農林水産委員会 第24号
- 発言数
- 118 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/06/28
会議録
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十六日、日出英輔君が委員を辞任され、その補欠として金田勝年君が選任されました。 また、昨二十七日、木俣佳丈君及び加納時男君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君及び大野つや子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に農林水産省農村振興局長木下寛之君及び林野庁次長加藤鐵夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司でございます。 この後、次期の国会まで一般質疑がないというようなことでございまして、法案に先立ちまして、ひとつ有明海干拓のことについてお聞きをさせていただきたいと思っております。 まず、農村振興局長の方にお尋ねをしたいと思いますが、前段のノリ被害の第三者委員会というのが水産庁の中に設置をされ、一定の役割を終えております。今回、新たに再評価第三者委員会ということで発足をし、第二回の委員会、視察も含めて行われていると思いますけれども、その委員会の運営につきましてどのような形をとられているかをお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) 九州農政局で本年度、再評価のための第三者委員会を御指摘のとおり、今月の九日から実施をしているところでございます。 これまでの第三者委員会では、議事につきましては非公開とし、議事要旨だけを公開しておったわけでございますけれども、今回の第三者委員会では、六事業全体をやるということもございますけれども、議事録につきまして名前も入れて公表するというようなことが取り決められております。 現在の状況でございますけれども、六月九日の第一回目、それから十六日から十七日、現地調査が行われましたけれども、これらを含めまして、昨日でございますけれども、議事録につきまして公表したというような段階でございます。
○郡司彰君 局の中の委員会その他ということではなくて、例えば水産庁がつくっていた委員会のときには、原則傍聴も認めるというような形、それから議事録の公開についてもかなりスピーディーな形でもって、私どもの聞いている範囲では、例えば三月三日の会合の議事録が五日の日にはもう既にインターネットに載っておって、四月の十七日のものは十九日に載るようなそういうスピードがございました。今回の第一回のところについては相当時間がかかっているというようなこと、それから、傍聴を含めて公開性が前回よりも薄れているのではないかという気がいたしますけれども、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木下寛之君) まず一つの議事録の公表でございますけれども、御指摘のとおり、六月九日に実施をいたしました第三者委員会が昨日になったということでございます。従来、議事録につきましては公表していなかったということもございまして、今回初めての試みでございますけれども、各先生方との照会等に手間取りました。その点につきましては私ども非常に反省をしているわけでございまして、今後、私ども八月末までに取りまとめるということにしておりますけれども、公開性、透明性をできるだけ確保したいということで、一週間程度で全体を公表するようにやっていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 そうしますと、現地の方々を含めて心配をしておりましたのは、今後の予定では、第三回が八月の上旬ぐらい、第四回が大体中旬ぐらいではないか、そして最終的な結果の公表が八月の下旬ぐらいというスケジュールになっているかと思いますが、それぞれ前段の委員会の議事録、その次に開かれるときまでに時間の余裕を持って公表できるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘のとおり、私ども、一週間程度で行いたいというふうに思いますけれども、さらに前回の議事内容が余裕を持って公表できるように努めていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 大臣にちょっとお尋ねをしたいと思いますが、実は有明海の干拓の問題、相当国民の間でいろんな議論を呼んでおりまして、例えばノリ被害のときは、東京の方に集まっていただいて、設備といいましょうか、速記をする方も含めて相当程度配慮ができた中ですぐに議事録ができた。今回は場所も違う、そういう人の配置もなかなか思うように任せないとかいろんなことがあったと思うんですが、何よりもまず農水省の態度というのが、技術的な問題であったにもかかわらず、農水省の姿勢ではないかというふうにとられかねないような形になっているんだろうと思うんです。例えば予算的な問題で、速記の人を配置するのがもう少し予算的に可能であればできるんだとか、機械をどうのこうのすれば技術的にもう少し早くなるんだとか。 いずれにしましても、国民の間にあらぬ不信を増大させないような取り組みというのがこの場合には大変重要になってくるかと思いますので、大臣の方でそういうようなことを含めてお考えをいただければと思いますが。
○国務大臣(武部勤君) 郡司先生御指摘のことを踏まえまして、今後、最善の努力をしてまいりたいと思います。
○郡司彰君 振興局長、以上でございますので、どうもありがとうございました。 続きまして法案の方に入りたいと思いますけれども、まず、きょうは森林・林業政策全般についてお尋ねをしたいというふうに思っております。 前回からの議論の中で、八割・二割というものは話としてございましたけれども、いずれにしても、これまでの森林・林業政策と異なる形でもって森林の機能というものを考えていかざるを得ない、考えていこうということになってきているわけであります。 これは当然のことでありますけれども、森林というのは経済的な機能とそれから保全的な機能というふうにあるかと思うんですけれども、保全的機能というのは国土の保全という意味を多く有していると思うわけであります。それは気候でありますとか、空気でありますとか、騒音防止でありますとか、あるいは光線の遮へいでありますとか、水の収支、水の浄化、水供給、土地の維持、地力保持と、いろんなことにかかわってくるかと思うんですけれども、そのような観点の中で、改めて今後の森林・林業に対する政策の柱というものをお示しいただければと思っております。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、先生お話が出ましたとおり、森林の機能というのは非常に多機能にわたっているわけでございます。そういった中で、総理府が世論調査を行っているわけでございますけれども、それで見ますと、高度経済成長期、昭和五十年代前半ぐらいまでは実は木材生産に対する期待が非常に高かった、五割を超えるような期待が示されていたわけでございます。 しかしながら、最近の調査によりますと、一割程度というようなところになっておりまして、それにかわりまして、最近では、野生動植物の保護であるとか野外教育であるとか保健休養の場の整備であるとか、そういったことに対する期待というのが非常に高くなってきているわけでございます。また、特に最近では地球温暖化防止に対する期待も高くなっているというようなことでございます。 それからもう一つは、森林の災害防止であるとか水資源の涵養機能に対する要請というのは、これは相変わらずといいますか、ずっと調査の間、それぞれ高い要請を受けているわけでございます。 こういった要請の推移を見ながら、今回、木材生産を重視するということだけではなくて、森林の多面的機能全体を持続的に発揮させるというような政策に変えていきたいということを考えているわけでございます。
○郡司彰君 今言いましたようなことだろうと思いますし、森林というのはほかのものと違って、人間が存在するといいますか、生き続けるということに絶対に欠かすことができない大事な機能を持っているんだということを主にしてこれからは政策を行っていく、そういうような理解をさせていただきたいと思っております。 そこで、次にちょっとお尋ねをいたしますけれども、私どもこの農林水産委員会、水産の問題も先ほど議論をさせていただきましたし、また農業についても基本法ができ上がってきたわけであります。林業と農業というもの、どういうところが一番違いということになるのか、その辺についてお聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今申し上げましたように、林業自体は森林を整備していくということでございまして、その森林については多様な機能を発揮していかなければいけないということがあるわけでございますが、農業と林業ということで比較を申し上げますと、林業の場合は、森林を整備していくに当たり非常に長期間を要するということでございます。また、長期間を要した結果、それをいつ伐採するかということについてはかなりの幅を持って考えることができるというようなところがあると思っております。農業の場合は、やはり基本的に言えば、一年間で生育させ、それを収穫するということにあるわけではないかなと。そういう点で、森林の場合、林業の場合につきましては、長期的な見通しを持って政策を打っていくということが特に必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 今の次長の逆な言い方をすると、林業というのは生産過剰がないんだというような言い方をする方がいらっしゃいます。例えば、蓄財といいますか、山にそれを資源という形でもって確保しておくことができて、必要なときに切り出すということが可能だというようなことになるんだろうと思います。いろんな昔の人の話やなんかをお聞きしますと、例えば幕府とか藩が林、森を随分持っていた、その木を切らないというような形があるんだという話をこの前もだれかされておりましたけれども、そのような形で残ってきた林、森を明治以降の新たな時代の変遷の中で、要望の中で大変に材として使うことができたというようなことがあるんだろうと思います。 そこで、前回の委員会から、大臣の答弁もございましたけれども、自給率という話が出てまいりまして、私自身は、自給率が低ければいいという思いはもちろんなくて、高いにこしたことはないだろうというふうに思っているわけであります。ところが、材木、木材というものがどれほど有限性を持っているのかということが一つありますし、それからまた、日本の経済の動向を見まして、いつでもほかの国から買えるんだぞというような経済がどれほど持続をするかということも考えなければいけないと思うんです。 私は、一方において、自給率を高めるという議論だけではなくて、先ほど言いましたようにストックとして山にそういう財力を蓄えておく、蓄財をしておく、こういうような考え方があってもよろしいんではないかなというふうに考えておりますけれども、大臣、どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 私も、森林の場合には貯蓄みたいに蓄積できる、いざというときにこれを切り出して生活の支えにするというような思想があったと思います。それは今後も大事だと思いまして、それも従前はいわば生活の支えと。しかし、今後はどういうことになるのかと言えば、私ども、森と海は命のふるさと、こういうことを申し上げているわけでありますが、そういう意味では、命を支える、地球全体の命を支える、あるいは日本の国土全体の命を支える、そういう意味で私どもは、美しい国土づくりという、そういう意味で国民の理解と協力のもとに森林整備をしていく、そして森林の多面的な機能をより大きく発揮できるようなそういう努力を続けていくと。 しかし、その過程で、間伐でありますとか択伐でありますとか、あらゆる世界で過密という問題はこれは普通の姿ではありませんので、最も適切な条件下で森林を育てていくという観点から、それを我々の国民生活に利用していくというような考え方が当然基本にあるべきであろうと。その利用のあり方ということを林業の健全な発展ということとつなげていくという考え方で政策を展開していくということが大事ではないかと。 したがいまして、森林の保全と利用の両立という考え方が基本でありますが、しかしやはり環境面といいますか、森林の多面的機能の発揮ということが当然重視されるべきだろうと、かように考えております。
