財政金融委員会 第3号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/03/15
会議録
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、柳川覺治君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として松崎俊久君が選任されました。 なお、あと一名につきましては、現在欠員となっております。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に金融庁総務企画局長乾文男君、金融庁監督局長高木祥吉君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長五味廣文君、法務省民事局長山崎潮君及び財務省主税局長尾原榮夫君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁速水優君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤基隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策について、宮澤財務大臣から所信を聴取いたします。宮澤財務大臣。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般、中央省庁再編に際しまして財務大臣を拝命いたしました宮澤喜一でございます。 私どもは、財務省として新たな一歩を踏み出したところでございますが、これを機に、納税者としての国民の視点に立ち、我々に課された使命を果たしていこうと決意を新たにしたところでございます。今後とも、皆様のお力添えを得て、政策運営に万全を尽くしてまいる所存でございます。 また、財政金融委員会の委員の皆様におかれましては、今後とも、私ども提出の法律案の御審査等をお願いすることになりますが、何とぞ御指導のほどよろしくお願いを申し上げます。 委員長、引き続きまして、財務大臣としての所信を申し上げましてよろしゅうございますか。
○委員長(伊藤基隆君) はい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今後の財政政策等の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでございますが、本委員会において重ねて所信の一端として、今後取り組むべき課題等について申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 政府として取り組むべき第一の課題は、二十一世紀の新たな発展基盤を構築しつつ、景気を自律的回復軌道に乗せることであります。 我が国経済の現状を見ますと、個人消費がおおむね横ばいの状態が続いているなど、厳しい状態をなお脱しておりませんで、全体としては緩やかな改善が続いておることではございますが、厳しい状況をなお脱してはおりません。しかしながら、景気の改善は、そのテンポが極めて緩やかでございまして、なお公需から民需への円滑なバトンタッチに万全を尽くす必要がございます。 こうした認識のもと、まずは、さきの国会において成立しました平成十二年度補正予算の円滑かつ着実な執行に努めております。 また、平成十三年度予算におきましては、総額七千億円の日本新生特別枠を活用し、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備の四分野を中心に、我が国の新たな発展基盤の構築に資する施策に重点的な予算配分を行いつつ、公共事業につきまして、平成十一年度以降三年連続となる高水準の公共事業関係費を確保するとともに、公共事業等予備費三千億円を計上するなど、自律的な景気回復の実現に向けて十分な対応を行うことといたしました。 税制につきましては、我が国企業の経営環境の変化を踏まえ、企業組織再編成に係る税制を整備するほか、景気回復に配慮して、新たな住宅ローン減税制度を創設するとともに、中小企業投資促進税制を継続するなどの措置を講じております。また、株式等譲渡益についての申告分離課税への一本化を二年延期するほか、電子計算機の耐用年数の見直しや特定非営利活動法人を支援するための措置等を講ずることとしております。 なお、一昨年から継続して実施しております個人所得課税及び法人課税の減税は、景気の改善に寄与していると考えております。 第二の課題は、財政の効率化と質的改善を進めることであります。 平成十三年度予算におきましては、厳しさを増している財政状況にかんがみ、財政の効率化と質的改善を図るため、次のような措置を講じたところであります。 まず、公共事業につきまして、個々の事業の徹底した見直しにより、投資効率の乏しい事業を中止いたしました。また、地方財政対策において、新たに特例地方債を発行し、あわせて交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入額を増額する等の制度改正を行うことにより、国、地方を通ずる財政のさらなる透明化を推進することといたしました。さらに、中央省庁等改革を機に、施策の融合化と連携を図る等の取り組みを行っているところであります。 また、公債発行額については、一方で金融破綻への備えのための国債償還費の手当てを行う必要がなくなったという減要因があり、他方でただいま申し述べました地方財政対策に伴う増要因がありますが、このような状況のもと、可能な限りの縮減を図ることといたしました。これらの結果、平成十三年度の公債発行額は前年度当初予算より四兆二千九百二十億円減額し、また、公債依存度は四・一ポイント減少して三四・三%となる見込みであります。 しかしながら、平成十三年度末の国、地方の長期債務残高が六百六十六兆円に達する見込みであるなど、我が国財政は依然として極めて厳しい状況にあり、今後、我が国が安定的に発展するためには、財政構造改革は必ずなし遂げなければならない課題であります。 財政構造改革に当たっては、あるべき経済社会の姿を展望しつつ、望ましい税制の構築や社会保障制度改革、中央と地方との関係まで幅広く視野に入れて議論していく必要があると考えております。経済財政諮問会議などの場において、ただいま申し述べました問題意識も念頭に置いて、経済、財政の構造改革に向けた諸課題について検討を行ってまいります。 第三の課題は、世界経済の安定的発展に貢献することであります。 経済のグローバル化が進む中で、自由かつ公正な国際経済社会の実現やその安定的発展に向けて、世界経済の中で大きな地位を占める我が国が主体的な役割を果たすことが求められていることは論をまちません。アジア通貨危機の経験から、我が国がアジア地域との連携を強化し、その経済安定に積極的に寄与していく必要性も一層高まっております。 このような認識のもと、国際通貨システムの安定に取り組むとともに、昨年五月にASEAN諸国及び日本、中国、韓国の財務大臣間で合意されたチェンマイ・イニシアチブの推進等、アジアにおける地域協力の一層の強化に努力してまいります。 また、多角的自由貿易体制の維持強化の観点から、我が国はWTOにおける新ラウンドの早期立ち上げのため引き続き努力してまいる所存であります。あわせて、これを補完する観点から、二国間の自由貿易協定にも取り組むこととし、現在、シンガポールとの間で、本年末までの終了を目指して協定交渉を進めております。さらに、平成十三年度関税改正において、開発途上国からの輸入品に対して低い関税率を適用する特恵関税制度の改善等を行うこととしております。 次に、今国会に提出しております平成十三年度予算の大要について御説明申し上げます。 まず、歳出面につきましては、一般歳出の規模は四十八兆六千五百八十九億円となり、前年度当初予算に対して一・二%の増加となっております。これに地方交付税交付金等及び国債費を加えた一般会計全体の予算規模は八十二兆六千五百二十四億円、前年度当初予算に対して二・七%の減少となっております。 次に、歳入面のうち租税等については、さきに申し述べました税制改正を織り込み、五十兆七千二百七十億円を見込んでおります。 公債発行額は、前年度当初予算より四兆二千九百二十億円減額し、二十八兆三千百八十億円となっております。特例公債の発行については、別途所要の法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。 財政投融資計画につきましては、財政投融資改革の趣旨にのっとり、資金の重点的、効率的な配分を図ることとしたところであり、その規模は三十二兆五千四百七十二億円となり、前年度当初計画に対して一五%の減少となっております。 以上、財政政策等に関する私の所信の一端を申し上げました。 なお、本国会において今後御審議をお願いすることを予定しております財務省関係の法律案は、平成十三年度予算に関連するもの四件、その他一件、合計五件でございます。また、そのほかに議決案件が一件ございます。今後、提出法律案等の内容につきましては逐次御説明申し上げることとなりますが、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(伊藤基隆君) 次に、金融行政について、柳澤金融担当大臣から所信を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今般の中央省庁再編により、金融システム全体に対して一元的に責任を持つこととなりました金融担当大臣の柳澤伯夫でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 本日は、発言の機会をいただきましたので、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと存じます。 まず、我が国の金融システムの現状について申し上げます。 金融再生法に基づく破綻金融機関の迅速な処理や早期健全化法に基づく公的資本増強の実施等に加え、金融機関に対する厳正な検査・監督等により、不良債権の処理や金融機関の再編等も進んできていることから、我が国の金融システムは一時期と比較して格段に安定性を取り戻してきています。景気回復の足取りがなお本格化しないこと等から、不良債権残高は横ばいで推移しておりますが、各金融機関は引き当てなど適切な処理を行っており、金融機関の健全性についてかつてのような問題があるわけではないと考えております。 次に、当面の金融行政の課題についてでございますが、一、平成十四年四月のペイオフ解禁を控え、さらに揺るぎのない金融システムの構築、二、金融機関がみずからの経営判断により創意工夫を発揮し高収益を目指すことを可能とするための環境整備、三、健全な中小企業や次代を担う新規産業等に対する円滑な資金供給を可能とする金融市場の多様化、活性化等、四、国民が高度で多様な金融サービスの便益を安心して享受するための枠組みの整備等が重要であると考えております。 このような課題を解決することによって、利用者にとって一層利便性が高く、国際的にも重要かつ安定的な地位を保持し、新世紀の経済をリードする金融のインフラの整備を実現することが可能となると考えております。 金融庁は、新しい行政手法の理念のもとで、市場規律と自己責任原則を基軸とした、明確なルールに基づく透明かつ公正な行政を遂行してまいりました。私としては、今後とも、この方針を堅持するとともに、これまで金融再生委員会が積み重ねてきた実績や方針も引き継ぎ、また金融制度の企画立案機能を十分発揮することにより、我が国金融システムの安定と活性化に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 最後に、本国会に提出させていただきました銀行法等の一部を改正する法律案のほか、証券決済システム改革に関して提出を検討しております二件の法律案につきまして御説明させていただきます。 前者は、異業種による銀行業等への参入など、我が国金融の新たな動きに対応するため、主要株主に関するルール整備を行うとともに、規制緩和等を行うものであり、後者は、社債等について、その決済の迅速化及び確実化を実現するため、効率的な振替決済制度の創設等を行うものであります。法律案の詳しい内容につきましては、今後、改めて御説明させていただきますが、当委員会の委員長及び委員の皆様におかれましては、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(伊藤基隆君) 以上で所信の聴取は終わりました。 本件に関する質疑は後日に譲ることといたします。 この際、若林財務副大臣、村上財務副大臣、村井内閣府副大臣、大野財務大臣政務官及び砂田財務大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。若林財務副大臣。
○副大臣(若林正俊君) 財務副大臣の若林正俊でございます。 その職責の重大さを認識し、その重責を果たすべく、大臣の御指示を仰ぎつつ、村上副大臣とともに職務の遂行に全力を傾注してまいる所存でございます。皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(伊藤基隆君) 村上財務副大臣。
○副大臣(村上誠一郎君) このたび財務副大臣を拝命いたしました村上誠一郎であります。 若林副大臣同様、宮澤大臣の御指示を仰ぎつつ、先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら、誠心誠意頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(伊藤基隆君) 村井内閣府副大臣。
○副大臣(村井仁君) このたび内閣府副大臣を命ぜられ、金融問題を担当させていただくことになりました。 柳澤大臣をお助けいたしまして、この重大な責務を果たしてまいりますので、委員の皆様方の御指導をちょうだいいたしたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(伊藤基隆君) 大野財務大臣政務官。
○大臣政務官(大野松茂君) 財務大臣政務官を拝命いたしております大野松茂でございます。 財務省の行政運営に高い関心が集まる中でございますが、砂田大臣政務官ともどもに、職責の重大さを認識をしつつ職務の遂行に全力を尽くしてまいりますので、何とぞ格別の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(伊藤基隆君) 砂田財務大臣政務官。
○大臣政務官(砂田圭佑君) このたび財務大臣政務官を拝命いたしました砂田圭佑でございます。 大野政務官ともども、大臣を補佐いたしまして、一生懸命務めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げます。ありがとうございます。 ─────────────
○委員長(伊藤基隆君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水達雄君 自民党の清水達雄でございます。 アメリカにおける株式の急激な下落を初めといたしまして、世界的な規模で株の値下がりが続いているという状況でございます。我が国におきましても相当な値下がりでございまして、大変な危機感を持っているわけでございます。 そういうことを背景といたしまして、与党三党で緊急経済対策というのをつくったわけでございまして、これをできるだけ早く実施しなければならないということでございますが、きょう財務大臣、金融担当大臣、それから日銀総裁、三人の最高責任者に御出席をいただいているわけでございますが、この与党三党の緊急経済対策につきまして、ある程度すぐやらなければいけないとか、そう簡単にはできない、慎重に検討を要するとか、考え方もいろいろあるかと思いますけれども、優先度とか重点度も踏まえた上で、どういうふうに実施に向けて取り組まれようとされているか、順次お話を伺いたいと思います。財務大臣、金融担当大臣、日銀総裁の順番でお願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) それでは私から最初に申し上げますが、与党三党から緊急経済対策として御提案がありまして、それを審議、実施するために、今朝、このための緊急対策本部の設置を総理大臣のもとに決定いたしました。 続きまして、この実施方についていろいろただいままで討議をしておりますところでございますが、私どもは途中からこの委員会のために退席いたしましたので中途の経過しか申し上げられませんが、全体の雰囲気といたしまして、当面これらは緊急を要する対策であるので、早急に実施を各省庁も一緒になって進めていこうということでございますが、たくさんアイテムがございますが、重立ったアイテムは、一つは、これは柳澤大臣からお話があることでございましょうが、金融再生、産業再生、いわゆる不良債権の処理といったような問題。あるいは、銀行が株を持ち合っておるような状況がございますので、これに対して何か対応する方策があるだろうか。あるいは、基本的に金融政策について日銀にこの段階においてしかるべき考慮をお願いいたしたい。 それから、大都会に大きな土地が権利関係等々処理されないまま残っておる現状において、内閣のもとに都市再生本部をつくって、その本部の責任において、いわば地方団体とも協力しながらそのような権利調整あるいは土地の整備まで行って、その上でディベロッパーに仕事をしてもらうといったような、そこまで政府が立ち入るべきではないかと、これは清水委員がお詳しい問題でございますが、という問題。あるいは、こういう時代の変わり目にやはり雇用というものの創出が非常に大事であるといったようなことが問題意識として議論されまして、本日はそういう基本的な問題の性格及びその解決の方法についての最初の第一回の議論をいたしたと。 途中で退席いたしましたのでそのようなことしか申し上げられませんが、大体こんなところでございます。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま宮澤財務大臣の方から、今朝の与党三党の緊急経済対策を受けての政府・与党緊急経済対策本部におきます検討の状況の御説明がありました。 大変行き届いた御説明でございますので、私から追加することもないようなものでございますけれども、私といたしましては、一番冒頭に掲げられました不良債権の処理によって産業の再生を図っていかなければならないという問題、それからまた、金融機関の持ち合い株の解消をする場合に、それをダイレクトに市場に売却していくということをもう一工夫あってしかるべきではないかといったような、直接私の所掌にかかわる問題について、当然のことながら私は一生懸命やっていかなきゃならない、そういう思いをまた新たにしてこれからの問題に取り組んでいこうと、そんなふうに考えておる次第でございます。
○参考人(速水優君) 日本銀行の速水でございます。 与党三党におかれましては、緊急経済対策におきまして、不良債権の的確な処理を図り、経済の構造改革を積極的に推進するという方向性をお示しになりました。日本銀行としましても、金融システム面で、経済・産業面で構造改革というものが日本経済の回復にとって不可欠の条件であると認識しておりまして、各方面における取り組みが一層速やかに進展していくことになればと強く期待している次第でございます。 また、対策の中で日本銀行に対する要請も盛り込まれておりますが、日本銀行としましては、こうした御意見も真摯に受けとめた上で、日銀法に規定された金融政策運営の責任を適切に果たすように努めてまいりたいと思っております。
○清水達雄君 財務大臣のお話の中で、いわゆる証券税制の改正の問題でありますとか、それから土地流動化政策におきます不動産取得税とか登録免許税の改正、この問題についてお話がございませんでしたけれども、特に株式の取得につきまして今まで考えなかったような非常に抜本的な案がいろいろ出ているわけでございまして、ドイツなんかの例を見ますと、私も、これからやっぱり日本人ももっと株を取得できるような、金融資産における株式の割合が高まるような施策というのを進めていかなくちゃならないので、これはぜひやる必要があるんじゃないかなというふうにも考えますし、それから不動産取得税とか登録免許税につきましては、国際的に見ても非常に高い水準でありますから、これは税額も非常に大きいですから一遍にやめるわけにいかないと思いますが、計画を立ててやっぱりソフトランディングで減らしていかなきゃならぬというふうに思いますけれども、その辺についてはどんなふうにお考えでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今朝そういう議論をいたしたわけではございませんけれども、三党の緊急対策の問題意識の中に、あるいはこれは政府も同様に考えておりますが、今お話しのように、国民の資産運用の中で株式が運用されている部分がいかにも我が国は少ない。国民もほとんど預貯金でございますし、またその反面は、企業もエクイティーキャピタルに頼るよりは銀行借り入れに頼るという。これはやはりどうしても、今ドイツのお話がございましたが、時間をかけてでも改めていって、国民がもっとエクイティーキャピタルを持つということにすべきだという問題意識はございます。 そのためには、したがいまして税制等々、今おっしゃいましたようないろんな助成措置、あるいは邪魔になるものは除去するといったようなことが必要であろうかということもこの提案者は恐らく意識しておられるわけでございましょうが、今の株価対策と申すよりは、この際やはり抜本的にそういうことをやっていきたいという意識もございますし、たまたま国会で税法の御審議をお願いしているときでもございますので、こういう問題の研究は、今とりあえず第二の問題にしようと。しかし、問題は非常に強く意識しているというのが現実でございます。
○清水達雄君 日銀総裁にお伺いいたしますけれども、三月七日の内外情勢調査会の講演で、マネーサプライが三・三%ほどの伸びだ、金額で二十兆円ぐらい増加をしているんだけれども、名目成長率はほとんどゼロにとどまっているという御発言がございます。これはどうしてこういうことになるのか。私は、現金を退蔵しているというか、たんす預金でもしているからこういうことになるのかなという感じもするんですけれども、その辺はどういうことなんでございましょうか。
○参考人(速水優君) 過去五年の平均をとりまして、御指摘のように、マネタリーベース、私どもの方で出しております銀行券と私どもの預かっている当座預金を足したマネタリーベースの方は年平均七・三%伸びている、それに対してマネーサプライ、銀行預金やCDその他のマネーサプライの方でいきますと三・三%にとどまっている、銀行の貸し出しはその間マイナス一・四%のペースで減少していると。こういう事実が、日本銀行によるマネタリーベースの供給量の割には金融機関の信用創造が活発化しにくくなっている状況が示されているように思います。 もう一つ、名目成長率がその間にわずかに〇・四%しか上がっていないということでございますが、過去五年間の平均で、お金は出してもそれが経済の成長、生産性の増強につながっていっていないということがこの数字は物語っているような感じがいたします。日本銀行が金融機関に対して潤沢に資金を供給しましても、それが経済活動の活発化につながりにくくなっているという事情を示しているのではないかと思います。 その背景としては、さまざまな構造調整圧力が残っております中で前向きの企業活動がなかなか積極化していないとか、先行きの不透明感のために家計の消費行動が活発化しにくくなっているといったような事情があるのではないかと思います。したがいまして、日本経済の回復を確実なものとしますためには、金融システム面や経済・産業面での構造改革が不可欠な条件になってくると思います。 また、そうした構造的課題の解決は金融政策の効果を十分引き出していくためにも重要な前提条件であるというふうに考えまして、かねてから私ども気になっておりましたことをああいう形で言わせていただいた次第でございます。
