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151回国会参議院2001/03/19

予算委員会 第10号

発言数
440
登壇者
40
会派数
8
開催日
2001/03/19

会議録

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事一名が欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたい、かように存じますが、御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に照屋寛徳君を指名いたします。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 平成十三年度総予算三案の審査の委嘱についてお諮りをいたします。  本件については、理事会において協議の結果、次のとおり決定をいたしました。  一、審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりといたします。  一、審査を委嘱する期間は、常任委員会については、これを三月二十二日の一日間、特別委員会については、これを三月二十三日午前の半日間とする。  以上でございます。  ただいま御報告申し上げましたとおり御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  平成十三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁藤原作彌君を参考人として出席を求めたい、かように存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 平成十三年度総予算三案についての理事会決定事項について報告いたします。  本日の質疑の割り当て時間は百三十四分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党・保守党四十分、民主党・新緑風会四十二分、公明党十七分、日本共産党十七分、社会民主党・護憲連合十分、無所属の会四分、自由党四分とすること、質疑順位につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりであります。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。まず、野沢太三君、どうぞ。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 自民党の野沢でございます。  このたび、与党三党がこの九日の日に緊急経済対策を政府に提案をいたしまして、これに基づきまして十五日には緊急経済対策本部が設置をされまして、これを進めようと、こういう運びになったわけでございますが、現在の厳しい経済状況を脱するためには、目下審議中のこの平成十三年度予算を一日も早く成立させることが何よりも大事と考えております。  しかしながら、あわせまして、不良債権の処理であるとか金融緩和施策が急務であると考えられるわけでございますが、政府は十六日の月例経済報告の中で、デフレについて改めて持続的な物価下落と定義づけをされまして、現在の日本経済の状況は緩やかなデフレの中にあると認定をされたわけでございますが、二年続けて物価水準が下がるという事態は戦後初めてと言われておるわけでございます。  戦後の経済政策に長く携わってこられました宮澤財務大臣におかれましては、このたびのデフレがどのような要因によってもたらされたか、どうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。最初にまず緊急経済対策に対する評価と取り組みを伺い、次いでデフレ要因についてのお話をお尋ねしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと時間がかかりますのでお許しいただきとう、なるべく簡単に申し上げます。  三月九日の緊急対策については幾つかのポイントがございますが、一つは、おっしゃいますように不良債権の処理でございます。次は、いろいろ銀行の持ち株等々の問題に関しまして、株式についてどのような対策が可能であるかという点。それから、日本銀行の金融政策について要望の点。さらに、都市再生につきまして、都市再生本部とでも申すべきものをつくって、従来置いてあります土地について政府がもっと積極的に、いわばディベロッパーのような役割、整備をしました後、これを民間に開放するというようなことを考えるべきではないか等々の問題がございました。  なお、証券市場等々につきましては、将来、我が国の個人の資産運用がもっと預金でなくエクイティーキャピタルに向けられるべきであるという問題意識のもとに、将来についてのやや中期的な対策が必要であろう、それには税制の問題もあるといったような問題の指摘がございました。  それから次に、デフレの問題でございますが、戦後初めて二年連続で総合消費者物価が下落いたしました。平成十一年〇・三%、十二年〇・七%のおのおの下落でございます。ところで、戦後に我が国で物価が二年続いて下がりましたことは初めてでございます。一年限り下がったという年にいたしましても、昭和二十五年、これはドッジラインのさなか、それから昭和三十年、昭和三十三年、平成七年、四回でございます。二年続いて下がりましたのは初めてでございます。  なぜそういう状況になったかということは、大変私どもも十分お答えのできない問題でございますが、一つは需要面におきまして、御承知のようなことで家計の収入がなかなかふえない、あるいは限界消費性向が上昇しない、このもとの原因は今御存じでございますから省きますが、そういう状態がなお続いている。やがて変わるとは思いますが、それが需要側の原因と思います。  供給側の原因はいろいろあろうと思いますが、やはり一つは、いわゆる中小企業等々がリストラを十分に行うべくしてなかなか行い得ないという、古いものを抱いていってやはり生産を続けなきゃならないという問題があると思いますが、他方で、だんだん流通機構が、殊に海外で安い生産を行うことができる結果、流通機構そのものが短縮化されておる。そうすると、その間に生じました所得は全部なくなる、そういう機構は要らなくなるという意味で価格下落の要因になる。これはユニクロと称するものがよく例に出されますが、そういったようなことの需要側、供給側の総合的な効果ではないかと。しかし、政府も十分これはお答えをするだけの分析をいたしておりませんけれども、そういうふうに考えます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 お話のような要因がいろいろ重なっておるかと思いますが、結局、これを一つ一つ解決する以外に問題の打開はないと思いますが、アメリカからの要因というようなものはこれはもう世界じゅう同じ条件ですから、やっぱり日本に特有な問題についてしっかり対応することがこの際非常に重要かと思うわけでございます。  逐次この緊急経済対策の項目に沿いまして幾つか御質問を申し上げたいと思いますが、まずその前に、いわゆるQEの早期化についてお尋ねをいたしたいと思います。  景気の判断にはいろんな指標が用いられておりますけれども、この中でも四半期国民所得統計、いわゆるクイックエスティメートについてはよく使われておるわけでございます。しかし、現在の日本ではこの四半期終了後の二カ月半後に公表されておりまして、これも私、二年ほど前に堺屋前長官が御就任のもう間もなくだったころ、三カ月というのを何とか早くならぬかということで二カ月半に短縮していただいたという経緯があるわけでございますが、まだこれでも経済の実勢から大分おくれてくるということで、何とかこの辺で改善して、英米がやっているような一カ月、二カ月、三カ月というような速報を出して順次修正をするというような形にならないものかどうか。  ひとつこれについては、麻生大臣がお出かけでございます、どうぞよろしくお願いします。

坂井隆憲自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(坂井隆憲君) 麻生大臣が海外出張中ですのでかわりに答弁させていただきますが、ただいま先生の御指摘のQEの早期化の問題でございます。  現行のQEは、推計に用いている基礎統計の公表時期の関係から、当該四半期終了後二カ月と十日程度後に公表しているというのが実態でございます。先生御指摘のとおりでございますが、早期化に向けたこれまでの取り組みとしては、QEより一カ月程度早期に作成可能な値を暫定値として推計してきました。しかしながら、暫定値とQEとでは基礎統計が異なりますので開差が大きいという問題があります。このため、暫定値の公表自体はQEと同時に行うといういわゆる試行段階にとどまっているというのが実態でございます。  こうした経緯、さらに経済財政諮問会議でも統計の早期化をということが御指摘ありましたので、こういう御指摘を踏まえて公表の早期化に向けて新たな推計方法の検討に今着手しているところでございますので、先生の御趣旨に沿って一生懸命努力していきたいと思います。  よろしくお願いします。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 早くすれば精度が落ちることはやむを得ないんですが、その辺は十分承知の上で使っていただく、そういうふうにすれば問題ないかと思いますが、何しろこの現状と数字のずれというものが政策判断の上で相当やはりこれは響くんじゃないかと思いますので、なるべく早くひとつ実現方をお願いしたいと思います。  そこで、問題のこの不良債権でございますが、今日の不況の原因が不良債権の処理が進んでいないということに大きく起因していると言われておるわけでございますが、柳澤金融大臣におかれましてはこの問題の処理に当たって、これまで間接償却というものを主体にやってきたものからやはり直接償却を思い切ってやらなきゃいかぬじゃないかと、こういうことで果断な御提言をなさっておるわけでございますが、これには相当な痛みも伴うことはもう間違いないわけでございますが、この点につきまして、与党のこの対応策の評価並びに取り組みについてひとつお伺いをいたしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま先生御指摘のように、不良債権の処理というのは、一九九八年、平成十年に国会を中心に新しい制度をつくっていただきまして、私どもその運用によって鋭意これを進めてきたというところでございます。  不良債権の処理という場合に、なかなかこれ、国民の皆さんにひとしく御理解をいただくということが難しい面があります。会計技術的な問題が絡んでおりますので難しいんですけれども、金融機関だけのことを考えますと、不良債権の処理というのは、金融機関が一方的に債権を評価して、それを保全するために担保をいただいたり引き当てをしたりというようなことで済ますことができます。  健全性の維持のためにはそれである意味で十分だということになるわけですけれども、しかし、私、再度このお仕事を拝命して以後、こういう処理の仕方では二つ問題があるんではないか。一つは、金融機関の収益性ということを随分制約するという処理の仕方にとどまるんではないか。もう一つは、金融機関がそのような債務者あるいは債権の評価をして引き当てをしておくということになりますと、金融を積極的に当該債務者にするということ自体が制約されてしまう。そういう意味で、日本経済の再活性化ということに、これに支障が、制約が生じているんではないか、こういうような考え方をいたしまして、不良債権については間接処理にとどまらないで直接これをオフバランス化していくという努力が改めて必要になっているんじゃないか、このように考えたわけでございます。  オフバランス化ということになりますと、これは裁判所が、もう破産をしてしまいました、これ清算ですという形でのオフバランス化もあるわけでございますが、それ以外ですと、再建型の処理をするということになりますと、法的であれ私的であれ、どうしても貸出先企業との関係が生じて、その方々の努力もあって再建計画というものを確実性、信頼性を伴ってしっかりつくってもらうということが必要でありまして、したがってどうしても産業側、実体経済側の体制づくりということも必要だということになりまして、私どもそのような認識から、実体経済というか、実体の産業の側を所管しております国土交通省でありますとか、あるいは経済産業省というようなところに呼びかけさせていただいて、目下協議をしてこのスキームづくりに努めているという状況でございます。  今般、党側が緊急経済対策というものをおつくりになられて、その中に不良債権処理の問題について、同じような問題意識から、不良債権を企業の再生と債権放棄を一体的に行うという形で金融の側と実体経済の側が一体的な努力をしていくという観点から、いろいろな諸施策を具体的にも言及されておるわけでございます。  私、大変これはありがたいことだと、こう考えておりまして、特にその中には他省庁関連のこともありますので、これからこれをひとつ踏まえさせていただきまして、いろいろと他省庁とも協議をさせていただきまして、今申したような不良債権のオフバランス化、そのことによる日本経済の再活性化、この方向で努力をしていきたいと、このように考えております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 御指摘のとおり、銀行だけきれいになればいいというものではないわけですから、やはり実体経済とあわせて何としてもこの問題はしかしクリアしないことには日本経済の構造改革ができない、こういう問題であろうかと思います。  そこで、一つの提案として与党の方からは、民間ファンドを活用して銀行の持っております株式、持ち合い株等を買い上げて、これを一定期間凍結した後市場で処理したらどうか、こういう構想が出ているわけでございます。まことにこれも結構な案だとは思いますが、将来損失が発生したときの処理が問題になっているわけでございます。  過去には日銀が公的資金を投入したというケースもあるようですが、今回これをどのように対応されるか。宮澤大臣は前向きな公的資金の活用もあり得るとおっしゃっていただいておると思いますけれども、これにつきまして柳澤大臣と日銀からお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生御指摘のように、今回の与党三党による緊急経済対策の中には、金融機関が保有をいたしております株式につきまして民間ファンドによってこれを買い上げる機構を創設したらどうか、こういう提案が盛り込まれているわけでございます。  私どもも、金融機関の持っている株式について、これを一体どのように処理をしていくべきかというようなことについていろいろ考えておったわけでございますけれども、今回、与党からこういう御提案があったということでございます。  この御提案につきまして私ども早速に検討に入ったわけですけれども、いろいろな問題があるのではないかというふうに考えまして、私、先ほど先生御言及の緊急経済対策本部の席上、問題点の若干の点について触れた発言をさせていただいたわけですが、そういたしましたところ、宮澤財務大臣の方から、柳澤大臣の仕事というかその障害になるようなことについて私が助けてやれることがあれば助けてあげましょうと、こういうようなお話をいただいたということでございます。  いずれにせよ、この話はそもそも民間による機構の創設ということでございますので、民間がどのように考えるかということがまず大事でございまして、私ども、民間にどのようなことができるのかというようなことを今問いただしておるわけでございますが、そういう中で宮澤大臣のおっしゃったことも念頭に置いて考えていくということができると、こういう立場をいただいたということでございます。  いずれにせよ、とにかくどこかにためておくというようなことであると、これは金融機関が持っているのと大して市場に対する圧力というのは変わらないわけでございまして、要は、どういう仕組みとテンポでもって最終の投資家、最終のリスク負担者に持ってもらうかということを中心にして考えていかざるを得ないんではないか、私は個人的にはそんなことを考えておりまして、それをいかに今言ったようなタイミングでやっていくかということの中で、こういったものもどういう工夫があり得るかというようなことで考えていきたいと、こんなことを思っているわけでございます。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 日本銀行副総裁藤原参考人、どうぞこちらの席へお越しください。

藤原作彌日本銀行副総裁

○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。  御提案は私どもも承知しておりますけれども、この株式買い上げ機構の具体的な内容がまだわかりませんので、そういう意味でちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  しかし、あくまで一般論として申し上げますと、こうした機構が株式の需給や市場全体の効率性にどういう影響があるのかといった点をまず注意深く見る必要があると思います。それから同時に、こうした機構が株式下落が金融機関や金融システムに及ぼすリスクを削減するようなスキームになるのかどうかといった点も注意深く検討していく必要があるかと存じます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 今の株価が底値だとすれば将来はもう明るいわけでありますが、まだ下がるとなると今言ったリスクの問題も出てくるということで、これは税制の裏打ちも必要かと思いますので、今後政府も与党も両方で努力が必要な問題かと思いますが、大変評価をされる向きもありますので、これからしっかりとこれを育てる必要があろうかと思っておるわけでございます。  そこで、日銀へお伺いいたしますが、きょうは金融政策委員会開催中という中、格別にお越しをいただきましたことを大変ありがとうございました。的確にひとつお答えいただいてお願いしたいと思いますが、今ここで一番大事なことは、金融政策と政府の経済政策、これが両々相まって現在の不況を脱却できると、こういうふうに考えておられるわけでございますが、特にその中で金融緩和の方策として、量的な目標設定をしたらどうか、あるいは長期国債の買い切りをもっとふやしたらどうか、さらには、本日も話題になっておられるかと思いますが、ゼロ金利への回帰をやったらどうか、それからさらに踏み込んで物価安定の目標設定をしたらどうか、かような事柄が予想されており、期待されておるわけでございますが、これについてひとつまとめてお伺いしますので、よろしくお願いします。

藤原作彌日本銀行副総裁

○参考人(藤原作彌君) お答えいたします。  日銀の政策委員会では、金融政策運営上のさまざまな選択肢について真剣に検討を行っております。これまでの政策委員会で得られている結論は、例えばゼロ金利政策とか国債買い切りオペの増額といった政策につきましてはまず効果や副作用について十分検討が必要であるということ、そしてこうした政策に踏み込むかどうかは、つまるところ経済や物価の情勢判断の問題に帰するという点でございます。  日本銀行としましては、その時々の経済金融情勢を踏まえまして、中央銀行としてとり得るさまざまな選択肢の中から最も適切な政策運営を行っていく考えでございます。先生御存じのとおり、本日も朝から金融政策決定会合を開催しておりまして、現下の経済金融情勢について入念なフォローアップを現在行っている最中でございます。現在進行形なんですけれども、政策委員の間で十分に討議を尽くしまして、政策運営に誤りなきを期してまいりたいと考えております。  しかし、日本経済の持続的な回復を確実なものとしますには、金融システム面や経済産業面での構造改革が不可欠の条件でもございます。日本銀行としましては、各方面における構造改革に向けた取り組みが一層速やかに進展することを強く期待しているものです。  それから、物価目標についての御質問がございましたけれども、いわゆるインフレーションターゲティングは海外の一部の中央銀行でも既に採用しておりまして、金融政策に対する信認を確保する方法の一つであると存じます。また、先般の与党三党による緊急経済対策の中で、日本銀行は「物価安定の目標を明かにすべきである。」との要望が盛り込まれておりますことは承知しております。  しかし、物価目標何%という具体的な数字をもちまして数値化しますことは、需要、供給の両面が複雑に物価動向に影響を与えているという我が国の現状におきましてはちょっと難しい問題があるかと考えております。また、そういうような状況のもとでは、無理に数値目標を設けたとしましても、金融政策の透明性の向上に役立たない可能性も大きいわけです。ただ、物価の問題は非常に重要ですので、今後とも実際の金融経済情勢の変化を踏まえまして、引き続き検討していく方針でございます。  また、インフレターゲティングを採用していないからといって、物価動向に注意を払っていないというわけでは全然ございません。日本銀行としましては、物価の下落と景気後退の悪循環、いわゆるデフレスパイラルを防止するために、金融政策運営上、物価の動向には最大限の注意を払っておるつもりでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 日銀の独立性について私どもも十分わきまえているつもりですが、どうかひとつ適切な金融政策、そして第一の目的である物価安定ということで、これはどっちかというと上がる方を考えてつくった感じがあるんですが、下がる方もやっぱりこのように問題があるわけでございますので、今後の適切なる御判断を期待するところでございます。  会議中ということで伺っておりますが、どうぞ、これでお引き取りいただいて結構でございます。  引き続きまして、証券市場の活性化についてお伺いをいたしたいと思います。  既に与党三党としましては、証券市場の活性化につきまして中間報告という形で提言を出しておりまして、その中の一つに金庫株の解禁をしたらどうかと。  しかし、これについては、インサイダー取引等の問題点をしっかりと歯どめをかけた上で環境整備ができた形で踏み切らないとまた問題が起こるというふうにも指摘をされておりますが、これについての法務省の御見解を高村大臣よろしくお願いします。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 自己株を取得するあるいは保有する、それについての規制を緩和するということでございますけれども、今、委員御指摘のようにいろいろな弊害も考えられることでありますから、この弊害を防止する措置を十分考えた上で、経営の自由度を増すといいますか、経済構造改革のためにこの規制緩和を進めるということについては法務省としてもするべきことであると、こういうふうに考えているわけでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 少しでも有効な施策であればこの際やはりこだわらずに緩和していただく、かようなことで今後とも御努力をいただければ幸いと思います。必要があれば議員立法の形で出すということも選択肢の中には入っておりますので、その点は両々、政府、与党、力を合わせてひとつ具体化を図りたいと、かように考えております。  それからもう一つ大事なことは、個人株主の育成ということでございます。  千四百兆に余る金融資産がありながら、今株式市場には七%程度、百兆円程度しか流れ込んでいないという中で、何とかこれもう少しふやせないかと、こういうことで今回の緊急対策の中にも相当たくさんの項目を盛り込んでございます。これにつきまして財務大臣宮澤先生からの御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 以前から、我が国の個人の資産の運用の方法について、圧倒的にそれが銀行預金になっておりまして、エクイティーキャピタルは今、野沢委員がおっしゃった程度のことである、これはいかにも不自然ではないかという指摘がございました。また、その半面は、企業がいわゆる銀行融資に頼る、エクイティーキャピタルにしたがってより頼らずにということもまた、銀行がいろいろ変遷をいたしましたこともございまして、それもまた問題ではないかという両面から、例えば最近ドイツがやりましたようなことを参考にして、我が国もこの際、多少時間がかかっても個人の資産運用がもっとエクイティーキャピタルに向かうようにすべきではないかという議論が相当広く世の中でなされるようになりまして、三党も、したがいましてこの点を取り上げまして、当面の株の問題と、一応少し中長期の問題としてやはり考えるべきであるというそのことは、場合によっては税制にも及び得る可能性のある問題であるといったような問題として取り上げられつつございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 アメリカなんかは、預貯金というのは一〇%程度というふうに伺っておりますが、我が国ではもう半分以上がそういったところで眠っていると言ってもいいくらいの状況にあるわけでございますので、何としてもこういったものを、生きたお金ということで市場に出てきてもらうような施策を講じなければならぬと思いますが、特に税制の裏打ちが大事ということで、我が党も、年一回暮れにやるだけの税調ではこれはぐあいが悪いなということで、これも早く開いてこの状況に対応すべきだ、こういう声が高まっておりますので、ひとつあわせましてこれも工夫を凝らしてまいりたいと、かように思っております。  それから、もう一つ大事なテーマとして郵貯の運用資金の株式市場への導入はどうかと、こういうことで、これも多くの方が指摘をされております。大量に定額貯金の満期も迎えるわけでございますが、株式市場が魅力的であればそれらの流入も考えられるわけでございまして、財投改革の運用とあわせて郵貯の活用という点で御意見を伺いたいと思いますが。

小坂憲次自由民主党総務副大臣

○副大臣(小坂憲次君) 野沢委員御指摘のように、与党三党の緊急経済対策の中の証券市場活性化対策の一環といたしまして、「郵便貯金等の資金を運用基準の範囲内において、健全性に配意しつつ有効かつ適切に国内株式に運用する。」旨指摘をされているところでございます。郵便貯金の資金の運用につきましては、事業の健全経営を確保する目的から、また同時に預金者の利益の向上を図ることを目的といたしまして、確実で有利な方法で行うことを方針といたしております。運用計画に従いまして、市場において国内債を中心に運用するとともに、株式については補完的に民間への委託運用により運用をしてまいる計画でございます。  このように、郵貯資金を市場において運用することによりまして、結果として証券市場の活性化に資するものと認識をいたしております。しかしながら、この郵便貯金資金を株価維持のために用いることは考えておりませんが、市場の活性化のために、ただいま申し上げましたような計画に従いまして運用してまいりたいと考えております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 やはり長年培ってきた郵貯の信用というものは、これは物すごくこの場合でも大きいと思うわけですが、その意味で私どもは、株式市場も心配ないんだということで各方面から信用の積み上げ、補強というものをすることがこの際非常に重要かと思いますが、総務省におかれましても一層の御工夫をお願いいたしたいと思います。  一応全体としての総論はそんなところになりますが、これから具体的にそれではどんなことをしたら景気に資する仕事があるかと。今事柄自身がもう出尽くしてきているというような面も一部ありますけれども、よく見るとなかなか大事な課題が積み残しになったり忘れられているということもあろうかと思います。  今度の与党の提案の中でも幾つかございますが、その意味でまず第一にひとつお願いしたいのは、先日、白川英樹博士、ノーベル賞の先生ですが、この方をお招きして党の方でお話を伺いましたところ、第一次科学技術基本計画で大学の研究施設等の改善をやったということですが、これが一割そこそこしかできていないという御指摘を先生はしておられる。これは私も愕然としまして、相当やったつもりで、実は補正でもつけたりなにしたりという覚えがありますけれども、結果的には大変まだこれが積み残しになっている。こういうことでございますが、いよいよ第二次の二十四兆計画というのもあるわけでございますが、どんなふうに取り組まれておるか、実態と今後の取り組みについて文部科学大臣からお話を聞きたいと思います。

町村信孝自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(町村信孝君) 野沢委員にお答え申し上げます。  第一期の科学技術基本計画、平成八年から今年度末まででございますけれども、この五カ年におきまして補正予算等々、当初予算に比して大分ふやしていただきました。それでもトータルとしては事業量約三百十万平米、事業費約一兆六百五十億円という実績でございました。  しかし、今、委員御指摘のように、五年たてばやっぱりその間にまた施設も老朽化いたしますし、また今、大学院の強化ということをやっておりまして、大学院生の数もかなりふえてきているといったようなことなどを踏まえまして、今月末に予定をしております次の科学技術基本計画、第二期でございますが、今後整備が必要な約一千百万平米、このうち緊急に整備が必要なものを重点的、計画的に実施していこうということで、この一千百万平米のうちどのくらいやるか今鋭意作業を行っているところでございますけれども、今度の次期科学技術基本計画の閣議決定を踏まえまして、できるだけ早くこの計画を策定して皆さん方の御期待にこたえていきたいし、またそうすることは、あわせて国内の需要喚起にも経済的な側面からもまたプラス効果があるのであろうと、このように理解をしているところでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 公共事業の見直しなどが言われる中で、こういったものに対する投資こそまさに将来に対する最も有効適切なこれは投資につながるんじゃないかと、かように思います。手から口という言葉もございますが、私はもう今は頭から口へという時代だろうと思いますが、その意味で日本の優秀な頭脳グループが外国へ行ってしまうとか、あるいは逆に外国から日本へ来たらいい研究ができるとか、そういった側面にぜひともこの際光を当てて力を入れて要求され、また財務省におかれてはこたえていただきたいと、かように思うわけでございます。  そこで、今度もう一つ、どうも積み残しじゃないかという問題があるんですが、先般、広島とか名古屋に集中豪雨が起こっておりますが、ここで何人かの方が亡くなったりしておるんですけれども、同報系の無線体系、いわゆる防災無線でございますね、これが意外に進んでいない。私もう十年前からこの問題についてもっとやったらどうだということを申し上げているんですが、現在のところ、まだ六三%程度というふうに伺っておるわけでございます。一カ所当たり見ても一億前後のお金でできるわけでありますから、もうこれこそまさにここ一、二年で緊急にやってしまっていい問題であると、こう思うわけでございますが、これにつきましては総務省が御担当と聞いておりますが、どうぞよろしくお願いします。

小坂憲次自由民主党総務副大臣

○副大臣(小坂憲次君) 防災無線の普及の状況につきましては、平成十二年三月三十一日現在、市町村防災行政無線、同報系の整備率は御指摘のように六三・七%でございます。市町村防災行政無線の未整備の団体におきましては広報車等を活用して災害情報の伝達を行っているところでございまして、これまでも市町村の無線の整備促進を図るために、補助金、起債事業等の財政支援策を講じてきているところでございます。  具体的に申し上げますと、補助金につきましては、政令指定都市あるいは人口十万以上の市等につきまして、また上記以外の市町村におきましても補助率を三分の一ということにしておりましたが、今度補助率は、地震防災緊急事業五カ年計画に挙げている場合には二分の一としているところでございます。また、起債につきましても、緊急防災基盤整備事業、防災まちづくり事業、過疎対策事業債等におきまして積極的に支援をしてまいっているところでございまして、今御指摘のような趣旨に沿いまして、また防災行政無線の一層の整備促進を図られるように今後とも一層の努力をしてまいりたいと存じます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 防災無線が整備されますと、もちろん緊急のときに一斉に避難をする、三十六計逃げるにしかずという場面が一番課題ですが、毎日これを活用しまして、例えば私は足立区に今住んでいますが、夕方になりますと、午後五時になりました、外で遊んでいるお子さんはおうちに帰りましょう、こういう優しい呼びかけを毎日これ流しています。そのことによって回線のいわゆる点検もできる、それからコミュニティーといいますか、町の一つの雰囲気が非常に明るくなるわけであります。それから、選挙のときには投票に行きましょうという、こういう呼びかけもできる。  そんなわけで、いろんな面でこの同報系の無線というものは町づくりにも役に立つということでありますので、これ十年かかってもまだ半分そこそこというんじゃ、これはどうも納得できないので、ひとつしっかり対応していただくよう、二分の一になったのは結構だと思いますが、さらにその起債なりあるいは交付税措置なりと、こういったものも検討していただいて、命にかかわる問題ということで取り組んでいただければ幸いと思います。  そこで、今度は緊急経済対策の中で大きな課題の一つである都市再生本部についてお伺いしたいと思いますが、これ内閣に設置していただけるということでございますので、その意味でのどんな形になるか、一府十二省スタートしたばかりでありますけれども、どんな中にはめ込んで、どのくらいの力を持たせていただけるのか、まず官房長官にお伺いしまして、さらにはこれに関するやっぱり資金的な裏づけが大事と思いますので、財務省の副大臣にお伺いをしたいと思いますが、よろしくお願いします。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 委員の御指摘のとおりでございます。  緊急経済対策の中に都市問題というものがございます。都市の再生、土地の流動化対策、現在大変重要な政策課題になっております。また、そういうような課題に対応するために与党の対策においても内閣に都市再生本部を設置する、こういうことを記載されているわけであります。  これに対しまして、政府といたしましては、これについての検討を既に開始いたしておりまして、なるべく早い時期に結論を出して実行に移したいと、このように考えているところであります。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この間、こういうお話があります前に私どももちょっと調べておりまして、例えば住都公団などはこういう発想で一部仕事をして予算も配賦されておりますが、まだ予算の残りが少しあるようでございます。  それで、基本的な発想は、国土交通省の、旧建設省が当然中心になるわけでございますが、それをもう少し強化して内閣にその本部を置いて、そして結局、大都市であちこちにいろんな土地があって権利関係がなかなか調整できないとか、ディベロッパーにとっては道路であるとか下水道であるとかいろんな問題がございますから、そういう場合に政府が乗り出して、政府の責任においてそういう部分の処理を権利関係も含めましてやってしまったら土地の利用が可能になるし、またそれによって地価というものも矯正されてくるであろう、こういう発想でございますから、それは今、都市整備公団が例えばある一部の仕事をしていますけれども、それをもう少し格上げしてやるとなりますと、予算の不用分が今現にございますが、なお入り用であればそういう意味のあることには予算措置をしてもいいと私は思っております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 今、私、党の方の都市問題の対策協議会の事務局長という立場で仕事をしているんですが、都市問題で政府側をお呼びすると、大体少なくとも五、六人は出てきて、どこが担当しているのか、その問題の所在を確認するのがなかなか大変である、こういうこともしょっちゅうなわけです。ぜひひとつ、その意味で内閣にしっかりした組織をつくり、まさにこれはもう総理・総裁が直接トップダウンで陣頭指揮をする、こういう体制をとっていただかないとなかなか問題が進まない、その歯がゆさを毎回感じておるところでございます。  今回、この再生本部をつくっていただくということは大変その意味で都市住民にとっては明るい、こういう課題かと思うわけですが、まずその一つのテーマとして、都心居住を何とかひとつもう少し促進させたいと思うわけであります。御承知のとおり、この千代田区なんというのは夜になると四万人ちょっとしか住んでいない、ゴーストタウンになってしまうというような状況が依然として続いております。千代田、港あるいは中央あたりについては、これまで例えば容積率の割り増し等の形で都心に戻ってくださいということをやって、相当これも効果が上がってきたように思っております。  そんな意味で、都心居住をさらに進めるという意味で、国土交通大臣の所見、所感をお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、野沢先生がおっしゃいますように、東京が果たして住みやすい町か。  東京から離れていく人も多くありましたけれども、また東京に帰ってくる人がこのごろふえてきたと。お勤めするところになるべく近くにいて、そして往復一時間半、一日に三時間のロスがあるのは、家庭の友好のためには、あるいは家庭、家族のきずなのためにはよくないということでこっちへ回帰してくる、都心回帰ということもまた今現象が起こっております。  少なくとも都心に居住する皆さん方に、総合的に私たちは皆さん方の住まいというものの考え方を変えていかなければならない、またそれをお手伝いすることがいかに大事かということで、本来であれば、やはり先生がおっしゃっておりますように、都心ということを考えますと容積率の緩和ですとかあらゆる方法を考えるわけでございますけれども、職と住のバランスのとれた私は町づくりというものがいかに大切かということを考えておりまして、総合的に今回はそれらを推進するために賃貸住宅の供給を促進する、そういう意味におきましても、既存の公営住宅あるいは公団住宅の建てかえどきにそれを高層化する、そして高層化することによって民間の都心の居住住宅の事業への参加を多くする、そして民間活力を生かす、そういうことを私どもはしていこうと思って努力しておりますし、また今までもしております。  例えば例を挙げますと、御存じのとおり、私どもは供給方法を基本的な方針としまして、少なくとも三大都市圏におきましては十年間で百万戸でございます。それは、首都圏が五十万戸、近畿圏が三十七万戸、中部圏が十三万戸ということで、少なくとも都心の居住の基本的な住宅の宅地供給をしていこう、そういうことによっても私たちは手当てをしておりますし、今先生がおっしゃいますように、都心であればこそ建築の容積率の緩和というものも必要であるということで、例えば、先生が今おっしゃいました港区というお話が出ましたけれども、そこにありますアークヒルズというあの総合設計の中でも、本来であれば容積率が六三〇%でございました。けれども、総合的にすることによって七三九%に容積率を緩和するということも私たちはいたしております。  また、東京都と協力して今六本木の六丁目の開発ということもしておりますけれども、それも本来は容積率が三二二%でございましたけれども、これを六七六%にする。少なくともあれは十二・七ヘクタールという都心においては重要な空間でございますので、総合的な政策というものによって住とそして憩いの公園を入れたゆとりのある都市生活をしていただくように私どもも指導し、なおかつ民間とそして東京都と連携して推進しているところでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 昔の東京というのが割と住みやすかったというのは、賃貸しの住宅が割と豊富にあって、ライフサイクルに応じて住みかえが自由にいった、ところが最近はそれが非常に不自由でございます。過日の、もう使っておりませんが、全国を住みやすさということでランクをつけたときがございますが、そのときのファクターの中でも、住みかえがどのくらい自由にできるかということも大きなファクターになっていたと伺っておるわけでありますので、今の御指摘の全体としての高度利用、それからさらにはそれを賃貸しという形で流動化させていくということが大変住みやすい町につながるんじゃないか、かように思います。  そこで、もう一つ、政府もこれは力を入れてやっていただいておりますが、中心市街地の活性化ということで、もう全国にわたってプロジェクトがスタートしております。四百カ所前後の具体的な地域が指定を受け、あるいは名乗りを上げまして動いておりますが、これに対して、後からでございましたが、バリアフリー法案ができまして、駅とかその周辺の交通施設を中心にバリアフリーの町をあわせてつくれる、こういったものをいろいろ総合しまして取り組みますと結構楽しい町ができるんじゃないかと。大体歩いて十分前後のところであらかたの用事が足りる町をつくる、これこそまさに高齢化時代の新しい仕事ではないかと。まさに再発見、再開発、こういうことで、ぜひこれは力を入れていただきたいと思いますが、扇大臣、引き続きお願いしたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今のお話は、まさに二十一世紀型の住まいということでございまして、少子高齢化、特に世界一のスピードで高齢化が進む日本においてバリアフリー化というものがもう欠かせないという今の日本の現状を顧みまして、私どもとしましても、特に人の出入りの多いあるいは昇降率の多い都心部におきましてもぜひそれを実行していこうということで、バリアフリー化の有効な施策の一つであるということで私たちは多くの課題を挙げておりますけれども、もう先生御存じのとおり、交通バリアフリー法に基づきまして公共交通機関あるいは道路、そして駅前広場等のバリアフリー化、そしてなお、歩道や公園等におきます段差解消のためのバリアフリー化、そして、ハートビル法に基づきまして公共的建造物のバリアフリー化ということで私どももあらゆるところでのバリアフリー化を進めております。  御存じのとおり、先生も御熱心なように、私ども今までこの最低のバリアフリー化の基準というものをつくりました。そして、その基準によって、ここまでは最低ですよと、少なくともこれ以上にしなさいという基準をつくりまして、そして優良建築計画の認定件数もふやしました。  どれくらいかといいますと、その認定件数は千四百二十七件でございまして、私はそういう意味では、今後ますますこのバリアフリー化によって、また特に高齢者あるいは身体障害者の皆さんを優しくということで、ハートビル法を対象に、これハートビル法、十六項目ございますので、話していると長くなりますけれども、この十六項目にわたりますハートビル法を活用しながら、私たちはすべての皆さん方に優しい二十一世紀型のバリアフリー化にお金を投入し、なおかつ住みやすい町づくりを推進するために努力していきたいと思っております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 その基準も非常に大事だと思うんですが、地元が合意してお金の用意もしたというところであれば、いわゆる補欠入学も繰り上げ入学もできるというような弾力的運用をぜひお願いしたい、かように思っております。  それから、もう一つ大事なことが、この再生本部の仕事として土地の流動化ということが挙げられておるわけでございます。  これは、まず第一に、税制の面で例えば具体的には不動産取得税、登録免許税あるいは固定資産税等々の税制をなるべく緩和するということも大事ではないかと言われております。同時にまた、先ほどから言われております容積率の緩和とあわせて容積率移転問題というのが大事だと思います。  総合設計とか特定街区とかということで限られた範囲での移転は今まででもできておりますが、もう少し広い範囲で容積率の移転ができますと町づくりに相当効果が上がるかと思いますので、この点につきまして、税制については財務大臣、それから地方税ありますんで総務省から、それから最後に移転問題含めて扇大臣からお願いしたいと思います。