○郡司彰君 私自身の勝手な考えかもしれませんが、先ほど言いましたように、自給率をあらわすというような数字の使い方と、日本においては向こう五十年とかあるいは百年とかでこれだけの木材を供給できる力を蓄えていますよと、そういうような指標というものがあってもしかるべきなのかなという感じがしております。例えば、よく話として出ますのは、アメリカも石油はたくさん出るんだと、しかし今はほかのところから買って自分のところの石油というものを温存しておくというような考え方がありますけれども、私は、そういう選択も日本の中にあってはしかるべきだろうと思うんですね。そういうようなあらわし方というものも御検討なさるようなことは考えていらっしゃるのか。 その場合、実は逆な問題が出てまいりまして、五十年、百年先のそういう国としての力を蓄えるということと、あすとあさっての生活をどうするんだという林家の方々との、そこの差が非常にギャップが出てくるわけですね。その辺のところについても、先ほどのような考え方がもし大臣の方でも、そういう考え方もあるだろうと、しかしというようなところと両方ギャップがある、その政策についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今お話がございましたとおり、森林はある意味では伐採の時期というものについては幅があるわけでございまして、今回もできるだけ長伐期化を図っていくという考え方も持っているわけでございます。 そういう中で、五十年、百年を見通して、それをどういうふうに考えていくのかということでございますけれども、今までも、森林の蓄積がどう動いていくのか、それに伴って成長量がどうなっていくのかということについては長期的に見通しをしていくというふうなことで考えてきたわけでございまして、今回も、基本計画を策定するに当たって、そういったことを見通しながら、どういうふうに今の伐採を考えていったらいいのかということで計画をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○郡司彰君 ただいまお話をさせていただきましたような機能が大きく変わってきている。しかし一方で、林業という問題ももちろん考えていかなければならないということになるわけでありますけれども、この林業そのものも、やっぱり同じ施業をしているように見えて相当考え方が変わってきている。それが今回の法律の中にも多分に生かされてきているんだと思いますけれども、全体、世界的な潮流も含めて、例えば私どもがいろいろなときに参考にするアジェンダ21の実施計画に盛られているようなこと、あるいは原則宣言に書かれているようなこと、そしてまた、例えばドイツの林学者の言っているような森林家精神でありますとか、そういうような考え方に基づいた新しい林業の考え方というものをお示しいただけますでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、世界的潮流の話がございましたけれども、世界的に見れば、今回、一九九二年の森林原則声明で示されているとおり、持続可能な森林経営というものを世界的にも追求していきたいというのが考え方としては一致しているのではないかというふうに思っております。 持続可能な森林経営というものは、森林の持っている多面的機能を将来にわたって持続できるような経営を行っていくということでございまして、今回の我が林業基本法の改正におきましても、そういった多面的機能を持続的に発揮させていくということで考えているわけでございます。 そのときに、それをわかりやすくどういうふうにやっていくのかということが問題でございまして、今回、それについては森林を三区分し、それぞれの重視すべき機能に応じて適切な森林施業を行っていただくというような形で考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○郡司彰君 今回の基本法を改正という言い方をしている場合もありますけれども、基本的には新しく確立をするというふうなことになるんだろうと思うんですね。 私も、農業基本法のときにもそうでありましたけれども、なかなか時代の中で、新しいこういう基本法が今、国会の中で議論をされている、こういう理念に基づいた法律なんだということが関心を呼ばないというジレンマがございました。 特に、今回の森林・林業の関係につきましては、農業に比べて逆に関心が高いというような思いを持っておりまして、だとすると、そのような思いというものが、個々の条文だけではなくて全体、日本の森林・林業政策そのものを訴える場合に、もう少しわかりやすく、ぽんと皆さんの心に入るような、そういう形の新しい精神というものがもう少し農水省その他から発言をされてもいいんじゃないかなという感じがいたします。次長さんの話もわかるんですけれども、どうもちょっとかたいなと。もう少し、そのまま活字にして新聞に載せても、みんながああそうかというような言い回しで御説明いただければありがたいと思いますが。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 大変難しい話でございまして、いずれにしましても、我々としてもわかりやすく説明をしていくということが必要だというふうに思っているわけでございます。 国民の関心が高くなっているということについては我々も大変ありがたいわけですし、また国民の支援をいただきながらこれから森林・林業行政を進めていかなければいけないというふうに考えているわけでございますので、そういう点で、今まで以上にそういう国民の方々にわかりやすく提示をして、また議論をしていただくというようなことを考えていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 ただ、森林・林業基本法という形でいきますと、法律の条文でございますので、なかなか一般の方がそれを読まれて御理解いただくというところが難しい点もあろうかなというふうに思っております。 これから基本計画をつくり、具体的に何をしていくかということを明らかにしていくわけでございまして、そういったこととあわせながら、わかりやすく国民の方々に提示をしていくということも考えてみたいというふうに思っております。
○郡司彰君 私は、これまでの日本の山のあり方というのは、特にやっぱり気候風土がほかの国と相当違いますから、木材とするための人工的な施業は別にしまして、どんなものでもいいから木が植わっているという状態には一定程度すぐに回復してしまうわけですね。そういうところでもって、世界の中の考え方と少しギャップが国民の間にもあるんではないかというふうに思っています。 今までの歴史が、意識するかしないかにかかわらず、経済的な林業ということを行っていても、一方において、先ほどから言ってきたような国土保全のいろんな機能が、意図するしないにかかわらず、保たれてきたと思うんですね。今後は、目的意識としてそういうことをやっていくというようなことに今回の基本法というものが変わってきているんだ、そういうような理解をさせていただいております。 そして、その中で森林の施業の関係についても出てまいりますけれども、これまでの経済ということを主にした考え方の中での森林に対する施業というものがあったわけであります。そして一方で、今、先ほどのような形で、人工林というものが世界の中で希有な形の数字まで発達をしてきた。 しかし、国土に合ったような林相というものも、大臣のこの前の答弁の中でも、比率も少し変えていかなくちゃいけないかなと、そういうようなことも当然出てくるわけでありまして、これまでの施業についてはどのような形でもってこれを充実させていくのか、新たな施業というものがどういう形でもって出てくるのか、その辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 確かに、人工林につきましては一千万ヘクタールを造成してきたわけでございまして、今当面の課題としては、何としてもそれをきちっと間伐をして成林をさせるということが必要ではないか。 それから、その後につきましては、それをまた皆伐をして、伐採をし、植林をしていくということだけではなくて、当然場所によってはそういったこともやっていくということになると思いますけれども、それだけではなくて、もう少し多様な、人工林であっても森づくりというものをしていく、伐期を延ばしていくとか、複層林施業をしていくというような形で、もう少し人工林についても多様な森づくりをしていくということが必要ではないかというふうに思っております。 それから、全体として、やはり広葉樹というようなものあるいは針広混交林というようなことについても、もう一度考え直していくということが必要ではないかというふうに思っているところでございまして、これは天然林でやっていくと。今さっき先生のお話でも、天然林で全部回復をしてくるのではないかというお話もあったわけでございますけれども、今現実、例えば里山で見ましても、放置をされた森林がほとんど人も入ることができないような状態になっていると。要は、小径木が密生をしまして、なかなか森林としての成林をしていかないというような状況も生まれているわけでございまして、そういった天然林についても必要な手入れをしながら多様な森林をつくっていくということが必要ではないのかなというふうに思っているところでございます。
