財政金融委員会 第7号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2001/04/03
会議録
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件について、日本銀行から説明を聴取いたします。速水日本銀行総裁。
○参考人(速水優君) それでは、通貨及び金融の調節に関する報告書に基づきまして、概要の説明をさせていただきます。 日本銀行は、昨年十二月、平成十二年度上期の通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出いたしました。この機に、日本銀行の金融政策運営につきまして総括的に御説明する場をいただきましたことに厚く御礼申し上げます。 昨年の報告書提出後、日本経済の情勢は大きく変化して、本年二月以降、日本銀行は金融政策運営面で機動的、弾力的に幾つかの措置を講じてまいりました。 そこで本席では、まず私から、最近の日本経済の動向につきましての認識と、金融政策運営の考え方につきまして申し述べさせていただきたいと思います。 昨年中の日本経済を振り返りますと、景気は企業部門を中心に持ち直しの動きが次第に明確化して、生産や収益、設備投資も増加を続けるなど、緩やかな回復過程をたどっておりました。しかしながら、その後の経済の足取りは順調というわけにはまいりませんでした。 その背景としましては、まず米国経済が、昨年半ばごろまでの五%前後といった高い成長から、昨年秋以降は大方の予想を上回るテンポで急激に減速をしたことが挙げられると思います。さらに、米国経済との結びつきが強い韓国や台湾など、一部の東アジア諸国でも景気のスローダウンが明確になってまいります。 こうした海外経済の急激な減速を受けまして、日本経済も、昨年末ごろ以降、景気回復のテンポが鈍化し、このところ足踏み状態になっていると判断されます。先行きにつきましても、当面は停滞色の強い展開が続く可能性が高いと考えられます。 この間、物価も弱含みを続けておりまして、ただいま申し述べたような実体経済の動きを踏まえますと、今後、需要の弱さを反映した物価低下圧力が強まる懸念があると考えられます。 また、金融・資本市場の動きを見ますと、IT関連を中心とする世界的な株価調整の動きに加えまして、日本経済の先行きに対する不透明感の強まりもあって、我が国の株価は昨年秋以降、下落傾向が目立ってまいりました。為替市場や債券市場でも、円安や長期金利の低下といった動きが進みました。 こうした市場動向の背景には、ただいま申し述べました海外経済の減速、これを受けた国内経済情勢の変化に加えまして、不良債権問題の解決を初めとします、日本経済の構造改革のおくれに対する内外の懸念も影響しているように思います。 このような経済情勢の変化や金融市場の動向を踏まえまして、日本銀行は、本年二月以降、金融政策面で幾つかの措置を講じてまいりました。 まず、二月九日の金融政策決定会合では、公定歩合により受動的に貸し出しを行っていくいわゆるロンバート型貸出制度の新設など、幾つかの流動性供給方法の改善策を講じました。その上で、新たにこの貸し出しの適用金利となる公定歩合につきまして〇・一五%ポイントの引き下げを実施いたしました。 次いで、二月二十八日の決定会合におきましては、生産の減少といった経済情勢の変化を踏まえまして、コールレートの誘導水準及び公定歩合をそれぞれ〇・一%ポイント引き下げるという金融緩和措置を決定いたしました。 さらに、先月三月十九日の決定会合におきまして、日本銀行は、通常では行われないような思い切った金融緩和に踏み切ることを決定いたしました。その措置は、日本銀行として、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備する観点から、断固たる決意を持って実施に踏み切ったものでございます。 金融緩和措置の具体的な内容を説明いたしますと、まず、金融市場調節の主たる操作目標を、これまでの翌日物コールレートという「金利」から、日本銀行の当座預金残高という資金の「量」に変更いたしました。同時に、この新しい金融調節方式を、消費者物価の前年比が安定的に〇%以上となるまで続けることを決定いたしました。これは、こうした思い切った政策を継続する条件につきまして明確なコミットメントを行うことを通じて、より長目の金利に働きかけるとともに、日本銀行として、物価の継続的な上昇と同様、継続的な下落も許容しないという強い決意を示すものでございます。 こうした新しい金融調節方式のもとで、それまで四兆円前後でありました日本銀行当座預金残高を、当面、五兆円程度に増額することといたしました。この結果、翌日物のコールレートは、通常は〇%近辺で推移していくものと考えております。実際、その後のコールレートの動きもこうした推移をたどりつつあります。 なお、資金供給のためのオペレーションに未達、いわゆる札割れが多発するケースなど、資金を円滑に供給する上で必要と判断される場合には、現在月四千億円のペースで行っております長期国債の買い入れを増額していくこともあわせて決定いたしました。ただし、言うまでもございませんが、これは国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではございません。今回、こうした趣旨を明らかにするために、日本銀行が保有する長期国債の残高は銀行券の発行残高を上限とするという明確な歯どめを設けました。 以上、今回の思い切った金融緩和措置の内容を説明しましたが、こうした措置がその効果を十分に発揮し、日本経済の持続的な成長軌道への復帰が実現されますためには、不良債権問題の解決を初めとして、金融システム面や経済・産業の面での構造改革の進展が不可欠の条件であると考えられます。 実際、過去十年間、日本経済は景気循環という観点から見て何度か回復の動きが見られましたが、結局、力強い回復を迎えることなく、景気後退に直面するという事態を繰り返してまいりました。今回、景気が再び足踏み状態となっているのは、先ほど申し述べましたとおり、短期的には、米国を中心とする海外経済の予想以上の急激な減速が主因と見られます。しかし、より根本的な問題は、さまざまな構造的課題が依然未解決のまま残っているということにあると考えられます。 もとより、構造改革は痛みを伴うプロセスでありますが、こうした痛みを乗り越えて改革を進めない限り、日本経済の持続的な成長を確保していくことは期待しがたいように思います。 日本銀行としましては、今後とも適切な金融政策運営に努めていく所存でございますが、同時に、構造改革に向けた各方面における抜本的な取り組みが速やかに進展することを強く期待いたしております。 御清聴ありがとうございました。
○委員長(伊藤基隆君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。宮澤財務大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、最近の税理士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、納税者利便の向上に資するとともに信頼される税理士制度を確立するため、所要の見直しを行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、納税者の利便向上を図るため、租税に関する事項について、税理士が裁判所において補佐人となる制度を創設することとしております。 第二に、税理士試験において、規制緩和の要請も踏まえ、受験資格要件を緩和するとともに、税理士の資質の確保を図り、税理士制度の信頼性を向上させるため、試験科目の免除制度の要件をより適切なものとすることとしております。 第三に、複雑化、多様化する納税者の要請に的確にこたえるため、税理士法人制度を創設することとしております。 その他、税理士からの意見聴取制度の拡充等所要の改正を行うこととしております。 以上が、税理士法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(伊藤基隆君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十二分散会