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151回国会参議院2001/06/26

農林水産委員会 第23号

発言数
161
登壇者
12
会派数
7
開催日
2001/06/26

会議録

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十二日、久野恒一君が委員を辞任され、その補欠として井上吉夫君が選任されました。  また、昨二十五日、木俣佳丈君、峰崎直樹君、富樫練三君、斉藤滋宣君及び大野つや子さんが委員を辞任され、その補欠として小川勝也君、羽田雄一郎君、笠井亮君、日出英輔君及び森田次夫君が選任されました。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案の審査のため、本日の委員会に林野庁長官中須勇雄君及び文部科学大臣官房審議官田中壮一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 大臣、おはようございます。副大臣、それから林野庁長官、御苦労さまでございます。  特に大臣にありましては、今国会は大変な法律がたくさんありまして、特に今週、先週あたりからはもう衆参両院をかけ持ちで走り回られて、しかも非常に熱意のある御答弁、本当に御苦労さまでございます。心から敬意を申し上げます。  また、林野庁長官には、アクシデントで大変でございます。にもかかわらず、車いすで御出席をしていただいて、非常に丁寧な御答弁、本当に感謝を申し上げる次第であります。きょうもひとつよろしくお願いいたします。長官、少し早口なようですから、ゆっくりしゃべってください。  さて、大臣、最初の質問は、基本法に係る問題じゃないのでございまして、一つお聞きしたいんですが、小泉内閣の目玉ともいうべき「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」、これにつきまして、聞きますところによりますと、どうも農林関係の方針が入っていないじゃないかということで、大臣がみずから総理に直接、ねじ込んだと言うのは言い方が悪いかと思いますが、直接お会いして御提案なさって、その結果として、我々農林水産にかかわっている者にとりましては大変うれしい結果がこの基本方針の中に盛り込まれた、こういうふうな経過を聞いております。  まず、そこのところを取り出したものがございますのでちょっと申し上げてみたいと思いますが、一つは、「構造改革のための七つの改革プログラム」、その中の「生活維新プログラム」というんですか、そこに「国民に安全(人の生命、健康に関わる良質な環境や食料などの確保を図るヒューマン・セキュリティ、安全な国土)」云々と、この点がまず一つ。我々、これは恐らく大臣が申し上げたものだというふうにお聞きしております。  それから、六番の「地方自立・活性化プログラム」の中にあえてこういうふうに載っております。「意欲と能力のある経営体に施策を集中することなどにより、食料自給率の向上等に向け、農林水産業の構造改革を推進する。また、地方の活性化のために、都市と農山漁村の共生と対流、観光交流、おいしい水、きれいな空気に囲まれた豊かな生活空間の確保を通じ「美しい日本」の維持、創造を図ることが重要である。」と。これはまさに、大臣が常日ごろ申されているそのままを方針に盛り込んでいただいた、こういうことでございます。  さらに、第二章におきましては、「硬直性の打破」、「(3)ハードからソフトへの政策手段の転換」というところで、これはちょっと気になるわけでございますけれども、「例えば、農業については、食料の安定供給、自然環境の保全等を目指した構造改革が喫緊の課題となっている。こうした農業政策の目的に照らし、費用対効果の観点を踏まえ、公共事業から公共事業以外の政策手段へシフトしていくことが必要である。」と。この点につきましても、これは大臣が申されたことであるのかどうかはわかりませんけれども、この三点が載っております。  大臣がこれをこの方針に載せるよう努力された経緯、それとこの意義、さらに、来年度予算ということがこの方針というのは当然かかわってくるわけでございますから、そういう点についてどのように対応を考えられておられるかということについてひとつお話をいただきたい、こういうふうに思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) まず最初に、太田委員長を初め農林水産委員会の諸先生に、極めて厳しい日程の中、農林水産省関係の法案について精力的な御審議を賜りまして、このたびも、林業基本法外二法につきましても、大変御無理な日程の中で御協力をいただいておりますことに敬意と感謝を申し上げたいと思います。  また、今、岸先生から御指摘ございましたように、経済財政諮問会議の当初示された項目を見ますと、私どもも唖然とした次第でありまして、これではいけないということで、総理の所信表明の、自給率の向上と循環型社会の実現に向けて農林水産業の構造改革と農山漁村の新しい可能性を切り開いていくという、総理みずからが国民の前にメッセージとして送ったこのことの裏づけをきちっと経済財政諮問会議で明示すべきだということを、私も経済財政諮問会議の臨時議員でありますけれども、機会あるごとにそういったことをお話しさせていただきました。  その中で、今先生がお示しになりましたヒューマンセキュリティーということにつきましては、当初の案ではまだ水は入っておりませんでしたから、先生が読み上げたところの案文では水ということは入っておりませんが、水もしっかり入りまして、環境や水、食料の確保など、ヒューマンセキュリティーについて明記された次第でございます。  さらに、「地方自立・活性化プログラム」という部分で、私どもがお示しいたしました食料の自給率の問題、また農林水産業の構造改革の問題、さらには今後の農山漁村の新しい可能性ということについて、都市と農山漁村の共生と対流ということを通じて、おいしい水、きれいな空気に囲まれた豊かな生活空間の確保を図る、そして結果として美しい日本の維持、創造を図るということがきちっと示されたということは、これは先生方の御支援にもよるものでありまして、大変ありがたく思っているわけでございます。  この委員会でも私しばしばお話しさせていただきましたが、私どもの仕事というのは、自然の恵みに感謝し、自然の脅威を恐れるという謙虚な気持ちというものを原点にいたしまして、森と湖は命のふるさとであり、美しい山々、美しい海や川、美しい町並み、美しい空間、そして美しい田園、美しい心、美しい言葉とか、二十一世紀に目指すべき日本の方向というのは、一言で言うならば美しい日本ということではないかということについては、かなりこだわりを持って総理にお話をさせていただきました。  よもや「美しい日本」という言葉がそのまま入るとは、正直申し上げまして、私はそこまでは考えていなかったのでありますけれども、このことが明記されたということは、農林水産省といたしましては、私がお示ししました食料の安定供給と美しい国づくりに向けてというようなことで、今後の我々の使命とかあるいは課題ということについて、そういう方向づけを目指して努力していこうということに対しましても非常に勇気づけられることでございます。  ただ、先生がいみじくも御指摘になりました公共事業の問題でございますが、このことにつきましても私ども、循環型社会の構築に向けて、従来型の公共事業ということから自然共生型の公共事業といいますか、環境修復、改良、創造といったような、環境に配慮したそういった進め方に大きく転換していこうということも、この委員会でもお示しさせていただいているわけでございますが、同時に、今度の財政諮問会議で方向づけられている一つは地方分権ということが色濃く出ております。したがいまして、新しい村づくりといいますか、農山漁村の構築につきましても、これはやっぱり地方と一体となって進めていくというような考え方が底流にあると、このように思っております。  したがいまして、単に「公共事業から公共事業以外の政策手段へシフトしていくことが必要である。」、こういうふうに示されておりますが、正確には、従来型の公共事業から新たなる公共事業や公共事業以外への政策手段と、さまざまな政策手段を駆使して我々の農林水産業の構造改革や農山漁村の新しい可能性というものを展望していくべきだということでございまして、この点につきましても、正直申し上げますと、我々少しこだわりました。  「必要である。」という断定的なことでなくて、そういうシフトをしていくことについての検討をすべきではないかというようなことを強く主張したわけでございますが、最終案はこういうようなことになっているわけでございますが、しかしこれは決して政策の後退ではありませんで、我々としても、今までの考え方というものから新たなる観点で農林水産行政というものを、あるいは農林水産にかかわる公共事業なども検討していかなければならないと、かように考えている次第でございまして、御理解と御協力をさらにお願い申し上げたいと思います。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 御努力に心から敬意を表するわけでございますが、私も参議院の選挙が近いということで地元に帰るわけでございます。地元に帰りますというと、必ず出てくる問題がこの諮問会議の内容等でございます。  大臣もあるいは御承知かもしれませんが、山形県は自民党の予備選で小泉総理の得票率が全国で一番なんですよ。ですから、小泉総理に対する期待も高いし、それから小泉総理の改革に共感と期待を寄せている、こういう面は非常に多うございますけれども、しかし多くの皆さんが心配しておりますのは、やはり中央と地方の対決というふうな形にならないように、例えば道路特定財源の問題でございますとか、あるいは公共事業の問題、それから交付税の問題、さまざま考えてみますと、どうも地方にしわ寄せが来るのではないかという心配を、特に工業出荷額等の少ない我々の地方では心配される向きが非常に多いわけでございます。  そんな中で、この諮問会議のペーパーに農林水産業のことが載ったということ自体、これはそういうものを解消させるといいましょうか、やや安心させる大きな力になっている。特に、この難しいペーパーの中に「美しい日本」、こういう文言が載っているということは本当に何かほっとさせるような気がいたしておりまして、多くの皆さんもそのように感じたというふうに思うんですね。  そこで、大臣、そういうことを考えてみますと、小泉内閣の改革を国民の理解をいただきながら進めていく上でいろいろ問題が多い。地方の皆さんを納得させるといいますか、共感を持っていただくといいましょうか、そのために果たす農林省の役割というんでしょうか、農林省だけではございませんけれども、農林水産大臣の役割は、考えてみますと、こういうものを見るにつけて非常に大きいというふうな気がしてならないのであります。  時あたかも、新しい農業基本法ができ、それから水産基本法ができ、そして今、林業基本法ができようとしている、その時期に当たりまして、これらの点から考えまして大臣としてどのようにお考えになられるかということをひとつお聞きしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 岸先生御指摘のとおり、農林水産省こそ、あるいは農林水産委員会こそと言って過言でないと思うんですけれども、いち早くいわゆる構造改革に着手いたしまして、これまで数年間の議論を踏まえて新しい食料・農業・農村基本法も成立せしめ、この法律に基づきまして基本計画をつくって、今、強力に展開しようとしているわけでありますし、今国会におきましても、水産基本法、そしてただいま林業基本法の大詰めの御論議をいただいているわけでございます。  私は、経済財政諮問会議でも申し上げましたし、これらの先駆的なといいますか、もう既に農林水産省が、経済財政諮問会議で言わんとするそういった課題に、問題提起に対して積極果敢に着手しているというようなことが評価されたと、このように自負しております。  したがいまして、これまで我々が諸先生の御論議を踏まえてつくり上げてまいりました諸般の法案に基づく具体的な施策の展開の上で自信と誇りを持って強力に努力していきたいと、かように決意を新たにしている次第でございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 どうぞひとつ大臣、関係大臣と力を合わせまして、そういった地方の声を十分に生かして日本の国の再生のために一層御努力されんことをお願い申し上げる次第でございます。  さて、次は基本法の問題でございますが、先ほども申し上げましたが、新しい農業基本法、それから水産基本法、そしてこの林業基本法と、我々この委員会でも、あるいは国民的にも議論をしてまいったわけでございますが、私はこの林業基本法が一番大変な法律だなという思いを非常に強く持っているものでございます。  実は私は、ちょうど昭和三十九年に学校を卒業しまして田舎に帰りました。山形県の山村でございますけれども、ささやかでありますが林業もやっておりました。その当時は林業も大変元気のいい時代でございまして、山の木も活発に商いをされておって、その当時は、国産材の自給率というんでしょうか、それは恐らく七〇か五〇%ぐらいの間は間違いなくあったんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。材価も非常によかった。非常にというか、まあよかった。  私、昭和四十年、町役場に勤めさせられまして、勤めたときの初任給がたしか二万七、八千円じゃなかったかと思うんです。恐らくそうだったと思います。(「もっと安いですよ」と呼ぶ者あり)もっと安かったですか。何かもっと安かったという話なんですが、その当時、木材の価格は、杉で石当たりといいますと直径大体七寸ぐらいの木ですよね。そして十尺ですか、十二尺ですか、それでもって山元で大体七千円ぐらいは最低したんですよね。ですから、立方にいたしますと、これは石に対して三・六掛けるんでしたか、そうすると値段が出てくるわけでございますけれども、林業というものがやっぱりやっていける、そういう時代でございました。  ところが、昭和四十六年に私、町長になりまして、それからつるべ落としと言ったらいいんでしょうか、どんどん林業が、林業がだめになるというよりも、要するに木の値段が山でいえば安くなって何ともならなくなったという、そういう時代を山のもとで私は過ごしてまいりました。  ですから、非常に実感として、林業の衰退、山村のそれによる衰退、過疎といったものを目の当たりに見てきたものでございますから、この林業基本法がどんな働きを、どんな役割を担って、どのように山村に光を与えてくれるものかということにおいて、希望は大きいのでございますけれども、その反面、大丈夫かなという思いを非常に強くするわけでございます。  そこで、基本理念の問題でございますけれども、林業者から見ますと、森林の多面的機能を維持していくために林業生産があるんだと、いわばそういうふうに読み取れる。前の基本法であれば、林業生産を経済行為として、産業として盛んにすべきであるということを明記されておったわけですけれども、今度は一転しまして、そういうふうな多面的機能を前面に押し出してきたわけです。そこに一体、森林所有者、経済行為としてやっておられる方々に戸惑いはないだろうかという思いが非常に強いのでございますが、これらに対してどのように説明をするんでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 先ほど岸先生から御指摘のありましたような事情で、このような形で御答弁することをお許しいただきたいと思います。  ただいまの御質問に関しましては、新しい基本法の三条がその条項に該当すると思います。そこでは、「林業については、森林の有する多面的機能の発揮に重要な役割を果たしていることにかんがみ、」云々ということで、「その健全な発展が図られなければならない。」と、こういうふうに規定をしているわけでありまして、私ども基本的な理解といたしまして、森林が多面的機能を発揮する、これが何よりも重要であるということが二条で述べられた上で、しかし、その機能を発揮するということのためには、実際には、林業がその場所で健全に行われている、そのことが多面的機能の発揮に実際に役立っているのである、こういうような位置づけのもとに、この新しい基本法においては林業の位置づけをしたと、こういうことでございます。  確かに、二条で多面的機能の発揮ということがまずうたわれるわけでありますから、森林所有者の責務というところにも、森林の有する多面的機能の発揮への配慮というか、そういう責務も書かれております。それは当然林業者として考えなければいけない重要な問題でありますが、そのことは何も、多面的機能の発揮のために林業がすべて従属するとかそういう意味ではなくて、その機能を発揮する上で林業が重要な役割を果たしている、だから林業の発展を図らなければ森林の持っている多面的機能が十分発揮できない、こういうふうな位置づけをして、そのことはまた逆に言えば、森林の有する多面的な機能というのは広く国民がその利益を享受するわけでありますから、国民全体が林業の健全な発展を支えていくというか、そういう気持ちも込めた意味で今回の新しい基本法での位置づけがなされていると、こういうような御説明を申し上げているわけでありまして、基本的には林業者の皆様にも御理解をいただいていると、こういうふうに承知をしております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 ただいまの御答弁で、林業が輝かなければだめだ、林業が輝くことによって多面的機能が発揮されることになるし、それによって国民がさまざまな利益を受けるんだと、こういうふうな御説明というふうに承りました。大変立派な御説明だと思います。  私も、これから地元に帰りましたら今の長官のお言葉どおりに皆さんに申し上げたいと、こう思っておりますが、それでは長官、林業は光り輝くということについて、しっかりとした自信と希望を林野庁は持っておりますか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに現在我が国の林業の置かれている状況というのは大変厳しいというのは、もう率直な状況だろうと思います。  これは、あえて数字その他を含めてただいま岸先生からもお話ございました。八割を日本のマーケットにおいて外材が占拠しているという中で、価格的にはやはり外材の価格ということが我が国の木材価格というものに大変大きな影響を与えている。それが木材価格の現在の低迷した状況の大きな要因であるわけであります。  それをどのように打開しながら林業の将来を考えていくかと、こういうことになるわけでありますが、今回の基本法というのは、ある意味で道筋というか大きな方向を示す宣言法というような意味でございまして、この基本法ができたから直ちにあしたから林業がよくなる、こういうことには必ずしもならないわけであります。  私ども、そういう意味で、林業基本法の制定というのは、ある意味ではスタートラインに立ったと、こういうことだと。これから具体的に個々の分野、個々の政策において、日本の林業がしっかりした基盤を持って活動がなされるように数々の手だてを打っていかなければならない、そういうふうに考えているわけであります。    〔委員長退席、理事森下博之君着席〕  法律の仕組みとしては、御承知のとおり、この新しい基本法では森林・林業基本計画というものを政府が定めることというふうにされております。私ども、この新しい基本法が成立した段階で、さまざまな角度から議論を行った上で、将来の数値目標を含めて、十年先、二十年先あるいは五十年先と、精粗それぞれあるわけでありましょうが、その段階における日本の森林の姿、林業の姿というものを描いた上で、そのためには何をしなければならないかということで、具体的な施策をその基本計画の中で明らかにしていく。  それと同時に、それを逐次具体化をしていく。もちろんその一部は、今回の法律改正にも、ほかの、林野三法ということでお願いをしておりますが、他の法律改正にも含まれておりますし、来年度予算においてどういう手だてを講ずるかということもその第一歩でありますし、もうちょっと言えば、既に十三年度予算の段階からかなりのことを我々手がけているわけでありまして、そういうような形で具体的な個々の分野の政策についてはこれから先、逐次強化を図って、我が国の林業の健全な発展というものが確保されるような基盤づくり、支援体制づくりということに努めていきたいと、こういうふうに思っております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 非常にわかりやすく説明していただいて大変結構だと思いますが、さてそれでは、個々の具体的な施策というものについてはこれからそれぞれ予算だとかあるいはいろいろな計画にのせていくということは、これは十分わかりますけれども、まず一つは、望ましい健全な林業、こういったものはどんなものなのかというイメージを、これはやっぱり国民あるいは林業者ともに共有する必要があると思うんですね。これがなければなかなか具体的な方策というのは出てこないと思うんです。  そこで、そういう面で林野庁として、この法律から考えてどのようなものをして望ましい林業経営というんでしょうか、そういったことについてそのイメージをひとつ語っていただきたい。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいまお話しのような具体的なイメージという意味で、なかなか今の段階で私、十分な御説明をすることは難しいわけでありますが、基本的には、新しい基本法の十九条で、望ましい林業構造の確立ということで、林業の健全な発展の一番の基礎になります林業構造を、将来の林業構造をどういうふうに考えていくかということがこの十九条で述べられているわけであります。  ここのもちろん背景といたしましては、ただいま岸先生からお話ございました木材価格の低下であるとか林業経営コストの増大、こういうことによって林業の採算性が大変悪化している状況にある。当然、そのことによりまして林業の経営意欲というものが低下しているわけであります。  ただ、そういう全般的な状況の中においても、効率的な施業を実施する、あるいは品質のすぐれた木材を生産する、こういう形で林業所得をかなりの程度確保している林家もかなり見られる。当然数は限定されているわけですが、そういう努力をされて成果を上げている林家がある。また一方、個別には大変森林所有面積が小さいわけで、一人一人ではなかなか林業生産活動ができない。そういうものをいわば取りまとめて、経営なり施業の受託ということで活発な林業生産活動を行っている林業事業体、こういうものも現在でもかなりの程度見られているわけであります。  したがいまして、この十九条で示している方向というのは、今後の方向として、経営規模の拡大とか生産方式の合理化等の施策を講じることによって効率的、安定的な林業経営体になっていく、あるいは林業事業体として仕事ができる、そういうような経営を育成確保する、こういった方々に施業や経営を集約していく。具体的には施業の受託なり経営の受託ということでございましょうが、そういうところに施業を集中していって、国内の林業生産活動の相当部分、こういうふうに言っているわけでありまして、五〇%を超えるような部分がそういう方々によって担われる、そういう構造を確立していく必要がある、これが基本的な考え方だろうというふうに思うわけであります。  その場合、林業経営という意味でどのようなイメージを描くかということについては、これから先、我々もいろいろ各方面と議論をしながらそういう将来像というものをできるだけ明らかにする努力をしていきたいと思いますが、やはり我が国の林業も地域によってさまざまでございます。一律に何ヘクタールあればうまくいくとか、どういう労働力であればうまくいくとか、必ずしも一概に言えない例がございます。  例えば、私どもが承知している例では、わずか二十六ヘクタールの山林しか持っておられない、これも愛知県の林家でございますが、経営主一人で一年約二百二十日の施業を行って、この場合には他の森林所有者の施業を受託をする。大体この方の場合、十ヘクタールの施業受託を行っているというふうに聞いておりますが、それでもって五百万近い林業所得を上げている。例えばこういうふうな、小規模だけれどもしっかりした、何といいましょうか、手入れを十分することによって良質の木材を生産し、立派な所得を上げておられる、こういう方もおられますし、他方では、百ヘクタールを超えるような人工林で、複層林とか集約林という形で、これも付加価値の高いあるいは生産性の高い経営を行うことによって一千万を超える所得を上げている。この場合も、基本的には自家労働、あと、年間二百人日の雇用労働を使って、これは新潟県の林家でございますが、成果を上げておられる、そういうふうな例もございます。  ですから、地域によって差がございますので、一律にイメージで示すということは難しいわけでありますが、こういうさまざまな努力をしている林家を育てていく、こういう観点に立って、そういう林家の育成と、もう一つ、個別林家ではなかなか施業が完結し得ない、そういうものをまとめて施業を行っている林業経営体の育成を図っていく、その両面によりまして望ましい林業構造を確立していきたい、こういうふうに考えております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 大体わかりました。  さて、具体的な問題に入りたいと思うんですけれども、今、我が国の林産資源というものは、非常に立派な世界にも誇る山を持っている、森林を持っておる。何か年間の蓄積の増加量というのは八千万立米あるんですか。八千万立米増加しているにもかかわらず、国産材として使われている量というのは二千万立米ぐらいですか。そうすると、だんだん蓄積量がふえていく、単純に言えばそういうことになるわけですね。そういう状況であるから材価が低迷するということになると思うんですね。  そういうことを考えますと、何とかコストを下げて供給する力をつけるというんでしょうか、そういう施策を講じないとなかなか難しいだろうと思うんですが、しかし、このごろどうも外材と国産材の間の価格差というのが小さくなってきているんじゃありませんか。ちょっとこの辺、だれか専門的にわかる人から、今どういうものか、ちょっとそれを聞かせてもらいたいんですが。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 基本的に、先ほど申しましたように、我が国の木材市場というか木材需要構造全体の中で外材が八割を占め、国産材が二割弱になっている、こういう状況でございますから、価格形成の主導権というか、やはりそれが外材によって規定される部分が大きい、こういうことは否めない事実だろうと思います。  そういう意味におきまして、輸入されてくる外材価格というものに、我が国の国産材価格が、同等の品質、同等の性能を持ったものにおいてやっぱりさや寄せされていく、これは事実でございまして、そのことが現在の木材価格低下のかなりの要因の一つになっているというふうに私ども認識をしております。  現在、杉の中丸太の価格で立米当たり一万七千円とか一万八千円、そういうような価格でございまして、これは、その搬出経費なり伐採経費ということを考えれば、いわゆる立木価格では数千円というような価格になってくる。それは、先ほど申しましたような、やはり外材価格というものにかなりの程度規定されて、そのような価格になっているということだと思います。ただ、最近特に象徴的にあらわれておりますのは、例えば杉と米ツガというふうなものを比べた場合でも、かえって一部国産の杉の方が安いというふうな局面が出ている。  