外交防衛委員会 第12号
- 発言数
- 409 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/12/04
会議録
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府国際平和協力本部事務局長林梓君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛施設庁長官伊藤康成君、法務省入国管理局長中尾巧君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高橋恒一君、外務省中東アフリカ局長重家俊範君、外務省経済協力局長西田恒夫君及び外務省条約局長海老原紳君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(武見敬三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(武見敬三君) 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 おはようございます。民主党の広中和歌子でございます。 法案の審議に入ります前に、けさ報道されておりますイスラエルがパレスチナ自治政府に対してミサイル攻撃を始めたと、そのニュースについて伺わせていただきたいと思います。 九月十一日のアメリカ同時多発テロ以降、世界の注目は、その首謀者オサマ・ビンラディンをかくまっているタリバン、その勢力が実質支配しているアフガニスタンに注がれてまいりました。その間、テロの遠因とも言われるイスラエル、パレスチナ関係は小康状態を保っていたということが言えるのではないかと思います。 ところが、アフガニスタン状況が急展開し、タリバンを追い詰めるといった状況が生まれてきたきょうこのごろ、これまで一連の爆弾テロに対して、イスラエル軍がパレスチナ自治政府アラファト議長公邸を攻撃したと、そういうニュースがけさ報道されております。それに対してアメリカは、イスラエルの報復攻撃を容認しているといったような報道もされているわけでございますけれども、けさのこの攻撃に対して、イスラエルのパレスチナ自治区アラファト議長公邸の近くを襲ったというこの報復について、外務大臣からコメントをいただければと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 現在、イスラエル大使館等を通じまして鋭意情報を収集している最中でございます。けさもその指示を、改めて迅速にするように指示をいたしました。 現在わかっていますことは、イスラエル軍は現地時間の三日の夕刻、本邦日本では四日未明になります、パレスチナ自治区ガザ地区のアラファト議長の執務室がある議長府付近を含む自治政府施設数カ所に対し、攻撃ヘリコプターによる機銃とミサイル攻撃を実施したと承知いたしております。このことにより、同議長のヘリポートとヘリコプター二機が破壊されました。また、少なくともパレスチナ人十八人が負傷したと報じられております。 以下、引き続き刻々と情勢の変化を掌握するように言ってございます、指示をしてございますが、日本は基本的に和平交渉、ミッチェル・リポートの履行ということを、遵守をずっと働きかけてきておりまして、一日も早く和平の交渉ができるように、そして、このことがまた次なる中東戦争に間違ってもなることがないように、アメリカも含めてやはり自制をしていくということが大切だと思いますし、かねがね、アラファト議長やシャース長官、これはパレスチナ側でございますけれども、それからイスラエルのペレス外務大臣とも、最近ちょっとここのところ、私がパキスタンに行った後はございませんけれども、連絡は本当に頻繁にいただいておりますので、とにかく和平交渉をするというところに両方が歩み寄ってほしいということを今までも言っておりますし、今後もそのために最大限何ができるかということを考えなければいけないというふうに思っております。
○広中和歌子君 アメリカは、アフガニスタンにおける攻撃を始める前後あたりから、イラクも視野に入れたことを考えているというふうに一応報道されているわけです。そして今度、今まで非常に静かにしていたとされるパレスチナ、イスラエル間の状況がこのように変化をし出しますと、本当に中東を中心としてもう世の中ぐじゃぐじゃになってしまうんではないか、世界がぐじゃぐじゃになってしまうんではないかという、そのようなおそれを感じさせられるようなけさの報道であったわけで、外務省といたしましては、私が申し上げるまでもないと思いますけれども、引き続き注意を払い、そして距離を持ちながら冷静に日本のとるべき道をとっていただきたいと、そのようにまずお願い申し上げたいと思います。 それでは、PKO法に移りたいと思いますけれども、敗戦後、我が国は冷戦下にあって、日米安保に守られ、平和憲法を盾にして、世界に起こったさまざまな紛争の渦中に巻き込まれることはほとんどございませんでした。そして、世界の中で日本の貢献についても問われることがなかった。ODAの供与を続けている限り、ほとんど問われることがなかったわけです。それが問われるようになったのは、冷戦後、湾岸戦争が起こってからのことで、当時のブッシュ大統領、今の大統領のお父様でいらっしゃいますけれども、のいわゆる新しい世界秩序をつくるためということで、国の内外で日本の貢献が真に問われるようになったのではないかと思います。 結果として、日本は湾岸戦争に百三十億ドルの拠金をいたしましたけれども、ほかの国々のように直接現地に、その戦火のさなかに参加することもなく、多国籍軍を後方から支援するということもおくれてしまったというようなことで、さまざまな思いが残ったのではないかと思います。そうした思いの中で、一九九二年、PKO法案が成立、日本のPKO参加への道が開かれるようになったというのはみんな知っていることでございます。 それでお伺いいたしますけれども、一九九二年以降九年間の活動実績についてお伺いしたいと思います。過去の経験から学んだこと、そしてそれをどのように評価していらっしゃるかということ、それを踏まえ、なぜ今改正が必要なのか、そして今後PKOの活動はどのような方向に展開すべきかといったことを、いろいろ大きな質問でございますけれども、要領よくお答えいただければと思う次第でございます。
○副長官(萩山教嚴君) お答えいたします。 自衛隊は、これまで実施した国連平和維持活動や国際的な人道救援活動において、派遣先国政府の評価を含めた国際的に高い評価を得ているところであります。これらの経験を通じて得られた教訓、反省事項としては、派遣部隊に対する継続的な補給や派遣隊員の留守家族支援などにおいて防衛庁・自衛隊という組織を挙げての対応が不可欠でありました。業務の実施や安全の確保において、派遣先政府、国連NGO、現地住民等との良好な関係が不可欠でもありました。 国連平和維持活動のための業務を実施する際に、司令部としましては、一層緊密に意思疎通を図るためには司令部要員の派遣が望ましいこと、個々の隊員の判断によるものとされている武器使用について隊員の心理的な負担が大きかったことが挙げられております。防衛庁は、これらの貴重な経験を今後のPKO活動に生かして努めていくことが必要と考えております。 また、派遣部隊の継続的な補給を行い、派遣隊員が派遣先において安んじて業務に専念できるようにするために、航空自衛隊の輸送機による追送品、品物、あるいは食糧、慰問品等の輸送や留守家族の支援、派遣隊員に対するビデオレター等の送付を実施いたしております。派遣先国との密接な連携を保つための連絡調整要員の派遣、国連PKO司令部との緊密な意思疎通を図るための司令部要員の派遣等を行ってきたところであります。 さらに、武器の使用については、平成十年に国際平和協力法の改正により、部隊として参加した自衛官の生命、身体を防衛するため、武器使用については、原則として現場に上官があるときはその命令によらなければならないこととされたところであります。 以上であります。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。 では、ちょっと具体的にお伺いいたしますけれども、PKOの要請というものはだれから来るのでしょうか。具体的な要請があるのか、それとも日本が、何というんでしょうか、自発的に参加に手を挙げるのか、そのところをちょっと具体的に教えていただけませんか。
○国務大臣(田中眞紀子君) PKOの参加要請がだれからどのように来るかというお尋ねだと思いますけれども、国連PKOへの正式な参加要請につきましては、通常は国連のPKO局から日本の国連代表部に対してなされております。 それから、PKO局は、国連事務──済みません。
○広中和歌子君 ありがとうございます。 そのPKO局でございますけれども、そこに日本人が参加していらっしゃるのかどうかということ、それから日本の対応状況などについても十分な状況が行っているのかどうか、そのことについてもお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 公務員としては参加しておりませんが、日本人が、国連の職員として雇用された人間がPKO局には勤めていると思っております。 この前の改正によりまして、自衛官がPKO局で勤務をするということを法律改正でお認めいただきまして、今後、国連のPKO局に防衛庁職員を派遣をして実際に勤務させたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 先ほどの副大臣のお話で、これまでPKOへの参加の頻度とか総数についてはお伺いしなかったわけですけれども、今後それはどんどんふえていくというふうに思われますか。
○国務大臣(中谷元君) 今後のことにつきましては、世界が非常に情報化をされ、また科学技術で航空機等が発達をしてますます世界の相互依存というものが深まっておりますし、これまで我が国の人的な面でのPKOの協力等を踏まえまして、より積極的に我が国が国際的地位に、責任にふさわしい協力をすべきだと、また世界からより尊敬される国を目指して国際社会の中であるべきだと考えておりまして、とりあえず来年の三月には東チモールのPKOに自衛隊の施設部隊を派遣するための準備を現在行っておりますが、今後、国連においてPKO等が計画をされる際には、我が国が参加して適当なものか検討して、より積極的に参加していきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 PKOに参加するための予算、我が国のPKO予算でございますけれども、それは、上限というんでしょうか、何かあるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 現状におきましては、自衛隊の派遣に関して防衛予算の内部で実施をいたしております。
○広中和歌子君 ということは、その中で賄うということで、エキストラに必要になるというようなことはないということでございますか。
○国務大臣(中谷元君) 政府の中にPKO本部がございまして、それにかかわる予算はそちらの方でございますが、自衛隊の運用等の経費に係る費用につきましては防衛予算の中で実施をいたしております。
○広中和歌子君 PKO予算でございますけれども、これから、今防衛庁長官もおっしゃいましたように、非常に世界の中に不安定要素がふえる、そしてPKOにも参加したい、そのようなお言葉でございましたけれども、やはりある程度の予算の上限みたいなものが、個々のPKOの派遣についても、あるいは全体像としてもなければいけないんではないかと思うのでございますけれども、その点について、特に質問通告はしていたかどうかわかりませんけれども、これは大変大切なことでございますので、もしかしたら官房長官のお答えになるのかもしれません。今おいでになったばっかりで大変恐縮でございますけれども、予算についてお伺いいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 国際平和協力業務などは、国際連合の要請など、内外の情勢に対応して実施するということになっておりますから、大体予測をすることが不可能な場合が多いわけであります。予測ができるようなケース、継続してやっているものとか、そういうものはよろしいんですけれども。 そういうようなことでございますから、国際平和協力本部におきましてそういう経費は通常、予備費で対応する、こういうことになっているところでございます。
○広中和歌子君 予備費は今幾らぐらいなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) たしか三千億だったんですけれども、いろいろ使っておりますので、あと幾ら残っているかは私、存じません。
○広中和歌子君 それと同時に、我が国は国連のPKO局ですか、そちらにも分担金を払っているんではないかと思いますが、それは幾らぐらいでございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) おっしゃるとおり、分担金滞納というものが国連の財政基盤を弱くするとして問題になったことがございますが、結論から一言で申しますと、アメリカが支払いましたので以前よりも改善されてきているということは申し上げられます。 それから、そうした中でも、PKOの改革等に伴います国連の諸経費につきまして、現在、国連で各加盟国の分担金の議論の中で審議されておりまして、そして日本は二位の拠出国でございまして、四・三七億ドル拠出しております。ちなみに、一位がアメリカ、二位が日本、三位はドイツ、四位フランスという順番でございます。
○広中和歌子君 PKO予算もさることながら、国連全体としての予算ですか、それが一位がアメリカ、二位が日本という形で、一生懸命先進国である我々も含めて頑張っている国があるわけでございますけれども、今大臣のお言葉にもちょっとございましたように、トータルとして非常に不足をしているし、それから今後不足していくんではないかと。 つまり、世界政府というものは現在存在はしないわけですけれども、国連を中心とした役割がどんどんふえてくると、国連予算というものもどんどんふえてくる。特にPKO予算なども膨れ上がることが予想されてくるわけでございますけれども、何というんでしょうか、この国連の財政措置、今までのように先進国から順番に払っていって、全然払わない国もあるわけですけれども、もうちょっと広く薄く取るような新しい国際税みたいなものですか、国連協力税みたいなもの、そういったものを考える時期に来ているのではないかと思うわけでございますけれども、外務大臣の方ではそのようなお考えを持たれたことがございますでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、国連全体の財政が改善はされてきておりますけれども、そのような中で、今まさしく委員御指摘のように、PKOの改革に伴いまして諸経費というものも今後やっぱり増加していくだろうというふうにも思います。したがいまして、各国分担金の議論の中で審議もされているというふうに承知しておりますけれども、国連の行財政改革ということにつきましても積極的に日本も参画、発言をしていくべきだというふうに思いますし、日本としてもさらにどのような貢献が可能かということを考えますし、さらに、日本だけ、今おっしゃったように大国だけがやっぱり負担するのではなくて、今おっしゃったような手法といいますか、そうしたこともやっぱり考えていかなければならなくなるというふうに思います。
○広中和歌子君 時々、私、途上国を訪問いたしますときに、そこで一部の非常に豊かな人たちが存在する、つまり途上国には特に貧富の格差が大きいということに気がつくわけでございます。私どもODAを上げている国の議員なりビジネスマンなんかよりも、よっぽど豊かな暮らしをしている人たちが例えばそういう途上国にいっぱいいらっしゃるというようなことを考えますときに、もうちょっと、国際税ですよね、つまり国連税でもいいです、そういうものを工夫する必要があるんではないか、そのような思いをかねてから持っております。 例えば、為替の移動に関してかなり、数年前ですか、特にスペキュラティブなものが多かった中でトービン・タックスというんですか、それはもう大分前から言われていることですけれども、トービン税のようなもの、そういうものを考えてもいいんじゃないかというような考え方がありました。そういうことに関しまして日本がもうちょっと、少なくとも検討会を持たれる、そしてそれを世界に向かって発信していくというようなことが必要なんではないかと思うわけでございますが、外務大臣はそれについてどのようなお考えをお持ちでございましょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) おっしゃるとおり、国連の、国連というものの機能が多様化してきているということ、それから今おっしゃるように国別にやっぱりかなり極端な貧富の格差があるということ、富める方は大変大きな富を持っているということ。そして現実を踏まえると、やっぱり時代の変化といいますか、それから実態の掌握度、認識度ということを踏まえますと、例えばこれは一案ですけれども、国別の分担金というのが最初のオリジナルな考えであるとすれば、多様化と変化を踏まえて例えば国際消費税みたいなことをもう議論されていることもあるとは承知しておりますけれども、それがベストかどうかわかりませんけれども、やはりそうしたことについて、国連の貢献度とかそれから拠出する側の、個人とまでいきませんけれども、そうしたありようについて検討していくということは非常に先見性のあることと思いますし、必ずそういうふうな意見が出てくると思いまして、大変貴重な御指摘だというふうに思います。また、持ち帰りまして、できるだけ検討もできるように指導もいたしたく存じます。
○広中和歌子君 これは外務省だけではなくて、政府全体として、財務省も含めての検討課題になるんではないかと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。 それから、続けまして、これからの戦争でございますけれども、テロとか内戦とかというような形、新しい形をとり出しているわけでございます。そういう中で、ちょっと先ほどのテーマに戻るわけですけれども、我が国のPKO対応についてですけれども、そういう新たな状況に対して我が国の自衛隊が例えばPKOに参加した場合のリーダーシップとかそれから能力とか、そういうものに対して忌憚のない御意見をお伺いしたいなと思うのでございますけれども、どうでしょうか。
○副長官(萩山教嚴君) お答えいたします。 PKO活動に派遣する場合は、派遣前に、国際平和協力業務の意義、具体的な業務内容、あるいはまた派遣先国の生活習慣を含む現地情勢、派遣先国の言語などについて所要の教育訓練を行っているところであります。 二つ目には、幹部学校などにおいて国際平和協力業務の現状などに関する教育を行っておるほか、一部の隊員には、北欧諸国、スウェーデン、オーストリア、カナダに対して研修の場を設け、国際連合平和維持活動に豊富な経験を有する国々を回ることによって身につけていただいておるわけであります。 今後、こうした教育訓練をさらに充実させることにより、任務遂行に遺漏なきを期していきたいというのが我々自衛隊の教育方針でございます。 それからまた、ただいまゴラン高原の方に行っておりますけれども、UNDOF、ゴラン高原の地理的条件とかあるいは地形、あるいは気象、住民、産業の教育、またイスラエルを回る動きとしてパレスチナ問題、中東和平問題を協議いたしております。そしてまた、イスラエル、シリア及びレバノンの歴史、宗教、文化、生活、治安状況、交通状況などの教育もいたしております。また、現地用語としては、アラビア語、ヘブライ語などを教育して現在までやっておりまして、ゴラン高原の方に派遣をいたしました。 以上であります。
○広中和歌子君 私ども一般の人間にとりましては、日本のPKO対応能力についてほとんど知らされていないものでございますから、今お答え、御説明いただきましたようなさまざまなトレーニングを積んでいらっしゃるということは全然知りませんでしたので、大変いいことを言っていただいたと思うんですが、ちょっと意地悪な疑問を呈するとしたら、今まで余り実戦経験がなかったし、そういうような、それからまた日本がこれまで島国であり、語学のハンディもあり、そして一つの組織の中でじっとしていらっしゃる人たちが多い中で、果たしてこれから幅広くPKOを、その活動もいろいろあるわけでございますけれども、どのような日本がリーダーシップを発揮できるんだろうかというようなことが心配なわけでございます。 自衛隊の中に、PKOの専門の訓練所みたいなものはあるのでございますか。
○国務大臣(中谷元君) 特に特別な訓練所というものはございませんで、各部隊、主に普通科部隊とか施設部隊とか、その中でPKOに派遣する要員を指定して事前の教育訓練等を行っております。ですから、専門の部隊というものは現在のところ有しているわけではございません。 それから、日本のリーダーシップをということでありますが、これまでの派遣の経験を見てみますと、非常に日本はコンピューター等の機材を駆使して非常に事務的にスピーディーに処理をしたり、非常にその仕事一つ一つが大変丁寧に行われておりまして、例えば車のとめ方なんかも、タイヤの線をきちっと引いて、横から見たら一台の車がとまっているような形できちっと整理をしているそうです。 そういうものがほかの部隊から見て、より厳正なPKO活動をすることの一つの模範となるような、そういうことで、その仕事ぶり等については非常に高い評価を得ていますし、また日本人自体が平和に対する思いが強いし、また武力行使をしないという前提での活動等にも日ごろから精通しておりますので、あらゆる面で日本の活動が参加国の活動に影響を与えている部分があるのではないかというふうに思っております。
○広中和歌子君 指揮命令系統ですけれども、それはもう日本は日本でということで、外国にゆだねるということは今までなかったわけですか。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。 国連で行う活動自体が日本の活動に支障のない範囲で参加しておりますし、国連の出されるコマンドが日本に合致したものにおいて現在活動いたしておりますので、現在問題にはなっておりません。
○広中和歌子君 そうすると、全体のオペレーションの中で本当に小さな役割をやっていくという、そういうことでございますか、今の段階では。
○国務大臣(中谷元君) 現在まで実施している項目は、主に後方支援を中心としておりまして、それの一部でございますし、参加する際におきましては各司令部と取り決めをして実施をいたしておりますので、その全体の活動の一部を実施をしているという現状でございます。
○広中和歌子君 そうすると、絶えず日本の部隊はその司令部と言うんでしょうか、PKO全体を包括している、そこにリポートをするという、そういう関係になるわけでございますか。
○国務大臣(中谷元君) 現在も各地で行われておりますPKOの司令部には、司令部要員として要員を派遣をして全体の事務的な仕事をいたしております。そういった中で、日本の実施する内容につきましても、あらかじめ参加する際には国連と取り決めをして、それに従って行われているPKO活動の一環として、またその司令官の指示のもとに実施をしているわけでございます。
○広中和歌子君 今までのPKO活動、何カ所かいらしているわけですけれども、いわゆる人命を失うというようなことは、要員の人命を失うということはなかったわけですね。
○国務大臣(中谷元君) 我が国が派遣した要員が死亡するという例はございません。
○広中和歌子君 さて、これからアフガニスタン問題に入るわけですけれども、内乱とかテロ、そしてまた外国人部隊というようなのがいるわけでございまして、停戦合意ということが行われた後で我が国が後方支援という形にしろ何にしろ参加した場合ですけれども、停戦合意がなかなか守られないというようなこともあるんではないかと思いますが、それについてコメントをいただけますか。
○国務大臣(中谷元君) この法案によりますと、停戦合意が参加の要件になっておりまして、この停戦合意というのは、武力紛争の停止及びこれを維持するとの停戦当事者間の合意と定義をされております。この形式につきましては、当事者同士によります停戦協定の署名と調印によるもの、また停戦呼びかけを内容とする国連安保理決議の受諾、また文書によらない停戦の意思の表明など、いろんなものがあり得るわけでありますけれども、我が国が参加をするPKO活動の大前提が武力紛争の停止、いわゆる停戦の合意でございますので、この合意が確認できるものであれば参加をいたしますし、我が国が参加をするということにおきましては停戦合意が存在するという状況でございますので、常に定められた停戦合意が守られているかどうかは見守っていかなければならないというふうに思っています。
○広中和歌子君 前回、前々回、いろいろこの委員会でも出ましたけれども、停戦合意が破られてしまったような場合には撤収ということになっておりますけれども、ともかく現地に行ったことがございませんのでわかりませんけれども、ともかく即時対応しなくちゃならないというようなことがいろいろあると思うんですけれども、そういう指揮命令系統というのは日本が独自に持っているものなんでございますか。
○国務大臣(中谷元君) あくまでも参加する上においては我が国の主体的な判断で参加をし、また撤収をするわけでございますが、そもそも国連のPKO活動自体が停戦の合意、また中立受け入れ国の同意という前提で存在をいたしております、基本的に。我が国が参加する場合はそのようなPKO活動でございますので、我が国だけが勝手に撤収するといった状況は想到しがたいわけでありまして、むしろそのときは、そこにあるPKOの活動が中止もしくは中断するという事態になるのではないかというふうに思っております。
○広中和歌子君 それでは、ブラヒミ・リポート、大変今話題になっているものでございますけれども、それにちょっと触れさせていただきます。 幾つかの原則というんでしょうか、勧告のポイントがあるわけでございますけれども、ちなみにブラヒミ・リポートというのは、国連平和活動検討パネル報告書でございます。その議長をされているブラヒミさんのリポートでございますけれども、二番目に、強力な交戦規定が必要であるというようなこと、ROE、多分ルール・オブ・エンゲージメントですか、それが必要だと。 その中身というのは、要員自身のみならず、他の要員及び任務を守ることができる必要があるということでございまして、交戦規定は、警察比例の原則、つまりストローク・フォー・ストローク・レスポンス、つまり、目には目をということではなくて、それに限定せず、破壊的な攻撃の根源を沈黙さすに足る反撃能力の付与を認めるべしと、そのように書いてございますけれども、これは現場判断でやることだろうと思いますが、これについてどのようなお考えでございましょうか。
○国務大臣(中谷元君) 確かに、広中委員のおっしゃるように、ブラヒミ報告においてROEですね、武器使用基準の強化に関する記述があるというのは事実でございますが、国連の事務総長は勧告のいかなる部分もPKO要員が武器を使用する従来からの原則を根本的に変更するのではないというふうに発言をいたしております。 また、中立性におきましても、ブラヒミ報告も、紛争当事者の受け入れの同意はPKOの基本原則であり続けるべきだとしていることでありまして、このような同意はPKOが紛争に対して中立的な立場で活動することを前提にしておりまして、PKOの中立性が特に問題になることはないというふうに考えております。
○広中和歌子君 今、中立という言葉お使いになりましたけれども、このインパーシャリティーの概念の明確化も、同じくこのブラヒミ・リポートで指摘されております。 中立性とは、国連憲章の原則及びPKO任務の目的への忠誠ということでありというふうに書いてございますけれども、いわゆる価値中立ではないと。及び、当事者に対する平等性とは異なるのだということも言われております。これについても、どうでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) PKOの基本原則は引き続き守っていくということでございますので、この中立的な立場でPKOが紛争に対して活動するということは前提でもありますし、この原則は継続されるものであるというふうに考えております。
○広中和歌子君 それから、迅速かつ効果的な展開能力の必要性というようなことも言われているわけですが、これなどは、我が国は後方支援と限っていても、いつの間にか前線に出ていってしまうこともあるわけですけれども、その臨機応変の対応ということについてどのような指示を出されることになるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この緊急展開とか迅速かつ効果的な展開能力というのは、世界の紛争が発生をし、また、それが解決をされて平和を維持する際に、迅速にPKO活動が行われるために各国に対して待機制度等を設けて、事前に登録をしたり、ある国においては何人ぐらいの兵力を出すことができるかと、あらかじめそのような状況を国連自体が把握をしている上において、準備行為の一つとしてブラヒミ報告で検討されているというふうに認識をされております。 我が国としても、この対応等につきましては、現在、どのような制度ができるのか、具体的に協力が可能かどうか、こういう観点で検討していきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 先ほど、PKOに協力するための総予算的なものはまだケース・バイ・ケースで捻出していくんだというようなことをおっしゃいましたけれども、つまり待機者リストの中に名前を連ねるというんでしょうか、それを我が国はしているのかどうか、そして大体どのくらいの要員であったらば日本から送ることができるのか、それは一カ所だけではなくて世界じゅうに展開されるということもあり得るとは思いますけれども、大体どの程度の見積もりを考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この待機制度の充実強化につきましては国連で現在議論をされておりまして、この議論の今後の推移とまた国連の事務局の対応も見守りながら、国内の関係法令の中でどのような協力が可能か等についてまだ検討している段階でございます。したがいまして、現実に要員の待機リストを提出をして国連に申し入れをするというような段階ではございませんで、現在、法制上の問題も踏まえて、いかなる協力が可能かについて検討をしている段階でございます。
○広中和歌子君 非常に慎重な御答弁に終始しているわけでございますけれども、さて実際にアフガニスタンにこれから積極的にPKOが参加するという場合、どのような役割が期待されると思っていらっしゃいますでしょうか。 食糧、水ですよね、これは非常に大切だろうと思います。水に関しましては、水がなくなると、ともかくそこの土地を捨てて難民キャンプに流れ込まなければならないというようなことが言われておりますように、水を供給する、井戸を掘ってあげるなどなど非常に大切だろうと思いますし、それは食糧を運ぶ以上に大切なことだろうと思いますけれども、まず食糧、水についてお答えいただけますか。
○国務大臣(中谷元君) この水、食糧を補給、支援する等も含めまして、それが本当に行うことができるような状況になるかどうかというのが一番のポイントでありまして、現在、対応するとなりますと、テロに関連した法律であるのか、またPKO法で実施するようになるのか、それにはその参加の前提となる要件を満たしているというのが必要でございまして、現在、アフガニスタンの今後の問題等につきましては国連等を中心に国際社会の中で話し合いをされておりますし、今後の治安維持等の話も含めてアフガニスタンの各派の代表も交えて議論が展開をされておりますので、そういった状況を見つつ、また現状も十分把握した上で、関係国また関係機関とも十分協議をしつつ検討していかなければならない問題であるというふうに思っております。
○広中和歌子君 医療支援についてはどうでしょうか。自衛隊は結構立派な医療体制をお持ちだと伺っておりますけれども、そういう点について。
○国務大臣(中谷元君) 実際にルワンダの難民支援のときは、現地に野外の医療施設のための体制を立てたり、また現地の施設を生かした病院を設置をしたりすることもいたしました。また、ホンジュラスにおいてハリケーンの災害が出たときも、二週間の短期間に医官七名で約四千人に対する診療を実施したほか、地域の防疫活動も実施をしたわけでございます。 このような観点で、野外における医療活動を実施する能力等は有しておりますけれども、アフガニスタンにおいてそのような活動が実施できる状況であるのかどうか、それは今後の和平のプロセス等も見守りながら、また実際にそういったニーズが本当にあるのかどうか、そういうことも勘案して今後検討してまいりたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 多分、そのニーズでございますけれども、一番今求められているのは、NGOとかそれから国際機関、これが食糧を現地に届けるということをやっているわけで、彼らはそれなりのノウハウも持っているし、経験があるわけですけれども、ただ、やはりその身の安全をお守りするということが必要だろうということで、アメリカあたりからNGOとかそういう国際機関の防護に関して自衛隊が協力できるかという打診があったというふうに新聞に出ておりましたけれども、それは事実なのかどうか、そして、事実であるかどうかは別といたしまして、日本はそういうことをする用意があるのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(中谷元君) 現時点においてNGOを防護する協力要請を防衛庁に米国が依頼したという事実はございません、承知をいたしておりません。 また、NGOを防護するとなりますと、警護任務、また防護の任務が必要でございますが、現時点において海外における自衛隊を派遣する活動におきましては、この警護したり防護したりする任務が与えられておりませんので、そのようなNGOを防護するということにつきましては、今後法的整備も含めて検討しなければならない事項でございます。