○清水達雄君 今、総裁がおっしゃったような構造があるということが、我が国経済が回復軌道に乗らない最大の原因であるというふうに思うわけです。ここを何とかして直していかなければ、我が国経済はちゃんとした軌道に乗ってこないんじゃないか。 結局、マネタリーベースであるとかあるいはマネーサプライがふえても、銀行貸し出しが減っている、ふえないというところに問題がありまして、これは後から私は金融担当大臣に中心的に少し時間をかけて伺いたいと思っておりますけれども、土地担保金融が崩壊をしている、それにかわるべきちゃんとした金融業務のやり方が確立されていないということが最大の私は問題点だろうと思います。 けさの新聞などを見ますと、日銀はまたゼロ金利政策を復活させるとか、あるいは長期国債の買い入れをふやすとか、そういう金融の量的拡大のようなことを今度の政策決定会合で打ち出すんではないかというような記事が載っておりますが、幾らそういうことをやりましても、やっぱり銀行が金を貸せる体制をつくらないと意味がないということじゃないかなというふうに思うんですけれども、そういった点について、日銀としては政策決定会合とかいろんなところでどの程度そういう問題を認識し、議論をしておられるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○参考人(速水優君) 日本銀行は、今御指摘のような点が私どもの政策決定会合でも、また執行部の検討の課題でもございますので、日々の変化、内外の変化を十分フォローし、ウオッチしているつもりでございます。最近の景気情勢を踏まえまして、二月に二回連続して金融緩和措置を実施いたしました。今後とも機動的、弾力的な金融政策運営に努めてまいりたいと思っております。 けさの新聞で来週月曜日の決定会合の予測のようなものが出ていたようでございますけれども、金融政策決定会合が予定されておりますが、政策委員の間で現在の金融経済情勢について討議を尽くして適切に判断してまいりたいというふうに考えております。
○清水達雄君 それで、日銀総裁、最後の質問でございますけれども、先ほど申し上げました講演の中で、やっぱり不良債権の直接償却というふうなことを進めるべきである、構造改革を進めるべきであるというふうなお話をなさっておりまして、これには痛みが伴う、これが経済の大きなマイナスのインパクトをもたらさないように金融政策面からできる限り貢献すると、こういう御発言をなさっているわけでございますが、これは具体的にはどんなことをお考えの上でこういうことをおっしゃったか、御説明いただきたいと思います。
○参考人(速水優君) 具体的にと申されても、今この段階でどういう情勢が展開されていくかわかりませんのでお答えすることは難しいわけですけれども、日本経済の回復を確実なものにしてまいりますためには、金融システム面、経済・産業面での構造改革が不可欠でありまして、不良債権の処理は金融システムを強化していくための重要な課題であるというふうに認識いたしております。 不良債権の処理につきましては、経済に及ぼす影響というものは、まず問題の処理が長期的には経済成長にプラスの効果を持っていく、内外の市場参加者が納得するような方策であれば、市場環境が好転していくということは言えると思います。しかし一方、そういったメリットがあると同時に、短期的には雇用面などでマイナスの影響をもたらすといった可能性もあると思います。 日本銀行としましては、こうした不良債権処理も含めました構造改革の動きが経済に及ぼす影響を十分念頭に置きながら、経済情勢を的確に判断してそのときそのときの適切な金融政策運営に努めてまいりたいと考えております。
○清水達雄君 日銀総裁には、もうこれで結構でございますのでお帰りいただきたいと思います。 次に、金融担当大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、いわゆる土地担保金融が実質的に崩壊をしている。それで、地方の不動産とか住宅を扱う業者なんかの話を聞きますと、金融庁が地方の金融機関のいろいろ検査なんかをやったときに、大変厳しい検査をやられちゃってもうどうにもならぬというふうな話をされていまして、例えば住宅ローンなんかが物すごく締めつけられているということでございまして、私は住宅ローンなんかそんなことはないんだろうというふうにも思っていたんですけれども、そういうことなんですよ。 つまり、マンションなら住宅金融公庫から金を借りればもうほとんど、そんなに民間の金を借りなくて建つんですけれども、地方で土地つきの家を買おうと思いますと、土地に対する公庫融資というのは非常に少ないですから、どうしても民間金融機関に頼らなきゃならない。それで、大体融資率が五〇%、つまり担保評価が五〇%ぐらいにしかならないというふうなことでございまして、そういうことなら、普通なら七、八〇%ぐらいの融資率がないとなかなか家が建てられない、あと二、三〇%どうするんだというふうな話で、何回も何回もやっていくと、どうにもならぬからもうあきらめた、やめたと。 それで、ある県で一月の住宅着工が前年に比べて三六%ぐらい減りまして、この五年間の最低水準になったというふうな話もあるんです。これを何とかしてくれなきゃもうどうにもなりませんよということなんですが、要するに、土地担保金融が崩壊してあとどうするのかと。地価が下がっていますから、それはもう担保の評価率を下げなきゃ銀行としてはどうにもならぬということになると思いますが、この場合に何かその手段を講ずるには、きのうも実はいろんな人とちょっとその辺の議論を、堺屋太一先生とかといろいろ話をしたんですが、要するに、あらかじめ二、三〇%の差額について特別の保証制度をつくるのか、あるいは劣後債でも発行して担保割れに備えるかというふうな手当てをしないとだめかなというふうな議論まであったんですけれども、何かその辺について金融庁として、大臣としてどんなお考えをお持ちでございましょうか。
○副大臣(村井仁君) 柳澤大臣からまた包括的なお答えがあるかも存じませんが、今御指摘のように、不動産担保融資でございますけれども、これは地価の下落によりましていろいろ問題が出てきているということはただいま委員御指摘のとおりでございます。 金融機関の立場からしますと、各債務者の状況をよく把握いたしまして、債権保全という観点から大変コーシャスな、注意深い対応をしているということは否定しがたい事実だと思います。 しかしながら、最近私ども見ておりますと、住宅金融というのはある意味では金融機関にとりまして大変いい貸付先だということも言えるわけでございまして、さような意味では、それぞれの債務者の持つ実際の返済能力、そういうものに着目しまして、それなりに弾力的にやっておる面も多々あるんだろうと思っております。 それから、私どもの検査の体制につきましていろいろ御指摘ございましたけれども、特に地方の信用組合でございますとか信用金庫でございますとか、こういうところはどちらかと申しますと、その地域の貸付先の実態というのを非常によく把握しておるという特徴も一方ございます。そういうことで、それぞれのリスクをとってちゃんと貸しているというようなケースにつきましては、私ども検査に当たります者にも機械的にこれに対処することのないようにということを非常に強く申しておりまして、そういう指導もしておるところでございまして、またそれぞれの金融機関におきまして、検査に行った人間との間でかなり自由な対話もしているというのが実態でございます。さような意味で、今委員御指摘のようないろいろな話も私どもはよく聞くところでございますので、十分注意はいたしますが、何といいましょうか、弾力的に対応する姿勢は持っていると思っております。 それから、これは必ずしもいわゆる住宅ローンではございませんけれども、このごろ特徴的に地方の金融機関あるいは地銀などで出てきております一つの対応でございますが、借り手の信用格付に応じますスコアリングシステムというようなものをつくりまして貸し付けの判断をしていく、あるいは、やや高目の金利をちょうだいはしますが無担保で貸すというような対応も出てきておりまして、これは私ども、金融機関がそれなりにリスクテークをする非常に望ましい傾向だと思っている次第でございます。 ただいま非常に思い切った御提案がございましたが、これにつきましては私ども、なお研究をさせていただければという感じがとりあえずはいたす次第でございます。
○清水達雄君 例えば、公的金融機関は第一担保をとるということになっているわけですね、住宅金融公庫もそうですけれども。これは何か発想を変えまして、やっぱり地価ももう非常に下がってきておりますし、株式も非常に下がってきておるわけですから、もうこれからはそういうものを買って余り損することはないだろうぐらいに私は思うんです。だから、公的機関は第一担保はとらない。 それから、やっぱり担保割れ等については、ある程度の負担がかかっても何かそれを補てんするような措置を講ずるとかいうかなり思い切ったことをやらないと、なかなか本当に回復していかないじゃないか、心理的にも回復していかないんじゃないかということを思いますので、ぜひ御検討をお願いいたしたいと思います。 それから、柳澤大臣に伺いたいわけですけれども、いわゆる不良債権の直接償却の問題がございまして、これは余りやると倒産が物すごくふえちゃうとか失業がふえるとかいろいろあるわけでございますが、例えば銀行経営につきまして、若干経営内容が悪くなってもそれは責めないよというふうなことが新聞で報道されておりますが、例えばBIS基準なんかを割る、八%から下がるというようなことがあってもそれは許すのか。 私は、どうもBIS基準というのはよくわからないで、ヨーロッパあたりではそんなの守っていないという話も聞くんですけれども、本当にこれはグローバルスタンダードでやらなきゃならないものなのかどうなのか疑問を持っているわけなんですが、それらも含めてどういう対応をされるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと質問の趣旨を取り違えているかもしれませんけれども、まず、今私どもが金融機関に呼びかけております不良債権をオフバランス化する、こういうことについて申し上げますと、これは先ほど日銀総裁も言われ、また清水先生もそういうラインでの御質疑の中の御発言があったと思いますけれども、要するに、今銀行が貸し出しが伸びないわけでございます。 何で伸びないのかといいますと、まず一つは、相手方がいわば不良の貸出先であるというような場合には、一番ひどいときには、それに貸し出したらこれはもう背任になってしまうというようなこともあります。そこまでならなくても、貸し出しをする最初のときから大変な個別引当金を積まなきゃいけない。こういうようなことになりますと、これはもう貸し出したくても貸し出せない。たとえその貸出先企業が提案してきた案件が割にいいじゃないかということになっても、その貸出先全体の一つの法的エンティティーとしての評価が低いと、幾らそういういいプロジェクトであっても貸し出しができない。 こういうようなことがあるというふうに考えられるわけですけれども、そうであれば、この貸出先の企業が全体として余りいい貸出先でないとされている一番の病巣、それを早く切り離して、そして健全なところを早くはっきり一つの企業として分離独立させて、それに対して貸し出しをしていく。そして、そういうところからいいプロジェクトが出てきたら、もう積極的にこれに対応していく。こういうことでないとやっぱり日本経済全体の活力がもう出てこないのではないかと私は思うに至ったわけでございまして、そういう意味であの不良債権のオフバランス化というものをやろうではないかということで、今呼びかけをさせていただいているわけでございます。 そういたしますと、銀行経営にはどういう影響があるかということでございますけれども、これは基本的にはそうしたところに対しては多分分厚い引き当てが行われておりますので、その引当金の範囲内で損がおさまるということが期待をされるわけでございますけれども、しかし、ゴーイングコンサーンとしての評価と切り離した本当に悪い部分については、これは清算というか整理をするということになると、それはもう清算価値になって、これはもうその価値が下がる。そうなりますと、引当金でなかなかすべてはカバーできないということで、追加の損失が生ずるということもまあ考えられないことはない。そんなにそれが巨額に上るとは私思いませんけれども、そういうふうに想定するのも当然のことだと、こう思うわけでございます。 それが、それでは非常に大きな銀行経営に打撃になるか、今BIS基準を割るほどに打撃になるかということを考えますと、私どもとしてはそこまでには到底至らないだろうというふうに考えるわけでございます。 それは、今、日本の金融機関の全体的な体力というか、そういう評価が厳しく市場等で行われているわけでございますが、この要因としては、言うまでもなく株価の下落というものがあるし、もう一つは不良債権の処理ということがあるわけでございますが、私どもたびたび国会でも答弁をさせていただいて明らかにさせていただいているとおり、株価の下落も、自己資本比率ということについて仮に今年度末あたりからカウントされるとしても、そんなにいわゆる自己資本比率を一けた台に落としてしまうというようなことにはなりません。プラス不良債権の処理ということが、従来、例えば九月末の中間期に発表しておった全期通じての見通しというようなものを上回るにしても、そういうことはそんな自己資本比率を脅かすようなことにはなりませんということを明確に申し上げているわけでございまして、今、先生、どの新聞が書かれたか知りませんけれども、そこのところを大目に見るというようなことになるのかということについては、もともとそういう考え方というものがない上に、実態的にもそういうものは全く想定されない、そういう状況にあるということを申し上げたいと思います。
○清水達雄君 大変確固たる御答弁で安心をいたしました。 そういうことで、私も説明している時間がなかったから、まあ分社化をして債権放棄なりあるいは法的整理なり、だめな方はやるというやり方をするんだろうなというあたりは申し上げなかったんですけれども、そういうことをやった場合に、もう一つの問題、雇用の問題があるんですけれども、これはまあ金融庁のお話ではないんですが、その辺についてはどうするんでしょうか。私もどうしたらいいというふうな考えはないんですけれども、やっぱり考えなきゃいかぬ問題だと思いますので、何かその辺についての御配慮とかおありでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良部分を分社化という、まあ法人格を変えるという手法もあり得ないわけではないですけれども、すべて法人格を与えたりあるいは分離したりするかといえば、それは私はそうではなくて、通常のリストラというようなこともあり得ると思っているんですけれども、いずれにしましても、その不良部分、不稼働部分を分離、整理するといった場合に、雇用に影響がないかと言われれば、私はいろいろに考えるわけですが、そんな不稼働部分に今問題になるような雇用を張りつけているだろうかということが一つあり得ると思うんですね。ですから私は、そこのところは私の腹づもりみたいなものではそんなに大したことないんじゃないかなとは思います。しかし、現実に雇用に何にも影響がないかといえば、私は、やっぱりそこに配慮をしていかなきゃいけないだろうと、こういうふうに考えてはおります。 ただその場合に、よくこういった問題について、構造改革と雇用問題というときに参考になるエピソードは、昔ありました石炭の石炭山を我々のエネルギー政策のもとで閉じたわけでございます。そういう構造改革をしたんですけれども、石炭山を閉じるときに、今度はエネルギー源として石油の精製事業を打ち立てたり、あるいはそこからさらに石油化学工業が大変たくさん興ってきた。そういうようなことで、この構造改革というものはそういうものなんだと。その一つのアウト・オブ・デーテッドした産業部門は淘汰されるけれども、また新しい産業が興ってきてそこに雇用が吸収されていくんだという、むしろそれでは足りないくらいになるんだというようなことがエピソードとしてよく伝えられるわけですが、本当はそれが一番理想だというふうに思います。 そのエピソードを、私どもの今回のこの不良債権の処理ということに置きかえて考えてみますと、私どもは、バイアブルというか、切り離されて残ったところがもっと元気になってどんどん拡大していく、成長していく、そういうことをむしろ想定して、それに対して金融も積極的に対応していくということがなければならない。余り消極的にばかり考えないで、私は、これを配慮をしながらやるということに加えて、今言ったようなことを考えていくべきなのではないかと、こんなふうに考えているわけでございます。
○清水達雄君 さっき一番最初に、緊急経済対策についての金融担当大臣のお話の中に、持ち合い株の解消のためにもう一工夫あってもいいんじゃないかというふうなお話があったわけですけれども、いわゆる民間資金による株式買い上げ機構の創設問題でございます。 私は、ぜひこういうものをつくってほしいな、もしこういうものをつくらないとなかなか難しいんじゃないかな、今の事態の解決が、というふうにも思うんですけれども、この辺についての御検討はなさっておられますでしょうか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、そこにございますように、民間のファンドということで党側は構想されたわけでございますけれども、この構想を民間の方々に若干検討をお願いしたわけでございます。もちろん、まだ組織総体としての意見が集約されているというわけではないんですが、とりあえずのリアクションとしてどういうものが出てきたかといいますと、じゃ、その買い上げ機関の資金は当然金融機関が融資するんでしょうと。そうしますと、その融資残高というのは当然金融機関の資産というか貸出金債権という格好で残るわけですが、これに引き当ては必要ないのかと。これはやっぱり引き当てが必要になるんですね、そのままほっておいたら損が予想されないわけではありませんから。そういう問題がある。これが第一の問題です。 第二の問題は、これをマーケットがどう評価するだろうかということでございます。 確かに、そこに一時凍結されるにしてもいずれそれはまた出てくるというようなことになったときに、本当にそれが十全に機能を発揮するんだろうか、期待される機能を発揮するんだろうか。これも第二の問題だというわけであります。 しかしながら、第一の問題について申しますと、損失については、ちょうど金融再生法みたいなこと、そんな直接的なことほどではないんだけれども、何か一工夫がないだろうか、これを検討しなけりゃならないだろうと。 それから第二番目に、そこに完全に凍結されてしまうのか、あるいはそれを証券化したりあるいは受益証券化して、いわばETFと申しますけれども、もちろん買い上げられた株だけではETFは出ません。それはある指数と同じ構成にしなきゃいけませんので足したり引いたりしなきゃならないわけですけれども、そこは相当やるにしても、それを投資信託の形にして受益証券で最終的な個人の投資家に持ってもらうというようなことをすると、この凍結と、いずれまた出てくるだろうということは随分緩和される。 いずれにしても、一工夫、二工夫と先ほど言わせていただいたのはそういうことですけれども、そういったことにおいて、今持っている持ち合い株の解消を一たんはそういうふうにするにしても、それを徐々にいろんな形で、別の形で最終投資家に持っていただくようなことでこういう問題に対処するということを考えなきゃいけないかなと、こんなことを今議論をし始めているところでございます。
○清水達雄君 いよいよ時間もなくなってまいりまして、最後の財務大臣に対する御質問ということになっておりますが、どうも財務大臣にお聞きするにはちょっと申しわけないようなお話でございますけれども、実は土地税制の話でございます。 今、土地が非常に魅力がなくなった。これは土地の需給構造がそうなっているから、いわゆる土地神話がなくなってきているということでそうなんですけれども、もう一つはやっぱり固定資産税のつくり方が間違ったんですね。もうあんなすごい、公示地価の一%になるような税金を毎年取るというふうな、そんな固定資産税があり得るはずがないわけで、その半分取れればいいところだったわけですね、今までの日本の経験からいうと。 というところから、地価がどんどん下がるのに固定資産税の評価はどんどん上がるというふうなことをやりまして、だから固定資産税が非常に高くなっているわけです。最近は抑えてありますけれども、まだ非常に高くなっている。しかも、それにつられて登録免許税とか不動産取得税、これは評価が同じですから、これも高くなっているという状況でございまして、これが非常にやっぱり土地取得のガンになっているんですね、一つの。 そういうことが一方にあるんですけれども、きょうはそれはちょっとさておきまして、土地の譲渡益課税でございますが、これが実は所得税法本則では二分の一総合課税という制度でスタートをしておりまして、それが租税特別措置法でいろんな形で今まで運用されてきておりますけれども、今の租税特別措置法は二階建てなんですよ。 一つは、譲渡益四千万円以下の所得税率は二〇%、それから八千万円までは二五%、八千万円を超えると三〇%という税率になっているんです。三〇%というのは、いわゆるバブルの平成四年からできました三九%ですね、地方税を含めて。三九%というふうな税制が租税特別措置法の第一段階の基本特別措置みたいな形で残っていまして、それなのに、三年間なら三年間は二〇%の比例税率でいいですよというようなことをやっているわけです。何で二階建てに租税特別措置をしなきゃならぬのか。これがある程度わかっている人は、その幽霊みたいな三九%がまた出てくるかもしれぬなというふうなことを考えているんですね、現に。 だから、これは我々は、私も一生懸命やりました。ああいうすごい重課をなんとかしなきゃならぬと一生懸命やりまして、三九%はなくなったと思っていたら、なくなっていないんですよ。よく法律を読まなかったものだから、言うならば私自身怠慢だったのかもしれませんけれども。ということなんで、これは非常に私はわからない。 去年の税制改正のときに、税制調査会長がみずから乗り出されて、いろいろその辺、早くやめるような、税制大綱の中に書こうとしたんだけれども、土地に対する課税ベースが狭いから、そこのあたりを何とか考えないといわゆる重課部分も簡単には外せないよというふうなスタンスを主税局がとっているわけです。私はこれはもうどうにもならぬなと。そんなことを今どき言っていったんではこれはどうにもならぬと。 尾原主税局長、もうずっと長年やっておられますけれども、ひとつこれは早くそんなことのないようにしていただきたいと思うんですけれども、いかがでございますか。
