決算委員会 第3号
- 発言数
- 172 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/06/04
会議録
○委員長(谷川秀善君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二日、益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として魚住裕一郎君が選任されました。 また、去る四月三日、海野徹君が委員を辞任され、その補欠として小林元君が選任されました。 また、去る五月八日、世耕弘成君及び中島啓雄君が委員を辞任され、その補欠として大野つや子君及び山崎力君が選任されました。 また、去る一日、小林元君が委員を辞任され、その補欠として広中和歌子君が選任されました。 また、本日、大野つや子君が委員を辞任され、その補欠として有馬朗人君が選任されました。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) 平成十年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省、総務庁、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明の聴取は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(谷川秀善君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(谷川秀善君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。 中小企業の問題とエネルギーの問題と二つに分けまして質疑をさせていただきたいと思います。 中小企業金融安定化特別保証制度は、ことしの三月に終了いたしました。これは、中小企業信用保険法の一部を改正する法律という名前で一九九八年の十月一日から実施されてきたものでございます。この間にどのような実績が上がり、成果があったのか、課題があるのか、決算を中心に質問させていただきたいと思います。 初めに伺いたいと思いますけれども、この間の特別保証の承諾件数は何件あり、保証金額は幾らになったのでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) 特別保証制度につきましては、本年三月末の保証申し込みをもって終了いたしました。まだ審査中のがございまして最終的な承諾額は確定いたしておりませんが、五月末日現在で百七十二万四千件、二十八兆九千四百億円と、広く中小企業の皆様方に御利用いただき、十分な成果を上げたと認識いたしております。
○加納時男君 数字はわかりました。 十分な成果が上がったということでございますが、どのような成果が上がったのか、具体的に質問をしたいと思います。 例えば倒産が非常にふえていた時期に、この特別保証制度をまさに例外措置として国会で議決したものでございますが、ならば倒産件数はその後どうだったのか。つまり、この特別保証制度を実施する前と後と、ずっと調べるのは大変でございましょうから、通告させていただいたようなところで四半期ごとぐらいで結構でございますから、どのくらいの件数になったのか、その推移をまず伺いたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) 私どもは、この制度がもし創設されないとすれば、非常に多くの健全な企業までが資金繰り難による倒産の危機に瀕したものと考えているところでございます。この制度を中心とする一連の金融システム不安、信用収縮対策の効果としましては、平成十年度、十一年度合計で約一万社、負債総額約二兆円の倒産が回避され、約十万人の雇用が維持されたと推計いたしております。 倒産件数の推移でございますが、特別保証創設前は、平成九年度下半期でございますが九千五百件、平成十年度上半期で約一万件ございました。それが、特別保証創設後の平成十年の下半期で約七千三百件、平成十一年度の上半期で約七千九百件ということで、いずれも減少をいたしているわけでございます。
○加納時男君 平成十一年度上期までずっと下がっているという、一万件から見ると三割とか二割とか下がったような成果があったと思います。 その後、どうでしょうか。十二年上期、下期までわかれば教えてほしいと思います。私は若干上がっているんではないかと思いますが。
○政府参考人(中村利雄君) 先ほどの一万社という計算の場合には、私ども、中小企業の売上高の経常利益率でございますとか、あるいは国内銀行の貸出約定平均金利でございますとか、地価の要因でございますとか、こうした要因を変数といたしまして、もしこの制度がなくて普通に推移した場合にはどれぐらいの倒産件数が出るのであろうかという数字と先ほどの現実に起きた倒産との差をもって効果と、こうしているわけでございます。 その後、倒産件数は増加の傾向にございまして、現在、二〇〇〇年の後半ぐらいから倒産が非常に増加しているわけでございますが、現時点ではその想定されました数値と現在の数字がほぼ同じような状況に至っているということでございます。
○加納時男君 次に伺いたいんですけれども、中小企業に対する金融機関の貸し出し態度というアンケートをいつもとっております。これの結果から見まして、貸し出し態度が変わらないとか、厳しいとか、これから厳しくなるだろう、いろんな調査をしているわけではありますが、これはどんな数字だったでしょうか。事実を伺いたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) 最近の中小企業をめぐる金融環境につきましては、平成十年ごろの未曾有の信用収縮の時期と比べますと大変改善をいたしております。私どもは、平成九年以来毎月、貸し出し姿勢実態調査というものを実施いたしておりますが、平成十年の十月では三五・〇%でございました。それが、平成十三年五月には一九・五%まで減少をいたしているわけでございます。ただ、この数字につきましては、まだ私ども厳しい状況から脱却したというふうには言い切れないと認識いたしております。また、今後貸し出し条件が厳しくなることを懸念する中小企業が若干最近増加いたしております。 このようなことから、今後とも中小企業をめぐる金融情勢を十分注視いたしまして、信用保証制度や政府系中小企業金融機関の適切な運用を通じまして、中小企業に対する円滑な資金供給を引き続き確保してまいりたいと考えております。
○加納時男君 次に、代位弁済率について伺いたいと思います。 経済産業委員会とか金融特別委員会で私はずっとこの問題を追ってまいりましたけれども、代位弁済率が月を追ってあるいは期を追って上がってくるのではないかという懸念がございます。スタート時点は非常に低いわけでありますが、最近までの累計で結構でございますから、何%になっているのか、当初の制度設計のときは何%であったのか、それの意味するところを伺いたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) 特別保証制度の保証承諾に対します代位弁済に至った額の割合でございますが、五月末で二・四六%となっております。この制度設計は実行率一〇%ということを想定いたしておりました。それに比べますとまだ低い水準ということではございますけれども、毎月毎月増加傾向にあるということでございまして、今後の景気状況とあわせまして十分注意していくことが必要だと考えております。
○加納時男君 今まで中小企業庁長官にいろいろ事実関係を伺いました。 この決算委員会は、やはり私は大臣との質疑というのは一番、何といいますか山場だと思いますので、以下大臣に、この事実を踏まえて、今後の課題あるいは対策、お考えになっていることをお伺いしたいと思うわけでございます。 それに先立ちまして、きょうの質疑を通じていろんなことが実は、短い時間でありましたが、明らかになったと思います。第一に、この特別保証制度の実施に際しまして実に多くの中小企業の方が利用されたということで、これをつくるときに私どもこれに関連しておりましたので、非常に我が意を得たりといいますか、あの厳しい状況の中でよくぞここまで利用してくれたという思いでございます。先ほど中村長官は数字を挙げられまして、百七十二万件と言われました。中小企業は今何社あるかと、いろんな統計がありますけれども、四百八十万社ぐらいだと思います。だとしますと、割り算を今してみたんですけれども、これは三六%になって、三件に一件以上の方が利用されたということですから、非常に多くの方が利用されたということ。 それからまた、制度スタートしてから一年間の延長と、それから十兆円の枠の積み増しということをやったわけでございますけれども、その成果を今伺ったところ、二十八・九兆円の保証額になった。枠としては三十兆円まで、過大ではないかという御意見があったんですが、三十兆円まで広げたものに対して二十八・九兆円ですから、割り算してみると九六%ぐらいになると思います。ですから、ほとんど我々が考えたものを目いっぱい、たくさんの中小企業の方が利用された、これは私は一つの成果だったと思います。 それから、金融機関の貸し出し態度は、先ほどのお話で、九八年のピーク時、一番悪いときに、今後厳しくなるだろうというのは三五%あったのが、最近のデータで先ほど二〇%ぐらいと答えられたと思いますが、ということはこれは確かに改善されている。しかし、二〇%というのもまだ高いなという感じはいたします。 次に、倒産件数でございますが、先ほどの御説明で、九八年上期、およそ一万件近くですね、一万件ぐらいあったものがその後減ってきた。やらなければまたもっと、一万件ぐらいふえただろうというお話があったようであります。 私も、一応データを伺っていて感じたことなんですが、九八年上期ピークでその後確かに減っているんですね、七千三百件とか七千九百件とか、三割とか二割とか減ってきたので、そのままいくかと思いますと、やはりこれはデフレ政策への対応のおくれが私はあったと思いますが、倒産件数がやっぱりふえてきております、景気はまだいまいちよくならないということもあって。一番新しいデータでは、たしかこの二〇〇〇年の下期、平成十二年度の下期は九千三百件ぐらいになっていると思いますが、そういう意味では、一たんドラスチックに下がったものがまた上がり始めているということも事実としてはあったのかなと思います。 それから、第四に代位弁済率が、これは当然時間がたつと上がってくるわけでありますが、現在のところということで先ほど二・四六%というお答えをいただきましたけれども、制度設計のときに一〇%見ていたということから見ると、かなり低い数字では今のところ来ている。 ただし、今までよかったということばかり申し上げましたけれども、この特別保証に際しまして新聞をにぎわした若干のトラブルがあったことも事実であります。それから、実際に貸し出ししたのは、保証したのは妥当であったのかどうか、厳密に見ると若干トラブルというのが、問題があったのをなしとしないことも調べてみた結果わかりましたけれども、まず全体として見るとこの制度は成功であったと私は思いますが、それについての大臣の見解を伺いたいのが一つであります。 もう一つ伺いたいのは、今後の課題でございます。 今の質疑の中でこれまた明らかになってきたことだと思うんですけれども、実際に倒産件数がひところ下がっていたのが最近は少し上がりぎみだという中村長官のお話もありました。特に、これから出てくる問題は、不良債権の処理、不良債権のオフバランス化、いろんなものが進んでまいります。当然のことながら、やっぱり痛みを伴うわけでありまして、企業の倒産も実は増加することも懸念されるわけであります。また、従来借りておられた方が借りかえをなさる話でありますとか、あるいは返すつもりであったものが返済が非常に苦しんでくる。さらには、当該の中小企業、この特別保証を利用した当該の中小企業はしっかり頑張っていても、そこの取引先の金融機関が破綻してしまうとか、その取引先が更生手続に入ってしまう、いろんなことがあります。事業活動制限というのが入ってきたりする。そのことによって、中小企業は非常に金融面で苦しい場面に陥ることも実は懸念されるわけでございます。 そういう意味で考えますと、今後の課題として、こういった苦しい状況に対する、あるいは痛みを伴う対策に伴うセーフティーネットというのが私は必要だと思います。いろんなセーフティーネットがあり得るわけですけれども、保証面でのセーフティーネットというのもあるし、貸付面でのセーフティーネットというのもあるだろうと思います。いろんなことを実はやっていかなきゃいけないわけでございます、当然取り組んでおられると思いますが。 以上まとめまして、今までの成果、光と影があったと思いますが、今までの特別保証の総括と今後の課題につきまして、大臣の御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) まず総括でございますけれども、これは加納先生御指摘のとおり、私は非常に効果があったものと思っております。 バブルが崩壊をいたしまして、特に平成十年に入りまして金融機関の貸し渋りが顕著になってまいりました。そういう中で一番その貸し渋りの被害を受けられたのが、日本のいわゆる経済大国の基盤を支えていただいている、数の上からいきますと九九・七%を占めて、また雇用の面から申し上げますと七〇%の雇用を受け持ってくださっている中小企業の皆様方が大変厳しいダメージを受けたわけであります。 そういう中で、今、中小企業庁長官からも御報告いたしましたけれども、二年の予定で二十兆の枠でやりましたけれども、まだまだ厳しいという中で一年延長して、そして先生方の御協力をいただいて十兆円上乗せしまして三十兆の特別保証をさせていただいた。そういう中で、今申し上げたようなデータ的には倒産件数も防げましたし、また失業者数もそれによって増加を防ぐことができた、こういうことは私は非常に総括をいたしますと成果としてあったと思っております。 データ的に先生御指摘のように、最近は若干やっぱりデフレというような観点から少しずつふえておりますけれども、これをやらなかったら大変もっとデータが上になったと、そういうふうにも思っておりますし、また、この三月三十一日で締め切りましたけれども、新たに御承知のように一般保証の方で枠を広げて中小企業の皆様方に対処をする、こういう形をとらせていただいています。 