○広中和歌子君 それから、地雷の除去なんでございますけれども、今非常にたくさんの地雷がアフガニスタンに埋まっているというふうに言われております。日本は、少なくともこの前の湾岸戦争のときに、掃海艇で海に沈められた地雷を除去するのに非常な活躍をした。それには非常に日本の優秀な技術というんでしょうか、経験が生かされたということを伺っておりますけれども、この地雷に関しましては今どのような対応能力があり、そしてまた、それに対してどのような協力を惜しまない御決意なのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 現在自衛隊が有している地雷除去の能力におきましては、通常、我が国において侵略が行われた場合にこれを防衛するという観点で、普通科、戦車、施設の各部隊において、一般的に地雷原の中に通路を開設をするための地雷原の処理器材を装備をしております。地雷の処理ローラー、また地雷原の処理車、また地雷原爆破装置等を保有をいたしております。 一般的に地雷を処理するとなりますと、広い面において一つ一つ地雷があるかどうかを確認した上で処理を行っていくということでありまして、能力的には可能でございますが、本当に実施するとなりますと、この要員の安全の面、また国際的な協調の中で派遣先国やまたNGOとの関係で効果的に実施できるかどうか、これはまだ検討を要することでございまして、現状ですぐに派遣することができるかどうかということにつきましてはお答えすることが困難でございますが、そもそも、この地雷実施活動がいわゆる多国籍軍が展開された中で行われるのか、それともPKO活動が実施をされてその中の一環として行われるのか、ただ単に協力支援という形で実施するのか、いろんなケースがございますので、そのような中で関係国とも協議をしつつ、協力の可能性について検討していく必要があるというふうに思っております。
○広中和歌子君 アフガニスタンが、今度の攻撃が一応終息した場合、その後いろいろやらなくちゃならないことがあるわけですけれども、紛争地域あるいは将来的に紛争を抱えている地域等々、もう本当に問題山積な世界でございます。東チモールの問題もありますし、それからアフリカの問題もあります。今現在、アフリカ復興会議というのが日本で開かれているわけでございましょう。 そういうようなことで、本当に日本が頼りにされるということは大変結構なことでございましょうけれども、同時に日本のキャパシティーということもあり、うれしい悲鳴というんでしょうか、大変、どうしたら我々のリソースを世界各国の復興あるいはその紛争解決に使えるかということで、非常に悩ましい問題も抱えていらっしゃるんじゃないかと思いますけれども、外務大臣はどのような方向でこれからの紛争問題に取り組んでいこうと思っていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) まさしくそのことが私もこの七カ月間近い中で感じていることでございまして、現在、TICADというアフリカ復興会議、きのう、きょうとやっております、それに参画し、そしてまた今回のアフガニスタン問題、それからチモールの問題もありますし、南米だって貧しいわけですし、アジアにもたくさんほかに貧しい国がございます。今まで日本は、経済状況のよいときに、とても、かなり気前よくといいますか、非常にそれは喜ばれているわけですけれども、ODA等で援助をさせていただいてきていますけれども。 私は、きのうのTICADでも十一カ国の代表の方と、全体の会をやった後、個別に夜までずっと会わせていただきましたけれども、そこで必ず申し上げていることは、今の日本の財政事情の厳しさ、それから失業者がふえていること、国民負担率が非常に上がっていること、それから不良債権の処理に対する見通し、こういうことについて、経済状況について、私はブレークダウンをして私なりに説明をさせていただいています。 そして、それぞれの国によって本当に、また同じように引き続きお願いしますと頑張る国もありますし、自分たちがもっと技術を身につけて、自分たちが経済を復興し自立したいと、そういうことをはっきり若い指導者がおっしゃる国もございます。本当にアフリカでも、きのう五十二カ国参加の中の十一カ国しか個別にお話しできませんでしたが、夜のパーティーでもそれ以外の国とお話をしますと、それぞれ当然立場が違います。そして、どの国も日本の現在の状況についてよく理解をしてくださっています。 したがいまして、過去の援助に対するお礼、将来に対する期待は同じくございますが、中身が違っていますので、その中で日本がそれぞれの国についてもっとよく分析をする、外務省だけではなくて縦割りで、経済産業省もそうですし、トータルで知恵を出し合って、ここは医療、ここは何、ここは環境と、相当、人口増加の問題、それからエイズでありますとかマラリア、結核等もありますから、それをまず分析をして、続いて今までと同じようなことをしないということです。 ですが、そうはいってもインフラで、やはりいい水、それから河川の改修、ダム、道路、こうした基本的なインフラを言う国も事実ございますし、それについては本当にそういう大規模が必要かどうか、NGOそれから国際機関もありますので、そういう方たちがよく知悉なさっていますから、それを国が今までのように上からばっとまくのではなくて、よくそういう下からの積み上げと分析をわきまえて、そしてどういう、ロングレンジとショートレンジでどうすることが喜ばれるかということをきちっと費目別に立てて、そういうことを対応していくべきであろうと思います。 現在思っていますのは、教育、環境、医療、これはもうアジアもアフリカもそうだと思いますけれども、貧富の格差の是正をして、最低限の人間、人としての尊厳を守ってさしあげる、特に弱い立場の女性や子供さんや障害のある方たち、そういう方たちの最低限の人間としての尊厳を守るために、日本はもっと小さな予算できめ細かくできることもありますから、それらの現状把握を再度やり直すことが必要であろうというふうに考えています。
○広中和歌子君 ODAについてなんでございますけれども、私は過去数年間、国際問題調査会、参議院にございます、その調査会に入ってODA小委員会というところでODAについていろいろなディスカッションをいたしました。そのときに、これは私の発言ではなかったんですが、ある方が、私は地元に帰って、日本はODAをしていること、最大の供与国であると、ODAの最大の国だと胸を張って言えない状況であると。そうすると、つまり自分の支持者たちは、ODAが欲しいのは我々だと。我々というのは地元の人たちですよね。つまり、それほど日本全国、経済状況を含めて雇用もいろいろ厳しい中で、ODAどころじゃないんではないか、そろそろ日本だけのことを考えてもいいんじゃないかみたいな考え方をする人が少なくないだろうと思います。 そういう中で、私どもはODA、少なくとも今の段階でナンバーワンの供与国です。ただ、DACの基準からいうと、〇・三%を切っているということで、もっともっとふやさなければならない状況なのかもしれませんけれども、一応今の私どものGDP、この経済力からしてできるだけのことをやっているということ、それは私個人にとっては非常に誇らしいことであるというふうに思うわけでございますが、しかし、一人の政治家として、特に内閣の一員として日本の国民になぜ今ODAがこんなに大切なのかと、どのような御説明をなさいますか。官房長官とそれから外務大臣、それぞれお答えいただければと思う次第でございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 官房長官がこれは内閣を仕切っておられますからトータルでおっしゃると思いますが、私の所管の範囲内で申し上げたり、それから二種類、私が議員として申し上げるところがございますが、閣僚として申し上げれば、今回も財政は原則ODAについても一〇%削減ということをいたしておりますので、財政に負担をかけないようにするということは考えなければならないと思います。 しかし、一国会議員として、そして外務大臣としてというよりも議員としてトータルで考えますれば、私も一番ODAのことを思うんですけれども、外国のODAよりも私たちを助けてくれというふうな声がちまたにあると。我が選挙区ではありません。が、そういう声があるということを各議員さんから伺うことがありますが、日本がODAをすることによってどれだけ我々が、世界じゅうから紛争とか貧困とか病気がなくなることによって我々自身が間接的に守られているかと。 目の前にあるお水を自分が飲むことよりも、ほかの方がお水を飲むことによってより健全化していける、共存共栄できて我々の平和と繁栄に貢献できるのだということを知ってもらう、そういう努力を国会議員はもっともっと、国会議員ではなくて県会議員も市会議員も都議会議員もみんなやるべきです。目先のことだけではなくて、それをやるということが国内の啓蒙、開発、これは国会議員がやらなきゃいけない。特に国会議員はやるべき立場であります。地方議員ももちろんです。 それから、翻って、先ほど申しましたように、逆にODAを喜んで受けてくださっている国に対しても、先ほど申しましたことの復唱になりますから申し上げませんけれども、率直かつ平明に日本の状況を言い、そしてビジョンを述べて、トータルでは共存共栄したいのですと。そして、日本は財政がアメリカに次いで第二位の大きな国でありますし、国民の金融資産もある国ですから、そういうことについては私たち自身も認識をして、人によって生かされているということ、そして人様に私たちも協力をしなければいけないということを相互に、対外、対内的に言っていくべきであろうというふうに思っています。
○国務大臣(福田康夫君) 委員もODAの重要性指摘されていらっしゃいますけれども、また外務大臣からも申し上げましたけれども、私も、国際社会あっての日本という、そういう立場から考えて、またいろいろ資源を海外から買い、またそれをいろいろな国に加工して売ると、そのことによって日本の経済の相当部分が成り立っているんだということを考えますと、これはそのことだけでも海外、国際社会抜きに日本を語ることはできない、そのように思っております。 それ以外にも、この地球全体が生きていくためにどうするのかと、今後永続的に安全な地球でなければいけないということ。それは平和の問題もありますけれども、環境の問題もあるということもあり、また人口の問題もあるといったようなこともございますけれども、そういうことを考えて、我が国は国際社会にやはりある程度のお返しをしていく気持ちも持っていなければいけないんではないかなと。そういうことによって、今申しましたいろいろな問題、地球的な問題も解決していくということの一助になれば大変いいことではないかと。 特に、日本は安全保障の面ではなかなか、何というんですか、ハードの面においては力を持っていない、また持っていても即応していけないというようなこともございます。そういうことを埋め合わせるという意味合いもあろうかと思っておりますので、ODAについてはこれからも力を入れていかなければいけない。 さっき御指摘ありました〇・三%、〇・三%以下だと思いますけれども、こういうことで、このことは単純にそんなことで考えるべきかどうかは別としましても、必ずしも多い金額ではないんではないかな、こんなふうに思っております。総体としては大きいけれども、国民一人当たりという、そういう計算でいきますと、世界で何番目になるんでしょうか、決して一番、二番という、そういうことにはならないということもありますし、そういうことは全体的にもう一度ODAというものを国民全体に考えてもらいたい。単に国内の経済がどうのこうのというようなことでもって、そのしわを海外に寄せる、特に途上国に寄せるというようなことはあってはならない、そういうふうに私は思っております。
○広中和歌子君 私は、両大臣のお言葉を大変ありがたいものとして受けとめさせていただきます。 こういう支援とかいうようなとき常に思い出す言葉は、情けは人のためならずという言葉なのでございますけれども、まさに我が国にとって、こうした国際協調の中で我が国の生きる道があるんではないかと思います。 今度のアメリカにおける同時多発テロにおきまして、アメリカ人も少し見直し始めたんではないかと。 かつて、私は、アメリカが戦後、マーシャル・プランを海外に、特にヨーロッパに対してマーシャル・プランを、我が国に対してはさまざまな形で支援をいたしましたし、ブレトンウッズ体制等々、いわゆる自分たちの一国の繁栄だけでは世の中、世界は治まらないという理念のもとに非常にすばらしいリーダーシップを発揮したんだと思います。 ところが、ベトナム戦争以降なんでしょうか、そのアメリカのビジョンというのはどこへ行っちゃったんだろうかということを本当に、よその国の悪口をこの外務委員会で言っては妥当ではないかもしれませんけれども、そのような思いを持っておりましたが、最近になってアメリカも、ようやくこうした多くのテロ問題の原因というものに目を向け始めたということ、そして国連の分担金も払うようになったということ、そしてさらに、武力以外の形で、ODAその他支援を開始する傾向がこれから生まれてくるんではないかと期待しておりますし、田中外務大臣そして総理並びに官房長官も、本当に日本のこのプラス面ですよね、それを、アメリカに対していい影響を与えていただきたいと、そのようにお願いする次第でございます。 それから、最後に二つだけちょっとお聞きしたいことがございます。 これは、十二月十七日に横浜で会議がございます。子どもの権利条約について二つの選択議定書があるわけですけれども、その早期署名、そして批准についてお伺いしたいと思います。 二つの選択議定書の一つは、子供兵士がいるという、それを禁止する、子供兵士を禁止するということと、それから買春、ポルノの犠牲になっている、それにかかわる選択議定書、この二つですけれども、この二つの選択議定書を日本はまだ署名もしていないし、それから批准もしていない。そのおくれている理由は何なのでしょうか、ということでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 子どもの権利条約でございますけれども、今月の十七日に、スウェーデンのシルビア王妃がお見えになりまして、私どもが協力して会合を、子供の人権世界会議というものを開催させていただくことになっております。 今、広中先生は子供の兵士とおっしゃいましたか。
○広中和歌子君 子供兵士。
○国務大臣(田中眞紀子君) 子供兵士については、ちょっと私は、これの中に含まれているかどうかは、ちょっと。
○広中和歌子君 いや、今度の会議はポルノ関係でございますけれども、二つの議定書が、何というんですか、選択議定書があって、その二つの署名がおくれているということでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 結論だけ申しますと、この議定書の批准ですけれども、日本との、国内法及び国内制度との関係について鋭意、今、検討を行っているという理由でございます。 おくれているのではなくて、これは官房長官の方で多分検討なさっているというふうに思いますが、子供の兵士に関しましては、児童の武力紛争への参加に関する児童の権利に関する条約の選択議定書というものがございます。それから別に、子供の権利全体から申しますと、児童の売買春及びポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書という二つがございますが、お尋ねに対する理由は、現在、政府部内で鋭意検討を行っているということでございます。要するに、国内法との整合性を図っているというふうに認識しております。
○広中和歌子君 いつでしたか、議員立法で児童買春、児童ポルノ処罰法というのができましたよね。多分、田中大臣も御参加になったかもしれません。そういうふうに国内では高まっているわけですけれども、大体、国際条約に関する批准が非常に日本では遅いですよね。もっと早めていただくようにぜひ内閣としても努力していただければと思います。 特に、あれですね、批准できない理由というのはないわけですね。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、先生が御指摘なさいましたのは、平成十一年五月二十六日の超党派の児童買春問題というものに関する禁止法のことを御指摘なさったと思いますが、これには私ももちろん参加いたしております。 そして、国内での国際的な条約への批准が遅いとおっしゃることも、私もそう思っていますが、ひとえにこれは、国内法との整合性といいますか、それからそうした制度との関係を見直しているということですが、これはやっぱり役所の、言ってみれば縦割りといいますか、ちょっとおざなりなところがあるんじゃないかと私は思っておりますので、こうしたことをやはり官邸主導で加速化していただけるとありがたいし、問題点がどこかにあるのであれば、那辺にあるかということをやっぱり明快に示していくという努力は必要だと思います。
○広中和歌子君 この法律が施行されてから、平成十一年十一月から十二年十二月までの児童買春事件は千五件だそうです。児童ポルノ事件、百八十八件が報告されているようでございますけれども、今後、こうした調査なりそれから指導なりというものが強まっていく方向に行くんでしょうか。ちょっと現状をお知らせいただければと思います。 そして、一日も早い批准が行われますように希望いたしますが、ちょっとお答えいただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私も、今月十七日、もうすぐその会議が行われるわけでございまして、そこで、日本で、今、警察白書に書いてある数字を広中議員はお読みになったと思いますけれども、こうしたものを指摘されて、そして法律が出たのが平成十一年の五月でございますから、もう二年になっていて遅々として進まないことについては、指摘がある思うし、困ったものだなと思っておりますので、こうしたこともまた総理にも働きかけまして、もう少しあまねく意見を吸い上げて、もっとファンクショナルにあってほしいと思っておりますし、努力もいたします。
○広中和歌子君 最後に、横浜のその会議におきまして恥をかかないように、少なくとも来年の通常国会にはこの条約が批准されますように国内法の整備を急いでいただきたいと要望させていただいて、私からの質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁です。 質問通告をしてございますが、ちょっと順序を若干変更するかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。 最初に、昨日も私もテレビ報道を注視しておりましたが、昨日中にアフガニスタンのいわゆる暫定行政機構が、ボンでの会議がまとまりそうだというような報道もございましたけれども、我が国政府として、このいわゆる代表者会議、暫定行政機構、人選等大詰めに来ているということですが、ここら辺についての決着の見通しについてどう把握をされているのか、お伺いをしたいということが一つ。そしてあわせて、アフガンの政治的な安定、そして復興に関しても日本政府として積極的に関与しているというふうに伺っておりますが、これらにつきましての対応策につきましてもお尋ねさせていただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) あのボンでの会議でございますけれども、このアフガンの暫定政権樹立に向けた代表者会議です。 これはもう一番直近の情報から申しますと、今も局長等からも聞いておりましたが、けさ聞いてまいりましたけれども、十一月二十七日にこれがスタートいたしまして、我が国から野村大使が、言葉は余りよろしくないが、日本はオブザーバーですので張りつく状態で情報をうかがうようにして最善の努力をしておりますけれども、けさの段階では情報はかなりコントロールされていて非常に機微な段階に来ていると、これは報道でもなされているとおりでございますが。したがいまして、十二月一日以降はボンでは記者会見は一切されていないそうです。ですから、随時インフォメーションをとるように最善を尽くしているというのが一番直近の状態でございまして、進展も注視しつつ、国連を中心とする努力を私どもも支援していくというスタンスでございます。
○齋藤勁君 後段の方のアフガンの方の、今質問してあるので。
○国務大臣(田中眞紀子君) アフガンについての……
○齋藤勁君 復興に関しての、安定復興に関して。
○国務大臣(田中眞紀子君) 復興ですね。 これは新政権の樹立のために取り組むということですが、とにかく国土が大変荒廃している、いるであろうということはもうその歴史を見ればわかることでございまして、そのためにワシントンでこの間、支援のための、アフガン復興支援のための高級事務レベル会議が開催され、そして来年の一月末に日本で、場所はまだ決まっておりませんけれども、会議が開かれるということでございます。 そして、この間の私が行きましたときもそうですけれども、要するにアフガニスタンの、この間のパキスタン、それから今回いろんな国からまた電話で情報、会いに行ったり来たりして、もうとにかく集中的に情報が入ってきておりますが、それを分析して言えることは、きのうUNDPのマーロック・ブラウンさんともお会いしまして、私がパキスタンに行った後にあの方はアフガンに行かれてパキスタンも行かれて、きのう、ひざ詰めでまた久しぶりにお話ししたんですが、そうした御意見を聞きましても、要はアフガニスタンの方たちが一刻も早く帰還して定住できるようにしなければならない、それが基本です。 ところが、そのためには地雷の除去でありますとかよい水の提供というか、掘れるようにするとか農業ができるようにするとか、それから定着しても収入源につながるような技術の伝授、そうしたことを、技術の習得をするとかもう山ほどやることがあるわけでして、そのためにどのようにして国際社会が努力をするかということだというふうに思います。
○齋藤勁君 この復興には相当な資金がこれはもう必要になると思うんですが、これは資金以上にまた必要となるのが、重視をしなければならないのが人道援助あるいは民生分野でのNGOなどの関与があると思うんですね。 言ってみれば、この間も議論ございますが、きめ細かな実効ある援助ということを推進をしていく上で、NGOなどの役割をやっぱりきちんと評価をし、そしてどのように活用していくのかということの方向性というのが必要だというふうに思いますが、外務省のこのことについての対応策について伺いたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 復興需要の総額というものは、今の段階ではなかなかトータルで把握するのは難しいと思いますが、これは大変な額に上るかというふうに推測はつきます。 そして、NGOについてのお話ですけれども、私もこの間、ペシャワールの会、それからJIFFというところ、それからジャパン・プラットフォーム、これは出発なさる前に役所にお見えくださったのでその方たちとも再会できましたが、彼らは大変よく働いていますし、よく情報も持っておられますし、地元の方との密着度も高くて、どういうものをどういうルートでいつ運ぶか、よく知悉されています。 こうした方たちに対して、私たち、激励するだけではなくて、激励しましたけれども、今後、もっともっと組み込んでいく、一緒にやっていただくと、むしろ、そういうことが必要ですし、ユニセフですとかUNHCR等ともお目にかかりましたし、今回も、UNDPとも先ほどお話ししたように話をしていますが、あらゆる国際機関、よくフットワークよく動いておられますね。 この間、緒方貞子先生がお見えになったときもお話を伺いましたけれども、やはり一部としてとてもたくさんよく御存じでいらっしゃいますから、そうした各部をトータルで外務省なり内閣が掌握して、予算面のことも分析しながら、日本が国際社会とトータルで何ができるかということを明確に情報を発信し、それを実現する、実行するということが国際社会で求められていると思いますし、日本の信用にかかわると思います。
○齋藤勁君 アフガニスタン問題は、後ほどまた難民認定について関連してお伺いします。 ここで、いわゆる外務省改革について、法案の一部改正につきましての質疑もございますが、前段お尋ねさせていただきます。 この委員会でも、委員会、委員長の促進方をお願いをいたしまして、いわゆる外務大臣が人事課長の更迭、異動をめぐる人事問題について速やかにという事務当局と外務大臣が決着をつけていくということで回答を求めてきた経緯もございますが、きょう私が質問させていただきますのは、先週末、いわゆる外務省の裏金問題について二億円をも超える巨額な血税、このことについての実態が明らかに、調査結果、そして処分が発表されました。率直に言って、これは外務省ぐるみの組織的犯罪だと、外務省ぐるみの組織的犯罪と言っても私は過言ではないと思います。 疑問点は、七十一課・部屋ごとの裏金の額をそれぞれ明かしていないなということや、何でこういったプール制が生まれたんだろうかという経緯や、それから背景について説明もきちんとされていない。やはり国民が求める情報開示にはこれはほど遠いんではないか、今指摘した点をきちんと明らかにした上でないと改善点というのは私はまず出てこないんではないかというふうに思います。それから、この間、外交機密費を流用した元デンバー総領事がいまだに刑事告発を見送られているというこういうことですが、これらについても明らかにしていただきたい。 まず、外務大臣として、このような調査結果、そして処分発表で国民の理解を得られたとお思いなのか、今幾つか述べさせてもらいました疑問点も含めてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 何点か御指摘になりましたので、お答えに漏れがございましたら齋藤先生から御指摘いただきたいと思いますが、プール金の問題、一連の全部トータルで不祥事といいますものは、結果として、残念でございますが組織的であったと言わざるを得ない、結果として、それは認めざるを得ないと思います。 それから、こうした体質等については、前の内閣のときよりも今の小泉政権になってからの方が率直に、もちろん内部告発的なもの、いろいろメディアの応援もあったかと思いますけれども、より前に出て明らかにする姿勢は出ているというふうに感じております。それはもちろん国会での先生方の御質問というものも大きくお助けいただいているというふうにも思っております、そうでなかったのも結構ありましたけれども。 それで、あとプール金に関しましては、これはなぜ形成されたかということは、前に内部で十一月ごろといいましたか、課長補佐以上を集めて、どう言いましたか、カビのように自分たちの中で蔓延をしている、そして二十年前といいましたか、なんかからずっと指摘を続けているのにこの制度が直らないということを幹部が指摘して、どうすればよいか考えるべきだという内部の会合があったということも国会の委員会で指摘をされました。 必要経費を必要としてしっかりと計上するということが私はもう最後、基本の線だと思います。どこの省庁もそれぞれ特殊性がありますけれども、外務省は外務省の特殊性がありますので、そうした中で、何というか、自分たちの飲み食いとか歓送迎会に使うとか、そういうのは民間でもあるわけでしょうから、そういうときに会費制で何でやらないのかなと思ったりしますが、そういう極めて私的なことと公のこと、例えば時差があって夜遅くまで仕事をする、翌朝まで仕事をするときの宿泊であるとかお弁当代とかタクシー代、これは必要経費のはずですから、そうした公務にかかわることと私的なことがしっかりと峻別されていないということ。 それから、驚くべきことに、お金を出す方と入る方ですけれども、まず資金とお金、人事と両方分けて申し上げます。お金の方に関して今申し上げているんですが、出す方もどんどん出しちゃう。それから、請求書をつくる方も、これは官房長や幹部ともこの間お話しして、本当にそうですねとお互いにうなずき合ったことで、大変役所側も率直にこんなことがあったのはいけなかったとおっしゃっておられましたけれども、十人でパーティーをやろうと五十人でやろうと適当にぼんと出しちゃう、出す方も確認しない、実際に何人来ていたか確認しないで出していたんだと、ずさんであったということを言っておられまして、それで差額が出るとプールしてしまったとか。 そうではなくて、やはりプール金については、使途から見ますと私的と公的を分けるべきだと思います。それから、公務での必要経費はしっかりと計上していくと。それは天下に向かって説明ができるわけですから。ですから、そういう説明責任と透明性というものをはっきりしないとやはり国民の皆様からは納得していただけないというふうに思います。 このお金の問題につきましても、デンバーの刑事告発をどうするかという問題につきましても、これもありますけれども、いろいろ悩ましい点がありまして、証拠ということやら、それから司直の手にゆだねられている問題とかありますので、ここはやはり役所の幹部の方がトータルで専門家とも相談しながら進めてくださっております。 それから次に、もう一つの人事のことにつきましては、これは一人の人のことを言って話が矮小化されること、これは私は極めて遺憾に思っておりまして、なぜそうかといいますと、今ずっとこうした不祥事がお金に関しても組織全体で起こるのは、基本は人事だと思うんですね。お金があって人事じゃないんですね。人がお金を動かす、そういうポストの見直しやら配置を変えない、だからこういうことがずっと続いているのではないかと思いますし、個人的な恨みも、知り合いでも何でもありませんが、そんなことではなくて、松尾事件以降、四人の官房課長がいて、そのうちの三人が病気になって同時に入院し、ほぼ同時に出てきてみんなが配置転換になって、当時からずっといた方が同じポストに座っていて、その後、この間の、何の事件でしたかね、タクシー券のときに懲戒か何かの処分を人事課長が受けているのにそのままいると。 そのほか、いろいろございますので、すべて例示して、なぜこの方はかわらないのかと、個人を攻撃しているわけではありません。透明性の問題でいいましたら彼が優秀であるという説明であるので、そうであればほかの方も優秀な方がおられるわけですし、一年何カ月も同じところにおられる、三カ月でかわる方もいる、それから話が先へ進みますが、六カ月、十二年、十六年、済みません、六年、十二年、十六年と長いこと同じポストにいる方もおられるわけで、病気ですとか療養という理由もありますが、そうでなくて健康であって同じポストにいるということは不健全だというふうに思います。 私が言っていることは簡単明瞭でして、人事にはルールを設けるべき。これはもう着任以来、人事の三年ルールということを言っておりますので、それにのっとって長い方もできるだけかえていく、専門職であればそれに取ってかわる人をどんどん養成して入れかえていく、そういうことがお互いのためによろしいのではないかと。そして、何かの罰があったような人を優秀だという理由で置く、一人だけじゃありませんから、ほかにもそういうことがないようにということを申しております。簡単なことしか申しておりません。