○政府参考人(尾原榮夫君) ただいま、今回審議をお願いしております長期譲渡所得税の租税特別措置の構造についてのお尋ねがございました。 つまり、本則の方が三九、三二・五、二六%という規定を残しながら、今回、特例措置として二六%の制度にしているのは少しおかしいではないかということだと思います。 今の本則の制度でございますが、実は平成三年度に地価税の創設を含む大きな土地税制の抜本改正が行われましたが、平成八年度に、その間随分状況が変わってきましたので本格的な見直しを行ったわけでございます。その結果、平成八年度改正での姿が今の第一項に書かれてございます。 その後の改正でございますが、先生のまさに御指摘がございましたように、地価の状況もさらに低迷状況が続く、経済状況も厳しいということで、二六%の税率でお願いしているわけでございますが、これはどちらかといいますと、そのときそのときの一種の臨時的な措置としての考え方のもとで措置を講じているものでございまして、税制としておかしいではないかと言われると、そういう面もあるわけでございますけれども、そのような姿になっているわけでございます。したがいまして、実は平成八年以降、この土地税制をどう考えたらいいのかということを、本格的な議論をやっておりません。 したがいまして、このような経済状況でございますので、地価がどうなっていくのかまた見きわめなきゃならぬというようなこともございまして行っておりませんが、期限が到来するときにはきちっと議論をいたしまして、長期安定的な制度にしていくべく努力をしていく必要があるだろう、こういうふうに思っております。
○清水達雄君 これで終わりますけれども、住宅減税につきましては大変な御配慮をいただいていい税制をつくっていただきましたが、ことしの年末の税制改正で土地に関する税制全般について、これはせっかく三年間延長されましたけれども、その途中だって構わないわけですから、ひとつ私は御検討いただきたいなということを最後に希望を申し上げまして、終わりといたします。
○峰崎直樹君 民主党・新緑風会の峰崎でございますが、きょうは両大臣あるいは日銀総裁を中心にして質疑をさせていただきます。 最初にこういう質問から入らなきゃいかぬというのも余りいいことではないなと思っているわけでありますが、率直に申し上げて、今の自民党の総裁選挙の前倒し問題を含めて、きょうも、先ほど与党との間で緊急経済対策を議論されたと。しかし、国民もあるいは世界の主要な国々も、もうこれレームダックになっているんじゃないかと。そういう中で緊急経済対策とかいろんなことを言っても、こんなの意味ないんじゃないのか、こういう新聞の論調などもありました。読売新聞もきのうそういう指摘をしておりましたね。 そういうことについて率直に、森総理から任命を受けておられる宮澤財務大臣あるいは柳澤国務大臣はどのように考えておるのか、まず、質問に入っていく前提でございますので、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 我が国経済は、先般、十―十二のQEにもございましたとおり、全体としては成長しておりますけれども、企業関連はよろしゅうございますが、家計関連がなかなかやはり浮き上がってこないということで……
○峰崎直樹君 ちょっと、質問の趣旨が全然違いますよ。
○国務大臣(宮澤喜一君) 失礼しました。 それで、それが一番大事な問題でございますが、必ずその時期が来ると思っておりますが、同時に、しかしアメリカの経済が結局十年繁栄をしまして転換期に入ったということから、そういう認識から世界的な株式市場の混乱がある、崩落があるという状況で、我が国ももちろん例外ではございません。 そういう状況の中で、政府というのはどういう状況にあってもそういう局面に対してはベストを挙げて対応しなければならないものであって、政治的にレームダックであるとかないとかいうことは、それはそれといたしまして、行政としてはやっぱり全力を挙げて局面に対応するのが当然である、そう観念しております。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私も全く宮澤財務大臣と同様の考え方でございます。政治の動きというのは私どもも当然承知をいたしておりますけれども、その時期もまだ必ずしも明確ではないということも同時に生じているわけでありまして、その間において日本経済に対して大きな動きがあるときに、私どもはもういずれ引っ込むべき運命にありますから何も手をこまねいておるんだということは、これはもうどう考えても許されないわけでありまして、私どもは辞職をするならするということも将来あるのかもしれませんが、その辞職をする瞬間まで全力を挙げるのは私は当然の責務だと思っております。
○峰崎直樹君 今、宮澤財務大臣は、レームダックについてはそれはそれとしてと、こうおっしゃっていますね。つまり、今、森総理大臣そのものは、本当にそのリーダーシップを発揮できるような状況にあるんだろうかと。今、柳澤大臣もおっしゃいましたように、任命された大臣である以上は、しかも行政の責任もありますから、それに対して全力を挙げるというのは当然だと思うんですよ。しかしそうじゃなくて、最高責任者として任命をされた総理自身が、今の現状、国民の世論も、皆さんも御存じのように支持率が非常に低いです。そして国際的にもこの総理大臣に対してどう見られているかというと、はっきりしているわけですね。そうした中で、それはそれとしてというふうには私はならないんじゃないかと。むしろ、きょうはこの場は経済対策の問題ですから発言はこれ以上進めませんけれども、しかし、総理大臣自身がこのまま居座っているがゆえに実は経済構造改革が進まないんじゃないか、財政構造改革も進まないんじゃないのか。そのことが実は昨今の厳しい市場の反応になってあらわれてきているんじゃないかと思うんです。 そのことについては一体、宮澤財務大臣あるいは柳澤大臣、どのように考えているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 後段におっしゃいましたことには、確かにそういう言説もございますが、その当否は別といたしまして、もしそういうことであるとすれば、閣僚としては、足らざるところは全力を挙げて補うための努力をするのが当然であると考えております。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 今の峰崎先生のお話というのは、やめることが先決だというようなお話かとも受けとめましたけれども、私は、そういうことで今いろいろな政党間の話も進んでいるわけではないというように思っております。最大限言っていることは、総裁選を前倒しして、党の改革等も行われた後に新しい総裁をあるいは連立政権を生み出すということであって、そこには、きょうあすというような話は私は想定されていなかったというように考えるわけでありまして、そういうところに至るまでの間にこうした今の経済の事態が生まれてきたということであれば、これに対して全力を挙げて対応していくというのは、これまた当然のことではないかと私は考えます。
○峰崎直樹君 二十一世紀へ入って、一月六日から新省庁が発足しました。この改革の趣旨は、ある意味では首相のリーダーシップ、政治のリーダーシップ、このことをはっきりさせてきたのが私は今度の一府十二省の発足だったと思います。そのときに肝心の総理大臣がこういう状態で、じゃ、霞が関の官僚の皆さんやあるいは経済の第一線で頑張っておられる方々やそういう方々が実際どういう気持ちで仕事されているんだろうか。そして、今、柳澤大臣がおっしゃられましたけれども、実は公明党の神崎代表の発言は、それはもう総理の辞任表明だと受けとめるということすらおっしゃっているわけですね。 その意味で私は、こういう時期に、ある意味では早く決断をされて、そして新しいリーダーシップを持った方が、もし与党の側がその力を持たないというんだったら野党の側によこしていただく、これは私は、これからの時代の憲政の常道といいますか、民主主義の中で確立していかなきゃいかぬルールだというふうに思っているわけであります。そのことだけ冒頭申し上げておきたいというふうに思うわけであります。 そこで、けさ、実はアメリカのナスダックももちろん下落をしましたけれども、アメリカのいわゆるダウ平均株価が大幅に下落をいたしました。NHKの第一報を見ておりましたら、これは日本の金融問題、不良債権問題が原因になって起きたんだということをけさのNHKテレビが報じたわけであります。 先ほど宮澤大臣、私は途中で大変失礼なことを言いましたけれども、経済情勢を説明されるのかと思ったわけでありますが、まさに今質問しようと思っているのはそういうことなんでありますけれども、これは宮澤大臣にも柳澤大臣にもお聞きしなきゃいけないんですが、きょうのそういう、アメリカにおけるダウ平均株価の大幅下落は日本の金融問題に大きな問題がある、そのことが原因になっているという報道があったことに対してはどのようにお考えになっているのか、両大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 率直に言いまして、私が再び金融の担当を命ぜられてからの株価の動き、特に銀行株の動きを見ますと、ついせんだってまでは、銀行株の低落の程度というのは他の一般の株価の低落に比べて軽度に済んでおりました。私はそれなりにこのことを念頭に置いていろいろな話もしてきたし、自分の施策も実行しようというふうに心がけておったわけですが、ここ一日、二日、今先生御指摘のようなことになってきたわけでございます。 しかし、この間、私どもが今まで言ってきたことと何か実態との間に乖離が生じたのか、逆方向の動きが出たのかと申しますと、そういうことはございません。私、先ほどあえて清水委員の御質問に対しても、必ずしも清水委員御質問になっていないことでございますけれども、あえて申し上げました。 日本の金融機関の経営にマイナスの影響を与えているものは二つの要因がある。一つは株価であるし、一つは不良債権である。しかし、その程度はこのような程度だと考える。まして不良債権の処理額は、確かに、昨年の年度末に想定したものよりも、ことしの九月末に想定したものは、不良債権処理予定額というのは増嵩した。それが今度の三月末の決算において果たしてどうなるかということについては、増嵩することもあり得るだろうというような話がぼつぼつ我々のところにも聞こえるようになってきておりますが、それを仮に最大限とったとしても、別に私どもがこれまで言ってきたことを大幅に変更しようなどというような必要性は毛頭ないということを私は申し上げているわけであります。 ただいまの株価が、今先生がおっしゃられるような報道もあったわけでございますし、またそういう見方もあるのかもしれませんけれども、そういうものが仮にあるとしたら、その方々は一体どこを目してそういう評価をしているのか、私には全く不可解であると、こういうことを申し上げたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近のウォールストリートの状況は、十年続きましたアメリカの繁栄というものが一つの曲がり角に来たということ、これが基本であることは恐らく峰崎委員におかれましても御異存のないところだと思います。 そこで、今おっしゃいましたこと、それは、日本の経済もこれだけございますし、両国の間、殊にこういう取引関係においては、ニューヨークで売って東京で買ったり、いわゆる外人買いということがあったり、いろんなことが影響し合っていることは少しも不思議でないと思っています。ただ、それは今のアメリカの、せんだって来のニューヨークのウォールストリートの動きの主たる部分でないことはもとよりでございましょう。 それで、けさの場合どう思うかとおっしゃれば、柳澤大臣が言われましたように、債権の償却ということは、今までアメリカの諸君は、日本は引き当てればいいと考えていたが、それは一つの解決方法であるわけですが、ノンパフォーミングローンを置いておいたんではやっぱりぐあいが悪いではないかということをしょっちゅう言っておりましたが、柳澤大臣がやはりここは、債権の償却について、ただ引き当てただけでは万全ではないんだという、そういう行政をお考えになっておられる。 それで、それはだれが考えてもそのとおりであるし、アメリカから見ればもとよりそのとおりなんですが、その道行きにおいてそれはいろいろ難しい問題が起こるだろう、これはお互いにすぐに理解しやすいことでございますから、難きを選んで真実の解決に柳澤さんが入られる、そういうことについて、当面それは売りであると考えたのかもしれません。長い目で見れば買いであることは明らかですけれども、強いて言えばそういうふうにでも申すんでしょうか、それがしかしナスダックのここに来ての急落の主たる原因であるというふうには私には思えませんけれども、あえてどう思うかとおっしゃれば、そういうことででもあろうかと存じます。
○峰崎直樹君 柳澤大臣、大変力強くお答えいただきました。私たちはもう何度もそういう力強い言葉にだまされてきたという歴史があると思っているんです。これは柳澤大臣だけのことでなくて、過去、もう不良債権は終わった、住専のときもそうでした。今は亡くなられました梶山静六さんはその著書の中で、住専が終わったときに、もはや金融問題は峠を越しました、これからは財政再建ですと、こういうふうに自分は官房長官のときに聞いた、橋本龍太郎さんもそういうことを受けて実はああいう財政再建に入っていったんだと。実はふたをあけたら違っていたわけですね。この間、柳澤大臣が初代の金融再生大臣になられました。それ以降、私これから相当しっかり検証していかなきゃいけないというふうに思っております。 そこで、先ほどの清水委員に対して、もうBIS基準クリアできる、大丈夫だとおっしゃいました、株価が少々下落しても大丈夫だと。昨日、毎日新聞はそうじゃないということを、データを出しましたね。私は、個々の銀行のデータは要りませんから、次のようなことをちょっと教えていただきたいんですよ。 それは、今私が持っているのは、「銀行部門の株式保有額と自己資本額の推移」という表を持っているんですけれども、きょうは実は皆さんにコピーする時間的余裕がなかったのでできませんでした。 というのは何かといいますすと、一九九九年度、今から二年前の数字でございますが、全国銀行協会で調べた数字。左から順番に言ってみます。株式の時価保有額、Aとしますと、これは五十四・五兆、株式の簿価保有額、これは四十四・四兆、自己資本金額コア資本三十五・二兆、繰延税金資産八・二兆、公的資本注入額七・五兆。かくしてネットの自己資本というのは、今のやつをずっと計算すると二十四・〇しかない。そのときの日経平均の株価は御存じのように二万三百三十七円でした。これと同じものを直近のデータとして私は欲しいわけであります。 さらに教えていただきたいのは、銀行と生命保険会社同士が持っているいわゆる劣後ローン、お互いに劣後債の持ち合いをしているはずです。そういうものは一体ティア1とかティア2にどれだけ入っているのか。そういう形ではっきりと、いわゆるBIS規制の中に構成するリスクアセット、それをまずデータとして教えていただきたいと思います。 日経平均株価、今一万一千円台に下がっていますね。きょうも、今調べてみたら、当初四百円ぐらい下がっていたのが、今二百円ぐらいでありました。その水準で行ったらどのぐらいになるのかということは、金融庁はわかるはずですから、きょうは財政金融委員会初めての委員会ですから、そういう生の、すなわち加工する前のデータをこの委員会に提示していただくように委員長にお願いいたします。
○委員長(伊藤基隆君) 本件については、後日、理事会で検討いたします。
○峰崎直樹君 今のそういうデータがあるのかどうか、私は余りそういう細かいことを言っておりませんでしたので、今、あるのであれば教えていただきたいと思いますが、ぜひお願いいたします。
○国務大臣(柳澤伯夫君) まず、先生から計数を挙げてのお話がありまして、私どももここに手元にあればすぐにでもそれをお話し申し上げますけれども、ちょっととっさのことでございますので、これはちょっとお時間をいただきたいと思います。 ただ、先生、もう一つ申しますと、もしそういう構造的な問題があるとしたら、今言ったような株価の動きというのはまことにおかしいわけでございまして、私が就任して以後ずっと株は、銀行株は割といい経過をたどっていた。ここへ来て急にこうなっているわけでございまして、どうもその根拠として今、先生がおっしゃったようなことだということはおかしいと私は思います。 それに、もう一つだけちょっと申しますと、私が不良債権の最終処理に取り組むということを申し上げて以後、外国の論調はどうだったかというと、柳澤はそういうことを言っているけれども、どうも党側にはかなり保守的な勢力があって、柳澤が言うようにはいかないんじゃないかというようなことで、それが心配なんだというような論調でございました。ところが、今日の状況を見ますと、党のつくった文書の一番最初に不良債権の処理ということで言って、若干ニュアンスが違うとかいう説もありますが、私が読んだ限りではニュアンスは全く同じでありまして、党側はもはや与党三党をして私をバックアップしてくださるというようなことになっているわけでございますから、今ここへ来て日本の銀行のこれからの将来がおもんぱかれて、それが日本売りだか、あるいはもうアメリカの株まで売られちゃう原因になったというようなことは、全く論理的に話を組み立てようとしても私はこれはできないことじゃないか、そのように考えております。
○峰崎直樹君 もう一つ。今、柳澤大臣、自信を持っておっしゃいましたので。実は、いよいよ金融再生法あるいは早期健全化法が三月三十一日になくなりますね。なくなった後のそれに対する手当てというのは非常に制約されたものになりますね、当然のことですが。 今まで七十兆あると言われていたやつは、これからは協同組合金融機関に限り十六兆あると。そして、いよいよ四月一日から、今度システミックリスクがあったときに、総理大臣がそれを認定したときに初めて発足するのは十五兆円、これは恒久措置だと言われている。そうすると、きょうのダウ平均の下落がデリバティブに波及して云々というのは、私はその仕組みがまだ十分よくわかりませんからそれ以上言いませんが、このいわゆるシステミックサポートの仕組みが、本当に日本はこれで大丈夫なのかなと。いや、これはもう大丈夫でないんじゃないのかという危険性を感じたとすれば、私は大変問題が起きるんだろうと思います。 柳澤大臣は、今おっしゃったように、いやもう大丈夫、そういうことは起きないとおっしゃいましたので、これはデータでまたおいおい確認しなきゃいけませんが、いずれにしても私は、ことしの四月一日から以降の、システムをサポートする仕組みというのは非常に脆弱になっているんではないかというふうに個人的に思っているわけです。その意味で、これはこれからのまた議論に進めていきたいと思いますが、一点だけ柳澤大臣に。 私どもは、あなたが今から二年前の七月に、まだ金融再生担当大臣でございました。そのとき、我が党の浅尾慶一郎議員から質問を受けたことに対する答弁の内容を再確認させていただきたいと思うんです。 平成十一年七月九日、金融問題及び経済活性化に関する特別委員会の会議録。浅尾慶一郎君がどういう質問をしたかというと、「資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。」と。柳澤伯夫君、「当然のことと心得ております。」、こう答えられているんです。 これは例の瑕疵担保条項の問題も絡んでくるわけでありますが、この点は引き続き私たちは、もちろん質問をした御当人はきょうはおりませんから、もう一度改めて、この答弁はそのとおりだと、そのことについては今も考え方は変わらないということなのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ちょっと今、資料というか議事録そのものが手元に見つかりませんので、そのことを私の記憶に基づいてお答えせざるを得ないのでございますが、あのときに浅尾議員と私との間で一番問題になったことは、根拠もない引当金を積んで持参金を持たせるようなことはしませんねということがテーマだったんです。これがメーンのテーマだったんです。 それで、浅尾先生はその前のくだりに、私も後でその発言が問題になったというからその流れを見てみました。そうしたら、私の関心はというのはちょっと私の言葉が過ぎるかと思うんですが、今ここで論議したいことはそのことだけですとまで言っているんです。「だけ」という言葉もあるぐらいです。先生、お調べになったらおわかりになります。 そういうことの一つの証明として、私は引当金はしかしふえますよということは言ったんです、持参金ではないけれども期間の経過に従ってどうしても劣化する、経済情勢によってあるいは資産そのものの性質によって劣化することはあり得べしですから、この今破綻をしたときの引当金、想定される引当金、つまり債務超過額と同じ金額の引当金で済むということにはならない。そこまでは私、請け負いませんよということを申し上げたんですね。 そうしたら、引当金がふえたときに、それじゃ説明するかと。そのときに私は、説明はしましょうと言ったんですね。ただしその中に、もうその段階になれば一本一本の債権ごとに、なぜその引当金がふえたかということを含めてと、こう先生はおっしゃられたんですね、質問の浅尾先生は。それで、私はその論議の、大変恐縮だったんですが、何々を含めてというところまでは恐らく私の注意が行っていなかったんだろうと思うんです。 ですから、そんなに短い答弁でおっしゃるとおりですと言っちゃったのは、それは要するに、引当金がふえた、その引当金は決して根拠もなくふえたものではなくて、持参金ではないということを説明しますねと言うから、それはそのとおりですよと。引当金という形で持参金などを持たせる気持ちは毛頭ありませんという意味合いで私の答弁は行われておるわけでございまして、それを含めて一本一本の債権の状況、引当金がどれだけふえたかその事情を言うということは、これは金融の常識として、今この企業に対する貸し出しがこういう状況にありますという金融機関の判断を公の場で言えないというようなことは、私は、金融を扱っている方々だったら、それは条理の問題としてないということは御納得いただけるんじゃないか。 私の発言は大変申しわけないです。そのところをスキップしたところでの話であるにもかかわらず、その「含めて」というところまで肯定したような形になっているのは申しわけない。これはもうおわび申し上げますけれども、話の本筋というものはそういうものであったということで、この本筋について、私はここにおいても変えるつもりはありません。
