内閣委員会 第11号
- 発言数
- 197 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/05/24
会議録
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、内閣府大臣官房長江利川毅君、同大臣官房審議官永谷安賢君、同男女共同参画局長坂東眞理子君、警察庁長官官房長石川重明君、同生活安全局長黒澤正和君、同刑事局長五十嵐忠行君、同交通局長坂東自朗君、総務省人事・恩給局長大坪正彦君、文部科学省研究振興局長遠藤昭雄君、厚生労働大臣官房審議官青木豊君、厚生労働省医政局長伊藤雅治君、同政策統括官石本宏昭君及び経済産業省商務情報政策局長太田信一郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎秀樹君 おはようございます。 昨日のハンセン氏病の控訴取りやめということで、政府の決定に関しましては私はもう大賛成でございまして、いろいろあるでございましょうが、今後ともひとつ、患者さん並びに関係者の救済措置というものを十分に図っていただきたいと思います。 そういうことに関係しまして、まず最初に竹中大臣、石原大臣にお伺いしたいんですが、政府の中にはいろんな諮問会議とか、あらゆるそういう審議会とかそういうのがあるんですが、ここのメンバーを見ていますと、どなたが人選するのかわかりませんが、選ばれた方はそれぞれもう立派な方ばかりでありますが、どうもバランスがとれていない。 例えば、ハンセン氏病の場合でも過去にこういう審議会などいろいろあったんですが、そこの結論に基づいて今まで動いてきた、そういうことがあるんですが、一つの端的な例で、経済諮問会議のメンバー、さらには総合規制改革会議のメンバーを見ましても、これは内容が、一つの方向へ決まったものをやるのならいいんですが、あらゆるオールマイティーをここで決めちゃうわけです。ここで決まるとこれはもうスキームになっちゃうんです。それに基づいて概算要求だとか予算が編成されていく。それが決まると、それから枠を外すことはなかなかできないわけです。ですから、ここを本当に慎重にやらないと、ここで間違えたら大変なことになるんです。 例えば、この二つのメンバーを見ても、少なくともサイエンス、科学、それから理学関係の方というのは一人もいないんですね。ところが、今やもうIT革命とかいろいろ言っている時代に、やはりそういうバランスをきちっととった人たちで物事を決めてもらわないと禍根を残すことになるのじゃないかといって大変私は心配しているんですが。 まず、このメンバーの人選というのはどこで行われるんですか。そこら辺をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 宮崎委員にお答えを申し上げたいと思います。 私は行政改革並びに規制改革を担当しておりますので、委員の質問の部分は総合規制改革会議の点につきましてお答えさせていただきたいと思うんですけれども、冒頭申されましたように、サイエンスの部分、この十五名のメンバーの中で私も調べましたら、米沢先生という学校の先生がたった一人でございます。そういう意味では、十五人の中で科学、サイエンスの部分の方が十五分の一でありますから、少ないという委員の指摘は的を得ているんだと思います。 しかし、そんな中で一応産業界、各重立った会社の社長さんとか会長さんが九名、あるいは学識経験者、米沢先生も入っていますけれども六名、そして特に今回は総理の、女性をやはり重視していくということで、四名の方を総理みずからがみずからのバランスによって配置されたんだと思っております。 今後でございますけれども、やはり委員御指摘のとおり、大きな審議会というものは方向性を示すところでございますので、サイエンスやもちろん医療の分野、社会福祉の分野等でさまざまな規制も存在いたしますので、そこでの専門的な議論には専門委員という形でその分野の専門家の方にお入りいただいて審議を重ねていくという方法もございますので、また適時適切なアドバイスを賜れば幸いに存じております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議に関しましても同じような趣旨の御質問があったと思います。 私も四週間前まで学者をしておりまして、いろんな政府の委員会からのお誘いがあったとき、これは隠れみの的審議会か実質的議論の場かということは、その場でかなりはっきりと判断したつもりです。はっきり言いまして、いろんな会があると思います。 そういう意味で、先生御指摘のように、本当にきちっとリーダーシップを発揮できるような会、それは政治的リーダーシップの役割だというふうに思いますが、経済財政諮問会議に関しましては、まさにそういったような人材のバランスをとれるような会にぜひしたいというふうな強い意欲を持っています。 具体的には、法律で幾つか決められているものもあります。議長は総理、それと官房長官と経済担当の私が出なきゃいけないとか、あと、定員が十名でありますとか、その制約の中でやるわけでありますけれども、基本的には臨時議員の制度等々ありますので、そういった制度もぜひ活用して幅広く意見を聴取できるような仕組みは、これは私の責任でぜひつくっていきたいと思います。 人材の評価とかいろいろあると思いますが、私は個人的には今の経済財政諮問会議、民間の議員四名入っていらっしゃいますが、産業界と学界ということではありますが、私は非常に見識のある、偏りのない、勉強熱心な、その意味ではバランスのとれた人選ができているというふうには一応自負しておりまして、加えて先生御指摘のように、臨時議員の制度等々を活用して、足りない分は補っていきたいというふうに思っています。
○宮崎秀樹君 私は、その委員の資質の個々のことは一切申し上げておりません。大変立派な方ばかりだと思っていますが、やはり重要なことを決めるので、隠れみのだとか責任逃れだとかいうふうにならないように、そこはきちっとやっていただきたいと、こういうことでございます。 ところで、その事務方でございますけれども、石原大臣、事務方もこれはやはり民間の人を起用して、どうも一般の国民が見ていると、官僚が書いたものをそこで議論して、またまとめは官僚がやると。これは言っているのは裏は全部官僚じゃないのと、こういうふうにとるんですね。だから、そこもきちっとそういうことと切り離した組織というのをつくる必要が私はあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 宮崎委員に引き続いてお答えさせていただきたいと思うんですが、まさに私、委員の御指摘は的を得ていると思うんです。よく審議会が、官僚の方が書いたものを審議委員の方が踏襲して読んでいるだけで、結局方向はその審議会を所管する官庁の思った方向になっているというような批判が多々出ているということも十分承知しております。 今回、私に関連するところでございましては総合規制改革会議があると思うのでございますけれども、この総合規制改革会議のいわゆる事務局は二十四名いるんですが、この中に三分の一強に当たります九名の方、民間からおいでいただいております。また、行政改革本部のもとにあります行革事務局、ここも実務をつかさどるところでございますけれども、ここは今六十一名中、金融機関あるいは商社、メーカーと三名の方がおいでいただいているんですけれども、ここの部分はちょっと少ないということで、先般、経団連の今井会長にお会いしたとき、女性も含めてこの規制改革というものに、あるいは行政改革というものに熱心な方がいらっしゃったら、ぜひ若い方をもう少しかしてくださいと申しまして、今また数名の方がこちらの方にも来ていただけるようになってまいりました。
○宮崎秀樹君 できるだけそういうことを活用してやっていただきたいと思います。 それから、石原大臣に続けてお伺いしますけれども、平成十二年十二月十二日に、これは行政改革推進本部ですか、規制改革委員会というのが前にありました。さらに、ことしの三月三十日の閣議で、規制改革推進三カ年計画というのがあるんですね。その中で、医療に営利法人の参入について検討するというようなことがうたわれているんですが、これも、私に言わせれば、本当の医療の実態というのは御存じのない方が集まって、しかも経団連とかいわゆるそういう財界の方たちの意見というのは、これは強いと思うんです。 私はかつて自民党の中で、経団連とかそういう財界の方々との話し合いをやったことがあります。そこで十分議論をしたんですが、要するに、非営利的な性質のこの医療というものに対しまして営利を目的とした人たちが入ってくると、不採算のものに対しては、これは会社で損をすることをやれば社長は首になりますから、そういうことはやらないですね。じゃ僻地に行って、そこへそれじゃ営利団体が行ってそういう医療をやってくれるかといったら、これはノーだと言うんですね。じゃ救急医療、夜中、不採算のことをやってくれと、これはノーだと。 やっぱり医療というのは押しなべて、不採算のこともやって、そして損得勘定なしでやるからいろいろな法規制があるわけです。だから、これは、私は、規制緩和規制緩和といっても、医療という人命にかかわる問題は、一つの法を、やはり規制をかけた中でやらなきゃいけないんですね。それを緩和緩和と、こうなりますと、これは大変なことになると思うので、特に日本は今国民皆保険の制度の中でこれやっていますから、そういうことはひとつ慎重に、担当大臣となられたので、こんなものについてどんなふうにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 宮崎委員にお答え申し上げたいと思うんです。 かねてから宮崎委員が今おっしゃられましたような御意見ということを各分野で意見の御開陳をされているということは私も十分承知しております。そしてまた、国民の生命に一番関係する分野でございますので、慎重な検討が必要であるということは私言うまでもないことだと思うんです。 委員が御指摘されましたいわゆる規制改革三カ年計画の文言をちょっと読ませていただきますと、「医療を取り巻く環境及び国民のニーズの変化に対応するため、医療の持つ特性を踏まえた上で、医療機関相互の競争を促すことにより、医療サービスの質の向上と効率化を図る。」。こういう基本認識のもとに規制改革を進めていくということでございますが、私は東京に暮らしているんですけれども、今東京でいわゆる都営の都立病院のいろいろな問題が事件として出てきております。いろいろヒアリングをいたしますと、やっぱりその経営感覚というものがなくて、救急医療で来た方の治療をする、これは当然のことですけれども、その後全く代金をちょうだいしないと。本当はこの人はだれだったのかということが全くわからないまま放置されているといったようなずさんな状態も実はその一方でございます。 病院経営、医療の経営というものはやっぱりしかるべき負担はしていただくということの原則を曲げてはならないことだと思いますし、お医者様が病院のマネジメントをできるかといったら、先生のお話を聞かせていただいていますと、医療は仁術である、算術じゃないということをおっしゃられていたんだと思うんですけれども、マネジメントという分野はやはりマネジメントのたけた人が行うというようなことも、その構造改革、聖域なき構造改革の観点からどういうメリットがあるんだ、あるいはどういうデメリットがあるんだということも議論の対象として、効率的な病院運営みたいなものもこれからやっていきませんと、どんどん赤字を垂れ流すということでは、それもまたこの医療のあるべき姿とはかけ離れたものになってしまうということを東京で感じましたので、そのような観点も考慮に入れながら、これから幅広く議論がなされていくものと承知をしております。
○宮崎秀樹君 本質はきちっとわきまえてやっていただくことは大いに結構なんですが、私のところでも、つい最近、深夜に救急車で来た患者さんが、これ保険に入っていないんですね、みんなフリーターですから。北海道から来た方で、全く保険もなしです。結局、お金もないというので、これはもうやられ損でございますから、それに対してとる手だてはないんです。ない人からとれないわけですから。だれも保障してくれません。しかし、そういう面もあるんですから、やはり私どもは、医療というものはそれに対して応招の義務があって拒否することできませんので、そういうことも一つお含みおき願いたいと思います。 それから、竹中大臣に次にお伺いしたいのは、大臣は経済のもうそれこそエキスパートでございます。私どももいろんなそういう審議会で社会保障についての議論を承っておりますが、社会保障に一兆円の税金をつぎ込んだときと公共事業に一兆円の税金をつぎ込んだときの経済波及効果、雇用効果というのはどちらの方が上か、大臣、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 効果というのは非常にいろんな形でのとらえ方があるんだと思います。一般には、これはもう先生よく御承知だと思いますけれども、よく使われるのは、いわゆる産業連関表というのを使って、ここにこれだけの最終需要が発生したら、そこからどこに発注が行って、その発注先からさらにどこに発注先が行って、結果的にどれだけ生産額及び雇用がふえるかという問題だと思います。 この産業連関表の形、いわゆる係数、パラメーターそのものも結構変わっていくのでありますけれども、基本的には、社会保障に新しい需要が行くのと公共事業のようなものへ行くのも、私の認識ではそんなに大きくは変わらない。結構両方とも同じような効果がある。数字は先生もう既にお持ちだと思いますけれども、その意味では、需要の効果に関してはそんなに大きな、私はむしろ余り差はないというふうに認識しています。 一方で、さらに効果を議論するんであるならば、それが供給力、生産側にどういう効果があるかということになろうかと思いますが、これはこれでまたちょっと難しい点になって、そういう問題も我々としては大変関心を持って新しい手法でぜひはっきりさせていきたいというふうに思っているところです。
○宮崎秀樹君 ちなみに、今先生のおっしゃった産業連関表を基準として割り出した、これ平成二年の総務庁のデータなんですが、これは社会保障にいわゆる一兆円の税金を入れると五兆四千三百二十八億、これは経済波及効果でございます。それから公共事業は二兆八千九十一億ということで、これは明らかに社会保障の方が優位になっている。雇用効果は、社会保障は五十八万三千百六十二人、そして公共事業は二十万六千七百十人。さらに、日本医師会の日医総研というのがありまして、そこがやはりこれに基づいて最近出したデータでは、さらにもっと大きく差が出まして、経済波及効果は六兆五千八百億円、公共事業は三兆五千四百億円、雇用効果は社会保障が七十三万三百八十人、公共事業が三十三万九千四百八十六人というデータがございます。 これは、公共事業が何もすべて悪いわけじゃありません。やるべきことはやらなきゃいけない。しかし、そういう一兆円の税金を入れたときの社会保障に入れたいわゆるそういう経済波及効果、雇用効果というのはそれは大きなものがございますので、いろんなことを勘案しながらこの社会保障について御議論願いたいと思います。 そこで、社会保障のいろいろな今政府から出ている、高齢者に対するいろんな思惑というのが出ていますが、一番今国民が心配しているのは、年をとったら何か肩身が狭いというような、今どうもそういう風潮にあります。きょうの朝日新聞を見ましても、年金への課税強化とか社会保障費を抑制する、経済財政諮問会議と、こういう記事が載っています。これは骨太の方針というようなこういうことで、朝日新聞にきょう載っているんですよ。こういうことを見ますと、国民は非常に不安になります。 私のところに入院しているお年寄りが個室へ入らないんですよ。私のところは田舎ですから、個室といっても三千円でございます。一日三千円が、それはもう恐らく貯金は五、六千万持っている方でも入らぬですね。どうして入らないのと言ったら、いや老後が心配でと。もう老後ですから、あなたもあと一年ぐらいしか生きないよなんて言えませんから、私は。とにかくそれじゃ、あいたら大部屋へ移しましょうと。とにかくそういう今状況で、若い人も年をとるんですよ。若い人も見ていて、年をとったらこんなに苦しめられるんじゃと、今貯金を使わないわけです。みんながお金を使わないで抱え込むんです。 おととい、私は近くのおすし屋さんへ行ったら、おすし屋さんのおやじが暇だって言うんです。どうして暇なのと言ったら、年寄りが来ないと言うんですね。何で年寄りが来ないんだと言ったら、いや、お金が心配で来ないと言うんです。だから、そのおやじさんが言っていましたけれども、おじいさん、今食わないと死んでから食えないよ、だから、食べた方がいいよと、こう言っているんだといってきのう笑ったんですが、本当に深刻です。 だから、そういうことを言ったときに、じゃ本当に高齢者が医療費を使っているのと、こういう話になるんですよ。ところが、七十五までぴんぴんしていて一回もお医者さんへ行かなくて、心筋梗塞でころりと死ぬ人は幾らもいますよ。そうすると一万円ぐらいしか医療費を使っていない。じゃ、その人が幾ら納めているかといったら、私は厚生省にも十年近く前から、どのぐらい納めているかその資料を出せ出せと言っても出さないんです。私は私なりにこれはいろいろなところから手を回して、大蔵省からもデータをいただきまして調べたら、大体ここにあるんですが、トータルで何だかんだで二千万円以上納めているんですね。これはもちろん本人の保険料プラス国の負担、企業の負担、それから地方自治体の負担が入りますが、それでかかったときの自己負担と、さらに老人保健医療、老人保健ができまして、その国の負担が大体平均四百万ぐらいですね。そういうものを全部加えると大体今の医療費とツーぺイです。ツーぺイならばこれは堂々として、年とってからぐあいが悪くなればお医者さんへ行ってもいいんだよという話を私はしているんですけれども。 そこで、問題なのは、じゃ、だれがそんなに使っているのと聞きましたら、医療費というのは、全体で一%の患者さんが二六%医療費を使っているんですよ。一〇%の方で六四%の医療費を使っているんです。九〇%の患者さんは残りの三六%の医療費で済んでいるんですよ。それから、高額医療と言いまして、一月で二千万円ちょっと上ぐらい、一月で使っちゃうんですね。それから十番目で、一人でこれも千四、五百万使う。この十名の方を見ると、六名の方がそれで亡くなっているんです。その中にはお年寄りは一人もいません。若い人です。だから、若い人は保険料を納めるのは少なくて、そしてすごい医療費を一人で使ってしまう。 これは社会保障ですから、それはいいとか悪いとかの問題じゃないんですが、ですから高齢者が一生懸命今までやってきたということは、これは老人福祉法が昭和三十八年にできているんですね。それは老後の生活保障を国民全体で見ましょうと書いてある。敬愛精神がそれに書いてある。それから、老人保健法が昭和五十七年にできました。そのときに、何と老後のいわゆる保健医療サービスというのは、これは全部国、国民で見ましょうと。それであれは負担をゼロにしちゃったんですよ。ここが間違いです。 これは厚生省が、僕はそう言っちゃ悪いんですが、非常にいいかげんなデータを出すんですよ。つい七、八年前まで、平成十二年度には医療費は四十三兆円になると言ったんです。これはもうどんどんその数字がひとり歩きしていました。それで、老人医療は十六兆かな、十五兆六千億かな、何かそういうデータを出しまして、大変だ大変だと。ところが、平成十二年度の医療費は三十兆ですよ。十三兆円も誤算の数字を出すということは、これは竹中先生は経済学者だから、ちょっと想像を絶するような間違いだと思うんです、私は。 そういうことをやっていて、そして今、そういうことをみんなインプットされた人たちが社会保障のことをまことしやかに議論しているということは私は甚だ腑に落ちない。だから、本当の実態はこうなんだということを国民に見せて、そして何が足りないのか、お年寄りに何で負担を強いるのかということを納得の上でやらないと大変だと思いますよ。 だからそこら辺を、きょうは担当の、これは官房長官になるのか、きょうは石本統括官がいらっしゃるから、まあ石本さんもかつて四十三兆円なんて言った口じゃないかと思いますけれども、そうじゃないですか。それに関しまして私はお聞きしたいんですが、そういう高齢者がすべて医療費を食いつぶすような発想は私は間違っていると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石本宏昭君) 医療に御見識の高い宮崎先生ですから、もう細かいデータはよしますが、一つだけ確認させていただきますが、現在、医療費三十兆のうちでおおむね三分の一を老人医療費が占めている。 大変に医療保険財政厳しゅうございまして、来年、政管健保を初め国民健康保険とも非常に厳しい状況にあるという中で、ことしの一月から政府・与党の社会保障改革協議会におきまして、これからの経済の低成長あるいは高齢化の中で、高齢者医療をどうしていくかということは大変大きな問題になりました。 私どもは事務局ですから専ら議事録の整理に追われたわけでございますが、いろんな御意見の中で、先生先ほどからおっしゃいましたように、これからの高齢化の時代で、国民の主役というのはやはり高齢者である。そうすると、高齢者の寝たきり、ぼけにならない健康寿命をどう延ばしていくかというのが最も大切な政治課題である。その健康寿命を延ばすためには、やはり若いときからの予防、それから高齢者の心身の特性にふさわしい医療といったようなものを中心に確立していく必要があるといったことが主な意見でございまして、大綱に書かれたわけでございます。 またその中で、老人も大切だし、また老人医療も大切だけれども、これを支える経済というものをどう見ていくかということで大きな議論がございまして、税あるいは社会保険料あるいは自己負担というふうな、それぞれの財源につきまして御議論があった中で、やはり経済の状況がかなり今後中長期的に変わっていく中で、現在の負担というものをもう一回きちっととらまえていく必要がある。そのときに、高齢者と若年世代の経済的な状況あるいは能力といったようなものを一度整理してみる必要があるということで、高齢者、若年者を問わず、経済的能力があれば何らかの負担をしていただいたらいいんじゃないかという考え方が実は出されたわけでございまして、この考え方につきましては政府・与党として合意が得られたものと私ども受け取っておりますが、いずれにしましても、先ほど来先生御指摘のとおり、高齢者医療制度の見直し、来年待ったなしでございますので、具体的によく御相談しながら、また国民的な合意が得られるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 今、お年寄りと若い人と同等だというのは大間違いで、同じ病気でお年寄りが入院すると一日の入院料が五千八百七十円ですか、そして若い人が入院すると六千八十円。同じことをやっても年寄りの命が今軽く見られている。しかも、三カ月たつとがくんと入院料を落とすんですね。お年寄りはだからたらい回しになってくる、病院の。こういうのが実態ですから、人間の命に若い人もお年寄りも優劣はないわけですから、これは平等です。それはきちっとこの際整理してもらわなきゃ困る。社会保障というのはやっぱり私は多面的な要素できちっと見ないと、これは大変なことになる。ハンセン氏病の二の舞にならないようにこれはきちっと今慎重に議論してもらわなきゃならないと思います。 そこで、最後に、若い人も年をとった人も、竹中大臣にお尋ねするんですが、いずれは病気で死ぬわけです。これは病気にならないで死ななければ、交通事故か事故死しかないわけでありますから、私は、必ずそういう羽目になるんですが、しかし、生命のあるうちはやはり元気で、そして生活をエンジョイできるということだと思うんです。それにはやはり年をとってからの不安というものはなくさなきゃいけない。 今、一千四百兆円の潜在の預貯金があると言っていますが、その一割、百四十兆円が市場に出れば、これはまたお金が動くたびに税金も入ってきますし、みんなが生活をエンジョイできるんですが、それが今、もうとにかく将来が不安だ不安だと言ってみんな使わないですよ。こういうことを政策的にきちっとやらないと、日本の将来というのは私は甚だ暗いものではないかと思います。 二十一世紀はやはりそういう意味で、今せっかく専門家が経済財政担当大臣になられたんですから、これを切り破るひとつそういう政策というものをぜひ出していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 大変貴重な御指摘だと思いますので、本当にその方向でぜひ努力したいというふうに思います。ありがとうございます。
○宮崎秀樹君 それじゃ、私これで、時間ですので次に交代いたします。ありがとうございました。
○森田次夫君 自由民主党の森田次夫でございます。 大変お忙しいところを官房長官お見えでございますので、早速でございますけれども、ちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。 というのは、ただいまいろいろと話題になっておりますところの総理の靖国神社参拝問題についてでございます。この点につきましてお尋ねをさせていただきたいと思います。 小泉総理は、御承知のとおり、再三、私は靖国神社に参拝しますと、こういうようなことを明言されておるわけでございます。その勇断に私どもとしても大きな拍手を送っておるわけでございます。御承知のとおり、公式参拝というのは昭和六十年の中曽根総理以来でございまして、その後橋本総理が誕生日に参拝されたということはございますけれども、まさに久しぶりのことでございまして、小泉総理が、国のためにとうとい生命を犠牲にされた戦没者の上に今日の平和があるんだと、まさにそのとおりであるわけでございます。 そうした戦没者に対しまして、国の代表である総理大臣が素朴な気持ちで、また率直な気持ちで敬意と感謝の意を表されていることは、いずれの国でも行われておることはこれまた御承知のとおりでございますし、独立国家といたしましては極めて当然のことであるというふうに思っております。 また、戦没者遺族を初めとしまして多くの国民がそのことを強く願っており、そしてこれはまさに長い間の悲願、こう言ってもいいかと思うわけでございまして、こうした小泉総理の御発言が支持率の高い一つの要因にもなっておるんではないかなと、こんなふうにも思うわけでございます。 しかしながら、一方では、靖国神社にA級戦犯が祭ってあるとか、また戦争を美化するとか、そしてさらにはかつての道に逆戻りするんじゃないかと、こんなようなことが言われておる。まさにばかばかしいことでございますけれども、そんなことも言われておるわけでございます。 私もおやじを戦争で亡くしました一人でおるわけでございます。そうした中で、日本遺族会の副会長の方をさせていただいておりますけれども、遺族は全くそんなことは考えておりませんで、絶対戦争はしてはいけないんだ、二度と我々の遺族は出してはいけないんだ、これが遺族会の原点でございますので、そのことを申し上げさせていただきたいと思います。 そこで最初に、恩給局長さんお見えでございますのでちょっとお伺いさせていただくわけでございますけれども、いわゆる東京裁判でA級戦犯として処刑された方が七名おられるわけですね。そして、拘禁中に獄死された方が七名、計十四名おられるわけでございますけれども、その亡くなられました遺族に対する処遇、これはどういうふうになっておるか、ちょっとお尋ねをいたします。
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま先生の方から、A級戦犯の方で処刑された方あるいは拘禁中に病気などで亡くなられた方、そういう方々の御遺族の方々への処遇はどうなっているかというお尋ねでございますが、こういう御遺族の方々につきましては、昭和二十八年に、当時の厚生省で所管いたしておりました援護法、これに基づきまして弔慰金と遺族年金、これが支給されることとなったわけでございますが、その翌年、昭和二十九年には恩給法を改正いたしまして、これらの御遺族の方々には、援護法に基づきます遺族年金にかわりまして、恩給法に基づく戦死された方への公務扶助料、これとほぼ同じような扶助料をお出しするというようなことで処遇について取り扱いが行われている状況でございます。
