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151回国会参議院2001/06/28

国土交通委員会 第22号

発言数
174
登壇者
19
会派数
9
開催日
2001/06/28

会議録

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨二十七日、富樫練三君及び山下善彦君が委員を辞任され、その補欠として筆坂秀世君及び鈴木政二君が選任されました。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  土地収用法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長風岡典之君及び国土交通省河川局長竹村公太郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 土地収用法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、土地収用法の一部を改正する法律案の審査のため、稲城市長石川良一君、流通科学大学サービス産業学部教授栗原宣彦君、横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授松尾弘君、日の出の森・トラスト運動共同代表標博重君の以上四名の参考人の御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございます。  参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、本日の議事の進め方について申し上げます。  まず、石川参考人、栗原参考人、松尾参考人、標参考人の順序でお一人十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。  また、御発言は着席のままで結構でございますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おき願いたいと存じます。  なお、恐縮でございますが、時間が限られておりますので、簡潔に御発言くださいますようお願い申し上げます。  それでは、まず石川参考人からお願いいたします。石川参考人。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) おはようございます。  私は、多摩地域の二十五の市と一つの町で組織をしております東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合という一部事務組合の副管理者を務めております稲城市長の石川良一でございます。  私からは、土地収用法の改正に賛成する立場で、二ツ塚処分場建設の経緯について御説明を申し上げたいと思います。あらかじめレジュメをお配りしておりますので、この順番で御説明をさせていただきます。  まず、東京都の三多摩地域のごみ処理の現況ということで、多摩地域のリサイクル率は二〇%を既に超えておりまして、全国有数のリサイクル推進地域でございますが、最終的にごみの量がゼロになるわけではありません。多摩地域全体で毎日約二千九百トンのごみが燃やされ、約三百トンの焼却残渣と呼ばれる灰が残ります。多摩地域二十五市一町の可燃ごみは、各市町で収集された後、十七カ所の清掃工場で高温焼却されまして、焼却残渣は焼却できないごみとともに最終処分場に運ばれ、埋め立てられております。  私は、狛江市、府中市、国立市、稲城市で構成する多摩川衛生組合という一部事務組合の管理者も務めておりますが、昭和五十九年までは稲城市内に最終処分場を持っておりましたが、都市化の進展により、それも不可能になってまいりました。  二点目のごみ最終処分場、二ツ塚処分場の必要性について申し上げます。  多摩三百七十万市民の健康的な生活を維持していくためには、ごみの最終処分場は極めて公共性の高い不可欠な施設であります。処分組合では、昭和五十九年度から多摩地域二十六市一町の一般廃棄物の最終処分を谷戸沢処分場で行ってまいりましたけれども、平成十年四月に十四年間にわたる埋め立てを完了いたしました。また、谷戸沢処分場にかわる第二の最終処分場の建設が必要となってきたことから、平成二年から検討を始めました。  三点目の合意形成のための努力と手続につきまして申し上げます。  処分組合では、第二処分場について、日の出町の二ツ塚が最適の候補地であるとの結論に至りましたが、これは当然、地元日の出町の同意がなければ進めることができません。  そこで、平成二年八月、処分組合管理者から日の出町長に対しまして処分場候補地の予備調査の協力要請を行いました。これを受けて、日の出町では、日の出町議会全員協議会が開催をされまして、同年九月に日の出町より予備調査の同意がございました。それを受けて、二十七人の市長、町長で組織をする処分組合の理事会は全員一致で二ツ塚に処分場を建設することを決定し、組合議会も承認をいたしました。  処分組合は、地元の同意を得るために、処分場の直接の地元である日の出町第二十二自治会の住民の方々及び地主の方々を対象といたしました地元説明会を平成三年九月から平成四年一月にかけて開催し、御理解をいただき、合意をいただきました。また、同年五月に開催されました日の出町議会全員協議会において、二ツ塚処分場の設置についての基本的同意案は承認され、同年六月、日の出町長は、二ツ塚処分場の設置の基本的同意をしていただいたところであります。  なお、日の出町と処分組合は、平成五年十二月に第二廃棄物広域処分場設置に係る基本協定を締結し、平成七年七月には日の出町、日の出町第二十二自治会、処分組合の三者間で、当時としては全国でも例のない充実した内容で広域処分場に係る公害防止協定を締結しております。  以上、処分組合としての手続はもちろんのこと、処分場の地元である日の出町への説明、地元住民に対する説明及び承認手続についても適正に行っておりまして、処分場建設候補地の選定過程などについては何ら瑕疵はなかったものと認識をいたしております。  二ツ塚処分場の場合、処分組合は平成六年十月、東京都知事に対して環境影響評価書案を提出し、以降、法令に基づいてアセスメントの手続を適正に進めてまいりました。特に、評価書案については、縦覧手続とともに関係地域住民に対する説明会を四回開催しました。その後、知事は公聴会を開催しております。  処分組合は、都民から出された十一万件を超す意見書、公聴会で出された意見、関係市町村の意見に対する見解書を知事に提出いたしました。知事は、見解書の概要を公示し、さらに縦覧手続を行いました。処分組合はここでも四回にわたり説明会を実施しております。  したがいまして、環境影響評価の手続においても関係地域において何回も説明会を開催し、中には深夜あるいは翌朝にも及ぶ住民等への説明、質疑を行ってきておりまして、手続は適切に行われたものと認識をしております。  四点目の建設差しとめ訴訟について申し上げます。  二ツ塚処分場の建設に反対する一部住民の人たちは、処分場により周辺環境に影響を及ぼしていることを理由に、二ツ塚処分場の建設差しとめなどを求めて平成七年二月に裁判所に訴訟を提起しております。この裁判では、埋め立ての終了した谷戸沢処分場の土壌中のダイオキシン類等について、裁判所による鑑定が昨年の六月に行われましたが、過去に処分組合が行ってきた環境調査結果をも下回る大変よいものでございました。  五点目の土地収用法改正の必要性について申し上げます。  私は、二ツ塚処分場の開発面積三十一ヘクタールの中にあるわずか四百六十一平米の土地を、平成六年に当初四十七人であった権利者が、トラスト運動という名目で処分場建設に反対するため平成八年には二千八百人までふやしたこと、その地権者も地元日の出町の方は六十五名、周辺の西多摩地域等の人を含めても三百九十八名しかおらず、実質はほとんどが他の地域の方々であったこと、そしてさらに、土地収用法を逆手にとって、財産権を盾に裁決の失効をねらい、妨害行為を強めてきたことが問題の根底にあると思います。  法の手続に従い、事業を開始した後に、その事業予定地を買って権利を主張することが果たして正当な財産権の行使と言えるのかどうか、甚だ疑問でございます。  もう一点は、反対派の方々との話し合いが不十分ではないかという意見がありますが、平成六年のアセスメントの説明会等で処分組合の職員が誠心誠意説明をしているにもかかわらず、深夜まであるいは翌朝まで説明者が軟禁状態にされるというケースもございました。また、この処分場問題に対する反対派の対応は反対のみに終始し、具体性や現実性のある対案は見出すことはできませんでした。また反対派の方々は、平成八年以降、処分組合議会や組織団体各市町の議会への請願、あるいは日の出町への請願などを行っております。  最終決定機関であります処分組合議会では、すべて不採択となっており、また各市町議会への請願などはそれぞれの議会で審議され、ほとんどが不採択となりました。こうした議会での決定は反対派の方々には無視をされました。これと並行して、処分組合は反対派の方々と平成八年から十年四月まで二十回に及ぶ話し合いを行いましたが、ごみ搬入実力阻止行動に至ったことから話し合いを打ち切りました。  私は、二ツ塚処分場の収用事例のような事態は全国どこでも起こり得ると思います。二ツ塚の例のように、法によって適正に手続を進めてもほんの一部の反対する人たちのために、平成七年度から平成十二年度末までに要した経費は六億五千万円、これに人件費も含めると約十二億円という多大な都民の血税や膨大な労力、六年という時間が費やされております。住民にとって真に必要な公共事業の進捗が阻害されるようなことが決してあってはならないと思います。  今回、土地収用法の定める手続についての問題点が広く認識され始め、今、こうして国会で御審議をいただいておりますことは、今までの苦労が報われたという感がいたします。  また最後に、三多摩は一つなりの考えのもとに、二ツ塚処分場建設に理解をいただいてきました青木日の出町長さんを初め町民の皆様に改めて感謝を申し上げまして、私の意見とさせていただきます。  以上でございます。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ありがとうございました。  次に、栗原参考人にお願いいたします。栗原参考人。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 栗原でございます。  私は、今、大学の教師をやっておりますが、本職は新聞記者でございまして、新聞記者を三十年近くやっておりまして、そして消費者問題だとか地域の住民参加の問題などを若干勉強しておりますので、そうした視点からお話をさせていただきたいと思います。  まず、土地収用法の問題でございますが、経済社会の情勢の変化に応じた見直しが必要である、そして改正案について評価すべき点、まとめという三つでお話をさせていただきたいと思います。  まず最初に、土地収用法は公益性だとか公共性という視点からの議論が非常に重要なわけでございますけれども、そういった公共性だとか公益性という概念は時代とともに変わるんだということからお話をしていきたいと思います。  例えば、住宅というものがございます。住宅というのは、これは受益者が限定されております全く私的な財でございますけれども、例えばそれが絶対量が足りなくなりますと、これは非常に重要な社会資本になる、あるいは公共財、公益性が非常に強くなるわけでございます。そのほかいろいろありまして、官から民へ移ったり民から官へ移ったり、いろいろな事業があるわけでございまして、いわゆる公共財というものは公と私の境界領域を移動するものだと思っております。  それから二番目といたしまして、従来の、法律ができたときに考えられていないようなものが、当然環境維持というようなものが非常に重大な視点で入ってくるわけでございますけれども、公共性という点から見ると、例えば自然の再生だとか景観の維持だとかあるいは町並み保存といった、この法律ができた一九五一年、あるいは改正された昭和四十二年のころと違うような公共性という概念が非常に重要になってきているんだと思います。  そういう公益性という視点から申しますと、例えば都市の人間関係、いわゆるヒューマンウエアのようなものも公益という点から考えなければいけないという視点があります。  さらに申し上げますと、官と民との関係を申しますと、現実に、最近PFI、民間資金を利用いたしました社会資本の整備というのが各地でいろいろ考えられ、立案されております。私も、北九州市の響灘のコンテナターミナルをつくるという、事業者を選定する作業に委員として参画いたしましたけれども、これは外国の企業を選んだわけでございます。結果といたしましてシンガポールの企業を選んだわけでございますけれども、公の施設あるいは運営を、甚だしく言えば外国の企業の知恵あるいはノウハウ、そして能力に頼るというようなものが登場してきてまいりまして、官と民、公と民という境が非常に不確かになり、そして新しい概念が必要になってきていると思います。そういったような点から考えますと、見直しが要るのではないかと思っております。  その次、市民運動とか住民運動というものが変質してきたということがあると思います。これは、一人の人間の中でいろんな要素が出てまいるわけでございます。  例えば、そこに書いてございますように消費者としては、豊かな水資源も欲しいし近い空港も欲しいし、便利な高速道路も欲しいわけでございます。そういった気持ちがあるわけでございますけれども、例えば自分たちが住んでいるような土地の自然環境だとか地域のアイデンティティーというようなものも守りたいという気がある。それからタックスペイヤー、税金を払う者の立場とすれば、当然税金の有効活用だとか、少ないほど好ましい。あるいは最近、みんなが資産を持つようになっていますから、投資家、投資する人としての立場もある。それから選挙民としての立場も、最近はいわゆる間接民主主義で選んだ自治体の首長の政策が直接投票によって、住民投票によって否定されるというようなことが起きておりますけれども、選挙民としての立場もある。それから、健康だとか自然を愛好するナチュラリストとしての市民というようないろいろな行動に立つ要求が出てきて、しかもそれがすべてが欲しいというのが多くあると思います。  単純に、昔のように安全である権利だとか知らされる権利だとか、選ぶ権利だとか意見を聞いてもらう権利とかいうようなことばかりではなくて、いろんな権利というようなものがその人たちの中から主張されることによって、私、運動の変質と書きましたけれども、いろいろ合意形成が非常に難しくなってきているという問題があるかと思います。  そして、さらに申しますと、公共財という社会資本を考えてまいりますと、法律ができた終戦直後のころは公共財同士が競争する、社会資本同士が競争するというような考え方は余りなかったかと思いますけれども、現在のように、例えば空港の利用料の高さだとか港湾の、これも利用料でございますけれども、高さということが原因になって、日本から旅客も貨物も逃げていくというような国際的な競争関係ができてきている。港湾や空港ほどではございませんけれども、当然、道路建設に際してもこういった経済的な視点あるいはそのコストというようなもの、あるいはそれが国際的に競争しているんだと、日本の輸出財についての価格構成要因になって競争するというような関係が生まれてきている。これは、もちろん法ができたときには恐らくそんなに重視されていなかったことだと思います。  そういたしますと、当然、時間と効率、公共財をつくるときに時間がかかることによる社会的負担あるいは効率性を重視しなければならないというような観念が加えられてきているのではないかと思っております。  そして土地収用法の問題では、土地収用という非常に例外的と申しますか、任意買収が原則である中に、地権者の同意に基づけばその土地を収用できるあるいは公的に使うということについての手続に関して非常に長期化しているということが大きな問題になっておるかと思います。  その理由として、先ほど消費者運動、あるいは住民運動の変質というところで述べましたけれども、住民がいろいろな主張をする、私はここでエゴを主張し全体を見ないと書きましたけれども、エゴを主張するということは悪いことではないと私は思っております。エゴを主張するというのは悪いことではないんだけれども、全体を見ない。そして、そういったようなことを主張し合うことによって、行政との間にうまいぐあいに合意ができないということが問題だと思います。  そして、行政の方としては、これはお役人でございますから、当然時間と年度、特に年度予算に縛られるというようなことで、そこに生まれるずれと申しますか意識の違いというようなことが非常に問題になっている。というようなことで、当然どういう形でか住民の意見を聞く、あるいは住民に公共事業に参加してもらうというようなことの必要性というのが非常に高まってきているかと思います。  そして、現実の形として、各種の収用委員会というのは、大半の議論はほとんど計画の妥当性ということについて縛られ、いわゆる本来の収用委員会の仕事である補償額をどうするというような議論に行かないということで、議論が本来の設置趣旨と若干ずれる、あるいはそれしか反対の方法がないというのもございましょうけれども、というようなことから考えますと、やはり法律は、いろいろ早期の情報公開とかいったようなことが必要になってくるのではないかと思っております。  それから、もう一つ考えなければいけないことは、この法律に絡む利害関係者をどういうふうに考えていくか。私は、ステークホルダーという、これはむしろ株主と経営の分離というような、いわゆる企業の経営の際に使われる概念をここに持ってきたわけでございますけれども、利害関係者をどうやって調整していくか、利害関係者の間の意見をどうやって調整していくか。そして、単に表面的には利害が関係ないと思われるような、特に公共財の場合には不特定多数の人々の意見をどういうふうに加えていくか。特に、地域に住んでいない人、地域の住民運動というのは、私は非常に公共事業は地域の住民運動なしには進行が考えられないのですが、さらに言うと、それ以外の不特定多数者というようなこともあわせて考える必要があるのではないかと思っております。そういったことが、見直し、あるいは法律とずれが生じていることだと思っております。  そして、今度の改正案を見ますと、いろいろ評価すべき点あるいは足りない点というのがあるわけでございますけれども、評価すべき点というのは、透明性、公平性という面で前進がある。事前説明の義務化、あるいは公聴会の義務化、第三者機関からの意見聴取など、こういったことが明らかに今までの法律の欠陥というようなものを補うと申しますか、公正性という視点など、非常に大きな意味があると思います。特に、双方向コミュニケーション、早い段階での情報開示というようなことを心がける方向にあるというのは評価すべき点かと思います。そしてさらに、そういったものを尊重せよというような意見が修正案として加えられておりまして、それも評価すべき点かと思います。  その次、今までになかった循環型社会に向けての配慮。収用適格事業を変える、変えるというか追加ということでも、循環型社会に向けての配慮といういわゆる新しい視点からの改正というのが行われるということは、評価すべきことだと思います。  その次、迅速な用地確保。これは、収用から後の後半の部分の手続の簡略化ということに具体的に示されるわけでございますけれども、先ほど申し上げました時間概念あるいは効率化の概念というようなことを考えていく上で評価すべき点ではないかと思います。  そして、まとめでございますけれども、私は土地収用法改正案というものが妥当であると考えております。そして、その考え方としてはなぜかと申しますと、いわゆるどんな社会になっても必要な社会資本というものはあるわけでございます。それは例えばごみ処理だとか廃棄物処理だとか、あるいは市街地における地震対策の用地だとか、いかなる社会、いかなる経済情勢になっても必要なものがあり、それが例えば、私は住民参加というのが非常に重要だと思いますが、すべての人の合意が得られない場合にはやはり収用という、あるいは事業認定、収用という手段が必要であると思いまして、そういった社会に対する骨組みというのか枠組みというものに益する点があるかと思っています。  それからその次に、これは問題でもありますけれども、行政の情報公開への意欲というのがやはりおざなりというのか、通過儀礼としてそういったようなことをやるということでは何のための改正かということになるわけでございますけれども、そういった意欲が、これからこの法律案が成立したときにうまくいくか、うまくいかないかということが、非常に大きく結果を左右すると思います。  そして、情報公開だとかあるいは住民の意見を聞くということは実はお役所の最も不得意なところでございまして、私も例えば大規模小売店舗の審議会、もうなくなりましたけれども、大規模小売店舗審議会で住民との間の紛争、摩擦というものの解決に加わったことがありますけれども、役所の不得意な部分というものを、何かの第三者のチェックあるいは第三者が非常にそういったもののノウハウをつけた場合に、そういったような人たちと一緒に何かをやっていくというような仕組みが要るのではないかと思います。ここにNPO、NGOと書きましたけれども、別段NPO、NGOが適当かどうかはわかりません。むしろ、そういったような役所の不得意の部分をうまく習得した、あるいは技能を習得した人たちの集まりということでうまいぐあいに法を運営するような形ができていけば非常にいいかなと思っております。  そして最後は、改正は私は前進だと思っております。もちろん、この法律自身で私はいいとは思っておりません。先ほど言いましたように、適格事業というのは法律に書かれているわけでございますけれども、その第三条で言う収用適格事業というのが果たしてそこに書かれたものだけが適格かどうかということも、私はそうでないものも要るのではないかという気がしておりますし、例えば生態系保護というような問題でも小さな生態系を守るとか、あるいは都市の快適な住居条件を守るというにはさらにもっと適格要件が必要だと思っておりますけれども、こういったようなことによって、前進することによって一歩進む、そして新しい合意形成が見つかれば非常に幸い、結構なことだと思っております。  以上でございます。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ありがとうございました。  次に、松尾参考人にお願いいたします。松尾参考人。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 私は法律学を専攻しておりますが、このたびの土地収用法改正案につきまして、土地収用法の理念に照らして全般的な観点から若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。  土地収用法は、包括的な社会資本整備の制度の一部として、強制力を持ちつつ、真に公共、公益性ある社会資本を形成する手段であります。とりわけ、現在、我が国の経済、社会環境のもとにおいていかなる社会資本の蓄積が必要か、それがどのように国富の増大に結びつくのか真剣に再考すべきときを迎えて、土地収用法の本来的機能が適切に発揮され得る制度構成になっているかをあらゆる角度から今再点検することには、非常に大きな意義があると考えております。  もっとも、本法が目指す公益性は、総合的、体系的な計画を背景にして初めて担保されると考えられます。計画法に裏打ちされていない事業は、不必要な補償やいびつな補償問題を生じさせるからであります。この点では、収用、補償の前に計画ありきという原則、したがいまして、さまざまな計画法と土地収用法との連結を常に模索していく姿勢を今後も忘れてはならないものと考えております。  そして、そうした実効性ある計画の策定のためには、形式的な法制度面での整備のみならず、起業者、行政と利害関係者その他の関係当事者との協力が不可欠であります。土地収用法は、当事者間の協力の失敗を強制的に調停しつつ、最終的には協力関係の再構築を目指すものであるという同法の精神を再確認しておきたいと思います。  次に、こうした土地収用法の精神にかんがみて、まず土地収用段階においても、可能な限り関係当事者間の合意形成の余地が継続的に追求されるべきであります。この課題の追求は、既にあっせんや事業認定後の協議の確認の制度にもあらわれておりますが、本改正案の補償額に関する仲裁制度の創設については、このようなコンテクストでの適切な運用を期待したいと思います。  しかし、関係当事者の協力を実現するためには、何よりも事業が実質的に公益性を備えており、このことにつき、関係当事者が納得し得ることが決定的に重要であります。  公益性は、その実体的側面と手続的側面の双方から追求されるべきものであると考えております。まず、実体的側面に関しては、公益は私益から独立した、高度の別次元の利益として神聖化すべきではなく、私益との関連性が常に確認される必要があります。このことは、例えば基盤整備を欠く土地の所有、利用が十全な私益実現をもたらさないことからも明らかでありますが、公益性の実体は、実は私有財産の機能をより豊かにするものであり、私有財産権の保障を充実させるものであるという原点が看過されてはならないと思われます。もちろん、一部の者に偏った不公平な私益との結合が公益に値しないことは言うまでもありません。  もっとも、近年は公の領域の広がりに伴い、公益性の概念が、比較的具体的で明確であった相隣関係的な公益性から、地域社会的な公益性さらには広域社会的な公益性へと拡大するに伴い、その内容が一層抽象度を増してきております。こうした中で、事業の公益性が具体性、明確性を欠いて、あいまいになりがちであります。しかし、それだけに、またなおさらのこと、公益性の原点に立ち返り、その内容を個々の事業の中で可能な限り具体的かつ明確に確認する格段の工夫が必要とされていると思われます。  本改正案に盛り込まれた廃棄物処理施設に関する収用適格事業の拡大については、広域的な広がりを持つ事業それ自体の公益性追求の例として、その具体的なカタログを今後積み上げていく方向への検討素材として生かされるべきものであると考えております。  他方、公益性の実体面の抽象化に伴って、公益性追求の手続面での充実による補完が一層重要度を増していることは周知のとおりであります。この点では、事業のより早期の段階からの積極的な住民参加による公益性の担保が要請されているということは既に多く議論されております。  しかし、さらに一歩進んだ問題として、関係当事者の参加さえあれば事業の公益が保障されるかという問題があります。つまり、関係当事者の合意はいまだ参加の消極的側面にすぎず、住民参加のより積極的な側面として公衆からの知恵の引き出しについてもそろそろ視野に入れてよい時期かと思われます。欧米諸国の住民参加は既にこの段階に入っているようにも思われますが、行政と住民との協力により公益性増進のためにいかにしてよいアイデアを引き出すか、出し合うかという視点から、参加の方法を一層工夫すべきであります。  本改正案における起業者による事前説明会開催の義務づけその他の措置は、こうした将来展望も踏まえた内実のある運用が大いに期待されるところであります。  損失補償の内容に関しましては、補償は基本的に交換的正義の問題であると考えられますが、偶発的事故に対する損害賠償とは異なり、あらかじめ計画的かつ積極的に公益性の実現を図るプロセスとしての損失補償においては、配分的正義の問題にどこまで踏み込むべきかという問題に必然的に取り組まざるを得ません。  この点で、本改正案の生活再建措置の明文化は、同様の問題について、住居や農地の喪失に伴う特別措置を盛り込んだイギリスなどの立法例に比肩し得る姿勢を示したものとして、積極的に評価される点であります。  他方、補償の手続面に関しましては、補償の正当性に関する審理の実質化と時間コストの削減とのバランスの確保が深刻な問題になっていることは周知のとおりであります。本改正案における土地・物件調書の作成に関する代行署名その他の一連の措置は、この問題の重要性について一つの問題提起をしたものと受けとめております。  最後に、以上のように本改正案の各条項は、土地収用法が取り組むべき課題に対して広範な側面から再検討を加えている点を、私自身は積極的に評価しております。もっとも、最初に確認しました土地収用法の精神にかんがみて、さらに検討すべき課題が残されていることは既に議論されているとおりであります。  一例として、公益性判断手続の充実と補償手続の合理化とが果たしてバランスのとれたものになっているかどうか、入り口と出口論の観点から、入り口、つまり住民参加の手続面での一層の制度改革が必要とされていることは、既に議論されてきました。しかしまた、形式的な制度面での法整備のみならず行政、起業者と関係当事者との関係の現実の状況も踏まえた段階的で着実な制度改革のプロセスを考慮に入れることも重要であります。  土地収用法の精神を繰り返し確認しながら、現在の状況下で少しでも可能な制度改革にたゆまず取り組んでいく、その成果を厳しく検証しつつ試行錯誤を重ねながら次の改革に結びつけていくことがぜひとも必要であると思われます。  起業者、行政と関係当事者との間の相互不信やさまざまなあつれきは健全な姿とは思われません。そうしたねじれ関係から、いかにして信頼関係を回復し得るかということが、現在の状況下での最大の課題であります。  この点について、本改正案の修正案で、事業施行について利害関係を有する者の理解を得るための措置の検討ということが盛り込まれております。それは、政府、起業者と関係当事者との相互信頼に基づいて、事業の公益性の実現に向けた理解のみならず、最終的にはより積極的な協力関係の再構築を目指すものであって、このことは近年の法制度改革の一般的指針として提唱されているよい政府、いわゆるグッドガバメントの構築の一環であると考えております。本改正案は、強く、効率的でかつ良心的な政府としてのよい政府が、最終的にはよい市民によって支えられるものであることについて、行政、市民両者への問題提起と意識改革を一歩進めるものと解されますが、さらにそのような方向への実質的な運用を強く期待したいと考えております。  以上です。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ありがとうございました。  次に、標参考人にお願いいたします。標参考人。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 初めに、私のレジュメの一部をちょっと訂正いたします。  一ページ目の十二行目、十三行目のところに「漸く公開したデーターによれば八四年には」という、これは九六年に御訂正ください。  それから、次の行の「地下水汚染の指標である電気伝導度が一万九千二百マイクログラム・パー・立方メーター」になっておりますが、これはマイクロジーメンス・パー・立方メーターですので、マイクロジーメンスというふうに御訂正をいただきたいと思います。  それから、四ページ目の一行目、「事業決定には住民はつんぼ桟敷です。」、まことに障害者の人には申しわけなかったと思いますが、つんぼ桟敷は差別語でございますので、これは障害者の皆さんにおわびをして、この言葉は削除して、事業決定には住民は阻害され続けましたというふうに訂正をお願いいたしたいと思います。  それでは、初めから申し上げます。  私は日の出の森・トラスト運動共同代表ということで、当事者として本日は出席をいたしました。なお、そのほか首都圏道路問題連絡会の代表幹事もやり、それから今、収用がかかっております圏央道あきる野の、それからこれから次に来るんじゃないかと思います高尾の、それぞれのトラストの地権者にもなっておるという意味での立場でございます。  初めに申し上げたいことは、私どもは好きこのんでトラストを仕掛けたわけじゃございません。こういうことを言っちゃいけないのかもしれませんけれども、先ほど稲城の市長さんが組合の管理者という立場でもって私どもの運動を妨害者というふうにお話になりましたけれども、一々先ほどのお話に反論する時間がございませんから反論はしませんけれども、私は好きこのんでトラストをやっているんじゃないということですね。  では、なぜやったのか、これをまず第一番に皆さん方に御理解をいただきたい。それから二番目には、この改正案の問題について御意見を申し上げる。それから三番目には、公共事業のあり方ということについて見解を申し上げる。こういう順序でいきますので、日の出のことだけ申し上げるわけにはいきません。  日の出の場合で申し上げますと、その発端は、一九八四年に谷戸沢の処分場で埋め立てが始まったんですが、その三年後あたりから既に処分場の地下にあるシートが破れて、そこから汚染された水が漏れ出したんじゃないかと疑われる証拠が周辺地域に出てまいりました。それが発端であります。  そのことに対して地元の住民や、それから多摩の市民、多摩の市民というのは谷戸沢にごみを捨てている当事者ということであります。私も小平の市民ですから、谷戸沢や二ツ塚にごみを捨てている当事者の一人でございます。  ところが、そういうことで私どもは処分組合の方に、汚染データの公開をしてくれ、それから原因を調べてくれ、それから対策をちゃんと立ててくれということを要求したのでございますが、処分組合はすべてこれに対しては拒否をするという態度でございました。地元の公害防止協定を結んだ住民に対しては情報は提供するけれども、それ以外の多摩の市民や、それから同じ日の出の町民でありましても、自治会以外の町民に対しては情報公開をしないという態度でございました。そして、シート破損は絶対あり得ないんだということを強く主張されました。もっとも谷戸沢の処分場は厚生省御推薦の管理型処分場のモデルであるということの宣伝がされておりましたから、シートが破損しては大変なことになるわけでございます。  それで、私ども住民の方は情報公開を求めて訴訟を提起しました。閲覧権確認という難しい名前でありますけれども、その訴訟には勝利をいたしました。したがって、私どもは処分組合に公開しろというふうに言いましたが、処分組合はそれもまた判決にも従わないという態度に出たわけです。そして約六百日の間、間接強制金という、いわば罰金みたいなものがありますね、裁判に従わない場合の、民事ですけれども。これを約一億九千万、処分組合は支払い続けました。  その中でやっと一部のデータを公開しましたけれども、その後でだんだんにデータが公開されてまいりましたが、その中で電気伝導度という地下水の汚染を象徴するデータがあります。本当は処分場はシートが張ってありますから、シートの下は何も漏れてこないことになります。したがって、シートの下を地下水が流れた場合はその地下水は汚染されてはおかしいわけです。地下水の場合の電気伝導度は、大体五十ないし百マイクロジーメンス程度が通常の地下水です。ところが、処分組合が後から公表したデータによりますと、埋め立てを開始してから六年目、一九九〇年ごろにはもう電気伝導度のデータが一万を超えております。一番ひどいときは、一九九六年に一万九千二百マイクロジーメンスという大変な電気伝導度の汚染というものがわかったわけでございます。そうなっても、なお汚染の原因はないんだ、シートは破れていないんだということを強硬に突っ張られて、そうして第二処分場の建設が始まったと。  それで、私どもとしては、ではどうしたらいいんだろうということになりました、処分組合は一切話し合いに応じないということですから。それで、同じような構造の第二処分場がまたできたんでは困る、そう思いましたので、私どもはやむを得ずトラストというものを第二処分場の予定地の中に設定して、そうして処分組合を話し合いの場に引き出す、そのためにトラストを設定したということでございますので、そこら辺の経緯については十分に御理解をいただきたいと思います。  なお、菅厚生大臣、小泉厚生大臣が在職のときに東京都に対して、住民と話し合え、それから住民と一緒に共同調査をしたらどうだということを勧告していただきましたが、これも東京都や処分組合は拒否をいたしております。こういう経過があることを日の出については御理解いただきたい、そういうふうに思っております。  それから、次は圏央道の問題でございますけれども、圏央道もやっぱり同じようです。行政の皆さんの態度は同じようであって、全く情報非公開、話し合い拒否という不公正と不透明な住民対応というものを十六年間これはずっととり続けてまいったわけでございます。  そして、特に現在収用がかかっておりますあきる野地区の場合は、圏央道以外に新たに新滝山街道という四車線の道路、それから新五日市というまた四車線の都道、これが圏央道と同じ地区にさらに二本のそういう四車線の道路が加わりましたから、合計十万台の車が狭い地域に通ることになった。ところが、アセスメントは圏央道だけしかやっていないわけです。そこで、私どもとしては十万台をまとめて総合アセスメントをしてくれ、そういうふうに旧建設省と東京都に要請をしましたが、アセスはもう終わっているということで調査はしないということになりました。これではあきる野に住む住民たちは、道路が三本、十万台の車が入ったときは大変なことになります。これがあきる野地区の住民たちがやはり圏央道の予定地の中にトラストを設定せざるを得なかったという理由でございます。  そういうことがトラスト運動の契機である。もし、日の出にしてもそれから圏央道にしても、処分組合やあるいは旧建設省が住民との間に早くの段階から話し合いを持つということをして、そして住民からのいろいろな提案があります、提起があります、質問があります、そういうことに誠実にこたえていたならば私たちはトラストは設定しませんでした。その点を御理解いただきたいと思っております。  次に、法案の内容についてでございますが、事業認定者の問題、それから事業認定の手続のことが大分話題になっております。私は衆議院も二日間傍聴しました。おとといの参議院も傍聴いたしました。その中で、事業認定の手続を手厚くしたからいいじゃないか、したがって収用委員会の収用手続の方は簡素化してもいいじゃないか、これが政府側の論理でございますけれども、この事業認定の手続は全部一方通行です。つまり、住民側が参加をして議論をするという場じゃないんです、これは。あくまで説明に終始しているという状況であります。今までの行政側の対応を見ておりますと、この説明というのはすべてもう限られた時間の中で一方的に説明をして、それから住民側の質疑その他等も時間が来たら打ち切ってさっさと帰ってしまう、こういうのが今までの形でございます。  扇大臣は、この点は反省する、今までの住民への対応についてはまずかったから反省すると何回もおっしゃっておりました。それを私はよく聞いておりましたが、それを担保するものがなきゃ困ります。言葉だけでは困るんです。制度的にそれではどうやって住民の意見を尊重するのか、それから合意形成にどうやって努めるのか、それを法的に担保していただくということが必要なわけです。だけれども、住民合意については、大臣は、住民合意の上で事業化する場合には迅速にというふうに、ちゃんと住民合意ということをおっしゃったんですが、局長はそれを否定されたんです。法律的に言うと今のところ住民合意はできないというふうに。多分それは行政手続法の問題だろうと思います。とすれば、行政手続法を変えてそういう形で住民合意というものが法的にあり得るようにしていただければいいわけでございます。  そういう点で、政府案の中のこの事業認定手続というものを改善したことは私どもは認めます。今までは公聴会も専門家の意見聴取もしなかったわけですから、確かに手だてとしては当然のことを当然におやりになるということで、これは私どもも認めますけれども、残念ながらやはりそれが本当の住民合意を得るための手段になっていないというところに大きな欠陥があるわけでございます。  最後に、ではどうしたらそういう住民合意の手だてができるのか。これは衆議院でも参議院でも、入り口から出口という論議が大分されました。あるいは上流、中流、下流という議論がされました。つまり、上流、一番大事なことはその収用というのは出口の問題です。同時に収用というのはこれは事件なんです。ですから、収用委員会では例えば日の出の問題ならば日の出の問題は第何号事件というふうに言っております。つまり、これは紛争事件なんです。今まで住民側と行政側がいろいろ話し合いをしていた、だけれども行政側がもう話し合いを打ち切る、打ち切って収用申請したわけですから、つまりそこからはもう行政側から住民側に紛争にするよと、あとは収用委員会にやってもらうんだ、そういう宣言をしたのが収用なんですね。皆さんにこれは事件だということを考えていただきたい。  とすれば、その事件についての中の事業認定をするのに、当事者である大臣や知事が事業認定についてするというのは、これはおかしな話で公正さがありませんよ、それでは。したがって、私どもは、この事業認定という問題は、国土交通省やあるいは知事から離して、行政上の第三者機関ですね、独立行政法人、私どもの仲間ではこれを収用裁定委員会という名前にしたらいいだろうと呼んでおりますが、例えば公害等調整委員会とかあるいは公正取引委員会のような独立した第三者機関、ここで事業認定と同時に補償金以外の収用の公開審理に当たることをやってもらう。そうすれば、一番公正で中立でかつ透明性のある扱いができることになります。大臣は盛んに強調されましたけれども、自分が自分を認定するという立場に固執したのでは、これはもう絶対に公正ということは期待できません。  そこで、最後にお願いを申し上げます。それからもう一つは、入り口から出口までの問題がありますから、収用法だけを改正しても意味がないんです。したがって、都市計画法から始まって、この入り口のところの手続が今いいかげんです。住民がほとんど参加できないんです。  私が資料として「土地収用法と関連法の問題点」というものを差し上げてありますが、これを後でごらんください。ごらんいただきますと、バツがいっぱいついているということは住民参加をしていないということなんです。したがって、都市計画法、河川法、そういうものからきちっと住民参加というものを法律上担保するように法律を変えていただく。そして、そういう事業法と、それから行政手続法と、それから収用法と、もう一つは行政事件訴訟法、この中の執行不停止の問題と総理大臣の異議申し立て、これも間違っておりますから、この四つの法律を全部一括して修正していただきたいと思っております。ですから、収用法だけの、そう言うと申しわけないが、食い逃げ的な修正、改正というものはおやめいただいて、もう一遍今の四つの基本法から全部を一括してやっていただきたい。  それまで、今の収用法じゃ困る、何かまた住民が今の収用法を悪用するんではないかという懸念はありません。行政側がきちっと誠実に住民側に対応するならば、現行法の中でも私どもは常識的な対応というものをやっていくつもりでおります。それはもう行政の出方いかんということでございます。  そういうことで、ぜひこの収用法の改正については一たん取り下げていただいて、改めてすべての関連法というものを改正する観点からお願いしたい、そういうふうに思っております。よろしくお願いいたします。  以上です。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

