枠がはまって少ないのではないかというようなことを言われたことはございます。
○佐藤道夫君 それに対して、どういうお答えをなさって先方さんの御理解を得るべく努力をいたしましたか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の自衛隊の活動につきましては憲法の範囲内また法律の規則によって実施をされておりますという我が国の事情を説明をいたしました。
○佐藤道夫君 今の問題、外務大臣いかがですか。外国の要人との会談などでこういうことが取り上げられて、日本は本当にへっぴり腰で困っていると、しようがないと、もっとしっかりしてほしいと。自衛隊は立派な軍隊ではないのかと、なぜ立派なPKO部隊が出せないのかと、そういうことを言われたことございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そういう御指摘を受けたことはありませんが、むしろ日本の憲法の範囲内で日本の国民の合意を得ながらできる範囲のことをやってもらいたいと、そうすればそれは歓迎するということは言われたことはございます。
○佐藤道夫君 まさしくそれはきれいごとだろうと思うのでありまして、やっぱりいざとなると、こういう法案の審議あるいは自衛隊の出動などについては必ず、湾岸戦争のときに金で済ませた、日本のPKOは後ろの方の安全地帯でうごめいているだけだと、本当に耐えがたい思いをしたと、これでようやく肩の荷がおりると、日陰の子がひなたに出ていけると、日本の外務省あるいは防衛庁の首脳の談話のような形でマスコミに登場してくる。 私、おかしいと思うんです。なぜそれなら、きちっと日本は憲法の枠内で頑張っているんだと、何も恥ずかしいことではないんだと、そういうふうな談話が出てこないのか。そして、海外の要望にも応じていま一歩進んでこれからも頑張っていくんだと。当たり前のことでしょう。しかし、どうも日陰の子だと、情けない限りだと、ようやく多少は肩の荷がおりると、そういう談話しか出てこないんですよ、防衛庁、外務省関係から。 いかがでしょうか。これは外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、そういう言葉は、今先生からいろいろ日陰だとかなんとかと伺っていますけれども、海外では、きのうもウズベキスタンの首相が来られましたし、パキスタンのムシャラフ大統領とお会いしたとき、そのほかアメリカ関係もいろいろお目にかかったりお話しするときに、それぞれの国が、きのうのウズベキスタンにしましてもパキスタンも、それぞれ自分の国として何ができるかということを国際社会で貢献していますし、まさしくそういうことが今回のアフガンにいたしましても議論されているわけですから、ですから、日本は協力の仕方が湾岸に比べておかしいであるとかいうことではなくて、日本も日本の憲法の範囲内で最大限の努力をしてくれていてありがたいというむしろそういう評価、そしてまた、それぞれの国が自分の違った立場で何ができるかという説明がありまして、お互いに本当に国際協力をしているというようなことの方がむしろ私は感じておりますし、そういう評価を耳にしております。
○国務大臣(中谷元君) 私も、今回の自衛隊を派遣する際に、派遣される自衛官に対して、今回の任務におきましては国会で憲法の上で議論をされ法律で制定をされた内容であるので、堂々と胸を張って任務を果たしてきてほしいと隊員にも言いましたし、また今回の措置につきましては、国際社会に対して日本の憲法の枠内でなし得る限りの努力をした内容であるというふうに胸を張って申し上げる次第でございます。
○佐藤道夫君 私が言ったのは、外務省あるいは防衛庁の高官の談話のような形で、今まで恥ずかしい思いをした、これで恥が幾らかでも返せると、こういうことを問題にしているわけでありまして、そんなことを言い出したら本当に切りがないと思うんです。壁があるわけですから、その壁は乗り越えられない。そうすると未来永劫そういう非難を受けることになる。 そして、その非難を受けとめて、何とかその壁の少しでもすき間をくぐり抜けて向こう側に片足ぐらいも出したいものだと、そういう思いがあって、いろんな改正、自衛隊の、自衛隊法あるいは改正がなされてきたいきさつがあるものですから、そのことは部内にもしっかり徹底させて、今あなたがおっしゃったとおり、やれることをやるんだと、やるべきことではなくてむしろやれることをやっていくんだということで各国の理解も得るし、部内の、何というのか理解も得ていくと、そういう感じで一丸となって頑張ってほしいと、そういう感じが私はしております。 それから、今、アフガニスタンで和平交渉ができつつありまして、近々何か暫定政府か何かが発足するみたいでありまするけれども、ああいう形がしっかりしましたら恐らく、多国籍軍の派遣が検討されているというふうなことも報道されておりますが、PKOもやっぱり出そうということになるんだろうと思います。この場合に、日本のPKOも、仮定の話ではありますけれども、今回の改正を受けとめて、そしてアフガニスタンに出かけていくということになるんだろうと思いますけれども、いかがですか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) まだ、現実にPKOが実施されるということは現時点において確定もしておりませんが、非常に流動的でありますが、仮にPKO活動を実施するとなった場合に、我が国の参加に関しましては、五原則でございますが、停戦の合意、受け入れ国の同意、中立、また武器使用、撤収という五原則を照らして判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤道夫君 またそこで諸外国から日本はうるさいことを言っているというふうに言われかねないとも私は思うわけですよ。アフガンの現状を見ておりますと、停戦は形式的にでき上がりましても、タリバンが今、雲散霧消してしまったわけじゃない。地下に潜って機会あらばまた表に出ようと、こう考えていることも間違いないと思いますしね。それから、北部同盟の中でもいろんな派閥、民族の対立的なことがありまして、あれがまた一触即発、戦争が始まらないとも限らない大変危険な状態だということは常識で考えてわかるわけであります。 ですから、PKO五原則を当てはめますと、恐らく十年たったってなかなか危険がなくなったとは言えないと、我が国はPKO派遣できないと、外国の皆さん方行ってください、頑張ってください、血を流してくださいと、そういうことにとどまるんじゃないかという危惧の念があるんですけれども、いかがでしょうか。あのアフガニスタンに早急に完全な平和が来るとはゆめ思えない、私は。いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今から十年前のカンボジアのPKOでも、PKOの実施の前にはポル・ポト派とかシアヌーク派とかフン・センとか、四派が血みどろの紛争をしておりましたが、パリでこの四派を集めて和平交渉をし、それに基づいた停戦の合意に基づいて実施をいたしました。 ですから、アフガンで実施する場合に、タリバンまたアルカイダの状況等をかんがみなければなりませんけれども、ポル・ポト自体、失礼しました、カンボジアの場合はそうですけれども、アフガニスタンの場合はタリバン政権、またタリバンの勢力がいかなる状況で停戦の状況にコミットしてそれが確証できるかというのは重要なポイントであるというふうに思います。
○佐藤道夫君 これは私のかねがねの考えではあるんですけれども、PKOというのは国連の傘のもとで、国連の指揮のもとで、そして人道的立場から行動をしていくと。一般の軍隊とは基本的に私、違って考えていいのではないかと。戦争をするためにあるんじゃなくて、平和を実現するために頑張っていくのがPKOと、こういうわけですから、多少危険があっても、多少どころかかなりの危険があっても、やはり平和を実現するために、あるいは避難民を救済するために出かけていく、それがPKOだろうと、こう思っておるので、突拍子もない考えと思われるかもしれませんけれども、PKO自体を防衛庁から切り離して、自衛隊から切り離して、外務省の所管にするのか、あるいは内閣の所管にするのかわかりませんけれども、そういう組織をつくって、各国の軍隊から成るPKOと同じ歩調で、同じ立場で、そして彼らが入っていくところにはすべて入っていって、そして平和を実現してくると。これは決して軍隊であるとかないとかそんな議論をする必要はないんだと、これは全然質が違うものなんだと、そういうことを考えているわけですけれども、いかがですか、子供の考えにちょっと近いですか。
○国務大臣(中谷元君) そういう組織をつくったとしても、その組織は憲法の制約に基づいた組織でありますので、結果的には自衛隊と同じことになるのではないかというふうに思います。
○佐藤道夫君 そんなことを言っているんじゃなくて、武力の行使じゃないということを前提にしちゃうわけですよ、これは。本当に平和を実現するための集団であると、軍隊とは質が違うものだということで、ただ身を守る、あるいはまた紛争を静めるために武力行使をせざるを得ないと、それはしかし理解できる範囲で、平和憲法もそこまでとめているとは私ゆめ思わないわけですから。 官房長官、こういう考えをひとつ機会が、お暇な折で結構ですから、首相と議論をしていただければ私幸いだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 国際平和維持活動、これは冷戦後、選挙、文民警察、人道支援、行政事務などの多様な任務を含むようになってきております。我が国が派遣する国際平和協力隊を構成するのは何も自衛隊だけということではないんですよ。しかし、停戦監視などの軍事的な任務が依然として国連平和維持活動の中核的な部分を占めていると、こういうこともあるわけでございます。 我が国がこういうような活動に適切かつ迅速に協力するというためには、自衛隊が長年にわたって蓄積してきました技能とか経験、組織的な機能、こういうものを活用することが最も適切でございまして、このことは平和協力法制定以来、九年間、六回にわたりこの国際平和協力業務を実施してきた自衛隊の実績を勘案すれば明らかなことであるというように考えられます。こういうような実績は内外からも高い評価も受けております。 また、仮に自衛隊と同様の機能を有するような、新しい先生のおっしゃるような組織を設ける場合には、これはまた膨大な時間と費用を要すると、こういうような側面もございまして、非効率ということも考えられるわけであります。 そういうことから、停戦監視等の任務の実施のために自衛隊と別個の組織を設ける必要は今のところないのではないかというように考えているところでございます。
○佐藤道夫君 それが模範回答だとは思いますけれども、さっきから何度も言っていますけれども、新しい時代が来た、これから百年間どうしていこうかという段階でありまするから、もう少し広い立場で、広い考えで、自衛隊、これは憲法違反かどうかとか、そういう議論、いつまで行ってもつきまとうんだろうと思うんですけれども、それのないような形で、なるほど、それならもういいやと、大いに頑張ってきてこいと、多くの国民がそういうふうに言うような、かけ声をかけて頑張るようなシステムをつくり上げていく。費用がかかる、何がかかるということを言い出したら切りがないわけであります。確かにかかるんでありましょうけれども、しかし自衛隊から切り離すというわけですから予算はそちらからまたこちらに回ってくるわけで、あながち不可能でもないという考えもいたします。 なかなかそこまで勇気のあるような、やってみようかという結論にはならないとは思いますけれども、ひとつ頑張ってください。いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げましたのは国連を中心とした平和維持活動ということで、武力が全く必要ないという地域だけでないところで活動するということでございますけれども、全く武力の必要としないという部分の活動というのはあるわけですね。これはこれでもって日本、我が国はその組織をつくっております。国際緊急援助隊というものでございまして、これは災害援助とかいうものを中心にしまして活動しているわけでございますので、このことをお忘れなく、ひとつよろしくお願いいたします。
○佐藤道夫君 法案の関係は以上で終わりまして、外務大臣に外交上の問題、二、三取り上げてお尋ねしたいと、こう思います。 外交というのか、最初に、いわゆる不祥事の後始末の問題でありまして、先日、外務省内の処分が発表されて、三百二十八人ですか、行政処分を受けたと。懲戒免職が二名、一年間の休職が一名と。かなり重いというふうに世間も受け取っておるわけですけれども、しかし、やっぱり不十分じゃないか、大事なことが抜けているんじゃないかという批判も行われているようでありまして、そもそも外務省の職員数は五千人ぐらいだと思うんですけれども、三百二十八人というのは、ほぼ十五、六人に一人の処分を受けた者がいる。一体これは何なんだろうかと。 処分を受けた理由というのは何かというと、公金の使い込みと言ってもいい、はっきり言ってもいい、流用とか言っていますけれども使い込み。これは、刑法上横領罪に当たるわけです。それから水増し請求、これは何だといえば、刑法上詐欺になる。それが合計して三百二十八名、膨大な数ですよ。日本の刑法犯の犯罪者率というのは、人口比にしまして百人に一人いるかいないかですよ。それが、ほぼ十五、六人に一人の犯罪者がいる。こんな組織は日本じゅうどこ探してもいない、やくざ組織だってそんなことありませんよ。一体これは何なんだろうか、これが役所なのかとみんな首をかしげております。 しかし、外務大臣の談話は、これが精いっぱいであったというようなことでありますけれども、私、こういうことをただ発表して終わりというんじゃなくて、どうすれば二度とこういうことが、事件が起きないのか、再発防止。いろんな考えがありますけれども、その第一義の条件は、厳しい措置を行う、そして一罰百戒とよく言われていますけれども、一人を重く処罰して百人に、残りの九十九人の見せしめにすると、一罰百戒。見せしめという言葉は余りよくないのかもしれませんけれども、やっぱり重く処分をするということが再発防止の何よりの糧だと思う。 ところが、刑事告発、告訴はしていないようですね。この前の質疑では、何か証拠上問題があるからということを大臣はおっしゃっておられたけれども、行政処分をするにしたって証拠は必要ですよ。証拠もなしに行政処分をしたのかと、そんなものはすぐ不服申し立てがあれば取り消しの対象になりますから、きちっとした取り調べというのか事情聴取をして、本人の弁明も聞いて、そして懲戒処分をしていくわけですから。証拠があるないなんていうことは一切許されない弁明なんでありまして、いずれにしろ、刑法上、刑事裁判上、有罪になるかどうか、それを判断するのは警察、検察の仕事ですから、あなたがあれこれ気を回す必要はないんであって、これはもう刑事訴追を、刑事告発をしようと。刑事訴訟法はそういうふうに定めておりまするから、官吏、公吏が犯罪ありと思料するときは告発せねばならないと義務づけておるわけですから、告発すべきだと私は思います。 あなた自身が法律を守らないでだれに法律を守れというのか、そういう問題だって起きてこないとは限りませんよ。すべきものはやってください。いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ことしの一月以来、松尾事件を契機としまして数々の不祥事が発覚いたしておりますこと、そしていろいろな御迷惑をおかけしておりますこと、国民の皆様に対しまして、外務省を代表する者として、まず深くおわびを申し上げます。 と同時に、この松尾事件につきましても、発覚はことしの一月でしたが、一月に始まったわけではなくて前から起こっていたということでありますし、またその後も、きのうのほかの委員会でもございましたけれども、八つ、九つの不祥事が表に出ておりまして、多くの人が処罰をされております。 そういう中におきまして、時系列的に見ましても、急にでき上がった、起こったことではなくて、この百三十二年もある、五千人を抱える外務省の中で長年にわたって行われてきたあしき慣行といいますか、責任ある立場の、もちろん外務大臣もおりますし、それから事務方の責任者もいるわけですが、事務次官を初めとして大勢おられるわけですけれども、それをただあしき慣行として座視していたり、看過していたり、あるいは不作為の行為で気づいても気づかぬふりをしていたか、あるいは本当に気づかなかったかわかりませんけれども、そうして、今回、ことしの一月から、もう十二月になりましたけれども、この一年間にたくさん出てきているということが実態であるというふうに思います。 お尋ねの処分で、告発、告訴等についてでございますけれども、いろいろなケースがありますけれども、調査結果の判明した事実関係に関しまして、関係者の意思や行為が犯罪の構成要因に該当するか否かなどについて、捜査当局にも相談をしつつ、現在慎重に検討する考えでおります。これは、法曹界に身を置いていらっしゃった委員はおわかりであるというふうに思います。
○佐藤道夫君 捜査当局と相談しつつという、その捜査当局は警察ですか、検察ですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 警察でございます。
○佐藤道夫君 刑事訴訟法を御存じでしょう。官吏、公吏は犯罪あると思料するときは、告訴、告発をせねばならないとはっきり書いてあるわけです。相談するもしないも、行政処分をするについて集めた資料、その中の非常に悪質なもの、一人、中には千万近くの収賄も、収賄じゃなくて事件もあったと。数百万、数十万、常識的に考えて、これはやっぱり取り締まり当局、捜査当局に申告をして調べてもらうと、シロならシロでいいわけですから。別に何も恥ずかしいことではない。一応するのが、私、行政庁の仕事だと思うんです、任務だと思うんです。何も相談するとかしないとかいう問題じゃありません。行政処分をするだけの資料があるとすれば、あとはもう司直にお任せすると。なぜそれがとれないのか。いかがですか。
○副大臣(杉浦正健君) 委員御指摘でございますが、告訴しないと決めているわけではございません。 この調査は、警察庁でございますが、浅川事件を調べている過程で出てきたことでございまして、プール金の問題は。それで調査をやったわけなんですけれども、一つ一つの事実について詳細に、調査の段階で多数の人間がかかわっておりますから確定できていない面がございますので、捜査当局から提供された資料をもとにして、先生の御指摘のような犯罪の構成要件に当たるかどうか、捜査当局の意見も聞きながら検討中だということでございまして、告訴しないということを決めたわけではございません。
○佐藤道夫君 そういってうやむやになってしまう例が非常に多いものですから、いつぐらいになったら行政庁である外務省としての結論が出るのか。これはもうしない、いや、これはやろうと。やろうと思えば三日三晩徹夜でもして係官がやればきちっとやれるはずですから。もう随分たっているわけでしょう。やる気がないんじゃないかと国民はそう思っていますけれども、早急にやるやらないを決めるということをこの場ではっきり言ってください。
○国務大臣(田中眞紀子君) おっしゃる御趣旨もわかりますけれども、やはり慎重に内部で検討いたしております。
○佐藤道夫君 少しまじめに答えてください。 私、いつぐらいになったらその結論が出るのかと、こう聞いているんですからね。内部で検討しますというのは、していますというのは答えになっていないんですよ。
○国務大臣(田中眞紀子君) できる限り早くお答えも出せるように、内部では慎重に検討いたします。
○佐藤道夫君 その一環として、私、この委員会で今まで三回、四回取り上げた川島リポートなるものについて、一体松尾なる者に会計処理全部任せたのはだれなんだ、どういう理由で任せたんだということを何回も聞いているわけであります。 最初聞いたのは河野大臣のときに、これは大変そのとおりでございますので早急に調査し回答いたしますと言っていなくなってしまって、今度は新しい大臣が登場してきて、全然聞いていませんでした、すぐ調べましてすぐ報告いたしますと言って、またなかなかない。その次に聞いたら、次回までは必ずと。これは六月の話なんですよね。余計な捨てぜりふみたいにして次回がいつになるかわかりませんけれどもと言ったのは、参議院選挙が控えていたものですから、この委員会の次回開かれるのはいつかわからないと、こういうことであった。私、辛抱強く今まで待っていたわけであります。 何度もこの問題を取り上げておりますから、もうあれこれ言う必要はないと思いますけれども、会計処理というのはどんなに優秀でも一人にやらせるなんということはあり得ないわけです。それを上の者が厳重に監査して、決裁をして、そして現金の出納ということが行われていくわけで、松尾一人に優秀だからやらせたということを杉浦副大臣かだれかが言っておりましたけれども、そんなばかげたことをやっている役所はありません。民間会社だってやりません。一人にやらせればこういうことが起きることはもう火を見るよりも明らかですから、必ず、決裁、複数の者で現金授受をやらせるとか、そういうことをやっている。 松尾にやらせたのは何なんだと。川島リポートでははっきり、松尾にやらせたためにこういうことになったと。じゃ、だれがやらせたんだということを、それだけを聞いておるんですよ。いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) このお尋ねがあったことは忘れておりませんけれども、私も関係者に聞いてきておりますが、その結果、今委員がおっしゃったのは、こうした重大な会計処理を一人の人間に任せるなどということはあり得るはずもないし、あってはならないとおっしゃいました。しかし、残念ながらそうであったということが役所からの結論として得ております。 すなわち、一手に会計を松尾某氏に任せていたのであるということでございまして、その結果、こういうことが表に出ずに一月まで来ていたと。すなわち、指揮命令系統も明確でなくチェックもなかったということでございます。
○佐藤道夫君 それはわかっていることでありまして、任せたのはだれなんだ、どういう理由で任せたんだと、これを聞いているわけですけれども、どうも、また次回にいたしますか、じゃ、この問題も、残念ですけれども。 それから、余り時間なくなりましたけれども、最後に指輪の問題を、私、これ、あきらめておりませんので。一体あの秘書官をして買いに行かせたのか行かせていないのか、イエスかノーか、それだけおっしゃってください。 プライバシーは理由になりませんから。何度も言っていますけれども、大臣たるものは役所にいる限り一〇〇%公人ですからね。いや、それはプライバシーですといって大臣室で何かいかがわしい人物と会っていたりする、国民はそれはおかしいといって追及するでしょう。そのときに、これはプライバシーですからということは理由にならないわけですから。 あの秘書官に指輪を買いに行かせたことはあるのかないのか。ついでに、もし買いに行かせたとすればその金はどこから出たのか。それからもう一つ、マスコミがおもしろおかしく書き立てているんですけれども、何か指輪は自宅から出てきたんだと、こんなばかげたことが一体あるんだろうか、そういう気もしておりまして。もうはっきりしなさいよ、ここまで来たんですから。
○国務大臣(田中眞紀子君) マスコミがおもしろおかしく書き立てるかどうかは存じませんけれども、部内の一々のやりとりにつきましては、個人のことでもありますので答弁は差し控えさせていただきたく前回もお願いを申し上げましたけれども、マスコミがおもしろおかしく書いているからということで、答弁は、答弁といいますかお答えは差し控えさせていただきます。
○佐藤道夫君 役所にいる限り大臣はもう私的な分野はないということはまず言ったでしょう。指輪を秘書官に、秘書官ですよ、これ、私設秘書じゃありませんよ、買いに行かせたのかどうなのか。プライベートな用務で秘書官を使ったと、それだけだって、私、大変な問題だと思うんですよ。 ですから、はっきりおっしゃったらどうですか、行かせたことはないと、いや、行かせました、それはこういう理由で買いに行かせましたと。それだけのことだと思って、割り切ってお答えなさい。なに役所の細かいやりとりなんて、そんなこと、余計なことを言う必要はありませんから。
○国務大臣(田中眞紀子君) お答えなさいとおっしゃっておられますけれども、部内での一々のやりとりでございますので、そうしたことをお答え申し上げるということは差し控えさせていただきます。
○佐藤道夫君 それは答弁拒否の理由にならないということを言っているでしょう。わからないんですか、私の言っていることが。 当然に秘書官にこういうことを命令したのかと、おかしくはないのかと。いや、命令しておりませんと言えばそれはそれでいいことでありまして、命令しました、それについてはこういう理由があって命令しましたと。個人的な一々のやりとりということは、プライバシーを理由とするんですか。そういうことは許されませんよということを言っているでしょう。 なぜ答えないんですか。やっぱり買いに行かせたんでしょう。だから、ぐあいが悪くて言えないんでしょう。そう言ったらいいでしょう。行かせなきゃ行かせていませんよと言えばいいわけですからね。どうぞ。
○国務大臣(田中眞紀子君) 部内での一々のことにつきましては、お答えを申し上げることは差し控えさせていただきます。 それから、メディアでおもしろおかしく言われているというふうにおっしゃいましたけれども、そういうことについてお答えすることも差し控えさせていただきます。
○佐藤道夫君 大体時間だと思います。 私も、前の仕事をやっているころから、執念深いとか、よく言えば粘り強い、悪く言えば執念深いとも言われていたわけで、この問題、決してあきらめる、断念するわけにはいきませんので。あなたの考え、間違っていますからね。 そういう部内での一々のやりとり、あなたの仕事は全部部内でのやりとりでしょう。行政、外交をこうやりなさい、ああやりなさい、部下に下命する。そういう下命をしたのかしないのか、そんな一々のやりとりは答えませんと、こう言っているようなものでありまして、公務員である外務大臣として、一公務員ですから、もう少し真剣に考えてください。そういうやりとりで、一々の、部内の一々のやりとりだから答えられないと、そんなことが通ると思っていたら大間違いですよ。 これだけは最後に申し上げておきまして、私の質問は終わります。
○海野徹君 おはようございます。民主党・新緑風会の海野徹です。 本会議場でも質問をさせていただきましたが、PKF本体業務の凍結解除について御質問をさせていただきたいと思います。 これは、以前、ある意味では経験を実際に積みながら、あるいは内外の広い理解を得てから本体業務を実施するという、そういうような凍結の理由がありました。防衛庁長官は、それに対して、今回は、これまでの国連平和維持活動に対し、実績の積み重ねにより、我が国の国際平和への積極的な貢献について内外のより広い理解が得られ、また期待が高まったと考え、国会等でのさまざまな議論を踏まえつつ検討して提出になったという答弁をしていただいております。実績を積み重ねてきた、内外から広い理解を得られた、期待も高まったという話だったんです。官房長官は、東チモールへの派遣の準備にこれは必要じゃないかという質問に対しても、いやそれは施設部隊が派遣を計画していると、だからPKF本体業務以外の業務も実施する予定だから、凍結が解除されなければ派遣できないというわけじゃないというような御答弁もされております。 そこでお伺いするわけなんですが、いま一度私質問させていただきたいのは、なぜ今なのか、何をもってなのかと。内外の広い理解とか期待が高まったという非常に抽象的な文言でありまして、それは慎重であった凍結の理由に書いてあったそのままなものですから、非常にその辺まだ理解しがたい部分があるものですから、その点について防衛庁長官あるいは官房長官から御見解をお伺いしたいわけなんですが、やはりそれとともに、内外ということでありますから、これは国内においてもそういう期待あるいは理解の高まりがあった、広まりがあったということなんですが、その点について、要するに今までどういう努力を積み重ねて、その結果としてその今おっしゃられたようなものが具体的にあった、こういう事例からあったということなんでしょうか。その点について具体的に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) まず、凍結をしたというのは、初めてのPKO活動でありまして、より実績を積み、また国民の理解が得られた時期にこの解除をするべきだというような平成四年のこの法案の成立時の国会での御判断であったと私は思っております。 この内外の理解につきましては、平成三年当時のPKOに対する賛成、反対の比率を見ますと、賛成が四五・五、反対が三七・九に対して、現時点におきましては賛成が七九・五、反対が八・六と、この九年間に賛成が飛躍的に倍近く上がっておりますし、反対におきましては五分の一になっております。このように、国民の理解は得られたというふうに思っておりますし、また国際的にも、国連や各国から日本のPKO活動のさらなる要請が期待をされておりまして、このような状況を見まして、今回、PKFの凍結解除をするわけでございます。 そして、同時に武器使用の緩和も行っておりますが、これも過去のPKO活動を通じて、現在までは派遣された自衛隊員のみを防衛するということにいたしておりましたけれども、PKOの活動の性格上、PKOの司令部要員また他国のPKO要員、現地の人たち、また日本の訪問者等、ともに混在する中で現在の体制が果たして適当であるのかどうかという観点からしまして、今回、武器使用の規定の改正をするわけでございますが、この改正は、これから東チモールへ自衛隊の派遣の準備をいたしておりますけれども、この業務がより円滑にかつ安全に実施し得るという点で現時点においての改正をお願いしているわけでございます。
○海野徹君 官房長官、御見解を。
○国務大臣(福田康夫君) 今、防衛庁長官から御説明申し上げたとおり、この日本のPKO活動、これに対する評価というものは、これは、国民の間にも定着したものであるというように考えてこれはよろしいんではないかというように思っております。 一番最初のPKOはカンボジアで行いましたけれども、カンボジアで活動する前は大変な危惧を持たれていながら、しかしながら、国際情勢を考えてその活動を開始したというようなことがございました。しかし、結果は、国民は非常に安心をし、そしてなおかつ、いいことをするものだという理解を急速に高めてくれたと、こういうこともございました。 以後、いろいろな活動を通じてその理解はさらに深まり、例えばゴラン高原に展開しているUNDOFですね、これは、今現在、要員及び自衛隊の部隊を派遣中でございますけれども、これに対してイスラエル、シリアを初めとする近隣諸国及び国連関係者から高い評価を表明されていると、こういうこともございますし、また、東チモールのPKO、これから活動を来春開始することになりますけれども、これもこの準備を開始するという発表をしますと、豪州とかポルトガルなどの関係国から歓迎すると、こういうような表明もございます。このほか、このような我が国の国際協力への国際社会の期待については、我が国政府関係者と国連、関係各国関係者との会談においても何度も表明をされていると、こういうふうなこともございます。 私は、今回、この東チモールに行くということを前にして、東チモールで施設部隊が中心になって活動するということになります、これはカンボジアでやったのと同じ施設部隊でございますけれども、それが中心になってやるということでございますけれども、今回の法改正が行われれば、もしほかにできる仕事があればそれもできるという意味において、私は非常に今後のPKOの国際活動ということについては期待をいたしておりますし、それがまた国際社会の期待と一緒になって国際社会に対する貢献という形になってあらわれてくるのではないかと、こんなふうな期待をいたしておるところでございます。
○海野徹君 九年間で非常に国民の理解を得られたという防衛庁長官のお話だと思います。ある意味では、先ごろ行われた世論調査の数字だと思うんですよね。そこに至るまで、四十数%から八〇%ですか九〇%ですか、要するにその数字に至るまで、いろんな確かにPKOを派遣してPRもされてきたと思うんです。 具体的にもう少し防衛庁長官、国内におけるそういう数字が出てきた背景としての、要するに防衛庁としての理解を高めるための努力というんですか、それは具体的にどういうことをやってきたんですか。瞬間的に出た数字じゃないんですか、ああいうテロの、九月十一日の同時多発テロを受けての。そうじゃなくて、ずっと経年的にそういうような理解が高まったというような理解をしていらっしゃるんですか。