また、不良債権を処理するに当たって、やはり中小企業の皆様方が非常に影響を受けるのではないか、それに対してどういう対策をとるのか、こういうお尋ねでございますけれども、おっしゃるとおり金融サイドの不良債権あるいは産業サイドの不良債務を処理するに当たりましては、やっぱり不良債権処理の手法でございますとか対象となる企業によってその影響度合いが異なるために、定量的にどうなるかというそういう把握は困難な側面もございますけれども、当然直接的、間接的に今御指摘のように影響を受けることは必ずあると思います。そういう中で、不良債権の処理による影響に的確に対応していくことは極めて重要であると私ども認識しておりまして、具体的には次のような対策を講ずることといたしております。 第一に、倒産企業に売掛金債権等を有する中小企業者の連鎖倒産防止対策として、一つは政府系金融機関による運転資金の別枠かつ低利の融資、倒産対策資金、これは四月末、中小企業金融公庫、商工中金合わせて約五十件、二十二億六千万円の実績が出ておりますけれども、こういった対策をとらせていただいています。 また二番目として、中小企業信用保険の別枠化を行っておりまして、これは無担保保証の限度額を、八千万円を倍増の一億六千万円にする等の特例措置をとっているところであります。 また、三つ目といたしましては、中小企業倒産防止共済に加入している中小企業についての無担保無保証での貸し付け等の措置をこれまた講じているところであります。 第二に、不良債権処理の対象となる企業の事業活動の制限により影響を受ける取引先中小企業や周辺地域の中小企業に対しましては、中小企業信用保険法の別枠化等の措置を講じております。 またさらに、第三に、最近の経済環境の変化等によりまして売上高の減少等の影響を受ける中小企業に対しましては、政府系中小企業金融機関による運転資金の別枠での融資、これは運転資金円滑化資金と言っておりますけれども、これも四月末のデータでございますけれども、中小公庫、商中合わせて約二千五百五十件、九百三十三億六千万円、こういった施策の活用を図っているところであります。 また、直接的な影響を受け民事再生手続等の倒産手続に入った企業等を対象とした資金供給として、いわゆるDIPファイナンスに政府系金融機関が取り組むことについて、モラルハザードを防止する等の適切な対応に留意をもちろんしなければならないわけでございましたけれども、こうした措置によりまして企業の再建を可能とする環境整備を行う、こういうことにいたしておるところでございます。 さらに、構造改革の過程においても、技術と経営にすぐれた企業が生き残りまして伸びられる環境を整備することが重要でございますので、経済産業省、中小企業庁といたしましても前向きに経営革新に取り組む中小企業を積極的に支援してまいる、そのために中小企業に対する円滑な資金供給の確保や中小企業支援センター、商工会、商工会議所等における経営相談でございますとか助言を積極的に実施している、こういったことで一連のこの不良債権処理に伴う中小企業の皆様方に対する我々はセーフティーネットを構築してでき得る限りその被害を少なくする、こういう対策を講じているところであります。
○加納時男君 大臣、ありがとうございました。 不良債権の処理に伴う対策としてセーフティーネットの構築が大事でありますが、ハード面といいますか仕組みとしての金融措置、十分伺いました。あわせて、最後に一言おっしゃいましたソフト面での支援といいますか、相談窓口を一本化して強化している最中でございますので、両面にわたる対策をぜひお願いいたしたいと思います。 中小企業についてもう一つ、今度は前向きな話を伺いたいと思います。それは、SBIRのその後の状況はどうかということでございます。 スモール・ビジネス・イノベーション・リサーチの頭文字をとったSBIRでございます。日本語では中小企業技術革新制度と訳しているようでございますが、これは実はアメリカで、一九七〇年代の後半でございますけれども、スタグフレーションに苦しんでいたときに、経済再生は中小ベンチャー企業からだということでスタートしたもので、一九八二年に超党派で制度化したものでございます。アメリカではこれが大きな引き金になりまして、今日の活況がある一つの原因だと言われているので、日本におけるSBIRというものが非常に注目されているところでございます。国会におきましても、平成十一年度にこの制度のスタートということを承認いたしましてスタートしてきているわけでございます。 平成十一年、十二年と過ぎてまいりましたので、きょうはその決算状況をまず伺いたいと思っております。これまでどのような実績が上がっているでしょうか、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) 中小企業技術革新制度、SBIRの実績でございます。 平成十二年度につきましては、通産省、科学技術庁、厚生省、農林水産省、郵政省の五省庁の参加のもとで、当初予算において四十七件をSBIRの特定補助金として指定いたしました。このうち、中小企業向け支出目標額を百三十億円と定めましたところ、支出実績見込み額は現在百四十七億円となっております。また、採択件数千四百二十九件のうち八百八十七件が中小企業向けでございまして、約六二%を占めております。 さらに、平成十二年度補正予算につきましては、経済産業省、総務省の二省十件をSBIRの特定補助金等と指定いたしました。中小企業向けの支出実績見込みは約三十九億円となっております。
○加納時男君 ちょっとわかりにくかったんですが、平成十二年度は当初目標が百三十億円で、見込みが百四十七億円で補正で三十九億円と今おっしゃったんですが、これを合計したものが、百四十七億円と三十九億円を合計したものが平成十二年度の大体実績ということでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) 目標を策定する場合は当初予算で策定します関係上、目標は百三十億でございました。その百三十億に対応するものが百四十七億円でございまして、それに加えまして補正がございまして、その分が三十九億。したがいまして、実績としましては百四十七億足す三十九億円ということでございます。
○加納時男君 このSBIRの進め方なんですけれども、どうも私もアメリカのを少しかじって勉強してみて、国会でも質問した記憶がありますけれども、日本とアメリカと若干違いがあると思うんですね。どういうところが違うんでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) 中小企業庁がこの制度を入れましたのはアメリカを参考にしたわけでございますけれども、アメリカの制度の主な特徴を申し上げますと、米国の連邦政府のうち年間一億ドル以上の研究開発予算を計上する機関に対しまして、当該予算の二・五%以上を中小企業向けに支出することを義務づけているわけでございます。また、各機関が課題を提示いたしまして、企業から実現可能性調査をまず募集いたします。その中で、可能性があるものに対し研究開発を実施するという仕組みになっております。なお、二〇〇〇年度は中小企業向け予算としまして約十一億ドルが計上されております。 他方、我が国のSBIR制度の主な特徴は、中小企業の研究開発から事業化までを今一貫して支援することとなっております。 まず、具体的には、特定補助金等として、中小企業者が新たな事業活動を行うための技術開発予算を選定し、そのうちから毎年度中小企業向け支出目標額を閣議にて決定し、きめ細かな情報提供等を通じまして、多くの中小企業者が国の研究開発に参加する機会の増大を図っております。平成十三年度につきましては、去る五月二十五日に中小企業向け支出目標額を約百八十億円として閣議決定いたしました。今後、この目標達成に努めてまいりたいと思っております。 さらに、我が国のSBIR制度におきましては、研究成果を事業化するために、中小企業信用保険法の特例でございますとか中小企業投資育成株式会社法の特例、小規模企業者等設備導入資金助成法の特例といった措置を講じております。さらに、平成十三年四月からは中小企業金融公庫の特別貸付制度を創設し支援を充実するというぐあいに、企業化、事業化のための支援も含めてやっておるというところでございます。
○加納時男君 今、長官のお話の中で出てきた五月二十五日付の閣議決定という文書を実は事前にいただきまして読んでまいりました。平成十三年度中小企業等に対する特定補助金等の交付方針であります。 この中で、今おっしゃったような金額の目標等が書いてありますが、ちょっと注目すべき記述がありますのは、SBIRの成果を利用した事業化支援について各省庁は相互に連絡をとり合うこと等により緊密な連携を図る。省庁の連絡というのを一つ言っております。それからもう一つは、国等はSBIRの成果について情報の開示等を通じて市場への普及を図る。省庁との連絡、そして市場への普及という大事なキーワードが二つ入っておりまして、これはまさにアメリカの成功したものを参考にしているんじゃないかなと私は個人的には思っているわけでございます。 ところで、私がぜひ伺いたいのは、アメリカと日本と、SBIRは確かに発想は似ているんですけれども、やっていることはもう天と地ほどけたがまるっきり違うわけであります。どうして違うのかというのは、やっぱり新しい制度が日本でスタートするには、小さく産んで大きく育てるというので、私は小さく産むこと自体全然異論はないわけで、小さく産んで結構なんですけれども、このままだとなかなか大きく育たないんじゃないか。 各省庁の参加ということを私はこのSBIRの当初の段階から訴えてきたわけでありますが、先ほど平成十二年度は五省庁の結果を伺いました。平成十三年度の先ほどの文書、閣議決定の文書を読んでみると六省庁というので、一つ省庁がふえているのは結構なことだと思うんですけれども、省庁というのは六つじゃなくて、もうちょっとあるわけです。 私は、やっぱりこういうことをやっていくには、非常に実力のあるという、何が実力かわかりませんけれども、例えば国の予算を支出する、執行するという意味での実力です、発注能力のある官庁も含めて参加することが非常に大事だろうと思っています。アメリカで成功したというのは、これはいいかどうかは別にして、一律一億ドル以上の支出をする役所というか政府機関は二・五%以上はともかく中小企業に発注するんだと、これは強引に決めつけちゃった。一種の何とか目標制度、RPSみたいな感じがしますけれども、こういうのがいいか悪いかは別にして、これがあったのが大きな成功の原因だったんじゃないかと思うんです。 日本でもそれをやれとあえて言いませんけれども、せめて日本でも発注実力のあるような官庁がこういうものに参加することによって、もっともっとこの制度は生きてくるのではないか。というので、きょうは実は国土交通省の方に政府参考人としておいでいただいていると思いますけれども、国土交通省ではこういう問題についてはどのようにお考えでしょうか。これからぜひ参加してみたいとお思いになるのか、いや、これは全く参加する気がないのか、なければなぜなのかということを伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤信秋君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、中小企業の技術開発は大変大事な問題だと思っておりますし、特に私どもが所管しております土木、建設産業の分野で申し上げますと、実は多くの市場が公共事業である、こういう点もございますので、私どもとしてできるだけの努力をする必要がある、そんなふうに考えております。 ただいまの先生のお話、二点に分けてちょっと御説明申し上げたいのでございますが、一点目は、開発された技術あるいは開発途上の技術をどんなふうに活用していくか、支援していくか、こういう問題であります。これまでも、私どもとしましては、地方の整備局等で実際に事業をするときにできるだけそういう方面を活用していこうということで技術の認定制度、これが今、地方の整備局全部で登録していただいている技術が二千五百を超えております。そうした認定制度のもとに、試験フィールド事業といいまして、そのうちの幾つかこれはと思うものを実際に現場でやってみる。さらに、もう少し大々的に、どのぐらいの費用がかかるかといったような、一般化も目指してパイロット事業というのもやっております。 ただし、この場合、SBIRとの連携をこれから強めてまいりたいと思いますが、何分にも現場の一線がそれを使おうとしますと、どのぐらいの費用がかかるか、どのぐらいの効果があるか、今までの工法に比べてどうかといったことも比較しないといけないものですから、現場で実際に、頻繁に積極的にと声はかけますが、なかなか難しい問題もございます。クリアすべきハードルもございます。 したがいまして、この点につきましては、実は今年度からせっかく一月六日に地方の整備局ということで発足もさせていただいた、こういう経緯もございますので、地方の整備局単位にそれぞれ第三者から成る技術の評価委員会をおつくりいただいて、そこである程度まとまった幾つかのテーマを、それぞれ技術開発を試していこうといいますか活用していこう、そんな御議論をいただいた上で具体的な試行を積極的にやっていく、こんな仕組みづくりを今実は地方の整備局単位でやっておるところでございます。こうしたことによりまして、市場性をもっとつくるといいますか開発された技術の活用をもっと広げていく、そんな方向を今目指しておるところであります。 それからもう一点、技術の開発そのものをどうするか、こういう問題がございます。実は、産学官協同の研究開発、こういったような面から申し上げると、実は土木、建設という産業ではその辺の連携がちょっと弱かったかな、そんな反省をしております。今年度から、実は建設技術につきまして補助ができるような制度もお願いいたしました。これは従来なかったのですが。 ただし、総額一億円というオーダーの中で、最初は学識経験者あるいは学界等にどうしても限定はされざるを得ない。行く行くはそうした純粋民間への拡充という面も考えてまいりたいと思いますが、それよりも以前に、研究委託であったり共同で研究していく、あるいは他の省庁の助成制度も一緒に手を組んで活用させていただきながら、中小企業がいろんな建設に関する技術を開発されることを積極的にお手伝いしてまいりたい。これにつきましても、どうした目標に行こうか、どうしたテーマを選ぼうかという点について技術評価委員会なるものを省の中でもつくらせていただいて、第三者の先生方にいろいろ御指導いただいて、まとまった方向性を持っていこう、二点、そんなふうに考えて努力をしようということにしておるところでございます。
