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151回国会参議院2001/04/03

農林水産委員会 第8号

発言数
137
登壇者
13
会派数
6
開催日
2001/04/03

会議録

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三月二十九日、岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として和田洋子さんが選任されました。  また、昨二日、小川勝也君及び和田洋子さんが委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君及び佐藤雄平君が選任されました。  また、本日、谷本巍君が委員を辞任され、その補欠として渕上貞雄君が選任されました。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に農林水産省生産局長小林芳雄君、同経営局長須賀田菊仁君及び同農村振興局長木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に農林漁業金融公庫総裁鶴岡俊彦君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 おはようございます。  大臣、副大臣、政務官、それから関係の皆さん、いろいろお忙しいことが多くて、特に大臣には有明海の問題やらセーフガードの問題やら、それから口蹄疫とか狂牛病とか、そういう対策、それから我々の地域を中心とした雪害対策、こういったことに東奔西走の日を送っていらっしゃると思います。心から敬意を表する次第でございます。どうぞひとつお体に気をつけられて頑張っていただきたい、こういうふうに思っております。  さて、この農林漁業金融公庫法でございますが、これは昭和二十八年の法制定によりまして、農林漁業者に対し、農業、林業、漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、農林中央金庫その他一般の金融機関が融通することが困難な場合において融通する目的を持って設立されたということになっております。  大蔵省理財局のリポートによりますと、昭和二十八年度より平成十年度までの累計貸付額は三百六十三万七千件、金額にいたしまして十四兆七千七百三十七億円に上っております。また、現在の貸付残高は四兆円ほどと聞いておりますが、その後、十年度以降も毎年一万五千件以上、四千億ないし五千億ぐらいの融資が行われたというふうに思っております。  この公庫というのは、いわばその融資の実態というのは、その中身ですけれども、政策金融でございますから、その時代の農林水産政策と表裏一体という形で農林漁業者またはその他の関係者に対応してまいったわけでございまして、まさに政府の農林水産政策を支え続けてきた、こういう仕事をしてきた、こういうふうに思うわけでございます。  この農林漁業金融公庫が果たしてまいりました役割を大臣は今どのように評価をされていらっしゃるか、これをひとつお聞きしたいと思います。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今、先生から御指摘がございましたように、農林漁業金融公庫の果たしてきた役割、これは今、農業の生産、あるいはまた農家の安定といいましょうか、経営安定、そういうふうなものに対しまして私は大きな役割を果たしてきたというふうに思うのであります。  言うならば、市中銀行といいましょうか、そういうところからいろいろな貸し付けとして困難と思われるようなものに対しましても、農林漁業金融公庫が果たしてきたそういった面の役割は、私ははかり知れないものがあると思うのであります。  特に自然条件等に左右される、収益性の低いといった農林漁業の特性に対応いたしまして、農林漁業の生産力の維持推進といいましょうか、そして食料の安定供給の確保というような面につきましても、長期的にしかも低利の融資を行うということを目的としておりますだけに、これまで融資の業務は農林漁業の進展に大きな貢献をしてきたというふうに思っております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 さて、大臣、今回の改正でございますけれども、まず制度の改正によってこの公庫の資金調達の方法に幅ができたということになるわけです。しかしながら、この公庫の性格といいますか、目的というのは、今申し上げましたように、農林中金やその他の金融機関が融資できないようなところに融資するということになっておりますし、また、どうも聞くところによりますというと、結局、貸し付けるための資金調達をする金利と、それから融資する際の金利の差、あれが逆ざやになっておるということ。それで、十二年度では八百億ぐらいの何か政府からの補給金ですか、そういうもので賄っていなければならない、こういう公庫の性格と実態。  そんなことを考えますと、どうも財投機関債ですか、こういったものを、市中金利の動向、あるいは国債金利ですか、そういったものの動向に合わせて調達し、そして安い金利で長期的に農水産業関係者の皆さんにお貸しするということになりますというと、ますます逆ざやが大きくなるのではないか。  今は低金利の時代ですから、割かしそういう問題は実際的には深刻ではあるいはないかもしれませんけれども、将来そういう市中の金利動向に合わせて資金を調達するということになりますというと、これはとんでもない難しい局面に立ち至るということがどうしても予想されるわけでございます。  そんな中で、一体、平成十三年度の公庫の予算というものはどういう形で資金を調達することにしたのか、この内容をひとつお聞きしたい。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘の財投機関債の発行でございます。これは、市場の評価を通じて業務運営の効率化にインセンティブを与えるという財投改革の趣旨に沿った改正でございます。  先生御指摘のように、この財投機関債の発行をできることとしたわけでございますけれども、これによりまして農林漁業者に対する長期低利の融通に支障が生ずるようなことがあってはならないというふうに私どもも認識をしているわけでございます。  したがいまして、初年度でございます十三年度の債券発行額は、財投機関債と政府保証債と合わせまして約三百億円ということで、農林公庫の資金調達、全部で二千九百ほど予定しておりますけれども、その約一割にとどめるということでございますし、また十三年度は初めてでございますので、調達コストが上昇しないように比較的短期の、五年程度の償還期限の債券を発行することにしたいということでございます。  十四年度以降につきましても、十三年度の発行状況等を踏まえながら、農林漁業者に対する長期低利の資金の融通というものに支障が生じないようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 どうでしょうか、この百五十億ですか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 百五十億です。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 百五十億ですね、市中で調達をするということになるわけですが、公庫の経営の状況というんでしょうか、これはそんなに悪くないというふうに思うんですけれども、どうですか、これは発行するのは総裁という名前になるわけですか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林公庫が発行いたしますので、総裁という名前で発行をいたします。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 それでは、総裁にお尋ねいたしますが、百五十億、市中から調達する自信はおありですか。

鶴岡俊彦農林漁業金融公庫総裁

○参考人(鶴岡俊彦君) 今回発行しますのは三百億でございまして、そのうち百五十億は政府保証債でございます。私と政府の、多分財務大臣の名義で発行するということになろうかと思います。  それから、財投機関債を私の名義で発行しますけれども、先ほど来経営局長から御説明がありましたように、従来の貸し付けに影響があってはならないということで、規模を百五十億に抑えていますし、また短期の五年物について発行を予定しております。  率直に言いまして、初めてのことで私ども自身も不安を持っておりますけれども、発行するに際しましては、私ども金融機関の格付その他をとることになっておりまして、できるだけ立派な格付をとって資金調達を円滑にやって融資に支障がないような最善の努力をしていきたいというふうに考えております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 大変正直な、率直なお話でございました。不安もございますがということでございました。  何かほかの特殊法人では、今回は資金調達をしない、財投債をやらないという、そういうところもあると聞いておりますが、そういう場面もあるいは考えられたと思うんですけれども、しかしながら、せっかくこういう制度ができたんだから不安もあるけれどもやってみよう、何とかやらなきゃいかぬと、こういう積極的な姿勢はこれは大変結構なことだと思います。でき得るならば、今後はそういった財投機関債をできるだけ伸ばしていって政府保証債なんというものは少し減らしていって、ぜひ、実力を蓄えていく、そういうふうな金融機関になっていただきたいものだというふうに思っております。  さて、次でございますが、次は大臣でございますが、大臣は提案理由説明でこのようにお述べになっております。   将来にわたる食料の安定供給と農業の多面的機能の発揮を確保するためには、効率的かつ安定的な農業経営を広範に育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することが必要であります。   そのためには、意欲ある担い手が、経営環境の変化に適応しつつ、農業経営の改善を積極的に推進することができるよう、個々の経営の実情に応じた融資対策を進めていくことが必要であります。 と述べておられます。  これは、当然のこととは申せ、非常に前向きな融資に対する姿勢というものを感じさせるものでございますが、一方、公庫法の第一条には少し、一条の目的のニュアンスというんでしょうか、これと今の大臣の趣旨説明のニュアンスというのが何となく違っているような、そういうふうな印象を受けるわけです。  したがって、この際、大臣がそういうふうに積極的なお考えで融資制度を変えていくというお考えであるならば、この法律の第一条の目的規定なんかをもう少し改正したらどうかという、そういう意見もあるようでございますけれども、これに対して大臣はどのようにお考えでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) これは、食料・農業・農村基本法は農業政策の基本方向を定めたものでございまして、農林公庫法の内容や運用がこれに即したものになるようにすべきことは当然のことだというふうに考えておるわけでございます。  その一環といたしまして、今回の農林公庫法の改正では、効率的かつまた安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造の確立に資するためにも、農業経営に着目した融資制度について見直しを行いまして負債整理資金の充実等を図っているところでございます。  農林公庫法の目的である農林漁業の生産力の維持増進は、基本法と十分整合性のとれたものであるということで考えておるところでございまして、このために、公庫法の目的を変更せずに公庫の具体的な融資制度について改正を行うということでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 そうしますと、今の文言でも、新しい基本法の趣旨、目的等々配意しないと、こういうお考えで、いわばより広く積極的な解釈で間に合うんだと、こういうふうなことになるわけですね。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) そうです。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 わかりました。  しかし、これから時代のさまざまな変遷もございましょうから、どうぞひとつ柔軟なお考えで、今後、この法の改正によって農家の対応なり融資の姿なり実態なり、こういうものをよく監視というんでしょうか注視しつつ、これらの問題を念頭に置かれた対応をひとつお願いしたいものだと、こういうふうに思っております。  さて、これは局長にお伺いいたしますが、どうも難しい言葉で、これは何ぼあれしても暗記できないんですけれども、平成十三年度の基本的方針というのでしょうか、意欲ある担い手に対するきめ細かな経営支援ということで農業経営資源活用総合支援対策、これは非常に難しく長いんですけれども、これを打ち出されて、これに従ってさまざまな融資制度というものを考えた、こういうふうに私は解釈をしているわけですけれども、この点、いかがなものでしょうか。  それで、この農業経営資源活用総合支援対策、これについて少し説明をしていただけませんか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農業経営資源活用総合支援対策でございます。  先ほど先生言われましたように、この目的が、農業経営の意欲と能力があって、基本法の第二十一条で言います効率的かつ安定的な経営体になることを目指す経営を育成していきたいという趣旨に出たものでございます。  大きく言いまして中が三つに分かれております。  一つは、認定農業者に対しまして現在、公庫資金でスーパーL資金があるわけでございますけれども、これに加えまして、系統資金を原資といたします中短期の資金でございます認定農業者育成確保資金というものを創設することが一つでございます。  それから、主業農家で前向き投資資金と負債整理資金を一体的に融通することが必要な経営に対しまして、経営体育成強化資金、これは公庫資金でございますけれども、現在御審議をお願いしているものでございます。これを融通するのが二つ目でございます。  三つ目に、同じく主業農家で負債整理を優先すべき経営に対しまして、農業経営維持安定資金、これは公庫資金でございまして、自作農維持資金を発展的に解消したものでございます。それと農業経営負担軽減支援資金、これは営農負債の借りかえでございます。系統原資の資金でございます。  これを融通するという三本立ての資金でございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 今の融資制度のほかに、経営診断とかそういった融資を受けられる農家のきめ細かな対応というところにおいて、ソフト面というのも非常にこれは重要だと思うんですけれども、これらはたしか各都道府県において、主に農業会議あたりが中心になってやって、今までもやってきているわけでございますけれども、新たにこういうものをさらに強調されたという意味合いというのはどんなところにあるんですか。  それともう一つ、非常にうまくやっているという地域があるならば、ひとつ紹介してください。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在でも、意欲ある担い手がさまざまな農業経営の展開を図るに当たりまして、さまざまな経営問題についてきめ細かく支援していくということが非常に重要になっております。このために、今回創設をされます総合支援対策におきまして、担い手に対する経営改善支援活動というものを行っております。まさしく農業会議に置かれております都道府県経営改善支援センターにおきまして、農協あるいは改良普及センター、税理士、公認会計士、それから中小企業診断士、こういう民間のスペシャリストも加えて、これらと連携をしながら、担い手のニーズに応じて的確な経営診断、それから相談を行うということにしているところでございます。  やはり、例えば負債整理資金を借り入れまして、負債の償還負担の軽減を図りながら再建をしていくというような経営につきましては、この経営診断とか相談とかを通じまして、今まで経営がうまくいかなかった理由がどこにあるのか、それから改善策はどうしたらいいのか、改善効果が果たしてあるのか等々、的確な融資と効果的な経営改善を推進していく、客観的評価をする上で非常に重要な支援政策ではないかというふうに思っております。  優良事例はちょっと私どもも把握はしていないんですけれども、本格的には十三年度から展開されていくというふうに認識をしているところでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 今年度の支援センターに対する補助等々を考えておられると思うんですが、ちょっと細かいんですけれども、これは全国ベースでどの程度を見込んでおりますか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 今年度で経営改善支援活動事業ということで総額で約十三億円ほどの活動費を見込んでおりまして、先ほど申し上げました農業経営指導スペシャリストによる専門的、具体的な相談活動の実施でございますとか、あるいは情報のネットワーク化でございますとか、そういうことに対して支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 ひとつ、これは非常に重要な仕事だと思いますから、力を入れていただきたい。  特に、農業委員会の上部団体というんでしょうか、農業会議の皆さんが、これはこの前の農業者年金の問題でも非常に最前線で御苦労されまして、今回ようやく新しい年金法改正まで来たわけで、その陰で非常に苦労されたのがこの農業委員会や農業会議の皆さんでございます。こういった方々が本当に地味ながらも真剣に意欲ある農家の経営についてさまざまなアドバイスやお手伝いをしているという、そういう事実をひとつしっかりと受けとめて、これからの対応に誤りなきようお願いをいたしたい、このように思うわけでございます。  最後に、これは総裁にお伺いをいたします。  大臣は、この公庫法の提案理由説明の第三の柱として、公庫の自律性の向上を図るための措置を図った、こういうことを申されておりました。総裁として、自律性という点は今の財投機関債を除いてどんなところが自律性が出てきたというふうに考えますか。