これは何かということでいろいろ調べますと、やはり品質の面で、特に最近、御承知のとおりに昨年から住宅の品質確保法というものが施行されまして、やはりしっかり乾燥されて品質、性能がしっかりした木材というものが施工主にとってもあるいは需要者にとっても好まれると。こういうことの中で、十分乾燥されていない我が国の杉の価格というのは、安い外材よりもさらに競争条件が不利になって低下をしている。こういうことまであらわれている状況だというふうに認識をしております。  そのために、我々、価格面で競争するという以前の話として、やはりしっかりとした品質、需要者の要望に合ったというんでしょうか、特に現在では、品質、性能がはっきりした木材をある程度の量をまとまって供給するということをしっかりやっていくことが不可欠だろうと思います。  そういう意味におきまして、一つは乾燥材の供給体制を整備するということで、各種の補助事業、リース事業等によって乾燥施設の整備を早急に進めるということに取り組むと同時に、各流域ごとに拠点となるような出荷施設あるいは加工・流通施設と申しましょうか、そういうものを整備して、一定程度のまとまったロットで消費地に供給できる体制をつくっていくとか、そういうようなことにしっかりと取り組まなければならないのではないか、こういうふうに考えて、抽象的に言えば、木材産業の構造改革という形でもって、太いパイプで消費地に品質、性能のすぐれた国産材を供給していくそういうパイプをつくる、こういう気持ちで取り組んでいかなければならない、こういうふうに思っております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 確かに乾燥材の割合というのはいまだにまだ低いんですよね。それで、林野庁でも今年度あたりから、乾燥施設に対する補助等について、共同でやるというふうなことから何か一歩踏み出してリースをやる、そのリースに対する補助を出す、こういう施策を講じたという話を聞きましたが、これは大変いいことだと思いますから、小さな町工場であっても乾燥材を扱えるような、そういうような施策をやっぱり一層進めていく必要があるんだろう、こういうふうに思うわけです。  それから、コストの問題。それから、長官が言っていましたが、一定のロットをまとめて優良なものを出すということが大事だということ。これに関しては、木材産業たる製材工場が余り小さいものばかりでは困るんで、統合して再編していくという、たしかそういう流れであるかというふうに思いますけれども、こういうことに対しても今後一層その施策を展開していく必要があるんじゃないか。  それから、構造改善という点から申しますれば、林道網ですね。金曜日に林業の速水さんが参考人で参りまして話をしていました。速水さんといえば日本で最先端を行く林業家でございます。その林業家の最先端を行く速水さんは、とにかく今は、生産したら補助金がなければ赤字だ、後から植えて育成する分を含めてやると赤字になるんだ、ですからコストを下げなきゃならぬということをおっしゃっていましたが、林道網についても、作業道などに大分林野庁も力を入れて、広域的な林道よりも、もっと簡易にできる林道ですね、作業道といったものの方がどうもコストを下げる上ではいいみたいな印象が現場におりますとするわけでございます。  そんな意味から見て、地域地域に合った補助体系というんでしょうか、これをひとつやっぱり考える必要があるんじゃないかなということを思うんですが、後ほどこれに対する考えをお聞きしたい。  ついでに、行ったり来たりしてばらばらになって申しわけありませんが、林業経営の上で大事な点は、植林をして、育林をして、間伐をして育てていくわけでございますけれども、地域によって、例えば下刈りなんというものは年数が違うんです。例えば九州の方へ行きましたら、あれは四十年ぐらいで伐採する可能性高いんでしょう、伐採する率が。ところが、東北なんかへ行きますともう六十年以上ですよ。また、雪が降る場合は下刈りというのを十年ぐらいやらなきゃいけないんですね、最低でも。それで今度除伐をやって、間伐なんというのは、五十年ぐらいになってから間伐というのをまだやるわけですよ。それで、山形県なんかでは五十年の間伐に対する補助金を出しているんです。  そんな意味で、地域に合った補助体系というんでしょうか、それから、本当に実際の林業家が使えるような、望んでいる補助体制というんでしょうか、木材産業の方々も同じでございますけれども、こういった点での構造改善、構造改革というんでしょうか、こういうことも長官が言ったように非常に大事だと思うんですけれども、この辺はこれからどのように対応していくつもりですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) まず初めに、路網整備に関してのお話でございますが、林業生産のコスト低減という中では、林内路網の整備というのは極めて重要であります。そのことは同時に、機械化、機械を末端まで入れて作業するということとも結びつくわけでありますが、林内路網を整備し林業機械というものを末端まで持っていけるようにする、あるいは、当然のことですが、集材・搬出コストの縮減を図る、そういう意味において、効率的な林業経営の展開のためには林内路網の整備は欠かせない課題だ、一番基礎になる課題だと、こういうふうに考えております。  現在、平成八年に閣議決定されました森林資源に関する基本計画、これは旧基本法に基づく計画でございますが、これでは、おおむね四十年後に林内道路密度というものをヘクタール当たり二十メートル。林内道路密度というのは林道と公道を含めたものでございますが、ヘクタール当たり二十メートル。それから、作業道についてはヘクタール当たり三十メートル。こういうものを目標にして、これはもう全国一律、平均値でこういう数字でございますが、掲げてございます。これに対して、平成十一年度末現在では、民有林での林内道路密度がヘクタール当たり十五メートル、作業道密度が四・四メートル、こういうようなことでございまして、特に作業道の密度はかなり目標に比べて低い、こういうような状況でございます。  このため、私ども基本的には、林道につきましては林道整備というような形での助成を行う、それから作業道につきましては、言うまでもなく、造林事業の中で作業道の開設というものが補助対象のメニューに入っているわけでありまして、そういう形で、特に今緊急に進めなければいけない間伐の推進、こういうものとあわせまして、林内の路網の整備というものに取り組んでいきたい、こういうふうに思っております。    〔理事森下博之君退席、委員長着席〕  先ほど申しました路網密度というものの根拠というのは、小型の運搬車とかトラクター、こういうものが集材をして可能な距離がどのくらいかと。これはもちろん地形その他で変わるわけでありますが、五十メートルから百七、八十メートルまで、こういうような距離で小型運搬車なりトラクターで集めるためにはヘクタール当たり先ほど言ったような密度というものが必要だと、もちろん平均値でございますが、そういうことで取り組んでいるわけであります。  ただ、先生御指摘ありましたように、これはあくまでも全国一律の平均値としてはそうなるということでありまして、現実には、それぞれの各地域、あるいは地形とかあるいは森林整備の状況ということによって取り組みは変わってくるわけでありまして、そういったことは当然のことながら補助事業の実施の中で弾力的に取り扱っていく、こういうことが基本だろう、こういうふうに思っております。  そのことは、実際に今お話しございましたように、各地域において、何というんでしょうか、造林事業一連の、新規の植林に始まって、下草刈り、保育、間伐、こういう一連の状況自体はかなり差があるのも事実でございます。私も聞いたところによりますと、そもそも杉なんかの場合、最初に新植をするときにヘクタール当たり何本植えるかということも地域によって大変な差がある。五千本、あるいは一番厳しいところでは八千本も植えて、間伐を繰り返しながら最終的に千本とか千本未満に育てていく、こういうようなかなりの地域差もあるというふうに聞いております。  そういう意味におきまして、各地域の実情に合わせて補助事業の実施に当たるということが重要でありますし、そういう意味におきましては、ただいま五十年の間伐というふうなお話が出されました。実は、昨年から開始をいたしました緊急間伐五カ年対策の中ではいわゆる四十五年生まで間伐として助成対象にするということで、それまでは三十五年までだったわけでありますが、十年拡大をするということを実施いたしました。そういう形で、間伐の対象も全国的規模でいえば拡大をしてそれぞれの地域が取り組みやすくする。  それと同時にもう一方では、またちょっと違った観点でありますが、抜き伐りを繰り返しながら複層林を育てていく、長期育成複層林施業というふうに申しておりますが、こういうことをやる場合には九十年生まで補助対象にする。いわば抜き伐りのうちの、抜き伐りとは言いつつも実際上は主伐に当たるようなものまで助成対象にする、こういうような道も開いているわけでありまして、こういった補助事業の対象をできるだけ拡大をしていく。  そういう中で、地域の実態に見合った形での森林施業が行われるように、補助対象になるように我々引き続き努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 植林から伐採まで一気にいろいろお話をいただきましたが、育ててつくる、そして切るまでの手だてというものについて、かなり国、県で対応しないと多面的機能を十二分に発揮できる光る林業というのはできないということだと思いますので、まずそれらの点について今後一層の御努力をお願い申し上げたい。  次は、このつくった材をもっと国民に使ってもらう、この方法を私たちは絶えず研究し、進めていく必要があるというふうに思うわけです。法律にも国はその責務があるというふうに出ておるわけでございます。  私、国として一生懸命やっているなというふうに思うのは、自民党の部会で各省庁を集めて国産材、木材の活用ということでいろいろ報告を受けますと、林野庁が一生懸命やっておって、各省庁がそれにこたえて努力をしているさまがよくわかります。しかし、中には余り一生懸命でない省庁もあるようですけれども。  とにかく長官、この辺、省庁間の協力をいただいて、国産材と余り大きい声で言うとWTOの問題だ何だかんだと言われますでしょうが、とにかく木材を使おうということについて、どのように努力されておって、どのような成果が上がりつつあるのか、またどういう点がまだ足りないのかというようなことがありましたら、まず国の問題から教えていただけませんか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいま国産材を各種の施設等にいかに利用していくかということでの関係省庁間のお話が出ましたので、若干御紹介というか、取り組みを申し上げたいと思うわけでありますが、平成八年に私ども木材利用推進関係省庁連絡会議、こういうものを設けまして、もちろん私どもが音頭をとっているわけでありますが、総務省、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、環境省そして農林水産省という省庁が集まりまして連絡会議を設け、木材の利用の推進に関する情報交換、協議等を行っている、こういうことでございます。この中で、いろいろな新しいアイデアが出されたり、省庁間での具体的な個別の事柄を定めた形での協力の取り組み、こういうことがあるわけであります。  例えば、こういう中から、平成十二年十月に設置した学校等施設整備における木材利用推進連絡会、これは文部科学省と林野庁の担当課長レベルで連絡会を設置いたしまして、学校等の施設整備において木材利用をどう推進していくか、連絡調整、情報交換を行うということで、十二年度にも三回ほど開催をいたしました。  そのほか、住宅等の建築物において木材利用をどう進めていけばいいのか、こういうことで、省庁間でそれぞれ担当分野があるわけでありまして、これらについての連携を図るという意味での勉強会を十二年十月から開催いたしまして、現在まで四回開催をしておりますけれども、住宅等建築物における木材利用上の問題点に関するアンケート調査とか建築部材の燃焼実験、あるいは木材利用を普及するためのパンフレットの作成、配布、こういったことを実施しているわけであります。  具体的に、例えば学校施設の木造化ということでは文部科学省に主としてお願いを申し上げているわけでありますが、昭和六十年度までに建築された木造学校施設というのが年十八校、こういう実績でありましたが、いろいろ取り組みをお願いいたしました結果、昭和六十一年度から平成十一年度までの十四年間に新たに約八百校、年平均でいいますと六十校弱の木造学校施設の建築がなされた、こういうことがございます。  それから、最近ところどころで工事現場等をごらんいただきますと目にされるかと思うわけでございますが、間伐材を各種の公共事業に活用していく。もちろん私ども、治山事業とか林道事業において治山ダムあるいは林道の防護壁、こういうものに間伐材を利用する、こういうことを進めてまいりましたが、これを国土交通省の所管しておられます河川とか砂防事業においても実施をしていただくということで、これについても林野庁と国土交通省で連携をいたしまして、地域ごとに間伐材の情報交換、どの程度の間伐が行われて、間伐材が供給されるというふうな地域での情報に基づいてそれぞれの工事でこれを活用していただく、そういうような形での地域ごとの情報交換の場の整備ということによって間伐材を河川事業、砂防事業で活用していただく。  そのことがもちろん間伐材の利用促進ということに役立つと同時に、やはり見た目というか自然を生かした国土の整備というか、川づくりという意味でも大変好評を博しているという意味におきまして、今後とも私ども、関係省庁と力を合わせてこういった形での取り組み、国の段階での取り組みに努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 大臣、既にお聞きと思いますが、この木材の利用促進については林野庁は並々ならぬ努力をしているわけでございます。  そこで、大臣にもぜひお願いしたいんですが、もちろんこれは林野庁は既にやっているんですけれども、建設省、河川とか何かでも木工沈床とか、そういうものをいろいろ扱うようになっていただいて非常にいい傾向だというふうに喜んでおりますが、同時に、やっぱり住宅政策というのは建設省がやっているわけです。ですから、住宅に対して木造化を促進することをぜひこれ強くお願いしたいなというふうに思うわけであります。  それから、厚生省でございますけれども、私もいろいろ病院なんか回ってみますと、病院というところには本当に木材がないんです。ところが、木材には院内感染というんですか、MRSAとかいうんですか、何かちょっと忘れましたけれども、院内感染というのを防ぐ力があるんだ、殺菌力があるんだと。ですから、例えば木造の小学校とか学校ではインフルエンザが余りはやらないんだ、こういうこともあるわけでございます。  私も、山形県で県立中央病院をつくることになりまして、ぜひ木材をいっぱい使ってくれ、こうは言ったんですが、結構使われてはおりましたけれども、あれでもいい方なんだろうかなという、そういう感じで見たわけでございます。  そういう木材の持っているよさというものを、ぜひ大臣が率先いたしましてPRをお願いしたい。既にやっていらっしゃることはよくわかります。それから、学校もよくなってまいりました。今後もひとつぜひやっていただきたいなと思うんです。  私、ずっと今まで見てきまして、役所でいいますと国と各市町村はよくやっていると思うんです。この前、参考人で参りました高知県の檮原町長さんですか、中越町長さんは、檮原の木を使って家を建てたらば五十万円か何か出しているとか、そういう町村では結構努力をしているんです。  私も町長のころ、金山杉というのは結構有名なんです。調査室で出した主要論点にも森林法のくだりで金山林業と出ていますけれども、ちょっとだけ。そこにも、金山杉を使って在来工法の住宅をつくったらば五十万補助を出しますよということで出している。今もやっていると思います。それは景観、大臣のおっしゃる美しい日本をつくるためでもあるわけです。  そういうことで、市町村はよくやっている。しかし、どうも県知事の号令を余り聞いたことがないんです。ぜひ各県の知事に強く木材の活用について大臣から督励をしていただければさらに進むのではないか、こういう気がいたしますが、今まで私が申し上げたことについて何かコメントがあれば、ひとつお願いしたいと思うんです。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 岸先生の御体験も通じてさまざまな御提言がございました。  私も、党の部会などを通じて国産材の利用拡大についてもいろいろ議論に加わったわけでありますけれども、まず第一に感ずるのは、なかなか設計屋さん、建築設計家の木材に対する理解というのが余りないというふうにも聞いております。こういったことにも我々、積極的な働きかけをしていかなくちゃいけないんじゃないか。  それから、関係府省に対しましても、国土交通省を初め、さらに強力に申し入れをしてまいりたいと思いますし、都道府県段階について、確かにお話しのとおりだと、私はそういう印象を持っております。特に厚生労働省について、私もある町から頼まれまして働きかけをしたことがあるんですが、そのときの返事はやっぱり耐用年数とかそういったことが問題だということを言っておりました。こういうことが都道府県の消極的な姿勢になっているんじゃないかと思うんですね。やはり市町村というのは現場ですから、地域材の利用ということに対して、ありとあらゆる努力をしているだろうと思います。  しかし、公共施設になりますと、直接、厚生労働省だとか国土交通省だとかそういうところと話をしますと、かなり理解を示して、今後検討するというようなそういう姿勢を示すんですけれども、都道府県というのは、中央省庁から示された従来の基準だとかそういったものに固執している面があるんじゃないか。言ってみれば、お役所仕事ということになっているんだろうと、かように思いまして、今後、農林水産省としても、直接、都道府県の土木や教育関係部局に対して要請をしてまいりたいと思います。  また厚生労働省、病院の話もありましたけれども、病院もさることながら、さまざまな福祉施設、特別養護老人ホーム等につきましても、何かあれは基準では、私の記憶は確かでないかもしれませんが、耐用年数六十年ということになっているんだそうですね。六十年なんて、今どき六十年なんかもたすところというのはほとんどないんじゃないですかね。木造にしても集成材その他相当強化されていますから、その辺のところも厚生労働省や関係府省に対して再考を求めたいと思います、六十年でなきゃならないという、その基準。中には、ビルでも何でも、マンションでも百年という話もありますけれども、そういうふうなことを今先生からいろいろ御指摘、御指導がありましたので、精力的に関係府省にも働きかけてまいりたいと思います。  もう一つは、地域材の利用については地方財政措置ということが大事なんだろうと。こういったことにつきましても、農林水産省としても積極的に、先生の今の御指導にこたえまして、頑張りたいということを申し上げたいと思います。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 どうも恐縮でございます。大臣、美しい日本をつくるには国産材を使うことだと、国産材の利用が拡大することは美しい日本ができることだと、こういうキャッチフレーズで、全国を駆けめぐることになるでしょうけれども、その場合にはぜひその言葉を皆さんにひとつ言っていただければ大変ありがたいというふうに思うところでございます。ありがとうございました。  さて、林野庁長官、もう一つ、私、林家から、どうしたら林業はよくなるんでしょうかと言うと、必ず言われることは税制の問題です。今、施業計画を持っている方々や、あるいは五分五乗の方式でしたか、そういう形で林業に対する税制はそれなりに優遇されている面もなしとはしません。しかし、問題は相続税でございます。林業家にとって相続税というのは大変な負担になっているようでございますね。これは特に大規模な方々です。大規模な林家が林業をやっていけないようでは日本の林業はあり得ないわけですから、やはり相当の面積を持った、たくさんという意味じゃなくて相当な面積を持っていらっしゃる方々の林業がうまく持続、維持していけるような、そういう相続税制をつくらなきゃいけないと思うんです。ところが、今は三十年に一遍ぐらいどんどん相続税を払わなきゃいけなくなるんです。これではせっかく立派な山が、蓄積のある山が細分化され、破壊され、小規模化していく、それが実態なんですよ。  これの回答は特に要りませんけれども、どうぞひとつ、私は、林野庁はあきらめないで相続税の対応をぜひやってもらいたい。これをやることが、やっぱり多面的機能を立派に果たす、林業が輝く一つの大きな柱ですよ。これを改革していけば、かなり林家が希望を持って長期的な視点に立った林業経営ができると思うんですね。コメントがあればしてくれても結構ですけれども、なければ結構です。どうですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 森林に関する相続税の問題につきましては、さまざまな議論がこれまでもございます。御承知のとおりでございますが、現状では一定の相続税の特例措置というものが設けられておりまして、一つは立木についての特例ということで、立木については評価額の八五%が課税価格とされる、一五%が割り引かれる、こういう特例がございます。  それから、もう一つは延納の特例でございまして、これは、それぞれの場合場合によって違っておりますが、延納期間というものが通常に比べて延びる、あるいは延納利子税率というものが通常の場合に比べて軽減される、こういうような特例が二点目としてございます。  それから、三番目には、御承知のとおり、保安林等については相続税についての特別の評価が行われるということでございまして、林地あるいは立木の通常の評価額から、いろいろ保安林ということで受ける伐採の制限の程度に応じまして三割から八割を控除できる、そういったものを控除したものが評価額となると、こういうような特例措置が現在設けられているわけであります。  しかし、岸先生御指摘のとおり、かねてから森林の相続税というのは、木を切る時期と相続の時期ということにずれがあった場合にどうするのかということを含めて大変な議論のあった問題でございますし、特に昨今、木材価格が大変低迷をしているという中で、そういう問題点がより鮮明になっているのではないかというふうな観点から、相続税の軽減についての要請ということも多数私どもの方に寄せられている、こういう状況にございます。  昨年の税制改正の議論の中でも、与党等の場でもいろいろ議論がなされました。それを受けて、またことしの税制改正におきましても、この問題、再度私どもも提起をいたしまして、ぜひ真剣な議論をしてみたい、こういうふうに思っているわけであります。  ただ、相続税というのは、相続税全体の体系と申しましょうか、そういう中でどこまで例外が認められるか、こういう意味での難しさがあるということと、もう一つは、特に林業経営につきましては、今回の法改正によりまして、山林に対するいろいろな規制の措置について一部強化された、そういうこともございます。その辺、全般を十分検討し、実態を十分踏まえながら、相続税の評価の適正化ということを含めまして、幅広い観点から山林相続税のあり方について私ども真剣に今後とも検討していきたい、こういうふうに思っております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 まだ質問も時間もあるわけでございますけれども、何かこちらの方から大臣を少し休ませろというような声もございますので、これで最後にいたします。  大臣、今までいろいろ申し上げてまいりましたように、林業の実態というもの、これは非常に厳しい実態にあるということは御存じのとおりでございます。それがゆえにこそ、こういう基本法を改めてつくったというふうに思うわけでございます。  結論的にぜひお願いをしたいことは、このように、この法律には国の責務とか地方団体の責務とか、あるいは林業者等に対しても責務ということを明記しておるわけでございます。こういうことを考えますと、やはり日本の国の林業を守り育てていくためには、どうしても公的な規制とか公的な関与というんでしょうか、公的な資金とか、そういった面での公の力がなければ、しっかりとした森を守り続けていくことは非常に難しいと私は感じざるを得ません。現に、今やっている林家の皆さんが、計算をしたら補助金がなければ赤字ですということをみんな言っておられる。そういう実態にあるということをお考えの上、ひとつ国民に広く理解をいただいて、これらの問題に対処していただきたいし、また同時に、この林業、森林を守っていくためには山村の維持ということが非常に大きなポイントでもあろうと思うんです。そんな意味におきまして、山村の振興と多面的機能の発揮ということは一体不可分のものである、こういうふうにも私は考えているわけでございます。  どうぞひとつ、これらを踏まえて、これから大臣に一層頑張っていただいて、日本の山村、森林に明るい未来がありますように、林業家が勇気を持って林業をやっていけますように、そんな意味を込めて最後にひとつ、もう一度御決意をちょうだいしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 岸先生が町長時代に美しい村、町づくりの構想を町民に訴えたというお話を私、先般お聞きいたしまして、我が意を得たりという思いを強くいたしました。  山元でありますとか地方の人々は、先ほども申し上げましたように、森と海は命のふるさとと、そういう思いは強いと思いますし、やはり森の恵みや緑豊かな国土ということについては、これは国民全体の責任で守っていかなきゃならないし、また政策もそういう考え方で推進していかなきゃならないというようなことはみんなわかっていると思うんですね。  ところが、だんだん戦後の社会経済構造の変化に伴いまして都市に人々が集中する、そして当初は、田舎やふるさとという思いで兄ちゃん頑張れ、父さん頑張れという思いが地方や農山漁村にも伝わってきたと思うんですけれども、昨今は何か納税者主義ということが私は少しゆがんだ形で伝えられているような思いがしてならないわけでございます。  一方においては、環境環境と環境問題に対する関心は強くなっております。地球温暖化の問題でありますとか砂漠化の問題でありますとか、そして環境重視の政治に対する国民の声というのは強まっているのでありますけれども、実際そこのところの接点が、我々の努力も足らないのかもしれませんけれども、やはり森林の多面的な機能発揮に向けては国民の理解と協力、むしろ国民合意の上でこういった政策は進められていかなきゃなりませんし、具体的には森林整備ということにつきましては、その社会的コストということについて、負担のあり方についても国民がそれぞれ積極的な負担をしていく、参画していくといいますか、森づくりについては国民がもう積極的にみずから参画していくということが私は一番大事じゃないのかな、かように思います。  その上に立って山村振興、言うまでもないことでありますし、これは山を守る、森を守る担い手とのかかわりのある、直結する問題でありますので、今度の基本法におきましても、そういったことも具体的な施策として強く打ち出されていると私どもは自負している次第でございまして、先生の今の御指摘というものは全く同感でありますので、そういう趣旨でさらに今後努力していきたいということを申し上げたいと存じます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 終わります。