総務委員会 第5号
- 発言数
- 294 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2001/03/29
会議録
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、脇雅史君及び木俣佳丈君が委員を辞任され、その補欠として北岡秀二君及び高橋千秋君が選任されました。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に北岡秀二君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 恩給法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官高田稔久君、総務省人事・恩給局長大坪正彦君、外務省アジア大洋州局長槙田邦彦君及び厚生労働省社会・援護局長真野章君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は去る二十七日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。 まず最初に、私はこの恩給法の改正案については基本的に賛成であることを明らかにした上で、何点か恩給制度の内容とそれに関連をします戦後処理の問題について質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、恩給制度についてでありますけれども、今回も若干恩給の改善について行われているわけですが、この恩給の改善等々について、物差しというかどういう基準を持っておられるのか、その辺についてまず伺いたいというふうに思います。
○大臣政務官(滝実君) 恩給制度の改善の物差しと、こういうことでございますけれども、基本的には退職時の俸給と在職年数によって恩給の額が決定されてくるわけでございます。 そういう中で問題になってまいりますのは、若くして戦死をされたりあるいは負傷されたりと、こういうことになってまいりますと、当然のことながら勤務年数が短い、あるいは敗戦等によって勤務年数が大変短い方もおいでになると。そういうような方々につきましてはどうしても恩給の年額が低額になってまいりますので、そういう低額の年額の恩給の方をできるだけ手厚くしていくというのが基本的に恩給の制度改善の原則のようなことでやってまいったわけでございます。 それからもう一つは、当然のことながら毎年の公務員給与でありますとかあるいは年金額の改定でございますとか、そういう大原則との比準の中であるわけでございますけれども、そういう低額恩給といいますか、そういうものが付加的に恩給の特殊事情として考えられてきたと、こういうことでございます。
○高嶋良充君 今、公務員給与等との関係ということも言われました。一九八六年の第一次臨時行革審で他の年金制度とのバランスを考慮すべきだと、こういう見直しの方向が示されているわけですけれども、それ以降、総務省としては総合勘案方式というか、そういう方法をとられているというふうに聞いているんですけれども、これは当然、基本的には公務員年金制度との絡みもありますけれども、物価スライド方式という、そういうとらえ方をさせていただいていいんでしょうかね。
○政府参考人(大坪正彦君) 恩給改善の基本的考え方につきましてはただいま政務官が説明したとおりでございますが、今、先生言われましたベースアップというところについて、御質問について簡単にちょっと御説明申し上げたいと思います。 恩給のベースアップ、いわゆる実質価値の維持という観点につきましては、もともとは旧軍人も公務員でございますので、基本的には昔から公務員給与に準拠するという方式を実はとってきたわけでございますけれども、先生言われました公的年金の制度改正、昭和六十一年でございますが、そのときに共済年金が物価スライド方式をとったものですから、類似の恩給の方ではどういうふうに考えるかということが問題となりまして、結果といたしまして、公務員給与、それから公的年金で採用いたしました物価スライド、そういう物価の動き、こういうような二つの要素を勘案しながらベースアップについては考えていこう、そういう方針をそれ以降とってきているところでございます。
○高嶋良充君 物価スライド方式という一つの物差しというか基準があるということは、この間、政府の方、緩やかなデフレ経済になってきているというような方向性が示されましたけれども、当然デフレ経済のもとでは消費者物価というのは低下をしていくということになるんですが、そういうことからいくと、物価が低下をすると恩給もいつかは下がっていくということになるのかなと、こういうふうに一般論としては思うんです。ただ、私は、恩給というのは国家補償的な性格を持つものだというふうに思っておりますから、そういう意味では、これからいつまでこのようなデフレ経済的なものが続くかどうかわかりませんが、いずれにしても現状のデフレ経済のもとでやっぱり恩給については現行水準を維持するという、そういう措置を検討すべきではないかなというふうに思うんですが、その辺についてはどうでしょうか。
○政府参考人(大坪正彦君) ベースアップの考え方、先ほど申しましたように公務員給与の動向、それから物価の状況、このようなものを総合勘案する方式でずっと来ております。したがいまして、先生言われましたように、物価の部分がマイナスに今後なっていくといったときにどうするかということでございますが、そのときには公務員給与はどうなっているかという、そっちの要素も当然ございます。それから、物価も実は裸の物価の数字ではございませんで、公的年金におきます物価の扱い、これを勘案するわけでございますので、物価がマイナスになったからといって単純に恩給が下がるという方式にはならないというふうに思っております。 それに加えまして、先生言われましたように、恩給の性格ということもにらみながら検討していくテーマだろうというふうに思っております。
○高嶋良充君 とりわけことしの場合は、昨日、参議院の本会議でも年金の据え置きというか、特例法が可決をされていますから、当然それに連動して特例的に恩給をそのまま据え置く、こういうことなんでしょうけれども、私はこの種のものが毎年そういう特例的な方法でいいのかどうか、あるいはそのことが逆に政治の力学に左右されるということになりはしないか、あるいは恣意的な方向に流れはしないかということを心配しています。 とりわけ恩給をもらっております皆さん方は非常にもう高齢化をされているということですから、生活の維持という観点からいっても、やっぱり恩給はどういう状況であろうと現行水準以下にはならないという安心感というものが必要なんではないかなというふうに思っているんですが、その点について大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 恩給につきましては、既に局長等から答弁しておりますように、基本的には国家補償的な性格、ただ、今の法文ではそれが根っこにあるけれども、公務員給与の状況と物価を、これを物差しにしよう、こういうことでございまして、今回からいうと、公務員給与も少しボーナスの方は下げるとか物価も下げるとか、こういう状況なんで我々も心配したんですよ、予算のときに。ただ、年金が据え置きになりましたので、年金よりは、年金もこれは大切でございますけれども、国家補償的な性格がより強いので、我々は、ぜひ年金も据え置きならこっちも据え置きにしてくれと。しかも、弱い立場にあるそういう方々の、遺族だとか高齢者だとか、そういうところはプラスをしてくれと財政当局に大分かけ合いまして、それは大幅なあれじゃございませんが、それなりの成果は私はあったと思いますから、基本的には今後とも我々はこの立場でいこうと、こういうふうに思っております。
○高嶋良充君 私の妻の母も、すなわち義母ですけれども、戦没者の遺族でした。ことしの二月末に八十四歳で亡くなったんですけれども、戦後五十五年、女手一つで二人の子供を抱えて大変な苦労をしてきたというふうに聞いております。この種の苦労というのは私の義母だけではないというふうに思うんですね。とりわけ旧軍人恩給受給者の大部分がこのような厳しい生活、高齢者という部分もありますけれども、厳しい生活を強いられているというふうに思うんですけれども、この方々の生活水準を総務省としてどうとらえられているのか、そういうような実態調査なんかされたことがあるのかどうかということも含めて、できれば若干詳しくお聞きをしたいというふうに思います。
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま先生言われました恩給受給者の生活状況という観点でございますが、私どもといたしましては、先生言われましたように、もともと恩給受給者の方々は大変恩給が少なくて生活も苦しかったという話を聞いておるわけでございまして、そういうことをやっぱり恩給改善にも反映さすべきだろうということで調査を実はしております。昭和五十一年以降やっております。 恩給種別にいろいろ調査しているわけでございますが、実は恩給の場合、この恩給種別ということでちょっと御説明申し上げますと、非常に実は格差がございます。 例えて申しますと、けがをされた傷痍軍人の方々の恩給年額は年収三百万を超えております。戦没者の方々の御遺族につきましては約二百万でございます。ただ、無事に帰ってこられた方々、普通恩給あるいは普通扶助料をもらっておられる方々でございますが、こういう方々は年収約六十万ちょっとと、こういうふうに実は大変格差がございます。これは旧軍人の方々の勤務からくる特殊性じゃないかなというふうに思うわけでございますが、そういう意味で、恩給の種別にそれぞれ家族構成、年収、あるいはその家計に占める恩給の割合、恩給の割合はそういう意味でかなり格差がございますので種別でかなり違うわけでございますが、そういう恩給の割合、あるいは恩給以外の公的年金を受給されておられるかどうか、あるいはどういうような御意見、御要望があるのか、こういうようなことを毎年調べてきているところでございます。 その辺、大ざっぱに申し上げますと、例えば恩給を主たる収入とされている方は、増加恩給、けがをされた方々でございますが、増加恩給の方のやはり六割ぐらいの方は恩給が主たる収入でございます。これはやはり先ほど言いましたように、三百万以上の年収がございますので、かなり恩給に頼っておられる、そういう家計になっているということだろうというふうに思います。それから、普通恩給や普通扶助料といったものは逆に、先ほど言いましたように六十万ちょっとでございますので、主たる収入とされている方も三割ぐらいというふうに率が低くなってございます。 それから、年金の受給状況について申し上げますと、普通恩給あるいは普通扶助料を受給されている方は八割から九割の方が他の公的年金を持っておられますけれども、公務扶助料受給者の方は六割ぐらいしかほかの年金は持っておられないというような状況が出ております。この公務扶助料受給者の方が六割というのは、恐らく、先ほど先生も言われましたように、御主人がお亡くなりになった後お一人で家計を支えられるということで、なかなか年金にも加入しにくかった、こういう状況があったんではないかなというふうに思う次第でございます。 そういうようなことをにらみながら、恩給改善はどうすればいいかということの検討を続けている状況でございます。
○高嶋良充君 いろんな調査で、恩給受給者のやっぱりトップの要望というのは恩給の増額をしてほしいという、そういう結果が出ているというふうにも聞いているわけですけれども、国家財政も大変な債務を抱えて厳しいことは理解をするわけですが、この恩給というのは、他の公的年金とは違って、とりわけ軍人恩給も含めて高齢化をしていく状況の中で、いつかはこの受給者は将来亡くなると、こういうことになるわけですね。当然一挙に亡くなるわけじゃございませんから、当然のこととして年数ごとに徐々に死亡されていくという状況の中で受給者が減少していくと、こういうことですから、それに付随をして予算そのもの、まあ収支と言ったらなんですけれども、予算そのものも減額をしていくと、こういうことになるんだと思いますが、じゃ、受給者の減少に比例しないで予算をそのまま置いておくということになれば、逆に財政的な増額が可能になるというのは、一般論的にはそのようにも考えられるわけですけれども、いずれにしてもそういう予算上のバランスという観点からしても、将来の見通しを含めて増額の余地がないのかどうか、その辺はどのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(滝実君) 今御指摘のございますように、恩給の受給者の将来見通しを考えた場合には、例えば十年後には現在の受給者の六割ぐらいに減少するとか、そういうようなことは当然想定をされるわけでございます。その上で委員は、受給者が減少すれば、当然現在の予算計上額からすればその差、すき間が出る、すき間が出れば、当然それを恩給の改善に向けられるんじゃなかろうかと、こういうような御指摘のように承ったわけでございますけれども、数字的には恐らくそういうことになるんだろうと思うんでございますけれども、財政当局は財政当局で将来展望の中ではちゃんとそういうものは計算をいたしておるわけでございますので、それをそのまま既得権としてこれに振り向けるということはなかなか難しい問題だろうと思います。 ましてや、恩給は国家的補償ということでやってきているわけでございますけれども、普通の年金のように掛金というものが前提ではございませんので、そういうことからいっても、将来減る分は改善に向けるというわけにはまいらないと思うんでございますけれども、しかし、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、とにかく年来のいろんな御要望があるわけでございますので、少なくとも低額恩給といいますか、そういうものを中心にして、毎年毎年の財政状況の許す範囲内でできるだけの努力をしていく、こういうことでやっているわけでございまして、先ほども大臣から御答弁申しましたように、そういう決意で臨んでいく、こういうことでございます。
○高嶋良充君 今、滝政務官からも、先ほど片山大臣からも、低額部分の改善等々含めて今後の努力については御回答をいただいておりますから、ぜひそういう方向を含めて、やっぱり国家補償ということが軸になっているわけですから、その人たちが、先が短いと言ったら怒られますけれども、そういう余生を安心してやっぱり暮らしていけるというのを国家で補償していくというのがこの目的だというふうに思いますから、ぜひそういう方向での御努力を、これは要望しておきたいというふうに思っております。 そこで、若干視点を変えまして、戦後処理という観点から二、三、質問をさせていただきたいというふうに思っております。 まず、ことしの四月一日から、朝鮮半島や台湾出身の旧日本の軍人軍属で日本に永住している戦没者遺族の方や重度戦傷病者に一時金として弔慰金なり見舞金を支払うということになったわけですけれども、なぜ年金とか恩給ではなしにこのような方法しかとれなかったのか、年金的な給付をなぜ行えなかったのかということについて、その考え方を伺いたいというふうに思います。
○副大臣(遠藤和良君) 在日の元軍人軍属あるいはその御遺族に対して弔慰金等を支給する法律がこの四月一日に施行されます。この法律は、昨年の通常国会におきまして議員立法で成立した法律でございます。 この議員立法が出された背景といたしまして、当時の野中官房長官が、二十世紀に起こったことは二十世紀じゅうに解決したいと、こういうお話もございまして、これは恩給法の枠外の話なんですけれども、人道的な見地というものを大切にいたしまして、与党三党で議論をいたしまして国会に提出いたしまして、共産党さんの御賛同もいただきまして、法律として成立をしたというものでございます。 この法律に基づく給付が、お話のありましたように、年金ではなくて一時金として給付されるわけですけれども、その背景としましては、この法律と同様の趣旨で制定されました台湾の弔慰金法の給付がやはり一時金であったということを勘案しながら各党間の議論の上に提案されたものである、このように理解をいたしております。
○高嶋良充君 これは大臣に伺った方がいいと思うんですが、政府の資料を見せていただくと、台湾なり朝鮮から軍人軍属として駆り出した皆さん方が約四十五万人という数字が出ています。そのうち約五万三千人ほどが戦死をされていると、こういうことなんですけれども、総務大臣としてのさきの戦争に対する認識と、そして植民地支配によってこの皆さん方に大変な苦痛を与えたということに対してどのような認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 政府の考え方は、あれは平成七年だったと思いますけれども、村山内閣当時の総理談話が基本でございまして、これは、御承知のように、我が国は過去の一時期に、植民地支配と侵略によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大な損害と苦痛を与えた事実を謙虚に受けとめ、これに対する深い反省と謝る気持ちに立って、世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていこうという、こういう趣旨でございまして、私も政府の一員としてこのような考え方を踏まえて、関係諸国との信頼関係を一層強化していくとともに、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて平和の理念と民主主義を推進していきたい、こういうことでございます。
○高嶋良充君 戦後五十年に際しての政府の談話が出ているわけですけれども、それに沿ってという、当然だというふうに思いますが、先ほどの遠藤副大臣の答弁のところでも年金的な部分についての理由が言われました。これは確かに国籍条項が大きな障害になっているというのは私どもとしても理解するんですが、在日されている皆さん方の関係からいうと、本人の意思とは関係なく日本国籍を喪失したということによって恩給法や援護法の対象から外されたということと、もう一つは、日韓請求権協定締結後は、日本は当然ですけれども、彼らの母国からも補償を受けることができない、こういうことになった。本人の意思に反してこういう形になっているんです。 諸外国では、これは外務省の調査では、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、西ドイツ、当時の西ドイツですけれども、いずれも外国人兵士に自国民同様の一時金または年金を支給しているということが明らかになっているんですが、そういう観点からいけば、日本のとってきた措置というのは、戦争被害者への補償政策においては差別的な待遇だというふうに思えてならないんですが、その辺はどうでしょうか。これは大臣にですけれども。
○国務大臣(片山虎之助君) 高嶋委員お話しのように、昭和二十七年四月のサンフランシスコ平和条約の発効で在日の方が日本国籍をお失いになった、そういうことから恩給法にあります「国籍ヲ失ヒタルトキ」というのに該当することによっていわば権利が消滅した、こういうことでございますが、基本的にはなかなか難しいところなんですけれども、なるほど言われるように、個人の意思に関係なくというところは私もあると思います。ただ、こういうのは、今までのいろんな国際法の世界でも国対国が表に立って決めていくんですね。 そこで、日韓の間では、この請求権問題は、御承知のように四十年の協定ですべて解決しよう、法的にも、しかもそれを最終的にと、こういたしたわけでございまして、そこで韓国の方でいえば、韓国の政府と韓国の在日だった方との内部関係みたいな話に実はなるんですけれども、それがいかにも気の毒ではないかということで御承知のような議員立法に私はつながったと、こういうふうに思いますし、訴訟でいろいろ台湾を含めて争われていますよね。 私も詳しくはありませんが、いずれもこの国籍条項というのは、憲法で言う法のもとの平等に反しないと、こういう判決が最高裁でも、大阪高裁だったですか、何か出ておりますので、お気持ちは大変私もよくわかりますけれども、現在の状況はそういうことで御理解を賜らなきゃならないのかなと、こう思っております。
○高嶋良充君 時間がもう参りました。 内閣官房と外務省からも来ていただいていますので、簡単にお答えをいただきたいというふうに思うんですが、民主党と共産党と社民党三党で、戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案というのを共同で提出しています。これは内閣委員会でまた審議をされることと思いますからその内容の問題はさておきまして、いわゆる従軍慰安婦という制度について、当時の国内法や国際法から見て合法的だったのかどうかという問題について、これは内閣官房の方からお答えください。 それで、当然この制度が法的に正当化できない以上は、日本は誠意を持って謝罪と補償を行うべきだというふうに思うんですけれども、この辺の関係について外務省の方でお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(高田稔久君) 当時、いわゆる従軍慰安婦につきましては、これを一律に制度として規定するような法令等は存在しなかったわけでございます。そういうこともございまして、当時の国内法それから国際法に照らしまして、一般的な合法性のいかんということを述べることはできないと考えております。 ただ、いずれにいたしましても、政府としては、いわゆる従軍慰安婦問題、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるというふうに認識をしております。
○政府参考人(槙田邦彦君) 政府といたしましては、今、内閣の方からも答弁がありましたように、この問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるという認識を持っておるわけでございます。したがいまして、さまざまの機会をとらえて、これまでおわび、反省という気持ちを表明してきておるわけでございます。 委員も御承知のように、このいわゆる従軍慰安婦の問題につきまして、法的な問題はさておいて、やはり国民と政府が協力をしてこの方々に国民的な償いをあらわす、そういう事業を行うべきではないかということで、いわゆるアジア女性基金というものができておりまして、これに対して政府としてもこれまで最大限の御協力を行ってきておりますし、これからも引き続きこういう取り組みを支援していくという考えであるわけでございます。
○高嶋良充君 質問時間が来ましたので、終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 恩給法関連について伺いたいと思いますけれども、最初に、財団法人日本遺族会という団体がございますけれども、公益法人であります。この日本遺族会は、戦争で肉親を亡くされた本当に御苦労されたその方々の遺族の皆さんにとってみれば、物心両面の支えとなってきた団体だというふうに理解しております。この法人は、寄附行為にあるように、遺族の処遇改善を一貫して行ってきた団体でもあります。 今回の恩給法の改正に当たって、日本遺族会から要望がたくさん出されていると思いますけれども、その中で今回の法改正で実現したものはどういうものがございますか。
○政府参考人(大坪正彦君) ただいま先生言われました日本遺族会からの恩給改善についての要望の点でございます。 遺族会から出ておりました要望のうち最も強かったものは、公務扶助料に遺族加算という加算制度があるわけでございますが、これが、類似の寡婦加算という制度が普通扶助料についてあるわけでございますが、その普通扶助料に加算されます寡婦加算と公務扶助料に加算されます遺族加算がもともとスタートは同額でスタートしているにもかかわらず、今、差があるのはおかしい、この辺のバランスを是正してほしいという要望がかねてより出ておりまして、その辺を私ども、いろいろ財政事情も勘案しながら、ぎりぎりの段階のものとして三千円増額したというような一つの改善内容がございます。
○富樫練三君 次に、厚生省に伺いますけれども、二〇〇一年度予算ではこの遺族会に対して、遺骨収集等委託費五千八百九十八万二千円、それから昭和館といいますか、これは遺族及び留守家族等援護事務委託費、こういう名前ですね、これについて五億九千五百六十万四千円、それから遺骨収集等派遣費補助金一億五千二百七十一万七千円、合計しますと平成十三年度で八億七百三十万三千円の支出が予定されていると思いますけれども、これで間違いありませんか。
○政府参考人(真野章君) そのとおりでございます。
○富樫練三君 厚生労働省からの資料によりますと、一九九五年から、平成六年度から二〇〇一年度までの七年間の補助金と委託費の合計について、二〇〇〇年度と二〇〇一年度については予算ということになりますけれども、合計しますと四十一億八千二百七十万八千円というふうになりますけれども、これで間違いありませんか。
○政府参考人(真野章君) そのとおりでございます。
○富樫練三君 国有財産であります九段会館についてですけれども、あそこの立体駐車場と新館、この二つを除いて、本館の土地と建物を無償で日本遺族会に貸与していると、これについても間違いありませんか。
○政府参考人(真野章君) 財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律に基づきまして無償貸与をいたしております。
○富樫練三君 実は先日、私は、この遺族会の会員の方から訴えを受けました。その内容は、この遺族会が会の目的としております寄附行為に定められたもの、ここから著しく逸脱しているのではないか、こういう疑問でした。もしこの訴えが本当ならば大変重大な事態になりますので、この法人を認可し、指導監督の責任がある厚生労働省、逸脱の事実を把握しているのであれば、その内容について御報告いただきたいんですが。
○政府参考人(真野章君) 財団法人日本遺族会につきましては、厚生労働省では「公益法人の設立許可及び指導監督基準」等に従いまして必要な指導監督を行っておりますけれども、各書類を適切に提出されており、これを検査する限り、寄附行為に定める目的に沿いましてこれらの基準に適合した適切な運営が行われているものと考えております。
○富樫練三君 私は、訴えを聞いた方にいただきました財団法人日本遺族会発行の機関紙、日本遺族通信というのがあります。きょう、資料のコピーを配らせていただきました。 資料の①というところを見ていただきたいんですけれども、これは先月、十三年の二月十五日付のものであります。この機関紙の一面トップに、「二十一世紀最初の年 活動方針・事業計画固まる」、平成十三年度日本遺族会活動方針・事業計画が常務理事会で承認されたとあります。この方針の前文で、ことしの夏行われます参議院の通常選挙において「「おつじ秀久」本会副会長を三たび国政の場に送ることが不可欠であり、必勝を期さなければならない。」となっております。 続いて、資料の②というところをごらんいただきたいんですが、これは前回参議院選挙の直前、平成十年の六月十五日の遺族通信です。遺族会の壮年部幹部研修会の記事であります。見出しに「参院選挙 最後の取り組みを」と、こういうことになっておりまして、研修の内容の第一に、参議院選挙対策で、具体的には「目睫に迫った参院選必勝を期するとともに、棄権防止に壮年部が投票所へのお年寄りの送迎など一役を担うこと。」、こういうふうになっております。 続いて、資料の第③を見ていただきたいんですけれども、平成十年の七月十五日号です。これは、その前の月、六月十五、十六日に開かれました遺族会の婦人部代表者会議の記事であります。 当時の中井澄子婦人部長が、「間近に迫った参院選については、新規党員はじめ後援会員の獲得等婦人部のみなさんには大変なご苦労をおかけしました。今後は名簿の高位登載を期待したい」とあいさつしています。その会議の協議事項の第一は、「参議院選挙対策の最後の具体的な取り組み」というふうになっております。 これらは、政治連盟としての活動ではありません。これは公益法人としての活動であります。その活動報告になっております。 公益法人であります財団法人日本遺族会としてこういうことをやることが果たして法人として的確なのかどうか。この法人を指導監督する厚生労働省、明らかに逸脱をしているのではないかというふうに私は思いますけれども、厚生労働省はどういうふうにとらえますか。
○政府参考人(真野章君) 公益法人につきましては、公益法人であること自体により政治活動が禁止されているものではないと承知をいたしております。 先生からはいろいろ機関紙の御指摘がございましたが、機関紙の発行は財団法人日本遺族会の寄附行為上の事業としても規定されておりまして、日本遺族会の目的を逸脱するものではないというふうに思っております。
○富樫練三君 資料の⑤というのが皆さんのところに行っているかと思います。 法人には政治活動は禁止されていないというふうに今おっしゃいますけれども、資料の⑤を見ますと、これははがきのコピーなんです。ここにその三枚のはがきの現物があります。これがこのはがきの現物ですね。(資料を示す)ただし、プライバシーの問題がありますので、差し出した人の名前とそれから場所とかそういうのはちょっと消してありますけれども、ここにあるのは消していないはがきです。 それで、これを見ますと、こういうことになっているんです。自民党の党費をこの遺族会が徴収をしているというわけなんです。これはある地域の婦人部の集会の招集のはがきですけれども、平成六年、七年、十二年のものであります。 この中に、会議の場所とあわせて「付記」として、「誠に申しかねますが平成六年度の会費三千円自民党党費四千円をご持参くださいますようお願い申し上げます。」、「十二年度会費・党費一人当たり六千円、申しかねますがご持参下さいます様、よろしくお願いいたします。」、こういうふうに書いてあるわけなんですね。 これだと、まるで遺族会が自民党の党費集めの組織と、こういうことになってしまうわけなんです。遺族会というのは自民党と一体と、こういうふうになるわけですけれども、先ほど答弁がありましたように、税金から補助金や委託金をもらっている公益法人、これが自民党と一体になって自民党の党費集めの組織になっている、こういうことで、果たして、厚生労働省、いいんですか。
○政府参考人(真野章君) 日本遺族会は財団でございますし、各県に支部がございますが、それぞれ各県の遺族会も法人格をお持ちでございます。具体的な町名がわかりませんので何県であるかつまびらかにいたしませんが、町の遺族会は、普通の都道府県の遺族会でございますとそれの支部になっているのではないかというふうに思っております。 そういう点から、御指摘のその公益法人の支部が自民党の党費を集めているかのような記載、これにつきましてはやはり余り適当ではないというふうに思いますので、各都道府県の遺族会を所管されております各県に対しまして注意を促したいというふうに思っております。
○富樫練三君 これは一地域で起こっているという問題ではないんですね。 この日本遺族会というところは同時に政治連盟もつくっているという格好になっています。この機関紙を見れば、その法人の記事と政治連盟の記事が一緒になって報道されている、こういうぐあいになっています。まさに一体だと思うんです。 例えば、平成十年の三月十五日付のこの機関紙の二面のトップなんですけれども、これは政治連盟の記事で、コピーは配っておりませんけれども、ここにそれがございます。これを見ますと、どういうふうに書いてあるかというと、「森田候補の必勝期す」とあって、百五十万後援会員達成と自民党党員獲得目標は十二万人、百五十万と十二万が目標だと、こうなっているんです。 その後の平成十年の六月十五日付では、自由民主党は、「五月十三日までに後援会会員数を申告するよう求めて来た。 これに対し森田後援会は百二十八万八千四百五十七人を同日、自民党選挙対策本部に提出した。」と、こういうふうになっているんですね。この六月十五日付の記事というのは、実はこれは政治連盟の記事ではないんです。これは法人としての記事になっているんです。どこを探しても政治連盟がそうしたとは書いていないんです、法人の機関紙に載っているわけですから。 同じ紙面で、自民党と記入する投票方法を徹底すること、このときは非拘束ではありませんので、政党名で当選すると、こうなっているんです。それから二番目に、電話作戦を行い、投票依頼、集会等への動員を呼びかける。三番目には、投票所への足の確保に努めるなどの記事も載っているわけなんです。 これでは、まるで自民党の選挙運動そのものなんですね。そういうことを法人がやっていいのか、こういう問題なんです。厚生労働大臣が認可し、指導監督している公益法人、国民の税金から補助金や委託金を年間で言えば八億円ももらっている公益法人のこれがやることですか。どうですか。
○政府参考人(真野章君) 今、機関紙のことで御指摘がございましたが、内容が手元にございませんのではっきりいたしませんが、やはり財団が発行いたします機関紙につきましては、財団の活動そのものだけではなくて、いろんな関係の分野、それからまた会員が関心あるであろうと思われる分野について、法人の機関紙としておつくりになっておられるということでございますので、私どもが個々の内容についてコメントする立場にはないというふうに思います。
○富樫練三君 内容についてコメントする立場にないというふうにおっしゃいますけれども、厚生省は指導監督する責任を持っているわけですから、しかもこの日本遺族通信という機関紙は厚生省にも行っているはずですよ、恐らく毎月行っていると思うんですね。 私は、通告の中でも、この機関紙のことについて伺いますよ、だからよく調査しておいてくださいというふうに言ってあります。だから内容について知らないということは私はないと思うんですね。関知しない立場とは言えないはずですよ。もう一回ちゃんと答弁してください。
○政府参考人(真野章君) 先ほど来申し上げておりますように、公益法人が公益法人であること自体をもって政治活動は禁止されていないというふうに私ども承知をいたしております。それの活動の状況をどういうふうに機関紙でお伝えをするかということは、これはまさにその法人に任されていることではないかというふうに思っております。
○富樫練三君 ということは、ちょっと伺いますけれども、こういうことは正当な法人としての活動だということで理解してよろしいですか。
○政府参考人(真野章君) 先ほど来申し上げておりますように、公益法人としてそれぞれどういう事業をなされるかということをお考えいただいて活動しているというふうに思っております。
○富樫練三君 そうすると、厚生省としては、こういう機関紙で、こういうのはもうたくさんありますよ、一々挙げれば切りがないんだけれども、こういう自民党の選挙運動を法人がやって、それを機関紙で宣伝するとか報告するというか、こういうことは当然定款あるいは寄附行為で定められたその範囲のものだと、こう理解しているんですか。
○政府参考人(真野章君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、公益法人であること自体により政治活動が禁止されているものではないというふうに考えておりますので、現在の機関紙の発行その他については日本遺族会の目的を明らかに逸脱しているものではないというふうに私ども考えております。
○富樫練三君 伺いますけれども、ここに寄附行為があります。このどこにそういう活動が書いてありますか。
○政府参考人(真野章君) 申し上げておりますように、公益法人自体により政治活動が禁止されているわけではございません。 そして、それはそれぞれこの遺族会の寄附行為の第三条にあるような目的を達成するために必要と認めるというふうに、遺族会が団体として活動を考えられ行動されているものというふうに思っております。