○郡司彰君 次に、WTOとの関係が若干出てくると思うわけでありますけれども、そこのことについてお聞かせをいただきたいと思います。 大臣、この前、いろんな省庁で日本材を使ってはどうかということに対して、これはいろいろ決まりがあるんだという話をされました。このWTOの中に、たしか七十カ国だったと思いますけれども、政府の調達協定というのが確かにあるわけでありますね。一定の幅でもってそういうものを参入させろということに決まっている。 この決まっているということについては私も事実としては認識をするわけでありますが、基本的な考え方として、もともと公共事業と言われる形で仕事を行う。この公共事業で行うというのは、税を集めた中から、その国における経済のアンバランスといいますか、再配分を行うということが基本だろうと思うんですね。税によって国の中の富の再配分を行うという公共事業の中にそもそも外国の企業が入ってくるということ自体が私はおかしいのではないかという考え方を前々から持っておりまして、これは国が決まっていて、WTOで決まっているんだからということは、それはもう事実として私自身もわかるわけでありますけれども、本来、そういうような形の決まり、それをWTOという機関の中でも確認をする、こういうこと自体が私はおかしいんじゃないか、WTOのあり方そのものがもう少し変わってもいいんじゃないかという思いがしておりますけれども、もしお考えがありましたらばお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) WTOの関連ではちょっとよく私もわかりませんけれども、公共事業が富の再配分とのかかわりについてどうのこうのということについては、私は余り問題意識は持たない方です。 しかし、公共事業の中で、今後、私どもは、人と自然との共生とか美しい国づくりということを掲げて、いわゆる循環型社会の構築を目指しているわけであります。その循環型社会の構築ということになれば、いわゆるリデュース、リユース、リサイクルというような、そういう小さいサイクルで循環型ということを想定しているわけではありませんで、国土全体ですね、人間も自然界の一員である、国土全体がそれぞれ血が通っている、あるいは神経が張りめぐらされている、そういうような一つの一体的なものと考えたときの循環型社会というようなことを想定して、私ども、都市と農山漁村の交流、対流とか共生とかということも主張しているわけでありまして、そういう意味で、さまざまな公共事業ということも、人と自然との共生というような観点で、木材も、国産材も公共事業に多用していくという世界はたくさんあると思うんです。しかし、これがいわゆる外国の輸入との関係で、あるいは富の再分配というような関係でどうあるべきかというような、そういうことと関連づけるのはいささか私は難しいのじゃないのかなと、かような見解を持っております。
○郡司彰君 何人かの大臣に同じようなことを私しつこくいつも言っておりまして、私自身は、WTOで決まったことがすべてよしではなくて、私はやっぱり、それぞれの国で税金の使い方がほかの外国の企業に取ってかわられるというのは必ずしもいいことではないというような感じをいつもさせていただいております。 それから、同じWTOの中のTRIPsという中で、貿易関連知的所有権というような問題がございます。 その前に、日本のこれまでの森林の中で、ややもすると忘れられていたようなものとか、あるいはこれまでなかなか世間一般に発表されていないけれども森に携わる人たちが知識としてあるいは文化として持ってきたような知的所有権にかかわるような、薬になるようなものでありますとか、いろんなそういうものがあるかと思うんですが、そういうものがもしありましたらばちょっとお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) いろいろ、例えば薬でこういったものは地域によっては肝臓に効くのではないかとか、そういったことがいろいろ言われると。例えばメグスリノキというような木は、せんじて飲めば肝臓だとか目に効くんじゃないかというような話もあるわけでございまして、そういったことというのはそれぞれの地域にかなり残っているのではないかなというふうに思っております。 そういったものをできるだけ掘り起こしまして、何か本当に利用できないのかというようなことについても、例えば遺伝子の保存というようなこともございまして、そういったことも一定の検討をしているというような状況でございます。
○郡司彰君 WTOの先ほどの関連知的所有権の関係について、加盟国は生命特許の制度化を迫られるということになってくるわけでありますけれども、例えば日本の今おっしゃったようなものも、文化とか知識ということではなくて、それを特許化する、制度化するというような形がこれから世界の中で一般的になってくるだろうと。日本の森林・林業政策でございますから、ほかの国のことはどうでもいいというようなこともあろうかと思います。しかし、現実問題、二〇%を切るような自給率の中では、世界の森林の多くに日本が依存をしているということもまたこれ事実でありますから、その辺のところについても思いをはせていかなければいけないのではないか。 そして、いろんな国でこれまでそういうような、例えばインドのニームという木はこういう役割があるんだとか、フィリピンのこういう木はこういう効能があるんだというのが、どうも現地の人たちの知識がなかなか特許まで結びつかない。そういうものを解析するような力があるような、例えばアメリカとか、そういうところにすべて特許が行き渡ってしまって、逆にそこに住んでいた人たちがその効用を使おうとすると、今後はその国に特許料を払ってしか使えなくなるというようなシステムに変わりつつあるわけであります。 そのようなことについて、日本が国際社会の中において、そのような途上国と言われる経済的に弱い立場の人たちに対する考えというものがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今のお話につきましては、実は生物多様性条約というようなことで、各国が自国の生物資源については主権的な権利を有しているんだということを明らかにされているわけでございます。 しかしながら、問題は特許についてどうするかということでございまして、それらにつきましては、実は先住民がこれまで継承してきた薬草等の生物資源や伝統的な知識あるいは知的所有権とのかかわりについて、知的所有権の専門機関でありますWIPO、世界知的所有権機関、ワイポと言っておりますが、その機関において今現在議論がされ始めてきたというような状況でございます。
○郡司彰君 そのような形に今後WTOの中で、生物多様性のこれまでの枠組みを超えて、そういう制度化をそれぞれの国が行っていくというふうなことの話になっているわけでありまして、日本という国が、木材や食料や魚介類を世界じゅうから買うけれども、しかし、そこの人たちのことは余り考えていないというような形にとられないように日本としての態度というものを明確にしていく必要が出てきているのではないかなというふうに考えております。 それから、国民の間で森の話題になりますのが春先の花粉症というようなことがございまして、一部お聞きをしますと、花粉症の関係だけで年間三百億円以上の医療費というような市場になっている、市場に成長しているという言い方はおかしいのでありますけれども、なっている。経済の問題だけ考えると、全員花粉症になった方がもう少し市場が広がるというような話も逆に出るわけでありますが、多くの人が大変悩んでおりまして、そのうち何かいいことが出てくるんじゃないかというような期待をしておりますけれども、その花粉症に対して、近年の花粉症に悩んでいる方に対しての朗報というものがございますでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 花粉症対策につきましては、林野庁としましても、森林・林業面から対策を講じたいということでいろいろ考えてきたところでございます。 〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕 一つは、花粉の少ない杉品種の選定調査を行いまして、本年二月に四十二品種を公表したところでございまして、平成九年度にも十五品種を公表しておりましたので、合わせまして五十七品種ということで、こういう品種を生み出してきたということでございまして、今後、植林に当たってはこういう品種を使っていただくというようなことに努力をしていきたいというふうに思っております。 それから、現実の林につきましては、できるだけ間伐をして、例えば雄花がつきやすい木を切るというようなことでやっていくというようなことを考えておりまして、緊急間伐五カ年対策を今実施しておりますので、それを有効に活用しながら、そういう間伐対策も打っていきたいというふうに思っているところでございます。 また、花粉生産量の予測手法を開発するというようなことで、例えば前年度の状況を見まして花粉がどういうふうに発生をするのかというようなことについて予測をしまして、それを気象庁等と連携をとって公表していくというようなこともやってきているところでございます。 いずれにしましても、この花粉症の問題につきましては、原因究明であるとか予防、治療であるとか、発生源に対する対策というようなことを総合的に推進する必要があるということでございまして、環境省、厚生労働省、気象庁というようなところと連絡会議を持ちまして、今密接な連携をとりながら対策に取り組んでいるところでございます。
○郡司彰君 新聞で読んだだけでございますので詳しいところまでよく存じておりませんが、都の研究機関か何かで百分の一ぐらいに減らすようなことができるんだというようなことがございましたけれども、さっと読んでおると、一本一本手当てをするとその木が百分の一ぐらいになるということですと、これは全国的に杉の木一本一本に注射をするのかどうかわかりませんが、そういうことは今のところはちょっと現実的には不可能だというようなことなんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今言われましたように、品種を作成したわけでございますが、これを植えていかなければいけないということでございまして、その効果が出るまでにはやはり相当の期間がかかるということでございます。それを植えた結果につきましては、先ほどお話が出ましたとおり、百分の一以下になるような品種でございますので効果が出てくると思いますけれども、それの発現までは相当の時間がかかるということではないかと思います。
