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151回国会参議院2001/05/24

文教科学委員会 第9号

発言数
238
登壇者
26
会派数
7
開催日
2001/05/24

会議録

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十七日、木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として石田美栄君が選任されました。     ─────────────

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君、財務大臣官房審議官木村幸俊君、文部科学省生涯学習政策局長近藤信司君、文部科学省初等中等教育局長矢野重典君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君、文部科学省研究開発局長今村努君、文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君、文部科学省国際統括官白川哲久君、文化庁次長銭谷眞美君、厚生労働大臣官房審議官鈴木直和君及び厚生労働省職業安定局長澤田陽太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の諸施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 おはようございます。  自由民主党の阿南一成であります。  本日は遠山新大臣をお迎えしての最初の質問であります。  個人的な話でありますが、私と大臣とはかつてお互いに日本の行く末は教育にあるとの考えから文部省の門をたたいて以来、四十年に近い歳月がたちました。その後、大臣は教育行政一筋に、そして私は治安維持の前面に立つ警察庁に出向いたしまして、今日こうして教育を所管する大臣と文教科学委員会の委員としてこのような形で、場所を変え、国権の最高機関である国会において大臣の教育に対する熱意をお聞かせいただく機会を得たところであります。  エニウエー、ともあれ、文部科学大臣への御就任、本当におめでとうございました。文部省同期入省の者として、心からお喜びを申し上げたいと思います。  そこで、早速質問に入らせていただきますが、本日は、文部省で御活躍なされた経験を踏まえ、新大臣の率直かつ明快な御見識を伺えることを期待しておるのであります。よろしくお願いいたします。  ところで、当委員会で質問をさせていただくに当たりまして、文部科学省のホームページを開いてみました。  大臣は就任直後の会見において次のように述べておられます。「二十一世紀の最初の扉が開いたときに、この世紀に一体何が起こってくるのか、なかなか予見できない不透明な時代が待っているわけです。特に経済停滞を契機として、何か日本全体が停滞しているなかで、教育が果たす役割、科学技術の新たな展開への期待は非常に大きいと思われます。」と。この御認識は大臣として非常に重要であると私は思います。特に、教育が果たすべき役割は二十一世紀の我が国の繁栄ある将来を維持拡大していくために大きなかぎとなっていると私も考えるところであります。  そこで、具体的な話に入らせてもらう前に、大臣の基本的認識について幾つか質問をしておきたいと思います。  まず最初にお伺いしたいのは、大臣の教育理念についてであります。  現在の教育は非常に多くの問題を抱え、教育の危機と言っても過言ではない状況にあります。このような危機を脱するべく、先般からさまざまな教育改革が行われております。新大臣のもとでも、さらなる改革の断行が期待されるところであります。しかし、その改革の推進に当たっては、そもそも教育に対してしっかりとした理念、考えを持つことが重要でありまして、またその理念によっても改革の方向は変わってくると思います。  私の考える教育とは、読み書きそろばんといった基礎的な学力の向上もさることながら、よりよい社会を構築していくために、子供たちに公としての意識をしっかりと植えつけることが重要であると思っております。  これまでの学校教育におきまして、やや行き過ぎた個の尊重は社会秩序の維持に対する子供たちの責任意識を乏しくさせてきました。人間はすべてを自分で体得することは不可能であります。そうであるとすれば、自分はどうあるべきか、いかに生きていくべきかを学ぶために、学校、家庭を含めた社会全体の教育の中で、公、つまり公人としての意識のあり方をしっかりと子供たちの前に明示し、その上で、おのおのに考え学ばせることが重要であると私は考えます。  そこで、遠山新大臣に、大臣は教育とはどのようなものであるとお考えなのか、教育に対する基本的なお考えをまずお伺いしておきたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 阿南委員にはエールを送っていただいてありがとうございます。  阿南委員こそ非常に背筋の通った人生を歩んでおられまして、私よりむしろ文教については今やお詳しいというふうに思います。  御質問についてお答えいたします。  大変総括的な御質問でございまして、どのようにお答えしたらいいかと思うところでございますけれども、教育には私は二つの役割があると思います。  一つは、一人の人間がきちんとみずから立っていく、あるいはみずから考え判断する、そういう力をつけてやること。そこには、学力のこともありますし、そして善悪の判断をきっちりと持ったそういう人格、人間というものをつくり出していく、育てていくということが非常に大事だというのが一点ございます。  同時に、やはり人間は一人で生きるものでございませんので、他者でありますとかあるいは社会とのかかわりということが非常に大事でございます。その意味で、御指摘にありましたように、子供たちに社会の構成員としての規範意識でありますとか豊かな人間性をはぐくんでいく必要があるのと同時に、特に個人の尊重を強調する余り公を軽視する傾向が広がる状況の中で、子供たちの社会性、公共性の育成を重視していくことが大切であると考えます。それは委員のおっしゃる公という意味に通じると思います。  このために、学校を初め、家庭、地域社会が一体となった取り組みを学校内外を通じて強力に進めていくことが肝要と考えます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  次に、我が国の戦後の教育。  高校、大学の進学率の上昇とともに、全般的には教育水準が高まっております。戦後の高度経済成長の原動力ともなったわけであります。これからの二十一世紀においても、資源のない我が国の発展にはマンパワー開発の原動力となる教育、これは極めて重要であろうと思うところであります。  しかし、戦後の学校教育においては、光の部分だけでなく、残念ながら影の部分もあったと思います。例えば、いじめ、自殺、不登校、学級崩壊など、具体的に挙げれば切りがありません。  そこで、私は、将来に向かって教育改革を声高に叫ぶ前に、まず過去をしっかりと振り返り、検証しておくことも重要であろうかと思います。戦後教育、殊に学校を中心とした教育行政はどのような成果を上げ、またどのような問題点をもたらしていたのかということについてきちんと分析をしておく必要があります。  慶応大学の榊原教授の論文におきましては、この十数年、いや、戦後五十年を通じて、文部省が推進してきた教育行政は基本的に間違ったものである、結果として文部省が最も力を入れてきた初等中等段階の公的教育の質が傾向として大きく低下したのは事実であり、まさに学力崩壊と呼ぶにふさわしい現象が進展しておることはだれしも認めておるところであると。さらに、戦後日本の教育行政は建前の上での自由と平等を厳しい中央からの規制と恣意的権力の行使によって実現してきたというように、かなり辛口の意見を展開しております。それに対して、当時の大島大臣は、教育行政の成果について客観的に分析を行い、これに基づき説明責任を果たしていくという姿勢が十分でなかった、このため、こうした反省を踏まえ、全国的な学力調査などの取り組みも始めていると述べています。  遠山新大臣としては、みずから文部官僚としてこのことに携わってこられたわけでありますが、戦後の教育行政に対してどのような分析、評価を行い、そしてこれからの教育行政をどのように行っていかれるのか、お伺いをいたしたいと思います。  なお、有馬、亀井両同僚委員の御了解で若干の時間の切り込みは結構だと言っておりますが、私の持ち時間もございますので、大変恐縮でございますが、要点を簡明に答弁いただければありがたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 戦後の日本の教育は、教育の機会均等の理念を実現して国民の教育水準を高め、そのことが日本の経済社会の発展の原動力となってきたことは確かだと思います。教育行政は、その時々の社会の要請にも応じながら、本来やるべきことをやってまいったと思います。  しかしながら、その一方で、日本の社会が豊かになったことのツケもありましょうが、都市化や少子化といったような問題がありまして、今御指摘にあったようないろんな子供をめぐる問題も起きております。また、個人を尊重する余り、あるいは個人の権利を言う余りに、公を軽視したり、あるいは義務でありますとか責任であるとか、そういうことを自覚させることがやや軽視されてきたということが言えます。さらには、今日当面していることは、科学技術の急速な発展なり社会の急激な進展に応じた知識なり生き方というようなものが十分に教育において与えられているかどうかということについての懸念もございます。そのようなことから、教育システムが時代や社会の変化の進展から取り残されつつあるという懸念が広くあるということは自覚しているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、今、教育改革において取り組もうとしていることは、一人一人の児童生徒があらゆる状況に立ち至ったときに十分対応できる真の学力を身につけ、そして心の荒廃を招かないような、きっちりした善悪の判断も持つような、そういう心情を持つ子供に育てていく。そのことを目指しながら、いろんな政策を組み合わせて総合的に教育改革を行おうとしているところであります。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 御協力ありがとうございました。  次にお伺いしたいのは、学力低下の問題についてであります。  当委員会において再三にわたり私は申し述べておるところでありますが、ゆとり教育という名のもとに、荒れる学校対策として、画一的に学習内容を削減し、勉強を否定する空気を助長してきたのではないかと思う一人であります。この学力低下の問題について私は何度か当委員会において意見を述べてきました。  確かに、国際教育到達度評価学会、IEAの調査によりますと、数学、理科の成績は国際的にいまだに上位の位置にあります。その反面、日本の生徒たちの理科、数学離れは年々進んでおり、危惧をされております。また、最近の読売新聞の調査によりますと、小中学校の教科内容の三割削減について、反対及びどちらかといえば反対を合わせますと四八%に上っています。賛成を上回っております。そして、その反対の理由として、学力が低下するからと答えた人が五六%に達しております。  当委員会には歴代文部大臣もたくさんおりますのでちょっと話しにくいわけでありますが、聖域なき改革の断行をテーマに登場した小泉新内閣の閣僚として、また民間から選ばれた新大臣でもあります。アジるつもりはありませんけれども、現実を冷静に分析し、見きわめ、心ある国民の不安を十分に受けとめ、その上で、仮にこれまでの政策に微調整を加える必要ありと判断をされるならば、思い切って政策転換を断行することも必要であると私は考えます。弾力的かつ迅速な政策転換を行い、国民の不安をなくすことが何よりも重要であります。過去にとらわれていては激しい変化に対応できません。  学力低下の問題について懸念を表明している西村京都大学教授は、一度崩壊した学力を再建するとしても、今後恐らく三十年から四十年はかかるのではないか、そうしてその間、日本社会は今の低学力、低質の労働力で耐え忍ばなければならなくなると警鐘を鳴らしております。  私は、そもそもこのゆとり教育というネーミングも、その語感からくる響きが何か国民に誤解を与えるのではないか、余り適切な表現ではないのではないかという気持ちを持っております。これまでのゆとり教育政策について新大臣の率直な御感想、御見解を賜りたい。  また、本年度、全国的な学力調査を実施するとのことでありますが、もし芳しくない結果が出ましたならば、速やかに学習指導要領の再改訂も含めた検討、対策が必要であると思いますが、大臣の決意のほどを伺わせていただきます。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 文部科学省の対応につきまして、ちょっと私の方からお話をさせていただきたいと存じます。  今、先生から御指摘がありましたように、国際的な調査において理数系の成績がトップクラスなのに意欲が大変減退しているということ、あるいは学年が上がるにつれまして授業がわかる生徒の割合が大幅に減少しているということ、こういったあたりは率直に反省をしなければいけない点だというふうに認識しております。  そういったこともあり、新しい学習指導要領において、内容の厳選ですとか、あるいは基礎や基本を確実に習得させるとか、体験的な学習等を通じて学ぶ意欲を身につけさせるとか、こういった内容を盛り込んでいるところであります。  しかし、おっしゃったように、不断の見直しというもの、これは大切だというふうに感じております。そのためもあって、今年度から全国的な学力調査を実施することになったわけでありますし、またさらには中央教育審議会初等中等教育分科会において教育課程部会を常設するというようなこと、さらには教育課程研究センターを設置するなど、教育課程の基準についても不断の見直しは続けていかなければいけない、このあたりをしっかり検証していく努力を続けていかなければいけない、そういう認識を持って努力をしていきたいと思っております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  次に、教育の国際競争力についてお伺いしておきます。  この国際競争力について気になる数字を発見いたしました。新聞報道によりますと、スイスのローザンヌに本部のある国際経営開発研究所、IMDが発表した二〇〇一年の主要国の国際競争力ランキングによりますと、日本の競争力は昨年よりも二つ順位を下げまして二十六位となっておるようであります。また、国際競争力の観点から見た大学教育に至りましては、最低の四十九位に格付をされております。ちなみに、一位はアメリカであります。アメリカは昨年に続いて一位であります。これは情報技術関連への政策投資の効率化とともに、世界各国からの優秀な人材を労働移民の形で吸収していることが競争力の源泉ではなかろうかと判断をしております。  一方、我が国は少子化の波をかぶっております。これからは大学側はお願いをして学生に入学していただくという時代になるわけです。教授の生首も切れませんので、何としても私学あたりはお願いをする立場に相なろうかと私は考えておるところであります。ますます大学のキャンパスのレジャーランド化が進むと思うのであります。  ランキングというものはデータ採用の方法によって違いが出てくるものでありまするので、一概に国際比較はできないということは私もよく承知をいたしております。しかしながら、一つの材料として憂慮して受けとめるべきではなかろうかと考えております。競争力というと、とかく経済的側面でとらえがちでありますが、その経済活動を支える人材を育成する土壌ともいうべき教育について、国際競争力という視点からとらえるということは大変私は重要であると思っております。  そこで、この国際競争力ということについて、大臣ないしは副大臣から御所見を賜りたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 先生の御認識は大変重要な点だと考えております。  先生から御指摘がありましたスイスのビジネススクールの大学の評価についてでありますが、この評価自体は、その内容を聞いてみますと、各国の企業の幹部が自分の国の大学に対して評価を行ったということでありまして、自分の国の大学が自分の企業活動にどのように貢献しているかというような見方が多分に出ているようであります。  しかし、いずれにしましても、そういった見方において評価が低かったということもまたしっかりと認識をしなければいけないというふうに思っております。そういったさまざまな評価の中で、日本の大学がどうこれからしっかりとした内容の充実に努めていくかというような見地から、責任ある授業運営ですとか、あるいは厳格な成績評価を行う、さらには世界の研究者を引きつける世界最高水準の学術研究、こういったものを活発に進める。さらには、大学の評価システムというもの、大学評価・学位授与機構の創設など、こうした外部の評価システム、こういった充実を図っていかなければいけない、そのように感じております。  こうしたさまざまな積み重ねによりまして個性化、多様化を図り、そして競争的環境を醸成し、そして国際的にも通用する最高水準の学術研究の推進も行える、そういった大学を進めていく、こういったことが大切だというふうに考えておりますので、これから引き続き努力していきたいと考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  なお、教科書問題について五点ほど質問通告をいたしておるのでありますが、同僚の亀井議員がこの教科書問題をしっかりとやるということでありますので、同じ広島県の副大臣もしっかりとお答えいただければというふうに思います。微妙な問題でありますので副大臣がいいかとか、そんなことを言っているわけじゃないんですよ。大変重要な問題であると思います。  なお、私は最近「ドラッグ」という映画を見ました。遠山大臣はごらんになったでありましょうか。まだでしたら、ぜひごらんいただきたい。この映画は薬物防止キャンペーンとして制作されたものであります。  そこで、いじめ、校内暴力、自殺等の問題について申し上げます。  対教師暴力、生徒間暴力、器物破壊、学級崩壊等々、学校内におけるいろいろな諸問題はますます多くなっております。また、先日出された厚生労働省の調査によりますと、長期間にわたって家庭に閉じこもる、いわゆる引きこもりの四割が高校までに不登校を経験しておる人たちだそうであります。過去最多件数を更新し続けておる不登校が大人になっても尾を引いている実態が浮き彫りになっております。児童生徒の問題行動は改善の明かりが全く見えない現状であると私は認識をしております。  そこで、私は百四十七、百五十国会の当委員会におきまして提案をいたしております。大臣は事務当局から私の提案について引き継ぎを受けておられると思います。  私は、いじめ、校内暴力、自殺等の大事件については、飛行機事故が起きた場合の国土交通省の航空事故調査委員会のような、文部科学省の専門家あるいは校長先生、生徒指導担当の先生、そうして精神科医、心理学者あるいは少年鑑別所の調査官等々、専門家から成る常設の委員会を文部科学省に設置し、そのような大事件が起きた場合には、それら専門家の委員の中からプロジェクトを組み、現地に乗り込んでいき、彼ら専門家による現地調査を徹底して、文部科学省の総力を挙げて、国際交流その他文部行政にはいろいろありますけれども、まずは今国民が一番悩み苦しんでおるこの問題に対して、二度と同じような事件が起こることのないような対策を講じていただきたいと提案をいたしております。  そうして、その原因等を総合的に分析した対策を国会にも報告していただきたいのであります。私はそのことを誠実に実行するに当たりましては組織や予算が必要であろうかと思います。であるとすれば、閣法を提案されるべきでありましょうし、あるいは議員立法として対応することも可能であろうと考えておる次第であります。私は、いじめ、校内暴力あるいは家庭内暴力等に悩み苦しんでおる人々に対して、そしてかけがえのない我が子を自殺にまで追い込んでしまうこれらの問題に対して、行政の他の部分はすべてストップしてでも、聖域なき改革を断行する小泉内閣として取り組む価値があると考えております。  今までは、児童生徒に大きな事件が起きますと、世の学者、いわゆる学者、本物ではありません、教育評論家と称する人たちが大勢出てまいりまして、その原因を分析し、学校が悪い、先生が悪い、あるいは家庭が悪い、いやいや、そうではなくて地域社会の教育力が低下をいたしておると、あたかもダイナマイトのしっぽに火をつけて次々に責任転嫁の持ち回りをしておると。そのうちにマスメディアも書き疲れまして、いつの間にか鎮静化すると。事件は何の対策も見出せないまま風化をしていくということであったと思います。そして、また数年後に同じような大事件が起こるとまた同じように世の中が大騒ぎをする、この繰り返しであります。  私は、このように児童生徒の問題行動に対する対策が閉塞状況にある現状でありまするので、思い切った対策を必要とすると思います。学校現場における荒廃がこれ以上放置されますと、将来に大きな禍根を残すと思います。文部科学省は緊急の課題として全力を挙げてこの問題に取り組むべきであると私は思っておるわけであります。聖域なき改革の断行を目指す小泉内閣の閣僚として、このような私からの提案に対して、大臣の積極的、前向きな御答弁を願いたいのであります。  なお、申し上げますが、非行関連省庁は六省庁あり、その上に総合調整官庁があることも十分に承知をいたしております。しかし、国民皆教育制をとった我が国においては、小中学校の義務教育の段階で全児童生徒が文部行政の中に組み込まれてくるわけでありまするので、官庁間の消極的権限争いをベースに、官僚的な答弁ではなく、全国の悩める児童生徒、そしてその親御さんたちに思いをいたし、聖域なき改革の断行を目指す小泉内閣の新閣僚として一歩踏み込んだ前向きの答弁を期待いたしておるところであります。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 大変力強い御提案であります。  当省といたしましては、これまでも各種の重大事件に対応いたしまして、児童生徒の問題行動等に関する調査研究協力者会議を開催いたしました。ちょうど中学校課長をやっておりますときに校内暴力の火の手が大変大きく上がりまして、そのときに緊急対策のための懇談会を開いて緊急提言をしてもらい、そういうようなものをベースにしながら、ほとんど毎年のように問題が起きるたびにいろんな対策協議会というようなものをやって、問題の種類に応じて専門家を集め、そしてその対策について明確な方途を探っていただき、全国に指導してまいったというプロセスがございます。  一連の凶悪事件が最近特に起きていたりいたしまして、そういう場合に、心理学者等の専門家、関係省庁の担当者などで構成する会議を開催して、現地調査を実施しながら、その原因、背景や少年の状況、学校における指導体制等について徹底的な調査分析を行って、最近の事件の特徴を踏まえた対応策の検討を行ってまいったところでございます。  その結果、去る四月に報告が取りまとめられました。その報告では、児童生徒の問題行動への対応に当たりましては、児童生徒の心のサインを見逃さないで問題行動の前兆を把握して早期に対応すること、また情報連携から行動連携ということで、学校と関係機関との間で単なる情報交換するだけではなくて、みずからの役割を十分果たしながら、一体となってその問題に対応していくというようなことが提言されております。  このようにやってまいっておりましたが、委員の御提案というものも大変示唆に富んでおります。そのようなことも参考にさせていただきながら、しかし目的は機動的にいかにして組織的にサポートすることができるかということを探求するという方向で、ぜひとも今後とも取り組んでまいりたいと思います。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 大変力強い御答弁をありがとうございました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。  次に、家庭教育と行政との関係についてでありますが、これまでの家庭における教育は家庭の責任にゆだねられ、それぞれの親の価値観に基づいて行われるべきものであり、行政は家庭の中に立ち入るべきではないという消極的な姿勢に終始をしてきたのであります。しかしながら、今や教育がこのような危機的状況にあることを考えますと、今までのような消極的姿勢では打開の方向は見出せない、不十分であると私は思っております。  私は、児童生徒の問題行動と家庭の教育とは極めて大きな関連を持つものではなかろうかと考えております。少子化、核家族化の中にありまして、現在の親は子供をどのように教育し育てていけばよいのか戸惑っておるのが現状であろうかと思います。  私は今、私の事務所の方で親学の会という勉強会を立ち上げ、勉強を始めたところであります。将来は幼児教育を専門とする大学教授や小児科医、そして子育てに悩むお母さん方にも参加をいただいて、充実した勉強会にしていきたいと考えているところであります。そして、文部科学省の若手官僚の皆さんにも、必要なときが来たならば、その勉強会にまで来ていただいて御指導いただくこともあろうかと考えておる次第であります。その際はよろしくお願いをいたしたい、こう思っています。私は、官僚諸君もせっかく親から与えられた人並みすぐれた能力を持っておる人が多いのでありまするから、余りかたくなに官僚社会の枠の中にはめず、外に向かって自由に物を言うという時代が来つつあるのではなかろうかというふうに考えておる次第であります。  そこで、家庭教育と行政のあり方について新大臣の御見解をお伺いするとともに、家庭における教育力の充実について女性大臣としての決意をお伺いしたい。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今の取り組みにつきまして、私の方から御説明をさせていただきたいと存じます。  先生から御指摘いただきましたように、家庭教育はすべての教育の出発点であるというふうに認識しております。その中にあって、家庭の教育力が低下していること、これは御指摘のとおりだと認識しております。  そして、これもまた御指摘いただきましたが、平成十年、中央教育審議会答申におきまして、もう一度家庭を見直そうという答申が行われました。その中で、過干渉の是正ですとか父親の役割、あるいは子供の個性、さらには家庭でのルール、こういったことをもう一度しっかりと考え直さなければいけない、こういった指摘を受けたわけであります。  その答申を一つのきっかけとしまして、それまではややもしますと家庭の中に干渉すること、入り込むことをためらう雰囲気があったわけでありますが、この平成十年の答申をきっかけとしまして、文部科学省も家庭としっかりと連携しながら教育というものを考えていかなければいけない、こういった認識が強くなってきたというふうに考えております。そして、その方向でこれからもしっかりと政策を進めていかなければいけないというふうに思っております。  具体的には、家庭教育手帳ですとか家庭教育ノートの配付、さらには相談体制の整備ですとか支援ネットワークの形成、家庭教育に関する学習機会の充実、こういったことを進めているわけでありますが、昨年の教育改革国民会議報告においても充実することの提言を受けているわけでありますから、今年度からまた子育て講座を始める等、さらなる一層の充実に努めなければいけないと思っておりますし、またこの国会に社会教育法の改正案を提出させていただいております。この法案において、家庭の教育力の充実のための社会教育行政における体制整備を図っているわけであります。こういったあたりもぜひ先生方の御理解をいただきながらしっかりと努めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 ありがとうございました。  次に、歴史認識と教科書との関係についてお伺いいたします。  政府の歴史認識といたしましては、平成七年の村山首相談話があります。その中で、アジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたとし、心からおわびの気持ちを表明しております。また、平成十年の日韓共同宣言においても、痛切な反省と心からのおわびを述べ、若い世代が歴史への認識を深めることが重要であるとしているように、この歴史認識は村山内閣以降歴代内閣において引き継がれておりまして、現内閣においても当然に引き継がれていることと理解をいたしております。  ところが、今回、この政府認識とは必ずしも一致しない考え方に基づく歴史教科書が検定合格をいたしたことによりまして、近隣諸国、韓国等からの批判の声が上がっておる現状であります。これに対し、本年四月の官房長官談話におきましては、「教科書の歴史認識や歴史観が政府の考え方と一致するものと解されるべきものではない。」とし、著作者の創意工夫を生かした多様な教科書の発行という教科書検定制度の基本理念が明確に示されたと理解をいたしております。  そこでお伺いをいたしますが、仮に政府の歴史認識を尊重する旨の検定基準を設けるとしたならば、現行の検定制度に照らしてどのような問題が生じてくるのでありますか。また、近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに、国際理解と国際協調の見地から必要な配慮を求めるいわゆる近隣諸国条項のあり方も含め、教科書における歴史認識について、検定基準の見直しを検討し議論すべきとの考え方もあろうかと思いますが、大臣ないしは副大臣の所見を伺いたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 教科書の検定制度についてでありますが、今、先生のお話の中にありましたように、その執筆者の創意工夫のもとに教科書としてふさわしい内容が学習指導要領等の基準に照らして盛り込まれているか、それを判定する制度であります。    〔委員長退席、理事亀井郁夫君着席〕  そういった中にあって、政府の歴史観等を盛り込むというような趣旨にはそぐわない制度だというふうに感じております。近隣諸国条項等、現在の基準の中で今の学習指導要領の基準に照らして、そして教科書の内容に過不足ないかどうか、教育的な配慮等の中でこの制度があるわけであります。ですから、言論の自由等も含めて大変重要な制度だと考えておりますので、この制度をしっかりと守っていきたいというふうに考えております。

阿南一成自由民主党・保守党

○阿南一成君 もう一人の副大臣、実は科技庁の質問も準備をしておりましたのですが、時間が参りましたので、大変失礼でありますが、これで終わります。    〔理事亀井郁夫君退席、委員長着席〕