○富樫練三君 その第三条の十一に、「その他目的達成のため必要と認める事業」と。目的達成のためには自民党の党費を集める、幹部を集めて、自民党の候補者当選のために、電話作戦であるとか、あるいは投票日には投票所まで高齢者を運ぶとか、そういうことをやるのがこの十一の「目的達成のため必要と認める事業」と、こういうことなんですね、今のお答えだと。 それで、この遺族会が一貫して自民党の特定の候補者の選挙運動をやってきたということ、これは遺族会の会長さん自身がこの新聞の中で、機関紙の中で明らかにしているんです。 これは、資料の③の右下の方を見ていただきたいんですけれども、平成十年八月十五日付、遺族会の会長さんが、「自由民主党比例代表の名簿に森田さんに十三位という順位がつけられ、当選したことは遺族会が終始かわらず、自民党を支持し協力してきた貢献度が、高く評価されたもので、改めて全国のご遺族皆さまのご協力と、ご支援に心から感謝を申しあげます。」と、こうごあいさつをしているわけなんですね。 遺族会そのものが一貫して自民党の特定の候補者を支援してやってきたと、こういうことを会長さんが言うわけですから、これは間違いないと思うんです。もうあからさまに遺族会としてやってきたということを認めているわけなんですね。 厚生労働省に改めて伺いますけれども、日本遺族会と日本遺族政治連盟、さらに自民党、これはまさに一体になっているんですね。こういうような法人が自民党の選挙活動をしている、こういう実態について、私は指導監督の責任を負う厚生省としてきちんと実態を調査して本委員会に報告すべきだというふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(真野章君) 先ほど来御答弁申し上げておりますように、公益法人であること自体によって政治活動が禁止されているものではないというふうに承知をいたしております。いろんな遺族会の機関紙の発行事業、これも私どもといたしましては日本遺族会の目的を明らかに逸脱するものではないというふうに考えております。
○富樫練三君 機関紙の発行を問題にしているんじゃないんです、あなた。それは、法人が機関紙を発行するのは自由ですよ。だけれども、自民党の選挙を組織丸ごと、組織ぐるみの選挙をやるということも含めてあなたはそれは自由なんだと、こういうふうに言っているんですか。そういうことについては、それは法人のやることなんだから関係ないんだと。あなたの方の指導監督責任はどこに行くんですか。はっきりしてくださいよ。
○政府参考人(真野章君) 先ほど来申し上げておりますように、公益法人が公益法人であること自体によって政治活動が禁止されているわけではございませんので、その中で日本遺族会としてどういう活動をされるか、これはまさに遺族会自身の御判断の問題であるというふうに思います。
○富樫練三君 厚生省は全く責任がないと、こういう態度のようですね。 時間がちょっとありませんので、大臣に改めて伺いたいと思います。 大臣は閣僚の一人でありますし、それから公益法人の担当大臣でもあります。さらに、公正な選挙を実施する選挙担当の大臣でもありますので、総務大臣に伺います。 平成八年の九月二十日……(「時間じゃないか」と呼ぶ者あり)まだですよ、五十二分までですよ、私の時間は。
○委員長(溝手顕正君) 時間がオーバーしております。早く終わってください。五十二分は過ぎております。
○富樫練三君 いえ、オーバーしていません。五十二分までですよ。五十二分、過ぎていないじゃないですか。
○委員長(溝手顕正君) 過ぎています。
○富樫練三君 そうか、二分過ぎているのか。 じゃ、最後のこの一問で終わります。 平成八年九月二十日に閣議決定された「公益法人の設立許可及び指導基準」というのがあります。この中で、「次のようなものは、公益法人として適当でない。」としております。その内容を見ると、「後援会等特定個人の精神的、経済的支援を目的とするもの」となっておりますけれども、閣議決定に責任を負う大臣として、日本遺族会への直接の指導監督を持つ厚生労働大臣に対して調査と報告を求めること、公益法人の逸脱を是正させることがあなたの仕事だと考えますけれども、最後に大臣の責任をどう果たすのかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 閣議決定や申し合わせはありますが、個々の公益法人の行為については所管官庁において責任を持ってこれは指導監督がなされている、こういうふうに思っております。
○富樫練三君 厚生大臣の責任だね。 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 時間は定められた範囲で遵守をいただきますようにお願いを申し上げます。
○山本正和君 厚生省からもきょうは来てもらっていますが、恩給というのは、この制度ができた明治以来ずっとあるわけですけれども、もともと恩給の制度というのはいわゆる旧大日本帝国時代から、私どもは大日本帝国に育った男ですから、そういうことをずっと考えると、お国のために戦って、あるいは亡くなられた、あるいは傷つかれた、あるいはその生活を終えたという人に対して、国が何とか御苦労さんという意味も含めてちゃんとそれに報いようというところから出発したのが恩給制度の出発点である、こう私は思っているんですね。 ただ、戦後一時これが、占領軍命令で軍人恩給が廃止されましたね。それが昭和二十八年にまた軍人恩給が復活しましたけれども、結局その趣旨というのは、もともと軍人恩給に端を発して、公務員に対する恩給、これは学校の先生なんかも含めた形でもって、しかしその当時の恩給というのはかなり値打ちのある恩給と言ったらおかしいですけれども、いわゆる官吏でいえば判任官以上。判任官というと小学校の校長先生、あるいは中学校の教諭になったら判任官ですよね。それぐらい上でなかったら恩給がもらえなかった、大変値打ちがあったんですけれども、そういうものに由来していると。 しかし、もともとは国の命令で、あるいは国家の目的に協力するためにいろいろやった人に対して何かやろうというところで生まれたものであって、そのことは今もなお受け継いでいる、こういうふうに私は思うんですが、この解釈で間違いないですか。まず、総務大臣と、それから厚生省と両方お聞きしたいんですが。
○政府参考人(大坪正彦君) 先生言われたとおりでございまして、要するにその身分を持っておられる方が現職当時どういう制度であったか、その現職当時の制度に乗っかった運用が今されているということでございます。
○政府参考人(真野章君) 先生もうよく御存じのとおり、恩給が停止をされておりましたときに援護法ができております。そのときは軍人の恩給も援護法で支給をいたしましたが、その援護法になりましたときに軍人軍属、そういういわば日本国と特別の地位、関係にあった方々に対して、先生おっしゃられたような趣旨から援護法が制定されたというふうに考えております。
○山本正和君 私は、今の遺族会がどう動いているかについて若干の批判がありましたが、それは置いておいて、やっぱり国家が背負う責任を果たしている一つの行為なんだろうと思うんですね。 ところが、この前から、実は去年から大分やかましく私言ってきまして、特に歴代官房長官にはこのことをいつも言ってきている旧満州のいわゆる残留孤児問題があるんですけれども、満州の残留孤児問題というものを私はなぜここでやかましく言うかといったら、私自身が旧制中学の五年生、十八歳のときですよね、開拓団で行ったんです、一カ月間。いわゆる学徒動員の手前みたいなものです。昭和十九年です。私はそこへ一カ月おった。 そのときにしてみたら、開拓団のその一個の責任者、みんなこれ、直ちに銃も持って戦うという決意を持ってソ満国境におったんですね。要するに、ソ満国境を守るために開拓団があったと言ってもいいんですね。そういう役割も果たしておった。その人たちを、ところが昭和十九年、戦争がだんだん日本の国が負けそうになってきたときに、開拓団のそういう一家の主人も全部ごっそり関東軍は召集して南へほうり込んだ。だれもいないんです、そこに、青年男子は。関東軍もしかもその主力ほとんど離していますからね。しかも、関東軍がその戦争が負けるときに何をやったかといったら、負けそうになったら、関東軍のまず家族、あるいは在留邦人といっても都会部におる家族は割合に恵まれていたんですけれども、第一線におったその人たちはほうり去られた。その悲劇が、山崎豊子さんが書いた小説「大地の子」というのにあります。これはお読みになった方も多いと思うんですけれども、皆さんも読んでいるんじゃないかと思うけれども、そこにあらわれるような悲劇になったわけなんですよ。 だから、開拓団でそうやって一生懸命、本当に日本の国のために、それこそあの当時は大東亜戦争と言った。大東亜共栄圏の確立だとか五族協和だとか、そういうことでみんな燃えていったんですよ。その人たちに、ところが戦争が負けるときには、軍の方針によってそこで戦死せよと言う、老人も子供も全部死ねと言うんですよね、開拓団。そういう中で残された人たちの子供が赤ちゃんだったりあるいは小学生だったり、その人たちが残った。ちょうどその小学校の連中が、今の森さんや元気のいい今の日本の政治家と同じ年ごろですよ。それを私は何遍も言ってきた、何とかこれはせにゃいかぬぞと。 そうしたら、青木官房長官のときに初めて前向きに検討いたしますという答弁があった。何とかしなきゃいけない話。そこまで来たんですけれども、その後、厚生省の方もちょっといろいろやってもらいまして、何か平和基金の事業だとかあるいは平成六年の法律、引揚者に対する、在満の、そういうものに対する手直し等もちょっとしてもらって、予算も若干つけてくれておるんですよ。 しかし、恩給を受けている人たちと比べたら、そのひどさはむちゃくちゃなんです、これ、恩給を受けている遺族の皆さんと。ところが、中国に長い間おって、しかももう年をとって五十、六十になって帰ってきた人たち、中国語しかしゃべれない。その人たちに対して何とか国が面倒を見るべきだと私は思うんですよね。なかなかその面倒を見てくれない。やっとこのごろ目をつけてくれるようになりましたよ。 これは、そういうところから帰ってきた人は二、三千人だったですかね、まだ現在生きて、三千人ぐらいだったですかな、それぐらいの人が今ここにおるんですけれども、政治的な力ないんですよ、遺族会みたいにね。しかし、各党各会派のところへみんな行って、超党派で何とかしてくれと言っているんです。 この問題をひとつ前向きにやってほしいと私は何遍も言ってきたんですけれども、きょうもこれを改めて、今度は総務大臣になられて、恩給の関係もあるから、ひとつ大臣、この問題はやっぱりほっておけぬだろうと私は思う。 ところが、厚生省にお役所的に聞けば、恩給というのは、これは国が使用人に対していわゆる労使関係で責任を負うというような部分がありますのでこれはなじまぬと、こう言う。ところが、恩給法の生まれてきた経緯からずっというとそうじゃないんですよ、精神はね。お国のためにあった人に対してどうするかと。開拓団のことについても調査せよと私は何遍もお願いしているんですが、なかなか資料も集まらぬようです。 そういうことも全部含めて、これはやっぱり総務大臣、どうですか。前の官房長官が、青木さんからずっと伝わっておる。これは青木さんが言ったことは、きょうは副長官お見えですからよく聞いておられると思う。国としてこの問題を今何とか解決するために検討したいと、こういう答弁をきょうはいただきたいと私は思うんです。そのことについてのひとつ御答弁をお願いしたいと思います。
○内閣官房副長官(上野公成君) 山本先生がこの問題を大変一生懸命やっておられるということは承知しておりますし、青木官房長官もそういう答弁をしております。それから、私が副長官になってからも、中川官房長官、それから福田官房長官ともに前向きという答弁をされているのを私も横にいて聞いておりました。 恩給法では大変難しいということもありますし、それから中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律、これは議員立法で、これでかなりの部分できたわけでありますけれども、今言われるようにまだまだ問題が残っているということは、官房長官すべてそういうふうにお答えをしております。 こちらでもいろいろ検討しておりますけれども、今後とも、中国で、中国社会の中で長い間生活をされて、その生活がもう基盤になっておりますから、それを放棄して日本に帰られたという方の、帰国者の事情というのは特別な事情であるということも十分と、官房長官すべてこう発言されておられるところであります。さまざまな施策の推進を通じて、帰国者の方々が地域社会において安心して暮らせられるようなことを、政府として努力をこれからもしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
○山本正和君 一言。総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、上野副長官から答弁がありましたが、恩給法の中で、恩給制度の枠内で処理するということは私は難しいと思うんです。これはもうずっと昔からの恩給制度ございますから。ただ、今、副長官が答弁いたしましたように、別の観点でどういう知恵が出るか、それは大いに研究していただいたらどうだろうかと思っております。
○松岡滿壽男君 今、山本先生の方から残留孤児の問題とか中国残留婦人、それからソ連抑留者の問題等、戦後処理の問題についてのお話があったわけですが、本当に熱心に取り組んでいただいておりまして、敬意を表するわけですが、私も実は満州生まれの満州育ちで、五年生のときが終戦であったわけです。ちょっと私、下になりますけれども。 だから、あの悲惨な状況の中から、中国の人たちに育てられながら日本にたどり着いてきた人たちに対する対応、これはいろいろと山本先生に御指導いただきながら私も取り組んできたんですけれども、なかなか前に進まない。しかし、彼らももう年をとってきておりますし、時間がないんですよ。これはぜひ、総務大臣、先ほどの御答弁のように何か知恵を出して対応していただきたいと思うんです。帰ってきても、結局言葉が十分通じないとかいうことで、結局生活保護を受けたり、中国ではせっかく年金の掛金はやっておったんだけれども、それがもう全然こちらでは通用しないという、谷間にいる人たちに対して手を差し伸べていただきたいということを私の方からもお願いを申し上げたいというふうに思います。 この恩給法、私自身もこれは賛成なんですけれども、提案理由の説明のところに、例によって、「最近の経済情勢等にかんがみ、」と、こう書いてあるんですね。最近の経済情勢というのはかなり大きく変わってきておるわけですね。先ほどもちょっと議論がありましたけれども、政府としてもデフレというものを公式に認めざるを得ない、あるいは今まで景気回復一本やりで来たけれども、総務大臣も、やはり二兎を追わざるを得ないと、いわゆる財政再建もやらにゃいかぬという大きな変化があるわけですね。ところが、通り一遍にこう書いてあるので、この恩給法の改正についての提案理由、十分に我々は腹に落ちるものじゃないんですね。どうしてこういう表現になっておるのか、御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) 確かに、片山大臣の提案理由の説明の中では「最近の経済情勢等」、「等」という言葉がついておるんですが、「にかんがみ、普通恩給」云々と書いてあるわけですね。 この趣旨は、最近はデフレ基調に入っている関係がございまして、公務員の給与あるいは物価の下げ等がございます。こういうことを勘案するんですけれども、そのまま勘案すると基本給を下げなければいけないというスライドの議論になるわけでございますが、ただ年金の方も物価スライドはリンクさせない、基本給を維持するというふうな判断をいたしましたし、非常に日本の国の中でも国家補償的性格を持つ恩給に生活の基盤を置いている方々も多いわけでございますから、そういうものを総合的に勘案いたしまして、ベースアップの部分については物価スライドではなく現状を維持すると。 そしてさらに、低額の恩給の方々とか大変低い恩給の方々については若干の加算をさせていただいた、こういうことを総合的に表現したところでございます。
○松岡滿壽男君 恩給につきましてはやはり国家補償的な性格というのは十分皆わかっているわけですから、今のような状況で「最近の経済情勢等」というのはこれはむしろ削った方がいいんじゃないでしょうかね。そういう性格だということをもろに出した方が。その辺はどうなんですかね、これ。だから、毎年やっておるから書いたという感じがあるわけですよ。
○副大臣(遠藤和良君) 毎年そういうふうな表現で来ている恒例がありましたものですからそう書いたわけでございますけれども、そういうことも今後参考にいたしまして毎年度表現を若干変更することも大変大切だと、このように思っておりますので、大変ありがたくお受けとめさせていただきたいと思います。
○松岡滿壽男君 来年の提案理由説明をチェックいたします。 次に、平和条約国籍離脱者等である戦没者遺族等に対する弔慰金等の支給に関する法律、これが四月一日から施行されるわけですけれども、対象者の中で在日韓国人等の特別永住者とあるわけですけれども、また弔慰金等の支給を受ける権利の裁定は支給を受けようとする者の請求に基づいて大臣が行うとあるわけです。 この受給対象者に対する告知は十分行われているのかどうかが疑問なんですけれども、どういう告知をされておるのか、その点を伺いたいと思います。
○副大臣(遠藤和良君) この四月一日から支給されます弔慰金支給事業でございますけれども、これに対する広報活動についてのお尋ねがありました。 まず一つは、今月十三日から十八日の間に中央紙五紙を初めといたしまして、地方紙など全国で計七十五紙に政府広報を掲載させていただきました。また、広報用のリーフレット、ハンドブックなども作成をいたしまして各地方自治体の窓口等に備えつけております。 大体の数を申し上げますと、ハンドブックを地方自治体で八千部、それからリーフレットは地方自治体で五万七千部、この中には日本語ばかりではなくてハングル語のリーフレットもございます。あるいはポスターといたしまして地方自治体に三万八千部を行っております。そのほか、地方自治体に対する広報の協力依頼もいたしているところでございます。 さらに、広報紙への掲載、ポスターの掲示について、各自治体からも大変な御協力をいただいておる、こういうことでございまして、せっかく議員立法でつくっていただいたものでございますから、皆さんに周知徹底ができるように最大の努力をしていきたい、こう思っております。
○松岡滿壽男君 もうちょっと時間があるようですので、この前時間切れで御質問しなかった分につきまして一問だけ伺いたいと思うんです。 来年からペイオフが始まる、また延期論も出ておるようですけれども。そうなると、民間銀行で一千万円以上の預金の元本が保証されないという状況になってくるわけですけれども、郵便貯金では郵便振替にすると個人の場合は何億円預けても元本が保証されるというふうに言われておるようですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。大臣、ちょっとお願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) 御承知のように、郵便貯金の預け入れの限度額は一千万ですね。これは変えておりません、限度額。今、松岡委員言われましたのは、郵便振替口座については受け入れ限度額がないんです。だから言われるとおりなんですが、これは送金及び決済のための振替なんですね、お金を送るとかそこで決済を落とすとか。だから、幾ら預けていただいても利子はつきませんし、今までの例でも貯蓄のためにということは全くありません。そういうふうに理解しております。
○松岡滿壽男君 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○高橋令則君 私は一問だけ質問したいんですけれども、その前に、この恩給制度について私もある程度知っておりまして、今回の改正についても賛成でございます。それとともに、遺族会等にも私ども出ているんですけれども、総務大臣、これは要望ですけれども、総務大臣は御承知のとおり行革の担当でもございますし、公益法人の総括の大臣でもいらっしゃいますので、公益法人の適正な監督指導なりして御努力をいただきたい、これは要望でございます。 質問の一点は、今回の改善の中身を見ていますと、その前段の話は松岡先生からもございましたので全部抜きますが、いわゆる低い部分の低額恩給という、何というのですかね、低額部分というのが実はあるんですね。これはいろいろ見ていると額がそれぞれありますけれども、低額恩給という低額、これを今後いじっていくわけですけれども、そのときの基本的な考え方というんですかね、低額恩給というのは一体どのぐらいか、どれを大体考えて、どういうのをねらって改善していくつもりなのか、その基準というか仕組みとか、そういうことをちょっと説明してくれませんか。
○政府参考人(大坪正彦君) 低額恩給の改善という概念で御説明しておりますけれども、先生言われたような基準、定義というものは厳密には実は持ってございません。あくまで恩給制度の中におきます相対的なものというふうに御理解いただきたいわけでございます。 例えば、傷病者遺族特別年金の年額で申し上げますと、四十万を切るぐらいのようなものでございます。ただ、それには遺族加算という加算制度がございますので、それを加えますとまた十何万ふえますので、そこが低額と言えるのかどうかという見方もまた加算があると出てくるとは思います。それから、六年未満の普通扶助料にも寡婦加算制度がございます。これも基本額そのものは四十万を切るようなものでございます。あともう一つ、ことし新たに六年未満の普通恩給を対象にしますけれども、これは五十万超えます。ただ、これには加算制度はございません。 そういう意味で、一律に言えないわけでございますが、先ほど言いました傷病者遺族特別年金の観点で申し上げますと、類似の制度として増加非公死扶助料というものがあるわけなんでございますが、そちらと比較しますと相当に低いということは言えるわけでございます。それから、実在職者六年未満の普通恩給、普通扶助料の額で申し上げますと、これの最低保障制度では長期在職者の方はこれの倍ぐらいのものが出るわけでございます。そういう意味で、長期在職者の方から考えるとかなり低いなということで低額恩給という概念構成しているだけでございまして、常にそういう、いろんな恩給制度の中におきます全体の中のバランスという観点で相対的に理解しているものでございます。
○高橋令則君 実は、これを見ているんですけれども、かなり低い部分も多々あるんですね。したがって、これはいろんなバランスがありますから、私もわかっていますけれども、基準にきちっとまた改めて取り組むとか、改善のための努力をしていただきたいなという感じを私は持っております。 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 恩給法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後零時三十分まで休憩いたします。 午前十一時二十二分休憩 ─────・───── 午後零時三十分開会
○委員長(溝手顕正君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、山本正和君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に総務省情報通信政策局長鍋倉真一君及び総務省政策統括官高原耕三君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本放送協会関係の付託案件の審査及び行政制度、公務員制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として、今期国会中、必要に応じて随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) ただいま議題とされました日本放送協会平成十三年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定に基づきまして、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算につきまして、その概略を申し上げます。 一般勘定事業収支につきましては、事業収入は六千六百三十億円、事業支出は六千五百二億円となっており、事業収支差金百二十七億円は全額を建設積立資産繰り入れ及び債務償還に使用することとしております。 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出とも千十三億円となっており、放送設備の整備など建設費に七百七十七億円を計上しております。 次に、事業計画につきましては、公共放送の使命と責任を深く認識し、視聴者の要望にこたえ、社会のよりどころとなる公正な報道と多様で質の高い放送番組の放送を行うとともに、衛星デジタル放送の普及促進や新しい放送技術の研究開発等に積極的に取り組み、新たな放送文化の創造を目指すこととしています。 あわせて、協会の主たる経営財源が視聴者の負担する受信料であることを深く認識し、業務全般にわたる改革とその実行を一層推進し、効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に理解され、かつ信頼される公共放送を実現していくこととしております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。 総務大臣の意見といたしましては、これらの収支予算等につきまして、適当なものと認めた上で、デジタル化により放送を取り巻く環境が大きく変化する中、受信料により維持運営される協会は、公共放送の使命を積極的に果たすとともに、受信料の公平負担を一層徹底することが必要であり、また、事業計画等の実施に当たり、特に配意すべき事項を付しております。 具体的には、受信契約締結等の徹底、情報公開制度の適切な運用、地上放送のデジタル化の速やかな実施に向けた取り組み、青少年や視聴覚障害者等に対する放送の充実等の六項目であります。 以上のとおりでありますが、何とぞよろしく御審議の上、速やかに御承認のほどお願い申し上げます。
○委員長(溝手顕正君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。海老沢日本放送協会会長。
○参考人(海老沢勝二君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成十三年度収支予算、事業計画及び資金計画について御説明申し上げます。 平成十三年度の事業運営に当たりましては、公共放送の使命と責任を深く認識し、視聴者の要望にこたえ、社会のよりどころとなる公正な報道と多様で質の高い放送番組の放送を行うとともに、衛星デジタル放送の普及促進や新しい放送技術の研究開発などに積極的に取り組み、新たな放送文化の創造を目指してまいります。 あわせて、協会の主たる経営財源が視聴者の負担する受信料であることを深く認識し、業務全般にわたる改革とその実行を一層推進し、効率的な業務運営を徹底するとともに、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努め、視聴者に理解され、かつ信頼される公共放送を実現してまいります。 主な事業計画について申し上げますと、まず、建設計画におきましては、緊急報道体制強化のための設備やハイビジョン放送充実のための設備の整備を行うとともに、放送会館の整備などを実施いたします。 事業運営計画につきましては、国内放送及び国際放送の充実を図るとともに、放送技術などの調査研究を積極的に推進いたします。 以上の事業計画に対応する収支予算につきましては、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千六百三十億一千万円、国内放送費などの支出六千五百二億九千万円を計上しております。事業収支差金百二十七億二千万円につきましては、八十九億八千万円を債務償還に使用し、三十七億四千万円を建設積立資産に繰り入れることにしております。 また、資本収支につきましては、支出において、建設費など総額千十三億七千万円を計上し、収入には、それに必要な財源として減価償却資金など総額千十三億七千万円を計上しております。 なお、受託業務等勘定におきましては、収入七億八千万円、支出六億九千万円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、日本放送協会の平成十三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、そのあらましを申し述べましたが、今後の事業運営に当たりましては、一層効率的な業務運営を徹底し、協会に課せられた責務の遂行に努める所存でございます。 委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いし、あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(溝手顕正君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○常田享詳君 自民党の常田享詳でございます。 本日は、片山大臣もいらっしゃいますし、小坂副大臣もいらっしゃいますし、景山政務官もいらっしゃいますし、それぞれ御質問したいのはやまやまでございますけれども、時間の制約がございますので、日本放送協会海老沢勝二会長に数点御質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、BSデジタル放送についてお尋ねをいたします。 当時、私も郵政政務次官としてそのオープニングセレモニーに出席させていただき、大きな期待をかけておりますBSデジタル放送の開始から既に三カ月余が経過いたしました。一千日一千万世帯を目標として、これまでの普及は堅調な出足と聞いておりますが、最近ではBSデジタル放送に対するさまざまな指摘を耳にするわけであります。 とりわけ、これは民放も含めてのことでございますけれども、番組内容の評判が芳しくないことや、データ放送に時間がかかり過ぎることなどが各方面より指摘されております。 まず、番組内容についてでありますが、民放は買い物とクイズばかりでおもしろくないという声が強いわけであります。NHKでは、大リーグで活躍しているイチロー選手の試合をBSデジタル放送の目玉として生中継するということでありますが、この試合自体は既存のBSアナログ放送でも見ることができるわけであります。 また、NHKの地方局からは、BSデジタル放送の開始や地上波デジタル放送の導入に関してハイビジョン機材の地方局への配備計画が不透明であるというような指摘もいただいております。 一方、BSデジタル放送は双方向でのデータ放送が売りであったにもかかわらず、データ放送に使えるスロットの容量が限られているために画面へのデータ表示に大変な時間がかかり、このままでは文字放送の二の舞になるのではないかと危惧する声すら聞いているのであります。 そこで、次の点についてお尋ねいたします。 CSデジタル放送による多チャンネル化、また地上波デジタル放送の開始を間近に控える中で、NHKとして今後BSデジタル放送をどのように位置づけ、普及させていくお考えなのか。 また、競争政策や産業政策の観点から、BSデジタル放送のスクランブル、有料化を実施すべきだという根強い意見がございますが、この点について、御見解もあわせてお伺いいたします。
○参考人(海老沢勝二君) 去年の十月一日から、NHK、それに民間放送合わせて今八社十チャンネルでBSデジタル放送をしております。今のところ、二月末現在で、今先生御指摘のように百五十万世帯に普及したという数字が上がってきております。私どもは、一千日で一千万世帯に普及させようということで今番組の充実強化を図っているところであります。 御承知のように、この放送を普及するためには、やはり番組の内容がすぐれたもの、非常に国民の関心のあるもの、それと同時にまた、受信機が安くて使いやすくなければ普及いたしません。そういう面で、我々放送事業者としてはやはり番組の充実を最重点にしておりますし、またメーカーに対しましてはできるだけ大量生産の方へ進んでもらってできるだけ安く提供するようにお願いしているところであります。今後とも、この普及につきましては関係方面と協力しながら推進してまいりたいと思っております。 そういう中で、まだまだ番組として魅力がないというような御指摘、あるいはデータ放送につきましても、私ども今ツースロットという非常に狭い幅でやっておるものですから時間がかかる、また視聴者の要望するような情報が乏しいという指摘を受けております。できるだけ視聴者の要望にこたえるような形でさらに改善、改良を加えていきたいと思っているところであります。 それと同時に、やはり放送というものは影響力が大きいわけでありますから、そういういろんな面での番組の研究開発もしなければなりませんし、また先ほどもありましたように、アメリカの大リーグ、イチロー選手とか新庄選手が活躍されておりますので、そういう国民の関心のあるスポーツイベント等も積極的に番組に取り入れるなど、視聴者のニーズにこたえていくようにさらに努力してまいりたいと思っているところであります。 いずれにしましても、まだまだスタートしたばかりであります。やはりIT時代、デジタル時代になりますと、これは一遍に加速度的には普及しませんで、いろいろ紆余曲折あるいは試行錯誤しながら、我々は着実にこの普及促進のための努力を重ねていきたい、そう思っているところであります。 スクランブルにつきましては、私ども公共放送といたしましては、今の受信料制度を今後も維持したいというのが基本的な考えであります。これは視聴者から公平に負担をいただいて、そしてNHKの事業運営をさせてもらっていくという趣旨でやっているわけであります。これを一部でも有料化しますと、公共放送そのものの存在が非常にいろんな意味で危うくなるんじゃなかろうか、それと同時にまた、今普及が始まったばかりでありますので、これにスクランブルをかけることによって、有料化することによって普及を阻害するおそれが非常にあるという判断でございます。そういう面で、当面はスクランブルをかけない、有料化をしないで今の受信料制度で推進していきたいというのが基本的な考えでございます。
○常田享詳君 冒頭にも申し上げましたように、私はこのBSデジタル放送、大変大きな期待をかけております。また、このことが量、質ともに高まっていくかどうかということについては、もうやはりNHKの取り組みが大変大きなウエートを占めると思いますので、より一層の御努力を期待しておきたいと思います。 さて次に、地方におけるNHKテレビ、ラジオの難視聴地域の解消、特にラジオの難聴地域の解消についてお尋ねをしたいと思います。 昨年私は、都市と地方とのデジタルデバイド、いわゆる情報格差の実態調査ということで、地元鳥取県の全市町村を歩きました。調査を始める前には、恐らくインターネットを中心とする情報通信関連の要望が多く出てくるものと予想していたのでありますが、実際に全市町村を歩いてまいりますと、その話の中で多く出てくるのがNHKテレビ、ラジオの難視聴地域が今でも予想以上に多い、そして大変困っているということを耳にしたわけであります。 国民の多くは、公共放送としてのNHKが公正で信頼できる情報を迅速に、そしてあまねく日本全国に届けることを期待しております。 例えば昨年、私の地元鳥取県西部で地震が発生いたしました。また、先般は芸予地震が発生いたしました。こうした大災害が発生した際のNHKテレビ、ラジオによる情報伝達というものは、まさに人命を左右しかねない大変大きな役割を果たすものであります。 そこで、次の点についてお伺いいたします。 まず、テレビ、ラジオの難視聴地域の解消について、特にラジオの難聴地域の解消についてNHKとしてこれまでどのような対策をとってこられたのか。とりわけ我が国は地形的にも中山間地が多いわけでありますから、地方における対策を中心にお伺いいたしたいと思います。また、今後はどのような対策を進めていくお考えなのか。 以上二点について御答弁いただきたいと思います。