○国務大臣(中谷元君) この防衛問題に対する世論調査というのは三年ごとにやっておりまして、年々理解はふえております。例えば、絶対反対だという人は平成三年には一八・八%いました。それが、三年ごとの数字ですけれども、一〇・八、三・一、二・七というふうに階段のように減っております。そして、賛成するという人も段階的にふえておりまして、これは過去六回の派遣等の報道や、また防衛庁としても広報活動を実施いたしましたけれども、そういう点において国民の皆さんが御理解を徐々にしていただいたというふうに思っております。
○海野徹君 それは、PKF本体業務の凍結解除以前のあれですよね。今後、凍結解除をすることによって、その数字というのはまた戻っていくという、そういう懸念というのは全くございませんですか。
○国務大臣(中谷元君) これはまだPKFの活動においてはまだ実施しておりませんので、それの結果を踏まえなければならないというふうに思っておりますけれども、我々といたしましては、国民のきちんとした理解と合意に基づく活動をしてまいりたいと思っておりまして、先ほど佐藤先生もおっしゃいましたけれども、このPKO活動自体は、世界平和のために大変各国から多く参加して、必要な活動であるという認識を持っておりますので、PKFが凍結解除されたとしても、そのような活動に際して我が国としても積極的に実りのある貢献をしてまいりたい、それによって国民の皆さんの御理解を得たいというふうに思っております。
○海野徹君 それでは、次の質問に入らせていただきますが、PKO参加の五原則に関連してなんですが、武器使用基準を緩和した理由についてお伺いしたいなと思うんです。 PKO要員を出す以上は、非常に今その派遣先の事情というのは大変複雑多岐な業務を展開しなくちゃならないような状況になっているんじゃないのか、しかも非常に流動的だろう、そんなふうに思います。出す以上はやっぱり武器使用については最低限の柔軟性を持たせるべきじゃないかなというような考えを私は持っているわけなんですが、しかもその実情に応じた現場の迅速な判断というのが当然求められてくる。現場ではやっぱり専門性、テクニカリティー、あるいはプラクティカリティー、実用性というのが非常に重要になってくるんじゃないかなと。 そういうことを考えますと、今度の武器使用基準を緩和した理由というのがいま一つ理解できないんですが、ましてや国際基準との間でやはりまだまだ溝があるというような思いが、どうしてもそういう懸念があるわけなんですが、その点について防衛庁長官、どうなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 現行の法律によりますと、自衛隊員、派遣された自衛隊員しか防衛することができませんでした。 ところが、カンボジアやゴラン高原、ザイールの派遣の事例をかんがみますと、例えばザイール等においては、非常に現地のNGO要員、また現地の同じPKOの要員等とともに共同作業を実施しておったわけでありますが、実際に不測の攻撃等を受けた場合に、みずからの自衛隊員だけが身を守ることができて、その現場にいるほかの国のPKO要員や現地の人たちが危機に際しても、あなた方は守るわけにはいきませんというふうに説明して、もう本当にそれで正常な任務ができるかといいますと、やはりその点におきましては、現地の状況に合わせて、同じ仕事をする仲間として同じ危機に際した場合には身を守るということがあってしかるべきではないかという観点で、今回、同じ地域に行動する他国のPKO要員、国連職員、NGO等と武器の使用に係る防衛対象を拡大したわけでございます。
○海野徹君 PKF本体業務の凍結解除がまず先にあって、凍結解除してPKFに参加することによって、ある意味では国連の期待するような活動を十分に行うためには武器使用基準の緩和は不可欠だと、そういうような意識から今回の武器使用基準の緩和になったということじゃないんですね。
○国務大臣(中谷元君) 今回の改正は、これまでの経験を生かした教訓に基づく改正でございます。
○海野徹君 それでは、非常に現場の要するに国際基準とのギャップというのは、具体的にはこれからどうやって埋めていかれるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今後の任務をする上においての武器使用のあり方におきましては、現在、各政党間で、政党の内でも非常に活発に議論をされているというふうに思っております。 この観点において憲法とどのように整理をしていくかという作業が必要でございまして、防衛庁といたしましては、この武器の使用の問題等につきましては今後、国会での議論等を見守りながら検討していきたいというふうに思っております。
○海野徹君 その検討は急ぐべきじゃないですか、長官。ただただ見守っているんじゃなくて、やっぱり急いでそういうことを、現場の混乱、現場に混乱を生じさせないためにも急ぐべきじゃないかと思うんです。どうなんでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 精力的に判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○海野徹君 武器使用について、実際の現場においてはやはりとにかく簡単であること、とにかく余り要するに判断が複雑にならないことというのが現場で一番要請されることだと思うんですよね。 自衛隊の武器使用権限についても、PKO、国連平和維持活動協力法のほかに、周辺事態法あるいは自衛隊法第百条あるいはテロ特措法、いろいろ使用権限が、法律がそれぞれ定められているわけなんですが、非常にそれがある意味ではさまざまであるというような印象を私、持つわけなんですね。この問題が非常に複雑化して、現場がこういうような形では混乱が起きないんだろうかというような懸念を持っているんですが、法律がすべて、全部法律が同じような権限になっておりませんから。その点について防衛庁長官、どうでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 確かにさまざまな形態になっております。これはなぜかといいますと、やはり武器の使用に関しては制約的な見地での議論がされてこられたと。つまり、法律によって自衛官に武器の使用を認めさせてきたということで、それぞれ周辺事態法、PKO法、テロ対策法、自衛隊法、それぞれの任務に関して任務の遂行に必要な範囲内の武器使用を法律によって認めてきたわけでございます。 そのような法律の中において自衛官は任務を遂行するわけでございますけれども、特に今後とも、武器の使用を命ずる立場にある者について、みずからが法律を十分理解するとともに、隊員が適時適切に武器を使用するために必要な指示や命令のあり方についても理解をして現場で任務をするわけでございまして、これらの問題等につきましては今後とも、我々自身も検討をする必要がございますし、各国会におきましてもこのあり方については御議論をしていただきたいというふうに思っております。
○海野徹君 やはり現場で混乱が起きるという、要するに可能性を防衛庁長官もお感じになっていらっしゃるということなんですね。
○国務大臣(中谷元君) まだまだ課題はあるというふうに認識しております。
○海野徹君 それでは、防護対象のことなんですが、非常にやはりこれも法令が新しくできるたびに広がっているというような、こういうなし崩し的なことで将来整合性がとれなくなるんじゃないかなという思いがするんですが、この点について防衛庁長官、どうお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) やはり私たちの立場からいいますと、法律に基づいて部隊を派遣し任務に当たらせるわけでありまして、任務の内容といいますと、おのずと法律で定められた枠内の問題でありますし、武器の使用等も制限がかかりましたらその範囲内で十分に任務達成することが可能なものに限られるというわけでございまして、この問題等につきましては、現行の法律に定められて実施可能なものに限るという考え方で実施をいたしております。
○海野徹君 徐々に徐々に広がっていってこういうような形でつくられていくということは、将来非常に整合性がとれなくなる、そのネックがやはりどこかにあると思うんです。どこにあると防衛庁長官はお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) これは、海外における武力行使をめぐって憲法の範囲内にいかなる事態が含まれるかという点でありまして、この点につきまして国民の合意を得られつつ実施をしなければならないと。やはり憲法との問題をいかに整理するかということが問題だというふうに思っております。
○海野徹君 具体的には、防衛庁長官としてというよりも政治家として、憲法との問題を国民との間で整理するということは、具体的作業としてどういうふうなことを想定していらっしゃいますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在の法律におきましては自衛隊員のみしか防衛できないということで、今回の改正によりまして、その現場に所在する、いわば自衛官の指示に従う、管理のもとにある者については必要に応じて防衛の対象に含めるという観点で、今回の改正におきまして部隊の任務の遂行においてはより改善をされたわけでございますが、今後の問題といたしましては、警護任務等を付与すべきかどうか、また任務遂行のための武器使用がどういうケースで認められるかどうか、そういうふうなものが課題であるというふうに思っております。
○海野徹君 今、防衛庁長官のお話をお伺いしましたが、官房長官、お伺いしたいんですけれども、こういうふうに実際に防護対象がどんどん範囲が広がっている。それだけ武器使用の範囲も当然広がるわけなんです。防護対象が広がりますから武器使用の範囲も広がる。これは事実上の参加五原則の改正というふうに理解されるんじゃないですか。なぜ参加五原則の改正をされないんですか。そういうふうな理解というのは、私の理解が間違っているんですか。どうなんでしょう。
○国務大臣(福田康夫君) 参加五原則との関係は、参加五原則というのは、我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格であるのは、これはもう御案内のとおりでございますけれども、言ってみれば自己保存のための自然権的権利というべきもの、これが、国際平和協力業務に従事する自衛官による、自己とともに現場に所在する、そしてその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体の防衛のための武器の使用が今申し上げた自然権的権利というべきものでありまして、これは憲法の禁ずる武力の行使に該当するものではない。こういうことがまずあって、そして自衛隊法九十五条の、──したがいまして、国際平和協力業務に従事する自衛官等に、自己とともに現場に所在する、その職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体の防衛のための武器の使用を認めたものとしても参加五原則が策定された目的の範囲のうちである、こういうことになるんですけれどもね。
○海野徹君 改正されたらどうですか、官房長官。参加五原則も改正される方向で検討されたらどうなんですかね。今の答弁を聞いていても、やはりどうもなかなか無理があるし、納得できないなというものがあるものですから。 じゃ、改正できない理由、しない理由、具体的にこの点について、どちらがお答えいただけるんですか。官房長官ですか、防衛庁長官ですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の改正におきましては当然この五原則の範囲内でございますが、この参加五原則というのはPKO、国連平和協力法の重要な骨格でございます。それは、憲法の範囲内であるという、武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で設けられておりまして、参加五原則が策定をされているわけでございます。 今後のあり方等につきましては、PKOの活動の実態、また国会での御議論も踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(田中眞紀子君) よろしいですか。 政府として今は、今すぐさらなる国際平和協力法改正というものを考えておりませんけれども、今防衛庁長官もおっしゃいましたけれども、やはりPKOの、国連PKOの実態というものをよく分析して、そしてまた国会でのこうして今行われているような議論も踏まえながら検討していくという立場だというふうに思います。
○海野徹君 中長期的なPKO戦略というのがやっぱり今欠けているんじゃないかなという思いがするんですね。やはり参加五原則そのものについてもやっぱり改正を検討すべきじゃないかなという思いがするんですね。 その点について、じゃ再度、官房長官、私はそう思うんですが、官房長官はどうなんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 政府としては、現在は現在の法律で行うわけでございます。それで、その法律で読み込めるところでもって行動、実際の行動をしていくということでございますけれども、これからいろいろ情勢も変わってくるということもあるかもしれません。どういう事態が起こるかもわからない。 この辺につきましては、新たな課題として、もちろん与党三党の議論はもちろんでございますけれども、国会での議論を踏まえつつ、今後必要に応じて検討していくと、こういうことになろうかと思っております。
○海野徹君 先ほど我が党の同僚の佐藤議員からもお話があったわけなんですが、非常にPKOも変質してきている。現場の状況を、いろんな状況を考えたら、やはりある意味での日本版というか日本型PKOというのをつくる必要があるんじゃないかなと。それが別組織なのか、あるいはどういう形にせよ、いろいろ考えてもいいんじゃないかな、検討を始めてもいいんだろうなと思うんですが、防衛庁長官、よく現場のPKOをやっている、あるいはPKOが活動している現場を見た人たちの話を聞いたりレポートを読むと、自衛隊に野戦能力がないんじゃないかとか、言語能力も欠けている、国際性も欠けているんじゃないかというふうな話があるんですよね。 そういうものをやっぱり個人個人身につけていないとなかなか今現場で活動できないんじゃないかというような話があります。そうなると、やはりある程度PKO訓練所みたいな構想をつくる必要もあるだろうし、ミリタリーオブザーバーみたいなものを送るとか、別組織をつくるとかというようなことが当然もう検討、早急に検討しなくちゃいけないんじゃないかなと思うんですね。 先ほど官房長官は、いや、それをつくったら、とてもじゃないけれども時間がかかって、費用もかかって効率的じゃないという話だったんですが、かえってその方が今、日本に与えられている状況の中で私は実際に積極的な貢献ができるんじゃないかなと思うんですが、その点、防衛庁長官、どうお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 私は、自衛隊というのは世界で一番PKO活動にふさわしい組織であるというふうに思っております。それはなぜかというと、そのPKO活動自体が平和維持のためでありまして、戦闘を目的としたものではございません。自衛隊も専守防衛ということで我が国の防衛に徹して、日々、野外で国防の任についておりますが、このPKO活動自体が平和維持であるという観点からしますと、日常の訓練がそのままこの現場において活用し得る面も多いわけでありまして、日々の自己完結の、また野外で活動できる能力を遺憾なく発揮できるという点であります。 別組織をつくるとなりますと、また自衛隊と同じような訓練をしたり人員管理をしたり処遇をしたりして、この行革の折にも、そのような経費を投じるよりは自衛隊にそのような任務を与えて活用してやるのが最も効果的であるというふうに思っております。 PKOセンター等を設けて専門的に訓練をすればという御提言でございますが、この点につきましては、そのようなことをすればさらなるPKO活動にとって効果が出るというふうに判断すれば、そのようなものも今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○海野徹君 ミリタリーオブザーバーを送るなんというのは考えはありませんですか。
○国務大臣(中谷元君) これまで六度にわたりまして部隊を派遣をしてきましたが、今後とも、部隊派遣また停戦監視要員の派遣といった人的貢献を積極的に行ってまいりたいというふうに思っております。 ミリタリーオブザーバーというのは中国等も派遣をいたしておりますが、カンボジアの派遣のときに、停戦監視要員として個人的に自衛隊員を派遣をして、地方において個人の身分で停戦監視を行っていた事例がございます。 今後とも、我々自身がいろんな地域で学習をし、また自衛隊の持っている能力を活用するという観点におきましては、このミリタリーオブザーバー等も派遣も検討してまいりたいというふうに思っております。
○海野徹君 中国は、非常にうまい、顔の見える、しかもコストが安い貢献の仕方をこういう形でしているみたいですから、日本もぜひまねをしたらどうかなと思うんですが。 現場では、やはり非常に高度な価値判断で多様な活動が求められていると言いますよね。それだけに、ぜひ訓練センターというか、防衛庁長官は自己完結的に日ごろ訓練された自衛隊員をということなんですが、特に自衛隊員のそういった意味での、ある意味では司法制度に対する考え方、あるいは行政組織をどうやってつくるかということに対する考え方、あるいは歴史とか民族の問題、人権の問題についてもよくやっぱり日ごろ研修していただいて送り込むというようなことをやっていただきたいなと思いますが、その点について今はどうなっているんですか、その点については。ただ単に、要するにあんたたち行ってこいとやっているんですか。そういう点での要するに事前の研修というんですか、それはきちっとなされているんですか、プログラムをきちっと組んで。どうなんでしょう。
○国務大臣(中谷元君) 現時点においては、特にPKO局とかPKO部隊とかいう固定的な組織は持っておりません。それぞれの派遣に際しまして、官房長官から派遣を準備しなさいという御指示がありましたら、それぞれの地域に調査団を派遣をして、それぞれのミッションごとに派遣される部隊を選考し、それぞれの地域の現状また語学研修等を行って、PKOの訓練をして派遣をいたしておるのが現状でございます。
○海野徹君 では、次の質問に入らせていただきます。 アフガニスタンでのPKO活動なんですが、これも佐藤委員からの若干の質問はあったわけなんですが、私が本会議場で質問させていただいた中でも、情勢の推移等を十分把握した上で、関係国及び関係国際機関とも協議しつつ検討していく、そういうような答弁が外務大臣からもあったわけなんですが、防衛庁長官、官房長官、外務大臣からあったわけなんですけれども。 日本が国連重視の外交をやっている、それを柱としているということであれば、直接的に国連に働きかけて、やっぱりPKOの実施を働きかけていく必要がこのアフガンにあってもいいんじゃないかなと思いますし、アフガニスタンでの多国籍軍、あるいはPKF、その後のPKOと、当然そういう流れが想定されるわけですから、そういうことを想定しますと、やっぱりもう一度、質問になってしまうんですが、今回の改正というのはやっぱり必ずしも十分じゃないんじゃないかなという思いが出てくるわけなんです。それで、参加五原則の見直しというのはやっぱり議論になっていく可能性が非常に高いんじゃないかなと思うんですが、防衛庁長官、どうなんでしょう。
○国務大臣(中谷元君) アフガンでPKOを実施するかどうかにつきましては、国連のPKO局で計画をして各国に参加等を呼びかけるわけでありますが、今後とも、我が国として積極的に国連のPKO局等に対する情報収集また調整等を行ってまいりたいというふうに思っております。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 また、参加五原則等の問題等につきましても、どうあるべきかということにつきましてはもっともっと積極的な議論をした上で判断していかなければならない問題でございますので、今後、精力的に議論がされる、そして国民の合意が得られるということを期待しております。
○海野徹君 外務大臣にお伺いしたいんですが、今のに関連しての質問なんですけれども、やはり我が国というのは国際社会で、非常に平和で安定した国際社会であるということが日本にとって最大のいい環境でありますから、その要するにある意味では最大の受益者だと思うんですよね。そうなると、いろいろ、アフガン、ポストタリバン後の情勢、あるいは基本的な普遍的な国際貢献のあり方というのが、やはり外務大臣としてあるビジョンなりポリシー、あるいはプランというんですか、があるんじゃないかなと思うんですが、具体的にアフガニスタンを想定しなくても結構ですから、一般論としてでも結構ですから、国際貢献のあり方、PKOを通じての国際貢献のあり方のビジョン、ポリシーについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今までの海野委員の最初からの議論を踏まえて伺っておりましたけれども、大変興味深く伺いました。 要するに、PKOの参加五原則の見直しということも含めて展開していってもいいのではないかという御意見であったというふうに理解をいたしておりますけれども、やはりPKOの現場、先ほどお答えしましたけれども、実態がどうなるであろうかということと、それからやっぱり国内での議論というものをかみ合わせて、整合性を持ってどのようにやっていくかということが問題だというふうに思いますが、国際社会の平和と安定、そのために貢献する、それがもう外交の要諦の、私が着任以来言ったことの二つのうちの一つでありますけれども、それに対するビジョンというのは大したことは申せませんけれども、私は、この七、八カ月間の中で成果とかそういうものというのは後々人様が評価するもので、じわりときいてくるものであろうと思っておりますが。一番申し上げられることは、紛争予防といいますか、そのために何ができるか。軍縮の問題もあると思いますし核不拡散の問題なんかあると思いますが、これは、私は国際的な会議のときにはかなり声高に積極的に意図的に意識して申しております。 人道支援、人の尊厳というものについて、そういうことについても意図的に発言をしてきておりますけれども、そこに寄せていく、そういう努力を私は外務大臣としてしたいと思っています。それは、国内のいろいろの立場もありますし、国会での議論でなかなか、前に行ったり戻ったりということがあることも承知しておりますが、国内のやはり議員でありますし、議員としてこの小泉内閣の閣僚として登用していただいておりますので、閣内での意見もそこに収れんするようにしながら外交的なメッセージを発出していく、そしてそれを実現していくということがやはり責務であるというふうに思っております。
○海野徹君 外務大臣、じゃ、もう少し広げた立場で、広げた範囲で外務大臣にお伺いしたいんですが、就任のときに外務大臣として所信表明を私聞かせていただいて、非常に積極的に、「できるだけ明確なメッセージを世界に向けて発信し、また確実な実行力を持って発信した内容を実現してまいります。」ということで、平成十三年五月十七日、外務大臣は所信を述べられている。もう七カ月近くになります。いろいろな活動をされている、活躍されているというようなお話ですが、政治というのは結果責任ですから。 この七カ月間で所信表明で言われたことをどの程度おやりになってきたのか、ちょっとその辺について具体的な成果、外務大臣からお聞かせいただきたいなと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) とても具体的な成果がこれであるということは申し上げかねますけれども、今の段階で。たった七カ月、八カ月です。 ですけれども、私が心がけてきていることを申し上げさせていただいて、それにかえていただければと思いますが、それは、まず日米基軸であるということ。日本の戦後の発展の基礎になったものは、やはりアメリカからのサポートが大変大きかったということは私はしっかりと感謝の気持ちを持ってとらえている人間でございます。そうして、日米の関係、もちろん軍事上の問題も安全保障上の問題もありますが、それがあります。 その次に近隣諸国、中国、韓国等。それはなぜかといいますと、地政学上とても、どこの国もそうですけれども、動かすことができないものがありますので、そういう近隣諸国との関係を、過去の歴史を踏まえて将来に向けて現在どのように構築していくかということをとらえるべきだというふうに思っております。 それから、あとはグローバルな意味で、例えばアジアでありますとかヨーロッパとか南米とかオセアニアとかアフリカ、中近東、たくさんありますけれども、それらを各地域との、言ってみれば地域的な、リージョナルな関係もありますし、それから全部、国全体としてとらえた場合にどうであるかということを、経済も文化の面もありますし、最終的には政治の判断ということに帰結すると思いますが、そうした言ってみればいろいろな糸があると思いますね。バイの、一対一の糸もあるし、地域的なものもありますし、世界全体のものもあります。 ですから、そういう縦糸と横糸と、斜めかもしれません、それをつなぐと何ができるかというと、やはり地球ができ上がりますから、そういうグローバルな丸いものを転がしながら、トータルでどのようにして国益を考え、そして世界の平和と安定に裨益するようなことができるかということを、現在の日本の国内の情勢と、経済、政治情勢、コンセンサスを得ながらどれだけ強力に、応分に日本の国としてメッセージを発出し、同時にそれを決断して実行していくかということが外務省とまた内閣の責任であるというふうに思っております。
○海野徹君 一般的に、要するに今、外務大臣の御説明というのは非常にすっと入ってくるような状況にもあるわけなんですけれどもね。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 私は、やっぱり外務大臣として自分が就任したら、核にある、ある意味では外交ビジョン、中核は、要するに私の任期中にはこれをやるんだという具体性が必要じゃないかなと。その具体的なビジョンを持って、ビジョンがあるから当然プランが出てくるから、そのプランに沿って成果というのは今どの程度なのかということになってくるんじゃないかなと思うんですよね。 例えば、前外務大臣の河野外務大臣をずっと見ていますと、イスラム世界との文明対話というのを、これはイスラム研究会をつくってやっていらっしゃる。あるいは、高村元外務大臣の場合はアフリカ会議を開催しているとか、あるいは小渕元外務大臣は対人地雷全面禁止条約に対してイニシアチブをとっている。こういうような、いろんな総括的なやらなくちゃならないことの中でも、これについては私の外交姿勢として直ちに取り組むんだというものがあったと思うんですよね。 その点について、田中外務大臣、私はこれをやるんだということを、おありになればお聞かせいただきたいんですが。
○国務大臣(田中眞紀子君) 大変御立派な外務大臣がたくさんいらっしゃったわけでございまして、橋本元総理もユーラシア外交というものをうたわれました。したがって、たくさんの諸先輩の外務大臣や総理たちが築かれた、そうしたものがすべてあや織りになって現在来ているということ。 それから、そうした状況だけではなくて、現実に着任以来何が起こっているかといいますと、一番世界じゅうが今取り組んでいるのは九月十一日以降のテロリズムの問題でありますし、それからそれ以前から今問題になっているイスラエルとパレスチナの問題だと思います。 これは、言ってみれば、やっぱり文明間の対立とか誤解とかそういうふうなものがあって、それが和解をするように、人と人が違った文化、違ったバックグラウンドを持って競争していくということが過去もあり、人類の歴史は現時点も、そして未来もそうでありますから、その歴史の通過点としての現在生きている中で私がするべきことは、そうした紛争予防、先ほど申しましたけれども、そのために、核の問題もありますでしょうし、それから話し合いをするとか、反テロの問題もありますし、すべて私はそこに収れんしていくというふうに思います。 したがいまして、看板をこれにかけてこれですよということだけで済むほど今の世界は単純ではなくて、多様化してきているというふうに思っておりますので、最終的にそれは収れんしていくものであって、看板を掲げて、ここではいおしまいというものではないように、もう少し腰を据えて見ていきたい。 ただ、心にいつもあることは、いかに平和にするか、安定するかということは紛争をなくすこと、それには予防をすることでありまして、そのことは日本とほかの近隣の諸国とも、地域の問題でも全体の世界の、世界の火薬庫というものを見る場合も、将来起こり得る、起こってはいけないんですけれども、起こり得るもめごとの本質を早目になくすようにやっていくということにも通じるというふうに思います。基本は平和だというふうに思います。幸せだと思います。
○海野徹君 紛争予防に努力するということなんですが、紛争予防に努力する中でも、じゃ、まず第一にこれをやるというのはないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) なかなかそこまで収れんされておりませんけれども、時間のあるときにできるだけ、またアドバイスもいただき、思考を、考えるという時間を、追われずに自分でしっかりと落ちついて考えるという時間が多分お正月の辺にあるかもしれませんので、考えてみたいというふうに思います。また御指導いただきたくも存じます。
○海野徹君 それでは次の質問に入りますけれども、今回の同時多発テロに関連する各国の情勢に絡んでのお話をお伺いしたいんですが、やはりイスラム社会、非常に重要な我々にとって外交努力を展開しなくちゃならないところだと思うんですよね。 ある一方では、日本はこれまで中東において手を汚していないという評価があるわけなんですが、これはある意味では自主的な判断を避けてきたという裏返しでもあるわけです。そういうような理念を明確にしないままで外交を展開するということはまずあり得ないわけです。国際社会の中での中立な第三者ではいられないということがやっぱり理念として、外交姿勢として必要じゃないかなという思いがあります。 先ほど外務大臣、橋本元総理が外務大臣のときユーラシア外交ということを展開されたということだったんですが、そのユーラシアに対して日本がどうやって関与していくかということについては、今、外務大臣はどのようにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ユーラシア、大きな大陸で、トータルでやっぱり人的交流ということでしょうか。そういう中から、お互いの最も日常的なこと、それから一番大きな避けがたい問題点について話し合いをしていくということで、きのうもウズベキスタンの首相もお見えになりましたけれども、やはり実際にお目にかかってひざを交えてお話をすると、非常に率直にお話もおっしゃってくださいます。 ですから、その中でもって、具体的にはやはり民主化に、きのうの例えばウズベキスタンも大変そうでしたけれども、民主化という問題についても、安定化についての、平和への協力というふうなことをやってほしいという、援助も絡めてですけれども、そういうこともおっしゃっておられました。 それから、きのうやったこと一つにしてもやっぱり政治対話でございますから、そういうことを地域の民生の安定、平和のために続けていく。やっぱり交流、人の交流だというふうに思います。
○海野徹君 そのユーラシア外交を展開するということは何が日本の国益なんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ユーラシアだけではなくて、やはり各地域から紛争をなくし、少しでも貧困をなくし、お互いに平和裏に共存ができるようにするということに通じるというふうに思います。
○海野徹君 もう少し具体的な何かそういう、外務大臣としては想定できるものがないんですか。国益としてこういうものがあるんだと、例えばエネルギーだとか。
