文教科学委員会 第10号
- 発言数
- 139 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/05/31
会議録
○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十五日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として日下部禧代子君が選任されました。 また、昨日、石田美栄君及び小林元君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君及び藁科滿治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に内藤正光君及び荒木清寛君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国立学校設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に人事院事務総局勤務条件局長大村厚至君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君及び文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(市川一朗君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿南一成君 おはようございます。 自由民主党の阿南一成であります。 五月二十四日に引き続き、きょうは講座制に関する規定の削除についてお伺いいたします。 昭和四十三年の一月、東京大学医学部無期限ストライキを皮切りに起こりましたいわゆる東大紛争はそもそもこの講座制に対する批判が発端であったことは周知の事実であります。 私は若いころ、この東京大学を管轄する本富士警察署長をしておったことがあります。議員になってから、当時の東大紛争の原点におられた方、相手側でありますが、その方も現在議員になっておられまして、議員会館のエレベーターの中で乗り合わせ、お互いにあいさつを交わす中に若き日のいろいろなことを思い出し、万感胸に迫るものがありました。 エニウエー、紛争の際、医局員が出した声明には、異常社会集団と表現された医局が医局員を無気力な従属状態に置き、医学部教授会を封建的、独裁的なものとしてきたと述べております。 医学部の講座制を舞台として書かれた有名な小説に山崎豊子の「白い巨塔」があります。そこでは講座制の持ついろいろな弊害が生の姿で書かれております。 例えば、講座制のもとで見られる教授の権力について、外部から見れば国立大学医学部の教授と助教授との地位は紙一重もしくはたった一段階の違いぐらいにしか見えない、しかしながら現実には教授と助教授の差はばかばかしいほどの差があると。あるいは、医局の中で助教授の役目は、講師と有給助手とその他はすべての無給の助手と研究生という大世帯の統率と、さらにはよろず承り役であると。したがって、助教授などというものは、次期教授を約束されておればこその助教授でありまして、万年助教授など軍隊でいえば内務班の班長のようなものだ、医局内部の雑務を一手に引き受けて教授の縁の下の力持ちを務める割の合わないポストであると小説は描いております。 大学の医学部内部では、たとえ教授の診断が間違っていても、それに批判を加えたり訂正をすることはタブーになっている。たまたま教授より助教授の方がすぐれているということがあったとしても、公に知られることすらいけない。それを今、君と僕とで教授の診断に訂正を加えるような形をとってみろ、二人ともたちどころに地方へはじき出されると。正しい診断よりも教授の権力の方が強大だというのが大学の医学部の現実である、その現実にある程度妥協しないとお互いに教授にはなれないよと、助教授同士の会話も出てまいります。 小説ではこの後、医局内ではさまざまな権謀術数が繰り広げられまして、小説でありますから幾らか誇張もあると思うのでありますが、いずれにいたしましても医局を通して講座制のありようを端的に示したものだと私は考えております。 この「白い巨塔」が刊行されたのは東大紛争とほぼ時を同じくする昭和四十年、今から三十五年も前のことでありました。そのころから、いや、もうそもそも終戦直後からであろうかと思いますが、さまざまな形でこの講座制の弊害が指摘されたにもかかわらず、大部分の国立大学においては教員組織として講座制をとってきたのであります。 私は講座制が既に確立してきた学問研究あるいはいわゆる輸入消化型の研究手法には効果的であった面もあろうかと思います。したがって、その制度全体を否定するものではありません。しかしながら、個々の研究者の自由な発想を生かすという観点から見た場合には、非常に抑圧的な組織であったのではないかと私は考えております。 〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕 各大学は自由に教員組織を編制できるようにするという今回の改正は時代が求めるものであり、国立大学における教育研究を活性化させるための改革というふうに私は見ております。 この東大医学部のいわゆる青医連の紛争を発火点にいたしまして、全国津々浦々の大学に燎原の火のごとく大学紛争が広がっていきました。そして、その現場において、多くの多感な学生と、治安維持の最前線をその任務とする若き機動隊員、彼らは「この世を花にするために」という歌を信じつつその職務に精励したのでありますが、その若者同士の間に不毛とも思える多くの血が流れたのであります。遠山大臣も当時東大の学生であったわけでありますから覚えておられると思いますが、この国会議事堂の前で東大女子学生樺美智子さんが警視庁機動隊とデモ学生との攻防戦の中でその若いとうとい命を落とされました。 私は、今回のこの一連の改正になぜもっと早く着手しなかったのか、なぜ今なのかという思いを持つものであります。日本の教育行政に一貫して携わってこられた遠山大臣に率直なその御感想、御見識をお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘のように、講座という制度は非常に安定した組織のもとでの教育研究の継承発展に寄与してきた点において非常に意義を有するものでして、日本の大学発足以来この制度があったわけでございますけれども、他方で、閉鎖的、硬直的な運営に陥りがちというような指摘もあったことは確かでございます。 そのような指摘がございまして、既に昭和五十年代に大講座制というものを取り入れまして、近いような講座を統合して、教授、助教授、助手の構成が固定的でないように、しかも学際領域の教育研究にも柔軟に対応できるような、そういう組織への転換が図られまして、かなり多くの大学でこのような制度を使うようになってまいっておりました。 しかし、その後、やはり大学についてもっと本格的な改革を行うべきということで大学審議会が発足しまして、大きな大学改革のうねりが始まったと思っておりますが、その中で、今回の改正で取り上げましたのは、たまたま、それまでも議論はあったわけでございますが、昨年十一月に大学審議会での答申がございまして、それを受けて、これまでの弾力化の取り組みというのをさらに進めて、今のいろんなニーズに機動的に対応できるようにより柔軟に組織編制ができるようにしていくという趣旨で今回改正をお願いしているわけでございます。 時代時代にいろいろな手は打たれたわけでございますが、今回のこの改正が成立すれば、まさにまた一歩大学における教育研究の活性化が図られると考えております。
○阿南一成君 ありがとうございました。 現在、国立大学の独法化について検討がなされておることを承知いたしております。仮にこの独法化が実現した場合、競争的環境のもとで各大学はそれぞれの特色を打ち出した教育研究を行っていくことになると思います。その結果、各大学は、効率性や採算性を追求する余り、その研究や教育は短期的に成果が得られるものあるいは派手なものに流されて、地道で重要な研究及び教育が切り捨てられるのではないかと心配をするところであります。 〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕 例えばインド哲学のように、地道ではありますが学問的には極めて価値の高い研究、そして教育を通じてその成果を後世に伝承していくもの、こういったものはやはり私立大学にはなじまないと思います。国立大学においてのみ可能であろうかと思うのであります。そして、私は、これらの学問の研究は我が国における知の創造、伝承でもあり、極めて重要な側面であると考えております。 そこで、国立大学が独法化していく場合、あわせて我が国の高等教育及び学問研究に関して国の責任において長期的な展望、政策目標を検討しておくことが重要だと、こう考えておりますが、大臣の御見識を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘のとおり、今後、日本が知的存在感のある国として発展していきますためには大学の役割というのは極めて重要でございまして、国立大学独法化ということで、単に効率化を図っていく、便宜化を図っていくということだけでは済まないと思っております。 日本の高等教育及び学術研究のあり方に関しまして、国全体の視野から長期的な展望や政策目標を検討していくことは非常に重要なことであると私も考えております。これらにつきましては、現在、中央教育審議会、この中には大学分科会があるわけでございますが、かつての大学審議会の変身でございますが、それと科学技術・学術審議会、この下には学術分科会がございますが、この双方で今鋭意御審議をいただいておりまして、委員御指摘の方向で考えてまいりたいと思っております。 それによって、高等教育と学術研究の今後のあり方について、議論されるところは別でございますけれども、一体的な振興についてその角度から検討していただいて、それを踏まえた総合的な施策を展開してまいりたいと考えます。
○阿南一成君 次に、医療技術短期大学部の廃止についてお伺いをしておきたいと思います。 平成五年から、毎年、二校あるいは三校の医療技術短期大学部の医学部保健学科あるいは看護学科への転換が進められておりまして、これまで十三の短期大学部が四年制に転換をいたしておるようであります。今回の改正におきまして、徳島及び長崎大学の医療短期大学部が四年制に転換するということでございます。残る短期大学部は八校となると御説明を受けました。 提案理由によりますと、四年制への転換を行う目的は、医学、医療の高度化、専門化等に十分に対応し得る専門的知識・技術、それから豊かな識見及び的確な判断力を有する資質の高い看護婦等の医療技術者の育成であると考えます。この高度化、専門化に対応した適切な医療、充実した医療が行われるためには専門性の高い医療技術者の育成が急務であるということもよく理解ができます。高齢化社会にあって、医療の充実は国の最重要施策の一つでもあります。 そこで、今回の改正によって四年制に転換される二つの大学の学生の受け入れでありますが、御説明によりますと、平成十四年の四月から開始されますので、卒業生が出るのは五年後の平成十八年三月まで待たねばならないということのようであります。そうして、現在まだ四年制への転換が行われていない短期大学部は、北海道、東北、秋田、筑波、信州、京都、九州、そして熊本の各大学に併設されている八校だそうであります。私が見るに、いずれも中核的、基幹的な大学であり、医学部も高い評価を受けておるところであります。 そこでお伺いしたいのでありますが、四年制への転換は大学側の申し出を待った上で決定されることになるのであるか、どのような理由で転換がおくれているというか行われないのか、四年制の看護学科等に対する社会の要請についての大学側の理解、認識が不足をしておるのか、教員等の人材の確保に障害があるのか、それとも文部科学省側において予算措置等の制約が、財務省のシーリング等がかかっておって予算の問題でおくれるというのか、もし予算の問題であるとするならば我々文教委員も一肌脱ぐべきではなかろうか、こういうふうに考えるところであります。 それから、恐らく入学する学生はその大学が所在するところの県の人が多いと思います。そうであるとすると、早々に四年制に転換した大学の所在する県に住んでいる学生とそうでない学生とでは、医学部卒であるかどうかという名誉もさりながら、就職して、その将来の処遇にも差が出るものと思います。 私は今後は残りの短期大学部について前倒し的に転換を図ることを強く要望いたしたいと思いますが、前向きの答弁を期待いたします。
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生から御指摘がありましたように、近年の医療の高度化ですとかあるいは人口の高齢化の進展に伴いまして、その専門知識・技術のみならず、豊かな人間性ですとかあるいは的確な判断力を有する質の高い看護婦等の医療技術者を大学において養成することは極めて重要だというふうに思っております。 ですから、質の高い人材の養成、この目的のために、各大学の準備状況ですとか、あるいは財政事情等がどうなっているのか、このあたりがその判断の基準になるわけであります。ですから、この目的を果たせる限りにおいて、大学においてカリキュラムですとかあるいは教員の準備ですとかいったものが整い、そしてなおかつ財政状況が許せば、文部科学省としては、これはもうできるだけこの転換を進めていきたいというふうに思っています。 ですから、この準備状況、財政状況が許す限り、残りの八校につきましてもできる限り前向きにその転換を進めていきたいと考えておるところでございます。
