財政金融委員会 第8号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/04/05
会議録
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に金融庁監督局長高木祥吉君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君、同副総裁藤原作彌君、同理事黒田巖君、同理事増渕稔君、同理事小池光一君及び預金保険機構理事長松田昇君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、日銀の総裁に対して、また、関連して財務大臣あるいは金融担当大臣にも御質問させていただきたいと思います。 質問通告なかったんですが、どうも朝になりますとアメリカの情報が入ってまいります。グリーンスパン議長が、連銀の総裁が議会で発言をなさっております。特に日本の経済に対して、あるいは日本の金融に対して、それが非常に問題だ、これは早く回復してもらわなきゃ困ると、こういう趣旨の発言があったというふうに私はけさの報道で知ったわけであります。それゆえ質問通告もできておりませんが、この問題に関して特に、これはNHKの報道であったと思うんですが、もし日本経済がさらにある意味では失速をするというか景気が順調にいかない場合には、一段の金融緩和も日銀に対して要請するかもしれないと。 折しも、四月の下旬にはG7の会合が毎年アメリカで開催をされるわけでありまして、そこには日銀総裁あるいは財務大臣も出席をなさるやに聞いております。その意味で、恐らく情報を得たばかりでまだ十分な分析をされておられないのかもしれませんが、この点に対する日銀総裁、そして財務大臣にもそのことに対する御意見、感想も含めてお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(速水優君) けさ、新聞で見たばかりで、まだ内容をよく見ておりませんので。 グリーンスパン議長とは時折お目にかかって話をする機会がございますが、今回の議会証言では、日本は再び成長軌道に戻るだろうという見方を示しておられると同時に、世界で第二位の経済が低迷し続ければ他の国に影響を与えないことなどあり得ないということも言われたと聞いております。また、アジア地域にも連鎖的な悪影響が出かねないというふうにも述べられたようでございます。 FRBの方も、今自国の足元が非常に難しい、苦しい時期に来ておるわけでございまして、私どもも、アメリカの影響で昨年の暮れあたりから、輸出の減を中心にして、日本経済が私どもが予想していたよりもかなり早く緩やかな上昇がとまって、足踏み状態というのが現状だと思います。そういうことを私どもの問題として考えると同時に、アジア全体、世界全体も考えながら政策を打っていきたいというふうに思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、これはヤフーですか、ちょっと今見ておりますが、今総裁も言われましたように、この人が毎々言っていることと同じラインでありますけれども、この際、特に日本経済が一種の停滞状態にこうやって陥っているということは世界に影響を与えざるを得ないと。成長の要因から停滞に陥っているということが世界の経済に下を下げ押しするような影響を与えていると。そこで、自分は成長の軌道に戻ってくれることを確かに希望しておりますし、最後のところはそれに成功するんではないかと思っていますけれどもと、こういうようなことでございますね。 ですから、二月にシシリー島で彼が言っておりましたこと、それは、つまるところは財政も随分やったし、日銀も新しい施策を出したが、結局、金融の問題ではないのかと。銀行のあり方、それは今議論になっております債務の処理ということなんですが、どうもそういうところができていないんじゃないかということもしきりに言っておりましたので、今回どこを何とは言っておりませんけれども、そういう問題についての停滞が、恐らく最近でいいますと株価を見たり、十—十二はとにかくプラスにはなりましたけれども、非常に強いプラスでもなかったといったあたりを見ながら心配してこういうことを言っているんではないかと推測をいたします。
○峰崎直樹君 いずれにせよ、パレルモから約二カ月たつんでしょうか、その上で日銀としてもロンバート貸し出しだとか、さらには三月十九日には大変大胆な、恐らく歴史に残るであろう決断もされたわけでありますが、それを踏まえても、なおかつグリーンスパンさんが日本に対するこういう注文を出されているというところに我々日本としての責任もあるのかなと思います。 その中身についてまたこれからもいろいろと議論していきたいと思いますが、財務大臣が今おっしゃったバンキングシステム、銀行の不良債権問題ですが、どうしても確認をしておきたいと思っておりますのは、我々民主党としては、不良債権処理と言うときに、どうも銀行の抱えているきちっとした資産査定が十分なされていないんじゃないのか、こういう疑念を絶えず持っておるわけであります。その上で、実は、先日は柳澤大臣にもお聞きしたんですが、きょうは日銀総裁もおられますので、お二人から確かめたいことがございます。 一つは、経済財政諮問会議の場で日銀総裁が、不良債権問題については十分な査定、引き当てがなされていないのではないか、いわゆる銀行が、そういう発言があったやに聞いておるわけでありますが、まだ詳細な議事録が明らかになっておりませんので、そのあたりそのようになされたのかどうか、その点まずはお聞きしたいと思います。
○参考人(速水優君) お答えいたします。 私、三月十四日の諮問会議で、特に詳しく言ったわけではございませんが、その前に、三月七日に講演をいたしまして、今大切なことの一つとして不良債権問題を、直接償却をやらなきゃだめだということを申したつもりでございます。 その趣旨は、金融システムをさらに強固にするために不良債権をバランスシートから切り離す必要があって、同時に、将来償却が必要となる可能性のある債権についても適切な引き当てを講じることが重要であると申しました。 後段の引き当てに関する私の発言の趣旨は、刻々と変化する金融経済情勢を踏まえつつ、債務者の足元の経営状態や先行きの見通しを勘案して適切な引き当てを講じることが重要であるということで、金融機関はこうした観点から適切に対応してもらいたいということを言ったつもりでございます。
○峰崎直樹君 三月十四日ですか、経済財政諮問会議がありました。その場でのやりとりといいますか、そこでは、この日本の金融機関が十分な引き当てをきちんとしていないのではないか、こういう質問をなさっておられませんか。
○参考人(速水優君) していないのではないかとは申しておりませんけれども、柳澤大臣はその席でも、マニュアルがあって、マニュアルに沿ってきっちりやっているということを説明してくださっておりました。 私がむしろ申し上げたかったのは、そういういわゆる償却予備軍というようなもの、数字が出ておりましても、分子よりもむしろ分母が取引先の変化とか経済情勢の変化で変わっていくのであって、それをよく金融機関が見ていくように指導すべきではないかというようなことを言ったつもりでございます。
○峰崎直樹君 金融担当大臣にお聞きします。 今お話しなさったようなことで、今、日銀総裁のそういうお話があった後で、柳澤大臣はどのようにその点についてはお答えになったんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 日本銀行総裁が御質問をされたわけではございません。金融機関の強化という問題について、今、大略、総裁御自身がお話しになられたような趣旨でのお話があったわけでございます。 私は、問答というかそういうことではなくて、いわゆる個別引き当てという破綻懸念先以下の債権以外のところは一般貸倒引当金を引き当てているわけでございますけれども、これも過去三年間のこうしたところに分類された先の破綻の実績、率、これを常に移動平均していまして、そういうことで算出される引き当て率というものが各金融機関が引き当てるべき引き当て率、一般貸し引きの引き当て率ということになっておるわけで、それが今行われていることでございますといったような趣旨での発言をさせていただいたということでございます。 追加しますと、したがって、総裁がおっしゃっているような経済状況というのは、そういう形で反映されることになっているということを含意させていただいたわけです。
○峰崎直樹君 日本銀行もたしか銀行に対する考査をやっておられますよね。そうすると、私は、日本銀行の総裁は、そういう銀行の考査をして、その上でその引き当てが十分なっているんでしょうかねと、こういう発言をなさったということは、ある意味ではやはり十分なされていないのではないかなということの裏返しじゃないかというふうに受けとめたんですが、その点、日銀総裁、もう一遍しかと発言の真意をお聞かせ願えればと思います。
○参考人(速水優君) 私の発言の趣旨につきましてやや具体的に申し上げますと、各金融機関の自己査定作業において、金融検査マニュアル等に即して、債務者の経営実態や、それを踏まえた引き当てについて注意深く不断の見直しを行って適切に対応してもらいたいと、これは各金融機関ですね。 いずれにしましても、各金融機関は、刻々と変化していく金融経済情勢を踏まえまして、不良債権処理に適切に対応する必要があるということでございます。こうした点に関して、私どもとしましても、今後とも考査等の機会をとらえて、金融機関の経営者に対して繰り返し申し入れていきたいというふうに考えております。 この発言の趣旨は、刻々と変化する金融経済情勢のもとで、各金融機関とも引き当ての現状を絶えず見直す姿勢が重要であるということを申したつもりでございまして、この点につきまして柳澤大臣との間で基本的な見解の相違はないということをあのときに理解した次第でございます。
○峰崎直樹君 基本的な認識に違いはないとおっしゃっているわけですから、それはそういうことで受けとめておきたいと思います。 それでは、先日、私どものこの委員会で日銀総裁が、通貨及び金融の調節に関する報告書の概要説明ということで、文書も提案されて読まれました。その中で、日銀総裁、この三ページ目から四ページ目でありますが、要するに日本経済の構造的な改革のおくれということを指摘されているわけですね。 ずばりお聞きしますが、構造的改革のおくれというのは一体何を指しておられるんでしょうか。
○参考人(速水優君) 経済の構造改革、これはよく使われる言葉ですが、いろんなとり方があるのかもしれませんが、私は、基本的には人や物、資本というもののスムーズな配分を通じて、経済が持つ力を十分に発揮できるような環境を整えていく、供給面から生産性を高めていくプロセスであるというふうに理解しております。 こうした構造改革を進めていく上では、次のような点が重要だと思います。 一つは、まず経済成長の源泉は民間部門の活力であって、民間の創意工夫によるイノベーションを通じて経済の力は最大限に発揮されていくんだと思います。 第二に、そのためには市場メカニズムをフルに活用することが不可欠だと思います。 第三には、構造改革というのは痛みを伴うものであります。その改革の波に洗われた人々や企業に対して、みずからの競争力が発揮できる分野へ再度挑戦する、敗者であっても再度挑戦する機会をつくって与えていくということが大事なんだというふうに思います。 構造改革のために、具体的な方策は多岐にわたっていると思いますけれども、現段階で私が重要と考えておりますことは次の二つでございます。 一つは、まず不良債権問題を解決していくこと。そのためには、不良債権のバランスシートからの切り離しを一段と進めていきますとともに、将来、償却が必要となる可能性のある債権に対して適切な対応を講じることが重要であると思います。 第二には、千三百八十兆円に達する個人の金融資産を活用していくことではないかと思います。そのためには、市場の効率化、活性化を進めて、人々が前向きのリスクテークを行っていける環境を整備していく必要があるというふうに思います。 現在、政府におかれましては、緊急経済対策の取りまとめを行っておられるものと認識しております。私としましても、この対策が不良債権問題を初めとする構造問題の解決や市場の活性化といったような観点に十分配慮したものとなることを期待しておる次第でございます。
○峰崎直樹君 日銀総裁は、私、最近、本当にそういう積極的な日本の問題点の指摘をされるようになって、大変ある意味ではいろんなことがわかるようになってきたんですが、同じこの四ページの「おわりに」というところに、「実際、過去十年間、日本経済は、景気循環という観点からみて、何度か回復の動きがみられましたが、結局、力強い回復を迎えることなく、景気後退に直面するという事態を繰り返してまいりました。」、こういう指摘をされているんですね。 それはやっぱり構造改革のおくれがそうさせているということなんでしょうか。それとも、マクロ経済の手法として、先ほど民間のイノベーションといいますか、力を発揮するということを優先してこなかったと。もっと言えば、公共事業を中心とした需要拡大政策というものを何年かとってきたわけですね。我々は余り効果ないんじゃないかということを随分指摘してきたわけですが、そういった今政府のとってきた経済政策に対して、日本銀行としても恐らく言い分がかなりあるんじゃないかと思うんですね。その点、もしあれば日銀総裁からまずお聞きしたいと思うんです。
○参考人(速水優君) 失われた十年という言葉がよく世間で使われております。確かに、イギリスの場合でもアメリカの場合でも、八〇年代に彼らはサッチャリズムとかレーガノミクスとかといったような強いリーダーがいて、規制を緩和し、規制撤廃をやって、そのかわりフェアな自由競争で生産性を伸ばしていくということをいろんな面から政府が指導し、かつ民間がそれに乗っかって、新たな技術革新も加えてイノベーションをやってきて、それが九〇年代に花を開いて、徐々に、イギリスであれば英国病から脱却して、財政も黒字になる、成長も伸びていく、米国は双子の赤字を脱却して、財政は黒字になる、成長も五%を超えるような成長に伸びてきた。 その間、日本はバブルの崩壊というのが八〇年代の終わりから九〇年代にかけて起こったわけで、そのバブルを崩壊するために引き締め政策、財政の面でもかなり手を打ってきたわけですけれども、バブルの崩壊後、デフレ現象がずっと続いていた背景には、やはり資産価格が上がらなかったということと、もう一つはやはり規制が、規制の撤廃と言いながら規制の緩和はもう十年、ここへ来てかなり進んでいると思いますけれども、ずっと残っていた。本当の競争というのは、世界がグローバリゼーションで、ベルリンの壁以降は東西も南北もなくて、全部一つの市場になって競争して、競争に勝ったものが伸びていくというような世界に変わりつつあるときに、あいにく日本は国内でバブル崩壊後のデフレ現象がずっと続いていた。それを補うために、金融は極力金利を下げ、資金供給をふやしてきた、財政の方も予算を大きく組んで、国債を発行しながら予算を組んで公共投資を大いにやったというようなことが、ここまで低成長のまま、九〇年代は恐らく成長率は一・五%前後だったと思いますけれども、多少の上がったり下がったりはありましたけれども、全体として見れば、九〇年代は、従来七%とか五%とか二十年前、十年前には伸びていた日本の経済が一%前後の伸びに変わっていってしまったということが起こっておるわけで、私どもとしては、それに対応すべくその場その場で手を打ってきたと思うんですけれども、それが必ずしも日本経済を引っ張り上げていく民間の構造改革に移っていかなかった。少しずつは伸びてきているんでしょうけれども、米、英で見たようなそういう民間主導の構造改革というものが見られなかったということが問題であったというふうに思っております。
○峰崎直樹君 財務大臣にお聞きしますが、今、日銀総裁のお話を聞いて、過去十年間、日本経済は、景気循環という観点から見て、何度かの回復の動きは見られた、しかし力強い回復を迎えることなく景気後退に直面するという事態を繰り返してまいった、こういう御指摘を受け、今、サッチャリズムだとか双子の赤字から脱却したアメリカの改革を述べられております。 それと対比して、九〇年代、私も何度もお話をしているんですが、マクロ政策としての財政政策を随分これまでやってこられたわけですけれども、その観点から、今の日銀総裁の見解について、同じような見解をお持ちなんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) ある局面における分析、見方、私は、日銀総裁のある局面という、長い局面ではございますけれども、そうだと思って伺っておりますが、一ついずれ解明しなければならないのは、やはり一九八五年のときに、これは十五年になってしまうわけですが、あのときに日本の通貨価値が急激に変動した。今日、あのときの倍とかなんとかということに評価されているわけですが、この出来事がやはり大きくて、これに日本経済が対応する過程でバブルが起こったわけですし、財政も金融もみんなそれに何とか対応しようとした。大変いい景気になりました。 その裏側でバストになったわけですから、そのもとにあるものはやっぱり一九八五年のプラザ合意というもので、日本の通貨というものがあれだけ大きく変動したことが日本経済にどのような影響を与えたかという大きな問題の中で、今、総裁のおっしゃるような対応がいろいろに起こった。バブルもあり、バストもあり、その間の財政膨張もありますし、金融膨張もありますし、不動産の恐るべき高騰、その下落、その元凶にある部分にプラザ合意のあそこを外して考えるわけにはやっぱりいかないんだろうなと。それはもう少し時間がたちませんと分析ができないかと思いますが、そういうことをやはりつけ加えるべきかなと。 それからもう一つ、総裁がおっしゃった、その間に構造改革ができていなかったと。構造改革というのは結局言えば競争ということであるし、リスクテーキングだということなんですけれども、リスクテーキングということが日本の経済界に極めて少なくて済んできた。それは競争にも関係があるかもしれないんですが、しかしそれは産業界もそうだったんだろうか。金融界がそうであったことはもう自明ですし、それには行政の責任もあると思いますが、産業界は実は非常に果敢に競争してきたんではないかという私は思いがあるものですから、全体で構造改革がだめだったのか、あるいはその中のある一部にそれが顕著であったのか、これはやっぱり検討してみる必要があるということをつけ加えさせていただきます。
○峰崎直樹君 六百六十六兆まで肥大化させてしまった、またぞろ昨今でも与党の内部の一部から景気対策として補正予算といったような議論も出始めているわけですね。そうすると、この過去十年間というのは、ある意味ではバブルの崩壊後の構造改革、痛みを伴うと先ほど日銀総裁おっしゃったことを、実はスペンディング政策を通じて公共事業、建設国債、赤字国債を大量に発行しながら、そういう進めてきたことの十年間のやっぱり失敗だったんではないかということ、恐らく言い分ももちろんあるんだろうと思うんですが、そのことを、日銀総裁の過去十年間の景気についてはということを、そういうふうに私はさっきのお話を、サッチャーだとかあるいはレーガンのお話を聞いていると、サプライサイダーの構造改革、供給サイドの構造改革ができておらぬのじゃないかと。それに対して、絶えず今まで自民党を中心とした与党は財政をスペンディング政策を通じてやってきたけれども、これではもうどうにもなりませんぞと、要するにそういう政策をきちんと改革をしなきゃだめなんじゃないかということをおっしゃっているように聞こえたんですよね。 そういう意味で、プラザ合意から始まって円高をもたらした影響をしっかり分析しなきゃいかぬというのは、私もそれはそのとおりだと思うんですが、一つお聞きしてみたいなと思っているのは、何度も指摘して財務大臣恐縮なんですが、九二年八月のいわゆる軽井沢における自民党のセミナーにおける発言で、公的資金を投入したらどうだと、こうおっしゃったその先見の明というのは、これはもうだれしもが恐らく認める点だと思うんです。そうすると、そのときにはこの構造改革、根本にはどうやら不良債権の問題があるぞ、あれだけバブルの絶頂に行っていたんだから、下がってしまう、これはきっとバランスシートも傷んでいるに違いないという思いもおありになったんだと思うんですね。 私が当選したのは九二年七月でございましたから、その後たしかゴールドマン・サックスにおるデビット・アトキンスなんかの本を読んで、要するに日本のバブルというのは、もうバランスシートが傷んでいますよ、ポンジーユニットと、こういうふうに彼は言っていたと思うんですが、そういう状態になっているから、これを解決するのには証券化だとかいろんな手法があるよということも早くから指摘をされていましたよね。ですから、そういうことがなぜできないのかなと私個人もその当時思いながらもいたんです。 宮澤大臣、九二年の八月にそう思われた背景というのは、やっぱりこれは構造問題に手をつけなきゃだめだなと、そう思われた時期があったんじゃないですか。もう一度そのあたりを教えてください。
○国務大臣(宮澤喜一君) ずっとそれらの時間を回顧して、政府がやってきたことあるいはおまえがやってきたこと、結果としてうまくいっていないんだから失敗じゃないかと言われることは、私はそう受け取っても別に良心にやましいことはありません。確かにうまくいっていなかったわけですから、ソーファー。 ですが、それ以外にどういう方法があったのかなということは、やっぱりいつか検証しなければならないことであろうなということは依然として言わせていただきたいので、実際、毎日円高が続く中で、私は当時大蔵大臣で、十億ドルぐらいの金を毎日ドルを買うために、毎日じゃございません、使っていますが、これは二千億円余りでございますから、そんなことをやっていて、しかも円が三日に一遍三円上がるなんというそういうディフェンス、それからあと補正予算をしたりいろんなことをいたしまして、とにかくこれで円高に対応したという努力、そのものは大変な過剰流動性を起こすことはそのとおりでございますし、日本銀行もつき合ってくださった。 その後それが全く逆転しまして、今度はバブルになるわけで、そういう経緯の中でこれだけ大きな、今日まで終わっていないわけですから、財政が金を使ってしまった。結果としてよかったらいいが、まだちゃんとなっていないじゃないかと。残念ながらそのとおりでありますので、その手法そのものが間違っていたと、どこが間違っていたかということは長く反省されなければならない事態でございますが、ただ公共事業をしたから悪かった、そうかもしれませんが、もっともっときっと検証があるに違いないということは思っております。 それは、この手法じゃまずかったんだよと峰崎委員がおっしゃれば、確かにここまでうまくいっていないわけでございますから、工夫の余地があっただろうとおっしゃれば、きっとそれはそうに違いないというお答えが私は正直なお答えだと思うんですが、それならばどうすべきであったのかということがなかなか十分思い至らない。 今日でも私は、実はこの手法は間もなく成果を得ると思っている当人ですが、それはともかくといたしまして、そういう感想を持っております。
○峰崎直樹君 その点については前にもちょっと財政のところでお話ししましたね。建設国債と赤字国債の区別はもう意味をなさないのではないかというような議論だとか、あるいは重化学工業時代における港湾やダムやそういったものをつくることの意義よりも、今日、情報化社会と言われている時代における将来の投資というのは、資源配分というのは恐らくそういったところに費やすよりもということで随分議論をしてまいりましたから、その点はまた財政のところで議論をさせていただきたいと思いますが、きょうは日銀総裁を中心にして議論をさせていただくということなので、また日銀総裁の方へ戻っていきたいと思うんです。 いずれにせよ、構造改革おくれているねということでありながら、三月十九日にああいう決定をされました。私はそのときに、要するに物価を安定的にゼロの状態というか、ゼロ以上にするということなんですが、この手法をやってさらに四兆円から五兆円と当座預金の積み増しをふやす、そういう努力をしてもなおかつゼロ以上にならない。努力をこれからされるわけですから、まだ先のことを仮定で言うのはなかなか大変かもしれません。そのときに非常に心配するのは、日銀の保有する長期国債の残高を銀行券の発行残高を上限とする、こういう歯どめをつけているから大丈夫だという御指摘なんですが、そこで、幾ら上限まで持っていってもゼロ以上に上がらないというふうになったときは、これは一体どういう判断をされるのかなと。まだ先の話ですが、もしその点についての御見解があればお聞きしておきたいと思います。
○参考人(速水優君) 長期国債は、御承知のように、これまで毎月四千億買って買いオペをやってきたわけでございます。この考え方は、銀行券の発行に見合うぐらいのものを長期国債で日銀が買っていくのは、これはインフレ現象でもないし自然な動きだということでずっと続けてきたわけでございます。それで、ここへ来て、昨年あたりから政府短期証券がどんどん市場で買えるようになりましたし、日銀引き受けのやり方が変わって、市場が引き受ける、それを日銀が買っていくということで、今専ら買いオペは政府短期証券、一年以内の国債が多いわけでございます。 三月、期末もこうやって無事乗り越えましたけれども、今までまだ従来やってきた四千億の長期国債を超える長期国債買いというのはやっておりません。短期国債や手形その他で十分間に合っておるわけです。買ってきたバランスと銀行券の今の残高を比較してみますと、持っておる長期国債は四十五兆ぐらい、銀行券の方は五十五、六兆円でございますから、まだかなりの開きがございます。 その辺のところは、今後、札割れが起こったりしてほかに買うものがなくなってきたら長期国債を少しふやして買っていくというようなことを行っていくつもりでございます。今後の情勢次第でございますが、そんなにこれを使っていくつもりはございません。使わないで済むと思っております。今の当座預金を四兆から五兆にふやしていくという仮定でも、現に期末には五兆七千億ぐらいと当座預金がふえたんですけれども、その場合なんかでも買わないで済んでおります。 今後とも、国債価格の買い支えとか財政ファイナンスを目的とした長期国債の買い入れということは一切やるつもりはございません。今申し上げたように、必要な資金を供給する意味で、長期国債を買い入れの対象にして、増額もできるようにしていくつもりでございます。
○峰崎直樹君 日本銀行は、昨年十月から、物価の問題について、日本銀行の政策委員の皆さん方が物価の見通しを出して、そして一番極端な上と一番下を外して平均値を出して大体の目標値と、こういう試算を出されておりましたね。 そうすると、今度はゼロ%以上というか、要するにゼロ以上ということになると、そういう政策委員の皆さん方のいわゆる物価予想なんというものを出すこと自身余り意味を持たなくなると思うんですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○参考人(速水優君) 今度、消費者物価を対象にして、消費者物価が前年比ゼロ%を安定的に超える見通しがついたときまで今度の新しい政策を続けるということを言ったわけでございまして、現在のところ御承知のように各種の物価はやや下がりぎみでございます。これは需要サイド、需要が弱くて下がっている分と、供給コストが下がって、今の技術革新とか流通革命とか、そういう大きな変化が市場経済の中で流通段階で起こっておることも確かでございますので、それを見きわめるのは非常に難しい。今まで日本は内外価格差と称して物価が高いと言われてきたわけでございますから、消費者物価、特に繊維その他が下がっていくことは庶民の生活にとってはプラスであるわけでございますが、そうかといって、企業の立場を考えますと、企業が売り上げをふやし収益を上げていかないと景気がよくならないんだというようなことを考えますと、どの部分はいいけれどもどの部分は困るというようなことはなかなか難しいんですね。 それで、そうかといって、デフレデフレといって気がついてみたら通貨が出過ぎていてインフレが起こってくるというようなことも十分あり得るわけでございますから、時間軸という意味で消費者物価がゼロ%まで達したら今の政策はやめますということを決めたわけで、これは非常に重要なポイントだと思っております。 委員方に今後も引き続き、年に二回、先行きの見通しを出してもらうことにしております。次回は四月に出すことになると思いますけれども、それは、当年度の成長率と当年度の物価上昇率を、皆さんのお考えを出していただくということでありまして、かなり違った数字が各委員から出てくる可能性は十分あり得ると思っております。それはそれなりに見ていただくのには、それを平均してこうだということをあわせて発表していくことは、私どもが何を心配し何を考えているかということを知っていただく意味でも意味があることだというふうに考えております。
○峰崎直樹君 ちょっと今のお話の中で、デフレだデフレだと言っておるうちに通貨の供給量がふえてインフレになっちゃったと。実はそれが我々も非常に心配なところなんですね。そのとき、やはり日銀としては、これ以上もう上がってはだめだなというような何かメルクマールといいますか基準みたいなものは設けられているんですか。
○参考人(速水優君) それが今申し上げた、消費者物価が前年比ゼロ%に推移することが確認できたときに政策は変えるということでございます。
