法務委員会 第11号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/06/07
会議録
○委員長(日笠勝之君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨六日、竹村泰子さんが委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が選任されました。 ─────────────
○委員長(日笠勝之君) 中間法人法案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、お手元に配付の名簿のとおり、二名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、東京大学大学院法学政治学研究科教授能見善久君及び松蔭女子大学経営文化学部教授雨宮孝子さんでございます。 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。 参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただきまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 議事の進め方でございますが、まず能見参考人、次いで雨宮参考人の順に、お一人二十分程度で御意見をお述べいただきまして、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、念のため申し添えますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。 なお、参考人の方の意見陳述及び答弁とも、着席のままで結構でございます。 それでは、能見参考人からお願いいたします。能見参考人。
○参考人(能見善久君) ただいま御紹介いただきました能見でございます。 私は、東京大学の法学部及び大学院で民法を教えております。法人問題も民法とかかわりが深いということで、きょうは意見を述べる機会を与えていただきました。ありがとうございました。 レジュメに沿って中間法人制度についての私の見解を述べていきたいと思います。 初めに、基本的な立場ないし中間法人制度を見る視点ということから始めたいと思います。 レジュメの1のところです。基本的な視点に関しては二つほどここで述べたいと思うわけですが、一つは、団体に法人格を付与することの意味ということから始めたいと思います。 今回の中間法人制度は、非公益そして非営利の団体に法人格を付与するわけですが、そもそもある団体に法人格を付与するということはどういうことなのかということを確認しておく必要があります。それは、法的な意味あるいは法技術的な意味と、もうちょっと社会的な意味というのがあると思います。 法的な意味については、これは改めて言う必要もないくらいですが、一つには、法技術的には法人固有の財産をつくり出して法人の名前で活動ができるようになると。また、多くの場合には構成員に有限責任を求めることになります。 しかし、ある意味でもっと重要なのは、法人格付与の社会的なというんでしょうか、狭い意味での法的な意味に含まれないもうちょっと広い意味です。法人格付与をいたしますと、これによって団体は対内的にも、つまり団体内部でもあるいは対外的にも明確な存在になって、そういう意味でこの団体の活動というものが活性化されると。団体の活動が活性化されることによって、それに伴ってまた社会的な意義というものも高まるのではないかと。要するに、法人格付与の積極的な側面というものを見る必要があるということであります。 団体に対して簡単に法人格を付与するということに対しては、違法な活動に対する隠れみのになるとか、あるいは法人が乱用されるという懸念がしばしば議論されますが、しかしそれはそれで対処する別な方法があると思われますので、それよりも法人格を付与することによって団体活動が活性化し、ひいては社会全体が活性化する、そういうことを強調したいと思います。 第二点目、法人。ここでは非営利ないし公益的な団体を念頭に置きますが、それに対する基本的な視点というものについての確認です。 この非営利団体あるいは公益的な団体に対してどのような政策でもって臨むのか、そういうスタンスの問題です。この点につきましては、私は、公益法人あるいは公益的な団体と中間法人とでは基本的に少し異なる政策というものがあり得るのではないかと考えております。 公益法人については優遇税制が伴ったりいたしますので、団体組織の透明性ですとか、あるいは公益性を認定する場合にはその基準の明確性であるとか、あるいは団体の組織の信頼性といったことが重要になります。したがって、こういった原理にふさわしい法人組織というものが要求されるということになります。 これに対して、社員の共通の利益を図ることを目的とする団体、中間法人、これはちょっと大げさかもしれませんが、憲法十三条の幸福追求権と思想的につながるものではないかというふうに私は考えております。そういう意味で、自己の発展あるいは今の幸福追求のために団体を使ってさらに一層活動を発展させる、そういうことなわけですが、そうなりますと、ここでは自由ですとかあるいは自己決定といったことが基本的な原理として重要になってまいります。したがって、中間法人の組織も、できるだけ自由度の高い、それぞれの団体のニーズを反映できるような柔軟さを備えることが必要ではないかと思います。 次に、「2 中間法人法に対する評価」というところですが、以上のような基本的な視点から今回の中間法人の法案を見ますと、次のような評価をすることができるのではないかと考えております。 第一に、これは民法関係者の間では恐らく異論がないことだと思いますが、今回の中間法人法案によって、今までの法人制度のもとでは法人格を取得したくてもできなかった、そういう団体が法人格を取得できるようになったということであります。 これは、簡単にそこにレジュメに図をつけておいて、かえってわかりにくい図かもしれませんが、往々にしてよく、営利法人、それから他方の極に公益法人、真ん中に中間法人というふうに言われておりますが、実は民法三十四条の公益法人の規定から出発いたしますと、公益法人というのは公益、そこに挙げられている各種の公益事業、公益を追求することと、かつ非営利であるということで、二つの実は要素あるいは軸というものがあります。この図では、非営利、営利の軸を縦軸にとっておりまして、したがって上の方の二つは非営利の団体である。非営利というのは利益を分配しないという意味ですが、下の方は営利の団体で、これは利益を分配する、こういう軸と、それからもう一つは、その事業内容が公益であるかあるいは公益でないか、公益でないという方はちょっと言いにくいんですが、一応ここでは私的な利益を目的とするというふうに言いたいと思います。 こういうふうに切りますと、結局四つの領域ができまして、Aと書いてあるところ、これが現在の公益法人、公益かつ非営利の活動をするというところであります。その対極にある営利法人というのは、利益を分配するし、また事業も通常は単なる公益よりはもうちょっと収益そのものを上げることを目的とする事業ということで、Aの対極にあるCが営利法人というわけですが、しかし営利法人が公益的な活動の方に手を伸ばすことは恐らく許されると思いますので、営利を一応中心に据えながらも公益的な事業、例えば鉄道事業だとかそういったことをすることはできますので、CとDのところも営利法人になる。残っているところが、この図で言うとBになるわけですが、ここが今まであいていた。ここを埋めたというのが今回の中間法人制度だということになります。これが第一点。 それから第二に、これはある意味で今の第一点と重なる点もあるんですが、今回の中間法人制度によって非営利活動あるいは共通の利益を追求するということで共益活動と仮に呼びますが、この非営利活動が社会的に活発になされる、そういう法的な基盤を整備したということが重要ではないかと思います。 これは、今の穴を埋めたということと同じことのようにも思えますが、しかし非営利活動が今後の成熟した社会においてますます重要になる。単なる経済的な利益の追求だけではない。また、公益活動は公益活動で重要ですが、その中間を占める私的な利益を、つまり共通の利益を追求するんだけれども単なる経済活動ではない、そういうものが今後ますます重要になってくる。こういうものの活動のための基盤、法人制度で活動するための基盤を整備したというのが今回の中間法人であると思われます。 それから、三番目に評価の点ですが、今回の中間法人を評価する際の三点目ですが、今回の中間法人制度はそれなりに社会の多様なニーズにこたえるものとなっているということも注目する必要があります。もっとも、この非営利活動というのはなかなか範囲が広くて、いろんなものが含まれます。例えば、業界団体であるとか、あるいは同窓会、あるいは学会、私なども属しておりますが、それからさらに、もうちょっと小規模な、例えば趣味のような団体、クラブ、いろんなものがありまして、これらのすべてのニーズを酌み取ってそれにこたえるというのはなかなか簡単ではありません。 中間法人法案は、一応いろんな多様な団体があるだろうということで、有限責任中間法人とそれから無限責任中間法人、二種類を用意することで対応しようとしております。これ自体いろいろ問題がないわけではありません。私もいろんなところで議論いたしました。特に、例えば無限責任タイプというのが果たして本当に適切かどうか、使えるかどうかといった点については問題がないわけではありませんが、しかし多様性を追求するという視点から、いろんなプログラム、いろんなタイプを用意したということは評価できるのではないかと考えております。 さて、論点、レジュメの3、幾つかの重要な論点についての私の見解を述べたいと思いますが、第一は、この法人制度全体の中で中間法人をどう位置づけるかという問題であります。恐らくこれが理論的に一番重要かもしれません。中間法人は、先ほどの図にありますように、単純ではありませんけれども、営利法人と公益法人の間に挟まれている。中間法人というのはその両者、公益法人あるいは営利法人とどういう関係にあるかという点です。 最初に、公益法人との関係について見ますと、二点ほど指摘したい点がございます。第一は、この中間法人は社員の共通の利益を追求するということを目的としているものですが、現実にはかなり広い範囲のものをカバーするという点であります。共通の利益が中心に据えてあれば、例えば公益的な活動をすることも可能になります。例えば、環境保護ですとか地域の美化活動だとか、こういうものは公益活動のある種の典型だと思いますが、これも団体の構成員が自分たちの共通の利益の追求としてこれを行うということであれば中間法人として設立することもできると考えられます。 もっとも、後でもう少し詳しく触れますが、公益活動を永続的に、かつ確実に行うのに中間法人が適した組織かどうかというのは別な問題であります。公益活動を行う団体に対しては、恐らく市民全体が関心を持ち、市民は団体の中身、そういった公益的な団体の中身についても知りたいと考えるでしょうから、そういう意味ではそれに対応した規定などが今必要になります。しかし、中間法人制度が、これはさっきの共通の利益を追求するという団体ですので、そこまで徹底して市民一般に対する情報開示をするという形の団体にはなっておりません。 第二に、この公益法人と中間法人の組織法的なレベルからの比較なんですが、端的に言いますと、中間法人と公益法人を含めて広く非営利法人制度というのを考えるべきなのか、それとも中間法人と公益法人とを一応区別するのが適当なのかという問題であります。 今回の中間法人制度は、一応現行の公益法人制度を所与の前提として、後者の立場、つまり中間法人と公益法人というのを一応類型として二つ組織法的に分けたというものであります。個人的には前者の立場、すなわち全体として非営利法人制度というものを考えて、法人格付与は比較的簡単に準則主義ですべていく、そして公益法人についてはさらにどこかで公益性を認定する、非営利法人全体の上に部分的に公益法人制度が乗っかると、そういう制度も考えられます。現に、ドイツなどはそういう制度をとっております。 ただ、よく考えてみますと、この方法には問題がないわけではありません。すなわち、こういうふうにして準則主義で簡単に一応非営利法人というものを設立いたしますと、後で公益性を認定する必要が出てまいります。どこがするかは一つの問題ですが、それはともかくとして、仮に課税庁などが、税務当局などが税の優遇措置を与えるというので、どういう団体ならば適しているかという判断をして、まず公益性を認定するといたします。そのときに、何を判断するかが問題なんですが、本当にその団体が公益活動を実際に行っているかどうか、つまり事業の内容について判断するならば私はあり得る制度だと思いますが、それに加えてさらに公益性が認定されるためには、この種の団体にはある種いろんな組織法的な手当てをしなくてはいけない。もうちょっとはっきり言いますと、税制適格要件というものを加重して、この団体はこういう制度を備えていなくてはいけないとか、いろいろ要件を加重することが考えられます。これを認めますと、事実上、課税庁のレベルで組織法的には非営利法人一般とは別の公益法人というものをつくり出すことになりまして、これは私は余り適当ではないのではないかと考えております。 こういうことをするよりは、組織法一般のレベルで、公益を目的とする公益法人にふさわしいタイプと、それから私的な共通の利益を追求する中間法人とを分けた方がよろしいのではないかというふうに考える次第であります。そして、中間法人は公益法人よりはずっと緩やかな自由度の高い制度にする、それが望ましいのではないかと考えております。 営利法人との関係については一言だけ述べておきたいと思いますが、この中間法人という制度が営利法人あるいは営利活動の目的でもって乱用されることはないだろうかという心配が時折議論されます。しかし、この中間法人制度は、営利を目的とする、あるいは利益を分配するための制度としては極めて不便なものでありまして、形式的には中間法人の社員は利益の分配請求権がありませんし、営利活動にはそれほど向いた制度ではありません。したがって、乱用の心配が全然ないわけではありませんが、そのことを余り強調して中間法人制度にきつい規制をかぶせるというのは適当ではない、現在、法案として出ている程度の規制で十分ではないかと思われます。 あと幾つか論点がありますが、時間の関係もありますので少し省略いたしますが、「営利・非営利・公益の関係」については今まで述べてまいりましたので、これは省略いたします。 「組織変更ないし転換」について一言だけ述べますと、これは非常に一つの論点になっておりますけれども、今までの公益法人というものが、仮に寄附であるとかあるいは税の優遇制度によって蓄積されてきた財産がそのまま中間法人に引き継がれるということになりますと、中間法人はいつでも解散することができますし、解散をいたしますと、その段階での財産がいろんな人に帰属いたします。そういうことで単純に移行させるというのはなかなか難しい。もちろん、それは政策的にはあり得る制度だと思いますけれども、この中間法人制度そのものの中でやるのがいいのかどうかということについては多少議論が必要だろうと思われます。 あと一言だけ。「今後の課題」についてでありますが、先ほど既に触れましたが、中間法人というタイプ、自分たちの利益を追求するタイプと公益的な利益を、あるいは公益活動をしていくタイプとで法人制度として分けた方がいいのかどうかというのがまず最大の問題であります。これについては先ほど触れましたが、周辺的な関係、例えば公益をだれがどういうふうに認定するのかといった点と関係いたしますので、そういうことを見据えながら今後議論していく必要があるというのが一つです。 それから、公益活動全体あるいは公益法人制度全体についての見直しというのが極めて重要であると。これはいろんなところで議論されておりますので、後でまた御質問があればお答えしたいと思いますが、基本的にはこの公益活動というのは、今後恐らくその公益活動に投入する財、人的なあるいは財政的な財というものは、資源というものは限られている。そうなりますと、どういうような公益活動にそれを投入するのかというのが極めて問題となってまいります。恐らくある種の競争原理、競争原理だけではだめだと思いますが、ある種の競争原理を導入することが必要ではないかと考えております。 そういう観点からいたしますと、公益法人というものは、確かにきちっとしたものができなくてはいけないんですけれども、余り厳しく締めつけるよりは、多少は今の自由な競争を許すような枠組みを提供した方がいいのではないかという点を考えております。 ちょっと時間を過ぎたかもしれませんが、また御質問があったらお答えしたいと思います。 以上でございます。
○委員長(日笠勝之君) ありがとうございました。 次に、雨宮参考人にお願いいたします。雨宮参考人。
○参考人(雨宮孝子君) ただいま御紹介にあずかりました松蔭女子大学の雨宮でございます。 本日は、中間法人法案に対して意見を述べさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。 中間法人法案に対し最初に結論を述べさせていただければ、今国会に法律案として提出されている中間法人法案に対しては、反対ではありませんが、積極的には賛成できません。 反対でないという理由は、この中間法人法案によって、これまで非営利でありますが積極的に公益も目的としない、言いかえれば共益的な団体、例えば同窓会、趣味の会などの法人化がこの法律によって可能となる点は評価できると思います。特に、同窓会会館など不動産を所有している団体は法人化して法人名義で登記するメリットはあります。 しかしながら、この法案は、社員の共通の利益を目的とし、剰余金を社員に分配しないことを目的とする社団が対象となるもので、例えばワーカーズコレクティブのように、場合によっては剰余金を分配できる非営利団体には適用されません。ただ、分配をするということでは、これは非営利と言わないという考え方もあるかもしれませんけれども。また、財団の形をとる団体をすくい上げることはできません。そういう意味では、公益と営利のすき間をすべて埋めるということはできないと思います。 積極的に賛成できないという理由として大きな点は、民法の法人に関する規定に問題があるからです。 民法では、民法の規定か他の法律の規定によるものしか法人を認めていません。民法では第三十四条の公益法人、非営利で、かつ公益を目的として主務官庁の許可を得たものと、それから三十五条に営利の社団法人の規定が置いてあります。それしか置いていないとも言えます。つまり、積極的に公益も営利も目的としていない、いわゆる非営利団体の法人化についてはすべて特別法にゆだねられているというところに問題があるわけです。現状では、包括的に非営利団体を法人化する法律はありませんので、その公益と営利のすき間を埋めるために個別の特別法は既に百八十以上を超えています。つまり、すき間を埋めるために法律をつくるということに問題があると思うんです。 また、営利法人については、一定の要件、資本金の額、公証人による定款の認証等が充足すれば当然に法人になれる準則主義をとっているのに対し、民法の公益法人は、法定要件の具備に加え、法人設立の許可をするかどうかをその団体の事業内容を所管する役所の自由裁量にゆだねる許可主義をとっており、その設立は容易ではありません。 そこで、九八年三月には、規模の小さい市民団体でも簡易に法人化できるようにすることによって民間の非営利公益活動をやりやすくするための特定非営利活動促進法ができました。この部分は解決しましたが、非営利だけでくくる法人法がないために、営利ではないけれども積極的に公益も目的としない、いわば公益と営利の中間に位置する団体の取り扱いにつき、今回の法人法のように中間法人制度を設けるべきではないかとの検討は、古くは一九六四年の臨時行政調査会の許認可等の改革の中で指摘され、さらに七一年、法制審議会では、休眠法人の整理と中間法人が検討事項になっていました。この法制審議会では、単に中間法人を創設するというだけでなく、非営利法人の一般法にするかどうかも議論されて、結果的には法人制度の根幹にかかわる問題なので早急には結論が出なかったようです。さらに、一九八五年、また九二年、総務庁による公益法人の行政監察結果に基づく勧告では、公益に関しない非営利団体についても中間法人としての法人格を付与することが指摘されています。 現在の中間法人法へ至る経緯をさらに見ますと、九六年、与党の行政改革プロジェクトチームのまとめました公益法人の運営等に関する提言では、民間団体にとって非営利の法人格を取得する手段が民法三十四条による以外にないために、例えば多くの業界団体などが公益法人になっていることの問題性を指摘しています。そして、中長期的には民法を見直して、準則主義による非営利法人の設立を可能にするよう検討すべきとしています。これを受けて、九六年、閣議決定で公益法人の設立許可及び指導監督基準ができ、その中で、経過措置として、既に設立している法人で、民法の規定上やむを得ず公益法人になっているものについては抜本的な法人制度の改革を待って対応するということになったのです。