○齋藤勁君 きょう、このことを中心にやりますと後のことができなくなるので何点かにしますけれども、先ほど元デンバー総領事の、いまだ刑事告発を見送られているというのはなかなか証拠等という云々の言葉があったので、そういうことなのかという、これ以上しませんが。 私は、今度のポイントは、今回の調査結果と処分の発表で外務大臣として国民の理解を得られると思っていられますかと。総理は、さまざまな分野で聖域なき改革というふうにおっしゃっている。外務大臣は、外務省のうみを出すということで機密費問題あるいはいろいろな問題について先頭に立って取り組まれてきたというふうに国民は理解をしていると。 どうも三十日からの発表以降今日まで、今の御答弁も、元気がないと言うと、元気はあるわよと言うかもわかりませんけれども、どうも新聞の報道だと、結局、事務当局が用意した案を丸のみして、問題の背景として、事務次官らキャリア幹部とノンキャリア職員の間にベルリンの壁より高い壁が横たわっていると嘆きつつ、革命が起きないと無理でしょうねとどこか投げやりに記者会見を締めくくったというのがこのときの報道に出ております。 こういうことを国民は受けるわけであって、いわゆるリーダーシップということについてどういう考えをやはりお持ちですかということを私は尋ねさせていただいていますので、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) これはもう委員がお答えをおっしゃったと思いますけれども、内閣全体で関心を持っていただかないと、外務省内でやることにも限界があります。 なぜかといいますと、人事権はやはり、今度新しい方針で、局長以上の人事権につきましては官邸の承認でしたか、了解というふうなこともございますし、外務省の限界、ほかの役所もそうかと思いますけれども、そうした枠がございますので、やはり聖域なき改革ということを目指す内閣でございますから、そういう面でも事を矮小化せずに、やはり有権者の皆様、国民の皆様の理解を得られるような改革をするという大義についてはお力添え、御指導を賜りたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 大臣、今見た私は報道の同じ紙面の中に、就任七カ月の田中外務大臣は、うみを出したいと強調してきたけれども、政治主導のかけ声とは裏腹に、省改革を担うリーダーとしての戦略が見られない。政治家ポストの副大臣や政務官でつくる省改革チームとの連携に欠け、チームの一人は大臣は会議に一度も出ないと怒ると、こういうのがさっき言いました私は丸のみにしてというその前段の記事があるんですね。これはさっき私は読まなかった。 ここはどういうふうに思われるんですか。やっぱり会議に一度も出てこなかったんだということの指摘は、これはやっぱり大臣としてお答えしなきゃならないでしょう。
○国務大臣(田中眞紀子君) これにつきましては、会議自体に私が出るということは物理的に、スケジュールをごらんになっていただければおわかりいただけると思いますが、きょうは副大臣もおられますし、政務官もそうでしょうけれども、皆さん外国に行かれたり、会議、手分けもしておりますので、事務方だけでの会議もあったやに聞いておりますし、またその報告というものは事務方からあるいは政務官の方から国会で本会議のときに伺うときもありますし、電話やら大臣室にお見えくださることもございますので、報告が全然上がってきていないとかということもございません。 今度、山口政務官がなさっている人事改革につきましても、私も督促いたしまして、もう十二月末とはおっしゃらずに早目にということも何度もお話しして、また中間報告も聞いておりますので、会議に全部幾つかにブレークダウンしてあるわけですね、会議四つでしたか、それに全部私が出るということはこれはもう物理的に不可能です。報告は聞いております。
○齋藤勁君 官房長官、今回の調査結果と処分について、官房長官としてのお考え、所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 最近の外務省における一連の不祥事、これは外務省に対する国民の信頼を失墜させると、こういう意味において大変遺憾に思っております。 このような不祥事を繰り返さないためにも、大臣と事務方がよく協力し、省員が一丸となって外務省の改革を進めて、外務省が外交に専念できる体制を早急に整えることを私は期待いたしております。
○齋藤勁君 外務大臣、今回の調査結果と処分で、機密費問題、そして、私は今回の調査がなぜ平成七年の四月以降からされたのかなという疑問もあるんですが、事務方のある一部では、一件落着という表現、これで終わりなんだと、こういうようなコメントも出している向きもありますが、いわゆる外務省改革を含めて、今回のやはり私はうみは出し切ったというふうに国民は受けとめていないというふうに思いますが、この認識はいかがですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) なかなか難しいところでございますけれども、情報というものは、どこの省庁もそうですけれども役所側にありますし、過去の経緯とか細かいデータを全部政治家が、しかもこうしてくるくる内閣がかわり、今までのように閣僚がかわっていては、そういうものを政の側が官から十二分に一〇〇%吸い上げるということは不可能であったと思います。したがいまして、十分であったかどうか、少なくとも以前よりかも前進はしていると思いますが、今後一切こういうことがなくなるということは断言はいたしかねます、残念ですが。 ただし、できるだけ早く外務省が再生するように、本来の外交ができるように、それはもう若い方たちも皆さん応援してくださっていますし、ほとんどの方たちはそういう気持ちでありますので、ただ、気持ちを切りかえては仕事はしておりますけれども、していても、また今後絶対何も起こりませんというふうなことは断言いたしかねます。
○齋藤勁君 官房長官、もう一度お尋ねしますが、今回、いわゆる外務省の裏金問題ということで調査結果、処分が出ましたが、他の省庁はよもやこういうことはないですよねということが一つ。 そして、外務省改革について、外務省、外務大臣ととりわけ協力して解決をしていくという姿勢を内閣としての一任も含めてお持ちだということについて、二点目にお尋ねいたします。
○国務大臣(福田康夫君) 各省庁でこういうことが起こらないようにということで、今、省庁ごとにいろいろと注意をし、また内部監査を厳しくやっているものと承知しております。今後そういうことは起こらないようにしなければいかぬと、こう思っておるところでございます。 もう一つ、何か。
○齋藤勁君 外務省改革、いわゆる機密費、一連の改革について。
○国務大臣(福田康夫君) これは、つい数日前に発表になりました。このことで、外務大臣が今、このことですべて終わったというように思っておられないというような発言をされましたけれども、しかし、そういうことが絶対に起こらぬように大臣がしっかり内部を統率してやっていただきたいと、こういうことに尽きるわけでございまして、その大臣を信頼して我々は、私どもはやるしかないわけでございますので、その辺は省内一丸となって、先ほども申しましたけれども省内一丸となって、やはり意思疎通がよく図られるような努力もして、双方ともに、そして一丸となった体制づくりに努めると、これがまず第一に必要なんじゃないかと思っております。
○齋藤勁君 法改正の方へ入ります。 自己保存のための自然的権利というのが、ずっとこの武器使用にかかわる解釈の一つの柱としてあったと思うんですね。この自己保存のための自然的権利としての武器使用に関する政府見解、これをお尋ねします。防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 定義ですか。
○齋藤勁君 見解、政府の考え方。
○国務大臣(中谷元君) はい。 PKO活動等を実施する要員がその任務をする場合におきまして安全かつ整々と任務がし得るために、自己保存のための武器使用を認めるわけでございます。 今回、この改正をするわけでありますが、現時点におきまして、他国のPKO要員また国連職員等は今まで含まれておりませんでした。しかし、実際にPKO活動を実施した際に、これらの他国の部隊の要員が選挙監視要員などと同一の場所で活動することはあり得るわけでありますし、また平和維持隊が他のPKO業務と複合的に展開されるケースも増加をいたしておりまして、そのような場所また形態等を勘案しますと、いかなる範囲に防衛の対象として適当か検討をいたした結果、自己とともに現場に所在し、その職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命または身体を防衛するための武器使用は、この自己保存のための自然権的権利というものであるという結論に至りまして、今回の改正を実施するわけでございます。
○齋藤勁君 長官、いわゆるPKO協力法では、任務遂行を実力で妨げる企てに対抗するための武器使用をこれまで全面的に認めていないのは、そのような武器使用が憲法九条の禁止する国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為を行うような結果となる可能性が完全には排除し切れない、こういうことでこの自然的権利というのが位置づけされてきたと、こういうことではございませんか。
○国務大臣(中谷元君) そうではなくて、武器をいかなるときに使うかという整理でございます。 これまでもPKO協力法案におきましては、自分自身だけではなくて、自分とともに所在する他の自衛官、自衛隊員ですね、もしくは隊員を防護するために使用いたしておりましたし、ガイドラインのときも自己とともに当該職務に従事する者を対象としておりました。また、自衛隊法百条の八の邦人の救出、その場合も、その保護に入った当該輸送の対象である邦人もしくは外国人も防護の対象といたしております。 これらは、何といっても自衛官の職務に関連して当該自衛官と行動をともにし、不測の攻撃を受けた場合に、当該自衛官とともに行動してこれに対処せざるを得ない立場にある者の生命、身体についても、この当該自衛官の生命、身体と等しく保護しようとするものでございまして、今回も、共通の危険にさらされ、その現場においてその自衛官の指示に従うものが期待される者を防護対象とするものでございまして、従来からの概念でございます、「自己と共に現場に所在する」「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」の生命、身体を防護する部分も含めて、いわば自己保存のための自然権的権利ということで同じ概念でございます。
○齋藤勁君 トータルでお答えいただいているんですけれども、言ってみれば、国会で我々は国民とともにこの間PKO協力法ができて、この武器使用についての考え方については、なぜ自然的とかこういうことが出てきたということについて、これは認めてきているわけですから、それをだめだとか言っているんじゃないんですよ。背景は、いわゆる武器使用が憲法九条の禁止する国際的な武力紛争の一環として戦闘行為、こういうことになるからいろいろラインを引いてきているわけですよ。そのことを話をさせていただいたんで、そうじゃないなんというと今までの積み重ねがおかしくなるだけで、今回そのことを私は指摘をさせていただきます。 今、長官が御説明ありましたように、今回、今までは二十四条で「自己又は自己と共に現場に所在する」という、以下なっているんですが、改正案は、今度は「自己の管理の下に入った者」と、こういうことを追加されましたですね。これで対象とする文民の要員、国際機関の職員、NGO、訪問者、傷病兵、これも防護するための武器使用も自己保存のための自然的権利ということですか。
○国務大臣(中谷元君) これの状況が、自己とともに現場にいる、そしてその職務を行うに対して自己の管理のもとに入った者である場合に限られて、NGOその他の方を防衛するということが可能になるわけでございます。
○齋藤勁君 自己保存のための自然的権利、これが私は拡大しているんではないか。このいわゆる自然的権利、自然的権利というのが拡大して今日に来ている。すべて自然的権利、自然的権利ということで、ここで自然的権利だということになれば解釈として包容されるんだというのが今回の改正の主眼じゃないんですか。 今回の改正案というのは、「自己の管理の下に入った者」、これを果たして自然的権利として言えるんだろうか、政府の方は言えるんだということですが、ここは私は大いに疑問があるところです。ここら辺が無理が生じてきていませんか。そういう認識は立ちませんか。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には自分の身を守るのは正当防衛でございますが、その自分と一緒にいる者にあって身を守る手段を十分に有していない者、いわばみずからの身の安全を自衛官にゆだねるとか、また指示に従うなどのような者、そのような者の生命または身体を防衛するための武器使用が憲法上許されるというふうに解するのは、いわば人間としてというか、人道的見地から見ても妥当なものだというふうに考えております。
○齋藤勁君 私はいわゆる現場対応というのはいろいろあると思うんです。いろいろあると思うんですよ。しかし、今回の政府解釈、政府の改正案というのは、自衛官の指示に従うことが期待される者ということですね、防護の対象となるんですが、そういうことでさっき、具体的に国際機関の職員だとかNGO、訪問者というのが入っていくんです。 これまでの自己保存のための自然的権利なのかと、これが。自己保存のための自然的権利というには余りにも解釈の仕方としておかしいんではないですかという、整合性がとれないんではないですかということを言っているんで、こういうふうに何度も聞いても長官はあれなんですね、自然的権利、自然的権利ということなんでしょう。 再度、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) そのとおりでございます。 今までも、自衛隊員と同じく仕事をしている自衛隊員、また同じ職場に従事する者、そして邦人救出をする場合には、その保護の対象となる、保護に入った邦人もしくは外国人、これらも自己保存のための自然的権利という概念で防衛をしておりました。同じ概念におきまして、やはり現場にNGOとか訪問者がいた場合に同じ日本人もしくは隊員とどこが違うかといいますと、同じ人の命でありまして、そういった場合に、あなたは守ります、あなたは守りませんということが本当にその現場の指揮官や隊員にとって、人間として、また国際的にも許されるかといいますと、やはりその現場においてその人を守ることができる状況にあるなら、かつまたその人がその指示に従うというような立場であれば、同じ人間ではないかという観点で、今回、自己保存のための自然的権利の範囲をそういった方にも対象を拡大しようということで改正をお願いするわけでございます。
○齋藤勁君 そういう見解、解釈をとられるということなんでしょうけれども、大変私はこの拡大というのは、解釈の仕方と位置づけというのは無理があるんではないですかということを言わざるを得ないです。 報道によりますと、官房長官、先週、やはり三十日、金曜日ですね、これは。記者会見で官房長官は、国際社会により大きな貢献をする趣旨の改正だ。現行憲法で武器使用がどこまで許されるか、といった考えをしっかり決めないといけないと。これはこのとおりだと思うんですが、これはそのとおり会見をされましたでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) やりとりの中でそういう言い方はしたかもしれません。趣旨は、この武器使用のあり方、この平和協力法の中における武器使用規定のあり方ですかね、厳密に言えば、これは国連PKO活動の実態とか、それから国会などでの御議論を踏まえながら、今後とも必要に応じ検討していかなければいけない、こういう考えを述べたところでございます。
○齋藤勁君 ここ、官房長官、武器使用というところは、これは正確に会見で言われているので、私どもこの受けとめ方として、武器使用ということを武力行使と仮にもし読みかえた場合、自衛隊が海外で他国民を対象に武器を使用した場合はそれは武力行使になると私は思うんですけれども、それは官房長官は武力行使ではないと、こういうふうにお考えですか。
○国務大臣(福田康夫君) 武力行使と、武器を使用して武力行使ということはありますけれども、しかし武器を、武力行使にならない武器の使用、こういうことで今まで議論しているんじゃないでしょうか。
○齋藤勁君 わかったかわからないようなあれですけれども。 次に、先ほど外務大臣から、いわゆる難民、アフガニスタン難民が早く帰還をするといった幾つかのそういったことを望むということもございましたし、あるいは先ほど広中委員の中で、国際条約関係で批准を早くというような話がありましたが、私はアフガニスタン人の難民申請、この不認定になりました経緯と対応についてお尋ねをいたします。 この難民条約は批准をして二十年たちます、二十年。この認定をすることが、二十年たったから実績を何人とか何十人とか何百人ということを、これは別に評価をするということは、そんなことは私は問題ではないというふうに思います。むしろ、世界的に国際的にもないことがいいわけであって、ただいかに、この難民条約を批准したから、批准をした上でどうその難民の対象者、申請者に対してどう政府が当たり、どうそれにこたえていくかということが求められているのがまず私は基本的にあると思うんですね。 パキスタンには我が国の自衛隊も支援に出動に向かっております。人道支援というのも先ほど来の議論からもこの間ずっとございます。このアフガニスタン人の我が国への難民申請の経緯を見るにつけ、我が国の国外では、人道支援というのは何だろう、何なんだろうと。言葉だけじゃないかと、国内では。国外ではいろいろ人道支援人道支援と言うけれども、国内では人道支援というのは全く無関係な日本の今の法治国家の法務省あるいは外務省のありようではないかなというふうに思うんです。 二十七日の法務委員会で、我が会派の江田議員は難民不認定をしたことについて幾つかたださせてもらいました。法務大臣から、本人の状況で難民として認定する理由がない、アフガニスタンの情勢が全く関係ではないがということになっておりますけれども、この答弁、法務省の従来の答弁……。 この前にお尋ねいたします。私も、報道で、理由は当該外国人に書面で申請をすることになっております、この法律に基づきましてですね。なっているんですけれども、この法務大臣のアフガニスタンの方に対する理由についてはわずか数行で、外務大臣が答えているぐらいしかこうやって書いていないんですが、これはあれですか、二十八日夜、法務省は個別の難民の認めなかった理由を具体的に記者会見で、法務省いらっしゃいますね、公表しているんですけれども、申請をした人にはわずか四行か三行しかこの理由の書類がないんですね、書面をというか法律どおりやっているんですが。 記者会見ではるる、何で認定をしなかったということを述べられているんですけれども、これは極めて異例じゃないですか。まずこのことからお尋ねいたします。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 委員お尋ねのアフガニスタン人九名の関係につきまして、社会の耳目を引いた案件でもございますし、国会でもこのようにしばしば取り上げておられますし、報道機関等から私どもの方に取材も多いと、そういうようなこともございました。アフガニスタン人本人のプライバシーの権利と国民の知る権利及び手続の透明性の確保等を比較考量いたしまして、個人を特定することなく難民認定に関する処分の判断の基礎となった事情について御説明申し上げたと、これが私どもの方で発表した経緯でございます。
○齋藤勁君 申請者にきちんと書面で明らかにするというのがルールじゃないんですか。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 これは、難民申請というのは、当該難民を申請する者が自己が難民であることを申請をして、それに対する必要な資料あるいは陳述をするということになっておりまして、本人が一番難民であるかどうかのことについては事情をよく知っておるということでございます。難民であるかどうかの最終的な立証の責任というのは申請者本人にあるということになっておりますので、難民を認定をしないということについて申し上げればそれで事が足ると、こういうことになっておるところでございます。
○齋藤勁君 今答弁になったことは極めて重要ですよ。申請者に、一番当該だからよく知っているんだと。迫害を立証する具体的な証拠がないんだというわずか四行ですよ。難民を申請しているんですよ。 あなたの今の答弁は、自分の胸に当たって考えなさいと。だから、具体的な証拠がなかったということで申請者にはそれで認定をしなかった。あとは報道陣、いろいろ、こうやって国会でも取り上げていろいろあるから、報道陣にはそれ以外のことも詳しく答えた。そういう位置づけでこの法律について仕事をしてきたんですか、二十年、難民条約の批准以降。
○政府参考人(中尾巧君) 若干、私どもの方で先ほど申し上げたことにつきまして、委員の方でおっしゃっているところと若干そごがあるかもしれませんけれども、具体的に、本件につきましては総じて難民に係る供述について信用性がないと、こういう判断をしたわけであります。迫害に関するそれぞれの申し立てについて逐次詳細に事情を聞いた上、その迫害の申し立ての内容そのものについて信用性がないと、こういうことで難民不認定と、こういうことでございます。 したがいまして、先ほどその具体的証拠云々ということをおっしゃいましたけれども、私どもとしてはその供述そのものに信憑性を認めなかったと、こういうことでございます。
○齋藤勁君 迫害を、難民の方々は国を出るときに迫害の証拠なんというのは持ち出すと思いますか、国を出るときに。 ちょっと別な角度からお尋ねしますが、法務省は従来、難民認定の手続の過程における本人の陳述については、その陳述をバックアップし、いわゆる証明がしやすいようにしてやりたいと、これは、昭和五十六年五月二十二日、難民条約の批准が論議された第九十四回国会、法務省入国管理局長大鷹弘さん、政府委員、こういうことを答弁しているんですよ。 違うじゃないですか、今のあなたの言っているのは。こういう、まず基本的な立場に立っていないじゃないですか。
○政府参考人(中尾巧君) 先般、私どもの大臣が御答弁申し上げたところでもございますけれども、アフガニスタンの情勢ということもございますけれども、その本人がそれぞれどのような事情であるかということを一人一人丁寧に聞きまして、その結果、難民として認定する理由はないということになったわけであります。こういうふうに答弁しているところでございますし、かつて、大鷹入国管理局長の答弁の中身につきましても、難民調査官は申請者から事情を十分聴取し、その裏づけ調査も十分行った上で難民認定を行うという趣旨の答弁をしているところでございます。 今回につきましても、難民調査官はアフガニスタンの情勢を十分調査した上で事情聴取に臨んでいることはもとよりのところでございますが、各難民申請者からの迫害を受けるおそれの申し立てがその供述内容と難民調査の結果を比較検討すれば難民に関する供述内容に信憑性が認められないというようなことで、十分調査結果等に基づいて難民としての申し立て内容について信憑性がないと、こういう判断をしたわけでありまして、その基本的スタンスについては従前とは変わっていないところだと思っております。
○齋藤勁君 今回の申請者が迫害を受けるおそれがないということになるわけですけれども、認定した根拠を示していただきたいと思います。
○政府参考人(中尾巧君) これは、九名について個々に私どもの方で説明をこの場で詳しく申し上げるのは必ずしも適当ではございませんが、例えて申し上げれば、基本的に、本来難民ということであれば、難民として迫害を逃れて我が国の方に難民申請をする者であれば当然とり得る行動をとっている者であればともかくといたしまして、それとは思えない行動をとった上に、それぞれについての迫害の申し立ての内容について具体的な信用性のないことをいろいろ申し立てておったということでございます。 例えて申し上げますと、アラブ首長国連邦で長らく中古車販売の業務に従事をしておった者が、そのアラブ首長国連邦での就労許可書を持っておって、かつまたその許可書が有効であるにもかかわらず百万以上のお金を払ってブローカーを通じて日本に入国を、不法入国をして難民を申請をしたと、こういうような者もございます。 もし難民であるということでありましたら、それは先ほども申し上げた第三国で十分、中古車販売の仕事をしていたわけでありますし、そこの就労許可書も持っておるわけですから、そちらへ行くのが普通の真の難民である者が起こす行動であろうかと思います。それをしないで日本に来たと。日本に来た後のそれぞれの行動等を調査いたしますと、土地を借りて中古車販売をし、かつてその者は何回も日本と往復して中古車販売の仕事に従事していた者であると。 それぞれの中身の話について個々にわたるのは時間がございませんけれども、こういうことで、迫害を受けるということについて、主張の内容につきましても果たしてそのことについて具体的に私どもの方が信用に値するような中身でなかったと、こういうことでございます。
○齋藤勁君 今、答弁でありましたように、非常に具体的な点があります。私も、関係者の方々からそれに対する反論といいますか考え方を資料として持っています。持ち時間の中でやりとりするというのは非常に難しい内容だと思います。 難民調査官設置の目的、その職務内容、それから難民調査官が、難民申請で申請者が陳述した迫害の事実の有無や陳述以外に迫害の客観的証拠とか、例えば国連やアムネスティなどのレポートや、あるいは在パキスタン大使館の調べやその他調査をされたんでしょうか。そういう上での今回の認定申請を今度認めなかったということなのか、明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 まず、難民調査官を設置した目的についてでございますが、難民の認定のために必要な調査を行う職員につきましては、当該国籍国の政治情勢等、難民の置かれております諸情勢、難民に関する条約等々について深い造詣を有していることが必要であることは申すまでもございません。こういう観点から、入国審査官のうち適任者を法務大臣が難民調査官に指定する、こういうことになっております。 難民調査官は、申請者等に対して出頭を求め、質問をし、または文書の提示を求めたり所要の照会をして必要な事項について証拠収集をしておることになっております。 今回のことにつきましても、難民調査官は常日ごろから外務省作成資料とかUNHCR作成資料とか、あるいは各国の個別情報はもちろんのこと、アムネスティ・インターナショナル人権報告、あるいは報道、あるいはインターネット資料等さまざまな手段によりまして各国の情勢に関する最新の情報を収集することに努めておりますし、今回のアフガニスタン九名につきましても、このような諸情報に加えまして適宜在パキスタン日本国大使館等から外務省経由で情報収集いたしまして、申請者である九名がそれぞれ主張する難民たる事実に関する供述内容を十分調査するとともに、各種の事実調査を実施いたしまして、その調査内容に基づき申請者本人の供述内容の信憑性について判断したと、こういうことでございます。 その調査結果等を総合いたしますと、先ほど一部申し上げましたけれども、そもそも難民であるとする各申請者の供述内容そのものが信用できないという結論に達して難民不認定の判断を下したものでございます。
○齋藤勁君 お尋ねしますけれども、ハザラ人への迫害の事実、どの程度把握をされていますか。
○政府参考人(中尾巧君) いわゆるタリバンによる人権侵害事例につきましては、国連人権委員会特別報告員報告等により種々確認しております。その主な例がいろいろございます。これは、それぞれタリバンが北部同盟等の反対勢力との戦闘におきまして、反対勢力の拠点等を奪取した際に、その勢力のメンバーまたは援助者と目される地域住民、その中にハザラ人が多く含まれていたわけでございますが、それに弾圧を加えたものでありまして、いずれも局部的に発生した事案でございます。 ほとんどの事案について委員御案内のとおりでありますが、詳しくは申し上げませんけれども、そういう過程でタリバンによる人権侵害の事例があったことは私どもの方は承知しております。
○齋藤勁君 法務省は、今アフガニスタンでいわゆる無差別暴力が行われているという認識には立っていますか。
○政府参考人(中尾巧君) 今現在のアフガン情勢は極めて流動的であります。先ほど外務大臣等の御答弁にもありましたように、和平に向けての、復興に向けての動き等々ございます。その中である意味の混乱状態が生じておるわけでありますので、いろんな事象が起こっていることは私どもの方も承知しているところでございます。
○齋藤勁君 十一月二十八日に欧州評議会閣僚委員会がございました。 条約難民には該当しない場合でも、生命、安全または自由への脅威、あるいは無差別暴力のために帰国が不可能な人は保護されるべきと。十一月二十八日、欧州評議会の閣僚委員会の、条約難民には該当しない場合でも、生命、安全または自由への脅威、あるいは無差別暴力のための帰国が不可能な人は保護されるべきという合意ができて、これを記者会見しています。 法的拘束力はないかもしれませんけれども、今回の難民認定に当たって私はこうした考え方を取り入れるべきではなかったんだろうか、いかがですか、法務省として。
○政府参考人(中尾巧君) 今、委員御指摘いただきました欧州評議会閣僚委員会の採択した勧告でございますけれども、この勧告は、難民条約のもとで難民の地位の基準を満たさない者でありましても、いまだ国際的保護が必要と判明した者には、個々に法的地位の認証や旅行文書の発給などの補完的保護を与えるべきである旨述べているものでございます。したがいまして、このような者について難民として認定すべきであるという勧告ではございません。 私どもの方としても、基本的には入管法の二条には難民の定義がございます。難民の定義というのは、基本的には条約の適用のある難民ということでございますので、その当該条約の適用にある難民であるかどうかを基準として難民かどうかを判断せざるを得ないと、こういうことでございます。 先ほど申し上げたようなことで、欧州評議会の勧告は難民として認定すべきというところまでの勧告ではありませんので、今申し上げた従来のスタンスで私どもの方は難民かどうかということを判断しているところでございます。
○齋藤勁君 違うのよ、言っているのが。二十八日の閣僚委員会での合意ができた、記者発表したということを言っているんですよ。条約難民には該当しない場合でも、生命、安全または自由への脅威、あるいは無差別暴力のために帰国が不可能な人は保護されるべきという閣僚委員会の合意を私は言っているんですから、困りますよ、見当違いな答弁されていても。 外務大臣、先ほどから聞いていられると思いますが、別なお仕事でお忙しくて何か別なお話をしているのかもわからないけれども、今は私は法務省の見解をお尋ねいたしました。難民認定に当たっては、法的拘束力はないけれども、こういう欧州評議会の閣僚委員会の私は合意というのは、これはあるべき姿なのかなと思いますよ。この難民認定は法務省だけじゃないんです、外務省とも一緒に連携をしてということなんですから、外務大臣、外務省としての見解、お尋ねいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) このことについては前からお尋ねもありましたことなんですけれども、先ほど私はトータルでは、最終的には難民の方たちというのは、最初は九〇年代からの難民もおられるわけですけれども、日本でのことも、すべてトータルで見て、やはり自分の国に、どこの国におられる方であっても、最終的にはアフガンの難民の方たちはアフガニスタンに戻れるということが大事だと思いますし、そして難民の認定は法務省の所管で、今るるおっしゃっておられましたけれども、法務省におきまして適正になされているというふうに感じております。そして、審査上必要な現地の情報等につきましても、法務省の求めに応じて外務省は随時提供しております。 ただこれが、最初に申しましたように、やっぱり自分の、早期帰還ができるような環境を整えるということの観点からいきますと、もう少しトータルに努力をするということをすべきだというふうにも感じております。
○齋藤勁君 アフガニスタンでは無差別暴力が行われているという認識に立ち、そして二十八日の欧州評議会での、先ほど来から言っているそういった確認があり、これは欧州評議会だけのことではなくて、全世界が共有し合うことであり、帰国が不可能な人は保護されるべきという合意というのは私はきちんとすべきだということなんですね。適正に処理したか処理していないかというのは、適正に処理しているかどうか、法務省の方は適正に処理したとおっしゃるかもわからないけれども、どうも五十六年のこの難民認定制度立法過程でのやりとりを聞くと極めて、先ほどの記者会見の仕方から含めて私はそう言い切れない部分もあります。 さて、難民不認定後、申請者をアフガニスタンに強制送還できていないですね、今。その理由を具体的にお示しいただきたい。
○政府参考人(中尾巧君) お答え申し上げます。 お尋ねのアフガニスタン人九名につきましては、四名につきましては既に退去強制令書が発付されておりまして、現在、東日本入国管理センターに収容中であります。それ以外の五名につきましては、東京地方裁判所の収容令書執行停止決定が出まして、この収容令書の執行の停止によりまして身柄の拘束が解かれたままになっております。 この執行停止決定につきましては、私どもの方で即時抗告をしているところで、現在、高裁の御判断を待っているところでございます。
○齋藤勁君 アフガニスタンに無差別暴力の状態があるからすべて強制送還できない、これはそういうことで認めているから、そういう受けとめ方じゃないんですか、強制送還できないのは。
○政府参考人(中尾巧君) 基本的には国籍国に送還するわけでございますけれども、送還に当たりましては、各種の送還に当たっての諸条件が整わなければ送還することが物理的にできないわけでありますので、その諸条件が今のところ整っていないと、こういうことでございます。ただし、これは四名についての話でございます。
○齋藤勁君 強制送還できない場合は、入管法の五十二条六項、「入国者収容所長又は主任審査官は、前項の場合」、これは全部あれですが、「退去強制を受ける者を送還することができないことが明らかになつたときは、住居及び行動範囲の制限、呼出に対する出頭の義務その他必要と認める条件を附して、その者を放免することができる。」と、「条件を附して、その者を放免することができる。」ということで、この入管法五十二条六項の特別放免、放免ということについて該当はしませんか。