○阿南一成君 ありがとうございました。 次は、報道によりますと、海の日とか敬老の日がありますが、それを三連休にふやすという法案を今国会に提出されると聞いております。以前にも、成人の日あるいは体育の日を月曜日に移したものがありました。これは喜ぶ人もあるんですが、喜ばない人もあるわけでありまして、中小企業や商店街、病院関係者の皆さんの中には、これ以上連休がふえては困るという方もおります。 私はこの三連休法案は学校教育にも大きな影響を与えるのではないかと思っています。議員立法であろうと思いますが、文部科学省は何らかの形で関係者に意見を述べたことがあるのか、あるいはまた意見を求められたことがあるのか、ちょっと聞いてみたいと思うわけです。休日の増加が月曜日に偏ることにより、学校現場においては、月曜日のカリキュラムの立て方、実行の仕方に問題が生ずることはないのかと思います。 なお、これは政府参考人に答弁をお願いしておりますが、二十二分までが私の持ち時間で、極めて重要な質問を有馬委員がなさるので、有馬委員の時間に食い込まない程度でぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(矢野重典君) 本年度、国民の祝日として休業日となる月曜日は年間六日あるわけでございますけれども、各学校におきましては、学期末の短縮授業あるいは学校行事の見直し等を行いまして休業日分の授業時数を確保しているところでございます。 そこで、国民の祝日に関する法律が改正された場合でございますが、今後十年間で最も多い年、これは平成十九年度になるわけでございますけれども、年間で八日の月曜日が休業日になるわけでございますけれども、この場合にも、各学校におきましては現在と同様の工夫によって必要な授業時数の確保が図られるものと考えているところでございます。 また、休業日の過ごし方につきましては、これは、家庭や地域が一体となって教育に取り組む、そういう観点から、地域における学習活動あるいは文化・スポーツ活動などさまざまな活動の場を地域で確保して、休業日を子供の成長にとってより有意義なものとすることが大事であるわけでございまして、文部科学省といたしましても全国子どもプランなどを推進しているところでございますが、今後とも各地域において子供たちが有意義な休業日を過ごせるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○阿南一成君 終わります。
○有馬朗人君 先ほど阿南委員より講座制の問題がありましたけれども、医学部はともかくとして、かなり多くのところで、遠山大臣がお答えになられたように、既に大講座制も行われていますし、小講座制でも工夫して、随分講座制の欠点はもう既になくなっているところが多いと思っております。 さて、まず第一に、国立大学法人化の問題、先ほど阿南委員からも御質問がありましたが、この点についてお伺いいたしたいと思います。 一九九九年四月二十七日の閣議決定で、国立大学の独立行政法人化については大学改革の一環として平成十五年までに結論を得るとされました。一九九九年九月二十日であったと思いますが、国立大学長・大学共同利用機関長等会議の席上、文部省より国立大学の独立行政法人化の際の基本的な方向の説明、私もいたしましたし、当時の高等教育局長よりさまざまな説明があり、さまざまな提案が行われました。 その後、文部省でも、先ほど遠山大臣がおっしゃられたように、御検討になっておられると思いますし、国立大学協会、さらには各国立大学で真剣な検討が行われていると聞いておりますが、その経緯について遠山大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 我が省におきまして、御指摘の平成十一年の閣議決定を受けまして、平成十一年九月の国立大学長会議において国立大学の独立行政法人化を検討する場合の基本的な考え方や方向を明らかにしたところでございまして、そのときの有馬大臣の大変な御努力といいますか、心中をお察しいたしまして、そこまで持ってこられたことについて敬意を表したいと思います。 その後、各国立大学長との意見交換等を経まして、昨年五月の国立大学長会議におきまして、一つは、大学の特性に配慮しながら、独立行政法人通則法に一定の調整を図り、法人化する方向で制度の具体的な内容についての検討に着手すること、そして、検討課題が広範にわたりますために、国立大学関係者や各界の有識者によって構成される調査検討会議において検討を行うということで、今年度中に取りまとめをお願いすることとしたわけでございます。このときは中曽根大臣でございました。 これを踏まえまして、昨年の七月以来、調査検討会議を開催いたしまして、国立大学が法人化した場合の制度の具体的な内容について検討を進めておりまして、本年の秋までには中間まとめを、平成十三年度中に最終報告を取りまとめる予定でございます。 また、今御指摘の国立大学協会におきましては、平成十一年九月に第一常置委員会が国立大学が法人化する場合の諸条件について中間報告を取りまとめまして、また昨年の七月には設置形態検討特別委員会を設置しまして、今日まで国大協として国立大学を法人化する場合の制度設計について鋭意御検討をいただいているところでございます。そのように承知いたしておりまして、また同時に学内においてもさまざまな検討が行われていると思っております。 我が省といたしましては、この関係者の御意見を受けながら、引き続き真剣に検討してまいりたいと考えております。
○有馬朗人君 ありがとうございました。 私は行政改革会議で国立大学独法化の提案がありましたときに委員といたしまして反対をいたしました。その理由のうち大きな点が二つありました。その二つのどちらも、高等教育にもっと国や地方自治体が寄与すべきであるということであります。 国際比較をいたしますと、日本ほど私学に頼っている国はありません。ドイツでは一、二校を除いてすべて州立、フランス、イギリスは一、二校を除いて国立であります。アメリカと日本は全大学のうち七五%程度が私学という点では共通でありますが、そこで教育する学生数はアメリカでは四〇%弱でありまして、六〇%は州立大学が受け持っております。それに反して、日本は七五%を私立にゆだねており、二五%を国立、公立で教育しています。私はもっと国公立の教育の役割を増すべきだと主張した次第であります。 次に、お手元に資料がお配りしてあると思いますが、高等教育への公財政支出の割合であります。二〇〇〇年版のOECDの調査、これは一九九七年ごろの資料に基づいていると思いますが、国内総生産に対してアメリカは一・四%、イギリスは〇・七%、フランスは一・〇%、ドイツ一・〇%ですが、日本は〇・五%にすぎません。私は日本の百分率が余りにも低いと思うのです。 もっとも、平成十三年度版の文部科学省の「教育指標の国際比較」によりますと、アメリカは一・一%、イギリスは一・四%、フランスは一・〇%、ドイツ一・五%であり、日本は〇・八%であります。この差はOECDの調査よりは少ないのですが、それでもアメリカの七三%、イギリスの五七%にすぎません。さらに、日本の数字は一九九八年、イギリスは一九九七年、アメリカは一九九六年などの年度差があることを考えに入れますと、この差はもっと大きいのかもしれません。 私は、日本の国の構造改革の一つとして、この高等教育に対する公財政支出の割合を何とかふやしていただけないかと希望いたします。そして、国立大学の悲劇的な施設の改善や私学助成の強化を図っていただきたいのであります。遠山大臣の御方針、お覚悟を御表明いただければ幸いでございます。
○国務大臣(遠山敦子君) 有馬委員御指摘のとおりでありまして、日本における高等教育への公財政支出の割合は極めて低いところでございます。私も同様に、高等教育なりあるいは初等中等教育なり、文化も含めまして、こういう本当の将来に向かって先行投資になるような分野にどうして日本は投資が少ないのであろうかと常々考えておりまして、御指摘のとおりと申し上げたいわけでございますが、同時に大変厳しい財政状況のもとでございます。そんな中で何を優先していくかということで一国のあり方が問われるのだと思います。私どもも大いにこの点については努めてまいりたいと思います。 それから、特に国立大学の自然科学系の研究の条件でございますが、有馬委員が貧乏物語として明瞭に語られましたように、素晴らしい研究をしていくには余りにも条件がよくないと。そういうことも十分私ども承知いたしておりまして、先月、国立大学等施設緊急整備五カ年計画を策定いたしまして、重点的、計画的に整備を図ろうとしているところでございます。この点と、それから私学に対しましても、私学も大変重要な役割を担っておりますので、経常費補助やあるいは教育研究施設設備等に対する補助の充実を図ってはまいりましたが、まだ一層努力をすべきことであると考えております。
○有馬朗人君 大変ありがとうございました。期待をいたしておりますので、よろしくお願いいたします。 国立大学の法人化に私は先ほど申しましたように反対いたしましたが、その後賛成に変わりました。私は君子とは決して思っておりませんが、豹変いたしました。 その理由は、諸外国の国立、公立の大学のほとんどが法人格を持っているということを文部省が調査され、私自身も調査をいたしまして知ったからであります。そして、法人格を持つことによって予算の執行や人事においてはるかに自由度が得られ、真の意味で大学に自治が与えられるからです。ここで私は法人化と言い、独立行政法人化とは言いませんでした。それは大学での研究や教育は行政を目的とするものではないからであります。 ここで幾つか大臣に御質問申し上げます。後にまた副大臣にも御質問申し上げます。 まず第一に、難しい問題と思いますが、独立行政法人ではなく大学法人というふうにしていただけるだろうか、これが第一問。第二問は、大学法人化によって、予算や教員だけでなく、事務官、技術職の人々の人事も大学の自由意思で行われるようになるのでありますか。三番目に、文部省はどのようにして大学の評価を行い、中期目標を立てるのでしょうか。その際、大学相互、社会人を含めた大学人相互の評価、大学自体の自律的な教育研究目標を十分に考慮に入れていただきたいと思いますが、どういう御方針か。 まず、この三問について遠山大臣にお伺いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 国立大学の法人化に当たりまして、これは運営の自主性あるいは自律性、特に高度の専門性を持つものでございまして、そうした大学の特性を十分に踏まえた制度となるよう留意する必要があるというのはお考えと同じでございます。法人の名称につきましても、大学教育及び学術研究を主体的に展開するという大学の基本的な性格が適切に反映されることが望ましいと考えております。 ただ、今どのようにするかということは申し上げられる段階でございませんで、現在、調査検討会議におきまして、法人の名称を含めて専門的に御検討いただいているところでございます。それが第一点でございます。 それから、第二点でございますが、大学法人化によって、予算や教官だけでなく事務、技術職人事も大学の自由意思で行えるようになるのかということでございますけれども、これは当然ながら法人の長が事務職員、技術職員等、すべての職員についての任命権を有することになるわけでございます。独立行政法人がそういうことでございますので、国立大学の法人化についても同様の方向で検討を行っているところでございます。 あと、評価のことにつきましては副大臣の方からお答えしてもよろしゅうございますか。評価の関係ですね。
○有馬朗人君 はい。
○副大臣(岸田文雄君) 評価、そして中期目標についての御質問でございました。 通則法による独立行政法人におきましては、主務大臣が中期目標を定め、これを当該法人に指示することとされております。また、当該法人は、中期目標期間中の実務の実績について、主務省に置かれる評価委員会による評価を受けなければならないとされております。これは通則法における独立行政法人一般の仕組みであります。 こういった法律の状況に対しまして、文部科学省におきましては、国立大学の法人化につきまして有識者による調査検討会議を設け、具体的な制度のあり方等の検討を進めているところでありますが、この中で、御指摘の中期目標の作成や業務実績の評価のあり方についても、留意する観点としまして、大学の自主性を尊重する観点、そして評価の専門性に留意する観点、この二つを大切にしながら議論を進めているところでございます。 そして、具体的には、中期目標の作成手続については各大学が文部科学大臣に中期目標案を提案し、そして大臣の方は各大学の意見を十分聴取して、その上で中期目標を作成するといった案などを今検討しているところでございます。 また、評価についてでありますが、中期目標期間中の業務の実績に係る評価については、まず各大学がみずから厳正な自己点検・評価を行い、さらに教育研究に関する事項については大学評価・学位授与機構が専門的な観点から評価を行い、そしてさらにその上で文部科学省の評価委員会がこれらの結果やその他の各種の自主的団体の行う評価結果等を参考として総合的な評価を実施するといったような案を今検討しておるところでございます。 いずれにしましても、大学の特殊性に配慮した仕組みが必要だという認識のもとにこういった検討をしておるところでございます。
○有馬朗人君 どうぞよろしくお願いいたします。 各大学に特徴があり、やはりその専門の人々でないとわからない教育内容があり、研究内容がございますので、その点は十分御検討を賜りたいと思います。 さて、先ほど阿南委員が指摘されました大変重要な点がございます。そのことについてお伺いいたしたいと思います。 日の当たる分野は文部省から科学研究費補助金等、民間から奨学寄附金等を得やすいのでありますが、阿南委員がおっしゃられたインド哲学、私は常にサンスクリット研究を引用いたしますが、そういう分野、考古学、私の分野である理論物理学や数学のように、直接すぐには社会への貢献が見えないような分野の教育や研究をどのように維持するのか。私は、このような人類の英知を伝承し育てていくということは社会的なニーズに応じることと同様に大学の使命と考えておりますが、この点、どうお考えか。この点についてお伺いいたします。 もう一つそれにつけ加えて、日の当たらないような地味な分野の研究をどう支えていくかということでありますが、具体的に考えられますことは、外部から与えられた教育研究用の基金は、例えば五〇%ないし三〇%のオーバーヘッドを取ってそれを学長たちのもとに集め、大学の自主性で再分配する機能を導入すべきだと思っております。アメリカの大学に勤めていたころの経験から、このオーバーヘッドというのは極めて重要であると思っております。この点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。ぜひ、少なくとも三〇%のオーバーヘッドを大学が使える制度を確立し、その使用を、どこかでプールするのではなく各大学の自主性に任せて分配をさせていただきたいと考えております。 この点、岸田副大臣にお伺いいたします。