○参考人(中村宏君) お答えします。 NHKは、全国あまねく安定で信頼性の高い電波サービスを各御家庭にお届けするということのために、長年にわたりましてテレビ局、ラジオ局の建設をしてまいりました。特に、災害時には国民の生命、財産を守る重要な役割を果たしますメディアとなっております。 その中でも、災害等で威力を発揮します、また手近な受信機でもあります中波ラジオ放送につきましては、改善要望のありました二十六地区につきまして、十二年度は青森県の野辺地地区など五地区の改善をいたしました。十三年度は京都の舞鶴地区など六地区の改善を計画しております。鳥取県の若桜地区につきましては、条件が整い次第速やかにラジオの置局を実施したいと検討を進めております。その他の地区につきましても、できるだけ早く早期に改善するよう取り組んでおります。ラジオの置局の促進に当たりましては、できるだけ小型で低廉なラジオ局の開発もいたしまして導入に心がけております。 それから、テレビのことでございますけれども、外国電波によります混信、スポラディックE層混信と呼んでおりますけれども、これらのことを中心といたしまして、平成十年には鳥取県西部地区、十一年度には岡山県津山東地区、十二年度には島根県浜田西地区の改善を行いました。十三年度は富山県の新川地区などの改善を予定しております。 それから、今後デジタル化が地上テレビでも行われますけれども、アナログ放送と同様、全国あまねくこれを目指しましてデジタル化に、またデジタルデバイドでございますけれども、これを生じないように取り組んでいきたいと思っております。
○常田享詳君 お話にもありましたように、かなり小さい地域でもそういったことを解消できるような技術開発をNHKの方でしていただいておるようでございますので、さらにそういったことを進めていただくことの中で、災害対策の観点からもぜひ難聴地域の解消に努めていただきたいと思います。 デジタルデバイドでもう一点お尋ねをしたいと思います。障害者、高齢者向け番組についてであります。 現在、NHKは手話ニュースを放送していますが、文字解説つきでゆっくりとニュース原稿を読み上げるため、障害者の方のみならず、高齢者の方にも大変好評と聞いております。今ではバリアフリーという言葉も日常的に使われるようになりましたが、ことしの一月に発表されたNHKの事業運営三カ年指針でも、公共放送の役割として情報バリアフリーを推進することが明記されております。情報社会が進展し、しかも情報伝達手段がより複雑化、高度化する中で、障害者や高齢者の方が情報弱者とならないようにするためにも、私は公共放送の担う、NHKの果たす役割は極めて今後ますます重要になってくると思っております。 そこで、次の点についてお尋ねいたします。 NHKは、視聴覚に障害を持つ方や高齢者の方に対する番組の充実を中心とした情報バリアフリーの推進について具体的にどのようなお取り組みを考えておられるのか。 私は、いわゆる情報弱者をつくらないようにするためにもNHKにこれまで以上に積極的な御対応をお願いしたいと考えておりますが、以上の点について御答弁をお願いいたします。
○参考人(松尾武君) 先生御指摘のように、障害者バリアフリーということは私ども公共放送の責務と考えております。したがって、年次計画の中で明確に事業計画をつくって年度ごとに充実を図っております。現在、例えば手話ニュースについて見ても、最初十分から始めて十五分、なおかつ今二枠、昼と、夜の八時四十五分から九時までの十五分間、手話ニュースを充実させております。 そういうことも含めて、障害者のための特別な時間帯ということで、教育テレビ、それからBS、それからBSハイビジョン、各波それぞれ役割を明確にして、現在、十三年度でもそれを充実させる方向で検討をしております。 具体的に申し上げれば、教育テレビで「にんげんゆうゆう」という障害者向けの定時番組を月曜から木曜日、金曜日については「きらっといきる」という、障害者がみずから生きる、その望みを持つためのさまざまな事象を具体的に御紹介するというような番組を含めて、定時番組、三十分枠でございますけれども、教育テレビに設けております。 また、お年寄りに向けては、深夜に孤独感を催す方が大変多いわけでございまして、そういう意味で「ラジオ深夜便」というのを主としてお年寄り向けに、あえてスピード感を落として、要するに親しみやすい形での放送ということで、朝の五時まで放送しております。 そういうふうに、全体の視聴者、目的をきちっと明確にしながらフォローアップを図っているということでございます。 以上でございます。
○常田享詳君 御案内のとおり、デジタルデバイドに関しましては、既にIT先進国アメリカにおきましては大変な情報格差が広がっております。その内容は、先ほど申し上げた都市と地方というだけではなくて、高齢者と若年者、それから健常者と障害者もそうでありますし、そしてアメリカの場合は所得間格差ということの中からも大きな情報格差が生まれてきております。どうか、今後NHKの施策を進めていかれる中で、これら情報格差を生まない、デジタルデバイドに対する十分な配慮をお願いしたいと思います。 最後にもう一点だけお尋ねいたします。 NHKの情報公開についてであります。 NHKは、昨年十二月に定款の一部変更と情報公開基準要綱の認可を受け、本年七月一日より自主的な情報公開基準に基づく新たな仕組みでの情報公開を実施するとのことであります。 言うまでもないことでありますけれども、NHKは視聴者の受信料によって支えられている公共放送でありますから、視聴者に対する説明責任という観点からも、視聴者に対する正確な情報を積極的に開示、提供することは必要不可欠であると思います。また、NHKではその実施に向けて既に情報公開準備室を設置し諸準備を進めておられると聞いております。 そこで、七月の新たな情報公開基準に基づきNHKとして具体的にどのような情報提供、情報開示を進めていくお考えなのか、お尋ねいたします。 あわせまして、近年、各マスコミ等でNHKの関連会社や子会社の業務内容等に対してさまざまな指摘がなされております。私は、とりわけNHKの子会社等に関しては、その透明性を高めるためにも、業務内容や出資内容を初めとする情報の開示により一層の努力が必要と考えますが、いかがでございましょうか、お尋ねをいたします。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、公共放送としてできるだけ自主的判断で自主的に私どもの業務全般にわたって情報公開をやろうということで、七月一日からその方向で踏み切ることにいたしました。それと同時に、どの辺まで開示するか、また、報道機関でありますので取材源の秘匿とかいろいろな問題がありますので、その辺、どの辺まで線を引くか、今具体的に準備室をつくって検討しております。できるだけ早くこれをまとめて皆さんに提示しようと思っております。 いずれにしましても、公共放送といたしましては、我々の業務なり仕事ぶりを国民に理解してもらわなければ公共放送としては成り立ちませんので、できるだけ国民の信頼を得るための情報公開をしていきたいと今思っているところであります。 そういう中で、情報公開が不十分だとかあるいはもっとこういう面を開示しろとかといういろんな視聴者からの意見が出てくると思いますので、そういう面で、それを審議する情報公開審議委員会というものを設けて先生方にまた判断してもらうというような措置も今考えているところであります。 いずれにしましても、こういう説明責任といいますか、我々としてもできるだけ視聴者国民に業務内容について説明し、理解を得るよう努力していきたいと思っているところであります。
○常田享詳君 終わります。
○北岡秀二君 自由民主党の北岡秀二でございます。 今後のNHKのあるべき姿について、基本的なところを数点お伺いさせていただきたいと思います。 まず第一点目は、デジタル時代における公共放送のあり方ということをお伺い申し上げたいと思います。 申し上げるまでもなく、NHKは放送開始以来、我々国民の生活文化の向上、非常にいろんな意味で大変な御貢献をいただいておる。特に、豊かで良質な放送サービスを提供してきた、あるいは放送技術の進歩発展にも非常に大きな貢献をされてこられた、さらにテレビ、ラジオを通じて世界に情報発信を随時やってこられておる。国民より深い理解と信頼を得てきたわけでございます。公共放送としてのNHKの使命、現在に至るまで大変大きな使命を果たしてこられたというふうに私は認識をしておるわけでございます。 しかしながら、現在の放送を取り巻く環境をいろいろな角度から考えてみますと、もう既に御承知のとおり、放送番組の多様化、専門化、放送における市場経済原理の拡大、あるいはITの発達による通信と放送の融合の進展等々、今後の放送のデジタル化及び通信のブロードバンド化の進展によりまして非常に大きな変化、激しさを増していくものと予想されるわけでございます。 このことは、公共放送を含む放送の概念にも変更を迫られるというような状況になろうかと思うわけでございます。環境変化に対応した新たな経営方針をつくる必要ありと私どもは感じるわけでございます。NHKはそういうことに対してどのようなビジョンをお持ちになっていらっしゃるか。 ことし一月に発表した「IT時代のNHKビジョン」というところで、「情報社会のよりどころ」、あるいは「セーフティーネット」というような言葉で表現をされていらっしゃるわけでございますが、具体的にどのようなイメージで臨もうとされていらっしゃるのか、お伺いを申し上げたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、先生から御指摘がありましたように、このIT時代、デジタル技術が急速に進展してまいりました。文字どおりこのデジタル時代というのはいわゆる多メディア・多チャンネルの時代であります。そういう面で、いろんな情報端末といいますか、伝送路が次から次へと今開発されております。それと同時にまた、その伝送に向けていろんな番組が提供される。つまり、情報過剰時代に今入ってきていると思います。 そういう面で、この情報が非常に国民の生活に役立ち、また心を豊かにするような質の高い番組だけでなくて、いろんな国民生活に悪い影響、特に青少年に及ぼす悪い影響等の番組も散見されております。そういう中で、こういう情報過剰時代は逆に情報過疎時代といいますか、本当に必要な情報がなかなか選びにくい時代になったというふうにも言えると思います。 そういう中で、私どもは公共放送として、すべての視聴者国民が見るにたえるといいますか、質の高い、心を豊かにするような番組を一本でも多く放送することがその使命だろうというふうに思っております。 そういう面で、私どもは、公共放送は社会生活におけるよりどころ、あるいはセーフティーネットという言葉が今はやっておりますけれども、下支えをする、つまりNHKの番組なりあるいはいろんなイベント、催し物を通じて視聴者の生活に役立ち、また視聴者国民を勇気づけ、元気づけるようなそういう役目を果たすのがこれからも変わらない使命だろうと。そういうことで、「IT時代のNHKビジョン」等の中にそういう文を入れながら決意を改めて表明したということであります。私は、いつの時代でも公共放送の使命は変わらないものだろうと思っております。 そういう面で、今後とも質の高いよい番組を視聴者に届けることが公共放送の使命と、そういうふうに考えておるところであります。
○北岡秀二君 いろんな立場からの技術革新ということを考えてみますと、過去十年間、現在に至るまでの十年間の変遷とこれから将来にまたがって放送業界がいろんな意味で大きく変わっていくであろうということを予想しますと、今申し上げましたこれからのNHKが果たしていかなければならない役割、使命ということを考えていったときに、その対応というのは適宜的確に、そしてまた、なおかつ放送業界が国民文化に寄与する貢献度合いというのが非常に大きいだけに、ぜひともそのあたりの使命を十分に御理解いただいた上で的確に対応していただきたいと思う次第でございます。 さらに第二点目、放送の公共性の確保という観点から御質問を申し上げたいと思います。 今の話にも関連があるわけでございますが、放送業界がどういう放送をやるかによって世論がかなりいろんな意味であっちに振れたりこっちに振れたり、あるいは文化面でも放送業界が寄与しておる度合いというのは非常に大きいということを考えてみますと、放送の持つ社会的影響というのは本当に、今さらながら私も痛烈に感じるわけでございますが、非常に大きいものがあると。それだけに、これはNHKに限らずの話でございますが、放送は本来公共的性格を有するだけに公共的責任というのが非常に大きいものがある。 現在、放送業界では、NHK及び民間放送業者とともに番組審議機関やBRC、放送と人権等権利に関する委員会等の第三者機関を設置するなどによりまして適正な放送の確保に努力をされていらっしゃるということでございますが、私どもの感じから申し上げると、NHKというよりも民放を中心にまだまだ行き過ぎた取材、放送による人権やプライバシーの侵害に対する批判、あるいは放送番組が青少年の健全育成に与えるマイナスの影響に関する国民の懸念というのがなかなか消えないというのが私はもう今の現状でなかろうかなと。 我々も、そのあたりをどういうふうにしていただいたら放送の公共性あるいはその責任というのを全うできるのかなというのはいろんな角度から心配申し上げるわけでございますが、私ども自由民主党においても、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある社会環境からの青少年の保護に関する施策を総合的に推進しようということで、立法も含む検討を進めているところであります。 NHKは、こういう懸念に対してかなりいろいろな意味で熱心に取り組んでいただいておるだろうと思うんですが、今後、放送需要がかなり多様化するとともに、その部分に細心の注意を払っていかなければならないということからすると、放送の公共性の維持確保に関して現在どのような取り組みを行っていらっしゃるのか、あるいは今後の方向性というか方針についてお聞かせをいただきたいわけでございます。 さらに、総務省としてもこの放送の公共性の維持確保に関してどういうふうな所感あるいは施策をお持ちなのか、あわせてお伺いを申し上げたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 今、テレビの青少年に及ぼす影響が非常に大きいという御指摘がありました。私も、放送事業に携わっている者として、テレビの影響につきましては十分認識しているつもりでございます。 御承知のように、電波は国民共有の財産といいますか有限であり、非常に希少価値のあるものであります。それを我々は免許をいただいて利用する、国民にそれを使ってサービスするという事業であります。そういう面では、NHKも民間放送も、放送事業者は非常に公共性が高い仕事をしているということだと思います。そういう面で、私どもは質の高い、本当に視聴者国民の心を豊かにするような番組を送り届けるのが我々の使命だということは変わらないところであります。 そういう面で、昨今、テレビがいろいろな面で悪い影響を及ぼすというような指摘があります。そういう面で、第三者機関としてそういう放送と人権等権利に関する委員会を設けたり、あるいは青少年の問題を検討する委員会も設けました。これは、あくまでも私ども放送事業者が自主的に設置し、我々の責任において視聴者への責任を果たそう、そういう意味合いで設けたわけであります。私は、あくまでも我々放送事業者が自分たちの判断、責任によって自主的にこういう機関を通じて努力しなければならない問題だろうと思っております。 私どもの方としましても、部内に少年少女プロジェクトチームをつくったり、あるいは放送倫理委員会などをつくっていろんな面で自主的な業務展開を今しているわけであります。そういう面で、視聴者国民のいろんな意見も十分に参考にしながら、今後とも質のいい番組づくりにさらに努力していきたい、そう思っているところであります。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、北岡委員から御質問がありまして、NHKの海老沢会長からもお答えがありましたが、私も同じ意見でございまして、やっぱり放送、特にテレビというのは大変な、そのものに公共性があるし、社会的影響力は抜群ですよね。それだけに、やっぱりしっかりしてもらわなきゃ私いかぬ、こう思っております。 総務省としては、前から、平成七年にできましたが、訂正放送制度というのがあるんです。真実でない放送をされた場合には救済、訂正ができるという。それから、番組審議機関を機能強化していただく。番組の適正化のためにいろいろ御議論をいただくだけじゃなくて、例えば苦情なんか出てきたときに放送事業者の方と一体となってそれを処理してもらう。それから、私どもの方では青少年と放送に関する調査研究会をつくっていろいろやっていますし、また免許が更新されるような場合には、再免許のときにはいろいろ御注意申し上げているんですが、基本的にはやっぱり憲法の表現の自由というのがありますから、しかも放送法にも番組は自主的につくれる、自由につくれるという規定がありますから、基本的には放送事業者自身が自分でちゃんとやるということですよね、自粛する。 こういうことでございますが、今、参議院の超党派でしょうか、あるいは超党派でないのかもしれませんが、法案についての動きがありますよね。私、基本的には法律よりも放送事業者皆さんがしっかりやるということだと思いますけれども、それがなかなか効果が出ないんだ、なかなかうまくいかないんだというようなことがあったらどう考えるかということにあるいはなるのかなと、こう思いますが、特にNHKは公共放送ですから、あらゆる放送事業者の中で一番姿勢をしっかりしていただいて、すべての事業者の私はモデルになる、模範になっていただきたい、こういうふうに思っております。
○北岡秀二君 今、大臣が最後におっしゃった部分、我々も期待するんですが、どうしても民間放送の場合、コマーシャルベースの視聴率というのを気にしながら番組制作をやっていらっしゃるものですから、私は、放送業界全般からするとNHKがそういう部分に関して果たしていく役割、どんどん放送業界全般を引っ張っていくという部分はもうしっかりと持っていただいて、なお一層頑張っていただきたいなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 それで、時間がもうございませんので、もうあと一点、放送権料の交渉の問題についてちょっとお伺いを申し上げたいんですが、ちょうど昨年、私ども日本国民はシドニー・オリンピック、非常に日本選手の頑張りによりまして大いなる感動をいただいた。いろんな面で、スポーツ振興を初め、私どもにとりましてああいうスポーツ一大イベントの放送というのは非常に楽しみな放送でもございますし、大きな貢献をいただいておるということですばらしいことだとは思うんですが、片や、もうオリンピックの放映権を中心に、放映権料の交渉ということで多分NHKも大変御苦労をされていらっしゃるんじゃなかろうかと思います。 これから先のことを考えてみますと、来年には日韓共催のワールドカップが開催をされると。これも、お聞きするところによりますと、かなり高額な放映権料で、交渉が成立したのかどうか知りませんが、交渉をされていらっしゃったということで、こういう傾向というのは特に全世界的に、私どもが認識しております限りにおいては、どんどんかなり値上がりの方向へ行っておると。 これは、果たしてNHKが、今後の大きなスポーツイベントのみならず放映権料を買い取って放送をしていただけるような放送に関してどこまで対応ができるのか、あるいはどういう方針で今後臨んでいかれるのか、そのあたりをぜひともお聞かせをいただきたいのと、これも総務省所管でございますので、今後NHK自身が十分に対応し切れないときに政府として指導というかバックアップというか、あるいはどういう考えでそういう分野に関してお臨みになられるのか、景山政務官いらっしゃいますので、景山政務官の方にお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) オリンピック、ワールドカップサッカー等、いわゆる世界的なスポーツの大イベントにつきましては、この放送権料の高騰問題が今世界的に大きな課題になっております。 私、アジア・太平洋放送連合の、今、会長を仰せつかっておりますけれども、このABU、アジア・太平洋放送連合の中でも、このオリンピックなりワールドカップサッカーの放送権料の高騰問題がいつの総会でも大きな議題として取り上げられております。それほど各国にとって一大スポーツイベントはこの権料の高騰によって非常に経営が苦しくなる、あるいは放送できないというような悩みが訴えられております。 そういう中で、私ども、十数年前になりますか、ロサンゼルス・オリンピック以来オリンピックの放送権料が大変高騰したものですから、NHK、民放が一緒になってジャパン・プール、ジャパン・コンソーシアムという一つの枠組みをつくりました。そして、我々放送事業者が一体となって交渉しようという組織をつくりました。今度の、来年開かれます日韓共同主催のワールドカップにつきましても、NHK、民放がそれぞれの交渉じゃなくて一つのコンソーシアムとして交渉をいたしました。できるだけ視聴者に負担をかけない、高騰を招かないという方針で我々は臨んでいます。しかし、それでも今CS放送が有料で始まったというようなことで、このCSと私どもとのやっぱり激しい獲得競争も展開されたわけであります。 今度、ワールドカップサッカーにつきましては全試合、日韓合わせて六十四試合開かれますが、六十四試合すべてを手に入れるということは非常に高額になるということで、六十四のうち四十試合を私どもはNHK、民放合わせてとりました。NHKがそのうち二十四試合、民間放送が十六と六対四の比率で分けて、どういう方法で放送するかは、ことしの十二月に組み合わせ抽せんがありますので、その結果を見て割り振りを決めると、そういう今段取りになっております。 六十四試合はCS、スカパーがこれを全試合とって、我々聞くところによりますとすべて無料で放送することになっておりますが、それほど競争が激しくなってきたというのも事実であります。 そういう面で、私どもは、オリンピックにつきましては二〇〇四年のアテネ大会、二〇〇八年の、これから決まりますけれども、この二つの大会につきましては既に放送権利を取得しております。そのほかのスポーツにつきましてもいろいろ競争が激しくなれば当然値上がりするということでありますけれども、できるだけこれを低目に抑えるようさらに努力をしていきたいと思っておりますけれども、今ヨーロッパでも南米でもすべての国でワールドカップサッカーについての権利についてまだまだ交渉がまとまらないというような、非常に難航しておるということも聞いております。そういう面で、これからも我々は民間放送と一緒になってこの問題に慎重に対応していきたいと、そう思っているところであります。
○大臣政務官(景山俊太郎君) 北岡委員、また今、会長おっしゃいますように、サッカーのワールドカップ等一部のスポーツ番組の放送権料は非常に高くなっております。国際的にも問題になっておることは承知をいたしております。 ただ、一般に放送事業者がスポーツ等の特定の番組の放送権を獲得することにおきましては、これはマーケットの問題であるとも認識をいたしております。ただ、放送事業者の方々の個々契約交渉等における努力を非常に厳しく今後見守っていきたいと思っております。 なお、ヨーロッパにおきましては国境を越えるテレビ指令、これは一九九七年に改正になっておりますが、社会的に重要な国内外のイベント、オリンピックでありますとかサッカーのワールドカップ、欧州サッカー選手権、こういうものにつきましてはEU加盟国の国民が無料で視聴することができるよう保障する制度が、その枠組みが設置されております。現在では、ドイツ、デンマーク、イタリア、英国、フランス等が国内放送の法の整備を完了したところでございまして、視聴者の無料視聴機会の確保を制度化いたしておるところでございます。 今後、有料放送事業者の買い占めによりまして国民的に非常に大きな弊害が生じるようなことがありますれば、こういった諸外国の状況を見まして、総務省としても厳しい対応を図っていかなくてはならないと、こういうふうに検討していきたいと思っておるところでございます。
○北岡秀二君 終わります。
○入澤肇君 保守党の入澤でございます。 先ほど、平成十三年度の収支予算、それから事業計画、それから資金計画につきまして概要の御説明がございました。そこで、ぜひ国民の皆さん方にもう少し掘り下げた説明をしていただきたいと思うんですけれども、アナ・アナ変換についても一定の国庫助成が計上されたわけでございますし、放送基盤の整備について基本的にどんな考え方を持っているか。 二つ目は、放送番組の編成につきまして、放送法に書いてある教養、教育、報道、娯楽、この四つの分野につきましてどんな計画を持っていらっしゃるか。大きな計画で結構でございます。 それから三つ目は、先ほど常田委員からも質問がありましたけれども、関連会社、これは十八社あったのが十九社にふえておりまして、金額的には伸びはないんですけれども、この関連会社の経営につきましてどんな方針で臨んでいるか、この三点につきまして簡単に御説明願いたいわけです。
○参考人(海老沢勝二君) デジタル技術の急速な進展によりまして私どもBSデジタル放送をやったわけでありますけれども、これを軌道に乗せ、成功させた上で地上デジタル放送に着実に取りかかっていきたいということで、今アナ・アナ変換、変更といいますか、基盤整備を総務省、民間放送、私どもNHK三者が一緒になって推進するための準備を進めているところであります。政府の方から送信施設費として二十三億ほどいただき、それをすべてそういう送信施設に充てるということにしております。今年度、十三年度、この法律が通りますれば、六月か七月ごろからこのアナ・アナ変更のための作業を進めていきたい、そう思っております。 いずれにしても、これは基盤整備でありますので、国の政策といいますか責任においてやる。それと同時に、私ども放送事業者としても、基盤を整備しませんと次のデジタル放送に進めませんので、これを着実に進めていきたいと、今準備をしているところであります。 それから、番組の編成につきましては、四千七百万世帯、いわゆるすべての国民に質のいい番組を提供するのが私どもの使命でありますので、そういう面で報道、教育、教養、娯楽という四つの大きな分野を総合的に提供していこうということであります。そういう中で、地上波、衛星波、ラジオ波等があります。あるいは国際波も持っております。そういう面で、各波の特徴を、特色を生かしながらバランスよく提供し、やはり国民生活の向上、日本の文化の発展向上に資するようなそういう番組を提供するのが我々の使命だろうと思っております。 それから、関連団体につきましては、私どもNHKの業務を側面から支援する、あるいは補完する、そしてそれによって相乗効果を上げる、あるいはまた受信料の国民に対する負担をできるだけさせないようにするための副次収入をそれで得ていく、いろんな使命を私は持っておると思います。そういう中で、やはりNHK、公共放送の関連会社でありますから、そういう面では公共性を重んじ、また節度ある業務運営をするのが関連団体の使命の一つだろうと思っております。そういう面で、NHK、関連団体、車の両輪として、いわゆる適正な、効率的に仕事をしながらその使命を果たしていきたいと、そういう方針で取り組んでいるところであります。
○入澤肇君 このアナ・アナ変換の予算につきましては、昨年、私は予算委員会で、当時の大蔵大臣と八代郵政大臣に公共事業化を図れというのでは激しく迫ったんですが、ようやく予算措置はなされたんですけれども、相変わらず公共事業にならなかった。これはこれからの努力で、情報通信につきまして初めて公共事業の指定席ができましたので、その中に盛り込んできちんとやるようにまた御努力を願いたいと思います。 そこで、放送法三条の二の第二項で、今申し上げました教養番組、教育番組それから報道番組それから娯楽番組、これにつきまして放送番組相互間の調和を保つようにしなきゃならないという規定がありますけれども、どのような実態になっているのか。この四つの分野の時間数、シェア、それから調整の方針、これもNHKの公共性という性格からしてどのような方針で臨んでいるのかということについて簡潔に御説明願いたいと思います。
○参考人(松尾武君) 御指摘のように、全体、波別にそれぞれ性格がございまして、その性格の中でバランスをとってやっております。 ちなみに、具体的に申し上げますと、総合テレビについては、報道番組系が全体を一〇〇として四一・六%でございます。これは十三年度の計画値でございます。それから教育が一〇・六%、教養が二六%、娯楽が二一・八%でございます。これは現在の予定時刻表におけるパーセンテージでございますので、緊急災害等が起これば当然報道のパーセンテージは結果としてはふえていくという、そういう動き方をするものでございます。 それから教育テレビは、主として教育を目的とするということになっておりますので、報道については先ほどの手話ニュースを含めて二・六%、これはほとんど障害者のための報道番組です。それから教育が八〇・二%、教養が一七・二%ということで、教育テレビには娯楽系はございません。 もう一つ、ラジオで申し上げますと、ラジオ第一、これは総合情報波ということになっておりますので、生活を守るということも含めて報道番組が四八・八%、教育番組が一・六%、教養番組が二四%、娯楽番組が二五・六%、これがラジオ第一です。 ちなみに、ラジオ第二にまいりますと、これは教育教養波ということになっておりますので、報道番組については一三・六%、教育番組が一気にふえまして六六・九%、教養番組が一九・五ということで、ラジオ第二の役割の中には娯楽番組というのはありません。教養の中に文化芸能番組、古典その他は含めております。 以上でございます。
○入澤肇君 NHKのこの番組別のシェアというのはよくわかりましたけれども、民放との比較においてどのような特徴があるかということを教えていただきたい。これは総務省の政府参考人で結構でございますが、一般的に民放の場合にはこの報道、教育、教養、娯楽でどんなシェアになっているかを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(鍋倉真一君) お答えいたします。 民放テレビ全体の平均でお答えしたいと思いますが、今NHKの方からは十三年度の計画ということでお答えがございましたので、ちょっと比較が違って恐縮でございますが、一番新しい十二年度の上半期の番組の比率でお答えをしたいと思いますが、平均で報道が一九・四%、教育が一一・七%、教養が二四・五%、娯楽四〇%という報告を受けております。
○入澤肇君 報道の割合が圧倒的に民放と比べて大きいということで、私は公共性というのはこういうところで担保しているのかなというふうな感じがしていますけれども、これからも番組相互間の調和につきましてぜひ十分な御議論をし調整をなさることを期待いたしたいと思います。 それから、予算を見ていますと、受信料の収入が六千三百八十九億円予定していて、ただこれに要する経費が六百三十二億円と物すごい金額なんですね。これは社会保険料を一千円徴収するのに百円のコストがかかっているのと同じように約一割のコストがかかっているんですけれども、もう少し効率的な取り方はないのか、またこれによってどのくらい受信料が払われているのか、全体、本来払うべき人がどのぐらいあって、どのぐらいが納めているのか、そこら辺の状況について御説明願いたいと思います。
○参考人(芳賀譲君) 先生御指摘のとおり、今社会状況あるいは経済状況が大変難しくなっている中で、視聴者の皆さんには御負担をいただいているわけでありますが、まず数字から申し上げますと、全国の一般世帯、いわゆる二人以上の世帯の場合ですと、およそ九割、正確に言いまして八九%の御家庭から契約をいただいています。しかしながら、もう全世帯の四分の一を占めるようになってきました単身世帯ですが、この世帯はなかなかお会いできない、お会いできてもなかなかお金の御都合がつかない等々もございまして、ここの契約率が六三%強ぐらいになっております。したがいまして、全体としては契約対象世帯に対して八二・五%ということでございます。 私どもの受信料の性格として、他の公共料金と違いまして、自主的にお届けをいただくということは余りございませんで、私どもが一軒一軒お伺いして、お会いして契約をしていただき、あるいは集金をさせていただく、こういうことでございます。 ただし、そういう中ではありますが、営業にかかる経費はこれを圧縮をする、受信料制度でその契約率を高めると同時に、それにかかる経費をできるだけ圧縮していく、この両立を図らなきゃならない、こういうふうに考えてやってまいりまして、私どもは、例えば口座振替の利用促進、こういうことをしますと、大変効率的にいきますものですから、そういうことを勧める等々を含めまして、毎年、経費の圧縮を図ってきています。その結果、平成元年度には一七・八%でございましたけれども、それを十三年度の予算案では一二・八%まで圧縮をしてきているところでございます。 今後とも、例えばデジタル技術を活用しましたメッセージシステムでありますとか、あるいはインターネット営業センター、あるいはフリーダイヤル等々で、自主的な視聴者からのお申し出の促進、あるいは受信料制度の理解促進ということも図っていこうというふうに考えていますけれども、公平負担を徹底するためにはやはり一軒一軒歩かせていただくということも必要でございますので、一定の要員体制経費は確保することが必要かなと、こんなふうに考えているところでございます。
○入澤肇君 そうすると、この六千三百八十九億円の収入予定というのは今述べられた八二・五%を前提にして計算しているわけでございますか。
○参考人(芳賀譲君) そのとおりでございます。 私どもは毎年契約率を上げるということを目標にしておりまして、十三年度で申し上げますと、契約総数で〇・一%上げたいということで、三十七万の目標を持っております。それから、衛星契約については〇・三%契約率を上げたいと思いまして、七十七万の増加目標を掲げているところでございます。
○入澤肇君 この八二・五%の契約率を確保するために六百三十二億円のコストがかかっていると。八二・五%をさらに上げるために六百三十二億円の中でどのくらいコストがかかるかという、そういうふうな計算はやっていないんですか。
○参考人(芳賀譲君) 営業経費には、直接的な、現場でお客さんの一軒一軒のうちをお訪ねさせていただく、そういう経費と、それから口座振替なんかも含めまして営業のシステムを運行する費用でありますとか、領収書を印刷したりそれを郵送したりするそういう費用等々、すべてが含まれているところでございます。