○政府参考人(中尾巧君) 委員御指摘のとおり、入管法五十二条六項によりますと「退去強制を受ける者を送還することができないことが明らかになつたときは、住居及び行動範囲の制限、呼出に対する出頭の義務その他必要と認める条件を附して、その者を放免することができる。」と、これいわゆる特別放免の規定でございます。 しかし、この「送還することができないことが明らかになつたとき」とは、諸般の情状により、あるいは事情によりかなり長期間にわたって送還ができない客観的事情があるというふうに解釈されているところでございます。 お尋ねのアフガン人四名につきましては、現時点において、送還実施に向けて相当長時間にわたってあらゆる方策を講じてもなお送還することができない客観的事情があると判断するには現時点では時期尚早であると思われますので、私どもといたしましては、引き続きアフガニスタンの情勢等々を注視していきながら所要の判断をしたいというふうに考えておるところでございます。
○齋藤勁君 人道支援ということをうたいながら、私も、真実、すべての方々がそうであるかどうかというのは、個人的にもそれぞれの方々のケースは定かでない部分もありますけれども、多くの方々の資料等を伺って話をすると、先ほどの認定の理由に対する書面から始まって、言ってみれば、迫害の証拠などと言われたって、迫害の証拠をどうやって出すんだということや、そのことを発言、言うことすら苦痛になる、精神的に追い込められているというこの難民の方々の気持ちとか思うと、難民条約が批准して二十年たちましたけれども、率直に言って、人道支援、人道支援と言うけれども、この難民条約を認定して二十年たつけれども、難民認定作業が我が国においては土台が全くできていないと、土台ができていないということを私は言わざるを得ません、これは。そういう私は率直な気持ちですよ。 ですから、ぜひ、立法過程では大変私は非常に配慮のある政府委員の答弁であるなというふうに思いますが、そのことがずっと伝えられていない、すべて絵にかいたもちになりますよ、これは。人道支援なんか言っていたって、こういう、こんなことをやっていたら。 最後に、法務大臣、きょうお見えじゃないから、事務的にはこれは一生懸命やってきたということなんでしょう。両方、それで、いろいろ、ただ、官房長官もおりますし、それから外務大臣、それぞれから、今回の個別の具体的なことはもう述べられましたから、総合的に人道支援、難民の認定のあり方、私はきちんと行っていくべきだということを申し上げて、持ち時間が来ましたので終わりたいと思います。御答弁お願いいたします。
○委員長(武見敬三君) 時間ですので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 世界の情勢が目まぐるしく大きく変化している中で、私どもの努力、それから制度の面でついていっていないということを実感いたしましたので、また閣内で一致協力していきたく存じます。
○国務大臣(福田康夫君) 人道的な立場において、この難民支援というものは今後我が国でも大きな課題であると思いますので、委員の御発言等も参考にしながら一生懸命やってまいりたいと思います。
○委員長(武見敬三君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ─────・───── 午後一時三十一分開会
○委員長(武見敬三君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、本案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。 この今回のPKO法の改正につきましては、衆議院の方でも、また参議院の方でもきょう午前中いろいろと議論がありまして、私の質問の中でも論点の重なるところもあるかとは思いますけれども、私は以前からこの委員会でも申し上げているとおり、日本はもっと積極的に国連のPKO活動、平和維持活動に参加すべきであるという立場であります。 PKOは、国会の中でも何度も言われておりますけれども、国連憲章そのものに明確な規定はないものの、国連の最も重要な使命である国際社会の安全保障の確立あるいは維持という観点から、そのPKOの強化に異論を唱える国というのはもう今はほとんどないというのが現状だと思います。 現在、世界じゅうで実施されているPKOは約十五あって、そこに参加しているのは八十七カ国から四万七千人が参加していると。これに対して、来年派遣される予定の東チモールを抜かしますと、現在はゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍というところに四十五名だけを派遣しているという状況であります、日本に関してはですね。この水準は先進国内でも最低水準、G8では最低と。アジアでも、韓国は四百七十一名、それから中国でさえ、でさえという言い方はよくないかもしれませんが、百十一名PKOに人員を送っているということであります。 そういう意味で、今回の改正案も念頭に置きながら、今後日本がPKOに対してより積極的に取り組むためにどう政府としてお考えなのか、官房長官にまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 委員おっしゃりますように、我が国のPKOの取り組みというのはこれは少し弱いんではないかと、こういうこと。これは、私は数字、PKO隊員として出ていく人の、隊員の数だけではないと思います。 質的な問題、そしてそのまた成果と申しますか効果と申しますか、そういうこともあわせ考えなければいけないと思っておりますけれども、そもそもこのPKOが国際の平和と安全を維持するために大変重要な役割を担ってきたということでありますので、こういう国連を中心とした国際平和のための努力に対しまして人的な面で積極的な努力を行う、協力を行うということは、これは我が国の国際的な地位と責任に相ふさわしい協力のあり方であるというように考えておりますから、でき得る限りの協力をする、そういう意味においては若干国際的に見ても低いレベルではないかなと、これは員数的なことで申し上げればそういうことは言えるのではないかと思っております。 我が国としましては、今後も、これまでのいろいろな活動がございました、そういうふうな経験を踏まえながら、国連平和維持活動に積極的に参加できますように一層努力をしていく、そういう所存でございます。 しかし、今回東チモールに、これは今回と申しましても来春になるわけでありますけれども、東チモールでもって平和維持活動をすると、こういうことで自衛隊を派遣するわけでございます。そういうことで、これも人数かなり多いものですから、人数的なことでいえば相当な改善ができると、このように期待いたしておるところでございます。
○遠山清彦君 わかりました。 今後とも政府一体となってこのPKOの問題取り組んで、また国会の中でも、私、後ほども申し上げますけれども、日本の国会あるいは政府内におけるPKOの議論が国際社会におけるそれと大分ギャップがあるんじゃないかということも思っておりますので、その辺も含めて積極的に取り組んでいただきたいと思います。 次に、九年前に現在のこのPKO法ができたときは、ある意味で国論を二分するというか、見方によってはPKO活動に自衛隊が参加することに対して慎重な、あるいは反対の立場をとる人もかなりいたということでありますが、最近の世論調査によれば、日本の国民の多くはPKOへの活動参加を支持しているということだと思います。 それで、私も具体的に調べてみたんですが、平成十二年、昨年の十月の内閣府の世論調査におきましては、国際社会における日本の役割として何があるかというところに対して、一番多かった答えが、四一・八%ですけれども、「人的支援を含んだ、地域紛争の平和的解決に向けた努力などの国際平和の維持への貢献」ということを述べております。また、難民も、ちなみに三番目に、難民に対する人道的支援ということで二八・一%というのがありまして、このPKOにつきましては、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた国民が二八・四%、また、「これまで程度の参加を続けるべきだ」が四七・八%で、合計七六・二%の方々がこの世論調査ではPKOに対して積極的な立場をとっておられると。 また、今回改正で議題になっておりますPKFの本体業務への参加についても、平成十三年、ことしの十月三十一日、読売新聞の発表した全国世論調査でも、「参加する方がよい」というのが四四%、「参加しない方がよい」というのが二六%で、これは実は二年前の同じような調査と、参加支持と反対が逆転をしたということになっておりまして、私は日本の国民の世論も大体七割程度ぐらいの割合でPKO活動へ日本、自衛隊が参加することを支持しているのではないかと思うわけであります。 しかし、その一方で、テロ特措法の議論の中でも出てきた一つの批判として、自衛隊員は入隊するときにPKO活動などの海外活動に従事するという可能性を認識して入隊していないんじゃないかと、ですからそういう隊員をテロ特措法、あのときはテロ特措法ですけれども今回PKOということで、それで送るのは、一部の人によれば契約違反であるというようなこともあるわけですが、しかし私、つい先日、防衛庁の広報誌でありますセキュリタリアンというのを読んでおりまして、その中でゴラン高原の方に参加した隊員がその感想を述べている箇所があったんですけれども、ちょっと紹介させていただきますと、ある三等陸佐の方は、「国境を越えて、素直な地球人同士の関係が保てたのは、お互いがそれぞれプロ意識を持って、平和維持という崇高な任務に取り組んでいたからだと思っています。」と。 また、東チモールの方に行った空曹長の方は、「入隊当時は国を守ることだけが仕事でしたが、今や人類、地球を守る仕事が出来るわけです。混乱している国の子供達は、一様に希望のない、厳しい目をしていますが、食料や物資を支援しながら触れ合って、最後に子供らしい笑顔に戻ってくれた姿を見たりすると、この仕事をやってて良かった、と心から思えます」というような体験談というか、コメントも出ています。 また、一番新しい最新号のセキュリタリアンには、女性で三等陸佐の方がシリアの方に初めての女性調整官として行って、そこで「国際平和協力業務に関わる仕事をさせていただいたことは、世界規模での安全保障体制に目を向け、グローバルな世界秩序維持活動における実績と国としての安全保障の強化について考える強い動機になりました。」と。最後のところは、将来ブルーベレーをかぶった女性PKO隊員が誕生することを願っていますというようなことも書いてあります。 このような実際にPKOに参加した隊員の発言を読みますと、必ずしも自衛隊が、専守防衛というのが、国の防衛というのが主任務ではあるとは思うんですが、しかし一方で、こういうPKO活動に参加して他国の軍隊と平和維持のために活動するということに対して非常にポジティブにとらえているのが大半なんではないかというふうに思っているわけであります。 ただ、私個人としましては、こういった、今後PKOに対する自衛隊の参加が拡大されるということであれば、自衛隊の入隊者あるいは入隊希望者、またその家族、そして国民一般にこのPKO参加の意義についてもっと説明、周知徹底する努力が必要だと思っております。このセキュリタリアンも余り読まれていない、率直に申し上げて申しわけないですけれども、余り国民一般に読まれているというものでもないと思いますし、その辺について防衛庁長官の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 防衛庁の広報誌でありますセキュリタリアンも、かなりざっくばらんに本音ベースで編集をしておりまして、ちょっとやわらか過ぎるんじゃないかという批判もございますが、そのセキュリタリアン、ごらんいただき御紹介をいただきまして、ありがとうございます。 以前の広報誌よりは購読数は多いというふうに思っておりますが、おかげさまでPKOに対する認識が向上いたしておりまして、政府の世論調査の例がありましたが、また別の世論調査で、平成十二年一月で若干古いんですが、平成三年のときに、PKOに賛成する、どちらかといえば賛成という方が四五・五%、反対する、どちらかといえば反対するが三七・九%ございました。この九年の実績で、賛成する、どちらかといえば賛成が七九・五%、反対する、どちらかといえば反対が八・六%ということで、非常に国民の皆さんの理解と支持を得ているという現状でございます。 それから、隊員の問題でありますけれども、もう自衛隊に勤務している隊員はPKO業務があるということを一〇〇%知っておりますし、隊員の募集状況もPKOに参加したいからということで入隊を希望する人が多くて、自衛隊の質も国際的にまた非常にレベルアップいたしておりまして、そういう意味で、この業務におきましては、自衛隊のあり方自体も国際的にもまた国内的にも非常にいい結果が出ておりますし、また国家としましても、国際的にこのような人的貢献ができるという点で内外からも評価をいただいております。 今後、PKOに関する広報等につきましては、パンフレットの作成、また防衛白書の記述、ホームページへの掲載、テレビでの紹介等も含めまして、なお一層国民の理解を促進するために今後とも広報活動に努めてまいりたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 次に、今回の改正でPKO法の第二十四条の武器使用にかかわる改正についてお聞きしますが、自己とともに現場に所在するその職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者の生命及び身体防護のために武器使用が認められるということになるんですが、これは衆議院の方でも公明党の議員からあったかもしれませんけれども、確認なんですが、この第二十四条の改正は、いわゆる参加五原則の第五原則の、「武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。」を表現したものと二十四条はなっているわけですが、今回の改正でこの原則の中身が変更されることはないのかどうか、御答弁を防衛庁長官からお願いしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この参加五原則というのは、憲法で禁じられた武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格であるというふうに認識をいたしておりまして、これに伴う武器の使用につきましては、まず自然権的権利ということで、自然権というのは、自然法によって各人が生まれながらに有する権利、近代自然法に基礎を持ち、国家に先立ち、国家によって侵されない超実定法的な権利ということで、自由権とか平等権とか所有権とかいうものが含まれるわけでございます。 この自己保存のための自然権的権利といいますと、憲法で禁じる武力行使に該当するものではございませんし、また自衛隊法の九十五条の規定もこれは武力行使に当たるものではないということで、今回の改正も参加五原則が策定された目的の範囲内のものであるというふうに認識をいたしております。
○遠山清彦君 じゃ、この今回の改正で、例えば若干具体的に申し上げますと、自衛隊員とともにPKO活動に従事をして、同じ現場に所在をしている武装した他国の要員の防護も可能になるのか。つまり、武装しているということは、自分たちで自分たちの身を守ることができる他国の隊員の防護も可能になるのかどうか。また、一部の新聞等で報道されましたいわゆる事実上要人警護もこれでできるようになったということもありますが、これについて長官、お願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 今回は、通訳とか連絡員とか他国の要員等も自衛隊とともにその同じ場所で共通の危険にさらされる場合がございます。仮にそうした、武装した、武器を所有した他国のPKO要員であっても、自衛官とともに現場に所在し、不測の攻撃を受けて自衛官と共通の危険にさらされたという具体的な状況の中で、その身を守るために十分な手段を持っていなくて独自の対処により安全を確保することが難しく、自衛官の指示に従って統制のとれた行動をすることが適切かつ合理的である場合には自己の管理のもとに入った者に当たり、防衛の対象になるわけでございます。要人や国連の職員も同様にいたしたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 ということは、自己の管理のもとに入るという要件がキーになるという御答弁で、衆議院の方でもそういうふうにお答えになっていたと思うんですけれども、じゃ、この自己の管理のもとに入るということが、いわゆる共通の危険にさらされて、その際に自衛官の指示に従うということが期待される状況ということなんですけれども、外務大臣の方に、外務省の方にちょっとお聞きしたいんですが、これはPKO法の改正が終わった後に、これはPKOという国際的な活動ですから、国連に対して、あるいはともにPKO活動に従事する国々に対して、この自己の管理のもとに入るという要件を説明しなければいけないと思うんですけれども、外務大臣、英語もお得意であるということであえてお聞きしますが、英語でこの管理下という要件をどう表現されるおつもりなのか。 つまり、具体的にこちらから申し上げますと、例えば、管理下というのを英語で二文字、大体二単語で言えると思うんですが、アンダープロテクションと言ったりアンダースーパービジョンと言ったり、あるいはアンダーケア、あるいはアンダーコマンド、あるいはアンダーコントロールと、私が考えつくだけでこれぐらいの種類があって、これ全部訳そうと思えば、日本語にすれば管理のもとと言える単語です。しかし、外務大臣よく御存じだと思いますが、例えばプロテクションとスーパービジョンとケアとコマンドとコントロールではニュアンスが全然違うわけですね。アンダーコマンドと言った場合は、もう命令に絶対服従ということになりますし、コントロールの場合も、非常に強制的に相手に対してこちらがコントロールできるということですが、しかしそれで一方、ケアとなりますと、面倒を見てあげますよというナースハウスみたいなイメージがあるわけですが、あるいはスーパービジョンと言ったら監督するというようなことも出てきますので、一体どういう英語でこの管理下という要件を表現して、国際社会あるいは国連に説明をなさるおつもりなのか。 この点非常に、日本語で防衛庁長官の説明を聞く限りでは、日本という枠内では余り問題ないかもしれませんけれども、これ国際関係になってくると難しいので、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) これ正確にしなければならないと思うんですが、普通に言いますと、ゾーズ フー アー エクスペクテッド ツー フォロー ザ セーフティー インストラクションズということになると思うんですが、今言われていますのは、対テロ特措法における「自己と共に現場に所在する」云々、そして「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」というものの、今仮訳でございますが、これお配りした方がいいんじゃないかと思うんですが、ゾーズ フー アー ウィズ ゼム オン ザ シーン、SCENEですね、オン ザ シーン アンド ハブ カム アンダー ゼア コントロール ホワイル コンダクティング ゼア デューティーズとなるんですよ。 したがって、カム アンダー ゼア セーフティー アンド コントロールかもしれないし、その辺はどうぞ、ぜひ委員からも御意見をいただいて、確かに、おっしゃるとおり、今スーパービジョンも、コマンドもケアもプロテクションもいろいろおっしゃいましたけれども、二つ言っちゃいけないわけじゃないから、私はハブ カム アンダー ゼア セーフティー アンド コントロールかなというふうに思ったりもしますが、検討中でございますので、どうぞいろいろと御指導いただきたく存じます。
○遠山清彦君 正直言って、そこまで具体的に御答弁されると思っていなかったので、大変ありがたく思っております。 最初におっしゃったフー アー エクスペクテッド ツー フォロー セーフティー インストラクションズというのは、意訳ではありますけれども、先ほど中谷防衛庁長官が説明したことをそのまま直訳したようなことで、外国の人にとってはわかりやすいかなと思います。 ただ、アンダーコントロールというお話あって、それも状況によっては大丈夫かと思いますが、先ほど私も申し上げたとおり、かなり何というか日本の方が他国の要員をコントロールの下に置くと、制御の下に置くというような意味で、若干強い気もいたしまして、例えばこういった要件を、国内法上しようがないんでしょうけれども、持っている国が日本だけだとすると、これを他国の要員に言ったときに、何だそれはというふうなことを言われてしまうケースもあるかなというふうに思いますので、私に妙案があるわけじゃないですが、先ほど最初におっしゃった意訳をしっかりと並列した方が、括弧書きでもいいかなというふうに私は個人的には思います。 それで、防衛庁の方に戻るんですが、この管理下という要件を英語で説明するのはどう説明するかはともかくとして、これを満たしているか満たしていないかの判断を現場で行うのはだれなんでしょうか。上官なんでしょうか、あるいは個々の隊員も行うことができるんでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 現場に上官がいるときはこの上官の命令によることを原則といたしておりまして、当然上官の命令のもとに統制をされるわけでございます。 上官がいないときには、部隊として参加した自衛官が判断をするということになろうかと思います。
○遠山清彦君 上官いないときは個々の隊員というか現場でランキングが一番上の方が判断するのかなというふうに思いますけれども、ただ防護ということですから、攻撃をちょっと受けたときに緊急に判断するということで、現場の隊員の立場に立つと、上官の場合はある程度そういった訓練も受けられているのかなと思いますが、普通の隊員の場合、そういう判断をして武器を使用して、後で責任問題にならないかどうかというようなことで不安を持たれている方も出て、不安を持たれる方も出てくるんではないかと思いますが、その心配は、長官、ないでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) そのように判断が困難にならないように、あらかじめ訓練を積みまして、特に武器の使用基準や運用要領の充実に努めて、具体的なケースでどうするかということを事前にトレーニングをさせておきたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 次に法制局にちょっとお伺いしたいんですが、先ほどもちょっと言及しましたが、一部には、今回の自己のみならず自己の管理下に入った者を守ることができるという規定を借用して、実際には今回の改正に含まれていない警護任務が行われるのではないかというような懸念を表明する人々がおります。 また、あるいは自衛隊員、自己はともかくとして自衛隊員、また自衛隊員もいいとして、自衛隊員以外の人間を防護するために武器を使用することは憲法九条が禁止する武力の行使に当たると主張する批判もあるわけでありますけれども、私は今回の改正が自衛隊に警護任務を与えていないという防衛庁長官の御答弁を信じておりますし、そのとおりではないかと思うわけですが、これは、平成三年九月に提示された政府見解の、いわゆる自己保存のための自然権的権利をその自衛、あの政府見解の中では自己並びに自衛隊員ということが明示されておりまして、それ以外の者は明示されていなかったと思うんですが、今回の改正がこの平成三年九月の政府見解とどういう関係にあるか、整合性、問題ないのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○政府特別補佐人(津野修君) 最初の警護任務の件ですけれども、これは警護任務を今回の法律によって追加するものではございません。 それから、平成三年の九月の「武器の使用と武力の行使の関係について」という、これは、政府の見解が当時の国際平和協力に関する特別委員会ですか、そこで表明されているわけですが、ちょっとこれを読んでみますと、ちょっと長くなりますけれども、 一般に、憲法第九条第一項の「武力の行使」とは、我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいい、法案第二十四条の「武器の使用」とは、火器、火薬類、刀剣類その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置をその物の本来の用途に従って用いることをいうと解される。 と、これが前提でありまして、次に、 憲法第九条第一項の「武力の行使」は、「武器の使用」を含む実力の行使に係る概念であるが、「武器の使用」がすべて同項の禁止する「武力の行使」に当たるとはいえない。例えば、自己又は自己と共に現場に所在する我が国要員の生命又は身体を防衛することは、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものであるから、そのために必要な最小限の「武器の使用」は、憲法第九条第一項で禁止された「武力の行使」には当たらない。 という見解でございます。 この見解が出されておりまして、今回の改正によりまして、「自己と共に現場に所在する」「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」の生命または身体の防衛のためにも武器を使用することができることとしておりますけれども、これは、自衛官と同一の場所で活動する自衛官以外の者のうち、不測の攻撃を受けて自衛官と共通の危険にさらされたときに、その生命または身体の安全確保について自衛官の指示に従うことが期待される者を防衛の対象とするものであります。 このような者の生命または身体を防衛する部分を含めて、改正後の国際平和協力法第二十四条の規定に基づく武器使用全体がいわば自己保存のための自然権的権利というべきものということができることは、これは先ほど議員に、同様の規定がございますテロ対策、いわゆるテロ対策特別措置法第十二条に関して、本年十月十五日付の政府の見解でお示ししたとおりであります。 したがいまして、今回の改正により、防衛の対象に「自己と共に現場に所在する」「その職務を行うに伴い自己の管理の下に入った者」を加えることは、平成三年九月二十七日付の政府見解で示された考え方を逸脱するものではない、同様であるというふうに考えております。
○遠山清彦君 じゃ、ちょっと時間もなくなってまいりましたので、今回の改正でPKFのいわゆる本体業務が凍結解除されるということに関して、ことし、英語なんですけれども、七月十四日に、国連東チモール暫定統治機構のプレスオフィスが発表してインターネットにも出ておりますファクトシートによりますと、この東チモール内の治安維持を主任務とするPKFの活動項目の中に、英語ではシビル・ミリタリー・アフェアーズ、これを強引に日本語に訳しますと、民間軍事事項とかというよくわからない訳しか浮かばないんですが、私は、まあそういう活動項目がありまして、そこに活動の例が示されているわけなんですね。 どうしてこのPKFがこういうことをやっているかというと、PKF要員が東チモールの人々に対して人道的援助をしていく活動の一環と銘打たれておりまして、ただ、内容が非常に意外な内容になっております。 一応簡単に、六項目そこには載っているんですが、一番が教育備品の学校生徒への配付、二番がファーストエイド及び語学研修の提供、三番が、これはタイから来た部隊によるものですが、タイ部隊要員による農業技術指導、それから四番がPKF部隊による医薬品支援並びに定期診察、五番が学校を含む公共建造物の再建支援、六番が、これはどこの部隊によって行われているか明示はされていないんですが、内容から恐らく韓国の部隊だと思いますが、韓国部隊要員による東チモールの青年に対するテコンドー指導と。テコンドーまで実はPKFに従事している要員が教えているということが国連の公式文書に今載っているわけです。 PKFといいますと、今、武器使用の問題で非常にそういうある意味ぎすぎすした議論ばっかりが国会でもマスコミでもあるんですが、実は最近のPKO、PKFの活動の中にはこういった、いわゆる軍人だからいつもしかめっ面して道に立っているという形だけがPKO活動じゃないと、その現地の人々と、時間が余っていたりとか任務が軽かったりしたときはこういった活動をしているということが紹介されているわけです。 日本の部隊についても、まさにこの東チモールに来年行くわけですし、また、前回東チモール避難民救援空輸隊に参加した空尉は、東チモールでもちつき大会をやったら大変人気だったとセキュリタリアンに載っておりましたけれども、こういう、韓国の部隊員がテコンドー指導しておりますので、日本の自衛隊員も空手指導だとか柔道指導とかをすることもアイデアとしてはあり得るとは思うんですが、防衛庁長官、こういったPKOが大分進化した形も踏まえて、こういった現地の人々との、ちょっと主任務とは外れるかもしれませんが、こういった交流みたいなことにも積極的に取り組まれていくおつもりなのかどうか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) これまでもちつき大会等もした経験もございますが、現地でやはり良好な関係をつくるということは、日本をそれだけ知っていただく、文化交流やそういう学習、技術面での日本の貢献の一つだというふうに思っておりますし、それ以上に、隊員の安全も確保できますし、また任務の遂行上、その推進のためには非常に効果的なことだというふうに思っておりまして、非常に有意義なことであるというふうに認識をいたしておりまして、今後とも現地の人々との一層の交流等を図ってまいりたいというふうに思っております。
○遠山清彦君 ぜひ任務に影響がない形で、任務遂行に影響のない形で、しかし非常に私も重要なポイントだと思いますので、ぜひ、こういう流れが国際的にもできてもおりますので、日本の部隊もいろんなアイデアを出しながらやっていただければというふうに思います。 次に、続いて防衛庁で地雷除去の問題、その前に、今回の改正で自衛隊法第九十五条の適用除外を解除するということなんですが、これによって武器等の防護が可能になるわけですが、これはあらゆるタイプの武器を守るということでよろしいんでしょうか、長官。
○国務大臣(中谷元君) この九十五条の規定は、自衛隊の武器等という我が国の防衛力を構成するものでございます。つまり、自衛隊の武器、火薬、弾薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備、液体燃料でありまして、他国のPKO部隊の武器等は防護の対象とはなりませんし、また国連の物品や施設も防護対象ではございません。 地雷除去を初めとして、自衛隊がその業務において一時的にそのような放置された武器を保管することがあったとしても、そのような武器を我が国が防衛力を構成するものではないために自衛隊の九十五条の防護対象として守るということにはならないわけでございます。
○遠山清彦君 今の御答弁の中で、放棄された武器ということで、これはPKFの本体業務の一つに放棄された武器の収集、保管、処分という項目があるわけですが、今の長官のお話の中で、除去された地雷、これは信管を抜かれた、しかしまだ火薬のある地雷のことかと思いますが、地雷を保管することはあってもそれを防護はしないということがありましたが、これは、保管をするということは一時的にでもそれを防護することにはならないんでしょうか。もう一回確認で、長官、お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 九十五条で認められているものは、我が国の防衛力を構成するもののみでございます。したがいまして、その地雷は、一時的に保管することがあったとしても、それを奪回されるケースがあれば、それを守れるかどうかと聞かれれば、これは九十五条の防護の対象にならないということで、それは守られないということでございます。