脇雅史自由民主党・保守党

○脇雅史君 自由民主党の脇雅史と申します。  四人の先生方、早朝から貴重な御意見を御開陳いただきましてありがとうございました。  お話の中にもありましたけれども、この複雑化した世の中でいかにみんなの必要な公共事業を合理的に進めていくかということが問われているわけでありますが、収用法というのはその中の、今のお話にもありましたようにほんの一つの道具にしかすぎないわけでして、理想的に言えば、収用法はなくてもいいとみんなが納得できるという世界が一番いいわけですし、仮に収用法があったにしても適用しなくて済むという、そういうことがあれば一番いいわけなんですけれども、なかなかそううまくいかないというのが現状であることはお話の中でもよく認識をいたしました。  実は、私も公共事業に深くかかわっていたものですから、随分、用地買収とか住民説明とか参りまして、夜遅くまでさんざん聞かされました。今、標さんのお話を伺っていて当時を若干思い出したようなところもあるわけであります。  まず最初に、石川さんに、当事者として苦労されたと思うんですけれども、お尋ねをしたいんですが、まず計画の決め方ですね、手続と言ってもいいわけですが、計画の決め方。そこでみんなが納得できるという手続を踏むことが一番いいわけなんですが、法治国家の我が日本で法令上問題のない決め方をしました。そうすると、標さんがおっしゃるように、大体住民の方の意見を聞く場がほとんどないんです。ですから、ある時突然、こういうふうに決まったからおまえの土地を買いに来るぞというのが用地の手続で、説明に行くわけですね。  我々は、法治国家のもと、法の定めるもとできちっと決めているんだから何も問題はないんだという状況で入っていくわけなんですが、私もいろいろお話を、いろんな方と交渉したときに思ったんですけれども、本当にそれでいいのかなと。やっぱりそこで何かあるぞというときには、計画が決まったという前に何らかの手続で皆さん方の意見を聞く場が要るのではないかなということを何度か感じたんです。  ですから、現行法上問題がなければ、確かに法治国家ですからそれでいいんですけれども、もしかしたらこれから先は計画決定のプロセス、手続というのを少し変えていくべきではないかなというふうに思うんですが、石川参考人は大分苦労されたと思うんですけれども、いかがでございましょうか。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 今、お話がありましたように、私どもは法律に基づいて瑕疵なく手続を進めてきたというふうに思っておりますけれども、これからの公共事業ということを考えたときには、確かに情報公開ですとか市民参加等については、その公共事業の性質にもよると思いますけれども、一概にすべてのものを一律な制度というのは難しいと思いますけれども、そういう要素というものを取り入れていくことは必要だろうというふうに思います。  ただ、いずれにしろ、価値観あるいは利害関係も非常に複雑に入り組んでいるわけでありまして、それを一律の制度でなかなかすべて整理するというのは非常に難しいのではないか。これはもう本当に試行錯誤ではありませんけれども、いろんな方法をとりながら、また欠点を修正しながら進めていくということになるんだろうと思いますので、理想的な、これがベストのシステムというものはちょっとそれは想定できないというふうに思っております。

脇雅史自由民主党・保守党

○脇雅史君 おっしゃるとおり、事業によっても違いますしね。  ただ、要するに国民の皆さんが納得できる手続論というのがあって、その手続を経た後では、自分は反対であってももうそれで決まったんだと、七割、八割の人が賛成したら、しゃくだけれどもあきらめます、協力しますというような、そういうプロセスの合意がないと非常にこれから先全体が不幸ですね。当事者の方も長い間苦労をされるわけですし、しなくてもいいけんかを長々としなければいけないということですから、むしろ計画論のプロセスをきっちりと決めていかなければいけないというのが我が国の現状ではないかなというふうに私は思うんです。  そこで、次に栗原参考人にお聞きをいたしますが、今回の衆議院の修正の中で、第三者機関の意見を聞くというところを尊重するというふうに変えた、評価できるというふうにおっしゃったんですが、ある意味では確かに評価できるんですが、第三者機関というのは一体何なんだろうと。  それは、起業者にとっても住民側にとっても、ある意味では信頼が置けないのかもしれない。第三者機関の意見を最大限尊重するということになれば、第三者機関が事実上の決定権を持つ。決定には必ず責任が伴わなければいけないんですね、何かあったときに。第三者機関は責任がとれるのか、非常に問題があるように思うんです。確かに、当事者より第三者の方が何となく公平な判断をしてくれそうな気がしますけれども、何の担保もないですね。  ですから、私見を申し上げて恐縮ですけれども、一番最後は議会で議論をして決定した方がいいのではないか。議会はみんなで選んだ場ですから、県会であるとかあるいは国会であるとか、最終的な判断はそこで最後にしたらどうなんだろうかというようなことも考えるわけですけれども、第三者機関の意見を尊重するということについて、第三者機関の責任論とか、その辺はいかがお考えでしょうか。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 大変難しいあれでございますが、先ほどの御質問とつながるわけでございますけれども、いわゆる住民が一つの意見を言うことが、私もいろんな例えばマンション建設反対運動だとか、そういったようなものにも関係しておりましたのであれなんですが、同意したということをまたその次の段階になって変えてしまう、あるいは前に言ったことが当日になってみると全く逆のことを言われてしまって非常に困ったと。  こういう非常に私的な体験から全体を論ずるということは適当ではないのかもしれませんけれども、とにかくその地域あるいはその周辺の利害関係人の代表がだれなのかということを選ぶこと自身が大変なのと同様、その人たちの意見が本当に変わらないでそのまま正確に反映されているのかなということについて、私なんか非常に苦い思いというのか、何かをしたことがございます。ですから、大変難しい問題だと思います。  それで、実は第三者機関の問題は、これも第三者機関というのは何か。例えば、第三者機関が最後までその決定に参画して、ある意味での最高の意思決定機関みたいなものになってしまうということが果たして適当なのか。今、一案として議会で決めた方がいいのではないかという御意見は、確かに私は一つの意見としては非常に尊重すべきものだと思います。ただ、この第三者機関がどうなのかということは、これこそ試行錯誤で私はやってみて、うまいぐあいにいかなければまた考え直す必要があるのではないかと思っております。  それで、この手のものは、やってみて恐らくうまいぐあいにいかない、うまくいかないと予想しちゃうというのは申しわけございませんが、うまいぐあいにいかない場合もあるし、うまいぐあいにいく場合もあるのではないかと思っております。そして、うまいぐあいにいかない場合にはなぜかというようなことをもう少し詰めて、例えば必要があればもう一回法律の改正をするというようなことが要るのではないかと思っております。  ですから、私は尊重すべきだということは前進だと思いますけれども、そのことについては若干私自身も迷っております。

脇雅史自由民主党・保守党

○脇雅史君 最後に言われたことにまことに共感をするわけですけれども、何か一ついい方法がきちっとあって、それを今決めたというふうなことにはならないんですね。やっぱりやってみて、いろいろ問題があればまた変えようという柔軟性が要るのであって、法律でやっていると、今の法律で決めたのだから文句を言うなということになっちゃうんですけれども、片一方は行政は常に新しいそういう方向を求めてやっていかないとだめなんですね。ちょっとそれは私も過去も今もひっくるめて反省をしているんですが、もう少し柔軟に将来に向けてよい方法を考えなければいけないなと今また感じさせられました。ありがとうございました。  次に、松尾参考人にお尋ねをしたいのであります。  私、今ちょっと申し上げましたけれども、公共事業を進めるに当たって収用法の役割とか全体的に極めてわかりやすくまとめていただいているわけでありますが、その中の二枚目に、「手続的側面」の中で「関係当事者の合意は、参加の消極的側面にすぎない。」という、これを読んで非常にいい言葉だなと。必ずしもすべて合意すればいいというものじゃない、もうちょっと何かあるぞということなんでしょうけれども、非常にこの言葉に感心をいたしました。  そこで、公益性ということでお聞きをしたいんですけれども、特に迷惑施設ですね。電発とかごみの処分施設とか、地元にとっては必ずマイナスしかないんですね。それは処理をしてくれるとか電気を起こしてくれるというメリットはもちろんあるんですけれども、自分の裏庭にはない方がいいと、よそにあった方がいいんだといういわゆる迷惑施設、全体としての合理性がある場所につくることについてあったとしても、局部的な合理性というのは得られないですね。  その場合にどう考えたらいいのか。一部の不利益といったものと全体の合理性といったものをどう調整をとっていくのかということについて、お話を伺えればと思います。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 大変難しい問題ですが、公益性については非常に目に見える形での公益性、例えば相隣関係的な規制、日照とか通風とか、生活環境の改善のための相互の所有権の制約みたいなものは、これはお互いさまの論理ですから、非常に自分が得をするときもあれば損をするときもあるという、それは非常に明確な公益性だと思うんですね。  だんだんそれが地域社会、さらには自分の目に見えないところでの問題に広がっていくと、公益性の実態がまずは希薄化するという場合と、それから受益者と負担者との関係がどちらかに偏るという問題は、これはもうやむを得ない問題だと思います。  ただ、一つ補足として申し上げたいのは、公益性が抽象化するからといって、それがいいかげんであるとかあるいはレトリックであるというのは間違っていると思います。やはり、そういう抽象的な意味での公益性はあるんだと思うんですね。ただ、それが何であってどういうふうに形成されるかということについては、具体的な公益性以上に計画により長い時間をかけて、それからより多くの当事者を巻き込んで議論するというプロセスが非常に重要である。しかも、その場合には、非常に意識して情報公開を進める。つまり、受け手の側にとって何を欲しているのか、何が不安なのかということについてより積極的に良心的に情報公開をしていくという態度が非常に重要であると思います。  そういう問題について、迷惑施設であるから消極的になるという態度はとるべきではないと私は考えております。  以上です。

脇雅史自由民主党・保守党

○脇雅史君 標参考人に、最後にお尋ねをいたします。  好きこのんでトラスト運動をやっているわけではないと、まさにそうだと思いますが、私は今回の収用法の改正はある種の合理性は持っているかなと。少なくとも、いろんな不備はあるにしても一歩前進かなというふうに私自身はとらえているんです。特にお金の支払いとか、かなり合理化した部分があると思うんですが、その辺については評価できる点はないでしょうか。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 先ほど申し上げたように認定手続のところが多少変わった、これは当然なことだけれども、これはそれで結構だろうと思うんです。補償金の支払いのところ、先ほど稲城の市長さんが七億とか十二億とかおっしゃいましたけれども、あれは大変工夫が足りないんですよ。もっと法律を研究してうまくやれば、あの十分の一の金もかからないでちゃんと事務は執行できるんです。  例えば、七億という金の中で、ここにありますけれども、皆さん方にお配りしてありますね、処分組合からの収用に関する経費の一覧というのが。この中に、二千八百名を超える権利者等のデータ処理委託経費、要するにこれはコンピューターの経費ですが、何と二億五千七百万になっているんです。これをコンピューターの専門家やよく知っている人に聞いたら、一体どこからこういう計算が出てくるんだという話ですね。それで、収用のための支払いの経費というのは、土地鑑定及び物件調査・積算、通信費、弁護士費用、補償金払い渡しに係る訪問旅費等、これは合計で一億九千百万円です。処分組合に雇われている弁護士の年間の報酬は三千六百万円というのがちゃんと処分組合の予算書、決算書に載っているんですよ。ですから、そういうことで、非常にむだなお金の使い方をしているということですね。  それから、補償金の支払いについても、ちゃんと供託という制度がありますから、そういう供託という制度を十分に活用するならば、なかなか会えない権利者のところへもきちっと通信の方法を工夫するとか、そういうことを重ねればちゃんとした形でもって処理はできると、そういうことです。

脇雅史自由民主党・保守党

○脇雅史君 終わります。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 民主党・新緑風会の山下八洲夫でございます。  きょうは、参考人の皆さん方には、貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。  まず最初に、栗原参考人にお尋ねさせていただきたいと思うんです。  要するに、住民運動のエゴ、これは決して間違いではないと。私も、住民運動というのは一方では大切だと思っておりますし、一方ではエゴからスタートするというふうに思っております。そして、その上に立ちまして、このエゴも間違いでないと、そういう点では栗原参考人とある意味では考え方は一致するわけです。  そういう中で、今回の改正法でございますけれども、その中で特に事業の計画段階における住民参加あるいは情報公開、このようなことについてお尋ねさせていただきたいと思います。  まず、何か事業を起こす。そうしますと、まだ全く白紙の段階、未計画の段階でもうわさがよく出てまいるんですね。その計画案がまだ未定の段階、世間のうわさ話の段階、それから計画構想、計画案の段階、これはどちらかといいますと計画案を作成する前の討議、審議段階。それから三つ目は、計画策定、議会の承認段階。計画案が作成される、あるいは決定される直前の段階と申した方がいいかと思います。それから四番目は、計画の実施段階。計画を事業実施に移す段階でございますね。それから五番目は、施工、維持管理段階。これは事業を実施したりまたは事業を完成して管理する段階、このように考えていただいていいと思うんですが、このようにいろいろと段階があるわけです。  特に昨今は、公共事業一つとりましても、それこそこれは必要だよと、特に起業者、あるいは利害関係者というのは必要だよと。そうでない、またそのことによって不利益をこうむる方は不必要だよというような考え方もあるわけでございますし、どちらかというと不必要だよというのは大体世間で見ますと少数派なんですね。全国で見てまいりますと少数派。そういう中で、私はそれぞれの段階で、ニーズが大きく変わってきておりますから、それぞれ最大限の情報公開をすべきだと思っているんです。  それで、栗原参考人はこの情報公開についてはどのようにお考えになっているのか、もう少し詳しく御報告いただければと思います。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) また大変難しい問題でございますが、先ほど私がエゴというのは悪いことじゃないと申し上げたのは、人間の行動というのはやっぱりエゴに基づいて、よくよく考えてみると、いかに合理性あるいは理論構築をして話しても、もとはエゴだったというようなことが概して多いわけでございます。ただ、そのエゴが、そこのところについでに「全体を見ない。」と書きましたけれども、エゴ自身は悪くない。  それから、先ほど申し上げたように、今、人間が非常に多様化したというのか、あるいは利害が単純化したというか、欲求段階が最後の、マズローの言う自己実現段階に入って、単に生存だけではなくていろんなことを考えるといろんなエゴが出てくる。そしてその中に、例えば権利としてもより複雑化してきて、余りみんな議論されていませんけれども、例えば最近みんなお金を持っている、特に高齢者がお金を持っていますから、そのお金をどうやって守るかとか投資をどうやって守るとか、こういうものも恐らく相当その人の行動を規制するわけです。  ですから、今、地球環境を守るというようなことが非常に強く出ておりますけれども、あるいはそうでない、例えば昔言われていた所有者の権利なんというのは比較的議論されておりますけれども、そういう自然保護あるいは地球環境に優しくというようなこと、あるいはオオタカ一羽でも生かさなければいけないという、そういったことの主張も、それは今非常に強くなっていますけれども、そのほかにもっともっといろんな恐らく人間の行動が、そういったもののエゴの主張が具体的な形になって出てきておりますから、非常に難しい。ですから、行動としてはその工事を認めるか認めないかという一つでございますけれども、だからそれを余計複雑化しているんだと思います。  そして、しかもその地域に住んでいる人なんかは時間の概念が非常にゆっくり流れるわけですね。ゆっくり流れまして、最近ある、ドッグイヤー、人間の七倍か何か早い、そのドッグイヤーというのが起業に求められているとかなんとかいう、それで起業人はより早い起業決定をする。あるいは行政担当者は少なくとも二年ないし三年で交代しますし、先ほどから申し上げているように、単年度予算でございますので、予算について一年、あるいは議会に対する責任というようなことから、よりその人の時間が短い尺度で考えられる。ですから、緩やかに流れる人と非常に早く流れる人といろんな時間の観念が違いますから、そこのところで余計紛争が複雑化する。おまえは全体を見ていないじゃないかというのに対して、あの役人は何か自分のところだけやればいいという考えでという非難になるということだと思うんです。  ですから、非常に難しいわけでございまして、そうすると、そういったようなことが前提になって情報公開というようなことを、先ほど大変いろいろの段階、五段階ぐらいに分かれてお話をしていただきましたけれども、情報公開というのは私は必要だと思うんです。  ただ、これは私も取材を長い間、特に役所に対して取材をしておったわけです。そうすると、親しくなると役人が必ず、栗原さん、あなたに話してもいいんだけれども、この話をするとあれが壊れちゃうんだよとか、あるいは特定の土地の値上がりを招くとかというようなことで非常に情報を出し惜しみする。しかし、考えてみますと、私は情報を出し惜しみするというのは、結局最後の段階でそれがコスト増大につながるのではないか。ですから、確定していないことを確定したようなということはこれは悪いわけでございましょうけれども、少なくともそういうようなことを考えているとかなんとかということは、当然、例えば行政の首長さんの施政方針の中にはかえってお話をした方が究極的に見るとそのコストを安くするのではないかという気がいたします。  ですから、私は結局、情報を開示した方が、ありとあらゆる段階において時間的にも処理が短くなるのではないかと思います。ですから、大変これも、最初の段階から言っちゃって後で白紙になるというようなことになると非常に行政として責任をとらなければならないとか、あるいは担当の部署の職員は失点になるというような考え方をやっぱり改めていかなければいけないのではないかと思います。  それで、先ほどいろいろ触れられて、例えば議会の承認段階あるいは実施段階あるいは最後の管理段階という各段階で御質問いただいたわけでございますけれども、各段階ごとにどの程度情報公開をしたらいいのかということは、私もよくわかりませんけれども、方針としては持っている情報はほとんど公開して差し支えないという感じがいたします。そうすると、だけれども恐らく、そのことがやっぱり究極的にはその計画をおくらせるんだよという御意見があるのかもしれませんけれども、私はそのことよりは、どっちの弊害が大きいかというと、やっぱり情報を公開しないで、いろいろ何か後になって無理だ、聞いてみたら全然聞いていなかったというようなこと、あるいはよくありますがボタンのかけ違えというようなことも、やはり情報が公開されていないということによるのではないかと思っております。  お答えになっているかどうかわかりませんけれども、私はなるべく公開した方がいい、あらゆる段階で公開した方がいいという立場でございます。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 参考人の方にお願いを申し上げたいと思います。  大変恐縮でございますけれども、質問者の時間が限定されておりまして十五分以内になっておりますので、できるだけ簡潔にひとつ回答をお願いします。