○入澤肇君 ぜひ、せっかくの法律に基づく受信料の徴収ということでございますから、効率的に、しかも確実に取る工夫をやっていただきたいというふうに思っております。 それから、公共性ということで、NHKには経営委員会というのがあって、経営委員会で審議し、さらにこの予算の承認ということで国会でも審議する、ダブルチェックシステムになっているわけですね。 この経営委員会というのがなかなか我々にはよくわからないんですけれども、どんなテーマで、年間どのくらい開催して、どんなことが議論されているのか。特に、最近、一番新しい経営委員会で議論されたテーマについて御説明いただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 経営委員会は今、月に平均二回ずつ開いております。一回の時間は二時間びっちりやりまして、その後一時間ほど食事をしながら懇談する、そういう形式で、年間、平成十二年度は二十二回開催しております。 この二時間の会議の中では、本日審議していただいていますNHKの収支予算、事業計画等について何回も何回も審議する、あるいは長期計画について我々執行部の意見なり、あるいは地上デジタル放送を推進するためにはどういうやり方でやるのか、その辺の意見交換等もしております。それと同時に、また、私どもは三百六十五日小休止なく放送しておりますので、いろんな面で経営の考え方あるいは番組の計画とか、それについても報告し、意見等の交換もしているわけであります。そういう面で、委員の出席率も八十数%ということで、各委員の先生方も熱心に討議に参加しているということでございます。 そういう面で、去年からこの経営委員会の審議の模様を議事録として我々持っておりますので、これを総務省に提出すると同時に、また一般にも公開するということでインターネットでも公開をしているところであります。そういう面では、できるだけ経営委員会の審議の模様の透明化を、透明度を増そうということでインターネットでの閲覧もしているということであります。そのほか、いろんな面で経営委員会の審議の模様というものをできるだけオープンにしていこうと、そういう方針で臨んでおります。
○入澤肇君 あと一分ありますので。 視聴者からいろんな意見が寄せられていると思っているんですけれども、NHKに賛辞を送る意見あるいは批判的な意見、代表的なものを一つか二つ御紹介していただけたらありがたいと思います。
○参考人(松尾武君) 一年間に大体、電話、ファクス等を含めて六百十万にも及ぶ意見が寄せられております。 毎朝、私のところには赤紙というのが参ります。これは、前日受け付けた視聴者の大まかな意見が私のところに届きまして、それを見ながら朝ミーティングという編集会議をいたします。ここで、その視聴者の見た感想、御意見等々を各局長、現場の責任者に伝えて、定時番組であれば新たな展開を考えていったり、内容の刷新をしたり、そういうことをしております。したがって、視聴者の声は、トータルには要するに番組の細かいディテールに至るまで確認をしているということにつながります。 例えば、「ためしてガッテン 血液サラサラ」というのをこの間やったんですが、これは十一月の二十四日にやったんですが、こういうふうにタマネギの料理術みたいなことをやりますと、一万六千百四件、一日で参ります。これは主として問い合わせ、レシピ等々でございます。このレシピ等々を、一回で見落としたということでございますので、それでは他の番組でどうまたお知らせするかということで、データ放送を使うこともありますけれども、他のそれに類した番組の中で改めてまたレシピを放送していくというような、視聴者の反響を見た上で次のステップを踏んでいくということでございます。 大体そういうふうな問い合わせがもう八割方でありまして、あとは番組に対するさまざまな御批判を含めての御意見でございます。
○入澤肇君 終わります。
○世耕弘成君 自由民主党・保守党の世耕弘成でございます。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 NHKのホームページというのがございます。私も非常に便利に使わせていただいています。特に我々政治家にとっては定時のNHKニュースで一体どういうトピックがどういう順番で流されたかというのは、これは非常に私どもにとって重要な情報でございまして、もちろんパソコンのホームページもありますし、あるいはNHKさんが子会社の情報ネットワークを通じて提供されている携帯電話のiモード、今見てみましたら、許永中被告に実刑七年六カ月の判決ですとか、非加熱製剤投与の病院名を公表とか、そういうニュースが流れているわけでございまして、時々刻々の状況を確認するのに非常に便利な道具として我々もNHKのホームページを使わせていただいています。 また、番組情報なんかも非常によく整理をされてまとまって出ておりまして、その日の夜の番組はどういうものが流されるのか、またどういうものを自分も自宅へ帰って見ようかなとか、そういうのを検索する面でも非常に便利でございますし、また例えばNHKのドキュメンタリー番組なんかの場合、テーマ音楽が非常にすばらしい音楽があることがありまして、そういう音楽が一体だれの作曲のどういう音楽なのかとか、そういうのを調べて自分でCDを購入するとか、そういう意味で非常に放送に膨らみを持たせることができるというか、そういう意味で非常に私も便利に使わせていただいております。 難しく言いますと、こういう業務はインターネットを活用したコンテンツ配信ということになるのだと思いますけれども、しかし、私などから見させていただいたら、まだコンテンツ配信というよりは、あくまでもホームページをおつくりになって情報を提供されているというレベルだと思っておりまして、まだまだコンテンツ配信というところまでは行っていないんじゃないか、あるいはいろいろ今言われておりますような放送と通信の融合といったレベルにはまだ少し遠いんじゃないかなという気はしているんですけれども、しかしこういう初歩的ないわゆるホームページをつくるという業務、難しく言うと、インターネットを活用したコンテンツ配信に関しても、現在、民放連ですとかあるいは新聞協会から非常にクレームがついております。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕 要するに、放送法上の業務範囲をなし崩し的に拡大していることになるんじゃないかという批判、あるいは昨年三月にこの参議院の交通・情報通信委員会でも、当時の八代郵政大臣なんかは、放送法の改正が必要ではないかというような趣旨の答弁をされていたり、あるいは総務省の放送政策研究会、こちらがいろいろ今審議をされている中で、去年の十二月にお取りまとめになった審議経過報告でも、公共放送のあり方としてインターネットを活用したコンテンツ配信等の業務をNHKの新たな業務として法律上位置づけることについてはさらに検討が必要という中間的な取りまとめもされているわけです。 そういう中で、今、NHKが実際にインターネットを活用したコンテンツ配信をもう既に行われていて、私も含めて便利に使わせていただいているわけですが、まず総務省にお伺いをしたいのは、こういったインターネットの業務を、総務省として、今の放送法を改正することなく放送法の範囲内で認めているというこの状態に関する判断基準、要するに総務省としてどう有権解釈をされたのかということについてまずお伺いをしたいと思います。
○副大臣(小坂憲次君) 世耕委員が御指摘のように、NHKがインターネットを利用いたしまして、ニュース番組の一部を提供させていただいているところでございますが、NHKの本来業務は放送法の九条一項にありますように、国内放送及び受信の進歩発達に必要な調査研究、国際放送等とされております。 インターネットによる放送番組の一部の提供は本来業務、すなわち今の九条一項には位置づけられてはおりませんで、しかしながら、NHKも他の特殊法人と同様に法律上本来業務に附帯する業務を行うことは可能である旨規定をされておりまして、いわゆる第九条の二項第二でございますが、当該附帯業務の範囲内であればインターネットによる放送番組の一部提供を行うことは可能と判断をいたしているところでございます。 この附帯業務の範囲につきましては内閣法制局とも調整済みでございますが、本来業務と密接な関係があること、すなわち放送番組の単純な二次利用であるということが一つ、それから規模、態様が本来業務に比しまして相当程度以下である、すなわちわずかなものであるということ、これらの要件を満たすことが必要であると考えております。さらに、受信料を財源としていることから、受信料負担の公平性の観点も問題がないことであることが必要でございまして、この観点からもチェックをかけております。 現在、NHKはBSデータ放送の番組であります「いつでもニュース」をインターネットにより提供しておりますが、これは放送番組を単純に二次利用するものでありまして、その費用も非常にわずかであるということから、規模、態様、受信料の公平性の点でも問題はなく、附帯業務の範囲内として適切に行われているものと有権解釈をいたしておりまして、また、ただいま御指摘のように昨年の八代大臣の答弁の中でも、インターネットの放送による提供を本来業務として行う場合には新たな本来業務という解釈でございますので、その点、御理解のほどお願いを申し上げます。
○世耕弘成君 小坂副大臣の御説明、よくわかりました。 要するに、本来業務ではなくて附帯業務であるということでございますが、NHKさんとしてはどうなんでしょうか。ここまで放送と通信の融合が言われている中で、あくまでも附帯的な、悪く言うとおまけというようなイメージになってくると思うんですが、そういうイメージでこのインターネットによるコンテンツ配信にお取り組みなのか、あるいは将来的に何かお考えを持って取り組まれているのかについてお伺いをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども一九九五年から、インターネットが急速に進展したものでありますから、ホームページを開設し、番組の広報なり経営のPRというようなことをしてまいりました。現在、二百近いホームページで、ボランティア活動の問題も含めていろんなホームページを開設しております。 そういう中で、去年の十二月から、視聴者から何でNHKはインターネットでニュースを提供しないのかというような声も大分寄せられましたし、御承知のようにインターネットは世界でだれでもが自由に活用しているものであります。そういう面で、イギリスのBBC放送を初め、世界の各放送機関もインターネットを通じてのニュース提供を展開しております。そういう中で、NHKも早くやるべきだというような意見に我々も十分これはこたえなきゃならぬということで踏み切ったわけであります。 これは、あくまでも私ども、本来業務ということではなくて、今、小坂副大臣からお話がありましたように附帯業務の中で、いわゆる今BSでデータ放送をやっておりますので、それを単純に二次利用する、そして視聴者に新たな負担をかけないという中でまずやってみようということで踏み切ったわけであります。 まだまだこのインターネットの利用、活用はいろいろな面で研究開発をしなければならない課題だろうと思っております。それと同時に、これから新しい携帯端末が開発されて、将来は今の放送と同じような鮮明な映像、いわゆるハイビジョン映像も伝送できる、視聴できるというような時代になってくるだろうと思います。そういう段階が来ますれば、もう一度これはNHKのあり方、公共のあり方、そしてまた各方面の意見も聞きながら我々は判断していかなきゃならない課題だろうと思っております。 当面は、私どもは今、インターネット、すべてのホームページを含めて十三年度予算では十六億円程度の予算を組んでおります。そのうち、ニュース提供は三億六千万円を計上しております。そういう中で視聴者のニーズにこたえていこうということで、十三年度はやっていきたいと思っております。 いずれにしても、まだまだIT革命はスタートを切ったばかりでありますし、これからのいろんな展開を見ながら、各方面の意見も聞きながら、NHKとしての方向性をこれから見出し、またいろんな方々の意見も参考にしながら対応を考えていきたいと思っておるところであります。
○世耕弘成君 はい、わかりました。 NHKの全体の受信料収入から見れば、インターネット関連の投資が十六億円、特にその中でも今問題だと言われているニュース配信については三億少々ということで、今、小坂副大臣からおっしゃったように、本来業務の規模と比較して附帯業務として非常に小さな規模だということはよくわかると思います。 ただ、視聴者の立場からいけば、自分たちはテレビを見るために受信料を払っているはずなのに、それがどうしてインターネットのサービスに使われるのか。特に、インターネットを使う方は問題はないと思うんですけれども、パソコンを全然お使いにならない、インターネットを活用しない方にとっては、どうしてもその部分についてはやはり不満も残るかと思います。 きょうは特にお答えはこの部分では求めませんけれども、例えば電気通信の世界では事業部制というのをしっかり入れて、そして事業部別の会計をつくって、例えば内部相互補助を禁ずるとかいう、いわゆるファイアウオールを立てて、他事業者と競争上公正になるように配慮をするとか、あるいは受益者負担を、あくまでもそのサービスを受ける人がそのサービスに見合ったお金を払うんだというようなことを徹底するのが一般的になってきておりますので、やはり放送の世界でもそういったことを考えていく時期が来ているのかなと、単に放送という大きなくくりではなくて、その中にもいろんなビジネスが出てきているわけですから、事業部制の導入といったことも放送の世界でもそろそろ検討していくべき時期が来ているのではないかなと思っております。 さて、ちょっと話題を変えたいと思いますけれども、今、e―Japan基本戦略というのが策定をされました。そしてまた、それに基づいて今、e―Japan重点計画というのが策定へ向けて動きが終盤を迎えていると思うんですけれども、その中で光ファイバー、要するに二〇〇五年までに光ファイバーを使ったネットワークで一千万、そして残りはADSLということで、日本の高速インターネット環境を整えていこうという国としての方針が示されています。 私はまだこれ不十分だと思っていまして、本当はすべて光でやっていくのが筋ではないかなという思いがありますが、それはまた場を改めて、この委員会で議論をさせていただく機会もあるんではないかと思いますけれども、ここでちょっと一つ今問題になっていますのは、例えば光ファイバーを使ったネットワークが整備されたとして、その中で何を流すのかというのが大変な大きな問題になっていまして、例えば今、NTTやあるいは有線ブロードネットワークスですか、そういう光を用いたサービスを展開しようとしている会社が出してきているメニューは、十メガとか百メガとかいうメニューでございます。今の電話回線と比べますと、大きい場合ですと二千倍ぐらいの容量を持ったネットワークができてしまうわけなんですが、そこで何を流すかというのが今非常に問題です。これはアメリカでも悩んでいると聞いています。 例えば映画を流せばいいじゃないかという話がありますけれども、映画であれば十分ケーブルテレビやあるいは衛星放送で対応が可能です。例えばゲームをやればいいじゃないか、ゲームを通信で配信すればいいじゃないかと言われていますが、これだってゲームソフトを買ってくれば済む話です。あるいは映画だって、DVDが今すばらしい映像ですばらしい機能がついたものがありますから、それを買ってくれば十分楽しめるということで、なかなか光のネットワークを流す上でほかに取ってかわるものがない、すばらしいコンテンツといったものがなかなかないというのが今現状なわけですけれども、私はその中で、NHKこそ、まさにこの光のネットワークの中で流し得るコンテンツの供給元として大きな期待が持てるんじゃないかと思っております。 例えば、具体的な番組名を挙げて申しわけないんですが、「プロジェクトX」なんという番組は、私、大ファンでございまして、こういう番組は単に番組として終わるんではなくて、光のネットワークで、例えばコンピューターと組み合わせて提供された場合には恐らく非常にすばらしい日本の技術ですとか物づくりの映像を含めたデータベースとして極めていい財産になるし、子供たちに見せるに値するすばらしいコンテンツになり得ると思うんですけれども、NHKとして、こういうブロードバンド時代へ向けたコンテンツ提供元としての可能性を私は認めているわけですけれども、NHKとしてそこへ向けた取り組みはどういうふうにされているんでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、昭和五十七、八年ごろから総合的に、本格的にNHKの貴重な財産であります国民の受信料で制作した番組を永久保存していこうと、そういう方針で、いろいろな面でこれを保存、管理していこうということで、御承知のように、二年後の平成十五年二月に完成いたしますけれども、埼玉の川口市にNHKアーカイブスというのを今建設しております。ここにこれをすべて保管し、これをひとつ大いに活用していこうということで今工事をしているわけであります。 そういう面で、この貴重な文化遺産とも言えるコンテンツ、いわゆる番組をこれからどういうふうに視聴者の皆さんに還元していくか、いろいろな面で今検討を進めているところであります。これは、いろいろな面で著作権の問題が絡んできます。そういう面で、この著作権をどのようにクリアしていくか、そしてまたどういう方法が一番視聴者に対するサービスになるかどうか、そういうのを含めて今検討している最中でございます。 そういう面で、このNHKの貴重な映像資料というものをこれからどういうふうにするか、また皆さん方の御意見も賜りながら最終的に決断をしていきたいと今思っているところであります。 いずれにしても、私どもはいい番組をつくらなきゃなりません。そして、何回放送しても視聴者のニーズにこたえられるような、いつ見ても新鮮で感動を与えられるような番組を一本でも多くつくるのが我々の使命だと思っております。そういう面で、「プロジェクトX 挑戦者たち」についても、これをデジタル化して、何回でも映像が劣化しないような方法で保存し、それをさらにいろいろな面で活用する、そういうことも今考えておるところであります。
○世耕弘成君 今度は逆に、総務省にお伺いをしたいんですけれども、こういうコンテンツづくりの取り組み、諸外国では、例えばフランスなんかは国立で映像のアーカイブをつくったりしております。恐らく、NHKさんも今回川口のNHKアーカイブスにかなりの投資をされると思うんですけれども、さらに、これは国民共有の財産という観点でいけば、もう少し国も関与していいんじゃないかという思いが私にはあるんですが、総務省としてのお考えはいかがでしょうか。
○大臣政務官(景山俊太郎君) 先生のおっしゃるとおりだと思いますが、NHKは、御存じのとおり受信料を財源といたしまして、放送法七条、放送の全国普及、豊かでよい番組の放送、国際放送等を行うことを目的とした特殊法人であります。その事業の成果であります放送番組というのは、国民共有の財産であり、幅広く国民に還元されなくてはいけないと思っております。 先ほど会長がおっしゃいましたように、現在NHKにおきましては、これまでの番組を保存、収集して、そして映像を一括管理し、多角的に活用していくために、二〇〇三年に埼玉県の川口にNHKアーカイブスを整備するそうであります。アーカイブスというのは、訳すと倉庫ということだそうです。 今後、放送の多メディア・多チャンネル化、インターネットの普及・高度化が進展いたします中におきまして、NHKの放送番組、この豊富な放送番組は非常に重要であると思っておりますし、また国民のために活用されなくてはいけないと思います。 今後、総務省にありますけれども放送政策研究会におきまして、NHKのあり方、民間放送のあり方、いろいろ議論をしておりますけれども、国民の皆様方のいろいろな意見も聞きながら検討していきたいと思っておるところでございます。
○世耕弘成君 景山政務官、ありがとうございました。 これでもう質問は締めくくりますけれども、IT、ITと言われていますが、インフォメーションテクノロジーでございます。NHKさんは、インフォメーションという意味ではやはり番組の資産をたくさん持っておられる。そしてまた、テクノロジーという面では世界に冠たるハイビジョンの技術、これも今国際標準として今後普及をしていくことになると思います。やはり、IT時代の非常に大切な役割を担っておられるわけですから、今後とも御健闘をお祈りしたいと思います。 以上、質問を終わります。
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。きょうはよろしくお願い申し上げたいと思います。 〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕 私は、本日のNHKの予算及び事業計画について、地元の方でいろいろな方々から御意見を伺ったり、Eメールで、こういう質問をさせていただくけれども皆さんの方から御意見をくださいということでいただいたものをもとに、それぞれの疑問を質問したいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 幾つか質問、少しダブっているところもあったんですけれども、まず、デジタル化についてお伺いをしたいと思います。 先行して始まりましたBS、衛星放送のデジタルの方なんですが、始まった当初、NHKは今もしょっちゅうコマーシャルのような形で番組予告をしたりいろいろなことをされておりますけれども、始まった当初の熱に比べてちょっともう熱が冷めてしまったのかなという感じもいたします。 私もBSの方はアナログの方で見させていただいておりますけれども、今ちょっと普及がややおくれているんではないかなという感じがするんですが、先ほど、一千日で一千万台ですか、そういうお話もありましたけれども、この進捗状況はどうなのか、予定どおり行っているのか、それと今後どうなのかということもまずお聞きをしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 二月末現在で、私どもの方で集計しましたところ、BSデジタル放送を受信している世帯は、直接受信あるいはCAテレビを合わせて百五十万世帯に達したということでございます。 〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕 この三月は、まだ集計しておりませんけれども、十万ないし二十万近くは行ったんじゃないかと、つまり百六十五万から百七十万世帯に三月末までにはなるだろうと見ております。 私ども、一千日一千万世帯という目標を掲げております。この目標は、私は今の状態でいけば達成できるだろうというふうに見ております。 この三月期は、家電の廃棄の問題でいわゆる小売業者の方が、電器店の方がそっちの方に力を入れたということで、若干売れ行きが鈍ったというような状況はありますけれども、私はこの四月から各電器商なり大型店等もこのハイビジョンの普及促進のためにいろんなキャンペーンをするというふうに伺っております。私どもも五月の連休期間中、これはBSデジタルフェアということで、BSデジタルのメリットといいますか成果について視聴者の皆さんに実際に見てもらう、あるいは番組等でもさらに放送して理解してもらう、そういう運動を展開する方針でおります。そういう面で、急激に、生産ラインといいますか各メーカーの方も生産体制が今整ってきたと聞いておりますので、私はこれからが正念場だろうと見ております。 そういう面で、こういうものは一喜一憂でなくて、やはり地道な普及促進活動をしながら、視聴者の御理解を得ながらだんだん普及していくものだろうと、そういうふうに見ております。
○高橋千秋君 ありがとうございます。 これはチャンネルの割り振りの問題もあると思いますけれども、今回、民放もBSに参加をしたわけでありますが、先ほど報道とか教養だとか娯楽のパーセンテージの数字の報告もございましたけれども、私たちがNHKに一番求めているというか一番頼りにしている部分というのはやっぱり報道ではないかなというふうに思うんです。 震災があったり大きな事故があったりしたようなときに、やはり最初に見るのがNHKだと思うんですけれども、先ほどCSのお話も出ておりましたが、スカパーの方ではニュース専門チャンネル、もうかなりございます。海外でいえばCNNとかBBCだとか、ニュース専門、ニュースだけをやっているチャンネルというのはかなりあると思うんですけれども、これは放送法に触れるのかどうかよく私の方ではわからないんですけれども、NHKとしては、やはり今後ニュースだけというチャンネルのことを考えておられないのかどうかですね。 今、BS1の方はニュース中心で、世界各国のニュースも見ることができますけれども、私たちとしてはやはりBS1だったらBS1を見ていれば常にニュースが見られるというような、そういう安心感のようなものがあれば非常にいいなというふうに思うんですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、地上波は総合、教育波を持っておりますし、BSの方はBS1、BS2あるいはハイビジョンという三波あるわけでありますけれども、この地上波の総合テレビは、私ども、報道、教養、教育、娯楽をバランスよく編成しているわけでありますけれども、今、教育テレビも含めてテレビの方は二十四時間体制、二十四時間放送に踏み切っております。そういう面で、いつでもニュースがあれば速報を出せる体制になっております。 特に日本は災害の多い国でありますので、いつ地震、津波が来るかわからないということで、二十四時間放送を今しているわけであります。そういう面で、この前の芸予地震にしても、地震が起きたと同時にテロップで速報を出し、そして五分後には臨時ニュースに切りかえて放送するということで、この総合テレビを見ておりますと、あらゆる情報がテロップになり、あるいは速報という形で放送をしております。 そういう面では二十四時間ニュースが流れていると言っても過言でないほど総合チャンネルについてはニュースを重視している。いわゆる国民生活に役立つ、あるいは国民の生命、財産を守るという意味合いからそういうふうに対応しているわけであります。 BS1の方はスポーツとニュースということで、特に朝の五時から十時近くまでは海外の今十九の放送機関の主なニュースをそのまま流している。そしてまた、各正時十分前はニュースBS50ということでニュースを十分ほど流す。それと同時にまた、速報があればすぐそれに対応するというふうにはしているわけであります。 そういうことで、ニュースだけ、一チャンネルだけニュースというのは今の状態ではなかなか難しいわけでありますが、地上デジタル放送になって今度は普通のSD、いわゆる標準テレビならば三つのチャンネルあるいは四つのチャンネルがとれる時代になると思います。そうしますと、移動体向けのチャンネルも可能になりますので、そういう移動体のチャンネルに向けてのニュース専門波といいますか、一般の家庭でも、また自動車でもバスでも船でも見られる。そのチャンネルができれば、それをニュースチャンネルにしてもいいんではなかろうかというふうに私は個人的には思っておりますけれども、まだ地上デジタルのチャンネルプランが決まっていない段階でありますし、どういうふうに取り組んでいくか、これから検討がなされると思いますけれども、地上デジタル放送ができれば私は多チャンネルのメリットを生かしてニュースチャンネルをつくってもいいんではないかというふうに思っているところでございます。
○高橋千秋君 今、地上デジタル放送、地上波デジタル放送の話が出ておりましたけれども、これは二〇〇三年からスタートされるというふうに聞いています。それで二〇〇六年には全国にというお話なんですが、そうなればニュース専門チャンネルも考えたらどうかというお話がありましたけれども、おととい地元で集会をやったときにこのデジタルの話をしましたら、地上波のデジタルについては全く、普通の皆さん御存じなかったんですね。BSのデジタルについてはもうかなり御存じな方が多いんですけれども、この地上波の方についてはほとんど御存じないと。 二〇〇三年ということになるともうあと二年ぐらいでございますけれども、この進み方については、当初の二〇〇三年、そして二〇〇六年には全国という話は、そのままの計画で進んでいくのでありましょうか。そのことをまずお伺いしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども放送事業者といたしましては、総務省ともいろいろ協力し合いながら、連絡し合いながら、今事業計画を進めようとしております。 まず、二〇〇三年の末から東京、大阪、名古屋の三大都市圏、二〇〇六年末からそのほかの県庁所在地という目標を立てております。その前にいわゆるアナ・アナ変更ということで二百四十六万世帯の周波数を確保しなきゃならないという大きな課題を背負っております。これは、先ほども御質問ありましたように基盤整備の問題であります。そういう面で、まずこの基盤整備をきちっとした後、本放送ということでありますので、これから四千七百万世帯といいますか全世帯に、いわゆるこの地上デジタル放送は国民全体の課題、国家的事業として私はとらえないと御理解が得られないものだと思っております。 そういう面で、この地上デジタル放送をするに当たってのメリットといいますかどういう利点があるのか、視聴者にとってどういうプラスがあるのか、どういう成果が得られるのかということをやはり詳しく説明し、理解してもらわなければ、つまり国民的コンセンサスがいただけなければこの地上デジタル放送は認知が進まないだろうと見ております。そういう面で、まだまだ我々の普及活動といいますかPR活動が不十分な点は十分認識しております。 そういう面で、これから民放さんあるいは総務省、あるいは電機メーカー、流通事業者とも一緒になって、この地上デジタル放送のメリット、成果というものを詳しく視聴者国民に説明し、理解を得ながら着実に進めていきたいと、そう思っております。 私は、この地上デジタルといいますかデジタル化はやはり世界の潮流でありますし、技術の進展を我々は社会に還元しなきゃならない立場でありますので、いろんな意見があると思いますけれども、そういう地上デジタル放送のメリットというものをさらに理解してもらうよう努力をしていかなきゃならないということを今改めて思っている次第であります。
○高橋千秋君 そこで、先ほどアナ・アナ変換という言葉が出てまいりましたけれども、これは同じようにおとといその話をしたときに、そのアナ・アナ変換については地上波デジタルということを知っている方にとっても全く知らないと。先ほど、二百四十六万世帯に影響が出てくるというお話でしたが、これはNHKそして民放にとってもかなりの負担になるとは思うんですが、やはり一番負担になるのは一般国民だと思うんですね。 今のテレビ、大体みんなもうリモコンでプリセットされておりますから、それをまた変えるという形になりますので大変混乱が出てくると思うんですが、先ほども支障がないようにというお話がありましたけれども、それの準備状況はどうなのかということと、それから総務大臣に伺いたいんですが、これは、アナ・アナ変換の意義、目的というのが、チャンネル変わりますよと普通の国民の方に言っても、何で変わるんだというのがなかなかわからない。デジタル放送だけのためにこのアナ・アナ変換が行われるのかどうか。それと、総務省としてこのアナ・アナ変換についてどのように考えておられるのかをお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(景山俊太郎君) 我が国におきましては、中継局がきめ細かく置局されておりますから周波数事情が極めて逼迫しており、デジタル移行に先立ちまして、アナログ周波数の一部変更、いわゆるアナ・アナ変更が必要だと思っております。 このアナ・アナ変更の影響世帯数及び対策経費につきましては、昨年四月、民放、NHK、旧郵政省から成る地上デジタル放送に関する共同検討委員会におきまして、影響世帯数、先ほど言われましたように約二百四十六万世帯、対策経費八百五十二億円との検討結果を得たところであります。 総務省といたしましては、この検討結果に基づきまして概算要求を行い、約百二十三億を平成十三年度予算として認めていただいたところであります。 総務省として、デジタル放送への移行を円滑に進めていくために、地上放送のデジタル化の意義やスケジュール等につきまして国民視聴者への一層の周知活動を進めていくほか、アナ・アナ変更を着実に実施するなど、今後とも地上放送のデジタル化の推進に取り組んでいきたいと思っております。
○国務大臣(片山虎之助君) 高橋委員からお話がありましたが、今も景山大臣政務官からお話がありましたが、電波事情が非常に逼迫している。これで移動体通信がもっともっとこの需要が拡大しますから、モバイルというものが。そこで、やっぱりもっと効率的に系統的に電波というものを使っていかなきゃいかぬと。そうなると、やっぱり今のアナログの周波数を整理していく必要があると。アナ・アナに、即アナ・アナですね、電波を有効利用するという一つ。 それから、今デジタルというのは、釈迦に説法でしょうが、世界の大勢でありますし、デジタルでやることによっていろんな大きなメリットがあるわけですよね。高品質になる、あるいは双方向になるとかデータ通信ができるとか音速変換ができるとか、何度もこの委員会でも答弁させていただきました。 そこで、そういうことを考えますと、どうしてもデジタルに移行してもらわなきゃいかぬと。ただ、それは一遍にできませんよね。まずアナ・アナ変更をして、それからデジタルにかかってもらって、そこで今度の電波法で、とにかくアナ・アナをやるのにお金を政府の方も出させていただこうと。そこで、条件として、かかったら十年でやってくださいと、十年で。こういうことでございまして、二〇一一年から全面的デジタル移行と、こういうことなんですね。二〇〇三年から始めてもらうのはキー局で、それまではアナ・アナをやって、ローカル局は二〇〇六年からと、こういう話でございますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 それは、私は一般の人はなかなか御存じないと思いますよ。やっぱり、今電波法を出して、この電波法でそういうことを書いているんですから、国会で大いに議論していただいて、NHKを初めマスコミの皆さんに報道していただいて、我々も大いにこれからPRしますから、地上波もデジタルでなければ、通信衛星や放送衛星だけのデジタルには結局限界がありますよと、こういうことを大いにPRしますから。私は、日本の人というのはみんな頭がいいし、わっと雰囲気でみんなわかってきますから、これからわかっていただけると思うんだけれども、今のところそうでしょうね。だから、これから大いに努力していきたいと、こういうふうに思っております。
○高橋千秋君 先ほどちらっと出ましたが、二〇一〇年までデジタルとアナログを同時にやっていくということで、この二〇一一年になるとアナログは完璧にとめるということで理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 法律の建前はそういうことでございます。