○加納時男君 どうもありがとうございました。 整備局単位でいろいろ検討していくということ、あるいは技術評価委員会を活用していくこと、産学官の連携を図ること等により、これからSBIRの活用に努めていきたいというふうに承りました。ぜひ御努力いただきたいと思っております。 私は、この制度は、何といっても政府が研究開発のニーズを提示するということ、それからまた中小企業がさまざまな研究開発の提案をしてくる、ここに非常にみそがあると思うんですね。アメリカが成功したのはまさにそこだと思います。しかも、三番目に、窓口を一本化しておく、こういうことでございますので、ぜひともこれは先ほどの文書、ただ文書を書けばいいというんじゃないんで、やっていただきたいわけでありますから、省庁間の連携をよく密にしてこの制度の活用を図っていただきたいということをお願いして、この項の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 残った時間で、エネルギーについて二つほど伺いたいと思います。 初めに、新エネルギーの普及に関する助成、これの決算状況を中心に質問したいと思います。 まず伺いたいと思いますが、最近十年間で新エネルギー、定義はいろいろありますけれども、新エネルギーの普及開発についてどんな助成を幾らやってきたんでしょうか。その成果はどのくらい上がったのかということを伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先生御案内のとおり、新エネルギーの開発導入、これを積極的に推進いたしますために、私ども技術開発ですとか、あるいは導入に対します支援を講じてきております。 当省関連の新エネルギー関係予算でございますが、平成十三年度予算では合計で一千百五億円を計上させていただいております。十年前の平成三年度予算額が百九十七億円でございましたので、これと比較をいたしまして、十年間で五倍以上となるまで毎年増加をしているという状況にございます。また、これを決算額で御紹介させていただきますと、平成十年度の決算額、合計四百八十億円でございます。平成三年度の百三十億円と比べまして、この七年間で約四倍となるまで毎年増加しているという状況でございます。 それでは、こういった支援等に伴いまして新エネルギーの導入実績がどうかということでございますが、一九九九年度のいわゆる新エネルギーの導入実績は、全体でごらんいただきますと、原油換算で約七百万キロリットル、一次エネルギー供給の全体に比べまして約一%程度という状況でございます。これは十年前となります一九九〇年度の導入実績と量的には同等の規模になるわけでございますけれども、中身には変化があるわけでございまして、約八割と大きな割合を占めております黒液・廃材といったようなもの、あるいは太陽熱利用といったような分野が減少しているわけですけれども、それ以外例えば太陽光発電ですとか風力発電でございますとかあるいは廃棄物発電については、一九九〇年度の実績に比べまして、おのおの二十倍ですとか八十倍あるいは三倍と、相当規模の導入量の増加が図られているということを御紹介できると思います。
○加納時男君 予算がこの十年間で五倍強になって千百五億円という今お話がございました。決算も相応にふえているということ、わかりました。 問題は、やっぱり税金を投入するわけでありますから、費用対効果といいますか、投入したものに対してどのくらいの、費用に対してどのくらいの効果が上がっているかということもやはり決算委員会としては関心を持つわけであります。よく、新エネルギーはふえている、どんどんふえているといって、一・二%になったという数字、今約一%というお答えがあったと思います。六百九十三万キロリットルとか約七百万キロリットル、この七百万キロリットルというのは、日本の一年間のエネルギーというのは一次エネルギーに石油換算しますと大体六億キロリットル弱でありますから、数字から見ると大体一・二%というのがわかるわけでございます。 問題は、これが太陽光とか風力が占めているのかというと、そうじゃないというところが実は問題であります。 一生懸命力を入れ、そしてまた国民的にも人気のある太陽光発電、これは今すごくふえたとおっしゃって、私も手元でいろいろとチェックしているんですけれども、間違いなくすごくふえていると思います。太陽光発電、今、日本は世界一になっています。二十万キロワット、これは十年前から見ると二十倍にふえていると思いますね、十年前一万キロワットでしたから。 問題は、この二十万キロワット、世界一というので、日本は太陽光をうんと利用しているんだ、だからもうこれに依存すればほかのエネルギーはなくてもいいんだというふうな誤解をするような方が世の中にはやっぱりおられることも事実でございます。二十万キロワットというから大きく聞こえるんですけれども、石油に換算するとこれは五・二万キロリットルぐらいですね。五・二万キロリットルというと、一次エネルギー五・九億キロリットルで割り算してみると〇・〇〇九%ですか、〇・〇一%にもならないというのも現状としては事実なので、私はだからいけないと言っているんじゃなくて、うんとお金を費やしてもこの程度のものである、だからこれだけやっていれば済むんだということではないんだということを明らかにしておく必要があるだろうと思うんです。 風力は、太陽光よりも先行きもっともっと私はふえるだろうと思っています。現在のところ、十年前から見ると、決算数字というのはなかなか時間がたちますので、私の持っている一番新しい数字で見ると、今、十五万キロワットぐらいまで風力は伸びてきたと思います。十年前は〇・一万キロワットでしたから、それこそ何倍というのが大好きな方からいうと、風力は何と百五十倍になったということが言えます。 百五十倍というと物すごく力が出てきて、これで日本がもつのかなと思いますと、風が吹いたり吹かなかったりしますので、吹かないときは残念ながら動かないということもありまして、一年間でエネルギーとして仕事をする分を計算すると六・八万キロリッターであります。六・八万キロリッターというのは五・九億キロリッターから見るとどのぐらいになるのかというと、やはりわずかでありまして、〇・〇一%ぐらいだと。だから、これだけお金を、十年間で約四、五千億円、最近では一年間に一千億円もつぎ込むということをやってきても、実はウエートとしてはそんなに高くない、いや、極めて低いんだということは事実だと思います。 このことから何が言えるのかというと、太陽光とか風力は私は賛成でありますし推進していきたい、推進の初期段階で助成は必要だ、ここまでは全く同じ意見だと思うのでございますけれども、これがあるからほかのエネルギーがなくていいというようなウエートには現在は少なくもなっていないし、これから十年後、二十年後にも直ちに大きなウエートになるということを期待することは難しい、しかし小なりといえど大事にしていこう、これが私の基本的な考えなんですが、そういう考え方と経済産業省のお考えになっているのと合っているでしょうか、違っているでしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 今、先生が御指摘になりましたような新エネルギーの導入実績、これを全体のエネルギー需給といいますか供給の中に位置づけた数字は御指摘のとおりでございます。一次エネルギー供給の中で、さまざまなものを足しまして約一%でございます。具体例をとりまして、太陽光発電につきましても風力発電につきましても、先生が御指摘になった数字が私どもの把握している数字と基本的に同じでございます。 そういう意味で、昨年の四月以来、私どもは総合資源エネルギー調査会というところでエネルギー政策全般についての検討をお願いしておりますわけですが、ごく最近、新エネルギー部会においても一定の方向性が示されつつあります。その過程におきましては、今御指摘のようなさまざまな、いわゆる新エネルギーが例えば二〇一〇年度でどの程度の割合を占め得るであろうかというようなことも議論になったわけでございます。 二〇一〇年度について申しますと、現在の私どもの施策を前提とすると、現状に比べて倍行くのはちょっと難しいかなというぐらいの状況でございまして、しかし、二〇一〇年度に向かって、京都議定書の問題などございますから、この新エネルギーに対しては基本的には期待があるわけでございまして、千九百十万キロリットル石油換算という目標を何とか実現するためには、いわば自然体といいますか、従来の政策をそのまま延ばした場合に比べて倍増の努力が必要になろうということでございましたが、それぐらいの努力をする必要があるのではないかというのが大方の議論の状況でございました。 そういう意味で取りまとめて申し上げれば、現時点においてはエネルギー供給の中で占める割合が低いわけですし、また近い将来も決して非常に大きな割合というわけにはまいらないわけでありますけれども、しかし、期待を持って支援、導入を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加納時男君 今、河野長官のお話の中で、新エネルギー部会、これは総合資源エネルギー調査会の部会でございますけれども、新エネルギー部会で一定の方向性を出そうとしているんだというお話がございました。 私も新エネ部会の報告書は拝見いたしました。その中で、おっしゃったように二〇一〇年に千百九十万キロリットルの新エネ開発を実現するためには今までの努力では足りない、さらなる倍なる努力が必要だという趣旨もよくわかります。 そこで、それに関連して伺いたいと思いますが、新エネルギーを推進していくことは、私も再三申し上げているように賛成なのでございます。賛成の立場で質問しているつもりでございますが、ただ、進め方について若干疑問が一つありますのは、新エネ部会報告書あるいは新エネ部会の論議の中で一つの方向性とおっしゃっているのはRPS、再生エネルギーポートフォリオ基準、リニューアブルズ・ポートフォリオ・スタンダーズの略でございますが、アメリカのカリフォルニアなどでもやろうと言っておりましたRPSですね。再生エネルギーを一定限度入れなきゃいけないよというキャップをつけまして、それに足りない人は市場から証券を買ってくる、足り過ぎた人は市場に売れるという市場原理を利用した方策で、アイデアとしては私も非常に興味を持っている、おもしろいアイデアだと思っています。 市場原理を活用して新エネルギーを普及するというのは私は賛成であります。その立場でさらに質問したいと思うんですが、問題はRPSなるものは一体何なのかと。人によっては、こういうことを言うわけですね。経済性のないものに限定するんです、小規模なものに限定するんです、それだけをひいきすると言っちゃいけないんですが、それを育てるために目標を定めるんです、だから大規模な水力は入れないんですとか、妙なことをおっしゃる方がいるわけですね。それから、経済性のあるものは認めないんですとか、そういうものは再生エネルギーの利用と言わないんだというんですけれども、これは私はおかしいので、再生エネルギーというのは一体何のために普及させるのか。小水力とか太陽光とか風力に限定して、限定メニューでそれだけの市場を獲得するというと、随分恣意的な話であります。 そうじゃなくて、この目的はあくまでも、今COP3とおっしゃったんですけれども、環境に優しいエネルギーをいかに市場でふやしていくのか、そういうことだろうと思うんです。だとすると、水力発電、これは運転段階ではと申し上げますが、温室効果ガスは出さない、ライフサイクルで見れば出しますけれども、程度はうんと低いです。そういうものや地熱、いろんなものが入っていいんじゃないだろうか。 こういう環境問題を議論するときに、必ず除く原子力と言う人が出てくるわけです。環境は何でもやっていきましょう、だけれども原子力だけは除きましょう、なぜならば太陽光とか風力があるからだと。さっき私がしつこく太陽光、風力のことを申し上げたのは、そういう誤解が世の中にすごく多いということでございます。そういうことが、原子力がなくてもいい、原燃サイクルはなくてもいい、嫌なものはやめちゃおうなんて、こんな議論になっちゃっているんじゃないだろうか。そういう意味では、むしろ狭い意味でのリニューアブルズ、再生エネルギーの中でも小水力だとか経済性のないものだけに限定することを考えていらっしゃるのか。 やはりRPSといった場合に、もうちょっと広い再生エネルギーすべてをポートフォリオに入れようと考えておられるのか。いや、もっと広く、およそ発電段階でCO2を出さないようなものに変えていこうということを考えていらっしゃるのか。具体的に言うと、風力イエス、太陽光イエス、太陽熱イエス、地熱も入れる、水力も入れる、大水力も入れる、原子力も入れる、こういうのが非化石燃料ポートフォリオ基準という、今世界で新しく生まれてきているアイデアなんですね。 これは、この間ワシントンでも私はいろいろ議論をしてまいりましたが、もうこのアイデアには大賛成だと、上院議員の中にはこれを法案として出すという方もおられるぐらい、名前としてはエミッション・フリー・ポートフォリオ・スタンダーズ、EFPSというような名前をつけておられる上院議員の方が、これは実力者の方ですが、もおられましたし、ヨーロッパの国会議員団の方々と議論したときも、このアイデアはこれからのやっぱり主流ではないだろうかという議論を出された国会議員の方もおられました。 そこで、私の質問でございますが、一体全体、今後考えていくRPS的なもの、新エネルギーの開発目標、そして市場でこれを取引するようなそういう制度を考えるときの目的は何なのか。特定のエネルギーをふやすことなのか、それとも環境に優しいエネルギーをふやすことなのか、この辺をぜひ伺いたいと思っております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 加納先生御指摘のように、新エネルギー導入促進のための今後の対策につきましては、現在、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会で検討しておりますけれども、御指摘のようないろんな分野でさらに効果的な新たな市場拡大措置が必要だと私どもも考えております。 今お話にございました欧米諸国におきましては、既に再生可能エネルギーによる電力の導入促進のために法的措置による諸般の制度が構築されておりまして、さらに近年におきましては、今御指摘のいわゆるRPSなど一層工夫された制度の導入や検討が行われつつあるところでございます。 我が国といたしましては、こうした諸外国の実施状況も参考にしつつ、我が国の実情に即した新たな制度の導入に向けて早急に検討を開始することが望まれております。具体的には、例えば証書の取引による市場原理を活用したRPSが一つの選択肢と考えられますが、今後、真に有効に機能し得る措置を幅広く検討することといたしております。 いずれにいたしましても、新エネルギー部会における検討の成果を踏まえて積極的に新エネルギーの推進を図ってまいりたいと思っておりますし、確かに二十一世紀というのは環境をいかに人類が克服するか、こういうことでございますので、今お話にございました例えば原子力というのは、安全というものを第一義に担保しなければなりませんけれども、その発電時においてはCO2の排出がゼロ、こういうような側面も持っておりまして、アメリカあたりでも最近原子力を見直そう、こういう動きも出てきております。また、風力発電等におきましても、ドイツ等では大変進んでおりまして、先ほど日本の実績では伸びたとはいえまだ風力においては非常に低い比率でございますけれども、ドイツでは五百万キロワットを超えるような実績も出ているわけであります。 いずれにいたしましても、いろいろなエネルギーを組み合わせて、そして環境問題でありますとか、あるいはコスト問題でございますとか、あるいはエネルギー安全保障、そういった見地から幅広く私は検討し、推進をしていかなければならない、このように思っているところでございます。