○峰崎直樹君 私は、日銀が今回、今おっしゃったように、ゼロ以上にするんだというふうにおっしゃったら、政策委員の方々がことしは物価がどうなりますよという予想を出して、平均値をとって、日銀の政策委員の大体の平均的なところですよと言っても、そこは余りもう関係ないんじゃないか。つまり、もうゼロ以上を目指すんだということを断固たる決意で出されたわけですね。私は、それが今は一番の日銀が市場に送っているシグナルだと思っております。 ちょっと外れてしまいましたけれども、実は、いろんな資料などを読んでいるとき、また日銀の研究所の方々などの意見なども聞いたときに、どうも私たち、もう一つの視点を忘れていやしないかということに気がついたわけです。 それは何かといいますと、昭和大恐慌のときの高橋是清さん、今、平成の是清ということで財務大臣も随分御苦労なさっておられるわけですが、高橋是清さんのときに、ある意味では財政政策、景気政策がうまくいったとかいろいろ言われているんですが、そのときに円安が非常に進んでいる。つまり、当時一ドルがたしか二円から四円ぐらいまで一年間か二年間に上がっているんです。大変な上がり方だと思うんですね。 為替政策というのは、これは日銀の事項じゃないと思います、これは財務省の権限だと思います、国のやることだと思うんです。そうすると、言葉として円安誘導ということをおっしゃらないのかもしれませんが、日銀総裁、いわゆる量的緩和、三月十九日の決定は、市場では、いや、日銀総裁もいよいよ円高主義者から円安主義者に変わったのかというふうに言われていろいろ出されておりましたけれども、その点についての御見解。 それから、経済のこの難局を脱していくときのいわゆる為替政策について、財務大臣、日銀がそういう形での展開をして、いよいよ不良債権問題の、今、柳澤大臣のもとで大変痛みを伴う改革をこれからされようとしているわけですから、そうすると、このいわゆる為替について、アジアの国々やアメリカにとっても非常に通商摩擦といいますか大変大きな問題をもたらすことは間違いないし、日銀総裁はいつも、アジアの国々の方々とお会いしたときに日本の円安は困るんですということを絶えず言われていたとおっしゃっていましたけれども、そういう意味でこの政策は、私はやはりある意味では円安政策というものに結果としてならざるを得ないんではないかなというふうに思うんです。 それと同時に、財務大臣にお聞きしたいのは、そういう意味で、私はこの情勢の中ではそういう為替に対する対策をとるべきではないかなというふうに思っておる一人なんですが、その点、お二人、総裁と大臣からの御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(速水優君) お答えいたします。 介入によって為替相場を円安に持っていくべきだという主張が一部にあることは私も承知しております。ただ、この方法は、そもそも介入は財務省の権限でございます。介入で為替相場の人為的なコントロールがどこまで可能なのか、輸入コストの上昇やアジア諸国のマイナスの影響をどう考えるか、この辺のところは慎重に考えていく必要があるというふうに思っております。 念のため申し上げますが、日本は悪いといいながら、経常収支はGDPの二%以上の、二・五%ぐらいの黒なんですね。その経常収支の黒字があって初めてアメリカ等に資本が流れていってアメリカの大きな経常赤字も、GDPの四%を超えるような経常赤字ですが、そういうものをファイナンスする機能も果たしているわけですね。そういうところで円ドル相場というのは決まってきているわけで、おのずから市場はそういう長く続いている流れをよく知っていると思うんです。 行き過ぎということは、私は、行き過ぎたと思ったら市場は大体戻しがしばらくして起こってくる、この最近の動きだと思います。特に、今、外国人の投資などもたくさん来ておるわけですけれども、そういうものも差し引いて、大きな流れとしては、日本が経常で黒で、それが資本でアメリカ等に流れているという流れが均衡して動いているというふうに考えております。その結果として余り相場は大きく動いていないと。 ここへ来て円が安くなってきておりますけれども、これはやはり日本全体の経済の先行き、あるいは政治も含めてかもしれませんが、先行き見通しが立たないというようなことからの円安が起こっているんじゃないかという感じがいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) これも非常に難しい問題をお出しになっていらっしゃるわけで、十分お答えできませんけれども、いわゆる金本位、金解禁といったようなことが大きな政治経済の課題であったあの時代と考えまして、いろいろ違ってまいっておるということは申し上げるまでもないことだと思います。 現在、資本取引、長短とも自由でございますし、貿易も自由化されました。そういう状況の中で通貨とはどういう役割を果たしておるのかということになるわけでございますが、今見ておりますと、そういう貿易も資本取引も自由になった状況の中で、ちょっと言い方は不適当かもしれませんが、私どもG7の関係者たちが絶えず毎日連絡をし、また代表者は年に何回か会って、そして恐らく、通貨というものがそのときのファンダメンタルズから余り離れないように、スペキュレーションによって左右されない、その幅をできるだけ極小にするという、そういう政策協力をしておることによって通貨というものの安定化を図っておるというのが今日の現実ではなかろうかと思います。したがいまして、関係者お互いにとっては、いわば急激な何かのアンプレディクタブルな状況による通貨の変動というものに対しては抵抗していこうと、こういうことが基本であろうかと思います。 東南アジアのお話がございまして、九七年の為替危機と今日と幾らか変わりましたのは、国際的には我が国の協力というのがかなり認められているし、東南アジアの国々もそれを言ってくれますが、基本的にはやはりドルにペグをしておったという、そういう一種の固定的な立場からかなりフレキシブルに東南アジアの国々がなってきている、そのことがあの九七年の通貨危機の教訓であったのではないか。東南アジアの国々と我が国、あるいは中国、韓国も入りますが、チェンマイでいろいろ合意をしてみたりしまして、何かお互いにそういうバッファーをつくろうという共同努力も少しずつ芽生えてまいりましたゆえに、今回のことにつきましても、前回のようなことは起こらないだろうと考える人々が多い、ということは恐らく起こらないということでございますけれども、多少の進歩があった。 しかし、全体をとらえまして、通貨というものは先ほど申しましたような形でフラクチュエーションから守られている、そういう努力が続けられているというふうに私は考えております。
○峰崎直樹君 もう質問を次の櫻井議員に譲りたいと思いますが、最後に、やはりデフレと闘おうと、デフレだと認定したわけですから、私も、前回もお話ししたように、絶対にこのデフレーションというものを早く食いとめるというか、そのための政策の総動員というのが求められているんだろうと思うんですね。 ですから、日銀の金融の量的緩和あるいはゼロ金利、こういったものを進めていくと同時に、為替政策を国際社会の中でどうやって認知してもらうのかというのは非常に難しい課題だと思うんですが、私は、今の日本経済のこの難局を克服していくための一時的な対応としてはあり得るのではないかな、そういった認識でやはり進めてもらいたいなというふうに思っているわけでございます。意見になりました。 それと、本来ならば、与党の緊急経済対策の問題に絡めて今お聞きをしたい点がありましたけれども、午後からまた、別の法案でございますけれども、その場でまた時間がないので質問をさせていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井です。 今、峰崎委員からデフレの話が出てまいりました。昨年の八月、ゼロ金利を解除する際に、日銀の報告によりますと、日本経済はデフレスパイラルに陥るようなリスクが問題となる厳しい事態からはひとまず脱却できたのではないかと、こういう判断をされて、結果的にはゼロ金利を解除されるということになりました。 振り返ってみて、現時点においてこの判断は正しいとお考えなのかどうか、まずその点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(藤原作彌君) 昨年八月のゼロ金利政策解除、あの時点における判断は正しかったと私どもは思っております。 その後、解除しましてからのマーケットのトレンドを見ましてもそれを示しておりますし、ただ、その後、昨年の秋それから暮れごろから内外の情勢が変化してきましたけれども、八月ごろ、夏ごろの状況に照らしての政策判断は正しいと考えております。
○櫻井充君 八月の時点では景気は回復してきているという判断でございましたし、それから、将来に向けて緩やかながら景気は回復し続けるんだという判断をされていたかと思いますが、その点についての確認です。いかがでございましょうか。
○参考人(藤原作彌君) 昨年の夏ごろまでの経済情勢を振り返ってみますと、日本経済は、まず輸出がふえてきましたし、それから生産が増勢をたどっておりました。それは、指標を点検して私たちも確認しておりました。それから、企業収益も増加しておりましたし設備投資も増加しておりました。特に、製造業を中心にして増加しておりまして、先行きの見通しも、短観などに徴しましてもそれを示しておりました。 そうした中で、雇用・所得環境にも、悪化していた度合いが徐々に改善するという兆しが見えておりました。ちょうどそういうことから、民需主導の自律的回復の端緒が見え始めたというのが夏ごろの状況であったかと思います。
○櫻井充君 あの当時、宮澤財務大臣は、まだゼロ金利の解除がちょっと早いんじゃないだろうかという御意見も述べられていたように思いましたけれども、今の景気の悪化というのはそのゼロ金利の解除というものに関係しているというふうに宮澤財務大臣はお考えでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) あの当時、日銀の決定に対して、政府としては決定の時期をもう少し延ばしていただくことはできないかという提議をいたしまして、これは否決をされたわけであります。 私は、こういう大きな経済を判断するんですから、いろんな判断というものがあり得るし、経済そのものが動いていきますから、何も余りそのことに私は実はこだわりたいと思っていないんです。日銀がそう判断されたことはそれで一つの判断だ、それはもうある意味で済んだことだというような思いがその当時から実はしているんです。 今、日銀副総裁がるる御説明になりました中で当時私が思っていましたことは、おっしゃったことは全部私はそのとおりだと思っているんですが、最後に言われました雇用と家計の部分なわけです。 私どもは、どうも家計の動きがよくないということを当時からずっと思っておりましたんですが、日本銀行はもちろんそれを見ていらっしゃいましたでしょうが、今雇用の動きも悪くないし、雇用、家計と言われましたんですが、通例、雇用と家計というのは確かに同じ方向に動くのですが、どうも今度の場合、家計の犠牲において雇用が維持されている、今でもそういう嫌いなきにあらずという感じがいたすんです。有効求人倍率なんかはよくなっている、失業率も悪くなっていない。当時の状況はそのとおりですから、雇用の指数は悪くないと判断されるのはもっともなんですが、とにかく雇用を維持しなければならないという立場からいうと、収入というものはやっぱりその相関関係にあるものですから、何かの形で影響を受けているんではないかというのが私どもの思っていたことであった。これは、しかしもう済んだことです。状況はいろいろに変わるんですから、だからどうというふうに私は余り思っていません。
○櫻井充君 しかし、ここで一つ問題になるのは、今回、量的緩和ということを打ち出されてきていますけれども、果たしてゼロ金利を解除したからといって、量的緩和が十分なされていなかった、量的緩和の状態でなかったのかどうかというと、少なくともマネーサプライ等の動きを見た分では十分量的緩和されている状況にあるんじゃないかと思いますが、その点に関して日銀はどうお考えでしょうか。
○参考人(藤原作彌君) 私ども、ゼロ金利政策に入る前から、常に市場に潤沢な資金を供給するということを旨としてやってきまして、そのときそのときの与えられた金融調節のディレクティブといいますか、方針のもとで潤沢な資金供給を絶えず行ってまいりました。 政策委員会では、毎回、決定会合でそのときの経済の情勢を検討して、新たなディレクティブ、金融調節方針を審議するわけですけれども、時によってはもう少し調節を緩めにやった方が、基本的には潤沢な資金を供給しているけれども、さらにより潤沢な資金を供給する必要があると判断した場合には、ディレクティブもそれなりに変えていくわけです。基本的には、一定のディレクティブ、方針に従って調節を行っておりますけれども、必要があればさらに潤沢な資金を供給することもあり得べしという条件もつけております。 ですから、従前も、それからゼロ金利政策に移行してからも、それを解除してからも、そのときそのときの情勢に応じて潤沢な資金供給を続けているつもりでおります。
○櫻井充君 済みません、ちょっと金融の素人なものですから、もう少しわかりやすくお話しいただきたいのですが。高校の先輩に向かって大変申しわけございません。 もう一度申しますけれども、市場にこれだけお金が十分供給されているとなれば、果たして量的緩和を行わなきゃいけないのかどうかというのは私にとって非常に疑問です。 ですから、今回の意味合いというか目的は一体何なのかということ、その辺のことについてもう一度お話しいただきたいと思います。
○参考人(藤原作彌君) 済みません、金融調節とか技術的なことを中心に申し上げましたけれども、もうちょっとマクロ的に申し上げますと、日本経済の状況を見ますと、昨年末以来、御承知のとおり海外経済の急激な減速等の影響から見まして景気回復テンポが鈍化してきまして、総裁が先ほど申し上げましたように、このところ足踏み状態を続けているような状況になっております。一方で、物価も弱含みの動きを続けておりまして、今後は需要の弱さを反映した、いわゆる物価低下圧力が強まる懸念が出てまいりました。 これも先ほど総裁が申し上げたことですけれども、我が国では過去十年間にわたりまして、金融、財政の両面から大規模な政策対応がとられてきました。しかし、それにもかかわらず日本経済は持続的な成長軌道に復するには至りませんで、そういうことで、ここに来て再びその経済情勢の悪化に見舞われる、デフレ懸念がまたあらわれるんじゃないかなというような局面に立ち至ったわけです。 そうしますと、従前のような考え方を少し変えて政策についても考えてみようということになりまして、政策委員会で検討しました結果、通常では行われないような思い切った金融緩和に踏み切ることが必要と判断してああいうような方法をとったわけでございます。
○櫻井充君 しかし、日銀が幾ら緩和しようとしても、それを今度は銀行が企業に融資しないような状況になったとすれば、日銀の思惑どおりには動いてこないんではないかというふうにも思います。 そして、もう一方、今回、量的緩和という話になっていますが、結果的には金利はほぼゼロに近づいてきているわけです。日銀のこういう見解を読んでも、構造改革が必要なんだという話をされているわけですけれども、こういう低金利を維持するということは実は構造改革をおくらせていく方向に行くんではないか。 つまり、本来であれば何らかの金利を付加されて借り入れしてこなければいけないような、わずかな金利負担にも耐えられないような企業を全部助けてしまっていて、構造改革をおくらせているのはむしろこういう低金利にも問題があるような気がしますが、その点に関して日銀はどうお考えでしょうか。
○参考人(藤原作彌君) お答えします。 金融緩和政策の副作用として構造調整を阻害するんではないかという御指摘、そういう意見があることは承知しております。逆に、金融緩和には、景気を下支えして、企業がリストラなどの経営努力に取り組みやすいような環境を整える面があるという指摘も一方ではなされております。 政策委員会でも、この両論を含めてさまざまな議論が存在いたしました。それで、日本経済が持続的な成長軌道に復帰するためには、企業経営や産業構造の改革、それから金融システムの強化などのいわゆる構造改革を着実に進めることが不可欠であるということについてはコンセンサスが成っております。 そうした改革を進めていく際に、金融政策が果たすべき最大の役割は、安定的なマクロ経済環境を確保して、創造的で前向きな企業活動の基盤を整えるということだと思います。したがいまして、今回の措置は、物価が継続的に下落することを防止することでこうした安定的なマクロ経済環境を確保しようとした目的に基づくものであります。 金利を上げた方が構造調整に資するのではないかという御意見は御意見として承っておきますけれども、金利を上げるというのは、経済情勢を見まして、物価・経済情勢を見回しまして、引き上げる必要があると判断したときに引き上げるのでありまして、何かを淘汰することを目的として選考するわけではございません。結果として構造調整に資するということがあるかもしれませんけれども、金利政策はやはり金利政策、時々の経済・物価情勢に徴して、その必要性を点検して決定すべきものだと考えております。
○櫻井充君 そうしますと、今の日銀のお話ですと、日銀の役割としては安定的なマクロ経済をつくり上げていくところにあるんだということになるとすれば、やはりどこかで構造改革を行っていかなければいけないことになっていくんだろうと思います。 そこで、結果的に不良債権処理を、今度直接償却をやっていただくと柳澤大臣から強い御決意をいただきました。ただし、不良債権処理に当たってですが、ちょっと私調べてみると、その不良債権の処理を、直接償却を行っていくということは将来に向けては非常にいいことではあったとしても、短期的な雇用の問題、そういういろんなものがこれから出てくるんだろうと考えられてきています。 しかし、そこでもう一つ細かく分析してみますと、おのおのの業種の中で、例えばゼネコン、不動産業とかサービス業とか、いろんな業種の中で過剰債務に陥っているところもあれば、過剰雇用に陥っているところもあれば、過剰設備、それとみんな全部持っているところもあります。そういうことから考えていくと、どの業種がどの問題を抱えているのかということをもう少し細かく分析した上で不良債権の処理を行っていかなければいけないんじゃないかと考えていますけれども、その点について柳澤大臣はどう思われるでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) いろいろ分析に基づいて、今、櫻井委員の方から、不良債権のオフバランス化に当たってもそうしたきめ細かい対応が必要なのではないかというお話でございます。 これはある意味で非常にもっともなんですけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、業種のみならず個別企業のレベルにおきましても、結局はどういう処理をするかということ、あるいは処理をするのかしないのかというところも含めてなんですけれども、金融機関と貸し出し先企業の経営者との間の経営判断というものでこれを進めていくというのが基本でなければならない、このように思っております。 私ども、今回、不良債権のオフバランス化というものにつきまして、要注意先というか、要するに要管理先まで含めて、いわゆる一般貸倒引当の分野についてはむしろしっかり管理をし、あるいは指導をすることによって正常化を図っていくというような方向の努力もしてもらいたい。そして、もう破綻懸念先というところまで行ったものについては、これを法的な整理あるいは私的な整理あるいは売却というような手法を行使してこれのオフバランス化を図ってもらいたい。 特に、その中で私的な整理についてはとかく時間がかかっているということも事実なので、それはもう少しアクセレレートしてもらいたいというようなことで、大枠の方針というものを示させていただきましたけれども、その中での話ということについては、我々の方が手とり足とりいろいろ経営判断を縛って行政が何か差し出がましいことをするというのはやっぱり行き過ぎなのであって、そこのところは経営判断ということを働かせていただきたい、こういう考え方をとっているわけでございます。
○櫻井充君 しかし、与党からも、民主党からも出ているのは、大体二年を目途に不良債権の処理をすべきじゃないか、直接償却すべきじゃないかと出ているわけです。そうすると、企業に判断させると言っておきながら実際は何年以内にこれを目標達成しろと言っていること自体が、行政がかなりきつい指導をしていることなんだろうと思います。 かなりきつい範囲でやりなさいと言っておきながら、あとはお任せしますということよりも、なぜこういうことを言うかといいますと、まず過剰雇用についてなんですけれども、これは二〇〇〇年七月から九月期ですが、全産業で約百十万人ぐらい。そして、その中で建設業が三十七万人。実は、不動産業というのはほとんど過剰雇用を認めておりません。そして、卸、小売が十九万人というような状況なわけです。 そして、一方、リスク管理債権の業種別のウエートを見てくると、不動産業が二六・四%、卸、小売業が一七%、建設業が一〇%ですが、サービス業が実は非常に多くて二二・五%ということになってきています。 このことから考えていきますと、仮に不動産業の不良債権の処理をしたときに幾つかの企業が倒産したとしても、過剰雇用を認めていないということは、恐らくは新しい企業がまた生まれて、そこに雇用というのは確保されていくのじゃないだろうかという気がいたしております。逆に言うと、もし建設業の不良債権の処理を一気に行っていくと、全部が全部過剰雇用の分が吐き出されるというわけではございませんけれども、三十七万人も過剰雇用を抱えているというような状況になってくると、こちらの方が今度は失業者の対策ということを中心にやっていかなければいけなくなってくるんだろうと思っています。 そういう意味において、まず第一段階とすると、こういう不動産業やサービス業も実は過剰雇用に陥っていないということから考えてくると、不良債権の直接処理というのは過剰雇用に陥っていない不動産業やサービス業を中心にまず最初に行って、そしてその上で、建設業の方々に対してはリストラなどをまず最初に行った上で不良債権の処理を、直接償却を行っていくと社会の大きな混乱を招かないのではないだろうかというふうに私個人としては考えているんですが、柳澤大臣の御所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の櫻井議員の御議論というのは、非常に周到な、できるだけ痛みを伴わないように配慮しながら不良債権の最終処理を進めるというお話で、非常に傾聴させていただいたわけでございますけれども、そんなことを言うとちょっと櫻井委員に失礼かとも思うんですけれども、そのくらいのことは銀行経営者もわかっているというふうに考えておりまして、例えば幾つかの不良債権のオフバランス化の中の手法の一つである債権放棄に当たって、私ども、社会的なこともよく考えてやるようにというのは既に実は金融再生委員会当時にも話を方針として出しているわけでございまして、社会的なことを全く考慮しないでやっていいというようなことは実は申していないわけでございます。 非常に先生の御配慮は我々もありがたく聞かせていただきますが、彼らも堂々たる経営者でございまして、余り私どもが差し出がましい、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、幼稚園の子供の世話をするというようなことまでは必要ないんではないだろうか、こんなふうに思うわけでございます。
○櫻井充君 以前は幼稚園の生徒さんに指導するようにされていたんじゃないでしょうか。 それでは、これは質問通告しておりませんので、そうであったとすれば、今までの直接償却をやってきた業種別の分類と、それに伴って失業者がどの程度出てきているのかということの数字がございましたら、その資料を提供していただきたいと思います。 つまり、今、大臣は、銀行の経営者もそういう判断はされているでしょうというお話でございましたから、そうであったとするのであれば、これまでの不良債権の処理の状況を見ればそのようなことがやられてきているのかどうかということははっきりいたしますので、ぜひその資料を提出していただきたい。委員長にまずお願いいたします。
○委員長(伊藤基隆君) 理事会で検討することはやぶさかではございませんけれども、相対で解決できるんじゃないでしょうか。
○櫻井充君 はい、わかりました。 それでは、できればその資料をいただきたいと思います。 そしてもう一つ、幾つか直接償却をやっていく上において不安な点がございます。それは、二次ロスを生じてくるのではないだろうか。今、例えば破綻懸念先で七〇%を目安とする引当金が積まれているということになっていますけれども、金融庁としては直接償却を行っていく上において二次ロスが生じるとお考えなのかどうか、その点について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ある程度生じるということは、もうこれは前提になって私ども考えております。
○櫻井充君 そうしますと、十分な引当金が積まれていないということとは違うんですか、その点は。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、引当金というものの考え方というか、そういうことにつながる問題だと思いますけれども、従来、引当金というのは、私も会計の専門家ではありませんのでどこまで深遠な理論に基づく結論としてそういうことになっているかということは承知をいたしませんけれども、いろいろなところで聞いたりしていることをもとに申し上げさせていただきますと、要するに引当金というのは、回収の可能性をいろんな方面から検討した上でそれが見込まれないものについて積んでおく、こういうことでございます。 それは、その前提になるのはいろいろあって、結局、倒産ということの確率もその構成要素として入るということでありましょうけれども、それが現実に若干上がるというような、過去の実績よりも上がるというようなことに伴って追加の損失が発生するということになるのではないかと、こんなふうに考えます。
○櫻井充君 二年間ぐらいを目途に不良債権の直接処理といったときに、銀行が果たして今本当にそんなにやれるのかという話を出してきているわけです。 そうすると、引当金自体を積んできているというのは、とにかくいわば間接償却だけは一応しておこうということが目的で、将来に向けて直接償却をするために十分その引き当てを積んでいるという感じではないんじゃないだろうかという気がするわけです。 そしてもう一つは、またくどいようですけれども、公的資金の注入などは必要がない、そして退場していただくところは退場していただいて結構だと大臣はおっしゃっております。私はそれはそれでいいとは思いますけれども、もしほとんどの金融機関が、間接償却の上では十分な引当金を積んでいたとしても、現実、直接償却を行った際に、十分な引当金といいますか、もしくは引当金が積んであってもそれで足りないから自己資本を削るというようなことになってきたときに、ほとんど横並びでそのような引当金を積んでいたとすると、結果的にはすべての金融機関が自己資本不足に陥ってしまうのではないだろうか、そういう可能性も私たちはあるのではないかと思っていますが、その点について、大臣、どうお考えでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これもこの前の話のときも櫻井委員との話の中で、金融の問題というのは、とかくいろいろな言葉が十分でないと本当に予期しないいろいろな波紋を呼びますので、私どもとして何かお話をすることにやや何といってもちゅうちょを感じるわけでございますが、建前というか、今の制度の建前を申しますと、個別というか、そういうものが生じた場合でも、今や資本注入の道はなくなっておりますが、金融システムというような問題になれば、それはそれでしっかりと制度ができ上がっているということでございます。だからといって、おまえは金融システムの危機をこの延長上で見ているかというと、私は見ておらないのでございます。
○櫻井充君 ちなみにちょっと預金保険機構の方にお伺いしたいんですが、不良債権の回収率というのは一般的に何%程度なんでしょうか。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 RCCの平成十二年度の回収実績でございますけれども、本年二月末現在で住専勘定が二千八百六十四億円、それからRCB勘定と申しますか、破綻金融機関から買い取りました不良資産の回収が七千八百六十六億円で、合計で約一・一兆円となっております。これは過去にない最高の水準ということでございます。 累計で申しますと、両勘定の十三年二月までの回収の累計額は合計しますと約四兆円になっておりまして、それぞれ引き取りました買い入れ簿価に対する比率では、住専勘定が四八・七%、破綻金融機関からの買い入れの勘定については四三・五%と、こういう実績になっております。
○櫻井充君 これは、例えば破綻懸念先とか、そういう分類別に回収率というのは計算されていないんでしょうか。
○参考人(松田昇君) お答えいたします。 現在のところ、回収に当たりましては、各債務者の個別の収益力あるいは担保の状況という、個別の事情に準拠して回収方針を定めておりまして、債務者区分によって管理をし、あるいはその検証を行っているということはやっておりません。
○櫻井充君 実際、債務者区分によってどのぐらい回収できるのかということを出しておくべきじゃないかと思うんです。というのは、直接償却を行っていく上においてその数字が非常に参考になるんじゃないだろうか。金融機関にとって、直接償却に向けてどの程度引き当てて、結果的には損が確定するわけですから、どの程度引き当てておかなきゃいけないのかというのは現実の問題を見るとよくわかるわけであって、私個人としては債権の分類によって何%回収できるのかということを出すべきじゃないかと思いますが、御意見をいただきたいと思います。
○参考人(松田昇君) 先生の御指摘、まことにそのとおりだと思いますけれども、RCCでの回収の現場におきましては、例えば一つの債務者に対する回収が、ある銀行、あるいはもう一つ破綻した銀行、あるいは三つ目の銀行、そういうそれぞれ破綻した銀行が相互に貸している場合もございまして、あくまでも債務者、個々の回収する対象の債務者を中心に回収計画を立てなければいけません。もし、仮に債務者区分別に基づいて全国にまたがっている各支店の統計をとってやっていくということになりますと、これは膨大な事務量になります。 先生のおっしゃるとおりではございますけれども、現在その作業をすぐやるというわけにはちょっと実務上いかないのではないかなと、このように考えております。御理解をいただきたいと思います。
○櫻井充君 今すぐできないとしても、こういうデータを出しておくことこそが社会の混乱をある意味で軽減することもできるんじゃないだろうかと、そう考えているので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 それからもう一つ、公的資金の注入といいますか、日本の金融機関が信用されなくなってきたというのは、やはり三年前の佐々波委員会の決定が大きかったんではないだろうか。ある部分、どういう議論がなされてあれだけのお金がつぎ込まれたのかはわかりません。 それで、たしか二〇〇一年の三月三十一日の期間経過後に直ちにその議事録を公表するという決定がなされていたかと思います。この議事録は、我々は見せていただけるんでしょうか、公表していただけるんでしょうか。
○参考人(松田昇君) 先生御指摘のいわゆる佐々波委員会の議事録でございますけれども、確かに御指摘のとおり、金融再生法の施行に伴いまして旧金融安定化法が廃止されましたけれども、その経過措置の中で、この議事録の公表については、預金保険機構が適当と認めて定める相当期間経過後に機構の理事長が公表することと定められております。そして、この相当期間につきましては、平成十年十月二十一日に開かれました最終の審査委員会におきまして、平成十三年三月三十一日までの期間とし、相当期間経過後公表することとする、ただし、当該公表は直ちに行うこととはするが、その公表時期はそのときの金融経済情勢を勘案し預金保険機構理事長の判断で見直しを行い得るものとするという議決がなされました。これは議事要旨によって既に公表済みのことでございます。当機構といたしましても、この審査委員会の議決を尊重いたしまして、金融再生法施行の際に審査委員会の議決と同様の定めを行っていたところでございます。 そこで、昨今の金融経済情勢等を勘案しながら、かつまた情報公開の重要性にもかんがみまして、慎重に検討いたしました。そして、議事録の中の一部に今なお現時点の公表によって不測の影響を及ぼす可能性が否定できないような、いわば例外的な箇所がございますけれども、それを除きましてこの時点で公表するのが妥当という方針を固め、現在、公表に向けて詰めの手続を進めているところでございます。できるだけ早く公表するように手続をしたいと思います。