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 自民党の有馬朗人でございます。  文部科学行政について最も明るく、私が日ごろ大変御尊敬申し上げ、かつ常に頼りにしております遠山敦子さんが今回大臣におなりになられたということを非常に喜んでおります。ぜひとも大いに御活躍をされますことを御期待申し上げます。  まず、今も阿南委員より学力低下の問題が議論されましたが、私は、学力が低下したかどうか大変議論が盛んになっているということは、ある意味ではすばらしいことだと一方で思っております。なかなか学力ということを言えなかった。私が中央教育審議会のときに、学力向上という学力ということが言えなかった。ゆとりということを私は推進するんですが、同時に学力を上げようと言いたかったんですが、言えなかった。そういう時代に比べて、今は学力ということが言えるようになったことはすばらしいことだと思っております。  それにしても、新指導要領への批判があり、国民へ心配を与えているということは大変憂慮すべきことであると思っています。また、この学力について、日本全体にわたり、前にも御質問申し上げたことに関係いたしますけれども、長期的に文部省で行った調査がないということを私は非常に残念に思っている次第であります。全国的調査は、一九五六年から六六年と、一九八一年から八三年、一九九三年から九五年しかありません。したがって、最近下がったのか上がったのかわからないわけです。ですから、榊原さんその他の人たちの議論というのはすべて抽象論であると私は思っています。  ただし、文部省でもよく引用されます、そして先ほど阿南委員も御指摘になった国際比較、TIMSSとよく呼んでいますが、それによりますと、日本の子供たちは数学、理科が一九九五年、一九九九年でほとんど変わっていない。そういうことで私はいささか安心をしているわけでありますが、よく御指摘があります、先ほども御指摘があったように理数嫌いがふえているという、これは事実であります。それほど大幅にふえたわけではないけれども、これは多少ふえているという面があります。  おもしろいのは、シンガポールは成績がよくて理科も数学も好きな子が多い、台湾は非常に成績がいい、日本、韓国も五位以内に入ってすばらしい、成績がいいのですが、日本、韓国、台湾で共通して理科嫌い、数学嫌いがふえている。何事であるかということで私は非常に関心があるところであります。  私は、中央教育審議会の会長時代から、学力調査を文部省としては常時行うべきだということを強く主張してまいりました。大臣になった際にも言ったのでありますが、幸い明年二月より学力の調査を行うということが決まったとお聞きしておりますので喜んでおります。お願いは、三年と言わず今後定期的に、毎年とまで言いません、二年置きなり三年置きで結構でありますので、きちんと日本の子供たちの学力を押さえておいていただきたいと思います。決して、隣の学校と比べてこっちが弱いとか、批判が出て嫌だというふうなことにならないようにお願いをいたしたい。  そこで、文部大臣に、今後ともずっとこれを継続するという、そういう御方針をおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 先生から御指摘いただきましたように、全国的に実情を把握する材料がなかったということ、こうした調査が行われてこなかったということは大変大きな問題であったというふうに思っております。  そういった中にありまして、まず現行の学習指導要領のもとで、小中学校については来年一月と二月、高等学校については平成十四年度に全国的な学力調査を実施するわけであります。そして、今後につきましては、教育課程審議会答申等でも、継続的、定期的に実施することが提言されているところであります。  文部科学省としましても、この全国的、総合的な学力調査の継続的、定期的な実施に向けてこれは鋭意検討していかなければいけないというふうに認識しております。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 また、この結果をカリキュラムセンターで直ちに分析をし、必要に応じて、十年後の大規模の改訂を待たずに、今までと違ったやり方、小改正をする方向であると私は理解しておりますが、正しいでしょうか。この点について御回答いただければ幸いであります。  また、私は、先ほど阿南先生に批判を受けましたゆとり教育の推進派の一人でありますが、ゆとり教育というのは何もサボれと言っているわけじゃないんで、子供たちに、お父さん、お母さんとゆっくり土日はゆとりを持ってつき合うとか、あるいは基礎、基本を徹底的に反復練習する、そういう時間を与えるという意味でのゆとりであります。  こういう点もあわせまして、大臣の学力問題についての御見解を伺いたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 学力低下について国民の不安が広がっているということについては私も憂慮いたしておりますが、逆に申し上げますと、有馬委員がおっしゃいましたように、国民が学力低下について危機感を持っていてくれるということは大変ありがたいことでもありまして、文部科学省としましては、そうした不安なり危機感に十分に対応していかなくてはならないと思っております。  その意味で、今いろんな方策を講じているわけでございますが、少なくとも客観的に学力が本当に落ちているのかどうかということをしっかりと見きわめた上で、仮にそういうことであれば迅速に対応策を打っていく必要があろうかと思いますし、また来年度から新しい学習指導要領が実施されるわけでございますけれども、その中で、そのねらいとするところが本当には伝わっていない方々が批判されている面もありますから、その点についても広報すると同時に、新指導要領におきます指導に際して、教師の方々が参考にできるようないろんな資料もつくっていくという形で国民の不安なり危機感に対してきちんと対応してまいりたいと思っております。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 ありがとうございました。  今、教育にどういうふうに向かっていこうかという理念についても国民に十分お伝えいただきたいと思っております。  私は実は小学生、中学生の学力よりも心配していることがあります。それは子供たちの意欲の低下のことであります。例えば、子供たちに人生目標、どういうものを考えるかという質問をいたしますと、六〇%以上の子供たちがその日その日を楽しく暮らす、そしてその次に五〇%ぐらいの子供たちが平凡だが円満な家庭を築くということでありまして、世界に貢献しようというようなのは非常に少ない。私はこういう点で心配をしているわけです。また、何かをやろうとする気持ちが弱いように思います。この点、大臣はどうお考えでおられるか、どのように子供たちの理想、人生目標を、そして倫理観を高めていこうとなさっているかについてお聞かせをいただきたいと思います。  私は、やはりこのためには社会体験である、自然体験である、奉仕活動である、こういうふうなことをぜひとも子供たちに体験をさせるべきだと思っておりますが、どうお考えでいらっしゃいますでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 本当の学力というのは、私は、自分で考えて、自分で判断できて、そしてでき得れば自分で問題を発見しこれにチャレンジしていく、そういう力を持った場合に真の学力があるのだと思うわけでございます。  これまでの教育は、もちろんそれは一般論では言えない面もありますけれども、多くの場合、座学で知識を詰め込むというふうな傾向が強かったと言われております。しかし、子供たちが本当に興味を示すのは、実際に自分が興味を持つテーマについて問題を与えられ、あるいは問題を発見してそれに取り組んでいく、そういう実際的な教育のプロセスを通じて実感として、自分で考える力なり、あるいは自分で判断して結果を出してみた、その達成感が次の学習の意欲につながっていくのであろうかと思います。  その意味で、今、新しい学習指導要領のもとにねらっております総合学習の時間を活用した教科と関連したいろんな体験なりあるいは自然との触れ合いなり、そういうこれまでの座学にないプラスの面を実施できるような授業形態による取り組みというのが非常に有意義ではないかと考えます。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 ありがとうございました。  そこで、少し技術的な御質問を申し上げたいと思います。  来年度より実施される新教育課程についてでございますが、まず授業時間数についてお伺いいたしたいと思います。なお、私の勘定は五十分の単位時間ではなく六十分の自然時間で計算をいたしますので、御了解いただければ幸いです。  最近、理科と数学について、来年度より時間数が大幅に減少し、先進諸国中最低になると言われております。例えば、中学校三年生をとり数学と理科を合わせた時間数をとりますと、現在、OECDの調査によりますと二百二十三時間とされております、これは厳密に言いますと平均値でありますが。これは、ドイツ二百十七時間、イングランド、これは分けてあります、スコットランドは少し多いものですから。イングランド二百十七時間とほぼ同じであります。しかし、明年以降は百五十四時間になります。したがって、三〇%減であります。  ところで、中学校一、二、三学年の数学と理科の総時間をとりますと、現在、五百八十三時間ないし六百十三時間で、新課程では五百四時間、これは中学校一、二、三と全部合わせて申し上げているわけでありますが。これによりますと、一四%ないし一八%の減少にすぎません。三年はやや多いんですが、全体的には一四ないし一八%と思います。理科の部分だけをとりますと八ないし一七%の減少であります。  そこで、理科を三割減らしたというようなことを文部省はかつて発表されたのではなかったかと思いますが、これは一体何に基づいているのでしょうか。時間だけを見れば、そんなに減らさないと思う。内容が三割減ったというならば、一体どういう計算をして内容が三割になったとお考えになるか、その辺をお教えいただきたいと思います。中学校の理数教育の総時間数はそれほど減っていないことと内容を減らした意義を国民にやはり積極的に御説明なさるべきだと思いますが、この点も含めてお伺い申し上げます。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 少し技術的なことでございますので、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。  先生御指摘のように、新しい学習指導要領のもとでは、理科、算数、数学の標準授業時数は、小学校におきましては算数で一四%、理科で一七%、中学校におきましては数学で一八%、理科で八%を縮減されることになるわけでございます。一方、全体の授業数の縮減率は七%でございまして、各教科の授業時数ほどには縮減されていないわけでございます。これは総合的な学習の時間の導入あるいは選択教科に充てる授業時数の拡大などを行った結果でございまして、学習意欲などを含めた総合的な学力を向上させようとするものでございます。  そこで、選択教科の時間でございますが、これは生徒の興味や関心や理解の状況等に応じて数学や理科を選択して学習することが可能でございますし、また総合的な学習の時間は各教科で学んだことを総合的に働くようにするための時間でございまして、各教科の学習と密接に関連するものでございます。したがいまして、子供の各教科の学習時間を考える場合には、先ほど申し上げました標準時数に加えまして総合的な学習の時間や選択教科における学習の時間を含めて考える必要があるということが一つでございます。  また、教育の中身でございますけれども、授業時数の縮減以上に教育内容を厳選いたしているところでございます。これを算数、理科などの教育内容をそれぞれの学年ごとに見ますれば、おおむね三割程度を減らしているわけでございますけれども、その多くは高度になりがちな内容を上の学年や学校段階に移行し、上の学年等の内容と統合したり、あるいは各学校間段階あるいは各学年間、各教科間で重複する内容を削除したりすることなどによりまして体系的にわかりやすく指導することができるようにしたものでございまして、そういう意味で学習内容を単純に三割削減したというふうなものではないわけでございます。この点をどうぞ御理解をいただきたいと存じます。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 それにしても、中学三年生の数学と理科の時間を合わせますと百五十四時間になる。としますと、先ほど申しましたドイツ、イギリスの二百十七時間の七〇%の時間にすぎなくなります。  そこで、今、局長が言われた選択教科の時間及び総合教育の時間について少しここで考えさせていただきたいと思います。  選択教科の時間を仮に国語、英語、数学、社会、理科、五教科で平等に分けますと、総時間で幾らになるか、このことについて計算をいたしてみますと百八十七時間になると聞いておりますが、正しいでしょうか。合っているか合っていないかだけ御指摘くだされば結構です。  新教育課程では総合学習の時間が新設されます。この使い方については後にまた少々お聞きいたしますが、この時間でも数学や理科を教えることができますので、ここでも五分の二は理数に使うといたしますと、必修の百五十四時間に選択教科の時間の五分の二を加えたもの、さらに総合学習の時間の五分の二を加えますと、総時間は二百二十七時間ぐらいになると聞いておりますが、正しいでしょうか。  この二点についてイエス、ノーでさっとお答えください。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 私どもの試算でも委員御指摘のとおりでございます。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 そういたしますと、二百二十七時間になればドイツ、イギリス等と比べて全く遜色はない。ですから、文部省はこのように選択教科や総合的学習の時間についてもっと積極的に国民に説明すべきであると思いますが、この点はいかがでしょうか。ごく手短にお覚悟をお聞かせください。局長でいいです。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 委員の御指摘のとおりでございまして、そういう意味で私ども国民に対する説明について不十分な点があったと考えるものでございまして、そういう点も含めてきちんと国民に説明し、新しい指導要領について国民の不安がないように努力をいたしてまいりたいと考えているところでございます。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 よろしくお願いいたします。国民に誤解のないようにお願いをいたします。  総合学習の時間についてお尋ねを申し上げます。  新教育課程が成功か失敗かは総合学習の時間がどのように使われるかにかかっていると言えると思います。導入を提案いたしました中央教育審議会の元会長といたしましても大変心配をいたしているところであります。  総合的学習とは一体いかなる意図があるのか、文部大臣にお伺いいたしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 総合学習の時間ですが、各教科で学ぶ知識や技能を体験的な活動の中で実感を持って理解し、実生活において生かされ、総合的に働くようにする、これがねらいでありますが、先生がおっしゃったように、この重要性をしっかり認識していかなければいけないと思っております。  何よりも、この総合的な学習と個別な各教科の学習、これは切り離して考えるべきものではなくして、その総合的な学習の中で各教科で学んだものをいかに活用するか、そしてそれを実際に経験していくのか、そしてそういった経験を通じたものをさらに各教科の授業においてフィードバックする、こうした総合的な教育と各教科の授業、これは有機的に運営していかなければいけない、そんなように感じております。こういったことによってこの大切な総合的な学習をぜひ生かしていきたいものだなと思っております。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 ありがとうございます。  そこで、私は次のような利用の仕方があると思うんですが、文部科学省をおどかすことになるといけませんから、あらかじめちょっと警戒の心でお聞きくだされば幸いであります。  私は、英語で算数や理科の一部分を教えたらどうか、英語で社会の一部分を教えたらどうか、これこそ総合学習じゃないかと私は思っているわけです。  私は、アメリカへ行って最初に困ったのは、講義しろと言われて、三分の二と言えなかった。十割る五がどういうふうに英語で言われるかがわからなかった。こんなことは英語の時間で教えませんから、易しい数学を英語で教えていただければ済むと思うんです。  それから、人名や地名で、皆さん、ごめんなさい、レオナルド・ダヴィンチは、Leonardoが正しいかReonardoが正しいか、ぱっとおわかりになりますか。VとBの発音がぱっとおわかりになりますか。私はわからなかった。ですから、地名や人名のかなりの部分を英語で教えてくだされば、これは非常に子供たちが将来役に立つと思うんです。  皆さん、dead rockとおっしゃいますよね。そして、暗礁に乗り上げるというふうにお考えですが、deadlockなんです。あれはかぎが壊れるなんです。だから、日本人だけですよ、rockに乗っかっちゃうのは。こういうのはやはり社会を英語で教えれば済むんです。これをぜひお願いしたい。こういうことが許されるかどうか。  次に、私自身が経験したことで申しますと、高等学校の教育であります。物理で力学を教えるときに、指導要領が大変厳しかった。私は教科書を何冊も書いたんですが、しょっちゅう怒られた。数学で微分、積分を教えている時代でも、物理で微分、積分を使っちゃいけないと。あんなばかなことはないんですね。物理で、特に力学で、ニュートンの力学を微分が使えれば一行で済むのを綿々と二ページも使って説明するということになるんです。今でもそうです。ですから、私は長年、高等学校の物理の教科書で微積分が使えるといいな、教科書だけじゃなくて講義で、授業で微積分が使えるといいなと思っていました。  一方、数学の方の教科書を見ていますと、物を投げたときの運動なんということは書いていない。それを入れればどういうふうに微分、積分が使えるかが一遍にわかって大変おもしろいんです。私が子供たちにそういうことを教えますと、ああ、微積分の意味がわかったというふうに子供たちが喜ぶ。  ですから、これこそ総合的学習の時間では、数学の先生と物理の先生が一緒になって力学を教えれば一遍に力学の意味がわかるし、何でニュートンが一方で重力の場を発見しながら一方で微分を自分で考え出したかがわかってくれてすばらしいことになる。それは総合的学習の時間でこれができると思っています。  また、原子の構造についても、物理で教えるなら実に簡単な原子の構造、化学で教えるのは周期律とかイオンとか結構複雑なものでありますが、両方一緒にやって物理と化学で原子を教えれば非常に総合的によくわかるわけです。これも実に総合的学習の時間に適していると思うんです。  私は、こういうふうなことから、総合的学習時間用の副読本、副教科書を書こうと思っていますが、これは問題ありませんよね。また、こういうふうなやり方はよろしいでしょうね。この点についてどなたがお答えいただけるか、お答えください。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 有馬委員の大変貴重な御提言でございます。私の知識と判断では今直ちに、それをどういう形で総合的な学習時間でこなせるものかどうかということについて、にわかには明快な御説明ができないわけでございますので、しっかりと受けとめさせていただいて、十分検討させていただきたいと思います。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 検討だけじゃなくて、実行できるようにしていただければ幸いです。  教科書を書いている人間の一人として希望があります。必修科目について、特に初中教育の科目につきましては教科書検定は厳しくても私は仕方がないと思っています。しかし、高等学校の選択用の教科書の場合には、もちろん私は誤りを正していただいたという点では非常にうれしかったけれども、多少読み物的なページであるとか附属的なページというものについては少々指導要領の範囲に幅を持たせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。これは大臣なり岸田副大臣の御見解を承れれば幸いでありますが、いかがでしょうか。あるいは局長でも。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) これも技術的な話でございますので、私の方から御説明させていただきたいと思います。  高等学校の教科書の検定につきましては、これは基本的には小中学校と同様に学習指導要領に従って実施することになるわけでございますけれども、高等学校の学習指導要領の場合は、これは高校生の多様な興味、関心に応じた教育が行えますように、小中学校の学習指導要領以上に大綱的なものとなっているところでございまして、したがいまして検定もそのような学習指導要領の考え方に即して行うことになろうかと思うわけでございます。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 ありがとうございました。なるべく緩やかにお願いをいたしたいと思います。  さて、総合的学習の時間、選択教科も今度ふえたと思いますが、選択教科の時間などに対しまして、私は、中教審の会長をいたしておりましたときには、できる限り学校現場の主体性に任すべきだと考えておりましたが、最大の効果を上げるためにはもう少し例示があってもいいのではないかと思うようになりました。文部科学省でもっと積極的に総合的学習の時間の使い方ないしは選択教科の時間の使い方を例示なさるよう御努力いただけないものであろうか、お伺いいたしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘のように、先ほどの答弁にありましたこの総合的な学習は大変重要なものだと認識しております。これを活用するためにも、新しい制度の例示する努力、これは大変重要だと思っております。ぜひその辺を工夫してしっかりとした例示をPRしていきたいと思っております。

有馬朗人自由民主党・保守党

○有馬朗人君 青山副大臣にお伺い申し上げたいと思います。  それは子供たちの科学技術に関する啓蒙の問題でございます。先ほど申し上げましたように、日本だけではなく、数学で多分一番か二番、理科でも一番、二番であった台湾も含めて、台湾、日本、韓国等の子供たちが理科嫌いである。一方、シンガポールは非常に理科好きである、そして事実もう既に三割学習内容をこの四、五年で減らした、これは中学校でありますが、減らしたという努力をしております。  さて、私が最後にお伺いいたしたいことは、青少年の科学技術に関する関心を高めるために文部科学省として今後どういうふうに方針をお立てになろうとなさっておられるか、この点をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

青山丘自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(青山丘君) 実は、来週になりますと、私は日本科学未来館へ見学に行くつもりでおります。  実は私も子供のころから理科嫌いでございまして、そんなことでは日本が国際社会の中で科学技術、学術の分野で貢献をすることができませんし、やはり基本的に科学技術、学術の振興が我々により質の高い生活を支えてくれるものになりますし、国の経済が活性化していくものになっていくわけです。それは先ほど阿南委員からの質問にもありました。  そこで、私、ちょっと脱線ぎみかもしれませんが、子供たちが、もちろん理科にも興味を持ってもらいたいんですけれども、進んで勉強していきたいと。勉強は私も子供のころ余り好きではありませんでした。しかし、勉強に興味を持って物事に自分から進んで取り組むという姿勢が基本的に必要だと私は考えておりまして、そのためには、もっと根本的なものは何かといいますと、私の考えですが、やはり自分はこの世に生を受けて親に対してありがたいと思えるか、余りありがたくないと思って育ってくるかが非常に重要なような気がいたしまして、すべて、命を与えられたことがありがたいと思えれば、生命の尊重といいますか、意味もわかってきますし、親に対してもそのことによって感謝ができる気持ちになりますし、社会や先生に対してもそういうありがたさで接していけば、学問を受け入れる力も自分で広げていくような基礎がもう既に子供のころからできておるような気がいたしまして、そういう意味で子供たちは創造的に育つことができるのではないか。中にはとことん理科の嫌いな子供もいるかもしれませんけれども、しかし、私は、理科に対してもあるいは人文系に対しても幅広く興味を持って物事に接してくれる子供たちが力をどんどんとつけていってくれるのではないかという気がいたします。  そういう意味で、私の立場では、これからもっと理科に多くの皆さんが、子供たちが関心を持ってくれますように取り組んで努力していきたいと思っております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。  御案内のように、小泉内閣は九〇%前後の高い支持率をちょうだいしておるわけでございますが、これはひとえに変えよう、変革というスローガンが、考え方が国民にフィットしておるなと思うわけであります。経済の問題、福祉の問題、いろいろございますけれども、私は、教育の改革こそ一番大きな課題であり、やらなきゃならないことだと思うわけでもございます。そういう意味では、今国会にはこれまでの歴代内閣ができなかったような教育改革関連法案が上程されているわけでございまして、ぜひとも大臣には頑張っていただきたいと思うわけでもございます。  そういう意味で、まず最初にお尋ねしたいのは、教育の中立性の問題ですけれども、教育が国内外、外からの圧力によってゆがめられてはならないわけでありまして、そのためにはこれからしっかり頑張っていかなきゃいけないわけでございますけれども、海外からの問題は、検定の問題でいろいろと中国、韓国からありまして、阿南先生が質問されるはずだったんですけれども、やらなかったんですけれども、この問題は、一応検定そのものは済んだわけでありますから、これに対して毅然とした姿勢で対応していただきたいということをお願いしたいわけでございますが、むしろこれから始まる採択の問題について私はお尋ねしていきたいと思うわけであります。  特にこうした問題を中心にしてお尋ねいたしますけれども、まず最初に大臣に、こうした教育の中立性を維持しようということについての基本的な姿勢でございますけれども、これについて大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 亀井委員御指摘のとおりでありまして、学校教育におきましては、日本国憲法及び教育基本法を初めとする法令にのっとりまして、外部の不当な介入を受けることなく教育の中立性を確保することが極めて重要なことであると認識しております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 ぜひ頑張っていただきたいと思うわけでありますが、ただいま申し上げましたように、今、これから採択の問題でございますけれども、これも非常に大きな問題を抱えておるわけであります。  特に、教科書が適正につくられ、適正に採択されるということが非常に大きな課題であることは言うまでもないわけでございますけれども、では日本の場合、果たしてどうだったんだろうかということを振り返ってみますと、私は必ずしもそうではない。これは戦後長年にわたって日教組や解放同盟など外部団体の強い影響下のもとで選択が行われてきたと。例えば学校票だとか絞り込みというようなことが行われてきておったわけでございますけれども、こうした手続が行われている状況の中で、文部省もこれじゃいけないということに気がついて、平成二年でありますけれども、教科書採択の在り方に関する調査研究協力者会議というのがあって、ここから出ました教科書採択の在り方についての改善方策というのが提言されましたので、これに基づいて文部省は平成二年の三月に「教科書採択の在り方の改善について」という通達を出されたのはもう十年以上も前のことでございます。しかし、残念ながらこの文部省の通達はずっと無視されてきておったわけであります。  そういう状況をとうとう文部省ももうほうっておくわけにいかないということで、去年の九月に教育委員長・教育長会議が開かれまして、再度この教科書の採択についての正しいやり方というものについて要請されたわけでございますけれども、ここでお尋ねしたいのは、こんなに長い間、教育の中心である文部省が出された通達が無視されてきたということはどういうことが原因だったのか、またそのことを放置せざるを得なかった文部省の立場でもあろうかと思いますけれども、それについてお答え願いたいと思います。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 直截なお答えにはならないかもしれませんけれども、少し経緯を御説明申し上げますと、教科書の採択につきましては、文部省といたしましては、先生御指摘の平成二年の通知などによりまして、適正かつ公正な採択が確保され、あわせて開かれた採択が一層推進されるよう、そういう観点から指導してきたところでございます。  その後、平成九年度におきまして、平成二年通知に基づく改善の状況を調査いたしましたところ、一部に改善が見られましたけれども、開かれた採択の推進等につきましてはなお多くの改善の余地があったわけでございまして、こうした結果をもとにさらなる改善について指導を行ったところでございます。  その結果、特に昨年以降、新学習指導要領に対応した教科書が採択されます平成十三年度を目指して教科書採択の改善に向けた指導を行いましたところ、とりわけ開かれた採択につきましては、例えば各採択地区における採択結果についてはほとんど、また選定委員会の委員の氏名につきましては約八割が公表する見込みとなっているなどの改善が図られてきているところでございまして、先生の御指摘と私どもの認識といささか異なるわけでございます。そういう意味で、私ども、データ的な形で申し上げることはなかなか事柄の性格上難しゅうございますけれども、私どものこうした指導もございまして、相当程度改善が進められてきているというふうに考えているところでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 私が今お尋ねしたのは、十年間ほっておったのはどういうわけですかということをお聞きしたのであって、去年からいろいろやっているから大分変わってきたということについてのこととは違うんですけれども。  サボっておったということは答えられないかもしれませんから、それは結構だと思いますけれども、私が申し上げたいのは、やはり十年間こうした問題をしっかり考えていただけなかったという文部省のあり方、それから、去年から一生懸命やっていただいているんですけれども、相当程度と言われますけれども、私はまだまだだと思うんですね。形だけはどうやら整いつつあるかもしれませんけれども、まだまだこれからだと私は思うわけでありますので、ひとつ文部省を挙げてこうした問題を、地道な仕事ではありますけれども、しっかりやっていただきたいと思うわけであります。  教科書の採択というのは、私が申すまでもなく、各県の教育委員会、さらには各市町村にあります市町村の教育委員会が責任を持って選んでいくわけでございますけれども、そのために、都道府県の教育委員会はその参考資料として指導、助言するために選定資料というのをつくって、これを市町村の教育委員会に渡しておるわけであります。  この選定資料というのは、くどいようですが、各都道府県の教育委員会が責任を持ってつくって、七冊あるいは八冊ある、あるいは十冊あるかもしれませんが、そういう本についてそれなりの評価をして渡すわけですね。ですから、これが非常に手がかりになりますから、非常に大事なものでございます、この点をよく見ていかないといけないんですけれども。  手元にお配りしておりますのが、これが青森県の平成十二年の選定資料です。青森県の教育委員会がつくって市町村に配った資料ですよ。  私が申し上げたいのは、これを見てください、これは七冊の歴史教科書を評価しているんですね。縦に何項目かありますけれども、書いてある文章が七冊全部同じですよ。一言も違わない。違うのは2のところと17と46、これだけですね。上から2の「程度」のところだけ「よく配慮されている。」と。ほかのところはただの「配慮」ですけれども、「よく配慮されている。」。それから、その「程度」のところのその次の(2)のところですね、これも「よく配慮されている。」。その次が「よく工夫されている。」。それから、「組織・配列・分量」の(2)、これも「よく工夫されている。」。一番下も「よく工夫されている。」。  「よく」という言葉がついているのが、この三社の教科書には「よく」がついて事実上絞り込まれているわけだと思いますけれども、その他については一字一句違わないんですから、これを見た人はどのように評価するんでしょうか。  私が申し上げたいのは、県の、県というのは都道府県の教育委員会のこうした教科書採択に取り組む姿勢がいいかげんだったということを申し上げたいんです。ほかにも、東京都の場合は出しておりませんけれども、東京都の場合には何々について記述が何ページあると、ページ数だけ数えてそれを書いてあるような選定資料なんですね。  そういうふうなことでございますから、非常に問題だと私は思うんですけれども、文部省としては、さきに言われたように、教科書についてはいろいろと指導されている。しかし、こういったものについてこれまで具体的に見られたことがあるんでしょうか。調べられたことがあるんでしょうか。そこまで細かく気を配っていかなければ絶対うまくいかないと私は思うんですけれども、その辺についてはどういうことでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 教科書の採択につきましては、教育委員会の判断と責任において行うべきものではありますが、先生から御指摘いただきましたように、一部の県におきまして選定資料等において必ずしも適切でないものがあるということを認識しております。  こういった状況に対しまして、どう文部科学省として対応するかということでありますが、まず基本は情報公開だというふうに思っております。先生のこうした資料の御指摘もあったわけでありますが、こうした採択資料のみならず、選定委員会の委員、保護者等が参加することが好ましいというふうに思っておりますが、こうした選定委員の氏名ですとか、さらには結果ですとか、こういったものをやっぱり徹底的に公開していただく、開かれた採択を実施していく、これがやはり状況をいい方向に持っていく大きな原動力になると思っておりますので、このあたりをしっかりと徹底できるように文部科学省としても工夫をしていかなければいけない、そのように考えております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 今、副大臣のお話を聞きまして、これからの課題ですけれども、しっかりやっていただきたいと思いますし、特に今度、教育委員会がオープンになりますので、教育委員会の場でこうした問題をしっかり検討するように、よろしくお願いしたいと思います。  それから、次の質問でございますけれども、教科書の採択についていろいろと疑惑の問題等があると言われておるわけでございます。  五月に発刊されました北海道の地方誌に教科書に関する業者との癒着に関する記事が掲載されまして、現地で大変大きな波紋を呼んでおるわけでございますけれども、ちなみに十二年度の中学の歴史教科書の採択について、北海道の二十四の採択区の中で、調べてみましたら二十一区が教育出版の本で独占されているということでございます。そういうことで、非常に一社に偏っているということですね。  ほかのところはどうだろうかと思って、全国を調べてみました。そうしましたら、四十七都道府県あるんですが、東京は二つに分かれておりますので四十八になりますけれども、見ますと、一社独占が何と十二です。二社独占が十八、これだけ、三十あるんですね。そうすると、ほかのところはほとんどもう無視されているということでございます。  こんなふうに偏った形で採択が行われているということは非常に問題だと。そういう意味では、教育委員会を初め、教育関係者の方々が出版社に天下っているというようなこともこれには書いてありますけれども、こういった点については十分自粛しなきゃいけない問題だと思うし、文部省としてもその辺を十分調べていただきたいと思うわけでございますけれども、そうして襟を正していただきたいと思いますが、文部省では、こうした業者、出版社と教育関係者のOBとの関係、天下りがどうなっているかということを調べられたことがあるかどうかということと、今後の方針についてお尋ねしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘の北海道の例につきましてはちょっと承知をしてはおりませんが、そうした懸念が抱かれるような状況があるとすればこれは好ましいことではない、これは当然のことであります。  そういった懸念を抱かれることがないようにするためにも、やはり開かれた採択の重要性を改めて感じるわけであります。先ほど申し上げました情報公開の徹底を図ることはこれからもしっかりと進めていかなければいけないと思いますし、またそういった個別の状況につきましては、教育委員会の判断と責任において採択が行われるわけでありますから、教育委員会のその判断と責任において実態をしっかりと把握すること、これが大切だというふうに思っております。そのような認識のもとにこれからの状況をしっかりと見据えていきたいと思っております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 今の問題ですけれども、官僚が天下ることについても非常に自粛するようになっているし、それについてもいろいろ調査されているんですけれども、こうした問題について、教育こそ公正中立でなきゃいけないわけでありますから、文部省としてこの辺についてぜひ調査していただきたいと思いますけれども、そういうことについてはどのようにお考えでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) これは、その個別の事例のみならず、全体的にそういった状況がどうなっているのか、これを把握することは文部科学省として大切な責任だと感じております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 よくわかりました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  それから、教科書の採択についての反対運動の問題について次にお尋ねしたいと思うんですけれども、扶桑社の中学の歴史教科書が今中国や韓国で問題になっておるわけでございますけれども、これに関しまして、民主党の鳩山党首は不採択の運動を起こすというようなことを発言されたというようなことが新聞紙上にも出ておったわけでございます。特定の教科書の採択運動をすることは禁じられておるわけでありますけれども、同じような意味で不採択運動も当然許されないと思うわけでございますけれども、どのように考えられるか。  特に、こうした民主党の党首の指示が仮にあったとすれば、日教組を初め、そうした教職員団体がこういうことを仮に運動するとすれば、これは許されないことだと思いますけれども、そういうことについて、二点についてどのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) まず、政党や職員、職員団体が教育について意見、見解を表明することは基本的には自由だというふうに認識しております。  そして、先ほど来申し上げておりますように、教科書採択はあくまでも教育委員会の判断と見識、責任において適切に行われるべきものであり、公正な採択が確保されること、これが大切だというふうに思っております。ですから、公正な採択に影響が出るようなことは好ましいことではないというふうに思っております。  いろいろな立場の人間、いろいろな考え方の人間がいるわけでありますが、公正な採択に影響が与えられることがないように慎重に対応していくこと、これは大切なことではないかなというふうに思っておりますということでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 よくわかりました。ぜひともよろしくお願いしたいと思います。  次に、北海道の教育の問題についてお尋ねしたいと思います。  これも、外部の団体によっていろいろと教育の現場が問題を起こしているということで、去年の十一月のこの文教・科学委員会においていろいろとお尋ねしました。そして、当時の大臣からもぜひともこの問題については本格的に取り組んで指導していきたいというふうなお話もあったわけでございます。  特に問題になりますのは、昭和四十六年に教育長と組合との間に結ばれた四六協定、協定があるんだから組合は当然だという立場をとりますけれども、その中身が教育上非常に問題だということでお尋ねしたわけでございますけれども、この四六協定の破棄についても、全面的に破棄するように大臣は指導するということをこの会ではっきり言われたわけでありますし、局長さん方も同じような立場でいろいろとお答えいただいたのが十一月でございますけれども。  その後、北海道の教育委員会の方では、四六協定の中について五項目にわたってだけこれは破棄するということを一応三月二十日に通達されたわけでございますけれども、しかしこれは全面的ではなくて一部だけでございますが、その破棄された内容も、私から見れば基本的な問題じゃなくてまだまだ末端の問題であります。そういう意味では、もっと本格的にこの問題について取り組んでやっていかなきゃならない問題があると私は思うわけでございますけれども、全面破棄という観点、目的のために、この問題について大臣は当然引き継がれていると思いますので、大臣の北海道の教育に取り組まれる、この改善に対して取り組まれる姿勢、お願いしたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 御指摘のように、これまで北海道におきます教育の正常化のためには四六協定を早急に破棄することが必要であると考えて、その破棄について北海道教育委員会を指導してきたところであります。  これを受けまして、先ほどお話しのように、北海道教育委員会は本年三月二十日に四六協定の一部削除を北海道教職員組合に通告したところでありまして、これは北海道の教育の正常化の第一歩と考えておりますが、四六協定には依然として校長の権限を制約する事柄が含まれておりまして、学校の適正な管理運営の大きな妨げとなっているものと認識しております。  文部科学省としましては、今後とも北海道の教育の正常化に向けて、四六協定の破棄について北海道教育委員会に対する指導を徹底してまいりたいと思います。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 四六協定の破棄の問題について、今、大臣のお考えを聞きましたので、ぜひとも頑張っていただきたいと思うんですけれども、まだまだ残されている問題は、御存じだと思いますけれども、例えば夏休みを校外研修にして、夏休みが終わったら、二学期になったら夏休みをとる。こんなばかげたこと、どこに行って話してもみんな笑いますよ。こういうことが堂々と行われており、これが直されていないんですからね、今回。私は変なことだと思いますね。  それから、各種研修会ということで、組合主催の研修会に出張しても、これは教育委員会の研修会と同じような格好で扱われて、そして出張旅費まで出されている。こういうふうなこともおかしな話だと私は思いますし、挙げたら切りがありませんけれども、時間外勤務もできないということで、職員会議を五時になって続けてやろうと思ったらできない、五時になったら職員会議も打ち切らなければいけない、こういうたくさんの問題があるわけでありますけれども、こういう問題を一つ一つやはり文部省としては指導していただきたいと思うんです。    〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕  広島県の場合も非常に評判が悪くて、広島県が一番悪いと思っていたんですけれども、ところが三年前に文部省の方から直接おいでいただいて具体的に指摘されて、そしていい方向にようやく動き出してきたのが実態ですから、やはり都道府県の教育委員会のやることだということでおいておくのではなしに、ぜひやっていただきたいと思うんです。  このことに絡みまして、もう一つお尋ねし、またお願いしたいのは、確かに五項目について破棄を通告したんですけれども、しかし組合は、組合の文書を見ますと、破棄されたとは言っていないんですよ。破棄の申し入れを受けたけれども、継続協議だという考え方でおりますし、同時に、四六協定に絡んで道教委がたくさんの通達を出しているわけです、たくさんの。そうすると、四六協定を今回破棄しました、破棄しますと言った五項目に絡んだ通達もたくさん出ているわけですね。これは破棄すると言っていないわけですから、これは現場で生きているわけですね。トップで教育委員会が単に組合に言っているだけの状況ですから、教育現場ではたくさん残っているこうした通達についてはっきり破棄するということを道の教育委員会が通達することを求めておるわけでありますけれども、こういうことについてはぜひともそのように指導していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、北海道、四六協定に基づき、問題のある内容を有する通知、通達が存在しております。当然のことながら、学校の適正な管理運営の妨げとなっているこれらの通知を改めるよう北海道教育委員会を指導していきたいと考えております。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 よろしくお願いいたします。  それからもう一つお尋ねしたいんですが、実は鉛筆年休という問題ですね。広島では破り年休と言って、組合活動へ出るのに、年次有給休暇の届けを出していって、帰ってきたら破って捨てる、これが広島のやり方で、破り年休。北海道では、行くときに鉛筆で書いていって、帰ってきたら消しゴムで消す、だからなくなっちゃうということで、鉛筆年休。うまい言葉を考えたものだと思いますが、こういう形でやられておるわけであります。これは依然として続けておられるんだと思いますけれども、こうしたものが三十年間放置されておったわけですね。これが会計検査院の目にも触れなかったというのは非常に不思議なわけでございます。  これは金額がどの程度になるのかなと思って私なりに試算してみました。組合の役員数が、分会長以上というと学校以上ですから、一応学校数ぐらいは分会長がおると思いますので、そうしますと二千五百六十八人。こんなにおるわけでございますが、その方が週に一回組合の会議に出たとすると、年に五十二回ということになりますし、そして一日の給料をどうするかというと、余り高く言ってもいけませんから、半日ということもあるでしょうから、平均一万円と仮に仮定しますと、何と年間十三億三千五百万という数字になりますね。それから、これが二週間に一回しか組合の会議に出なかったと仮に仮定しましても、これは半分ですから六億七千万ぐらいの数字になるわけです。大変な金が不当に払われていると。これは明らかにおかしいと思うんですね。国費のむだなことが行われているということですね。  これについては、広島県の場合には現実に返還請求を行いました。約二百名の方に返還請求を二千万やりましたけれども、百名の方が一千万お返しになって、まだ百十名ぐらいですか、返しておられないのが九百何十万かあるわけです。そういうことで、これについては広島県の教育委員会は返還訴訟を起こしておるわけでございます。  会計検査院の方にお尋ねしたいのは、三十年間なぜこんなことが大変な金額が使われているのに気がつかなかったのかと。十三億円で三十年というと三百九十億、四百億近くになる金でございますから、ぜひともこの辺について、どうしてなのかということをお尋ねしたいと思います。