鶴岡俊彦農林漁業金融公庫総裁

○参考人(鶴岡俊彦君) 私ども、かねて来、行政改革の一環としまして、公庫自身の自律性といいますか責任ある体制の確立とか合理化等を要請されてきておりまして、そのような趣旨に従って職員の数、あるいは融資の現場重視でありますとか、我々が融資先に対してできるだけサービスをできるような体制を整えてきましたし、また融資後のアフターケア等も努めてきました。  今回の財投債、政府保証債の発行に当たりましてそういう改正案が出されているわけでございますけれども、それと関連しまして、役員の任命でありますとかあるいはその他いろいろな諸規定の改廃につきまして、公庫自身の自主性を今まで以上に高めていただくような措置がとられておりまして、私ども、その法律の趣旨をそんたくいたしまして、できるだけ我々がやっていけることはやっていこうというふうに考えておるところでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 確かに、役員の解任とか何かについては総裁の手によってやることができるわけでございますけれども、どうも私わからないのは、今までは主務大臣の認可を受けてという文言が、二つか三つでしたか、主務省令にというふうに変えられているんですね。  この主務省令というのは一体どういうことなんでしょうか。

鶴岡俊彦農林漁業金融公庫総裁

○参考人(鶴岡俊彦君) いろいろ個別の従来は認可によりまして私ども仕事をしていったわけでございますけれども、今回の改正では、個別の問題について、一々認可を受けなくても、法規といいますか省令等で一般的に基準をつくっていただきまして、それに従って対応していけという改正でございますので、いろいろな手続を行うのが簡素に、簡便になってくると。またそれだけ、逆に言葉で言いますと、私ども自身、自己責任でやれというようなことでございまして、そういう今度の制度改正の趣旨を体して、役職員一丸となって公庫の仕事に邁進していきたいというふうに思っております。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 今、自己責任ということをおっしゃいましたが、これからはやはり公庫総裁も経営責任の明確化ということを考えていかなきゃならぬと思うんですね。  そこでお伺いしたいのは、何か新しい従たる事務所というものが今度は総裁の権限によってつくることができると。それで、何か新しい従たる事務所をどこかにつくるという話があるんですが、これは本当でしょうか。

鶴岡俊彦農林漁業金融公庫総裁

○参考人(鶴岡俊彦君) 私、率直な気持ちを申し上げますと、私どもの融資は、ほかの政府系金融機関と違いまして、都市部に集中しているのではなくて全国的に展開しているというふうなことからしますと、現在の二十二支店というのは実際細かいサービスをするためには少ないというふうに思っています。  今回、従たる支店の設置につきまして私どもに若干の幅を持たせていただいたわけでございますけれども、ただ、実際やる場合には予算を必要としますので、予算で決めていただくと。  それからまた、私ども二十二支店でございまして、融資の半分強は委託金融機関、系統あるいは市中銀行に委託してやっておるわけでございまして、そういうところとの関連も考えてやっていかなきゃいけないわけでして、欲しいのは欲しいですけれども、なかなか、そういういろいろな情勢を勘案しながらやっていく仕事でございます。  今後、特に私今心配しておりますのは、農協は二段階制になっていくと、信連自身が統合すると。現在、信連を通じて融資しているのが多いわけですから、その際にどういうふうな対応を我々していくべきか、これは率直に言いまして、いろいろ考えておるところでございますけれども、今のところ具体的にどうするという考えはございません。  これから、いろいろな推移を見ながら検討させていただきたいというふうに思っておるところでございます。

岸宏一自由民主党・保守党

○岸宏一君 総裁、やっぱりこれから公庫の経営内容というのはかなり私は大変だと思うんですよ。政府の補給金がかなりふえてくるだろうと思う。そういう中で新しい従たる事務所をつくるということは、国民的に考えてみた場合、少し問題があるのではないかという気がいたします。  ですから、できるだけ業務委託というんですか、信連でありますとか金融機関等、そういったものとの連携を密にすることによって、そういうことも目的が達せられることができるのではないかという、そういう気もいたしますので、どうぞひとつ経営責任ということを念頭に置かれて、全国の農家のために、また日本の農業の将来のために、しっかりとしたお仕事をしてくださいますようにお願いを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。どうかよろしくお願いします。  きょうは、農林漁業金融公庫の質問ということで、私も、地元の農業法人で実際に公庫の方から借りているというところへ数軒行ってまいりまして、お話を聞いてまいりました。かなりいろいろな要望も伺ってきたんですけれども、そういう農家の代表の声だということでお聞きをいただければありがたいなというふうに思います。  その中で、まず最初に出てきたのが、ある農業法人に行きましたところ、結構な金額を公庫から直接融資を受けているそうなんですが、その融資を受けているところが農林漁業金融公庫の方から東京で、どういう会合があったかわからないんですが、招待を受けて、会席のようなものがあったと。そこへ行ったときに、そういう農業法人の方々というのはほとんど見当たらなくて、いわば一流企業、食品会社だとかそういう加工会社、名前を出すとはばかられますので、有名な企業がほとんどの方であったと。  本当に、農林漁業金融公庫というのは、農家だとかそういう農業法人のようないわば農業の担い手の方々にちゃんと融資をしているのかどうか大変疑問だというふうにその方々から言われました。  今回の改正で幾つか貸し付けの制度が創設をされまして、一定の評価ができると思うんですが、その中身が、どうも彼らから見ると農家の方を向いているように思えないということで、ぜひその実態をまずお教えをいただきたいなというふうに思います。

