厚生労働委員会 第19号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/06/26
会議録
○委員長(中島眞人君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十五日、山本保君、朝日俊弘君及び釜本邦茂君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君、本田良一君及び鹿熊安正君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に斉藤滋宣君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局公務員部長板倉敏和君、財務省主計局次長杉本和行君、文部科学省高等教育局私学部長石川明君、厚生労働省健康局長篠崎英夫君、厚生労働省医薬局長宮島彰君、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長岩田喜美枝君、厚生労働省年金局長辻哲夫君、社会保険庁運営部長冨岡悟君、農林水産大臣官房総括審議官川村秀三郎君及び農林水産省経営局長須賀田菊仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川橋幸子君 連日お疲れさまでございます。最終盤に差しかかっておりまして、いま少しおつき合いいただきたいと思います。 さて、年金三法といいましょうか、確定給付、確定拠出、四〇一kと言われる大きな企業年金の枠組みの法案が先週議決されたわけでございますが、きょうは残る農林年金の統合法案についての質問をさせていただきます。 この法案につきましては民主党は賛成でございます。衆議院でも審議が行われ、また附帯決議としても当事者間の皆様方の要求も含めた三点にわたる事項が決議されているところでございます。きょうも傍聴席には関係者の方々がたくさん来ておられるわけでございます。 年金問題につきましては、非常に大きな日本の年金制度の将来像をどう描くかというそういう将来ビジョンの問題につけ加えまして、それぞれの年金がそれぞれの発生の由来、経過を踏まえましてそれを一元化し統合していくことは、逆の意味で非常に難しい問題であると考えております。 今回の農林年金の統合法案につきましては、紆余曲折はあったものの、当事者の方々の真摯な御努力で円満な法案成立までこぎつけたわけでございますので、附帯決議の施行も含めて法案に賛成であることを前提にいたしまして、さらに今後の施行について要望させていただきまして、質問に入りたいと思います。 特に、その要望事項の一つといたしましては雇用確保の問題、これが現実の問題として人々の暮らしに直結する問題として大変大きいのではないかと存じます。ぜひ、雇用確保等の問題について、適正な対応を含めて今後の施行に当たっていただきたいということを申し上げさせていただきます。 それでは、以上を前置きといたしまして、質問に移らせていただきます。 年金一元化ということがよく言われるわけでございますけれども、一元化の意味ということが割合抽象的なままで使われることが多いように感じられます。年金一元化の意味について、そして年金一元化に向けての今回の統合の問題もございますし、残る年金の統合の問題もあろうかと存じます。そこで、年金一元化の一元化という意味、そして統合に当たっての基本的な考え方、一番最初にこの大きな問題を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 一元化のお話は、もう非常に古くから言われておった問題でございますが、とりわけ、昭和五十九年でございますか、閣議決定をされましてから特にこの問題につきましてはその推進に向けて動いてきたというふうに思っております。一元化という言葉と、一体化という言葉も初めはございましたし、いろいろな言い方がございましたけれども、一元化というふうに言われます以上は、やはりその中身におきましても一体化をされていくということでなければならないだろうというふうに思っております。 今回、皆さん方の御努力によりまして、農業共済が厚生年金保険と統合をしていただくということになったわけでございますが、あとまだ残っておりますのが国家公務員共済、それから地方公務員共済、そして私学共済と、この三つがまだ残っているわけでございます。しかし、これも将来的にはやはり一元化の方向に向かって進まなければならない課題だというふうに思っている次第でございます。 二〇〇四年が次の財政再計算のときになっておりますけれども、そのときまでにと申しますか、そのときを目途にと言った方がいいのかもしれませんが、国家公務員共済と地方公務員共済、これは財政単位の一元化を図って、そして国家公務員、地方公務員もこれは同じ内容にしていきましょうということにぜひしてもらいたいというふうに思っております。 それから、私学共済の方は、お若い先生方も多いものでございますから、なかなかいろいろ御意見のあるところでございますけれども、しかし将来のことを考えましたときに、やはり一元化の方向に御一緒にやはり進んでいただかざるを得ないというふうに思っております。 したがいまして、この私学共済の方につきましても、保険料の引き上げの前倒しでありますとか、そうしたことでこれは国家公務員共済あるいは地方公務員共済、こちらの方と一遍同じになっていただいて、それから全体で一緒になっていただくのか、あるいは最初から厚生年金保険の方に一緒になっていただくのか、これは今のところまだちょっとはっきりいたしておりませんけれども、とにかくさまざまな条件をまず一体化していただいて、そして将来に備えていただくようにしていきたいというふうに思っている次第でございます。それを二〇〇四年までにはぜひおやりいただいて、そしてその後、本格的なこの一元化に向けて進めなければならないというふうに思っております。 大変難しい問題も国家公務員あるいは地方公務員の場合には含んでいるだろうというふうに思いますけれども、しかしこの公的年金の一元化という大きな前提の中にありまして、それらの困難な問題も乗り切っていかなければならないと考えておるところでございます。
○川橋幸子君 大臣から、大筋大きな考え方の話と、これからの国家公務員共済、地方公務員共済の統合の話、それから私学共済が将来どうなるかの話、三問ぐらいに分けて伺おうかと思っておりましたら、まとめて、かえってわかりやすくお答えいただいたように存じます。 政府参考人の方々にわざわざお見えいただきましてお答えいただくように事前に通告しておりましたのですが、大臣の答弁で尽きているような感じもいたしますけれども、せっかくお見えでございますので、やはり答弁をお願いしてみたいと思います。 結局のところ、大きな公的年金の一元化の方向に向けて将来進めていくとして、当面は財政基盤を、何というんでしょうか、統合していくというか平準化していくと、こういう手法でもってそれを実現していくということのようでございます。この点につきまして、大筋はもう大臣から答弁いただきましたけれども、国家公務員共済、地方公務員共済について、次期財政再計算の時期にどのように財政単位を平準化させ考えていくのか、技術的な問題をわかりやすく御答弁いただければありがたいと思います。
○政府参考人(杉本和行君) では、国家公務員共済の立場から、今後の年金一元化についてどのように考えているかということでお答えさせていただきます。 坂口大臣から御答弁があったとおりでございますが、まずは公務員という職域に適用されます国家公務員共済、地方公務員共済につきまして、両制度間で財政調整を図りつつ保険料の一本化を目指すという意味で財政単位の一元化ということでございますが、これを早急に実現することとしております。二〇〇四年の次期財政再計算は、財政単位の一元化を前提に実施することとしたいと考えております。 さらに、その先の被用者年金制度のいわゆる二階部分の統一的な枠組みの形成につきましても、本年三月十六日の閣議決定、これに沿いまして適切に対応していきたいと考えております。
○政府参考人(板倉敏和君) 地方公務員共済の立場で御質問にお答えを申し上げたいと思います。 先ほど来御答弁がございますとおりでございますけれども、まずは公務員グループといたしまして財政単位の一元化を早急に実現することとしておりまして、二〇〇四年、平成十六年の次期財政再計算は、財政単位の一元化を前提に実施したいと考えております。 財政単位の一元化と申しますのは、先ほどもお話がございましたように、複数の年金制度の財政単位を一体のものとしてとらえまして、これを計算の基礎として年金財政を運営していくということと考えておりまして、国共済と地共済との財政単位の一元化のあり方としましては、組織、制度としては独立をしたままで、両制度間で財政調整を行いつつ、最終的にいわゆる保険料率を一本にするということと考えております。 具体的な調整の仕組みにつきましては、今後設置をされます検討の場において十分検討してまいりたいと考えております。 さらに、その先の被用者年金制度のいわゆる二階部分の統一的枠組みの形成につきましても、三月十六日の閣議決定に沿いまして適切に対応をしてまいりたいと考えております。
○川橋幸子君 まず財布を一つにすることから始めるということでございますが、それぞれのお話にございましたように、協議を十分に重ねていただきまして、円滑な一元化に向けての御努力をお願いさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。 それでは、残る一つ、私学共済が公務員以外の共済で残っているわけでございますけれども、先ほど大臣の方からも、現時点では厚生年金に統合するかどうか、これはまだ結論が出ていないということでございます。ただし、財政再計算をしたときに、今回の農林年金のように財政が悪化してもたなくなるから厚生年金と一緒になるということでは、厚生年金の方は本当に年金共済制度、年金を共済する共済制度のような非常に損な役割を担うことになる。現にそのような関係者の方々からの不信感も聞かれるわけでございます。 ということで、被用者年金制度における私学共済の位置づけの意味も含めまして、私学共済の今後のあり方、年金一元化に向けての検討のあり方について御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(石川明君) ただいま先生の方から、私学共済の位置づけあるいは意義のようなことも含めてというお話がございました。 私学共済の目的や役割と申しますのは、私立学校に優秀な教職員を確保し、また安んじてその職務を果たすことができますように、国公立学校教職員の福利厚生に準じた制度を設けるということでございました。 そこで、今後の検討の方向といいますか、今後につきましても、国公立学校教職員の福利厚生との均衡を保つというようなことを念頭に置きながら、国共済あるいは地共済の検討などを踏まえながら、公的年金制度の一元化の推進という大きな流れの中で私学共済をどのように位置づけていったらいいのか、そしてまたそのために必要と考えられる措置は何かなどにつきまして、ただいま厚生労働大臣からもさまざまな選択肢といいますか、それからステップ等、お話があったわけでございますが、それらを頭に置きまして、今後関係者の間で協議、検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○川橋幸子君 それでは、以上三問の他の共済関係に対する答弁はこれで結構でございますので、御退席していただいて構いません。 さて、それでは、今回の統合に当たりまして一番大きな議論の的になったのは、やはり移換金の問題ではなかったかと思います。幸い、当事者間では円満な合意が見られたようでございますが、数点確認をさせていただきます。 厚生年金、国民年金の積立金についてもかなりの赤字が出ておりまして、どこでも年金財政は大変なわけでございますけれども、今回統合するに当たりまして、農林年金の側からは積立金、一兆六千億円でございますか、これを厚生年金の方に移換されるということでございます。実際にいつどのような形で移換なさるのでしょうか、具体的な時期と、現ナマを持っていかれるのかどうか、原資の問題を含めて伺います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 積立金の移換金一兆六千億、この取り扱いについてのお尋ねでございます。 現ナマをいつというお尋ねもありましたけれども、おっしゃるように、農林共済の積立金からの移換金一兆六千億につきましては、積立金の資産管理状況などを踏まえて、できるだけ早く移換されることが適切というふうに考えております。 これまでの年金制度の統合におきまして、既に平成九年四月から統合いたしましたJR共済あるいはJT共済、NTT共済などの事例がございますけれども、やはり基本的には当該年度に支払いを行う、それが基本ではないかと思っておりますが、もちろん状況によりまして一定年限にわたって分割して支払いを行ったという事例があるわけであります。 では、今回どうするかということでございますが、今回の移換の具体的な時期、方法につきましては、今後、法案を成立させていただいて、農林水産省や農林共済組合とも御相談をしながら検討してまいりたいと思っておりますが、今申し上げましたように、今までの経緯から、一括でしていただけるということになるか、あるいは分割かというのは、今の時点ではまだ申し上げられない状況でございます。