○櫻井充君 一部というのがどの程度の大きさなのかよくわかりませんけれども、とりあえず早期にまず公表していただきたいと思います。 それから、結果的にハードランディングをやらざるを得なくなってきたんだろうと思います。宮澤財務大臣はいつも、ハードランディングは素人のやることでソフトランディングなんだというお話をずっとされてきておりましたけれども、今回そのハードランディングをやるに当たってどのようにお考えなのか、その点についてお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) どういう関係でそういうことを申しましたかちょっと定かでございませんが、いずれにしてもこの問題が始まりました三年余り前のところから、前にも申し上げましたが、アメリカ側は、SアンドLの経験もありまして、バランスシートに載っけておいちゃだめだ、落としなさいということ、それから、とった担保は安くても早く売りなさい、損をしたようでもそれでマーケットができるからと、二つのことを私どもによく言っておりました。 ですから、私どももそれはわかっていたわけで、ただ、櫻井委員がおっしゃいますような、そこから生じますいろいろな影響ということもああいう不安定な状況では考えてまいらなければならないことでございましたから、したがいまして、この段階になって柳澤大臣がそういう時期が来たと判断されたと思います。もちろん、そうすればそれにこしたことはないことはもう申すまでもないことです。 それで、おっしゃいますように、それはしかし一つのやはり決断であり決心でございますから、これから起こり得るような、いわば予見すべからざるような状況と申しますか、いろいろなことには十分に政府としても対処しておらなければなりません。 一般的にセーフティーネットというような言葉で言われておりますけれども、従来から、今回の不況対策は絶えず雇用というものを、あるいはミスマッチの解消とか教育とかということを言ってまいりました。それは一番先に立ててまいりましたけれども、ここでこういう問題が、いわば新しい段階を迎えるということでございますから、それは怠りなく対応をしなければならないと思っております。
○櫻井充君 終わります。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸でございます。 きょうは、三月十九日に決定されました「金融市場調節方式の変更と一段の金融緩和措置について」ということについて伺いたいと思うんです。 まず、この金融緩和措置の目的なんですが、何を目的にしてなされたものなのかという基本的な問題について伺いたいんです。といいますのも、この発表文を読みますと、これまでたび重なる景気支援の財政出動が見られたし、歴史的に例のない低金利政策がずっと続けられてきた、ところが景気は回復しなかった、だから一層金融緩和措置をとるんだということなんですが、今の経済情勢のもとで、この金融緩和措置によって景気回復がなされるとするならば、どういった過程をたどってこの措置によって景気がよくなるというのか。目的とそのお考えについて、総裁にまず伺いたいと思います。
○参考人(速水優君) お答えいたします。 我が国経済は、昨年末以降、内外の予想を上回る米国経済の急激、急速な落ち込みを背景にしまして回復テンポが鈍化し始め、このところも足踏み状態が続いておるわけでございます。また、先行きにつきましても、ここしばらくの間、停滞色の強い展開を続けざるを得ないと予想されます。 今回の措置は、こうした情勢の変化を踏まえまして、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備するという観点から、断固たる決意を持って実施に踏み切ったものでございます。
○池田幹幸君 潤沢な資金を供給してきたと言っておられますね。事実もう資金はじゃぶじゃぶの状態といった状況にあるわけですが、じゃ、さらに金融緩和措置をとって設備投資が上向く、それが上向いて回復局面に向かっていく、そういったようなことが起こるんでしょうか。
○参考人(速水優君) 今回の措置の効果につきましては、まず明確なコミットメントによる時間軸効果ということが今度の一つの特色でございますけれども、長目の金利も含めまして金利水準全体が低下する効果が期待されております。また、日本銀行が物価下落の防止に対する決意を示すことによって人々の期待に働きかける効果もあると思っております。さらに、中央銀行の当座預金の量を増加させる、これによって通常は他の資産へのシフトが生じて、この面から長短の金利水準とか株価とか、あるいは為替レートに影響が伝わっていく、これによって実体経済に働きかけることが期待できるわけです。 ただ、金利を通じますルートにつきましては、既に長短の金利水準が非常に低くなっておりますから、この面の追加的な影響というのは限られてくる可能性は十分あります。また、金融機関の仲介機能というものが低くなってきておりますもとでは、日銀当座預金をさらに増加させることの効果は、必ずしも確実に効果が出るというふうには言えない面があることも確かでございます。 今回の措置によりまして金利低下や資金供給量の増加が金融機関の信用創造の活発化につながるためには、不良債権問題の解決を初めとして、金融システム面の強化が不可欠の条件だと思います。また、この問題は企業経営の立て直しとも裏腹の関係にありまして、このために経済・産業面での構造改革をあわせて進めていくことが重要であると考えて、そのことをステートメントにも述べさせていただいた次第でございます。
○池田幹幸君 最後のところで言われた、経済・産業面での構造改革というのが大事なところだろうというふうに私も思うんです、その中身についてはいろいろ違いはあるでしょうけれども。 それで、銀行の信用創造を確保していくという上で、今金利を下げればそれが進んでいくのか。私はそうじゃないだろうと思うんです。実際、需要が起きていないところで幾ら安い金利の金を準備しても借りてくれない状況にあるわけですから、そこの実体経済面での手当てをすることが一番大事だろう。 そういう意味で、いろいろ読んでみますと、行間といいますか、日銀としては金融面でやることはもうないんだといったように言っておられるんじゃないかと私は理解したわけなんですけれども、そういった立場でちょっと幾つか伺っていきたいというふうに思うんです。 今度の政策では、日銀当座預金残高を操作目標にして、そのために長期国債の買い切りオペの毎月の限度をなくす、こういう措置をとられたわけです。これは、今まで量的緩和はとらないというふうに大体日銀は言ってきておられたと思うんですけれども、そういった方向に転じたものだというふうに受け取っていいんだろうと思うんです。 これまで日銀は、通貨量を金融政策のターゲットにするということはしないんだ、それから量的緩和についても否定的な態度をとってこられたわけです。そうすると、これまでの日銀の基本姿勢を変えたというふうに受け取っていいんでしょうか。
○参考人(速水優君) おっしゃるように、日本銀行としましては、これまでゼロ金利政策それから量的緩和といった、通常では行われないような政策手段については、その効果や副作用について十分慎重な検討が必要であります。そうした政策に踏み込むべきかどうかということは、つまるところ経済や物価の情勢判断の問題に帰着するわけなんです。 日本銀行としましては、金利低下余地をほぼ使い尽くした中で、景気が悪化しつつあるという厳しい情勢を踏まえまして、あえてこうした措置に踏み切ることが必要な局面に至ったと判断した次第でございます。 また、長期国債の買い切りオペの増額というのは、あくまで資金供給オペの未達、いわゆる札割れが多発したりするようなことが起こると困りますので、資金を円滑に供給する上で必要と判断される場合にはこれを行うということにしております。また、このような趣旨を明らかにしていくためにも、今回、ストックベースでの銀行券発行残高を上限とするという明確な歯どめを設けました。 このようにして、長期国債の買い切りオペはあくまでも金融調節のために行うものでありまして、財政ファイナンスや国債価格支持のために行うものではございません。そうした長期国債の買い切りオペに関する考え方は従来と少しも変わっていないと私どもは思って始めた次第でございます。
○池田幹幸君 変わっていないと言われる。そうはなっていないだろうと思うんです。 少なくともこういう表現が、私、昨日ホームページを読ませていただいたんですけれども、「わかりやすい金融政策」というふうにして説明されておられるんですが、非常に難しい解説だったんですが、こうあるんです。その結びのところで、「マネタリーベースに一定の目標値を設け、政策を運営すれば、必ず景気が良くなるというわけではないことを表わしているように思われます。」と。 今度、マネタリーベースに一定の目標値を設けるというやり方をとられたわけですね。昨日のホームページにそうやったって景気がよくなる保証はないよと言いながらこれをやられたというのは、今の説明を聞いてもよくわからぬのです。また、それで説明してくれと言ったら同じ説明になるから私はこれについては求めませんけれども、ちょっと矛盾しているんじゃないかということを指摘しておきたいと思うんです。 そこで、その具体的なやり方について伺っていきたいんですが、目標をこれまでの金利から量的な緩和の方へ移した。そして、日銀当座預金残高にその目標を切りかえたわけですね。その量を、現在四兆円ほどなのを先ほどの説明では五兆円ぐらいに引き上げるんだというお話がありました。そうしますと、これによってゼロ金利状態に近くなるんだという説明がなされているんですけれども、そうなるということは、銀行貸し出しがこれによってふえるんだということが前提にならなければそれは言えないんじゃないでしょうか。しかし、それがふえるという保証はどこにあるんでしょうか。
○参考人(速水優君) 先ほども申し上げましたように、今回の措置によります潤沢な資金供給のもとで信用創造活動が活発化していくということが起こっていきますためには、やはり不良債権問題の解決を初めとしまして、金融システム面や経済・産業面での構造改革の進展ということが不可欠な条件になってくると思います。 先ほどおっしゃったように、確かに過去五年の年間平均を見ますと、マネタリーベースではプラス七・一%を出しているんです。一方、銀行段階でのマネーサプライというのは五年間で年平均プラス三・三しか伸びていないんですね。それよりもなお実体経済、名目GDPは五年間平均しますと〇・四%しか伸びていない。 だから、幾ら金を出しても今申し上げたようなことをやらないと経済というものは動き出さないんだということを私どもは痛いほど知らされたと。それで今度はああいうステートメントでぜひ構造改革をやってくださいということを、厚かましいかもしれませんが言わせていただいた次第でございます。
○池田幹幸君 今おっしゃったことを私は最後のところで伺いたいと思っておりまして、また改めて伺いたいと思いますけれども、その前に幾つかそこに行くまでのことを伺いたいと思うんです。 長期国債買い入れの問題なんですけれども、要するに長期国債の買いオペの毎月の限度額はもう取っ払っちゃったと。今までは毎月四千億円ベースでやってきたということですね。これは銀行券発行額に見合う額だという、先ほどそんな説明をなさいましたね。今度の措置は毎月の限度をなくしたわけですから何らかの歯どめもまた必要だということで、今度は日銀保有の国債残高の限度を新たに銀行券発行残高とするというふうにしたんだという説明がこの発表文の中にありました。 そうしますと、これから国債発行できる限度というのは具体的には今幾らぐらいになるということなんでしょうか、さっきちょっと聞き漏らしたので。五十五兆とか四十五兆の差が幾らかという説明があったんですけれども、ちょっと改めて。
○参考人(速水優君) これも比較的始終変わりますのであれですが、最近の私どものバランスシートで申しますと、銀行券の発行残高は今五十九兆ぐらい出ております。私どもの持っております国債のうちの長期国債というのは大体四十五兆ぐらいでございます。その間まだかなり差額があることは確かでございます。
○池田幹幸君 要するに、その差額だけどんどん買いオペを進めることができるということですね。銀行券の発行がふえてどんどんこういう形でできると言うんですが、これは非常に危険なことだろうというふうに私は思うんです。 そこで、さらにもう少し幾つか伺いたいんですけれども、長期国債を銀行が売ります、日銀に買ってもらいます。そういった点で、先ほどのマネタリーベースというんですか、これが増加したと。そうなったとしても銀行がその金を貸し出しに回す保証はない。それは、さっき言ったように実体経済の回復がないとないわけですが、実体経済の回復がない場合にそれじゃ銀行はどうするんだというと、その金を貸し出しに回すんじゃなしに国債を買っちゃうとか株を買うとかというふうになって、何だかぐるぐる回っちゃう、実体経済は一向によくならぬということになりはしませんか。
○参考人(速水優君) 余裕はまだ随分あるじゃないかという今の御質問でございますけれども、私どもは、長期国債は、先ほども申し上げましたように、あれを決めてからも月四千億というところを超えておりません。専ら短期国債、一年以内のものが今市場で随分ふえておりますし、私どもも短期国債の買い入れをふやすということを二月の決定で決めまして、そちらの方で十分賄っておるわけで、よほどのことが起こらないと長期国債を買い増していくということにはなっていかない。札割れが起こってなかなか思うように国債の買い入れができないといったような場合には長期物に手を出さなきゃならないかもしれませんけれども、それは情勢を見ながらやることであって、今これからこれだけのものを買うんだ、じゃ、だぶだぶになるじゃないかというものではございません。 金融情勢、日々に私どもの金融市場局というのは、市場を、朝早く出てきょうの動きを見ながら、きょうはどの方法でどれぐらい買うか、どれぐらい調達するか、あるいは引き揚げるかということを決めているのであって、その辺のところは私どもの判断にお任せいただきたいというふうに思っております。
○池田幹幸君 しかし、消費者物価指数がゼロに戻るまでどんどん買いオペを進めようということですよね。素人ですからこんな言葉を使って申しわけないんだけれども、要するにインフレになるまではどんどんお札を発行しようというふうにしか私には聞こえないんですよね。それは間違っていないでしょう。そういう感じになるんじゃないですか。
○参考人(速水優君) いや、銀行券の発行をどんどんふやしていくということでなくて、やはり市場の動向を見ながらその日その日の金融の調節をやっていく、その結果として銀行券がどれぐらい出ていくかということでございますので、銀行券の発行を私どもの方で直接調節するわけにはいかないわけで、私ども受け身に出ていくわけでございますから、この点、それを達成させるためには何でもありといったようなターゲットとは性格が異なるものだというふうにお考えいただきたいと思います。
○池田幹幸君 ちょっと乱暴な言い方をしましたけれども、勝手に日銀券を発行できるなんて私は言っているわけじゃありませんが、インフレすれすれまでどんどん買いオペを進めるというのはどうもそんな感じだなという気がしたので申し上げたんです。 そこで、それじゃどこまで供給していったらいいんだという問題なんですけれども、私は今これ以上どんどん資金供給しても意味ないというふうに思っているんです。先ほどの話にもありました。これは九〇年代に入ってからのGDP成長率の問題と、先ほどのマネタリーベースあるいはマネーサプライの話がありました。 最近の日銀金融研究所の所長の翁という方が書いた論文をちょっと読ませていただいたんですが、そこに非常にわかりいい「量的緩和指標の推移」というグラフが紹介されておりました。それを見ますと、先ほど総裁がおっしゃったことが非常に鮮明に出ているんです。それも九〇年代半ばからその現象がくっきりとあらわれておりまして、GDPは伸びない、これはもうだれでも知っていることですが、それから銀行の貸出残、これもGDPと同じぐらいの横の並びでずっと推移している。それに比べて、マネタリーベースあるいはM2プラスCDですか、マネーサプライというんですか、これが急激に伸びているんです。物すごい勢いで伸びています。ということは何を意味するかということなんです。これだけ金をじゃぶじゃぶにしておいても、民間の貸し出しはむしろ減少しておるということなんです。だから、これ以上金を注ぎ込んでも貸し出しが伸びないということはここ十年来のこの統計でもはっきりしているんですよ。 そうしたら、そのことをはっきり認識している日銀が、そうはいっても金融緩和すれば期待が、さっき何と言いました、期待インフレとおっしゃいましたか、そういったものが起きてよくなるんだと。これは、もうあなた方自身がそうはならないということを知っていておっしゃっているんじゃないか。それはまずいんじゃないですか。
○参考人(速水優君) 確かに銀行貸し出しはそんなに伸びておりません。むしろ、不良貸し出しを返したり償却したりする方に銀行は一生懸命で、借入需要がないためにこういうことになっておりまして、銀行はそのかわり国債をかなり買い増しているかもしれません。 そういう状況でございますが、問題は、やはり経済そのものが、経済構造改革が行われていかないと、始まっていかないと資金需要も出てきませんし、経済も成長していかないということでございますので、その辺のところは、マネタリーベースだけ出してもしようがないじゃないかとおっしゃいますけれども、これが動き出しましたら、現に今政府がこういう緊急経済対策をつくっているとか、あるいは不良貸し出しを消す方法を柳澤大臣を初めとして真剣に討議して、近く起こりそうだといったようなこととか、あるいは銀行の株式保有をどうやって調整していくかといったようなことが具体的な議論になってまいりますと、やはりそれは市場にかなりプラスの動きを出していることは、最近の株の取引の出来高だけごらんになっても、八億とか十億とかいうようなことが取引されているだけでも、やあ動き出したなという感じがするわけです。 そういうことが起こったときに、私どもはいつでも金融サイドでは十分な資金が供給できるように準備しておりますよということを今回の政策でわかっていただきたいと思って政策の転換をしたつもりでございます。金利から量へというところへ切りかえたつもりでおります。
○池田幹幸君 結局、今の情勢は、設備投資はそこそこ、今少し下がり始めたんですか、のところで移ってきたと。しかし、家計消費も伸びない、個人消費が伸びないという状況なんですね。ですから、ここに直接、実体経済をよくしていく、温めるというんでしょうか、そういった政策をとらない限り、日銀が幾ら頑張ってもだめだということはわかっているわけですから、余り一生懸命防衛的なことをおっしゃらなくてもいいんじゃないか。むしろ、先ほどおっしゃった、コメントを出された中で、産業政策をしっかりやってくれということの方を声を大にして叫んだ方が私はいいんじゃないかというふうに思うんです。 ただ、それも産業構造を変えるといって企業にどんどん金を注ぎ込んでやっていけばうまくいくかというと、そういうものじゃない。要するに、個人消費が伸びていないわけですから、そういった方向での経済政策こそ重要なんだということを私は申し上げたいと思うんです。政策転換という意味では、そういう方向にこそ転換すべきだというふうに思います。 それからもう一つ、盛んに力説しておられるのが、これはインフレターゲット論というのもあるけれども、インフレターゲット論をとったんじゃないんだというふうに説明しておられるんですね。これは調整インフレ政策をとるものじゃないんだとも説明しておられます。しかし、今度のやり方はインフレターゲット論とどう違うんでしょう。私はどう見たってそれは理解できないんです。
○参考人(速水優君) インフレターゲティングと呼ばれる手法は、中長期的に望ましい物価上昇率を目標に設定しまして、先行きの物価上昇率が望ましい物価上昇率から乖離すると予想される場合に政策変更を行うという方法をインフレターゲティングと言っております。 ただ、現在の日本のように、物価に対して、需要の弱さに加えて、規制緩和とか流通合理化とか供給面でのコストダウンあるいは市場の改革が行われていって下がってきているという状況の中では、中長期的に望ましい物価上昇率を数値で示すということは非常に難しいと思っております。日本銀行としては、こうした形でのインフレターゲティングにつきましては、引き続き検討事項として位置づけております。 今回の措置は、あくまでも通常行われないような政策を、現在のCPIの前年比が安定的にゼロ以上になるまで継続するということをコミットしただけでありまして、これはインフレターゲティングとは異なるものであります。物価が継続的に下落することを防止して、持続的な経済成長のための基盤を整備するという断固たる決意を示したものであります。 ターゲティングを含めて物価の動きにつきましては、私どもも今回、四月から新しい研究会を設けまして、日銀の中で外部からも専門家に来ていただいて研究を始め、半年以内にまた結論が出ることになっております。
○池田幹幸君 しかし、消費者物価が安定的にゼロになるまで政策目標、政策手段をとっていくわけでしょう。そちらの方に誘導していこうということをやるわけですよね。何もしないで待っているということではないと思うんですよ。 そうすると、安定的に消費者物価上昇率がゼロになったと気がついたときは、もう随分消費者物価は上がっている時点じゃないですか。まさに爆発というふうな状況になっているかもわからない。ですから、これは調整インフレ政策ということと、今いろいろ説明なさったけれども、意識の中では違いを感じておられるんでしょうけれども、実際上は何ら変わりない、非常に危険な政策だというふうに私は考えます。 時間がありませんので、ちょっと日銀問題についてはこの辺にして、実体経済問題のところの方にひとつ移りたいと思うんですが、盛んに力説しておられました不良債権の処理の問題です。前回も伺いました。それから、株式の買い上げの問題、これも前回伺ったんですが、この点についてけさほどいろいろな報道が出されておりますので、時間の許す範囲内においてお伺いしたいと思うんです。 まず、政府・与党対策本部でお決めになったということなんですが、主要行の破綻懸念先以下の債権額が二〇〇〇年九月末で大体十二兆七千億ということですよね。そのことを一つ確認していただきたいことと、九八年、九九年、それぞれ一年間で破綻懸念先債権以下はどれぐらい最終処理、直接償却と言ってもいいんでしょうか、最終処理した額はどれぐらいになっていましょうか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 主要行における直近三年間の破綻懸念先以下の債権額でございますが、おおむねこれに相当いたしますのが再生法開示債権のうち危険債権と破産更生等債権の合計でございますが、これにつきまして数字を申し上げますと、主要十六行で十一年三月期で約十七・七兆円、十二年三月期で約十三・九兆円、それから十二年九月期は先生御指摘のように十二・七兆円ということでございます。それで、そのうちどのくらい最終処理されたかというお話でございますが、実は債権額ベースで最終処理された金額が幾らかということについては、現状では把握いたしておりません。 それで、ちなみに不良債権のオフバランス化に伴う処分損、これは損額ですから債権額ではないんですが、その処分損について、しかもこれは破綻懸念先以下とかそういう区分ではなくてそのトータルの数字でございますが、その状況を実は平成四年度からとっておりまして、十二年度中までの間の全国銀行ベース、ちょっとこれはベースも違うんですが、全国銀行ベースで、いわゆる不良債権処分損の累計が約六十八兆でございます。これに対しまして、いわゆるオフバランス化に伴う処分損、これが約五十四兆ございます。ですから、おおむね八割程度この期間にオフバランス化された処分損が立っているということでございます。
○池田幹幸君 相当な額ですね。そうしますと、今十二兆七千億あるわけですが、これが決定によると二年間で最終処理する、直接償却するという計画なんですね、政府の方では。そうすると、物すごい影響が、今までの数字を見ても、年間でこれをもし単純に割ったら六兆円余りでしょう。物すごい勢いで、先ほどの話は八年間ぐらいの話ですからね、大変な額で処分していくということになると思うんですが、そのショックたるや大変なものになるんじゃないでしょうか、柳澤大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま監督局長からお話し申し上げ、また先生も御確認いただいたように、十二年九月末の大手主要十六行の破綻懸念先債権以下の債権が十二・七兆円ある、こういうことでございます。 これを現在の体制でどのくらい金融機関がというか、金融機関が売却しているものもあるかもしれませんが、多分法的処理に伴って償却している部分もあろうかと思うんですが、先ほど、八割というのは残高ではないのでぴたりとそういうことになってはいないんですけれども、さっき先生、八年間で八割だというようなちょっとお言葉があったようですが、それはそうではなくて、八年前に発生したものが八割ここで償却されているということではありませんので、かなりの程度実は何らかのいろんなアクションに伴って償却というのが行われているわけですね。それに加えて、今回こういうことで原則としてかくかくしかじかの既に残高になっているものについては二年の間に処理をしてもらいたいということを言っているのでありまして、自然体で相当進んでいるものにそういうものを加えてもらいたい、こういうことを言っているんだということを御理解賜りたいと思います。
○池田幹幸君 そうすると、今度のやり方は、何らかの形で強制的に二年間でやれよというふうなやり方をするのではなしに、両極端でいえば自由にやってください、しかしながらということで、任せるけれども今の深刻な状況で何としてでもこれはやってもらいたいんだと。 ようわからぬのですけれども、自然体でこうずっとやってきた上に、今度はこれだけやってもらいますということで、本当にできるのかと。できないだろうから公的資金も準備するというふうに考えられたというふうに考えていいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 池田委員、今公的資金と言われましたけれども、公的資金論はお隣の党の案でございまして、私どもの方の案にはそういうものはないわけでございます。もし失礼があったらこれは訂正いたしますけれども、ちょっとどういう誤解かそんなことをおっしゃられたので、その点はそういうことはないんだということでございます。 自然体に加えてこういうことをやってもらいたいんだ、これはもう全くそのとおりなんですが、その方法としては、もちろんフォローアップでいろいろ個別に聞くということと同時に、実際の破綻懸念先債権のオフバランス化をどの程度やったかということを公表することによって一種の国民環視のもとに置くということで、そういう行動を促進して、また勧奨してまいりたい、こういう考え方でございます。
○池田幹幸君 そうしますと、幾つかの銀行がAという企業に貸し付けている、そのAという企業についてある銀行はもう最終処理だと決定した、しかしある銀行はいやいやまだちゃんと生きていけるんだ、これは最終処理するつもりはないんだと言っても、最終処理を決心した銀行が割とたくさん貸し込んでおるという場合は、ほかの銀行も結局は続けさせようと思っても、生きさせようと思ってもそれができなくなる、こういう現象が起こりますね。そういうこともどんどんやらせていこう、そういうことが起きてもこれはやむを得ぬ、そういうふうにお考えですか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 そのオフバランス化というときに、まず非常に広い意味でその破綻懸念先以下の債権を減らすということでございますから、もちろん銀行としてその債務者をいい方に持っていくという努力もするわけでございますね、そうしますと破綻懸念先以下からは落ちてしまいますから。それからさらに、オフバランス化するにしてもいろんな方法がございまして、市場への売却もそうですし、先生おっしゃるような私的整理もございますし、それから会社更生法に基づく処理ということもあるわけです。 ですから、必ずしもほかの銀行の処理に影響しないケースも結構あるとは思うんですが、いわゆる法的手続に入った場合には当然ほかの銀行についても影響を与えると。それから、私的整理の場合には、そういう認識の違う銀行同士がいろいろ議論してその整理をどうするか相談することになるということだと思います。