小坂憲次自由民主党総務副大臣

○副大臣(小坂憲次君) 国税につきましては財務大臣という御指名でございまして、また地方税につきまして総務大臣ということでございますので、まず地方税の方から御説明をさせていただきたいと存じます。  御指摘の不動産取得税につきましては、現行制度におきましても不動産の流通をできる限り阻害しないように、住宅につきましては最大千二百万円を課税標準から控除をいたしておりますし、また用地につきましても、最大二百平米分を税額から減額することによりまして都市部の平均的な住宅及び住宅用地が実質非課税となるような措置を講じております。また、商業地域等におきましても、商業地を含めまして課税標準を二分の一とする措置を講じておりますし、またさまざまな特例措置がこのように講じられているところでございます。  また、この不動産取得税は厳しい都道府県財政を支える主要税目となっておりますこと、また我が国の不動産に対する流通税の負担は国際的な水準から見まして必ずしも高くない、むしろ低いレベルにあるということでございまして、その軽減については慎重な対応が必要と思料しているところでございます。  しかしながら、委員御指摘のような立場を踏まえまして、現在御審議いただいております地方税法改正案におきましては、住宅そして住宅用地に係る税率を通常の四%から三%へ軽減する措置の三年間の延長をお願いいたしております。  また同時に、土地流動化の促進のために、SPCと呼ばれる、スペシャル・パーパス・カンパニーと申します特定目的会社や投資法人等によりまして、土地の取得につきまして、通常の圧縮後の課税標準をさらに三分の一にする大幅な軽減措置をとりましてこのような委員の御指摘のような目的に変えたい、このように考えておりまして、早期の成立を皆さんにお願いしているところでございます。  どうぞよろしくお願いいたします。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 従来から登録免許税のことは税制調査会でもいろいろ議論になっております。税収八千億を見ておりますものですから、これを軽減することによって果たしてどれだけ土地の流動化に貢献できるかということ、地価が引き続き下落しておりますこともありまして、いろいろ議論をいたしておりますが、なおこの問題を御指摘でございますから、引き続きよく検討をいたしてまいりたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、お二方から御答弁ございましたけれども、取得税等々の税の問題に関しましては、今後、緊急の経済対策の中で私は大きな意味を持つものであろうと思っておりますけれども、少なくとも、最後に先生がおっしゃいました特定区域等々の容積率というものから考えますと、私どもは、容積率の移転をするということでこれまた新しい都市づくりの私は意味があろうと思います。  そういう意味では、税のこととは別に、我々としては、国土交通省でございますので、少なくとも特定街区の制度に加えまして、平成十二年度都市計画法の改正におきまして、都心部等の、あるいは商業地域でございますとか離れた敷地でも容積率の移転が行えるという、これは大変私は有効な手だてだと思っておりますし、現実に今それがもう既に都心では起こっております。  先生も御承知のように、東京の中央区明石町の方では、容積率を移転してそして一括して新しいものをつくるというのができておりまして、私は、そういう意味では、地区の計画等におきまして、少なくとも地区内を複数の区域に分けて容積率の緩和を適用するということで、例を挙げますと、先生もう既にお目にとまっていると思いますけれども、中央区明石町の聖路加国際病院、あそこはこの容積率を移転した大きな一つでございまして、本来は四〇〇%であるというのをこれ五九〇%にいたしました。それによって景観も、そしてあいたところを緑にするという、大変私は、新しい都市づくりの、この容積率を移転するという方法によって多くの新しい計画が生まれてきておりますので、今後もこういうことはあらゆる地点でできる限り民間の皆さんに御利用いただくべきであろうと思っていますので、私も楽しみにしております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 どうかひとつ、山手線の内側とか、大阪でいえば環状線の中側とか、そういった地域であればどうぞ自由に動かしていいんだということになると相当思い切った町づくりができるんじゃないか、かように思っております。御一緒に努力をしたいと思っております。  それからもう一つ、ハードで景気をということもありますけれども、もう一つ大事なのがソフトの方で何とか力になれないかと。そこで、与党としては、「ゆとりある生活創造」という言い方でお願いをしておりますが、特に連続休暇の奨励ということで、これは各方面から声は既に出ております。  私ども勤めておりましたころは、二十日間ほどの有給休暇を半分もほとんど使わずに流していたという思いがありますが、現在でもどうも余り事情が変わっていないように思います。これをまとめてとるということで、例えば一週間、十日というようなことで休みがとれれば、相当国内外の旅行なりあるいはその他ボランティア活動なりあるいは家庭サービスなりということで潤いの出た生活ができるんじゃないか、消費も確実に伸びるかと思っております。  これにつきまして、厚生労働大臣のお考えを聞きたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 野沢先生御指摘のとおりでございまして、年間労働時間も千八百時間という目標を掲げておりますけれども、なかなかこれは達成ができておりません。有給休暇あたりもなかなかおとりいただいていないという現状でございますので、今御指摘いただきましたように、せめて一週間か十日、ヨーロッパ諸国のように一カ月単位というようなところまではなかなか行かないと思いますけれども、せめて中期的な休暇がとれるような体制を整えなければならないというふうに私たちも思っております。  そういう意味からは、企業の皆さん方に、中小企業も含めまして、やはりとれるような体制をお願い申し上げなければなりませんし、またそれに対する奨励策も考えているところでございます。  また、それだけではなくて、やはり中期的な休暇をおとりいただくということになりますと、その受け皿と申しますか、家の中でごろごろ寝ているだけではだめでございますから、やはり皆さん方が出かけていただけるような、例えば旅行なら旅行に行っていただけるような、そうしたことに対しましてどういうふうにこれからしていくかというようなことも考えなければならないのでしょうし、それから体をリフレッシュするというようなこともございます。  特に、ドイツあたりはクアハウスなんかも含めましてクア療法なども積極的に進めておりますが、積極的なそうした中で一週間なり十日なり、精神的だけじゃなくて、肉体的にもある程度そこで予防的なことも勉強もしながら、あるいはまた体の疲労もとりながらといったようなことを、そうしたことができるような体制というのもその中の一つではないかというふうに考えているわけでございます。  そういたしますと、またそこに雇用も生まれてまいりますし、非常に大きな経済効果も出てくるのではないか。有給休暇を伸ばすということ、それを中心にして、その周辺にどれだけそうしたことを広げることができるかということが大変大事ではないかというふうに考えている次第でございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 日本人は稼ぐ方、働く方は世界でも類を見ない実績を上げてきていますが、逆に、お金を使ったり時間を使ったり、あるいは遊んだりという、そういう点ではまことにまだおくれていると言わざるを得ない。外国の皆さんは日本人の生活をちっともうらやましくないと言うんですね。こんなゆとりのない暮らし方ではとてもまねができない。  もう少しその辺で考えたらどうかということで、昨年から私ども議員立法でお願いしまして、いわゆるハッピーマンデー、祝日連休化ということでやりましたところ、年二回だけとりあえずやったわけでありますが、多いときには八割増しくらいお客さんが出たというふうにも聞いています。余り変わらぬところもありますが、ハンバーガーが史上空前の売れ行きなんというおまけまでついたようでございますけれども、残念ながら前回は海の日、敬老の日が積み残しになっております。  この連休化の拡大につきまして、当時運輸省がやっておられましたので、国土交通大臣にひとつお考えをお聞かせいただければと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 野沢先生も一生懸命議員立法で昨年法案を通していただいて、今、先生がおっしゃいましたように、二日間で約八割の効果が上がったというふうにおっしゃいましたけれども、データを見てみますと、本当に、成人の日は二千六百六十億円、そして体育の日は五千四百九十四億円という実績が上がってまいりました。それだけ経済効果があったわけでございます。  そして、私どもは、ぜひこれにかてて加えて、ことしは海の日と敬老の日を何としても月曜日に指定していただければまた三連休で経済効果があるということで試算をさせていただきまして、試算なので恐縮ではございますけれども、海の日では三千五百八十六億円、そして敬老の日がもし休日に三連休していただきますと三千四百十二億円という指数が出ておりまして、合計では二日間で七千億円の経済効果があるだろうと。  まして、ちょうど両方の祝日を一緒にしていただきますと、私はより家庭のゆとりと、そして親子のきずなというものがこれによって図られるという、一挙何得にもなるというようなことが思われますので、ぜひ私もこれは実行させていただいて、今、先生が諸外国に比べてあくせく働いてゆとりがないとおっしゃいましたけれども、少しずつではありますけれども、外国のように、先生がおっしゃるように一カ月ということはとても日本人は勇気がありませんけれども、せめてこういうハッピーマンデーというのをふやしていただければ、私は経済的にも、なお家庭の心のきずなという点でも大きな効果があると思っていますので、ぜひこれは与野党を問わず、皆さん方と協力して実現に向けて御努力いただきたい、また私たちもさせていただきたいと思っております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 この件は元手の要らない投資でございますので、カレンダーの刷りかえだけがちょっと心配になりますが、そういう意味で、何としてもこれは早急に合意を得て進めたいものと思っております。  もう一つ大事な点が日本ではややおくれておりますが、それはマリンスポーツの振興でございまして、海洋国家といいながらも、例えばプレジャーボートの普及率で見ると欧米に比べて六分の一とか、国によっては十分の一くらいの差があるということで、日本はまだまだこれからそういった面での需要というものが相当眠っているのではないか、あるいは抑えられているのではないかと、かように思うわけでございます。  その原因の大きな一つは、マリーナがない。現在ございます約五十万台ほどの小型舟艇のうち三分の二ぐらいが放置艇ということで、置くところが必ずしもはっきりしないまま使われているという状況と伺っておるわけでございますが、これについてひとつ副大臣様にこれはお願いをいたしましょうか、よろしく。プロですから。

泉信也自由民主党・保守党国土交通副大臣

○副大臣(泉信也君) 今、委員御指摘のように、少し古いデータですが、平成八年のデータによりましても、いわゆる放置艇というのが七割ぐらいは放置された状態になっておるということでございます。本来でありますと、四海海に囲まれておりますので、もっとスポーツとしてのマリンレジャーが盛んになっていいというふうに私どもも考えているところでございます。  国土交通省としては、この放置艇問題にいかに対応していくかということが一つの課題でございまして、その前にマリーナを、あるいはマリーナに類するものをどうやって整備していくかということを今努めておるところでございます。いわゆる静穏水域を活用して簡易な係留施設をつくるボートパークでありますとか、財投資金を活用した民間マリーナの支援等をこれからも進めてまいりたいと思っておるところでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 これはそんなに大きな投資をしなくても、例えば漁業権にさわらずに使えるというふうにすると一気にふえてまいるのじゃないか、かように思います。その意味で、緊急経済対策にも取り上げられたこともございますから、ぜひひとつこれについては官民あわせて進めていただきたいものと思っております。  続きまして、鉄道の活用について少し言及いたしたいと思いますが、おかげさまでJRの完全民営化法案が今回閣議決定されて、国会に提出する予定になっておりますが、当初の民営化から数えますと、昭和六十二年四月からスタートしておりますので、十四年目ということになりました。当面、本州三社が会社法の適用を除外されまして民間会社と同様な姿になると、まことにおめでたい話でございます。  当初、分割・民営ということで、いわば八つ裂きになるのじゃないか、去るも地獄、残るも地獄というような雇用問題も予想された中で、結果としては立派な民営会社ができ、そしてまた去った方々もそれぞれの分野で立派に御活躍をしておられると大変安堵しておるわけでございますが、残りました千四十七人の方についても一応の先行きについてのめども立ってきた、ありがたいことでございます。  結果的に見ますと、このJRの誕生、いわゆる十四年前の三公社の民営化ということについては成功であったなと評価してよろしいんじゃないかと思うわけでございます。分割・民営はその意味で、私は今振り返れば民活分栄であったなと。民間の活力により分かれて栄えるという形をとったという意味で非常に意味がありまして、これから始まります大行革、少なくとも民営化に関する大きなモデルとして参考になっていくんじゃないかなと、かように思っているわけでございます。  そこで、このJRに関して、特に民営化をしたことによる効果はどんなことがあったか、大臣からひとつお伺いをいたしたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 野沢先生は国鉄マンでいらっしゃいますし、また工学博士でいらっしゃいますから、一番そのことについてはお詳しいし、また思いもひとしおであろうと私お察し申し上げております。  少なくとも我々は、この民営化ということに関しては、今、先生がおっしゃいましたように、今まで国鉄時代と言われるときには少なくとも約六千億円から七千億円の補助金を投入してきたわけです。ところが、これを民営化いたしまして、今現在、JR七社合計で千七百億円の法人税を支払うというまでに育ってまいりました。私はそのことは大きいと思います。  また、御存じのとおり、十三年間は営業黒字でございます。そして、十三年間は一度も運賃の値上げをしなかったと。これも私は大きな経営努力であり、国民に対する私は大きなサービスであったと思います。  そして、事故件数も大体四割ぐらい減少いたしました。これはやはり、JRの皆さん方の緊張感というものが私は大きく寄与して、皆さんが緊張しながらやってくださったからこの事故件数が四割減ということにつながったんだろうと思います。  そして、利用者の皆さんからも評価をされております。従業員の客に対するサービスがよくなったとか、あるいは駅や車両がきれいになったというようなことも言われておりますけれども、私は今後、皆さん方とともに、このJRの民営化というものの成果は今からが本番だと思っております。  よく私、女性の皆さん方の集まりで言うんですけれども、JRが民営化ってよくわからないと、皆さんそうおっしゃるんですね、細かいことはわからないとおっしゃるんで、私いつも、大変例えで悪いんですけれども、私は実家から嫁にやったとよく言うんです。ただ、実家の借金もしょって嫁に行ってくれたと。けれども、夫婦が努力して、もう既に一人前になりかけたから、そろそろ実家のしょった借金も返してきた。返したけれども、どうしてももう片親も亡くなって一人になったから、今度は片親を引き取って、そして整理して本当の一人前になろうとしているんだということを例えて言いますと、女性の、お母さん方が、ああ、そういうことなのなんて言ってわかってくださるんですけれども。  私は本当に、先生が今おっしゃいましたように、JRの民営化というものが日本の大きな決断であったと、また戦後の中での大きな事業転換の一つであったと認識しておりますので、今後この法案を皆さん方に、JR三社完全民営化という法案を出させていただきますけれども、営利に走り過ぎて赤字路線を切らないことというのを私は先日三社の社長に申し上げました。そういう意味では、真に国民に喜ばれるJRであるべきであるし、また皆さんと一緒に新たな出発点のJRが三社として完全民営化していくことを私は願っております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 そこで、完全民営化とはいいながらも、やはり国鉄からの引き継ぎ事項等もあって、指針が三つほどついておりますね。これの指針の持つ意義。それから、五兆円近い過大債務を抱えた会社もあるわけでありますので、そういったものに対する何らかの手当て等の対策。例えば、大規模修繕の積立金に対する免税措置その他、一応議論されておりますが、さらには三つの島、北海道、四国、九州と貨物会社がなかなか厳しいということが指摘されております。  これらをまとめてひとつ副大臣、よろしくお願いしたいと思います。

泉信也自由民主党・保守党国土交通副大臣

○副大臣(泉信也君) 今、大臣がお答えをいたしましたように、国土交通省といたしましては、いわゆる国鉄の民営化というものが成功をしておるという評価をさせていただいておるところでございます。しかしなお、完全民営化までにはもう一つクリアしなければならないハードルがございました。そこで、今国会に法案を提出させていただいております。  それは、また後日御審議をいただかなければなりませんが、いわゆる国鉄が今日まで歩んできた道、民営化に際して国民の多くの皆様方にお力添えをいただいた、そうしたことを踏まえて完全民営化の道を歩んでほしいというのが国土交通省の考え方でございまして、指針と言われますのは、いわゆる三社間の適切な協力でありますとか、あるいは現路線をむやみやたらに赤字だからということだけで切り離さない、また地域の中小企業の皆様方への配慮を大切にするようにという、いずれも国鉄改革に際して今日まで歩んできた経緯を踏まえての考え方で完全民営化への道を歩んでほしいと思っておるところでございます。  また、二つ目に、大きな債務を抱えておるという会社についてのお尋ねがございました。  JR東海については、いわゆる五兆円という債務を抱えていただいておるわけでございまして、JR東海は順調に債務を償還いたしておりますけれども、一般の株式会社ではいわゆる収入の五倍近い債務を抱えておるというのは大変珍しいことであって、今後の経営に危惧の念を抱いておられることも事実でございます。私ども国土交通省といたしましては、JR東海の主張に対しましても、税制を含む何らかの方策を関係各省と御相談をして考えていかなければならないと思っておりますが、いずれも具体的な制度につきましては、これからの検討にゆだねたいと思っておるところでございます。  最後にお尋ねになりました北海道、四国、九州、そしてJR貨物、このことにつきましては、完全民営化につきましては、当初、三島のJRについては十三年度というようなことも一時目標に掲げたことがございますが、現実的には諸般の事情によってそのことができなくなっております。これはまさに経済の状態がこのような状態でございますので、輸送需要が減退し、収入が減少しておりますこととか、低金利の長期化によります経営安定基金の果実の減少等がその三島の経営を苦しくしておるわけでございます。  国土交通省といたしましては、経営安定基金の運用益の確保あるいは固定資産税の軽減措置、各種助成制度の活用等の経営支援措置を講じているところでございますが、今後も各社が上場に向けて、具体的なスケジュールは未確定でございますが、一層努力をしてもらいますと同時に、国土交通省としましても、なおその支援策に努めてまいりたいと考えているところでございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 完全民営化が無事達成できますよう、よろしくお願いをいたします。  続きまして、新幹線について二、三お尋ねをしたいと思います。  昭和三十九年に東海道新幹線が開業してから三十六年間、およそ六十二億のお客様を運んで今日に至っております。整備新幹線ということで、現在法律に基づいての建設を進めておるわけでございますが、衆参両院におけるこれまでの予算審議の中で、まだまだ御理解が十分でないのではないかと、赤字でばらまきでというようなお話がございますが、そのようなことのないような仕組みに私どもはつくってきたはずでございます。  そこでお尋ねしますが、新幹線の実績というものがどんな面で特徴があるのか、そしてどの辺がこれから大事なのか、輸送量とか安全性、収支採算、あるいは環境対策等、これについて大臣ひとつ、一言お願いできますか。──じゃ、副大臣、よろしくお願いします。

泉信也自由民主党・保守党国土交通副大臣

○副大臣(泉信也君) 新幹線は、三十九年以来今日まで、国民生活に密着した活動の状態を続けておるところでございます。既に平成十一年度までに延べ六十億人を輸送するということになっておりますし、東北新幹線あるいは上越新幹線等の延伸がいかに地域の方々の経済活動、社会活動に貢献をしたかということは委員御承知のとおりでございます。  お尋ねのございました安全性につきましては、この六十億人を輸送させていただく過程でただ唯一、平成七年に三島駅で乗車しようとしました乗客がドアに指を挟まれ引きずられ死亡するという大変悲しい事故がございましたが、この一件だけでございまして、新幹線の安全性については、世界の多くの鉄道会社から驚異の目で見られるほど安全な輸送機関として評価をいただいておるわけでございます。  環境問題につきましては、一つの例で申し上げますと、旅客一人を一キロ運ぶというために排出するCO2の排出量を鉄道、新幹線を一〇〇といたしますと、航空機は五〇〇、自家用車は七五〇という数値が出ておるところでございまして、新幹線が地球環境にいかに影響の少ない優しい輸送機関であるかということは、こうしたことからも明らかになっておるところでございます。  また、新幹線のすぐれた点は、今申し上げました大量、安全、そして環境面にすぐれたということでございますが、いわゆる収支採算性につきましても今日までたびたび御議論を重ねていただき、例えば今回新たに着工いたします区間のJRの収支改善効果につきましては、北陸新幹線の上越—糸魚川及び新黒部—富山間では開業後十年経過した時点で約六十五億円、さらに費用対効果につきましては同区間の費用便益比が二・一三と試算をされますように、今日ではいわゆる整備新幹線の収支採算性につきましても厳密な計算をし、その収益性を確保した路線についてのみ着工をお認めいただいておるという状態でございます。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 新幹線が赤字が出ないようにということでいろいろ工夫したんですが、私どもはEUの鉄道政策を参考にしまして、これを上下分離方式ということでやれば心配ないんだということで整備新幹線は既にその方向で踏み切っておるわけでございます。これについてひとつ簡単に解説をいただきたいと思いますが、あわせて並行在来線が経営できるかどうかという課題もございますので、これと一緒にひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

泉信也自由民主党・保守党国土交通副大臣

○副大臣(泉信也君) 先生にあられましては、与党の新幹線問題の議論の中で常に新幹線のあり方について御議論をちょうだいしてまいったところでございます。  平成八年の政府与党合意に基づきましてそれまでの整備スキームを変更いたしまして、いわゆる上下分離方式という方式を採用させていただくことになりました。これによりまして、国と地方が二対一の割合で負担をして施設整備を行うスキームをとることになったわけでございます。施設整備に対してJRからは負担を求めないということが平成八年からの新しい整備制度でございます。この点がややまだ世間には誤解をなされておるように思われますが、JRには負担を求めない中で、国と地方の負担の中で新幹線を整備する上下分離の新しいスキームをつくらせていただいたわけでございます。したがいまして、JRは車両や運転要員等運行のために要する経費を賄えばよくなったわけでございまして、新幹線の整備がJRの経営を圧迫するという状態は、この新しいスキームによって避けられることになっておるわけでございます。  なお、もう少し申し上げますと、JRからは整備後、貸付料という形で、新幹線を整備した場合と整備しない場合の収支の改善効果の範囲内でこれに相当するものを徴収するスキームであることを申し添えさせていただきたいと思います。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 赤字が出ない仕組みに本来組みかえてあるということをひとつここでは強調しておきたいと思います。  時間が残り少なくなりましたが、三宅島対策についてここでお伺いしたいと思います。  今、全島三千八百人の方が避難をしておられます。問題はいつ帰れるかということでございまして、この間も被害の状況について総理みずから現場を視察していただきました。この被害状況並びに復旧の見通し、それから今後もし避難民に対して何らかの手当てをするという意味では特別立法が要るんじゃないかと、こういう考えもございます。また、SO2という大量の噴出ガスが出ておりますが、これがいつまで出るのかという意味で観測の強化が必要かと考えますが、その意味で伊吹防災担当大臣と気象庁にお伺いをいたしたいと思います。

伊吹文明自由民主党国家公安委員会委員長・防災担当大臣

○国務大臣(伊吹文明君) 先生がおっしゃったとおり、自然が相手でございますので、現在噴出しております有毒ガスがいつとまるかというところに最大のポイントがございます。けさも六時半過ぎに、今おさまったようですが、また噴火がございました。  それで、まず問題は二つあると思うんですが、噴火がとまったときに島民の方がすぐお帰りになれるようにすると。東京電力と東京都が中心になりまして電力とそれから道路の確保を、これは有毒ガスの噴出下ではありますけれども、風向きを見ながら今やっております。この二つについては確保ができておりますので、ガスがとまりましたらすぐに復旧工事に入れるという状況にはなっております。  ただ、そろそろ梅雨が参りますし、火山灰等の泥流でさらに被害が起こらないように今泥流の対策とそれから砂防ダムの、これは地権関係が非常に複雑なようでございますが、この準備をいたしております。この準備のためにできれば島民の方が雇用されて一時的に島へお帰りになれるように今関係省庁と話をいたしておるところです。  それから、もう一つ非常に大切なことは、この前、北区の集団疎開をしていらっしゃるところへ私は行ってお話を伺ってまいりましたが、そろそろ政府が支援をいたしております支援金と民間から寄せられた義援金が底をついてきている、それから失業保険がそろそろ切れてきている。自分たちは何とか働きたい、年金をもらっておられる方もやはり額に汗して働くことによって生きている生きがいを持ちたい、こういうお気持ちが非常に強うございます。  それで、これも関係省庁と今お話ししてハローワークその他で全力を挙げていただいておりますが、そのような中で、実は三宅島という島の中でつくられてきたよき慣習と申しますか、地域社会のコミュニティーとしての連帯感、こういうものがなくなっていくということが一番の問題でございますので心のケア等もお願いしているところです。  いずれにしても、この災害復旧と生活支援について森総理からも特別立法でという御指示もございました。ただ、今申し上げたとおり、どのような状態で今帰れるかが自然が相手でございますのでわかりません。そこで、阪神・淡路大震災のことも念頭に置きながら、従来の方策ではこれはとても復旧作業ができませんので、今関係省庁で事務的に詰めておるところでございます。  三宅島の村議会からもいろんな要望を承っておりますので、先生の御趣旨に沿って対応させていただきたいと思っております。

山本孝二気象庁長官

○政府参考人(山本孝二君) お答えいたします。  現在、三宅島で観測されております二酸化硫黄等の火山ガスでございますが、これは地下のマグマが発泡して分離して放出されているものでございます。この火山ガスにつきまして、防衛庁、海上保安庁の御協力を得まして、ヘリコプターによります上空からのガスの観測を行っているところでございます。  なお、現在続いております火山ガスの放出が今後どのように変化するか、これが大変重要でございますので、これまで行ってきております二酸化硫黄の観測に加えまして、二酸化炭素の観測を今月末から強化することとしております。  なお、伊吹大臣からもお答えがありましたが、本日午前六時四十三分ごろから、三宅島山頂から小噴火に伴うものと思われる有色噴煙が断続的に噴き上がりました。これは約六カ月ぶりの観測になります。これは今後の火山活動の状況に若干の変化をもたらす可能性がございますので、今後、火山活動のより的確な把握、観測のための関係省庁との連携に努めてまいりたいというように考えております。