○森田次夫君 ということは、恩給法の改正で、いわゆる一般戦没者の遺族と一緒に、同じように公務扶助料に相当する扶助料が支給されていると、こういうことでございますね。もちろん金額等も一緒だと、こういうことだろうと思います。 そこで、それならば今度は、A級戦犯として拘禁されまして、その後釈放された方というのはたくさんおられるわけでございますけれども、こうした方の恩給というのはどうなっておるのか。いわゆる戦犯受刑者本人に対する恩給でございますね、これについてどうなっているのか。 それからまた、何年か拘禁されておるわけでございますけれども、その拘禁期間中の恩給の取り扱い、この辺についてどうなっておるのかお尋ねをいたします。
○政府参考人(大坪正彦君) A級戦犯の方でその後釈放された方の扱いということでございますが、恩給法におきましては、一定以上の刑に処せられた方につきましては恩給を受ける権利をなくすという失権条項があるわけでございますが、戦犯のような軍事裁判で刑を処せられた方につきましては、サンフランシスコ平和条約の発効後におきましては、一般のそういう刑事事件の方とは処遇の考え方は違うものだというような解釈方針が出されたわけでございますので、恩給につきましても、戦犯の方々の処遇、刑を処せられた方の扱いにつきましては一般の刑事犯とは別の扱いをしているわけでございまして、通常の失権条項には該当しないということで、一般の旧軍人の方々と同じ扱いになっている状況にございます。 それから、戦犯として拘禁されておられた期間の取り扱いについての御質問でございますが、これは、軍人としての身分はなくなっているわけでございますけれども、その軍人としての職務に関連する期間と考えられますし、ある意味でそれの延長とも考えられるわけでございますので、旧軍人の在職年として、恩給法上の在職年として通算する扱いになっております。
○森田次夫君 ということは、受刑者本人に対しましても一般の軍人の恩給と何ら変わらない恩給が支給されておる、こういう御答弁だと思います。 そこで、恩給法の第九条、これがどのようになっておるか、できましたらちょっと読み上げていただきたいと思います。
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給法の九条は、先ほど申し上げました刑に処せられた場合の失権条項でございます。 御指示がありましたのでちょっと読み上げさせていただきますが、恩給法の九条でございます。「年金タル恩給ヲ受クルノ権利ヲ有スル者左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ其ノ権利消滅ス」、最初が「死亡シタルトキ」、二番目が「死刑又ハ無期若ハ三年ヲ超ユル懲役若ハ禁錮ノ刑ニ処セラレタルトキ」、三号は「国籍ヲ失ヒタルトキ」、これは恩給法の国籍条項というふうに言われるものでございますが、先生言われましたのは、この二号に該当するケースの場合でございます。
○森田次夫君 したがって、犯罪者じゃないんだと、こういうことになろうかと思います。したがいまして、我が国におきましては、いわゆる戦犯と言われる方もその遺族も恩給法上は一般の軍人恩給受給者及び一般戦没者の遺族と何ら変わらない扱いがされておると、こういうことでございます。 そして、A級戦犯として起訴され、そして拘禁され、そしてさらにその後釈放されたという方もたくさんおられるわけでございます。そうした中では、総理大臣になられた方、あるいは法務大臣になられた方、例えば岸信介先生、あるいは賀屋興宣先生は法務大臣になられた、こういうことであるわけでございます。 また、いわゆる戦犯として処刑及び獄死された十四名の、靖国神社では祭神と言っておりますけれども、祭神名票が当時の引揚援護局、現在の厚生労働省になるのかと思いますけれども、から靖国神社に送付されたのが昭和四十一年でございます。そして、靖国神社が合祀、いわゆるお祭りでございますけれども、これをしたのが昭和五十三年十月十七日、そしてこのことが新聞で大きく報道されたのが翌年の春であるわけでございます。 無論、合祀でございますから、これについては靖国神社の意思とそれから責任において行ったものであることは、これはそういうことでございますけれども、引揚援護局の祭神名票、いわゆる厚生省引揚援護局から送ってこられたその名票、これに依拠して靖国神社に合祀された、これもまた事実であるわけです。それでないと靖国神社というのはどういう基準かということがわからぬものですから、基準というものは国の公務で亡くなった、こういうことの戦没者に対して神社としては合祀をされておられる、こういうことでございます。ということは、今までのことから申し上げますと、私は戦犯というのは我が国には存在しないんじゃないのかな、こんなふうに思うわけでございます。 そこで、官房長官にお伺いするわけでございますが、ちょっと歴史をたどりますと、昭和二十七年の四月に日本が主権を回復したと。しかしながら、サンフランシスコ平和条約第十一条がございまして、巣鴨であるとかフィリピンのモンテンルパ、マヌス島、オーストラリアでございますけれども、に千二百二十四名が戦犯として服役中であったわけでございます。 そして、当時の資料等を見てみますと、戦犯の釈放の一大国民運動が起きているわけでございます。当時、四千万、恐らく当時の日本の人口というのは一億いなかったんじゃないかと思いますけれども、四千万の署名が集まったと。これは当時の共同通信の小沢という記者が書いておりますけれども、四千万集まった。そして、こうした国民の声にこたえて昭和二十七年十二月に衆議院と参議院の両院におきまして、それぞれ戦犯赦免に関する決議案が圧倒的多数で可決をされております。このとき反対されたのが、当時労農党というのがあったわけでございますが、労農党のみが反対で、そのほかすべて賛成、こういうことでもって決議をされております。 そうしたことで、A級戦犯の方が先に釈放されるわけですが、昭和三十一年三月三十一日に戦犯は釈放されてございますし、BC級につきましては三十三年五月三十日、これでもって全部、千二百二十四名が釈放されておる。それが当時の戦犯に対する大多数の国民の率直な気持ちであったんではないか、そういうふうにも思うわけでございます。 そうした世論の支持がございまして、ただいま恩給局長からも御説明がございましたとおり、戦犯、受刑者本人に対しても、またその遺族に対しましても国家補償が行われるようになった、こういうような経緯ではなかろうかなと、こういうふうにも思うわけです。 だからといいまして、近隣諸国に配慮しなくていいというふうには私は当然考えておりません。やはり迷惑をかけたことは事実でございますので、そうしたことで理解を求めるための努力というものは当然これからもしていただかなければならぬということは思っております。 また同時に、国のために犠牲となった方々に国の代表が敬意と感謝の誠をささげ、そして平和を誓うということはこれまた純然たる国内問題でもあるんではないかと、こんなふうにも思うわけでございます。 小泉総理が再三言われておられますように、素直な気持ちでもって靖国神社に参拝できるよう、小泉内閣、そしてその大番頭とおっしゃっておられますけれども、官房長官初め内閣全体としてしっかりと小泉総理を支えていただきたい。いろいろとこれから、雑音というのは失礼ですけれども、何かいろいろと問題等も出てくるんではないのかなと、こういうことも懸念するものですから、そういったことでしっかりと支えていただきたいなと、このようにお願いするわけでございますけれども、福田長官の御見解等ございましたら、お伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 森田委員、遺族会の副会長として大変御活躍をいただいておりまして、敬意を表する次第でございます。 今、るる御説明ございました。お話を伺っておりまして、また私の知識を深めるということもできたわけでございます。 その中で、小泉総理が先般来、たびたび委員会でもってまた本会議等で説明されていらっしゃるんであります。特に、靖国参拝ということにつきまして、これは大変日本の国論を分かつようなそういうふうなこともございますけれども、私、小泉総理がおっしゃっていらっしゃることは、私は本当に小泉総理の素直な気持ち、今ちょっとお触れになった素直な気持ち、自然な気持ち、それをあらわされたのではないかと思います。 国会でもって言われていますのは、今日の日本の平和と繁栄というのは戦没者の方々のとうとい犠牲の上に成り立っている、その戦没者に対する心からの敬意と感謝の気持ちを込めて参拝したいと、こういうふうに言っておるわけでございます。また、二度と戦争を起こしてはいけないという気持ちからも、この靖国神社に参拝するということをそのような意義を持って行っているんだというようなことで説明をされていらっしゃる。私も、実は全く同じ気持ちでございます。 私は、もう小学校の低学年のころから、小学校に通うのに市電を使っておりまして、都電でございますね、その電車がちょうど靖国神社の前を通りますので、そこでは神社に対して頭を下げる、これは毎日朝夕やるわけでございますから、本当に自然な行いとしてやってきた。ですから、今でもその気持ちは変わっていない。やっぱり日本のために戦ってくださった、また命を失われた方々に対して、それは尊崇の気持ちを込めて頭を下げるのは本当に自然な人間の気持ちだろうというように思っておりまして、そういう意味では、国会議員になりましてからも時々お参りをさせていただいておると、こういうことを続けております。 そんなふうなことでございますので、これからも私はその気持ちを失わないようにしたいというように思い、なおかつ、また多くの方々がその気持ちになって、そしてそのことを忘れないように、特に若い方々がその気持ちを忘れないでいただきたいなというようにも思っております。 近隣諸国との関係も御指摘されましたけれども、大変難しい問題でございます。トータルでもって両国民が本当に理解し合えるようなそういう関係にならなければいけないと思います。そのことがこの問題を解くかぎになるだろうと思いますので、私も及ばずながらそのために努力をしてまいりたいと、このように思っておるところでございます。
○森田次夫君 大変御丁寧に、また心のこもった御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 日本国民は、二度と戦争しちゃいかぬと、それが本当に日本の国民全部の気持ちだろうと思います。しかしながら、国のために亡くなった方々でございますので、やはりそれなりの扱いをしていただくということが大切じゃないかな、こんなふうにも思うわけでございます。官房長官、どうかひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そこで次に、公務員の制度改革につきまして石原大臣にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。 行政改革につきましてでございますけれども、石原大臣の担当といいますか、そういった守備範囲といいますか、それにつきましては、所信のごあいさつで述べられておりますとおり、一つは特殊法人等の改革、それから公益法人等の改革、この中でも特に行政の委託型、こちらの方に力を入れておられるのかなということ、そして三番目が公務員制度の改革と、この三つが大臣の御担当かなというふうに思うわけでございます。 そこで、所信のあいさつで言及をされておられるその順番からいきますと、実は橋本前大臣とちょっと比較してみたんですけれども、橋本大臣は公務員制度の改革を所信の中で一番目に挙げておるんですね。そして、石原大臣イコール小泉内閣と思うんですけれども、その力点というのはやはり特殊法人の改革、これを最初に掲げておられるわけでございまして、そういったことでもって若干違うのかなというようなこともちょっと思うわけでございます。 前大臣の橋本大臣は、一府十二省庁の再編ですね、この行政の器はできたんだ、これで一段落だと。今後はその中身の問題ですね、そういう考え方でもって公務員制度改革について力点を置かれると、こういうふうになったのかなと。無論、特殊法人の改革等につきましては天下りの問題だとか公務員制度改革と密接な関係はあるわけでございますけれども、そういうことになっている。 そこで、石原大臣のお考えでございますけれども、行政の器の改革はまだ一段落していないんだ、できていないんだというお考えかなと。というのは、例えば郵政三事業の問題など財政との密接な関係にある特殊法人等の改革の方が優先順位は上なんですよ、まずこれが第一なんですよと。そして、次が公益法人であり、三番目が器の中身であるところの公務員制度改革、こうした順序づけではないかと、私自身はそんなふうに感じておるわけでございますけれども、橋本行革と石原行革との違いにつきましてこのような理解でよろしいのかどうなのか。 最終的にはこれは平成十七年度をめどでございますか、そういったことでもって橋本前大臣もそれから石原大臣もそれほど差はないのではないかと、こんなふうにも思うわけでございますけれども、大臣の、公務員制度改革について最終的にはこんな形に持っていきたいんだと、そういった現在描かれておられるイメージ、そういったものもあられるんじゃないのかなと。そうしたことで、そういった将来のイメージ、でき上がったときのイメージ、それからそれをどうやって進めていくか、その手順ですね、こんなことにつきましてお聞かせをいただければなと、こんなふうに思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。
○国務大臣(石原伸晃君) 森田委員にお答え申し上げます。 私、橋本前行革担当大臣、橋本元総理と引き継ぎをさせていただくときに、今、森田委員が御指摘されたような点を含めて、元総理のお考えを実は賜りました。 そこで私も感じたことは、今、委員御指摘されましたような公務員制度改革、特殊法人改革、そして公益法人、業務委託型法人の改革、さらに規制改革と、それらの分に優劣をつけてはいけないんだろうと。やはりこのすべてがパッケージででき上がって、新しいこの国の形が見えてくると。 そんな中で、私は特殊法人改革から所信で述べさせていただいたわけですが、これは小泉総理の所信表明演説を聞かせていただきまして、そのような並びで総理が話されておりますし、先般も予算委員会等で、住宅金融公庫の問題についてかなり踏み込んだ、特殊法人でございますけれども、発言があったと。総理の思いというものを受けてあのような所信を述べさせていただいたわけでございます。 私は橋本元総理とお話をさせていただいて強く感じたのは、やはり戦後これだけ、一府十二省庁にするような大きな改革は実はなされていないと。戦後のところに一回あったとすれば、戦後は五十数年間そのままやってきたと。まさにこのハードの部分に大きな改革を行ったわけで、大きな器をつくったけれども、そこで働く公務員の方々の意識と、そしてこの二十一世紀に合った形にするということに橋本元総理は非常に力点を置かれているなと、そこはまさにそのとおりだと思います。器に魂を入れるという言い方をされておりましたけれども、まさにそのとおりであると。 じゃ、そこで働く人が何を変えていかなきゃいけないのかというのは、一九九〇年の冷戦の終了によりましてグローバル化が著しく進展して、やはり公務員の方にもさまざまな分野で国際戦略みたいなものを考えていかなければならない。さらには、金融のときも問題になったように、高度の専門知識というものがこの政策に求められるようになったところが違うのではないかと私は考えております。 そんな中で、どうもこれまで公務員の方々は、コストを全く無視しているとか、サービスという精神がないとか、前回がこうでございますので、過去にこういうことがないからといったような前例踏襲主義とか、ついた予算は全部消化するいわゆる現金主義とか批判がありますので、これにこたえられる制度改革を行っていかなければならないと。 予定といたしましては、六月中にこの公務員制度改革のグランドデザインというんでしょうか、こういう形でやっていくというようなものをお示しさせていただきまして、その後具体的な法制作業に入っていくという手順で進めさせていただければと考えております。
○森田次夫君 公務員制度改革あるいはその後の規制改革、こういったことにつきましても実はお尋ねしたかったわけでございますけれども、時間でございますので、また質問しますと、私は十一時一分まででございますのでオーバーするということになってしまいますので、この辺で終わらせていただきたいと思います。 また次の機会にお尋ねをさせていただくと、こういうことでもって、いろいろと石原大臣には聞きたいことをたくさん通告させていただきながら、一問でもって、大変御無礼いたしました。 じゃ、よろしくお願いいたします。
○簗瀬進君 民主党の簗瀬進でございます。たくさんの質問を予定いたしておりますので、できるだけ端的なお答えをいただきたいと思います。 まず、通告の順番とは違うんですけれども、せっかく今、石原大臣がお立ちになったところでございますので、後でまた特殊法人については若干質問がございますが、先に公務員制度改革の議論が今若干出たところでございます。 特に私、懸念をいたしておりますのは、公務員の皆さんがこの制度改革については大変心配をしておる中で、国家公務員法百八条の五というものがございます。賃金、労働条件等についての制度改革をする場合は職員団体の意見をよく聴取する、このような趣旨だったと思うのでありますが、どうもそのような手続が余り十分になされずにこの制度改革の中で賃金、労働条件についての議論が進んでいるのではないのかなと、こういうふうな心配をなさっている方が相当多いような感じがいたします。 ということで、まず冒頭にこの公務員制度改革、六月に一つの方向性を出すというようなことでございますけれども、賃金、労働条件については職員団体の皆さんとしっかりとした事前の話し合いをやっぱりしながら改革案を決定していくべきなのではないのかなと、こういうような質問をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 簗瀬委員にお答え申し上げたいと思います。 簗瀬委員はローヤーでございますので、国家公務員法百八条、私もちょっと読ませていただいてまいりました。 私、ここでやはり大切なことは、「適法な交渉の申入れがあつた場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。」という後段の部分、これは「当局は、」ということを意味しているんだと思うんですけれども、やはり先ほど森田委員への答弁の中でお答えをさせていただきましたように、器をつくって、その中で働く方々が本当に生きがいを持って、そしてまたこの二十一世紀の新しい時代に適応した公務員として働いていただけるような制度をつくっていく、賃金体系もつくっていくわけですから、もちろんのこと、委員御指摘のとおり、私も先般、職域団体の方ともお会いさせていただきましたし、これからも作業の進展に応じまして十分な意見交換を図らせていただいて、二十一世紀にふさわしい公務員制度を構築するお役を少しでも邁進できればと考えているところでございます。
○簗瀬進君 前向きな御答弁をありがとうございました。 それでは、官房長官、昨日のハンセン病訴訟についての控訴の断念をなさる、大変その決断を私は高く評価をしたいと思います。事務方のいろいろな立場の中での考え方もあったようでございますけれども、やはりこれは国家の正義とは何かということをしっかりと踏まえた上で、また野党の私たちの、控訴すべきではないと、予算委員会でもそのような訴えを同僚議員が強くさせていただきました。それらも含めて御判断をしていただいたものと高く評価しつつ、歓迎をしたいと思います。ということで、そのことについての質問は今のコメントで終わりにさせていただきまして、次に憲法改正問題について若干聞かせていただきたいと思っております。 憲法の規定を、憲法改正についての九十六条の規定を読んでいただければわかると思いますけれども、憲法改正は国会が発議をする、こういうふうな形に憲法は規定をいたしております。 内閣に憲法改正の発議権はあるのでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 御指摘のことでございます、憲法第九十六条において「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。」、ここに言う憲法改正についての発議権が国会に専属しているということは、これはもう明らかなことでございます。 ただ、国会において憲法改正案を審議されるに当たって、その原案となる議案を国会に提出する権限、すなわち憲法改正の議案の提案権については国会議員が有することは当然でありますけれども、政府もまたこの提案権を有するというように考えておりまして、これは従来からの政府の一貫した考え方でございます。
○簗瀬進君 提案権と発議権、これは意味が違うと思うんですよね。そこはいかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 国会が発議して、そしてその発議に基づいて内閣がその法案を提案するという、そういうことではないかと思います。
○簗瀬進君 内閣として閣法のように憲法改正案を国会に提出することができるという意味ですか。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと私の理解が不足しておりましたけれども、議案の提案権ですね、これは政府が持っておる、その提案に対して国会がこの提案に基づいて発議をし、そしてその提案を承認すると、こういう手続になると思います。
○簗瀬進君 今の答弁もおかしいですね。提案に基づいて発議するというのはどういうことなんですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、憲法の先ほど申しました九十六条ですね。これは、国会がこれを発議する、そして国民に提案してその承認を得る、こういうことですよね。ですから、それで、そのとおりじゃないのかと思いますけれども。
○簗瀬進君 答弁が全然、それはもう混乱を。全く混乱の極致ですよ、その答弁は。 提案をだれにするのかという。先ほどの御答弁では、国会に対して内閣が提案をするというそういう答弁だったんですよ。全然違うじゃないですか。
○国務大臣(福田康夫君) これは、発議というのはこれは──ちょっと見えないな。ちょっと字が見えない。 後ほど整理して答弁します。
○簗瀬進君 全く混乱をなさっていると思いますね。 憲法改正は国会が発議をするわけですから、内閣が閣法を国会に提出するような形で憲法改正案を内閣が出すというようなことは、これは憲法上直ちには出てこない解釈ですよ。
○国務大臣(福田康夫君) ちょっと、後ほど整理して答弁いたします。
○簗瀬進君 首相公選にしても九条にしても、小泉さんが総裁選のさなかから憲法改正をしっかりと議論するということは結構なんですけれども、国会は発議をするというのが憲法九十六条の趣旨でありますから、内閣は憲法の文言からは直ちに発議権は出てこないんですよ。 そういう中で、例えば小泉さんがおっしゃられているように諮問機関を内閣府の中に置くとか、あるいは内閣の予算を使って諮問機関を運営をして憲法改正にわたるような検討をするということは、これは認められないはずなんですよ。どうですか。
○国務大臣(福田康夫君) 今の質問は、その前の段階のと関係あると思いますので、後ほどこれ整理して、最初の質問とあわせてお答えさせていただきます。
○簗瀬進君 これは重要な観点でありますからね。首相がみずから憲法改正にわたるようなそういう発言をする際の基本的な前提についての検討が全く内閣ではなされていずにこの問題がひとり歩きをしているということ、今私は答弁の中で非常に顕著にあらわれていると思いますので、これはしっかりと御検討いただいて、政府のしっかりとした回答を当委員会あてに出していただきたい、このように要請したいと思うんですが、委員長、それを諮ってください。
○委員長(江本孟紀君) では、後日また諮って相談していただきます。いいですか。
○簗瀬進君 理事会で諮るということですか。
○委員長(江本孟紀君) 理事会で御検討いただきたいと思います。
○簗瀬進君 次に、外務省の報償費についてのいろいろな問題が出ました。この委員会でも何度か今まで議論をさせていただいたわけでありますけれども、まず質問は二つ内容があるんですけれども、一つにまとめて、今年度の予算の執行方針について、今までと同じような考え方で報償費を使っていくんですかという質問が一つと、それからもう一つは、来年度の報償費、予算をする際に、外務省も減額も含めて検討するというふうな立場を明らかにされているようでありますけれども、内閣としてはどうなのか、聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) このことにつきましては、たしか前にも申し上げたかもしれませんけれども、内容にわたることでございますのでつまびらかにできないということでございます。 方針として、以下のような説明をさせていただきます。 まず、国政の円滑な遂行という目的にかなうものでなければならない、これは当然のことであります。また、真に目的にかなうものであるかどうか、すべてについて再点検を行った上で執行する。そしてまた、執行及び管理の一層の適正化のための体制の整備を行うということでございまして、そういうような基本的な考え方のもとに、平成十三年度、今年度予算については、執行に当たりまして方針を明確にして効率的な使用への努力を徹底を図る、そういう中でもって減額も考慮にいたしております。これはいたす予定でございます。 また、来年度につきましては、目下、来年度の報償費関係予算についての考え方について、さきの外務省の機密費事件、あの関係もございますので、その辺をよく見ながら最終確定したいと、このように思っております。
○簗瀬進君 この委員会でも、減額をする場合の方針といいますか、あるいは今後の機密費のあり方等についての私どもの提案、民主党としての提案もさせていただいております。どうかそれを御参考にした上で、来年度予算については本当に国民に理解されるようなそういう報償費、あるいは機密費と私は言うべきだと思いますけれども、そういう予算編成をしていただけるよう、ぜひともお願いをさせていただきたいと思います。 では、次に竹中経済財政担当大臣に御質問させていただきたいと思います。 予算委員会で道路特定財源、これを見直されるということを総理は明言なさったわけであります。二〇〇一年度の税収見込みを言ってみますと、揮発油税二兆八千三百六十五億円から始まりまして、次の大物の自動車重量税が一兆一千二百五十三億円等々を合わせますと、六本の道路特定財源の合計が五兆二千六百五十八億円、これは二〇〇一年度の税収見込みです。大変な五兆を超えるそういう税収が見込まれているということでございます。これは大物です。 これを見直されるということについては、非常に私どもも、これはかねて民主党が主張していたとおりであるということで、これについては大いに賛成なんですが、その総理の明言のあった直後から自民党の中にいろんな揺り戻しが出てきております。特に国土交通省の方から、財源見直しはするけれども、その見直しの上で使える部分は国土交通省関連の予算の中にとどめますよと。またここに省利省益というようなものがかなり強く出てきた。何のための特定財源見直しなのかわからないような、場合によっては焼け太りになるようなそういう発想が出ているんですよ。これについては竹中大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先生御指摘のように、これだけ大きな財源に言及するとなると、さまざまな動きが出てくるということは予想していましたし、実際にそうなりつつあるんだと思います。 これはもう言うまでもありませんけれども、経済財政諮問会議、内閣府の中にある、内閣府そのものが総理のリーダーシップを支えるためにつくられた役所ですから、そういうその縦割りの中に議論が押し込まれないようにまさに非常に全体的な議論をしていくというのが我々の役割だと思っていますので、これはもう総理のリーダーシップを我々は非常に高く評価していますし、信頼もしておりますので、その総理に対して全体的な立場からの議論をぜひ進言していきたいというふうに考えています。