○郡司彰君 それから、シックハウス病というのが最近いろんなところでもって話題になっておりまして、これは因果関係がどうもはっきりしなくて、北海道の旭川あたりにそういう家をつくってそこに住んでというような取り組みも始まっているそうでありますけれども、ただ、因果関係は別にして、無垢の材料を使っているとそう症状が出ないというようなことも言われております。 こういうことについて林野庁の方で、皆さんの関心が高まるということの中で、何か取り組みというものはされておりますでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) シックハウスの問題につきましては、ホルムアルデヒドの放出が一番の問題でございます。そういう点で、できるだけそういった放出の少ない合板をつくっていただくというようなことも考えておりまして、集成材であるとか、単板積層材であるとか、構造用パネルも含めたそういったものについての品質表示の基準をつくりまして、できるだけ入っていない製品をつくっていただくということに努力をしているところでございますし、今お話が出ましたとおり、無垢材についてはそういった化学物質が使われておりませんので、内装材として無垢材を使っていただくというようなことを広めていきたいということを考えているわけでございます。 しかしながら、今の実態でいきますと、価格面等でまだなかなか利用していただけないというようなことがありまして、そういったものについて利用していただけるような工法等も検討をしながら、無垢材を使っていただくということを進めていきたいなというふうに思っております。
○郡司彰君 今、いろいろWTOの関連の中でも話をしてまいりましたけれども、海もそうでありますけれども、海洋深層水とかいろんな新しい活用が生まれてきた。私は、国土の七割近くを占める森林というものも使い方によってはまだまだ宝というものが出てくるんではないかなと。そういうような宝をどうやって探し出して生かしていくかということになると、やっぱり相応の研究を行うような体制というものがあるかないかということに非常に大きく出てくると思うんですね。 それから、一番最初のころの話をさせていただいたように、林学そのもの、いわゆるどういうような森林を目指すんだとか、そういうことは、やはり国民の間に浸透させるということからも、相応のそういう研究体制もとらなくちゃいけない。 そういうことで、非常に林野庁そのものが財政的に厳しい歴史を持ってまいりましたから、今後、そういうような可能性を含めた森林・林業政策の予算がどんどん削られているのかなというような感じをちょっといたしております。今後、そのような新たな宝を生み出すであろう森林・林業政策に、研究機関を含めて、予算をどのぐらい今とっていらっしゃるのか、十分だというふうになっていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、森林・林業・木材産業の研究開発のために、林野庁の予算額としましては百二十三億円の予算額を計上しているところでございます。そのほかに、環境省でありますとか、あるいは科学技術庁であるとかいうようなところからも試験機関に研究費をいただいておりまして、それらを合わせながら試験研究を進めているというような実態でございます。 林野庁といたしましては、こういった研究開発をこれからもっともっと進めていかなければいけないというふうに考えておりまして、この三月に森林・林業・木材産業分野の研究・技術開発戦略というものを策定いたしたところでございまして、研究機関あるいは大学等とも連携をとりながら開発を進めていくというようなことにしていきたいというふうに思っております。
○郡司彰君 大学の場合ですと、例えば農学部に所属をする演習林などがそういうような形になってくるんだろうと思うんですが、全国に幾つぐらいそのようなものはございますか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、林学系の学部を設置している大学は全国に三十四大学ほどございます。
○郡司彰君 数に対して私は予算が必ずしも十分ではないなという感じがいたしますので、今後の新たなる森林・林業政策を円滑に実施するためにも十分な予算措置を大臣にもお願いをしておきたいというふうに思っております。 最後に、時間が参りましたので、里山ということについてお聞かせをいただきたいと思いますが、今、関心が非常に高まっていて、思うだけではなくていろんなことに参画をしてみようという場合に、里山という形が浮上をしてまいりまして、多くの方々が参加をしております。 では、その里山に対して、林野庁あるいは農水省としてのアプローチというものがどういう形でなされているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 里山林につきましては、かつて生活の中で人々に利用されて維持管理されてきた森林でありますので、今後とも森林と人との豊かな関係を創出できる場ではないかなというふうに思っているわけでございます。 そのために、住民参加による森林ボランティア活動に対する支援でありますとか、多様な利用活動を通じて里山林の保全・整備を図っていただく新たな取り組みに対する支援でありますとか、そういうようなことを今林野庁としても取り組んでいるわけでございますし、今後におきましても、森林と人との共生林という区分を設けることにいたしておるわけでございますが、森林を中心といたしまして、地域の特性を生かした多様な森林の整備を進めるとともに、NPOによる取り組み等もいただきながら、幅広い林野の関係者と連携、協力を進めていきたいというふうに思っております。
○郡司彰君 もう時間が迫っておりますので、大臣にひとつ、循環型という中でこの里山というのが直接住民たちに見えるような場所になってきているかと思いますが、いろいろ思いを含めて大臣のお考えをお聞きして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(武部勤君) 里山林につきましては、私どもも全く先生の御意見に賛成でございます。この法案の中にも、森林と人との共生ということの重視について規定しているわけでございますけれども、私ども、都市と農山漁村の共生、対流ということを掲げたのも、このことを意識しているわけであります。 人と自然の共生、そういう観点で広い意味の循環型社会の構築ということを考えていかなければなりません。そういう意味では、森づくりにつきましては国民が積極的に参加していただくということが何よりも不可欠でございますので、そういう努力を傾注してまいりたいと存じます。
○郡司彰君 終わります。 ─────────────
○理事(岸宏一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、羽田雄一郎君及び小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君及び峰崎直樹君が選任されました。 ─────────────
○理事(岸宏一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に農林水産省生産局長小林芳雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○理事(岸宏一君) 林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下栄一君 今国会最後の委員会でございますので、ちょっと林業基本法から離れますけれども、カネミ油症事件のことについて少しお聞きしたいと思います。 昭和四十三年にこの事件が起きまして、これは食品公害事件、PCBが混入したライスオイルによる中毒症状、全身黒い色の赤ちゃんが生まれたというようなことで、大変衝撃的な事件であったわけでございますけれども、この患者さんに対する手当ては今もずっと続いておるということでございます。 認定患者は一千八百七十人、発生当時届け出をした方々はその約十倍の一万四千人以上、いまだに未認定の被害者もいらっしゃるはずだということでございます。患者救済対策協議会は今も存続し、闘い続けておられるグループもあるわけでございますが、特に治療の方では、油症治療研究費、疫学調査費、厚生労働省の方から研究班も引き続きこの問題に取り組み、研究費も増額されているというふうなこともお聞きしておるわけでございます。 これは一方で農水省もかかわっておられる、今もかかわっておられるということでございますけれども、このかかわりの中身について、急な質問で申しわけございませんが、お願いいたします。
○政府参考人(小林芳雄君) 今のカネミ油症事件に関する経緯として御説明申し上げます。 今の経緯の中で、最初の福岡地裁等の段階での事案といたしまして、まずこのカネミ油症事件の前段階といたしまして、米ぬか油の副産物でダーク油、これが飼料として用いられておりましたが、これでブロイラーがへい死いたしました。これにつきまして農林水産省が、その検査機関を持っているわけでございますけれども、このへい死の関係について、当時、厚生省に対して通報の義務を尽くしていればこの油症被害の拡大は防止ができたのではないかということが、いわばこの裁判の事案となりました。地裁段階では農林水産省の過失が認められまして、国敗訴ということになったわけでございます。 〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕 これを受けまして、当時政府側は、仮払いということでございますけれども、一審判決を受けた形で五十九年、六十年のときに合わせて約二十七億円の仮払金を支払いました。その後、国の方では上告をいたしまして訴訟は継続されておりましたけれども、御承知のように昭和六十二年に至りまして原告と鐘淵化学工業の和解が成立いたしました。これを受けまして原告側からの訴えが取り下げられ、また、被告であった国の方としてもこれに同意したということで、この裁判は終結いたしたわけでございます。 したがいまして、先ほど申し上げました五十九年、六十年の当時に仮払金として支払いました二十七億円、これを今度は国の方が、そういった仮払いの根拠が消滅いたしましたので返還をしていただくということで、今その返還について手続を進めているという、そういった状況でございます。