○遠山清彦君 わかりました。 今そういうお立場だということは理解いたしますけれども、実際に、仮に自衛隊が国連のPKF業務の関係で、それでも実際、地雷除去作業をやるかやらないかというのは難しい問題を含んでいるということは私もよく理解しているわけでありますけれども、もし仮に地雷除去作業にかかわるということになれば、それはかかわり方の形の問題もありますけれども、今の点はちょっと研究を、研究をというか、私も研究いたしますし考えていかなきゃいけないポイントかなというふうに思います。 これにちょっと関連をいたして地雷の話をちょっとさせていただきたいと思いますが、先月、与党の三幹事長がパキスタンを訪問した際も、地雷除去が大事だということがムシャラフ大統領の方からお話があったと。要するに、アフガニスタンで社会資本整備をする前に、とにかく地雷が報道では一千万個以上あると言われていて、まず地雷を除去しなければインフラ整備もいろんな公共サービスを復帰させるのにも大変な障害になっていると、そういう話をされながら、私の理解では、この分野における日本の協力に対する期待といったものが表明あるいは示唆されたというふうに理解をしております。 先ほどこの委員会でもお話がありましたが、十二月二日の新聞報道によれば、防衛庁はアフガニスタンでPKOが展開された場合、陸自の、陸上自衛隊のOBも含む技術指導者の派遣やあるいは地雷処理車の貸し出しなどの地雷処理活動支援を検討しているというものがございました。これがまず本当なのかどうかですね。 また、私のこれまでの印象では、PKFの本体業務の凍結が解除されても、武器の搬入または搬出の検査、確認等、あと先ほど申し上げた放棄された武器の収集、保管、処分については、これは法制局にもちょっと答えていただきたいんですが、ちょっとこの武器の使用の問題と絡んでなかなか日本は取り組むことが難しいんではないか。 つまり、ここで私が聞きたいことは二つありまして、一つは、地雷除去というものに関して日本がどこかから協力してくれという要請を受けて、今、防衛庁の中で本当に検討しているのかどうか。また、法制局の方には、PKFの凍結解除された後にも、実際にじゃ地雷除去ができるのか、自衛隊がですね、法律上ですね。その点についてお願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 与党の調査団が現地に行って現地の政府からそのような話があったということは承知をいたしておりますし、また、アフガニスタンのみならずパキスタン国内の地雷処理をしているNGOの代表の方も防衛庁に来られて、パキスタン国内の難民のいるところにも地雷がたくさんあって、難民受け入れのために除去する必要があるのでということで、お話は伺いましたけれども、まだ、法律の関係もございますが、PKF自体もまだアフガニスタンで実施されるような状況ではなくて、その以前の和平の交渉の途中でありますので、現実にアフガニスタン国内で現時点でというと、今のところは全くその実施について具体的に検討していないという状況でありますが、研究はいたしております。 いかなる形で地雷を処理することが可能であるのかどうか、お話しされた点も含めて研究はいたしたいというふうに思っております。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほどの地雷の処理ですか。
○遠山清彦君 はい。
○政府特別補佐人(津野修君) 処理が法的に可能かどうかということでございますけれども、これは国際連合平和協力法第三条、この第三条の第三号のイロハニのニに「放棄された武器の収集、保管又は処分」というのが掲げられております。これを国際連合平和維持活動のために実施される国際平和協力業務の一つにこれはされているわけであります。この地雷も武器に該当いたしますから、当該地雷が放棄された地雷に該当するということであれば、その殺傷力をなくすために行う処理、そういったものは同号に規定する放棄された武器の処分に該当し、自衛隊によって行うことが法的には可能であるものと考えられるわけであります。
○遠山清彦君 わかりました。 じゃ、法的には自衛隊によるPKOの枠内での地雷除去作業が可能だということでありますけれども、今度はちょっと技術的なお話でまた防衛庁長官になりますが、あるいは防衛局長ですか。 自衛隊がアフガニスタンなどの地域において地雷除去作業に参加することに関しては、私、専門家の間でも賛否が分かれているというふうに理解をしております。 賛成の立場の説明によりますと、陸上自衛隊は地雷処理専門部隊は有していないものの、七〇式地雷原爆破装置、あるいは九二式地雷原処理車、あるいは九二式地雷原処理ローラーなどは保持をしており、国際的な基準で見ても高い処理能力があるということになっていると。この賛成する人たちは、民間団体による地雷除去というのは非常に古典的な人間の手による手法が主であって時間とコスト面で大変効率が悪いという指摘をしております。 しかし逆に、この自衛隊の地雷除去作業参加に反対する立場からは、自衛隊の地雷処理方法が主に軍事作戦上の、先ほど長官もおっしゃっていましたけれども、歩兵の通路の安全確保という立場から地雷原のところに爆破装置を投射してそれを展張爆破して通路をつくると、あるいは地雷処理用ロケットというんですか、あれを地雷原に放って面的な形でマインスイープをするというような方法だと。 そうすると、アフガニスタンなどの国の地雷というのは、民間人が生活している生活空間あるいは生活環境に非常に近いところに地雷があると。ですから、そういう軍事的な方法で地雷処理されちゃうと付近の民間人の生活環境に大きな影響を与えると、ダメージを与えるということで、自衛隊が地雷処理にかかわっても余り効果はないんじゃないかという意見もあります。この点について、防衛庁長官どうお考えか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、自衛隊として地雷処理の訓練をしているのは、先ほどお話があった装備を中心に、主に侵略があった場合に適切な行動がとれるように、例えば通路の開設ということでありますが、この装置を使って通路を開設してもわずか二メートルぐらいの幅の通路帯ができるわけでありまして、それを面的に行うとなると非常に莫大な経費がかかるわけでありまして、現時点において面的な地雷の処理等につきまして訓練を実施したことはございません。 一つ一つの地雷を処理するという技術、能力は持っておりますけれども、実際に具体的に処理すべき地雷の種類とか地形とか地質とか植生、こういうものも含めて実際に部隊において地雷の処理が可能なところであるのかどうか、そういう点はよく検討しなければなりませんし、国際的に今行われている地雷の処理というと、基本的に地雷をまいた国、または埋設をされた国が責任を持ってその国のもとにやっておりますし、NGOの方も個人的に行ってやっていただいておりますが、あくまでNGOを中心とした団体のもとに行っておりまして、軍が中心になってみずからの兵力を出して地雷を処理するというようなことは、現時点においてまだ国際社会としては行われていないというふうに承知をいたしております。
○遠山清彦君 防衛庁長官の最後のくだりで、現在軍が出て地雷処理をやっているところが余りないというのは私も承知しているところなんですが、ただ、今回アフガニスタン、今国際社会が和平の段階から深く関与をしてアフガン復興に国際社会全体で取り組もうということになっておりまして、御存じのとおりアフガニスタンは、私も行ったことがあるイラクのクルド人自治区などと並んで、やっぱり地雷が一千万個以上埋まっている三つしかない場所の一つでありまして、そこに国際社会全体で復興のために関与しようとなったら、これ、今まではカンボジアを抜かせば余り行われてこなかったかもしれませんけれども、私はアフガニスタンという地域の特殊事情を考えると、今後その地雷除去に日本も今までとは違った形で強く関与することを求められるケースはあるのかなというふうに思っております。その点を指摘させていただきたいと思います。 これは外務省の方にも関係のある話なんですが、日本は一九九八年に対人地雷禁止条約を締結して、地雷除去というものが外交上の重要な国策だという立場にあると思います。ただ、技術的には長官おっしゃったように、自衛隊のやり方と、あるいは今までずっとやってきた民間の方で地雷除去にかかわっている専門の団体、あるいは専門家というのが、日本でもおります。 例えば外務省と関係が深いということでよく御存じだと思うんですが、ジオ・サーチ社という民間の会社が非常に国際的評価の高い地雷探知システムというのを開発しておりまして、私、見たことありませんが、聞くところによれば地中の地雷を3Dで映像化できるようなシステムを開発している。さらに、この会社の冨田社長さんはJAHDS、人道目的の地雷除去支援の会というNPOを立ち上げて、その会社としては地雷探知システムを開発し、自分がリーダーのNPOとしてはカンボジアに実際に行って、ロハール州だったかどこかで地雷を全部除去してかなりの成果を上げるというようなことがあるわけで、私は今後特にアフガニスタンの復興にかかわる地雷除去作業ということを念頭に置いたときに、慎重だとは思うんですが、防衛庁は、こういった自衛隊ができる地雷処理とこういう民間が、外務省なんかが一緒に組んでやっている民間の地雷処理と有効な場所というものをしっかり見きわめて、連携して取り組んでいくことが大事ではないかと思うんですが、この点について外務省と防衛庁長官。
○副大臣(植竹繁雄君) 今、遠山先生御質問になりました対人地雷に対する外務省の取り組みや、またそういう民間からのそういうノウハウを入れました探知器を開発して、これを防衛庁とどうやって取り組んでいくかというお尋ねでございますが、特に我が国におきましては人道上の問題が何といっても基本でございますし、対人地雷の普遍的、実効的な禁止の実現と、それからもう一つは地雷除去、犠牲者支援の強化を、これを二本の柱としてこの問題を積極的に今後も取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えております。 また、御指摘のとおり、ジオ・サーチ社の、民間企業の開発した技術をこれを利用するということは大変いいことだと思っておりますし、そういう意味において引き続きこの問題に取り組んでまいりたいと思いますが、PKO活動に生かす点については、これは防衛庁との関連もありますので、さらに国連からの具体的な要請を踏まえて検討する必要があると考えます。
○国務大臣(中谷元君) アフガンの地雷処理につきましては、今回の対応の前から国連の代表部が設置されて地雷の除去作業をやられておりまして、NGOを初め国連も取り組んでおりますが、今後も政府としても実施をしているNGOの方々への支援や、また自衛隊の技術の指導とか支援とか、また民間のやっている方の再支援の機会への援助なり地雷処理等に対しましてはあらゆる面で支援をし、また連携していくべきだというふうに考えております。
○遠山清彦君 ぜひ、自衛隊員そのものがアフガンに行って地雷除去作業に直接従事するということが無理だとしても、ぜひ今おっしゃっていたような技術指導とかその他の形での支援も含めてぜひ取り組んで、検討していただきたいと私は述べたいと思います。本当に、私も地雷がたくさんあるエリアに実際行ったことのある者としては、やはり地雷の除去というものが本当に喫緊の課題であるというふうに思っておりますので、ぜひお願いしたいと思います。 最後になりますが、質問というよりは、私、冒頭で申し上げたように、今、日本の中におけるPKOの論議というのは大変国際的なPKOの論議に比べるとおくれているというのが現状だと思います。ドイツ国際関係研究所の副所長のクーネさんという人がおりますけれども、この人によれば、今のPKOというのは第三世代に当たるんだというふうな議論をしております。 第一世代は一九八〇年代後半まで、そこから一九九〇年代前半までが第二世代で、第一世代の特徴というのは基本的には停戦監視が主な任務であったと。第二世代に入りますと、大臣方御存じのとおり、ナミビアだとかニカラグア、エルサルバドル、カンボジアなど、停戦監視だけじゃなくて、紛争の要因になっている諸問題に対する政治的、社会的解決も国連として見つけていこうというような形で、国連の平和維持活動というか平和活動が、その活動の射程と範囲が拡大をされていったと。 一九九三年のソマリアでの二度目の活動あたりから第三世代のPKOに入ったと言われておりまして、内戦型で複雑な要因を抱えた紛争が急増をしてPKOのあり方も大変に複合化してきたと。この第三世代のPKOの活動というものは、第一世代あたりのPKO活動では問題にならなかったようなことが問題になっていると。 例えば、これは私、決して五原則をどうこう言うつもりはありませんけれども、しかし、例えば紛争当事者の合意原則でいうと、だれとだれの合意があればPKO活動ができるのかどうかわからなくなってしまった、あるいは紛争当事者の一方がわざと合意を拒否を続けることによってPKO活動を事実上機能不全にしてしまうことが可能になったと。私が知っている限りでは、イギリス軍なんかはボスニアでの経験を踏まえて合意を二つに分けまして、この合意は戦略的合意だ、この合意が破れたら自分たちは撤収すると、しかしそれよりも下のレベルの戦術的合意というものもつくって、戦術的合意が破れても、それを破った当事者に対して抑止力を使うというような形で、合意の種類を分けて使うようなことをイギリス軍はPKOでやりました。しかし、これ、ちなみに失敗をいたしました。今イギリス軍やっておりません。これはボスニアでやって失敗をしたケースとしてあるわけですが、こういう問題がある。 それからもう一つ、中立の問題ですね。これも先ほど広中委員の方からもありましたが、いわゆる英語で言うとインパーシャリティーということで、どの当事者に対しても等距離を保つあるいは平等に扱うということが中立原則なんですけれども、しかし日本の世論でもそうですけれども、これを英語で言うところのニュートラリティーと混乱している人が非常に多いと。恐らく政治家の中にもいっぱいいるんじゃないかと思いますが。そのニュートラリティーというのは価値の中立性であって、そんなことを言ったら国連だって全然中立じゃないわけですよね、いわゆる人権を促進するという価値を、一つの特定の価値を支持しているわけですから中立じゃないわけです。 ここで、いわゆる集団レイプとか虐殺とかというものは、幾ら中立原則があっても、それはもう認められるものじゃないというような論争が起こってきたのが第三世代のPKOだと私思うわけです。この第三世代のPKOに対応するためにブラヒミさんのブラヒミ報告が出たんだと私は理解しているわけですが、どうしても日本の国内における議論というのはいまだに第一世代のPKO、よくて第二世代のPKOが中心に行われておって、しかし実際に自衛隊員が行く現場というのは第三世代のPKOの現場になっているわけで、そこに議論と現実のギャップがあって、そのツケを負わされるのがやっぱり行く人だと、現場に。 という現状があるので、時間がもうなくなりましたので御答弁要らないですけれども、私は、政府の中でこのPKOに対してもっと諮問機関つくるとか専門検討委員会つくってもっと議論するとか、あるいは国会の委員会の場においてももっとPKOに対して深い議論をしていかないと、今後、日本がPKOに積極的にかかわるというようなこういう法案が出たときだけの議論でやっていたのでは、私は表面的な貢献にしかならないんじゃないかということを指摘さしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○小泉親司君 PKO法の改正案について質問させていただきます。 法案の中身に入る前に、私どもは今回、憲法上の大変重大な法案をこの会期末に当たって拙速に出してきた、この点については大変重大な問題だというふうに思います。同時に、たとえ法案の是非はともかく、この問題というのは、御承知のとおり、九二年の国会で非常に国会でも重要な問題として議論されてきた中身であります。ですから、私たちは、先ほども同僚委員からもお話がありましたように、この問題点をしっかりと徹底的に審議して、一体この法案でいいのかどうなのかということも含めてやはり私たちは十分な審議をすべきだというふうに考えております。 そのために私は、理事会の席でも連合審査や総理、当然、自衛隊の最高責任者である総理の出席及び参考人の質疑など十分な審議をすべきだということを要求してまいりました。しかし、この委員会の運営では、審議に入る前から事実上十二時間という枠を決めて、事実上出口を決めてしまうと。私はこういう審議のやり方は大変遺憾であります。同時に、私は三年半この外交防衛委員会で席を置かせていただきましたが、このような異例ずくめの運営というのは私は初めてであります。この点で、私このことをまず初めに指摘をさせていただきます。当然これからも審議は続けられるでしょうから、総理出席初め参考人など十分な審議をまず初めに強く要求することを私の主張とさせていただきたいと思います。 そこで、PKO法の中身に入らさせていただきたいと思います。 まず、PKOというのは、PKOについて当時、海部首相は、このPKO活動というのは平和時の活動で、自衛隊が海外に出ても心配ないんだということを言ってまいりました。ところが、この間、周辺事態法が通り、しかもテロ特措法が通って、テロ対策ということを理由にすれば自衛隊が現実の戦争にまで軍事支援を行うということが可能になりました。 私、そこで幾つかお聞きしたいのは、これまで政府は多国籍軍への参加というのは、例えば海部首相の言葉をかりれば、武力行使を伴う多国籍軍は共同軍事行動なので憲法上できないという見解を表明されていたわけであります。今アフガニスタンでは、今後のアフガニスタンをめぐって多国籍軍の配備ということが検討されておりますが、この多国籍軍への日本の軍事支援、これはテロ特措法という枠の中であれば可能になるんでしょうか。まず、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) このテロ対策特措法は、協力支援活動等の対象となります諸外国の軍隊等の活動について、去る九月十一日の米国において発生したテロ攻撃によってもたらされている脅威の除去に努める、このことにより国際連合憲章の目的の達成に寄与するというように明確に規定をいたしております。 一方、そもそもいわゆる、おっしゃるその多国籍軍というものにつきましては、その概念が必ずしも明確ではございません。御質問の例えばアフガニスタンへの多国籍軍の展開、これも今後の情勢の推移も不透明な現在の段階にあるということでございますから、このことをはっきりと申し上げることは困難であると思っております。 こういうような前提のもとで、あえて一般論を申し上げるということになれば、アフガニスタン領域内に各国の軍隊を展開した場合に、それらに対しましてテロ対策特措法に基づいて協力支援活動等を行うことにつきましては、当該軍隊の具体的な任務、活動態様などが、既に申し上げましたが、同法の目的及び要件に合致しているということが前提になります。その上で、当該軍隊の活動に対して実際に協力支援活動等を実施するか否かということでありますが、諸般の個別具体的な事情を総合的に検討して、我が国として主体的に判断をすべきものと考えておるところです。
○小泉親司君 ブラヒミ国連アフガニスタン代表、これはPKOのブラヒミ・レポートのブラヒミさんと同じ方でありますが、この方が国連に対して、治安部隊の導入について、テロ集団の広範な存在は、政権への挑戦を抑止し、必要なら打ち破ることのできる強力な治安部隊の導入を必要としているというふうに提言をしております。 これに基づいて、国連がこの間アフガニスタンの暫定政府の中で出されてきたわけですが、これは当然テロの対策としての新たな治安部隊の導入ということをブラヒミさんは主張されておるわけですが、こういう目的だということであれば、多国籍軍への軍事支援というのは日本の自衛隊としては可能になるんですか。長官、どうでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) ブラヒミ・レポートでは、テロとの関係について具体的に言っているわけではないと思います。ですから、やはりそういう、どういう状態が生ずるかということにおいて判断すべき問題であるというように考えております。
○小泉親司君 私が読み上げましたのはブラヒミさんのレポートでありますから、テロの集団の広範な存在に対して治安部隊が必要なんだと、こう言っているわけですから、そういう多国籍軍に対してはどうなんですか。 長官、私は別に私の言葉をつくって言っているわけじゃなくて、ブラヒミさんのレポートを今読み上げているんですよ。
○国務大臣(福田康夫君) ですから、それはそのときの状況で判断するしかないということを再三申し上げているわけです。
○小泉親司君 ということは、現在進めている基本計画、これの中には含まれているんですか、いないんですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、今申しておりますように、諸外国の活動がテロ対策特措法の目的及び要件に合致しているということを前提とした上で、諸般の個別具体的な事情を総合的に検討すべきものであると、こういうように考えております。 その上で、我が国としてこれに対する協力支援活動等を実施すると判断した場合において、仮に現在の基本計画によっては行い得ないと判断するようなときは基本計画は変更することになりますけれども、いずれにしても、そういうような個別具体的にその事情を総合的に勘案して判断すべき問題でありまして、この具体的なことについてどうこうということを今予断することはできないということであります。
○小泉親司君 じゃ、あなた方の基本計画というのは、風船のようにしぼんだり広がったり、私はそこが問題だと。 一体、その基本計画というのは、もう閣議で決まっているんですから、どういう目標まで基本計画でやるということは決まっているんでしょう。だから、当面は半年だということになっているんじゃないですか。だから、そのときに、この基本計画の中身に多国籍軍の支援は入っているのか入っていないのか、事実関係を私はお聞きしているんですよ。その解釈をお聞きしているんじゃないんです。あなた方は閣議で基本計画と決めたじゃないですか。それは防衛庁長官も、外務大臣、よろしいですか、外務大臣も参加してこれを決めているんですよ。言っているんですか、その基本計画の中では、こういう多国籍軍については。 つまり、官房長官がおっしゃったけれども、もし入っていないといったら、この多国籍軍への支援をやるときには基本計画の変更をしなくちゃいけないんでしょう。それじゃ、あなた方は、もしたとえ、多国籍軍という問題が生じてきた場合は基本計画を変更しなけりゃできないんですか、それともこの現在の基本計画の延長線上でこれはできる、こうおっしゃるんですか、どっちですか。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど来申し上げていますように、この特措法の目的というのは明確でしょう、明確に書いてありますよね。この目的に合致しているかどうかということが一番大きなポイントなんですよ。その上でもって、どういう状態が発生するかということをよく見きわめた上で判断する、こういうことになるわけです。ですから、まずこの特措法に基づいて、その趣旨に合致しないというのであれば、これはできないんですね。それから、特措法の趣旨に合致するというような状況が出てきた場合に、それはこの基本計画を変更する、こういうことはあり得るわけですよ。
○小泉親司君 ですから、私は、この前も申し上げているように、基本計画の中に入っているんですか入っていないんですかと。入っていないんでしょう、いるんですか。
○国務大臣(福田康夫君) この地域の問題で、アフガニスタンに行くとかということは基本計画に書いていないと思います。
○小泉親司君 アフガニスタンに行かないということは私もわかっております。多国籍軍への支援、これは別にアフガニスタンじゃなくてもパキスタンでできるとかいうこともあり得るわけですから、そういうことを、入っているんですか。 あのね、基本計画というのは文章でできているんですが、官房長官は明確だ明確だとおっしゃいますけれども、私が質問したって、皆さん聞いていてそれが明確かと、私は明確じゃないと思いますよ、全然。そういうことについて言うと、膨らんだり縮んだり。 実際に、この基本計画は閣議で決定されたわけですから、閣議でどういうことまで決定されているのか。それは多国籍軍まで含むのか含まないのか、含まないということであれば当然基本計画の変更になるじゃないかと、そういうふうにされるんですかということをお聞きしているんです。
○国務大臣(福田康夫君) 何度も申し上げているけれども、多国籍軍というのも明確な規定があるわけじゃないんですよ。そうでしょう。ですから、それは多国籍軍だからどうこうと、こういうことで議論すべきことではないんじゃないかなと思います。あくまでもこの法律の趣旨にのっとってやる、そしてこの基本計画の枠の中でやると、こういうことであります。 明確じゃないですか、伸びたり縮んだりしていませんよ。
○小泉親司君 それじゃ、法制局長官にお聞きしますが、法制局長官、多国籍軍について、これまでの政府見解で多国籍軍をこういうAタイプがある、Bタイプがある、Cタイプがあるというふうに解釈してやっているんですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 多国籍軍へのこれは参加と協力というようなことで従来から議論しているわけでありますが、まず国連決議に基づく多国籍軍への我が国の参加の可否につきましては、その国連決議の内容とかあるいは多国籍軍の目的、任務、編成等、具体的な事案に沿って判断すべきものと考えているわけであります。 従来、多国籍軍としてありましたのは、平成二年の湾岸危機の際に累次の国連決議を踏まえまして湾岸における平和の回復のために展開した多国籍軍と、これは一つの例でございますけれども、こういったようなものは軍事的手段によって目的、任務を達成しようとするものであり、武力の行使自体を目的、任務とするものであるので、我が国がこれに参加することは憲法上許されないと解してきている。 これは、参加というのは当該多国籍軍の司令官の指揮下に入り、その一員として行動することを意味するわけでありますが、そういう参加をすることは憲法上許されないと解しておる、これは従来からこういう見解でございます。 他方、このような多国籍軍についても、参加に至らない協力についてはそれがすべて許されないわけではなく、当該多国籍軍の武力行使と一体となるようなものは憲法上許されないが、当該多国籍軍の武力行使と一体とならないようなものは憲法上許されると解されるというのが従来からの見解でございます。
○小泉親司君 ということは、このテロ特措法に基づく多国籍軍というのが武力行使と一体とならないというのであれば日本は軍事協力ができると、こういう解釈でよろしいんですね。
○政府特別補佐人(津野修君) ちょっと今聞きそびれましたので、済みません。
○小泉親司君 テロ特措法上、今度のテロ特措法でいくと、皆さん方おっしゃっているのは武力行使をしないと、自衛隊はしないと言っているので、つまり武力行使と一体とならないということであれば自衛隊の軍事協力、参加じゃないけれども軍事協力、これは可能になるんですかとお聞きしているんです。
○政府特別補佐人(津野修君) 御承知のように、アフガニスタンの現在の情勢の推移というのは非常に不透明でありまして、先ほど御指摘がございましたけれども、多国籍軍が展開するかどうかも明らかでないわけでありますし、さはその目的、任務も明らかではありません。したがって、それについて私どもの方で確たるお答えをするということは困難でありますが、いずれにしましても、先ほど言いましたような多国籍軍への協力というのが仮に憲法上可能であるとしても、これはまたいろいろ自衛隊の行動にかかわるものですから、既存の法律があればその法律によって行うこともできないわけではないと思いますけれども、根拠がなければ新たな法律が要るというふうに考えております。
○小泉親司君 ということは、アルカイダやタリバンの対処ということじゃなくて、アフガン内部の治安維持ということになれば特措法の枠内ではないということになるわけですね。
○政府特別補佐人(津野修君) これは特措法の目的に、これは最初の、先ほどから官房長官の方からお答えいただいておりますけれども、特措法の目的、趣旨の枠内に入るかどうかということで判断すべき問題でありまして、治安維持というようなことを仮定としてどこまでそれが治安維持なのかどうなのか、そのあたりがよくわかりませんから、何とも確答をすることはできかねるということでございます。
○小泉親司君 いや、私、この問題でもこの前のイラクの攻撃の問題でも繰り返し基本計画の中身についてお聞きしているのに、基本計画の事実関係がどこまで含まれているのか、この点については官房長官はずっとお答えにならない、いろんな可能性だけの話をされておるので。実際、基本計画というのは存在しているわけですから、事実問題として。そこの中身が大変私は非常に不明確だというふうに思います。同時に、もし多国籍軍への後方支援という問題であれば、我々はやはりこういう参加や協力というのは認められないし、やめるべきだということを申し上げて、次の七章のPKOの活動と参加五原則の問題についてお尋ねをさせていただきます。最近、PKOが七章の、国連憲章七章に言及するPKOというのが大変ふえております。 そこでお聞きしますが、七章を適用したPKO活動というのは幾つあって、どういうところの活動が含まれておりますか。外務大臣、お尋ねします。
○国務大臣(田中眞紀子君) その活動に言及して、関連安保理決議において国連憲章七章に言及のあるPKOは十あると承知いたしております。
○小泉親司君 どことどこと、ちょっと教えてください。
○国務大臣(田中眞紀子君) 読ませていただきます。 一は、国連休戦監視機構、これは任務はパレスチナ休戦、スエズ運河、ゴラン停戦監視等です。
○小泉親司君 場所だけでいいです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 名前を言いましょうか。何とか使節団と申しましょうか。 二つ目は、国連イラク・クウェート監視団。三、国連保護隊。四、第二次国連ソマリア活動。五、国連クロアチア信頼回復運動。六、国連東スラボニア、バラニャ及び西スレム暫定機構。七、国連コソボ・ミッション。八、国連シエラレオネ・ミッション。九番、国連東チモール暫定統治機構。それから、十番がコンゴ・ミッションでございます。
○小泉親司君 この中には、例えば国連イラク・クウェート監視団とか、これは事実上強制行動をやったということが言われている監視団で、しかも次に第二次国連ソマリア活動も事実上戦闘行動に発展したPKOだというふうに言われている。だから、この七章の問題をどういうふうに考えていくべきなのか、七章のPKOに果たして日本が参加できるのか、こういう問題をやはり私は検討すべきだというふうに思うんです。 例えば、高村元外務大臣、読売新聞のインタビューで、七章のPKOについて、七章型PKOに出せるかどうかという問題はむしろPKO五原則との関連でどうかという話になってくるのではないか、もっとはっきり言えば憲法との関係がどうなってくるかという問題であるというふうに発言されております。 こういう点での検討というのは政府はやっておられるんですか、外務大臣。
○国務大臣(中谷元君) 我が国がPKOに参加するかどうかにつきましては、停戦の合意とか受け入れの同意とか、参加のための五原則がございますが、この五原則に合致しているかどうか、この要件を満たすかどうかによって判断をして派遣をいたしております。
○小泉親司君 防衛庁長官はよく、PKF凍結解除ばかりじゃだめなんだ、やっぱり五原則も見直さなけりゃいけないんだと、これは防衛庁長官当時で言っておられたかというのはちょっと私も不案内なんですが、防衛庁長官の前のときにはたくさん言っておられる。今でもそういう五原則は変えないとこれはうまくないと、こういう御見解なんですか。
○国務大臣(中谷元君) 参加五原則につきましては、今回PKFを凍結解除するわけでありますけれども、憲法で禁じられた武力行使をするとの評価を受けることがないように担保する意味で策定された骨格であると認識をいたしております。 これからPKOに参加するに当たってはこの五原則の要件を満たすのを選んで参加すべきだというふうに思っておりますが、今後のあり方等につきましては、国会等での御議論を踏まえつつ、今後とも必要に応じて検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○小泉親司君 国連憲章七章に言及したものというのは、多くの学者の方の意見では、いわゆる強制行動に入るので、国連が停戦の合意がなくても、ないしは当事者の同意がなくてもこういう形で入れる可能性が出てきたんだというふうに指摘される方がたくさんおられる。ほとんど、私はちょっとこれ以外の意見というのは余りないんじゃないかと思うんですが、こういうふうな認識というのは防衛庁長官も持っておられるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 国連でございますので、国際社会の平和を保ち、またその地域の人々がより安心して暮らせるためにはいかなる手段をすればいいかと、現在のアナン事務総長も元PKOの局長でありまして、このPKOのあり方については、現在ブラヒミ報告も含めて検討はされていると思いますし、今後そういう意味での議論は進んでいこうというふうに思っておりますが、あくまでも我が国が参加するPKOにつきましては、この活動の内容とマンデートという停戦の合意、受け入れの同意、これを検証してこの五原則に合致するものにおいてのみ参加をするわけでございますので、また国連の議論は議論として大いに注視はいたしておりますが、現状の範囲内で活動するということでございます。
○小泉親司君 じゃ、例えばちょっと東チモールの問題について幾つかお尋ねをします。 東チモールは、御承知のとおり、国連憲章第七章が適用されているPKO活動ですね。防衛庁長官、それはよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) そのような言及があることは承知しております。