○加納時男君 力強いお言葉をいただいて、ありがとうございました。外国の状況も参考にしつつ、日本の実態も踏まえ、そしてこれから幅広く検討していくということでございますので、御検討をよろしくお願いいたしたいと思います。 最後になりますけれども、エネルギーについてもう一つだけ伺いたいと思います。 昨年十月に、ちょっと読んでみて驚いたような文書がアメリカ政府から日本政府に来ております。日本語に訳しますと、規制撤廃及び競争政策に関する日米間の強化されたイニシアチブに基づく日本政府への米国政府要望書、随分ごつい日本語訳でありますけれども、そういう訳があるようでありますが、というもので、サブミッションでございます。 これを読んでみて私はちょっと驚いたんです。これは、実は今の政権の前のクリントン政権、民主党の時代に出たものでございます。この文書が出た後にカリフォルニアの危機が生じたわけでございますけれども、まずこういった去年の十月の文書というものが出た経緯は、一体いきさつはどういうことでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) さかのぼりますと、一九九七年の四月の日米首脳会談で、日米規制緩和対話において、九八年以降、電力、ガス分野の規制緩和について議論されるということになってこの議論が始まっております。九八年から九九年の第二回規制緩和対話あるいは九九年から二〇〇〇年の第三回対話の議論は、各国の規制緩和共同現状報告の中に反映されることになっておりまして、これについては一定の相互理解が進んでいるという状況にあろうかと思いますが、昨年十月に提出された要望書は、実は二〇〇〇年から二〇〇一年に実施中の第四回日米規制緩和対話で議論すべく米国政府から提出されたものでございます。現在実施中のこの対話におきましては、要望書に挙げられた案件も含めまして議論が行われているという状況でございます。 ちなみに、カリフォルニアの問題も契機といたしまして、ブッシュ政権が五月十七日に新しいエネルギー政策を発表いたしております。ただ、こういった問題も、私どもこの規制緩和の対話の中では、日本側からいろいろ問いを発するというような格好で議論をいたしておりますけれども、先ほど御紹介の米国側の要望自身がこういった状況によって現時点において変化を受けているかということでございますと、特段の変化がまだ表面的には出てきていないというのが対話の現状のように見受けられます。
○加納時男君 今、現時点では、去年の十月の民主党の文書は、民主党というのはアメリカの民主党という意味ですけれども、民主党の文書は変化はないということでありますが、内容を見ますと、ちょっと驚くようなことが書いてあるわけです。 例えば、新しい独立した規制機関をつくれというんですね。要するに、今の経済産業省ではだめだということですから随分失礼な話だと思うんですけれども、新しい独立した規制機関をつくれとか、それからアンバンドリングと英語で書いてありましたけれども、発電、送電、配電を一貫した形で責任持ってやっているというのが日本の立場でありますが、これを分断してしまえ、ぶっちぎってしまえと。発電設備は売っ払っちゃえというわけであります。 日本では、かつて発送、配電を分けて、日本発送電という会社をつくって、国営会社でもって一括して、あとは地域ごとに配電会社があって、いわば分断をした経過がありますが、お互いに無責任になっちゃって失敗をしたということが、痛い目に遭ったので、今の発送、配電の純粋な民間の会社にしたというのが日本の経過であったかと思います。 そういう発送、配電を分断してしまえ、それから送電線の独立したプール運営機関でもってこれを管理しろというようなことを言っております。いわば、電力供給と神経系統を奪ってしまえということであります。 それから、スポット市場をつくれというような提案もしております。 それから、LNGターミナル、液化天然ガスのターミナルですね、これを開放しろと。これは大企業ならばつくれるわけですから、開放するもしないもないような話だろうと思うんですけれども、かなり誤解に基づいた提案ではないかと思います。 それから、もっと驚いたのは、電源開発会社が間もなく民営化されますが、この民営化に際しまして、発電設備は個別に売却しろ、売っ払えと、外資に売っちゃえという、どうもそこまではっきりは書いてはいないけれども、それらしく書いてありました。 それからまた、完全自由化を進めていけと、そのスケジュールを刻々と出してこいということであります。いわば内政干渉もどきと私は思うんですけれども、独立国家に対しては、主権のある国に対して言うべきこととははるかに超えたような協議事項ではないだろうかと思っております。 その前に書いてあることはいいことが書いてありまして、これが国民の利益、消費者の利益だと書いてあるんですけれども、消費者の利益って一体だれが決めるのかと。消費者の利益というのは、私はワシントンが決めるんじゃなくて、日本の国民が決めるんだと思っております。 日本の国で世論調査をやったことがありますけれども、最近の、前総理府、今の内閣府の国民に対する世論調査で、あなたは国のエネルギー政策について何を望みますかと言ったところ、一番に来たのが規制緩和かというと、違うんですよ。九つの項目の一番にみんなが支持したのは環境に適合するエネルギー政策だった。私もなるほどと思いました、環境第一だと。その次にあったのは供給の安定性、信頼性、停電なんか困るよと。カリフォルニアみたいなのは嫌だよというのがその次であります。カリフォルニアの後だったらもっとこれは強くなるかもしれません。その直前の調査でありました。では、規制緩和というのは国民の大多数が望んでいるのかというと、実は九つある選択肢のうちの七番目にやっと出てくるわけでございます。 ですから、国民の大多数が望んでいるのは環境とか供給の信頼性ということではないだろうかと私は理解して、それをやっていくのが日本の消費者の利益である。 もちろん規制緩和、完全自由化を求めている方がおられるのは十分承知しておりますし、その方々が人数は少なくても大きな声を出しておられる。それをやりたいという方が、日本の中にもこれを商売にしようという方が規制改革の責任者として発言をしていらっしゃるということも存じ上げておりますし、アメリカの資本でカリフォルニアでさんざん電力でもうけた方が今度は、カリフォルニアはつぶれちゃったんですが、日本にやってきて、日本で商売したいという方がこれを求めていることも知っております。これに一部同調する官庁の方がおられるという新聞記事も、雑誌記事も拝見しておりますが、私の質問はまとめますとこういうことであります。一体全体、エネルギー政策の基本って何なんだろうかと。 このアメリカの、旧政府と言っちゃいけませんけれども、民主党時代に出してきたこの規制緩和、完全自由化、そして発送、配電をぶっ壊してカリフォルニアのように日本をだめにすることが目的だと私は思っておりません。やはり規制緩和は大事でありますけれども、その前提として、供給信頼性であるとか、環境適合性というのがあった上でのやっぱり自由競争、市場原理をふやしていくこと。だから、これも新エネルギーと同じでありまして、私は賛成なんです、規制緩和は。規制緩和をつぶそうとしている守旧派だなんてビラまいている方もいますけれども、とんでもない話でありまして、私は前を向いて規制緩和をやっていくべきだと。 そして、その前にしっかりやらないとカリフォルニアの二の舞になりますよと。完全自由化をやって完全に失敗したのがカリフォルニアだとデービス知事が言っているぐらいでございます。現地も見てまいりましたけれども、やっぱり大変な状況でございまして、値段を、ほかの州に比べて四割も高いからこれを自由化によって安くしましょうとしてやったのが、結果は五割の値上げになってはね返ってきた。トリプルAだった電力会社は破産しちゃった。 そして、しっかりとした発送、配電の一貫経営で責任を持って電力会社として送っていた、日本で言うと関西電力クラスの大きさのあのパシフィック・ガス・アンド・エレクトリックが、この間、私は連休中に行きましたら、もううっそうとした暗いビルに変わっちゃいまして、破産した会社の経営者にも会ってきましたけれども、本当に下を向いてぼそぼそとしゃべるという、あの元気だった会社がなくなっちゃった。だれに聞いても、供給責任は私が負っているという人が一人もいないというのがカリフォルニアの実態であります。 こういったような実態をしっかりと踏まえながらやっていかないと、日本のエネルギー行政は間違っちゃうんじゃないかという大変な危機感を持って連休明けにまた戻ってまいりましたけれども、大臣の所感を最後にお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も基本的に加納先生の御意見には同感をさせていただきます。 規制緩和というものは私は必要だと思います。ですから、一部の電力自由化をすることによって、それがインセンティブとして電力料金が安くなったというそういう効果もあります。 しかし、今るる御指摘になられましたように、私は、いわゆる経済の血液とも言われるエネルギー、これは安定供給ということがやはり一番優先すべきことではないか。それは、今御指摘になられ、御自身も行かれましたカリフォルニアのあの電力危機というものを他山の石として我々もしっかりと検証して、そして結局、その電力クライシスを起こすと消費者に最大の迷惑をおかけすることになるわけでありますから、我々経済産業省といたしましても、それから資源エネルギー庁といたしましても調査団を派遣させていただきまして、また自由化が進んでいるヨーロッパの方にも足を向けまして、しっかりと検証させてまいりました。 したがいまして、完全自由化、こういうことは一つは最終的には目指すそういうゴールという形のことも言えますけれども、しかし、やはり安定供給ということを、常に消費者のことを考え、またこの経済を支えていくという面でも非常にエネルギーというのはそのかぎを握っているわけでありますから、そういった観点で我々は今後ともエネルギー政策を遂行していかなければならない、このように思っております。
○加納時男君 調査団を派遣され、委員会でたしか調査団の派遣直後ぐらいに質問させていただいたときに、とりあえずの所見だけれどもと言って、早速にこの国会の場で御報告をいただいたことを非常に感謝しております。 そしてまた、今大臣のお話がありましたように、まさに産業の血液であり、国民生活にとって不可欠なエネルギーがかなり多いのが、エネルギーであります。大口の自家発電をやれるような分野もあれば、また代替性がきかない、貯蔵もきかない、設備投資には長期を要するようなエネルギーもあるわけでございますので、今おっしゃいましたように、いろんなものを視野に入れるのは結構でございますけれども、まず足元をしっかりと、安定供給、環境適合性をしっかり足元に固めながら一歩一歩着実に私は規制緩和をやっていただきたいということを希望しまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○月原茂皓君 保守党の月原です。 きょうは、最近新聞等でも騒がれておる、所沢の競輪の問題は関係者の努力で解決したようでありますが、地方の競輪を開催しているところがもう何度となく陳情書を、私だけでなく関係議員のところに来ていると思うんです。そういうことで、この競輪問題、そして日本自転車振興会の問題、この問題を取り上げて質問したいと思います。 まず、全国の競輪施行者数は幾らあって、うち平成十一年度赤字となっている施行者の数は幾らか、そしてその原因はどのように考えられておられるのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 平成十一年度当初における競輪施行者の数は全国で七十七であります。これらの施行者の平成十一年度収支の状況でございますが、他の競輪場で開催されるレースの場外車券発売を受託することに伴う手数料収入なども含めまして競輪事業全体で見ました場合に、社団法人全国競輪施行者協議会の統計によりますと、十八の施行者が赤字決算になっております。 競輪の売り上げにつきましては、景気の低迷や娯楽の多様化などによりまして、ピーク時でありました平成三年度から平成十一年度にかけて三割以上減少いたしておりまして、平成十一年度の売り上げは一兆三千五百五十四億円となっております。他方、車券発売に係る人件費や選手賞金などの開催経費の方を見ますと、一割以上この間ふえているという状況にございます。 このように、売り上げの減少とともに開催経費の削減が進んでいないことが施行者の収益悪化の大きな要因であるというふうに私ども認識いたしているところでございます。