鶴岡俊彦農林漁業金融公庫総裁

○参考人(鶴岡俊彦君) 今、先生御指摘の会合の機会というのは、ちょっと具体的にわからないと正確には申し上げられませんけれども、私ども、融資をした後のアフターケアというのも十分やっていくというのを一つの大きなあれにしております。  それからもう一つは、最近、食料消費というのが、原料を消費者が買って家庭で調理して食べるのが、加工品、半加工品とか、それから米飯とか何か最終製品までを買って食事するような、食生活が変わってきておりまして、私ども自身、融資先は農業、林業、水産業、それと、それと密接に関係します加工メーカーあるいは流通関係の方々を融資の対象にしておるわけですけれども、できるだけそういう方々の結びつきが一つでも二つでもできたらいいということで、ブロックごとに交流会を、関係の方々をお招きし、また私どもが融資の対象になるような方々をお招きして会合をやっているところでございます。  そういう中で、どういう印象を受けたかわかりませんけれども、私ども自身、やっぱり農林漁業金融公庫は、先ほど来話がありましたように、昭和二十八年に発足以来、農業生産、あるいは山の維持管理、あるいは水産の振興というようなことに力を挙げてきたわけでございます。  企業融資につきましては、二百海里が適用された昭和五十二年以来、二百海里の適用で影響を受けますのは漁家だけでなくて加工業者も影響を受ける。それから、その後、牛肉・オレンジでありますとか十二品目、あるいはウルグアイ・ラウンドで国際化が進展したと。そういう中で、影響を受ける農家に対する融資とあわせまして加工メーカーにも融資をやってきたと。  そういうことで、別段、加工製造業に重点を置いておるんでなくて、やっぱり基本というのは、国内での生産、自給力の向上ということを今、農林省の方で大きく取り上げておるわけでございまして、そういう点に役に立つようなバランスある融資というのを心がけてきていますし、これからもそういうことでやっていきたいと思いますし、農家の方にもし誤解を与えたようなことがあれば、そういうことがないようなPRも十分やっていきたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 それでは、資料があるかどうかなんですが、食品産業向け、いわば企業の方ですね、それと農業法人の、いわゆる農家、純粋の農業に携わる方々の貸付残高と割合というのは明らかになりますでしょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) まず、農林公庫の食品産業向け資金の貸付残高でございますが、十一年度末で五千三十五億円ということでございまして、残高合計が四兆八百十億円でございますのでその約一二%ということでございます。  一方、残りが農林漁業向けということで約九割になるわけでございますけれども、このうちの農業向けという資金の貸付残高が二兆三千八百二億円でございまして、先ほどの残高合計の約六割、五八%ということになっているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 まあ私の予想外に多いなという印象もありますが、実際、この農業法人なんかで聞きますと、融資を受けるときに非常に厳しい、審査が厳しいということを聞いてまいりました。一流企業の場合でありましたら農林漁業金融公庫から借りなくてもほかの金融機関からも借りることができるだろう、しかし農家、農業者にとってはなかなか貸し付けのときに非常に厳しいことを言われるのが実態だというふうなことを言われました。その点はいかがでございましょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 個々具体的な貸し付けに関しての融資の状況を把握しているわけではございませんけれども、恐らく担保の設定でございますとかそういうところでいろいろ意思にそごが生ずるような場面があるのではないかというふうに思っております。  農林公庫は、先ほど来出ておりますように、自然条件に左右され収益性が低いという農林漁業向けの専門の政府系融資機関でございますので、私どもとしては、十分なまずは融資枠を確保し、今回もお願いしておりますけれども、ニーズに応じた資金内容にした上でやはり迅速、的確な融資審査の実施ということが重要ではないかというふうに思っております。  特に、担保の件でございますけれども、農林公庫、御存じのように設備資金が中心でございますので、融資対象物件を担保とする、その担保物件を適切に評価いたしまして、さらには農業者の経営能力でございますとか経営実績というものを勘案して担保徴求の弾力化を図るというようなことを今指導をしておりまして、いやしくも貸せるのに断るだとかそういうことのないようにきちっとした対応をしていきたいというふうに思っている次第でございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 担保の話、出ました。これ、金融公庫、またそれから農水省に責任はないわけでありますけれども、農家から言わすと、持っている土地は農地ですよね。評価が非常に低いわけです。特に、一般の市中銀行へ借りに行こうとしても農地は評価をしてもらえないと。その農地を評価してくれるのは農協とこの農林漁業金融公庫ぐらいしかないんだということで、どうしてもやっぱり農協か農林漁業金融公庫に頼らざるを得ない。  これ、農水省として一般市中銀行に指導するということはできないとは思うんですけれども、他の金融機関では農地を評価してくれないということについてどういうふうにお考えでございましょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) ただいま先生から御指摘のございました農地を担保にとる場合でございます。御承知のとおり、農地の移動というのは農地法で制限をされておりまして、効率的に農業を営み得る者に移動する場合に許可が出るということになっておりまして、そういう意味で金融機関が担保にとります場合の換価性、具体的な金にかえる、そういうものが非常に高くないということと、手続が非常に面倒くさいということがございまして、実際問題そういうことを勘案いたしますと、農林公庫と農協以外の融資機関にとっては非常にリスクがあるということで、民間金融機関で農地を担保として評価することが消極的であるという傾向があるようでございます。  私どもとしては、農林公庫あるいは農協、こういうところが農業専門の金融機関でございますので、こういうところを御利用をぜひいただきたいというふうに思っておりますし、先ほど申しましたように物件の担保以外に経営能力だとかそういうものも勘案しながら担保徴求の弾力化というものを図っていきたいと考えているところでございますので、こういう農業専門の金融機関から農業者に必要な資金が円滑に融通されるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 先ほど系統の金融機関の話も出ましたが、農家が先ほど話したように、お金を借りたいと思ったときにまず行く金融機関というのは地元の農協だと思うんですね。それで農協でいろいろ相談をすることになるわけですけれども、先ほど、前の委員の質問の中でも話ありましたが、系統機関と連携をとってというお話がございました。  ただ、実態を見ますと、農協へ相談に行くと、自分のところのいろいろ融資枠がありますから、そっちがまず優先になります。これはまあ当然経営ということがありますからそうなるんですが、住宅金融公庫の説明はもうとうとうとやってくれるらしいんですが、農林漁業金融公庫についてはほとんど触れられないと。そうすると、そういういろんな制度がこれ今回も新たに創設されているわけですけれども、そういうお金を借りられること自体がわからないというふうによく言われました、今回あちこち回ったときに。  そういう指導というか、連携をとっていく中で農協への指導をやっぱりもっとすべきだと思いますし、もっと宣伝をすべきだと思うんですが、その辺はどうお考えでございましょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘のとおり、せっかくつくりました資金が所期の効果を上げるためには、農林公庫と農協とが適切に役割分担をしながら連携をとって対応していくということが不可欠なわけでございます。  例えば、負債整理の資金一つとりましても、制度資金以外の負債整理というのは農協系統資金原資の農業経営負担軽減支援資金でございますし、制度資金の負債整理は農林公庫の農業経営維持安定資金というふうになっておりますので、双方が分担関係を有しておりますので、連携というのが極めて重要というふうに考えております。過去において、やはり私どもよく耳にしたことでございますけれども、自分の資金が出ないのでなかなか公庫資金を宣伝しないというようなことが、過去は聞いたわけでございますけれども、最近はそういう批判もなくなってきているように思います。  いずれにしても、今回の新資金、全体としての資金制度につきまして、農協のみならず、普及、市町村、それから先ほど出ました経営改善支援センター等が十分連携して指導できるように、予算もつけまして周知徹底をするというのが一つでございます。  それから、総合的なパンフレットを作成いたしまして農協等に配布する、あるいは農林公庫や私ども農林水産省のホームページを通じて情報提供を行う、このようなことで、農家の方に迷惑をかけないように広報活動していきたいというふうに考えている次第でございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 質問通告していないので答えられるかどうか、もしわかればで結構なんですが、農協を通じて融資しているパーセンテージというのはどの程度かというのはわかりますでしょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) すべてが農協でないんですけれども、農林公庫の委託貸しが全体の約半分、たしか五三%程度というふうに承知をしております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 それについてはぜひもっと借りやすくできるようにしてほしいなと思います。  それで、借りやすくという意味でいえば、担保のことが先ほど出ました。どうしても担保至上主義でございまして、最近、金融の緩和は随分進んではきているんですけれども、やはり担保がないと借りられない、これが現実だと思います。  しかし、新たな意欲ある農家の担い手をつくっていくという意味からいえば、やはりある程度の可能性にかけてあげる必要があるんではないかと思うんです。裏づけがないのに貸すというのはリスクが大きいわけですからなかなか難しい部分はあるんですが、先ほど申しましたように、農家にとってみればそういう評価が非常に低い農地しか持っていないわけで、新たな意欲を持って事業をやろうとしても、なかなか担保がないということからお金が借りられない。ぜひ、今描いている事業計画なり、こういう形でやっていきますよといういわゆるソフトの部分を担保にできるようなやり方というのはできないかと思うんですが、いかがでございましょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 零細で信用力の乏しい農業経営に対しまして資金の円滑な融通を行っていくためには、担保等の徴求につきましてもできるだけ弾力的に行われるということが重要であるというふうに私どもも認識をしております。  そのために、先生まさに言われましたように、意欲ある担い手の経営改善を支援することを目的とするこの新資金につきまして、まさに経営能力でございますとか経営実績等に着目した迅速、的確な融資審査を行うことによりまして、経営改善の見込みがある経営に対しまして円滑な資金融通を行うというふうにいたしたいというふうに思っている次第でございます。  そういうことで、現在、関係機関等と協議をしながら融資審査基準、何を審査するか、判断基準はどうするかというのを作成に取り組んでいるところでございまして、これをお示しすることによりまして迅速かつ的確な審査が行われるというふうに期待をしておるところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ぜひ弾力的な運用をしていただきたいなと思います。  もう一つ、農業法人で言われたのが根抵当という方法ですね。そこは、はっきり言って今、何億借りているのか詳しいことは知らないんですが、例えば担保の評価が五億あったとして五億借りたとしますよね。それで、毎年順調に返しているそうなんですが、二億返したとすると二億分余ってくるわけですが、担保をとられていることで、再度借りるということがもうそれを返し終わるまでできない、それまで何にもその担保については手をつけることができないということを言われたんですね。これについて改善点というのはございますでしょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林公庫資金は、先ほど来お話が出ておりますけれども、民間金融機関では対応することのできない長期低利の資金を融通するということを目的にしているわけでございます。  そして、その農林公庫資金の内容でございますけれども、農地でございますとか施設でございますとか、そういう設備投資のための資金の融通が基本でございまして、貸付期間も平均十八年というふうに長期にわたる設備資金が多いわけでございます。民間金融機関の中には短期の運転資金を中心として融資を行っておられるということで、資金を一定額の範囲内で繰り返し融資するということで根抵当方式というものを採用することが多いわけでございますけれども、農林公庫資金の場合は、先ほど言いましたように、長期の設備投資ということでございまして、根抵当という方式は一般的でございませんで、基本的には融資案件ごとに抵当権を設定する方式にならざるを得ないという事情があるということは何とぞ御理解を願いたいというふうに思っております。  なお、他の制度資金の中で、例えば認定農業者に対して短期の運転資金を極度貸し付け方式で融資するスーパーS資金というのがございます、系統資金原資の運転資金でございますけれども。こういう一定額の範囲内で繰り返し融資することが常態であるような資金につきましては、例えば北海道等では根抵当の設定による貸し付けが行われておりまして、このような資金と農林資金を適切に組み合わせて農家の方々のニーズに適切にこたえていきたいというふうに思っている次第でございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 今、まさにそのお話あったんですが、その回転資金という部分ですね。確かに、農林漁業金融公庫の性格上そういう長期の資金を貸し付ける、それから投資、ハード的な部分の貸し付けというのが主流だと思うんですけれども、農家からというか農業法人なんかから見れば、やはりハードの部分だけではなかなかやっていけない。通常、いろいろな業務をやっていく中で、やはり農業というのは非常に季節的な産業であります。御存じのように、お米がとれるシーズンだとかそれぞれありまして、お金が入ってくるのが、安定的に入ってくるわけではなくて、非常に季節的だと。しかし、その季節の前にどうしてもお金が要る場合が当然ございますよね。そういう部分についてやっぱり融通をしてもらえるような、回転資金という形になるかもわかりませんが、ぜひそういう部分を強化してほしいという要望があったんですが、今スーパーS資金という話がありましたけれども、その点もう一度お伺いしたいんですが。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林公庫資金は、先ほど来お答え申し上げておりますように、一般の民間金融機関が対応することが困難な長期資金というものを融通するということを目的にしておりまして、日々の資金繰りを行う上で必要となりますような短期の運転資金の融通は行っていないわけでございますけれども、この運転資金の中でも長期資金となるものについては対応するということでございまして、今回、経営体育成強化資金の創設をすることとしておりますけれども、例えば、土地利用型農業部門が、経営面積の拡大した後に、能率的な農業技術とか経営方法を習得するための研修を受ける経費でございますとか、あるいは新たな農産加工品等の調査開発に必要な経費でございますとか、あるいは育苗の購入等、品種の転換を行うのに必要な経費でございますとか、そういうような長期の運転資金については対応できるということにしているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 確かにおっしゃることはよくわかるんですが、やはり先ほど冒頭に話しましたように、なかなか農家というのは市中銀行から借りれないんですね。農協も最近経営状態がそんなによくないということでなかなか貸してもらえない。本当に日本の農業を、担い手をつくっていこうと思えば、やはりこの農林漁業金融公庫の意味合いというのは非常に大きいと思うんですね。日本の農業、大変今危機的な状況にある中で、やはり農林漁業金融公庫がどこかで手を差し伸べてやる必要があると思うんです。  先ほど、長期資金というお話が基本だということなんですけれども、これ全般に、今後、もう少しそういう細かい、きめ細かいという話がこの中にも随分出ていますが、きめ細かいということを考えるのであれば、先ほど私が申しておりますようなそういう短期的なものもある程度もっと力を入れていくべきではないかと思うんですが、大臣、所見を伺いたいんですが、いかがでございましょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今の御指摘の点は、非常に私は大事だろうというふうに思うわけであります。これから農業を営む面につきまして、そうした短期的に必要とするものがかなりあるというふうに私も見ているわけでありまして、そういった面につきましては、何といっても先ほどから御指摘がありますように、わかりやすくまずすることが非常に大事、それから手続上も簡素化しなきゃいかぬというふうに思うんですね。そういう中で、しっかりとその辺のところを指導しながらやらなきゃならぬというふうに思っているんですが、御指摘のとおり、この点については非常に大事と思っていますから、そういう対応も図らなきゃならぬというふうに思っております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 金利のことなんですが、一・三%という水準になっているそうなんですが、民間金融機関と比較してそんなに有利ではないんじゃないかなというふうに思うんですが、その点はいかがでございましょうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在の政府系金融機関全体の金利体系の中で一番低い金利水準が現在では一・三%ということになっているわけでございます。それから、民間の状況を見てみますと、長期固定の住宅ローン、十年物でございますけれども、大体三%ちょっとの水準ではないかというふうに思っているわけでございまして、現在の超低金利という状況のもとで、現在は財投からの借入金利水準と同水準の一・三%というものを設定しているところでございます。そういう一・三%という金利の絶対水準で見た場合、償還期限の上限が二十年とか二十五年といったそういうところを勘案すれば、優遇された金利水準ではないかというふうに私どもは思っているところでございます。  農林公庫の農業者に対する貸付残高を見てみますと、三%を超える部分が六割あるということでございますので、一・三%という金利水準で例えば借りかえをするといった場合には、償還期限が事実上かなり長くなるということで、借り受け者の償還負担は相当軽減されるんではないかというふうに考えているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ぜひ、今、日本の農業大変危機的状況にあります。よく、北海道の大農家が自殺をしただとか、大変厳しいということはもうだれもが承知をしていることで、この危機を何とかしていかなければ日本がやっぱりだめになってしまうと思います。私は、農業というのはやっぱり国の基本だと思いますので、これを大事にしていかない国というのは滅びていくというふうに思いますので、それはもう大臣も同じ認識だと思います。この公庫の方が今後そういう方々を助けてあげる、そして日本の農業を再生するための力となれるように、もっと弾力的な運用なりさまざまな方策をぜひ考えていただきたいと思いますので、先ほど大臣の方から決意のようなことを伺いましたので、私の方はそれを要望としておきたいと思います。  直接その農林漁業金融公庫に関係ないんですけれども、一つどうしても聞いておきたいことがございます。  三月十三日付の日本農業新聞の一面に、中山間地域などへの直接支払い交付金という話が出ておりまして、これについて、ちょっとわかりづらいものなんですが、交付金を集落の代表者が受け取って、二分の一以上を共同活動用にプールして、残りを集落協定参加農家に配分する仕組みというふうに聞いているんですが、これの中身を、制度導入の目的と経緯等についてお伺いをしたいんですが、よろしくお願いします。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 中山間直接支払い制度でございますけれども、近年、耕作放棄地等の増加等によりまして多面的機能の低下が特に懸念されております中山間地域等におきまして、担い手の育成等によりまして、農業生産の維持を通じ、耕作放棄の発生を防止し、多面的機能の確保を図るという観点から、農業生産条件の不利を補正する中山間地域等直接支払い制度を平成十二年度から実施をいたしているところでございます。  この中で、中山間地域等の営農また農用地の利用の実態等々から、個々では対応困難な零細農家なども含めまして、集団的な取り組みを促進することが耕作放棄地の拡大を防止する上で有効というような観点に立ちまして、集落協定方式を採用しているところでございます。  この中で、こういう観点から、交付金につきましても、市町村が集落に交付されます交付金のうち、おおむね二分の一以上を集落の共同取り組み活動に充てるよう指導しているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 これについて、日本農業新聞が伝えているのは、国税庁の内部通達で、課税をするということが出ております。これ実は地元でも、これされると非常に困るなと。当初の話では課税をされないというふうに農水の方では説明をしてきたというふうに聞いているんですけれども、国税庁の内部通達によると、個人所得とみなされることになって課税をすることになりますというお話なんですが、これは当初、農水の方は課税をしないということで来ていると思うんですが、事実関係はいかがなんでしょうか。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 委員御指摘の三月十三日付の一部報道でございます。私も承知いたしておりますけれども、国税庁が今回の直接支払い制度の概要を傘下の機関に説明する、その際に、事務連絡として先ほど御指摘のような内容を下の方に流したというような経緯でございます。  私ども、今回このような報道に接しまして、国税庁とも調整をいたしております。この中で、国税庁の方からまだ結論は出ておりませんけれども、いずれにしても、十四年度の確定申告に係る部分でございますけれども、このような国税庁が整理した考え方というのが事実上の交付金の交付の実態を踏まえたものではないというようなことの説明を聞いております。  私ども、交付の実態に即した課税措置が行われるよう、今後国税庁とも折衝を続けていきたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ちょっとわかりづらいんですが、直接支払いというのはそもそも個人に支払われる制度ということで、制度上にちょっと問題があるんではないかなと。農水としてはやっぱり法律の裏づけのない共同活動資金というのをプールするように行政指導したんではないかという問題があるかと思うんですが、いかがでございましょうか。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 先ほど申し上げましたように、中山間におきます耕作放棄の進展を防止するという観点からいたしますと、零細農家を含めまして個々の農家にゆだねると非常に困難だという点がございます。したがいまして、集団的な取り組みをぜひ促進したいというふうに考えております。  このような観点から、集団的な取り組みを促進する意味でも、私ども、交付の二分の一につきまして、そのような取り組みに充てるよう指導しているところでございます。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 その目的的なことはわかったんですが、これもし課税されますと、地域、特に中山間地ということでかなり田舎のあたりですが、私の住んでいるあたりもそうですけれども、みんなでお金を出し合っていろんなことをやるわけですね。もし課税をされるということになると、そんな拠出金は出したくないという話が当然出てきますよね。せっかく仲よくやっているその地域が、そういうことになると余計なそういう争いごとまでその地域に起こしてしまう。非常に無用なごたごたを起こしてしまうおそれがあると思うんですが、課税を、国税庁との調整を今されているということなんですが、ぜひそういうことのないようにしていただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 私ども、交付金の支払いあるいは集落活動への拠出等の実態に見合ったような税務上の取り扱いを行えるよう、今後国税庁とも調整をしていきたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 調整をしていくということで、それはそれで結構なんですが、新聞にぼんと出るまで調整をやってこられたんでしょうか。それも、裏づけのないまま突然出てきたという印象がぬぐい切れないんですが、いかがでございましょうか。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 冒頭申し上げましたように、昨年来、今回の直接支払い制度、我が国農政史上初めての制度でございます。これにつきまして、制度創設以来、関係方面にも十分御説明をしてきた経緯がございますけれども、それぞれ新しい制度ということもございまして、必ずしも交付の実態について関係方面での共通認識が十分なされてこなかったという面があろうかと思います。  十二年度の直接支払い、三月中に了しましたので、このような直接支払いの交付の実態、それから制度のそもそものねらいを十分念頭に置きまして、課税の扱いにつきまして引き続き調整をしていきたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 これ、もし課税をされるとなると、制度そのものの根幹を揺るがすような話、これは農業新聞の一面にも同じような話が出ているんですが、非常にちょっと拙速に過ぎる部分があったんではないかと思うんですが、大臣、見解はいかがでございましょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今、局長から御答弁がありましたように、本制度の趣旨それから共同取り組み活動の内容あるいは共同取り組み活動への交付金の充当の状況等を踏まえて、今、国税庁の方に申し入れをしているところでありますけれども、これは私、まだ個人の見解みたいになって申しわけないんですけれども、米の臨特というのがございますですね。あれを見ますと、この制度とはちょっと違う面もあるわけでありますけれども、少なくともあれは、国の補助金の方は、国費の分については非課税という取り扱いをされているわけでありますけれども、そういった面でひとつ検討する必要があるんじゃないかなと、私自身はそういうふうに考えているところであります。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ぜひ検討してほしいと思います。やっぱりこれはもう導入間近になってきている中で、それ自体が抜けていたというのはかなり重大な落ち度だと思うんですね。いざ導入しようと思ったら、これは課税されますよと。もう来年度の確定申告の中でその話が当然出てくるわけで、やはり今まで何をやっていたんだという話が当然出てくると思うので、それをやっぱり農家に対する説明も十分するべきだと思うんですが、私たちの情報としては、この農業新聞に出ていることしかないものですから、今後どういうふうに説明をされていくのかも伺いたいと思うんですが。