○小泉親司君 そこでお尋ねしますが、十一月八日の当委員会で林PKO事務局長、この方がどういう答弁をされているかというと、「例えば、東チモールの例でございますが、当事者が解散をいたしました。解散したその当事者が」云々かんぬんで、「国としてはUNTAET」、いわゆる東チモール暫定機構が、「それを兼ねているということで、こういう場合は、紛争当事者が解散したわけですけれども、五原則をみんな満たしていると、こういうふうに判断をしております。」と、こういう答弁をされております。 防衛庁長官、官房長官も同じ見解ですか。官房長官、まずどうですか。
○国務大臣(福田康夫君) 同様の見解でございます。
○国務大臣(中谷元君) 同じでございます。
○小泉親司君 五原則というのは法制化しているわけですね。定義の中で、法律、PKO法の三条と六条に定義しているわけです。この三条と六条のどこに国として、その国連の暫定機構が国にかわるんだということが書いてあるんですか。どこにその法律的根拠があるんですか。官房長官、どうですか。
○国務大臣(福田康夫君) 東チモールは今現在国という形でなくて、暫定機構が国の代行をしていると、こういうような理解をしているわけであります。これは三条に、維持活動について、中ごろにそういうような「同意がある場合」というように記載されておりますので、これに該当するというふうに考えております。
○小泉親司君 そんな、官房長官、でたらめな答弁しちゃだめですよ。 当事者の同意と国という、二つしか書いていないんですよ、この法律には。三条はそう書いてあるじゃないですか。国というものと当事者の同意がないんですよ。どの法律に国連でいいなんということが書いてあるんですか。そんな、おかしいですよ、それは。
○国務大臣(福田康夫君) それは、国がないわけでございますから、ですからそういう解釈をしていると、こういう理解であります。
○小泉親司君 同じ当委員会の十一月八日、これは広中委員の質問に防衛庁長官がお答えになっている。この中で、「この同意についてもそういう国連が事実上コントロールした場合は同意があるとかいうようなことでそれにみなすとか、現状においてはまだ五原則の議論が各政党間で行われておりますので、」と、こういうふうに答弁されております。という意味は、ことしの十一月八日までみなしていいかどうかというのは結論がついていない問題なんですよ。そういうことを防衛庁長官がおっしゃっている。それであれば、何でこの法律の解釈で国連が読めるんですか。防衛庁長官の答弁ですよ、これ。おかしいです、それは。全く法律にありません。
○国務大臣(中谷元君) 現に、当地におきましては国連の暫定機構がその国の行政、またあらゆる面において国づくりの支援を行い、またPKO活動もやっております。 そして、昨日も暫定の代表者であります、実質の総理大臣の代行や外務大臣、また財務大臣が日本に来られて、今後の国づくり等、外務省等に要請をされまして、改めてPKOの派遣については同意を与えていただくというようなことがございました。 そういう観点で考えてみますと、この受け入れの同意等につきましては、UNTAETについて両紛争当事者は、これ、独立派と統合派がいますけれども、UNTAETの活動に対して同意をしているものと考えております。 また、我が国がPKOに参加することについては、この派遣の正式決定に当たって、東チモールの指導者から、東チモールのPKOへの我が国の自衛隊の参加について強い期待が表明をされ、昨日も正式に、初めてですけれども、閣僚として外務大臣に対して受け入れの同意がございました。そういう観点でいきますと、正式に同意が得られたというふうに考えております。
○小泉親司君 いや、私が聞いておる質問に全く答えていないんですよ。 長官は、日本の場合は、七章が規定してあったとしても日本の場合は日本の参加五原則に基づいて参加をいたしますから大丈夫なんですと言っておられるわけです。 ところが、参加五原則というのは御承知のとおり法律でしっかりと規定しているんです。この停戦の合意の問題、それから当事者の同意の問題、これもう三条、特に当事者の同意の問題は、六条の「実施計画」の中でも繰り返し言っているんですよ。 そこで言っているのは、当事者と国だというだけの話で、これを国連に読みかえるなんということは書いていないんです、書いていないんです。これは解釈上も明確なんです。
○国務大臣(中谷元君) まず、国連のPKOの展開において、受け入れの同意に関してなんですが、当該のPKOが展開される国の同意を要件といたしておりますが、国連の東チモール暫定機構については設置決議、これ安保理決議一二七二の前文においてUNTAETと協力するという、インドネシア政府の意図の表明について言及をいたしております。 また、停戦の合意に関しましては、独立派と統合派がおりますけれども、九九年の四月に両紛争当事者を含む関係者によって署名をされた和平合意によって停戦が成立しておりまして、この和平合意がPKO法にいう「武力紛争の停止及びこれを維持するとの紛争当事者間の合意」に該当すると判断をされ、そして、現在の東チモールの具体的状況を総合的に判断すれば、停戦合意は有効に遵守されているという認識でこの二つの、遵守されているものと考えておりまして、二つの原則においては満たされると判断したわけでございます。
○小泉親司君 それは停戦の合意なんです。当事者の受け入れの同意と防衛庁長官自身がさっき答弁したじゃないですか。受け入れ合意というのは当事者、じゃ、あるんですか。あなたは当事者の間にその停戦合意があるとおっしゃったけれども、それだったら当事者の受け入れ同意というのはあるんですか。 福田官房長官はきのうの本会議の答弁で、当事者というのは二つだと、併合派と独立派だと言っているんですよ。併合派と独立派の当事者の同意というのはあるんですか。どこにあるんですか。
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては、UNTAETという東チモール、国連の暫定機構がありまして、UNTAETと協力するという、時の、インドネシアが統治していた時代もありますが、インドネシア政府の意図の表明についても言及しておりまして、このUNTAETがそういうものであるというふうに認定をしたわけでございます。
○小泉親司君 私、それは大変おかしい。何でおかしいか、今までの議論の中で大変この紛争の当事者というのは厳格にやっているわけです。よろしいですか、防衛庁長官が言っておられるのは、国連で停戦合意をどう判断するか、当事者の合意をどう判断するか、これは、国連がその国に出かけていくときの原則はPKO三原則となっているんです。それはもううなずきされたから、それは御存じだと思います。それとは別に、日本の参加五原則というのは厳しくやるんだということがこの間繰り返しやっておりますよ。 ですから、わざわざ日本の場合は参加五原則という形で法律に書き込んだんじゃないですか。ということは法律の、私は教えていただきたいのは、どこに国連で読みかえるということがあるんですか、ないじゃないですか、全然。そんな不明確な拡大解釈で私はこの問題をどんどん進めてしまうというのは問題だと思います。
○国務大臣(中谷元君) この法案には国家というふうに記述はいたしておりません。したがいまして、先ほどの官房長官の御説明したとおりの観点で同意が得られたというふうにいたしているわけでございます。
○小泉親司君 私は国家なんて一言も言っておりません。当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の当該活動が行われることについての同意がある場合にと書いてあるだけで、これを国連と読みかえるんですか。いつからそういう解釈になったんですか。おかしいじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 国家が独立しておりませんので、その国家の機能を行っております国連機関、これが同意をするわけでございます。
○小泉親司君 国家がなかったらやめればいいじゃないですか。国家がないと今おっしゃったんですよ。国がなければ、国の同意がなければ、別に国連じゃなくて、やめればいいじゃないですか。参加五原則というのはそういうふうにつくったんでしょう、あなた方が。 この日本の参加五原則について、私たちはこれを満たせば参加できるという立場はとっておりません。当然、憲法に基づいて自衛隊の海外派兵ですからできないと言っている。しかし、あなた方は参加五原則があればできると言ってきたんです、この間。 例えば、私が報道で見るところによると、参加五原則の自民党の案というものがあって、この停戦の合意や当事者の合意を実効支配している団体ということに読みかえようというのが自民党の提案として出されたというふうにお聞きしております。しかし、今、防衛庁長官が言われたように、参加五原則というのは変えていないんですから、変わっていないんですよ。変わっていなければ読めないじゃないですか。どうやって読むんですか。あなたが国家ができていないと言うんだったら、国家ができてから、それは私たちは反対だと言っているけれども、あなたが国家ができていないと言っているんであれば、この法案からすればできるんですか、それ以外できないじゃないですか。おかしいです、それは。拡大解釈であります。
○政府特別補佐人(津野修君) PKO法の三条の一号にあります「当該活動が行われる地域の属する国」というところでございますけれども、これはPKO法が、そもそも三原則ができましたゆえんを申しますと、要するに憲法との関係で問題がないようにするということでございますから、それにかわるべき、何といいますか、国連東チモール暫定統治機構という政府にかわるべきものがあって、それが受け入れを同意しておれば当然何らの紛争とかそういう問題が起こるわけはございませんので、そういう意味ではPKO法上の参加五原則との関係で問題を生ずることはなかろうということが一点と、それから東チモールの関係は、インドネシアから分離して現在はほぼ国に準ずるような地域になっているわけでございまして、そういう意味でも、何といいますか、「当該活動が行われる地域の属する国」ということと解釈しても問題はなかろうということでございます。
○小泉親司君 法制局長官が答弁してくると思いましたが、法制局長官の初めの、前者のことは停戦合意について言っておられるんですよ。長官、いいですか。受け入れ国の同意というのは三条と六条にあるんですよ。今、長官が言ったのは、停戦合意について言ったんですよ。おかしいじゃないですか。受け入れ合意は六条ですよ。あなたは三条の解釈をやっただけです、今。六条の解釈というのがあるんです。おかしいです、それは。
○政府特別補佐人(津野修君) 六条にもございますけれども、この三条でまず、紛争当事者の合意があり、かつ、当該活動が行われる地域の属する国の当該活動が行われることについての同意がある場合、こういうことは、まず受け入れ同意があるわけですね。 それから六条にも、一号で、国際連合平和維持活動のために実施する国際平和協力業務については、紛争当事者及び当該活動が行われている地域の属する国の当該業務の実施についての同意という、これはもう全く同じことが六条一項にも書かれているわけでありまして、基本的に、これは六条の七項に、基本的な五つの原則というのが三条一号と本条一項一号と、それから十三項一号と八条一項六号、それから二十四条の規定の趣旨をいうということで書かれているわけでございますので、そういう趣旨からいたしますと、決して、先ほど申しましたような解釈をしても憲法との関係等で問題を生ずることはなかろうということでございます。
○小泉親司君 ということは、この問題は、参加五原則とは、参加五原則を事実上拡大しているじゃないですか。参加五原則のときには国や当事者しかなかった。つまり、何でこういう問題が法制局長官、起こるかといいますと、この問題というのは、単に法律の解釈の話じゃないんですよ。つまり、PKO活動が変貌してきた、七章の活動が入るようになってきた、だからこういう問題が生じてきたんです。つまり、官房長官や防衛庁長官が言われる内戦型のものが入ってきたから。 ところが、それでは参加五原則に対応できないんだから、実際、東チモールなんて行けるわけないじゃないですか。これは大変私は、参加五原則とこの法律の問題がどうなるのか、ここをやっぱりきちんと、参加五原則と東チモールの派遣の問題がどういうふうになるのか、ここはきちんと明確にしていただきたいと思います。長官、どうですか。
○政府特別補佐人(津野修君) 停戦の合意というのは、これはもう既に、先ほど来御説明しておりますように、かつて成立していたわけでございます。あとは受け入れ同意だけのところのそこの国の問題を先ほどからおっしゃっておられるので、その国については、現在は東チモールはインドネシアから分離し、一応国に準ずる区域として成立しておる。他方、政府にかわるべきものとして国連東チモール暫定統治機構があるというような状況を考えれば、国として扱っても問題はなかろうという解釈で、何といいますか、このPKO法上の憲法との関係でそれを解釈しても問題はなかろうということでお答えしているわけでございます。
○小泉親司君 私は、大変この点については拡大解釈で、実際、参加五原則を守ると言っておきながら、こういう形でどんどん枠を事実上五原則を崩すような形で拡大するというのは、私は問題だというふうに思います。 東チモールの問題については、多国籍軍の派遣があったときに政府が資金援助をしたとき、私たちはこれに賛成してまいりました。それから、東チモールで現に行われている国民の独立への歩みについては大変強く期待をしております。しかし、自衛隊の派遣というのは別問題で、この問題についてもし参加五原則上満たさなければならないというのであれば、この問題については私は、当然これは国連、国を国連と読みかえるなどというのは、参加五原則がつくられた当事はそんなことはさらさら想定されていない問題でありますので、当然、これは東チモールへの自衛隊の派遣はこの参加五原則上許されないということを私は申し上げておきたいと思います。 次に、武器の使用の問題についてお尋ねをいたします。 福田官房長官は、三十日の記者会見で、現行憲法で武器使用がどこまで許されるのかといった考えをしっかりと決めていかなければいけないというふうに述べられております。 そこで私がお聞きしたいのは、今回の法案では武器の使用を自衛隊の自己の管理下にまで防衛対象を拡大しました。ということは、そこまでは憲法の枠内で許される、それ以外は憲法に禁じられた武力の行使に当たる、そういうことでよろしいんですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今回のPKO法改正で、まさに武器の使用の範囲、こういうことが憲法上の観点から問題になったと思います。 ですからそれは、私が申し上げているのは、やはりあくまでも現行憲法の範囲の中で、例の特措法のときもそうでございましたけれども、現行憲法の許す範囲の中で実施する活動というようなことで、これは憲法の範囲内ということで考えて許される、憲法の枠内で許される武器の使用範囲だというように考えているわけでございます。
○小泉親司君 現行憲法の枠内で武力の行使、武器使用がどこまで許されるかと、官房長官はそこまで詰めにゃいかぬと言っておられるわけですが、どこまで許されるか、こういった考えをしっかりと決めなくちゃいけないということをおっしゃっているわけですが、どういう意味を持つんですか、それじゃ、この発言というのは。
○国務大臣(福田康夫君) 今おっしゃったことは、確かに私はそういうふうに言いましたけれども、その意味は憲法と武力行使ということの関係をよく考えていこうということで、それほど大きな意味で言っているわけじゃないんで、余り追及する意味はないと思います。
○小泉親司君 非常にひどい答弁で、私が質問しているんですからね、官房長官。 そこで、お尋ねしますが、今度の法の改正案では自衛隊法の九十五条、武器の防護というものが入りました。九九年の日米ガイドラインの特別委員会で、柳澤現人事局長、当時は教育訓練局長だったかどうかわかりませんが、柳澤さんが九十五条の適用について、「武器等防護を適用して自衛隊が武器の使用をするというのは、そういう非常に」「不安定な状況の中で、かえってその事態の混乱を招くおそれがあるというようなことを配慮して除外にした」、つまり、これまでは除外していたということを言っておられるわけですが、この「かえってその事態の混乱を招くおそれ」、これがなくなったからこの九十五条というのは入れるんですか、防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 九十五条におきましては、制定当時の政策判断として事態の混乱を招き紛争を生起させるおそれもあると考えて謙抑的に慎重に考えておりましたが、これまでの九年間の実績等をかんがみましたら、これをあえて除外するようなこともなかろう、除外するような特別な理由はないというようなことと、やはりこれがあった方が部隊として健全に、かつまた効果的に任務を遂行できるという判断によりまして今回改正をお願いするわけでございます。
○小泉親司君 参加五原則は武器の使用についても、「武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。」というふうに規定しております。私、この「要員の生命等の防護のために必要な」という、「等」というのは何かとPKO局に問い合わせしましたら、これは身体だということでありました。それじゃ、どこに自衛隊の武器を防護するということが参加五原則に書いてあるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 参加五原則では必要最小限度の武器の使用ということで、武力行使をするという評価を受けることがないということの原則でございます。したがいまして、この「生命等」の「等」は、おっしゃるように身体ということでございますが、片やこの九十五条自体も、武力行使を伴うものでなくて、本来どこの国の部隊や軍隊としても当然の規定でありまして、現に我が国の自衛隊においても、平時、この九十五条を運用いたしておりますが、それが武力行使に当たらないということで、この五原則の中の武力行使をするという評価を受けることがないという範囲内の意味合いで追加をするものでございます。
○小泉親司君 いや、私の質問にお答えになっていない。参加五原則の中にどこに武器の防護をしていいというふうに書いてあるんですかと質問しているんですよ。参加五原則というのは、要員の生命、身体の防護のためだけなんです。だってそうしか読めないじゃないですか、あなた首かしげるけれども。どこにどう読めるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 「武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られる」ということで、これによって読めるというふうに思います。
○小泉親司君 全然あいまいでございます。それじゃ答弁になってないですよ、防衛庁長官。だめです、こんなのは。一体、委員長ね、どうなっているんですか。 これは要員の生命・身体の、「等」となっていますけれども、これはPKO局が、先ほど言いましたように身体となっている。生命と身体以外どこに武器ということが書いてあるんですかと聞いているんですよ。ないじゃないですか、参加五原則の中には。こんなでたらめなことで何でこんな法律を出してくるんですか。
○国務大臣(中谷元君) この五原則をつくった目的というのは憲法で禁じられた武力行使をするという評価を受けることがないということで、この五につきましては確かに自然権的権利に基づいて要員の生命防護のために必要な最小限のものに限られるという規定でございますが、九十五条自体も武力行使をする評価を受けることがないということの範囲内で、目的の範囲内でございます。したがいまして、この五原則の基本原則を逸脱するものでもありませんし、この武器の使用の目的に沿ったものでございます。
○小泉親司君 答弁になっておりません。私がお聞きしているのは、参加五原則の中のどこに武器の防護をしていいと書いてあるんですかと聞いているんですよ。明確にしてくださいよ。これ、明確にしなかったら、法律の問題なんですからね、これは。よろしいですか、法律の二十四条に同じことが書いてあるんです。二十四条の解釈の中にどこに武器というのが出てくるんですか。 これはいろいろ議論がありまして、私もPKOの法案のときにはいろいろと読みましたが、これは非常に限定しているんです。これはなぜかといったら、防衛庁長官が先ほど言うように、武力行使との関係があったので厳密にしたんですよ。要員の生命・身体の防護以外には防護できないんです。だって、あなた、首かしげるけれども、じゃ、どこに書いてあると聞いているのに答えられないじゃないですか。どこに書いてあるんですか、二十四条のどこに書いてあるんですか、それだったら。それ、明確にしてください。
○国務大臣(中谷元君) この五原則の五項目の武器使用というのは、憲法で禁じられた武力の行使をするという評価を受けることがないという担保の意味、目的でございます。この九十五条の行為も憲法の禁じる武力の行使に該当することではないわけです、この範囲の中であります。したがいまして、この五項目の言っている意味、五原則の五項目の意味、それとこの九十五条の適用除外を解除したという目的、これは同じ目的であって、この五原則の五項目と同じ目的のことを意味しているわけでございます。
○小泉親司君 全く答弁になっておりません。私の問いに答えておりません。私が聞いておるのは、そんなことはわかっているんです、武力行使と武器の使用が違う、あなた方が違うふうに解釈しているというのはわかっているんです。私は、だから参加五原則の中に武器の防護ということがどこに書いてあるんですかと極めて単純な質問をしているんです、私は単純ですから。あなた、ないじゃないですか、実際に。そんなでたらめなものを何でこの法律に持ち込んでくるんですか。これは改正案の重大問題ですよ。これを明確にしていただかない限り、この法案、先に進めないじゃないですか、審議は。
○国務大臣(中谷元君) この九十五条というのは本来武器等の防護でありますので、自衛隊の特性からしても、また各国の軍隊からしても、当然あってしかるべき問題でございます。しかし、最初に行うPKO活動でありますので、いろいろと混乱を起こすこともあるのではないかという意味で慎重に運用をいたしまして、二十四条の八項で適用を除外をいたしております。 しかし、その条項が削除されれば適用されるということでありまして、明示的な規定がなくても適用されるということでございますので、そういう観点からすれば、当然当初からあってしかるべきものであったが諸般の事情から少し慎重に運用してきたけれども、それの法律によってとめていた条項を解除したという考え方でございます。
○小泉親司君 そんなことは私はわかっております。わかって質問をしているんですが、何でそれではその五原則の中に、じゃ長官に聞きますが、五原則の中に武器防護というのは入っているんですか、入っていないんですか。どこに入っているんですか。 だから、防衛庁長官よろしいですか、長官。だから除外しているんですよ、九十五条は除外してあったんです。だから、何でこの参加五原則、これはさっきも申し上げましたように、我々はこれが満たされれば参加してもいいと言っているんじゃないんだけれども、あなた方はこれがまさに金科玉条のように言われるから、それだったらこれは直さないと言っているんだから、直さなかったらいけないじゃないですか、九十五条はできないじゃないですか、どこにできるという保証があるんですか、明確にしてください。それはだめです。委員長、そこは明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) この九十五条の武器規定というのは本来あるべきもので、武力行使に該当するものではないわけです。しかし、安全で慎重に考えて、今まで法律の条項をもって適用除外をいたしておりましたが、これまでの実績を生かして今度解除をするわけでありまして、そもそもこれを解除すること自体がこの参加五原則を策定することとした目的の範囲内であるということで、この五項目で言うのと目的は同じことでございます。
○委員長(武見敬三君) 時間ですので短くまとめてください。
○小泉親司君 それでは委員長、じゃ最後に。
○委員長(武見敬三君) もう超過しておりますから。
○小泉親司君 私は、ですからこの点については政府見解を求めます。これ全然今の答弁になっていないです。参加五原則と九十五条の関係についてどういうふうに整合がつくのか、この点、明確にしていただきたいと思います。 それで私、ぜひこの点についてはもう一度質問させていただきたいと思います。委員長、よろしくお取り計らい願います。
○委員長(武見敬三君) わかりました。
○大田昌秀君 質問の通告にはありませんけれども、一般的なことを若干お聞きしたいと思います。 イスラエルとパレスチナの中東情勢が大変懸念される事態になりつつありますけれども、官房長官にお願いしたいのは、政府のただいまの中東の情勢についての御認識と、どのような対応策を講じておられるのか、事態の展開を黙って見ておられるのか、防衛庁長官、失礼しました、官房長官にお伺いしたいんです、政府の立場から。同じく外務大臣にもお伺いしたいと思います。どのような外交努力をなさっておられるかですね。
○国務大臣(福田康夫君) この二、三日、パレスチナとイスラエルの間の険悪化、さらに険悪化したというように思っておりまして、大変憂慮いたしております。昨日の攻撃に関しましても、このような力の応酬、これが両当事者の対立をさらに深める、そういう可能性がありますので、大変懸念を強くしているわけであります。 〔委員長退席、理事吉村剛太郎君着席〕 これまでも何度か御説明申し上げていると思いますが、我が国は事態が一日も早く収拾し当事者が和平交渉に復帰することを望んでおるわけであります。この観点から、すべての当事者は最大限の自制を行って暴力の停止に向け努力するよう改めて求めたいと思っております。 我が国の対応は外務大臣の方から御説明申し上げます。
○国務大臣(田中眞紀子君) けさほど広中先生からのお尋ねがございまして、あの後情勢に変化があったかどうかということは聞いておりますが、今の段階では、あの後の変化はまだ掌握できておりませんで、そして要するに早く自制をして戦火が拡大していかないように早く収拾されるということを私どもも望んでおりますけれども、またこの後、時間の経過とともにどのような変化があるか、これは掌握していきたく存じます。
○大田昌秀君 九月十一日の同時多発テロに対し、アメリカは十月八日、アフガニスタンへの空爆を開始して報復戦争に突入しました。それ以来、現在までのアフガニスタンにおける非戦闘員の犠牲の実態についてどのように把握しておられますか、外務大臣、お願いします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 民間人の犠牲が発生していることは大変痛ましいというふうに思っておりますし、とうとい人命が失われておりますことにつきましては本当に残念に思っております。 前から繰り返しておりますけれども、米軍はできるだけ注意深く目標を選定して、そして市民の方たちを巻き添えにしないように努めているということを言っておりますけれども、やはり時間の経過とともに、報道が明らかになってきているのか、少し戦局が拡大してきたか、追い詰めていくに従ってかなりアメリカの軍事行動も、空爆もかなり激しさを増しているように、時間の経過とともに感じておりまして、できるだけ最小限、もちろんそれは人類に対するテロが大変な卑劣な行為であるということはわかっておりますけれども、ビンラーディンを追い詰めていくか、アルカイダとはいいますが、できるだけ犠牲、事ごとに民間の方が多いという報道がされておりますので、被害が最小限になるようにということを今は願っております。
○大田昌秀君 今お聞きしているのはそういうことではなくて、非戦闘員の犠牲の数について実態を掌握しておられますかということです。
○国務大臣(田中眞紀子君) ちょっとこれ、古いかと思いますけれども、四名が死亡いたしまして、そして数名が負傷したという可能性がありますけれども、これはちょっと古い資料でございまして、一番直近のものは今現在手元にございません。
○大田昌秀君 防衛庁長官にお願いします。 PKOの実施回数、これは冷戦期の四十年間、ほぼ四十年間と、それから冷戦後の約十二年間を比較しましてどういう形になっておりますか、お教え願いたいと思います。──それじゃ、別の聞き方をいたしますので。 冷戦期四十年の間に、私が持っております資料によりますと、十三件に対して、冷戦後の十二年間に四十三件になっているとのことですが、どうしてこういう事態になるかという、何といいますか、軍事的な分析の面からの御回答をいただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 冷戦のときはミリタリーバランスというかパワーバランスによってある程度二つの力の安全保障の世界でありましたが、冷戦が崩壊して民族とか宗教とか部族とか、それぞれの争いが多くなりまして、それに対応する力として国連の力が必要となり、より世界各国がこのようなPKO活動をすることによって地域の紛争等を抑止するということが試みられまして、数々の地域において実施をされ、それが失敗したところもありますけれども、比較的そのことによって地域の紛争等が抑止されてきたというようなことで冷戦後に急に数がふえたわけでございます。
○大田昌秀君 官房長官にあと一つだけお願いします。 参議院は、一九五四年に、自衛隊の海外出動をなさざる決議を採択しておりますけれども、その決議に反して、今、自衛隊を海外に出動させようとして法改正に取り組んでおられるわけですが、どのような立場から、その参議院の決議をどう認識なさいますか。
○国務大臣(福田康夫君) もう大分前の話になりますけれども、世界も随分当時から変わってきたということが、これが大きなその原因と申しますか、理由になるんだろうと思います。 当時はこういうものが、PKOとかそういうものも考えていたわけでございませんし、冷戦後、今、防衛庁長官からもお話ございましたように、国際平和というその観点からいろいろな活動というものが国連を中心として生まれてきたと。そういう中でこの活動が、我が国として国際的な、特に平和面における国際的な活動、そして世界に貢献できる、こういう観点から適当な日本の活動ではないのかと、こういうことになったわけであります。 〔理事吉村剛太郎君退席、委員長着席〕 そういうことで、参議院の決議というものも承知はいたしておりますけれども、そういう、やはり世界の、国際環境が変わってきたということが一つと、それからもう一つは、やはり日本として、そういう中にあって世界第二位の経済大国にまでなったというような日本の世界における立場、このことも大きく影響いたしておりますけれども、何も世界に対してしなくてもよろしいかどうかという、そういうことはかねがね反省をしながら来たわけでありますけれども、湾岸戦争ということがございまして、あのときにやはり、日本は何らかの形で海外で平和的な貢献をしなければいけないんじゃないかという反省のもとに立って、このような自衛隊の海外における活動というものが生じてきたというように私は理解いたしております。
○大田昌秀君 防衛庁長官にお願いいたします。 関連する質問ですけれども、以前に社会党が、ただいま官房長官が御指摘になりました国際協力の面で、非軍事、文民、民生分野に限って、自衛隊とは別組織の国際協力隊をつくって国連の平和維持活動のうちの軍事的分野を除いた分野に貢献すべきではないかという提案をしたと理解しておりますけれども、その非軍事的な貢献というのは、ただいま官房長官がおっしゃった国際的な貢献というものにはそれほど重要性を持たないという御認識ですか。
○国務大臣(中谷元君) この部分は外交的な分野もございますが、経済支援にしても、協力、教育支援にしても、また社会開発支援においても、当然、非軍事の分野において紛争の混乱から立ち上がろうとする国々に対して援助をし、またそれによって平和を保つことは可能であるというようなことも必要で、重要だというふうに思っておりますので、それは非軍事分野として積極的にやるべきことであるというふうに思っております。
○大田昌秀君 自衛隊と別組織の国際協力隊みたいなものの編成というのは不可能だとお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) いろんな検討を重ねた結果、自衛隊が行う方が効率的であるという結論に達したというふうに思います。 その理由として、別組織をつくりますと二つの組織ができるわけでありまして、財政的な非効率な問題、また自衛隊としての、この大きな組織ですね、国内においてもいろんな意味の情報収集ができ、人事管理ができ、また給与の面でも一貫性があり、また留守家族等への連絡、アフターケア等も可能でありまして、この活動の内容を考えてみますと、わざわざ別組織をつくってそこに常時人員を確保して待機させるというよりは、通常の国防の任務を行いながら、またPKOに際しましては、それによって錬成された能力を出して活用させる方が国家として効果的で機能的であるという判断に基づいて現在の体系ができたというふうに思っております。