○川橋幸子君 移換する前の積立金本体、二兆円あるというわけでございますけれども、この本体そのものも適正に管理されていて現在本当に存在するのかどうかということも、この金融不安の中では、はた目からというと恐縮でございますけれども、そういう感じがあるわけでございます。どのように運用されているのか存じませんけれども、本当に二兆円は確保されているのでしょうかという問題と、この金融状況の中で、不動産、株などで保有している場合は目減りということが考えられますが、その目減りの心配はないのかということを確認的にお尋ねさせていただきます。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林年金の積立金の目減りの問題をお尋ねでございます。 平成十一年度末におきまして、農林年金の資産残高が約二兆円、正確には二兆十六億円でございます。その内訳は、投資有価証券等が約八割でございまして、預金が一二%ということで、残りが福祉事業の貸付金ということになっているわけでございます。 そして、この二兆十六億円の残高に対します時価評価が二兆一千二百四十七億円ということになっておりまして、約一千二百三十億円程度の評価益ということでございます。資産価値の目減りはしていないということでございます。有価証券の運用におきまして約一千億円の含み益がございまして、資産運用には問題がないというふうに認識をしております。
○川橋幸子君 資産管理は大丈夫であったということでございますね。 それでは、その次の問題でございますが、今回移換するに当たりましては千六百億円の上乗せ保険料が算定されているわけでございます。それが厚生年金への移換金になっているわけでございます。これは、これからの組合員数の減少というリスクを見込んでこの一千六百億円が算定されているわけでございますけれども、まずその減少数の見込みというのは確実なのでしょうかということと、もし、こういう雇用情勢、あるいはさまざまな聖域なき改革という、この御時世でございますので、そうした見込みが狂った場合にはどのようにそれを担保しようというおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(桝屋敬悟君) 今、上乗せ保険料一千六百億のお話をいただきました。これは、委員もお話しされましたように、今回の統合に当たりまして、将来の農協等の職員が見込み以上に減少する可能性があるということから、千六百億円の上乗せ保険料を求めるということになったところでございます。 農協職員の今後の見通し等については私どもがお答えする立場ではございませんが、この額につきましては、積立金の移換金一兆六千億と合わせまして今回の統合に伴う移換金総額一兆七千六百億円という水準で、委員からもお話がありましたように、厚生年金あるいは農林共済の双方の関係者の合意が得られたというところでありまして、この合意は大きいというふうに思っております。 ただ、御指摘とは逆に、組合員数がこの見込みほど減少するかしないかということですが、仮に見込みほど減少しなかった場合におきましてもこの一千六百億円を減らすことはないわけでありまして、逆に組合員数が見込み以上に減少しても追加の負担を求めるということはないということで合意をされたというふうに理解をいたしております。
○川橋幸子君 それでは、もう一問この統合法案について伺います。 そもそも論と言われるかもわかりませんが、やはりそもそものところをしっかりと、責任の所在を明らかにしていただきたいと思うのでございます。 農林年金は、地方公務員並みの給付を目指すということでそもそも昭和三十四年に分離独立されたわけでございます。それが今回、出戻りと言うと変ですけれども、戻られるというわけでございます。厚生年金から飛び出されて今になって結局戻ってくるということは、厚生年金の側からはまた不満も聞かれるところでございますけれども、そもそもこういう農林年金の運営が心配だったのではないかということが言われてもいたし方がないのではないかと思います。年金自体の話よりも、農協、漁協関係のそうした組合の経営方針にも影響するのかもわかりませんけれども、やはりこうした農林年金に行き詰まりが見えていたことに対してちゃんと対策を講じていなかったという組合、あるいはそれを指導監督、支援してきた農水省の責任というのは大変大きいのではないかと思います。 農林年金の運営が大分ジグザグいたしました。この原因と責任の所在はどういうところにあったのか、農水省の方からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 先生御指摘のように、農林年金が厚生年金から離脱をいたしましたのは昭和三十四年のことでございます。当時、農地改革から十年余ということでございまして、三ちゃん農業というような言葉に代表されるように、そろそろ農業の曲がり角というものが見えてきた時代でございまして、農業の振興について関係機関に対して強い要請があったわけでございます。 先生今御指摘のように、農村社会で人材のとり合いをしておりました市町村役場に負けない待遇ということで、厚生年金から離脱をいたしまして独自の共済制度をつくったと。また、このときの事情には、当時の厚生年金が職員五人以上でないと入れないという事情がございまして、当時、農林漁業団体の三分の一がこれを満たさないというような事情もあったわけでございます。 いずれにいたしましても、今から振り返りますと、財政単位が大きければ大きいほど年金は安定していくという点、それからその後の経済成長によりまして厚生年金の内容が充実をしていったという点について思いが至らなかったということでございまして、大変私どもも農林年金サイドも反省をしているところでございます。 そして、今般、御承知のように、農村社会におきましては高齢化が全国平均より約十五年先取りをしているというような状況がございまして、成熟化の度合いが厚生年金よりも農林年金は高いということ、そして加入者規模が小さいままでは就業構造の変化の影響を強く受けるというようなことで、厚生年金サイドの財政に支障のないように所要の移換金等を準備いたしまして、統合を目指すこととしたわけでございます。
○川橋幸子君 とにかく、振り返ってみれば、結果として仕方がなかったという言葉になってしまうのかもわかりませんけれども、これを奇貨というのはちょっと言葉が適切ではないと思います。こうした経験をさらに今後の私学共済の問題等々に生かしていただいて、今後の公的年金の一元化あるいは年金財政の安定等に御努力いただきたいということを申し上げまして、年金関係の法案はこれで質問を終わらせていただきまして、残る十三分ばかり、最近起きましたベビーホテルの問題について質問をさせていただきたいと思います。 私、住まいが板橋でございますので、豊島区の無認可保育所ちびっこ園池袋西の痛ましい乳児死亡事故というものが、地理的な距離が近いというのも大変即物的でございますけれども、大変憂慮されるのでございます。 小泉内閣におきましては、保育園の待機児童ゼロ作戦ですとか、あるいは学童保育の充実とか、非常に数量的な目的を定められまして熱意を示してくださっております。これは、子供を持つ共働きの夫婦にとっては大変ありがたいことではございますが、一方で現実にこのようなベビーホテルの痛ましい事故を拝見いたしますと、株式会社ちびっこ園、本社富山ということでございまして、本来、公的な部門でこうした子育てを支援するという、なかなか子育ての面については民間はペイしないからという話があったわけでございますが、株式会社経営でこうした事件が出るとき、これから保育園を充実していく、その場合には現在の小泉内閣の姿勢の中では弾力的な運営をやっていきたい、必ずしも全部公がやるわけではないというような姿勢が示されているときに、大変不安に感ずるところでございます。 ということで、まず今回の事件についての厚生労働省の方の指導監督の責任について伺いたいと思います。
○政府参考人(岩田喜美枝君) お答えしたいと思います。 これは東京都が今中心になって取り組んでいただいているわけでございますが、東京都におきましては、事件がございました直後、三月に、そして六月に入りましてからは二十五日、昨日も含めて二回、合計三回、都内に十四の関連の施設がございますので、その全数に立入調査をいたしまして実態把握をし、問題があるところについては指導、勧告をしているということでございます。 また、先生おっしゃいましたように、本社が富山市でございますし、また全国に関連の施設が東京都の、都内のものも含めて六十六カ所ございますので、厚生労働省といたしましては、本社に指導いたしますとともに、全国の関係する施設がございます都道府県、市に対しまして、ちびっこ園関連の施設に早急に全数立入調査をしまして指導監督するようにお願いしたところでございます。
○川橋幸子君 けさNHKのニュースを見ていましたら、画面にベビーホテルの問題が取り上げられておりました。私も登院前の短い時間にちらっと聞いたことで、数字が間違っているかもわかりませんけれども、アナウンサーが伝えておりましたことは、NHK独自の調査だそうでございますが、いわゆるベビーホテルと称される無認可保育の実態について全国的に調べられたところ、まず防災設備、安全設備が整っていないというのが七割ぐらい、それから職員が不足だというのが四割弱、三六%というふうに聞きました。それから、無認可というわけですから厚生労働省の方の基準というわけにはいかないのかもわかりませんが、面積が不足しているというのが二割というふうな、こんな数字が出てきております。 こういう数字については、厚生労働省はどんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(岩田喜美枝君) 十二年に実は神奈川県大和市のベビーホテルでやはり乳幼児が死亡するという大変痛ましい事件がございました。そういうことで、厚生労働省としましては、すべての都道府県に対しましてベビーホテルの全数に立入調査をし、その結果を報告するようにということでその報告を求めていたわけでございます。 NHKにつきましては、情報公開法に基づきまして私どもの方に情報提供の要請がございまして、法律に基づいて情報公開をいたしました。ですから、NHKが取り上げられました数は私どもが都道府県から集約した数でございまして、おっしゃいましたように、立入調査をいたしました九百八カ所の中で、私どもが認可外保育所に対して最低限の基準として指導基準を設けておりますけれども、その指導基準に合致しなかったものが六六%程度ございまして、その中でも、まさにおっしゃいましたように、非常災害に対する措置が十分でないとか、子供の健康管理のための健康診断等が行われていないとか、必要数の保育者あるいは保育室の面積等が確保されていないというようなところが少なからず見受けられたわけでございます。
○川橋幸子君 大臣に伺わせていただきたいと思います。 一つは、先ほど来申し上げておりますように、小泉内閣では働く母親に優しい社会づくりということで、待機児童ゼロ作戦等々そうした子育て施策、施設の充実を打ち出しておられるわけでございますけれども、現実にこれだけ母親にとっても子供にとっても優しいとはとても思えないような状況の悪い無認可施設があること、こちらの改善が先ではないかということを考えますのがまず第一点でございます。 それから第二点は、私がきょうNHKでたまたまニュースを見て耳にしたこの数字は、もとは厚生労働省の数字と伺ったわけでございますけれども、NHKからの情報公開法を利用しての資料要求だったんですか。むしろこういうものは、そこにニュースソースがあるということがわかるメディアからの要求というよりも、行政の側から公表していただきたい。場合によっては、私は非常に劣悪なところでしたら名前を公表してもよいのではないか。それによって、母親や、もちろん母親だけじゃなくて父親にも自衛してもらうという、こういう手もあるのではないかと思います。 現在の子育てに対して支援策を充実するとおっしゃっている現状の中では、むしろ現状の改善が先ではないかというその趣旨と、もうちょっと情報を公開して、それを社会全体の中で防いでいく、予防していく、こういうようなことがとられないものか、この二点について大臣に伺わせていただきたい。恐れ入ります、大臣で。
○国務大臣(坂口力君) 無認可の保育所を含めまして、このベビーホテルもそうでございますが、無認可のものを一体どうするかということが非常に大きな問題だと思うんです。認可保育所の方はいわゆる認可基準もきちっといたしておりますし、そしてそこの指導等も行き届いておりますからこれはよろしいわけでございますが、無認可の方は全くどこも把握をされていないというような状況が続いてきているわけでございますので、大きく言って無認可保育所をこのままにしておくということはこれはよくないのではないか、何とかここのところをもう一段、ゼロか一〇〇%かというのではなくて、中間にもう一つ中二階をつくることができないかといったようなことで、今議論を実はしてもらっているところでございます。 そして、無認可保育所にできるだけ認可保育所になっていただくように、できるだけ認可保育所の規制緩和もしてできるだけなっていただきやすいようにしていきたいというふうには思っておりますが、それでもなおかつ無認可保育所というのは残るわけで、そして無認可保育所はどういう状況になっているかということが全く把握されないところも多いわけでございますから、そこはどこかでやはり少し把握をしていくということにしないとうまくいかないのではないかという、これは私の個人的感情もございますけれども、そんな思いを実はいたしております。 したがいまして、東京がとられましたように、いわゆる都道府県段階で面倒をいろいろ見ていただくというのも一つの方法だと思います。横浜などでおやりいただいているような方法もあるだろうというふうに思いますし、そうしたことも含めながら、やはり大事なお子さんをお預かりするわけでありますから、ただ単にいわゆる商業ベースで事が進んでいるというだけではいけないんだろうというふうに思っておりまして、そこを一体どう整理していくかということのこれはもう決着をぼつぼつつけなきゃならない時期を迎えているのではないかというふうに思っている次第でございます。それが一つ。 それからもう一つ、情報公開のことにつきましてはそれは当然でございまして、我々の方、できる限りこれから情報公開をしていきたいというふうに思っている次第でございます。
