農林水産委員会 第14号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2001/06/05
会議録
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨四日、三浦一水君、井上吉夫君、羽田雄一郎君及び小川勝也君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君、日出英輔君、櫻井充君及び高嶋良充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 土地改良法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は前回終局いたしております。 本案の修正について郡司君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。郡司彰君。
○郡司彰君 私は、民主党・新緑風会を代表して、土地改良法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 その趣旨について御説明申し上げます。 二十一世紀は、環境の時代とも言われております。 農業生産の基盤の整備は、自然環境に人為的に作用を加えるため、その事業にかかわる区域や周囲の環境に対して一定の負荷を与える可能性があります。 このため、政府案の「環境との調和」では、一定の環境基準を設けて環境を良好な状態に保つ「環境の保全」と異なり、土地改良事業のあり方そのものを環境に合わせようとするだけであります。 そこで、土地改良事業の施行に当たっての原則に「環境の保全」に配慮すべきことを明確に位置づけることが必要であります。 また、土地改良事業の実施に当たっては、非農家を含む地域住民の理解を得ることが重要であることから、政府案よりも地域の意向が的確に反映できるようにする必要があります。 さらに、国・県営土地改良事業の廃止等の手続として、政府案には盛り込まれていない農家発意を認めるとともに、廃止等がより容易に行えるようにする必要があります。 次に、修正案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、環境の保全であります。 土地改良事業の施行に当たって配慮すべき事項の「環境との調和」を「環境の保全」とすることとしております。 第二に、地方公共団体の意向の反映の強化であります。 新たに施行しようとする土地改良事業の事業計画の概要について市町村長と行われる協議には、同意を要することとしております。そして、この場合、市町村長は、協議をしようとするときは、あらかじめ公聴会を開き、利害関係人及び学識経験者の意見を聞かなければならないこととしております。 第三に、意見書の提出に対する応答であります。 国営または都道府県営の土地改良事業について提出された意見書に関し、その意見を採用しないときは、意見書の提出を受けた者は、その意見の提出者に対し、採用しない旨及び理由を通知しなければならないこととしております。 第四に、国営及び都道府県営土地改良事業の廃止等の手続及び要件であります。 国営または都道府県営の土地改良事業の廃止またはその事業計画の変更は、事業の申請者の申し立てまたは第三条資格者の四分の一以上の申し立てによっても行われることとしております。 また、国営または都道府県営の土地改良事業の廃止またはその事業規模の縮小を内容とする事業計画の変更について、同意者数が要件とされている場合には、その同意者数を第三条資格者の「三分の二以上」から「二分の一以上」に引き下げることとしております。 以上が本修正案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(太田豊秋君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより土地改良法の一部を改正する法律案について直ちに採決に入ります。 まず、郡司君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 少数と認めます。よって、郡司君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、谷本君から発言を求められておりますので、これを許します。谷本巍君。
○谷本巍君 私は、ただいま可決されました土地改良法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 土地改良法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に努め、食料・農業・農村基本法の基本理念の実現に向け、土地改良事業の円滑かつ効果的な実施に遺憾なきを期すべきである。 一 土地改良事業の施行に際し環境との調和を図るに当たっては、極力環境の保全が図られるように配慮する等環境に積極的に適合するよう努めること。 二 土地改良事業の施行に当たっては、地域の合意形成を一層重視し、地方公共団体の意向を尊重すること。 三 国営又は都道府県営土地改良事業の計画決定に当たり、住民から提出された意見の取扱いについては、これを公表する等適切な措置を講ずること。 四 農村地域の混住化傾向に対処し、土地改良施設の維持更新が適切に行われるよう国及び地方公共団体による指導の強化及び助成に努めること。 五 国営又は都道府県営土地改良事業の推進に当たっては、事業実施地区の意向を十分に把握するとともに、再評価の結果を踏まえて、計画変更や廃止の手続を適切かつ迅速に講ずること。 六 土地改良事業の推進に当たって、工期の短縮、工事コストの縮減、土地改良区の合併等に一層努めること。 七 土地改良区の公共・公益的な性格にかんがみ、その適正な業務執行に向けて国及び地方公共団体による指導の徹底を図ること。 右決議する。
○委員長(太田豊秋君) ただいま谷本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(太田豊秋君) 全会一致と認めます。よって、谷本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武部農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武部農林水産大臣。
○国務大臣(武部勤君) ただいまは法案を可決いただき、まことにありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、今後最善の努力をいたしてまいりたいと存じます。
○委員長(太田豊秋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業協同組合法等の一部を改正する法律案及び農林中央金庫法案の審査のため、本日の委員会に農林水産大臣官房長田原文夫君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、同経営局長須賀田菊仁君、同農村振興局長木下寛之君、水産庁長官渡辺好明君及び金融庁総務企画局参事官浦西友義君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 農業協同組合法等の一部を改正する法律案及び農林中央金庫法案、以上両案を一括して議題といたします。 両案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岸宏一君 自民党の岸でございます。 大臣、おはようございます。 大臣は、農業構造改革を断行する、農林水産業を含めて、そういう御決意をかたくされておるというお話もお聞きしましたし、この前は大臣の私案の、食料の安定供給と美しい国づくりに向けてという私案も発表されました。したがって、昨今の非常に厳しい農業情勢、農協改革や信用事業の改革に大臣のらつ腕に期待する向きというのは非常に大きいものがあると思います。きょうは時間もたっぷりございますから、国民並びに関係者の皆さんに大臣の思いのたけをひとつ語っていただいて、広く皆さんに大臣のお考えを御理解していただく、そんな場にしていただければ、質問者として非常にうれしく思うところであります。どうぞひとつよろしく御答弁をお願い申し上げます。 さて、この農協二法の背景というんでしょうか、これには何といっても平成十一年七月に、我々待望しておりまして、制定されました食料・農業・農村基本法があって、この精神といいますか、理念というものに基づいて農協改革もスタートした、こう言っても過言ではないというふうな気さえいたすわけでございます。 この中で、第九条には、「農業者及び農業に関する団体は、農業及びこれに関連する活動を行うに当たっては、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。」とされております。また、第三十八条には、「国は、基本理念の実現に資することができるよう、食料、農業及び農村に関する団体の効率的な再編整備につき必要な施策を講ずるもの」とされております。 さらにまた、平成十二年三月二十四日に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画、これによりますと、農業協同組合系統組織が自主的に食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展、農村の振興という基本法の理念を的確かつ効率的に実現するよう、そういった体制を整備するのに必要な施策を推進する、こういうふうになっておりまして、これがいわば政府の基本的な方針でございます。 これに基づいて農協あるいは農村の現状をいろいろと勘案いたしまして今回この二法が出されたと、こういうふうに思うわけでございます。 さて、今この背景をもう少し詳しく考えてみますというと、どうも農村は過疎化が非常に都市部と比べまして顕著でございます。それから、高齢化につきましては、大臣も御承知のとおりの様相でございます。したがって、担い手不足、こういった問題が全国すべての農村において心配され、論じられ、農林水産省においてもそれらに対応するさまざまな手だてを講じているわけでございます。 また同時に、これも国全体としても言えることでございますけれども、産業の空洞化というんでしょうか、こういったものが地方に与えている影響は非常に大きいわけでございます。真っ先に閉鎖されるのは地方にある小さな町工場、村工場というんでしょうか、そういったものが一番早く淘汰されて、農村にはますます働く口がない、そういうふうな状況。それに加えて、この前、セーフガードをやったわけですけれども、どんどん外国からの輸入産品、農産物が輸入されることによって農業を非常に難しくしておると、こういう現況がある。 さらに、このごろ心配されておりますのは、小泉総理大臣の、まだかけ声という段階ではございましょうけれども、いわば公共事業の見直しやそういったものが、地方交付税にまで言及するさまざまな新しい改革が地方にかなり影響があるのではないかというふうな心配さえささやかれておる。そういう状況が、包括的に申しますれば、農村の現況だろうというふうに思うわけです。 さて、農協の方も、振り返ってみますというと、どうも振るわないというのが現状のようでございます。 私の住んでいる山形県なんかでよく聞く話でございますけれども、篤農家と我々よく言うんですけれども、いわば担い手と言ってもいいし、また政府が推奨しております認定農家と言ってもいいんでしょうけれども、そういうのでとりわけ優秀な方ほど農協離れが多いと。 農協から物を買ってもさっぱり安くないし、場合によってはちょっとお金を払わないでいると利子がかけられるとか、このごろはなくなったんでしょうか、僕も詳しくわかりませんけれども、そういうふうな話さえありましたよね。ましてや、たんと買ってくれたら安くしますよとか、そういうふうな制度を使っている農協というのも少ない。それから、購買事業というんですか、雑貨などさまざまなものを売っているそういうコープ、そんなものもどうもスーパーや何かに押されてぱっとしないという、そういう現状があるわけでございますし、また金融面なんかでもいろんな不安というんでしょうか、何となく振るわない。銀行が今ぐらぐらしている、そういう影響もあってでしょうけれども。 トータルとしてやっぱり農協は何とか改革をしなきゃならない、こういうときに確かに来ているというふうに私は思うわけでございます。 そこで、まず大臣に、これらの法律を提案するに当たりまして、農協改革、こういったことについてどういうお考えをお持ちであられるか。確かに提案理由の説明もございましたわけですけれども、あれではまだまだ大臣のことですから言い足りないという思いがあるんじゃないかと思うので、そういうところをひとつ語っていただければありがたいと思うんですが。
○国務大臣(武部勤君) ただいま岸先生から、農村の実情、実態、また農協の実情、実態について、現場から見た生の声をお聞かせいただいたわけでございますが、私も先生と全く認識は同じでございまして、どうしてこういう実態になってきたのかなということを常々考えるんですけれども、その一つは、やはり農協そのものが協同組合組織としての原点を忘れてはいないかということが一つあります。 それからもう一点は、これは私どもが反省しなきゃならないことでありますけれども、農政の重点はどこにあるべきだったのかということについて言うならば、やはり総花的というような批判にたえられる、そういう農政展開だったのかなということを深く反省しなければならないと、このように思っております。 しかし、それ以前に、今先生から思いのたけを述べよという、そういうお話がございましたからあえて申し上げますと、日本はカリフォルニア州より小さいんですね。かつて「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」という交通の標語もございました。そんな中で、効率優先、市場原理優先という中で、どうしても生産性の低い農林水産部門が押しつぶされていく、そういう傾向が一つあったんだろうと、このように思います。 これは、裏を返せば、それじゃ農林水産業というのは弱い産業なのかというと、私は決してそうではないと。強くなるべき政策をきちっと打ち出していたならば、あるいは農協なども原点というものをしっかり見詰めてやっていたならば、もっともっと強い農家、農業というものになっていたはずだということを反省しなきゃならないと、このように思っております。 協同組合精神というのは、一人は万人のために、万人は一人のためにという、そういう考え方が底流に流れていたと思うのでありますけれども、しかしその精神を大事にするがゆえに、何となくお互い、自分一人頑張らなくたって何とかしてくれるだろう、何とかなるだろうと、そういうような風潮も農村社会に強くなっていた、そういう傾向もあったんじゃないかというふうに反省しなければなりませんし、結果として自給率も今四〇%を切るような状態になっている。 ここへ来てやっぱり、いつも申し上げておりますように、新しい食料・農業・農村基本法の目指すところというのは、国内において五〇%の自給率を確保していこうと。しかし、当面十年間は四五%と。公明党さんが、きょうの新聞を見ると、十年間で五〇%というようなことを掲げておられまして、非常に積極的な精力的な考えだなと、かように思いますけれども、現実問題としてそれはもう至難なことだと、こう思っております。我々、四五%にするのでも至難なことだと、このように思っております。 したがって、先生の御質問に的確にお答えすることになるかどうかわかりませんけれども、食料の自給率四五%というものを目指して、これはもう強力な産業政策として、そこに政策の重点、集中的な投資ということをやっていかなきゃいけない。言ってみるならば、法人を含めた担い手に重点を置いた事業運営ということに改革をしていかなければならない、このように考えているわけでございます。 認定農家のことのお話もございましたが、法人経営とか大規模家族経営といったいわゆる担い手から、担い手と第二種兼業農家を悪平等に扱っており、担い手にとってはメリットがないといったような強い批判も出ているわけでありまして、農産物販売につきましても、担い手の中には、今お話しのとおり、消費者への直接販売を志向する者も多く出てきておりますし、これまでの農協はそうした農業者への支援方策ということを行うこともせず、これまでどおりの農協への出荷を要求することについて担い手の批判などもあるわけでございまして、またメーカーよりも価格が高いという批判の強い生産資材につきましても、一部の農協では大口割引を行っているところもありますけれども、割引率も大して高くない、そんなことから農協のシェアもどんどん下がっているという問題も生じているわけでありまして、こうしたことの結果として農協離れが相当進んできたと。 ちょっと数字を挙げますと、農協の農産物販売価格は、平成元年の六兆二千二百七億円から平成十一年には五兆一千五百四億円と減少しているわけでありますし、生産資材取扱高も平成元年の二兆九千九百二十四億円から十一年には二兆七千百三億円と減少してきている。また、農協を通さない計画外流通米も平成七年の二百五十八万トンから平成十一年には二百九十二万トンへと増大してきている。このまま行けば、農協は担い手の協同組織というよりも二種兼農家の協同組織といった性格を強めていくのではないかというような、そういう批判もございまして、農協系統でもこの問題は極めて重要な問題であると認識している、かように存じます。 したがいまして、今大事なことは、農業者の協同組織としての原点に戻って、法人を含めた担い手に重点を置いた事業運営を行うべく改革を進めようとしているわけでございまして、すべてのJAで担い手を中心にした地域農業戦略を策定、実践する、あるいは生産販売企画専任者を配置する、また生産資材の供給についても供給コストのおおむね二割程度の削減に取り組む、こういう目標を立てて、国としてもこうした農協系統の取り組みが着実に実施されるように支援をしてまいりたい、適切な対処をしてまいりたい、このように考えている次第でございまして、いずれにいたしましても、本当に大きな転換点ということで、私どもも先般、農林水産業の構造改革ということを掲げて、徹底した新たなる対応をやっていかなければならない、かように決意を新たにしている次第でございます。
○岸宏一君 ただいまの大臣の御答弁の中で、認定農家の問題でございますけれども、これは答弁は要りませんけれども、やはり農家、農村を回ってみて感じますことは、認定農家、私の山形県なんかは全国でもトップクラスなんですね、数では恐らくトップじゃないですか、局長さん。しかし、認定農家になってもメリットが余りない、スーパーL資金でしたか、それだけじゃないかといった声が非常に強いわけです。 しかし、大臣、今回の農業者年金の法改正なんかでも認定農家というのが一つの条件になったりしておるわけですから、この認定農家になることで、我が国食料生産の本当の担い手である、供給の担い手であるという自覚を持つような何らかの手だてを講じる必要がある、こういうふうに思いますので、ぜひこれは部内におきまして検討していただきたいものだというふうに思います。 今、大臣は、担い手を極力農協の組織から、あるいは農協の営農活動から逃がさないようにと、ぼやぼやしていると二種兼専用の農協になってしまう、こういうふうに言われかねないという言葉で御心配している向きもあるという御発言もあったわけでございますけれども、担い手をどうしたら農協の組織に取り込めるかということがこれからの大きな課題だろうというふうに思います。 そこで、局長さんとしてもいろいろお考えがあろうかと思いますが、ひとつ皆さんに、どういうふうにこれからそういった問題を考えていこうと農協もしているのか、また本省としてもこういうような形で応援していかなきゃならぬ、法律にもこういうふうに書いていますよ、こういったことについてひとつ答弁をしてください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 担い手と農協の関係についてのお尋ねでございます。 農林水産大臣から御答弁申し上げましたように、いわゆる大規模農家と言われる担い手が農協離れをした理由といたしましては、やはり生産資材価格が高い、それから値引きがないといったような状況が、アンケート調査の結果、それが四割を占めているということでございます。そういう意味で、今後、地域農業の振興を図る上で、担い手が農協から離れていくということがあっては、農協の本来の使命でございます組合員農家の経済的、社会的地位の向上を図るということが達成できなくなるという危機感を私どもも農協系統も共有をしております。 そこで、先ほどの大臣の御答弁とも重なりますけれども、まず生産資材価格をできるだけ安く供給するということでございまして、仕組みといたしましては、組織の効率化、組織の二段化というのを進めております。さらに、組織の二段化をいたしましても、支所という形で残っておりますれば物流の効率化ができないわけでございまして、今、農協系統とともども検討しておりますのは、全国一カ所に事務集中センターを設置して、配送拠点も、今全国一万カ所あるわけでございますけれども、これを三百カ所ぐらいに集約化することによりまして、生産資材価格の供給コストを二割程度下げていきたいということが一つでございます。 それから、地域におきまして地域農業の振興のための戦略を策定するんだ、そして実践するんだということを大臣から御答弁申し上げましたけれども、その戦略をつくるに当たっては担い手の意見をよく聞いてつくっていくということにしたいというふうに思っておりますし、これまでともすれば、営農指導員というのは技術指導に重点を置いてまいりましたけれども、どのようにしたら有利に農産物が売れるか、そういうことに重点を置いた営農指導に変えていきたいというふうに考えておりまして、こうした取り組みは農協系統が自主的に取り組まないといけない事柄が多うございますので、系統ともども取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○岸宏一君 今のお話でございますが、営農指導について、これを今度何か第一番に挙げて、たしか、いるわけですよね。 