○高橋千秋君 集会でその件もお話ししたんですが、それでかなりびっくりされている方が多かったんですね。 先ほど家電リサイクルの話も出ていましたけれども、一日から家電リサイクルの話が出てまいります。それで今、きょうも朝ニュースでもやっていましたが、物すごくテレビが売れているんですね、この時期、今週ぐらいですが。というのは、リサイクルでお金がかかるということもあって、いっそのこと買いかえてしまおうかという話が多いということで、大手の家電センターなんかに行くと倍ぐらいテレビが売れていると。これは二〇一〇年の時点でもっと大変な騒ぎが出てくるんじゃないかと。二〇一一年になったら急に今見ているテレビが見れなくなるわけですね。その時点で、全国で何万台テレビがあるのか、一軒で最近だと二台、三台当たり前でございますから。それが一挙に二〇一一年の段階で見れなくなると。同時にデジタルのテレビも売っていくわけだから問題ないという話もあるかもわかりませんが、そうはいっても、この家電リサイクルのような話、もう間際まで来た段階じゃないと急に買おうかということにはならないわけですね。 それから、事前に聞いた話では、大体テレビの寿命が十年ぐらいだというお話もありましたが、私の見ているテレビは結婚したときに買いましてもう十何年きれいに映っておりますし、最近のテレビ、特に日本の、日本でつくっているもの全部ではないんですが、大変技術がいいわけで、きれいに見れますよね。ことし買ったとしても十年以上は多分見られる、普通のテレビであれば見られると思うんですが、その二〇一〇年の切りかえのときに大量の無用の長物が発生をするという可能性がございますね。これは、今の家電リサイクルの話以上に大変大きなごみの問題になってくると思うんですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 高橋委員御指摘になりましたように、テレビの買いかえサイクルといいますか、耐用年数からいいますと、最近のテレビはおっしゃるようにかなり長い間よく見えると思うんですね。しかし、モデル等の変更等があって、今までの買いかえサイクルを見ておると、大体八年から十年というのが一般的かと思っております。 そういう中にありまして、デジタル放送に変えるということの意義は、先ほど大臣、また政務官の方からお話ししたとおりでございますが、そういった趣旨に基づいてデジタル化をするが、しかし視聴者保護のために二〇一〇年まではサイマル放送という、両方を流していくということでございます。 途中でデジタルテレビに買いかえていただく方も幾つかのパターンがあると思うんですね。買いかえといって、新しいのを買って古いのをそこの時点で廃棄される方、あるいは新しいのを買って、まだアナログ放送もあるんだからそのまま置いておこうといってごらんになる方、いろいろあると思います。また同時に、デジタル放送が大変魅力的だ、そして画質もいいということでデジタルテレビの方で画質を見ておいて、またもう一つは旧来のアナログテレビだけれども、セットトップボックスというのを買って、そしてデジタルの画像も映るようにし、かつ一部の機能ではありますけれども、双方向機能も楽しむという方もいらっしゃると思う。 そういういろんなパターンがあると思うんですが、そういう中において、ただいま御指摘の家電リサイクル法、すなわち特定家庭用機器再商品化法というものが四月一日から施行されます。これでかかってまいりますエアコン、テレビ、そして電気冷蔵庫、電気洗濯機、この四品目でございますが、このテレビの中でブラウン管式のものに限っておりますが、ブラウン管式のテレビがこのリサイクルの対象になってまいります。 この対象になりますテレビは、小売業者による引き取り義務や、それから製造業者による再商品化実施義務が措置されておりまして、これによりましてリサイクルに対する配慮が一般的にも高まってくることを期待するわけでありますが、同時に廃棄物の適正な処理が図られるようになるものと認識をいたしておりまして、製造業者には五五%以上のリサイクルの実施が義務づけられることとなっておるわけでございまして、それは御指摘のとおりでございます。 こういうような中で、しからば一遍に全部出てくるのかというと、今申し上げたようにセットトップボックスを設置される方もいる、あるいは買いかえたときにすぐ廃棄される方もいる、いろいろな形の中で順次廃棄物というものが出てくる。そしてその廃棄物は、このリサイクル法によって適切に処理されていく。そういうことで、無用の長物が山のように出てきて処理できないような状況になる、あるいは環境等に悪影響を及ぼすようなことに一気になるのではないかということにつきましては、消費者の御理解が得られ、そして順次それが段階的に進んでいくものと理解をいたしているところでございます。
○高橋千秋君 理想はそうだと思うんですね。ただ、現実にこのリサイクル法が施行される寸前、今ですが、かなり不法投棄が問題になってきていると思います。私の家の近辺でも、大きな冷蔵庫やテレビが捨ててあったりとか、そういう状態になっているのも現実のことだと思います。先ほど答弁ございましたような話というのは、やはりそれはそうあるべきだと思うんですね。しかし、片山大臣が先ほど言われたように、日本人は賢いけれども、その間際にならないとなかなかそういう機運は高まってこないと思うんですね。 その切りかえのときに、先ほどセットトップボックスですか、それをつければいいというお話ありましたけれども、例えば近所のラーメン屋さんの上の方にちょっと置いてあるようなテレビだとか、もう何年も見ている小さなテレビだとか、いろいろございますね。そういうものすべてがその対応ができるのかどうか大変疑問だと思いますし、そういう対応ができない。 それから先ほどの、もういっそのことそんなものをつけるなら買いかえようということになると思うんですね。そうなったときに大量のそういう廃棄物が出てくると思うんですが、先ほどの理想的な話はありますけれども、現実問題それで対応できるのかどうか大変危惧しておるんです。これに対してはもう少し政府として何らかの対応を考えていただいた方がいいんじゃないかと思うんですが、いかがでございましょうか。
○副大臣(小坂憲次君) 当委員会で環境問題と廃棄物の問題ばかり議論するわけにもいきませんが、今の御趣旨は、そうならないように私どもも努力していきたいと思いますし、また環境及び商工等の関係の委員会におきましてもそういった点について議論をしながら、またこの廃棄物に関しては注視しながら、環境問題等の影響を注視しながらまた対策を私ども政治の分野においてもとっていかなければならないと考えているところでございます。 また、その中にあって、しからば放送局や視聴者に対する何らか、政府として何かやることないのかと。例えば、補助を出してやったらどうだというようなことも以前委員もお話しになったと思うわけでございまして、そういった点を考えますと、特定家庭用機器再商品化法、これによってはどうなんだ、こういうことでございますが、これらは消費者にはリサイクルにかかる料金と収集、運搬にかかる料金の負担をお願いする、こういうことになっているわけですね。小売業者によります収集、運搬は、これは義務化されておりますし、製造業者に対するリサイクルも義務は定められております。 しかしながら、一方放送局はどうかといいますと、放送局に対しては何らかの義務が課されているわけではございません。それはなぜかといえば、これはデジタル化というその中で方式を変換するということで、別に廃棄をさせるというためにやっているわけではございませんので、その部分については負担を求めておりません。かわりに、リサイクルの中で受信機の買いかえが無理なく進むような期間を私どもとりましたことと、それから受信者の対策というものも同時にとらしていただいて、国費の負担を出して十年間という期間を定めております。 この十年間という流れの中で処理させていただくということを考えておりますので、これに対して特段の何か補助等の施策を考えないのかと今お聞きになられておられるところでは、私どもは考えておりませんで、この計画の中でスムーズに進むように、また廃棄物対策については、その状況を見ながら各関係の委員会等を通じて対策をとってまいりたい、このように考えているところでございます。
○高橋千秋君 次に、受信料のことをお聞きしたいと思います。 先ほど契約率八二・五%という話がありましたけれども、私の個人的に想像していた数字よりも高いなと思ったんですが、そうは言いながらも、まだ二〇%近くの方が契約はされていない。このNHKの受信料については、語弊があるかもわかりませんが、いわばテレビを見る方の税金のようなものだと思うんですけれども、やはり公平性という問題があると思うんですね。 これは放送法でそうなっているからということだったんですが、ある方からEメールが来たのは、旅館を経営している方が、かなり幾つか部屋があって、当然そこにテレビがありますから、そのテレビを見ていただくお客さん、その方々は各個人で家でNHKを見たりテレビを見るわけですから契約をされている。旅館の各部屋の受信料については、その旅館の経営者が支払うわけですね。これはもう放送法でそうなっているからということを事前にお聞きしたんですけれども、どうもこの旅館の経営者の方から見ると二重に払っているような感覚があると。 一方で、二割近い方が契約をしていない。私も何人かから聞きましたけれども、私は払っていませんという方もお見えになります。実際にお見えになるわけでありますけれども、そういうことから見ると、なかなか公平性というところから見るとやはり不公平感があるんじゃないかなというふうに思います。 先ほど、事前の質問でスクランブルはかけないというお話がありました。これはNHKという性格上スクランブルをかけるというのはなかなか難しいと思うんですが、これから地上波デジタルも始まれば、ある程度技術的な部分でそういう受信料の収納の部分を解決できる部分もあるのではないかと思うんですが、この点についてはいかがでありましょうか。
○参考人(芳賀譲君) お答えいたします。 先生御指摘のように、このスクランブル技術、それをスクランブルとしては使いませんけれども、デジタル技術をお客さんに働きかける、いわゆる電波を通じてメッセージを出して働きかけさせていただくという形で既に十二月から、実質的に運用したのは一月になってからでありますが、運用を始めております。 今の契約がなかなか進まないというのは、世帯移動がフォローできないということと同時に、やはり直接お会いすることが大変難しくなっている、生活時間帯が区々になっておりますし、それからロックマンションがふえる等々ございまして、訪問して面接させていただくというのはなかなか限界がございます。これをこのデジタル技術を使いまして、お客さんがNHKのチャンネルをごらんになるときにメッセージの形で働きかけさせていただきたいということで、メッセージシステムということをBSデジタル放送に導入してございます。 やり方は、BSデジタル受信機、これは内蔵受信機あるいはセットトップボックス、両方でございますが、それを設置して、スイッチを入れてから三十日後にこれは時計が働くわけでありますが、NHKのチャンネルを合わせますと、左隅九分の一の画面にNHKへのお届けをお願いします、フリーコール何番へお電話くださいという形でお願いをするものであります。これは約十五分間表示をされます。この間にお客さんに指定した番号にお電話をいただきますと、私どもで名前でありますとか住所、それから我々はB―CASカード、こういうふうに呼んでおりますが、そのID番号を御連絡いただきまして、メッセージはすぐに消しております。 こういうふうに御連絡をいただくことで衛星放送につきましては、どのお客様がおつけになっているのか、受信されているのかという発見、把握が格段に進むものというふうに考えています。こういうことで今後ともやってまいりたいというふうに考えています。
○高橋千秋君 時間が少なくなってきたんですが、先日、日経新聞の特集で、料金が安くなったら利用したいもののベストテンというのが出ておりました。その中にケーブルテレビというのが入っていたんですね。 私の実家の方もケーブルに入っていまして、三重県は比較的ケーブルテレビの普及率が高いんですけれども、やはりケーブルと連携を組んでいくということも事前の資料で見させていただきましたけれども、こういうところについて普及を図っていくためには、先ほどの金額の問題もありますが、ケーブルを通じて見られる方に対しては受信料を特別安くするとか、そういう方向性というのはあるんでしょうか。
○参考人(芳賀譲君) 先生御指摘のように、ケーブルテレビへ入ってテレビを視聴されるお客さんは年々ふえております。私どもの推計で、地上放送のおよそ五割、それから衛星放送でいえば約三割の方はケーブルテレビなど共同受信方式で受信されている、この方々が年々ふえているというふうに把握しておりまして、この方々の契約促進をどうするかというのは私どもの大きな課題でもあります。特に、ケーブルテレビでありますと、どなたが受信されているのか発見、把握が外からではなかなかわからないということがございます。 そういうこともありまして、私どもは、ケーブルテレビに加入して見ていただいているお客さんの中で衛星放送を見ているお客さんですが、この方々には二通りの支払い方法を御提示しております。一つは戸別受信、そのままで見ている方と同じように戸別に支払っていただく方法。それからもう一つは、ケーブル事業者を通してお支払いをいただくという方法。この二つを提示しておりまして、後者、ケーブルテレビ事業者を通してまとめて、これは十五件以上ということなんですが、まとめてお払いをいただく場合には月額で訪問集金額よりも二百五十円割り引くという形で実施をさせていただいています。既に大規模なケーブルテレビにおきましても二百二施設、それから小規模のところも入れますと千九百弱のケーブルさんで御利用をいただいていまして、利用者件数も五十八万件弱まで進んでおります。 今後とも、このところのPRも含めまして、お客さんに御理解をいただくことによって、お客さんにも利便性があり、なおかつ私どもの受信料の公平負担の徹底ということにも役に立つということで促進をさせていただきたい、こんなふうに考えています。
○高橋千秋君 時間がなくなってきましたので最後にしたいと思うんですが、先日、ある農業関係の方とお会いしたところ、先日、NHKの方で韓国の野菜の特集、東南アジアの野菜の特集がございました。きょうも朝のニュースでシイタケとネギのセーフガードの話が出ておりましたけれども、農業者、そういう専門家にとっても非常に勉強になったと。一方で、かなりショックも受けたというお話をいただきました。 来年度はどうも食というテーマでやられるというふうにも聞いているんですけれども、ぜひそういう農業者にとっても啓蒙的なものもつくってほしいということと、それから、そういうところにぜひ農業者、どんな番組に限らずいろいろ専門の方がお見えになりますが、そういう方々も直接番組制作に参加させてほしいという要望をぜひしてほしいということを申しておりましたので、そのことの御返答を少しいただいて、私の最後の質問としたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、世界的な共通の課題といいますか、人口、食糧、エネルギー、資源とか環境問題、教育問題、こういう世界共通の課題についていろんな番組で取り上げています。これまでも教育とか環境問題をやってきておりますけれども、十三年度は特に食糧、農業問題を年間を通じて全放送局も一緒になって問題意識を持って取り組もうということにいたしました。 ことしの三月に、私どもは日本農業賞というのをJA中央会と一緒になって三十年やっております。それを機会に、私ども、もう少し食糧問題、農業問題、これはひいては環境問題、家族の問題、いろんな問題を含んでおります。そういう面で、ことしは重点的に食糧、農業問題をやろうと思っております。 それには、やはり生産者あるいは消費者、いろいろな方がここにかかわらなければいいものはできません。そういう面で、食糧問題、農業問題というのはやはり実際にこれにかかわっている人たちの意見なり、あるいは生産現場なり、そういう視点というものを大事にしながら、視聴者参加という意味でも協力を得ながらやっていきたいと思っておるところであります。 そういう面で、私どもはやはり視聴者国民あっての公共放送でありますから、そういう視点を忘れないでいい番組をつくっていきたいと思っておりますので、ひとつ今後ともいろんな面での御指導、御鞭撻をお願いしたいと思っておるところであります。
○菅川健二君 同じく民主党・新緑風会の菅川健二です。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、家庭ではNHKおじさんという称号を与えられておるわけでございますが、NHKのファンであるということで、かたいおじさんだという感心をされておる反面、民放のおもしろい番組も知らないかわいそうなおじさんという意味も含まれておるようでございます。 ただ、最近の番組を見ますと、幾つか感心する番組があるわけでございまして、先ほども世耕議員からございました「プロジェクトX」、これは非常に人々に勇気を与えると。例えば、私の地元の広島県のマツダのロータリーエンジンの開発につきましては大変人々に感銘を与えた例もあるわけでございます。それから、生活情報として「ためしてガッテン」というのは大変役に立つ番組でございまして、これもできるだけ見るようにいたしておるわけでございます。そして、国谷さんの「クローズアップ現代」というのもあるわけでございますが、これはもとは九時半から行われておったのが、昨年ですか、七時半になりましたので、ちょっと七時半の番組はなかなか見られないような事情がございまして、残念だなと思っておるわけでございます。 いずれにいたしましても、総じてNHKは頑張っておられるのじゃないかと思うわけでございますが、この機会でございますので、褒め殺しばかりしても仕方がございませんので、進歩がございませんので、ひとつ幾つかの問題提起をいたしたいと思っておりますし、また会長さん初め役員の皆さんの御認識もお聞きいたしたいと思います。 まず、身近に起こった問題といたしまして、去る三月二十四日に芸予大地震が広島、愛媛に発生いたしたわけでございます。たまたま私、地元の広島市内におりましてその場面に遭遇いたしたわけでございますが、地元の自宅等に電話しようと思いましても携帯電話も一般の電話もなかなか通じないというような状況にありまして、その中にあってNHKがいち早く災害情報をずっと放映を続けたわけでございます。大変皆さんに安心感を与えたのではないかと思っておるわけでございます。 そこで、よく言われておる言葉に、これは中谷宇吉郎さんの言葉ですが、天災は忘れたころにやってくるという言葉があるわけでございますが、今はまさに忘れないうちにやってくるような災害が多いわけでございます。先般の地震におきましても、災害に遭われて亡くなったり、それからけがをされた人の事例、私は幾つか実際に現場も見せていただいたわけでございますが、これにつきまして感じましたことは、地震に対する基本的な備えを体で覚えておりますと、それほど被害はなかったのではないかと思うような事例がたくさんあるわけでございます。よく言われておりますように、地震が揺れたらまず丈夫な机やテーブルの下に隠すとか、慌てて外に飛び出すなとか、幾つか基本的な心構えがあるわけでございます。そういった心構えというものが身にしみておれば、まさに災害は防げたんじゃないかということでございます。 そういった点におきまして、NHKのテレビ放送で幾つかスポットでいろいろなことをやっておられますけれども、風水害の時期におきましては風水害に対する備えとか、あるいは地震の場合は時期がはっきりいたしませんのでなかなか難しいわけでございますが、やはり地震というのは、今、日本列島で思わぬところで神戸大地震を初め起こっておるわけでございますので、そういった面で日常的な心得というものをスポット放送でぜひ流すようなことをしてほしいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 今、先生御指摘のように、災害は本当に忘れたころに来るということがありましたけれども、本当にいつ来るかわからないのが最近の現状だろうと思っております。 そういう面で私どもも、災害が起こってからではだめなんで、やはり防災といいますか災害を未然に防ぐ、また災害が起こってもそれの被害を最小に食いとめる、そういうのが放送の役割の大きなものだろうと思っております。 そういう面で、放送の方も以前は深夜帯は放送を休止しておりましたけれども、数年前から二十四時間体制にして、いつでも地震、津波に対応できるように体制を組み直したわけであります。そういう面で、やはり防災という面にさらに重点を置かなきゃならないだろうと思っております。それと同時に、視聴者国民には常にそういう防災の面から、避難場所なりあるいは地震が起こった場合のいわゆる対応の仕方、そういう面についてさらに詳しく報道するのも我々の使命だろうと思っております。 今、先生御指摘の点につきましては、これからいろいろな面でいろんな防災の関係の番組をつくっておりますので、そういう中でさらに工夫を凝らしていきたいと思っております。
○菅川健二君 それから、特に最近青少年の犯罪とかあるいは学級崩壊、それから不登校、児童虐待、いろいろ青少年をめぐる問題が多発いたしておるわけでございます。いろんなそれぞれ要因があるわけでございますが、やはり基本は家庭にありということが共通して言われるんじゃないかと思うわけでございます。 そういった面で、家庭を取り巻く環境、問題について番組の中で特に重点を置いて編成していただきたいなと思うわけでございますが、その現状はいかがでしょうか。
○参考人(松尾武君) 今年度の青少年番組の基本として、家庭のあり方というのを基本軸に据えております。それで、当然青少年を中心にしながらも、父親、母親の問題まで及ばないと全体のテーマは見えてこないということになりますので、例えば十二年度の夏でございますが、「今父親を考える」という特集をいたしました。父親はどうあるべきなのかという、現在の父親像を若い人がどう見ているかということと、それから父親自身がどうあるべきなのかというようなことを含めて、教育テレビで特集として三回シリーズで企画をいたしました。これは長時間、討論を含めて具体的に実施をいたしました。 それから、子育てという問題も大きくクローズアップされてくるというふうに思っております。これも、十三年の三月、ごく最近でございますが、「徹底トーク 日本の子育て」、愛する我が子になぜ当たるということで、子育てが難しくなっている若い母親の世代に対して、一体どうしてうまくいかないんだということを含めての率直な意見交換などを番組にいたしました。それと、これはETV特集で、教育テレビの夜十時からやっているんですが、「日本の母シリーズ」というのを大体二カ月に一週間ずつ、各県ごとに、その県で有名人を含めての活躍なされている方々のお母さんが実際どういう子育てをしたのかということを含めながら「日本の母シリーズ」というのをやっております。 そういう意味で、すべての番組が家庭というものを中心にどう展開できるかということでさまざまな企画を考えて実行しております。来年度についてもその方針は継続していくということでございます。
○菅川健二君 家庭を取り巻くいろいろな側面はあろうかと思います。特に今御指摘のように、親自身が子育てにあるいは子供の教育に自信を失っておるといいますか、本人自身がむしろ教育をされなくちゃいかぬような親もたくさんあるわけでございまして、そういった面での家庭のあり方について直接ダイレクトに考えさせる番組も必要でございますし、かつて小津安二郎さん、これ古い話になりますけれども、私の小さい時代の映画監督でございますが、そういった作品などは、非常にほのぼのとした家庭のよさというものをあらわしておった映画も幾つかあったような気もするわけでございまして、そういった面でいろいろな形で自然と家庭のよさといいますか家庭のありようというものを、ぜひ自然体で入るような工夫もひとつしていただきたいと思います。 それから、先般、情報の地方分権につきまして、民放のデジタル化に関連いたしまして、私、総務委員会で質問いたしたわけでございますが、NHKのローカル放送といいますか地域放送も極めて重要な役割を果たしているんではないかと思うわけでございます。これにつきまして、ローカル放送に対する基本的なスタンスについて、会長の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 公共放送NHKは、視聴者、国民全体の基盤の上に成り立っているわけであります。そういう面で、今、全国放送、地域放送、これを一体として我々は事業運営をしているわけであります。そういう面で、地方局の役割、使命というのは今後ともデジタル時代になっても変わらないものだろうと思っております。そういう面で、地域放送の充実強化というのを今打ち出しております。 そういう面で、最近でも午後五時台から二時間近くにわたっての県域放送をしようとか、あるいは県域だけでなくて各地方から全国へ発信する、その全国発信はひいては世界への発信につながるわけであります。そういう面で、各地の文化なりあるいは産業の発展ぶりなり暮らしぶりなりをやはり全国に発信する、そういう二つの使命があるだろうと思っております。 そういう面で地方局の充実拡充は我々にとっても最大の課題だと、そういう認識のもとにさらに強化を図っていきたいと思っております。
○菅川健二君 基礎的なことをちょっとお聞きしたいんですが、この出されておる資料におきまして、地域放送の二時間三十分という時間帯は出ておるわけでございますが、予算配分上、地方局といわゆる本局との配分の問題、それから要員の計画は一万二千数百名出ておるわけですが、これの本局と地方局の割合というのは大体どんな姿になっており、これが十二年度と十三年度でどういう違いが出ておるのか、あるいはほとんど横滑りなのか、その辺は具体にわたって数字を教えていただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 具体的数字はまた後ほど答弁させてもらいますが、基本的な考えといたしましては、今一万二千五百人前後の職員で運営をしております。そのうち七千近くが地方局、東京が大体五千数百と、地方の方が若干比率については多くなっております。 そういう中で、今地方局も、NHKは全国展開しているものですから、人事異動が非常に頻繁に行われておりますけれども、やはり地域の実情を知った職員もいないとうまく活動できないということで、いわゆるフランチャイズ制といいますか、地域に長く滞在する、そういう記者なりプロデューサーなり職員というものを平成四年からこれまでよりふやしてきております。それと同時に、やはりいろいろな面で活性化を図らせる意味で、地方と東京との交流あるいは地方間の交流も深めながら総合的に運営しているということであります。そういう面で、今、地域放送だけでは二時間半ぐらいでありますけれども、いわゆる地方発の全国番組を入れますとかなりの数字になると思います。 それと同時に、また地方の文化あるいは芸能を紹介する意味での「のど自慢」なり「皆様劇場」とか、いろんないわゆる公開派遣番組を地方でつくっております。これも毎年ふやして、今かなりの公開番組も地方でやっておりますし、BSでは「おーい、ニッポン とことん広島県」とかそういう形での長時間番組をやるとか、そういう面では地方発の全国番組というのはこれまでよりふえている傾向であります。 いずれにしても、地方と全国放送あるいは地域間とのバランスを考えながら総合的に番組の編成をしているというところであります。
○参考人(松尾武君) 放送に係る地域予算の推移という御指摘でございますので、例えば十年から申し上げますと、これは地域の放送経費でございます百十九億余り。それが十一年度になりますと百二十三・九億、十二年度で百二十八・五億ということで、地域放送の直接制作費は年々右肩上がりで上昇させております。しかしながら、国内全体、要するに東京で使う全国番組というのは、経費の効率化及びいろいろな意味で改善を図りまして経費を抑えるという方向で、大体横並びまたは少し右肩下がりという推移をしていますけれども、地域においては右肩上がりの推移をしております。 以上でございます。
○菅川健二君 今の数字は直接制作経費ということだと思うんですが、いわゆる人件費も含めて、大ざっぱに言って大体本局と地方局とどれぐらいの割合になるんでしょうか。細かい数字はいいですから。
○参考人(松尾武君) 今ちょっとその数値が、私は直接経費しか持っておりませんので、後ほど提出するということで御了解いただけますでしょうか。
○菅川健二君 それじゃ、後ほど数字をお聞きいたしたいと思います。 先ほど会長が申されましたけれども、ローカル放送を支えるのにはどうしてもやっぱり人材というのが基本になると思います。 そういった面では、一つは、私も広島県に長くおりましたので、県政記者を初めNHKの方はかなりたくさん知っておるわけですが、ほとんどの人が数年たてばかわって本局に移られる、あるいはよそのローカル局に移られるというような状況でございまして、それはもちろんそれなりのプラスにはなるわけでございますが、やはり地域の歴史とか文化とか地理とか、いろいろな諸情勢、経済情勢、政治情勢を含めてそういったものに詳しいといいますか、そういったローカルを支える一つの人材もある程度おってもいいのではなかろうか。 それから、余りそこの広島なら広島に固定する必要はないんですけれども、先ほど話がございましたように、いわゆるフランチャイズ制といいますか、東京に戻って、また今度は広島なり中国ブロックなら中国ブロックに来る、大体その人のエリアが決まっておる。分野はもちろん決まっておるんでしょうけれども、エリアもある程度決まってくるということによってローカルに詳しい人が育ってくるというようなことにもなろうかと思うんですが、その辺の、地域のローカル番組を支える人材養成についてどのようにお考えになっておるかということをお聞きいたしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども放送事業者の財産は人材であると私はよく言っております。 御承知のように、放送番組は一本一本の手づくりでありますし、専門性豊かでまた個性を持った人材を育てませんと質の高いいい番組はできません。そういう面で、番組の多様化といいますか、報道、教育、教養、娯楽、いろんな分野、森羅万象いろんなものを番組として制作しております。そういう面では専門性というものを我々は重視しております。それでありませんと質の高い番組はできないことは言うまでもありませんので、そういう面で、そういう人材をいかに育成するかが我々の経営の最大の課題であろうと思っております。 また、今フランチャイズ制で地方は地方採用あるいは地域中心ということでありますけれども、そこへ閉じ込めておきますと幅が狭くなってしまう、専門性が出てこないという意味で、東京なり大阪なりへ転勤させ、そこでさらに勉強させる、そしてまた地方へ戻す、そういういろんな多様な人材の育成の方法を考えておりますし、それと同時に、また研修制度といいますか、研修を年に何回もやりながら勉強させていく人材育成というのもやっております。そういう面で、地方には優秀な人材も非常に多いわけでありますから、そういう人材の発掘などを今心がけております。 私どもNHKは、公共放送ということで、今全国に六百ちょっとぐらいありますけれども、すべての大学に門戸を開放して、どこの大学でもNHKに対する受験資格を持っているということで、ことしも二万人を超す人の応募が来ております。そういう中から適材適所で専門性豊かな人材を採用したい、そして育成したい、そう思っております。
○菅川健二君 ぜひ、人材面における地方での役割といいますか、役割を担う人材の養成ということを頭に置いていただきたいと思います。 それから、地方分権がどんどん進んでまいりますと、地域のことは地域で決するということになってくるわけでございます。今、私もほとんどローカル放送をその時間帯に見ることはないんですが、ローカル放送で生活に便利なといいますか、そういった放送、あるいはどこでどういう行事が行われておるというような放送というのはどんどん行われているような気もいたします。 ただ、地域でいろいろ大きな問題になっておる、例えば生活に関連いたしましてごみ問題、ごみの分別収集からごみ処理場をどうするかというような問題、こういった問題についてこれからは住民参加型の行政といいますか、行政と住民が一体になってそのあり方を考えて、そしてよりよき解決の方法を見出していくということが重要になるのじゃないかと思うわけでございます。 それは、もとより行政そのものがそういった姿勢でなければならないわけでございますが、NHKにおかれても、地元の住民、いろいろな利害を持っておる住民の方々の討論の場を提供する等によりまして、非常に困難な問題ではございますけれども、余り困難な問題を避けずに、みんなで地域をどうよりよくするかというようなことを討論、検討する番組もつくっていただきたいと思うわけですが、その点についてはいかがでしょうか。
○参考人(松尾武君) 私どもは数年前から地域重視という政策をとっておりまして、地域の局長が一定の編集判断をするということで、局長による判断で自主編成することを可能にいたしました。したがって、今地域に起こっておる問題については、例えば東京では「土曜特集」というので七時半から番組を組んでおりますけれども、地域によってはそこを地域討論番組に切りかえているところもございます。 したがって、それぞれの地域局によって抱えている問題等々を地域自主編成ということで実行しておりますし、年々そこの強化を図っておりますので、今御指摘のような環境問題を含めて、取り上げるべきは取り上げていきたいというふうに思っています。 そこで出てきた、これは全国に放送する必要があるというようなものについては、これはちょっと深夜帯になるのでございますけれども、十二時十五分以降、深夜帯で再放送をして、地域からの発信ということも含めて実施をしております。 以上でございます。
○菅川健二君 それから、今後NHKの方もデジタル化を進められるわけでございますが、先般、私は、民放の地方局のデジタル化に当たりまして大変な設備投資を要する、したがって単独でデジタル化するのが大変難しい、それについて特別の措置を総務省の方にお願いいたしたわけでございますが、あわせて地方局同士でそれなりに、お互いの設備の共用なりいろいろな工夫によりまして消化できる部分もあるのではないかと思うわけでございます。これは民対民のお互いのやりとりによってできるものもありますし、NHKが加わることによってさらにいろいろな設備の共用により経費の節減が図られることにもなろうかと思います。 この点については、一部その辺の話も行われているやにも聞いておるのでございますけれども、今後の方向性として、NHKとしてデジタル化に伴う民放の地方局の、地上波との関係をどのようにお考えになっておるかをお聞きいたしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 地上デジタル放送をするためには、NHKも民放もそれぞれ莫大な設備投資が必要であります。そういう面で、私どもNHK全体で送信、送出、合わせて三千五百億の経費がかかります。それから民放各社合わせますと五千六百億という数字が出ております。 私は、これではなかなか大変といいますか、経営を圧迫するということで、民放各社に対して、お互いに中継所なり施設を共同建設できるものは共同建設でやっていきましょう、あるいは技術開発によって機材の低廉化を図るものは図っていきましょうという呼びかけをしております。一部の局ではお互いの話し合いがついて、共同で中継所を建てるとか、施設を共同でやっていくとか、そういう方向に今進んできております。 できるだけ、私は今の予定の設備投資を三割なり四割程度削減しなきゃならぬだろうと、そういう方針で呼びかけをしておるところでございます。