○川橋幸子君 それでは、検討を急いでいただきますようにお願いいたしまして、きょうこの質問を朝のニュースを見ました関係で突如お願いいたしまして、どうも局長、御苦労さまでございました。 予定した質問が大分積み残りましたが、一点だけ伺わせていただきたいと思います。 経済財政諮問会議の基本方針の中で、いわゆる教育バウチャーという言葉はばらまきになるのでその言葉は使わない方がよいと、こういう御議論があったようでございますが、その骨太方針の中では、これからは人材立国を目指すんだと、働く人々のエンプロイアビリティーということがこの委員会の中では随分言われますけれども、そうした個人の自己啓発を促進すべきだというようなことがこの基本方針、骨太方針の中ではさらに強調されているわけでございます。 ところが、これは六月二十二日の朝日でございますけれども、個人の自己啓発を現在の雇用保険事業の中で十万円アップして限度三十万まで補助すると。しかし、この朝日の記事によりますと、講座の補助金を伸ばして、例えばここではノヴァ、駅前留学ノヴァの例が引かれているわけでございますけれども、受講料が上がるだけ学校を喜ばすだけ、カルチャースクールを喜ばすだけで、これは何ら再就職支援にはつながらないのではないかと。しかも、この八代尚宏さんとおっしゃる方は、保険加入者だけにお金を配る発想それ自体も問題なんだという、このような記事があったわけでございます。 私も個人啓発は支援すべきとこの委員会で大臣にお願いしてきた人間でございますけれども、やはりこうした問題がメディアに大きくとられるとすると、これからの方法を再考していただかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂口力君) この個人啓発の問題も大事な問題でありますと同時に、大変難しい問題も含んでいるんだろうと思います。やはり個人啓発をどんどんやろうということになってまいりますと、それを利用する側が、悪用と言いますとちょっと言葉は悪いですけれども、何かそれに便乗しようという思いが出てくることも事実だろうと思いますし、余り便乗作戦にこちらが乗るようなこともよくないというふうに思います。 ですから、とにかく皆さん方に新しい能力をみずから身につけていただけるようにするためにはどうしたらいいか、そしてその人がその新しい能力を身につけて新しい職を求めていただきますためには、その内容はまたいろいろ千差万別だろうというふうに思いますが、そこのところを、千差万別のところをどのように整理していくかということに尽きてくるんだろうというふうに思っております。 したがいまして、余りその便乗作戦に乗せられるということではなくて、こちらの方もチェックにチェックを重ねながら、しかし勤労者の皆さん方がこういう新しい仕事を自分は身につけてこういうやはり職につきたいというふうな思い、それは実現ができるようにしていかなければならない。そこは難しい橋渡しだと思いますが、そこをしっかり私たちもやっていきたいというふうに思っています。 バウチャー制度というのもあるいは一つの方法かもしれないんですが、これも先に渡してしまいますと、そうするとその券を持ってその人がどこへ行ってもいいということになってしまいますと、これまたばらまきになってしまう可能性もあるものですから、その方が本当に習いたいところはどこかということを見定めていただいて、そしてこういう能力を私は身につけました、そしてこれを生かして次の就職に役立てますというふうに言っていただいたときに後から支払いをするというのがいいのか、そこのところは一考を要するところだというふうに思っておりまして、確かにバウチャー制度という言葉が出たことも事実でございますけれども、そこはひとつよく考えてやらせてほしいということを我々としては申し上げているところでございます。
○川橋幸子君 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 農林年金一元化法案についてですが、この法案については今までの経過からやむを得ない措置だというふうに考えております。ただし、幾つか問題点を感じておりますので、その問題をまず最初にただしたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事亀谷博昭君着席〕 まず、農林年金の統合の前の期間に係る給付現価は七兆七千五百億円でありますけれども、それに対して財源は七兆九千五百億円、二千億円も財源の方が多いわけですが、これについて御説明を願います。
○政府参考人(辻哲夫君) 少し長くなることをお許しいただきたいと思います。 まず、平成十四年三月末の農林年金の加入者等の統合前の加入期間に係る厚生年金に相当する総費用の統合時の給付現価は、再評価・物価スライド分を含めまして御指摘の七兆七千五百億円でございます。これを賄うための財源の考え方は、基本的に次のとおりでございます。 まず、統合前の加入期間に基づく再評価・物価スライド分を除く厚生年金相当給付に要する費用は基本的に移換金で賄うものであり、これが一兆六千億円、次に国庫負担が一千百億円、残りの部分は、農林年金が存続したとするならば、農林年金の加入者であった者の今後の厚生年金相当の保険料収入のうち統合前の再評価・物価スライド等に充てられるものが統合時の現価で見ますと六兆八百億円となっておりまして、今申しました移換金一兆六千億円、国庫負担金千百億円、そして将来の保険料で賄うべき六兆八百億円、これを足しますと七兆七千八百億円になりまして、今申しました統合前加入期間に係る給付現価である七兆七千五百億円を三百億円上回っている。したがって、統合前期間に係る厚生年金に相当する費用を賄えるという見通しにまずなっております。 ただし、この保険料収入現価六兆八百億円は、今後の農協等の被保険者数について平成十三年度末までに五万人削減された後、厚生年金の被保険者数に連動するという前提で推計されたものでございまして、今後の産業構造や就業構造の変化によってこの推計がどういくか、変動する可能性があるということでございます。 学識経験者、厚生年金関係の労使、各共済年金の関係者等から成る公的年金制度の一元化に関する懇談会におきましても、農協等の被保険者数の見込みは楽観的という指摘もあったところでございまして、将来の農協等の被保険者数が当初の見込みより変動するリスクへの対応として、所要の上乗せ保険料千六百億円を納付することで関係者が合意したところでございます。 その結果、財源の合計は先ほど申しました七兆七千八百億円と今の千六百億円を加えた七兆九千四百億円となり、一方において必要となる給付現価は先ほど申しました七兆七千五百億円でありますので、正確に申しますと千九百億円収入の方が上回っておる、こういう計算になっております。
○小池晃君 上乗せ保険料千六百億円を乗せたと。この千六百億円の、じゃ数字の根拠は何なんでしょう。
○政府参考人(辻哲夫君) 上乗せ保険料につきましては、先ほど申しましたように、将来の農協等の被保険者数等の見込みにつきましては、当初の見込みより変動するリスクがあるということで、その対応として納付することが必要とされたものでございます。 具体的には、過去の農林年金の組合員数の平均的な変動の程度に着目しますと、昭和五十七年度から平成十三年度、十三年度は見込みでございますが、この二十年間における平均的な変動の程度は、実績を調べますと二・七%となっております。この千六百億円は、農協等被保険者の将来の保険料収入の見込み額、今申しました六兆円強の二・七%に相当しておりまして、今後の被保険者数の見込みからの乖離のリスクをカバーできるものとなっております。
○小池晃君 そもそも二〇〇一年度末以降は厚生年金の被保険者数に連動した加入者数を想定して組んでいるわけでありまして、厚生年金の被保険者数と比較しての変動リスクであればわかるんですけれども、そうでない、二・七%という数字は私は根拠が非常に薄弱だというふうに思うんですね。 公的年金制度一元化に関する懇談会の会議録ではこんな発言もあります。「農協組合員の減少見込み問題について確固たる数字はなかなかできない、そのようになってくると、やはり両者を足して二で割るというのは、こういうときにはしようがないのではないか。そういう計算でやりましたということが国会である程度わかるならば、それで法律も通っていくのかなと思うわけであります。したがいまして、最も簡単に言えば、一兆五千二百億円と一兆八千八百億円を足して、それを二で割った一兆七千億円というものを移換金として出す。これが最高限度かな。」という発言があります。 今の数字に置きかえれば、移換金を一兆九千六百億円とするか、あるいは一兆六千億円とするか、これはもめたけれども、一兆六千億円に差額の約半分、千六百億円を保険料という形で上積みすることによって政治決着をしたと、こういうことなんじゃないですか。この千六百億円そのものに私は数字的な根拠はないんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○政府参考人(辻哲夫君) 今申しましたように、積算については相当数理的に徹底した精査を行って計算したものでございまして、問題はまさしく農林共済の将来の加入者数をどう見通すかというところに議論が収れんいたしまして、これはなかなか見通すことが困難だということの中で、関係者間の真剣な議論の中で、先ほど御説明した変動リスクをカバーするという考え方で、大変真剣な議論の上で関係者間で合意が得られたということで、私ども適切なものであると考えております。
○小池晃君 その真剣な議論の中でこういう発言をされているわけですよ。これが私は本音だと思うんですね。 上乗せ保険料で、二〇〇四年九月までが二・一四%、それから二〇〇八年九月まで一%徴収すると。これは、農林年金の現行保険料率は一九・四九%でありますけれども、厚生年金の保険料率一七・三五%にこの上乗せ二・一四を上乗せしても同率ということになるわけでありますけれども、今までは三階部分を含めた料率でありましたわけで、今後は厚生年金本体だけで一九・四九%の保険料率と、厚生年金より高い保険料を払いながら給付は厚生年金と同じということになるわけです。 そもそもこの千六百億円の上積みというのは、これは農協がこれから行われるいわばリストラを見込んだものでありまして、これによるマイナスというのは、本来これは事業主が私は負担すべきものだと。これを労使折半である保険料で労働者にもかぶせるということには問題があるのではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(辻哲夫君) まず、農林共済年金の統合に当たっての基本的な移換金の考え方を重ねて御説明申し上げますが、基本的にはその統合前の農林共済の加入期間に対応する給付のために必要な費用を、積立金からの一時金で納付する額と旧農林共済年金加入者が統合後に厚生年金に納める保険料、これによって賄うこととされまして、このうち統合後の旧農林年金加入者の保険料収入については、今申しましたように、就業構造や産業構造の変化によって加入者数が現時点の見込み以上に減少する可能性があることから、このリスクに対応するものとして上乗せ保険料としてまさしく御指摘のように納付していただくこととしたものでございます。 〔理事亀谷博昭君退席、委員長着席〕 一方で、この考え方の背景でございますが、積立金からの今申しました一時金としての納付金については、統合前の農林共済年金の加入期間に対応する給付に係る給付現価ということで、それは再評価とスライド分等を除いておりますけれども、これは統合後の加入者に変動が生じてもいわば変動しない確定した額でございますのに対して、やはり統合後の変動によって保険料収入が減少するリスクに関しましては、統合後の旧農林共済の加入員に相当するものの上乗せ保険料、すなわち事業主負担と加入者負担、労使折半の上乗せ保険料で対応することが適当であると考えております。
○小池晃君 いや、私の質問に答えていらっしゃらないと思うんですけれども、私はやはり今後の変動のリスクというのは、これは本来事業主が負うべきものであるというふうに思います。統合後に入る職員は、言ってみれば厚生年金よりも高い保険料を支払いながら、実際の給付は厚生年金と同じということになっちゃうわけですね。これは大変問題なんではないか。 私は、こういう大変な問題を補う意味でも、これは事業主負担による企業年金をつくらせる、そういう方向でやはり厚生労働省としても取り計らうべきではないかというふうに強くこの経過を見て思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(辻哲夫君) るる御説明申しまして恐縮でございますが、今御指摘の上乗せ保険料というのは、統合後の農林年金加入者が見込み以上に減少し、保険料収入が減ることのリスクに対応するものとして設けられるもの、すなわち保険料収入が減ることについての、減るリスクについてのものでございまして、保険料である以上は労使折半で御負担していただくべきものと考えております。 この場合の考え方としまして、仮に農林共済が厚生年金に統合されないまま、加入者が見込み以上に減り、年金財政が悪化して加入者の保険料を予定以上に引き上げざるを得ないこととなれば、それは当然労使折半の保険料で負担していただくこととなる、このことの裏返しでもございますので、私ども、労使折半の保険料としていただくことが妥当であると考えております。