○簗瀬進君 まだ質問に正確にお答えになっていないので改めてもう一回聞かせていただきますけれども、見直しをするということについては、大臣としては当然それはもう大賛成であるということでよろしいんですね。 そして、その上で、例えばこれを一般財源化する、あるいは先ほどのような国土交通省の枠の中で考える等のいろいろな方向性があるわけですよ。その方向性についてはどのようにお考えになっているのか、それについて聞かせてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) これは実は本当にもうよく御存じのように、いろんな議論が可能だと思います。 まず税の論理からいうと、目的を縮めて税を取っているんだから、目的を特定化しないんだったら税そのものをなくしたらどうだ、当然の議論として出てくるんだと思います。ないしは、税はそのままにしておいて、税の論理は少しおいておいて、それを一般財源として使えばいいじゃないか、そういう議論もあり得ると思います。さらには、特定されているというけれども、その特定の幅をどのように柔軟に考えるかという問題だと、そういう現実的な解決もあるだろうという議論もあるだろうと思います。 経済財政諮問会議では、この問題は非常に重要な問題だと考えていますので、今まさにゼロベースでの議論を行っています。その意味では、方向性は何かということにあえて答えれば、今申し上げたような、全方位の方向性についてゼロベースから議論を今まさにしているんだということだと思います。
○簗瀬進君 さて、そういう中で、今お話の中にありました、六月に決定予定の経済財政運営の基本方針についてもお触れになられました。その中でこの道路特定財源の問題も非常に重要な論点になってくるというふうな御答弁であったと思います。 さて、竹中大臣として初めて経済財政諮問会議を実質的にリーダーシップをとりながら運営なさるお立場になったわけであります。今までは委員であったかもしれませんが、これからはみずから引っ張るというそういう立場になっていくわけでありまして、まさに学者というよりも一種の政治的な意思決定をするという大臣というお立場でのお考えを聞かせていただきたいんです。 私は、日本の意思決定のまずさというのは、必ず総花主義になっていきまして、いろんなところにルーレットで張っておいてどれかはちょこっとでも当たるというそういう張り方をして、ある意味で責任回避をして、結果として何をやるかわからないようなそういう対策をずっと延々とつくり続けている。これが例えば経済界に対してもインパクトが全然来ない、インセンティブがついてこない、こういうふうな状況になってくるわけですよ。まさにこの六月に大臣がおつくりになられるその基本方針、その中で今までのこの十年になんなんとする大変な経済の停滞の原因をどう把握をし、そしてそれに対してどういう処方せんを書くのかということが六月に一つの答えとして出てくるだろうと思う。 そこで聞きたいのは、絶対に総花主義的なものをつくっては意味がないと。もちろん全部手当てはしなければなりませんけれども、大臣として今の日本のこの経済停滞状況を乗り越えるためのそのプライオリティーとしてどんなものを考えているのか。一つに絞るのは難しいとしても、三つぐらい挙げていただければと思います。絞ってください、絞った話としてお答えいただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、学者を一時的にやめて大臣になっていまして、個人的には大変大きなものを犠牲にしているというふうに思っています。大きなものを犠牲にしてでもこの仕事をあえて小泉総理とやらせていただこうと思った理由は、まさしく今、簗瀬先生がおっしゃったように、そういう総花的なものではない、ちょっとオーバーに言えば、一つの日本の経済の歴史を動かせるような大きな方向性を示したいと思ったからであります。その意味では、総花的なものにならない、私自身の全精力を傾けてそのようなものにしたいと思っています。 さて、その方向でありますが、私自身もちょうど三つぐらいの柱を考えておりますので、先生ちょうど三つと言ってくれましたので、ぜひ申し上げたいと思います。 当面のその不良債権の処理とか経済再生のシナリオとかというのは当然の前提問題でありますけれども、日本の改革に関する三つの柱としては、私は、どのような表現をするかはともかくとして、一つは、日本の経済社会そのものを活性化させるようなものというのは当然のことながら必要になってくるわけですね。それには、やはり一人一人が頑張りがいのあるようなシステムをつくっていかなければいけない。この中にはさまざまなものが入っていきますけれども、そのまず活性化というのが大きな柱として出てきます。その中には、前から言っていますような一種の活力を高めるような競争政策というのも柱になってくるでしょう。 二番目は、まさに競争が必要であるからこそセーフティーネットだということなのだと思います。特に、雇用とセーフティーネットというのは、実は活性化とコインの両面をなすものであって、セーフティーネットについて本当に国民にとって信頼感のあるものにしなければいけないと考えます。 第三番目は、それに伴って生ずるさまざまな役割の分担の見直しということなんだと思います。国はどこまでやるべきなのか、国はどこまで社会資本を整備すべきなのか。その一つの手段として、それを実効あらしめるための一つの手段として特定財源の見直しという問題が今出てきているわけですけれども、私自身は、特定財源の問題も非常に大きな問題でありますけれども、それよりももっと大きな幾つかの今申し上げたような枠組みの中で、多分、それぞれ今三つ申し上げましたけれども、その三つの中でそれぞれについて二つ三つぐらいの非常に大きな問題を提起するつもりでおります。
○簗瀬進君 今、セーフティーネットが活性化と車の両輪のごとく必要であると、こういうふうなお話がございました。ぜひ私は、それを立案する際に参考にしていただきたいものがございます。 これは、四月三日で「不良債権問題の一気解決とセーフティ・ネットの整備」ということで私ども民主党が求めたセーフティーネットについての具体的な提案でございます。ぜひともこれを参考にしていただきたい。 その中で、セーフティーネット、まず雇用保険制度の充実、それから二番目に職業能力開発支援制度、再チャレンジをするための生活支援とか、再チャレンジのための教育支援とか、こういうようなものを提案いたしておりまして、二兆円、二兆円と、合わせて四兆円のセーフティーネットを基金としてつくろうというふうな、こういうかなり大きな提案をさせていただいているんですが、これについての大臣の評価を聞かせてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今から二年少し前に、小渕内閣の経済戦略会議の場で同じような問題をまさに議論したことがあります。私自身、その中で一番強調したかったのは、日本を再び人的資源大国にしたいという問題であります。その意味で、実は民主党がおつくりになった方向というのは、まさにその人的資源大国を私は目指しているものだというふうに、これを初めて実は読ませていただきましたときに非常に高く評価をさせていただきました。 問題は、そのインセンティブといいますか、の与え方の問題なんだと思います。労働市場の問題というのは経済の分野の中でも実はなかなか難しい問題です。それは、いわゆる派生需要というふうにいいますか、人を雇うのは企業ですけれども、企業は決して人を雇うために存在しているわけではないわけですね。これは、いいサービスを提供してそれによって利益を得るために提供している、その過程で派生的に生じるのが労働需要である。つまり、労働需要は派生需要であるという言い方をするわけですけれども、それに対して政府が直接できることというのは実は意外と少ないんですね。その意味で、どういうことができるかということに関して今英知を結集して議論しているところですけれども、御指摘のとおり、民主党の提案は方向性としては私自身非常に高く評価させていただいています。
○簗瀬進君 高く評価をしていただいたところで、せっかくでございますので、ここにペーパーがございますので、大臣にこの場でお渡ししたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(資料を手渡す) それで、私は、今大きな課題になっている不良債権、この問題についても竹中大臣としてのある程度明瞭な見通しを聞かせていただきたい。それがやっぱりセーフティーネットをつくる際の基本になる見方なのかなと思います。 ということで、いろいろな委員会で、不良債権を処理した結果、企業倒産、失業者の数がふえてくる、この数が幾らぐらいなのかということについてどうもはっきりとした見通しが語られていない。これがある意味では腰が据わらない不安の一番のポイントなのかなと。仮に、数が多くてかなり強烈なものであったとしても、やっぱり国民の皆さんに覚悟を決めていただくためにはそれだけの大仕事をしなければならないんだよということをわかっていただく上でも、私はそういう意味での、不良債権処理の結果出てくる企業倒産の件数、それから失業者の数、これについてある程度のこれは予測の数字をはっきりとするというのが、これは政府の責任なのではないのかなと思います。 例えば、ちなみに厚生労働省の就業構造基本調査を例にとりますと、就業者数が産業計で六千七百万人いる、そういう中で分野で一番多いのがサービス業が千七百万人、卸・小売が一千五百万人、そして製造業が一千四百万の半ばぐらいと、こういうふうな固まりがある。そういう中で不良債権が一番多いのは、やっぱり不動産関係とか卸・小売、建設あたりなのではないのかなと。という形になると、建設業だけでも従業者の数は六百万人を超えるぐらいのボリュームがある、こういうふうに言われておるわけですね。 というところで、ぜひ聞かせていただきたいのは、不良債権の処理の結果、各分野ごとに大体どの程度の企業倒産件数あるいはどの程度の人数、これが出るのかということをさらに緻密に明らかにするのが、これは経済財政担当大臣のまず真っ先の責任なのではないのか。不良債権処理をお題目だけで唱えても意味がないんです。そこをしっかりと言っていただかなければ、不良債権処理についての重要性も国民に認識されない。ただいたずらに改革、不良債権処理すればそれだけで景気がよくなるかのように思われてしまうというのは、大変私は心外だと。 ということで、ちょっと質問とは違いますけれども、質問中に内閣官房長官の周りでいろいろとお話がレクチャー風に進んでいるようでありますけれども、これは委員会の審議の質問者に対しても答弁者に対しても大変失礼ですから、それはもう先ほどの話がついたことなんで、そこら辺は静粛にお願いをしたいと思います。 じゃ、どうぞ、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国民が本当に非常に大きな関心と、ある意味では不安を持っている不良債権処理のプロセスで生じるさまざまな問題、特に雇用を中心とした問題について何がしかの見通しを示すのは経済財政担当大臣の真っ先にやるべき重要な仕事であるという点については、私自身全くそのとおりであるというふうに認識しております。骨太の方針の中で、就任してちょうど四週間、あとそれを出すまで多分一カ月ぐらいですけれども、突貫作業でできる範囲のことをぜひしたいというふうに思っております。 ただ同時に、これは簗瀬先生御自身は経済学に大変お詳しいですからおわかりいただけると思いますけれども、我々が持っているエコノミックスの知識でどこまでできるかということに関してはかなり限界があるということも、多分先生自身は認識していただけるのではないかと思います。 幾つものハードルがあるわけですね。そもそも、不良債権の存在そのものについては大手の銀行から今地方の銀行へと査定を進めつつあるわけですけれども、その実態把握がやはりこれはなかなか難しい。今後の株価、地価の動向によってこれが非常に大きく振れる問題もあって、まず事実確定が大変難しいという、これはもう事実の問題としてそういう問題がある。それに加えて、先ほど申し上げたように、そこから出てくる問題というのはいわゆる派生需要の問題であって、これを把握することは技術的にもなかなか難しい。 さはさりながら、我々のできる範囲で何らかの一つの絵、シナリオのようなものは書かなければいけないというふうに思っておりますので、それは骨太の方針に向けて今幾つかの省内でもチームをつくって勉強をしておりますので、具体的にどれほど細かい数字が出せるかについては大変難しいと思いますけれども、一つのシナリオはやはりぜひ議論して、対話的な議論をさせていただきたいと思います。 あえてお願いを申し上げれば、そういう一つのシナリオの数字のようなものを、私はやはりこの議会でも何らかの試算をしていただくというのはいいことなのではないかというふうに思うんですね。これはアメリカ等々の例を見ても、議会がそれに対するカウンターの一つのシナリオを出して議論を建設的に進めるという役割があると思いますので、ここは我々も努力しますので、ぜひ建設的な方向でまた御尽力いただければというふうに思っています。
○簗瀬進君 今の御答弁は若干、数字を出されていなかったのは私は非常に不満ですね。他の委員会でこの数字が、例えば十数万人だとか百万人だとかということで、多過ぎるとか少ないとかという御議論が大臣御自身あったはずであります。 それを前提にして、数字について今何もお触れにならなかったということは、お見通しがなかった、今までの委員会での答弁というのは一体何だったんだというふうな、そういうふうなうがった見方もされかねないので、もう一回、先ほど私が質問をした骨子は、不良債権処理に伴う企業倒産の件数の見込み、それから不良債権処理に伴う失業者数の増加の見込み、これについて大臣の所見を問うという質問です。答えてください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 議論には幾つかの段階、レベルがあると思います。 私は、先ほど非常に慎重な言い方をさせていただいたのは、簗瀬先生は非常に高いレベルでの議論を求めているというふうに理解しましたので、そういう数字はまだ実は用意できていないのだということを申し上げたわけです。 低いレベルと言うとほかの委員会には怒られるかもしれませんけれども、一つの非常に大胆な前提を置いてこのぐらいだという、我々経済学者では目の子というふうに言いますけれども、エコノメトリックスではなくて目の子メトリックスであるというふうに言いますけれども、そういう数字は、これはもうその割り切りの問題でありますから幾らでもつくれる。実は民間の幾つかの機関も、目の子と言うと彼らは怒るかもしれませんけれども、ある大胆な前提で出している数字がありますので、そのレベルで私の印象を申し上げるならば、やっぱり民間の数字というのは少し大き過ぎるのではないだろうかと。これまでもオフバランス化というのは行ってきた。オフバランス化によって、そのときにどれだけ失業者がふえているかということの統計的な関係に基づいてラフに推計するならば、別の委員会で申し上げたのはやはり数万人から数十万の範囲ではないだろうかと。 しかし、繰り返し申し上げますけれども、そういう数字を申し上げても、多分簗瀬先生のレベルでは御満足いただけないと思いますので、もう少しレベルアップしたものを今議論させていただいていると、そういうふうに申し上げたかったわけです。
○簗瀬進君 ぜひ、目の子ミックスからエコノミックスに移っていただきたいなと思います。 それで、次の質問でございますが、実は塩川財務大臣の発言、私はこれちょっと、財政再建あるいは特殊法人改革、その両面から見て大変問題の発言なのかなと思うものがございます。二十一日の予算委員会で、景気対策として公共事業の量を確保するため公社や公団など特殊法人による借り入れに優遇措置を検討したいと、このような御発言を塩川財務大臣がなさった。 かつて中曽根政権当時に民活路線があらわれました。そして、その結果として国債は表面上は抑制されました。しかし、結果として、その抑制された反面、景気対策をやっていかなきゃならないという別の考慮があって特殊法人が肥大化をしていく。特殊法人の方に財投あるいはいわゆる特別予算等の金が回っていった形で、国債抑制の反面として隠れたそういう財政負担というようなものがふえていく、こういうふうな構造ができてしまった。 まさに塩川財務大臣の言っていることは、中曽根さんのあの当時の姿勢をそのまま先取りをして、小泉さんが三十兆円に抑えると事業量を減らさなきゃならない。それじゃ困るから、特殊法人の方にそれを寄せて、そこで表に見えないような形で、事業量は確保しつつ、財政は表面づらは化粧直しをする。だけれども実態は変わらない。さらに、見えない分だけ悪化していくと。こういうふうな路線になるんだったら、これは全く逆行だと思うんです。 この財務大臣の考え方について、竹中大臣、それから特殊法人改革をするお立場の石原大臣、それぞれ端的にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の記憶では、塩川大臣は別の機会に、決していわゆる隠れ借金的なものをする意味ではないということを言っておられたというふうに記憶していますので、具体的にどういうレベルのことを議論しておられるのかなというちょっと疑問はあるんですけれども、私の理解では、これはある程度景気にも配慮しながら、例えばPFIとかそういう新しいファイナンスの手法を活用することによって経済の実態に配慮しながら、しかし財政の負担を減らす、いわゆる合理的な方法を考えたいと、そのようにおっしゃったのではないかというふうに理解しています。 決して、財投といういわゆる第二の財布、内ポケットをまた活用して第一のポケットを軽く見せる、そういう趣旨ではないというふうに思っています。
○国務大臣(石原伸晃君) 簗瀬委員にお答えいたしますが、私も今、竹中大臣が指摘されたとおりに認識しております。 と申しますのも、一般会計、特別会計合わせて、共済組合以外のいわゆる特殊法人等に流れております金額も五兆四千億程度もうございますし、それをふやすということは予算の規模を広げるということでちょっと考えられない。やはり、委員御指摘されたように、六十二年当時のポケットの使い分けみたいなことがちょっと頭にひらめかれて言ったけれども、きのうなんかの委員会の答弁を聞いていますと大分ニュアンスは変わってきていると。 私としては、やはりそういうようなことは特殊法人改革とはまさに逆行いたしますので、そういうことのないように、事業をゼロベースから見直すという観点を曲げずに特殊法人改革に臨ませていただければと考えております。
○簗瀬進君 財務大臣は時々記憶の回路が混乱をなさる方のようでございますので、くれぐれも中曽根民活のマイナスの部分まで再現をするようなことはぜひともやめていただきたい。ゼロベースで見直しをしていくという、それを本当に言葉のとおりやっていただきたい、このように要望いたします。 それで、IT政策、IT担当大臣として、これもまた竹中さんでございますけれども、聞かせていただきたいのは、時間がなくなってまいりましたので若干質問を整理させていただきまして、ITという言葉を使うのは、アメリカが大体ITなんですね。ヨーロッパではこれ何と言うか。ICT、Cをつけます。Cとは何かといえばコミュニケーションです。インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジー。まさにここに私はアメリカ的ないわゆるコンピューター社会とヨーロッパ的なコンピューター社会のモデルがずれていると。やっぱりコンピューターというのは基本的にはコミュニケーション。経済を活性化させる道具でもありますけれども、その前に、国境を越えたコミュニケーションを高めていき、また社会のいろいろな活性化を図っていき、また、阪神大震災のときに典型的にあらわれたようなボランティアの基本的なインフラとしてコンピューターがある。まさにそれはITというよりもICTなんです。 私は、まさに日本型IT社会というふうなことを言葉だけで言って内容は日本型という、それで逃げてしまっているということでは済まされない。まさに日本は、アメリカ的な経済の部分もそれはやっていかなきゃなりませんけれども、コンピューターの特性を最も利用してコミュニケーションを高めていく、そういうICTの社会をむしろ日本の理念型にすべきなのではないのかなと、このように思っておりますけれども、竹中大臣の御見解を聞かせていただきたい。
○国務大臣(竹中平蔵君) IT担当大臣がこういうことを言うと怒られるかもしれませんが、私もITという言葉は余り適切ではないというふうに思っているんです。IT革命ではなくて、今世界で起こっているのはデジタル革命だと思います。 つまり、デジタルというのはいろんな情報、音声情報、映像情報、文字情報をデジタル化する。デジタル化するというのはこれまた簡単で、数字に直すことである。数字に直すことによっていろんな、その中で私たちの利便性を高めて生活を楽しくして、同時にコストも安くするというようなことが可能になって、あとは私たちが決めるべき問題で、要するにデジタルな部分を用意してくれた、これが実は一九九〇年代以降の画期的な私たちの人類が得た一つのツールなんだと思います。 その意味では、それをどのように使うかということを重視するという意味でICT、コミュニケーションということを先生が重視されるのは私は大変適切なことなのではないかと思います。 IT戦略会議以降、まずみんなが使えるようにインフラを整備しようと。そのインフラの議論で野心的な計画を立てた、先生御存じのとおりだと思いますが。それを今度はどのように使ってまさに私たちの生活を豊かにできるかというのが今後の大変重要な段階だというふうに認識していますので、ぜひ御指摘のような方向でこのデジタル革命を推進していきたいと考えています。
○簗瀬進君 私は、日本のIT政策のおくれというのは、インフラの提供側のいろんな問題もあります。例えば、通信コストの問題がありました。しかし、随分下がってまいりました。その上でなおかつおくれているのは何かといえば、私は利用者側の意識というようなものが、例えばITが入るという形になりますと企業の形態が変わってくるんですよ、会社の中の意思決定のシステムが変わってくる。ところが、それを経営者が全然意識していない。お隣が入れたから自分のところも入れよう的な、バスに乗りおくれるな的な発想でこの問題に取り組んできたというところも非常に問題だったろうと思う。 それともう一つ、いわゆる行政の側で、ITを使えばこんなに便利な社会になるんですよという、そういう利用者の側に立った発想というようなものが極めて薄かったのではないのかな。まさに、このIT政策を進めていくというのは、一人一人の国民が相当これを使えば便利になるんですよという、そういうさまざまなメニューを行政の方が出していくということをもっともっと重視していただきたい。eガバナンス、まさに在宅で税の申告ができる、在宅で住民票がとれる、在宅でいわゆる保険関係のいろいろな手続が済む、こういうふうな便利さというようなもの、ユーザーの側に立って便利さ、これをやっぱり追求するということが非常に重要だと思っておりますので、これについてはもう私の意見として聞いていただきまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。 私は、今、実は大変重要な法案がアメリカで施行直前にあると。ところが、このITの関係で、皆さん、これについてはほとんど認識していない。これは非常に重要だと思っています。 それはどういう法案かといいますと、リハビリテーション法五〇八条の改正案というようなものが昨年の十二月二十一日にアメリカの連邦議会で通って、六カ月間の準備期間を経た上で六月の二十一日にアメリカで施行がされます。これはどういうものかといいますと、いわゆる障害者も健常者も平等に使えるようなそういうコンピューターでなければ、連邦機関ないし連邦の予算を受けている企業、これは新規にそういうコンピューターを買ってはならない、調達基準を、まさに健常者も障害者も平等にアクセスできる、そういうアクセシビリティーを持ったものでなければ買わない、こういうふうな決定をしているんです。それが六月二十一日から施行されます。 この問題の重要性について認識をしている政治も行政もどうも非常に少ないのではないのかなと。しかも、これは二〇〇三年の一月からロゴマーク対応になる。そういうアクセシビリティーというロゴマークが入っていないと買えない。それで、アクセスボードというそういう機関がありまして、もう既に八十品目、こういうアクセシビリティーを満たした品目を選んでいる。これはハードだけじゃありません、ソフトもそうです。そして、その八十品目の中に実は日本の製品がゼロ。 このアメリカの六月二十一日の体制は、カナダも大体同じようなものができる。やがてEUにもできるんです。こうなってきますと、どうなるか。これは日本のコンピューター製品がこういうアクセシブル基準、これを例外的なものじゃなくて原則的に、ユニバーサルモード的にこれを備えていないと、だんだん北米市場からもヨーロッパ市場からも追い出されるというふうな状況になってくる。 こういうことについての認識を政府がしているかどうか。まさにIT担当相としてもこれは大変重要な関心事項だと思うんですけれども、それについての認識と対策を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に大変重要な御指摘をいただいたというふうに感謝しています。これは私自身の体験ですけれども、まさにデジタルデバイドの時代であるからこそ、その裏側でデジタルオポチュニティーの問題がある。特にハンディキャップを負った方々等に対して、これは要するに機械と人間との関係でいわゆるインターフェースの問題というふうに認識しますけれども、その問題が大変重要になっている。 これは私個人の体験ですが、実は慶応大学にこういう二人の学生がおります。一人は目が全く見えません。全く目が不自由です。もう一人の方は全く聞こえなくて、話すことができません。この二人が今どうしているかというと、インターネットを通して対話するんですね。これを見たとき私ちょっと鳥肌が立ちました。これによって本当に全く今まで埋もれていた能力が我々の社会の中に出てきて、我々が新しい仲間を得ると。そういうためにこそ私はITはあるのだと思います。 それに対する社会的な認識、私たちの政策の対応も含めてですけれども、社会的な認知がおくれているというふうな点に対しては私自身深く反省します。特にこれが世界的な標準になりつつあるという点で、IT戦略本部でもこの問題は正面からぜひ取り組みたいと思っています。 一つ申し上げるとすれば、このインターフェースの問題に関しては、日本は潜在的には結構高い技術を持っているということだと思います。先ほどのように文字が、文字情報をそのまま点字で出すような技術とかというのは結構あるんだそうでありますし、そもそもコンピューターなんか使わなくたって、つまりITというのはまさにデジタル情報のやりとりですから、コンピューターは使わなくていいわけで、携帯電話でできるものは携帯電話でデジタルで情報を得る。この点では御承知のように、まさに日本型のITが世界に先行している面もあるわけで、こういうものも活用しながら、先生御指摘のような問題に対して戦略的に対応したいと思います。
○簗瀬進君 もう一つ、世界的なソフトウエア技術者不足の問題、そしてその見通しの中で出てくるインドとの連携、その重要性ということについての指摘も、質問も予定をしておりましたが、これはまた別の機会に譲らせていただきたいと思います。 最後の問題といたしまして、今回の五月十日に経済スパイ容疑で日本の理研の研究者に対して逮捕状が出たと。この方は帰国をいたしておりましたので逮捕はされておりませんけれども、彼の友人の、日本国籍ではありますがアメリカ市民権を持っている学者の方は逮捕され、現在は保釈されている、こういうふうな問題が起こりました。 これは非常に重要な問題であると思いますし、これは問題はDNA、細胞等の無断の持ち出し等の嫌疑のようでありますけれども、まさにこれからの知的創造力の勝負、これがもう世界の二十一世紀のキーワード、私は二十一世紀はまさに知的創造力をいかに高め得たかどうかが経済戦略の一つの大きなポイントだと思うんですね。それについて、どうも我が国の体制が余りまだ整っていないということを私たちに明瞭に認識させた出来事なのではないのかなと思います。 そこで、尾身科学技術大臣にお尋ねをしたいわけでありますけれども、まず、科技大臣とそれから文部科学大臣の職務分掌というようなものは、どうもどういうふうな形になっているのかということが混乱をいたしております。せっかく科技大臣ができたんですけれども、文部科学大臣がこの問題の担当なのか、あるいは科技大臣がリーダーシップをとって文部省を指導するのか、どういう関係になっておるのか、端的にちょっとまずお答えいただければと思います。時間がありませんので端的にお願いします。