○月原茂皓君 そういうことの根拠法令として自転車競技法というのがありますが、この第一条に仰々しく「地方財政の健全化を図るため、」というふうに書いておるわけです。もちろん、そのほかの目的も書いてありますが。 私も、小さいころ競輪場ができたというので、中学のころ、私は観音寺というところで生まれ育ったんですが、学校から見に行ったことも覚えておるんです。そのころは景気がよかったんですが、このごろは地元の方も赤字ではないが低迷しておるということであります。 そこで、この「地方財政の健全化を図るため、」というのも、競輪でもうけた金は地方の方の財政にひとつ足しになる、ざっくばらんに言えばそういうことなんです。そうすると、今お話しのように、どうも赤字も十八あると。通産省の資料もいただいたんですが、低迷しておるところが非常に多いということですが、その目的を、やっぱり黒字化してやらぬといかぬわけです。そのためには、通産省自身じゃなくて自転車振興会を通じてでしょうが、ちょっと知恵をかして、それからできることはそういう方向に持っていく努力をされておると思うんですが、どういう努力をされておるのか。
○政府参考人(岡本巖君) 競輪全般の事業収支の状況は、先ほど申しましたように大変厳しい状況にあるわけでございますが、個々の施行者に着目いたしますと、引き続き高い収益を実現している施行者から大幅な赤字を抱えているところと大変ばらつきがございます。 施行者ごとに置かれている環境というのは異なっておりますので、単純な比較というのはなかなか難しいかとは思いますが、総じて見ますと、収支状況のいい施行者においては、観客重視の設備をよくするという方向での設備投資とか、積極的な場外発売の展開でありますとか、ナイター等による利便を高める、そういった取り組みによって顧客の維持拡大に努めるとともに、他方で経費の大胆な節減に取り組んでおられます。 したがいまして、収支状況の思わしくない施行者におかれましても、このような収支のいい施行者の取り組みの状況などを参考にしていただいて、顧客の維持拡大、それから経費の効率化に取り組むことによって相当程度収益体質を改善する余地があるのではないかと考えておりまして、私どもこういった引き続きいい収支の状況を上げている施行者の実例を他の施行者の方々にも広く知らしめるという努力と並んで、経費の節減等に向けてのお手伝いを申し上げているところでございます。
○月原茂皓君 今、局長の御説明、大変な努力をされていることがわかるんですが、先ほどそちらの方の説明にもありましたが、売り上げが落ちておるということです。 そうすると、資料によると、私の方で独自にそちらの資料をもとにして分析したものでは、平成十年度の車券の売り上げで見ますと、これがピーク時、平成三年から比べると七四・一%になっておる、二五%落ちておる。施行者の収入というものを見ると、これがピーク時と比較すると一五・三%になってしまっておる、こういうことなんです。 ところが、ここで陳情書なんかをよく見ると、これは経済産業省の方の考え方とは少し違うと思うんですが、とにかく固定費というのはなかなか、この固定費そのものも問題あると思います。あるところでは日給一万五千円だと。全国平均六千円ぐらいで、小さいところだったら五千円切れるところもあると。いろいろな形はあると思いますけれども、しかしこの売り上げ全体が落ちていっているというところから見ると、彼らの要望の中に、利益を配分してくれたらどうだと。 御承知のように、自転車振興会をやり玉に上げるわけではないんですが、比率だけからいうと、法令によると、三・七%これは売り上げによって、消費税みたいなものだという説もあるんですが、とにかく売り上げによって納付する金が決まっておる。ところが、片一方は、固定費は変わらないんだから、固定費は施行者が負担するんだから、これが今申し上げたように一五・三%ぐらいに落ちてきておるとなると、うちの方も一生懸命努力するけれども、ひとつ振興会というかそっちの方もちょっと考えてくれぬかと、こういう考えに到達するのは私は人情として当たり前だ、こう思うんです。 そして、この法令をひとつ見てみますと、私もこういう法令を見るのは余り得意でないんですが、見ると別表一、二、三というふうにその納付のことについて、金額は一昔前、昭和三十年ぐらいの話ですから本来これはスライドさせぬといかぬとは思うんですけれども、それはさておいて別表一とか別表二とか別表三というものを見ると、金額ごとにそれぞれの率を決めておる。ということは、この別表をつくった背景というものはどういうふうに考えておるのかというと、売り上げが低いとやはり固定費がその中に占めるシェアは当然高くなる。これはもう経済のイロハ、経済といったら竹中先生がおられますが、経済という部類にもまだ属さぬぐらいの単純な、中学生がわかるような話ですが、固定費は余り変わらない。努力はせぬといかぬけれども、変わらない。しかし、売り上げの中に占める率は非常に大きくなってくる。だから努力せよと言っても困るぞと、こういう状態なんです。 それをまた繰り返しますが、こういうふうな法律でこういう分布を、売り上げの金額ごとにこういうふうに率をつくったという背景、なぜこういうものをつくったんだろうかというと、私はそういう考えが底流にある。極端に言ったら、その三十年のつくったときでも、六千万に至らなかったらこれの対象外になる。 こういうふうなことを考えると、やはり固定費というものを考えておる、この思想の中には、そういうふうに私は考えるんですが、こう言っておるので、局長の方で何か考えるところはないですか。質問します。
○政府参考人(岡本巖君) 固定費の点につきましては、各施行者において、人件費の削減でありますとか、それからこれは私どもも大変わきから応援をしまして、選手賞金について十三年から相当下げるというような、そういう努力も一方でさせていただきました。 他方で、先生御指摘の交付金につきましては、御案内のように競輪というものが自転車産業でありますとか機械工業の振興でありますとか、あるいは広く社会福祉の向上なんかに応援をしていくという、そういう趣旨において一定の比率を自転車振興会が交付金という形でいただいているわけでございます。それで、一方で売り上げが減少するというのは、先ほど来先生からの御指摘にもございましたとおりでございます。 そういう中で、固定費を下げるという方向に向けて、その前に売り上げをできるだけ伸ばすという、観音寺なんかの場合においても場外を含めて売り上げを伸ばすという御努力を各施行者においていろいろ創意工夫されていただいておりますが、そういうことをやっていただき、それとあわせて、やっぱり固定費の減につながりますような一連の開催経費の縮減ということでお取り組みをいただけたらと思います。 私どもも、選手賞金の件に加えまして、各施行者が結構車券の発売のためにコンピューター等の機械を使いますので、そういったものの技術債務の元利減免でありますとか、あるいは返済猶予でありますとかそういうお手伝いをするとか、それからより多くのお客様に来ていただくための広告の費用なんかについても、十三年から相当手厚い補助をするという方に私どもも大きく切りかえてまいっているところでございます。 その上で、先生の御指摘の中に利益に応じてという点があろうかと思いますが、この点につきましては、仮にそういうことにしました場合に、事業運営の合理化とか効率化に取り組む施行者の意欲をそぐ懸念がなしとしないというところがあろうかと思いますので、私どもその点は慎重に考えていく必要があるというふうに考えているものでございます。
○月原茂皓君 企業でも一般にそうなんですが、例えば経済産業省に物を納入する場合でも、百円の物を一生懸命努力して九十円になったと。おお、そうかと言って今度からずっと九十円にされるのなら、どうせ買うてくれるのなら百円で入れた方がいいじゃないかと。そのときに、国民の経済から考えたら、税金の方から、国民の目から考えたら九十円で入れてもらう方がいいわけですね。そうしたら、九十円でいったらもう今後開発、値段をコストダウンする努力をせぬようになるじゃないか。そういう論法と一緒なんです、私に言わせたら。どこの経済にもある問題点なんです、これは、おっしゃるとおり。 そこで、私は冒頭、法案の三本柱の中に地方財政のことがあるじゃないか。これが余りに今の状態では、今後まだ固定費の努力、固定費を下げる努力、それからいろいろな、今言ったようにコンピューターを共同で使うとか、それからモーターボートでいえば、このごろ新聞を見ておったら、レスリングをその会場でやって、客を多くするとか、いろいろな努力をする。要するに売り上げの努力。中に、前橋なんかはドームをつくって、そちらの方の説明を聞いたらそういうふうな努力もされる。 もちろん、そういう努力はすべてせぬといかぬと思います。しかし、とことん行ったときに、どうしても、これは今までのバブルの関係もあって、賃上げもやっておる、退職金もようけ出さぬといかぬようになっておる。これはまた組合との交渉もあって難しいので、なかなか固定費で削れない部分も出てくると思うんです。そうするときに、同じように、利益と言わないにしても、少しはそういう率についてこちらの方の産業の振興のためにするのは、売り上げの率だけで走るんでなしに、いろんな努力をした後、やはりそれでも地方の財政になかなか思うように回っていかないといったときにはそういうことも考慮すべきだと、私はそのように思うんです。 というのは、多くの主催者側、それは自分たちはたくさん入ってきたらいいから陳情しよるのかもわからぬですけれども、しかしあれだけ何回も陳情書を送ってくるところを見ると、相当困っておるということも言えるわけです。これは、この問題は私の方の言いっ放しの議論になるかと思います、急に結論を出せということはできぬかしらぬですけれども。 聞くところによると、これは経済産業省の方では、自転車の競技について今後いろいろ考えていきたい、こういうふうな組織をつくって検討されるようですが、それはどういうふうに今後取り上げて、どういう組織で、売り上げの問題を含め、自転車競技の問題も含めて検討されようとしているのか、それを教えていただきたいと思います。
○副大臣(古屋圭司君) 今、委員の方から御指摘ございましたとおり、観音寺市も競輪の施行地域でございますけれども、最近は本当に収益が悪化したり、七十七団体のうち十八が赤字ということで、残念ながら撤退するところも非常に出てきているんです。 実は、私は競輪場へ行ったことがないものですから、近々に実情を把握しようということで、百聞は一見にしかずでございますので現場の視察をしようと思っているんですけれども、今レジャーがいろいろ多様化していますから、やはり競輪事業の運営に関する総合的な見直しが必要なんじゃないか、私はこのように思っているわけでありまして、このために本年、産構審の中に新たに競輪小委員会というのを設けました。新しい競輪のあり方につき総括的な検討を実はお願いしたところなのであります。 やはり何といっても競輪にはファンが不可欠であります。そういった意味で、お客様重視の大前提に立った快適性、利便性の向上、そして迫力あるレースを実現していくための関連制度の見直しであるとか、あるいは運営体制の思い切ったスリム化というものを視野に入れた総合的、包括的な対策が必要だと私は思っております。これは、この検討委員会の中で本年後半の取りまとめをめどとして、今精力的に審議をいただく予定でおります。 具体的には、例えばインターネットを活用していただくだとか、あるいは電話投票のあり方を検討するだとか、あるいはソフト、ハード両面におけるファンサービスの充実をどういうふうにしていったらいいかとか、あるいは事業面からいいますと合理化、効率化でさらにやれる部分はないだろうか、あるいは民間活力をどうやったら導入していけるだろうか等々を考えております。 しかし、私は、大切なことは競輪そのものが魅力のあるイベントになっていくということだと思うんですね。そういう意味で、競輪での一番の商品というのは、これは選手そのものでありまして、実は選手は今四千人おります。しかし、本当にコンペティティブな地位にある選手は大体その一割弱だというふうに言われておりまして、いわば競輪学校に入って卒業するまでは大変厳しい訓練でございますが、入った後はややもするとサラリーマン化しているというか、そういう傾向があるようでございます。そのことがやはりファンにも伝わりまして、新たなファンの開拓ができない、緊張関係が生まれないということにもなってくると思います。 したがいまして、選手会にも大いに働きかけまして、緊迫あるレースをするにはやはり商品である選手が本当に緊迫した戦いをしていっていただく、このことも私は必要だと思います。こういうことを総合的に検討いただくというふうにさせていただく予定でございます。 当省といたしましても、この検討結果を受けまして、関係団体の協力を得ながら具体的な取り組みというものを早急にまとめてまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○月原茂皓君 今、副大臣の御説明で真剣に取り組もうとすることがわかりました。 私はさらにお願いしたいことは、今まで私が述べたこと、要するに今のお話だと売り上げ、それから固定費を下げる、これはいいことです。しかし、それでもなおかつ当初の目的と比べて地方の財政に回るのが少ない場合はやはり率という問題も取り上げていく。どういうふうに取り上げていくかは別ですよ、利益で分けるのかあるいはそのほかの方法でその地域にある程度の赤字にならないように手だてをするとか、そういうことはやっぱり私は考えていくべきだと思う。 というのは、それはまた副大臣も岐阜の方だと思いますが、あっちの方もちゃんと競輪場があるのでごらんになったらおわかりになると思いますが、多くの人が雇用を受けているわけですね。だから、そういう意味で維持することも大切だ。しかし、地方のそういうものも大切ですので、私はこの法律そのものをもう一回よく見直していくという姿勢、それから後ろの配分における思想、これが全然この別表は適用されていないわけです、現実には。表はあるけれども現実にはもう適用されない、これはアッパーなところだけで動いておるわけですから。そういうことも含めて検討をお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子と申します。 それでは、質問をさせていただきます。 まず、情報公開法がことし四月から施行されました。本院でも大変熱心な議論があったことを私どもは覚えておりますけれども、その報道を見ますと、どうも十分な公開がなされていないのではないかという、そういう記事が目立つのでございます。 例えばの話、大臣のお耳に入っているかどうかですが、私はルーツが新潟でございます。新潟出身でございます。例の新潟の少女監禁事件、あの痛ましい事件についてもずっと関心を持ち、心の傷等について質問したりフォローアップをしたりしております。 この国家公安委員会が開示した昨年二月二十八日の会議録を見ますと、これは日時と出席者だけ、議事の概要は表題以外は全部黒塗りだったと、こういう状態だったということが報じられております。 それから、会計検査院が関係されて、日銀、預金保険機構、金融再生委員会に検査院から照会した回答文書を部分開示したわけでございますけれども、これも開示された文書というのは表題の一部だけで、本文についてはこれもやっぱり黒塗りだったと、このようなことが言われております。 ということで、以上、このような状況を踏まえまして、大臣は、情報公開法施行後二カ月、現在の状況をどのように見ておられるか、それから今後こうした問題はどのように解決していけばよいと思っていらっしゃるか、伺います。