それで、これを実現すべく、法務省の中に法人制度研究会が発足しまして、非営利で共益的な団体に対する法人化が検討されたことは皆様も御存じのとおりです。 続いて、法制審議会民法部会に法人制度分科会が設置され、いわゆる中間法人制度の創設が検討されることになったのです。ここでは、民法改正による非営利一般法を制定することについても一応検討されたというふうに報告はなっております。そこでは、関連法の多い民法改正は非常に時間がかかり、現実的でなく、それゆえ特別法として中間法人制度の検討を行うことにされたというふうに書いてあります。ここは実は問題だと思うんです。時間がかかるのが現実的でないならば、いつならば民法改正ができるのでしょうか。というのも、与党プロジェクトチームの提言では、中長期的には民法を見直すこと、閣議決定では抜本的な法人制度の改革を念頭に入れているにもかかわらず、そのどちらでもない特別法による中間法人制度の検討だけに終わっているからです。 結果として、中間法人として法人格を取得できる団体は限定的で、この法律ができたとしても公益と営利の間に存在するさまざまな非営利の団体すべてを法人化できるわけではないことは前に述べたとおりです。既に百八十以上ある特別法がふえるだけということも言えるかもしれません。 もともとこの中間法人の創設については二つの目的があったようです。一つは、公益を広く解釈して無理に公益法人に入っているいわゆる同業者団体や互助団体等を中間法人へ移行させるため、もう一つは、現行制度では法人格を持ち得ない同窓会や互助会などを法人化させることであります。どちらかといいますと、前者の目的が強いように思えました。 ところが、中間試案に入っていた公益法人からの組織変更の規定はなくなっています。公益法人から中間法人へ組織変更する場合、中間試案では、財産をそのまま持っていって解散時には残余財産を分配できるとした点が、これは脱法的な行為になるから、入らなかったことについては私はいいと思います。その規定がなくなった今、この中間法人制度を使って法人化する団体はどれほどいるのかということについてはちょっと疑問に思います。 また、これがさきに述べた閣議決定に言う抜本的な法人制度の改革と言えるのでしょうか。この規定がなくなったからには公益法人から中間法人への組織変更は強制されないと理解していいのでしょうか。我が国の統一のとれていない法人法にさらに特別法が加わり、その内容を複雑にするだけに終わらなければよいと私は思っております。この法律の存在で、今後、規模の小さい公益団体は特定非営利活動法人へ、非営利だけれども公益性の少ない団体は中間法人へというふうに分類され、本来の公益法人の増加を抑制、言いかえればふやさないようにすることが目的であっては私はならないというふうに思います。 もともと公益法人になっている中間法人的な団体については、昭和四十七年の公益法人監督事務連絡協議会の申し合わせ事項に、同窓会、同好会など構成員相互の親睦、連絡、意見交換などを主たる目的とするもの、あるいは特定団体、特定職域の者のみを対象とする福利厚生、相互救済を主たる目的とするものは両方とも公益法人の許可をすることはできないというふうに規定されているんですね。申し合わせ事項ですから法律ではありませんが。 そういう状態の中で、公益性もないのに主務官庁が許可をしたのならその判断が問題なのでありますし、当初は公益性のある事業をしていましたが、後にメンバーの利益だけを追求する事業しかしなくなったのなら、監督者としての主務官庁は行政指導で公益性のある事業をするように指導するのが必要なわけです。それでも公益性のない事業しかしないのなら、許可の取り消しを行うのが筋であります。許可の取り消しができないので、移行させるための受け皿としての中間法人制度を創設するのは問題です。 もっとわからないのは、同業者団体はすべて共益的な団体なのでしょうか。経済団体でも公益的な活動をしているものはたくさんあります。まず、同業者団体の定義をどのように考えているかも不明であります。 それから、中間法人制度を公益法人の制度改革と結びつけて議論されることが多いのですが、公益性の少ない団体がすべて不祥事を起こしている、あるいは起こす可能性があると考えるのは少し暴論です。 つまり、税の優遇を受けていながら公益性のない活動をしているのは確かに問題です。不祥事を起こしている法人の多くは、監督する側の主務官庁と監督される側の法人の役員に元の上司がいるなど、監督がスムーズにいかない、あるいは理事や監事がその責任をきちんと負っていないということが理由であることが多くあります。また、最近では、官主導で設立された公益法人に、現在、財政的な問題を抱えている法人がたくさん見られます。とすると、主務官庁の監督を強化しても、これでは不祥事はなくならないと思います。また、監督を強化すると、民間の多様なニーズに即応できる自由さと柔軟さが信条の民間公益活動がゆがめられてしまいます。 そこで、監督強化ではなく、徹底した情報公開をし、多くの市民に事業内容や財務内容を透明にすることによって支援するかどうかを判断してもらう方がいいと考えています。アメリカでは、例えば役員の報酬を持っている大きい順に五位までは全部情報公開されています。また、できれば癒着の温床になる許可監督制は廃止すべきであると私は考えております。 民法改正の必要性は、九八年に全会一致で成立しました特定非営利活動促進法の審議過程でも何度も議論されました。たまたま特定という用語がついたのは、非営利だけでくくる特別法はできないために十二項目に限定せざるを得なかったという事情もあります。その附帯決議では、民法の公益法人制度の改革、改正にも言及しています。 では、民法改正ではどのようにすればよいかという問いに対してはいろんな考え方があると思いますが、例えば非営利法人と営利法人に分け、非営利法人の中から公益性のあるものは公益法人として特別法で扱うか、あるいは民法の中に特別の款あるいは章を置くこともできるかもしれません。とにかく、基本法である民法に法人に関する一般規定を置きまして、特別法では、こういう言い方はいいのかわかりませんが、事業法に関する規定を整備すればよいのではないでしょうか。その際、民法には、理事の責任の明確化や情報公開の義務化、あるいは現在ない合併の規定、また社団や財団の定義などを規定すべきと考えています。 例えば、ドイツでは、一定の要件を整えて地区裁判所に届け出る登録社団、エーファオと言っていますが、これでは当初七人の社員が必要とされていますが、その後それが五人になっても有効ですが、社団の定義では三人以上を社団といいますので、三人を欠く場合には法人格が取り消されます。このように、基本的な考え方を民法に規定することは非常に重要ではないかというふうに思います。 なお、現在のように公益法人に許可されると自動的に法人税だけが優遇されるために、法人化を厳しくするという点が問題でありまして、法人化と税の優遇は分けて考えるべきだと思います。税制優遇の根拠をどう考えるかで多くの非営利公益法人が優遇を受けることになるのか、あるいは公益をどう考えるかということでそれが狭められるかということは議論があるところだと思います。多くの国では法人化と税制優遇は切り離されています。 最後に、この中間法人も含め、また公益法人全般に関して、日本の民間の公益活動を促進するという意味では法改正が大変必要なんですけれども、じゃそれを悪用する者に対してどうしたらいいかということについて、アメリカのNPOに適用される税制優遇の悪用防止手段として五年前に認められた、それがまた同じような名前なんですが、中間的制裁制度というのを御紹介します。 皆さんのお手元のレジュメの三枚目に記載されています。このインターメディエート・サンクションと言っているのは、ここで言う中間とは、許可の取り消しか、あるいは注意ぐらいで何もしないかの間の制裁という意味で中間的というふうな言葉を使っています。この規定を見ますと、現在問題になっています財団法人のKSD問題には有効な手段かと思われるから御紹介させていただきたいと思います。 つまり、非営利で税の優遇を受けている法人の役員が法人の財産を私的に流用する、あるいは過大に報酬を受けるというような場合に、その私的流用した部分あるいは過大にもらった部分の額に二五%の課税をするとともに、私的に流用した額あるいは過大に受けた報酬を法人に全額返還する義務を課しているのです。もし一定期間に返還しない場合には二〇〇%の課税がなされるというものなのです。 団体の許可を、法人の、これはアメリカでは法人というよりも非営利という資格の許可なんですが、それを取り消されて困るのは団体の会員たちですから、こういった非営利団体ということの資格を取り消しではなく、いわば懲罰的な措置をとるという意味になっています。これならば、役員を相手に訴訟を行わずとも損害額が法人に入ることになります。ただし、我が国では税を懲罰的に使うことは余りなされていません。今後の検討事項かと思います。 早口でございましたが、私の意見はこれで終わらせていただきます。
○委員長(日笠勝之君) ありがとうございました。 以上で参考人の意見陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木知子君 自由民主党の佐々木知子です。 きょうは、両参考人の先生には、お忙しい中をお越しくださって貴重な御意見を賜り、ありがとうございました。 能見先生に幾つか確認の意味も込めまして質問差し上げたいんですけれども、まず一点は、無限責任を負う中間法人というのがございます。社団法人で言えば合名会社みたいになるのかと思いますけれども、これはどういうような法人を頭の中に置かれてつくられたのかということが一点。実際に本当に活用されるのかどうかということも含めまして。 それから二点目は、先生、非営利法人という形で一括してまとめて、準則主義でというのもいいんじゃないか、私もそうじゃないかというふうに思っているんですけれども、その場合にどこで公益性を認定するのがいいのかということでドイツやフランスのことを言っておられましたけれども、ドイツやフランスなどではどこで認定するという形をとっているのか。また、そこでは、中間法人の中で、今回の法制に見られますように有限責任の中間法人なり無限責任の中間法人というような形でつくられているのかという点。 それから三点目ですけれども、団体に法人格を付与することの意味として、できるだけ自由な活動を認めさせるというか、団体に対外的にも明確な存在を与えるということはございますけれども、そうでありましたら情報開示、これは雨宮先生もおっしゃっていましたけれども、それから監査とかを充実させることによって隠れみのになるとか乱用されるということを担保しないといけないのではないかと思いますけれども、この法案においてはそれがどの程度盛り込まれたのか、また以後の検討課題とされているのかという点。 時間がもしかしたら終わるかもしれませんので、一応この三点でお願いいたします。
○参考人(能見善久君) それでは、三点について簡単にお答えいたしますが、第一点目は、無限責任の中間法人というのはどんな場合を念頭にして、またどういうふうに実際に使われる可能性があるのだろうかということです。 これは、有限責任の中間法人の方は基金として三百万を一応積まないとできない。これは多くの場合はそう大した大きなハードルではないと思いますが、場合によっては五人とか小さな団体で、趣味的な団体で、対外的な活動をそんなにするわけではない。しかし、若干、会員から集めた預金などを管理しなくてはいけないのでやはり法人格があった方が便利であると。今でも権利能力なき社団でももちろん預金などはできますが、ただ、だんだんと銀行の方も厳しいことを要求してまいりまして、いろいろその組織の内容ですとか、ちゃんとした団体かどうかをチェックするようになっていますね。 そういう意味で、権利能力なき社団の場合には多少不便なので、そこで小さい団体であっても、そして基金を積めないような団体であっても法人格を取得する道を開くというのがこの制度だと思います。ただし、無限責任ですから対外的には場合によっては大きな責任を負うかもしれない。 そこで、これをちゅうちょして、ならない団体もあると思いますけれども、これは見方だと思いますが、言ってみれば、現在でも民法上の組合をつくりますと、これは構成員は一応無限責任ですね。組合をつくるよりは、あるいは組合であっても法人格を与えるといったらいいでしょうか、そういうので構わないと考えているものも少数、そんな多くないかもしれませんが、小さいものにはあるのではないかと考えています。 それから二点目、非営利法人制度一般というのを設けてどこかで公益性を認定して、それについてだけ公益法人という扱いをするのはどうかということですが、それはもちろんあり得る制度、先ほど意見として述べましたのは、そのような立場も私は特に反対ではありません。反対ではありませんが、どうやって公益性を認定するか。その際にいろんな加重要件を課されたりすると実質上その段階でもって別な法人制度がつくられてしまうかもしれない、これはもしかしたら余りよくないかもしれないと、そんなことを思っております。 しかし、非営利法人制度一般というのをつくってどこかで公益性を認定して、それについてだけ公益法人の扱いをするという制度は十分あり得る。それで、例としてドイツを挙げました。ドイツは、これは雨宮参考人の中にも出てまいりましたが、一応税務署が判断いたします。ただ、税務署が判断しても、別に公益法人という新たな類型がつくられるというのとはちょっと違って、税の優遇措置を受ける団体であるという認定がされるという程度だと思います。フランスについては、ちょっと私は余り詳しく知りませんが、やはり国家のしかるべき機関が認定するというふうに存じております。 それから、自由度を高めていろいろ活動を自由にさせる、しかし何らかのやっぱりチェックが必要なのではないかということだと思いますが、これは、現在の中間法人制度はやはり自分たちの利益を追求するという団体ですので、外部からの情報公開を含めてチェックというのは多少限定されていると思います。主としてこれはその団体と取引をして債権者になるようなものあるいは利害関係を有するもの、こういうものに対して一定の書類などを見せなくてはいけないという形になっていると思いますが、およそ市民一般が常にその団体の中身を見ることができるというのとは少し違うんだと思うんです。私はそれがむしろ中間法人にはふさわしいと、公益法人とはそこで違うのではないかと考えております。 ちょっと長くなりましたが。
○佐々木知子君 ありがとうございました。 では、雨宮先生にお伺いしたいんですけれども、雨宮先生の言われていることも私は本当に一々なるほどと思うことがございまして、もう民法も改正をしないといけない、全般的にしないといけないと。 法人もばらばらばらばらといろんな特別法で規定されておりまして、実際におっしゃるように、この法人がどの法人になるんだというようなことも、それで全部カバーできるのかといえば、本当にそうできるのかしらというようなところがございまして、民法の改正ということを述べられておられますけれども、そこで主務官庁制、許可監督制は癒着の温床になるからこれは廃止すべきであるというふうにお考えというのは、今回のKSDの事件とかも関連しているということでございましょうか。
○参考人(雨宮孝子君) お答えします。 ちょっと品の悪い言い方をして済みませんでした。 別にKSDの問題だけではなくて、もともと主務官庁制というのは、民間の団体が自由度の高い事業をしようと、例えばことしは福祉をやるけれども来年は国際交流をやりたいというような場合には、どちらの役所の許可も得なければいけないわけですよね。ことしは国際交流は少な目にして来年はたくさんしたいということもできないわけですね。そういう意味では非常に自由度を阻害する要因でもあります。 また、役所からの、マスコミ的に言えば、天下りを入れてくれという要求が私も公益法人の設立のお手伝いをしているときには随分ありまして、そういうこと自体もやっぱり問題があって、民間側もそういう人たちを入れることによって役所と話がスムーズにいくならそれでいいだろうというようなこともあって、設立の段階に非常に問題が出てくるわけですよね。 それから、役所は許可監督し、さらに取り消しの権限まで持っているわけですよね。そうすると、取り消しまでやるとすれば、監督不行き届きということを自分が認めることになるわけですから、役所は。そういう意味では、主務官庁制と許可監督制ということはやめて、例えば取り消しだけは裁判所の権限にするとか、そういう方法ができないかなというふうに思っております。 以上です。お答えになったでしょうか。
○佐々木知子君 わかりました。結構です。 ありがとうございました。
○江田五月君 両先生、きょうは本当にありがとうございます。 能見先生の方は、どちらかというとこの中間法人法案は必要である、いいときに必要なものができつつあるというそういう御見解、対して雨宮先生の方は、どちらかというとこれで何か問題解決ということにはなかなかならなくて積極的に賛成というわけにいかないという、そういう感じのようにお伺いをしたんですが、それはそれでよろしいんですか、両先生。
○参考人(能見善久君) 御指摘のとおりであります。 私は、この中間法人制度が、もっと理想的な形というのはもちろんあり得ると思いますけれども、こういう形で共通の利益を追求する団体にも法人格の道を開いたということは、やはり社会的な活動の活性化につながるのでよろしいのではないかと考えております。
○参考人(雨宮孝子君) 江田先生の御指摘のとおりで、今、中間法人法案をつくるのであれば民法改正を早急にした方がいいというふうに、私は述べたとおりです。
○江田五月君 ということは、つまり今までの非営利法人体系というものではやっぱり現状は不十分だと、いろいろ手直しをしなきゃならぬところがあるということで、その手直しの一部分として中間法人法というものがあって、それで、ゼロじゃなくて、中間法人法をつくること自体はそれは意味があるが、しかしこれでもう万事すべて終わりではいけないということはもうお二人とも共通をしていると、これはそれでよろしいんでしょうかね、お二人。
○参考人(能見善久君) 御指摘のとおりでございます。
○江田五月君 雨宮先生、いかがでございますか。
○参考人(能見善久君) いいですか、一言だけ。 中間法人制度といいますか、共通の利益を追求する法人についても、もっともしかしたら自由度を高めたような制度が、あるいは柔軟性の高い制度が将来あり得るのではないかということは個人的に思います。 それから、公益法人制度、これはこれ自体で相当直す必要があると思っております。
○江田五月君 したがって、先生方も、この中間法人法ができてすべて終わりじゃなくて、公益法人の中もあるいは公益法人の外の非営利法人についてもまだまだいろんな検討がこれから必要だということは一致をしていると思うんですが、そこでさらに進んで、これは雨宮先生、百八十の特別法があるということでいいんですか。
○参考人(雨宮孝子君) はい、特別法があります。法人の種類としては百三十ぐらいだというふうに思いますけれども、法律の数、まださらにふえていると思います。
○江田五月君 きのう、これは私の事務所の間違いなのか、百八と聞いたような気がして、煩悩みたいなものだなと、百八つと。ところが、それをはるかに超えて百八十というので役所に聞いてみたら、わからないんですね。幾つあるかわからないということになっていること自体が非常に不健全だという感じがしますが、これは能見先生はどう思われますか。とにかくわからないんですね、幾つあるやら。
○参考人(能見善久君) 恐らく、それぞれ特別法自体にはいろんな特別な手当てをしているためにそれなりの存在理由があると思いますが、ただ、その問題と今回の中間法人制度の問題とはやはり切り離して考えるべきではないかと思っています。 中間法人制度は、これは余り特殊な目的追求のための制度ではなくて、例えば協同組合的なものではなくて、もっと一般的に自分たちの利益を追求する団体、そのための一般法であるというふうに考えています。
○江田五月君 中間法人法という今回の制度が一般法であるというお話ですが、雨宮先生は一般法というよりもどっちかというとこれもまた特別法の一つだということを強調されたようですが、ちょっと雨宮先生、そこのところをもう少し詳しく説明してみてください。
○参考人(雨宮孝子君) 衆議院の議論の方も拝見しましたが、そこでもたしか一般法と言われていましたけれども、一応社員の共通の利益を目的として、剰余金を社員に分配しないことを目的とすると限定していますよね。そういう意味ではやっぱり一般法ではないのではないか。ここにかかわらないものもある。 だから、非営利の一般法はそもそもつくれないわけですから、民法の規定よりも広い範囲の非営利法はつくれないという法原則からいえば、これが非営利の一般法になるのかちょっと私には疑問でした。
○江田五月君 どうも一般法か特別法かというふうに言うと何だかこれはよくわからないんです。一般法というのは広く基盤的な法整備というものが、制度整備があって、それにそれぞれ個別に特別に適用されるものがあったら一般法と特別法という関係になるかと思いますが、どうもそうじゃなくて、特別法というのでなくて個別法だとかいうような言い方もされたりする。一般法、特別法と個別法、その辺はどういうふうになるんですか。ちょっと大学の講義風に教えていただければと思うんですが。これは能見先生。