○池田幹幸君 つぶすんじゃない、生かすんだということのようですけれども、債権放棄にしても。 〔委員長退席、理事勝木健司君着席〕 ただ、先日も柳澤大臣と議論したんですが、大体、不良債権処理ということで最終処理されていっているというのは中小企業が圧倒的に多いわけですよね、圧倒的に多い。その中小企業の場合に、今度また政府が考えておられるのは、産業再生法を何とかいじくって、それでもって助けていこうというふうなことを考えておられるようだけれども、しかし産業再生法そのものを見ても、これでもって助けられているのはほとんどが大企業なんですよ。 昨日ちょっと調べてもらったので見るんですけれども、産業再生法認定企業は八十七社あるんですけれども、その中で中小企業は七社だけなんですよ。その七社という中小企業も中小企業としては立派な中小企業、資本金の額が大企業に近いすれすれのところの中小企業ですよ。だから、この産業再生法を使ってやる場合には、大体大企業を救うと。 これは当たり前なんですね。会社分割してやっていく、悪いところは切り捨てる、これは金融庁では何かミシン目というふうなことをおっしゃっていたようですけれども、ミシン目をつけると。大企業の場合は確かにいろいろな部門がありますからミシン目をつけられますよ。中小企業はミシン目なんかつけられますか。もうつぶれるか、つぶれないかですよ。 こういう状況にあるということを見れば、法的整理は当然ですけれども、債権放棄の場合だって中小企業には恩恵が及ばないでしょう。そうすると、この不良債権処理という方針は中小企業にとっては極めて過酷なものになっていくというふうに考えざるを得ないんですね。いかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 何と申しますか、今、オフバランス化が進んでいるものの実態をどう見るかということですけれども、率直に申して、銀行サイドあるいは金融機関サイドがイニシアチブをとって私的整理みたいな形でやっているものというものが対中小企業の面で非常に多いというふうには私ども感じておりません、これは感じておらない。むしろ法的整理みたいなものが進んでいるんではないか。 それは、直接償却をされたものの中で、中小企業の方々の面が、非常にというか、やや多いという感じを持っていまして、これはどうしてだろうかというふうに考えますと、恐らく、例えば仮に倒産というようなもので法的な整理に入った場合でも、やはり中小企業の場合には処理にかかる時間が相対的に短いので、大企業の整理の場合に比べてそのウエートが高まる傾向が出るのではなかろうか等々を実は考えております。これが先生とのこの前の問答との関係であえてちょっと触れさせていただいて、今の御質問についても若干のことを示唆させていただきたいと。これが一つ。 それから第二番目に、私ども、中小企業の整理をいたしませんとまではなかなかこれは言えないのでございますけれども、中小企業についても私どもとしては再建可能性のあるものについてはこの際やっていただきたいということを申しているわけでありまして、むしろ中小企業の方々についてはこれまでの、私ども、自然体というのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、今回の措置がない前の状況というものが、引き続いてそういう形が進んでいく、そういう状況が進んでいくということで、そんなに大きな支障というか、我々の目標、オフバランス化という目標に大きな積み残しの問題が起こることにはならないんではないかと、こういうように思っております。 ただ、こういうことを言うと、じゃ、中小企業のときにはどうこうというようなこともありますし、それからまた、もう一つのチャンネルというか、一つのそういった事態が起こる可能性があるものとして我々の念頭にあるものを申し上げますと、これは大手企業なんですね。まず、基本的に大手企業がやるということですから、大手企業の方々に対してこういうことをやることが、先生が言われるように中小企業の人たちにすぐ直撃するようなことというのはむしろ少なくて、大手銀行の貸出先の大手企業を整理することに伴って、そのいわば下請というか関連というか、そういうものが影響を持つということはあり得るかなと、こういうように考えております。
○池田幹幸君 時間がなくなってきたんですが、中小企業でも、経営実態が全く悪い、どう見たってだめだというところを救わなければいけないんだとか、そんなことを言っているんじゃないんですよ。 今度の不良債権処理のやり方、最終処理のやり方を進めていくと、元気な中小企業までどんどんどんどん、元気だというのは完全に元気だという意味じゃなしに、ある銀行は破綻懸念先債権として見るところもあるけれども、さっき言ったようにそうでないというふうに見る銀行も結構あるという中にあっても、この処理のやり方でいくと大企業も中小企業も同じやり方になっていきますね。そうすると、債権放棄のやり方では引っかからない中小企業にとっては、これはもう法的整理か私的整理に行っちゃうというおそれが多分にあるんですよね。だから、そういう点での、押しなべて大企業へのやり方、中小企業へのやり方、それを同じ基準で進めていこうとすれば大変なあつれきが起こるということを私は指摘したいんです。 先ほど中小企業については不良債権の額はそう多くないというふうに私は見ているとおっしゃったんですけれども、私はやっぱりそうじゃないと思うんですよ。あの数字についてもまたもう一度やりたいと思っておりますけれども、きょうは時間がなくなりましたのでこれで終わりますが、ぜひそういうところについて検討してもらいたい。 それから、あと二分ほどございますので一つだけ伺っておきたいんですが、株の買い取り機構、これはいろいろと昨日、与党・政府の対策本部で議論があったようですが、麻生大臣の記者会見を見せていただくと、その中で、宮澤財務大臣それから柳澤大臣、それぞれの立場で大分御奮闘なさったというふうに伺っていますが、それにしてもこの株買い取り機構で合意した問題、それは、損失が生じた場合に政府が補償することについて、これは財務大臣も柳澤大臣も合意したと、合意しない点はいつそれをやるかという時期の問題だというふうに伺っているんですが、そのように伺っていいですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 与党三党の緊急経済対策の中に、民間ファンドによる金融機関の保有株式の放出に伴う受け皿としての機構が盛り込まれました。ずっと時間が推移しまして、今度は金融機関の持つ保有株について規制をかけるということが加わりました。 私どもとしては、最初、ちょっと時間がないのでそれは省略しますと、そういう二段構えのものを考えないといけませんねということについてはおおむね合意がなされたわけでありまして、加えて、今先生のお話でいうと、この機構について、財政面の公的な支援が必要だということだったらそれを念頭に置いてシステムをつくってもいいですよということは言われているんですが、要するにこの二つの機構というか施策が必要だということについては合意がなされているわけです。これはもう間違いなくなされているわけですが、それをじゃ具体的にどういう制度として仕組むかということについては決まっていないということでありまして、だから決まっていないからこれを詰めていくにはかなり時間がかかるということで、別にこれが決まっているのに法律をつくるのが時間がかかるとかというようなことで、時間の問題だけが問題になっているということではありません。それだけちょっと申し上げておきます。
○池田幹幸君 ともかくこの問題については引き続きやりますけれども、少なくとも今まで市場原理、市場原理ということを口を開けば言っておられたわけで、ならばそれに徹しられたらどうだろうかというふうに私は思います。ともかく、ある面では御都合主義だと。何といっても、こんな買い取り機構をつくるというのは自然な価格形成をゆがめることは間違いないんですから。そのことを申し上げて、終わります。
○大渕絹子君 四月二日に日銀の三月の短観が発表されました。 企業の景況感を示す業況判断指数ですけれども、昨年十二月のときには大企業の製造業については一〇とプラスだったわけですけれども、今回の指数ですとマイナス五ということで、非常に厳しい数字が出ております。さらに、非製造業につきましてもマイナス一三。中小企業の製造業はマイナス二七、そして非製造業はマイナス二八と、十二月のときよりもマイナスの数値を強くしています。この数値を見ましても、あるいはまたITとか電気、情報関連などでプラスでずっと推移をしてきました電気機械の大企業部門のところが、十二月の指数では三〇と好調に見えたわけですけれども、今回調査ではマイナス九となりまして、その変化の幅がマイナス三九と非常に大きくなっているということでございまして、極めて厳しい数字が出ております。 これは景気停滞あるいはデフレ経済が一段と鮮明になったということだろうと思いますけれども、日本経済は既にデフレスパイラルに入っているのではないかと思いますけれども、日銀にお答えいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 今回の三月の日銀短観、よく見ていただいて、私どもとしては大変感謝します。 短観、今回三つの特色があると思うんですけれども、一つは今御指摘の企業の業況判断、ディフュージョンインデックスですが、これが全般的にかなり悪化したと。特に、電気機械などIT関連の業種で悪化した、悪化幅が大きかったと思います。二つ目は本年度の企業収益、これは引き続き増益基調なんです。だけれども、昨年度に比べますとその伸びが非常に大幅に鈍化しております。三つ目は本年度の設備投資ですけれども、これは特に中堅中小企業を中心にして昨年度に比べてマイナスの計画を出してきたところが非常に多かったと。この三点が今回の特色だと思っております。 今おっしゃったように、デフレスパイラルになっていくんじゃないかという御心配でございますが、確かに各種の物価指数が全般的にやや弱含みではございますが、このような物価の動向には、先般も申しましたと思いますが、需要と供給の両面の要因が複雑に影響を及ぼしておりまして、金融政策運営に当たりましては、表面上の物価指数の動きだけでその意味合いを判断していくのは非常に難しいと思っております。日本銀行としましては、経済が物価下落と景気後退のいわゆるデフレスパイラルという悪循環に陥るおそれがないかどうか、この点は重要な判断ポイントであると考えております。 こうした観点から最近の状況を見ますと、我が国の景気は、米国を中心とする世界経済の急激な減速、スピードダウンを受けてこのところ足踏み状態になっているんだと思います。また、先行きにつきましても、当面、停滞色の強い展開が続く可能性が高いと思っております。今回の短観の結果はこうした景気判断を確認できるものであったというふうに考えております。 このために、こうした状態を放置しますと、需要の弱さを反映した物価低下圧力が強まってきますし、デフレスパイラルに陥る懸念が出てくるとも考えられます。先般、私どもが思い切った金融緩和措置を講じましたのも、今申し上げたような物価に対する厳しい認識を背景とするものであることを申し上げたいと思います。
○大渕絹子君 日銀が三月十九日に大幅な量的緩和を含めた金融緩和策を打ったわけですけれども、それにもかかわらず、この短観の中の先行きの六月のところでも、さらに三月よりも強いマイナス懸念というかマイナスの数字が出ているということは、産業界自身はまだまだ今がピークではないというふうに読んでいる数字ではないかと思いまして、大変懸念をしているわけでございます。 それで、三月十九日に打ち出されました金融緩和を受けて、主要な金融市況の終わり値比較をして、日銀として期待どおりの数値になっているのかどうかということをお聞きしていきたいと思います。 きょういただいた資料によりますと、日経の平均株価は、三月十六日現在と比較でございますけれども、四月四日の終わり値の比較で、平均株価はプラス千十円、それから為替、これはドル・円でございますけれども、プラス三・四七、そして十年物の国債の新規発行の利率はプラス〇・一八〇、それから無担保コール、これはマイナス〇・一一、それから当座預金の残高は、総裁がずっと五兆円と言っていましたけれども、既にもう五兆円を超えておりまして、五兆三千億円、プラス一・六という数字になっていますけれども、これらの数値は総裁が予測をした、この緩和をすればこの程度の数字になるという予測の数値でございましょうか。
○参考人(速水優君) よく数字をごらんいただいて、これまた感謝でございますが、三月十九日以降の金融・資本市場の動きを見ますと、オーバーナイトレートは予想どおりゼロ近辺まで来ております。また、株価が幾分値を戻しましたが、これと同時に、私は、特に取引高が非常にふえているということは、あの政策決定の後ぐっと出てきたわけでございますから、この点は市場が活況を呈していくことは間違いないと思います。 全体としては、今回の措置はおおむね前向きに受けとめられていると考えて間違いないと思いますが、ただ一つ申し上げておきたいのは、ちょうど年度末を越えたわけなんですね。私ども、この年度末がうまく越えられればいいがということを思っておったわけで、当座預金にしても、年度末の三十日ですか三十一日でしたか、五兆七千億まで出しているんです。それでもなおかつ足りないところがありまして、二月に決めましたいわゆるロンバート貸し付けという公定歩合で貸すのを二千億も貸しているんですよ、足りなくなって。ロンバート貸し付けの効果があそこで初めて出てきたんですけれども、それぐらい一時ぎゅっと詰まった事態で、それを緩めるために五兆七千億ぐらい当座預金を出して、金利もかなり上がりました。 それが、四月に入ってから少しずつ今下がりつつあって、もとのゼロ金利、今〇・〇二ぐらいのところまで下がりつつあるのがきのうきょうの動きだと思います。ですから、効果は非常に順調に動いているというふうにお考えいただいていいと思いますが、私どもも毎日非常に注意深く見てまいりたいと思っています。
○大渕絹子君 取引高が増加をしているというふうに今おっしゃいましたけれども、ゼロ金利に近くなって非常に借りやすいということで、アメリカのヘッジファンドなどが大量に日本の円を借り受けて日本売りの資金に回していて、日本がずっとデフレ状況というようなことに使われているんじゃないかということが言われておりますけれども、こういう懸念はないのでしょうか。
○参考人(速水優君) 外国人の売買というのは、今は日々の売買でいきますと約半分を占めておるわけなんですね。彼らは非常に世界全体の立場で見ながら売ったり買ったり、ファンドのたぐいのものが多いんですね。したがいまして、外国人が日本から逃げているとかそういうことは多少は起こったかもしれませんけれども、今のところは比較的落ちついてきたんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、アメリカも弱いわけですから、日本も弱いけれどもアメリカも弱いんですから、そこのところはどっちが弱いかということで動きが決まっていくんでしょうけれども、その辺は余りまだ今現状はそんなに心配する事態ではないと思っております。
○大渕絹子君 日本の資金がアメリカのヘッジファンドに使われてなお日本の景気を悪くするというような循環の輪だけは絶対に許してはならないというふうに思うんですけれども、お金に印もついていませんし、借り手を一々チェックするわけにもいかないということでして、こういうことが日常茶飯事に行われているんだということを指摘する人たちもいるものですから、非常に気にしておりまして、そこをちゃんと見ていていただきたいというふうに思います。 そして、この対策を打った後の今後の見通しなんですけれども、景気浮揚効果でありますとか、あるいは消費者物価指数が安定的にゼロ以上となる時期というのはいつごろなのか。あるいは失業率の増減、ここ一、二年の失業率、最高はどこまで行くというふうに読まれていらっしゃるのか。それから二〇〇一年度の日本の経済成長率、実質何%が可能なのかと予測されるのか。それから二〇〇一年の円とドルの為替の幅、ここは百六円ぐらいから今百二十五、六円というところですけれども、ここの幅を今年度、二〇〇一年度はどのくらいの幅まで許容ができるのか、どうなるのかと思っておられるのかということ。それからアメリカ経済の今後のトレンドをどう見るかという、合わせて六点になりますけれども、端的にお答えいただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 一つ一つ詳しく答えるとちょっと時間が足りなくなると思いますので、一括して御質問に答えてまいりたいと思います。 今回の措置のもとで私ども強調したいのは、明確なコミットメントによる時間軸効果といいますか、消費者物価が前年比ゼロ%以上に安定的になるまでやるんだということを言っておるわけでして、やや長目の金利も含めまして、金利水準自体が低下する効果が期待されております。日本銀行が物価下落の防止に対する断固たる決意を示すことによって人々の期待に働きかける効果もあると思っております。 また、中央銀行の当座預金の量を増加させることで、通常はほかの資産へシフトが生じて、この面から長短の金利水準や株価あるいは為替レートに影響を与えていくということは、あるいは実体経済にも働きかけていくということも期待されております。 ただ、金利を通じるルートにつきましては、既に長短の金利水準が非常に低くなっておりますので、これがどこまで効果を上げるかというのは、追加的な影響は限られる可能性があります。また、金融機関の信用仲介機能というのが低下しておりますので、日銀当座預金をさらに増加させてみても、必ずしもそれが確実に効いていくかということにも疑問が多少は残ります。 今回の措置によりまして、金利低下や資金供給量の増加が金融機関の信用創造の活発化につながるために、不良債権問題の解決、そしてまた金融システムの強化ということが不可欠な条件と言っては失礼ですけれども、こういうことがない限りこれは効果を上げていけないんだということを申し上げておきたいと思います。この問題は企業経営の立て直しとも裏腹の関係でありますから、このために経済・産業面での構造改革をあわせて進めていくことが重要だと思っております。 物価はいつごろどれぐらいになるのかという見通しの御質問ですが、ちょうど今月の二十五日の金融政策決定会合におきまして十分討議した上で、経済・物価の将来展望とリスク評価という、去年の十月から始めました、政策委員会審議委員の方々にみんな考え、見方を出していただいて、それを公表することにしております。その中で消費者物価指数や成長率に関する見通しも公表されることになっておりますので、今の時点で具体的に数値をコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。 為替のことを少し御心配になっておられましたけれども、為替の問題につきましては、私どもは直接の当事者ではございませんのでコメントできません。 アメリカの今後のトレンドにつきましてどう見ているかということですが、昨年の前半までは年率五%前後という高い成長を続けてきたアメリカの経済ですけれども、昨年末以降は減速傾向が明確になってきておりますし、少なくとも本年前半の成長率はかなり低下するのではないかと見込まれます。ただ、米国の生産性自体は、IT産業の普及等もありまして、これは余り低下していくことは少ないと思いますし、FRBがまた相次いで利下げをやってその効果が徐々に浸透していくものと考えられますから、年後半にかけては持ち直すというのが標準的な見方だと思っております。 しかし、これまで長期にわたって高い成長を続けてまいりましただけに、調整が長引く可能性も否定できないと思います。米国経済の減速の度合いや、これがアジアや日本の経済などに及ぼす影響につきましては、引き続きよく注視していきたいというふうに思っております。
○大渕絹子君 日銀総裁は構造改革の必要性ということを事あるごとに説かれてまいりました。予算委員会での質疑の中でも、何度も、多方面における構造改革に向けた取り組みが一層速やかに進展することを強く期待しますという形で御答弁になっている議事録をたくさん目にするわけでございますけれども、それとの関連で、三月八日、朝日新聞に載りました都内での講演の中で、構造改革の具体策ということで新聞にも発表になりましたけれども、銀行の不良債権の直接償却が欠かせないということ、それから個人の金融資産の株式や債券市場への流入策を打たなければならないということで、わかりやすくお話をいただいておりますけれども、これらの日銀総裁の御提案が今度の政府の緊急経済対策の中に十分に盛り込まれているのかどうかということをお聞きしたいのです。 私は、きょう現在で発表になると思ってこの原稿を用意したんですけれども、発表があしたにずれ込んでいるということで、新聞紙上ではもう中身については随分と出ておりますので、そこらを見ながらで結構でございますが、確たるものはないかもわかりませんけれども、おおむね日銀総裁の御提案については酌まれているのか、あるいはまだまだここは不足だと思うというようなところがあるのかどうか、そういうところがあったら、きょうは財務大臣もおいででございますので、この場でおっしゃっていただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 構造改革の具体的な方策は多岐にわたると思うんですけれども、現段階で私が重要だと考えている特に金融サイドの問題については、御指摘のように二つのことを言っております。 まず第一は、不良債権問題を解決していくこと。そのためには、不良債権のバランスシートからの切り離しを一段と進めていきますとともに、将来償却が必要となる可能性のある債権に対しても適切な対応を講じることが重要であるということ。また、千三百八十兆円に達する個人の金融資産を活用していくということ。そのためには、市場の効率化、活性化を進めて、人々が前向きのリスクテークを行っていける環境を整備していくことが重要であろうと。政府の方もこの二つのことは十分今度の政策の中に入れて考えてくださっていると思います。 緊急経済対策の取りまとめにつきましては、まだ私もよく見ておりませんので何とも申せませんけれども、この対策が不良債権問題を初めとする構造問題の解決とか市場の活性化といったような観点で十分配慮したものになることを期待いたしております。
○大渕絹子君 そこで、財務大臣にお伺いをいたしますけれども、緊急経済対策ですが、株買い上げ機構にしろ証券税制の見直しにしろ、対策の目玉となるものが実際に動き出すまでにはかなりまだ時間がかかるのではないかというふうに思いますけれども、大体いつごろを目途にこれを進めていかれるのでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、日本銀行総裁からほぼお褒めをいただいたように伺いましたが、大体は明日までにはまとめたいと思っているわけでございます。 先ほど柳澤大臣の言われましたように、幾つかその実施のタイミングなり手順なりにつきまして問題のあるものもございますので、全部でいつというふうに申し上げかねますけれども、構想としてはもう明日決定次第、大体発足をしたい、体制をとるつもりでございます。
○大渕絹子君 法制化につきましてもこの国会でおやりになることができるでしょうか。税制の改正とかあるいは必要な法制度の改正などもこの国会でおやりになるでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういうふうに主張しておられます向きもございますし、事実上それはちょっと難しいのではないかという意見もございますので、それは調整を必要とする問題でございます。
○大渕絹子君 財政出動も必要になるかと思いますけれども、補正予算はいかがでしょうか。考えておられるのでしょうか。あるいは、公共事業費予備費三千億円の出動で間に合うのでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 補正予算という話にこれが展開をするとはただいまのところ考えておりません。
○大渕絹子君 財務大臣、どうぞ御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。 柳澤金融担当大臣にお伺いをいたしますけれども、株式買い上げ機構への政府出資に対しまして経済界から非常に賛否両論が出ていますね。これは朝日新聞、きのうの朝日でしたですね。経済同友会の小林陽太郎代表は、市場の動きを阻害しないなら否定する必要はないと思う、そう言ったかと思いますと、同席をした水口弘一副代表幹事は反対であると。また、経団連の今井会長も、与党の買い上げ機構については理解できない、公的資金を入れるのは無理だろうというようなことを言われているということが報道されています。 金融大臣もこの委員会の中で公的資金の出資につきましてはかなり否定的な御発言をなさってきたというふうに思うのでございますけれども、この件に関して今現在はどのようにお考えでございましょうか。
○理事(勝木健司君) ちょっと待ってください。 今、宮澤財務大臣が退席されていいかどうかということで了解をまず、質疑者は了承されておりますので、後先になりましたけれども、了承をしたいというふうに思いますが、以後お気をつけていただきたいというふうに思います。
○大渕絹子君 ごめんなさい。事務方の方に頼まれておりましたので、申しわけありません。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 株式買い上げ機構と今先生おっしゃられたかと思うんですが、これについて、政府出資の問題について財界の方々が議論をしているんでは私はないんじゃないかと思います。あるいはそういう面もあるかとも思うんですけれども、要するに、金融機関の株式保有については、現在は公正取引的な意味から一社の株式は五%ですよという五%ルールが入っているわけでございますが、それに加えて、それに加えてというか、それもいろいろ考えなくちゃならぬことはあるかもしれませんが、そういう問題に加えて、金融機関の健全性という側面から規制をするべきかどうかということがまず一つありまして、これがこの検討の過程で浮かび上がってきました。 そうすると、金融機関としてはもうある意味でレギュレーションに従って株を放出しなければならなくなる。そうなると、今まで金融機関が一種の経営判断として独自の任意の判断でもって資本市場に放出してきたものを、さあそれをそのままにしておいていいかという議論の中から買い上げ機構というようなことが一種の需給調整的なことで浮かび上がって与党の中にあったわけですが、最近は、今言ったように、レギュレーションを置いて、それの受け皿としてどうこうというような議論になってきて、このことについても我々もいろいろ考えましたけれども、経営判断ではなくてレギュレーションでいくべきだということについては、諸外国の中でもそうしたことを行っているところがあるというようなこともあると、そういうことも、具体的内容はこれから検討するけれども、必要かなと。そういうレギュレーションのもとで受け皿というものも、レギュレーションでどんどん放出したらマーケットの需給が一時的に非常に混乱するので、そういうものは置いた方がいいでしょうねと。 この二つのセットが大体合意を見たということでありまして、まずレギュレーションをどの程度にするかとか、金融機関の株の放出というものをどういうふうにするかとか、あるいはその機構をどうするかとか、その機構からさらに本当に最終の投資家に引き渡していくのはどうするかとか、そういうようなことについては、これから時間をかけて、時間をかけてというのはすごい時間をかけてということでは当然ない、それはもう時価会計というものが導入される、少なくとも確定的に十三年度の決算、来年の四月には導入されるわけですから、そういうことを念頭に置きながらこれらの具体的な中身を詰めていくということを考えておるわけでございます。
○大渕絹子君 終わります。
○理事(勝木健司君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時四十六分休憩 ─────・───── 午後一時四十分開会
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 税理士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局長芳山達郎君、財務省主税局長尾原榮夫君及び国税庁次長大武健一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○日出英輔君 自由民主党の日出でございます。 財務大臣、午前中に引き続き御苦労さまでございます。なるべく財務大臣でない方に御質問しようと思ってはおるんですが、なかなかそうもまいりませんで、失礼いたします。 きょうは、質問通告をしておる順序を少し変えまして、最初に、税理士法の改正案の前に、去年の十一月に税務行政に対しまして行政監察が行われ、勧告が行われておりますね。この件について先に御質問申し上げます。 かなり膨大な冊子が出ておりまして、私も一応さらさらっと目を通したのでありますが、なかなかに全貌をつかむことができませんでしたが、書いている中身に、納税者との間の質疑応答の内容が公表されていないとか、あるいは法令解釈通達以外の職員向けの執務参考資料も法令解釈なり適用のよりどころとして使われているのだけれども、国税庁の見解としての公表が行われていないとか、あるいは国税局間での異なる取り扱いがあるのではないかとか、ちょっと言葉として刺激的なのも少し散見されました。 簡潔に国税庁の方からこの行政監察の主な点についてお述べをいただいてから、御質問させていただきたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 ただいま先生から御指摘いただきました行政監察は昨年の十一月に当方になされました。まさに先生が申されましたとおり、一つは、法令の解釈や適用の指針についてできるだけ通達への明定をしろというようなこと、あるいは、将来的には納税者が帳簿等の具体的な資料を提示してあらかじめ国税当局の見解を確認できる仕組みを整備するようにその検討に着手すること、それから適正な申告、納税の環境整備について、法令解釈通達に準じた実務的な法令の解釈や適用の指針である情報、事務連絡などについては、納税者にも有用なものがあるので広くわかりやすい形で公表すること等というようなものがなされているところでございます。
○日出英輔君 中身が膨大でありますのでなかなか一口には言えないかと思いますが、この勧告を受けて国税庁としてはどういう措置をとられたのか、これを御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) 当庁といたしましては、税務行政の運営に当たっては、従来から申告納税制度が円滑に機能するように適正公平な課税を目指しまして、国民の皆様の理解と信頼を得ることが何より大切なことだというふうに考えております。したがいまして、昨年十一月の勧告につきましても、当庁として真摯に受けとめさせていただきまして、指摘された内容を踏まえまして適正公平な課税の実現、納税者利便の向上等に努めているところでございます。 なお、ただいまお話のありました行政監察の過程において指摘のあった事柄は、ほとんどすべての事項について既に所要の措置をとらさせていただいているところでございます。