○国務大臣(片山虎之助君) 今、川橋委員からお話がございましたが、情報公開法は国の機関の場合には四月から施行でございまして、今言われましたようにこれで約二カ月たったわけでございますが、恐らく情報公開法施行の前は今委員御指摘のようなことがあったと思います。そんなにもう全部話したくてたまらない国の機関というのは余りないので、そのために情報公開法をつくったわけですから。 情報公開法が、二カ月のデータはないんですけれども、四月全体で六千八百四十四件の開示請求がございました。四月の第一週で約五千件、珍しいということもあるんでしょうね。中を見ますと、特定の省庁に集中しているんです。例えば、金融庁だとか外務省だとか厚生労働省、ちょうど機密費だとかKSDや何かのことがあったからそういうことなのでございますが。 そこで、今私のところにデータがあるうちでどのくらい開示及び部分開示をやったかというと約六割です、六割。だから四割は、決まったものですよ、始めたばっかりですから、なれておりませんから、相当一カ月、一カ月、二カ月、もう少し伸びるという、こういう法律上の規定ですけれども、開示決定したものの比率もそんなに高くないんですけれども、少なくとも開示、不開示を決めたものの約六二%が開示あるいは部分開示、残りが不開示と、こういうふうになっておりまして、それで開示、不開示はだれが決めるかというと各省庁なんですね。各省庁が自分の判断で、もちろん法律に基づいて開示と不開示を決めるんですけれども、不服があれば不服申し立てを情報公開審査会にしていただいて、そこで審査会が判断すると、こういうことになっておりますが、まだ私は四月から実施でなれておりませんから、できるだけなれてなるべく早く判断するように、親切にするようにと、こういうふうに今申しているところでございます。
○川橋幸子君 なれていただいて親切にしていただく、サービスとして大変御指導いただくのは結構でございますけれども、部分開示といっても中身が黒塗りで、出席者と日時と表題だけでは開示したことにならないと私は思います。 不服があれば情報公開審査会に申し立てができるというようなことでございますけれども、やっぱり全体の状況もぜひ情報公開審査会の方に御報告いただきまして、全体の運用についても適切に御判断いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) まだ二カ月ですからね。二カ月分のまたデータを取りまとめますけれども、その開示、不開示の事情を調べまして、やっぱり少し問題があるかなと思いますれば、情報公開、私どもの方で主管して一種の調整的なことをする立場にありますから、各省庁とも協議しながら、必要があればいろんなことを各省庁にも申し上げたいと、こういうふうに思います。
○川橋幸子君 ぜひ大臣に御期待申し上げたいと思います。 さて、次は特殊法人改革についてお伺いさせていただきます。 経済財政諮問会議の件については後ほどまた竹中大臣の方にまとめてお伺いしますが、特殊法人改革だけ少し片山大臣にまとめてお答えいただければと思います。 私、一番よくわからなかったのは、昨年十二月、行政改革大綱を閣議決定されて、特殊法人について講ずる措置を定めているわけでございます。それと、今回の経済財政諮問会議の中で御検討なさっていかれる特殊法人改革、聖域なき改革で小泉総理以下、皆様大変頑張って、張り切っておられるやに伺いますけれども、経済財政会議の諮問をどのように片山大臣は御理解されておられるのか。おられるのかというのはちょっと聞き方が悪いかもわかりません。私の方はわからないので、そのあたりの関係をお話しいただいた上で、いずれにせよ昨年十二月に決定された大綱、これはその方針どおりに今後とも進めていかれるんだと思いますが、中身を拝見いたしますと、十三年度中、つまり今年度中に措置すべき事項というものを定めて、十七年度までに法整備を行うとされているわけでございますけれども、どうも報道ぶりを見ますと、当初、原則五年後に全廃という構想から今のような方針は大きく後退しているのではないかという、そういう指摘もあるわけでございます。 このような諸点について伺わせていただきます。
○国務大臣(片山虎之助君) これはなかなかややこしいんですけれども、委員、こういうことなんです。 去年十二月にまとめました行政改革大綱は私どもの方の総務庁というのがまとめたんです、総務庁というところが行政改革の担当なものですから。その総務庁は一月六日に郵政省、自治省と一緒になって総務省になったんですね。去年から橋本龍太郎先生が行政改革担当大臣という特命大臣でもう一人おられたわけですが、行政改革大綱は全部のことですから総務庁がまとめたんです。まとめるのは私どもの方でやりました。しかし、そのまとめたことに従って特殊法人の改革をどうやるかというのは、行政改革担当大臣が特命として案をまとめることになっているんです。それを年内か年度内にまとめたいと。七十七ありますか、特殊法人が。だから、これは今、石原大臣のもとで見直しをやっておりまして、そしてその見直しの根っこは十二月の行政改革大綱にあるんです。 それは、個別の法人ごとに事務事業をゼロベースから見直し、あわせてその組織形態についても廃止、民営化、特別行政法人への移行など、抜本的な見直しを行うこととするということが一つと、法人の業務状況等の一層の透明化を図るための措置等を講ずるということを決めているんです。この基本方針に基づいて、現在さらに細かい見直しの基準をつくって石原大臣のところで検討している。 竹中大臣おられますけれども、竹中大臣は経済財政諮問会議の担当大臣でございまして、これは当面、短期と中長期がありますけれども、経済運営あるいは財政運営全体について今後の方向をここで決めてチェックしていこうと、こういうことでございますから、その中には当然特殊法人もかなりな分野を占めると、そういうことで今この取りまとめの中に一つの項目として特殊法人のあり方というのが入っている、こういうふうに理解していただければよろしゅうございますが、いかがでございましょうか。
○川橋幸子君 大変懇切にお答えいただきまして、わからなかったら私の方がどうも頭が悪いという感じなのかもわかりませんが、そうすると根っこは行政改革大綱にあったと。それを今、小泉内閣になって、さらに石原担当大臣のところで見直される。 そうすると、今この大綱の実施状況が、どうも当初から後退しているというような話がちらちら出ていますけれども、もう後退どころじゃない、またさらに飛躍的といいますか抜本的といいますか、めざましい改革案が石原大臣のところから出てくる可能性が高い。それを全省庁に向かって号令をかけられるというのが片山大臣の役割ということになるのでございましょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 行政改革大綱の基本的な考え方に沿って石原大臣が見直されていると思いますけれども、むしろ今の作業のいろんな伝えられるところによると、場合によっては行政改革大綱より私は一歩か二歩ぐらい前に出ているなと、こういうふうに思います。 これから当事者や関係の省庁と協議をして調整していきますから、おさまりはどういうことになるかわかりませんが、その案が出ますれば、石原さんのところ、事務局をほとんど私どもの方から出しておりますから、石原大臣と私どもの方が連携しまして、どっちかというと実施部隊は私の方になりますので、一緒にやっていきたいというふうに思っておりますし、当面の経済財政運営に関するものは竹中大臣の方でもいろんな調整をされるでしょうから、関係のところ一体となって、ぜひ特殊法人の改革は私も進めた方がいいと思いますので、進めたいというふうに思っております。
○川橋幸子君 それでは、一歩も二歩も前進する案を石原大臣をサポートされて総務大臣の方でもお進めになるというように理解させていただきました。 私は民主党でございますが、民主党の場合もこの法人改革には大変力点を置いておりまして、自民党内にもしあつれきがありましても民主党がサポートさせていただきたいと思いますので、ぜひ御活躍いただきたいと思います。 それでは、経済産業大臣の方に石油公団の問題についてお尋ねさせていただきます。 十年度決算で三千三百四十億円の当期損失金、いわゆる赤字というものが計上されたわけでございます。こうした問題を踏まえて、石油公団総裁が更迭され、そして堀内光雄、これは通産大臣でいらっしゃいましたけれども、大臣が英断されて石油公団の立て直しというんでしょうか、不良債権処理というものを指揮なさったわけでございます。それを引き継がれまして平沼大臣の方で今、御担当なわけでございますけれども、このような十年度決算に計上された巨額の赤字というのはその後どのように処置されているのでしょうか。 新聞等を見ますと、株式を売却いたしましてその利益で何とか補てんしたいという、そういう当初の目標だったようでございますけれども、株価の低迷でいきなりそれが難航している、壁にぶち当たっていると、このように見られるのでございますけれども、再建の見込みというのはあるのでしょうか。 きょうの新聞記事、どこかでちらっと拝見しましたら、政府・与党ではこうした特殊法人についても再建の見込みのない場合には倒産という処理もあり得るというような記事をちらっと見た覚えがございますけれども、この再建見込みについて伺います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えさせていただきます。 石油公団の巨額の赤字及び再建の見込みについてのお尋ねでございますけれども、石油公団の損失につきましては、合理的かつ客観的に見積もることができる長期の一定期間において損失発生が見込まれる額を既に損失引当金に計上しておりまして、その結果として平成十一年度現在で約三千五百億円の欠損金を計上しています。 今後、さらに公団が保有する、今御指摘ございましたけれども、低迷をしておりますけれども株式の売却を進めつつ、一層効率的、効果的な事業運営に努めることによりまして、欠損金をできるだけ縮小させて公団の再建を図っていかなければならないと思っています。 そういう中で、もう委員御承知だと思いますが、石油公団再建検討委員会、これを設けまして、石油公団開発事業委員会、これは中立そして専門家、これを設置いたしまして、これらの皆様方の提言をいただいて一生懸命そういう形で再建策も講じております。また、そういう中でプロジェクトの採択審査の定量化をいたしまして、そして採択部門と経済性評価部門、これを分離して出資先会社の整理、これは十三社でございますけれども、これも行っていく。それから、第三者から成るいわゆる経営諮問会議、これも設置をいたしまして、そして今後の効率的な運営に当たる。さらには、公認会計士の監査ですとか、出融資先会社についての上場企業並みの情報開示、あるいは連結決算の公表、こういう形でオープンにさせていただきながら、なかなか株式の売却等、これはタイミングの問題もございますけれども、そういう体制をしきまして、そして今、公団の再建を図っていく、こういう形にいたしているところでございます。
○川橋幸子君 前段おっしゃったのは、三千三百四十億円の赤字、それをどう処理するかは、投融資損失引当金で当面帳簿上は処理したということでございますけれども、借金は借金、損失は損失、赤字は赤字でございますね。それを計画的云々かんぬんで、第三者の方のお知恵もかりながら処理なさっていかれるということでございますが、この見込みは今もそのままで狂わず、こうやっていけば石油公団問題は処理できるというふうな、そういう見込みをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) いろいろそういったお知恵もおかりしながら、我々としては全力を傾注して再建を図っていかなきゃいけない。見込みについてでございますけれども、私どもはやる以上全力を挙げてやっていかなきゃいかぬ、このように思っております。