そこで、私も農村に住んでおりましていつも感じていましたことは、まあ町役場もそうなんですけれども、何日ごろに、稲作であるならば、種もみを水につけて、こうしてああして、水の深さは何ぼにしてとか、毎年同じようなパターンの営農指導というか、そういうことでいいものかどうかと、私も随分町の職員にも農協の営農指導者にも申し上げたことがございます。答えはどういう答えが出るかというと、いや、毎年毎年新しい人が入ってくるものですから最初から教えなきゃならぬと。確かにそれは理屈は通っているんですけれども、しかし、今局長が申されたように、ただ単に技術といいますと、篤農家の皆さんの技術は非常に高くて、農協の営農指導員のクラスでは、こう言ってはちょっと語弊があるかもしれませんが、すべて対応できるという代物では決してないわけでございますね。 しかもまた、営農指導は収益が上がらない、簡単に言えば赤字の部門でございますので、今まで農協もやりたくてもできなかった。人材を育てるべきではあったけれども、一方では農協の職員が多過ぎるから減らせという圧力があってなかなかできなかったという事情はよくわかりますけれども、やはりこれは、法律なんかで簡単に書きますけれども、実際の営農指導というものを考えた場合には、各単協なんかでやろうと思ったって、十分なものは決してできるわけがないと思うんですね。ですからこれは、もう少し大きな組織の中で優秀な技術を持った方々が直接農村部に、単協なら単協に行って指導できるような何らかの体制を編み出すということも一つ考えられるのではないかと、こんな気がいたします。 それから、局長のお話に賛成なのは、技術もさりながら、やっぱりどのようにして商売するかということですよね。これを農協、農家、皆さんがやっぱり考える必要があると思うんですよね。ここを強化していくということをおっしゃっていましたが、非常にいいことだと私は思っております。 そのためには、やはりこれから組織の問題もいろいろ、後から申し上げますけれども、市町村や県、それから町の商工会とか観光協会とか、そういったすべての総合的連携というんでしょうか、こういったものをやっぱりやっていかないというと、ただ単に農協の営農、販売力だけで成功した例は、確かに数えればありますよ、いろんなところで私も実例を聞いておりますけれども、トータルとしてなかなかうまくはいかないんじゃないかと、こういうふうに思うんですけれどもね。局長さん、この辺は、うまくいっている例とか、それから、やっぱりこういうことがあってうまくいかないのかなという、そういうことがありましたらひとつ御紹介してもらいたいし、それと、私の今申し上げたことに対してどういうふうにお考えかということもひとつお聞かせください。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 岸先生のお話、まさにそのとおりだというふうに私どもも認識をしておりまして、これから営農指導というものをどのように内容を充実していくかということが重要ではないかというふうに思っております。やはりその基本は、営農指導員の資質の問題と取り組み姿勢の問題であろうというふうに思っているわけでございます。 そこで、全国でどのような取り組みでうまくいっている事例があるかということでございます。 まず一つは、栽培技術でございますとか品質基準でございますとかそういうものを、最もその技術の高い地域、まあ先進地域に行きまして、その技術をそのまま自分のところの農協へ持ってきて、結果的にその地域をブランド化して販売をさせるというような事例が多くの農協で見られているところでございますし、また、栽培時期というものを、いろんな農産物を組み合わせることによりまして、周年販売でございますとか長期出荷でございますとか、そういう安定的な栽培に取り組んでいる事例もございます。 それから、最後に申されました、消費者へ直接というようなことといたしまして、一般消費者へ販売する店舗をみずから設置いたしまして販路を拡大するというようなケースもございます。それから、農協の取り組み姿勢といたしまして、マーケティングでございますとかあるいは販路先との交渉でございますとかに力を注ぎ、これと営農指導を結びつけている、こういうような事例もございまして、このような事例を念頭に置きながら、現在、全中の方におきまして、全国統一の営農指導員資格認証試験、ボトムアップのためのそういう試験にたしか平成六年から取り組んでおるように聞いておりまして、こういうような系統の努力と相まちまして、その体制の問題と、それから資質の向上というものに取り組んでいく必要があるのではないかというふうに認識をしている次第でございます。
○岸宏一君 どうもありがとうございます。 それでは、次に組織の問題に入りたいと思いますが、農協改革をしていく上で、全中というんですか、そこでもって農協の合併を推進するということが進められておりますが、この合併については七十数%という達成率だそうですけれども、それによって合併のメリットというのはもうかなり出ているものなのか、あるいは合併のメリットというのはなかなかまだ見えませんよという段階なのか、こういったところ、局長とらえておられるか、ひとつどうでしょう。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 合併の問題でございます。横の合併、たしか目標は、五百十農協に全国するという目標で取り組んでおります。現在のところ、本年の四月一日現在で千百六十六という合併数でございます。 うまくいっているのかどうかということでございまして、なかなか一概には言いがたい面がございます。先ほど、ケースとして申し上げましたような事例につきましては、合併を契機にして新しい施設を更新するでございますとか、余裕のできた人員をマーケティング等の業務につかせるとか、そういう事例としてうまくいっている事例もございますし、それから、合併によって、最近必要性の増している高齢者福祉の事業に取り組んでいる、あるいは信用事業の経営基盤を強化した等々の事例は我々も承知をしているところでございます。 しかしながら、要は、組合員農家に対していかに大きなメリットを還元するかということでございまして、多分に、合併しただけではなくて、合併後の農協の姿勢の問題が大きいところがあろうかというふうに思っているところでございまして、系統の方でも、単に合併するだけではなくて、その後の取り組みとして、先ほど来申し上げております地域農業戦略というようなものをつくって地域農業の振興に取り組んでいかぬといけないんだという、多分に自己責任に基づく取り組み姿勢があろうかというふうに思っております。 したがいまして、我々行政といたしましては、合併推進の環境を今後とも整備していきたいということでございまして、合併助成法の延長は行いませんけれども、合併に伴います企業再編税制の適用といったものにつきましては今後とも適用をしていくということにしたところでございまして、そういうふうに我々としては合併の環境整備に努め、あとは系統の自主的努力と相まちまして合併のメリットが組合員農家に還元されるようにしたいというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(武部勤君) 農林水産大臣という今の役職、このことを離れて、今先生の御指摘の点について、今後こういう方向づけをする必要があるんじゃないかと思っていることをちょっと述べさせていただきたいと思うんです。 それは、なぜ農林水産大臣という役職を離れてと、こういうふうに申し上げたかというと、今度の農協改革法案、この後の段階で私はこういう方向に行かざるを得ないのではないかという、そういう思いを持っているものですから、今そういうふうに前提として申し上げたのでありますけれども、私は農協のそれぞれいろんな事情があると思います。地域によって問題は違うかもしれません。しかし、かなり合併というのは難しい問題を含んでいると。しかし、いわば市場原理で考えなければならない部分は、農協が積極的に法人組織を、地域の幾つかの農協と語らってつくって、経済行為の分野、マーケティングの分野、そういったところはどんどんそういった方向でやっていってしかるべきでないのかな、かように思います。 そして、本来農協がこれからもさらに続けていかなきゃならない部門というのは、先ほど営農指導の話もありました。あるいは農村の高齢化というようなことから福祉サービスのそういう部門もあると思います。いわゆるサービス部門といいますか、そういった部門は、地方自治体などと連携して、そっちの方で一つになっていくと。そして、経済行為といいますか産業政策の部門は、農協組織というものを超えて、広域的な法人化というようなことを積極的に進めていくということの方が、先生御指摘のようないわば担い手とか地域社会のニーズにこたえ得る、そういう対応になるんじゃないのかな、こういうふうに考えております。 合併のメリットはないのかということでありますけれども、私どもが知っている範囲では、合併しなかったら、にっちもさっちもいかないところが生き返ったという意味だけでも合併のメリットがある、かように思いますし、これからさらに、合併の要件というのはなかなか容易でないと思いますし、やれるところからやる、そういう市場原理と公共原理とあると思うんです。市場原理の分野についてはむしろ農協の枠を超えたような方式で対応していくというようなことも必要になってくるんじゃないかと思うんです。 具体的な話をしますと、農協は、後で議論に出てくると思いますけれども、やっぱり理事会の議決が要る、あるいは総会の議決が要る。しかし、経済はどんどん動いていますから、農協におけるマーケティングの分野において、理事会の決定がなければ対応できない、あるいは総会の議を経なければ結論は出せないというようなことは、いわゆる認定農業者だとか大規模経営者、常に日常マーケティングを第一に、株の動きと同じように、農産物の価格の動き、市場の動きというものを気にしている生産者からすれば、とてもじゃないけれども、これじゃ農業参入というような話なんというのはもうとっくに昔の話ですよというようなことを言われる。しかも、今の若い認定農業者などはしょっちゅう市場調査に出ていますし、それから海外にも行っていますよ。あなた方の言っている話はもうとっくの昔の話じゃないか、おとといの話を言われたって困るんだ、おれらはあしたの話だと、こう言われたときに、実際に市場調査にも行ってなければ海外にも行っていない、それが間違いなのか正しいのかよくわからないと、そこに自信というものは伴いませんから、指導についても自信を持った対応ができない。 だから、それはもう、マーケティングの世界、市場原理の世界は、やはり私は今の農協の組織のあり方ではついていけないような状態になっているんじゃないかと思うんです。ですから、合併によってそこまで期待するというのは、私は、これはどんなに大合併しても難しい話になってくるんじゃないのかなと、こう思います。 しかし、農村における農協のこれからの存在感というものは、私は新たなる価値というものは数多くあるというふうに思います。それは、サービス部門、本来ならば自治体がやらなきゃならないことも、高齢者福祉の問題についても身近なところで対応できるわけでありますから、そういったことを、経済行為の分野とサービス行為の分野と一緒にしてはいけないんじゃないのかな。そこには、営農指導の分野はどっちに入ってくるのかなというような感じがいたしますけれども。 もう少しちょっと私が体験した事例をお話ししますと、土壌検査所というのがありますね。土壌検査を請け負うセンターが公的にあります。これは、ただでやってくれます。それで、若い農家が来て土壌検査をしてもらう。ところが、それを有効に生かさない。しかし、行革のあおりで金を取るようになった。今まで無料だったのが金を取らざるを得なくなった。金を取るようになったら、途端に若い生産者はこの土壌検査のセンターの利用について真剣になってきた。こういう一面があるわけでありまして、そういったことを考えると、営農指導の問題も、これは公共原理、公的原理でやるべきかどうかということまで今後考えていかなきゃいけない。 いずれにいたしましても、今度の法案というものは絶対的なものではないというふうに私どもは認識しておりますが、しかし、直面している問題を解決していくためにどうしても早い成立を期していかなきゃならない、こういうふうに考えている次第でございまして、あえて農林水産大臣としての職務を超えて今、農協問題の将来をどう展望するかというようなことについて私見を申し上げさせていただいた次第でございまして、お許しをいただきたいと思います。
○岸宏一君 大変結構なお話、ありがとうございました。 私、今、農協の合併がある程度進んでまいりました、そして今度は農協の組織を改革するんだ、こういう段階に入っているというふうに実は認識をして、そういうお話をしたわけでございます。実は、そこで大臣の農協改革の御意見というものを聞きたかったんですけれども。 もう一回また聞くことになりますけれども、今回の法改正で、農協の役員の制度、こういったものは大きく変えなきゃならぬという意欲というんですか、こういうものが法律の中にも感じられるわけでございます。経営管理委員会ですか、そういったものを含めてこの役員制度をどう改革する、そして、これはどういうふうないい効果を生むんだろうか、こんなことについて大臣の御答弁をちょうだいしたい、お考えをお聞きしたい。
○国務大臣(武部勤君) 平素、岸先生と党内でいろいろ議論しておりますので、先生の考えはこういったところにあるんだろうというようなことで、先走って答弁してしまったことをまずおわびさせていただきます。 今、私が申し上げましたようなことは、さらに先の話だというふうに御理解いただきたいと思いますけれども、住専問題を契機に、農協系統としても、合併の問題あるいは県連と全国連の統合の問題、JAグループで職員を五万人も削減しようというようなことの経営の合理化、効率化の方針を打ち出して、そういう努力をしているわけでございますが、さらに今度の法案は、法制度上強制力がないものも多かったこと、あるいは問題意識が必ずしも農協内、組織内で共有されていない、末端まで改革方針が浸透していないというようなこと、あるいは農協自身の改革実行への具体的な取り組みについてはそれぞれ温度差があるというようなことで、今次改正に当たりましては、制度上可能な限り強制力を持たしていくというようなことで、その中では、農協の常勤理事を三人制にする、信連等の経営管理委員会の設置、新たな農協金融システムの構築等といった工夫をしているということは御案内のとおりでございます。 そういったような的確な業務執行体制の整備の必要性等にかんがみまして、この法案では、農協の改革というものに農協みずからが積極的に取り組んでいくという方向づけをしている次第でございます。 以上です。
○岸宏一君 局長さん、経営管理委員会の制度と、その理事、経営管理委員会が理事を何かこう選任するんですか。この関係をひとつ説明してくれませんか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 経営管理委員会制度というのは、平成八年の農協改革法から取り入れられたものでございます。そのねらいとするところは、農協は農業者の協同組織であるということで、できるだけ組合員の意向が反映されるような業務執行体制が望ましいという観点が一つあるわけでございますけれども、他方で、いろんな規制緩和の中で他業態との競合が強まるということで、非常に迅速、的確な経営判断が要請される。この両方の要請を満たさないといけないということで、まず経営管理委員会というものを設置して、できるだけ組合員の方がこういう経営管理委員会に入って重要な意思決定をしていく。そして、日常の業務を執行する理事を選びまして、理事会が日常の業務は行っていく。要するに、最高の意思決定のもとに理事会をコントロールする経営管理委員会と、それから日々の業務を執行する理事会に分けたわけでございます。 残念ながら、この経営管理委員会を導入している組合、連合会を入れまして、現在のところ、七つということで、なかなか普及が定着したという状況にはないわけでございまして、今回の改正におきまして、まず一つは、信連を初めといたします連合会にこの制度を義務づけるということにしていることが一つでございます。 それから、この制度を使いやすくするという意味で、今までは理事の選任権だけ経営管理委員会に与えていたわけでございますけれども、代表理事の選任権も付与するということにしております。それから、これまでともすれば、青年農業者でございますとか女性部会に属している女性の方々でございますとか、なかなか正組合員になれずに経営管理委員になれないということがございましたので、それらの方々も経営管理委員会に入れるように、正組合員でなくても、全体の四分の一以内で正組合員の方以外からも経営管理委員になれるというような、使いやすい制度に今回改正するということにしているところでございます。
○岸宏一君 そうしますと、県中央会系は全部やらなきゃならぬと、こういうことになるんですか。県の信連だとか農協中央会とかは全部こういうのをつくるということなんですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 基本的に、農協系統というのは農業者の自主的な協同組織であるということで、その業務執行体制も、基本的にはみずから選ぶということを原則にしております。 しかしながら、昨今の経済情勢を見ておりますと、来年四月からペイオフが解禁になるということ、それから、金融業務については専門家による的確な経営判断と迅速な対応というものが特に金融方面では要求されるということ、それから、全国連を農協は持っておりますけれども、やはり全国連は外部経済との接点に立ってさまざまな競争の中に置かれているという状況がございまして、私どもとしては、当面、信連とそれから全国連とに義務づけていきたいというふうに考えている次第でございます。
○岸宏一君 ちょっと私、それを忘れておりました。信連と全国連ということですね。わかりました。 次は、今度の法改正の中で、信用事業の関係でございますけれども、これについてちょっとお伺いしますが、来年四月にペイオフの解禁を迎えているわけでございます。この関係で信用事業の改革は急がなきゃならぬと、こういうことでございますが、やはり何といっても単協と信連と中央金庫ですか、こういったものの一体感、一体性というんでしょうか、こういうものを高めるためのシステムというもの、これは非常に重要な問題になるというふうによく言われますけれども、これの具体的な内容というんですか、これをちょっと局長さんから御説明いただけませんか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 信用事業のお話でございます。 先生言われるとおり、来年の四月からペイオフが解禁になるわけでございまして、農協系統といたしましては、その四月までに不良債権を処理いたしまして、組合員から信頼される、安心して預けることのできる金融機関として定着をさせたいという強い希望がございます。 そこで、現在の農協、信連、農林中金の金融業務を見てみますと、どうも一つ一つがばらばらに資金運用を行っておりまして、能力を超えます資金運用を行うような場合には経営が破綻するというようなことが後を絶たないということでございまして、何のための系統かということになるわけでございます。この厳しい金融情勢の中で他の金融機関と伍して十分に競争に打ちかっていくためには、中金、信連、単協が一つの系統金融機関として総合力を最大限に発揮できるようにするということが不可欠ではないかというふうに考えている次第でございます。 そこで、今回の法律改正では、各農協、信連、農林中金が問題のある農協をピックアップするための自主ルールというのを策定いたしまして、これに基づきまして問題のある農協を見つけ、それに対して有効な指導を行っていき、その指導に応じていろいろな資金援助等もできるような体制を整えるということにしているところでございます。 これが制度の問題でございまして、あと、系統自身も、自主的に債権の整理回収のための会社、サービサーを設立いたしましたし、また自主的な相互援助制度の充実を図るということで、みずからその処理に積極的に立ち向かうという体制を整えているところでございます。
○岸宏一君 この信用事業では不良債権の処理ということも課題だというふうに聞いておりますが、何か農林中金でも一兆円か何かある、各農協でもかなりあるという話でございましたが、これらについては、その処理方針、そしてまたしっかりとできるという、こういうお話を大臣からいただきたいと思いますが、いかがですか。 それからもう一つ、この法律の改正で貸出先の規制が緩くなって、農林中金では関係団体以外にもたくさん貸せるという、そういうふうになるんですか。その場合、資金の流れというのが大きく変わるとか、あるいはなれない部門に結局貸し出しをすることになるから、結構これは心配もあるのではないか、こういう気もするんですけれども、この点もいかがか。 それは局長さんで結構ですけれども、大臣からは、不良債権の処理は、実態はこうであって方針はこうだ、皆さんよくわかっておいてくださいと、こういうお話をしていただきたい。