木下寛之農林水産省農村振興局長

○政府参考人(木下寛之君) 先ほど来申し上げているとおり、現在国税庁と調整をしております。私ども、十三年度の直接支払い制度の普及、定着を進める観点からも、できるだけ早くこの問題について一定の道筋をつけたいというふうに考えております。このようなことを踏まえまして、農業者にも説明をしていきたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ぜひ説明をしていただきたいし、早急に対応をしていただきたいと思います。  やはり、今、さっきの貸し付けの話じゃないですけれども、中山間地は非常に大変な状況にあります。過疎化が進んで大変な状況にある中で、私は導入の目的は非常にいいことだと思うんですね。そういう中山間地を助けてあげることに対しては非常にいいと思うんです。ただ、やはりやり方に非常に問題があるんだろうというふうに思いますし、ぜひ今後、中身をもう少しやっぱり詰めてやっていただきたいと思いますね。  こういうことが出てくるんであれば、今後いいと思ってやられても、後で農家が、実際もらったはいいが困るという話になれば、これは大変なことになると思いますので、もう一度、最後に大臣に今後の取り組みについて見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 実は米のときも、あれは議員立法でやったといういきさつがありますが、今先生の御指摘、非常に重要なことだろうと私も認識をしておりますので、十分検討してみたいというふうに考えております。