○国務大臣(田中眞紀子君) それはやっぱりそれぞれ個別にお話を伺えばそれぞれの国の実情があって、それは何かというと、私は地政学上の制約というものが、アフガニスタンもそうですし、ほかの国もそうです、日本もそうですけれども、避けがたいものとしてやっぱり各民族が担っていると思うんですね。例えば、干ばつという話があったりあるいは洪水という話があったりとか、いろいろいたしますけれども、そういう問題の中でもってどのような例えばお互いに援助をしたりするか、そのことによって資源の開発も自分の方が進む、それをまた日本との交流で貿易の面で役立てられるというような意見もありますし、そういう相互の協力、理解、そういうスタンスだろうというふうに思います。
○海野徹君 やはりユーラシア外交を展開する上で、もう少し外務大臣、いろんな戦略、戦術を考えていただきたいなと思いますが。 もう一つは、今回のテロというのは不安定化がねらいだと、それで中東の不安定化というのがその中で当然含まれてくるわけなんですね。そういった意味では、我々は中東の安定化に資する外交努力をすべきだと、これは絶対的にすべきだと思います。 そうなりますと、イスラム研究会、これは河野前外務大臣のときからの研究会なんですが、今これも外務省内でまだそのイスラム研究会が続いているという話を聞いております。報告書も出ているということも聞いております。その中東の安定化に資するための外交戦略上、こういうような前大臣の業績というか成果を今どのように外務大臣は評価して、今それをどのように活用しようとされているのか、その点についてはどうなんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) それにつきましても、今回のまさしくテロリズムが、九月十一日の件があったわけですけれども、先輩が本当にとても大事なところに目をつけられて、そして勉強なさっていたというふうに思いますので、いろいろな有識者も加えてこうしたイスラム研究会を立ち上げておられたということでもありますので、そうした遺産と志、まだ遺産と言うほどじゃないかもしれませんが、そういうふうに立ち上げてくださったものについて引き継ぎながら栄養にして、そしてそのことがやはり世界に貢献する日本の政策に役立つようにしたいというふうに思っています。
○海野徹君 中東政策だけじゃなくて、今回のテロとかアフガン情勢についてもこのイスラムを横断的に見る視点が必要じゃないかと思うんですよね。そういった意味で、この問題、イスラム研究会の成果というのは十分生かしていく必要があるし生かすべきだと、今、現時点にもそういうのは生きているべきだと思うんですが、もう少し具体的に何か大臣の答弁はできませんですか。
○副大臣(杉浦正健君) イスラム世界、イスラム文明との対話、河野大臣が進められたのは大変すばらしい構想でございまして、日本ではイスラム研究会、日本の中にもイスラムを研究している方がたくさんいらっしゃいますので、そういう方々をリストアップすると。それから、イスラム世界でも日本とか東洋に関心を持っておられる方々がたくさんおられるので、先方でもリストアップしていただいております。その合同の研究会とかフォーラムとか、そういうものを今後これから積極的に組んでいこうと、こういうふうに外務省としては考えて進めておるところでございます。 その私が河野大臣からお伺いした、直接はお伺いしておりませんけれども、根底にはやっぱり日本の歴史、伝統、文化の中でイスラムとの直接のかかわりというのは、ほかの文明、例えば中国文明とかあるいは西洋文明に比べて、国民レベルも含めるといささか少ないというところがあるんじゃないかと思います。 これからの日本の外交、まさに先生のおっしゃったとおり、日本の国益というのは、ただ資源も全世界から輸入しておりますし、輸出も全世界にさせていただいておりますし、エネルギーなんかはもう一〇〇%、九〇%を中近東に依存しているという、日本の国益というのはそういう世界を、アフリカもそうです、中南米もそうですが、そういうところと不可分なものです。企業も全世界に出ております。 そういうことを考えますと、特にイスラム文明、もうたくさんの国々があられるわけですが、そことの対話、相互理解、協力というのは欠かせないというところから出ていると思いますので、大臣がおっしゃられたとおり、外務省はもちろんですが、日本全体として取り組める方向でやっていくことは大切だというふうに思っております。
○海野徹君 それでは、サウジアラビアという、私は大変これはある意味じゃ重要ですし、あるいは注視していかなくちゃいけない国だなと思っているんですが、今外務省としてはこのサウジアラビアをどう見ていらっしゃるのか。それにどういうポジションで今接していらっしゃるのか。外務大臣、その点について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) サウジアラビアと日本との関係というお尋ねでございましたけれども、サウジは言うまでもなく世界最大の石油の埋蔵量、生産量、輸出量を誇っている国家でございますし、アラブ・イスラム世界の指導的な大国の一つでもございますので、日本としては対中東外交の極めて重要な柱であるというふうに認識をいたしております。 そして、特に経済の面では、近年ですけれども、石油の輸出入を中心とする分野を中心に発展してきていますし、今後の対サウジアラビア外交におきましては、両国の関係を石油に限らず、両国の学識経験者同士の交流でありますとか、水資源の開発、それから政策対話の促進といった分野へも一層拡大をいたしまして、そして深化させつつ、言ってみれば重層的な構造といいますか、ただ単に石油のパイプということではなくて、もっと厚みのある立体的な関係を構築していくということがお互いが求めていることでありますし、そうすべきだというふうに思っています。 なお、今回のテロに関しましては、高村元外務大臣がサウジに行かれましたし、そしてテロに対しても基本的に非難をしておられるということも理解しております。そして、この一月末に日本で計画しております復興会議にも御出席くださるということになっております。共同議長です、共同議長、正確に申します。
○海野徹君 今のサウジアラビアの国内情勢というのは、どういう状況だと把握しておられますか。
○副大臣(杉浦正健君) 委員のおっしゃりたいのは、サウジ内部の、例えば貧富の拡大であるとか、あるいは王制に対する批判だとか、そういう点を御指摘になりたいと、なっておられるんだと思うんですけれども、そういう事情があることは事実でございます。サウジアラビアとしても貧富の格差の是正とか、できるだけの民主的プロセスの導入ということで努力されておることもよく承知をいたしております。 サウジアラビアの内部の問題でございますから、私どもからどうこう申し上げる立場じゃございませんが、そういうものを含めてサウジアラビアとの関係は、大臣が申し上げたとおり、我が国、あるいはあの地域、あるいはアフガンの復興の問題についても極めてキーの役割を果たす国であることはそのとおりでございますので、サウジアラビアとの関係を維持し改善する、よくしていくというのは私どもの最大の課題の一つには間違いないと思います。
○海野徹君 それじゃ、外務大臣、インドのことでちょっとお伺いしたいんですけれども、外務大臣はパキスタンへ行かれたわけなんですが、私はこれからの要するに日本の外交にとって非常にインドというのは重大な国だと思います。 これ、どこまでどういう影響があるか非常に不確定な要素があるんですが、エンロンによる、エンロンて大臣御存じですね、エンロンによる要するにマイナスの状況が出るんではないかなという、これは国際金融機関からの情報なんですが。 ダボールにプロジェクトがあります、発電所があります、エンロンが関与した。そこに、やはりインド国内の金融機関からの要するに相当な債権があると。その発電所の問題だけじゃなくて、エネルギーの問題だけじゃなくて、インド国内における金融面での問題も、かなりこのエンロンのマイナスの影響がインドに出るんではないかというような報告もされているんですが、その点の状況というのは考え過ぎだと思われるのか、いや、その辺までやっぱり神経を配るべきだということで私は思っているんですけれどもね、外務大臣はその点どうなんでしょう。
○国務大臣(田中眞紀子君) この間のフィナンシャル・タイムズにこの記事が載っていて、多分それを委員ごらんになっておられるのかというふうに思いますけれども。確かに今、日本にちょっと蟄居しているような状態であればなかなかそこまで神経がいきませんけれども、これはまた近々バジパイ首相もいらっしゃいますし、いろいろ情報も入ってくると思いますけれども、まさしくその、ただ、インドの今おっしゃったダボールですか、ダボールの発電所、これは現在は、今の時点では最大の株主がエンロンではありますけれども、今は、きょうの時点では別に破綻しているという状態ではないというふうに承知はしておりますけれども、まさしく金融面等で影響が出てくることも考えられます。 このエンロンはアメリカのヒューストンにある会社ですけれども、どうなるかということについてはやはり見守っていく必要があろうというふうには思っております。
○海野徹君 別会社ですからね。ただ、別会社でも六五%の株式をエンロンが保有しているんですよね。アメリカの金融機関が債権放棄をするんじゃないかというようなことで、間接的な影響にとどまるんではないかというような報告も受けているわけなんですが、私はやはりそういうことについて、外交上、いろんなことを要するに気を使っていますよということでもやっぱり神経を使うべきだなと。それがまさしく大臣がおっしゃっている紛争予防の一つになるんではないかなと思いますから、パキスタンにも訪問されていろいろな成果を上げたと思うんですが、インドに対してもいろんな意味で注目をしていていただきたいなと思います。 それともう一つ、これ東南アジアの経済なんですが、非常に悪くなっていると。同時多発テロ以降、非常に悪くなっている。これ下方修正されて、かなりの下方修正されているんですよね。それにまたアルゼンチンの金融危機が、これが影響するんではないかという、やはりそういうような国際の金融機関からの報告があるんですよ。 アルゼンチンの危機というのは、もう外務大臣御案内と思うんですが、南米だから関係ないだろうというわけにいかない状況に今あるように報告を受けています。 そうなると、やはり今度は外交上の要するにいろんなテーマが出てくるわけなんだが、東南アジアについてもその危機、多分、一九九七年の要するに通貨危機のようなことがないだろうとは思うんですが、あり得る可能性が出てきているという報告もあるものですから、その点について、外務大臣、どのような認識をされているんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) まさしくそれは先ほど私が申し上げた縦糸横糸斜め糸でもって地球が、グローバルができる、ボールが、球ができるということに関係ありまして、私も常にそういうことはアラートじゃなきゃいけない、地球全体に目配りをしていないと紛争予防というのはできないと。紛争予防というのは、ドンパチ起こっているところについて今すぐ手だてをすることだけではないということが基本にあります。 アルゼンチンのことをおっしゃいましたが、この間、パキスタンの帰りにトランジットで夜乗り継ぎでタイのバンコクに行きまして、パキスタンに行く前に、タイのスラキアット外務大臣が首相と一緒にいらっしゃって、二、三回お目にかかっておりますんですが、そのときに、ヘッジファンド、タイでのバーツの下落の話、これ大変大きかったので、当時の責任者でもありましたから、スラキアット外務大臣、今はどうかと。アジアの、今いみじくも委員がおっしゃったような、金融、経済の問題については伺いました。 その後、私はトランジットでパキスタンから日本に帰ってくるときにお寄りしたときは、スラキアット外務大臣はどこかに、インドでしたね、に行っておられてお留守だったので、きのうテレもおかけしたのですけれども、まさしくそういうことはアラートでなければいけないし、シンガポールの外務大臣とお目にかかったときも、私は常にその金融と経済、アジア全体の安定ということで申しております。 お尋ねのアルゼンチンの件ですが、着任してすぐにジャバリーニという外務大臣が来られました。そのときに私が一番話をしたことは、アルゼンチンの経済が極めて悪いということを聞いておりまして、ペソとダラーの兌換率が幾らかということも当時聞きましたけれども、インフレ抑制するために債務が非常にあるので厳しいということを言っておられました。 そのジャバリーニさんに私がやっぱりその、あのときはヘッジファンド、今かなり静かになっているので、たまたま私も中南米局長にけさ、どうなっているかよく資料をもう一回そろえておいてほしいという指示を出したんですけれども、その兌換制度が何かかなり複雑になっていて、そして一週間の間に二百五十ドルぐらいしか何か引き出しができないと、米ドルでですね、そういうふうなレートだと聞いて、これはかなり厳しいんじゃないかと思いました。 政権というものの安定度とともに、やっぱり経済というものが非常に国民生活に影響して、それが結果的に政権転覆になったり、そうするとまた紛争が起こってくるわけでございますから、常に世界の経済状況というものは頭に入れておかなけりゃいけないと常々私思っておりますので、なぜヘッジファンドが動かなくなったかということも含めて、あのときはタイの後はブラジルの方にも影響したと思っていますが、このアルゼンチンは今、中南米でかなり大変だろうと思っておりますから、そういうこともすべてオールラウンドで目配りをしていないと外交は間違うなということを思っております。
○海野徹君 時間がありませんから、防衛庁長官、最後の質問になるかと思うんですが、化学兵器のことについて、特に北朝鮮の化学兵器のことについてお伺いしたいんですね。 防衛庁長官は、北朝鮮は化学剤を生産し得る複数の施設を保有している、相当量の化学剤も保有していると、そういうような、まあこれはアメリカの国防省の調査報告あるいは二〇〇〇年の韓国国防白書にも具体的な数値を含めて推定された記述があるというような答弁をされているわけなんですが。ただ、要するにこの問題が、知っていますよ、注視しているよと言うだけではこれはいけないんじゃないかなというのを思います。 この点について、防衛庁としては単なる注視だけじゃなくて具体的に対応を図ろうとされているのか、具体的なものが何かあればお答えいただきたいなと思うんですが。
○国務大臣(中谷元君) 生物・化学兵器の攻撃等に対しましては、法的には防衛出動や治安出動また災害派遣等で即時に対応し得るように日々、態勢を整備し訓練を続けております。 生物剤等につきましては、その兆候を発見した際に、直ちに消毒の除染活動、患者の搬送、医療活動といった活動を実施することにいたしておりますし、事前の予防措置等も講じるようにいたしております。 化学攻撃に関しましては、化学科部隊等に配備されている化学防護衣や化学防護車といった装備によって直ちに出動し防護することが可能でありますし、化学検知器材による剤の特定、傷病者の搬送、除染、医療といった活動を実施するというふうに想定をいたしております。 また、関係機関等に対しても化学防護衣の装備品を貸与したり、化学防護専門員を派遣することといたしておりますが、基本的には、特殊な災害対処につきましてはおおむね一時間を基準に出動可能な態勢を維持しておりまして、生物・化学兵器の対処に備えているところでございます。
○海野徹君 朝銀信用組合に家宅捜査が入りました。この関連で、いろいろ北朝鮮指導層が何か動くんではないかというような、これ推測なんですかね、そういうようないろんな報道もなされているし記事も書かれているわけなんですけれども、そういうことも関連してぜひこの問題については十分な注意と準備が怠ることのないようにしていただきたいなと、それを要望して、質問を終わります。
○山口那津男君 公明党の山口那津男でございます。 ただいま議題となっております本法の改正案は、従来の経験を踏まえて、これからの国際平和協力業務がより一層効果的になり、そしてまた国際貢献の日本の役割を高からしめる、そういう重要な法改正であると思います。そこで、私は、今回の改正の射程を明らかにすることによりまして今後の検討課題についても質疑をさせていただきたい、こう思っております。 まず初めに、武器の使用についての改正点について伺います。 現行の法律二十四条の武器使用規定によっては外国人は防護の対象にはなっておらないわけであります。しかし、現行法のもとにおきましても、その外国人を、刑法の正当防衛あるいは緊急避難の要件を満たした場合には、武器を使用して結果的に守ることができるということは当然のこととされてきたわけでありますけれども、この点について、今回の改正がなされたとしてもこの考え方は変わらないと思うわけでありますが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 基本的な判断材料としましては、不測の攻撃を受けて自衛官とともに共通の危険にさらされたとき、その現場において安全確保について自衛官等の指示に従うことが期待される者でございます。したがいまして、不測の攻撃を受けて自衛官等と共通の危険にさらされたときに、その現場において生命、身体の安全確保について自衛官の指示に従うことが期待される者かどうかということになるわけでございます。
○山口那津男君 今回の改正がなされて武器使用ができることになったとしても、なおその規定によって、武器使用による防護の対象とならない人々に対して刑法の正当防衛や緊急避難によって結果的に防護できる余地は残っていると私は思うわけです。この点についてもう一度、平和協力本部の事務局長さん、いかがでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 御指摘のとおりでございます。 今回の改正後も、刑法の正当防衛または緊急避難に該当する場合、刑法上の違法性が阻却されるというものは残っております。
○山口那津男君 あえて観念的な議論をしますけれども、現行法のもとで、二十四条で防護できなかった人々に対して刑法で防護できる場合もあったわけでありますけれども、そうした中の一部が今回の改正によって防護の対象となり得る、いわば改正によって正当な業務行為として規定されることによって一部が守られることになる、しかしなお残る部分もあると、こういうふうに私は理解するわけでありますが、今回の改正と刑法による正当防衛、緊急避難に基づく結果的な防護、これとの関係について御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(林梓君) 今回の改正案では、繰り返しますが、外国人を含め、「自己と共に現場に所在する」「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」が防衛対象に追加されます。これは、国際平和協力法に基づく正当業務行為としての武器使用に係る防衛対象としてこのようなものを追加することとしたものでございます。 したがいまして、実際は、この新しい武器使用の基準等ができまして、事前の訓練ができまして、業務に従事する者も安定した形で守れるということになろうかと思います。また、国連との関係でも、今までに守れないと言っていたものが、今後は、こういう条件でなら人道援助の関係者であるとか他国の要員を守れるということを言えますし、また一緒におられる人道援助の関係者とか国際機関の職員もこういう条件であれば日本は守ってくれるということになって、大変安定したものになると思っております。 他方、刑法の正当防衛または緊急避難の要件を満たす場合は刑法上の違法性が阻却されることになります。これは今後とも残るわけでございますが、これはあくまでも、何かいろんなことがあって、今ちょっと具体的には申し上げられませんが、個々的に何か行われて、ただそれは業務行為として行われたわけじゃないわけですけれども、結果的に、後になりましてこれは違法性が阻却されるということでございます。
○山口那津男君 今回の改正法の考え方というのは、他国のPKO要員とか人道的な活動に参加している国際機関の職員などを防護対象にするか否かといった人の身分に着目した考え方ではないと私は思うわけであります。むしろ、その武器を使用する隊員等の置かれた状況下による関係性、ここに注目して改正の要件を定めたと、このように理解をいたしております。 そして、これまでの国会の審議や答弁の内容を整理してみますと、この新たな武器使用の要件としては四つあると思います。 まず第一は、武器使用すべき自衛官等が国際平和協力業務を行うに際してであること、この業務を行うに際してということ、これを仮に私は付随性と呼ばせていただきます。二番目として、自衛官等と同一の場所で活動をすること、これを私は現場性と呼ばせていただきます。三番目として、不測の攻撃を受けて自衛官と共通の危険にさらされること、これを私は受動性と呼ばせていただきます。四番目として、生命、身体の安全確保について自衛官の指示に従うことが期待されること、これを私は従属性と呼ばせていただきます。つまり、四番目の従属性というのは独自の対処が困難である人に対する武器使用ということであります。 こういうふうに御答弁の内容を整理できると私は理解するわけでありますが、そうだとしますと、他国のPKO要員とかあるいは人道的な活動に参加している国際機関の職員等、すべてが防護対象になるわけではないと思うわけでありますが、この点についてどうお考えになるでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) ただいま山口議員が整理された条件に合致する場合に防衛の対象になるというふうに考えております。
○山口那津男君 つまり、この申し上げた要件に合致しない場合にはそういう身分を持っていたとしても守られない場合は当然出てくるというわけですね。 さてそこで、まず最初の付随性という要件の関係でお聞きいたします。 例えば、道路補修業務を行う施設部隊の隊員がたまたま来ることになった要人に同行していた場合に他方から不測の攻撃を受けたと、そういう場合を考えてみた場合に、この改正法に基づいて、または刑法の正当防衛、緊急避難に基づいて武器使用することによって結果的に要人が防護されると、こういうことはあるのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 要人が自衛官とともに不測の攻撃を受け自衛官と共通の危険にさらされたときは、自衛官の指示に従うことが期待されるようなケースですね、そういうときは自衛官が武器を使用して要人を防衛することが可能になるというふうに考えております。
○山口那津男君 今私が申し上げたかったことは、本来の業務というのは施設部隊の行う道路補修業務なのでありますけれども、しかしその業務に付随して要人に随伴して、同行して動くということもあり得るわけですね。そういう場合に、本改正法に基づいて武器使用できるという、結果的に要人が守られるということはあり得る、法律上可能であると、そういう御答弁であったと理解いたします。 しかし、また一方で、この職務に際してというのではなくて全くプライベートな用事で、あるいはあえて警護するために、警護することそのものを目的にして随伴した、同行したという場合には、仮にほかの要件、つまり現場性や受動性や従属性が満たされていたとしてもこの改正法に基づく武器使用はできないのではないかと思うわけでありますが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) そのようなケースをいろいろと勘案しなければなりませんけれども、基本的にはそのものが、先ほど山口委員がおっしゃられた四つの条件ですね、それに合致するかどうかということで判断することになろうかというふうに思います。
○山口那津男君 私が申し上げたかったことは、この法律で定められました、あるいは実際に与えられました国際平和協力業務に際してという要件があるわけでありますから、これを外れて勝手な任務をつくり出して、警護そのものを目的にして行動するということは本法の趣旨には外れるということを申し上げたかったわけでありますが、この点、事務局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(林梓君) 当該要人の警護を専らの目的として随伴するものではないと考えております。
○山口那津男君 次に、現場性の要件との関係でお伺いいたします。 例えば、自衛官等と全く離れた場所で活動している他国のPKO要員やNGO関係者の援助に、こちらからわざわざ駆けつけて武器を使用するということはできるのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この対象となるのは、自衛官とともに現場に所在をし、自衛官がその職務を行うに伴い当該自衛官の管理のもとに入った者ということでありまして、離れた場所で活動している他国の要員、NGOの関係者が不測の攻撃を受けた場合には当該PKO要員はこの要件に該当しないため、自衛官等が二十四条に基づき、ことさら救援のために当該攻撃の現場に駆けつけて、これらの者を武器を使用して防衛することはできないわけでございます。
○山口那津男君 そうすると、現場に駆けつけてその現場で現場性が生まれるといいますか、同一の場所にいることになるから武器を使えるんだと、こういう考え方はとらないということになるわけですね。
○国務大臣(中谷元君) しかし、果たして現場で指揮官がそういう法律の要件だけで対処できるかどうかといいますと、例えばザイール等の活動においては、すぐ近くでNGOが危険にさらされた場合に、現実に指揮官が非常に悩みました。しかし、指揮官の判断として輸送、送迎という形で現地のNGO要員を安全な場所に移動させたという事例もありますし、また、カンボジア等におきましてNGOの皆さんが選挙監視のボランティアで来られたときに、近傍でその活動をしている際に本当に知らない状況の中で活動することができるかどうかといいますと、非常にこの点も指揮官が悩んで対処しなければならないケースも残されておりまして、この点につきましては現地でどのような事態が発生するか非常に不確定な場合もありまして、今後の課題として残されているわけでございます。
○山口那津男君 先ほど、この法律の改正法の考え方としては、わざわざ駆けつけて武器を使用するということは予定されないという御答弁であったと思います。しかし、活動の経験を踏まえれば、現実に救援の要請があって、それに対応する措置をとるという現場のニーズというものは存在するだろうと私も思います。 今回、PKFの業務が解除されたり、幅広い業務が規定をされることになり得るわけでありますから、その業務を行うに際してほかの要件も満たせば武器を使用することができるわけでありますから、そこは現場の知恵というものを法律に則して発揮していただく、そういう努力をしていただきたいと思います。それでもなお課題が残るというのであれば、これは次の議論の検討を待つべきであると私は考えます。 さて、そこで、受動性の要件との関係でお聞きいたします。 これは、不測の攻撃を受けた場合に同一の場所にいる人は共通の危険にさらされる、こういう要件でありまして、あくまで受け身、受動的な攻撃に対応するという考え方であります。したがいまして、あらかじめいずれかの攻撃が予測される場合に共通の危険をあらかじめ排除しておこうということで、いわば先制的に武器を使用するというようなことはもちろん許されないことだろうと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 御質問の趣旨が、いまだ危険が顕在化していないような段階において予防的に先制攻撃をするといったことが可能かということであるとすれば、かかる武器使用というものは許されないものでございますが、しかし、発砲がなされた後、また攻撃がなされた後でなければ武器を使用できないかという点につきましては、そういった急迫不正の侵害がある場合にそのまま放置をしており、そのことによって自分自身が危機に際して回避できないというような場合、また自己等の身体等に具体的な被害が発生する以前であっても、人に危害を与えることを含めて、その事態に応じて合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができるというふうに考えております。
○山口那津男君 次に、従属性の要件との関係でお伺いしたいと思います。 この場合は、自衛官等の指示に従うことが期待されている、独力で対処することが困難である、そういう人たちを守るための要件だと思います。 ここで、例えば同一の場所に武器を所持した他国のPKO要員がいたとします。その場合に、武器を持っているからといって必ずしも私は独自に対処する能力があるとも考えないわけであります。逆にまた、外国の部隊行動をしている武装したPKO部隊が自衛隊の部隊とともにいたとする場合には、これはまた独自の対処能力があるのではないかとも思うわけであります。 こういういわば自衛官の指示に従うことが期待できる者というものをどう理解するか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には先生のおっしゃる四条件に合致するかどうかでございますが、一般論を申し上げますと、部隊行動をしている武装した他国のPKO部隊は、通常、その身を守るために十分な手段を有し、独自の判断に基づき行動するものと考えられ、その場合には武器使用による防衛の対象には当たりませんが、武器を所持した他国のPKO要員個人個人については、不測の攻撃を受けて自衛官とともに共通の危険にさらされたという具体的な状況の中で、独自の対処によりその生命または身体の安全を確保することが難しく、自衛官等の指示に従って統制のとれた行動をすることが適切かつ合理的である場合には武器使用による防衛の対象になり得るというふうに考えております。
○山口那津男君 次に、自衛隊法九十五条の適用除外が今回解除されるわけでありますけれども、先日の当委員会の御答弁によれば、この武器防護の対象となるものは我が国の物品でありまして、国連や他国あるいは他国の要員の物件は防護の対象にはならない、こういう御答弁でありました。 そこで、日本のこれまでのPKO活動の経験に照らして、実態として国連や他国あるいは他国の要員の物品を我が部隊の支配下に置くということはあるものなのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には当該部隊が使用する装備については我が国から持ち込むことを原則としておりますが、国連との調整によりまして国連保有の車両や無線機等の装備を使用、管理する場合もあるわけでございます。 例えば、UNDOFの自衛隊部隊は車両や無線機について、UNDOFの保有するものと自衛隊の保有するものと双方を管理、使用しているわけでありますし、UNDOFの自衛隊部隊はUNDOFや他国部隊の人員、装備の輸送を行っているほか、東チモール避難民救援のための人道的な国際救援活動として派遣された空輸部隊はUNHCRの援助物資等の輸送を行ったところでありまして、輸送に際しましては当該物資は実質的に自衛隊部隊の管理下にあったというふうに考えておりまして、そのようなケースも存在するというふうに思っております。
○山口那津男君 今の御指摘のように、実際には我が国の物品以外のものもいわば活動の中に混在して存在するということはよくあるのではないかと思うわけですね。その場合に、それらの物品が自衛隊法九十五条の防護対象ではないとしても、通常は我が国の物品を防護することの反射的な効果として実質的に防護される結果になるだろうと思うわけでありますが、そう理解してよろしいですか。
○国務大臣(中谷元君) そのような自衛隊の部隊が国連の車両等の貸与を受けて業務に当たるような場合に、当該車両に向けて攻撃が加えられるような場合であって、国際平和協力法二十四条に基づいて当該車両に乗車している自衛官が自己の生命、身体の防護のために武器を使用することができるようなときには、同条に基づいて武器を使用した結果、国連の車両等についても防護されることもあり得るというふうに考えております。
○山口那津男君 今の御答弁のように、通常の場合は、あえて我が国の物品以外のものを防護するための新たな規定を設けるということまでは考えなくていいだろうと私は思います。 しかし、先日の十一月八日の本委員会における私の質問に対して政府参考人は、警護任務の内容を問いましたときに、「警護任務とは、一般的には国連の要請により、例えば国連職員等の特定の人員や特定の施設、物品等を防護する任務である」と、こう答弁していらっしゃいます。つまり、例外的な場合には特定の施設や物品等について防護する任務を与えられる場合もあると、こういうお答えだったと理解しております。 そうした場合に、自衛隊の部隊の支配下に置かれた国連や他国の物品に対して国連が今後その物品を防護するための警護の任務を与えるということもあながち否定はできないということになるのでしょうか。