有川博会計検査院事務総局第四局長

○説明員(有川博君) 私どもといたしましても、地方公務員法第五十五条の二の第六項におきまして「職員は、条例で定める場合を除き、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行ない、又は活動してはならない。」と規定されていることを承知しております。    〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕  委員の御指摘は、北海道におきます教職員の人事管理等が適切を欠き、この地方公務員法第五十五条の二に違反していて、その結果、教職員給与費等が不適切に支出されているということでありますが、事態の確認のためには一件ごとに勤務の実態について精査を行う必要があり、この件数が膨大であることとともに、個々の教職員からの調査協力が不可欠であるということと、また給与を受けながら組合活動ができる場合につきましては、法の規定を受けまして各自治体がそれぞれの条例で定めていることをあわせ考えますと、第一義的には、道において教職員の勤務の実態を調査して、条例等に基づき事態を確認していただくのが適当であると考えております。  会計検査院といたしましても、これまで義務教育費国庫負担制度につきましては、その制度が有効に機能しているかなどの観点を視野に入れながらいろいろな問題提起をしてまいっておりますが、このたびの委員の御指摘の点につきましても十分念頭に置きまして今後の検査に当たってまいる所存であります。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 今おっしゃったように、会計検査院にこれがなぜわからなかったのかということを言うのは酷なところがあるかもしれませんけれども、このことは条例で決められていないことをやっているわけですから、そういう意味では、ぜひともこういう問題について厳しく会計検査院として検査をしていただきたいと思うわけでありますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、北海道教育の問題について文部省の方にお願いしたいんですけれども、ことしの一月から北海道に調査を出されて、それについて何か五十箱も段ボールにレポートが集まっているということで、これについていろいろと今調査中のようにお聞きしておるわけでございますけれども、そうした書類による調査もいいですけれども、こういうのじゃなかなか私は本当のことはわからないと思うんです、どうせ鉛筆で書くんですから。それじゃなしに、やはり文部省から直接出かけていかれて、具体的に問題認識を持って校長先生や先生方や教育委員の人たちに聞いてもらうということで初めて問題が私は明らかになるんだろうと思うんですね。  広島の場合にも、平成十年四月に行っていただきましたけれども、あれは四月九日の予算委員会で問題になり、二十四、五日には行って、調査なんか事前調査しないで、現地で話を聞かれて、それで十数項目にわたって的確な問題を指摘されておられるわけでありまして、その結果が三年かけて広島県の教育もようやく形だけは何とかなったかなという感じでございまして、これからでございますけれども、本当にみんな広島県の人は文部省に感謝しているわけです。  そういう意味では、文部省から行かれた辰野教育長がしっかり頑張っておられるわけでございますけれども、これも文部省の一員ですから、非常に感謝しておるわけでございますが、そういう意味で、北海道にもぜひとも文部省から直接派遣団を出してもらって、そして文部省の方々が直接現地で話を聞いて、いかに問題が深刻かということを理解していただきたいと思うのでありますけれども、これについて、これは大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 長い経過をたどっている問題でありまして、大変深刻な問題だと考えております。  広島県のケースについて解決の方途が明確になってよくなったという話でございます。北海道につきましてもそのような方向ということも考えられると思いますが、まずは教育委員会の調査を待って、その方向について検討してまいりたいと思います。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 今、教育委員会の調査を待ってとおっしゃったんですけれども、文部省に五十箱の段ボールが来ているということは、北海道の教育委員会にあるんじゃなくて文部省に来ているんでしょう。そうすると、どういうことなんでしょうか。今、大臣のお答え、北海道の教育委員会の調査を待ってということじゃ、私ちょっとおかしいと思うんですけれども。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 事実関係について、先生誤解があるようでございますから、私の方からちょっと申し上げますが、五十箱とおっしゃいますのは、これは北海道教育委員会において調査の資料として保管されているものでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 そうすると、五十箱の調査はいつごろ終わるんですか。一年も二年もかかるんじゃないでしょうね。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 確かに大変膨大な調査を今やってもらっているところでございまして、今私どもがお聞きしている限りにおいては、いつの段階で調査が終了ということの明確な時期は聞いておりませんけれども、ぜひとも鋭意精力的に、できる限り速やかに結果を出すように今調査を進めていただいているところでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 今の話を聞いていると、文部省は北海道のこの問題について本格的に取り組むつもりがないんじゃないかと私は受けとめました。  こういうことじゃ困るので、五十箱の調査が終わるまで待つとか、それを早くやってもらうと言うなんて、もう去年の暮れにお願いしたわけですから、このことはすぐわかっているわけですから、そういう意味では直接、五十箱は五十箱で結構ですから、文部省としてぜひとも行っていただきたいと思います。  参議院の自由民主党は、来月の三日、四日と調査に参りまして、いろいろと現地でお話を聞いて帰るつもりでございますけれども、やはり文部省もぜひやっていただきたいと思うんですけれども、その辺はどうなんですか。なぜ行けないんですか、調査に。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 私の今の説明は少し舌足らずでございましたが、五十箱全部の調査につきましては、これは相当の時間がかかることが考えられるわけでございますので、私どもといたしましては、当面、事項を絞りまして、まずは一次報告として結果を出していただくようにという形でお願いをいたしているところでございます。  そういう状況でございますので、まずは第一義的には北海道教育委員会におきまして精力的に調査を進めていただくことが必要であろうかと思うわけでございますが、そうした中で必要があれば私どもがみずから調査を行うことも視野に入れますけれども、現段階におきましては北海道教育委員会において責任を持って調査を進めていただいているところでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 しつこく聞いて申しわけないんですけれども、広島の場合にはそういうことなしにさっと行かれたんですよ、広島県の場合は。北海道は何でこんなに丁寧にやらなきゃいけないんですか。丁寧と言っちゃおかしいですね、時間をかけて、わざわざ、返事が来なきゃ行けないとか、そんなことはないんじゃないかと私は思うんです。どうも納得できないんですけれども、その辺は。広島の場合はさっと行かれたんですよ。北海道はなかなか行かない。どういうことですかね。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 一般的に市町村における調査はその上位団体である都道府県の教育委員会において一義的に調査をやっていただくのがまずは通例でございますし、今回においてはそうした通例のやり方でやっていただくことについて何ら問題がないわけでございますので、そういうことで今北海道にお願いをいたしているところでございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 通例だということですから、広島の場合は通例でなかったということだと思いますが、いずれにしましても通例のやり方で早急にこの問題については努力していただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう時間がありませんので、最後にロケットの問題、HⅡAの問題についてお尋ねしたいと思います。  いろいろと議論されておりますように、我が国の技術力の低下がいろいろと議論されておりますけれども、特にロケットが宇宙に飛んでいく、しかも日本の手で飛ばせるということは、そういう意味では国民の誇りであり、同時に子供たちにも大きな夢を与えるものでございますから、ぜひ成功していただきたいと思うわけでございます。  一点は、宇宙関係の三機関の一体的運営、今度文部科学省の中になりましたので、それについての一体的運営をどのようになさっているのかということと、二つ目は、HⅡAロケットがこの夏に発射されるわけでございますけれども、過去二回の失敗をもとにしながらいろいろ研究されていると思うんですが、私の懸念は、この前まで百八十億一基かかっていたのが、今度は八十五億ということで半分以下なんですね。安ければいいんですけれども、しかし我々も、私自身メーカーにおりましたけれども、合理化するにしても、本当にできるのかなと。普通、失敗すれば、いろいろなものをつけてやりますから、その次は高くなるのが普通なんですけれども、半分以下になるというのでは、ちょっと大丈夫かなという心配があるんですけれども、まあ大丈夫なんでしょう。  しかし、そういう意味では、もし失敗したときに、予算がなかったから失敗したんだなということにならぬようにしっかりやっていただきたいと思うんですが、これについての自信のほどをお尋ねしたいと思います。

今村努文部科学省研究開発局長

○政府参考人(今村努君) 先生お尋ねの最初の点について、私の方から御説明申し上げたいと思います。  宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団、三機関の一体的、効率的運用の件でございます。  この点につきましては、本年四月からこの三機関共同で運営本部を設置いたしまして、ここに産業界、大学等の幅広い研究者、技術者の御参画を得まして、信頼性向上あるいはロケットエンジンに関する共同研究あるいは人材の交流、さらには今後の衛星の打ち上げ、追跡管制の統合化といったようなことを視野に入れながら今活動を開始したところでございます。  そこで、この点につきましては、運営本部がスタートしたところでございますので、順調に推移していると思っておりますけれども、これら三機関はそれぞれの役割あるいは業務運営の方法等に違いがございます。例えば宇宙科学研究所は本来大学の共同利用機関でございまして、学術研究とともに自由な発想による研究を進めていただく機関でございますし、一方、宇宙開発事業団は国策に沿って計画的に開発を進めてそれを実用化させるという非常に明確なミッションを持った機関でございます。こうした違いや業務運営の方法の違いがこうした一体化に支障にならないように、それぞれの長所をうまく最大限に生かしていくことができるように私どもとしてもこうした動きをできるだけサポートしてまいりたい、このように考えているところでございます。

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 青山副大臣、手短にお願いします。時間です。

青山丘自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(青山丘君) せっかくの御質問ですから丁寧に全部お答えしたいと思いましたが。  世界でも大型ロケットを開発しているのはアメリカとヨーロッパとロシアと中国と日本だけでして、日本にとっては、このHⅡAロケットは宇宙開発にとっては現下の我々の取り組みとしては最重要課題として受けとめております。  それから、HⅡ八号機の失敗が相当な教訓になっておりますので、この教訓の上に立って、例えば品質管理を徹底的に進めていく、あるいはエンジンの地上燃焼試験というものを徹底的に進めていく、そして信頼性を高めていきたい。特に、HⅡAロケット試験機一号機はことしの夏に必ず成功させたいという予定で今全力を挙げて取り組んでおりまして、宇宙開発事業団をしっかり指導していきたいと思います。  なお、お話がありました百八十億から八十五億にと、そんなに簡単にはできないであろうという御指摘ですが、例えば部品が三十五万点から二十八万点に、全体として八割に削減をするように努力しております。それから、例えば溶接の箇所、これもエンジンだけですと九十八カ所から八カ所に溶接をする箇所を削減いたしまして、コストの削減に全力を挙げて取り組んできているところでございます。  そして、価格がやはり国際競争力に合うものでなければいけませんので、その目標を厳しく立てて、今そこに向かって全力で取り組んでいる段階でございます。

亀井郁夫自由民主党・保守党

○亀井郁夫君 ありがとうございました。

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。    午前十一時五十四分休憩      ─────・─────    午後零時五十三分開会

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、日下部禧代子君が委員を辞任され、その補欠として山本正和君が選任されました。     ─────────────

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の諸施策に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 私は、民主党・新緑風会の内藤正光でございます。  本日は、文部科学省のほかに、内閣府そしてまた厚生労働省の方からもお越しをいただき、大臣所信に対するいろいろな質疑ということで、幅広にいろいろなことを議論させていただきたいと思います。  まず最初に、二人の邦人、日本人がアメリカの地において遺伝子スパイ容疑をアメリカの司法当局にかけられております。そういったことで、まず遺伝子スパイ事件についてお話をお伺いさせていただきたいと思いますが、聞くところによれば、五月十日に文部科学省の方で調査検討チームを発足されたというように聞いております。そして、その担当が水島大臣政務官だというふうにお伺いをしておるわけでございますが、まずこの遺伝子スパイ事件に関する現時点までの、まだ二週間しかたっていないということはありますが、現時点までの調査検討状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。

水島裕自由民主党・保守党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(水島裕君) 三十秒だけちょっと前置きさせていただきますと、私も今でも研究指導をやっている立場としまして、日本の国内外を問わず、いろんなものを借りたりもらったり上げたりしているので、あるいは内藤委員もサイエンスをおやりになったからおわかりだと思いますけれども、きちっと契約を交わして人間関係をちゃんとしておけば何の問題もないんですね。だけれども、私も経験があるんですけれども、ある人を私の研究所に呼んだら、その人がいろんなものを持ってきちゃったということで相手側から賠償を言われたこともあったということで、そういうことを一つ頭に入れてお答えいたしたいと思います。  ですから、今度の事件も、米国の報道とか訴状の方から一方的に判断しますと、理研が自分の利益のために、理研あるいは国の利益のために今おっしゃるようなことをしたんではないかと。そういうことであっては大変なので、きちっとその事実関係を把握しようということで、今おっしゃるように、五月十日に情報が入りまして、その日のうちに理研でも調査チームをつくっていただいて、それから文部科学省でも大臣の命で私がチーフになりまして調査委員会をつくりました。  そこで、主として三つの点について、細かく御説明しろということでしたらいたしますけれども、実際に理研でどういうことが行われていたかということを中心に調査を至急始めて、私どもの役は、理研のチームが一義的に解明することですから、こういうことだけはきちっと注意してやるようにということをかなり厳しく申しまして、その一つとしましては、いやしくも外国から理研の調査がなれ合いじゃないかとか内部かばいじゃないかとか、そういうことがないように第三者をつけるようにということで我々は命じて、今そのとおりやっております。  理研の方は四回、外部の信頼を置ける人を入れまして今まで行いまして、もちろんこれは正式には書面で回答をいただきますので、余り断片的な情報を申し上げると、後で食い違っていたなんということがあるとあれですので、余り申し上げない方がいいと思いますけれども、そうはっきりとしたアメリカが言うようなことは今のところ出てきてございません。  ただ、調べてもらいますと、その二人の人、私もよく存じ上げているもので、私も直接電話でこういうところは注意するようにということを申しましたら、意外と、やはりちゃんと研究をやっているところはあちこちから材料をもらったりいろいろなことをしておりますので、その先がどうなっているかということまで調べて思いのほか時間がかかっているということで、私としますれば、でも来週中ぐらいには完全じゃなくても中間的な報告をしていただけるものというふうに期待をしておりますし、そういうふうに向こうに言ってございます。  大体のところがそうでございますけれども、この事件で理研の国際サイエンスの協力における信頼をなくしたり、今ライフサイエンス振興が非常に重要なときにマイナスの影響がないように、いろんなことを配慮しながらやっていきたいと思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 事の成り行きを見守っていかなきゃいけないんですが、それは別として、このバイオの世界はもう熾烈な覇権争いが世界を舞台に繰り広げられているわけでございます。  そんな状況の中、水島大臣政務官のお考えでよろしいんですが、当事者、日本の研究者及び日本の研究機関側にわきの甘さがあったというふうにお考えでしょうか。

水島裕自由民主党・保守党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(水島裕君) 余り失言しないようにということだと思いますけれども、大体、日本の研究はわきが甘いところが結構ございます。以前は研究者は研究だけでよかったわけでございますので、情報もみんな交換したりなんかしてもいいけれども、今は非常に産業とか契約とか、そういうのに縛られている関係があるわけでございます。ちょうど文部省と科技庁が一緒になりましたので、研究者教育というのもきちっとやって、今おっしゃるわきの甘さをこれからはなくすように努めていかなくちゃいけないなというふうに思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 次に、内閣府にお尋ねしたいと思いますが、これは何も私はアメリカに仕返しをしろという意味で言っているわけじゃございません。この事件を一つのきっかけとして日本自身も考えなきゃいけないという、そういう思いで二つぐらい質問をさせていただきたいわけなんですが、バイオの分野では今後ますます国際協力研究関係というのがどんどんどんどん広がっていくんだろうと思います。そんな状況の中、日本には現在ハイテク技術等の海外流出を防ぐような法律は存在するのでしょうか。

仲道俊哉自由民主党・保守党内閣府大臣政務官

○大臣政務官(仲道俊哉君) 内藤委員御承知と思いますが、米国の法律、よく言われておりますが、経済スパイ法というのがございます。そして、それによって、個人によるところの営業秘密の窃盗の場合と、または外国政府や外国機関等を利用するために営業秘密を不正に入手または利用するという、そういうことでこの経済スパイ法というのができておりますが、日本の場合には今の御質問のこういうものは現在はできておりません。  日本の場合には知的財産権の保護というのは特許法、それから不正競争防止法ということで、アメリカの場合には刑事罰がかかるわけでございますけれども、日本の場合には民事上の問題としてそういう法律が現在はあります。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 つまり、では特許が確立されれば特許法で守られるとはいうものの、特許が確立される前の状態は何ら法的な手だてはないということですね。

仲道俊哉自由民主党・保守党内閣府大臣政務官

○大臣政務官(仲道俊哉君) はい、そのとおりでございます。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 そういった、言ってみればこれからバイオの時代に突入する中にあって、これは日本の法的な不備だと、大きな不備だと思います。そういったことを考えますと、日本も国益的な観点から早急に何らかの法整備を進めるべきではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

仲道俊哉自由民主党・保守党内閣府大臣政務官

○大臣政務官(仲道俊哉君) たまたま先ほど水島政務官から今の調査の報告がございましたけれども、我が国の場合については、今御質問のような、米国におけるところの経済スパイ法という、そういう刑事罰、刑事的な法律はできておりませんが、この問題を契機にして特許等の知的財産を含む、まず研究成果、それから研究データ、研究材料、治験、実験サンプル、バイオ等を含めて、それから実験装置等の管理や秘密の保護に関して、特に研究者が機関を移動する際の研究機関と研究者の関係、これはまだまだ日本の場合にははっきり契約等が厳密になされておりませんので、そういうようなこと等、国内外の現状というものを把握して、今後大いにこの問題については検討課題にいたしたいと考えております。  それと、今言いました研究者の流動化、それから科学技術等の国際化、今から大いに国際交流がなされますから、そういうことに対して研究者と所属機関との利益相反等の管理等のあり方について、やはりこれも検討する必要があるだろう。  いずれにいたしましても、科学政策上の検討課題として、今御指摘いただきましたことは今後我が国の科学技術上大いに研究課題として研究されなければならないと思いますし、これらについては、今総合科学技術会議がございますが、この総合科学技術会議で科学技術システム改革の一環としてこの問題を研究課題として取り上げたいというふうに考えております。これからの課題でございますから、よろしくどうぞお願いします。

水島裕自由民主党・保守党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(水島裕君) 今のことに関して、そういう法律整備も一つの課題でございますけれども、今現に特許をとるという点でも日本は非常にみんな認識がないわけですね。それから、私の関係の研究所ではそうしておりますけれども、外国から人を呼んだときはきちっと今のようなことを契約を結んでいるわけですね。  ですから、差し当たりそういうことでもすべての研究所でやるように我が省として検討、指導していくということをまずやる必要があるんじゃないかなと思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 どうもありがとうございます。  まず、文部科学省におきましては、今回の事件の事実解明を徹底して、そして早急に進めていただきたいと思いますし、またこれからも、本当にバイオの時代、バイオの時代というのは言ってみればそういった知的所有権の時代ですから、日本の法的な不備を徹底的に早急に正していただきたい。  そして、これは二年、三年かけていちゃだめだと思うんです。この時代にもう今突入しているわけですから、検討課題と言わずに、早急に処理すべき課題、答えを出すべき課題というふうに認識して法的不備を正していっていただきたい。  そして、水島政務官がおっしゃったように、法律が確立される前にもまだやるべきことはたくさんあります。いろいろな契約関係を明確にするとか、そういったことは徹底してやっていっていただきたいと思います。  仲道さん、もうこれで内閣府に関しては終わりでございますので。どうもありがとうございました。  次に、文部大臣にお尋ねをさせていただきたいと思います。  小泉総理大臣は大臣の所信表明において米百俵の精神に触れられました。米百俵でございます。最後の方で、まさに教育と絡めてこの米百俵の精神を言われたわけでございますが、まずお尋ねします。文部科学大臣としてこの話をどのように受けとめられたのか、お答えいただけますでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) あの米百俵の話は内閣総理大臣の所信表明の性格づけに大変特徴的なお話であったと思います。しかも、それが米百俵という人づくりの基本を説いたそういう話であったと思っております。  この米百俵の精神は、新たなる国づくりを担う人材を育成する、あるいは将来に向けて知的資産の創出を進めるということを目指している未来への先行投資という観点から、文部科学行政の推進にとって重要な指針になると考えております。同時にあの話は、耐える心といいますか、そういう未来に向けて今耐えながら将来のために頑張るというふうな精神もあろうかと思います。  その意味で、今日いろんな社会の閉塞状況にありますが、その中でやるべきことは人づくりであり、未来への投資になる重要な事柄を次々にやっていくという、そういう精神を説かれたのであろうかと思います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 その思いは私も同感でございます。頑張っていっていただきたいと思いますが、ではその米百俵の精神を今後の文部科学行政に具体的にどう反映させていくおつもりなのか、文部科学行政に照らし合わせてお答えいただきたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 米百俵の精神を教育科学行政の中でどう生かすかということで考えますと、一つは、やはり将来の国づくりを担う人材の育成ということでありますので、今まさに文部科学省が力を入れて推進しております教育改革というものをさらに力強く推進していくことであろうかと思います。その意味で、教育改革関連法案の今国会における成立に全力を尽くすという姿勢でこの課題に取り組んでまいりたいと思います。  同時に、科学技術創造立国を目指しておりますので、創造性に富んだ世界最高水準の成果を生み出すための研究開発というものを総合的に推進してまいる、そのような姿勢で臨みたいと思います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 では、もっと具体的にお尋ねしたいと思います。  大臣は新しく文部科学大臣になられたわけなんですが、今日までの文部科学行政をそのまま継続されるおつもりなのか、あるいは質的な転換をお考えになられているのか、お尋ねします。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) まさに今取り組んでおります教育改革というものが二十一世紀の日本を活力ある国にしていくために非常に大事だということでございまして、二十世紀までの教育行政それ自体も意味のあるものではございましたけれども、新しい時代にふさわしい、しかも根本的に必要な教育改革ということを目指して今踏み出し始めたところでございます。  その意味で、もちろん教育は不易と流行というものがございますから、これまでの蓄積というものを前提としながら、しかし今望まれているいろんな課題について果敢に取り組むということが大切だと考えておりまして、その意味では私は新しい第一歩を踏み出すという、そういう時期に来ていると思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 別に意地悪で申し上げるわけじゃないんですが、教育改革をさらに推進するだとか、未来への投資だとか、科学技術立国創造のためにというのはずっと言われ続けてきたことなんですね。ずっと前の大臣も、そしてその前の大臣も同じようなことをおっしゃったわけなんです。  私は、遠山大臣に求めたいのは、今までの大臣とは違う、何か遠山大臣としてのこの教育にかける情熱を、思いをお尋ねしているんですが。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 教育はいろんな課題がございますけれども、私としましては、これまで積み重ねられてきたいろんな議論を前提とはしながら、しかし本当に今子供たちが、あるいは社会が望んでいる教育の成果というものは、一人一人が本当の意味の力をつけていくということ、そして豊かな心を持った人間に育っていくことではないかと思います。  そのために、では教師はどうあったらいいのか、学校はどうあったらいいのか、あるいは教育委員会はどうバックアップしたらいいのか、カリキュラムはどうであったらいいのか、そして地域社会との総合的な教育力をどのように発揮していくか、いろんな課題がございます。そういったものを総合的に実現していくということが大きな改革への第一歩だと思うんですね。  ですから、個別のことを言いますといろいろございますけれども、私は、今大事なのは、そういったいろんな課題に総合的、全体的、系統的に踏み出すということで、今日、教育が抱えている問題に対応していく、その姿勢とそのための努力が必要であろうかと思います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 私は、大臣に望みたいのは、今までの継続性ではなくて、今までやってきたこと、本当にこれでいいのかどうか、新しい時代に合わせて本当に今の教育が正しいのかどうか、そういったものを一つ一つしっかりと抜本的に見直しを行い、そして本当に未来を支える人材を育てていっていただきたいと思います。お願いをいたします。  それでは、具体的な話に入っていきたいと思いますが、次にIT教育についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  IT教育といっても、コンピューターそのものについて学ぶ教育から、あるいはまたコンピューターを活用する教育、いろいろ幅広いものがありますが、それらを全部ひっくるめてIT教育という言い方をさせていただきたいと思いますが、特にこの場では私は初等中等教育におけるIT教育についてお尋ねしたいと思いますが、大臣御自身、このIT教育の重要性をどのように御認識なされていますでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 学校教育におきまして、社会の動向ですとかあるいは産業の動き、こういったものを敏感に反映して適切に対応していくことは大変重要だと思っております。そういった見地から、初等教育、中等教育におきましても、こういった認識のもとにしっかりと内容を充実していかなければいけない、これは大切なことだと認識しております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 わかりました。  では、もっと具体的な質問をしていかないとこちらが求める回答も出てこないでしょう。  ここに、私の手元に記事があるんです。この表題、「企業ニーズとミスマッチ」という大きな表題が出ております。これはどういう内容かといいますと、就職がまだ決まっていない高校三年生を対象にしたパソコン講習会を行ったという記事なんです。ところが、参加者のほとんどというか半分以上がパソコンをさわったことすらないとかいうようなことが書かれているんです。では、片や企業についてのインタビューはどういうふうに答えているかというと、情報技術に関して少しでも高い技能を持った高卒者が欲しいと。やっぱり企業の側はそういうふうに求めている。そこに大きなずれ、ギャップがあるんだということをこの記事は言っているわけなんです。  そこで、まず厚生労働省にお尋ねしたいんですが、この記事にあるようなことをどの程度御認識されているのか。つまり、高校生が卒業時に持つスキルと実際に会社が求めるスキルとの間にギャップがありはしないか、その辺の実態、実情をお尋ねしたいと思います。

澤田陽太郎厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(澤田陽太郎君) 先生御質問の点につきまして、統計的なものはございませんが、各種調査等を総合して考えますと、現在、新規高卒者に対して企業が求めておりますのは、これは一般の学卒に対しても共通でありますが、できるだけ専門的能力を持っている方を採りたいという流れは明確であります。そうしたことで、企業としては学卒の中では新規高卒よりは大卒、短大卒という方に需要がシフトしているというふうに私どもも考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 確かに大卒を求めるという話はわかることはわかるんですが、現実に大学に行かずに卒業して仕事を求める人も多いわけですよね。そういったところで企業が求めるニーズと実際に彼らが提供できるスキルとの間にミスマッチは生じていないですかという質問なんですが、いかがでしょうか。