○菅川健二君 その点で、総務省としての何かお考えはございますでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) デジタル化が相当な設備投資を要するということは十分認識しておりまして、今、その前段階のアナ・アナ対策に全力で取り組んでおりまして、これもNHKさんと民放さんと私どもの方で検討委員会をつくって進めておりますが、いずれにせよ、デジタル化の具体の着手のあれになりましたら、NHKさん、民放さんと十分な協議をしながら、どういうふうに進めていくのか、その場合何ができるのか、税制だとか融資のそういう意味での支援が私はできると思いますけれども、それで十分なのか、それ以上のいろいろな形があるのかどうか。なお、時間がもう少しありますから、十分検討いたしたいと思っております。
○参考人(笠井鉄夫君) 先ほど先生から御指摘のありました地方局のトータルコストでございますが、地方局、人、物、金、十一年度決算ベースで申し上げますと二千六百二十二億円、本部が三千五百五十七億円、地方局が四二・四%、本部が五七・六%というトータルコストでございます。 なお、要員数でございますが、十三年度要員数、地方局が六千九百三十二人、本部が五千三百三十六人、合計一万二千二百六十八人でございます。 以上でございます。
○菅川健二君 最後に、我が国のありようとか国民生活に政治が大変重要な役割を果たしておるということは当然の話でございますが、そういった中で、政治上の諸問題については公正に取り扱うというような観点からだろうと思いますけれども、例えば、国会議員等が地元でいろいろな活動をする場合に、個別の取り扱いというのはかなり神経を使っておられまして、むしろできるだけ映像にあらわれないようにするとか、いろいろな苦心はされておられるんじゃないかと思うんですが、我々にとってみれば、せっかくいろいろな活動をしておるのに、やはり地元の皆さん方が、国会議員は何しているんだろうかということについてのそれなりの見方もあるんじゃないかと思うわけでございまして、もう少し積極的に地元での活動も取り上げてほしいなというのが率直な私の気持ちでございます。 その点につきまして、何かお考えがございましたら教えていただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 国会議員の皆さんは国民の代表でありますし、私ども、民主主義の健全な発達に資するというのも公共放送の使命でございます。 そういう面で、国会議員の皆さん方の活動ぶり、これは国会活動でいえば、今、年間五十回前後の国会の審議の模様を中継しておりますし、あるいは「日曜討論」で各党の主張、意見を述べ合う場なり、あるいはニュース等でも国会議員の活動については逐一放送をいたしております。 ただいま先生御指摘の、その地方でのいろんな催し物への出席なり活動については、余り神経を使い過ぎて取り上げられないんじゃないかという御指摘であります。 私は、やはり必然性があれば当然取り上げねばなりませんし、政治的公平に、政治的な問題を公平に扱うという項目もありますし、そういう面では、いろんな面で先生方の活躍については取り上げるのが基本だと思いますけれども、ただ、余り政治的公平ということが頭にこびりついて若干そういう面では、十分に伝え切れない面があろうかと思います。 いずれにしても、公の場での活動、あるいは地域の振興なりあるいは文化的な面での活動については私は取り上げても差し支えないと、そういう判断をしております。
○菅川健二君 NHKさんは大変公共放送として立派な役割を果たしておられるわけでございますので、十三年度におきましても国民の信頼を引き続き得て公共放送としての使命を果たされるよう期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として本田良一君が選任されました。 ─────────────
○鶴岡洋君 公明党の鶴岡洋でございます。 皆さん、御苦労さまでございます。何点かありますけれども、前に質問された方と一緒になる点もあると思いますけれども、その点は御容赦いただきたいと思います。 最初に、これこそ一緒になるわけですけれども、今、菅川さんの方からお話があった今月二十四日の震災の件でございますが、大規模ないわゆる芸予地震がございました。亡くなられた方には心から御冥福をお祈りいたしますと同時に、けがをされた方には心よりお見舞いを申し上げます。災害の復興については、政府にさらに万全の対策を要請いたしておきます。 NHKは、災害時における放送の確保、情報の伝達について法律上の特別の責任を担っております。阪神・淡路大震災や東海村のジェー・シー・オー臨界事故の例を引くまでもなく、災害発生時及びそれ以後の通信等情報の確保は住民の生命にかかわる重大な問題でございます。 そこで、この阪神・淡路大震災の際の話を私たちもよく聞いておりますけれども、初動体制を含めて、スキップバック、また手話放送ですか、こういう点について不足、不備な点があったようにも聞いております。また、その反省のもとにそれを教訓として以後検討を行っておるわけでございますけれども、今回のこの大規模地震にはこのような教訓をどのように生かされてきたか、報道体制を実施してきたか、障害者や高齢者に配慮をされたいわゆるニュースの字幕、解説、手話放送の実施は十分であったのかどうか、これはNHKにお伺いします。 一方、この災害について政府の方は、今回の災害時に住民への情報提供、それから被害拡大防止のためのどのような緊急対応処置を講じたのか。特に政府は、自治体と通信放送事業者との協力関係、これは円滑にうまくいったのかどうか。この点について、これは大臣にお伺いいたします。
○参考人(海老沢勝二君) 災害報道はNHKの基本的な役割、使命でございます。そういう面で、阪神・淡路大震災の教訓を我々は生かしていくことが大事だということはもう十分認識しております。そういう面で、この阪神・淡路大震災以来、いろいろな面で訓練も行いましたし、また各放送局に震度計を配置する、あるいは字幕放送、いわゆる活字による情報というものは非常に大事だということで、字幕放送についても強化してきております。 今度の芸予地震につきましては、発生と同時にテロップで第一報を流し、五分後には相撲を中断して臨時ニュースという形で対応いたしました。そういう面で、これまでの教訓を十分生かし切れたのが今度の芸予地震だろうというふうに私は思っております。 ただ、やはりこういう緊急報道、災害報道は百点、いわゆるすべていいというわけにいきません。いろんなまだ改善すべき点、反省すべき点もこれから出てくると思いますが、いずれにしても現場としてはその持っている力を十分発揮して視聴者国民のニーズにこたえるというのが我々の使命でありますから、その辺は十分にわきまえながら、さらに努力を重ねていくことが必要だろうというふうに思っております。 具体的には、字幕放送につきましては今、夜の七時のニュースは自動認識装置といいますか、アナウンサーが読んだ原稿がそのまま自動的に字幕にされるというこれはNHKが開発したものでありますけれども、この字幕放送も四十五分に枠広げをして放送し、視聴者のニーズにこたえることができるだろうと思っております。それから、手話ニュースにつきましても、七時五十五分から八時まで定時で手話ニュースも放送いたしました。そういう面では、被害の状況なり交通機関への影響、気象庁の会見などもわかりやすく伝えることができたのではなかろうかと思っております。 いずれにしても、災害報道は映像だけでなくて、私、字幕放送なりいわゆる人に優しい放送ということで体の不自由な方、あるいは高齢者にも十分に伝わるような工夫ということで、文字放送、手話放送あるいは解説放送、いろんな面に心がけております。まだ十分とは言えませんけれども、今先生御指摘のように、さらにこれを充実強化していくのが我々の使命と、そういうふうに認識しております。
○国務大臣(片山虎之助君) 総務省としましては、直ちに関係の県に連絡をとりまして、関係の県から放送事業者等の報道機関に対して被害情報その他の関連情報を提供するからそれを流してほしいと。そこで、その広域的な情報をとるために近隣府県の緊急消防援助隊、航空部隊、ヘリコプターを十機出しまして、調査飛行を実施して被災地の被害状況の把握に努めて、それを提供して報道機関から住民の皆さんに周知をしていただいた、それが一つです。 それからもう一つは、通信放送分野におきましては、中国と四国の総合通信局に災害対策本部を置きまして、情報収集に努めた上で放送事業者に対して災害の報道をやってほしいと。その場合、今お話ありましたが、障害者、外国人の方に対する情報提供の実施を特にお願いしたわけであります。 また、電気通信事業者に対しては、携帯電話の貸し出し等を要請いたしまして、いずれも快く対応していただいたと、こういうふうに聞いております。
○鶴岡洋君 災害の話をしていたら今ちょっと急に思い出して、通告していないので大変恐縮でございますけれども、先ほど常田先生の方から難視聴者の対策についてお話がありましたけれども、今全国で難視聴者というのはどのくらい、わかれば世帯数、ちょっと教えていただきたいんですけれども。
○参考人(中村宏君) お答えします。 テレビの難視聴につきましては、これは今の総務省、前の郵政省の方々が平成二年度、三年度に実施された、辺地におけるテレビジョン放送の難視聴実態調査の結果につきましては、現状では不満足な画質で受信している世帯は約七万世帯というように報告されていると、私たちはそのように承知しております。
○鶴岡洋君 大臣、お願いします。
○国務大臣(片山虎之助君) 私のところに届きました資料を見ますと、視覚障害者は三十万五千人、聴覚言語障害者は三十五万人、いわゆる難聴者は六百万人、これは高齢化してお年寄りが難聴になりますからね。そういうふうに数字が出ております。
○鶴岡洋君 難視聴地域、いわゆる世帯数は七万と今お聞きしましたけれども、災害の、大臣、今そちらの方を聞いていたんです、済みません。私は、この難視聴地域、この件については、災害のときこそ難視聴地域への情報は大切ではなかろうか、こういうふうに思ってお聞きしたわけです。 今、七万とおっしゃいましたけれども、もちろん十年前、十五年前から考えれば受信者数はどんどんふえているわけですから、難視聴地域の世帯数が割合として少なくなっているのはこれはよくわかりますけれども、私の記憶では、会長が三代も四代もかわっている十五、六年前から十万世帯ということでずっと続いているわけですよね、これは世帯数ですけれども。 そういうことで、三万ぐらいしか減っていないんですけれども、当時は、たしか十五年ぐらい前だと思いましたけれども、いわゆる難視聴者のために衛星をやるということで、そのときに問題になったのは、地上波の人から受信料をいただいて難視聴者のための、日本は山、川が多いですから、そういうところで全国ネットになる衛星放送をやろうと。そういうことは先ほどもちょっとお話しありましたけれども、そこから派生して、放送法の三十二条から絡めて第九条のいわゆる業務範囲ということにもなってくるんじゃないかなと、こう思うんです。 そういうことで、私が申し上げたいのは、この難視聴というのは、今言ったように災害のためにもこれも特に必要でありますけれども、十年も十五年もたって相変わらず七万、八万というのは、私、ちょっと何とかならないのかな、こういうふうに思っておるんですけれども、この対策としては、具体的にはNHKはどうなさっておりますか。
○参考人(中村宏君) お答えします。 この難視聴の世帯につきましては、全国に小さな世帯で散在しておりまして、これを地上のテレビの中継所とか共同受信施設ということでは大変施策が困難である、経費も高いということでございまして、昭和五十八年度末をもちまして地上の改善は、先ほどお話ししましたけれども、スポラディックE層、要するに外国の混信とか地域の特別の事情がある場合のみ行うということで、そのほかは、今先生お話しのように衛星を使いまして難視聴の解消を行うということで、これはBS2という波が難視聴解消波の役割も行うということで取り組んでおりますので、その方たちは衛星放送を見ていただくということでございます。 今回も、これはBSデジタル放送でのデータでもありますけれども、今回の芸予地震につきましても、データ放送もニュースとともにNHKは詳細な震度情報等を行って、千地点の地区にお伝えしたということもございます。
○鶴岡洋君 私の質問が話が長いのか、答弁の方が長いのかわかりませんが、もうこれで時間になってしまいましたので、あと一問だけちょっと済みません。 NHKが、「IT時代のNHKビジョン」、この本ですけれども、この中には、「当面、受信料額の改定を行わない」と、こういうふうに書かれておりますけれども、端的に言ってこの当面というのはいつまでなのか。会長は在任中は受信料は値上げしないということも私聞いておりますけれども、会長は十年も十五年もということではないでしょうけれども、当面というのはこれはいつを考えて当面と言っているのか、それだけ教えてください。
○参考人(海老沢勝二君) 今、経済が非常に難しい状態といいますか、不況の時代であります。そういう中で、私ども、視聴者国民に新たな負担をかけないように、効率的にいわゆる構造的改革をして経費の削減を図りながらいい放送をしていこうということで、今受信料を値上げする考えは持っておりませんし、まだそういう状況でもないと、こういうふうに思っております。 そういうことで、私、四年前に会長に就任して以来受信料は値上げしないということで今日来ております。そして、あと私、二年任期がありますけれども、私が在任中、この改革路線を進めて新たな受信料の値上げをしないということを発言してまいりました。そういう面で、私はそれを当面という言葉で置きかえたわけでありますけれども、平成十五年度まではとにかく値上げしないという決意を改めて申し上げておきたいと思います。 その後のことにつきましては、経済がこれからどのように変化していくか、それも見なきゃなりませんし、また、いろんな客観情勢も踏まえながら考えなきゃならぬと思いますけれども、ともかく私は、私の在任中は値上げしないということを改めて申し上げておきたいと思います。
○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。 もう時間が来ましたのでこれでやめますけれども、私がなぜそれを申し上げるかというと、先ほどからいろいろ皆さんからお話があったように、昨年十二月からBSデジタル放送が始まっている、ことしから三年にかけて地上デジタルが始まる、用意をするということで膨大なお金がかかるわけです。NHKでは五千億ですか、それから民間では五千六百億。これは設備、いわゆるハードの方ですけれども、それに加えてアナ・アナの転換でもやはり相当金がかかるわけです。 そういうことで、それがかかったから、まだ経費がかかるわけですから、そういう理由でどうしても上げざるを得ないということにまたなると、これ話が違うような気がしますので、すばらしいNHKの放送を私たちは見たいので、そっちの方にまたしわ寄せが来ても私は困ると思いますので、その辺はよろしくお願いをしたい、こういうふうに思うので申し上げたわけでございます。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。私も持ち時間が十五分でございますので、余り難しい質問はやめておきます。 これは、前回も海老沢会長にお尋ねいたしました。先ほども出ておりましたけれども、NHKの映像等の保管、使用ということで、今NHKが蓄積してきた番組ソフトというのが百五十五万本ということで大変な、先ほど文化遺産だという、本当に世界遺産的なものだと思います。 それで、これをいかに活用していくかという、先ほどの著作権の問題とかいろいろございましたけれども、NHKアーカイブスができて、先ほどアーカイブスは倉庫と言ったのか保管場所と言ったのか、保管場所ではあるけれども、それと同時にそれをどう活用するかまで入っていると思うんです、アーカイブスという意味は。ということで、ぜひこれを活用する。特にいい番組等、何回これを見ても感動するというような、そういう番組を学校等にぜひ今から貸し出しをするような、そういうことができないのかどうか。 聞くところによると、民間でNHKの映像が必要なときにちょっとそれをお借りしたら、相当高い使用料を取られたというようなこともあります。答弁にありましたように国民の財産ですから、やっぱりそれは活用していただかなくちゃいけないと思うんですけれども、会長のお考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 先生御指摘のように、NHKには膨大な映像、音声のストックがあります。これをいかに視聴者国民のために有効に利用、活用させるかということでNHKアーカイブスというものを建設しているところであります。 そういう面で、著作権をクリアしなければならない問題、いろいろなまだ制約があります。そういう中で、私どもは、できるだけ視聴者へのサービスをするという方向で具体的にどういうことができるか、今検討を進めております。そういう面で、建設と同時にまたそういう利用の仕方、貢献の仕方等を鋭意勉強しているところであります。そういう面で、先生方の御意見あるいはいろんな国民の意見も聞きながら、最終的に判断していきたいと思っているところであります。
○弘友和夫君 NHKのアーカイブスの非常にいい番組、夜中にやっているんですよね。夜中にやっているのは非常にいい番組が多いんで、寝不足になるという結果がございますけれども、ぜひいい時間帯にも放映していただきたいなというふうに思っております。 あれを変えまして、先ほど、報道、教養、教育、娯楽と四部門言われました。スポーツはどの部分に入るのか。そのうち、武道というのはどういうふうに。どなたでも結構ですけれども。
○参考人(松尾武君) スポーツは基本的に報道番組に入っております。報道のジャンルの中にスポーツ番組は入っております。
○弘友和夫君 どの部分でも結構なんですけれども、じゃ武道も報道ということなんですか。スポーツ、武道。
○参考人(松尾武君) その分け方は、要するに一つの管理上の分け方でありまして、具体的にはスポーツ番組センターというのが報道の中にきちっとありまして、それでアマチュアスポーツ、プロスポーツを含めてNHKの年間の事業計画を決めてしておりますので、その仕分けのパーセンテージとはちょっと違うということでございます。
○弘友和夫君 私、スポーツそのものもそうですけれども、その中で特に武道というのも教育の部分というのが非常にあると思うんですよね、教育。言うまでもなく、武道というのは心身錬磨、礼の精神をもとにして、伝統を重んじて平和を希求する、こういう精神で、青少年に与える影響というのは非常にいいと。 今、北海道医療大学の助教授の阿部一男さんというのは武道カウンセリングというのをやっていらっしゃる。要するに武道を通して、武道というのはいろいろ物事に直面したときの反応が、その事態を受けとめ、とどめて、それを受容するという、そういうものが武道にあるんだと。これは文部科学省の方でやらぬといけないと思うんですけれども、そういうやはり教育の部分が非常にある。 ところが、今スポーツの放送が、私は非常に偏っていると言ったら語弊がございますけれども、今までのNHKの年鑑を見ましたら、先ほどの大リーグの放送だとか、それからフットボールとか、BSをつけましたらサッカー、バスケットですか、これを見たらスペインのサッカーなんかずっとやっているんですよ。 それで、そのうち、じゃ武道というのは年間どれだけ放送されるかと見ましたら、柔道は三回、剣道は一回、弓道はゼロ、アマチュアの相撲は三回、大相撲は六場所あるんですけれども。空手が一回、合気道ゼロ、少林寺がゼロ、なぎなたがゼロ、銃剣道ゼロと、まさしく一年間で、野球だとかを見る、サッカー、そういうものももちろんいいんですけれども、余りにもこの差があり過ぎるんじゃないかなと。 そして、片山大臣も四段ですか、柔道をされる。確かに柔道なり剣道の試合は、いつどっちが勝ったかわからないというぐらい瞬間に決まるから、見てもおもしろくない部分があるかもしれませんけれども、それは例えば相撲でも、あれをやっているのだけ見たら大してテレビで見たっておもしろくない。やっぱりいろいろ解説がありなにして、だんだんみんなが見ているからおもしろくなって、相撲人気も上がってきたわけでしょう。 だから、NHKさんはやはり何かこういうものを、青少年の育成とかいうものに対してはこれは超党派どこでも反対するところはないわけですから、ぜひそういったものをリードしていく放送、余りにも極端に違い過ぎる。それは報道だからという観点がある。教育だとかそういう部分がないんじゃないかなという気がするんですけれども、会長、いかがでございましょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、スポーツの振興普及につきましてはかなりの時間を割いてやっているつもりでおります。特にアマチュアスポーツ、日本体育協会、今五十四の団体が加盟しておりますが、そのうち三十二の団体のいわゆる選手権とか大きな大会は放送しております。アマチュアスポーツとプロスポーツの比率も、全体を見ますと大体五分五分の割合で放送をしております。 もちろん、総合テレビはすべての国民が見るチャンネルということで、プロ野球とかオリンピックとか非常に国民の関心の高いものを主にやっておりますけれども、教育テレビ等ではアマチュアスポーツはかなり放送して、各団体から感謝されているところであります。武道につきましては、今先生御指摘のように、平成十三年度私ども、柔道が三大会、剣道一大会、空手一大会、武術・太極拳一大会、相撲四大会、合わせて十の大会を放送する予定にしております。 そのほか、「テレビスポーツ教室」というのを教育でやっております。この中でも、十二年度を見ますと、四月には、高校生の弓道あるいは剣道の応じ技、柔道の連絡技で勝つとか、あるいは相撲入門、四股から始めようとか、武術の基本、空手の基本技とか、そういうものをかなりやっておりますし、また「サンデースポーツ」と「サタデースポーツ」の中でもそういう武道についても取り上げております。 さらにもっとこれをふやせということだと思いますけれども、各競技団体ともいろんなまた要望を聞きながら、どういう方法がいいのか検討はしてみたいと思っております。
○弘友和夫君 それはやっていると言われても、だから、私は教育という立場から、ただ試合を放映するんじゃなくて、それをやっている過程、今までたまにそういう非常に評判のよかった番組があるんですけれども、そういう修業をしているようなときの過程だとか何とか、それによって感動を与える、青少年が何かやってみよう、さっきの「プロジェクトX」じゃないけれども、挑戦してみようとかそういう部分が出てくるような報道、スポーツは報道と言われましたので、それをぜひ取り入れていただきたい。 片山大臣、いかがですか、感想をひとつ。
○国務大臣(片山虎之助君) 弘友委員は剣道の達人ですけれども、私は達人まで行きませんが柔道の方です。 なるほどそうですね、武道にはやっぱり教育的な効果もいろいろありますし、これは日本の古来からの一種の文化ですから、こういうものを単にスポーツとしてじゃなくて取り上げて放送番組に生かすということは私もあるのかなと、弘友委員の話を聞きながら思いましたので、今、海老沢会長も前向きの御答弁されましたので、十分NHKで御検討いただいたらどうでしょうか。柔道が三回で剣道が一回というのは、私もちょっと。とりあえず検討させてもらうということであります。 以上であります。
○参考人(海老沢勝二君) ちょっと補足します。 日本古来の武道というのは礼に始まって礼に終わるという非常に礼儀正しい人間の育成に役立つということは私も十分承知しております。そういう面で、今思い出したんですけれども、剣道につきまして、「NHKスペシャル」でしたか「にんげんドキュメント」でしたか、そういう日本一になるためのいろんな修練といいますか鍛錬ぶりを紹介した番組をつくったこともありますし、今、そういう面では「にんげんドキュメント」なりそういう番組がありますので、あるいは先ほど言いました「テレビスポーツ教室」とか、いろいろな面で取り上げておりますので、これからもそういうものにつきましては前向きに対応していきたいと思っております。 いずれにしてもスポーツにつきましては、アマチュアスポーツ団体等いろいろなところから私どもに対して放送してほしい、これを取り上げてほしいというのが山と来ておりますので、そういう中で視聴者のニーズにこたえるような方法で検討してみたいと思います。
○弘友和夫君 もう一点だけ。もう一つは、大衆芸能というんですか、要するに落語だとか漫才、浪曲、講談とかいったこういう番組も非常に今少なくなっているんです。古典芸能は確かに歌舞伎、舞踊、邦楽だとか狂言云々と、結構やっておるんです。ところが、講談とかは年間二回ぐらいじゃないですか、あれをやるのは。落語も非常に少なくなった。私は、これも先ほどの武道の部分とかかわりも多少あると思うんですけれども、やはりこういうものを通して日本の古来の価値観というか、水戸黄門が米俵に腰かけたのを農家の老婆にたたかれたとか、やはりそれは大事にしないといけませんと、講談とかそういうことはきっちりと入っているわけですよ。落語にしてもそうです。 だから、こういうものもぜひふやしていただきたいなと。ぜひNHKさんにはこういうものに、さっきの「プロジェクトX」じゃないが挑戦をしていただいて、中立公正だというのはいいと思いますけれども、こういうものはリードしていくべきじゃないかなというふうに思います。 最後に一言、感想をいただいて終わりたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、日本のすぐれた伝統文化、伝統芸能というものを保存し、さらにそれを育てていくというそういう使命もあるかと思っております。そういう面では、いろんなそういう古典芸能的なものはかなりの時間を割いて今放送をしているつもりでおります。 そういう中で、だんだんその時間数が減っている中で、指摘があります講談、浪曲でありますけれども、講談につきましては、「NHK講談大会」ということで年二回総合テレビで放送しておりますし、また浪曲、浪花節につきましても、「NHK東西浪曲大会」ということで東京と大阪で年二回、それぞれそういう大会を催し、それを放送に活用しております。そのほか、ラジオ等でも「浪曲十八番」とかいろんなところで取り上げておりますが、いずれにしても、今、歌謡曲、演歌も民間放送ではだんだんなくなってしまったというような状態であります。それはやはり、若者の人気がなくなったというせいもありましょうけれども、私どもは、落語にしてもいろんな伝統芸能につきましては、これを減らすことなく、さらに保存するあるいはそれを後世に伝えていくという、そういう視点で減らさないように努力していきたいと思っております。
○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。 まず私は、去る一月十四日、モンゴルにおきまして、雪害被害の調査中にヘリコプター事故によってとうとい命を落とされた故正木実カメラマン、加藤高広記者に謹んで哀悼の意を表します。また、御遺族の皆様にも心からお悔やみを申し上げます。 二月二十六日にNHKホールでとり行われた合同追悼式に私も参加をさせていただきました。そこでも紹介されておりましたお二人の正義感とジャーナリスト精神、情熱にあふれる取材、報道姿勢に大変心を動かされました。また、御遺族には小さなお子さんがいらっしゃって、参列させていただいた者はみんな痛惜の念ひとしおであったと思います。 海老沢会長は追悼の言葉で、公共放送NHKの責務を全うすることが二人の遺志を受け継ぐ道と述べられましたけれども、ここで述べられた公共放送NHKの責務ということについて、改めて海老沢会長にお話しいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども公共放送というのは、やはり視聴者国民の生活に役立ち、また心を豊かにするような質の高いよい番組を提供することだろうと。 その中身については、一つはやはり国際的な役割、国際的な貢献というのも一つの我々の使命だろうと思っております。そういう面で、今、地球はだんだん狭くなってきておりますし、二十世紀は戦争と対決の世紀と言われた中で、この二十一世紀は真の平和と対話の世紀にしようというようなことが国連の精神に言われております。そういう面で、先ほど出ました人口の問題、食糧の問題、エネルギー問題、すべてはやはり世界共通の課題で、日本だけでは解決できない問題が多々あります。そういう面で私どもは、単に日本だけではなくて世界的視点、地球的な視点で物を見、判断しなければならない時代だろうと。 そういう認識に立ちますと、私どもも今、世界各国主なところに支局特派員を派遣し、また、記者、カメラマン、プロデューサーを派遣していろいろな番組をつくっております。そういう面で、今度のモンゴルの雪害事故につきましても、国連の要請あるいはモンゴル政府の要請によって、モンゴルの雪害の状況を日本国民または世界の多くの人たちにこの実情を知らせようと、そういう崇高な理想に燃えて活動した中での不慮の事故であります。 そういう面で、私どもいろいろな面で国連への協力、あるいは世界平和のためのいろいろな取材活動を通じて、公共放送はそういう役割、使命も持っているだろう、そういう意味合いを述べたわけであります。
○宮本岳志君 ところで、合同追悼式に総務大臣のお姿を見かけなかったんです。公務だったと私は思うんですけれども、なぜ代理であっても御参列いただけなかったのかと。少しちょっと御説明いただけますか。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、宮本委員からお話がありましたが、今回のNHKの正木カメラマン、加藤記者の取材中とうとい命を落とされましたことについては、私からも本当に心から哀悼の意を表したいと思いますし、御遺族の方にもお悔やみを申し上げたいと、こういうように思います。 二十六日、私も出席する予定でございましたが、衆議院の委員会が開かれるとかいう話もあり、その他の公務もありまして出席できませんでしたが、あらかじめ海老沢会長の方には行けないことの御連絡を申し上げてお悔やみのレタックスを送りまして、小坂副大臣が総務省を代表して出ていただきましたので、その点は御了解を賜りたいと思います。
○宮本岳志君 この間、テレビ放送のデジタル化ということがずっと議論されてまいりました。きょうもそういう議論がございました。 私は、テレビ放送のデジタル化というのは科学技術の進歩でございまして、それを生かしてテレビ放送に新たな可能性を開くことは国民にとっても大いに意義あることだと申し上げてまいりました。 先日、放送記念日にNHKは、「NHKスペシャル デジタルは放送をどう変えるのか」、そして「デジタル時代の放送の公共性」、これを放映されました。私も興味深くあの「NHKスペシャル」を見せていただきました。二〇一一年には今のアナログテレビが見られなくなる。今国会に提出中の電波法改正案が通ればという条件つきでしたけれども、一一年には今のテレビは見られなくなりますという説明もされておりました。これまで地上波放送のデジタル化について、先ほどもお話しありましたように、国民への説明は決して十分とは言えなかった中で、この番組はゴールデンタイムに取り上げられたということで随分国民の間に波紋を広げて、私は非常に意義ある番組だったというふうに思っております。 きょうは、この審議自身もテレビを通じて国民の皆さんに紹介されるということですので、まず事実関係ですけれども、総務大臣、電波法改正が通ればという前提つきですけれども、今国会で、二〇一一年までで今皆さんがごらんになっているテレビはこのままでは映らなくなると、これは事実ですね、大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) これは何度もお答え申し上げておりますように、我々としてはこれから十年計画でデジタル化に移行したいと。その間いろんな手当て等はもう何度もここでもお話し申し上げておりますが、そういう覚悟で電波法の改正をこの国会に提案させていただいたわけでございますので、十分の御審議を賜りたいと思います。
○宮本岳志君 この期限によりますと、二〇一一年には、要するに、今、国民が見ておられるテレビのままだと映らなくなるということは事実ですね。
○副大臣(小坂憲次君) 宮本委員には衆議院の委員会の方でもお答え申し上げましたが、事実でございまして、そのままということでは周波数とまた方式が違いますので映らないことになります。
○宮本岳志君 先ほども申し上げましたように、私どもも放送のデジタル化に異論はないのです。そして、テレビのデジタル化が今のアナログ放送からデジタル放送という新しい放送への切りかえである以上、アナログ放送がいつの日か打ち切られる、つまりアナログテレビが映らない日がやってくることもまたこれは当然の話であります。決してこれに反対するものではありません。ただ、これをどう進めるかということがやっぱり大事なポイントだと思うんですね。 それで、この「IT時代のNHKビジョン」、これはNHKがお出しになったものです。この七ページによりますと、「地上デジタル放送へ向けて」と書いておられまして、「NHKの地上放送は、国民生活に直結する最も身近なメディアです。それだけに、地上テレビ放送のデジタル化にあたっては慎重に対応していきます。」と、こうNHKの文書には書かれております。 私は、公共放送であるNHKとして、BSとかそういうもののデジタル化はともかくとして、地上波という、もう本当にほぼ全国民が生活に密着して見ておられる基幹的な地上波放送をデジタル化するというのは、おっしゃるとおり慎重な対応が必要だと思っておるんです。 それで、海老沢会長は、衆議院の答弁で、アナログ放送打ち切りの時期についてのやりとりで、地上波というのは本当に国民の生活にとって不可欠なメディアでありますから、一〇〇%まで持っていかなければ意味がない、そういう決意で取り組みたいと、こうおっしゃいました。 ここで会長にお尋ねするんですけれども、ここで慎重に対応したいということの中には、そういった国民の中で切り捨てられるということがやっぱりないように努力する、あまねく日本全国ということを含んでいると思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども日本放送協会、今度七十六年になりますけれども、七十六年の歴史を持っております。ラジオもテレビも全世帯といいますか、全国に普及するためにはやはりそれぞれ三十年以上の歳月を要しております。これは、いわゆる市場原理といいますか、我々の財政の中で普及させてきたわけであります。そういう面で、それだけの難事業だということだと思います。そういう面で、私はこの地上デジタル放送を十年間で普及させていくことは大変な事業だろうと。そういう面で、我々はあくまでも全国あまねくというのがNHKの存立の役割でありますから、そういう面で、一〇〇%普及のために努力するのは当然のことだと思います。そういう面で、身近な地上波をデジタル化することは、我々としてもこれから総務省、民間放送ともいろいろな面で協力しながらやっていかなきゃならない課題であるわけであります。 ここの中で慎重という言葉を使ったわけでありますけれども、私ども、慎重は着実にという意味合いにとってもらった方がいいんじゃなかろうかと思っております。それは、これまでも地上波をデジタル化することについては、私はやはり国民の理解、合意がなければなし遂げられない事業でありますから、そういう面でこれは国家的な、国民的な大事業だと、そういう位置づけでありますので、我々が必ずやるんだということにはならないわけでありますので、そういう努力目標、そういう中で私は、着実に、円滑にやっていきたいと、そういう決意を述べたものであります。 慎重という言葉がちょっと誤解を与えたかもわかりませんが、役所の慎重と違って、我々の慎重は着実に、円滑にという意味で御理解願いたいと思います。