○政府参考人(谷内正太郎君) 国連に対しましては従来から我が国は国際平和協力法につきまして詳しく説明し、その実施可能な業務は何であるかということを説明してきておるわけでございます。今回の改正案について国会において御承認が得られましたら、その改正の内容については国連に説明して理解を得たいと考えているところでございます。 先ほど来御議論がございますように、今回の場合も、我が方の国連あるいは他国の物品等の防護につきましては一定の制約がございますので、その点についてももちろん説明するわけでございますから、国連はそれを十分理解した上で任務を要請してくると、こういうふうに理解しております。
○山口那津男君 我が国としては、この物品の防護あるいは人の防護といいますか警護、この任務を規定していないわけでありますから、国連が仮に要請したいと思っても我が国としては今はできない体制にあるわけですね。 我が国がそうした警護任務を設けるかどうかということはまた別な問題としまして、特定の物品について、通常の場合は自国の物品と混在しているからあえてそれを防護する、警護する、そういう必要性はないだろうと思うわけでありますけれども、しかし特定のものについて国連はそれを警護せよと、こういう任務を与えることはあり得るわけですよね、国連の考え方としては。その点、いかがですか。
○政府参考人(谷内正太郎君) これは実態に即して考える必要があると思いますけれども、実態上は、先ほど防衛庁長官からも御説明がありましたように、実際に私どもとしてやれる部分はあると思いますけれども、あくまでも実態に即して、どう見てもそれは我が今回の改正法案によりましてもできないということであれば、これははっきりと御説明するということになると思います。ただ、多くの場合、かなりできる場合が多いのではないかと、実態上、そういうふうに考えます。
○山口那津男君 実態的には、この改正案によって結果的に防護できるということになろうという今の御答弁でありました。しかし、国連が仮に特定の物品の警護任務を要請するニーズがあるとすれば、我が国としてそれを受ける体制を法的に整備するかどうか、この点については今後の検討課題の一つではないかと私は思うわけでありますが、この点、官房長官、どうお考えになりますか。
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる警護の業務を追加する、このことにつきましてはこれまでもさまざまな議論がございましたし、また今、総政局長から説明申しましたように、その対象とか態様が必ずしも明らかでない、そういうようなことで、このような業務を的確に遂行するための武器使用がいわば自己保存のための自然権的権利というべきものの枠を超えるかどうか、このおそれがないかどうか。これは憲法との関係でございますので、慎重な検討が必要であると考えております。
○山口那津男君 今、官房長官は人に対する警護任務の点も含めてお答えをいただいたように思います。いずれにしても、人及び物が従来の国連の警護任務の内容であるという御説明でありましたので、その双方について今後警護任務の必要性について十分な議論を重ねるべきである、こう思います。その際に、この警護任務に伴って二十四条の武器使用の規定を新たにまた改正する必要があるのかどうかということも、また別の問題として存在するということを指摘させていただきたいと思います。 さて、次に、今回PKFの凍結解除を行ったことによりまして、法律の三条三号ニで、放棄された武器の収集、保管または処分という業務ができるようになりました。例えば、埋設地雷を撤去するという業務を行おうとした場合に、その収集、保管または処分という責任が我が方に生ずるわけであります。しかし、その責任がありながら保管中の地雷を防護できないような結果になることはふさわしくないわけであります。これは、少なくとも保管中の撤去地雷というのは我が国の物品ではないわけでありますから、九十五条の防護の対象にはならないわけなんですね。 そうだとすると、このようなPKFの活動というのは我が国が十全に行うことはできなくなるのではないかと思うわけでありますが、この点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(中谷元君) 業務におきまして自衛隊が一時的に保管している武器等を奪取しようとする者がある場合には、職務に当たる自衛官は安全に配意しつつ、相手方への説得、その他武器の使用に至らない手段によって当該侵害行為を排除するよう努めることとなりますが、その際に、保管している武器等を奪取しようとしている者が職務に当たる自衛官等に危害を加えようとする場合や自衛隊の武器等の破壊を行う場合には、法律の要件の範囲内において武器を使用することは可能であるというふうに考えております。 いずれにしましても、我が国が国際平和協力業務として武器等の保管等の業務を行う場合においては、事前に現地の治安状況を十分調査するほか、国連に対して我が国の事情をよく説明するとともに、国連の現地司令部との間でも治安状況などについて十分連絡をとり合うことによって適切に任務を遂行するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○山口那津男君 この撤去した地雷が大量に保管されていたとした場合には、これを警護の対象とする特定の物品だということで新たな任務を加えるという可能性も一つあるかもしれません。しかし、またこの改正法によりまして、それらの保管中の地雷を我が国のその他の物品と近いところに置きまして、いわば我が国の物品を防護する、その反射的な効果としてこれらの保管中のものが防護される、こういうことは実質的にはできるわけですよね。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 結果としてそのようになることは十分あり得るというふうに思います。
○山口那津男君 仮に、この撤去した地雷を警護する任務を新たに与えよう、そしてその場合に武器使用を許そうとした場合には、これはこれまで言われてきたいわゆる任務遂行を阻止する企てに対する武器使用、いわゆるbタイプの武器使用という観念の中に入るのかなとも思うわけであります。そうした場合に、いわゆるbタイプの武器使用については憲法上の問題もあるかのように指摘をされてまいりました。 この点について、法制局長官は、憲法との関係で、これらの武器使用の考え方をどう判断されますでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) 従来から武器使用につきましてはいろいろ国会答弁しておりますが、一般論として申しますと、この任務遂行を阻止する企てに対する武器使用と申しますのは、これはいわば自己保存のための自然権的権利というべきもの、これの枠を超えた武器使用となりまして、状況いかんによっては憲法第九条の禁ずる武力の行使に該当するということがないとは言い切れないということから、我が国PKO要員にこのような武器使用を認めることにつきましては憲法との関係で慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○山口那津男君 ただいまの答弁にありました一般論を踏まえて、今後きちんとした議論を重ねるべきであると思います。 さて次に、いわゆる参加五原則についてお伺いをしていきたいと思います。 この参加五原則については、いわゆる政党間の合意として五つが列挙されている、そういうものも存在するわけでありますが、また一方で、この法律の中に、例えば六条の七項、この中に「国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則」というはっきりした文言があります。そして、関係条文を括弧書きで引用しておりまして、それらの規定の趣旨が五原則に当たると法律で明記されているわけであります。そして、さらにこの五原則に照らして、国会承認を得なければならないとされておりまして、実定法上この五原則というのは極めて重要なものとして法律に定められているわけであります。 そこでお伺いします。いわゆる第五原則についてはその趣旨が二十四条にあらわれているわけでありますが、今回の改正案では自己の管理のもとに入った者を防護対象とするということになっているわけであります。この今回の改正はいわゆる第五原則の規定の趣旨の範囲内とお考えになりますか。いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 第五原則を含めて参加五原則はもう御案内のとおりでありますけれども、我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格でございます。 他方、国際平和協力業務に従事する自衛官等によります自己とともに現場に所在するその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体の防衛のための必要最小限の武器の使用は、いわば自己保存の自然権的権利ともいうべきものであり、憲法の禁ずる武力の行使に該当するものでないということであります。 したがいまして、国際平和協力業務に従事する自衛官等に自己とともに現場に所在するその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体の防衛のための武器の使用を認めたものとして参加五原則が作成された目的の範囲内のものであるということであります。
○山口那津男君 この五原則、特に第五原則がつくられたときのいきさつを考慮いたしますと、この武器使用というのが憲法上の武力行使に抵触しないようにという強い配慮が働いております。 そこで、武力行使というのはやはり我が国の国の活動として組織的に武器を使う場合というのが予想されるわけでありまして、この部隊で組織的に武器を使用するということが憲法の武力行使と抵触する場合もなきにしもあらずということで、むしろ個人個人、個人の武器の使用で護身という範疇で武器の使用を許そうと、そういうことで第五原則がつくられてきたというふうに私は理解をするわけであります。 そして、いわゆるこの第五原則の政党間の合意を読んでみますと、これには武器等の防護については何ら明記されていないわけですね。この点は、政党間の合意でありますからそれぞれの政党で違った考え方もある、つまり解釈もあるかもしれません。 いずれにしても大事なことは、この憲法の武力行使に抵触しないように担保するということが五原則の基本的な意義でありますから、今回の改正案で自衛隊法九十五条の適用除外を解除したことはこの第五原則の趣旨を出るものではないと、つまりこの範囲内にあると私は考えるわけであります。 この点について、五原則との関係を御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) この点につきまして、先日も議論があったと思いますので、整理をして申し上げます。 参加五原則は、我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定されたものでございます。他方、自衛隊法第九十五条の規定による武器使用は、自衛隊の武器等という我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を破壊、奪取しようとする行為からこれらを防護するため、次のような厳格な要件のもとで行使が認められる極めて受動的かつ限定的な必要最小限のものであり、憲法の禁ずる武力の行使に該当するものではありません。 その第一は、武器を使用できるのは職務上警護に当たる自衛官に限られていること、第二に、武器等の退避によってもその防護は不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できないこと、第三に、武器の使用はいわゆる警察比例の原則に基づき事態に応じて合理的に必要と判断される限度に限られていること、第四、防護対象の武器等が破壊された場合や相手方が襲撃を中止し、または遁走した場合には武器の使用ができなくなること、第五、正当防衛または緊急避難の要件を満たす場合でなければ人に危害を与えてはならないこと、これらの要件が必要であるということになっております。 それからさらに、国際平和協力法制定当時におきましては、自衛隊法第九十五条の適用を除外しましたのは憲法上の問題があったからということではなく、委員の御指摘のとおり、当時の政策判断として我が国が初めてPKOに参加し国際平和協力業務を実施するに当たりまして、このような武器使用が事態の混乱を招くおそれがないかどうかはっきりしなかったため、まずは慎重に業務をスタートさせるべきという判断で適用除外規定を置くことにしたものであります。 しかしながら、その後の六回にわたる自衛隊の派遣の経験を踏まえ、派遣先国において自衛隊法第九十五条を適用したとしても事態を混乱させることはないと考えられます一方、武器等の破壊、奪取を看過することにより隊員の緊急事態への対応能力の低下や治安の悪化につながる、そういうことも想定されることが認識されるようになったため、政策判断として今般の改正により同条の適用除外規定を削除するということにしたものでございます。 以上のように、派遣先国で国際平和協力業務に従事する自衛官に対して自衛隊法第九十五条を適用することといたしましても憲法との関係で問題を生ずることはなく、したがって、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないということを担保する意味で策定された参加五原則の目的の範囲内のものであるということでございます。
○山口那津男君 次に、停戦合意の原則についてお伺いします。 東チモールを例にとれば、一九九九年の四月に和平合意が成立をいたしまして、この合意の中に停戦の合意も存在すると認定できるだろうと思います。 しかし、現在は紛争当事者の統合派は西チモールへ去って独立派は解散をしたと言われておりまして、停戦の合意が維持されているか否かについては議論のあるところだろうと思います。 官房長官は、十一月二十二日の衆議院本会議におきまして、停戦の合意は有効に遵守されていると、こう御答弁をされておられます。今の事態を踏まえてどういう要素が、要素をもって有効に遵守されていると評価されておられるのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 東チモールの紛争におきます紛争当事者であります独立派と統合派、これは双方ともに既に武装組織を解散し、UNTAETの仲介のもとで政治組織として両派間で政治対話を行っているなど、東チモールにおいては新たな武力紛争が起こる可能性はほぼなくなっていると、こういうように判断されます。このような諸般の事情を勘案すれば、九九年四月の和平合意は有効に遵守されていると考えておるところでございます。
○山口那津男君 今の御答弁によりますと、本来の停戦合意というのは、停戦の状態、つまり紛争がなくなったという状態を将来にわたって維持するためのいわば保証という主観的な要件だと思うわけです。 ですから、形式的に合意の存在が疑わしい場合でも、有効に遵守されていると判断するためには、将来にわたって停戦状態が維持されるであろうということを主観的にも客観的にも、いずれの立場からも認定できるような要素ということをしっかり考えていかなければならないと思うわけであります。この点を見逃して五原則の変更だ何だと、あるいはみなすとかということを軽々しく論ずるべきではないということを指摘いたしまして、この点の重要性をお述べしたいと思います。 さて、次に受け入れ同意の原則について伺います。 法律の三条一号あるいは六条一項一号は、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者という二つの主体の同意を明記しております。東チモールの例でいいますと、紛争当事者は退去したとか解散したとか言われているわけでありますが、我が国が参加するに当たって、こういう紛争当事者の同意を得られるのか、あるいは法律の要求をどう理解していくのか、この点について御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 東チモールの現状を見ますと、紛争当事者であります独立派と統合派、これは双方ともに武装組織を解散したけれども政治組織などとしては平和裏に活動を行っているほか、UNTAETの仲介のもとに政治対話も行われていると、これは先ほどもおっしゃったとおりでございます。 他方、国際平和協力法は、紛争当事者の同意として国際連合平和維持活動に対する同意と我が国による国際平和協力業務の実施についての同意という二つの同意を要件としておりまして、こうした受け入れ同意が個別の事例において存在しているか否かを認定するに際しては、具体的な状況を踏まえて総合的に判断するということでありますが、以上を踏まえると、両紛争当事者はUNTAETが活動を行うことにつき同意しているものと考えるべきであると考えております。 また、我が国における平和協力業務の実施に対する紛争当事者の同意につきましては、今後、東チモールのPKOへの自衛隊部隊の派遣を正式に決定するその際に具体的な状況を踏まえて取りつけていくということになると思います。
○山口那津男君 国の同意と紛争当事者の同意は別の同意なんですね。なぜこういうふうに別々に二つの主体の同意を求めたかといいますと、仮に国が同意を与えたとしましても紛争当事者が現存する限りはそれぞれの立場によって同意を与えない、つまり我が国の活動に対して敵対的に行動する可能性があるからであります。そういうことがないようなことを担保するために、国以外にもそれぞれ紛争当事者の同意を求める、こういうふうにしたわけでありまして、この東チモールの例に即して言えば、UNTAETの同意というものと紛争当事者の同意は同視できないはずであります。 ですから、この紛争当事者の同意というものをどういうふうに理解するか、そして本来の趣旨が敵対的な行動をとる可能性はないということを担保するための制度でありますから、その趣旨に合致した認定評価ができるのかどうか、この点についての慎重な判断が必要だろうと思うわけでありますが、再度御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) UNTAETの活動の受け入れについて同意しているかということになりましたら、統合派はみずから武装組織を解体し、UNTAETの仲介のもと政治組織として独立派との政治対話を平和裏に行うとともに、UNTAETとも協議を行っているということから、UNTAETの活動を受け入れているものと考えられるということであります。 それから、統合派が我が国による国際平和協力業務の実施について同意しているか、こういうことになれば、このことについては、紛争当事者の受け入れ同意については、今後、東チモールのPKOへの自衛隊部隊の派遣を正式に決定するに当たりまして、具体的な状況を踏まえて取りつけていく、こういうことになるわけです、手続として。
○山口那津男君 紛争当事者が民主化プロセスの中で政治組織として改編されて、それらの意思がUNTAETに代表されていくと。したがって、UNTAETの意思というものをしっかり確認すればこの紛争当事者の同意を形式的にこだわる必要がないと言えるのかもしれません。また、政治組織としての旧紛争当事者の意思を確認するということが別にあってもいいのかもしれません。この点についても、今御答弁のあった方針に沿ってしっかりと評価をしていただきたいと思います。 次に、国の同意についてはまた紛争当事者の同意とは別物でありますが、これについて、東チモールのいわば自治的な政府というのはまだ確立されていないわけですね。この時点で国の同意というものをどのように理解するか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国際平和協力法におきましては、国連平和維持活動等への我が国の協力に当たりまして、当該活動が行われることにつきましてのこの地域の同意が要件と、これはもう言うまでもないことでありますけれども、かかる受け入れ国の同意は通常受け入れ国を正式に代表する政府から得ることとなり、当該同意をもって国際平和協力法上の当該要件は満たされていると解されることになります。 東チモールの場合には、これを正式に代表する政府はいまだ存在しておりませんが、安保理決議に基づいてUNTAETが同地域の統治に関する全般的な組織を付与されるとともに、立法、行政及び司法に係るすべての権限を与えられており、暫定行政を行っている以上、UNTAETは東チモールを正式に代表する政府と同様の権限を有しているというように考えられます。したがいまして、UNTAETの同意が法の要請する当該活動が行われる地域の属する国の同意に当たると解されるわけであります。
○山口那津男君 今の御答弁の内容ですと、いわゆる受け入れ同意の原則というものは、この規定の趣旨を変更しないと東チモールに参加をできないということではなくて、いわばこの原則の目的の範囲内にある、このように理解してよろしいですか。
○国務大臣(福田康夫君) 委員のおっしゃるとおりでございます。
○山口那津男君 もう一つ、中立性の原則については先日の委員会で詳しい質疑がありましたので、この点はきょうは聞きません。 次の原則で、いわゆる撤収できるという原則があるわけであります。この点につきましては、国連が撤収をしないのに、そういう判断をしないのに我が国が独自に撤収できるという制度をつくるのはおかしい、国連と我が国の判断が異なるのは国際社会の批判をこうむる、こういう考え方もあるわけであります。しかし通常は、国連と我が国の判断が異なるということは考えにくい。つまり、その調整というものは十分に図られていくだろうと思います。 国連といえども、その活動ができない、継続できないような事態になれば、当然、国連PKOそのものが撤収、終了するということももちろんあるわけでありまして、私はこの日本の独自の考え方というものを維持する必要があると思っております。例えば、国連が撤収しなくても、我が国が与えられた活動地域で停戦の合意や受け入れの同意というものが存在しなくなるということもないとは言えないわけであります。したがって、独自に撤収する判断ができるという制度を持つことによって参加する人々あるいはそれを支える人々の安心感も得られる、こういう側面も私はあるだろうと思うんですね。 ちなみに、カンボジアのUNTACの活動におきまして、途中で、一部地域で停戦の合意が失われそうになるという緊迫した事態が生じたときがありました。ですから、このような場合を想定すると、この我が国独自の制度というものは大事な制度であると私は思うわけであります。 そしてその当時、私は、所属をしておりました衆議院の委員会で、停戦の合意の部分的な消滅と活動の中断及び撤収について質疑を予定しておりました。当時の柿澤弘治外務政務次官が答弁者として予定されていたわけでありますが、柿澤次官は突如委員会を欠席をしまして、この質疑をする機会を私は失ったわけですね。何の理由も示されず、出てこなかったんです。それはそれとして、いろんな事情があったんだろうと思いますけれども、それほどデリケートな議論だということを私は申し上げたいわけであります。 したがいまして、この点の、この撤収の我が国の制度を維持していく必要性、原則として維持していく必要性があるという私の主張に対してどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 基本的にPKOは停戦合意等の存在を前提として展開するものであるということは、これは国連や参加国の共通の認識でございます。停戦合意などの要件が充足されない事態ということになれば、ともに業務の中断とか撤収を検討することになると予想をされますので、我が国の部隊だけが勝手に撤収するといったような状況は想定しにくいところであると思っております。 いずれにしても、我が国は主権国家として、派遣の前提が崩れる場合は国連に適切な事前通告をした上で撤収する、撤収できることになっていると、こういうことでございますので、今後ともこうした前提で派遣を考えていくということであります。
○山口那津男君 今回、PKFの凍結解除によりまして、いわば軍事的性格の強い活動というものが実施できるようになったわけであります。そして、この活動に対しては、従来の活動は国会の承認までは求められずに、いわば実施計画の国会への報告にとどまっていたわけであります。しかし、PKFの活動については、国会の承認というものが法律の六条七項以下で規定をされているわけでありますね。これはありていに言いますと、実施活動の事前の承認、やむを得ない場合は事後の承認と、そして活動が二年以上継続する場合には二年ごとの承認と、こういう制度の立て方になっているだろうと思います。 これを見たときに、先日のテロ対策特別措置法の国会承認の制度と異なる部分もありますが、似ている部分もあると。この点を比較して、この制度の意義、つまりPKOの協力法における国会承認の制度の意義についてどのようにお考えになるか、御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(林梓君) 今御指摘の国際平和協力法第六条及びテロ対策特措法第五条の国会承認事項はそれぞれ国会の修正により追加されたものでありまして、自衛隊の海外派遣に係る国会のシビリアンコントロールを確保したものと理解しております。 内容については御指摘のとおりでございますけれども、我々政府といたしましては、こうした承認制度の相違というものは、その各法律が予定している活動の性格でありますとか態様にかんがみて想定されているものと、そういうふうに理解しております。
○山口那津男君 今回の法改正によりまして、我が国の活動の可能性というものは大きく広がったと思っております。したがいまして、この制度を生かして今後の国際平和の確立に我が国が貢献をするという道を広く模索するべきであると。その上で、広がったからには、今までの制度の狭い範疇で参加の可能性を、いわば限定的にやってきたわけでありますけれども、もっと積極的に、場合によっては、先日も指摘がありましたが、地域の戦略性あるいは活動の戦略性を持ちながらやっていくということも広い意味での外交政策の一環としてあるべき姿ではないかと思います。 そこで外務大臣にお尋ねしますが、地雷の撤去について、外務省はこの機材等の開発、技術開発あるいは経済協力について予算措置もとってこれまで政策を進めてきただろうと思うんですね。ぜひこの点について、地雷撤去の技術、最近はロボット技術の開発によって優秀な研究者がすぐれた成果を出しつつあります。こういうところにも我が国がさまざまな援助の手を差し伸べて、この地雷撤去に伴う人命の損傷、これを最小限にして、機材を活用する、そういう面で日本が大きく貢献していくべきであると考えるわけでありますが、外務大臣としてどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) まさしく山口委員おっしゃるとおりでございまして、もう早速このアフガンの復興の問題に関しましても、ディマイニングという、地雷を除去するということ、それをしないとアフガンに復興の第一の帰還をすることができないわけですね、アフガニスタンの人が。 ですから、そういうことからいきましてもまず大事なことでして、これは民間でも、日本でも幾つか開発会社もありますし、それから外国でもこうしたことを私はもっと競争的に開発されるといいと思っておりますが、外務省は十三年度の予算から五億円を新設いたしました。そして、十四年度の予算としては七億五千万円を要求いたしておりまして、これは削られないようにしていこうというふうに思っておりますし、なお、民間での開発もサポートすることが必要であろうというふうに思います。
○山口那津男君 最後に、自衛隊の地雷撤去能力というのは、その本来の目的からおのずと限定されたものであろうと思います。この点について、自衛隊が全面的に撤去活動に参加をするというよりも、やはり本来持っている能力を技術指導、実務指導という形で生かしていくという道を考えるべきだろうと思うわけであります。 また、技術開発については、大学の研究者の研究に対しては、外務省の予算だけではなくて、例えば文部科学省あるいはその他の国の広い取り組みも考えてしかるべきだろうと思うわけでありまして、今後のこの我が国のあり方について、官房長官としてどのような姿勢で取り組まれるかをお伺いして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 地雷の撤去は、これは地雷を世界じゅうにばらまくと申しますか、つくっている人もありそれを埋める人もありと、こういうことでございますので、これは双方に着目をしなければいけないというように思っております。 その上で、もう既に敷設された地雷について、これは先ほどからもいろいろお話ございますように、我が国は技術国家として技術的な面において協力できるところはこれは大いにすべきだと、こういうように思いますけれども、既に方々で、民間でも、そして先般、私テレビで見たところなんですけれども、国立大学でもそういう技術研究をしているということでございますので、この活動を日本が始めるということになりますと、そういう分野における展開と申しますか発展が目覚ましいものになるんではなかろうかと。だからといって、敷設どんどんしていいという話ではないのでありますけれども、そういうことで、我々としてはやはり双方に気を配りながら、目配りしながら対応すべき問題だというように考えております。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁といたしましても、地雷を処理する能力及び資材を持っているわけでございますので、今後、アフガニスタンの地雷の撤去等にいかなることができるのか、先生の御指摘の技術指導や装備の提供も含めまして、より積極的に考えてまいりたいというふうに思っております。
○委員長(武見敬三君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、本案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉岡吉典君 日本共産党の吉岡です。 初めに、法案とちょっと離れますけれども、明後日が十二月八日、日本がパールハーバー初めアジア太平洋地域で一斉に奇襲攻撃を開始した六十周年の日を迎えます。ことしはまた十五年戦争の始まりからちょうど七十周年という年でもありますので、このことについて一言触れさせていただきたいと思います。 私の今手元に「海軍戦記」という当時出た本があります。大本営海軍報道部の編さんのものですけれども、これを読んでみますと、十二月八日に日本の海軍だけが行った作戦の一覧表が出ておりますけれども、それは、まずハワイ、そしてマレー方面奇襲上陸、上海、シンガポール夜間爆撃、ダバオ、ウェーク、グアム島、それからタイ国進駐、フィリピン主要飛行場の空襲、ミッドウェー島、香港、パラオ等々十数カ所にわたる攻撃を開始したことが書かれております。 このごろ太平洋戦争をめぐる論議の中で、パールハーバーだけを問題にして、私この間そこの本屋で買いましたら、真珠湾攻撃というのはルーズベルトが仕組んだもので、はめられた戦争だというこんな、これは数日前に買った本ですけれども、こういうたぐいの本も出て、太平洋戦争というのは全く日本に責任がない戦争だった、あるいは、ことし問題になった扶桑社の歴史教科書のように、アジア解放の戦争だったというように書いているものもあります。 私は、やはり日本国民として、また日本の国会としても、政府としても、ちょうど六十周年という節目の年でもありますので、こういうものについての我々の考えというのをきちっとしておく必要があると思います。 外務大臣にお尋ねしますけれども、もちろん外務大臣、こんな考えをお持ちだとは思いませんけれども、十二月八日という日を明後日に控えて、あの戦争について今どのようにお考えになっているか、簡単で結構ですからお伺いさせていただきます。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは私は、村山談話に私は尽きるのではないかという思いがいたします。 やはり過去を、しっかりと過去の歴史を認識して、そして将来に対する展望を持って現在何をするかという具体的な施策を立てるということが最もオーソドックスな歴史への取り組みであり、また外交の基本だろうというふうに思っております。 したがいまして、現在の、例えばさきの大戦で日本が御迷惑をおかけしたこと、そういう国々も大変大きく変貌なさっていますし、日本との関係もよくなっています。よくなりつつある国もございます。そうした中で、こうした相手の国、それから日本のすべての国民の皆様の努力、それを無にしてはならないというふうに思いますが、やはりあえて、いつも村山談話、村山談話と言って通り過ぎてしまうことですが、この十二月八日を迎えるに当たりまして、吉岡先生のお気持ちも体して、改めて中心になる部分を言葉として申し上げさせていただきたく存じます。それがまた私の責務であろうとも思います。 過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことに対して、痛切な反省の意と心からのおわびの気持ちを表明いたします。 私も、この村山総理のお気持ち、よく理解しておりますし、またこのことは、現小泉総理大臣も同じ思いでいらっしゃるというふうに思っております。