○峰崎直樹君 これは再確認を求めようと思ったんですが、私が質問したことではありませんので、また追って浅尾君の方から質問する機会があると思いますので、ちょっともう時間がありませんから、それで。 柳澤大臣にもう一点お聞きします。 これも金融検査の問題のところに絡むんですが、これは柳澤大臣だと思いますが、今おっしゃられた、いよいよ厳しい最終処理に入らなきゃいかぬということについて、柳澤大臣、決意されて今やられようとしていますよね。そのことによって経営健全化計画が達成できなくても業務改善命令は発令しない、こう発言されたのは事実ですか。そういうことはありますか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) この点は、発言の事実の有無についてお答えするよりも、現在においてどう考えているかということでございます。これはどういうことかというと、経営健全化計画が文字どおり、例えば当期利益というようなものが三〇%以上下振れしたときにはと、こう書いてあるわけですが、そういう場合にすぐに経営健全化計画というようないわば処分が、何と申しますか、論理必然的に連結しているかというと、現在の制度でもそうはなっておりません。そこに、何と申しますか、他の部面で経営健全化についての努力が行われておる、その結果たまたま当期利益がそのように三〇%下振れしたというような場合には、その総体を勘案して、処分というような意味での経営健全化計画の提出を求めるというような、いわば処分権の発動というものはしないというような仕組みの制度になっておるということでありまして、制度の趣旨を改めて確認したということでございました。
○峰崎直樹君 これは与党の中からも、金融検査のあり方について、手心といったら元の金融再生大臣のそういう発言がございましたけれども、そういう意味で言うと、九十何年からでしょうか、その金融検査のあり方にどうもこの間ずっと甘くなってきたという歴史があるんじゃないかという気がするんです。 それは、これは何年につくられたものでしょうか、金融検査マニュアルというのがありますね。この金融検査マニュアルの中に、ちょっと細かい話になって恐縮ですが、破綻懸念先というものについてのいわゆる「自己査定基準の適切性の検証」というところの横に「自己査定結果の正確性の検証」という欄があって、そこに何と書いてあるかというと、「左記に掲げる債務者が破綻懸念先とされているかを検証する。 ただし、金融機関等の支援を前提として経営改善計画等が策定されている債務者については、以下の全ての要件を充たしている場合には、経営改善計画等が合理的であり、その実現可能性が高いものと判断し、当該債務者は要注意先と判断して差し支えないものとする。」、こういうくだりがあるんですよ。 ということは、いろいろ下に条件載っていますが、破綻懸念先だけれども要注意先にしてもいいよというのは、こういう形でいくと裁量的に、条件はいろいろ出ていますが、こういうことを通じて一つ一つの債権に対する査定が、検査が非常に弱くなってしまっているんじゃないかというおそれがあるんですが、その点はどのようにお考えですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生今御引用のくだりそのものについて、私今ここで目で見るわけにもまいりませんので、そういった仕組みの問題として申し上げますが、今回でも同様の問題が実は先生起こっているんです。それは、我々が最終処理をするという場合に悪い部分を除外していい部分だけについてやるときに、この残債、残った債権というものをどう評価すべきなんだろうかということでございます。 今の規定はどうなっているかといいますと、法的整理になった場合は、幾ら整理をして切った後が健全になっていても、そこに対する残債というのはもう実質破綻先として区別しなさいということになっているのです、仮に再建計画がしっかりなっていてもですね。そして今度は逆に任意の処理が行われたときには、今まさに先生が読んだところがそこに該当するのかどうか、私ちょっとあれなんですけれども、ちゃんとした再建計画というか業務の改善計画がつくられて、それをみんながサポートし、それでその実現性というものについてもかなり確度が高いという場合には、これに対する債権というのは必ずしも実質破綻先とか破綻懸念先とかということでなくてよろしいということでございますが、我々が今度やるスキームでも、みんながその再建計画をエンドースしている、法律的な意味でなくてみんな保証してサポートしているというようなときには、この残債についてしっかりした計画があった場合にはやっぱりこれを上に上げてやらないと、金融機関の側でそれにさらに融資をしていくということができなくなってしまう。それでは何のために切り捨てたかわからないじゃないかと、こういう議論もありまして、恐らく今先生が取り上げられた問題の角度とはちょっと違う角度から実は我々は同じ問題に直面している。 その問題について我々は今私が述べたような方向で考えたいと思っておりますので、そういう方向での先生のお考えというのもひとつ、ちょっと先生のお考えの範囲に入れていただきたい。先生のように、これはもう検査が甘くなっているんじゃないかというような方向の話もあるかもしれませんけれども、実はそのちゃんとした再建計画を立てた場合の残債の評価というものをどうすべきか。それをもし破綻懸念先だとかというようなことになってきますと、これはもう追加の融資、ニューマネーを全く金融機関はできなくなってしまう。これもまた大変な問題じゃないかということで、我々はそういう問題を立てて今この問題の解決に努めているというところでございます。
○峰崎直樹君 金融ばかりやるわけにいきませんからあれですが、私どもは、この三月三十一日に早期健全化法と再生法なくなる。それに向けて、もう大丈夫ですと、そこを何とかクリアしないと、この間のある意味では金融早期健全化法や再生法の扱いをめぐって問題が起きたということになると大変だと、どうもそこのところに向けてずっと引き当てを甘くしたり、そういうことをすれば自動的に、先ほどのリスクアセットのところに傷が行かないという形に何かさせていっているんじゃないかと、そういうふうに考えておられるとしか思えないんですよ。 これから本当にいわゆる株式の時価評価も始まってまいりますよね、そうするともう隠せなくなってくるわけですね、いろんな問題を含めて。その意味で私は、過去二年半なら二年半の金融再生法、早期健全化法の、本当に適正なものをやられてきたんだろうかという疑念を持っている。 そして、なぜ、そういう健全化計画がありながら、そこに対して、いやその責任は問わないとかいう形になるのか。少なくとも公的資金を入れているわけですよね。ですから、そのことに対してきちんとしたディスクローズ、そして私は責任があると思うんですね。優先株を入れて、あるいは場合によっては優先株を普通株に切りかえたって責任をきちっととらせていくということが、私はやはり銀行に対して必要なんじゃないかというふうに思えてならないわけです。 そればっかりやっていると、実は日銀総裁お見えになって、ゼロ金利の問題含めて今から議論しなきゃいけないんですが、今提起ありましたので、我々も本当に日本の金融システムどうしたらいいかということを考えておりますので、またおいおいその点を議論していきたいと思います。 そこで日銀総裁、本当にお待たせをいたしたわけですが、ゼロ金利政策をやめるとき、私、昨年八月に総裁に質問させていただいております。ゼロ金利やめるのかやめないのか、たしか久保委員の次の日だったと思うんですが、そのときのやりとりを聞いているわけでありますが、ゼロ金利政策をやめて以降の日本経済、これについてはどう評価をされていますか。
○参考人(速水優君) ゼロ金利を解除いたしましたのはもう半年以上前になります。八月の十一日でございました。景気のその後の動向は、トレースすればかなり長い話になるんですが、特に大きく動き出しました、最近公表された経済指標で目立つことをまず先に言わせていただきます。 一つは、輸出の減少傾向がはっきりしてまいりまして、それによって生産も減少に転じているということ、それから二つ目には、設備投資の先行きについてもやや懸念される材料が出始めたということ、三つ目は、今御議論がありました金融・資本市場の動きで株価が低迷した状態が続いていると、この三つのことが特に二月になってからはっきり出てきたように思います。 御質問の八月のころと比べますと、アメリカを初めとする海外経済の急激な減速が、スピードダウンがあって株価下落の影響が強くあらわれてきておると思います。先行きの不透明感がこれによって一層不透明な感じを内外に与えてきているということが言えようかと思います。その間に物価は弱含みの動きを続けておりますが、今後、需要の弱さを反映した物価低下圧力が再び出てくる懸念があるということに留意する必要があると思っております。 こうした状況のもとで、経済・物価情勢についてはこれまで以上に私どもは入念に点検してまいりたいというふうに考えております。
○峰崎直樹君 日銀総裁は私の質問で昨年こう答えられているんですよ、ゼロ金利政策の評価ですけれども。ゼロ金利政策に伴う弊害もおっしゃっています。これは私もそうだろうと思うんですが、評価するというよりも、ゼロ金利は、ゼロに落としていくことで、「それが結果としては、随分資金の供給をふやして短期、中期、長期の金利を低いところで安定させ、そしてまた株式、債券等にも資金が流れ、企業にも資金が流れていったという効果は十分出ていたと思います。」と。 この評価は今でも変わりありませんか。
○参考人(速水優君) ゼロ金利を発動いたしましたのは九九年の二月でございますけれども、その時点で──ゼロ金利の効果ですね、ゼロ金利解除の効果ですか、どっちですか。
○峰崎直樹君 ゼロ金利にしたことの効果です。
○参考人(速水優君) それは、当時、御承知のように、デフレスパイラルの一歩手前と。金融関係もまだ今日のように法律の整備も整っておりませんでしたし、大銀行の倒産が起こるといったようなことがありましたし、ゼロ金利政策をとることによって流動性の面での安心感を金融市場に与えることができるんじゃないかという判断で、あの時点で思い切って、それまでに〇・二五ぐらいまで下げていて、〇・一五に行って、それでゼロというところまで持っていったわけでございます。その間、やはりかなり市場への流動性はふえたというふうに考えております。 しかし、御指摘のように、ゼロ金利ということのもたらす不自然さといいますか、副作用というものも一年半の間にかなり累積していたということも申し上げていいかと思っております。
○峰崎直樹君 それで、そのときに私も実は物価の問題に触れて、いわゆるよい物価と悪い物価というふうにはおっしゃっていません、この一番新しい、速水総裁が三月七日にお話しなさっているやつを読んでも。今までそういういい物価とか悪い物価と言ったことはないとおっしゃっていましたけれども。ただ、需要が弱いところの、いわゆるデフレスパイラルになっていく物価下落と、それから供給面で技術革新とかあるいは規制緩和によって進める物価、こちらは何かニュアンスとしていい物価で、あとのやつは悪い物価だというようなニュアンスで私自身は受けとめたんです。多分にこれ、よい物価、悪い物価ということでマスコミでは言われているのかもしれませんが。 ただ、今の状況を見ると、過去二年間にわたって、GDPのデフレーターを含めてずっとこれ低下傾向ですよね、マイナスですね。これはデフレと呼ぶべきで、そのことの与える影響は、不良債権を抱えているところを含めて、あるいは国の財政にだってそうですね。これも後でまた宮澤大臣にもお聞きしようと思ったわけですが、こういうふうに物価が先進国の中で二年も連続してずっと低下し続けているという国はないんですよね。これはなぜそうなっているんだろうかなと。 この物価低下の原因、これについては、インフレに対してももちろん戦わなきゃいけないけれども、デフレに対しても戦わなきゃいけない日銀として、どのようにこの物価の問題について、特に二年にもわたって下落していることに対するその原因、そしてそれに対する対応を考えておられるのか。まず総裁にお聞きし、そして宮澤大臣にもこの点について、もし御所見があればお聞きしたいと思います。
○参考人(速水優君) 御指摘のように、このところ各種物価指数、全般的に弱含みの状態が続いておるわけでございます。 その背景として、私ども常に見ておりますのは、二つの面がありまして、一つは景気回復が緩やかなものにとどまっているという需要サイドの要因がございます。需要が弱い、引き続き強くないということ。それからもう一つは、技術革新とか流通合理化とか規制緩和といったような競争市場、流通市場でも製造業においてもそうですが、グローバリゼーションの中でやはり競争が活発になり、輸入品との競合、あるいは同じ業種の中での競争が非常に激しくなってきている。それで物価の引き下げ競争が起こる。そういういわゆる供給サイドでの価格の下落、コストのダウンという、この二つのものが物価の指数になってあらわれてきているように思います。 こういう物価下落の背景というのは大変複雑でございまして、最近の景気情勢から見まして、今後の需要の弱さを反映した物価低下圧力が再び強くなってくる懸念もあると思っております。供給サイドでの価格が下がるということは、消費者、家計にとっては、従来あった内外価格差といったようなものが下がってきて日本も一般の物価が安くなってくるということは喜ばれることであるに違いないと思いますけれども、それと同時に、企業のサイドでは、やはりそれは売り上げの減少、あるいは収益の減少につながっていくというデフレ的なサイドを持っておるわけで、必ずしもいい悪いといったようなことは言えない状況だと思います。 そのどっちが強いのか、どれがどういうふうに動いてきているのかというのが私ども最も注目しながら見ておるところでございますので、そういう非常に複雑な情勢、特にそこに構造改革とか、これからの輸入品との競争といったようなこと、あるいは海外で加工して日本へ持ってくる、あるいは海外でつくらせて日本へ持ってくるといったようなことが起こり始めて、これこそまさに構造改革の走りの一つだと思うんですけれども、そういうものが起ころうとしているときに、物価の、引き続き緩やかにではありますけれども弱含みであるということが、今後どういうふうに動いていくのかということは注目を要するところだと思いますし、私どももよく注意して見ていきたいと思っています。 そういう意味で、日本銀行でも物価に関する研究会というのを、学者も入れ、いろんな範囲の人を入れてこの四月から始めて、数回重ねて成果を公表もしてもらおうと思っておりますけれども、それぐらい物価については非常に注意深く見ておるということを申し上げたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は学者でございませんのでデフレということを定義する資格はございませんが、今の状況をデフレだねとどなたかがおっしゃったときに、いやそれは違うなというふうには申したことはございません。
○峰崎直樹君 宮澤大臣、最近ずっと答弁聞いていまして、発言されたときに、そのことが日本の経済にはどんな影響を与えているのか、そしてそれは納税者である国民にとってはどんな影響があるのかということは、財政、税制を担当されている大臣として、私は、もう少し真剣にと言ったらこれはもう大先輩に申しわけないんですが、後で財政再建のお話も申し上げますけれども、財政は破局的な状況だというのは、私は的確な表現じゃないかなと思っていたのを、後で、いやあれは言い過ぎましたとか。もう少しそういった点、納税者に対するあるいは国民に対して、個々の政治家同士のやりとりの背景には、実はそういう国民もいる、そして世界も見ているということで、少し真剣に対応してもらいたいなと。もちろん、ふまじめにやっていらっしゃるということを言っているんじゃなくて、そういうふうにお願いを申し上げたいと思います。 さて、日銀総裁。この物価の問題、非常にこれは深刻な問題で、学者もそうですし、先日、経済財政諮問会議で、前エール大学の、今、内閣府の研究所の浜田宏一先生ですか、浜田先生もやはり量的緩和をしてインフレターゲットを、つまり、日銀としてある程度物価は、昨年の十月の「「物価の安定」についての考え方」の中でこう書かれているわけですね。物価の安定というのはインフレでもデフレでもない状態であり、家計や企業などのさまざまな経済主体が、物価の変動に煩わされることなく、消費や投資などの経済活動に係る意思決定を行うことができる状況と、こういうふうにおっしゃって、具体的な数値目標についての論議の中で、デフレスパイラルの防止のための余地として、若干のプラス物価上昇率を目指すべきだ、こういう点では政策委員のメンバーでは広く認識を共有していると、こうおっしゃっているわけですね。書かれております。 であれば、そういうことを我々は目指すということを国民に向かって、内外に向かって日銀としてやはり、例えばそれが二%なのか、あるいは二・五%なのか三%なのか、そういう努力をされるという考えはないんでしょうか。
○参考人(速水優君) 俗に言うインフレターゲティングというようなものを置いたらどうかという御質問ではないかと思います。 インフレーションターゲティングに関しまして私どもの考え方を申し上げますと、この手法というのは海外では一部の中央銀行が採用しておりますし、金融政策に対する信認を確保する方法の一つとしては使われている方法だと思います。主としてインフレを抑えるという方向で使われているんだと思いますが、ただし、需要、供給の両面が今申し上げたように非常に複雑に物価動向に影響を与えている我が国の現状で、ある程度の期間にわたって妥当性を持つ数値目標を設定しておくということは非常に困難なことだと思います。また、そのような状況のもとで無理に目標を設けたとしましても、金融政策の透明性の向上には余り役立たないんじゃないかというふうに思っております。いずれにしましても、物価の問題は重要でございますので、今後とも、実際の金融経済情勢の変化を踏まえまして、引き続き検討していく方針でございます。 繰り返しになりますけれども、日本銀行としては、インフレでもないデフレでもない物価の安定、これを通じて安定的な経済の成長を遂げていくということが私どもの理念でございます。日本銀行は、物価の下落と景気後退の悪循環、いわゆるデフレスパイラルを防止するということ、このためには、金融政策運営上、物価の動向には最大限の注意を払っているのが現状でございます。
○峰崎直樹君 最大限の注意じゃなくて、その目標に向けて努力していくということが私はやっぱり必要なんじゃないかなと。インフレを防ぐことも日銀にできれば、デフレを防ぐことも日銀にはできるんではないかというふうに思っておりますので、その点は今後もまたよろしくお願いしたいと思います。 さて、財務大臣にお伺いしますが、そのデフレ問題、物価の問題について、実はこれ、いつの記者会見でしょうか、三月十三日の二時十六分から、ごめんなさい、二時十六分じゃないですね、記者会見をした。これ新聞社が配信してくれているものを読んだわけですが、その中で、一つは株価の問題です。 何とおっしゃっているかというと、これ三月十三日ですから、二日ぐらい前でしょうか、けさのことは、皆さん玄人だから当然きのうのアメリカのニューヨークの相場で予想されたことだと思います、私も予想していました、別に意外だと思っていないと。私にとっては織り込み済みで別にコメントするほどのことはないと。こうまた株価の下落のことをおっしゃっているわけですが、きょうの株価の下落もやはりそのように、あるいはこの二、三日の日本の株価の下落、こういったことについて、それはニューヨークで下がったんだから当然こっちも下がりますよと、こういうコメントでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そういう記者会見をしておりますけれども、私の申したいのは、株価とか為替とかいうものについて財務大臣としてコメントすることはできない、基本的にそういう立場でございますものですから、コメントができないんだということを言っておるわけです。 それは今日でも、きょうの午前の前場どうだと言われましても、それはちょっと立場上コメントできないということが、一言で言ってしまいますと、いかにもぶっきらぼうでございますけれども、それが本意でございます。
○峰崎直樹君 その日の、じゃ株価の問題は別にしまして、その後で、消費になかなか景気が結びつきませんねというときに、いやもうこれは民間がここまで来ていて、設備投資それから民間の企業もうまくいってきているから、これは時間を置いたら必ず消費に結びつくんだよと、こうおっしゃっているわけですね。時間を置けばというお話で、次のQEは一―三月ですからこれはかなりいいと思いますねと、消費の一・二%という成長予測はほとんど間違いなく達成されますよと、こういうこともおっしゃっているわけですよね。 私は、このお話を聞いていて、日銀総裁もかつてダム論というのをお話しなさったことがありますが、それについてはきょうはお聞きしませんけれども、何か設備投資、企業のもうけがふえてくるとそれは必ず消費に移るんだよと。これは移るんだよと言われれば、そうですかと、いやいつか移るんでしょうねと。だけれども、なかなか移っていかない。その原因はどこにあるのかねということを丁寧に説明していただかないと、いや、そのうち移りますよといううちに、QE、この間発表になりまして、〇・八%ですから年間三・二%ですか、プラス成長になりました。ところが、その前のQE御存じですよね。プラス成長として速報値が出て、そして一回目の確報値が出たらまたマイナスになっちゃったんですよ。これはまた、プラス二・四になっているけれども、いわゆる法人企業統計が出たら設備投資の数字が間違えていましたとか、そういう形になると、また下手するとマイナスになってしまったら、二期連続マイナスが続いたら、これはアメリカでいえば不況ですよね。 そうすると、これは根本のところに戻っちゃうんですが、一体、小渕総理があの九八年で総理になられたときに、この一両年の間に私は日本経済を順調の回復軌道に乗せますと、こうおっしゃったんです。これは達成できたんですかね。宮澤財務大臣がそのときからずっと大蔵大臣、財務大臣をやっておられるんですよ。これについては達成できたというふうに、この一両年の間に日本経済を公需から民需へ引っ張ってこれは達成できましたというふうに考えておられるのかどうか、そのことをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは前にも申し上げたと思いますが、昨年から実は申し上げていることですが、私自身は、この仕事を始めましたときに、まあ二年、昨年の秋ごろにはまず民需へのバトンタッチができるだろうということを、実はそのころ口に出しては言いませんでしたが、ひそかに思っていました。ところが、昨年の一月ごろに既に企業活動の方は思ったとおりに、あるいはそれよりももっとよく動き始めましたから、これのバトンタッチは実は秋よりはもう少し早くできるような状況でございましたが、私が間違えましたのは、普通の不況回復のときのパターンですと、それは家計に反映をいたしますから、やがて国民消費にそれが移っていくというパターンが今回起こらない、起こっていないということについて、これも昨年申し上げたと思います。 しかし、これは時間の問題だということ、今も思っていますし、その理由は言ったことはないということは、実は申し上げてございまして、私の考えでは、これはグリーンスパンもよく言うことですが、ITというのはしょせん人がやっていたことを機械がするということでございますから、それだけの影響を雇用に及ぼすので、アメリカの場合にはいわゆるレイオフで、全く残酷無残とも言いたいぐらいなレイオフでそこのところは処理してしまっている。しかし、日本はそういうことはできません。 したがいまして、このことは恐らく、ニューインダストリーと言われるほどのITであれば、アメリカ経済を変えつつあるほどのITであれば、我が国の雇用にも大きな影響を及ぼすだろう。それは、レイオフという形を我が国はとらないということにおいて、終身雇用が変わるとか年功序列が変わるとか、そういう苦しみをかなりの間しなければならない。 それが恐らくはすぐに家計に移っていない理由ではないか、後にならないとわかりませんけれどもと、そのころから申し上げていまして、このごろ見ていてもやはりそうだなと思いますが、それはつまり賃金交渉の場においても労働側としては賃金よりはやっぱり雇用が大事でございますから、どうしてもそういうことになります。 ということで、この間、私が一―三と申しましたのもそのとおり申しました。十―十二は全体としてはよかった。雇用はよくなかった。国民消費はマイナス〇・六でございましたか、一つ目立ってよくない。しかしこれはやっぱり時間の問題なんで、一―三にはこれはよくなると思うなということを申しましたし、今でもそう思っておるわけです。 何にもしないんではないんで、大きな経済がそういう、殊に雇用のような問題で転換をいたしますときには時間がかかるわけでございますから、政府は雇用対策を初め補正予算とか本予算ができればそれをというふうにちゃんとやるべきことをやっていて、ある時間の中でそれが実現していくということは、レイオフというふうなことをするのでない社会ではそれは私はやっぱり予想しておかなきゃならない。何にもしなくてもいいんだというような申し方をしておるのではないつもりなんでございます。