○参考人(能見善久君) いや、どうも一般法と個別法というのは余り厳密な定義もあるわけではないし、ちょっと相対的な概念だと思いますが、わかりやすい例として、私が中間法人はそれなりに一般法だと申しますのは、例えば中間法人制度を使って社会福祉のための事業をしたい、あるいは環境保護のための活動をしたいというときに、これ自体は排除されないんだと思うんです。一応共通の利益を追求するという形で今のような事業を行うのであれば公益的な活動もできる。そういう意味では、公益法人の領域もある意味でカバーするような、そういう一般法になっている。あるいは、共通の利益を追求するときに利益を分配するのはだめですけれども、利益を分配しないで、例えば同窓会館とか建物とかそういうものを利用するぐらいの利益を享受するのであれば、これは何も協同組合とかそういうのを使わないでも恐らく中間法人を使うことができる。そういう意味で一般的な広がりがあるのではないか。 個別法は、農業協同組合法とか生活協同組合法などいろいろありますが、これは恐らく非常に範囲が限定されていて今のような中間法人のかわりをなすものでは到底ないというのが、一応お答えになるかどうかわかりませんが、私は考えております。
○江田五月君 ちょっと頭がこんがらかってしまうんですが、社会的必要という意味でいえば、ある種の一般的広がりを持ったニーズにこたえるという点で中間法人法というのが一般法的性格がある。しかし、法制度的に言うと、それぞれの個別法があって、そこを全部つなぐような、あるいはある程度共通の法制度を定めるということでいえば、別に中間法人法がそういう性格を持っているわけではないから一般法というわけにはいかないという、そんな理解かなと思いますが。 もうちょっと先へ行って、雨宮先生の方は、今回のこれは公益法人改革というのが主たる目的だったはずだが、それに付随して一般的なこういうニーズにこたえるというものも付加されてきた、だけれども組織変更の規定が抜けてしまったからその辺があいまいだという理解をしたのですが、能見先生は今の二つの目的の点でいえば、どちらの方が今回は重要視されている、どちらの方に重点があるとお考えでしょうか。
○参考人(能見善久君) これは、恐らく中間法人制度というもの、どういうふうにそれを理解したいかというかなり主観的な問題があると思うんですけれども、私は、公益法人制度の改革自体は結構なことだと思っておりますし、そして公益法人としてはどうも適当でないというものの、受け皿として中間法人が利用されるということもそれは結構なことだと考えております。 ただし、そこに今回の中間法人の主たる目的を持ってくるのはどうも余り適当ではないのではないか。むしろこれは、中間法人制度というのは、先ほどの繰り返しになりますが、自分たちの共通の利益を追求するための、しかし非営利の活動をするための法人として、そういうふうに積極的な位置づけをするのがいいのではないか、そんな理解をしております。
○江田五月君 時間ですね。終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎です。お二人の先生、貴重な意見ありがとうございます。 基本的な質問ですが、能見先生がおっしゃるように、法人格付与の意味は、文字どおりその名をもって活動できるという法技術的な意味合いを持つわけでありますが、社会的意味は本当に一番大事だなと思っています。そういう観点からしてみますと、民法の三十三条、三十四条、三十五条という体系自体は、この立法時においては法人を禁圧するといいますか、つまり許可主義であり、営利目的は商事会社でやっていいですよ、そのほかは許可がなければ活動しちゃだめですよと。 先ほど社会の活性化というふうなことをおっしゃいましたけれども、そうしますと、私がこれをぱっと読みますと、公益を初め利益になるもの以外は動くなと、民が、そういうふうに読めちゃうんですけれども、歴史的な意味も含めて、ちょっとその辺御説明をお願いできればと思いますが。
○参考人(能見善久君) 今の御質問に関連しては二点ほど指摘したいと思うんですが、一つは、そもそも民法典がつくられた当時、公益活動というものは国が決めるべき、あるいは国がそもそも行うべきもので、そういう意味で、公益の領域に私的な団体が乗り出してくるというのは適当でないという考え方が恐らく当時あったとは思います。しかし、これは大分現在では変わってきておりますので、そういう意味で、公益は国が独占すべきであるという考え方に基づいて現在の法律制度を理解すべきではない。むしろ、一応現在の制度のもとでは、国が公益活動であるということを認定した場合には私的な団体が公益法人として活動していいのだと、そういう積極的な意味を与えた方がいいと思います。 それでもう一点、民法典ができた当時、なぜ公益法人については許可主義をとって、営利法人とは違って禁圧するような態度をとったのかということですが、これは民法の起草者の梅謙次郎などもどこかで書いてあることですが、営利法人に関しては、構成員が自分たちの利益、つまり自分の営利の目的、利益を守るために法人の活動を監督するだろう、監視するだろう、そのために比較的その団体が外れた活動をすることはないのではないか。それに対して公益法人の場合には、公益法人の構成員はそこまで強いインセンティブを持っていないこともあるので、そこで国がやはり許可主義のもとで設立を認めて監督しなくてはいけない、各構成員に団体が適切な方向に行くことをチェックするということは難しい、そんな考え方で出てきておりました。 しかし、この点も恐らく現在の考え方からすると、公益法人については、もちろん構成員が適切な公益活動を継続することをチェックするだけでなくて、これは雨宮参考人も言われましたように、市民一般が開示制度などを通じて公益活動をチェックすることで適切な方向に団体活動がなされるということで、明治民法ができたときの前提条件は両方とも変わっているのではないかと思います。
○魚住裕一郎君 それとの関係で、今お話を伺っていて、立法当時、随分即物的な人間観といいますか、そんなことを感ずるわけでありますけれども。 先ほど能見先生の公益法人との位置づけの関係の中でお話が出たんですが、市民全体が関心を持つ、それに応じた公益法人というのは組織規定が必要だ、こうおっしゃいましたけれども、その関心というよりは影響性の大きさというか、そういうことなのではないのかなと思うんです。いわゆる中間法人でも大きな社会的な影響を与えるものであれば、それはひいては関心をもちろん持つだろうと思いますけれども、その辺はどうなんでしょうか。
○参考人(能見善久君) 公益法人の場合ですと、公益活動というのは不特定多数の利益のために行う活動のことが公益活動ですから、市民一般がすべて共通とは限りませんが、市民全体が公益法人の活動について関心を持つことがそれなりに望ましいし、また関心を持ったときにいろいろ開示を求めるための制度が備わっているということが適当だろうと思います。 中間法人の方は、確かに大きな中間法人になりますとそれなりに社会的にも影響を与えるし、社会一般が監視すべきだということが言えなくはありませんが、ただ恐らく第一次的には中間法人に対する最大の関心を持っているのは構成員であり、各自の共通の利益を持っている構成員ですので、その構成員がいかに団体自体をチェックできるかという制度を備えることが重要ではないかと思っています。今回の制度は、例えば株主代表訴訟にちょっと似た代表訴訟ですとか、あるいは帳簿閲覧請求権ですとか、それなりに社員に法人自体をチェックするための制度を設けておりますので、これが第一次的に活用されるのではないかと思います。
○魚住裕一郎君 雨宮先生、先ほどこういう法人問題は必ず民法の改正まで必要だ、そしてそれが何回か議論をされてきたという御紹介をいただきましたけれども、何でまだ改正になっていないのかといいますか、何でおくれているのか。熊本地裁で言われたら、また立法府の怠慢だなんて言われそうな感じもしますけれども、何で改正まで来ていないんでしょうか。先生の所感で結構でございますので。
○参考人(雨宮孝子君) 私もなぜ改正にならないのかは随分不思議に思います。多分、一つは、今回の中間法人法案を議論するときの法制審議会の中で言われているのは、民法は多くの法律にかかわっているからその条文を全部改正することは大変なことになる。ただ、大変なことをそのままにしておくことが問題だと私は思いますし、今のようにコンピューター社会であれば民法を準用しているところはどこかというものはかなり短時間に出てくるはずなんです。そういう意味では、ぜひ民法改正に取り組んでいただきたいというのはこちらからもお願いしたいんです。 それから、たまたまなんですが、昭和二十四年に、私は資料で見ました、民法改正案が出ているんです。これが当時の法務省ですが、司法庁といいますか、そこが出したような形にもなって、また公益性の判定をする委員会の組織も考えているようなんです。法務省が中心になって、民間人も入れて、役所の関係者も入れてというようなこともありますので、そのとき少し考えられたことがあるんだろうと思うのですが、その後はやっぱり法人制度のそれこそ根幹にかかわる問題なので、なかなか結論が出なかったというのが実情じゃないでしょうか。
○魚住裕一郎君 ありがとうございました。 終わります。
○橋本敦君 きょうは両先生、ありがとうございます。 まず最初に、能見先生にお伺いしたいと思うんですが、本法案が中間法人ということで、社員の共通の利益を追求するということで、その活動の活発化を通じ、ひいては社会全体の活性化にも通じていくという御意見がありますし、私もそうだと思っております。 この問題について、中間法人のそういった活動を社会的にやっていることを法律的にもサポートするという意味で、もっと早くこの法案が出てもよかったのではないかという気もするんですが、ここまでおくれてきたのはいろんな経過の中で何が大きな問題、ネックになったか、そこらあたり、お考えがありましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(能見善久君) 理由はいろいろだと思いますけれども、私が思う一番最大の理由は、やはり中間法人を推し進める、こういうものをつくりたいという世の中のニーズというのは恐らくまだ、昔、例えば十年前、二十年前ですとそれほど強くなかったのではないだろうかと。こういう中間法人がそれなりに社会的意義を持ちますのは、例えばいろいろな社会の各層の人たちが自分たちの利益を発展させるために団体を使って、法人格を使って活動していきたい、そういうニーズというんでしょうか、それなりに社会の多様性とか、また社会の活発性とか、そういうものが盛り上がってこないと、中間法人を推進する勢力というんでしょうか、国会等でもってそれなりに強く推してくださる勢力がそんなにまだ熟していなかったのではないかというふうに考えます。 それからもう一点は、これは民法改正とも少し関係する点ですが、民法改正というのは実は中間法人をつくるかどうかがネックではなくて、やはり公益法人制度を変えるかどうかというのが一番のネックでして、これはなかなか賛同が得られなかった、これもやっぱりもう一つの中間法人制度がそうすんなり出てこなかった理由ではないかと思います。
○橋本敦君 それでは次に、雨宮先生にお伺いしたいと思うんですが、中間試案等で、公益法人の中にも本当に公益性がないのがあるんじゃないかという批判もありまして、いわゆる移行措置の問題が議論されました。今回の場合はその移行措置が抜けております。そうなった事情と背景というのはどういうように理解したらいいんでしょうか。先生のお考えで結構です。
○参考人(雨宮孝子君) 私は能見先生のように法制審議会の委員ではありませんので、なぜ抜けたかというのは、先ほどちょっと申しましたけれども、その中間試案を見ますと、これは公益法人の財産をそのまま中間法人に持ってきて、中間法人自体は財産を最後に解散したら分配してもいいという規定になっていたんです。それ自体やっぱり脱法行為になりますから、そういう意味では、そういう規定は入れることはいけないんだというふうに思います。 また、移行措置ということ自体これは特別な政策ですから、それこそ能見先生もおっしゃる一般法である中間法人の中に入れるべきなのかどうか、特別な政策目的の法律にすべきではないかというふうにお考えになったのではないでしょうか。
○橋本敦君 新聞などで見ますと、審議会の中の意見で、公益法人の資産というのは税制優遇措置を受けておりますから、そういったものが移行措置でそのまま行ってしまうというのは不合理ではないかという意見がかなりあったというように書かれてあるんですけれども、そこらあたりはどうお考えになりますか。
○参考人(雨宮孝子君) 今申し上げたとおりです。先生のおっしゃるとおりでして、税制優遇を受けたものをそのまま持っていって、それを内部で分配できるというのはこれは問題です。ですから、それが最も問題点の大きいところだったのではないかと思います。
○橋本敦君 それともう一つ、公益法人というのは御存じのように国会で多くの論議がありますが、いわゆる官僚の皆さんの天下りが大変多いものですから、だからそういうところからも、そう簡単に公益法人の許可の取り消しもできないということだけではなくて、移行もそう簡単にやらせないよ、行かないよというようなそういう趨勢、動きがあったというようなことも新聞で出されたりしているんですけれども、これは学者の先生にお伺いする理論的な問題ではなくて社会的な情勢の問題ですが、いろんなことがあったと思うんです。 そこで、税制の問題についての話ですけれども、雨宮先生が御指摘いただいたアメリカのこの法案というのは中間的制裁制度ですか、これは非常に参考になると思うんですが、中間法人であっても、その活動それ自体が共通の利益の追求ということで、社員のための活動であると同時に社会的に貢献する公益性を持った活動もできるわけですね。これは能見先生もおっしゃっていただいた。そういう場合に優遇措置が税制上与えられてもいいのではないかという意見も一部にあるんですね。そこらあたりはどういうように処理するのが合理的なのか、両先生の御意見があればお伺いしたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○参考人(能見善久君) これは共通の利益を追求する活動と、それから公益的な活動がどういうふうにそれぞれの団体でもって割り振られているか、いろんなことに関連するんだと思いますが、私は一般的には、公益的な活動をするのであればそれに対応する、例えば一番大きなのが寄附関係だと思いますが、そういうものはできればあればいいのではないかと思います。 ただし、自分たちの共通の利益を追求いたしますので、後でその財産を解散のときに分配するときに、そういうふうにして集めた財産をどうしたらいいか、そういう点はちゃんと詰めておかないと簡単にはできないかもしれないと思います。
○参考人(雨宮孝子君) 税の優遇に関しては改めて、これは一つのまた税を優遇するかどうかというのは政策の問題ですから、非営利法人だから税の優遇をするというのはこれは問題だというふうに思います。 また、政策の問題でも、公益的な活動をする、つまり国がやるべきことを肩がわりしてくれるからという意味での税の優遇ならば非常に幅は狭くなるでしょうし、もっとこういう活動を日本の社会の中にどんどん進展させて、市民社会をつくり上げるためにそれを促進させるという意味の税の優遇であれば、この中間法人に対しても税の優遇が与えられる可能性もあるというふうに私は思います。
○橋本敦君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○委員長(日笠勝之君) 以上で両参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。当委員会を代表しまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(日笠勝之君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(日笠勝之君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中間法人法案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣審議官兼行政改革推進事務局行政委託型公益法人等改革推進室長小山裕君、総務大臣官房審議官衞藤英達君、総務省行政評価局長塚本壽雄君、法務省民事局長山崎潮君及び財務大臣官房審議官竹内洋君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(日笠勝之君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○江田五月君 中間法人法案について質問をいたします。 先ほど参考人質疑で、東京大学の能見善久教授と松蔭女子大学の雨宮孝子教授、お二人からいろいろ御意見を伺い、いろいろ教えていただきましたが、この法人関係の法整備というのはなかなか複雑多岐、込み入っていてどうもよくわからないので、さてしっかりした質問ができるかどうかちょっと不安に思っているところなんですが、まず一体我が国には幾つ法人法といいますか、法人の存在の基礎となる法律があるんだろうか。 ちょっと耳に挟んだところによると、今回の中間法人法というのは百八番目の法律だと。煩悩みたいなものだなと思ったんですが、いや、そうじゃなくて百八十だという説もあったりするんですが、これは法務省、今回のこの中間法人法は何番目の法人の基盤となる法律だということになるんでしょうか、お答えください。
○副大臣(横内正明君) 法人には委員も御承知のようにさまざまな種類のものがございまして、その根拠になる法律は各省庁が所管をしておりますので、法務省として数が幾つというような正確な数を承知しているわけではございません。 ただ、一つの参考でございますけれども、法人税法の別表に公共的、公益的な法人の根拠法というのがずらずらと掲げられております。それによりますと百を超える数の法律が掲げられておりますので、全体として相当多数の根拠法が存在するというふうに思われます。
○江田五月君 しかし、これは国の制度ですから、どこかに聞いて幾つかというのがわからないというんじゃこれは大変なことで、法律の数ぐらい法務省でわからないとなったら国民は一体どういうことになるのか。 ちょっとこの際、私は法務省にぜひ資料請求をしたい、幾つ法人の根拠法があるか。これは大変だとは思いますけれども、リストを作成して資料として本委員会に提出していただきたいと思いますが、法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 今、副大臣からお答え申し上げたようなことでございまして、完全に把握したものができるかどうかちょっとわかりませんが、できる範囲で用意することはできるかと存じます。
○江田五月君 できる範囲で用意することはできるかというのは、何だかわけがわからぬ禅問答になりますが、しかしやっぱり我が国の法律がどうなっているか、その中身がどうであるとか、どこが所管してどういう運用をしているかとか、それは別で、どれだけ法律があるのかぐらいは法務省に聞けばわかるということにしていただきたいと思うので、ぜひこれはお願いをいたします。 事ほどさように、どうもこの公益法人関係、あるいは非公益あるいは非営利法人といいますか、このあたりのところについて、主務官庁による許可主義ということでばらばらにやってきた。そこで、行政監察による勧告というものがたびたびあって、今回の中間法人法案の提案ということになったのだと思います。これも随分時間もかかったんだな、この程度のことでという気がして、確かに改革のスピードは改めて大切だなと思う。 公益法人の指導監督に関する行政監察に基づく勧告、ここで最初にそのような指摘がなされているのが一九七一年、昭和四十六年。それよりもっと前に何か一つあったというのがさっきの参考人のお話にございましたが、公益法人の指導監督等に関する行政監察に基づく勧告、何か名前は同じですね、これがその次に今度は一九八五年に出ておる、いろいろなことをやらなきゃならぬと。さらに、公益法人等の指導監督に関する行政監察に基づく勧告、一九九二年にもある。これだけ時間をかけてやっとここまで来た。遅いなという感じがしますが。 そこで、法務大臣に改めて伺いますが、今回の中間法人法制定の目的、もちろん公益を目的とせず、かつ営利も目的としない団体、小さな、同窓会とかさまざまなものがある。そういうものに法人格を与える必要性という、それも一つあるでしょうが、これと並んで、あるいは経緯からいうとこれより先に、たびたびの行政監察による勧告を受けて、現在の公益法人のあり方を改革する、こういう目的がこの中間法人法制定の目的の中にあると思うんですが、それはいかがですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 確かに、御指摘のように、公益も営利も目的としない団体が公益法人として法人格を付与されている現状があるではないかという認識が前提にありまして、おっしゃいましたとおり、公益法人制度の健全な発展を推進する観点からも非公益かつ非営利目的の団体に法人格を付与するための制度を整備する必要性があるという指摘が前からなされておりまして、この法律案はこのような指摘にこたえるということも重要なポイントでございます。