○吉岡吉典君 私は、アジア解放の戦争だったなどという議論がある関係で、もう一つ、さっき紹介しました「海軍戦記」という、これ当時出た本です。私、十何年前に仙台の古本屋で買いそろえた本なんですけれども、それを改めて読んでみましたら、太平洋戦争、十二月八日に一斉奇襲攻撃で緒戦の勝利を得たことの意義がとうとうと書かれております。それを読んでみますと、例えばこういう調子なんですね。「現代戦すなはち大消耗戦であり、補給戦の特質である、生産しつつの戦争を遂行するためには、どうしてもこの必要な戦略資源のあるところを取らねばならない。」と。「南方諸地域を取りさへすれば、戦争をやりとげる力を獲得することができる」というふうな形の、もう言葉は全部取るなんですね。それで、南方共栄圏がかくしてできるというふうに書かれておりまして、これがやはり後の解釈じゃなくて当時の大本営海軍部の率直なる気持ちだったんだなと思いまして、それで、アジア解放などというふうな議論の余地のないように、我々はやはり歴史の事実をきちっと国民にも提起していく必要があるなと思いました。 そういうことも踏まえて、この国会は恐らくこの委員会としてはことし最後の委員会になると思いますので、もう一問行わせていただきますけれども、二十一世紀の第一年であることしは、やはりアジア外交というのは日本外交が掲げた重要なテーマでもあったと思います。前河野外務大臣もこのことは所信でもいろいろ強調されたところです。私どもも過去への反省に立ってアジアとの関係を重視するということを強調し続けてきました。 しかし、残念ながら、この一年を振り返ってみますと、例の扶桑社の歴史教科書問題や靖国神社問題等で、私どもが望んだアジアとの外交関係の前進ということよりはむしろ停滞、というよりは後退であったと考えざるを得ない事態が連続しました。私は、こういうことをこの時期に踏まえて、来年はより率直なる過去の清算の上に立ってアジア外交を進めなくちゃならないと思っております。 そういう時期に、私は、ことし従軍慰安婦問題の前進もなかった。それどころか、私、最近活字になったものを読んでみましたら、従軍慰安婦問題についての河野官房長官談話は既に取り消されているという、従軍慰安婦問題でっち上げ論者の人々の書いたそういう文章があるのも見て驚きました。 そこで官房長官に、私は河野官房長官談話は今も生きていると思いますけれども、そういう発言もありましたので、私は、きちっと今も取り消されるどころか生きているということを確認していただきたい。 あわせて外務大臣に、過去の清算の上に立ってアジアとの関係を強めるためにどういうことをお考えになっているかお伺いさせていただきます。
○国務大臣(福田康夫君) いわゆる従軍慰安婦の問題につきましての政府の基本的な立場は、現在においても、河野官房長官談話、すなわち平成五年八月四日でございますが、このとおりでございまして、本件は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であると認識しております。
○国務大臣(田中眞紀子君) 過去の反省の上に立ってアジア外交を今後どう進めるかというお尋ねでございますが、私は吉岡先生とちょっと意見が違っておりまして、アジアとの関係は、私は、後退しているというよりもトータルで見ますとむしろ前進している面が大きいのではないかと、随分改善されていることがお互いの国のそれぞれの努力によって、六十年前、そのプロセスに比べまして改善している面の方が大きいと思います。 しかし、反省すべきは、先ほど申し上げましたように、しっかりと国民一人一人が家庭教育、公教育の場においても反省をすべきですが、アジア外交という面では、午前中の質疑でも申し上げましたが、私はやはり紛争予防ということに、日本が世界じゅうで起こっている、南米もありましょうし、中東もありましょうし、アフガンもアフリカもいろいろございますけれども、それらにどのようにして私たちがかかわっていけるかということでございまして、そのことが私たちがもう紛争の当事者には決してならないという過去の反省から学んだことを立証してお見せする証左でもあって、そのことが世界に対する日本の信用であり、信頼につながるというふうに考えております。
○吉岡吉典君 私は、ことしはこの委員会が最後でしょうから、来年は私ら自身の目から見ても大きく前進したと言える年にするよう、いろいろ新年早々から論議を重ねていきたいと思います。 法案に入ります。 PKO法案をめぐる論議が続いております。私どもの立場、そしてこれを推進する立場との違いというのはどういうところにあるかということを、まず私自身なりに整理しながら論議に入っていきたいと思います。 国連がPKOという措置をとる、これについて我々は原則的に反対する立場はとっていないということはこの委員会でも繰り返し言ってきたところです。問題は、憲法九条を持つ国である日本がこれにどういう形でかかわっていくかというところにあります。 私どもは、国連が紛争処理のためにとる措置に対する憲法九条を持つ日本のかかわり方、協力のあり方というのは軍事力によらない、政治・経済面、人による貢献というのも軍隊でなく文民による積極的な協力を行う、その道をとるべきだと考えております。そして、今もう一つの問題は、やはり自衛隊を最大限に派遣して、軍事というのですか、軍隊による国際貢献へ大きく踏み出そうという立場との相違があらわれていると思います。 私は、私どもが憲法九条をきちっと守ろうということを主張し続けているのは、これが侵略戦争の反省の上に立った憲法であるということ、そして国際的にはまだ日本は侵略戦争の反省がない国だという批判が強くある、こういう状況のもとで日本が再び軍隊を海外に派遣して行動するということは、やはり日本国憲法九条というものについての国際的な疑問、懸念、不安が広がることを恐れております。また、日本国憲法九条を厳格に文字どおり守り続けることは、今世界に広がっている二十一世紀を核兵器もまた兵器もない世界にしようという運動に対して希望を与え続ける道でもあると考えております。そして、今触れましたように、やはり今軍隊を大きく出していくということは、アジア諸国に再び日本は軍事大国への道を踏み出すのではないかという懸念を与えざるを得ないと思っております。 私は、太平洋戦争六十周年という年、また十五年戦争始まってから七十周年というそういう年に当たって、こういう過去の反省という、冒頭で問題にしましたこれを貫く方向というのは、やはり日本が軍事力による世界への貢献ということでなく平和的な手段による協力ということを選ぶべきだと考えております。 そういう我々の立場を表明した上で、防衛庁長官にお伺いします。 極めて初歩的な質問ですけれども、私は、どう考えても憲法九条から自衛隊法三条、そしてその法的な体系の中から自衛隊を、テロ対策にしろあるいはPKOにしろ海外に派遣する、武装した自衛隊を派遣するという答えがどうしても出てくるとは思えません。また、自衛隊法九十五条による武器等防護という任務を海外で行うということが自衛隊法をつくられるときに考えられていただろうかというそういう疑問を持たざるを得ません。 防衛庁長官、どのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊法が制定された昭和二十九年から非常に世界は大きく変化をしたというふうに思います。当時は、朝鮮戦争の直後とまた日本が独立をして五年ほどしかたっていなかったんですけれども、安全保障の概念も、冷戦の時代から経済の自由化、情報の共有化、また日本の国際化ということで、海外旅行者にしても貿易量にしても企業の海外進出も飛躍的にその数値自体が変わっておりますし、環境も変わっております。また、PKO活動や国際的なテロリズムの発生など、そのころ想像もしていなかった事態が起こるようになりまして、国民の自衛隊への期待の高まりや内外の情勢の変化を踏まえて、現在、我が国は世界から信頼されそして尊敬される国家、そしてその自衛隊を目指して、自衛隊が長年にわたって蓄積した技能、経験、組織等、機能に着目して、これを活用して世界から信頼され尊敬され得る国家をつくるために日夜活動を行っているわけでございます。 なお、自衛隊の海外での活動につきましては国会でもその都度御議論をいただいておりますが、海外派兵については、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないというふうに考えておりますけれども、これまで自衛隊が行っている活動につきましては、それ自体として武力の行使に当たらず、また他国の武力の行使とも一体化するものではないことから、憲法上の問題を生じないというふうに考えております。
○吉岡吉典君 これは、この委員会でも私何回か言ってきたことですけれども、日本国憲法制定当時には全く考えられていない、考えられていないどころかそういうことはやらないと言っていたことを情勢が変わったからということでやっていいものなのかどうなのかということが憲法をめぐっての違いだと思います。 自衛隊法制定時には、参議院で自衛隊を海外に派遣しないという本会議決議が採択されたことも、私はここでも取り上げてきたところです。そういう、憲法やそれからまた自衛隊法を制定したときにさえ考えてもいなかったことをやるところから次々といろいろな矛盾も出てきて、それで論議が複雑になってきているというのが今の状況でもあると思うんです。 そこで、PKOの問題ですけれども、現行PKO法が提案された時期に、私はこの法案について責任ある公式の説明を求めました。その説明は、この法案、つまり現行のPKO法案の最初の時期ですね、これは法案の名称ではっきりしているように、参加法ではなく協力法であると。したがって、自衛隊の部隊は防衛庁長官の指揮下にあると。自衛隊は二十四時間いっときとても防衛庁長官の指揮から離れることはできないと。それは国の防衛と治安維持のみを基本任務とする自衛隊の基本的な性格から来るものであると。PKO派遣というのはいわば出張のようなもので、例えば東京にいる自衛隊を北海道へ出張させるか九州へ出張させるか、あるいはカンボジアに出張させるか、そういう性質のことだという説明を聞きました。 このPKO法案の名称は今も協力法案ですが、その私が聞いた説明どおりなのか、最近ではもう当たり前のこととして参加参加と言われておりますけれども、そこはどういうふうになっているのか、長官、説明を願います。
○国務大臣(中谷元君) 協力と参加ということでありますけれども、協力とは参加を含む広い意味での関与形態をあらわしておりますが、我が国のPKO活動に対する関与のあり方は参加のみならず参加に至らない物資協力といった各種の事態を含んだ形で協力するということにいたしております。 現在、ゴラン高原にPKO要員を派遣をいたしておりますが、これは私の指揮のもとにありまして、絶えず隊員の身の安全やら、また物資の提供、また諸所の御要望等に対して適切に対応いたしておりまして、私が指揮をしているという認識でございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、私が十年前に聞いた説明とは異なります。それは、自衛隊法上の自衛隊の性格からいって参加はできないんだ、したがって内部にあるのではなく協力することしかできないんだという説明でした。 今の説明は、協力は参加より広い概念だという説明ですけれども、当時の委員会論議の中でも参加と協力は区別した答弁も行われております。 例えば、九一年十一月十八日、衆議院国際平和協力等特別委員会でのPKO準備室長の答弁ですけれども、その法案の仕組みは二つに分かれていると。一つはPKOで、PKOは国連平和維持活動への協力でございますと。それから、同時に、もう一つは人道的な国際救援活動で、これは参加だと、こういうふうにはっきりと参加と協力を分けて説明している。それは、私のところへ来て説明をしたときの論理と同じ論理の分け方です。 私は、やはりPKO、憲法や自衛隊法の関係で参加か協力かといういろいろな議論があった、私のところへ説明しに来た時期からいつの日か知りませんが大きな変化があったと、大きいかどうか別として、説明の仕方には少なくとも変化があったと言わざるを得ません。 そうすると、指揮の問題ですが、防衛庁長官、PKOに派遣している自衛隊はその平和維持活動も全部、長官の指揮下で行動しておりますか。
○国務大臣(中谷元君) そういうつもりで私はいたしております。 まず、成立当時と変わったのかというお話がございましたが、平成二年に、当時の中山外務大臣でございますが、先生のおっしゃる参加と協力とのことを御答弁されています。ここでは、参加とはとか協力とはということを説明した後に、参加に至らない協力についての説明がございまして、協力とは参加を含む広い意味での関与形態を示すものであるというふうに御答弁されておりまして、その答弁の内容、意味は変わっておりません。
○吉岡吉典君 そうすると参加となると、PKOの内部にある、もうそれは、日常行っているPKO活動は、防衛庁長官、東京から毎日指揮しているわけですか。
○国務大臣(中谷元君) 現在も中東地域においていろいろと紛争等も心配されるところでありますが、部隊の状況等につきましては毎日連絡をとって安全を確認をいたしております。 そして、今派遣をしている要員の権限でありますけれども、派遣された要員や部隊等の配置等に関する権限を有しておりまして、懲戒処分等の身分に関する権限も引き続き我が国が持って、防衛庁長官として指揮をしております。
○吉岡吉典君 人事配置とか懲戒じゃなくて、日常行っている活動を言うんです。しかし、最近では公然と国連のオペレーションコントロールを受けるということまで言っているんじゃないんですか。そうじゃないんですか。
○国務大臣(中谷元君) いわゆるコマンドと指揮、指図等の関連する問題でありますが、これは従来から一貫をしておりまして、派遣された要員というのは派遣国の公務員として活動するものでありますし、また国連は派遣された要員や部隊の配置に関するコマンド、指図は行うものの、身分に関する権限を含めた全般的な指揮監督権を有しているわけではないということでありまして、指揮に関しましては防衛庁長官の指揮下で行動しているということでございます。
○吉岡吉典君 これは長い論議があった経過ですから私ここで一々もう一回繰り返してやったら時間なくなっちゃうから言いませんが、あなた、当時の論議でも指揮権の範囲はどこかというのに、大体それだけですよ、自衛隊の中で指揮権が残っているのは人事それから懲罰等だということで、日常の平和維持活動は国連のコマンドに入ると、こういうことだったんじゃないんですか。
○国務大臣(中谷元君) 国連は派遣された要員や部隊の配置に関するコマンドは行います。しかし、おっしゃったような指揮権、監督権を有しているわけではございません。
○吉岡吉典君 それでは、まあいいです。私は、日本の防衛庁長官の完全な指揮下にあるというのが防衛庁長官の答弁だったということをここで確認だけしておいて、が、実態はそういうものではないということだけをここで指摘しておきたいと思います。 もう一つ、私は自衛隊法との関係で明らかにしてもらいたいんですが、PKO法が出たときに私は、一体これは自衛隊法のどこから出てくる任務かと。自衛隊法第三条は、自衛隊の基本任務というのは国の防衛と治安維持だけしか書かれていない。そこから自衛隊が海外へ出てPKO活動に参加であろうと協力であろうと、そういう行動をとる答えはどこからも出てくる余地がないと。しかも、PKO法というのを自衛隊の本則は変えないで雑則に加えるという処置をとるのは一体どういうことなのかと。自衛隊の雑則というのは、これはオリンピックへの協力とか国体への協力とか、こういう運動競技会に対する協力や、南極地域観測に対する協力、国賓の輸送というようなことが書かれているものですね。 それで、自衛隊を、憲法上大問題になる、そういう論議を経て海外へ出す、それを自衛隊の基本任務でなく雑則で、そういういわば雑用係のような法律改正で出すということは、これ自体が自衛隊法に書けない仕事をやっているんじゃないかというふうに思わざるを得ません。事実、そのとき私のところへ説明に来た責任ある人は、これは日本国憲法九条及び自衛隊法制定当時の経過から本則には書けませんという説明でした。 その中身というのは、自衛隊そのものがつくれるかつくれないかということが自衛隊法制定の際の大問題であり、その憲法九条の中で自衛隊をつくれるというのは、これは専ら国の防衛と治安維持だけを任務とするということで制定されたのが自衛隊法であり、そういう論理で自衛隊は創設された、したがってその自衛隊の基本任務にPKOというふうなものを送り込むことはできないと、そういう説明でありました。今もそういう説明ですか。 そうすると、自衛隊法というのは、そういう本当に自衛隊法の本則から離れた雑則でしか書けないような仕事だという評価なんですか。どういう考えでここら辺は整理しておられるか、お伺いします。
○国務大臣(中谷元君) 自衛隊の主任務と本則は第三条でございます。すなわち、直接侵略及び間接侵略に対して我が国を防衛すること及び必要に応じ公共の秩序の維持に当たることを自衛隊の本来の任務と規定をいたしておりますが、このPKO活動の実施につきましては自衛隊の本来の任務遂行に支障のない範囲で行うわけでありまして、自衛隊が長年にわたって蓄積した技能、経験、組織的な機能に着目をし、これを活用するという性格を持つものでありますので、自衛隊法第八章雑則に規定されている他の業務と同様の位置づけをしているわけでございます。
○吉岡吉典君 私どもは、もともと自衛隊法を制定するときにそれが憲法上許されるか許されないかということさえ問題になった、そのために自衛隊の海外への出動などということはとても考えることができない、だから本則に書けなくて雑則というその他大勢のいろいろな仕事の中の一つにしかできなかった、そういうこと自身がやはり自衛隊を海外へ出動させるということ、それがPKO法であろうとテロ対策であろうと、それ自体が憲法との矛盾を表明しているものだというふうに考えます。 それで、そういう、かつてガラス細工の上に成り立った法律だということをPKO法について言われたものですけれども、私はそういう無理に無理を重ねた論理というのが今もますます拡大されているというふうに思います。国連憲章第七章を援用したPKOという問題が生まれたことによってそれが一層強くなっているというふうに私は思いますので、一、二、その点でお尋ねしたいと思います。 第七章を援用したPKOについて政府はどう対応するかというのに対して、私はこれまでの論議というのは、その時々の状況に応じて対応する、こういうものだったと思います。しかし、いずれにせよ、かつてはなかった、国連憲章六章半と言われた、PKOではなかった第七章を援用してのPKOが一九九〇年代になって生まれてきました。なぜ第七章を援用するPKOが生まれたのか、例えば東チモールのPKOの例で説明していただきたいと思います。 これはどなたですか。外務大臣ですか、防衛庁長官ですか。
○政府参考人(谷内正太郎君) まず、一般論で恐縮でございますけれども、安保理決議の解釈そのものは一義的には安保理が行うべきものでございまして、我が国として有権的な形で解釈を述べる立場にはございません。また、設立決議におきまして国連憲章第七章に言及のあるPKOにつきましては、その目的及び任務には種々のものがございますので、国連憲章第七章に言及があることの意味につきまして一概に申し上げることは困難でございます。 そういう前提で御質問のUNTAETにつきましてあえて申し上げますと、UNTAET設立決議における第七章への言及は、設立決議の規定ぶりや安保理における議論を踏まえて総合的に判断すべきものでございます。すなわち、安保理といたしまして、UNTAETに対し東チモールの行政に関する全般的責任を与え、すべての立法及び行政権限を行使する機能を与えた上で、UNTAETによる任務の円滑な遂行を強く指示する政治的意思を表明したものではないかと考えます。 したがいまして、UNTAET設立決議は、国連憲章第七章への言及があることは事実でございますけれども、その言及ぶりは今申し上げました趣旨でありまして、武力の行使について具体的権能を明示した規定はこの決議の中にはないというのが事実でございます。
○吉岡吉典君 非常に無難な理由にしようという説明で、だめですよ、そういうふうに言うけれども。 僕は、外務省それから危機管理室それから学者等も含めていろいろ七章PKOが生まれた理由について相当説明を聞いて歩きました。 僕流にその説明を整理しますと、全部に共通しているわけじゃないですよ。しかし、いろいろ例は違うけれども挙げてみますと、一つは、第七章を援用しているということによる政治的効果が期待されるもの、これが一つあると。だけれどもしかし、内容は伝統的なPKOと余り変わらないけれども、七章の援用で政治的効果を大きくしている。 二番目は、停戦合意、受け入れ同意がなくても派遣するためだという理由です。それは私、悪いことだということを言っているわけじゃないですよ。国連安保理の判断で、停戦合意やら受け入れ国の同意まで待っておれない深刻な状態が生まれている状態のもとでは七章を援用することによって派遣するということが行われていると。 それから第三番目には、強制権限の行使を想定したものと。私は最近聞いたら、政府関係者、ちょっと名前はここで控えます、あなたと説明が違うから。東チモールは強制権限を行使せざるを得ない事態が想定されるからそうしたんだと、そういう説明で、今の説明とは、同じ政府の中でも、外務省じゃありませんが、説明が違います。しかし、私は大体そういうことだと思います。 それがいいとか悪いとかを私は言うわけじゃなくて、そういう停戦合意も受け入れ国の同意もないPKOが誕生する、従来なかったPKOが誕生するということになれば、また強制権限の行使を想定するPKOが誕生した場合には、これまで我が国がとってきた参加五原則、このままではそれが適用できない事態が生まれると。したがって、そういうPKOが九〇年代数多く生まれ、この数年は全部七章を援用している。七章を援用しているからPKO五原則に違反するとは言いません。そのケースによってはそういう新しいものが生まれてきたんだと。だとすると、参加五原則を変えるか、あるいは参加五原則では条件が整わないものには参加しないか、そこをきちっとしなくちゃならない時期が来ていると思います。 その点は私はお認めにならざるを得ないと思いますが、これはどなたに説明願えましょうか。長官ですか。
○国務大臣(中谷元君) 確かにいろんなタイプのPKOがあるというのは事実でございますが、我が国が国連PKOに参加するに当たりましては、停戦の合意、受け入れの同意を含む参加五原則の国際平和協力法の上の要件を満たす必要がございまして、この七章に言及されている場合であっても、この条件を満たすものである限り、我が国の参加は法的には可能でございます。 このように、我が国の法律の要件に基づくもののみに参加をして活動を行うものでございます。
○吉岡吉典君 国会の論議の中では、PKOがこのように大きく変貌を遂げた事態のもとでは参加五原則を改正すべきだという議論も盛んに行われております。そういう状況のもとで、今の長官の発言ですと、PKO参加五原則を変えることは全く想定しておられないかどうか、それもあわせてお伺いしておきます。
○国務大臣(中谷元君) 参加五原則というのは、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないということを担保する意味で策定されたこのPKO平和協力法の重要な骨格でございます。この骨格に対する認識は今後とも変わりがございませんが、この憲法と五原則等との関係におきましては、憲法上いかなる場合が許されるのであるか、国連のPKO活動の実態また国会での御議論を踏まえつつ、今後とも必要に応じて検討してまいらなければならないというふうに思っております。
○吉岡吉典君 ちょっと今の最後のところを再確認ですが、やっぱり検討していくというのは変更もあり得るという意味ですか。
○国務大臣(中谷元君) いかなる原則が憲法上許されるのか、この五原則につきましても、国連のPKO活動の実態また国会での議論も踏まえつつ、今後とも必要に応じ検討してまいりたいというふうに思っております。
○吉岡吉典君 そうしますと、私は、ごく最近ですが、東チモールのPKOは強制権限行使という事態も想定して七章を援用したんだという説明を聞きましたが、一方、福田官房長官は、今回のPKO改正は東チモールへの参加を考えたものだという答弁も衆議院で行われておられますけれども、その関係はどういうことになりますか。
○国務大臣(福田康夫君) 私の名前が出てきていたのでお答えしますけれども、私、東チモールのために今回のという、そういう話はした覚えないんですが、そういう記録ございますか。
○吉岡吉典君 私は速記録で読みましたが。
○国務大臣(福田康夫君) ありますか、そうですかね。──そういう記録があるというのはちょっと私も、自身確認いたしますけれども、要するに、趣旨は、この改正そのものは以前からもいろいろ議論してきたわけです。今現在の活動というのは非常に微々たるものであるということ、それは活動の範囲が狭いからではないかと、こういったような考え方に基づき、活動の範囲を広げることが日本の国際社会に対するその貢献の拡大と、こういう観点から、活動の範囲を広げるための改正であると。要するに、平和協力活動をもっとやっていこうと、こういう趣旨でこの課題に取り組んだと、このように理解をしていただきたいと思っております。
○吉岡吉典君 私は、いろんな理屈で、情勢の変化で検討検討ということで、これだと一体どこまで変わっていくかわからない。憲法はもとのままです。自衛隊法も基本の第三条はもとのまま、その中で、もうどんどんどんどん自衛隊を海外に出す方向での変化、検討が続くということに非常に危惧を感ずるわけです。 そこで、そういう変化の一つとして、私は本会議及び先日のこの委員会での国連加盟時の留保条件ということに関連する答弁の問題について、これは私は正確を期しておいてもらいたいと思いますので、ちょっと取り上げたいと思います。 これは、本会議で共産党議員の質問に対する答弁の中で、これは福田官房長官、国連加盟に当たって我が国が何らかの留保を付したとは考えておりませんと、これは断定的な答弁がありました。 おとといですか、この委員会では田中外務大臣がこの福田長官と同じ答弁をされたのに加えて、もう少し時代的背景を調べないとという答弁がありました。どういう趣旨で時代的背景とおっしゃったのか、あるいは矛盾を感じられたのかわかりませんけれども、この国連加盟に当たって留保条件をつけていないというのは正確ではなく、同時に非常に重要な意味を持つということを私は申し上げたいと思います。 私はその点で、まず一九五二年の国連加盟承認案件審議が衆議院でも参議院でも特別委員会で行われております。私はそのコピーをここに持ってきておりますけれども、これを読む中からも留保条件をつけていないという答えは出てくる余地が全くありません。 そのときに岡崎外務大臣、西村条約局長初め政府関係者の答弁というのは、国連に加盟したら軍隊をつくって軍事協力をやらなければ国連加盟ができないじゃないかという議論に対して、そうではないんだと。日本国憲法の九条の制約を持ったままで国連に加盟できる、その場合には国連が課するところの軍事的な役割は果たさなくても、国連加盟で日本は十分に役割を果たすことができるということが繰り返し答弁されております。 そして、そういう審議を踏まえて、加盟申請に当たっては、西村元条約局長が内閣憲法調査会で行われたその発言、僕は要約は非常に不正確になっているので原本で見ていただきたいんです。 原本を読めば、 国際連盟の場合と違つて国際連合においては安保理事会の決定する集団安全保障措置が発動される場合には、好むと好まざるとを問わず加盟国はその義務を履行しなければならないたてまえになつております。したがつて黙つておれば、日本は国連憲章の規定によりまして当然安保理事会の決定する集団安全保障のための軍事行動に参加し、またこれに協力をしなければならないことになります。いわゆる国際的軍事行動に参加する義務を負うことになります と。 そこで、加盟申請書に憲法九条でそういうことはできないという留保をつける原案がつくられたと。しかし、それは論議を経て、そこまで直接に九条を挙げてやるまでもないじゃないか、これは間接的な留保の表現にとどめようということになって、申請書では「その有するすべての手段をもつて、」協力するということになったと。これが憲法調査会での西村元条約局長の陳述内容なんです。 したがって、直接の表現で留保を、間接的な、つまり日本は軍隊を持っていない国なんだと、その軍隊を持たない国として持っているすべての手段をもって国連に協力する、そういうことになったというのが憲法調査会で行われている発言なんですね。 下田元条約局長がこれと違った発言をしたように時々取り上げられますけれども、これの違いは全然ないんですね。それと違ったことを言っているのではなくて、全然別の問題について下田元条約局長は述べており、ただ違いが強いてないかといえば、留保という言葉が西村さんには出てくる、それはそれにかかわるところを述べたから。それで、下田条約局長はそういう留保か、直接留保か間接留保かというふうなことを述べるまでもない部分について述べているからそういう言葉はないわけでして、したがって、もし留保を何らつけていないということをそのままにしておきますと、西村元条約局長が心配したように、国連安保理事会の決定がすべて日本が義務として守らなくちゃいかぬという問題が出てくるようにもなりかねないと思います。 それから、事実関係においても、私は、本会議でのより重みのある答弁で結構ですが、これはやっぱり不正確だということで、僕はやっぱり正確を期していただきたいと思います。 同時に、こういう原案をどういうわけで書いたのか、こういうことをやっぱりきちっと政府はしておいてもらわないと困るということもつけ加えておきたいと思います。 福田官房長官、あるいはほかのだれか詳しくて答えることのできる人があれば、ほかの人でも構いません。
○政府参考人(谷内正太郎君) 先生の方から大体、事実関係のことについてはすべて御説明いただきましたので同じことを繰り返すつもりはございませんけれども、政府の立場といたしましては、御指摘の昭和二十七年六月十六日付、岡崎外務大臣発リー国連事務総長あて書簡をもって国連に対する加盟申請を行ったわけでございます。 その申請の中で、おっしゃるように、「その有するすべての手段をもつて、」という、こういう表現があるわけでございます。この「その有するすべての手段をもつて、」という表現の中に、第九条で軍備を持たないという考え方も当時はあったわけでございまして、あったというのは日本国内にあったわけでございまして、そういうこともあってすべての手段という形で留保をしたのではないかというのが御質問のポイントだと思います。 他方、留保というのはどういうことかといいますと、これは釈迦に説法ではございますけれども、ある国が多数国間条約の特定の規定の自国への適用上、その法的効果を排除するかまたは変更することを目的として一方的に行う表示であって、当該条約の署名、批准、受諾等のときに行われるのが通例であると、こういうことでございます。 それでは、この表現をもちまして特定の法的効果を排除することをねらったものであるかといいますと、これは正確に文書をもう一度読まさせていただきますけれども、「国際連合の加盟国としての義務を、その有するすべての手段をもつて、履行することを約束する」と、こういう形で言っておりまして、これはある意味では論理的に当然のことでございまして、できる手段はすべて使ってきちっと履行しますということを述べて、この国連憲章上の義務を果たすことを述べることによって、国連への加盟申請を他の事由とともに認めていただきたいということを述べたわけでございます。 この表現をもってそれでは留保と言えるかといえば、これは国際法上、あるいは国際的に見て、この表現をもって留保であるというふうに言うのは難しいのではないかと。これは政府としても一貫しておるところでございまして、当時の条約局長でございました下田元条約局長も、現実問題として憲法第九条のために国連加盟が妨げられ、国連憲章上の義務を遂行し得なくなるというような危惧を政府が抱いたことはないということを憲法調査会の場で述べておるところでございます。