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時二十五分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、森田次夫君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として加納時男君及び木俣佳丈君が選任されました。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 休憩前に引き続き、林業基本法の一部を改正する法律案、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、森林法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 民主党・新緑風会の小川勝也でございます。  たまたま北海道の出身でありまして、北海道は広大な土地がありまして、四十七都道府県という区分が私たちの国にありますけれども、森林面積をとりましても一番の都道府県であります。  私は昭和三十八年生まれでありまして、ほかの委員の方に比べると少し年下なわけでありますけれども、それでも私が子供のころ、実家の家業がかじ屋、鉄工所だったものですから、林業がどのぐらい栄えていたかというのを辛うじて知っている者の一人であります。山に関係するいろんな会社の方々がうちの鉄工所に、林業に使う道具を直したり、あるいはつくりに訪れてきました。あるいは、疾風のごとく、よその地域から山の仕事に来て、その仕事が終わると帰っていくなんという人たちもいたように記憶をしております。  そんな山の景気がどこに行ってしまったのかというぐらい、今、この山の町、あるいは林業に関係している町村は切ない思いをしています。そして、かつて馬力があった営林署も、いつの間にか森林管理署という名前になって、あら、こんなところにこういう役所があって、そしてそのカバーする面積がこんなに広いのかと驚く次第であります。  言うまでもなく、林業は木材を産出して企業会計を運営してきた歴史があります。いわゆる外材が国内に自由に入ってくるようになる前までは、それは企業会計としても成り立っておったろうというふうに思っておりますし、非常に鼻息の荒い時代があった、そんな話も聞いております。  今、林業だけでなくて、さまざまな物資、あるいは製品、あるいは原材料が内外価格差の荒波にさらされています。ネギのセーフガードなんというのも記憶に新しいところでありますし、例えば北海道における炭鉱が次々と閉山に追い込まれたのも、これは輸入炭の方が安い、そういった原因からだったと思います。木材も今は輸入した方が安い。そして、昔は自分で木を植えて、大きくなったら切り出して、そのときにがっぽり元が取れるという産業であったのが、今は残念ながらそういう産業ではありません。  そして、今まさに木材産業だけにとらわれていいのかという本質的な問題に当たってまいりました。言うまでもなく、環境の面から、国土保全の面から、さまざまな多面的機能を有する森林を単なる産業としてとらえるべきではないという意見が大方の意見になってまいりました。今回の法律は、完璧とは言い切れないまでも、その公益的な面をより重視しようという方向性に賛成をさせていただきながら、幾つかの質問をさせていただきたいと思います。  さて、先ほど申し上げました企業会計の分野であります。かつてはこれは理論が成り立つ制度だったと思います。しかしながら、まるっきり競争力のない国内の木材産業とそして企業会計との相関関係、これを考えたときに、思い切って、私は、国土保全あるいは環境の面からというのを主体的にとらえた方がいいのではないかと考える者の一人であります。ですから、木材を産出した益で運営するというのは理にかなってはいないのではないか、こんなことを思っている者の一人でもございます。  ぜひとも、この機会でありますので、今に至っても国有林野が特別会計、企業会計であることの妥当性、この御認識をお伺いしておきたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 国有林野事業におきましては、平成十年に制定されました国有林野事業改革関連二法に基づきまして、管理、経営の方針を公益的機能の発揮を基本とするものに転換いたしました。また同時に、独立採算を前提とする特別会計から、一般会計の繰り入れを前提とする特別会計制度へ移行したことは先生御案内のとおりだと思います。  現在、先生御指摘のような材価が低迷しているというときに、収入の確保や、簡素で効率的な事業実施体制の整備等の収支両面にわたる努力を通じて財務の健全化を図っているところでございますが、これは大変なことでございます。しかし、引き続き新たな特別会計制度のもとで、一般会計から必要な経費の繰り入れを受けつつ、国有林野事業の適切な運営に努めてまいりたいと存じます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 公益的な面を強調するという言い方を私はさせていただきました。国有林であれ民有林であれ、この森林の恩恵を受けていない国民は一人たりともいません。そういった面から考えて、私たちのかけがえのない生活環境を保持する役割を持っている森林、国民の皆さんの負担でこれを何とかいい形にしていくというのは、政治の中で最も妥当性のある考え方だと私は考えています。  平成十年のときの改革には私は実は反対でございました。そのツケを林野の会計自体に残すというのは何か罰則を残したような感じで、非常に心苦しいものがございます。未来に向けて経営努力を引き続きやっていただくというのは当たり前のことでありますけれども、何とか国民のかけがえのない財産、会計の面からとらえるのではなくて、私たちが必要とする機能を保持するために何が必要なのかという発想の大転換が必要だと思っています。  ついでに、平成十年のときの改革の流れは現在にいろんな形で残っております。例えば流域管理システムなどということにすべて反対するわけではありませんけれども、私や大臣のふるさと北海道でとってみると、その十年の改革で何をもたらしたかというと、先ほど申し上げました営林署の統廃合であります。これは特別な歴史があって、こうなっていったいきさつもわからないわけではありません。  そして、例えば行政改革という言葉、これはいろいろな工夫をしながら同じ効果を上げるのにコストや手間を少なくしていく、こういう考え方だろうと思うわけでありますけれども、北海道では営林署、今の森林管理署でありますけれども、広いのでいろんなところにありました。そして、それは必要だからあったわけであります。そして今、合理化という目的の中で統廃合が進められて、一つの署が管理しなきゃならない面積がもう膨大になりました。これは正確な数字を持っているわけではありませんけれども、一つの森林管理署で県一県分ぐらいの広さを管理しているというのがざらにあるのではないかと私は思う次第であります。  そういう意味で申し上げると、合理的なものを追求するために統廃合はしたけれども、そして当然のことながら予算面からの問題もあるけれども、当初の目的を果たしていないと私は今断言できると思います。お金がないからこれぐらいしかやらないということではなくて、どのぐらい必要だからこのぐらいのお金を用意するという考え方、これが僕は正しいと思うわけでありますけれども、その統廃合の後、現在まだ合理化の途中のところもあろうかと思いますけれども、現在までのところを総括して、当初考えていた、いわゆる机の上で考えていたような機能が今まさに行われようとしている、その統廃合後の姿をどのぐらいの評価ができるのか、お伺いをしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいま御指摘のとおり、平成十年に成立しました国有林野改革二法に基づきまして、十一年三月に、それまで二百二十九全国でございました営林署を九十八の森林管理署に再編すると、こういうことを決定いたしました。当然、直ちにそのすべての機能を廃止するということもなかなか難しいわけで、暫定組織という形で存続を図ったわけでありますが、逐次これは平成十五年度までに廃止するということになっておりまして、本年八月一日には、これらの暫定組織のうち七割以上にわたる百五十カ所を廃止するということで現在作業を進めている途中でございます。  そういう意味におきまして、私ども今まだ再編の途上にあり、現在の効果というか、その再編の結果ということを的確に申し上げられるだけのものは十分持っていないわけでありますが、私ども少なくとも、この再編に当たりましても、実際に現場の最前線で国有林野を日常的に直接管理している組織というのは、御承知のとおり森林事務所でございます。これについては、全国に千二百五十六カ所あったわけでありますが、これはそのまま維持をするということにいたしまして、第一線での管理ということは引き続き森林事務所にお願いをし、ただ森林管理署につきましては、先生のお話のとおり、全国的に見ても、また北海道においても大変国有林は広うございますので、広大な地域を一つの管理署で管理すると、こういう形にこの八月一日から逐次変わっていくと、こういうことであります。  私ども、先ほど大臣が申しましたように、国有林が公益的機能を発揮するということを基本にするというふうに転換をしたということがございますし、国有林というのは何といっても地元あっての国有林であります。地元との関係をどのようにしっかりとしたものとしていくかということが重要だというふうに思っておりまして、ただいま申しました森林事務所につきましても、これから先、できるだけ経験のある、能力のある方を森林官として配置することによりまして、地元との密接なつながりというものをできるだけ確保するように努力していきたい。  ただ、もちろん、大変大きな組織の整理が行われるわけであります、いろいろ途上で問題点も出てこようと思いますが、私どもそういう気持ちを持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 私は予言者でもありませんし、哲学者でもありませんけれども、今、私たちの国がどちらかというと経済効率偏重の方向に向かっているんではないかということを大変危惧する者の一人であります。そして、経済というものが国の中でどのぐらい大切かということも人並みにわかっているつもりでありますけれども、例えば経済という言葉あるいは営み、これは我々人類の歴史からするとそう大きな歴史を持っているわけではありません。その前に、私たち人類は森林とのかかわりによってさまざまな恵みを受けて、そしてそこから文明をはぐくんでまいりました。  いろんな本を読んでみますと、例えば文明が崩壊したのは森林を大切にしなかったから、あるいは木を切り過ぎたからなどという教えをいろんな面から私たちは得ることができます。  そんなことを考えたときに、いっときの経済効率を優先して、今長官からお話がありましたようなことがあっても、私はいずれその正しさが認識されたとき、私たちは税金の多くを十分なだけこの森林の施業のために使う日が来ると私は信じています。逆に、そうするといっときの、平成十年の改革でこんなことはしたけれども、森林の重要性にかんがみ、またその支署をふやしたりあるいは分割させたりという時代が来るんではないか、こんなふうに思っているところであります。  さて、そんな大切な役割を持っている森林でありますが、今、二十世紀から二十一世紀にかけて、まさに地球環境が大切だと声高に論じられる時代になりました。世界の森林面積が減少している。これはいろんな原因があろうかと思います。例えば、遊牧の人たち、あるいはまだ燃料として使っている人たちもいるでありましょう。そして、先進国への輸出のために森林の伐採をしている人たちもいます。あるいは、国内の需要を満たすために森林の伐採をしている国も当然のことながらあります。  単純な話でありますけれども、森林を切ればその上に雲が生じなくなるので、これは地球全体の水の量は変わらないのでありますけれども、どこに雨を降らすかということで変化が生じてきている。あるいは、干ばつとか異常災害あるいは集中豪雨などもこれに影響しているというふうにも聞いています。  そして、何よりも私たちの国は、国内で産出する木材が高いので、産出が容易な安い国から買います。こういう国であります。しかしながら、森林の伐採の後の手当てがきちっと行われていればまだその罪が軽いわけでありますけれども、そううまくいっていないのも現状だと思います。そうしますと、これ大変な状況になってくると思うんです。  まず、世界の森林が今どういう状況にあるのか。私が、今、森林面積が減少しているんじゃないかというふうに言いました。その点とか、森林の伐採の後にきちっと植林がなされているのかどうか、今の時点で持っているデータの中から御所見を伺いたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 世界の森林の動向につきましては、FAOが定期的にいろいろな数値を含めて報告を行っております。そのFAOの報告によりますと、世界全体における森林面積のうち、先進国を含む温帯地域などの森林面積、これはほぼ横ばいないし増加傾向にある。しかしながら、熱帯地域では一年間に千二百六十万ヘクタール、これは我が国の国土面積の三分の一にも当たる広大な面積でありますが、これだけの森林が各年減少していると、こういうようなデータがFAOから公表されております。世界全体のマイナス分、プラスとマイナスを合計した上で千二百六十万ヘクタールの減と、こういうことであります。  その原因は一体何かということでありますが、これは数値的には示されておりませんが、FAOからの報告では、農地への転用、それからいわゆる非伝統的な焼き畑のための森林の伐採・燃焼、それから過放牧及び薪炭林の過剰採取、こういうものが主な原因として挙げられているということでありまして、これらの原因というのは、原因の事象からおわかりのとおり、後に植林がされているというものではありません。  そういう意味では、世界の森林、特に熱帯林を中心に非常に厳しい状況にあるということで、我が国におきましても、開発途上国における持続可能な森林経営の取り組みへの支援というふうな形で各種の技術協力、資金協力等によってこういった開発途上国における持続可能な森林経営の確立ということに向けた国際的な努力ということもこれから続けていかなければならない、こういうふうに考えております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 私は、森林というのは当然国内、これが大切なんでありますけれども、地球環境という点からいうと、ほかの地域で森林が伐採されているという問題が他人事ではない社会がもう来たんだと思っています。  そしてまた、国際貿易ルールの中でも、日本という国が、自国の木材を生産するのが高いから、途上国を中心として外国の山を切り倒して持っていくという姿が近い将来国際世論の非難の的になるような、そんな時代が来るのではないかというふうに思っています。  ですから、世界の一員としてあるいは先進国として私たちの国がやらなきゃいけないことは、自国で生産でき得る最大限の木材を産出した上で、そして足りない部分は輸入相手国の環境を損なわない配慮をしながら輸入をさせていただくというような時代が私は到来するのではないかと思っています。  その点、御所見をお伺いしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 林産物貿易につきましては、木材輸出国が中心となってこれまでも関税引き下げ等の市場アクセスの改善を求めてきているところでございます。  しかしながら、林産物は公益的機能を有する森林から供給される再生産可能な有限天然資源でありまして、次期WTO交渉におきましては、地球規模の環境問題、資源の持続的利用、輸出入国間の権利義務のバランスといった観点を踏まえた枠組みを確保しつつ交渉を行う必要がある、かように考えているところでございまして、このため、今後の交渉におきましては、シアトル閣僚会議で連携を図ったEU、韓国等への働きかけを行いつつ、持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールが確立されるように取り組んでまいりたいと存じます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 今、国内産材が非常にコストがかかるということで、市場競争力を失っている状態だと私は思っているわけであります。  例えば、伝統的な後背地に森林を抱えているいわゆる木材産業の拠点というのが北海道内にも何カ所かございますし、武部大臣の選挙区の中にもございます。今、大変な不景気あるいは不況にあおられて、地域の中核企業が大変残念ながら経営が立ち行かなくなるというケースも出てきております。そしてまた、大変切ない話でありますけれども、後背地に森林がある木材産業の中で、いわゆる海から遠いのにもかかわらず外材を輸入して、そこで製材をしたり加工をしたりというそんな工場も見受けられます。  今、概して言うと国内産材の市場競争力というのはどのぐらいあるんでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 先ほど来、先生御指摘のとおり、価格面において我が国の国産材と外材がどういう関係になっているか、こういう視点からの問題と、もう一つは、品質なりコスト面、供給面においてどのような外材との競争関係にあるか、こういう両面から見る必要があろうかと思います。  極端な話を申し上げますと、先ほど午前中にも申し上げたわけでありますが、基本的に木材の価格というのは、輸入物が八割を占め、国産物が二割、こういうような状況のもとではやはり外材に価格形成力がある、外材の価格というものが国産材というものを引っ張ると、これは明らかにそういう基本的な傾向があるわけでありますが、現在見られているのは一部の、例えば杉等でいえば、本来同様の用途で競争する輸入材に比べて国産材の方がむしろ安いというふうなことすら起きている、こういう状況であります。  それは決して、ですから、価格だけの問題ではなくて、品質とか供給面において国産材にいろいろ問題がある、こういう状況がまたもう一つあるというふうに私ども考えているわけであります。  品質面において端的な例は乾燥材の問題でありまして、米国産の製材品の乾燥材の生産割合というのは約六割が乾燥材だと言われているのに対して、国産材、特に杉でいえば一割しか乾燥材が供給されていない、こういうような状況にございます。  それからまた、供給面においては、国産材の流通というのは、森林所有者とか木材関係者が小規模で多数にわたっているということから、量のまとまりが小さい、大きなロットを形成できないということと同時に、多段階で複雑だ、こういう面がありまして、港に一挙に大量のものが届くという外材との競争の面でも競争力が十分ではない、こういうことがあるわけであります。  もちろんそのほかに、製材工場ということを見ましても、我が国の場合、小規模で零細なものが非常に数多いということで、欧米でありますとか北欧だとかそういうところのいわゆる製材工場と規模において格段の差がございます。これもやはりコスト面における大きな差になっているわけでありまして、こうした隘路をとにかく取り払って、国産材が品質あるいは性能の面において外材と十分対抗できる、そしてロットにおいても大量のものを消費地に供給できる、こういう体制をまずつくることが国産材の競争力を回復する上で今急務になっている、こういうふうに私ども認識をしております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 森林の分野というのは、先ほども大臣からの御答弁にあったとおり、循環ということが、これ、大事なわけであります。  木を切り出していわゆる製品にする、そして次に、今度、植えるわけであります。植えるといっても、植えたら後、大きくなるまで黙っているわけにもいかない。その間、いろんな施業、お世話をしていかなければならないわけであります。そして、競争力がないとかあるいは市場がうまく形成されないということになりますと、その間のいわゆるお世話をする部分のインセンティブが弱くなってしまいます。そうしますと、また製品にするときに競争力を失うという悪循環にも陥ってしまうんだろうというふうに思ってございます。  そういうふうに考えていくと、何らかの形で国産材を安定して切る、そして植える、お世話をしていくという、この長い期間の、スパンの安心感というかあるいは契約というか、そういった長期的な保障面がないとこれはなかなかうまく回っていかないんだろうというふうに思ってございます。  今、まさに材が安いんで、切っても手間賃が出ないといった話を方々で聞きます。何とか循環の中の一こまを支えていくということになりますと、競争力をあるいはインセンティブをどうやってつけていくかという話になるんだと思います。  今、例えば長官から製材のロットの話が出ました。そのほかに循環型の木材を育成するシステムをうまく維持していくためにどんな配慮があるいは策が行われているのか、あるいは今後考えているのか、その点をお伺いしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 一つは、先ほども先生若干お触れになられたかと思いますが、平成三年から流域管理システムというものを私ども提唱しているわけであります。もちろんこれは森林法の中にもそういう考え方が盛り込まれているわけでありますが、やはり流域を単位に森林を整備し、最終的には、木材を生産される森林所有者等の皆様方と、切り出された木材というものを加工して市場に提供していく製材業者、加工業者と言われる方々、こういう方々がやっぱり地域で連携をして、そういうそれぞれの分野を相互に関連づけてお互いの信頼関係のもとに、今先生がおっしゃるように、森林・林業というのは大変スパンの長い話でございます。そこに、例えば契約関係を結んで長期的な安定した供給体制を図っていく、流域管理システムの一つのやり方でございますが、木安法等を活用いたしましてそういう方策ができないかというふうなことにも取り組んでいるわけであります。  やはり本筋としてはそういうやり方で、我が国の森林所有者というのは大変規模が零細であります。それをこれから先、できるだけ施業なり経営という面で受託とかそういう形を通じて、大きな単位のものに持っていく努力ということと同時に、森林の所有者あるいは素材生産者という方々と、木材流通あるいは加工業者という方が地域ごとに太いパイプでつながっていく、そういう体制をつくり上げていくことが基本的に重要だろうと思っているわけでありまして、そういうために具体的にどういうことに取り組むべきか、現在も一部では成功した事例もあるわけでありますが、かなりの地域ではなかなかうまくいっているわけではありません。そういう点についてどういう方策を講じていけばいいのか、我々のこれからの大きな課題であるというふうに感じております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 もう一点お伺いします。  今、大変小規模だという話がありました。林家と呼ばれる林業経営者、そして先ほども少し触れましたけれども、加工を含めた木材産業の会社、それぞれ頑張っておられる方は非常に頑張っておられますけれども、総じて経営実態あるいは経営内容がどういう状況にあると把握しておられますでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) もちろん、総じて言えば、木材価格の低迷なり経営コストの増加、こういう中で厳しい林業をめぐる状況があるわけでありまして、林家の経営状況が厳しいというのは御指摘のとおりであります。  例えば、保有山林の規模で百ヘクタールから五百ヘクタール層、かなりの大規模というふうに言えるかと思いますが、これらの層の林家の年間林業所得というのは平均で見て百十一万円ということであります。これほどの規模において百十一万ということでございますから、小規模な層においては言うまでもなく、林業の経営意欲を失うようなかなり低下した状態になっている、これが残念ながら実情であります。  また、林家などから施業とか経営を受託して林業を営む林業事業体ということから見ましても、その経営状態は決して安定したものではございません。例えば、会社経営の林業事業体でもその過半が赤字になっている、こういうようなデータがあるわけでございます。  ただ、先生もお触れになりましたように、こうした中でも、例えば林家ということでいいましても、二十ヘクタール、三十ヘクタールの林家でありながら、例えば年間林業所得を四百万程度上げている、これは特に良質な木材の生産ということに努力をされている、こういう例でありますが、家族経営によってそういうことを実現しておられる林家もありますし、厳しい中ではありますが、頑張っておられる林家も当然あるわけであります。  そういうような小規模な方々も含めて、いわゆる林家と呼ばれる形でこれから林業をやっぱりまたしっかりやっていこうという皆様方、それからなかなか現実には難しいということで、みずからは林業経営が困難になったという方々から施業なり経営の受託を受けて林業経営を行う林業経営体、これらを育てていくことによって、今後の我が国の林業の中核になっていただきたい、こういうふうに思っているわけであります。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 今、長官から御指摘があった、例えば優良な経営ができる林家であれば、それはきちっとその山を守っていこう、そして愛情を込めてお世話をしていこうということになるのだと思います。私も、そんな多い回数ではありませんけれども、国有林、民有林含めて視察をさせていただいたことがございます。  例えば国有林をとってみても、なかなかその要員が少ないのでお世話ができない、そして、本来ならばもう間伐をしなきゃいけない時期なのにできていないんだ、あるいは、本来もっと上の方まで枝がない状態にしていなきゃいい材が出ないんだけどなどという話も伺いましたし、民有林の所有者の方からは、こんな材を売っても金にならないんだから金をかけて到底世話などできるはずがない、こんな話も伺ったことがございます。  国有林、民有林、そのそれぞれの肝心な中間におけるお世話、施業がどういう状況になっているのか、お示しをいただきたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 国有林、民有林それぞれについてのお尋ねでございますが、国有林につきましては、先ほど大臣からもお答え申し上げましたとおり、平成十年の抜本改革によりまして公益的機能の維持増進を旨とする管理経営方針に転換をするということで、重点的に発揮させるべき機能ということで、いわゆる水土保全林、それから森林と人との共生林、そして資源の循環利用林、こういう形で三つに区分をいたしまして、それぞれの地域ごとに計画的な森林整備に努める、こういうことであります。このうち、御承知のとおり、水土保全林、森林と人との共生林が全体の国有林面積の八割を占めている、こういう状況でございます。  もちろん、現在、国有林野自体といたしましても、三兆八千億あった長期債務のうち二兆八千億を一般会計に移管いたしましたが、一兆円の債務を抱えてこれから先、長期間かけて返済をしていかなければならない、こういう大きな任務もございます。  そういう意味において、一〇〇%完全に手当てがされているということではなかなかないわけで、厳しい状況もあるわけでありますが、基本的な仕組みとしては、そういう重点的な三区分に応じて計画的な森林整備に努めるということでの取り組みを現在国有林については進めている最中にある、その取っかかりについたところである、こういうふうに言えようかと思います。  