○江田五月君 したがって、今の、本来からいえば公益法人とはちょっと違う、もちろん営利を目的とするんじゃないけれども必ずしも公益を目的とすると言いがたい、しかし諸般の事情からそういうものにあえて公益法人という法人格を与えてしまって、それが制度のゆがみをつくり出しているという、そういう勧告のもとになった現実、これはあると、そういう認識でよろしいんですね。
○国務大臣(森山眞弓君) そのような問題点があるということは承知しております。
○江田五月君 そうすると、そういう公益法人制度を改革する、そのために今回こういう中間法人という範疇を設ける、本来そういう中間法人となるべき公益法人を整理するということになると、中間法人への組織変更、これをさせるために必要な規定を設けなければならないんじゃないか、当然そうなるんじゃないかと思うんですが、今回の法案にはそういう規定がありません。これはなぜでしょうか、法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) 先生御指摘のように、今までの行政監察結果に基づく勧告においては、数次にわたりまして、非公益かつ非営利目的の団体について法人格を付与するための法整備を行う必要があるということが指摘されてまいりました。 そこで、中間試案では、中間法人の性格を有していながら制度が存在しなかったために公益法人として法人格を取得した団体について、中間法人への移行の円滑な実施に資するための手だてとして公益法人から中間法人への組織変更の制度を設けるということを検討する必要があるということを提案しておりました。 しかし、公益法人から中間法人への移行の問題に関しましては、それをする方がいいか悪いか、あるいはもしするとしたらその進め方をどうするかというようなことについて解決すべき問題が大変たくさんございまして、御承知のように各省、ほとんど全省庁にまたがっているものでございますので、それぞれの問題がみんな少しずつ違いますし、関係方面のコンセンサスが得られない状況にございましたので、この法案においてはこの点に関する規定を盛り込まなかったのでございます。
○江田五月君 組織変更の制度を設けろと言われた、しかしいっぱい問題があって、各省庁いっぱいかかわって合意が得られなかったから今回は盛り込まなかったと。 これは苦労はよくわかります。御苦労はよくわかるんですが、さっきも話がありましたが、民法改正が多くの法律にかかわっていて、これを全部やろうとしたら目が回るようなことなのでできないといったら、もういつまでたってもできないわけですね。今のような状況ですと、法律がふえることはあっても減ることがないという、本当は減らしてもいいのかもしれませんが。 ですから、やっぱりそれは手間がかかっても、調整が難しくてもやらなきゃならぬことはやらなきゃならぬわけですが、今回は盛り込まなかったという趣旨は、さらに検討を重ねて、公益法人にふさわしくない法人を中間法人へと組織変更させる、そういうことにはこれから取り組む、その必要ないろんな制度的な手当てもしながら取り組むというのか、それともそのことはもうあきらめるというのか、どっちなんでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 先ほども申し上げましたように、公益法人から中間法人への移行の問題に関しましては非常にたくさんの問題がございまして、いろいろ話し合って解決しなければならない問題が数え切れないほどあります。 特に、その中の大きな問題の一つといたしましては、例えば財産の移行ということを考えましても非常に難しい問題がたくさんございまして、なかなか容易ではないということで、とりあえずほかにこの法律をつくらなければいけないほかの目的がございますので、これをとりあえず法律化、法案化しなければということから、おっしゃいますように大変大事な問題であるとは思いましたけれども、今回は盛り込むことができなかった。 したがいまして、今後検討の見通しをはっきりは申し上げられませんが、これからの問題としまして各省それぞれ検討もなさるでしょうし、法務省も検討しなければいけないだろうというふうに思っております。
○江田五月君 困ったもので、よく何だかわからない。組織変更という方法で公益法人改革をすること、これを断念したということではないんですね。
○国務大臣(森山眞弓君) 全くあきらめたというわけではございません。しかし、問題点が非常に大きいのでこれからじっくりと取り組んで、多くの方と相談をしていかなければいけないということでございます。
○江田五月君 いろんな問題があるということなんですが、我々が聞いている範囲では、公益法人ですから税の優遇措置がある、優遇措置を受けながらある程度の財産がそこにたまっている、それをそのまま持って、本来、税の優遇措置を受けることのない中間法人へ移ってしまったのじゃ非常にそれは不公平ということになる、適正を欠く、だからそこの調整が要る、何か知恵が要ると。 その問題が一つ問題で、そのほかにどんな問題があるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘の財産の移行の問題、これが一番大きな問題でございますが、現在ある公益法人、そもそもそのまま残すべきかどうかという問題、それはどの範囲のものか、あるいは独立行政法人、あるいはもっと言えば国の機関として直営でやるというものもあるかもしれない、それから物によっては中間法人に移行するもの、それから株式会社あるいは有限会社に移行するもの、これが適当なもの、こういうふうにかなりの仕分けがございます。これをそもそも仕分けをしていただかないとならないということで、どういうルートにどういう法律が必要かということをまず全体に仕切った上で、それから財産をどのように移行させるべきか、全部持っていけるのか持っていけないのか、こういう点を全部実態を踏まえまして、法律が必要であればその制定をしていく、その点について法務省も協力をしてまいりたい、こういうことでございます。
○江田五月君 なるほど、財産のこともあるが、公益法人の中には営利法人にさせた方がいいものもあるし、そもそももうつぶしちゃった方がいいものもあるし、また別の形にした方がいいものもあるし、そういうものを仕分けしなきゃならぬと。それは確かに一つの理屈です。ですが、仕分けは進んでおるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) これは各省庁がそれぞれ所管のものを行うということでございまして、私も全部を承知しているわけではございませんけれども、政府全体としては、現在、法人として見直すべきものがあれば検討するという形で動き始めていると私は理解をしております。
○江田五月君 これは法務省の民事局長にはちょっと酷なことだったのかなという気がしますが、公益法人の指導監督に関して行政監察に基づく勧告がこの資料でももう一九七一年には出されているわけですけれども、そういう仕分けあるいは実態調査、これは行政改革推進事務局の方ではおわかりなんでしょうか。
○政府参考人(小山裕君) 行政改革推進事務局では、そういった点について特段の調査は行っておりません。
○江田五月君 それはどこで調査をするんですか。これはだれに聞けばいいのかよくわかりませんが、やっぱり行政改革推進事務局の方で聞くのがいいんでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 当方の管理室の方でやってございますのは、公益法人という枠をはめた上での概況調査、したがってそれらの概数を把握しております。
○江田五月君 公益法人改革ということがそもそもの動機といいますか、それをやる必要があるからというので中間法人制度をつくろうということになったのに、もとの方は何だかどこへ行ったか茫漠として、こういうのは何というんですか、伏魔殿というんですか、何というのかよく知りませんけれども、本当にひどい話だと思うんですね。だれに聞いたらわかるのかさえわからないという、公益法人改革がいかに大変な仕事かというのがわかるわけですけれども。 いずれにせよ、公益法人の改革をするためにはまずその実態を知らなければなりません。総理府発表の平成十二年度公益法人に関する年次報告によりますと、国所管の公益法人六千八百七十九のうち、互助・共済団体等が三百八十八、営利転換候補はゼロだということだというんです。 まず、法務省に伺いますが、国所管の公益法人の中で公益法人から中間法人に移行すべきもの、これは幾つあるんですか。
○副大臣(横内正明君) それぞれの公益法人は所管大臣がおりまして、所管大臣が判断をするのが基本でございまして、法務省がこの法人について中間法人に移行するとか営利法人に移行するという判断をするよりも、むしろそれは所管大臣が判断すべきものではありますけれども、今、内閣府の方から話がありました、平成十一年十月一日現在で総理府が実施した公益法人概況調査というものがございます。 それによりますと、互助・共済団体等に該当するものが、これは国、地方公共団体許可の公益法人全体についての比率でございますけれども、互助・共済団体等に該当するものが三千六百九十二法人あったという調査の結果になっております。また、営利法人に移行すべきものがどのくらいかということでございますが、同じ調査で営利法人等転換候補、営利法人等に転換する候補というもので、調査結果としては四十五法人あったというふうな結果になっております。
○江田五月君 今のは総理府の調査をお答えいただいたので、これは総務省、同じ質問をすれば同じ答えということでよろしいんですか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先生おっしゃるとおり、省庁再編で総理府の管理室が総務省の官房の管理室になりましたので、同じことでございます。
○江田五月君 内閣府行政改革の公益法人担当の方はおられるのかな。おるんですね。 同じ質問をすると、これはどういう答えになるんですか。
○政府参考人(小山裕君) 私どももただいま総務省から御答弁した数字を承知しております。
○江田五月君 これは、それぞれの省庁から申告された数字というものを集めているんですか。それともちゃんと何か主体的に乗り込んでいって調査をされているんですか。どちらですか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先生御承知のように、公益法人につきまして主務官庁制度という制度をとってございまして、かつまた、それぞれ公益法人のやっています事業活動内容もさまざまでございますので、先ほど副大臣の方からお話ございました互助・共済の数値も各所管省庁において調査していただくという形になってございます。
○江田五月君 各省庁が自分のところを見ているから、それぞれの省庁の自己申告といいますか報告に頼るほかないんだと。わからぬわけでもないんですけれども、どうもそれもちょっと甘いのかなという気がしますよ。それぞれの省庁がかなり公益法人というものをいわば自分の裏庭のように使って、そこを天下り先にするようなことも含めて自在に操りながら何か、さっきもちょっときついことを言いましたけれども、不透明な部分をつくっているということですから、自己申告だけではちょっとまずいんじゃないかという気がいたします。 もう一つ聞いておきますが、総務省、国所管の公益法人から営利法人の方へ移行すべきもの、これは一体幾つあるんでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先ほど先生の方からちらっと数字が四十五というふうに出ましたけれども、まさに先ほどの概況調査でやっております性格別の分類、性格別類型というようなことでございまして、営利転換候補と言っているんですが、これに該当するものは国、地方を含めて全体で四十五が営利転換の候補ということでございます。
○江田五月君 そうですね。先ほどお答えいただいたんですね。失礼しました。 内閣府の方では、国所管の公益法人から営利法人に移行すべきものは幾つぐらいあるか。これはさっきとやっぱり同じことになるんですか。
○政府参考人(小山裕君) 総務省の数字と同じでございます。
○江田五月君 したがって、総務省の方に今の各省庁から自主的に挙げていただいた数字があって、それが全部の行政の根拠になっているということなんですが、どうも問題なのは、主務官庁の許可主義によって公益法人乱立、無秩序、そういうことができているんじゃないかと。やはり、そういう主務官庁の自己申告の数字をもとにするのではなくて、それぞれのところで早急に、国所管の公益法人の中で営利法人とか中間法人に移行すべきものが一体幾つあるのか、これをきっちりと調査をしなきゃいけない。 中間法人法をつくるその前提となっている社会の要請、これの方はもう本当にほったらかしになっているじゃないかと言いたいと思います。 平成四年の六月の総務庁の行政監察結果報告書によりますと、国所管の公益法人の中で中間法人とみなし得るものは千二百七あるんだそうですね。これは、総務庁が調査をされた、残念ながら平成元年の十月一日現在のもの、十二年も前のものだと。 先ほどのような数字もいろいろありますが、どうも平成四年六月の行政監察に基づく勧告によると、「いわゆる中間法人とみられる団体を公益法人として許可しているものが、調査した七十六主務官庁等において、昭和六十年以降四百七十四法人みられ、平成二年にはそれらの法人の公益法人全体に占める割合は三割となっており、現行の公益法人制度において、本来の公益法人とその他の法人との混在化が顕著となってきている。」と書いてあります。これは都道府県も含む数字のようですが、国所管に限っても二二%ぐらいどうもありそうだと。 総務省行政評価局長、お見えですね。 いかがですか、早急にこれは調査すべきではありませんか。
○政府参考人(塚本壽雄君) お答え申し上げます。 私どもも、今御引用の調査につきましては、公益法人そのものの指導監督に関する行政監察を行うに当たって必要な範囲での調査を行ったということでございます。したがいまして、その後どうしているのかということのお尋ねと存じますけれども、行政監察そのものも体制の限られた中で対象を、重要政策分野がいろいろある中で、その中で絞ってやってきているということでございまして、公益法人そのものの指導監督については、御案内のように平成八年以降閣議決定が行われる等の中で進展が見られておるという状況もございまして、その後これを手をつけていないという状況でございます。 中間法人の問題に限った場合におきましても、私どもがまず考えておりましたものが、中間法人になる道を開くということが先決であろうという認識もございまして、まずはそちらの方の実行ということが重要かと考えてきたわけでございます。 もとより、御指摘のように、混在している、残されたものがどうなるのかという課題があるということはよく承知している次第でございますけれども、今回提案されております法律案を含めた事態の推移を見守りながら、この中間法人の数の調査等につきましても、監察テーマはどうするか、今、評価・監視という名前に変わりましたけれども、その中で検討してまいりたいと考えております。
○江田五月君 内閣府の行政改革担当の方はいかがですか。あくまで主務官庁の自己申告に基づく公益法人改革なんですか。
○政府参考人(小山裕君) 私ども行政改革推進事務局におきましては、昨年十二月一日の行政改革大綱に基づく改革を今進めているわけでございまして、そこにおきましては、いわゆる行政委託型公益法人、これの改革を進めているわけでございます。 したがいまして、すべての公益法人が該当するものではございませんけれども、私どもといたしましても、公益法人制度全般に係る改革について基本的方向をまとめてみたいということで、現在、鋭意努力をしているところでございます。
○江田五月君 公益法人が許可主義になっていて、それぞれの所管の官庁にずっと分かれていて、それが全部ばらばらになっていて、そして今の行政委託型法人を初めいずれいろんなところに天下り先があったり、おかしな実態があるわけですよ。そして、それはもう随分長く指摘されながら、本当に長い間指摘されながら、まずはこれ、まずはこれ、いや、それは後回し、うちはそうじゃないというようなことでずっと今日まで来ているので、正確な実態調査がなきゃ改革断行などできるはずがない、そのことを強く申し上げておきます。 法務大臣、そういうことも考えますと、非営利法人法というこれの包括的な制定、そしてその準則主義によって現在の公益法人などを非営利法人の中に整理していく、そういうふうにして各省庁が全部自分の裏庭に公益法人を抱え込んでいるというそういう実態を改めていく、そういう考え方がありますが、先ほどの参考人のお考えも、強弱はありますが、そういう考え方を支持しておられる。法務大臣、いかがですか。
○国務大臣(森山眞弓君) 現行の法制は、法人がその活動を通じて達成しようとする目的などの特性によってその構成員の法的地位や法人の組織運営のあり方等が異なり得ることに着目いたしまして、その特性ごとに法人を類型化してそれぞれにふさわしい規律を設けているところでございまして、このような立法政策にはそれなりに合理性があるのではないかと考えられます。 さらに、既存の個別的な立法に基づく法人制度を一挙に整理して、非営利目的の法人に関する通則的な一般法を設けるという、先生が今おっしゃったようなやり方ももちろん考えられますけれども、これらの個別的な立法に基づいて既に設立されております多数の既存の法人をどのように取り扱うか、いろいろ先ほど来問題が出されておりましたが、そのような問題を解決することが非常に困難な問題が生じ得ると考えられます。 このような観点からしますと、非営利法人一般について一つの通則的な法律を設けるのではなくて、対象とする法人の性格に即してそれぞれの類型に適した形で法律を整備し、また見直していくということが法人法制のあり方として現実的、適切ではないかというふうに考えます。
○江田五月君 やはり、小泉改革の精神にふさわしくないと思いますね、そういう姿勢は。ここだというところがあるはずですから、そこへ突っ込んでいって改革をしなけりゃ、いろいろそれぞれにそれぞれ理由があるでしょうから、それぞれに個別具体的にと、むにゃむにゃむにゃとなったら本当にこの公益法人改革はできないと思います。そのことを申し上げて、次。 公益法人とNPO法人の税制上の優遇措置になお不公平なところがあると思います。財務省、税制上の優遇措置を受けているNPO法人、受けることができるNPO法人の認定の要件として、政治活動、宗教活動を一切行わないと、こうありますが、その理由は何ですか。
○政府参考人(竹内洋君) お答えいたします。 特定非営利活動法人は、NPO法上、政治活動や宗教活動を主たる目的とするものでなければこれらの活動を行うことは可能でございます。ただし、税制上の特例措置の対象となる法人につきましては、政治活動や宗教活動を行うことにより特定の立場に偏ることは適当でないということから、これらの活動を一切行わないということを認定の要件としているところでございます。
○江田五月君 そこだけ取り出してそういうふうに言われると一見論理が合っているように聞こえるかもしれませんが、ずっとほかのものと比べてみるとどうも違うぞと。 今通常国会、三月九日、参議院本会議で福田官房長官の答弁があるんですね。「公益法人については、公益法人であること自体により政治活動が禁止されているものではないことから、公益法人の政治活動を制限することについては、団体の政治活動の自由との関連を十分考慮する必要があると考えます。 この問題については、種々議論があることは承知しております。いずれにせよ、公益法人の業務運営に当たっては、設立目的に沿った適正な運営がなされるべきものと考えます。」と、このあたりまでずずっと続いて、次に、「なお、NPO法人についても、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするもの」でなければ、設立の要件に合致するものであり、すべての政治活動が禁止されるというものではなく、また、今回のNPO法人に係る税制上の措置においても、支援の対象としてふさわしい法人の要件を規定したものであって、NPO法人の政治活動の禁止を目的としたものではありません。」とあるんです。 いろいろ言葉はああだこうだと言うと、いや、それは矛盾していないという、そういう説明もできるかもしれませんが、この福田官房長官の答弁は、どうもNPO法人に政治活動を一切認めない、宗教活動を一切認めないという、税制上の優遇を与える場合にはですよ、もちろん、とはちょっと違うニュアンスだと思うんですが、財務省の考えと矛盾するのかしないのか、どっちなんですか。