○山下栄一君 私、この問題を二年前の平成十一年三月の予算委員会で、油症事件というよりもダイオキシンの問題で当時の小渕総理、また厚生大臣にも質問させていただいた記憶があるんですけれども、平成十一年七月にダイオキシン類対策特別措置法というのが議員立法で成立いたしました。私もかかわらせていただいたんですが、あの法律の中には、コプラナPCBはダイオキシンだということが明確に書かれてございます。これは、国際的なWHOでしたか、そこでも正式にコプラナPCBはダイオキシン類であるということが発表され、そんな学問的成果も得て法律にそういうことが書き込まれたということでございます。カネミ油症事件というのは実は、コプラナPCBも混入しておるということから、ダイオキシンによる健康被害でもあるという、そういう認識でとらえ直す必要があるという観点からこの問題を取り上げさせていただきました。 それで、実際、能勢町の環境美化センターの作業労働者の方も、労働災害の中で皮膚が黒くなるという症状もあるということもございまして、今もその研究、調査もされておると思いますが、そういう観点からも、この昭和四十三年の事件というのは非常に再認識される必要があるということでございます。 したがいまして、今もそういう患者さんがいらっしゃるし、孫の代に至るまで、今も黒い色の赤ちゃんが生まれているケースもあるわけでございまして、忘れられつつあるのかもわかりませんが、そうであってはならないという、私は大変重要な事件であろうというふうに思います。 今御説明ございましたいろんな経緯から、一審判決の後、仮払金が二十七億円支払われた。その後、企業の方と和解をして、国もかかわって、この裁判の問題については一応解決したと。その後、この仮払金として払ったものを返還請求という状況になっているわけです。 それは、法律的にはそういうふうな状況になっておるということであるわけですけれども、私は、今申し上げましたように、ダイオキシン類の観点からの人的な健康被害であるという面もございますので、そういう観点からも厚生労働省が支援しているというふうな面もあると思うんですけれども、この患者さんの中にもいろんな患者さんがいらっしゃる。この仮払金、一たん喜んだけれども返還せにゃいかぬということから大変な苦しみに、御苦労の中で、生活苦の中で状況になっているという面も、一面厳然とあるわけでございまして、非常に難しい問題であるわけですけれども、水俣病患者についても特別立法で解決されたという経緯もありますし、この問題をどうするかということ、新しい観点から、忘れてはならない食品公害事件である、ダイオキシン類にかかわる食品公害事件であるということから、私は、農水省のこの返還請求、これはすべての方に免除ということにならないかもわかりませんけれども、何とかならぬのかということも、ぜひともこれは検討していただきたいということでございます。 大臣におかれましても、もちろん御存じだと思いますけれども、詳しい経過等、また技術的な問題等もございますので、いろいろ御検討していただきまして、何とかならぬのかということについて、ぜひお考えをいただければというふうに要望しておきたいと思うんですけれども、大臣、一言お願いしたいと思います。
○政府参考人(小林芳雄君) ちょっと、まず事実関係につきまして御説明をします。 今の債権回収でございますが、債権管理法、今御指摘のこの仕組みに基づきまして、今進めております。それで、実は、この仮払金が発生した後、今先生御指摘のような事柄がございまして、平成八年から十一年にかけまして民事調停を進めてまいりました。この民事調停の結果、その債務者の事情を十分考慮しながら、各債務者と国との間で、分割払いでありますとか履行延期といった、そういった返還方法の合意を進めてまいりまして、現在その合意に基づいた返還を求めているという、そういった状況でございます。 そういった中で、今の平成八年から十一年のころにやった事柄でございますけれども、また近年、その調停以後のいろんな状況がございまして、所得面とか健康状態などで生活の変化、そういうやむを得ない理由によりましてなかなか調停の合意内容どおり履行できない、そういった特別な方もおられるわけでございまして、そういった皆さんとの間におきましては再調停、これを早目に行うという形でこれから適切に対処してまいりたいというのが一点でございます。 それから、この再調停ということが一つなのでございますが、あわせまして、現行の債権管理法上の仕組みといたしまして履行延期、こういったことをした後、十年を経過した後におきまして、さらに、無資力かつ弁済する見込みがないと認められる場合におきましては債権を免除できる旨の規定がございますので、これは十年を経過した後ということになりますけれども、この規定に基づいて、その時点で個々の皆様の状況に応じて関係省庁と協議しながら、こういった面での適切な対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山下栄一君 いろいろ新しい検討もやっておるというお話がございました。 私は、何回も申し上げますように、所沢のホウレンソウの事件も非常にセンセーショナルに報道されて、裁判にもまだ係属中でございますけれども、ダイオキシンの人的被害という面があるこの事件は、今局長がおっしゃったさまざまな新しい取り組みについても、そういう観点からの配慮というか、それも私はぜひやっていただきたいということから申し上げておるわけでございます。 大臣におかれましても、さまざまな現在の取り組み状況も聞かれながら、この問題についての新しい配慮をできる余地がないのかという観点からの取り組みも、大臣自身も考えていただきたいなというふうに思っておりますので、すぐに返事せいということじゃございません、配慮もしていただければということを申し上げておるわけでございますが、一言お願いします。
○国務大臣(武部勤君) ただいま局長が答弁しましたように、債権管理法に基づき返還を求めていくということの必要性は御理解いただけると思います。ただし、やむを得ない理由により履行できない債務者については、今先生もいろいろお話しでございましたが、それぞれの実情を踏まえて適切な対処が必要だろうと、かように考えております。
○山下栄一君 よろしくお願いします。 もう時間が余りございませんけれども、私、前回の質問でもちょっと触れさせていただいたんですが、公共事業方式、また緑資源公団によるさまざまな事業もあるわけですけれども、山村における定住者がどんどん少なくなっておる状況の中で、新しい林業基本法、今回の改正に基づいて、新しい理念のもとに山村振興、そして国民全部で公益的機能を持った森林を、保全するだけじゃなくて利用という新しい利用価値、木材生産という観点ではない新しい利用価値をやはり見出しつつある、国民自身が。その場合には負担してもよいという、そういうふうな仕組みも始まっておる。それが例えば山形県の里山オーナー制度ではないかというふうに思うわけです。 これは、全く山村に住んでおられない方々が山村に近づいていくという、定住まではもちろん行かないわけですけれども、新しい担い手の可能性を秘めた、そういう動きが始まっておるという、これは私は地域の取り組みとして非常に大事な取り組みであるというふうに思います。これをもっと積極的に国も支援していくことをやるべきであると。 別に大量の金額を投入するというとらえ方ではなくて、国民の中に、山村と今まで縁がなかった方々が参加しようという仕組みが始まっておるという中で、担い手不足、担い手はどうしようもない、定住者をいかに確保するかという大きな課題を抱える中で、国民が新しい利用価値を見出し始めたという、そういうことの中で行政のコーディネート機能というのは極めて重要だ、その一つのモデルとして山形県の里山オーナー制度があると。これにヒントを得て、もっと国としても、お金をかけない形での支援ができるという私は見事なこれは一つの例だと思いますので、強い取り組みをお願い申し上げたいというふうに思うわけでございますが、御答弁お願いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今、先生御指摘のように、私は、森に対する国民の願望といいますか価値観というものが大きく変わりつつあるというのは、おっしゃったとおりだろうと、かように思います。 今、お金をかけないでというお話がありましたけれども、私は前々から、グリーン・キーピング・オペレーション、PKOならぬGKOというようなものをつくったらどうだということを、十年来、声を大にして主張してまいりました。森林ボランティア団体数の推移も、平成九年から十二年までの間に二一〇%という大変な伸びを示しております。これはもう山下先生御指摘のとおり、今後ボランティアなど市民の活動を生かした森林整備を進めていくという、このことに対する国民の理解というものはかなり高まっております。さらにこれを醸成するというような観点に立ちまして努力をしてまいりたいと思います。 しかしながら、広大な我が国の森林をどのように管理運営していくかということは、直接国民がどの程度参画できるかということを考えれば、必ずしも現実的でない面もございますので、森林整備に当たりましては、森林整備事業、治山事業などの適切な実施に努めるほか、今先生御主張のような、農林水産省がコーディネーターという役割を十二分に果たしていくように努力をしてまいりたい、かように存じます。
○山下栄一君 大綱を大臣から御答弁いただいたんですけれども、林野庁次長からこの山形県の里山オーナー制度の評価をちょっとお聞きしたいんですけれども、市民が賃借契約を結んでみずから負担しながらそういう里山林の中に入っていこうという取り組みでございますので、その中で自治体が果たす役割、里山と都市市民をつなぐ役割、そういう役割を私は新しい行政の取り組みとして非常に評価をしているわけですけれども、農水省はどういうふうに評価されているのかなということを最後にお聞きして、この質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 山形県の事例につきましては、平成十一年から取り組まれてきておりまして、おおむね千平方メートルずつ区画した里山林を十年間有料で利用しながらその保全・整備に参加をいただくというようなことで、都市住民を募集いたしまして、地域の生産森林組合などが協力しながら利用活動、保全活動をされているわけでございます。 そういった活動につきましては、都市住民に対して新たな森林体験活動の機会を提供する取り組みでありますし、また、都市住民による自発的な費用負担などの活用を図って森林整備がされていくというようなことでございまして、我々としてもそういう点については評価をしているところでございまして、林野庁といたしましても、今回、平成十三年度から里山林の新たな保全・利用推進事業というものを創設して、里山利用林の設定、それに対する保全・整備を行っていただく森林の育て親の募集、あるいはそういった保全・利用活動を立ち上げるための助成というようなことを行っているわけでございます。
○山下栄一君 今おっしゃった里山林の新たな保全・利用推進事業、新規事業ですね、十三年度から。これは二十カ所ということを想定したけれども、もっとたくさん希望が出てきているということだそうですが、これをもっと拡充すべきだと。そして支援の中身も、ソフト支援なんですけれども、支援の中身ももっと工夫を私はする必要があるのではないかというふうに思いますもので、中身の工夫と、この支援事業をもっと拡大するということを御要望申し上げて、質問を終わります。
○須藤美也子君 きょうが私の最後の質問になります。どうぞよろしくお願いいたします。 前回まで、森林基本法について、自給率の目標を五〇%に基本計画に明記しなさいと、さらに、外材に依存しないで国産材の利用拡大を行うように促進すること、そして価格の安定等についてこれまで質問してまいりました。きょう、最後になりますけれども、国有林の問題について御質問させていただきます。 基本法案の中で、第五条に国有林の位置づけがされております。この国有林の位置づけの中に、一つは、「国土の保全その他国有林野の有する公益的機能」、また、「林産物を持続的かつ計画的に供給し、及び国有林野の活用」、三つ目は、「住民の福祉の向上に寄与すること」、この五条の中には三つの柱が含まれていると思います。同時に、国有林野の管理経営に関する基本計画の中で、「国有林野の管理経営に当たっては、公益的機能の維持増進を旨とするものに転換する方針」と、こういうふうに定められております。 そういう中で、一体、国有林が公益的機能に目的を転換したのか、これと、今回の基本法案とその点矛盾していないのかどうか、その点をまず大臣からお聞きします。