一方、民有林におきましては、材価の低迷による林業の採算性の悪化などから、森林所有者のかなりの部分を占める小規模層を中心に、そもそも林業というものに対する関心のかなりの低下が見られる。そのことは、例えば間伐が全く実施されない、本来もうやらなければいけない時期なのに全く手が入っていない、あるいは伐採した後、植林をしなければならない、こういうことなんでありますが、それがなかなか行われていない。  そういう伐採後、未植栽の地域、土地というものが次第にふえているのではないか、こういう手入れの行き届かない森林の発生がかなり見られるということでありまして、今回の基本法を初め、一連の森林法を含めた改正によりまして、国有林、民有林を通じ、特に民有林については大変そういうことが憂慮されるわけでありまして、先ほど申しましたような重点的に発揮されるべき森林の機能ということ、そういうものに応じた施業というものに誘導されるように計画的な森林整備というものを進めるようにこれから本腰を入れて取り組んでいかなければならない、そういう状況に今置かれているというふうに考えております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 今、民有林のところでは間伐が実施されなきゃいけない時期にもかかわらず実施されていない山が多いとか、あるいは伐採した後、未植栽の場所が多いと、国有林の方は一〇〇%とは言えないと、そんな言い方でいいんですか。どのぐらいひどい状況にあるのか、もっと言ってください。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 国有林の場合、現在伐採しております森林のかなりの部分は、天然更新によって後を育てていくという部分が主体を占めております。そして、植林をして更新していくという部分については、これは平均値でございますが、伐採後約一・六年で新しく植栽をするというふうな形で進めておりまして、そういう意味におきましては、いわゆる先ほどもお話しのサイクルをつくっていくという意味ではもちろん十全ではございませんが、一定の作業というものを実施している、こういう状況にございます。  ただ、御指摘のとおり、いわゆる間伐については、民有林も含めまして国有林も全体的におくれているという状況があろうかと思います。この点については、民有林について今年度からいわゆる緊急間伐五カ年計画ということで間伐の促進を図っております。これにあわせまして、国有林においても間伐の実施に今後努力をしていきたいと、こういうふうに思っております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 民有林の悲惨な状況は一応納得しましょう。国有林がどういうひどい状況なのか、これを聞きたい。で、どういう計画に基づいてやっていきたいという話を聞いているんじゃないんです。間伐ができていない山が多いのか少ないのか、下草刈りはちゃんと行われているのかどうか、もっとわかりやすく説明してください。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 済みません。ちょっと今具体的に国有林における間伐の実施データを持っておりませんが、もちろん各森林流域ごとに国有林についても計画を立て、それに基づいて実施をすると、各営林局、営林署ごとに計画を立てて、お話しのとおり、今後の計画ではなくて実施状況がどうかというお話でございますので、ちょっと済みません、それは後ほどデータをお示しいたしますので、お許しいただきたいと思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 これからやりたいという話はわかるんですよ。人とお金はちゃんと足りているんですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) まず、人につきましては、残念ながら国有林については現在要員の縮減の真っ最中であります。平成十五年というのを目標といたしまして最低限これだけは必要だという人員に整理をする、こういうことであります。  したがいまして、これから先というか、現在もかなりの程度そうなのでありますが、実際の森林の整備ということは、具体的な作業というものは基本的に全面的に外注をすると、こういうことでありまして、それによって森林の作業を行っていく、こういう状況にございます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 現実的に私たち参議院議員は六年に一回選挙がありまして、好むと好まざるとにかかわらず北海道を一周回ってきました。大変な荒れ方であります。  それで、霞が関の机の上で、これだけの要員、最小限にしてこれだけの予算で何とかうまく施業してくれればいいなというその気持ちはわからないわけではありません。ちゃんと施業がされていないから、私はこう申し上げなきゃいけないんです。  どこに行ってもひょろひょろ林であったり、あるいは悲惨な状況であったり、そして先ほど申し上げましたように、今その組織改編、統廃合の真っ最中でありますから、その最終形態になるよりもまだましな状況かもしれない。どこに行ってもがらんとして人が少ない。そして御案内のとおり、外注にしているんだろうけれども、そもそも林業労働者自体減っているわけです。山の面積は減っていないんです。  そんな形で、本当にこれから、私たちが今議論しているような公益的な機能を森林に求めるならば、やはり林野の責任者として腹の底から、予算がもっと欲しいんだと、要員も本当はふやしたいんだと、そういう気持ちを伺いたいんですけれども、聞くわけにいかないですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 申しわけありません。その前にちょっと数字的に国有林野におきます間伐の実施状況について申し上げますと、これは平成十一年度のデータでありますが、間伐が二百五十七万立方メートル行われておりまして、資源の循環利用林、先ほど二〇%というふうに申し上げたわけでありますが、主として木材生産機能を中心とした地域でございますが、そこの中で今申しました間伐のうちの三四%が行われていると、こういうような状況でございます。  それから二点目というか、ただいまお話のございました国有林にとってお金がと、こういうお話でございます。正直申し上げまして、のどから手が出るほど欲しいというのが率直な気持ちでございます。私どももそう思っております。  ただ、問題は、平成十年に抜本改革を決定いたしました。この中では三兆八千億という膨大な債務の二兆八千億円を一般会計にお願いをし、一兆円は長期間をかけて自前で返済する努力を行っていくんだと、こういう計画でございます。現在そういった計画に沿って要員なり組織の縮減の話を初め、大変厳しい状況でありますが、それに取り組んでいる、そういう中で森林の整備、特に公益的機能を国有林が発揮する上で必要なこともやっていかなければならない。大変厳しい状況だというのは御指摘のとおりでありますが、こういった経過を踏まえ、我々としては与えられた範囲内で最大限の努力をしていきたい、こういうふうに思っております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 私たちは、この林野の部分はもっとたくさん予算をつけてもらいたいと思っています。頑張りたいと思っています。そして、当然のことながら放漫経営をしてもらいたいと思っているわけではありません。長官はあと何年かしたらもうこの仕事やめるわけであります。しかし、私たちのこの森林というのは、国有林、民有林問わずずっと更新はしていくけれども、次世代に、子供たちや孫たちにしっかりといい形で残していかなきゃいけない。  過ちは改むるにしくはなしなんということを言った人がいるけれども、この十年の一兆円残したのは私は絶対失敗だったと思っている。せっかく公益的な機能を追加して、後の世代に、百年後の世代にあの二十世紀最後の役人は何だったんだ、国会議員は何やっていたんだ、こう言われないようにしっかりと僕はやるべきだと思う。  ですから、今回のこの基本法もまあ消極的に一里塚の役割を果たすとは思うけれども、これはやっぱりあるお金の中で何とか施業しようということではなくて、むだ遣いしろと言っているんではない、しっかりとこの国の森林をいい環境で守るために幾ら必要なんだという概念から僕は出発するべきではないかと思っています。  多分大臣も同じ気持ちだと思うんですね。大臣のその辺の気持ちどうですか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 国有林大改革は歴史的な経緯がありまして、私も子供のころから国有林の中で育ったようなものであります。いろいろな問題がありました。したがいまして、今の先生御指摘のようなことは、私も全くそういう思いは同様であります。  しかし、やはり国の税金を、国民の血税を使ってこの改革を進めていくということについては国民の理解と協力ということが不可欠だと思います。そういう意味では、限られた条件下で最大限努力していくということ、そしてその努力の過程に今ありまして、国民の間からも、地元にありましても随分変わったなと、こういう評価もいただいているわけでございます。そういう評価を背景にして、今般の新しい基本法の理念であります森林の多面的機能の発揮というようなことについて国民の合意のもとに、今先生御指摘のような問題解決に努力していく、チャレンジしていくということだろうと思います。  いずれにしましても、国民の気持ちと、考えと、それから森林整備に当たる当事者との一体的な解決策ということを模索していかなきゃならない、かように思いまして、そのリーダーシップを私どもがとっていかなきゃならぬと、かような考えであることを御理解いただきたいと思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 苦しい決意の表明も伺いましたけれども、まだまだほかの支出の分野で国民のコンセンサスを得られていない、得にくい部分でむだに使われている部分が僕はたくさんあるんだと思います。そんな中でもっともっと林野の部分は自己主張すべきだし、国民にちゃんとその大切さを知らしめるべきだと思います。  数年前に、参議院の五十周年を記念して子ども国会というのがありました。私はその子供たちの声を聞いて、この分野に命をささげるというのはちょっと大げさですけれども、ライフワークとしてしっかりやっていこうという決意を固めました。  大人はすぐ、予算の配分が決まっているからとか全体で苦しんでいるんだから森林の分野だって苦労しなきゃいけないなんて思うけれども、子供たちは純粋な気持ちで、森が大切なんだ、私たちに生きるためのすべてを与えてくれるのが森なんだ、子供たち、小学生から、水源税を実施したらどうだ、あるいは環境税が必要だという意見が飛び出してきたんです。そういった意味でいうと、ほかの事業のどこがむだかということは今は言わないけれども、森林の大切さというのは小さな子供ほど理解しています。そういったことから考えると、もっと殻をばっと打ち破るべく、国民の皆さんのコンセンサスを得て、やはり税金の真っ先の使い道は森を整備することだ、これぐらいの馬力でやっていただきたいと思います。  さて、公益的な部分が盛り込まれている。当然民有林は民法上におけるいわゆる個人の資産であります。そういった中で、例えばしっかりと森の施業をしていこうとしたときに、やる人とやらない人がまだらになって出てくるという現実が生まれてきます。山間部の町村あたりで、町ぐるみであるいは森林組合の皆さんが特段に力を入れて何とか山をきちっといい形で施業していこうという話をいろんなところで伺っています。しかし、苦しんでおられるのは、連絡先が見つからない、ここからここまでの民有林の所有者が見つからない、見つかっても代がかわっていてうんでもすんでもない、こんな話をよく伺いました。  私は、ちょっとこれはとっぴな発想でありますけれども、例えば毎年毎年、手入れをしないならばもう没収しますよということをずっとその地権者に言い続けて、そしてその中で、私は山を持っているところに住んでいないので施業に出かけられない、だれかかわりに施業してくれませんかということでお金を払う人はそれでもいい。そうじゃなくて、荒れ放題、音さたなしにしている人、その人は、何年か警告を発したら、それは町有林なり森林組合なり国有林に没収するぐらいのことがあってもいいんじゃないかと思います。  公益的な部分を入れるというのは、私有財産としての立場もあるけれども、我々国民にとってかけがえのない多面的機能を発揮する森林だという、こういう意味だと思うんです。これは民法上の問題等もたくさんあろうかと思いますけれども、今の構想に対してはどんなお考えを持っていますでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 今回の林業基本法の改正の中では、新しい九条ということで、「森林の所有者又は森林を使用収益する権原を有する者は、基本理念にのっとり、森林の有する多面的機能が確保されることを旨として、その森林の整備及び保全が図られるように努めなければならない。」、こういうような「森林所有者等の責務」という規定を置いたわけでございます。その根底には、ただいま先生がおっしゃったようなことも含めて、やはり森林を所有するからにはそれなりの責任があるのではないか、こういうことが根底にはあろうというふうに私どもも思っているわけであります。  ただ、率直に申しまして、今お話しのとおり、民法上のあるいは憲法上の財産権と、森林の手入れをする、整備をするということが一体どこまで実際に現行憲法のもとで可能かということになると大議論があるというのもまた事実でございます。  そういう面では、今ちょっとちなみに御紹介を申し上げますと、森林法の十条の十から十条の十一の七まで、要間伐森林制度というのがございまして、間伐とか保育が適正に実施されていない森林というものを市町村長が発見するとか、あった場合に、それを特定して、所有者に間伐等をやりなさいという施業を勧告すると、勧告をしても施業が行われない、そのときに市町村とか森林組合が、ではかわって私が施業するよと申し出たとき、あるいはいろいろあるわけでございますが、最終的には知事の裁定によりまして、申し出を行った市町村とか森林組合との間で分収育林契約が設定されたものとする制度、こういうことによって事実上その市町村長がかわって間伐を実施すると、こういうような制度が設けられているわけであります。  ただ、実際には、こういう制度自体も最後の伝家の宝刀というふうな形でありまして、これを背景として市町村長さんが所有者にぜひやってくださいということをお願いする、できないんだったら森林組合にお願いをしてはどうですかと、こういうことで現実に対処されているというのが今の状況だろうと思います。  そういう意味におきまして、先生の御指摘になったこと、新しい基本法の九条にもかかわる一つの考え方としては十分わかるわけでありますが、現行の法体系のもとで直ちにそういうものを制定するということはなかなか難しいというのが私ども実務担当者の現在の考え方でございます。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 実は、これはいろんなことを考えている人がいて、例えば、世界遺産に登録された青森県の白神山地とか、あるいは知床半島のナショナルトラストなんというのがあります。天然林をそのまま保全することは極めて大切なことであります。しかし、民有林を所有されている山持ちの方でも、実際、施業しなきゃならないということをわかっていない人も今出てきているんです。おれはこの山を買ったけれども、そのままにしておくのが、これがいいことなんだというような考え方を持っている人まで今出てきていると言われています。  そんな部分もあって、これは民法との絡みでこれ以上申せませんけれども、これは逆に、私有財産をいわゆる市町村税で施業するというのも変な話なんですよね。これは課題として御検討いただければというふうに思ってございます。  さて、森林の持つ多面的な機能というのが大事なところであります。その多面的な機能の中で、山がきちっとしていれば土砂崩れも鉄砲水も起こらないはずなのになどという長老の方のお話を伺ったことがあります。そういった意味でいうと、いわゆる治山治水、これはコンクリートでやる部分が多いわけでありますけれども、今、まさに私の党は緑のダム構想、あるいはちょっと視点が同じか違うか詳しくは精査していませんけれども、田中康夫長野県知事も同様の緑のダム構想、こういう言い方をしています。  私は、例えばプロフェッショナルな人に山の安全、治水面を山としてきっちりと設計をして計画的に施業していけば、治山治水、あるいはダムにかわり得る能力を発揮すべき点が得られるんじゃないかと思います。この緑のダム構想についての考え方をお伺いしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 森林は、水資源の涵養、国土の保全、自然環境の保全等の多面的機能を有しておりまして、これらの機能を持続的に発揮させていくため、計画的かつ着実に保水力と土壌保持力がすぐれた森林整備を推進していくということが肝要だと、かように思います。そういう意味では、緑のダム構想も評価すべきだろう、かように私は思いますが、他方、ダムの建設による水源開発は、安定的な水利用を可能とする有効な手法の一つである、かように考えます。  社会経済情勢の変化を踏まえた事業の再評価を行うなど、その必要性を吟味した上で着実に推進していくべきではないか、かように思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 今、新しい二十一世紀になって、もとの建設省、今の国土交通省でさえダムの計画を大幅に見直そうとしています。あるいはもう既に中止を決めているところもたくさんあります。僕は、逆に林野庁の方から先に、こんなことは百年前ぐらいにもうやらなきゃいけないことだったんじゃないかなというふうに思っています。  例えば、木を植えることによってコンクリートを不要とするような施策なんというのもいろんな形で実行できるんだと思います。いろんな技術的なこともあろうかと思いますし、今、ダムもコンクリートもやや、小泉首相と逆でありまして、人気が落ちておりますので、この木をうまく生かす施業というのも研究をしていただきたいと思います。  そして、この森林の持つ多面的な機能で忘れてはいけないのが生態系の分野であります。最近はいろんな番組の中で森の果たす役割なんというのを教えてくれる番組もあります。例えば微生物、そして昆虫、そして鳥、あるいは小動物、こういう生態系が我々の生活に密接に結びついています。  そういった面から考えると、例えばどういう山にしていくのかという政策を決める、特に林政審議会のことを中心に、動物や植物や自然保護、こういった分野の専門家の人たちがいろんな意見を述べてくれる、こんな形が望ましいと思うわけでありますが、現状はどうですか。それと、将来に向けてこうしたいという方向性を教えていただきたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 林政審議会の委員につきましては、森林・林業政策全般について調査、審議をいただくということで、幅広い分野について学識経験を有する方にお願いするという考え方でございます。  今、先生から御指摘がございました動植物、自然保護という関係で申せば、現在お願いしております委員の中で、いわゆる自然植生に関する専門家の委員の方がお一人、それから昆虫についての専門家の方がお一人、それから環境行政についての専門家、自然保護行政の専門家という方がお一人と、こういう三名の方に委員をお願いしていると、こういうことでございます。  これから先、確かにそういう生態系の保全というかそういうことが森林・林野行政にとっても一つの大きな分野だろうというふうに思っております。そういう意味におきまして、今後の任命に当たってもこういう観点はしっかりと踏まえていきたいというふうに思っております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 哺乳類あるいは鳥類、この方はいらっしゃらないんですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 現在、ございません。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 これはなるべく意見を聞かれる場を設けていただいた方がいいと思います。  また逆に、さまざまな開発をいろいろしようとするときに、特に猛禽類の専門家の方が反対するので、大体嫌がっているんじゃないかなというふうに私は思っているわけでありますけれども、そういう大きなハードルも乗り越えていい山をつくっていただければというふうに思っています。  そしてまた、先ほど子ども国会の子供たちの意見を紹介させていただきましたが、私も今、施業のためのお金が困難であれば、今まさに道路特定財源さえも一般財源化しようとすることで、時代に逆行しているというそしりは免れないかもしれませんけれども、例えば水道水源、あるいは多面的な機能の中でいわゆるCO2の吸収とか空気を浄化するという点も森林の大きな機能でもありますので、例えばガソリンや軽油、こういったところから税金を取ることを考えないのかな、こんな素朴な疑問が浮かんでまいります。  役所としては、いわゆる水源税とか軽油・ガソリン税とか、森林保全のための税金なんというのは考えたことはないんでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 御承知のとおり、水源税については昭和六十年、六十一年度に私ども提唱いたしまして、導入を政府部内で検討した経緯がございますが、残念ながらこのときこの構想は実現には至らなかったと、こういう経過がございます。  現在では、水源税ということで申しますれば、幾つかの地方公共団体において法定外目的税としてこれを導入してはどうかと、こういうことの議論が行われているというふうに承知しております。私どもも大変この動向には関心を持っておりまして、ぜひ各都道府県、地方公共団体において活発に議論が行われ、よい結果が得られることを期待していると、こういうのが率直な状況であります。  それと同時に、もう少し広く、森林というものが多面的な機能を有している、国民がその恩恵を広く受けているという観点に立ったときに、森林整備のために何をし、その財源をどういうふうに一体社会的に負担していくのかと、こういうことは、今現在、検討することは不可欠だろうと思います。そういう意味におきまして、私ども林政改革大綱で、そういうような大きな方向、そういうことについて検討せよと、こういうことを打ち出しまして、それに基づきまして、現在、大学の先生方等を含めまして、各界の有識者による研究会を設け、幅広い観点から森林整備のための社会的コスト負担のあり方について研究、検討を行っていると、こういう状況にあります。こういうもので蓄積を図って、しかるべき時期に大きな声で言えるようにしていきたいと、こういう気持ちでございます。  ただ、今、軽油とか揮発油税のお話がございました。これについてはまさに道路特定財源の見直し問題ということが密接に関連するわけでありまして、これは経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針でも特定財源制度の見直しの問題が取り上げられております。今後、具体的な内容が詰められていく段階で農林水産省全体としてどのように対応していくのか、どのような対応が必要なのか検討していきたいと、こういうふうに考えております。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 最近、川の流れを見ていると、川幅が広いのに流れている量が少ないななんて思うことがあります。それは季節によってもいろいろ違うんでありましょうけれども。森林の面からいうと、一般的に針葉樹よりも広葉樹の方が保水力が高いんだ、こんな話を聞くことがあります。逆に、今、僕は見たことがないので、これは聞いた話でありますけれども、中国の黄河の水が途中でとまっているんですね。途中からもうかれ川になっている。それは、上流部で木を切ってしまったからだ、こんな話があります。  そして、常々思っていることでありますけれども、例えば、かつては森林を産業としてとらえていた、ですから材として売れるものを植える、これは当然、適切な考えだと思います。一般的に言うと、本州では杉、北海道ではカラマツ、こういうことになってまいりました。しかしながら、今、多面的な機能ということが盛り込まれてきたときに、果たしてそれでいいのだろうか。森林が最も多面的な効果を発揮するのは、例えば広葉樹と針葉樹の割合がこんなのだなんというのがあるんじゃないかなと思いますし、また、さはさりながら、多面的な機能だけを注視して、その材が売れないものばっかり植えてもしようがないわけであります。  現在の広葉樹と針葉樹の比率、これをどうとらえているか、そして将来に向けてどんな考え方があるのか、御紹介をいただきたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 我が国においては、戦後、大幅な人工造林が実施されたわけでありますが、それがまさに先生がおっしゃるような経済的な価値ということに重点を置いた、一面ではやむを得ない面があったわけでありますが、そのことによりまして、現時点で人工林面積が約一千三十万ヘクタール程度あるわけでありますが、その四四%が杉、二五%がヒノキ、お話の出たカラマツは一〇%を占めるということでありまして、針葉樹が大半を占めているということであります。広葉樹ということでありますと、人工林では残念ながら二十四万ヘクタールということで、全体の二%にすぎないというのが現状でございます。  ただ、保水力というお話が出たので一言申し上げますと、広葉樹と針葉樹によって保水力に差があるかどうかということについては、いろいろなデータはございますが、我々、公平な立場でいろいろのデータを見る限り、いわゆる水源涵養機能に関しては特に大きな変化はないと、それぞれ針葉樹も針葉樹なりに立派に保水機能を持っている、こういうふうに私ども基本的には考えております。  ただ、例えば、先ほどもお話に出ました森林の生態系だとかそういうことで、哺乳類、鳥類、そういったものには何といっても広葉樹が植えられて実が落ちるということが必要であります。それからまた景観という面でも、一律の杉の林だけではなくて、非常にすぐれた景観を持つ広葉樹というものが人の心に安らぎを与えるという面でも大変大きな役割を果たすという意味で、我々これから先の人工林施業においても、さらに広葉樹あるいは混交林ということをもっと積極的に取り上げていかなければならない、こういうふうに基本的に考えております。  では、具体的にどのような数値を目標にするかということについては、また基本計画を策定する段階でさらに詰めた上でいろいろ御提示をしたいというふうに思うわけでありますが、基本的な考えとしては、やはり森林と人との共生林を中心に、広葉樹の特性を生かした森林整備を進めたいということでありますし、現在でも、予算面でいえば広葉樹林整備特別対策ということで三十億弱の予算を計上しているということもございますし、最近では民有林における人工造林面積の約一〇%強が広葉樹になっている、こういうようなデータもございます。ただ、今もう非常に人工林の新規植樹面積というのは減っておりますので、全体を大きく動かすということではありませんが、既に一〇%を超える水準になっているということもあわせて御紹介を申し上げたいと思います。