○国務大臣(尾身幸次君) 本年の一月六日から省庁再編成によりまして、この総合科学技術担当という私の職責ができたわけでございますが、私の職責は、総合科学技術会議の審議等を通じて各現場の役所の縦割りの行政の中で科学技術という切り口からそれを立体的、総合的に戦略的な政策を実現していく、こういうことになります。文部科学省の方は、具体的な個々の政策を基本的な方針、システムに従ってこれを遂行していく、こういうことになります。 したがいまして、私自身の意識としては、現在の制度とかルールとか枠組みにとらわれないで、枠組みの変更も含めて総合科学技術会議でいろんなことを議論し、方向づけをしていくということを考えておりまして、現在のルールに基づいてそれぞれの分野の研究開発を推進するということは、経済産業省にしても厚生労働省にしても、あるいは文部科学省にしてもこれはやっていただくということでございまして、科学技術の発展のために総合的な戦略を、これは随時いろんな事態が進展をしてまいりますので、それに基づいた、あるいはそれに対応した戦略を随時立てていく。したがって、システムの変更、現在のルールの変更も含めて、私どもはいつもいつも弾力的にそれに対応して、変更もし、あるいは改正もする、改革もする、こういうふうに考えながら、いろいろと政策を進めているということでございます。 したがいまして、先ほどの問題につきましても私ども大変関心を持って、現在の問題の処理そのものは文部科学省の所管でございますが、これに対してどういうふうな方向にするかということは、私どもが中心で考えていかなきゃならないと思っております。
○簗瀬進君 せっかく文部科学省の局長さんもお見えになっておりますので、二つほど質問させていただきたいと思うんですけれども、逮捕は日本の理研という文部省所管の特殊法人の職員でございます。でありますから、本来であるならば、これはアメリカのFBIが逮捕状を出したんだろうと思うんですけれども、事前にこのような連絡があったのか、あるいはその後の事後的な連絡があったのかどうか。 さらにもう一点、二問に分けてありますけれどもまとめて、逮捕状の中身ですね。一体何が問われているのか。経済スパイ法というアメリカにある法律で、いわゆる何を持ち出したとされているのか、どうもその辺がはっきりとしないんですね。特許対象になるようなものになっているのか。研究レベルというのはいろんな段階がありますから、その段階のどの部分を切り取って持ち出しというふうに言われているのか、その辺の報告はあってしかるべきだと私は思うんですけれども、そこら辺の米国政府からの我が国に対する連絡等についてお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えいたします。 御指摘の件につきましては、文部科学省としてはアメリカ政府からの事前事後の連絡は受けておりません。 もう一つの方の、何を持ち出したと疑われているか、あるいは被疑事実でございますが、岡本研究員それから芹沢助教授が具体的に持ち出したものは、クリーブランド・クリニック財団の財産である、アルツハイマー病研究に使用されておりますDNAとその細胞試料であるというふうに承知をしております。 容疑事実は四つございます。理研に利する意図を持って、許可を得ることなくクリーブランド・クリニック財団の財産を盗んだという容疑、二つ目は、同様に、理研に利する意図を持って、許可を得ることなくクリーブランド・クリニック財団の財産を破壊したという容疑、三つ目は、盗まれたものであることを承知しつつ州を越えて国外に持ち出した容疑、四つ目は、両研究者がこれらの犯罪を意図的に協力して行った容疑というふうに承知いたしております。 ただ、DNAとか、それから細胞試料と書いてありますが、具体的な何かというところについては、私どももわかっておりません。
○簗瀬進君 いずれにしても、これからは研究者の国際交流というのはもう当然の話になってくるだろうと思うんですね。 それで、研究というのは、もう私のような素人が言うまでもなくて、いろんなレベルをだんだん積み重ねていくわけでありまして、どこかの機関に所属をしていて、どの部分までがその人のオリジナリティーのものか、その機関のものなのかというのは、意外に難しい問題があると思います。 日本の研究者がアメリカに行って、アメリカから日本に帰る、あるいは逆にアメリカから日本に来て、また今度はインドに行ったりあるいはヨーロッパに行ったりということがある。こういうふうな頭脳の国際交流がもう頻繁に行われるような時代に、私はぜひ科技大臣にお願いしたいのは、もちろん個別の団体の利益といいますか、それは守っていかなければならないと思いますけれども、それと同時に、世界全体としての科学技術のレベルアップというようなものも図っていかなければならない。例えば、ゲノムの地図を先に特許をとったところが全部そこで独占をするような、こういうばかな体制をつくっては私は絶対にならないと思う。 そういう意味で、話はちょっと余分な方にも行きましたけれども、この頭脳の国際交流に当たってのルールづくり、これについて科技大臣として積極的にお取り組みなさって、これをもって、ほかの国にも呼びかける。 ゲノムだって本当は日本が呼びかけられたんですよ。あれは生物資源研究所のイネゲノムの開発の中で、地図はどんどんオープンにするんだというそういうルールを既に彼らはつくっていた。しかし、日本政府がそのルールの重要性というのを認識しないで、クリントンとブレアの方に先にアピールされてしまったと、こういうふうな非常に残念な結果になっている。こういう問題についてもルールをつくって、まさに国際的なスタンダードを日本発信でやっていくという観点は絶対必要だと思います。 そういう意味で、科技大臣の御認識、あるいは今後の取り組みの姿勢等を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) ゲノムの塩基配列の構造解析というのが大変問題でございまして、各国の研究者がいろいろ頑張ってやっていたわけでございますが、アメリカのセレラ社が一遍に解決しちゃった、それでこの構造が全部わかった、その特許を申請をした。しかし、これは人類共通の知的財産でありますので、特許申請をして全部押さえられても困るということで、米英首脳が相談をして、そういうものを特許にするのは適当でないというようなことを決めた、決めたといいますか、合意したということも聞いております。 そういう状況の中で、科学技術の研究開発についての国際交流を進め、また相互協力をしながら競争していかなきゃならない。そのときに、今までにない知的財産の保護あるいは知的財産の処理における国際的なルールづくりということが大変大事な時代になってまいりましたし、そのことがこれからの科学技術創造立国を築き上げる上で致命的な問題になる可能性も含んでいるという認識につきましては、全く私も同意見でございます。 そういう新しい時代に対応したシステムづくりということは、やはり総合科学技術会議で検討していただかなきゃならない大事なテーマであると思っております。経済産業省も文部科学省も担当の者はやっているわけでございますけれども、そういう全体的な知的財産の問題の国際的なルールづくりなどにつきましても、総合科学技術会議の場を使いながら、各関係省庁の意見も踏まえて、前向きに、そして中長期的な国際的な視野も入れて検討してまいりたいと考えております。
○簗瀬進君 最後のまとめの質問としてさせていただいて、これはIT大臣とそれから科技大臣、双方に御質問させていただきたいんですけれども、いわゆる一九八〇年代のアメリカの話を私はよく引用させていただきます。 八〇年代のアメリカは、日本の集中豪雨的な輸出攻勢に遭って、全産業がつぶされるんではないのかなと大変な危機感を持った。そのアメリカがまず一番最初にやったことは何か、それを我々は学ぶべきだと思うんです。アメリカがまず総合的にやって一九八五年のヤング・レポートで結実させたものというのは、まさにアメリカの知的創造力をいかに活性化させるかというそういう大戦略を、教育の現場から産業から、あるいは裁判のあり方、いわゆるプロパテント政策というようなものも含めて大戦略を立てたんですね。 だから、そういう中で、それがまさにコンピューターがつくり出す新しい知的創造物とうまいぐあいにタイアップをした、あるいは意図的にタイアップさせたのかもしれない。まさに、そういう意味ではIT政策とIP政策、IPというのはインテレクチュアルプロパティーのPでありますけれども、そういうITとIPというようなものは車の両輪のごとく行わなければならないし、日本はそれが取り組みが非常におくれている。そのおくれている原因は、一つは、やっぱり縦割り行政の中で、この問題が非常に横断的になっていくという部分がございます。これについての対策をしっかり立ててやっていくということが非常に重要であります。 この点についての両大臣のちょっと決意をお聞かせいただいて、私の質問とさせていただきます。
○国務大臣(尾身幸次君) 新しい状況の変化に応じて、特に科学技術関係は日進月歩でございまして、今おっしゃったようなことを私どもしっかりやっていかなきゃいけないと思っておりまして、簗瀬議員のそういう御指摘は極めてごもっともだと思っております。その方向をしっかり踏まえながら頑張ってまいります。
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のような強い決意をぜひ持ってやっていきたいと思います。要は、アメリカの例を見るに、やはり私たちのパワーの源泉を一体どこに求めるかということなのだと思います。それはやはり人材で生きてきた国、知的な力なんだと思いますので、ぜひそのように努力したいと思います。
○簗瀬進君 お二人に先ほどと同じようにプレゼントをさせていただきたいと思うんですけれども、これ、民主党の「はばたけ 知的冒険者たち」という、そういう戦略でありますので、どうぞよく御検討なさってください。(資料を手渡す)
○委員長(江本孟紀君) 速記をちょっととめてください。 〔速記中止〕
○委員長(江本孟紀君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(福田康夫君) 先ほど簗瀬委員から憲法改正の国会手続についてお尋ねがございました。 国会から国民に対して発議をするということでございまして、その発議の、国会に対する、国会で発議するその中身ですね、原案、これは国会議員とそれから政府と、こういうことになるわけですね。政府がその原案をつくるために政府に所属する諮問会議等をつくることは、これは何ら支障のないことであり、過去においてもそのような例があると、このように承知いたしております。
○簗瀬進君 今断定的におっしゃいました。内閣もそういう意味での国会に対する発議の前にある提案はできるんだという解釈があるということは私も承知しておりますけれども、それに対する異論もあると。だから、結構この問題に関しては、かつての内閣は意外に慎重に取り組んでこられたわけでございます。どうかそういう流れもしっかりと踏まえて、やっぱり内閣は、これは国会が発議をするんだから、国会の中で検討するべきものであって、内閣はそれに対してメーンにはなれないんだと、こういうふうな解釈論も一方ではあるんです。その議論の優越を、どっちがいいか悪いか、ここで議論してもしようがありませんけれども、そういう両論あるというふうなところで、今までの内閣はこの問題に関しては非常に慎重に取り組んでこられた、こういう歴史の経緯というようなものをぜひとも踏まえていただきたいと御要望しまして、質問を終わります。
○委員長(江本孟紀君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時五分開会
○委員長(江本孟紀君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、厚生労働大臣官房審議官伍藤忠春君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(江本孟紀君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小宮山洋子君 民主党の小宮山洋子でございます。 三十分の中でいろいろ伺いたいので、簡潔明瞭にお答えをいただければというふうにお願い申し上げます。 まず初めに、代理母と生殖医療、生命倫理の問題について伺いたいと思います。 先日、子宮切除で妊娠できなくなった姉にかわって、妹が受精卵移植を受け、代理母になり、日本で初めて代理出産をいたしました。この件について法律の整備が必要だということを予算委員会等で厚生労働大臣も官房長官も答えられていると思いますが、改めてどのような手順で法整備を考えていらっしゃるか、官房長官に伺います。
○国務大臣(福田康夫君) お尋ねの生殖補助医療、代理母も含めますけれども、のあり方につきましては、国民の間に幅広い意見がございます。 厚生科学審議会の専門委員会で代理懐胎を含めて御検討いただいて、昨年の十二月に報告書が取りまとめられました。 この報告書におきましては、まず、代理懐胎については、人を専ら生殖の手段として扱うということでこれを禁止すべきことであること。第二点が、代理懐胎のための施術やそのあっせんについては罰則を科すということ。第三点が、こういうことを含む必要な法制度の整備を三年以内に行うということなどが求められております。そういう意味で、代理懐胎の実施につきましては、この報告書では慎重であるべきであるという考え方を示しております。 政府といたしましては、この専門委員会の報告書を踏まえまして、厚生労働省において今後この報告書の具体化に向けた詳細な検討を行う、この検討の中には三年以内の法制化とかいうようなものを考えていくということを予定いたしておるところでございます。
○小宮山洋子君 この委員会でもせんだってクローンの問題で前の科学技術担当大臣といろいろ議論をさせていただきましたが、生殖医療とか生命倫理の法整備が日本では非常におくれているということがあるわけです。総合科学技術会議、特にその中の生命倫理専門調査会の役割が重要だと思うんですが、今、官房長官もおっしゃったように厚生省の生殖補助医療の専門委員会や審議会では代理出産は禁じる報告書をまとめております。 そこと連携をとっていろいろ法整備を急ぐ必要があると思いますが、総合科学技術会議担当の尾身大臣が先日、それで幸せになれる人がいれば禁止しなくてもといったような発言をされたと承っておりますが、改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) ヒト受精胚の取り扱いのあり方につきましては、総合科学技術会議の専門調査会で幅広い観点から今検討している段階でございます。 先日の新聞で報道された問題につきまして、私は記者会見の席で個人的な意見として申し述べたわけでございますが、不妊に悩んでいて子供が欲しいという方がおられ、そしてまた他方でそれに協力する、したいという方がおられ、その中で、ほかの方に迷惑をかけないという状況の中で現実に赤ちゃんが生まれた、そういうことが報道されたわけでございますが、私はその時点におきまして厚生省の調査会の結論というものを実は余り存じ上げていなかったわけでありますが、新聞等で報道されている中身だけの判断として、これからの社会において、このような状態のもとにおいて個人の意思というものを社会のルールとしてこれは絶対だめだということを、絶対禁止することが果たして妥当かどうか疑問であるということを私の意見として聞かれましたので申し上げた次第でございまして、その後いろんな方の意見も聞いておりますが、私自身は、先ほど新聞で報道されました考え方について、日本という国でそれを、アメリカあたりではそれが許されているということも聞いておりますが、日本という国でこれは絶対だめということを決めることが妥当かどうかについては、現在ただいまでも私自身は疑問を感じている次第でございます。
○小宮山洋子君 個人的にということでございますけれども、先ほどおっしゃったように、尾身大臣のお立場は、総合的な戦略を現在の枠組みを超えて科学技術についてなさるというお立場にあるので、そのあたりの御認識をしっかり持っていただきたいというふうに申し上げたいと思います。 厚生省の方で禁止の方向を出したというのは、例えばアメリカなどで、子供を身ごもっている間にどうしても愛情が芽生えて、子供を実際に身ごもった人とそれから卵子を提供した人との間で、大岡裁判ではございませんが子供を奪い合う裁判が行われているとか、あるいは子供を引き渡した後精神的に病んでしまう例ですとか、そういったことが現実にあるわけですね。諸外国でも母の定義としては、卵子の提供者ではなくて出産した人としている国がほとんどでございますので、そのようなことも含めて、これは学者とか推進する研究者だけではなくて広く一般の声を聞いて、総合科学技術会議の中で生殖医療、生命倫理も組み込んだ形で技術の方の規制をかけるというような話し合いもしっかりしていただいて、厚生省の方の審議会の結果と一般の声も広く聞きながらこれは検討をぜひ積極的に進めていっていただきたいというふうに思います。 先日指摘しましたように、今の、来月施行されますクローン技術規制法では、科学研究としてのヒトクローンづくりは禁止されておりますけれども、不妊治療として行われる患者の医療行為を差しとめる権限はないと考えられますので、これはやはり海外でヒトクローンつくりに参加するということも解釈によっては可能な形になっていますので、何としても生殖医療、生命倫理の枠組みをきちんとした上で、今の科学技術の発展とどうきちんとしたルールをつくるかというのはとてもこれから大切な問題だと思いますので、心して取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。
○国務大臣(尾身幸次君) この問題に関して、私は総合科学技術会議等でさらに議論をしてルールを決めることが大変大事だということは一方で申し上げておりまして、そういう中で先ほど申し上げました私の感想を申し上げました。 話はちょっと脱線するかもしれませんのですが……
○小宮山洋子君 時間がないので結構です。決意だけ伺って。
○国務大臣(尾身幸次君) そうですか、はい。
○小宮山洋子君 次に、皇室典範の見直しについて官房長官に伺いたいと思います。 皇室のあり方の議論をいたしますといろいろな意見がございますが、それはちょっと別にしまして、皇室の中でも男女平等が必要だという視点から女性も皇位を継承できるように皇室典範を改正するべきではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 改正をすべきかどうか、こういうことになりますと、それはいろんなことを考えなければいけないと。その場合に、皇室の歴史、伝統とか、そしてまたそれらを踏まえた国民の皇室に対する気持ち、さまざまな背景によって現在ある形になっているという、そういうことを承知した上で考えていかなければいけないと、このように思っております。 したがいまして、皇位継承制度のあり方というものは男女平等という観点だけでなくて、またそれだけの議論ということに終わらないで、国民、幅広く意見を聞かなければいけないということもあるのではなかろうかと思っております。慎重に考えたいと思います。
○小宮山洋子君 これまで日本でも推古天皇から後桜町天皇まで、それぞれ跡継ぎがまだ幼いなどいろいろな理由がございますが、既に十人の女性が天皇になっておられますので、前例はあるということが一つございます。 それから、世界の各国を見ましても、男子のみに限っているのは日本だけです。ノルウェーでは一九九〇年に、ベルギーでは一九九一年にそれぞれ、先ほど男女平等だけに限ってはとおっしゃいましたけれども、私はその視点で質問をしているという意味からしますと、ノルウェーやベルギーでは男女同権を可能にするためという理由で、それぞれ憲法を改正して男女どちらでも継承できるようにしています。 このような国際的な流れからしても改正を考えてよいのではないかと思いますけれども、重ねて伺います。
○国務大臣(福田康夫君) 私は今、慎重に考えるべきと、こう申し上げました。委員も改正積極派だと思いますけれども、私も実は、積極派というわけではないけれども、改正してもよろしいんではないかなと、そういう時期は来つつあるんではないかというように思っております。そんなふうなことを申し上げて答弁にさせていただきます。
○小宮山洋子君 憲法第二条には、「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範に定めるところにより、これを継承する。」とありますので、憲法改正をしなくても皇室典範のみの改正で可能ではないかと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) おっしゃるとおりでございます。
○小宮山洋子君 私は、やはり雅子さんに安心して出産をしていただく、プレッシャーを少なくするという意味からも、今騒ぐのがいいかどうかということで意見も割れていると思いますが、少なくとも私自身の考えからすると、積極派とおっしゃいましたが、というより男女同権を皇室が存在する以上その中でもという意味から、なるべく雅子さんへのプレッシャーという意味からしても、改正を考えるよい機会だというふうに考えております。
○国務大臣(福田康夫君) 雅子妃のお話が出ましたので申し上げますけれども、そのことがありますので、無事に御出産されるまで静かにしていた方がよろしいんではないかなというのが私の個人的な考えです。
○小宮山洋子君 その点を議論しても見解が違うということになると思いますので、ぜひやはり私が申し上げているような視点からの検討は進めたいと思いますので、そういうふうに申し上げてこの質問は一段落ということにしたいというふうに思っております。 次に、いつも毎回伺っておりますけれども、男性女性が一人一人個性を生かして生き生きと生きられる男女共同参画社会をつくるというために、内閣府に参画局ができ、審議会ができたことに期待が非常に大きいわけですけれども、その審議会の中の五つの専門調査会でさまざまな活動が行われていると思います。 その中で、一番活発にというか先につくられまして活動をしています、仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会が来月最終報告を取りまとめると聞いていますが、ここで検討されている中身が恐らく小泉総理が予算委員会あるいは所信表明などで男女共同参画の柱としておっしゃっている内容だと思いますが、その中身について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 委員御指摘のとおり、この男女共同参画会議の中で仕事と子育て両立支援策、この会議は、また専門調査会は大変熱心にやっておりまして、六月に最終報告をするということでございます。 具体的な内容は現時点で確定はいたしておりません。しかし、いろいろと案が出ておりまして、その案の一部がこの間、待機児童を来年度までに五万人削減するといったようなそういう新聞記事になって、これは経過的なたたき台のようなものを樋口会長が私案として提示された中に入っておりました。そういうような表現はございましたけれども、これはこれから専門調査会でさらに議論を進めて、どういうふうにするかということを決定するということでございますので、もう少しお待ちをいただきたいと思います、そんなに違うことではないと思いますので。
○小宮山洋子君 これから発表される中身を先にというよりは、いろいろ報道されている中身で、私も保育の問題はずっと議員になる前からいろいろな形で関係をしてまいりましたので、確かに今回、当面五万人、最終的には十万人解消するための策を柱として打ち出されるということについては評価をいたしますが、実際は、言うはやすく実現しないからこういう状態が、今現在わかっているだけでも三万三千人の待機児童がいるということがあるのだと思いますので、具体的にどう進めるか、その具体策を聞かせていただかないと、これは選挙前にと言っては申しわけありませんけれども、アドバルーンは上がったけれども実態はついてこないということになるのを心配いたします。 例えば、昨年から児童福祉法が改正されまして、保育所の規制緩和が行われて一年になりますけれども、この規制緩和の効果でふえた認可保育所は全国で五十施設、千七百人分に定員からしましてもとどまっているわけですね。それで、もうずっと、保育時間の延長という、延長保育は二十年も取り組んでいるのに必要な確保ができていない。それからさらに、ゼロ歳児とか年少者の保育、手のかかるところは幾ら民間参入を進めても利益にならないわけですので、そのあたりをどうやって対応していくか。もう僻地というか地方の方では定員は割れている。だけれども、都会の中ではさまざまなニーズに対応できていない。 その辺のさまざまなミスマッチもありますので、これからその具体策をどこでどのように納得いく形で検討されるのかを伺いたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) ただいま官房長官からお答えいたしましたように、まだ議論の途中でございまして最終的には決定しておりませんけれども、御指摘のように、例えば民間活力を導入してできるだけ新しい形で保育所の運営ができるようないろいろなやり方、予算だけではなしに、その運営のやり方についても新しい試みができないか御議論をいただいている最中です。 ぜひ目標を実現するために具体的な方策についても打ち出したいと、先生方、鋭意検討しておられますので、よろしくお願いいたします。
○小宮山洋子君 民間活力ももちろん結構なんですけれども、本当に必要なところは手がかかり、手間暇かかって利益にならないということで、民間活力が入りにくいところなわけですね。 ですから、そのあたりのめり張りをしっかりつけて具体化へ向けて一歩踏み出していただきたいということと、それから今、無認可を認可になるべく格上げするということに取り組んでいらっしゃると思うんですけれども、例えば大和のベビーホテルでの子供の死亡事故なども踏まえて、私ども民主党では、無認可のものの届け出制という児童福祉法改正の法案を提出しておりますので、届け出にしただけじゃなくて、そうすると、そこのところにどういうふうに援助をしていくかということも含めて、認可と無認可のダブルスタンダードの問題など、本当に実際に目を向けて取り組もうとするといろいろな問題がございますので、ぜひこれは現場の声も聞いていただいて、あくまでも便利というのではなくて、子供を真ん中に置いておいて、子供たちにとってどれだけいい状態ができるかということをぜひ積極的に具体策を立てていただきたいというふうに思います。 それから学童保育につきましても、一万五千カ所と言われていますけれども、これは呼び方も形態も本当にさまざまでございまして、それをどのようにふやすのか。目標を掲げるのは簡単ですけれども、こちらも具体策がないとなかなか進まないのではないかと思いますので、学童保育についてももし何かあれば一言伺いますが、同じお答えでよろしければ、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと言うことに、ではとどめることにいたします。 それからもう一つの、女性に対する暴力に関する専門調査会では、私ども参議院の共生社会調査会でつくり上げました配偶者からの暴力防止法について意見募集をするなどの取り組みをされていると思いますが、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 女性に対する暴力に関する専門調査会、これは女性に対する暴力全般を対象にして幅広い検討を行うということでもって、もう既に二回会合をいたしております。本年の十月十三日に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、これがもう既に法律成立しておるのでありますけれども、この施行を十月十三日に控えておりますので、この専門調査会において当面は法律の円滑な施行に向けた検討を行う、こういうことになっております。 検討に当たりましては、国民から意見をいろいろと拝聴しながら、そういう意見をも参考にしながら、より実効的な成果が得られるようにということでやってまいりたいと思っております。