○吉岡吉典君 官房長官、何らかの留保条件を付したとは考えておりませんと御答弁になっているんですね、本会議で。今の説明でも、その有するすべてというのは、有しないものでは義務が履行できない部分があるということになることはこれはもう当然のことですよね。だから、それが国際法上の留保か留保でないかは別としまして、いかなる留保をもつけていませんというふうに言い切って、何もやる義務が生ずるような答弁はそのままは私は残しておいてはほしくないというふうに思いますので、福田長官、この点だけは明らかにしてもらいたいと思います。 なぜ、私こういうことを言うかというと、憲法やら自衛隊法の解釈がどんどんいろんな理屈を持ち出して広げられて、とうとう、憲法制定当時にはだれも考えたことのない、自衛隊が二十一世紀は世界に羽ばたく世紀になりかねない状況が生まれているわけですね。自衛隊が今でもゴラン高原にいる、今度はインド洋に展開する、東チモールにも出る。もっと広く、この法律改正で世界で働く時代という、自衛隊が本当に二十一世紀は世界じゅうに出かける、そういうことというのは、今の憲法をつくるときにも自衛隊法をつくるときでさえも、だれも考えたことがないんですよ。 そういう歯どめをどんどん広げる、その一つに私は官房長官の答弁がなりかねないという懸念を持ちましたので、これはきちっとしていただきたいなと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 自衛隊の活動範囲は確かに広がりました。広がりましたけれども、無制限に条件つけずにやっているわけじゃないんで、それはあくまでも、もう何回となく、何十回となく、何百回となく、憲法の範囲の中でと、こういうことを申し上げているわけでありますけれども、その点において武力行使にわたらないように十分注意を払いながら活動をしているということであります。 このことは、国際社会の安定、平和の維持と、こういうふうな観点から決して悪い活動でないのでないかと。また、そういうことは、先ほど来いろいろ申し上げておりますけれども、国際社会からも評価され、また国内においてもその評価というのは高いわけでございますから、今後ともでき得る限りの国際的な貢献をすべきではなかろうか、それが日本のなすべき道ではなかろうかと、このように考えております。 委員の御指摘のように、無制限に広がっていくというわけじゃありません。PKOも今現在はごくごくわずかな部分でしか活動していないということもございます。ですから、これを少し広げたからといって、それでもって心配だというのは、私は今現在、当たらないというふうに考えております。
○吉岡吉典君 私、まことに申しわけないけれども、国連の留保条件のことを答弁してもらいたかったんですよ。これは大事な問題ですからね。
○委員長(武見敬三君) 吉岡吉典君。もう一度述べてください。
○吉岡吉典君 ですから、今、長官答弁ありましたけれども、私は今のもありますけれども、直接的には、国連加盟時の、何ら留保条件をつけていないと、そのままでお済ましにならないでいただきたいということです。
○委員長(武見敬三君) 時間も超過しておりますので、簡潔にお答えください。
○政府特別補佐人(津野修君) 一昨日でしたか、御答弁申し上げましたのは。これは、憲法調査会でこういう議論があったということを御紹介しただけでございまして、しかもその中では、先ほど申し上げました下田条約局長あるいは田畑、当時の京大の先生だったですかね、国際法学者の意見等についても御紹介しておりますので、それは政府としての見解を申し上げたわけではございません。
○国務大臣(福田康夫君) この留保条件に関連して、自衛隊の活動が世界であっちもこっちもと、こういうお話をされるから、それは憲法の枠の中できちんと整理してやっておりますということを申し上げたわけでありまして、この留保条件について申し上げれば、留保の条件はついていないというふうに申し上げざるを得ないと、先ほどの総政局長の答弁のとおりであります。
○委員長(武見敬三君) 以上、時間でございますので、次に移ります。
○大田昌秀君 私は、最近の中東情勢について大変懸念を持っております。私のところには、小中学校の子供さんたちやあるいは一般の市民から、日本はもう戦争をする国になったのではないかという大変心配する声が随分届いております。 一昨日の本委員会でも若干お聞きしましたけれども、中東問題について、けさの質疑にもございまして、その答弁の中で、福田官房長官、田中外務大臣はそれぞれ、情報収集し事態を見きわめているとか、あるいはイスラエル、パレスチナ双方に自制を求めたいという趣旨の御見解を表明されました。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 御案内のとおり、我が国は輸入原油の八五%を中東地域に依存しています。中東の情勢は我が国の経済、国民生活に直結してくるだけに、事態がこれ以上悪化しないように政府は積極的な外交努力をぜひしていただきたいと願っています。 パレスチナ問題がこういう事態に立ち至った経緯を振り返ってみますと、一九九三年、オタワでPLOとイスラエルの間で交渉による解決が合意され、翌九四年にはパレスチナ自治政府が発足し、五年間の暫定自治を経て一九九九年五月にパレスチナ国家ができるはずでした。しかし、オタワ合意後の五年がたっても事態はこじれているわけです。 両国の衝突の背景にはさまざまな要因があるということは理解できますけれども、去る十二月三日、イスラエルによるパレスチナへの報復攻撃が起きたその日ですが、国連総会は和平交渉の即時開催を求める諸決議を採択しておりますが、その内容はどうなっておりますか。外務大臣にお答えお願いします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 最後の一言、ちょっと聞き取れませんでした。
○大田昌秀君 国連総会で十二月三日に和平交渉の即時開催を求める決議がなされておりますけれども、それに対して、その内容はどうなっているのか。そして日本政府はどういう対応をとられたのか。イスラエルあるいはアメリカはどういう対応をとられたのか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 重家局長に詳しく、正確にお願いします。
○政府参考人(重家俊範君) まことに申しわけないんですが、国連総会の決議、ちょっと手元に持っておりませんので、後ほどまた御報告させていただきたいと思いますが、国連のアナン事務総長は四日に、現地におきまして、報復攻撃という悪循環が続いていることに非常に強い懸念を持っておるということを述べまして、紛争の解決には平和的な解決以外の選択肢はないんだという強いステートメントを出しておると承知しております。
○大田昌秀君 私の理解するところでは、その決議に対してイスラエルとアメリカは反対をしているというふうに聞いておりますけれども、一九九三年にオタワで両者が和平合意して以来、政府、外務省はどのような外交努力を続けてこられたのか。例えば、以前にスウェーデンがイスラエルとPLOの和平会議を仲介したことなどがございますけれども、我が国は、我が政府はどのような外交努力を続けてこられたのか、伺います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 九三年は、オタワではなくて、オスロ合意をおっしゃっておられますでしょうか。
○大田昌秀君 オタワです。一九九五年。
○国務大臣(田中眞紀子君) 九五年ですか。
○大田昌秀君 失礼、九三年でございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 九三年がオスロだと思いますが。 申し上げます。イスラエル、パレスチナ双方が和平実現に向けて交渉を行っていくという合意がされたわけですけれども、そこで日本が具体的にいたしましたことは、資金のことばかり言って申しわけありませんが、まず六億ドルに及ぶ対パレスチナの支援というものをまず行いました。その次に多国間の協議環境の、ワーキンググループとしての、日本が議長としての運営もいたしましたし、それからUNDOFへの自衛隊の要員派遣といったような、さまざまな分野で和平達成のための努力も支援してきております。そして、とにかく話し合いによって解決を物事はするようにということは適宜、その都度、物があるたびに発言はしてきております。
○大田昌秀君 防衛庁長官に伺います。 政府はこれから自衛隊を東チモールへ派遣する計画のようでございますけれども、東チモールの現状はどうなっておりますか。 そこには、私の理解するところでは、二十カ国以上の国から約七千五百人のいわゆる多国籍軍が駐留しているようでございますけれども、そこに平和維持軍というのが駐留しているんですか。そして、もし派遣するとすれば、自衛隊はどの軍に所属するようになるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 東チモールの現状につきましては、二日ほど前にこの政府の責任者であります閣僚の方、外務大臣、経済大臣、来られていますけれども、非常に安定して落ち着いているというお話がありましたし、政府の調査団も現地を視察いたしましたけれども、非常に落ち着いている状況でございます。 現在、今後の予定といたしまして、陸上自衛隊の施設部隊並びにそれを輸送する海上自衛隊、また航空自衛隊に対して準備を開始するように指示をいたしまして、約七百名から成る施設部隊が道路や橋梁の維持補修等の後方支援分野の派遣並びにそれの支援に当たる海空自衛隊の輸送等を準備をいたしております。 また、必要な調査団の派遣、それに伴う要員の選考、教育訓練、装備の調達、補給、整備等を行っております。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕
○大田昌秀君 どの軍隊に、多国籍軍と国連平和維持軍とどちらの方に自衛隊は派遣するわけですか。そして、多国籍軍と国連平和維持軍との基本的な違いはどこにありますか。
○国務大臣(中谷元君) 違いというのは、国連においてPKO活動であるという安保理事会の決議に基づいて決定をされているかどうかということでありまして、現在、東チモールで活動している活動は、多国籍軍ではございません。もう今は多国籍軍はなくて、UNTAETという国連の名のもとに行われるPKO活動の組織でありまして、これの軍事部門に参加する方向で準備をいたしております。
○大田昌秀君 先日も伺いましたけれども、ちょっと言及しましたけれども、ブラヒミ構想が今大変PKOとの関連で議論されておりますけれども、そのブラヒミ構想によりますと、停戦までは関係国などの外交努力で紛争の解決に携わり、PKOは停戦合意後の活動に重点を置いて国家や社会の総合的な再建によって紛争を解決していこうという考え方が中心になっているようでございます。そのため、文民要員の役割を殊のほか重視しているように私は理解しております。 その合意内容を阻害するものについては軍事的な軍事力を用いるということも言っておるわけでございますが、我が国のPKO法制定以来、我が国のPKO派遣で文民要員と自衛隊の要員との数の違い、それをお知らせいただけたらいいと思います。
○政府参考人(林梓君) 平成四年以来の我が国の国際平和協力業務での総計でございますが、総計で四千三百四十名国際平和協力隊員を出しております。そのうち、自衛隊員を使いましたのが三千九百二十七名、それからその他、これは文民、学者、NGO関係者、地方公務員等でございますが、四百十三名でございます。全体が四千三百四十、そのうち自衛隊員が三千九百二十七、それからその他、民間人といいますか、学者、NGO関係者、公務員その他、これが四百十三名でございます。
○大田昌秀君 その中で犠牲になった人たちの数はどうなっておりますですか、犠牲になった人の数はどうなっておりますか。
○政府参考人(林梓君) 犠牲になられたのは、カンボジアで高田警視を失っております。
○大田昌秀君 もっと、民間人はどうなっているんですか。
○政府参考人(林梓君) PKO要員では、民間人ではありません。
○大田昌秀君 私は、PKO活動へ民間部門から人材を送るということを大変重要だと考えておりますけれども、一昨日も防衛庁長官にお伺いしました。 我が国からPKO活動に派遣する際に、文民あるいは自衛隊をその目的のために訓練、教育するということが非常に重要だということを感じておりますが、一昨日の防衛庁長官の御答弁では、派遣前に二、三日間、たしか私の聞き間違いでなければ二、三日間の訓練、教育を施してということをおっしゃっていたんじゃないかと思いますが、具体的にどういうふうな教育訓練をなさっておられるか。 つまり、これは愛知大学の河辺という先生の報告ですが、オーストリア政府は、八二年にオーストリア平和紛争解決研究センターと協力して、九二年後半から国際平和維持・平和建設文民訓練計画をつくり、選挙監視や人道活動などに関する文民訓練コースの準備を始めて、九三年九月から国連訓練調査研究所と協力して三週間の育成コースを設けたということで、こういった文民の要員を教育するのはほかの国々なんかでも行われているようですが、我が国ではそういうことはどのようになっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 民間等につきましては後でPKO本部からお答えしますが、自衛隊の場合の訓練期間におきましては、通常、半年前から準備をいたしまして、少なくとも三カ月ぐらいは語学の研修をしたり、現地の実情等を学んだり、また一般的なPKOの活動等を習熟するという訓練をいたしております。 民間の方々の教育訓練につきましては、PKO本部長からお答えさせていただきます。
○政府参考人(林梓君) 一昨日でございますか、二日、三日と申し上げました。 最近の例では、今、参加される方が教職についておられるとか、NGO関係者とかいろいろお忙しい方がいるものですから、その要望も受けまして、最近のやつは二、三日ということになっているんでございますが。 ちょっとさかのぼりまして、例えばカンボジアの選挙監視のケースでございますとかモザンビークに出しました場合と、その辺になりますともう十一日間のみっちりした研修をやっております。実際、その国の、国際平和協力法、この法律、日本の法律でございます、それから基礎知識、現地事情、保健衛生状況、それから場合によっては語学もやっております。それから、不測の事態に備えた安全確保のための、これは自衛隊の方へお願いしておりますけれども。それから、場合によっては四輪駆動車の運転講習等の技能もやっております。 以上、そういうことでございます。
○大田昌秀君 ロンドン大学の大学院の永田さんという方が「国連PKO改革の行方」という論考を発表しておりますけれども、それによりますと、軍事要員の確保は困難ではないけれども、近年急速に高まってきた文民要員の恒常的不足が深刻で、文民警察官は二〇〇〇年八月の段階で定数の二五%が不足しており、多機能型PKOにおける文民問題の専門家は定数の四〇%から五〇%不足しておると。それで、多機能型PKOにおける文民問題の専門家は非常に重要だという指摘がございますが、官房長官、政府として、自衛隊の派遣もさることながら、こういった非常に不足している文民の専門家とか、日本は非常に高度の教育を受けたり優秀な人たちがたくさんいるわけですから、もっと積極的に養成されるお考えはありませんか、伺います。
○国務大臣(福田康夫君) かねがねこれも議論のあったところでございますけれども、今、自衛隊という組織がございます。この組織を有効活用するというのも、これは私は日本の政府としてはどうしても考えなきゃいけないことだというように思っております。また、今後、文民の活用というようなことについてはいろいろ議論を重ねてまいりたいというように考えておるところでございます。
○大田昌秀君 二〇〇〇年十月に、アメリカ政府のアーミテージ国務副長官らは、日米のより成熟した同盟に向けてと題する報告書を発表いたしました。 それによりますと、日本国の憲法を改定するか否かは日本国民が決める問題だと一応断ってはおりますけれども、その中で、日本国憲法による集団的自衛権の禁止は、日米のより成熟した同盟に向けての協力関係を推進する上で障害になっているという趣旨のことを指摘されて、その障害を取り除いて日米間に米国と英国とのような特別な協力関係をつくり上げたいとして、日本側にPKF本体への参加凍結を解除してほしいという趣旨の要請をしているというふうに私は理解しております。 それを受ける形で、翌二〇〇一年三月に、自民党国防部会は、PKF本体業務の凍結解除を打ち出し、五月の防衛戦略研究会議では、このアーミテージ・レポートへの返書の形をとってPKF本体業務への参加凍結解除を優先課題とする旨を記しているようですが、このPKFの解除問題、本体業務への参加ということは日本の主体的な判断ですか。それとも、アメリカの要請を受けて、それに従属する形で決定されたんですか。
○国務大臣(中谷元君) 我が国の政策につきましては日本国民が決めることであります。 このPKFの本体を解除するかの問題につきましては、これまでのPKOへの実績と国内外での理解、そして期待が高まったと判断をしたこと、また、国連また国際社会から強い期待が示されてきたところでありまして、我が国として主体的に凍結解除を判断したものでありまして、特定国からの要請を受けて行うというようにしたものではございません。
○大田昌秀君 私のところには、日本国憲法がなし崩し的にされているという懸念を示す声がたくさん寄せられておりますけれども、今回のこの法案というものは日本国憲法の平和原則の根幹にかかわる極めて重大な法案だと私は考えております。とりわけ、PKF本体業務への参加凍結の解除というものは、PKO法成立のときの経緯に照らしてみても到底納得しがたいものがございます。 PKO法が国会で審議され、成立したとき、PKF本体業務の活動が海外での武力行使につながりかねないとの指摘を受けてこれを凍結したと。防衛庁長官は、先日からきょうにかけての御答弁ではそうではないんだという趣旨のお話をしておられたわけですが。 ちなみに、九一年、平成三年九月二十五日の衆議院PKO特別委員会での工藤法制局長官の答弁がPKFに関連してございますけれども、それにはこういうことが言われています。 我が国の自衛隊が今回の法案に基づきまして国連がその平和維持活動として編成した平和維持隊などの組織に参加する場合に、まず第一に武器の使用、これは我が国要員等の生命、身体の防衛のために必要な最小限のものに限られる、これが第一でございます。 それから第二に、紛争当事者間の停戦合意、これが国際平和維持活動の前提でございますが、そういう紛争当事者間の停戦合意が破れるということなどで我が国が平和維持隊などの組織に参加して活動する、こういう前提が崩れました場合、短期間にこのような前提が回復しない、このような場合には我が国から参加した部隊の派遣を終了させる、こういった前提を設けて参加することといたしております。 ということがあるわけです。 そうしますと、この間から問題になっております五原則が崩れた場合には撤収するんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今、大田議員のおっしゃったことは、この五原則の中の中断とか休止という一つの柱でございます。そういう場合は、我が国の活動を中止をして撤収をするという判断をすることになるわけです。
○大田昌秀君 これは、先ほどの同僚委員の御質問とも関連いたしますが、今非常に重大なことをおっしゃったと思います。 九一年五月に作成されました国連と国連平和維持活動に人員及び装備を提供する国連加盟国との間のモデル協定案というのがございまして、その第六項に、国連平和維持活動の機能は専ら国際的なものであり、参加国によって利用に供される要員は、国連の利益のみを念頭に置いてみずからの行動を規制する、それらの者は本国の行政事項に関する場合を除くほか、その任務の遂行に当たって国連外のいかなる他の当局からも指示を求めまたは受けてはならず、また参加国政府もそのような指示をそれらの者に対して与えてはならないということが記載されてございます。 さらに、同じく九一年三月に作成された国連平和維持活動のための標準作戦運用規定、SOPSに関するガイドラインの武力行使に関するところ、D項を見ますと、作戦運用はそのすべての側面において安全保障理事会に対し責任を負う事務総長の権限のもとに置かれる、加盟国政府によって送り込まれる軍事要員は、作戦運用に関する事項について事務総長の指揮下に置かれ、給与や規律に関する事項についてはそれぞれ自国政府の権限下にとどまる、平和維持活動に従事する軍事要員は、作戦運用事項に関しては自国政府当局からの命令を受け入れず事務総長からの指令を受ける国連司令官からの命令のみを受けるのが平和維持の基本原則であると、こういうふうにうたわれておりますが、これとの関連は一体どうなるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 停戦の合意と申しますと、我が国がPKOに参加する要件の一つでございますが、基本的にその参加する母体であるPKO活動も停戦合意などの存在を前提として展開をしているということは国連や参加国の共通の認識でありまして、停戦合意等の要件が充足されない事態となったら、ともに業務の中断や撤収を検討することが、国連自体が予想をされまして、我が国の部隊だけが勝手に撤収するといった状況は想像しがたいわけでございますが、そのような状況か否かということにつきましては不断に国連また関係国とも協議をした上で判断することでありますし、我が国が停戦の合意が崩れたと判断した場合におきましては、内閣総理大臣が閣議の開催を求めて実施計画の変更を閣議決定するとともに、事務総長に対して適切な事前の勧告をした上で派遣を終了させることになるわけであります。 このことにつきましては、我が国が参加する際に国連側ともこういう前提でということを取り決めをして参加をするわけでありますので、国連の方との関係で問題を生じさせることはないというふうに思っております。
○大田昌秀君 そのときの前提が崩れたか否かという判断は、これは内閣総理大臣がなさるんですか、それとも国連事務総長がなさるんですか。
○国務大臣(中谷元君) この状況等について派遣を終了することが必要であると判断される場合には、国連の、平和協力本部長であります内閣総理大臣が判断をし、そして計画等の変更を閣議決定するものでございます。
○大田昌秀君 別の質問をしたいと思います。 これは武力の行使との関連でございますけれども、今回の改正案で地雷除去の業務もできるようになると、そう考えていいんですか。 最近の新聞報道、これは正確かどうか知りませんけれども、十二月一日付の毎日新聞の報道ですが、中谷防衛庁長官は、アフガニスタンでPKO活動が展開されれば地雷除去活動に自衛隊を参加させたいとのお考えを示したというふうに報じられておりますが、これは、この報道は事実でございますか。
○国務大臣(中谷元君) 今回のPKFの凍結解除に伴いまして、放置された武器の収容等ができるわけであります。このことはすなわち地雷等の回収を意味するものでありまして、PKO活動における地雷の処理は可能になるわけでございます。 アフガニスタンの情勢に関連するお尋ねでございますが、まだアフガニスタンでPKO活動が行われるということが決まっておりません。いかなるPKO活動が実施をされるのか、その状況をよく勘案をした上で、我が国としていかなる対応ができるのか、この点についてはよく研究をし、検討しなければならない問題でございます。
○委員長(武見敬三君) 時間が参りましたので、次の発言者に移ります。
○田村秀昭君 ことしの五月十七日の参議院の外交防衛委員会で、防衛庁長官が所信を表明されました。その五番目に、防衛庁の省への移行についての、省昇格の決意を述べられたわけですが、国民の生命、財産の保護や世界平和への貢献における自衛隊の活動が求められるなど、国政における防衛の重要性が増大していること等を踏まえ、ぜひとも一日も早く省の昇格を実現したいということを長官、おっしゃいましたね。 それで、それはどういうふうに今現実の問題としてなっているのか、いつごろを考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 所信表明をしたと同様に、非常に国の安全保障や防衛に関する認識は深まっておりまして、私としても一日も早くその実現を図っていただきたいというふうにお願いをいたしておりますが、平成九年の十二月に出された行革の最終報告で「政治の場で議論すべき課題」とされておりまして、百五十一通常国会において議員立法により防衛省設置法案が提出され、継続審議となっております。 したがいまして、私といたしましては、この法律の審議を行っていただきまして、法律の成立によりまして、防衛省への昇格を実現していただきたいというふうに心から国会に対してお願いをいたしたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 もちろん、政治の場で議論するのは当然でありますけれども、やっぱり防衛庁長官が一生懸命その推進を図っていかれないといけないと。 それで、外務大臣もそれに賛成しておられるというふうな御答弁をいただきましたので、それは変わっておられませんね。
○国務大臣(田中眞紀子君) ずっと私もそういうふうに思ってきておりまして、一国の安全保障ということは極めて重大で、みずからの国はみずから守るということは基本であろうというふうに思っておりますので、今のような状態ではなくて防衛省になることが当然であるというふうに考えております。
○田村秀昭君 私は、この前、予算委員会でも総理に確認をとったんですが、自分の国は自分で守るという決意が、歴代の自民党の内閣総理大臣が強く持っておられないように私は思っているんです。もしも強く思っておれば、その戦士である自衛隊、自衛官に対して名誉と誇りを与えるわけなんですよね。それを与えてきていないというのは、自分の国を自分で守るという決意が内閣総理大臣に本当にないんではないかと、日本の政治に。だから、自分で守る決意がない国をよその国は守ってくれないわけですよねと私は思っているんですよ。自分の国を自分の国で守るという決意があるから、よその国もそれを応援するのであって、自分の国を自分で守るという決意のない民族をよその国が応援をしたり、支援をしたりはしないと私は思うんです。 これは夫婦でも、一生懸命いい家庭をつくろうと思っているから仲人を引き受けるので、両方がけんかばかりしているのに仲人を引き受ける人なんていないのと一緒ではないかというふうに思いますので、外務大臣、どのようにお考えか、防衛庁長官もお答えを。
○国務大臣(中谷元君) 総理大臣の認識に対するお答えでございますが、小泉総理は、総理大臣の就任の前にいろんなところで記者会見もし、発表した中で、国民が命がけで国を守るために仕事をしている自衛官に対して敬意と感謝を表すべきだと、また自衛官も自信と誇りを持って働ける、そういうふうな国にしたいというふうに表現されておりまして、自衛隊に対して名誉と誇りを与えなければならないという認識は人一倍お持ちだというふうに思っております。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、国家を守るという、決して侵略ではなくて、守るという、自分の足で立つということは、これは現場第一主義の私の考えに通じますし、また同時に、社会保障の医療、福祉、特に福祉なんかの現場でも、現場にいる方たち、それから食糧の生産現場にいる方たち、すべて現場だと思っておりますけれども、そういう方たちが生きがいを持って、誇りを持って仕事ができるような国家というものをつくりたいと私は目指しておりますから、安全保障の現場にいる自衛官の方々が、陸海空だけではなくて、あらゆる意味で誇りを持つということはやはりそれはもう基本でありますし、そうした国家づくりを目指すということは私は一国会議員としてずっと願ってきております。
○田村秀昭君 ぜひ自分の国は自分で守る戦士である自衛官に対して名誉と誇りを与えていただきたいと強く考えているということを申し上げたいと思います。 それでは、防衛庁長官がやはり所信表明の中で、有事法制については、我が国に対する武力攻撃から国民の生命、財産を守り、自衛隊の任務を全うする観点から、また、このような防衛体制を整備することが我が国に対する武力攻撃の抑止に資するとの観点から必須のものである、総理も所信表明において改めて明らかにされているとおりだというふうに言われておるんですが、この有事法制の整備というのはどのように今進められておるんですか、この五月から。
○国務大臣(中谷元君) 田村委員のおっしゃるとおり、自衛隊は有事に際して行動するためにこの有事法制というものはもう当然整備されてしかるべきものでありますし、整備されていない現状をかんがみますと、一日も早く整備すべきものであるというふうに何度も申し上げております。 この作業につきましては、防衛庁といたしましては、従来からの検討を進めておりまして、政治の場におきましても各党で話し合いをされておりますが、国会でのこの質疑、審議の御都合等の条件が整いましたら、我々といたしましては、この有事法制につきましても国会で御審議をいただくべく、その準備をしてまいりたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 この有事法制というのはもう何十年も前からやっているわけで、最近やり出した話じゃないんですよ。だから、この有事法制が整備されていなかったら有事のときに自衛隊は何にもできないわけですよ。ですから、有事が、何か異常事態が起きたときには何にもできないということになってしまう。これ一日も早くって、もうできているんだから早く出したらどうですか。
○国務大臣(中谷元君) この国会におきましても、自衛隊の海外での活動に関しましては、皆様方で御議論をいただきまして、法律を整理していただいたり論点を整理していただいて進捗した部分がございますが、この肝心の我が国の安全保障に関する有事の法制等につきましても、国会で御議論をいただきましてその法律の制定がなされる、そういう環境を早期につくっていただきたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 PKO法案を審議するよりもこっちの方がやっぱり私は重要だと思っております。一日も早く、もうできている法律ですから、早く出して、有事のときに役立つ自衛隊をつくらないといけないんじゃないかというふうに思います。 それから、同じこの所信、きょうは防衛庁長官の所信の表明を五月にされたことについて全部聞きますので。 情報通信技術、ITをしっかりやると言われていますね。この情報通信技術というのは今の時代で防衛庁が最も先駆けてやらなきゃいけない内容なんですね。ところが、これが非常におくれている、もう考えられないようにおくれている。やっと一年前に推進要領というのができて、陸海空、防衛庁というのが一体化して検討を進めることができるような要綱をおつくりになった。これ、一年前ですよ。もう情報化社会なんというのは十年ぐらい前から言われている。非常に遅いね。なぜ私は防衛庁というのはこういうのが遅いのかなと。民間の方がはるかに進んでいる。 今、その有効な組織は構成されて有効に機能しているのかいないのか。長官がじかに内容をもし認識しておられなければ、担当の局長さんでも結構ですから、お答えください。
○国務大臣(中谷元君) 省内にはIT担当の参事官を置きまして専門的に対応に当たらせておりますし、各局におきましてもIT化という観点で情報化を進めております。 方針といたしましては、中期防衛力整備計画にこの情報化の重点施策を掲げまして、三つの柱を立てました。一つは高度な統合ネットワークの環境整備、第二点は各種情報通信機能の強化、第三点は情報セキュリティーの確保という柱に従いまして、十四年度の概算要求におきましても所要の事業を盛り込むことによりまして、情報の分野における防衛力の整備に努めているところでございます。
○田村秀昭君 西川さんという参事官が警察庁から来られて、この方が非常に一生懸命やっておられると。その人が来られなかったら全然進んでないですよ。
○国務大臣(中谷元君) いや、来ておりますが。