○政府参考人(竹内洋君) 認定NPO法人の要件の一つといたしまして政治活動を行わないこととされているということと、特定公益増進法人についてこのような要件がなくてバランスを失するのではないかというような御趣旨と思いますが、公益法人制度は、公益法人の行う活動につきましてその目的に照らし適切な内容の事業を行うことが求められていることなどから、これを担保するために主務官庁の一般的な指導監督を受ける仕組みとなっているところでございます。これに対しましても、NPO法人制度は、公の関与からなるべく自由を確保するという趣旨から一般的な指導監督を受けるという仕組みになっていないなど、それぞれの法人制度の趣旨や仕組みが異なっているところでございます。 したがいまして、これらの主務官庁の一般的な指導監督を前提とした措置である特定公益増進法人制度と認定NPO法人制度を一律に比較することはできないと考えているところが、この法律を提案し、法律としてつくっていただいている、御了解いただいたところであると存じておりますが、お話のございました政策提言や政策提言のためのシンポジウムは政治活動に該当するのか、これも議論があったところでございまして、そういう点から申し上げますと、NPO法上、政策提言や政策提言のためのシンポジウムは政治上の主義の推進等に該当しないものとされており、税法上の取り扱いも同様となっておると。 いろんな委員会等で御議論いただきましたので、念のために申し上げた次第でございます。
○江田五月君 いや、大変ありがとうございます。時間がなくなってきたのでお答えの方、先にどんどんやっていただいたようで、質問していないんですが、御協力いただいたようですが、私が聞いたのは、福田官房長官の答弁の趣旨と財務省が言っていることは同じなのか違うのかということを聞いたんですが、それについては全くお答えになりませんでしたが、まあいいです。 そこで、今の特増の方には政治活動、宗教活動は一切行わないなんということはない、それはなぜかというと、もともとちゃんと縛っているからだと。いや、そうなんですかね。 総務省に伺いますが、平成八年の閣議決定に係る公益法人の設立許可及び指導監督基準の中に、政治活動、宗教活動を行わないという項目はありますか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先生のお話の平成八年の指導監督基準では、公益法人の政治活動については公益法人であること自体により禁止されることはないということで、政治活動を特に禁止する規定はございません。また、宗教活動についても特に禁止する規定はございません。
○江田五月君 公益法人の方にはこれは自由だと。特増の認定にもそんな要件はない。一方、NPO法人の支援税制の認定に関しては一切行わないという要件を課す。不公平な取り扱いだと思いますね。意見の違いだということになるのかもしれませんが、先へ行きましょう。 これももう先走ってお答えいただいてしまったので質問するのが甚だ難しいんですが、政策提言、さっきの言い方によると、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする」、これが政治活動ということかもしれませんが、政策提言、これはNPO支援税制の認定における政治活動には当たらない、これでよろしいですね。
○政府参考人(竹内洋君) 先ほどの答弁を補足させていただきますと、官房長官の御答弁いただいたところともちろん財務省の考え方は同じでございます。 それから、一つつけ加えさせていただきますが、基本的に私どもは税制上の優遇措置において非常に厳格に要件を課しておりますのは、これは納税者の負担において、その限りにおいて税負担の公平を犠牲にするということでございますので、実質的に税金で補助金を与えるようなという側面もあるわけでございましたので、そのような仕組みをつくる場合にはやはり特定の立場に偏らないという意味、あるいは税制上の公平という意味からしてNPO法で規制している要件よりは厳しい要件を課しているということ、これも従来御説明申し上げているところでございます。 今、再度確認をさせて申し上げさせていただきますれば、NPO法上、政策提言や政策提言のためのシンポジウムは政治上の主義の推進等に該当しないものとされておりまして、税法上も同様の取り扱いをするということでございます。
○江田五月君 その政策提言というのは、もちろんNPO法人がNPO法を変えてくれというような政策提言に限るとかいうことはない、これは一般的に政策提言であれば、シンポジウムであれその他の活動であれ署名活動であれ、それは構わないということでよろしいですか。
○政府参考人(竹内洋君) 私ども、条文上は、租税特別措置法施行令上、NPO法上第二条第二項を引用する形で、政治上の主義推進、支持またはこれに反対すること、または特定の候補者もしくは公職にある者または政党を推薦し、支持またはこれに反対することを政治活動と申し上げているところでございまして、その政策提言や政策提言のためのシンポジウムは、再度申し上げますが、政治上の主義推進に該当しないと考えているところでございます。
○江田五月君 政策提言というのは、一般的にさまざまな政策提言がありますよね。それは、広くもちろん政策提言をしていく、その政策提言の理解を広めるためにシンポジウムなどを行う、そういうことは公益に合致することであり、政治活動を一切行わないという、そんなことには当たらないという理解をしておきます。 シンポジウムのところまでお答えになったんですが、私、署名活動と言ったんですが、署名活動はどうですか。
○政府参考人(竹内洋君) 私ども、先ほどから再度申し上げておりますように、それはNPO法上当たるかどうかというところでございまして、私どもは、そのNPO法を受けた上で税法を設定しておりますので、そこはNPO法上の解釈の問題と承知しておるところでございます。
○江田五月君 NPO税制については、私たちは、野党四党共同提案として、民主党案をもとに支援税制法案をこの国会に提出をいたしました。残念ながら政府提出の法案の方が通っておりますが、こんな何かかた苦しい、政治活動、宗教活動を一切行わないというような規定は私どもの方には入っておりません。パブリック・サポート・テスト、こういうものを基本に、オープンで利用しやすい公平公正な支援税制法案をつくっていきたいと思っております。 中間法人法とちょっと最後は若干ずれましたが、私の質問を終わります。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎です。 先行の江田理事と若干ダブる部分もあろうかと思いますが、質問をさせていただきます。 午前中、参考人の御意見を聴取したところでございますけれども、両名ともこの中間法人法に賛成だと、積極的な場合もそうでない場合もありますけれども。いろんな御意見の中で、中間的な団体にも法技術としての法人格を付与することは、団体の活動を活発化させてまた社会を活性化すると、そういう積極的なお話もございました。 種々御意見を伺っておりますと、民法の改正といいますか、法人制度につきまして、かなり前から、今も江田理事からも御質問がございましたけれども、中間法人といいますか、その規定を検討していこうと、そういうお話があったというふうに承知をしておりますけれども、この中間法人制度の創設が、私から見ると何かやはりおくれたのではないか、今、二十一世紀になってようやく出てきたというような感じもするわけでございますけれども、大臣、これは何でおくれたというふうに御理解されておりますか。
○国務大臣(森山眞弓君) いわゆる中間法人制度というのは、非公益かつ非営利目的の団体について法人格の取得を認める一般的な法人制度でございます。 この非公益かつ非営利目的の団体というのには、同窓会のような大規模なものから同好会のような小規模なものまでさまざまいろいろございまして、またその事業の内容も公益法人に近いものから営利法人に近いものまで幅が広く、その規模や性格が極めて多彩であることが想定されます。 このように、中間法人制度は、その対象とする団体が幅広いことが想定されましたので、一般的な規律のあり方について容易に結論が得られない問題が多々ございました。また、法人格取得の需要が多い団体については別途、個別的な立法による対処が積み重ねられてきたところでございますので、そのような事情からこれまでの検討が見送られてきたわけでございます。
○魚住裕一郎君 確かに、幅広な利用目的というか、あると思いますが、逆に利用する側からすれば、いろんな創意工夫がこの中間法人を通して生きてくるなと、そんなふうにも思うものですから、もっともっと早くできればよかったなというふうに思っているところであります。 いろんな活動をやりたい、法人格を取得してやりたいといっても今まではできなかった。便法として公益法人となってやってきたことも多かったというふうに思っておりますが、中間法人法、法制度ができる、であれば本来の本則に戻していくべきではないか。先ほど組織変更ということがございましたけれども、今回、それが見送られているわけです。先ほど質疑の中で、いろんな税制上の優遇を受けているとか、そんなお話があったわけでございますが、しかしそれは税法の問題であり、そのままほうっておけば便法でさらにそのまま進むというか、そのまま維持されるといいますか、税制上の優遇も多分そのまま維持されるんだろうと思いますし、だんだん本則に戻し得なくなってくるのではないかというふうに思うんです。いろんな組織変更の道筋をやはりきっちりつくっておくべきだというふうに思っておりますが、法務省、どうですか。
○政府参考人(山崎潮君) 御指摘の点、まさに一つのポイントかというふうに私ども理解はしております。 ただ、今回、中間試案に置きながら最終的に法案に盛り込まれなかったという理由は、一番大きいものは、現在、公益法人が持っている財産、これをどう承継するかでございます。いわば、税制の優遇を得ながら蓄財したもの、これをそのまま持っていくということになれば、最後、解散するときに、これは定款の定めあるいは社員全員の多数決とか一致とか、そういう形で財産を最終的に分けることも可能になるわけでございます。そこの点から、財産を全部移行させていいかどうかの議論、これがまず先行して行われる必要があろうということが第一点でございます。 それから第二点は、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在ある法人をどのような形態に移すべきかというこの仕分け、これも先行して議論がされるべきであると。そういう点がまだ十分に議論がされていないということでございます。 仮に、この法案で置くとすれば、公益法人から中間法人への組織変更の規定は置けるかもしれませんけれども、公益法人から株式会社あるいは有限会社へ、営利法人への組織変更の規定はこの法案の中では置けないということになりまして、全部が到底完結はできないという事情もございまして、もう少しその議論をきっちり詰めた以後、法律が必要であればそれに伴った法律を制定していくと、こう考えたわけでございます。
○魚住裕一郎君 税制上の優遇といっても別に何かもらっているわけではなくして、強制収奪経済の感を、若干優遇されていると、それでたまった財産ということになるんだろうけれども。しかし、税法は後の問題というか、区別して考えていくべきではないかなというふうに思いますので、引き続きぜひしっかり御検討をいただきたいと思っております。 同じように要綱とか中間試案ですか、そこで出ている中で、大規模な中間法人の監査制度ですか、これは今回規定されていないわけですね、大規模中間法人の特例というものが。ただ、やはり幅広な目的で、かつ、いろんな大きさが出てくると思うんですけれども、やはり情報公開といいますか、それも大きければ大きいほど社会的な影響も大きいわけですから、本来監査を充実させるべきではないかと思いますが、この点はいかがですか、法務省。
○政府参考人(山崎潮君) この中間法人法案の中でも、有限責任中間法人、これに関しましては監事を置くということで、一応会計の透明性はそこでチェックをするという建前はとっております。ただ、それのみならず、外部監査とかそういうものについてどうするかという御指摘だろうと思います。 この点につきまして、中間試案におきまして確かに案を置いております。これは、商法特例法がございますけれども、それとほぼ同じ考え方でございまして、ここでは資本がございませんので、基金の総額が五億円以上、あるいは最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が二百億円以上という例示を示しまして、こういう法人については外部監査等を必要とするかという提示をさせていただきました。 これは、パブリックコメントもいろいろいただいたわけですけれども、余りこの点に賛成する方が多くなかったということと、それから法制審議会でその後議論をいたしましたけれども、現段階でどの程度の必要性があるかという御意見もございました。 仮に、導入するとして、金額の単位で仕切っていくのか、あるいは構成員の数でやっていくのか、そこのところが少し運用をしてみないとどこで基準を設けていいか必ずしもはっきりしないということで、しばらく運用を重ねまして、本当に必要なものがあればその段階で改正を加えていくという考えで、今回は盛り込まなかったということでございます。
○魚住裕一郎君 じゃ、特に強い反対意見というほどではなかったというふうに理解していいわけですね。やはり、引き続き運用を見てということだというふうに理解します。 ちょっとこれは教えてほしいということなんですが、公益と営利とかいろいろ分けているわけですが、公益性というのは多分、社会全般の利益とか不特定多数の利益ということでありますが、その内容なんですけれども、例えば日本相撲協会は財団法人ですか、プロ野球は株式会社だと思うんですね。本屋さんでも、東大出版会は財団法人だと思いますけれども、岩波は株式会社でございますが、その区別というのはどういうふうになるんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 公益はまさに不特定多数の者に利益を図るということでございます。 ただいま挙げられた例、私も十分承知しているわけではございませんが、日本の国技を多数の方に広める目的ということになれば、財団ということはもちろん考えられます。それから、プロ野球の場合、これはその会社自体も営利を目的として営業をするということになると目的が違う、双方ですね、そういうことになるわけでございまして、営利法人は結局、事業を行ってその利益を社員に分配するかどうかということでございまして、ここが大きな違いであるということでございます。
○魚住裕一郎君 そうすると、例えば保険会社、相互保険会社と営利保険会社がありますね。恐らくその利益を分配するかどうかということだと思いますが、事業内容においては同じというふうに考えるんですか。どう違うんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 私ども、保険、必ずしも詳しいわけではございませんけれども、保険の中に相互保険の形態と株式会社の形態があろうかと思いますけれども、相互保険会社の場合は、保険に入られる方、これがその会社の社員になるということで、その内部のお互いの利益を図るために活動をする、こういうタイプでございます。目的が社員、内部相互の互助のためにやるということでございます。 それから、株式会社の方は、保険に入られる方は外部のお客様でございまして、会社は営利を目的として活動するわけでございまして、そういう意味ではもう最初から目的が違うと。 しかし、現実にやる内容について大きく違うかといいますと、それは余り大きく違っていないということでございます。
○魚住裕一郎君 じゃ、あともう一点だけ。だんだんおなかがすいてきたものですから。 本案では持ち分というのがないわけで、剰余金の分配請求権とか財産分配請求権がないということでございますけれども、中間的な法人のうち、農業協同組合とか中小企業協同組合がありますね。社員に持ち分を認めていると思いますけれども、これは本案では持ち分を特に認めない、でもほかではあるよと。この辺の差はどういうところから来ているんですか。
○政府参考人(山崎潮君) この点、なかなか難しいところでございますが、協同組合、これは出資、持ち分という形を認めているパターンもございます。 これについて端的に申し上げますと、出資等が行われるものにつきましては設立が許可ということで、そこにいろいろチェックが入るシステムになっておりますが、こちらの中間法人に関しましては準則主義でございまして、事後のチェックが入るという体制にはなっておりませんで、最終的に社員間で利益を、剰余金を分配しないという制度的担保、これがこちらにはないということから、持ち分を持つと、結局は持ち分がふえるということになれば、それは剰余金の分配を受けたと同じような結果になってしまいますので、その点を徹底させるために持ち分は設けないというふうにしたものでございます。
○魚住裕一郎君 終わります。
○委員長(日笠勝之君) 午後二時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後二時十分開会
○委員長(日笠勝之君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、中間法人法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久野恒一君 自由民主党の久野恒一でございます。 既に、参考人のお二方の先生方、そして午前中に江田先生、魚住先生の御質問の中にありまして、大体、私としてはもう言い尽くされたかなという感じはするのでございますけれども、しかし新しく中間法人というものができるわけでございますから、何とかこれをいい方に持っていきたい、そういう意味でもって質問をさせていただきます。 公益を目的とする法人でもなく、また利益を目的とする法人でもない、そういうような中間的な団体について法人格を与えて、これを法案として、なぜこの法案が必要なのか、その理由を伺うとともに、立法化する意義、これにつきまして改めて副大臣の御答弁をお聞きしたいと思います。
○副大臣(横内正明君) 本法案の必要性と意義についてという御質問でございます。 現行法では、公益も営利も目的としない団体については法人格を取得する道がないわけでございます。そのためにいろいろな支障が生じておりまして、例えば団体の名義で不動産を登記することができない。したがって、その団体の代表者の名前で登記をするわけでございますけれども、代表者が仮に亡くなったようなときには相続の際に非常に混乱を生じたりするというような、財産管理上のいろんな不都合が生じたりしております。また、団体の債権者を保護する規定もないということでございます。 こういった団体が法人格を与えられればその名義で財産を管理することができますし、また法人と取引関係にある第三者の保護も図られるということでございまして、その社会的な意義は大きいと考えております。 また、公益も営利も目的としない団体が現実には法人格を取得する道がないものですから、公益法人として法人格を取得しているという例がたくさんございます。そういう状態というのは、公益法人制度の健全な発展を推進する観点からもやはりきちっとした非公益、非営利目的の団体に法人格を与える制度を整備する必要性がある、そういう指摘が行政監察等で何回もなされておりまして、本法案はこのような指摘にこたえるものでございます。
○久野恒一君 ただいまいろいろと立法化の意味をよく教えていただきましてありがとうございます。 そこで、国民が受けるメリットというものを具体的に考えてみますと、これまで公益も利益も目的としなかったために一般的には法人格を取得することができなかった、いわゆる権利能力のない社団として取り扱われてきたそのような業界団体、あるいは同窓会などのようなそういう団体が中間法人として今度は法人格を取得して、そのことによって権利主義関係の主体となることができるようになったわけでございます。個人と団体の権利主義関係も明確になると思います。 この権利能力のない団体に金銭管理も、ただいまおっしゃったように、通帳に積むことは個人名義ではできるそうでございますが、不動産の登記についてはできないと、そういう御答弁でございました。確かに、代表者の名義で登録することができません。個人名でやるわけでございますから、そのために、法人格のない団体の代表者が団体に所属する不動産を奇貨としてその不動産を第三者に売却した場合、代理者の相続遺産と誤解して不動産登記を経由してしまうなど、トラブルがいろいろとあろうかと思います。 今回の中間法人制度はこのトラブルを防止できると思うわけでございます。また、二人以上の個人が集まれば主務官庁の許認可を受けないで容易に法人をつくることが可能となりますから、社会生活における市民活動の自由が拡大するんだろうと思います。 ところで、この法案の提出までの経緯についてちょっと振り返ってみたいと思います。 今から三十年前、昭和四十六年十二月当時、行政管理庁が公益法人の指導監督に関する行政監察に基づく勧告、これでは「営利を目的とせず、公益をも目的としない団体に対しても法人格を与えることについて検討する必要がある。」、そういうふうな指摘をしておりました。その後、六十年と平成四年にも同様な勧告が総務庁から出されております。 そこで、お伺いいたしますけれども、このように三十年も経過して、今回、中間法人なる新しい法案が提出されたその理由というものを民事局長にお願いいたします。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま御指摘のように、三十年という大変長い期間でございます。やっとたどり着いたというのが正直な印象でございますけれども、これにつきましては、今回二つのタイプの中間法人をお示ししているわけでございますが、実はこれを議論いたしますと、特別な制約がございませんのでいろいろなパターンがございます。そういうものについてどういう手続を設けていくかということにつきまして、なかなかきちっとした合意というか、これというものが出てこなかったということで、なかなか議論が収束しなかったというのが一つでございます。 それと、私どもといたしましては、その間に個別に必要なところには個別の単独の立法で手当てをするという形で来たわけでございまして、例えばマンションの管理組合法人とか、それから地方自治法上の認可地縁団体、こういうものについて法人格を取得できるような道、これについて法務省でやったものもあれば法務省が協力させていただいたものもあるということで、個別に検討を進めてきたということでございます。 ただ、それ以後の社会の動きを見てまいりますと、やはりまとまった法律が必要であるという声が非常に強くなった、またその必要性が強いということから、今回のようにまとまった法律として提出をさせていただいた、こういうことでございます。