○小宮山洋子君 十月の施行、それからセンターの方は来年度予算ですので四月になるわけですが、たくさん実施前にクリアしなければいけない問題があると思いますので、当面それに取り組まれるということはぜひお願いしたいと思います。 さらに、三年後の見直しに向けて内閣府の方で検討していただくことになっています、暴力を振るった方の男性、男性というか、配偶者ですので女性の場合もあるかもしれませんけれども、その更生プログラムの検討ですとか、三年後の見直しに向けての調査とか意見集約などについてもこの専門調査会の役割は大きいと思いますので、ぜひしっかり取り組んでいただいて、また御報告もいただきたいというふうに思います。 それから、ほかに影響調査あるいは苦情処理・監視、基本問題専門調査会、三つほかにあると思いますが、特に影響調査とか苦情処理というのは、これまでも懸案になりながらなかなか日本の中ででき得なかった仕組みでございますので、そのあたりも積極的にぜひお取り組みいただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) 一言で申し上げれば、積極的に一生懸命取り組んでまいりたいと、こういうことでございます。 いろいろ共同参画会議の中に専門調査会をつくりました。基本問題調査会、ここでは男女共同参画の形成を促進していく上での基本的な考え方というもの、そしてまた基本的な考え方にかかわりが深くて国民の関心も高い個別の重要課題について調査検討する、こういうことにしております。 また、御指摘の苦情処理・監視専門調査会では、政府の施策に広く男女共同参画の視点や国民の声を反映させるという観点から、各省庁において男女共同参画基本計画が着実に実施されているかどうかということを調査検討を行う、こういうふうにしております。 また、影響調査専門調査会では、各省でもって、各省の施策に男女共同参画の視点を反映するための自己評価システムの構築、女性のライフスタイルの選択に大きなかかわりを持っております諸制度とか慣行について調査検討を行う、こんなふうなことを考えておりまして、万般遺漏のないように努力してまいりたいと思います。
○小宮山洋子君 もう一点、ぜひ官房長官とお話をしたいと思っておりますのが選択的夫婦別姓などの民法改正についてでございます。嫌な顔をなさらないでいただきたいと思うんですが、先日、毎回国会に提出しておりますが、私ども野党案を提出しております。 先日来、官房長官は、いわゆる旧姓を通称として使用するということで解決を図ったらどうかとおっしゃっているやに報道では承っておりますが、お考えをまず聞かせてください。
○国務大臣(福田康夫君) 私、決して嫌じゃありませんよ。私は、どちらかというと理解のある方だというように自認いたしております。 今御指摘の、旧姓を使用できない、現在そういう状態でございますけれども、そういうことで女性の社会生活上いろいろな不便、不利益があるということでございます。そういうようないろんなお話を伺っておりますので、そういう当面の不便、不利益を少しでも軽減したい、その方法はあるかどうかということでもっていろいろと考えてみたいと、こう思っているところでございます。
○小宮山洋子君 理解をしていただいていると思っているので質問申し上げているということなんですけれども、今おっしゃったように、確かに社会生活上の不利益を、当面不便を何とかするためにという考え方として旧姓使用ということを、通称使用をおっしゃっているということなんですが、その選択的夫婦別姓を望んでいる理由としては、そのほかにも、氏名は人格権であるということ、あるいは生まれたときからずっと自分が使い続けてきた体と同じ、一部であるような姓を奪われるということはアイデンティティーの尊重の面からも問題があるとか、どちらでも選べると言いながら女性が九八%改姓をしているとか、いろいろな理由がございます。 そうすると、この旧姓使用ということだと、ほんの一部になってしまうのではないかということがあるわけですね、一つ。その点についてはいかがですか。
○国務大臣(福田康夫君) これはいろいろな考え方があるんですね。例えば、今、委員がおっしゃいました、結婚して本来の姓が奪われると、しかし愛する夫の姓を名乗りたいという女性もいないではないんじゃないでしょうか、結構おられるんじゃないかなと、こんなふうにも思います。その逆もあるかも知れませんけれども。 ですから、その辺は、これから世論調査もございますし、集約した形でもってその結果を見て判断するという方法もあるんじゃないかと、そんな先にやるわけじゃない、ことしじゅうにやろうと、こういうふうに言っておるわけですからね。 それから、いろいろな不便を解消するために少しでもお役に立てればと、こういうことでありますけれども、これは当面の課題であるということです。当面、これ民法改正になるまではこの問題というのは残るわけでございますから、そういう方々の不便を解消できればと考えているところでございます。
○小宮山洋子君 今おっしゃった、愛する夫あるいは妻の姓を選びたい、それを妨げるわけじゃないわけですね。そうではなくて、変えたくない、もともとの姓を名乗りたいという人の自由を認めるかどうか。選択肢が豊かなのが豊かな社会だと思いますので、私は、やはり選択的であって、選びたくない人にしろと言っているのではなくて、選びたい人に選べるようにしようということだということなので、ちょっと先ほどの御発言は違うのかなと思います。 それで、もう一つ具体的に申し上げますと、私自身が今通称使用でございます。通称使用だとやはり不便な点、あるいはかえって混乱を来す点がたくさんあるわけです。混乱なく旧姓を使えるようにするためには、戸籍に書き込むことが必要になってくると思います。そうでないと、戸籍名と旧姓の関係をどうするのか、旧姓に戸籍名と全く同じ効力を持たせない限り戸籍名との照合が必要になります。そうすると、一人が二つの姓を持つことになる、これが一点目です。 それから、二点目は、旧姓が使用できる範囲をどうするか。現在の通称としての旧姓ですと、住民票、パスポート、免許証、納税などには使えません。それで、住民票と連動しますので印鑑証明にも使えないので、一定額以上の買い物はできません。私の場合、例えば車を買おうと思っても、それが一定の額を超えると小宮山洋子は買えないということになります。それから、会社の代表取締役になることですとか抵当権の設定などもできないわけです。 そういう意味で、すべての面で使えないと社会生活上の不利益をなくすということにもなりませんし、使える場合、そうでない場合を設けるとかえって混乱する、戸籍名ともし同じように使える通称であれば別姓にするのとどういう違いがあるのかと、そういうことがございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) よく承って、参考にさせていただきます。
○小宮山洋子君 先ほどから、参考にと一言で言われてしまいましたけれども、そのように当面の不便をという理解のある官房長官がそういう意味で当面の課題の解消にとおっしゃっていただいたお気持ちはよくわかるんですが、かえってそれをすることによって混乱を来すとか、本来選択肢を豊かにするためになるべく早く取り組まれるべきである民法改正の方へもっと全精力を使っていただいた方がいいのではないかというふうに思うんですね。 私どもが、民主党、それから共産党、社民党に無所属などの一部の方も加わっていただいて提出しているのは、とにかく選びたい、結婚したときに別姓を選びたい人は選べるようにする、子供の姓につきましても、子供が生まれるときにそれぞれ協議をして決める。その夫婦別姓のほかに、もう一つ、非嫡出子の差別を、相続差別を撤廃する。これは子どもの権利条約とか人権規約にも違反する問題でございますので、生まれてくる子供に何の責任もないのに差別が行われている。このようなことで、しっかりやはり選択的夫婦別姓を認めるということと、それから子供の非嫡出子の差別をなくす、この民法改正にぜひ積極的に取り組んでいただきたい。 それで、世論調査をなさるということですけれども、これは世論調査の項目の立て方によって非常に差が出てくるんですね。今私が申し上げたように、選びたい人が選ぶことの自由についてどう思うかと聞いていただければ、これは賛成がふえてくる。だけれども、法改正をどうとか、いろいろ言い方によって非常に差異が出てきて、以前にも民放のテレビがした調査、新聞社がした調査では、政府がした調査よりも倍ぐらい賛成者が多いというデータもございますので、その設問の立て方の問題が一つ。 もう一つ、法制審議会でさんざん議論をして、その間にももう専門の裁判所を含め、それから一般の方からも何度も何度も聞いて、それで法制審議会が答申を出したもので、普通は民主的なルールからしますと、それは国会にすぐに提出されて国会の中で議論が進められるべきものだと思うのですが、与党の自民党の皆様方の賛同が得られずにたなざらしになっている。そういう仕組みにつきましては、ぜひとにかく国会で審議をしようということについては御理解のある官房長官としては汗をかいていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) いろんな小さなことに手をつける前に、この民法改正を達成すべく全力を挙げろと、こういうお話でございますけれども、私はやっぱり何を基準にその改正をしなければいけないかということについての国民の理解がなければいけない、そういうのが我々の立場であろうというように思いますので、そういうための一つの資料として世論調査というのはやっぱり大事だろうというふうに思います。 世論調査を実施する上で、これはもうあくまでも中立的な立場でその設問も考えなければいけないというのは当然でございますので、それは私も十分注意をしていかなければいけない、そのように思っております。 いずれにしましても、その間不利益をこうむる方々のために何をするかと、しなくてもいいんだったらしないんですけれども、しかし実際問題言って、非常に簡単にできそうなところで、公務員の職場での旧姓使用と、こんなことも徹底していないということもございますので、そういう身の回りからやってもいいんじゃないかなと、こう思っております。
○小宮山洋子君 終わります。
○照屋寛徳君 私は、先に官房長官にハンセン病国家賠償訴訟の熊本地裁判決に対する控訴問題について何点かお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 昨日、被告、国は控訴をしないという方針が発表されました。当然のこととはいえ、私はとてもいい判断、結論であるというふうに思います。私ども社会民主党も、過日、官房長官に土井党首ともどもお会いをして、国は控訴をすべきではないという申し入れを行いましたし、また野党三党がそろって、国に対して、政府に対して控訴断念を申し入れできたところでございます。 私ども社民党の申し入れの際に官房長官は、実は個人的に療養所の中にも官房長官の後援会の組織があるというお話などもやっておられましたし、ハンセン病の元患者の皆さん方の抱えるさまざまな問題について深い御理解をいただいておるんだなと、こういうふうに思っておりました。昨日、テレビで官房長官のハンセン病訴訟控訴断念のコメントを私はテレビで見ておりまして、官房長官のお姿が何か神々しく見えるぐらい、きのうはほっとしたところでございます。 思い起こしますと、一九〇七年にらい予防に関する法律ができまして、そして私が参議院へ参りました翌年、九六年四月にらい予防法が廃止をされたわけであります。もう官房長官、御案内のように、私の住んでいる沖縄県にも、沖縄愛楽園、それから宮古に宮古南静園、二つの療養所がございまして、いまだに多くの入所者がおるわけであります。このハンセン病の患者、元患者の皆さんに対するいわれなき差別、偏見を社会全体につくってしまったという点で、私は熊本地裁判決が判示をする法律論、それから事実認定論、率直に高く評価をしております。在野法曹の一人としても、非常にすばらしい判決だというふうに私自身は思っておるわけであります。 それで、官房長官は、この熊本地裁の一審判決そのものについては、官房長官としてはどのように受けとめておられたんでしょうか。まず、御意見を聞かせてください。
○国務大臣(福田康夫君) まず、ハンセン病患者に対する極めて厳しい偏見、差別が存在してきた、この事実を深刻に受けとめまして、患者、元患者、またその御家族の方々に多大な苦痛を与え続けてきたということに対しまして深く反省し、おわびを申し上げなければいけないと思います。 ハンセン病問題の早期かつ全面的解決を図るために、昨日は小泉内閣として控訴を行わないという方針を決定いたしました。今後、新たな損失補償のための立法措置とか、名誉回復及び福祉増進のための措置などを実現するために早急に検討を進めてまいりたい、こういうふうに思っております。 この判決につきましては、過去のハンセン病対策に係る事実認定について、今回の判決で示された内容に争いがないわけではありません。施設入所施策の転換のおくれや、ハンセン病についての国民への啓発活動の不足など、行政としては反省すべき点があったことは率直に認めなければいけないと思います。また、国会の立法不作為の違憲性の問題につきましては、過去の最高裁判例の考え方などに反しまして、司法がそのチェック機能を越えて国会議員の活動を過度に制約するということとなりますので、三権分立の趣旨に反するということで、これは認めることはできないというように思っております。 しかし、そういうことを越えて、先ほど申しました、この患者、元患者に対するいろいろな苦痛を与えたということについて、我々としては大きな反省をしなければいけないし、そのためにそれを越えた判断をしたということで御理解をいただきたいと思っております。
○照屋寛徳君 御承知のように、五月十一日に熊本地裁の判決がございました。昨日が、政府の意思として控訴をしない、こういう意思表明であったわけですね。 私は、熊本地裁の一審判決で、らい予防法の違憲性、そしてらい予防法に基づいて政府がとってきた隔離政策、その違法性については厚生省の責任が問われたわけであります。そして、一審判決によりますと、少なくとも一九六五年以降、この違憲な法律であるらい予防法を廃止しなかった国会の立法不作為の責任も厳しく追及をされたわけであります。 このハンセン病の患者、元患者の皆さんに対するいわれなき人権侵害の数々については、もう私以上に官房長官の方が御理解は深いものだと思いますが、堕胎を強要されるとか中絶、それから断種を強いられるとか、さまざまな人権侵害があったわけですね。それから、強制労働をやらされるとか。そういう中で、私は決してハンセン病の患者、元患者の皆さんに対する問題というのは、もうらい予防法が廃止をされて終わってしまった、既に過去の問題ではなくして、むしろいまだ未解決の問題だというふうな視点に立って、これから政府も、それから私たち立法府に身を置いている者も真剣に取り組んでいく必要があるだろうというふうに思っておるわけであります。 五月十一日の判決後、さまざまな動きがございました。一時期は控訴して和解をするんではないか、こういうこともマスコミを通して我々に漏れ伝わってまいりました。私も、予算委員会では、断念をすべきであるということに基づいて、控訴した上で和解をするというのは、何かしら責任を感じないで、そして金は払うが責任はとりませんよ、こういうことになりかねないということを強く申し上げたわけであります。 それで、五月十一日の判決後、控訴断念に至るまで、政府としてどのような一審判決に対する検討作業あるいは各関連省庁間の調整作業、さらにまた総理大臣の、小泉総理の断念に至る意思形成がつくられていったのか。そこら辺、差し支えない範囲でお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 五月十一日の熊本地方裁判所で判決が言い渡されました。これは国側にとっては大変厳しい判決だったというように受けとめております。 その後、厚生労働省、法務省において判決内容及び判決への対応というものが検討されて、適宜関係省庁間でも協議が行われてまいりました。また、これらの検討、協議に当たりましては、患者や元患者の皆さんの今までの苦労、苦痛を踏まえまして、どのようにこの判決を生かしていくかということに心を用いてまいったと承知いたしております。 また、原告団の御要望がございまして、五月十四日には厚生労働大臣が、十七日には法務大臣が、また昨日は総理大臣が原告団の代表の方々とお会いをいたしております。そして、その都度、いろいろな患者、元患者の皆様方の今まで受けた苦痛に対する実情の御披瀝があり、なおかつ政府に対して今後どういうふうにしていってほしいかという希望も述べられたというふうに私承知いたしております。最終的には昨晩、私と法務大臣、厚生労働大臣が総理大臣と協議をいたしまして、この問題の早期かつ全面的な解決を図るために控訴を行わない、こういうことを決定いたしたわけでございます。 今、委員御指摘ございましたけれども、この検討過程においていろんな意見があったこと、これは事実でございます。その中には、やはり控訴すべきである、こういう意見も強くあったことも事実でございます。しかし、そういうことについて一昨日の夕方、関係省庁の局長クラスの方々が集まりまして合同会議をいたしました。その時点において、この問題を最終的にどういうふうにしようかという扱い方を討議いたしました。 そして、翌朝、厚生労働大臣、そして法務大臣、私と三人で協議をいたしまして、これは控訴しない方向で検討しよう、こういうことを三大臣の打ち合わせでもって決めまして、直ちに小泉総理にそのようなことで御指示を仰ぎにまいりまして、小泉総理の最終的な判断を得た上で、しないということで事務手続を進めていった、こういう経過でございます。
○照屋寛徳君 控訴するか否かについて、国としての態度を決めるに当たって、予算委員会で問題になりましたが、衆参両院の国会の意思、上訴の要否に関する意思の確認が求められておったわけですね。私の知る限りでは、衆参両院とも明確な回答はいまだなしていないのではないかというふうに思います。 これは国会の立法不作為も問われたわけでありますから、私は国会がみずから何らかの決議をして、そこはきちんと答えるべきだというふうに思いますが、この控訴断念に至るまでの検討作業の中で国会の意思確認はどうなされたのか。あるいはまた、予算委員会でも問題になりましたが、法務省としては厚生労働省には文書でもって上訴の要否とその理由についての回答を求めたと、こういうことでありましたが、そこら辺は官房長官を含めて厚生労働大臣、法務大臣、御協議の場で、厚生労働省としてはこうしたいんだという明確な文書もしくは口頭による回答があったのか。先ほど申し上げました国会の意思の確認は両院の事務総長なり議長なりにこの間に何らかの形で手続をとられたのかどうか。事実関係でございますが、お教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今回の件につきましては、先ほど委員から御紹介ありましたように、御党からも御注文ございました。各党からそれぞれ御意見をいただきました。そういう御意見については、それをよく受けとめ、重く受けとめなければいけないという、その基本的な考え方、これは十分持った上で対処したというように思っております。 国会におきましても、野党各党から控訴を断念するよう議長に申し入れがありました。また、衆参各院の議院運営委員会において国会決議においての協議、議論が行われていたというようなことも承知いたしております。 今回、控訴の判断は、このような国会の動きも含め、さまざまな角度から幅広い検討をした上でのものでございます。
○照屋寛徳君 先ほど沖縄愛楽園、宮古南静園の話をしましたけれども、沖縄からの原告は入所者が三百七十九名、退所者が百五十九名、合計五百三十八名だということを弁護団からお教えをいただきました。政府の控訴断念によって、これから患者、元患者の皆さん、あるいは退所者の皆さんに対する救済策、損失補償がなされるんでしょうけれども、私はもう一点、これは厚生省にお伺いいたしますが、沖縄は離島県、島嶼県であります。その上に、ハンセン病の患者、元患者に対する処遇、これは復帰後は全く同一でありますけれども、復帰前は日本の施政権が及ばなかった。しかし、さりとて基本的には私は変わらない、隔離政策であったことは間違いないだろうと、こういうふうに思っております。 ところで、現在でも、愛楽園、南静園の入所者の数等に照らして配置されている医療スタッフが本土の他の療養所に比べると非常に劣悪であるということが再三入所者の皆さんから指摘をされて、その改善が厚生省に求められております。毎年毎年私の方にも要請書が来て、そういうふうな話題になるわけでありますが、一体その実態はどうなっているのか。私は、改善すべきであれば、もう高齢化をして、そして後遺症が残って、合併症があって、今現に入所をしている皆さんが適切な医療を求めておるわけでありますから、本土の他の療養所と同じような医師を含む医療スタッフの配置、人員配置をやるべきだと思いますが、実態と、それから改善の方向性についてお教えをいただきたいと思います。
○政府参考人(伍藤忠春君) お尋ねのありましたハンセン病の療養所の職員配置の件でございますが、医師それから看護婦、介護職員と三種の職員がそれぞれ配置をされておりますが、私ども直近では、平成六年に各療養所に入所されております患者の方々の要介護度といいますか、介護を要する程度の軽重を個別に判断いたしまして、それを積み上げて必要なスタッフは何名かという計画をつくりまして、それに向けて全国の施設の増員を図っていくというようなことで取り組んでまいりました。 単純に入所者百人当たり幾らという数字で見ますと、確かに施設によっていろいろばらつきがございますが、それぞれ入所されている方々の実態に応じた配置をしようということで、そのような計画で進めているわけでございます。 医師につきましては、沖縄の二つの園も全国とほぼ同じ配置になっております。御指摘のように、看護の職員それから介護の職員につきましては、そういう要介護度といったものから比べますと、そういうものを反映した目標に達するように今増員をしておりますが、単純な入所者数当たりの配置数ということでは、沖縄のスタッフの数は全国よりも若干低い水準になっておることは事実のとおりでございます。 ただ、そういった事情で配置をしておりますので、これはまた改めて現時点での中に入られております方々の実態をよく見きわめて適切に必要な増員を図っていきたいというふうに思っております。
○照屋寛徳君 医師や介護、看護に当たる職員が他の療養所に比べて少ない、こういうことでありますから、ぜひ改善をすると、こういう私は約束をしていただきたいなと。沖縄のように、島嶼県、離島県でしょう。国の責任で介護や看護や医師のスタッフなどを確保しないと困るわけですよね。どうでしょうか、その決意のほどは。
○政府参考人(伍藤忠春君) 基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございますので、実態をよくもう一回、再度点検をしたいと思います。 実情を申し上げますと、国立の療養所でありますから、国家公務員の定員の厳しい枠内で、現在全国に十三の療養所がございますが、毎年、ネットで九名ずつの職員の増員をしてきております。これを全国の療養所にバランスを見ながら配置していくということで、そういった制限のある枠内の話ではございますが、御要望のありました沖縄の実態をよく見きわめて私どもなりに努力をしていきたいというふうに思っております。
○照屋寛徳君 今度の熊本地裁の判決では、第一次の原告に対する判決で、沖縄からは三名しか原告団はおりませんでした。慰謝料の評価については四段階評価で、一番低い八百万円が沖縄の原告に認容された額であります。 その理由の大筋は、要するに入所期間の評価でありますが、復帰前は評価されていないんですね、判決では。これは立証が尽くされたかどうかという書証技術上の問題かもしれませんが、私は、基本的には復帰前の隔離政策、これは何ら変わらなかったというふうに思っておりますし、むしろアメリカの施政権下にあったがゆえになかなか本土の療養所に移れない、それから進学しようにもパスポートが要りますから、検疫が要りますから、それはばれたらえらいことですから、密航をして他の園に移ったとか、あるいは他の園に転園をして高等学校へ進学したとか、そういうケースがあるわけですから、悲惨なケースがあるわけですからね。一体厚生省は、復帰前沖縄におけるハンセン病患者、元患者に対する処遇についてはどういうふうな理解をしておられるんでしょうか。お聞かせください。
○政府参考人(伍藤忠春君) 今御説明ございましたように、今回の判決でも、昭和四十七年の復帰前の期間の処遇につきましては、実態が明確でないというようなことから、判決で示した認容額の基礎に入っていないわけでございます。 実情を申し上げますと、戦後、昭和二十八年に新しいらい予防法が本土では制定されましたが、沖縄におきましては占領後ずっと戦前の旧らい予防法がそのまま当然のことながら適用されておったわけでございます。昭和三十六年にはそれを改めて、沖縄独自に、琉球政府のもとで本土とは異なるハンセン氏病予防法というものを策定して、それに基づいて措置を行ってきたというふうに理解しております。 このハンセン氏病予防法は、本土で適用されてまいりましたらい予防法とは異なる、入った方々が退所することができるという規定、あるいは退院することができる、そういった規定がありますし、それから在宅治療といったようなものもその法律の中に規定をされておったようでございます。 そういったことから、適用されていた法体系も四十七年までは本土と異なるということでございますし、それから人権侵害といったような面での処遇の実態が必ずしも明らかでないということで、今回の判決は、四十七年以前の沖縄の患者さんについてはこの認容額の算定の対象外というふうに判断をしたものと考えておりますが、私どもは、施政権が及んでいない期間の者にどういう処遇が行われてきたかということにつきましては、率直に申しまして、必ずしもつまびらかに掌握はしておりません。
○照屋寛徳君 旧琉球政府時代にハンセン氏病予防法ですか、その法律ができたということは私も承知をしておりますが、今回の慰謝料の算定というのはこれは立証上の問題ですから、ぜひ、復帰前のことは厚生省は、わしは知らぬ、私どもは全然関知しないということじゃなくして、やはり復帰前とはいえ、それは日本の法律、憲法は及ばなかったかもしれませんけれども、日本国民であることは間違いないわけですから、ここら辺もこれからの、控訴断念を受けて、さあ名誉回復だ、新しい損失補償だというときには十分調査を尽くされて私はきちんと対応できるようにしていただきたいということを御要望申し上げておきたいというふうに思っております。 大急ぎで、官房長官、例の沖縄総合事務局の元事務局長の出張に絡む便宜供与問題、この現段階における調査の経緯と結果について簡潔にお教えいただければありがたい。
○国務大臣(福田康夫君) 旧沖縄開発庁の沖縄総合事務局元幹部の出張に関する問題でございますけれども、これまで二度、本人への事実確認、航空会社からの聞き取りなどを行いました。 その結果、航空会社がサービスとして県内各方面に配付しております割引券を利用していたこと、また出張に当たりまして割引券を利用していることを本人が認識していたと、こういう事実が判明しております。現在、その利用の頻度、回数等についてなお調査を行っているところでございます。 この割引券については、元幹部としての地位を利用したり、職権とのかかわりで入手したものではありません。しかし、今後、さらにその事実関係の確認を進める中で、厳正、適正に対応していきたいと、このように思っております。