○田村秀昭君 いやいや、その人が防衛庁に来られなかったら進んでないということを言っているんです。その人が来られてやっと陸海空まとめられた、そういう状況であって、非常におくれているということを御認識いただいて、挽回していただきたいと思います。いいですか。
○国務大臣(中谷元君) 先生の御指摘のとおり、西川参事官が大変よくやっていただいております。
○田村秀昭君 それじゃ、西川さん、よろしくお願いしますね。 それでは、PKO法案の方に移らせていただきます。 私は、このPKO法案で、いろいろ問題点はあるんですが、一番問題なのは、実際にPKOに行っている自衛隊員が一番困るのは、一緒にキャンピングしているほかの国の人たちと一緒に警備ができない。だから、非常に肩身の狭い思いをしていると。私がやられそうになったときは、あなた、助けてくださいよと。だけれども、あなたがやられそうになっても私は知りませんよと、こういう感じなんですよ。それで、ここのところを直さないと国際協力ってできませんよ。 一番困るのは、こういう会話がゴラン高原であったと。六カ月ごと、これ、かわっていますね、新しい人が行く。ゴラン高原はもう忘れられたPKOといって、七年目なんですよね。もう忘れているんだ、大体、普通の人は。 自衛隊が六カ月たって行く。そうすると、交代をするからカナダの司令官と話をする。向こうから、キャンプの共同パトロール計画をつくりましょうとカナダ軍が言う。いいえ、カナダ軍と一緒に警備することはできません。ほう、同じキャンプにいるのにつくれないんですか。自衛隊はカナダ兵を守ることができないのです。ほう、どうしてですかというふうな会話から始まっていくということで、こういうことをしていたんじゃ、名誉ある、自衛隊員が国際の平和と安全のために各国の軍隊とともに堂々と胸を張って活動し、我が国が国際社会で名誉ある地位なんか占められないと私は思うんです。 そこのところは、長官、内閣法制局に呪縛されたような、呪縛ですよ、内閣法制局のことばっかり聞いていて、内閣法制局というのは国を守っているんじゃないんだから、政治が責任とってやらなきゃだめなんですよ。全部内閣法制局の言うとおり憲法解釈も何にしてもやっていたらどういうことになるかというと、内閣法制局が国を守っていることになっちゃうんですよ。国を守るというのは、政治家が守らなきゃだめなんですよね。そうすると、自分は内閣法制局の言うとおりしているんだからといって自分の責任を回避できるわけですよ、政治家が。そういうことではだめなんで、そういうことを続けていくと無責任な政治姿勢になっちゃう。 いろいろふぐあいはあるかもしれないけれども、本当におかしいところだけは直していかないと国際協力なんということにはならないですよ。と私は思うんで、このPKO法案、私は反対なんです。こんないいかげんなことで名誉ある地位なんて占められないと。憲法違反になっちゃうんだ、これ。だから、そこのところをよくもう一度、長官も立派な政治家なんだから、そこのところをやっていただいて、名誉ある地位を占めれるような国際協力ができるようにぜひしていただきたいと。 お答えをいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(中谷元君) PKO活動に対する重要な改善の御指摘をいただきまして、ありがとうございました。 おっしゃるように、PKOというのは各国の信頼関係というのは大変重要でありまして、この点におきまして、この警護、警備の問題は非常に大きなポイントでございまして、今までは御指摘のような問題等がございましたが、そのために今回の法改正をしたわけでございます。 改正後の国際平和協力法におきましては、宿営地警備を実施している自衛官とともに現場に所在する、例えばカナダ部隊の、他国の要員が不測の攻撃を受けて自衛官とともに共通の危険にさらされたという具体的な状況の中で、そのカナダの部隊の人たちの生命、財産の安全確保について自衛官の指示に従うことが期待される場合には「自己の管理の下に入った者」に該当し、当該自衛官による防衛の対象になり得るわけでございまして、この問題につきましては改善がなされたというふうに認識をいたしております。
○田村秀昭君 ちょっと委員長。 今の、そこへ飛んでいって防護できるんですか。できないでしょう。だからそれは、あなたの答えは詭弁ですよ。 それで、つけ加えますが、国連のゲーノPKO局長というのも言っているように、PKOの活動は参加する全部隊の団結が必要で、自国の部隊しか守れないようなことではだめだとPKOの局長さんがおっしゃっているんだ。だから、そこのところは、今、長官が言われたのは、ちょっと僕は間違いだと思いますけれども。
○舛添要一君 私で最後の質問になりますし、それからこのPKO協力法の改正案については同僚の委員の先生方がさんざんいろんな観点から既に議論をいたしましたので、私は、もちろんこの改正案についての質疑もございますけれども、今の政府の外交姿勢、それからこの新しい時代の外交戦略についてちょっと大所高所からグランドデザイン的なことをお伺いしたいというふうに思っています。 それで、官房長官、御公務の時間がおありだと思いますので、順不同になるかもしれません、官房長官のお時間を優先して御質問させていただきたいと思います。 先ほど田中外務大臣が日本外交の指針、基本方針というようなことをおっしゃいましたけれども、例えば、これは官房長官に対する御質問ですが、日本の外交の基本というのは、当然日米関係を良好に維持し発展するということはあると思いますし、それから、アジアの国でありますからアジアの一員としての顔もあると思います。さらに、この今回のPKO協力法の議論というのは、基本的には国連と我が国との関係をどうするかと、こういう問題にかかわると思いますので、国連第一主義、国連中心主義ということが我が国の外交の基本の一つであるということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(福田康夫君) 日本の外交の基軸といったような、これは日米基軸であります。しかし、世界的な枠組みという意味におきまして国連を尊重すると、この姿勢は、これは貫かなければいけない、このように考えております。
○舛添要一君 ただ、その場合、現実の外交においては、例えば今のパレスチナをめぐる状況にしてもアフガニスタンをめぐる状況にしても、日米基軸という路線と国連と協調していこうという路線が必ずしも一致しない。むしろ、一致しないことが多々あると。そういうときにどういう戦略をとるのかということが非常に重要になるので、実を言うと、そういうことについて我が外務省がしっかりと省全体を挙げて日ごろから訓練をしていただかないといけないんですけれども、どうもそういう点について最近明確な姿が見えないんじゃないかなと思っています。 それで、これは外務大臣でも結構なんですけれども、パレスチナ情勢についてですが、今のブッシュ政権の立場と、これは基本的には中東和平は中東和平だけれども、テロリズムに対しての戦いという側面がどちらかといえば出てきている。しかし、我が国としては、パレスチナ自治政府というのを支援していこうという最大の援助国であるわけですから、こういう立場を現にどういう形で日本国政府としては対外的に発信なさっているか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 基本的には、先ほども六億と申し上げましたか、パレスチナにずっと支援もしてきておりますし、前の質問者に対してお答え申し上げたわけですけれども、そういう立場もございますけれども、基本的には私ども、やはり話し合いによる解決、この問題に今絞って舛添委員はおっしゃっていますから、それに関しても申し上げられますし、その他の世界の紛争に対してもやはり暴力を使わずに話し合いによって、英知によって、時間がかかっても粘り強く交渉をするということが日本の外交の基本でありますし、そうしたことを実証していくことが世界から信用をかち取ることであるというふうに思っております。
○舛添要一君 ブッシュ政権の政策ということを考えましたときに、テロリズムとの戦いということで、スーダンを初めとするアフリカの幾つかの国、こういう国々に対する攻撃ということも念頭にないことはない。そしてまた、場合によっては、大量殺りく兵器を所有しているというような観点から、イラクへの攻撃ということも、現段階ではパウエル国務長官はそういうことはあり得ないということをおっしゃっていますけれども、仮にイラクへの攻撃というようなことになった場合に、政府はどう対応するのか、そういう一応シミュレーション的なものは考えておく必要があると思います。 テロ特措法もつくりましたけれども、これは例えば対イラク攻撃というときには適用されないわけだと思いますが、この点、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) イラクへの攻撃があるのかということについてさまざまな報道がされている、これはそのとおりでございますけれども、米国が今後いかなる行動をとるか、これを予断することは、今のような状態の中で将来の我が国、今のような状態の中で確定的に申し上げるものはない、こういう状況だと思っております。それに対して日本がどうこうというんですか。
○舛添要一君 いや、例えば、外務大臣でも結構なんですけれども、そういう場合を政府としては想定して少なくとも対応を考えておかないといけない。つまり、やる可能性があると言っている。出てきてから考えるということをやっているからいつも後手後手に回るんで、少なくとも外務省ないし政府の一部は仮に、仮ですけれども、ブッシュ政権が対イラク攻撃をするとかなりの可能性で既に報じられているわけですから、そのための準備というのを怠りなくやっていただきたい、そういう希望で申し上げているわけです。
○国務大臣(福田康夫君) そのような意味でございますれば、イラクということでなくて、ブレーンストーミングでいろいろな国を考えておるということは、これは当然のことでございます。 ただ、具体的に国名を挙げて云々ということは、先ほど申しましたように、申し上げるのは今の段階で不適切ではなかろうかなと、こういうふうに思っておりますので、そのように申し上げたところでございます。
○舛添要一君 実は、私が最初にこの外交の問題を申し上げているのは、小泉内閣を発足して、いわゆる小泉外交とか、外務大臣おられますけれども田中外交、ぜひこういうカラーが出てほしいんですね。これが小泉外交である、これが田中外交である。ところが、なぜ出てこないのかと。これはやっぱり政府全体それから外務省全体で反省していただかないといけないことがあると思います。 そこで具体的に、ボンでアフガニスタンの代表者会議が行われて、暫定政権、暫定統治機構が決まると。二十二日にもこれが発足する見通しなんですが、例えばこの新しい新政権に対してどんな原則で、どういう政策で日本政府が対応しようとしているのか、既にそれを内外に明らかにしているのか、その点について、官房長官。
○国務大臣(福田康夫君) 幸いにしてこの各派の話し合いが合意に達した、これは大変喜ばしいことだと思います。 今後、どのような道をたどるかということは、これは今申し上げられるような状況ではないと思いますけれども、いずれにしてもアフガンの和平に向けて最大限の努力を皆さんがされる、そして我が国もそれに相応の協力をしていくと、こういうことであります。 我が国の基本的な考え方は、和平プロセスの進展と復興に協力すると、これを車の両輪と、こういうふうに申しているんですけれども、そういうような考え方でいくわけでございます。これは概括的な話でございます。
○舛添要一君 ただ、その二つおっしゃったことの間に治安維持という非常に重要な問題があります。 既に暫定機構は国連に対して多国籍軍の派遣ということをカブールの治安維持のために要請をしている。これは政府、情報を持っていれば、私も幾ばくかは持っていますけれども、持っていれば、どういう形の多国籍軍が今構想されているのか、国連はどういう多国籍軍を念頭に置いているのか、そしてここから先が非常に重要なんですけれども、我が国としてはどういう形の多国籍軍を望むんですか。 具体的に言いますと、どの国が入ればいいのか、どの国が入ったらだめなのか。冒頭に申し上げたことは、そういうことをしっかりと考えておいてくださいということ。出てきて、ああこれはオーケーだ、今イギリス軍の名前が出ていますけれども、イギリス軍が入ってきて、ああこいつは嫌だとか、これはどうだということではなくて、政府の方針としてしっかり事前にポジションを決めておいてくださいというのは、今の例のようなことで申し上げたわけです。
○国務大臣(福田康夫君) これは、今後具体的にどういうふうにするか、その見通しというか日本の考え方、これは具体的な問題として外務省の方でお答えをすると思いますけれども、我が国は今現在、このような暫定的な機構ができるということでございますから、それとの協議を踏まえて相応の協力をするということでありまして、和平とそれから復興、この和平の中には治安の問題もあります。そしてまた、復興の中にも治安が回復されなければ復興援助もできないといったような問題がありますので、これはちょっとクロスしているところがあると思いますけれども、いずれにしましても、その辺の情勢は刻々の変化、そしてまた新しい事態がどうなるかといったようなことを踏まえた上での判断になろうかと思いますので、今具体的にこうこうだということを申し上げられるような状況ではないんではないかというふうに思っております。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、桜井新君が委員を辞任され、その補欠として近藤剛君が選任されました。 ─────────────
○舛添要一君 こういう外交防衛委員会での議論で、これはもう私の希望だということでお答えにならなくても結構ですけれども、例えば米軍が入る、イギリス軍が入る、これは実際に攻撃した部隊です。それから、例えばトルコやヨルダンの軍が入ると、全然違った形の多国籍軍の展開になり得るわけです。そして、それの結果によってどういうPKO軍になるのかということも決まってくるんで、できれば、せっかくの国会ですから、こういうところでしっかりとしたお答えをやっていただきたい。私、昨日の午前中からこのことは質問通告をやっていますので、こういうところでしっかり政府や外務省がしてくれないと困りますよということであるんで、私は自民党で与党の立場でありますから、これ以上追及を申し上げませんが、希望として申し上げておきます。 そこで次に、アフガニスタンの問題ですけれども、外務大臣、私、非常に残念だと思うのは、過去、相当アフガニスタンに対して我が政府、外務省は努力してきた、こういうテロ、そしてアメリカ軍の軍事行動ということより前に。しかし、こういうことがよく知られていないし、それから要するにその努力が実るような形で余り展開されていない。 例えば、この会議だって、私が今申し上げたアフガニスタン代表者会議だってボンで行われているわけですね。それで新しい暫定政権ができますと、真ん中にシュレーダー首相が写っておられるわけです。これ、東京でやれば小泉総理なり田中外務大臣がそこに写って、世界に対する日本の過去の貢献が見えるんですけれども、これをおやりにならない。 それで、これは官房長官にも申し上げておきたいんですけれども、小泉総理が先般、国会でこのアフガニスタンの和平会議、余り東京でやるなやるなというようなことを、東京でやるということを余り言わない方がいいということをおっしゃったんです。 これは日本人の間では通りますよ、それは謙譲の美徳で。だけれども、これはぜひとも東京でやりますよということを言っていただかないといけないし、それは立派な閣僚がそろっておられるわけですから、いや、総理、そこはぜひ東京でということを、ないし日本でということをおっしゃっていただくべきなんで、それは答弁を見ればわかりますよ。そんなに日本で日本でと言わない方がいいということをおっしゃったんです。 ですから、こういう問題を含めて、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどのことも含めてお返事いたしますけれども、アフガンの問題ですね、これは非常に大事なことでございまして、今、事務方から、総理がしゃしゃり出るなという発言をなさったんだそうで、しゃしゃり出るとかそういう言葉ではないんですね。これは実態の問題で、日本がどれだけ世界に向けて責任を持って公平な立場で活躍できるかということの証左になりますので、極めて私は重要だと思っておりまして、その認識を持っておられるのならちょっと違うのではないかと思うんですが、先ほどの質問……
○舛添要一君 ちょっと待ってください。しゃしゃり出るなというそういう言葉ではなくて、余り、そういう言葉ですか、答弁あったでしょう。いや、私その場にいたんだから、いて、総理がおっしゃるのを聞いたんだから。余り、その表現、正確に覚えていません。それは、余り日本で日本でというようなことを言うのはどうかと思うということをおっしゃったから、外交の場では日本で日本でと言わないといけないだろうと。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、舛添先生がおっしゃっていることに賛成でございます。どういうふうな発言を総理がなさったかは存じません。 そうしますと、私が、先ほどのアフガンの問題ですけれども、治安の問題も含めまして、このドイツでの話し合いの後、どういうことかといいますと、やっぱり今までずっと累次、ほかの会でもまたこの会でも申し上げてきていますが、アフガンの人々が帰還をする、そしてアフガンの人たちが自分たちの意思に沿って復興していけるような手だてをみんなが手伝わなければいけない。アフガン国民、大勢の広範な支持を得て、国際社会にも広く受け入れられて、そして近隣諸国とも善隣友好の関係を築くことができるような政権を築いていくのだということが眼目でありました。それのためにみんなが少しずつ譲歩をしながらあの結論が導き出されてきていて、二十二日に発足というふうに私は理解いたしております。 それと、そのプロセスで、今後はまさしく治安の問題が、これは抜きにしては考えられません、現実問題として。そして、その治安に関しましては安保理の一三七八というのが、前、国会が始まったころに随分議論ございました、九月十一日以降。この中で何が言われているかといいますと、加盟国に対して、国連加盟国ですけれども、そうした治安維持への努力に対する支援を呼びかけているわけです。したがいまして、この安保理決議の一三七八をしっかりと履行するという義務が国連加盟国にはそれぞれあるわけでございますから、今後そうした場で、任務、編成、それぞれ立場でやっていくということは、応分にやるのは義務だろうというふうに思います。 次に、先ほどお尋ねがございました、どういうふうな今までアフガンとの関係で日本がプロセス的にやってきたかということを言えば、簡単には三つあると思いますけれども、一番早くから、これはたまたま小和田前国連大使も大変コミットしていらっしゃったことというふうに理解しておりますけれども、アフガン国民各層の支持を得て、そして実現、実行、少しでも和平に向けて積極的に貢献できるようにということで、UNSMAというんですが、特別ミッションへの政務官の派遣をいたしましたり、それからいろいろな会議で、出張して、タリバンでありますとか北部同盟関係者を含む、これは外務省からも、私が着任してからも人を派遣しておりますけれども、アフガン関係者との和平に関する協議をしてきております。そして、イランとかパキスタンとか周辺国にも人を派遣いたしましていろいろな情報収集をしておりますし、そうしたものの結実した結果として来年の一月末に日本で会議が行われるわけでございますから、過去がきちっとあって、そのプロット、結果、日本でできるわけですから、それはもう大いに最善の努力をするということは、外交の場として、また国際社会から大いに歓迎されることであると思いますし、またそうした声を各国からありがたく伺わせていただいているところでございます。
○舛添要一君 官房長官のお時間があると思いますので、委員長に御許可いただいて、ちょっと質問の順を、官房長官には二点だけお答えいただいて、あとは政府委員の答弁で構いません。 そういうことで話題が飛びますけれども、最近の来日アフガン人の難民認定に関していろんな報道もなされています。これは後ほど法務省の政府委員にお答えいただきますけれども、政府の基本的な方針として、今後、難民をより受け入れていく方向でやるのか、それとも、いわゆる経済難民というような形で不法に難民の名をかたって入ってくるのもいますから、そちらの取り締まりの方を重視するのか。そこのところの、二十一世紀の日本外交ということの一つの大きな基軸になると思いますので、政府の御方針はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 難民を積極的に受け入れるのかそうでないのかという点について厳しい議論が今までもあったわけでございますけれども、現在は難民の認定申請というのは、入管法に基づいて個別に審査し、そして人道的観点を踏まえながら、難民として認定すべきものは認定している、こういう理解をいたしているところでございます。 こうした現在の枠組みを超えて、今後の難民受け入れ政策を我が国としてどう考えるかという委員の御質問でございますけれども、これはさまざまな要素がございます。例えば、社会的な受け入れ体制の構築ということもございます。それから、就業問題、国際テロの流入等々、こういうような観点からの考察をしていかなければいけない課題であるというふうに思っております。 難しい課題ではあるということは承知しておりますけれども、今後の国際情勢とか国際社会の中における日本の役割、こういったようなことを視野に入れながら真剣に議論、検討していかなければいけない課題である、こういうような考え方をしております。
○舛添要一君 私は、例えば、ベトナム戦争にアメリカが関与しましたけれども、ベトナムの子供がアメリカに行って、そこでウエストポイントを出て、アメリカの市民として、オフィサーとしてちゃんとやる、こういうのは非常にアメリカの一つの力の源泉だと思いますので、いろんな異質な要素が我が国に入った方がいいという立場なんです。 そういう観点から、何か総理のもとにこういうことを議論する国民的な審議会のようなものをつくるとか、そういうお考えはございませんか。
○国務大臣(福田康夫君) 今現在、そういう組織をというか、そういう研究チームを持っているのではないのでありますけれども、しかし、これは御指摘のように大変大事な課題である、特に国際国家日本という、そういうこれからの我が国の行き方、世界の中においてどうやって日本が存在していくのか、そのまた価値があるのかといったような観点からもよく考えるべき問題だと思いますので、御指摘の点につきまして考えさせていただきます。
○舛添要一君 ぜひ御検討いただきたいと思います。 これで、官房長官に最後の質問を申し上げます。 PKOの改正案についてですけれども、やはり国連を非常に大事にしていく、そして国際社会の中で日本が名誉ある地位を占めるために我々が持っている資源を活用するということになった場合に、今回、この法案でPKFを解除するわけですね。そうしますと、やはり平和五原則を含めて、長期的な課題として、次の課題としてやはり再検討が必要だというように私は考えていますので、これは今のお立場でお答えにくいかもしれませんが、そういう考えを持っている委員もいるということで、政府もそれを踏まえて、少なくとも検討することをやっていただければありがたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) ただいまは現行五原則、PKO五原則をベースに改正をお願いしている最中でございますので、まずは今のPKO五原則を尊重しながらやらなければいけない、こういうふうに考えております。 委員の御指摘の点は今後の課題とさせていただきたいと思います。
○舛添要一君 どうも官房長官、ありがとうございました。 それじゃ、もとの問題に、外交の問題に戻ります。 外務大臣、実は今、アフガニスタンの問題が大きいですから、隣国のパキスタン、これは外務大臣もいらっしゃっていろいろ視察をなさったんですが、パキスタンも非常に大事ですけれども、やはり同時にインド、これをどう使うか、それからイランをどう使うかと。これは大変大事で、例えば今回の暫定機構でも、北部同盟が首相の座はとらなくても圧倒的多数を占めていますね、あのカブールを陥落させた。そうすると、北部同盟と話をつけさせるにはやはりインドというカードを使う必要があるんです。 私、非常に残念に思いますのは、できれば全部田中外務大臣が御訪問いただきたかった。つまり、政府は特使をたくさん出しています。国内にいてほしくなかったから出させたのかどうかわかりませんけれども。しかし、それじゃ話にならないんで、つまり、全部の特使を、それから外務大臣のお話もすべて総理大臣がお聞きになって、これが戦略だということを出されればいいですけれども、とてもその余裕もないだろうと拝察いたします。そうすると、やっぱり外交の最高の責任者は外務大臣ですから、同じ外務大臣がパキスタンにもインドにも行った、そしてイランにも行った、そういう中で対話をすることが田中外交をつくる道でありますし、私は非常にそこは残念に考えるんですけれども、なぜこういうことになったんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) インドもイランも、私はほかにも、御指摘がなかったから申し上げませんけれども、早い段階で希望いたしました。パキスタンとセットのときもありますし、別のときもございますけれども。それが、なぜか国会予定ということで、国会日程ということで早くにだめになってしまったということを非常に取り返しのつかない事態になってしまったと思いますので、こういうことはやっぱり、国会対策とかいろいろ、国会が、審議が極めて重要なことは百もわかった上で申しますが、やはり外交というか国益、世界等も関係せずに日本は生きていくわけにいかない、どこの国もですね。そういう認識がしっかりあれば、総理大臣は日本に一人しかおられませんので、自分の責任でやっぱりそういう国に行かせるとか、私、意見具申をしております、直接。 しかし、何かいつの間にかうやむやになりますし、G8も、あのタイミングにあのG8は二度と戻ってこなかったし、あそこで意見を、日本がじかにメッセージを発出するかしないか、役人が行くか代理が行くかで大分違ったんではないかと思うんですが、そういう辺のことについて、もう少し御自覚をいただけるとありがたいのになという思いはずっとしております。
○舛添要一君 国会議員の高村さん、橋本龍太郎さん、鈴木宗男さん、森喜朗さん、行かれましたですね。こういう方の御報告というのは、それは総理の特使であっても、外交のキーパーソンは外務大臣ですから、ちゃんと報告が直接ないし間接的に入っているのか。入っていなきゃ何のために行ったのかわからないので、入った上でそれを外務省全体として戦略構築に役立てているのか。 つまり、どうもインドとの関係、イランとの関係、何か希薄になっているような気がして、私、全体を見ていて、今からの長期的な日本の外交戦略考えるときに非常にマイナスだと思いますが、その点、いかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 全くそう思います。 私も、イランにつきましても、やはり某国の立場を考えなけりゃいけないというふうな先輩のアドバイスもございましたし、インドについては時間的なものでございましたけれども、かなりそういう思惑的なことがあって、本質的に、ここはだだっと回らなきゃいけないし、じかに聞かなきゃというときに、国会日程ということなんですが、結果的にそういうことですべて収れんしてしまうんですけれども、やっぱり内閣としての姿勢というか、ここという、その俊敏な対応ができないということは大変残念です。 しかし、たくさん立派な諸先輩がおられますので、やはりすべて派閥横断的に立派な先輩が回っておられるということは、それはそれで重みがありますので、大変意義があったことというふうに思っております。
○舛添要一君 それから、当面はアフガニスタン、多国籍軍が展開すると思いますけれども、これに何らかの支援をする用意が政府としてあるのか。あるとすれば、それは軍隊で行くわけにいかないでしょうから金銭的な支援になると思いますけれども、例えばそういうことのコスト、金額、想定なさっていますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 答えから申し上げると、今、想定できずにおります。 と申しますのは、アフガニスタンの内情が、実態どんなであるかというものを正確に掌握できておりませんし、そういう実態がわからない中ですので、ましてやコストについてもなかなかはかれずにおりますが、ただ待っているのではなくて、いろいろ情報収集はいたしております。
○舛添要一君 外務大臣にぜひ外務省の方々に対する指導ということをお願いしたいのは、先ほど来私申し上げていますのに、ファクツについては出てくるんです。だけれどもポジションペーパーが出てこないんです。少なくともこの国会の委員会とかの場では、A案、B案、C案、ありますよと。それは、最後は国民の代表である我々が決めればいいんですけれども。そうじゃなきゃ、情報なんというものは、そんなもの、このインターネットの時代に外務省なんかに聞かなくったってとっくにわかっていることなんで、そういう訓練が極めて欠けている。 私も国際政治専門でずっと三十年間やっていますから、非常に嘆かわしい状況にあるというふうに思っていますから、ぜひ外務大臣の指導力をそういうところにも発揮していただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 幹部会を近々いたしますので、その場でしっかりと舛添先生からのアドバイス、それから私も日ごろ感じていることにつきましても、今おっしゃったようなことですね、外務省の情報の分析、それからポジションペーパーもそうですが、速報力がなかなかありませんで、古いペーパーを平気で出してきたりしますので、そういうことがないように、生きた情報。 それから、見通しについて、責任は政治家がとるからということを私は毎回言っているんですが、分析して、そして後は責任とって決断するからと言うんですけれども、そういうことは政治家にさせないといいますか、全く逆なんですね、やっていることが。いらいらします。
○舛添要一君 今、中東第二課長の宮原さんがアフガンに入っておられると思います。それで、あそこは大使館機能ももうがたがたになって、今新しいそういう機能の確立ということをおやりになっているんでしょうけれども、報道、例えば朝のニュースなんかに出ていること以上のことで、これ質問通告していませんが、何か外務大臣のお耳に、宮原課長のアフガニスタン訪問についてこういう成果が既に出ているみたいなことは入っていますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今現在の段階では特別はありません。普通のインターネットで拾える範囲ぐらいだというふうに思います、残念ながら。
○舛添要一君 そうしましたら、先ほどの官房長官に対する御質問の補完で、まず法務省、日本に来ているアフガン人の難民認定に対して。いますか、法務省。 今のいろんな報道が錯綜していますし、この我々の委員会でもいろんな意見が出ましたけれども、正確なところで、日本の難民の受け入れ状態、どれだけ申請して何%受け入れているのか。かいつまんで簡潔にお答え願います。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 平成三年から平成十二年までの、過去の十年間でとりあえずお答え申し上げますが、我が国が難民として認定した者の数は合計で六十九名でございます。難民不認定とした者の数は合計八百八十五名でございます。 また、平成十二年に限って申し上げますと、難民認定した者の数は二十二名でございます。不認定とした者が百三十八名でございます。 このように、我が国の平成十二年度の難民認定者の数は二十二名ですので、この数字だけ見ますと、我が国の難民認定が厳しいのではないかというような印象を与えるかと思いますけれども、難民認定率と申しまして、認定者数を認定者数と不認定者数で割るいわゆる難民認定率を見ますと、平成十二年度における我が国の難民認定率は約一四%でございます。 この一四%という数字でありますけれども、諸外国の難民認定率と比較いたしますと、イギリスが約一二%でございます。ドイツが約一五%でございます。オランダの場合は約七%でございます。スウェーデンの場合は約二%でございます。フランスにつきましては平成十一年度のデータしかございませんが、フランスの場合で約一九%でございます。したがいまして、我が国の一四%という数字は決して低いものではないと考えております。 また現に、UNHCRによりましても、我が国の一四%という難民認定率につきまして、UNHCR及び国際的な標準によっても満足の行くレベルに達していると評価されているところでございます。