小川勝也民主党・新緑風会

○小川勝也君 いいお答えありがとうございました。  経済的なものが伴うので、広葉樹をたくさん植えるべきだというのは一言で言えないわけでありますけれども、もともと人工林面積がここまでふえる以前はもっと広葉樹のシェアが高かったんだろうというふうに思ってございます。  長官からお話がありましたように、哺乳類、これも非常に大切な役割を果たしております。緑の回廊などというのもいろいろ御研究、そして実行されているようでございますし、何はともあれ、私たちの生きる原点がやはり森林にあるんだということを再確認させていただいて、そして多くの国民にこれをまた御理解いただく中で、お金がある中で何かを実行するということではなくて、むだ遣いはしないけれども、必要なお金、予算は確保する。この意気込みによって将来恥ずかしくない森林につくり上げるためにいろんな御研究をいただいて、またプランを立てていただきたいと思います。  私たちは私たちの立場で、そういうときにはお手伝いをさせていただきたいと思っておりますし、もしできればこっち側から逆に御提案をするようなこともあるかもしれません。この林業基本法の審議を境にして、また森が一層大切にされるような国になるように頑張っていきたいと思います。  きょうはありがとうございました。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  今回の林業基本法の改正は、木材の生産を主体とした政策から、森林の有する多面的機能の持続的発揮を図るための政策へと転換するものであり、我が国の現状を考えれば適切な改正と考えております。森林の有する多面的機能の中でも国土・環境の保全、地球環境を守るという視点は非常に重要でありまして、今回の基本法の改正でも第二条にきちんとその趣旨が盛り込まれているわけであります。そういう意味で、これらの三法案の改正には賛成の立場であります。  さて、今日、国民の環境保全に対する意識が急速に高まっておりまして、森林の有する多面的機能に対する理解も徐々に大きくなっている、そのように考えております。そのような森林の果たしている重要な役割を理解していただくための活動の一つとして、ボランティア団体による植林活動を促進していこうという機運が高まっているわけであります。  そこでお伺いしたいと思います。  今回の林業基本法改正案並びに森林法の改正案では、ボランティアグループ等の民間による植林活動をどのように支援していこうとしているのか、この点をお伺いしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 御指摘の点につきましては、特に新しい基本法の十六条で一条を設けまして、「国民等の自発的な活動の促進」ということで、「国は、国民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体が自発的に行う緑化活動その他の森林の整備及び保全に関する活動が促進されるように、情報の提供その他必要な施策を講ずるものとする。」という条項を設けているところであります。これから先、この条項を根拠にしつつ、ボランティアによる各種の森林整備の活動というものを私ども積極的に支援していきたいというふうに思っております。  ただ、もちろんその前段として、かなりの盛り上がりというか、ボランティアによる民間の植林活動等が進んできております。ちょっと御紹介申し上げますと、平成十二年には、こういった森林整備に参加する森林ボランティア活動を行う団体は全国で五百八十団体、こういうことになっておりまして、これは三年前の二倍以上と、こういうような数字になっております。これは、そのことによって森林整備が進むということももちろんございますが、それ以上に、国民意識として、森林・林業の重要性、あるいは森林の持つ多面的機能の持続的発揮ということの重要性を国民に理解していただくという意味でも重要な取り組みだというふうに思っております。  このため、私ども、ボランティア団体等の主体性は十分尊重しながら、ボランティア団体を指導する技術者の登録・派遣だとか、指導者を対象とした研修、あるいは全国情報の受発信、あるいは活動拠点になるフィールドの整備など、これまでも進めてまいりましたし、これからもさらに力を入れていきたいと、こういうふうに考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 今、エコツーリズムとかグリーンツーリズム、あるいは学生の体験学習の一環としてこのようなボランティアの方々が植林をする場合があるわけでありますけれども、その場合に国有林を利用させてほしいと、そのようなことを申される方があるわけでありますけれども、そのような場合に、どのような国としての支援策を行っているのか、その点をお伺いしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) そういった場合に、国有林を活用したいという声にはできるだけ私どもおこたえをしたいというふうに思っております。  具体的には、森林ボランティア団体等に森林づくりの活動の場を提供するという意味で、ふれあいの森というのを国有林の各地に現在百一カ所全国で設けておりますが、こういうものを設けて、そこにボランティア団体の方においでいただいて植林等の活動をしていただく、こういうことで、これまでに五十八団体が御参加をいただいております。  それから、そのほかの取り組みといたしましては、青少年による森林愛護あるいは国土緑化の機運をはぐくむということを目的といたしまして学校分収造林制度というものがございます。これは、土地を国有林が提供いたしまして、生徒児童がそこに行って木を植える、木を育てるということで、分収林の形でそれをやっていこうということでございまして、十二年度末現在で、全国で約千九百件、六千七百四十一ヘクタールが学校分収造林という形で利用されている、こういうことでございます。  このほか、季節になりますと、各地域、各営林局あるいは営林署ごとに植樹祭等も開催をいたしまして、地域、近隣の皆様方に植林活動の機会を提供している、こういうこともあるわけでありまして、今後とも、そういうボランティアの活動の場として国有林を活用するということには私ども積極的におこたえをしていきたいと、こういうふうに考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 林業基本法の改正案の第二十条では、人材の育成及び確保に関して、国は、教育、研究及び普及の事業の充実その他必要な施策を講ずることを規定しているわけでありますけれども、先ほどの森林の環境教育、そういうものに対してさらに取り組みでつけ加えるようなことがあれば、あるいは今後このような方針でさらにこの環境教育を促進していく、そのようなことがあればお伺いをしたいと思うんですが、武部農林水産大臣、お願いします。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 体験を通じた森林環境教育の機会を子供たちを初め広く国民に提供していくことが重要だと考えておりまして、現在、文部科学省との連携による森の子くらぶ活動や、小中学校における森林・林業教育活動への支援等を実施中でございます。新たな基本法を踏まえ、今後とも関連施策の推進に努める所存でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 今、森の子くらぶのお話もあったんですが、文部科学省としまして、このような義務教育の中で林業の体験学習をどのように推進していく方針なのか、その点をお伺いしたいと思います。

田中壮一郎文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(田中壮一郎君) 小中学校におきます林業に関する体験学習についてでございますけれども、文部科学省といたしましても、子供たちに、森林資源の重要性を初めとしまして、その育成や保護に従事している方々の工夫や努力などについて理解させることは重要であると考えております。特に、森林にかかわる体験的な活動を直接経験いたしますことは、児童生徒が森林等に関する理解を一層深める上で有意義なことであるというふうに考えておるところでございます。  このような観点から、小中学校におきましては、特別活動等の中で、勤労生産活動あるいは自然体験活動として、林野庁の御支援もいただきながら、例えば植林や下草刈り、炭焼き、植物や動物の野外観察などといった活動が行われているところでございます。  また、学校外の活動といたしましても、先ほど大臣からお話がございましたように、全国子どもプランの一環として、林野庁と連携いたしまして、森の子くらぶ活動推進プロジェクトを実施させていただいておるところでございまして、平成十二年度は二百六十九カ所の受け入れ可能な施設が登録され、全国各地で青少年の森林体験活動が実施されたところでございます。  また、現在、児童生徒の社会奉仕体験活動や自然体験活動等の体験活動の充実・促進を目的といたしました学校教育法及び社会教育法の改正案につきまして参議院において御審議をいただいているところでございますけれども、これらの法改正を契機といたしまして、森林等に関する体験も含めまして、各学校におきまして、地域や学校、児童生徒の実情を踏まえた多様な体験活動が行われますよう、林野庁を初め関係省との連携をより密にしながらその促進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 今お話がありましたけれども、森の子くらぶ活動推進プロジェクトの受け入れ可能な施設が多くあるわけでありますけれども、私、資料を見せていただいたところが、北海道と福島県では一カ所しかないという状況でありますので、これからもそういう受け入れ施設をふやす努力をしていただきたいと、そのように思っております。  それから、いろいろ民間の方々でも、例えば温泉郷の旅館の方々なんかは、都会から来ていただいた人に近隣で、国有林での植林も体験させてあげたいというような、そういう希望を持たれる方もありますので、そういう方々にも柔軟に対応していただけるようによろしくお願い申し上げたいと思います。  では、次の質問をさせていただきます。  東北の青森県、秋田県両県にまたがる世界遺産、白神山地は、ブナの原生林が残る貴重な山林地帯でございまして、そのすばらしい自然を保護しよう、あるいは日本人としてそのすばらしい地域を訪れようと、そのような希望者も多くなっておるわけであります。  そのような中で、白神山地を保護するため、その緩衝地帯となる周辺の国有林において、森林伐採により失われたブナ林を植林によって再生しよう、そのようなボランティア団体の動きも活発になっているわけであります。このような活動に対して国はどのような支援を行っていく方針なのか、その点、林野庁にお伺いしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 御指摘のございました白神山地は、世界遺産地域ということで指定を受けて、森林生態系保護地域として自然環境の保全に配慮した管理を現在行っているわけであります。  この地域の周辺の国有林について、今先生御指摘ありましたように、NPOあるいは地元の自治体等から、住民参加によるブナの植栽を行うためのフィールドの提供、これは全部国有林でございますので、提供ができないかと、あるいは、先ほどお話ししましたふれあいの森の設定ということでの御要望が寄せられております。  私ども、基本的にこういう要望にこたえて、白神山地周辺にブナの植林のフィールドの提供、あるいはふれあいの森の設定を通じて、地域住民によるブナの植栽、保育等の活動を支援しているところでございます。今後とも、そういう意味では積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っておりますが、現在でも、東北森林管理局の管内で二カ所、それからふれあいの森が一カ所、さらに、青森分局の方におきましても一カ所におきまして、住民参加によるブナの植栽あるいは保育ということが可能な場所の提供を行っているところでございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 このような大事な白神山地を守っていくための国の予算あるいは人員の配置等もしっかりやっていただきたいと思います。  時間の関係上、質問を一部省かせていただきます。  この白神山地を地元の方々も受け入れて、訪れる方を森林ガイド活動ということで支援をしているわけでありますけれども、東北森林総合研究所の横田泰裕氏が行った秋田県の藤里町と八森町での研究によりますと、このようなガイド活動に関して問題点が指摘されております。プロとしてのガイドには高い能力が要求されるが、ガイド専業では生計を立てられない。一方、ボランティアのガイドでは平日の要求にこたえられない、あるいはガイド能力が不足しているなどの問題点がある。また、ガイドメンバーを支援する組織、地域の自治体やボランティアグループなどの活動が強化される必要がある。あるいは、三番目としましては、木道の設置などガイドフィールドの保全対策の確立が必要である。そのようなことであります。  林野庁としまして、第三番目のガイドフィールドの保全等に関しましてどのような対応をされていくのか、この点をお伺いしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 白神山地自体は、世界自然遺産地域ということで、立入禁止を含めて厳重に保護されなければならない地域、あるいはそれに準じた地域等を設けてしっかりと守っていきたい、こういう基本的な考え方でございます。  ただ、御指摘のとおり、実際に多くの方々がまたここを訪れたいという希望もありまして、お話しのとおりガイド活動等をしっかり行うことが重要であると、こういうふうに思っておりますが、関係省庁等で基本的な管理計画を設けておりまして、現地の藤里森林センター等において保全管理を行っているわけでありますが、いろいろ試行錯誤を含めまして、我々、今後とも改善すべき点は改善して努力をしていきたいと思います。  まず一つは、具体的には、世界遺産地域巡視員として委嘱したボランティアの方々による、地元関係者も加えた合同パトロールというのを実施するというのが一点。それから、区域内の既存歩道、あるいは看板とか標識類、こういうものを整備する。それから、一般市民を対象とした登山とか森林浴の実施。あるいは、森林の現況をインターネットのホームページで情報を提供する普及啓発活動。それからあとは、やっぱりモニタリング調査を行う必要があるだろうということで、森林総合研究所東北支所との共同によりましてモニタリング調査を共同実施する。こういうような活動を行いまして、先ほどお話し申し上げましたような森づくりという意味でのフィールドの提供とあわせて、世界遺産としてしっかりと後に残すという意味での管理にも努力をしていきたいと、こういうふうに考えております。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 貴重な世界遺産でございますので、しっかり守っていただきたいと思います。  そういうガイド活動に関しまして、森林インストラクターというものが大事な役割を果たすのではないかというふうに思います。この点に関しまして、今後の養成の方針、支援方針みたいなことを大臣としてどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 森林を利用する一般の方々に森林の案内や体験活動の指導などを行う森林インストラクターは、平成十三年二月現在千百三十二名となっております。  その活動状況については、その登録を行っている団体が実施したアンケート調査によりますと、平成十二年度は、回答者の平均で年間十七日程度、森林ボランティア活動や体験学習などの指導者として活動しているとの結果が出ているところでございまして、今後、森林と人との共生や都市と山村との共生、対流を推進していくことが重要と考えておりまして、このため、国民参加の森林づくりや森林環境教育の推進に取り組む中で、森林インストラクターの積極的な活用に努めてまいりたいと存じます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 若い人方にも、こういう森林インストラクターとして、そういう自然を守る、森林を守るという点で活躍していただきたいと思います。  次に、松枯れ対策についてお伺いをしたいと思います。  私も、日本海側あるいは松島湾の近辺へ行きますと、大事な日本三景である松島も松枯れで大変な被害を受けている、日本海側、秋田、山形の近辺でも大変松枯れの状況が厳しい状況にありまして、この対策が求められているわけでありますけれども、ただ単に松くい虫だけが問題ではなくて、やはり環境汚染ということが非常に大きな影響を与えているんじゃないか、そのように思っているわけであります。薬剤散布、伐採、焼却といった今までの対策だけではなく、こういう環境汚染を考えた対策というものが必要なのではないか、そのように思うわけでありますけれども、この点に関しまして林野庁のお考えをお聞きしたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) いわゆる松枯れにつきましては、昭和四十年代後半から急増をいたしまして、昭和五十四年度、これがピークだというふうに考えておりますが、二百四十三万立方メートルが被害を受けるということで、その後、減少傾向で推移をしておりますが、地域的には北上を続けておりまして、現在では北海道と青森県を除く四十五都府県で発生しているという状況でございます。  この原因につきましては、もう先生御承知のとおりでございますが、マツノマダラカミキリが運ぶマツノザイセンチュウがこのような激しい松枯れの原因だと、こういうふうに私ども考えておりまして、こうしたことを基本に対策を講じているということが現在の状況でございます。  なお、平成十一年度の被害量で申しますと、先ほどピークが二百四十三万と申しましたが、七十二万立方メートルと、こういうような状況でございます。  その松枯れの原因として、松くい虫のみではなくて他の要因、大気汚染等の要因があるのではないかというふうなお話がございました。これにつきましては、私ども、いろいろな文献、いろいろな研究成果等も集めているわけでありますが、必ずしもそういうデータは得られていないというふうに思っております。  たまたま、実は私ども、酸性雨が森林にどういう影響を及ぼすかということでのモニタリング調査を平成二年度から実施をしております。こういう結果を見ましても、これは酸性雨がどういう影響を与えるかということが主眼でありますが、森林等の衰退兆候というふうなことでいいますと、必ずしも衰退兆候というのは、あらわれているところはごく限られている、こういうことでありますし、その原因自体も過密とか被圧の影響というものが圧倒的多数を占めておりまして、議論としてはあり得るわけでありますが、現在、なかなかそういう意味での、松くい虫以外の要素があるのではないかということに関しては、私どもも確たる知見は持ち合わせていない。やはり、松くい虫あるいはマツノザイセンチュウ、マダラカミキリ、こういうことに焦点を絞った対策が重要ではないかと思っているわけであります。  ただ、御指摘のとおりのことで、例えば伐倒駆除とか薬剤散布だけではなくて、薬剤の樹幹注入による対策、あるいは天敵を利用するという意味でアカゲラ等の巣箱を多数設置して生物的な防除を図るとか、そういうことも組み合わせて効果的な松枯れの防止ということに現在取り組んでいる状況でございます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 なかなかすばらしい松の景観、松島とか象潟とかあるわけなんですが、そういうところの大事な松が失われてしまいますと観光価値も減ってしまうということで、松枯れ対策、いろいろな研究成果を生かしながらしっかり取り組んでいただきたいと思います。  最後になりましたが、今回の林業基本法改正案の中で基本理念の一つを示した第三条二項では、林産物の利用の確保が重要である、そのように述べられているわけであります。その意味で、バイオマスの利用を含め木材利用の促進をしていくべきと、そのように考えますけれども、この点、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 木材は人や環境に優しいすぐれた資材でありまして、その利用を通じて我が国林業の活性化、森林の適切な管理に資するものであることから、木材利用について国民への普及啓発を図るとともに、住宅や公共施設等への地域材利用の促進、またバイオマスエネルギーとしての利用など、木材の利用促進に取り組んでまいりたいと考えているわけでありますが、このうち、木材のバイオマスエネルギー利用については、地球温暖化の防止や廃棄物の減量化等により、二十一世紀の我が国を循環型社会としていく上で極めて重要と考えております。  今後とも、関係府省と連携を密にいたしまして、積極的に促進してまいりたいと存じます。

渡辺孝男公明党

○渡辺孝男君 ありがとうございました。

山下栄一公明党

○山下栄一君 先週、たしか水曜日だったと思いますけれども、特殊法人等の改革基本法が、これは議員立法で成立いたしました。これにつきましては我が党も、これは与党参画前から行政改革の柱として取り組んでまいりまして、法案化の作業も進めてきたわけですけれども、先週水曜日成立したということは、非常に大きな意義がある、枠組みができたと、このように考えておるところでございます。その基本法に基づいて、政府のもとに特殊法人等改革推進本部、本部長総理大臣、設置されまして、厳しい事業見直しを含めて改革に取り組んでいくと。現内閣は構造改革に全力で取り組んでおられて、聖域なき構造改革、激しい反対の動きもある中で進めようとされておるわけでございます。もちろん、農水省所管の特殊法人もある。  そんな中で、六月二十二日には、既にさきにスタートしておりました行革大綱に基づく行革推進本部事務局で各特殊法人の事業の見直しがずっと行われてきた。そして、中間取りまとめが行われて発表されたわけでございます。    〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕  この中間報告を読みますと、「「聖域なき構造改革」の一環として、特殊法人等改革についても、「民間に委ねられるものは民間に委ね、地方に委ねられるものは地方に委ねる」との基本原則のもとに、特殊法人等をゼロベースから見直し、財政支出の大胆な削減を目指すこととしている。」と。そして、「この中間とりまとめに基づき、まずは各特殊法人等の事業について、廃止、整理縮小・合理化、民間・国その他の運営主体への移管等の具体的な見直しの結論をできる限り早期に得るべく、各省庁等における」、農水省も含まれておると思いますが、「積極的な対応を求めるとともに、各方面から寄せられる御意見も参考としながら検討を進めていく。」と、このようにございます。  ただいま、緑資源公団、平成十一年に新しくまた新体制が発足しました。それぞれ事業もあるわけですけれども、事業についても一つ一つ厳しくいろいろ見直されつつあるわけですけれども、小泉内閣の一員でございます武部大臣も、農水省の構造改革に取り組むために大臣に就任されたのではないかと私は思うわけですけれども、こういう大作業についての閣僚の一員としての決意をお聞きしたいというふうに思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 小泉内閣における聖域なき構造改革、またゼロベースというようなことで、すべてのものを徹底見直しをするということについては私も全く同じような考えでございまして、農林水産省関係につきましてもぜひそういう決意のもとに努力をしていきたい、かように考えております。