山下八洲夫民主党・新緑風会

○山下八洲夫君 時間がなくなりましたので、石川参考人さんと標参考人さんにお尋ねさせていただきたいと思います。  両参考人の意見陳述をお聞きしておりますと、百八十度考え方が違うわけです。私は岐阜県出身なんです。岐阜県は、長良川河口堰の問題とかあるいは徳山ダムとか、日本じゅうになびかせている問題もあるわけですが、私はこの長良川河口堰等の運動を見ながら強く感じたことがございます。  特に、住民というのはある意味では行政や議会に時によっては大変不信感を持つんじゃないかな、信用しないんじゃないかなと。それはなぜかといいますと、余りにも情報を隠してしまうというところがあるような気がするんです。  なぜかと申しますと、長良川河口堰で申し上げますと、あの流域の皆さん方の議会は全部賛成なんですね。ですから、市町村長さんも皆さん推進なんです。そうしまして、今度は無記名のアンケートで、長良川河口堰、賛成ですか反対ですかと、簡単に言いますと。相当高い比率で反対が出てくるんです。  これは何かといいますと、東京のような大都市部は別にいたしまして、地方へ行きますと隣組制度がしっかりしているんですね。私も五万六千の人口のところですが、毎月一回は例会を開くし、春と秋には道づくりといって、どぶ掃除なんかするんです。それへ出なかったら出不足料というのを今五千円ですかね、支払う。これぐらいしっかりとしているんです。ですから、そこの常会の常会長さんが説明されると、それに向かって反対となかなか言えない、村八分は怖い、こういうところがいっぱいあるんですよ。  そういうことを考えますと、多分この日の出町の問題にしても、場合によればほんの一部の反対者じゃないかとおっしゃる。この二十五市二町の議会その他、皆さんは多分賛成されたと思うんですが、きっと住民に無記名でアンケートをしますと、こんなところは嫌だよ、住民はエゴから来ますし、特に余り好ましくないのはよそへつくってほしいという気持ちがありますから。そういうことを考えますと、積極的に情報を公開していく、このことが私は、コストも安くなるし、時間も早く縮まりますし、あらゆる面でいいのではないかと思うんですが、余りにも今日まで情報が公開ではなくて一生懸命情報を隠してしまう。  私も、今思い出しましたけれども、長良川河口堰問題で当時予算委員会で質問したことがあります。そうしますと、たまたま建設省の資料が手に入ったんですけれども、それには建設省から見ていい学者、悪い学者、丸や三角やペケなんです。政治家も、いい政治家、いい政治家というのは理解ある政治家ですね、これは悪い政治家と三ランクぐらいで、私はそれを持って質問した経験を今思い出しましたけれども、それぐらいやはり情報を隠したがるという点があるんです。  率直に言って、広域処分組合では情報は積極的に開示されたのか、あるいはまた標参考人には、この情報は公開されなかったと思うのか、その辺をお聞きして、終わりたいと思います。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) まず、一番利害関係あるいは影響を受ける日の出町の皆さんは、基本的には合意をしていただいているということはもう事実でございます。また、情報公開の問題が、先ほど電気伝導度の話が出ましたけれども、あれは裁判所の誤認によって、一審でデータがあるはずだという、そういうことで間接強制金を支払えという判決が出ましたけれども、これは最終的に最高裁まで行ってもう結審をして、そういう間接強制金もすべて戻される、またそういうデータは存在しないということが確認をされております。私どもとしては、基本的な情報は開示をしながら進めてきておるというふうに思っております。  ただ、日本の市民運動の一つの特徴かもしれませんけれども、かつて文化大革命というのがありましたけれども、あのときに造反有理という言葉がございました。いわば何かに造反することそれ自体がもう有理なんだという、こういう何か思い違いといいますか、そういうことがどうもあるんではないかなと。まず何が問題なのかというきちっとした指摘があった上での問題指摘であればいいんですけれども、何しろ何か反対することが意味があるというようなどうもそういう傾向があるので、結果としてきちっと制度で保障されている議会等で決定をされても最終的に合意しない、こういうことが日本の住民運動や民主主義が成長していく上で非常に私はネックになっているんではないか、そんな気もいたしております。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 情報公開の問題ですが、先ほど私がこれは日の出も圏央道もそうだということで、とにかく情報公開がないところから問題が始まったんだというふうに申し上げましたけれども、例えば先ほど稲城の市長さんのお話の中で、二十回住民側と話し合いをしたというお話ありましたが、あれは予備折衝なんですよ。つまり、本折衝するために予備折衝でどういう議題を取り扱おうか、それから参考人と専門家をどういう人をやろうかということについての予備的な話が二十回あったんです。それは結局、処分組合の方が話し合いを打ち切ったものですから、私どもは続けてくれ、大事なことだからやろうじゃないかと言ったけれども、やらないよと言って終わりになっちゃった。  それから、先ほどの電気伝導度にしても何でもそうですけれども、裁判で、結局その裁判は最終的に別な決着になっているということですが、これは東京高裁でこの閲覧権の問題では仮処分と本訴と二つの争いになりまして、高裁の判断が分かれました、認めるというのと認めないのというのと。私どもは一億九千五百万、下手をすると、もし最高裁で負けた場合には利息だけでもまた数千万円になっちゃうんですよ。そんな金はありませんから、もう途中で最高裁やめました。それで、また間接強制金返しましたけれども。  そうやって住民側からいろいろ汚染問題その他についてちゃんと公開をしてくれ、それでだめならだめでちゃんとしなくちゃいかぬじゃないかと。私どもも、ただやみくもに反対と言ってやっているんじゃないんです。私どもにもちゃんと学者やそれから研究者がついていて、その皆さんが処分場の周辺を全部調査しました。中へは入れませんから、周辺の土壌とか川とか、それから木の葉っぱとかそういうことを全部分析をして、その結果これだけダイオキシンが出ている、それからこれだけ電気伝導度が出ている、それからこういう化学物質が検出されているというデータを示して、そして処分組合の方に話し合いの申し入れをしているんですよ。それに応じないという、つまり情報公開以前の問題がたくさんあります。  圏央道の場合もやっぱりそうです。高尾山のトンネル掘ったらどうなるんだと。では、アセスのときに水平ボーリングをして、そして大丈夫だよということを立証すれば問題はこじれないんです。それをやらないでおく。それから、高尾の谷間に逆転層が発生することもアセスでやっておかない。つまり、情報を公開しないというよりも、情報をちゃんとみずからつくらないというそういう責任、それでやったことについては公表しない、これはおれたちのものだからおまえたちには話さないというそういう行政の対応自身に非常に大きな問題がある。  これは、おとといも扇大臣が申しわけないと言って、これからはちゃんとしますと言ったけれども、同じ人間がそんな急に変われるでしょうかね。国土交通省なり、それから東京都なり処分組合の人間がくるっと変われるのかどうなのか。だから、私はさっき申し上げたように、法的な担保をくださいと、それをお願いしたわけです。  以上です。

森本晃司公明党

○森本晃司君 公明党の森本でございます。  四人の参考人の先生方、貴重な御意見をありがとうございます。  最初に、松尾参考人とそれから栗原参考人、両先生にお伺いをしたいと思いますが、今回の土地収用法の改正の中心眼目の一つとして事前説明会、公聴会、第三者機関の意見聴取、それから事業認定の理由の公表などによって事業の公益性を確保する手段の強化が盛り込まれておりますが、そもそも公益性というのは一体何であるんだろうか。余りに公益性の概念が漫然としておりましてとらえどころがありませんし、その本質は一体何なのか、それからだれがどうやってそういう形成をしていくのかという点を松尾先生、それから栗原参考人の場合に、公益性という問題は時代によって変わっていくんだというお考えも先ほどお述べいただきましたが、お二人の先生方、よろしくお願いいたします。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 公益性の実体について、公益性については実体的な側面と手続的な側面の双方があって、双方から追求されるべきだというお話を先ほどさせていただきましたが、特に実体的な側面との関係では私有財産権の保障、特に私益との関係というものについて意識すべきであると思われます。  ただ、この点については先ほどもちょっと脇議員の御質問に対してお答えした中でお話ししましたけれども、相隣関係的に非常に目に見える公益性、それから地域社会的に用途地域であるとかに基づく制限であるとか、ある程度実感のできる公益性がある。しかしながら、全く実感のできない公益性、一方的に迷惑施設の負担を受けるだけであるとか、そういうときに、果たして公益性はどこにあるのかということの実感は非常に希薄になる。これはやむを得ないことであると思います。  そこで、そういう問題について、手続的な側面からどういうふうに補完していくのかということで、先ほど、計画に時間をかけること、それから、より多くの当事者に議論の場に来ていただくということ、それから、より積極的な情報公開という三点を挙げました。  最初の計画に関して若干補足させていただきますけれども、これは当該施設の計画というだけではなくて、より包括的な土地利用計画という意味であります。つまり、できれば迷惑施設のようなものは私的な生活領域に影響を与えないところに建設できれば、これは事前の予防措置にもなるわけでして、そういうことが可能な土地利用計画があって、それでもなお私的な領域、私有財産の侵害という問題が生じたときにはどういうふうに補償すべきか、次の問題がそこに来る。そういう意味での、より包括的な計画という意味でございます。  それから第四番目に、一つ補足させていただきたいのは、非常に希薄な、抽象的な公益性で、一方的な受益者とそれから負担者がいるという問題については、補償のあり方についてさらに工夫すべき点があるというふうに考えております。  例えば、一つは事業損失というような領域の補償のあり方、こういう問題について、もう少しきめの細かい補償項目の議論が必要であると考えます。それからもう一つは、ミティゲーションの充実、これもやっぱり補償の内容の問題として議論すべきであると思われます。しかも、こういう点につきましては、補償項目の法令化という条文が一つ入っておりますので、その中で非常に実質化した議論をぜひしていただきたいというふうに考えております。  以上です。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 私は、公益性、公共性というのは時間とともに変わる、あるいは時代とともに変わる、そして、あるときはそれが公益だと考えるものが私益であり、あるとき私益と考えているものが公益になるのだと思っています。先ほど、公共という考え方が境界領域を移動するというふうに申し上げましたが、同じように、公益性というのもその領域ははっきりしなくて、その間を行ったり来たりかあるいは一方的に行ったままになるのかわかりませんけれども、という感じがいたします。ですから、何をもって公益だということを最初から定義して議論して、これは公益、こっちは私益だよということはしても意味がないのではないかと思います。  ですから、先ほど私は、大都市に住んでいる人たちの人間関係、あるいは地方に住んでいてもいいわけですね、地域住民の人間関係というのも場合によっては公益になるということを申し上げましたが、そういったようなことまで考えるように最近はなっておるんだと思いまして、行ったり来たりというよりはやっぱり公益の概念がやや傾向としては拡大しているのかなということを感じております。  以上でございます。

森本晃司公明党

○森本晃司君 次に、住民参加のあり方についてお尋ねをしたいんですが、松尾参考人の御意見の中で、より早期の参加を確実に担保するために今後一層の制度改革が必要であるというふうにもおっしゃっておられるわけですが、住民参加といっても、事業のさまざまな段階で多様な形態の住民参加がございますね。そうした住民参加の方法を考える前提として、そもそも住民参加の趣旨や目的をもっと明確にしておく必要があるのではないだろうか、このように考えております。  松尾参考人の御意見と、それから石川参考人、今日までいろいろ御苦労いただきまして、組合の場合、今回、住民参加が早くからあったのか、いろいろ御苦労いただいていますが、初期の段階から、殊に先ほどのお話の中で、四百六十一平米ですか、それで四十七人の地権者がおられた。そして今は二千八百人の中に地元の方が六十五人いらっしゃると。こういった方々へ最初の段階から理解を求める行為があったのかという点について、お尋ねをしたい。  また同時に、標参考人にお尋ねしたいんですが、参考人もいろいろとトラスト運動でやっておられますが、この日の出の場合の、初期の段階から参加されていたらどういうものだったんでしょうか。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 住民参加という言葉を聞いたときに、現在のところは、行政、起業者側からの提案に対して住民が同意する、つまり参加というのは同意である、同意を本体とするという、比較的その一方向的なものに理解されている嫌いがあるようにも思えます。これは、先ほどの森本議員の御質問で、公益性をだれが形成するのかという問題とも関連するんですが、私自身は、これは行政と関係当事者の双方が発見すべきものであるというふうに考えております。  ただいまの御質問にありました、住民参加の趣旨や目的をあらかじめ明確にしておくということは私は全く賛成でございまして、住民参加や議論の実質化あるいは効率化を図るためには、だれが何についてどのような議論をするのかということがあらかじめ明確なプランで示されているということが重要であります。そのことは、住民参加というのは一回の手続で終わるわけではなくて、一連の、ワンセットの手続の中で、今回は何について論じ、それを踏まえて次は何について論じと、そういうプロセスの中で議論を、行政と住民の側が知恵を出し合っていくプロセスが本来の住民参加のあり方ではないかというふうに考えております。  その中で、単なる同意ではなくて、より積極的に知恵を出したんだ提案したんだ、それがどういうふうに受け取られたか、取り入れられた場合、それから拒否された場合にはその理由は何だったのか、そういうような中から客観的に実は非常によいアイデアが出てくることもあり得ると思うんですね。  そういうことについては、お互いに消極的あるいは疑心暗鬼になるべきではなくて、より双方向の議論を実質化するような法制度上の措置も必要かもしれませんが、より重要なことは、実質的なというんでしょうか運用上のというんでしょうか、そういう話し合いが持たれてもいいのではないか。必ずしも法制度にあるものだけをやればいい、あるいはそれだけで十分だということではないように考えております。  以上です。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 住民参加、まず、当初の日の出町の人たちに対する説明あるいはそれに対する説明責任等については十二分に果たしてきているというふうに思っております。  この問題の一つの問題としまして、いわばごみの処理がどうあるべきなのかということが一つあるわけです。これは非常に多様な意見がございます。これは現在もそうなんですけれども、焼却そのものはもうやるべきではないという意見から、あるいは自区内ですべて、一定の自治体の中ですべて処理をすべきであるとか、いろんな多様な意見があるわけでして、日々三百トンからの焼却残渣、あるいは私どもの市でいえば毎日五十トンのごみが出てくるという現実からスタートせざるを得ない。  こういう理想と限界との幅があるわけですから、そのあたりの議論が多様に行われ、そのことが広域処分組合のベースであるところのこの問題だけではなくて各自治体の中でも議論がされてきている。そういう意味でのこの処分組合のあり方に対する議論というのはしっかりと私はされてきているのではないかと思っている。ですから、各議会の中でも基本的には処分組合の議会と同じような対応がされてきているわけでありまして、そういう全体の議論の中で最終的にこの方向性を支持していくという結論が得られているというふうに思っております。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 住民参加の問題、初期から参加していたらどうだったかというお話でございますが、まず、住民の範囲をどうとらえるのかという問題が一つありますね。日の出の場合も、さっきから盛んに二千八百人が問題になっているんですが、あのうち日の出の地元の町民は六十五人です、これは。それから、あと三多摩の人間が千何人かですね、それから東京都内の人間が約五百人ぐらいですか、というふうになっています。そういう場合に、じゃ日の出の処分場にかかわる住民の範囲はどういうふうに考えるんだと。処分組合の方では、日の出の六十五人を住民、地元、そういうふうにお考えなんです。それで妥当なのかどうなのか。例えば、処分場にごみを捨てている三多摩の人間は住民じゃないのかということになります。  それから、処分場自体が、さっき申し上げたように、これは管理型の処分場が日本じゅうに四百幾つかあると聞きます。管理型処分場の構造自体は、日本全国のそういうごみの処分場にかかわることになります。では、そういうかかわった人たちは関係住民と言えないのかどうなのかということで、やっぱり住民の範囲というものを、その問題にかかわるさまざまな人たちを幅広くとらえるということが大事だということが一つあります、住民の参加ということを考える場合に。  それからもう一つは、参加の仕組みというものをやっぱりきちんと整えなくちゃいけないということがあります。では、参加というのはどういう形のものを参加というのかということ。私は、先ほどから申し上げているのは、合意形成が前提になったものじゃなければ住民参加とは言えないと。合意形成なんて言ったらば仕事できないと、そんなことはあり得ないんですね。日本じゅうでたくさんの公共事業がありますが、大部分は時間がかかっても合意形成ができているものがほとんどですから。だから、そういう点で、やはり参加の目的とは何だということもちゃんとしていなくちゃいけない。それからもう一つは……