○川橋幸子君 それでは、今の段階ということで、これから先をよく注視して、それまでには全力を挙げられるというふうに承りました。大変厄介な問題でございますけれども、これも平沼大臣の手腕、リーダーシップ、イニシアチブをお願い申し上げたいと思います。 さて、次は中小企業金融安定化特別保証制度について、続いて経済産業大臣にお尋ねさせていただきます。 先ほども同僚の加納委員の方から御質問がありました。先ほど大臣の方は、この制度の効果があったと、多大の効果があったというふうに新聞等でも自賛しているという、こういう表現が報道されております。 でも、一方では、本当にそうなのか。代位弁済のピーク時はこれからということになるわけでございますし、回収率の向上というのが当初予定は五〇%程度でございました。それに対して今の回収率というのは非常に低い、四・四%ですか、こういう見込みなわけでございます。 それを考えると、本当にこの制度、貸し渋り対策については歓迎されたと思いますけれども、当初からこれはばらまきではないか、低生産性部門を延命させることにならないかという懸念が持たれて、あるいは経済戦略会議で竹中大臣はどのように思っておられましたか、世の中では毀誉褒貶のあった制度かと思います。そんなに多大の効果があったというほど自信を持ってお答えいただけるのかどうか、今後のことも考えてお答えいただきたいと思います。 なお、やはり中小企業に対しては非常に痛みが伴う昨今の経済でございます。もし回収が思うようにいかなかった場合、その場合は追加的な予算というのが必要になってくる、回収がうまくいかなかった場合です。そのような事態があった場合は、追加的予算措置の必要性というものはどんなふうにお考えになられるのでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、特別保証制度というのは、委員のお力もいただきまして、そして平成十年十月に創設されました。先ほど加納委員からの御質問にもお答えをした形でございますけれども、この五月末現在で百七十二万四千件の方々、中小企業約三社に一社の割合の方々が御利用いただきまして、三十兆の特別保証に関しましては二十八兆九千四百億円、この保証をさせていただきました。 したがいまして、データ的にも、平成十年のころから比べると、実施した以降は一万社ほどあった中小企業の倒産というのも七千件台に抑えることができ、その間私どもといたしましては、いい形での中小企業の倒産を防げて延命策を図れ、そして立ち直った中小企業が非常に多かったと思っておりますし、また、その間発生したであろういわゆる失業者、この失業者の救済にも、先ほど中小企業庁長官から御答弁をいたしましたけれども、十万人の雇用が維持された、負債総額では二兆円の倒産が回避された、こういう形で私としては多大の成果があったと、このように思っております。 また、保証承諾額に対して代位弁済に至った額の割合は、私どもとしては想定事故率一〇%、こういうことで想定をしておりましたけれども、中小企業の皆様方が一生懸命返済にも努力をされていると思いまして、現在二・四六、こういう水準になっておりますけれども、しかしこれはこれからその率がふえる、こういうことも想定されておりますので、今後の景気状況とあわせて注視をしていかなければならないと思っています。 また、本制度に係る求償権の回収につきましては、まだ緒についたところでございまして、今後十年以上の長期間を要すると私どもは考えています。したがって、現時点の回収実績の数値をもとに評価するということは必ずしも適当でないと考えておりますけれども、本制度に係る四月末時点の回収額というのは二百九十七億円、代位弁済に対する比率は四・四二、御指摘のそういう数字になっています。 今後の回収率向上を図るために信用保証協会において新たに債権回収体制を強化いたしまして、債務者の状況を踏まえた適切な回収を行うことを目的として回収業務に特化したサービサー会社、保証協会債権回収を設立しまして、去る四月十日から業務を開始したところでございます。 以上、代位弁済の状況と回収の取り組みを踏まえれば、現時点では既に講じている予算措置で私どもとしては十分対応可能である、このように思っておりまして、新たな追加の必要はないと、現時点ではそのように判断をいたしております。
○川橋幸子君 会計検査院の方には答弁をお願いしておかなかったのですが、大臣も当然検査院の所見はごらんになっていらっしゃるわけですね。 十年度、十一年度と検査院の所見が出ておりまして、十年度は、今後とも引き続き注視していく、この効果については引き続き注視という所見が出、十一年度については、その効果は限定的なものとなってきていると思われるというようなそういう所見が出ている一方で、大変多大の効果があったというのも、何となく私本人はぴんとこないというのが実感でございます。 それから、十万人の雇用といいますのも、これは雇用対策のためにやったと言われれば、ああ、そうですかというふうに、わからなくはない感じがいたします。ですけれども、それなら直に、直接失業する方あるいは倒産、廃業に追い込まれる方、そういう者に対するセーフティーネットに使った方がずっと効果的であると私は思う人間でございます。 これ以上申し上げましても多大の効果があったことを撤回なさるおつもりはないのかもわかりませんけれども、やはり役所の場合は、何というんでしょうか、自画自賛というんでしょうか、自分のところの施策については間違いなかった、よかったと言うことが多いといたしましても、やはり政治家、大臣の目からは今後とも適切かつ客観的な評価をお答えいただけるとありがたいということだけ要望させていただきますが、よろしいでしょうか。 何か大臣おありでしょうか、言いっ放しでよければ。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は地元が岡山県でございますけれども、時々地元に帰りまして中小企業の皆様方と接する機会がありますと、やはりあの特別保証制度、これは国の制度としては非常によかったなと、こういう御評価もいただいています。 そういうことで、今、川橋先生御指摘のように、雇用の問題についてはじかに雇用対策と、こういう形でそっちでとった方が効果がよかったのではないかと、こういうお話でございましたけれども、私どもとしては、生きている企業、そういって業に一生懸命努力している中小企業に対して、その継続性ということに着目をして、生かせるところはやっぱり力いっぱい生かしてあげたい、そういう一つの観点の中で特別保証制度を設定させていただいて御利用いただきました。 そういう観点から、私は決して自画自賛するわけではございませんけれども、そういうちまたの声も聞かせていただきながら、やはりこれは非常に大きな効果があったと。特に、民間の金融機関が貸し渋りをしてしまって本当に中小企業の皆様方が途方に暮れているときに、私はこの政策というのは非常に効果があったと、そのような思いを持っている次第であります。
○川橋幸子君 それでは、同じく中小企業対策の中でもう一つ、会計検査院の方から例年のように指摘のある中小企業設備近代化資金の貸し付けについて伺わせていただきたいと思います。 ただいま申し上げましたが、十年度、十一年度続けて、検査報告におきましてはこの近代化資金貸付については不当であるという検査報告があるわけでございます。そこで、この手のものというのは、ある種の救済対策なのでというんでしょうか、その延命に手をかすというか、困っているところに手をかすといいましょうか、そういうことなので、そういうものが起きても仕方がない、この御時世なら仕方がないというふうに考えるのか、いや、やっぱり検査院が言うように、この本来の資金貸し付けの趣旨に沿ってしっかりと不正を是正していくということが必要なのか、そのあたりを伺わせていただきたいと思います。 ほかにも、他省庁の所管事項でも毎年毎年出てくるものはかなりあるのでございますけれども、本当に日本の経済を再生する、立て直すというときには、延命よりも、延命によって生じるモラルハザードというのが非常に大きいような気がいたします。例えばこの近代化資金の問題を取り上げまして、経済産業省、中小企業庁ではこれを本当に是正していくおつもりがあるのかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) 御指摘の中小企業設備近代化資金制度でございますけれども、これは平成十二年度に小規模企業者等設備導入資金制度というふうに制度を変更いたしました。この理由は、小規模企業により特化をするということでこうしたわけでございます。 私ども、この制度に基づく不当事項が毎年後を絶たないという点につきましては大変反省いたしておりまして、運用の適正化について努力しているわけでございます。これは、延命ということよりも、非常に条件がよろしいものですから不正が行われることがあるということで、企業全体として延命を目的としているものではございません。 具体的にどのようなことをしているかと申し上げますと、まず会計検査院から不当貸し付けとの指摘を受けました事例につきましては、当然でございますが、指摘金額の償還を命じております。さらに、個別に関係します都道府県に対しまして、不当事項となりました要因に留意しまして、今後このような事例が生ずることがないように厳に注意をいたしております。さらに、都道府県に対しまして、不正を行った企業に対しまして三年間の制度利用制限を行うこととするというような不正防止措置に万全を期して求めております。 さらに、平成十三年の七月からは新たに全国中小企業設備貸与機関協会が価格情報システムの運用を開始する予定でございまして、これによりまして各都道府県の貸与機関が適正な設備価格の情報を共有できるようになるということで、不当貸し付けの大きな大宗を占めていますのが低額設置というものでございまして、このような不当貸し付けの減少に寄与するものと考えておりまして、今後とも努力してまいりたいと存じます。
○川橋幸子君 延命というよりは、本当に名前のとおり近代化に手をかす資金で、うまみがあるから起きやすいと、このような御答弁でございましたけれども、うまみがあるから起きやすいというのも、やはりこれはモラルハザードかと思います。今、長官御答弁のように、来年以降根絶をお願いさせていただきます。ありがとうございました。 それでは、お待たせいたしました。竹中大臣の方の経済財政諮問会議について、昨日はテレビを拝見しておりましたし、先週は新聞等を拝見しておったわけでございます。 経済財政諮問会議の主要閣僚でいらっしゃる片山大臣、平沼大臣おそろいでいらっしゃいますので、きょうは大変いい質問の場を与えていただいたと感謝しております。何分にも経済は素人でございますけれども、国民へのメッセージという意味で、ぜひ私を納得させてくださいますよう答弁方をお願いいたしまして、この質問に入らせていただきます。 聖域なき構造改革の全貌があらわれるというんでしょうか、姿が見えてくるということで大変国民も期待しておるわけでございます。骨太の方針というものを私も目を凝らして見ておりました一人でございました。改めて、この機会でございますので、大臣の方から、今度出された、提案されました骨太方針についてポイントを教えていただきたい。ポイントといいますか、その目指す情熱のほどを教えていただきたいと思います。 それから続けて、まとめて申し上げさせていただきますと、まず新聞でも大変会議の場では修正意見がたくさん出たと。それから、昨日のテレビなどでは自民党内でさまざまな異論が出ているというようなお話があるわけでございます。これもまた先ほどの特殊法人改革と同じで、どうやら一番の味方は民主党かなという感じがしているわけでございますが、どのような意見が争点といいましょうか非常に議論の的になっているのか、そのあたりをまとめて担当大臣の方から伺わせていただきます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 二つの御質問をいただきました。 最初は、まず情熱を語れということでありますので、うまく情熱を語るのは難しいのでありますけれども、ちょっとぜひ最初に申し上げておきたいのは、五月三十一日の第九回の会合で原案が決まったとか方針が決まったというような報道がなされているんですけれども、これは違うわけです。五月三十一日の時点で決まったのは、骨太の方針という一種の報告の目次を決めたわけです。何を議論すべきかということを明らかにしました。この中身をどうするかということがまさにこれからの詰めの段階になります。その意味では、議論のフレームワークが決まったということは言っていただいていいかと思いますが、方針が決まったとか原案ができたということではないということです。 骨太の方針の、その情熱を語る部分になろうかと思いますが、この経済財政諮問会議というのはそもそも大きく二つの役割を負っているんだと思います。経済財政政策に関する重要な事項を議論すること。同時に、予算の大枠について議論をすること。これは内閣府の中にある。内閣府というのは、総理を助ける、総理のリーダーシップを維持するため、助けるためにあるもので、まさに総理のための議論をする場所だというふうに理解しています。 総理が、聖域なき構造改革を議論するということでありますので、まさにこの議論を行うわけであります。したがって、大きく二つの中身を議論する。一つは、小泉総理御自身が掲げている構造改革の青写真の部分をメッセージとしてやはり国民にお伝えしたいということです。第二の部分は、しかし、政策というのは最後はやはり予算という形をとるわけですから、それをその予算という形に落とした場合、どういう形になっていくんだという方向性を明らかにしたいということなわけです。その方向で、そういう形の目次案をつくらせていただいたということになります。 二つ目の御質問の、その修正が出たと、テレビ等々で異論があるというようなお話だと思いますが、まずこれは目次に対して、修正と考えるかどうかはともかくとして、いろんなコメントをいただきました。それはそのとおりです。そのために会議をしているわけですから、こういうふうに民間の議員四名の方と私の方で原案をつくって意見をしたということです。 ただ、この点もぜひ御理解いただきたいのは、当然のことながら、これは文字の表現についてはいろんな意見があるだろうけれども、大枠としてはこれでよろしいでしょうかというふうに聞いたところ、全員が、総務大臣、経済産業大臣、きょうここにいらっしゃっていますけれども、全員が大枠はこれでよいということでありました。 これについては、その方向については御承認いただいたということで、あとはまあそれの表現の仕方というのは、最後はもう急いで文章を書いていかなければいけませんので、その文章の中で微調整をしていきましょうということで合意をいただいているというのが今の段階です。 さらに、これは当然のことながら、党の皆さんは大変興味を持っておられるし、それと各省庁の皆さんは大変興味を持っている。いや、それ以上に多分国民が広く興味を持っておられるんだと思います。これについては広く、党と何かで合意をするとか、各省庁で合意をするとか、経済財政諮問会議の性格からいって、そういうものではないわけですね、総理に対して意見を申し上げるものですから。ただし、我々としては非常に幅広く意見は吸収したいし、本当にこの国難を乗り切るためにアイデアを広く出していただきたいと、これはもう本当に私たち強く思っております。 それに関しては、実はそれをしっかりとした形で受けるために、事務局の体制を新たにしたらよいのではないかということも含めて、今後幅広く野の皆さんからの議論をいただきたいし、それをその報告の中に反映していきたいというふうに思っている状況です。