野沢太三自由民主党・保守党

○野沢太三君 終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。鶴保庸介君。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 それでは、続いて関連質疑をさせていただきたいと思います。保守党の鶴保庸介です。  先ほど、野沢議員の方からお話がございました都市再生本部についてのことの言及もございましたけれども、先日は、先週の木曜日でしたか、日本橋のプロジェクトチームとプロジェクトのことについてもちょっと新聞に出ておったりしておりました。  国土交通大臣にそのことについて少しお伺いをしておきたいんですが、真の国際都市についてのふさわしい都市像を具体化するためのプロジェクトということを常に大臣は踏み込んだ形でもおっしゃっておられますが、そのことについての一般的なお考えをまず問うておきたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、鶴保先生がおっしゃいましたように、国際都市という国際という看板がつく以上は、国際都市の条件というものはいかにあるべきかということを、私、昨年から勉強会も少し開かせていただきましたけれども、特に二十一世紀になってからは、国際都市というもののあり方というものが、今後日本が国際的にどのように評価されるか、あるいはどのように外国からのお客様を、あるいは商業もあるいは企業も民間の観光も来ていただけるかということが私は大きな二十一世紀の話題になってくると思います。  そのときに我々が何をしなければいけないかということを考えますと、少なくとも真の国際都市の評価に恥じない都市の空間を創造しなければいけない。そのためにはどうしていくかということになりますと、私は、都市基盤施設の整備あるいは民間の事業者によります都市開発など、さまざまな形が出てくると思いますけれども、その中で私は特に重要視したいと思いますことは、固有の日本の文化でありますとかあるいはそういう歴史を生かした、世界に対して日本の歴史の中でこれがあるんですよということをぜひなくさないような、それを維持しながらの都市開発というものをぜひしていきたい、そう思って私も努力しております。  今おっしゃいました中で、私は、おわかりにくい方も大勢いらっしゃいますし、どんなことになるんだとおっしゃいますので、ちょっと見ていただきたいと思います。(図表掲示)  例えば、日本橋のイメージというものがございますけれども、東京の日本橋の地区におきましては、既に地元の皆さん方の中に、日本橋の地域ルネッサンス百年計画委員会、明治座の三田さんが会長になられましてルネッサンスを日本橋地区、民間でやっていらっしゃいます。  その民間の中でもどういうことになるかといいますと、これは御存じのとおり、これが昔の日本橋でございます。そして、これが今の日本橋でございます。日本橋の、この書いてある橋の標識も、今これ暗くて懐中電灯を持っていかないと日本橋というのが見えないんですね。それで、少なくとも私は、そういうことも含めまして、今後はこういうことをぜひ勘案しながら、御存じのとおり、日本橋というのは少なくとも日本のかつての五街道の基点でございますし、国道一号線のこれ起点になっているんです。けれども、それも今見えないということなので、できれば私は、この日本橋の上の高速を地下に潜らしていって日本橋を回帰さすということもこの民間の皆さん方が考えていらっしゃる日本橋ルネッサンスの大きな一つであろうと思います。  それから、日本橋の地域、こういう大きなエリアがございますけれども、このエリアが既に年数がたっておりまして下水道管が全部腐食し始めているので、この地域の下水道管を全部交換しなければいけないという時期に参りました。そこで、私は、この地域の皆さん方に、下水道を交換するのであれば、光ファイバーを通してファイバー・ツー・ザ・ホームというものをこの地域全域に配置することができると。  そういうことで、私は一つずつ、新しくするのでなくても、今あるものをかえるときにはそれを利用する。なおかつ、二十一世紀型の景観をつくるときには、そういうふうな基点というものを、日本橋を、本来上にあるべきである、こういう文化財の指定されているものを生かしていこうと、外国の皆さんが来てくだすっても見えるようにしようと、そういうことを私どもは計画しておりまして、ぜひ今おっしゃいました都市の開発ということのあり方は、歴史と文化を大事にしながら、より日本らしい都市のあり方というものをつくっていくように努力したいというふうに考えております。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 ありがとうございました。大臣みずからボードを使っての説明はよくわかりました。ありがとうございました。  ただ、そのお話の中で真の国際都市という、国際化のグローバリゼーションに遜色のない都市をつくっていきたい、都市だけではなくそれは日本国土全体であろうと思います。  そういう意味において、よく道路事情についても国際的に見てまだまだいろいろな問題があるんだという指摘があります。特に、私ども地元などでも、高速道路の料金についての問題は非常に今まで議論、この当委員会でも議論させていただきましたけれども、いろいろな陳情ございました。以前、この当委員会で質問させていただいたその続きを少しやらせていただきたいと思うんです。  通行料金が非常に高いという部分がやっぱりあると。特に有料道路、有料高速道路と言われている部分については料金が高い。高いけれども、償還主義をとっているからしようがないんだというお話がありました。じゃ、それだったら料金は季節的にあるいは時間的に弾力化できないか。例えば、夜中はほとんど車が走っていないんだから料金はどんどん下げていってもいいんじゃないかというような議論をさせていただいたんでありますが、ちょっとその後調べてみましたら、そういう事情をやはり抱えておる国はたくさんありまして、フランスなどではやっぱり季節料金制というのを導入しておるやに聞いております。また、それから、フランスでは曜日によって料金が違うというようなことがあるんだという話も聞いてまいりました。  その後、研究を漸次進めたいという当委員会での御答弁、その後の研究経過、結果、あるいは今後の方針等についてお話をお伺いしたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今お話しのように、料金が割高であるというのは、日本国民のみならず、特に外国からのお客様には本当に不評でございます。恥ずかしい話だと思っておりますけれども。  今、先生がおっしゃいましたように、時間帯によって料金を変えたらどうだ、また曜日によっては込むとき、そして閑散なときと両方に分けられるじゃないかという外国の例もお話ございましたけれども、私どもは間もなくETCというものを使いたいと思って今試験的に実行しております。  御存じのとおり、ETCの導入によりまして、このノンストップの自動車料金領収というETCを導入しますとそれは可能になりますけれども、現段階では料金がばらばら、どこから来たかによって料金が全部違うものですから、お金を今のように現金で払っているときにはとてもこれはできないというのが今の現実でございますけれども、私は、今、先生が御指摘のように、ETCを導入すれば日本でもこれはぜひできると、そして、これはピークロードプライシングというふうに言われておりますけれども、このピークロードプライシングによって、時間差によってこれは変えられると。  そして、今私がETCと申しましたけれども、これは千葉県の地域を試験的に六十三カ所で今実験をしております。そして、本年度の秋を目標に全国の六百の料金所でこのETCの導入を図りたいと思っております。そして、五年後にはETCを限定して普及させようと。そして十三年度、今申しましたように六百の料金所ですけれども、秋が六百で年度末にはこのETC導入を全国で八百の料金所にするという目標、そして十四年度には九百の料金所というふうに目標を立てておりまして、少なくとも道路四公団で全料金所、千三百の料金所におきまして十四年度末を目標にETCの完備をしていこうというふうに考えております。  それをしますと今先生がおっしゃったようなことが可能になりますし、また現在、料金所の渋滞というものが年間で約三千億円の経済損失をしていると、それによってまたCO2の排出量がこの渋滞によって二割ふえているということも数字で出ておりますので、今先生が御指摘いただきましたような料金を時間帯で別料金にという目標は、私たちはピークロードプライシングということでETCの導入によって完成できるというふうに、なるべく早くというものもこれも努力していきたいと思っております。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 ぜひそうしていただきたいのでありますが、もう一歩ぜひ踏み込んでこれを議論していきたいんです。  確かにETCを入れれば、その後、料金を下げ、それから料金を下げる事務コストについては、それはそれほどかからないであろうという見通しのもとに今、大臣の御答弁はあったんだろうと思うんですが、さあ果たしてその議論の中に必ず出てくるのは、料金を下げても減収して元が取れなくなってしまうじゃないかと、必ずそういう反対の声が聞こえてくるだろうというふうに思います。それはETCを入れた後になっても多分恐らくそうだろうと思うんです。したがって、大臣の所見としてこういう話はどうかということをお聞きしたいんです。  減収で確かに消極的になるのはよくわかるのであります。しかし、結果として、通行量がふえればより多くの国民がその道路を利用したことになるのであって、全体的な国民経済的にはプラスになるんだというふうに考えて私は間違いがない。そしてまた、そのことによって人が移動し、情報が移動するということが、やはりそれは経済的な意味以上のものが私は国家において必要があるんだろうというふうに思うんです。その辺について、大臣、御意見があればお伺いしたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 私は、今料金とおっしゃいましたので、高速道路に限って言わせていただきましても、少なくとも高速道路、全国一万四千キロをどうするんだというお話もございますけれども、部分的にしていっても私は経済効果は上がらないと思います。  少なくとも私は、体と同じで、本体は、日本の動脈は通った、けれどもそれじゃ手はどうするんだ、足はどうするんだ。手をつくるときにも、上腕部そして手の甲のところだけつくったと、真ん中の接続点がないという道路のつくり方では私は血が通わないと思います。つくるときには右手なら右手なり集中的に投資することによって、そのときは赤字でもその地域の経済効果が上がれば、これこそまさに私は公共だと思います。  ぜひ、そういう意味ではある程度集中的に、地元の皆さん方の要望を聞きながら順番を公平に決めていって、そして継ぎはぎでするのではかえって経済効果が上がらない、私はそういう考え方を持っておりますので、より地元の皆さんと意見交換をしたいと思って、全国の地域整備局を回って地域懇談会というのを全国回らせていただいて地域の御要望を聞いているというのが現状でございます。そういう考え方を私は持っておりますけれども、なるべくそういうふうにしたいなと、ぜひ国会議員の先生方の御協力も御意見としていただきたいと思っております。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 ふだん歯切れのいい大臣でございますので、ぜひ頑張ってやっていただきたいなというふうに思います。  私、国民経済的な議論と言いましたけれども、一概に経済の、金銭的なものでははかれないものがやっぱりあろうかと思います。これは歴史が証明するところだと私は思っておりますので、ぜひともやっていただきたい。  それでは、ちょっと視点、話を変えまして、金融機関の経営者責任問題についてのお話をさせていただきたいというふうに思うんです。  私どものところにいらしてよくお話になられるのが、この不景気どうだということの腹いせも多分、多少あるのでありましょうけれども、最近銀行というのはどうなんだという意味で、やっぱり銀行って全然その責任をとっておらぬじゃないかという声があります。  そこで、つらつらと考えてみますに、平成十年の金融国会においては、銀行に対して公的資金を投入したとき、金融機関の経営者の責任はとりあえず不問にしてでも、言葉が過ぎるかもしれませんが、不問にしてでも危機を乗り越えなければならないというような議論があったというふうに思っております。そして、そのことに前向きだったというふうに記憶をしておりますけれども、このことに対してコメントをいただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生御指摘のように、平成十年に金融機能早期健全化緊急措置法というものが制定をされたわけでございます。  その節にいろいろな御議論があったようでございますけれども、一つは強制注入であるか、あるいは申請による注入であるかというようなこと、それからそれとの関連で、今、先生御指摘の経営者の責任というようなことも論じられたわけでございます。  しかし、結論はどうなったかといいますと、第七条の資本増強の要件が規定されておるわけでございますが、そこでは健全な自己資本の状況にあるもの、それからさらに過少資本の状況にあるもの、それから著しく過少資本の状況にあるものというような区分が行われまして、それぞれに資本増強に際しての何と申しますか条件、基準が示されているわけでございます。  著しい過少資本の状況にあるというような場合、つまり自己資本比率が二%以下に下がってしまったような、そういう金融機関の場合には、代表権のある役員の退任というようなことが、ある意味でそれが条件として含まれるというようなことになっておるわけでございますが、現実に私どもが増強をさせていただきました各金融機関というものは、この区分によりますと健全な自己資本の増強にあるものでございまして、それをさらに資本の増強をしてより健全性において遺憾のないような状況にしよう、こういうことになっておりました。  そこで、そういう場合にはどういうことを気をつけなきゃいけないかというと、役職員数の抑制であるとか経費の抑制であるとかというようなリストラ及び利益の社外流出を抑制すること、この二つが要件になっているわけでございます。そうしたことを踏まえまして、私ども経営健全化計画というものの提出を求めて、それのフォローアップをいたしておる、こういうことになっているわけでございます。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 そうしたら、その経営健全化計画なるものは現実に現在のところ達成されておられますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 経営健全化計画というものは、先ほど申したように、金融機関に対する信頼が揺らいだときに資本の増強をして経営健全化をさせよう、こういう趣旨でそれぞれ計画の提出を求めたわけでございます。  先ほど言ったようなことを含めまして計画を徴求し、それのフォローアップをいたしておりますけれども、一番最近時のいわば決算の時点の状況で見ますと、例えば大手行の履行状況、これを見ますと、収益の状況、リストラの状況及び中小企業向け貸し出しの状況のいずれも中間時点においておおむね計画どおりの進捗状況となっておりまして、不良債権の処理額については期初の予想額よりも上回る処理が行われているというところが観察されるわけでございます。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 経営健全化計画の目的を聞きたいのでありますが、いかがでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 経営健全化計画の目的を直接的に法律で規定している文言というものをちょっと見つけがたいのでございますけれども、基本的に先ほどちょっと申しましたけれども、金融機関の信頼が揺らいでおるということで、それが過少資本に由来しているというようなことから資本の増強をするということでございます。  資本の増強を公的な資金でやるからには、一番大事なのは金融機関の信頼を回復することである。その回復ということについて、やはり計画を提出させ、そしてそれをフォローアップする、また世間にその状況を知らしめることによってパブリックプレッシャーを与えるというようなことで、基本的に金融機関の健全化を確保するということに目的があるというふうに思われます。  つけ加えれば、そのことによって資本の増強というこの考え方のもとに注入された公的資金がしっかりと返済をされるというようなこともあわせて考慮されているに違いないと、私はそのように考えているわけでございます。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 一々そこへ行かれるとちょっとつらいのでありますが。  その目的、明示されていないということでありますけれども、その当時の議論を思い出しますと、こういうことを繰り返してやっていくことによってシステミックリスクを回避し、それからいわゆる不景気の元凶になっています貸し渋りなんというものは当時大変に問題になっておったと思いますが、その貸し渋りの解消なんというのも目的になっておったように思いますが、大臣、どう思われますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) おっしゃるとおりであるというふうに心得ております。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 ぜひそちらにおってください。  それでは、その現状をどう認識されておられますか。貸し渋りはなくなりましたでしょうか。また、依然として不良債権問題が残っているように新聞等では報道されておりますけれども。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権の問題というのは、先ほどもちょっとお話し申し上げたのでございますけれども、これなかなか処理という言葉が、処理といえばもう本当にそれを処理しちゃって何も不良債権が金融機関からなくなることだと、常識的にはそう思うのが普通なものですから、そこになかなか理解が、我々もそれをいただくのが難しい面があります。  しかし、先生も御承知のとおり、不良債権の処理というのは、金融機関の側が現実に損失が起こることに対して備えを持つというような意味の、間接的に引当金を積むことによっても処理が行われるということがあるわけでございまして、それはそういうことをすることによって健全性は確保される、こういうことになっておるわけであります。  その面については、私どもは十二分に日本の金融機関の不良債権の処理は進んでおる、確保されておる、このように考えているわけでありますが、最近の問題は、そういう間接処理だけでは十分に金融機関の役目と申しますか、そういったことを行うに当たって必ずしも十分でないんではないか。こういう考え方、我々、それをとるようになりまして、最近、間接処理にとどまらない直接的な、最終的な処理、オフバランス化ということを進めなければならない、こういうことを申しているわけでございます。  したがって、不良債権の処理は済んだのかといえば、済んでおるとも言えるし、日本経済の活性化のためにはなおそれに加えてオフバランス化というような措置を講じた方がいいじゃないか、こういうような状況にあるということであります。  なお、先生御指摘の貸し渋りという問題につきましては、これは何と申しますか、リスクのあるところにも融資、資金の疎通を図っていくというようなことのためにも、私どもは、金融機関がそれだけのものに、リスクに耐えられるだけの収益力を持っていく、収益力の強い体質を持っていくということが必要だというふうに考えておりまして、その意味でも私どもはオフバランス化に着手する必要があるというふうに考えております。  しからば、現状は、それでは貸し渋り、貸しはがしのようなことが行われているのかということについては、私どもは必ずしもそのようには考えておりません。中小企業向け貸し出しの状況等も、先ほどちょっと先回りした答弁になってしまったかもしれませんが申し上げましたように、一応健全化計画でうたわれているところが確保される、そういうラインで事態が進んでおるということであります。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 大変まじめに答えていただいて、非常に苦しい状態だろうなということはよくわかりました。法的責任を問えない状態であるということをまずお踏まえになられて、その後、経営健全化計画は数値の上では達成されておられるが、しかし直接償却にこれから移しながら、今までの現状を見ますとなかなかまだまだ厳しい状態が残っておられるという認識であろうと思います。  ただ、それをじゃ野方図に、はいそうですかというわけにはなかなかまいらない。国民感情としては、バブルのときの後遺症にあえいでおられる方がやはり多いわけでありまして、その当時のことを振り返り、いろいろな話がやっぱり我々政治家にも上がってまいります。  そこで、経営者に対して、金融機関に対しての監督が今までどのように行われておられたか。特にどこまで実態を把握しておられるのかということをぜひ聞いてみたいんですね。依然として役員として残っておられるじゃないかという声もやっぱりあるのであります。例えば相談役になったりあるいは顧問になっておられたり、そのこと自体は別にとやかく言うつもりはありませんけれども、そのことについてどういう指導をされておられるのかということをやはり一度聞いておきたい。  それから、先ほど来経営健全化計画の話がありますけれども、この計画そのものが未達であった場合、達成できなかった場合、どんなふうな措置を今とられておられるのか、この二点についてまとめてちょっとお伺いしておきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 役員の問題については、先ほど申したように、資本注入の条件として役員の退任を求めるというような、注入行の状況がそのような状況にはなかったということでございます。  じゃ、相談役だとか顧問のようなことがいるのかということでございますが、これはむしろ役員数の削減、抑制であるとかあるいは役員報酬の抑制であるとかという観点から、私どもこれは資本注入に当たってかなり厳しくこの点の措置を求めたということでございまして、私たちの求めに応じて各金融機関は対応をしっかり適切に行っておる、このように考えます。  ただ、私、先生の今のお話でちょっと思い出したのでございますが、資本注入をするときに、私どもにちゃんとした約束をした役員がおるわけですね。その役員がさっさと退任するということについては、私は、個人的に待ったをかけたんです。そんないいかげんな、いいかげんというか、どこへ行っちゃうのかわからないようなことでは困る、あなた、ちゃんと相談役にでもして残ってくださいと。それはあなたが証人にならないと困るんだというようなことで、逆にそういうようなことで、それぞれの金融機関の事情はあるでしょう、あって頭取さんをやめるとか、あるいは会長さんは席を譲るとかということがあるにせよ、そうであれば、あなた、ちゃんとした証人として相談役でも何でも残ってください、こういうことを私の方から求めたことはあります。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 待ったをかけたと言われるのは、本当にその心意気でぜひ頑張っていただきたいというのは少々生意気な言い方でありますが、そう思います。  そうすると、質問の視点を変えていきたいと思うんですが、その経営健全化計画そのものについてであります。  先ほど来お話があったとおり、数値的にはやはり達成されて、おおむね達成されておられるという御答弁でございましたが、現実にはなかなかまだ厳しい状況が続いておるんだと。  では、その計画そのものについて一体どうだったんだという疑問は当然わいてくるわけであります。このことについて、大臣、苦しい答弁をされるかもしれませんが、一体どういう評価をされておられたのか。健全化計画をつくられた当初のもくろみからどういう事情が出てきたんだという話をぜひしていただきたいというふうに思います。  また、その計画そのものが必要十分なものであったかということとあわせて、その計画を提示するに当たって、各金融機関それぞれの、それぞれの個別銀行に対して提示をしていったときに、それぞれの特殊事情をいろいろ考慮されて計画をつくっていったのか、将来の具体的なビジョンを頭に思い浮かべながらつくっておられたのかということをお聞きしたいわけでありますが、その辺について大臣いかがでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 計画については、率直に言ってかなり厳しいという意見と、相手が出してきたものをできるだけ尊重していこうではないかと、こういう意見がございました。審査に当たりまして、私ども当時金融再生委員会でございましたけれども、そのような意見があったような記憶でございます。  しかし、基本的にこれだけのことをオープンにしてしまってパブリックプレッシャーのもとに置くというのは、経営者としてはかなり厳しい状況に置かれるということが経済界の経験を持つ委員その他の方から話として出ていたことをここで申し上げたいと、このように思います。  さらに申し上げますと、その後、金融機関におきましては再編が行われまして、健全化計画の再提出というようなことがありましたのですけれども、このあたりについては、今、先生まさにおっしゃったように、将来のビジョンというようなことを踏まえての内容の提示があったというように私ども受けとめている次第でございます。  もちろん、その当初のオリジナルの健全化計画についてもかなりそういうことがございましたが、私当時申し上げたことは、どうも、例えばリテール尊重と、リテールを重視というようなことについては、ほかになかなか本当のストラテジーというのが浮かばないということもあろうかと思うんですが、若干多いなあという感じは持ちまして、そんなことを記者の会見のときに申したこともございます。  なお、先ほどの答弁でちょっと漏れがあったかと思うんですが、もし経営健全化計画がそのとおり実現されない場合の措置ということでございますが、これについては業務改善命令にまで至るような経営改善計画の提出を求めるというような仕組みになっているわけでございますが、それはある数字が未達であるということですぐに必然的にそういうような経営改善計画の提出にまで至るかというと、必ずしもそうではなくて、その未達の理由がより市場の信頼を得られるような何らかの措置によって未達が現出してしまったというような場合にはそれはそれで総合判断をして考慮する、こういうことになっているわけでございます。

鶴保庸介自由民主党・保守党

○鶴保庸介君 はい、よくわかりました。現実には、今の状態であればなかなか一刀両断に事は運ばないというのはよくわかります。  したがって、大臣としてこれからも経営者について、国民感情をぜひお酌み取りいただきまして頑張っていただきたいと思います。少々時間を余らせましたが、これにて質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で野沢太三君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成十三年度総予算三案、これを一括して議題とし、質疑を行います。峰崎直樹君。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございます。  先週の木曜日にも、財政金融委員会で宮澤大臣あるいは柳澤大臣にも質問をさせていただきました。その関係もございますし、またきょうは地方財政の問題、さらには農業、あるいは扇大臣、さらには厚生労働大臣にも関連して質問をさせていただきたいというふうに思っております。  さて、宮澤財務大臣、きのうちょっと帰りのエレベーターの中でお疲れでないですかというふうにお聞きしましたけれども、大変予算審議、本当に御苦労さまでございます。  さて、きょうは少し財政論議をやらせていただきたいと思うんですが、私、とあるところで、愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶと、どなたがお話しなさったかわからないんですが、そういう言葉が目につきました。愚かなる者は経験に学び賢者は歴史に学ぶと、こうなんですが、昨今の、今日の日本の経済の状況を歴史に学ぶとしたら、宮澤財務大臣はいつのどんな経験に学んだ方がいいとお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、自分の経験では、先戦争、敗戦によって日本の経済が全く壊れました。それから立ち上がるところの経験を少ししておりますが、今の日本の、殊に財政をこれから立て直すというプロセスを考えますと、やっぱりそのときに学ばなければならないという思いがしておりまして、それは今までいろんなことが当然と考えられ、あるいはこういうことの結果は必ずこうならなければならないといったようなことが、殊にこれは、一つはアメリカで我々が見ておりますような、いわゆる新しいIT後の社会というものが大変に新しいものになると考えなければならないと思いますので、そういうことも含めながら、我が国が二十一世紀に本当にもう一遍優等生になるための方策を考えつつ財政再建をしなければならないというようなふうに、経験も何も貧しいものでございますので、特にこれといったことは申し上げられませんが、そういう思いがしております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 実は、そういう財政再建ということじゃなくて、私は先ほど、今日の日本のある意味では経済が陥っている状況、大変な十年にわたる不況が続いているわけですが、これはある意味では一九二九年の世界大恐慌、アメリカの恐慌にほぼ匹敵する、あるいはそれ以上にある意味では我々が学ばなきゃいけない課題ではないんだろうかなというふうに思えてならないわけであります。その点についてどのようにお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それはいい例をお引きになっておられると思いますが、実はアメリカの経済がそこまで行くだろうか、どうであろうかということについてはだれもわからないことでございますけれども、私はそれほどに考えておりませんで、世界的には、殊にグローバリゼーションになりますと景気、不景気は非常に速く伝染しやすいということは確かにございますけれども、それなりにまたその防止の方法も伝染しやすいこともありまして、あるいは峰崎委員の言われるとおりであるかもしれません。もう少しアメリカの状況は見きわめてまいりたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今のアメリカのお話ではないわけでありまして、日本が一九九〇年のバブルの崩壊のときに失った資産は約一千兆と言われております。その一千兆のバブルの負債に依然として今、今日我々が悩まされているわけです。先送りだというふうにも言われております。  その意味で、それだけのバブルを、ある意味では恐らく日本の歴史上も初めてでしょうし、世界にこれを比較するとすれば、これはやっぱりアメリカの世界大恐慌に匹敵するんじゃないのかというのが私の言いたかったわけでありますが、そのことはおいおいまた別にしたとして、まず、実は私、先週十五日に宮澤財務大臣に質問したときに、その朝、政府・与党の連絡会議で実は大変な議論をなさっておられるということが後になってわかってまいりました。それは、宮澤財務大臣は、この株式を保有する機構に実は税金を投入していいじゃないか、損が起きたらと、こういうふうにおっしゃっておられますが、それは事実なんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと御説明をさせていただきます。  会議が進行しておりまして、第一にはいわゆる不良債権の話であったわけでございますけれども、銀行が株を持っていると、非常な持ち合いがあってその交換をしておるというような話が出ておりまして、この銀行、大変な株を持っておるということが、これは世界的にも異常なことですし、将来としては正常化すべき問題だと思いますけれども、柳澤大臣からそういうことについてもお話があって、ただ、そういうことをしていく過程の中で、銀行としては、何といいますか、引き当てをせざるを得ないだろうというお話が、それは当然のお話でございますが、ありまして、私も銀行がこれだけの大きな株を持っていること自体はやがては解消すべきことであろうというふうに思っておりますから、なるほど引き当てをしなければならないとすれば、それはなかなかな問題だなと。その場合に、財政が何かの役に立たないかなということを思いまして、それだけのことをちょっと申し上げたと。  つまり、何も具体的な案があって、そこへどうということではありませんで、柳澤大臣がいろいろお考えになられる上で、財政が果たし得る役割があるかもしれない、実はそこにもう一つ株式の譲渡所得の問題もひょっとしたらあるかもしれない。それもわかりません。しかし、いろいろ柳澤大臣がこれから関係業界と話を進められていくうちで、いろんな可能性がある、財政も一つのお手伝いができるかもしれないと、そういう意味のことを申し上げたわけでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 よくわからないんですね。  きょうの新聞で出たので、ちょっと事前には連絡しておりませんでしたけれども、これ何新聞だったでしょうか、日経新聞でしょうか、「「緊急経済対策の与党案を政府が査定するような態度はおかしい。政府は本気なのか」。十五日、首相官邸での政府・与党緊急経済対策本部。保守党の野田毅幹事長はペンを机にたたきつけた。「そんなことはないっ」と珍しく気色ばんだ宮澤喜一財務相は、株式買い上げ機構への政府保証検討を約束した。」と。これ、事実ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ですから、私の申しましたことは、正確にただいま申し上げましただけのことでございまして、私はその後別に記者会見もいたしませんでしたし、何もいたしませんでしたので、そのようなこととして、何かあちこちの株を全部集めて政府が買うんだとかなんとかいうこととして一部に伝えられたかもしれませんが、全く私はそういうことを申したわけでございませんし、私自身もそういう記者会見等々一切いたしませんでした。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 要するに、これは間違いだといいますか、こういう話し合い、やりとりはなかったということですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私の申しました限りはただいま申し上げたとおりのことはございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 これは二つ重要な点があると思っているんです。  一つは、こういうところに税財源を投入するということについて考えなきゃいけないねと今おっしゃられたわけですね、明確に。そうすると、今私たちは予算の審議をしていますが、この予算ではやっぱりもう不十分だと、与党の方からどうも話が来ているようだから、どうやらそういう意味でいうと、こういった点については私どもは考えてよろしいですよと、こういうことを今我々予算審議中に実は答えなさった、こういうことで我々は理解してよろしいですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) その御理解は私は正確ではないと思いますのは、私は、政府がお役に立ってもいい場合があるかもしれませんよと、そういうことも頭に置いてこれから柳澤大臣が問題の処理をお考えくださいと、こういうふうに申し上げてあるわけですから、いつ何をするとか、税財源をどうかするとかということを一切申し上げておりませんし、そのことはただいま御審議いただいております予算等々に直接に関係のあることではございません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 じゃ、柳澤大臣にお聞きしますけれども、今考えておられることで、株式を、銀行の保有している持ち合い株を何らかの形で保有するために税財源が必要であると。特に、税のことは別にしても、財政的な支出というのは必要なんだろうか。そこの点あたりはどういうふうにお考えになっているか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 峰崎委員に最初にお話し申し上げますけれども、現在の株式相場において金融機関が自分の保有株を売却損を出してまでどこかに売却するということはまずあり得ないことだというふうに私はまず基本的に思っております。ですから、この民間の保有機構云々の話も、何と申しますか、もうちょっと株式相場というものが回復して、金融機関もこれだったら売っていいなと、現実に売ることもあるというような事態になってからの話でございまして、したがって、望むらくは今年度、今会計年度中に起こってもらうことも、何と申しますか、ウイッシュフルシンキングということではあり得ますけれども、現実論としては来年度以降の話かなと、こんなふうに私はまず冒頭申し上げておきたいと、このように思います。  で、実は、この民間ファンドによる銀行保有株の買い上げ機構という構想はもともと与党から出たお話でございまして、政府側はいわば与党が発表されてから聞かされたと、当然のことながらそういう性質の話でございました。  そこで、私も若干のことを民間の金融機関に問い合わせさせましたけれども、いずれにしても非常に大きな問題を指摘される向きが多いのみでございまして、私としては、これはなかなか大変なことだなということでございましたけれども、そのすべての問題点をその本部第一回会合で申し上げるというよりも、一番わかりやすい、これがわかりやすい話かなと思いまして、ちょっとこういう問題があるんですよというお話を申し上げた。それが先ほど宮澤大臣からお話しになられた金融機関のファンドでということであれば、金融機関がそこへ貸し付けをして、そしてその貸し付けをした資金でもってこの保有株を買うということでございます。  そうすると、金融機関の側としては、当然資産の側に何とか機構に対する貸付金というのが立つわけでございますが、そうなりますとそれはリスク債権でございますから、したがって反対勘定に引当金を置くということにならざるを得ません、そんなコストのかかることは金融機関としてはなかなか望まないところではないでしょうかといったようなことを申し上げたということでございます。  そこで、今、先生のお尋ねのお話でございますが、私は仮にそこのところがクリアされたとしても、オーバーハングといいますけれども、そういうたまりが市場の傍らにあったのでは、これは金融機関が持っているのと大同小異でありまして、やっぱり基本的な解決というのは、そういうたまりをどこかへつくっておくというようなことではなくて、最終投資家、機関投資家であれ個人投資家であれ、最終のリスクテーカーのところに、今の金融機関の保有株をそこに配付というかディストリビュートしない限り問題の解決にはならないというふうに考えておりまして、そのあたりのことをやる場合に、何かせっかく宮澤大臣がおっしゃっていただいた財政的な面倒を見てやることがあったら手伝うよという話が、何があり得るかという問題だとして私は今受けとめているということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 先週木曜日の財政金融委員会で、私、宮澤大臣に株価の問題についてのコメントについての評価をお聞きしました。そのとき宮澤大臣は、私は株価の問題については一切コメントをしないことにしているとおっしゃいましたね。公的資金の投入も検討することはやぶさかじゃありませんよというのは明確なメッセージじゃないですか。そう思いませんか、あなたは。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとお尋ねの意味がわかりませんでしたが、先ほどから柳澤さんがおっしゃるとおり、また私が申し上げているとおり、この問題についての検討の過程において政府が何かの形で応援に出る、そういうことは全くないとお考えくださらなくても場合によってはあり得ることだと、こういうことを申し上げて、その可能性は頭の中に置いておいていただいて結構ですと、これだけ申し上げたわけでして、今の株価をどうかしようとかなんとかいうことに全く関係がありません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 しかし、株価の問題で引き取り機構をつくりましょうと、今議論になっているわけでしょう、与党の方から。そして、それは与党・政府一体で今議論されたわけでしょう。そのときに、これは私はいつでも検討しますよということ、そういう政府としても何らかの対応をしなきゃいかぬときには財政としても対応することはあり得ますよと、こうおっしゃったんでしょう。もう一回確認しますよ。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 例えばだれかが、今株が安いから政府が株を買おう、財務大臣、金を出すかねと、そんな問答じゃ一切ございません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そういう問答をしたということを言っているんじゃないんです。少なくとも財政的に我々はいつでも引き受けるというか検討をすべき用意がありますよということをおっしゃったんでしょうということを言っているわけです。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま、先ほどからるる申し上げましたが、何か株を買うので財務大臣、金を出してくれと、そんなようなやりとりをしておったわけではないんです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今、与党で、政府が緊急経済対策の中で株価をどうするかという議論をなさったわけでしょう。それをなさったんじゃないんですか、この保有機構は。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 違います。  峰崎先生ではない方にあるいは答えたかもしれませんが、あの与党の株式保有機構云々の項目も、実は株式市場、資本市場の活性化の項目の中に位置づけられておりません。どこに位置づけられているかといいますと、一番冒頭の産業再生、金融再生の一環ということで位置づけられておるわけでございまして、今日の株価の問題とは切り離しまして、金融機関の保有株の処理をどういうふうに円滑に行わせていくかということの中の一つの構想として打ち出されている、このように私どもは理解いたしましたし、現実に与党三党の緊急経済対策の中の位置づけもそうなっているということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 これは、しかしあれじゃないですか、今おっしゃられたとおりですが、株式の持ち合い解消の方法としてさまざまなことをやりましょうということ。ということは、何のために株式の持ち合い、この問題を解消しようということでなさっているんですか。金融再生委員長。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは先生、ここで私がるる言う必要がないと思いますけれども。  要するに、今の日本の金融機関の脆弱性というのは何かと言えば、一つは不良債権を持っているということでありますし、もう一つは株式を他国の金融機関に比べて破格に多く持っておって、株式市場の相場の変動によって、特にこれから、平成十三年度から時価会計ということになれば、それでもっていつも資本がふえてみたり減ってみたりするというようなこと、こういうことはやっぱり形の上でもこれを克服しなければいけませんし、また現実問題としても、一体日本の金融機関が株をどれだけ持っていいかというときに、本当のコアの自己資本以上にそれを大幅に上回るような形で持つことが実質の健全性の点からも問題ではないか、こういう問題意識が双方にありまして、したがって、いずれにせよ現在の保有株のままでおくというわけにはいくまい、かなりの程度これを処分していくということが考えられる。その場合に、市場に無用な混乱を起こさないでこれを最終投資家に引き渡していくということの方法、それは何だろうかということが探求されているということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 いずれにせよ、この持ち合い株というのはずっともう古いわけですよね、構造的にずっと存在しているわけですから。いずれにせよ、それをどう解消するのかというのは、かなり中長期的な課題なんだろうと思うんです。一気にやったら大変だというのはわかるんですが。  ただ、そこで国、政府として財政的な支援はやぶさかではありませんよとつけてしまうと、これは実は国際的に見ても、日本の政府は株式の相互持ち合いを解消といいながら財政資金を投入することもあり得る、いやいざというときは、そういうメッセージを送ったことになって、やはりマーケットというのを日本政府というのは少しどうも人為的に操作しようとしているんじゃないか、そういう影響を与えたというふうには考えられませんか。お二人ともお答えください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 全くそういう意図でもありませんでしたし、そういう趣旨でもございません。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 実はスポークスマンを私がやったわけでございますが、私もそのあたりのことは非常に注意をして物を言ったつもりでございました。委員会が始まる直前でございまして、五十分に官邸を出なきゃいけない、それも中途で私は席を立ったんですが、四十二、三分だったと思います。  そういうようなことで、非常に早々の間の、こんな大事な問題をそんな早々の間に処理していいかと言われると、私もちょっとじくじたるものがあるわけですけれども、会議の直前に柳澤大臣がきょうのスポークスマンをしてくださいというふうなことを突然言われまして、私もちょっと迷ったんですが、そうですかということで引き受けたものですから、とりあえずそういうようなことでございます。  そのときに申したのは、財務大臣から財政的な面倒もあり得るということを念頭に置いてこのスキームを考えろというふうな御発言がございました、こういうことでございました。それのみでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ということは、やはり財務大臣はおっしゃったということですよね。もう一回、ちょっと財務大臣お答えください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もう何度も申し上げたとおりです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 柳澤大臣の言ったことと違います。もう一回正確に答えてください。財務大臣の口から答えてください。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生、今はまだスキームがどういうものになるか全くわからない段階でのお話だったわけです。そのスキームをつくるに当たって、何と申しますか、財政的な手助けというか、そういうものも念頭に置いていいよというお話でございます。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 速記を起こしてください。  宮澤大臣、再答弁をなさいますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) はい。  先ほどから柳澤大臣もお答えいただいておりますけれども、この緊急経済対策というのは三党によって三月九日に提言されたものでありますが、その一は金融再生と産業再生の実現という問題でありまして、そこに不良債権の問題、今の問題等々、それと金融検査のことが書いてある、それが一でございます。二は日銀への金融政策の要請。三が証券市場等の活性化対策でございまして、ここのところで今のような株のこと、金庫株あるいは税制等のことが書いてございます。郵便貯金の運用もございます。四が新市場の開拓による雇用の創出、こういうふうにできておりまして、今のその短い会話が何かおっしゃいますような、峰崎委員のおっしゃいますようなスキームにつながっておると、そういう系列の話では全然ございませんので、証券市場の問題は別のアイテムのもとで議論をされておるわけでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 項目は分かれているからといっても、実はこれはやっぱり株価対策として考えられている側面があるんではないか、私はやはりそういうふうに疑わざるを得ないんです。これはまたいろいろやりましょう。  もう一点。実はこの会話の中で、いわゆる政府・与党連絡会議というんですか、政府・与党緊急経済対策本部というのは、これは法的な性格というのは一体どういう性格のものなんですか。これは宮澤大臣、お答えになれますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、この前の前の日でございますか、私どもの党大会がありましたときに、私どもの方の総裁から、三党でこういう提言があったについては、これは至急に三党と政府との関係者でその対策会議を立ち上げて、そうして検討をしたいと、こういうことを党大会で言われまして、その後関係閣僚が呼ばれまして、先ほどの党大会で言ったことを実現したいと、こういうお話がありまして、私どもがわかりましたということで、それで決定されまして、このいわゆる会議の第一日がこの日に開かれたと、そういう性格のものでございますから、恐らくそういう対策会議、対策本部ですか、というもののもとにこの会議は今後とも開かれていく性格のものだろうというふうに、だれにも確かめたわけではございませんが、そういう自然の流れになっておると思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 どうも法的な性格は明らかでないけれども、自然に集まってこれからもやるだろうと。  実は、経済財政諮問会議というのが発足いたしましたですね、経済財政諮問会議が。一府十二省体制のもとに同じように進んでまいりました。実はそのこととも絡むんですけれども、この新世紀、いわゆる二十一世紀に入って、まさに今度の行政改革というのは、総理のリーダーシップのもとに実は物事を決めていこうと。  経済財政諮問会議が発足しましたですね。その中で、私どもは、いわゆるメールといいますか、あるいはインターネットというか、議事録が開示されています。その中でも実は株価対策を初めとしてさまざまな論議がそこでされているやに聞いておりますし、一体全体、経済政策の根本、基本的な問題は、この経済財政諮問会議でこれから決めていくということになっているんじゃないんですか。その関係はどうなりますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっと私ではきちんとお答えできないかもしれませんが、経済財政諮問会議は行政改革の一環としてつくることが法律で定められ、そしてことしの初めに発足をいたしたものでございます。これは、民間からの御参加も得まして、そして何人かの閣僚かであわせて構成されておりまして、ちょっと私はその設立の趣旨を今何も持っておりませんのでございますが、我が国の経済社会における重要な問題について政府の基本方策について進言をすると、たしか二年という時限がついておったかと思いますけれども。  そういうことで、具体的に何をやるということは基本的には自由になっておりますけれども、実際にやりましたただいままでのところは、予算のあり方、あるいは今、日本で大事だと思われる幾つかの主要問題についての閣僚等々からのヒアリング、それからたびたび申し上げましておりますとおり、財政再建についてマクロモデルをつくって、そしてシミュレーションをやって審議をしていくといったような問題についてかなり自由に議論がなされておりますが、それに対しまして今の与党三党との、総理が言いました対策本部というのは、これは政府と、ちなみに今の経済財政諮問会議には与党野党という問題はございませんで、政府部内のいわば出来事としてでき上がっておるわけでございますが、今申しましたのは、これは政府と、政府・与党、与党三党とのいわば連絡協議、審議の場というふうにおとりいただきたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 このやりとりの中で、私は、今おっしゃられたお話を聞いていても、どうもやはり意思決定というのは、責任ある決定をしていくというときに、与党野党一体で、これは一体どういう性格のものなのかなという、わからないところで物事が決まっていくという、そういうふうに思えてならないわけです。これは今までもそうで、二十一世紀をまたぐ前も、二十世紀の時代の自民党の政治を中心にしたところはそうだったと思うんですね。  私がここで本当にびっくりしたのは、緊急経済対策の与党案を政府が査定するような態度はおかしい、政府は本気なのかと、こういうふうにおっしゃっているんですね。これは野田毅さんだと思うんです。私は扇大臣に質問通告しておりません、実はこの新聞、きょうの新聞ですから。  それで、かつて自由党におられたころ、やはり内閣の中にみんな入ろうじゃないかと。今度、副大臣とか政務官とか、そしてさまざまな内閣の執行体制を決めて、これは事実上内閣で責任持って物事を決めて、そして行政をそれで執行させる、国会に対しては連帯してそこで責任を負おう、こういうはずでなかったのかなと。  そうすると、これはいつも、政府が我々のあれについて査定するのはけしからぬというのは、何かこれ逆立ちしているように思えるんですが、扇大臣、みずからも幹事長、まあ直接確かめようがないんだろうと思うんですが、どう感じられているんですか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) けさの新聞に載ったことに関して責任を持つのは新聞社で、私は責任を持っておりませんけれども、私はその会議にも出ておりましたから、その状況、今の宮澤財務大臣と柳澤大臣のやりとりを聞いておりまして、お互いにおっしゃるとおりでございまして、第一回目でございまして、これからいろんな、先ほど宮澤大臣がおっしゃった幾つかの項目について幅広く論議していこうという第一回の会議でございますから、いろんなメニューを出して、いろんな知恵を出し合って、与党としての三党の幹事長も政調会長もお出になっていました。ですから、それぞれのメニューを出し合って、総合的に会合をして、より経済の活性化をしよう。  緊急だという会議ですから、私はそれはそれでいろんな案が出るべきであって、そういう意味では、政府と与党とが一体になって、しかも査定するなんて言葉、だれも使っておりませんし、私は、より連帯を持って政治主導でいくということもその中にちゃんと入っておりますので、全然不思議でもございませんし、これから二回、三回と緊急に開いていって確かな緊急対策が、今できることとあるいは税制調査会にかけなきゃできないことと私は分別してくると思っていますので、第一回ですからいろんな知恵を、これからは二、三回あるんだろうと思いますので見守っているところで、査定するとか、このことに限ったなんてことは、今一度も確定したことはございません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 そうしたら、財務大臣、本当にこれ、経済財政諮問会議で予算編成とか予算に絡む問題は、基本的にはここで議論して決める、決めるというか、書いていますね。そのことと、今、与党の中の実力者と思われておる方々が発言されていること、私はそこをきちっと制止して、これからは違うんだ、二十一世紀は、総理の主導のもとに経済財政諮問会議というのがあるから、そこのところを中心にしながら議論をしていくんだと、こういう運びになっていかないと、何だか改革の趣旨と違うんじゃないかと思うんですが、その点はどのようにお考えになっていますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 私もその辺の法律的な今書き物を持っておりませんので正確ではないかもしれませんが、基本的にはやはり政府の最終決定は閣議で行う、そのことには動きがございません。  それから、経済財政諮問会議で、今、予算のことについてお話がございましたが、この会議が予算を編成するわけではもちろんございません。この会議は予算の編成について骨太な、いろいろ関心事項はどういうことかということについて意見を言われることは私は必ずあるだろうと思っていますが、それは予算編成をこの会議がするというわけではございません。これは、おっしゃいますように、しかし、総理大臣が国政を議するに当たってのいわば何と申しますか、その意見を徴するための審議機構であると考えております。  それから、この政府・与党緊急経済対策は、与党三党が、時には政府が入ることもございますが、いろいろなことについて協議をする場であって、ここで決まりましたことは閣議で決まって最終決定になるわけでございまして、それに取りかわるものではございません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ちょっとその関連で記事が出ておりましたので確かめておきたいんですが、この経済財政諮問会議の中で、第何回目でしょうか、四回目でしょうか、夏の概算要求基準の決定から年末の財政原案策定まで諮問会議が関与するという提案がおおむね受け入れられた、そしていろんな項目に分けて五月、六月に予算大綱をつくっていきたいと。  これは大体決まったんでしょうか、宮澤財務大臣。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) この会議の記録につきましては、内閣府から一定の時間を置いて発表されるというのが正確でございますからそれをごらんいただくのがよろしいと思いますが、今、予算大綱というものを五月とか六月ごろに決めることになるんだと、そういうことは決まっておりません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 おりません。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) はい。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 一つだけ確認をしておこうかなと思ったんですが、それは、与党で株価対策が出されておりますが、これは金融大臣の方にお聞きした方がいいのかと思いますが、今の日本の株式の水準というのは、これはやっぱり相当低過ぎるんですか、それとも高過ぎるんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私は株価の水準について何か申し上げられるだけの判断基準というものは特に持ち合わせておりません。  しかし、株式をなさる、関係する人たちの間では、例えば一株当たりの利益であるとか、あるいは最近においては一株当たりの会社の純資産であるとかいろんなメルクマールがあると言われておりますが、そういう中で、少なくとも日本の株式相場の時系列的な観察のもとでは、現在は非常に低いというか、かつてよりもそういう条件が投資家にとって有利になっている、そういう相場であるというふうに言われていることを承知いたしておると、こういう次第でございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 与党と政府とで議論されるときに、本当にそもそも今の日本の株式市場どうなっているんだ、そういうそもそも論で議論をして、今おっしゃいましたように、PERは恐らく三十倍ぐらいでしょうか、これは二十倍ぐらいにならなきゃいかぬとも言われていますよね。かつてバブルのときは八十倍あったとか言われている。あるいは今おっしゃった資産が一以下だとか、いつ乗っ取られても仕方ない。日本の場合はそういうMアンドA市場がまだ充実していないと言われていますけれども。  その意味で、日本のこの今の水準というのは、これはきょうのエコノミストに載っていましたし、私、香西日本経済研究センターの会長というのは大変オーソドックスに見ておられる方だと思うんですが、この方も、要するに日本の企業というのは過剰貸し付け状態にあるんだよ、あるいは日本の株価水準というのは高過ぎるんだ、トレンドとしては、PERは二十倍ぐらいのところに下がらないと、つまり底値まで行かなきゃ上がらないよと。そこのところへ持ってきて大いにみんながこれを上げよう上げようと、もちろん構造的に持ち合いを持っているということははっきりしていますから、それはそれで大きな問題ですが。  そういうふうに考えると、株価対策というふうにそんなに真剣になっているということの意味というのは、これはひとえにやはり銀行がそういう株を持って、それが含み負債を持ってきた、損失を持ったと、そういうところに起因しているわけなんでしょう。その点、柳澤大臣、どうお考えなんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 率直に言って、金融機関の保有株にいわば含み損が生じているのではないかということも、私金融行政の担当者として関心を払っているところでございます。  しかしまた同時に、日本の株式市場というものが厚みがないと申しますか、一方の思惑というか、そういうようなもので現実の相場が大変その一方の方向に引きずられていく、それに対抗して売られているときに買いをかけるというような、そういう本当のマーケットとしてのどうも厚みというか、そういう構造に欠くるところがあるんではないか。こういう構造的な脆弱性というか、一方性というか、へんぱ性というか、そういうものをもっと落ちついた市場にしなければいけない、こういうようなことがあって、私なども現在、個人投資家の育成というものをもうちょっとする必要があるんではないかというようなことを申し上げているわけでございまして、単に金融機関の持ち合い株の問題だけが関心だというわけでは必ずしもありません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 金融の問題に入りましたので、少しまた金融の問題に入らせていただきたいと思うんですが、後でちょっと資料を配っておいてください。    〔資料配付〕