○国務大臣(武部勤君) 森林・林業基本法におきましても、国有林野事業につきましては、森林の有する多面的機能の持続的発揮、また、林業の持続的かつ健全な発展と林産物の供給・利用の推進の基本理念にのっとり、適切かつ効率的な運営を行うこととされておりまして、そのことによって森林・林業基本法の基本理念の実現に資するものと、かように考えております。
○須藤美也子君 そうしますと、国有林の八割を公益林にしていますね。さらに、資源の循環利用林として今まで五割あったものを二割に減少しております。それが国有林の生産活動に寄与すると、こういうふうになるでしょうか。長官がいらっしゃらない。代理の次長さんにお願いいたします。
○政府参考人(加藤鐵夫君) お話ありましたとおり、今まで木材生産重視の森林を五割ということで考えてきたわけでございますが、今回の抜本改革に当たりまして二割ということで、あとにつきましては、水土保全林、森林と人との共生林というような区分をいたしたところでございます。資源の循環利用林につきましては、公益的機能の発揮に留意しつつ、木材の安定的な供給を図るということで考えているわけでございます。 また、水土保全林等につきましても、公益的機能を高度に発揮するための間伐であるとか、あるいは複層林施業というものは実施をしていくということでございまして、そういったところから、一定の木材生産というものがされるというふうに考えているところでございます。 現在、平成十一年から十五年で年平均四百六十万立方程度の木材生産がされるというようなことで見込んでいるところでございます。
○須藤美也子君 国有林が国土の二割、全森林面積の三割を占めているわけですね。自給率を向上させるためには、その中で国有林の占める三割からすれば三〇%の寄与度があると思うんです。これを果たしていくことができるんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 木材の生産のみならず、森林の多面的機能をきちっと発揮していかなければいけないというのが今回の考え方でございまして、それぞれの森林に応じた施業をきちっとやっていくということで考えているわけでございます。 そこの中で、今後の国有林の木材供給でございますけれども、森林資源としましては今後成熟をしてくると。今、七齢級、八齢級の森林が中心になっているわけでございますが、今後、そういったものが生育をしてくるというようなことがございますし、また、長伐期化を図っていこうというものにつきましても、徐々に伐期を迎えてくるというようなことで、生産能力としては今後高まっていくだろうというふうに考えているところでございますが、いずれにしましても、基本は、森林の多面的機能をきちっと発揮をしていくということで考えてまいりたいというふうに思っております。
○須藤美也子君 公益的機能あるいは多面的機能、これを発揮するには森林をまず守るということだと思うんですよ。この森林を守るということは、林業活動がなければ守ることはできないと思うんです。 林業活動と公益的機能は別のものではなくて一体のものであり、決して矛盾はしていないと思うんですが、その点の認識はどうなんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今回の森林・林業基本法におきましても、第三条におきまして、林業については、森林の有する多面的機能の発揮に重要な役割を果たしていることにかんがみて、林業の健全な発展が図られなければいけないということを書いているわけでございまして、そういう点で、森林の整備、森林のきちっとした利用を図っていくという中では、林業の振興を図っていくということも大変重要なことだというふうに思っているわけでございます。
○須藤美也子君 そうすると、国有林の場合、目標を公益的機能に転換したわけでしょう。公益的機能に転換したということ自体、私は矛盾があると。そして、生産活動を五割から二割に減少させた。それは、国有林野の管理経営に関する基本計画のもとで定められていると思うんですけれども、実は、この国有林のあり方によって、やっぱり全国の森林の方々に、あるいは林業の方々に対して大きな影響を与えていると思うんです。 そういう点で、国有林のこの森林の持っている機能を維持していく、そういう体制はあるんですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 国有林野事業につきましては、今回の抜本改革によりまして、組織の簡素化を図っていくというようなこと、あるいは要員についても必要最小限にしていくというようなことで考えてきているわけでございますが、そういった国有林の管理をきちっとやっていくということについてはこれからもやっていかなければいけない課題であるわけでございまして、我々としては、そういった中でそのことについてはちゃんとした取り組みをしていくというふうに考えているところでございます。 事業実行につきましては、民間に委託をして実行していただくという方向でとっているわけでございますが、そういうような中で、今申し上げましたような形できちっとやっていきたいというふうに思っているわけでございます。
○須藤美也子君 民間に委託する先に、かつての営林署の職員が現在ずっと削減されていると思うんですけれども、この現状は今どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 職員については、先ほど申し上げましたように、必要最小限な人数にしていくというようなことで考えているわけでございまして、毎年毎年減少をいたしてきております。十三年度当初で、今現在、国有林の職員数としましては九千八百人というような状況でございます。
○須藤美也子君 九千八百人で国有林全体を管理していくということは難しいから民間に委託するということなんでしょう。 民間の状況が一体今どういう状況になっているか、おわかりですか。森林組合とかそういう事業体なんかは、やればやるほど赤字だというところもあるんです。御存じですか。 そうすると、公益的機能というのは、ある森林組合の方からお聞きしますと、国の公益的機能を発揮するというこの目的は、いや、あれはほっておけばいいんだと。公益的機能というのは、山はある、木は植わっている、成長はしている、だから山は公益的機能ということでほっておけばいいと。何もしなくてもいいんだよ、手入れするような体制はないんだ、こういうふうに見られてもしようがないんじゃありませんか、どうですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 民間に委託をして事業を進めているわけでございますけれども、今、現実実態としましては、国有林の伐採量が減ってきたという中で事業量自体も減少傾向にあるわけでございます。そういう中で、事業体の方からは逆に事業量の確保をどういうふうにするのかというような議論もあるわけでございまして、そういう点で、今、国有林の事業についてはそういう事業体でやられているというふうに理解をしているところでございます。
○須藤美也子君 それでは、法案に書かれている、明記されているこういう一つ一つの法案を国有林は実現できない、こういうふうに理解していいんでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今回の森林・林業基本法の考え方と、国有林の抜本改革で今進めている効率的に多面的機能をきちっと発揮をしていくということは、同じ方向を向いているわけでございまして、そういったことで、今我々として改革をきちっと進めていくということがそのことにつながってくるというふうに理解をしているところでございます。
○須藤美也子君 このもとに、一兆円の負債の問題があると思うんですよ。 これは大臣だと思うんですけれども、この間、大臣は、公益的機能だけだと、環境省にこれをみんなやってもらって一兆円も面倒見てもらいたいよと、こういうようなことをちらと言いましたよね。そういう気持ちはわかるんですよね。この一兆円の借金というのは、負債というのは、国有林もそれから森林も、全体の運営に大きな影響を及ぼしていると思うんです。 そういう点でお聞きしますけれども、本法案の国有林事業を行わなければならないという点で、林産物収入、これがあるわけです。ところが、林産物収入は、平成十一年度は、平成一年から十五年まで平均して四百億円となっているようですけれども、三百五十六億円ですね。目標に達していないんです。既にこういう計画はもうどんどん下回りしていると。初年度からこういう実態なわけですから、国産材の価格の低下、市場からの締め出しが背景にあると思うんです。林産物収入が試算どおりにいくのか、その見通しがどうなのか、まずそれをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今回の抜本改革に当たりましては、長期収支を見通しながら改革の案をつくってきたわけでございます。そこの中では材価につきましても、当時の材価が、上がるということではなくて横ばいで推移をする、これは下がるという議論もあるかもしれませんけれども、一応横ばいでいくということで整理をいたしまして計算をしてきたところでございます。 今、現実実態は確かに、言われますように材価の状況は厳しいという状況でございますけれども、今回の抜本改革で見込んでおります、例えば一兆円を返済していくということにつきましては、平成二十五年以降の状況の中で返済をしていくというようなことを考えているわけでございまして、そういった長期の見通しということで考えますと、今の実態というのは、まだ一、二年始まったというところではないかなというふうに思っているわけでございます。
○須藤美也子君 さらに、この五条の中で「国有林野の活用」というのがあります。この活用というのは、実際は林野等の売り払い収入が大きなウエートを占めているのではないか。土地を売る、あるいは市町村にレクリエーションとかいろいろな休養林とかそういったものを売り払う、土地や土石の売り払いが入っていると思うんですけれども、これはどうですか、一言で。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今の収入見通しの中には林野・土地の売り払いも入っている、先生言われるとおりでございますし、また、最近の状況の中で林野・土地売り払いがなかなか容易ではないということも事実でございます。
○須藤美也子君 一兆円の債務返済計画は五十年ですから、大臣、それまで生きていないと思いますね、これから五十年。ここにいる方々がこういうことを決めても、やるのは孫子ですよ。国有林のために一兆円の借金を払うのはだれなのか。こんないいかげんな計画でどうするのかという一つ問題があると思うんです。 ですから、そういう点では、本当に公益的機能を守る上からも、無理な山や木材の切り売りが押しつけられないように、森林の守り手を減らさないように、この一兆円債務返済計画は国有林経営と切り離して別途国の責任で解決する、そのくらいの気構えを持たないとこれはやっていけないと思うんですけれども、大臣、最後に太っ腹のところを見せてください。