○峰崎直樹君 私ももうグリーンスパンの話は随分お聞きしました。アメリカはレイオフできるから、日本はできないからと。今、日本もどんどんリストラが進んでいるんじゃないんでしょうか。 そして、これは柳澤大臣が産業再生とおっしゃるときに、不良なものは、不良でもうどうにもならないとなったときには、当然のことながら企業の整理、淘汰をしなきゃいかぬ分野が出ますよね。そうしたら必ずそれは、そこに勤めておられた方々は次への新しい産業へ移っていくという仕組みというものを、やはりセーフティーネットというのはしっかりやらなきゃいけないと思うんです。 ただ、そのとき、日本の場合には、私はこれはデモクラシーの中に本当に入っているかどうかわかりませんが、日本の労働組合はもう最近守られているかどうかわかりませんけれども、アメリカの場合にはよく先任権という、いわゆるシニオリティーというのがございますね。日本の場合にはどうも中高年の皆さん方がリストラに遭って自殺をするというのがふえてきているようです。どうもそこの労使の間の自治というのが十分日本の場合は私はできていないのではないかなというふうに思えるんですが、そういったことの全体像をよく見て、私は、これからの雇用政策なりあるいは失業対策、失業保険のあり方も含めて変えていかなきゃいかぬところだと思っておるんです。このことはまた別の機会にお話をしたいと思うんです。 そこで、日本の今度は財政の問題にちょっと話を移らさせていただきたいと思うわけです。 先ほど、日本の財政について破局的だと、こうおっしゃられて、それを訂正されました。日本の財政問題というのは、GDP五百兆をはるかに超えてしまった、このはるかに超えてしまったことの結果は私は物すごく大きいんではないかと思っているんですが、その点、宮澤財務大臣はどう考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 峰崎さんですから、これは聞いていただきたいんでちょっと言わせていただきたいんです。 参議院予算委員会の御質問の中で今のような財政の問題があって、日本の財政は大変だと、私も大変だということで、これは当然お互いに理解した上で、それについての議論ではなかったのですが、そのやりとりの中で、このごろはワイヤーサービスがございまして、これがあっという瞬間に一行でニュースを流すところでございますが、そこで何か破局的だということを流したわけです。別にその翻訳が悪かったとも私は思わないんですから、お互いに使っている言葉がそういう人たちの一行になると一つのニュースになってしまったということで、やっぱりこれはいろんな人がいるんだから私も用心しなきゃならないんだなと思いまして訂正をさせていただきました、間違った印象を与えるといけませんので。そういうことでございました。 それで、確かに、これだけの債務というのは、GDPを超えておりますので、これは容易なことでありません。私は、日本国民の資質からいって、またこれが対外債務でないということもあって、成長軌道にきちんと乗っていけば、これは次のジェネレーションに本当に御負担をかけるが、しかしやっぱり我々のジェネレーションの時代にあれだけ大きな不況があったわけですから、その克服のコストを次のジェネレーションにしょっていただくのは甚だ申しわけないが、しかしこれはしょえないようなコストではない、そのために早く、殊に二十一世紀に正常な成長路線に乗せたいと、こう考えていまして、後から御質問があるでしょうが、マクロモデルというようなことはそういうことから申し始めたことでございます。
○峰崎直樹君 先ほどの質問、ちょっとまたもとへ戻ります。六百六十六兆の話はまた後でしたいと思います。 私、実は、宮澤財務大臣が総理大臣のときに当選をしてきた人間なんです。今からちょうど九年前だったと思いますが。そのときに予算委員会を聞いていまして、当時宮澤総理として経済はどうなっているかということを聞かれたときに、次のように答えられたのを印象的に覚えているんです。今、日本の経済は非常に落ち込んできているけれども、何年かたったら、いや、あのときは景気の谷間を越えてもう上向いていたんだと、そういう意味で過去何度もそういう経験をしているんで、後から振り返ってみると、経済は我々が大変だ大変だと言っているときは案外もう上昇に向かっているものですよと、こうおっしゃられたのをちょっと鮮明に記憶しているんです。そうならなかったということを含めて私記憶しています。 先ほどちょっと一―三では上がるだろうというふうにおっしゃって、私は先ほどの最初の質問に戻るんですけれども、小渕総理が登場されて亡くなられた、そして一両年に経済を順調な回復にしますよということは、基本的には失敗なさったというふうにもう判断してよろしゅうございますね。その点はどう考えておられますか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 最後のところは、小渕総理がおっしゃって私がこの仕事をして、きょうに至るところで失敗したと考えていいかと、そうですか。
○峰崎直樹君 はい、そうです。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは自分のことではありますが、長い時間たって判断をしていただかなければならないことだと思っています。少なくとも私が自分で考えておりましたことは、これは相当コストがかかることである、そして二年ぐらいに、実はここはちょっと間違えましたが、バトンタッチできる、そこで財政のコストは少しは減っていくだろうと、こう思いましたその二年目のところで、家計のところに行っていない。半分しかバトンタッチができない。そこは自分が従来のパターンで判断したわけでございますから、まだそこに至っていない、私の見誤りがございます。それは第一です。 しかし、今まで使いましたコストが、この不況を克服するためにこれが無意味であったか、むだであったか、あるいは非常に大きなむだが多かったかといったようなことについては、私は今の時点ではそういうふうに思っておりません。長い時間がたちましたときに、そうだということになるのか、そうでないということになるのか、私はその点は何かむだをしたというふうに今は思っておりません。
○峰崎直樹君 私は、六百六十六兆円まで膨れ上がったという考え方、つまり、先ほど日銀総裁に質問したときに、宮澤大臣に一回質問して答えてもらっていない点があるんです。それは何かというと、今の先進国、OECDを中心にした国々で経済政策として需要拡大政策を中心にとってきた国はあるでしょうかねというふうに私は質問しました。それについて私はそのとき的確なお答えをいただけなかったなというふうに思っているんですが、その意味で、日本の景気が悪くなったら必ず公共事業を中心にして需要を拡大していくというやり方、私は確かに、九八年のあの破局的な状況の中では、一時的に公共事業を中心にしながら、もうありとあらゆる動員をされたということは一面やむを得なかったことはあると思うんですが、しかしずっとこの間、一九九二年の八月から景気対策としてもう何回需要拡大政策をとってこられた。そのていたらくが今日ここに来ているんじゃないでしょうか。 そういう意味で私は、六百六十六兆円まで膨れ上がった、このことは非常に大きな責任があるし、経済政策として考えたときに、そういう需要拡大政策を中心にするのはおかしいんではないかということが一点あります。 もう一点。六百六十六兆がなぜだめかというと、先進国のGDPの伸びとそれから長期金利の伸びを調べたら、GDPの伸びよりも実は長期金利の伸びの方が高いんです、平均値をとると。これは先進国共通して、きょうはデータを持っておりますけれども、数字を出しておりません。 そうすると、今、宮澤大臣がおっしゃったように、景気がよくなってきたら税収はふえてくるよねと。しかし、御存じのように税収弾性値一・一です、今。いわゆる最高税率を相当下げてきていますから、あるいは法人税もそうでしょう。そうすると、幾ら一・一倍しても、三%のGDPの成長率になったら、五%の例えば利子率、長期金利がそうはね上がったら、五百兆よりも六百六十六兆が大きいんですから、五百兆が伸びるよりもはるかなテンポで実は六百六十六兆の方が伸びていくんじゃないですか。発散するんじゃないですか。そうしたらこれは、将来の税はどうかは別ですよ、払い切れなくなってくるんじゃないですか。ましてこれが、国債の暴落ということが起きてきたらもっと破局的な状態になっていくんですね。 そういうふうに考えたときに、マクロモデルをつくって、中央と地方の関係だ、社会保障財源と国の税源の関係だということについての考え方はもちろんわかります。ある意味ではもうそこのところを早く財政発散をさせるということを考えないと、これは大変無責任なことになっているんじゃないんだろうかというふうに思えてならないわけです。その点どのようにお考えになっているのかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦後の我が国の経済発展の中で需要拡大で日本経済が成長してきたということはもうそのとおりでありますし、またそれは可能であったわけです。それから、この間うち、今回の不況以来、私が需要拡大を図った公共事業、減税、金融への資金投入等々、それはやはり手法としてはどうも私はそうであったろうと思っております、今でも。 ただ、これからの日本経済が今までのように需要拡大でやっていけるかどうかということは、環境といったような非常に難しい要素も入ってきまして、必ずしもそれ一本やりではない。また、日本経済もその段階よりはもう一つ高度の段階に進んだと考えられますから、その点については私は峰崎委員の言われますようにいろいろな議論があるだろうと思っているわけでございます。 それから第二の問題は、私がマクロモデルでねらっておりますことは、要するに、二十一世紀の最初の十五年、二十年かもしれませんが、国民が、これだけ非常に大きくなりました給付に対して、それに相当する負担ができるのかできないのかということ。そして、できないのであれば、それは給付をそこまでアジャストしなければならない、あるいはそれができなければ負担をそういうふうにアジャストしなければならないという、そういう命題によって新しく財政負担が、デットが生ずるのをまずやめたいと考えておるわけです。元本は元本の問題がおっしゃるようにございます。それは存じておりますが、それはそれとして、新しく債務がふえていくことをとめたいと考えておるわけであります。 つまり、給付と負担とがそういう形で構成されるならば、急にとは申しませんが、それで新しい債務というものは財政からは生まれないはずである、そういう状態をまずつくりたい。そして、そういう成長の中で元本の処理をしていかなければならない。手順としてはそのように考えております。
○峰崎直樹君 それは何年ぐらいかけてプライマリーバランスを回復させようとされるんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はあえてプライマリーバランスというふうには考えておりません。がしかし、それも一つの選択だと思いますが、これは結局、私がマクロモデルというものに一つの期待をかけ、またいろいろ問題があると思っていますのは、シミュレーションをして、どうしても国民に選択をしていただかなければならないというその選択は大変容易ならぬものになりますから、口で言うのは易しいですけれども、政治的には非常に大きな問題になるだろうと思っています。 しかし、それ以外に方法はないなと思いますので、しょせんは、国民がどれだけいわば給付と負担ということの関係を理解し、それを受け入れてもらえるかによってどのぐらいかかるかという答えが出てくると、こう申し上げるべきだろうと思います。
○峰崎直樹君 そのときに税負担はどのように考えておられますか。つまり、増税ということを考えておられるかどうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) それらがすべて、マクロモデルをつくった結果、先ほど申しますように国民が高い給付を要求されるなら、その負担は当然高くならなければなりませんし、その国民の選択ということであろうと思っています。 ただいま国民負担は三六ぐらいと思いますが、これはたまたま税収が落ちておりますのでそこらにとまっておりますが、かつて、かつてと申しますのは十何年前と思いますが、いろいろな議論があちこちであって、我が国の国民負担の限界は五〇であろうとか、先進国と比べてどうだとかいろいろございました。が、しょせんそれはどれだけの給付を国民が求められるかによって水準が決まってくると、こういうことであろうと思います。
○峰崎直樹君 衆議院の方では消費税の引き上げのことも言及されたやに聞いておりますが、私も選挙区というか地域を回って、かなりの人たちが負担はやむを得ぬなと。負担増というのはやむを得ないけれども、しかし行革をきちっとやってくれ、あるいは使われ方はどうなんだろうかというところに非常に今国民の鋭い目が向かっていると思います。この点はまた後でやります。 一つ、これは金融再生委員長になるんですかね、BIS規制の問題についてちょっとお聞きします。 それは、かつて私はこう聞いたんですが、それで正確かどうか教えていただきたいんですが、かつてのBIS規制で、地方債、国債、これは今現在はいわゆるリスクアセット、ゼロですね、リスクは。ところが、一九九一年までは一〇%のリスクだったというふうに聞いています。これは事実なんでしょうか。
○副大臣(村井仁君) 私ども承知しているところでは、当初からゼロ%ということで承知しております。
○峰崎直樹君 宮澤財務大臣、御記憶ございませんか。これまでバーゼルの条約で、いわゆる国債についてはゼロというのは前からそうなんですが、実は地方自治体の債券については、それはそれぞれの官庁、つまり主管官庁が決めていいということになっていたんです。ですから、かつてはこれは財務省にあったはずですね、その権限が。そのときに私どもが聞いているのは一〇%だと、これは法律じゃありませんよ、もちろん条約で決まっているわけじゃありません。これが一〇%だったものがゼロになったというふうに聞いているんです、九一年に。あるいは九二年だったかもしれません。 そうすると、不良債権問題が出てきて地方自治体の借金がふえてくる。そうすると、地方債の発行ということを考えたときに、これが一〇%のリスクアセットをもし要求されていれば、今地方債百八十兆ありますか、それは恐らく民間金融機関が持っている、あるいは財投も持っているかもしれない。それは実は何兆円かのこれまた不良債権というか、積まなきゃいけないわけですね、それに対して。 ですから、そこのところはもう一回確かめていただけませんか。最初からゼロだったのか、それとも一九九二年ごろに変わったのかどうか。その点、確かめていただいて、また財務大臣、もしわかれば教えていただきたいと思うんです。
○副大臣(村井仁君) 私、手元にございますのはバーゼル委員会の八八年のドキュメントでございますけれども、そこではそれぞれの国で裁量権を行使して決めるというような表現ございまして、ゼロ、一〇、二〇等々の数字が並んでおりまして、その趣旨はそれ以来変わっていないと私ども承知しておりますものでございますから。ただ……
○峰崎直樹君 一〇%だったことはないと。
○副大臣(村井仁君) 一〇%ということを、九一年でございますか、その時点で変わったというふうなことは私ども承知しておりません。 ただ、今御指摘でございますから、なお調べさせていただきます。
○峰崎直樹君 これから新しいバーゼルの基準が出てまいりまして、国債といえどもダブルAだとか、あるいはAだとかBBBだとか、いろんな国債の格付によって変わってくるわけです。 先日だってスタンダード・アンド・プアーズがランク一つ落としましたですね。ムーディーズも今ネガティブな方向で行っていると言っていますから、こういう意味では日本の国債も実は危ないのではないかというような雰囲気が、つまり外国債でないから大丈夫だとおっしゃっているわけですが、この点は今後とも、特に地方債などもいろんな形で矛盾が出てくるんではないだろうかというふうに思っております。 そこで、もう時間がございません。 宮澤財務大臣、実は私ども民主党の中に日本版ペコラ委員会という法案を準備しております。これはやがて議員立法で出しますけれども、実は民主党の中に民主党版ペコラ委員会というのをつくりました。金融犯罪あるいは過去の金融行政、もうこれだけ大変なある意味では結果をもたらしているわけですから、徹底的にこれは追及していかなきゃいかぬ、こう思っております。私も実はその民主党のペコラ委員会の委員長に就任をしましたので、また引き続きやらせていただきたいと思うんです。 そこで、この「犯意なき過ち」という、日本経済新聞社から出されているんです。これはもう衆議院でも議論ありましたけれども、宮澤大臣は、九八年のときのあの法改正、金融再生法、早期健全化法の問題であります。その中で、ちょっとこれはいかがかなと思う表現がございます。言ってみれば、「あの若い人たちにとっては、大銀行をつぶすのはエキサイティングなことだったんでしょうな、きっと。そうすりゃあ悪いやつもいるとかなんとかという話になるから、えらいこう、白馬に乗ったヒーローみたいな気持ちになったかもしれないが」という表現をされています。 衆議院のやりとりでも、実はこれについてはいろいろと指摘されておりますが、改めてこれについてどのように考えておられるのか、明らかにしていただきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) その本を引用されまして、お尋ねがございました。 たしか本会議であったと思いますが、私はその本のことを存じませんでした。存じませんでしたが、聞きまして、まことに失礼な部分もあります、また私の真意も伝えておりませんから、それは撤回させていただきますとお願いを申し上げたような経緯でございます。
○峰崎直樹君 撤回をされる、書かれたものを撤回するというのはどういう形で撤回したらいいのかわかりませんが、どうですか、宮澤財務大臣、私どもの民主党版ペコラ委員会に来ていただいて、この当時これに携わった人たちもおりますから、ぜひこの中身をめぐって、つまり金融再生法あるいは早期健全化法をつくったときに、宮澤大臣、こういうふうに考えておられるんだったら、いや撤回するというのは表現が悪いということで撤回をされるのか、中身はよくわかりませんが、一度やはり議論させてもらいたいという声が実は私のところに寄せられてきております。 きょう、じゃ、早速質問あるから宮澤財務大臣にお聞きしてみると。ぜひ一度、これは政府の関係者だから一政党のところに行けないというふうにおっしゃるのかどうかわかりませんが、そういう意味で、率直にこういったことを指摘されているんであれば、関係者はおりますので、ゆっくりやりとりをさせていただけないかな、こういう要望なんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まず、それは私が書いたものではございませんので、撤回というのはそのような意味を含めて申し上げております。 それから、後段のお誘いは、私は実は非常に関心を持つところでございますが、少なくとも私が今まで申してまいりましたことは、一昨年でございますか、もう一年前でございますか、金融国会と称せられるあのときに、いろいろ与野党御議論があり、またいろいろな御提案があったりしたあの経緯というものは、いずれにしても国会があれだけ詰めてやられたことでありますので、その結果について二年や三年の経緯の中で私が批判がましいことを申すべきものでないというのが私の基本的な立場でございます。 したがいまして、五年とか言うと、おまえ生きていないだろうと言われそうなんで、私自身は。しかし、やっぱりそのぐらいの時間がたちませんと、このことのよしあしというものはなかなか判断できないのではないかと私自身が思っておりますので、したがって、ペコラ委員会のようなお試みは非常に有意義だと思っておりますけれども、国会であれだけ詰めて御議論されたことの結果を、そのときしかも政府側におりました私がそう安易に批判すべきものではない、やはりそれだけの歴史のたちました後、御判断をいただくべきことであろうというふうにこれは心底思っております。
○峰崎直樹君 またちょっと財政問題に返るんですが、財政構造改革という大きな課題の中で、私は一つ、ある意味では余りお金がかからないというか、あるいは財政負担をそんなにふやさないでも、ある意味では重要な課題が残っているんではないか、あるいはもう今から手をつけた方がいいんじゃないかと思う点があるんですよ。それを提起してみたいんです。それは税制における納税者番号制度の導入問題なんです。 たしか自民党の亀井久興政調会長代理がNHKテレビで我が党の岡田克也政調会長から、もう構造改革に手をつけるというのはこういうところから手をつけようよ、どうですか亀井さんと言ったら、静香さんの方じゃなくて久興さんの方は、そうです、いいですねと、こう答えられたんですが、宮澤大臣はどう考えておられますか。 すなわち、あのバランスシートを見て、徴税権というのが実は国にある大変大きな権限なんですね。つまり、三五%、三六%しか行っていないけれども、やがてこれは徴税をすればその負債を帳尻合わせることができる。しかし、その徴税権というのはまさにこれは政治にとって大変なことなんですが、今不公平な税制とよく言われている、クロヨンとかトーゴーサンピンと言われていることの改革のために納税者番号制度の導入というのは、二十一世紀、非常に重要なのではないか、こういう指摘があるんですが、その点、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) もうこれは峰崎委員が御承知のことでございますが、長い経緯がございまして、税の関係者、殊に総合所得税というような考え方の人たちはこれがもう不可欠であるというふうにずっと主張してこられました。 いろいろ経緯がありまして、六〇年安保の後ごろでございますかは、一番反対されたのは総評であります。その主張は、これは徴兵につながるという御主張でありました。そういうふうな御主張であったんです。実際、今思うと今昔の感がいたしますが、そういう反対でございました。 それから、いっときは、もうそういう心配もないし、いいんじゃないかというふうに思われたときがありますが、今はやっぱりビッグ・ブラザーだと、政府が。ビッグ・ブラザーが国民のそういうプライバシーにかかわってくるんだと、かなりたくさんの方がそういう考え方をしておられて、その納税番号というのは一つのやっぱり最も有効な方法だと、こういうふうに言っておられる方が、だんだん今はそういう根拠のように思われます。 したがいまして、税制調査会でこれは何度も御議論になっておりますが、これが税のために非常に有効だし大事だということはどなたも税調の委員は疑われないのですが、その持っている、国民に受け入れられるかどうかということについては議論が半ばしているように私は存じておりますので、そういうことであると、私自身もなかなか踏み切れないというのがただいまの気持ちでございます。