○国務大臣(武部勤君) 後段については局長に答弁させますが、今先生御指摘のことを事実関係も含めてお話しさせていただきますと、農協、信連、農林中金の十一事業年度末のリスク管理債権の総額は二兆八千五百一億円、リスク管理債権の総資産に占める割合は、農協が一・四%、信連、農林中金が一・七%、また、貸出金に占める比率は、農協が五・一%、信連、農林中金が六・三%となっておりまして、他業態、全国銀行の総資産に占める割合は三・九%ですし、貸出金に占める割合は六・一%でございまして、これよりも低いかもしくは同程度の水準にあると、かように認識をしております。 また、貸倒引当金残高は、農協が四千六百億円、前年度に比べ五百七十一億円増であります。信連、農林中金が八千五百九十億円、前年度に比べ二百九十億円増であります。リスク管理債権に対する引き当て率も、農協が四一・二%、信連、農林中金は四九・六%と、他業態、全国銀行が四〇・三%でありますから、これを超える水準になっております。 ペイオフ解禁を控え、農協系統信用事業の健全化を図り、預金者、貯金者等の信頼性を確保するためには不良債権の抜本的な処理が必要であることからしまして、農協系統においては、不良債権処理を着実に進め、経営困難な農協を十四年四月までに解消することを決定し、積極的に取り組んでいるところでございます。 具体的には、不良債権の最終処理を進めるため、農協等の不良債権の買い取り、回収を専門に行う系統債権管理回収機関、今局長が言いました系統サービサーを設立いたしまして、八月から営業を開始することとしております。また、不良債権等によって経営困難となっている農協の処理に対する系統支援を拡充しまして、まず、農協系統の自主的な積立制度である全国相互援助制度の発動要件を緩和いたしますとともに、農水産業協同組合貯金保険制度についても問題農協に対する資金援助を積極的に行う、かようなことにしているわけであります。さらに、ペイオフ解禁までに問題農協の処理を集中的かつ計画的に終了するため、行政と系統が連携を密にして対応することといたしております。 いずれにいたしましても、ペイオフ解禁までに銀行等と同様に不良債権処理を確実に進めていく考えであることを申し上げたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林中金の貸出先の改正についてのお尋ねがございました。 先生御高承のとおり、農林中金は農林水産業の協同組織金融機関の全国機関でございまして、そういう性格上、貸出先もこれまでそういう性格を逸脱しない範囲内で所要の限定がございました。まずは系統団体への貸し出し、それから農業の関連産業への貸し出し、それから農山漁村を整備する法人への貸し出し、そして公的法人への貸し出し、ここまでの貸し出しがこれまでは認められていたわけでございます。 しかしながら、昨今の状況を見ておりますと、農林中金の総資産のうち、貸し出しによって運用されているものが四割にすぎないということでございまして、都市銀行が総資産の六割を貸し出ししているのに比べて非常に小さい割合であるというようなこともございます。特に昨今、金融情勢も非常に厳しいものがございまして、中金の協同組織金融機関としての性格のほかに、やはり系統のトップの団体として、全国機関として外部経済との接点に立って運用して、その運用して得た収益を還元していくということも一つの重要な中金の任務になっております。 そこで今回、業種限定のない貸出先を協同組織としての性格を崩さない範囲で認めようということで、一定の枠を設定いたしまして業種限定のない貸出先を認めるということにしたわけでございまして、基本的な性格あるいは資金の還元のルートにこれまでと、変更を加えるというようなことはないというふうに考えております。
○岸宏一君 わかりました。 どうもこのごろ農協も元気がないわけでございます。昔よく言われたのは、昔軍隊今農協なんという、そういう言葉がありましたが、農協がそんなに強くなる必要はありませんけれども、何というんでしょうか、地域にしっかりとした存在感があって、農協というものが地方にとって、住民にとって、農家はもちろんですけれども、必要なものだという、そういうくらいの地位をどうしてもこれは占めていただきたいというふうに我々は願うわけでございます。どうかひとつ、この法律がそういった方向で、農協をよみがえらせ、ひいては農村、農家が繁栄する、そういったもととなることを我々は願ってやまないわけでございます。 どうぞひとつ、大臣におかれましては、そういう趣旨に沿いまして、事務方を督励いただき、また農協の皆さん、農家の皆さんを勇気づけて、新しい時代の新しい法律をしっかりとしたものに立ち上げていっていただくことを心からお願いとお祈りを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(太田豊秋君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時三十一分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高嶋良充君及び岩城光英君が委員を辞任され、その補欠として小川勝也君及び三浦一水君が選任されました。 ─────────────
○委員長(太田豊秋君) 休憩前に引き続き、農業協同組合法等の一部を改正する法律案及び農林中央金庫法案、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 今回、農業協同組合法など随分勉強させていただきましたけれども、その法律の目的の中に、ちょっと読ませていただきますけれども、「農民の協同組織の発達を促進し、以て農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的とする。」というふうにございます。 〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕 そして、今回の農協系の金融機関のあり方を見たときに、果たしてこの目的に沿っているんだろうかという疑問がございます。つまりは、例えばその「農業生産力の増進」という点で融資されているものが果たして一体どれだけあるのか。そして、「経済的社会的地位の向上」というのは、農民の方が持っていらっしゃる財産を預金として預かってふやしていくということが、私は、「経済的社会的地位の向上」ではないというふうに思っておりますので、そういう意味において、果たして農業協同組合法の中で定められている目的に今の農協系の金融機関というのが合致しているのかどうか、まずその点について農水省の御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協の行います信用事業についてのお尋ねでございます。 農協の行います信用事業、歴史的には先生も御承知のとおり、もともと資金調達が難しい農業者に余裕の資金を供給するという意味で、農協の創設当時以降、信用事業が相当な重要性を有しておりまして、現行の農協法では、そういう意味で農協の事業として信用事業を第一に規定しているところでございます。 その後、高度経済成長ということがございまして、例えば農家の有しました土地を売買した代金でございますとか、あるいは経済事業に伴います代金でございますとかが預金で農協に入ってきたということでございます。こういうものについて、組合員の経営のみならず、生活の向上のための便益でございますとかサービスを供与するということも農協の使命というふうに私どもも考えておりまして、農協がそういう貯金、あるいはそれを運用して還元するということを健全に行っております限りにおいて、農協の信用事業はしかるべき位置づけが与えられるべきではないかというふうに私どもは考えておるわけでございます。 もっとも、私どもも信用事業だけに特化するということが農協の使命とは考えておりませんで、やはり基本は、農業者の協同組織でございますし、農家組合員の営農指導を支援するという目的から大幅に逸脱した運用というようなことは厳に戒むべきものではないかというふうに考えております。 そういう意味で、今回の法律改正におきましては、現行法を改めまして、営農指導というものを農協の第一の事業というふうに位置づけたところでございます。
○櫻井充君 お話はよくわかるんですけれども、現在の預金量が、そうすると、それに果たしてふさわしい額なのかどうかという議論がこれは必要なんだろうと思うんです。 そのお金の流れを見てみますと、農協で総資産が約七十二兆円。そのうち、組合員の方々からの貯金が約七十兆円と。結果的には、運用が大体二十七兆円か二十八兆円ぐらいでしょうか。それで、結局、預け金として信連に預け入れると。結果的に、今度は信連でも運用が十分できずに農林中金に上がっていくと。こういうシステムをとっているわけでして、もともとこれだけの預金を集める必要性がまずあるのかどうかということと、はっきり言えば、これだけ金融のことを扱うのだとすると、もう一つ疑問は、果たしてこれは、もちろん金融庁との共管になっていますけれども、本来であればもう金融庁に主管をお任せするような形にするべきではないかと思いますが、その辺はいかがでございましょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協の金融業務に関します事項につきましては、先生がおっしゃるように我が省と金融庁の共管ということになっておりまして、金融機関を通じますいろいろな規制でございますとか、あるいはその緩和でございますとか、あるいは指導でございますとか、こういうものにつきましては主として金融庁が全金融機関の横並びを見ながら指導をされておるというのが実態でございます。 そして、先生の言われた七十兆という農協貯金、これが何か無理に集めているというような言われ方でございましたけれども、これは農家の、農業だけではございませんけれども、いろいろな活動の中で農協に集まってくるわけでございまして、現在の系統というシステムを通じまして、最終的には農林中金が外部経済との接点に立って運用をして大事なお金を還元していくと、これもやはり現実に系統の任務ではないかというふうに考えている次第でございます。
○櫻井充君 済みません、私の認識が違うかもしれませんけれども、テレビでコマーシャルもやっていませんか。預金をすると貯金魚とか、そういうのをもらえるとか。何もしていなくて自然に集まってきているのとは違うんじゃないですか。そこの認識が僕はおかしいと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協系統も我が国の民間金融機関の一つといたしまして、金融システムの重要な一翼を担っているというふうに認識をしておりまして、他の民間金融機関と同様なそういう宣伝でございますとか、それはやらせていただいておるわけでございます。それは、やはりこんな厳しい金融情勢の中で生き抜いていかないといけないということで、ほかの金融機関と同じようなそういうコマーシャルでございますとか宣伝、これは許されるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○櫻井充君 今、大事なことをおっしゃったと思いますよ。つまりは、ほかの民間の金融機関と同じようにと、そしてここの中で勝ち残っていけないというお話をされていました。 これが本来の仕事でないと先ほどおっしゃったはずですよ。営農を中心にやっていこうとおっしゃっていて、それに付随するものがあくまで金融業務だと。金融業務というよりも、字のごとく、お金を融通するという協同組合の組織から始まったわけであって、それを逸脱している行為を行っているからそういう無理をしなけりゃいけない、そうなんじゃないですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 信用事業が営農指導事業に付随するというわけではなくて、農協のあり方として何を第一の使命とするかということについては、組合員農家の営農支援、すなわち営農指導事業を第一とするというふうに申し上げた次第でございます。 信用事業は信用事業としてやはりそれなりに立派な任務を持っております。今後、金融情勢いかんによって、今のような金融がだぶついている、いっぱい農協にお金が集まるという状況が変わるかもしれません。そういうときになれば、信用事業の農家に対する貸し付けの重要性等もまた再評価されるのではないかと思いますけれども、ともかく現在の状況下では、集まっているお金を最大限効率的に運用して、農家に健全に還元していくということも重要な農協の任務というふうに心得ておる次第でございます。
○櫻井充君 それでは、本来の農業に対して、農業というんでしょうか、そのために貸し出している額というのは一体幾らぐらいなんでしょうか。つまり、農家の方が、例えば私の知り合いなんかはアパートを建てたりしておりますけれども、それも農協からお金を借りております。それから、加工食品をつくるとか、そういうことではなくて、純粋な農業事業のために農協系の金融機関というのはどれだけ貸し出しているんですか。 〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
○政府参考人(須賀田菊仁君) ちょっと手元に資料がないわけでございます。たしか農家への貸し出しが全体の一一、二%だったと思います。全体の貸し付けが二十二兆円程度でございますので、その一割でございますので約二兆ぐらいが農業資金ではないかというふうに認識をしております。
○櫻井充君 ですから、今答弁されていることと実際やっていることは大分違うんじゃないでしょうか。 もう一つ、きょうは金融庁の方にお越しいただいていますから、ちょっとお話をお伺いさせていただきたいと思いますけれども、金融の一元化ということを目標に金融庁は今やられていると思います。今のこの農協系の金融機関というものも、もう私は、ほとんど民間金融機関と遜色のないだけの預金量があるわけですから、そういう意味で言うと、主管はこれからもう金融庁が行っていくべきじゃないかと思っていますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(浦西友義君) お答え申し上げます。 現在、農林中金、信農連、信漁連、農林水産省と共管ということで監督しておるわけでございますが、金融庁といたしましては健全性という観点からの監督に重点を置いております。 農林系金融機関につきましては、また、今御答弁がありましたように、系統機関としての目的、趣旨等もあるということでございますので、農林水産省とよく連絡、連携を取り合って監督していくのが適当かというふうに思っております。
○櫻井充君 今、健全性というお話がありましたけれども、農協系の金融機関というのは、金融庁から見たときに、基本的には健全であるというふうに御認識されているんでしょうか。
○政府参考人(浦西友義君) 金融庁が農林水産省とともに直接に監督しておりますのは、農林中金、信農連、信漁連でございますが、全体の、例えば不良債権でございますリスク管理債権、現在約一・七兆円ございます。貸出金に占める割合が六・三%ということになっておりまして、他の金融機関と比べてそれほど大きな差はないものというふうに考えております。
○櫻井充君 しかし、これからのことを考えていった際に、ここは大臣、大事な点なんでちょっとお伺いさせていただきたいんですけれども、やはり中途半端な、お互い共存みたいな形というのはおかしな話でして、これから金融というものをどう考えていくのかというか、日本の農業というのを一体どう考えていくのかという中からまず位置づけを考えていかなきゃいけないんだろうと思うんですよ。 それで、要するに、私は宮城県の町村会長さんともさっき話をしましたけれども、何ておっしゃっているかというと、一次産業で食べていけない、一次産業で食べていけないから、結果的に自分たちで食べていける道を探して、こういう格好で農協で金融も行いながら、そちらの方で食べていくようにならざるを得ないんだよな、そういうお話もされているわけです。つまりは、もう農家を捨ててそういう金融に行かざるを得ない現状があるんだというお話もされていました。 ですから、そういう意味で考えてくれば、農業として本来あるべき農協の姿というものは、農協の姿で残さなきゃいけないし、これから強化していかなきゃいけないことはそうなんです。しかしながら、もうそれ以外のことをやっているものは、いつまでも農水省で見ているんではなくて、その部分は金融庁なら金融庁にお任せするという、そういうやり方にしていくべきではないかと思うんですけれども、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 先ほど来、局長が答弁しておりますように、農協というのは農業者のための協同組織でありますから、農家組合員の営農活動を支援するということを目的にして設立された、これは原点だろうと、こう思います。 ところが、時代の変遷とともに、農協組織もしっかりとした体制、営農指導に限らず相当いろんな多角的な事業も行ってきております。それは生産者が、第一次生産だけじゃなくて、加工とか流通とか他の分野に進出したいと、そういう願望を持つのも当然であろうと、かように思います。その際に、そういったところから新たなる果実を得ようとすることについては、他の金融機関がどの程度こたえ得るかということになると、私はなかなかそう簡単なものじゃないんだろうと、こう思います。それは今後もなおさらそうだろうと思うんですね。 そういう意味で、共済事業とか信用事業が補っているという現実がこれまであるということも事実でありますが、今後のことを考えれば、やはり農協は、小さな政府ということを行政改革の上で言っておりますように、本来の農協のあるべき姿に原点を求めていくべきだろう。午前中も、私はそういう意味で、営農指導とかサービス事業とか、地方自治体と一体になってやっている方に特化して、経済行為だとか産業政策の分野は、むしろ広域的な農協が一つの会社組織、法人を組織して、そして他の産業と競争力のある、いわゆる市場経済原理で対応し得る、そういう体質強化をしていくべきだろうと、このように思うんです。 しかし、その際にも、民間の銀行等においてもなかなか、それじゃ農業分野に協力をどの程度してくれるかということになると、これはリスクのあるところにはそう簡単に融資もしてくれないでありましょうし、投資もそう簡単に円滑にはいかないと、こう思うんです。 今、現場で一番苦労しているのは、ペイオフ解禁を機に、これから本当に信用事業として、農家関連の皆さん方が新たなる事業を起こしていきたい、拡大していきたい、あるいは農業そのものも生産施設の団地化だとかかなりの投資をやっていきたい、そういうときに、かなり厳しい金融監督庁等の、これは当然のことでありますけれども、監視のもとにどの程度のことがやれるか、あるいはまたリスクを負ってどの程度のことができるか。 結局、今、不良債権についてもそれほど大きな金額にはなっていない、他の銀行並みだというのは、私は、積極的に投資してそういう大した金額になっていないということじゃないと思うんですよ。消極的に安全と思うような資金運用、そういったところで、今それは先生が指摘するように、実際に農業のためにどれだけ投資したか。農業分野に投資したことによってそれだけの不良債権が生じたというよりも、むしろ例の住専のときのような、そういうような一つの経済変動の中で附帯して出てきた不良債権が多いんだろうと思うんです。 今後のことを考えましたなら、私は、むしろ積極的に、生産、加工、流通、そういった分野、マーケティングも視野に入れて、これから農業というのは変わっていかなきゃならぬと思うんですね。 そういうことを考えると、私は、信用事業ということも今までとは違った形で重要になってくるんじゃないのかというふうに理解しておりまして、そういう意味では、農協組織そのものは営農指導だとかサービス事業に特化していくべきだろう、いわゆる農協組織の小さな政府化というふうに考えていかなきゃならぬと思いますが、一方において、今後農業分野における経済活動の活性化ということを考えたときに、なお信用事業の分野というものも非常に重要になってくるんじゃないか、私はこのように考えております。 ちょっと長くなりましたが。
○櫻井充君 今の中で、まず一つキーワードは、住専の問題であったと思います。つまりは、住専のことがあったからこそ、農協系の金融機関が農業関係者また一次産業関係者以外に果たして融資することがいいことなのかどうか、そして民間の金融機関と同じようなことを目指していくことがいいのかどうかという議論がまず最初あったはずです。 それからもう一つ、預貸率というのは非常に確かにおっしゃっているとおり低くて、今度逆にお伺いさせていただきたいのは、これだけ低い預貸率で果たしてどれだけの利益を上げられるかということになってくるんだろうと思います。つまりは、民間と同じ、民間と同じということになれば、利益率が上がらない限りは民間と同じにはなっていかないわけです。そういうことから考えてくると、果たして、今の預貸率、つまりは貸出先を見つけられなくて、結果的にはいずれ国債とか何かそういうものを買いに行くことになるんだろうと思いますけれども、そういうような運営の仕方をするような金融機関を残さなきゃいけないのかどうか。 そしてもう一つは、そういうことのために農協が特化していかなきゃいけないのかどうか。先ほどから大臣がおっしゃっているのは、基本的にはそういう事業はメーンではなくて、営農をやっていくんだというお話でした。営農をやっていくために確かにお金が必要だったとしても、これだけの金が果たして必要なのかどうかということですよ、問題は。これで、言っておきますけれども、焦げつけば困るのはここの会員の組合員の方々です。そのことを考えてきたときに、ずぶの素人とは申しませんけれども、これまで十分な運用をされてこなかったような方々が、果たしてその方々にお任せしていいのかどうかという問題は私はあるんだろうと思います。 ですから、先ほどから申しているとおり、大臣も同じことを言っているんですよ、農協の本来あるべき姿というのは営農だと。ですから、私は、金融にこんなに特化していかなくていいでしょうと、もっと整理縮小していくべきではないのかというふうに訴えているわけです。でなければ、もう農協組織から完全に切り離してしまって、それで金融機関として運営されていく分にはそれは何も問題ないんだと思うんです、民間企業が金融の部分に参入してくるわけですから。ですから、そういう考え方をもってしないで、相も変わらず、形は変えたように見せているけれども、実態が変わらないようなことでは大きな問題があるんじゃないかと思っているわけです。ここから先をやっても水かけ論かもしれませんので。 例えば、今営農という話が出ましたけれども、韓国の農業を見てきたときに、韓国の農業がなぜこれだけ発展してきたかといえば、日本に学べ、追い越せということをやっているわけですし、それから日本人の好みをそういう営農指導者が、営農指導者と言っていいんですか、その指導者が回っていって、例えば皮のやわらかさはこのぐらいにした方がいいとか甘みはこのぐらいだとか全部チェックして、そしていつ出したら一番高く売れるのかという戦略を持ってやっているわけでして、そういうことをやっているからこそ韓国経済が落ち込んでいる中で少しずつ立ち直りを見せているわけです。 翻って、日本の農業は一体どうかということですよ。大臣、今後、日本の農業というものをどうしていこうとお考えなのか、そして今の韓国のあり方を見て日本が学ぶべき点は何があるとお考えですか。