○小池晃君 聞いたことに答えて。企業年金について。
○政府参考人(辻哲夫君) 企業年金は、これはもとより拠出そのものが企業の拠出を前提とした制度でございますので、さまざまな条件変化に基づいた追加拠出は、もとより企業拠出が責任である企業年金による事業主負担でございまして、あくまでも労使折半を基本とする…… 失礼しました。企業年金をどうするかという御指摘ですね。失礼しました。 事業主負担による企業年金を設けるべきではないかということにつきまして、これはまさしく基本的には事業主負担を基本とするというのが企業年金でございますが、この点、具体的にはどんな仕組みがあるかと申しますと、事業主拠出を基本とする厚生年金基金、加えて新企業年金が、今回法案通していただきました新企業年金がございますし、それからあるいは今度は企業型の確定拠出年金、これも事業主拠出でございますが、こういった新たな選択肢がございまして、この新たな選択肢を活用するのかどうかという問題でございます。これにつきましては、農林共済における労使間で十分議論していただいて、そこにおいて結論を出していただくことが適切な問題であると考えております。失礼いたしました。
○小池晃君 労使間協議でということ以上の話はないわけですけれども、経過から見てもこれは特別な事情、経過だったわけでありますし、そういう意味ではやはり何らかの行政としての十分な配慮というものが私はあってしかるべきだというふうに思いますので、その点についての配慮をすべきだということを申し上げたいというふうに思います。 ちょっと時間の関係で年金の問題、これだけにさせていただきまして、薬害ヤコブ病の問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 この問題、命あるうちに解決をという願いもかなわずに、ことしになって被害者である谷たか子さん、林琢己さんが長期の闘病の末に亡くなられた。大変悔しく無念であります。このような悲しみを二度と繰り返さないためにも、国は責任を認めて、一刻も早い全面解決が被害者、家族の切なる願いでありますけれども、これにこたえることが今厚生労働省には求められていると。 ところが、五月二十一日に国が大津地裁に提出した薬害ヤコブ裁判の最終準備書面、この中には国に責任はないという主張に終始しているわけです。さらに、遺族を深く傷つけているのは、個々の被害者について薬害ヤコブ病であることに疑問を投げかけている、ヤコブ病じゃないんじゃないかという指摘までしているということであります。 中でも、谷たか子さんの問題について私は取り上げたいんです。 この最終準備書面では、亡くなられた谷たか子さんについて、CJDではなくてほかの疾患の可能性も否定し切れないというふうに言っているんですけれども、その根拠は一体何でしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) クロイツフェルト・ヤコブ病の診断基準につきましては、現在三段階が設けられておりまして、一つは診断確実例、それから二つ目が診断ほぼ確実例、三つ目が診断疑い例というふうに三段階ございます。このうちの診断確実例につきましては、特徴的な病理所見を有する例、またはウエスタンブロット法や免疫染色法で脳に異常なプリオンたんぱくを検出し得た症例というふうにされているところでございます。 したがいまして、クロイツフェルト・ヤコブ病につきましては、いわゆる剖検により脳に異常なプリオンたんぱくを検出し得た場合には確定的にクロイツフェルト・ヤコブ病と診断できますが、これ以外の場合には、クロイツフェルト・ヤコブ病診断基準に該当するとしても、個々の症例が確実にクロイツフェルト・ヤコブ病であるとは言いがたい場合があるとされているところでございます。 谷たか子さんの症例につきましては、剖検の結果がないことから臨床症状から判断せざるを得ないというところでございまして、訴訟上得られました資料を踏まえれば、谷たか子さんの症例は診断基準の診断ほぼ確実例に該当するものと考えております。また、谷たか子さんの症例につきましては、多くのクロイツフェルト・ヤコブ病の症例とは異なった経過をしていたという所見も複数あるというようなこともございまして、医学的評価としては、剖検がなされていない以上、アルツハイマー病等、他の疾患の可能性を完全には否定し切れないものというふうに考えているところでございます。
○小池晃君 経過が長いというふうにおっしゃるんだけれども、専門家の研究でも二年以上の臨床経過を呈する症例というのは二四%あるんですね。 そもそも診断基準に合致して診断ほぼ確実例というふうに厚生労働省自身が認定したからこそ特定疾患としての扱いにして、医療費の自己負担の軽減も行ってきたわけであります。そういう点でいえば、この谷たか子さんの例について、医学的、学問的に正確にCJDかどうかということを言っているんじゃないんですよ、これは。これはやはり厚生労働省としてクロイツフェルト・ヤコブ病として扱ってきたことは間違いないじゃないですか。ここのところまで否定されるんですか。そこは間違いないでしょう。
○政府参考人(宮島彰君) 現在、裁判上で事実関係を解明していくという形での議論がなされているところでありますけれども、その際に、私どもとしては、まず客観的、医学的に事実関係を明らかにするという観点から、今申しました診断基準に照らし合わせましてクロイツフェルト・ヤコブ病を確定的にするというためにはいわゆる剖検というものが必要であるという見解のもとに主張をしているところでございます。
○小池晃君 私、大臣に今のを聞いていてお伺いしたいんです。解剖しなけりゃ確定しないんだ、そういうことが遺族にとって一体どういう影響を与えるか。 それから、この谷さんの場合、準備書面に書いてある、経過が長いから他の病気かもしれないというのが御遺族の気持ちを大変踏みにじっているんですよ。自分たちが本当に献身的に看護に当たってきた、その結果四年九カ月という闘病生活を送られたんです。私も実際おうちに伺いましたけれども、本当に家族みんなで一生懸命看病をされていたんですね。それなのに、経過が長いから他の病気かもしれない、解剖していないから確定していない、こういうことを厚生労働省が最終準備書面で出したということは、本当に御遺族の気持ちを傷つけていると。 私は、準備書面のこの部分を撤回すべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) このクロイツフェルト・ヤコブ病につきましての裁判につきまして、私も最初からの経過を全部存じ上げているわけではございません。まだ最初からの経過、そしてどういうことがその中で議論されてきたかということの勉強が全部済んでいるわけではございません。 しかし、厚生省の側が、国の側が裁判を受けたことだけは間違いがないわけでございまして、こちら側はどちらかといえば受けて立っているわけでございます。したがいまして、裁判が現在進行をしているわけでございまして、裁判の中のやりとりというのは、我々の一般常識的なふだんの会話とか、あるいはまた単なる医学的なやりとりといったものとは若干また内容を異にするところも私はあると思うんです。 最近、幾つかの裁判事例がございまして、国が敗訴いたしましたりいたしましたが、それらのものを全部ずっと、裁判の判決等をずっと全部、全文を読ませていただいたりしている経過の中でもそう感じたわけでございますが、いろいろの裁判の中では双方の言い分というのはやはりございます。しかし、それは裁判の中でのいろいろのやりとりであって、この谷たか子さんとおっしゃる方が、発症から四年間でございますか、療養生活上大変な御苦労をなさったということはこれは間違いのない事実だろうというふうに、私も率直にそう思っております。 しかし、裁判上の中でいろいろのことが、双方問題点を指摘して法律的にこれ争っていくわけでありますから、そのやりとりの中にはいろいろなことが出てくるんだろうというふうに思いますけれども、そこは小池先生や私が今まで所属しておりました単なる医学の世界だけの話とは若干それは違うのではないかという私は気がいたします。 このクロイツフェルト・ヤコブ病という新しい病気に対する診断のあり方、これもまだ確定的に、これだったらもう確定できるという、その言われるものがきちっと確立をしているのかしていないのかというようなこともございますし、病理解剖をされましてそしてそれが確定すればそれははっきりするのでしょう。しかし、病理解剖もできないということになれば、そこまでその診断が明確にいかないということは、それはやはりあり得ることではないかという気はいたします。
○小池晃君 私は、医学の話をしているんじゃなくて、行政の姿勢の問題を言っているんです。裁判の中でいろいろやりとりする、それはあるでしょう。しかし、こういう形で長く経過があったからヤコブ病じゃないかもしれないというような言い方が、御遺族の心情を考えたときに、やりとりの中であってさえも許されるのか、あっていいのかと私は問題提起をしているわけであります。 そのほかにもいろんなことが書いてあるんです、この最終準備書面には。例えば、三十二歳で発症した被害者について老年性痴呆の可能性を挙げている。それから、十一名の被害者のうち七名までを自然発生の孤発性のCJDの可能性を挙げている。自然発生のCJDというのは百万人に一人しかいないのに、これが十一人中七例だという。これは医学的に見たとしても大変矛盾が大きい。やはり準備書面のこうした内容についてよく吟味して、これは撤回するべきだということを申し上げたいと思うんです。 さらに、お配りした資料ですが、これは先日、薬害ヤコブの弁護団が、情報公開法に基づいて開示された文書であります。この資料の一を見ていただきたいんですが、これは九六年の十一月十八日、汚染された硬膜の輸入元である日本ビー・エス・エスの山本社長に対するヒアリングの結果であります。 これは、二枚目を見ると、二枚目の下の方なんですが、八八年に谷たか子さんが手術をした大津市民病院に未処理の硬膜が納入された経過について、こういう質問に対して山本さんはこう答えているんですね。「売った利益分が父の退職金的なものとしてすべてもらえることになっていたので、暮れまでに売れるだけ売ったからだ。」と。このようにして売られた未処理硬膜で谷さんはヤコブ病になったわけです。 このヒアリングの内容を見ると、最初の方には、山本さんという人は八七年にB・ブラウン社からいわゆるCDCが出したレポートを、この硬膜が危険だというレポートを受け取った記憶があると。このクロイツフェルト・ヤコブ病の感染の危険性についてはある程度知っていたにもかかわらず危険な未処理硬膜を売りまくった、お父さんの退職金だと。これはお父さんがやっていた会社を引き継いでこの硬膜を扱っていたわけですよ、この日本ビー・エス・エスという会社は。 厚生省は九六年十一月に、まさにこれは谷さんが提訴したころですね、こういうヒアリングをやって、こういう事実をつかんでいたわけですね。局長、お答えください。
○政府参考人(宮島彰君) 御指摘の資料は山本社長から当方の担当者がヒアリングしたものをまとめたということでありますので、御指摘の事実は、これは掌握していた、承知していたということだと思います。
○小池晃君 これは重大な情報ですよ、こういう売り方をしていたんだということは。こういう事実を厚生省はつかんでいたにもかかわらず、なぜ今回この情報公開で開示されるまで隠し通してきたんですか。
○政府参考人(宮島彰君) これは、これまでは通常一応基本的に内部の行政処理の文書として保存されていたものというふうに思いますが、今回、情報公開法に基づきまして請求があったために基本的にそういったものも含めて公開するという対応をしたものと承知しております。
○小池晃君 この間ずっとこのヤコブ病の問題をこの国会でも、衆議院では集中審議もやって議論をされてきたわけですけれども、大変重大なこういう情報が今まで、請求がされるまで厚生労働省は持ったまま隠していた。私は、この姿勢、大変責任重大だと思います。 さらにお聞きしたいんですけれども、日本ビー・エス・エス社は、九六年の六月にドナーが追跡できない製品について自主回収を開始した、七月二十九日には厚生省に対して国内にはアルカリ未処理製品は存在しないという報告をしているんですね。 厚生労働省としては、この未処理製品の回収というのは順調に進んでいたと、そういうふうに認識されていたんでしょうか、この当時。
○政府参考人(宮島彰君) 平成八年の五月にB・ブラウン社が日本のビー・エス・エス社に対しましてライオデュラの回収を指示いたしまして自主回収をしたわけでありますが、この自主回収は、いわゆるアルカリ未処理製品の回収ということでなくて別の要因、すなわちドナー追跡ができない製品がまじっているということが判明したために回収を指示したというものであります。 その後、平成八年に緊急全国調査を行いまして、その中間報告の中でいわゆるヤコブ病と疑われる者の中に硬膜使用の手術を受けた方が相当まじっているという中間報告を受けまして、六月に中央薬事審議会におきまして、アルカリ未処理製品につきましては既に使用期間が切れているけれども医療機関在庫がないか確認させることが望ましいということで、輸入販売業者二社に対しましてアルカリ未処理製品在庫の有無の確認を指示したところであります。それを受けまして、七月二十九日に両社から国内にアルカリ未処理製品が存在しない旨の報告がございました。 ただ、その後、八月に同じく中央薬事審議会からさらに医療機関に対して再度アルカリ未処理製品の在庫の有無の情報提供を行わせることが適当という意見を受けまして、厚生省としても、今度は都道府県を通じまして再度医療機関におきますアルカリ未処理製品の在庫の有無の調査依頼をしたところでございます。その結果、いわゆる十五の医療機関から五十二枚の在庫があるということが判明いたしましたので、その回収を販売業者に指示いたしまして、十月にその回収が終了したという報告を受けたところでございます。