高橋千秋民主党・新緑風会

○高橋千秋君 ありがとうございます。この内部通達についても国税庁の方に撤回をさせるようにぜひ言っていただきたいと思います。  質問を終わりたいと思います。

風間昶公明党

○風間昶君 公明党の風間ですけれども、まず、個々の資金の融通の方策について、細かいことも含めて伺いたいと思います。  今回の改正案で、農家からの要望が大変強かった、これまで借金していた負債の償還負担軽減が認められることになったということは、大変な私は大きな進歩だと思っています。  そこで、農水省として、農家の金利負担の現状について、最も多い二百万近い販売農家、主業農家はそれはそれでいいと思うんですけれども、販売農家における一戸当たりの負債総額と、そして金利負担の推計額をまず教えてください。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 大変申しわけないんですけれども、その販売農家という統計がございませんで、主業農家の統計しかございません。  農林省の統計調査によりますと、主業農家一戸当たりの借入金、これは営農以外の借入金も含んだ金額でございますけれども、平成十年末の借入金が平均五百七十六万円。地域的には、北海道が千七百九十一万円で、都府県が四百二十二万円でございます。このうち負債利子といいますのは、北海道が七十二万円、都府県が十六万円という状況になっておりまして、現在の厳しい農業情勢の中で借入金残高というのは増大する傾向にございます。  また、北海道が農家経済実態調査というのを行っております。これによりますと、稲作農家で借入金残高が二千三百七万円となっておりまして、その約定利息額が八十五万、それから、畑作農家の借入金残高が二千二十二万円、約定利息額が七十五万円と、このような状況でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 三百二十数万人いる農家で、主業農家のデータだけで云々言ってもらっても困るんですよ。二百七十六万、主業農家以外にいるわけで、そのうちの大宗を占めている販売農家がどういう状況になっているのかということをちゃんと押さえていかないと、先ほどからいろいろ議論を聞いていて、実際上は、制度をつくっているけれども、本当に借り入れられるのかといった議論というか、質問もあったわけでありますから、これやれるのかやれないのかちょっと聞かせてくださいよ、販売農家のデータ。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 主業農家といいます……

風間昶公明党

○風間昶君 主業は聞いていない。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 農業の中で主たる農家ということになっております。これ以外に販売農家まで広げるというのは、ちょっと統計情報部とも相談をしてみますけれども、統計のあり方としてなかなか難しいところがあるんじゃないかというふうに思っている次第でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 まさに先ほど局長がおっしゃったように、いろいろな制度資金が認定農家向けと主業農家向けで、いわばしっかりしたところだけしか貸してあげられないという制度になっているわけです。これだと、本当に農業をやっていく方々に希望を持たせてやれるのかどうかということの疑問が残るわけですよ。  最も大事な主業農家、専業や第一種兼業、その方々以外のいわゆる、何ぼですか、販売農家というのは定義があるじゃないですか、三十アール以上か販売金額が五十万円以上、ここが大宗を占めている今、日本の農業者です。そこのデータを、それは大変な苦労が要ると思いますけれども、そこを押さえないで、幾ら口でいいことを言った制度資金をつくっても意味がないんだと思うんです。  大臣、ここはどう思いますか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) これは主業農家がメーンになっているところでありますけれども、今先生御指摘のとおり、二種兼業に近いような今話をされておるわけでありますけれども、そういった面の一つの御意見として出てくることについては私も留意をしなきゃならぬかなと今直感的に思っているわけでありますが、この実態は、主業農家をメーンとしてやっているんだということについてはひとつ御理解をいただきたいと思います。

風間昶公明党

○風間昶君 いや、だから理解はしますと言うのです。  しかし、三百二十四万人の農家がいて、たかだか主業農家というのは四十万ちょっとですよ。二百万の要するに販売農家がいらっしゃるわけですよ。ここのところの押さえをきちっとしないと、特にそして農家自体がいわば経営感覚を今求められているわけです。そういう経営感覚を求められているから、農業簿記なんかもやっぱりきちっと国があるいはいろいろな機関が指導性を持って、そこのところで自立してもらってよりよい経営農家にしていかなきゃならない。それが要するに農水省の役割でしょう。だから、意見として承るでなくて、大臣、もう一回答弁してよ。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 御指摘でございますけれども、販売農家の中を見てみますと、主業農家と準主業農家と副業的農家で構成されているわけでございます。全体で二百五十万戸ちょっとございますけれども、例えば副業的農家といいますと、これは百二十八万戸ございますけれども、六十五歳未満の農業従事日数六十日以上の者のいない農家でございますし、準主業農家というのは農外の所得の方が多い農家ということになっておりますので、今後政策のメーンに据えてやっぱり育成をし、それからいわゆる担い手を目指す農家というのは我々としては主業農家、五十七万戸ございますけれども、そこから始めるのが常識的なんではないかというふうに考えている次第でございます。

風間昶公明党

○風間昶君 あなたの常識と私の常識、違うのかもしれないんだけれども、ということは、聞いていますと、今お話のあった二百五十万戸の販売農家は切り捨ててもいいというふうにも受け取れかねないですよ。借りかえによって金利負担は減少しますけれども、元本が減るわけじゃないわけですから、依然として経営体としては償還の努力をしなければならない。  結局、この負債対策の根幹というのは、まさにこの農家の、言っちゃ悪いけれども、どんぶり勘定に基づく経営姿勢を改めさせることにあるわけですから、キャッシュフローを中心としたこの農業経営、経営管理への移行が直ちにできないにしても、こういう販売農家に経営簿記、農業簿記を第一に普及、取り組まないと底上げができないんですよ。  一方で、主業農家はそれはいいですよ。そこのところのだから実態を、幾ら難しい部分があるにしても努力をしていかないと、何ぼあなた、いいところばかりを手厚くしたって、しょせんは四十万戸か五十万戸で終わっちゃうわけですよ。そこの危機感が本当にあるのかどうかということを僕は聞きたいわけですよ。どうぞ。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生のせっかくの御指摘でございますので、ちょっと受けとめさせていただきまして、分析をして、また御説明をしたいというふうに思っております。

風間昶公明党

○風間昶君 大臣。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 実は今ちょっと数字を聞いてみたんですが、先生の御指摘の農家にどのくらいの負債があるかと聞きましたらば、実態としては非常に小さいものであるというようなことなんですよ。そういうことから、この制度からいっての趣旨についていま少し検討してみないといけない面があるやというふうに私は今認識したものですから、ちょっとお答えにならないかもしれませんが、ちょっと時間をかしていただきたいというふうに思います。

風間昶公明党

○風間昶君 ぜひ、ここは本当に真剣に取り組まないと、日本の農業は沈没してしまうというふうに私は危機感を持っているんです。それは同じ危機感を持っていらっしゃると思うんですよ。ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。  そして、特にこの兼業農家では、サラリーマンなんか外部で得た農外所得を、いわばその所得を農業につぎ込んでいると、注ぎ込んでいる経営をやらざるを得ない状況になって、そういう意味では農機具の負債の問題、あるいはそんなことについてだって、負債は農業収益の中から出すんじゃなくて外部所得から出しているわけで、純然たるというか、客観的に言うと、経営体としての意識というのはかなり低い部分もあるわけであります。こういう農家に対して借りかえ融資を行うということは、それなりの意義があるとしても、今度何が出てくるかというと、こうした農家がずっと存在していることによって、要するに農地の流動化、規模拡大が進まないんじゃないかというジレンマにも陥る、このバランスが大変大事だと思うんです。そこについてはどのようにお考えですか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 私もそのことを今考えておったわけでありまして、農業外の収入の面で農業に投資をしているといいましょうか、機械を買ったりなんかしている農家というのは非常に多いと思うんですけれども、そういう面で見た場合、農業をやるという形の中で、その中で資金運用をするといいましょうか、運転資金等も必要だということにもなってくる、あるいは負債整理というのもあるかもしれませんけれども、そういうことを考えてみますと、先生の今御指摘されたことは十分に認識できるものですから、今、その辺につきましてもう一回検討させていただきたいというふうに思うわけであります。

風間昶公明党

○風間昶君 じゃ、次に前向き資金について伺いますけれども、従来、認定農業者に対してはいわゆるスーパーL資金、これで規模拡大に必要な資金を一括して融資してもらえることになっておりますけれども、これから、先ほどの御説明のように主業農家、認定農家になるために頑張ろうとする篤農家に対しては、若干ハードルが高くてこういう制度がなかったのが、今回の経営体育成強化資金をつくっていただくことによって、大変そういう意味では大事な制度融資だと思うんですね。そうなりますと、この前向き資金というのは、農業者の中でも認定農家を目指す人たちを念頭に置くものと考えていいですね。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) おっしゃるとおり、経営体育成強化資金は、スーパーL資金の前段階というふうに私ども考えておりまして、この育成強化資金を借り受けて負債整理を図りながら経営改善を行って認定農業者になっていく、その段階でまたスーパーL資金の活用を通じて効率的かつ安定的な経営を目指す、こういう段階を踏んでいくべきものというふうに考えております。

風間昶公明党

○風間昶君 金利は同じで、融資期間は同じで、公庫がやって、償還期限も二十五年で同じなんだけれども、据置期間がスーパーLは十年だけれども、これは三年というふうに据置期限に差を設けてインセンティブとしようとしたんでしょうか、認定農家をふやすために。そう考えていいんだろうか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) スーパーL資金というのは、効率的かつ安定的な農業経営を目指しまして、経営改善に取り組む意思を明らかにした認定農業者というのを対象にしておりますので、農業関係の制度資金の中でも極めて政策性が高いということで、据置期間についても最も有利な取り扱いをするということにしているわけでございます。  一方の経営体育成強化資金につきましては、主業農家で負債整理を図りながら、前向き投資を通じて経営再建に取り組む者ということでございますので、その据置期間は公庫資金の通常どおりの三年ということで、政策性の高いスーパーLとの間では格差を設けさせていただいているわけでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 そうすると、今後の金利状況によってこの資金も金利を引き上げざるを得ない局面が出てくることが予想されるんですけれども、その際に、スーパーL資金よりもこの前向きの経営体育成強化資金の方の金利が高くなるという可能性もあるわけですね。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 経営体育成強化資金の金利は、基本的には農林公庫の調達コストでございます財政融資資金金利に連動するということになっております。一方で、スーパーL資金は最も政策性の高い資金であるということで、金利水準につきましては、その財政融資資金金利が五%以下の場合は上限を二%ということになっておりまして、その金利が五%以下の場合は経営体の方が三・五、スーパーLが二・〇というふうに差がつくということになっているわけでございます。

風間昶公明党

○風間昶君 じゃ、だから高くなる可能性があるということと理解します。  認定農家をふやしていくためには、こういった金融上の優遇措置のほか、税制上の優遇措置、あるいは直接所得補償をするに当たって傾斜をつくることなども考えられますけれども、当然農村での改革でありますから、地域あるいは集落単位で見ると余分なあつれきが出てこないようにしなきゃならないわけでありますけれども、今回の改正以外に、認定農家を増加させていくための方策その他、お考え、プランがありましたら教えてくださいますか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 認定農業者、担い手を目指す意欲ある農家でございまして、先生おっしゃられましたように、これまで、農地利用の集積でございますとか税制面でございますとか、あるいは今お話のございましたスーパーLとか、こういうもので育成を図ってきたわけでございます。  これに加えまして、十三年度からは、経営改善支援センターにおきまして、税理士、公認会計士等外部の専門家による経営相談体制というものを強化していくということが一つ。それから、農地を取得して規模拡大を図る認定農業者への助成金の交付というのをしていきたいということが一つ。それから、認定農業者が組織する農作業受託組織へ農業機械のリースというものを促進していくということで、できるだけ認定農業者の確保ということに努めていきたいというふうに考えている次第でございます。    〔委員長退席、理事金田勝年君着席〕