○国務大臣(武部勤君) 国の責任といいますけれども、国家を構成するのは国民でございます。ですから、今後やっぱり国民の理解と協力ということがあらゆる問題に対処する上で不可欠な要件になると、かように思うわけでありまして、約一兆円の債務の問題につきましても、一般会計からの利子補給を受けつつ、自己収入の確保等の自助努力を行い、今後五十年かけて返済するということでありますから、この五十年間にいい国に、健全な国にしていかなきゃならぬわけです。それが私どものまず第一義的な責任だと、このように思っております。 現在、この改革関連二法に基づきまして、一般会計繰り入れを前提とする特別会計のもとで収入の確保や効率的な事業運営に努めつつ、利子補給に加えまして、今先生御指摘の公益的機能の発揮に必要な経費等については一般会計の繰り入れを行っているわけでございます。新規借り入れを縮減するなど財務の健全化を図っているところでありますが、引き続き収支両面にわたる努力をしつつ債務の返済に努めてまいりたい、かように存じます。
○須藤美也子君 大臣、本当に一兆円を五十年かけて、どんどんその間情勢は変わってくると思います。それが後に国民に大きなツケにならないように国の責任できちんと処理をすると、これは約束をしていただきたいと思います。 最後になります。本当にこの委員会で六年間御一緒させていただきました。大変な、いろいろな、この六年間というのは変動の時期でありました。毎年毎年、食料自給率は一ポイントずつ下がりまして、現在四〇%になりました。私の原点は、六年前、この農水委員会に来た次の年、一九九六年、ローマで開かれました食糧サミットに出席をし、FAOで当時の藤本農水大臣が演説をしました。世界の国々が食料安全保障を守り、しかし今、世界には八億を超える飢餓人口がいる。これを二〇一五年までに半減するということをローマ宣言で世界各国が決めました。それに向けて多くの国々が自給率を向上させている中で日本が自給率を下げている。こういう点では、私はローマ宣言に参加した者として大変残念だと思います。自給率を本気になってみんなで上げていく、こういうことが求められていると思います。 そして、今回の森林・林業基本法は現場の人たちが本当に望みを託しています。日本の山をよみがえらせ、林業に意欲を持って取り組まれるように、この基本法を待っているわけです。そういうものにしたいと。 二十一世紀、本当に日本の第一次産業が希望の持てる世紀になるように、私は地元で頑張りますが、皆さん、ぜひその立場で頑張っていただきたい。このことを最後に申し上げまして、これまで皆さんにいろいろ教えていただきましたことに感謝申し上げまして、終わりにさせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○谷本巍君 私の持ち時間は十五分でありますので、簡潔に質問いたしますので、簡潔にお答えいただきたい。なお、国有林問題で質問通告と重複している部分はカットいたします。 初めに大臣に伺いたいのです。国有林の管理体制のことについてであります。 現行の国有林管理体制は平成十年の国有林改革二法に基づくものであります。この法案がつくられる過程の中で、与党内の協議、与野党間の論議、そして労使交渉の中で確認されてまいりましたのは、国の一元管理のもとで伐採や造林等々の事業の民間委託を進めていくんだというようなことで確認をされてまいりました。つまり、枠組みの基本というのは国の一元的管理、ここに置いていきましょうということでありました。新しい基本法のもとでもこの点は変わらないのかどうなのか、大臣にお答えをいただきたい。
○国務大臣(武部勤君) 先生御指摘のとおり、平成十年の国有林改革二法に基づきまして抜本的改革に取り組んでいるところでございます。その中で、伐採、造林等の事業実施の民間委託を推進しているところも御案内のとおりでございます。森林・林業基本法のもとでも、引き続き国が一元的に管理運営を行ってまいる、かような考えであります。
○谷本巍君 くどいようですが、大臣、新しい小泉内閣は規制緩和、これを強調されております。強調されておりますが、今大臣が答えられたことは変わらないというふうに確認しておいていいんですね。 前に進みます。次に、新基本法のもとでの国有林の位置づけ問題について伺いたいと存じます。 大臣もこれまで再三、森林の持つ公益的機能を強調しながら、国民全体で森林を支えていかなければならないと強調されておりました。これは大臣のお話だけじゃなくて、ここにおる者全体の恐らく意向だろうと思います。 そこで伺いたいのは、新しい基本法のもとにおける国有林の位置づけと役割をどうお考えになっているかということであります。また、国有林改革二法との関連はどうなのか、国有林の経営管理の充実はどうしていくつもりなのか、この点について伺いたい。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今回の森林・林業基本法につきましては、森林の多面的機能の持続的な発揮を図っていくということでございますし、国有林の管理経営につきましても、そういった形でやっていこうということで今回の改革二法をつくってきたわけでございます。 そういった点で、今回、国有林の役割については第五条で記述をしているところでございますけれども、その考え方は、国有林野の管理経営に関する法律と同じ考え方を取り入れているわけでございまして、そういう点では、森林・林業基本法が、今までの抜本改革を進めている国有林の改革二法に基づいてそういったことを進めていくということと同じ形でいけるんではないかというふうに思っております。
○谷本巍君 最近の、これは国有林も民有林もともに共通的な事情といえば共通しているのかもしれませんけれども、現場の状況というのは、山元立ち木価格ゼロも同然というような状況なんですね。そういう状況であるから、民有林の側からしますというと、国有林への支援というものを期待するという状況が深まっております。その点はどうなんですか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今回の森林・林業基本法は、今言われましたような厳しい森林・林業を取り巻く情勢というものも踏まえながら、どういうふうにそれを改革していくのかということを念頭に置いて考えてきているわけでございまして、例えば、林業の健全な発展を図っていかなければいけないとか、あるいはそのためには木材の利用の推進を図っていかなければいけないということを理念に挙げているわけでございます。そういった点で、今後、この森林・林業基本法をベースといたしまして、新しい林政というものをつくり上げていくということが必要ではないかというふうに思っているところでございます。 そういった中で、国有林について同様に考えていくと。国有林が国有林の役割をきちっと果たしていくためにはどうしたらいいのかということを考えていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
○谷本巍君 そうすると、国有林は国有林としての役割を果たしていくと。その考え方の中には民有林に対する支援関係というのも含まれているというぐあいに理解しておいていいんですね。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 民有林に関する支援関係という、国有林から民有林に関しての支援ということについてはちょっと内容が、どういう内容になるかということが私自身はなかなかすらっと頭の中に入らないんですけれども。 いずれにしましても、国有林と民有林が連携をとりながら、これからの森林・林業行政というようなことについて取り組んでいくということが必要ではないかというふうに思っております。
○谷本巍君 そこで、流域管理システム問題について伺いたいのです。 森林法の一部改正で流域管理システムが論じられた当時は、日本の林業もこれでヨーロッパ並みになるなという話が多かったのであります。しかし、結果はそうはなりませんでした。流域管理システムの実効ある機能の充実のためには、これまでの経過から見まして、財政面、組織面、そして担い手面等々の支援が必要なことは明白であります。この点はどうしようとしておられるか。 それからまた、国有林の組織、人材をどう有効に活用するのか、明らかにしていただきたい。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 流域管理システムにつきましては、民有林、国有林一体となって取り組む重要な問題だというふうに理解をしているわけでございますし、今回、国有林野事業の改革に当たりましても、各森林管理局に流域管理指導官というものを設置し、またさらに、各森林管理署にも流域管理調整官というものを設置して、民有林と国有林の連携を図るというような組織体制を整備したところでございますし、また、それぞれの担当職員を合同で研修するというような取り組みもいたしているところでございます。 そういったような中で、今申し上げましたような国有林、民有林が連携をとりながら、流域管理システムがより進むという形になっていけばというふうに思っているわけでございます。
○谷本巍君 どうも今のお話を伺いますというと、今までやってきたことの延長でしかないのかなという感じがしてならないんです。今までやってきたことの繰り返しでは、結局、流域管理システムはつくったが魂は入りませんでしたというような格好にやはりこれから先もなっていきはしないか。実効が上がるようにするのにはどうすべきか、ここのところをもっと積極的に考えていただきたいと思います。 それからもう一つ、ともかくも組織については流域ごとに統廃合を進めてきたわけですから、あとは一番大きい問題は、技術者それから技能者をいかに確保するか、ここのところが一番重要になってくると判断されます。これを養成することがセットにされていかなきゃならぬと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 先ほどから話をさせていただいておりますように、国有林の抜本改革の中でいきますと、やはり組織の簡素化あるいは要員を必要最小限にしていくというようなことについては取り組んでいかなければいけないというふうに思っているわけでございまして、そこの中で技術者をどういうふうに確保していくのかということは我々の課題として受けとめているわけでございます。 しかしながら、技能者といいますか、本当に現場で事業を実行されるということにつきましては、民間委託をしていくということで考えているわけでございまして、民有林と国有林が一体となった中でそういった事業体なり技術者なりが養成をされてくるということが必要ではないのかなというふうに思っております。