山下栄一公明党

○山下栄一君 林業の関係で事業を取り上げますと、例えば水源林造成事業というのが緑資源公団の事業としてある。この事業が、公団をもし廃止するとしたらどこがこれを承継するんだという、そういう観点からの考え方も私は大事だというふうに思うわけでございます。  それで、この水源林、水源保安林、これは国民すべてに公益的な使命があると。だから、民間の民有林の森林所有者ですか、非常に人類にとっては大事な財産だけれども、そこは私有地だと。だけれども、その方は高齢で、施業ですか、そういう取り組む力もないということですよね。だからそれを公団でやるというふうなことになっていくとは思うんですけれども。  一般会計の公共事業にもこの水源保安林の造林事業というのがあると。森林保全整備事業の中に位置づけられておるわけです。これと、公団が行う同じ水源林の保全のための造成事業ですか、これは、だからどこが違うんだと。違うから別にすみ分けてやっているんでしょうけれども。  それは今のままでいいのかという観点で、また国民の関心も物すごく高まっている中で、そういう国民の意欲を結集する形で、森林所有者の方が意欲を失って荒れ放題になっているところを、公団という仕組みではなくて国民参加型で何かできないのか、そういうことも考えていくのが私は本来行政の新しい使命ではないかと。コーディネート機能というんですかね。公益的機能だから公団というふうに結びつかなくてもいい時代を迎えていると。それほど国民の関心が高まっているんだから、それを生かす形で、その森林所有者も元気が出るような、そんな仕組みができないのか、こんなことを私は考えておるわけでございます。  一般会計でもやっている、同じように似たようなところが。それを公団でやらにゃいかぬ理由を明確にお答え願えますか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 前に幾つかの事業の、あるいは森林の整備という関係のところでも申し上げたかと思いますが、森林の持っている水資源の涵養という機能を十全に発揮するためには、植林に始まる一連の森林整備の作業が必要だと、こういうことであります。そのために、基本的には、民有林につきましては民間の方々がそういうことをみずから行う、それは財産としての材木が将来できるということを期待してそういう行為をする、それに対して国が助成を行ってそうした活動を積極的に推進する、しかも、でき得れば公益的機能が十全に発揮できるような方向にそれを誘導するという意味で助成を行っているというのが、一般会計で森林整備という形で助成を行っている形であるわけであります。  それに対しまして緑資源公団が実施しております水源林造成事業というのは、そもそも民間の所有者が持っておられる土地なんだけれども、民間の方ではもう造林をしようという全く意欲がわかない、あるいはなかなか期待できない、そういう奥地の水源林である、しかし水源涵養の上からは大変重要な保安林等であって、ぜひそこで立派な森林を整備したい、そういう場合に緑資源公団がいわば所有者にかわって事業を実施する、こういうふうな形で設けられた仕組みだと、こういうことであります。  もちろんそのほか、大変奥地でございますので、いわゆる上流から下流まで非常に広範に受益がわたる、それを一定のごく上流部に公的資金を投入するということから、国としてやるべきではないかというふうな話であるとかさまざまな要因はあるわけでありますが、基本は先ほど申しましたような点であります。  現在、森林所有者等による森林の整備ということが、ただいま申しました奥地の水源地域以外においても大変厳しい状況に置かれている、通常の場所でもなかなか手入れを行うということがおくれている、そういうような状況の中で、奥地における水源林を造成するという意味においては、こういった公団による植林というものが大変有意義、それなりの意味を持っている、こういうふうに私ども思ってこれまで進めてきた、こういうことでございます。

山下栄一公明党

○山下栄一君 一般公共事業でそういう水源林の地域の施業を行う主体、作業を行う主体というのですか、それと公団が行うときに実際作業を行う主体というのはどういうふうに違うんでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 基本的には、森林所有者自体が自分で森林施業を行うという場合には、もちろん自分で木を植えたり下草を刈ったりということがございますが、一定規模以上になって、例えば、自分でやりたいんだけれども施業は森林組合に受託するということになれば、実際の作業は森林組合が行うということになろうかと思います。  また、緑資源公団の場合も同様でありまして、みずから公団の職員が造林、保育、間伐をやっているわけではなくて、それは民間のそういう事業者に対して、森林組合等の事業者に事業を発注してお願いをするということでございますので、それぞれやる場合に、形の上で、実施する人、人そのものは同じになる、そういうことは当然あり得ると思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 では、一般公共事業の場合も作業主体は森林組合中心だと。公団がやると言ったって、公団の職員というよりも森林組合のところで受託してやっていると。出すお金も、三分の二は一般公共事業の場合にも国が支援していると、大ざっぱに。それで、公団がやる場合にも、財政投融資主体というよりも税金の方が多いと。税金が三分の二だと。私は余り変わらないように思うんですね。一般公共事業でやっていると。公団でなぜやらにゃいかぬのかと。  それは、一般公共事業の場合は所有者が負担せにゃいかぬと。公団がやる事業について、そういう事業については所有者が負担する気がないと、荒れ放題だというようなことだと思うんですよ。だから、伐採で得たお金を折半しましょうかということだと思うんですね。僕は公団が主体でやっているというふうに余り思えないんですね。公団が行うと言われているこの事業、財源も三分の二は税金だ、作業主体も森林組合だと。  僕は、そういう国民みんなのためになる森林だけれども、その所有者はお年寄りの、高齢者の方でもう施業意欲がついていかないというところについては、理想論かもわかりませんけれども、特殊法人がやるというのじゃなくて、一般国民の方々が参加して、そしてその意欲の衰えた森林所有者と結びつけていくような役割を行政がやるべきだと、例えば県とか。規模の小さい単位では、棚田オーナー制度もそうでしょうし、里山保全条例のある地域ではそういうコーディネート機能を行政がやって、こういう国民のためになるような環境保全型の作業については国民参加型でやっているという仕組みの方が正しいのではないかと。ちょっと理想論かもわかりません。  そういう時代で、みんなが関心持ち始めているわけですから、昭和三十六年に林野庁から公団に移した当時と状況が変わってきていると。そういう国民の意欲をかき立てるような、それは素人の方も多いかもわからぬ、だけれども、その方が僕は森林所有者の方も元気が出てくるのではないかと。将来、四十年か五十年後ですか、それ売って、木材生産の収入、それが本当にそんなの成り立つのかというようなことはもう全然見えない話で、そんなことを公団がやるよりは、これは見方を変えて、国民参加型の方向の仕組みを考えるか、それか、今やっている一般公共事業、それをまさに、森林組合主体かもわからぬけれども、国とか県がお金を出しているという一般会計で、そういうのをもっと工夫しながらやるということも考えられるのではないかと。これが今回の特殊法人改革の一つの、もし公団がやらないとしたらどこがやるんだということの一つの考え方として、僕は素人ですけれども、そういう考え方もあるのではないかということを提案するんですけれども、長官はどのようなお考えでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに、今回の特殊法人見直しというか改革の議論というのは、御指摘のように、もしそこがやらなければどこがやるのかと、そういうような視点からも十全に検討して、どういうあり方が本当にいいのかという最終的な結論を得なければならない、そういう話だろうと思います。そういう意味で、決してそういった考え方自体を否定するわけではございません。  ただ、私ども今考えておりますのは、今この緑資源公団の行っております水源林造成事業を通常の森林整備事業という方向でやるということになると何が起きるかということになりますと、私は多分、こういう地域でなくても、森林所有者の方々は森林の整備ということになかなか意欲を見出しがたい状況になっていると。そういう中では、こういう場所は一番奥地で、木を植えるにしても粗悪地というか劣悪地であります。一番条件としては厳しいところであります。そういう意味においては、優先順位において民間ベースでいえば最後になってしまう場所でありまして、そういう意味で、こういった奥地水源林における水源林造成ということには事実上手がつかないということになるのではないか、そういうような気持ちがするというのが一点。  それから、ボランティアによるというお話は大変新しい考え方でございますし、将来、本当に森林所有者が意欲を失った森林について整備をする主体をどう考えていけばいいかというときに一つの考え方ではないかなというふうに私も今伺っていて思いました。  ただ問題は、現在でも非常にボランティアによる植林活動等盛んになってきておりますけれども、それがやっぱりまだ残念ながら限定されているわけであります。できるだけ、できるだけというか、都会からある程度地の利もあって、極端にいえば一泊とか日帰りでも行って森林整備の楽しさをある程度味わえる、やっぱりそういうところに今多くの方々が参加をしていただいている状況でありまして、こういった奥地の水源林までボランティアでやるということには、将来そういう形になっていくということは大変望ましい姿ではないかなと思いますけれども、率直に言って、今からそういう形に切りかえてはどうかという御提案については、なかなか現在では難しいのではないかなというふうに私は思います。

山下栄一公明党

○山下栄一君 もう余り時間ないんで残念ですが、全くボランティアということを言っているのではなくて、国民参加型と言っているのは、国民自身が負担もするんですよ。負担というのは経済的負担ですよ、所有者と契約を結んで。そのつなぎ役を行政がやったらどうかということを言っているわけですけれども、そんな知恵も出しながら、やはりそれほど国民の関心が高まっていると、山奥であろうとやるぞというふうな、ちょっと極端かもわからぬけれども、そういうふうな流れになりつつあるんだから、ちょっと昭和三十六年の状況と変わってきているのではないか、それを生かすような形の税の生かし方といいますか、そうしないと僕は国民がなかなか納得しないのではないかというふうに感じておる次第でございます。  時間が参りましたので、終わります。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 長官、お体がぐあい悪いようです。ですから、ぜひお楽にしながら、余り長時間答弁なさらないで大臣に回す、そういうことで結構でございますので、ぜひ大事にしていただきたいと思います。  それでは、質問をさせていただきます。  前回に引き続いて、自給率問題について御質問をさせていただきます。  さきの参考人質疑で、森林・林業・木材産業検討会の座長を務めた参考人の方から、木材は食料以上の自給率低下で、森林に関する国民の関心は、むしろこのような自給率低下によって森林の危機的な状況に対する関心が強いと、こういう指摘がございました。  前回の自給率目標についての質問に対して長官は、木材の総需給量を数字で示し、なお参考指標として自給率を示すと、こういう御答弁でした。参考指標として出せるのですから、もう一歩踏み込んで基本計画の中にこの数字を明記すべきではないかと、このように常識的には思うんですよね。その点はどうでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいま先生のおっしゃった前段に、私どもは、森林・林業基本計画においては、目標とすべき具体的な国内における木材の供給量、利用量、それを絶対量として示すということを言った上で、お話しのように全体の需給量、ですからそれで割れば自給率が出てくると、こういうものをあわせてお示しをすると申したわけでありまして、基本はあくまでも、二十年先、五十年先においてどれだけの木材が国内で生産され利用されなければならないか、こういう数値目標は明確にするというふうに申し上げているわけでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 それじゃ、基本計画の中で自給率の方向というか、そういうものを示すということですか、こう理解していいんですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 率ではなくて絶対量で基本計画の中では明確に示したいと。それは、前回の御議論でも申し上げましたが、現在の我が国の森林の蓄積なりあるいは将来にわたる森林整備の姿ということを考えて、これから精査いたしますけれども、当然のことながら現在よりも国内産の木材の供給量は増加をする、こういうものが当然の姿として我々考えられますので、それは率でいえば当然上がっていくというのが基本的な方向だろうと思います。  ただ、率というのは、分母が動きますから必ずしも確定的なものではございませんけれども、絶対量としてお示しをしたいと、これが基本的な考え方であるというふうに申し上げたわけでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 それじゃ、数値的なものを示すと、そういうことで理解をしたいと思います。  それで、食料と林業は確かに違うと思いますが、食料・農業・農村基本法では食料自給率を十年間で四五%にするという目標を掲げました。国民的にそれに向けてやろうという目標でしたよね。ですから、私は、林業、衣食住というのは人間が生きていく上で最も重要な問題だと思うんです。食は基本法で自給率を四〇%から四五%に十年後すると。住宅の住というのは、人間が生きていく上で安全で安心な住居、こういう住居を求めて住宅を建設するわけですけれども、そういう点で国内の木材の自給率を高めていくということは、今二〇%ですか、二〇%を切っているわけですから、しかも、山を見れば蓄積されている成木がたくさんあるわけですよ。ですから、そういう点で私は、もっと手だてをする、手当てをする、そういう問題も含めてもっと林業の活性化を図っていく、そういう点が非常に必要だと思うんです。    〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕  しかし、私がこの間申し上げましたように、今、年間の木材の消費量は一億立方、さらに年間の増加量は八千万立方ですよね。そうすると、利用されていない木材がたくさんあるということなんです。そうすれば少なくとも、この前、何度も言いますけれども、半分の五〇%は日本の国産で、国産材で賄うことができる、こういうふうに考えるわけです。  そういう点で、林業、木材産業の振興のためにも、よし今度の基本法ができたら本格的にやると、こういう姿勢を広く国民に示していく、この姿勢が求められていると思うんです。これが基本法の精神であると思うんですけれども、中長期的な目標も含めて、そういう目標を掲げてやるという、こういう姿勢を国民に広く示してほしい、これが多くの林業やそれから国民の願いなんですよ。そのことによって森林はよみがえるだろうと。どうですか、大臣、その点について。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 食料の自給率と木材の自給率というのは、私は基本的に違うという認識です。  今度の林業基本法というのは森林の多様な機能の発揮ということが理念でありますので、そういう意味では国産材の自給の問題だけではありません。さらに、我が国の森林蓄積量というのは相当にあるということも先生御案内のとおりでございますので、ここで自給率目標というものをあえて示さなければ国内の自給体制というものを拡大するということができないというわけではないんだろうと、かように思います。  さような意味で、今長官が答弁されましたように、いずれにいたしましても、林産物の供給及び利用に関する目標ということは定めることとしておるわけでありますし、目標とすべき具体的な木材の供給量や利用量、あるいは木材利用の方向について提示するということを申し上げているわけでございますので、木材の総需要量を見通すということは重要でありますが、自給率について参考指標として示すということを長官が答弁されたということについては御理解いただけるのではないかと、私はかように思うのでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 参考資料に数字を示すということでなくて、もう一歩踏み込んで、この目標に向かって森林あるいは林業をやっている方々に希望を与えると。二〇%でも、今二〇%を切っているわけですから、その倍になっても四〇%ですよ。そういうふうになればどうなるかというビジョンを示していく、これが基本計画の中では必要だと思いますので、ぜひ基本計画の中で検討をしていただきたいと思います。  さらに、自給率の引き上げのために重要なことは、八割を超える安価な外材が依然として入ってきているわけです。しかも二〇%を切っていて、あとの八割は外材に依存している、こういうことが問題だと思うんですね。国産材や地元の県木を利用したくとも利用できない状況が今日の林業の状況であると思いますが、その点はどうですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 昭和三十年代を通じましていわゆる木材の自由化が行われたと。この時点におきましては、国内における木材の旺盛な需要に対して国産材の供給では間に合わない、それをあえて国産材でさらに供給を進めるということになれば、過伐採と申しましょうか、必要以上に木を切って山を荒らすことになる、やむを得ない選択として自由化が行われたと。  ところが、その後の推移というものが、その後、国内で森林蓄積を次第に増加させていくという点では大きな成果を上げて、前回お話し申し上げましたように、三十七、三十八億立米の蓄積まで持ってきた。しかし、はっと振り返ってみれば、その足りないときに一生懸命入れた外材というのが今、日本国内市場を席巻している状況になっている、これが今の状況だというふうに私どもも思っているわけでありまして、やはりここで原点に立ち返ってというか、森林を我が国において多面的な機能を十分果たすように整備をするというのは、林業と裏表の関係でそういうことが可能になるわけであります。  そこで、健全に行われる林業からどれだけの木材が生まれてくるか。今一年間に一千八百万立方の木材が生産されているわけでありますが、これが例えば倍になれば三千六百万立方の木材が一年間に供給される。これは数字には予断を持たずにお聞きいただきたいわけでありますが、仮に三千六百万立方メートルの木材が国内で供給されるとしたら、これは黙ってただ供給されましたと言うだけでは決して使われることがないと思います、今の状況では、外材に席巻されておりますから。そこで、そういった国産材が末端までちゃんと使われていく、どうやればそれが利用できるのかという体制をしっかりつくらなければならない。そういう基本的な道筋を基本計画の中でも示していきたいということでありますし、各種の施策をこれから強化することによってそういうものの裏打ちをしていきたいというのが今の私どもの考え方になっているわけでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 確かに、現行の林業基本法の第十六条で「外国産の木材について輸入の適正円滑化等必要な施策を講ずるものとする。」、こうありますね。これは高度経済成長に伴う木材需要の高まりと国内供給体制のギャップの中で、結局はこの十六条というのは輸入を促進するための基本法ですか、これになったと思うんですね。しかし、その後輸入がどんどん増大していく、そのツケが今森林の荒廃に結びついている、しかも林業も全然成り立たなくなっている、こういう状況になってきていると思うんです。  例えば、先ほど自民党の岸さんが山形県の状況もおっしゃいました。私は、別の角度から言えば、あの岸さんの、町長をなさっていましたから、金山町というのは秋田杉に次ぐ金山杉として有名なんですよ。ところが、県内産の林木で、金山町ですよ、首都圏で家を建てようと大工さんもセットで運動しているにもかかわらず、安価な外材との競争でせっかくの取り組みが効果が上がっていない。これは山形県だけでないんです、全国各地で首都圏に自分の県の木材を使ってもらおうと、こういうことをやっているわけですよ。  ところが、山形県に酒田港という港があります。皆さん御承知と思いますけれども、酒田は本間様で有名な港でございます。この酒田港にはこれまで南洋からラワン材がどんどん入ってきました。現在は南洋のものは一切入っていません。それは、環境問題で南洋のものはやらないと、こういうことで入っていません。ところが、アメリカなどの合弁会社によって製品化されたものが酒田の港に入ってくる。大きな工務店は安価な外材を扱っているハウスメーカーから外材を求める流通構造になっているんです。こうした需給のもとを正すことを抜きに自給率の向上はないと思うんです。林業の振興にもつながらないと思うんです。  法案の二十六条に輸入の制限等を盛り込みました。この条項を実効あるものにしていくためにも、輸入依存から、国産材の利用を拡大し木材産業の振興に積極的に取り組む制度が必要だと思いますが、大臣、大分お疲れのようでございますが、どうでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに現象的に今、先生がおっしゃったような事態があるわけでありまして、これをどう解決していくかというときに、私どもはやはり国産材というものが外材になぜ負けるのか、それは決して価格だけではないわけであります。先ほど来申し上げておりますように、同じような用途に使える材の場合、価格では外材より安くなっていると、そういうことすら現在ではあらわれている。  そういう状況のときに、いわゆる市場のメカニズムということを無視して一方的に輸入制限をするとかいうことでは事柄は解決しないのであって、やはりまず国産材自体が、品質とか性能において、あるいは住宅メーカーの要請に応じてロットがそろうとか、そういうことを含めてしっかりした供給体制というものをつくり上げる、こういうことを抜きにして、輸入を規制すればうまくいくというふうにはなかなかならないのではないか。  そういう意味で、私ども、まず国産材について、品質あるいは性能というものがはっきりしたものを供給する体制をつくる、その今かなめになっておりますのは木材の乾燥というものをしっかりやっていくということだと思いますが、それが一点と、やっぱり地域、各産地と申しましょうか、において主要な大規模な出荷拠点というものをつくり上げていってロットをそろえていく、こういう努力、これをしっかり取り組むことによって、先ほど先生がおっしゃいましたように、今全国各地で、自分の近くでとれた木で家をつくろう、日本の国内でとれた木で家をつくろうと、そういう民間レベルでの大変運動が盛んであります。多くの方々がそういうことで一生懸命努力をされている。やっぱり、その背景には、国民の側、需要の側も、できることならそうやりたいなと、国産材で家をつくりたいなと、こういう気持ちがあるんだろうと思うわけであります。  そういうものと相まっていけば決して、もちろん、輸入ということに関して言えば、急増するようなときにセーフガードを発動してそれを防止する、こういうことは当然可能でありますし、また国際的な準則をつくって違法伐採等を防止する、そういうものは輸入させないとか、そういった意味での新しい木材の貿易ルールをつくるということに努力しなければならないのは事実でありますが、外国に負けているから外国産についてシャットアウトしようというふうにはなかなかなりにくい。そこはやはり、まず国産材の供給体制というものをしっかり整備して需要者の期待にこたえていくということを基本に据えて対応していきたいというふうに思っております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 乾燥の問題については後でお尋ねしたいと思います。  そこで、私は前回の冒頭に第一次産業に対する大臣の責任についてお伺いしました。第一次産業を本当に発展させる、それを第一義的に考えるならば、やっぱり外材よりも国産材を主役にした林業、そういうものに転換すべきだと思うんですよね。  私は、この間、韓国に行ってきました。国際議員連盟の第二回総会に行って、その前に韓国の農業を調査してまいりました。五日間行きました。そこで非常に感心したのは、もう政府みずからリーダーシップをとって韓国の農産物を大事に増産して、日本向けにいろいろ考えているようですけれども、非常に品種も改良しながら、技術の研究をしているわけですね。  そのスローガンは何か。何だと思いますか。わかりませんか。身土不二なんですよ。身土不二というのは、人と土地は一緒だということですね、人と土地は二つにならず。その身土不二をスローガンにしながら、農協のスーパーなんかにも身土不二と書いてあるんです。それから、ジャガイモとかタマネギを運搬する段ボールにも身土不二と書いてあるんです。それが韓国の哲学だと思うんですね、ずっと続いた。地産地消といいましょうか、自国のものは自国で賄う、これが基本だと思うんです。足りないものは輸入する、そうでなければ資本主義社会でも経済の常識的なルールは守れないと。  そういう点で、私はWTO交渉においても、この問題について大臣からは積極的に交渉していただきたい、日本の国益を守るために積極的な交渉をしていただきたいと思うんですよ。そうでなければ、食料についても林業についても、あらゆるものについて自給率はどんどんどんどん下がってしまう。しかし、国産も国際物と競争させる、競争して競り勝って勝った者が生き残るなんというのが農業に通用するのか、第一次産業に通用するのかと、こういうふうに思うんです。  ですから、林業の自給率を向上させるためには、やっぱり外材依存のこれまでの姿勢から転換する、そういう姿勢に改める、これが改革でしょう。小泉さんが改革、改革と言っているんですから、今までと同じような線で行って何が改革だと。  これはやっぱり武部大臣、改革を断行すると最初所信で聞きましたから、それをやっていただきたいんですよ。どうですか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 身土不二という、いいお話を聞かせていただきましたけれども、農業は、日本提案、もう先生御案内のように、いずれの国にもそれぞれの事情があるわけでありますし、それぞれの国の農業事情あるいは食料事情に合ったそういう存在というものをお互いに認め合いましょうというのが日本提案の基本でありますから、今先生がいろいろ御指導されましたようなことを当然日本国政府の考え方の基本に置いて交渉してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。  林産物におきましても、今回の法案においては森林の多面的機能の発揮ということを高らかに掲げているわけでありますし、林産物はお話しのとおり、公益的機能を有する森林から供給される再生産可能な天然資源でありますので、次期WTO交渉におきましても、地球規模の環境問題、資源の持続的利用、輸出入国間の権利義務のバランスといった観点を踏まえて、枠組みを確保しつつ交渉を行う必要がある、こう考えているわけでございます。  このため、今後の交渉においては、シアトル閣僚会議で連携を図ったEU、韓国等とも協力し合いまして、持続可能な森林経営の推進に資する貿易ルールが確立されるように取り組んでまいりたい、かように存じます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 WTO交渉についてはきょうの課題でありませんから、その時点でいろいろ議論になると思いますけれども。  林業についてもう一つ。  この間の参考人、速水林業の速水さんのお話を私は聞きました。日本の私有林は材価の大幅な下落によって経営の危機に陥っている、速水林業は皆伐で五十八万八千円の収入、それに対して植林等の必要な経費は八十五万五千円が必要、これでは完全に三十万の赤字です、日本の一般的な林業経営の持続的森林管理は不可能になっている、持続的な経営とか持続性を保つための再造林を前提とした伐採は経済行為としては既に意味がなくなった、こうおっしゃっているんです。  これでは林業全体を停滞させると思うんです。国が価格対策を位置づける、これが緊急の課題になっていると思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに、現在の価格、材価の状況のもとで林業経営が経営として持続的に健全に発展をしていくというのは大変厳しい状況にあるというのは御指摘のとおりであります。  そのために私どもはさまざまな対策を講じていかなければならない、こういうふうに思っておりますが、その基本は、例えば森林の再生産というか、植林をし、下刈りをし、間伐をしていく、こういう一連の作業に対して、ある程度手厚い国及び都道府県による公共事業による助成ということが現に行われているわけであります。しかし、それをもってしてじゃ十分かというと、これは必ずしも、場所、経営、その他によって異なりますけれども、決して十分とは言えない、そういう中においてもなかなか採算上苦しいというのが実態だと。  こういう中で、一つの試みとして、今度の新しい基本法の十二条の二項では、新たな地域における森林整備のための取り組みについて支援を行っていくという方向を明らかにしております。これは、一定のまとまったというんでしょうか、地域的な単位でしっかりした森林施業ということを行う、そういう場合に、その森林施業の大前提となるような現況調査その他の活動について一定の、これから詰めていかなければならないわけでありますが、定額による助成の制度というものを考えていけないだろうか、こういう問題意識のもとに新しく設けた条項であります。  例えばそういったことを実施していくということを含めまして、決して現在の状況で今の林業経営が十分やっていける状況だというふうには我々も思っていないわけでありまして、国の立場からもいろいろな新しい支援策を考えていきたい、それはそういうふうに思っております。  ただ、問題は、我が国は自由主義経済でありますから、やはり価格メカニズムというか市場原理、市場のメカニズムが、消費者の意向というものが生産者にじかに伝わっていく、そういうシステム自体はしっかりと確保した上で、ただそれだけに任せては林業自体が健全な発展を遂げられない、そういう部分に国として必要な支援を行っていく、こういう考え方で対応していきたいというふうに思っているわけであります。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 支援といってもその内容がなかなかわからないですよね。価格とか所得で支援する、こういうような具体的なものがない限り、支援、支援というのは、私、林業家ではありませんから、どういう支援がされるか、なかなか具体的に見えてこない。  そこで、この基本法案は、林業や木材産業を振興させる、その保障を盛っている法案なんですか。例えば、現行の林業基本法にあった第三条、林産物の価格の安定の条項を今回の法案で削除しましたね。それで、今回の新しい法案が、価格の安定とか林業をやれますよという、そういう希望の持てる保障があるのかどうか、これは大臣、説明していただけますか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいま先生のお話しになりました林産物の価格の安定という条項に関しては、確かに旧基本法では十六条に林産物の価格の安定という条項があったわけでありますが、これは先ほど来のお話とも関連するわけでありますが、昭和三十九年当時、どちらかといえば基本的には需給関係は現在と逆で、木材需給が逼迫して価格の高騰が懸念される、こういう中で木材の価格の安定をどう図るかということで、輸入の円滑化ということも一つの施策として念頭に置きつつ設けられた規定だ、こういうふうに私ども理解をしているわけであります。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 わかりました。  それで、大臣にお尋ねします。  林産物の需要及び価格の安定に対する施策、この条項は、これははっきり明記すべきだと思うんです。この点は大臣の采配ですよね。頭をかしげないで、ひとつすぱっとやっていただきたいと思います。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) いわゆる価格支持施策について基本法に盛り込むべきという先生の御意見だと思いますが、基本的には市場における競争のもとで価格が形成され、需要に見合った供給に努力するという市場メカニズムの利点を生かしつつ、森林の整備・保全の支援あるいは国産材の需要拡大等の観点から別途支援施策を展開していくということが私は国民の理解を得る上で最も適切な道ではないか、かように考えるのであります。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 今、苦労して赤字の中でも頑張ろうとしている林業家にとって、きちんとそういう支援なら支援、その内容も含めて、もう意欲も失うようなこういう基本法にならないように、ぜひ基本計画の中に盛り込んでいただきたいと要望したいと思います。  次に、二十五条、「林産物の利用の促進」という項目があります。  国は、国内の林産物利用促進のためにどのような具体的な施策を持っているんでしょうか。もう時間がありませんので、長官でしょう。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) この新しい二十五条は、先ほど来御議論があったそういうことを受けているわけでありまして、林産物の利用の促進が図られないということは森林の整備自体にも大きな影響を及ぼすという意味で、森林が多面的な機能を発揮する上でも林産物の利用の促進を図っていく、これが重要だ、こういう考え方でございます。  そのためには、一つは、先ほど来申し上げておりますように、国産木材というものが競争力を幾つかの点において外国産材に比べて失っている側面がある、そこをどう立て直していくか、これは木材産業の構造改革ということともつながるわけでありますが、品質、性能において明確な材を供給する、あるいはロットをそろえる、そういうことが中心的な課題になろうかと思います。  それからもう一つは、利用の促進という意味でいえば、やっぱり新しいというか、例えば今、間伐に一生懸命取り組んでいるわけでありますが、間伐材というのをどういうふうに皆さんに利用していただくか、そういう意味では、国が音頭をとりつつ各種の公共施設に木材を利用する、あるいは公共事業の資材として間伐材を積極的に利用していく、そういうことも大きな課題だ、こういうふうに考えているわけでございます。  申しわけございません、一つ申し忘れましたが、バイオマス等を含めた新しい木材の利用ということも一つの道でございます。  そういったものを総合的に講じていく、こういうことでありまして、それは新しい森林・林業基本計画の中で国産材の供給数量と目標数値というものが示された段階で、それが現在よりかなりふえるということは当然でございますので、それをどう利用していくかという意味で、こういう施策によってそれを国内で使っていくのであるという方向を明確にしていきたいというふうに思っております。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 その場合、都市基盤整備公団とか、あるいは地方住宅公社などの建築や増改築、公共土木事業の仕様書に国産材の使用を明記し国産材需要の拡大を図るよう具体的な提起を行うべきだと思います。これは農水省だけではできないかもしれません。関連する省庁とも連絡をとり合って国産材を使うように、そういうアピールをぜひやるべきではないかというふうに思うんですが、その点、どうですか。一言でいいです。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 私ども、現在も各種公共施設あるいは国あるいは都道府県が関与し得る形での分野について国産材の利用促進、地域材というふうに言っておりますが、それをお願いしております。そういう意味での努力は引き続き続けていかなければならない、こういうふうに思っております。  ただ、例えば、今お話が出ましたように、特定の公社公団とかあるいは国とかについて、国産材というふうに規定をして発注する際の仕様を固定化するということに関しては、いわゆる政府調達協定等の問題がございますので、どこまでできるかというふうな問題があるということだけ一言申し上げておきたいと思います。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 どこまでできるかなどと気弱いことを言わないで、積極的にやる立場で頑張らなければ何のために林野庁があるのかわからなくなるでしょう、存在感が。頑張ってくださいよ、ほかの省庁に。そんな気弱ではだめですよ。  最後になりますけれども、通告はしていないんですけれども、副大臣は雪国の新潟の長岡ですよね。そうでしょう。