○久野恒一君 先ほど申し上げましたように、今回の法案で、これまで法人格が取れなかった団体が簡単な手続で権利義務の主体となっていろんな事業ができるというわけですが、これによって中間法人そのものがかえって不正な目的に利用されるのではないかなと憂慮するわけでございます。脱税とか資金隠しあるいはマネーロンダリングというような不正を目的として中間法人制度を乱用することに対する防止策、こういうものを考えておられるかどうか、民事局長にお尋ね申し上げます。
○政府参考人(山崎潮君) 今回の中間法人につきましては準則主義による成立ということでございます。そういう意味では、チェックがないといえばそうかもしれませんが、ただ、さまざまな点について乱用がないような手配をしております。 まず、課税についてでございますけれども、この課税に関しましては、基本的には有限責任中間法人、これにつきましては有限会社と同じ、それから無限責任中間法人につきましては合名会社と同じということでございまして、税制もほぼそれと同じということでございます。そういう関係で、税制面でそのどちらの法人を選ぶかということによって脱税が云々という問題は起こらないであろうというふうに考えております。 それから、法人のその他の乱用の問題でございますけれども、無限責任中間法人につきましては各社員が個人で責任を負います。そういうことから、そもそも乱用のおそれは余りないのではないかというふうに考えられます。 それから、有限責任中間法人につきましては、まず人的構成といたしまして、理事、監事などの役員につきましていろいろ資格制限を設けております。それ以外、特別背任罪等の刑事罰の規制が有限会社とほぼ同じように置かれているわけでございます。 それから、この法人自体の活動が実質的に公益を害するような場合、こういう場合がございましたら、これは商法の準用条文が置いてございまして、裁判所による解散命令という手続がございまして、これを利用いたしましてその法人を解散させると、こういうような手配をしているわけでございます。 そういう意味で、この法人の乱用が一応ないように手配をしたということでございます。
○久野恒一君 ただいま税制でもってある程度縛りをかけていると。そういうところで、内部でもっていろいろ役員を置くなり監事を置くなり、そういう意味合いはよくわかりますけれども、しかし私は、やはり中間法人制度の乱用の防止策として監督官庁を置くべきである。むしろ、そういうものを外しちゃって、中間法人はどうぞ自由に開いていいですよと、そういうことではなくて、やはり監督官庁というのは置くべきだというふうに思うわけでございますが、個人的な意見でございますが、その点をどうお考えになっておられるのか、ちょっとお尋ね申し上げます。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、御指摘のとおり、監督官庁というものはございません。これは準則主義ということで、登記をすれば成立するという形をとっておりまして、これは会社の設立と同じということでございます。 片や公益法人、これは民法上の公益法人、それから特別法に基づく公益法人がございます。これにつきまして、やっぱり公益の分野を目的とするわけでございますので、その成立につきましてはその組織、活動のあり方、こういうものを全部チェックする必要から許可制というものがとられておりますけれども、この中間法人につきましてはその公益性というものはございません。そういうことから、許可制をとる必要はないのではないかというふうに考えたわけでございます。 それから、いわゆる広い意味の中間法人の分野といたしまして、個別法でさまざまな規定を置いているところがございます。例えば、農業協同組合等の組合でございますけれども、これにつきまして法律を置いておりますけれども、これは認可制度が定められておりまして、やはりこの事業の特質とかその辺を考えまして、人的構成、組織のあり方、こういうものを一応チェックするという形で認可制度が置かれているわけでございます。 ところが、この中間法人については、そういう目的、事業、構成員等に関して特段の規定を置いていないわけでございまして、その点につきましては同じような制度をとる必要はないのではないかということでございます。そういうことから、引き算をしていくと残らないというような考え方でございますけれども、最終的には会社と同じようなあり方にしておかしくないのではないかと。 最終的に、本当に問題が起これば解散命令ということで、これは法務大臣がその違法行為に対して警告をすることができまして、それで従わないという場合に裁判所に命令を申し立てるということでございますから、背景には法務省が監督するような形をとらせていただいているということでございます。
○久野恒一君 確かに、この中間法人制度、公益法人の流れがバックにあるような感じもいたします。公益法人の改革ですね、その流れがあるように思います。法人格を取得する手段は民法の三十四条に限られているため、公益法人にふさわしくない団体に対しても公益法人としての法人格が付与されており、社会批判が生じているところでございます。 この点で、法律案の立法過程におきまして、平成十二年三月に公表された中間法人制度の創設に関する要綱の中間試案には、公益法人から中間法人への組織変更の規定が盛り込まれていたと思います。今回の法律案ではそれは盛り込まれていないようでございますが、先ほども答弁ありましたけれども、もう一度お願いします。
○政府参考人(山崎潮君) 午前中にもお話し申し上げましたけれども、その要点をちょっとかいつまんで申し上げたいと思います。 確かに、御指摘のとおり、公益法人の中に実質は中間法人あるいは営利法人のものがあるのではないかということが指摘をされております。その関係で、その組織変更の規定ということで、中間試案の段階では置いていたわけでございますが、最終的に盛り込むことはしなかったわけでございます。 その一つの大きなポイントは、現在そういうような法人が持っている財産をどのように新しい中間法人あるいは株式会社、ここへ承継させるか。承継をそもそも認めるか認めないか、それが全部なのか一部なのか、こういう点につきまして十分な議論がまだ煮詰まっていないということが一つでございます。 それから、法人について、物すごい数がいっぱいあるわけでございますけれども、これの仕分けが十分に終わっていないということでございまして、どこの法人に移るべきかということ、これの仕分けも十分にできていないと。 この二つから、まずそちらの問題を先行させていただいて、そこの議論がある程度定まって、その場面で法律が必要であれば別途、法律を設けまして移行させていく、こういうふうに考えたわけでございまして、法務省としても、必要な場面で我々としても検討していきたいというふうに考えております。
○久野恒一君 六番の問題を先にお答えいただいちゃったもので、七番に移らせていただきます。 公益法人制度の改革につきましては、平成四年の総務庁の勧告では、公益法人の円滑な活動、運動を推進するため、財団法人の寄附行為の変更及び評議委員会の設置並びに公益法人の合併など、現行の公益法人制度についての法的整備を検討することが指摘されております。 この公益法人制度改革につきましては速やかな法整備を行うべきであろうと思いますが、この平成四年の勧告からもう既に九年たっているわけでございます。どのように対応されていくつもりなのか、簡単で結構ですから、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) ただいま申し上げましたように、この中間法人、受け皿をつくるわけでございますが、組織変更の問題はまだ規定を置いておりません。 今後、この問題につきましてさまざまな仕分けをいたしまして、必要であれば法律を設けなければならないと、こういうことになるわけでございますが、そういう議論を経ながら、そういう作業とともに、必要なものにつきましては再度検討を加えていきたいということでございまして、ある意味では、これで終わりということではないというふうに理解をしております。
○久野恒一君 確かに、いろいろなふうにこの中間法人が使われる可能性がある。そういう意味では、引き続いて法務省の方でもって御監督願えればありがたいなというふうに思うわけでございます。 平成十二年三月に公表された中間法人制度の創設、仮称でございます、十二年ですから。要綱中間試案には、大規模な中間法人に関する特例として、基金の総額が五億円以上、または負債総額が二百億円以上の大規模な中間法人、これは取引関係を通じて第三者に及ぼす影響が非常に大きいと思います。 大規模な株式会社と同様に、監事による監査とは別に専門家による外部監査を義務づけることが望ましいとされておりますが、今回の法案には大規模中間法人に関する特例は規定されておりません。その理由はどういうわけでございましょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 確かに、御指摘のとおり、中間試案に置きながら今回の法案には盛り込まれていないということでございます。 中間試案におきましては、商法の特例法と同じような考え方で、資本ではございませんので、こちらは基金と言っておりますので、基金の総額が五億円以上及び最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が二百億円以上、こういう会社につきまして外部監査の特例を置くかどうかという案であったわけでございます。 その後、パブリックコメント等をいただきまして、それから法制審議会でも審議を再開したわけでございますけれども、この点に関して現段階でこれを置くべきだという強い意見がなかったというのが一点でございます。 それと、仮に置くとしたときに、その基金の総額あるいは負債の合計額、こういうところで線を引くのがいいのか、それとも社員の人数等でその線を引くかどうかという、その辺のところもいろいろ意見がございまして、やはり将来必要になるかもしれないけれども、どういう点でどういうラインで線を引くかということについては少し運用を見てみないとしかとした線が出てこないということから、今回はその点を置くということを断念はいたしましたけれども、しばらく運用を見まして、いろいろな支障等がもし生ずるようであれば、その運用の実態をよく検討いたしまして、また改めて規定を置きたいというふうに考えておりまして、これもこれで終わりということじゃなくて、将来必要であれば検討をさせていただくということでございます。
○久野恒一君 ありがとうございました。 ぜひとも、中間法人というものができるわけでございますから、本当にできた以上は世の中のためになってもらうような法人運営をしていただきたいなと思うわけでございます。 最後に、副大臣にお尋ね申し上げますが、大臣、いらっしゃったですか、この法案の中間法人制度の創設によりまして大学の同窓会など大規模な中間法人が出現する可能性があると思うわけでございます。この官庁による監督を受けない自由な活動を認める以上は会計監査を充実させ、透明性の確保に努めるべきであろうと私は思います。その辺のところを、副大臣のつもりだったんですけれども、どちらでも結構でございますが、御決意のほどをお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○副大臣(横内正明君) 委員のおっしゃいました大規模な中間法人となりますと、有限責任中間法人ということになると思います。御案内のように、この法案の中で有限責任中間法人につきましては監事を必置の機関として定めておりまして、監事がその会計検査を行うということになっております。そういう形で、有限責任中間法人については会計の透明性を確保するということに法律上はしているわけでございます。 なお、さらに、先ほど民事局長からも御答弁を申し上げましたけれども、大規模な中間法人について商法上の大会社のような外部の専門家による会計監査をやるべきではないかという御意見は確かにあろうと思います。この点につきましては、この中間法人制度の運用の状況を見ながら、これからの検討課題として検討していきたいというふうに考えております。
○久野恒一君 ありがとうございました。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。 今回の法案によりまして、これまで法人格を取得できないで権利能力なき社団として活動せざるを得なかった非営利、非公益の団体が準則主義によって法人格が取れるようになりまして、これは一定の前進だと考えております。 それでは、具体的にどのような団体が法人格を取得できるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山崎潮君) この法案におきましては、中間法人の定義といたしまして、「社員に共通する利益を図ることを目的とし、かつ、剰余金を社員に分配することを目的としない社団」というふうにうたっているわけでございます。 これに当たるものとしてはかなりいろんなものが考えられると思いますけれども、大きく分けて、例えば卒業生の親睦、連絡等を目的とする同窓会、これは同窓会となりますとかなりの規模が考えられるわけでございますけれども、そういうものと、それからもう少し小ぢんまりした趣味を同じくする者の親睦、情報交換等を目的とする同好会等が代表的なものとして考えられます。そのほか、いろいろ互助会とか県人会、後援会とか、利用の範囲はさまざまでございまして、特段ここに当たれば目的は制限しておりませんので自由におつくりいただける、こういうことでございます。
○林紀子君 そうしますと、それらの団体というのは、希望をすれば登記をすることで法人格が得られる、しかし希望しない場合は現在のままの状態で活動することができると、こういうことになるわけですね。
○政府参考人(山崎潮君) まさに、御指摘のとおりでございまして、希望される方が法人になれるということで、特に法人として財産をお持ちのところがかなり必要性があるのかなと。財産がない場合にはあるいは必要がないのかもしれません。それは御自由に選んでいただくということでございます。
○林紀子君 現行の法人制度は、公益法人が民法三十四条で主務官庁の許認可とされておりまして、特定非営利活動促進法、NPO法では活動分野が十二と限定されていますよね。そこからいろいろな問題が起こってきているのではないかと思うわけです。 例えば、消費者保護という活動ですけれども、これはNPO法では十二の活動分野から漏れていますね。NPO法の法人格を取りたくても取れないということになると思います。この場合、中間法人では法人格を取得できるし、そして取得したその中間法人は公益活動もできるというふうに考えてよろしいですね。
○政府参考人(山崎潮君) 御指摘のとおり、そういう目的で中間法人になるということはできます。それから、その結果が公益目的になるという活動もこれも当然できるということでございまして、当初、法人をつくるときの目的が自分たちの仲間の利益を図るということであればいいわけでございまして、今度できちゃってから活動するについては、それが公益であろうと、それから営利であっても、その剰余金を分配しないということでその法人の活動のために使うということであれば許されるわけでございまして、目的と現実の行動というのは別に考えていただければというふうに思います。
○林紀子君 法人格を取得できて公益活動もできるということですけれども、これは衆議院の参考人が指摘していたことなんですけれども、例えば消費者運動に関心のある人たちが十人集まって、そして十人の内部の利益を超えてさらに消費者運動をやる、こういうことが確かにできるけれども、そうなると今度は三百万円を集めなければいけない、これは有限責任中間法人でありますと三百万円ということが必要になりますよね。無限責任中間法人であると自分が法人の債務をかぶるということを覚悟して設立しなければいけないわけですね。そういうことを考えますと、同じような規模のNPOに比べて、この中間法人で法人格を取得して公益活動もするという場合にはかなりハンディを負わされるのではないかと、こういうことを参考人がおっしゃっていたわけです。 きょう午前中、この委員会でも参考人をお呼びしてお話をお聞きいたしましたけれども、その中で能見参考人の方からこういうお話がありました。公益法人全体を見渡す、もっとそれより広く営利法人、非営利法人というのを大きく見渡して、そしてこの非営利法人の法人格取得というのは準則主義にして、そしてその後で公益性を持っている法人というのはどこか、そういうことを税制上の優遇措置などは別建てにして考えるというのがいいのではないかというお話をたしか伺ったというふうに思うわけです。私も、これはなかなかすっきりしていてわかりやすい法人の組み立て方だなというふうに思ったわけですけれども、大臣にお伺いしたいんですが、法務省としては、そういう角度も含めまして、公益法人制度の見直し、民法三十四条の見直し、本当に真剣にお考えいただきたいと思うわけです。 雨宮参考人も、今まで民法三十四条の改正というのは難しい問題もあって時間がかかるからということでずっと延び延びになってきたわけだけれども、そういうことを言っていたら一体いつになったら民法三十四条の改正というのができるのかという問題提起もなさっておりましたので、ぜひここのところは真剣に考えていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 法人の目的による類型的な区分をなくして団体一般について準則主義による法人格の取得を認める法制度を設けた上で、公益性の有無などについてはその後の法人の活動の実態に即して個別に判断してそれに応じた税法上の取り扱いなどをすればいいのではないかと、そういう御趣旨でございますね。 法人に関する法制度におきましては、単にある団体について法人格を付与するかどうかということを規定するだけではなくて、その団体の性格に即した合理的な規律、例えばその団体がいかなる内部組織を持ってどのように管理運営されるべきなのかという点についても具体的な定めを置くことが必要であると考えられます。このような観点からいたしますと、法人一般について一つの法律をもって規律するというのは大変難しいといいましょうか、対象とする団体の性格に即してそれぞれの類型に適した形で法律を整備して、また見直していくということが団体法制の一つのあり方として現実的、適切ではないかと考えているところでございます。 先生がおっしゃいましたような問題意識、時々お話が出まして、この委員会でも時々そういう御意見はちょうだいいたしました。しかし、先ほどもちょっと御説明申し上げましたように、非常に多岐にわたり、各全省庁にまたがる非常にさまざまなものがたくさんございますので、非常に複雑な仕事が必要でありますので、まず団体一般について、法人格を取得したいというものに対して法人格を持ってもらえる道を開こうというもう一つの目的がありますものですから、これをとりあえずつくらせていただくということで御提案申し上げているわけでございます。 おっしゃるような問題も十分心に置いてはおりますが、なかなかいついつどのようにということまでまだ今のところ見当がつかない状況でございます。