澤田陽太郎厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(澤田陽太郎君) 改めてお答えいたします。  私どもは、大卒、高卒を問わず学校を三月に卒業して就職できない方、これを学卒未就職者と称しておりますが、こうした方々に安定所で、あるいは大学生の場合には学生職業センターという組織に登録していただきまして、早期就職の支援をしておりますが、そうした中で企業等との意見交換でつかんでおりますことは、先生御指摘のように、IT教育といいますかITリテラシーを持った人が欲しいということはかなり明確に出ておりまして、私どもも、学卒未就職者の方々に対しまして、必要な場合には、そうした専門の学校、教育機関に対して委託訓練という形で三カ月あるいは六カ月の教育訓練をしてもらって就職のお世話をするという事業を行っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 三カ月あるいはまた六カ月やるということをおっしゃったわけなんですが、私は、この手の問題はもっと長期間かけてじっくり教え込まなきゃいけない。となると、これはもはや厚生労働省だけのそこに閉じた問題ではなくなる、やはりそこは文部科学省と厚生労働省がしっかりとタイアップしてこの問題を解決していかなきゃいけないというふうに思っていたところ、実際にもう既に両省がタイアップをして何か協議をする場を設けていらっしゃるというふうにちょっとお伺いしたんですが、もしそれが本当であるならば、協議の状況についてお尋ねしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今、現代社会はドッグイヤーと言われるような物すごいスピードで企業とか産業をめぐる環境も変化していると認識しております。二十一世紀を迎えましてますますこのスピードが速まっていくのではないかなと予想されておりますので、その企業側のニーズもどんどんと変化しているというふうに考えておりますので、それに対応するためにいろいろな施策を充実させていかなければいけない。先生の問題意識はおっしゃるとおりだというふうに思っています。  そういったことから、まずは文部科学省としましても、教育の中で、例えば平成十五年度から高等学校の学習指導要領の中で普通教科として情報という教科を新設し必修としたり、あるいは専門教科として情報を新設したり、まず教育の中でこうした取り組みを考えているところであります。また、今、先生から御指摘がありました厚生労働省との連携の話でありますが、毎年度、定期的に新規高卒者の就職問題懇談会を開催する、あるいは平成十一年五月から平成十三年二月まで高校生の就職問題に関する検討会議を開催する、さらには平成十二年十一月からは高卒者の職業生活の移行に関する調査研究といったものを実施する、こういった連携をしているところであります。  しかし、先生の問題意識に照らしますところ、こうした厚生労働省との連携は、ややもしますと、従来の就職問題ですとかあるいはフリーター問題ですとか、そういった分野に力点が置かれていた嫌いがあったんではないかなというふうに認識しております。ですから、職業に必要な専門教育の充実というような分野に関しましても、こうした場を通じまして一層充実しなければいけない、そんな認識は強く持っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 厚生労働省と文部科学省、その辺しっかりとタイアップして取り組んでいらっしゃるということですが、本当に今まで以上に強力に取り組んでいっていただきたいと思います。  そして、それを受けて実際にIT教育の充実も学校現場では進められているやに聞きますが、そこでこのIT教育に関するハードの整備状況をちょっとお尋ねしたいんですが、各校の整備状況はどんなものか、そしてまた一校当たり年間どれぐらいの予算を投じているのか、お尋ねしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) ハード面での御質問でありますが、例えば高等学校におけるコンピューターの整備状況ですが、平成十二年三月現在で一応設置率は一〇〇%ということになっております。そして、一校当たりの平均設置台数が八十一・九台ということになっております。  そして、高等学校におきましては、平成十七年度を目標に、各学校のコンピューター教室には生徒一人当たり一台で授業ができるよう四十二台のコンピューターを設置するとともに、各普通教室には二台ずつ、さらには特別教室には一学校ごとに六台のコンピューターを設置できるよう計画的な整備を進めているところであります。要は、すべての教室にコンピューターという体制を整えられるように、今、平成十七年度を目標に進めているところであります。  経費につきましては地方交付税により措置をされるところでありますが、平成十二年度における普通交付税の基準財政需要額における単位費用の積算において、標準的な規模の一学校当たり四百五十四万五千円が算入されている、これが現状であります。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 ありがとうございます。  ただ、岸田副大臣、平成十七年度は四十二台導入します、また実際毎年四百五十万円ぐらい各校当たりハード整備にお金をかけていますと胸を張っておっしゃったわけなんですが、実は私、このゴールデンウイークを利用しましてアメリカのIT視察へ行ってきたんです。  場所はテキサス州とコロラド州。簡単に言えば、シリコンバレーの方は今ちょっと下火なんですが、第二のシリコンバレーとしてテキサス州だとかコロラド州が今空前の繁栄を謳歌しているという、そんなところなんですが、それぞれの州で私は高校にも行ってみました。そうなると、平成十七年度はこうしますと胸を張っておっしゃったこと自体、もうとうの昔、アメリカの方では実現しているんです。  ちなみに申し上げますと、例えばテキサス州のトラビス高校というところへ行ったんですが、そこはもう全クラスにコンピューター配置なんというのは当然で、そして授業の内容も本当にソフトからハード、そして基礎的なものから応用的なものまで実に多様にもう既にやっている。  例えば、ソフト面でいいますとC++のプログラミングだとかリナックスの講義に始まり、そしてコンピューター基板を使ってのハードの勉強。そしてまた、基礎的なところでは当然のことながらワードだとかエクセルの使い方を教えますが、応用的なところは何かというと、そこの高校では週一回、地元のケーブルテレビに何か枠を持っていてそこでニュースを放映するんだそうですが、スタジオも校内に設けて実際に番組をつくる中でテレビジャーナリズムを勉強したりとか、あるいはまた実際に学校新聞をつくったりだとか、あるいはまた実際に商業的価値のあるウェブサイトを生徒につくらせてみたりとか、あるいはまた、たまにはテレカンファレンスで実際に働く国際ビジネスマンと議論するようなそういった機会もある国際マーケティングの勉強だとか、あるいはまたネット上でほかの高校と協同しながら水質調査を進めるような科学の授業とか、そんなことまでやっているんです。これがテキサス州のトラビス高校なんです。  こういう話を聞きますと、これは一部の特別な高校じゃないかとおっしゃるかもしれませんが、そういうことを言われないために、私はコロラド州のはっきり言えば最低水準の高校へ行ってみました、最低水準。都市型の典型的な最低水準の高校です。そこは生徒数一千百人。アメリカの高校は第九から第十二まで四学年ありますから、一クラス二十名ちょっとということですね。そこでは、最低の水準の高校でありながらもうパソコンは既に三百五十台も設置されているんです。  そして、予算なんですが、先ほどのトラビス高校でいいますと年間二十万ドルかけているんです、ハードだけで。二十万ドル、今二千数百万ですよね。そして、そのうちの半分は企業からの寄附だということなんですが、ではこの最低水準のコロラド州のマニュアル高校というのはどれぐらいかというと、今までは州からの予算は年間四万ドルないし五万ドル、六百万程度だったんですが、ところがアメリカには企業からの寄附があるんです、企業だとかそういった財団からの。  ビル・ゲイツ財団というのを御存じでしょうか。ビル・ゲイツ財団というのは、あのビル・ゲイツさんがIT教育の充実のためにお金をそういった高校にどんどん出していこうと。すばらしいIT教育計画を出したところ、つまりコンテストをしていいなと思ったところにお金をばんと渡すような財団なんですが、来年度からそのビル・ゲイツ財団からの寄附が受けられる。どれぐらいかというと、五年間にわたって合計六十六万ドル、これはマッチング方式をとっていますから、その高校自体は同額を集めなきゃいけませんから、それだけで百二十万ドル、五年間にわたって。  だから、州からの支給を含めると来年度からどれぐらいの予算を使えるかというと、三十万ドル使えるんです。三十万ドルということは、三千数百万、四千万ぐらいです。これぐらい使ってどんどんコンピューター環境、IT教育環境の整備を進めているということなんですが、それに引きかえ日本は、先ほど副大臣がおっしゃったような、これからの時代を考えますと、ちょっと余りにもゆっくり構え過ぎていはしないかなというふうに思うんですが、こういったIT教育に関する日米格差について、大臣、副大臣、どちらでも結構なんですが、どのようにお考えになられるのか、お尋ねしたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 済みません。先ほど日本の現状につきまして御説明したときに、多分態度が大きかったので胸を張ったと見えたかもしれませんが、決してこれで十分だと自信を持って申し上げたつもりはございません。おっしゃるとおりに、日本の現状はまだまだお寒い限りだという認識にあることは間違いないというふうに思っています。  そして、それに向け、今まだまだ日本の国は足りない、まだ不十分だという認識に立って、ではこれからどうするかということでありますが、今、先生の方から御紹介がありました、アメリカの社会において寄附というものが大変大きな役割を果たしている、こんなことも感じます。寄附ということになりますと、これは一つ教育の問題だけではなくして、その社会における国民の価値観ですとか人生観ですとか、さらには宗教観ですとか、さまざまな要素が絡んできますので、いきなり日本の社会において寄附をふやせといっても、すぐにこの辺がふえるということはなかなか期待できないので、こちらの分野での我々日本の社会における成熟度もぜひ期待をしつつも、やはり現状を考えますと、このおくれている状況の中で、今世界がこの分野において大変な力を注いでいる、大変な競争が行われていると思っておりますので、まずは国の責任でしっかりとこのおくれを取り戻すべく努力をしなければいけない、そのように感じております。  ですから、まずは国の責任でということで、地方交付税を初めとして国の努力でどこまで充実するのか、しっかりと努力をする、その範囲を拡大していく、このあたりにまず努めた上で、さまざまな環境の成熟にまちたいと考えております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 企業からの学校への寄附、いろいろ宗教観だとか国民性だとかあるということをおっしゃったわけなんですが、確かにそれもあるでしょうが、もう一方で、寄附を受ける側に問題があるということも聞いております。  ここに「教育を問う」という特集、新聞記事があるんですが、ここではこんなことを言っているんですね。公立学校が金品の寄附、コンピューターあるいはお金でも何でもいいんですが、そういったものの寄附を受けるとき、通常、学校を管理指導する教育委員会の承認が一々必要になるということを言っているんです。さらに続けて、一応寄附を受けるときは教育委員会を通さなきゃいけないと。教育委員会が寄附を受け付けるときに、例えば寄附をしたい人は自分の出身校だからここに寄附してほしいだとか、あるいはまた自分も地元でお世話になっているからこの公立高校に寄附したいと考えていても、公立の学校で一校だけが独走するやり方を教育委員会が認めない、認めるとは思えない。つまり、結局はみんな仲よくひとしくやりましょうねと、こういう発想ですと寄附する側もなかなかちょっと寄附しにくくなるし、また受け取る側もこれではじかれちゃう。はじいているわけですよね、結局は。  ですから、私は、国民性だとか宗教観、いろいろあろうかと思いますが、このあたりにも、受け取る側にも寄附がなかなかふえていかない問題があるんじゃないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、日本の社会においては、特に公的なサービスにかかわる寄附については、一たん国なり上の方で吸い上げた上で上からまたおろしてくるというような仕組みが明治以来伝統的にあるような気がしております。そういった中にあって、例えば今、日本の社会においてはNPOに対する寄附に関し税制等を整備するという動きがあるわけですけれども、あの動きは、言ってみるならば、今まで一たん国が吸い上げておろしてきたような寄附の動きを民間から民間へ直接横へお金の移動を可能にする、ああいった新しい試みではないかなというふうに思います。  そういったさまざまな新しいシステムが社会におきましても今導入されて試みが行われていると思います。教育の分野において具体的にどこまでこういったものを取り入れられるかはこれから検討しなければいけないと思いますが、さまざまなシステムは、その可能性を探って、日本の寄附社会の醸成のために資するような工夫はしていかなければいけないんではないか、そのようには感じております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 我が国のIT教育のおくれは、先ほど申し上げたとおり、副大臣もそしてまた大臣も皆さん御認識されているかと思います。新たな仕組みを考えていくというのは、それはそれでいいんですが、本筋なんですが、正しい道だとは思うんですが、ただここで、一々教育委員会の承認を求めなきゃいけない、このことを取り外しさえすれば私はもうちょっと寄附がふえるんじゃないかと思うんです。やるべきことはやらなきゃいけないとは思いますが、その一方で簡単にできることもあろうかと思うんです。ですから、思い切って寄附はもう自由にどうぞなんということを言ってもいいんじゃないんですか。そして、私は何も横並び、待っていたらだめなんですよね。だから、一つの突出した高校があってもいいと思うんです。それがほかの高校を引っ張っていけばいいんです。そういうお考えはお持ちでないですか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) いろいろなシステムを勉強する中にあって、そうした決して一律横並びでないシステム、こういったものもしっかりと考えるべきものだというふうに思います。そうしたシステムに加えて、さらにはそれ以外にも税制の問題ですとかいろいろな課題があると思います。その辺の環境整備には努めていきたいと思います。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 税制の問題が出ると思いましたので調べておきましたら、財務省に調べたら、そういった学校機関への寄附は全額損金算入できて、そして上限もない、青天井、どれだけでも寄附できるんです。ですから、私は税制上の問題はないんだろうと思います。  要は、文部科学省としてどれだけやる気があるかどうか、どれだけ今の日本の置かれたIT教育のおくれを認識されているかどうか、そしてどう改善していこうか、その思いいかんだと思うんですが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 御指摘のIT分野の重要性は強く認識しております。寄附全般ということになりますと、ITのみならずさまざまな分野にもかかわる問題だと思っておりますので、そのIT分野の重要性をしっかりと認識しつつ、全体の寄附制度についてはしっかり勉強したいと思っております。

内藤正光民主党・新緑風会

○内藤正光君 もう時間があと一分しかございませんが、少なくとも、教育委員会の承認を求めなきゃいけないという事実があるわけですから、文部科学省としてその辺の実態をまずちょっと調べていただきたいと思います。もしかしたら私のひとりよがりなのかもしれません。しかし、調査の結果、教育委員会が一々承認しなきゃいけないというのが一つボトルネックになっているということが判明したならば、私は早急にこの辺、問題を取り除いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 実態の把握は重要だと思いますので、ぜひまず実態の把握に努めたいと存じます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 ちょっと質問の順番が変わりますので、通告したこととの違いはお許しください。  私は今大変困惑しています。小泉総理が自民党を変えるんだ、そして日本を変えるんだと、こう言われました。私は、自民党では変えられないから民主党が日本を変えるんだと、こう言ってきて、これはどういうことになるかなと戸惑っています。それと同時に、聖域なき構造改革をやる、そして変えるんだ、断行するんだと言われた。  私たちの時代の人間は、戦中戦後と生きて、新しい民主主義の国をつくるためにそれこそ大変な努力を食うや食わずの中からやってきて今日の時点にたどり着いた。それで、この年になってまだ日本を変えるんだと。おれの生涯で二度も日本を変えるんだというのは、これは一体どういうふうに考えたらいいのか。  一つは、もう私も古い時代の人間だから、御用納めということも考えられる。しかし、戦中戦後をどう私たちは生きてきたのかという、その世代の生きざまというものをこれから二十一世紀を背負ってもらわなければならない人にしっかりと伝えていく義務もあるのかなと思ったりもしている。そういうことで私は大変戸惑っていると、こう申し上げたんです。  それで、聖域なき構造改革ときたときに、これは皆変えるということです。文部科学省の構造改革とは何ぞやという問題に踏み込んでいかなければ、聖域なき構造改革というのはこれは絵そらごとであります。しかし、遠山大臣の所信を読んだ限りでは、文部科学省をどのように構造改革していくのか、古い旧文部省から新しい文部科学省にどのように変えていくのかという意気込みも、その具体的な方策も見られませんでした。私は大変残念なことであると、こう思っています。  同じ閣僚の中でも、ある女性の大臣はもうそのことで日夜マスコミをにぎわせています。あそこまでやる必要はないと思いますが、少なくとも小泉内閣というのは政権交代をしたと同じ意味合いを持つんだと、こう大上段に振りかぶって打って出られている状態をやはり遠山大臣も認識されて、文部科学省をどうするんやという問題を打ち出さなければ、ひとり小泉総理が踊っているだけになるんじゃないかと私は考えます。  民主党は、改革するんだ、日本を変えるんだと、こう言ってきました。自民党はできないから私たちがやるんだと言ってきました。それで、旧文部省の段階で、私たちは、最終的には文部省を廃止すべきだ、そして文部省が今までやってきた初等中等教育あるいは幼児教育、そうしたものは全部権限も含めて地方の教育委員会に完全に移行させて教育の分権化を図る、それで文部省は、そうした地方教育委員会のできない高等教育、学術研究あるいは基礎研究、日本の文化の問題等々を所轄して、完全に仕事の任務というか責任を分担すべきだというのが民主党の改革の道筋であるわけなんです。  というのは、大蔵省と銀行との関係、金融機関の関係が護送船団方式ということで厳しい批判を受けて、そして護送船団方式を今変えていくということの中でいろいろなことが起こっています。私はよく言うんですが、翻ってみて、私も現場の教員でありましたが、旧文部省と教育委員会、学校の関係というのは、大蔵省と銀行との関係以上の壮大な教育の護送船団方式であったというふうによい意味でも悪い意味でも私は思っております。  例えば、国のこの文教委員会で、市町村の教育の問題はどうなっておるんや、どないするんや、文部省何しとるんや、何とかせんかいという話ですね。こんなものは地方の教育委員会、地方の市、町の委員会、行政の中で住民が集まってけんけんがくがく議論して解決しなければいけない問題で、それでも皆文部省に持ってきたら解決するかのごとく、まるで水戸黄門の印籠みたいなような認識でもってやってきている。これは全く護送船団方式ですよ。しかし、文部省もそれに悪乗りして、みずからの権益と権限を強めるためにやってきた。その五十年の歴史ではなかったか。  一方では、地方分権とか民主主義とか民主教育とかという言葉は戦後のシンボルとして掲げられたけれども、それはむなしくただ言葉だけになってしまったというふうに私は見ているわけで、そういう意味で、文部行政の、文教行政の構造改革というのは、そうした壮大な護送船団方式の頂点にいて教育の権力者がやってきた文教行政のそれぞれの仕組みを全部下へおろすこと、そのことで一挙に問題は解決する、それが小泉さんなんかの言う構造改革ではないかというふうに私は思っているんですよ。それなら私は拍手喝采を送るというんです。違うのかという問題なんです。  一体、遠山大臣、あなたは、文教行政の構造改革というのは、日本を変えるんだということと構造改革は結びついているんです。変えるというのは今までと違うということなんですよ。どう考えておられるんですか、大臣。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) なるほど、そういう物の見方もあるのかなと感銘をして承りました。  私は就任に際しまして、今、力を入れつつある教育改革をしっかりやってくれということで私はこの職を引き受けました。  今のお話の中で、確かに教育というのは、特に学校教育の場合、地域でそれぞれが活力を持った形で推進していくというのは大変大事なことだとは思います。文部科学行政におきましてもその方向で、分権化できるものは地方分権に移しという姿勢でずっと来ていることは御存じのとおりであります。  しかしながら、教育行政につきましては、私は、国と地方公共団体がそれぞれの責任と役割を果たしながら互いに協力していくことが必要でありまして、国は基本的な制度の枠組み、あるいは全国的な基準の制定、あるいは必要な財政援助等の役割を持っているわけであります。  とにかく省を解体すればいいというお話でございましたが、解体して何が生まれるんでしょうか。  文部科学省は、このような観点から、初等中等教育はもとより、高等教育、社会教育等を含む教育行政を一体的に推進する国の機関として設置されて、しかもそれが再編されたばかりでございます。今やるべきことは、先生のおっしゃる構造改革というのが教育に当てはまるとすれば、まさに私どもが今推進しようとしている、先生方の御賛同をいただいて法律も改正し、そして今国民が熱望している、学校をよくする、教育を変えるというその構造改革をしようとするのが我々のとるべき、あるいは我々の進むべき道だというふうに私は考えております。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 なくなったらどうなるんだとおっしゃいましたが、教育はよくなります、間違いなく。戦後の私たちの敗戦後のあの教育を見てみなさい。どんなところからスタートしたんですか。立派に今まで持ってきたじゃないですか。校舎もない、何にもない、焼け跡の中で文房具もない、何にもない。できるのかと。  だから、あなた方は、私たちがなければできないだろうというへんてこな気負いみたいなものが逆に現場の、地方の活力を抑え込んでいるんですよ。指導要領、カリキュラム、教科書、現場の教員にそんなことができますか、カリキュラム組む力がありますか、任せられますかという、現場の教職員の力量、不信の上に乗っかって、そうしたら現場の方は、そうや、僕らは何も勉強せぬでも、文部省が何欲しいと言うてくれるんやというふうな関係がそこに生まれている。そのことは一体何なのかという、こういうことを言えばこれは切りがないわけです。  だから、私は、構造改革なんというような言葉を使って、そしてそのことから日本を変えるんだと言う以上、そのぐらいの大胆な意気込みでやっていかなければいかぬのじゃないかと思いますが、それは、民主党が政権をとらせていただくというような事態になれば、断行すべき文教行政の一つではないかと、こう思います。私は、地方の教育委員会がその気になってやればやれると、こう思っておる。文部行政の任務は任務として別にきちっと持てばいいわけです。  そこで、午前中の議論にちょっと関係するんですが、北海道で何かややこしいことが起こっておる。広島も起こった。広島の方は文部省が出張ってくれたからうまくいった。北海道は何で行かへんのやというふうなレベルの話であります。これも今私の言っていることと深く関係していると、こう思うんですね。  地教行法という法律があって、文部省と地方教育委員会の関係が法律に規定されている。先ほどの局長の答弁はその法律に規定された範囲内の用心深い答弁であって、私はそれはそれなりに納得はいたしました。  それで、お聞きするんですが、教育の分権化という流れの中で、地教行法の中で、一番その中でしこりみたいになっておった教育長の文部大臣承認、これはなくなりました。まことに結構なことです。そして措置要求というふうな強制的な権限もなくなりました。これは分権化の流れの中でまことに結構であります。  そうしたら、今、文部省が北海道なら北海道という教育委員会内で起こっている問題にかかわるかかわり方の問題というのは、おのずからそういう地方分権という流れの中でのやり方がある。中央集権をどんどん強めていく流れでその方向のやり方もありましょう。  だけれども、私は慌てて地教行法の法律を読んだんです、昼休みに。やはりここにはきちっと制約があって、文部省が都道府県教育委員会に対してどういう指導、助言ができるか、あるいは指導、助言をできる一つの範疇でしかないわけですよ。何々をしなさいとか、それはあんたは間違っているからこうせよとかいう権限じゃないんですよね。指導、助言ですよ、あくまで。  それは、文部事務次官をやられた木田さんのこの本にもそれだけははっきり書いてあります。指導、助言ですよ、しかも事務に関する指導、助言ですよと、こう書いてある。指導、助言も、地方の教育委員会から、困って、これはどうしたらいいのかと持ってきたときの指導、助言もありましょうし、上から見ておってどうもおかしいじゃないかというので指導、助言する場合もありましょう。だけれども、あくまでそれは指導、助言ということであって、ある種の権限を行使したり、都道府県が言うことを聞かなければ次の教育予算のときにこういうことをやるぞという、こういうある種のしっぺ返しをするような形のものは文部省と地方教育委員会の関係にはないわけであります。  やがてこの地教行法も全面的に改正されて、地方教育委員会の責任において、この文教委員会で議論されるようなことがもう起こらないというふうな状況に、どうするかという方向へ私たちは仕組みを持っていかなければならないんではないかと、こう思うんですね。だから、教育の分権化ということを考えていくときに、文部科学省として、文部省と地方教育委員会の関係を今どのように考えておられるのか、大臣、これをおっしゃっていただけませんか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今、先生の方から地教行法につきましてお話をいただきました。指導、助言の範囲内でのかかわりだという御指摘、そのとおりだと思います。  ですから、北海道の件につきましても、またほかのケースにつきましても、指導、助言という形で文部科学省は教育委員会と連携をとりながらその状況にどう対応していくのか考えていかなければいけない。そのとおりだと思います。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 そこだけは、分権化の方向へ進みつつある今日の時点でそれはきっちり守ってもらわなければならない、こう思います。  教育基本法の第十条にも、いわゆる教育の権力支配というものについてはかたく禁止しているということであって、文部省も中央政府の中のある権力構造であるということには変わりないのであります。また、政党もある意味ではその権力構造の一角を占めるということもあり得るわけで、教育の中立性という以上、そうした問題もはっきりさせていかなければならぬということを私は申し上げておきたい、このように思います。  次に、国立大学の民営化の問題をちょっと触れてみたいと思います。  実は参議院の本会議で、民主党の質問の中に、民主党は国立大学の民営化あるいは地方化の問題を考えているんだがという質問をしたときに、小泉総理が民主党の国立大学民営化の大学改革案は賛成ですとおっしゃって私はびっくりしたんですが、そして、「国立大学でも民営化できるところは民営化する、地方に譲るべきものは地方に譲るという、こういう視点が大事だ」と答弁されました。こうなったら全く民主党の言っていることと一緒でありまして、だから、私は、先ほど言ったように、変わるということはこういうことで変わっていくのかなとも思い、しかし、さりとはいえ私は小泉政権を支持するというわけにもまいらぬし、困ったことだなというふうに正直思っているところであります。  そこで、遠山大臣は、この小泉総理の民営化答弁、これをどうしますか。何か気まぐれに総理が参議院の本会議でおっしゃったんだというふうに片づけられますか。それとも、これは本会議における答弁であるということで、文部科学省としてこれを受けとめて、この民営化、地方化の問題の検討をされますか。私は、文部科学省がそれをやらなければこれはおかしいと思うんですが、いかがですか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) まず、そもそも独立行政法人制度は、国の行政機能のうち、まず民間や地方にゆだねることが可能なものがないか、そして可能なものはできる限りゆだねた上で、それが困難なものを独立行政法人化するというのが議論の道筋だというふうに考えております。  ですから、国立大学もその道筋で考えなければいけないと思っておりますので、国立大学を独立行政法人化する場合も、国立大学が担っている諸機能のうち、民間や地方にゆだねられるものがあればまずこれをゆだねた上で、そしてそれが不可能なものを独立行政法人化する、独立行政法人に移行する、これが考え方だというふうに思っております。  文部科学省もそういった考えのもとに独立行政法人化を考えておりますので、その中での民間とのかかわり云々を考えますときに、総理の答弁は必ずしもその方針とは矛盾しないと考えております。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 委員長、私は大臣に聞いているんですが、副大臣が答弁される。それは文部科学省を代表しておっしゃっているんだろうが、しかし我々が時として、次々と質問するというときに、ある委員会で大臣がこう答弁したというのが、大臣というのは内閣のメンバーであって、その内閣の言葉としてそれが次々に引き継がれていくと。副大臣という立場は、これはどうなんですか。大臣の答弁というふうに僕らは受けとめるんですか。いや、あれは副大臣の答弁やと、こういうふうになるんですか。私、さっきから聞きながらそう感じた。ちょっと委員長、これは整理してもらわぬと。私は大臣の答弁を求めておるんですが、副大臣が答える。それは事務的な問題でしょう。基本的な問題を今ずっと私は尋ねてきておるんですがね。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 先ほどのお答え、御質問に対する副大臣のお答えは私の考えと全く同等でございます。  少しつけ加えますれば、今、文部科学省では、昨年と一昨年の閣議決定を踏まえまして、国立大学の独立行政法人化について検討が進んでいるわけでございますが、その際、通則法のままでは大学の自主性尊重などの観点に照らして適当でない面もあるということから、大学改革の一環として具体的な制度のあり方などの検討を進めているところでございます。  その独立行政法人とは何ぞや、あるいはそれをどのように現実に移していくかということの考え方については副大臣が答弁いたしましたとおりでございます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 同じような点で、郵政三事業の民営化問題も、これは公社化というのがもう現に進んで来年その法律を出すというときに、小泉総理は、これは民営化だと、こうおっしゃっているわけで、私は民営化の方向に持っていくんだ、公社化、その後は民営化だと、その議論を並行してやって何で悪いと、こうおっしゃっているんですよ。  この大学の民営化だって同じことですよ。総理が、民営化は結構だと、こうおっしゃった。民営化、地方化を検討しようと、こうおっしゃれば、独立行政法人の問題は、それはもう今、あすの問題と言っているけれども、その問題を議論しなければ、小泉総理のおっしゃっていることと文部科学省がやろうとしていることが一致しない、内閣の不一致とかいうふうな範疇に、遠山大臣、入ることになりますよ。いかがですか。私はこれを追及していきますがね。今言ったように、民営化というのは文部科学省としてはとらないというふうにしか今の話では受け取れませんからね。どうなんです、そこをはっきりさせてください、一言で。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 総理は、先日の質疑におきまして、国立大学の有している機能のうち、民間や地方にゆだねられるべきものは可能な限りこれをゆだねるという視点が大事だ、この点ではほかの分野と同じように考えていくべきだというお考えを示されたものだと思っております。私どもはその意味で総理の答弁を受け取っているところでございます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 私も国立大学の民営化問題をこの委員会で今までも論議してきましたが、そのときは、もう旧文部省は取り合わず、勝手に本岡が言っておるだけじゃないかというふうなことであったが、もう今度はそうはいかぬということでありますから、そのつもりでこの議論はかみ合わせていただきたいと思います。よろしいですね、そのことは。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 私どもは、今、独立行政法人化の問題について検討しているところでございまして、その検討の結果を待って、きちっとした形でまた御議論をいただくことになろうかと思います。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 またこれは小泉総理と議論する場があればやりたいし、また民主党として小泉総理といろいろこれから議論するときに、文部科学省の立場というもの、今の答弁では全然これはかみ合っていませんから、明らかにしていきたいというふうに思います。今の答弁では私は納得できません。また改めて議論をさらにさせていただきます。  次に、国立大学に入学したいという、入学したいというより試験を受けたいという外国人学校卒業生の問題であります。  今までは大検を受けるにしても一々定時制とか通信制の卒業したという資格が要るということで大変なことでありましたが、文部省の方も考えて、大検を取るについて、定時制とか通信制の日本の高等学校卒業の資格を取らなくても外国人学校の卒業ということで大検を受けられるというふうにしました。これは私は一歩前進であると、こう考えます。  しかし、依然として大検を受験しそれに合格しなければ国立大学に入学するための試験が受けられないという状態に置かれております。それで、もうこれは御存じだと思うんですが、既に公立、私立の大学では、一九九八年に調べますと、公立五十七校中三十校、私立四百三十一校中二百二十校が大検なしで外国人学校卒業生の受験を認めているんです。にもかかわらず、国立大学は依然としてその門戸を閉ざしている。これはまことにおかしいと思います。  そしてまた、今度は国立大学院の方が門戸を開きました。それは、なぜ門戸が開けたかというと、学校教育法の施行規則のところに、大学院が個別の資格認定の試験をして、合格すれば受けられるというふうな条文をつくって門戸を開いたんです、国立大学院は。そして、何人かの卒業生が受けて、五人ほど合格したとかというのが新聞に出ておりました。  そうすれば、国立大学院でやった措置を国立大学の方にすることに何が問題があるのかということなんですね。それが何か、我が国の教育体系の根幹を揺るがすことになるというふうなことになっているようですが、そうすると、公立や私立の大学は我が国の教育の根幹を揺るがし続けているということに一方なるわけでありまして、どうもそこらのところはおかしくて仕方がない。  私は、大学の民営化と言い始めたのはこのことから言い始めたんです。何でこのぐらいのことができないのか。国立やからできないのやったら国立やめてしまえと言いたくなってきたというのも一つはある意味であります。  だから、どうです、この辺でグローバリゼーション、国際化のこの時代にあって、もう次々と外堀を埋め、内堀を埋め、最後は天守閣が残っているという状態でなぜそういうふうにするんですか。思い切ってどんと外国人卒業生を、もう試験受けて合格せなんだらそれは入学でけへんのですから、そのことではっきりもう問題は解決すると思うんです。これは遠山大臣の決断一つでできることやないですか、いかがですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 今の問題は、もう先生十分御存じのことをお話しすることになるのかもしれませんけれども、国内の外国人学校はそのほとんどが各種学校でございまして、自由な教育ができるようになっている反面、教育内容等につきましては法令上特段の定めがないということで、その卒業者に対して高校卒業者と同等の扱いをすることは困難ということで参っております。  ただ、平成十一年に外国人学校在学者等にも大検の受験資格を拡大しているわけでございまして、この仕組みの活用を期待しているところでございます。既存の制度の中で最大限その問題に対応するために、このケースにおきましては大検の受験資格を拡大するという形でこたえているというところでございます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 ということは、何ですか、依然として大検を必要とするという制度を今後とも残していくということですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) そういうことでございます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 またそれは、そのことに限ってまた改めて議論をさせていただきます。  もうそういうふうなことはこの新しい時代、そして改革をやろうというこの時代にはそぐわない。だから、私はやっぱり文部科学省の文部省の部分というのはもう廃止すればいいんだというふうな結論に至る理由でもあるわけです。十分まだ今後時間があるんですから、検討していただきたいと思います。  次に、歴史教科書問題について幾つかお尋ねをいたします。もう時間がありませんので、簡潔に言います。  韓国や中国からいろいろな議論がここから起こってきておりますが、私は一点について申し上げてみたいんですが、韓国の方から出ていることの中で、旧日本軍のいわゆる慰安婦問題の記述云々が提起されています。  それでお尋ねしますが、遠山大臣はこの慰安婦問題というものが事実あった問題だというふうに認識されていますか、それとも、いやそれはでっち上げだ、ないものをあったようにやっているんだというふうに認識されておりますか、いかがですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 私は、内閣の一員といたしまして、平成五年の八月四日の慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官の談話と考えを同一にいたしております。ということは、読み上げてもよろしければ読み上げますけれども、そういう認識のもとに職務を果たしてまいりたいと思っております。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 その慰安婦問題を教科書に載せるか載せないかというのは、これは著作者の一つの考え方になってくるというふうには最終的には考えます。しかし、この前の教科書にはすべての教科書に書かれ、そして今度の教科書には何か七社のうちの三社しか書かれなかったとか言われております。その間わずか六、七年の経過しかないわけで、従軍慰安婦問題が解決をしたとか、あるいは事実でなかったということによってこれが教科書から削除されるというのであればそれはそれなりに納得できますが、全くそういうことではないわけであります。  にもかかわらず、こうした具体的な、日本と韓国あるいは台湾、中国、フィリピン、東南アジア諸国との非常に関係の深い、女性を性的奴隷として日本軍がやってしまったという、女性の名誉と尊厳を深く傷つけたこの問題が教科書から外されていく。もちろん、どの学年で教えればこうした問題が一番よく認識されるかという学ぶ側の子供の問題という配慮もありましょうが、しかし今、文部科学大臣がこの事実を私は認識しているとおっしゃっているということでまず議論のスタートができるわけであります。  私は、こうしたことが教科書に本来書かれるべきではないかという韓国の主張、これについてやはり誠実な対応を日本の政府としてすべきである、このように考えますし、大臣が所信の中で適切に対応してまいりますと述べておられることとの関連でありますが、このことについて今後どのように韓国との対応を文部科学省がいわゆる検定の責任者としてされていくかという点についてお述べいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今、先生から御指摘がありましたように、どの事項を取り上げるかはまず執筆者の判断にゆだねられているわけであります。学習指導要領に具体的に示されていない事項について記述を求めるようなことはできないという制度の趣旨になっているわけであります。  そして、今回、記載している教科書の数が減ったということ、このことでありますが、これはまずもって今回、新しい学習指導要領の中で教育内容の基礎的な、そして基本的な事項への厳選、こういったことが図られているわけでありますから、全体的な記述の量は当然減っているわけであります。こうした全体の削減があり、なおかつこの慰安婦の問題につきましては、中学生の歴史教科書、中学生に教えるということについていろいろ現場から意見等もある、そういったことも踏まえ、総合的な判断のもとこういった結果につながったというふうに理解しております。  いずれにしましても、この検定制度に基づいてこの手続が行われ、その結果こういったものになったというふうに考えております。  そして、今後の対応について御質問がございましたが、今申し上げましたように、近隣諸国条項も含め、基礎的な検定基準に基づいてこの審議会の審査を経て適切に行われた検定であります。これについて韓国や中国から修正の要求が出ているわけでありますが、まずこの検定制度の趣旨と厳正に行われた事項についてしっかりと説明をしなければいけないわけですが、加えて、この要求に対しまして、今真摯に受けとめて、専門家の意見もこれから聞きながらしっかりと精査をしていきたいというふうに思っております。  この理解に努めるということで、今回初めて中国や韓国の向こうの記者を集めてブリーフィングを行うとか、あるいは向こうの国会議員あるいは大使、大臣、こういった方々と直接会う機会をとらえてさまざまな理解をお願いしているわけでありますが、加えて、こうした精査に基づいてこの検定の範囲内で明らかな事実の間違いがないかどうか、このあたりをしっかり精査している、このあたりもしっかり御理解いただこうと努力する所存でございます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 これはちょっと文部科学大臣にお答えいただきたいんですが、毎日新聞が韓国の崔相龍駐日大使にインタビューをしたときの記事が出ておりました。その中で、韓国の駐日大使が教科書の三十五項目の再修正要求もしているということと、これは今おっしゃったように、検定制度を持っている日本の立場からしっかりと議論をしていただいたらいいと思いますが、日韓や日中韓三国の歴史共同研究というふうなものもやってはどうかと。そういうことによってこうした問題の解決に当たればという趣旨であろうと思いますが、日韓あるいは日中韓三国の歴史共同研究というこの提案についてはどういうふうに受けとめられますか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 確かに、先生がおっしゃいましたように、いつまでもこういうような問題で互いに意見の食い違いないし反発というようなものが起きているということは大変不幸なことだと思います。その意味では、本当は学術的にしっかりした専門的な角度から共同研究、歴史そのものの事実について共同研究がなされるようになればいいなとは思いますけれども、歴史教科書そのものの共同研究ということになりますと、それはなかなか、それぞれが具体的にどのような歴史的事象を取り上げてそれをどのように記述するかということはそれぞれの国の執筆者の判断にゆだねられているところであります。  したがいまして、政府が歴史教科書の記述内容について諸外国との協議、共同研究等に関与することは、今日の段階ではなかなか日本の教科書制度にはなじまないものではないかと思います。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 大臣の今おっしゃっていることはそれなりに理解できます。ただ、注意深く、韓国等も歴史教科書とは言っていないんですね、歴史共同研究をしてはどうかと言っているわけで。だから、そういうことはやっぱりやった方がいいんじゃないかというふうに私は思いますので、歴史教科書そのものをやるといったら、それはそれぞれ検定制度なり教科書のつくり方の違いがありますからこれはかなり困難でしょうけれども、やはり我が国と朝鮮半島、中国、これは非常にかかわり合いを持ちながら中世から近代へと来たということを踏まえて、そういう共同研究というふうなものについて踏み込んでいくということがあっても、これは僕は至極当然のことではないかと。  韓国から言われたからやるのじゃなくて、我が国からもやはりそういうふうにこの問題の解決のために一歩踏み込むべきではないかと思いますが、いかがですか。歴史教科書とは言いません、歴史共同研究ということで。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 私は直接駐日韓国大使からまだ伺ってはおりませんけれども、そのこととは別に、今、先生がおっしゃいましたように、客観的、専門的な角度から歴史の事実の問題について共同に研究していくなどの方策によって韓国なり中国なりとの友好協力関係の発展に資するということができれば、これは私は個人的には大変いいことではないかなと考えております。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 教育基本法の問題とか教育改革の基本的な問題を大上段に振りかぶって遠山大臣と議論を交わしてみたいという気持ちがあったのですが、もう時間もなくなってきましたので、最後に一点、公立小中学校の卒業式、入学式の国旗・国歌の問題を若干質問させていただきます。  前回の文教委員会でも、あのときは卒業式のときでしたが、卒業式のときに小中学校で国旗を掲揚した学校はどのぐらいあったか、あるいは国歌をきちっと歌った学校はどのぐらいあったかという調査の有無とその結果の議論がここでありまして、そのときにたしか、それは起立と言ってただ立っておるだけでは意味がない、いろいろ人間の気持ち、心の中に触れるようなことの調査も必要ではないかというようなこともあったりして、ちょっとどきっといたしました。  それで、この間、毎日新聞でしたか何でしたか、広島の教育委員会が、今春の入学式で君が代斉唱時に起立しなかった教職員について、その該当者に一年間の指導計画書を提出することを学校長に求めると。例えば本岡が立たなければ、あの本岡を一年間どないして立つように指導するのかという計画書を出せということでしょう。さらに、当該教職員本人には理由や反省などをてんまつ書として提出することを要求しているという報道がありました。要するに、なぜ立たなかったのかという理由、あるいはまた立たなかったということで何か反省をしているのかというふうなことを出せと言っている。  文部科学省にお聞きしますが、これは事実なのかということですが、また事前にこういう対応をするということの、先ほど文部省と教育委員会との関係は指導、助言の関係だと言いましたが、事前に何か相談があったのかどうか、結論だけで結構ですから、御報告ください。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 広島県教育委員会からの報告によりますと、本年四月、平成十三年度入学式の国歌斉唱時において起立をしないなど校長の指導に従わなかった職員について、一つは校長の指示に従わなかった行為の内容や理由、その行為を行ったことに対する反省等を記載した当該職員のてんまつ書と、さらには当該てんまつ書に基づく校長の年間指導計画の提出を各校長等に依頼したというふうに聞いております。  ただ、事前にはこれについて相談は受けておりません。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 その点ですが、校長は一年かけて何を一体指導するのか。あるいはまた、てんまつ書というのはこれは法律用語でしょうが、一定の観念を告白させるに等しい行為の強制とかいうふうな言葉がありますが、ある意味では一定のその人の観念を告白させるに等しい行為の強制というふうな範疇にこのてんまつ書提出は入るのではないかというふうに考えます。  そうすると、国旗・国歌の問題、日の丸・君が代を国旗・国歌とするという議論を長時間にわたって当委員会もいたしましたが、そこで大きな議論になったのが内心の自由という問題でありました。要するに、教員あるいは子供、保護者、そういう状況に出くわすであろう者の内心の自由はどうなるのかということであります。  それで、今言いましたてんまつ書を要求して書かせるというようなことは、これは教員の内心の自由を侵害することになるのではないかというふうに私は思えて仕方がないんです。遠山大臣はどうお考えですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) てんまつ書を書き、それに基づく年間指導計画についての問題でございますけれども、これは今後の卒業式ないし入学式において公務員としての適正な職務が果たされるように指導することを目的とするというふうに承知しておりまして、てんまつ書を提出しなかったことや、あるいはその理由、反省等の記述の有無あるいはその内容によって何か不利益処分を課したりということではないというふうに広島県教育委員会から聞いております。  そのようなものであれば、今回の措置というのは教員の職務上の責務を果たすという観点に立ってなされたものでありまして、したがって憲法の保障する良心の自由あるいは内心の自由を侵害するものではないというふうに考えます。