○大田昌秀君 先ほど、冷戦時のPKOの実施回数と冷戦後の回数の比較を若干申し上げたのは、紛争の主体といいますか、これが随分変わってきておりまして、そのあたりで、今おっしゃるように、国家としてというお話がございましたけれども、むしろ今の紛争の、国際的な紛争のほぼ九〇%ほどは内戦状態なんですね。ですから、そういった意味で、むしろ民間の方の協力隊をつくるということの方がより国際的な貢献にも結びつくんじゃないかという考えを持っておりますが、まあ、それは私の考えだということでとどめておきますが。 次に、外務大臣にお願いしたいと思います。 ガリ前国連事務総長は、一九九二年の六月に平和への課題と題するPKO強化案を発表いたしました。その中で描かれたPKO像というものは、それまでのPKOのあり方とはかけ離れたPKOの強化策であったわけですが、なぜそういう強化策をつくらなくちゃいけなかったとお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) やはりPKOの任務というものがだんだんと多様化してきているといいますか、そうしたことを認識しての上であろうというふうに考えます。
○大田昌秀君 そのガリ前国連事務総長のPKO強化案と、昨年、二〇〇〇年八月に国連安保理事会と総会に提出されました、先ほどから問題になっておりますブラヒミ・レポートの基本的な違いは何だとお考えですか。
○副大臣(植竹繁雄君) その点につきましては、先ほど大田委員がおっしゃいましたように、今までは国家間の紛争が多かったわけですが、これからは一国内による内戦の様相を呈してきたと。そうなりますと、停戦や軍の撤退等の監視といった伝統的な任務のほかに、選挙とか文民警察、あるいは人権、難民帰還とか、そういう問題が新たに生じてきたわけであります。ですから、今度は新たにそういうことに、これからの行政事務やそういう復興開発での分野のPKOの新たな任務が必要になったということで、昨年八月ですか、ブラヒミ・レポートによりまして、いろんなそういう企画とかそういう案が提出されまして、それを受けて国連の事務総長が実施計画というものをしたということで、大変それは高く評価されるものだと思っております。
○大田昌秀君 私がお聞きしたかったのは中身の問題についてでございますが、まあ結構です。 今回の法改正で、一九九二年のPKO法成立当時から凍結されておりました国連平和維持軍、すなわちPKFの本体業務への自衛隊の参加凍結を解除することになっておりますが、その理由は何ですか。防衛庁長官、お願いします。
○国務大臣(中谷元君) これは、九二年当時にPKO法案の議論が行われまして、一応採決に基づいて国会で成立したわけでございますが、当時としては、初めてのPKOということでもありまして、これらのPKFの部分は当面凍結を、解除して、今後のPKO活動を重ねる上において実施しても問題がない時期まで様子を見ようということで凍結がされておりましたが、これまで九年間、六回の実績等を踏まえまして、諸外国等との活動の連携やら、また今後のより積極的な活動をする観点で、大いに国民の信頼が得られた現状においてこの凍結を解除するのがそろそろ時期的に適切ではないかという御判断を各政党間の話し合い、特に与党三党でもそのような御決定がございました。それを踏まえまして、政府として総合的に判断をし、今回PKFの凍結解除をした次第でございます。
○大田昌秀君 私の考えでは、PKF本体業務への参加が凍結されたのは、その活動が海外での武力行使に及ぶおそれがあるという指摘がありまして、その指摘を酌み取って凍結されたと理解しているんですが、言い方を変えますと、本体業務への参加というものは憲法違反になるということで凍結されたと思うんですが、そこら辺は違うわけですか。
○国務大臣(中谷元君) それが国会の意思で憲法違反になるというふうな判断でしたら、その部分は削除をされた上で成立をしたであろうと思いますが、現に法律として成立をし、その部分が当面凍結するという説明において凍結をされておりますので、この部分は憲法違反ではないというふうに認識をいたしております。
○大田昌秀君 同じく、防衛庁長官にお伺いします。 海外に派遣される自衛官の武器使用の範囲を大幅に拡大する件についてでございます。 一九九一年九月二十五日の衆議院のPKO特別委員会における論議の中で、政府は、組織、部隊としての武器は使用しないと述べています。部隊としての武器使用となると武力の行使につながるとの懸念からそう述べたものと理解しておりますが、一九九八年のPKO法改正において、「小型武器又は武器の使用は、当該現場に上官が在るときは、その命令によらなければならない。」と規定して、上官の命令による武器使用を認めています。上官の命令によって組織的に武器を使用することになるとすれば、部隊としての応戦すなわち武力の行使につながることにはなりませんか。
○国務大臣(中谷元君) これは、武力行使になりますと憲法に違反するものでございますが、武力行使というのは海外における国家の意思に基づく行為でありまして、この点のPKO法案の武器使用というのは、あくまでも個人としての自然的権利を確保する上においてということでございますが、これを個人ばらばらで武器を使用しますと、かえって危険で混乱を招くということで、やはりそこは指揮に基づいて上官の命令のもとに武器使用をする方がより要員の安全に資するという観点で上官の命令にしたわけでございます。 この改正につきましては、当時の国会における委員会等で真摯に御議論をいただいた上で成立をいたしておりまして、我が方といたしましては、憲法で禁じる武力行使に当たるというふうには考えておりません。
○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。 昨日、小泉委員から、このPKO関連の国連の基本文書についての資料の要請がございまして、昨日配付していただいたわけでございますが、まだ全部は読んでおりませんけれども、非常に重要な事柄がいっぱい書かれているように思いますけれども、その中で、国連平和維持活動に従事する前に、派遣団とかの幹部とかあるいは指導者たちというものは国内における訓練計画を準備して実施することが要請されておりますけれども、つまり、学科目とかあるいは訓練の具体的な計画なんかについていろいろと規定されておりますが、その点について、日本国内、日本国ではどういうふうな状況になっておりますか。御存じでしたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) ちょっと私ども、今唐突におっしゃられましたが、おっしゃっているのは、ザ・UN・ピースキーピング・トレーニングマニュアル、これのことをおっしゃっておられますか。
○大田昌秀君 ジェネラルガイズというのにあります。
○国務大臣(田中眞紀子君) ザ・ジェネラル・ガイドライン・フォー・ピースキーピング、これでございますか。PKOの一般ガイドライン、これについてどう思うかとおっしゃったのでございましょうか。
○大田昌秀君 その中で、PKOに派遣する加盟国は、派遣する以前に国内で教育計画とか訓練計画を準備して、そういう訓練を施した後に派遣してほしいという趣旨のことが要請されているわけですね。 ですから、日本国内では、PKOの要員に対して、自衛隊を含め、NGO民間団体を含めてどのような訓練施設を持っていて、どういう訓練計画を、だれが実施しているのか。外務省なのか、防衛庁なのか、どこがやっているのか。
○国務大臣(中谷元君) 現在、PKO要員の派遣に対する協力等につきましては、固定した訓練センターとか専用の組織を持っておりませんで、通常、部隊でいろんな職種で勤務をしている中で現地の活動に最適である組織を編成をして、その後、要員の派遣に向けて、派遣先国の状態であるとかPKOの対応とか、そういう訓練を実施をしております。 一般的には、幹部教育とかいろんな学校においてPKOの協力はいたしておりますが、現実的に、具体的には派遣部隊を編成をした後、具体的な集合訓練等を行っております。
○大田昌秀君 国連要員として派遣する自衛隊というのは、最初から分けてあるんですか、それとも任意に、陸上自衛隊あるいは海上自衛隊とかそういった職務に応じて、そのときそのときに応じて選ぶわけですか。
○国務大臣(中谷元君) 特にその要員を分けて恒常的に維持しているのではなくて、その時々に応じて各部隊から要員を選考をして編成をするようにいたしておりますが、一般的には陸上自衛隊において各方面隊ごとに担当させて、その方面隊の中で要員の選考をして編成をいたしております。
○大田昌秀君 民間人の派遣については外務省が担当でございますか。
○政府参考人(林梓君) 内閣府で担当しております。国際平和協力本部で担当しております。
○大田昌秀君 派遣以前にどのような訓練とか教育、そういうのを実施しておられるんですか。
○政府参考人(林梓君) 我が方で、その国の事情でございますとか、例えば選挙管理、目的がございますので、その選挙のシステムとか相当詳細な研修を行っております。
○大田昌秀君 どれくらいの期間をかけて研修をなさっておられるんですか。
○政府参考人(林梓君) 案件にもよりますけれども、希望される方も皆さんお忙しい方で、学校の教職についておられるとか、あるいはほかの仕事を持っておられますので、数日間、二日、三日という集中的な一日授業になっております。
○大田昌秀君 午前の質問にもございまして、若干重複いたしますので恐縮ですが、改めてお伺いしたいと思います。 このPKOの派遣計画を実施する上で予算を一体どれくらい使っておられるか、大まかで結構ですので教えていただきたいと思います。
○政府参考人(林梓君) その年ごと、案件ごとに違い、非常にぶれがございます。実際、予想されない事態でございますので予備費からいただいております。 そういうことで、例えば選挙等に出るやつ、ちょっと申し上げますが、選挙監視等に出るやつは大体一千五百万から五千万ぐらいの、すべてそういうラインに入っております。それは輸送業務、例えば、これは我が方のゴラン高原等では、我が方のやつでは十一億四千五百万と、今まで使ったお金がそうなっております。ただ、これはPKOの本部の予算だけでございまして、これに加えて防衛庁の方の予算がまた計上されているはずでございます。
○委員長(武見敬三君) 時間でございますので、これにて次の質疑者に移りたいと思います。
○田村秀昭君 今回、政府提出の改正案は、端的に申し上げて国際社会に格好をつけるためにまたごまかしながら政府解釈を変更して、与党三党が合意できる範囲内で内容をわずかに手直ししたものにすぎません。PKOなど我が国の国連協力は、その活動が国際社会の共同行動であるにもかかわらず、政府の御都合主義的な憲法解釈によって多くの制約が課され、派遣される自衛隊員の立場を全く考慮せず、国際基準に反するばかりか派遣される自衛隊員の安全も問題となっているような改正案であります。 そこで長官にお尋ねしますけれども、どうしてPKO協力のために自衛隊員を派遣するんですか。
○国務大臣(中谷元君) 戦後、我が国も経済発展をし、世界の中で責任のある地位になりました。そういう現状を見て、やはり人的な面でも積極的に協力を行うことが我が国の国際的地位と責任にふさわしいと考えますし、また世界から尊敬される国家に我が国もなるべきだというふうに考えておりまして、この国連平和維持活動に積極的に参加していくように現在努力をしている次第でございます。
○田村秀昭君 まず長官にもう少し詳しくお尋ねしますけれども、PKOに派遣する自衛隊員は危険なところに出すというふうにお考えなのですか、全く危険はないと考えておられるのか、どうですか。
○国務大臣(中谷元君) 以前、カンボジアにおいて高田警視が亡くなられたときに、たまたま我が国を訪問されていたカナダの首相だったと思いますが、PKOはピクニックではありませんというふうに言われました。非常に危険を伴うそういう中での平和を構築する活動であるというふうに認識をいたしております。
○田村秀昭君 現在、PKOに出す自衛隊員は、特別な対応を、処遇をしていないですね。
○国務大臣(中谷元君) 処遇ですか。制度として……
○田村秀昭君 いや、危険なところに出すんだったらそれなりの処遇をすべきだと私は申し上げている。
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては、参加するに当たって憲法で禁じられた武力の行使をするという評価を受けることがないように、そのあり方や制度等におきましてもそれぞれ議論を重ねて現在の状況ができているわけでありますが、今回改正する法律の中でも、武器使用等につきましては自己の管理のもとにおける現場の状況にかんがみて、より効果的な、また安全な任務ができるようにという改善でございます。 今後のことにつきましても引き続き検討をして、より実効性の上がる活動にすべきであるというふうに思っております。
○田村秀昭君 いや、私は活動のことを聞いているんじゃなくて、行く自衛隊員に対してはきちっとした処遇をしているんですかと聞いているんです。このPKOに特別に何かしていますかと。
○国務大臣(中谷元君) 処遇ですか。
○田村秀昭君 処遇です。
○国務大臣(中谷元君) 派遣される隊員等に対しましては、国際平和協力手当を支給するなどの面で制度をつくっております。派遣先国の勤務地域及び業務に応じて、自衛官の国際平和協力隊員には一日二万円から四千円の金額が支給されているところでありますし、また療養補償、障害補償、遺族補償等を実施することといたしておりまして、危険度が高い場合におきましては通常の補償額に五割加算する特例等も適用されております。このような制度を整備いたしております。
○田村秀昭君 この前のテロの対策で出ていく、海外派遣される自衛官は一日千四百円に決まりましたね。今回はどのくらいなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 東チモールの場合ですか、テロですか。
○田村秀昭君 いや、今度出ていくんでしょう、七百人。
○国務大臣(中谷元君) 東チモールですね。 金額につきましては、現在、検討作業の途上でございます。
○田村秀昭君 私も今度のテロ対策で一日千四百円というのも随分低いと思います。十分に検討していただきたいと思います。 それから、平和五原則というのが先ほどから議論されていますが、これは引き続いて維持すると長官はさっきおっしゃったような気がしますけれども、これ維持するんですか。
○国務大臣(中谷元君) 現行の憲法によりまして武力行使を禁じられております。武力行使をすると評価が受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格であるというふうに認識をいたしておりますが、今後ともこの国際貢献等のあり方、またPKO法の問題等につきましては、国会での議論も踏まえつつ検討してまいりたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 私は国会の議論というのはそういうことがないようなことを一生懸命議論しているような気がするんです。武力行使、武力行使と言っていますけれども、軍隊が出ていくときに武力を持っていかなければ軍隊が出ていく必要ないんです。 そういうものを言っているということ自身が不毛の議論であって、私はこの五原則について聞きたいのは、危なくなったら他国の要員をほったらかして自分の国だけ帰ってくるんですね。そんなことをするんですか。引き続きするのかどうか。
○国務大臣(中谷元君) そのようなことが起こらないように思っておりますが、そもそも今回はPKO活動でありまして、国連のPKO活動におきましては、停戦の合意や受け入れ国の同意、また中立という原則に基づいて実施されるものに対して我が国も参加するわけでございます。 それぞれの地域においてPKO自体の性格や運用等は差があるわけでありますが、基本的には戦闘を行わない、また武力行使をしないというのがそもそもPKO自体の目的でありましたので、我が国の部隊だけが勝手に撤収をするというような状況は想定をしがたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 まあ長官、お答えになるの苦しいだろうけれどもね。 今回、ゴラン高原に四十五名ですか、ずっと七年目になりますね。それで、この人たちが帰ってきて言うには、一番問題なのは──現地のカナダの部隊と一緒にキャンピングをしている、キャンプしている。それで、一番現地の指揮官が困るのは、自分のところがやられたときだけは自然権で武器を使うけれども、一緒にキャンピングしているカナダの部隊がやられそうになったときには自分たちは何にもしない、そういうのが一緒になって任務を遂行できるのかと。そういうことを現地の指揮官に言わせる防衛庁長官はどうなのか、どういう心境でそういうことを言わせているのかと。 だから、政治家というのは、法律は法律家がやりゃいいんで、政治家は法律家じゃないんだから、そのかわり責任持って政治がやるということで、現地の指揮官にそういうふうに言わせるんですか、ちょっと長官にお伺いします。
○国務大臣(中谷元君) 現場においてそのような声が上がらないように努めなければなりません、もちろん。そのようなことがないために今回の改正を実施するわけでありまして、他国のPKO要員であっても不測の攻撃を受けて自衛官とともに共通の危険にさらされた状況で、その場合の防衛の対象としてPKO要員が含まれておりますし、また国連の職員、また現地のNGO等も含まれております。今まで以上に他国のPKO要員と信頼関係を構築することによってPKO活動が一層効果的に実施することが可能になるものと考えております。
○田村秀昭君 私どもの属する自由党は、昨日、政府案の対案として国際平和協力法案並びに防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を衆議院に提出いたしました。我々は、今のような実際に派遣される自衛隊に、自衛官にしわ寄せをするような法律はよくないということで、国際の平和と安全の回復のためには積極的に参加、協力するということを精神に、基本的な考え方としてこの法律案を提案した次第であります。 長官、もうこれをごらんになって、非常にすばらしいとかなんとかおっしゃったとか聞いておりますが、どのようなお考えを持っておられるか、お聞かせください。
○国務大臣(中谷元君) 国際貢献のあるべき姿の一つであるというふうに思っております。今後とも、各党各会派の御意見を聞かせていただきまして、また今後の国際平和協力業務をいかに実施すべきか国会で御議論いただき、またこの委員会等でも積極的に御議論をいただきたいというふうに思っております。
○田村秀昭君 質問を終わります。
○委員長(武見敬三君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(武見敬三君) 速記を起こしてください。
○福島啓史郎君 自由民主党の福島啓史郎です。 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、御質問申し上げます。 関係閣僚の答弁可能時間帯との関係で、質問の順番が入れかわることをあらかじめ御了承願いたいわけでございます。 まず、外務大臣にお聞きしたいと思います。 現在、国連におきましてPKO業務がどのぐらいのウエート、位置づけとなっているか、予算なりあるいは人員の中でのウエートをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 業務の比重でございますけれども、国連事務局の職員五千五百八名のうち三割に当たります千六百二十四名がPKO局及びPKOミッションの関連職員をやっております。 それから、二〇〇〇年のPKO予算につきましては、二十一・五億ドルとなっております。
○福島啓史郎君 全体の中のウエートはどうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 通常予算が十二・七億でございます。
○福島啓史郎君 そうすると、何%ですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 二十四ですから、約半分弱ではないでしょうか。
○福島啓史郎君 このように、国連におきましてPKO業務のウエートが非常に高くなっているということが数字でもあらわれているわけでございます。 それで、この国連のPKO予算、これは分担金によって拠出されるわけでございますが、その主要国の内訳はどうなっているか。また、アメリカは既に払っているのかどうかについてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 二〇〇〇年の国連PKOの予算の総額が、今申し上げました二十一・五四億ドルでございまして、主要国PKO分担金につきましては、特別な責任を有する安保理常任理事国が通常予算に比べて追加的な負担を担っております。 一位はアメリカでございまして、六・六七億ドル、二位は日本、四・三七億ドル、三位は、けさも申しましたが、ドイツ、二・一〇、四番がフランスで、一・六九億ドルでございます。 それから、さらに要員派遣国に対する償還金でございますけれども、これは二〇〇一年の八月現在で、アメリカ、一位が、一・〇八億、二位のインドが〇・九一億ドル、三位のバングラデシュは〇・七億ドルでございます。
○福島啓史郎君 アメリカは既にこの国連PKO予算の分担金を払っているわけでしょうか。支払い済みでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 支払い済みと承知しております。
○福島啓史郎君 今、先ほど外務大臣御答弁されましたけれども、このPKO予算の受け取りの基準が、兵員一人当たり月千ドル、それにプラス手当がつくというようなことで、非常に途上国にとってはある意味では魅力のある予算といいますか、措置なわけでございまして、そういう意味でも途上国からの参画が促されているという面はあるわけでございますが、他方、質の問題もあるわけでございまして、その点は、国連PKO局におきましてどういう国にどういう業務を依頼するかということが重要になるわけでございます。 それで、外務大臣にお聞きしたいわけでございますが、この国連のPKO局に日本人がどういうポストで何人行っているのか、またその出向の身分はどうなっているのか、また増加を図るべきではないかと考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 邦人の職員数ですが、二〇〇一年の一月現在ですと、PKO局には課長補佐のクラスを筆頭にしまして四人、PKOの関連事務所には、例えばPKOのミッションでありますとか政治ミッションに部長クラスを筆頭に十六名が働いておりますが、多い方がありがたいかというふうに思います。
○福島啓史郎君 いずれも身分は国連職員ということでしょうか。要するに、外務省からの出向、あるいは防衛庁からの出向というのはないわけでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 国連職員、現地でございます。
○福島啓史郎君 先ほど答弁ありましたように、日本は四・三七億ドルということで非常に高い分担金、PKO分担金を払っているわけでございますが、その割には高位のポストの日本人、あるいは人数も少ないというようなことで、ぜひこの増枠を図る方策を考えていただきたいと思うわけでございます。 それに関連して、この国連分担金一般ですね、これの日本の額、国連分担金一般の額、シェア、順位はどうなっているのか、お聞きいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 十一であると思います。──ごめんなさい、この表じゃないんだ。ちょっとお待ちください。 二〇〇一年の我が国国連分担金額は約二・〇三億ドルで、全体の一九・六二九%でありまして、アメリカに次いで二番目でございます。
○福島啓史郎君 要するに、我が国の国連の分担金は全体の二割ということですね。アメリカに次いで二位ということです。 他方、これも先ほどと同じような考え方からして、日本人の職員のポストなり人数はこの分担金の額に見合っていると考えているのか。もっと増枠すべきではないかと考えるわけでございます。こうした点について具体策をどういうふうに考えておられるか、お聞かせください。
○国務大臣(田中眞紀子君) 確かに、分担金の割合が大きい割には職員の身分が低いとか数も少ないということは言えると思いますが、国際機関に邦人の職員数が望ましい職員数よりも少ない状況にありますことから、政府といたしましても、人材の発掘ですとか、国連に対する働きかけ等を行いまして、改善に向けて積極的に取り組んではおります。 これは、具体的に申しますと、国連の代表部を初めとしました各代表部に国連の邦人職員増強支援委員会を設置するなど、邦人職員への支援活動を強化いたしています。また、国際機関への応募支援や、各国際機関からの訪日の採用ミッション受け入れなど、職員数の増強に鋭意努力をいたしております。 邦人職員のうちの七名がいわゆる幹部ポストについておりますが、今後とも邦人職員数全体を伸ばすとともに、高いポストのさらなる獲得のために取り組んでまいります。
○福島啓史郎君 基本的には国連のポスト、原則は公募なんですが、しかし、選考委員会に働きかける、あるいはその中でいろんな話し合いをする、また特別な拠出金を行う等、いろんな方法があるわけでございますので、この分担金の額なりあるいはそのシェアなりあるいは順番なりに見合った邦人の職員確保についてぜひ努力をお願いしたいと思います。 次に、先ほど同僚議員の質問にも出ておりましたけれども、ブラヒミ・レポートにつきましてお聞きしたいと思います。 まず、このブラヒミ・レポートの意義なり内容についてどういうふうにお考えでしょうか、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) これはもうずっといろいろ議論されてきておりますけれども、国連は、紛争防止、それから平和の構築、これを含めた平和活動の現状を包括的に見直して、改善のための勧告を得ることを目的として、昨年の三月に、有識者によります国連平和維持活動検討パネル、これがブラヒミ・パネルと言われておりますけれども、それを設置いたしました。これは国連の責任でやったわけでございます。 そして、昨年の今度八月ですけれども、このパネルによって公表されたレポート、結果があるわけですが、それでPKOを初めとする国連の平和活動を改善、強化するという観点から、PKOの迅速な展開のための待機制度の拡充でありますとか強化、それから国連本部、事務局等の支援体制の強化や種々の勧告、提言が行われております。 そして日本は、こうした勧告ですとか提言を真剣に受けとめまして、議論に積極的に参加して、可能な限り協力を実施していくというふうなスタンスでおります。
○福島啓史郎君 このブラヒミ・レポートも言っているわけでございますが、古典的な国家対国家の武力紛争の停戦監視という、古典的な形態から、紛争の予防やあるいは平和の維持、あるいは平和の構築、さらには国にかわる国連の暫定統治機構の発足等、PKOは変化し、深化しているわけでございます。さらに、こうした平和の構築の後には、当然のことながらその紛争地域の復興という問題が控えているわけでございます。 PKOで対応する分野と復興等の経済協力で対応する分野、これを統合して紛争地域ごとに目標、戦略を立てて実施する、またその場合には、その紛争地域ごとに主要な担当国を定めることが必要だと、あるいは重要だと思うわけでございますが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 委員の御指摘は、まさしく機動性のあるものだというふうに思います。先ほど大田先生もこうした御指摘ありましたけれども、まさしく冷戦の終結後、いろいろとその紛争も国対国ではなくて、非常に国内の問題だけになるとか、紛争自体が多様化してきているということもありますので、その支援のあり方もブラヒミ・レポートも認めているとおりでございまして、今おっしゃるような提言も踏まえながらやっていくということは大事ではないかというふうに思います。
○福島啓史郎君 その中で、このPKOの原則と戦略というところで、このブラヒミ・レポートの中で、自衛のために限った武器使用を基本原則とし、和平合意の約束に背いたり、その他暴力によって合意を損なおうとする者に対しましては、強力ないわゆるROE、交戦規定をもって自身なりあるいは他の要員なり、あるいは任務を守ることができなければならないと言っているわけでございます。私は全く同感、同意できるところでございますが、これについての考え方はいかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) このブラヒミ・レポートに今おっしゃったようなことが書かれていまして、これはROEという、ルール・オブ・エンゲージメントですけれども、武器使用ですね、これについてもいろいろ触れているわけですけれども、このブラヒミ・レポートというものの基本に何があるかというと、やっぱりルワンダでの反省とかいろいろなものが含まれていると思いますので、有識者間での自由な意見交換というものを踏まえて、国連事務総長の立場というものを示したわけではありませんけれども、やはり現実の今までの過去の経緯の中から編み出されたものであるというふうに思いまして、PKOが紛争当事者の合意のもとで展開する場合のみに適用されるとした上で、勧告のいかなる部分も、国連が戦闘機構となるということを意味したり、PKO要員が武器を使用する原則を根本的に変更するというものではありません。 したがいまして、そのPKOの原則が基本的に維持されるということが重要であるというふうに考えてはおります。
○福島啓史郎君 その上で、要するに和平合意の約束に背いたり、あるいは暴力によって合意を損なおうとする者に対しましては、的確な交戦規定、ROEをもってこの任務あるいは要員、あるいは自分自身を守るということ、これは私はPKOを実施する上で重要な原則の一つだというふうに考えるわけでございます。 次に、同じくこのブラヒミ・レポートにあります緊急展開及び待機制度の拡充強化といたしまして、軍事なりあるいは文民警察あるいは幹部、あるいは文民要員の候補者リストの作成を提言しているわけでございますが、我が国の対応状況はどうなっているでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これはおっしゃるとおりだというふうに思いますけれども、ブラヒミさんは文民要員の候補者リストを作成すべきであるという提言も行っておりますし、日本といたしましては、そうした候補者リストの作成は、国連の平和維持活動の迅速な展開を可能にするということを通じて国連の平和維持活動そのものの強化に資すると考えておりますので、そうした取り組みを支持いたしております。そして、ただ支持するだけではなくて、何ができるか検討をいたしております。
○福島啓史郎君 次に、PKOと国連憲章の関係につきましてお聞きしたいわけでございますが、PKO活動自体は国連憲章の具体的な条項に基づいて行われているものではないわけでございますが、しかし私は、この国連のPKO活動というのは、国連憲章の六章の手続に基づいて七章の措置がとられているというそういった性格のものだと考えるわけでございますが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そもそも論を言って恐縮ですけれども、今、六章、七章をおっしゃいましたけれども、国連憲章の成立のときから国連軍ができるだろうと考えていた経緯も、事前にですけれども、プロセスからいうとありますし、明文化した規定というものはないというふうに思います。 したがいまして、実際の慣行を通じて行われてきたものでありますから、国連憲章上、明文の規定というものはないというふうに申し上げざるを得ません。
○福島啓史郎君 それで、関連して、我が国が国連に加盟する際に加盟申請及び宣言を出しております。いわゆる岡崎書簡でございますが、その中で、国際連合への我が国の加入に際しての岡崎書簡におきまして、我が国は「国際連合の加盟国としての義務を、その有するすべての手段をもつて、履行することを約束する」と言っているわけでございますが、その意味はどういう意味でしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私もこの岡崎書簡というもの、国連への加盟申請及び宣言というものをちょっと読んでみましたけれども、岡崎勝男、当時の国務大臣ですね、昭和二十七年六月十六日付、東京で書かれた岡崎勝男という外務大臣のおっしゃっていることなんですけれども、国連に対する加盟申請を行っているわけですけれども、それに当たって我が国が何らかの留保を付したというふうには考えてはおりません。 ちょっと時代背景等ももうちょっと勉強しなければならないというふうに思っておりますが。
○福島啓史郎君 そうすると、この文書、いわゆる岡崎書簡はどういう性格のものだということでしょうかね。
○国務大臣(田中眞紀子君) この昭和二十七年六月付の当時の岡崎外務大臣発のリー閣下、トリグブ・リーという当時の国連事務総長あての書簡をもって国連に対する加盟申請を行いましたが、加盟に当たって我が国が何か留保をつけたというものではないと、そういう書類、書簡であるというふうに理解しています。