○国務大臣(武部勤君) 私は、農協のあるべき姿と今後の目指すべき方向については、営農指導だとかサービス部門に特化すべきだと、こういうことを申し上げているわけでありますけれども、日本の農業については、やはり生産だとか加工だとか流通だとか、そういった分野を含めた、農業にかかわりのある関連する分野についてもっと農業者自身が取り組めるような、そういう農業にしていくべきだと、こう思うんです。したがって、私は、単なる家族経営では限界があるんだろうと、こういうことで法人化ということを申し上げているわけでございます。 また、法人化によって小さな農家なども、管理の問題でありますとか、あるいは自分ではできない部分をコントラクターだとかヘルパーは既にございますね、そういったものが充足されていけば、まだまだ担い手としてやれる、そういう存在というものも私はこれからもあるだろうと、こう思っております。 いずれにしても、公共原理の分野を実際には農協などがやっていくべきことは言うまでもないことだと思うんです。しかし、市場原理の世界でこれから外国とも競争していかなきゃなりませんし、また産業政策として自給率をふやしていかなきゃならぬ。この十年間に四五%にしていこうという場合において、なおかつその上で農家の所得だとか経済の安定ということを考えたときに、今は大体四分の一ぐらいでしょう、生産者が生産している金額というのは。あとの四分の三ぐらいは、みんなほかの人たちが農業にかかわりを持ってなりわいを立てているわけです。 それを法人化などによってやっていくということになりますれば、中小企業に対しては中小企業金融があるように、そういった分野については今後とも信用事業といいますか、これも今度の法案で示しておりますように、各農協、各信連、農林中金を含めた農協系統金融機関が全体として一つの金融機関として機能するような、そういう新たなシステムにしていこうということで、こういったことに期待が私はかかってくるのじゃないかということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○櫻井充君 今、市場経済という話がございまして、農業というのは市場経済でやっていけるのかと思っております。本来であれば、僕は、保護政策をとって農業を守っていかない限りにおいて、もう成り立っていかないんじゃないかというふうに思っています。では、世界の国々が保護政策をとってきていないのかというと決してそういうわけではございませんし、農業の担い手ということを考えてくれば保護政策をとらざるを得ない現状が私はあるんじゃないかというふうに思っています。 今、大臣、自給率のお話をされましたけれども、自給率で見てきたときに、部分的に見てきたときに、小麦や大豆やトウモロコシは一体どうなっているか。この日本は数%か、トウモロコシなんかほとんどゼロですよ。そうすると、安全保障の面から考えたって、そういうものをふやしていくという努力は絶対的に必要なわけです。今、市場原理、民間に任せるということがあくまで主流になってきているような時代ではありますけれども、しかしながら、ある部分のところは保護していくような、市場経済から外してくる部分というのは私は必要なんだろうと思っております。 それからもう一点、ちょっと追加してというよりも別なところからお伺いさせていただきたいのは、先ほど農家の所得という話が出ました。ウルグアイ・ラウンド費で六兆百億使って、農家の総所得が四兆四千億から四兆円に減っているわけですよ。きのう質問取りに来られた官僚の方が何と言っていたか。現下の経済状況を考えれば当然だみたいな形で笑っていかれましたけれども、そういう失礼な人たちが官僚をやり続けている限り、農家の人たちは報われるはずがないんですよ、それが当たり前だと言われたら。 この六兆円を一体どういうふうに使ったのか、そしてそのためにどれだけの効果があったのか、それを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(田原文夫君) まず、UR関連対策の目的なり事業の実施状況、これにつきましてお答えさせてもらいます。 UR対策は、御承知のように、UR農業合意関連対策が我が国農業ですとか農村に及ぼします影響を極力緩和するという趣旨のもとに、また我が国の農業、農村を二十一世紀に向けて継続的に発展させるということで、我が国の望ましい農業構造の実現、それから資本装備の充実、合理化によります生産性の向上、こういったことを目的といたしまして、六年間にわたります総事業費六兆百億円の事業ということで始められたものでございます。 この対策におきましては、いわゆる公共事業ということで担い手育成型圃場整備事業などの農業生産基盤の整備でございますとか、非公共事業での水稲育苗施設ですとか乾燥調製貯蔵施設、こういった農業近代化の施設ですとか、あるいは農地流動化対策によります担い手への農地の利用集積等、これは金融措置等も含むわけでございますけれども、こういった事業を実施してきたわけでございます。 十二年度までの事業ということで、おおむね一〇〇%事業自体は終了しておりますが、公共事業関係は財政改革の関係で二年度の延長で十四年度まで引き続きということで、事業実施率、公共、非公共合わせますと、十二年度までで約九八%の進捗率と、かようになっております。 それから、効果という点につきまして若干申し上げますと、確かに先生今御指摘がありましたように、この間の農家の所得という点で申し上げますと、これは全国ベースということになりまして、平成五年でございますと生産農業所得は約四兆八千億円でございましたものが、平成十一年では三兆七千億円と、マクロベースでございますけれども二割近く減少しておりますし、また販売農家一戸当たりの所得ということを見ましても、平成五年の百二十九万円が平成十一年には百十四万円ということで一〇%ぐらい落ちているということでございます。 ただ、これはちょっと弁解がましくなるのかもしれませんけれども、こうしたマクロ的な動向というものは、ただ単にこうしたUR関連対策のみならず、例えば一般の農業施策の関係でございますとか社会経済情勢の変化との相乗効果で定まるものでございまして、UR関連対策の効果自体の寄与度ということになりますと、これはまだまだ我々も分析を深めていかなければいけないんじゃないかというふうに考えている次第でございます。 昨年は、このUR対策につきまして、平成十一年度までの中間評価ということで公表させてもらいましたけれども、私どもは、今後ともこうした事業の評価につきましては、いろいろと定量化を図ることによりましてそうした効果の把握に努めてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○櫻井充君 この予算で温泉を掘ったりしていますよね。事実確認です。
○政府参考人(須賀田菊仁君) いわゆる温泉ランドというふうにマスコミに取り上げられました。このウルグアイ・ラウンド対策の中で、農業構造改善事業等として事業費一兆二千億が措置されております。その中に、総合的視点に立った農山村地域の活性化という事業がございまして、この中で地域資源でございます温泉を活用した交流施設として二十三施設、事業費九十六億円の整備がされております。
○櫻井充君 これがその目的のどこに合っているんですか、もう一度。 そして、そんなお金があるんだったら、農家の方々は所得補償してもらった方がよっぽどよかったんじゃないですか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) この中の、総合的視点に立った農山漁村地域の活性化の中に都市農村交流施設というのがございまして、そういう都市農村交流施設の中で温泉を活用した交流施設として活用したんですけれども、目的としては、そこに書かれておりますように、地域農産物の販売の拡大でございますとか、地域農業者の就業機会の創出でございますとか、そういうことを目的にいたしまして、施設利用者数でございますとか、雇用効果でございますとか、売上額でございますとか、やっぱり温泉のないところに比べまして現実に効果は倍以上あるわけでございます。 ただ、その一部施設の中に観光目的じゃないのかとか、農業の体質強化と結びついていないのじゃないかという強い御批判がございまして、十二年度予算から温泉を主眼とした施設は補助対象としないというふうにしているところでございます。
○櫻井充君 今、雇用という話がありましたけれども、要するにこれは農業で雇用をふやしているんじゃないじゃないですか、こんなの。サービス産業をつくってそこでやっているわけでしょう。そうしたら全然目的と違うじゃないですか。 申しわけないけれども、農水省の方が潤うためにこんなものをつくっているんじゃないですか、これは。はっきり言っておきますけれども。もっとそのお金、だって約百億ですよ、その百億の使い道、もうちょっと考えた方がいいんじゃないですか。 今、自給率が上がらないと午前中、大臣おっしゃっていましたけれども、自給率、十年後、四五%とおっしゃいますけれども、もう一つ、私は根本的なことをお伺いしますが、十年後、日本の人口は幾らだと思っているんですか。人口幾らというものがなかったら四五%なんというのは出してこれないんですよ。それから、四五%というのはどういう作物で四五なのかということによって耕地面積がどのぐらい必要なのかということが、そういうものが出てくるはずなんですよ。そういうきちんとしたグランドデザインがありますか、皆さん。
○国務大臣(武部勤君) 今、UR関連対策について御指摘ございました点は私も同感です、櫻井先生に。 これは反省しなきゃならないことであり、労働生産性だとかさまざまな生産性が向上しているということは、これは事実をもって今お示ししたとおりでありますけれども、しかし、UR対策というのはやっぱり国際競争力を少しでもつけて足腰の強い農業にしていかなくちゃいけないというようなことがねらいでありますから、そういう意味では総花的な傾向にあったということは否めないと、私どもはこう思っております。その反省点に立ってこれから取り組んでいかなきゃならないと、こう思います。 ただ、先ほど雇用の話もありましたけれども、これはUR対策だとか、生産性の高い、効率の高い農業をやっていくということになれば、特定の農家あるいは経営体に土地を集積していくわけですね。当然そこでは農業をリタイアするなりしなきゃならない人たちがいるわけですから、構造調整といいますか構造政策というのが必要なわけなんです。そのためのセーフティーネットにかわるものが農村にも必要だと思いますよ。それは、農家の数は減っても地域の人口が急減するというようなことは避けていかなきゃならない。そこで生まれた人々が農業をやめざるを得ないと、しかし、やめた後、もっと自由度の高い、より生きがいのあるそういう仕事というものに従事できるような環境づくりもしていかなきゃならぬということで、一概に私は、このUR対策も、その本来のUR対策とかけ離れていることばかりやっているというふうには思いません。 しかし、現実の自給率その他、日本の農業構造というものを考えたときには、これでよかったのかなということを率直に反省しなければならないと、このように思っております。 それから、今後の四五%自給率達成に向けて今いろいろと計画を練っているところでありますけれども、もちろん人口がどの程度かということも当然考えなきゃいけません。また、私ども、そう簡単に耕地をふやすということも、日本のような狭い国土の中で容易でないということも承知しております。であればこそ、生産対策から、それから流通対策、あるいは消費者の協力も得なきゃならぬというようなことで今検討中でございまして、このところは御理解をいただきたいと、このように思っております。
○櫻井充君 基本的なグランドデザインをまずお伺いしたかったわけであって、今の答弁の中でグランドデザインがはっきりしていないんだということだけがわかりました。 ただ、僕は、大臣、やはり百億円の使い方は間違っていたということをお認めになったということは、これは非常に大事なことなんだと思うんですよ。つまり、これまで間違ってきたことに対しては、間違っていたとなれば、それは我々それ以上もう何も物は言う気はさらさらありませんよ。それを今まではああだこうだと理屈をつけられて、それのやりとりばっかりなんですよ。 ですから、そういう意味で、お金の使い方がこういうことは間違っていたと思うと、そこのところ、そういう言葉が出てくること自体、やはり私はこれから大事なことなんだと思うんですよ。そうじゃなければ、国会で議論になっていかないんです。 ただ、そこの中でもう一つ、今、国際競争力というお話が出ました。このお金を使ったから足腰の強い農家が出てくるんだというお話がありました。では具体的に、このウルグアイ・ラウンド費を使ったから国際競争力がついた農家というのは一体何%ぐらいあるんですか。
○国務大臣(武部勤君) 細かい数字は私はわかりませんけれども、現実問題、相当力を得ている。しかし、その力を得ている農家が何で困っているかというと、やはり投資がかなり膨大でありましたから、ですからその償還等に苦労しているわけです。実際には農業生産そのものは相当上がっていますから、個別的には。だから、その問題をどう解決するかということが今後の課題だということを申し上げている。 それから、グランドデザインがないということを認めたと言うけれども、そうじゃありませんで、私の言う構造改革というのは、そのグランドデザインのデッサンみたいなものを今持っているわけでありますから、それは全くないわけではありませんで、率直に、今先生御指摘のように、我々はこれは農業のため、また国家のためということで議論しているわけですから、先生方から指摘していただいて、それはそのとおりだなと思うことは、何もむきになって弁護しようとか弁明しようという考えはありません。貴重な御意見は率直にそれを受け入れてやっていこうということでございますから、そのことは御理解いただきたいと思いますし、グランドデザインがないというわけじゃありませんで、今それを策定中であると。また、経営政策大綱も今やっている最中なわけですから、その辺のところは、ウルグアイ・ラウンドがもう全部終わったわけじゃないので、まだ経過の中で今やっているわけでございますから、決めつけられないように、このことは私の方から申し上げたいと思います。
○櫻井充君 策定中というお話でしたから、今はないという、今、おつくりになっているということなんじゃないでしょうか。 委員長、ぜひ資料請求をお願いしておきます。 今の大臣のお話ですと、借金で苦労している、足腰が弱っただけの話だと私は思います。要するに、企業だって過剰設備が今問題になっているわけでして、それは過剰設備になっている状況ですから。 ですから、そういう意味で、そのウルグアイ・ラウンド費を使ったことによって国際競争力が増したという答弁をいただいているわけですから、そういう農家がどのぐらいの数がいて、そしてその根拠となること、つまりこういう生産性がこれだけ増して、そして国際間の競争力に勝っていけるようなものが生産できるようになったというきちんとした根拠を据えた上で今の御答弁があったわけですから、今は細かい数字はないでしょうから、数字も添えて資料を提出していただきたいと思います。
○委員長(太田豊秋君) ただいまの櫻井君の要求につきましては、後刻その取り扱いを理事会で協議いたします。
○櫻井充君 そして、そこの中で、将来的に耕地をどうするかという話になっていましたけれども、先週の水曜日、私は諫早の干拓のところに行ってまいりました。そして、そこの中で漁民の方々がかなり御苦労されているという現実も見てまいりました。 それからもう一つ、耕地のことについて話をしておきますと、今農学部で、耕地をこれから広げていくためにどういうふうにしていったらいいのかとか、そういう学問は少なくとも東北大ではもうなくなっています。ですから、これから耕地を広げていこうというのはなかなか難しいことなんだろうと思っております。 さて、そこでですけれども、諫早の干拓事業によって水門を閉じたことによって、有明の中でどのような水産業に対しての被害があるというふうに農水省で御認識していらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(渡辺好明君) 御質問の趣旨は、漁獲量の推移ということだろうと思います。 この十五年ほどのデータで見ますと、ほぼ一貫してといいますか、あるいは言いかえますと、工事の開始前、工事の開始、排水門の閉め切り、排水門を閉め切った後の状態、こういう中で魚類、貝類とも全体として減少傾向が続いております。ただ、貝類につきましては、年間の変動が非常に激しゅうございますので、振れがございます。次第に減少いたしまして、昭和六十年が魚類、貝類合計で、異常現象を除きますが、六万トン、平成三年に五万トンを切りまして、平成九年に四万トンを切って、現状では二万二千トンということでございます。 第三者委員会でそうしたことにつきましても議論をされまして、富栄養化というものが背景にあると。それから、そういう状況の中で有明海全体として環境が悪化しているという指摘がございました。現在、この魚介類の問題につきましても本格調査を実施しているところでございます。
○櫻井充君 私が調べた範囲では、貝類の被害が物すごく大きいんですよ。 有明海区というんですか、そこの地域で、例えば大浦漁協のタイラギの漁獲量の推移ですけれども、九六年が三百十八トン。九七年が九十七トン、この年に閉め切っております。九八年に十五トン。九九年度はゼロです。これは明らかに影響があると思っているんですけれども、この点についていかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 先ほど私が触れましたけれども、貝類につきましては非常に変動が激しゅうございます。 今御指摘がありましたタイラギでありますけれども、有明海全体といたしまして、ここ十五年ほどのピークが平成二年の約七千五百トンでありますが、平成六年にほぼゼロになりまして、その後、潮受け堤防を締め切ります直前の平成八年に三千五百トンまで回復をいたしております。ここ二、三年ほど漁獲量はほとんどゼロに近いということでございまして、変動が激しいと、そして、現況はほぼゼロに近いというのが数字の実情でございます。
○櫻井充君 変動が激しくても、これまでゼロということはなかったんですよ。少なくともこの松浦海区、それから有明海区、この地域でゼロというのはないんですよ。変動だ変動だとおっしゃいますけれども、ゼロというのはないんです。
○政府参考人(渡辺好明君) ちょっと数字が先生のごく一部の地域の問題と有明海全体と違いますけれども、私の手持ちの資料でのタイラギの漁獲量は、平成六年には二百四十四トンという非常に低いレベルを得ております。そして、その後、平成八年に三千七百八十六トン、平成九年には三千四百三十二トンということで、これは潮受け堤防を締め切る前の工事の最中の数字でありますけれども、そのように変動が激しいと。平成十一年には三百十九トンでありますので、十一年の数字を見ますと六年よりは高いと。しかし、十二年は四十六トンということで、私が申し上げましたように、ほぼゼロに近くなっているということを申し上げた次第でございます。
○櫻井充君 ほぼゼロとゼロは全然違うんですよ、はっきり言っておきますと。 そして、なぜゼロになっているか、なぜとれなかったのかといいますと、これは漁民の皆さんが海に潜って見た結果ですけれども、生きているタイラギがあるらしいんです。あるんですけれども、例えば大雨が降ってその堤防をあけて水がどっと入ってくると、その後に貝類が死んでしまうということが見受けられるんだそうですよ。それで、とにかくその近辺のところはタイラギが全然とれなくなったと。タイラギだけではなくて、二枚貝が相当やられているんだというのが地元の漁師の方々の話です。 農水省の言い分は、じゃ、これがその堤防の影響なのかどうかを漁民の方に証明してみろとおっしゃるんでしょうけれども、我々からすれば、逆に言えば、農水省の方がこの数字が影響が全くなかったものだということを私は証明すべきだと思っているんですよ。いかがですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 私どもは、これまで何度も申し上げておりますけれども、予断を持たずに、この有明海の現状について、水生生物の問題、それから環境の問題、全体を徹底的に本格的に調べ上げるという立場にございます。二カ年間かけましてこの海域の状況がどう変わってきたということをつまびらかにいたしたいと考えております。
○櫻井充君 もう一つ、干拓事業のために海砂を掘っているんですよ。海砂を掘っているためにその地域の水が汚染されて、その近辺での漁獲量も減ってきているというような指摘もありますが、この点についていかがお考えですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 海砂を掘るときには細心の注意を払いながら採掘をいたしておりますけれども、水深が深くなったことによって影響が出ているという御主張もございました。 そういうことも踏まえまして、あらゆる予断を持たずに海域の環境を徹底的に調べ上げるというふうに取りかかっているところでございます。