本岡昭次民主党・新緑風会

○本岡昭次君 ここでいろいろ当時の野中官房長官まで呼んで議論したときに、要するにこれは国旗を日の丸というふうに決めるんだ、国歌は君が代というふうに決めるんだ、法律で決めるということであって、現場でそんな大きな変化が起こるようなことはあり得ないというふうなことの話もありました。しかし、もう一〇〇%近く国旗・国歌が小中高等学校の教育現場で入学式、卒業式に、それは学習指導要領に書かれてあるとおりの形で入っている。大変な変化、ある意味では効果があったというべきでありましょうか、そういう状態になっているのであります。  それで、しかしそのときに立たなかった教師、君が代を歌わなかった者は今度は一体どうするんだと。口はもぐもぐさせているだけで、あれは歌っていないじゃないかというふうに、なぜこの日の丸・君が代のところだけそういうふうに一つ一つ教師の行為を克明に点検して踏み絵的なことをやっていくのかという、私はそこのところについて大変危惧を感じるんです。  早い話が、例えば私が教壇に立って、私は一個の人間として君が代を国歌と認めることについては賛成できません、なぜならばかくかくしかじか、しかしこれは法律によって決められております、だから日本の国歌は君が代ですというふうに、君が代の由来というものを正しく教えていくというふうなことを教壇でやったときに、あの教員は、私はこれには反対ですということを子供の前で言ったということが前面に出て、それこそその教員の身分にかかわるようなことにこれからなっていくのかどうなのか。この問題は非常にいろんな問題が出てくるというふうに思うんですね。  だから、内心の自由というふうなもの、そうしたらもうそういう心配のある者は公立学校の教員にならなければいいんだということです、初めから。学校の教員になったらそういうことをやらされるんだから、もう初めからなるなと言ってしまえばそれでいいと思うんですが、私はそういうことではないというふうに思っておるんです。  戦争の終わったときに、僕らは国から、文部省から配られた「民主主義」という本を読みました、上下。そこには、何で戦争が始まったか、あんな戦争をやったか、これは学校の教職員とか、その時代の知識層が長いものに巻かれろ式で権力に盲従して、そして真実を語らなかったからこうなったんだというふうに書いてあるんです。私らはそれを読まされて、はあ、なるほどそういうことですかと。僕らの人生のスタートはそれですよ。とすれば、こうした問題もやはりもっと慎重な対応というものが要るんではないかというふうに僕は思います。  最後に質問ですが、やがてここで審議をする地教行法の改正案の中に、指導不適切教員というふうなものをつくって、そして教職を免職させて他の職種に移すというふうなことがありますが、これは、日の丸・君が代の問題について、こういうふうに歌わなかった、立たなかったという教員はすべて指導不適切な教員というふうになって、教員を免職させられて、そして他の事務職の方に回されるというふうなことになるんですか。文部大臣、これをちょっと言ってください。なるのかならぬのか、どうですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 国旗・国歌につきまして、都道府県教育委員会の指導でありますとか、校長の職務命令に従わない場合につきましては、基本的には服務規律上の問題として懲戒処分を検討するべきものと考えております。  したがいまして、卒業式や入学式における国旗・国歌についての教育委員会の指導に従わなかったことのみをもって今回新しい改正法案で考えております指導が不適切であるという者に直ちに該当するものではないと思います。

松あきら公明党

○松あきら君 遠山文部科学大臣、御就任おめでとうございます。  小泉内閣で五人の女性の閣僚が誕生されたわけでございまして、私も女性の一人として非常にこれは喜ばしいことだと思っております。今までが少な過ぎたという気がいたしまして、どうぞこの五、六人という人数は保っていただきたいなというふうに思うわけでございます。  大臣は、文化庁長官も経験され、最近までは西洋美術館館長もされていたというわけで、本日は私は文化を中心にお尋ねをいたしたいというふうに思います。  教育という問題が午前中から討議をされておりまして、私は人は教育によって人となる、人間となるというふうに思っているわけでございます。大臣も、一人の人間がみずから立っていく、善悪の判断をきちんとする、あるいは他者、社会とのかかわりが大切である、社会認識を育てる、今は残念ながら個を尊重する余り公をないがしろにする傾向がある、一人一人が本当の力をつけて豊かな心を持った人間として育ってほしいというお話を先ほどなさったというふうに思います。  私は実は文化芸術と教育というのは一体であるというふうに思っているところでございます。今ほど心の荒廃が叫ばれているときはないわけでございます。教育とは知識だけを教えるということではもちろんないはずで、まさに感受性を豊かにする、感動する心をはぐくむ、あるいは創造する喜びを知る、こういった点から見ましても、私は文化芸術が果たす役割というのは非常に大切である、大事であるというふうに思っているわけでございます。  ところで、日本の文化予算は昨年より百億円ふえましたけれども、九百九億円となりましたけれども、先ほどのIT関連のみならず、アメリカなど諸外国と比べますと、その貧困さが目立つわけでございます。  特に寄附金に対する課税控除など、文化芸術の世界の方々からは常々要望がされているわけでございますけれども、なかなかこれが進まないわけです。メセナの特定公益増進法人の税の優遇があるじゃないか、こういうふうなことでございますけれども、メセナに寄附をしましても、その先の寄附の相手が寄附の基準に合わなければならないわけです。そのほとんどがプロに寄附が限られちゃうんですね。特増法人の基準は、総費用の大部分が主たる目的に係る事業に使用されていることというのがございます。しかも、総事業費に占める主たる目的に係る事業費が七〇%以上と決められております。おまけに、事業費に管理費は含まれないということになっているんですね。これではせっかくメセナに、育てたい芸術団体に寄附しようと企業が連れてきても、プロでなければ寄附は受けられないわけです。結局こういうことでは新しい芸術団体を育てられないということだと思います。  特定公益増進法人は今五十六団体ございますが、もっとふえるように基準を改定していただきたい。七〇%以上なんていわずに、せめて四、五〇%ぐらいでもよいのではないでしょうか。文化芸術を育てるという意識が必要なのではないかという点に関しましても、基準の緩和策をぜひ推進していただきたいと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 松委員の御指摘のように、芸術文化が人生及び社会に及ぼす潤いと、それからそれをもとにして創造的に生きるということへの活力を与えるという面で私は大変重要ではないかと思います。おっしゃいますように、日本の制度の中では、寄附金を受け入れてかつそれを自由に使っていくという角度から見ますと、まだまだ十分ではございません。  特定公益増進法人に関する今のお話でございますけれども、そのことについては制度全体の中で検討されるべき問題であると考えますけれども、文部科学省といたしましては、民間からの芸術文化活動への支援の活性化というその趣旨を十分踏まえながらその促進方策を幅広く検討してまいりたいと思います。

松あきら公明党

○松あきら君 ぜひ、プロの芸術公演団体、プロの任意団体、プロの個人のみならず、アマチュアの芸術公演団体及び個人、また生活文化団体、芸術文化普及団体等にもこれが行くような施策を推進していただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。  次に、公立文化施設協会の調べでは、現在、都道府県や市町村など地方自治体が設置するいわゆる公立文化会館は全国に二千三十一館あるということでございます。民間ホールを含めまして、実際に舞台装置を備え、文化的事業、行事を行うことができる施設を含めますと、その数は二千九百一館にもなると言われております。  一九八〇年代、建設ブームが起こりまして、バブルと言われました。その経済情勢も反映して、従来の公会堂なんかにないすばらしい、特に地方には大きなホールが次々と建設されたわけでございます。一方、地方自治体が支出した文化行政費の推移は平成五年がピークでございました。しかし、文化会館は一たん施設設備が完成すればその後は施設をただ維持すればいいという、こういうわけにはいかないわけでございます。これを活用しなければいけない。また、各地におきましては、その文化会館が設置当初の感動や意義を忘れることなく地方の文化活動の拠点としての役割を果たすために、絶えず会館みずから地域文化あるいは文化芸術振興に向けた活動を積極的に展開してもらいたいと思っているところでございます。  しかし、その文化会館の活動に関しましては、学校教育や社会教育などの場合のように個別にその振興を図るための法令と申しましょうか、そういうものも何もないわけでございます。ですから、もちろんその負担金あるいは補助金などによる必要最低限度の水準を確保する措置もとられていないんですね。今、本当にたくさんの会館が各地にありますけれども、これが中身もやるものもない、非常にもったいない、費用だけかかるということで、維持するだけでも大変だという、いろいろなことがあるわけでございますけれども、やはり今は地方財政の悪化等により十分な事業費が確保されず、活動が停滞してしまうという事態を招いているわけでございます。  運営上の課題としては、予算不足が最も上位に挙げられているわけですね、事業予算がないわけです。地方公共団体の文化施設経費のうち管理費と事業費の割合は、都道府県レベルで約三対二、町村レベルになりますと五対一という、そういう比率になると報告されております。公立文化会館の経費は施設の管理に重点が置かれておりまして、運営のための事業費は恒常的に不足をしているという実情がございます。  ちょっと笑い話みたいなんですけれども、文化会館のピアノ、いいピアノが入っているんですけれども、これを余り使わないと狂ってしまうんですね。それで、ピアニストにとにかく定期的に一日じゅうピアノを弾いてもらうと。本当にこういうのをやっているんですけれども、これはそうすると管理費として支払われるということなんですね。ところが、ピアニストの方も上手だし、いい音楽だし、一日じゅう弾いていらっしゃるわけですから、これはとても聞きたいということで、じゃ、ただでお聞かせしましょうかというと、これが事業費ということになって、これはだめだということになるそうなんですね、事業費が足りないですから。したがって、つまりだれもいないところで一日じゅう閉め切ってピアノを弾いていると。これは本当に各所でもうたくさん起こっているんです、現実問題。非常にこういうことも私は変じゃないかなというふうに、残念であるというふうに思うわけでございます。  国は、公立文化会館の事業に対する財政支援といたしまして平成五年から地域文化振興費が立てられまして、平成十一年度で五百八十億円が地方財政計画に計上されまして、地方交付税の算入額が四百六十四億円となっていると聞いておりますけれども、しかし各文化会館の事業予算は依然不十分であります。  こういった現状を解決するために、例えば文化会館活性化法のような具体的な法整備まで考えるべきじゃないかと思いますけれども、そこのあたりの大臣の御所見を伺いたいと思います。

青山丘自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(青山丘君) 言わずもがなのことですが、先ほど副大臣が答弁をなさったときに、私は大臣に聞いているという話が出ました。ちょうど御本人が来られましたのでぜひ聞いていただきたいのですが、国会活性化のために本当は政治家として与党と野党で議論をしていくべきではないか、それから政府に対する質問も役人の答弁ではなくて大臣から答弁してもらいたい、こういうことがスタートにありまして副大臣制度ができてきましたので、副大臣の発言や答弁をひとつぜひお許しいただきたいと思います。  今御指摘のように、国民の文化に対する関心が非常に深まってきまして、そして地域の芸術文化の振興のために公立の文化会館が果たしてきた役割は非常に大きくありました。  文部科学省といたしましても、公立の文化会館の企画や活動の充実を図るために、平成十三年度から公立文化会館活性化事業を行うことといたしております。具体的には、全国的に調和のとれた舞台芸術の発展を図っていくために、文化会館に対してすぐれた舞台芸術を巡回させていく、あるいは芸術文化に関する専門家の派遣、地方に送っていく、そういうことによって公立文化会館活性化事業として公立の文化会館の活性化の推進を図っていきたいと考えております。  それから、御指摘の法的な整備でありますが、今お話がありましたように、その趣旨を踏まえつつ公立の文化会館の活性化について取り組んでまいりたいと考えております。

松あきら公明党

○松あきら君 私は、副大臣をつくったという経緯は、まさにおっしゃったとおりに、大臣がお一人ではなかなかお忙しかったりいろんな面がありますから、大臣を補佐するという意味で副大臣をつくられたんですから、ぜひどんどん御答弁はしていただいて結構だというふうに思います。  今のお答えでございますけれども、今年度の新規予算に芸術文化活動支援員制度というのを盛り込んでいただいたんですね。これは今まで、つまりいろいろな文化会館、ホールにソフトが足りない、どなたか来てほしい、こういうことをやってほしいと思ってもいろんな手だてがない。そこで、総合的に、専門的にわかる、あるいはプロデューサー的な方が必要なんじゃないか、外国ではあります、こういう制度が。  それで、今回これを組み込んでいただきましたけれども、これが一体何名で幾らぐらいの予算がつき、どのような展開になっているのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

銭谷眞美文化庁次長

○政府参考人(銭谷眞美君) 文化庁が平成十三年度から実施を予定いたしております芸術文化活動支援員派遣事業につきまして御説明を申し上げます。  この事業は、芸術文化に関する専門家の方が直接公立文化会館に赴きまして、公立文化会館が行う活動に対しまして専門的な指導、助言を行う事業でございます。平成十三年度予算額は九千七百万円でございまして、派遣する支援員の数は四十四名を予定いたしております。  この芸術文化活動支援員には、例えば舞台監督、演出家、アートマネジャー、作曲家、指揮者といったような専門家の方とか照明や音響の専門の方々などを派遣するということで、現在その具体の実施についての準備を進めているところでございます。

松あきら公明党

○松あきら君 ありがとうございます。非常にこういう点が大事だと思いますので、これからも、四十四名じゃまだ足りませんので、よろしくお願いいたします。  日本は文化立国となるべきだ、するべきだというふうにかねがね多くの方が論じていらっしゃるわけでございますけれども、しかし貧弱な予算の上に、文化関係の発注には昔から源泉税というものがかけられているわけでございます。  あるプロダクションが財団法人から市のイベントを請け負いましたところ、総額に対して人件費はもちろん交通費、食事代を含めて一〇%の源泉を契約時に差し引かれております。これは、この契約が芸能人の役務の提供を内容とする契約だからというわけですね。この例では契約高が約六千万円でございましたので、六百万円を差し引かれました。これでは実は興業を進めるに当たって初めから苦労を強いられるというわけでございます。  さて、源泉税の徴収は日常芸能の世界でも行われておりますが、とにかく出演料の一〇%を預かって翌月の十日には税務署に申告しなければならないわけです。今、いろいろなことで仕事も減っております。また、事務員もままならない上、こうした事務も大変な重荷となっているわけです。  源泉税の推移を調べてみましたら、診療報酬や弁護士さんの源泉税は伸びておりますけれども、芸能の世界の源泉税は一人当たり年額六万九千九百四円という平均額がございます。これはもちろん、芸能界といいましてもクラシックの方もあるいは邦楽の方も皆さん入るわけでございますけれども、こういう額になるわけでございます。しかも、多額の出演料をいただくという方はもう本当に一握り、ごくわずかなんですね。  確定申告で還付される性質のお金ですから、徴税費用の上からも、診療報酬や弁護士、税理士さんなど以外はこれはぜひ廃止していただけないかというふうに思うわけでございます。もうそんな細かいお金と書類作業から解放していただきたいというたくさんの方のお願いがあるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。せっかく文化予算を捻出しても一〇%を先に源泉されてしまうというのはとても残念でございます。国税庁の御見解をお伺いしたいと思いますけれども。

木村幸俊財務大臣官房審議官

○政府参考人(木村幸俊君) お答え申し上げます。  源泉徴収制度、今お話がございました。これは給与、利子、報酬等につきましてその支払い者が支払いの際に今一定の税額を徴収して納付する仕組みになっているわけでございまして、申告納税制度が我が国の税制の基本になっているわけでございますけれども、その中で納税に係る社会全体のコストに配意しながら適正で確実な課税を確保する、そのために必要不可欠な制度であることをまずぜひとも御理解いただきたいと思っております。  御指摘のように、芸能プロダクションが支払いを受ける報酬、また芸能人の出演料につきましては、御指摘のとおり、支払いの際に所得税を源泉徴収しなければならないこととされております。ただ、これはそういった芸能法人、それから芸能人の受ける報酬につきましてその所得の捕捉が難しいこと、そういった点を踏まえまして、適正で確実な課税を確保する観点から行われているものでございまして、御指摘でございますが、これを廃すことはなかなか難しく、かつ適当でないと考えておりますので、ぜひ関係者の方々にも御理解を賜りたいと考えております。