森本晃司公明党

○森本晃司君 済みません。ちょっと、あともう一問ほかの先生に御質問させていただきたいので。済みません。  松尾参考人に最後にお尋ねを申し上げたいんですが、先ほどの参考人のお話の中で、政府起業者と関係当事者とのねじれ関係を矯正して、地域住民の理解と協力が促進されるようなよい政府、自治体と、よい市民の関係構築というお話をいただきましたけれども、いかにすれば可能になると考えられますか。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) この点についてはまず二点、いわゆるそのねじれ関係の矯正ということから考える必要がある。  一つは、プロセスの重視であります。何か公共事業を行おうというときのプロセスについて、見直せるところがあれば見直していく。それからもう一つは、これは法制度面には必ずしも出てこない問題でありますけれども、当事者の姿勢といいますか、主観的な態度といいますか、こういう問題についても真剣に考えていく必要がある。その法制度面にはあらわれないような当事者のそういう信頼関係の回復というのが、実は法制度改革を強力にサポートする、あるいは法制度を非常に機能的に運用する、そういう関係があるように思われます。  しかしながら、この問題については形式的な法律制度面、先ほど来問題になっております行政手続法とか行政事件訴訟法とかそういう制度面での改革も一つの強力な手段になるかもしれませんが、しかし本質的にはそういう形式的な制度面での問題のみにとどまらず、もっと非形式というんですかインフォーマルな当事者関係というんですか、国民国家関係というんでしょうか、国民が国家に対して持つ意識、あるいは行政が住民に対して持つ意識というんでしょうか、そういう問題での、レベルでの改革が必要なのではないかというふうに考えております。  つまり、こういう問題については、やっぱり過去の経緯というものから完全に自由に、ゼロから出発するということはできないと思うんです。したがって、過去にあったいろいろな事件とか悲劇的な問題についても十分に踏まえながら、さらに次の一歩をどういうふうに踏み出していくか、そういうことを、これは必ずしも法律制度の問題ではありませんが、十分に考慮に入れる必要があると思われます。  最終的には、この問題は、よい政府の問題というのは、市民社会の成熟度を示すものであるというふうに私自身は考えております。市民社会を成熟させるということはなかなか、近代化が始まってから百五十年という中では実は難しい問題なのかもしれませんけれども、私は、これについてはやっぱり二つのプロセスというか側面がありまして、一つは市民が自分自身の権利義務について十分に自覚するということがまず出発点だと思います。これに対して、政府が市民の権利、自由を保護していく、大切にしていく、あたかも自分自身のように保護していくという、そういう意識を持つ、そういう中から形成されてくるものだと思います。  非常に、これから時間はかかるんだと思うんですが、市民社会の成熟ということについては、日本がこれから真剣に威信をかけて取り組むべき重要な課題であるというふうに考えております。  以上です。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  きょうは、四人の参考人の皆さんには本当に御苦労さまでございます。ありがとうございます。  最初に、私は石川参考人にお尋ねいたします。  土地収用を実施する公共事業の認定手続、この大きな問題点というのは、事業申請が行われる前に当該計画が事業者の側で一方的に決定、推進されて、住民の反対で買収先に残った土地を土地収用をかけるというやり方がいろいろ横行しているというところに非常に大きな問題があるということを私自身も痛感してまいりました。これでは事業の公益性をきちんと議論することがなかなか難しいかなと思うんです。  例えば、先ほど話がありましたけれども、日の出の問題でいえば、私も国会で質問し、また交渉もいたしましたけれども、菅厚生大臣あるいは小泉厚生大臣が、住民、地元関係者ときちっと話し合え、そしてまた一緒に調査をせよということについてそれが行われなかったとか、そういうこともあったと思うんです。  したがって、これからの大きな問題というのは、また見直すべきことというのは、これからのいろいろ事業の分野で計画決定の段階から、策定の段階から、やはり十分な情報公開、住民参加を保障していく、このことが非常に大事じゃないかと思うんですけれども、その点の御意見を伺いたいと思うんです。  先ほど、反対のための反対があるとか、あるいは造反有理だとか、そういうことをおっしゃられましたけれども、私は、行政の対応がきちっとしていれば、別に本当に好きこのんで反対運動するわけじゃなくて、やむにやまれずということが非常に強いわけで、行政の長としてもその点は御理解していただいていると思うんですけれども、その見直すべき点の住民参加の問題、情報公開の問題についてお尋ねいたします。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 情報公開の問題につきましては、先ほどもお話をしましたけれども、基本的なデータ等についてはインターネットも通じてすべて公開をしてきております。  今の市民参加の問題ですけれども、いわば住民参加をどこに定めるのか。無限に拡大をしていくわけです、今回の問題等においては。どこに住民参加の住民というものを定義するのかというのは非常に我々としても難しいわけですけれども、基本的には我々の進めようとしている課題に対してどういうような御意見を持っているのか、それに対するきちっとした議論は我々も当然していかなきゃいけないということでしてきたわけであります。  当初来、お話をしておりますように、じゃ具体的にこの処分場案に対するどういう具体的な提案があるのか、こういうような具体性を持った提案というのは残念ながら一つもありませんでした。あえて挙げるならば、例えば学校ですとか公園ですとかの地下を掘ってそこにごみを一時的に保管をしていきなさいよ、こういう案といえば案かもしれませんけれども、提案がされましたけれども、残念ながらほとんど現実性のない提案でございました。  そういう意味で、私どもとしては真摯に情報公開もし、また議論もし、対応もしてきたわけでありますけれども、いわば無限に、反対のための反対というようにおっしゃいましたけれども、反対することに意味があるかのごとき幻想といいますか、によって拡大をしてきた。その一つの要因は、先ほどお話をしましたように、ごみに対する市民の感覚というのは人によってかなり差があるわけであります。現実のごみ処理の現状を含めて物を考えられる方と、いや、もうごみが出ること自体がおかしいんだ、ごみゼロ社会なんだと。  このことも別段間違っているわけではありません。しかし、いきなりそこに行き着けるわけではないわけで、そのための現実的なステップも当然必要なわけで、そのことも私どもは計画として持っているわけですけれども、最終処分場をつくること自体もおかしいんだと、こういう考え方も非常に幅があるわけです。そういう意味では、なかなか現実的な具体的な対応をしていただけなかったということも非常に今回の問題が複雑になっている要因ではないかなと思っております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 ごみをどうするかという問題、いろいろあると思いますけれども、例えば地下水の問題、飛灰の問題、土壌汚染の問題、そうしたデータがやはりきちっと公開されてこなかった、こうしたことがやはり非常に大きな問題を生んだかな、そういうように率直に思います。  次に、標参考人にお伺いしますけれども、私自身、圏央道や日の出のごみ問題について国会でも質問したり、また何が問題かということを非常に痛感してまいりました。  例えば、一度アセスをして、アセスをやり直すべきだということをいろんなデータをもとにして要求しても、もうやったからやらない、それで終えてしまう、そういうところにやはり非常に大きな問題点、それからまた法的な欠陥があったということを痛感しております。  その点で、これまで標参考人が取り組んできている中での行政側の問題点について感じられていること、その点と、あと同時に、おとといの質疑でも、話がどんどん極端な流れに行ってしまうんですけれども、例えばはがき一枚分の土地のためにアメリカまで行って補償金を払うのはいかがなものかとか、そういう話になるわけですけれども、例えば補償金の支払い経費の行政側の説明について、問題点等についてあればお伺いしたいと思います。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 行政側の対応の問題で、今アセスというお話がありましたが、その件についてちょっと事例を申し上げますと、例えば圏央道の場合は、先ほど一つあきる野の事例を申し上げました。圏央道以外に新たに四車線の道路計画がつけ加わったと。狭い地域に十万台の車が入るようになったけれども、それについて総合アセスメントは要求してもやらないと。こういうことは確かにアセス法とか条例の中の問題じゃないんですね。追加としていろいろなことをやることは、どんどんやればできることですから、やればいいわけです。  それから、アセス法が変わったことによりまして、できたことによりまして、例えばSPMが新しく加わりました。それから、騒音も環境基準が変わって測定方法、評価の方法も変わりました。それから、高尾山でいえば水文調査というのも新たに加わりました。そういうものは全部圏央道アセスのときは、十六年前にはやっていないんです。だから、それを加えてやってくださいと言ったけれども、もう終わっていますと言ってやらないという、こういうのが一つの行政対応の例ですね。  それから、日の出の場合もそうですけれども、アセスメントの中で、必ず類似事例を参考にしていろいろと予測調査をするというふうにアセスのその手引に書いてあります。したがって、私どもは、日の出の谷戸沢の方でシート問題があったから、二ツ塚の方でもそういう問題が起きるといけないから土壌汚染についてちゃんと予測評価をしてくださいと言ったところが、シートは破れないんだから、それは評価項目に入れませんと。それで結局やらないというような形の行政対応ですね。  それから大臣が、おとといですか、圏央道については五十七回説明会をやりましたと言うけれども、あれは全部一方通行の説明会ですね。アセスメントのときの評価の説明会、それからあとは事業説明会と工事説明会。事業説明会と工事説明会のときは権利者だけを対象にして、沿線の被害を受ける住民は全部シャットアウト、入場禁止ということで、結局五十七回の中に話し合いは一回もないという、そういう形のものが行政対応で、私どもはだから何とかしてくださいと。先ほど松尾さんの方から、インフォーマルな形での合意形成や参加が必要ではないか、私もそう思うんです。それが一番正しいかと思うんですけれども、現在の対行政の場合は、インフォーマルでは相手になってくれないんです。だから、そこに私は法的なちゃんと担保というものをやってくださいということをお願いしたというわけです。  それから、はがき一枚の問題ですが、これは先ほども申し上げましたように、これだけの経過があって私どもがトラストをやるわけですね。したがって、はがき一枚の問題じゃないんです、これは。はがき一枚、それから七億ですか、それから二年半、これが盛んに石原さんが建設省に対して収用法を改正しろというときに言ったまくら言葉です。一枚の問題じゃないんです、そんなことはね。補償金の支払いは、先ほど申し上げたように、幾らでも工夫すれば安上がりにやる方法はあったということであって、問題は質的な問題です。何ではがき一枚の住民運動が起きたのか、そういうことを行政側がどう理解しているんだと。  石原さんは私どもをちゃちな人間だと言いましたよ。私は逆に言いますね、石原さんはちゃちな知事だと。そういうような形のものが、悪いことばっかり言っちゃ申しわけないんですけれども、そういう住民運動や市民運動に対する行政側の中に大きなあらわれ方をしているということを御理解いただきたい。  以上です。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 栗原参考人にお伺いいたします。  今度の改正案の中の改正点で、収用手続にかかる膨大なコストが事業計画をおくらせているということで、例えば補償金を郵送で送りつけるのを可能にするとか、収用手続の調書への署名押印を廃止するとか、そういうことが決められております。  私、思うんですけれども、そもそも事業者内部の事務処理負担にすぎない問題を、権利者の財産権の収用を簡便な手続によって解決するというやり方、これが本末転倒にならないかなということを思うわけですけれども、その点についての御所見をお伺いいたします。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 今おっしゃっていること、非常にお金がかかるということの事例としてそのことを挙げるのが果たして適当なのかどうか、あるいはもっとほかにお金がかかっているものがあるのかどうか、私はちょっとそこのところよくわからないんでございますけれども、私はただ一つの例としてそういうものが挙がっているというふうに感じておりまして、それでもって全体像あるいは改正点の全体のあれを理論化するというのは、それの一つというふうに理解しておりますが。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 松尾参考人にお伺いいたします。  収用委員会での主張の制限についてなんですけれども、住民側が事業認定自体について取り消し訴訟などの裁判で争う以外に、行政段階でその是非を問う手段が保障されていない、そういう現状があるんです。これを踏まえるならば、事業認定の不服に関する意見を明文化して排除するということは問題ではないかということを感じているんですが、その点についての御意見をお伺いいたします。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 公益性に関する議論というのは、十分にその手続ができる限り保障されるという、そういう手段がふえる、あるいは時間的にも長くなるということは、私はいいことだと思います。  ところが、同時に、そういう問題がもっと議論すべきその補償の中身の問題の議論を妨げるような、いわばその二つの要請が衝突する場面というのはやはり存在すると思うんですね。したがって、その議論はうまく整理する必要がある。今回の提案が、収用委員会での主張の制限という一つの試みになったと思っております。  ただ、私自身はこれが最終解決になるかどうかということについては結論は留保したいと思います。これも一つのやり方として、まずは公益性の認定、それから補償の中身についてのそれぞれの議論が十分に詰まるかどうかということを見きわめた上で、再度、必要であれば法改正をするという可能性も否定はしておりません。  しかしながら、これは一つのいわば行政側からの問題提起でありまして、時間、コストの問題についてもやはり我々は同じように権利制限を受ける、そういう被補償者側の問題と同時に、この問題も同じぐらい重要な問題なんだ、だからもっと真剣に議論しましょうという問題提起というふうに受けとめております。  ですから、これについても一方的な立場から、それは事業認定の公益性についての議論をより制約するものであるという立場からだけでは判断がつかない。やっぱりそれは総合的に議論する必要があると、そのための一つの提案なのだというふうに理解しております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 松尾参考人にもう一つお聞きしたいんですけれども、先ほど欧米についての事例、若干触れられましたけれども、私もヨーロッパに長い間おりまして、こういう事業のときにやはり日本とちょっと比較にならない、ですから比べようがないと思うんですけれども、しかし、いずれにしてもかなり広く住民の参加と合意をするために相当長い時間かけてやるという、そういうシステムがあるし、またそういう習慣があるということを痛感しているんですけれども、比較が大変しにくいと思いますし、質が違うわけですけれども、その点で欧米の事例から学ぶべきことがあるとしたらどの点かということについてお伺いして、終わりたいと思います。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 欧米との比較については、住民参加のレベルだけで比較するということは必ずしも正確な比較にはならないというふうに考えております。  この問題については、例えば計画法全体の比較というんでしょうか、欧米の場合には非常に計画法の段階での公共的な私有財産制限が強力であります。また、例えば土地所有権についても、公的な財産というのですか、公有財産の範囲が非常に広くあります。  それはどういう機能を果たしているかというと、私的な利益とそれから公的な利益の正面衝突をできるだけ避けるようにしているわけです。したがって、住民が非常に生活上の利害関係を持っているところにどんと大きな公共施設が来るということはほとんどあり得ないようなシステムになっている。そういうことを回避するために、もう二十年、三十年先を見て計画をしている。  ですから、突然天から降ってきたような計画があって、これは公共性があるかないかというそこで議論すべき問題では本来はないと思うんです。ですから、より長期的な、より計画的な土地利用全体の中で将来的に生じ得るであろう問題というのを議論していく、本来の議論というのはそこから始まっていると思うんです。そういう議論の積み重ねの上に、具体的にどういう施設をどこにつくりましょうか、そのときにはどういう補償をしてどういう措置をしましょうかということについては、住民は非常に積極的になるわけです。行政についても、従来の蓄積がありますから、それを前提にしてお互いに議論が成り立つ。  やはり、そういう制度的な根深いレベルでの違いというのがまだ存在すると。やはり、時間はかかるかもしれませんけれども、そういうレベルからもう一度考え直していく必要があると考えております。  以上です。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 終わります。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。  参考人の方々、大変御苦労さまでございます。  まず、石川参考人にお伺いをいたしますが、日ごろ行政を行う立場で大変ごみ問題等について御苦労されておられるようでございまして、その点は感謝を申し上げる次第でございますが、土地収用法の手続というのはやはり個人の財産を強制的に取り上げるわけでありますから、公共事業の計画段階から明確に住民の意見をちゃんと聞く手続があればそんなに苦労することはないと思うのであります。  そこで、先ほど参考人からの御報告にございましたように、合意形成のための努力と手続のところで大変苦労されておるようでございまして、最近、行政が行う事業にかかわって必ず問題になっておるところが、一つは環境の問題、一つは人権の問題、この二つの課題というものが行政を進める上で非常に私は重要な視点ではないかというふうに思っているところでございます。  したがって、住民の今求めている行政に、先ほどもお話になっておりますように、参加と。参加といった場合には合意形成が前提となるというお話もございました。したがって、今住民の方々が求めている改革だとか参加だとか変化だとかということに対して、やはり行政はきちっとこたえていかなければならないというふうに私は思います。先ほど、これらの問題については全国どこでも起こり得る問題だというふうに言われましたけれども、やはりそこのところを行政の知恵と工夫でなくしていくことが行政の責任ではないかというふうに思います。  したがって、住民との合意形成をしていく場合に、一つは議会があると思います。一つは住民の要求に対してどのように具体的にこたえていくかという行政側の説明責任というのもあると。その方法をめぐっていろいろ混乱を生じていると思うのでありますが、私は、全国どこでも起こり得るということではなくて、どのように行政をやっていけばこのような問題が起こらないのか、どう考えておられるのかお伺いいたします。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 私どもは、先ほど来、遮水シートの汚水漏れがあったですとか、データを出さないとかというようなお話がありましたけれども、全くそういうことはありません。また、汚水漏れがあったというような事実もありませんし、またデータもありません。情報公開についても、地元の自治会の皆さんに対しては三カ月ごとにきちっとデータも提供しておりますし、質問にもきちっと答えてやってきております。そういう住民参加という意味でのやるべき手続というのは、きちっとやはりやってきているというふうに思っています。  ただ、先ほど来お話をしておりますように、事実でないものを事実であるかのごとく話が拡大をしていって、反対運動が全体へと広がっていったと。その場合の私どもの対応としては、当然その運動をされている方たちとも話し合いをやってきております。また、各自治体の中でも当然各種の議会があるわけですから、その議会の中でも議論がされてきているわけであります。しかし、その場合のどこを合意形成とすべきなのかという意味で言えば、基本はやはり日の出町の議会であり、あるいは町であり、あるいは地元の住民であるというその基本というのはやはり当然踏むべきまず第一義的な対応であったんだろうと思っておりますし、またそのとおりやってきたわけであります。  しかし、それ以上に拡大をした運動に対してどう対応すべきなのかということについては、私どもからすると、いわば反対のための反対、造反有理、ただ造反をするということだけに終始するということですので、それに対する対応というのはなかなか難しい。しかし、私どもとしては、最大限理解をしてもらうために情報もすべて公開をし、話し合いも最大限応じてきたわけであります。ただ、残念ながら実力行使に出てくるという段階で、もうこれはそれ以上話し合いは無理であると。しかも、訴訟も何件も抱えているわけでありますので、その段階で、話し合いという方法はもう難しいということについては平成十年の段階で最終的に決断をしてきた、そんな経緯でございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 もう少し時間があればというふうに思うんですが、申しわけありません。  そこで、次に栗原参考人にお伺いをいたしますが、社会経済情勢の変化に応じた見直しが必要だと。その一つの特徴的なお話として、公から民、民から公への新しい概念と。新しい概念といった場合に、私どもがこれから先行政を進めていく場合にどのように理解をしておけばいいのかというようなことが一つ。そういう新しい概念に対する新しい合意形成は、具体的にどのようにやっていこうと考えておられるのか、お伺いいたします。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 新しい概念と申しますか、私の考え方は官とか民とかというものの間に移動する、公益の概念とか公共の概念というのが移動しているんだと。そして、例えば、今盛んに官から民へという、いわゆる行政改革の一端として官のものを民へという世論の動きがございますけれども、必ずしもそればかりとは言わないで、例えば民間の医療施設で失敗した経営を、これは日本では余り例が多くありませんけれども、外国ではそれを官が立て直すというようなこともあるわけでございます。ですから、官とか民とかいう概念というのは絶えずいろいろ移動していて、いろんなそれに応じた考え方が要るのではないかというのが私の根本的なスタンスでございます。  そして、今言われたことと新しい対応というのは、ちょっとお答えにならないかもしれませんけれども、例えば先ほど盛んに言われている住民参加という問題について、標参考人から住民というのは何だということを規定しなきゃいけないよというお話が出ました。私は、それは全くそのとおりだと思うんですが、住民というのは、場合によったら住民という考え方でこの土地の問題を考えること自身が非常な誤りをする可能性があるわけです。  ですから、さっきの公益の概念ということと関係いたしますけれども、そこに住んでいない人だって公益の概念に関係するというのがある。私は、さっきステークホルダーという考え方が、利害関係人というふうに考えた方がいいんじゃないかということを申し上げたわけでございます。ですからこのことに関して、いわゆる世間で言われているような住民運動に応じた新しい対応を考えるのではなくて、むしろやはり利害関係者の調和、調整あるいは合意形成というふうに考えていった方がいい。  ですから、先ほどちょっと調べたんですが、例えば「公聴会」というところについて何と書いてあるかと思ってもう一度読み直してみたんですが、「公聴会を開いて一般の意見を求めなければならない。」というのがその改正案です。だから、ここのところは「一般の」と書いてあって住民とは書いてないわけでございますが、私は、ここのところをより私なりの解釈をすれば、ステークホルダー、利害関係人と呼ぶ、その人たちがいろいろ情報をもらったり意見を言ったりなんかするというような仕組みをつくっていく。それに、改正案は若干今よりはよくなったのかなという感じがしておりまして、妥当だということを申し上げたわけでございます。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 次に、松尾参考人にお伺いいたしますが、「土地収用法の精神」の(1)から(3)までのことについて、いかに具体的にこれらの問題について実質的に実行していくかというところが大変難しい問題でございます。その実行していく過程の中で何が問題点かと先ほど最終的にまとめられたことは、行政、市民の意識の改革ということが最大の課題であるというふうに言われました。したがって、先生が主張されている基本的な精神のところをなお具体的に実行していこうとするなら、行政、市民の意識の改革が最大の課題ということになってくる。だとすれば、その意識の改革のところで、やはり相対立する公益と私益のところ、ここのところの調整を具体的にどうやっていくのか、どのように考えられているのか。  それから、公共事業などを行っていく場合の住民参加の問題についてはもっと工夫すべきだというふうにお述べになりました。しかし、それは住民参加といった場合に何をもって、何をどのように工夫して参加をさせていこうとしているのか。今の参加のあり方というのは、例えば議会の議員を選んでいく。同時に、まだ具体的な法制化はされていないけれども、住民の直接投票というようなことが行われ、そういうことでかなり行政が動かされていく。したがって、必ずしも法律でないところで、ハンセン病の問題なんかについてもかなり政治の決断で物事が進んでいく。  こういうようなことを考えますと、やはり市民社会の成熟度のところでこの問題を考えようとされている意味というのはどういうふうに私どもは理解をすればいいのか、その点ちょっとお伺いいたします。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) まず、土地収用法の精神をどういうふうに実現していくか。それと、そのことと意識改革の問題との関係についてでありますが、先ほど申しましたように、土地収用法は最終的に合法的に土地を収用し、補償金を払ってそれで終わりというわけではなくて、やはり最終的に関係当事者間の協力関係の再構築に、その事件だけではなくて次の協力関係の再構築にいかに結びつけていけるかどうか、やっぱりそのことも意識しておくべきだというふうに考えております。  この点については、まず一つは、土地の収用をめぐって従来さまざまな問題が生じましたけれども、そういうさまざまな問題、過去の経緯について決して我々は忘れてはならない。過去どういう事件についてどういう交渉プロセスがあって、どういう結果になったか、その一つ一つの積み重ねの上にやはり進歩というものがあるのではないかというふうに考えます。ですから、現在問題になっているごみ処分場の問題についても、今議論しているいろいろな議論の対立とか認識の不一致とか、そういうものについても十分に踏まえて次の問題を考える。  したがって、こういう問題についての十分な記録であるとかそれぞれの交渉の過程について、決してこれは忘れずに次の問題に結びつける。こういう問題が今後どんどん起こってくるであろうということは予測されるわけですから、できれば、法制度的に必要とされていること以外の問題についても、できるところから、そういう計画が必要なところについては住民と行政との間ですぐにでもいろいろな対話を始めるということが重要であると思います。結局、そういう事例の一つ一つの積み重ね、特に迷惑施設については、そういう一つ一つの事例解決の仕方というものをレビューする中で改革があり得るのではないかというふうに考えております。  それからもう一つの、市民社会の問題というふうに申しましたけれども、結局これは権利の保障それから権利の制約ということについてもやはり市民が自分で判断して、しかも直接的に一遍に集まって判断できない問題については行政が介在する中で合意形成をしていく、そういう訓練を積み重ねることなしには公共的な意思決定ということはできないのではないか。それを象徴的に表現したのが市民社会という言葉であるということであります。  以上です。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 最後になりますけれども、標参考人にお伺いをいたしますが、ずっとお話を聞いていて、行政側は結果だけしか知らせない、だからその結果に対して不満だから要求をする、いろんな調査をやってくる、それも一顧だにしない、こういうお話がございました。したがって、これから先の新しい行政のあり方というのを私ども反省しなきゃならないなというふうに思いながらお話を聞いておりました。  そこで、恐らくそういうものが積もり積もってきて、事業認定者に対して第三者機関の設置をというふうに主張されましたが、この第三者機関の設置のあり方、それは中立公正でなきゃならないと思うのでありますが、従来の運動を経験して出てきた第三者機関というのはどのようにお考えになっておるのか、お伺いいたします。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 先ほど時間がなくてその中身を御説明できなかったんですけれども、私どもが考えております第三者機関というのは、先ほど申し上げた行政組織法第三条に基づく独立行政委員会で、その委員の選考は国会で決めていただくということです。国会で決めるという場合には、各党なら各党からそういう委員を推薦してもらうか、あるいはこの場合は政府の方から委員を選任してもいいけれども、その委員について適格性を国会でとにかく審査をしていただいて、それでその裁定委員は決めていただくということです。まずそれが第一点です。  それから、その次には、今度はその裁定委員会では十分に議論をさせる、起業者とそれから権利者の間でもって議論をさせる。それには裁判形式が一番いい。つまり、裁定委員が裁判長なりあるいは仲裁委員の立場に立って双方の間でどんどん議論をさせて、そしてそれについて裁定委員が判断を下すというそういう仕組み、まだ細かいことはいろいろありますけれども、大ざっぱに言えば、そういう形の中でやれば中立公正、透明な形で判断していただけるし、それならばその結果がどう出ようと私どもとしてはそれには潔く服する、そういうつもりでおります。

渕上貞雄社会民主党・護憲連合

○渕上貞雄君 ありがとうございました。

田名部匡省無所属の会

○田名部匡省君 私は無所属の会の田名部匡省と申します。  石川参考人にお伺いしたいんですが、経済の発展に伴って日本全体に問題が発生しているんですね。公益といっても地域の広い公益もあるし、例えばかつて、私は青森県ですけれども、田子町というところへ千葉県とか都会のごみがどんどん来まして大問題になったことがあるんです。ですから、公益と一口に言っても、ごみによってはいろんなところへ動いていくわけですから、そういう難しい問題もあるし、何よりも私は都市政策のあり方に問題があったと。そういう場所がないところに人口がどんどんふえていって、後になってから問題が起きているというのがあると思うんです。言ってみれば家を建てたがトイレがない家みたいなもので、そんな状況で、今、日本国内でこの問題が大変騒がしくなってきた。  大間町、東通村に今原子力発電所をつくろうというんで、一坪運動というのが起きているんです。あれを見ると、やっぱり事前にもっと土地の所有者、私は順序が違うと思うんですが、土地の所有者が合意できないところに幅広く集めてみてもなかなかこれは前へ進まない。そこができなかったらそれはもうあきらめざるを得ないんですけれども、その合意がある程度見通しが立ったところでその地域の住民というのならわかるんですけれども、その辺について、中には反対のための反対だなと思われるようなところもあります。それについて、住民との対話で大変苦労されたと。結構なんですけれども、ではそこがだめならどこへ持っていくかというところの知識といいますか認識というか、国民に足らないと思うんです。その辺をおやりになってみてどう感じたか、お伺いしたいと思います。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 先ほど、一番最初にお話をさせていただきましたけれども、今、多摩川衛生組合という一部事務組合の管理者も務めているんですけれども、例えばその組合の一自治体として狛江市というのがございます。これは全国で三番目に小さい自治体で、最終処分場などは当初から自分の自治体の中に持つことができませんでした。昭和五十九年までは私ども稲城市が最終処分場ということで狛江のごみも処理をし、埋め立てもしてきたわけであります。ところが、都市化が進展をしまして、私ども自治体の中にも、もちろん狛江のごみのみならず私どものごみ自体も処理するスペースがなくなってきた。そういう意味では、都市政策そのものが後追いであったことは事実だろうと思います。  例えば、多摩ニュータウン事業は大きな開発計画で、現在も進んでおりますけれども、このニュータウンをつくるに当たって最終処分場の計画というのは実はなかったわけであります。あそこで生活をする人たちから出る最終処分をどうするのかということが都市政策の中できちっと位置づけがされていなかったということも、これも事実でございます。  そういう意味では、都市政策全体の問題が最終処分という、これはもう一般廃棄物につきましては私ども自治体が処理をしなきゃいけないという義務づけがあるわけでありまして、常にその最終的な責任をとらなきゃいかぬということで、日の出の皆さんにお願いをして今回二つ目の処分場をつくってきたわけでございます。  その際、私どもは四百六十一平米以外の用地については普通に用地買収をすることができたわけでございます。わずか四百六十一平米のことに関しての収用という手続をとらざるを得なかった。これは、先ほど来お話をしましたけれども、地権者がどんどんふえてきてしまったと。しかし、手続をやらなければ、このわずか四百分の一の面積ですけれども、全体の六分の一の容積が使えなくなってしまう、三年分の最終処分の延命がおくれてしまう、こんなこともありまして、やむを得ず私どもとしてはこういう手続をとってきたわけであります。そのために大変なお金をかけてきたことも事実でございます。  データの話がありましたけれども、これは単年度で二億五千七百万円使ったわけではありません。これは、平成八年から十二年度まで毎年度の、全体としてそれだけの費用がかかったということでありますので、決して突出してむだなお金を使ったというようなことでは全くありませんで、その辺をぜひ御理解いただければと思っております。

田名部匡省無所属の会

○田名部匡省君 栗原参考人にお願いしますけれども、公共性、公益性の理解度を高める必要が私はあると思うんです。一般に、自分に関係ないことには余り関心がない。自分のところにできるものについては賛成だ反対だというのは起きるんですけれども、今も石川参考人にお尋ねしたんですが、そういうときに、自分のところは嫌だがよそへ持っていくのはいいということでは、私はなかなかこれは難しいんだろうと思うんです。  そういう意味で、住民参加という、先ほどもお話があったんですが、利害関係者との調整をどうするか。例えば、ごみというのはみんな家庭から出るわけですから、どこかにやらなきゃならない。みんなが自分のところは反対だと言ったら、これを一体どうするか。こういう、どのくらいの何があってどうだというのを国民はわからないと思うんですね。この理解が私は必要だと思うんですが、どうでしょうか。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) おっしゃるように、ごみ処理場なんというのは、恐らくそのところにつくられた人以外はほとんど関心を持たないのではないかと思います。先ほどからお話しになられたように、今の状態はごみ処理場が多分できないということでごみ処理費がどんどん高くなって、しかも遠くへ運んで一部の事業者をもうけさせるというのか何か、好ましくない方向に行っているわけでございますけれども。ごみ処理場に始まり、例えば東京の場合だと、東京の南の西の方と申しますか、神奈川県に近い方のところに物流施設と申しますか、トラックターミナルみたいなものが必要なのにこれもできない。できないものは数えていくと幾らでもあるわけでございます。  ですから、話はそれでぐるぐる回りになるわけですが、やっぱり土地収用法のようなものに、好ましいか好ましくないかは別にして、そういうところで解決を図っていかなければいけないと思うのでございますが、松尾参考人は市民の意識というものの成熟のようなことをおっしゃっておられると私は理解するわけでございますけれども、自分のところでなければいいんだよということは、これはどなたもおっしゃる。しかも、これから考えてみますと、恐らく幼稚園はできるかもしれないけれども、住民投票をやれば、例えば老人施設と申しますか、介護保険に伴う何かみたいなものまでも恐らく住民投票をやれば拒否されてしまう。何もできなくなっちゃうということが、好ましいかどうかは別にしまして、間接民主主義を直接民主主義が否定するというのか、国家統治よりは住民あるいは住民による立法あるいは住民による条例づくりというようなことが望ましいというのはこれは間違いないわけでございますけれども、その間に、みんなどうしようもないかというと、せめてマスコミがもう少し頑張れば、私もマスコミで働いておりましたから、マスコミが頑張らなきゃならないということ。それから、先ほどもう一つ、NPOとかNGOということを言ったんですが、NPOとNGOというのは、これは恐らく余り期待できないということの方が多いかもしれませんけれども、こういったような人たちの成熟というのか、それを待たないといけないという気がいたします。  ただ、それが先ほどから言っているような、迷惑施設はすべて断るというようなことを住民投票で決めてしまうというようなことになると、私は物すごく困ったなと。ですから、そういうような意味で、せめてこの改正法に基づくような、これは不完全だと私は思っておりますが、基づくようなことをやりながら、時間の経過あるいは意識の改革というようなものを待たざるを得ないんじゃないか。答えになっておりませんけれども、そう思っております。