○峰崎直樹君 時間が来ましたので最後になるかと思うんですが、この改革に政府、財務大臣が、そうだと、三年以内、二年以内でいいですが、これを導入しようというふうに進めれば、世界の国は、やっぱり日本は徴税のことを本当に考えているなということを私思うんです。 それと、宮澤財務大臣、私、実は税制をやるきっかけになったのは、所得の捕捉が、実は税制だけでなくて国の社会保障制度、あるいは私が奨学金をいただきたいというふうに持っていったときに、前年度の所得証明を持ってきなさいと断られるわけですね。なぜか。普通のサラリーマンよりも、私が見たらはるかに裕福に見られる家庭の息子さんの方が、源泉徴収票を持っていったときに所得が少ないわけです。こういう事例は枚挙にいとまがないと思うんです。奨学金であれ、子供さんを保育所に預けるとき、あるいは都営住宅に入ろうとか公営住宅に入る、全部それは所得が基本になっていますね。 そうすると、税制上のもし不公平があったとすれば、社会保障上の不公平と重なって倍になって出てくるんです。私はこんな許されないことはないと思うんです、国民にとって。その意味で、プライバシーの問題には最大限配慮しなきゃいけないと思うんですが、これを導入するというのは私は非常に重要なことだ、喫緊の課題だと思っているんです。 その意味で、ぜひ宮澤大臣の前向きの答弁をいただきたかったわけですが、残念ながらきょうもこういう答弁しかいただけませんでしたけれども、ぜひこの導入についても真剣に考えていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(伊藤基隆君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(伊藤基隆君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 財政及び金融等に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜田卓二郎君 公明党会派の浜田卓二郎です。 きょうは、経済全体の問題と、あわせて保有株を中心とした金融の今後のあり方について質問させていただきたいと思います。 財務大臣にまずお尋ねさせていただきますが、昨年の補正を組む前の段階で当委員会がございました。そのときに、正確には覚えておりませんが、私は、景気が非常に微妙な段階に来ているから、財政の追加は思い切ってやるべきであると。その論拠にいたしましたのは、一昨年の緊急経済対策で九兆円という、真水でと言われておりますけれども、財政の追加措置がありました。それを受けて当初予算に昨年どれだけ積み増しをするかということであったわけでありまして、私はあえて言えば、橋本内閣の愚を繰り返さないためにも、財政が今景気に対して抑圧に転じたと受け取られることは避けるべきであると、そういう観点から、ここまでやったんだから、もう一段覚悟をして追加すべきであるということを申し上げた記憶があるんです。 結論は積み増しをされました、真水で四兆円というふうに記憶をいたしておりますが。そうなりますと、昨年の財政で見ると五兆円の落ち込みというのが結論でございました。私はそれも一つの原因になっているんじゃないかなというふうに思っておりますが、どういうふうな御感想をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) けさほども峰崎委員に申し上げましたし、また浜田委員にも前から申し上げていると思いますけれども、私は、この不況対策が始まりまして、二年目ぐらいのところで民需にバトンタッチできるかなと漠然と思っておりました、えらい根拠はありませんでしたが。その中で、設備投資には私が思ったより早く、むしろ昨年の春ごろから動意が見えて、これはうまいと思っていまして、従来のパターンでそれが国民消費に移っていくだろうと思っておりましたその部分が、私が間違っておった部分であります。 しかし、理由はけさほども申し上げたので申し上げませんが、大きな日本の雇用の条件なり状態の変化がある、しかしそれは時間の問題であって、やがて企業の収益というものは国民消費につながっていくという、その理屈に私は変わりがないと今でも思っております。 それで、せんだっての十―十二の〇・八というのは、全体としてはよくできていて、その中で消費だけが悪いわけでございますが、一―三にはもう少し消費がよくなってくれる、時間がたちますとと、そういう思いは今でもしておるわけでございます。 したがって、確かにニューヨークなんかでいろんなことがございます、アメリカ経済も十年間よかったわけですから、ああいうことがあるのはむしろ不思議じゃないかもしれませんが、我が国は上っていくところなんですから、そのおつき合いをしなきゃならぬ理由はなくて、株なんかはそれは仕方がありません、日米ですからいろいろ影響を受けることも本当は仕方がないんですが、しかし消費が普通になれば我が国の経済は二%どころじゃない、普通の成長ができるところへ来るはずだと。 いまだにそう思っておりながら、しかし浜田委員のような御意見もあって、そこは何と申しますか、御審議いただいております来年度の予算においても公共事業予備費を、五千億組むことはしなかったんですが、三千億組んでございますのは、いろんなことがあるかもしれないというその辺のところでございまして、基本的には日本経済は、これは違いますでしょうか、私は、消費が正常化すれば二%やなんかの、それは、同じように設備投資がいつまでも強いとは思いませんから、そこは両方一緒というのはなかなかないにしても、消費が普通になればその程度の成長は、財政さえ普通の努力を続けておればできるんじゃないかということをいまだに思っておるわけでございます。
○浜田卓二郎君 日銀総裁に同じことをお伺いいたしますが、私は、金利政策につきましては、早くゼロ金利を離脱せよということを申し上げてきました。その理由は、一つは、金融政策の幅がなくなると、これ以上何もできなくなるではないか、チャンスをとらえて早くゼロ金利を離脱してほしいということを申し上げてきましたし、また家計部門、この財布のひもが緩まないことには消費が出てこないわけですから、そういう観点からも、預金は利子を生まないということでは困るんだという話は申し上げてきました。 したがって、前回の日銀総裁のゼロ金利離脱の御決断に対しては、私はそれほど反対だというふうには思っておりませんでしたが、結果として見ると、それが具体的な影響よりも心理的な影響として、金融も引き締めに転じたというふうに受けとめられたということじゃないかなと思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。短くて結構ですから。
○参考人(速水優君) 私も、ゼロ金利というのは極めて異常な金利でありますし、資本主義の経済のもとでゼロ金利というのはおかしなことだと思います。しかし、九九年二月に取り入れましたときは、もう周りの環境がそういうことになっておりましたし、デフレスパイラル一歩手前ということでございましたので、これも、一年半続けまして、何とか日本経済も少し明るみが出てきたというところで少しでももとへ戻すという感じで解除をいたしたわけでございます。 今、その後半年余りたっているわけですけれども、その間も、日本銀行としましては、内外の歴史に例を見ないような低金利で、資金を潤沢に市場に低金利で流していっておるわけでございまして、そういう意味では金融面から景気の下支えをやって努めてきたというふうに考えております。 また、先月二月、海外経済の急速な減速が起こりまして、また内外の資本市場が下がっていくという動きが出てまいりまして、これらを受けて景気回復テンポの鈍化が始まるというようなことで、政策金利であるコールレートの誘導水準というものを、それと公定歩合の引き下げも含めまして行いました。また、ロンバート型の貸出制度という、銀行が資金に困って担保を持って借りに来たときは公定歩合で受けて立つというロンバート型の貸出制度というのを新設いたしました。 こういうふうに機動的、弾力的にこれまで対策を講じてきたつもりでございます。これで本格的な回復が実現していくためには、やはり金融システム面、経済・産業面での構造改革が不可欠だというふうに思っております。 今後も、民間需要主導の自律的な回復軌道に乗っていきますように、金融面からも適時適切に支援はしてまいりたいというふうに考えております。
○浜田卓二郎君 もう金融政策は要らないという御認識ではないだろうと思うんですが、私は、金融政策も今あらゆる手段を使って景気拡大に取り組むべきであると。 量的緩和というふうに言われておりますが、峰崎委員のインフレターゲット論には前向きな御答弁はなさいませんでした。私もあえてそれをせよという要請はいたしませんが、ただ、量的緩和をいろいろな手段を通じて図っていく。例えば、国債の買い切りオペということもありますし、それから今、円が比較的安くなっているということはむしろ物価の面からいって悪い話ではないわけでありますから、円の売り介入による金融の緩和ということもあり得るわけでありますから、具体的にどれをどうという話ではありませんけれども、量的な面においてより景気拡大に向けての努力をなさるべきだと思いますけれども、その御決意を伺いたいと思います。
○参考人(速水優君) 量的緩和という言葉が盛んに使われておるわけでございますけれども、人によってさまざまな意味を持たせておられるんではないかと思います。 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、内外の歴史に例のないような低金利で市場に対して潤沢な流動性を供給してきたつもりでございます。 最近出てきております量的緩和の具体的な手段として、今御指摘のような長期国債の買い切りオペあるいは外貨の買い入れといったようなことが挙げられるわけでございます。 長期国債の買い切りオペにつきましては、日本銀行は従来から銀行券の増加トレンドにほぼ見合った形で毎月四千億買っているわけですけれども、買い切りオペをやっておるわけでございます。これをふやしたらどうかということが出てくるのかもしれませんが、その効果とか副作用とかというようなことを経済政策全般の立場からよく考えていく必要があるし、下手にやりますと長期金利はかえって上昇して外からの信認を失うといったようなリスクもあり得るわけでございますから、慎重に検討したいと思います。 また、御指摘の為替相場を円安にしたらいいじゃないかということにつきましても、そもそも財務省の権限でございますし、そのことは別としましても、輸入コストの上昇とかアジア諸国への影響など考えますと、なかなかこれは慎重に考慮する必要があるというふうに思っております。 私ども、さまざまな政策の選択肢を幅広く考えてまいる方針でございます。と同時に、こうした手段が、効果が不確実であります上に副作用があるということも無視できません。そこまで踏み込んでいくべきかどうか。つまるところ、経済や物価の情勢判断の問題に帰着することではないかというふうに考えております。
○浜田卓二郎君 先ほど財務大臣のおっしゃいました日本経済には潜在的な力はあるというお考え、私も賛成でございます。ただ問題は、その潜在的な力があるはずなのがなぜ出てこないか、なぜ消費が出てこないかというところにあるわけであります。 ですから、いつかはいつかはということでは、これは私は政策ではないと思うんですね。ですから、釈迦に説法でございますけれども、経済政策とは何かといいますと、私なりに申し上げれば、政府がこういう見通しのもとにこういう状況をつくりたいと、そのために打つ手が政策であります。 そのとおりならなかったらそれは原因があるわけでありまして、それは見通しが間違っていたか、あるいは手段が不十分であったか、あるいは間違っていたかということだと思うんですね。間違っていたら、やっぱりそれは政策当局の責任なんだと思うんです。もっと言えば政治の責任だと思うんですね。その間違っていたか間違っていなかったかがあいまいになり、責任というものが全く問題にされなければ信頼が薄れるわけですね。 つまり、マーケットも国民も、政府がこの政策をやったからこうなるという、そのところに信頼性が出てこない。そうなったら、経済政策なんというのは意味がなくなるんだと私は思うんですよ。やっぱり、マーケットあるいは国民が、政府がこうやるからこうなると、そこにある程度の信頼性が生まれていないと、ポンププライミングとかスティームレーティングとかと英語では言うわけですから、そういう効果が出てこないと思うんですね。 ですから私は、一つ一つの手段は、その難しさというのは、それは御説明のとおりだろうと思いますけれども、基本的に昨年の後半から日本の経済政策、金融政策も含めた政策は抑圧型に転じた、そう受けとめられていると。それは誤りだった、やはり拡大にもう一回転じなきゃだめである、そういうふうに政府は自覚をして宣言すべきではないかと思うんですね。 国債はもう発行できないという説もありますけれども、発行した国債は国民が資産として持つ余裕がまだあるわけでありますし、ですから、何よりもここで大事なのは、その潜在力があるのなら、それが早く現実になるように政策を打つべきである、そう思います。今、予算の審議中ですから、今すぐ次どうしますというのは言えないのはわかっておりますけれども、そういうふうに今までの政策の転換ということをやはり明確に打ち出すべきときである。それをしないと、要するに今までの政策でよかった、いつかはよくなるという話であって、責任という問題が出てこないと、もうだれも信用しなくなる。マーケットが信用しなければ、政府が思い切った経済対策という言葉を使ったって反応は出てこない、そういうふうに思うんです。 ですから、ここで次の拡大策への転換の決意みたいなものをおっしゃれればおっしゃっていただきたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十年ころのような極端な経済でございますと、これはどっちに向かって何をしていいかははっきりわかっておりますし、また実際それをいたしましたが、それでいよいよ回復するかどうかというあたりに、今、浜田委員が昨年の財政というのは抑圧型になっているとおっしゃいましたと思いますが、それは私に言わせれば、それまでの二年間の財政は非常に景気刺激型でありました。そのとおりでございます。 しかし、十二年になって、私は抑圧型になったとは思っていませんで、公共事業は相変わらず九兆四千億円ありますし、公共事業予備費も五千億ございますし、抑圧型になったというよりは、景気刺激の部分を少しそぎ取ったと、私はそのくらいに思っていまして、平成十三年度はもっと普通にしようと思いましたが、それでもやっぱり九兆四千億円公共事業を載っけておりますし、予備費を三千億載っけておるところを見ますと、公平に見てこれは抑圧型とは私は言えないのではないのだろうか。民需が完全に回復すればニュートラルな予算が組めたかと思いましたが、やっぱり組めませんでした。やはり刺激的なものを含んだまま、それは完全に民需が回復するということに十分な自信が持てませんでしたのでそうしてあるわけで、そういう意味で、抑圧型になっているとおっしゃる見方には少なくとも、金融の方のことはちょっと別にいたしまして、私はそうは思っておりません。 どうでしょうか。公平に見て、前三年ほど、前二年ほど刺激型じゃない、それはもうそうでございますが、それでも抑圧型になっているというふうには、そう見えるんでしょうか。どうも私はそうでもないんじゃないかなと思っておりますということが一つです。 それから、しかしこういう状況になって、さてどうするんだというところでまたひょっと意見が分かれるかもしれませんが、やっぱりこのぐらいの大きな経済は、確かに財政でいろいろスピンをかけたり刺激をしたりいろいろできますけれども、基本的にはやはり大きな市場経済が動いておる、そのためには時間がかかるということは認めざるを得ないわけですから、ここはやっぱり時間の経緯を見なきゃならぬという部分もあってしかるべきだと私は思っております。 そこで、話を途中を飛ばしまして、浜田委員の言われることは、今こういうことに、昨今でございますからそれはそれとして、春になって、さてそこからすぐ補正を考えるかと、例えばそういう意味の方向をおっしゃっていると思います。今からそういうことを申し上げるのはいかにも早うございますけれども、少なくとも一―三というもののQEは悪くないだろう、それがわかるのはきっと六月の十日ごろでございますか、そのぐらいのところまで、さあ我が国経済は補正予算を必要とするという判断になるかどうか、ちょっと私は今そうだと申し切れないのでございますけれどもね。
○浜田卓二郎君 この問題は、少なくとも私の認識としては財政・経済政策のスタンスがどうもあいまいになっているというふうに思っておりますので、ひとつ御検討いただきたいと思います。 それから、これはイントロで意見だけ申し上げますが、ニューヨークの株が下がったから一対一の関係で日本の株が下がらなきゃいけないというのは、こんな割に合わない話はないんですね、向こうはピークなんですから下がるしかないわけですから。こっちはもう底なんですから、それが一緒に動いて、ああそうですな、しようがないですなと言っておったら、これはさっきの峰崎さんじゃないですけれども、何か言いたくなるわけです。 私は、アメリカの株が売りのときは日本の株は買いだと、資金の流れを考えてみろというぐらいのことを財務大臣におっしゃっていただいても、それが株価操作だとは言わないと。個別にも、また当委員会でも、昨年私もこういうことを申し上げて、何か余りまじめにお取り上げいただけなかった記憶がありますけれども、こんな不合理な話はないんですよ。アメリカの株が売りのときは、売った金はどこに行くんだ、日本に来いと言うぐらいの自信ある当局であっていいじゃないですかね。それが、言えません、わかりません、そのうちよくなりますというのではめり張りがないということを申し上げた。 やっぱり景気対策というのが効果を上げるには、みんながはっとしなきゃだめですよ。それは、総理の支持率もありますけれども、信頼性というものが根っこになきゃだめだ。だから、財政当局、経済当局も総理とは別に、総理がだめでも財政当局、経済当局がしっかりしているという政府だってあるんですから、せめてそういう姿になってほしい、日銀も頑張ってほしいと思います。もう日銀総裁、結構でございます。 それで、株の話を申し上げましたが、時間が大変切迫していますので金融庁に申し上げますけれども、銀行の保有株というのは今どのくらいあるんですか。主要行だけでざっとでいいですから、簿価で。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 十二年の九月末時点で、簿価で約三十七兆三千億、時価総額で約四十兆という状況にございます。
○浜田卓二郎君 そうすると、簿価に比べて評価損はどのぐらい出ているんでしょうか、推測で。
○政府参考人(高木祥吉君) 十二年九月末ですと、今申し上げましたように時価総額が四十兆で簿価が三十七兆三千でございますから、大体二兆七千億ぐらいの益が出ているという状況でございます。 それで、その後株価がかなり下がってきておりますが、今の状態でどのくらいの含み損を抱えているかということにつきましては、各金融機関の保有しております株の銘柄構成がどうなっているかとか、いろいろございますので一概に申し上げられませんが、単純に時価総額が、単純に株価がどの銘柄も例えば二、三割下がったという前提で試算をいたしますと、大体五兆から九兆ぐらいの含み損を抱えているという状況ではないかと思います。
○浜田卓二郎君 四月から企業会計原則が改定される、変更されるというんですか、保有株の評価損というのは資本勘定に計上しなきゃいけないということになりますね。そうすると、これは剰余金から差っ引くわけですかな。そうすると、自己資本もそれの影響を受けますね。それから配当可能利益も影響を受けますね。 今すごい数字が出てきましたけれども、例えば十兆円の評価損が出るなんという話になったら、これは銀行経営にどういう影響が出るでしょうか。
○政府参考人(高木祥吉君) 今、五兆から九兆ぐらいというお話を私申し上げたわけですが、自己資本比率に与える影響につきましては、これもまた大胆な試算になってまいりますが、先ほど申し上げました前提で考えますに、主要十六行で平均して一一%台は確保できる状況ではないかというふうに考えております。 確かに先生御指摘のように、配当可能利益にしても影響を与えるという面はございます。そういうことで、銀行によりましては、自己資本は十分なんですが、いわゆる配当可能利益としてのたまりが非常に厳しい状況になってくる銀行も一部にあると思います。そういった点につきまして私どもも十分注視して適切な対応に努めてまいりたいと思っております。
○浜田卓二郎君 配当可能利益は相当影響を受けると思うんですけれども、大臣は心配しておられませんか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 心配をしていないかと言われれば、もちろん心配もするわけですが、ただ、九月末が最初で、もうちょっと徹底した物の言い方をすれば、来年の三月末がこの関係の改正が本当にフルに影響する年度区切りであると、こういうことでございますので、何と申しますか、それまでにそれぞれの金融機関が私どもの呼びかけに応じる等しまして体質を強めていただくということ、これが最も大事なことだ、このように考えています。
○浜田卓二郎君 それは希望的な観測も含めての話で、当然のことだろうとは思うんですね。ただ、もしもっと状況が悪くなったらどうなるかということは、やはり政策当局としては考えていくべきであろうというふうに思います。 それで、今、土地の再評価による評価益の処理はどういうふうになっているんですか。
○政府参考人(山崎潮君) 現在、土地の再評価益につきましては、配当可能利益から控除されるべきだということで控除されると思います。配当可能利益には含めてはならないということで法律ができております。
○浜田卓二郎君 配当可能利益の計算上、それをカウントしてはならないと。自己資本には入れていいんですか。
○政府参考人(山崎潮君) これは議員立法でできておりますので必ずしも私どもの所管ではございませんけれども、私ども聞いておるところ、六〇%は自己資本に算入することができるというふうに理解をしております。
○浜田卓二郎君 株式の評価損は、その配当可能利益から引かなきゃいかぬですな。
○政府参考人(山崎潮君) 有価証券の評価損でございますが、これは配当可能利益から引かれるということになろうかと思います。
○浜田卓二郎君 土地の評価益はだめで株式の評価損はいいというのは、それは保守主義ということでしょうか。ちょっと考え方を聞かせてください。