○櫻井充君 これはいつまでやられる予定なんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 二カ年間の本格調査でありますけれども、今回、一番問題になりましたノリの大不作という問題がございますので、毎月毎月のデータはもちろん公表いたしますけれども、遅くとも九月までには何らかの中間報告を出せるような方向で努力をいたしております。
○櫻井充君 具体的なその調査内容というのを教えていただけないですか。大ざっぱでも結構です、つまり今どういうような調査をされているのかです。それについて教えていただけないですか。
○政府参考人(渡辺好明君) ちょっと長くなって恐縮でありますけれども、調査は大きく分けまして、有明海の海域環境調査、これは有明海の海象メカニズムの分析、解析を行うと同時に、有明海の海域環境改善方策の方向性の検討をいたします。農林水産省のみならず、国土交通省、環境省、経済産業省に参加をしていただきまして実施をしているものでございます。 もう一つは、有明海における海洋環境の変化が生物生産に及ぼす影響の解析、解明ということで、有明海の生産力の変化過程の把握と変動要因の解明、それから漁業生産過程の解明と対策技術の開発ということでございます。 こういうふうなことを対象にいたしまして、あらゆる項目にわたって、水産資源、プランクトン、ノリ、土木その他専門の方々に参加をしていただきまして、漁業者も加わりながら検討を深めているというところでございます。
○櫻井充君 これはテレビで見たのでその数字が本当に正しいのかどうかわかりませんけれども、ノリ博士といって地元の方々から尊敬されている八十幾つの方でしたけれども、調査に乗り出されて、少なくとも潮受け堤防のところから、プランクトンの量だったと思いますけれども、それをはかってくると水門に近ければ近いほどその濃度が高かったと、そういうような話もございました。 その話を、きのう質問のレクに来られた方が、そういうデータはない、それはちょっと違うという話でしたけれども、もう現時点で、そうなると、そこら辺までは調べていらっしゃるんだと思いますけれども、現実そういうデータも出ているんでしょうか。つまり、テレビの報道とは全く違うようなデータを農水省はお持ちなんですか。
○政府参考人(渡辺好明君) 今、手元にデータがございませんけれども、データ自身は毎月毎月公開をすることにしております。地元の漁民の方々も含めましてお伝えをいたしております。それから、調査地点は有明海の全域にわたり、あるいは調整池内につきましてもかなり多くの地点で多くの項目についてやっております。それらにつきましても公表、公開をいたしております。 現在、今先生が個別に御指摘になった問題はどうなっているかということにつきましては、手元にデータがございませんので後ほど先生にお伝えしたいと思いますが、いろいろな考え方、それからスポット的にいろいろなサンプルをとられて、いろいろな御主張をなさる方はいらっしゃいます。
○櫻井充君 一つお願いなんですけれども、我々にも例えば調整池の水とかそういうもののサンプルをいただけないか、もしくは我々がそこに行って採取することをお許しいただけないのか、まずその点について。
○政府参考人(木下寛之君) 調整池の水質でございますけれども、私ども一定期間ごとに調査をいたしております。具体的に調整池の水質、水でございますけれども、お届けをしたいというふうに思っております。 なお、調整池の水質でございますけれども、若干御説明をさせていただきますと、大体CODで見ますと一リットル当たり六ミリグラム前後、また全窒素で見ますと一リットル当たり一・五ミリグラム前後、また燐でございますけれども、同じく〇・二ミリグラム前後で推移をいたしております。 なお、これらの水質でございますけれども、基本的には、調整池に流入しております本明川などの河川から流入いたしております負荷によって形成されているというふうに考えております。
○櫻井充君 済みません、手元に数字がはっきりしたものが、調査したものが自分自身にないので、それが調整池だとすると、諫早の水門の、要するに有明海側の、今の同じようなCODなり、それから窒素と燐だったと思いますけれども、それの濃度は幾らぐらいになるんですか。
○政府参考人(木下寛之君) 調整池から排出された水が諫早湾で拡散をするという点がございます。 私どもの環境モニタリング調査の結果によりますと、諫早湾の中央部でございますけれども、それが一カ所、それから諫早湾の入り口部分で三カ所の調査をいたしております。それぞれの平均でございますけれども、CODで見ますと二・六ミリグラム、これは一リットル当たりでございます。また全窒素が〇・二六ミリグラム、それから全燐でございますけれども、〇・〇四〇ミリグラム、いずれも一リットル当たりでございます。
○櫻井充君 しかし、今の数字をお示しいただければ、かなり調整池の濃度は高いんじゃないでしょうか。つまり、それから拡散されるかもしれませんけれども、それはあくまで諫早の中央であったり入り口であるということになれば、水門付近は相当高濃度のCODなり窒素なり燐が流れてくるということになるんではないですか。
○政府参考人(木下寛之君) 先ほど申し上げましたように、調整池の水質でございますけれども、調整池に流入いたしております本明川などの河川の水質に大体左右されているというふうに考えております。 ちなみに、有明海に流入いたしております河川のCODでございますけれども、筑後川で五・五、それから六角川で六・二ということで、私どもの調整池、先ほど御説明しました六ミリグラム前後というのは、有明海に注いでいる河川はほぼ同様な数値だろうというふうに認識をいたしております。
○櫻井充君 これは河川に影響されるとかされないとかいうことではなくて、少なくとも調整池の濃度とそれから諫早湾での濃度は全然違いますよね、これは。窒素や燐にしてもけたが違っているかと思います。つまり、きのう私のところに説明に来た方は濃度差はほとんどないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、決してそうではなくて、これだけ濃度差があるわけですよ。そして、拡散していくからこれだけの量になってきますよね。 私はちょっと不思議なのは、拡散していくという海の水の量が相当あって、そこの中で、しかも入ってくる水の量がどの程度になるのかわかりませんが、それでこの程度の濃度で果たして整合性がとれているのかどうか、若干疑問があります。 もう一度繰り返しになりますが、我々が今度調査に行ったときに、ぜひ水をお譲りいただきたいというふうに思います。 大臣、最後に、これは漁民の方の悲痛な叫びを聞いていただきたいんですけれども、こういう問題があって、ちょっと制度の名前は忘れましたが、融資という形で漁民の方々が二百万円ずつ融資を受けているんだそうです、今。しかし、その方々が、お兄さんが連帯保証人になったり弟さんが連帯保証人になって、その連帯保証人になっている方もまた同じように二百万ずつ借りているんだそうですよ。 つまり、彼らにとって主力であったタイラギとかそういう二枚貝がやられて、漁業の収入も上がらないと。この金を借りてほかの産業に移るのかと。そういうこともなかなかできないような状況で、自分一人が逃げていけば兄弟に迷惑がかかる。我々は宝の海を返してもらいさえすれば金なんかどうでもいいんだという話をしているわけですよ。 やはりそれだけの悲痛な叫びがあるんだということを、まず大臣、御認識されているのかどうか、そして、これらの漁民の方々に対してどういうふうに大臣がお考えになっているのか、それについてコメント願いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今般の有明海ノリ不作問題に関連しまして有明海の環境悪化が指摘されているわけでありますが、その原因を究明するということが第一義的に重要だろうと思います。 現時点では明らかではありませんで、まずはノリ不作及び有明海の環境悪化の原因を予断を持たず調査することが重要だ、このように考えておりまして、このため、国土交通省、環境省、経済産業省及び沿岸各県と協力して、原因究明のための総合的な調査を進めているところであります。 同時に、今先生御指摘のノリ不作あるいは他の魚介類の漁業を営んでいる方々の生活や経営安定対策ということもございます。そのことに対してのいわゆるセーフティーネットといいますか、そういったことも万全を期していかなければならないということは言うまでもありませんで、農林水産省としても、臨時特例の措置というふうなことで、共済制度も有明海について特別の対策も講じているところであります。 さらに根本的には、今漁民の悲痛な叫びという表現でお話がありましたけれども、有明海を宝の海にいかに再生させるかということだろうと思います。現状、やれるべきこと、やるべきこと、これは、覆砂や干潟の造成等の漁場環境改善対策等を実施しておりますし、アサリの放流等の取り組みに対しましてもいろいろな助成などもやっておりますし、環境を修復、創造する施設づくりに今後重点を置いた再生策ということを考えていかなきゃなりません。 私も現地に行ってまいりまして、いろいろなことを聞かせてもらいましたし、いろんなことを感じさせてもらいました。私のところはサロマ湖を抱えている地元でありますけれども、もう十年以上も前から、私どもがこのようなやり方をしていたならばサロマ湖は死の海になってしまうよということを地元の漁民の皆さん方に対しても私は強く言い続けてきておりますし、その後ここを切り開いて、自然保護団体は反対しましたけれども、潮通しをよくしてかなり環境は改善されています。しかし、これは山の木がなくなっていますから、森林の整備ということもやらなくちゃいけない。これについては、地元の漁民が金を出し合って漁民が木を植えるという、そういう運動もやっているんです。それから、畑も化学肥料などを使ったり、そういうような環境ということを十分考慮に入れないような農業という問題も一つありますし、牛のふん尿の問題もあります。それで河川が汚れる、それでサロマ湖が汚れる、海が汚れると。 これは、あえて私は有明海については細かいことは申し上げませんけれども、しかし、あのとき聞いてきた話は、やはり生活排水の問題から、先ほど御指摘がありました砂利採取の問題から、それから私はビデオで見ましたけれども、ノリの酸処理の問題あるいは筑後川の大堰の問題、それから有明海の流速の話も聞いてきました。ダムをつくることによって砂れきが有明海に入ってくるのが少なくなった、あるいはまた流速が弱くなったから有明海の中の循環が悪くなったと、さまざまなことを聞かせていただきまして、いずれにしても有明海を宝の海に再生するという決意を持って、何が問題か、何ができるかということを私は真剣に考えてまいりたい、このように思っております。 いずれにしても、現時点で予断を持って、何が原因で何が問題でどういう対策をというようなことについては申し上げられないことは残念なんですけれども、今申し上げましたような問題意識を持って真剣に取り組んでいるということだけは御理解いただきたいと思います。
○櫻井充君 できれば、一つ選択肢の中に水の浄化というのを入れていただきたいと思っています。 というのは、この間、有明に行ってきて、我々は炭素繊維を使って実験をしてきましたけれども、プランクトンが吸着して、三十分も炭素繊維を水に浸しておくとかなりきれいになってくるんですよ。
○国務大臣(武部勤君) それは調整池ですか。
○櫻井充君 いや、それはとれませんでしたから。ですから、僕らが水門のところにも入れないようにブイがこうやってありまして、随分回って水門の近くまで行きましたけれども、できれば調整池の水をくませていただいて実験をやれればすごくよかったなと思っています。 これは、実はこの炭素繊維というのは経済産業省の外郭団体のNEDOでずっとやってきました取り組みでして、非常に高い評価を得ています。今は榛名湖でワカサギが戻ってきたとか繁殖に使えたとか、水の浄化にも可能性があるし、それから藻場がつくれるとか、もしかすると人工的な干潟もつくれるんじゃないかというふうに期待されているものです。国土交通省の方にお話ししましたら、ぜひ検討させていただきたいという話はいただいております。 ですから、あの水門を今のところあけないのだとすれば、せめて調整池から流してくる水を少しでもきれいな形にして、農水省はそうではないとおっしゃいますけれども、少なくとも先ほどの濃度を見れば富栄養状態になっているわけですから、これを少しでも改善して出すような格好にすると大分違ってくるんだろうと思いますから、ぜひその点について御検討いただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。 今、櫻井委員の方から法案に対する質疑もございましたけれども、若干時間が足りなかったようでございますので、場合によりまして、きのう通告をさせていただいたもの以外についても若干質問をお許しいただきたいというふうに思っております。 今回の農協法二法の関係でございますが、昨年の十一月でございましたか、「農協改革の方向」という形で農水省内の経済局長の私的検討会の報告が出されておりました。その最後に、「農協法をはじめとする農協系統に関する各般の法令、通達等を早急に」見直す、そういうような字句がございまして、今回の二法案についてもその流れの第一歩ではないかなというふうに考えるわけでございます。 この後、今回の法案以降、どのような法案の提出をなさっていくつもりなのか、あるいは通達等については早急に見直すというその手順、流れ等についてお聞かせをいただきたいと思います。大臣。
○国務大臣(武部勤君) けさほどの議論でも申し上げましたけれども、今回の改革が絶対だとは思っておりません。したがいまして、今後、農協改革は不断に行っていかなければならない、かように考えておりますし、農協系統に関する制度の実施、運用状況等を点検し、農協系統の健全な発展を図る上で、必要な場合には制度の見直し、強化をさらに行っていくという必要があるというふうに私は考えております。
○郡司彰君 考え方はわかりました。 具体的に、例えば次期国会にはこのような法案というものまで具体化はされていないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(武部勤君) ちょっと局長に答弁させます。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回、広範な農協改革が行われましたので、それに伴います政省令あるいはさらにその通達、こういうものの見直し、点検に恐らく来年の一月ごろまでかかろうかと思います。 そして、来年の四月からペイオフ解禁、流動性の預金に関してはさらに一年後に解禁ということに金融情勢はなるわけでございます。また、ほかの経済事業につきましても、我が国経済社会全体が規制緩和でございますとか構造改革でございますとかいろいろ進んでおります。そういう競争が激化するという中で、農協の事業はいかにあるべきか等につきまして、その情勢変化に応じて検討をしていきたいというふうに考えておりまして、明確な目標年次とかそういうものは今のところ持ち合わせてはおりません。
○郡司彰君 いずれにしましても、改革を行う場合に、その要点は、農家の所得がいかに向上するか、確保されるかということにならなければいけないわけでありまして、今回のこの二法案のどういうところから、どの条文から農家の所得向上が図れるという形に読み取れますでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生おっしゃるとおり、農協は組合員農家の営農を支援していく組織でございます。組合員農家の所得向上というメリットが最大限享受できるような改革でないといけないというふうに私どもも思っておりまして、まず営農指導事業を農協の第一の事業として法律上位置づけたということでございます。 これに基づきまして、農協系統みずからが昨年十月の全国大会において大会決議を行い、またことしの一月に全中理事会において行動計画を決定したところでございまして、この農協みずからが取り組みます事業、計画の中で、先ほど来申し上げております担い手中心の地域農業戦略というものを策定してこれを実践していく、あるいは売れる農産物づくりということを念頭に置いた生産販売企画専任者を全JAに設置する、そして生産資材につきましては、物流の効率化その他によりまして供給コストを二割削減するという目標を持ってみずからが取り組みまして、組合員農家の所得向上に資するというふうなことといたしたいというふうに思っております。
○郡司彰君 この法案の例えばどの条項がそのように当たるかということになると、それはないんだろうと思うんです。これは、系統組織が自助努力の中でいかにこれをやっていけるかということの呼び水的な法案だというふうに私は思っておりますから、これは農水省が縛りをかけるのではなくて、系統組織そのものがいかにやっていくんだということを出さなければいけないんだろうと思うんですね。 そういうようなことを考えていきますときに、これまで系統三段階、あるいはこれから二段階ということも予想されるわけでありますけれども、まず単協があって、連合会があって、全国連があると、そういうような理解をしてきたつもりであります。 今回の改正の中身そのものが、例えば県連のやってきた機能、それが合併をした広域の合併農協であっても直ちにその機能を移管できるかということになりますと、なかなかそうはならない部分が多いわけであります。だとすると、どうもこの法の流れからいって、その当時のあり方が、全国連が中心になって単協を思うような形を描きながら動かしていこうということになってくるのではないかと。これは、これまで私どもが理解をしてきた、単協があってこそ、その上の段階というものがあるんだろうということと若干違ってくるのではないかなという思いがありますけれども、その点についてどうでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生の御指摘のように、農協系統は単協、県連、全国連とあるわけでございますが、本来、地域の農家の自主的な協同組織で、しかも組合員農家の社会的、経済的地位の向上を図るということが目的でございまして、そういう組合員農家の負託を受けて、組合員農家の欲するサービス、便益というものを供与していくというと、やはり単協が中心にならざるを得ないということと私どもも認識をしております。 ただ、巨大な資本主義機構の中で、人的結合体でございます農協がほかの業態と伍して経済事業等を行っていくという限りにおきまして、県の結合、全国連の結合というものが必要になりますので三段階になっておりますけれども、あくまでもそれは、県連、全国連といえども、単協の補完をしていく機能が本来の任務であるというふうに認識をしております。 そういう意味で、単協が行っておる各種事業の環境が厳しくなっておりますので、これを補完する県連、全国連の役割も必然的に大きくなるということで今回の改革法につながったものでございまして、決して単協を県連が支配するでございますとか全国連が支配するでございますとかという意図ではなくて、これを支援する、補完するという観点から改革をしておるところでございます。
○郡司彰君 経済の仕組みからいくと、形の上でやっぱり全国連を中心にした展開にならざるを得ないところが事実としてあるんですね。ただ、これまでの相互扶助組織というような観点をどう生かしていくかということは、経済の問題とそれから意思の伝達その他がどのようになっていくかということと、どういう組み合わせがきちんとできるかということになってくるんだろうと思います。 それから、先ほど櫻井委員からの質問の中で不良債権の話がございました。私は、現場で見ておりますと、貯貸率が相当低いということがあって、それほど大やけどをしなくて済んだという結果にもなっているかもしれない。しかし、不良債権として一定の額がある。そのうちの分類が一般の金融機関という形の分類ではなくて、どういうふうに変わってきたということをやっぱり見ていかなくちゃならない。 例えば、畜産なんか端的な例でありますけれども、配合飼料や何かを買っていた、ところが畜産そのものの経営が思わしくなくなって、これまでの購買が未収金となって残る、その未収金をその額だけ融資に振りかえるような形でもって、結果として離農をしたり、途中で経営規模を縮小したり、いろんな形の中で不良債権化しているものというのがこの中には相当多いと思うんですね。 逆に言いますれば、信用の問題を信用の問題だけで片づけられない側面が農協の場合にはたくさんあるわけでありまして、そういう観点から、この信用事業面だけの法案ということに審議としてなる可能性があるわけでありますけれども、そうした視点を忘れてしまうとこれはまたちょっとまずい結果になるんではないかと、そのように思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 前段のことに関して申し上げますれば、奈良県なんかは今、一単協になっていますね。 午前中の議論にもありましたけれども、農協によっては、いわゆる人材の面でとてもついていけないといいますか、そういうところもあるのも事実です。しかし、今先生御指摘のように、これが、連合会などが今までより以上に介入をしてくるといいますか、そういう指導行政が徹底してくるということによって現場の実情、実態というものとの間に乖離が生じて、勢い、安定ということを第一に考えた場合には、あなたはここでやめた方がいいというようなことで打ち切られる場合も出てくるかもしれない。 そういう意味では、一つ一つのバランスというものが大事でありますし、一番いいのは、身近なところで営農指導もできる、かゆいところに手の届くような状況の中でやる方がいいのかもしれません。 そういったことが、今先生のお話ありますように、営農状況を踏まえて適切な指導を行い得るということが、返済不能な負債状況に陥らないような、そういう問題解決の一つのリスクヘッジにもなるということになるのかもしれませんが、そこのところはやっぱりバランスだと私は思います。 小さくて手の届くところにいるんだけれども、かいてくれなければ全く意味がないわけですね。また、大きくたって、かなり専門的な知識や経験のある人材が、ちょっと帳面見ただけで、この経営実態どうなっているかということがわかるというようなこともあると思うのでありまして、そこのところは、今先生のような問題が起こらないようなことを適切に考えて、今後の連合会と単協との関係というものを農林水産省としても注視しながら、適切な対応をしていかなくちゃいけないと、かように私は考えるところでございます。