○副大臣(岸田文雄君) まず、一点目でございますが、先生御指摘のとおり、大学は社会の現代的な要請に適時にこたえることも大切でありますが、一方で、人類の知的資産の継承と未来を開く新しい知の創造等、さまざまな面において社会の発展を支えていく中心的な役割を果たすことが期待されているという認識でおります。 ですので、例えば先ほど出ました独立行政法人制度の議論にしましても、この独立行政法人制度は、民営化が難しく、公共上の見地から確実に実施される必要がある事業を対象としており、このため、独立採算性ではなく、独立行政法人制度においても国における所要の財源措置が前提というふうに認識しております。 ですから、こうした前提に立てば、独立行政法人化が進んだとしましても、基礎的な学問分野、直接社会への貢献が見えにくい基礎的な学問分野につきましても切り捨てにつながることはないものと認識しておりますし、ないようにしなければいけないと考えておるところでございます。それが一点目のお答えでございます。 それから二点目、オーバーヘッドにつきまして御指摘がございました。 平成十三年度より、競争的資金を獲得した研究者の属する研究機関に対して、間接経費として当面競争的資金の三〇%を配分するということとしておるところでございます。 文部科学省関係の主要な競争的資金において総額八十九億円計上しておるわけでありますが、文部科学省としましては、今後とも、例えば国立大学の独立行政法人化の検討に際しましても、自己努力が報われるような制度設計を図ると同時に、大学の財政基盤が強化され、競争的な環境を通じて一層我が国の高等教育が高度化、活性化していくこと、この二つを念頭に置いて充実を図っていかなければいけないというふうに思っております。 そして、今、最後に先生の方からこの運用につきまして御指摘がありましたが、その点につきましても今のその考え方のもとに具体的に弾力的に対応していかなければいけないという認識でおります。
○有馬朗人君 たびたび申し上げることでありますが、オーバーヘッド制度というのは日の当たらない分野を育てる上で極めて重要だということを申し上げておきたいと思います。 さて、極めて現実的な質問に入らせていただきます。これは高等教育局長にお答えいただいた方がいいかもしれません。 第二次ベビーブームに伴って人口増がありましたね。十八歳の人口は、ちょうど私が東大の学長をしているときでありますが、一九九二年に頂点に達し、二百五万人になりました。それに対応して文部省は各大学に臨時定員増を要請され、それに伴って国立大学の場合には教官数も臨時に増してくださったことがありました。 さて、十八歳人口は逆に急減しています。ことしは既に百五十万人、二〇一一年には百二十万人になります。私はこの点を非常に心配しているわけであります。 各大学は臨時定員の分をかなりの部分減らしましたが、この人口減の割合には到底及びません。もし比例させるといたしますと、東京大学の例では、一九九二年の入学定員は臨時増をした結果三千五百八十六人であったと思います。現在の入学定員は三千二百五十三人、これを人口に比例させますと二千六百二十四人にしなければなりません。今、六百人余計にとっておるわけです。二〇一一年には二千百人ほどにしなければなりません。 このように、十八歳人口の急減にもかかわらず各大学の定員は余り減らしていない。そうすれば、当然大学生の学力は、平均値は下がると思いますが、どうお考えでしょうか。現に学力が下がった下がったと主張される人々はほとんどが大学の教員であるというのはもっともだと私は思っています。 かつて人口増に対しては極めて適切な臨時増を文部省として実行されましたが、逆に十八歳の人口が減った際、学生定員をもっと減らすという考えはないのか、お伺いいたします。 二点目であります。 もし減らさないならば、各大学は大学での基礎教育を強化すべきだと思います。その時代に教養部を解体してしまったというのは、私は大失敗であったと思っているわけです。先が見えなかったということを大変残念に思っています。東京大学はこのことを予見して、幸い学部でありましたので、教養学部を強化いたしました。 この教養部解体に関して、文部省として再建するお考えはないか。もし再建ができないならば、どのような方針でお進めになるか。できれば、まずは大臣あるいは副大臣より御意見を賜り、高等教育局長より具体的なお返事をいただければ幸いであります。
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生から人口減との比較において大学の定員についての御指摘をいただいたわけですが、十八歳人口の減少の中で大学教育全体の質の維持向上を図る観点から、現実、大学の学部定員の全体規模については基本的に抑制的に対応して、国立大学の学部について言うと、平成四年が十万二千三百四十四人、平成十三年が九万七千三百三十七人ということでありますから、五千七人減少させているわけであります。しかし、人口比との関係でまだこの辺は不十分だという御指摘だと思います。 こうした御指摘は真剣に受けとめなければいけないと考えておりますが、一方で、現代社会が高度化し複雑化しあるいは専門化していく、こうした変化に応じ、あるいは高度な課題探求能力や専門的知識を有すること、こういったことが社会生活を送る上で広く求められているように認識しております。こうした時代の変化ですとかあるいは国民の大学への進学意欲、こうしたものもしっかりと受けとめていかなければいけない、この辺のバランスをどう考えるかということだと思っております。 そして、二点目の問題で、今後もっと減らすのか、どうだという御質問でございましたが、やはり傾向としましては、人口比は、全体としてこうなっておりますので、減少させる方向には進めていかなければいけないとは思っておりますが、先ほど言いましたような社会のニーズあるいは国民の進学意欲をどう受けとめるか、この辺の観点の中でどのぐらい減らしていくのか。さらには、これは要は予算との関係、財政との関係もあります。その議論の中でその数字は固まっていくものだというふうに思っております。 そして、三点目、基礎的な学力、教養部のあり方、これについての御質問であります。 平成三年の大学設置基準の大綱化によりまして各大学の自由なカリキュラム編成が可能になったことに伴い、各大学の方針に基づき、教養部を廃止して専門教育と融合した教育体制としたわけであります。先生御指摘のとおりでありますが、このことは、昨今改めて教養教育の重要性が認識されていると考えております。そういった動きをしっかり受けとめて、実質的な充実に向けては現在各大学の主体的な取り組みに任せられているわけでありますが、この主体的な取り組みの中で教養教育の重要性、これをしっかりと受けとめていただけるように対応をお願いしていかなければいけない、そういった認識で文部科学省としてはおるところでございます。
○有馬朗人君 本来、特殊法人の研究所を独立行政法人の研究所にすべきであるということを私は主張いたしたく思いました。そして、そのことについて青山副大臣のお考えをお聞かせいただきたかったのですが、時間が参りましたのでまた次の機会にやらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○内藤正光君 民主党・新緑風会の内藤正光でございます。 今回の法律案は大きく言って二本の柱から成っておるわけでございまして、一本目は医療短期大学部の廃止、そして二本目は講座、学科目の編制の自由化等でございます。 ちょっと時間の関係もございまして、二つ目の講座、学科目の編制の弾力化、こちらから質問をさせていただきたいと思います。 今回、この講座、学科目に関する規定が削除されて、編制が弾力化、すなわち自由化されたと。これは全く異論がないわけでございます。 そこで、まず大臣にお尋ねしたいのは、どんな問題意識に基づいて今回のこの法改正につながっていったのか、その問題のところをどのように御認識されているのか、お話をお聞かせください。
○国務大臣(遠山敦子君) 冒頭での阿南議員からの質問にもお答えいたしましたけれども、日本の大学の教育研究の単位として講座というのは長い歴史を持ってまいったわけでございますけれども、しかしながら講座制にはメリットもありデメリットもありというふうに言えるかと思います。 メリットといたしましては、それが安定した組織のもとで教育研究を継承し発展させていくということに寄与してきたことが挙げられると思いますし、講座のスタッフの責務が明確であるということなどが挙げられると思いますけれども、一方、デメリットといたしまして、ともすれば閉鎖的、硬直的な運営に陥りがちであったこと、またそういうスタッフのメンバーが固定的でございますので、変化の著しい社会の要請あるいは学問の進展に必ずしも十分対応できないというようなことがあると思われます。 他方で、近年、教育研究の進展やあるいは社会的需要にこたえて教育研究活動を効果的に推進するという観点から、大学審議会や学術審議会におきまして、教員組織の編制について、各大学の自主性によって柔軟な設計あるいは機動的な対応を可能とする方向で検討していくことが適当であるとの御提言をいただいているところでございます。 そのようなことから、国立大学の教員組織につきまして、省令で講座等の種類などを定めることをやめまして、各大学の判断で自由にいろんな形の組織単位というものを編制できるようにしたいというのが今回の改正の趣旨でございます。
○内藤正光君 すなわち、各大学の判断に基づいて自由に学科目あるいはまた講座が編制できるようになれば、講座制が持つと言われているいろいろな、いい面もあることは認めますが、その一方でいろいろな悪い面もある、閉鎖的な人事制度等々がその最たるものだとは思いますが、これが解消されるという理解でよろしいわけですね。
○国務大臣(遠山敦子君) 今御指摘のようなスタンスで今回の改正をお願いいたしております。
○内藤正光君 ところが、実態としましては、今ほとんどの大学、ほとんどの学部では大講座制というものが既にしかれておりまして、そしてその大講座制という枠組みの中で各大学が自由にいろいろ編制できると。そういった意味で、私は講座制が持つと言われているいろいろな問題点の幾つかの部分はもう既に解決されているというふうな理解ではいるんですが、そういう実態を踏まえて、なお今回の法改正でどういうふうに問題が解決されるのか、対応されるのか、そこを改めてお伺いしたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 先生から御指摘がありましたように、大講座制の採用によりまして講座制のさまざまな弊害、欠点と言われている部分に少しずつ対応がされてきたというのは事実でありますが、さらにその流れに加えまして今回の改正はどんな意味があるのかという御質問だと存じます。 基本的に各大学の自主的な決定が可能になるわけですが、年度途中でも適時に機動的に変更が行われる、さらには講座、学科目に限らず、研究室とかプロジェクトチームなど多様な教員組織の編制が可能になる、さらには新たな定員、予算措置を必要とせず入学定員の変更もない場合は学部、学科の枠を超えて教員の定員の移動が可能になるというようなこと、こんなことが考えられます。より弾力的な対応が可能になるというふうに認識しております
○内藤正光君 私の今回この法律を読んだときの理解は、あくまで学部、学科の下の講座だとか学科目だけの編制の自由だと思っていたんですが、それを超える学科だとか学部、そこまである程度柔軟性が今回もたらされる、そういう理解でよろしいですね。
○副大臣(岸田文雄君) 要するに、予算措置を必要とせず入学定員の変更がない場合ということでありますが、その枠内で知恵を絞ることができるということでございます。
○内藤正光君 予算措置が必要なければだとか定員の総枠が変わらなければという、かなり厳しい条件があって、果たしてどこまで実効性を有するのか甚だ疑問ではございます。 ただ、私がここでなぜこんな質問を冒頭させていただいたかといいますと、私は大学改革において今すぐにでも早急に断行すべき問題が山積してると思うんです。しかしながら、今回の改正では、悪い言い方をすれば、実態の後追い程度にすぎない、その程度の内容でしかないというふうに私は思っているわけでございます。 私は、大臣あるいは副大臣に申し上げたいのは、本当に今の日本の大学の置かれた状況を正しく認識しているのか、危機感を持って認識されているのか、本当に大学改革に早急に全力で取り組む気概があるのかどうか、ここをちょっとお尋ねしたいんです。
○国務大臣(遠山敦子君) 先生の御指摘の内容がどの点を指しておられるのか、まだお話しいただいておりませんのでわからないわけでございますが、大学改革自体への取り組みについて積極的であるということは、恐らく私は文部行政のこれまでのやり方を見ていただければ十分に証明できるのではないかと思います。 文部省であったころでございますけれども、大学改革というのを推進すべしとの臨時教育審議会の答申をベースにはいたしておりますけれども、それをすぐに実行に移すために答申が出て一カ月後に大学審議会を発足させて、それ以来、二十六の答申その他、法律改正等さまざまなことを行ってまいりまして、今日、日本の大学がとにかく大学を改革しなくてはいけないという自覚を持っていただいて、それぞれの立場、それぞれの特性に応じながら改革への取り組みをなさっていただいている、その基本をつくってきたと思っております。 しかしながら、二十一世紀の初めに当たって、まだまだ改革すべきものもありますし、今後新たな条件のもとで、もっと大学のそういう自主的な取り組みなり、あるいは創造的な知を増すためのいろんな努力に対して援助をしていくとか、さまざまな課題を抱えているということはもちろん認識いたしておりまして、私を初め我が省の関係者及び大学関係者の方々の意欲から見ても、私は日本の将来にとって大学改革というのが非常に大事なことであり、そしてそれについて取り組んでいくことが今日の諸課題の中でも重要なものの一つだという点では意見の一致を見ているところだと考えております。