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 株式の問題にちょっと入るときに、私はやはり今政府がやるべきことというのはもっと別の角度でたくさんあるんじゃないかという気がするんです。なぜかというと、国民が恐らく株式市場というのはおっかなくて、一九九一年、証券不祥事ございました。これはやみの世界とのつながりございました。あるいは大手企業には損失補てんやりました。あるいはこの十年間、九〇年代に公認会計士がやった監査というのはまともだったんだろうか、こういう監査の問題があります。何よりもインサイダー取引というのは本当に終わっているのか。  そうしたら、金融検査体制あるいは今申し上げた監査体制、こういったものの充実強化というものをもっと図られる必要があるんではないのかな。そのことの方がより国際的には、日本がようやく民主主義国家、あるいは市場も、非常にクローニーな資本主義だと思ったけれども非常に民主化されてきたね、こういう認識に変わるんじゃないんですか。そっちの方が先じゃないですか、どうですか、柳澤大臣。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本の財務、企業会計、こういうようなものがこれまで完璧であったか、また金融機関に対する検査というようなものの体制が諸外国に比べて十分充実したものであったか。こういうようなことにつきましては、私も何か担当者をやったというような経験がございませんので軽々に物を申し上げるのは慎まなければならないと、こう思いますけれども、従来から、例えば金融検査の問題でも、資産の分類だけで、それに対する引き当ては公認会計士あるいは監査法人の監査に任せてきたというようなことがずっと行われてきたというようなことをその後知りまして、やはりそれは是正されるべき面を持っていたと、そういう先生の御所論に賛同せざるを得ないなと思ってお聞きをいたしておりました。  公認会計士の方々の仕事ぶりの質はどうかというようなことでございますけれども、これらについても、私はたまたま現在会長をなさっておる方と再生委員会で席を同じゅうしておったわけでございますが、公認会計士の方々もその自分たちのお仕事について一つの方向に向かって発展をしている、そういう経過の中にあるなというような感じが私の受けた率直な感想でございます。  したがって、この面についても、先生がどういうことを一〇〇%おっしゃりたいかというのは必ずしも掌握しているとは思いませんが、方向としては先生がおっしゃることと私も同じ考え方を持っていると言ってよろしいかと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 柳澤大臣、大臣はことしに入ってあるいは年末、大臣に就任されて以降、銀行の不良債権は直接処理をやらなきゃだめだと、こうおっしゃっていますね。その真意は、つまりなぜそういうことをおっしゃっておるのか、そのことをちょっとまず聞きたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、十二月五日に森内閣の改造で再びこの仕事につかせていただきました。  私の持った感じは、正直言って、そのあたりから株価の急激な下落というものが始まったわけでございまして、非常にそのことが金融機関にとって健全性においても大変な問題ではないかというような議論が急に盛り上がってきたわけでございます。そういうときに、私は率直に言って思ったのでございますけれども、株式相場が変動するのは当たり前じゃないかと、そんなことで、少々そういうことが起きたからといって、それを吸収できるだけの体力というものを持っていないのは、持っていないことの方に責められるべき点があるのではないか、このように考えたのが一つでございます。  したがって、私は、もっともっと収益性の高い体質の金融機関にしなければいけない。それには、リストラもそうでございますけれども、やはりノンパフォーミングローンを持っていることに問題があるのではないか、このように思い当たってそういうことを言い始めたというのが一つでございます。  もう一つは、ノンパフォーミングローンが新規発生しているわけでございます。どうしてなのかということを考えたときに、これは結局は日本の経済を支えている企業の活動が十分収益を上げていないというようなことに問題がある。これはもう鶏と卵のような関係にあるわけでございますけれども、それには、金融機関も自分だけの健全性にとどまって引き当てを消極的に置いておればいいんだというようなことではなくて、やっぱり私、かねてたびたび申させていただきますように、貸出先の企業にとって、収益力のあるところと収益力のないところを早く区分けをして、そして、収益力のないところに対する債権というのは場合によって金融機関の側でも債権を放棄して、そして、もっと活発に収益を上げるような部門に対して必要な資金を供給して、全体として日本経済を活発なものにしていくというしか金融機関としてももう解決する方法はないんではないだろうか、こんなことを考えまして、以上二点からそういうことを申させていただいておるという次第です。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今のお話は、金融再生委員長に就任されたときにもそういうお気持ちでやられたんじゃないんですか。  そういう意味で、ちょっともう一点お聞きします。直接償却はよくて間接償却は悪い、こういうイメージですか、その点もお答えください。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融再生委員長に就任したときに私の頭の大部分を占めたのは金融機関に対する信頼性の動揺です。したがって、どちらかというと、健全性の回復と健全性の確保ということに私の行政の主眼があったというふうに私自身、顧みてそう思っております。  それから、これから、今私が申しているのは、すぐれて収益性ということに着目をした議論をさせていただいているわけでございますけれども、これのためには、ノンパフォーミングローンをたくさん持っているということはやっぱりマイナスの影響を与えるというように思っておりまして、現実に具体的に貸出先との関係を考えてみましても、私は、やっぱりこの際見きわめをつけていくということ、いい債権、これから金融機関としても資金の疎通を図っていく部門と切り捨てる部分というものをやはり区分けしていくというのが日本経済に対して金融機関がむしろ貢献するゆえんだろう、このように考えているということです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 午前中の鶴保さんのお話を聞いていて、この二年半、要するに金融再生委員長、大臣になられて以降、実際上やらなきゃいけないその直接償却や構造改革というのが実は全然やられていなかったんじゃないのかなと、全然と言ったら非常にオーバーにしても、ほとんど進んでいなかったんじゃないのか。だから、今日になって新しく今、再生委員長がおっしゃられるような状況になっているんだろうなと。その意味で、もうきょうは時間がありませんからこれ以上やりませんが、実はそういう点で少しやはりちょっと大きな問題を抱えているんじゃないかなというふうに思えてなりません。  今お手元に「銀行部門の株式保有額と自己資本額の推移」という数字を差し上げました。先週質問したときに、このデータ、これを確かめていただきたいということで、特にそれぞれ金融機関と生保の間の劣後ローンはどうなったのかというようなことを申しましたが、もうデータは出るのでありましょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 劣後ローンだけお答えすればよろしゅうございましょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 この数字は合っていますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) この数字を事務当局で検討させていただきましたが、九九年度末のまずA欄でございますが、五四・五兆というのは、これは株式の簿価保有額に有価証券全体の含み損益を、多分含み益でございましょう、これをプラスしたものになっておりまして、必ずしも株式の保有額というのと整合していないというコメントがございました。  それから、もう一つは公的資本の注入額でございますけれども、これは、全国銀行ベースのその他はすべて数字だというふうに理解をいたしますと、この七・五兆という数字は地銀に対する資本増強が含まれていないというようなコメントがございました。  なお、今、先生のお尋ねの劣後ローンの関係でございますけれども、生保からの劣後ローンというものは、つまり銀行側がローンを受けているという受け身の方でございますけれども、劣後ローンが六・一兆円、劣後債が一・一兆円、合計七・二兆円ということでございます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ということは、相当このネットの自己資本というのは割り引いて考えなきゃいかぬねというふうになるんではないかと思いますが、これはきょう時間がありませんから、これ以上は、また今週恐らく委員会がございますので、そちらで議論させていただきたいと思います。  そこで、金融の問題からちょっとまた財政の方に戻らせていただきたいと思うんですが、宮澤財務大臣、実は私この間の木曜日に、宮澤財務大臣はたしか小渕総理のもとで平成の高橋是清と、こういうことで実は三顧の礼をもって迎えられた、こういうことなんですが、この一両年の間に何とか景気を回復させたいということで、実はこの間議論をいたしまして、その一両年の間に、じゃ、できたんだろうかといったときに、景気は回復できましたかと聞いたら、一部はできたけれども一部はできていない、こういう認識でよろしいんでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 民間企業設備、企業は十分期待にこたえてくれておりますけれども、それが普通の景気回復のパターンと違いまして、家計に連動してこない、いまだに。したがって、国民消費というものが思ったほど上昇してこない。やがて来ると思いますけれども、それが今日までのところ、少なくとも先般の十—十二の統計までは出ておりません。このことを申し上げております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 大臣に就任されたとき、最初の予算を組まれたときに、これはもう一回の表から大魔神を投入したようなものだということをおっしゃられましたけれども、あのときの気持ちは今も変わりありませんか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、たしか十一年度予算を編成いたしましたときに申し上げた言葉でございます。つまり、あらゆる方法を動員して不況の回復を図りたい、そういう気持ちがありまして申し上げたことを覚えております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 じゃ、企業の設備投資はよくなってきている、それがなぜ消費に結びつかないのか。個人消費に結びつかないと、こうおっしゃっていますね。いつも何か、アメリカではレイオフができて、日本ではそれができないからというようなお話があるんですが、今も同じように考えていらっしゃいますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) もう少し正確に申しますならば、日本としては長い間の雇用の習慣、年功序列でありますとか、あるいはライフタイムエンプロイメントでございますとか、そういうことを通じてこの事態に対応しなければならないためにそこに時間がかかっている。時間がかかっております間は、例えば春闘のようなことがございましても、労働としてはどうしても賃金よりはまず雇用ということは無理もない立場でございますから、そういう意味で、やはり雇用の改善に重点がかかっておることも事実であろうと思います。  それが一つでございますが、もう一つは、企業の利益は確かに飛躍的に大きくなっておりますけれども、恐らくかなりの企業がそれを過去の負債の返済に充てておって、賃金の上昇に普通のときほど積極的に応じていない。それは負債の償還が大事であるからでもございますし、また労働側もまず雇用という気持ちがございますからそういうことになってまいるのだと、そういう観察はいたしております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 この間、もう百兆以上お金を注ぎ込まれていましたよね、百兆以上の。そして、去年、予算編成をされたときに、私は後世の歴史から大変な借金をした大臣だというふうに言われるだろうねというふうにおっしゃいましたよね。  そのお話と関連すると、今から二年半前になりますか、小渕総理のもとで大蔵大臣をやられて、公約だったわけですね、一両年に経済を安定成長に自立的にさせますと。それができなかったということは、この公約に対して、小渕さんはもうおられませんけれども、亡くなられていますが、宮澤財務大臣がその後ずっと継続されているわけですから、そのいわゆる公約を達成できなかった責任があるんじゃないですか。  その点はどう考えられますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) できるだけ早くこの不況を脱却したいと思いましたが、小渕さんも私も、この不況の深さがはかり知れないほど深いということはよく自覚しておりましたので、最善の努力をいたしますということは何度も申し上げましたが、一両年で脱却いたしますということは、小渕さんも私もついぞ申し上げたことはなかったと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 財務大臣、それは撤回してください。  小渕総理は一両年のうちに達成しますということを実は本会議の場で我々に何度も述べられたんじゃないですか。だから、一両年とはいつまでですかということを明確に言ったじゃないですか。それは明確に訂正してください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 小渕総理がそういうことを言われたということを私はついぞ、記憶違いかもしれません。それはそうでしたら、私は申し上げたことはございませんけれども、総理大臣はそういう意気を持ってやられたということは知っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 今のはそれは大変無責任じゃないですか。小渕総理のもとで大蔵大臣をやられて、一両年のうちに経済を円滑に達成させると、回復軌道に乗せるということをおっしゃられて、そのもとで財政政策をとられてきたんじゃないんですか、経済政策を。それで、それが達成できなかったら、その責任はあるということを明確にしなきゃいけないんじゃないですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年の秋ごろまでに両方とも、企業設備も国民消費もいわゆるバトンタッチができると思っておりましたが、片っ方の方がそうなってまいりましたことは私は責任を感じておりますということは前にも申し上げ、今もそう思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 どうもめり張りがきいた答弁私いただけないで。本当に今、大変重要な局面に来ていると思うんですよね。  要するに、政治の責任というのは、あのとき約束をした、一両年、大魔神まで投入したんだから必ずそうなる、そういうことで財政政策をとってこられたわけですね。大変な借金をしてこられたわけですね。だから、そのことの責任はあるのかということを聞いているわけです。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 民間の国民消費というものがふだんのパターンのごとく正常な状態に戻ってきていないということは、私が、自分の思っていた去年の秋ぐらいにはということでございませんから、これは責任がございますといって何度も申し上げております。  そこで、しかしこれほどの大きな不況、これほどの大きな経済でございますから、やはりこれを正常な状態に戻すのになおしばらく時間がかかるというのは私は実情かもしれないと思っていますけれども、今、国民消費のことは時間の問題だと思っていますけれども、それをいつというふうになかなか申し上げ得ないというのが現状だと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 だから、最初に私は、愚者は経験に学ぶ、過去の経験に照らしたら、実は多分こうなるはずだということを何度もおっしゃっているけれども、ならないんですよ。ということは、あなたの考えておられる財政経済運営というのは間違っていたということを私は指摘せざるを得ないと思うんですが、どうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 別段何も申し上げることはございません。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 別段申し上げることないじゃなくて、堂々と反論があるんだったら反論していただきたいんですよ。  つまり、こういうだらだらとした平成四年から始まったこの経済政策、大変な金額を投入していながら、なかなかこれが財政政策だけでは効いてこなかったと。このことに対して、宮澤財務大臣の今まで進めてこられたやり方というのはどうも通用しなくなっているんじゃないのか。  私どもは、菅幹事長がもうおやめになったらどうだというふうに指摘されたのは、私はそうだろうと思うんです。その意味で、その責任をとられて、むしろおやめになった方がいいんじゃないんだろうか。これはもう大変失礼な言い方ですが、私はそのことを指摘せざるを得ないんですが、そのことについて何か御意見はございますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 承っておきます。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 本当に今財政問題というのは深刻だというふうに思っているわけでありますが、大分時間もなくなってまいりまして、きょうはお三方、全員お答えできないで、また締めくくり総括の場などもありますのでそこでやりたいと思いますが、そこでまず最初に国土交通大臣にお尋ねをいたします。  先日、委員会で、我が北海道の問題に関して実はこのような御答弁をなさっているわけです。同僚の質問に対して、これは公共事業のあり方でした。北海道を挙げては大変失礼ですけれども、そういう意味では、北海道の皆さん方あるいは民主党の先生方でも、私のところへ、何とか、党は反対しているけれどもこれは推進してほしいと陳情を受けますけれどもと、こう御指摘がございました。  私どもは、もうかつての田中道政時代以来ずっと、野党であれ与党であれ陳情してまいりました。ただ、党は反対しているけれどもこれは推進してほしいということを申し上げたようなことは、私はきのうもいろいろと議員会の方々にあれなんですが、どんな内容で、党は反対しているけれどもこれは推進してほしいという、どんな中身でございましたか、ちょっと教えていただけますか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 国土交通委員会のことを私は予算委員会でお答えするというのはどうかと思いますし、また、国土交通委員会の委員長がこの件に関しては理事会でお預かりさせていただきたいということでございましたから、その委員会の内容については私はお答えするつもりはございません。  ただ、今、先生がおっしゃったように、公共工事ということに対してのお話でございましたので、私は今国土交通大臣ですけれども、去年建設大臣に就任以来、多くの与党三党による公共工事の中止等々の意見がございまして、私はもうこれは大事なことだと真摯に受けとめて、公共工事の中止ということに至る話はもう先生既に御承知のとおりでございます。  そして、百八十七の国土交通省関係からいいますと中止をいたしましたけれども、その中止に至りますまでも、自由民主党から共産党さんまで、多くの皆さんが大臣室に来てくださいました。私はありがたいことだと思いまして、大臣室をすべからくオープンにしておりまして、皆様から行きたいよとおっしゃれば、時間のある限り、委員会に差し支えない限りは必ず来てくださいと、しかも、どういうことですかと。皆さん方の御要望になるべく私は前向きにおこたえしたいと思いまして、皆さん方の御意見を聞いて前向きにおこたえしているというのが現実でございまして、大臣室にいらした国会議員は皆さん秘書室で記録しておりますので、どの内容をどなたがということは数が多くて今言うつもりもございませんけれども、私はそういう意味では多くの皆さんが大臣室へ来てくださることは本当にありがたいことだと思っております。  私は公共工事に関しても、今百八十七の中止をしましたけれども、この中止を決定いたします前にも、九月一日から十二月十五日まで百日をかけて、しかも全国の事業評価監視委員会に三百回かけてこれは決定したわけでございまして、一刀両断に切ったわけではございませんで、三百回も各地方の皆さん方が百日かけて御審議いただいた結果中止したという事情でございますので、私は地域によってはいろいろあろうと思いますから、多くの先生方が国会に、あるいは大臣室に来てくださって論議することが私は大変いいことだと思いますので、そういう意味で私は申し上げたので、私はそれでよろしいと。  中傷したわけでもございませんし、多くの政党を分け隔てなくオープンにしておりますことだけお答えしておきます。(「誹謗中傷じゃないか、撤回しなさい」と呼ぶ者あり)

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 御静粛に願います。  私の指名以外の方は不規則発言、お慎みください。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 要するに、国土交通委員会であった質問について関連してここで質問してはいけないということなんですか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) いけないんじゃないんですよ。委員長にお預けしてありますから。  私は、国土交通委員会が委員長にお預けして、皆さん方理事会でとおっしゃいましたことで、委員長が裁断なさったことに私が今ここで言うということは、私は委員会に対して失礼だと思うから申し上げたんです。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 じゃ、国土交通委員会でまた同僚委員に質問してもらいましょう。  そこで、厚生労働大臣、ちょっと前に。  実は、景気の動向のとき、よく指数が発表になるんですけれども、牛尾治朗さんですか、今度経済財政諮問会議の議員になっております。その方が、就業者数を正確に把握する、実数をですね、そういう統計を日本は完備したらどうだ、こういう提案があるんですが、どう思われますか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) その御趣旨がどういうところにあるのか、ちょっとそれだけお聞きしただけではわかりかねますけれども、もう少しお聞きをしましてお答えさせていただきますが。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 二十一世紀、これから経済統計を完備していくとき、今のGDPのもうコンマ以下のことをかなり議論して、実は後修正されたりする。そうじゃなくて、就業者数が男女別、地域別、あるいはサービス業とか業種別とか、その実数把握をすることによって経済がいかに動いてきているかということをきちんと把握する仕組みが必要になってきているんじゃないかなと。  そういう意味で、労働統計において、これは経済指標として非常に重要になってきているんじゃないのか、そういう趣旨で申し上げているんです。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) それはそのとおり、御指摘のとおりだというふうに思っております。かなり整備をしてきておりますけれども、まだ十分でない点もございますので、それはこれから随時きちっとしていきたいというふうに思っております。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 本来ならもっとたくさんお話を、きょう農水大臣、ちょっともしかしたら。  最後に、総務大臣、本来は地方財政の問題について本当に議論したかったわけですが、きょうはその時間はありません。  実は、昨今の新聞を見ると、郵政事業の民営化問題について随分議論になっています。そこで、ちょっと大臣の郵政事業民営化に対する所見、どう思っておられるのか。  それともう一つ、このことについて事前に通告しておりませんので、ぜひ答えていただいて、これまたもし今わからなければ、後で、今度の予算委員会でもいいんですが、それは特定郵便局の局長さんの給与水準というのが、郵政省の平均七百万円よりも、それよりもかなり大きいというふうに聞いているんです。  つまり、郵政省職員の平均と特定郵便局の給与の問題で、実は総務庁、旧総務庁もたしか総務大臣が所管ですね。総務庁が高コストの特定局にかわる簡易局の設置を勧告したというふうにありますが、こういった点について、総務大臣、両方絡んでおりますので、どういう考えをお持ちなのかということだけ聞いて私の質問を終わって、同僚の堀委員に関連質問をお許しいただきたいと思います。