○宮本岳志君 着実にということの中には、会長が冒頭おっしゃられたように、やっぱり公共放送としての役割をしっかり守りながらという意味を当然含んだものだと思っております。 そこで、また総務大臣にお伺いするんですけれども、総務大臣は今度の予算につけられた総務大臣意見の第四項目めに、「地上放送のデジタル化の速やかな実施に向け、」ということで、アナ・アナ変換、「アナログ周波数変更対策を着実に進める」と、「着実」という言葉も入っておるんですけれども、NHKにデジタル放送の普及発達に先導的な役割を果たせと、こう書いておられるわけですね。そういう期待をお持ちになっているということはわかるんですけれども、先ほど会長が述べられたNHKの公共放送としての役割、またその慎重にというのは着実にという意味ですが、公共性をしっかり守る、あまねく全国にを守るという点を尊重すると、尊重した上での話だということはよろしいですか、大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、海老沢会長言われましたように、この慎重にというのは着実にという意味で、考えてみますと、チャンネル変更したりアンテナ交換したり、やっぱり視聴者の方にも混乱をともかく与えないように、私は段階的、計画的に、着実に進めなければいけないと、そういうことを会長は言われたんだと思いまして、大変そこは理解をいたします。 しかし、いずれにせよ、全体の地上放送のデジタル化におきましては、いろんな意味で実力があって技術水準も高いNHKに私は先導役を果たしてもらいたい、こう思いますけれども、ユニバーサルサービスというか、ユニバーサル放送でございますし公共放送ですから、そこは着実にやっていただいて構わないと、こういうふうに思っております。
○宮本岳志君 郵政省はこれまで一貫してそういう立場、とりわけデジタルテレビの普及が本当に進んだ段階で、着実にデジタル化に移っていくということで、普及率ということを一つ基準にして打ち切りの時期というのを論じてきたわけです。その普及率の条件になってきたのが、つまり電波のカバー率が全国一〇〇%になる、それからデジタルテレビが八五%普及する、それぐらいになったらアナログの打ち切りということが日程に上ってくる、まだそれでも、その段階でいつ打ち切るかを改めて決めるというような段取りだったと思います。 ところが、今回の電波法改正案というのは、御承知のように、二〇一一年までにということで、期日で切るということになったわけですね。それについて、実は衆議院の議論で小坂副大臣は、いやそれはもう基準が変わったんだと、普及率という一つのその状況を待たないと把握できないような不確定の基準よりも、より明確に政策的にその終了時期を決めて、そこへ向けて政策誘導していく方がよろしいという考え方に変わったんだと、こう答弁されておりますね。これは考え方を変えるということですか、副大臣。
○副大臣(小坂憲次君) 衆議院の委員会でお話を申し上げましたように、仮にこの電波法の改正案等で期日を明確にしない場合、逆にその普及率というものを指標としてアナログ電波の停波というものを打ち出した場合、どういうことになるかといいますと、じゃいつごろになったらその時期が訪れるんだろうと、それは国民の皆さんに見えないわけです。電波のカバー率が一〇〇%はわかると思うんです。これは政策的に、そこの放送事業者等の計画を見ればある程度わかると思うんです。しかし、国民の皆さんが買って八五%に達するというのはいつかということになりますと、これは早いのか遅くなるのか、いろいろとずれてくるわけですね。そうすると皆さんが、あと五年かな、あと十年かな、いやもっとすると二十年もかかるのかな、その間、いつ買いかえようか、いつ買いかえようかということになってしまうわけですね。これではやはり国民の生活が安定しないだろう。そういうこともあります。 じゃ、その期間はせっかくの貴重な有限の電波を私どもは有効に使えないのかということになってしまいます。ですから、そういう意味で政策的に誘導をして一定の目標を定めて、そしてその目標は国民の皆さんにとっても無理のないものであるということをやはり見つけ出さなきゃいけません。それで、放送事業者とそれから有識者の皆さんと消費者の団体の皆さんとそして私ども役所、それらが全部集まって協議をした結果、一つの目標として十年というところが、今のテレビの買いかえサイクル八年から十年というものを勘案すると無理なくお願いをできるところではないだろうか。 そして、一方ではこのデジタル放送のメリットというものをNHKが先導役になって、また民放の皆さんと一緒になって、そしてまたコンテンツの事業者の皆さんがいろいろなすばらしいコンテンツを出して、また同時に、デジタル化というメリットは、いろいろなメディアが融合して、放送と通信の融合と言われるような大変に魅力のあるデジタル世界というものをつくって、そして初めて御理解を得られるものだ、こう思っておりますので、そういう意味で政策的に誘導が必要だと、こう申し上げたわけでございます。
○宮本岳志君 ちょっと私、小坂副大臣のおっしゃることで理解できないことがあるんですよ。 デジタル放送というものの魅力というものが本当に国民に伝わっていくからこそデジタルテレビが普及されていくんじゃないんですか。いつ打ち切られるかということがはっきりしないとユーザーはいつ買うか、いつ買いかえればいいかがわからないとおっしゃったけれども、つまり、打ち切られるということを言うことによって買いかえ時期を決めさせるということを小坂副大臣はおっしゃったように思うんですね。私は、そうじゃないと。やっぱりいいものができて、いいからということで買っていただくというのが、これが筋じゃないんですか。いかがですか、大臣。
○副大臣(小坂憲次君) 一つの目標は目標として定めましたけれども、その中での努力ということで今申し上げたのは、やはり内容がすばらしい、そしてデジタルというものになるとこういうふうにいろいろな融合が起こってくるのかと。新しい機器もその十年間の間に発売されてまいります。 そういうもので、あ、いいなと思って買う方がふえることは当然でございますし、また同時に、機器の方もたくさん買っていただければどんどん安くなりますし、部品の共通化ということで、テレビの部品とあるいはもしかすると携帯電話の部品の中にも共通のものが出てくると思いますが、そういった部品の共通化によって非常にコストが下がって、現在の使っているアナログテレビのセットトップボックスの値段も下がってくる。そういうものの相乗効果の中で、十年たったときにアナログの電波をとめてもいい状況になるだろう、こういうふうに判断をいたしているところでございます。
○宮本岳志君 時間がなくなりましたので、これはまた電波法の改正案でやりたいと思いますけれども、少なくともその魅力が広がって、そして本当にいいものだということでユーザーの方々がお買いいただけるものならば、何もそんな期日を決めてインセンティブを与えなくても、そのものの値打ちのインセンティブで広がるものであると私たちは思っております。 ぜひ国民にしっかり理解していただく方向でデジタル化を進めていただくようにNHKにもお願いを申し上げて、私の質問を終わります。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。 最初に会長に伺いますけれども、視聴覚障害者団体などの大変長い運動やそしてNHKの努力によって、昨年の春から「ニュース7」などに字幕がつきまして、生放送番組への字幕付与、これが第一歩を踏み出してから約一年たつわけであります。 私どものところにも大変喜びの声とともにNHKに対する感想の声などが寄せられております。たくさん来ておりますけれども、例えば「文字が付くことで内容もよくわかり、又、文字が付いているということで、私たちは気持が安まります。」、こういう感想は群馬県の方です。それから、「字幕がつけば健聴者と同時にニュースの内容が理解できるのです。本当に素晴らしいとおもいます。」「ニュースを見るのが楽しみになりました。」、これは愛知県の方からの感想です。それから、これはスタートした時点ですけれども、「今日三月二十七日朝、夜七時からのニュースに字幕がつき感激の涙が溢れました。」というのが鹿児島県の方からの感想で、たくさん来ているわけなんですけれども、やはりそういう御意見と同時に要望も寄せられております。 例えば、他の時間帯のニュースや番組にも広げてほしいとか、あるいは字幕の場合はメーンアナウンサーの発言部分だけで、レポーターとかインタビューの内容がわからないので話の筋がわかりにくい、こういう声とか、それからスポーツ中継の要望は大変多い。また、聴覚障害者にすればこういう話というのはもっともなことで切実だと思うんですね。 そこで、会長に伺いますけれども、先ほども難視聴がどういう状況かというお話がありました。ある調査では、七十歳以上の場合は二人に一人が何らかの形の難聴があると、こういうふうにも言われております。人口の約一〇%近い人々が難聴だというふうにも言われております。 そこで、今後の字幕放送充実の見通しを、私、時間が十分しかないものですから、簡潔にお願いしたいと思うんですが。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、二〇〇七年までに午前七時から深夜の十二時までの時間帯のうち、字幕可能な番組すべてを字幕化する、これは行政の指針として深く受けとめて、今それに向けていろんな面で工夫をしているところであります。私は、二〇〇七年を待たないで、字幕可能の番組は字幕化できるだろうと見ております。 特に今、夜の七時のニュースは自動認識装置を使って自動的に字幕を出すようにいたしました。十三年度はこの四月から夜の九時のニュースも字幕化いたすつもりでおります。できれば、これをすべてのニュースにやっていきたいと思っております。それにはもう少し時間をかしてもらいたいと。つまり、自動認識装置、大分性能はよくなってきておりますけれども、まだ認識率は九五%、一〇〇%に行っておりません。一〇〇%に行くのにはもう少し工夫が必要だろうと思っております。 それと、これはアナウンサーの分だけが字幕化できますけれども、いわゆる中継とかあるいは記者レポートという形にはまだまだなりませんので、その辺の今勉強もさせているところであります。 いずれにしても、人に優しい放送を目指している公共NHKといたしましては、できるだけ字幕放送の充実強化をさらに進めていきたいと思っております。
○富樫練三君 再び会長に伺いますけれども、難聴者初め障害者がこういう情報化の社会の中で生活するというのはやっぱりテレビは欠かせないと思うんですね。特に、番組の内容とかそれから対象番組、これをどうするかという点について、企画段階から障害者の皆さんの声が生かされるというか、障害者が企画に参加するということが大変大事だと思うんです。 一方で、やっぱり情報公開とそして視聴者が参加する、特に障害者の場合、そこを大切にする必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、障害者の企画への参加、意見の聴取、こういう点についてはどのようになっているでしょうか。
○参考人(松尾武君) 今、先生御指摘のように、障害者自身の企画ということは大変重要であろうというふうに私ども認識しております。 一つ例を取り上げますれば、「少年ドラマ」というのをこの夏につくるんですが、それは手話を含めて新しいやり方でやろうということで、今障害者団体の方々の協力を得て台本をつくっております。やはり健聴者の方がつくった台本ではいろいろ意味が違うということも含めてありますので、そういうことを具体的に進行させております。 定時制で申し上げますれば、聴覚障害者向けの番組として、手話ニュースを含めて、すべてこれはそういう障害者の団体の方々とトータルにいろんな話をしながら作業しているということでございますので、NHKスタッフだけでつくっているわけではございません。そういうことを含めて、障害者の方々の企画等々も順次充実はしていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○富樫練三君 字幕放送を促進するという立場から、アメリカの場合には一九九八年一月一日以降に制作される番組については二〇〇六年までに字幕放送を一〇〇%にすることを義務づけていると。イギリスの場合には、民放に対しても二〇〇四年には全放送時間の八割を免許の条件として義務づける、すなわち、これも義務づけられているわけですね。そういうことの結果として、アメリカでは既に全放送時間の七割を超えている。 日本の場合はどうかというと、進んでおりますNHKの場合でも字幕付与の可能な番組、その中の六〇・九%です。そして、総放送時間の比率でいえば一七・九%ということになるわけなんですね。民放の場合はキー局で付与可能放送のうちの今九%、総放送時間帯ということで見れば二・九%。欧米に比べると、やっぱり努力はしていると思うんですが大変おくれているというふうに思うんです。これを克服する上で、欧米のように義務づけることが大変大事だというふうに私は思います。 そこで、総務大臣に伺うわけですけれども、日本は今は努力義務ということになっていますね。これを一歩前に進めて義務というふうにするべきではないかと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) この関係は既にお答えしたような気もいたしますけれども、大変経営状態が厳しい中で、私はNHKも民放もそれなりの努力をしてくれていると思うんですよ。ただ、委員からいうと、特に民放の方の数字が低いじゃないかと。一応二〇〇七年までには努力するということになっておりますから、私はしかも今、先ほどの海老沢会長の話だとNHKはほぼそれは達成できるだろうと、こういうことですから、もう少し状況を見守りたいと思います。 私が大臣になりましてから、総務省の中にIT有識者会議をつくりまして、これはデジタルデバイドの解消が一番大きなテーマでございまして、この前つくりましたワーキンググループの中にも七人の障害者の代表の方に入ってもらいまして、その辺のことを含めて今議論しているんです。 これは近々に、もう少し時間がかかりますけれども、一応の方向づけをしたいと思いますので、そういう議論の経過を見て検討してまいりたい、こう思っております。
○富樫練三君 最後に、大臣に伺いますけれども、確かに努力はしていると思うんですね。これはある程度そういう意味ではスピードが必要だというふうに思います。 一九九六年、第百三十六国会で、衆参両院で全会派一致で字幕放送の義務化、これを求める請願が採択されております。ですから、今から五年前になるわけなんです。ですから、二〇〇七年というのがありますけれども、ただ、それは現時点で字幕可能番組放送、それに対する到達ということだと思うんです。やっぱり欧米の場合は総放送時間で比べているわけなんですね。 だから、そういう角度から、改めてこの衆参両院の全会派一致の請願採択、これについて大臣の実現の決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(片山虎之助君) 衆参の全会一致の請願、これは重く受けとめなければなりません。そういう姿勢で、先ほども言いましたが、IT有識者会議の意見も聞きながら検討してまいりたいと思います。
○富樫練三君 終わります。
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。 まず最初に、総務大臣に伺います。 昨年七月、旧郵政省が、「子どものテレビとテレビゲームへの接触状況に関するアンケート調査」の報告書を出しました。そこでは、「テレビの長時間視聴グループは短時間視聴グループに比べ、暴力の行使経験が多く、暴力許容度がやや高い傾向にある。」「暴力的番組の嗜好度の高いグループは、低いグループに比べ、暴力の行使経験が多く、暴力許容度が高い傾向にある。」「ゲーム接触時間が長い子どもは、短い子どもに比べ、暴力の行使経験が多く、暴力行為へ許容度が高い。また、「ゲームは勝たなくては意味がない」「いじめられる方にも悪いところがある」という価値観を保有する比率が高い。」、こういう調査結果が出ております。 メディアが子供たちに与える影響というのはこれを見ても大変大きいと思いますし、暴力を許容していじめも肯定する、こういう人権侵害を許容してしまう危険性というのはほかの調査でも示されています。 国連子どもの権利委員会は、日本の政府に対して、視聴覚メディアの有害な影響、特に暴力及びポルノから子供を保護するためにあらゆる必要な措置をとるべき、こういう勧告も出ているわけでありますけれども、子供をメディアからの悪影響から保護するということ、この認識と今の対応を伺います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、八田委員言われた調査結果について私はつまびらかに存じ上げておりませんので、それに対するコメントは控えたいと思いますけれども、青少年の健全育成は政府の重要な課題の一つですね。メディアの有害情報というものから子供を守るという必要性も、私はそれなりに認識いたしております。 そこで、総務省では、郵政省当時でございますけれども、放送と青少年のあり方を検討するために平成十年十二月に青少年と放送に関する調査研究会を開きまして、青少年向け番組の充実や放送時間の配慮等の提言をその調査会から受けております。 また、放送事業者の方にも要請しまして、放送事業者の方でもいろいろ御努力いただいておりますけれども、昨年の四月には視聴者からの意見に基づき審議する第三者機関の放送と青少年に関する委員会をつくっていただいて、それなりに活動をしていただいておりますけれども、今後とも私は自主的な取り組みをさらに期待いたしたいと。 総務省としては、放送は子供に最も身近なメディアでございますから、青少年への配慮についてはさらに深刻に考えていただきたい、こういうふうに思っております。
○八田ひろ子君 本当にそうなんですね。 一九九九年に新日本婦人の会が「子どもが好きなテレビ番組の親子いっせいウオッチング」調査というのをやりまして、ここにその調査結果があるんですけれども、子供がよく見る番組に暴力シーンが二二%もあったと。殺人シーンが一四・六%、気になる性描写が五・四%あったと。人権侵害も九・六%で、これは民放だけではなくてNHKの番組でも人権侵害の内容があった、こういう調査結果が出ているわけであります。 政府が有害情報から子供を守る取り組みというのは大事ですが、こういう中で子供自身がメディアと向き合って主体的、批判的に情報を取捨選択する力を身につける、これは近年メディアリテラシーというふうに言われて注目され、総務省自身も取り組んでおられるようですが、メディアリテラシーは聞きなれないんですが、マスメディアが伝える情報を正確に、時には批判的に理解する能力のことだそうで、現在多くの情報がマスメディアを媒介に伝えられておりますので、それが決して事実を正確に伝えるものではないということが大事だそうです。 お茶の水大学の無藤教授が、人間は八、九歳で幼児期を脱して十五歳でほぼ大人と同じ判断力を持つ、こういうふうに指摘をされ、その移行期にある小学校高学年の時期にテレビが作り物であることを理解させることが大事、こんなふうに言われております。 二十一世紀は子供の権利の最重要課題としてメディアリテラシーを位置づける必要性に迫られている、こういうことも言われています。NHKでは、青少年と放送に関する専門家会合の取りまとめということに基づいて具体的にこの問題に取り組まれておられると聞いておりますけれども、どういうお考えかお聞かせください。 また、地域や学校でメディアリテラシーの取り組みに対する専門家がいないということで、NHKの協力体制、こういうものもお願いをしたいという声が届いておりますが、こういう面ではどうでしょうか。 また、三つ目ですが、よい番組を選べる、これも大事です。NHKでは、先ほどからもありましたが、青少年向けの大変いい番組がたくさんございまして、私も昔から「中学生日記」とかそんなものを見せていただいております。非常に充実していると感じるんですが、じゃ実際に子供たちが見ているかと。十代の視聴率というのがそれほど高くないということも聞いておりますので、もっと子供たちに見てもらうような工夫とか大胆な発想の企画とか、こういう御努力についてもお聞かせ願えればと思います。
○参考人(松尾武君) 十分御説明できるかどうかちょっと自信がないんですが、青少年委員会につきましては、NHK、民放連ともに大変重要な位置づけということで去年の四月からスタートいたしました。 それで私ども、委員会に一つお願いしていることは、メディアが青少年に及ぼす影響調査というのを四年間にわたって追跡調査をしていただきたいと。小学校五年ぐらいから中学校二年までですが、そういう青春期にメディアというものが、特にテレビというものがどういうふうに性格設定上影響を与えていくのか、このデータは今日本にはございません。瞬間的にデータをとる場合はありますけれども、長期的にあるグループをフォローしていく、あるいはまた個人をフォローしていくというデータはございません。したがって、青少年委員会等にそういう役割を期待して、今現在具体的な作業に入ったということを報告を受けております。 それ以外には、番組の視聴者と放送機関をつなぐ一つの機関として番組に対しての批判、意見等々をフォローしていただいておりますし、具体的には、NHKの番組についても意見があればきちっと我々の方にフィードバックされてくる、それを現場と意見交換して委員会で議論をしていただくということのやりとりをやっております。 それから、メディアリテラシーの問題でございますが、これは二つの要素がございまして、一つは、学校の先生自身がメディアリテラシーというものをどういうふうに教えたらいいのかという問題、それからもう一つは、小学校五年生、六年生、要するに成長盛りの人たちにメディアというものをどう理解させていくかという問題、この二つの側面がございます。 一つの、学校の先生方に具体的にメディアリテラシーについて議論をし、またはある方法論を構築するというので、「メディアと教育」という番組が、毎週土曜日夜でございますが、十時台にあります。そういうような問題でメディアについて学んでいただくと同時に、子供たちについては今まで「メディア入門」というのを学校放送番組で定時でやっておりました。それに加えて、十三年度から「体験!メディアのABC」という新しいメディア展開の勉強を小学校五年生、六年生のレベルの人たちにしていただこうというので、毎週月曜日の朝十時から十時十五分までの学校放送番組枠としてつくりました。 それと同時に、地域で学校の先生方がどういうふうに子供たちに教えたらいいのかということを含めて、十二年度は九百六十三校、五万三千五百二十三人の生徒たちに具体的にNHKに来ていただいて、そしてつくっている現場及びその現場のPD、技術さん等々と意見交換をしてコミュニケーションを図るという、要するにメディアを理解していただくためのNHK放送体験クラブというのを実施いたしました。これについては、まだ地域からも要望が大変多いので、十三年度にも継続的に実施していきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○八田ひろ子君 私のいただいている時間が大変限られておりますので、簡明にお答えをいただきたいとお願いしたいと思います。 こういった問題を女性の視点も入れて制作をしていただくということが私は重大だと思いまして、今、男女共同参画社会というのを目指しているわけでありますが、NHKでは女性の管理職は二・四%、職員全体で見ましても九・一%しか女性の採用がございませんので、こういった面でもやはり社会のよりどころとなる公正な報道を目指すNHKとしては是正をしていただきたいというふうに要望をしたいと思います。 最後ですが、戦争の反省と平和の問題にも公共放送は大きな役割があると思いますが、我が党は民主党、社民党とともにこの国会に戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を提出しています。午前中のこの委員会の審議の中でも、いわゆる従軍慰安婦問題についての政府は、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけるものであった、さまざまな機会をとらえおわびと反省をというものであります。 きょう、ここに一昨日の新聞を持ってまいりましたが、ここではハーバード大学ライシャワー日本研究所長さんなど世界各国の学者、研究者三百六十人がNHKの会長に番組直前改変で抗議文が出されたと報道されています。きっと会長ごらんになっていると思いますが、NHKの教育テレビの特集番組が放送直前に改変されたということで、日本軍慰安婦制度の責任を問う市民法廷を取り上げるとの出演依頼とは全く異なるものが放映をされた、女性国際戦犯法廷を歪曲した見解に基づいて、同法廷を否定的に評価する印象を視聴者に与えた、こういうふうに報道されております。 公正中立に番組をつくるという立場からどう対応されたのか。私もこの法廷を傍聴していましたけれども、法廷の名称も判決の内容も番組では放送されなかったということで大変驚いたんですが、いかがでしょうか。会長に、最後ですので。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども放送機関といいますか、新聞でも雑誌でもすべてそうですけれども、放送に出たものがすべてであって、その編集の過程についてはいろんなやりとりがあるのは当然だろうと思います。新聞でも雑誌でも、記者が書いてきたものを補足したり、あるいはそれを削ったり、あるいはまたつけ足したり、あるいはまた十分取材していないものについては没になるというのは当然で、出たものが、我々はそれをもって、出たものについて責任をとるのであって、編集の過程はそれぞれいろんなやりとりがあるわけであって、それについて私がここでいろいろ申し上げるものではありません。 出たものについていろんな意見が出ることについては真摯に受けとめます。そういう面で、この「ETV2001」についてもいろんな放送した後に意見があります。それについては、我々は十分にその意見については参考にするということであります。 いずれにしても、私ども政治的に公平に扱うというのが原則でありますし、意見が分かれる問題についてはそれを多角的に取り上げて国民の判断に資するというのが我々の公共放送の基本でありますので、我々は出たものについての批判は受けますけれども、編集権については、いろんな意見がありますけれども、それについては私、コメントする立場にはありません。
○八田ひろ子君 平和の問題は人類にとって本当に重要な問題だと思います。公共放送が外部から不当な圧力に屈して、国際的に見て非常識と受け取られるものになってはならないと思います。ましてや、この番組によって女性の人間としての尊厳を踏みにじられた、こういう批判が上がっていますが、これは本当に大きく受けとめなければならないと思います。平和の問題での科学的、客観的、公正中立で人権を守る立場での放送、これを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは、公共放送としてあくまでも平和を願い、人権を守るというのが基本でありますので、今後とも、公平な報道、人権を守る姿勢で取り組みたいと思っています。
○大渕絹子君 八田議員がその問題に触れましたので、一点だけ私も言わせていただきたいというふうに思います。 確かに、放送されたものについてNHKが全責任を持つということは、これは正しいと思います。しかし、制作をする段階、番組をつくる段階で、出演者との間でこういう意図でつくりたいということで了解を得て、そして番組をつくったということであるならば、その放送された内容が出演者と交渉したときとは大きく変わっていたというときには、事前に出演者側にそのことをきちんとお伝えし、謝罪をするなら謝罪をする。あるいは、出演者側からそういう内容でしたらばもう最初から全部だめなんですよということが言われた場合はさらにつくり直すとかということがあって当たり前と思いますけれども、そういうことが一切図られずに、放送日直前になって内容が変わったということは、これはやはり見逃すことのできない事実ではないかと思いますので、そこの点をお答えいただきたいと思います。
○参考人(松尾武君) 制作の仕方についてはいろんなケースがありますし、特にこの「ETV2001」については、それは取材はある時期に取材をいたしますけれども、最終的に仕上げていく場合は放送日ぎりぎりで仕上げる場合もございます。 したがって、いろんなケースがあるので、今回のケースで申し上げれば、その取材者とそれから出た放送との関係で取材者が必ずしも理解をしていないと、その出たものに対して、取材時等の状況だというふうに私は認識をしております。 結果としてこういう状況になってしまうということについては、私どもはさらにその制作倫理ということを追求していかなきゃいかぬというふうに思いますが、一つだけちょっと御説明しますと、この番組がNHK職員と関連団体とそれから外のプロダクションと三つの力をかりてつくっていたものですから、そこの要するに双方の連絡が不十分であったというふうな、結果として不十分であったということを私は痛感しております。 したがって、やはり取材者に対して、そういうことであるとすれば、それは制作者としてきちっと今後御説明をし、対応すべきであろうというふうに思っております。 以上でございます。
○大渕絹子君 私ももうその問題はなしにいたします。 NHKの番組については非常によく見させていただいておりますし、さすがにNHKだなという番組もたくさん見させていただいております。「NHKスペシャル」でありますとか、あるいはまた、毎日のニュースはもちろんですけれども、ニュースに関連をして「日曜討論」ですぐに取り上げて当事者同士で話をさせる番組であったり、「クローズアップ現代」などでも起こっている問題についてはさらに突っ込んで放送をされていて、非常に感銘を受けるところも多いわけでございます。 今、社会の中では非常に子供たちの問題、あるいは青少年の問題等が大きく取り上げられておりまして、学級崩壊なども起こっておるような現実でございますけれども、こうした深刻な問題について公共放送としてこれからどんなふうに取り組んでいこうと考えておられるのか、お答えをいただきたいと思います。 今、NHKで放送されております「課外授業」などという放送があるんですけれども、私はよく見させていただいています。その母校の出身者で、必ずしも学校にいるときは優秀でなかった人たちであっても、社会に出てからその道の専門家になられて成功されている人たちが、今度は先生として母校に帰っていって子供たちに授業をするという番組なんですよね。非常におもしろく、また子供たちも喜々として、ふだんは見せないような顔でその先生の授業を受けている番組が放送されていますけれども、こうしたことの取り組みというのはさらに充実していくべきだろうと思いますが、お答えをいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども公共放送といたしまして青少年の健全な育成を図るのも大きな使命だと、そういう意味で、この数年来、教育テレビを中心にいろんな試み、挑戦をしております。 中に、先ほども申しましたけれども、部内に横断的な組織として少年少女プロジェクトをつくって、いろんな人たちの意見を聞きながら多彩な番組を放送してまいりました。 去年も、この「課外授業」のほかに、世界の各分野で活躍している人たちが直接子供たちに授業といいますか、いろんな面での教えをする、そういういわゆる「未来への教室」というのもつくって、これは国際的な評価を受けておりますけれども、そういう面でそういう番組もつくっておりますし、今、学級崩壊とかいじめの問題、いろいろありますので、そういう問題を適宜取り上げてみんなで考えていこう、ひとりよがりにならないような番組にしていこうということで、いろんな意見を聞きながら番組を制作し、また編成もしているということであります。 これからもいろんな面で各方面の意見を聞きながら、また新しい番組も開発していかなければならぬだろうと思っております。やはりテレビの及ぼす影響は非常に大きいわけでありますから、そういうことを十分認識しながら、さらに番組の充実強化を図っていきたい、そう思っております。
○大渕絹子君 ぜひ成果が上がりますように、今起こっている問題は非常に深刻ですので、放送番組を通じていろんな訴えかけもできるだろうというふうに思っております。 実は、ことしの成人の日に非常に成人式が荒れまして、ニュースでたくさん取り上げましたよね。そして、そのニュースを見た今度成人を新しく迎える人たち、新潟は正月は雪が非常に多いということで成人式を三月にしたり五月にしたりというところがあるんですけれども、三月に行われた成人式では、あの実態、いわゆるお正月に行われた放送を通じて見た人たち、新成人が、自分たちの成人式をあんなふうにはしたくないということで、自発的に実行委員会をつくったり、あるいは自治体の呼びかけに積極的に参加をして成人式をよりよい、楽しい、また意義あるものにするということで努力が進められて、三月に行われた成人式は非常に参加した人たちも多くなってきたし、非常に楽しくいいものになっていったというようなことも報道を通じて私は見ております。 それは実態を映し出すことによってそれを実際に新しい成人が見て、ああ、これでは自分たちがもしそういう姿だとしたらみっともないというふうに気がついたと思うんですよね。そして、そういういい方向に移っていったということになるんだろうと思います。こういう報道というのは、本当に意義あるものだろうと思いますので、これからもよろしくお願いをしたいと思います。 さて、地上放送のデジタル化に伴う諸準備につきましては、るる同僚委員から御質問があったところでございまして、重なるので申しわけないと思っておりますけれども、地上放送のデジタル化準備について、いよいよ来年度からさまざまな準備作業が本格的にスタートしますけれども、中でもアナ・アナ変更と呼ばれている作業は対象になる世帯数はおよそ二百五十万世帯と言われています。この多さから考えても相当の大事業であると思います。 今年度は、まず大阪や名古屋の広域圏、それに九州や瀬戸内海沿岸などで作業が着手される予定だということになっていますけれども、こうした作業をスムーズに進めていくためには、そこに住む地域の住民たちの情報伝達といいますか周知徹底というようなものが図られないとスムーズにいかないというふうに思っておりますが、そうした御協力を得られるべく、その地元の視聴者たちにどのような働きかけをなさっているのか、お伺いをいたします。
○副大臣(小坂憲次君) 地上放送のデジタル化につきましては、二〇〇三年から東阪名三地区で、またそれ以外の地域は二〇〇六年からということで計画をいたしておりまして、そういうことにつきましてまだ十分な周知徹底が行われておりませんので、これから、BSデジタルが始まったところでございますが、そういった中を通じて地上放送もデジタル化をされるんだということで、過日のNHKの番組のような形で、できるだけ幅広くいろいろな機会をとらえて、市民の皆様、視聴者の皆様に御理解いただく努力を重ねてまいりたいと思っております。