○政府参考人(山崎潮君) 配当可能利益をどのように考えるかという点につきましては、商法及び土地の再評価に関する法律でございますが、この双方で会社がこれまで営業活動等によって実現した利益を限度とするというふうにされておりまして、時価の変動によって生じたにすぎない有価証券の評価益及び土地の再評価益はすべて控除するべきもの、カウントしてはならないということで双方の法律が徹底しておりまして、そこは評価損の問題と性質が全く異なるという形で扱われております。
○浜田卓二郎君 法律はそうなっているというのは、そうだと思うんですね。でも、時限的な措置として、土地の評価益と株式の評価損を相殺させてくれという希望が金融界にはかなり強くあると承知しておりますけれども、これについても全くノーですか。
○政府参考人(山崎潮君) この配当可能利益、いわゆる再評価の評価益でございますけれども、これはまだ実現しているものではございません。実現しているものではないものから実現している評価損を引きますと、それだけ会社財産は持ち出しになるということになるわけでございまして、ここの一線だけは越えられないというふうに私どもは思っております。
○浜田卓二郎君 それじゃ、算入するかしないかという前の段階で評価損と評価益を相殺するというのはどうですか。
○政府参考人(山崎潮君) 相殺という文言はございますけれども、要するに相殺できるかどうかという点につきまして、まだ実現していない利益と現実に発生している損失、これを双方一緒にして計算するということは、やはり会社財産の流失を招くわけでございますので、商法上としても乗り越えられない一線であるというふうに私どもは理解をしております。
○浜田卓二郎君 株式の評価損というのも実現していないんですよね。両方とも実現していないんじゃないんですか。この議論はもうそういう答えしかないというふうに思います。 ですから、そういう答えを踏まえつつですけれども、柳澤大臣に最後に一言伺いたいんですけれども、この評価損の処理の問題というのは早目に私は考えていかれた方がいいと。なるようになる、あるいはよくなるということだと、ちょっと不安が大き過ぎるというふうに思います。ですから、例えば自己資本がこれで減少していけば、それだけ与信枠というのをまた銀行は減らしたいというふうに思う。そうすると、貸し出し抑制というのがさらに加速する可能性もある。 ですから私は、この評価損の問題をどうきちんといざとなった場合に解決していくか、いざとなったというより、事態が悪化するような状況に対して対応していくか、その辺はよく検討していっていただきたいと思いますが、最後に一言御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 浜田先生から大変技術的なことに及んだお話をいただきまして、勉強させていただくにやぶさかでないわけですけれども、ただ、私は考えますに、株式の評価損が資本の減少要因として九月期から立つということ、これはグローバルスタンダードからいって受け入れなければならない、こういうように思います。それからまた、事業用の土地の再評価ですけれども、これもグローバルスタンダードからいえば原価方式をとるのがもう常識ということでして、再評価益等をカウントするというようなことは、私は好みからいうと余り好きではありません。 そういうようなことで、また評価の損は現実にカウントして考えなきゃいけないけれども、未実現の利益を配当の原資にするなどというようなことが、ずばり直接的にもたらされるものであれ、相殺という形で間接的にもたらされるものであれ、そういうようなことを当てにして金融行政をやるというようなことは、これまた私はちょっと好むところではありません。もっと真っ正面から、本当に日本の金融機関を強くするにはどうしたらいいか、この一年間まだ猶予があるわけでございますから、私はそういった方向での努力をすべきものだ、このように考えて仕事に携わらせていただいております。
○浜田卓二郎君 終わります。
○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。 けさほどから株の問題、いろいろ集中しておりますが、きょうは集中審議ということで、私も角度を変えて株式市場の問題について質問したいと思います。 昨年来、私、株式市場の活性化の問題、ちょうど昨年証取法改正がありまして、そのときに取引所の株式会社化という問題が起こりました。そのころから論議させていただいておるんですが、大阪証券取引所をめぐる問題を中心に伺いたいというふうに思います。 そのときにも紹介したんですけれども、去年の秋ですね、紹介したんですが、証券広報センターが調査を行っています。これを見ますと、株式投資の経験のない世帯のうちの八割弱、七六%の世帯がどんな条件が整っても株式購入は考えないと答えているんですね。また、三割の人が証券会社は信頼できないと答えています。証券界の別の調査では、回答者の八二%の人が証券会社の営業姿勢は顧客の利益第一ではないと答えております。 このような国民の声を見ても、株式の活性化、株式市場の活性化ということを言うならば、顧客に対する信頼を回復すること、それが一番に求められていると思うんですね。 あわせて、この数日の動きを見ても、政府・与党で市場活性化あるいは株価対策ということで税制をいじろうということがなされておりますが、これも信頼されていない。だから、きょうなんかも、前場だけで百六十九円ですか、株が下がっていると報告されております。実際、株式市場も、そのときも問題にしましたけれども、EB債ですね、エクスチェンジャブルボンド、これにまつわる不正の取引などが横行して、ますます国民の信頼を失う方向に向かっていると思うんですね。 そこで、私は、大証をめぐる不明朗な動きについてはきちんとはっきりするよう求めてきたわけですけれども、間もなく金融庁は、今大阪証券取引所から出されております株式会社の認可申請、これを月内にでも認可しようという方向で審査を進めているということなんですけれども、私がやってきた取引所の公共性、公正性、これを確保するという点から、昨年、大蔵OBの理事長と副理事長が辞職にまで追い込まれたといった大証の関連会社をめぐる問題、そのことが問題になったわけですけれども、これはいまだに全容解明されていないんですね。 そこで私は、大証自身がつくった調査委員会が作成した大阪証券取引所関連会社に関する調査報告書、これを提出するよう、これは金融特ですけれども求めてまいりました。出さないと取引所が言っておるということで、金融庁もしたがって出せないということを言っておられたわけなんですが、「概要」だけはお出しになった。その「概要」については今──委員長、ちょっとお許しいただきたいんですが、資料。
○委員長(伊藤基隆君) はい。 〔資料配付〕
○池田幹幸君 資料一の「概要」が受け取られました。 そこで、私、一昨日、金融庁市場課に問い合わせたんですけれども、一体どうなっているんだということを聞きましたところが、金融庁としては、大証が報告書を提出して、それに基づいて一定の解決策をとっておるんだと。したがって、この問題はほぼ解決したという立場のようです。 そこで改めて確認したいんですけれども、金融庁として、大阪証券取引所やその関係者、これが証券取引法等法令違反、これはなかったんだというふうにはっきりと明言することができるんでしょうか。
○政府参考人(乾文男君) ただいま先生が配付されました大証の調査委員会の報告書概要の中にも記されておりますけれども、証取法の八十六条は証券取引所が営利を目的に業務を営むことを禁止しているわけでございます。したがいまして、営利を営む会社を直接につくりましたならば法令に違反するわけでございますけれども、関連会社を設立する行為自体は、これは法令に抵触するわけではないわけでございます。 しかしながら、先生が御指摘になっておられますこの大証の問題につきましては、関連会社とは言いながら、その設立の過程等におきまして、取引所として好ましくない、取引所の公共性あるいは手続等の面から見まして適切ではない点がありましたことから、大証に対しまして当局、当時は大蔵省でございますけれども、改善措置を求めてまいったところでございまして、そうした観点から、そうした当局の指摘も受けましてこうした委員会を設け、調査報告書の中でそうした事態が報告されておりまして、それに基づきまして一定の改善措置がとられてきているところであるというふうに認識をしております。
○池田幹幸君 それにしても何の処分もないんですが。 では、順次具体的に伺いたいんですが、九七年の七月に株券オプション取引、これが導入されました、大阪証券取引所。これは東証でも同時に導入されたんですね。そこで、これは同時スタートとなったということで、東証との出来高競争、これに勝つために大証では関連会社を経営して売買の注文を出したと。ソニー株等のオプションを中心に繰り返し売買があるように見せかけたということについては、これは御存じだと思うんですね。 出来高を膨らませるといったようなこの取引については、これは果たして取引所において許されることなのか、あるいは取引所の関連会社も含めてやっていいことなのか、どうでしょう。
○政府参考人(五味廣文君) 個別事案についてのお話はちょっとおくといたしまして、一般論で法律関係だけ申し上げますと、取引を仮装というふうに今たしかおっしゃいました。証券取引法には株価操縦といいます規定と、それから行為規制命令の方に作為的相場形成という、これは行為規制で禁止行為が規定をされておりますが、この構成要件は、証券取引法百五十九条の相場操縦の方では、仮装の取引あるいは通謀の取引、あるいは取引が非常に盛んに行われているというふうに誤解を与えるということで、取引を誘引する目的でそうした誤解を与えるような取引を行う等々の構成要件が定められております。この構成要件に該当するような行為であれば、これは株価操縦という、百五十九条違反ということになります。 それから、行為規制命令第四条にございます作為的相場形成は、実勢を反映しない作為的相場を形成させるべき一連の株式や有価証券の売買等、これが禁止行為とされておりまして、これに触れる行為になりました場合にはしかるべき行政処分が科されることになるという、法律関係はそういうことになっております。
○池田幹幸君 仮装売買は、これは禁止されているということなんですね、百五十九条で禁止されていると。この水増し売買なんというのはもう取引所の自殺行為ですから、当然これやってはならないことなんですけれども、個別問題には答えられないということがありました。 しかし、大証ではまさにこの問題が非常に重大な問題になってきておるわけですね。この仮装売買の問題について、個別的な調査を監視委員会はやられなかったんですか、そうすると。 簡潔にお願いします。
○政府参考人(五味廣文君) 個別の事案につきまして具体的に調査を行ったか行わなかったかということ、あるいは行っているかどうかということを明らかにいたしますことは、監視委員会の取り締まり監視業務の円滑な運営に支障を来しますので、申し上げることはできません。 ただ、一般論といたしまして、日常的な監視をさまざまな情報収集、分析などを含めまして私ども行っておりますので、その過程で疑いのある取引が浮上いたしましたときには、これを適切に調査し、そして、もしそこに悪質な法令違反が認められる場合には、行政処分の勧告あるいは刑事訴追を求めて告発を行うといったような厳正な措置をとることといたしております。
○池田幹幸君 では伺いますが、資料の二というのを見ていただきたいと思うんですけれども、これは光世証券とロイトファクスとの間で取り交わされた受け渡し計算書なんです。これは大証の子会社、関連会社を通じて光世証券に発注する、こういったものなんですが、関連会社が、調査報告書の概要でも問題を指摘しておりますロイトファクス、こういったところと、つまり大証の関連会社と光世証券というのは取引しているということをあらわしているんですね、これは。こういった取引そのもの、仮装売買に至らなくても大阪証券取引所の関連会社と取引するというだけで、これは私は違法じゃないかというふうに思うんですが、このことについての調査をしたかしないかも答えられないんですか。
○政府参考人(五味廣文君) 関連会社が取引をすることが違法かどうかというお話ですが、これはちょっと個別のケースをよく見てみないとわかりませんが、直接にそれを規制する法律は、たしか私の記憶ではなかったように思います。 それから、調査をしたかどうか言えないのかというお尋ねでございますが、恐縮でございますが、先ほどの答弁と全く同じでございます。
○池田幹幸君 これは単に取引したというだけでなしに、まさに先ほど言われた仮装売買、あたかも大きな取引がなされたかのように見せかける売買がやられたわけなんですけれども、先ほどの乾さんのお答えでは、結局、自主的に調査をして大して問題はなかったんだという答えですから、このロイトファクス問題についても結局はそのままおとがめなしという形になっているんだろうと私は思うんですよ。それは絶対許されないだろう。取引所の自主規制機能とか、あるいは自浄作用といいますけれども、こんなところに任しておいていい問題じゃないだろうと私は思います。違法性のある問題だと思うんです。 実は、この仮装売買の問題、ロイトファクスの問題は、ロイトファクスは光世証券だけでなくて大和証券にも取引を持ちかけていたんです。ところが大和証券側は、これは通常の売買行為としては考えられないとしてロイトファクスとの取引を中止したんです。当然のことながら、これは問題がある取引だと大和証券は認識したからだと思うんですけれども、金融庁はこの事実はつかんでおられますか。
○政府参考人(乾文男君) 先ほど来、五味事務局長と私とで答えておりますけれども、個別の取引に係る問題につきましては、これはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、一般論といたしまして、私どもいろいろなことにつきまして取引所あるいは証券会社から報告を受け、またこちらから報告を求めていろいろな判断をすることはございまして、その過程におきまして不適切な行為がありましたならば必要な措置をとっているということでございます。
○池田幹幸君 これは、個別の問題、個別の問題と言われるけれども、事は取引所の信頼性の問題、公共性、公益性の問題にかかわる問題だからこそ私は伺っているんです。 そういう点で、個別の証券会社の名前が答えられなかったとしても、こういった問題があったんだと、少なくとも調査報告書でもこれに近いような感じのものが出ているはずですよ。そうでなければ、結論として不適当な行為があったというふうな、そういった調査報告書が出るはずがない。私は、その調査報告書を出してくださいと言っても出されないわけだけれども、当然、金融庁はそれを精査して読んでおられると思うんです。だから、そういったところできちんとしたお答えをいただきたいと思うんです。 要するに、大和証券がロイトファクスとの取引をやめたのは、だれが見てもこれは仮装売買だとわかるからなんですよ。だからこれはやめたんです。しかも、光世証券はロイトファクスとの仮装売買を長期にわたって続けているんですよ。これは調べたらすぐわかることなんです。私が渡したきょうの一つの受け渡し計算書ですね、これはその中の一枚です。きちんと調査をしていただきたいと思うんです。 ところで、この光世証券、ここの当時の社長はどなたですか。
○政府参考人(乾文男君) 当時といいますか、去年の六月までの社長は巽さんという方でございました。
○池田幹幸君 巽さんという方は、その後、大証の理事長になられた方ですね。そうですね。 結局、その関連会社の不明朗な取引などの責任をとって、当時の北村理事長と野口副理事長、どちらも大蔵省OB、結局辞任に追い込まれました。 これは、辞任は当然ですね。その後がまに座ったのが当時の、今言われた巽社長で、現理事長なんですね。この光世証券の当時の社長が、ロイトファクスとの仮装売買、この事実を知らないはずないと私は思うんですね。そういったところについては、また金融庁も当然のことながら、監理官もちゃんと常駐していることですし、きちんとそういったことについてはつかんでおられると思うんですね。 では、この光世証券、取引所、これが一体当時どういうことをやったのかということ、これはきちんと調査して、改めて検査して実態を明らかにすべきじゃないかと思うんです。もしそういったことを社長が知っていただけじゃなしに、仮装売買の陣頭指揮をとっておったというようなことにでもなれば、この方が大阪証券取引所の理事長として座り続けていることができるのかどうかという問題にも発展するんだと思うんです。 したがって、当時のことについて改めて検査していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(五味廣文君) 証券取引等監視委員会の取引検査という御趣旨で承ります。 私どもの取引検査は、種々の情報に基づきまして定例的に取引の公正を確保するための実態把握を行う検査と、それから疑いがある場合に特別にターゲットを絞って検査を行うケースがございますけれども、いずれの場合も、これまでの検査の結果ですとか外から入ってきておりますさまざまな情報等を総合的に勘案をいたしまして決めていくものでございます。 特定の証券会社に対する取引検査をある期間内に行う、行わないということは、あらかじめ明らかにすることはできません。
○池田幹幸君 それじゃ金融庁に伺いたいんですけれども、今月中にでも、株式会社の認可申請、これに対して認可をおろす、認可をおろすと決まったわけじゃないか、審査を終えるということのようですけれども、それをやるに当たって、この現理事長が現理事長としての職にふさわしい人なのかどうかといったことについては審査の対象とはなり得ませんか。株式会社認可を下すに当たって、取引所の公正性、公益性、それを守り抜くには、到底世間からふさわしいとは見られないような、そういった人物がなることについて、これは防がなけりゃいかぬといった考え方はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○政府参考人(乾文男君) 大阪証券取引所の株式会社化の問題につきましては、現在その組織変更の認可申請を受けまして当局において審査中でございます。 その具体的内容につきましてはお答えを差し控えたいと思いますが、ただ、私ども審査いたしますときには、証券取引法の規定に基づきまして、この証券取引所が株式会社になるに当たってのいろいろな法的な適合性というものが当然その審査の対象になってくるわけでございます。 さらに、一般論で申しますと、そこの証券取引所につきまして役員となる方々が、これは株式会社であろうとあるいは現在のままの会員組織であろうと同じでありますけれども、法令の遵守、いわゆるコンプライアンスというものについて適切な対応をとっておられるということは、これは公益性を持つ取引所の役員として当然のことであるというふうに考えております。
○池田幹幸君 そうしますと、監視委員会ではなしに、金融庁として、ロイトファクスと光世証券とのこの取引の問題については、そういった角度から改めて検査をするということは必要なんじゃありませんか。
○政府参考人(乾文男君) 認可申請の審査に当たりまして、ただいま申しましたような観点も含めて審査をいたしますけれども、これについて金融庁の検査をすべきではないかと言われますと、これは、金融庁の検査につきましても先ほど監視委員会の五味事務局長から答弁申し上げましたのと同じ考え方でございまして、あらかじめ特定の証券会社について検査をする、しないということは申し上げるべきではないというふうに考えております。
○池田幹幸君 この大証の不正が明らかになったのはちょうど去年の二月か三月ごろですよね。そのころ、大阪の業界ではこんなことが言われていたんですよね。業界の首脳陣の中でですよ。証券会社が同じことをした場合、大蔵省から業務停止を受けるだろう、大証でそんな行為が許されるのかと。これは当然の声ですね。刑事事件を追及すべきだと、そういった声があったんですよ。ところが、一年たった今見ますと、大証もおとがめなし、金融庁も知らぬ顔。徹底した解明もしないで、今お話を伺うと、何か腰が完全に引けちゃっているとしか思えないんですね。 ともかく、公益性、公正性を守るというなら、それなりの権限を持ってやることは幾つもあるんですよ。そういったことをやろうという姿勢も、私、今の答弁からはうかがえません。このままでは、結局、その株式市場、これは投資家にとってもますます信頼を失っていくということになるんじゃありませんか。 これは柳澤大臣にひとつ伺いたいと思うんですが、このまま放置していいんですか。
○国務大臣(柳澤伯夫君) ただいま一連の先生の御質問と政府側の答弁を聞いておりました。答弁者がたびたび言わせていただきましたように、個別の問題は、ここでいろいろそれを論ずることが適当でない場合が多いということで答弁を差し控えさせていただいておりますが、これは私も同様だと考えております。 ただ、私、今回、この株式市場と申しますか、資本市場を厚みのあるものにしていかなきゃいけないということでいろいろ発言もさせていただいておりますが、それはきょうの御議論にも一部ありましたけれども、税制について、私ども本年度の税制改正に当たっての要望もさせていただきましたけれども、そういう要望がかなえられることを望みますけれども、その要望さえかなえられればこの資本市場が私どもが望んでいるようなものになるとは、実は思っておりません。 日本の資本市場というものを本当に個人投資家から信頼されるものにするには、多方面にわたる努力が必要だというふうに考えておりまして、まず第一には、発行体の会社における経営のあり方がもっともっと株主重視の経営姿勢になっていただかなくちゃならない。それからまた、先ほど来ずっとお触れになっております証券取引に直接かかわる証券会社、こういうようなものが本当に個人投資家を大事にしていただく、こういうような営業の姿勢がなければならない。 私は、そういうようなことが相まって公の部門における税制等の改善とともに力を発揮して、私どもが望むような本当に厚みのある資本市場、その大きな要素を占めるところの個人投資家のもっともっと大きなウエートでの参加、こういうものが実現されると、このように確信しています。
○池田幹幸君 その問題はそれなんですが、具体的な市場活性化だ何だ言ったって、取引所でこういうことが起きておると問題をるる私申し上げました。大臣は御存じなかったかもしれないけれども、話を聞いておられて、これはゆゆしき問題だというふうにお感じにならなかったのかなというふうに思うんです。個別の問題に触れられないということで、言外にその程度のことは感じておるよというのであれば、それはそれでいいんですけれども、どうも今の御答弁でなかなかそれを私は感じることができなかったんです。 結局、株式会社化の方向へ進んでまいります。営利を目的とする法人になるわけですが、そうしますと、仮装売買といったようなことに関係した人物が理事長として今、株式会社化をやろうとしていると。もう間もなくのところなんですけれども。これは私は見過ごすことはできない問題だろうと思います。こんなことをやりながら、市場活性化として税金まけてやるから何とかというふうなことを考えたとしても、決してその程度のことでこんなうまくいくようなものでも何でもないということを申し上げておきたいと思うんです。 重ねて、大証の不明朗な取引の問題については、自主規制とか自浄作用といったことで任せておける問題ではありません。金融庁あるいは証券取引等監視委員会、それぞれにしっかりと徹底した事実調査をするよう求めたいと思うんです。それで違法な行為が判明すればしかるべき処分をすべきだというふうに思いますが、その点についての御答弁をお願いします。