○照屋寛徳君 マスコミで報じられている元幹部お一人だけの調査でしょうか。それとも、さかのぼってというか、その以前の総合事務局長と幹部についてもお調べになっているんでしょうか。その点だけ。
○国務大臣(福田康夫君) これは、この元幹部だけのことなのかどうかという観点から、またその年だけであるかどうかということを含めて今調査をしているところでございます。
○照屋寛徳君 それでは、国家公安委員長にお伺いをいたします。 神奈川県警の不祥事に始まって、もう国会でいろいろと議論を尽くしてまいりました。警察刷新会議ができて、そして法改正をやって、さあもうこれで警察に対する国民の信頼を回復してうまくいくのかなと思ったら、またぞろというか、いろんな警察の不祥事が最近多発をしているわけで、大変残念に思う次第でございます。 中でも栃木県警の不祥事の問題、これの事実関係、今明らかになっている、公に公表できる部分でお教えをいただきたいと思います。
○政府参考人(石川重明君) 事実関係でございますので私から御答弁申し上げます。 今の栃木県警における不祥事、これは交通違反のいわゆるもみ消しにかかわることだというふうに存じますけれども、これにつきましては、ことしの一月の中旬に、宇都宮中央警察署の交通課長が女性の飲酒運転の違反切符を没にしたと、こういう内容の匿名の投書がございまして、それを端緒に事案の解明に入ったわけでございます。 その結果、平成十一年の四月ごろ、宇都宮市内において宇都宮中央署の署員が検挙した、交通安全活動のこれは協力者の方だったようでございますが、による酒気帯び運転について、違反者が別の交通安全活動の協力者を通じて、その取り扱いについて特別な配慮をしてもらいたいという依頼を当時の喜連川警察署長に働きかけたと。これに対しまして、同署長がこれを元部下であった当時の宇都宮中央警察署の交通第一課長に何とかならないかといったような依頼をいたしまして、それを受けてこの課長が、関係する交通切符等の一式を隠匿したほか、一年後にこれを廃棄したということで、事件の送致を不能ならしめたと、こういうものでございまして、五月二十一日、これを犯人隠避、公用文書毀棄罪として立件をいたしまして、検察庁に送致をするとともに、関係の警察官につきまして停職三カ月の懲戒処分を行ったところでございます。 なお、この二名につきましてはその後依願退職をしておると、こういう経緯になっておるところでございます。
○照屋寛徳君 それでは次に、奈良県警の問題でありますが、私は三月二十二日の当内閣委員会でもこの問題についてお聞きをいたしました。奈良県警と奈良佐川急便株式会社との関係であります。奈良佐川急便から県警の幹部がわいろをもらっておったのではないかという事件でございまして、それについて、たしか、一人は懲戒免職、一人は停職六カ月でしたか、しかも強制捜査はやらないで書類送検をしたと、こういう事件でございました。 ところが、その後に、その渦中の元警視が焼身自殺を図るとか、それから贈賄側の経理担当の女性社員が自殺をするとか、大変な事態になったわけですね。このあたりは、私の質問後、奈良県警の問題というのはどういうふうに捜査を進められてきたんでしょうか。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 奈良県警では、三月十五日に元交通企画課長及び元暴力団対策課の意見聴取官らを贈収賄容疑で検察庁に書類送致した後も、検察庁と共同いたしまして厳正な捜査を進めてきたところでありますが、再度捜索を行う必要があるとの判断に至りまして、四月十八日、検察庁と共同で捜索を実施し、現在も捜査を継続しているところであります。 また、これらの捜査の過程で贈賄側の元奈良佐川急便株式会社副社長らが裏金づくりのために金融機関に奈良県警察官名義の預金口座を設けて通帳等を詐取した事件が判明したために、四月十七日に元副社長ら二名を逮捕するとともに、翌十八日に検察庁と共同で関係先の捜索を実施したところであり、元副社長ら二名は五月八日に起訴されているという状況にあります。 さらに、五月十五日には通帳の詐欺等で起訴された二名のうち、元奈良佐川急便株式会社副社長を社員の厚生年金脱退一時金の詐欺等の容疑で再逮捕するとともに、もう一名の奈良佐川急便関連会社社長ほか一名を別の関連会社役員の辞任届を偽造し、その旨の登記をした公正証書不実記載等の容疑で逮捕して現在捜査中であります。 四月十八日の捜索当日、元交通企画課長が死亡したことは残念なことでありますが、警察庁といたしましては、今後とも奈良県警において国民の信頼を得るべく、検察庁と共同して厳正な捜査を進めるよう指導してまいりたいと考えております。
○照屋寛徳君 当初の奈良県警の捜査について、身内をかばっているんじゃないか、甘いのではないかという批判がございました、世論として。私もそれを申し上げたんですが、その批判を浴びて奈良地検が強制捜査に乗り出した当日にこの元警視が自殺をするという大変不可解な新たな事件に発展をしたわけであります。 要は、私はこの事件から何を警察が教訓とし、そして国民の信頼を回復するかということでありますが、一つは奈良県警の問題にしても、いわゆる県警のOBというんでしょうかね、それが民間会社に天下って、その会社との関係が今度の事件の背景にあるわけですね。 前にも警視庁の犯歴データが調査会社に漏えいをする、その調査会社の役員は警察のOBであった、こういうことがありましたね。大変ショッキングな事件がありました。 そうすると、OBとの密接な関係、これが現職警察官の不正の呼び水になっているのではないか、こういうふうなことも私は言えなくないと思います。そういう根本的なところにメスを入れないと、同じように現職警察官とかつての同僚であるOBとの、天下った民間会社とのこういう不正な関係が出てくるんじゃないかと思いますので、そこら辺はしっかりした対応をとらないと、私は警察の信頼回復はおぼつかない、こういうように思っておりますので、ぜひしっかりした対策をとってください。 最後に、最近いわゆる出会い系サイトに絡む凶悪事件が発生をしておりまして、これは今後情報通信社会がますます進行するに従ってふえてくるんじゃないかと思われますが、この出会い系サイトに絡む事件がどういう数で発生をしておるのか。また、その対策、そのまま手をこまねいていいのか、何らかの方策を講ずるべきじゃないかと思いますが、後段の部分については大臣に所見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(黒澤正和君) いわゆる出会い系サイトに関するお尋ねでございますけれども、インターネットの爆発的な普及に伴いまして、インターネットを利用いたしました各種犯罪も急増傾向にございますが、最近ではインターネット上で異性間の出会いの場を提供するいわゆる出会い系サイトに関係をいたしまして、殺人でありますとか、強姦でありますとか、それから児童買春、こういった事件が発生をいたしておるところでございます。 平成十三年一月から四月までの間でございますが、警察庁に報告がございましたものといたしまして、児童買春、児童ポルノ禁止法違反事件につきましては十三件、それから殺人、未遂事件を含めてでございますけれども四件、うち少年が被疑者となりましたものが二件、把握をしてございます。 こういった現状にあるところでございますけれども、私どもは、インターネットを利用した犯罪につきましては今後とも取り締まりを強化いたしますとともに、インターネットの利用に関して犯罪防止のための注意喚起を促す広報啓発等を推進してきているところでございますが、この出会い系サイトのようなサービスにつきましてもこうした点に留意して利用されることが望まれるところでございまして、広報啓発等を一層推進してまいりたいと考えておるところでございます。 また、こうした出会い系サイトに関係しました事件検挙の実態の推移というものを注意深く見守りつつ、適切な手だてが考えられるのかどうか、私ども、種々の角度から検討いたしたいと存じます。
○国務大臣(村井仁君) ただいまいろいろ不祥事案につきましてお尋ねがございました。本当に私も残念なことだと思っておりますが、ただ私は就任時の記者会見でもちょっと申したことでございますけれども、やはりほとんど大部分の警察官は本当に一生懸命まじめにやっているわけでございまして、日夜分かたず、また寒暑をいとわず頑張っているわけでございまして、その諸君がこのような一部の不祥事のゆえに士気を阻喪するようなことがあってはならない。 また、彼らが頑張っていかなければならない治安状況の一般的な悪化と申しましょうか、これもまた事実あるわけでございまして、今、委員御指摘の新しいタイプのものも出てまいってきているわけでございまして、これにもきちんと対応していくためには、一方で一線警察官の士気を損なわないような対応も私どもしていかなきゃいけない。監察などもしっかりやりますけれども、一方でこれを褒めるといっては何でございますが、まじめにやっている人たちを勇気づける、そういうこともかたがた必要だろうと思っております。 各都道府県公安委員会ともよく連携を保ちまして、私としましても、委員ただいま御指摘のようなポイントを押さえまして、努力をしてまいりたいと思っております。
○照屋寛徳君 終わります。
○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。 最初に、男女共同参画基本計画についてお尋ねしたいと思います。 この計画が決定されまして、基本的方向そして具体的な施策が示されて半年が過ぎようとしています。今後、この共同参画と男女平等を願う女性たちの期待というのは非常に大きいものですから、この内容について注目すべき施策の一点をきょうはお聞きしたいと思うんですけれども、全体としては私は現行の法制度の範囲内にとどまっているのではないかなと思っていますけれども、その改善は今後の大きな課題であると思いますが、その一つに雇用の場での差別、男女の賃金格差の解消に向けた取り組みがとても大事だなと思っているんです。その点についてお尋ねしたいと思います。 今、女性の賃金の平均が男性の五一・七%なんですよね。これはパート労働者もここに入っています。だから、半分なんですよね。ですから、私は国際的に見てもこの日本の男女の賃金格差というのはもう際立ってひどいと。その是正は、私、今本当に切実だと思うんです。特に女性のパートですね。女性のパート労働者はさらに低くて、さっき五一・七%と言いましたけれども、三割になっている。低いということですね。だから、今本当に改善が強く求められているという認識をまず持っていただきたいと思うんですが。 今パート労働者というのは一千万人いらっしゃるんですが、そのうちの女性は約七割なんです。女性パート労働者は、女性であるための差別と、そしてパート労働者としての賃金とか諸権利での差別という二重の差別を受けていると思います。 ですから私は、この男女共同参画基本計画の女性パート労働者の問題の位置づけといいますか、この点について、うたわれてはいるんですけれども、この内容たるや、独立した人格を持つ労働者にふさわしい賃金、待遇を保障する方向が示されていない。女性パート労働者の雇用を安定させる方向が示されていない。そういう点について、まず参画会議議長であります官房長官の見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(福田康夫君) 今御指摘ありましたように、パートタイマーは一千万人という大変大きな数字でございます。また、そういう中で女性の占める割合が圧倒的に多いということでございます。その賃金も、男性と比べて相当な差があるということでございます。 これは私も問題ではあると思っております。できればその差が縮まるようにと、こう思っております。しかし、現実的には少しずつでも改善はされているということではあります。ですから、この改善のテンポが速まってくれればというように思います。 しかし、このパートタイムをされる方々の中には、その雇用条件について、みずから望んでパートタイムがいいというような、そういう方も多くいらっしゃるということ。そういう方々は時としては、賃金が高ければいいけれども、しかしそうでなくてもいいんだというようにみずから割り切っていらっしゃる方もおられるということも事実だろうというふうに私は思いますので、こういう雇用の環境もあわせ考えなければいけないだろうというように思っております。 そういうことも勘案しながら、少しでも女性の立場が、また雇用の条件が改善されるように私どもも力を尽くしてまいりたいと、こう思っておるところでございます。
○大沢辰美君 この問題の解消の私たち見通しを持ってこの参画会議の中の大きな重要な位置づけとしてやっていただきたいというお願いの一つなんですが、いま一つ突っ込んで、これまでの午前中の質問でもありましたけれども、男女共同参画会議の中に専門調査会が五つ設けられましたですね。その中に仕事と子育ての両立支援策というのが位置づけられていますから、そこにもこのパート女性労働者の問題も入ると思います。 だけれども、そこがやはり仕事の確保とか、一応一般的な項目になっているわけですね。だから、そのパート労働者の賃金の確保、今、官房長官が、好んでその職についていらっしゃる方もいらっしゃるという、だんだんと改善されている部分もあるということを言われましたけれども、実態は、本当に正職員になりたいけれどもなれないという実態の方が一番多いと思うんですけれども、私はそういう調査をきちっとやって、そしてこの問題の解決のために女性、特にパート労働者が人間らしく働ける雇用と賃金を確保することが求められると思うんですが、専門調査会が現在五つございますけれども、この点について、私はぜひこの女性パート労働者の専門調査会を立ち上げて、具体的な施策を提言していただきたいと思いますが、局長いらっしゃっておりますので、局長からも一言お願いします。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 今、専門調査会五つ設けて御審議いただいておりますが、その中の苦情処理・監視専門調査会は、男女共同参画基本計画の推進状況を監視するという機能を持っております。 それで、基本計画の中では「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」という項目がございまして、その中で、「多様な就業ニーズを踏まえた就業環境の整備」ということで、「パートタイム労働者に対する通常の労働者との均衡等を考慮した適正な労働条件の確保及び雇用管理の改善、在宅就業等の健全な発展のための施策等を推進する。」とうたっておりますので、これが着実に実行されますように監視専門調査会で御審議いただきたいと思っております。
○大沢辰美君 私は、調査はこの五つの中の一つで処理できる、解決の方向が見出せるという今の御答弁だったと思うんですが、本当にそういう一般的な問題じゃなくて、これを解消するためには私は法律も、やっぱりパート労働法を変えないといけないところまでいくんじゃないかと思うんですけれども、パート労働法を見ておりますと、三十一条に雇用管理の改善の調査研究もうたわれているわけですね。 ですから、この共同参画会議がこういう調査会を立ち上げて具体的なそれぞれの分野でやられていることは私はこれは本当にすばらしいことだと思います。ですから、その項目の一つじゃなくて、女性パート労働者の問題、この賃金格差の問題を解消するという立場での専門調査会が今求められているんじゃないかなと思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) 専門調査会を新たにと、こういうお話でございますけれども、今現在、共同参画基本計画の中で、御案内のとおり「パートタイム労働対策の総合的な推進」という項目がございます。この中では、雇用管理の改善とか労働条件の明示の徹底とか雇用の安定、能力開発といったような多岐にわたる施策の推進というものを考えておるわけでございますので、この分野と、先ほど坂東局長から申し上げましたような苦情処理・監視専門調査会といったようなものを有機的に組み合わせてやっていけるのではないかなと思っておりますけれども、行く行くまた検討させていただきたいと思っています。
○大沢辰美君 ぜひ、今出発している専門調査会があるわけですから、そこでももちろん取り扱っていただきたいのですけれども、根本的な解決ということを私たち望んでおりますので、今、官房長官がおっしゃったように、応じて適宜判断をしていきたいということを期待いたしまして、この問題については提言を申し上げて終わらせていただきます。 次に、具体的な問題でお尋ねしたいと思います。特に、パート労働と関係があるんですけれども、母子世帯の方の就労、就学、その自立支援の対策についてお伺いしたいと思います。 せんだって、十年度に母子世帯の調査が行われておりましたね。その数字を見てみますと、九十五万四千九百世帯ありますと。五年前の調査より二一%増加しているというわけですね。ですから、この点から私は推測いたしますと、現在もう百万世帯に及んでいるのではないかと、そういうふうに私は思いました。 その母子世帯の方の就労状況を見てみましたら、常勤で働いている方は四〇・四%、そしてパート労働の方も同じように三九・二%なんですよね。ですから、本当に賃金は低い低い、母子世帯の平均年収は二百二十九万円。これは人数にして母子で三・一六人分だそうですけれども、平均で。ですからこのことは、今一般世帯の方の約三一%の賃金になるわけですね。だから、本当にお母さんたちは子供の育児と教育と、それから生活維持のための仕事と、両面を一人の母親で、もちろん母子家庭ですから、もう覆いかぶさっているわけですね。一生懸命頑張っている。 この母子家庭に対する諸施策は、確かに今まで貸し付けの制度だとか職業訓練だとか、できるだけ自立するように支援策が数多くつくられておりますけれども、その中で、就労、就学、自立支援には大体どんな施策がありますか、まずお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(坂東眞理子君) お答えいたします。 男女共同参画基本計画の中では「ひとり親家庭の親等の就労と子育てへの支援」という項目を立てておりまして、母子家庭の母等の生活の安定と自立の促進を図るため、職業相談指導の実施、職業訓練、職場適応訓練の実施、母子家庭の母等を雇用する事業主に対する賃金の助成などの就業援助対策を推進するといったような施策を推進することとしております。
○大沢辰美君 確かにそういう制度もたくさんありますし、貸付制度も一覧表で見ましたら相当項目が出されていますし、今までもされています。 そういう中で、私はもう少し突っ込んだ自立支援を求めたいと思うんですが、今、母子家庭のお母さんが専門的な知識とすぐれた技能と技術を研修して、収入が確保されたら、やっぱり雇用が安定しますし経済的自立ができるわけですね。また、健全な生活環境を築くことができたらおのずから子供たちにふさわしい子育ても教育環境も整ってくると思うんです。 そこで、二点具体的にお聞きしたいと思います。 その一つは、資料1を見てくださいますか。ちょっと説明だけではわかりにくいと思いましたので、資料を配らせていただきました。この資料1の母子家庭のお母さん方の経済的自立のための職業訓練委託校創設の問題なんです。 今、不況の中で建設業界は確かに大変なんですけれども、すぐれた技能者を求めております。女性も対等に働ける環境も今整いつつあるところがあります。 兵庫県に建設機械工事事業協同組合、これは元請、下請、孫請、第五次ですね、本当に下の下の五次の下請業者などで組織している組合があるんです。この組合が母子家庭のお母さん方のために職業の訓練委託校をつくって、建設機械運転の技能や技術を身につけたお母さんをその協同組合参加の企業が積極的に責任を持って雇用するという計画を立てたんですよね。それを立ち上げたいということで準備しているんです。建設機械工事事業協同組合参加の社長さんといったって小さな小さな社長さんなんですけれども、みずからが保有する技能と技術、経験を活用して、お母さん方の技能、技術取得を支援しようと考えたわけなんです。 このお母さんたちの経済的自立を裏づけを持って支援するためにはいろんなことを熟知していないといけないし、計画も必要なわけです。それで、その計画も立てました。その企業の採用人員の計画、それから企業が求めている訓練内容、そして採用後の社内の教育内容なんかも含めて準備をされました。いわゆる職業訓練の概要についても、できるだけマンパワー的に教育をしたいということで年間三十人ぐらいをやろう、三カ月ぐらいで一人の人を育てていこうと。いわゆるオペレーターとしての自立をさせていきたいというのが願いなんですけれども、お母さんたちをいかにして優秀な技能、技術者に育てるか、育つか。今まで母子家庭の立場に立って考えたシステム的な教育訓練制度、こういう職場での機械を扱うようなそういう手法はなかったんですね。 ここで、私、全国的には初めてじゃないかなという思いをしているんですけれども、当建設機械工事事業協同組合は母子家庭の皆さん方の経済的自立を支援するためのそういう訓練システムの研究をずっとしてきたんですね。もう二十五年になります。今、制度であれば数日間の訓練でそういう重機なんかの運転を訓練して修了書を渡したらそれでしまいということになっているけれども、女性の場合はそういう形では済まない、とても危険だからやっぱりしっかりとしたオペレーターとして訓練教育をしてやりたいと。そのためには最低三カ月かかるというのがこの方針の大きな内容なんです。 だけれども、これを実施するには講師の経費や機械の費用や訓練期間中の受講されるお母さんの生活費の問題など、とても大変な問題を克服しなかったら実施できないわけです。そこで、公的職業訓練制度に何とか組み込めないかと研究して、県にも要請したりいろいろと対策を練ってみたんですが、今そこに到達していません。 私は、こういう人たちの、お母さんたちが技能を身につけて自立していくための支援として、こういう公共の職業訓練の委託校としてお母さんたちの職業訓練の道を支援する、その可能性がないかということをまずお聞きしたいんですが、厚生労働省でしょうか、お伺いします。
○政府参考人(青木豊君) 御指摘のような公共訓練の委託でございますが、これは地域の事業主団体が行う職業訓練については、その民間機関が離職者、職のない方々を幅広く対象として職業訓練を実施するというもので、その訓練内容あるいは実施体制が適切であるものにつきましては、必要に応じまして雇用・能力開発機構、公共訓練を行っておりますが、ここと、あるいは都道府県、ここも公共職業訓練を行っていますが、ここの各公共職業能力開発施設から職業訓練の委託を行うことができるというものがございます。 これにつきましては、個々のそれらの施設においてそういった精査をいたしまして委託契約を結ぶということになっております。
○大沢辰美君 公共の職業訓練所、ですから離職者の人たちにまた必要に応じてやられているということですけれども、委託をする施設があればやっているということですが、この場合はどうなんでしょうか、可能性はありますか、今説明いたしました。
○政府参考人(青木豊君) 母子家庭の母を含めまして、公共職業安定所に求職の申し込みをいたしまして、就職に当たって職業能力開発が必要だというふうに判断される方につきましては無料で職業訓練の受講の機会を提供するということで、いろいろな応援措置をやっているわけです。公共訓練についてもそういう意味で委託を今申し上げましたようなことでやっているわけでありますが、今申し上げましたように、そういった離職者等を幅広く対象として職業訓練を実施し、その訓練内容あるいは実施体制、そういったものを個々に適切かどうかを訓練施設が精査をいたしましてするということになりますので、それぞれそういった個々のケースにつきましては、当該地域のそういった雇用・能力開発機構の施設あるいは都道府県の施設と御相談をいただくということだろうと思っております。
○大沢辰美君 今まで相談をして、本当になかなか対応されない、職業訓練委託校としては条件が満たされていないということで、結局公共と認定の訓練所しかだめだということを言われてきたわけです。でも、私は考えてみましたら、本当にお母さんたちが技術を身につけてこういう仕事をやりたいと、そういう道も開けることはとても望ましいことだと思うんですよね。 そういう点で、こういう職業訓練委託校という形を、道を今探求しているところだから、私は国は公共と認定だけではだめだというんじゃなくて、やっぱりこういう本当に受注工事単価がもう元請からいったら五〇%程度の受注単価に減らされる第五次の下請の企業の体力ではやっていけない、認定職業訓練所なんかはやっていけないわけですから、そういう人たちのための研究ですか、これからの検討の一つとしてぜひ考えていただける一つの、私はきょうは母子家庭の経済的自立に絞って質問をさせていただいたわけですけれども、こういう道をやっぱり探求していくことが、母子家庭で頑張っている人たちがこれからの、働く場合も、そして子育ての上でも、また子供に教育を与える上でも、一定の給料が確保できますから、そういう点では、大変だけれども、えらいけれども、その道を選びたいという人たちが今ふえている。生コンの労働者にもなっています。そして、大型ダンプカーの運転手にもなっている女性がふえています。 そういう中で母子家庭の方がたくさんいらっしゃるということを聞いて、私はきょうここで取り上げさせていただいたんですけれども、官房長官、どうでしょうか、こういう問題があるんですよ。本当に母子家庭の経済的自立を進める関係者の熱意を国がどう支援していけるのか。やはり今ここでやりますとかそういうことを私は求めているんじゃなくて、本当にすばらしい提案ではないかと思うんですが、いかがお感じですか。
○政府参考人(青木豊君) ちょっと御説明が不足していたかと思うんですが、先ほど申し上げましたように、幅広く、離職された方々にそういう能力が必要だということで、一定の職種なりを限ってでもいいんですが、そういうことで訓練をやるということであればいいわけですが、母子家庭の方に限って、ほかの人はもう入れないんだということでありますと、無料で公共訓練をやるということからはちょっといかがかということで、当該地域で実質的にはいろいろな方が入ってくるかと思いますが、広くその地域の離職者の方々に対して門戸を広げるといいますか、というような形で公共訓練の委託というのは行っているというのが現状でございます。
○大沢辰美君 私は、決して個々の組合事業、訓練所が母子家庭だけをという、絞っているわけじゃなくて、母子家庭の人たちにもそれをやっていくためにそういう援助は必要だから、認定とか、公共職業訓練所の訓練校として適用してくれないかという要望ですので、もう一度この点についてはこれからの研究課題にしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 それで、二点目の母子家庭の自立支援の問題なんですが、これは今、女性の職業の中に看護婦、そして准看護婦という専門職がございますが、この点についてお尋ねしたいと思います。 御存じのように、准看護婦さんが看護婦になるためには、何種類ものコースがあります。特に、このコースは全日制、昼だけ行く分と、夜間に行く分、定時制があるんですね。この定時制のコースに母子家庭の母親の准看護婦さんが今ふえてきているんです。そういう資格を得るために頑張っている母子家庭のお母さんがいらっしゃる。そういう実態は御存じでしょうか。まず、お聞きします。
○政府参考人(伊藤雅治君) 母子家庭のお母さん方がどの程度看護婦養成所に入っているかにつきましては、詳細については把握しておりません。