○日出英輔君 この行政監察に至った経緯は私よくわかりませんが、何かホームページ等を見ますと、三十五年ぶりの行政監察だということでありますし、またこの四月一日からは情報公開法の施行ということにもなりますので、ある種の大きな歴史的なポイントではないかという気もいたします。 新聞等でいろんな事案について、例えば、脱税という言い方はいいのかどうかわかりませんが、追徴金の関係でニュースなんかが出ておりますと、よくコメントに、国税当局との解釈が違っておるというような、これは企業側の方の一つの言い方かもしれませんが、それにしてもこの国税の関係でいいますと、解釈が違うとかよりどころがはっきりしていないとか、そういうことが間々よく聞かれるようでございます。ぜひとも私は、この行政監察もそうでありますし、情報公開法の施行もございますので、大変大事なお仕事でありますし、これからの日本の財政構造改革の始まる寸前の中での話でありますから、この勧告を重く受けとめていただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、せっかく財務大臣がおいでだからというのもちょっと恐縮でございますが、私もこの勧告をちょっと読ませていただきました。よくわかりません。素人ですとよくわからないところが多うございます。しかも、かなり分厚いものでありますので全貌がよくわかりませんでしたが、幸いにして要旨も出ておりましたので読ませていただきました。私はやっぱりこれが、行政の世界の中でいろいろと問題が出てきて、だんだん行政の透明化というのが今言われている中である意味では残っている分野だというふうに世間の人が思っている世界じゃないかという気もいたします。 そういう意味で、財務大臣に御見解というとなんであります、感想でありますが、こういった行政監察が三十五年ぶりに出たということもありまして、これを受けて、やはり財政構造改革の始まる寸前の話でもありますので、私はこれを重く受けとめていただきたいと思うのでありますが、財務大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私も、ただいま日出委員が言われましたように、新聞などで、何かケースがあって納税者の方でこれは解釈が違う云々ということをよく見ることはございまして、そういうこともあるんじゃないかなと、全部とは申しませんが、印象を受けることがございますので、この通達が申しますように、法の解釈とか適用はどういう場合とかいったようなことは、やはり通達あるいはもっと細かくいけば情報、事務連絡等々いろいろございまして、これは国税庁も、もう戦後長くなりますから、通達といったようなものをひとりよがりにするなというようなことはかなり徹底してしておると思いますけれども、それでもやっぱりこういうことはありがちなことでありますので、このたびの監察結果に基づく勧告につきましては、今国税庁からは総務庁の方にお話のあったことはまじめにやっているということを申し上げましたが、役所としましても真摯に受けとめて、納税者からちょっと思い違いや食い違いというようなことでなくて、納税者が適正公平に課税を受けておるというようなことを念には念を入れて大事にしなければならないと考えております。
○日出英輔君 ホームページなどを見ますと、国税庁のホームページはよく私はできていると思います。なかなか日に日に進歩している点もございます。ぜひともこういった法令の解釈とか適用の方針でありますとか、あるいは税法上の取り扱いといった面、なるべくホームページなどにも大いに出していただいて、納税者の前に公表していただきたいと思います。 税理士法の中身に入りたいと思います。 最初に伺いたいのは、幾つか伺いたいことはありますが、その中で税理士の出廷陳述権という、法律でいいますと二条の二というのがありますが、これは政府参考人に伺いたいのでありますが、この制度創設の目的について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(尾原榮夫君) 今回の改正では、税理士が税務訴訟等におきまして、裁判所の許可を要することなく弁護士である訴訟代理人とともに補佐人として裁判所に出頭いたしまして陳述をすることができるという出廷陳述権制度を創設しております。 これは租税に関します争訟が高い専門技術性を有しているわけでございます。したがいまして、行政上の不服申し立て手続と同様に、訴訟手続においても税務の専門家である税理士が補佐人という立場を通じて納税者を援助する活動を常に行い得るようにする、そのことが申告納税制度の円滑適正な運営に資することになりますし、また日ごろ税務申告を委嘱されている納税者の方にとっても利便性が増す、こういうことでございます。
○日出英輔君 税理士さんは六万四千人余、全国の津々浦々で納税者の本当に身近にいて仕事をしておられること、私も漠然とではありますが知人などもおりますので感じておるわけでありますが、今までの民訴法での運用の状態を何か物の本で見ますと、補佐人としての許可申請をしても却下されるとか余り今まで進まなかったという意味では、今度の改正案は大変結構なことだと思うんです。 一言だけ、ちょっと私も理解がしにくいのでありますが、補佐人として出ていきますときに、弁護士さんと一緒にということがこの二条の二に書いてありますが、この辺の趣旨について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(尾原榮夫君) 今、先生御指摘ございましたように、今回の出廷陳述権制度、弁護士とともに出頭しなければならないというふうに改正をお願いしてございます。 このように出頭する場合の限定規定を置いておきます理由でございますが、税理士は訴訟手続に関しまして専門的知識を十分に備えているとは言いがたい点がございます。訴訟手続の専門家である弁護士がいない場合にも裁判所の許可を要することなく補佐人となれる地位を与えるということになってまいりますと、納税者の方に不測の損害を与える可能性があるのではないかという点がございます。 なお、司法制度改革審議会の中間報告でございますが、税理士を含みまして法律専門職種が今後の司法においてどう役割を担っていくのか、今後司法改革が現実化した将来において総合的に検討していくというふうにされていることなどを勘案した結果でございます。
○日出英輔君 私も昨年十一月の司法制度改革審議会の中間報告をちょっと読ませていただきました。今、尾原局長の言われましたように、税理士さんだけじゃなくて、司法書士さんとか弁理士、行政書士、社会保険労務士等々についてのお話もありました。私は今までに比べれば大きな進歩であろうというふうに思っております。 ただ、これは財務副大臣に伺いたいのでございますが、一方で世の中では、厳密な定義があるのかどうかわかりませんが、弁護士過疎地域というような言い方で、弁護士さんが地方の小都市でごく少数かあるいはゼロであるといった地域も随分あるようであります。 日弁連のホームページを見ましたら、やっぱり弁護士過疎地域ということで、地裁の支部の地域内に弁護士さんが三名以下の地域を弁護士過疎地域と呼んでいるらしいのでありますが、全国で百余ということでありました。それから、この中で弁護士さんが全くいない地域が三十四カ所、弁護士さんが一人しかいない地域が三十四カ所、これも三十四というふうに書いてありました。 こういった地域で今のような税理士さんが補佐人として出ていく場合、若干支障があるのではないかという気がいたしますが、こういったところについての御感想でも結構ですが、伺いたいと思います。
○副大臣(若林正俊君) 日出委員がお話しのように、弁護士過疎地域の問題が大きな問題になっております。この過疎地域の問題は司法制度改革審議会において司法制度全体のあり方としてなお検討が続けられている、このように承知をいたしております。 今回の改正で、税務訴訟等において税理士が補佐人となれる制度を弁護士である訴訟代理人とともに出廷する場合に限定しているというのは先ほど御説明申し上げましたが、訴訟手続に関する専門的知識を税理士は十分備えていると言いがたいということからこのような限定をしているわけでありまして、そのことについては弁護士過疎地域にあっても同様と言わざるを得ないと認識いたしております。 なお、一定の訴訟については、弁護士である訴訟代理人が選任されている場合には補佐人となるについて裁判所の許可を不要にするという点に意義があるものでございまして、この制度が創設されても、個別具体的な事実によっては税務訴訟等において税理士が民事訴訟法六十条の規定による補佐人となることはあり得る、このように理解をいたしております。 このような弁護士の過疎地域の問題については司法制度改革審議会の中における今後の大きな課題でございますが、このような過疎地域におきます税務訴訟等について納税者が不便、不利益にならないように、ただいま申し上げましたような民訴法六十条による補佐人となり得るという制度も念頭に置きながら、税理士会として、また税理士として対処してまいる必要がある、このように考えております。
○日出英輔君 今の段階ではそういう御答弁だろうと思います。 さらに関連して、これは私の個人的な意見でありますが、司法試験の科目に商法はありますが会計学はありません。税法もありません。したがいまして、大分弁護士さんの仕事自体も専門化しているというふうに伺っている中で、実は何かちょっとこの辺が、私は弁護士資格もありませんし、きょうはこの席に弁護士資格のある方がおられるかどうかわかりませんが、おられたらちょっと失礼かとは思いますが、何か違和感が少しあります。 私の意見でありますが、司法修習生になられてからの選択の科目か何かに会計学なり税法なりの講座がないと、私は、今の訴訟の方はよくわかるけれども税の方はわからないとか、会計学がわからないというのではやっぱり変だなという感じもいたします。これは意見でございますが、何かのときに財務省として、弁護士の方の司法修習時代の問題になると思いますが、そういったことをよく考えていただいて、必要があれば御意見を法務省なりなんなりに出していただきたいというふうに思っております。 それから、この出廷陳述権に関連いたしましてちょっと調べてみましたら、税務訴訟というか争訟といいますか、異議申し立て、あるいは国税不服審判所に対する審査請求あるいは訴訟ということを見てみますと、年間の申告が二千五百万件ある。この中で訴訟まで行くのがせいぜい年間でいいますと二百件から四百件ぐらい、三百件前後だというふうな統計が実はわかりました。随分と少ないもんだなと、二千五百万件で二、三百件、三百件か四百件ぐらいだということですから。 私は、それで調べてみましたら、ドイツは年間六万件ぐらいあるんだとか、これはあること自体がいいとは思いませんが、しかし余りにも税務訴訟が過少だというのは、やはり税制のあり方とともに、税務行政に対する国民の信頼感が本当にあるのかどうかという議論もあろうかと実は思っております。 これは財務大臣の御意見を伺おうかと思いましたけれども、勝手に私の持論をしゃべらせていただきますと、やっぱりそこそこに訴訟という形で納税者の主張が表に出てくるということでないと、私は、本当に財政構造改革などをやりますときにうまくないのではないかという、そういう意見を持っております。これは私の意見でございます。 それから、実は別な問題でございますが、この制度とは直接関係しませんが、平成九年に、地方自治法の改正によりまして都道府県なり市町村に外部監査人による監査制度が新設されております。この制度は私は今の地方の財政改革を進めるときに大変大事なことだというふうに思っております。 この中で、弁護士や公認会計士あるいは公務精通者というのがあるようでありますが、それに並んで税理士も外部監査人の有資格者となっているというふうに承知をしておりますが、この外部監査の現状、今一体どういうことになっているのか、特に包括外部監査と個別外部監査が分けてあるようでありますが、わかりましたら、そういうふうに分けて御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(芳山達郎君) お答えいたします。 外部監査制度は、平成九年の地方自治法の一部改正で導入されました。地方公共団体の適正な予算執行を確保するという観点でございまして、監査機能の独立性と専門性をより充実させるということでございます。 お尋ねのありました現状でございますが、平成十二年度の実施状況は、包括外部監査につきましては、法律によりまして義務づけをされておる都道府県四十七県、指定都市十二市、また中核市二十七市のほか、任意の団体として四市区において実施をされております。 なお、包括外部監査契約の相手方でございますけれども、財務全般に精通しているという観点から公認会計士が多いわけでございますが、県と市がそれぞれ一団体、税理士と契約しているところでございます。 また、個別外部監査契約に基づく監査につきましては、すべての都道府県、指定都市、中核市のほかに、十八市区町村において条例が制定されておりまして、住民なり議会等からの請求等に応じていつでも実施できる体制になっておるところでございます。 以上でございます。
○日出英輔君 それで、今、もしお手元の資料でわかりましたら、この包括外部監査の方は、何か特定のテーマは外部監査人が選べるというふうに聞いているんですが、この包括外部監査でどういうテーマが選ばれているのか、代表例みたいなものを御紹介いただけますか。
○政府参考人(芳山達郎君) お尋ねのありました包括外部監査につきましては、地方公共団体において特定のテーマについて財務監査の観点から検査をしていただくというぐあいに相なっておりまして、一番多いのはやはり予算の執行関係、旅費でありますとか補助金の執行でありますとか契約事務等でございまして、また公営企業に関するもの、病院の経営とか交通、水道等でございます。また、財政援助団体ということで、公社を中心に監査がなされているというのを実態調査で把握をしてございます。
○日出英輔君 きょうは税理士法の改正でございますので、ちょっとついででございますけれども、税理士さんがこの外部監査の中の外部監査人になっている例、あるいは個別外部監査の方で税理士さんが入っているような例についてもし御承知でしたら御説明ください。
○政府参考人(芳山達郎君) 先ほどの税理士さんと契約している県と市でございますが、広島県、京都市でございまして、前年、十一年度は八王子市と京都市でございました。それぞれ税の専門家なり税における使途について非常に精通されているということで御契約されているというぐあいに聞いてございます。また、団体によりましては、監査委員の選任との関係から重複させないという意味で税理士さんにお願いしているということも聞いております。
○日出英輔君 この外部監査につきましては、私は、きょうは税理士法の改正ですから、税理士さんを大いに活用していただきたいという、もちろんそういう気持ちもありますが、それ以上に、やっぱり今各地方に行きますと、地方の財政改革についてかなりいろんな、大きな問題、小さい問題、たくさん出ております。ぜひとも、この外部監査制につきましては、これからも実のある外部監査が行われますように指導をしっかりとやっていただきたいと思います。 若干時間がありますので、最後に税理士法人について伺いたいと思いますが、私は、この税理士法人というのはどうも、確かに公認会計士は監査法人とか、法人というのが最近はやってきているようには思います。そういう意味でいいますと、安定した経営状態で税理士さんが仕事ができるといったようなメリットもありましょうし、専門化してきますとこういった法人化というのもあると思うんですが、一方で資格を個人に与えるという制度でありますので、ちょっと何となくのみ込みにくいところもあるのでありますが、この制度を新しくつくるねらいといいますか、そういうことについて御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(若林正俊君) お話にございました、複雑化、多様化、高度化してまいります納税者等の要請により的確にこたえるには、税理士業務を共同化して、業務提供の安定性あるいは継続性とより高い業務への信頼性を確保するというメリットがございます。 しかし同時に、御承知のように、規制緩和推進三カ年計画が定められ、その中におきまして、各種の業務独占資格を持っておられますそれぞれの資格制度について見直すべき旨が定められまして、その中で言われておりますことは、資格者に対する利用者の複雑、多様な、高度なニーズにこたえるとともに、資格者による継続的かつ安定的な業務提供や賠償責任能力の強化などの観点から、必要に応じて資格者の法人制度の創設を検討する、このように言われまして、司法書士さんでありますとか、土地家屋調査士さんとか社会保険労務士、あるいは弁理士、行政書士などについて、税理士もその中に入っておりますが、法人制度の創設を検討することとなっているわけでございまして、弁護士につきましても今国会に法人化について審議をお願いしている、こういう状況でございます。 税理士が個人としてその信頼に基づいて、その能力に応じて資格を得て業務をやっているということは御指摘のとおりでございます。その意味で、この法人化に当たりましても、社員を税理士に限定した合名会社方式をとるということで、同じ資格者が共同して税務業務に当たるということを要件にいたしておるというのもそんな趣旨によるものであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○日出英輔君 もう時間が来ましたので、全国津々浦々納税者の身近にいてお仕事されている税理士さんのお仕事ぶりからしますと、この税理士法人で物すごいでかい法人がどんどん出てきたのではやっぱり趣旨に合わないような感じもいたしております。対外的に無限責任だということでありますからそこは担保されていると思いますが、そういった対外的、対内的な責任のとり方とか監督の仕方とか等について少し伺おうかと思いましたけれども、ちょっと時間がなくなりましたので質問はこれで終わりますが、新しい制度でありますので、ぜひとも指導につきましては極力意を用いていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○峰崎直樹君 午前中に続いて、税理士法の審査の前に、ちょっと看過できないといいますか、先ほど池田議員の質問に対して、お隣さんの方は公的資金を入れろというふうなちょっと表現がございました。そこで、私ども、いたずらに公的資金を入れろ入れろと言っているんじゃないわけでありまして、そこら辺は非常に誤解があったら困ると思います。 そこで、まず最初に確認させてもらおうと思うんです。一応これまでもずっと民間の銀行は大丈夫かと、引き当てもきちんとやっているのかというようなことについて、我々としては、その引き当てが十分でないんではないか、三月三十一日までは早期健全化法のスキームが残っているわけだから、そういったことについて対応しないのかとお聞きをしたときに、いや、その必要はないとおっしゃいました。 そこで、三月十五日付のウォール・ストリート・ジャーナルでは、銀行名は挙げません、二つの銀行が非常に債務超過になっているんではないかというふうに報道され、ムーディーズという格付会社も投資不適格と、こういう実は報道がされたわけであります。 改めて聞くんですが、三月三十一日はもう過ぎたわけでありますが、これから決算監査を受けるわけであります。金融担当大臣にお伺いしますが、そういうことに対して、こういう銀行も含めて大丈夫なんだなということを改めて確認したいと思いますが、どうでございましょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 個別の問題についてコメントはできませんが、一般論として、私どもは、今先生が御指摘のように、日本の金融システムの安定性は確保されていると、このように考えております。
○峰崎直樹君 非常に慎重な言い方で、金融システムは安定していると、こうおっしゃいましたから、個別の銀行で問題が起きた場合にはどうなるのかということについては言及はなかったというふうに聞いているわけですが、システムの問題はもちろんそうでありましょうが、こういう大手行、その大手行に関しても大丈夫だというふうに考えておられますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 仰せのとおりでございます。
○峰崎直樹君 しかと記憶をしておきます。 それで、先ほど池田議員の質問の中で、オフバランスといいますか直接償却というんでしょうか、この処分率が八〇%という数字が出て、たしか金融監督庁がおっしゃったわけでありますが、その中身をちょっと私、実は住友銀行がつくっていた資料に、不良債権処分額が六十八・〇兆、貸倒引当金繰入額が三十四・三兆、直接償却などが二十九・二兆と、そのうち貸倒引当金の取り崩しによる直接償却が二十五・〇となっておりまして、この二十五・〇と二十九・二を足して五十四・二兆、この比率が七九・七%と、多分この数字だろうというふうに思います。 そこで、直接償却と言われているものの中身を見ると三つあって、債権売買、それからCCPCへの売却、それから債権放棄を含むと、こう書いてあるわけです。できれば、この直接償却と言われているものの中身を今おわかりでしたら教えていただけないかなと。実は、午前中の質疑を聞いていて、オフバランスと言われているものがそんなに進んでいるのかというような気持ちを持っていたものですから、もし今わかれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 直接償却等二十九兆の中身でございますが、貸出金の償却がほぼ九・八兆、それからCCPCへの売却損が九・六兆、その他でございますが、バルクセールによる売却損とか支援損とかというものでございますが、九・八兆ということでございます。
○峰崎直樹君 最初に出された九・八兆というのは、これはいわゆる債権放棄と言われているものですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、償却ということでございますので、法的な整理に伴う償却ということでございます。
○峰崎直樹君 きょうは数字のやりとりをする場所じゃありませんから、後で教えていただければ結構ですが、債権放棄が一体幾らだったのか、そしてそれは何年ごろから急にふえてきたのか。私どもが思っているのは、九九年三月のいわゆる七・五兆円の資本投下、それに伴ってどうも債権放棄がふえてきたのかなというふうに思ったりしております。 これは、公的資金を導入した銀行が債権放棄をしていくということについて、果たして国民の税を投入しておるのに本当に納得がいくんだろうかという意味で大変疑問に持たれると同時に、ある意味では、大手行に七・五兆円出したときに、当然のことながら各銀行ごとにいわゆる優先株を普通株に切りかえて、そしてその株主としての権限を行使すると、こういうことが規定されていて、何行かはそれにもう該当し始めているというふうに思います。それがなぜ今までそういうことが行われなかったのかということが非常によくわからない。 その意味で、金融庁は、二年前のあのいわゆる税金を投入したとき以降、これは柳澤大臣の前の方かもしれませんが、一体全体それはどうなっていたんだろうねということで非常に疑問に思っておりますので、もし今わかればその点教えていただきたいし、わからなければまた後でいつか明らかにしていただきたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど、私、支援損等ということを申し上げました。その他の、似たような数字で大変恐縮ですが、九・八兆、貸出金償却とたまたま同じ数字だものですから紛らわしいんでございますけれども、こちらの方も九・八兆なんでございますが、それはバルクセールによる売却損及び支援損。この支援損がいわゆる債権放棄とほぼ同じ概念、カテゴリーだということで御理解をいただけたらと思います。 そして、次の問題でございますけれども、いわゆる優先株を普通株に転換してなぜ株主としての権利、議決権を行使しないのかということでございますが、これについても私ども一定のルールを既にあらかじめ明らかにしてございます。 まず第一に申し上げなきゃならないのは、転換権の行使ができる期日は、商品性の一つの要素としてその期日が決まっておるわけでございますが、既に転換権の期日が到来しているものは、現在の勘定の仕方、これはそうですか、ちょっと投入後、実はいろいろ法人格に変遷がございますんですが、いずれにせよ七行ということになっております。 ただ、この七行についてなぜ転換権を行使しないのかということでございますけれども、これは今も申したように、平成十一年六月の段階で金融再生委員会から「転換権付優先株の転換権行使について」ということを定めておりまして、これによりますと、健全化計画が的確に履行されている場合には基本的には転換権を行使しない、あるいは転換権を逆に行使するのは早期健全化法に言うところの普通株式の引き受けの承認要件を満たす場合やそれに準ずる場合ということで、著しい過少資本行等と、そういう事態に陥ったときに転換権を行使するということでございまして、基本的にこれら七行についてもこの要件にはまだ、まだというか、そういう要件に該当する状況にない、こういうことで転換権の行使をいたしておらないということでございます。
○峰崎直樹君 ということは、優先株を注入したところでは普通株への転換の可能な銀行は今のところないということですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 可能というか、要するに、こういうことを明らかにいたしておりますので、いわば自己規制ということにとどまるわけでございますけれども、その自己規制というか自己規律の要件に該当する状況にないということでございます。
○峰崎直樹君 税理士法に入りたいと思っているんですが、どうしても日米首脳会談で公約をし、あるいはパレルモへ行ってアメリカあるいはG7の方々、あるいはこの四月末にも多分大きな議題になるでありましょう日本経済の不良債権の問題について、今、与党が緊急経済対策ということで打ち出されてまいりました。その意味で、そのことについてどうしても先に財務大臣や金融担当大臣の御意見を聞かせていただきたいというふうに思っているわけであります。 一つは、ある意味では不良債権というものを今後どのような展開、いわゆる今まであるものについては例えば三年以内とか、あるいは新規に出たものについては二年以内とか、いろいろそういうルールはつくられるやに聞いておるのでありますが、そういう意味で、不良債権処理のスキームといいますか、そういったものがまだ十分固まっていないのかどうかわかりませんが、そのあたりについて柳澤大臣はどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権のオフバランス化というものが、金融機関の健全性という見地からだけではなく、収益力だとか日本経済に与える影響というようなことで重要な課題になっているわけでございます。 そこで、私ども、不良債権というものをどうやって減少させていくことができるのかということを今回考えさせていただいておるわけでございますけれども、まず基本的に、現在の体制で融資をしたものでいわゆるリスク管理債権、これは国際的な基準に倣って申し上げるわけでございますが、このリスク管理債権の範疇に入ってくるものをどうやって少なくするだろうかということでございます。 私どもとしては、要注意債権、先ほど来の引当金の関係でいえば、一般貸倒引当金の対象になっているようなものについては、これはこれからしっかり管理あるいは業務内容等について金融機関の側からも働きかけをして、できればそのままむしろ正常化先に持っていくということが大事だと。そういう格好で不良債権の残高を減らすというのが一つあるだろう、こういうふうに考えるわけでございます。 そして今度は、そうではなくて、いわゆる破綻懸念先にまで行ってしまっている債権先、これ以下の先については、もちろん、それをまたさらに上昇させて、格付といっていいかどうか、債務者区分をむしろ上昇させて正常化先まで持っていくという可能性もないわけじゃないんですが、もう破綻懸念先まで来ますと、なかなかそういう可能性について大きくこれを想定するということもできません。そうなりますと、むしろこれは早く再建型の整理をするというようなことが不良債権の処理としては望ましいというふうにも考えられるというようなことで、今回、既存のというか、既にもう破綻懸念先になっているようなものについては、これを原則二年でもってオフバランス化するようにということを申しているわけでございます。 その中には、もちろん今申した私的整理もあるし法的な整理もあるし、また売却というような、売却はやや考えにくいわけでございますが、それでもキャッシュフローがあるものについては売却ということもあり得ようというようなことで、そういうようなことを推進することによって既にあるものについては処理をしようということでございます。 そして、これからさらに今後ずっと続いていく中で、要管理先等から落ちてくるものがある。その破綻懸念先という区分になってしまったものについては、これは三年の間に、なってしまったその翌年から三年ぐらいの間にこれを処理する。処理の方法は先ほど言ったのと同じでございますが、そういうことをしようということを、今そんな方向で検討させていただいておる、こういうことでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、二年なりあるいは新しく出たものはちょっと別にしても、毎年一体どのぐらいの金額がいわゆる直接償却といいますか、オフバランスになっていくんでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これが先ほど先生が冒頭おっしゃられたこととも関係をするわけでございますけれども、すぐに私、いわば今度の新しいスキームがあるからそういうオフバランス化に着手するものということでないものがまず相当実はあるというふうに考えるわけでございます。今回のスキームによって意識的に、意識的というか、一つのスキームを前提にして処理に当たるというものはその残余のものだということを考えておるわけでございます。 具体的な金額について今ここで言うということはちょっと控えさせていただきたい、こう思います。
○峰崎直樹君 問題は、そこでそういうものを処理するとなると、担保がどれだけついていたかということが当然問題になってくるわけです。そうすると、我々がかねてから言っているように、きちんと担保されていたんですかねと。きちんと担保されていれば、銀行も後で手当てをしなきゃいかぬお金はなくなってくるわけです。ところが、今見ると、大体二兆円ぐらいは毎年出るんじゃないかというようなことを言われているんです。 そのことは別にしても、今、いわゆる二年とか、新しく出たものは三年とか、そのテンポは過去九九年、二〇〇〇年あるいは二〇〇一年のそのテンポと余り変わらないんじゃないのか。つまり、国際的にも、総理大臣が行って、わかりました、やってくるということを決意して帰ってきたものにしては、ちょっとテンポが余りに、遅過ぎると言ったらこれまたある意味ではそのことに伴う痛みというのは大変なものですから、あるんですけれども、そういう意味でいうと、何ら従来のペースと余り変わらないものではないかと、こういうふうな御批判があるのはどう思われますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは両面ありまして、私が今あえて金額についてもうちょっと我々よく精査をした、ある程度のデータはもちろん持っているわけですが、精査をした上で答えたいというのは、両面あるわけです。 先生がまさにおっしゃったとおり、これは物すごいことで、そこらじゅうから血が流れるんじゃないかというような受けとめ方をする向きもありますし、もう一つは、今先生がまさしくおっしゃられたように、大したことないんじゃないかというような、両面からの御批判が現にあり得るというふうな状況になっているわけですけれども、私どもは、やっぱり的確なことをやりたい、こういうようなことを考えておるわけでございまして、このいずれでもないということを思ってやっておる。 既存のものについて二年で処理をするというのがそんなに簡単な話であるわけがないというふうにも思いますし、また、そうかといってこれを本当に画一、機械的にやって、そこらじゅうから経済をさらに一層悪くするではないかというようなこともやっぱり考えなければならない。こういうように考えているわけでございまして、数字の点についても、そのようなインプリケーションもかなり大きいものですから、我々としてはいま少しここで申し上げるのをちょっと控えておきたいと、こう考えているわけであります。