○郡司彰君 時間がありませんので次の質問に入らせていただきますが、農協の金融が、まずいなというような単協が出てきたというときに、いろいろな互助の制度といいますか、そういうものがつくられてきているわけであります。 例えば、農水産業貯金保険制度とか全国農協相互援助制度などというものがございますが、これ一つは、もう何年前になりましたか、鹿児島市農協というところの問題が起こったわけであります。そのときも、最終的には、なぜこういうことが起こったんだという、そこまできちんとその切開をすることなく、まあ助け合いましょうかというところでもってふたをしてしまったようなところがあって、そういうようなところの体質を今にまでちょっと引き継いでいるところがあるのかなと。 これ、実際に現場で聞いてみますと、こういう制度、これは確かに必要かもしれない。仲間内でみんなでそういうことも必要だと。しかし、場合によっては、一生懸命その健全化ということを目指して健全な経営をしてきた農協が、ややもすると、ややもするとでありますけれども、そう努力をしなかった結果、役員あるいはそういう方々の不祥事によって巻き起こされたところまで何でおれたちが面倒見なければいけないんだと、そういうような思いというものが強いわけでありまして、今後ますますそうしたところの危惧が予想されるわけでありますから、この辺のそれぞれの単協の抱えている率直な悩みについてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御承知のとおり、農水産業協同組合貯金保険法、いわゆる貯保でございます。貯金者の保護、信用秩序の維持という観点から、法律に基づきまして強制的に徴収されている保険の制度でございます。また、相互援助制度というものは、農協系統の中の自主的な取り決めによって、これもまた保険的に行われているものでございます。 確かに、どこかの農協が破綻をいたしますと、健全な農協からそういう制度を通じて破綻農協への資金の移転が起こるということで、大変健全に行っている農協からは、そういう救済という問題が起こるたびにそういう意見が提出されておるところでございますけれども、農協系統全体ということを考えていただければ、やはりこういう保険的な自主的制度でございますとか強制力を持った法的制度でございますとかは必要なんであろうというふうに思うわけでございまして、そういう他の農協に迷惑をかけないように健全に運営するということをそれぞれの農協の役職員が自覚をして業務執行をしていただきたいというふうに考えているわけでございます。 これまで、ともすれば、中金、信連、単協がばらばらに資金運用を行ってきた面が否めません。やはり融資判断の能力を超えた資金運用をする等によりまして、結局破綻につながり他の農協に迷惑をかけるということになるわけでございますので、今回は中金をトップといたしまして一つの金融機関ということで、IT等活用をいたしまして一つの金融機関として的確な融資審査を行う体制を整えて、そのような批判が起こるようなことをできるだけ事前に防止するシステムを確立したいというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 思いとしてのことはわかりましたが、例えば合併前は規模が小さかったわけですよ。こういう制度をつくってお互いで助け合いましょうということもそれはできた。しかし、今後かなり広域の合併ができてくると、実際問題としてそういう破綻をするというようなことが起こった場合に、じゃどこまで積んでおけば大丈夫なんだということになると、これは相互に援助をするという仕組みが本当に機能するのかということも懸念をされるわけでありまして、その辺のところは数理的にも、お互いの助け合いということだけでお互いが逆にみんな倒れちゃうというようなことも含めてさらに検討していただければなという感じがいたします。 それから、営農の指導に関して先ほど来出ておりました。広域合併が進んでおりまして、朝ほどの話で千百六十六農協ですか、JA大会で千農協構想から始まったときには三千二、三百ぐらいの農協数がございましたから、約三分の一ぐらいになったわけであります。 広域合併前と現在の営農指導員の数、一農協当たりでいうと当然ふえているかと思いますけれども、例えば、一人当たりの農家組合員数はどのぐらいの数になっているか、あるいは百人当たりで何人ぐらいになっているか、お知らせいただけますか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協の営農指導員、まず総体でございますが、昭和六十年に一万九千人でございました。その後、減少をいたしまして、ここ最近は一万六千人前後で推移をしております。 営農指導員一人当たりの組合員の数でございますけれども、昭和六十年が二百六十一人でございましたが、平成十一年には二百八十一人ということになっているところでございます。
○郡司彰君 合併をするときに、農家組合員の方には合併をした場合のメリットというのを大体話しているわけです。その中で最大のものは、営農指導員の数をふやしてきちんと営農指導を行いますよというのがほとんどなんですね。そこで見ると、全体で三千人減って、一人当たり二百六十一人、今が二百八十一人。これ多分、合併農協そのものの抱えている方々の数そのものもそんなにふえていないわけですね。 だとすると、広域合併そのもの、千農協構想というのは、確かに信用の問題、三百億円ぐらいの規模の農協をつくろうとかいろんなことがありましたけれども、大分これは結果として農家組合員に対するメリットということからいえば、そごを来しているといいますか、結果としてうそをついてきたようなことにはなっておりませんか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生も御存じのように、農協の営農指導は組合員農家の賦課金で行っておるものでございまして、営農指導に今力を入れるといいますか、指導員の拡張をいたしますと農家の賦課金がふえるという関係になっているわけでございまして、それを超えるメリットを与えられるかどうか、非常に難しい点が実際にはございます。 とはいうものの、営農指導というものは農協が組合員に行います基本的な業務でございますので、営農指導員の減少を何らかの形で補うシステムづくり、例えば普及でございますとか担い手等を入れた農業戦略というものを立てて実施する、あるいは技術指導から、先ほど来申しておりますけれども、売れる農産物づくりを目指した専任者を設置していく、それから最近のIT等を活用いたしまして、大規模農家、集落営農リーダー等々、ネットワーク化を図る、そういう質的な面で補完をしていく、そういう営農指導体制を充実させる等によりまして質的な営農指導の強化ということを農協系統自身も目指しておりまして、このような取り組みによりまして今のような問題に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 営農指導員は減っている、しかし営農指導というのは大事だと。相反するような答弁が繰り返しされるわけであります。私は、営農指導というのは、今局長がおっしゃったように、これは賦課金だというふうなことになりますけれども、長い目で見て相対的に、営農指導といいますか、その農協の利益の中に占める割合が、販売とかあるいは購買というものの比重が高い農協に体質を変えるということがなされませんと、結果として、私は、信用あるいは共済という形の偏重した農協というのは早晩難しい経営に陥るんだろうと思っております。 これは茨城だけの傾向かもしれませんが、私ども数字の上でなくて肌身の感じで考えますと、昔米がたくさんとれたところ、水田地帯、これは今余りよくないですよ。これは保管料その他でもってやってきたのが、体質改善、構造改革できていない。畑地で米の保管料や何かがなかったところは、もう二十年ぐらい前に今でいう構造改革というものをなし得て、何とかきちんと残れるような農協になってきているんです。 例えば、茨城の中で見ましても、畑作あるいは果樹その他をやっているところというのは、事業総利益貢献度というふうに言っておりますけれども、販売だけで四〇%近い、そういうような数字を上げているところというのは、これは結果として信用も共済もくっついてくるんですよね。 だから、局長の先ほどの答弁の中で、賦課金だからという発想でこれを片づけてしまうと、これはやっぱり農協本来の今回の目指す方向につながらない、そこのところは十分考えていただきたいなというふうに思っております。 それから、先ほど岸委員の方からもありましたけれども、そういう営農指導員の質の問題が大変難しくて、大変に先進的な取り組みをしている農家からすれば、もう少し高度な技術を教えてもらわなくちゃ困るというふうなことがあるわけであります。 しかしながら、そうはいっても、今私どもの見ている限りの中においては、そうじゃない農協がたくさんあれば結構でありますけれども、ややもすると営農指導員よりも共済あるいは信用にかかわる人たちの方が、背広を着て歩き回るその形の方が何か農協の中でも優位な職員だというふうにとられるような風潮さえあると。 そういう中で、この営農指導員の数が減っている。質の向上をどうするんだといえば、先ほど言った資格認証の問題なんかあるかと思いますが、その辺のところについて局長、もう少しその目的を達成するという意欲を、これは大臣の方からがよろしゅうございましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 局長の方が詳しいですから。
○郡司彰君 いや、そんな詳しくなくていいんですよ。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 私どもも、先生言われるように営農指導という狭義の技術指導ではなくて、やはり農協というのは購買力でございますとか、販売力に乏しい農家の方が協同して経営とか生活の向上を図ろうという、それが原点でございますので、やはり有利に農産物を販売する、あるいはできるだけ安く資材を購入する、それと結びついたものとして営農指導というものがなくてはならないというふうに思っております。 この営農指導員の資質でございます。正直言って、今先生おっしゃられたように、農家の知識にかなわないだとか、あるいは県の普及員に及ぶべくもないだとか、現場でいろいろ言われております。そこで、これまでも指導員の研修でございますとか、農協系統は手引書を作成したりして資質の向上に努めてきたわけでございますけれども、やはり高度な技術は普及に任せ、確立した技術を営農指導員が行うというようなことが見られるようでございます。 今後は、農協系統みずから目標にしているわけでございますけれども、やはりもっともっと営農指導員資格認証試験、全体でまだ三分の二ぐらいしかそれに合格した人が行き渡っていないようでございますけれども、そういうものを行き渡らせるとともに、やはり全中だけではなくて全農も共同で生産販売企画専任者研修、これは全農協に設置する予定でございますけれども、そういうものを開催することによって資質の向上というものに努めていきたいというふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 それから、生産資材の価格の問題も話されましたし、配送センターのことについても触れられておりました。 この生産資材でありますけれども、考え方の中で、大量に使っている担い手の方々と、それから休みの日中心にやるような方と同じような価格ではどうかというような話がございまして、これも理解できるわけであります。当然、担い手その他は、こういう言い方がどうかわかりませんが、系統じゃなくて商系の方をお使いになる方を何とか系統の中で引きとめようという努力もあるわけでありますから、そういうことはわかるわけです。ただ、そのことばかりが考え方として先行すると、一方で、担い手と言われる、今後四十万と言われる方々と、それからさらに多くの兼業の方々との兼ね合いということが出てくるんだろうというふうに思います。 ですから、価格の問題、それから配送のコスト、その他の問題を含めて、十分この担い手の方々には意を用いなくてはいけないけれども、しかしながら一方でというような形の配慮がないと、これはかえって農協系統のそうした事業に対してマイナス面を及ぼすことも出てくるんではないか、そんな心配をしておりますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 大変難しいところでございます。 例えば、農作業の中でも、減反をしていくだとか、あるいは共同で防除をしていくだとか、共同で水管理をしていくだとか、こういう場面だと全農家が協力してやらないといけないということがございますし、農協は従来一人一票ということで、出資口数に応じた議決権ではなくて、そういう平等主義みたいなものがあったわけでございます。ただ、それをやっておりました結果、担い手が逃げていったと。その理由が、おれたちには大口割引がないだとか、価格が高いじゃないかとか、こういうことになったわけでございます。 したがって、今後は、まず組合員農家全体が裨益するように生産資材価格の一般的な低下を図っていく、これは物流の効率化でございますとか、低コストの資材を購入するでございますとかでも図れると。さらに、農協ごとに工夫を凝らしまして、ロットとか配送形態を考慮した大口利用先に対してもサービスを供与していくと。この二段の努力が今後は必要になるのではないかというふうに考えております。
○郡司彰君 今の局長の答弁に私の考えをプラスしていただければと思いますが、それは、例えばあそこで売っているものとここで売っているもの、私どもの売っているのはこれは品質が違うんだ、効用についても違うんだということも、やっぱりそういうことをきちんとするということも必要かもしれませんし、現在どうなっているかわかりませんが、これまでややもすると全農が例えばほかから持ってきたもの、ほかの国から持ってきたものを系統、そして商系両方に流している場合が今のところもあるわけです。では、そのコストというものが、例えば系統でこういうものをつくっている場合には、こういうコストでもって皆さん方に確かにメリットが出るようなそういう価格設定をしているんですよ、そういうような配送システムの中でうまみが出るような形をつくっているんですよと、そういう努力をきちんと示していかなければいけないと思うんです。 これは、農協そのものが、あるいは組合員そのものが系統に対する信頼をきちんと持つということからも、できますれば、例えば同じものを系統と商系に流す場合に、商系の方にややもすると安く流しているんじゃないかなんという話があります。話がありますから、そういうことでは同じ系統の中でみんなで協力してやりましょうなんということになりませんので、その辺のところについて強く申しておきたいなというふうに思っております。 それから、これまでの農協とこれから変わっていくんだということの中で、日本の農協は世界に比べて幾つか特異な点があるかと思うんです。特徴的な点があるかと思います。一つはゾーニングという問題、それから二つ目は総合性、それから中央会という指導機関を持つ、この三つぐらいがおおよそ日本の農協の特色だろうと思うんです。 今回は、その中で、例えばゾーニングについても、規制の緩和といいますか、行く行く撤廃ということも含めての考えが出ておるようでありますけれども、ゾーニング規制が果たしてきたこれまでのメリットといいますか、そして今後の緩和、撤廃に対してのメリットというものはどういうことになりますでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協は先生御存じのように、人的結合体であるということでございまして、定款で地域、区域を決めて認可申請をして認可をいただくというふうなことで創立をされるわけでございます。区域を決めて、いわゆるゾーニングをいたしまして種々の活動をするということによりまして安定的な活動基盤を得ると。過当競争にならずに経営を維持していくというような、メリットといえばこれまでのメリットがあったわけでございます。しかしながら、そういうような状況を放置してしまったために、先ほどの担い手の農協離れではございませんけれども、やはり農協相互間の競争が働かなくなってきたと。組合員サービスの低下が見られるんではないかと。 それから、各農協それぞれ得意な分野があるわけでございまして、組合員農家がこの分野はあっちの農協へ、この分野はこっちの農協へというような選択によりまして組合員サービスの向上に資するんじゃないか等々の議論がございまして、今後このゾーニング規制というのを原則的に廃止いたしまして、競争原理による組合員サービスの向上というものを図ろうということで今回措置をしたわけでございます。 ただ、地区が重複することによって合併が阻害されるでございますとか、あるいは農協スプロール化みたいになりまして、地域農業の一体的な発展が阻害されるでございますとか等々の支障もまた考えられるわけでございまして、地区の重複する農協の設立ということに当たりましては、知事が県中央会でございますとか関係市町村と協議して認可を行っていくということにしているわけでございます。
○郡司彰君 よくわからないんですが、要するに総合性ということともこれは関係があるんですね。 例えば、先ほど縦割りの中で櫻井委員の方の話がありましたけれども、この金融問題はもう主管を移したらどうだという話がありました。ただし、今の混住化した地域社会と違って、昔の場合には、農村の中で融資を受けるなんということになれば、農協以外なかなか農民に貸してくれないとか、それから共済制度だってほかのところはなかなかあれだけれども、みんな系統の中で頑張ってやりましょうよと、そういうようなことがあったんだろうと思うんです。今後、混住化という中でその総合性というものがどういう形で残されていくべきなのか、あるいはそういうものは割り切って経済的な側面だけでやっていいのかというふうなことがあるかと思います。 〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕 時間の関係で、恐縮でございますけれども、その次の話に入らせていただきたいと思いますが、次に役職員についてちょっとお尋ねをしたいと思います。 合併農協でメリットが出ているかどうかという話がございました。メリット、デメリット、それぞれ人によっても数字的にもいろんなとらえ方が出てくるかと思いますけれども、私自身は、なかなか農家組合員にとってのメリットというものがそう感じられるほどにはなっていないんじゃないかなと。例えば、数理的に、合併農協になってこういう形の数字になってきたよということと、個々の農家組合員が肌身で感ずる合併してよかったなと、この辺のところのずれというものが出てきているんではないかなという感じがいたしますが、まずその点について、大臣、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(武部勤君) 先ほど来の議論にすべて関係してくると思うんですけれども、今度の改革で相当、生産者も農協も役職員も意識が変わるだろうと思いますし、変わらなければ農協組織そのものが私は危ういものになっていくと、このように思っております。やはり今までの単協中心の農協のあり方というのは、生産者と親戚兄弟のような、そういう情の通う組織としての存在感というのがあったと思うんですね。しかし、それはともすると、いわゆる護送船団方式ということに象徴されるように、お互いにもたれ合いというようなことから改革が進まなかったということが言えると思うのでございます。 したがいまして、私は、広域合併によってさまざまな問題が提起されることは先生御指摘のとおりだと思います。しかし、ここは大胆にこのことに取り組んで挑戦して結果を出さなければ、あとは農協要らなくなると思うんですね。 そういう意味で、営農指導だとか、そういったことをきちっとやらなくちゃいけませんし、営農指導なんかもきちっとできなければ、人材が確保されなければ、コンサルタントがどんどん進出してきますよ。場合によってはそれが農家のためにいいということであれば、そういうことにならざるを得ないということになってくるんではないのかなと、このように思いますので、私はあえて申し上げますと、非常に今度の改革というのは、農林水産省はもとより、農協も生産者も連合会も単協も、この改革というもので一山越したというようなことではだめだと思うんです。もう本当に自分たちはまないたの上にのせられたというぐらいの気持ちになって取り組んでいかなければ成果が出てこないんじゃないのかなと、私はそのように思うんです。 したがって、その後の対応ということも私けさほど少し申し上げましたけれども、その後のことも当然考えて、我々はこれを試金石として次なる対応ということも当然視野に入れていかなきゃならぬ、このように思っています。