○大沢辰美君 そういう点も知っていただいて、この制度というのは大変な学力というんですか、努力が要るわけですが、そういう中でのこの制度についての援助という点で、私は、最近多くの方から相談があったわけなんです。 この四月から、准看護から看護になりたいということで学校に入ったそうです。六歳と八歳の子供を育てながらの専門学校ですから、生活がとても苦しくて、生活保護を受けられないでしょうかという相談がありました。しかし、看護婦の専門学校は短大の資格のような一定の評価がありますから、だめだと言われたわけですね。このお母さんは学校に月火木と行っています。水金土とパートで病院で働いて二人の子供を今育てています。収入は月八万円、児童扶養手当を入れますと約十二万円だそうですが、住宅は六畳と二畳のアパートで、ふろもないところに住んで、学び働いて頑張っています。 母子家庭の生活実態の厳しさ、その中でも、働き学びたいお母さんへの、准看護婦さんの修学支援の拡充を検討できないか。今現在やられている制度も含めてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤雅治君) 現状を申し上げますと、准看護婦の方が看護婦になりますには、進学コース、進学するわけでございますが、定時制の場合は三年、昼間の場合は二年間看護婦養成所に入っていただくわけでございます。 それらの人たちに対する現在の施策といたしまして、各都道府県が修学資金の貸与事業を実施しております。これは年間、総額二十二億程度でございますが、お一人の方に、公立の学校の場合ですと三万二千円、私立の学校の場合ですと三万六千円の修学資金が貸与されております。 そこで、現在、希望者につきましては、学生の約九・六%程度の申し込みがございますが、九%の貸与率でございまして、ほぼ希望者に対してはこの修学資金の貸与事業が需要を満たしていると考えているわけでございます。 そこで、今御指摘の点でございますが、私どもは今後この事業を、学生の実態等を踏まえまして今後も適正に運営しながら、御指摘の点も踏まえて運営していきたいと考えているわけでございます。
○大沢辰美君 今の制度としては、看護職員の確保、そして資質の向上という点で修学資金の制度がずっと続いているわけですが、私は、計算したんですが、このお母さんの親子の場合、生活保護を受けますと約二十二万八千五百八十円になるわけですね、一カ月。だけれども、収入は十二万円しか今現在ない。だけれども、生活保護は受けられないと。そういう本当に大変な状況の中でどうしたらいいかと。今の制度を、まだ借りてはいないんですが、お借りすることになっても解決できないという実態にあるわけです。 私は、本当にこういう頑張っているお母さんたち、特に准看護婦から看護婦という、そういう向上を目指しているお母さんたちに、今までは大体看護学校に行かれていた、独身で頑張ってくださっていたんですが、こういう母子家庭のお母さんが頑張っているということはまたすばらしいことだと思うんです。だけれども、この人たちが、今制度として言われましたけれども、二年間は半分働けるけれども、三年になったらずっと実習に出ないといけませんから働けないんですよね。働くとすれば夜間になるわけです。ですから、子供を育てる母子家庭にとっては大変困難になるわけです。 ですから、この修学資金はこれからも続けていきたいという今御答弁もちろんいただいたわけですけれども、私は、こういうお母さん看護婦の勉強しようとする支援に対する特別なそういう制度が求められてくるのではないかなと。これからやはり准看護から看護になりたいという希望者が統計上も非常にふえておりますので、私は、そういう特別な検討課題もお願いをさせていただいて、このことについては質問を終わりたいと思います。 次に、公務員制度の改革についてお尋ねいたします。特に、難しい事柄なんですが、信賞必罰の人事制度とその給与体系の構築について質問をしたいと思います。 一つは、政府は行政改革大綱を昨年の十二月一日に閣議決定しました。ことしの三月にまとめられた「公務員制度改革の大枠」の中では、「公務員一人一人の意識・行動原理の改革」と題して「信賞必罰の人事制度の確立」を掲げ、その第一番に「能力、業績等が的確に反映される新たな給与体系の構築」を挙げています。大枠の中では、「多くの民間企業では、従業員の能力を基本とした給与制度が構築されており、」と言って、公務員制度改革のモデルを民間企業に求めています。 そこで、民間企業における能力主義、成果主義賃金制度と比較しながら、私は、公務部門にどのような影響が出るかを質問したいと思います。 初めにお断りしておきますけれども、私は、能力や実力に基づいて相応の地位につくとか責任の重い職責につくということは、適材適所の人事政策から見ても当然のことだと思っていますので、その点については誤解のないようにお聞きいただきたいと思います。 きょう私が問題にしたいのは、ある特定の人物が各個人の能力や業績を成果として評価、判定して、賃金、給与に直接結びつける成果主義賃金、この制度と公務部門のあり方についての問題なんです。 そこで、資料2を見ていただきたいと思います。 これは、民間企業における能力主義、成果主義賃金の問題点を挙げてみました、ちょっと説明しただけではわかりにくいと思いましたので。「民間企業にみる成果主義賃金の弊害と問題点」ということで、先日も朝日新聞で書いてありましたので、そこからピックアップしてみました。 この導入の目的は、従業員のやる気を引き出して競争力を強化するために導入していると。制度としては、一定期間、半年間の場合もある、そのごとに従業員一人一人の目標を決めて、その達成度を上司が段階評価して、賞与だとか給与、昇格に反映させるものとなっています。 弊害と問題点について数点だけ、たくさん書いていますけれども、述べたいと思うんですけれども、目標管理と言っているけれどもこれは名ばかりで、実際は上司によるノルマ管理になっている。事業部ごとに目標の利益が与えられて、これを事業部の長が従業員に割り振る、これが各個人の目標となる。やる気のある若手が未知の分野に挑戦したいと思っても、事業部とその長の目標の達成が優先されて、半年間で達成が確実でないものは目標にはならないと。そういう形で、本当にこれすべて申し上げたいんですけれども、時間の関係で述べることができませんが、後でまた読んでいただきたいと思います。 そういう点で、この民間の成果主義賃金の制度が、三月十九日だったと思いますが、朝日新聞に載っておりまして、その例が富士通の例として出ておりました。弊害が本当にはっきりとあらわれているんですね。その方針転換が今言われているんです。 ですから、成果主義の賃金によって失敗を恐れ、挑戦不足という、そういう事態が今大問題だと言われているんですが、大臣はこういう民間企業における動向をどのように認識しておられてこの公務員改革の公務の分野でやられようとしているのか、その点についてまずお尋ねします。
○国務大臣(石原伸晃君) 大沢委員にお答え申し上げます。 冒頭、大沢委員の方で、責任ある地位にある方が成果あるいは責任を問われ、事業をつかさどっていくということは賛成だという力強いお話がございまして、そこの点は全く同じだと思います。 また、拝見させていただきましたこの「民間企業にみる成果主義賃金の弊害」につきましても、今るる書かれておりますけれども、一番目の問題は、上司が非常にだめな上司なんじゃないかというような印象を持たせていただきました。 私どもが今考えております公務員制度は、午前中も御質問ございましたように、やはり二十一世紀の新しい公務員像、すなわちこれまでの横並び意識あるいはコスト意識の欠如、またさまざまなことが民間の側から、あるいは国民の皆様方から指摘されている公務員制度の問題について、当たり前のことでございますけれども、すぐれた能力を示し業績を上げた人が手厚く処遇される、これも当たり前のことでございますけれども、公務員制度の中でよく御批判があります、親方日の丸に代表されますような、つぶれるわけないから組織に安住して職務が怠慢になる、そういうことが見られた場合には厳しく処遇をするという当たり前な原則を公務員制度の中にも導入していきたいと。 また、委員が御指摘されましたように、公務というもの、特に警察とか海上保安庁といったようないわゆる保安業務や、また大臣官房にございます会計あるいは人事、いわゆる組織管理の業務などは成果あるいは業績面で適切に評価されにくい業務であるというような意見もあることも十分承知しておりますが、民間におきましては、私もジャーナリストの出身でございますが、ジャーナリズムの世界でも管理職は年俸給になっているわけでございまして、管理業務のように成績や成果が数字で明確にあらわれないところでも、もう実はさまざまな工夫によって管理部門の人たちも評価されているという実態もあるわけでございますから、こういうものを参考にし、また委員が御指摘いただいた弊害、もう既に民間企業が先行して大きな問題点等がわかっているわけでございますから、こういうことのないように、そしてまた、委員御指摘のとおり、公務の特性に十分配慮して、組織の目標を踏まえた個々人の業務目標を設定して、その困難度や達成度等の評価を行うなどの公正でまた納得性の高い新たな評価システムを具体的にこれから検討してまいりたいと考えているところでございます。 個々人の業務目標を設定する前に、やはりその組織としての目標というものが公務員の場合はあるわけでございます。国家国民に奉仕してこの国をマネジメントしていくという大変重要な職責がどの部局にもあるわけでございますから、その点も十二分考慮して、具体化に向けて検討を続けてまいりたい、こんなふうに考えている次第でございます。
○大沢辰美君 そうすると、民間の仕組みを外的に導入するのではないというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員御指摘のとおり、公務というものと民間とは異なる部分もあるわけでございまして、委員が御指摘いただいたこの弊害というものももう既に民間の方で明らかになっているわけでございますので、こういうことの起こらないように、そして、繰り返しになりますけれども、国家公務員の役目というものは、国家国民に奉仕する、そしてまた国のマネジメントに携わるという大変崇高な組織としての目標があるわけですから、そういう部分も十分に配慮をして、新しい制度を二十一世紀に合った、基本はやはり公務員の方がその場所で生きがい、働きがい、そしてこの国のために働くんだという意識を、高い志を持っていただけるような制度設計を今検討している最中でございますので、御理解を賜ればと存じます。
○大沢辰美君 六月末にという、検討をまとめていくということでございますが、私は、今、資料の三点目もお示ししたいんですが、ちょっと時間の関係上省かせていただいて、今一点だけ述べましたけれども、民間企業で実施されている成果主義賃金、能力主義または業績主義賃金の何がよくて何が公務になじまないのか、そのうち何を取り入れるのか、そして何を取り入れないのか、非常に私たちは、また国民も関心を持って今見守っています。ですから、そういうのはやはり整理をしていただいて、そして私たちのこの委員会にも提出をしていただきたいと思います。 同時に、もう一つ最後にお聞きしたいんですけれども、政府が結論を事実上来月、六月末に出すと言われているわけですけれども、私は、午前中にも質問がありましたけれども、国家公務員法百八条の五にある労働組合、職員団体の交渉権も私は有名無実になってしまうと思いますので、大臣がこの公務員制度改革を進める内閣の責任者として、職員団体、労働組合の意見を本当に十二分に聞き、最大限に配慮する必要性をどのように認識されているか、お尋ねしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 大沢委員にお答え申し上げます。 午前中、同僚でございます簗瀬委員の方から同趣旨の御質問がございましたが、これから節目節目で、公務員の方々が公務員制度改革に不安を持つようなことのないように、私がお会いすることもまたあるでしょうし、またこれまでも事務局の方も頻繁にお会いしていると聞いておりますし、また明日は御党の松本先生とお会いをさせていただくということも考えておりますので、そこの点につきましては、要らぬ心配を起こさないように配慮をして、成案を六月の末を目途にまとめさせていただきたい、こんなふうに考えております。
○大沢辰美君 終わります。
○大森礼子君 公明党の大森礼子です。 まず、これは官房長官に申し上げますが、ハンセン病訴訟、この判決につきまして、控訴を断念したことについて、小泉総理に心からの感謝を申し上げます。こういう表現しかできないのですけれども。 私は一応法律をかじった人間ですから、大体役所側がといいますか、どこら辺を心配するかということもわかるんですね。それから先のいろんな展開とかあると思うんです。ただ、私は法律をかじって法律で仕事をしてきた人間ですけれども、やっぱり法律というものは人間を幸せにしていくのが目的でありまして、その目的にかなう限りにおいて法的安定性というのもあるのだろうと思っておりました。 細かい法律論、細かくないぞとおっしゃるかもしれませんけれども、それよりもやはりハンセン病元患者の方の法の正義というものを求める強い魂、これが勝ったのではないかなというふうには思っております。いずれにしましても、政府がこういう決断をしてくださったことについて心から感謝申し上げます。 本当に、小泉総理、よくしてくださったなと思うんです。何とかこの人気続いてほしいなと思うんですね。これは我々が、公明党が連立の中にいるから、そんなけちな考えじゃございません。要するに、本当に改革が必要だと思う、そして改革をする上ではやはり国民の支持というものが要るわけでありまして、不人気な総理大臣のもとでは絶対改革はできないと思います。そういった意味で、今いいチャンスではないかと思っておりますので、頑張っていただきたいなと思うんです。特に、女性閣僚を五名出したことについて、これは大いに評価しております。 ですから、何とか応援したいと思うのですが、ちょっと不安になることがございます。 午前中の質問の中でも、いわゆる靖国神社の公式参拝の問題が森田委員との間で出ました。私が小泉総理について一つ心配なのは、憲法についてどのようなお考えを持っておられるのかよくわからないところがございます。首相公選制につきましても、あるときには首相公選制、これに限ってまず憲法改正をするんだという発言をなさったと思います。でも、首相公選制というのは議院内閣制のもとですから、憲法の統治に関する規定をめちゃくちゃ変えることになりますので、果たしてそこまで考えられていたのかなという気もするわけです。 一方で、これは政府ではありませんが、自民党の山崎幹事長が、首相公選制と選挙区制度、これを変えるのはこれはセットだとか言って、今度また余計にわからなくなるわけでありますね。それからまた山崎幹事長の方が、集団的自衛権は国会決議でいいかななんて、ちょっと何か全然態度が違うし、またわからないなと。 こういう中で総理が、何で総理大臣が靖国神社の公式参拝をしてはいけないんだと自信を持って言われると、ちょっと大丈夫かなという気がするわけなんですね。午前中の質疑を聞きまして、これでしたら、参議院の憲法調査会で今度は参考人として総理の憲法観をお聞きするという、こういうことも必要なのかなと思ったんです。この靖国神社の問題につきましても、あるいは靖国神社に祭られている戦没者の慰霊をどのように参拝、言葉おかしいですけれども、こういう問題なんだろうと思うんです。 そこで、当然のことながら、総理であれば憲法九十九条、憲法遵守義務ございます、これは確認規定ですけれども。問題となっているのは、憲法二十条三項の宗教的活動に当たるか当たらないかとか、あるいは憲法八十九条の公金支出の関係とか、この憲法との絡みでこれに触れない形でできるかどうかという、この検討がまさに必要なんだと私は思うんですね。 官房長官、素直な気持ちと言うんですけれども、素直な気持ちでも憲法に違反したらいけないわけでありますから、そこのところをやはりきちっとした解釈をしていただきたいと冒頭に申し上げておきます。 それから、次の問題ですが、男女共同参画担当大臣の官房長官と公明党の女性議員の私とが向かい合いますと、出てくるもうテーマは決まっておりまして、選択的夫婦別姓の問題でございます。 予算委員会で民主党の円議員も質問しましたし、それから先ほど小宮山委員の方も質問いたしました。公明党もこれ賛成で、今私は法案づくりをしているところでございます。 それで、これまでの質問の仕方をちょっと変えたいと思うんですけれども、いつも、こういう不利益があるから、官房長官、民法改正を考えたらどうですか、どうですかと言うと、いや、いろんな御意見があるからとかおっしゃいますね。先ほどは愛する夫の姓を名乗りたい人もいるんじゃないかとおっしゃいましたけれども、私を愛しているなら私の姓にしてよと女性が同じように言えないところにまさに問題があるわけでありますね。 しかし、余談ですが、昔、寅さん、テレビで放映していたころ、女房のかわりはいるけれども親のかわりはないんだよと、この言葉を非常に覚えているんですね。それは、夫の姓のかわりはあるけれども、親からもらったこの名前のかわりはないんだよという、こういうこともあるわけでありまして、やっぱりいろんな状況等を考えていただきたい。 これは専門調査会の一つテーマに挙げておりますね。やはり男女共同参画社会を考える上で大きな問題なんだろうと思います、別姓というのは。そこで、私が別姓賛成論者でお願いする立場じゃなくて、普通のおばさんだとしまして、何でこんな別姓、関係あるの、結婚したらだんなの名前を名乗ったらいいじゃないのって、女はそうあるべきだとか、だから別姓考える必要ないと言ったら、担当大臣としてはどのような説明をなさるんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) この夫婦別姓、人それぞれにいろいろな考え方、価値観とか生まれ育った環境だとかそういうようなものに影響をされるのか、それからそのときどきの社会情勢とかいうものに影響を受けるのかわかりません。今まではそうだったけれどもこれからは違うんだということもあるでしょう。いろんなことがございますので、私は一概にこうだというふうに決めつけることはできないなというふうに思っています。 しかし、そういう選択的夫婦別姓というのは、この方がいいんだという、そういう社会的な風潮というか、風潮と言っては怒られるかもしれませんけれども、そういう傾向というものは確かにふえているんではないかなと、こう思います。それはやはり社会生活が変わってきている、また結婚に対する考え方も変わってきているといったようなこともあるでしょう。ですから、私はその辺のところは少しよく吟味させていただきたいと思っております。 その一つの資料として、いろいろ皆さんの意見を聞くこともこれ大事ですけれども、一つの資料として五年前に実施しました世論調査、それが、ことしやろうとしているものとどういうふうにその差が出てきているのかなと、こういうことで考えておりまして、その辺をこれから大いに研究課題にさせていただき、その上でまた判断もさせていただきたいと思っています。
○大森礼子君 これは男女同権だから、そういう風潮だからと、もっと詳しく言いますと、やはり結婚というのはもう両者の合意によってのみ成立するという、これは原則なんですね。ところが、姓のところが、結婚したいんだけれども、こういう問題が生じてなかなか結婚に踏み切れないという一つの婚姻の障害にもなっているということをまたお気づきいただきたいなと、こんなふうに思っております。 それから、先ほど小宮山委員も触れたんですけれども、私はやっぱり自分の名前をこれで生きたいというのは、もしかしたら憲法十三条の幸福追求権の中身じゃないかぐらい思っているんです。やはり女性でもこの社会にあって自己実現をしたいという、こういう要求というのはあるわけでありまして、そしてその自分を認知している方法として、その手段として氏名というものがあるわけですから、こういう観点からもしていただきたい。 それから、通称でいいんじゃないかということもありますけれども、社会的に認知された、あるいはこれから認知させようとするその名称というものと、それから法律上の名称、戸籍上の名称といいましょうか、これは一致した方が混乱が少ないというのは当然ですし、本人の意思にもかなっておりますし、あるいはある意味では民法上とかそういう取引では取引の安全にも資すると。先ほど小宮山委員が、抵当権設定とかいろんな問題にされましたけれども、やはり取引の安全とかこういう見地も必要で、ただ女性がわがままな、極めてわがままな女性たちがわいわい言っているという、こういう観点でなくて、もう少し現実を見てしていただきたい。 それで、世論のあれを見てというよりも、やはり必要であればどんどんこれを主張していただくのが大臣のお役目じゃないかなと。だって、男女共同参画社会を推進しなくてはいけないわけですから。こんなふうに思うんですね。 小泉総理がタウンミーティングとかなさるとおっしゃいましたけれども、官房長官も男女共同参画担当大臣として町の中へ出て女性とやっぱりタウンミーティング、男女共同参画担当大臣の国民対話とかタウンミーティングをどんどんおやりになることも必要ではないかと。それはまた小泉内閣、小泉総理の女房役としての官房長官の人気を上げるということは、小泉総理の人気がさらにこの改革を推し進めるのじゃないかと思うのですが、こういうお考えはございませんでしょうか。
○国務大臣(福田康夫君) タウンミーティングは小泉内閣の国民対話というようなことで、六月十六日に第一回をやろうと思っております。これは鹿児島、宮崎でしたか、それから青森と岩手だったかな、何か東北と九州と、こんなふうなことで四カ所でやろうと思っております。そこには閣僚が出席し、そしてまた有識者の方々にも同行を願うということを考えておりまして、その地区によって状況は違いますけれども、二、三百人ぐらいの規模で率直な話し合いができるというようなことを考えているんですけれども、そこに女性閣僚を、必ず行ってもらいたいなと、このように思っていまして、第一回はそういうような計画をいたしておるところでございます。 私自身のことについて言われますと、ちょっと危機管理担当大臣といたしまして、鹿児島、宮崎とか遠いところには行けないと、こういう事情がございます。この近辺であるときにはぜひ参加をさせていただきたいと思っております。 済みません。鹿児島、熊本です。
○大森礼子君 男女共同参画社会の視点から見ますと、女性閣僚に会っていただきたいのは男性の方でありまして、国民の女性の方が話をしたいのはやっぱり官房長官となりますので、その中に入らなくても、例えば東京周辺でもできるわけですから、かた苦しくなくて、ちょっとカラーのワイシャツか何かでふらっと町の中へ行って若い女性とかと話して、これからは男女共同参画社会は大事なんだよななんて言っていただけると、非常にまた施策も進みます。また小泉内閣の人気も、余りそれは私が考える必要もないわけですけれども、理解が広がるのではないかなと、このように思っております。 それから、世論調査なんですけれども、その前に、例えば聞かれる人に、これは何が問題となっているのか、なぜ夫婦別姓という問題が起こるのかという知識がありませんと、その認識がありませんと正しい判断ができないと思うんですね。だから、例えば基本問題専門調査会ですか、六月にこの別姓についてのミーティングをすると聞いておりますが、そこら辺での議論を途中経過としても外に出していただけると、こういう議論がされているということで世論調査した場合にもいろいろ皆さんが判断しやすいのかなと思いますので、希望として申し上げておきます。 次に、尾身大臣にお尋ねいたします。 この委員会のあいさつの中で「第三に、」のところでこう書いてあります。「評価システムを改革いたします。客観的な手法の評価を確立し、成果の上がっている研究を伸ばし、成果が上がらない研究の予算を削減するなどの、評価結果の反映を行政の中に定着させていきます。」と、こう書かれてございます。 それで大事なことは、「客観的な手法の評価」といいましても、やはり価値観が入ると思うんです。何をもって客観的とするか、それから何をもって成果とするか。その基準あるいは価値観、あるいは哲学でもいいです、これが示されませんと、この「第三に、」以下として述べられたことは、我々はそれがいいのかどうか評価できないわけですね。ですから、この成果とかあるいは評価とか、これはどういうことを基準として御判断なさるのか、これをお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 大森委員御指摘の点は大変大事なポイントだと思っております。研究をするときに、これを客観的に評価をして正しい評価をして、伸ばすべき研究を伸ばし、そして削るべきものは削るということをやらなきゃいけないわけでございますが、じゃ客観的とは何かということでございます。 私どもとしては、まず、評価される人に関係のない第三者の評価ということを一つ考えております。それからもう一つは、引用された論文の数とか、あるいは研究の具体的な目標に対する成果の達成度、そういうものは数字で出てまいりますので、そういうものを参考にしてまいりたいと思いますし、それから評価の結果をできるだけ公表することによって評価の透明性を高める。それによって評価するやり方そのものもまた評価され得るようなことを考えながら、できるだけ客観的、もっと別の言い方をすると公正なる評価をして、本当のすばらしい研究を伸ばす、すばらしい人材の能力を伸ばすということに力を注いでまいりたいと考えております。
○大森礼子君 わかりました。確かに時代の要請されることが一つの成果の基準となるんだと思いますけれども、しかし、やっぱり時代を超えたといいますか、将来を見据えた研究というのはあると思いますので、そこのところは慎重に評価をしていただきたいと、このように思います。 生命倫理の問題について、先ほど小宮山委員の方が代理妻との関係で質問されましたので質問しないでおこうかなと思いましたが、一問だけ質問します。 この倫理面のルールづくりですが、例えばタイムスケジュール的にはどのようにお考えでしょうか。この一点のみお尋ねいたします。
○国務大臣(尾身幸次君) この生命倫理のルールづくりを、今の段階で一般的なルールづくりということでやるのが果たして適当かどうか。個々の研究あるいはクローン産生というような問題については禁止するということにしておりますが、そういう個々の行為についてのルールといいますか、ものを積み上げてまいりまして、機が熟した段階で、ある種の全体としての哲学的な考え方を決めるのかなというふうに考えておりまして、これはなかなか科学技術の進歩に伴う難しい、何といいますか、人間としての、人間社会としてのあり方にかかわる大変難しい問題でございますので、その辺を考えながら、総合科学技術会議の中でできるだけ議論をし、そしてコンセンサスづくりを進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○大森礼子君 それでは次に、村井大臣の方にお尋ねいたします。 最近カード犯罪が非常にふえてきたということで、大臣はハイテク犯罪とかサイバーテロとか、これはあいさつの中でお話になっていますが、カード自体は昔からあるんですけれども、しかし最近非常にカード犯罪がふえてきたということが問題となっております。 それで、日本クレジット産業協会というところの調べによりますと、クレジットカードの不正使用の被害額、これは平成十年以降二百億円を突破したと。平成十二年は三百八億ですか。それから偽造による被害は、平成十年が二十八億だったものが、十一年が九十一億円、十二年は百四十億円以上と急増しております。 昔からいわゆるカード詐欺という詐欺、これはもうカードができたときから出てきているんですが、特に偽造による被害の額が非常に大きくなっているなという気がいたします。それから最近では、スキミングというんですか、これまでは現物のカードを使ったり偽造したのを使っていたんですけれども、スキミングという手法でカード情報を不正に読み込んで、その情報をもとに偽造するという方法が出てきております。 それで、特にこれは新しい手法だと思いますので、いわゆるカード偽造のもととなる不正読み込みの事例について、少し現状あるいは対策等をお話しいただければと思います。