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 峰崎委員御指摘の郵政事業の民営化は古くて新しい問題で、いろんな議論がありましたが、何年か前に大議論をしまして一定の結論を出して、行革基本法の中にも書いております。郵政の事業は、国営事業、三事業一体、職員の身分は国家公務員、民営化しないと。しかし、経営のあり方や会計はこれは弾力化する、給与会計を導入すると。こういうことでございまして、我々は行革基本法の精神に基づいて、二年後には国営公社移行でございますから、制度設計の今検討に入っておりますし、その考え方は私の考え方でもございます。  それから、後段の点は、初めての、通告のないお話でございますので、実例をよく調べてまた御回答いたします。  以上です。

峰崎直樹民主党・新緑風会

○峰崎直樹君 ありがとうございました。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。堀利和君。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 民主党・新緑風会の堀利和でございます。よろしくお願いいたします。  ITとデジタルデバイドの関連でまず質問させていただきます。  IT革命という言葉も大分耳なれてまいりました。森内閣の新生日本の柱にもなっているITであります。しかし、どうも聞けば聞くほどといいますか、景気浮揚策としてITというように聞こえてならないんですね。未来学者のトフラーも、まさに二十世紀の重化学工業から二十一世紀は高度情報、IT社会だと、これが働き方、産業、生活、一体どんなふうになるか予想もつかないというふうに言っておりますけれども、まさに私はそうだろうと思うんですね。  しかし、そうは言いながら、二〇〇五年までにIT先進国を目指すということですけれども、実はそのときにどうしても気になる心配がございます。それは、IT基本法の八条でも、地域的制約、年齢、身体的な条件におけるデジタルデバイドの是正というふうにうたわれております。  年齢といいますと、福祉でいうと六十五歳、七十歳ということになりますけれども、私はこのITに関しての年齢というのはどうも五十歳ぐらいなのかなと。そうなると、成人の半分がなかなかパソコン、ITが苦手だということで、ここが使いこなせないと本当の国力もつかないんじゃないかと思っております。そこで、このIT基本法の八条とIT基本戦略でも、高齢者、障害者を含めた国民の情報リテラシーの向上ということもうたっております。  そこで、厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、どうも見ておりますと、来年度予算でも確かに視覚障害者などに対してパソコンの周辺機器の給付も盛り込んでもおります。あるいは本年度の補正でも障害者施設にパソコンその他音声ソフトなどを含めての設置もやっておりますけれども、私は、このパソコン、ITを十分使いこなすためには当然研修し、なれなきゃいけない。しかし、障害者に教える人材が残念ながら今非常にないといいますか、不足しているわけなんですね。こういういわば指導者がいないということで、習いたくても習えない。また、講習の場所がないということで、その辺が本格的に解決されない限りは、すべての国民がというふうにはならないと思っております。  総務省の方で補正予算の中でもIT講習推進補助金の事業が進められておりますけれども、やはりそういう意味では連携を強めながら、この辺のデジタルデバイドについての御認識等、決意のほどをまずお聞きしたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 御指摘いただきましたように、障害者の皆さん方にも健常者と同じようにITを、あるいはまたインターネットを使いこなしていただけるようにしなければならないというふうに私たちも思っておりまして、それを積極的にこれから進めていかなければならないというふうに思っております。  障害者の皆さん方が今までなかなかいろいろの職種におつきをいただくことができませんでしたけれども、インターネットの発達によってさまざまな職種におつきをいただける、そういうチャンスがむしろ訪れたというふうに思っている次第でございます。  そうした意味で、今お話をいただきましたように、ボランティアの皆さん方もおかげさまで大分ふえてまいりまして、障害者の皆さん方にパソコンを教えたいという、障害者は多いんですが、今御指摘になりましたようにその教え方ということについてはほとんどの方がまだ十分に熟知をしておみえでない、そういう状況でございますので、障害者の皆さん方に教えたいと言っていただくボランティアの皆さん方をひとつ指導するという、そういう点にこれからより積極的に我々も方向を展開していきたいというふうに思っている次第でございます。  ことしの予算額はまだ少ないわけでございますけれども、この点はしっかりつけていきたいというふうに思っているところでございます。

片山虎之助自由民主党・保守党総務大臣

○国務大臣(片山虎之助君) 今、堀委員お話しの、とにかく二〇〇五年までに日本を一番進んだIT国家にすると、こういうことで各省庁連携を強めて今努力しておりますが、一番私は大切なのは、デジタルデバイドをなくすということ、情報バリアフリーにすると、こういうことだと思います。  そういう意味で、今、e—Japan戦略という国家戦略に基づくアクションプランを各省庁でやっておりますけれども、特に私どもの方の総務省では、デジタルデバイドの解消を最重要課題だということで、私の諮問機関としてIT有識者会議をつくりまして、そこに障害者の代表の方やボランティアの代表の方やいろんな方に入ってもらいまして、今いろんな議論を積み重ねていっております。  ぜひIT基本法八条の精神を具体化いたしたいと思いますが、機器の方も、パソコンも変わってきますよ。今、マウスを持ってクリックするというのはだんだん変わってくるので、そのうちワンタッチになる、そのうち音声で向こうのが呼応するような今機器開発が進んでおりますから、この世界の技術革新というのは物すごいですね。日進月歩じゃない、秒進分歩ですから、ぜひそういう意味でもしっかりしたデジタルデバイドの解消のために努力いたしたいと、こういうふうに思っております。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 ぜひ全国展開している講習会に障害者が同じく講習できるようにしていただきたいと思うんです。私の知る限りでは、大分県あるいは千葉、東京でも障害者向けの講習会を事業化しておりまして、ぜひ北海道から九州までそのようになるように、厚生労働大臣あるいは総務大臣、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  次に、経済産業の関係でお聞きしますけれども、バリアフリーというのは、まずバリアがあって、それからフリーだという、こういう二度手間ではなくて、そもそもの計画から、つまりだれもがアクセスできるというユニバーサルデザインという認識でやらなきゃいかぬと思っております。  そういう点では、経済産業省の所管である言うなれば産業分野でのメーカーの問題、障害者すべてがまずすべてアクセスできるような施策を講じて進めていただきたいと思うんですけれども、その辺の現状と、指針でしたかガイドラインもやっておりますけれども、その辺についてもまずお聞きしたいと思います。

松田岩夫自由民主党・保守党経済産業副大臣

○副大臣(松田岩夫君) お答え申します。  堀先生、おっしゃるとおりだと思います。バリアをつくって、それからバリアフリーというんではない、最初からバリアのない社会をつくり上げていく、そのとおりだと存じます。  経済省におきましても、そういう考え方を基本に置きながら、障害者あるいは高齢者の方々が容易に使用できますような情報処理機器の基本仕様などを盛り込んだ情報処理機器アクセシビリティ指針と、ちょっと難しい言葉で恐縮でございますが、そういうものを平成二年につくりまして、何回か技術の進歩に応じまして改定をいたしました。昨年の六月にも最近の技術の進歩に合わせて改定いたしまして、その指針に即しまして、パソコンメーカーやあるいは周辺機器メーカーの方々にこの指針に準拠した製品開発をしてくださいということを申し上げてきておるところでございます。  その指針の中で、先生も御案内と存じますけれども、今、先生おっしゃったように、例えば、普通パソコンといえば両手で行うわけでございますが、そもそも両手で行う作業を片手だけでも操作可能にするとか、あるいはまた視力の不十分な方には見やすいように画面情報を最初から見やすい倍率にすぐできる、そういったようないろいろな工夫を凝らすようにという指針を具体的に示しまして、障害者、高齢者等の利用に便利なように、そういう機能を持った機器をつくるようにということで、そういった指導をいたしております。  また、これとあわせまして、そういった指針に即して機器を開発していただく開発支援のための予算、これも平成十年度から、おかげでいただきまして、開発支援を積極的にいたしております。十一年、十二年とだんだん拡充していただきました。十三年度予算の中でもさらに拡充した予算をいただいております。こういった予算を有効に活用いたしまして、先生御指摘のような方向に力強く持ってまいりたいと、経済産業省としても全く同じ考えでおります。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 現状については、率直に申し上げて非常に私自身不満を持っております。中でも、日本がアメリカに追いつけということでのIT戦略を持つのであれば、アメリカはリハビリテーション法五百八条というのが八六年に加えられまして、いろいろ見直ししながらようやくことしの六月に施行されるわけです。  この法律はどういうものかといいますと、連邦政府機関が電子機器を購入するまたはリースする場合に、障害を持つ者が、その職員がそれを利用することができるようにという趣旨であるわけですね。そして、そのアクセシビリティ標準というのが定められまして、その適用範囲は、障害を持つ者も持たない職員もすべて利用できるように情報通信機器を、あるいはホームページサイトをきちんと備えなさいと。つまり、障害を持つ持たない関係なくすべての職員がというのが原則なんですね。その上で例外規定がありますよと。例外規定とは何ぞやというと、障害者が必要とするような支援機器などは必要ない、通常の情報通信機器でいいんだと。つまり、障害を持たない人の方を例外規定というふうにやっているんですね。日本ではとても考えられないんですが、私はこういう法律をつくってこそアメリカに追いつくんだろうと思います。  政府にそういう動きがないものですから、民主党としてはこういった法律を何とか議員立法でという動きも考えておりますので、その際にはぜひ政府も御支援、御協力をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  片山大臣、松田副大臣、ありがとうございました。これで退席されても結構でございます。  次に、社会保障の問題に移りますけれども、その前に、このことと関連しますけれども、財政問題、景気の問題で質問させていただきます。  先ほど、同僚の峰崎委員のやりとりを聞いておりまして、宮澤財務大臣、九八年小渕内閣以来ずっと閣内にいらっしゃいますので特にお聞きしますけれども、今の景気は果たして回復したというふうに言えるのかどうか。先ほどの話も、これは小渕総理がそう言っていたんだと言うかもしれませんけれども、景気の回復二年ぐらいを待って、成長率二%ぐらいになったら財政構造改革、再建に取りかかりますよと言っていたんですね。しかし、我々民主党の方は、そうじゃないんだと、本当に景気を、経済を立て直すには不良債権も含めた構造改革、厳しいけれども、これをやることでむしろそういう道が切り開けるんだというふうに言ってきたわけなんです。  ここに来て果たして経済が回復したのかしないのか、だとすれば、これからの財政構造改革、再建というものに取りかかるのか取りかからないのか。あわせて、これ金融問題になりますけれども、言われているまさに今真っただ中の金融の三月危機と言われるこれをどんなふうに認識されるのか、お聞きしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 前段の問題でまず提起されましたのは、とにかく景気回復の一兎を追わなきゃならないということを申し上げてきたときに、いや、財政も非常に大事なんだと、そう一本調子でいいのかという、そういう御疑問が確かにありました。それで、今それなら財政再建を云々するときに来たのかと。片一方で、私は先ほど峰崎委員に、企業は大丈夫になりました、しかし国民消費はまだ十分でございませんと、全部バトンタッチができる状況ではないと申し上げました意味では、景気は完全に回復してはいないということを申し上げておるわけになります。    〔委員長退席、理事須藤良太郎君着席〕  ただし、今お尋ねになっております問題の観点から申しますと、経済成長がプラスになってきたことには間違いがない。ちょっと甚だ力強くないプラスでございますけれども、この平成十二年度政府見通しはプラス一・二でございますが、私はこれは、もうあと一—三しか残っておりませんが、まず一・二というのは間違いないなと思っておりますので、そこでとにかくプラスの路線には入ってきたではないかとおっしゃれば、まあまあそうではございますと。  それから、財政再建を考える上で、国の税収そのものがマイナスになっていく、政府の見通しが毎年達成できないという状況では、これはもう大宗の収入の見当がつきませんからなかなかやれないということを申し上げましたが、この平成十二年度では当初見積もりよりも何がしか増収があるということは間違いないと考えられますところを見ますと、国の税収もわずかではあるがプラスに転じたと申し上げていいんだろうと。  そういう観点から申しますと、大変くどいように申しましたが、景気は完全に回復したとは申し上げにくい、しかし他方で、財政再建というものの緊急性はいよいよ迫っていて、その条件というものも見ようによってはまあぼつぼつではないのかと。こういう考え方は、私はやはり常識的かもしれないというふうに思ったりもいたしまして、先般、経済財政諮問会議で、この問題を頭に置きまして、マクロモデルをつくってそして財政再建のためのシミュレーションをすべきではないかという提言をいたしまして、マクロモデルの作業は既に開始されたわけでございます。  それで、恐らく半年ぐらいかかると言われておりますが、その際、かねて申し上げておりますように、財政ばかりでなく税制も、中央、地方の行財政も、そして何よりも社会保障の諸問題、これらを全部一義的に満足な答えを与えるためにはどういうシミュレーションが可能かという方に向かって作業をやっぱりだんだん進めていかなければならないということを、ただいま申しましたようにマクロモデルの構築から実際上は着手したと。  まだ景気のこれからの大きな変動がございますと、という点はともかくといたしまして、大体やはり財政再建という問題への道に入りつつあるというふうに申し上げてよろしいのではないかと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま堀委員から金融について、よく言われる三月危機というものについてどう考えるかと、こういう御質問がございました。  私、たびたび申しておりますとおり、金融機関の体質というか財務状況を脅かすものは現在二つ大きくあるというふうに考えております。一つは株価の急激な低下でございますし、もう一つは不良債権の処理ということかと思います。  第一の株価の低落につきましては、かねて申し上げておりますとおり、これが例えば日経平均というようなもので相当というか今日あたり記録しているような水準であっても、これの自己資本へのマイナスの影響というものはまずまずしのげる範囲のもので、一%ポイントには達するか達しないかというようなあたりではないかと、こんなふうに考えております。そういう意味では、株価の低落ということが直日本の金融機関の自己資本比率の低下というようなことにはつながらない、このように考えております。  それからもう一つ、株価の低落が損益勘定に影響する面がございます。これは第二に言った不良債権の処理に当たって仮に業務純益で賄えないということになりますと、従来の株価水準であれば株式の売却益をそこに動員することによってそれを処理できるということになっておったのでございますけれども、それがなかなか意のごとくならないということになります。他方、やるべき不良債権の処理というのは、これはもうそこで何か手心を加えるなどというようなことは絶対あってはならないし、逆に、最近のように、私が直接償却を進めるようにということを申し上げますと、来期においてこれを進めるということになると、それだけのむしろ備えをするというようなことでこの不良債権の処理額というものが増嵩するというようなこともございます。  そういうようなことを一体どういうふうにやるかというようなことで、非常に金融機関は厳しい損益状況に立ち至るわけでございますけれども、既に一行でございましたか、一つのグループがそういう予定というか想定を発表しておるわけでございますが、赤字決算ということも、これを避けないでしっかりした不良債権の処理をしていくというようなことになっております。  それは、損益勘定のそうしたマイナスというのも、また今度は翻って自己資本比率に影響を与えるわけでございますけれども、しかしこれも限界的なものだというふうに考えておりますので、終局的に今回の三月末におきまして株式の低落あるいは不良債権の処理のために日本の金融が危機に瀕するというようなことはないと、このように申し上げさせていただきたいと存じます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 それは、九八年の金融再生法なり活性化法という金融安定化システムができたからだと思うんですね。  当時、何かよくわからないブリッジ方式とかというのを出してきたんですけれども、この辺についての反省、御認識はどうなんですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 何方式と言われましたか。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 ブリッジ方式。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、先生、今御言及のブリッジ方式と申しますのは、金融機関が破綻した場合に、これを蘇生させる、これは別の法人になることもあるわけでございますが、その間の、破綻から新しい法人になる、あるいは場合によって他の法人に統合されるというようなその経過期間をどのようにしていくかということで、今も再生法には三つの方式がございまして、一つは特別公的管理、それから第二番目にはブリッジ銀行をつくる、第三には金融整理管財人を置く、こういう三つの方式が存在しておりますけれども、今申したように、三月期において破綻をしてしまう銀行が生じてしまうというようなことはまず想定しなくてもよろしいんではないか。もちろん、非常に協同組合方式の金融機関の中に場合によってその時期にそうしたことに直面するものもなきにしもあらずですが、バンクと言われるようなものについてそういうことを想定するという必要はないということが先ほど私が申したことでございます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 大丈夫だと思いますよ。それはやはりさっきも言いましたように、九八年のいわゆるブリッジ方式というわけのわからないようなものに対して、民主党初め野党で再生化法というものを出して、それを言うなれば小渕内閣ががぶ飲みしたわけなんですね。それがあったからこそ、今こういう形で危機と言われながらも何とか持ちこたえられるというふうになった、このやっぱり反省は私はすべきだろうと。  もう一つ、景気がよくなったら財政構造改革、再建に入るよと、どうも本格的に確信の持てる景気回復になったかどうかという、非常に疑わしい。  宮澤財務大臣にお聞きしますけれども、何よりもGDPの六割を占める消費というのは大事だと思うんですが、それがどうも消費が伸びればなと、あるいは時間の問題だと、これで大丈夫なんですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そこは先ほど少し長く申し上げましたように、そういうことでございますから、景気回復が万全だとは申しにくいと、しかし他方で財政再建はどうするのかというお尋ねでございましたから、その方の準備は実は経済財政会議等々でマクロモデルをつくることを決定して作業を始めましたと、こう申し上げておるわけでして、普通考えますと、企業の収益がこれほどようございますと、これはやがて賃金、給与に回ってくると考えるのが普通でございますが、いろいろな事情でそれがおくれていると。それが先ほどお話しの七—九はマイナス〇・六であったということでございます。いや、七—九じゃございません、十—十二がマイナス〇・六であったということでございます。私は、一—三には多分よくなっているかなと思いますけれども、これはもうしばらく見ていなきゃならぬことでございます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 私は、失礼ですけれども、どうも景気循環論的な教科書で物事を見ているのではないかと。先ほど峰崎委員も言ったように、二九年の恐慌の話のように歴史に学ぶといえば、今は決して単純な景気循環論ではないわけですし、そのうち消費は上がるだろうと、私はどうもそこが心配でならないわけなんですね。  そこで、消費が伸びない、家計支出が伸びない一つのやっぱり大きな理由は、雇用の不安と将来への社会保障の信頼が揺らいでいるということだろうと思います。  まず厚生労働大臣にお伺いしますけれども、私は、今後社会保障の負担の公平性ということが重要になると思いますけれども、年金、医療、福祉などなど、サービスを受ける際にも、そこの受ける際の公平性も重要であるわけですけれども、その場合の社会保障の番号制といいますか、個人番号みたいなものをつけて、より効率的、有効な形での個人に対する社会保障というものを考えるべきだと思うんですが、その辺についてはどうお考えでしょうか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○副大臣(桝屋敬悟君) 私の方からお答えを申し上げたいと思います。  今、堀委員がお尋ねになりましたのは、既に我が国は基礎年金番号、これは平成九年から動いておりますけれども、恐らく委員の御指摘は、この基礎年金番号のみならず、年金、医療保険、あるいは介護保険とかさまざまな制度にそれを活用して、社会保障番号ということでやったらどうか、それによって相当効率化、制度運営の効率化とか給付の適正化ということができるのではないか、こういう御指摘かというふうに伺ったわけでありますが、付番制度について、やはり委員も御記憶があろうかと思いますが、住民基本台帳法、これの議論のときも随分IT化ということの中で議論もありました。  光と影ということで、個人のプライバシーの問題、あるいは統一の付番をつくるということによりましてデータマッチングもできるわけでありますから、余計個人のプライバシーに関する問題、これが一つある。国民の理解が得られるのかということ。さらには、統一番号を付与するその費用とそれから効果、こういうことも十分検証する必要があろうと思いますし、何よりも、現在の私どもの基礎年金番号、あるいは今申し上げた住民基本台帳法のこの番号、そうした既存の制度とのかかわりというのをどう考えていくかという、こんな問題もあろうかと思います。  幅広い観点から、委員の御提案も受けまして、慎重に検討を進めていきたい、このように考えているところであります。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 プライバシーというのは大切なことですから、それはもう慎重にやらなきゃいけないと思いますけれども、ただ、受ける側の個人にとっては効率よく有効にサービスを受けたいというのがございますので、そういう意味での検討をお願いしたいと思います。  次に、森総理が施政方針演説の中で、「自己責任の原則に立った社会保険方式を基本に、将来にわたり持続可能で安定的、効率的な社会保障制度を構築」するというふうに述べているんですね。これ「自己責任の原則」と聞きますと、個人年金とか積立方式を意味するのかなと。保険方式ですと世代間なり世代内のお互い支え合う賦課方式、社会保険方式を意味すると思うんですけれども、厚生労働省はこれまでも社会保険方式を原則にしてきたと思いますが、この森総理の施政方針演説の「自己責任の原則に立った」というのをどのように理解しているんでしょうか。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 御指摘の点は、もうこれは、社会保障というのは国民一人一人が生活のさまざまなリスクに直面をしましたときに社会全体で支え合う仕組みであることに間違いはないというふうに思います。  自助、共助、公助というふうによく言われますが、その三つでこれは、社会保障というのはいかざるを得ませんが、その中でとりわけやはり共助と公助というのがやっぱり主体になることは間違いないというふうに私も思っております。  ここで総理がおっしゃったのは、ただし共助が一番中核になっているんですが、ところが最近、例えば年金にいたしましても医療保険にいたしましても、掛ける能力がありましてもなかなか掛けていただけないような人がありましたりするものですから、共助といえどもやはり御自身でひとつそこは掛金を掛けられる人は掛けてくださいよと、掛けられる人といいますか、能力のない人はそれは別でございますけれども、掛ける能力のある方はぜひお願いをしたいという、そういう意味での自己責任ということを言ったのでありまして、しかし先生から御指摘をいただきまして、私もよく見ますと先生が御指摘いただくように心配をしていただくようなとり方もあるなというふうに思っておりまして、ここは、現実問題としてのこれからの政策立案の中で御心配をしていただかなくてもいいようにここは整理をし、そしてお示しをしなければならないと考えているところでございます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 経済戦略会議の報告でも、一階は公的、税で年金をやろうと、今のいわゆる二階部分はもう個人、私的にやろうということが出まして、厚生省は、恐らくこれ、かなり何といいますか受け入れがたい姿勢をとったと思うんです。私もそこは同感なんですね。あくまでも、やはり共助というところが中心だろうと、社会保険方式が中心だろうと思っています。ただ、私も、我が民主党も、基礎年金の国民年金部分は税方式でやるべしというように思っております。そこだけは指摘しておきたいと思います。  税にしろ、社会保険にしろ、納める側、支払う側のやはり公平性というのが重要だと思うんですね。社会保障のやはり根幹だと思います。  そこで、宮澤財務大臣にお伺いしたいんですけれども、その際にどうしても問題になるのが所得捕捉のところなんですね。年金、医療、福祉にしても、本当に公平に税なり社会保険料を納める方たちの透明性があるのかということで、クロヨンとかトーゴーサンと言われるんですけれども、例えば、つい先日厚生労働省が出しました「医療制度改革の課題と視点」ということで、高齢者医療制度の見直しについての四類型を出しておりまして、独立方式なり突き抜け方式なり、年齢リスク構造調整方式なり、一本化方式、こういう事例を出しながらも、結局所得捕捉が十分担保できないためにこういう改革方式はだめだということも言われているわけなんですね。  そういう意味で、税のあり方は、何も社会保障がすべてとは申しませんけれども、本当の意味で社会保障制度を基本的に公平、公正なものにするためには、私は所得捕捉というのは避けて通れないと思いますけれども、この辺、財務大臣、どのようにお考えでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 最初の小さな問題として、一般に高齢者というのはいわば社会的な弱者であるといったようなとらえ方は必ずしも財産的に見ると事実ではない、むしろ高齢者がかなり裕福な生活を送る能力と資力があるということは考え直さなければならない問題だというふうに私どもも思っていますし、懇談会の答申などもそう言っております。  しかし、今、委員のおっしゃいましたもっと大きな問題は、所得把握という形において恐らくは一番有効な方法は納税者番号だと、こうおっしゃったのだと思いますが、それにつきまして、これはかなり長い、戦争後しばらくたってから始まった論争で、論争もいろいろ変遷がございました。  最初の段階は、労働団体が一番納税者番号に反対をされました。その主たる理由は、それは徴兵制につながるということであったわけでございます。しかし、今そんなことをおっしゃる方は多分もういらっしゃいませんと思いますが、最近は何か一人一人のプライバシーを政府というビッグブラザーがいろいろにこういう納税者番号で監督してくる、管理してくると、そういうことについての懸念、反対論が今度思わない方向からまた出てきているようでございます。  納税者番号については、政府の税制調査会においてずっとその後今日まで取り上げられておりますが、やはり社会的な需要があるであろうかどうであろうかということについて、政府の税調委員の御意見がちょうど相半ばするというか、まちまちでございまして、税の観点からいえば、あるいは今おっしゃいますように社会保障の所得捕捉の観点からいえばこれはもう最も有効であることは間違いございませんものの、それが別の目的に奉仕することになるということについての危惧が相当また強い、ここへ来て強いということもございまして、税制調査会としても決断を下せずにいるというのが現状であると思います。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 社会保障を根本的に改革しようとすると、どうしてもこれは避けて通れないなと私は思うんですね。サラリーマングループからしますと、そこが非常に不公平感があって、前に進まないということがございます。  次に、健康保険組合の財政についてお伺いしますけれども、健保組合が赤字予算組合として全体の九割になる、単年度赤字を見ましても五千億というふうになりまして、二けた台の組合が解散せざるを得ないという状況に追い込まれる、そんなふうな今危機的状況なんですね。昨年の十二月暮れに健保組合大会が開かれまして、たしか厚生省に二千億円の緊急援助を要請したかと思いますけれども、どうも厚生省は、当時厚生省ですね、余りいい返事をしなかったというふうに聞いてもおります。  ここで何らかの財政援助措置あるいは融資というものを考えないと、これは大変なことになるんじゃないかと思うんです。十三年度予算の中を見ましても全くその辺が見当たらない。金融システムなんというから当然なんですけれども、銀行の方にはじゃぶじゃぶとお金を出す。だけれども、ここの健保組合のように国民生活において非常に重要なこの医療保険制度については横を向いてしまう。非常に残念なんですけれども、この辺についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○副大臣(桝屋敬悟君) 健康保険組合に関するお尋ねでございます。堀委員御指摘のとおり、健保組合、財政状況は極めて厳しい状況にあるということはよく承知をしておるわけであります。今、委員からもお話がありましたけれども、平成十三年度予算で五千億に近い赤字が見込まれるという御紹介もいただきましたけれども、大変厳しいという状況にあるというふうに認識をいたしております。  その要因は、これももう委員御案内のとおりでありますが、現下の厳しい経済状況のもとで被保険者数が減少しておる、あるいは報酬の伸び悩みがあるというような保険料収入の伸びの問題、それから高齢化の進展等によりますまさに老健拠出金の問題があるわけであります。  委員、政管健保あるいは国保と比較をしてという御指摘のような気もするわけでありますが、本来、自主的な組織であります健保組合につきましては自立した財政運営を行っていただくということが極めて重要であります。しかしながら、御案内のとおり、財政逼迫の状態にある健保組合に対しましては、予算措置ではありますけれども所要の財政支援を行っているところであります。今後とも、健保組合の実情等を踏まえて必要な額の確保に努めてまいりたい、こういうふうに思っているところであります。  いずれにしましても、やはり医療保険財政の安定的な運営が図られますように、平成十四年度に向けまして、高齢者医療制度の見直しを初めとする医療制度改革の検討、これを鋭意進めていきたい、このように考えているところであります。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 確かに、GDP成長率より社会保障の自然増といいますか高齢者医療費の方が伸びが高い、こういうことが原因であることは確かなんですが、十二年度に抜本改革する、そして老人医療費の削減ということは、当時厚生省が公約したんですね。これをとんざさせて、こういう状況の一つの原因でもあるわけですけれども、大臣、これについて何か御所見がありましたらお聞きしたいんですが。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 確かに一度お約束をしたことでございましたけれども、諸般の事情でそれができなかったということのようでございます。しかし、今度は、十四年には間違いなくやります、来年の今ごろ、すなわち来年の通常国会にはこの医療保険の改正案を出させていただきますということを森総理もお約束になっておりますから、これはその約束をどうしても守らなければいけないというふうに私も思っているわけでございます。  今、話がありましたように、健保等の非常に財政が苦しくなりましたのも、そのほとんどは三〇%から、あるいは中には三五%近くいわゆる高齢者医療に拠出をしていただいているということがその大きな赤字の要因になっていることも事実でございますから、高齢者医療をどうするかという問題を中心にしながら、他の問題も含めまして、新しい制度をどうつくり上げていくかということをことしじゅうに決定しなければならないと考えているところでございます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 まさしく十二年度やるべきことをやらなかった、その原因がやはりこういう事態をつくり出しているというふうにぜひ認識していただきたいと思います。  高齢者の医療費の問題ですけれども、昨年、臨時国会で健康保険法が改正されました。高齢者にも負担していただこうということで、かつ受診者としてのコスト意識を持っていただこう、こういうことで一割という負担率を決めたんですね。しかし、それはすぐは無理だということで定額制も残していたわけですけれども、診療所の方を見ますと、医科が八割、歯科の方ですと九割ぐらいが定額制を選択したと。したがって、一割という方は少ないのですけれども、これでは本当のコスト意識が出てこない、そういうこともいわゆる老人医療費が削減になかなかつながりにくいというところもあると思うんです。これについて、今さら何を言ってもしようがないんですけれども、十四年度の本格改革については定額制を見直すということについてはいかがでしょうか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○副大臣(桝屋敬悟君) お答えをいたします。  昨年の臨時国会で、委員もお話がございました、随分さまざまな議論をさせていただきまして、先ほどから御指摘をいただいていますように約束が違うとか随分厳しい御指摘もいただいたわけであります。しかし、上限つきの定率一割、これを導入したということは大きな変革であったというふうに私ども思っておりますが、今、堀委員御質問の中でもありましたように、窓口における事務処理に直ちに対応できないという点なども配慮いたしまして、診療所については御指摘のとおり定額制を選択するということも、選択制としたわけであります。  しかし、今、委員言われたように、実際にふたを開いてみると余り移行していないではないかという御指摘もありまして、我々も推移を見守っているところでありますが、今、大臣との議論もしていただきました平成十四年度を目途とする高齢者医療制度の改革におきまして、患者一部負担あるいは保険料負担などのさまざまな角度から、高齢者と若年者の負担のバランスをどう図っていくかという点が極めて重要な課題の一つであるというふうに考えているわけであります。御指摘の定額負担あるいは定率負担、この問題につきましても関連の中で議論を進めていきたいと、このように考えております。幅広い観点から国民的な議論をお願いをしながら、関係者の御意見も十分踏まえながら検討を進めていきたい、御指摘も踏まえて検討していきたい、このように思っております。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 次に、介護保険制度についてお伺いします。  もういよいよ、失礼、いよいよじゃないですね、もう一年になろうということなんですけれども、この状況を見ますと、まず一つは在宅サービスがどうも伸び悩みかなというように思うんですけれども、この辺についてどのように見ておられるのか。  また、介護保険制度の一つの目的は、なれた地域で生活する、在宅支援ということが重要なんですけれども、今申し上げたような観点からいいまして、在宅サービスをもっともっと伸ばしていくその策として、施設サービスの自己負担の比率を例えば少し見直しながら在宅サービスへ誘導していくというふうにはお考えにならないのかどうか。  さらには、この制度設計をする際にも、本来行くべき方が行くべきところに、つまり施設に入所するということではなくて、その高齢者に合うか合わないかは別に近くに療養型病床群があるからとか特養がないからとか、そういうような形になっていると。これをやはり行くべきところに、入所すべきところにするというようなことが言われているわけで、そこには非常に価格の格差があるという、現在もそうなんですけれども、これを施設、サービスの同一価格に持っていけないものかどうかということについてあわせてお伺いしたいと思います。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 先日来新聞に、今お話しいただきましたように、在宅介護が伸び悩んでいるのではないかというニュースがかなり流れました。それで、私も、実際のところ一体どうなのかと、もう少し正確にこれを把握できないかということを申しまして、そしてこの訪問介護、通所介護別に、平成十一年とそれから十二年の七月と十二年の十一月と全国全部の回数を調査してもらいました。  今までこれ発表したことございませんので、きょう初めて申し上げるわけでございますが、訪問介護の方は、平成十一年度、月平均にいたしまして三百五十五万回、これ全国でございますから三百五十五万回でございます。平成十二年の七月にはこれが五百万回になりまして、四一%増になっております。そして、平成十二年の十一月には五百三十九万回になりまして、五二%増になっております。  それから、通所介護の方でございますが、平成十一年度は二百五十万回でございましたが、平成十二年の七月には三百三十三万回になっておりまして、三三%増でございます。そして、平成十二年の十一月でございますが、三百四十万回で、三六%増になっているところでございます。  こうして見ますと、大体八〇%から八五%ぐらいのところにとどまっておりますので、初めの予定よりも少ないではないかというふうに御指摘をされれば、若干そういう点はなきにしもあらずではございますけれども、しかし、新聞で報道されておりますような低いことはない、八〇%は行っているということでございます。  この辺のところを踏まえまして、これからまたもし足りないところがありましたらそこを指摘し、そして改善するところがあれば改善をしていきたいというふうに思っております。  先ほど御指摘をいただきましたようなことも一つの課題として検討しながら、これから在宅介護というものがより伸びていきますようにやっていきたいというふうに思います。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 在宅介護、それほどでもないというお話でしたけれども、この在宅サービスを充実するために多様な事業者の参入というのがあったと思うんですが、これの全般的な展開がどうなっているのか。  在宅サービスについての十分な、納得いかないところがあるんですけれども、それは介護報酬のあり方に問題があるように思うんですね。この介護報酬体系の見直しということについてはどのようにお考えでしょうか。