田中直紀自由民主党・保守党農林水産副大臣

○副大臣(田中直紀君) はい。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 お宅はそうでしょう。その副大臣のおうちは国産材でつくられているんでしょうか。

田中直紀自由民主党・保守党農林水産副大臣

○副大臣(田中直紀君) ちょっと前のことなので、私自身は国産材かどうかわかりませんが、既に四十年ぐらいもっておりますから、そういう面ではそれなりに国産材を使わせていただいていると思っています。  一言つけ加えさせていただきますと、新潟県と山形県は隣り合わせでありますが、一番近い山北町で林業と漁業を中心にやっています。したがいまして、今度その加工センターをスタートする、こういう中にあって地産地消ということをしっかりと打ち立てていこうと。これも、新潟県もやはりしっかりと木材を、港もありますし輸入材もどんどん入ってまいりますけれども、しかしやはり保証をしながら、五十年あるいは北海道のように八十年の保証つきということで国産材を採用する、そしてまた、県も市町村も何とか補助をしていこう、こういう動きが出てきておりますし、私のところも建築をやっておる会社がございますから、山形県の木材よりは新潟県の木材を使ってしっかりとやっていきたい、山形県も頑張っていただきたい、そんな思いでございます。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 山形と新潟の競争ではなくて、やっぱり全国的に国産材を大いに使う。そして、国産材で個人の住宅をつくることがどれだけの国産材の消費量になっていくか、ここが問題だと思うんです。しかも、名所旧跡の神社仏閣とかそういうところは何百年たっても壊れないです。それは国産材だからなんですよ。やっぱりそれぞれの風土に合った住宅というか、その森林を使うと。日本は湿気のあるところですから、やっぱりそこで育った林木、材木が一番合うと思うんですね。  ですから、そういう点で私は、その地域の県産のものとかあるいは日本の国産材を使うこと、これが非常に重要だと。そのためには、日本の家の耐用年数というのは少ないですよね、二十六年。イギリスでは七十五年、アメリカでは四十四年、日本は二十六年ですよ。これはやっぱり国産材を使うことによって耐用年数も長くなる、そういういい面もあるわけですから、ぜひ国産材を使って、林産物の利用の促進、この条項がきちんと生きるようなそういう内容にしていただきたい、このように思います。  以上で終わります。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 長官に伺います。初めに、伐採跡地対策についてであります。  平成十一年当時の民有林伐採跡地の面積は十万九千ヘクタールでありました。このうち、二万二千ヘクタールの人工林が伐採後三年以上たっても植林はされないという状況にある。農林水産省が実施いたしました林家のアンケート調査によりますというと、全体の八割の林家が伐採跡地へ植林しない、こう答えております。  こうした伐採跡地への政府の対処の方針、どんな方針なのか、伺いたいのです。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 数字的には御指摘のとおりでございまして、しかもその後の状況をいろいろお伺いしますと、さらにそういった状況がふえているのではないかということも懸念されているわけであります。  私ども、やはり伐採跡地に植林が行われないということは、いわゆる森林木材というのが循環型社会の形成に欠かせないと言いながら、その輪がまさに崩れるということでございますので、重要事項として対処していかなければならない、こういうふうに考えております。  第一点目は、言うまでもございませんが、ある意味での規制の強化と言うと大げさでございますが、今回の森林法の改正によりまして、伐採の届け出に当たりまして、その後の植林も届け出事項にすると、どのように植林をするか。場合によっては、そのとおり行われていない場合には再植林を命ずる、こういうことも可能にする道を開きまして、伐採跡地に植林を行っていくということを確保したいという話が一つでございます。  それからもう一つは、全国で、今お話しのとおり、二万二千ヘクタール程度存在する造林未済地を早期に解消するという観点から、平成十二年度から、伐採後三年以上放置されている林地を対象にいたしまして、通常よりも高率の助成によりまして、緊急かつ確実な造林を実施する造林未済地緊急整備対策ということに現在取り組んでいるところでございます。  なお、いずれにしても、現在の木材価格の状況のもとで、伐採をしてその後再造林というのが林家にとってかなり経済的にも大きな影響があると、こういうことの中で、伐採後の再造林と育林コストの負担が大きい従来の皆伐をして新植をするという方式から、長期育成循環施業と言っておりますが、抜き伐りを繰り返しながら徐々に更新をしていく、主伐に準じた形で抜き伐りによって一定の収入を得つつ徐々に更新を図っていくような、そういう施業の導入ということを十三年度から新たに助成対象にしたところでございまして、こういうような施策を組み合わせることによりまして伐採跡地への植林が適切に実施されるように努力をしていきたいと考えております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 答弁が御丁寧なのは結構ですけれども、私、二十五分しか持ち時間ございませんので、簡潔にひとつお願いいたします。  それで、長官、今の話と関連しますけれども、伐採跡地対策が行われてこなかったということがどんな状況を生んでいるか。人と野生動物の共存というのは非常に難しくなってしまったという状況が方々に出ています。猿に襲われましたというような話がよく出る、イノシシが出てきて畑を荒らす、クマが出てまいりますといったような話が各地に今出てきております。  これから先の対策としては、森林と人との共生林、これを考えていきましょうという政策は出ているわけでありますけれども、当面の問題として、そういうところの対策をどうしていくのか、これ急いでいかなきゃならぬことなんですね。その点はどんなふうにお考えでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 確かに、野生動物が畑を荒らしたりあるいは人家まで出てくる、いろいろな事例が各地で報告をされている、それが一体何に起因するのかと。これはやっぱり総合的に検討されるべき事柄だろうと思います。  もちろん、森林行政の立場からも、この前もお話ございましたように、広葉樹に転換をするとか、そういうことを含めて取り組んでいかなければならないと、こういうことはあろうかと思いますが、現段階では、伐採跡地の二万ヘクタールをどうやって解消するか、こういう話と、率直に言って、直ちに野生動物に対してどういう対策を講ずるかというふうに結びつけてまで、まだ対策は整っていないというのが現状でございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 私は、例えば、山陰路をずっと走る中で聞いた話というのは、ほとんど共通していたのは奥山ということで、奥山というのは私有林か国有林かというと国有林ですねという話は多いですよ。それだけに、それはやっぱり政府自身の責任でやらなきゃならぬことはきちっとやらなきゃならないんじゃないのかと、こう考えるので申し上げたことなんです。  次に、地籍調査の問題について伺いたいと存じます。  平成十年の農林中央金庫の総合研究所による森林組合アンケート調査によりますと、森林施業が行われない理由として、材価の低迷ということとともに、所有者不在それからまた所有山林境界の不明確な状況といったものが挙げられております。  不在村所有者の増加、そしてまた山林境界の不明確さは適切な林業と施業の受委託を進める障害となっております。地籍調査の推進、これが必要になってきているのではないのかと。政府の見解、どんなふうな見解でございましょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 国土交通省が所管しております地籍調査につきましては、平成十一年度末現在で、全国の調査対象面積に対する進捗率が四三%だというふうに伺っております。このうち、林地では三六%の進捗率と、こういうことでございまして、現在は、十二年度から十カ年計画で第五次国土調査事業十カ年計画と、こういうことに基づいて計画的に実施されておりまして、ぜひ林地につきましてもこの地籍調査を積極的に進めていただいて、お話のあったような境界がわからないと、そういうような問題を解消していただく。これはこれとしてぜひ積極的に取り組んでいただきたいと、こういう気持ちでおります。  その地籍調査で得られたデータは、私ども、森林計画上の森林簿等のデータに積極的に反映させていくと、こういう気持ちでおります。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 長官も御存じのように、地籍調査というのは森林管理の前提をなすものですよね。ところが、これまでも、役所の皆さんに伺いますというと、今度は国土交通省ですか、それの所管でありましてという話がまず出てくるんですね。ですから、積極的に取り組んでいただくというような言葉が今長官からも出てきましたけれども、どうも私はそこのところ、すとんと落ちないんですよ。  地籍調査の持つ重要性ということからしましても、それはもっと積極的に、林野庁としてはこう考えるというやつをびしっとやっぱり出していただきたいと思うんです。その点どうですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) わかりました。  私どもも、地籍調査の進捗ということが森林施業にも影響を与えるということでございますので、しかるべく国土交通省に対して申し入れをすることを含めて、しっかりと対応したいと思います。  ただ、それと同時に、私ども、地籍調査が完了していない場所でも、いろいろ先進的な事例では、森林組合等が現況調査というような形で両方の当事者を立ち会わせるとか、さまざまな方法を通じて森林施業に支障がないようなところまではある程度森林界を明らかにすると、こういう取り組みも行われておりますので、そういう点でも努力をしていきたいというふうに思っております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 次に、森林計画制度の見直しについて伺いたいと存じます。  森林法の改正で森林計画制度が見直され、水土保全、森林と人との共生、資源循環利用と機能別に区分されて、森林整備のゾーニングの手法を導入するということにしております。  国有林の場合は、水土保全林と森と人との共生林、これが約八割ですか、資源循環利用林が二割ということになっておりますが、民有林の区分はどんな状況になるのか。そのうち、人工林はどうなるのかについて伺いたいと思います。  また、これが結果として木材の需給調整につながるのかどうなのか、その点、明確にお答えいただきたい。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 第一には、これから法案が成立いたしました場合に、新しい法律に基づきます森林・林業基本計画の中でどういうふうに位置づけをするか、それと並行して、全国森林計画の改定作業を行わなければならないというふうに考えているわけでありまして、最終的には、その作業を待って、御指摘の三つの区分についてどのような姿になるかということが最終的に明らかになろうかというふうに思うわけであります。  ただ、現在の基本法に基づく森林資源に関する基本計画、これは平成八年に策定したものでございますが、これにおきましては、民有林、国有林を通じた森林整備のおおむね今申しました三つの方向別の対象面積というのは、民有林の五割程度が水土保全林、二割程度が森林と人との共生林ということになっておりますので、残りの三割程度が資源循環利用林に設定され得ると。大まかに言えば、五割、二割、三割程度ではないかと、もちろんこれはこれから先の作業によって変わってまいりますけれども、基本的なとらまえ方としては、この程度が一つの目安になるというふうに私ども思っております。  この各区分に応じて、それぞれ森林施業を私ども誘導していきたいと。森林が有する機能を最大限発揮できるような形で施業を誘導していきたいということになりますと、やはり水土保全林とか森林と人との共生林では、どちらかといえば従来の、従来のというか、ただ木材生産ということを考えた場合よりも産出される木材の量は縮減されるのではないか、一般論的にはそういうことが言えるかと思います。  ただ、具体的に、現在、これまでの、あるいはこれから先の森林蓄積に応じてどの程度の木材の伐採が適当なのであるか、そういうことを総合的に勘案した上で最終的な結論を出すということでありまして、方向としては、そういう要素を考慮せずに木材生産のみ考えた場合に比べれば供給量の減という形につながるのかなと思いつつも、そこは余りそういうところにとらわれずに、望ましい森林の姿というものに応じて素直な形でどれだけの木材が出てくるかというものを私どもは明らかにしていきたい、こういうふうに思っております。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 区分の関係ははっきりした答弁でよくわかりましたけれども、私がもう一つ伺った、この区分が木材需給調整につながるのかどうなのか、ここのところは今の長官の答えでは私には全くわかりません。そういうふうにつながるというのなら、きちっとその点は明確にすべきではないんでしょうか。あいまいにするのは、これはいけませんよ。どうなんですか、そこは。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ちょっと、木材の需給調整という意味を私、十分とらえていないというか、そういう意味におきましてしっかりとしたお答えになっていないのかなというふうに思いますが、基本は、森林を三区分に設けるということは、森林の有する多面的な機能というものをできる限り十全に発揮していく、持続的に発揮していく、そういう体制をつくるというところに基本的な意図があるわけでございまして、ちょっと正確なとらえ方かどうかわかりませんが、需給調整を行うためにそういう区分を行うということでは全くございません。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 しかし、結果だけ見ればそういう状況になっていくわけでしょう。そして、それをまた情報としてきちんとして流していくという判断なんでしょう。だったら、やっぱり需給調整ともきちっとつながっているじゃないですか。どうなんですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ちょっとその辺を先ほど最初の答弁で申し上げたつもりだったんでございますが、意図がどうかということは別にいたしまして、基本的にはそういう三区分にして、それぞれに望ましい森林施業の姿を明らかにしていくということは、日本国内において生産される木材の量ということでいえば抑制的に働くということは御指摘のとおりでございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 もう少し聞きたかったんですが、時間がなくなってきておりますから、先へ移ります。  次に、多様な森林整備の構想について伺いたいと存じます。  林政改革大綱は、公益的機能区分に応じた関連施策を講ずることについて以下のように述べております。「郷土樹種の育成、環境保全等の面で優れた広葉樹の導入を進める等、多様な森林整備を進める。」と、こう言っております。具体的な整備構想、これを端的にひとつ伺いたいのです。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) この林政改革大綱に示された考え方というのは、戦後の我が国の人工造林というものが、一面では森林蓄積を非常に大きなものに現在育てつつあるという意味において大きな成果を上げたということと同時に、非常に画一的、一面的であったという反省をある意味では込めて、ただいま御指摘のような郷土樹種育成云々、あるいは広葉樹の導入を進めるなど多様な整備を進める、こういうような言い方でその辺を示したと、こういうことだろうと私ども理解をしております。  したがいまして、これから先、もちろん新たに植林をする部分というのは決して多くはないわけでありますので、時間がかかるわけではありますけれども、森林と人との共生林を中心としながら、特に具体的に指摘をされております広葉樹の導入、あるいは針広混交林ということについてはぜひ積極的に取り組んでいきたい。まさに、森林というものが持っている木材生産以外の多面的な機能の中で、野生動植物の生息、成育あるいは美しい景観、保健休養の場の提供、そういう意味で大きな機能を持っている広葉樹というものを重視していきたいというのが今の段階での私どもの心構えでございます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 次に、保安林の分類についてちょっと伺いたかったのでありますが、時間がなくなってしまったので、先へ飛ばします。  きょうは、前半長官に伺って、後半大臣に伺おうと思っていたら、後半の時間がもう幾らもなくなってしまいました。  大臣に初めに伺いたいのは、環境税導入と森林整備費の財源確保にかかわる問題についてであります。  大臣は、これまでもたびたび、森林は国民全体のものであり、国民全体で支えていくということを言ってこられました。ということは、民有林であっても環境時代を支える社会資本であって、森林整備はまさしく公共投資ということになるのではないかと思います。  現在、大臣も御存じのように、道路特定財源の上乗せ税率を放棄し、炭素税などの環境税導入が検討されているようでありますが、森林整備費用の財源確保に向けて積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 森林は木材の生産のみならず、今先生お話しされましたように、国土の保全や水源涵養、地球温暖化の防止、自然環境の保全等の多面的機能を有しているわけでありまして、近年、これらの機能に対する国民の期待は一層高まっていると、かように存じます。したがいまして、適切な森林整備を国民の理解と協力のもとに進めていくことが重要だと、私はかように存じます。  林野公共事業につきましても、これまでは計画的かつ着実な森林整備を図る観点から、事業の重点化、効率化を図りながら所要の予算額の確保に努めてまいりたいと存じますし、林政改革大綱におきましても、「環境税や地方自治体における法定外目的税に関する検討状況や過去の経緯を踏まえ、森林の公益的機能について国民の理解を得つつ、その発揮のための社会的コスト負担のあり方等について検討を行う。」、このようなこととされているわけでございまして、幅広い観点から森林整備のための新たな推進方策や社会的コスト負担のあり方について私自身も前向きに研究、検討を進めてまいりたい、かように存じます。  具体的な改善内容等が、道路特定財源のお話もございましたけれども、これらについては具体的改善内容等が明らかになった段階で、農林水産省としてどのような対応が必要か検討してまいりたいと存じます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 次に、大臣に自治体体制についての考え方を伺いたいと存じます。  森林整備を進めていく上で、自治体の役割は極めて大きいわけであります。だが、その執行体制と、それを支える予算は十分なものとなっていないのではないかと思います。  大臣、その点どんなふうにお考えでありましょうか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 森林整備を推進するための地方自治体の体制としては、各都道府県に通常複数の課から成る林政担当部局が設置されておりますほか、各市町村においてもその実情に応じて一、二名の担当職員が配置されているところでございます。  また、予算についても地域の実情に応じておのおのの自治体が各種の予算措置を講じているところでございます。この点につきましては、それぞれの自治体の実情により対応されてきているところでありますが、今後、森林の有する多面的機能の持続的発揮を図っていく上で、各自治体における体制の整備や予算の確保が図られることが望ましいと、かように考えます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 今の大臣の答弁を伺いますというと、人員でいうと一、二名というお話が出てまいりました。これは、一、二名というのは平均で見た場合、大体そんな見当ということですね。ということは、かなり体制が弱体化という状況になっているなというぐあいに受け取ってよろしかろうと思うんです。  そこで、大臣にもう一つ伺いたいのは、森林交付税の見直し、この問題について伺いたいのです。  自治体の中には森林整備などの確保に向けて法定外目的税である水源税や森林交付税の導入に向けた取り組みが行われている例がかなりあります。一方、政府が六月二十一日に決めた構造改革に関するいわゆる骨太の方針は、地方税のあり方の見直しを打ち出しております。その具体化に当たっては、市町村合併を進めるため、小規模自治体への地方税割り増し制度の見直しも検討されるというふうに聞いております。  流域単位の森林整備を進めていく上で、特に上流の財政基盤の弱い自治体への地方税交付の削減がかなり大きな障害になっていきやしないかというふうに心配するのですが、その点、大臣、どうお考えですか。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 森林整備を計画的に推進する上で、上流域等の地方公共団体が果たすべき役割は大変大きいということから、国庫補助事業による支援策と並びまして、森林・山村対策、国土保全対策など地方公共団体に対する財政措置が講じられているところでございます。  現在、地方交付税についてはさまざまな角度から見直しを含めた議論がなされているところでありますが、今後とも、地域の森林整備等が着実に進むよう、総務省と連携を図って努力してまいりたいと存じます。