○郡司彰君 大臣の答弁の中で、後ろ向きに考えるんじゃなくて、前向きにきちんとこれから成果を出すようにしようと。 私の個人的な考えでありますけれども、多くの合併農協の中でなかなか成果が出ない、いろんな要因があるかと思いますが、その一つに役員の質の問題があるだろうと思っています。私は正直に申し上げて、職員の問題もある、いろんな制度的な問題もある、規制の問題もある、しかし役員の質が本当に広域合併に値するような、そういうことになっているのかということを非常に危惧しております。 例えば、ちょっとお聞きをしたいと思いますが、逆な意味で農協の常勤の役員の方の報酬というのは私はかなり低いんじゃないかと思っています。どういうような実態かお知らせをいただきたいと思いますし、それから、意識の問題も含めてでありますけれども、五年前から員外の理事を登用しよう、あるいは学経理事をということが出ておりますけれども、今、五年間経た後にどのような数字的に前進を見ているか、もしわかれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、役員報酬でございます。 先生御存じのように、役員報酬は総額を総会で決めまして、あとどのように配分するかは理事会等で決めておりますので、個々の役員がどのぐらいもらっているかというのを実は正確に把握しておりません。 総合農協で、単協で見てみますと、大体報酬総額が二千五百七十万ぐらいでございます。これは、非常勤を入れますと二十二人役員がおりますので、単純に割りますと一人百万ぐらいになるんですけれども、そんなことはまずあり得ないわけでございまして、恐らく三人ぐらいで割りますと七百万とか八百万というような数字になります。そのぐらいが推定じゃないかなと思っております。 それから、学経の役員でございます。余り進んでおりませんで、単協が一農協当たり〇・四人、信連が一・五人というところでございます。
○郡司彰君 報酬の問題を出されましたけれども、かなり低いです。 例えば、今の総代会あるいは総会を経て理事の互選でもって理事長が選ばれるというシステムの中で、意欲を持って本当に農協、JAの常勤役員を務めてみようという人がどのぐらいいるかということなんですね。茨城の中身はわかっていますが、全国的にそんなに遜色ないとすると、おおよそ今局長がおっしゃったような数字よりも平均すると低いですよ。これは低いです。中には、あっちとこっちと幾つも兼ねていてたくさんもらっているという方、これはまれにいます。この人たちを除けばほとんど安いですよ。 例えば、農業に専念をしていて、今まで自分でやってきたことをJAという立場でみんなと一緒にやってみようということになれば、これは収入はがくんと減るようなことになります。それから、そういうような形の中で、今、多く理事長や何かになってきている方はもともと、農家組合員という資格はもちろんあるけれども、本来の業務としては違うことをやってきて、いろんなことがあって常勤になるという人が非常に多い。余りはっきり言いませんが、そういうふうな形が多いんです。そういう中で、その金額で常勤になりますよ、学経でもいいですよ、学経の人が今の仕事をやめてJAのために常勤になりましょう、六百万でどうですか、だれも来る人はいないですよ。こういうふうな形を改めていかなくちゃならない。 そういうようなことを一方でやりながら、員外の理事あるいは学経の理事。私ども、現場でつぶさに見聞きをするのは、これは地域の特性かもしれませんけれども、排他的な要素というものが非常に強いわけです。そういう中で、これまでいなかったような常務の形でもって迎え入れた、しかし三年たったらば皆さん方の意向でもって首になったとか、そういう形ばかりなんです。 これを定着させるのは、制度だけの問題ではなくて、やっぱり指導機関というものがきちんとして、例えば定款を今度直すということがありました、定年ももしかしたら決めようということもあった。内規でもって決めたり、あるいは定款で決めているけれども、それを破るのがおれの力だみたいな人がいっぱいいるわけでありまして、決めたけれども実際はそうなっていないところが非常に多いわけであります。 そういう意味で、指導機関、中央会の機能というものが相当強化をされるということが必要だというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御存じのように、中央会は系統全体の監査、指導を任務としてきたわけでございます。 今、先生例示でおっしゃられましたように、確かに私ども、平成八年の改正で、単協に組合員代表の経営管理委員会と日常業務を経営能力を発揮しながら施行していく理事会というふうなものをつくったわけでございますけれども、やはり待遇とか定年制だとか任期制だとか、この辺が実態上は、排他性ももちろんございますけれども、ネックになっているようでございます。 したがいまして、今後、やはりそういうようなものを意識改革しながら指導していく中央会の役目というのがますます重要になってくるのではないかということでございまして、今回の改正においては、これまで我々行政庁が定めておりました模範定款例を中央会に定めさせる。そして、中央会が指導事業を強力に行うために、組合に対して必要な報告でございますとか資料の提出を求めることができるようにする、それから、中央会の指導を受けた組合の理事はその内容を総会に報告しなければならない義務を課する、こういうようなことで中央会の役割の強化を支援するということにしているところでございます。
○郡司彰君 次のことについては先ほど大臣の決意で本来は済んでいるのかもしれませんが、もうやっぱり不退転の決意で臨むような気持ちでなくてはいけないということがありました。 私は、その中で、先ほどありましたけれども、兼職といいますか兼業といいますか、いろんなところの役を兼ねていらっしゃる。いろいろ理由はあるんだと思いますけれども、人によりますと、ここで理事の互選で負けたらば戻るところがないからそっちもやっているんだなんという話をしていた方があるやにも聞いておりますけれども、やっぱり不退転の決意というのをそれぞれのところで発揮をしていただく、専念をしていただくということが必要ではないかというふうに考えておりまして、今回の場合には、ただし書きでもって一定程度理由があればそういうこともできるかもしれないというようなことになっておりますけれども、大臣、原則的にやはり兼業は禁止をするというようなことについてどうでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) 原則は先生おっしゃったとおりなんだろうと思います。しかし、見ておりますと、優秀な組合長だとか理事とか優秀な人というのは、幾つか兼職してもたちどころに行くところ行くところ改革して経営改善しているんですね。 こういうことを考えますと、例えば常勤役員に出向するなんという人は、その人だから単協もしっかりもっているという場合もありますし、一概に兼職はいけないということにはならないと思いますけれども、やはり原則はそれぞれの役職に専念するということが妥当なんだろう、こういうふうに思います。一概に、全体的にこうとは言い切れないんじゃないでしょうか。そういうふうに私は感じますけれども。
○郡司彰君 本当はもう少しやりとりをしたいんですが、時間の関係でなかなかそうはまいりません。私は、メリットもあるかもしれないというお話でございましたが、弊害の方が多いというふうに思っております。 それから、今回の改正では、常勤を三人、一名は信用業務に携わるというような形になっております。現在の数からいいますと、三人というのはふえるというところの方が多くなってくるのかなという感じがいたしておりまして、問題は、経営的にその三名が成り立つかどうかという問題があろうかと思いますが、私はそれよりも、本当に経営的に問題の本質をとらえて新しい方向を出すような、そういう質を持った方が三名本当にそろえられるのかと。場合によっては員数がふえるということにのみきゅうきゅうとしたり、あるいはそのことによってまた新たな勢力の小競り合いみたいなものがその単協の中でできてしまっては困るわけでありまして、私は経営的な側面よりもそちらの方を心配しておりますけれども、大臣、そのような人材がJAに今集まるというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(武部勤君) おっしゃるとおり、難しい単協も出てくるかもしれませんね。 〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕 しかし、金融担当責任者等が職員の身分のまま常勤理事になるということも可能なわけでございますので、今後、農林水産省としては、これを進める過程でどういう問題が出てくるか、場合によってはケース・バイ・ケースというようなことも幅を持って考えていかなきゃならないというようなことも私の念頭にはあるということでお答えしたいと思います。
○郡司彰君 それから、理事会と、今度は新たに経営管理委員会を設置できるということになっておりまして、それぞれ権能その他を明確にすればかなりいい形になるだろうという意見もございますし、あるいは屋上屋ではないかというような意見がございます。 それらについては今後の運営の中できちんとした形をとるようにしておければというふうに思いますが、この設置することができるというような法案でございますけれども、これは一定の規模で必ず設置をさせるというようなことが先ほど来の議論の中での流れにもつながってくるんではないかと思いますけれども、一定規模で必ず設置をする、必置義務ということについてどうお考えでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今後、規制緩和という流れの中で、業態間の競争が激化するというようなことを考えますと、まず組織代表の方が経営管理委員会を構成していただいて意思決定をする、そのもとで日常的業務執行は経営能力のある常勤の理事の方が行っていくという体制が望ましいわけでございます。 実は平成八年の農協法改正でこういう併用制を導入したんですけれども、選択制にしていたということもございまして、現在までのところ全国で七組合、連合会を入れまして、しか導入をされていないという状況でございます。 今後、来年の四月からのペイオフ解禁等、金融業務を中心に厳しさが増していくということがございまして、今回の法律改正におきましては、当面、厳しさを増す金融業務を、一定の資金量以上で運用しております信連と、それから外部経済との接点に立って大規模な経済活動を行っております全国連、全農と全共連でございますけれども、ここに当面この経営管理委員会を義務づけるという方向にしておるところでございます。
○郡司彰君 今後、広域合併が最終段階に入ってきて、進んでくるんだろうというふうに思います。組織二段の問題も早晩いろんな意味での結論が出てくるんだろうと思っています。 一つは、組織二段ということになりますと、今、県連にいる職員がどういう身分になってくるかということが出てくるんだろうと思うんですね。例えば、全国段階に全部移っていくんだとか、あるいは単協の方に一部行くんだとかという話がありますけれども、この流れの中で、思うように全国連に行ったりあるいは単協の方に振り分けるということが難しいのかなというちょっと感じがしております。 例えばJA大会の流れの中でも、生産性はやっぱり上げていかなくてはいけない、それには事業としてもこれだけ頑張るけれども、人員そのものも減らしていこう、そういうことが出ているわけでありますね。これは単協だけではなくて、直接の今原因としてあります県連、組織二段ということになった場合、例えば全農のことがこれから出てまいりますけれども、それぞれの県連の職員というものがどういう形になってくるのか、その辺のところについてはまだ明らかになっていないところがあるわけでありますけれども、つかんでいればお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 組織二段、現在、全共連と県共連がすべて統合している、そして全農と経済連二十七が統合をしているという状況でございます。 その統合に当たっていろいろ問題がございます。やはり県連におります役職員、特に職員の方々の待遇をどうしていくか、どこに働き場所を求めていくかということも統合をするに当たっての大きな課題になっておるところでございます。現在のところ、見ておりますと、当面、支所という形で従来の待遇で残しているというようなことをしているようでございます。 今後、やはり私ども、もともとこの組織二段の話が起こりましたのは、平成八年の住専問題を契機にいたしまして、信用事業を中心に大きなリストラをして組織、事業のあり方を考えろという閣議決定をいただきまして取り組んだ課題でございまして、やはり信用事業、農林中金と信連でございますけれども、ここが統合するに当たって、どうも双方言い分がいろいろございまして、その中に待遇の面もあるようでございますけれども、何とか一つでも二つでも統合が進むというような先例をつけて、双方の話し合いの中から、やはり我々がこうしろああしろというような問題ではございませんので、相互の話し合いの中から、その壁を乗り切って、統合、簡素化という方向に進んでもらいたいというふうに考えている次第でございます。
○郡司彰君 終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 農業協同組合法等の一部を改正する法律案並びに農林中央金庫法案に関しまして質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、農業協同組合法の改正に関連して質問をいたします。その中でも、まず農協改革の基本的考え方についてお伺いをいたします。 食料・農業・農村基本法第九条に「農業者及び農業に関する団体は、農業及びこれに関連する活動を行うに当たっては、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする。」となっております。農業協同組合は、本改革によって、食料・農業・農村基本法の基本理念である食料の安定供給、農業の持続的発展、農村の振興にどのように取り組むことになっていくのか、その点に関しまして武部農林水産大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 食料・農業・農村基本法は、消費者や一般国民の理解を得ながら、食料の安定供給、農業の多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興といった基本理念の実現を図っていくことが最大の目的であります。 また、この基本法において、農協を含む農業団体は、基本法の理念の実現に主体的に取り組むよう努めるものとする、基本法第九条がそのように示しているわけでございます。 基本理念の実現を図る上では、農業者の協同組織として、農家組合員の営農活動を支援することを目的としている農協系統の役割は今後も極めて重要であると、かように存じます。特に、消費者や一般国民の農業に対する理解や支援を得ていくためには、農協自身が積極的に農業振興や担い手の支援に取り組んでいくことが不可欠でありまして、このため、今回の農協改革においては、農協が農業者の協同組織としての原点に立ち返って、農協系統の事業、組織について抜本的な意識改革、見直しを行うべきこととしているのでございます。 具体的には、営農関連事業や経済事業を改革し、地域農業の振興に重点を置く組合に再構築する、また、農協の組織を改革して、担い手のニーズに対応でき、組合員メリットを大きくする業務執行が可能となる組織体制を整備するといった改革を推進していくこととしているわけでございます。 農協系統においては、昨年十月の第二十二回JA全国大会において、自給率の向上等の基本理念の実現に向けた農協系統の取り組みの方向を決議するとともに、この決議を着実に実行していくため、本年一月に全中理事会において行動計画を策定し、地域農業の振興や担い手の営農支援の強化等に取り組むこととしているわけでございます。 いずれにいたしましても、先ほど来お話し申し上げておりますように、今回の改革が成功しなければ大変な事態になるということを、これは生産者も農協も組合員も私どもも真剣に受けとめて、こうした取り組みが着実に実施されるように積極的に対応してまいりたいと、かように考えております。
○渡辺孝男君 農協を組合員のメリットが十分発揮できるように改革していくということでありますが、農協の組織について、例えば消費者の方なんかもなかなかよくわからないということもあると思うんですね。しかし、農協そのものも自己改革をいろいろしている途中だと思います。その農協改革の現状につきまして、それからまた、今後どのようにさらに改革を進めていくのか、その点に関しましてお伺いしたいと思います。 まず最初に、農協合併の進捗状況等、今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。これまでもいろいろお話をされておりましたので、なるべく簡潔にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協系統は、住専問題を契機にいたしまして、本年の三月、平成十三年三月末を目途に五百十にするという目標で合併に取り組んでまいりました。平成元年度は三千七百の農協がございました。本年の四月一日現在は千百六十六でございます。そして、おのおのが合併構想を持っておりまして、構想を実現した農協が三百八十五でございますので、五百十に対しまして七六%達成をしているということでございます。 私どもとしては、今後とも経営基盤の強化というような観点から農協合併に取り組んでいただくことが重要であるというふうに考えておりまして、合併助成法という形では法制度を仕組みませんでしたけれども、合併に当たって税制の問題が大変でございますので、企業再編税制の適用を受けられるようにしましたし、合併手続の簡素化等も措置をしたところでございます。
○渡辺孝男君 先ほども質疑がありましたけれども、県連と全国連の二段化のために改革をしていくということでありますけれども、この現状と今後の取り組みについてもお伺いしたいと思います。特に、最初に経済事業に関してお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 経済事業につきましては、平成十年の十月に三経済連が全農に、また去年の四月に三経済連が全農に、本年の四月には二十一経済連が全農と統合いたしまして、二十七経済連が組織二段を達成していると。残りが二十経済連でございます。
○渡辺孝男君 その残りの二十経済連の方は、今後どのような方向で二段化が進むことになるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 経済連の中に、自分らは全農と合併しなくても頑張れるという主張をしている経済連もございまして、たしか頑張ると主張しているのはホクレンでございまして、そのほかの経済連は検討中または合併構想中ということになっているところでございます。
○渡辺孝男君 次に、共済事業に関してどのように改革が進んできたか、この点も簡潔にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 共済事業では、昨年の四月に四十七県共連が全共連と合併を完了いたしました。
○渡辺孝男君 では、残りの信用事業に関してどのように二段化が進んでいるか、この点もお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 信用事業が進んでおりませんで、現在のところ、農林中金との統合という方針を決定している信連は二十四信連でございまして、そのうちの九信連が具体的に組織整備に向けて個別検討中ということでございます。十五年度中に統合がありそうなのが、栃木、秋田、宮城の三信連ということになっているところでございます。
○渡辺孝男君 これも、統合を目指しているところと統合を余り目指そうとしていないところがあるわけですが、これはどういう観点の違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) やはり金融機関でございますので、不良債権等をきれいにしてこいというような基準を農林中金の方が示しておるということでございます。確かに、統合に当たって不良債権等を処理するというようなことが重要でございます。信連は信連でまた県下に単協を抱えておるわけでございまして、信連と単協の関係もその統合に影響するわけでございますので、今回の農協改革におきまして、農林中金を中心として自主ルールをつくって個別農協の処理をしていくシステムをつくったわけでございますし、系統みずから整理回収会社というものを創設いたしまして不良債権の処理をするシステムをつくりましたので、今後は従来以上にこの統合に向けた取り組みが行われるものと期待をしているところでございます。
○渡辺孝男君 次に、農協関係の職員の人員削減について、取り組みをお伺いしたいと思います。現状とこれからの展望、取り組みについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協系統職員の問題でございます。 平成八年の住専問題に関連をいたしまして、農協系統につきましてはリストラを大胆に行うべきであるという指摘を受けまして、平成九年十月のJA全国大会におきまして、当時三十五万人の職員を三十万人にする、五万人の人員削減をする、これ、目標年次が十二年度末までということでございまして、私どもが把握しておりますのは、三十五万人の人員が十一年度末に三十二万人という状況でございます。なかなか雇用情勢厳しい折でございますけれども、農協系統では、採用の抑制でございますとか早期退職優遇制度の導入でございますとか、雇用問題にも留意しながら実行してきているという状況でございます。今後さらに事業部門ごとの要員配置の適正化等に取り組む所存というふうに承知をしておるところでございます。
○渡辺孝男君 なかなか人員削減というのは難しいと思うんですけれども、いろんな組織が頑張っておるわけでありまして、効率化、スリム化をこれからも追求していっていただきたいと思います。 次に、経営指導事業についてお伺いをしたいと思います。 農協の位置づけとしまして、検討会報告にもあるように、地域農業振興の司令塔として地域をリードしていくことが重要である、そのように位置づけられておるわけでありますけれども、その実現のために、技術指導中心の営農指導事業から、企画立案あるいは地域内の調整、販売と一体となった生産指導に切りかえようと。そのような方向で変わってくるわけでありますけれども、このような質的転換を図るためには今後どのような取り組みをしていこうと考えておられるのか、武部農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 農協の営農指導につきましては、栽培等の技術指導よりも、農産物の有利販売のための情報提供等に対する期待感が高まっております。 今後の農協の営農指導を初めとする営農支援活動は、農業者の生産した農産物の有利販売を軸に展開されることが必要と、かように考えておりまして、農協系統組織におきましても、JAの営農センターが事務局となりまして、担い手を中心に地域農業戦略協議会を設立し、有利販売による組合員農家の所得向上等に向けた地域農業戦略を策定、また地域農業戦略の策定、実践のために、すべての農協に生産販売企画専任者を配置、さらには、JAの営農指導員、大規模農家・法人、集落営農のリーダー等のネットワーク化に取り組むということにいたしております。