○政府参考人(五十嵐忠行君) スキミングということですけれども、これは御案内のように、偽造カードの作成に必要な磁気情報、これを名義人に気づかれないように取得するものでありまして、その手口としては、従来、信用照会端末、いわゆるCATでございますが、これに磁気情報読み取り装置、いわゆるスキマー、これを不正に仕掛けて情報を取得するものであったのが、最近は、たばこの大きさぐらいの携帯式スキマーを携帯いたしまして磁気情報を取得するというようなものも目立つようになっております。 スキミングによるクレジットカードの偽造あるいは不正使用事犯を見ますと、クレジットカード情報の取得あるいはプラスチック板の調達、偽造カードの作成、偽造カードを使用しての商品等のだまし取り、こういったものが分業で行われるというような状況になっておりまして、組織的かつ巧妙になってきているというような状況がございます。また、こうした犯罪には、来日外国人や暴力団関係者の関与も見られるところでございます。
○大森礼子君 このカード偽造につきましては、不正取得して持っていると、偽造カードを使用目的で持っていても現状は取り締まりできない。そこで刑法の一部改正案とかできますので、具体的な摘発はそれからになると思います。 私はいつも思うのですが、便利なものができると必ずそれはリスクを伴うものだと思っております。昔、「青春の光と影」という歌がありましたけれども、本当にすべての便利なものには光の部分と影の部分があると。そして、こういう便利なもので犯罪が行われた場合には、一番最後の事後処理のところで仕事をしていただくのが警察の方ですので、十分な捜査方法というのを与えてさしあげなければいけないというふうに考えております。 それからもう一つ、例えばインターネット社会、私はIT社会も決してバラ色ではない、これを使った場合、非常に大きな犯罪とか不法行為が起きるだろうと。特に心配していることは名誉毀損です。名誉毀損が不特定かつ多数に瞬時に伝達する。もう原状回復はできません。匿名性があるし、名前がわかったとしてもそれが本人が行為者かどうかはわからないということで、この点を非常に心配するものであります。 そうしますと、そういう事態が広がったらどう摘発するかも考えなくてはいけないのですが、その前に、インターネットから生ずる犯罪ですね。今、名誉毀損を言いました。これは被害者の場合ですけれども、別に詐欺とかそれからいろんな遭う場合がありますね。これもある程度インターネット等の正しい知識とかしていれば余り被害に遭わなくても済むのではないか、被害に遭ってからでは遅いから、やっぱり予防活動というのが大事になってくるのではないかなと思うのですけれども、大臣、こういう点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(村井仁君) 全く大森委員御指摘のとおりでございまして、インターネット社会、これから非常に進むことは間違いないわけでございますけれども、同時にそれがいろいろな形で犯罪に使われる可能性がある。今御指摘の名誉毀損のケースなどは本当に恐ろしいことだと思っております。 私どもはいろいろな形での対応はいたしますけれども、警察は、この前もどちらかかで、たしか参議院の予算委員会でしたか、ちょっと一言申し上げたことがございますが、情報通信局という技術者集団を持っている、これが私はかなり力になるのじゃないかと思っておりまして、そういう意味で、こうするといいよというような、何といいましょうか、警告みたいなものもいろんな形でお出しする。事実、検挙した事案も結構ふえておりますし、それから御相談を受けている件数もかなりふえている。昨年で一万一千件を超えるところまで行っているということでございまして、それだけいろいろ事案がふえているということだと思います。 それから、先ほどカードにつきましてちょっとお話がございましたが、実は私もスキミングをやられたみたいでございまして、幸いに被害は、カード会社から通報がございまして、使わなかったんでしょうねと言われまして青くなったことがございますけれども、本当にどこでやられたか全く記憶がございません。 いろんな形で出てきているわけでございますが、これは私、もう一つだけ申し上げたいと思いますのは、カード会社のシステムを少しきちんとしたものにしてもらう。例えばICなどがかなり進んでおりますから、そういうレベルまで上げてもらうとか、あるいはカードを使って取引をするお店との間での関係もきちんとしてもらうというようなユーザーサイドのケアも必要だろうと思っております。
○大森礼子君 そうですね。ユーザーサイドのケアも必要ですし、それから、私も実はよくこのITというのは、まだパソコンをよく使いこなせなくて、ただインターネットを見てホームページを見るまでしか使えないんですね。どういう仕組みになっているのかわからないという、使いながら怖いなと思いながら、便利であるんですけれども、例えばいろんなきちっとした情報を知らせることで、こういう被害に遭わないためにこういうふうに注意しましょうという啓発活動が必要だと思うんです。 一つここに手元にあるのは「ストーカー規制法」、これは全国防犯協会連合会と社会安全研究財団がつくったパンフなんですが、こういう行為がストーカーになりますよ、こんな場合はこういうふうに注意しましょうと。それから最後には、警察へ連絡しましょう、被害者支援ネットワークという、こういうリーフレットが出ているんですね。これは非常によくできているわけなんです。やはり予防活動ということで、こういうことも警察にやっていただけるといいのではないかと思いますので、希望として申し上げておきます。 時間の関係で次へ行かせていただきます。 最後は竹中大臣にお聞きいたします。 大臣も、IT担当大臣ということで、IT社会推進ということでごあいさつをされました、IT革命を推進しと。それはそれでもう世の中の流れですから必要なんですけれども、先ほど申しましたように、常に便利さの裏にはリスクがありますし、このリスクについて十分対応しなければでき上がったものもそれ以上に破壊されるという、こういう怖さも持っていると思います。一般的、抽象的な言い方しかできませんけれども。 そこで、ここで大臣もおっしゃっているように、個人情報保護の推進や、この後段ですが、情報セキュリティー対策に努めますとおっしゃっているんですけれども、例えば具体的にはこういうこと、具体的とはいいながら余り時間がありませんので詳しくは述べられないと思いますが、このセキュリティー対策について大臣のお考えをお聞きいたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) まさにIT社会の光と影の重要な問題だと思います。 午前中も少し議論させていただきましたけれども、デジタル情報を自由にやりとりすることによって我々には間違いなく大きなメリットがある。しかし、自由にやりとりするからこそ、この自由を逆手にとって非常に悪意に満ちてこれをまさに悪用するということも実は可能になっているわけです。便利さとそのセキュリティーとのバランスをとるということがいかに重要かということなんだと思います。 たまたま私の友人で慶応大学の武藤教授というこの情報セキュリティーのある意味での専門家がいらっしゃいますけれども、非常に多元的な対応が必要だというのが一般的な専門家の意見だと思います。 一つは、技術的にやっぱり何らかのウオールを、自分のところに勝手に入ってこさせないようなウオールを設ける、その技術の開発が重要でしょう。同時に、やはりこれを扱っているのは人間でありますから、うっかりその門を閉め忘れて大きな被害に遭うとか、何か問題が起きたときにどう対処するかというトレーニング、人材の問題というのがあるんだと思います。さらには、これはもう先生の御専門で、まさに法律でありますけれども、やはりペナルティーを重くしておくというのが一つの抑止力になるんだけれども、しかし、何が起こるかわからないところでどういう法律整備をしたらいいだろうかというような基本的な問題もあります。最後には、ある程度、実はこういうセキュリティー、一〇〇%防ぐことというのは現実にはなかなか難しくて、いざ問題が起きたときの復元の対策も考えておけと、そういう多元的な対応をしなければいけないんだと思います。 IT戦略本部のことで、同じく私の大学の先輩の石井威望教授をチェアマンにして情報セキュリティ専門調査会というのをつくっております。そういったところで幅広い対応をしていきたい。現実に、さらにことし三月に作成したe—Japan重点計画の中にもこのセキュリティーに向けてのできることを幾つか対応策として挙げてやっていく予定にしておりますので、これはある意味ではフロンティアの問題で試行錯誤になると思いますけれども、今申し上げたような観点から怠りなく進めていきたいというふうに思います。
○大森礼子君 時間の関係で最後にもう一点ですが、大臣、ごあいさつの中で述べております消費者契約法のところですけれども、消費者契約法の実効性確保等による消費者保護の推進やNPOの活動促進により国民が生活の豊かさをより実感できるような経済社会の実現に努めてまいりますと述べておられます。 それで、この消費者契約法ですけれども、これは本当に画期的な法律であると私は思うんですが、一方でこういうトラブルが全部訴訟になっちゃったら、二万円の消費のトラブルで三十万円弁護士の着手金が要ったとなりますと、何のことやらわかりません。そこで、この実効性確保、あるいは裁判になる前のその処理の仕方ということがこの契約法が成功するかどうかのかぎなんだろうと思います。 その点で、この実効性確保のところで大臣はどのように考えておられるか、これを最後に質問いたします。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私、経済の専門家で法律のことはよくわからなかったんで、最近一生懸命勉強しまして、これは大変重要な法律がこの四月から施行されているんだということを知りました。先生御承知のように、これは民事ルールですので、基本的には皆さんに使ってもらうということが大変重要である、そのための啓発活動といいますか、情報提供活動を行うというのが我々の重要な仕事だというふうに考えています。 具体的には、国民生活センターにおける相談員の研修でありますとか、弁護士連合会との意見交換等々を踏まえて、さまざまな機会を通じてこの啓発を努力したい、普及に努力したい。とりわけ、今の五月は消費者月間ということでもありますので、幾つか新しい試みを今年度の予算を活用して、都道府県等の消費者センターに対してPIO—NETという、要するにこれはアドバイザー同士で情報を交換してもらうようなシステムでありますけれども、そういうような新しい試みもありますので、先ほどありましたタウンミーティング等々での啓蒙活動ということもあるでしょうし、ぜひ前向きに努力したいと思います。
○大森礼子君 終わります。ありがとうございました。
○椎名素夫君 大変に時間も短いことでもありますし、ごくごく大づかみの話をいたしまして、参考にしていただければ幸いです。見当違いのことも言うかもしれませんが、その点はお許しを願います。 十年間の失われた時間というようなことを言いますが、今の時期に小泉内閣のような大変に高支持率の内閣ができたというのは非常にいいことだと思うんです。何にしても、一けたぐらいの支持率の内閣というのはどこへ出ても心細いものでして、高過ぎるというようなことを言う人もいるけれども、それは、九〇%ぐらい支持率のある総理大臣がうちにはいるんだよというのは悪い話じゃないので、うまく利用して、やれることをぜひできるだけやっていただければ、これは日本のためにもなるという気がいたします。 そういう気持ちを持った上での話なんですが、そもそも、でもこの内閣の始まりというのは、ちょっと振り返ってみますと、前の森さんが内閣をやっていた。そして、どういうわけか知りませんが、自民党の諸君が、このままじゃ選挙にならないといって騒ぎ始めて、うちの、しにせだけれども党首をどけようじゃないかという話になって、あれよあれよという間にやめることになって、その後、次の後継ぎをどうするかというような話で一月ぐらいお使いになったわけですね。 その段階では、これは大変に私ごとだったと私は思うんですね。その間しばらく、総理大臣は法律的にはいることはいるけれども、待ってくれというような話で、国会の方は開店休業みたいな話だった。大臣みんないるんだからちゃんと審議してくれと言うけれども、もうちょっとたったらやめることになっておりますのでというような者を相手にやるわけにもいかないというので、一月ぐらいあいちゃった。 それで、自民党の総裁選挙というのをおやりになった。これは、中で範囲をお広げになったのは悪いことじゃないんですが、それにしても、とにかく自民党は政権にいることに大変に利益があるとお思いになった方々百三十万人ぐらいの投票によるものであると。全有権者からいうと一・三%ぐらい。ところが、うちの中だけでやったんじゃなしに表まで行っておやりになったものですから、何となしに国家的行事みたいになっちゃったんですね。 それで、非常におもしろいと思ったのは、四人の候補がおられたけれども、あとの三人はよき自民党総裁になろうという演説をやった。小泉さんだけが、極端に言えば反自民党演説をやったんですな。それで、すっかり国民的選挙みたいな、一億マイナス百三十万人の人までが、おれたちも一緒になって選んだという気になっちゃったというのが、まあうまいことやったものだと私は実は思っているんですが、どういう経路であれ、支持率が高いというのは悪いことじゃない。その上に立派な御自身の内閣をおつくりになった。これで相当また決定打、恐らくきのうのハンセン病関係の対処というのもまた点が上がったと思いますけれどもね。 ところが、所信表明をおやりになって、それからずっと衆参で、衆議院の議論も拝見して、各委員会でも始まっておりますが、いろいろ聞いておりますと、非常に立派な看板がどんと上がったので、これはこれはと思って店の中に入ってみるとまだ品物がそろっていないという感じなんですな。それで、目録が置いてある。目録も、こういう目録をつくろうと思いますという話ばかりと言っても過言ではないような気がする。結局よくわからないんですよ。 一つには、私は思うんですが、政権交代にも比すべき内閣をつくったと、こうおっしゃるので、そうかもしれない。そうかもしれないんですが、そういうことだとすると、本当は所信表明じゃない。施政方針演説をやって、それから外交演説、経済演説、財政演説と、大体全部はこんなふうになりますというのがありますね。これ、所信表明演説をやって、本会議の質疑も大体総理が全部片づけたという感じで、例外を除いては。それからあとは、いろいろ細かいことに入っても、きょうのお話でも、私が尊敬する竹中博士が大臣になられたけれども、これもこういう目録をつくろうと思ってという話であって、野党の方のお聞きになる方も、我々の目録はという話で、目録と目録の話がまだ続いている。これをどうするかというのがこれからの本当の課題だと思うんです。 今のようなことになっているのは、大変に風が吹いているという話だと思うんですね。この風は、天然自然に吹いているのじゃなくて、合成した人工風だと私は思うんです。与党の各派閥の風というのは、とまったり動いたり、スイッチを入れたり消したり、消してしまおうかとかいうのがあるし、野党の方も、攻撃したいんだけれども少しスイッチを入れておいた方がいいかなというような向きがある。そうじゃなきゃ九〇%にならないからね。それから、省庁も、各省庁は風を吹かそうか消そうかというような話も、様子見もあり、それから業界もあり、そういう風が吹いていて、その上に、扇風機なんか手に入らない人たちはうちわを持ってきてけなげに風を送っているというような感じが全部ないと、これ九〇にならない。だけれども、そういうことが起こっているんだろうと思うんです。 そういうことであるということをはっきり御認識になっていろんなことをお進めにならないと、ぱたっととまると。一番すごい風はマスコミですね。いつでもスイッチを切れるようにスイッチのボタンに手をかけてにらんでいるような人たちもいるので、これからが本当に勝負だと思っております。 そこで、一番大事なことは、省庁再編に伴って内閣機能の強化ということがありました。そして、内閣で、本当に内閣全体を束ねながら調整機能を発揮して縦割りでないような行政を組み立てていくという任務を担っていらっしゃるのが、きょうここにお並びになっている大臣だと思うんですが、この任務が非常に私は大きいと思うんです。 簡単に言ってしまうと、昔式の自民党の政治の運営のやり方から離れて、本来の議院内閣制型の行政にはっきりとここで踏み込むということができるかできないかというのが一番大きなことじゃないか、勝負どころじゃないかと私は思っております。 昔は、私もやりましたけれども、大体党で決めてしまったというのは、予算なんかもみんな書いちゃって、大臣になった方は、党の政調でつけたせりふに乗っかって大蔵大臣のところへ行って何かお金をもらってきたりもらえなかったりやっていたような時代がありましたが、もうああいうことはだめだと。ただし、ほんのこの間まで、私はこういうことはやめた方がいいなと思ったんですが、内閣で大体こういうふうにお決めになったのが、党の方で大声を上げるとまたひっくり返っちゃうとか、あれが一番いかぬのだと思うんです。 御存じでしょうが、イギリスでは、各国会議員がじかに官僚と接触するということは禁止されている。あくまでも政権をとった党が内閣に全部乗り込んで、そこで物事が決まっていくと。 格好だけはできているわけです。副大臣がおられて、政務官がたくさんおられて、部屋もたくさん持って、一体どうしようかなんと役所で言っているけれども、しかし、本当の意味はそういうことであって、ああいう外側で物事を引っ張ったり動かしたりする実力者というのがもしいるとしたら、それは全部内閣の中で一緒になってやらなきゃいけないというのが元来の議院内閣制の責任あるやり方だと思うんです。 そこのところを束ねていらっしゃるので、今ちょっと入り口になると、特定財源の問題とかなんとかかんとか、いろいろあっちこっちでその風をとめようかというような話がありますが、こういうものを相手にしないという政治の形をきちっとこの際こしらえていただくということは非常に大事だと思うんです。 そうでないと、形があっても、実は森内閣のときは、余り悪口は言いたくないけれども、政策の丸投げを自民党にしたりしましたね。ああいう癖がつくと、民主党が例えば将来政権をおとりになってもまた似たようなことが起こってしまう。そこあたりを十分に気をつけておやりいただくようにお願いをしたいと思います。 ですから、ほかの大臣の方ももちろん重要ですけれども、この内閣委員会に御出席の大臣の責任というのは非常に大きなところがあって、いや政治というものはそういうものだなんと言って、つまらないところで妥協しないでいただきたい。 それで、目録と悪口を申し上げましたけれども、必ずや六月ぐらいになるといろんなのが出てきますね。それを拝見した上でその話はするということに私はしたいと思っております。 そういうことをやるためには内閣がきちっと同じような考えでやっていかなきゃいかぬ、これは基本ですよね。そうすると、そのおつもりでおつくりになったんでしょうが、小泉首相は一総理一内閣というようなことで、ひょいひょい取りかえるのはやめると。これもいいことだと思うんです。 ただし、機械でも初期のふぐあいというのはあるんですね、合わないような歯車をくっつけちゃったというのが。そういうのを見つけたら、余りどうしようどうしようと言わないで、早いところ取りかえておかないと、機械ががりがりといってとまっちゃうことがありますから、その点は、今だれというような話をしているわけじゃないけれども、これは十分にお考えになっていただいた方がいいと思うんです、成功なさるためには。 大体あれですよね、おかしくなる会社なんかでも、あいつは功績があったから、しようがない置いておくかというようなのが大体妙なことをやって会社が破産に至るというのが多いし、機械でもさっき言ったとおりです。それが一つ。 それから、たまたま参議院議員選挙が七月にありますが、勝ったの負けたのというようなつまらないことを考えないで、それに向けたような不純な政策及び予算というのは断固として排除してもらいたい。それをやり始めると、本当にまたつまらない癖を将来の日本の政治の形に持ち込むことになるので、その点を皆さんによろしくお願いを申し上げます。 最後に申し上げたいのは、参議院の選挙というのは、大体衆議院の下請じゃないんです。ですから、自民が勝った、民主が負けたとか、共産党が伸びたとか、そういう話じゃなくて、本当に長期、大局に立った、人間を個々の見識でやるというのが本来この参議院がやるべきことだと私どもは思っておりますので、何か小泉総理が、選挙へ出るときは派閥をみんなやめてやったらどうだと言って、いろいろ文句があるようですが、それを一歩越えて、皆さん、党をやめて個人で参議院議員の選挙に臨んでいただくことができればということを、自民党のみならず、全政党の方々にこの機会にお願いをしておきたいと思います。 言いたいことはみんな言いましたが、御感想をどうぞ、ありましたら。
○国務大臣(福田康夫君) 大変、私ども所属する自民党の中身のことをよく御存じの上で御発言をしていただきまして、また御意見をいただきましてありがとうございました。私も大変同調するところ、ほとんどでございますけれども、そのような意見を持っております。 小泉内閣の支持率は高いのはいいことだと、私も全くそう思っております。支持率が高いと求心力が出ますので、これはやっぱりある程度以上の支持率はあった方がいいなということを今つくづく思っているところでございます。しかし、あわせておっしゃいました、そのことに関連して、正しいと思うことは、国民の支持を失うというときもあるかもしれぬ、しかしそういうことを恐れないで正しいことをやってほしいというお話がございました。まさに私も同感でございまして、多少ゆとりのある間は勇猛果敢にやるべきだろうと、こんなふうに思っております。 また、今後ともよろしく御指導を賜りたく思っております。
○国務大臣(村井仁君) 以前、椎名先生のもとで科学技術予算の調整作業の一端を担わせていただいたことがございますけれども、ある意味では、内閣府の仕事というのは、そういう意味で総合調整を要するような仕事が非常に多いということを感じます。 私、今度は防災担当ということになりまして、そちらの方の仕事はこの委員会では特に扱いはございませんけれども、それをやるにつきましても、改めて、きょう椎名先生が御指摘になられましたような観点、非常に大事なことだと思っております。心して努めてまいりたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 椎名先生とは実は学者のときから海外の会議でしょっちゅう顔を合わせておりまして、きょう、椎名先生は日本語も大変お上手で説得的だなというふうに改めて感じ入りました。 私は政治家ではありませんので、本当に妥協することなく、先生がおっしゃったような方向でぜひ力を尽くしたいと思います。
○国務大臣(尾身幸次君) 大変に、卓見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。 目録だけ並んでいて品物がないというお話がございましたが、例えば自助と自律とか、あるいは構造改革なくして景気回復なしとか、あるいは民間でできることは民間でやる、地方でできることは地方でやる、そのリーダーとしての基本的な原則がしっかりしていると思います。したがいまして、それをどうやって具体的な政策に反映するかということにつきまして、私ども、それから官僚の皆さんも大変やりやすいのではないかと。そういう意味で、私は、まだ細かいメニューは並んでいませんけれども、基本的な国の方向づけという意味において、私は総理のリーダーシップというのは大変すばらしいものがあるというふうに考えております。 そういう中で、内閣機能の強化というのは大変大事でございますし、私ども内閣府の一員として大変大事な役を承っておりまして、私は科学技術担当ということでございますが、全体の大所高所的な観点から国の方向づけをするために全力で頑張ってまいりたいというふうに考えております。 この内閣、支持率、大変高いわけでございまして、私は、苦い薬であっても将来の健康のために役に立つものは、この小泉内閣であれば国民の皆様に飲んでいただけるような状態であるということで、将来を踏まえてしっかりとした政策を国民の皆様に理解してやっていただく、そういうことができる内閣であり、またやらなければならないものであるというふうに考えておりまして、ぜひまた御理解と御協力を、また御指導をお願いする次第でございます。
○国務大臣(石原伸晃君) 椎名委員の議会と内閣とそして政党のあり方というこれからの二十一世紀の政治のありよう、そしてまた衆議院と参議院という二院制の持つ意味についての御言及のところに非常に感銘を受けたところでございます。次回は、ぜひ外交の要諦等につきまして、御専門でございますので、意見の御開陳があれば参考になると思います。
○椎名素夫君 皆さんありがとうございました。
○委員長(江本孟紀君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(江本孟紀君) 次に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。村井国家公安委員会委員長。
○国務大臣(村井仁君) ただいま議題となりました風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 この法律案は、最近における風俗環境の変化にかんがみ、店舗型電話異性紹介営業等を営む者に対する必要な規制を行うとともに、映像送信型性風俗特殊営業を営む者が児童ポルノ映像を送信することを防止するための規定及び特定性風俗物品販売等営業を営む者に対する営業停止命令に関する規定の整備を行うほか、風俗営業の許可の欠格事由の見直しのための規定の整備を行うこと等をその内容としております。 以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。 第一は、店舗型電話異性紹介営業及び無店舗型電話異性紹介営業、いわゆるテレホンクラブ営業の規制に関する規定の整備についてであります。 その一は、これらの営業を営む者について、公安委員会に対する届け出を義務づけるとともに、広告宣伝の方法等に関し、現行の性風俗特殊営業を営む者に対するものと同様の規制を行うこととするものであります。 その二は、これらの営業を営む者に対し、利用者が十八歳以上であることの確認措置を義務づけるものであります。 その三は、これらの営業を営む者に対する公安委員会の行政処分についての規定を整備するものであります。 なお、現行の性風俗特殊営業という名称を性風俗関連特殊営業に改め、これに店舗型電話異性紹介営業及び無店舗型電話異性紹介営業を加えることとしております。 第二は、映像送信型性風俗特殊営業を営む者が児童ポルノ映像を送信することを防止するための規定の整備についてであります。 これは、映像送信型性風俗特殊営業、すなわちポルノ映像をインターネット等を用いて客に伝達する営業を営む者が児童ポルノ映像を送信することを防止するため、いわゆるプロバイダーの側に送信防止措置努力義務が生じる場合として、現行の映像送信型性風俗特殊営業を営む者がわいせつな映像を記録したことを知ったときに、児童ポルノ映像を記録したことを知ったときを加えることとするものであります。 第三は、特定性風俗物品販売等営業を営む者に対する営業停止命令に関する規定の整備についてであります。 これは、特定性風俗物品販売等営業、すなわち店舗を設けて性的好奇心をそそる物品を販売等する営業で、この法律の規制対象に該当しないものを営む者等がわいせつ物頒布等の罪を犯した場合に、公安委員会が営業停止処分を命ずることができることとするものであります。 その他、風俗営業の許可等の欠格事由から精神病者を削除するための規定の整備等、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律の施行日は、風俗営業の許可等の欠格事由から精神病者を削除するための規定の整備については公布の日から起算して一月を経過した日とし、映像送信型性風俗特殊営業を営む者が児童ポルノ映像を送信することを防止するための規定及び特定性風俗物品販売等営業を営む者に対する営業停止命令に関する規定の整備については公布の日から起算して三月を経過した日とし、その他の部分については公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○委員長(江本孟紀君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十六分散会