○峰崎直樹君 恐らく銀行当局にしてみても、そうは言われても、それに対する十分な引き当てを積んでいなかったら当然それは赤字になっていくわけです。そういう問題をどうもはらんでいるんではないかということをずっと、何回かの議論を聞いていて、その肝心なところになってくるとそこら辺が非常にはっきりしないという私は感じがしてならないわけです。 ちょっと話をまた与党の緊急対策の株価の問題、株価というよりも銀行の株式保有の問題に実は話を移していきたいと思うんですが、銀行のいわゆる保有株、持っているという問題が今度の与党の緊急経済対策に入っているということについて、どうも合点がいかないという感じがするんです。 それは何かというと、株式持ち合いというのは昭和四十年代からずっと続いてきているわけです。それをまさに緊急経済対策として一気にやってしまおうという、この趣旨がよくわからないんです。そのあたりは柳澤大臣はどんなふうに考えておられますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 与党三党の緊急経済対策に民間ファンドによる株式買い上げ機構の創設というものが入ってございました。 これはどうして緊急経済対策であろうかということを考えますと、やっぱり銀行は今かなり多額の株式を保有しているわけでございまして、それが時価会計の導入とともに含み損というようなものも直接自己資本比率の減額要因になるというような事態を間近に控えまして、どうしてもこれを処分しておこうと、こういうような動きにあったわけでございます。それがゆえに、株式市場にやや供給過剰というか、そういった需給関係のアンバランスが生じてきて、それがゆえに株価がなかなか経済の状況を反映しないというような見方が出てきたと思うわけでございます。 そういうようなことから、一つの措置として銀行の放出株の受け皿というようなことを構想されたというように考えておりまして、これはこれで一つの、今言ったような銀行の行動それからそれの株式市場に与える影響といったようなものを早く、一時的にでも遮断をしようということからこういうところに掲げられたということは、それはそれなりに私はわからぬでもないというふうに考えておりました。
○峰崎直樹君 どうもそこにこの間ずっと議論してきたことの根本的な問題が一つあるような気がするんです。 それは何かというと、実質自己資本比率というのは極めて脆弱だ、だから株価が一万二千円なり一万一千円になったらこれは実質含み損になりますねと。そうすると、この間から、いやいや、それは大丈夫です、BIS規制の八%は十分クリアして一〇%以上になっていますと。しかし、その中身をこの間聞きましたね、税効果会計は幾らですか、あるいは相互の持ち合いになっている劣後ローン、劣後債、これは幾らですか、あるいは株式の含み益は幾らですかと。この含み益のところが変わろうとしているわけですね。 そういう意味で、今の日本の金融機関の抱えている実質の自己資本比率というものが余りにも脆弱だから株価が一万一千円台、二千円台に下がってしまった。それはもう大変だということで、今度は時価会計を直ちにやらざるを得なくなりますから、そういう意味で、実はそこの脆弱性というところを、株式相互持ち合いを早くやめなきゃだめなんだ、株価の問題は大変なんだということは、とどのつまりというか、まさにそのことが、実は今まで私がそれは非常に不十分じゃないですかということを指摘したことに対して、いや、大丈夫ですと言っていたけれども、いやいや、やっぱり株の相互持ち合いは早く解消しなきゃいけないんだよというところに緊急対策として入り込まざるを得ない問題があるんじゃないですか。その点はいかがですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生、そういうお言葉でございますけれども、要するに私がたびたびここでも申し上げましたように、株価の変動でそういう価格変動リスクを負っているということは私も一度も否定したことはございません。ただ、その自己資本比率に与える影響というのはかなり限定的でございますということを申し上げて、その面について非常に深刻な問題があるのではないかということについては私は否定的なことを申し上げたということでございます。 なお、自己資本というものの質についても先生からいろいろな御指摘をいただきましたけれども、それはこの問題とは一応別の問題ということで私は申し上げたのでございまして、この自己資本につきましては、もちろん、その中には繰り延べ税金資産もありますし、公的資金による優先株の問題もあるということは、それはもう否定はいたさなかったのでございますけれども、それはしかしBISでもちゃんと認められたものでございますので、それがティア1に算入されていることは何ら問題ではないんですというようなラインでのお答えを申し上げてきたということでございます。
○峰崎直樹君 もしそうなら、何もこれを緊急経済対策に入れる必要はないです、これは中長期にやりましょう、そう答えるのが筋じゃないですか。 つまり、株式持ち合いをやって、株価の問題というのは、それは多少株価が下がったところでBISの八%基準は問題ありませんということをおっしゃっているわけでしょう。おっしゃっているんだったら何もこの株の問題についてはそんなに慌ててやることはない、中長期的にやろうと。私は、本来はもっと早くこの株式持ち合いというのは解消すべき時期があったと思うんです。しかし、そういう意味でいうと、そういう判断をされるのが本来のいわゆる金融担当大臣としての御見解であるべきじゃないんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) そういうことで、現在保有している株が、あの当時申し上げたのは、九末の日経平均から、日経平均と実際の銀行保有株の連動性というものには実はかなり乖離があるわけですが、仮にそういうことを捨象して、二割ダウンしたときにはどのぐらい、一割ダウンしたときはどのぐらいというようなことでお話を申し上げてきたということでございまして、それはそういうものとして御理解をいただきたいのでございます。 他方、株式市場での問題というものは、これは現実の銀行の株式市場への保有株をもってする一つの売買の活動というものがありまして、それの問題ということで党側がこれを提起してきたんだろうと、このように私は考えているわけです。
○峰崎直樹君 どうも何か余り説得力がないような感じがしてならないわけです。 この問題ばかりたくさんやりませんが、一つだけ柳澤大臣にお聞きしておきたいんですが、株式市場が低迷している原因の根本的なところは、持ち合い株を放出し合っているから株価が低迷しているのか。私どもはそう考えておらないんで、ROEとか、要するに日本の企業の持っているそういう利益率が余りにも低過ぎるというところにあるんじゃないかと思えてならないんです。そのあたり、どうも本質的なところから外れて部分的なところへ行って、そこに、実は後で宮澤大臣にお聞きしようと思っているんですが、何だか公的資金ではないけれども、税金を、例えば優遇措置をつけるとか、そういう話にもしなっているとするとどうも本末転倒になっていやしないかな、そんなふうに思えてならないんです。 まず、柳澤大臣にそこをお聞きして、今どういうスキームで、株の持ち合い保有機構かわかりませんけれども、いわゆる持ち合い株機構ができ上がったときに、損をしたときにはこれはどうするの、売却してもうかったときはどうするのかと、いろんな税の対応というものがマスコミ紙上に出ているわけですが、そういった点についての宮澤大臣の御意見もお聞きして、この問題だけはとりあえず終わらせておきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 株式の価格変動の要因をどう考えているかというお話でございますが、私は私なりにそれなりの考え方を持っていますけれども、今、私がこの立場にいて、株式の変動要因についていろんなことを申し上げるというのは余り適当でないと考えます。 一方、先生そうおっしゃいますけれども、確かに銀行部門はこの十三年に至るまで、過去五年間ぐらい完全に売却の方に行動を起こしておりまして、その規模も六、七兆円というようなところで、率直に言ってかなり市場への供給の源になっているということでございまして、こういうものも多分おもんぱかって党側で今言ったような考えでの構想が提起されたんだろうと、私はそのように受けとめたわけでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨日も、私ども、内部でそういういろんな議論をしておりまして、今、柳澤大臣の御主張に対して峰崎委員のお話も承っておって、基本的にこれは構造の問題だというふうに柳澤大臣は言っておられます。そのとおりだと思いますが、しかし、出席者の中には、構造問題であるんだが、その構造問題が今や緊急性を帯びるに至ったので、そういう意味ではここで取り上げるんだという、峰崎委員と同じではないにしても同じような向きからの議論もありまして、それでもう少し練り直そうということになったわけでございます。 それから、後の方のお話は、私は非常に早い段階で、三月十五日の段階だったと思いますが、三党側からこういう案がありましたときに、どうもこの部分は結局銀行の持っている株式をどうするかということに限って議論をしないと違う話になってしまうなというようなことを見て思っていまして、もし、それが今銀行の持ち株を補整的に制限する、そういうことからくる結果の持ち株機構、引受機構というようなことであるとすれば、その際には財政が何か公的な関与をすることも、入り用ならば私は排除しないでいいと思うということだけ申し上げましたが、その中には、今、峰崎委員の言われますように、税の問題もあり得たと。今でもあり得ると思っているわけですが、それを現実にどういうふうな仕組みで処理するかというのはこれからの問題でございますけれども、恐らくおっしゃることは譲渡益が生ずる場合等々のことかと思いますが、何かの工夫があるかどうか、これから検討しなきゃならない問題が残っております。
○峰崎直樹君 この話は終わろうかと思ったんですけれども、お話聞いていると、要するに、さっきのは多分亀井政調会長の話じゃないかと思うんです、新聞で見れば。とにかく構造的な問題だけれども短期的な問題だとおっしゃっておるんです。多分それは、私の推測するところ、銀行はどんどん今持ち株を放出してやろうとしているけれども株が下がっちゃった、それが実は銀行のティア2、ティア1のところに大きな影響をして大変な状態になっているんだと。ということは、そのとき、お二人、もし柳澤大臣は、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫ですよと、もう八%は優にクリアしていて、もうBIS規制も含めて日本の大手銀行は全部大丈夫なんです、あなたがそんなに心配するに及びませんよと、こういうふうに言わなきゃいけないんじゃないですか、さっきのあれでいけば。 やっぱり何か、そう言われればどうも自己資本が毀損してきたら日本の銀行は危ないんだよななんて心の片隅にあるから恐らくその問題もある程度やらなきゃいけないんじゃないかというふうに思われているんじゃないですか。やっぱり、そういう堂々たる反論が、ここは柳澤大臣、そういう意味では改革派として、非常に脚光を浴びておられますので、私は絶対そうだと思いますよ。任せなさいと。今まで言ってきたのを延長したら、そうじゃないですか。何かございますか、それ。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 大ありでございます。それはそういうことじゃないんです、先生。 先ほども申したように、銀行は自主的な財務政策というか、あるいは経営判断でもって最近は持ち株を放出しているわけです。これはクロスでも何でもない、本当に売り切っているわけです。そういうようなことが現実にあって、それで党側は、党側というか三党の側は、これが株式市況がもう一つ元気にならない理由だというふうに考えているわけです。 それだから、これを直接いきなり市場に放出するんではなくて、何か緩衝装置みたいなものを置きたいなということでこういうものが構想されたということでございまして、これは銀行の財務の健全性の問題とはひとまず違う問題でございまして、私は、それはそれとして受けとめたということでございます。 話はその後展開してレギュレーションの問題に移っているわけですが、それはまた別途機会を別にして論じていただければよろしいかと思います。
○峰崎直樹君 聞いておられる方にお任せするしかもうないと思いますが、ただ、私はやはりかねてから、同じ税金を投入するんだったら、もし税の優遇措置とかのときも誘導装置として租特で使われるのかもしれませんが、私は、バンキングシステムが本当に不十分なら、そこにある意味では公的資金を投入するという発言をしました。これは、そのかわり減資とか物すごい経営者の責任、それから株主の責任をきちっととらせないと恐らく成り立たない話だと思っています。そのことはまた何度もこれからお話、次もまたやられるという前提ならばでございますが、ぜひまた引き続き議論をさせていただきたいと思っております。 それでは、ちょっと税理士法の方に、きょうそれから来週の火曜日もあるので、きょうは私は導入部分ということになると思っておりますので、まず財務大臣中心にお聞きせざるを得ないと思っているんです。 財務大臣、今税理士法改正ですね、私どもは先ほど日出議員の方の質問で三十五年ぶりの改正ということを聞いておるんですが、二十五年でしたか、二十五年ですか、二十年ですか、一九八一年だったですかね。五十五年は前回の監査が、たしか前回がそうだということです、監察がそうだということなんですが、そういう意味では二十年ぶりにこうして起きてきている改正について全体としてどのように評価をされているのか、まずお聞きしたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に私からお答えいたします。 大体五つポイントがございまして、一つは訴訟、裁判所の際の補佐人になるということ、それからいろんな意味での受験資格の要件緩和の問題、あるいは受験科目の免除を多少きつくすると、それからまた意見聴取の際の云々、あるいは税理士を法人にすることができるといったようなこと。 御承知のように、戦前から税務代理士というものはかなり確固とした職業としてございまして、そしてかなりの税務管理の経験者がそれになっておったという戦前の歴史がございますが、戦争を終わりまして、その後、公認会計士ができましたり、いろいろ変遷がありまして、税務代理士というものがいかにあるべきかということは何度も何度もいろいろ議論されながら、大きな改正は今日まで残されたと。 納税者のために税務代理士は無論あるわけでございますから、それが基本でございますけれども、また片方、周辺に類似の職業がいろいろある中で、税務代理士というものがどういう地位とどういう資格と、またどのような制約のもとにあるべきかということをここで一遍整理をしようと、基本は納税者のためにということではございますけれども。そういうことでこの法案改正をお願いしているということでございます。
○峰崎直樹君 そこで、法務副大臣にお見えになっていただいています。 先ほど日出議員の質問の中に、裁判所で今度は補佐人になる制度があると。先ほど、なぜ弁護士と一緒でなきゃいけないんだというときに、弁護士は法廷で専門家だからと、こういう話だったですね。 何か聞くところによると、弁理士さん、特許だとかそういう出願をするときにやりますよね、弁理士。この弁理士さんは弁護士さんを伴わないでも一緒にやれるようになっているというように聞いているんですが、それは事実なんでしょうか、一体それはどうなんでしょうか。
○副大臣(長勢甚遠君) そのとおりでございます。
○峰崎直樹君 そうすると、弁理士さんというのは法律に詳しいんですか。弁護士さんと同じようにできるんですか。
○副大臣(長勢甚遠君) 各士業の方々の法廷との関係につきましては、それぞれの資格のある方々の業務の内容、状況等に応じて御判断をいただいておるということでございますので、今の御質問につきましては法務省としてのお答えをするという立場にはございません。ただ、今回の税理士さんの問題につきましては、財務省さんの方から今おっしゃったような考え方でこういうふうにしたいということでございまして、我々もそういうことで御理解をさせていただいておるという次第でございます。
○峰崎直樹君 さっぱりわからないですね。なぜ弁理士は法廷で独立してやれて税理士さんはそれが排除されているのかというのは、非常に今聞いているだけでは、いや、それぞれの立場がありましてと言っているのでは、全然これは答えになっておらぬのじゃないですか。もう一回。
○副大臣(長勢甚遠君) 若干専門的なところで、私自身も正確なお答えができない点はお許しいただきたいと思いますが、弁理士につきましては、従来から審決等についてのいろんな権限を与えられておりましたし、またその資格等においてそういう関係での手当てができているというか体制ができておると、このように理解をしております。
○峰崎直樹君 体制ができているとおっしゃった。じゃ、税理士さんは体制ができていないんですか。
○副大臣(長勢甚遠君) 資格等々で、あるいは研修等、また従来の仕事の経過等の中で、訴訟手続の専門家としての内容が十分備わっているということは言えないというふうに理解をしております。
○峰崎直樹君 そうしたら、弁理士はどうしてできているんですか。何かあるんですか。弁理士さんだけ特別に研修を受けているとか、こういう勉強もしているとか、民事訴訟法とか刑事訴訟法とかそういうこともちゃんとやっているとか、そういうことがあるんですか。
○副大臣(長勢甚遠君) その資格試験等の内容についてもそういう分野が含まれておりますし、もともと審決手続等において訴訟資格というものを取ってきたというふうに承知をいたしております。
○峰崎直樹君 よくわからないので、そういう技術的なことというふうに、私は技術だと思わないんですよね。ずっと見ると、横並びになっていないのがふわっと目立つんですよ。 そうしたら、それはなぜそうなっているのかということの説明は、副大臣、ぜひこっちに来るときはやっておいてもらわないと困りますよ、それは。
○副大臣(長勢甚遠君) 弁理士について十分なことを御答弁できなかったことを申しわけなく思いますので、お許しいただきたいと思います。
○峰崎直樹君 ぜひお願いいたします。 もう一つ、同じようにちょっと法務副大臣にお願いしたいのですが、これはいわゆる法人格を今度取るわけですね、法人つくって。弁護士法人の場合は外部に対する民事責任が言ってみれば無限責任。ところが、指定をすればその弁護士個人だけにも適用できるというふうになっているんですね。ほかはそうなっていないんですよね。なぜ今度の税理士の方々にはそれが適用されないのか。これは割と丁寧に質問項目を出していたので、よろしく。
○副大臣(長勢甚遠君) 弁護士業務につきましては、取り扱う事件が大変多岐にわたる、その上また個々の弁護士の方々の専門的能力あるいは依頼者との個人的信頼関係等がありまして、特定の事件につきましてその処理を特定の弁護士に任せるということの方が妥当であるということがよくあるわけでございます。提出しております法案において、指定制度は、こういうことを制度的に可能にすることによって、依頼者の意思を尊重するとともに責任の所在を明確にするためのものでございます。 したがって、指定がされた事件につきましては、指定社員のみが業務執行権限及び代表権限を有するということにし、その反面で当該事件についての業務執行に全く関与する余地のなかった他の社員の方々には個人としての責任は負わせないということにしたわけでございます。そういうことで、弁護士法人の債務については、指定社員のみが無限連帯責任を負うということにしたものでございます。 ただ、税理士の方々について、それは違うじゃないかというのが御質問だと思いますけれども、先ほどもちょっと御答弁申し上げましたけれども、専門職法人のあり方につきましては、その各職種の性質あるいは業務執行の実情を踏まえてそれぞれに適した形がとられるべきものでございます。 税理士法人につきましては、業務の内容もある程度画一的でございますしというようなこと、そういう業務の性質や業務遂行の実態等から踏まえて弁護士の場合とは異なるということにしたものではないかと、このように考えておるところであります。
○峰崎直樹君 これから税理士さんも法人をつくられて、固定資産税に強い人、それから金融関係のあれに強い人、いろいろ出ると思うんです。また、そうでないとつくっていくときにメリットというか生きてこないわけですから。そうすると、今おっしゃっているように、弁護士さんはそれぞれ個々の案件ごとにという。じゃ、税理士さんも個々の案件ごとにというふうに当然これはなってくるんじゃないですか。 どうもお話を聞いていると、いや、弁護士さんは特別で、ほかのいわゆる士業はちょっとそれとは違うんだという、私にはどうもそれが納得できないので、これも、これ以上お話をしてもあれですから、もしまた機会ございましたら、ぜひ法務省としての御意見をいただきたいなと思いますが、何か御意見ございますか、それについて。
○副大臣(長勢甚遠君) 今、先生御指摘のようなことも将来議論になるかと思いますが、現実に税理士事務所さんの規模あるいはその業務の共同化なりそういう意味での実態というものが、今先生おっしゃったようなことまで法的に措置する必要があるかどうかということを、税理士を担当なさっておられる省庁も含めて将来的な問題として検討されることはあるかと思います。
○峰崎直樹君 ぜひ検討してください。 そして、そういう意味では、何が特権だとか何とか言いませんけれども、今法曹界の人口というのは足らないんですよ、私の見ている限り。例えば、さっきの不良債権の処理だって、競売だとかそういうことをそのシステムが充実していればもっともっと早く法的な処理ができるものが非常に滞ってしまうとか、いろんな問題が残っているので、今法曹界の改革も進んでいるようですから、ぜひその点は善処をお願いしたいというふうに思います。 そこで、総務省にもきょうおいでいただいて、先ほどの日出委員とどうも全部この中身がダブっちゃったんですけれども、税務行政監察結果に基づく勧告、これは先ほど三十五年ぶりだというふうな話を聞いたんですが、大体それぐらいのテンポで調査をされるものなんでしょうか。そういった点も含めて、何かこのいわゆる監察に対する御意見があれば、もし。
○副大臣(遠藤和良君) 確かに三十五年ぶりに大蔵省、特に国税庁に対する調査をいたしまして勧告したんですけれども、今回の趣旨は、我が国の税務行政というものは昭和二十二年でしたか、賦課課税制度から申告納税制度になっているわけですね。この申告納税制度というのは、委員御承知のとおり、納税者自身がみずから法令に基づきまして課税標準あるいは課税額を確定する制度なんですけれども、その法令の解釈、そういうものが統一的になされていないのではないか、その解釈をめぐっていろんな問題があるというところを、そういう視点に立って、国税庁に対して税務行政をもっと国民の目にわかりやすい、納税者の目にわかりやすいものにすべきだという視点から行政監察をさせていただきまして、十二年の十一月十日に勧告をしたわけでございます。 中身は御承知かと思いますけれども、若干述べさせていただきましょうか。
○峰崎直樹君 いや、よろしいです。
○副大臣(遠藤和良君) よろしいですか。はい。
○峰崎直樹君 いつも、昔の行政管理庁がよくいろんなところの監察を出しているんですけれども、国税庁に対して三十五年と申し上げたんですが、大体それは三十五年に一回ぐらい監察されるものなんですか。
○副大臣(遠藤和良君) 私、三十五年前から議会にいたわけじゃないものですからよくわからないんですけれども。 実際、総務省が順番にやっておるわけですが、昨年は、例えばこのほか防衛庁の各地方で調達をどのようにやっているとか、あるいはそれが随契になっている部分が多過ぎるんじゃないか、もっと競争入札をすべきではないのかというかなり思い切った勧告もしているわけですけれども、なかなか省庁がたくさんありますし、限定的にやるわけですから、三十五年ぐらいの間隔になると。今度は中央省庁も十二省庁に少なくなりましたから、もっと間隔が狭まってやれるんではないかなと。 今度は監察ばかりじゃなくて行政に対する政策評価もいたしますから、精力的な仕事をしていきたい、このように思っております。
○峰崎直樹君 このあたりで、やらぬよりはいいよなというふうに話しているんですが。 ぜひ、何といいましょうか、我々民主党はGAO、アメリカのゼネラル・アカウンティング・オフィスですか、それと同じものをやはり院につくらないと、どうも役所同士が監査するということについて欠陥があるんじゃないかと、こういうふうに思っているんです。 それにしても、指摘をされた何点か私も読ませていただきましたけれども、財務大臣、どうお感じでしょうか。ある意味では、この四月一日から国税庁の中に何官ですか、そういう苦情処理に対応されるというような話も聞いていますので、もしそのあたりわかれば教えていただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今、副大臣が言われました、国税庁ができましたのは昭和二十四年でございますから、もう随分長くなりました。 それで、先ほど日出委員も言っていらっしゃいましたが、やはり申告納税になったという大きな変化の中で、納税者がどれだけ税法あるいはその通達というものをのみ込んで正確に納税をしているかということは、だんだんだんだん年とともに通達は複雑になりますので、わかりにくくなっている。国税庁の方もできるだけそれを周知させるようにしているんですけれども、さらに細かくなりまして、納税者との間になかなかわかり合わない部分があるということを、こういう苦情の問題についてこの勧告は言っておられるわけであります。 それで、苦情処理をどうするかということで、ことし、先ほどお話しのことは、夏に各国税局、この七月から、これからでございますが、それから税務署に、納税者保護官と言っているそうですが、そういう者を配置することにしている。それは、いろいろ今まで苦情処理機構も裁判所まで設けてやっておりますけれども、なかなか納税者の側に立ってという、そこまでなかなかやりにくいんだと思いますけれども、しかしやはり申告納税というものは本来そういうことでございましょうから、そういうものもこの七月から設置をしたいというふうに考えておるわけであります。
○峰崎直樹君 よくグローバルスタンダードという話があるんですが、どうも日本のときには都合のいいところだけグローバルスタンダードになっているんですね。この種の国民、納税者の側に立った権利というのはどうも弱いんではないかと思えてならないんです。 アメリカでいいますと、IRSの中に一九七七年に苦情処理システムが入っているんですよ。そして、実は一九八八年ですか、包括納税者権利憲章、第一回目のあれが、オンブズマン局というものがIRSの中にできてくる。九六年にそれが改革をされる。またオンブズマンの権限強化をされる。それでもだめだったんですよ。要するに、IRSの中にIRSの職員のOBを入れて、そしてそこでオンブズマンを入れたりいろんなことをするけれども、実は国民の目から見たときに余りこれは効果が上がらなかった。そして、さっき言ったGAOが、IRSよ、ちょっとひどいぞということで、これを端緒にして、要するにIRS再構築のための国家委員会をつくって、最近ではIRS改革法が九八年五月に可決をして、オンブズマンがIRSのラインとは違うものでつくられている。 私はそれを見たときに、今回七月から発足をするというものも、ないよりはましだと思うんですよ。それと同時に私は、日本の国税庁というのは、IRSのように、聞いたら本当にひどい実態ですから、国税庁で働いている人たちあるいは国税庁というシステム全体はアメリカのあの当時のIRSよりは私はすぐれた組織だと思っている一人なんです。しかしそれにしても、つくられるのであれば、これは国税庁ではないところに苦情処理あるいはオンブズマン的なものをつくっていかないと本当の効果は上がらないんじゃないか。 そして、世界的に見ると、この種のいわゆる納税者の権利を高らかにうたった納税者権利憲章というのは、先進国の中でできていないのはどうも日本ぐらいじゃないかという意見もあり、国税通則法も改正してもらいたいという要望なども出てきております。 もう時間が参りましたので、最後に、そういう世界の流れに対して、日本の財務大臣として、日本の税務行政に対する国民の側に立った権利というものを確立する必要性というものをどのように考えておられるのかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) お互い権利のために闘うということについては余り我が国でははやらないことでありまして、どうもそこにいろんな問題がありそうに実際思います、私も。 我が国が、けさほどから改革とかいろんなことを言っていますけれども、そういう物の考え方の中にも、自分の権利のためには自分が闘うんだという、そういうことについて余り褒められないような評価がありまして、したがって今おっしゃったことなんかも、オンブズマンというものは全然別の人格でなければならぬのだと思いますが、せめて先ほど申しました納税者保護官、これは仮称だそうでございますけれども、そういうものをつくったら、その人の身分保障ぐらいちゃんとしてやらないと、どうも庁のために働かないで納税者のためにばかり働いたなんというと余り出世しないみたいな話ではいかぬわけでございますから、しかしそういうことは大事なことで、やっぱりそういうことも大事に考えなきゃいけないと思います。
○峰崎直樹君 ありがとうございました。