風間昶公明党

○風間昶君 現在の公庫はいずれも融資主体で対応していますけれども、ほかの産業では、資金繰りの比重が融資という間接金融から出資、投資という直接金融に移りつつあるわけでありますけれども、例えば社債の発行とか株の発行を通じて金融市場から直接資金を調達する流れが加速しているわけで、財投機関債もどっちかというと公庫もみずから金融市場において直接資金を調達する方法にほかならないわけでありますけれども、前の農地法の改正のときに、株式会社の農業生産法人への参入、条件つきながら認められましたけれども、株式会社たる農業生産法人の自己資本充実の手段として、生産法人に貸し付ける融資資金だけでなくて、生産法人の株式を取得する投資資金の創設が私はいずれ必要になってくるんではないかと思っています。  農水省として、こうした株式の取得を通じて資金を供給した場合に、株式会社たる生産法人の設立を促進するということを考えていただきたいと思いますし、例えば中小企業のジャンルでは、何ですか、投資育成株式会社として公的機関がベンチャーキャピタルに役割を果たすようなことも今あるわけで、そういった形態の農業版を考えていくべきではないかと思うんですが、大臣の答弁をいただいて、質問を終わります。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 先生御案内のように、この農業を今やられている人というのは、労働とか土地とか資本とかいう生産の三要素に基づいて、どちらかというとそういう農業者自身が経営者というような形で実際やられているわけですが、今先生がおっしゃったのは、株式会社というか法人という形でありますが、私は、農業法人の経営の発展を図る上で、経営に必要な資金をどのような形で供給するのが望ましいかという点については、今後、農業者の経営に着目した対策の一環として、幅広い角度からこれは考えなきゃならぬかなと今思ったわけでございますが、そういう中で、この出資という方式については一つのテーマであるというふうに思いまして、よい指摘を今されたというふうに認識をしまして、早速これ検討に入りたいというふうに思います。

風間昶公明党

○風間昶君 ありがとうございました。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 日本共産党の笠井亮です。今回の法律案について伺っていきたいと思います。    〔理事金田勝年君退席、委員長着席〕  先ほど来議論がありますように、本法案によって公庫が債券を発行できるようになると。その目指すところについてまず確認をしておきたいんですが、政府が財投改革ということで言ってきましたように、市場の評価にさらされるということを通じて運営効率化へのインセンティブが高まる、そういう意味のことを目指して今回公庫が債券を発行するようにするということで、それは間違いありませんか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) まさに先生おっしゃられた趣旨が財投改革の趣旨でございまして、市場の評価を通じて公庫の業務運営の効率化へのインセンティブを与えるという趣旨で財投機関債が措置されているわけでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 この債券発行によって公庫業務に市場原理を導入することになりますけれども、市場評価の基準というのは、財務が健全かどうか、それから資金を返せるだけのいわばもうけを上げることができるかどうかということであります。そして、当然格付をとることになりますけれども、この公庫もほかと同様に、やはり財務の健全性、それから償還の確実性などの基準からこれは評価されることになると、それはそういうことですね。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) それはそのとおりです。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そうしますと、市場の信認を上げるために体質強化を図っていくということでいいますと、市中の金融機関の場合を見れば明らかだと思うんですけれども、市中金融機関の場合、特にそうですが、市場評価による運営効率化といいますと、リストラ、それからリスクに見合うもうけを上げられないような分野からの撤退ということにほかならなくなってくると思います。それだけ厳しいものだというふうに思います。  ところが、公庫の場合、農林漁業といういわば生産性の低い産業に対して長期かつ低利の融資ということで、非常にリスクのある意味では高い業務を行っていると。しかも、今回の改正では、負債整理ということと絡めて、さらに投資できるような新たな資金まで創設するというふうにしております。  そうしますと、このような公庫の運営のやり方、本来の性格と、市場原理による運営の効率化というのは、私考えてみますと、本来これは両立し得ないものじゃないかと思うんですけれども、この点については、大臣、どのようにお考えでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 先生、今回の改正で考えていることは、市場評価を通しまして業務運営の効率化へのインセンティブを与えるということでございますけれども、また一方、農林公庫のいわゆる役目としては、政府系金融機関でもございまして、民間金融機関のように調達コストに一定の利ざやを乗せて貸し付ける、そして利益を稼ぐという性格の機関ではないですね、ここは。そういうことから、政策性や農林漁業者の負担能力を勘案しながら体系的に金利等も決めていくわけでありますから、そういった面を考え合わせますと、農林公庫の本来の役割に支障が生じないようにしていかなければならぬというふうにも考えているところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 大臣のそのお気持ちは、今伺ったのは、そういうことということでは伺ったんですが、しかし、実際は市場の原理というのは非常に厳しいものだと思いますよ、そこにさらされるということになるわけですから。私は、あちらを立てればこちらは立たずということにならざるを得ない。そして、市場原理の導入によって公庫本来の役割が後退する危険が大だというふうに思うんです。  先ほど説明の中でも一割程度だと、百五十億プラス百五十億だと、それから短期の五年物が中心だというふうに言われましたけれども、そういう点でいえば、そういったことであれば無理して始めることないじゃないかと、今の段階で。財投機関の中でも、その業務の性格に応じて政府保証債とか財投機関債を発行しないと、いわば様子見のところもあるわけですよね。そういう中で、そういう道をとることもあったはずだと思うんです。  あえてなぜそこを踏み出さなきゃいけないのかということは、私、ある意味では重大な疑問点であり問題点だと思うんです。そこまでしてやらなきゃいけないのかと。この点はいかがですか。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先ほど来お話がございますように、やはり政府系金融機関にも調達コスト意識を持って業務に取り組めというのがこの財投改革の趣旨でございますので、我々としても非常に率直に言って不安な面はあるわけでございますけれども、これを避けて通るわけにはいかないということで財投機関債を措置したわけでございます。  特に、先生御指摘のように、農林公庫の目的が、農林漁業政策に対応して、民間金融機関では対応が困難な資金を融通するということでございます。そうした業務を行うためにこれまで公庫補給金が毎年の予算で措置されてきたわけでございまして、そういう業務についての政府との一体性というようなものを十分に説明をいたしまして、そういうことを念頭に置いた市場での評価と、投資家に受け入れられやすくしたいというふうに私どもは念願をしているところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 念願しても、なかなかそんな生易しいものじゃないんですよ。  それで、今、率直に言って不安とおっしゃいましたけれども、先ほど総裁も初めてのことで不安だと言われた。政府との一体性ということでいうならば、そもそも機関債発行なんかしなくたっていいわけで、しかも今回、財投改革、横並びで全部やるというので、ここだけやらないというんじゃないわけですよ。やはり様子見のところも率直に言ってあるわけで。私は、農林公庫に財投機関債発行はそぐわないということを強く指摘させていただきたいと思います。  そこで、関連して、次に公庫の融資の姿勢と実態の問題について取り上げたいと思います。  先ほども質疑があったんですが、公庫というのは、農林漁業の振興のために、市中金融機関では難しい農林漁業者に対する低利かつ長期の貸し付けを行っていると。それからまた、食品産業向け融資についても、中山間地域の活性化とか、あるいは農林漁業との連携に資するように行われて、国内農林漁業の振興にも貢献する性格というのを本来持っているというふうに説明されてきたと思いますし、そうあるべきだと私も思うんですが、公庫の運営のあり方としても、食品産業融資というのが農林漁業の発展につながるのが当然だというふうに思うんですけれども、それはよろしいですね。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) そういうことです。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 そこで、実際の公庫の貸し付け状況なんですけれども、私、資料を用意させてもらいました。農水省からいただいたものをもとにつくりました二枚紙ですが、資料一をごらんいただきたいと思うんですが、十年前の八九年から九九年の十年間の全体と、農業、林業、漁業それから食品産業の部門別の貸付計画と実績、そして達成率について一覧表にしてみました。  この十年を見ますと、公庫の農林漁業者向け貸し出しの実績、一貫して計画より下回っている。そして、九九年は、四千三百二十八億円の計画に対して実績は二千五百七十二億円ということで、達成率は五九・四%ということにまで落ち込んで、成績は大幅に悪化していると言わざるを得ないと思うんです。九九年の実績は八九年との比較でも、マイナスしてみますと二千百九十五億円と、半減近くになっている。  それから、他方、食品産業向けの実績を見ますと、一貫して計画を上回って、九九年は九百二十二億円の計画に対して実績が一千五百八十一億円ということで、達成率を計算すると一七一・五%と。九九年の実績は八九年と比較してプラスで千百二十五億円ですか、三・五倍になっているわけで、食品産業に向けては一貫して向上し続けているという傾向だと思います。  貸出実績をグラフにしたのが資料二、二枚目であります。順調に増加してきた食品産業向けの貸し出しと、減少の一途をたどっている農林漁業者向けの貸し出しの対比を私はグラフにしてみて改めて感じたんですけれども、一目瞭然だと思うんです。  実態は、先ほど大臣もお認めになったと思うんですが、食品産業への融資というのが農林漁業の発展につながっているかというと、本来あるべき方向からすると実際にはつながっていないということが起こっているというのがこの十年間を見て明らかな傾向だと思うんです。  大臣に伺いたいんですが、なぜこんなことになったのかというので、お考えいかがでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 農林公庫の農林漁業向けの融資については、最近、農産物の需給の緩和といいますか、背景としまして、投資意欲が少し減退しているということから貸付金額の減少傾向にあるのではないかなというふうに思っております。また一方、食品産業向けの貸出資金については、最近、食品の安全性等に関する消費者意識が非常に高まってきておりまして、そういうもの等を反映しまして、近年何か貸し付けがどうもふえているという、そういう傾向にあるというふうに見ているところであります。  実際は、先ほども局長の方から答弁いたしましたけれども、四兆円からの貸し付けの中で食品産業が五千億をちょっと超えておるぐらいで、一二%ですか、そういう答弁がありましたが、九割はまだ農林漁業関係者だということでございますので、そういった面では大きく方向が違っているということではないというふうに考えているところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 投資意欲の問題、当然そういうことはあると思うんですが、私は、残高ベースの数字ということでまだ圧倒的に、かなりの部分がそうだと言われましたけれども、この十年間を見てこういう傾向も明らかに歴然としてあるわけです。  つまり、先ほどの質疑でもありましたけれども、実際に農業関係者の方がそういう場に行ってみると、食品関係の産業の方が圧倒的にいたということで、総裁は誤解のないようにというふうなことを言われましたけれども、このままで、こういう貸し出しでいきますと、明らかに傾向としては、片や投資意欲減退という方向で行かない、片や食品産業の方はどんどん伸びるという形で、本来、公庫の融資ということでやる趣旨からいえば、農林水産漁業の振興ということのために、本来そこが主であるということでやってきたはずなんで、これはどういうことになるかということだと思うんですよ。  それで、今大臣も触れられたんですけれども、実際伺ってみますと、農産品の価格下落で今ある膨大な借金さえ返せるめどがない、このままでは農業が続けられないというので、とても新しい融資を受ける気になれないというのがやはり今、現状でいえば大多数の生産者の声だと思うんです。そして、農産物などの価格の低下が農林漁業向けの融資に影響しているということは、私は、もう明らかだと思うんです。私、そこにきちんと手を打たない限り、生産者の生産意欲、それから投資意欲も出てこないし、こうした貸し付けの傾向は変わらないと。  しかも、今回債券発行によって市場原理が導入されるとなりますと、ますます傾向としてはもうけが上がる分野ということで、特に食品産業のそういうもうけが上がるところということでの融資向けに傾かざるを得ないというふうになっていくと思うんです。そうすると、公庫が農林漁業の振興という本来の役割を十分に果たしていけないということになってしまうんじゃないかと思うんですけれども、大臣、このような状況をどう思われますか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 先生御指摘のとおり、農林漁業の生産力の維持増進ということから、農林漁業金融公庫の政策的なそういう課題に対応するために農林漁業公庫の資金の貸し付けというのが行われるわけでありますから、この件については、農業者、農林漁業者との安定的な取引の契約の締結など、あるいは生産サイドとの連携を要件として貸し付けるのが食品産業に対する貸し付けでありますから、今御指摘のありましたとおり、その辺のところを十分に指導もしなければなりませんし、あるいはまたそういうふうなものがあってこそ初めて食品産業に融資をするということでありますから、そういった面で農林漁業の発展のために資する、そういう目的でしっかりとしたものの哲学を持ったそういう貸し付けにしていかなきゃならないというふうに考えているところでもあります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 哲学を持った貸し付けということで、資するようにきちっと要件も課してやってきたし、やっていくということだと思うんですが、実際には、一方では、そういう面では食品産業でいえば要件ということを一応念頭に置きながらもどんどん借りられる、しかし、片や生産者の方々というのは、先ほど来大臣もおっしゃっていますけれども、投資意欲が減退しているもとで本当に借りられるような状況じゃないということがあるわけです。  私は、哲学ということで考え方ということをはっきりさせるのは当然必要なことで一つあると思うんですが、大きく言えば、今、全体的な状況の中で、市場原理の導入によって産品価格が低下するなど農林漁業をめぐる情勢が厳しくなっているということがあって、生産者が意欲を持って取り組めるかどうかというのが一番大きなかぎだと思うんです。意欲を持って生産に取り組めるようになってこそ、やっぱり私は制度融資による個々の経営体に対する支援政策も生きてくるんだと思うんです。  だから、そこのところをきちっとやらないと、要件を課して哲学を持たせたから大丈夫ですと、全体で残高で見ればまだまだ農業中心ですから、農林水産業中心ですからといっていても、今、今回の改正のことでこういう方向で進めていくと、やっぱり大もとのところで、我々かねてから要求もしておりますけれども、価格補償だとか農林水産漁業産品に対する所得補償ということについてきちっと大きなところで政策の転換といいますか、踏み切りをしないと、こういう融資制度について、本来求めている生産者の方々に喜ばれて生きていくようなものとして使われるものとしてなっていかないんじゃないかというふうに思うんですが、その辺での政策の転換というか、価格・所得補償についての、この問題との絡みでもどのようにお考えでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 確かに、この農林漁業公庫の目的とするものは、生産の増進といいましょうか、所得の確保と申しましょうか、そういうふうなものに資するために融資というのが行われるわけでありますから、今先生御指摘のとおり、そういった面での農林水産省としての政策というのもそこに光を当てていかなければならぬということは大事な要素でございますから、そういった面でこの融資制度と、それとあわせまして農業生産、そして農家の所得、経営の安定というものに資していかなければ、これは何ら融資制度そのものが生きてこないということにもなるわけでありますから、その辺のところは十分に配慮しながら指導もしていかなければならないし、また政策も展開しなきゃならぬというふうに考えているところであります。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 最後に伺っておきたいんですが、今、所得政策についてもきちっとやるとおっしゃったんですが、この間、衆議院でも質疑がありましたが、夏をめどにということで、日本型というようなことも言葉でありましたけれども、具体的には今のことも念頭に置かれながらどのような中身で今検討を進められて、どういう所得政策を確立していこうというふうにお考えでしょうか。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) これは、所得政策をやるということについて一つの今検討、研究をしているところでありまして、先ほど御指摘のありましたように、夏ごろまでにはそういう方向性が出せるのではないかというようなことで今検討を進めているところであります。  しかし、大事なことは、私はいつも申し上げることは、要するに消費者といいましょうか、国民に対しまして、国民の健康を維持するために食の面から寄与していくというのが私は生産者の一つの大きな目的でなければならぬと思いますし、また、農林水産省としてもそういう政策をきちっとやっていかなきゃならぬというふうに思っておるんです。  そのときに、消費者というのは、毎日毎日食べる食料というものはできるだけ安く手に入れたいというのは当然なこれは願望でもあります。そうなってまいりますと、生産者の方のいわゆる所得といいましょうか、そういう製品というものが安くなってくるであろうということになりますと、当然のこととして生産意欲もわかなくなってきますし、あるいはまたそういった意味で再生産にも結びついていかないということであるならば、他産業並みの生涯所得を確保するということは私は大事な要素の一つだろうと思うんです。  今、検討されている中に、それじゃ他産業並みとは生涯所得はどのくらいのものかというようなことで、これが二億二千万から二億七千万、そしてこの中には年金等も入れさせていただきまして、これ約三千万ぐらいに見ているわけでありますけれども、そういうふうな中でこの所得政策を展開しなければならぬというふうに思っておるわけでありますけれども、ただ、これには共済の問題とかなんかいろんな問題もありますものですから、そういうものを精査をしまして、そしてはっきりとした方向づけというのをこの夏までには出してみたいということでございます。  それには法律も改正しなければならない面もあろうかと思いますし、あるいは新たな法というのをつくらなきゃならぬかなというふうにも思っているわけでありますので、そういう面も含みながら今検討をさせてもらっているというところでございます。