○林紀子君 私が申し上げて、そしてきょう参考人がおっしゃったのも、非営利法人ということを大きく見渡してということだったわけです。ドイツの例なども引いてお話がありましたけれども、確かに今次々と、これでは足らないから足らないからというような形で継ぎ足してきて、百八つでしたか百八十でしたか、何か数もお話ありましたけれども、そういうような法律が次々とできていって、そして非常に難しくなっているということは確かだと思うんですけれども、そうなると、雨宮参考人が指摘していたようにこれはずっとこのままなのかという問題もあるわけですので、ぜひそこのところもきちんと見据えながら、今後三十四条の改正というのを考えていただきたいということをお願いしたいと思います。 次に、今回の法案というのは不適切な公益法人をどうするのかというそういう議論から始められたいきさつがあります。そこで、公益法人の行政指導について総務省にお聞きしたいと思います。 これまでさまざまな問題については総務庁の行政監察勧告で何度も指摘されてまいりました。九六年には指導監督基準が閣議決定されておりますけれども、それでも白書を見ますと、本当に適切な指導が行われているのかどうか多々疑問があるわけです。KSDをめぐる不祥事も明るみに出てきました。 これもきょうの午前中、雨宮参考人がおっしゃっていたことですが、御自身が公益法人の設立にかかわったときに、常勤役員をぜひ主務官庁から派遣させてくれ、こういう話もあったということで、天下りということをみずから体験なさったというお話もありました。 また、衆議院の参考人の太田達男公益法人協会理事長、この方が、公益法人の昨今の不祥事にかかわりまして、主務官庁の許認可、補助金、天下り、これが公益法人問題のかなりの部分を占める根幹、原因だというふうに述べていらっしゃったわけですけれども、この太田理事長の発言を総務省はどのようにお受け取りになりますでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生御指摘のいわゆる天下りでございますが、一般論で申し上げますと、公益法人の方が公務員出身者に対してその行政経験等に着目して役員への就任を求めることはあり得るものと考えてございます。 ただ、現実的に公益法人の理事のうち、所管官庁の出身者が理事の多数を占めるというようなことになりますと、やっぱり行政もしくは当該公益法人の活動をゆがめることも考えられますので、これは防止しなくちゃいかぬということで、平成八年の閣議決定の指導監督基準でございますが、たびたび出てございますが、この平成八年の指導監督基準では理事現在数の三分の一以下にその所管省庁の出身者を抑えるということをルール化してございます。 なお、天下りでございますが、先生おっしゃられるように、十分正さなくちゃいかぬということでございますので、現在のところ、行政改革担当大臣、石原大臣のところで公務員制度改革の取り組みをやってございまして、そちらの方で適正な再就職ルールの確立に向けて検討を進めているというふうに承知しております。 総務省としても、こういった検討に積極的に協力してまいりたいというふうに考えてございます。
○林紀子君 やはり、天下りそれから許認可、補助金、この三点セットが大きく公益法人の不祥事にかかわっているというのは公益法人協会の理事長という当事者である方がおっしゃっているわけですので、本当にこれは重く受けとめていただかなくちゃいけないというふうに思うわけです。 二〇〇〇年の白書では、公益法人の理事に天下りがある法人は、国、都道府県合わせて全体の三割に当たる八千五十九法人に上っているというのが書かれております。そのうち七千三百七法人が主務官庁からの天下りです。在職年数のわずかな理事に高額の退職金を支払う法人があったり、国から請け負った業務を別の法人にそのまま丸投げする、また補助金を割り振るトンネルのような役割を果たしている公益法人もある。数多くの問題が指摘されているわけです。 お聞きしたいのですが、今御紹介ありました九六年の閣議決定、これで主務官庁出身者の占める理事の割合三分の一というふうにしているわけですね。数のところで網をかけていこうということなんだと思うんですけれども、この閣議決定が出された後は天下りの理事というのは減っているんでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先ほど申し上げた理事現在数の三分の一以下に所管官庁出身者を抑えるというお話でございますが、状況を見ますと、国の所管の関係ではかなり進んでございまして、先ほどの指導監督基準を閣議決定いたしました平成八年十月一日現在ではかなりあったわけでございますけれども、この平成八年で二百三十九法人ですか、それから三年後、平成十一年十月一日現在、白書の現在版に載っているものでございますが、二十法人ということで、国所管については激減しているということでございます。 現在進行形で申しますと、さらに国所管は減ってございまして、現在のところ三分の一を超えている法人は国所管が一法人だけということでございます。
○林紀子君 一法人というのはまさに激減をしたと思うんですけれども、しかし都道府県はまだまだ減ってはいないですよね。この辺はどうなっていますか。
○政府参考人(衞藤英達君) 先生おっしゃるように、地方の関係でございますが、公益法人数からいいますと地方がかなりまた多いわけでございますが、その三分の一の絡みで申し上げますと、都道府県所管法人では平成八年七百十法人から平成十一年六百五十九法人ということで、減ってはございますが、まだまだということでございまして、今後さらに都道府県に対して指導監督の徹底を図っていきたいというふうに考えてございます。
○林紀子君 主務官庁の天下りの理事が三分の一以下という基準、こういう形で減らしていこうというのはわかるんですけれども、じゃ、それがどうして三分の一なのかというのはなかなかこれはまたわかりづらい話なんです。 岩波新書の「公益法人—隠された官の聖域—」という北沢栄さんというジャーナリストが書いた、これはかなりベストセラーになっているんじゃないかと思いまして、私も本屋さんに行って求めてきましたけれども、どんと山積みされていた本なんです。 ここには、指導基準の理事三分の一という数をクリアするために、実は非常勤理事の方を非常に多くする、増員する。そうしますと分母がふえるわけですね。ですから、分子の方の今までの理事さんというのは数は同じでも、非常勤の理事が非常にふえるわけなので、全体の理事の割合というのはそれで減っていく、そういうやり方があるんだ、そういうことをやっているんだという事実が紹介してあるわけですね。 例えば、具体的に名前を出しまして、電波産業会とか日本国際教育協会、ヒューマンサイエンス振興財団、空港環境整備協会、こういった有力公益法人も非常勤理事の量産によって官庁OBの理事比率を指導基準以下に引き下げている、こういうからくりもあるんだというふうに言っているわけですけれども、こういうような事例というのはあるんですか。それを承知していらっしゃいますでしょうか。 もしこういうことがあるとしたら、数字の上では確かにクリアしているけれども実態はそうなっていないという、まさにこの指導監督基準をすり抜ける脱法的行為だというふうにも言えると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) 今、先生御指摘の本に書かれておる裏の手ですか、というのはあるのかどうか私も十分存じ上げておりませんけれども、当方はいつも主務官庁制度にのっとってそれぞれの所管官庁から概況調査の数字をいただいているわけですが、客観的に理事現在数の三分の一ということでその方向でかなり各省も努力しておりますし、私は減っているというふうに理解しております。
○林紀子君 こういうまさに脱法的と言われるようなやり方をやってまでこれにしがみついているというのが本当にあるのかどうか、それぞれ所管官庁あるわけですけれども、やはり総務省が先頭に立ってきちんと陣頭指揮をしていただきたいということもお願いしたいと思います。 そして、今引きました電波産業会の例を見ますと、業務を独占的に行い、法外な手数料の収入を取り、多額の委託費を受け取り、そして業務上得た情報を提供する会員制ビジネスを行い、しかも極めて高い会費を取っている等々ということも指摘されているわけですよね。そうなりますと、天下りの弊害というのは非常に大きいものがあるんじゃないかというふうに思うわけです。しかし、官庁自身が天下りの張本人ということになりますと、その改善はなかなか前に進まないというのはまた当然なんじゃないかというふうに思うわけです。 理事の三分の一というこの数ですけれども、これは本省課長クラス以上や退職後十年未満の理事就任者に限られている数字だ、それ以外の官僚OBの理事などへの天下りや退職して十年以上たったOB、これはいわゆる渡り鳥などと言われているんじゃないかと思うんですけれども、ほかの公益法人をぐるっと回って十年たってそこに来た人はそれはカウントされないと。ですから、課長クラスや退職後十年未満ということでこの三分の一ということを一つの目盛りにするのはやはり問題なんじゃないかというふうに思うわけです。 ですから、主務官庁だけでなく、また本省課長以上に限らず、それから報酬額も含めて天下りの全容というのを明らかにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(衞藤英達君) まず、先ほどの三分の一の御説明をしておきたいと思います。 指導監督基準、平成八年のところでは、理事のうち同一の親族、それから特定の企業の関係者、それから出身省庁のOBを三分の一にするというような規定になっていまして、特定の分野の方が公益法人の中では意思決定に非常にかかわって影響力を及ぼす問題点を危惧してこういうルールができ上がっているわけでございます。 ただいまの先生御指摘の話でございますが、公務員ももちろん職業選択の自由がございますし、一たび公務員をやって、その後、これから労働力が流動化していく過程で民間に行ったりとかいろんなことがあると思うので、逆に最初、公務員をやったということでその将来を縛るということもちょっといかがかなというような感じもいたしております。 ともかく当方としては、こういう問題が指摘されているということは十分認識しておりますので、今後情報公開等でこれを明らかにしていきたいというふうに考えております。
○林紀子君 確かに、職業選択の自由はあると思うんですけれども、やはり官僚が天下りをするということは、官僚が各省それぞれかなりの裁量で公益法人の許認可をする、そうすると国から補助金が流れるような仕組みになる、そして天下りで癒着をさらに深めていく、こういうサイクルになると思うわけです。ですから、やはり官僚の天下りというのは本当に見過ごしのできない問題だというふうに思うわけです。 中央省庁等改革の推進に関する方針に基づいて、幹部公務員の再就職状況が昨年の暮れ、初めて発表されました。九九年八月から二〇〇〇年八月までに退職した各省庁の課長以上で再就職したのは四百八十五人ですが、その就職先として財団法人が百四十六人とトップ、社団法人は六十一人、特殊法人も五十二人、公益法人が一番の天下り先という実態がここでも明らかになりました。 そして、ここで私もえっとびっくりしてしまったんですが、警察不祥事によって懲戒処分となった深山健男神奈川県警前本部長、相次ぐ県警の不祥事を隠したり国民にうそを重ねたりということで連日、テレビの前で頭を深々と下げる様子があのときは映っておりましたけれども、この方が警察庁所管の社団法人の全国警備協会の専務理事になっているということなんですね。ここで、給与などはどれくらいなのかということをお伺いいたしましたら、これはプライバシーにかかわるからとなかなか教えてくださらなかったんですが、それでも、白書に書かれている有給の常勤役員の報酬額規模別というのがずらっと書いてありますので、このどこに相当するのか、それぐらいは公開するべきだろうというふうに申し上げましたら、この社団法人は、年間の理事の平均給与額というのは一千二百万円以上一千六百万円以下という分類になるということで、かなり高い部分になっているわけなんですね。懲戒処分になった高級官僚が公益法人に天下りするというのは公益法人改革の趣旨から見て本当に適切と言えるのかどうか。 これはちょっと大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、国民にとってはなかなかこれはうんとうなずけるような話ではないんじゃないか、官僚みずから襟を正すべき問題ではないかということが一つ。 それから、もう一つあるんですけれども、指導監督基準を出してもなかなか改善が進まない問題ということの一つの要素として、自民党の多くの議員の皆さんがやはりこういう公益法人の理事に就任している。この白書の中で言われているのは四百八十一人に上る。これは政治家の姿勢が問われる問題じゃないかと思うんです。KSDを初めとする政治献金疑惑の温床というのはまさにこういうところにあるんじゃないかなというふうに思うわけです。 ですから、大臣として、官僚が襟を正すということとそれから政治家も襟を正すということ、そのことについてどういうふうに思うのか。与党がみずから襟を正して、理事に就任するということをやめていくというところからまず始めるということなのかなというふうにも思うわけですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 官僚が襟を正さなければいけない、政治家も姿勢を正さなければいけないということはおっしゃるとおりでございまして、私どもは、そのつもりで日ごろ身を正し、周りを清潔にしていくということを毎日心がけているつもりでございます。 今おっしゃいました公益法人との関係ですが、公益法人といってもいろいろございまして、先生が今取り上げられましたような、官庁と非常に密接な結びつきがあって、補助金がどうとか委託費をどうとかというようなところもありますし、全くそういうのとは関係のないところもたくさんございます。ですから、一律に政治家が公益法人の理事になるべきではないということも言いかねるのではないかと思いますし、また報酬があるものもあれば全くないのもたくさんございますので、それぞれ御本人の関心事あるいは知識、経験を生かすということで、求められてそのような役職についておられるというのはあながち否定するべきことではないんじゃないかというふうに思います。 いずれにせよ、疑惑を招かないように身辺をきれいにして姿勢を正していくというのは官僚も政治家も同様に必要なことだと思っております。
○林紀子君 確かに、私も公益法人というのが全部とんでもないところばかりだというふうには思いませんけれども、立派なお仕事をしているところも確かにあると思いますけれども、しかし国民の目から見たらやはり天下りでお金をたくさんもらってと、そういうようなところが国民から信頼を得られないことだと思いますし、本当に情報開示をきちんとしながら、そこの襟を官僚も政治家も正していくということをこれからもお願いしたいというふうに思うわけです。 以上で終わります。
○福島瑞穂君 社民党の福島瑞穂です。よろしくお願いします。 私は、中間法人に関する質問をする前に一つ、被爆者援護法上の被爆者たる地位確認等請求事件、六月一日に大阪地裁で判決が出ました。この事件についてお伺いをしたいというふうに思っております。 ハンセン氏病の熊本地裁の判決も大変画期的なものでしたが、この援護法裁判判決も大変画期的なものだというふうに思っております。 御存じのとおり、日本の中で被爆をしてしまった外国人の人たちはたくさんさまざまな国籍でいらっしゃるわけですし、被爆の問題に関しては、やはり日本は医療は先進国ですから、例えば北朝鮮に行った人、韓国に行った人、あるいは南アメリカやいろんなところに行って、当時、日本で被爆をした人たちの医療上のケアやさまざまなことはとてつもなく必要なことだと思います。戦後五十五年たって何らのケアもされずにいる人たちがたくさんいるわけです。 この大阪地裁の判決がとても画期的だと思いますのは、「明文の規定がないにもかかわらず、解釈のみによってある一定の事実の存続を効力存続要件とすることは、国民の法律上の地位ないし権利の得喪という重要な事項については、本来、疑義のないように法規上明確に規定されるべきことが要請されていることにかんがみ、一般的に許容されるものとは解されない」としていることです。つまり、どういうことかといいますと、手帳、被爆者手帳を持っている人が韓国に帰るとか外国に行ってしまうと、自動的にその年金手帳の効力が失効してしまうという通達があったと。しかし、条文には一切、外国に行ったら、日本を出てしまったら被爆者手帳が効力をなくしてしまうなんという規定は援護法の中には全くなかったわけです。 ですから、裁判所が手帳を交付し手当を支給する各種の法のうち、明文の規定なく受給者としての地位を失わせる法律は皆無であること。二つ目は、法律の実際の運用を定めた規則においても、出国によって被爆者としての権利を失うという条項がないために、現場においてさまざまな恣意的な運用がなされ、被爆者間に著しい不平等を生じさせてきたという点。その二つは大変問題だと思います。法律に明文の規定がないわけですから、法律にのっとってきちんとやりなさいという非常に当たり前のことを法律家として大阪地裁は出したのだというふうに思います。 それで、法務大臣はきのうこの原告の郭さんにお会いなされたというふうに新聞報道や当事者たちから聞きました。この件について、やはり控訴をするかどうかということが大変争いになっております。衆議院の厚生労働委員会におきまして、坂口厚生労働大臣が控訴をする前に原告に会うということを話をされたというふうにも聞いております。ですから、今回も法務大臣がどのような決断をされるかということ、厚生労働大臣がどのような決断をされるかということが極めて重要です。 私は、この判決は極めて本当に明快であると、法律に規定がないんだから、外国に行って失効するということは根拠がないという、そこはもう法律家としては間違いないと思うのですが、今、大臣はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 国側の主張が一部認められなかったのは残念でございますが、この対応につきましては、主務官庁であります厚生労働省の意見を十分聞いた上で結論を出さなければいけないと思っております。きのう被害者の方にお目にかかりましたときも申し上げたんですが、まずは厚生労働省の方へよく行かれて御説明なさり、意見交換をされるのが先決ではないでしょうかというふうに申し上げたわけでございます。たまたま私の方が時間がとれたので先でございましたけれども、本来は厚生労働省と話し合っていただきたいというふうに考えております。
○福島瑞穂君 厚生労働大臣にも会われるということなんですが、ちょっと食い下がって済みませんが、もし控訴をするとしたら、控訴の理由があるかどうかという点が大変ポイントになると思うのですが、通達は法律の上にはないのだという当たり前のことをこの判決は言ったわけです。そうしますと、ある程度国の代理人は、法務省が国の代理人として務められますから、法律の有権的な解釈としてどうかという点はいかがでしょうか。
○国務大臣(森山眞弓君) 非常に専門的な御質問で、私、今すぐこちらでここでお答えできる立場ではございません。
○福島瑞穂君 判決がそんなに大部のものでもありませんし、割とストレートに法律の規定には出国して権利を失うという規定がないのだから、本人たちは手帳を有効に持っていて、被爆者であることは全く問題がないわけだから、被爆者手帳は失効させるべきではない、やはり法律にのっとってきちっとやるべきであると。援護法自身が人道的見地に立ってできたものだからという判決の重みをぜひ酌んでいただいて判断していただきたい。 私自身は、これは個人的な見解ですが、控訴の理由はないのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 では、次に、中間法人の本案についてお聞きをしたいと思います。 非常に素人っぽい感じで済みませんが、公益法人とは何か、中間法人とは何か、株式会社とは何かというその三つが非常に実はあいまいもことしていて、何が公益なのか、何が株式会社なのかということが、何を中間法人とするのかという根本的なところが実は私はよくわからないので、ぜひ教えていただきたいと思います。 調べましたら、例えばゴルフ場は株式会社にしているところもありましたし、公益法人としているところもありました。ゴルフの振興ということで公益法人だと言われていますが、じゃ、ほかのさまざまな振興はどうなのかとか、例えば相撲協会は公益法人でプロ野球界は株式会社とか、東大出版会は公益法人で本屋さんは株式会社とか、自動車教習所も公益法人であるとか、何が公益かということがよくわからないんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 三つのお尋ねでございますが、公益でございますけれども、公益は不特定多数の利益のために活動を行うというふうに一般的に言われているわけでございます。それから、営利の目的と言われますのは、剰余金を社員で分配すると、いわゆるそれが営利であるというふうに言われているわけでございまして、その中間にあるもの、営利でもない、公益でもないものが今回の対象の中間法人であるというふうに、一般的にはそういうふうに言われるわけでございます。 それで、この中間法人の対象は、この条文でも書かれてございますけれども、社員相互間の利益を図るということでございまして、不特定多数の方の利益を図るというわけではない、内部の者の利益を図ると、こういうことでございます。
○福島瑞穂君 では、ただ、不特定多数の利益を図るといった場合に、株式会社も例えば薬を売るとか本を販売するとか不特定多数の利益に、それは不特定多数のためにやっているわけですよね。不特定多数の人に向けてやっていると。そうしますと、公益性というものはほとんどの団体がある種の形で持っているのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(山崎潮君) ただいまの例でございますけれども、それは結果として公益に資するということはあろうかと思いますが、もともと設立の目的がこれは利潤を自分たちで分けるということを目的としていればそれは会社であるというふうに考えているわけでございます。 じゃ、会社が営利事業しかやっちゃいけないかということになりますと、その目的と実際の活動は別でございますので、公益活動をしても構わないということになるわけでございます。