○内藤正光君 では、大学改革という話が出てきましたので、実際に今議論されております大学の独立行政法人化について何点かにわたって御質問させていただきたいと思います。 独立行政法人化といえば、参議院の本会議で我が民主党・新緑風会の小林元議員の質問に対して、小泉総理は思い切って民営化することも賛成だということを堂々とおっしゃったわけでございます。条件は余りついていなかったかと思います。 この総理の答弁に対する遠山大臣御自身のお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) あの折の質問と答弁のやりとりを聞いておりました。 あのときのお話では、できるものは民営化、できるものは地方にと、ちょっと正確な言葉は覚えておりませんけれども、そのような趣旨であったと思います。恐らくそれは、今、小泉総理を中心として改革断行内閣ということで聖域なき改革をという一連の動きの中で、聖域がないということでありますので、国立大学についてもそういった角度も必要であろうという意味のことであったと思います。 今、答弁の内容が参りましたけれども、「国立大学でも民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという、こういう視点が大事だ」ということでございまして、明瞭に民営化ということだけを言っておられるのではないと思います。 私自身の考え方といたしましては、大学の持っている社会における重要性、将来の一国のあり方を決めるような非常に重要な使命を帯びている大学というものについてどうあったらいいかという角度の十分な議論の上で、もちろん可能なものについては、特に機能のうち民間にゆだねられるものがあればこれをゆだねた上で法人化をしていくという視点は大変大事であろうかと思っております。私自身の考え方といいますよりは、やはり今どういう立場で文部科学省としてこの問題に取り組んでいるかということを御説明した方がいいかと思いますけれども、今我が省では、一昨年と昨年の閣議決定を踏まえて、国立大学の法人化について、大学改革の一環として具体的な制度のあり方等の検討を進めているところでございます。という意味は、大学を本当に生き生きしたものにしていく、そして日本の将来にとって力強い存在であるようにしていくにはどうしたらいいかという角度を中心としながら、その制度のあり方の検討を進めているところでございます。 その際、国立大学を法人化する場合でありましても、現在国立大学が担っている諸機能というのを十分に考えまして、先ほど申したように、民間にゆだねられるものがあればこれをゆだねた上で法人化するというような視点は当然のことと考えているところでございます。 先ほど来、有馬委員のお話にもありましたように、国際的に見ましても、高等教育については国、あるいは連邦制の場合は州でございますけれども、そういう国なり州なりが基幹的な役割を担っていると認識いたしているわけでございまして、単純に民営化という言葉だけで私どもとしてもなかなか受けとめにくいことはございますけれども、ただ今の大きな流れの中で、財政なり構造改革という流れとそれから大学の持つ使命と、そういったものの中でどういう形のものにしていくか、これが一番の私ども自体の関心事でもあり、それよりも大学人自身の自覚も促しながら今後取り組んでいく、そういう課題であろうと考えております。
○内藤正光君 大臣御自身のお考えは理解できました。 そこで、現在、国立大学は九十九あるわけです。九十九の国立大学はそれぞれに事情が違うわけです。全く違うわけです、いろいろな状況。すべてを同列に扱うことは難しい。そして、大臣御自身もおっしゃった、そしてまた総理御自身もおっしゃった、民営化できるものは民営化、地方移管できるものは地方移管へと。 ということは、こういう理解でよろしいんですか。独法化の議論はあくまで九十九ある大学をすべて独法化するとかそういう議論ではなくて、独法化するものもあれば民営化するものもあり、あるいはまた地方移管するものもありと、いろいろ多種多様。そしてまた、戦略的な発想から一部分国立大学として残すものもあるかもしれないと。そういう多様な方向性があり得る議論だというふうに理解してよろしいんですね。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来るる御説明しておりますように、目下、国立大学の法人化の問題について鋭意関係者による検討が行われているところであります。したがいまして、今のことを単純に御答弁申し上げますよりは、私どもとしましては、その場において、総理も言われましたような民営化なり地方移管のようなことも含めながら十分に検討されて、その結果を私どもはきちんと取り上げながら将来の姿を考えていくべきと考えております。
○内藤正光君 大臣は冒頭、単純にお答えするよりはとおっしゃったんですが、私はむしろそういういろいろな選択肢を視野におさめながら議論をしていくと言った方がよほど実のある議論が進んでいくんだと思います。むしろ、単純に九十九全部独法化するとか、いやそうしないとかという議論の方こそ私は余りにも物事を単純化し過ぎているんじゃないかと思います。 そしてまた、少なくとも小泉総理のおっしゃったことを具体化するならば、いろいろな選択肢があるべきなんです。大臣も先ほどくしくもおっしゃったわけでございますから、私は今のうちからそういう選択肢をいろいろ視野におさめながら議論をされているというふうにおっしゃった方がいいと思いますし、またそうすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 今申し上げましたように、その検討の立場においてそういったいろんな選択肢があり得るということを当然視野に入れながら検討されるということを期待しているという意味でございます。
○内藤正光君 大臣ですから、期待しているというか、まず最初、議論をリードしていくときに、いろんな選択肢が混在していてもいいんですよというのをまず大臣の明確な意思として述べられるべきだと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(遠山敦子君) そういう可能性をもちろん持っているということは言えると思います。しかしながら、それは現在検討の組織に検討をゆだねているわけでございまして、今私が述べてきたような方向性を視野に入れながら検討されていくということでありまして、そういう御指摘のような考え方も視野に入れて十分検討したいということです。
○内藤正光君 この問題をずっと言っていても恐らく平行線で、なかなか明確な答弁が得られないと思いますが、そういう可能性も視野に、そういう可能性というのはすなわち単純にすべて九十九の大学を一まとめに扱うんではなくて、場合によっては一部独法化あるいはまた一部地方移管、一部民営化あるいはまた場合によっては一部分国立大学として残すようなものもあり得る、こういう可能性を視野におさめながら議論を進めていってもらうと、そして大臣はそれを期待するという理解でよろしいんですね。
○国務大臣(遠山敦子君) 先ほど来何度もお答えしておりますように、その検討の場面におきましていろんな外からの御意見なり期待なりというものにこたえられるようなそういう制度、システムというものを検討してもらいたいという希望を持っております。
○内藤正光君 文部大臣にぜひ国立大学の改革に向けた強いリーダーシップを期待したいと思います。 ではここで、仮に独立行政法人化をしたとした場合、その仮定において質問をさせていただきたいんですが、教員の身分がいろいろ言われております。国家公務員だとか、いや非国家公務員型だとかいろいろ言われております。どちらを選ぶべきだというふうにお考えでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 公務員型、非公務員型の議論につきましては、その法人の目的とか業務等を総合的に勘案した上でどっちになるべきかという判断がされるかと思いますが、その辺は今検討をお願いしているところでありますので、どちらになるべきかということは今の段階では申し上げるべきではないかなと思っております。
○内藤正光君 まだどちらになるかわからない、だから場合によっては非公務員型というふうな形に落ちつく可能性もあるということでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) それぞれのそのメリット、デメリットを比較しつつ幅広く検討しているわけでありますから、これは検討の段階において可能性としては、それは結論は両方あるというふうに考えるべきだと思っています。
○内藤正光君 率直なお考えをお聞かせいただきたいんですが、副大臣のお考え、どうあるべきかと、もしお持ちでしたらばお述べいただきたいんですが。
○副大臣(岸田文雄君) 公務員型、非公務員型、それぞれメリット、デメリットがあるということ、先生もこの辺は十分もう御案内のとおりだというふうに思っています。 また、この辺、それぞれのメリット、それから給与を初めとする待遇面等々、その辺も全部総合的に検討した上でどうあるべきかを考えていかなければいけないと思っておりますので、その辺は今検討状況を私もしっかりとお伺いしながらその整理をしていかなければいけないと思っておりますので、その検討状況をしっかりと見守っていきたいというのが私の今の立場でございます。
○内藤正光君 私は、今の国立大学の改革のポイントは、幾つかあろうかと思うんですが、やはりそのうちの大きなものの一つとして、大学間あるいはまた教員間の競争環境というものをどうやってつくり上げていくか、そこに一つの大きなポイントがあるんだろうと思います。 誤解していただきたくないのは、私は先ほど小泉総理の民営化賛成だという話を取り上げたんですが、何も私は国立大学を民営化すればすべての問題が解決するなどと簡単な単純な発想を持っていません。というのは、何も今の大学の抱えている問題は国立大学だけの問題ではなくて大学すべてが抱えている問題だと思うからなんです。ですから、私は、この問題を単に国立大学の独立行政法人化なんということで、あるいはまた民営化なんという問題に矮小化すべきでないという、私はそういう思いでおります。 そういった思いでこれからの質問を聞いていただきたいんですが、その中で、私も国立大学の出身ということもあるんですが、それだけに、別にそれはもう全く公平無私な立場で申し上げるんですが、私は国立大学の持つ潜在能力というのは本当に期待しているんです。だからこそ、国立大学というものがより大きく羽ばたくために、例えば障害となっているようなものがあればそれはどんどん早く取り除いてあげなくてはならない、そういう思いから私は質問をさせていただいているわけなんですが、本当に国家公務員という形態のままでそういういろいろな障害が取り除けるんでしょうか。先ほど給与の問題とおっしゃいましたが、果たして国家公務員という形態のままで給与の自由度はどれぐらい得られるんでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 給与についての御質問でございますが、給与につきましては、公務員型、非公務員型、いずれの場合でありましても、法人独自に定める給与基準に基づいて教員の実績に応じた給与決定が行われるものだと考えております。
○内藤正光君 その法人独自の判断でということなんですが、ただ私も、それを以前、文部省の方に聞いたら、独自とはいっても、例えば優秀な外国の先生を招聘するために五千万とか六千万払えるのか。あるいはまた、民間企業で働いている優秀な技術者なりそういった方々を例えば一千万かそこらで招聘できるなんというのは到底考えるべきじゃないと思います。そんなのはもう非現実的です。やっぱりそれなりの処遇で迎え入れなきゃいけない。そういったことは可能ですか。
○副大臣(岸田文雄君) それは新たにでき上がったその法人の判断だと思いますので、可能だと考えます。
○内藤正光君 以前聞いた話では、ほかと比べてある程度常識的な範囲内におさめなきゃいけない、だから一億だとか五千万なんというのはあり得ないというふうに聞いているんですが。
○副大臣(岸田文雄君) 今申し上げましたように、仕組みとしては可能であります。しかし、人件費総額等を国会に報告する等、そういったさまざまな仕組みの中でどこまで柔軟な対応ができるかは、これはそれぞれの法人ができ上がった中で状況を勘案して決めなければいけないと考えております。
○内藤正光君 それを決めるのは法人の長ですね。
○副大臣(岸田文雄君) 決定するのはあくまでもその法人でございます。
○内藤正光君 ただ、総枠が決まっている中で果たしてどこまで法人の長たる方の裁量権が持てるのか。本当に外国の優秀な方を招くには二千万、一千万じゃ到底招けるものじゃない、やはりそれなりの処遇で迎え入れなきゃならないと。私は大いに今の仕組みに疑問を持つわけなんです。 ちょっとまた話は戻るかもしれませんが、小泉総理は民間でできるものは民間で、民営化には賛成とおっしゃった。私は、本当に独法化するということに決めたにしても、仮に独法化という道を選んだにしても、少なくとも教員の身分は非国家公務員型とすべきではないのかと思うんです。 そこで、ちょっと見方を変えた質問なんですが、国家公務員型でなければならないという積極的な理由というのはお持ちですか。国家公務員じゃなきゃこれができませんよとかいう理由があれば教えていただきたいんですが。私はどうも見当たらないんですが。