笠井亮日本共産党

○笠井亮君 大規模もそれから小規模も、すべての農林漁業従事者にとって希望の持てる価格・所得補償制度は不可欠だと思います。そうしてこそ公庫の役割も発揮されて、将来展望も見えてくると。この点でのきちっとした対応を求めて、質問を終わります。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。お昼の時間に入りましたが、もうしばらくおつき合いをお願いいたします。  ただいま公庫法の改正、いろいろお聞きさせていただきました。私は、直接は関係ありませんが、一応、公庫法そのものでなくて質問させていただきたいと思っております。  一つは、先日、大臣の所信に対して御質問した折に、まだ積み残しがちょっとございましたので、そちらをまず最初に質問させていただきたいと思っております。  自給率の向上についていろいろと御議論させていただきまして、これは目標をどうするかということも大事ですし、それから実際に勝つ手段をどうするかということで、私なりに、やっぱり勝つというか向上させるということは、自給率を向上させるということがやっぱり外国の農産品に勝つことだと。勝つのは何で勝つかというと、価格と品質ではないかと私はそう考えているわけですが、価格の面となるといろんな条件がございますからなかなか大変ですし、ましてや、産業連関表ですか、何かそういうので見ますと、やっぱり農業サイドだけではなかなか解決できないという面がありまして、それはいいんですが、品質の面では、これはやっぱり農業サイドから努力をして勝つという手があるんじゃないかなということで、その辺の出だしだけちょっとお話ししたような気がするんですが、品質というといろんな面があるんだろうと思います。  大臣が、やっぱりたしか、日本人というのは日本でできたものを食べるのが一番健康になるんじゃないかというようなお話もございまして、確かにそうだと思います。とすれば、じゃ、それをどうやってPRするかという問題もございますし、さらに栄養価が外国産と日本とどう違うか、地場とどう違うのかということもしっかり研究する必要もあるでしょうし、そうした場合に、またいわゆる今自給率というのはカロリー自給率で言っているわけで、大体それが中心のようでございますけれども、カロリーといえばこれは炭水化物とたんぱく質と脂肪ですから、非常に限られた作物になるわけですが、それ以外のものもあわせて、じゃ、どう向上したらいいのかというような問題もあろうかと思います。  また、安全性の面からいって、遺伝子組みかえ食品を表示することによって消費者に選択を任すというようなことも一つの方法であるというようなふうに、私なりに考えますといろいろあるんですが、こういう面で、品質の面から農林省ではどんなアプローチをされているのか、ひとつ御説明を願いたいと思います。