○浜田卓二郎君 質問通告はしておりませんけれども、今までの質疑を聞いておりまして、今金融担当大臣はお帰りになりましたけれども、財務大臣にちょっと緊急対策との関係で株式の買い取り機構について一言御意見を伺いたいんです。 この委員会で二度ほど同じような問題を私も取り上げてきましたけれども、銀行が簿価で四十兆になんなんとする株式を保有しておって、それが時価会計原則の導入に伴っていろいろ緊急に対応しなきゃいけない問題が生じている。その必要性は私も認めるわけでありまして、それをどういう形で、どういう方式でといいますか、吸収していくか、あるいは解決していくかという問題は、これはお互いに真剣に考えていかなければいけないと思っております。 〔委員長退席、理事勝木健司君着席〕 でも、その手法としてこの買い上げ機構というのが出てくるというのは、これは柳澤さんがそう言ったかあれですけれども、私の好みでもないわけでございまして、余りいい案ではないなと思うんですね。 そこで、先ほど来御答弁の中で、財政が関与することはあり得べしというお話が出ておりますけれども、それはあれでしょうか、例えば買い上げ機構の所要資金を政府保証でやるとか、あるいは公的な新しい資金の投入を考えるとか、そういうところまで含めた言い方なんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは三月の十五日だったかと思いますが、最初に三党の案が政府側に提示されましたときに、余り長い時間の議論はできなかったのですが、それについて読みながらお互いに意見を述べ合ったときに、中に何か買い取り機構というようなものをつくって、そして株を買い取る云々ということが、銀行とも書いてございましたが、何ともそこははっきりしない形で書いてありました。 それで、ほんの短時間でしたが、なかなか銀行がそういうところにいくのは問題があるな、そういうことをやるとすれば引き当てもしなきゃならないしというような話が柳澤大臣からちょっとありまして、私もそれを聞いていて、うん、そういう問題があるのならそれはある意味で財政が関与してもいいかもしれないなと。それは、実はどういう問題に発展するかということは全くお互いに知らないまま、第一回の案を見ましたときに、私は、実はこれはPKOみたいなことをやるはずはないので、恐らく銀行の持ち株を制限するという考え方が先にできて、そうしたら、その際その株はどうするんだ、どこかで預かるかという話になれば、そこらあたりは、もし金融機関の問題であれば財政なり税制が何かの形で、それが邪魔になって何にもできないというのなら、そこまでは申しませんよと。こういうことを一遍申しましたきりきのうまで参りまして、まだどういうものをつくって、どういう関与をするかというのが明日になりませんと最終確定いたさないことと、そのタイミングはいつになるというようなこともまだ実は決まり切っておりません。 〔理事勝木健司君退席、委員長着席〕 先ほどからお聞きのように、柳澤大臣のお立場は、銀行にどれだけ以上株を持つなといったようなことを突然、銀行行政として、卒爾として言って、きのう言ってあした決めたというようなわけにはまいらないではないかという御主張もあったりして、基本的に反対ではないんだが、しかしまさか、きのうできょうということはないではないかというようなこともありまして、全体の問題が明日まで何とか決めなきゃならないという状況でただいまあるわけでございます。
○浜田卓二郎君 そういう限定した財政の関与ということであればまた聞き方は違いますけれども、私は前にも申し上げましたけれども、それじゃ、その買い取り機構の所要資金をどうするのか。これはもう民間の、つまり銀行を中心にした拠出に頼るということであれば、その資金規模はたかが知れたものにならざるを得ないだろうという気がいたします。 ですから、本当に買い取り機構を実効性あるものとしてつくるとすれば、やはり公的資金が必要であろう。しかし、仮に公的資金を入れるとすれば、一体それは何だという話になるわけでありまして、ただでさえ日本の金融マーケットは、郵便貯金がまことにえたいの知れない自主運用資金という形で将来は二百五十兆もうろうろする金融マーケットになるだろうと。しかも、こういう何かあれば塩漬け機関みたいな公的資金の買い取り機構みたいなものが出てくる。これは、私は、株価を含めた正常な価格形成の行われにくい日本のマーケットであるという理解につながっていく、そういうことだというふうに懸念をいたしております。 ですから、今回の不良債権処理に対する政府の毅然たる対応への期待といいますか、あるいはまた、けさほど議論がありましたけれども、日銀による思い切った金融政策への踏み込み、最近の株式動向を見ておりますと、それが私はやはり基本的に反発をする材料になっているんじゃないか。幸いなことに、きょうの株価はまだ見ておりませんけれども、ニューヨークの動きからも、大分日本独自の動きに移りつつあるようですから、私はぜひ正攻法でいってもらいたい。 ですから、柳澤さんが今いないから言うわけじゃありませんけれども、新聞紙上で見る限り、一生懸命正論を言おうとしているというふうに私ども感じて、実はこの財金の今までの議論もむだではなかったかなとひそかに思っているわけでありますので、ひとつ財務大臣、大所高所から、あすどういうことをお決めになるのか知りませんけれども、場当たりで決めないでいただきたい。そして、日本というのは今いささか苦しい状況にあるけれども、きちんと正攻法で、かつ政治が本来の役割を果たしていけばきちんとやっていけると、もうグリーンスパンさんに余計な心配しないで結構ですと言える気概といいますか、それをぜひ示していただきたい、そういうことを希望として申し上げます。 税理士法の問題に移ります。 私は、今回の改正は全体として評価させていただいております。先ほど、日出委員、峰崎委員の議論にも出てまいりましたけれども、税理士の専門性というものをより重視する方向に行きつつある、それに向けての前進だなという評価もさせていただいておりますし、それに税理士法人についても私はいいことだなと思います。 かつて私も税務行政を担当した短い期間がありましたけれども、やはり所得税、法人税、それから間接税、それぞれ得手不得手というのは専門家の中にもあるわけですから、それと同時に、今、ちまたでいろいろな方々の納税の苦しみというのを見せていただいていて、いい税理士さんについた人はやっぱり得をしていますよね。いい税理士さんにどうやってめぐり会うかというのは、納税者にとっては大きな課題だというふうに私は思っております。ですから、法人ができる、そしていろいろな専門の税理士さんがそこでそれぞれの専門性を生かしながら協力をしてやっておられる、そういう姿というのは、私は納税者にとってもいい姿であるだろうと思っております。 最近は公認会計士事務所もほとんど大型化してきておりますし、弁護士事務所も、この間、私の友人のやっている弁護士事務所をたまたま訪ねてみましたら、七、八十人でやっているんですね。七、八十人でやっていても、大きな訴訟事件になるとまだ外国の弁護士事務所にはかないませんと。より多くの専門家を、それぞれの分野を得意とする専門家を、言葉はよくないかもしれませんけれども、品ぞろえをして全面戦争で立ち向かう、そういう専門性の時代に入っているんだろうと思いますから、私はこの法人化というのも前向きに評価をさせていただいております。 そういうことを基本的に申し上げた上で、きょうは一点だけ伺いたいんですが、先ほど峰崎さんでしたか、弁理士さんとの関係を取り上げておられました。私は、いわゆる士業と言われる中で、税理士、弁護士、それから公認会計士、この三者の業務の位置づけというのが必ずしもすっきりしていないなという気がするんです。その点だけを確認的に質問させていただきたいと思います。 最初に、今回の改正で、いわゆる許可公認会計士制度というのがなくなるということであります。実は、五十五年改正でこの許可公認会計士制度は導入をされた。それ以前は通知公認会計士制度であって、通知をすれば無制限に税理士業務ができたということでありますが、それが国税局長の許可に移り、かつその場合の許可公認会計士さんも関与件数が法人だと十件が限度だよというふうに限定をされた。それから二十年経過しておって、その制度にどういう不都合があったのか、あるいはなかったのか。それが今回廃止になるということでありますが、この通知から許可へ、許可から今回それをなくすという、その改正の経過と理由を、私の質問の持ち時間はごくわずかですから、簡単で結構ですけれども、御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(若林正俊君) 浜田委員、十分御承知のことでございますが、五十五年改正前はおっしゃいますように税理士会に入会しなくても国税局長に通知することによって税理士業務ができる、いわゆる通知公認会計士制度でありました。 五十五年改正というのは、税理士会が税理士業務の運営改善を図るために、税理士に対する指導、監督という税理士会の公的な性格というものを制度上もはっきりさせて、そういう組織であるがゆえに、税理士登録を受けて税理士としての資格で税理士業務を行っている者はすべて税理士会に入会するのが適当だという原則をそこで立てて、税理士会への登録がすなわちこの入会制度、登録即入会制度というのを導入したわけでありまして、そういう趣旨から通知公認会計士制度を廃止して、公認会計士も税理士会に入っていただくということを原則にしたわけでございます。 しかし、今までの経過がございまして、この通知公認会計士制度を廃止するに当たりまして、移行に伴う経過措置ということで、法律上も当分の間という限定のもとで、国税局長の許可を受けて一定の規模の範囲内で公認会計士が税理士業務をできるというふうに定める、いわば小規模の、法人であれば十社以内、個人であれば二十人以内といったような小規模のものについて経過的に当分の間これを認めていこうと、こういう趣旨で設けられたものであります。
○浜田卓二郎君 いやいや、経過は私もわかっているわけでありまして、そういう経過をたどる理由をお聞かせいただきたいと申し上げたんですよ。つまり、当分の間というのは、有名な地方自治法附則というのがありまして、当分の間で戦後ずっとそのまま来ているという制度は役所の世界では決して珍しくないわけですから、当分の間という言葉があったからというのは私は説明になっていないと思うんですよね。 つまり、通知あるいは許可、許可の場合には特にそれを十件に限定された。許可公認会計士制度を利用されているのは二千人弱というふうに聞いておりますけれども、公認会計士の本来業務の延長で税務業務を営むというのは、これは大いにあり得ることだろうと思うわけですから、その許可公認会計士制度が税理士さんの業務を大いに阻害しているというような実態であったのかどうか。あるいは、そういう理由じゃないとすれば、公認会計士さんは公認会計士協会にも所属をしておられる、独自の研修制度とかいろいろやっておられると思いますけれども、税理士会に加入しなければ税理士業務ができないということを言う積極的な理由というのをひとつ説明してくださいと、そういう経過をたどったのはそこにあるんだろうと思いますから、それを伺いたいわけであります。
○政府参考人(大武健一郎君) 税理士会といいますか、税理士会のお話を今副大臣が申しましたとおり、実は税理士法の一条によりまして、税理士は独立した公正な立場で納税の義務の適正な実現を図るという極めて公共的な使命を負うことにされておりまして、それともつながって法の第二条第一項で、税理士業務、申告ですとか税務相談はまさに税理士さんの無償独占規定がかかっております。有償ではありません、無償でも税理士しかできないということになっているわけです。 このために、税理士会は、自治的団体といたしまして、会員である税理士の義務の遵守あるいは税理士業務の改善進歩に資するため、会員である税理士に対する指導、連絡、監督に関する事務を行うというふうに法の四十九条第六項で規定されております。 具体的には、会則等に基づきまして、会員である税理士を対象とした、今まさに先生も言われた研修ですとか、それに加えて実は無償税務相談等の税務援助事業の企画、実施も行っているわけでございます。したがいまして、今申し上げた税理士の公共的使命にかんがみますと、やはり税務を担当する者は税理士会に登録し、あわせて入会することによって研修を受講し、かつまた無償独占からした税務援助業務、これはただで税務相談に応じるというようなことをやる必要があるということなんだろうと思います。 そこで、税理士制度においては、税理士となる資格を有する者が税理士業務を行うに当たって税理士登録を受けたときは税理士会に入会する、これを我々では登録即入会と言っておりますが、それがやはり大原則だということなんだろうと思います。そういう意味では、税務に携わる者というのは基本的には税理士会に入会していただきたいというのが一つの我々がこの公共的使命からして大きな目標としてきたところだということかと存じます。
○浜田卓二郎君 税務相談というのがありますよね。私は大変な勤労奉仕だと思っていますよ。だけれども、税務相談というのを税理士さんに無償でやらせるというそのやり方の方が私はむしろ問題であって、一番税理士さんの忙しい時期に何で無償で駆り出して税務相談をやるのか。 私は昔、税務署長をやりましたから、税理士さんの大変な御苦労を知っています。私は、地元で無料相談をやっていらっしゃるときに御苦労さまですねと言って時々激励に行くんですけれども、それをやっているから云々という話はこれはまた逆であって、私は、そんな無償奉仕などをこれだけ専門性の高い、かつ忙しい時期の税理士さんにやらせる体制の方がむしろ問題だ。その問題については私はそう思いますよ。それはいいです。 それで、ちょっと角度を変えましょう。じゃ、弁護士さんはどうなっているんですか。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 今最初に言われたことと、後の弁護士さんの話ともつながるのでちょっと触れさせていただきたいんですが、やはり弁護士さんは、例えば法律相談というのは無償ならだれでもできる。大学の学生が法律相談所でやっていることを見ても明らかかと存じます。ところが、商学部の学生は無料税務相談というのはできない。言いかえれば、無償でこの税務業務というのは税理士さんに専業とされているわけでございます。したがって、どんな僻地でも過疎でも、税務相談をした人がいれば、実は税務署ではないので、税理士さんなんでございます。税務相談を受けるのは、税務署で受けるのは一般的な行政相談であって、個別のいわゆる申告書をつくるのはあくまでも本人か税理士さんのお仕事というのがこの税理士法の建前になっております。 したがいまして、我々が税務署で今言われた税務申告書を確定申告のときに作業しておりますのも、最近は自書記載と申しまして御自身で書いていただく、書けない場合は税理士さんにお願いしてくださいと、こういう方向でやる一方、タッチパネルですとか機械を使って自分で申告できるような方向へと向かっていると、こういうことからも実ははっきりしているんだろうと思います。 その中で、今先生が言われた、まさに弁護士さんはどうしてだというと、実はここにはやはり経緯があると思っています。先生はもう十分御存じでありますとおり、弁護士法の第三条二項で「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。」と規定されておりまして、これは基本的には、実は税法という法律を扱う税理士業務と弁護士の職務である法律事務というのは極めて包含しているといういわゆる考え方に立つということだと聞いております。これは当時の法務委員会でもそのように確認をされた。 その結果として、これは我々執行機関としての立場でお話しさせていただきますと、そういう法律の実態に基づいておりますものですから、弁護士につきましては、まさに今申し上げた税理士業務を行うことのできる者を登録を行った税理士に限定するという、税理士法とのいわば例外として通知弁護士制度が認められてきたと、こういう経緯かと存じます。
○浜田卓二郎君 弁護士法に書いてあるからというのは、ここは国会ですから、だから立法政策の問題として議論すれば、弁護士法の規定が適当かどうかという議論になるわけですよね。公認会計士法に書いていない、それじゃ公認会計士法を変えればいいわけであって、税理士法に書いていないんであれば税理士法をきちんと書き直せばいいわけであって、大武さん、それはちょっと議論のレベルが違うと思うんですよ。 私が言いたいのは、じゃ弁護士さんはどうして税理士会に入らないで弁護士業務がやれるんですかということを聞きたいわけですよ。法律に書いてあるからという理由で、じゃ、なぜ法律はそう書いて片方はそう書かないか、それを含めてちょっと説明してください。
○政府参考人(大武健一郎君) 強いて申し上げますと、税理士の業務と公認会計士さん、弁護士の業務とでどういう相関性がそれぞれあるかということになるかと思います。 実は、税理士法におきまして、税理士が無償独占する業務は税務代理、税務書類の作成、税務相談でございまして、いわゆる一般的な会計処理は税理士さんの独占業務ではありません。これは付随業務といって、二条二項でだれでもできる業務でございます。したがいまして、今でも電算センターとか会計処理センターというのが既に株式会社であったりしてやっておられるわけでございます。 そういう意味で、実は税理士さんのお仕事のかなり独占性は、税法というものの運用と解釈、それが実は税理士さんの極めて大きな独占の根拠にどうもあるということなのかと存じます。 したがって、弁護士さんの立場から言わせれば、それは実態として弁護士さんがすべての法律を御存じかどうかという問題はもちろん私個人としては思いますけれども、しかし、あくまでも弁護士さんというのは一般的な法律事務を行うという規定になっている。したがって、その中に税法も包摂されているから、言ってみれば弁護士さんは自分らの仕事の一環であると、こういう御決意だったんだろうと思います。ちなみに、昭和二十六年における税理士法が設置されたときにいわばこの規定が入れられたということでもあるわけでございます。
○浜田卓二郎君 ちょっと全然わからないんですよ。 私は、司法試験を受けたんです。だから、司法試験の記憶はあるんですけれども、私は税理士をやる自信なんて全くないですよ。司法研修所に行っていないから司法研修所で何を勉強させるかわかりませんけれども、でも、多分それは法律が中心でしょう。その中にもちろん概念的には税法も当然入っている。だからといって、所得税法、国税通則法、法人税法、徴収法、何法か全部わからないけれども、それを全部尽くしているとは私は思いません。 公認会計士は、この試験の中にも税に関する項目は当然あるわけでありますし、大体、弁護士の仕事なんというのは一番多いのは離婚とか借金の取り立てじゃないですか。そればかりだとは言いませんけれども。 私は、立法政策を言っているんですよ。今どうしろというよりも、これからのあり方として、経過からいえば、弁護士が一番最初にあったんでしょう。それから税理士制度が導入された。そして公認会計士制度が導入された。この整理ができていないということを言いたいんですよ、私は。 じゃ、ちょっと大武さん、角度を変えて、あなたでいいから、諸外国はどうなっているんですか、今申し上げた三者の制度は。
○政府参考人(大武健一郎君) これは、諸外国といいましても実はかなり国によって違っておりまして、典型的に申しますと、日本のような税理士が専業規定があるのは、ドイツと韓国と日本しか実はございません。むしろ、アメリカですとかイギリスというのは、税務申告あるいは税務相談などはだれでもできる業務に実はなっているという実態があります。 もちろん、アメリカには、EAと言いまして、エンロールドエージェントですか、要するに税務代理的な役割がアメリカにもありますけれども、これは実は資格を持っていても、逆に言えば日本におけるような独占規定じゃないものですから、言ってみれば余り資格としては評価されていない資格というふうに聞いております。 そういう中で、先生の御指摘で言うならドイツ、韓国だと思いますが、確かにこれは先生が言われるとおり、ドイツと韓国に関しては弁護士、公認会計士等一定の資格を有する者に業務遂行を、税理士の独占業務ではありますけれども、それを認めている国というのがあるわけでございます。 ただ、いずれにしても、税務業務とその担い手を制度上どう位置づけるかというのは、やはり各国の税制、資格制度を含めた歴史的経緯によって区々であるだろうと思います。特に、日本の場合には、御存じのとおり申告納税制度のもとにあって、いわゆる挙証責任が課税当局にあるという実態というのもほかの国とはかなり違っている。そういうことを全体あわせて考えなければならないのではないだろうかというふうに思っているところでございます。
○浜田卓二郎君 歴史の沿革が違うからというのもまた説明にならない。アメリカは例えば会計士制度一本でしょう。そうでしょう。だから、税理士法というか、税理士の業務体系というのは別に独立してはいないんでしょう。
○政府参考人(大武健一郎君) 先ほど申しましたように、EAという職業があることはございます。それはいわゆる公認会計士さんのような、今言われたようなきちっとした権限ではないんですけれども、資格としてあることはありまして、EAと申します。正式に申しますと、納税者の代理として内国歳入庁に対し業務、これは調査、立ち会い等を行える者というようなことで、内国歳入庁に正式な委任状を提出した者と、こういうことになっているので、その中に例えば今申しましたような職種の方がいらっしゃるというふうに聞いております。
○浜田卓二郎君 今あなたの御答弁にはなかったけれども、例えばドイツの制度は公認会計士、名前はちょっと私もよくわからないけれども、それから税理士、それぞれ根拠法もあるわけですよね。そして、重なり合いながらやっている。そして、公認会計士さんというのは当然税務もやれる。登録とかそういう手続は不要だと。それはまあいろんな事情があってその国はそうなったんでしょう。 日本も、公認会計士制度を入れた初期の段階では、通知だけでやれるようにしようじゃないか、そういう判断があった。だから、最初の質問に返るわけですね。それが今度はやっぱり登録で限定する必要があった。そして、今度は全部が税理士会というところに入らなければやれなくなった。そういう方向をたどっているわけです。 他方で、弁護士さんというのは、さっきお話ししたように、もう税務なんて知らない人はいっぱいいますよ。僕の仲間だって税務なんて全然知らないのがいっぱいいる。だから裁判のときに専門家に立ち会ってもらう。これは僕は当然のことだと思いますよ。だから、それはもう前進ですよね。だけれども、弁護士さんには、税理士会に入らなくていいよ、税務は通知だけしておけば幾らでもやれるよと。だから、私はこう思うんですよ。それぞれみんな誇りがあるんです、士なんだから誇りがあるんですよ。だから、それぞれ誇りのある業務をどういう関係で、どういう関連でやっていただくかという制度の整備というのは私は必要だと思うんですね。 だから、弁護士さんについても、極論すれば、税理士会に入らなかったら税務業務というのはできないという性質のもので本来あるのならば、当然入ってもらえばいいじゃないですか。入らなくてできるというんだったら、じゃ、なぜ公認会計士だけ入れるという議論になるのか。公認会計士にしてみたら、じゃ弁護士はどうなんだと。同じ専門家で、誇り高い職業の人たちがそれぞれ比較して考えざるを得ないというのは、これは余り居心地がよくないんです。居心地のよくない制度をつくっているというのは、やっぱり国の法体系が悪いんですよ。だから、弁護士法と税理士法と公認会計士法を、本来お互いにどういう業務のかかわり合いの仕方、あるいは重なり合いの仕方をしたらいいかという原点に戻って整理し直せば、私はみんなが腹にすとんと落ちると思うんですよ。 今回、この法案をつくるために大変な御苦労をされたという、私は関係者に敬意を表します。だからこの法案に私は反対するつもりはない。だけれども、もっと根本でみんな腹にすとんと落ちていないところがあるんですよ。だから、いや、法律にこう書いてあるんです、変えりゃいい、そういう答えなら変えりゃいいという話、それをしっかり議論しましょうと。 そういうことを申し上げて、答弁したかったら答弁してもいい。私の質問はこれで終わります。
○政府参考人(大武健一郎君) 恐縮でございます。 要求官庁として、税理士会のいわば監督をやっている関係で申しますと、要求官庁の立場としては、今の先生のお話でいうなら、最初に申し上げた登録即入会というのが、本来無償独占という大きな役割を担っている税理士さんが税理士会に全部入っていただくのが我々監督官庁としては希望でございます。 ただ、これはあくまでも立法論であり、多くの関係者がいるところでございますから、それはまた御議論いただくべきことかと存じております。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 今回の税理士法改正は、日税連、税理士会の皆さんの長年の要望が取り入れられたものということでお伺いいたしました。我が党としては、現行の税理士法そのものに幾つかの根本的な問題があるというふうに考えているところでありますけれども、本改正案には幾つかの改善事項が含まれているのも事実だというふうに考えています。その点で、ちょっと疑問が残っているところをお尋ねしたい、並びに要望を述べたいというふうに思います。 まず、税理士会の自主性の確立の問題なんですが、最初に、税理士の基本的立場、税理士法第一章の第一条の、前後を読みませんが、要するに「独立した公正な立場」ということについて簡潔に解説をお願いしたいと思います。
○政府参考人(尾原榮夫君) 独立した立場についてのお尋ねがございました。 第一条に書いてございますが、この「独立した公正な立場」といいますのは、委嘱者たる納税者の援助に当たりまして、納税義務者あるいは税務当局のいずれにも偏らない独立した公正な立場で、税務に関する専門家としての良識に基づいて行動しなければならないということが明らかにされているものと考えております。 これは、税理士制度が法令で定められました納税義務の適正な実現に資するということをその使命として定めまして、それで職業上の特権が与えられているわけでございまして、税理士の地位といいますのは、単に私的な代理人ということではなく、より高度な公共的なものとして位置づけていることのあらわれということかと思います。
○大門実紀史君 ありがとうございました。 日税連の要望書の中には、今のことともかかわるんですが、「税理士会の自主性の確立」という項目の中に、四十九条の十六に当たりますが、財務大臣による日税連あるいは税理士会の総会決議の取り消しと役員の解任の規定を両方とも廃止してもらいたいという要望がありましたけれども、今回はその役員の解任の廃止だけになっております。その総会決議の取り消しは依然残っているわけですが、これはなぜでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 ただいま先生からお話がありましたとおり、昨年九月、日本税理士会連合会から提出された要望書の中には二つの事項がございまして、総会決議の取り消しと役員の解任規定の廃止というのがありました。 我々も国税庁として日税連と御相談させていただきましたが、我々、日税連等の創設以来ちょうど五十年余の歴史から見ましても、極力自主的な運営をやる、そういう実力も能力もありますし、現在の行政庁と日税連の信頼関係を考えますと、さらには今後の相互信頼の一層の確立という観点からも、できるだけのいわば自主性というのは進めていきたいというふうに思ったわけでございます。特に、人事権まで行政が介入する必要性は必ずしもないのではないかということから、大臣による役員の解任規定は削除させていただくということにさせていただきました。 ただ、もう先生よくおわかりのとおり、先ほど来の御質問の中にもあったとおり、税理士法一条というのは、独立した公正な立場で納税者の納税義務の適正な実現を図るという極めて公共性の高い使命を持った職業でございまして、そういう意味では、日税連等の高い公共性というもののいわば担保といいますか適正な運営確保ということをやはり行政庁として国民に対する責任という観点からどうしても維持しなければならない、そういう意味では総会決議の取り消し権の廃止までは適切ではないというふうに考えたところでございます。 いずれにしても、他の士業、公認会計士法とか先ほど来出ております弁理士法等他の士業の法律では、行政庁の権限として、総会決議の取り消しと役員の解任と両方実は権限として持っているわけで、ある意味でいいますと、この人事権への介入といいますか削除というのは、我々としてはかなりその自主性を認めようとして進めたところであるということは御理解いただきたいと存じます。
○大門実紀史君 質問したことに簡潔にお答えいただきたいと思います。 そうしますと、総会の決議の取り消しというのは、具体的にどんな決議を税理士会なり日税連がしたことを想定されているんですか、公益性に反すると言いますけれども。簡潔にお願いします。
○政府参考人(大武健一郎君) 具体的にかつて決議の取り消しというのを行ったことなどございません。したがいまして、現在の信頼関係からそのようなことはやはり想定しにくい日税連はしっかりした団体だと私どもは思っておりますが、しかし最終的には、国民に対する責任という意味で留保しなければならないということで規定は残させていただいている、こういうことでございます。
○大門実紀史君 よくわからないんですけれども、要するに、信頼している、もう信頼関係もできているし、しっかりした団体だと、それでも何か伝家の宝刀を残しておくみたいに、いざというときの監督権限に非常に何かこだわっておられるような気がするんですけれども、やはり税理士会なり日税連なりの自治組織といいますか自治的な機能を、もうこれだけしっかりした団体になられているわけですから、その中でいろいろな問題も解決してもらうといいますか、中の良識で解決することが十分可能だと思いますので、ぜひこの規定の廃止、決議の取り消しの部分の廃止も求めたいというふうに思います。 次に、書面添付制度に関連して質問いたしますが、今回の改正案では、税務署が調査の通知をする場合、計算事項等を記載した書面が添付されている場合は、調査の通知をする前に税理士さんに対して書面に関する意見を述べる機会を与えなければならないということですよね。つまり、調査に入る前に書面をつけた税理士さんの意見を聞くということが改正点だと思いますね。これそのものは、税理士さんの地位の向上といいますか、意見を尊重するという意味では必要な措置ではあるというふうに考えるわけですが、ところでといいますか、その前提として現行の書面添付制度が実際のところどれぐらい普及しているのか、調べておられましたら教えてもらいたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) 現在、いわゆるきちっとした統計がとれておりませんので明確な数字はわからないのでございますが、過去のデータによりますと、残念ながら現在でも計算事項等を記載した書面添付はごく少数にとどまっているんじゃないか。例えば平成四年度の数値で申しますと、全体で〇・六%程度しかまだ普及していない、こういう事態でございます。
○大門実紀史君 その普及していない原因は国税庁としてどういうふうにとらえられておりますか。
○政府参考人(大武健一郎君) やはり書面添付が現状で活用されないのには幾つかの理由が複合的にあるんだと存じますが、やはり税理士の側にとって、書面添付の有無によって結果として、いわばある顧客は書面添付をします、他の顧客は添付しないという意味で顧客を選別することになるので、納税者との信頼関係を損なうんじゃないかという御懸念があるというのが一点。 それから二点目が、やはり調査実務において、書面添付の有無にかかわらず税理士から今までは事前の意見聴取が行われていたわけでございまして、多くは税理士関与の法人を調査する場合には税理士さんからも聴取を受けているわけですから、更正前の意見聴取制度という現行制度では大して大きなメリットではないと思っておられたんじゃないか。このあたりは実は今回の改正の一番大きな理由になっているわけです。 さらに三点目が、虚偽の記載があった場合には懲戒処分の対象になるというようなデメリットもあった、こういうことが要因になっていたのではないのかなと思うわけでございます。