○小池晃君 こうした経過も今初めてだと思うんですが、答弁されたのは。 この六月五日の時点で、もっと早い時点で、六月五日に、今回開示された資料の中にあるんですけれども、凍結乾燥ヒト硬膜についてのヒアリングというのをやっているんですね。そこで日本ビー・エス・エス社は何と言っているかというと、医療機関にある在庫品数は把握していないと。要するに、卸のところまではわかるけれども、病院まで行っちゃったらもうわからないんだというふうにビー・エス・エスは言っているんですよ、このときに。 だから、もう厚生省としては、もっとその八月とか九月より早い段階からこの未処理硬膜の在庫が病院に残っている可能性が大変強いということをつかんでいたんじゃないですか。
○政府参考人(宮島彰君) 今御指摘のように、六月五日に日本ビー・エス・エスからヒアリングを行いました。それと、先ほど申しましたように、平成八年に行いました緊急全国調査の中間結果も出ましたので、六月十九日に中央薬事審議会を開催いたしまして、先ほども触れましたように、アルカリ未処理製品の医療機関在庫がないかを確認させることが望ましいという意見をいただきましたので、厚生省としては、直ちに輸入販売業者二社に対しましてアルカリ未処理製品の在庫の有無の確認を指示したという経過でございます。
○小池晃君 要するに、八七年の時点で大変問題になっていた汚染された硬膜が九六年の時点でかなり日本の医療機関に残っているという事実をこの時点でもうはっきり厚生省も把握していたと。 九月九日には、きょうの資料2、四枚目に入れてありますけれども、厚生省の担当者名で日本ビー・エス・エスの社長あてに二十一の医療機関名を挙げて未処理硬膜の在庫が確認されたという調査を指示しているわけですね。九六年九月の時点で未処理硬膜が病院にこれだけ残っていたということを厚生省自身が把握していたわけであります。 何でこんな事実を全く今日まで明らかにしなかったのか。これ重大じゃないですか。もう問題になってから十年もたっても日本の病院にいっぱいこの未処理硬膜が残っていたということを厚生省は把握していたわけでしょう。そのことをなぜ今日まで明らかにしなかったんですか。
○政府参考人(宮島彰君) 先ほど申し上げましたように、六月に第一回目に厚生省から輸入販売業者二社に対して在庫の有無の確認を指示したわけでありますが、その際は、先ほどもありましたように、七月二十九日の回答では存在しないという旨の回答が両社からありましたが、再度、八月に改めて都道府県を通じまして医療機関における在庫の状況を調査しましたところ、十五の医療機関で五十二枚の硬膜が発見されたというものであります。 この点につきましては、今使われています資料の中でも、なぜその六月段階の自主回収でそれが把握できなかったかを販売業者に問いただしているわけでありますけれども、その回答によりますと、医療機関においては、既に有効期限が過ぎている硬膜でありますので既に廃棄用として処置していたために業者からの要請のあった回収対象とは考えなかったという対応であったという回答が寄せられているところであります。
○小池晃君 九六年、ビー・エス・エスの方はもう国内には存在しないという報告をしていたわけですけれども、その時点で存在をしていたと。そういう意味ではこの報告は極めて不十分な報告であったということは、これは事実としてお認めになりますね。
○政府参考人(宮島彰君) 一たん存在しないという報告を得た後に改めて確認したところ、先ほど言いましたような在庫が発見されたということでありますので、最初の報告は不十分な報告であったというふうに言わざるを得ないと思います。
○小池晃君 こうした在庫が確認された未処理の硬膜はその後直ちに処理されたと。今、十五のところから報告されて処理されたというような報告なんですが、本当に直ちにこれはすべて処理されていますか。間違いないですか。
○政府参考人(宮島彰君) その後の十月二十三日に、日本ビー・エス・エス社より、この回答のありました十五機関のものにつきましては回収を終了したという報告を受けております。
○小池晃君 これは、私の調査では、在庫は直ちに処理されなかった可能性もあるのではないかというふうに思っております。 いずれにせよ、きょう、いろいろと御紹介しました。今まで明らかでなかった新事実が次々と出ているわけであります。九六年の時点まで旧処理のライオデュラが回収されずに使われた可能性があるということでありますから、これはこれから新たな患者が発生する危険性、可能性だってあるわけであります。 私は、厚生省は幾つも何回もこれに気づくべきときが多々あったのに見過ごしてきた、しかもこれだけ重大な資料を弁護団が情報公開法に基づく開示を求めるまでじっと黙って保管をしていた。私は、こういうあり方を反省しないで薬害の防止なんて絶対できないと思うんですよ。 大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう形で今まで隠ぺいしていたことのやはり責任を痛感されているかどうかお聞きしたいということと、このことを踏まえて徹底的にこの問題、厚生労働省が持っている情報をすべて明らかにして、やはり徹底的に調査すべきだというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂口力君) 情報公開でこれは出したわけですから、これは出したんですから問題はないというふうに思っておりますが、いずれにいたしましても、これは裁判になっている話でございますので、厚生省がとってまいりましたことが誤りであったか、それとも誤りでなかったかは裁判で判断されるものと思います。
○小池晃君 情報公開法で出したからいいんだというのは開き直りですよ。それは請求されて出したんでしょう。もう法律で決まっているから仕方なく出したわけで、これはこの間、国会で何度も議論になってきた。衆議院では予備的調査も行われた。そのときに本来出すべきだったんですよ、こういうことをつかんでいたのであれば。これは重大な情報じゃないですか。それを今まで弁護団が請求するまで出さなかった。私、これは極めて責任重大だというふうに思います。 委員長にお願いしたいんですが、薬害ヤコブ病の問題について以前から集中審議の申し出もしております。こういう新たな事実も出てきている。これは集中審議をすべきだと。それから、日本ビー・エス・エス社の山本社長を当委員会に参考人として招致してこの問題についてただすべきだというふうに考えますが、委員長にお願いしたいと思います。
○委員長(中島眞人君) 理事会にお諮りいたします。
○小池晃君 全体として、きょうの議論の中で新たな事実が明らかになったと思います。 先ほども言ったように、厚生省はこの問題について、ライオデュラの承認時、それから八七年のアメリカの第一症例の報告がされたとき、さらに第二症例が報告されたとき、それから国内で新潟大学の症例が明らかになったとき、この問題に気づくべき時点というのはたびたびあったと。 それから、九六年の時点では既にこのビー・エス・エスの山本社長から大量に売っている、このことが明らかになってからも売っているという情報まで得ていた。だとすれば、こういう情報を明らかにしてこの危険性を、これで手術された人がいるかもしれないんですから、これは知らしめるべき情報ですよ、国民に対して、当然。 そういうことをせずに、気づくべきときに何の手も打たずに、今は情報公開法で請求されて出したんだから問題ない、こういう態度では、私はこれは第二、第三の薬害エイズあるいは第二、第三の薬害ヤコブ病がこれからも起こっても全然不思議じゃないと。 こういう厚生労働省の姿勢に対しては大変怒りを覚えた、怒りを持って抗議したいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○大脇雅子君 農林年金統合法案について質問をいたします。 農林年金が独立分離路線を捨て厚生年金との統合を余儀なくされた背景には、農協自身の経営の失敗とそれに伴う大幅な人員整理があります。今回の農林年金の統合は、そもそも農協が大幅な人員削減をしなければならなくなった原因の究明と責任の追及なしには国民の理解を得られるものではないというふうに考えます。 特に、かつての住専問題の背後には農協マネーの存在が取りざたされました。バブルの崩壊とともに、農協が保有する不良債権化した資産が今日の農協の混迷を招いたのではありませんか。 公費負担による住専処理については当時厳しい批判がなされましたが、今回の厚生年金による農林年金の救済についても、農協の経営責任については厳しく追及されなければならないと考えます。また、監督官庁である農林水産省にも農協に対する監督責任があり、さらには農林水産省自身の見通しの甘さなど、農政の失敗が農協をこのような窮地に至らせたという側面もあると思います。 これらの問題について、国民に対する農林水産省の説明責任は極めて重いものがあります。国会においても国民が納得できるようきちんと説明すべきであると考えますが、農林水産大臣の御見解と御説明を伺いたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農協の人員の削減の問題でございます。 先生御指摘のように、平成七年、八年、九年にかけまして住専問題が起こりまして、住専問題自身に関しましては、住専の設立の経緯でございますとかあるいは破綻に至った原因につきましては農協系統に責任があるわけではなかったわけでございますけれども、金融機関として多額の資金を貸し込んだということについて十全でなかったのではないかということから、政府・与党合意におきまして大胆なリストラと内部の再編を検討すべきとされまして、平成九年十月にJA全国大会で三十五万人の職員を五万人削減するということを決めたわけでございます。 我々農林水産省あるいは大蔵省ともに金融業務に関して指導監督する立場にあったわけでございます。総量規制通達等、当時出ておったわけでございまして、関係者に対する注意喚起等を行ってきたわけでございますけれども、最終的には当時の経営環境のもとで農協みずからが個々の経営判断に基づき住専への貸し込みが行われたということでございます。私どもも、こういう住専への貸し付けを行うに至った背景等につきまして整理点検を行いまして、金融機関として健全化を図るための体制整備につきまして平成八年の末に農協改革法を出し、それに基づいて農協系統の経営努力というものを促したわけでございます。 その後も農協につきましては、特に担い手等についての農協離れというものが進んでおりまして、やはり農協の平等主義というのが担い手にとっては大口割引がない等々不満もございまして、現在、農協離れが進んでおる等々ございまして、今国会にも農協改革法というのをお出しいたしまして、真に地域農業の振興のために農協がお役に立つような業務体制の整備でございますとか信用事業の不良債権の処理でございますとかの体制を整えたところでございまして、私どもの指導と相まちまして、何とか農業振興のお役に立つような農協経営というものを確保していきたいというふうに考えているところでございます。
○大脇雅子君 戦後、農協は農村の民主化を担って農業振興の中心的な役割を果たしてきたものであったと思います。今後、日本の農業立て直しにおいて農協のさらなる改革が果たされるよう、そして国民のものになっていくよう私は要望をしたいと思います。 被用者年金制度の統合につきましては、今回の農林年金の統合においても、前回のJR、JT及びNTTのいわゆる三共済の統合時のスキームが援用されています。JR共済等の統合と農林年金の統合とでは、農林年金が近い将来破綻することの遠因が農協による投機の失敗にあるという点で全く事情が異なるのではないかと思われます。三共済統合の当時と比較すると、現在の方が運用利回りは低下しております。 なぜ今回の農林年金の統合においても前回の三共済統合されたときの考え方で統合をしようとしているのか、納得ができないところがございますので、説明を求めたいと思います。
○政府参考人(辻哲夫君) まず、御指摘の統合に当たっての移換金につきましては、学識経験者、厚生年金関係の労使、各共済年金の関係者等から成る公的年金制度の一元化に関する懇談会におきまして御議論をいただき、関係当事者の合意のもとに考え方を整理されております。 その中身を具体的に申し上げますと、まずその統合時点、平成十四年三月末でございますけれども、この時点における農林年金の受給者及び組合員については、統合前の加入期間に基づく再評価・物価スライド分を除く厚生年金相当給付に要する費用を推計し、しかも御指摘の予定利回りを四%によりその一時金に換算しますと一・九六兆円となります。 しかしながら、平成十一年再計算において予定利回りが五・五%から四%に変更されて四%になったものでございまして、このような予定利回りの変更に伴う一時金換算額の増加分が〇・三六兆円含まれております。このような予定利回り変更分は、年金数理のあり方といたしまして将来に向けての変更によるものでございますので、将来に向けての追加拠出を求めるのが通例でありますことから、農協等の加入者が統合後に厚生年金に納付する保険料から賄われることとなり、かつそれだけの収入現価が将来に向けて確保されているということが確認されまして、そして一・九六兆円から予定利率変更分〇・三六兆円を控除した一・六兆円を積立金から納付することとしたものでございます。 このように、積立金から納付される移換金は、独立して年金制度を運営してきた保険者としての財政責任に見合うものとして、平成九年の三公社共済統合の例を踏まえながら、今申しましたように予定利回りの変更についても財源の確認をいたしまして、その後のいわば事情変更も勘案して算定されたものでございまして、統合により厚生年金財政への悪影響はない、独立した制度間の統合として厚生年金財政への悪影響はないということを確認されておりまして、このようなことから移換金の水準は妥当なものと考えております。