小林芳雄農林水産省生産局長

○政府参考人(小林芳雄君) 食料自給率の向上に向けましてさまざまな対策を講じておりますが、特に今先生お話ありました品質という面で、私ども、例えば麦とか大豆につきましては、非常にこれから取り組んでいくべき課題が多いし、またそれを進めることによって自給率が向上させられるんじゃないかというふうに考えております。  具体的には、小麦の場合には、これも御承知のように、ユーザーの皆さんからASW、要するに小麦は日本めんですね、こういったものの需要がございまして、こちらの方にまだ国産が余り向かっておりません。したがいまして、これもかねてからASW並みの品種を開発するとか、またそういったいろいろな取り組みをするというようなことを進めておるところでございます。  また一方で、大豆でございますが、大豆はこれは煮豆とかまた納豆等ございますけれども、こちらの味がよい、あるいはたんぱくの含有量も高いと、これは非常に評価が高いわけでございますが、ただ一方で、供給する場合に非常に不安定であるとか、それから生産ロットが小さいと、こういった課題がございまして、そういう意味で、品質にあわせまして、そういう生産サイドの供給体制の整備というようなことが課題だと思っております。  いずれにしましても、こういった取り組みにつきまして、昨年定めました食料・農業・農村基本計画、これを受けた形で品質評価を踏まえました優良品種、新技術の開発普及でありますとか、あるいは栽培技術体系の確立等、こういったことを進めて、将来の自給率目標の達成に向けて頑張っていきたいと、こういった状況でございます。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 確かに言われるとおりだと思いますが、そういう正攻法、言うなれば正攻法のアプローチだろうと思うんですけれども、そういうもの以外でも、先ほど言いましたような、大臣の言われたようなことをどうPRしたらいいかということはあるかもしれませんけれども、そういうことを考えていかないと今までどおりに、同じことになっちゃうんじゃないかなというような心配がするわけです。  これは私も思いつきで、本当にこういうことがあり得るかどうかということはわかんないんですけれども、例えば外食とか今、中食というんですか、コンビニで買ってきて家で食べるような、ああいう方が自宅で料理して食べるよりも自給率が低いんじゃないかなというような気も、これはわかりません、これはわからないし、私自身、調べたんですが、なかなか今の段階ではわかりません。さらには、これ都会と田舎でも随分違うんじゃないのかな。そういう現実を、もしそうであれば、そういうものまでも含めたそういう取り組みがないと、自給率、自給率と言葉の上では言いますけれども、なかなか実際には上がんないんじゃないかなというふうな心配があってしようがないわけです。  この辺でどれがいいかということは私もわかりませんけれども、大臣、そういう総合的にもっとお考えになるような方針、農林省としておありになるかどうか、ひとつよろしくお願いします。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 実は、先生御指摘の点については既に農水省の中でも検討をさせてもらっているところであります。ついこの間も、外食産業の方々をお呼びしまして、実態はどういうふうな資材の購入をしているのかということも聞かせてもらいました。そのときに、中食をやられている方も実は来られまして、今先生がちょっと御指摘になられました点についてもいろんな意見が出ました。  ですから、中食の方が自給率が相当低いのではないかというふうな御指摘がありましたが、まさにその辺のところも話の中に出まして、こういうふうなものが欲しいというふうに要望しても、なかなかそれに対して、それに見合うだけのものが納入されないというんでしょうか、そういうのがあって悩んでいるんだという話すらむしろありましたものですから、私どもは、こういった点につきましては、特に外食産業の方が農協等にそういう要望を出すと、それに対するものに対応がほとんどないんだということまで実は指摘をされたわけでありまして、その辺のところを十分に踏まえながら、農林水産省といたしましても、その対応を考えなきゃならぬなというふうに今強く思っているところであります。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 よろしくお願いをいたします。  全国民的な関心事であると思いますので、そういう何か隘路があったら、それはみんなでやっぱり考えていかなきゃいけないし、考えてもらえる今の国民の皆さんの意識だろうと私は思っております。  それともう一つ、この自給率なんですが、私は先ほど価格と品質だけ申し上げましたが、自給率を維持するといいますか、これは一番大切なのは、やっぱり農業経営者をどう確保していくか。最近の傾向を見ますと、どんどんどんどん農地なんか減っていくというふうな状況ですので、本当にこのまま、そっちの方からの心配があるんでないのかなというような感じがするわけです。したがって、農業経営者をどう育て維持するか、今回の法律もそういう点と関連している点が非常に大きいと思います。  したがって、農林省全体の施策になろうかと思いますが、今思い出しますと、たしか昔は、前の農業基本法のときは、どっちかというと専業中心で、施策も専業中心の施策がどんどん出された。ところが、現実は兼業がどんどん広がっていったと。その失敗といいますか、それを反省して今度の農業基本法になったんだと思いますが、したがって多様な農業経営者を育てるというようなことが今度の柱になっていると思います。  その辺で、じゃ多様な農業経営者というのはどうなのか、どんなふうに農林省の方で把握されているのか、その辺をまずお聞きしないと、政策も実態に合ったものになるかどうかという点が心配でありますので、その辺、多様な農業経営者というのはどんなふうに考えておられるのか、ちょっと問題が大き過ぎるかもしれませんが、御説明を願います。

須賀田菊仁農林水産省経営局長

○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生も御承知のとおり、農業というものは、土地でございますとか水でございますとかの地域資源を生産手段にして、自然エネルギーと資源の循環利用に基礎を置く生産活動が本質でございます。そして、この生産活動の持続があって初めて食料の安定供給も可能になりますし、自給率の向上といったものも可能になるわけでございます。  一方におきまして、日本列島全部を見ますと南北に非常に長いということで、例えば気候一つとりましても亜熱帯から亜寒帯、それから立地条件も平地から山間地域まであるわけでございますし、農村社会の現状も兼業化でございますとか高齢化が進んでおる地帯もあるわけでございまして、やはりそういう地域ごとに大きな差異がある中で、地域の自主性とか創意工夫を生かしながら農業を展開していくということが重要になってくるのではないかというふうに思っている次第でございます。  地域においてどんな作物を作付するか、あるいはどのような土地利用計画でどのような営農形態で生産を担っていくか、あるいは非常に産地間競争も激しいわけでございますけれども、加工だとか販路をどうしていくか等々、やはり最も地域に適合した合理的な体制で農業が営まれるということが重要というふうに考えております。  その際、やっぱり基本になるのは、我が国の農業の持続的な発展という観点から見ますと、効率的かつ安定的な農業経営が生産の相当部分を担うような農業構造を確立するということが望ましいということで、こうした経営を目指します認定農業者、農業法人に対して各般の施策を重点的に講じているところでありますけれども、他方におきまして、地域農業における効率的な農業生産体制を確保していくためには、やはりこういう経営を中核としつつも、地域におられます兼業農家でございますとか高齢農家でございますとか、こういう人たちの間で土地利用、水管理、農作業、こういった面での役割分担と連携というものを図ることが重要なのではないかというふうに考えております。  具体的には、農業経営基盤強化促進法に基づきまして市町村が基本構想を策定するわけでございます。そこでは地域農業の将来像というものを明らかにするわけでございますけれども、やはりその中で認定農業者と兼業農家等の間の役割分担というものを明確にしますとともに、高齢農家、農業就業人口の半分を占めておるわけでございますけれども、地域のまとめ役でございますとか農業技術の伝承といった面での役割の発揮が期待されるということでございまして、生涯現役ということを目指して活動できるようにいろいろな施策というものを講じていきたいというふうに考えております。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 どうも御丁寧な説明ありがとうございます。  非常に哲学的で、わかったようなわからないようなあれですが、いろんな人があると思うんですね。したがって、先ほど言いましたように、専業ばっかりでない、いろんなことをしっかりととらまえて、その実態がどうなのかということを考えてやっていただきたいということなんです。  先ほどもちょっと風間先生の方からの御質問でもあったと思うんですけれども、やっぱりしっかり統計的な実態をつかんでおかなきゃだめなんですね。私が聞くところによりますと、これは本当かどうか知りませんが、昔の農林省の統計というのは、施策をやったその結果を見るための分野に限ってだけだったというような、だから、私は今一番大事なのは、農家という単位でつかまえると、農業だけじゃなくて農家という単位でつかまえるというのが必要じゃないかと思うんです。こういう意味で一度アプローチしたことあるんですけれども、農林省はその当時はやっておりませんでした。  そういう意味で、いろんな、ちょっと長くなって申しわけございませんが、例えば農業経営なんというのも正規分布していませんから、両端で膨らんでいるようなあれですから、幾ら平均値出してやったって、そんな農家は余りいないんですね。そういう実態をよくお考えいただいて、まず実態をしっかりつかんでいただきたい。  この辺についての取り組みを最後に大臣、一言だけよろしくお願いします。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) 今、先生御指摘のように、統計といいましょうか、そういう実態の数字といいましょうか、そういうものをしっかりとつかんでいかなければ次の政策というのはなかなか出し切れないというふうに思うんですね。非常に大事だと。この点は先ほど風間先生からも御指摘があったとおりでございますので、私どもとしましては、統計情報部等からしっかりとしたそういう数字を掌握して、それをそしゃくして、それで政策をやらなきゃならぬというふうに考えておりますので、御指摘のとおりだろうというふうに考えております。

岩本荘太無所属の会

○岩本荘太君 ありがとうございました。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

須藤美也子日本共産党

○須藤美也子君 私は、日本共産党を代表して、農林漁業公庫法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。  本改正によって、公庫は財投機関債を発行できるようになり、市場評価による効率化と称して、公庫の運営に市場原理が持ち込まれることになります。  市場原理の導入とは、財務の健全性の確保と返済可能な収益を上げるということであり、産業基盤の弱い農林漁業者に対し、低利かつ長期の貸し付けという、リスクの高い貸し出しとは両立できないものです。そのリスクの穴埋めを政府との一体性によるというのであれば、財投機関債を発行せず業務を継続すべきであります。市場原理の導入と公庫の目的とは両立し得ないものであり、公庫本来の役割が後退する危険性さえ持っています。  実際、農協は、金融のグローバル化に対応し、市場原理の中で市中金融機関と対等に競争していける体制を構築する必要があるとして合併を進めていますが、この中で多額の負債を抱えた農家への離農勧告など深刻な事態が生まれています。農林公庫への市場原理の導入によって同じような問題が起こりかねません。  新設される農業経営体育成強化資金、農業経営維持安定資金の二つの資金は、現行の制度の使途、用途を拡充したもので、農家の負債軽減の強い要望に沿ったもので、反対するものではありません。しかし、現行の制度では貸し出しの前提としていない経営診断や経営相談等を受けなければ貸し付けを受けられず、必ずしも使いやすい制度になったとは言えません。  以上、反対の理由を述べて、討論を終わります。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、郡司君から発言を求められておりますので、これを許します。郡司彰君。

郡司彰民主党・新緑風会

○郡司彰君 私は、ただいま可決されました農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、社会民主党・護憲連合及び無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     農林漁業金融公庫法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)   食料・農業・農村基本法を踏まえ、農業経営に意欲と能力のある者を幅広く確保することにより、効率的かつ安定的な農業経営を広範に育成し、地域の特性に応じた望ましい農業構造を確立することが求められている。   よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努め、我が国農業の持続的な発展に万全を期すべきである。  一 農業経営資源活用総合支援対策において、意欲ある担い手が、経営環境の変化に対応しつつ、農業経営の改善を円滑に進められるよう、個々の経営の実情に応じた経営診断・相談を的確に実施するなど、経営体育成強化資金、農業経営維持安定資金等の農業経営資源活用総合融資が適切に融通されるための万全の体制を整えること。    また、これら資金の貸付けに当たっては、迅速かつ適切な融資が行われるよう、融資手続の簡素化・合理化を図るとともに、物的担保や保証人の徴求について弾力的な運用に努めること。  二 農業経営資源活用総合融資の資金の融通を受けた者等に対し、その実情に応じ着実な農業経営の改善が図られるよう、農業改良普及センター、農業協同組合等の指導に万全を期すること。  三 農業経営資源活用総合融資の資金の融資枠については、今後の資金需要を踏まえつつ、適切に確保すること。  四 意欲ある担い手を育成・確保するため、農地保有合理化事業を一層活用するとともに、経営を単位とした農業経営所得安定対策の確立に向けて検討を促進すること。  五 農家負債の現状にかんがみ、農家に対して民事再生法の適用がある場合には、農林漁業金融公庫も農家の実情に応じて適切な対応をとること。  六 農林漁業金融公庫債券を発行するに当たっては、農林漁業金融公庫の業務運営の一層の効率化及び財務内容の透明性を高めるためのディスクロージャーの充実を期するとともに、農林漁業者に対して一般の金融機関が融通することを困難とする長期かつ低利の資金を融通する公庫の使命が損なわれることのないようにすること。   右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いを申し上げます。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) ただいま郡司君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 全会一致と認めます。よって、郡司君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、谷津農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。谷津農林水産大臣。

谷津義男自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(谷津義男君) ただいま法案を可決いただき、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、今後最善の努力をいたしてまいります。  ありがとうございました。

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田豊秋自由民主党・保守党

○委員長(太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十四分散会

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