○大渕絹子君 ありがとうございます。 それでは、あと最後になりますけれども、情報公開の取り組みについて、これはNHKさんにお聞きをいたします。 去年の十二月、NHKの情報公開基準を定めまして、七月から情報公開制度を開始するといいますけれども、現在の進捗状況、またどのようなものが公開の対象になるのか、さらにNHKがこうした情報公開制度を始めることを視聴者にどのような形で周知をされるのかということをお答えいただきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども、今御指摘がありましたように、NHK情報公開基準を設けて、それに基づいて今、部内に情報公開の準備室といいますかプロジェクトチームをつくって、報道機関としてどの部分は公開できないのか、そういうものを含めて、その整理を急いでおります。そして、七月一日に間に合わせるように準備を進めている段階でございます。 そういう中で、この情報の開示、不開示についていろんなまた視聴者からの問い合わせ、あるいは苦情なりいろんなものが出てくると思います。それに対応するための情報公開審議委員会というものを設けて、これは第三者機関として外部の方にお願いをして、そういう先生方に審議してもらうという委員会をつくろうと思っています。そして、できるだけ視聴者のニーズにこたえようという準備をしているところであります。 それと同時に、こういう情報公開をしますということを視聴者国民に知らせなければ意味ありませんので、これからインターネットなりあるいは各放送局等でも、NHKの放送の中、いわゆるステブレといいますか、そういう中で放送をするとか、あるいはパンフレットを配るとか、いろんな方面でPRをしていきたいと、そう思っております。
○大渕絹子君 終わります。
○松岡滿壽男君 無所属の会の松岡滿壽男です。 〔委員長退席、理事北岡秀二君着席〕 青少年向けの放送の充実については先ほど総務大臣から意見が出ておりましたが、教育改革国民会議でも青少年が奉仕体験活動、これをやはり組み入れなきゃいかぬのじゃないかという方向づけがなされているわけですけれども、現在、家庭や学校での教育力が低下していると、社会教育で何とか頑張っていかにゃいかぬという段階だと思うんですが、世界的にガールスカウトとかボーイスカウトという団体があるんですね。そのガールスカウトが、一九九四年からアフガン難民に対してパキスタン経由で十万パックほど、いわゆるピースパックプロジェクトというのをやっているんですよ、ささやかながら。そういうことについての報道がなされたことがないんじゃないかと思うんです。 例えば、世界的にはガールスカウトが一千万人、日本は七万で、この二、三年でまた半分以下に減ってきているんですよね。それから、ボーイスカウトは世界じゅうで二千八百万、これで日本が二十三万ということでありますが、こういう活動団体を少し取り上げられたらいかがかと思うんですが、御意見を伺いたいと思います。
○参考人(松尾武君) ボランティアにつきましては、来年度、十三年度から定時番組で「ボランティアにっぽん」ということで各地域のボランティアを紹介する番組を新設いたします。したがって、全体ボランティアとしては、NHKの番組は充実方向にありますけれども、ボーイスカウト、ガールスカウトという先生の御指摘の部分で申し上げますと、それを取り上げる特別な番組はございません。したがって、一般的にボランティアという中で取り上げていくことと、それから地域の時間が五時から充実をいたしましたので、その地域の中でのそういう取り組み、または個々の番組での取り組みにある意味ではトライをしていきたいというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 このピースパックプロジェクトというのは世界的には一種の慰問袋みたいなもので、これ評価を受けているんですよね。やっぱり私は、グローバリゼーションの中で文化的なものあるいは精神的なものは独特のものは残り得ると思うんだけれども、産業経済あるいは政治もそうですが、やっぱりその波に洗われて日本独自のものというのは余り育たなくなっていくんだろうと思うんですね。 だから、そういう面では、せっかくの世界的な組織のボーイスカウト、ガールスカウトに対してどうも日本人が寄っていかないということは、いささかやっぱりグローバリゼーションの中で問題がありはしないかという思いがしますし、もう少しこれ、せっかくそれだけのことをやって世界的に評価されているわけですから、お取り上げをいただいたらいかがであろうかなと。それがやはり一つの社会教育に弾みをつけていくことになると私は思うんですが、もう一回、御意見を伺いたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) ボーイスカウト、ガールスカウトは、やはり国際的にいろんな面で活動している立派な団体だろうと私は評価しております。そういう面で、今そういうボランティア活動の中でボーイスカウトなりガールスカウトの果たす役割というものは非常に大きいと私も思います。 〔理事北岡秀二君退席、委員長着席〕 そういうことで、やはりそういう団体がどのように社会に貢献し、またいろんな面で寄与しているかという視点に立って、今先生御指摘のように、我々もう少し勉強させていただいて、活動ぶりなどがきちっと担当者の方に認識をして、できるものはそういう方向で取り組んでいきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 ぜひそういう方向でお願いをいたしたいと思います。 自殺が実はもう三万人時代になってしまいまして、これはやはりかなりメディアの影響もあるだろうと思っておるんですけれども、皆さん方の御努力で交通事故死は九千人台でずっと、一万人に上がっていないわけですよ。これは三倍の人が亡くなっている、自殺で。男女の平均寿命もそのあおりを食って、六年の差だったのが七年の差に開いてきておるわけですね、今。かなり大きなこれ私は問題だと思うんです。 何年前ですか、岡田有希子という歌手が十八歳で亡くなったと。その報道で、私の家内の実家と三百メーターぐらいしか離れていない現場だったものですから、まあ三十人ぐらいあのとき亡くなっているんですよ。やっぱり健全なときならいいけれども、弱っているときに最後の一押しをマスコミがやってしまうということが非常に怖いことだと私は思うんですね。 だから、むしろこういう自殺の予防、そういう面での報道のあり方というのが、そういう予防に関して具体的な情報を提供するということも私は大切だと思うんですけれども、この問題についてのお考えを伺いたいと思います。
○参考人(松尾武君) 先生御指摘のように、大変に命の問題というのは大きいと思います。 NHKでは、去年の六月に「クローズアップ現代」で「自殺者3万人」というのをいたしました。大変に反響がございました。我々自身も、そこで改めてその問題を討議しなきゃいかぬということで、ことしの一月から三月、全体のテーマを命ということで、その命のとうとさをどういうふうに訴えていけるのかということで、さまざまな特集番組それからシリーズ番組を展開させまして、特に青少年に向けても一定の取り組みをいたしました。細かく言うとちょっと時間がかかりますので。 それで、あとは「こころの時代」とか「宗教の時間」とか、要するに本来、昔から続いている番組なんですけれども、そういうもののPRとか存在意義をどれだけ伝えていけるのかということで、来年度そういうところの細かいPR活動をして、視聴者の方々にこの心というものをお互い理解し合う充実感というんですか、そういうものを強化したいというふうに考えております。
○松岡滿壽男君 また話題は変わりますけれども、選挙の投票率の問題です。 投票率が低いというのは一種の先進国病かなとも思うんですが、去年の衆議院選挙で四千万人以上の方が棄権しておられるわけですよ。これはやっぱり、ヨーロッパでは一国の国民ぐらいですよね、大変なことです。せんだっての千葉県の知事選挙で八%ふえたといっても、二八%が三六%になったわけですから、これに対する取り組みは少し本気でやらなきゃいかぬ。どうも、報道の段階で投票を促進するような番組というのは余りないような気がするんですね。 私はこの前、無所属の会のホームページで、私の名前で義務投票制というのをちょっと出してみたんですよ。オーストラリアあたりが罰金を五千円と、投票しない場合。反応を見ましたら、すぐ反応がありまして、義務化は有意義だと。ほかに、しかし投票率を上げる方法を募集したらどうかとか、罰金を科するのであったら公約違反の政治家も罰金取れとか、罰金制度ができたら必ず悪用する人間が出てくるとか、それから義務投票制には反対、政治不信の払拭が先だという意見がありました。 今、九〇%以上の方が政治に不満を持っておられる、そういう中で無党派が拡大している、そこをどう乗り切っていくかというのは非常に日本にとっては大事なところに私は来ていると思うんですね。いかなる時代でも、やっぱり政治家はある面では主導権をとらなきゃいかぬと。その点では、政界再編もおくれて政治が劣化しているという現状があるわけですけれども、どうも投票を促すような番組が少ないんじゃないかなという感じがするんですけれども、その辺についてのお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 選挙は、やはり民主主義制度を維持するためにも本当に大事なものだと思います。そういう面で、国民の政治に対する関心を高めて、特に直接影響があります選挙の投票率を上げなければならぬことはもう言うまでもないことだと思います。 そういう面で、これは我々報道機関、放送機関だけの問題ではなくて、国民全体が考えなきゃならない重要な課題だろうと思っております。そういう中で我々の果たす役割も当然あるわけでありますので、そういう面で、この政治に対する関心を高め、また選挙の大事さというものをいろんな面で取り上げることが必要だと思っております。 いずれにしても、いろんな面で投票率を上げる方策をさらに我々も研究、勉強していきたいと思っております。
○松岡滿壽男君 最後にお願いをいたしたいと思うんですけれども、私、自分で絵をかくのが好きなものですから、「名曲アルバム」ですね、音楽はいいし、画面はいいし、時々それを写真に撮ってかくわけですけれども、名曲のない地域でもいい風景のところがありますので。例えば、スペインの白い村々とか、それからコートダジュールとかプロバンスとかロワール地方とか、そういう余り皆さんが行けない、白い村でもカサレスとかミハスとか、あの辺はすばらしい風景ですよ。なかなかお金を出して行けない人のためにそういう美しい世界の風景をぜひ拡大していただきたい。名曲だけじゃなくて、そういう名所の御紹介をぜひお願いしたいと思います。
○参考人(松尾武君) たまたまと言っては語弊があるんですが、やはりミニ番組で「名曲アルバム」系の音楽番組の充実を図ろうということで、十三年度、新しく「地球は歌う」という番組をつくります。今までの名曲とはちょっと違って、地球が歌う、要するに、地域の風景とそれから地域に根差した音楽なり、民族音楽ですね、そういうものを含めて、ピックアップしてやっていこうということで今具体化を図っておりますので、新たな「名曲アルバム」ができるというふうにお考えいただいて結構だと思います。
○松岡滿壽男君 ありがとうございました。終わります。
○高橋令則君 自由党の高橋でございます。 私は、実は放送関係については初めての質問でございます。そういう意味で、まず最初に基本的な問題について、改めてというのも変ですけれども、あえて質問するわけですけれども、総務大臣、そして関連して、恐縮ですけれども、会長にも一言お願いしたいわけです。 それは、放送の表現の自由というのがあります。それと同時に、公共の福祉に適合するために規律という言葉があるんです。自由と規律をめぐっていろんな議論があるわけですね。それを具体的にどうこうということは申し上げるつもりはありませんけれども、この放送法の第一条そしてまた第三条の二ですか、これをきちんと見なければならないなというふうに考えております。そしてまた、NHKについては、これは四十四条の第一項ですか、これにあるんですね。 それを拳々服膺しなければならないと私は思っているんですけれども、その考え方と決意をまず最初に大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、高橋委員御指摘のように、現在のテレビを中心にした放送番組についてはいろいろと批判があることも十分承知いたしております。 これも委員言われたとおり、表現の自由、番組編集の自由と、やっぱり公共の福祉に基づく規律というものはどこかで私も調和されなければならない、接点があるんだと、こういうように思っております。それじゃ、その接点をどうやるかというのは、基本的には、私は何度も申し上げますが、放送事業者の自律、自粛ですよ。そこで、私どもの方もお願いして、放送と人権等権利に関する委員会機構、BRO、あるいは放送と青少年に関する委員会、こういうものをつくっていただいていろいろやっていただいておりますけれども、それじゃあれで十分かという議論は確かにあるんですよ。 そういう議論があるものですから、参議院の各会派において青少年を守るための何らかの法律という議員立法の動きも実は出てきているわけで、私は、さらに放送事業者の皆さんに放送の公共性と社会的影響力に対する重要性を御認識いただいて、国民の期待にこたえるような放送内容にぜひしていただきたいと、こういうふうに思っております。
○参考人(海老沢勝二君) 今、先生御指摘がありましたように、憲法あるいは放送法上、私ども、放送による表現の自由あるいは言論の自由、報道の自由を認められております。そういう面で、国民の知る権利にこたえていこうということで報道、言論活動をしているわけであります。その一方で、今先生御指摘のように、おのずからそれには規律があるぞということだと思います。そういう面で、私どもは、表現の自由を認められている中で、自律といいますか、みずからを律するということが大事なことは言うまでもありません。 そういう面では、この放送を通じて日本の文化の向上なり福祉の向上に寄与するというのが大きな使命、役割でありますから、そういう表現の自由の中で自分をみずから律しながら公共の福祉に寄与していく、そういう認識のもと、そういう精神のもとに放送事業を運営していくということでございますので、あくまでも我々は視聴者国民、世のため人のために奉仕するんだ、仕事するんだということが基本だと思っております。
○高橋令則君 私は、おっしゃるとおりだと思いますが、特にNHKは大体全体的にいいなと思っているんですけれども、民放のもう目に余る番組があるんですね。これはぜひとも、自由といいながらもやっぱり良質な放送になるように努力をしていただきたいというふうに、これは要望でございます。 次に、行政改革の一環として規制改革が極めて重要でございます。 大臣、御承知のとおり、その中には放送、そしてまた情報の関係のものが多々あるわけですね。極めてそれは重要だと思っています。その中に、いろいろお聞きしますと、今後の問題は別かもかわりません、今月の末に政府のあれが閣議決定になるんですね。それを見ればわかるわけですけれども、その前、るる聞いていますと、競争的な政策推進という立場からするといかがなものかというふうな報道があるんですね。したがって、これに対する現時点の取り組みの考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政改革の一環として、今規制緩和ということで、実はあすが三月三十日ですから、あす政府の行政改革本部を開きまして、来年度を初年度とする規制緩和の三カ年計画を決めるんです。それで、今までは規制緩和と言いましたけれども、新しいものも取り組むそうですから、これからは規制改革と言おうと、こういうことになるわけでございます。 その中にNHKの問題も、例のあのBSデジタルのスクランブル放送、お金を取ったらどうかと、お金を出さなけりゃ見えないようにしろと、こういう提案が規制改革委員会だったと思いますけれども、そこでありまして、それについては今度の規制三カ年計画の中に入れます。入れますが、NHKの公共放送としての役割や今後のNHKに期待すること等を含めて検討する、こういうことで三カ年計画の中にはのせよう、こういうふうに思っております。 放送も通信と融合しながらどんどん事態が変わっていきますから、そういう中でNHKさんに公共放送としてどういう使命、どういう役割、どういう機能をこれから担っていただくか、私どもの方でも十分検討しなければなりませんし、NHKさんはみずからのことですから十分いろいろお考えだと思いますし、今、総務省には放送政策研究会というのをつくっておりまして、これは情報通信政策局長の研究会でございますけれども、そういうところでも十分御議論、御勉強いただこうと、こう思っております。
○高橋令則君 いろんな資料を見たんですけれども、なかなか面倒な問題だと思っております。個別に申し上げません。 次に、富樫先生が言われたんですけれども、私も身寄りに障害者がいるわけです。私自身も障害者なんですけれども、特に聴覚についてですが、NHKはかなり進んでいるんですね。これは、ある場で会長からもお聞きしたんですけれども、民間がおくれていると思うんですね。旧郵政省では方針が、平成十九年には全部やるというふうな仕組みになっているんですけれども、NHKはともかくとして、ともかくと言ったら変ですけれども、民間関係は本当に大丈夫かなと思っているんですけれども、進捗状況、取り組みはいかがですか、統括官。
○政府参考人(高原耕三君) 総務省といたしましても、今委員御指摘のように、字幕放送等の普及は非常に重要であると、このように考えておりまして、平成九年度に放送法を改正いたしまして、三条の二の第四項として、放送事業者は、視覚障害者に対して説明するための放送番組、あるいは聴覚障害者に対して説明するための放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならないという規定を追加したところでございます。 同時に、行政上の目標として、平成九年十一月に、字幕放送の普及目標というものを策定いたしまして、二〇〇七年までに、NHK及び地上民放は、現在の技術では字幕を付与することが技術的に困難な番組等を除いた午前七時から午後十二時までに新たに放送される放送番組すべてに字幕を付与することということを目指しているところでございます。 今お尋ねの民放の字幕放送の割合でございますけれども、平成十二年七月現在で、民放キー局は、先ほど申し上げました字幕付与可能な放送時間に対する字幕付与、字幕放送の割合は九%ということになっております。 それでも、現下の厳しい経済状況の中で民放も非常に着実な取り組みをいただいておるというふうに我々は認識いたしておりまして、総務省としても字幕番組等の増加の要請を今行っておりますが、予算も、例えば平成十三年度は五・一億円で字幕番組等の制作費用に対する助成というものを予定いたしておりますし、あるいは字幕番組自動制作技術の研究開発という予算も一・七億円、これ平成十三年度ですが、予定をいたしておりまして、こういうものを総合的に展開することにより、民放における字幕放送の拡充にも努めてまいりたいと考えております。
○高橋令則君 これは会長に質問したいんですけれども、NHK関係の会社が二十あるんですね。その中に、お聞きすると連結決算導入について取り組みをなさる、やっているというふうに資料を見ているとあるんです。 したがって、私どもからしますと、NHK本体だけではなくて、この関連団体、そしてまた会社についてはやっぱり同じように透明度を上げるということが極めて重要だと思うんです。したがって、今の連結対象の会社も大事ですし、それと同時にNHKに依存している、依存というのは変ですけれども、あるいは委託しているいろんな会社が七十ぐらいあるそうですね。これは言いませんけれども、それに対する透明度を上げるための取り組みはいかがですか。これで終わります。
○参考人(海老沢勝二君) 私ども関連会社のあり方についていろんな意見をいただいております。 私どもは、関連会社はNHKの事業を支援する、あるいは補完するという意味合いで設立したものであります。NHKの業務委託が今四十数%あります。そういう面では、透明度を増して、節度を持って事業運営をするのが至当だろうと思っております。 そういう中で、平成十一年度から連結決算をやっていこうということで、今試行ということで試みのあれをやります。二年後の平成十五年度からきちっとした形で公表しよう、そういう準備をしておりますし、そういう面で、できるだけ透明度を増して視聴者国民の理解を得られるような事業運営にしていきたいと、そういうふうに考えております。
○高橋令則君 終わります。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、関谷勝嗣君が委員を辞任され、その補欠として海老原義彦君が選任されました。 ─────────────
○石井一二君 大臣、会長以下皆さん、長時間に及びまして大変お疲れと思いますが、いよいよ最後の質問者でございますので、港の口で船を破るという言葉もございますので、最後までひとつ全力投球でよろしくお願いを申し上げたいと思います。 先ほど来、いろんな質疑を聞いておりまして、例えば芳賀理事が、契約率が八二・五%でいろいろ御苦労があるというようなお話も聞き、ごもっともだと思いました。 私は、NHKの公共メディアとしての使命から見て、契約率は限りなく一〇〇%に近づいた方が望ましいと思いますが、またこれは不可能であると思います。なぜならば、一つは、やはり国民の資質と申しましょうか人間性の問題で、払いたくない人間はいろいろと言いますので一〇〇%は難しいと思います。もう一つは、NHKに対する批判とか反感、そういう面から来る面があると思うんです。こういった面は、できるだけ御努力していただいたり検討してみていただいたりして、そういった方ができるだけ少なくなるというやはり御努力をされるべきであろうと思います。 そういった面で、きょう一日難しい論議をしてきましたので、ちょっと話がやわらかくて恐縮ですが、不公平の一つの例として、例えば紅白歌合戦、これは最も視聴率の高い番組の一つじゃないかと思うんですが、見ておりますと小林幸子や美川憲一だけが非常に派手な格好で出てくると。と思うと、Tシャツにジーパンで、後ろに何のバックもなしに一人で歌わされる人もおると。それぞれの歌手のファンから見れば、これも一種の不公平ではなかろうかと思うんです。 プロデューサーがつくられると思うんですが、例えば五十人のダンサーが後ろにおってわっとやってとか、いろいろ派手なのとか、いろんなあれがありますけれども、この辺の公平感とか費用の負担とかいった面でどのような考え方でおやりになっておるのか。笑われますが、これはちゃんと通告していますから、よろしくお願いします。
○参考人(松尾武君) 基本的に歌手の衣装というのは自前でございます。これが基本原則になっていまして、それで演出的な要素で、例えばタキシードを着てもらうとか着物を着てもらうとかというのは、それはそれぞれNHKが負担をしながらそういう衣装を着ていただくということになります。したがって、紅白歌合戦も基本的には個人負担ということが原則でございます。 したがって、あれだけ派手な衣装か装置かわかりませんけれども、それは要するに、個人の活動の中でいずれかで採算がとれるというふうに事務所が思えばそれはそれで豪華な衣装にするし、とてもそうじゃなくて、ポップス系の若い人ですとジーパンで出てくると。演出上、これが不愉快だということになれば、それはNHKとしてきちっと注文は出していくということで、色のバランスとか着ているものの色合い、要するに冬なのに夏的な要素とか、そういうことを含めて番組PDは管理はしているということでございます。
○石井一二君 私は、どうもあなたが正直な答弁をしていないように思うんです。例えば、じゃ、なぜ小林さんと美川さんだけが特権的に飛び抜けて派手な、いわゆるプレゼンテーションをすることが暗黙の了解となっておるか、ほかからも希望者があれば全員やらせるんですか。それと、ことしの紅白で、二回アナウンサーが、小林さんのこの派手な衣装もことしが最後ですということを言ったんです。という裏には、NHKがそういうことに干渉をしているということだと思うんですね、私は。 これは別にそう大事な問題じゃないですから、不公平の一例として申し上げておりますので、そういう指摘があったということを記憶にとどめておいていただきたいと思います。 我々、政治の世界ですから、じゃ政治的な観点でこれも不公平じゃないかということを申し上げたいと思いますので、ちょっと今後の検討課題にしていただきたいんですが、予算委員会なんかで状況を中継していただくのは非常にありがたいですが、ストップしたりすると小会派二つぐらいが夜に回っちゃうんですよ。この間のときなんか午前二時ですよ、我が会派の放送が。これはもう少しNHKに良心があれば、国会軽視じゃない考え方があれば十一時やそこらにやっぱり入れていただくことは可能だと思うんです。 それともう一つ、衆議院が解散になりますね。そうすると、プロ野球でいえば一つのリーグが終わった、もう衆議院はなくなった、新しい選挙を迎えておると。そういうときに、国民は政党離れもあって新たにどの政党に投票しようかというフレッシュな気持ちでおるとした場合に、解散前の議席に基づいた時間配分でいろんないわゆる割り当て等がなされるんですけれども、私はむしろ供託金を払っている立候補者の数に基づいてそういうことがなされるべきだと思うんです。 それと「日曜討論」でも、悔しかったら議席をふやせと言われればそれまでですが、我々は政党交付金の対象団体になっておってもNHKの判断で出られないんです。一年に一回か二回だけ窓の外からみたいに、一分でちょっとしゃべってくれといって録画でそばから言う、間違ったことを言っていても指摘できない。これらも私は不公平だと思うんですよ。その都度、報道関係者にそうじゃございませんかと丁重に抗議はしていますけれども、木で鼻をくくったようなお答えが返ってくる。 こういう観点から、偉大な会長であります海老沢会長のちょっと御所見を承っておきたいと思います。
○参考人(海老沢勝二君) 私どもは公共放送でありますので、特に政治的公平ということについては意を用いているつもりであります。 そういう中で、政党の要件といいますか、公職選挙法等で国会議員五人以上とか、あるいは直近の国政選挙で得票率二%以上とか、あるいは十人以上の候補者を擁した確認団体というようなことが規定されております。そういう面で、そういう法律に基づいて公平に扱おうというのが基本であります。 特に選挙報道の場合は、政見放送というものは、これは公職選挙法に基づいてそのまま放送しております。そのほかに選挙報道というようなことで、NHKの自主的な判断、それも政治的公平がもちろん入るんですけれども、そういう中で、いわゆる政党座談会とかそういう番組をつくる、あるいは各政党の党首を追うとか、そういう選挙関連番組をつくっております。そういう中で、そういう政党の要件を参考にしながら番組をつくっているということであります。 そういう面で、今先生御指摘のように選挙の関連番組で、党首なりあるいは政党座談会で時間が足らないという御指摘がありますけれども、それは我々としてはできるだけ議席に応じてといいますか、そういうことを念頭に置きながらやっているわけであります。いずれにしても、政治的公平というのは非常に難しい問題ではありますけれども、いろいろな意見がありますものですから、できるだけそういう面ではさらに研究といいますか勉強していかなければならぬだろうと思っております。 それから、国会中継はできるだけ時間内におさめてもらいたいということで、国会の方にもお願いしているわけでありますけれども、どうしてもいろんな面で時間をオーバーしてしまうということで、私はできるだけ早い時間、十一時台に持っていきたいということでこれもやりましたけれども、最近、ちょっと私もフォローしていませんで、今先生のお話のように、二時というようなことになればこれは非常に問題だと思います。私はできるだけ、遅くても十一時台には放送をすべきだろうと思っておりますので、その辺は考慮していきたいと思っております。
○石井一二君 総じて前向きな御答弁をいただいたと思いますので、ひとつよろしくお願いをいたします。 私は、ここに一月十九日の話題のNHK「プロジェクトX」、こういう新聞を持っておりますが、特に先般、一月十六日の奇跡の心臓手術に挑んだ外科医の放送は非常に感激の気持ちを持って見たわけです。 私は、NHKじゃないとこういう番組はできないと思いますので、今後どんどん民放と違った意味で差をつけるという意味でこういったことには力を入れていただきたいと思います。そういう面で大河ドラマも大事ですし、そこらあたりの、お金がかかってもほかができないものをやっていくという考え方の基本について、中村専務、何か御意見があればお伺いしたいと思います。両専務、どちらでも結構です。
○参考人(松尾武君) 番組費についてはNHKの基本でありますので、できるだけ、切り詰めながらも潤沢に使えるように努力はしております。 それで、それぞれの番組の例えば「プロジェクトX」なら「プロジェクトX」で、要するにお金をかけようと思えば作品というのは幾らでもかかってしまうわけです。その範囲というのが一つの基準で一番難しいわけで、抑え過ぎてもいけないし渡し過ぎてもいけない。要するに、一つのノウハウがNHKの長年の予算管理の中で培われてきていますので、一定の定時番組というふうに私どもは呼んでおるんですが、「プロジェクトX」なんかの一つの番組にかかる必要なお金は内容的にいっても十分であろうというふうに私どもは理解しています。 ただし大型企画とか、それから本当にお金をかけていくときの算出の仕方というのは、大変難しい問題が一方にありまして、それはその都度現場と十分に議論しながら、また予算当局と詰めながらきちっと対応をしているということでございます。
○石井一二君 有名な人気アナウンサーが民放に引き抜かれたり、いろんなことが世の中ですからあるわけですが、NHKにしっかり頑張っていただくためには、十分高い給料も払って皆さんが意気高らかに仕事をしていただくことが重要であろうと思います。 そういった意味で、先ほど会長は二万二千五百人を率いてやっているんだと言われましたけれども、やはり上へ行くほど、上の人の方が下の人より給料が安いということはあり得ないと思いますのでどんどん上へ上がっていくと、会長の給料が天文的に高いんじゃないかということを心配している国民もあろうかと思いますが、御給料とか退職金というのはどれぐらいのことをやっておられるんですか。もし不都合であれば、後からそっと教えていただいても結構であります。
○参考人(海老沢勝二君) 私の十二年度の年間報酬は、三千七百五十五万円であります。 これは、役員の報酬につきましては、放送法第十四条第十二号及び定款第十一条第十二号に基づきまして、経営委員会の議決によって決めているということであります。 それから、会長の退職金、退職慰労金と言っておりますけれども、この算定につきましては、やはり放送法第十四条第十二号及び定款第十一条第十二号に基づいて、やはり経営委員会の議決において支給をしているということになっております。 会長の退職金の算定は、経営委員会で議決された役員退任慰労金支給内規に基づいておりまして、役員の在任月数に退任時の報酬月額百分の三十六に相当する額を乗じて得た額と、在任中特に功績のあった役員に支給される特別慰労金の額の合計であります。 そういうことでやっておりまして、私、退職の算定はまだしておりませんので。
○石井一二君 ありがとうございました。どうも失礼しました。
○委員長(溝手顕正君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件について採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、浅尾君から発言を求められておりますので、これを許します。浅尾慶一郎君。
○浅尾慶一郎君 私は、ただいま承認すべきものと決定いたしました放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、無所属の会、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府並びに日本放送協会は、次の事項の実施に努めるべきである。 一、放送の社会的影響の重大性を強く自覚し、放送の不偏不党、真実及び自律を一層確保するとともに、放送倫理の確立と徹底を図り、人権に配慮した、正確かつ公正な報道と青少年の健全育成に資する豊かな情操を養う放送番組の提供に努めること。 二、協会は、その主たる経営財源が受信料であることにかんがみ、受信料制度への国民の一層の理解促進を図り、負担の公平を期するため、受信契約の確実な締結と収納の確保に努めるとともに、デジタル放送の普及、放送サービスの進展状況等を勘案しつつ、受信料体系の在り方について検討を進めること。 三、協会は、視聴者の一層の理解と協力が得られるよう、経営全般にわたる抜本的な見直しに取り組み、業務運営の効率化によって経費の節減にさらに努めること。 また、視聴者に対する説明責任を十全に果たし、事業運営の透明性を確保するため、本年七月から実施する情報公開に当たっては情報公開基準の適切な運用に努めること。 四、協会は、放送法の趣旨及び協会の公共性にかんがみ、関連団体等の業務の在り方等について検討を行い、また、関連団体等との連結決算の早期導入に向けた取組を進めること。 五、地上デジタル放送の円滑な導入に向け、デジタル化について視聴者への周知を図るための広報活動等を強化するとともに、アナログ周波数の変更対策については、視聴者の理解と協力の下に実施すること。 六、障害者や高齢者向けの字幕・解説放送等情報バリアフリー化に資する放送番組を一層拡充すること。 七、我が国に対する理解と国際間の交流を促進し、海外在留日本人への情報提供を充実させるため、映像を含む国際放送をさらに拡充すること。 八、協会は、地域に密着した放送番組の充実・強化を図るとともに、地域から全国への情報発信を一層促進するよう努めること。 九、情報通信技術の急速な進歩に伴う通信と放送の融合の進展等、放送を取り巻く環境の大きな変化に対応し、放送の公共性の確保、公共放送の使命・役割等、放送制度に関する見直しについて検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(溝手顕正君) ただいま浅尾君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(溝手顕正君) 全会一致と認めます。よって、浅尾君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、片山総務大臣及び海老沢日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。片山総務大臣。
○国務大臣(片山虎之助君) 日本放送協会の平成十三年度収支予算等につきましては、慎重なる御審議の上御承認をいただき、厚く御礼を申し上げます。 御審議を通じた貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の放送行政を進めるに当たり御趣旨を十分に尊重してまいりたいと思います。 まことにありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) 海老沢日本放送協会会長。
○参考人(海老沢勝二君) 日本放送協会平成十三年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、ただいま御承認を賜り厚く御礼を申し上げます。 本予算を執行するに当たりましては、御審議の過程でいろいろいただきました御意見並びに総務大臣の意見書の御趣旨を十分生かしてまいりたいと考えております。 また、ただいまの附帯決議につきましては、協会経営の根幹をなすものでございますので、これを体しまして執行に万全を期したいと考えております。 まことにありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十八分散会