田名部匡省無所属の会

○田名部匡省君 松尾参考人にお願いしますけれども、国は将来というのは大体見えていると思うんですね、政府は。ところが、住民の方はわからない。この差が余りにも大き過ぎまして、ですからいろんな今も意見が出ているんですが、何か決めてやろうと、国が決めて、もうどんどん進んでから住民はわかる。説明しても、利害関係ばかり先に立って、全体のあるべき姿というのまではわかってもらえなくて、私は非常に難しいなと。  特に、迷惑な施設ほどこれ重要なんですね。本当にどうしようもないものばかりですよ。特に私は原発なんというのは、あれがなかったら、じゃ石油だけに依存して、石油がどんどん上がったら日本の経済が今度はどうなるか。いろいろ考えると、やっぱりあれもこれも必要だということで、我々はそう認識するんですけれども、そうでない人たちは、そんな危ないものを持ってきやがってと、こうなるので、受益負担のお話もありましたが、この辺も含めてどうお考えになるか。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 今、議論になっております迷惑施設について住民は反対するという問題なんですけれども、確かに迷惑施設は来てくれなければよいということなんですが、そのことが直ちに、今どこかに必要な迷惑施設について、すべて、どこへ持っていっても住民が反対する、そういう結論になるかどうか、またなってしまっては困るんですけれども。  そこで、迷惑施設が来るという、例えば住民の反対運動が起こっている本当の理由は何なのかということなんですね。もちろん、その中には迷惑施設だということがあるかもしれませんけれども、実はその反対運動の原因というのは非常にさまざまなものがあると思うわけです。先ほど来出ている行政側の対応、情報公開の仕方、それから事実認識の食い違い、こういうことが積もり積もって悪循環となって住民反対運動になっている、そういう問題があると思うんです。これは多分、ほうっておくと悪循環はそのままになってしまう。ですから、どこかでその悪循環を断ち切るような手段を設けていかないといけない。その先に、迷惑施設イコール住民反対というふうにならない結果だってあり得ると思うんです。  つまり、どこかに必要だというその意識が非常に広まって、十分に議論を尽くして、そしてそこに補償と、それから悪影響をなるべく少なくする措置、あるいはミティゲーションの問題、それから継続的な事業損失に対する補償とか、そういうことをすべて合わせた場合に、望ましくないことですけれども、迷惑施設をどこかにつくらなければいけないということに対して住民が納得してくれるという可能性だって十分あると思うわけです。ですから、そのうまい好循環を生むような努力を我々はすべきであって、迷惑施設なのでどこにも持って行き場がないんだというふうに最初からあきらめるべきではないというふうに考えております。

田名部匡省無所属の会

○田名部匡省君 標参考人のお話は私もよく、そういうところはあるなというところがありました。ただ、最後に、情報公開なり誠実にやってくれれば理解できるしという話を聞いて安心しましたけれども。私も情報公開は、アセスの問題もありましたが、どんどん出せばいいと思うんです。出して議論した上で決めるものは決めていただく、さっき言ったようなことはどこかでやらなきゃならないんですから。私は農林水産大臣のときに、林野庁に、国有林の中にどこか適当な場所がないかという話をしたんですが、なかなかこれは前に進まなかったんですが。いずれにしても、これは避けて通れない問題であって、反対のお立場はわかりますけれども、だれかがやっぱり責任持ってやらなきゃならない。  もう時間ですから終わりますけれども、アイスホッケーのオリンピック選手でカナダへ行ったときに、学校を昼、夜使っているので定時制かと聞いたらそうじゃなくて、住民投票させたら、一人幾らかかる、反対というので昼、夜学校を使っていると。ああいうのを聞いて、あんな若いときにびっくりしたことがあるんですけれども。  どうぞ、その先の責任も持って皆さんも参加して、ではどこならばいいのかということをひとつお考えを持っておやりいただきたい、こう思いますが、どうですか。それについて御感想を。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 今のお話ですけれども、私はもっと代替案というものを持ってみんなで検討しなくちゃいけないと。例えば日の出ならあそこの処分場しかないのか、それからもう一つは、最終処分場がなければ多摩のごみは処理できないのか、そういう基本的なところについて代替案をみんなで出し合って検討すると。私どもはちゃんと代替案を出したんです。というのは、ごみゼロ政策ですね。多摩においてはごみゼロ政策をやろうじゃないかという代替案を出しました。それは一つは徹底した分別、それから減量、そういうことを積み重ねていくことによってごみゼロ政策は実現できるんです。現に小平市とか東村山市は市としてごみゼロ政策をはっきり出しているんです。ですから、そういうことについて論議をして、ではそれがどういう方法をとったらばごみゼロ政策ができるのかという具体的な政策も私たちはちゃんとプロジェクトとして対案を出したんですよ。ところが、その話に乗ってこられなかったということがあります。  ですから、さまざまな代替案の中で話をしていけば必ず解決策は出てくると。それまでの間の経過措置は経過措置で考えればいいんです。ごみゼロ政策なんというのは一遍にできるものじゃありませんから、何年もかかります。では、何年もかかっている間、出ているごみはどうするんだと。それならそれで、経過措置としてそれでは小さな処分場をつくるか、あるいは各市ごとに保管庫をつくってそこに一遍保管をするかとか、そういう代替案があるんですね。ですから、私どもの方は、今お話しのように行政は先が見えているけれども住民は見えていない、それは反対です。申し上げます。  以上です。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 自由党の戸田邦司と申します。  私は福島県のいわき市の出身といいますか、今住んでおりますが、産業廃棄物が捨てられたりして結構有名になっている町です。近くに原発がありますが、割合早いときに地元のコンセンサスを得て原発がつくられた。それで、その経過などを見ていますと、やはり一つは、今いろいろ議論はあったところでありますが、ごね得みたいなそういうような動きも出てくるんですね。ですから、非常に補償費が低くて済んだ。後になるほど補償費が高くなっていくみたいなところもありますね。  これは、例えば空港の建設とかそういうところを見ても、そういうことがなかったとは言えない、そういったことも起こり得るということじゃないかと思っております。これは利害相反する人たちがどうやってコンセンサスをつくるかというところでその入り口論があるわけですが、やはり人間対人間の話ですから、その最初の入り口を大事にしないと大変なことになる。ということは、例えば成田空港の問題だって一つの典型的な例ではないかと私は思っております。  そこで、一番最初に石川参考人にお伺いしたいんですが、行政サイドの対応のまずさというのがいつも言われるんですね。行政サイドは、全面的にやれることはやりましたと、こういうことになる場合が多いんですが、やはり松尾参考人からもお話しありましたように、インフォーマルなコンタクトといいますかネゴシエーションといいますか、そういったものも非常に大きな意味を持つ場合がありますね。実際そういうことが行われている例もあるわけですが、そういった観点から考えて、行政サイドとしてこういう問題への対応について、これまでの問題は別にしまして、これからの対応についてもっと前向きないい手段があり得ないかどうかという点について、一つお伺いしたいと思います。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) まず結論から申し上げますと、今回の収用法の改正の中で、今お話しされた内容というのは盛り込まれているというふうに思っております。  今回の私どもの事案についてお話をさせていただきますと、先ほどごみゼロを目標にする、これは私ども二十七市長、町長についても同じ目標を持ってスタートしたわけでありますけれども、しかし現実に処分場なしで一日たりとも過ごすことができないというのが私どもの共通認識だったわけでありまして、そのことに対する対案というのが実は何もなかったわけであります。その期間が長くなるか短くなるか、これはともかくとしても、少なくとも最終処分場は必要なものである、それが前提の上での議論であればさまざまな方法が当然これはあり得たと思います。  そういう意味で私どもがやらなきゃいけなかったこととしては、その理解が残念ながら完全に浸透し切れなかったと。そこから本来であれば議論が進んでいき、その上で私どもとしては、当然次の処分場というものはもう多分難しいだろうと。ですから、最終処分場を必要としないごみ処理の技術開発あるいはリサイクル等々についても現在も努力をしておりますし、そういう方向に向かっております。  そういう意味では、向かっている方向は同じであるとするならば、基本的な私どもの抱えている課題というものがしっかりと認識をいただけないで来てしまったということが非常に残念であり、またこれについては今後の大きな課題なのかなというふうに思っております。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 栗原参考人にお伺いしたいんですが、公益性に対する認識といいますか、共通の認識が持てるかどうか、そこが一つのポイントになるだろうと思うんですが、公益性といいましても、世の中が変わっていけばだんだん変化していく、これも当たり前の話。人間の価値観も変わっていく。その中で公益性に対する共通の認識を持ち得るかどうか、そこが一つの大きなポイントになるかと思いますが、私は、だんだんそういう意味では公益性に対する認識というのは時代的には難しくなっていくのかなと、こう思っておりますが、いかがですか。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) 私もその御意見、悲観的過ぎるとおっしゃられるかもしれませんけれども、そうかなと思います。  それで、いろいろ理論立てたりあるいは説得をしたり、説得もいろいろ技術がございます。確かに役所というのは余り説得がうまくないというのはよくわかりますが、それでもって相手を納得させたりあるいは意見を翻させることが可能かなと。私は可能じゃないのかなと。例えば、さっきからオオタカと言いますけれども、オオタカ一羽いることを、影響を及ぼしちゃいけないんだよということには理論的な説得は多分できないのではないかと思うんです。  確かに、オオタカ一羽の方が大事だという価値観は私はあるんだと思います。それで、それに対して何を言っても人間というのは新しい種をつくることができないんだから、オオタカ一羽でも殺したりあるいはそれに影響を与えたりするような事業はやめるべきだというのに対して、例えばごみゼロというのは、私はごみゼロは実現するのかなと、これもかなりあれなんですが、何かあると必ず、例えば三割なら三割減らせ、あるいは埋め立てができないならば当然その前にごみを減らすことをお考えなさったらどうですかという議論が起こるわけですが、これはできないかどうかは別にして、限りなく少なくしていくことは可能かもしれませんけれども、オオタカみたいな議論に対しては、私は無理というような気がします。  そうすると、人間は何が大切なのかということに対して違う価値観を持っている人たちが存在するときに、やはりそれはちょっと話し合いということはできない。だから、いわゆる事業認定だとか収用だとかというようなことをやらざるを得ないのかなと思っております。  ただ、そんなことを言ったって、人間が公益性だとか公共性を考え出してからまだほんのわずかしかたっていないわけでございまして、その前は、日本だって国家のやることはすべての人が反対できない、あるいはそれに従うというのが正しいという時代がずっと長い間続いたわけでございますから、まだそんなに悲観することはないよと。あるいは、その解決を求めていくということは必要だと思いますが、場合によったらこういう収用法というようなことで動いていかざるを得ないんじゃないかと思っております。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 私はかつて北欧に住んでいまして、やはり似たような話がある。それで、環境問題に物すごいうるさいですね。一般の人はあんなばかなことをと言うんですが、環境問題だけは仕方ないと、こういう共通の認識ができているんです。  それに関連してですが、先ほど欧米ではどうかという話があって、松尾参考人から、ある計画について地域住民が参加してのコンセンサスづくりといいますか、計画づくりが進んでいくというようなお話がありましたが、私は、ただそれだけじゃないんじゃないかなという気がしておりますのは、例えばフランスなんか考えますと、パリで幾ら土地を確保したって一軒家なんか絶対につくらせませんよね。一戸建ちの家なんかない、ほとんど。大統領官邸か日本大使公邸かと、こう言われているぐらい。  ですから、町づくりとかそういうことに対するコンセンサスというか、非常に厳しい前提がある中でそういうような住民参加型のプロジェクトが進められていく。そういうことですから、単なる住民参加じゃなくて、その前に非常に厳しいいろいろな条件が課せられている。その前提でそういう計画が進んでいるということではないかと思いますが、いかがでしょうか。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) 私は全くそのとおりであると思います。その点、非常に重要な問題でありまして、欧米の社会、フランスもそうですけれども、私有財産制の出発点になっているまさにフランス革命後、私的所有権は絶対だというふうに言っている社会でなぜその私有財産に対する制約がそれほど強いのか。この私有財産制と公共の福祉による制約の強さというのが、実は両方強いというのが欧米の特徴である。これはなぜ矛盾しないのかという問題があると思うんです。  結局これは、実はより豊かな公有財産の上に乗っかっている私有財産ほど非常にやっぱり価値が高いということを経験的に知ってきたからだと思うわけです。例えば、基本的なインフラが整って、それから景観が非常に美しくて、そこに一戸建ての家を持っている、これは非常に価値が高い。そういう状況が整っていくと、人々は自分の家をもっときれいにしていく、自分の家がきれいになると、そこを通りかかった周りの人たちも、何てこの辺は美しいんだろうと、いわゆるプラスの外部性がふえていく。そういう形で私有財産と公有財産との関係というのがだんだんうまい形で形成されてきたというのが欧米社会の特徴だと思うわけです。  もちろん、その歴史はもう何百年も経てそういうことに至ったわけですから、にわかにそういう状態をまねしてつくるというのは難しいと思うんですけれども、しかしながら、いつかそういう努力を始めないと、いつまでたっても、私有財産の住宅地の中にどんと公共施設が入ってきた、そこでこれは公益か私益か、補償はどうするか、それは実は解決のつかない問題についてお互いに議論している。それで、その中で非常に対立を深めたり、感情的な対立が深まったり、それは非常に不幸な出来事だと思うわけです。  したがって、先ほど栗原参考人の方からオオタカの話もありましたけれども、できればオオタカの話は出さないような、それが公共性かどうかということを議論しなくても済むような状況をあらかじめつくっていくという努力をやっぱりすべきだと思うわけです。  したがって、最終処分場にしろ、それから原発の問題にしろ、我々が必要となるであろう予測できる問題については、行政の側も、それから市民の側もあらかじめそういう問題提起をしていって、今から二十年先、三十年先を考えておきましょうという、そういう動きがやはり底辺にないと、今議論しているような土地収用法の本来のあり方ということも解決が見えてこないのではないかというふうに考えております。  以上です。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 時間もありませんので、最後に標参考人にお伺いしたいと思いますが、先ほどこの法案は取り下げて、それで関連の法案を全部直してというお話がありました。そういうことが可能ならですが、私はそれは不可能じゃないかと思うんです。ですから、私はこの法案については今までよりは前進したなと、相当の前進があるんじゃないかと、こう思いますが、その点については、やはりこれは取り下げてという御意見でしょうか。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 衆議院のときも、それからおとといの参議院での委員会の審議のときにも入り口、出口論が盛んに出まして、それで扇大臣も、計画段階からが必要だということは盛んにおっしゃっています。だけれども、その点について、じゃ法的にこうしましょうとか、これから取り組みますということはおっしゃらなかった。  私は逆に、収用法を今改正するのはストップして、私も中は変えてもいいところがあるかもしれないと思っていますよ、今は言えませんけれども、中身について。だけれども、どうして収用法改正をストップして、それで、都市計画法から始まったさきの四法案について改正することがなぜできないのかということが私には理解できません。  別に、収用法の改正を急がなきゃならぬことはないでしょう。さきに言ったように、急いでいることがあるならば、それは行政側と住民側が、当面の対応をしている住民たちがきちっと誠意を持って話し合えば、今いろいろ皆さん方が問題にしているようなことについては解決できますよと私は申し上げているので、ぜひとも四法案まとめてやっていただきたい。特に、事業法が非常に問題が多いですから、あそこには住民参加が今保障されておりませんから、ぜひよろしくお願いします。

戸田邦司自由党

○戸田邦司君 終わります。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 二院クラブ・自由連合の島袋宗康でございます。  きょうは、四名の参考人の方々、大変御苦労さまでございます。  最初に、石川良一参考人にお伺いしたいんですけれども、この土地収用法改正案について、日の出の森・トラスト運動共同代表としての御意見がここに出されております。  その中で、「私たちがトラストを設定したのは、処分組合が情報公開や汚染問題と多摩のゴミ政策についての話し合いを拒否しながら、同じ構造の二つ塚第二処分場の建設を強行したからです。処分組合が日の出連絡会との話し合いに応じていれば収用は避けられたと思います。また、第二処分場のダブルシートや侵出水処理施設等の手厚い構造や汚染対策、組合構成多摩二十七市町の他地区を凌駕する減量実績、焼却灰を全量埋め立てないためのエコセメント事業等はトラスト運動が反面教師になったと考えます。」というようなことを書かれておりますけれども、ここについての御感想があれば、お聞きしたいと思います。

石川良一稲城市長

○参考人(石川良一君) 私どもは、可能な限り話し合いを進めていこう、そういう姿勢で臨んでまいりました。ただ、残念ながら、実力行使という段でもう話し合いは不可能である、そういうことで断念をいたしました。しかし、それまでは話し合いについてはきちっと応ずるという姿勢で終始やってまいりました。  また、情報の公開等につきましても、先ほど来お話をしておりますように、関連する自治会には三カ月ごとにデータ等も開示をし、またそのデータについてはインターネット等でも公表しておりまして、私どもがデータを隠しているというような事実はありません。また、明らかに環境に影響のあるような汚水漏れがあったというような事実もございません。  最後のところで、今回のトラスト運動がごみの減量化等を進めている要因になっているというようなお話がありましたけれども、私どもは当初から、今回のこの処分場を進めると同時に、さらに、ごみの減量化あるいはリサイクルを進めながら、最終的には処分場を必要としないようなごみ処理の方法はどうあるべきなのかということについて、現在も新しい事業も計画をしておりまして、このこととトラスト運動とは直接のかかわり合いはないというふうに思っております。  むしろ、莫大な都民の経費を投入してきたということ、そのマイナス面、そして、いわば私権と公益とのかかわりが非常にアンバランスであるというような状況もあるわけでありまして、そういう点については今回のこの法改正によって是正されるのではないかなと、そのことを大いに期待しております。  最後に、一般的なお話として言わせていただきますと、特に都市部での公共事業、全体的におくれているというふうに言えるだろうと思います。これはやはり非常にそこに住む住民の皆さんの価値観あるいは利害も錯綜している、そんなことで事業を進める段で断念をする、あるいは非常に時間を長くかけざるを得ない、そういうことが結果として都市部の基盤整備が非常におくれている大きな私は要因になっているというふうに思っております。そういう意味では、この私権といわば公益とのバランスというものをもう少し見直しをしていく必要があるというふうに思っておりますし、そのための今回の法改正というものは一歩前進というふうにとらえております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 時間がないので先に進みます。  標参考人にお伺いします。  今回の土地収用法の改正案に対して、最も問題だというふうに思われた点はどういうところですか。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 第一点は、事業認定者、これをやはりあくまで公正中立の第三者にするということが、収用法に関して言うならば、そこのところは一番の大きな問題点と。あとの収用手続の中の問題については、いろいろ合理的な解決が住民と行政との話し合いの中であるだろうと思っております。その一点だけは私どもとしては何としても変えてほしい、そう思っております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 標さんの資料の中に、収用手続に説明会、公聴会等を義務づけていると。透明性を高めると称するが、認定権が自作自演である限り、これらは通過儀礼となり得る可能性があると。これは、私、非常に痛感するところでありますけれども、沖縄の米軍用地の強制使用の問題で公聴会が開かれましたけれども、まさしく、当時、私は特別委員会に属しておりまして、この通過儀礼というものをつくづく感じ取った一人でございますので、その辺について、本当にこれは透明性が高められる可能性があるのかどうか、その辺をもし、そういったふうなことについてはまだ十分でないかもしれませんが、感ずるところがあればお示し願いたいと思います。

標博重日の出の森・トラスト運動共同代表

○参考人(標博重君) 先ほど申した、事業認定者をそのままにして、いろいろ認定の手続の中に新しい手続を加えました。私は、あえて行政不信という言葉は使いたくはないんですけれども、現在の日本の官僚機構や日本の法制度の仕組みの中でいきますと、せっかくそうやって並べて、メニューはつくっていただきましたけれども、その運用が果たして本当に公正中立、透明にやっていただけるのかどうなのかということを極めて疑問に思っております。  今、東京外環でPI方式を取り入れて始めましたけれども、その中の住民説明会の中にいきなりもう建設省、国土交通省は、たたき台という、ぼんと地下案をいきなり持ってきちゃうんですよ。住民たちは、たたき台、原点からやるというんだから必要性から始まると思ったら、そうじゃないという。ごく最近の例でもそういう例もあるので、もう少しやはり行政の対応というものについて、きちっとした形で変えられる、制度も人もそういう点で変えてもらえるという形があるならば、そういう点での信頼感を回復できる、そう思っております。  以上です。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 松尾参考人にお伺いいたします。  先生の、五項ですか、「土地調書・物件調書の作成に関する市町村長による代行署名」というふうなものが、これはこれからこの土地収用法ができた場合に、こういった手続というものは行われて、そして県収用委員会においてちゃんと行われるのかどうか、その辺についてちょっと御感想をお聞かせください。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) この補償手続の合理化の問題については、先ほどもちょっと問題になりましたけれども、果たしてどれが最終案かということはまだ見えていないのではないか。ですから、今回の改正案が最終解決であるというふうには私も考えておりません。  つまり、行政の側のいろいろな提案がある。それに対して、例えばトラスト運動という問題提起がある。それに対して、再び行政の側からの問題提起があると。果たして、そういうやり方の中で実際にその手続がどういうふうに動いてどういう結果を生んできたのか、それを次に見ようではないか。それが実は弊害を生むのかあるいはうまく動くようになるのかということについて、法律ができてそれで終わりではなくて、むしろそこから検証が始まる。それについては両当事者の側で、よりそれぞれの立場から厳しい目でその手続の結果を見ていく。その一つのたたき台であるというふうに考えております。  ですから、これについても法律制度上の構成についてはやはり限界があると思うわけです。先ほども標参考人の方からもお話がありましたように、やはり運用の実質というものをどこまで信頼性を持って見ていけるのかどうかということ、そういうこともやはり意識しながらこれを運用していくという形でぜひ進めていくべきだというふうに思っております。  以上です。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 もう一点ですけれども、土地収用法の運用に当たって、よい政府という、グッドガバメントというような表現をしておりますけれども、その点のお考え方について、御説明いただきたいと思います。

松尾弘横浜国立大学大学院国際社会科学研究科助教授

○参考人(松尾弘君) よい政府という言葉の中には幾つかの意味があると思うんですが、一つは最近の市場システムの構築、つまり契約の執行であるとか再配分ということについて、非常に強い政府ということが一つあると思います。それからもう一つは、行政の効率化というところにもあらわれておりますように、効率的な政府という点が第二の内容にあると思います。そして第三に、それは非常に良心的な政府というんですか、例えば一つの意思決定についても民主的な手続を可能な限り模索する、あたかも行政上の措置についても自分自身の問題であるかのように意識してやっていく、そういう意味での良心的な政府、正義にかなった政府。そういうことが一つになった概念であるというふうに考えております。  しかも、この三つの問題はばらばらな問題ではなくて、我々はやはりあるときには非常に強い政府、頼りがいのある政府を必要としているわけです。ところが、そういう政府は強い権力を持つと権力の逸脱とか乱用ということもあり得る。それをどういうふうにコントロールするか。そこで、より正義にかなった、あるいは良心的な政府が必要である、そういう問題が実は不可分であるのだと。だから、ある場面では国家に対して反対し、ある場面では国家に依存する。実はそれはトータルな問題として見ていかなければならないのではないか。それが、まさによい政府であり、よい市民の対応の仕方であるという意味で使っております。  以上です。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 最後に、栗原参考人にお伺いいたします。  改正案で評価すべき点についてお触れになっており、改正は前進であるとの御意見を述べられておりましたけれども、改正案の成立後において、なお改善、検討の余地があるとお考えになっておられるようでありますけれども、その改善策というのはどういう御意見なのか、お伺いします。

栗原宣彦流通科学大学サービス産業学部教授

○参考人(栗原宣彦君) まず、私は、前進で妥当だと思うのでございますけれども、心配していないわけじゃないわけです。  例えば、事前説明だとか公聴会といったって、これをどういうふうにやるのか、これから恐らく詰めていかれるんだと思いますけれども、やり方によっては今までとそんな変わりないというか、あるいはほかのやり方、例えば私が関係したあれでは、大規模小売店舗をつくるときに地元説明をやるんですね。それから地元で商調協とそれで協議する段階がある。それでもってどうするか。あるいは、それに地方公共団体が意見を言う。一応、仕組みがいろいろになってできたんですが、このことについても、だれが意見を言うのか、あるいはだれが代表なのか、そしてそれをどういうふうに扱うのか、あるいは反対がいたとき、あるいは賛成がいたとき、それは圧倒的にどういうような比率ならばいいというふうに考えるのか。そういうようなことを、恐らくこれからだって相当考えていかないと、先ほど通過儀礼とおっしゃられましたけれども、通過儀礼になる可能性も非常にあります。  それから、私がさっき言ったのは、そもそも私の主要な考え方は、公益事業とか公共事業というのは変わるんだから、それについてもやはり考えていかなければいけないよと。それで、今のところは自然環境の問題だけが出ていますけれども、私は第四条の収用、使用できる対象事業というのが果たして今のままでいいのかどうかということも含めて、それを言っちゃうとまた大変なことになるのかもしれませんけれども、そういったようなことを、やるならば考えていく。そして、失敗したらまたもとへ戻ればいいと思っておりますし、必ずこれからいろんな形で問題が出てきて、それはやっぱり知恵を出して解決していく必要があるのではないかと思っております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 ありがとうございました。終わります。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々に一言御礼のごあいさつを申し上げます。  参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただき、有益な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  どうもありがとうございました。  午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      ─────・─────    午後一時三十一分開会