松あきら公明党

○松あきら君 もちろん、今ここでこれはやめますなんというお答えをいただけないのはわかっておりますけれども、何となく今のお答えの中で、やっぱり芸能人は先に取っておかないと、後また仕事が来るかどうかわからないし、ちゃんと税金を払ってもらわないと困るというような、ちょっとそういうニュアンスが感じられたわけでございます。  私は、もちろん今ここでお答えいただきたいと思ったわけではございませんけれども、文部大臣にこういうこともぜひ知っていただいて、そして文化という点を広めていくためにはこういうこともお考えの中に入れていただきたいという思いできょう申し上げさせていただいたわけでございまして、これは御見解を伺ってもなかなか難しい、もしあれば御見解を伺いたいと思いますが、難しいですか。では、わかりました。与党でございますからその辺は親切に、女性同士でございますし。  木村審議官はもう結構でございます。ありがとうございました。  次に、私は日本ユネスコ国内委員会の委員もさせていただいております。今、ユネスコと申しますと、皆さんすぐユニセフと間違えられるわけで、やっと最近ユネスコの文化遺産のテレビなどもやっておりますので、このごろは大分、ああ、あのテレビ番組をやっているユネスコねというふうに一般の方もわかっていただけるようになったのでございますけれども、これはなかなかユニセフと比べると宣伝も足りないということで、いつもさまざまな観点から討議を委員会でもしているわけでございます。  この中で、平山郁夫先生が会長でございまして、平山会長は国際理解のためにいろいろ施策を講じていかなければならないと、こういうお話をなさっております。  その中で、例えば今、日本の美術品が海外の美術館とか博物館にいろいろあるんですけれども、これが大分傷んできているんですね。それで、これを何とか修復したいとそれぞれが思っているんですけれども、この技術というのがなかなか難しいと。非常に独特の技法のものもあるわけでございまして、例えばこういうものも日本が、そういう特殊なものを修復してあげましょうと。こういうこともすごく日本としてこれは大事なんじゃないかと、こういう話がございます。こういうことに関しましては、日本の文化予算だけでできるものなのか、あるいは例えばODAなども活用して、そういう観点からも私はこういうことが必要ではないかというふうに思うんですね。  それとまた、遺跡の発掘などの調査なども物すごく安い費用で、例えばカンボジアなどの方は一日千円とか千五百円のお金で丸一日の日当が足りちゃうということでございまして、例えばODAといっても何か大きいものをぼんとつくるんじゃなくて、こういう文化遺跡のお掃除をしたり発掘の調査とかそこまでいかなくても、ほんの何かいろいろなものを片づけたり、そういうためにたくさんの人を少ないお金で雇ってさしあげられる、これも大きな日本にとっての文化的な支援だというふうに思うんですね。  そして、やはり私は、今お話しいたしました美術品のそういった修復、あるいはそういう東南アジアなどでのいろいろな遺跡に関するそういう問題、こういうものもきちんとしていくことによって日本という国が国際的に理解されるのではないか。  例えばアジアの皆様方にとりましてはいろんな問題も起きているわけで、特にアジアの方々にとってはこういうことが大きいんじゃないかな。しかも、アジアの国と日本はいろいろな賃金の格差などもありますから、日本ではそれほど大きなお金でなくても、あちらにとっては大きなお金であると。  またこれは、平山会長がおっしゃっていた、敦煌の遺跡の調査のときに、出てきたものを、博物館をつくろうとしたときに、日本のODA予算をいただいたそうなんですけれども、この予算の中で、日本の建設会社と申しましょうか、日本から物を持ってきて、そして向こうでつくろうとしたのを全部断って、現地のれんがでいい、現地の人につくってもらうと言ったら、れんがが曲がっていると、それに現地の人じゃちゃんとつくれないんじゃないかと、こういうふうに言われたそうなんです。でも、会長は、ではメンテナンスはどうなんだと。今まで日本はODAでどんと何かつくっても、電球一個切れても日本から持ってこなきゃならない、こういう現実があるわけで、私も実は行政監視委員会で何回もこういうことは申し上げたんですけれども。ですから、現地で調達したもので、現地でつくったんだそうです。  そうしましたら、日本の十分の一の費用でできて、費用は決まっていますから、いわゆる日本でつくるよりも、日本の政府が考えていたよりも十倍のものができ上がったという、こういうことがあるそうでございます。  こういうことも含めまして、私は、ぜひ日本の文化予算あるいはODAに関する、両方なんですけれども、文部大臣としての御見解と、そしてまた、副大臣ですか、ぜひ私はこれは文部大臣にお答えいただきたい。これはぜひお願いいたしたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 平山先生に大変お力添えをいただいております海外にある日本の古美術の保存、修復の問題というのは、私も担当しておりましたときに大変重要だと考えておりましたし、またその考えは今日も変わるものではございません。    〔委員長退席、理事松村龍二君着席〕  平成二年度から、海外の日本古美術品を所有している博物館、美術館などから修復技術者あるいは学芸員を日本に招請して、日本の修復技術者などとともに日本古美術品の取り扱いあるいは保存修復などに関する研究協力を行ってもらいまして、それによって修復技術などの向上を図っている、研修でございますね、その意味での貢献が一つございます。  また、海外の博物館、美術館などにあります日本の古美術品で、傷みが激しくて、また緊急に修理を要するものにつきましては、平成三年度から日本に持ってまいりまして日本で修復事業を行っておりまして、これによる成果も随分出ているところでございます。  このような形で、研修でありますとか、日本に物を持ってきて修復するとか、そういうような事業を今後とも充実してまいりたいと思います。

松あきら公明党

○松あきら君 人材養成ともどもに、また今現在も行っているというお答えでございましたけれども、こちらをどうぞ進めていただきたいというふうに思います。  次に、高等学校卒業認定試験制度の質問でございますが、私はかねてよりこの高等学校の卒業認定試験をぜひ行うべきだというふうにずっと初当選以来一貫して申しておりました。  というのは、先ほども本岡先生のお話に、各種学校等は国立大学を受けられない云々の話がございましたけれども、今十三万人に上る不登校の子供たちがいる、あるいは実際の数はもっとそれ以上だというふうにも言われておりますけれども、いろいろな事情で子供たちが、中学は何とか出たけれども高校に行かれなくなってしまった、あるいは行きたくても行かれない。いろんな事情があると思います。こういう子供たちがおります。  そして、ではしばらくたって何か手に職をつけたい、あるいは専門的なことを学びたいと思っても高校卒業の資格がないとそういう専門学校も受けられないという現実があるんですね。ですから、専門学校へ行くのに、では大検を受けなさいと。今までは文部省にお尋ねしていたところ、そんな制度は要りませんよ、大検を受けてくれればそれでいいんですよと、こういうふうにずっと言われていたんです。でも、初めに私が伺っていたときは大検も二十一科目試験があったんですけれども、だんだん伺っているうちに今は九科目ぐらいに大検もだんだん科目も減ってきて大分楽にはなってきたと思うんですけれども、それでも私はちょっと趣旨が違うんじゃないかなというふうに思うんですね。  やはり多様な生き方を認めてあげるべきだし、また二十代後半になってもあるいは五十歳になっても何か違う勉強がしたかったり、あるいは例えばもう子供がいる、お父さん中卒と言うよりも、何となく一生懸命働いてきたけれども高校卒業したということだけは子供に言いたいなといって、例えば高校卒業の資格だけは欲しいとか、いろいろな方がいらっしゃると思うんですね。ですから、私はぜひこの高等学校卒業認定試験制度をしていただきたい。  これは予算委員会でも質問いたしましたところ、現在検討を進めているというふうにおっしゃいましたけれども、今現在どのような検討が進んでいるのか、お答えいただきたいと思います。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 高等学校卒業認定試験制度でございますけれども、これは本年三月に閣議決定されました規制改革推進三カ年計画におきまして、平成十五年までの三カ年計画で高等学校の卒業と同等の学力を有することを認定する試験のあり方について検討されることとなっているところでございまして、文部科学省といたしましては、現在、各学校段階におきます児童生徒の学習状況を客観的に評価するための評価基準でございますとか、あるいは評価方法等につきまして国立教育政策研究所の中の教育課程研究センターにおきまして現在検討を進めている、そういう状況にございます。    〔理事松村龍二君退席、委員長着席〕

松あきら公明党

○松あきら君 悠長なことを言っていないでさっさとしていただきたいなという思いでございますけれども、ぜひ、大事な観点でございますので、ただ検討委員会をつくったということではなしに、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  次に、奨学金についてのお尋ねをいたします。  奨学金について、過日の予算委員会で財務大臣の育英資金の給付の御発言について、私ちょっとよくわからないんでございますけれども、どのような御発言だったのかお伺いしたいと思います。

工藤智規文部科学省高等教育局長

○政府参考人(工藤智規君) 塩川財務大臣の御発言についての御質問かと思いますが、先般御質問いただいた中でお答えして、奨学金の充実は大事であるということをおっしゃったと承ってございます。その趣旨は、育英会の事業についてだけではなくて、民間の財団等によります民間奨学金がございますが、その財団法人等の税制にも関係いたしまして、もっと民間からファンドを出しやすいような仕組みも含め、月額の貸与金額の増額など、育英奨学事業の充実が必要であるということのお話があったと承知してございます。

松あきら公明党

○松あきら君 今の御説明でも私余りよくわからなかったんですけれども、頭が悪いんでしょうか。  とにかく、育英会で返済なし奨学金と新聞に書いてありますけれども、これはちょっと間違いなようでございますね、今のを伺うと。少し財務大臣も思いが先走られたのかなというような気もいたしますけれども、もしこれがそうであればすごくすばらしいなという思いで新聞は読んだのでございますけれども。いろんなことを含めて、民間も含めてということであるというふうに思います。私は、もちろん本当にたくさん予算があれば給付する、上げちゃうという、貸すんじゃなくて差し上げますよというとそれはすばらしいですけれども、なかなか財政上そういうわけにもいかないというのが本当のところであるというふうに思います。  しかし、そこまで心の中でいろいろお考えになってくださっているのであれば、今無利子と有利子の奨学金が六十数万人の方に出されておりますけれども、これ有利子でも高いと言っておられる方もいらっしゃるんですね。ですから、できれば私は、これは学生さんには全員それならば、給付ということはちょっと置いておいて、無利子で貸し付けてさしあげるという方が現実的ではないかなというふうに一つ思うわけでございます。  それから、今国会で社会教育法が審議をされます。生涯学習という言葉が定着をしてまいりました。生涯学習で常に学ぶ姿勢というのを保つことは人生にとってもとても大切なことであるというふうに思っております。  厚生労働省では、労働者の自発的な能力開発の取り組みを支援し、その雇用の安定及び再就職の促進を図るため、先ほどの質疑でもちょっと出ましたけれども、雇用保険制度の一環として教育訓練給付制度というのを運営しております。授業料や入学料のうち本人が支払った額の八割に相当する額が三十万円を上限として支給されます。この支給対象者が、雇用保険の一般被保険者で五年以上あった者、一般被保険者でなくなって一年以内の者、こういうふうになっているんですね。ですから、この条件に合わない方は勉強したくても支給を受けることができないわけです。  そこで、奨学金は学校教育に関するものですけれども、学校教育ということだけでなくて、社会教育に奨学金を低利の有利子で貸し付けられるようにしてさしあげたら非常に皆さん助かるんじゃないかなと私は考えますけれども、副大臣で結構でございます、社会人の奨学金の拡大について御所見を伺いたいと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 先生御指摘のように、労働者がさまざまな場におきまして職業に必要な知識ですとか技能を身につけるということ、それを積極的に支援することは大変重要なことだと思っております。  しかし、今御指摘いただきました日本育英会の奨学金の範囲を拡大するという話になりますと、この日本育英会奨学金制度は学校教育法体系の学校の学生生徒を対象として設けられているということでありますので、社会教育の場にまでこの対象を広げるということになりますとちょっと目的から外れてしまうというふうに考えております。加えて、御案内のとおり厳しい財政状況であります。その中でこの奨学金制度の本来の目的をしっかりと果たしていくということを考えますと、その対象を拡大するということにつきましてなかなか難しい面があるんではないかなというふうに思っております。  ただ、先生の問題意識は重要なことだと思っておりますので、まずはこの教育訓練給付制度上の運用の問題としてしっかり考えた上で、その上でまた何か知恵がないか考えるのが考え方としては筋ではないかなというふうに認識しております。

松あきら公明党

○松あきら君 本来、もちろん育英会の法律の中で学校教育というふうになっていると思うので、その辺は法改正してまでということにならない。これはもちろん厚生労働省の管轄かなとも思いますけれども、この辺はしっかりと、やはり私は縦割りではなくてお互いに検討し合って進めていただきたいなというふうに御要望を申し上げさせていただきます。  次に、シックスクール対策につきましてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。  国土交通省では、シックハウス対策といたしまして、住宅性能表示制度に基づく表示する項目に、シックハウス症候群の原因物質と指摘されるホルムアルデヒドなど五種類の化学物質の室内濃度も追加できるように方針を決めたというふうに報道されておるわけでございます。  住宅資材に含まれる化学物質が健康被害を引き起こすシックハウス症候群の関心が高まる中、より詳しい表示を可能にして住宅を購入する際の参考にしてもらうのがねらいというふうにされておるわけでございますけれども、学校も実は同じことで、やはり今いろいろな中で子供たちがアレルギー症状を起こしたりして苦しんでいるわけでございます。ですから、例えば症状が訴えられましたら、ガスクロマトグラフィーですか、こういうもので成分分析するとか、日々の因果関係というのを日常の中できちんととらえる努力をすべきではないかというふうに思います。  そういうアレルギー等の研究はどこまで進んだのでしょうか。また、実態調査はどこまで進んでいるのでしょうか。アスベスト、PCBはどうなったのでしょうか。こういうものも含めまして、毎日苦しんでいる子供たちのためにお尋ねをいたしたいと思います。

遠藤純一郎文部科学省スポーツ・青少年局長

○政府参考人(遠藤純一郎君) いわゆるシックハウス症候群についてでございますけれども、今御指摘のように、昨年、厚生省からその原因物質でございますホルムアルデヒド等につきましての室内濃度指針値及び標準的な測定方法等が示されたということがございます。これを受けまして、文部省では、学校における化学物質の室内濃度等につきまして、現在、ガスクロマトグラフィーを使用するなどして実態調査を行っているところでございます。その結果を踏まえまして、学校環境を衛生的に維持するためのガイドラインでございます学校環境衛生の基準の改定を行うこととしている次第でございます。  それから、アスベストでございますけれども、アスベストにつきましては、昭和六十二年に全国の公立学校約四万校を対象に実態調査を実施したところ、千三百三十七校につきまして使用状況が確認されたということでございまして、その処理方法の指導、それから経費の補助といったようなことを行ってきたわけでございまして、これによりまして現在ではおおむね対策事業を終了している、こう考えてございます。  それから、PCBの使用照明器具につきましては、平成十二年の十月以降、設置者に対しまして安全管理の徹底及び使用実態につきまして早急な調査の実施を依頼するとともに、平成十三年度末までにその交換を終える等の緊急の安全対策を講じるよう現在要請をしているという状況でございます。

松あきら公明党

○松あきら君 子供たちのために万全の対策をよろしくお願い申し上げます。  次いで、先ほど出ましたけれども、HⅡAロケットの打ち上げについて御質問したいと思います。  日本は一九九八年、一九九九年と打ち続いて打ち上げを失敗しております。そのとき私も委員会でもちろん取り上げまして、このことを質問させていただきました。そのときにも申し上げたんですけれども、人員が少ない、予算が少ない、あるいは企業のリストラも関係ある云々、いろいろあると思いますけれども、しかし何か根本的なところが議論されていないのではないか、根本的なところの考え方をまずきちんとしなければいけないんじゃないか。それは、なぜ宇宙開発をやるのか、なぜ日本がこれをやらなければいけないのか、あるいはなぜ宇宙開発を目指すのか、こういうところの議論をきちんとして、そして国民に対してきちんとした将来ビジョンというものを指し示さない限り、予算をふやしましょう、あるいは人員をふやしましょうといっても、今のこの経済状況の中で国民は納得しないと私は申し上げたんですね。そうしましたら、もちろんでございますと。科技庁の宇宙開発事業団あるいは航空宇宙技術研究所、また文部省の宇宙科学研究所、三者が協議会をつくり、またこれに、今は一緒になりましたけれども科技庁と文部省、五者の協議会が開かれますし、これから二度とこういうことが起きないようにきちんと皆様に提示をし発表して、今後こういうことをさせていただきますというたしかお返事があったんですね。  でも、私は今回、このHⅡAロケットを再び打ち上げると新聞で読みまして、この間に対する、こういうことをきちんといたしましてこうなりましたという説明も何もないわけでございまして、それだったら委員会なんか要らないじゃないかと。あのときあれだけ各委員が、皆さん一生懸命討議したことが何も結局は、大臣がかわり、あるいはいろんな方たちが部署をかわってしまったら何も結局ない、こういうことでは私はとてもこれは承服しかねる。  あのときも実は私は、もうこれはアメリカに任せたらどうかと、日本なんかもうおくれちゃっていて話にならないわけでございますから。特にアメリカではベンチャー企業などにも任せていて、日本はそういう民間参入ということもまだ認めておりませんし、いっそのことそういう発想の転換をしたらどうですかと、ここまで申し上げたんですけれども。  ともかく、今回何の説明もなしにただ打ち上げるという発表だけあったということに関して私は非常に納得がいかないですし、本当にこれが先ほどの百八十億から八十五億になったというこれだけで、費用が減ったから大丈夫ですよ、あるいは納得しなさいというのであれば、ちょっと承服できないなという思いでございます。いかがでございましょうか。

青山丘自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(青山丘君) まず最初に、宇宙開発の意義についてちょっとだけ触れさせていただきたいと思います。一つは、人類共通の知的資産を蓄積することができる、それから社会経済基盤を拡充していくことができる先端技術を開拓していかなければならない。  それは、我が国のロケット技術というものは最初に二十九回にわたって完全に成功してきました。そのことは、非常に少ない金額で効率的に自主的な、自立的な技術を、宇宙開発の技術を日本は蓄積してきたということでは一定の評価を必ずいただけると思います。  ただ、問題は、HⅡロケットが失敗をいたしました。この失敗を一つの教訓としてしっかり受けとめて、今度のHⅡAロケットは品質管理の徹底をしていく、それからエンジンの徹底した地上燃焼試験などを繰り返していく、そして信頼性を向上させていって、そして我が国の自立的な宇宙開発を進めていく。ロケットは先端的な産業でございまして、独自の自主的な技術によって開発をしていくことは非常に意義が高いと思っております。  そこで、ことしの夏に予定されておりますが、試験機一号機の打ち上げを確実に進めることによってその信頼性を高めていくことができるわけですし、既にアメリカの企業からは、これが成功することができればという前提はついておりますけれども、日本のHⅡAロケットを使用していきたい、予約の契約が進んでいる段階でございます。

松あきら公明党

○松あきら君 今度はぜひ失敗しないようにお願い申し上げます。そして、きちんと国民の皆さんになぜ必要なのかということを示していただきたいというふうに思います。これを要望として申し上げます。  最後に、水島先生、失明者の問題でございます。失明対策の研究についてお伺いをしたいと思います。  報道によりますと、文部科学省は角膜や網膜などを再生させる医学分野の研究を後押ししているとありました。十年後には失明者を半減させるという画期的な計画のようでございますけれども、どのような研究か、また文部科学省の医学分野における研究についての取り組みを最後に御説明いただきたいと思います。

水島裕自由民主党・保守党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(水島裕君) 松委員にもぜひ御支援いただきたいと思いますけれども、政府は今、再生医学というのを一生懸命やろうと思っております。再生医学の中で一番インパクトのあるのは重度の身体障害者の失われた機能を再生するということであります。そのさらにトップが失明者、目が見えなくなった人が見えるようになると。そうすると、主として網膜の再生ということになります。これは世界じゅうで研究が進んでおりますけれども、日本が結構肩を並べている、あるいはそれ以上のところまで行っているわけでございます。  私も再生医学に結構いろいろ興味、仕事もしておりますし、文部科学大臣政務官になって何か一つ大きなことがないかということで、これをぜひ進めようということで三月に案をまとめて、事務当局でもいろいろ案をつくって、おおよその骨組みができてきておりますので、これをぜひ皆様方の御支援を得て、やはりこれは文部科学省でございますから、十年で失明者を半減する技術というものを確立して、あとは厚生労働省と一緒に、その後一、二年で本当にそれを実現させていきたいと思っておりますので、ぜひ御協力をよろしくお願いしたいと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。  子どもの権利条約の全面実施を願う立場から、子供をどういう存在として見るのか、つまり子供観について質問をしたいと思います。  初めに、子どもの権利条約の第二回政府報告書をつくって今月末にも提出することになっているかと思うのですが、その報告をまとめるときに、九八年の子どもの権利委員会の日本政府の初回報告書の審査に基づく最終所見を深く検討したのでしょうか。文部科学省として、また政府全体としてしたのかどうか、したとすればどういう場でなさったのか、お聞きしたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 平成元年に国連総会で採択され平成六年に日本が批准いたしました児童の権利に関する条約というのは、世界の多くの児童が今なお飢え、貧困等の困難な状況に置かれている現実にかんがみまして、広く国際的な協力によって児童の権利保障を推進することを目指したものと認識しております。  児童の権利に関する委員会による提案及び勧告を含みます最終見解につきましては、その内容を精査して、児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人を大切にするという観点に立って各種の施策を実施してまいりました。  第二回の報告を作成するに当たりましても、その最終見解を踏まえまして、また本報告が現在の我が国の児童を取り巻く状況をできる限り正確にとらえたものとなるよう努めているところであります。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 具体的にどういう場で検討なさったのかお聞きしたいんですけれども。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 具体的には、平成十年以降、例えば学習指導要領の改訂に当たりまして、こうした体験活動あるいは道徳活動の充実を通じて心の教育の充実を図るとか、あるいは教員の資質、能力の向上のために生徒指導総合研究講座においていじめ問題への教育的支援などの講義を実施するとか、あるいは平成七年度より小学校、中学校、高等学校におけるスクールカウンセラーの配置、これを年々拡大していくというようなこと、さらには平成十年度補正予算によりまして、心の教育相談員の配置、そして学校、家庭、地域の連携というものが重要だと考えておりますので、生徒指導総合連携推進事業の実施、さらには体罰につきましてさまざまな講座、研修等を行う、こうしたさまざまな角度からの取り組みを積み重ねております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 日本政府、文部科学省がどういうことをやってきたかという説明であったように思うのですが、子どもの権利委員会の最終所見をどういう会議でどのように議論をしたのか、そんなことも私は知りたかったのですが、次の質問に入ります。  四月九日に行われた政府、国会議員、NGOの意見交換会のときに、NGOの方から、日本政府がその報告をまとめるに当たってどういう子供観をとったのか、そのことを明らかにして明記をするべきでないかという意見が出されました。当日は外務省はもとより文部科学省からも何らの回答もなかったのですが、法務省の矯正局から、現在の少年院の教育の現場からは、非行の重大性を認識していない、あるいは共感性に欠ける子供たちが多くなってきていると報告を受けておりますと、こういうことが述べられたんです。  これはこれで少年院の子供たちの特徴という大事な指摘であったかと思うのですが、問われていたのは、こういう子供たちにそれではどのような子供観で接していくのだろうかということでした。  国連子どもの権利委員会の最終所見は、条約広報の不十分さに懸念を表明する中で、特に本条約が権利の十全な主体として子供観を重要視していることについての認識を社会のあらゆる部分に子供と大人の間に分け隔てなく広く普及し促進するためにとられた措置が不十分であることを懸念するとしています。つまり、子供観が条約の命であり、そのことを普及しなさいと言っているわけですから、当然、日本政府がどんな子供観に立つのかが問われてくるんです。  文部科学省はどんな子供観に立って文部科学省にかかわる分野の報告をおつくりになったのでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 文部科学省といたしましては、児童も人格を持った一つの人間として尊重していくということが条約全体の趣旨とまず認識しており、第二回の報告書作成に当たりましても、児童生徒の人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育を行うという視点に立って鋭意作成を進めていくべきだというふうに考えております。  こういったあたりを文部科学省としては今外務省を中心としまして関係省庁と検討中でありますが、その部分を強調してこの作成に携わっていきたいというふうに認識しております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 今おっしゃった部分が文部科学省としての子供観ということで、そういうふうにお書きになるということですね。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 具体的な書きっぷり、表現については今検討中でありますが、今申し上げましたような中身が大切だと、この部分をしっかりと検討会議の中で訴えて、その内容を報告書の中に盛り込むよう努力をさせていただきたいと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 子供は単なる保護と育成の対象、客体でもないし小さい大人でもない、新しい子供観を示したのが子どもの権利条約であると言われています。このことについてどのようにお考えになっているか、大臣にお伺いしたいのですが。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 児童の権利条約に規定されました諸権利につきましては、日本の憲法あるいは国際人権規約の規定によりまして既に児童に保障されているものでありまして、本条約は憲法や国際人権規約の人権保障の考え方と軌を一にするものと考えています。それゆえに、児童の権利条約は児童を含む個人が当然有している基本的人権について特に児童という観点から明確に規定したものと考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 ちょっと議論を進めていきたいと思います。  条約が示している子供観は、第三条の子供の最善の利益や、第六条の生命の権利、成長発達の確保、第十二条の意見表明権などによって特徴づけられると言われています。つまり、生まれたときから人間としての尊厳が大切にされて、その欲求や要求、意見の表明が、なあに、どうしたのと受けとめられる人間関係の中で十全の成長と発達を遂げる権利の主体としての子供、これが条約の新しい子供観と私は認識しています。  ここまでたどりつくのにちょっと時間がかかりました。自分の存在が無視されないということ、つまり欲求や要求、意見の表明に他者、それは親であったり教師であったり、あるいはその他の人であったりすると思うのですが、他者がきちんと応答してくれるという、この人間関係の中にこそ人間の尊厳が存在するということです。  意見表明権の保障は、ですからこの人間の存在、尊厳の権利化と言えるもので、それなしには、つまりどんなに叫んでも相手にしてもらえない、応答してもらえなければ人間の存在そのものが無視され人間の尊厳が否定されるということです。  このような子供観について、大臣、どのようにお考えになりますか。大臣にお聞きしたいんですけれども。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) なかなか哲学的なお話でございまして、難しい面もあるんですけれども、児童の権利条約第十二条一項といいますのは、児童といえども自己の意見を形成し得るようになれば、その児童個人に関するすべての事項について自己の意見を表明する権利を認めて、その意見について相応に考慮されるべきとの理念を一般に規定しているものであるというふうに私は考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 なかなか難しいと思うのですが、子供は成長、発達を遂げる存在ですから、何か立派な意見が言えるまで物が言えないし、それを尊重してもらえないという、そういうことではないのではないかと私は思うんです。  子供を単なる保護育成の対象、客体と見る見方もあります。子供というのは何もわかっていないんだから、とにかく教え込まなきゃいけないという、こういう保護育成の対象、客体ですね、そういう見方もあります。  例えば、教育改革国民会議の第一分科会第六回の審議で、委員からこんなことが言われています。  学校のそもそもの本質的機能は何かというと、かつては強制的な機能ですね。「飼い馴らし」「訓練し」「叩き直す」という、強制的な機能は学校の本質的な機能だったと思います。それが特に戦後教育においては、その部分がほとんど消されてしまったという問題がありますので、これは世論の反発はすごくあるだろうと思いますけれども、学校の基本的な機能にそういう機能があるんだということをアピールするということは、今の時点で必要だと私は思います。 と、こういう発言がありました、議事録で確かめたのですが。  学校や子供をこのように見る見方を文部大臣はどのようにお思いになりますか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 子供の存在をどのようにとらえるかということでございますけれども、小さい命もそれなりの権利を持っているという部分と、それからやはり教え導かれる、そういう存在であるという部分と両方あるのが本来の姿ではないかと思います。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 今の学校の機能について、「「飼い馴らし」「訓練し」「叩き直す」という、強制的な機能」、こういう考え方についてどのようにお思いになりますか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 今お答えしたとおりでございまして、強制とかそういうのが当たるかどうか、そういう言葉の持つ意味というものは概念がはっきりいたしませんので、そのこと自体がいい悪いというのはなかなか言いにくいわけでございますけれども、私の考えは先ほど申したとおりでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 こういう学校観や子供観については、今後、教育改革論議が具体的な法律の審議を通して進められていくと思うので、そのときにまた十分時間をかけて質問をしたいと思います。  もう一つは、子供を小さな大人と見る見方もあります。子供を自己決定と自己責任の主体として見るこの見方は自分で決めたのだから自分で責任をとりなさいと新たな管理と支配の関係を生み出す、そういう可能性があると指摘されています。これらのいずれでもないのがさきに述べた新しい子どもの権利条約が言う子供観です。  私は、日本弁護士連合会子どもの権利委員会が所沢高校に関する人権救済申し立て事件調査報告書の中で、新しい子供観に基づいて詳細な解明をしていることに注目をします。日弁連は、まず子どもの権利条約の第十二条、意見表明権について、年齢と成熟度の高い子供が表明した意見については尊重の必要性が高まると指摘して、「子どもが自己に影響を及ぼすすべての事項の決定に意見を表明する権利及びその意見が正当に尊重される権利を保障することは、子どもがそれらの決定過程に何らかの形で参加する権利を保障することを意味する。」、つまり意見表明権の尊重というのは表明された意見を尊重するということで、決定過程への参加、これを伴うんだということを言っているんですね。自分にかかわる事柄の決定過程にかかわる、参加する権利を伴うということを言っています。実は最終所見もこの見地を強調していまして、およそすべての子供が社会のあらゆる部分において、特に学校制度の中においてその参加に関する権利を行使する際に直面している困難を特に懸念し、適切な措置をとることを勧告しています。  そこで質問いたします。  日弁連の報告書は、子供の意見表明権と参加権が認められるためには、子供の意見表明と参加の対象となる国や自治体、その他子供に関する関係者が次のような義務を負うとしています。  第一が機会保障の義務。「子どもが意見表明や参加を要求する場合には、その機会を十分に保障しなければならない義務を負う。」ということです。第二は誠実応答及び説明の義務。「子どもが意見表明を行った場合には、これに対し、誠実に応答する義務を負う。特に、その意見が、大人の側の意見と異なる場合には、その意見及び理由を十分に説明し、子どもが納得するように説明する義務を負う。」。それから第三に意見尊重義務。「表明された意見については、その年齢や成熟度を考慮し、相応に尊重する義務を負う。」ということです。  子供の意見表明権並びに参加権に焦点を当てて解明した三つの義務の論は、人間関係の中で人間の尊厳を尊重されて成長発達を遂げるという、条約に込められた新しい子供観そのものではないでしょうか。こういう子供観とそれに基づく教育をこそ普及したいものだと私は思いますが、文部科学大臣のお考えはどうでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 児童の権利条約の十二条一項、意見表明の部分に関しましては、先ほど大臣から御説明したとおりでございます。  その趣旨としまして、児童の意見を年齢に応じて相応に考慮することを求めるものでありまして、児童の意見を無制限に認めるものではないというのが文部科学省としてのスタンスでございます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 とても時間のかかる営みなんですね、子供と関係を結ぶ、人間関係の中で人権を尊重しながらやっていくというのは。それは学習活動もそうですし、その他の活動もそうなんですね。授業の中でわからないことがあったとき、わからないとどの子も言えるような、そういう教室環境、教師と子供の人間関係、子供と子供の人間関係、そういうものを大事にしていきたいというふうに思っているんです。  子供の意見表明権や参加権はこれからの学校づくりに不可欠と位置づける必要があると考えます。このことは、教育基本法でも自主的精神や自発的精神の育成をうたい、学習指導要領においても、自主的、実践的な態度を育てるためには生徒による自主的、実践的な活動が助長されるようにすることとうたっているのですから、それに本腰を入れることを意味するのだと思います。これからも認識の違いを埋めるような議論と取り組みをぜひ進めていきたいというふうに思います。  次の質問です。  新しい歴史教科書をつくる会が主導してつくった扶桑社の中学社会歴史について質問いたします。  そもそも歴史教科書というのは歴史の真実と国際的な信義に反するようなものであってはならないと考えます。まして検定という形で国が関与する以上、歴史の真実と国際的信義についての責任は大きいと思います。  まず、国際的信義に関してですが、一九八二年に教科書検定基準にいわゆる近隣諸国条項がつけ加えられた以降も、日本政府の歴史認識と歴史教育にかかわる重大な公式の表明が繰り返されてきました。  例えば九二年、当時の宮澤総理の韓国訪問における政策演説では何と言っていたかといいますと、歴史上の一時期に我が国が加害者であり、貴国がその被害者だったという事実、こういう表現をして、反省とおわびを表明し、また次のように言っているんです。過去の事実を直視する勇気、被害を受けられた人々の感情への理解、そして二度とこうした過ちを繰り返さないという戒めの心をとりわけ青少年たちの間にさらに培ってまいると、こう決意を述べておられます。  その後も、九三年の河野官房長官談話、九五年の当時の村山総理談話、また村山総理の韓国大統領あての書簡、九八年日韓共同宣言などの中で、植民地支配と侵略戦争の歴史事実と反省、おわび、歴史教育の必要性が繰り返されてきています。  新しい歴史教科書をつくる会の中学社会歴史の検定合格によって、日本政府が繰り返し表明してきた立場とは異なる教科書がつくられたという認識はおありでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) まず、我が国政府の歴史認識につきましては、村山総理談話以降一貫していると認識しております。  その中にありまして、まず御理解いただきたいのは、教科書検定制度そのものが国が特定の歴史認識や歴史観を確定するという立場に立って行われるものではないという点でございます。要は、その検定時点において客観的な学問的成果あるいは適切な資料、そういったものと照らして、明らかな誤りとかバランスの欠如等の欠陥を指摘するというのが教科書検定制度でございます。こうした制度に基づいて、今回、検定が行われ、結果が出たということ、このことをぜひ御理解いただきたいと存じます。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 私は、日本国や日本国政府の全体的な、一般的な歴史認識とか歴史観とか、それと歴史教科書の検定基準を一致させなさいと言っているんじゃないんです。少なくとも近隣諸国条項というのは、とりわけ近現代史において相手のある歴史になるわけです。そこで出てきた問題なんです。  例えば、問題の教科書の韓国併合のところに、「イギリス、アメリカ、ロシアの三国は、朝鮮半島に影響力を拡大することをたがいに警戒しあっていたので、これに異議を唱えなかった。」とあります。これではまるで韓国併合が国際的な合意で行われたかのような扱いで、九五年、当時の村山総理の韓国大統領あて書簡で述べ、反省していた、どういうことを言っていたかというと、民族の自決と尊厳を認めない帝国主義の時代の条約、こう言っていたんですよ、それを反省するんですよ、による韓国併合の正当化、美化になってしまいます。日本政府が繰り返してきた立場と相入れない検定合格措置だったと言わざるを得ません。  韓国政府も、修正要求の中でこの部分について、韓国併合の過程で侵略行為と強制性を隠ぺいし、国際的に認められた合法的なものとして記述している、こういう指摘をして修正の要求をしていますね。その上、この記述は歴史事実に反する、間違っているという指摘が歴史学者の中から出されています。イギリスはインド支配を、アメリカはフィリピン支配を日本に承認させたから、またロシアは韓国皇帝から独立支持を要請されていたけれどもポーツマス条約で日本の韓国支配を認めざるを得なかったので日本の韓国併合に異議を唱えなかったというのが歴史事実だと言うんです。  中国政府、韓国政府からの修正要求並びに歴史学者の指摘によれば、問題はこれだけにとどまりません。  検定基準の近隣諸国条項にのっとって厳正かつ適切に実施してきた、こう言い張り続けるのでは、本来の意味で国際理解と国際協調を得ることはできないと思います。  私は、日本政府が今日まで表明してきた植民地支配と侵略戦争への反省とおわび、そのための歴史教育重視の立場に反し、国際的な信義にも反する上、事実とは言えない、間違っているとの指摘もある教科書の検定合格は政府の責任で取り消していただきたい。その上で建設的な取り組みをしていただきたいのですが、文部科学大臣の見解を求めます。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今回の検定に当たりましては、御指摘の近隣諸国条項、こうした基準に照らして検定が行われ、それだからこそ問題になっているその教科書につきましても百三十七カ所も訂正が行われたという結果になったというふうに思っております。厳正な手続に基づいて結果が出たというふうに考えております。  繰り返しますが、この教科書検定制度の中で我が国の歴史認識を教科書の中に反映するというような趣旨を今盛り込んでいるものではないということでございます。  このことにつきまして、我々文部科学省としましても、四月二日の日には、中国、韓国のジャーナリスト、記者を集めて特別ブリーフィングも行いましたし、先方の大臣、大使、また向こうの国会議員も来日した際に我が省の大臣に直接会っていただきまして、この辺の制度の趣旨を御説明申し上げてきたところでございます。  そして、なおかつ今、中国、韓国両国から修正要求が出ているわけですが、それにつきましても真摯に精査をしなければいけないということで、まず省内で検討した上で、これからまた外部の専門家の意見もしっかり聞いた上で精査をし、この制度の中で明白な事実の誤りがない限りは修正できないということになっているわけですが、この制度の範囲の中で修正の必要がないかどうか、これは誠心誠意精査をしていきたいというふうに思っているところでございます。  この辺の事情もこれからも機会をとらえて各国に御説明をしていきたい、そのように考えております。