○副大臣(岸田文雄君) 公務員型でなければならない理由についてという御質問でありますが、公務員制度改革が今検討されておるわけであります。その公務員制度改革の中で公務員自体がどうあるべきかという議論が行われておりますが、その中で、一つ争議権の問題と、公務員型でなければならない、公務員型と非公務員型の違い、幾つか指摘されているというふうに認識しております。
○内藤正光君 争議権だとか、あるいはまた恐らくその争議権の先には例えばリストラされるおそれがない、だから安定した環境の中で研究を続けられるという、そういうメリットもあるということでいいですね。
○副大臣(岸田文雄君) それはそのさまざまな要素の中にそういった部分も含まれるとは思います。
○内藤正光君 積極的に公務員型でなければならない理由というのは、どうも私の今までの研究だとか勉強では見当たらなかったし、また副大臣とのやりとりでも、公務員でなければならないという理由がなかなかぴんとこないんですね。むしろその辺はもうちょっと自由度を、非公務員型としてもっとよりたくさんの自由度を与えた方が私はより大学の改革という精神に一歩近づくのではないのかな、そんな気がしてならないんです。 ただ、一つだけ申し上げておきたいのは、公務員型の一つのメリットとして身分の安定とかそういうのがあろうかと思うんですが、決して国家公務員も予算削減によるリストラ、解雇の可能性がないというわけじゃないそうなんです。 私きのうの夜ちょっと見つけたんですが、ジュリストの論文の中で藤田東北大学教授も述べられているわけなんですが、リストラ、解雇の可能性についても要はあり得るんだ、公務員といえどもあり得るんだということを言っていますし、仮に独法化になった場合、ここに新しく第三者評価機関というのができるわけです。第三者評価機関の業績評価によっては組織の改廃だとかそういったものにもつながるわけですから、当然今まで以上に解雇だとかリストラだとか、そういう可能性が国家公務員といえどもあり得るわけです。 ですから、私は、国家公務員イコール安定した環境、そしてその上でちゃんとした安定した長期的な研究ができるという論法は決して成り立たないと思います。この問題は私も長期的に取り扱っていきたいと思いますので、もしまた国家公務員でなければならないという積極的な理由がありましたらぜひ教えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 次に、これも大学改革の一環ではございますが、テーマを変えまして、教学と経営のあり方、教えるのと経営のあり方についてひとつ質問させていただきたいんです。 現在どういうふうになっているのかといったら、大学内にいろいろな学部がある、そしてこの学部の代表者、学部長の方々が集まって評議会というものをつくられて、そしてこの評議会が実質的な最高意思決定機関になっているわけでございます。しかし、当然のことながら、各学部長というか学部の代表の方々が集まる組織ですから、学部間の利害調整機関になっているわけでございます。 本当だったら、場合によっては例えばこの学部はもうちょっと縮小して、これからの時代を見据えて、例えばバイオの分野、ITの分野、この分野をがんと広く強化していかなきゃいけない、そういうような経営的な発想があって当然だと思います。戦略的な経営、そういうことがあって当然だと思いますが、しかし評議会というものの中ですべてを決めてしまう仕組みの中では、それは現実的にはできなくなってしまうわけでございます。ましてや、今後独法化が議論される中で、独法化が進んでいけば当然、経営という概念がますます重要になっていくわけでございます。 そこで、私は、やはりここで独法化という議論をするのと並行して教学と経営の分離というものもしっかりと議論していかなきゃいけないかと思いますが、教学と経営の分離についてどういうふうにお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 国立大学を法人化した場合、予算の編成ですとか組織の改廃あるいは給与の決定など従来国が行ってきた大学の経営に関する事項につきましては、大学みずからが判断し決定していくことになると認識しております。ですから、法人化後の国立大学におきましては、役員体制、学内の審議機関など運営組織を整備して、大学みずからが戦略的、機動的な判断、意思決定をしていくことが大変重要であるというふうに思っております。その中にあってあるべき姿が模索されていくと思っておりますし、今、先生がおっしゃったような問題意識の中にも、その効果的な結果が出るような結論に導かれることを期待しております。
○内藤正光君 副大臣、いろいろお答えいただいたんですが、大学みずからが決定できるようにすると言うんですが、大学みずからが決定しているからこそ、はっきり言えば何もできないという現実もあるわけです。ですから、独法化の議論の際には、やはりここでもう教学と経営を分離するんだというような、ひとつ大上段の取り組みがあってしかるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
○副大臣(岸田文雄君) さまざまな御意見があります。そのさまざまな御意見を踏まえまして、今、調査検討会議というもので議論しているわけであります。その議論の中でそういった部分もしっかりと議論されるものだというふうに考えております。
○内藤正光君 大臣御自身はいかがでしょうか。文部行政に長年携わっている立場からお答えいただきたいんですが。
○国務大臣(遠山敦子君) これからの組織は、大学に限らず、その組織の意思決定において非常にマネジメントの観点というのが大事になってくると思います。 私も国立美術館という独立行政法人の理事長を一カ月でしたけれどもやらせていただきましたが、そのときに思ったのは、やはりこれまでのような行き方ではなくて、美術館でありましたら、国民が要望するような美術館運営というものにしっかりこたえていかなきゃいけないと。それには、従来型の方式ではなくて、観客者の目線に立ち、あるいはその予算を有効に使っていくというような角度、そういったかなり総合的なマネジメントの思想が非常に大事だなと思った次第でございます。 大学についても、今後どうしていくか。国立大学の場合については、今、調査検討会議が走っているところでございまして、余り予断を与えるようなことはもちろん言うべきでない段階でございますが、経営的な観点が必要だということは私は否めないと思います。 だから、すぐ教学と経営と分けるというのは、これまたもう少しメリット、デメリットを考えて、現にそういうので成功している例もありましょうし、そうでないのもありましょうし、ということでありますけれども、やはりその大学は生き生きとした活動をやっていくということによって世の中に対して貢献していくわけなんですけれども、そのためにはどの学問分野に重点を置いていくか、あるいはどういう人を採用するか、そういったようなことが非常に大事になってくるわけでございまして、それはある意味ではマネジメントという経営的な感覚というのも大事だと思います。 ただしかし、それは大学という本来教育研究を目的とする組織でございますので、単純な利益追求のための組織とは違うということも考えながら、しかしそういう視点をどのように生かしていくか、あるいはどのように取り入れていくか、そういったことも検討課題の一つとして私は考えていくべきであろうかと思います。
○内藤正光君 ということは、大臣自身、マネジメントという概念、考え方はやはり大事だと思うので、教学と経営を分離するかはまた別として、手段は別として、いかにマネジメントというものがうまく機能するか、そういった発想で大学改革に取り組んでいきたい、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(遠山敦子君) マネジメントという言葉がどういう意味で使われるかによって、ちょっと単純にそうだと言いにくい面もございますけれども、やはり役員体制あるいは学内の審議機関というような運営組織を整備して、大学みずからが戦略的あるいは機動的に意思決定を行っていく、そのための視点というのが大事だという意味では、そういう意味が大事であるという考えについて申し上げたということでございます。
○内藤正光君 私もいろいろな方々から話を伺ったんですが、今の大学の問題点の一つに、過去の研究実績に基づいて学長とかそういった方々が選出されると。ただ、研究成果と経営的なセンスというのは全く別物でありまして、やっぱりちゃんと峻別するものだと思います。 アメリカの方だと、聞くところによれば、三十代ぐらいからもう研究分野に歩むか、あるいはまた大学のマネジメントの道を歩むか、しっかりと分かれて、そしてそれぞれ別々の道をしっかりときわめていくと。そして、そういったマネジメントの道を選んだ人が大学の経営のトップにつくと。そういった方は当然いろいろな学問の知識もおありですから、必ずしも学問をもうどこかへ追いやって経営的な発想ばかりで大学運営をされるわけじゃないわけです。やはり学問の重要性も認識しながら、その上で経営をされているというわけなんですが、そういった発想でもってどこの分野を拡充していかなきゃいけないかとか、あるいはまた企業との連携もふえていくわけですが、どうやってその企業と大学との連携をより強めていくか、こういった発想で絶えず頑張っていらっしゃるというふうに聞いております。 ところが、日本の大学の実態はといえば、先ほど申し上げたように、過去の研究成果でもってずっと上り詰めて、そしてその方が経営面にまで携わると。両方備えていらっしゃる方も多いと思うんですが、そうでない方もいらっしゃると思うんです。経営的なセンスがこれからはますます重要になってくるかと思いますので、ぜひその考えを大学改革の中に織り込んでいっていただきたい、盛り込んでいっていただきたい、そのことを申し上げて、ちょっと決意をお伺いしたいんですが。
○副大臣(岸田文雄君) 先生が御指摘いただいた点は重要な点だとは思います。その辺も含めてしっかりと検討をしていかなければいけないと思います。
○内藤正光君 時間もあと残すところわずかになりました。 最後に、競争的研究資金についてお伺いをしたいと思います。 新聞報道によると、これを導入する導入するというふうに言われているんですが、これは今までの科研費とどう違うのか、ちょっとお尋ねしたいんですが、従来の科研費がただ単に名前を変えただけじゃないんでしょう。済みません、これはもしかしたら通告していなかったかもしれないんですが。
○副大臣(青山丘君) 科学研究費補助金のことでしょうか。
○内藤正光君 競争的研究資金というのは今までの科研費とどう違うのかということです。
○副大臣(青山丘君) 既に競争的資金という制度が導入されておりまして、先ほど科研費とおっしゃいましたが、科学研究費補助金の中にも各種の競争的資金が導入されておりまして、相当大きな役割を果たしてきました。
○内藤正光君 済みません、ちょっと政府参考人の方でも。
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えします。 競争的資金といいますのは総称でございまして、科研費もそのうちの一部でございまして、科研費とかあるいは厚生科学研究費とかいろんな競争的に支給する資金というのがあります。そういうものを総称して競争的資金というふうに称しております。
○内藤正光君 そこで、時間もないので、ちょっと一つ私の考えをぶつけてお考えをお伺いしたいんですが、私は競争的研究資金というのはこれから大事になってくると思います。なぜかというと、冒頭申し上げたように、これからの大学改革のポイントは大学間の競争環境、そしてまた教員間の競争環境をいかにつくり上げるかと。競争的研究資金というのはあくまでその研究内容に対してお金が来るものですから、これは本当によりよい研究計画をつくった人がよりたくさんの研究資金を得られるという意味で、私は本当にこれはいいことだと思います。 そこをもうちょっと発想を広げて、今、競争的研究資金は私の理解するところでは国立大学しかその対象ではないと思うんですが、これをもうちょっと私大……(「そんなことはないよ」と呼ぶ者あり)そうでもないんですか。私大も全部含めて、全く関係なくですか。平等に対象になるということですか。
○副大臣(青山丘君) ほとんどが公募方式をとっておりまして、大体四倍の競争と聞いておりますが、内容によって競争的資金が提供されていくというものです。
○委員長(市川一朗君) もう時間ですので、どうぞまとめてください。
○内藤正光君 時間もなくなってしまいました。 では、一問だけだと思いますが、先ほど有馬先生の質問のときに、間接経費八十九億円というふうにおっしゃったんですが、これは間接経費が全部で八十九億円ということですか。
○副大臣(岸田文雄君) 文部省所管分のオーバーヘッド分の数字でございます。
○内藤正光君 ちょっと質問がしり切れトンボになりそうなんですが、文部省所管の分が八十九億円。でも、現在九十九大学があるわけですね。そうすると、国立大学に全部分けたとして一校当たり一億円に満たない。それで、ではその間接経費を使って大学がいろいろな研究環境の整備に使うといっても、一億円というのはたかだか知れているもので、果たしてどこまで有効に使えるかどうかというのも心もとないものがあります。本当にこれはもう、質問ではありません、競争的研究資金というのは教員間の競争環境をつくり上げるもの、一方、間接経費あるいはオーバーヘッド経費等々と言われるものは大学間の研究環境というものをつくり上げるものだと私は思います。 そういった意味で、間接経費の方もより充実させていただきたいことを最後に申し上げて、質問を終わります。