桝屋敬悟公明党厚生労働副大臣

○副大臣(桝屋敬悟君) お答えをいたします。  介護保険において民間事業者がどの程度頑張っているかというお尋ねでありますが、これは訪問介護、ホームヘルパーでありますが、四月に九千二百カ所の指定事業者が十一月には一万三千カ所になっているわけで、大きく伸びているわけであります。あるいは、通所介護についても四月の五千六百カ所から十一月には八千二百カ所ということで、多くの民間事業者が頑張っていただいているわけであります。  全部が民間ということでもないわけでありますが、各事業者の地域における事業展開においては、サービス拠点の効率化を図る民間事業者もあるけれども、従来から地域に密着をして利用者との信頼関係を築いてきた事業者は着実に事業を進めてきているというところもあります。それから、NPOも頑張っておりまして、私どもとしては民間事業者も相当頑張っていただいているのではないかというふうに思います。  今、堀委員御指摘の介護報酬の設定が少し問題があるのではないかという点で、民間事業者が少し苦しんでいるのではないかというような意味のお話もありましたけれども、この報酬設定につきましては、次の見直し、介護報酬は三年間の大体その単価でいっているわけでありまして、これをどうするかでありますが、介護報酬実態調査などを踏まえまして事業者が適正に事業を実施できるような水準を設定したところでありますけれども、制度が始まりまして今日まで活動していただいているその状況等も見きわめながら、御指摘の人材の量的確保あるいは質的な確保の観点から検討を進めていきたいと、このように考えておるところでございます。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 介護保険についてはまだまだお聞きしたいこともあるんですが、時間が大分、もうほとんどないものですから、最低賃金法と知的障害者の年金について質問も用意したんですけれども、これもちょっとまた次の機会にさせていただきます。  最後に、坂口厚生労働大臣にお願いなんですけれども、二〇〇二年といいますと、障害者基本法の見直しをしなきゃいけないかなと思ってもおりますし、アジア障害者の十年の最終年、国の基本計画がひとまずここでもう終わって次改めてと、あるいは障害者プランも一応二〇〇二年度までということであり、二〇〇三年度からは現在の措置制度が利用型制度に変わるということで、言うなれば障害者にとっては二〇〇二年までがどうも二十世紀なのかなと、二〇〇三年から新しい世紀かなというふうに思うんですね。  たまたまといいますか、こういう時期ですから、二〇〇二年に障害者関係の大きな国際会議が三つございます。実はこの国際会議を成功させるためにも国際推進議員連盟をつくらせていただいて、大臣が副会長に就任になっていただいているわけですけれども、ぜひ政府として、厚生労働省として、この国際会議が成功するように御支援、御協力をお願いして私の質問を終わりたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。

坂口力公明党厚生労働大臣

○国務大臣(坂口力君) アジア太平洋障害者の十年が二〇〇二年は最終年を迎えるわけでございまして、この最終の年にふさわしい年にしなければならないと我々も決意をしているところでございます。  そして、今御指摘をいただきましたように、国際会議も幾つか、これは大阪でございましたか、開かれることになっておりますしいたしますので、あるいは札幌でも開かれる予定だったかもしれません。そうしたことがございますので、これらの国際会議をぜひとも成功させなければなりませんし、ただ会議を成功させるというだけではなくて、やはりその会議を成功させるだけの障害者政策というものを持った国にするということが大事でございますから、その方向に向けて努力をしたいと考えております。

堀利和民主党・新緑風会

○堀利和君 ありがとうございました。

須藤良太郎自由民主党・保守党

○理事(須藤良太郎君) 以上で峰崎直樹君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

須藤良太郎自由民主党・保守党

○理事(須藤良太郎君) 次に、大森礼子君の質疑を行います。大森礼子君。

大森礼子公明党

○大森礼子君 公明党の大森礼子です。  早速質問に入らせていただきます。まず最初に、私が女性だからというわけではありませんけれども、選択的夫婦別姓の問題について、主に法務大臣にお尋ねいたします。  いろんな方から御意見を聞きますと、私が思った以上に別姓をとられている方が多いということは気づきました。つまり、法律上の婚姻ではありませんから事実婚だということであります。それで、二十一世紀、女性の時代と言われておりますけれども、この問題、多くの女性が、また若い世代が求めておりますので、もし先で実現することであるならば、何とかこの二〇〇一年、この通常国会で成立させたいものだと私ども思っております。  質問に入るんですけれども、平成八年の二月に法制審議会の方から選択的夫婦別姓、こういうものを入れましたいわゆる要綱、法律案要綱、これを決定しましたけれども、結局出せないままで進んでおります。それで、平成十一年の旧厚生省の人口動態統計というのがありますけれども、これは婚姻に当たって姓を変えたのは九七%が妻の側であったという、こういう結果が出ております。民法、法律上は、夫または妻の氏をどちらでも称していいということになっておりますし、あるいは女子差別撤廃条約十六条の(g)では「夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む。)」、これが規定されているわけなんですけれども、ただ事実上はこのような結論になっていると。  法務大臣としては、この九七%妻の側が改姓していることについてどのように分析されるでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 結論からいえば、当事者が決められたことであります。ありますが、妻の側だけが九七%変えておられるということは、なぜ当事者がそういう選択をしたかということだと思いますが、やはりこれは日本の社会の長い伝統的な考え方とか、あるいは一方で必ずしも女性が社会的進出をされていなかった、そういうような状況も反映しているのではないか、こういうふうに考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 これ平成十一年ですから、その当時、女性が進出していなかったということにはならないと思うんですね。もちろん、年輩の方も聞いていると思われるんですけれども。ただ、やはりここのところには背景に、女性の方が姓を変えるべきであるという、こういう伝統的な考え方があることは否定できないと思います。  そして、もしそうであるとするならば、女子差別撤廃条約二条一項(f)の項で、「女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置を」とらなくてはいけない、このようにしてありますので、もしそのような慣行というものが、習慣というものが背景となってこのような実質的に不平等な結果が出ているのであるとすれば、法的な措置をとるべきだと私は考えております。  ところで、平成八年に、この民法改正について世論調査が出ておりまして、その段階でも、実は私驚いたんですけれども、総数で、この段階で別姓に賛成の人が実は三二・五%もいらっしゃるんです。反対する人が三九・八%、あとは通称使用を法律で認めるというこれに賛成が二二・五%ですね。いろんな見方あると思いますけれども、やはり戸籍上の姓のほかに、婚姻した場合そうですけれども、もう一つの名前を認めなくてはいけない必要性を感じている人は、別姓に賛成、通称使用賛成合わせると実は五五%ぐらいもいるということ。それから、もう一つ大事なことは、二十代、三十代、四十代では、別姓賛成の人が圧倒的に別姓反対の人の数を上回っております。  こういう数字を見るときに、よく世論調査、世論調査と言うんですけれども、どこの部分の意見を聞くということはやはり大事だと思うんですね。特にこれは結婚の問題ですから、若い世代、二十代、三十代の人がどんなふうに、婚姻をするに際してどのようなところに障害を感じているかということも私はこの世論調査の結果から見るべきではないかと思うんです。  世論調査の結果はもちろんお手元にあると思うのですけれども、若い世代が、二十代、三十代、四十代と、こういう人が結婚という重大なことについて、姓ということで非常に悩みがあるという事実、これについては大臣はどのようにお考えでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 婚姻によって氏を改めることによって仕事上何らかの不便を生ずることがあるという実態はあると思いますし、また少子化の時代でありますから、家名承継の必要から婚姻が難しくなることもあると。そして、そういったことから氏を変更したくないという理由から正式の夫婦となる届け出をしない内縁の夫婦が存在すると、こういった事情もあるだろうと、こういうふうに思っております。そういったことは一つの重要なこととして考えていかなければいけないことだとは思っております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そうしますと、平成八年の段階で既に別姓に賛成というのが三二・五%いる、これは総数です。男女で分けると、もちろん男性の方が反対という人が多いんですね。そして、この数字を見たときに我々がやるべきではないかと考えているのは、強制別姓主義ではありませんで、あくまで選択的な夫婦別姓なんです。しばらく前まで、特に御長老の議員さんなどは勘違いしまして、みんな別姓になるかと思ってとんでもないという反対をされていたと。そうではありませんで、いろんな事情で、この事情についての認識については後で大臣にお尋ねいたしますけれども、いろんな事情でどうしても別姓のままでいなくてはいけない、お互いが同意している、こういう場合に果たしてほかの人がそれはやめるべきだと言うべきなのかどうかという、こういう問題だと思うんですね。  次の質問ですが、大臣は個人的には別姓についてはどういうお考えでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) これは、私個人の考えでもありますし、法務省の一貫した考えでもあるわけでありますが、国民世論の動向を見きわめながら決定していくと。もう少し踏み込んで言えば、皆さんが、皆さんと言っても全部じゃなくてもいいんですが、多くの方が賛成していただける状況にしてこういうことをしていくということが私の個人的な考えでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 これ、とても価値観が変わる問題だと思うんですね、別姓かどうかと。ですから、個人的には賛成ですか、反対ですか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 多くの国民が反対している状況の中でも断固やるべしというほど賛成でもないわけでありますが、多くの国民がやろうと、こう言っているときにやらないということではないと。できることであれば、多くの方が賛成していただけるような状況の中でこの問題をやりたいと、私はそういうふうに思っております。  ずっと法務省、そういうふうな考え方で来たわけでありますが、そういう考えで来ながら世論調査をやってこなかったということは、私はそれはちょっとおかしいのではないかと思いましたんで、事務方に新たに、五年たっておりますので、新たに世論調査をやれと指示したところでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そんなに難しいことなんでしょうか。これ、それぞれの価値観があって、むしろそういうことをお話しになる方が、おっ、人間的なと、次総理いいかなとかと、こういうお話になるのかなと思うんですけれども。  今、多くの国民が、国民が世論調査とおっしゃいますけれども、先ほど平成八年度の数字挙げました。そして世論調査をする場合、どの部分を大事にするかということが大事だと思うんですね。例えば、七十歳代以上の方は皆さんほとんど反対の方が多いんですけれども、だけれどもそれはもう結婚なんて関係ありませんから今さらそんなことないわという人もいるわけで、やはり二十代、三十代、四十代の人にいい結婚をしていい家族をつくってもらう、ここら辺を重視すべきではないかと思うんです。  そうしたときに、私は、この平成八年の世論調査で既に選択的という形で認めることについてはもう世論は出ているのではないかと思うんですが、大臣、この世論調査の見方は異なっておりますか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 結婚ということでありますから、お母さん、お父さんにも、おじいちゃん、おばあちゃんにも祝福される形での結婚がなされることが必要でありますし、そういうことで私は、若い人たちの結婚適齢期、適齢期という言葉は今使っちゃいけないのかもしれませんが、そういう方たちの世論というのも大切だと思いますが、やはり国民全体の世論ということも十分考えていかなければいけないことだ、こう思っております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 祝福されるのはそれにこしたことはないですけれども、されないというならもうどうしようもないのでありまして、そういうことよりも、これから夫婦となって家庭を築いて頑張っていこうというその人にまず光を当てるべきではないか、こういうふうに思うんですね。  先ほどから福田官房長官が笑っておられるから、福田官房長官は個人的にはどういう御意見でしょうか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 流れ弾が飛んできましたけれども。  五年前に世論調査をしましたね。委員のおっしゃるとおり、賛成、反対という数字が出ているわけでありますけれども、それから大分時間がたちました。この間に国民の意識も随分変わっているんじゃないかな、こんなふうなことを私は感じております。  ですから、今、法務大臣がおっしゃったように、これから調査する、その数字を見ますと委員のおっしゃっていることを裏づけるような結果が出るかもしれぬ、私はそんな感じがいたしております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 個人的にはどういう。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 私は男女共同参画担当の大臣でございまして、その立場で申し上げれば、よく理解いたします。

大森礼子公明党

○大森礼子君 世論調査と言うんですが、実はやはり今我々二〇〇一年に成立させたいというのがあります。  それで、世論調査をする、いいことのようなんですけれども、多分平成八年から賛成の数が後退しているということはないと思うんですね。そうであるならば、これは選択的ですから、みんなが選択して別姓にするわけじゃありませんから。世論調査といいましても、今お願いすると夏でしょう、調査するのは。結果が出るのは十月でしょう。もう通常国会先送りの絶好の口実とは思いませんけれども、それもなるわけでありまして、もしそんなことになったら千五百万か二千万ぐらい費用がかかるんですよね。そこまでする必要ないんじゃないかなというのが実は私の考え方なんです。  そして、今、若い人の婚姻ということで強調しましたけれども、今女性が、家制度とか、こればかり議論されてきているんですね。総理の答弁を聞いても、家制度とか家族制度、この域を出ていない。もっと経済的な見地からも考える必要があるのではないかと思います。  例えば研究者の方ですね、職場で通称使用可能である、しかし特許なんかをとるのは戸籍名ですね。それで、発明者として世の中に知られる、しかし名前、特許の方は戸籍名である。そうしたときに、例えば検索とかに研究者として出てこないとか、実はこういう支障があるんですと。民間で研究に携わっている女性などは、インターネットで発明者を検索する、こんなのは日常のことなのに、そこに出てこないという、こういう不利益がありますと。あるいはSOHO、スモールオフィス・ホームオフィスですけれども、これをやろうとしたときに、特許の名前と通常使用している名前が、これが一致しませんので、その証明に非常に困難を生じておりますと。  それから、森総理の政策の目玉がIT社会というんですけれども、私もITのことは詳しくないんですけれども、しかしインターネット社会だと思います。そうすると、そこで大事なのは、データをやっぱり検索していくと、人は自分がなしたことをデータの中に蓄積され、それを社会的に評価されるという、そして我々はその人にとって有用かどうかという、こういう情報を得るんだと思います。こうした場合に、その基準となる名前が何なのかによって、例えば改姓した側については、自分の蓄積したデータがそこまでしか出ないという、こういうことにもなると思うんですね。  こういう観点も、IT社会とか経済的側面も入れて考えなきゃいけないと思うんですが、とりあえず、きょうは総理大臣いらっしゃいませんから、法務大臣、いかがお考えでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 私自身も、タカムラというところで引かれて、そんな人いないじゃないかとよく言われるので、そういう不便さというのはよく理解できるところでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 理解できるから早くやりましょうというふうになってほしいんですけれども。  それから、現行上、一方で選択的な夫婦別姓、やはり社会的に知られておる名前というものと、これと法律上の名前というものは一致させないといろんな混乱が生ずると私は考えております。そして、別姓を進めていこうと思います。公明党は頑張ってやろうと思うんですが、しかし、一方で今あるいろんな不利益というものもあれば是正していかなくてはいけないと思うんですね。  文部科学省にお尋ねします。  二月二十一日、共生社会調査会で質問したんですが、文部科学省の科学研究費補助金、これは申請する場合の名前、研究者は旧姓の場合でいいのか戸籍名かと、こういう問題があったんですね。それまで文部科学省では戸籍名と旧姓の併記方式が限界であると答弁しておられた。質問しましたら、官房長が、今後はこれまでの取り扱いを改めて、旧姓や通称のみによる表示を認めていく方向で具体的なことを検討したいと答弁されたんです。私、喜んで質問をそこでとめちゃったものですから後で気になるんですけれども、具体的にというといつごろからおやりになるのか、大臣の方から御答弁いただければと思います。

町村信孝自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(町村信孝君) 二月の二十一日ですか、今、委員御指摘の調査会で私どもの官房長からお答えをいたしました。  これは、近年、文部科学省におきましては、国立学校における氏名の取り扱いについては、必要最小限の書類を除きましてはできるだけ柔軟に対応するようにということを一般的に言ってまいりました。また、通称を大学で使用する例も見られるようになってきておりますが、余り問題が生じているということも聞いておりません。また、あわせて研究にかかわる通称使用をより広く認めるべき、こういう意見もいろいろな、これはちなみに日本学術会議等からもそういう御提言もいただいているという背景の中で、このたび取り扱いを変更するというふうにしたわけでございまして、旧姓表示の改正の具体的な時期はいつかというお問い合わせでございまして、現在検討中でございますけれども、平成十三年度のできるだけ早期に実施をしていきたいと、かように考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 わかりました。じゃ、今から早いうちにということでございますね、今十三年ですから。  それから次に、外務省にお尋ねいたします。  パスポートで旧姓使用併記という形で認めているわけなんですけれども、その理由について、それから最近のその増加傾向についてお尋ねします。

小野正昭外務大臣官房領事移住部長

○政府参考人(小野正昭君) お答えいたします。  旅券面の氏名は、先生御案内のように、戸籍に記載されている氏名により表記されているわけでございますが、ただし、学者、通訳、それから新聞記者などを職業とされている方で外国において旧姓で活動の実績がある場合には、旧姓の追加表記を括弧書きで認めてきております。これは、戸籍上の氏名に加えて引き続き旧姓を用いることができなければ海外での社会生活において著しい不都合が生じる場合があると考えられるからでございます。  この趨勢についてでございますけれども、あいにく旧姓併記に関する統計を実はとってきておりません。ただし、今後の我が国社会の趨勢を考えた場合には、将来的に旅券面に旧姓表記を申請する件数は増加していく傾向にあるのではないかというふうに考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 増加するというのは当然だと思います。いろんな仕事を持った女性が結婚後もやっぱり旧姓を使う必要というものも、これは確実にふえていっているわけです。  パスポートは併記できるんですけれども、そのパスポートを持って航空券を買おうとしたら戸籍名じゃないとだめだみたいに言われたという、こういう事例があるのですが、この点はどのような扱いになっているのか、国土交通省の方にお尋ねいたします。

深谷憲一国土交通省航空局長

○政府参考人(深谷憲一君) 御説明をさせていただきます。  国際線の航空券につきましては、航空会社の方ではパスポートに記載されております氏名と同一の氏名で発券を行う、これを原則としておるところでございます。ただ、その際に、パスポート上に戸籍名とともに旧姓が併記されているような場合には、現在のところ航空券の発行について必ずしも現場で取り扱いが統一的ではないようでございます。  どういうことかと申し上げれば、すなわちお求めに応じまして、両姓を併記するケースがある一方で、両方の姓を書くケースがある一方で、パスポート上に記載されております括弧書き内に記載されている姓ではなくて最初に記載されている姓、これが主たる姓ではないかということで、そういう推測が働くと判断して、結果としまして戸籍名のみを記載するケース、こういうものもあると聞いております。  したがいまして、今後どういうふうに考えるかということにつきましては、パスポートに記載されておる戸籍名、それから旧姓の両方を併記した航空券の発行が内外の航空会社で統一的に実施が可能かどうか、これについては航空会社とも検討してまいりたいと思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 検討しているということは、今統一的な扱いになっていないということでしょうか。

深谷憲一国土交通省航空局長

○政府参考人(深谷憲一君) 先ほど御説明申し上げましたように、両方併記されているようなパスポートをお持ちのケースにつきましては、必ずしも現場において統一的な取り扱いがされていないのが現状でございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 JTBの某支店、場所を言うとあれですから、最初に聞いたら戸籍名です、できませんと言うんですね。後から聞いたら、いや、できますよと言うんですね。まちまちなんですね。  これ、混乱が生ずることはわかっているわけですから、外務省はこうだけれども国土交通省は別だと、これはまさに縦割り行政の悪いところが残っているわけでありまして、そこの扱いを統一するとか、こういう答弁は出ませんか。

深谷憲一国土交通省航空局長

○政府参考人(深谷憲一君) その点につきましては、戸籍名と旧姓の両方を併記した航空券の発行、これにつきまして内外の航空会社に対して検討を求めていきたいと思います。そういう方向での検討を求めたいと思います。

大森礼子公明党

○大森礼子君 これは指導はできないんですかね、一方ではパスポートはそういうふうに認めているわけですから。これは努力してください。本当に扱いがまちまちというのは全く役に立ちませんので。それが嫌だったら、あなたも選択的夫婦別姓に賛成というふうに声を上げていただきたいと思います。  それから、婚外子差別の問題について法務大臣にお尋ねします。  これは一九九三年の規約人権委員会の勧告にも、子の相続の差別条項について削除するよう勧告されているんですが、この点については大臣はどのようにお考えでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) この規定でありますが、嫡出でない子の保護ということと法律婚制度の尊重ということのバランスをとった規定であると理解しておりまして、合理的な理由がなくもない、こういうふうに思っております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 今最高裁の判例でそのような、法律婚を保護するというんですけれども、例えば子どもの権利条約にこう書いてあるんです。「子に関する事項についての親(婚姻をしているかいないかを問わない。)としての同一の権利及び責任。あらゆる場合において、子の利益は至上である。」と。これは婚姻及び家族関係における差別の撤廃のところで、子どもの権利条約十六条で出てきているんです。ここに、婚姻しているかいないかを問わずに子に対して同一の責任があるんだと、親は、ということです。そして、これを子供の側から見るならばと。  親の事情によって差別があるのは、これは耐えがたいことだと思うんです。そういう人権ということを考えるときにはその当事者の側から見るべきだと思うんですね。ですから、最高裁の判例を挙げられたんですけれども、これだってまだ審査を受けたらどうか、文句を言われると多分思うんですけれどもね。  法務大臣としてはお立場があると思いますけれども、このことについて、例えばこれまで民法改正案とか入ってきたわけですね、要綱案の中にも、婚外子差別の撤廃というのは。そうしたら、最高裁と違ったことを今までやろうとしてきたということになるんでしょうか。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 最高裁は違憲ではないということを言ったんで、どっちがいいかということを言っているわけでは必ずしもないわけで、これは立法政策の話とすればいろいろ考えられると、こういうふうには考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 そのとおりなんですよ。立法政策なんです。  そこで、人権を扱う省としての法務大臣はこの問題についてはどのようにお考えでしょうかということが私の質問です。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 子供の人権ということも極めて大切でありますが、同時に、法律婚制度を維持する、そのための制度ということをいろいろ考えてもいいことだと、こういうふうに思っているわけであります。  この問題の世論調査を見ますと、選択的夫婦別姓と比較にならないぐらい今のままでいいという方が多いということで、これははっきり合理性がないということであれば別でありますが、それなりの合理性があることに国民世論に真っ向逆らってやるということなのかどうかといえば、それはなかなか難しい問題だろうと、こういうふうに思っております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 人権というのは常に少数者の問題なんです。多数決で世論にしたら、それはもうみんな反対というのは、これは決まっているわけなんです。ここに人権というのはどういうものか、子供から見てこれはやっぱり守るべきだという観点に立ったら、それは周りが反対しようが進めていくという、ここが私は人権の問題だと思っております。  そして、実質は婚内子の、実質的にはですよ、夫婦同然、婚内子なのに実質的には、法律上は結局別姓が認められていないから婚外子と扱われるような、こんな矛盾が生じておりまして、これは選択的夫婦別姓とある意味で、ある部分では裏表になりますので、こういった意味からも、ただ世論調査を聞いて、人の意見を聞いてからゆっくり考えようというのではなくて、二〇〇一年の最初の年に婚外子差別の禁止と同時に選択的夫婦別姓というものをやはり実現すべきだと私は思います。  それで、時間がなくなるので、法務大臣、世論調査ですけれども、もしかしたら議員立法でやるかもしれませんし、そうしたらお金を使うのがむだになるかもしれませんので、もうちょっと待っていただくというわけにはいかないものでしょうか。反対派が結果、じゃ結果を見てよかったらすぐやるのかといったら、やらないと思うんですけれどもね。それで、次また新しい総理大臣が誕生されて、この方が自分のリーダーシップで別姓を認めると言ったら、そうすれば自民党も人気出ると思うんですけれども。  ですから、ちょっとペンディングというわけにはいかないんでしょうか。質問事項なんか既にやっておりますので、これはお願いなんですけれども。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 選択的夫婦別姓を進めている方からも世論調査をやってくれという要望を受けておりますので、そういうことを進めるために一生懸命努力しておられる方たちが意見を統一して待ってくれと、こう言っていただければ、私はペンディングにすることにやぶさかでございません。    〔理事須藤良太郎君退席、委員長着席〕

大森礼子公明党

○大森礼子君 ある場面では世論調査っていいことなんですけれども、ちょっとみんなで相談して、いろんな方の御意見を伺いたいと思います、やはりお金のかかることですので。  次に、司法通訳の問題についてお尋ねいたします。  司法通訳、捜査通訳と法廷通訳をあわせて司法通訳の問題と言っておりますが、憲法三十二条、裁判を受ける権利、保障してあります。公平かつ公正な裁判を受ける権利で、これは外国人にもひとしく保障されなくてはいけない。そうしてみると、正しい通訳というものが必要となってくるわけであります。  私は既にこの問題について国会で九回近く質問して、司法通訳制度の充実、それからいろんな方で諮問会議のようなのをつくってはどうかとか、あるいはアメリカのような司法通訳認定制度を導入したらどうか、こんなことを主張してまいりました。  この司法通訳制度について、現状と問題点、どのように大臣は御認識しておられるか、お尋ねします。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 外国人が関係する犯罪が増加しているわけでありますから、有能な通訳人を確保するということが大切なことは、捜査においても公判手続においても論をまたないことだと思います。  現状を言いますと、特に地方都市あるいは少数言語について通訳人の数が十分でない、それから通訳人のすべてが刑事司法制度について基本的な知識を有しているわけでもない、こういった問題が大いにある、こういうふうに考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 もうちょっと詳しく、お伝えしたはずなんですけれども。  そうしましたら、司法通訳制度を充実するためにどのような具体的な方策を検討しておられるのか、お尋ねします。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 司法通訳制度の充実に向けた施策として、例えば現在は、通訳人が個別に蓄積している捜査通訳の実践的なノウハウを捜査通訳人間で共有できる環境の整備を図ることが大切だと思っております。そのような方策の具体例としては、例えば常設の通訳人支援センターを設置して、通訳人名簿の作成、管理や、通訳人間の連絡、仲介、通訳人用指導の整備、配付、通訳人からの相談への対応といった機能を持たせることも考えられると思います。  捜査通訳の質的向上のために当面いかなる施策を講じていくことが有益かという観点から、委員の御意見も参考にし、大いに検討していきたいと考えております。

大森礼子公明党

○大森礼子君 通訳支援センターのようなもの、これは初めて具体的な構想として出てきた意見で、それは評価いたします。  ただその中に、ただ政府側は、はいこれを使いなさいよとかというだけじゃなくて、現場の通訳されている方の声を必ず反映するような、ある意味ではそういう研究会的なものを持って日本の司法通訳制度をどう充実させたらいいかという、こういうこともぜひ検討していただきたい。現場の司法通訳の方の声をまず聞いていただきたいと思います。  それから司法通訳制度、十二年度予算で調査研究委託費、認められました。十三年度も予算案に盛り込まれております。この中身、研究の内容、それから十三年度要求についてお尋ねします。

高村正彦自由民主党法務大臣

○国務大臣(高村正彦君) 平成十二年度につきましては、約四百五十万円の調査研究委託費を計上しており、二名の刑事法学者を米国に派遣し、主としてニューヨーク州、ニュージャージー州及びフロリダ州の資格認定制度について調査研究を行いました。米国は、連邦法で法廷通訳人の資格認定制度を設け、独自に資格認定制度を有する州もあるなど、この分野における先進的な国であることから調査対象として選定をいたしました。  平成十三年度につきましては、対前年度比約四三%増の約六百四十万円の調査研究委託費を計上しており、スウェーデン、ドイツ及びフランスの司法通訳制度についての調査研究委託を予定しております。スウェーデンは法廷通訳人の資格認定制度を有し、ドイツは連邦法による統一的な資格認定制度こそ存しないものの、州によっては資格認定制度を有するところもあり、フランスは法廷通訳人の登録制度を有することなどから、調査対象の選定としたものでございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 さらに司法通訳制度、検討していただきたいと思います。  外務大臣、申しわけありません、時間の関係でもう質問時間が少なくなりましたが、いわゆる機密費問題について入ろうと思ったんですが、せっかくですから最初に警察庁の方、松尾元室長の逮捕事実について、日時、場所、被欺罔者、行為、金額、被害総額、これを簡単に教えていただけますか。

五十嵐忠行警察庁刑事局長

○政府参考人(五十嵐忠行君) 御案内のように、警視庁は去る三月十日、外務省の元室長を詐欺の容疑で逮捕いたしております。  逮捕容疑は三件ございまして、一件目は、平成九年十月下旬ころ、総理大臣官邸において、内閣総理大臣のサウジアラビア王国への出張に伴い、随員等に関する実際の宿泊料金と国家公務員等の旅費に関する法律の規定に基づく宿泊料との差額、いわゆる宿泊費差額でございますけれども、これが差額が生じないにもかかわらず差額が生じるがごとく架空請求し、首席内閣参事官を誤信させて、同年十一月上旬ころ、同所において現金約七百万円を交付させたもの、これが一つでございます。  二つ目は、平成十年十二月上旬ころ、同じく総理大臣官邸において、内閣総理大臣のベトナム社会主義共和国への出張に伴い、先ほど申し上げました宿泊費の差額でございますけれども、これを水増し請求し、首席内閣参事官を誤信させて、同月中旬ころ、同所において現金約二千六百万円を交付させたもの、これが二件目です。  それから三件目は、平成十一年二月中旬ごろ、総理大臣官邸において、内閣総理大臣のヨルダン王国への出張に伴い、先ほど申し上げました宿泊費差額でございますけれども、この差額を水増し請求し、首席内閣参事官を誤信させて、同月中旬ころ、同所において現金約九百万円を交付させたものであります。  なお、罪名及び被害者は、いずれも詐欺罪及び内閣官房でございます。