阿部幸代日本共産党

○阿部幸代君 どうもありがとうございました。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。  まず初めに、教職員の長時間過密労働の解消について質問をいたします。  二〇〇一年、ことしの四月に、政府の男女共同参画会議の仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会の中間報告の第一に、職場が変われば両立できるという呼びかけがされました。  参議院では、国民生活・経済に関する調査会の、昨年、二〇〇〇年五月の中間報告で、少子化への対応などの項目を調査いたしまして、その課題の第一にこの男女共同参画社会の形成、これが少子化対策を検討していく上で極めて重要な課題である、女性の社会進出が進んだ現代社会で子供を産み育てやすい環境を整備することは喫緊の課題だというふうに超党派でも提案をしてきたところでございます。  提言の中では、育児と仕事の両立ということで、その中に労働時間の短縮、この問題が取り入れられ、単に働き方の面からだけでなく、男性が家庭生活や地域生活へ参加するための条件を整備するとの観点からも重要であるため、労使挙げた取り組みを促進すべきであるというふうに国会の中でも確認をされてきたところでございます。  私も、この調査会の中では、サービス残業解消を初めとした労働条件の整備、あるいは仕事と家庭が人間として当たり前に両立できる社会、児童虐待防止や子どもの権利条約実施を求めてきた一人でございます。  こうした中で、先ごろ、四月六日、厚生労働省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」の通達が出されました。また、総務省も通知を出されて、この基準に基づき適切に対応するよう進めているところでございます。これにつきましては、私たちの党にも電子メールで、それでは教員の場合はどうなるんでしょうかという問い合わせも来ているわけなんですね。  この厚生労働省の基準の考えの趣旨ということで、一部に自己申告制の不適正な運用により労働時間の把握があいまいとなり、その結果、割り増し賃金の未払いや過重な長時間労働の問題が生じている、これらの問題の解消を図る目的で明らかにされたものだというふうに言われ、あるいはあらゆる機会に使用者や労働者等へ周知をするということが言われてきているわけです。さらに、本基準の適用から除外する労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務があることというふうにも言われているわけでございます。  そこで、まず最初に厚生労働省と総務省に伺いたいんですが、こうした基準というのは教員、教職員はどのように適用されるのか、伺いたいと思います。

鈴木直和厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(鈴木直和君) お答え申し上げます。  今御指摘の通達でございますが、四月六日に発出をしております。この通達につきましては、私学の教職員、これは当然適用でございます。また、公立学校等につきましても一部の規定の問題とか職権の行使の機関がどうかというものがございますが、基本的には適用されるものというふうに考えております。

板倉敏和総務省自治行政局公務員部長

○政府参考人(板倉敏和君) 総務省といたしましては、地方公務員には原則として労働基準法の適用があるということでございますので、従来より労働基準法に関しまして各地方公共団体に必要な情報提供を行っております。  四月二十七日付の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について」の通知も、地方公共団体に対しまして同様の趣旨で通知をし、周知を図ったものであります。各地方公共団体におきましては、公立学校の教職員にも労働基準法が基本的に適用されるということでありますので、教育委員会も対象になると考えております。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 こういう問題について文部科学省としてはどのように御承知されているのか、伺います。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の基準は、先ほど御説明がございましたように、私どもも、私立学校の教職員には当然適用され、また公立学校教職員にも基本的には適用されるものというふうに考えているところでございます。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 その点では、教職員の長時間過密労働の実態、これが本当に深刻であるということが言われております。  例えば、全国過労死を考える家族の会編の「死ぬほど大切な仕事ってなんですか」という本があります。関係された方あるいは遺族の方などの手記五十三通が載っておりまして、その中にはうつ病になられたアナウンサーの方の手記、あるいはこれはほかの週刊誌からの転用ですけれども、一九九七年に経済企画庁の経済研究所の主任研究員の方が働き過ぎを研究されながら五十二歳で突然死をされたという深刻な実態も載せられております。  その五十三通の中の七通が教員関係なんです。例えば、妻が過労死してしまった残された夫の訴え、あるいはうつ病になって過労自殺をされた三十代の中学校の教師。子供たちの文集を自動車の中に置いて自殺をされた。これが公務災害として認定をされていく。あるいは、中学三年生の娘の誕生日の日に祝ったのが最後の家族の夕げとなって亡くなられた中学校の先生の話、いろいろ載っているわけなんです。  その中で、一つちょっと御紹介をしたいんですけれども、これは一九八一年に中学校教諭の夫が脳動脈瘤破裂で死亡された当時四十六歳の妻の方の手記なんです。これも地方裁判所で、認定基準に照らしても公務によるものという判決が出されているわけですけれども、天職というような教員への情熱を向けて働いてきた先生だということなんです。しかし、やはりいろいろな大人の社会の変化を子供たちも受けて、学校の荒れの状態も受けとめなくてはならない、あるいは高校進学制度の中で子供たちはやむなく自分の評価を受けなければならない。教師は労働条件など無視して、悲鳴、いわゆる問題行動を上げている生徒に対して懸命にかかわっていかなくてはならない。あるいは、この先生は若い先生に対して、大きな声を出せ、出ていたよということで、グラウンドで声を出すような、本当に熱心な援助を若い先生にされていたと。  この妻の方は、「子どもは次の世代を担う大切な命です。この命は、豊かに人格形成されなければなりません。いま、一人ひとりを大切にする教育を行なうには、教師にかかる負担があまりにも大きすぎます。教師もまた、人間らしく、豊かに文化的な暮らしができてこそ、ゆとりある教育実践ができるのではないでしょうか。死ぬまで働かなければ教育がなりたたないのは大きな間違いだと夫の死を通して、私はいまはっきりと言えます。」。そして、「教師の採用を大幅にアップしてください」、「一クラスの生徒数を減らし、教師と生徒がむりなく心のかよい合える状況をつくってください」と訴えておられるわけです。  文部科学省に伺いますけれども、教職員の長時間過密労働の実態について承知されているんでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 公立学校教職員の勤務の実態については、私ども調査は実施していないところでございます。  しかしながら、学校現場におきまして多忙感が言われ、また教職員の精神的負担が多いということは承知しているところでございまして、このため各教育委員会に対しまして、一部の教員に過重な負担がかからないような適正な校務分掌を整え、あるいは教員がゆとりを持って教育活動に専念できるように会議や行事の見直し等の校務運営の能率化を図るといったようなこと、さらには今日、精神的疾患で休業する教員の数がふえているわけでございますが、そういう教員のためにカウンセリング等の体制等につきまして、そうした体制を整えるように各都道府県教育機関に対して指導を行ってきているところでございます。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 ただいま資料をお配りいただいております。これは全教、全日本教職員組合の教員の生活と勤務に関する調査速報でございます。一日の流れが女性教員のモデルとして紹介されております。  授業の短い合間にも次の準備に追われ、食事時間もなく、一時間を超えるまとまった仕事時間はほとんどない。早朝と夜の持ち帰りの仕事が結局は睡眠時間を削って、この先生の場合はわずか五時間三十分。家に帰れば家事、育児の仕事もある。非常に精神的緊張の強い仕事であるということを言っております。  また、左のところでは、先生には夏休みがあるからいいという一般的見方には余り根拠がないということで、平均十四・四日出勤をしている。これは、土曜日は一般の公務員は休みですけれども、その分も出ているという代替の措置も含めてとらなくてはいけないのが夏休みになっているわけですけれども、また多くの自主的研修にも参加をしているし、特に部活動などが中学、高校などで多いということも述べられております。  二枚目のところは、一九九二年の十一月十七日の火曜日、全国の先生はどんな動きだったかということが図表で載っておりまして、朝一斉に出勤をして、八時前から仕事をして、持ち帰り仕事を夜にする。女性の先生の場合は、朝は家事、育児で忙しく、昼休みもとらずに仕事をし、また帰ったら家事、育児を負担し、夜十二時になっても持ち帰り仕事をしている人もいるというような過酷な状況が土曜日あるいは日曜日も行われているという実態でございます。  この調査によりますと、一週間に五十五時間働いている、通勤時間を除いた仕事時間ですね。あるいは、平日には九時間半働いている。他の労働者よりも睡眠時間が二十五分少ない。女の先生は学校で食事時間はわずか八分、男性で十三分。そのような状況の中でもっとやりたいことは、授業の準備、事後処理をしたい、あるいは子供たちと触れ合うこと。そして、減らしたいことは実務処理、官製研修等々、いろいろな調査が出されております。  また、これは一番最近の大阪私立教職員組合の調査でも、三百三十七人の、二〇〇一年の三月の調査を見ますと、平日の勤務は平均で学校で十時間、自宅で五十・九分、こういうことで調査結果が出されているわけなんですね。  私は、こうした実態を踏まえて、厚生労働省通達や総務省通知に出されたように、もちろん教職員の特殊性を踏まえた問題があるわけですけれども、こうした実態把握、これを文部科学省としても行うべきではないかというふうに思います。  これは現場の声を聞きながら、とにかく教育職員というのは自主性が本当に大事なわけですけれども、どんどん際限なくやるということはやはり見直さなくてはいけない、そうした職場の実態を改善しなくてはいけないというふうに思うわけです。遠山大臣、いかがでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 私も相当ひどい毎日を送っておりまして、このところは睡眠時間が四時間ぐらいでございますが、まあしかし全国の教員の方々、私は本当に一生懸命やっている方は一生懸命やっていると思いますね、そうでない方もあると思いますが。  それで、公立学校、それから私立学校の教職員合わせて百五十万人存在しておりまして、その勤務時間の実態の全体像を把握するということはなかなか困難、技術的、物理的にも困難なものがあると思います。ただ、全体に日本人の勤務形態というのは大変厳しいものがまだありまして、特に私は、働く女性の、教員なり、それから他の労働者にとりましてなかなか困難な状況がまだ続いているというふうに思っておりまして、こういういろいろなデータを、散発的にではあれ、よくこれを拝見して、私どものいろんな仕事の上に参考にさせていただきたいと思います。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 ぜひ厚生労働省や総務省とも協力しながら検討を進めていただきたいと思うんですが、いかがですか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) そういう方向というのは必要であろうかと思います。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 最後に、体験学習について伺います。  今、体験学習ということで、自衛隊への体験入隊というか、そういうものが小学校あるいは中学校などでも行われている実態があるというふうに聞いております。  ここでは詳しく申し上げませんが、その中で例えば神奈川県では、自衛隊神奈川地方連絡部長名で、ことしの一月に「校外体験学習の受入について」という連絡が県下各小中学校長あてに送られてまいりまして、神奈川県教育委員会と調整の結果、受付窓口を神奈川地方連絡部に一元化して、受け入れ事務の円滑な推進に努めてまいりたいということで、教育委員会も知らないということが一方的に行われるという事態です。  これは直ちに是正されなくてはならないと思いますが、文部省としてはどのように承知されておられますか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 先ほどのケースにつきまして神奈川県教育委員会から聞きましたところ、今年一月に神奈川県下各小中学校長あてに自衛隊神奈川地方連絡部長名で、先ほど御紹介がございましたように「校外体験学習の受入について」という受付窓口を一元化する旨の通知が発出されたところでございます。  その通知の文中に「神奈川県教育委員会と調整の結果、」という文言が書かれていたわけでございますが、神奈川県教育委員会としては調整をとった事実はないため、自衛隊に対し、混乱を生ずることに対する何らかの対応を行うように申し入れたところでございます。その結果、県内市町村教育委員会に自衛隊が個別に訪問し、県教育委員会との調整の結果ではない、そういう旨の説明をされたというふうに聞いているところでございます。