谷本巍社会民主党・護憲連合

○谷本巍君 時間が参りました。終わります。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。  最後でございます。林野庁長官に大分質問が集中しておりまして、お疲れでしょうけれども、なるべく細かいことは聞かないつもりでおりますので、答弁書を余り見られないような質問にしたいとは心がけるつもりですので、気楽に御答弁いただけたらと思っております。  今回、この林業基本法といいますか、ある面でいきますと、私の感想ではちょっとやっぱり遅過ぎたんじゃないかなという、こういうものはもっと早くつくるべきではなかったのかなというような気がしてならないわけでございまして、といいますのは、もう森林に対する国民の関心というのは随分前からあったんですね。私などは、森林を担当いたしましたけれども、直接的な関与は余りなかったものですから、逆に言いますと、森林関係は何でこの追い風を、小泉総理の内閣の追い風と一緒かもしれませんけれども、なぜこれを利用しなかったかなというぐらい不思議に思えたわけでして、そういう国民的な支持があれば今までにもう既に随分やれたんじゃなかったか。こういう多面的機能をきちっと出して、国民が期待しているのは結局、多面的機能だと思いますので、その辺から、何か遅過ぎたんじゃないかなという感想を持っているわけでございます。    〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕  私なりにそれがどうしてかなという疑問を考えますと、やっぱり林野庁はどうしても林業に、森林というよりもむしろ林業に最後まで目を見詰め過ぎたといいますか、ずっと林業に偏り過ぎたところがあるんじゃないのかなと。ということは、森林という面でとらえるとなかなか難しい面もあって、林業という面の方が考えやすかったからということもあるかもしれませんが、そういうところから今こういうものに至ったというのが、遅きに失した、失してはいませんけれども、遅くなったんだなというような気がするわけでございます。  そこで、私も地方行政の中で林業に携わった人間でもございますので、そういう面でこれからの森林施策の展開の仕方について私なりの意見も含めて申し述べさせていただきたいんです。  要するに、森林といっても非常に、林業と言うと話が非常にごっちゃになるんですね。ということは、何といいますか、森林というものを一言でなかなか言いあらわせない、森林というのはいろんな要素から成り立っているからではないかという気がいたします。  一つには、地域性をとりましても、どこの地域も森林資源に恵まれているわけじゃないわけですね。私の県、石川県ですけれども、石川県なんというのは、歴史的に勉強しますと、どっちかというと余り恵まれていなかったんじゃないのかなと。前田藩のときに七木の制というのがありまして、七種の材木は切っちゃいかぬというような制度で森林を保護したというような、そういうこともございますし、私の知っている限りでは、例えば三重とか和歌山とか、岐阜もそうでしょうか、大分とか、北に行けば秋田とか、青森もそうですか、そういう恵まれたところもありますし、そういう面でいろんなやり方が違う、つかみ方が違うんだと思うんですね。  それから、樹種一つにしても、針葉樹でも違うでしょうし、広葉樹にしても、大体日本の半分から南の方はいわゆる常緑照葉樹といいますか、常緑樹が中心ですよね。これによって山地の土壌もほかの北の落葉樹のところとも随分違うという、いろんな面があると思うんです。  それから、森林の関係者について見ましても、例えば森林の所有者、これは昭和二十年、三十年、建築ブームのころは忙しくて、林業に物すごく集中された時期があったかもしれませんけれども、私がお聞きしたところでは、森林、林業といいますか、それは所有者にとっては貯蓄だと。よく言われると思うんですけれども、いわゆるお金があって暇があるときに蓄えておいて、いざお金が必要なときにそれを切ると。したがって、その中間、毎日毎日飯を食う種ではないわけですね。それに比べて、一方の林業労働者にしてみれば、これは毎日生活しなきゃいけない。行政の立場はその両方をうまく調整してといいますか、そういう両方のために施策をしながら、ある意味では国土資源という観点からやっていかなきゃいけない。そういう思惑も随分違うと思うんです。  そういう意味で、私はこの際、林業のこれからの施策を進める上では、ひとつしっかりと森林の現状をつかまえるということが大前提じゃないのかなというような気がいたします。ということは、例えば人工林として、林業としてやっていくところ、それからいわゆる保安林にもなるでしょうし、あるいは広葉樹林で、いわゆる多面的利用といいますか、そういう面の要素が多い地域、そういうものをきちっと分けて考えなきゃいけない時期に来ているんじゃないのかなという気がいたします。  それは、一つには、日本の国土という面から見ても、都市は都市計画法でそういうものをやっているわけですよね。その外側の農地は、農振法で一応土地利用の形態をとらまえて規制をしているといいますか、そういうもので計画的にやっている。それがもうそろそろ森林に広まってきたんじゃないのかなという気がするんです。  そういう面からも、土地利用分類といいますか、そういうものをしっかりとつかまえなきゃいけないんじゃないのかな、それによって施策を立てていかなきゃいけないんじゃないのかなと思っているわけで、これはかねて、こういう場ではないんですけれども、前の林野庁長官とも随分議論をさせていただきまして、ある意味では合意点も得たと私は思っておりますし、今回の法整備も恐らくそういう要素はきちっと入っていると思うんですけれども、そういう面からしっかりと法的に整備して、そういう森林の分類といいますか、そういうものを進めていくことについて林野庁はどういうふうにお考えか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) ただいまのお話は、まさに森林法に定める森林計画制度、全国あるいは都道府県、市町村、個人の森林施業計画とつながっていく一連の体系をどういうふうに整備をしていくかと、こういう意味でのお話だと思います。  そういう意味では、今回の改正によりまして、大きな方向として、森林がさまざまな多面的な機能を持っているけれども、主としてこういう機能をその森林には発揮してもらいたいというふうな位置づけをして、それによって、具体的な市町村の計画の段階では具体的にこの場所ではこういう森林施業を行うようにと、こういうような姿を明らかにしていくという意味では、先生のおっしゃったような方向に今回の改正で進んだという、一つの前進というか、そういう考え方だろうと思います。  ただ問題は、まさに先生がおっしゃったように、我が国の森林といっても非常に千差万別というか、地域によって差があるわけでありまして、それを全国森林計画、地域森林計画、市町村森林計画、こういう中で地域の多様性というか変化というものをやっぱりできるだけ生かすように、全国一本で決めたからみんな、いつも先生から御指摘を受けるわけですが、地域森林計画というのは名前だけ変えればどこのも同じになるんじゃないかと、そういう御指摘も受けました。そういうことではない、やっぱり地域の実情に合わせながら、しかし全体としていえば一つ一つのというか、ある森林の固まりというのがどういう機能を果たしていく森林なのかということが明らかになるような、そういうような形で森林計画制度を運営していく。そういう方向に大きく進むというか、第一歩をしるすというか、そういう意味で先生の御指摘にもかなった方向に進んだ、今回の改正は意図しているのではないか、こういうふうに私ども思っております。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 そういう方向に進んでいただきたいんですが、ただ、今の、施業計画を立ててそれでその地域の特性をあらわしていくというのは何か今までの方向と一緒で、そこでちょっとごちゃごちゃになるところがあるような気がいたしまして、私なりに考えますと、例えば人工林、これは商売になる、林業になるところ、それから先ほど言いました広葉樹林、これもなきゃいけないところ。しかし、これは開発行為のときに買い取られるような運命になったら大変ですし、それと同時に針葉樹とか、そういうものもあわせて、県民なり国民の皆さんがアクセスできるようなそういう森林というのもあるのかなというような、大きく分けてその三つぐらいにこれを分離しようかというような試みもしたこともあるんですけれども、そういうふうなアプローチも私はいいんじゃないかなと思うんです。  それによって、施業計画でもいいんですが、そういう計画をつくるのに、いわゆる今の森林組合も何か冷え込んでいるような気がいたしますので、森林組合にそういう作業を委託するような手法というのも一つ僕は必要なんじゃないかなと思うんですけれども、この辺、長官、御見解どうですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 前回の御審議の際も御指摘を受けたわけでございますけれども、確かに個々の森林所有者の方の森林施業計画といっても、なかなかそういっても、一人一人の方がばらばらにと言うとおかしゅうございますが、市町村計画に従って立ててもなかなか実効が上がらない。森林の所有者というのがかなり零細で分散されているということを考えれば、これからの作業の効率ということを含めて考えても、やっぱりかなり地域的にまとまりのある形で、どういう方向にこの森林を整備していくのか、どういうふうに木材として利用していくのか、こういう方向を明らかにしていくことが必要でありまして、では、そういう担い手というのは一体だれになるべきかということになると、私どもは基本的にそれは市町村か森林組合のどちらかではないのか、こういうふうに思うわけであります。    〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕  当面の話としては、やはり森林所有者の協同組織である森林組合というのが十分な力を持って、そういう地域の林業のあり方なり、森林のあり方なり施業の方向というものをリードしていく。そういう形でもって、それに零細な森林所有者の方々が組合員として協力をしていく、こういうような姿が描ければ、それが本来一番いい姿ではないか。  ただ、なかなか、口の上ではそういうふうに言えるんですけれども、実際にそれをシステムとしてどういう形で実現できるかということになりますと、いろいろ難しい面がございます。そういう点では、森林組合のこれからのあり方についても、今新しい検討会を発足させて、これからの森林組合がどうあるべきかというふうな議論も始めたところでございます。そういう中で、先生の御指摘のような話も含めて、森林組合が地域の森林・林業をどうリードしていくかという観点からの議論というものもさらに詰めてみたいというふうに思います。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 よろしくお願いをいたしたいと思います。私は森林組合の活性化ということが非常に気になりますので、その点で今申し上げたところでございます。  それともう一つは、これは私の経験なんですが、例えば県におりまして林業ビジョン等をつくるときに、国有林との連携というのがなかなかできないんですね。これは、県の立場からなかなかそちらにアプローチできない。だけれども、森林から考えれば、先ほど来言っていますとおり、もう一つなわけです。全体として考えなきゃいけないと思うんですが、その辺の国有林といいますか、国と地方自治体との関係というのは今どんなふうにお考えになって、今後もし不十分であれば改良していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 地域森林計画の段階で、民有林と国有林というのは流域単位に共通の基盤を持っているわけでございますから、ただいま先生が御指摘になったような形で、両方がそれぞれ所有主体というか、基本的な形態が違いますので計画自体をつくる主体が違うのは仕方がないにしても、十分すり合わせというか、協議をした上でつくっていく、これがやっぱり法律に書いてある基本でございまして、そのために我々も努力をしていかなければならないと思っております。  ただ、そういう意味で、うまくいっている地域、それとなかなかうまくいっていない地域というのがあるのが実は実際の姿でございます。  先日もお話し申し上げたわけでございますが、高知県の安芸の流域の森林計画、その森林計画に書いてあるわけではありませんが、国有林と民有林が覚書を締結いたしまして、かなり入り組んでいるわけでありますが、そこにおきます間伐の実施やなんかについて共通の指針をつくって一緒にやろうじゃないかと、こういうことで取り組んでいる、こういうふうな具体例もございます。  そういう意味では私ども、できる限り国有林の末端につきましても、そういういい例を参考にしながら、地域のための国有林、こういう考え方に立って民有林との十分な連携を図るようにこれからも指導していきたいと思いますし、どうかそういう意味では、県とかそういう計画をつくる主体の側におきましても御遠慮なくいろんなお話をしていただいて、よき関係というか、そういう議論の末に一体的な計画なり、最終的には森林の整備なり施業が行われていく、そういう姿を実現していきたいというふうに思っております。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 私が関係したとき以降、特別会計の赤字財政の処理がございましたので、それでまた変わっているんだろうとは思いますけれども、ひとつその辺も、同じ森林ですので、よろしくお願いいたしたいと思います。  次に、林業といいますか、先ほど来自給率云々のお話がございましたけれども、外材の輸入について、これが結局、日本の林業の面からの山を守るという意味の上での大きな関係の一つだと思うんですけれども。普通は、農産物の輸入というのは全部農水省が所管していますね。だけれども木材の場合は、それは何かもう林野庁の手に負えなかったのかどうかわかりませんが、自由化される場合に、コントロールといいますか、関与の面が農水省から、林野庁から離れちゃったような気がするんです、私だけの印象かもしれませんけれども。  そういう意味で、今、外材の輸入に対しまして林野庁といいますか農水省というのはどういうかかわり合いを持っておられるのか、その辺をひとつ教えていただきたいと思います。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 三十年代におきます木材の自由化の過程でどういうような状況であったかということは、必ずしも私もその当時の状況をつまびらかに承知しているわけではございません。  ただ、基本的には、やはりこの時点におきましても、もちろん木材の需給が大変その当時逼迫をいたしまして、国民にどう木材を安定的に供給していくかということが大変大きな課題になった。まさに国民所得倍増計画のもとでのそういう議論の中で自由化が行われたわけでありますが、この際も決して輸入の自由化ということだけが単独で取り上げられたわけではなくて、当時、昭和三十六年段階におきましても木材価格安定緊急対策というものが閣議決定で行われておりまして、その間国有林でどれだけの増産をするか、民有林についても免税措置を講じてどれほどの増伐の指導をするか、そして三点目に輸入についてはどの程度の増加を目標にするかと、こういうもののセットで木材価格安定緊急対策と銘打って、そういう中で自由化に進んでいった、こういう形でございまして、決して林野庁がよそからないがしろにされてこういうことになってしまったということではなくて、やはりその当時の需給関係からして私どもも外材の輸入ということが必要であると、こういう観点に立って一定の措置を図ったというのが実際の状況ではないかというふうに思っております。  ただ、現在の段階におきます木材をめぐっては、もちろんこれからWTO交渉その他があるわけでありますが、こういう点につきましては、当時どういう経過をたどったにせよ、現在においては農産物と全く同様の考え方でございまして、私ども木材を主管している官庁として、木材貿易に関しては我々は責任を持ってやらなければならない、こういう気持ちで取り組んでいく、こういう気持ちでおります。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 それでは、大変結構でございますので。  そこで、外材の輸入と一言で言っても、いろんな用途別といいますか、例えばパルプあるいは建材、建材にしてもいろんな種類があると思うんですね。これは北洋材、南洋材、いろいろ輸入先も違うと思うんですけれども、最近、時々聞きますのは、輸入していったためにだんだん条件が悪くなってきていると、奥地へ奥地へ進んで輸送コストも高くなってきている。そればかりでない、環境問題からいろいろ言われて輸入しづらくなってきているということが言われますと、やっぱり日本の国産材に頼らざるを得ない時代もまた来る。  もちろん、私は、感覚的な判断ですけれども、全需要を日本の国で賄ったら、これは恐らく日本の森林はつぶれちゃうんだろうと思うんです。だから、ある程度は外国との協調というのが必要であると思うんですけれども、そういうもう少し一般的な、輸入材ということでなくて、もっと分類して将来の見通しをしっかり立てて、その上で例えば造林するなりということを考えないと、これは一朝一夕で木材ができるわけじゃないですから、長い目でそういうことを考えなきゃいけないんじゃないのかなと思うんですけれども、その辺の研究というかお考えというのは、林野庁の方で何かお考えですか。

中須勇雄林野庁長官

○政府参考人(中須勇雄君) 大変難しい課題だろうと思います。  率直に言って、木材というのは植えてから、今でございますと杉でさえ五十年ではもう早過ぎると、六十年、七十年というような時代になるんではないか、こういうふうに思われます。そういう意味では大変難しいわけでありますが、そういう観点も決して忘れてはならないわけで、我々はできる限り外国の情報を収集して、国内の森林の姿というものをつくる際に参考にしていかなければならない、こういうふうに考えます。  ただ、これまでの外材の輸入の状況というものを非常に大ざっぱに申し上げますと、当初は南洋材というものが我が国の輸入の主流を占めていた。それが次第次第に、南洋における、熱帯地域における資源の制約なり、環境問題等もあったのかもしれませんが、徐々に減っていく中で、北米材、カナダ・アメリカ材というのが我が国に対する供給の主力になってきた、こういう大きな変化がございます。  現在では、カナダ・アメリカ材、特にアメリカ材はかなり競争力を現実には失っていると、いろんな材がございますので一概に言えませんが、そういう状況がございまして、今、我が国に対して急速にふえているというのは北欧、ヨーロッパからの材であります。  そういう意味において、我が国は輸入が得意な方が多いということかもしれませんが、そういう意味でいろいろ各地からその時点において最も安いものを量を確保して供給する、こういうことにたけた方が多いわけでありまして、そういうような変遷をしてきているというふうな状況でありますし、形態の面でもかつては丸太が主力を占めていたのが、もう丸太は非常に減って製材が中心になっている。今では、全体の量は少ないんですが、物すごい勢いでふえておりますのが集成材の輸入であると、こういうような大きな変化を繰り返して、繰り返しというか、変化の中にございます。  そういう意味において、なかなか先の見通しを立てることは難しいというふうに思いますが、先生の御指摘になった点は基本的に重要な観点だと思います。私どももしっかり勉強したいと思います。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 ほかに、先ほど小川委員が御質問されました、ある時期は森林を公的な管理をするという面について、私も大変関心を持っておりまして賛成でございます。資源保護機能齢級といいますか、そういうものを設定して、その期間は森林の公益的機能を守るということが大事で、先ほど市町村の分収林制度があるというようなあれですけれども、最後の手段だと言いましたけれども、本当にそれをもう発動しなきゃいけないぐらいの私は時期に来ているんじゃないかと思います。そういう意味で、これは質問じゃないんですけれども、質問がダブりますから質問にいたしませんが、私もそういう考えであるということを申し述べさせていただきたい。  最後に、大臣、今私が質問いたしました、何でもそうなんでしょうけれども、現状認識ですね、東京にいて机の上で考えるという以上に現実というのはバラエティーに富んでいる、これは大臣の方がよく御存じだと思いますけれども。林業というのはそういう面でもさらにバラエティーに富んでいる面があると思いますので、そういうものをしっかりと認識して、そして林業行政というのをやっていただかなきゃいけないと思うんですが、その辺の大臣の御決意を一言お願いいたします。

武部勤自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(武部勤君) 今回の法案は、森林の多面的機能の発揮という理念に基づいて施策の展開を図っていくことを明示しているわけでございます。  先生からもちょっと遅きに失したんじゃないかというような御指摘もございましたけれども、いずれにしましても、それぞれの先生方からの御議論の中にもありましたけれども、やっぱり国民の理解と協力、国民の合意ということが非常に重要であります。役所の論理ではなくて、国民でありますとか、木材の利用者、消費者、そういった方々の要望がどこにあるのか、要求がどこにあるのかということをしっかり踏まえた行政の執行、政策の展開をやっていかなきゃならぬ、かように存じております。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 よろしくお願いします。  以上で質問を終わります。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十七分散会

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