○荒木清寛君 仙台市で起きました准看護士によります筋弛緩剤を使った殺人被告事件の背景には、自分の立場や待遇の不満があったとも言われております。自分は点滴の専門家なのに看護婦に使われるのが不満だったと捜査段階で供述をしているとの報道もありました。ただし、公判では本人は公訴事実を否認しておりますから、そうした事案の解明は今後の進展によるものと思います。 いずれにしましても、私はこの事件というのは、医療スタッフの国家資格をめぐる問題といいますか、そのあり方についての問題提起を含んでいるというふうに思って注目をしていたわけでございます。 そこで、文部科学省は、今回の法改正もその一環でありますが、看護系大学について四年制大学医学部への転換を進めております。これは看護教育の高度化の要請にこたえるものでありまして、当然評価をいたします。 その一方で、厚生労働省にも看護婦学校養成所というのがありまして、これは修了期限が三年であります。すなわち、同じ看護婦あるいは看護士でありながら、四年あるいは三年という修了年限の異なる教育を修めた者が今後も併存をしていくことになります。 日本は学歴社会でありますから、当然この四年、三年の両者においては待遇には格差があるわけでありまして、現に国立病院では四年制の医学部卒業と三年の看護婦学校養成所の看護婦さんとでは入ったときから、一号給ですか、俸給に格差があるということも聞きました。民間でも同様ではないかと思います。そうなりますと、同じ看護婦、看護士でありながらどうして待遇に差がつけられるのかという不満も生じ得ないわけではないと思います。素朴に考えれば、同じ看護婦、看護士なのでありますから、同じ課程で養成した方がすっきりするんではないかということも思わないわけではありません。同じ問題は理学療法士、作業療法士についても生じ得るわけでございます。 そこでお伺いいたしますが、このように医療スタッフの養成につきまして修了年限の違う二つの養成コースを併存させることについての積極的な意義はどういうところにあるのか、あるいは私が言ったような問題点というのはないのかといったことについてきちんと厚生労働省と協議をした上でこうした法改正をされているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(岸田文雄君) 先生から御指摘いただきました看護婦や理学療法士につきましては、三年以上の課程で養成されるということになっているわけですが、我が文部科学省としましては、かねてから厚生労働省と協議しながら、科学的思考を基盤とした看護の実践力、あるいは保健、医療、福祉全般にわたる広い視野、豊かな人間性、的確な判断力、こうした高度な看護職の養成のみならず、この分野の教員等指導者の育成を図る観点から、短期大学部三年制の四年制大学への転換を推進しているところであります。もちろん厚生労働省との協議をしながらこうした動きは進めているところであります。 そして、今、先生から、こうした三年、四年、こうした養成において種類がある、こういったものがさまざまな悪い結果につながっているのではないかという御指摘でありますが、今御指摘がありましたように、三年で養成された方と四年で看護婦になられた方に給与面において一号俸違いがあるわけですが、これはそもそも年齢が一歳違いますので、これは年齢の違いによる差だと考えておりますので、待遇面の違いだというふうには理解はしておりません。そして、これに対する不満というものは文部科学省としては把握をしていないところであります。 こういった状況でありますが、引き続きまして厚生労働省とは連携をとりつつ計画的に四年制への転換は進めていかなければいけないと思っておりますし、現場の把握ということの重要性は御指摘のとおりだと思いますので、この辺の把握は今後も続けていかなければいけない、そのように考えております。
○荒木清寛君 ぜひそれぞれの養成課程の本来意図するところを生かした人材育成をしてもらいたいと思います。 もう一問だけお尋ねをいたします。 講座制等に関する規定の削除というのは大学行政における規制緩和の一環であると理解をいたします。 そこで、一つお聞きをしたいのは、情報通信技術の飛躍的な発展に伴いまして、自宅や教室での国内外とのさまざまな情報通信が可能となっておりまして、教育形態でも大きな変化が生まれてきております。昨年の大学審議会答申を受けまして、本年四月からインターネットによる遠隔授業が認められました。これは、情報化社会における高等教育のあり方として、またより多くの人々がより高度な教育を受けることを可能にするという観点から、一歩前進であるというふうに考えております。 一方で、大学通信教育設置基準におきましては、校地及び校舎に関する制約を設けております。学生数に合わせて何平米以上というような制約があるわけでありますので、いわゆる大学としてはそうした基準に合う設備がなければインターネットによる教育はできない。したがいまして、こうしたことがこのバーチャルユニバーシティーの設置についての障害になるんではないかというふうに考えます。 そこで、こうした制約が諸外国のそうしたバーチャルユニバーシティー、私は外務副大臣をやっておりましたが、島嶼国をこうしたインターネットで結んで、一つの島に拠点を置いた教育をしようというようなことも、日本も経済協力をしながら進めているわけであります。 そこで、大学通信教育設置基準のこうした制約等がバーチャルユニバーシティーの我が国におけるそうした推進についての障害にならないのか、障害になるのであれば、ぜひそうした点も規制緩和に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○副大臣(岸田文雄君) 通信制の大学につきましては、その通信教育という方法、実態にかんがみまして、その校舎等の面積について大学として必要な教育研究水準を担保する観点から基準を定めているところであります。 この基準ですが、教員の研究室あるいは図書館、事務室など、必要な教育研究機関を確保するために求められる最低基準だということでこの基準を設けているところであります。 しかし、今大きく時代は動いております。さまざまな情報通信技術の発達とか世の中の動向、このあたりはしっかりと頭に入れながら、この基準のあり方については今後も検討していかなければいけない問題であるというふうに考えております。 ただ、みずからの研究機能を全く備えないというようなことにつきましてはいかがなものかなという疑念の思いを持っているということもちょっとつけ加えさせていただきたいと存じます。
○荒木清寛君 終わります。
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。 国立学校設置法の一部を改正する法律案についてでございますが、今回の法案の一にありますように、徳島大学及び長崎大学に併設の医療技術短期大学部三年制看護学科を廃止し同大学医学部保健学科四年制を新設する、この点につきましては、医療技術の進展に見合った教育水準の改善を図る点でも賛成でございます。また、法案の二につきまして、各国立大学が自主的に講座、学科目を編制できるようにするという点では、大学がみずからの大学像を主体的に設計することを可能にする条件整備に道を開くものという点で賛成でございます。 さて、特に医療の問題にかかわって、私は三つの点について伺いたいと思います。 まず第一に、国立大学病院における医療過誤、医療事故の防止と看護婦、看護職員などの増員についてでございます。 既に国立大学医学部附属病院長会議常置委員会作業部会では、ここにございます「医療事故防止のための安全管理体制の確立に向けて」という提言を出されております。その中では、「医療行政への要望」ということで、我が国の医療機関における医療従事者の人員体制は先進諸国の中でも格段に手薄であり、このような状況において安全管理に対して国際的な水準に照らした十全の配慮を行うことは容易ではない、国立大学病院においても、望まれる医療体制の整備には遠い状況にありというふうに指摘をされております。 この点では、その中で「(参考)主要国の一患者当たり職員数・看護職数」ということで、米国が職員数五・五〇人、イギリスが四・四〇人に対して日本が一・一五人、あるいは看護職数が米国が二・三九人、イギリスが一・七八人に対して日本が〇・五三人。注意書きとして、日本の看護婦数は保健婦(士)、看護業務補助者を含まないので、含む場合は〇・六七と、このように提言の中で示されております。 また、医療事故問題に関係いたしまして、日本看護協会は「組織でとりくむ医療事故防止 看護管理者のためのリスクマネジメントガイドライン」というのを出されております。私も伺って勉強させていただきましたけれども、その中では、医療の現場は診断・治療技術の進歩により複雑かつ高度化している、夜間も日中と同様の治療が継続するなど業務密度が高くなっている、こういう点でチーム医療になっているということを触れておられます。 また、その日本看護協会からいただいた「医療事故の防止への取り組みについて」の中では、例えば「看護業務の特性と事故について」ということで、東海大学医学部付属病院内服薬誤注入事故外部評価委員会報告書からということで、いかにいろいろな対応をしなくちゃいけないかというのが深夜勤の看護婦さんの図式も含めて載せられておりますし、それから「看護業務から見た医療事故の防止対策」という特別発言では、看護職は最終ランナーみたいなものですから、それまでのエラーの積み重ねを看護職によってチェックされないと、そのまま患者さんに提供されることになりますというふうに指摘をされております。 既にアメリカなどでは、これは「アメリカ医療の光と影 医療過誤防止からマネジドケアまで」という本でございますけれども、やはり隠ぺいではなくて、なぜ起こったかという原因を追求することが防止の上で大事だというふうに言われてまいりました。 特に私はかねてから、国立循環器病センター名誉総長の川島康生先生がもう既に一九九九年二月十六日の朝日新聞「論壇」で「医療事故招く病院の職員不足」というふうに指摘されてきたことは大変重要だというふうに思っているんですね。 この中で、横浜市立大学附属病院で心臓手術患者と肺手術患者が取り違えられ、要らざる手術がなされてしまった。前代未聞の出来事が起きた原因が検討される中で、反省とともに関係者からも第三者からも意見が述べられている。しかし、長年この種の外科治療を手がけ、また医療体制の責任者として働いてきた者として、これらの議論には最も大切な部分が欠落していると言いたい。それはなぜ一人の看護婦が二人の患者を手術室に運んだかという点である。なぜ一人の看護婦が一人の患者を運ぶ体制にできないのか。人手不足が原因であると。いろいろ書かれて、例えば今回の事故のような心臓や肺の手術患者が術後に入る集中治療室(ICU)では患者一人を看護婦一人が担当するのが欧米では普通である。術後の状態がやや落ちついてからも、一人で二人の患者を見るのが最低の水準である。ところが、我が国の大学病院でこれが守られているところはむしろ少ない。一人の看護婦が複数の患者を見るのは普通であり、今日でもなお人手不足のために十分なICU病床を開設できない大学も多い。なぜ医療従事者が少ないのか。心臓外科や肺外科などの先進医療がなかった時代の定員枠を大幅な増員のないままに踏襲してきたからであるなどと言われております。 もちろん、横浜市立大学の例がこの文書の中で出されておりましたが、昨年十月二十七日には「横浜市立大学医学部附属病院の医療安全管理の取り組み」ということでいろいろな提案もされているということなんですね。 それで、医療現場、特に看護職員の実態ですけれども、最近、ことし二〇〇一年五月九日に、日本医療労働組合連合会、医労連の看護現場実態調査というのが出されました。その中では、事故が続発している原因は何かということに対して、医療の現場の忙しさが八五・〇%、次いで交代制勤務による疲労の蓄積が四一・五%というふうにもなっております。 これは、国立大学病院に直接かかわる全国大学高専教職員組合(全大教)病院協議会の国立大学病院看護職員アンケートの調査結果報告で、ことし二〇〇一年に出されて、テレビやマスコミでも報道されてまいりました。ここでは、この役割の大きさというのが特に言われているわけです。国立大学病院は特定機能病院として位置づけられて、医学研究・教育に従事するとともに高度先進医療を提供している。一般の病院では治療の困難な難症度の高い患者を引き受けており、国公私立大学病院を比較しても、国立大学病院の患者の難症度が最も高くなっている。高度医療は質の高い看護活動を前提として初めて実現し得るものなのに、入院患者百人当たり公立大の八十四・六人、私立大の八十・九人に対して国立大学病院は五十九・八人。現行の診療報酬上最高の看護体制である患者二人に対して看護職員一人の配置をほかが実現しているのに、国立大学病院では大多数が患者二・五人に対して看護職員一人の配置に取り残されていると。こういうアンケートが出ております。 私も、この間、九州大学や東京大学の附属病院に伺ってまいりました。私たちの党も大阪大学や京都大学を初め七つの医学部附属病院に伺ってまいりまして、やはり看護婦などをふやしていくことが必要だということを申し上げてきたところでございます。 そこで、まず伺いたいんですが、この間、一定の改善、例えば非常勤ですが看護婦をふやすということなどもされてまいりましたけれども、本来の特定機能病院の役割を果たす上ではまだまだ足りない、そういう点でさらに増員を含めて改善をする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 今、先生から御指摘がありましたように、医療の安全性向上において、看護職員の数の改善、これは大変重要だという認識でおります。そして、平成十三年度予算においては、国立大学附属病院における看護体制の大幅な強化を図るべく、まずは非常勤看護職員を約八百人増員するとともに、リスクマネジメント担当婦長の配置等、計五十一名の定員増を措置したところであります。 今、財政の問題が大変大きな議論になっておりますが、こうした動向の中で、できる限りこの看護職員の数におきましても充実を図っていかなければいけない、そのことは間違いないところだと認識しております。