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 時間ですよ。

畑野君枝日本共産党

○畑野君枝君 是正されたということですね。  以上で終わります。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 遠山文部科学大臣は三重県桑名市の小学校を卒業されているのでありますが、私のちょっと先輩になりますけれども、同僚が遠山大臣の小学校のときの担任をしておりまして、本当にすばらしい子供だったと。もう一人男の子で大変ようできるのがおりまして、二人がクラスの星であったというようなことを話をしてくれております。  その小学校の校長から、もう五十八になったんですかね、私のところへ電話がありまして、実は校長として児童会で遠山文部大臣の話をしたと。そうしたら、六年生の子供たちが大変喜んで、みんなで一言ずつでもいいからお祝いと励ましの手紙を書こうということで、みんなで書いて、それを一つの文集にして大臣のところに届けようと、このようなことを私のところに言ってきております。  私は、やっぱり教師という仕事は、自分の教えた子供が一生忘れられないというぐらい、いろんなほかの仕事、いろいろたくさんこの世の中に有益な仕事があるわけでありますけれども、また特別本当にすばらしい仕事だと、こう思うんですね。恐らく遠山大臣を担任した先生は今も敦ちゃん、敦ちゃんと言いながら、心の底では誇りにしているんだろうと、こういうふうに思います。  そんなことを思って、そうかといって、二十一世紀の日本はどうなるんだとなりますと、これは大変な仕事ですが、私、ちょっとここで二、三申し上げて、大臣のお考えを聞きたいと思うんです。  私は旧制中学校を五年で卒業して、それからすぐ最後の徴兵の時期なものですから、二年間ほど捕虜みたいな生活を満州で送ったんですね。その中学の卒業生が一年に一遍、椿山荘で同窓会をやるんです。その中に、向坊隆先生、東大の元学長が私どもの先輩でございますし、衛藤瀋吉さんという前の亜細亜大学の学長、これも私の先輩でございますが、みんな寄っていろんな話をいたします。  それからまた、中曽根さん、ちょっと今いなくなったけれども、彼のお父さんが旧制静岡高校で、実は私の選挙のときの後援会長と三年間寮が一緒でして、本当に裸で三年間暮らすんですね。私の後援会長は京都大学の方へ行って、中曽根さんは東大の経済に行ったんですけれども、このときに文書を交わしておるんです、友達で別れるときに。大変な美文です。たしか十九か二十だと思うんですけれども、君は京師に学び我は東にと、こういう大変な中曽根さんの美文ですけれども、当時、高等学校を卒業するのは十九か二十ですから、大学の一年生か、いっているかいっていないぐらいですね。  その人たちが持っている教養というのは大変なものなんです。カントを論じて、夜を徹してやる。旧制高校の気風ですね。ですから、本当に当時の大学教育というか、日本の教育の中に占める教養の分野といいますか、大変な思いがあっただろう。戦争に負けましたけれども、その当時の若い人たち、中曽根さんのお父さんも当時はまだ若いんですね、みんな。その若い人たちが必死の思いでこの国を築き上げてきた。  しかし、今振り返ってみると、こんなことを言ったらおかしいんですけれども、どうも大日本帝国のときの教育の中で育てられた者が、戦争に負けて、それまで上におった人が皆いなくなったものだから、しゃにむに、無我夢中で自分たちの教養をフルに発揮してこの国のために頑張ったんじゃないかという気がしております。  それから五十年たったんですけれども、どうも我々が年寄りになってくると、我々がどうも若い人を邪魔して、政治の世界でもそうですが、どうも六十五、六以上になると保守的になって、これは党派を超えてですよ、昔こうだからとつい言いたくなる。それじゃいかぬのじゃないかと、こういうふうに思うんですけれども。そういう中で、この国のこれからの姿を決めていくのは文部科学省の大変重要な役割だと思う。  そしてまた、今、先生の働く人は大変苦しいというふうなお話がありましたけれども、女性教師の数がどんどんふえてくるんですね、義務教育において。ところが、このごろちょっと聞きますと、もう嫌だからといってやめてしまうと。辛いからですね。自分の心の悩みもあるんだろう。そんなことで、一体これどうなるんだろうかなと心配いたしますし、また依然として、戦争に負けてもうむちゃくちゃでどうしていいかわからぬときにイデオロギー論争が学校現場に入ってしまって、そこから例えば文部省と日教組がけんかするとか、自民党対日教組とか、そんなようなことが今もって尾っぽを引きずるとしたら、これは大変な時代おくれだなというふうに私は思えてならないんです。  そういう中で、そうはいいながら、今度、小泉総理がとにかく相当な決意を持って総裁に立候補されて、組閣も相当な決意を持っておやりになった。これはうまくいくかいかぬか、今からの問題ですけれども、その決意たるや本当に私は立派だというふうに思っておるんです。敬服している部分がたくさんあります。  その中で、彼が言っている言葉の中に、所信表明の中にもありますけれども、男女共生社会ということを強く言っている。これだけ強く男女共生社会を主張した総理の所信というのは余りなかったんじゃないかという気がいたしますね。それから、学童保育の問題をかちっと取り上げていますね。これも大変なことだと。  そういう中で、やっぱり私は、今からのこの国のあり方、教育のあり方というようなことを考えますと、別にペスタロッチの言葉をかりるんじゃないけれども、教育の原点は母と子の姿であると。生まれたばかりの赤ちゃんとその生まれたばかりの赤ちゃんを抱える母親の姿、それが教育の原点である、こんなことを言っているんですけれども、そんなことを含めて、女性の役割が極めて大きいだろうと。そういう中で、今の特に義務教育学校における女性教職員の状況、そしてまた会社といわず役所といわず女性が力を発揮して頑張っていかなきゃいけない時代なんですけれども、まだまだ男性社会のいろんなものを引きずっているわけですけれども、そんなことまで含めて、これから新しい子供たちに教えていかなきゃいけない、国としてはこう考えますと言わざるを得ない。そういう中で大臣におなりになったと。  ひとつ決意のほどを少しお話しいただきたいと思います。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) いろいろお話をいただきましたが、私自身も小学校のときに校長先生が女性の校長先生でございまして、県下で初めての校長先生でございまして、今も御健在でございます。直接人生のモデルになったかどうかというのはまたいろいろございますけれども、大変立派な方だということで、しかも私の母が、あの方は非常に立派な方なのであるということで、尊敬する気持ちを心の底から持つようにという教育を受けたところでございます。ということで、私は小さいときから男性、女性という差別といいますか、そういう目には全く遭っておりませんので、その意味で非常に伸び伸びできたと思っております。  教育の場面で、私は、戦後の教育というのはその面では、学校教育におきまして男女の平等といいますか、そういうことがかなり徹底して教えられてきたのではないかなと思います。  しかしながら、受け入れる社会の方でなかなかそうはいっていないという現実もございます。しかし、これからの日本の将来を考えますと、男性、女性と言っていられない、一人一人が能力を発揮して、そして家族を支え、国を支え、そしてできれば国際的に貢献していく、そのような一人一人の人間が非常に大事になってくる時代でありますので、どちらかといえば、トータルでいえば日本の社会はまだまだ男性優位の社会でございますけれども、教育の場面での平等というものがそこを卒業した後に出てきた社会においても実現されるように、しかしそのときにやはり女性の側も他に甘えるということではなくて、みずからを磨き、そして共同していくという精神のもとで互いに尊敬し合っていく、そういう社会の構築というのは非常に大事だと思っております。  どのようなことが私にとってできるかどうかは別でございますけれども、でもそのことの重要性というのは十分認識しているつもりでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それで、先ほどまたお話がありました文化庁の問題なんかも含め、ちょっと私も大臣が文化庁で苦労しておられる時分を思い起こしたり、また、もう退任されて大分なりますけれども、佐野事務次官が文化庁長官をしている時分に私はいろんな話をしたことがあったりするんですけれども、たしか大臣が文化庁次長で苦労されて、そして予算が非常に少ないとき、それがやっと五百億になったときがあったんでしたかね、五十億だったか、五百億だったですかね。そのときに本当に文化庁は喜んだんですね。もう跳び上がるぐらい喜んだ。これは超党派で大蔵省とけんかしたんですよ、みんなでわっさわっさ。その中で本当にやっとここが出たと。  ところが、先ほどのお話じゃありませんけれども、国際的に見たら甚だ貧しい予算ですよね。そうやって文部省は随分苦労した中で来ているんですけれども、依然としてなぜこんなに、例えばフランスと比べてたしか十分の一ないんでしょう、文化予算がまだ今も。そんなような状況の中で、これからやっぱりどんなことを言っても、日本人が生きていく中でこの国の文化、とにかく我々の先祖がずっとつくり上げてきたこの国の文化というもの、そして人類がつくってきた文化というもの、それをいざというときにこうなんですよということをしてもらう役所が文化庁だと私は思うんです。  そういうことからいった場合、今のこの新しい世紀を迎えて、これから回復しなきゃいけない、私はプラスの方向へ向かってお金をどんどん入れて回復しなきゃいけないものの中にこの文化予算があると思うんですけれども、そういう文化予算の将来について大臣はどうお考えでしょうか。このままでいいとは思っていないと思うんですがね。これから要求を、例えば何年計画でどれぐらいにせめてしていきたいというふうなことを、まあ空想でもいいですから、ひとつ夢を語っていただきたいと思うんですが。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) これからの日本の社会というのは、一つは創造的な力というのを発揮していくというのと同時に、人々が心を豊かに生きていくには、やはり芸術文化あるいは文化財、そういうものを大事にしていくということが非常に重要になってくると思います。その意味では、現在の九百九億円ですか、国費、私は大変、私の後輩の人たちが努力をして今日ここまで持ってきてくれたとは思いますが、しかしトータルに見てまだまだ十分でないと思います。  ですから、これをどうしていくかということでございますけれども、やはり文化振興といいますか、日本の国を文化立国として考えていった場合にどういうものが大事か、その中身のプランというのをきっちり練って、その上でどの部分を拡充していこうということでないと、なかなか今の大変難しい財政状況、それから国民の皆様の関心の多様さの中で文化というのを重点化することはできませんけれども。  しかし、私は大使の時代、外で過ごしまして、日本が尊敬されるのは決して経済の力ではないんですね。経済力ということでいろいろ日本というのは世界第一位、第二位というようなこともあったわけでございますが、その力というのは十分あるけれども、しかし科学技術なり生産力なりといったその分野だけではなくて、日本が文化の国である、伝統文化を大事にし、かつ創造的な分野でも国際的に比肩できるすぐれた芸術家がいるではないかと、そういったことが日本への尊敬になっていることをつくづく感じたわけでございます。  しかしながら、この予算を見ますと、到底外からの期待ないし国内でのいろんな期待にこたえることができていないと思いますので、私は文化振興というのは今後の文部科学行政の非常に重要な柱の一つであると考えております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 遠慮をして数字を言われないんですけれども、せめてフランスぐらいのところまでとは言っていただきたいなと思うんですけれどもね。フランスと一遍にはいかぬにしても、近づけると。目標はやっぱり持っていただきたいというふうに思います。  そこで、今度は今の日本の教育の問題で、これは国際社会の中でも大分いろいろと議論されておりまして、有馬先生もお見えですけれども、日本の東京大学というのは、かつては本当に学問の府、象牙の塔にふさわしいぐらいすばらしい、いろんなすばらしい人がたくさん出ている。私どもは若いときに、矢内原総長、南原総長のお話なんかを聞くと魂が震えたんですよね。要するに、日本の国の学問の府としてすばらしいものがあった。ところが、今はどうも本当に大学が国民にとって、若者にとって胸を震わすような存在なんだろうかということが心配でならないんですね。  そして、実は大学がこうなっている原因の一つに、昔から言われておったんですけれども、大学入試制度があるんですね。大学は、入学試験のためには必死になって勉強するけれども、入ったら勉強しなくても卒業できると。これがほとんどの大学なんですね、中には勉強しなかったら卒業できない学校もありますけれども。ですから、入学試験にさえ通ればいいと。入学試験の技術さえ受ければいいと。入学試験問題なんというのは研究していけば、トレーニングさえすれば通過できないことはないんですよね。  しかし、勉強をしたいという心はそういうつけ焼き刃じゃできないんですよね。勉強したい者が大学で学んだらこうならないと私は思うんですね。勉強をしたいんじゃなしに、入学試験を突破した者だけが入ってくるのが大学になっている。これでは絶対よくならないと私は思う。そのことは大学関係者の方々は皆知っているんですよね。大学の先生は皆知っているんです、これじゃだめだと。しかし直さない。なぜ直せないのかと。  私学が大変な勢いでふえましたですね。特にバブルの前あたり、もう文部省へは大学認可で大変な運動が起こったぐらい、それぐらい国民は高等教育を要求しているかというと、そうじゃない。高等教育じゃない。大学という学歴が欲しいからだね。本当からいったら、大学は学ばない人は出ていってください、また勉強したくなったら来なさいよということでないといかぬのじゃないかと私は思うんですね。  例えば、有馬先生の先ほどのお話に、微積分がなぜこういうふうに使えないのというふうなお話がありましたけれども、私は実は大学の修士課程を出た若い諸君に、この前から新聞で円周率の問題が、何で三だと言って議論する人がおったですね。それを議論する人がおったものだから、じゃ、君、子供に円周率って何か、どうやって計算するんですかって、どうしているのと聞いたら、わからないんですよ。三・一四一五九二という数字は知っているんだけれども、では三・一四一五九二はどこから出たのと聞いたら、知らないんですよ。子供にどう教えますか。先生は知っておるかと言うから、それぐらい知っておるよと言ったんです。先生、どこで教わったと。私は小学校で教わったのを覚えておる。昔は小学校で子供にコンパスで円をかかせておいて、ずうっと巻尺でそこをはかるんです。この長さをはかっておいて、直径で割ったら三・一四何ぼというのが計算で出てくるんです。  そういう考えることを教えないで、また考えることを現物に即した形で教えずに、教えぬでも東大の入学試験は通るんですよ。考えることを知らぬ者でも、しっかり受験勉強さえすれば通るんです。  こういうおかしなことがあったのでは、この国の大学教育というのはだんだん、それは中にはすばらしい人がいますから行くけれども、大学教育というのはもっと大勢の人に教えるわけですね。優秀な者はほっておいてもどんどん勉強しますよね。  なぜこうなっているのか。私はもう大分前に文教委員会で言っておった。もう十年ぐらい前だったですかね、東京大学を開放しなさいと。東京大学は一年生は全部NHKの通信教育でやれと。一年間全部通信教育をやって、ちゃんとレポートも出して、立派な論文も出して、来る者をスクーリングで集めなさいと。二年になるときに学校へ入れてもよろしいと。そして、勉強したい者だけ東大へ入れなさい。三年もそうだと。卒業するときはもっと難しい。日本じゅうの、年齢制限を超えて、東京大学をまず開放しなさいというようなことを言ったら、また夢物語を言ったといって笑われた。しかし、何かしらそういうようなショッキングなことでもせぬことには今の受験制度は直らないと私は思うんですね。  正直言って、みんななぜ東大へ入りたいかといったら、東大という名前なんですよ。出たらいいというその名前にあこがれておる。東京大学に入って勉強したいんじゃないんですよね。東京大学という名前が欲しいだけだ。そういうのはもう私はいびつだと思うんですよね。世界じゅうでこんな国はありませんし、私の長い間一緒におった男が、今三十歳ですけれども、イギリスのエセックス大学に行っているんですよね。これは論文、論文で、何遍でも書かなきゃいけない。それから、みんなの前でしゃべらなきゃいけない。そうしなければ博士課程の修了をもらえない。修士課程でも何でもそうですよね。  そういう本当に勉強したい者が大学に来るように切りかえにゃいかぬのだけれども、それをやるのは、これは正直言って私学に求めても無理です、それは。今の経営の問題がありますからね。だから、国立がこれをやったらいいと私は思うんですよね。少なくとも、例えば旧帝大だけでもいいからまず始める、この学校だけは勉強したくなかったら卒業できませんよと。  また、年齢制限は取っ払うんですよ。六十になってからでも東京大学へいらっしゃい、勉強するなら、というぐらいのことをすれば、みんな変わるんですよ、東大を目指す意味が。また、そこが勉強しなきゃいけない場所だとなれば、それだけに一生懸命私はやると思うんですね。  これも私がずっと前に言った一つの提案なんですけれども、ですから、要するに私が今言うようなそんなことも含めて、大学教育そのものを本当に何もかも全部さらにして、みんなでもう一遍考え直す時期に来ているんじゃないかと私は思うんですが、どういう方法があるかは、これはそれこそ衆知を集めにゃいかぬでしょうし、有馬先生のように、実際に東大で学長をしておられた方もおられるわけですから、みんなが考えて今の大学を変えなきゃいけない。それにはまず国立大学の改革から始めるということをすべきだと私は思うんですけれども、そういう点についてはいかがでございますか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 大学というのがどのような教育をし、どのような研究の成果を出して輝ける存在になるかということが一国の将来を決めるというぐらいに私は思っております。  今の問いに対する答えは有馬委員の方がよいのかと思いますけれども、有馬委員が東京大学総長でいらっしゃいましたときに私は高等教育局長をやっておりまして、そのとき、一九八〇年代の終わりのころですか、大学審議会を設置させていただきまして、そしてそこで初めて大学のあり方というものを大学以外のところで論じて、大学はかくあってほしいということについて衆知を集めて議論をいただきました。  その後、もう十何本のすばらしい答申をいただいて、それが残念ながら中央教育審議会に大学分科会として残ったということでございますが、先生おっしゃいましたように、やはり今の日本の大学が抱える問題というのは、大学における教育が本当に力をつけるものになっているかどうかということであろうかと思います。そして、もちろん研究のものもございますけれども、その意味でいえば、先生が体験された戦前の大学ないし高等教育というのはまさにエリートの集まるところだったんですね。したがいまして、本当の意味の教養を磨くような条件がそろっておりましたし、それは能力的にもそうであったと思います。  でも、今日、これからどうやっていくかというときに、とにかくレッテルだけ張ればいいという時代は終わったと思いますね。もちろん国立大学もそうですけれども、私立大学の中にもすぐれたものもございますが、幾つかのすぐれたものにかなり焦点を合わせて、そして本当のいい教育なり研究なりをやっていただく。個性輝く大学ないし魅力ある大学というふうな表現を使っておりますけれども、そういうことが非常に大事な時代ではないか。  その意味で、最近、ある国立大学の総長が、大学で本当の力をつけるために容赦なくちゃんと評価するよというようなことをおっしゃったと聞いておりますが、まさにそういう方向で、それぞれの大学ができる限り、可能な限り、あるいは本当に新世紀に生き残っていきたいと思う大学は真剣になって本当の意味の教養教育なり、本当の意味の専門教育というものをきっちりとやっていただきたいなと私は思っております。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 大学の先生方も本当に苦しんでおられると私は思うんですよ。  ことし六十一になったので広島大学を退官しましたといって私が教えた子が手紙をくれまして、大学の教員でもいろんな悩みがあるという話を聞かせてもらったんです。それで、次男坊が慶応の文学部の教授に四月からなったんですけれども、これまた妙なものですよ。それでもおまえ学者かと言いたくなるような生活状況ですよね。ですから、大学の先生も本当の意味で悩んでおられるんだろうと思うんですね、いろんな状況の中で。  しかし、今の日本の大学制度というものは、これは何ぼ言っても国が決めているんですよね、大学制度は。アメリカはアメリカで大学制度がある。これはやっぱり国が決めているんですよね。それは州立を大切にするとか、あるいは私立を大事にするとかいうふうなのはありますけれども、それはそれぞれの国がやっぱり大学というものに対しては関心を持っているから、そこで制度を決めているんです。日本の制度はやっぱり日本の国が決めているわけですよね。我々国会が本気になって大学問題に取り組まないからこうなっている。ハンセン病じゃないけれども、大学そのものを本当によくしなければこの国はよくならないと私は思うんですね。  そういう意味で、何とかひとつ、大臣、今までも女性大臣、森山大臣も赤松大臣もおられましたけれども、本当に文部省の中で苦労してこられた、そういういろんな御自分の御経験、あるいはまた大使としてやられたそういういろいろな立場から、今までと違った角度で大学を本当によくしようと、日本の国の。それこそ総理に話していただいて、教育改革の大前提はまず大学だというぐらいの宣言をやっていただくぐらいのことをぜひお願いしたいというふうに思いまして、これはもう私のお願いですが、もし何かあればあれですけれども、よろしゅうございますか。  では次に、ちょっとこれは学校で、今、義務教育学校、高等学校もそうですが、これは世界じゅうどこでもここでも、子供たちの反乱というふうな表現まで使っている人もいますけれども、その状況で大変苦しんでいる、こういうことが言われているんですね。ただ、私は少しマスコミがあおり過ぎている要素があるように思えてならないんです。  いつの時代でも子供というのは反逆するんですよ。あの天皇陛下万歳といって厳しい教育を受けたときでも、子供は反乱を起こして、私の中学二年の子は自分で刀をつくって、刀といったって鉄を磨いてとがらせたやつで、それで本当に気に食わないやつを、自分でけんかしても負けるやつを刺していた。それこそ一遍に連れていかれてぶん殴られてひどい目に遭わされて、そんなことは新聞に載らぬですよ、その当時は。  しかし、いつの時代にも子供の反逆というのはあるのが当たり前なんで、世の中は。私はそう思うんですね。それをどう扱うかということが一つあると思うんですけれども、ただしその前に大切なことは、最初に大臣の担任をした教師のお話を私いたしましたけれども、子供というのは先生の姿を見ているんですよね。そうすると、その先生の姿というのがいつまでたっても印象に残ります。  私も、亀井先生があそこにお見えですけれども、この前、私の恩師が、一九四一年に私の担任をしていた旧制中学の先生が、これは漢文の指導の名人で、今ゼミナールで引っ張りだこです。やがて八十六か七になるんですけれども、大変な先生です。この先生に私は担任を四年生と五年生と二年間旧制中学でやってもらったんですけれども、もう今でも何とも言えぬその先生の風貌が楽しくて仕方がない。別に聖人でも君子でもないんですよ。漢文の先生だからといって聖人君子じゃありませんし、極めて人間的な人です。あるいは、小学校のときに教わった中島先生という先生、もうお亡くなりになりましたけれども、この先生が非常に印象に残るんです。  そして、その先生たちの時代はどうだったんだろうかとちょっと私も調べてみたんです。そうしたら、小説の世界にも出てくるんですよね。あの「路傍の石」という小説がございますけれども、そこで吾一という少年のことが出てくる。吾一という少年を教えている先生は、知らぬ顔をしていつも机に向かって本を読んでいる、自習せいと言って。今だったら、すぐPTAから文句を言われて首になるかもしれない。  その吾一を教えた先生が、吾一がみんなからいじめられて、母一人子一人なものですからね、鉄橋にぶら下がった。そして、汽車が通るのをじっとこらえて我慢して、げたが落ちて、今にも落ちそうなんですよね。それは映画でやりました、昔。それが出てきたときに、先生はいきなりこらっとしかるんですよ。何だおまえはといってしかる。そのしかるのが、あの映画の世界は私は今でも印象的なんですけれども、いつもぼやっとして知らぬ顔をして一人で本を読んでいる先生、子供のことを面倒見ぬような先生がそのときにしかったそのしかり方で吾一が目を覚まして、そしてたくましく生きていくんですよね。おまえの字を見てみよと、吾一人と書いてある。世界じゅうでおまえは一人しかおらぬのだぞと。少々いじめられたから何だからといって、ほかのせいにしちゃいかぬ、自分一人だと。世界じゅうでおまえ一人しかいないんだということを教えるんですよ、がちんと。  私はそういうのが先生の姿だと思うんです。だから、そういう先生がふえることが必要なんだろうと思うんですね。そうすると、その先生たちに何を求めなきゃいけないかといったら、いたずらに朝八時半から五時半までちゃんとおって、ああ終わった終わったといってさっさとうちへ帰って、それで今度はアルバイトに家庭教師をやるような先生じゃ困るんですよ。そんなことじゃなしに、とにかく勤務時間であろうとなかろうと子供がおれば子供とともにおるという先生でなくちゃいけない。  私が昭和二十四年に高校の教員になったときに、校長がこう言ったんです、勉強せいよと。勉強せいよだけですよ。どこでもいいから勉強せいよと、校長に私が言われたのはね。ちゃんと何時から何時までおれなんということは言わぬですよ。それで、その中でみんなが貧しかったけれども一生懸命になって頑張ってやったと私は思っておるんですね。そして、ちゃんと法律もよく読んでみるといろいろ書いてありますが、教員に求められるのは研修だと。特に自己研修だと。どうやって自己研修を保障するかということがなかったら本当に教育はよくならない。先生が勉強する姿、さっきの吾一の、本を読んでいるというのもやっぱり勉強する姿なんでしょうね。勉強する姿を見て子供は学ぶんですから、先生が勉強できるようにしてやらなきゃいけない。  ですから、ドイツで私は、議長をされた長田先生と、今も御健在ですが、坂野先生と三人でボンに行って、小学校に行った。予定時間は一時間だということで行ったんですけれども、そうしたらもう坂野先生が、いや、もっとおろう、もっとおろうと、午前中ずっとおったんですよ。二時間半ぐらいおったですよ。そしたら、終わったんです。校長先生は三十八歳ぐらいの女の先生で、先生はみんな女の先生ですよ。男は一人もいなかった。夏休みの前です。そしたら、校長先生が、今週で終わりで、来週からは先生方はみんな南フランスへバカンスに行くと言うんです。そんなに先生は月給が高いかというと、月給は安いんですよ。安くても行けるんですよね。校長先生、あなたはどうするんだと。私は校長だから、ちょっといろんな仕事をせぬといかぬので十日ほどおくれて行きますと。  そしたら、坂野先生が、いや、すばらしい教育だと。先生たちは昼間授業が終わったらいないんですよ、学校からもう。授業に全責任を持つんですよ、教師というのは。そのかわり、授業を参観している僕らみたいにドイツ語がわからぬ人間にもわかるんですよ、教えているその教え方が、なるほどなと。時計のことを教えると、非常によくわかるように教えるんですね。やっぱり先生が自信を持っている。そうすると、先生は教えることに誇りを持つし、それから楽しいんですよ。  ところが、今の先生たちは決して楽しくないんです、学校が。子供たちを教えることに本当に喜びがないような、何かしようとしてもわあわあ忙しくてというふうな状況がある。  ですから、私は、やっぱり文部省の仕事の中に先生が勉強できるような状況をつくってやる。先生たちはしっかり勉強しなさいよということを文部省がどんと言っていただくと、それは都道府県がそれぞれの都道府県の条件の中でさらに生かして頑張っていくというようなね。先生、一緒に勉強しましょうよ、勉強する姿を子供に見せましょうというふうなね。そのためには、国は皆さん方が勉強することを保障しますよというふうなことを打ち出してもらうことが私はこの国を変えていく一つの力だというふうに思うんですよ。  大臣、その辺いかがでしょうか。重大関心のある初中局長でしょうか。副大臣に一遍この辺で見解を聞きます。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 発言を許していただきましてありがとうございます。  今、先生のお話を大変感銘深く聞かせていただきました。やはり先生の姿というものは生徒に大変大きな影響があるなと改めて感じ入りながら聞かせていただきました。  そして、今のお話の中に御指摘がありましたように、教育公務員特例法という法律の中で教員自身に研修についての努力義務があるわけであります。こうした研修を通じまして教員が研さんを積んでいる姿、これは間違いなく児童生徒に対して大きな教育効果が期待できるというふうに考えております。  そして、例えば各都道府県教育委員会等において、教員を民間企業ですとか社会福祉施設等、学校外の施設等におおむね一カ月から一年等派遣して行う教員の長期社会体験研修、こういったものがあるわけでありますが、こうした研修を通じて教員が研さんを積んでいるという姿、これは大きな教育効果があるというふうに思っていますし、また本年四月から大学院修学休業制度、こういった制度もスタートいたしました。こうした制度もぜひ多くの先生方に利用していただいて、そしてその姿を多くの児童生徒に見ていただくこと、これは大きなよい効果につながるものと確信しておりますので、こうした制度の充実は文部科学省として環境整備の中でしっかりと努めていかなければいけないと思いますし、この活用が図られることを大いに期待するところでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 そこで、初中局長が座っておられるからひとつ答弁をしてもらいたいと思いますが、教員がやっぱり一番頼りにするのは校長なんですよね。校長というものがしっかりしているところに入った教員は幸せなんですよね。ところが、悪い校長につかまるとこれは大変ですけれども、それは仕方ない、それはどこでもあることですからね。しかし、そのときにやっぱり校長は先生たちに勉強しなさいよ、勉強しようよということを言う義務が私はあると思う。  ところが、世の中は激しく変わっていって、何でもかんでもお金万能の世界になっていく中でおかしくなっていったんですけれども、昔の校長はやっぱり中で先生たちとの間に一つの和がありましたよ。一杯飲んだら、こら、おやじとか言いながら歌を歌って、校長校長と威張るな校長、校長はおいらのなれの果てとかいって歌いながらでもそういうのがあったが、今は全然やらないんです、そんなことを、学校は。  ですから、校長がそういうことをするためには、校長にもっと権限を持たせて、その学校の先生についての勤務、研修、割り振りを全部校長さんがやりなさいと。こうやれば逆にまた校長にも自信が生まれるんです。教員たちも校長に対してまた信頼感が生まれる。  これは昭和四十年代の末だったと思うんですけれども、当時の文部省が答弁した中に、教員の勤務については、授業はもちろん大事ですよ、何よりも大事だけれども、学校における勤務の割り振りは校長が定めることになっています、校長が定めるのは自由ですよと、こういうふうな答弁をしたことがあったんですけれども、ところがだんだんこのごろはそうでなしに、校長が定めなくなっちゃった。何かあると教育委員会からしかられますから、先生方はちゃんと五時半までおってくださいと、こう校長が言うんだって。本当はおかしいんですよ。  だから、要するに校長と教員との関係をきちっとするためには、校長は本当に学校の責任者であると。また、先生たちに対しても、授業はもちろん大事ですよ、授業をサボったら、それこそもうけ飛ばしてでもいいから、やれと言って怒るぐらいの気迫を持った校長でなければいかぬですけれども、勤務の割り振りは校長が定めますよと。学校の中で校長が引き受けたと言ったら、大丈夫という安心感を持たせるような、そういうことまでせぬことには、ちょっとなかなか今の学校は役場と、役場と言ったらしかられます、役場はいい役場もあるわけだから、何か悪い役場みたいな気がして心配なんですよ。  その辺も含めて、教職員の勤務の対応について、これは初中局長の分野でしょうから、教職員の勤務とは本来教育公務員特例法があるんだからこうなっていますよ、校長にはこういう権限がありますよということを、ひとつ局長から明快な見解を示していただきたいと思いますが。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、学校運営の責任者として校長の権限と責任は大きいわけでございますし、学校運営がより効果的に運営されるためには校長のリーダーシップというものが何よりも大事になるわけでございます。そういう意味で、そのリーダーシップを発揮するためには、まさに先生御指摘のように、校長の権限が今よりより大きくなる必要があるわけでございます。その権限の中で、私ども、やはり一番大事なのは人事についての権限であろうかと思うわけでございます。そういう観点から、今回、地教行法を改正する形でもって校長の権限、人事についてより権限を高めていただく、そういう改正案をお願いしているわけでございます。  また、御指摘の教員の勤務時間の問題でございますが、これは基本的には市町村の教育委員会が服務監督の権限を持っているわけでございますが、ほとんどの学校においては、ほとんどの市町村においては、これは校長の権限として権限移譲されているのがほとんどの実態であろうかと思うわけでございます。そういう中で、勤務時間の割り振り等につきましてはまさに校長の服務監督者としての権限としてやれるようになっているわけでございますので、そういう意味で校長の人事についての権限なりをきちんと対応していく必要があろうかと思います。  なお、この機会でございますから、先ほどちょっと先生がおっしゃいました教員の自主的な研修についてでございますが、先ほど副大臣から御説明申し上げましたが、昨年、この国会で教育公務員特例法をお認めいただきました。今までは職務研修としての大学院での研修しかございませんでしたけれども、この法律をお認めいただくことによりまして、みずから手を挙げてどこの大学院で何を勉強するということを含めて自主的な研修が制度的に認められたわけでございます。そして、二年なり三年大学院で勉強した後にはそのまま教員として復職できる、そういう制度が公務員制度の中で初めて、唯一でございますが、そういう制度ができているわけでございます。  私ども、せっかく先生方の御尽力でできた制度を果たしてこの四月から何人活用してもらえるかと心配しておりましたところ、この四月に百五十五人の教員が大学院にこの制度を活用してめでたく入学をして大学院で自主的な研修をすることになったということをこの機会に御報告申し上げさせていただきます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 あと二分ぐらいあるんですかね。  では最後に、ちょっと要望だけしておきますが、中央教育審議会の役割というのは極めて私は大きいと思うんです。ただ、心配するのは、総理大臣には時々私的諮問機関と言われて勉強する機関がつくられます。しかし、何といっても教育のあり方についての最高の場所、これは中央教育審議会だろうと思うんですね。そこの論議というのを何よりも大事にしていただきたいと、こう思います。いろいろなところで研究機関を持たれるのはいいですよ、総理大臣が私的に諮問機関を持たれるのは構いませんけれども、最終的には中央教育審議会が極めて大きな役割と責任を持っていると、このことはぜひひとつお忘れなく頑張っていただきたいと思います。  ただ、ここで中央教育審議会にお願いしておきたいことは、今までずっとこうだったからという部分がどうしてもあって、新しい視点で、全く白紙の視点で本来日本の教育はどうあるべきかという形での議論がどうも少ないような気がするんです、ないと私は言いませんけれども。現状をどう変えたらよくなるかという議論をされていますけれども、現状の部分的な改定ですよ。しかし、そうじゃなしに、本当に日本の教育を小学校から大学まで全部含めて白紙の状態でもう一遍、全部ゼロにして見直して、そして本当に日本の教育はどうあるべきかという形での議論をどこかの場所でやっていただくと。そして、そこにはいろんな階層の人の審議会から諮問を受けてやる研究機関みたいなものを置いていただいて、抜本的な議論をぜひしていただきたいというふうに思います。  それから、教科書の問題でも、おかしいのは、フランスでもドイツでもイギリスでも、教える者が教科書を選ぶんですよ、学校が選んでいるんですよ、教科書を。教育委員会が選ぶなんというところは世界じゅう探しても少ない、アメリカの一部の州にあるだけです、これは。学校が選んでいるんですよ。教員がなぜ胸を張って生きていけるかといったら、学校教育法に教員は教育をつかさどると書いてあるんです。自分が全責任を持って授業をするんですよ。全責任を持って授業する者が教科書を選ぶということを言えずに授業できるかと心配なんです。  そうしたら、国会の論議で、文部大臣の答弁だったか、だれの答弁だったか忘れたけれども書いてあったんですが、できるだけ現場の先生の意向が十分に尊重されるようにして教科書というのは決定されるべきだ、こう書いてあるんです。文部省の見解だ、これね。そこを誤解されていますから、誤解されないようにひとつ十分に都道府県には指導していただきたい、それだけお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 高橋紀世子でございます。  今、山本先生が教科書のことをおっしゃったんですけれども、私も、順序よく書いてはきたんですけれども、申し上げたいことがそのことでしたので、もう最初にそういうふうに言ってくださったから、そのことから申し上げたいと思います。  六法全書を読みますと、学校教育法の第一章から第九章の中に、小学校についても、それから中学についても高校についても、小学校の教科に関する事項は、それから中学校に関する事項、高校に関する事項は文部科学大臣がこれを定めるということになっているのでございますが、今、山本先生がおっしゃったように、現場にいらっしゃる方、それから現場で子供たちや生徒たちを見ている方たちが教科なり教科書なりを決めた方が交流がじかにできていいんではないかと私は思うのでございますけれども、率直にその辺についてはどうお考えになりますでしょうか。  私も子供三人育てましたけれども、いろんな学校に行きましたけれども、非常に画一的で、私立も公立も同じ範囲であれなので、もう少し現場の先生方、それから校長先生方がやっぱり学ぶことはもう少し自由に決めてよろしいんじゃないかと思うんですが、その辺はどうお考えになりますでしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) 日本の教育が高い評価を得てきたのも、やはりどの地域にいても一定の水準の、水準の高い教育を受けてそれを身につけていることから評価されてきたというふうに思います。ですから、今、委員のおっしゃる意味がちょっとよくわからない面もございますけれども……

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 どの意味ででしょうか。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) それぞれの学校ないし先生がやるということで、実際に教育に当たるのは個々の先生であり学校であるわけですね。しかも、最近の学習指導要領などは非常に大綱的なことを定めておりますね。しかし一方で、国民の教育水準を守るという必要もあるわけでして、私は現在の制度がその両方のニーズをきっちりと解決していくのに最も適しているものではなかろうかと思います。  これまではどちらかといいますと画一的、あらゆることが決められてと。これはかなり誤解もあったと思います、かなり自由裁量でできる面もありますけれども。しかし、カリキュラムの基本的な構成でありますとかあるいはその内容の一定水準のものを保つという意味で基準を示して、そして全国の学校でそれをもとにしながら個性ある教育をやっていただくというのが私は最もいい方法であろうと思います。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 ということは、全国津々浦々同じ範囲の勉強をやっているように思いますけれども、やはり水準を保つという意味でそのやり方がいいとお思いになるのでございましょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今、大臣からお答えしたように、全国的に一定の水準を保つ、あるいは学習の機会の均等を図る、そういった意味から一定の基準は大変重要なことだと思っております。  しかし、その一定の基準のもとで、やはり各地域あるいは学校の事情等もあります。その中で工夫を凝らして弾力的に対応していく、運営していく、これもまた大切なことだというふうに思っています。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 私自身は、先生方が子供たちと接している中から、こういうことを学んだらいい、ああいうことを学んだらいい、もちろん校長先生とも相談しながら、それぞれ科目を決めたり選択科目を決めたりする方が学校の中が活性化すると思っているんです。  そして、今、大変登校拒否児の数が多くなっております。その数については私ちょっと把握していないんですけれども、今、小学校、中学校、高校の登校拒否児の数というのはどのくらいおりますんでしょうか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 平成十一年度のデータでございますが、不登校児童生徒数は約十三万人でございます。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 小学校ですか。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) これは小中学校でございまして、在籍者全体に占める割合は約一%となっているわけでございます。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 ほかの例えば韓国やアメリカやイギリス、ドイツと比較してみたいと思うんですけれども、それはわかりませんよね。

矢野重典文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(矢野重典君) 御指摘の諸外国の状況について私ども調べたのでございますけれども、そういう長期の欠席をしている児童生徒数の調査を行っている事例はほかの外国では私どもの調べた限りにおいては見つからない、把握していない、そういう状況でございます。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 そうですか。  私は子供を三人育てましたけれども、やっぱり学校に対するつまらなさとかがあると思うので、今おっしゃったように、全国津々浦々同じ教育をするということにも原因があるように私自身は思っておりますし、やっぱり学校は学校で、教師や校長先生が生徒と接する中でもう少しそれぞれの授業をした方が学校が活性化するように思います。  それから、私は、小学校の三年、九歳、それから中学校一年の十二歳の子供を連れて、米国のワシントン州にある人口十二万程度の町に子供を連れて二年留学したことがあるんですが、日本人のほとんどいない町で子供を近くの公立学校に歩いて通わせたんです。そこで私もコミュニティーカレッジという学校に行きまして、二年間そういう経験をしましたけれども、そこで私が日本との教育の違いを幾つか感じて感心したことは、小学校から音楽については何をやりたいか子供たちに選ばせまして、バイオリンがいいかピアノがいいか、小学生に選ばせて、そして勉強するんですけれども、私は、日本の学校がもう少し、画一的という言葉は嫌いですけれども、もう少し小学生のときから選択するということを練習した方がいいのではないかと思っています。  授業は小学校の場合は全部同じです。それから、中学校で感じたことは、その学校にはキャリアといって自分がこれから将来職業につくことを一緒に考える授業が毎日毎日ありまして、それについては、どんな職業についたらいいか、それから宿題にいろんな職業の人と話してきて、そしてそれを作文に書いてくるような授業があるんです。  私の行かせた学校は普通の何でもない公立なんですけれども、私が思ったのは、もう少し職業との関係を早いうちから練習するような何かいい方法があったらいいと思うんですけれども、そのことはどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。  今、私の事務所には研修生が来て、政治家の事務所がどんなところかということを見に来ていらっしゃる方があるんです。それはそういう組織があって来ていらっしゃるんですが、それはすごくいい経験だと思うんですけれども、もう少し職業と学校との関係を早くから研修したりするようなことができたらいいと思うんですけれども、そのことについては何かお考えがないでしょうか。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) 今、先生のお話をお伺いしておりまして、私も小学校の時代、アメリカで過ごしまして、向こうのパブリックスクールに通いましたので、先生のおっしゃらんとすること、何かわかるような気がいたします。  その中で、まず選択の幅がもう少しあってもいいんではないか、あるいは職業との関連についてもう少し考えたらいいんではないかという指摘をいただきました。  そういった問題意識、大変重要なことだと思っています。ですからこそ、新しい学習指導要領の中でこうした選択の授業というものを盛り込むことになったんだと思っておりますし、また体験活動、自然を含めてさまざまな体験活動というものを重視していかなければいけないというふうに思っています。総合的な学習の中でそんなものをしっかり盛り込んでいかなければいけないんではないか、そしてその体験活動の中で職業についてもいろいろ触れる機会を得る、そういったものが将来の人生についていろいろ考える上で大きな財産になることを期待するわけであります。  ですから、これからのそういった新しい学習指導要領の中での、その体制の中で先生が今おっしゃったようなことがぜひ実現されることを期待しておりますし、そのあたりもしっかりと検証していかなければいけないと思っております。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 今度の新しい学習指導要領で、ボランティア活動だとかいろいろ、私はそれはいいことだと思うんですけれども、私が感じたのは、余り細かいことまで決めて、これをあれ、これをあれというのじゃなくて、何か方法を考えて、生徒の方からやりたいんだと、積極的に自主的に考え出せるような教育方法はないかと思うんですね。  今のあれですと、ボランティア活動、さあこの時間にやるんですよと決めてしまって、生徒、学生の自主性というんですか、積極性というんですか、それをやはり授業に、小学校の授業にしても、さっきアメリカにいらしたとおっしゃいましたけれども、それはアメリカがすべていいとは思わないんですけれども、子供たちが自分でやるところが多くて、日本が悪いとは言いませんけれども、全部スケジュールが決まっていて、そのとおりにやるというところが私はちょっと感じられるので、何かいい方法を見つけて、子供たちが、生徒側が自主的に感じて積極的に動くようなやり方を考えていけたらと思います。

岸田文雄自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、学ぶ生徒の意欲というものを引き出すような運営ですとか工夫は大切なことだと思います。  ただ一方で、子供たちにとりまして、ボランティア活動ですとかさまざまな体験というのは初めての体験のケースが随分多いんではないかなという気がします。こういったものがどんなものかすらまだ知らない子供たちもいっぱいいると思いますので、そういった子供たちにこうしたボランティアあるいはさまざまな体験活動、貴重な経験をするチャンスを与えるということ、これも大切なことだと思いますので、そういった意味合いからこういったメニューを一応用意する、これも大切なことだと思っております。  ですから、いずれにしましても運用、工夫の問題、さらにはバランスの問題だと思っておりますので、先生のおっしゃったような指摘も頭に入れながら、この辺どんな具体的な運用が図られるのか、これからしっかりと見定めていかなければいけないと思っております。

高橋紀世子無所属の会

○高橋紀世子君 ありがとうございます。  とにかく、上からすべて決められて動くのではなくて、それぞれが工夫したり考えたりしてやるようなことを、職業のこともそうなんですけれども、あれだこれだというんじゃなくて、自分たちの方からこういう職業を身につけようとか、何か自分の方から意欲を持つ、それから先生方も、教育委員会や何かからすべて言われたとおりじゃなくて、子供とこういうことを学んでみようかとか、その現場現場でもう少し工夫したり考えたりするような学校になったら登校拒否児も必ず私は減ると思っています。  またいろいろ考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 本日の調査はこの程度といたします。     ─────────────

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。遠山文部科学大臣。

遠山敦子文部科学大臣

○国務大臣(遠山敦子君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、短期大学部の廃止及び学部等に講座、学科目等を置き、その種類等を省令で定めることとする規定を削除するものであります。  まず第一に、短期大学部の廃止についてであります。  これは、医学、医療の高度化、専門化等に十分に対応し得る専門的知識・技術、豊かな識見及び的確な判断力を有する資質の高い看護婦等の医療技術者の育成などが求められていることにかんがみ、徳島大学及び長崎大学に併設されている三年制の医療技術短期大学部を廃止してそれぞれの大学の医学部に統合し、看護等の医療技術教育の充実を図るものであります。  これらの短期大学部は平成十四年度から学生募集を停止し、平成十六年度限りで廃止することを予定しております。  第二に、学部等に講座、学科目等を置き、その種類等を省令で定めることとする規定を削除することといたしております。  これは、従来省令で規定されてきた国立大学の講座、学科目等の種類等について、今後省令で定めないこととすることなど、国立大学の組織編制の弾力化を図るものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。

市川一朗自由民主党・保守党

○委員長(市川一朗君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時散会

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