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、渕上貞雄君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 休憩前に引き続き、土地収用法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 五、六年前のことですけれども、東京大学の谷下雅義という教授が論文を発表しております。「公共事業用地取得における利害調整システムに関する考察」という論文でございます。  この中で、なぜ住民と行政が利害対立するのかという要因分析をされた上で、利害対立には事業者と地権者の合理的行動が社会的に望ましい結果をもたらさないという囚人のジレンマ、とらわれ人でございますが、囚人のジレンマ構造が潜んでいると指摘されております。  囚人のジレンマというのは、二人の囚人がいて、別々の取り調べ室で強盗を働いたか働かなかったかという取り調べを受けたときに、お互いに黙秘した方がいいとわかりながらも、実際には自分のやったことを自白してしまう。一番損な選択をするというのが囚人のジレンマというんだそうでございます。  このジレンマを解消するには、情報量の差や力量の差を埋める努力が必要である。また、協力行動の選択が望ましいという認識が生まれるような長期的な視野を持たせること、信頼醸成努力が繰り返し行われること、また、協力行動への特典や裏切り行為への罰則は協力行動を増加させるから、すなわち利害構造のイメージを変えるという努力も必要だ、それから強制的ルールの導入、第三者への意思決定を委託するということも望ましい結論を導くんではないかというようなことを指摘しております。私は、読んだとき大変説得力があると思いましたし、それから今回の法改正がこうした囚人のジレンマを解きほぐすための出発点になればいいなというようなことも感じたような次第でございます。  前置きはこれぐらいにいたしまして、国土交通大臣にお尋ねいたしますが、六月二十日の本会議の際に、合意形成について大臣から、社会資本整備に当たっては住民のニーズを把握し、あるいは理解を得るために、計画策定段階においてアンケート調査、またパブリックコメントの実施、事前説明会あるいは公聴会の開催など、幅広く、住民参加、情報公開を行う対話型行政を積極的に推進していると、ルールとそのプロセスについての回答がございましたし、事業分野により計画策定の仕方は変わるけれども、社会資本の整備の場合と同様に対処していきたいと、こういう御意向が示されました。  私もぜひその方向で御努力をいただきたいと思うわけでありますが、その場合に一番大事なこと、最も大事にすべきことは、本日の午前中の参考人質疑の中でも感じたことでありますけれども、当事者が合意形成プロセスの透明化に努めること、情報公開と住民参加を誠実に履行すること、また、信頼関係は相互的なものではありますが、特に、行政が住民との信頼関係の醸成に努めることが大事なポイントなんではないかと感じました。  私は、かつて労働組合の専従役員をやった経験がありますが、その経験なんかに照らして考えても、今度の事業認定手続というのは例えば労使の労働条件の交渉に似ているなということを感じさせられました。労使交渉においてだれしも自分が納得できる好ましい結果を得たいというのは当たり前であります。しかし、万一その結果がどちらか一方に不満であっても、それがルールにのっとって、また適切な蓋然性のある手順を踏んで導かれた結論であるということが関係者の間で理解され、納得されるということが大事なんではないかと思うし、これが民主主義の基本であろうと思うんです。  土地収用法での事業認定手続についても、私は、関係者全員の合意を前提にするというよりは、合意の正当性をいかに担保するかという視点から考えなければいけない問題ではないかということも感じております。演説が長くなりましたが、大臣のこの辺の基本認識というのを伺いたいと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生から、ある意味の社会の中で人間対人間というもののあり方、また価値判断の仕方、そしてお互いに物を考えるときの例えば一対一であれば両者の考え方の相違等々、ある意味では人間としての基本的な物の考え方の一義的なことを御示唆いただいたと思っておりますけれども、私は、寺崎先生の長い間の組合で大きな役目を果たされた、人間関係を大事にしてお仕事をなさって、それを生かそうとして国会に出ていらして、この間、十分私は先生の経歴を生かした国会活動をそばで見させていただきました。  そういう意味において、人間関係のあり方の原点というもの、そういうものを今、寺崎先生がおっしゃいました、黙して語らずということも一つの方法ではあろうと思いますけれども、必要なときに必要なことを必要な時期に言うということもやっぱり大事なことであり、特に我々は政治家として、また行政の一員として物を行っておりますときには、今からやりますことに対して一人でも多くの皆さんに物事を開示し、そして開示した以上はなるべく合意がいただけるように丁寧に御説明申し上げる、私はそれが今後あるべき公共工事の基本的なものであるということを寺崎先生の御説を聞きながら実感もしておりますし、また今後我々がそれを心がけなければいけない一番大事なことであると。それが、今までえてして公共工事というものはある一部の人のための利益になることで、そしてもうける人はもうけて、しかも、もうけるためには手段を選ばず、丸投げ、談合、ばらまき、何をしてもいいというようなことがまかり通るような社会であってはならない。  そういう意味では、今回の土地収用法の改正というものは、今までの反省の上に立って、先生が今おっしゃいましたようなまず事業の必要性というものをより国民に理解していただく。そして、関係者はもちろんのこと、周りの皆さん方にもまず十分に説明をし、そしてでき得るならば一人でも多い理解者に丁寧に説明をしていくと。  ある意味で今まで行き詰まっている事例をるる整理してみましたら、やっぱり最初の段階で手違いがあったとか、最初の段階での徹底が足りなかった、そのために事業が停滞し、事業が停滞すればロスも出る、経費が高くつくと。  あらゆる悪条件が私は重なってきたという反省の上に立って、今後の公共工事の実施一つとってみても、今回の改正案で、より先生方が委員会で御注文いただいた住民合意を得る事前説明、あるいは最初から国民の皆さん方、住民の皆さんの御意見を聞くというそのスパンを長くする、そのかわり一たん事業認可して御賛成が得られたときにはスピードアップをしていくという、私はそういう意味での今回の改正によって今までと違った、先日も申し上げましたけれども、もう我々は二十一世紀型の日本をつくっていく、国民合意の形成自体も二十一世紀型に衣がえしなければならないという、私はそのことをこの委員会を通じて申し上げてきたと思いますし、またそういう意味で、今改めての寺崎先生の御示唆でございますので、我々はそういう意味において、国民の理解と、そしてこれをつくってよかったなとみんなに喜ばれるような、あらゆる事業を展開していく上の基礎として、心の中に今の先生のお説を銘記させていただきたいと思っております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 丁重なる補足とお考えをお示しいただきまして、ありがとうございます。  余りそこでと図に乗るのは好きなタイプではありませんけれども、せっかくそこまでおっしゃっていただいたんですから、例えばフランスでよく言われるビヤンコ通達とかドイツの行政手続法における計画確定手続というような、法的な措置あるいは通達というような格好でそれをきちんと知らしめるということをやっていただけないものかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 先日もこの委員会で諸外国の事例というものを、例えばどういう方法で認定していくのかというような認定のあり方等々、あるいは認定庁の認定の仕方、るる諸外国の例を局長から申し上げましたとおりでございます。  ある意味では、諸外国もきちんと認定制度というものを取り入れ、また緒方先生でしたでしょうか御質問いただきましたときに、右手で申請して左手で認可するというのは一人がやるのはおかしいじゃないかというお話も例を出しておっしゃっていただきましたけれども、今回の場合、諸外国もやはりこういう制度の中で認定をし、また事業認可もし、見てまいりましたので、私は日本だけが諸外国と比べて違うことをしているということではないと確信もしておりますし、またそこに手続の不順があってはならないし、そしてより公正、より透明、より中立と、この三点というものは重要視しながら諸事業に対しての手続をとっていかなければならないことは当然ですけれども、インボルブメントというものの開示をしていくという、この大事さもぜひ先生にも御協力、今後も賜りたいと存じます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 今申し上げたことはぜひ今後の検討課題で取り上げていただきたいと思います。  そこで、副大臣に一つお尋ねいたします。今、ビヤンコ通達のことを申し上げましたが、御案内のとおり、これは社会資本整備に関する計画をつくる段階の運営を規定したものでございます。これは、社会資本整備は事業の計画段階で関係者により幅広い民主的な討論が義務づけられる、その制度的な担保として討論調査委員会を設置し、国民向けに適切な情報公開、多元的な討論が行われるよう監視システムも設けるというような仕組みになっていると聞いております。  具体的な例と、この間、接したのでありますが、パリ郊外の高速道路の環状化を図る新路線の計画のときにこういうことがあったそうです。交通需要の推計値に対して、どうも信用できないという声が市民から上がり、ビヤンコ通達の規定に従って外部の第三者機関に検証するための調査を委託した、それでその調査がやり直されたということが報じられているわけであります。  私はもう大変妥当な措置がとられているなと感じたわけでありますけれども、今後、公共事業を我が国において円滑に進めるためにも、そうしたような観点から再検討できるシステムというものを考えた方がいいのではないかと御提言申し上げるわけであります。  例えば、本四架橋、アクアラインの交通量というのは、建設当時の予測値と今日の実際値では大きな開きができて、とりわけ本四架橋については何回も計画が立て直されております。結果から見ますと、これは需要予測をきちんとやっているというよりは、本四架橋のバランスシートを何とかつくるために需要予測をはめ込んだんじゃないかとすら疑われる内容であり、また東京湾のアクアラインについてそうした経験が生かされているのかというようなことも私は疑問に思っているわけであります。  問題は、こういう公共事業の計画の出発点にあったのではないかということを踏まえて言えば、こうした需要予測値についても事業の構想段階で事業者が示すデータの信憑性に疑いがあるということが強く言われれば、例えば中立的な機関の判断で事業者の負担で第三者機関に調査が委託できるというような仕組みをつくるべきではないかと。今まで何度も本四公団で需要予測のやり直し、計画の立て直し、やられておりましても、これは事業者ベースでありまして、国民の意見とか疑義に何にもこたえていないんですね。調査するだけむだといってもいいんじゃないでしょうか。副大臣、どうでしょうか。

佐藤静雄自由民主党国土交通副大臣

○副大臣(佐藤静雄君) 公共事業を推進していく上で、先生おっしゃったとおり、いろんな問題面、今までありました。それで、建設省時代から、平成十年から事前評価というものを非常に、今度行政評価もできましたけれども、その前から私どもはスタートいたしております。  十分に住民の意見を聞く、その費用対効果を十分に出していく、幅広く多くの皆さんの意見を聞くようにする、少しそこに時間をかけまして事前評価をしていこう、さらに途中でまた中間の評価もしよう、再評価をしよう、そしてでき上がったらまたもう一回事後評価をしよう、それは十一年から始めておりますけれども、そのようにしてできる限り多くの皆さんの意見を聞き、幅広く物を見ながら決定をしていく、そういう方法でやっております。  これからも、なお一層そういう方法でやっていくことが、後で考えてみて、なるほどやってよかったなというふうにつながっていくんだと思います。一方的にやるということは、これからは考えられないことだと私は思っております。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生から個別の事例を挙げて、例えばアクアライン、本四架橋等々のお話が出ました。私は絶えず言っていることですけれども、例えばアクアラインというものを御提示になりました。本当に予測された台数が通っておりません。しかも、四千円の通行料を三千円に下げてもなおかつそれほど量がふえていない。  それは先日来、私は南関東圏の知事さん全部、千葉、埼玉、東京、神奈川、一都三県の知事さんに集まっていただいて懇談会をいたしました。これは全国で行いましたうちの一環ですけれども、そのときに石原都知事から言われました。アクアラインなんて全然むだだったじゃないか、やめればよかったんだ、しなくてもよかったよと言わんばかりのお話がありました。私は、そのときに申し上げました。残念ながら、物というものは、渡って向こうにいいものがあるから渡るんで、渡って何もいいものがなければ渡らないのは当たり前だと申しました。アクアラインが利用されぬのは渡った先に何もないからです。  ですから、私は、そのときに千葉の堂本知事も御在席でしたから言いました。アクアラインを渡ったら、アクアラインからも成田に行ける道がなぜないんですかと。それを計画しないで、橋さえ渡ればいい。渡ったときに何もないんです、房総半島から成田へ行く道も整備されていない、利用しないのは当たり前じゃないですかと。あれが高速道路で成田までつながっていれば、横浜、横須賀の人はわざわざ遠回りして時間をかけて行かなくたって、アクアライン渡っていく人だってできるんです。  あるいは、本四架橋、三本つくりました。私は、国会議員になって最初の年に、二本でいいです、真ん中の分で四国の高速道路費用をつくってくださいと言ったら、先輩に呼び出されて怒られました、おまえ、余計なこと言うなと。けれども、現実的に今、三本橋かかって、この間四国でやりましたら、四国四県の知事さんたちが本当によかったんだろうかと。橋ができたことによって四国の経済が活性すると思ってお願いしていたと。現実的には、四国の人が橋ができて便利になったから大阪や京都へ買い物に行ってしまう。橋ができたから便利だから皆さん方は四国に来てくださるけれども、橋ができて便利だから泊まらないで帰ってしまう。最初に考えたほど四国全体の経済効果も上がっていない。  こういうこともありますので、私が絶えず言っております全国のグランドデザインをつくって、ここをこうしたらこういう経済効果があるという連携がないんです。それが今まで御論議いただいた建設省、運輸省、縦割りで、運輸省は運輸省の仕事をし、建設省は建設省の仕事をし、この連携がとれていなかったということが私は最大の不幸な事例であったと思っております。  ですから、今後はそういうことのないように、総合的な、これをつくる限りはその先はどうなんだという、私は二十一世紀型の公共工事というものはそういうことまで考えなければ、あくまで皆さん方のお預かりした税金の使い道のむだをなくすという点では総合のグランドデザインが必要だということを言い続けるということを申し添えさせていただきます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 大臣の今御提言はぜひそのようにお願いしたいと思いますが、副大臣のお答えの中に、多分これは本四架橋のことをおっしゃっているんだと思いますが、私が承知している限りでも、需要予測を三回やり直しているんですね。それでも当たらないんです。経営に合わせて需要予測の数字をつくっているとしか私は思えないというのはそういうことなんです。  確かに事業評価をするという制度もできていることは承知しておりますけれども、本四架橋の場合には、今のままでは第二の国鉄になりかねないということで、今年度予算でも、八百億円無利子のお金をつぎ込みましょう、十年間つぎ込みますということを言っているわけですね。その分公共事業に使うべきお金が寝てしまうということなんですよ。そういう責任に対しては明らかにもしないで、途中の需要予測は適切にやっております、計画についても従来どおりの考え方をきちんとやればうまくいくんじゃないですかと。これはちょっと私は納得できないですけれども、もう一回お願いします。

佐藤静雄自由民主党国土交通副大臣

○副大臣(佐藤静雄君) 特に、先ほど申し上げましたのは、旧建設省の平成十年から、そういう今、先生おっしゃったようなことがあったわけですね、そういうことが。あったために、しっかりとした事後評価をしようということでスタートをいたしておるわけであります。今回評価制度ができたわけでありますけれども、それ以上に、今度の評価制度は何と何をしろと決められております。省令で決めることになっていますけれども、今度は、我々の方は全部、全体を、公共事業というものはすべてやっていこうということでスタートをいたしております。  今までのやった中においてそういうことが、先生おっしゃるようなことがあり得ると思います。それはそれとしてしっかりと見直していかなくてはならぬと思っています。また、相当幅広く、アクアラインでしたら千葉県側、茨城県側のいろんな道路等も含めて考えなくてはならぬものが残されているわけでありまして、そんなことも含めながらしっかりとやっていかなくてはならぬと思っています。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 これ以上申し上げても水かけ論になるかもしれませんが、計画の初期段階で需要予測に疑義ありといった場合には、ぜひ第三者機関にそれをやらせるような仕組みをつくってください、御検討願いたいということを申し上げておりますので、どうぞよろしくお願いします。  ところで、計画をつくるということに関して、きょう午前中の参考人質疑の中でも強く言われていたのは、これがベストですという一つの案を示すのではなくて、複数案を示してもらえないか、また住民の方からこういう案もあるじゃないかといったら、それも一緒に検討の対象にできないものかというような提言もございました。  先ほど紹介したパリ郊外の高速道路事業の場合も、三案並列で、特質はこうですという説明をしながらだんだん絞り込んでいったということを聞いております。ぜひ今後の公共事業一般を考える場合には、複数案を提示するということを義務づける、あるいは奨励するというんでしょうか、御指導願えないものかと思います。

佐藤静雄自由民主党国土交通副大臣

○副大臣(佐藤静雄君) 公共事業計画段階におきまして今までも複数案を提示してやっている部分はたくさんあります。例えばバイパスをつくるときに、旧来の道路を拡幅した方がいいのか、それともバイパスをつくったらいいのか、それは提示をして皆さんに判断をしていただく、できる限り皆さんの意見を聞きながら、その地域の人たちにとっていい方法を選ぶ、そういう方向でやってきております。  幾つかの事例がありますけれども、平成六年からですけれども、直轄事業で今まで七件既にそういうことで決めさせていただいておりますし、未事業化の部分でも三例今あります。これからも、そういうような方法で皆さんといろんなものを提示しながらやっていくのが一番いいと思いますから、しっかりやっていきたいと思っています。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 もう一つ、これは国土交通省政府参考人にお尋ねしますが、第三者機関での審議のあり方でございます。  この際には、事業認定権者からの説明のほか、起業者、利害関係者、地元自治体などの出席を求めて意見を聴取する、あるいは審議会委員以外の専門家からも意見を聞くということをやった方が私はこの第三者機関の役割、機能にも合致するではないかと思っているわけであります。  社会資本整備審議会が第三者機関になるということであれば、今、社会資本整備審議会の運営規則の中には、そこの会長が必要と認める場合は委員以外の者に対して、審議会に出席してその意見を述べ、または説明を行うことを求めることができるという規定があるわけでありますから、もしこの審議会が第三者機関に置きかわる、あるいは委員がそちらに移るということであれば、その審議会の運営についても審議会の会長に任せる、第三者機関の会長に任せるということをどこかで明示された方が、明文化された方がいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 社会資本整備審議会など第三者機関が事業認定についての審査をするわけでございますけれども、まず、事業認定庁の方からは、持っている資料いろいろありますけれども、そういったものは基本的にすべて審議会に御提出したいというように思っております。  当然、起業者からの申請書というのがありますから申請書あるいはその添付書類、それから意見書が出てくる場合もありますから、その意見書の内容、それから公聴会におけるいろんな意見、こういった一連の資料につきましては基本的にすべて第三者機関の方に提出して審議の参考にしていただきたい、このように思います。  その意味からすれば、そういったある意味ではあるだけの資料全部お渡しをするということでありますので、通常であれば第三者機関においてもかなりの情報を持って審査をできるということになるのかなというふうには思っております。  ただ、先生今御指摘いただきましたように、社会資本整備審議会の運営規則におきまして、五条のところで委員等以外の者の出席という規定があります。したがいまして、第三者機関が意見を取りまとめる過程の中で、さらに利害関係人などの意見を聞く必要があるというふうに御判断をする場合には、当然この規定を活用していろんな人の意見を聞くということはあろうかと思います。  いずれにしましても、その運営につきましては、第三者機関でよく必要性を判断していただく、こういうことになろうかと思います。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 大臣にお尋ねいたします。  今の第三者機関の運営にかかわる問題でありますが、改正法案第二十五条の二の第一項及び第二項に衆議院で修正が施されました。意見を聞きというのを、その意見を聞き、その意見を尊重しなければならないという尊重規定が入ったわけであります。原案のままであれば聞くにとどまってしまうのが、せめて尊重規定が加わったことで第三者機関の意見は事業認定に決定的な影響を持つことになるんではないかということを主張される方もいらっしゃるわけであります。私もぜひ最大限の尊重をしてもらいたいと思うわけでありますけれども、他方で、今回の改正では、土地・物件調書の作成の特例を設けたり、あるいは収用委員会審議の合理化、補償金払い渡し方法の変更というようなこともあるわけでありますから、この尊重規定というのはそれの見合いであるというぐらいの重い受けとめ方をしていただきたいと思うんですが、大臣いかがでしょうか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、寺崎先生おっしゃいましたように、要するに第三者機関というものの意見の尊重、第三者機関の意見をどう尊重していくかということですけれども、これは、今、先生がおっしゃいましたように、土地収用法の第二十五条の二の修正、これに関しましてはもう先生も御存じのとおり、かつて各種の法律の中には審議会の意見を尊重すべき旨の規定が当然置かれておりました。けれども、現段階では中央省庁等改革関係施行法、そしてまた中央省庁等改革関連法案、この中では、十本ございますけれども、今まで申し上げたことがすべて削除されました。  ですから私は、今回法律におきまして行政庁において審議会の意見を聴取するということが義務づけられた以上、これは少なくともそれに基づいた出てきた意見の尊重、聴取した意見を行政庁が尊重するというのはもう当然のことでありまして、今、先生から御注意を受けましたけれども、我々は法に基づいて審議会で審議されたことを当然尊重させていただく、そういうことを私たちはするものでございますし、なお現在におきましても、審議会の意見を尊重するということの規定は存在しておりませんけれども、少なくともこのような状況のもとで、私は今回の修正によりまして、その例外として審議会の意見についての尊重義務が土地収用法に規定されることとなりますから、今回は事業認定の判断に当たっては社会資本整備審議会の意見というものは非常に重い意味を持ってくるというふうに考えております。  したがって、私どもは第三者機関の意見が合理的でないことが明らかであるような例外的な場合を除きまして、少なくとも事業認定者は、私たち事業認定庁として第三者機関の意見に従うというか尊重するという考え方に、今現在それを尊重するということを改めて申し添えておきたいと思っております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 政府参考人にお尋ねしますが、具体的な話で、河川法の問題でございます。  河川法でも公聴会の開催について条文には書かれております。ただし、河川管理者が河川整備計画案を作成する場合、「必要があると認めるときは、公聴会の開催等関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。」ということで、河川法では、必ずしも公聴会を開きなさいという今回の改正法のような開催義務は付されておりません。  今回、この改正をするということを考慮すれば、当然河川法もその線に沿った改正があってしかるべきだと私は考えるんですが、公聴会というのは今まで河川法のもとで開いたことがあるのか。それから、今申し上げたような法律改正を考える必要があると思うんですが、どうでしょうか。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) 委員御指摘の河川法の公聴会に関しましてでございますが、平成九年に河川法を改正しまして、河川の整備計画を策定するプロセスで関係住民の意見を聞いていこうという法改正をいたしました。その聞き方でございますが、公聴会等ということになっておりますが、現在整備計画が策定できたのが東京、神奈川の多摩川、そして大分県の大野川、そして、全国で今現在策定中で動いている水系が八水系ございます。  この住民の意見を聞くという形は、非常に水系ごとに状況が異なっておりまして、例えば多摩川、これは流域人口は四百三十万ございます。ここでは三十五名の流域委員会が開かれまして、計五回、そしてセミナー八回、延べ八百四十一人。そして市民団体が主催するフォーラム、これにも私ども行政府が参加いたします。そして、このような流域委員会等はすべてオープンになっておりまして、その結果もインターネットで公表し、それに対する御意見も承るというような内容になってございます。  もう一つの大分県の大野川でございますが、これは流域人口二十万でございます。二十万の人口のところでこの水系の担当者が考えたことは、二十万の方々になるべくきめ細かくやっていこうということで、流域委員会ということは同じでございます。人数は少し少のうございまして十三名でございますが、その中にはNGOの関係者も入ってございます。そして、地区別に住民との説明会、対話集会をやっていこうということで、延べ十一回、延べ三百名の方々がこの大野川におきましては個別の地区別に話し合いをし、私どもの行政の考え方、そして流域の方々が意見を交換しているという現状にございます。  さて、現在動いている八水系でございますが、八水系もその川によってもう非常に多様性がございまして、公聴会という御質問でございますので、北海道の留萌川、この留萌川におきまして現在公聴会を開いて意見を聞くという形をとってございます。留萌川というのは、大変特徴的なことは流域の方々が大変少のうございまして、主に留萌市の方々が中心になります。対象人口は約二万人でございます。非常に少ないということでこのような公聴会という形でも十分意見が聞けるという判断かと思われます。このように、多様性の中で現在住民の方の意見を聞いているという現状にございます。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 現行の土地収用法においても、事前説明会を行う、あるいは公聴会を開催するということは当然できるわけでありますが、余りやられていないという実態を踏まえて法律で義務づけることをお考えいただけませんかと、こういうことを申し上げたわけであります。  法律改正ということでかかわるわけなので、大臣にも一言伺いますが、一つは、都市計画法でも今の河川法と同じような公聴会の開催についての文言がございます。それなので、これについても法律の改正を御検討いただきたいというのと、もう一つ大事な点なんですが、都市計画法第十六条第三項にこういう規定があります。これは平成十二年に追加された内容でございますが、住民等から地区計画等の案を作成すべき旨の申し出の要件等を条例で規定することができるという内容で、平たく言うと、住民から要望が出された場合には、公共事業における構想の段階から住民参加ができるようにしましょう、意見を反映できるようにしましょうという内容であるわけであります。  これは、都市計画法の地区計画に現在のところ限られておりまして、国土交通省に聞きましたら、ほかについては運用面での整合性を確保するためのガイドラインを設けるということを指導方針にしていらっしゃるようなんですが、せっかく都市計画法でこういう先進的な考え方を法律で規定されたんでしたら、この際、河川法等にもこの考え方を入れて、前段階で情報を公開し、住民の意見が反映できるようにされるべきではないかと思うんですが、大臣、どうでしょうか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 今、都市計画法第十六条第一項についてまずお尋ねがございました。  この都市計画法第一項につきましては、都市の計画案を作成しますときに、その場合においては必要があると認めるときは公聴会の開催等を行うものとされていると、今、先生がお読みになったとおりでございますけれども、私は、そのことに関しましては、これは都市計画法上の名称の変更等、あるいは軽いものと言うと変ですけれども、いわゆるただの名称変更だけというような軽微なものを除いては公聴会の開催を求めているという規定であると考えておりますし、また昨年十二月の都市計画の運用指針におきましても、原則として公聴会の開催等を行うべきものであるというふうに言い切っておりますので、私はそれを素直にとっていただいて、地方公共団体に通知し、そしてまたこれを徹底させるというのが我々の役目であろうと思っております。それが一点。  それから今、都市計画法第十六条第三項についてのお話もございました。寺崎先生も御承知だと思いますけれども、現段階では地域地域ごとに地区レベルで本当にきめ細かな町づくりというものをしております。その意味において、細かい町づくりを進めるにつきましては、最も住民に身近な問題でございますので、私たちは、都市計画であります地区計画等におきまして条例で私どもの案の申し出ができる旨を定めた規定というふうに御理解賜りますし、またこの三項におきまして、中期的な河川の整備を定める河川整備計画、今、先生が平成十二年と、局長が言ったのかな、申しましたけれども、その性格とは異なるものでございますので、今後も国土交通省としては、所管の公共事業におきます構想とかあるいは計画段階から少なくとも住民参加について全省庁的に検討に着手しておりますし、また都市計画の手続におきます公聴会の議事録の作成、これは今までしておりませんでしたし、また公述人による質疑の義務づけ、これも今までしておりませんけれども、私は、今度公聴会の議事録についても、今後は、事後でございますけれども、ある一部の個人の名前は伏せても、これも発表させていただくというような新しい方法をとっておりますけれども、今後とも十分にこの第一項、第三項ともに重要視しながら対応してまいりたいと存じております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 ぜひそのようにお願いいたします。  それから、技術的な点を二点、政府参考人にお尋ねしますが、それは知事が事業認定を拒否した場合の措置でございます。現行の規定では、都道府県知事が事業認定を拒否した場合には、土地収用法第二十七条第一項に従って、起業者は国土交通大臣に対して事業認定を申請することができるということになっておりまして、その第二項には公害等調整委員会の意見を聞いた上で云々と、こう書いてございます。改正法では、事業認定については第三者機関から意見を聞くということになっておりまして、この公害等調整委員会との関係というのはどういうふうに整理されるのかというのが第一点、整合性があるのかどうかですね。  それからもう一点は、この二十七条第七項には、国土交通大臣はみずからの事業の認定に関する処分を行う場合には、国土交通大臣は、事業の認定に関する処分を行うための手続その他の行為で都道府県知事が既に行った、例えば公聴会とかそういうものですが、これを省略することができるということが書かれております。ただ、都道府県知事が拒否した、ノーと言ったのは重い案件でありまして、今まで公聴会をやりました、事前説明会をやりましたと、だからこれを削っていいというのはちょっとこの法律の趣旨に反する規定ではないかなと思うわけでございます。むしろ、公聴会なりを再度きちんとやりなさいというぐらいの規定をするのがこの法律の趣旨ではないかと思うんですが、この点について伺います。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 二点御指摘をいただきましたけれども、まず土地収用法二十七条、先生御指摘のように、これは事業認定庁が都道府県知事の場合、その知事が事業認定を拒否したような場合につきまして、申請者である起業者は、これは行政不服審査とかあるいは行政訴訟にかえて直接国土交通大臣に事業認定申請ができると、こういうような規定であります。  一方、土地収用法の中には不服申し立てに対する裁決の手続の規定がございまして、これは土地収用法の百三十一条でございます。これは、土地利用に関する紛争処理の適正さを確保する見地から、国土交通大臣の行う事業認定に関する行政不服審査に係る裁決は公害等調整委員会の意見を聞いた後にしなければならないと、こういう規定がございます。  今回、この土地収用法の二十七条一項第一号、すなわち知事が事業認定を拒否した場合につきましては、これは実質的に事業認定の拒否に対する審査請求、こういうような性格を持っておりますので、さきに御説明しました百三十一条との関係で、それとの整合性を図る上で公害等調整委員会の意見を聞くと、こういうふうにしております。  なお、当然、大臣が事業認定を行うわけですので、社会資本整備審議会の意見を聞くという本来のものはもちろん行われるわけですが、それとあわせまして公害等調整委員会の意見を聞くと、こういうことでありまして、それぞれ目的が違うということであります。  それからもう一点の、都道府県知事がやはり事業認定を拒否した場合に国土交通大臣が事業認定を行う場合でございますが、既に知事が行った手続につきましては一部省略することができるというふうになっているわけですけれども、例えば知事が公聴会を開催した場合には、国土交通大臣が必ずしも公聴会を開く必要はないわけです。これは、既に開かれた公聴会の記録というのは、これは法律に基づいて知事から大臣の方へ全部移管されます。そういうことがありますので、こういうような規定が置かれているというふうに一応考えております。  ただ、実際の取り扱いは、これはケース・バイ・ケースで判断すべきだというふうに思っております。例えば、公聴会の開催が大臣の側から見て不十分な場合というのがもしあるとか、あるいは環境問題などが新たに発生して再度公聴会の開催を主張した方がいいと、そういうような判断がある場合には、これは改めて公聴会を大臣が行うということも必要であるというふうに考えております。  それから、知事による事業認定拒否によりまして国土交通大臣が事業認定を行う場合の第三者機関の意見聴取、これは国土交通大臣が改めて判断するわけでございますので、当然知事の判断とは別ということで、社会資本整備審議会の意見を聞く必要があるというふうに考えておりますので、事案によりケース・バイ・ケースで判断をしていくというように考えております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 審議会を行う第三者機関の意見を聞くというのは、ケース・バイ・ケースということでありますか。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 失礼いたしました。公聴会の開催みたいなところにつきましては、状況を見て必要があるかどうか、さらにやる必要があるかどうかということを判断したいと思います。  それから、社会資本整備審議会の意見は、これは大臣が事業認定を行う以上、当然すべての場合にお聞きすると、こういうことでありまして、全体として公聴会のところは事案を見て判断をすると、こういうことかと思います。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 時間もありませんので、最後に大臣にお尋ねいたします。  御案内のとおり、現行制度のもとでは、起業者があらかじめ地権者に事業の同意を得ている場合で、起業者が地権者の譲渡所得の特別控除、税金ですが、の特例措置の要望を受けて事業認定をする場合が大変多いと聞いております。いわゆる税対認定という分野です。記録によりますと、平成十一年度は五百九十一件中五百五十件がこの税対認定であるということが言われているわけでありますけれども、しかしながら、建前はともかく、実質的には地権者が事業に合意する、補償金も、金額も合意する、ただ税金対策のために事業認定するというのは、ちょっとこの法律の趣旨に照らしてもおかしいんじゃないかと私は思うわけであります。  事業認定を行うには、土地収用法の二十条第四号で、「土地を収用し、又は使用する公益上の必要があるもの」というたががはまっているわけでありますが、この税対認定というのは、もう売るということを決めているんですから、なぜ収用するかという話はもう全然別の問題だと思うんですね。にもかかわらず、この税対のためにわざわざ認定手続をとるというのはやっぱりおかしいんではないかと私思うんです。  もちろん、公共用地を円滑に取得するためには税金対策というのも必要だとは思いますが、今、合意形成プロセスについてそれを透明化しようという論議をしているこの土地収用法にはなじまない議論ではないかと思いますし、土地収用法体系とは別次元のものであると思います。したがって、租税特別措置法で規定するとか、そういうものであるべきだと思います。  今後、事業認定手続が、恐らく今までよりもそのために必要とする工数がふえると思います、事務量がふえると思います。であれば、この社会資本整備審議会とか第三者機関というのは本当に事業認定が必要なものに限って集中的に深く議論するべきであって、税金をまけてもらうためにわざわざ手を煩わせるなんというのはおかしいと思うし、これは国土交通省がおかしいのか財務省がおかしいのか、何でこんなところにこういう税対認定なんかが土地収用法に紛れ込んでいるのかというように思うわけであります。大臣、ぜひ財務大臣等に強く、あなたのところで引き取れということを言っていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 一番最後の先生の一言がきいておりまして、果たしてそれに対して私がお答えするのが適任ではないというような感覚の最後の一言でございますけれども、私は、少なくとも公共工事の必要な土地等を早期に提供してくださる方に対しましては、補償金として譲渡所得、今私も表を見ております、先生も今おっしゃいましたけれども、五千万円の特別控除制度、これが適用されることになっておりまして、ただその中で、今、先生が幾つか、私も表を、これを読んでいると時間がありませんからこれは省きますけれども、要するにここで公共事業のうち、例えば道路法によります道路、あるいは河川法が適用される川、河川、それから鉄道事業用の施設、上水道、下水道、あるいは港湾、航空等、あらゆるところで施行できます区域が制約される一定の公共事業、これにつきましては、事業認定を受けなくても起業者の証明があれば、今、先生がおっしゃいました五千万円の特別控除が適用されることになっておりますし、また、いわゆる旧建設省の庁舎でございますとか、霞が関のような庁舎でございますとか、あるいは学校、病院、こういうものにつきましては、起業者の面積が十ヘクタール以上のものというのは同様の取り扱いになっていることも先生御存じのとおりでございます。  一方、起業者の面積が十ヘクタール未満の、例えば庁舎であったりあるいは病院とか図書館というのがございますね。こういう十ヘクタール未満のものに関しましては、土地収用法の事業認定等がなければ五千万円の特別の控除制度が適用されないということになっておりますので、したがって、今、先生がおっしゃいます地権者が税制上の優遇がなければ任意買収に応じないというときに、収用手続に移行して、そして事業の認定を申請せざるを得ないというようなことに認識は持っておりますけれども、国土交通省としてはこのような事態が望ましいとはもちろん考えておりませんし、また税制をどういうふうにするかということに関しては、今、先生がおっしゃいましたように、私も閣僚の一人として財務省とよく相談し、財務大臣の御見解も聞きながら、より多くの皆さんに御納得のいくような税制に持っていって、御理解をいただかなければならないと思っております。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 ありがとうございました。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、前川忠夫君が委員を辞任され、その補欠として高嶋良充君が選任されました。     ─────────────