○舛添要一君 そもそも日本に難民申請する数が少ないですから、分母が少ないから余り比較になりませんが、ですから、先ほど私、官房長官に申し上げたように、少し開かれた国にした方がいいんじゃないかということを申し上げました。 ただ、今回のアフガニスタンのことについてはいろんな報道が、アフガニスタン人で難民申請した件ですね、いろんな報道が出ていますが、もう一度簡潔で結構ですから、どういう理由で拒否したのか。
○政府参考人(中尾巧君) 今回、難民不認定といたしましたアフガン人九名につきましては、もちろん個別的な事情もございますが、概括的に不認定の理由を申し上げますと、迫害のおそれ等、難民性に関する供述内容につきまして、当局が行いました事実調査の結果等に照らしまして、基本的には信憑性が認められなかったものでございます。 つけ加えてある程度のことを申し上げますが、例えば九名の中には、アフガニスタン以外の国に居住し、再入国許可を得ている者とか、また、他の安全な国においてその国の就労許可を得て、入国直前まで中古車部品会社で働いていた者等がおりますが、このような者が滞在や就労を許可されている国に庇護を求めることなく、ブローカーに、邦貨にいたしまして百万円前後の多額の手数料を支払ってわざわざ距離的にも離れた我が国に庇護を求める必然性は極めて乏しいものと言わざるを得ないと思います。 さらには、これまで中古車部品の買い付け等のために数回以上来日しているのに庇護を求めていないとか、我が国に正規に入国後、直ちに中古車部品の輸出会社を設立し、その後、不法残留しているのにその事実を秘し、不法入国と偽って難民申請をしているとか、入国後、中古車部品販売業のために土地を賃借していたり、我が国で銀行口座を有する者がおり、それらの口座への入金累計総額は一億数千万円に上っているほか、うち六人が同一の場所で不法入国容疑で摘発されているなど、組織的背景がある等の事情が認められました。 このような我が国への入国後の生活状況等をあわせ考えますと、九名につきましては、むしろ我が国への入国前に迫害を受けていたなどという迫害の申し立てそれ自体が信用できず、かえってよりよい収入を求めて我が国に就労目的で不法入国等をしたものと強く推認されましたので、いずれの者も難民として庇護を求めて入国したものと認めず、難民不認定とした次第でございます。
○舛添要一君 ドイツの場合は、ベルリンの壁が崩壊して東側からどっと難民が入ってきて、これは経済難民ということで入ってきましたね。ドイツのグルントゲゼッツ、基本法では来る者を拒んではいけなくなっていたので、それを御承知のように変えて、経済難民それから第三国経由で来た者を排除する法案を九三年につくりましたですね。 ですから、こういうアジア、世界情勢になってきたときに、これは要望として政府の皆さん方はお聞きいただくだけでいいんですけれども、できればむしろそういう経済的ないわゆる括弧つきの経済難民、これを排除する規定をしっかりすることによって本当の難民をしっかり受け入れる、こういう体制を整えていただきたいと、もう官房長官がおられませんから、私の希望だけ申し述べておきます。ありがとうございました。 さてそこで、この本題のPKO協力法の改正案について幾つか質問を申し上げます。法制局長官、先ほど失礼いたしました、官房長官の御予定がございましたので。 私は、基本的にはやっぱり、PKFを解除しながら平和五原則をそのままというのは、今回はしようがないにしても、いろんな意味で無理があるなという感じがしているんです。これは先ほど山口那津男議員も御質問なさったことですけれども、あえて繰り返して申し上げますが、いわゆるbタイプの、任務の遂行を実力をもって妨害する者に対する武器使用、これは憲法の前文からいけば当然それは使えると思うんですけれども、憲法九条という解釈になればやっぱり法制局としては抵触するんですか、これは。
○政府特別補佐人(津野修君) 憲法前文と憲法九条と、まあ憲法にはいろいろ規定がございますが、特に憲法の前文につきましては、これはむしろ規範的な拘束力というのは各本条に本来あるべき問題ですから、各本条の方の九条の方でまず中心的に考えていかなければいけない。 その九条との関係で、先ほどから御指摘がございますその任務遂行の、これを実力をもって、任務遂行を実力をもって妨害する者に対する武器使用、これはいわば自己保存のための自然権的権利というべきものの枠を越えた武器使用となり、状況いかんによりましては憲法第九条の禁ずる武力の行使に該当することがないとは言い切れないということから、我が国PKO要員にこのような武器使用を認めることについては、憲法との関係でこれは慎重な検討が必要であるというのが私どもの立場でございます。
○舛添要一君 例えば、やがてアフガニスタンにPKOが展開されて、我が日本の自衛隊もそこに参加するということになれば、当然この問題は大きくなると思います。そうすると、これは国会で決めればいいわけですから、そのPKO五原則、これを仮に変えたとしますね、第五原則。そして、今、長官がおっしゃったように、非常に慎重に我々は検討したと。そうすると、解釈改憲で可能ですか。
○政府特別補佐人(津野修君) これは、従来の考え方、この自然権的、いわば自己保存のための自然権的権利というべきもの、こういうことが従来から武器の使用と武力の行使の関係についてということで政府として整理をしてきているわけでございますので、その関係をどう調整するのか、私どもにはよくわかりませんが、解釈でできるのかと言われても何とも私の方でお答えしにくいわけでございますけれども、少なくとも従来からのこの武器の使用と武力の行使の関係についてという考え方を踏まえて整理をしていかなければいけない問題であるというふうに考えております。
○舛添要一君 もう一点、いわゆる警護任務、これも先ほど来議論がありますように、日本の自衛隊が展開して一生懸命汗をかいているときに、自分の警護も外国の軍隊に任せないといけない、こういうことでは困るわけでありまして、警護任務というのを法律に明記するということは憲法に抵触しますか。
○政府特別補佐人(津野修君) この警護の任務という、これはまた警護の内容自体もいろいろ議論があるところでございまして、これについては、政府部内で具体的にまあ案まで、その法改正の検討が行われているというようなことは私ども承知しておりませんので、警護の対象者や行為の態様などがはっきりしないというような状況のもとで憲法九条との関係を申し上げると、具体的に申し上げるようなことはちょっと難しい問題であろうと思います。 ただ、警護任務を仮に的確に遂行するために、現行国際平和協力法その他の法律の武器使用規定の合憲性の根拠として今まで言ってきております、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものの枠を越える、先ほども申しましたが、こういう武器使用が必要になるとすれば、そのような武器使用が憲法九条の禁ずる武力の行使に当たるおそれはおよそないと言えるかどうか、これはもう慎重にまた検討させていただかなければいけないという考えでございます。
○舛添要一君 今、二点質問いたしましたけれども、今後の我々の検討課題として、我々も一生懸命これは検討していきたいと思いますから、慎重さも必要ですが柔軟さを求めておきたいと思います。ありがとうございました。 次に、防衛庁長官にお伺いします。 今、その法的な側面をお伺いしましたけれども、要するにPKFを解除しますね、この法案が国会で成立すれば。そうすれば、ハードの側面でも、いわゆる派遣する自衛隊員が持っていく武器とか装備、そういうことはPKF解除に伴って当然拡充しなければ、今までより広げたよと、活動範囲を、だけど勝手に今までのみすぼらしい装備で行ってきなさいということじゃ、とてもじゃないですけれども自衛隊を管轄するリーダーとして失格だと思いますが、この点どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 装備の面につきましては、法律によりますと携行する武器についての限定は設けておりません。したがいまして、任務の内容、現地の情勢も踏まえて必要な装備の種類、数量を決めることになりますが、自衛隊の部隊をPKO活動させるに当たって、安全かつ効果的に任務が遂行できるような観点で検討してまいりたいというふうに思っております。
○舛添要一君 そのときに、どうしても我が国は危機管理とか緊急事態の対応ということの発想がないんで、要するに最小限しか持っていかないということが逆に危険なんですね。余分に持っていることは変な行動を起こさせないことにもなるわけです。 そうすると、機関銃一丁を持っていって、その機関銃が一つ故障したらどうするんですかと、その辺のもう議論はクリアすべきなんで、そこは自信を持って防衛庁長官の責任においてやっていただきたいと思いますが、その御決意はいかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 派遣される隊員の安全及び任務を効果的に遂行することができるように、そのような内容で検討したいというふうに思っております。
○舛添要一君 派遣される隊員の報酬というか処遇でありますけれども、任務がふえれば当然手当もふえていいと思いますが、これはいかがですか、可能ですか。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきましては、派遣先国の勤務の環境、またその業務の特質を考慮いたしまして、一日二万円から四千円の国際平和協力手当というものが支給される制度になっております。派遣をする先の状況等を勘案しながら適切な手当額を決定したいというふうに思っております。
○舛添要一君 いや、つまり、PKF解除されましたね、当然任務ふえますね、当然手当もふえますかという質問です。
○国務大臣(中谷元君) その任務の特質といいますか、危険度等に応じて勘案したいというふうに思っております。
○舛添要一君 次に、武器を使用して防護すべき対象についてですけれども、テロ特措法にしても今回も、この自己の管理下に入った者というカテゴリーを入れていますが、仮に内閣総理大臣が視察のために現地に行かれた、これはどのカテゴリーで守るんですか。武器を使用して防護するんですか。
○国務大臣(中谷元君) 法の概念における自己とともに、現場に所在する「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」という概念におきまして安全を確保したいというふうに思っております。
○舛添要一君 自衛隊の最高指揮官がそこの部隊の管理のもとに入るんですね。
○国務大臣(中谷元君) これは法律の言葉でありまして、あくまでも安全を確保する上においての管理という概念でありまして、例えば現職の総理大臣もSPという警視庁の警護官に守られておりますが、あくまでもこれは警護官の指示に従ってもらわないと総理の安全も守られないわけでありまして、そういう見地で安全確保について自衛官の指示に従うということが期待されるものということで、あくまでも安全確保のための指示を受けるという観点でありまして、総理大臣が最高指揮官であるということには変わりはございません。
○舛添要一君 解釈としてはわかりますけれども、アンダー・ザ・コマンダー・イン・チーフがアンダー・ザ・コマンドに入るわけですよ、英語で言うとね。ですから、やっぱりいろんな無理がありますよということの一つの例示として申し上げたので、それ以上は申し上げませんが、ちょっと不思議な感じがいたします。 それから、同じこの武器を使用して防護すべき対象についてちょっとお伺いしますと、国連要員及び関連要員の安全に関する条約、これは日本も批准しております。その第七条一項との絡みでいいますと、当然国連の装備や施設も防護の対象となるべきだと私は考えますが、この点はいかが解釈していますか。これは外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) いいところに目をつけておられると思うんですが、七条一項ですけれども、その国連の装備とか施設も対象になるのではないかというお尋ねだと思いますけれども、結論から申しますと、やっぱりこれは憲法との兼ね合いがありまして、現実問題としてはいろいろな議論もございますから、今後検討していくということになると思いますが、しかし午前中の議論でもありましたけれども、やはり今、この今の段階で何を私たちが一番すべきかといいましたらば、やっぱり国会、こうした議論を踏まえ、そしてまた国連PKOの実態というものをよく分析して、それを踏まえて考えていくべき問題だろうというふうに今の時点では申し上げざるを得ないと思います。
○舛添要一君 ということは、場合によってその現場の状況を見て判断する余地も残してありますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) それはちょっと今現在は入っておりませんけれども、ですからやはり議論をよくしていくということに尽きるというふうに思います。
○舛添要一君 防衛庁長官はこの点について何かお考えはありますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、この九十五条におきましては国連の装備、施設は対象となっておりませんが、現実の活動、また国会での議論をよくしていただきまして、今後とも我々としても必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っております。
○舛添要一君 PKOの五原則の適用対象についてですけれども、日本が国際責任を果たすために行く要員として、自衛隊員もいますけれども、例えばお医者さんが行くとかいろいろありますね。この五原則の適用範囲を自衛隊員とそれ以外の者とに分けた方がすっきりするんじゃないかなと、そういう気もしますが、この点は防衛庁、いかがお考えですか。ないし、外務省でも構いません。
○国務大臣(中谷元君) 五原則には武器の使用とか部隊の撤収等がありますので、自衛隊の派遣を前提に考えている原則であるというふうに思っておりますが、その五原則の中の三原則というのは、停戦の合意とか中立とか同意とかいう一般的なものでありまして、外すという考え方もございますけれども、それでは派遣される自衛隊員でない者の要員が実際に派遣されるときに本当に安全かどうかということを考えますと、いわゆるこの五原則というのは安全を確保する五原則でありますので、これによって行かされる隊員が安全が確保されないということもございます。したがいまして、今後の議論で検討してまいりたいというふうに思っております。
○舛添要一君 いや、自衛隊員はこの五原則で守られているから、停戦合意がないと行けませんよとか、紛争当事者がちゃんと合意していますよとかありますね。だけれども、そうじゃなくて、例えばお医者さんのみでそこに行きますよ、いろんな方が行けるわけですね。そのときに、別に平和五原則というのは、分けて、全部に適用しなくてもいいんじゃないですかと。 もっと言うと、だからいつも議論が混乱しちゃうんで、要するに自衛隊員が一番安全なところへ行っていて、武装していて、危険だから武装して行くわけで、それが一番安全なところにいて、ほかの日本人がいろんな活動をやるときに、政府が派遣する場合に、よその国の軍隊に守られて、そしてみんなよその国のお医者さんは行っている、日本のお医者さんだけ行けませんということでは国際的な貢献は果たせないと思いますが。これは政府委員で構いません。
○政府参考人(林梓君) 参加五原則は、御存じのように、我が国が憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがない、担保する意味でできて、そういうことで、実際は自衛隊の部隊を主に派遣するためにこういう縛りがかかっていると思っています。 今、長官の方から安全の問題もあるという指摘もございました。それもそのとおりでございます。ただし、我々のこの経験を振り返ってみますと、今おっしゃいましたように、お医者様を何か治療で行くのにどうしても三原則の縛りをかける必要があるのかという問題がございまして、そういう指摘もございます。だから、そういうような問題が実際あるものですから、今後の検討課題として鋭意やっぱり検討する価値があると、そういうふうに考えております。
○舛添要一君 私、いろいろこのPKO法の今回の改正案について今るる申し上げましたように、いろんな問題点がまだあるし、今後検討して変えないといけないところは変えないといけないと思います。恐らくその契機になるのはアフガニスタンにやはりPKOを展開すると、これは二年半以内に選挙をやる予定ですから、選挙監視を含めて、日本が、先ほど外務大臣がおっしゃったように、非常にこのアフガンにかかわっていくならば当然選挙監視団を出さないといけないと思っています。 ですから、先ほど来申し上げているように、その状況になって対応するからおくれるんです。ぜひ今からチームをつくってでもその準備を外務大臣、お始めいただきたいと思います。これは防衛庁にしてもそうなんで、少し先手先手でいって、むだになったっていいじゃないですか。そのために外務省の人間が足りないんならそれは我々がふやすことできるわけですから。ぜひそれは真剣にお考えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 極めて私が、我が意を得たりと、日ごろ思っていることを先へ先へと言っていただきまして留飲が下がる思いできょうは聞いておりますけれども、まさしく本当にこのアフガンの問題を契機といたしまして、このPKOの平和維持活動ですけれども、これはもう、いわゆる軍事的な任務というのはありますけれども、今おっしゃった選挙監視でありますとか、人道援助でありますとか、復興でありますとか、あるいはガバナンスですよね、そうした自治、そうしたことについてももうトータルでもって、文民警察もありますけれども、やらなければならなくて、それはもうわかっていることなんです。それに向かってのプロセスでありますから、先に手を打つのが政治でありますし、それが国際貢献につながります。 したがって、やっぱり国連との関係でいきますと、もちろんこれは国連との関連でございますけれども、国際社会の平和と安定に貢献する、これは国連の基本であるし、我が国の基本方針でもあります。そしてまた、その国連におけるPKOの協力ということはもう完全に重要な柱でありますから、したがいまして、その全部を論理的にシンプリファイして考えましても、こうしたPKOが日本の外交の基軸となっていくということはもう必然だろうというふうに思っています。
○舛添要一君 そのときに、当然国連の活動の一環を担うわけですから、我が国と国際連合との関係を今からどうしていくのかと。その中でずっと懸案の問題として、安全保障理事会の常任理事国、パーマネントファイブを超えて入るということがありますですね。これは外務大臣、この問題どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、もう本当に昔から常任理事国入りしたい、したいとみんなでもってお経のように言っていて、この間も佐藤大使にお会いして、帰ってこられたときに、どんなでしょうかと見通しを伺ったりしています。それから、あらゆる国の方たちが日本に来られて、きのうのウズベキスタンもそうですし、前のチュニジアの外務大臣にお会いしたときも、ほかの国の方たち皆さん、日本が常任理事国入りするのは当たり前のことである、いかなる協力もいたしますと。先日のTICADのアフリカの代表、バイの会談をいたしましたけれども、もう日本が入るのは当たり前だということをおっしゃるわけです。 こちらも希望していて、皆さんがそうおっしゃっている、なぜ入れないのかと。そこなんですよ。それがまさしくアフガニスタン、例えばですよ、今直近に起こっているこのことから逃げずに日本が何ができるのか、国際社会で、それをはっきりやってお見せすることなんですよ。ですから、それをずっと私は、それが証左になると。世界に信用、実績を積むこと、やってみせること、そして安心してもらうことでなかったら、理屈ばかり言って援助ばかり出しても、お金だけ出しても入れません。
○舛添要一君 そこで、今までのファイブ、五カ国についていうと、核兵器を持っているとか前の戦争に勝ったとかいろんな要件があって、例えば軍事力でもプロジェクションする能力を持っているとかあるわけですけれども、我々がじゃ、常任理事国になりますよということのセールスポイントとして何を一番お考えですか。これこれがあるから立候補するんだというセールスポイントですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、私ごとき者が勝手に知恵が出せればとっくにもう、たくさんの立派な諸先輩方が外務省にも外交官の中にもおられたわけですから、一言で言うのは僣越かと思いますが、私はやっぱり日本は自分で実際にできることをやるということ、嫌がらずに。お金の支援も非常にしてきていますし、ですけれどもそれだけではなくて、実際に今回もPKOとかそれから国際機関で働いている方たち、現場にいる方たちに聞いて、その方たちのエネルギーと熱い思いと、大変なものですよ。そういうところに日本が国際社会で入っていってお見せすること、やること。やる人たちがいっぱいいるんです、希望している方たちが。それをもっと政治がくみ上げられるようなメカニズムをつくっていくことによって平和と安定に貢献することです。そうしたらもう自動的に、それを私は紛争予防と言っておりますが、自動的に推されるようになると思いますね。
○舛添要一君 その場合に、拒否権がついているフルフレッジのメンバーでもいいんですが、拒否権なしでもとりあえずという考えもありますけれども、これ、外務大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 紙が出てきましたけれども、いろいろな意見があると思いますけれども、いろいろ御議論をいただかないと、今、私のこの立場ではすぐに右左申し上げることはそれこそ差し控えておいた方が安全かと思います。
○舛添要一君 もうそろそろ時間でしょうから、最後、政府の代表、来られていますのでお伺いしたいと思いますけれども、やはり国際社会の中で名誉ある地位を占めるということ、そのためにはやっぱり汗も流さないといけない。それでこういう法案の改正ということをやっていますけれども、まだまだ足りない問題がたくさんあると思いますから、これはぜひ政府一致団結して今後迅速に検討していただきたいというふうに思いますので、その要望に対してのコメントをいただいた上で終わりたいと思います。外務大臣、今後の積極的な努力。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、今、イスラエル、パレスチナの問題もありますし、アフガンもありますけれども、やはり地道に有言実行でやるシステムをまず国内に構築していただきまして、そしてそれをやはり確実に国際社会で実践することに尽きると思います。
○国務大臣(中谷元君) 常任理事国入りの話もありましたけれども、何が必要かということにおきましてはやはり、昔、臨調で土光さんが会長に就任すると非常に議事が進んで物事がなし遂げたというふうに言われますが、やはり国の品格と、また尊厳と、あの人の言うことだったら、あの国の言うことだったらという、こういった人からやはり尊敬をされ評価をされるということが大事ではないでしょうか。 また、今後の姿勢におきましても、アフガン後に各国がその復興と治安維持等貢献すると思いますけれども、各国がやっていることに対してなぜ日本ができないのかと。アフガン後に平和を維持するために各国も身の危険を顧みず自国の要員を派遣するわけでありますが、目的は何かというとアフガンに平和と繁栄、安定をもたらすということでありますので、やはり何のためにやるのかということをよく考えて、日本がどういう国になるのかという点も念頭に置きつつ、世界から尊敬される国を目指して今後とも日々努力をいたしたいというふうに思っております。
○舛添要一君 外務大臣それから中谷防衛庁長官の御努力を期待します。 私の質問を終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として大沢辰美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小泉親司君 私は、日本共産党を代表して、PKO協力法改正案について反対の討論を行います。 まず指摘したいのは、本法案が憲法九条にかかわる重要法案にもかかわらず、総理出席や連合審査、参考人招致など徹底審議を求める要求を拒否し、わずか十二時間、二回の委員会審議で終結させ、採決を強行することは、議会制民主主義の上からも看過できないものであり、強く抗議するものであります。 本法案の反対の理由は、第一に、今回の改正案の国連平和維持軍、PKFの凍結解除が武力行使に一層踏み込むものであるからであります。そもそも違憲の軍隊である自衛隊が海外で軍事活動をするということは憲法上許されません。しかも、その中でPKFは政府自身も認めているように武力行使を伴う歩兵部隊であり、その凍結解除が武力行使を禁止した憲法九条に真っ向から反することは明らかであります。 第二に、これまで政府自身が自衛隊派遣の前提条件としてきた参加五原則をなし崩しにした派遣が強行されようとしているからであります。我が党は参加五原則が満たされたからといって自衛隊派遣が憲法上認められているという立場に立つものではありませんが、停戦合意や当事者の同意といった五原則をなし崩しにした自衛隊派兵を強行することは絶対に認められません。 第三に、参加五原則のかなめともいうべき武器使用に関して大幅な拡大があるからであります。国連がPKO要員自身の防護も含め武力行使と規定していることは、政府が委員会に提出したPKO訓練マニュアルを初めとする国連基本文書で明白でありますが、これまで政府は武器使用と武力行使は違うという国際社会ではおよそ通用しない見解を持ち出して自衛隊派兵を強行してきました。ところが、今回は、自己管理下にある者という極めてあいまいな規定を盛り込むことによって、他国部隊を防衛することにまで拡大しました。また、参加五原則に除外されている自衛隊の武器・弾薬防護のための武器使用まで取り入れています。これは憲法違反の武力行使を一層拡大するもの以外の何物でもありません。 今日の情勢の中で重要なことは、アジア諸国が懸念する自衛隊の海外派兵ではありません。日本国憲法の平和原則を生かした国際貢献を積極的に展開することであります。難民の援助、医療、教育分野での援助など、やるべきことは山ほどあります。 私は、憲法をないがしろにして自衛隊海外派兵を強行する本法案は廃案にすべきだということを強調して、反対討論を終わります。
○大田昌秀君 私は、PKOの活動のすべてに反対というわけではなく、非軍事的側面での活動については、むしろその重要性と実績について私なりに理解もし、高く評価もしています。しかし、ここであえて反対討論を行うのは、我が国から派遣されるPKOのあり方を憲法とのかかわりできちっと考えてみたいからです。 つまり、今回の法案は、一部の改正となっていますが、PKO参加五原則、すなわち停戦合意、受け入れ国の同意、中立性遵守、原則を満たされない場合は撤収、武器使用の限定という原則を崩しかねない危険な内容をはらんでいると考えます。そのため、ここでPKO活動における非軍事要員、すなわち文民の役割の重要性を強調したいのであります。 改めて指摘するまでもなく、PKOは、本来、それ自体が当事者となって国際紛争を解決するというより、どちらかといえば、停戦を外交的手段によって、つまり話し合いを通じて解決するための環境をつくるのが当初の目的でした。 したがって、外交努力を伴わないPKOはあり得ないだけでなく、PKOの最終的目的は外交的手段によってのみ達成できると思います。それだけに、PKO活動における文民の役割は本来的に極めて重要だと言えます。 ちなみに、八九年四月のナミビアの独立支援のためのPKOの活動は、南アフリカ軍の撤退の監視と制憲議会を選出するための選挙を実施することが主要な任務でした。したがって、従前のPKOの軍事的活動に加えて、行政官、選挙監視員、人権監視員、文民警官などの非軍事要員を全領域にわたって展開する必要が生じました。その結果、文民の役割の重要性が飛躍的に増大するに至ったのであります。 そのような背景から、近年は文民要員の需要が急速に高まっていて、恒常的に文民要員が不足していると聞いています。ちなみに、先ほども触れましたが、二〇〇〇年八月の時点で、文民警察官は定数の約二五%が不足しており、また多機能型PKOにおける文民専門家については定数の約四〇%から五〇%が不足しているというのが実態のようです。そのような背景もあってか、PKOの設置が急増した九〇年代においてさえ、PKOが展開されたのは世界の全紛争の約三分の一にすぎないと言われています。 国連には、既に加盟各国が必要に応じて提供する要員を事前に登録する国連待機制度があります。ブラヒミ・レポートは、要請に応じて迅速かつ効果的に展開できる文民警察官や文民専門家の名簿を作成することを提案しています。一説によると、待機制度には、二〇〇〇年七月現在、八十八カ国から計十五万人ほどが登録しているようですが、同レポートは、新たにPKOを組織する際には、加盟国が待機制度に基づいて要員を提供する意思があるか否かを事務総長に確認するよう勧告しています。 私は、日本がこの民生分野で国連平和維持活動に貢献し得る要素は、他国と比較できないほど多大なものがあると信じています。ですから、国際の平和と安全を確保するため、自衛隊による軍事的支援ではなく、あくまで文民主体の貢献に切りかえるべきだということを強調して、本法に反対の意思を表明します。
○委員長(武見敬三君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(武見敬三君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) これより請願の審査を行います。 第一号女子差別撤廃条約選択議定書の批准に関する請願外百四十八件を議題といたします。 まず、専門員から説明を聴取いたします。櫻川専門員。
○専門員(櫻川明巧君) 御説明いたします。 今国会中、当委員会に付託されました請願は、お手元の資料のとおり、総計百四十九件でございます。 まず、資料一枚目の一号外二十二件は、女子差別撤廃委員会に対する個人通報制度を内容とする女子差別撤廃条約選択議定書を我が国が早期に批准するよう求めるものであります。 次に、二四号以下、資料の二枚目から六枚目に当たりますけれども、以上の百二十二件はいずれも今般の米国における同時多発テロ事件に関連するものでありまして、テロ対策特別措置法案を制定しないこと、自衛隊法やPKO法の改正をしないこと等を求めるものであります。 次に、資料の最後になりますが、七枚目の四七一号外二件は、パートタイム労働者の労働条件、社会保障等についてフルタイム労働者と同等の権利を認めることを内容とするILOパートタイム労働条約を我が国が早期に批准するよう求めるものであります。 最後に、一二四四号は、子どもの売買、子ども売買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書、武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書及び戦争犯罪や人道に対する罪を裁く常設の国際刑事裁判所を設立する条約、以上三条約を我が国が早期に署名、批准するよう求めるものであります。 以上で御説明を終わります。
○委員長(武見敬三君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第一号女子差別撤廃条約選択議定書の批准に関する請願外二十二件、第四七一号ILOパートタイム労働条約の批准に関する請願外二件及び第一二四四号子供の権利に関する三条約の早期批准に関する請願は採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、第二四号テロ対策特別措置法案等の制定反対等に関する請願外百二十一件は保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会