○政府参考人(乾文男君) この大証の問題につきましては、先ほどもお答えいたしましたけれども、大証自身のレポートにもありますけれども、法律違反ということではないけれども、公益的運営に努めなければならない取引所の立場から見ると問題であるというふうに言っているわけでございますが、この大証の問題が出ました当時から、当局、当時は大蔵省でございましたけれども、大阪証券取引所から詳細なヒアリングを重ねまして、それに基づきまして一定の改善措置を求め、その結果、大証におきましては、関連会社の整理を進めるとともに、公益理事の増員でございますとか諸規則の制定及び改正、また考査室の新設、外部監査の導入等、再発防止のためのさまざまな改革を実施してきているところでございます。
○池田幹幸君 自主的な調査と言われたんですけれども、しかし、言ってみれば身内の調査としか私言いようがないんじゃないかと思うんですよ。 金融庁に伺ったら、公認会計士や弁護士が入ってやっているんだからとおっしゃるけれども、その公認会計士はどなたですか。目加田さん、この人は光世証券株式会社の公認会計士なんですね。だから、そういう人を集めてやっているんだということなんですよ。御存じでしょう、そんなことは。そういう調査を、きちんとした自浄作用だと言うような金融庁、これじゃ国民から見放されますよ。 もう一点、ちょっと時間がないからさらに追加してお聞きしたいというふうに思うんですが、これはお配りした資料一のところに出ておるんですけれども、中央コンピュータサービスというところの関連会社、この役員に秋谷雅好さんという人がいらっしゃいます。この人は大蔵省のOBですよね。そういう事実を伺いましたからOBなんです。この秋谷氏に対して、実体がない、そういったペーパーカンパニーから非常勤役員としての報酬が毎月支払われているということがあります。 金融庁は調査報告書を何だかんだ言って出さないわけですけれども、北村理事長とか野口副理事長とか今言った秋谷氏とか、そういった人以外に、大蔵省OBでこういった大証関連に、あるいは関連会社、そういうところにいる人はいないんですかというふうに私伺ってきたんだけれども、いないというお答えでした。今もそのようにお考えですか。
○政府参考人(乾文男君) 金融庁の立場から申しますと、金融庁が証券取引法等に基づきまして行政を進めていく上におきまして、例えば大阪証券取引所の役職員にどういう経歴の方がいらっしゃるかということは、基本的にこれは関係はございませんで、私どもといたしましてはあくまでも法令にのっとって行政を進めているところでございます。
○池田幹幸君 調査報告書の資料一ですけれども、その概要の三ページに「関連会社の役員等に対する報酬」というのがあります。その②のところに、「顧問料等の支給において、支給者と受給者の間に業務の対価で齟齬が生じている。例えば、大証の業務の対価が関連会社から支払われている。」という問題が指摘されております。 私、調べてみたんですけれども、大蔵省のOBで元防衛庁事務次官秋山昌廣氏という方がいらっしゃるんですけれども、ここに書かれておるのはこの人のことじゃないんでしょうか。
○政府参考人(乾文男君) 報告書そのものにつきましては、この自主的な組織であります取引所が調査の結果、個別の取引にわたることもありますから公表しないこととしておりまして、他方、私どもは、そうした公益性のある取引所が一定の説明責任と申しますか、そういうものを負っておりますことから、この調査報告書概要という形で公表を求め公表させたものでございまして、したがいまして、ここに書いていないことにつきまして言及することは差し控えさせていただきたいと思っております。
○池田幹幸君 そんな態度だったら全然事態はよくなりませんよ。結局、何をしても野放しということじゃないですか。 しかも、この秋山さんという方、私の調査によると秋山昌廣さんとおっしゃるんですよ。この方は、もう知っておられる方もあると思いますけれども、防衛庁をめぐる汚職事件、額賀さんのおやめになった事件ですよ。証拠隠滅工作で処分されて辞職された方です。方というのは人です。 これ、年間約五百万円ほどの金を受け取っていたということなんですが、それは顧問料という名目をちゃんとつけてもらっているんですが、それは大阪証券取引所と委託契約を結んでいるんです。どういう委託契約かといいますと、何という名前だったかな、何か委託契約書なんです。委託契約を結んで金を受け取っているということなんですけれども、実際はほとんど仕事をしておられない。今、九九年の四月からハーバード大学の客員教授としてアメリカに行っておられるんですね。そういう方が月々、委託契約料か顧問料か知らぬけれども受け取っている。 これ、個別の調査はしないとかなんとか言うけれども、何しているんですか、この人は。しかも、これは概要でもわかるように指摘されているんですよ。概要でこう書いてあるからちょっと調べてみたら、もうぽっと出てくる。大蔵OBの方です。しかも、この概要でも指摘されているように、大阪証券取引所と契約を結びながら金の支払いはその関連会社から支払うという、ともかくやみに隠れた支払いという形になっているんですね。何でこんなことをやられるんだと。こんなことはもう知っているんでしょう、金融庁は。こんなことについては一切、大して問題はありませんという立場だったんですか。
○政府参考人(乾文男君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、大証自身が公表していない個別の取引につきまして、金融庁として言及することは差し控えたいと思いますが、先ほど来お答えしておりますように、私どもといたしましては、この大証の一連の問題につきましても必要な調査をし、また大証から報告を受けまして、その内容について一定の改善措置を求め、それに基づいて先ほど申し上げましたような是正措置が逐次とられているところと認識しているところでございます。
○池田幹幸君 そういう態度だから全くなめられて、大阪証券取引所については国民の常識から見ても到底許されないようなことをへっちゃらで続けるんですよ。私が昨年から追及してきたのも、一つはその大証をめぐる仲立証券のあの争議の問題もありました。 この仲立証券については、私は何度も指摘したけれども、調査報告書では、ないないないないと逃げ回っておられる。しかし、私はそうじゃないということをずっと指摘し続けてきたんですよね。私の調査でも、調査報告書にあるかないかはわかりませんけれども、有限会社北浜水明会という会社がつくられたという事実もわかりました。その有限会社北浜水明会というものが、大阪証券取引所の仲立つぶしといいますか、それにかかわっていたということもわかってきております。 これは引き続き、私、きょうはもう時間がなくなりましたので、追及したいと思います。 もう一つ、財務大臣には申しわけございません。きょう、ひとつ消費税と例のマクロモデル問題について伺いたいと思っておったんですけれども、これはまた所信に対する質疑のところで続けさせていただきたいと思います。 終わります。
○大渕絹子君 柳澤大臣にお聞きをしていきたいと思います。 柳澤大臣は、金融再生委員長として、九九年、御退任をなさるときに、七兆五千億円もの公的資金を注入して、金融再生の種はまいたというふうにお述べになりまして退任なさったわけですけれども、今度金融大臣に就任して、積極的に不良債権の処理をやっていかなければならないということを、本当に決意を込めてお述べになっていらっしゃるわけですけれども、この間、大臣でおられなかった間の日本の金融再生の動きといいますか再編の動きというのは、大臣が期待されたような方向には行っておらなかったのかどうかも含めて、今回のこの不良債権処理の最終処理に言及された背景についてまずお伺いをしていきたいというふうに思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 私、一九九八年、平成十年の十月に閣内で横滑りをしまして金融の担当になりました。それで、退任をしたのは一九九九年、平成十一年の同じく十月の初めでございましたけれども、再生法及び早期健全化法を運用させていただきまして、その間、再生法では今先生御言及のような巨額な資金を、まさに国民の税金を、破綻の特別公的管理のもとに置かれた銀行に投入をするというような仕事をさせていただいて、そして今言ったようにほぼ一年の任期を終えたわけでございます。 その間、国内外のこの資金市場あるいは資本市場でのいろいろな日本の金融機関をめぐる評価というものも、非常に危機的な状況からすればかなり立ち直ったということで、私も退任をするときには少し事態は好転したかなというような感じを持って退任をさせていただきました。そして、ほぼ一年二カ月たちまして昨年十二月の五日に、森内閣の改造の際に私、再びこの仕事につかせていただいたわけでございます。 私が感じましたのは、一つは不良債権の残高がなかなか減少していないということでございます。 それからもう一つは、特に昨年の十一月に各企業の中間決算の報告が行われた際、年度末、通期のことしの三月末の決算見通しというものが発表されるわけですが、それがほとんど下方修正を受けるというようなこと、これが国内的な要因。 もう一つは、国外の要因としては、よく言われることでございますけれども、アメリカの経済の減速が、何と申しますか、かなり急速なものだというようなことが作用していると言われているわけですが、そんなことを背景にして株価が急落をするというようなこと、これは今日まで続いているわけですが、そういうようなことがあったわけでございます。 そういう中で、再びまた日本の金融機関の健全性というようなことが世上で云々されるようになりまして、私はもう本当にどうしたことかというように考えまして、この健全性の問題については、かねて何回もここでも申させていただいたんですが、世上言われるようなことはありませんということで、事実を世間に向かって説明をさせていただいたわけです。 しかし、そのときに同時に指摘をしなければならなかったのは、やっぱり収益力の問題で、先ほど浜田先生の御質問にもあったわけですけれども、損益勘定にこの株価の問題が投影しまして、不良債権で必要な処理をしていくというときに、株価が高ければ株を売却してそこの利益を不良債権の処理に充てられるわけでございますが、それができないということになると、いろいろまたそこで配当ができるとかできないとかというような問題にすぐつながってしまう。一体これはどういうことか。結局、帰するところ、やっぱり収益力がまだまだ足りないんだと。収益力の弱さというのはどこから来ているかというと、結局は、不良債権をずっと抱えているというような、現在の日本の金融機関が置かれている状況にあるというふうに考えます。 もう一つは、日本の金融機関の不良債権が日本経済全体の足を引っ張っているというようなことも言われておりますので、この際、不良債権の処理、オフバランス化のために私が努力することが私の使命ではないか、こういうように考えましてこの問題に取りかからせていただいたという次第でございます。
○大渕絹子君 直接処理の具体的な方法について言及していただきたいと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、よく言われるように三通りとも四通りとも、あるいは大別すれば二つというようにも言われておるわけでございまして、一つはオフバランス化の手段として売却という方法がございます。 もう一つは債権カットということでございますけれども、この債権カットに三通りぐらいありまして、一つは法的なカットということで司法が介在する形で、金融機関としては受け身の形で、司法が命ずるところを受け入れるということで債権カットをするというのが一つございます。 それから、もう一つは私的な任意の取り決めによるカットということで、これは金融機関の側もある程度自分たちの意思としてその合意形成に参加をするということで債権カットをするということがあろうかと思います。 もう一つあえて言えば、これは銀行のどちらかというと部内処理みたいなことかと私は解していますけれども、部分償却という形で、破綻をした貸出先について、担保についてはそのままバランスシートに残しておくけれども、引当金の部分については、それ以外の分についてはオフバランス化する。こういう二つないしは三つのカテゴリーがあるということでございます。 私が今特に考えておりますのは、任意の私的な枠組みによる債権放棄というか、相手の貸出先企業の再建を図りながら、銀行としてもその再建の枠組みにできるだけの協力をしていく、そういう形での債権のカットというようなものが伴うことが多いわけでございますが、そういう形のものを念頭に置いて、これをいかにスムーズに、それから迅速に、迅速という言葉よりも早期に、迅速も入ります、早期に迅速に処理していくかということが私の課題だというふうにとらえているわけでございます。
○大渕絹子君 そうしますと、銀行が一定程度の力を持っている銀行であればそれも可能だし、またその不採算の部分をカットしたりしながら相手方の企業を再生させるということも、相手方の企業がそれなりにいい部分をたくさん持っているような場合は非常にスムーズに、そこは銀行とその会社との話し合いの中で、あるいは金融庁が介入するのかわかりませんけれども、話し合いの中でそういう処理ができるというふうに思いますけれども、片や銀行の方も力が弱っていて、そういう極端なことをやると赤字決算に陥る可能性がある、債務超過になるということが明らかになったり、相手方企業も本業の方が不採算部門になっていてとても再建の見込みがないというようなこともかなりあるのではないでしょうか。 銀行とゼネコンあるいは流通産業などとの融資の金額なども、ちまたにも流れているわけですけれども、そういう両方とも力がないような関係のときに大臣がおっしゃるようなことを強行した場合に、一斉にどちらもだめになっていくというような方向はないのでしょうか。大丈夫なんでしょうか、そこらは。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生が御心配されるように、銀行の体力があればもっと違った対応が実はあり得るんです、昔のように体力があれば。貸出企業の再建という場合に、お金をたくさん出してやれば発言力が増すということも実はあります。ですから、今不良債権の処理みたいなものが進まないということの一つの見方には、これは世上言われていることですけれども、メーンバンクたる金融機関の力が衰えてきたんで、メーンバンクが俗な言葉で言うと多額のものをかぶる、こういうような力がないので不良債権の処理が進まないんだというような言い方がされる場合もありまして、そういう意味では、先生のおっしゃること、ある一面当たっているわけでございます。 しかし、私ども考えていることは、率直に言って、メーンバンク筋というか、そういうものが非常に巨額の債権カットというか、損失の負担をするというようなことを考えているわけではなくて、今、日本の金融機関というのはしっかりした引き当てをしておりますので、基本的にはこの引き当ての範囲内で、既に損に対して備えをしてあるその備えの範囲内でこの問題の処理に当たるということであります。 もちろん、プラスアルファが全くないかと言われれば、大体において不採算部門を切り捨てる場合の損というのは清算整理になりますから、どうしても清算価値というのはゴーイングコンサーンとしての価値よりも低いということなどの理由がありまして、実は損失が膨らむ傾向にはなろうかと思うんですが、しかし基本のところは、やっぱり引当金のところで賄える範囲でのことになる、こういうことが銀行側の事情だと言ってよろしいかと思います。 それに対して貸出先はどうかというもう一つの方でございますけれども、これについては、やっぱり基本的にいいところと悪いところがあるというときに、分量が、いいところが少なくて悪いところが多いということになれば、それはそれなりにまた引当金というものでカバーできるわけでありまして、日本の国民経済全体のためにも、皆全部だめにしちゃうんではなくて、いいところを残して生かしていくという方向でのことをやらなければならないだろうと、こう思っております。とりあえずそれだけちょっと。
○大渕絹子君 大臣からお話を伺うと、どちらも非常にいい方向に行くのかなと思いますけれども、しかし実際はそうはならなくて、力のない銀行は恐らく淘汰をされていくという局面が私はあるというふうに思うんです。だからこそ、全国銀行協会などでも、破綻銀行の迅速な譲渡体制を確立しなければならないというようなことで、四月をめどに整備をしたいというようなこともマスコミでも報道されているわけでございまして、どのくらいの銀行がその処理によって、不良債権をこれからきちっと整理をしていくことによって、地銀が主になるのか、あるいは大銀行も挙がっていくのかわかりませんけれども、どのくらいの赤字決算になる銀行が出てくるというふうに見込んでいらっしゃるんでしょうか。 大臣がこの発言をするに当たって、恐らく緻密に計算をされて、研究をされた上でやっていることだと思いますので、具体的にお答えをいただければと思います。
○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融機関が赤字になるというようなことはいろんな理由で起こるわけでございますけれども、今回私どもが呼びかけさせていただいておる不良債権のオフバランス化でそれが、何と申しますか、傾向的なものとして出てくる、つまり、オフバランス化をやることによって押しなべて銀行が赤字になるというようなことがあるか、そういうことを想定しているかといいますと、それは想定しておりません。 それは、このオフバランス化も結局は銀行の経営判断で最終的にはやっていただくことになりまして、我々はいわばやりやすいようにインフラを整えるということを考えているわけでございまして、直接、今度のオフバランス化と銀行の赤字と申しますか、損益勘定への大きなマイナスの影響というのを結びつけて考えては実はいないわけでございます。 先生が今お触れになられた迅速な譲渡体制というのは、これは多分ペイオフの絡みでの話かと思います。このペイオフが来年の四月から始まるわけでございますけれども、このペイオフが始まりますと、ある日、自分の通帳に書かれている銀行が目の前からなくなるわけでございまして、こういう事態というのは日本の国民としては初めて経験するようなことになるわけですが、私どもとしては、アメリカの例に倣って、金曜日の日まではその銀行の看板がかかっていたけれども、次の月曜日のビジネスアワーが始まる、営業時間が始まるときには、はい、今度はあなたのこの通帳の銀行はここの銀行に変わりましたよというように、土日の間に処理する。これはアメリカの例なんでございます、パーチェス・アンド・アサンプションという例なんでございますけれども、そういうことにして、預金者が実際路頭に迷うというようなことをさせてはならない。 そのためには、今申したように、週末の時期を使ってその譲渡が実現されるように努めていかなければならないというようなことを多分報道機関が報道したんではないかと、こういうように思って、ちょっとこれ、分けてお考えいただければと思います。
○大渕絹子君 そういうことで、違うということならばいいんですけれども、恐らくそうはならないというふうに思いまして、私は今指摘をさせておいていただきたいというふうに思っております。 デフレの問題をちょっと集中的にきょうやろうと思ったんですが、時間がありませんのでこれは次回に譲らせていただいて、最後に財務大臣にちょっとお伺いをしたいというふうに思います。 本会議の国税三法の質疑のときに、私、財務大臣からアメリカの財務省証券の保有残高が三千三百五十八億ドルあるというふうに言われて御答弁をいただいたわけですけれども、このいわゆるアメリカ国債の為替差損等々、この間の為替レートの変動など大きくありましたので、私は日本の資産が大きく損なわれているのではないかというような思いもありまして質問させていただいたわけですけれども、その資産の低下と、為替差損による資産の低下をどのように考えておられるのか。 それから、この国債、いわゆる八〇年代に買った三十年物ですと二〇一〇年が償還期間になるわけですけれども、今までいわゆるアメリカ・ドルの方に向かって一辺倒で進んできた日本経済が、ユーロの誕生の中で、ドルとユーロの中間的なスタンスの中で円がどう確立されていくのかというようなことも質問させていただいたわけですが、そこもちょっとお答えをいただかなかったものですから、これからどういうスタンスでドル一辺倒からユーロへシフトしていかれるのか、あるいはその必要はないと考えておられるのか、そこをあわせてお答えいただきたい。 二問でございますが、お願いいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) せんだって本会議で三千三百五十八億ドルというふうに申し上げまして、これが恐らくどのようなヘッジをされているかどうかということはどこにも出ておりませんので、ちょっとこの点について正確にお答えすることが難しゅうございますけれども、今のアメリカの御承知のような国庫の様子でございますから、そのもの自身は恐らく非常に健全な市場を持っているのではないかと思います。 それから、ユーロのお話で、ユーロも始まってまだわずかの年しかたっておりません。しかし、結局順調に歩いておると思いますが、外貨準備なり何々として特にユーロをふやすとか配慮するとかいう気持ちは持っておりませんで、ユーロ自身は今のところ比較的、特に欲張らないと申しますか、ごく自然の通貨としての動きをしておるんだと思います。 将来、我々がユーロについての消極的な態度をとるとかなんとかいうことは一切ございません。自然体で対応してまいってよろしいんだと思います。
○大渕絹子君 最後に、もう時間が来ていますので。 自然体でいくということでは私はもう間に合わないというふうに思うのですよ。これからユーロ圏がどういうふうに経済発展をされていくのかわかりませんけれども、アメリカの経済とヨーロッパの経済をきちっと五分五分で見た中で日本の経済の運営というか、財政の運営といいますか、そういうことをやらないと埋没していってしまう。ドルに吸収されてアメリカと一緒にやるんだということであれば別ですけれども、円を確立していくということであるならば、当然そういうスタンスをとらないと私はだめだと思っているんですね。 それで、アメリカの国債について、償還期に向けてドルからユーロへかえていくためのスタンスに使うことができるのではないかと思って質問しているところでございます。 また後日、この委員会に所属をしておりますので、またゆっくりとやらせていただきますので、よろしくお願いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 後日また承りたいと思いますが、御質問の最後の意味が、ドルからユーロの方に振っていったらだんだんいいんではないかというもしお尋ねであるとすれば、自然にそういうユーロというものが育っていくのならともかく、意識的にそういうことをするということは今、私は考えておりません。いずれまたしかし、お尋ねいただきましたら。
○委員長(伊藤基隆君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時七分散会