大森礼子公明党

○大森礼子君 外務大臣、申しわけありません、ちょっと質問時間がなくなって。この続きについては明後日また質問させていただきますので、どうぞお許しください。  以上で終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で大森礼子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 次に、阿部幸代君の質疑を行います。阿部幸代君。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。  アジア外交と歴史認識の問題にかかわって質問いたします。  二十一世紀を迎えて、日本と世界、とりわけアジアとの間で、過去の戦争とそれから植民地支配の正しい意味での歴史を乗り越えた平和とそれから友好、信頼の関係を深めることが望まれていると思います。河野外相も本会議における外交演説で、第一に近隣諸国との友好を強調されていました。この近隣諸国との友好を深めるためには過去の歴史の清算を正しく行うことが不可欠だというふうに思います。  そこで、今日問題になっている歴史教科書の問題ともかかわって、政府の歴史認識を伺いたいと思います。  まず、過去の戦争と植民地支配の問題についての日本政府の認識の到達点はどのようなものでしょうか。外務大臣に伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 議員も十分既に御承知だと思いますが、政府の考え方は、平成七年八月十五日の村山内閣総理大臣談話を基本といたしまして、我が国が過去の一時期に植民地支配と侵略により多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、これらに対する深い反省とおわびの気持ちに立って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていくというものでございます。  政府としては、このような考え方を踏まえまして関係諸国との信頼関係を一層強化していくとともに、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて平和の理念と民主主義を推進していく、これが我が国の立場でございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私どもはこの村山談話で十分という立場はとらないんですけれども、例えば核兵器の究極廃絶などという立場を盛り込まれていまして、今では通用しないものになっていますね。そういうことで、十分という立場はとらないんですけれども、日本政府の一つの到達点であり歴史認識の基本になるものと理解しています。それでよろしいですよね。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 戦後五十年を経ました村山内閣当時に総理大臣の談話を発出して、近隣諸国あるいは世界の国々に対して我が国の考え方を示したということでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 この村山談話のほかにも、同じく当時の村山総理の韓国大統領金泳三あての書簡とか、九三年、当時の河野官房長官の談話とか、九二年、当時の宮澤総理大臣の韓国における政策演説とか、あるいは九八年日韓共同宣言など、いずれも日本の過去の時期についての反省や謝罪が述べられています。これらも当然、日本政府が今後責任を持たなければならない日本政府の歴史認識を表明したものと考えてもよろしいですね。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 幾つか御指摘になりましたが、平成五年の内閣官房長官談話は慰安婦関係の調査結果発表に関する考え方を表明したものでございまして、また平成四年の宮澤元総理の韓国での政策演説や平成十年の日韓共同宣言は、それぞれの発出当時の日韓関係についての考え方を表明したものでございます。  いずれにいたしましても、我が国政府の歴史に関する基本的認識につきましては、先ほど申し上げました平成七年の内閣総理大臣談話にあるとおり、我が国は遠くない過去の一時期、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめて、そのことについて痛切な反省と心からのおわびの気持ちに立って世界の平和と繁栄に向かって力を尽くすというものでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 そこで、まず日韓関係と歴史認識について質問したいと思います。  今日、日本と韓国の関係は極めて良好な関係にあると思われます。その土台となっているのが九八年の当時の小渕総理と来日した金大中韓国大統領との間で交わされた「日韓共同宣言—二十一世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ—」だと思います。そこではどのように述べられていたのでしょうか。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 九八年の日韓共同宣言は、「二十一世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ」と副題がついておるわけでございますけれども、この宣言におきましては、両国が二十世紀の日韓関係を締めくくり、真の相互理解と協力に基づく二十一世紀に向けた新たなパートナーシップを共通の目標として構築し、発展させていくということを宣言した文書でございます。  その中に、今の委員の御指摘の過去の問題につきましては、小渕総理大臣より、「我が国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。」というふうに記述されております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 つまり、日韓の良好な関係というのは、この共同宣言に盛り込まれた、日本側が「植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた。」ことに対して韓国側が真摯に受けとめ、これを評価した、このことが前提になっているのだと思います。  ですから、この前提を壊してしまうと日韓の良好な善隣友好関係そのものが壊れかねないというふうに危惧をいたします。こういうことが起こらないように、政府はあらゆる努力をする必要があるのではないでしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 現在の日韓関係は、これまでになく良好な状態が続いていると言えると思います。私は、この好ましい流れを当然のことと考えてはならず、お互いの不断の努力が必要だと、こう考えております。  その上で、日韓間には依然として種々の懸案がありますが、これらが両国関係を損なうこととならないように引き続き未来志向の日韓関係の構築を推進していかなければならない、こう考えているわけでございます。過去の歴史に対する政府の考え方は先ほど来申し上げているとおりで、この考え方に変わりはございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 そのような立場に立てば、韓国併合が正当化されるようなことは絶対にあってはならないはずです。このことは、今まで日本政府が積み重ねてきた日韓の良好な関係を築く上で不可欠な歴史認識の公式な表明を口先だけに終わらせないためにも重要です。  そこで、伺いますが、九五年、当時の村山総理は韓国の大統領金泳三あてに書簡を送っていますが、その中で韓国併合についてどのように述べていたでしょうか。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 当時の村山内閣総理大臣の書簡におきましては、韓国併合条約及びそれに先立つ幾つかの条約が十九世紀後半から急速に生じた大きな力の差を背景とする双方の不平等な関係の中で締結されたものである旨、及び、これらが民族の自決と尊厳を認めない帝国主義時代の条約であることは疑いを入れない旨、述べられております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 ちょっと省略されてしまったんですが、「民族の自決と尊厳を認めない帝国主義時代の条約であることは疑いを容れません。」、「韓国併合条約による植民地支配の下で、朝鮮半島地域の人々に耐えがたい苦しみと悲しみを与えたことについて、深い反省と心からのお詫びの気持ちを表明致します。」、こういう書簡でした。  この書簡に責任を持つ立場からは、韓国併合の正当化などは絶対あってはならないというのが当然ですね。外務大臣に伺います。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 歴史に関するこの問題についてはさまざまな議論があり得ると承知はいたしますが、そのそれぞれについて逐一政府の立場と比較して論評を行うことは困難だと思います。  いずれにせよ、この問題についての政府の立場につきましては、先ほども申し上げましたし、また、ただいまも政府参考人から申し上げました。さらには、累次、国会答弁で御説明をしているとおりでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 韓国併合の正当化などは絶対あってはならないというのが当然ですねと伺いました。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 韓国併合の背景にあった当時の歴史的状況につきましては我が国として深く反省すべきものがあったというふうに、これは村山内閣総理大臣も答弁をしておられるわけでございますが、そのような認識を私どもも持っておるわけでございまして、そのような、韓国併合というような事態が今後二度と再び生ずるということはあってはならないことだというふうに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 韓国併合は、正当化ではなくて、反省の対象であるということですね。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 私が申し上げておりますのは、韓国併合ということによって我が国が韓国を植民地支配し、かつ、韓国の国民に対して多大な苦痛を与えた、あるいは屈辱感を与えた、こういう歴史的事実がある、そういうことを二度と繰り返してはならないということでございまして、これを正当化するつもりは全くございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 さらにお聞きしますが、九二年、当時の宮澤総理大臣は、韓国における政策演説の中で、過去の日韓関係や今後の日韓関係についてどのように述べておられたのでしょうか。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 宮澤内閣総理大臣が九二年に韓国を訪問されまして行われた演説におきましては、日韓関係について包括的にさまざまな考え方が述べられておりますけれども、代表的なものを申し上げますと次のとおりでございます。  過去の日韓関係につきましては、歴史上の一時期に朝鮮半島の方々が我が国の行為により耐えがたい苦しみと悲しみを体験されたことについて、ここに改めて心からの反省の意とおわびの気持ちを表明いたしますと、このように述べておられます。  また、今後の日韓関係につきましては、常にあすの世界を見詰めつつ、二国間の調和と協力に全力を尽くさなければなりません、それが未来志向的な日韓関係を深め、強化して、新しい世界をつくっていくための重要な道程ですと述べられております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 このときの宮澤総理の演説というのは、従軍慰安婦問題にも触れながら、我が国と貴国との関係で忘れてならないのは、歴史上の一時期に我が国が加害者であり、貴国がその被害者だったという事実であるとして、反省の意とおわびの気持ちを表明した上で次のように述べているんです。  二十一世紀を担う次世代に私たちの世代の過ちを過ちとして伝え、これを二度と繰り返すことのないよう歴史を正しく伝えていかなければならない、過去の事実を直視する勇気、被害を受けられた人々の感情への理解、そして過ちを繰り返さないという戒めの心をとりわけ青少年の間にさらに培ってまいる決意です、このように述べておられました。  これは、日韓の良好な関係を築く上で不可欠な歴史認識は歴史教育によって子供たちに伝えていかなければならないということ、しかも過去の事実を直視する勇気、被害者の感情への理解、過ちを繰り返さない戒めの心、これらを培うだけの深みのある歴史教育によって伝えていかなければならないという国際公約ではないでしょうか、宮澤財務大臣に伺います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 当時、総理大臣として私が述べた内容でございますから、これは日本政府の考え方を代表するものでありますし、そのことは今日も変わっていないと思っております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 九三年、いわゆる従軍慰安婦問題について、軍の関与と本人たちの意思に反する強制性を認めた河野官房長官談話では次のように述べていました。「心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」、「われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」、こうおっしゃっていたんです。  日韓の良好な関係を築く上で不可欠な歴史認識の問題が歴史教育の問題として外交関係の中でここまで具体的に掘り下げられたのは画期的なことだと思います。元従軍慰安婦の方が裁判に訴えるなどしてみずから名乗りを上げ、韓国国内はもとより、日本を含め国際的な真相究明と支援の輪が広がる中で出されたこの談話も重要な国際公約だと思うのですが、違いますか、外務大臣。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 平成五年、政府が慰安婦関係の調査結果を発表するということになりまして、私は内閣官房長官談話を発表いたしました。その内容は今、議員が述べられたとおりでございます。  私は、今後も政府としては、こうした談話の意図表明を踏まえて関係諸国との信頼関係を強化していく努力を続けていかなければならないというふうに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 ところが、日本政府のこれまでの努力を無にしてしまうような事態が起こっているのが重大だと思うんです。新しい歴史教科書をつくる会が主導してつくり、みずから宣伝、普及している中学社会歴史の韓国併合に関する記述が今日一つの焦点になっています。  白表紙本、検定前の申請本ですが、ここでは韓国併合について、これは東アジアを安定させる政策として欧米列強から支持されたものであったとあり、報道によりますと、検定意見に基づく修正本では、この部分が、イギリス、アメリカ、ロシアの三国は、いずれも相手が朝鮮半島に影響力を拡大することを警戒していたので、日本の韓国併合は東アジアを安定させるとして異議を唱えなかったとなっているとのことです。  問題は、こうした理屈で韓国併合を正当化する議論があるということです。これは、こういう考え方は政府がこれまで表明してきた立場と相入れないのではないでしょうか。  政府の立場をお聞きしたいのですが、外務大臣。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘の教科書というのは、平成十四年から使用される教科書の一つとなると言われる中学校の教材についてだと思いますが、この教材が現在どういう手順で審査をされているかということについては、私どもは全くそれを知ることがございません。これは本来文部科学省が所管をされて、さまざまな審査の経過をたどって最終的に決められるものであって、それが中間的に発表されるというものではないということは議員も御承知のとおりでございます。  新聞等で一部それが伝えられていることは私も承知をしておりますが、そのことがどれだけ真実であるか、その実態であるかということについては、私どもは確認もできませんし、ここでしたがって確たることを申し上げることはできません。ただし、教科書作成の経過の中にあって、近隣諸国条項というものがあって、近隣諸国との関係について云々というくだりがその審査の中に入れられているということは私どもは十分承知をいたしております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、教科書検定が終わって後の祭りにならないように今質問しているんです。外交問題として質問をいたしています。  世の中にはいろんな考え方をする人がいると思うんですけれども、要するに、韓国併合が欧米列強によって支持されたとか異議が唱えられなかったとか、こういう言い分で韓国併合を正当化する、こういう考え方は政府がこれまで表明してきた立場と相入れないのではないか、このことを聞いています。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) これまで、アジア諸国の中でみずからの独立を日本侵略のおかげだとかいうことを述べておられるという国があるというふうには私どもは承知をしておりませんし……

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 ちょっと違う、韓国併合の問題です。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) また、日本政府として、戦後大東亜戦争の歴史などについて、我が国の過去の行為についてそれがアジア諸国のためになったというようなことを述べたこともないわけでございます。  いずれにしましても、我が国政府の歴史に関する基本認識につきましては先ほど来申し上げているとおりでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 外務大臣、九三年、当時の村山総理が韓国大統領に送った書簡の中で反省とおわびの対象とされた帝国主義の植民地支配の正当化が行われてはならないはずですね。九二年の当時の宮澤総理の韓国における演説で明らかにされた、加害者としての反省とおわび、そして過去の事実を直視する勇気、被害を受けられた人々の感情への理解、過ちを繰り返さないという戒めの心を青少年に培う歴史教育を進める国際公約に責任を持たなければならないはずですね。九三年、当時の河野官房長官談話の、歴史教育を通じて、記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意が揺るがされるようなことがあってはならないはずですね。  検定という形で政府が関与する以上、日米共同声明や日本政府の繰り返しの表明に反して韓国併合を正当化するような教科書がつくられれば、教育分野の部分的問題にとどまらないで、国際公約や国際信義にもとる外交上の重大問題になるのは当然ではありませんか。外務大臣。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 教科書検定につきましては、先ほど申し上げた手順、手続で行われているわけでございまして、これについて、その経過において私どもがそれを知る立場ではないということは先ほど申し上げたとおりでございます。  政府の歴史認識につきましては、これは繰り返し申し上げておりますように、村山談話が政府の基本的な歴史認識でございますし、先ほど宮澤元総理も御発言をされましたように、その時代その時代、日本を代表される方が日本を代表して発言をしておられるわけで、それは政府の考えということで受けとめていただかなければならないと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 外交上の国際公約、国際信義として、韓国併合を正当化するような立場はとらないというのが日本政府の立場ですね。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 韓国併合につきましての日本政府の立場というものは、歴代の内閣で総理大臣がいろいろな場に述べておられるとおりでございますから、韓国併合を正当化するような、そういう立場は日本政府としてとっていないわけでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 次の質問ですが、新しい歴史教科書をつくる会の中学社会歴史で今日焦点になっていて懸念される問題の二つ目は、いわゆる大東亜戦争がアジア諸国が独立するきっかけになったというこのことです。これは、加害者としての反省とおわびという日本政府の公式表明の立場とは相入れないものであることは明白です。  そもそも、自国の独立を日本の侵略戦争のおかげなどと言っている政府があるのでしょうか。また、日本政府も公式にこういうことを言ったことがあるのでしょうか。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) 私どもの承知する限り、これまでアジア諸国の中でみずからの独立につきまして、委員がただいま御指摘がありましたような日本の侵略のおかげであるというふうに政府が公式に述べていると、そういう国があるとは承知しておりませんし、また日本政府としましても、戦後、大東亜戦争がアジア諸国の独立のきっかけになったというふうに述べたこともございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本の侵略を受けた国々はサンフランシスコ講和会議でどんなことを言っていたのかぜひ知りたいんですけれども、日本のおかげで独立したなどと言っている国はないと思うんですね。むしろ、どんな被害を受けたかということを述べておられると思うんですが、幾つか例を挙げていただけますか。

槙田邦彦外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(槙田邦彦君) サンフランシスコ講和会議におきましてはいろいろなアジアの国々の代表が発言をしておるわけでございますが、その中で、日本のおかげで独立できたとか、あるいは日本のおかげで独立につながることになったというふうに述べている代表がいるとは承知しておりません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 例えば、フィリピンの代表ですけれども、日本のために被害を受けた国を代表して述べているのであります。千八百万人の人口のうち、我々は百万人以上の生命を失いました。生命の損失のほかに我が国民はいまだにいやされないほど深い精神的痛手をこうむりました。四年間にわたる野蛮な占領と侵略者に対する不断の抵抗の後、我が国民経済は完全に破壊し去ったのであります。フィリピンがその地域と人口に比して、アジアで最も大きな惨禍を受けた国であることは異議を挟む余地のないところであります、こういうことを言って糾弾をしているわけです。そのほかにもラオス、カンボジア、パキスタン、インドネシア、ベトナムなどの代表が生々しい事実に基づいて糾弾を行っています。  いわゆる大東亜戦争がアジア諸国が独立するきっかけになったなどと言うのは、アジアの人々の怒りを呼ぶのは当然です。これでは日本の侵略戦争の正当化になり、日本政府の歴史認識とは相入れないのではありませんか。外務大臣。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 我が国としては、過去の事実はこれを謙虚に直視するとともに、未来志向の見地から、近隣諸国との相互理解、相互信頼を一層強化し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進していかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、我々が今立っている立場というものは十分にしっかりと考えていかなければならないと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 外務大臣、いわゆる大東亜戦争がアジア諸国が独立するきっかけになったなどと言うのは日本の侵略戦争の正当化になりますから、日本政府の歴史認識とは相入れないのではないですかと聞いています。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 過去の歴史に対する我が国政府の基本認識は、平成七年の総理大臣談話にあるとおりでございまして、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことについて深い反省と心からのおわびの気持ちを表明しなければならないというふうに考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 つまり、大東亜戦争がアジア諸国が独立するきっかけになったというのは日本の侵略戦争の正当化になるから、そういう立場を日本政府はとらないということですね。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 先ほど来から御答弁申し上げておりますように、過去の歴史に対する我が国政府の基本認識はこれまで申し述べましたとおりでございまして、日本政府として戦後、大東亜戦争がアジア諸国の独立のきっかけになった旨述べたことはございません。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 これまで日本政府が国際的に表明してきた立場と異なる立場の教科書が政府が関与する検定を通るようでは、アジア、世界との信頼関係が成り立ちません。事は教育分野の部分的問題にとどまらない重大な外交問題なのです。中国政府や韓国政府、それから国会からも批判と懸念の声が上がっています。日本政府の姿勢が問われているのです。  官房長官、いないんですね。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 質疑者阿部君に申し上げます。  理事会で決まっております。官房長官定例記者会見で今離席をしております。御了承願います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 重要問題ですので官房長官に直接お聞きしたかったのですが、後の機会にしたいと思っています。  今日、韓国政府や中国政府等からはもとより、国内でも大江健三郎氏などが日本の歴史教科書、中学社会歴史に対する批判と懸念の声を上げていますが、この問題が重要な外交問題として日本政府の責任ある対応が求められているからなんです。  アジアの国々との友好関係を築くために、少なくとも日本政府が積み重ねてきた歴史認識と歴史教育の見地を掘り崩して信頼を失うことのないよう強く求めて、質問を終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。笠井亮君。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。  KSD疑獄では自民党の丸ごと汚染の実態が明らかになりましたけれども、問題はKSDだけではありません。去る八日、栃木県鹿沼市の二つの土地改良区による自民党の党費立てかえなどが明らかになり、その後、同県各地や新潟県などでも判明しております。  まず、農水省が把握している事実を改めて報告していただきたいと思います。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 農林水産省では、報道を受けて直ちに栃木県及び新潟県に事実の確認をいたしましたところ、現時点までに、栃木県の南摩土地改良区及び塩山土地改良区並びに新潟県の関原土地改良区において理事長等自民党員の党費及び土地改良政治連盟の会費を土地改良区の会計から支出している事実を認めました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 どういう事実かもう少し具体的に説明してもらえますか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) これは土地改良区から党費の立てかえ払いをしたということでございまして、この立てかえ払いにつきましては、直ちに、立てかえ払いされたものは既に土地改良区に党員の方がもう納めたということなんですが、ただ領収書が土地改良区あての領収書で、これは土地改良区の方で持っていったのでそうだろうということなんですが、こういうこともみんな書きかえをしているという状況であります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 資料の配付をお願いしたいと思います。    〔資料配付〕

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 農家は賦課金などの支払いで大変であります。それが組合員の知らないうちに自民党費に使われていると、今もありました。KSDと同じような仕掛け、構図であります。  農水大臣はそれ自体が違法であるというふうに衆議院でも認められましたけれども、その違法性についての理由を説明してください。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 実は、先生の資料をけさ私、見させていただきました。その中身を見させていただきまして、その中で、土地改良法上の問題につきましては、土地改良区は公共性が強い団体でありますから、土地改良区自体が党費を支出する等の政治活動を行うことは認められておりませんので、これは土地改良法十九条の二の第一項の規定に違反するものと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 問題は、先ほどの例でたまたま六人とか四人分とかいう党費の立てかえが、違法行為があったというだけではありません。  配付した資料の一を見ていただきたいと思いますが、自民党栃木県土地改良支部から土地改良区推進協議会に出されたものであります。これを受けて協議会は、資料二のような要請を毎年各改良区に出す。しかも、改良区ごとに入党希望人員表の割り当てまであって、そして資料三を見ていただければ、自民党支部が改良区あての受領書まで出していると。まさに毎年こういうやり方で組織的にされている、立てかえがされているということじゃないんですか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今、先生御指摘の先生の資料から、けさ私もそれを見まして、当方においてはまだこれらを察知していないわけでありますけれども、いずれにしましても土地改良区等における実態については全国的に調査を行うことが必要であるというふうに私は思っておりますし、この文書を見る限りにおいては、これは遺憾だというふうに思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 この資料の割り当て表だけでも三十七改良区で九十一人分と。栃木県全体三百六十三区あるので十倍の九百人から千人規模と。年間四百万円以上の立てかえの可能性があるという重大な問題であります。  しかも、栃木や新潟だけではないと。資料四をごらんいただきたいんですが、これは十年前に山形県でも四十ヘクタール当たり自民党員一人という割り当て党員ということでやられた一覧表であります。まさに全国規模の問題であります。  そこで伺いたいんですけれども、全国に土地改良区というのは一体幾つあるんですか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 全国の土地改良数は平成十二年三月三十一日現在で七千百三十七地区であります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 ほかでもやっていれば、年間数万人単位の党費立てかえの疑惑であります。直ちに全国の実態を調査して国会に報告するということではっきりと約束をお願いしたいと思います。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 個々の土地改良区の指導は都道府県の自治事務でありますので、農林水産省といたしましては、本日付をもちまして都道府県に対しまして、報道されたような事例の有無について調査依頼を行うとともに、土地改良区が公共性の高い団体であることにかんがみまして、かかる行為が再び繰り返されることのないように指導文書を出したところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 いつまでに調査を行うということで依頼したのか、それからどんな指導文書を出したんですか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) まず、指導文書につきましては、ちょっと長文でありますので全部読み上げるということは時間がかかると思うんですが、これしっかりと……(「いいよ、時間かかっても」と呼ぶ者あり)よろしいですか、じゃいいんでしょうか。これはそういうことで、ひとつ後でまた、それではお示しするということで。  問題は、極力早期に取りまとめを都道府県に対しまして依頼するとしておるところでありますけれども、都道府県の何せ自治事務でございますので、都道府県の理解のもとに実施されるものでありますから、今の時点でいつまでということはちょっと申し上げられません。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 この調査でも、一般的にあったのかなかったかと聞いても実態はなかなか出てこないと思うんです。過去三年から五年分の出納簿類で事実確認は不可欠ですし、それから決算書類も過去十年間は保存されているはずであります。そこまでさかのぼって徹底調査して、私は、少なくとも夏の参議院選挙という選挙があるわけですから、それまでにきっぱりやめさせるという実効ある措置をとるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 先ほど申し上げましたとおり、これ都道府県の自治事務でありますから、私どもといたしましては、この件につきましてはしっかりと都道府県に調査してもらいたいということで、今まで文書で出したことないのを今回初めて文書で出したということを御理解いただきたいと思います。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そんな姿勢では私、疑惑解明されないと思うんです。  大体、口を開けば自治事務だと言われますけれども、それは昨年四月からのことであって、それ以前は農水省に直接監督責任があったわけです。栃木にしろ新潟にしろ、十数年間立てかえがあったと当事者が認めていると。累計すると膨大な規模の立てかえ疑惑であります。そういう責任にかかわる問題だと思うんです。  九一年に我が党の林紀子議員が山形の調査を要求したときに農水省は、法令の範囲内で政治活動もやれるなどとむしろ容認をして、まともに調査もしなかったと。農水省の怠慢が違法な立てかえの発見を十年もおくらせたと言われても仕方がない問題です。あのとききちんと対処されていれば、もっと早く是正がされたはずであります。きちっとした答弁を求めたい。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今、山形の件のお話がありましたが、私もけさその話を聞いたところでありますが、しかし、党費を支出する等の政治活動を行うことは認められていないので、これらの団体に適正な運営がなされるように指導していきたいというふうに考えております。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 依頼した側の自民党としての調査も欠かせないと思うんです。  資料三は、自民党支部が土地改良区から支払われたことを認識して党費を受け取った証拠であります。大臣、あなたが自民党組織本部事務総長にいた時期にも違法な党費立てかえがあったわけですよ、平成八年、九年ごろ。こうした実態についてどう把握していたのか、そういう責任をどうお感じになるのか、伺いたいと思います。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 党費の立てかえといっても、それはみんなもう戻しておるわけでありまして、領収証ともそのときに土地改良区というふうにしたのはそれもみんな戻して今修正をしておるところでありまして、少なくともこれが本当に土地改良そのものの経費の中から出されていればこれは問題でありますけれども、それはもう出されていない、一時立てかえだということで私どもは理解をしているところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 一時立てかえじゃないということが明らかになっているんですよ。党側にも資料があるはずであります。  自民党土地改良支部には、栃木県だけでも約三千人、全国で数万人がいると言われている。大臣、あなた自身が党に対して事実関係と全国の実態を徹底調査するように要請すべきじゃありませんか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) ですから、私どもは都道府県に対しまして早急にそれを調査してそれで報告しておるということであります。党は別であります。私どもは党の方の、農林省の管轄にないわけでありますから、私どもはある都道府県にしっかりとその辺のところを報告を求めているところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 片一方の当事者はきちっとやっていただきたい。  私の質問を終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 主たる質疑者に戻します。阿部幸代君。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 官房長官、私の質問全体聞いていただけなくてとても残念なのですが、今までの質問の中で、韓国併合を正当化しない、それから太平洋戦争がアジア諸国の独立のきっかけになったわけではないという、こういう日本政府の歴史認識を明らかにしていただきました。  実は、これまで日本政府は、九二年の宮澤総理大臣の韓国における政策演説とか、九三年河野官房長官談話とか、九五年村山総理の談話とか韓国大統領への書簡とか、九八年日韓共同宣言とか、歴史認識を表明してきているんですね。少なくとも反省とおわびの立場、それから真実を伝える立場ですね。こういう立場と異なる立場の教科書が政府が関与する検定を通るようではアジア、世界との信頼関係が成り立たなくなります。日本外交は二枚舌外交かということになるんです。  事は教育分野の部分的問題にとどまらない重大な外交問題です。中国政府や韓国政府、国会からも批判と懸念の声が上がっています。日本の国内からも大江健三郎氏などが懸念の声、批判の声を上げています。日本政府の姿勢が問われています。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 時間が参っておりますので、簡潔に願います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 官房長官の見解をお聞きします。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 記者会見で中座しておりまして申しわけありませんでした。  我が国政府の歴史に関する基本認識、これは平成七年の内閣総理大臣談話にあるとおりでございまして、こうした政府の認識は現内閣においても引き続いております。  平成十四年度から使用される中学歴史教科書につきましては、文部科学省において現在検定作業中でございまして、今後、教科用図書検定調査審議会の審議を経て本年三月末をめどに検定を終了する予定であると聞いております。  文部科学省においては、学習指導要領やいわゆる近隣諸国条項を含む検定基準に基づいて厳正に検定を実施しているものと承知いたしております。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で阿部幸代君及びその関連質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 次に、福島瑞穂君の質疑を行います。福島瑞穂君。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。  外務省の報償費から官邸の官房機密費への上納があるとさまざまなマスコミでは報道されています。古川メモと言われる上納の段取りを記した資料、内閣官房から外務省への支出依頼書など、さまざまな立証するような材料があらわれております。これらは真実かと聞いてもそうだとは答弁されないでしょうから、まずこの上納はあってはならないことかどうかを財務大臣にお聞きします。  財務大臣、お願いします。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) お尋ねは、外務省から官邸に機密費と言われるようなものが上納されているということは財政法に違反する、そういう事実はないと承知しております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 あってはならないことかどうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) あってはならないことと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 その理由は何ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、私は会計法に詳しくないんですが、基本的に財政法の、ただそんなことをしたんじゃ予算というものはできませんから、財政法の違反ではないでしょうか。少なくとも、そういうことをするについては、何かの了解を求めるとか何かなければそういうことはできるはずはないと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 財政法三十二条には目的外使用の禁止、三十三条には移転の禁止の定めがあります。毎年度の予算には予算総則があって、その年度の予算の移転について細かく記した資料がつけられます。  それで、お聞きします。内閣官房の予算である官房機密費が宿泊費差額の名目で外務省にも、当時の通産、厚生省など他省庁の随行員に対してまで支出されることは財政法違反とならないのでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 財政法第三十三条によりますと、   各省各庁の長は、歳出予算又は継続費の定める各部局等の経費の金額又は部局等内の各項の経費の金額については、各部局等の間又は各項の間において彼此移用することができない。但し、予算の執行上の必要に基き、あらかじめ予算をもつて国会の議決を経た場合に限り、財務大臣の承認を経て移用することができる。   各省各庁の長は、各目の経費の金額については、財務大臣の承認を経なければ、目の間において、彼此流用することができない。   財務大臣は、第一項但書又は前項の規定に基く移用又は流用について承認をしたときは、その旨を当該各省各庁の長及び会計検査院に通知しなければならない。 これを見ますと、そのようなことはどのような場合にも国会の議決を経て、あるいはそうでない場合には財務大臣の承認を得ると、こういうことが三十三条の規定と承知いたします。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 質問に対して答えてください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 今お答えしたと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いや、違うんです。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それでは、報償費が国の事務または事業を円滑かつ効果的に、これはまあよろしい、今回の件において、内閣報償費は総理外国訪問の際の宿泊費差額へ充当されたが、これは首脳のお仕事を助けるためであるから、そのこと自身は財政法三十三条に違反するものではない。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 報償費をいわゆるせんべつとして払うことは目的外使用になりますか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、そういう事実を存じません。仮定のお尋ねですからお答えはいたしません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いや、財務大臣ですから財政法に基づく解釈はできると思いますので、いわゆるせんべつは目的外使用に当たるかどうか、解釈を教えてください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) せんべつ一般でございますか。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 はい。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 国会議員に対するせんべつとかいうことではなく。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いや。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 一般ですね。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 国会議員もできれば含めて。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 報償費というのは国の事務または事業の円滑かつ効果的なために使われるというのでありますから、それはおのおのの長官の責任のもとに判断されるということだと思います。  ですから、仮の話としてそういうことがあるとしても、それはそういう広い目的によってしたがって行われるのであろうと思いますので、そういうケースがございませんので判断をいたしませんけれども、もしそれが国の広い目的に奉仕するというふうに考えて使われました場合には、そのこと自身は財政法の違反ではないのではないかと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 では、国会議員に対するいわゆるせんべつはどうですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それについては、国会議員にせんべつとして使用されたことはないという答弁を政府当事者がされたと思いますので、そういうケースは存在していないのだと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 ケースがあるかないかではなく、財務大臣としての解釈をお聞きします。  国会議員に対するせんべつは目的外使用ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) そういうケースがないということでございますから、お答えの範囲じゃありません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 事実を聞いているのではなく、財務省は予算の執行についての解釈について責任を持つはずです。ですからお聞きします。  国会議員にせんべつを払うこと、いや、目的外使用とか言ってくださればそれで結構なんです。目的外使用ですか、そうではありませんか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) さっきも申しましたが、報償費というのは本当に国の仕事のためになるために機動的に使われていいと、そういうのが一般的な定義でございますね。しかし、政治上の判断によって、それがどうも国会議員に対してなされることはまずいということであれば、それで私はよろしいんだと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 まずいというのはどういう解釈ですか。財政法に基づいてどうかを答えてください。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 財政法は何も書いてありません。国の事務または業務に役に立てばということしか考えられていないわけですから、あとは政治判断であって、国会議員に対してそれをすることはまずいということであれば、私はそれで十分だと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 財政法三十二条は目的外使用の禁止を規定しております。ですから、私は国民の関心のある機密費について目的外使用かどうかの解釈をお聞きしているわけです。  国会議員へのせんべつは目的外使用ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから申し上げておりますとおり、報償費は広い意味で国の仕事のために役に立つように効果的に使用されなければならない、こういうことしかないわけでございますから、したがってこの場合はいけないといったようなことは抽象的には言えない。ただ、政治的に国会議員にその報償費を渡すということはよくないというふうに考えられてきたと、こう申し上げているだけです。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 土産物の購入希望リストなどが手元にあります。例えば、一人で一千万円お土産を購入している人がおります。ブレスレット五十二万円を五個、ティファニーウオッチ七十五万円、これは七千五百ドルですが、三個というリストがあります。  お土産を買うことは目的外使用ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 同じことを申し上げることになりますが、それが国の政治を行う上で、あるいは仕事を行う上で、何かの判断で必要だということであるかどうかによって解釈せられるべきでしょう。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 選挙費用にお金を払うことは目的外使用ですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは選挙法の方に規定がありそうでございますから、財政法ではそういうことに触れていないのではないかと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 選挙費用に報償費を使うことは目的外使用ではないということでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) わかりません。選挙法の関連でそれを禁じておる可能性がありますから。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 選挙法ではなく、報償費、機密費の支払いとしてどうかをお聞きしているんです。  では、サミット随行員に配ること、これはどうでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、もとに返りまして、サミットに総理大臣が行かれる、その広い目的にそれが奉仕するのであれば、財政法は禁じていないと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 一年前も質問しましたが、先日、緒方靖夫さんがメモをもとに質問されました。外務省の職員にお金を配っているという、そういうメモです。飛行機が飛び立った後しばらくたつと封筒を配るということは多くの人が証言をしております。でも、今、財務大臣が目的外使用とはならない場合があるというふうにお答えになったことは重大だと思います。  評論家に配ることは目的外使用でしょうか。手元にさまざまな評論家などに配った具体的な金額があります。二百万、百万、いろいろあります。自民党の同志会、職員、幹事長室、選対という、こういうメモもあります。全部で五千七百五十万円配っていると。これは後に、今度またお配りしたいと思いますが、こういう評論家に配ることは目的外使用でしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 禁じられていないと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 料亭に行くのはどうですか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 行くって、一人で行くんですか。多分そういうことはないから、やはり国の広い目的にそれが奉仕するかどうかという。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 今までの答弁ではっきりしていることは、目的外使用だという明言がないということです。これが私は機密費の問題だと思います。財政法は厳しく目的外使用や移転の禁止を定めています。しかし、機密費は伸縮自在、自由無碍ですよね。そのことが外部からチェックできない、料亭に行ったことが私用ではないというふうに言えば、それは機密費から支出をしても何ら問題がないというふうに考えられていることが問題だと思います。  財務省としては、目的外使用のガイドラインを明確に示すこと、それはお考えでしょうか。今回、機密費がこれだけ問題になったわけですから、私は機密費について国会議員へのおせんべつは出さない、役人に対してもせんべつは出さない、あるいは評論家に対しては出さないとか、一つのガイドラインを、目的外使用をきちっと定めることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) よく考えてはみますけれども、そもそも機密費というものが先ほど申しましたような目的に使われるものであるということから考えますと、どういう場合に、使っていいはよろしゅうございます、使って悪いということはなかなか私は本来の性格から見て書きにくいことだというふうに思わざるを得ません。  そういうことを書きますと、機密費としての本来の機能を失うことになる可能性が多うございますから、私は、どうもそういうことを書くことも難しいが、書くこと自身がどうも私は余りいいことでは、それでは機密費というのは効用を果たさなくなるのではないかという心配をいたします、そもそも機密費というものを認める立場で申します限り。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 機密費をもし認めるとしても、国会議員そして役人は税金で食べているわけですから、せんべつをもらったり手当をもらったりというのはおかしいと思います。  先ほど、選挙対策としてお金を払うことは公選法上の問題はあっても、報償費から払うことについては問題があるという答弁はなさいませんでした。問題じゃないですか。国民の税金がある選対に対して使われることは選挙活動をゆがめると。それが国民の意思なのかというふうに思います。私は、国民の信頼をかち得るためには国会議員はせんべつをもらわない、役人は手当をもらわない、さまざまなことをきちっと宣言すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 我々は民主主義の国でございますし、機密費といえどもそういう枠内で、そういうプリンシプルのもとに使われておるはずでございます。その外に、あるいはそれに害があるというふうに使われるということになればそれはむしろ問題があるだろうと思いますので。  それで、さっき選挙と言われましたときに、その選挙に金が使われるということが民主主義のプリンシプルとしばしば合わないことがありますから、殊にだれに渡したというようなことになります。それで私が、ちょっとそのお答えは勘弁していただきたいと申しますか、すっと胸に落ちないところがあってああいうふうにお答えしました。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 松尾元室長への官房機密費の支出について、なぜこの不正は見抜けなかったんでしょうか。原因は何なんでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) この宿泊費差額ですね、問題の。これは外務省が作成した見積書、これに従って支出をしております。精算については、当該見積書と外務省から提出される精算書、領収書によって確認を行っておりました。こういうシステムは、在外公館を持ち、そして現地の実情に精通している外務省に対する信頼の上に成り立っていたものでございます。内閣官房が独自に現地の情報を入手するのは非常に困難であるということ、また見積書の提出が出発の間際であるという、そういう時間的な制約があったものですから、結果的には元室長の不正を許してしまったと、こういうことになります。  ただ、今現在は宿泊に要する実費は旅費として支払っておりまして、同種の問題が起こるそういう余地はございません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 この見積書は、金曜日も質問しましたが、宿泊費の差額がすべて一泊四百六十ドルになっていると言われています。官房長官、この見積書をごらんになられましたか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 私自身はその見積書は見ておりません。しかし、説明は十分聞いております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 見積書はどういうふうに書かれていると聞かれましたか。一泊幾らと書いてあると聞かれましたか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) ちょっと、それの説明を聞いたのがもう大分前になりまして、一月のたしか早々だったかでございまして、以来、その内容についてよく覚えていないので、申しわけありません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 私はひどいと思うんですね。この事件が広大でひどいということもさることながら、問題が起こった以降の官房とそれから外務省の対応はひどいと思います。  私は、金曜日、見積書の質問をしました。もし、すべての見積書が一泊四百六十ドルと、すべての国が、というふうになっているのであれば、それはそれが非常に問題なわけですよね。ですから、どういうものですかと聞いて、きょうも、見ていない、わからないという答弁は不誠実だと思います。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) その見積書の中身は、今まさに捜査をしているその捜査上のことがございまして申し上げられないという、そういうこともございまして、内容も私も積極的に覚えていないと、そういうこともございます。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 どういう見積書であったかどうかが再犯防止あるいはこの問題点になると思うんですが、それすら国会の中で明らかにならないんでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) 大変恐縮ですけれども、捜査上のことで、ひとつ御勘弁を願いたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 証拠隠滅のおそれもありませんし、見積書は官房にあるわけです。コピーがあると聞いております。  見積書と報告書の宿泊金の金額について、答弁がなければ、委員会として調査、宿泊費全額の提出を求めるよう委員長に要請します。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 福島瑞穂君の要求に係ります資料につきましては、後刻改めて理事会協議のことといたします。  続けてどうぞ、福島君。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 ロジスティックのブックというか、ロジスティックの本なんですが、外務省に要求をいたしました。そうしましたら、中を抜いて、そのことを言わないままコピーでナンバリングも消してもらったものがあります。どうして本物と違うものをくれるのかと思いますが、こちらは本物のロジブックです。(資料を示す)これを見ますと、大体どのホテルに泊まったかわかるわけですから、その差額分、要求額とそのホテルの本当の大体の宿泊代を見れば、一体彼が幾ら水増し請求したのかがはっきりわかるわけです。なぜそういうことをなさらないんでしょうか。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) お話をしたいと思っても、捜査上のことでございますので、捜査の中身にかかわることでございますので私からお答えするのは差し控えなければいけない、このように思っておるところでございまして。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 いや、ロジブックスを外務省がくれたのが、座席表や宿泊のが全部抜けているのを本物であるかのようにくれて、それできちっと計算をすればこの差額分がきっちり出るはずなんですよね。そういうことが一切されない、報告もされないというのはおかしいと思います。