○福島瑞穂君 バスやタクシー会社も公益に資するかもしれませんし、ゴルフ場はなぜ公益法人になり得るのでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) ゴルフ場は私どもの所管ではございませんので、しかとは言えないと思いますが、やはりゴルフというスポーツ振興が公益に資するということで認可されているというふうに理解をしております。
○福島瑞穂君 実は、何か意地悪質問をしているのではなくて、この中間法人をつくるということを突き詰めていくと、公益法人、きょう非常に問題になっていますが、民法の規定そのものを根本的に公益法人を見直したらどうかという意見もあります。 ですから、公益法人と中間法人と株式会社のこの区別は非常にわかるようで実はわからないんですね。例えば、同窓会も公益法人となっているところもありますし、今度、中間法人ができれば中間法人という形になる場合もあると思うんです。実にさまざまというふうに思いますが、もうちょっと明快な答弁をお願いします。
○政府参考人(山崎潮君) 先ほどから申し上げておりますが、目的と現実の行動、これがどうも混同されているのではないかと思うんですが、目的は目的として、現実に成立した法人がどういう行動ができるかということとは別だということで、そこは截然と私は目的は分かれているというふうに理解をしております。
○福島瑞穂君 じゃ、自動車教習所はなぜ公益法人なんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 私、また所管ではないので何とも言えないんですけれども、やはり自動車のマナーあるいは技術、これを広く知らしめるという形でなっているんだろうというふうに私は理解をしております。 ゴルフ場を先ほど申し上げましたけれども、これ現在はどうであるかということはちょっと私、申し上げませんけれども、以前にはやはりスポーツ振興ということで法人になっているというふうに理解をしております。
○福島瑞穂君 いや、スポーツ振興であれば、スポーツクラブは公益法人かとか、わからないことがある。 実は、我妻栄さんは、公益法人という形で分けるのではなく、非営利、営利で分けたらどうかという議論をしていて、私は非営利と営利も、NPO法人がある面では営利のお金もうけもしますから、その点ではダブるところもあるんですが、むしろすっきりと非営利、営利で分けたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 私ども、この法案を検討している段階でそのような意見があることを十分承知はしております。 ただ、現在、このようなシステムをとっているのも一つの意味があるというふうに理解をしておりまして、やはり公益的な活動をするわけでございますから、その法人と取引をする第三者もそれを信頼して行動するわけでございます。そうなりますと、その関係でやはり法人を設立する、その構成をどうする、債権者の保護をどうする、それぞれみんな目的によってその内容が違ってくるはずでございます。 そういうものについてそれぞれの個別の法律をもって、あるいはそこで認可をしてチェックするという形も必要であるというふうに理解をしておりまして、最初から何にもないところに絵をかく場合と、物すごくいろいろな法人がたくさんできている中でそれをもう一度再統一という難しさというのは全然重さが違うだろうというふうに私どもは理解をしております。
○福島瑞穂君 いや、私が申し上げたいのは、同じ例えばゴルフ場であれ何であれ、さまざまなもので同じような機能を果たしているものであるにもかかわらず、実は公益法人になったり中間法人になったり株式会社になったりしていると。同窓会も公益法人もあれば今後、中間法人もできるでしょうし、株式会社の同窓会というのはちょっとないかもしれませんが、でも今後何かあるかもしれませんし、そういう意味では、目的はほぼ共通で中身もほぼ同じなんだけれども、実は法人の形態が変わってくるということがあるとすれば、法人制度を国がどう考えるかというところにやっぱり立ち返っていくだろうというふうに思うんです。 ぜひ、今回は中間法人を新たに設けるという、そのこと自身は私は賛成なんですが、やはり未整理のままどんどん新しい概念をつくっていくことは、若干やっぱり錯綜し始めているのではないかというふうにも思っています。 それでは、もともとこの中間法人をつくる意味は、公益法人がいろんなものが出てきたと、ですから中間法人の方にある程度流れ込むというと変ですが、公益法人は例えば税金上の特典などもたくさんありますけれども、中間法人という形に吸収するというか、新たなはざまのものをそこにきちっと位置づけたらどうかというふうにも聞いているんですが、今回、組織変更、公益法人から中間法人へ移行するという点について、特にこういう場合は必ずこうなるとか、自動的なものは何もありません。そうしますと、今ある公益法人は税金上の特典がありますから、ほとんどのケースの場合は中間法人にならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) この点につきまして、私どもが所管している法人については私どもがいろいろ指導できる形でございますが、これはほかの省庁の関係はちょっと私、わかりませんけれども、基本的には、現在この中間法人をつくったという意味は、もともと平成八年の御意見をいろいろまとめられまして、公益法人の中に本来、中間法人であるべきもの、あるいは営利法人であるべきもの、そういうものが入っているというところからスタートしているわけでございますので、やはり今後の議論として、そういうものをどのようにして移行させるか、まずその議論が行われるべきでございまして、その受け皿としてこの中間法人があるということでございます。 どのような移行をさせるか、こういうことがはっきりした段階で、法律が必要であれば別途、法律をつくって移行させると、こういうふうに二段構えで考えているところでございます。
○福島瑞穂君 どのようにすれば移行するかと今後考えるというのはよくわからないんですが、立法過程の中で組織変更の部分はなぜ落ちたんですか。
○政府参考人(山崎潮君) けさほどからお答え申し上げておりますが、まず組織変更をして、財産を持っていっていいのかどうか、法人としてですね、これ自体がまだ決まっていない。持っていっちゃいけないという法人もあるかもしれない。それから、ある部分は持っていってもいい、全部持っていってもいい、それぞれあろうかと思います。 それから、中間法人になるのか営利法人になるのか、それから独立行政法人になるのか、国の機関としてやるのか、それとももう公益法人として終わりにするのかとか、そういう選択というんですか、仕分け、これが全く今のところまだできていないということでございますので、まずそれの仕分けと、財産をどのように移転するか、これをまず議論として先行させ、それに必要な法的な手続があれば別途、法律をつくると、こういうふうに考えておるわけでございます。
○福島瑞穂君 将来的にはどういうふうにして移行をさせようと考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) まだ議論はそこまで行っておりませんので、政府全体としてこの問題にまた取り組んで、法務省としてやるべきことがあればやるということでございます。
○福島瑞穂君 中間法人の制度の悪用の可能性についてなんですが、例えば株式会社をつくらずに、ですから利潤の分配はしないんですが、従業員という名目でたくさんの人を雇って給料を払うことで実質的には利潤の分配をするというようなことなどもあるのではないかとか、例えば私が突然、中間法人をつくって、何か公益性のあるようなないような形の事業をするとか、余りないかもしれませんが、その中間法人の制度の悪用の可能性についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これは、今回の法律、二つのタイプを認めておりますけれども、有限会社タイプとそれから合名会社タイプ、それとほぼ規律は一緒にしているわけでございます。 この中でも、本当に法令違反等の行動が行われるということであれば、最終的には法務大臣の警告、それに従わないということであれば解散命令という手続を持っているわけでございます。そういう形で是正をしていくということは当然考えられるわけでございます。
○福島瑞穂君 NPO法が成立しておりますけれども、NPO法は御存じのとおり認証が必要で、かなりいろんな書類を提出しなくちゃいけない。この中間法人は準則主義で、かなり簡単なわけですが、NPO法人と中間法人はちょっと重なる面も出てくるのではないかと思いますが、その辺の仕分けみたいなものはどうお考えなのでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) NPO法人につきましては、これは位置づけとして公益法人であるという位置づけであろうかと思います。公益法人で、普通であれば許可ということになるわけですが、ここは認証という形で、許可とかそういうその範疇の中では非常に軽い手続で設けているわけでございます。 こちらの中間法人に関しましては公益活動ではないわけでございます。ですから、そこを準則主義という形で仕分けをしておりまして、やはり公益性があるかないかという形で手続が少し違っているというふうに理解をしております。
○福島瑞穂君 その公益性が何かというところでまた振り出しに戻るみたいな、何を公益性と言うかという議論はまたあると思いますが、先ほど来、公益法人の問題点についてほかの委員さんからも質問が出ました。 行政監視委員会の中でも、公益法人と政治連盟の関係、例えば入会申込書が常に強制をされて、ある公益法人に入会すると自動的にあるいは強制的に政治連盟に加入をしなくてはいけない、あるいは賃料は政治連盟の方は払っていないとか同じ場所にあるとか、そういうことも非常に議論になっております。 公益法人という場合に、例えば不動産の政治連盟と保証協会の関係などについては国土交通省は政治連盟との関係をすべて切るという形で指導するということを最近明言いたしました。そういう意味では、公益法人がきちっと公益法人として成立をしていくということはとてもこれから必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) 私ども、公益法人の法律は持っておりますけれども、ちょっと運用の実務について直接タッチをしておりませんので、お答えは勘弁いただきたいと思います。
○福島瑞穂君 ただ、誇り高き法務省としては、公益法人をやっぱり所管を全般的にはしているわけですから、それぞれの公益法人について主務官庁がある、所轄官庁があることはもちろん承知をしております。しかし、法務省としては、例えば政治連盟と必ずその入会申込書が込みになっているとか、公益法人に入るときに必ず政治連盟に入会をしなくちゃいけない、政治連盟の費用も徴収をされるという、こういう事態についてはいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(山崎潮君) これは制度の問題というか運用の問題だろうと思うんです。私どもがその点についてどうこうというのはちょっと差し控えさせていただきたいというように思います。運用の実態もちょっとよくわかりませんので。
○福島瑞穂君 じゃ、運用実態についてもぜひ改善されるように、法務省がその中でどういう役割を果たすかということについてぜひまた御意見をお聞かせください。 どうもありがとうございました。
○平野貞夫君 けさほどの雨宮参考人の意見の中に、この中間法人法案に対して積極的には賛成できないというお話があったんですが、私は嫌々賛成するという立場でございます。 私は、法律に疎いものですから、一般的な立場でしか質問できないんですが、まず中間法人という中間という名前が気に食わないんですね。実にファジーな概念なんですよね。 なぜそういうことを私が言うかといいますと、先生方の質問を聞いていまして、問題は、公益法人と利益法人の間をすき間を埋めるのがこの法律の目的じゃないかと言う参考人もいたんですが、私は直観的に、いわゆる中間法人と言われるもののこれからの二十一世紀社会における重要さというものはもうはかり知れないものがあって、それに立案者がどれだけの問題意識というか、思想体系を持っておるかということについて非常に疑問に思っておるわけなんです。 そこで、まことに失礼ですが、一つ二つ法務大臣にお聞きしたいんですが、現代社会というのは国家権力の肥大化という現象とそれから市場経済の異様な発達というのに二分化したわけです。その中で家族とか地域とか、あるいはそれぞれ人間の利益に関係のない、あるいは権力関係にないさまざまな組織、集合というものが機能しなくなった。要するに、人間の、あるところに帰属するというものの本能を救う場所がなくなった。そのためにさまざまないわゆる中間と言われる団体といいますか組織というのが存在してきていると。 NPO活動なんかもそうだと思いますが、私は将来、経済的にもあるいは社会的にもここの層がやっぱり非常に活性化し、健全化し、そして大きな活動の原動力となることによって人類の発展がある、こういうふうに思っているわけなんですが、どうもこの法律を、そんなに勉強したわけじゃございませんが、皆さんの意見を聞いてみると、単に公益法人か利益法人か、中間にいろんなものがある、いろいろ必要性もあるので、一種の官のコントロールにおいて規制の立場で位置づけておこうという、法務省としては当然かもわかりませんけれども、いわゆる味のないといいますか、温かみのないといいますか、我々人間が将来社会をよくしていこうというものに対する理解がどの程度この法律の立法意図の中にあるかどうかということが大変疑問なんです。 その点について、そういう問題意識というのが立案されるときにあったかどうかということをちょっと大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(森山眞弓君) 先生の御発言の最初の部分、つまり普通の人間が自分の居心地よく属することのできる場がだんだんなくなってきて、それを救うためにいろんな今までなかったような活動が団体あるいはグループとして起こってくるであろうとおっしゃるところまでは私も全く同感でございます。 そのような結果、いろんなグループができてまいりまして、活発に活動し発展していきますためには、やはりそのグループが希望すれば法人格を持って、例えばわかりやすく申せば、銀行の口座を持つことができるようになるわけでございますので、そういう意味では発展のための大きな手助けになるというふうに私は思います。そういうことをしたくない方にしろと言っているわけではありませんので、希望される場合にはそういう機会が与えられると。 これは官がコントロールするとかいう趣旨のものではございませんで、希望した方が最低の住所、氏名その他の簡単な条件をはっきりさせれば、登記をすることによって、準則主義ですので、すぐ法人格を取得することができるわけでございます。よほど甚だしく不法なことをしたとかよほどひどいことでもあれば、それは最終的に解散命令というのがありますけれども、それ以外の普通の活動についてはだれも何のコントロールもする予定ではございませんし、そのような立法意図は全くございません。
○平野貞夫君 これは質問ではなくて要望をしておくんですが、先ほど局長さんからも、福島先生から、将来的にどう考えるかといった場合に、全くこれはそのときに考えますという話だったんですが、その気持ちはよくわかるんですが、場合によったら今まで国家がやっていたような、代替するような活動、行為を中間法人はやる場合もあると思うんです。例えば、地域マネー、エコマネーというのが言われているわけですが、こういうものもある意味では中間法人の中で行われるようなことだってあり得ると思うんです。 したがって、今、大臣がお話しになったように、人間のことですからいろいろいいことばかりはしませんから、当然、罰も要るでしょうけれども、どうかひとつ、非常に人類の救済になる一つの集団、団体、組織であり、それをどう国側が手当てしていくかということでございますので、今のお話を聞きまして安心しましたので、質問を終わります。
○委員長(日笠勝之君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 中間法人法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(日笠勝之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、江田五月君から発言を求められておりますので、これを許します。江田五月君。
○江田五月君 私は、ただいま可決されました中間法人法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び自由党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中間法人法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の努力をすべきである。 一 非営利団体に関する法人制度については、非営利団体の活動が社会及び国民生活にとって重要なものであることを踏まえ、社会の変化に十分対応することができる制度とする観点から、公益法人に関する法制の見直しを含め、その基本的な法制の在り方を速やかに検討すること。 二 公益法人制度の在り方が社会的批判を招いている状況にかんがみ、公益法人として真にふさわしい事業内容と運営を確保するため厳正に指導、監督を行うとともに、公益性の乏しくなった法人については中間法人への転換その他の是正のための必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(日笠勝之君) ただいま江田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(日笠勝之君) 全会一致と認めます。よって、江田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森山法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山法務大臣。
○国務大臣(森山眞弓君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(日笠勝之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(日笠勝之君) 速記を起こして。 ─────────────
○委員長(日笠勝之君) 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者衆議院議員山本幸三君から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員山本幸三君。
○衆議院議員(山本幸三君) ただいま議題となりました債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、債権回収会社の取扱債権の範囲を大幅に拡大し、あわせて債権回収会社の業務に関する規制の一部を緩和するためのものであり、債権回収会社の機能を強化することにより不良債権処理及び資産流動化を一層促進するとともに、倒産処理の迅速化を図ることを目的とするものであります。 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、貸金業の規制等に関する法律に規定する貸金業者が有する貸付債権については、現行法においては、金融機関と特殊の関係にある貸金業者が有する不動産担保つき、かつ事業者向けの貸付債権のみが取扱債権とされておりますが、こうした制約を撤廃し、貸金業法に規定する登録貸金業者が有する貸付債権については、すべて債権回収会社が取り扱えることとするとともに、資産の流動化に関する法律に基づいて設立された特定目的会社等を用いた流動化の対象となっている金銭債権や法的倒産手続中の者が有する金銭債権などを新たに取扱債権に加えるなど、その範囲を大幅に拡大しております。 第二に、債権回収会社の業務に関する規制を一部緩和しております。すなわち、現行法においては、債権回収会社は、特定金銭債権に係る債務であって利息制限法に定める制限額を超える利息の支払いを伴い、またはその不履行による賠償額の予定が同法に定める制限額を超えるものについて、債務者等に対し、元本等も含めその履行を一切要求してはならないこととされておりますが、これを改め、債権回収会社がこうした債権について適法利息に引き直した上で利息及び元本を請求することを可能としております。 以上が本法律案の趣旨であります。 よろしく御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(日笠勝之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十一分散会