○畑野君枝君 ぜひ今後も進めていただきたいというふうに思うんですね。 それで、現場からは、非常勤でふえたんだけれども、それ自身はありがたいんだけれども、やはり定員内に繰り込んで身分保障ができるようにというふうな点、あるいは総定員の限界があるというふうに言われておりますけれども、やはり必要なところに必要な人を配置するということを含めて改善をしていくことが必要だというふうに思うんです。あわせて、看護婦をふやす一方で、看護助手と言われる看護補助者や薬剤師、放射線・検査技師などの医療技術者を減らすという実態もある。これは熊本大学の病院の「赤煉瓦」という教職員の方のニュースの中でも言われているんですけれども、こういう方たちもきちっと配置をする必要が、ふやしていく必要があるのではないかというふうに思うんですね。 これも全大教のアンケートですけれども、看護助手数は入院患者百人当たり私立大の八・五人、公立大の三・七人に対して国立大は一・〇人、それから同じく医療技術職員数は私立大の二十六・七人、公立大の十九・八人に対して国立大は十三・七人ということでございます。 この点でもぜひ必要な増員を含めた配置をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) まず、平成十三年度予算におきまして、診療放射線技師や臨床衛生検査技師などの医療技術職員についても約百名の非常勤職員の増員の措置は講じたところであります。 しかし、今後も各国立大学附属病院におきまして安全性向上のために適切な体制がとられるよう対応していかなければいけないというふうに思っております。このあたりもしっかり頭に入れた上で今後の対応は考えていかなければいけないと認識しております。
○畑野君枝君 そういう看護助手や医療技術職員が少ないということで、看護婦さん、看護職員が掃除からベッドの洗浄やベッドメーキングや薬剤の管理・ミキシング、医療機器の管理、来客への応対、あらゆる業務をこなさなくちゃいけなくて、本来の看護業務に専念できないという実態もあるので、ぜひ改善をしていただきたいと思います。もちろん医師も含めて体制をきちっと配置をして改善をしていくということを要望しておきたいと思います。 さて、二つ目の問題ですけれども、こうした長時間過密労働を是正していく、特に厚生労働省通達などにありますように、サービス残業や長時間労働是正のための対策がとられるようになったわけでございますから、この点では、国家公務員である看護婦、看護職員、医師など、当然その趣旨が徹底されるべきだと思いますけれども、人事院に伺いたいと思います。
○政府参考人(大村厚至君) 公務におきましては、もう先生御承知のように、従来から超過勤務の縮減について政府全体として取り組んでいるところでございます。 人事院では、平成十一年に超過勤務の縮減に関する指針を発出しまして、管理者が職員の超過勤務の状況とか健康状態の把握に努めることを含めまして、各省庁において超勤縮減のために講ずべき措置を示したところでございます。 また、政府においても、総務省の指導のもとで超過勤務縮減のための環境整備や業務改善のための措置について具体的に定めて、これに沿って管理職員の意識啓発等の職場の環境整備や業務改善に取り組んでいるところでございます。 各省庁におきましては、これらを踏まえまして個別の職場の実情に応じまして超過勤務縮減のための努力がなされているというふうに承知しております。
○畑野君枝君 政府を挙げて時間短縮に取り組んでいらっしゃるというふうに伺っているんですね。 それでは、文部科学省でも、とりわけ看護婦、看護職員、医師についてもこうした趣旨は徹底されるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) ただいま人事院の方からの御答弁もありましたように、人事院の指針もございますし、それから総務省の通知もございまして、私ども官房長名で各国立大学等に対して通知いたしましたほかに、いろんな会議等の場もございまして、確かにそれぞれの病院だけではなくてそれぞれの職場において濃淡は違うわけでございますが、業務がふえ、あるいは国民の負託にこたえて仕事の範囲がいろいろ複雑化している中ではありますけれども、サービス低下にならないように十分留意しながらも、勤務時間の適正管理等について周知徹底に努めているところでございます。
○畑野君枝君 厚生労働省通達や総務省通知のように、こちらでも通知を出されたということでございますね。 そこで、全大教のアンケートの中では、実際にサービス残業があるという調査結果が出ているんですね。一カ月の未払い超過勤務時間が、ないというのは三三・二%、十時間未満というのが四一・五%、あるいは四十時間以上というのも三・七%というふうな状況なんです。そうした超過勤務、しかもサービス残業の延長、そして日勤・深夜や準夜・日勤で、本当に大変な状況になっているということなんです。 こういう実態も調べて、そして是正を図る必要があると思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(工藤智規君) 病院の看護職員の勤務についてはいろいろ多様でございますので、どこまで自発的で、あるいはその時々の患者さんの御都合などによってどう対応したかと、いろいろ難しい点はございますけれども、私どもも医師あるいは看護婦さん等それぞれ現場の声をよく聞いてございまして、改めて調査をどうのこうのするまでもなく、大変な職場であるというのは十分承知しているつもりでございます。 そのために、先ほど副大臣の方から御答弁申し上げましたように、医療事故が頻発しているわけでございますが、そのリスク管理等のほかにやっぱりマンパワーの充実が必要であるという認識のもとに、非常勤看護職員の増あるいは恒常的な定員増など、大変財政事情厳しい中でございますが、充実を図っているところでございます。
○畑野君枝君 こういうアンケート結果が出ているわけですから、これもきちっと見ていただいて対応していただきたいと思います。よろしいですね。 最後に、三つ目の問題ですが、国立大学病院の看護婦の母性保護措置について伺います。 それで、もう時間がありませんのでまとめて伺いますので、お答えは簡潔にお願いいたします。 まず一つ目は、人事院に伺いたいんですが、国家公務員の母性保護、妊産婦の女子職員の深夜勤務及び時間外勤務の制限は規則でどうなっているか、伺いたいと思います。 それと二つ目に、これは文部科学省についてなんですけれども、産前産後に夜勤免除期間がとれなかったという人がいるんですね。そういう実態についてきちっと把握をして、人事院規則に基づいて改善をするべきだと思いますけれども、その二点について伺います。
○政府参考人(大村厚至君) 国家公務員の産前産後における深夜勤務等の制限につきましては、人事院規則一〇—七の第四条におきまして、妊娠中の女子職員及び産後一年を経過しない女子職員が請求した場合には、午後十時から翌日午前五時までの間における勤務、いわゆる深夜勤務でございます、または正規の勤務時間以外の時間に勤務させてはならないという規定がございます。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほど御指摘の全大教のアンケートの読み方にもよるのでございますが、申し出たのに免除が許されなかったというアンケートでは必ずしもないような読み方で私ども分析しているのでございますが、いずれにしても、今、人事院の方からお話がありましたように、母性保護の観点からきっちりしたルールが決まっているわけでございますので、そのルールの徹底と看護体制の整備、さらには人事管理について十分周知徹底を図ってまいりたいと思います。
○畑野君枝君 終わります。
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部禧代子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 最初に、国立医療技術短期大学部の改組についてお伺いいたします。 看護教育の大学化を推進しようとする法改正の趣旨につきましては、かつて厚生委員会に所属しておりますときから一貫して申し上げてまいりましたことでございます。その実現が図られているという点につきましては、大変評価をしているところでございます。平成五年度からスタートいたしまして、いよいよ残るのは八大学ということになりました。 そこで、まず三点お伺いいたします。 まず第一点は、今平成十三年でございますから、平成十四年度における予定でございます。一体幾つの大学の改組が予定されているのかということであります。 第二点目、何年度までにこの八大学の改組が完了するのか、その計画をお示しくださいということであります。 三点目、短期大学部から四年制に移行する、その大学の選定でございますね。選定といいましょうか、どの大学がどうなるということでございます、ことしは二つの大学でございますけれども。それはどのような基準、どのような根拠で決定されるのかという、この三点についてまずお伺いしたいと存じます。
○副大臣(岸田文雄君) 今、三点御質問をいただきましたが、まず一点、十四年度の予定についてでありますが、文部科学省の基本的な方針としましては、高度な看護、そして人材の育成、これを実現するためにこうした転換を行うわけですが、要は大学側の準備のぐあい、そして財政状況、この二つの許す限り転換を進めていくべきだというスタンスにおるわけであります。 ですから、十四年度の予定はどうかということでありますが、基本的なスタンスとしてはできる限りでありますから、極端な話、もし準備が残り八大学すべて整い、そしてなおかつ財政的に許すならば、八大学一遍にやることも可能性としてはあるわけであります。 未定でありますが、そういった方針で今後進めていくということでありますので、これは二番、いつまでという部分、それから三番の質問にもかかわる部分でありますが、基本的に今申し上げましたスタンスで、できるだけ前向きに早く残り八大学につきましても転換を進めたいという方針の中で、その実態を把握しつつ、毎年毎年どこまでということが決まっていくものだというふうに考えております。
○日下部禧代子君 今のお答えは、例年私この質問をさせていただいておりますが、ほとんど変わっていないようなのですね。改革を旨となさる新しい内閣におきまして、そしてまた新しい編成の中での文部科学省といたしまして、単なるできるだけ前向きにというようなあいまいなお言葉ではなく、もう少し明確にきちんとした計画あるいは全体像というものを明らかにする、あるいはまた単に準備だとか、あるいは準備が整ったりとか、あるいは財政的なというような、これも抽象的なお言葉でございますが、どのような根拠、どのような財政的な準備なのか、どのような準備なのかというふうなことも含めてこれは明らかにすべきであるというふうに私は思うのでありますが、この点につきまして大臣はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○委員長(市川一朗君) 一応、事務方から答えてください。その後、大臣に聞きます。
○政府参考人(工藤智規君) 今、背景を副大臣にしっかりお答えいただいたのでございますが、これは努めて各大学の準備状況にかかっているのでございまして、その準備状況で一番大変なのは教員の確保でございます。三年制から四年制に転換するに当たって、質の高い看護職員等の養成のためにカリキュラムの充実を図るのが趣旨でございますが、そのためにその指導できる優秀な教員を確保する必要がございまして、これが全国的に大変払底しているといいましょうか、少ないのでございます。そのために各大学で引っ張りだこといいましょうか、どう確保するかというのが一番大きな課題でございまして、その用意ができ次第というのが実情で一番大きな要因でございます。 それから、財政事情というのは、お金の点もさることながら、四年制の転換に伴いましてカリキュラムの充実などを図りますので、教員スタッフ、それに必要なスタッフの増強が必要でございます。例えば、今回お願いしてございます長崎大学について申しますと、今後四年間にわたりまして、教員については十四人の定員増を予定してございます。これは国家公務員全体の定員縮減、先ほどの御質問にもありますように、もっと看護婦さんをふやしてほしいとか、いろいろな要素があるわけでございますが、そういう中でこの医療短大を四年制にすることに伴う定員増にどれぐらいの定員増の要求を差し向けられるか、そういう全体のスキームもあるということを御理解いただきたいと存じます。
○委員長(市川一朗君) 以上を踏まえて、遠山大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) 今、副大臣と政府参考人の方からるる御説明いたしましたように、気持ちとしてはできるだけ早くということでありますけれども、内容の充実面、特にスタッフの確保、カリキュラムの準備及びその定員増がかなり大きな人数になるわけでございますね。 今、国立大学の条件整備についてさまざまな課題がある中で、何を優先してというときに、これももちろん大事でございますけれども、いろいろなものを総合的に勘案しながら、そして大学側の準備を待ってこれまでも逐次やってまいったところでありまして、気持ちとしてはできるだけ早くということでございますけれども、総合的な判断のもとに、その目標に向かってこれからも努力をしてまいりたいということでございます。
○日下部禧代子君 やはりこれは全体的な計画というものをきちんと立てる中で進めてこそできるだけ早くということが可能になってくるのではないかというふうに思うわけでございます。教員の確保というのは、看護学科は特に看護学部出身の教員を確保するのが難しい、これはもう鶏と卵の問題だというふうに私も承知しております。 したがいまして、なるべく早くその教員になり得る方々を養成するというためにも、やはり大学への移行ということは早く進めなければならないというふうに考えています。これは大臣も同様に考えていらっしゃるというふうに思いますが、そのためにも、その全体像をきちんと明らかにするための計画というものをいつまでにやる、そのためにも努力をもっと早めるということがどうしても必要ではないかというふうに私は思うわけでございます。 それでは、その次の質問でございますが、准看護婦の問題というのは長年にわたって論じられてまいりまして、結論といたしましては、もう准看護婦制度というのはその使命を果たし終わったということでは一致しているというふうに言われていると思います。厚生省所管の養成所、これは准看の養成所で、そこでは特にお礼奉公の問題なども含めまして、さまざまな問題が噴出したのはもうかなり前のことでございます。 ところで、文部科学省所管に高等学校衛生看護科というのがございますね。ここもやはり准看の養成ということになっておりますが、さらにその看護科に専攻科を設置するというお話も承っておりますが、現在でも、先ほどからお話が出ておりますように、非常に看護教育のシステム、体系というのは複雑でございます。それをさらに複雑にするようなことになるのではないかという懸念もされるわけでございますが、今後、衛生看護科というのは縮小する方向でいこうとなさるのか、そのことも含めまして、今後の衛生看護科のあり方についての御見解をお尋ねしたいと存じます。