福田康夫自由民主党内閣官房長官・男女共同参画担当大臣

○国務大臣(福田康夫君) いろんな例がございまして、そのうちのどれを挙げたらいいのか、こういうふうなこともございますけれども、例えば一つ、では例を申しますと、例えば旅費規程で一番高いランクにあるヨーロッパのある都市ということで申し上げますと、総理大臣の規定分の宿泊費は一泊四万二百円なんです。最高級のホテルでも一泊四万二百円。実際には一泊、そこではスイートの大きいところということになりますので六十三万七千百円と、こういうことでございまして、一泊当たりで既に十六倍近い開きがあるということでございます。  まあ二泊仮にしましても実際には四泊分払うと。それは前日に、宿泊する前日にセキュリティーのいろんな設備をするとか、それから通信施設ですね、そういうものを装置する、そしてチェックアウトしてから一日はまたそれを取り外すとかでいろんな手間がかかるということがございまして、二泊するんだけれども四泊と、こういうようなケースがあるんですね。  そういうことが各地区で各ホテルで起こるわけでございますので、それを一つ一つ申し上げてもこれは大変なことでございますし、例を挙げるといってもそういうような説明をするしかないと、こんなふうに思っております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 捜査機関とは別に、ロジブックや実際どうしたかは資料があるわけですから、きちっと対応すべきだと思います。  外務大臣にお聞きをします。  松尾元室長はニューオータニで逮捕されたと聞いておりますが、それ以前は彼は神奈川県相模原市にある外務省研修所の寮にずっといたというふうに報道されています。これは事実でしょうか。

河野洋平自由民主党外務大臣

○国務大臣(河野洋平君) 外務省の研修所にいたというふうに前回も議員はおっしゃいましたけれども、松尾元室長は一月二十五日に懲戒免職をして外務省の職員ではもう既にそこでなくなっているわけです。外務省の職員でない人間が外務省の研修所にいるということはあり得ないというふうに私は思いますし、事実関係も確認をいたしましたが、そういうことはないと。  どこのホテルで逮捕されたかということについては、私は全く存じません。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 会計検査院にお聞きをします。  松尾元室長の見積書などはチェックをされていらっしゃるでしょうか。あるいは再発防止のために何が必要だとお考えですか。

石野秀世会計検査院事務総局第一局長

○説明員(石野秀世君) 今回の事態につきまして、その報償費の執行状況ということで事実関係の十分な調査、それから事態の発生原因を究明するというようなことで、まさに現在検査中でございます。その過程におきましては、関係書類の提示を受けたりあるいは説明を徴するということで対応してきてまいっているところでございます。  まさに今検査中ということでございまして、具体的にどういった書類を見ているかということについては答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 再発防止のために何をするか。

金子晃会計検査院長

○会計検査院長(金子晃君) 今後の会計検査院の対応につきましては私の方から答弁をさせていただきたいと思います。  今、局長の方から説明がありましたように、今回の事態につきまして、会計検査という観点から適正な報償費の支出がなされたかどうかということについて、事実関係の解明、それから原因の究明、それから再発防止のために今後どういうことを要請していくかということについてただいま検討を続けている最中でございます。この検査の過程の中で、将来の会計検査院の検査のあり方というのはおのずから明らかになってくるというふうに考えております。今回の結果を踏まえて、今後の検査に当たっていきたいというふうに考えております。  それからもう一点、現在、十一条のいわゆる報償費についての手元保管について承認の再検討を行っております。この過程の中で、報償費の支出について適正な支出の蓋然性が得られるようなシステムというものを考えていきたい、そういうものがとられて初めて承認をするということを考えたいと思っております。  そういう体制が整備された後におきましては、当然、そうしたシステムが十分に機能しているかどうか、また個別案件の中で問題が出てくればシステムをさらに改善するということで、適正な支出がなされる蓋然性の高いシステムを構築していくということを考えていきたい、そういうことを踏まえた検査活動をしていきたいというふうに考えております。

福島瑞穂社会民主党・護憲連合

○福島瑞穂君 きょう、目的外使用に当たるかどうかを聞いたところ、明確な答弁がなかったと思います。それこそが機密費の問題で、何にでも使えるところが問題です。国会が今この改革をしない限り国民の信頼は得られないと思います。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 関連質疑を許します。照屋寛徳君。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 私は三月十二日に沖縄で発生をした航空自衛隊幹部自衛官による女子中学生に対する暴行事件について、防衛庁長官と警察庁刑事局長にお伺いをいたします。  この報道を聞いて、私を含めて多くの県民が大きなショックを受けております。被害者の家族、本人含めて言い知れない衝撃を与えたことは間違いございません。  そこで、警察庁にまず最初にお伺いいたしますが、逮捕された航空自衛隊幹部自衛官の被疑事実についてお教えいただきたいと思います。

五十嵐忠行警察庁刑事局長

○政府参考人(五十嵐忠行君) お尋ねの事案は、本年三月十二日午後六時ころ、沖縄県内において航空自衛隊二等空尉が、同県内居住の女子学生に対して、言うことを聞かないと海に突き落とすなどと脅迫した上で婦女暴行をしたものでございます。  沖縄県警察では、被害者の事情聴取等から被疑者を浮上させ、所要の捜査を行った上、三月十六日午前七時五十五分、同人を本件被疑者として通常逮捕しております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 まだ被疑者として逮捕された段階で捜査中でありますから、私は捜査に支障の及ぶような事実について聞こうと思っておりません。  ただいまの説明で、午後六時ごろと犯行時刻の御答弁がありましたけれども、マスコミ報道によりますと、午後五時ごろからこの被疑者は女子中学生をねらうかのように行動をやっておった、こういうことも報じられておるわけでありますが、犯行日時のころ、この幹部自衛官の勤務というのは一体どうなっておったんでしょうか。

斉藤斗志二自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(斉藤斗志二君) お答えいたします。  事件につきましてはただいま警察の方から御説明のあったとおりでございますが、航空自衛隊第五高射群第十九高射隊所属の二等空尉目黒博光が平成十三年三月十二日十八時ごろ沖縄県内において女子学生を脅迫し、その抵抗を抑圧した上で強いて婦女暴行をした疑いということで、三月十六日に沖縄県警に逮捕されたものでございます。  当該自衛官は、高射部隊において機動展開、対空戦闘等に関する業務を行っておるものでございますが、当該隊員はシフト勤務となっておりまして、事件発生当日は当該シフトから外れていたことから、当該事件は勤務時間外の行為であったというふうに理解をいたしております。なお、事件を起こした際の被疑者の服装は私服だったというふうに聞いております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 今、長官がおっしゃった被疑者の目黒二等空尉、防空用のパトリオットミサイルの運用を担当しておったということですが、そうすると、犯行当日はお休みだったんですか。休みだった。ちょっとそこをはっきりしてください。

斉藤斗志二自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(斉藤斗志二君) ただいま御説明申し上げましたように、シフト勤務の対象になっておりまして、事件発生当日は当該シフトから外れていた、したがいまして勤務時間外の行為であったということでございます。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 私はこれは勤務時間外であったから正当化される行為じゃないと思いますね。同時に、自衛隊だから、あるいは自衛隊でないからということじゃなくして、やっている行為が、今報道で明らかになっている限りにおいても、極めて計画的で悪質であるというふうに言わざるを得ないと思います。  恐らく、PTA関係者を含めて、今県民は、特にことし新しい世紀が明けて米軍人軍属による被害が多発をしている、そういう中で、自衛隊の幹部よ、お前もかと、こう言われても仕方がない。中学生の少女を襲う、しかも言うことを聞かないと海にたたき落とすと。こういうことで少女の人間としての尊厳が侵される、これほどひどい話は私はないと思いますね、防衛庁長官。恐らく百三十万県民は、あの五十六年前の沖縄戦における旧日本軍の悪夢を思い起こしたに違いない。それほど私は重大な事件だと思いますよ。  それで、石破副長官が知事や議長に謝罪のために沖縄へ来られたようでありますが、斉藤長官御自身のこの事件に対する県民に対する謝罪なり、あるいは綱紀粛正や再発防止をどうされるのか、そういうことが伝わってきません。これは私は大変大きな問題だろうと思うんですね。あれだけの米兵犯罪を結局自衛隊は他山の石にすることができなかった。そういう点において、一体長官はどういうふうにこの事件を受けとめておられるのか、率直な長官の所信をお聞かせください。

斉藤斗志二自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(斉藤斗志二君) 御質問いただきました隊員の綱紀粛正には常々心を砕いてきたにもかかわらず、現職自衛官がこのようなあるまじき行為をしたことは大変残念でございまして、被害者並びにその御家族に対して心よりおわびを申し上げたいと思います。  自衛隊の使命は平素から国民の信頼なくしては達成し得ないものでありまして、その組織に属する自衛官が県民の信頼を大きく裏切るような不祥事をしたことは痛恨きわまりなく、沖縄県の皆さん方に対しても深くおわびを申し上げる次第でございます。  私としては、二度とこのような事件が発生することのないよう、沖縄県所在の陸海空自衛隊の各部隊に対しまして綱紀粛正の徹底を指示いたすとともに、直ちに御指摘いただきましたように石破防衛庁副長官、航空幕僚長、人事教育局長を現地に派遣いたしまして、沖縄県知事、沖縄県議会議長、恩納村長、恩納村議会議長に対しまして深くおわびを申し上げたところでございます。  今後、事件に遭われた御本人や御家族の心情、県民の方々の気持ちに思いをいたしまして、全庁挙げて今回の事件で失われた防衛庁、自衛隊に対する信頼を回復すべく全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。

照屋寛徳社会民主党・護憲連合

○照屋寛徳君 私は、やっぱり国民の生命、身体の安全を守るという自衛隊の使命に照らしても、幹部自衛官が女子中学生を襲うなんというのは、これはもうその被害者、家族に対しては本当に言い知れない打撃を与えているんですね。そのことをしっかり長官を先頭に受けとめないと大変なことになると思いますよ。  そのことを強く申し上げて、私の質問を終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で福島瑞穂君及びその関連質疑は終了いたしました。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 次に、松岡滿壽男君の質疑を行います。松岡滿壽男君。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 下水道の整備というのは環境保全とかあるいは地域経済への波及効果は非常に大きなものがあるんですが、現在まだ六割台という普及率です。  それで、最近ちょっと気になっていますのは、二十数年前に当時の建設省から、いや、公共下水道よりは流域下水道の方が効率的だよ、コスト的にも安いしということを勧められたんですけれども、まだ延々と実はやっておるわけですね。最近聞くと、どうもやっぱり公共下水道の方が効率もいいし、アパッチ方式の方がいいんじゃないかという評価もあるようです。  今後の下水道整備の進め方、どういう組み合わせでやるのか、今言いましたような問題についてちょっとお答えをいただきたいと思います。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 下水道整備についてのお尋ねでございますが、平成十一年度末における全国の下水道の処理人口は御指摘のとおり普及率で六〇%でございまして、平成八年度を初年度とする第八次下水道整備七カ年計画におきましては、平成十四年度末における普及率を六六%を目標として普及促進に努めてまいっているところでございます。  そこで、お尋ねの単独の公共下水道でいくかあるいは流域下水道でいくかにつきましては、地形等の自然的条件や土地利用の見通し等の社会的条件などの諸条件を総合的に勘案いたしまして、さらには費用対効果の検討を加えまして、地域において最も効率的に下水を収集処理できる方式を選択しまして事業を実施しているところでございます。  通常、公共下水道は市町村を単位として実施されておりますが、二以上の市町村にまたがって広域的に事業を実施する方が経済性や水質保全の観点から有利な場合におきましては、都道府県が主体となりまして幾つかの公共下水道を束ねる形で一括して終末処理を行う流域下水道として実施しているところでございます。  ちなみに、流域下水道は昭和四十年から始まっておりますけれども、現在、全国の百二十九カ所において実施しているわけでございますが、平成二年以降十年間をとってみますと、全体の普及率の向上に占める寄与度という観点から見てみますと、約六割が流域下水道に係るものでございまして、ここに来まして、ちょっと時間はかかったかと思いますけれども、流域下水道の整備効果が目に見える形であらわれてきているのではないかというふうに考えております。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 せんだって、この委員会で公明党の弘友議員から下水道の問題と合併浄化槽、それと農林水産省の集落排水、そういう問題についての質疑があったんですけれども、この六〇%という普及率は世界で比較する場合の普及率ですね。先進国は大体九〇から一〇〇ということですが、この日本の六〇というのは国土交通省だけのものなんですか、それともそういう合併浄化槽とか集落排水も入っておるんでしょうかね。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 今申し上げました六〇%というのは私ども所管の下水道だけの整備水準でございます。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 それで、結局どういう評価なんでしょうか、流域下水と公共下水ですね。今ごろになってくると、膨大な金かけて、二十年近くたつのに延々とやって、私のうちにもまだ来ていないわけですね、上流は済んだけれども。これはもう失敗だったんじゃなかったかという気がするんだけれども、その辺、私が自信持てるような答弁をひとつしてくださいよ。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 松岡先生のお尋ねの、私どもの下水道とそれから合併浄化槽、集落排水を合わせました整備水準で申しますと、現在六九%という水準になっておりまして、これは都道府県段階で構想を立てていただきまして、それぞれの地域で一番最もふさわしい事業手法を選択していただく、全体として整備水準を上げていくということでございまして、私どもは、先ほど申しましたように、下水道としましては七カ年計画で今の六割を六六%まで引き上げていきたい、こういうことで努力している次第でございます。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 アメリカあたりはディスポーザー、生ごみの処理を家庭で砕いて下水道に流すということをやっていますね。ヨーロッパはそうじゃない。日本の文化というのはどうもアメリカ型の文化になっておるわけで、このディスポーザーでとると、ごみ収集車ですね、生ごみなんかの、これも随分コスト節減に私はなると思うんですね。  いろいろデメリット、メリットというのはあるんだろうと思いますけれども、このディスポーザーを接続するという問題について、何か障害というのはあるんでしょうか。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 先生お尋ねの生ごみを粉砕しまして配水管に流下させるいわゆるディスポーザーでございますが、ごみ収集の簡素化とかごみ出しの軽減といった利便性がございまして、そういった面から導入を求める動きもあるのでございますが、ただ一方で、やはり下水道に過重な負担を与えるとか、ひいては公共用水域の水質汚濁につながってくるというようなこともございまして、メリット、デメリット、両面あるわけでございます。  下水道に接続されるディスポーザーの使用につきましては、下水道施設の構造とか処理能力といった地域の実情に応じまして事情は異なるものですから、下水道管理者でございます地方公共団体が使用の可否について適宜判断していただくということになっているわけでございます。地方公共団体で、一般に下水道がディスポーザーからの排水の受け入れを前提として通常は計画しておりませんので、ディスポーザーの使用につきましては条例等による規制または自粛要請という形で慎重な取り扱いをしている例が多いわけでございます。  私どもの姿勢といたしましては、今後ともそのディスポーザーの接続につきましては地方公共団体が下水道施設の実情に応じまして使用の可否を適切に判断していただきたいというふうに考えている次第でございます。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 先ほど扇大臣には、ディスポーザーの問題、家庭の主婦としての大臣の感覚と実行力を私は買っておるんだから、ぜひ出てください、聞いてくださいというお話をしておったんですが、きょうは予定があるようでありますから局長の方からぜひその辺をお伝えいただきたいんですけれども、自治体で既にそのディスポーザーの問題に取り組んでいるところはあるんですか。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 現在、ディスポーザーの使用につきましては、社会実験という形で北海道の歌登町と私どもの国土交通省土木研究所等が共同いたしまして実験を今実施いたしておりまして、この地域はちょうど非常に積雪地帯というようなこともございまして、そういった面でごみ出し作業の軽減というような要請の強い地域でございますが、そういったことで実験を実施いたしているところでございます。  私どもといたしましても、これらの知見をもとに、地方公共団体に対しましてそういった得られた知見等が自治体の判断材料になるように、適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 やはり高齢化が進んできますし、都市部の方は大分下水道も充実してきておるわけですから、ぜひ都市部の方も実験的にこのディスポーザーを投入できるような形でサンプリングをしていただきたいと思います。  ぜひそういうことを考えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

板倉英則国土交通省都市・地域整備局長

○政府参考人(板倉英則君) 現在は北海道で実験をいたしておりますが、先生の御指摘を踏まえまして検討をさせていただきたいと思います。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 タオル業界が二月下旬にセーフガードの発動を申請したわけですけれども、通産省から、いわゆる流通業者の方からいろいろ反発も出ておるわけですね。それで、いろいろ反対論もあるわけで、またユニクロがデニムについては日本製の方が段違いにいいということを言ったりしているわけですね。我々、田舎の方はソーイングのあれがたくさんあるんですけれども、大体、中国が一万円の単価とすれば日本は十三万かかると。だんだん厳しい状況に追い込まれてきておるわけです。  そういうことでありますので、通産省としては、通産省じゃない、経済産業省としてはこの問題、けさ新聞を見れば、東芝も国内テレビ生産をやめて大連に全部移すというような状況になってきています。こういうものに対する総合的な対応をきちっとしていかないと大変な事態になるだろうということを危惧しておりますので、お答えをいただきたいと思います。

松田岩夫自由民主党・保守党経済産業副大臣

○副大臣(松田岩夫君) お答えいたします。  繊維セーフガードのことについてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、WTO繊維協定で認められている措置でございます。  経済産業省といたしましては、同協定並びにこれに基づきまして国内規則をつくっておるわけでございますが、それに基づいて公正に運用していきたいと考えておりますが、具体的には御案内のとおりでございますけれども、輸入の急増とかあるいは我が国の産業への重大な損害について検討いたしますとともに、消費者、ユーザーへの影響、さらに我が国の産業の維持発展の中期的な展望、そういったものを全部総合的に勘案いたしましてセーフガードを発動するかどうか決定する、こういうことになっておるわけでございます。  先生おっしゃるように、いろいろ考慮すべき要因があることを我々もよく承知いたしておりますが、そういったものを総合的に勘案して、できるだけ公平な扱い、公正な取り扱い、国際基準にも合った、そういうふうに考えております。

松岡滿壽男無所属の会

○松岡滿壽男君 終わります。  ありがとうございました。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で松岡滿壽男君の質疑は終了いたしました。     ─────────────

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 次に、高橋令則君の質疑を行います。高橋令則君。

高橋令則自由党

○高橋令則君 自由党の高橋でございます。  今回は行革だけ橋本大臣にお尋ねいたしたいと思っております。  実は行革は非常に大事だと思うんです。私の感覚では、二十一世紀を明るくできるのは行革しかない、まさに国の大事であるというふうに思っております。  考えてみると、歴史的に、大臣に申し上げるのは恐縮なんですけれども、大化の改新とか、それからまた戦国時代ですけれども織田信長がやりましたですね。それから、明治維新、そしてまた第二次大戦の後の混乱、こういうふうなことがありました。また一つは、江戸時代に三回ぐらい大きな改革がありました。それが享保であり、寛政であり、そして天保であったわけですね。  それを見ていますと、成功したというのはそう多くはない。成功したあれを見ていますと、犠牲者が出ているんですね。例えば大化の改新ですと入鹿が殺されました。そしてまた、織田信長も御承知のとおり。それからまた、明治維新のときには大久保利通が殺されました。そしてまた、江戸の三大改革の中で、私は成功したと思われるのは享保だと思っているんですけれども、吉宗自身が三十年間やったんですね。それだけの努力をもってある程度できたなという感覚なんですね。それだけ面倒な問題なんですね。  したがって、橋本大臣は総理のときからやっておられますけれども、今度は担当大臣として取り組んでおられるわけですけれども、この歴史的な問題を考えて、この大事がいかに大きいか、取り組むのには本当に大変なことだと思うんですけれども、その認識と決意をまずお聞きしたいと思うんです。

橋本龍太郎自由民主党行政改革担当・沖縄及び北方対策担当大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私自身、行政改革というテーマに関心を持ち出しましたのはちょうどオイルショックの前後からでございました。そうして、それ以来、党の中におきまして、あるいはある場合は閣僚といたしまして、また総理という立場におきましても行政改革というものにさまざまな形でかかわってまいりました。  そうした中で、総理時代に中央省庁改革というものに手を染めましたものが、おかげさまで一府十二省体制というものでスタートを見ることができました。そして、これはいわばハードの部分の改正ということでありまして、改革としてはこれからいわばこの改革に魂を入れる、あるいはソフトウエアに当たる行政というそのものを、行政システムというソフトウエアそのものに手をつけなければならなくなっている、私はそのような思いでこの任務をちょうだいいたしました。  そして、さまざまな角度から取り組むべき課題はあるわけでありますけれども、公務員制度改革あるいは特殊法人等の改革、さらに行政委託型公益法人の改革というものにまず集中したいと考えてまいりました。特に、公務員制度改革というものは公務員の行動原理に直接かかわるものでありますし、行政システムの中核となるべきものだと私は位置づけております。現在、公務員に対してはさまざまな御批判がありますし、また御批判を受けていたし方のない事件も過去に相次いだことは御承知のとおりであります。それだけに、正すべきものは正さなければなりません。その上で、公務員が時代の要請に対し積極的に対応していける、伸び伸びと誇りを持って働けるような公務員制度というものをつくり上げていかなければならない。  そのためにも、昨年十二月に策定されました行政改革大綱を完全に実施していくということはこれは当然のことといたしまして、国家公務員法の改正までを含めて白地から再設計を行いたいと考えております。  そして、現在、作業のピッチを上げながら、今月の末までには大枠をお示ししたい。そして、それについてさまざまな御意見があると思います。こうしたものを受けまして、六月中には基本設計についての成案を得る、そういったスピードで検討を行いたい。今、作業を進めてまいりました。これからもそのペースで進めていきたいと思っております。  また、特殊法人等の改革につきまして、昨年十二月に閣議決定をされました行政改革大綱にのっとって、すべての特殊法人などの事務事業についてゼロベースから見直していきたい、そしてあわせてその特殊法人の経営形態などにつきましても抜本的に見直したいと考えております。  そして、今日まで行政改革に携わってまいりました中で、この特殊法人については私自身が一つの反省材料がございます。それは、それぞれの特殊法人を今まで改廃しながら、実はそこに続く子会社とか孫会社というものまであわせて見るという発想を持っておりませんでした。それだけに、その子会社等までを視野に入れてゼロベースから見直すということは何としてもやらなければならないと考えております。  平成十三年度中に、各特殊法人などの事業及び組織形態について講ずべき措置を定める特殊法人等整理合理化計画を策定することになっており、この計画を実施するために、遅くとも平成十七年度末までに必要な措置を講じるとされておりまして、現在、各特殊法人等の見直し作業をその子会社等をも視野に入れながら鋭意進めているさなかであります。  また、行政委託型の公益法人などの改革につきましては、小さな政府というものを目指しながら、規制と複合して自由な活動を阻害しているような公益法人の事務事業について、民業を圧迫しているようなものは民間に、官需の事実上の独占となっておりますようなものは排除していく、こうしたことを基本に改革を行っていくことが必要だと考えております。  現在、国の行政事務事業にかかわりのある公益法人につきまして、行政改革大綱に沿って、官民の役割の分担や規制改革、財政負担の縮減合理化といった観点から厳しい見直しを行うこととしておりまして、平成十三年度内に実施計画を策定するようにということでできるだけ作業のスピードアップを図っていきたい、今そのように考えております。

高橋令則自由党

○高橋令則君 もう時間がありませんので、一点だけ。  規制緩和、これが非常に大事だと思うんですね。既得権益をやるためには、どうしても規制緩和を強力にやらなきゃならないですね。今のところ残念ながら経過が十分ではないと私は思っているんですけれども、その取り組みをお聞かせいただければと思います。

橋本龍太郎自由民主党行政改革担当・沖縄及び北方対策担当大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに議員が御指摘になりますように、これからの我が国を考えますときに、規制改革というものは構造的な我が国のやり直しということを踏まえても極めて大事なことであることは御指摘のとおりです。  そして、今もお答えをいたしました行政改革大綱の中で、本年度末までに平成十三年度を初年度とする新たな規制改革推進三カ年計画を策定することとなっておりまして、現在、その策定作業を進めております。  これは具体的に大きく分けて二つの流れが入ると思います。  一つは、昨年十二月に規制改革委員会が見解を出されました。この見解を最大限盛り込んでいくという分野が一つあります。もう一つは、経済構造の変革と創造のための行動計画、あるいはe—Japan戦略、そして内外からちょうだいをしております御意見や要望を踏まえまして、IT革命の推進など近年の社会経済の変化への対応を重視しつつと、こういう言葉になろうかと思いますけれども、医療でありますとか福祉あるいは雇用、教育といった社会システムの活性化に資するこうしたものを初めとして、各分野の規制を根こそぎ見直していく、システムそのものから見直していくことによって改革を進めていきたい。そのためにも、市場機能をより発揮するための競争政策を積極的に展開ができるようにしていくといったことも必要になりましょう。  そして、行政改革大綱の中で、今後その規制改革を推進していく体制について、新たな規制改革推進三カ年計画の実施状況を監視するとともに、経済社会の構造改革の視点も含めて幅広く規制改革を推進していくために新たな審議機関を内閣府に置くことについて検討し、平成十二年度末までに具体的成案を得るということが決められております。もう残る時間はごくわずかということになるわけでありますが、この内容に合わせて実効を担保していこうと内閣府を中心に現在検討を進めておりまして、できる限りの努力をしてまいりたい、そのように考えております。

高橋令則自由党

○高橋令則君 要望だけ申し上げておきます。  規制緩和の動きを見てみますと、戻るというのは表現適当じゃありませんけれども、逆の動きもあるというふうに聞いているわけですね。個別のことは申し上げません。そういうことのないように、大臣は一生懸命御努力をいただきたい。  終わります。

岡野裕自由民主党・保守党

○委員長(岡野裕君) 以上で高橋令則君の質疑は終了いたしました。  次回は来る二十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十七分散会

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