○大脇雅子君 公的年金制度の一元化の推進につきましては、本年三月の閣議決定において「被用者年金制度の統一的な枠組みの形成を図るために、」「財政単位の一元化も含め、更なる財政単位の拡大と費用負担の平準化を図るための方策について、」「二十一世紀初頭の間に結論が得られるよう検討を急ぐ。」こととされています。 私立学校教職員共済の今後の取り組みについて、文部科学省に閣議決定を踏まえた今後の取り組みについて見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石川明君) ただいま先生からお話しございましたように、本年三月の閣議決定におきましては、私立学校教職員共済につきまして被用者年金制度における位置づけ等につきましての検討を行うこととされているところでございます。 御案内のように、私学共済の目的や役割と申しますのは、私立学校に優秀な教職員を確保し、また安んじてその職務を果たすことができますように国公立学校の教職員の福利厚生に準じた制度を設けるということでございます。 そこで、今後につきましても、国公立学校教職員の福利厚生との均衡を保つというようなことを念頭に置きながら、国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合の検討を踏まえつつ、公的年金制度の一元化の推進という大きな流れの中で私学共済をどのように位置づけていくのか、またそのために必要と考えられる措置は何なのかなどにつきまして関係者の間で協議、検討してまいりたいと、このように考えておるところでございます。
○大脇雅子君 次いで、閣議決定に言う「二十一世紀初頭の間に」とは具体的にいつまでを言うのでしょうか。さらに、その間、政府としてはどのような取り組みを行う予定なのでしょうか。政府の年金担当大臣である坂口厚生労働大臣にお伺いいたします。 また、閣議決定では、被用者年金各制度から社会保障審議会年金数理部会への報告とその検証が求められています。そこで、各制度の報告の内容と年金数理部会による年金財政の検証結果については必ず情報の開示がなされるよう強く求めたいと思います。ついては、その方法やルールを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 昭和五十九年でございましたか、公的年金一元化に向けましての閣議決定がされまして、そしてずっとそれから今日まで経緯があったわけでございますが、ことしの三月十六日、もう一度また公的年金制度の一元化の推進についての政府としての基本方針が定められたところでございます。 ここにおきましては、いわゆる国家公務員の共済年金とそして地方公務員の共済年金の財政単位の一元化に向けまして二〇〇四年の次の再計算までに進めていく、そして今、私学の年金のお話も出ましたけれども、私学年金の方につきましても保険料の引き上げの前倒しでありますとか、今かなり安くなっておりますが、これをぜひ要件をできるだけ一緒にしていただくように協力していただくといったようなことを行っていく、それが二〇〇四年まででございます。 それが進んだその後、一体どうするのかという御質問かと思いますが、これはなかなか難しいお話でございまして、その後、国家公務員あるいは地方公務員の共済年金をさらにいわゆる公的年金制度の一元化ということに持っていくためにはかなりの努力が必要だろうというふうに思いますけれども、しかしその後、これはすぐにその方向で進めていかなければならない問題だというふうに思っております。 その進めていきますのに、それじゃそれをいわゆる二十一世紀初頭、初頭というのは一体いつまでにこれをやるのかという話になるわけでございますが、初頭というのはいつかというのはなかなか言いにくいわけでございますが、私の思いとしてはまあせいぜい十年前後ぐらいまでには何とか、初頭というんですからこれはやらなきゃならないことではないかというふうな気がいたします。その辺のところにねらいを置きながらこの公的年金の一元化というのを進めていく。 そしてもう一つ、御提案のありましたいわゆる年金に対する情報公開。やはりどういう計算で現在この年金の計算をしているかということをもう少しわかりやすく皆さんに提示する必要があるのではないかというふうに思っています。また、専門家の皆さん方がごらんになって公的年金についての計算をどういうふうにしているのか、どういう条件をコンピューターの中に入れて計算をしているのかといったようなことについて、もう少しやはり専門家の皆さんは専門家の皆さん方として納得のしていただけるような情報公開が必要になってくるのであろうというふうに思っております。それらのことも行いながら、専門家の皆さん、そしてまた一般国民の皆さん方から見ていただいて、なるほど現在の国の年金の計算はこういうふうに行われて、そしてこういう結果になるんだなということが御理解をいただけるようにぜひしていきたいと思っているところでございます。
○大脇雅子君 よろしく対応をお願いしたいと思います。 次に、農林共済組合の職員の雇用問題についてお尋ねします。 職員数とかあるいは残存業務を遂行するための職員数等については衆議院の委員会で明快になっておりますけれども、農林共済組合が存続する期間というのはおよそ何年ぐらいを考えていられるのでしょうか。 それから、農林共済組合の統合後、組合に勤務する職員については整理縮小が余儀なくされることは明らかでありますが、共済組合職員の雇用については、統合時の一時的な対応にとどまらず、雇用問題が完了するまで政府が責任を持って対応していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 今回の農林年金の統合に伴いまして、厚生年金部分は移換されるわけでございますけれども、職域年金部分、いわゆる三階建ての部分につきましては、今回その部分についての制度は廃止するわけでございますけれども、これまで生じた年金債務についての給付業務というものが残るわけでございます。 その給付業務が続く限りこの農林年金が存続組合として続き得るという状況にあるわけでございますけれども、業務量についての組織、業務体制の簡素化を伴いながら、いつまで続くかということになりますと、例えば今二十歳代の人の平均余命を見ると六十年から八十年というようなことになろうかと思いますけれども、そういう業務が続く限り存続組合として続き得るという状況にあるわけでございます。 そして、今回の厚生年金部分の統合に伴いまして農林年金の業務量は縮小するわけでございまして、要員調整ということは避けて通れないわけでございます。農林年金の構成団体が五月末に雇用対策委員会というのを催しまして、当面の目標といたしまして、平成十四年から十六年にかけて約四十人、それから十七年以降約二十人、合わせて六十人の要員調整目標を立てたわけでございます。これをどのように処理していくかということでございます。 一つは、農林年金みずからの努力として、農林年金が関連法人への再就職のあっせんをする。それから、この統合によりましてメリットを受けます農林漁業団体、これへの転籍でございますとか出向を措置していく。また、我々農林水産省も関係法人についての転籍、出向について取り組んでいくということで、農林年金、農林漁業団体、農林水産省、三位一体となってこの問題に取り組んでいきたいということとしております。 今後ともこういう取り組みが円滑に進みますよう万全の対応を期していきたいというふうに考えている次第でございます。
○大脇雅子君 時間がないので終わります。
○西川きよし君 どうぞよろしくお願いいたします。 短い時間でございますけれども、いろいろお伺いしたいんですが、私の方からは、まずは今回の農林年金と厚生年金統合の目的からお伺いしたいと思います。 この統合問題につきましては、これまでの一元化懇談会の会議録あるいはそれぞれの立場からお書きになっている文書、随分たくさん読ませていただいたわけですけれども、何かすかっとしないというか胸につかえるというか、何かすとんと気持ちの中から落ちないというんでしょうか、そんな感じを私自身感じております。 今回の統合というのは、これまでの政府の方針である公的年金の一元化に向けての一環であるのか、それともあるいは農林年金を救済するための統合であるのか、このあたりがそれぞれの立場によってどちらとも読み取れるような言い回しになっているというふうに私自身感じるわけですけれども、この点について、まず大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) 公的年金制度の一元化に向けた中で今回の統合が行われたことは、これはもう間違いがございません。 ただ、今日に至りますまでの間、一元化をしていきますについて、旧厚生省、現在の厚生労働省としていろいろのお話しかけをしてきたことも事実でございます。そうした中で、独自におやりをいただいております年金は、やはりできるだけは自分のところでやりたいという思いも正直言って強いんだろうというふうに思います。旧国鉄の場合もそうでございました。もうぎりぎりのところまでやっぱり自分たちでやっていきたいというふうに思われた経緯がございます。 そんなことがございますので、農林年金の方も農林共済の方も御自分でもう少しやりたいという思いがあった、そういう時期があったことも事実でございますけれども、しかし長い目で見れば、全体で見ればこれは統一化、公的年金の一元化の方向に沿った中でこれは進んできたものというふうに御理解をいただいてよろしいのではないかと思います。
○西川きよし君 今回の統合によりまして、例えば組合員に対しては職域部分がなくなるといった、ある意味で負担となるわけですが、個々の加入者からいたしますと、なぜそのような状況になったのか、どこに責任があるのか、そうした経緯、理由をしっかりと示していただかなければなかなか理解をするにも理解のしようがないということではないかなと思うわけですけれども、これまでの一元化懇談会でも、農林年金側に対して批判が非常に強く出ております。そして、一元化懇談会では農林年金側の委員の方より、農協組織として、農林漁業組織全体として深く反省をしなければならない点が多々あると思っておりますと、こういうふうに陳謝されております。この反省しなければならない点というのは、一体どういった点を指しているのかというのを御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 農林年金サイドの委員が反省すべきであるとした点は二点ございます。 第一点目は、昭和三十四年に農林年金が離脱をした経緯でございます。これは、当時、農村社会におきます農業に関する職場、市町村の役場と農協が競っておったわけでございまして、いい人材を確保するためには市町村職員に負けないような年金制度というのを構築したいということでございまして、厚生年金から離脱をして市町村職員に負けないような年金を確保するための共済制度をつくったと。たしか、この当時の試算によりまして当時の厚生年金の三倍ぐらいの年金がもらえるような、もちろん負担もそれだけ高いわけでございますけれども、そういうものをこしらえたということでございました。これが、今から考えますと、そういう小さい共済をこしらえますと年金としては安定しない、やっぱり財政単位が大きければ大きいほど安定をするという点、それからその後の経済成長で厚生年金の方の年金が充実をしてきたということについて思いが至らなかったということが反省の第一点でございます。 それから第二点目は、平成七年の一元化懇でJT、NTT、JR、この共済についての一元化というものが議論されたわけでございます。実はそのときに農林年金もどうだというふうに誘われたわけでございます。ところが、御承知のように農産物の自由化問題、ウルグアイ・ラウンド問題が当時吹き荒れておりまして、その受け入れと関連対策をめぐりまして、系統組織挙げて騒然としていたということでございます。そして、その後、平成八年、九年と住専問題が生じまして、なかなかこの問題についての組織討議をする時間がなかったということで、やっと決意いたしましたのが平成十年になりまして、十二月に統合をお願いしたいということを組織討議として決議したわけでございます。 これが、内部事情はそのとおりなんですけれども、厚生年金側にとっては今さら何だということでございますので、この一元化懇の場、それ以外の場でも陳謝を申し上げた次第でございます。
○西川きよし君 やはり負担を強いられる現場のいわゆる現役の組合員の方々に対して、また広く国民に対して、これまでの経緯の説明なり反省があって今後の対応があるんではないかなというふうに僕らは思うわけです。そういう意味では、今回のようなケースを教訓にいたしまして、各制度におきましても信頼性の確保が本当に重要なんだろうと思うわけですけれども、またそのためには、お話にも出ておりますけれども、精度の高い財政検証が求められるわけです。 この点につきまして、例えば昨年七月に社会保障制度審議会年金数理部会の報告書には次のような指摘がございます。 先ほども出ましたけれども、「詳細な情報開示の必要性」ということで、「各制度から提出されないデータがあり、今回の検証は提出資料の範囲内にとどまらざるを得なかった。各制度ができるだけ詳細なデータや情報を公開し、それに基づいて精度の高い財政検証を行うことは重要であり、各制度の真剣な取り組みを要請したい。」と、かなり厳しい表現によって指摘をされておりますけれども、この実態はどのように。