○副大臣(岸田文雄君) 高等学校衛生看護科の専攻科は衛生看護科の生徒の卒業後の進路として看護婦資格の取得を目的として設置されているところでございます。他方、高等学校衛生看護科は准看護婦養成の課程に位置づけられますが、文部科学省としましては、准看護婦の資格制度が存続する以上、今後とも高等学校についても衛生看護科において準看護婦養成を行う必要があるというふうに考えております。 高等学校及び専攻科における看護婦等の養成については、平成十一年十二月の制度改正により、新たな選択肢として高等学校衛生看護科と専攻科を合わせた五年一貫教育により看護婦を養成する課程を設けることが平成十四年度から可能となり、これはより質の高い看護婦養成を目指すものであるというふうに考えております。こうした考えのもとに、それぞれの制度を存続させていく所存でございます。
○日下部禧代子君 私は、厚生省の方がまだ准看制度をきちっと廃止でき得ないというさまざまな状況がある中で、文部科学省は率先して看護教育の高度化という観点からも准看は廃止の方向、定員を縮小していく方向というものを勇気を持って決断していただきたいというふうな気持ちを持っております。しかし、准看養成の必要があるというふうなのが現在の文部科学省の御見解であることは承りました。 次に、これも毎回御質問していることでございますが、看護教育の重要性というのは言うまでもございませんが、それを証明するものの一つといたしまして、看護教育に国費の配分がどのようにされているかということ、これは医学部との比較におきまして一つの看護教育の重要性を示す指標にもなるのではないかというふうに思って質問を毎回繰り返させていただいているわけでございます。平成八年度から九年度、医学部と看護学部の学生一人の養成に関する国費の配分の格差でございますが、医学部の方が看護学部よりも二百十四万円多いということでございますね。十年度では二百三十万の格差が依然とございます。 さて、十一年度以降はどのようになっておりますでしょうか。格差は狭まったのでございましょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 誤解を恐れないようにあらかじめ申しますと、医学部の医師養成あるいは看護学部の看護婦さん等の医療技術者養成、そのためのコストというのはなかなかはじきにくいところがございまして、医学部あるいは看護学部における学部運営費、これにはもちろん教育研究、なかなか分離できない教育研究の要素が全部入っているわけでございますが、それぞれの学部運営費を当該学部の学生数で割った一人当たりの学部運営費ということで比較させていただきますと先ほど先生がおっしゃったような数字になるわけでございまして、平成十年度は医学部、看護学部のその差が二百三十一万円でございました。平成十一年度の学校基本調査によりますと、看護学部については一人当たり百六十万、医学部につきましては三百七十八万ということでございまして、その差は二百十一万と、いわば若干縮まっている勘定でございます。 なお、補足いたしますと、医学部と看護学部では教育研究の体制あるいは施設設備の体制に随分と差がございまして、一例だけ申しますと、医学部の医学科で通常入学定員が百名の場合、いろんな授業科目等がございますので、必要な教官定員は約百四十名であるのに対しまして、看護学部の場合は入学定員が八十名の場合、教官定員は五十名程度で済むというような両学部の性格の違いもあることを御留意いただければと思います。
○日下部禧代子君 今、平成十一年度の格差二百十万とおっしゃいましたが、二百十八万ですよね。
○政府参考人(工藤智規君) はい。
○日下部禧代子君 依然として二百万。さまざまな比較の条件というのは今おっしゃったように非常に難しいと存じます。しかしながら、社会的地位というのも、今もそうかもわかりませんが、医師に従属するというような形での看護婦の社会的地位というのがございます。その中で、やはり看護教育、看護職の重要性というのは、医師と同等あるいはそれ以上ということはもう社会的認識だと思うんですね。そういう中で、教育にかける経費というのもやはり同等。この二百万の格差というのはやはり大きいというふうに私は思います。ぜひこの格差を縮めていく努力をしていただきたいということを強く要望しておきます。 そこで、今までのような事情を含めまして、今後の看護教育のあり方、これは医療の高度化、複雑化ということもございましょう。高齢社会の到来ということもございます。さまざまなニーズというものに対応できる、これは質と量も含めてでございますが、看護職の養成、その教育というものをいかに充実していこうとなさっていらっしゃるのか、その意気込みを含めまして大臣に御所見をいただきたいと存じます。
○国務大臣(遠山敦子君) この分野でのいろんな意味での充実の重要性について先生からお話がございました。 医療現場におきます安全管理の確保につきましては、医師だけが責任を負うのではなくて、病院全体として医療の質を向上させていく努力を行って初めて達成されるものでありまして、看護婦の果たすべき役割は極めて大きいものがあると認識いたしております。 したがいまして、大学等の看護婦の養成課程において安全管理教育を十分に行うことが重要でありまして、これまでも看護管理学、看護基礎理論などの科目におきまして必要な教育が行われてきていると承知いたしておりますけれども、今後とも医療現場におきます安全管理活動の中心的な役割を担うことのできる資質の高い看護婦の養成に努めてまいりたいと思います。
○日下部禧代子君 それでは、最後の質問になろうかと思いますが、今も申し上げましたが、世界に例のない高齢社会を迎える日本におきまして、医学、看護学の重要性はもちろんでございますが、さらに社会福祉、社会保障の分野におきましても、その研究、そしてまたその人材養成というのは、まさにこれは国家的な課題、国の責任だというふうに思います。 しかしながら、国立大学におきまして社会福祉学科を持っている大学というのは大分大学だけでございます、と私の認識でございますが、昨年質問いたしましてからふえたのでございましょうか。あるいはまた、国立大学にこれから福祉系の学部、学科を増設するような御計画があるのか、あるいはその必要性をどのようにとらえていらっしゃるのか、そのことも含めまして御見解をいただきたいと存じます。
○副大臣(岸田文雄君) 近年、我が国において、高齢者介護サービスの需要が増大するに伴って、介護福祉関係の人材養成に対する社会的要請が高まっているところは先生御指摘のとおりであります。 国立大学におきましては、七大学において社会福祉士養成課程を設けているところであります。これは去年と体制は変わってはおりません。 文部科学省としましては、国公私立大学を通じまして、社会福祉関係の人材養成を図ることは重要だというふうに認識しておりまして、この教育研究の充実に向けて関係者の努力、ぜひしっかりと支援をしていきたいと考えております。
○高橋紀世子君 国立学校設置法の一部を改正する法律案について質問いたします。 国立大学における教育研究の整備充実を図るため国立大学に併設されている医療技術短期大学を発展させること、それから国立大学の組織編制の弾力化を図るため講座等を各国立大学に自主的に編制させること、この二つの改正については私は基本的には賛成なのでございますが、この法律のでき方のプロセスについて疑問を持ちまして質問をいたします。 この法律が施行されるに当たり、それを行う主体はだれでしょうか、伺いたいと思います。この法律に関係する方たちはどなたでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 国の施設等の機関は国家行政組織法に基づき法律または政令により設置することができることとされておりまして、国立大学や国立短期大学は国立学校設置法を根拠として設置されております。 法律で大学の名称、位置などを規定している趣旨は、国立大学が国民の教育機関として広く利用され、国民生活に重要な関係を持つ機関であることを留意してということになっております。 ですから、国が責任を持つわけでありますが、しかし各国立大学の組織改編については各大学における自主的な検討、これは十分踏まえなければいけないというふうに認識はしております。
○高橋紀世子君 この法律によって一番影響を受けるのはやはり学生さんであり、それから教職を担っていらっしゃる方だと思います。そして、その方たちの考え方や意見というのはこの法律ができるプロセスにおいて取り入れられたりすることはないのでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘のように、大学の自主性とか自律性、こういったものはしっかりと尊重していかなければいけないと思っておりますし、過程の中で各国立大学の自主的な検討の成果ですとか意向はしっかりと受けとめるよう文部科学省としても努力をしているところであります。そういったことは努めておりますということでございます。
○高橋紀世子君 それは気持ち的には努めていらっしゃると思うんですけれども、実際にその先生方が意見を言ったりという場面ではなくて、文部省の方たちが先生方や現場の方たちの気持ちをはかるということでしょうか。
○政府参考人(工藤智規君) 先ほど来の質疑応答の中で申し上げましたように、医療技術短大の四年制への転換に当たりましては、各大学における準備が一番大事なところでございます。その準備の過程で、現に短大にいらっしゃる教職員の方々が、四年制にしたときにどういうカリキュラムにしようか、どういう学科にしようか、それは真剣な議論をされているわけでございまして、それは教職員の中だけではなくて、現に学んでおられる学生の要望なども受けながら、こういう科目も追加したいねとかというニーズも受けながら組み立てて、そしてそれに必要な先生方の分担をしながら、ちょっとうちにいない先生はどこかからお呼びしなきゃいけない、そういう御努力もしながら準備をしているわけでございまして、各大学における検討のプロセスにおいて、おっしゃるような学生さんやあるいは地域の方々等の関係の皆様方のニーズを十分受けとめて構想されているものでございます。
○高橋紀世子君 実際、行動をとられる方が現場の方たちであり、それから学生さんである以上、お役所で決めたことを実行するということではどうしても主体的な感じが出てこないと思います。こういうことはできれば現場の方たちが決めるということにした方がいいように思うのですけれども、大臣、どういうふうに考えられますでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 国立学校の組織につきましてはこの法律で定めているということで、それが改組されるということで今回改正をお願いしているわけでございます。 それぞれの大学がどのように考えて、そしてどのようにやっていくかというのは、まさに大学からの要望を待って国としては対応しているわけでございまして、決して国の方がリードをして、これはこうしろというふうなプロセスでできているものではございませんので、先ほど来るる御説明しましたような、十分現場の準備状況を見て、しかし当然、国の予算措置の可能性なども勘案はいたしますけれども、手を挙げてこられるのはむしろ大学側でございまして、そのときに関係の教職員なりあるいは地域住民の要望なりというのが十分私は反映されているというふうに思いますし、今後とももちろんそうでなくてはいけないと思います。
○高橋紀世子君 今、大臣がおっしゃいましたように、そこのところは大変大きなことだと思います。 今、登校拒否の子供たちがすごくふえていますけれども、やはり学校が、自分たちが主体的にしていくものではなくて、どこか管理体制の中にいるという意識からそういう現象が生まれているように思えて仕方がないんです。また、先生方も文部省がいろいろおもんぱかって決めてくださるのを待っているようなことで、やはりどこもかしこも受け身になっているように私は思うので、これから考えていかなきゃいけないとは思いますけれども、学校の中のカリキュラムやその他については、少しリスクはあるかもしれませんが、現場で決めるというようにすることも必要かしらと思いますけれども、その辺についてはどう思われますでしょうか。
○副大臣(岸田文雄君) 先ほど来御説明しているような法律あるいはその仕組み、対応によりまして関係者の意向やら意見を吸収できるように努力はしているわけでありますが、先生の御指摘等は重要な点だと思っております。ですから、これからも、まずは今の制度、仕組みの中でどこまでそういった関係者の意見を酌み取れるのか、これはしっかりと研究、努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
○高橋紀世子君 わかりました。 しかし、今の仕組みではどこまで追求しても現場の受け身ということはどうしても変えられないように私は思いますし、そして登校拒否児が余りにも数が多くなってきてしまったことは、少々危険はありますけれども、画期的に現場に決定する主体を移した方がいいのではないかと私は思っています。
○委員長(市川一朗君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(市川一朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会