○大門実紀史君 要するに、現行の書面添付制度というのは納税者にとっても税理士さんにとっても余り双方メリットがない、つけてもつけなくても余りメリットがないので普及しなかったということだと思いますが、そうしますと、今回、調査の通知前に税理士さんの意見を聞くという改正をされたわけですが、これによって何かメリットといいますか、書面添付制度がこれによって普及するといいますか、どれぐらい普及するかは別に、何かインセンティブになるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) 今までは、先ほどもちょっとお話しいたしましたとおり、調査前には税理士さんの意見を聞くという制度がありませんで、更正する前に意見を聞くだけですから、それは書面添付されていない調査法人にも同じようなことはやっていたわけでございます。ところが、今回は、その書面添付されている法人に対しては調査する前に事前に、税理士さんの側に、ここはどういう問題点でこういうんだけれども、あなたはどういうふうにごらんになっていますかというようなことを事前にいわば確認する、聞くという制度が設けられるわけです。そういう意味では、税理士さんのいわば地位の向上ということに非常に役立つと思いますし、その意味では普及するんではないか。 しかし、さらにあわせて、今回の改正の法律案には出ていないんですが、添付する書面についても全面的に見直しを図りたいと思っております。今まではイエス・オア・ノーで全部ここは書面添付して、全部オーケーです、そうでないところはつけられませんとあったわけですが、むしろ中間的に、この部分は私は確認できます、この部分はできていませんというようないわば段階的な扱いもできるような、そうした書面にしていきたいと思っておりまして、現在検討しているところでございます。
○大門実紀史君 余りそれで進むとは思えないんですけれども、税理士さんが意見を聞いてくれるということで地位が向上すると、地位が向上するのかわかりませんが、意見が尊重される、あるいは書面の中身を改善するから進むというのと、先ほど大武さんが言われた、今進まない、進んでいない三つの理由の何が改善されるのか、私、全然わからないんですけれども。 例えば、具体的に聞きますけれども、調査の通知前に税理士さんの意見を聞く、税務署が税理士さんに連絡をして、おたくが出した書面について意見を聞く、疑問があったりなかったりいろいろでしょうけれども、疑問がある点について聞いて、解決する場合としない場合がありますよね、実際に調査に入らないとわからないと。例えば疑問が解決しない場合、疑義が生じたといいますか、その場合はその後どうなるんですか。
○政府参考人(大武健一郎君) 基本的には、その税理士さん自体がその疑義の解決のために一義的には法人と接触していただくことになるんだろうと存じますが、それでも解決しないときは、それはやはり調査せざるを得ないということにはなると思います。
○大門実紀史君 そうしますと、事前に税理士さんに聞いて疑義が解決した場合、疑問点がなくなった場合、どうなりますか。
○政府参考人(大武健一郎君) お答えさせていただきます。 その場合は、それで調査は終わりということでございます。
○大門実紀史君 調査省略になるということですか、その時点で。そうすると、私、これは随分重大な問題を含んでいるんではないかというような気がするんです。 書面添付制度そのものに我が党は二十年前のときに反対をしているわけなんですが、そのときのことをまた言わなきゃいけないといいますか、一つは、税理士さんが、これは論理的に言って税務署がやるべき調査のかわりに事前に監査みたいなことをやって書面をつける、それを税務署としては確認さえすれば、疑義が生じなければ調査に入らないということになりますと、これは一つは、本来税務署がやるべきことを税理士さんを使ってといいますか、補助機関といいますか下請機関といいますか、やらせることになりはしませんか。
○政府参考人(大武健一郎君) やはり税理士さんの仕事というのは、独立した公正な立場で納税者の納税の義務を、事務を援助することでございますから、その一環としておやりになったことを税務署として認められればそれで終わるというのは当然だろうと存じますが。
○大門実紀史君 そうすると、いろいろな話をしなきゃいけないんですけれども、大武さんはTKCの書面添付の講演をされている中で、とにかく今、税務署員というのはこれからふやすことはできない、なおかつ申告者数はふえていく、こういう中で、書面添付の会議の中で税理士さんの皆さんの協力を得たい、それはやっぱり決定的な書面添付制度だということを堂々とおっしゃっていますけれども、そのかかわりでいきますと、税務署としてはもう人手が足りなくてこれから重点的な調査しかできないと。ぜひ税理士さんの皆さんに協力してもらって、書面添付ということで自分たちのクライアントを監査して、保証書といいますか、書面をつけてほしいと。それはもう簡単に聞いて疑義がなければ調査は省略しますからというふうなことになると、私は税務署の仕事は何だろうということと、最初に確認しましたけれども、税理士さんは課税官庁からも独立してとなりますが、実際問題として、肩がわりの仕事をさせられるということにはなりませんか。
○政府参考人(大武健一郎君) それはそうは思いません。 明らかに自分がこの数字で正しいと思って書面を添付されたいわば意見が課税庁と違うということもあり得るわけでございまして、その場合には、当然のことながらその課税の処理、いわゆる税務申告の処理について意見をやりとりするということは大いにあり得ることだと存じております。
○大門実紀史君 私が申し上げているのは、意見を聞いて調査に入るんだったらよくわかるんです、事前に聞いてね。いずれにしても調査に入るというんだったらわかるんですが、そこで調査は省略するとおっしゃいましたから、これは全然話が違うんじゃないかと。事前に意見を聞いて、それを参考にして調査に入るんだということならわかるんですよ。 ところが、そこで調査は省略するんだ、疑義がなければというと、今までと全然話が違って、法律的に厳密に言いますと、調査省略となった納税者がつくった申告書というのは、調査省略になったと、この人はなったと。本来税務署がそこに行って確認をするかあるいは修正申告を書いてもらうか。これは法的に言えば、論理的に言えば同一のものであるから調査を省略するということになるわけですよ。そういうことでしょう。ですから、代行したことになるわけですよ。税理士さんが税務署がやるべきことの省略ということになりますとね。それは、課税処分権を持っている税務署が調査をそこで省略となったら、申告書を認めたということになりますから、その作業を税理士さんにやってもらうということだから、当然代行じゃないですか。下請、代行、補助機関ということになるじゃないですか。 もうちょっと明確に答えてください、明確に。
○政府参考人(大武健一郎君) 誤解があったら恐縮に存じます。 今申しました調査省略というのは、あくまでも調査をしてそこで終えるというだけであって、しなかったというわけじゃありません。あくまでも我々調査する場合には、御存じのとおり、いろんな情報ですとか資料を持った上で調査するケースの方が多いわけでございます。それを突合したときに、それがおかしくないという確認ができたら、実は税理士さんというのは税務申告書の代理ができるわけですから、その代理人との間でその説明ができればその調査が終わった、こういうことになるということでございます。
○委員長(伊藤基隆君) ちょっとお待ちください。 大武国税庁次長に申し上げますが、先ほどの浜田委員の質問に対する答弁でも私は聞いていて感じるんですが、事の本質について問うているのに、決定されている手続または法律によって本質が成り立っているような答弁が数多くあります。私は、それは質問者の質問の真意をとらえていないんじゃないかと。もう少しそういうことをきちんととらえた上で、現状の中においてできないならできないで答えればいいんじゃないかと。意見を申し上げるのは不適当ではありますけれども、そういう印象を持ちますので、よろしくお願いします。
○大門実紀史君 委員長、ありがとうございました。 ですから、もう少し簡潔に質問に沿って答えていただきたいと思います。 私は、調査を省略にしろそこで終了にしろ、その納税者本人の、入ってから税理士さんと相談してもうここでやめましょうならわかるんですよ。通知前に、本人とは別のところで、税理士さんとのやりとりの中で終了でも省略でもいいんですけれども、やるということは、これは本来租税法律関係でいくと課税官庁と納税者なんですよね。その間のことをこの添付制度、一つの制度の中で、税理士さんに意見を聞くということだけのために課税処分権を、税理士さんが間に入る、入って、場合によっては、その意見によってはそこでストップするとなると、そういう権限を税理士さんは逆に持っていいのかということにもなりますし、これは法的に言ったってちょっとおかしいと私は思っております、大変疑義があると。 要するに、参考にして、それでもやる、やらないというのは税務署として判断しますよとはっきり答えられた方がまだ私はよくわかるんだけれども、税理士さんの意見によっては疑義がないとそれで調査は終了します、省略しますということになると、これは僕は租税法律関係からいっても、課税処分権がどこにあるのか、何によってそれが途中でストップしなきゃいけないかというところからしても非常に問題があるというふうに思います。 もう一つは、そういうことになりますと、納税者の間にも不平等といいますか不公平が私は生まれると思うんです。なぜかといいますと、例えば中小零細でこの不況の中、税理士さんに頼めないとかあるいは決算のときだけ面倒を見てもらうとかいろんなケースがあって、毎月税理士さんに頼めないと。だけれども、本人はまじめにきちっと申告している人だっているわけですよ。そういう方と、税理士さんの中のさらに選別されたクライアントの一人で、まじめにやられた方だから書面添付されたんでしょうけれども、その方を比べますと、税理士さんに頼んで書面添付してもらってお金を払ってしてもらったこの方は途中で調査の省略をされる、終了される例があると。ところが、まじめに申告していても、税理士さんに書類添付してもらわなかったことだけで調査に来られるということが生まれませんか。これはおかしいんじゃないですか、納税者の公平性からいっても。そういう調査省略なんということを初めて言われたから言っているんです。
○政府参考人(大武健一郎君) 今回の改正は、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とします税理士に対して、その税務の専門家としての立場で作成した書面の記載事項について意見を聴取するというものでございまして、したがって、御指摘のように納税者にとって有利、不利というような規定をしているものではないということかと存じます。
○大門実紀史君 そんなこと聞いていないですよ。ちゃんと聞いたことに答えてくださいよ。国税庁なんでしょう。納税者に対して物を言う立場なんでしょう。私は納税者のことを言っているんですよ。 お金を払って毎月税理士さんを頼むだけの余裕があって決算料も払う余裕がある人、しかも書類添付費としてまたプラス取られるのかどうか知りませんが、そういう余裕がある人と、とにかくまじめに申告している個人の事業主とか中小零細で自分で計算して、個人と規模は変わらないので計算ぐらい自分でできると、きちっとやっている人との差はできるじゃないですか、それだったら調査されるされないで。 御存じのとおり、調査されるというのは、何も悪いことをしていない人でも相当の精神的な物理的な負担を伴うんですよね。だから、何か悪いことをしているからとか後ろめたいから嫌だじゃないんです。もう来られるというだけですごい負担なんです。仕事も休まなきゃいけないし、店も閉めなきゃいけない。そういう点では当然不公平が生まれるじゃないですか。
○政府参考人(大武健一郎君) 納税者のところに行って当然帳簿を見せていただく、税理士さんに当たっても事前にその帳簿を見せていただく、同じ手続をするというだけだと存じます。
○大門実紀史君 時間の関係で何度も同じことを聞かせないで、大武さんはこういうことはよく御存じでしょうから、すぱっと答えてほしいんですよね。不平等は生まれませんか。
○政府参考人(大武健一郎君) 納税者にとっては同じだろうと存じます。
○大門実紀史君 全然同じではないというふうに思います。また来週もありますので、引き続きやりたいと思います。 もう一つは、この書面添付で税理士さんの意見を聞くことでこの添付制度が今よりも普及すると言われた意味が、この調査省略という言葉で私はよくわかったんですけれども。これは、つまり税理士さんにとっては、すべての税理士さんじゃありませんけれども、この書面添付制度を使って、クライアントから選ぶわけでしょうけれども、それを売りにして、この書面添付でやると調査は来ない可能性が高いよ、あるいは来ないよというふうな、それを売りにして、それでみんな書面添付つけよう、うちでやろうということでお客さんをふやせることにも。そういうことがなければ、この制度、意見を聞くことによって、調査省略が加わらないとこの制度は今より飛躍的に普及するわけがないじゃないですか。調査省略しますよという暗にそれを売りにしてやらない限り、今もうほとんど利用されていないこの制度そのものが利用されるようになるインセンティブは何にもないじゃないですか。そういうことでしょう。
○政府参考人(大武健一郎君) 今回の改正にも三十五条の第四項で、今申し上げたような、こういう提出した、しないとか、そういう措置の有無というのは、これらの規定する調査に係る処分、更正または不服申し立てについての決定もしくは裁決の効力に影響を及ぼすものと解してはならないということで、いわばあくまでも課税権を放棄しているということではございません。
○大門実紀史君 そういうわかり切ったことを言わないでください、その辺はこちらも調べていますから。 私が言っているのは、この書類添付にかかわる意見を聴取する、そのときに疑義がなければ調査省略があり得るとおっしゃいましたから、それならば法文の中にそう書きなさいよ。疑義がなければ調査しませんと書けば、そんなややこしい話をしなくていいんです。すぱっとした話なんですよ。そういうことを書かないで、きょう初めて答弁されましたからね、そういうことを運用上ではやるんだと。はっきりしているんだったら、それを書けばいいじゃないですか、法文に。
○政府参考人(大武健一郎君) 現状の税務行政におきまして、事前通知をして、そのいわば見せていただいた資料がすべて突合すれば直ちに調査終了するというのは幾らでもある話でございまして、この税理士さんの制度においても、いただいた資料で突合して証明できればそれで調査は終わるということを言っているだけでございます。
○大門実紀史君 何度も言うようですけれども、それは調査に入ってからはあることなんです。よくわかるんです。私が言っているのは、本人に通知する前に税理士さんの意見を聞いた段階で調査を省略することはあり得るとおっしゃったから、これは初めての例だと、これは今までない例だということで申し上げているので、いろんな話を持ってきてごまかさないでいただきたいんです。 だから、事前に聞いた段階で疑義がなければ調査は省略することがありますというのでしたら法文に書けばいいじゃないですか、はっきりと。なぜ書かないんですか。新しい事例でしょう。
○政府参考人(大武健一郎君) 誤解を与えたらいけないんですが、調査省略というわけでは、それが調査だということであります。 失礼させていただきました。
○大門実紀史君 ちょっといろいろまだ疑問は残るんですけれども、要するに、この書面添付で意見を聞く、疑義がなければ調査は省略するということならば、これは本当に、僕は、結果的にはそういう税理士さんばかりじゃなくて良心的な税理士さんがいっぱいいるわけですから、調査されませんよということを売りにして、そんな広げる方はそんなにはおられないと思いますけれども、実際には税理士さんそのものもこの制度の中に、さっき言いましたけれども、下請化といいますか、課税官庁にとっては税理士さんというのは、四十六条でしたっけ、懲戒処分できる対象ですから、そういう点では非常に対等の関係じゃないんですよね、課税官庁と税理士さんというのは。しかも、こういう仕事をお願いする、ちゃんときちっとしたものを出さなければ懲戒処分もあり得ると。 こういう関係の中で、しかもこれが例えばむちとしますと、さっき言った、それを売りにしたらお客さんをふやせますよという、あめとむちと両方でこの書類添付制度を広げたいと。それは、そういうことをやらないと、これから国税庁としては調査がもう人手がふやせないから間に合わないと。これは大武さん、はっきり講演でおっしゃっていますけれども、結局そういうことにつながるんじゃないですか。ですから、この書類添付制度にかかわる意見を聴取するというのは、何のことはない、全体像としてそういうことだったということですか。
○政府参考人(大武健一郎君) あくまでも今回の書面添付制度というのを充実していくための一環として規定を置いたということでございます。
○大門実紀史君 もう全然答弁がわけがわからないんですけれども、例えば税理士さんにとっても私はこれは非常に問題があると思うんです。 幾つかの顧客を持っている税理士さんが選ばなきゃいけないわけですね、自分の顧客のうちのAさんには書類添付をつけると。今までと違ってかなり重いわけですね、今度、調査省略になるかどうかですから。そのかわり税理士さんも保証しなきゃいけない。だから、保証書をつけるようなものですよ。それを全部につけられない、自分のクライアントの中から選んだ人だけつけなきゃいけない。税理士さんにも、一年じゅう一緒に苦労して借金の相談から返済の相談からずっと乗っているような、そういうお客さんたちの中で区別をさせるという非常につらいことだと。税理士さんにとっても僕はつらいことだと思いますし、なおかつ、さっき言った税理士に頼めない人との不平等も生む。しかも、この目的そのものが何か大きな履き違えをされているんじゃないかと思います。 きょうは話が少ししか出ませんでしたけれども、外国からWTOとか規制緩和の関係で国際会計事務所が入ってくると。成り立ちはいろいろ違っても、国の風土は違っても、大抵外国の会計事務所というのは納税者の代理人的な仕事が多いわけですよ。そういう人たちがこれから入ってくるときに、日本の税理士さんだけ、何といいますか、お上の言うままに税務署の補助機関みたいになって、納税者よりもお上の立場になるようなことだったら、私はこれは国際競争に本当に日本の税理士さんは勝てないと思いますよ。 そういう点でいっても、そういうふうに税理士さんを使うんじゃなくて、きょうの話の最初にもしましたけれども、もっと独立性を認めて、納税者の利益のために働くんだということも認めて、法律上も、もっと自由に納税者のために代理人にもなれるというふうなことに今変えていかないと国際化に逆行する、大武さんが一生懸命主張されている今回の書面添付制度というのは逆効果だということを申し上げておきたいというふうに思います。 ちょっと意外な発言が出ましたので、またこちらも調べて来週やりたいというふうに思いますけれども、訴訟代理人のことで一つだけ最後にお聞きしますが、本人訴訟の場合は今回の改正だと代理人になれないということですけれども、これは、税金のこれから少額訴訟なんかが起きた場合、当然それが要求されてくると思うし、さっき言った国際化の中でも要求されてくると思うんですが、今後の検討方向として、本人訴訟に直接税理士さんが陳述権を持つという方向は考えておられますかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(尾原榮夫君) 繰り返しませんけれども、今回の改正は訴訟代理人とともに出頭する必要がございます。 今後のあり方でございますが、司法制度改革審議会の中間報告で、今後司法改革が現実化した将来において税理士を含む法律専門職種がどのような担い手になっていくかというのは今後の検討課題ということになっていることでございまして、それらの司法制度改革の動向等を見守ってまいりたい、こう考えております。
○大門実紀史君 終わります。
○大渕絹子君 今の大門さんの質問のところなんですけれども、「税理士の法的地位の確立」ということで、税理士会の皆さんからも今回の法改正に当たって要望という形で出ているんですね。 イ 意見の聴取 法第三十条に規定する税務代理の権限を有することを証する書面を提出している場合には、更正前に税理士に対して意見を述べる機会を与えると改正する。 ロ 計算事項・審査事項を記載した書面の添付 この規定は、税理士が作成した所定の書面について、税務官公署もこれを尊重することにより、税務行政の簡素化と円滑化を図る目的で創設されたものである。 創設の趣旨を生かすためにも、法第三十三条の二の書面添付のある申告書を提出した納税義務者を調査するときは、原則として調査着手前に書面を添付した税理士に当該申告書に関し意見を述べる機会を与えると改正する。 ということで、改正をしてほしいという要請が出ておりますが、今いろいろやりとりを聞いておりましたけれども、すっきりした形で意見聴取、この項目が法第三十五条一項に記載をされた経緯についてお話をしていただきたいと思います。
○政府参考人(大武健一郎君) 今先生がお話しになられましたとおり、税理士会からいわゆる書面添付というのをより有効に使えるように改正をしたいといういろいろ申し入れがございまして、要望のような事項がございました。それを受けて今回の改正になったということでございます。
○大渕絹子君 税理士会がなぜこういうふうな要望書を出してきたかということになりますと、税理士の業務拡大あるいは手数料等々がより多く取ることができるような体系づくり、法的な裏づけを求めたというのはわかります。税理士会としてはそうだろうというふうに思いますが、国税庁もこのことを受けてきちんと法律の中に盛り込んだということは、さっき大門議員が言いましたように、税務調査の手続を簡素化してメリットがある、双方に有意性があるということで踏み切ったということなんでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) 先生の言われるとおりでございます。
○大渕絹子君 納税者にとって不利な扱いにならないかというのが大門さんの今の御質疑の中身だったというふうに思うんです。私は、納税者にとって良識的な税理士さんであれば何の問題もないかもしれませんけれども、悪徳税理士さんというのはいるのかどうかちょっとわかりませんけれども、そういう方たちの手にかかってこの法が悪用された場合に、納税者が著しく不利益をこうむる可能性としてはあると思うんです。そこらはどんなふうに考えておられますか。
○政府参考人(大武健一郎君) この書面添付制度そのものには、先ほど申しましたように、わざわざ書面添付を付したにもかかわらず誤りがあった場合、虚偽があった場合というのは、いわゆる虚偽の記載の場合の懲戒処分という規定が入っております。したがいまして、現在も利用されない一つにはそこがあるんだろうと思います。 ただ、ここのところは今回も改正しておりませんから、そういう悪質な税理士さんがいらっしゃって、それを悪用して、もし、我々としては、それに先ほど申し上げたようにつけているかつけていないかといっても、明らかにおかしな不正が見つかるような場合には、当然、無予告の調査というのも留保しているわけでございますから、そういう場合は懲戒処分になっていくということになるんだろうと存じます。 したがいまして、悪い税理士さんを抑えるというのは留保させていただいているということだと存じます。
○大渕絹子君 膨大な数の添付書類のついた書類が出てくるというふうに思いますが、それが本当に善意で書かれているものかどうかの審査体制というのはじゃどうなっているんですか、それを見きわめる体制。
○政府参考人(大武健一郎君) 現状は、我々の方針というのは適正公平な課税を目指すという意味で全力で職員はやっているわけですが、どうしても全部を見るというのは非常に難しくなってきています。したがって、調査頻度というのもどんどん落ちてきている。 しかし、巨悪の悪い納税者には厳しく、そうでない納税者には親切丁寧にという方針でやらせていただいている観点でいえば、先生の言われたような出てきた書類というのはもちろん全部審査はさせていただきますが、おかしくないものはむしろ通知前にそのまま省略しているのもあるかと存じます。さらにその中で疑義があれば、今この制度を利用してとりあえず通知してお話を聞いて、それで解消すればそれで調査は終わる、しかしそれで疑念が残ればやはり調査はさせていただく、こういうふうになるのかと存じます。
○大渕絹子君 税理士会の方にもこの法律が施行されることによって今御指摘があるようなことにならないようにきちんと言っておいていただきたいと思います。 次に、前の質問者の方にも同じような質問があるんですけれども、弁護士さんは一人で法人設立が認められますけれども、税理士さんはなぜ二人でないと法人設立ができないのでしょうか。あわせて、商法百六十七条ですか、合名会社でしょうか、ここを適用するという判断をなさった理由を聞かせてください。
○政府参考人(大武健一郎君) これも税理士会との打ち合わせで要望事項になっているわけですが、今回の税理士法人の制度創設の趣旨は、税理士業務の共同化によってより安定的、継続的な高度なサービスを納税者に提供できるようにするということでございます。そういう意味では、その共同化ということからしますと、税理士法人について二人以上の税理士が共同して設立するということになっているということでございます。 それからまた、合名会社という形式をとらせていただきましたのも、やはり税理士自体の基本的考え方は、基本的に職業専門家同士が信頼関係に基づいて設立する法人という性格が強い、あるいは基本的には各税理士が法人の業務執行の権利義務を有する形態が自然であるというようなことから、税理士法人自体、人的会社という側面が最も強い、そういうこともありまして合名会社という形をとらせていただいているということでございます。
○大渕絹子君 税理士法人を設立いたしまして、お一人の方が離脱をされたかお亡くなりになったかということでお一人になるんですね。そうすると、六カ月以内に解散をしなければならない、こうなっているわけですけれども、もう法人として地域にも知れ渡っておって、その名前で仕事をしているという人にとって、一人になったからその法人を解散しなきゃならないというのはすごく著しく不利になるように思うのですけれども、この規定を設けたのはどうしてでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) 実は、二人というふうに法律には書いておりませんで、一人になったら解散するということから、二人以上というのがこの法律上は出ているわけでございます。 これは、今言った一人では共同化ということにならないということ、もしお一人になったら、むしろ法人という形態をおやめになって、個人ではいつでも開業できるわけですから、個人で登録をしていただくということになるということかと存じます。
○大渕絹子君 法人と個人では事業所としての扱い方がまた変わってくるから、法人の方がより有利なわけでしょう。有利な方に向けていくためには、二人でなければならないというところの理由がよく私はわからないんですね。弁護士さんは一人でもいい、税理士さんは二人でなきゃならないというところの理由がよくわかりません。 それで、さらに法人に支店を置くことができると規定されているんですね。ところが、その支店には必ず税理士であります社員が常駐をしなければならない、こうなっているわけなんですね。今はインターネットとか通信情報網が非常に発達をしておりまして、わざわざ固定の事務所を持たなくても税理士業務というのはできるのではないかというふうに思うのですけれども、この固定の事務所をきちんと持つという規定はなぜ必要なんでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) これもやはり、法人債務について連帯無限責任を負う社員みずからがその従たる事務所の業務を日常的に行うことによって、当該税理士法人のその従たる事務所の責任ある業務遂行能力が確保され、納税者、依頼者の保護に資するというふうに考えているからでございます。 現行法上、税理士の事務所は継続的に税理士業務を執行する場所でなければならないとされておりまして、税理士法人の事務所についても同様に継続的に税理士業務を執行する場所であることが望ましい、こういうことから置かせていただいているということでございます。
○大渕絹子君 定款で定めるところにより、税理士業務に付随する業務その他これに準ずる業務とは、後で省令で定めるんでしょうか、政令で定めるんでしょうか、四十八条の五ですけれども、ここの業務はどのような業務を言いますか。
○政府参考人(大武健一郎君) 一応財務省令で定める予定でありますのは、現在、会計業務を一体的に処理する会計法人を設立する例が多いということがございますので、その実態を踏まえて税理士業務には付随しない会計業務等を定める予定でございます。
○大渕絹子君 今回の改正で、税理士の業務報酬の最高限度額に関する基準というところを、規定を削除するということになりましたけれども、税理士を使う納税者の皆さん方に不安は広がらないのでしょうか。 例えば、自分が税理士にこの問題で相談をしたいというときに、料金の基準というようなものがきちんと明快に出されておれば非常に依頼をするのに依頼をしやすいというふうに思うんですけれども、今まではこういう基準があったわけですよね、最高限度額はここですよというのが。それを今回外したのはどうしてでしょうか。
○政府参考人(大武健一郎君) 規制緩和推進三カ年計画におきまして、こうした報酬規定を会則の記載としている資格についてそのあり方を検討しろということで記載事項から削除すべきだという御指摘を受けました。それは、やはりそれぞれがそういう高い最高報酬に収れんするのではないかというような御指摘だろうと存じます。 ただ、今回それを絶対的記載事項からは削除いたしますが、他方、先生が御質問になられたように、納税者の方の不安ということでは困りますので、今回改正がされますと、日本税理士会におきまして報酬規定のあり方を見直しまして、公正有効な競争の促進と依頼者の保護の観点を踏まえた算定基準の策定を検討するということでございまして、別途いわば報酬規定をそれぞれの税理士会でおつくりになるということかと存じます。
○大渕絹子君 終わります。 ありがとうございました。
○委員長(伊藤基隆君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時二十九分散会