○福島啓史郎君 内閣法制局長官にお聞きいたしますけれども、本件についてでございますが、この書簡につきましてはいろんな議論が当時もあったわけでございます。それで、本件につきまして、この岡崎書簡につきまして、いわゆる留保だとする、西村元外務省条約局長が昭和三十五年におきます憲法調査会におきましてそういう見解を示しているわけでございます。他方、これは留保ではないという見解を当時の下田武三条約局長が示しているわけでございます。両方の見解があるということでございます。 私は、国連憲章の四十三条には、加盟国の国際平和及び安全の維持に貢献するための措置につきましては特別協定を締結すると、その場合には当然のことながら、その加盟国の憲法上の規定に従うという規定があるわけでございます。 また、これは当然のことながら、国内法と条約と憲法の中では憲法が一番上位規範であるわけでございますので、国際条約上の履行は憲法の範囲内での履行に当然ながら限られるわけでございますので、私はこの岡崎書簡というのは留保ではないというふうに考えるわけでございますが、法制的な見地から、法制局長官の御意見をお伺いします。
○政府特別補佐人(津野修君) 国連に加盟するに当たりまして、当時の外務省の条約局長の西村さんとかあるいは下田局長とかいろいろ御意見を言っておられるわけであります。 これは私どもとしては有権的にどうこうと、留保したとかしないとかいうのを言う立場にはないと思うんですけれども、憲法調査会で西村さんがおっしゃっておられるのは、これは昭和二十七年ごろだったと思いますが、当時は我が国は自衛隊も持っておりませんでしたし、いろんな意味で国連憲章の先ほど申されました四十二条とか四十三条とか、そういったところとの関係でいろんな議論があったと。西村さんは、軍事的協力の義務は留保することということを明確にしたものであるというようなことを憲法調査会ではおっしゃっておられて、あるいは逆に下田条約局長は、そういうことで留保というようなことは考えていないというようなことをここで、その後において、条約局長となった下田武三参考人はその後、朝鮮事変の際も現実に軍事的措置に参加した加盟国は極めて少数であり、しかもそれら以外の加盟国は憲章上の義務に反するものではないという事態となったので、この問題はアカデミックな問題として議論されたが、現実問題としては第九条のために国連加入が妨げられ、国連憲章上の義務を履行し得なくなるというような危惧を政府が抱いたことはないというようなことをおっしゃっておられます。 したがって、ともかく国連憲章と我が国の憲法との関係でありますけれども、この後で例えば田畑茂二郎さんという国際法学者の方は、この問題については国連加入が直ちに加盟国の軍隊提供を義務づけるものではなく、国連の集団的軍事行動に対して同盟国がいかなる協力義務を負うかは安全保障理事会と加盟国との間の特別協定によって具体的に定まるものであり、かつそのときは兵力に限らず援助または便益の提供によっても足りるのであるから、国連憲章上の義務が直ちに自衛隊の軍事的協力の義務を意味するものではないとする解釈がその後において広く認められていると言うことができるというようなことを、これは全部憲法調査会のレポートの中に書いてあるわけです。 したがいまして、私の方から国連憲章、留保したのかとかどうとかというのをお答えすることはちょっと差し控えたいと思います。
○福島啓史郎君 これは非常に問題はクリアにされたと思うわけでございます。まさに岡崎書簡があるがゆえをもってこのことが留保を意味するということに私はならないというふうに考えるわけでございます。 次に、外務大臣にお聞きしたいわけでございますが、NGOのPKO活動ないしあるいは難民支援活動の現状とこれに対する国の援助の現状につきましてお聞きします。
○国務大臣(田中眞紀子君) NGOとそれから民間の難民支援の現状についてだと思いますが、お尋ねが。 日本のNGOが、私はまだ幾つかしかお会いしていませんけれども、四百以上存在するそうでございまして、そのNGOは保健ですとか医療とかそれから農業基盤整備とか、教育もそうですし、いろんな分野で開発協力などをやっておりますし、それから私が接しているのは最近ですから、皆さん難民のあるいは避難民に対する人道支援ということをまさしく身を挺してやっておられるということを実情として見ても聞いてもおります。 それから、国は、これらのNGOが行うさまざまな支援活動に対しまして草の根無償資金協力、この間もパキスタンで一部やってまいりまして、大変喜ばれました。本当に少しの額ですけれども、直接こうした皆様の手に渡るものでございます。それから、NGOの事業補助金等によりまして積極的な支援を行ってきております。
○福島啓史郎君 そうしたNGOの行動の一つといたしまして、粉食用の米をつくって、これは玄米でございますから栄養価が非常に高く、また保存性があり、また簡便性であると。要するに水を溶けばそこで栄養価のある粉食として栄養供給が行われるということで、そうした玄米のライスフラワーをつくって難民支援に充てている、そういうNGOがあるわけでございます。 これは例のルワンダに自衛隊がPKO活動を実施したときに自衛隊機でもって運んだということもあるわけでございます。こうしたことに対します国の援助はどうなっているのか、援助の充実を図るべきではないかというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 福島委員は元農水省にいらっしゃったので、やっぱり余剰米のこともそのほかいろいろ非常によく考えておられて、私もこの質問を伺って大変心強く感じておりますので、心を込めて答えさせていただきますけれども、米粉を用いた食糧援助につきましては、日本のNGOで健康と食糧機関というのがありまして、そこがルワンダですとか、過去、エチオピア、ガーナ、ザンビア、今まさしく、私もちょっと休み時間に連絡したんですが、TICADとアフリカの支援をしておりますけれども、本当にこうした支援をうれしいというふうな声もございます。ですから、本当に緊密に、今も会議が進行しておりますんですけれども、そういうところにおいて実施してきておりますし、平成八年と十年と十一年度に合計千七百八十万円のNGO事業補助金というものも交付した実績があります。 とにかく、私もこの余剰米、余剰と言うとよくないようですけれども、こうしたこと、それからお米をうどんにすることもあるし、とにかく米粉の援助というのは極めて、この間のパキスタンでも思いましたけれども、とにかく歓迎されるものだというふうに思います。
○福島啓史郎君 外務大臣、アフリカ開発会議が予定されているわけでございますが、最後に退席される前に一つお伺いしたいわけでございますが、ちょうど今から九年前にクリントン大統領が登場したときに、ルック・アフリカということでアフリカを支援、アフリカ開発ということを非常に強調した、それを戦略的なものとして打ち立てて実施をしようということを打ち出したわけでございますが、残念ながら八年後には必ずしも所期の成果を上げられなかったわけでございます。今、アフリカ開発会議を主宰されているわけでございますが、これに対する取り組みにつきまして、外務大臣の御決意をお聞きいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 大変大きな問題でございまして、森総理でしたか小渕総理でしたか、森総理でしたか、アフリカの問題解決なくして二十一世紀の安定と繁栄はないというふうなことをおっしゃって、その後ずっと支援をしておりますし、ことしの一月に森総理がたしかアフリカにいらしたと思います。 その後も、私どもが着任した四月二十六日以降もたくさんのアフリカからお客様がお見えになっていますし、本日やっています開発会議、TICAD、きょうこれから私も閉会のごあいさつをしに参りますんですけれども、やっぱり貧困、飢餓、感染症、農業、食糧問題、たくさんあって、きのうもアフリカのズマという女性の大臣が、私がレセプションでごあいさつをした後に率直におっしゃいました。私たちアフリカは貧しいと、本当に貧しいんだと。なぜそこまで率直かと言ったら、私が、マキコ・タナカが率直だから自分も言うんだと。二度お会いしたから、彼女もお互いに性格わかってきて言ったんでしょうけれども。その貧困によって今も紛争が、きのうお会いした、十カ国個別にお会いした中でも、もうあそことこことうちとけんかしてとか、そんな話も結構あって、大変な対立が国同士、また国内であります。 その中で、感染症によって私が存じ上げている、以前から知っている駐日大使も、二名もまだお若いのに亡くなっています。みんな聞くとエイズでありますとか、がんであるとかおっしゃっていまして、それほど感染症対策が厳しいということ。それから、気候風土というものにあると思いますし、今のお米の粉のことを申しましたけれども、食糧難、このことも極めて切実です。 ですから、クリントン政権あるいは森総理ということではなくて、もちろんそれは大事ですけれども、やはりそうしたことがけさの広中先生の御議論の中に私はあったと思うんですけれども、自分が何ができるかということ。今、目の前の自分のことだけではなくて、人のことをやることは結果的に自分たちの幸せや繁栄にもつながるのだ、繁栄というか少なくとも不幸にはならないと。情けは人のためならずと先ほどおっしゃいましたでしょうか、広中先生が。まさしくそういう気持ちにみんながなって取り組まなければいけないし、そうした私どもの援助がどれだけ喜ばれているかということを私どもが、また地方議員の皆様も、家庭においても語り継いでいくということによって日本の援助は真に生きるものになるし、底の深い、幅の広い生きたものになるというふうに感じます。
○福島啓史郎君 私は、きょうも在京のアメリカ公使にも申し上げたわけでございますが、九月十一日以降、要するにアメリカン・ウエー・オブ・ライフ・アンド・ビジネスというそうした路線、そうした戦略だけでは、世界の繁栄、平和が保たれなくなったと。 もう一つの戦略として飢餓の問題あるいは貧困の問題あるいは環境破壊から守る問題、そうしたことを大きな国際的な戦略として、アメリカあるいは日本またEU諸国、そうした国等がリーダーシップをとって打ち出さなければならないというふうに考えるわけでございますが、これについてはどうですか、外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 大賛成でございます。
○福島啓史郎君 外務大臣、予定があるようでございますので、ここで退席していただいて結構でございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) それでは、今おっしゃったアフリカの支援国会議に伺いますので、勝手ですが中座させていただきます。 ありがとうございました。
○福島啓史郎君 防衛庁長官にお聞きします。 国連PKOの武器使用基準と現行の二十四条また改正後の二十四条、それぞれの比較につきましてお聞きしたいと思います。 まず、人の防衛につきましては、国連PKO武器使用基準は、自己または他の要員、国連職員を含めまして自己または他の要員、それから他の国際機関の要員、それからNGO等を防衛対象としているのに対しまして、現行の二十四条は、今申し上げました自己または他の要員のうち、日本人のみと。他の国際機関の要員なり、あるいはNGO等は防衛対象外ということになっております。また、改正後の二十四条では、人の防衛につきまして、自己とともに現場に所在し、その職務を行うに伴い自己の管理のもとに入った者まで拡大しているわけでございます。 しかし、今回の二十四条の改正では、警護の問題はいわば落ちているわけでございます。対象外になっているわけでございます。特に、邦人のNGOあるいは文民警察あるいは選挙監視員、そういった方々の警護を自衛隊が行えるようにする必要があるというふうに考えるわけでございますが、お考えいかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回の法改正におきましても、例えば国連や要員派遣国の要人が視察等のために宿営地を訪れている場合において、また宿営地外においても視察等に自衛官が同行している場合に、その要人が自衛官とともに不測の攻撃を受けたときには、自己の管理のもとに入った者に該当して自衛官が武器を使用して防衛することがなり得るというふうに考えております。
○福島啓史郎君 一部の場合におきまして、特定の場合におきまして警護になり得るという御答弁なわけでございますが、これはまた後で、この警護の問題はまた法制的な面も含めましてお聞きしたいと思います。 それから次に、使用する武器の種類でございますが、PKO武器使用基準による使用する武器の種類と本法による使用する武器の種類につきまして、差はあるのかないのか。差があるとすればそれはなぜなのか。また、各国と共同活動をする場合に、我が国の自衛隊の使用する武器の種類が違っているというのは非常に各国と共同活動する上で不都合ではないかというふうに考えるわけですが、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 特に、法律において武器の種類の制限は設けておりませんが、この参加五原則のもとで具体的に任務の内容または現地の情勢等が異なるわけでありまして、それぞれの派遣に応じて種類と数量を決めるということになります。 また、PKF本体に参加する場合も、基本的には基本原則は変わるものでありませんで、それぞれの状況に応じて検討の上、武器の種類等を決定するということになるわけであります。
○福島啓史郎君 次に、PKO五原則との関係につきまして防衛庁長官にお聞きします。 今回の改正はPKO五原則の範囲内だということでよろしいわけでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この五原則が前提でございます。
○福島啓史郎君 国連PKOの武器使用基準で防衛対象とされているわけですが、今回の法改正では防衛対象となっていない人の警護、それから物の防衛、任務の防衛につきましては、PKO五原則と整合しないということで今回見送られたわけでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この三点と参加五原則の関係につきましては、いろいろと議論があるところでございまして、今後、国会における議論等、各党の論議等も踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 特に憲法論に波及しないというふうに考えられます、例えばPKO五原則の一項、二項、例えば東チモールのように統治主体が国連暫定機構しか、暫定統治機構しかないと。つまり、国がなくなっているというような場合に、解釈でやるという方法もあるのでしょうけれども、そこはいわば事態の変化に対応してPKO五原則、一項、二項の見直しが必要だというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては、先ほどほかの委員との議論もございましたが、今回の東チモールにつきましては、国連の統治機構が同意をした場合にはこの五原則を満たすという観点で派遣をするということで、この五原則の枠内であるというふうに考えております。
○福島啓史郎君 しかし、このPKO、この五原則では、特に二のところなんですが、「当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊への我が国の参加に同意していること。」ということで、既にこの東チモールの統治権というのは国連暫定統治機構が有しているわけでございまして、これを素直に読めば該当しないように思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 東チモールの場合には、これを正式に代表する政府はいまだ存在しておりません。安保理決議に基づいてUNTAETが同地域の統治に関する全般的な責任を付与されるとともに、立法、行政及び司法にかかわるすべての権限を与えられて暫定行政を行っておると、こういう状況であります。そういうことでありますので、UNTAETが東チモールを正式に代表する政府と同様の権限を有しておると考えられるわけであります。 したがって、今回、東チモール制憲議会議員選挙への選挙監視要員派遣に当たりましても、UNTAETの同意が法の要請する当該活動が行われる地域に属する国の同意に当たると、そういうような解釈をしているわけであります。
○福島啓史郎君 次に、このPKO五原則と憲法との関係につきまして内閣法制局長官にお聞きしたいと思います。 五項目あるわけでございますが、どの項目が憲法上の問題から来ているのか、あるいはどの項目が憲法上の問題ではなく、政策判断の問題として出てきているのか、この五項目につきまして内閣法制局長官の御意見をお伺いします。
○政府特別補佐人(津野修君) いわゆるPKO参加五原則でありますけれども、これは我が国が国連平和維持隊に参加するに当たって憲法で禁じられました武力の行使をするとの評価を受けることがないことを担保する意味で策定された国際平和協力法の重要な骨格であるというふうに考えておりまして、基本的に五原則のすべてが憲法との関係で必要とされていると言うことができると思います。
○福島啓史郎君 この五原則につきましては、武力行使を伴う派遣を避けるという観点から政府側が説明した平和維持軍への参加に関する原則として説明したもの、これが与党の幹事長、書記長会談におきまして法制化が合意されたというわけでございます、という経緯をたどっているわけでございます。 それで、これはもちろん当然のことながら、この武力行使を避けるということ、これを最大の主眼としてPKO五原則が成り立っているわけでございますが、このPKO五原則と憲法との関係につきまして、そこは全く同一なのか。つまり、憲法解釈上この五原則しかあり得ないのか、あるいはそれはこの解釈論なりあるいは事態の進展を踏まえればそこには変更する余地があるのかどうか、その点をお聞きします。
○政府特別補佐人(津野修君) PKOの参加五原則について憲法との関係で変更する余地があるのかどうかというような御議論でございますけれども、そこは私たち具体的にどういう内容であったらいいとか、そういうのは具体的に検討したことは今までございませんので、そういう意味でちょっとここで御答弁はちょっと差し控えたいと思います。
○福島啓史郎君 私の考えでは、五項目が即今の憲法の解釈とイコールではないというふうに考えるわけでございます。つまり、憲法の解釈の中で、現行憲法の解釈の中でこの五項目は変更し得るものだというふうに考えるわけでございます。特に、その中でも任務の防衛につきまして、これにつきまして政府の答弁といたしましては、我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為に該当するかどうか、これに該当する場合もあるし、該当しない場合もあると。該当すれば、それはまさに憲法に反するわけでございますが、該当しない場合にはそれは可能だというふうな解釈だと思うわけでございますが、これについてはいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) これは先ほどもほかの先生のときに御答弁いたしましたけれども、政府の見解といたしまして、武力の行使と武器の使用についてという平成三年九月の見解がございます。 そこの中で、武器の使用についてはいわゆる自己保存のための自然権的権利というべきもの、それに該当するようなものについては武力の行使に当たらないから、憲法九条一項の武力の行使に当たらないから、その部分については九条一項との関係で問題になることはなかろうというような見解を出しているわけでありますが、任務の遂行を実力で妨げる企てに対抗するための武器使用につきましては、先ほど言いましたような、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものの枠を超えた武器使用となることから、状況いかんによっては我が国による武力の行使に該当することがないとは言い切れないということでございまして、その点につきましては、憲法九条一項との、九条との関係をよく検討、慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
○福島啓史郎君 本件につきまして、九一年の十一月に工藤内閣法制局長官の答弁として、「「我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為」というものにその行為が該当するかどうかということをやはり個別の事例に照らして判断するということになろうと思います。すなわち、このような武器使用はその状況によっては憲法の禁ずる武力の行使に該当することも多いと存じますが、それに該当しない場合もあり得る」と。我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為というものにその行為が該当するかどうかは、その個別の事例に照らして判断すべきというふうに考えているという、失礼しました、これは九八年の秋山法制局第一部長の答弁でございます。 そういうふうに、任務の防衛、それ自体が憲法に反するということではなくて、その任務の防衛の内容がまさに戦闘行為、我が国の物的、人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為に該当するかどうかというところにあるというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(津野修君) 先ほど御答弁いたしましたように、該当のところだけ言いますと、状況いかんによっては我が国による武力の行使に該当することがないとは言い切れないというふうに御答弁させていただいているわけでありまして、すべてが、その任務遂行を実力で妨げる企てに対抗するための武器使用のおよそすべてが、全部が憲法上問題になるというふうには言っておりません。
○福島啓史郎君 防衛庁長官にお聞きしますが、今の内閣法制局長官の答弁を踏まえて、今後、このPKO五原則、特にこの国連PKOの武器使用基準にできるだけ合わせていくという方向での検討をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今の政府答弁にもありますように、任務の達成を実力をもって阻止するような企て、これに対して武器の使用をするということがすべて武力行使に当たるとは考えていないということでございまして、今後、各政党、また与党等の御議論はもとより、民主党、自由党、また共産党、社民党含めまして、それぞれの政党の御議論を踏まえまして必要に応じて検討してまいりたいというふうに思っております。
○福島啓史郎君 ぜひ検討をお願いしたいと思います。 次に、内閣官房長官にお聞きいたします。 国連PKOの我が国にとっての意義につきまして改めてお聞きしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 国連PKOは、これまでも国際の平和と安全を維持するために重要な役割を果たしてきたところでございまして、このような国連を中心とした国際平和のための努力に対しまして人的な面で積極的な協力を行うということが我が国の国際的地位と責任に相ふさわしい協力のあり方であると、このように考えております。 我が国としても、今後ともこれまでの活動の経験を踏まえつつ、国連平和維持活動に積極的に参加していくように一層努力してまいりたいと思っております。
○福島啓史郎君 私は、今官房長官の答弁にもあったわけでございますが、国際社会において相当の地位を占めるに至った日本が、その責務としてこのPKOの深化の状況に応じまして国際水準のPKO活動をやっていくと。しかし、当然のことながらそれは憲法との整合性を図りつつやっていくということにあるのではないかと思うわけでございます。 それにあわせまして、さっき官房長官おられなかったときにもちょっと申し上げたわけでございますが、PKOにつきましては戦略を持ってやらなければならないと思うわけでございます。アメリカあるいはカナダあるいは欧州、ロシアあるいは途上国、それぞれ戦略を持ってやっているわけでございます。 例えば、アメリカは、これが戦略と言えるかどうかはわかりませんけれども、PKOには余り関心がない。多国籍軍あるいはそうした軍事活動に重点を置いている。その方が機動的だということ、また意思決定が容易だということもあるんでしょう。また、他方、欧州は、このヨーロッパあるいはNATOの地域、さらにはヨーロッパの権益と考えられるところを重点にPKOに対しまして熱心に取り組んでいる。また、カナダはいわば初動活動といいますか、について非常に熱心に取り組んでいるというなど、それぞれ特色を持っているわけでございます。 それで、我が国としての戦略としては、まずは第一に考えなければならないことは地政学的に重要な地域、アジアなりあるいは中近東だろうと思うわけでございますが、そうした地政学的に重要な地域を重点的にやっていくということが一つと、もう一つは日本が得意な分野、これは医療もありますしまた道路等の施設の整備もありますし、先ほど来議論のありました地雷の除去等もあるわけでございます。そうした地政学的に重要な地域を重点にする、また、日本の得意な分野を重点的にやっていくというようなことを、そうした戦略が必要だと思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 委員のおっしゃるとおり、このPKO、同じPKOではありますけれども、国によって取り組み方が若干違う、また考え方も基本的に違っているというようなことはあるかもしれませんけれども、とどのつまりは国際社会の安定ということを目指しているものだというように思っております。 そこで、地域的に力を入れたらばよろしいかどうかとかいう、そういうことについてはこれは外交政策との関連もございますので一概には申し上げることはできませんけれども、今までは我が国のPKO活動というのは極めて限定的だった、それは今回改正をしていただくその前の段階においては、これは活動の中身が限定的だったということもございまして、余り地域を選んだり、それから仕事の中身を選ぶというようなことはできなかった。その結果、今の現在のPKO活動というのは国際社会の中においても非常に小さな部分しか占めなかった、こういうことがあったわけでございます。 幸いにして、今回この法律が通りますれば、活動範囲はかなり広がるというように思っておりますので、そういう意味においては今委員のおっしゃるような地域の戦闘、活動内容の選定といったようなこともかなり日本国の考え方というものを押し出すことができるようになるかもしれぬと、こんなふうに考えております。
○福島啓史郎君 内閣官房長官にお聞きしますけれども、このPKO、国連PKOにつきましては一九四八年以降五十三年の歴史があるわけでございますね。その間、大きな流れがあるわけでございますが、この流れについてはどういうふうに把握しておられますか。
○国務大臣(福田康夫君) 国際社会も変わってまいりました。そして、紛争の原因と申しますか状況というものも変わってきたと、こういう中でもう一つはPKOがさらに円熟してきたと、こういうふうにも言ってもいいんじゃないかと思いますけれども、今までの任務というのはどちらかというと停戦、それから撤退の監視とかいったような一応伝統的PKOと、こういうふうに申しておりますけれども、そういうものに加えまして昨今は選挙とか文民警察、人権、難民帰還支援から行政事務や復興開発までと、こんなふうに非常に活動内容が多岐にわたってきたと、こういうことが言えると思っております。
○福島啓史郎君 今回の法案の改正理由の中で、これまでの国連平和協力業務の実施の経験等を踏まえて改正を提出したということが言われているわけでございますが、どういう点を踏まえて提案されたのか、内閣官房長官にお聞きします。
○国務大臣(福田康夫君) 過去六回、その内訳、平和維持活動が三回、人道的な国際救援活動が三回にわたって平和協力業務を実施して実績を積み上げてきたわけであります。そのような経験から今回の改正をお願いをしている、こういうことであります。 その中、どういうことをしてきたか。例えば、カンボジア、ゴラン高原、それからザイールに派遣した自衛隊の部隊は、人員の輸送や各種の連絡調整など、幅広い場面において他国のPKO要員や国連職員、NGOと同一の場所で活動することが少なくなかったところでございますが、この経験が今回の武器使用にかかわる防衛対象の拡大につながったものであると、こういうふうに思っております。 また、武器等の防護の必要性については、自衛隊の派遣を通じて、実際に窃盗グループのようなものが自衛隊の通信機材などを盗むといったような事態が生じたことがございますが、こうした窃盗グループに対して、武器による威嚇等を行ったとしても事態を混乱させるようなことにはならないと考えていること、そしてまた武器等の破壊、奪取を看過すること、見過ごすということによりまして、隊員の緊急事態への対応能力の低下とか治安の悪化につながることも想定されるというようなことで、そういうことが認識された結果、またこういう事態を踏まえて自衛隊法九十五条を適用するということにしたわけであります。 それからまた、PKF本体業務の凍結解除につきましては、過去十三回の派遣の実績を踏まえまして、我が国が国際連合を中心とした国際平和のための努力に積極的に貢献することについて内外で期待が高まってきているということでございます。 その期待の高まりの一例としては、「二十一世紀 日本人の意識」、これは全国世論調査、読売新聞社が実施したもので、平成十三年十月実施でございますけれども、あなたは今後このPKF本体業務の凍結を解除して日本も国連平和維持隊の活動に参加する方がよいと思いますかという問いに対して、参加する方がよいと答えた人が四四・四%、参加しない方がよいと答えた人が二五・八%ということでもって、参加が相当上回ったという調査結果も、これも過去のさまざまな体験についてそれなりの評価をして、また理解もしていただいているものであると、こんなふうに思っております。
○福島啓史郎君 今まで十三事案につきましてPKOを我が国は実施しているわけでございますが、その間に三つばかり事件といいますか問題が起きておるわけでございます。 一つは、カンボジアに文民警察官として派遣された高田警視が、当時警部補でございますが、高田警視が殉職をされたということ。また、同じカンボジアでございますが、このカンボジアに派遣された自衛隊が、選挙期間中、投票所を巡回をしたと。これは必要に迫られて巡回をしたということ。これは施設大隊でございますから、本来は道路等の施設を敷設することが主たる任務だと思うわけでございますが、投票所を巡回したということ。さらに、ザイールでルワンダの難民の救援活動を行っていました自衛隊が、難民に襲われた日本人NGOを救出したという事件もあるわけでございます。 これらの三つの事件といいますか、につきましては、今回の法改正によっていずれも避け得るのかどうか、これは官房長官あるいは防衛庁長官でしょうか。防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) まず、カンボジアにおいて文民警察の高田警視が亡くなられたということは本当にお気の毒でありまして、心から哀悼の意を表しなければなりませんし、この教訓は生かしていかなければならないと思います。 そういう観点でいいますと、警護任務がまだ付与されておりませんので、このような文民警察業務を安全にできるかといえば、今後の検討課題でありまして、完全に実施するような状態にはまだなっていないというふうに思っております。 また、カンボジアのNGO等で、部隊の目と鼻の先で勤務をしている日本人のボランティアで何かあったときに、果たして現地の自衛官や部隊が批判にさらされないであろうかと。任務がないからいたしませんということで本当に日本の国内で許されるのかといいますと、やはりこういう点も非常に難しい問題でありますけれども検討していただいて、今後の対応をしていただきたいというふうに思っております。 また、NGOを救出したものも、この救出任務というのもございません。あくまでも現地の指揮官が判断をして、やはり現地の状況で人の命を救うという観点で実施したわけでございますが、こういう観点におきましてもさらなる検討が必要であるというふうに思っておりまして、根本的にこの問題が解決されたというふうには思っておりません。
○福島啓史郎君 最後に、内閣官房長官にお聞きするわけでございますが、先ほど国連のPKO自体も深化している、と同時に我が国のPKO活動も深化しているわけでございます。ですから、国際社会において相当の地位を占める我が国の責務として国際水準のPKO活動をやっていく、その際には憲法との整合性を図っていくという観点から、我が国のPKO戦略を樹立して、人の警護、あるいは任務の防衛、あるいは物の防衛など、国際水準のPKO活動をできるようにさらなる本法の改正を検討し、有効、的確にPKOを行うべきであるというふうに考えるわけでございますが、お考えをお聞かせ願います。
○国務大臣(福田康夫君) 今まさに国際平和協力法の改正をお願いしておるところでございまして、今現在、この問題についてさらに改正をするとかいうようなことを考えているわけではございませんけれども、将来のことについては、このPKO活動の実態、それからその実態を見ながら国会などで御議論もしていただくわけでございますけれども、そういう議論も踏まえながら必要な検討をさらに続けていくということはしていかなければいけないと思っております。
○福島啓史郎君 以上で終わります。
○委員長(武見敬三君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会