○政府参考人(辻哲夫君) これまでそのようなうらみ、うらみといいますか状況もあり、またそのような指摘がされたのも事実でございます。 本年三月十六日の閣議決定におきまして「社会保障審議会に年金数理に関する専門的な知識、経験を有する者等から構成される部会を設け、当該部会において被用者年金制度の安定性、公平性の確保に関し、財政再計算時における検証のほか、毎年度の報告を求めることを要請するものとする。」と、まずされております。 そして、これに基づきまして、去る五月十八日の社会保障審議会におきまして年金数理部会の設置が決定されており、各被用者年金制度の安定性、公平性に関し、五年ごとに行われる財政再計算時の検証をお願いするとともに、毎年度の報告を行うこととしております。 この場合、御指摘の昨年七月の報告書に指摘されているように、精度の高い財政検証を行うことは、年金制度に対する国民の理解を深め、信頼性を維持する上で極めて重要であると認識しておりまして、検証を的確に行うために、給付費、保険料収入の長期見通しはもとより、その前提となる統一的な考え方に基づいた加入者、受給者の見通し、計算基礎データ等、さまざまな資料が必要でございます。 このように、精度の高い財政検証を行うために必要なデータ等のあり方については、今後、当部会において御審議をいただき、その結果を踏まえ、詳細な情報開示がなされるように努めてまいりたいと思います。
○西川きよし君 ありがとうございました。 これまでの一元化懇の会議録を見ておりましても、財政再計算に使われてきたデータでございますけれども、このデータについての信頼性についての御議論も多々ございます。その中で、第三回目の会議におきまして、財政再計算の賞与の扱いの問題が指摘をされております。この内容についての御答弁を再度お願いします。
○政府参考人(辻哲夫君) 第三回一元化懇談会におきまして賞与、すなわちボーナスと呼ばせていただきますが、ボーナスの扱いについて論議があり、指摘がありました内容でございますが、まずその内容を御紹介しますと、総報酬制への移行に伴いまして、総報酬で基礎年金部分も含めて保険料収入が入ってくるわけですけれども、支払いの方は報酬比例部分だけにボーナスが反映するので、ボーナスの支給割合の高い制度ほど財政的に有利であるはずでございます。 一方、標準報酬ベースと総報酬ベースでは各制度の財政状況を比較した結果が異なり、平成十五年度以降は総報酬制となることが決まっているのであれば、それぞれの制度の実際の総報酬ベースの数字を用いて比較しなければ意味のある横断的な数字にはならないという指摘でございます。 そういう中で、各制度のボーナスの見込み方を当該懇談会で聞いてみますと、共済組合につきましては、実際のボーナス支給割合より低いボーナス支給割合を用いていわば計算している、これに基づき見込んでいる将来保険料率は実際より厳しいものになっている、こういうまちまちの状態というものはどうなんだと、こんな指摘があったわけでございます。 この背景でございますが、平成十二年度改正で導入された総報酬制は、ボーナスの多寡による被保険者間の負担の不公平を是正することを目的としておりまして、ボーナスについても保険料賦課の対象とするとともに、それを給付に反映させることとしております。その場合の総報酬制の導入に際しての給付の方は、被用者年金制度を一律の計算方式で給付乗率を引き下げたものでございます。 この見直しを受けまして、各制度がまちまちの見通しを持ちまして、厚生年金は保険料収入を見込むに当たって、制度独自の現実のボーナス支給割合を設定し、これを用いて財政再計算を行いましたが、共済年金制度におきましては、実際のボーナス支給割合より低い全制度平均のボーナス支給割合を設定したため、この懇談会でも指摘があったように、実際よりも厳しい保険料を見込んでいるものであるということが指摘されたと認識しております。 これらの違いがあるというのは事実でございますが、各制度の将来の保険料水準の見通しを各制度がどの程度厳しく見込むかどうかというのは各制度の判断という問題もあり、社会保障制度審議会年金数理部会が実施した財政検証では、そのような各制度の財政再計算を踏まえて、これを前提として行ったものと承知しております。 しかしながら、一元化懇談会においてその後指摘されましたように、財政再計算や財政検証の精度を高める観点からは、今後、各制度が行う財政再計算においては各制度の比較がより的確に行えるよう各制度のボーナス支給割合を、個々のボーナス支給割合を反映する方が適切であると認識しておりまして、今後はそれをもとに財政検証を行う必要があると、そういった観点で、先ほど御指摘ありましたような今後の財政検証のあり方について御検討いただきたいと考えております。
○西川きよし君 もう時間が来てしまいました。 最後は大臣にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。 懇談会の委員の方は、かなり大ざっぱな数字が出ているといった発言もございますし、専門家の方からもそういう指摘をされている内容で、まして国民の目からいたしますと、これまでの財政検証なり制度間比較に意味があるんだろうか、そうした不信感を抱く声が実際に聞こえてもまいります。 今後、一元化に関してさらに推進をしていくためには、各制度間におきましても、また国民との間におきましても、その信頼性を確保するというような観点が最も必要ではないかなというふうに私自身も本当に思います。 年金担当大臣といたしましてのお立場から最後に御答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(坂口力君) やはり公的年金制度の一元化を一日も早く進めていかなければならないと思いますし、日本のこの少子高齢化の時代を思いますと、もうそれ以外に道はないというふうに思う次第でございます。 そのためには、今までそれぞれ別の年金制度の中を歩んでおみえになりました皆さん方には、御理解をいただいて、そして一元化をしていかなければならないわけでありますから、その皆さん方にひとついろいろの立場で御理解をいただかなければならない。そのためには、それぞれの情報を公開して、そしていずれの立場であったとしても将来はやはり一つの年金として格差のないような年金にしていくのだと、それにはやはり自分たちとしてもこれぐらいは辛抱しなければならないということが両方の中でわかるようにしなければいけないんだろうというふうに思います。 そこが明確になるかどうかが、本当にこれから本格的に一つの公的年金になれるかどうかの試金石と申しますか、それによって決まるのではないかというふうに思っておりますので、情報公開を徹底して行って、そして皆さん方の御理解を得たいと思っているところでございます。
○西川きよし君 よろしくお願いします。 終わります。
○黒岩秩子君 今まで多くの皆さんの質疑を伺いまして、今回のこの法案が皆さんの御努力でこのようになってきたこと、そしてこうせざるを得ないことを私としては理解いたしましたので、賛成したいと思っております。 それを前提とした上で、今回私は、農政と農協との関係について伺ってみたいと思っております。農政と農協というのは深いつながりがある部分もあるし、また今回このようになってきた農協独自の問題もあると思いますので、分けて御質問したいんですけれども、初めに農政の問題の質問をしてみたいと思います。 私は、三十年間農村に住んでおりまして、農業にかかわる方たちからいろんな話を伺ってきているわけですけれども、その中で、私にはどう見ても農業が衰退してきているというふうにしか見えないんですけれども、そもそもそのような御認識が農水省としてはおありになるのかどうか、伺わせていただきます。
○政府参考人(川村秀三郎君) 農業が衰退した認識があるかとの御質問でございますが、昔の基本法、これは昭和三十六年にできておりまして、つい二年ほど前でございますが新しい基本法ができました。その間の状況を見ますと、農業・農村をめぐる事情は大きく変化をしてございます。例えて言いますと、食料自給率も当時は七九%あったものが今や四〇%、それから農業従事者も、当時は一千万人を超えておりましたけれども今は四百万人弱ということで、三分の一になったということもございますし、また農村の高齢化なりあるいは過疎化というものが進んで活力が低下したという、そういう意味での状況が大きく変わっているという認識はございます。
○黒岩秩子君 それで、一体その原因はどこにあるかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) この旧基本法ができましたのも、当時の高度経済成長の中で、まさに農村の人口が都市部へ流出するといったようなことがございます。また食生活の面でも、例えば畜産物でありますとか油脂でありますとか外国に多くを依存するような食べ物を国民の皆さんが選好されたということもございまして、そういう食生活の構造も大きく変わってきたということがその背景にあろうかと思います。
○黒岩秩子君 それは大変一面的なことではないかと私には思えます。 農業をやっている皆さんからいろいろ伺っていますと、日本が工業国として世界に名を上げてくる過程で農業が犠牲にされてきたというふうに思われているのが農村の大多数の見解である。それは、輸出をしていく工業製品のために農産物を輸入しなければならない、そのことによって農業が廃れてきたという認識がかなりありまして、この農産物の輸入ということが日本の農業にとってどんなことになっているのか、そこのところを伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 確かに先生御指摘のとおり、国際化が著しく進展をしております。この旧基本法ができまして以来、農産物の自由化も進んでおりまして輸入がかなりふえておると。先ほど申し上げました自給率の低下ということもその背景にあろうかと思いますが、その輸入の増加はまた、先ほども言いましたように国民の皆様方の食生活の変化、こういうものも大きな背景にあるんだろうというふうに思っております。
○黒岩秩子君 その輸入の食料品ということがどういうことであるかということについて私は申し上げたいと思うんですけれども、特にアメリカから輸入するという場合には、そこには保存料とかそういう体にとって毒なものが入っていなければならない。そういう輸入品がどんどんふえてきたことによって日本人の健康そのものも害されてきているわけだし、それによって日本の農業が打撃を受けたということもまた事実であると思います。 今おっしゃったように、そのことと深い関連がある中で日本人の食生活が変わってきたということもあると思いますけれども、農水省というのは、一つは日本の、一つはというかそれだけだと思うんですけれども、食料を確保し、その食料は健康を維持する、そのことのために存在しているのが農水省だと思いますので、私は、国産かどうかという問題を、よく有事の場合に自給率が少なくて困ると言われますけれども、私は、有事がどうかという以前に、食料というものは、みんなその地域にその地域の文化に根差したものとして食料をつくってきたわけですから、近所のものを食べるということが一番体にいいというのが原則だと思うんです。それを、遠くのところからいろいろ輸入しなきゃならないようなことを農政として行ってきてしまった、そのことによって害がある食料品がたくさん入ってきて、そしてまた、これは一番私は農水省に対して申し上げたいことなんですけれども、化学薬品を使って、あるいは農薬を使って日本の農業自体もだめにしてきてしまったのではないか、そういうことと後継者不足ということとがかなり深いつながりがあるのではないかと考えているので、そこら辺のところをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(川村秀三郎君) 先ほど農業・農村を取り巻く状況は大きく変化したということを申し上げましたが、中長期的には食料不安という中で国民の農業・農村に対する期待というものも非常に高まっております。 この新しい基本法におきましては、まさに食料の安定供給、これは一つの大きな理念として掲げております。今、先生が御指摘のございましたように、まさに安全、安心できる食べ物をいかに安定的に供給していくかということは農林水産省の大きな役目だというふうに思っておりますし、そのためにも、この新しい基本法の中で自給率の向上というものを数値目標として掲げまして、その自給率向上のために農林省挙げて各方面で取り組んでいく、こういう姿勢でございます。
○黒岩秩子君 基本的には農業というのは自分の食べるものは自分でつくるというのが一番望ましいことだと思っていますけれども、これまで農水省がやってこられたことというのは欧米並みにということで圃場を大きくしていく、そのことによって日本の農業がかなり廃れてきたということについてはどういうふうに思われますでしょうか。
○政府参考人(川村秀三郎君) やはり農業も産業としての一面を持っておりますので、できるだけ効率的な農業というものも一つは目指さなくてはいけません。そういう意味で、生産基盤の整備とかあるいは技術の革新を踏まえた技術の導入、機械化といったものが進んできたということはおっしゃるとおりなんですが、また一面で安全性とかそういうことも重要な課題でございますので、両方をにらんでやっているというのが現状でございます。
○黒岩秩子君 実はそこら辺のところで農協と大変深い関係にあるわけですけれども、農協が大きな機械を売ったり、それからまたかなり害のある農薬をたくさん売ってきたり、そのような意味で農業そのものの破壊にまで農協がかかわってきたのではないかというふうに私には思えてしまうんですけれども、農協としてそのようなことについての反省というか、そういうのはありませんでしょうか。