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  午前中の参考人質疑は大変有益で、問題点が深められ、そしてまた浮き彫りになった、そんなふうに思いました。  そこでも聞いたことなんですけれども、改正案は、収用委員会に提出する意見書や収用委員会での審理で事業認定の不服に関する事項は主張できない、このことを明文化しているわけです。しかし、住民側から事業認定自体について取り消し訴訟などの裁判で争う以外に、行政段階でその是非を問う手段が保障されていない。このことは、こういう現状を踏まえていくならば、こうした意見、不服を明文化によって排除する、これはやはり重大な問題じゃないかと思うんですけれども、その点について大臣の御見解をお伺いします。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 明文化されたものを排除するということを先生がお取り上げになりましたけれども、私は明文化されたものに対して排除ということが正確ではないと思っております。  これは、今までのあらゆる過程で、きょう私は参考人の御意見を残念ながら聞く時間がございませんでしたけれども、今、緒方先生がおっしゃいましたように明文化されたものを排除するのであれば、私は明文化する必要がない。単純なことでございまして、私はそういうことではなくて、明文化されたものはきちんと対象として排除しないで検討していく、これが当たり前の姿だと思っています。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 大臣、要するに改正案に事業認定の不服に関する事項は主張できないと明文化されているわけですね。そこを私は申し上げているわけで……

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 参考人じゃなくて。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 そういうわけです。ですからそこが問題で、なぜそんなことをするのか。要するに、初めから不服をこういう明文化を通して排除するという、そういうやり方でいいのかということを問うているわけです。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 御指摘の収用委員会における主張の整理というところでございますが、これは先生御案内のとおり、現行の収用法の体系というのは、公益性を判断する事業認定を行う機関と、それを踏まえて補償金の支払いをする収用委員会の機関と役割分担をするという考え方で整理されているわけでございます。なお、このことにつきまして収用委員会については事業認定の問題について権能がないということは、これは現行もそうでありますし、また裁判事例でもそのことは認められているわけでございます。  加えまして、今回、事業認定の手続につきましては、住民の参加等を含めまして、あるいは第三者機関の意見を尊重するということを含めて慎重な手続で進めるということにしておりますので、したがいまして、この法案におきましては、収用委員会の段階におきましては事業認定の主張は遠慮していただきたい、こういうことであります。その意味では、これは当然今までも本来そういうものでありましたものを確認的に書かせていただいている、このように私どもは理解をしております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 そういう役割分担がおかしいと、しかも明文化するという、そこがやはり今回の改正案の中で私は非常におかしいことだと思うんですね。  なぜかというと、国土交通省の当初試案の収用裁決段階に関する意見、百十八件ありますね。私はこれを全部読みました。最も多かったのは何かというと、主張整理は地権者の権利を否定するもので反対だ、この意見が四十一件あるわけです。ですから、まさにこういう形で不服とか不服的な意見、これを初めから排除する、そういったことをすること自身が、あなた方が既に受け付けた意見聴取についてもこれだけ多数のものに上っているわけで、それをわざわざ明文化する、このことがおかしいと言っているわけです。  しかも、おかしいことはいっぱいあるんだけれども、もう一つおかしいことを挙げますと、これまでにも収用委員会には事業そのものに対する批判や公益性に関する疑問が多く持ち込まれてきました。なぜか。なぜかというと、それは何よりも、現行法が計画策定の段階から事業の公益性とか公共性を議論する場を保障していないからなんです。  大臣はきょうの参考人質疑を聞かれなかったけれども、局長は聞かれたでしょう。そこで、きょうの参考人の質疑でもこの点は立場を超えて指摘された点だと思います。  確かに、公益性、公共性、これはどういうふうに定義するのかとか、あるいは関係者の範囲をどうするのか、これは当然議論ありますよ。しかし、ここをしっかり踏まえる、公共性や公益性についての議論を初めからきちっと行う、これが大事だということはだれもが立場を超えて認めたことじゃありませんか。  ですから、そうしたことを言うと、私は、この根本的なところを見直さないで地権者の意見を実際上封鎖する、そう言われても仕方のないことだと思いますけれども、そういうことをするのでは公共事業をめぐる問題を解決するどころか紛糾させることになる、そう思うんですよね。大臣、そうじゃありませんか。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 今回の改正でございますけれども、土地収用法の段階では、事業認定手続につきまして、事前説明会を開催する、義務づける、公聴会の義務づけ、あるいは第三者機関の意見の聴取、または事業認定の結果については理由説明をする、従来にない手続についての透明化、また住民参加というのを行ったわけでございます。  それから、法律ではこの附則の六条のところの修正はありましたけれども、私どもの考え方として、一方、計画段階からできるだけ住民の御意見を聞くという努力はこれは当然やっていかなければならない。そのことにつきましては、いろんな法律で今努力をしておりますけれども、それをもう少し、全体として国土交通省はさらにそういうものが前進するような取り組みというのを一方努力をするというようなことも申し上げているわけでございます。そうした中で、やはり公共事業につきましては、事業認定の判断がなされた以上、収用委員会の手続はまたそれはそれとして、本来の手続で進めるということもこれも社会的な要請ではないかと。  そういうようなことで、今回の収用委員会につきましては、先ほど申し上げましたように、収用委員会の本来の役割というのは補償金を確定するんだと、その本来の役割どおり参加者もそこを認識していただきたいという趣旨でこういった改正規定を導入させていただいた、こういうことでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 全く納得できないんですよね。つまり、現行法でも計画策定の段階から公共性、公益性を議論する場を設けなきゃいけないわけですよね。じゃ、今度改正によってそれをやるかというと、そうはならないわけですね。  私はその点で、やはり言葉ではよく言われますけれども、住民との合意形成、これが大事だと。これは大臣も繰り返し、おとといの私の質問の中でも、また同僚議員の質問の中でも強調されましたけれども、これを実際どうやって図っていくのか、このことがまさに大事だし、これが法律でどう担保されるのかということがまさにきょうの午前中にも参考人からも強く指摘された点だと思います。  おとといの質疑でも明らかになったと思いますけれども、土地収用をめぐる問題の根本、これは当該事業の住民の理解、合意形成を図る仕組みが欠落している、このことにあると思うんですね。したがって、何よりも求められるのは計画段階での住民の参加、情報公開を十分保障する制度を早期に確立することだと思います。  そこで、伺いたいんですけれども、国土交通省が今月発表した「公共事業改革への取組」、ここにありますけれども、今月の六月二十一日に発表されたこの取り組みは、国民に開かれた透明な公共事業を実施するとして、できるだけ早い段階からの住民参加の充実を挙げております。その内容は具体的にどういうものですか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) ちょっとさかのぼりますけれども、さっきの御質問の続きがまだ私は緒方先生に納得していただいていないんだろうと思いますので、一言だけつけ加えさせていただきます。  それは、緒方先生が言っていらっしゃることは、事業認定の手続をすることと土地収用法の施行とこれは別な話でございまして、事業認定するまでにはあらゆる国民の御意見を聞いて、そして今までよりも時間をかけて、事業認定された後は速やかにする。その段階が違うので、私はどうも先生の御質問を聞いていると、事業認定することに対してのことと土地収用法に対する第二段階とが一緒になっているような、特に委員会の審議でございますので皆さん方にその段階があるということだけはよく御理解いただいて、一言つけ加えさせていただきます。先生は、もうもちろんおわかりのとおりでございます。  それから、今御質問ございましたように、私は二十一日に、公共工事に対します、できるだけ早い段階から皆さんに御理解いただこうと思いまして、「公共事業改革への取組」というものを発表させていただきました。  今、先生、どこがどうなのかとおっしゃいましたけれども、それは少なくとも私は国民の理解を得られるということが基本、これはもうずっと言ってまいりました。そして、透明性を確保する、これも当然のことでございますけれども、今までえてして透明性に欠けていた点もあろうと思います。また、計画段階において幅広く情報公開をし、そして住民の参加をしていただいて対話型の行政を行っていくというのは、もうこれは何度も申し上げたとおりでございますし、一昨日も私は緒方先生にそのことを申し上げたはずでございます。また、そうしていくことが国土交通省としての新たな二十一世紀の公共工事に対する姿勢であるというふうに申し上げました。  また、現在におきましても、河川の整備計画の策定に際しては地域住民の意見を反映をするというのも、大きな今までの河川行政と、注意しなきゃいけない点を改めて指導したというところでございます。それから、都市計画の決定における住民の意見の反映、これも私は列記をいたしまして、都市計画に関してはということで皆さんの御意見を反映さすというのが大きな柱でございます。また、三つ目には、道路計画に関しての地域住民等の関係者の意見を聴取して計画に反映させますパブリックインボルブメント方式を試行的に行う、そして計画の段階で住民の参加手続というものを積極的に導入し、推進する。この三つの点を公共工事への取り組みの姿勢としてお示ししたところでございます。  今までもいろんなことで努力はしてきたと思うんです。けれども、現実に昨年あの百八十七の事業を中止しなければいけなかった原因を考えてみますと、今申しましたような手続がやっぱり住民の皆さんに不親切な部分があったなと私は反省をして、今後、国土交通省としては反省に基づいた情報開示、住民参加、そして運用面での整合性を得るためのガイドラインの作成等あらゆる手を尽くして住民の皆さんの御理解と、そして参加を得ようということが新たな申し上げた取り組みの姿勢でございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 今、大臣は河川を例に挙げて話されましたけれども、私は前から思っていますのは、きょうの午前中にも議論がありましたけれども、現行の都市計画法、河川法、海岸法を見ますと、例えば公聴会の開催にしても、それは必要があると認めたときとされているわけです。  今、大臣はいいことを言われました、国民の理解、透明性、それからまた双方向の議論をやっていくと。これはだれもが望んでいることですよね。それならば、大臣がそう言われるならば、例えば河川法、都市計画法、海岸法について、必要があると認めたときというのではなくて、もう公聴会をちゃんとやる。そういう方向できちっと打ち出す、あるいはここでお約束していただく、そういう方向でやっていく、これがやはり担保の一つになると思うんですね。その点はよろしいですね、当然。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) これは、皆さん方の御要望があって開くと。  例えば、私がなぜそのことを申しましたかというのは、昨年の東海の集中豪雨によって、あの河川、新川と庄内川、私はあのときに現地へ行って、つくづく皆さん方に聞いたら、皆さん方は、自分の住んでいる町の地形自体の認識もなかったというふうにおっしゃった方が大勢いらっしゃるんですね。それは、川と川の間に挟まって、わかりやすい言葉で言えば川と川との間の中州のようなところに大きな町ができていたと、例えばですよ、こういう表現の仕方が一番わかりいいと思うんですけれども、そういうことも皆さん方は、今まで公聴会があったからそれを防げたのではなくて、もともと自分たちが住民参加で、住民こぞって、私たちは改めて避難のあり方というものの研究の足りなさがあった、だから洪水によって非常の食料も水没しちゃったし、水を上げるはずのポンプも、ポンプ車も水没しちゃって使えなかった、こういうふだんのあり方自体自分たちにも手抜かりがあったと、こうおっしゃったんですね。  ですから、必ずしも公聴会をすれば全部が万全であると私は言い切れないと思うんです。まして、緊急の場合にはそういうことをしないで政府としてできる限りのことをするというのに、一々しなくても、皆さん方の生命、財産を守るというのが一義的なことですから、私は国民の皆さん方、住民の皆さんが公聴会を開いてくださいよとおっしゃれば素直に開くということであって、義務づけるということは時と場合によるので、私は義務づける必要はないと思っております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 住民のふだんの取り組み、これは当然ですよね。それからまた、住民の意識を高めていくという課題も当然あります。  しかし、問題は、私が言ったのは、公聴会の開催について結局、計画策定者の裁量にゆだねられている、そこが問題だということを述べているわけです。そうなんですよ、現状は。だって、法の仕組みがそうなんだから。大臣は必要なときには開くと言われるけれども、実際はそういうことになっている、このことを私は指摘しているわけで、したがって、見直すというならば、その点でやはりすべての事業分野で計画策定の段階から直接住民の意見を反映させる、そういう措置をとっていく、それが大臣が言われている、大変美しい言葉で言われているわけですけれども、それを本当に美しい行為にしていく、そういう道だと思うんですよね。ですから、このことを強く要望しておきたいと思います。  同じく、「公共事業改革への取組」、この中に「大規模ダム事業について実施計画調査の新規着手を凍結。」する、この部分があります。現在、「事業中のダムについて既存ダムの有効活用を含め水需要の必要性等を厳正に吟味して事業を峻別」する、このように書かれております。  大規模ダムの新規計画の凍結は当然だと思いますけれども、実施計画調査中を含む事業中のダムを凍結対象としないのはなぜか、お伺いいたします。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) 先日、大臣が発表されました「公共事業改革への取組」に関しまして、今、委員御質問の新しいダムは凍結する、しかし今、調査も含めて実施中のダムについてはその内容を峻別して行っていくということでございまして、その峻別は、まさにこれから大臣の指示に基づきまして、私ども現在、事務局が来年度予算の作業に間に合うべく懸命に作業に立ち向かっているという段階にございまして、ということでよろしゅうございますか。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 理由ははっきりしませんけれども、どういうプロセスかという考え方はわかりました。  水需要の必要性を厳正に吟味する、こういうのであれば、当然事業中のダムも凍結対象にすべきだと思います。政府の水需要予測の過大さについては、先月の二十四日、本委員会で私自身指摘して、扇大臣もウオータープランを修正しなければならないと認められたと思います。ダム建設を定めた水資源開発基本計画、これはフルプランですけれども、これについても担当局長が水系ごとに見直すことを明らかにしました。  ダム建設の最大の根拠とされたこれまでの水需要の予測の根拠が崩れた。そうである以上、それに基づいて計画された事業中のダムも凍結対象にするのが当たり前ではありませんか。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 緒方先生が言っていらっしゃることは、私は一部理解できますけれども、一部理解できません。    〔委員長退席、理事寺崎昭久君着席〕  なぜ理解できないか。それは、事業中のダムであっても最初に、先ほど寺崎先生がおっしゃいましたよね、事業計画をしたときはこれだけの車が走るんだという計画をしたけれども、実際通っていないじゃないかとおっしゃったのと同じことで、ダムを計画したときにはその下流の方の皆さん方は、工場も誘致して利水の面では物すごく水が要るんだ、そしてまた畑の方も利水として使わせていただくから水が不足していると言ったのが、田んぼの方は減反になり、事業誘致するはずだった工場は来ない。ですから、利水の面で最初にダム計画したときの利水の量が変わってきたと。  けれども、治水に関しては、一たん何かあったときに川下の方で洪水が起きては困るんだということによって、事業中のダムも凍結しないで峻別するということは言っています。それは、今言ったような利水と治水の重みが変わってきたから峻別します。ですから、全部工事中のものを凍結しろとおっしゃる緒方先生の言には、私はその意味で峻別するというふうに御納得いただければわかりやすいんじゃないかと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 利水についての理は認めていただいたと。治水問題、それが成り立つかどうかという議論だと思いますけれども、私は前回の質問の際にも、全国八十三カ所の直轄、水資源公団のダムの堆砂状況について指摘いたしました。調査した結果、予想された年間平均堆砂量の二倍以上の速度で堆砂が進行しているダムが十六カ所、三倍以上のダムが九カ所あることがはっきりしました。中には、北海道の二風谷ダムのように管理開始からわずか一年で予想量の三十倍のスピードで堆砂が進んでいるダムもありました。このことは、治水対策という面でも既存ダムの有効性が鋭く問われていると思います。    〔理事寺崎昭久君退席、委員長着席〕  それからもう一つ、現在、事業中のダム計画の投資効果について、今度はその角度から私は調べてみました。ダム事業の投資効果に関する一つの指標として、堤体積当たりの有効貯水容量、つまりダム本体のコンクリート量の何倍の有効貯水量を生み出せるのかという見方があります。  今、お配りした資料を見ていただきたいと思うんですけれども、国土交通省の提出資料をもとに直轄、水資源公団、補助事業のダムにおける堤体積当たりの有効貯水容量の調査をしたものです。建設中の二百三十五ダムのうち、ダム本体の体積の百倍以上の有効貯水量を生み出す比較的投資効果が高いダム、これは二十一カ所、全体の八・九%あります。その一方で、有効貯水容量がダム本体の体積の五十倍未満という効率の悪いダムが百八十一カ所、七七%もあります。この状況は、実施計画調査中のダムを見ると一層深刻なんですね。実施計画調査中の三十七ダムのうち、百倍以上の有効貯水容量という比較的投資効果の高いダムはわずか二カ所、五・四%。その一方で、有効貯水量がダム本体の体積の五十倍未満という効率の悪いダムは三十二カ所、八六・五%もあるわけですね。  現在、事業中のダムがいかに非効率きわまりないかということは、これを見ても、これは国土交通省の資料をもとに計算しただけの話ですから、非常にはっきりしているんじゃありませんか。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) 委員に御提出した資料は私どもから提出させていただきましたが、ダムの容量とダム堤体積の図には、直轄、公団の戦略的なダムと、各地方の方々が地域的に困っている地方のダムと、それが一緒になってございます。  そして、さらにもう一つ重要な点がございまして、ダムの形式と申しますか、コンクリートできちんと水をとめるダムという形式もございますし、その近くにある、その現場にある土砂、岩や砂を使って川の上に大きな一種の山をつくってその山で水をとめるという、専門用語で言うとロックフィルダムでございます。そういう堤体積の大きなダムというのは、現地の材料を使うということで非常に経済的でございますが、堤体積が大きくなって今御指摘のような貯水池との比較では率が悪くなる。でも、全体としては私ども経済的な有効なダムをつくっていきたいと考えてございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私は、直轄と水資源公団と補助と、これを三つ全部計算して一つの資料にしたという経過がありますので、後でこれを示しますから、ぜひ議論をしたいと思います、国土交通省とは。  現在、事業中の直轄、水資源公団、補助事業のダムのうち、事業費が確定しているダムの総事業費の内訳と合計額、幾らか。これは数だけ言ってください。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) ただいま御質問のものは、単純な事実関係でございますので、きちんと用意しまして後ほどお届けに上がりたいと思います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 何で後ほどなんですか。ちゃんと言っているじゃないですか。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) いや、私どもの事業費の、各ダムの事業費はもう単純な、確定しているかどうかということでございます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 単純なら言ってくださいよ。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) ただいま手元には持ってございませんので、すぐお届けに上がりたいと思っております。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 何で持っていないの。委員長、おかしいですよ。持ってきてくれとちゃんと言っているんだから、数を。何で言わないんですか、おかしいよ。