○谷本巍君 そこのところは、民間任せということじゃなくて、積極的に国有林側が主導権をとるような格好でやっていただきたいと思うが、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 国有林としましても、事業の発注等を通じまして林業事業体の育成ということについて取り組んでいるわけでございまして、それは国有林としてやれることはやっていくということでございますけれども、やはり全体で考えますと、民有林政策との連携ということも図っていくことが重要ではないかというふうに考えているわけでございます。
○谷本巍君 どうも感じられる姿勢というのは、長官もこの間ここで言いました、金が欲しいと、予算の問題なんですね。やっぱり今大事になってきているのは、林野庁が積極的な方針を提起しながら、しかし予算の事情がこうであると、ここを大胆に明確にさせながら、国民全体が協力し得るような、議会全体が、各政党全体が協力し得るような、そういうふうな問題提起をしてほしいんですよ。この辺を特に注文しまして、先に移らせていただきます。 次に伺いたいのは、バイオマス開発の問題についてであります。 バイオマス関連の技術開発は、森林資源を生かす、それからクリーンエネルギー開発を進めていくというようなことで重要な意味を持っております。ところが、農林水産省の取り組みは、残念ながら私は消極的に過ぎたというふうに思います。 ここに写しがありますけれども、例えば昭和六十二年の林業白書を見てみますというと、かなり積極的なことを言っているんですね。もう実用化の技術開発をやっていかなきゃならぬとか、バイオマスの生産林構想まで提起しているんですよ。十年一昔前ですよ。 ところが、それが依然として実施はされない。結局、農林省がこれまでやってきたことで言いますというと、平成十二年から、エネルギー使用合理化古紙等有効利用二酸化炭素固定化技術確立に向けての取り組みがスタートしたということとともに、もう一つは、資源環境技術総合研究所などが植物バイオマス液体燃料化等々の技術研究の取り組みを行ったという程度なんですね。 バイオマス関連技術開発の進展の状況、そしてその早期実用化に向けて林野庁は他省庁と積極的に協力関係を進めながら取り組んでほしいということを注文したいのだが、いかがでしょうか。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 木質バイオマスのエネルギーの利用ということにつきましては、これは地球温暖化の防止だけではなくて廃棄物の減量化等々にも役立つわけでございまして、循環型社会の形成という点でも大変意味のあることではないのかなということでございまして、こういった利用については林野庁としても積極的に取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。 そのため、今、林野庁といたしましては、バイオマス資源の利用手法に関する調査でありますとか、あるいはガス化やあるいは液化をして燃料としての利便性を向上する技術の開発でありますとか、あるいは木質エネルギー利用施設や発電施設の整備を進めていくというようなことを実行してきているところでございますし、また、十三年度におきましても、そういったものが現実に山村地域でどういうふうにやっていけるのかというような利用計画を策定するという事業にも取り組んでいるところでございまして、いずれにしましても、林野庁としてはこの問題に積極的に、関係省庁との連携も密にしながら、取り組んでいきたいというふうに考えております。
○谷本巍君 これは何も林業関係者だけじゃなくて、環境問題に関心をお持ちの方がバイオマス問題については強い関心を示す時代に入ってきているんですから、ぜひひとつ積極的にやっていただきたいということをお願いしたいと存じます。 最後に、大臣に伺いたいのです。 都市と地方の対流問題についてであります。 大臣は、都市と地方の共生、都市と地方の対流を強調してこられました。森林整備のコスト負担に理解を示す世論も以前から見れば大分大きくなってきております。 だが、全体の流れは、都市と地方の対流だけではなくて、都市と地方の対立、これをあおる風潮が少々やっぱり出かかってきているなと。例えば、最近のマスコミ論調にしましても、大都市の方の税金を地方に流すのは何事だと言わんばかりのような論調すら出てくるといったような残念な風潮があります。 そういう状況の中で、森林整備に向けて社会的コスト負担を求めていく点では大きな障害となってきはしないだろうかと、この辺の点についての大臣の御見解をちょうだいしたいのです。
○国務大臣(武部勤君) 先生御指摘のように、昨今、都市と地方の対立軸というのが少し色濃くなっているなという印象を強くいたします。 しかし、日本はカリフォルニア州よりも小さい国ですね。かつて、狭い日本、そんなに急いでどこへ行くというような交通の標語があったくらいでありまして、私は、今のような最近の風潮というのは非常に残念なことだと、かように思います。 私は、ある意味では、都市の居住者の皆さん方がたまに田舎に行ってみる、観光旅行で地方に行ってみると、おいしい水、きれいな空気、美しい自然を見てジェラシーみたいなものを感じているんじゃないのかなと、こう思うんです。であればこそ、自分たち納税者として、もう少し税金を大事に使ってほしいというようなことからいろいろな御注文があるんだろうと思うんです。このことは謙虚に受けとめなければなりません。 ですから、我々は、大胆な農林水産業の構造改革を進めていかなきゃならないと、かように思っておりますし、森と海は命のふるさとであるということを根気よく国民の皆さん方に訴えていく必要があると、かように思っております。 特に森林は、国土の保全や水源の涵養、地球温暖化防止などの多面的な機能を有しているわけでありますから、上流域のみならず下流域の都市住民の安全、安心な生活に欠くことのできない重要な役割を果たしているわけでありまして、これらの機能の発揮を担っている森林・山村の役割に対し、都市住民を初めとした国民全体の十分な理解を得ていくことが重要であるというふうに認識いたしております。 先般取りまとめられました経済財政諮問会議の基本方針の案の中にも、都市と農山漁村の共生、対流の確保を通じた美しい日本の維持、創造と、都市と地方の対流の考え方が盛り込まれたところでございまして、今後とも、これらの観点を踏まえまして、森林の多面的機能の持続的発揮を図るために森林整備の推進に積極的に取り組んでまいりたい。また、特に国民の合意を得るべく努力してまいりたい、かように存じます。
○谷本巍君 最後に、そこで、大臣にお願いしておきたいのは、今大臣が言われた、経済財政諮問会議の基本方針の中にこれこれこういうものが盛り込まれたと。これは大変結構なことです。問題は、言葉だけじゃなくて、やっぱりその種のことをどう政策化するかという、もう一つの発想がほしいんですね。 例えば、最近NGOの皆さんが、都市と農村の共生といいましょうか、二つ住宅を持つという、そういう生活の仕方があるというような話が随分出てきておりますが、そういう場合には、例えば住民税については、こっちで払ってこっちでも払うことができるという折半方式ですね、そういうものをやってはどうかという提案等々が出ております。そういうものについてもひとつ積極的に検討いただきたいということを、この際、お願い申し上げておきたい。 終わります。
○委員長(太田豊秋君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 林業基本法の一部を改正する法律案の修正について笠井君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。笠井亮君。
○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、林業基本法の一部を改正する法律案に対し修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 第一は、木材自給率の目標を基本計画に明記することです。 食料・農業・農村基本法や水産基本法では、基本計画に自給率の目標を明記することが定められているのに、なぜ森林・林業基本法では明記しないのか。この声が多くの林業・木材産業関係者から寄せられています。また、参考人の質疑でもその必要性が述べられました。 日本は世界でも有数の森林国で、森林資源は人工林を中心に増加しており、木材自給率を引き上げる条件が生まれています。それにもかかわらず、原案には、二〇%にまで低下した木材自給率を引き上げる規定がありません。外材に依存することは、日本の森林・林業の荒廃を招くだけでなく、世界的な環境破壊を進めることにもつながります。 今、森林・林業基本法の制定に当たって求められていることは、木材自給率の目標を設定し、関係者の具体的な取り組みを各地で提起していくことです。また、このことを広く国民に表明すべきです。同時に、自給率の設定に当たって、我が国の国土の二割、森林面積の三割を占める国有林の寄与度を明確にすることは国民に対する責務と考えます。我が党としては、自給率の目標を、長期的には五〇%に、また、その目標に対する国有林の寄与度を三〇%とするよう提案するものです。 第二に、現行法にある林業の自然的経済的社会的制約による不利の補正条項は、地域間また産業上も不均衡が拡大しているもとで、森林の多面的機能、農山村の維持という面からも一層重要になっており、削除すべきではありません。 第三に、林産物の需要及び価格の安定に関する施策を明記することです。 今、木材価格の低迷が再造林費も出ない事態を招き、林業関係者から国産材価格の回復が切実に求められています。関係自治体も、価格の維持、下落防止のため、独自の価格・所得対策を講じています。国は、自治体任せでなく、価格安定対策をしっかりと位置づけるべきです。 以上が修正案を提案する理由であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いし、趣旨の説明を終わります。
○委員長(太田豊秋君) これより三案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 それでは、これより林業基本法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、笠井君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 少数と認めます。よって、笠井君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、森林法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) これより請願の審査を行います。 第七〇三号激増する輸入農産物に対する緊急輸入制限の発動等に関する請願を議題といたします。 この請願につきましては、理事会において協議の結果、保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会