○政府参考人(須賀田菊仁君) そもそも農協と申しますのは、購買力でございますとか販売力の弱い農業者が共同しまして、経営面、生活面の防衛を図りながら、その共同の力をもって振興していこう、こういう組織でございます。 そして、先生、農薬でございますとか、それを敵視されておりますけれども、やはり日本のようなアジア・モンスーン地帯にあります自然条件のもとでは害虫がいっぱい出るわけでございまして、やはり共同防除のために農薬を使うということもこれ必要やむを得ないことでございます。肥料についても、地力を増強するためにやはり使うということはそう悪いことではないわけでございます。 そういう意味で、組合員農家の求めに応じまして農協がそういう生産資材を供給し、そしてできた農産物を有利に販売する、こういう組織として存在してきたわけでございます。 ただ、問題は、担い手が農協のよさをわからずに、わからずにといいますか、もう農協離れが始まっている、ここのところがむしろ今の農協の問題でございまして、大きな担い手に対してのサービスが足りない、こういうことで担い手の農協離れが行われておるわけでございまして、ここのところをもう一回農協も原点に立ち返りまして、担い手を含みます地域農業の振興というものを戦略的に行っていくべきではないかというふうに思っている次第でございます。
○黒岩秩子君 農協がどのようにしてできたかについては私も認識しております。 しかし、農協が、今のように虫を殺すことが必要だということを言われますけれども、そのことについては、土をつくるというところに原点を置いていけば虫との問題ももっと別な解決があると考えておりますので、そういう意味で、持続可能な農業という方向に、新農業基本法がそちらの方でかじを切られたということも認識しております。農協についてもそういう方向でやっていっていただきたい。 そして最後に、一つ農協にお伺いしたいのは、農協からの借金がかさんだためにかなり大変な思いをしている農家の方たちが多い、このことについての農協のお考えを聞かせてください。というのは、農家の皆さんは農協とよくよく相談をして借り入れたんだ、しかしその後、いざ困ってきたら全く農協は見向きもしないという、そういうことが言われております。そのことについてお伺いします。
○政府参考人(須賀田菊仁君) 現在、農産物の需給が全般的に緩和基調にあるということでございまして、これまで経営規模を拡大してきた方の中には、経営に対する能力は有しているわけでございますけれども、やはり負債がかさんでくる農家が少なからずおられるということは私どもも認識をしております。 そして、その中に、一部の批判といたしまして、農協が農家の知らない間に、資材の価格でございますとか農産物販売のマージンでございますとか、そういうものについての負債をふやしてしまったというようなことがあるというようなことも私どもも一部聞いているところでございます。 そこで、今回そういう状況に対処をいたしまして、農協に対するもろもろの批判、先ほど先生言われました、有機農法を組合員農家が進めたいとすると邪魔をするだとか、あるいは産直で農協を通さずに販売をしたいとするとこれもまた邪魔をするだとか、それから知らぬ間に負債がかさんでいるだとか、そういうような批判を受けまして、これからの農協のあり方として、今国会に我々としては農協改革法をお出しし、成立を見たわけでございますけれども、原点に立ち返って地域の農業振興を戦略的に行っていく、農家とのネットワーク化というものを図り、そして営農指導というものを信用事業よりも前の第一の仕事として取り組む、こういう方針を立てて今後努力するということにしているわけでございます。 そして、負債の問題につきましても、今年度から、一つは、農林漁業金融公庫というのがございますけれども、まず制度資金、土地改良の負担金、こういうものについての償還の軽減の資金を一つ創設し、それから、負債農家には負債があるということで前向きの資金がなかなか貸してもらえぬわけでございますけれども、その負債の軽減の資金と前向きの資金をあわせました資金をこれまた創設し、それから、農家の営農負債の借りかえのために農協が行います資金に利子補給をするような資金、この三つを創設いたしまして、負担の軽減、できる限りの農業経営の再建というものに努めるということにしているところでございますので、御理解を願いたいというふうに思っております。
○委員長(中島眞人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中島眞人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、柳田君から発言を求められておりますので、これを許します。柳田稔君。
○柳田稔君 私は、ただいま可決されました厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、二院クラブ・自由連合及びさきがけ環境会議の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。 一、公的年金制度の一元化については、平成十三年三月十六日の閣議決定を踏まえ、財政単位の拡大と共通部分の費用負担の平準化を図ることを基本として、一元化に向けた取組の積極的な推進を図るとともに、そのための方策については、二十一世紀初頭の間に結論が得られるよう、検討を急ぐこと。 二、被用者年金制度の一元化に当たっては、被用者年金各制度の財政状況等について、適時適切な情報の開示を行うとともに、具体的な費用負担の在り方等について、年金数理的な観点からの所要の検討、検証を行うこと。 三、農林共済年金の厚生年金への統合の際の年金の裁定、支払等の移行措置については、被保険者及び年金受給者に不安や混乱が生じないよう、万全を期すること。 四、農林共済年金の厚生年金への統合に当たっては、雇用確保等の問題に対する適切な対応を含め、円滑な施行のために適正な対応を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(中島眞人君) ただいま柳田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中島眞人君) 全会一致と認めます。よって、柳田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、最大限の努力をいたします。
○委員長(中島眞人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) ただいま議題となりました個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 社会経済情勢の変化に伴い、企業組織の再編や企業の人事労務管理の個別化の進展等を背景として、解雇、労働条件の変更等個々の労働者と事業主との間の紛争が増加しており、今後もこの状況はさらに続くものと見込まれているところであります。 このような状況に対応し、労働関係に関するあらゆる紛争について簡易、迅速な解決を促進するための制度の早急な整備が重要な課題となっており、政府といたしましては、本法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、個別労働関係紛争が生じたときは、紛争の当事者は、早期に、かつ誠意をもって自主的な解決を図るように努めなければならないこととしております。 第二に、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、事業主等に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うこととしております。 第三に、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争に関し、当事者の双方または一方からその解決について援助を求められた場合には、当事者に対し必要な助言または指導をすることができることとしております。 第四に、都道府県労働局に紛争調整委員会を置くこととし、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争について当事者の双方または一方からあっせんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認められるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせることとしております。 第五に、地方公共団体は、国の施策と相まって、地域の実情に応じ、労働者、事業主等に対する情報の提供、相談その他の必要な施策を推進するように努めることとし、国はこれらの施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずることとしております。 最後に、この法律は平成十三年十月一日から施行することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案については、衆議院において、修正が行われたところであります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いを申し上げます。
○委員長(中島眞人君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長代理吉田幸弘君から説明を聴取いたします。吉田幸弘君。
○衆議院議員(吉田幸弘君) 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律案に対する衆議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、個別労働関係紛争を未然に防止し、個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、地方公共団体が推進するように努める施策として、あっせんを明記することとしております。 第二に、第一の地方公共団体の施策として、地方自治法の規定に基づく都道府県知事の委任を受けて地方労働委員会が行う場合には、中央労働委員会は当該地方労働委員会に対し必要な助言または指導をすることができる旨の規定を追加することとしております。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(中島眞人君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
○委員長(中島眞人君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、臓器移植に関する件を議題といたします。 この際、本件につきまして坂口厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂口厚生労働大臣。
○国務大臣(坂口力君) 臓器の移植に関する法律に係る附帯決議に基づき、臓器移植の実施状況等について御報告を申し上げます。 まず、移植希望登録者数は、本年五月末現在、心臓は四十九名、肺は三十三名、肝臓は四十七名、腎臓は一万三千八十二名、膵臓は三十八名となっており、角膜は本年四月末現在、五千百九十七名となっております。また、平成十二年度の移植実施数は、脳死下及び心臓停止下における提供を合わせて、心臓は六名の提供者から六件の移植が、肺は四名の提供者から四件の移植が、肝臓は七名の提供者から七件の移植が、腎臓は六十五名の提供者から百二十六件の移植が、膵臓は三名の提供者から三件の移植が、小腸は一名の提供者から一件の移植が、角膜は八百七十五名の提供者から千五百二十五件の移植が行われております。 なお、法施行から本年五月末までの間に、法に基づき十四名の方が脳死と判定されております。 一方、脳死下での臓器提供施設につきましては、厚生労働省が作成した指針に基づく条件を整備した施設として、本年四月一日現在、三百三十八施設がこれに該当しております。また、移植実施施設につきましては、本年五月末現在、心臓は三施設、肺は四施設、肝臓は九施設、膵臓は十三施設、小腸は九施設となっております。 臓器移植の推進に当たって重要となる臓器提供意思表示カード等につきましては、厚生労働省では社団法人日本臓器移植ネットワークとともにその普及を図っており、本年五月末までに臓器提供意思表示カードは約七千二十一万枚、運転免許証用シールは約九十万枚、医療保険の被保険者証用シールは約千百九十一万枚を配布しております。 その他、最近の取り組みといたしましては、脳死下での臓器提供事例に係る検証会議におきまして、これまで五例目から七例目までの事例及び平成十一年九月の脳死判定中止事例の検証結果が報告書として取りまとめられ、公表されております。また、近年、腎臓移植及び角膜移植の実施件数が減少傾向にあることから、各都道府県や関係団体に対しまして、制度の普及、啓発等について協力を依頼しております。さらには、二つの病院において行われる心臓移植手術が医療保険の高度先進医療として承認されたところであります。 以上、御報告申し上げますとともに、厚生労働省としては、今後とも移植医療の推進に努めてまいる所存でありますので、委員の皆様におかれましては御理解を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。
○委員長(中島眞人君) なお、本日、厚生労働省から提出されております報告書につきましては、これを会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中島眞人君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十八分散会