竹村公太郎国土交通省河川局長

○政府参考人(竹村公太郎君) 失礼しました。事業費でございますね。  ダム事業費、件数は、直轄が五十四件、五兆一千二百三十五億でございます。公団が九件、一兆一千七百四十億。補助が百九十一件、二兆七千五百七十六億。  以上でございます。大変、失礼しました。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 そうすると、ダムの総事業費の内訳、現在確定しているものだけで見ても九兆五百五十一億円あるわけです、今のを合計すると。  私は、ちょうど二週間前に長野県の田中康夫知事とお会いしました。長野県では、脱ダム宣言に伴って現在、県内九河川の県営ダムの見直しが検討されています。仮に、すべてのダムが中止された場合、九ダムで約二千億円の事業費が削減されることになります。これが、国を含め現在事業中の全国のダムで凍結するならば、今認められたように確定しているものだけで九兆円のそういう予算が削減できるということになるわけですね。これはすべてというわけじゃない、理論的な話をしているわけです。  ですから、そういうことで言うと、経済財政運営を、基本を見直すならば、こうした部分にやはりきちっとメスを入れていく。大臣がよく言われるように、やはりむだを削る、このことを言われております。緑と自然を削ってつくると、かえって洪水が起こりやすくなるようなダムをつくるのは、私は三重にむだだと思いますね。予算についてもむだだと思います。  ですから、そういう点で非常に純粋に理論的な話をしておりますので、実態とはまた別かもしれません。しかし、その点で私は九兆というお金、計算するだけで、それだけの財源が、このダムの問題、今大きな問題になっているダムの中に内包されているという、そういう事実から、国土交通大臣におかれましては、こういう問題について直視して、これから検討する、どうするかを峻別すると言われましたけれども、よく峻別していただいて、やっぱりむだはやめる、そういう方向でぜひお取り組みを願いたいということを要望しておきます。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 緒方先生は、ただ数字の上のことをおっしゃいました。まして、長野にいらして田中知事の脱ダム宣言で御論議なすったということですから、私はぜひ国民の皆さんに御理解いただきたいことは、やめればいいというものではない。  なぜなれば、長野の知事さんはダムをやめるとおっしゃったけれども、私のもとにいらした岡谷市長さん、岡谷の市議会議員、あらゆる皆さん方が、あのダムをやめてもらったら困るとおっしゃった。なぜ困るんですかと聞いたら、岡谷市では地下水から水道をとっていますと。その地下水を検査してもらったら、トリクロロエチレンという含有物を持ったものが平均以上、五十数%その水道水の中にある。そのために、自分たちが地下水を水道に使っていることがいかに岡谷の市民にとって人体に影響があるかという、危機にさらされているから、ダムをつくってきれいな水をいただきたいと。長野知事が脱ダム宣言しているにもかかわらず、川下の岡谷市の皆さん方の意見を聞かないで、ただ中止ということでは、私は国民の真の生命、財産を守ることにはならないと思うのが一点。  もう一つ、脱ダム宣言なすったのは結構です。けれども、あらゆる公共工事には手続があります。各地域で審議会を開き、御審議をいただき、そして事業評価するまでに県会、市会、あらゆる手続をとってこれを許可したんです。ところが、全部その手続を省いて、やめますといってやめられるものではない。  私たちは、昨年の与党三党の公共工事の中止ということで数を挙げましたけれども、その八十七事業を中止するについては、九月から十二月まで全国で三百回の事業評価監視委員会を開いて、皆さんの御了解、つくるまでに、事業認可までに御努力いただいた地方自治体の皆さんに納得していただいて初めて百八十七の中止事業を決定したという経緯がございます。  ですから、私はそれこそ、これは要らないからやめてしまえといって、果たして今まで努力していただいた、積み上げてきた議会も県会も市会も、あらゆるものを無視していいんだろうか。それが一点。  ですから、今申しましたように、真に国民の生命、財産を守るという原点に立ち返ったときに、多くの皆さん方に、生命、財産を確保するために、公共事業は国民から預かった重要な税金を使って我々工事をするんですから、第一義的には生命、財産を守るということのために全力を尽くすというのが一点。  もう一点は、やめるについても、川なら上から下まであるんですから、多くの皆さんに影響がないか、あるいは治山治水、両方に私たちは、国民の皆さんに真に、むだであるのは切りますけれども、そのときには生命、財産が保障されるのかという大事な原点を忘れないで、ただぶった切ればいいという方策は私はとっておりませんので、見直すということは当然ですけれども、必要欠くべからざるものは集中的に逆に支援していくという態度をとっていきたいと思っています。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 緒方靖夫君、簡単に頼みます。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 はい。利水の問題については、この間、訂正すると言われた。治水の問題については、いろいろ問題があるけれども、それについては云々と言われた。ですから、私は、そうした中で今計画中の事業費が確定しているものだけでも九兆円以上あるということを指摘して、すべてこれをどうこうというんじゃなくて、やっぱりそういう問題へメスを入れてほしいということを要望しているわけで、その点は大臣も十分踏まえていると思いますけれども、そのことを重ねて申し上げまして、時間になりましたので、質問を終わります。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、鈴木政二君、田村公平君、長谷川道郎君及び筆坂秀世君が委員を辞任され、その補欠として加納時男君、佐々木知子君、野間赳君及び大沢辰美君が選任されました。     ─────────────

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 最後の質疑者になりましたけれども、よろしくお願いします。  土地収用法は本質的に利害の相反する両当事者間の対立をいかなる手続を経て終局させるかという問題処理法であると思っております。したがって、両当事者の利害は永遠に対立する関係にありながら、どのように妥協して問題処理、終局させるかという事柄にかかわる、双方の価値観、国家観、世界観、生きざまにかかわってくる問題なので、その解決は容易なことではないと思います。  しかしながら、一方の当事者である行政側、国や自治体は、あくまでも民主国家、地方自治下の当局であり、他方の地権者や利害関係人も基本的人権を保障された国民であるわけでありますから、どこかで調和点を見出していかざるを得ない事柄であろうかと思います。  民主国家の政府に求められることは、幾ら社会資本の整備、公共の福祉、公益性、国際競争のためとはいえ、十分に情報公開し、国民に知らしめ、民主的な手続を保障して、忍耐強く、十分に時間をかけて、急がば回れということわざがあるとおり、国民、当事者、利害関係者を説得する余裕を持って事を進めるべきであると思っております。  政府にとって、土地収用法は抜かざることをよしとする伝家の宝刀であるべきである。絶えず抜きっ放しで国民の目の前にちらつかせるのはよい政府とは言えない。あくまでもあらゆる価値を比較考量して合意形成を目指すべきであると考えますけれども、このような点について大臣の御所見を伺いたい。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 公共事業におきます用地買収、そのことに関しては、地権者を初めとして、その土地の利害関係をお持ちの方はもちろん当然ですけれども、あらゆる関係者に理解を得るという、今、先生がおっしゃったことは基本の基本でございます。それは私どももよく認識しております。そのために私どもは、事業を進めますに当たりましては、事業の各段階において住民の方々に対する説明会を開催する。おとといからも申し上げておりますけれども、事業計画の内容や土地の補償の基本的な考え方については十分な説明をするように、またしなければならない、今回はそういうふうにむしろ義務づけるというくらいの感覚で対応してまいりたいと思っておりますし、また生活の再建等、そのことによって新たな生活の支援を必要とする皆さん方、これに関しましても、私は今回は十分な御要望におこたえし得るような、できるだけ早い段階からお互いの御相談を伺いながら対処していくと。また、事情の許す限り適切な対応をお手伝いすると、そういうことも申し上げているところでございます。  また、先生がおっしゃいましたように、個別の用地の取得に関しましては、賠償あるいは補償基準に基づいて客観的にこれは算出されるということですけれども、補償内容については、個々の利権者の方に十分な時間をとって、そして詳細に御説明申し上げて、任意の取得の手続によって用地を提供していただけるということで、先生も伝家の宝刀を抜くなと、当たり前の話でございまして、なるべく皆さん方に最大の御理解をいただくように努力していきたいと思っております。  ただ、このような手続をする場合に、なお解決に至らない場合があるということも事実でございます。ですから、できる限りは任意の手続によることを基本とすることは申し上げるまでもございませんけれども、もしも最終的に土地収用法の規定に基づいた手続によることが必要となる場合、これはもう必ずあるわけでございまして、ないようにはいたしますけれども、ある場合には、なおこの収用手続に移行する場合、今回の改正後におきましては、この改正案でより事前の説明会あるいは公聴会の開催、もう先生もお聞き及びの第三者機関というものを設置しての意見の聴取等々、手続が加えられるということになりますので、私は、今後とも十分な情報公開と、そして適切な手続の確実な実行、それを確保するということに努めていきたいと思っております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 収用手続に説明会、公聴会等を義務づけて透明性を高めると称するが、認定権が自作自演である限り、これは通過儀礼となることは明らかであるというようなことが、私も実際体験しておりますので、その辺は非常にこれから注意していただきたい。  そこで、午前中の参考人の質疑の中で、日の出の森・トラスト運動共同代表の標博重さんから何点かの問題点の指摘がありました。第一点は、公共性の認定は省内機関である社会資本整備審議会ではなく、独立機関である独立行政委員会、例えば収用裁定委員会を第三者機関として意見を聞くべきであるという点。第二点は、権利者と起業者の討論の場を設けるべきであるという点、その他何点かの指摘がありましたけれども、とりあえず今挙げました二点について御見解を承りたいと思います。

木村仁自由民主党・保守党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(木村仁君) 行政機関の仕事の中では、申請する者とそれを裁定する者とがたまたま同一であるということは無数にある時代でございまして、それについて一つ一つすべてについて三条機関を設けて独立の機関が行政を行うということは事実上不可能でございます。したがいまして、そういう場合でも公正な手続が行われるように、今回は事前の説明会、公聴会の開催を義務づけますとともに、中立的な第三者機関の意見聴取、事業認定の理由の公表等の情報公開の徹底を行うことによって、御指摘のような中立性が疑われるようなことがないような制度を設け、これを励行していこうということにいたした次第でございます。  次に、公聴会における地権者と起業者が、一方通行でなくて討論をすべきではないかということにつきましては、公聴会において意見を述べる公述人が主宰者の許可を得て他の公述人に対して直接質問したり、あるいはこれに答えたりする、こういうことは可能でありますので、今後、そのような制度、仕組みを考え、そしてこれが実際に行われるような配慮をいたしてまいる所存でございます。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 国が、私人であるあなたの所有するこの土地を使用または収用したいという場合には、その必要性、妥当性、正当性について十分に地権者や利害関係者、そして国民の納得の得られる説明をする義務があると思います。一方的な公益性の判断を短兵急に国民の側に押しつけようとする手法が、これまでにも公共事業の実施に当たって問題の処理をかえって長引かせる結果となっている場合が多いと思っております。本当に国民にとって必要な事業であるのかということや、犠牲を強いられる当事者にとって真に受忍すべき公平な負担であると言えるのかどうかという点について、十分に吟味され、歴史の批判にたえ得る事業であるべきだと思う。  例えば、この当面の問題そのものではありませんけれども、沖縄における米軍普天間海兵隊飛行場の移設予定地として名護市辺野古沿岸域に代替飛行場を建設しようという案がありますけれども、これらはそもそも米軍の海兵隊のために現在及び将来にわたって我が国土の一角の沖縄に建設する必要性に疑問があります。沖縄県民は、現在既に在日米軍基地の七五%を国土全面積の〇・六%にすぎない県土の中に背負わされております。さらに、米軍飛行場を、巨額の負債を抱えている政府の財政状況の中で、五千億円から一兆円という莫大な費用をかけて今沖縄に建設を進めようとしております。国民間の負担の平等性、そして公平性の点でも非常に私は疑問を持っております。これは、犠牲を払わされる側が本当に納得のできる公共事業と言えるのかどうかという点で大事な問題であると私は強調しておきたいと思います。  要するに、国は公共事業の必要性、正当性等を十分に国民に説得する義務があるわけでありますけれども、この沖縄の米軍移設の問題は、本当に五千億から一兆円、そして年間のいわゆるアフターケアとして二百億円から三百億円も必要とするというようなことは米軍の発表しているところでございます。そういう毎年二、三百億円もかけて、米軍の普天間飛行場を移設して、国が面倒を見る必要があるのかというふうな点で、私は非常にその点に、公共事業とはいえ大変疑問を持っておりますから、それについて国土交通省の御見解をいただけたらと思います。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) まず一番、この法案に対しての御質問の方をまずお答えさせていただきたいと思います。沖縄の問題は別途でございますので。  今、先生がおっしゃいましたように、公共工事を進めるに当たっての基本的なことを先生がおっしゃいました。その必要性とかあるいは正当性を国民に対して本当に親切に説明するようにという先生のお話でございますけれども、私はもうそのとおりだと思いますので、少なくとも国民の理解を得られるように十分に説明をし、またそのことが結果として事業執行の円滑化をもたらすと事業全体のスピードアップにつながり、スピードアップすることによってコストダウンになるという、そういう意味においては今、先生のおっしゃったとおり、私どもも今後そのことには重々、また一番大事にしながら考えていきたいと思っております。  そのために、まず何が真に必要な事業なのか、どのような順番でどこまでどのように行うべきかということに関しましては、私は、国民の共通の認識というものを形成していくということが一番重要なことでございまして、これが私がいつも言っております二十一世紀の国土交通省のグランドデザインだと。  どの工事をどういうような順番で幾らかけてやるかという、そのブロックブロックの地域の皆さんにそれを決めていただく。これが私、特に今後注意していかなきゃいけない国土交通省の政策実行の段階であろうと思いますので、そういう意味では対話をしながら、そして地域の特性を生かしながら、そして地方分権ということの一番大事なことは、その地方地方が私は一流の地方というふうになっていただきたい。一流の地方としてその地方が一流の特異性、ここでなければならない地方の特性を持っているということを考えながら、私は今後も、地方分権というものはそういうものであろうと思っていますし、公共工事の進め方もそういうふうに変わっていかなければいけないと思っていますので、公共性を判断する事業の認定に際しましては、今申しましたように、事業の事前の説明会の開催、そして先生もおっしゃいました公聴会の開催、そして義務づけ、第三者機関の意見聴取というこの手続を順次私は進めていきたいと思っております。  沖縄に関しましては、私がお答えすることが正しいかどうかわかりませんけれども、けさ私が参考人の意見を聞けなかったと申しますのは、総理の訪米に与党三党首会談がございまして、沖縄のお話も出ました。そのときにも、日米安保は大切な条件ではあるけれども、沖縄の問題もきちんと日米間で話し合ってくるというようなことを総理も御決断の上であしたお立ちになりますので、そういう意味では沖縄の皆さん方が今まで大変な、七五%のお荷物を沖縄だけでしょっていただいたということに対しては、この間の沖縄の慰霊祭にも総理が御出席されたというあの意欲をもってしても小泉内閣の姿勢というものを御理解いただける一助であろうと思っております。  これで沖縄の皆さんのお気持ちが済むとは思っておりませんけれども、我々は沖縄の置かれた現状というものを考えながら、日本国民としては、そのために沖縄開発庁もつくって沖縄を日本の南の玄関にしたい、何か国際的な施設も沖縄につくろうというようなことも小泉内閣として考えておりますので、ぜひ先生方、沖縄の御出身の先生方の御努力を多としながら、全国民がそのことに思いを寄せて沖縄を考えるということを私たちも頑張って皆さん方に御協力をいただき、なお理解をさせていただくようにしていきたいと思っております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 私はこの土地収用法になぜこれほどこだわるかと申し上げますと、実は私は米軍用地の一坪反戦地主でございまして、そういう意味でこの土地収用法に対して、これは米軍用地の土地収用法の問題で特別措置法が決められたわけでありますけれども、そのときの体験として非常に土地の貸し付けに対して反対しているという立場から、これを強制収用していく、これは土地を貸さないと言っている人たちは本当に門前払いをされて、そして問答無用という形で現在法制が整備されたという点に非常に不満を持っていますから、土地収用というものは必ずしも公共事業という立場できれいごとではないというふうな点もあるということを、ぜひお伝えしておきたかったという意味で申し上げた次第でございます。  それから、土地収用制度調査研究会報告の中で、「土地収用制度の調査研究を行う本調査研究会としては結論が出せなかったが、いずれも重要な問題なので、別途、それについて十分な議論の展開を期待したい。」と述べている問題の一つについてお尋ねいたしたいと思います。  それは、「公共事業の実施に当たっては、国民、地域住民への早期の計画段階からの情報公開と住民参加が必要である。我が国の国土計画や土地利用計画では、住民参加や情報公開を踏まえた意見調整機能が不十分な場合があり、その手続及びその住民参加や情報公開の実質的内容に関する評価方法の整備が必要である。」と述べている点であります。この点についてはどのような御意見を持っておられるのか、お伺いいたします。

木村仁自由民主党・保守党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(木村仁君) いろんな形での行政計画の策定に関する住民参加あるいはインボルブメントの問題は本当に歴史的に長い課題でございまして、特にこの点では私どもは市町村や都道府県の方がまだ国の場合よりは進んでいたと思います。  今、研究会報告で国土利用計画と全国総合開発計画が引用されておりますので、これについて具体的に申し上げますと、国土利用計画法に基づく国土利用計画には全国計画、都道府県計画、市町村計画と三段階がございますが、市町村の場合には、あらかじめ公聴会等を開いて十分住民の意向を反映させた上で議会の議決を経て定めることになっておりまして、さらに、これは市町村によって温度差はございますけれども、アンケート調査をしたりあるいは地区懇談会によって意見を聴取したり、いろんな形の参加を進めていると存じます。  都道府県の場合には、市町村長の意見をしっかり聴取しますとともに、やっぱり直接県民としての住民の意見を聞くという意味でいろんな意見聴取の機会を設けていると思います。  全国計画の場合は、主として都道府県の意見を聞き、あるいは政令指定市の意見を聞く、あるいは一般の市町村の意向を代表する市長会や町村会の意見を聞きながら策定するという努力が行われているところでございます。  一方、全国総合開発計画につきましては、これは昭和三十年代の法律でございまして、住民参加の規定はございません。しかし、累次の総合計画の策定過程でいろいろな形で国民の意向を吸い上げる努力は行われていると存じます。特に、今回の、現在つくられました二十一世紀の国土のグランドデザインを作成する際には、国土審議会での審議等はもちろんでありますが、都道府県、政令市の意見を聞き、かつファクスあるいはインターネット等を活用しますとともに、全国十二カ所で一日国土審議会を開催いたしまして国民各層の意見を聞きながら作成をしてきた、こういう経過がございます。  現在、国土審議会におきまして国土計画体系の見直しの審議というのを行っておりますので、この審議の中で、国民挙げての参加の制度の充実あるいは計画の評価の方法の整備、さらには情報公開の具体的なあり方についても検討を行ってまいりたいと考えております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 もう時間がないんですけれども、あと一点。都市計画によって指定される場所、そこは今その地域住民に公聴会を開いたりあるいは意見を聞いたりとかというものはなされているんですか。それは法律的にはどうなっていますか。

木村仁自由民主党・保守党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(木村仁君) 都市計画決定におきましては、住民に対して公告・縦覧を行う、あるいは公聴会等を行う、説明会を開催するという手続はございます。実際にそれが実効ある住民インボルブメントになるかどうかということはまた技術上の問題でございまして、なお非常に努力をしなきゃいけないことが多いと考えております。

島袋宗康二院クラブ・自由連合

○島袋宗康君 終わります。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

緒方靖夫日本共産党

○緒方靖夫君 私は、日本共産党を代表して、土地収用法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  憲法第二十九条は、財産権を侵してはならないとし、私有財産を取り上げるには「正当な補償の下」、「公共のため」と厳格な制限を設けております。今回の改定は、地権者の権利を制限し、その手続を簡略化させようというものであり、断固反対です。  第一に、本法案は、事業認定の手続で事前説明会や公聴会の開催、第三者機関による意見聴取、認定理由の公表を義務づけております。これらは現行法の運用実態を見れば当然のことです。しかし、事業認定は昨年度も全国で七百八十三件実施されましたが、事業者が地権者側に説明の限りを尽くしたケースは見られません。こうした住民軽視の従来の政府の姿勢を根本的に反省せず、事前説明会や公聴会を幾ら義務づけても、結局は形式的な措置、通過儀式で終わることは明らかです。  第三者機関による意見聴取にしても、本法案はその任に当たる機関を、事業認定庁が国土交通大臣の場合は社会資本整備審議会にゆだねるとしています。しかし、同審議会は国土交通大臣の諮問機関として設置されたものであり、その委員も国土交通大臣が任命いたします。第三者機関による意見の聴取といいながら、その聴取機関が事業を進める国土交通大臣の任命というのでは、中立性を担保することには到底なり得ません。  認定手続における重大な問題は、事業認定庁が国土交通大臣または都道府県知事である現行法を改めず、本来分離すべき事業者と事業認定庁とが同一だということです。事業者が国土交通大臣の場合など、同大臣みずからが申請も認定も行う仕組みになっています。これでは事業認定の公正性など確保できないのは明白です。事業官庁の長が事業認定を行うといったお手盛り的なやり方を見直し、事業認定は事業官庁から独立させ、住民も参加した第三者機関で行う制度こそ検討すべきであります。  第二に、本法案は、事業認定段階の見直しとともに、収用委員会の審理で事業認定が違法だと主張することを禁止し、地権者が多数の場合も審理で発言者を制限する、収用手続の土地・物件調書への署名押印を廃止し、補償金も郵送で送りつけることを可能とする措置を盛り込んでおります。その理由について、政府の説明資料は、収用手続にかかる膨大な労力とコストが事業計画をおくらせているからだとしております。しかし、事業者内部の事務処理負担にすぎない問題を権利者の財産権収用の簡便な手続によって解決しようとするのは本末転倒であります。すべては早期収用を最優先させ、そのためにトラスト運動を初めとする反対運動対策を意図したものであることは明らかであります。  第三に、本法案は、手続の簡略化に加えて、土地収用の適格事業として地方自治体が設置するリサイクル施設や廃棄物処理センターが建設する廃棄物処理施設を追加するとしています。しかし、第三セクターは情報公開法や関連する条例の適用外であり、住民が用地選定の適否を判断するための知る権利が保障されておりません。これでは廃棄物処理施設用地の選定への住民参加や環境影響評価が万全でないまま用地不足の解消だけを優先することになり、地権者のみならず、周辺住民の不安と不信を今以上に大きくするだけです。  現在の公共事業は、計画段階において関係住民にすら情報が十分に開示されず、公共性や公益性について住民を含め議論して合意形成を図る仕組みがありません。事業の計画段階から透明性や公正性、住民参加が保障されていないもとで土地収用手続を簡略化することは、最終段階での意思決定への住民参加の場をこれまで以上に狭め、むだな公共事業の推進を一層容易にするだけであることを強調して、反対討論といたします。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  土地収用法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、寺崎君から発言を求められておりますので、これを許します。寺崎昭久君。

寺崎昭久民主党・新緑風会

○寺崎昭久君 私は、ただいま可決されました土地収用法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、無所属の会及び自由党の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     土地収用法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、事業の施行について利害関係者等の理解を得るため、事業計画の策定段階における住民参加、情報公開等に関するガイドラインの早期作成をはじめ、対話型行政を積極的に推進するための措置を講ずるよう努めること。  二、事業認定の中立性、公正性等の確保を図るため、社会資本整備審議会で事業認定に関する審議に関与する委員については、法学界、法曹界、都市計画、環境、マスコミ、経済界等の分野からバランスのとれた人選を行うとともに、事業推進の立場にある中央省庁のOBの任命は原則として行わないこと。  三、同審議会における事業認定に関する審議には当該事業に利害関係を有する委員は加わらないようにするなど、運用の中立性、公正性等を確保するとともに、議事要旨の公開に努めること。  四、公聴会については、開催期日等の十分な周知を図るとともに、議事録を公開するなど情報公開の徹底に努めること。  五、公聴会で述べられた住民等の意見は第三者機関に的確に伝えるとともに、公述人相互の間で質疑が行えるようにするなど、住民意見の吸収の場という公聴会の本来の役割が果たせるよう、規則改正を含め必要な措置を講ずること。  六、事前説明会については、開催期日等の十分な周知を図るとともに、起業者と利害関係人との間の質疑応答を実施するなど、実効性のあるものとするよう努めること。  七、改正法の公布後に事業認定の申請がなされた事業については、事業認定の透明性等の向上を図るという改正の趣旨を踏まえ、公聴会の義務的開催など改正の内容に即した運用を図ること。  八、今回の法改正の趣旨にかんがみ、政府は各都道府県と協議して、収用委員会の役割が的確に果たされるよう努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) ただいま寺崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 多数と認めます。よって、寺崎君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、扇国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。扇国土交通大臣。

扇千景自由民主党・保守党国土交通大臣

○国務大臣(扇千景君) 土地収用法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議を賜りまして、ただいま可決されましたことを深く感謝、御礼申し上げます。ありがとう存じました。  また、この審議中にいただきました多くの委員の皆さん方の御高見、またただいまの附帯決議において提起されました社会資本整備審議会におきます事業認定に関する審議の中立性、公正性、そしてその確保に、課題につきましては、我々も今後その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じております。  また、ここに委員長初め各委員の先生方の御熱心な御論議に対しまして心から御礼を申し上げて、ごあいさつにさせていただきたいと存じます。  どうもありがとう存じました。

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) これより請願の審査を行います。  第一一九号建設労働者のための公共事業制度の改善等に関する請願外百三十七件を議題といたします。  本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。  これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、保留とすることに意見が一致いたしました。  以上のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  国土の整備、交通政策の推進等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

今泉昭民主党・新緑風会

○委員長(今泉昭君) この際、一言ごあいさつを申し上げます。  本年一月の就任以来、委員長の職責を全うすることができましたのは、ひとえに皆様方の御協力のたまものだと感謝を申し上げます。この場をおかりいたしまして厚く御礼を申し上げます。  どうもありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会

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