○渡辺孝男君 先ほども少し議論がありましたけれども、営農指導員の能力の向上が重要だというようなことがありましたが、この点に関しましてどういう取り組みをされていくのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 組合員の営農に対する支援の一部である営農指導につきましては、農協がみずからの業務として自主的に取り組むべきものでありますが、これまでも農協系統では営農指導員の研修、指導用手引書の作成等に取り組んできているところでございます。 また、農協系統では原点に立ち返った農協改革を進めるということに尽きると、このように考えるわけでありますが、昨年十月の第二十二回JA全国大会におきまして大会決議を行うとともに、この決議を着実に実行していくために、本年一月には全中理事会におきまして行動計画を策定したところでございます。この行動計画の中では、営農指導事業については、担い手を中心にした地域農業戦略協議会を設立し、すべてのJAで自給率向上、有利販売による所得向上に向けた地域農業戦略を策定、実践すること、販売事業と連動した生産販売企画専任者を全JAに配置すること等に取り組むことといたしております。 これを受けまして、農協系統においては、全国統一の営農指導員資格認証試験の実施、全中、全農の共同開催による生産販売企画専任者研修の開催等に積極的に取り組むことといたしております。
○渡辺孝男君 この地域農業戦略会議の方には青年とか女性の意見も反映しようというようなお話になっておりますけれども、この点も含めて、この地域農業戦略会議の方の今後の役割、どういうことを期待しているのか、この点もお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 全中が構想しております地域農業戦略でございます。 〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕 従来、ともすれば、農協が地域農業の振興に余り積極的ではない、構造改善に消極的だと、こういう批判がございまして、結果的に担い手の農協離れが進んだというような危機感のもとに、今後、積極的に地域農業戦略に取り組むということにしております。 その際、やはり関係機関、農地流動化を担当いたします農業委員会系統でございますとか、あるいは技術指導を担当いたします普及組織でございますとか、こういうところと連携をしながら、かつ、担い手、青年後継者、もちろん女性も入れまして、そういう方々の意見を聞きまして、一つは、いかに農産物の販売を有利に行うかというためのマーケティングの視点、そしてそのために地域内の農業生産をどのように展開、高付加価値化等を目指していくかという農業生産の生産性の向上といった観点からの組織化でございますとか、機械施設の設置でございますとかの観点、こういう観点が従来よりも重視されて策定をされていき、結果、農産物の有利販売ということと結びつきまして農協組合員の所得向上に資するという観点から策定されるというふうに伺っているところでございます。
○渡辺孝男君 こういう地域農業の戦略会議といいますか協議会みたいなものに、先ほども営農関係で指導員という話がありましたけれども、地域農業改良普及センターとの連携というものをどういうふうに進めていくのか、その点に関しましても今後の取り組みをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 地域農業改良普及センターと農協の行います営農指導との関係でございます。 まず一つは、技術指導の面でございますけれども、既に確立された技術の徹底というのは農協の営農指導員が行い、新たに開発された高度の技術の導入、これは地域農業改良普及センターが行うというふうに役割分担をしたい。それから、経営指導の面では、販売にかかわります出荷規格の統一、表示等につきましては農協が行い、経営体としての経営発展のための高度な経営分析、診断、これは地域農業改良普及センターが行うというふうな役割分担のもとに連携、協調をしていきたいというふうに考えております。従来も農協の営農指導は普及組織との連携のもとに互いに補完、協調しながら実施されてきたわけでございまして、今後とも連携協力していくことが地域農業の発展につながるものというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 次に、信用事業の方の改革についてお伺いしたいと思います。 来年、平成十四年の四月にペイオフの解禁を控えまして、金融機関の改革が進められているわけであります。農協の信用事業に関しましても、本改正案によりましてどのような改善がなされていくのか、まずその根本のところを大臣の方からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 今回の農協改革におきましては、農家組合員が安心して貯金できる、破綻することのない農協系統信用事業を確立するという目的を持って、農協、信連、農林中金が全体として一つの金融機関として機能するような新しい金融システムを構築しようということでございます。このため、農林中金が系統の総意のもとで農協金融の基本方針、自主ルールを作成いたしまして、それに即して農協、信連への指導等を行う、かような次第でございます。
○渡辺孝男君 農協の信用事業に関しまして、ペイオフ解禁前に、今回の法改正に関係なく進められている取り組みというのがあると思うんですね。その点に関しましてどのような取り組みがなされているのか、その点、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協系統におきましては、ほかの金融機関と同様、これまでは不良債権に関しましては貸倒引当金の積み立てということで不良債権に対応してきたわけでございますけれども、現在、緊急経済対策に見られますように、全金融機関におきまして不良債権の処理ということが喫緊の課題となっているわけでございます。ペイオフ解禁が来年の四月ということでございまして、今後は預金者の方が金融機関を選択するということになるわけでございまして、不良債権の抜本的な処理ということが必要でございますために、農協系統におきましては、来年の四月までに経営困難な農協を解消するということを旨として、その処理に積極的に取り組むということにしているわけでございます。 具体的に申し上げますと、一つは、農協等の不良債権の買い取り、回収を行います系統債権管理回収機関、系統サービサーと言っていますけれども、それを設立いたしまして、そこが不良債権を買い取って回収業務を行うということにするわけでございます。これが一つでございます。 それから、不良債権によって経営困難となっている農協等の処理に対する支援体制といたしまして、現在まで全国相互援助制度の発動要件というのは、県内で三分の二は負担する、それでも足らぬ部分を全国相援が支援していくということだったわけでございますけれども、地元負担の要件を三分の二を二分の一にする、さらに、県内に体力がなければ、かつ、信用事業の再構築を真に行うという場合には、二分の一未満でも全国相援の発動が可能なようにすることとしているわけでございます。 いずれにしても、来年の四月までに、経営に不安のある農協につきましては確実に処理をしたいということとしているところでございます。 〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
○渡辺孝男君 あと、経営の健全性を高めるための一つの大事なものとしましては、預金者などへの情報公開あるいは自己資本比率の充実を図ることが大事になるわけでありますが、特に預金者に対する情報公開についてはどのように改善をしていこうと考えておられるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 来年の四月、ペイオフ解禁でございます。金融機関として、債権者、要するに預金者からの信頼を確保していくというためには、経営内容のディスクロージャーが極めて大事でございまして、これまでも罰則を伴いますディスクロージャーの義務づけということを法的に措置をしてきたわけでございます。 今回は、今後とも預金者に対するディスクロージャーが適正に行われるということも大事でございますけれども、先ほど申し上げましたように、問題のある農協を確実に処理していく、こちらが大事だろうと。そして、処理後にこのような経営の内容でございますという姿を見せていくということで、まず問題のある農協を処理し、そして健全性の高い金融機関になったことを預金者に示していく、こういう一連の手続をとっていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 その点に関連するんですが、平成十一事業年度末で、経営改善の必要がある指標の一つであります自己資本比率四%未満という農協が二十七農協あるというように農林水産省の資料で報告されておりますけれども、これはその後改善の方に向かっておるのでしょうか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 御指摘のように、平成十一事業年度で、国内金融機関の経営改善の目安でございます自己資本比率四%未満という農協が二十七農協ございます。 実は、六月、今月、各農協は総会を開きましていろいろな処理をいたしまして、現時点での、十二事業年度の自己資本比率が明らかになりますのは恐らく七月の末だろうというふうに考えております。各農協とも不良債権の処理等に自主的に取り組んでおりますので、この二十七農協という数字が極端に少なくなるというようなことはないんじゃないかと。また、そのことが将来の健全性を確保するために避けて通れない一つの壁であろうというふうに考えておりまして、私どもは、この外形標準的な自己資本比率云々というよりも、やっぱり経営困難に陥っている農協を処理していく、これは、みずから処理する、県内で処理する、全国相援のもとに処理する、いろんな方式がございますけれども、それをまず最優先にしたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺孝男君 預金者の不安を解消するために、そういう努力をしっかりやっていただいて、農協系統の金融機関、きちんとこれからも経営が進められるように頑張っていただきたいと思います。 次に、農林中央金庫の改革案について、さらに追加で質問をさせていただきたいと思います。 先ほどからお話になっております検討会の報告によりますと、農林中央金庫に、全国中央会会長を初めとする農協系統の代表者等から成る農協金融中央本部を設置することになっているわけであります。この中央本部の位置づけと役割について具体的に説明をしていただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の農協改革法案におきまして、農林中金は、会員でございます信連あるいは農協の信用事業の再編強化を図るための指導的役割を果たしていく、自主的ルールをつくりまして、それに基づいて問題ある農協等を発見いたしまして指導をしていく、こういうような内容の改正を行うこととしたところでございます。そして、この指導が効果的に機能するためには、農協、信連がこれを受け入れる必要がございまして、さらにこれを遵守していくということが必要になるわけでございます。 そして、この指導のガイドラインとなる自主ルール、基本方針というものを、農協、信連の意向等を十分に反映したものにすることが不可欠でございまして、このために、農林中金がそういう自主ルール、基本方針を定める際には、あらかじめ農林中金の経営管理委員会、これは組織の代表がなっておるわけでございますけれども、経営管理委員会とか総会の承認を受けるということに制度上しているわけでございます。 先生御指摘のこの本部でございますけれども、経営管理委員会自身には農協以外にも、林、水が入っているわけでございまして、農協、信連のみの金融のあり方については農協系統関係者のみで検討することも必要であろうということでございまして、この経営管理委員会のもとに農協金融中央本部というものを置きまして、経営管理委員会の決定に先立って議論をするというようなこととすると伺っているところでございます。
○渡辺孝男君 もう一つお伺いをしたいんですけれども、これから一般の金融機関との厳しい競争をしていくわけでありますけれども、今後、複雑化そしてまた高度化する金融業務を行うために職員の資質向上に全力で取り組む必要があると思います。その点に関しまして、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 御指摘のとおり、他の金融機関との競合が激化するということは否めません。したがいまして、そんな中で、ますます高度化、多様化する利用者のニーズにこたえ得る人材の育成は重要な課題だと、かように認識しております。 このため、農協系統においては、職員の資質の向上を図るために、上部団体等との人材交流、全国の農協においては、信用事業に関連する資格の取得、例えば、十二年度における農協でのファイナンシャルプランナーの資格取得者数は三千九百名でございますが、こういったことが行われております。全中においては、三つの階層、トップマネジメント層、ミドルマネジメント層、企画スタッフ層に分けました教育研究を実施することと聞いております。 こうした人材育成は、組合員ニーズへの対応だけではなく、金融秩序の維持、預金者保護といった社会的要請にこたえることにもなるものでありまして、今後とも、系統みずからによる積極的な取り組みを期待しているところでございます。
○渡辺孝男君 今後、そういう農協系の金融機関として、一つの金融機関として充実をしていくわけでありますけれども、そういう中で、今までやはり農業者のための金融機関という特徴があるわけでございまして、これまで単協あるいは県信連などが独自に行ってきて、そういう農業者のために非常にいろんな面で利便を図ってきたという点もございます。こういう点が薄れていかないのかどうか、そういう心配もあるわけでありますが、この点はどのようにお考えなんでしょうか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 組合員農家への便益の供与ということを第一の任務とする農協でございますけれども、先生言われたように、ともすれば自分の経営に目先をやりましてその処理ばかりに集中をする、あるいは自分の経営の収益向上ばかりに集中をして本来の職務を忘れるといったようなことがあってはならないというふうに考えておりまして、これは指摘をまつまでもなく、全中を初めとする系統が、なぜ農家離れが起こっているのか、それは農協のサービスの内容が不十分であるということの危機意識を持っておりまして、十分その辺のところは心していろいろな対策を戦略的に練っておりますし、それによりまして農家の信頼が取り戻せるものというふうに期待をしているところでございます。
○渡辺孝男君 質問が前後しましたけれども、最後になりますけれども、生産資材の供給システムの改善につきましてお伺いしたいと思います。 今後、物流情報センターの整備や農家配送拠点の整備及び受注・発注事務を一元化する全国事務集中センター等の設置をしていって、農業者にとって非常にメリットのある改革を進めていくという方向にあるわけでありますけれども、このような展開をどのようにされていって、例えば農業者にどの程度資材の購入費の軽減等に反映をしていくのか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 農協系統では、平成十二年十月に行われました第二十二回JA全国大会におきまして、食料・農業・農村基本法を踏まえて、低コスト生産の実現に向けた生産資材コストの低減を実施することが決議されているところでございます。 そのために、農協系統においては、生産資材の供給に係る業務・物流システムを改善し、広域集中システムの構築等を通じた業務・物流コストの削減、平成十七年度を目途に全国事務集中センターを設置するとともに、肥料、農薬等の農家配送拠点を、現状一万カ所を三百カ所に集約するというふうにしております。 今、先生御指摘のような、ロットや配送形態を加味した大口利用者への割引、低コスト資材の普及拡大などを行うこととしておりまして、これらにより、平成十七年度までに最大で二〇%程度の生産資材コストの低減を図ろうとしておりまして、農家組合員として、生産資材販売価格がその分低下することになるものと考えます。 しかしながら、これからかなり競争政策というものが展開されることに相なろうと、かように思いますので、今農協系統が示しているこの考え方にさらに努力を求めてまいりたい、かように考えております。
○渡辺孝男君 いろいろ農協でも事業を展開しているわけでありますけれども、購買部あるいは販売部の事業というものはどうも赤字になってきているということでありますけれども、今回のこういう流通面での改善等々が、こういう購買部あるいは販売部の方の経営改善の方にどのようにつながってくるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) このような物流の効率化あるいは生産資材コストの低下が、農協の行います購買、販売の経営にどのように反映するかを試算するということはなかなか難しいわけでございます。 私ども、基本的には、こういう物流コストの低減は組合員農家に還元をするということを原則にしたいというふうに考えておりますけれども、恐らく、物流拠点を整備することによりまして、まずは管理コスト、農協経営から見ると管理コストが低減できる、そして、このようなサービスを行うことによりまして農産物の販売の取扱量がふえていく、そして、農業資材の購買の量がふえていくことによって経営としての収益改善も望めるというふうに考えておりまして、現在、各農協ごとに購買、販売という部門別の収益管理ということを行わせておりまして、おのおのの農協が目標を持ってこの購買、販売の収益改善に取り組んでいただきたいというふうに思っておりますけれども、当面の目標は、やはり収支均衡ということを目標に取り組んでいただきたいというふうに思っているところでございます。
○渡辺孝男君 あと、私も各地で農業者の方とお話しするときに、農機具等の共同利用とかリース事業というものも推進してほしいというお話を聞くわけでありますけれども、この点に関しまして、大臣、お考えありましたらお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(武部勤君) 全くおっしゃるとおりだと思います。 私どももいろいろな反省の上に立って今回の改革案を提示しているわけでありますけれども、おかげで道路などが整備されまして、生産者にしてみれば、自分の農協へ行くよりも隣の農協に行った方が近いというようなことも数々あります。したがいまして、例えばでん粉工場の合理化なども我々実際に体験しておりますけれども、各単協それぞれ三つも要ったのかなというような、そういう反省も実際しているんですね。 そういう意味では、ただいまお話ありましたように、今後ゾーニング規制も緩和していくというようなこと、さまざまな今回の改革案によりまして相当意識改革が進むであろう、このように期待しておるわけでありまして、さような意味で、組合員の生産コストの低減を図る観点から、農業機械のリース事業やカントリーエレベーター、青果物集出荷施設等の共同利用施設の設置ということについても、従来の考え方から大きく逸脱してといいますか、新たなる発想、観点で農家負担の軽減に農林水産省も積極的に取り組んでいかなければならないのではないか、かように思っております。 また、農産物価格の低迷等、我が国農業をめぐる情勢が厳しさを増す中でございますので、農業者の生産コストの低減を図っていくということについても、農業者の皆さん方はもとより、担い手を中心とする農業者のニーズに、農協組織も我々も最大限的確にそうしたニーズを把握して対応することが必要なのではないか。 同時に、先ほど来申し上げておりますように、農業構造そのものも大きく変わってくる。所得の向上を考える場合でも、農業者が一次生産に甘んずる必要はない。法人化等を試みていけば、生産、流通、加工、こういったものを一体として、もっとマーケティングの分野にも意を使うことによって相当競争力のある農業が実現していくんじゃないか、結果として農家の所得増大につながるんではないかと。今度の改革を契機に、そういったことについて真剣に対応していきたい、かように考えております。
○渡辺孝男君 農家の方々は、やはり生産資材のコスト等を削減してほしいという希望も本当に大きいわけであります。このように農業収入が低下しているときに、農協系統からそのような価格コストの安い資材が手に入れば、もちろん農協系統を利用するということになってまいると思いますので、その点、しっかりそういう方向に行くように頑張っていただきたいと思います。 基本的に、今回の農協改革の二法案、私としては非常に賛成でありますので、この成立のために頑張っていきたいと思っております。 どうもありがとうございました。
○委員長(太田豊秋君) 本案に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会