○川橋幸子君 わかりやすく御説明いただいたわけでございますけれども、その事務局の話、最後に大臣おっしゃいましたけれども、テレビの画面で現在事務局がないというふうな、そういう御発言があったやに記憶しておりますが、その点もうちょっと伺わせていただけますか。 内閣府に事務局がないとはとても思えない。今回の中央省庁再編の中で、内閣機能の強化のためにこそ、各省の方はできるだけスリムにして内閣の人員を手当てしたのではないかと思いますが、事務局がないというのはどういうことだったんでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的には、今まではどういう形でやってきたかといいますと、具体的には担当の政策統括官という方がいらっしゃって、この方々を中心に本当に一生懸命皆さんやってくださっているわけです。あえて言えば、内閣府全体が事務局だったという言い方ができるのだと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、これから後、もう一つこの過程で出てきたのは、私たちが議論していないことが新聞等々でたまたま、かなり以前に民間の議員が出したメモ等々に基づいて、きっとこんなことをやっているんだ、あんなことをやっているんだと、私が知らないようなことがどんどん新聞に出てくるわけですね。そういうふうな若干の混乱があったということも踏まえまして、やはりこれから皆さんから幅広く、党の皆さんからも意見を伺いたいし、各省庁からも意見を伺いたい、そういう中でやはり一種の命令系統というか、この経済財政諮問会議に特化した、やはりより指揮命令系統のはっきりした組織が要るだろうというふうに私自身は考えたわけです。 今までのやり方にもメリットがなかったわけではありません。内閣府全体がその事務局であるんだから、これは非常に流動的にといいますか、柔軟にリソースを活用することができる、そういう面はあるかもしれないけれども、やはり求心力を持った仕事をしていくために別にその事務局という形を明示的に、命令系統をはっきりさせるという意味でつくった方がいいのではないかというふうに現時点で私は考えておりまして、そういった準備を進めています。
○川橋幸子君 この会議の大半は各省の大臣でいらっしゃいまして、各省大臣といいますとそれぞれ各省庁の所管事項が一番ミッション、使命になるわけですね。そうした中で、学者四人組なんという表現を新聞で拝見いたしましたけれども、学者四人組の先生方が頑張っておられる、さまざまな癒着を断ち切ろうと頑張っておられるというようなそういう表現を見るのですけれども、私はやっぱり各省から出向した人間であっても、内閣のそのポジションにあってその使命のもとではそうした使命に徹して働いていくということを考えると、やっぱり大臣の人の使いようではないかという感じもしなくもございません。 ぜひ、その岩田統括官の下にきっと専任のスタッフをということになるのかわかりませんが、指揮命令系統をはっきりさせた上で、本当に各省の人間も使いこなして総合調整機能を発揮してくださいますようにお願いしたいと思います。 総論的なことはこんなことでとどめまして、経済財政諮問会議の役割というのはこちらも理解したつもりでございますが、もう一つ総括的に伺いたい部分がございます。 これは進め方の方ではなくて中身の方なんですが、よく小泉総理も改革に伴う痛みということをおっしゃいます。この痛みというものは、日本語の痛みというのはさまざまな情緒的なニュアンスも含むものでありまして、痛みを避けずにと言われると、二十一世紀のため、孫子のために頑張ろうかというような気にはなるんですけれども、でもその痛みというのが具体的に何なのかというのがわからないとメッセージを送られた国民の側も協力のしようがない、このように思うのでございます。 特に、企業等々はさまざまなシンクタンクを持つわけで予測が可能なんでしょうけれども、一人一人の一般国民、情報を持たない国民が、個人の生活上にどんな痛みが生じて、個人にはその痛みに対してどのように自立対処してくれと訴えるおつもりなのか。このように対処するから自助努力、頑張ってくれと、このように国民の方にお伝えになるつもりなのか。その痛みというものについてお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 構造改革というのは、経済社会のさまざまな仕組みを変えることによって私たちの経済、私たちの生きざまをより豊かにしていこうというようなメッセージが込められているんだと思います。その中で、その痛みの議論というのはどうしても非常に気になる言葉として幅広く、やっぱり皆さん気になる言葉なんだと思います。 具体的に言いますと、では痛みとは何かという質問をよく受けるわけですけれども、例えば今までの仕組みではもうやっていけないということが明らかな場合に、その仕組みの中に組み込まれて働いている人というのは、生身の人間というのは間違いなくいるわけですね。そういう人たちが、そういった組織がなくなる、そういう仕組みがなくなる場合は別のところへ行って職を見つけなければいけない、それに伴っていわゆる痛みが生じるというのは、これは比較的直観としておわかりいただけるのだと思います。 でも、私たちは痛みのために構造改革をするわけではないわけです。なぜやるかというと、これをもしやらなければ、今のままほっておいたらその先の将来の私たちのまさに痛みはそれよりはるかに大きくなるだろうということをもう国民はかなり直観しているから、その意味では全体としての痛みを少なくするためにまさに構造改革というのはあるんだというふうにもちろん考えるわけです。 当面の痛みとしては、やはり仕組みを変えて、そうすると職を移らなきゃいけなくなるかもしれない、それによって長期的には明るい将来が開けるわけですけれども、そこはやはり人間というのはすぐには変われなくて、今までやってきた仕事を将来のために、よりよい仕事のためにすぐには変われないから、やはりその間頑張って自分のトレーニングをしなければいけないかもしれないし、生活に対していろんなまさに痛みが出てくるかもしれない。 そういうことがあるんだと思いますが、だから政策として重要なのは、その痛みをいかに小さくするかということが私たちのやっぱり最大の構造改革に伴う仕事なんだと思います。そのためのまさにセーフティーネットも用意すること。それで、よりよい、先にもっともっと痛みの小さい、そうでなければもっと痛みが大きくなるわけですけれども、そのトータルのコストを少なくするような政策をトータル、パッケージで用意していく、これが構造改革の仕組みだと思います。それがその目次で示された七つの改革のプログラムの中に示されているというふうに御理解いただきたいと思います。
○川橋幸子君 大変お上手な答弁なんでするっと耳を通っていくんですが、やっぱり知りたいのは、どのぐらいの失業率が出るんだろうか、失業のリスクというのはどのぐらい全体にあるんだろうか。それが自分の身に降りかかるかどうかは別にして、それはまた個人が予測する、考えることと思いますが、当面は不良債権処理、これをどのようなテンポで、どのような規模でそれが出てくるのか、それにもよるということなんだろうと思いますが、もう何回聞いてもそれはお答えできないものですというようなそういうことではなくて、やっぱりわかりやすく国民にその痛みの程度をメッセージとして送っていただきたいと思いますが、どのぐらいの失業者が出るものでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) まず、もうこれは何回も議論させていただきましたけれども、これは仕組みが変わる中で私たちが今持っている経済学とか計量分析の知識でそんなに正確に出せるものではないという前提はまず御理解いただいた上で、それでもある程度のめどは議論しなければいけないと思います。 その際によく議論されるのは、不良債権を処理します、それをオフバランス化するという中で、当然のことながらやっていけない企業も幾つか出てくるかもしれない。そこで働いている人たちが職を失う。この職を失う数字というのがまさに離職者ですね、これはもう民間で非常に幅広い推計としていろいろなされているわけです。どうしても社会的には一番大きいところに目が行きますから、何か不安をあおられると。民間の機関は、数字を出す方は出す方でできるだけ注目を引こうとするわけですから、大きな数字を出したいというインセンティブもリサーチャーのマインドとしては実は一部私はやっぱりあるんだと思います。 その範囲で言うならば、その中で出てくる当面の離職になる可能性があるというのは、今まさに委員おっしゃったように、どの程度のペースで不良債権の処理が進むのかということにこれは大きく依存しています。しかし、今の緊急経済対策等々で想定されているマグニチュードで考えて、それと今までの、今までだってオフバランス化をやってきたわけですから、それから出てきた労働市場の変化等々対応関係を見ると、やっぱり私は何度も申し上げているように、数万人から数十万人というのがごく自然な姿として出てくるのだと思います。 その不良債権の処理額を何かすごく大きく想定したりすると、ないしはオフバランスの額と失業の額をやや高目に設定したりすると、それは掛け算と掛け算の話でありますから、一部よく引用されている百三十万とかそういう数字も出てくるわけでありますけれども、割と良心的な考えでこのぐらいは覚悟しなきゃいけないのかなというところを見ると、これは別の委員会でも答弁させていただきましたけれども、数万人から数十万人というところなのかなというふうに現時点では見ています。
○川橋幸子君 もし、その出る失業、痛みをできるだけ小さくするような、そういう改革がうまくいかない場合には、そのテンポは少し延ばす、緩やかにする、このようなことは考えられますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 先ほども申し上げましたように、それはいわゆる構造改革を先送りするというシナリオになるんだと思うんです。構造改革の中の重要な一部が不良債権の償却でありますから、これを痛みが伴うかもしれないからさあゆっくりやっていこう、これを言うのは、やっぱり一般には構造改革の先送りというふうに言うのだと思います。 もちろん、本当に世の中パニックが起こるような状況になるんだったら当然そういうことは一つの判断としてやらなきゃいけないわけですけれども、今目指している小泉流の改革というのは、とにかくやるべきことは即やってしまおう、そのかわりにきちっとしたセーフティーネットを準備して、今まさにおっしゃったように痛みがそんなに社会的に大きくなるようなことはきちっと食いとめようと。繰り返し言いますけれども、七つの改革プログラムの中にそういうことをかなりしっかりと組み込んだ議論をだからこそしていきたいというふうに思うんですね。 安心の機能、保険の機能を強化して、同時に、これは結局、人間の力を高めるということが就職、就業を高めることですから、それしか方法はないわけですね。現実に日本はそれでやってきたんです、今まで。そういう意味での人材大国を再びつくろう、そのプログラムのうちの二つがそういうことに充てられているわけで、この点は本当に私自身も大変力を入れて議論してまとめていきたいと思っている部門です。
○川橋幸子君 構造改革は先送りしない、構造改革をすることによってこそ日本経済は再生する。二匹のウサギか、それが一匹なのか別にしまして、一匹か二匹は別にしても、二つの要素が整合性あるようにしていくということなわけですけれども、私は、そこに三匹目のウサギといいますか、三つ目の要素というのはやっぱり必要なんじゃないかと思います。それは何かといえば、痛みだというふうに要望させていただきたいと思います。 ここに、大臣がお書きになった著書はたくさんおありなんだろうと思いますが、とりあえず一九九九年三月、ダイヤモンド社、「経世済民」というところをちらっと拝見しました。「国民にとって最も大きな関心事は失業率の推移だろう。」ということで、失業、重大なことだというふうに受けとめていらっしゃることはよくわかるわけでございます。 それから、これは子供向けの「経済学の基本のき」という、「みんなの経済学」という昨年十二月の幻冬舎からのもののようですが、四こま漫画入りのこういうものが出ておりまして、「もしボクが失業したら、」という、「ボク」はきっと親なんですね、小さい子供のお父さん、パパなんだと思います、「ボクが失業したら、今日のご飯にも困るってこと、子どもたちはぜんぜんわかっていないんじゃないか?」と。飽食の時代になれ親しんだ子供たちが、もしパパが、お父さんが、僕が失業したらどんなことになるかということを、これははけ口を子供の方に向かって言っている言葉でございますが、失業というのは本当に社会的な不安を増大させる大問題だということをわかりやすく書かれた言葉です。 そこで、私もやっぱり大臣にちょっと知っていただきたいというデータを申し上げさせていただきたいと思います。 痛みというのは、本当にただ無機的な数字ではなくて、人間の個人の生活にとって、家族にとって大変大きな痛みであるわけでございますが、自殺者がこのところ急増しておりまして、三万人を超えるという史上最高のよくない記録を更新しているわけですね。四十代、五十代の男性が大体その半分ぐらいを占めておられて、五十代の男性の場合は五倍ぐらいにふえている。これは、もう既に不良債権、今でも処理されておりますし、リストラ、倒産というのは起こっているわけでございますけれども、既に痛みがこうした社会問題、社会不安として出ているというそういう数字だろうと思います。 それから、大臣のところからちょっとごらんになりにくいかもわかりませんが、平沼大臣、うなずいていらっしゃいますが、御存じですか。(資料を示す)もしあれでしたら、かわってお答えいただけますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 女性の……
○川橋幸子君 これは女性の話じゃないんです。これは「四十九歳なぜキレる」という。切れる十七歳の話がありますけれども、十七歳以上に四十九歳の切れ方が突出している。一番棒グラフの上が四十九歳です。切れる数字という、その切れ方の中身は殺人の検挙人数でございます。未遂、予備を含むと。 団塊の世代周辺の方々ですから、この人口層が多いから、そういう検挙数が多くても、それは人口構成の影響ということも言えるかとも思いますけれども、やはりこれは「四十九歳なぜキレる」というのは非常に痛みが出ていく世代だというふうに私は思っております。それから、最近の児童虐待の話もやっぱり家庭が病んでいるからですね。ということで、痛みは既にあるわけでございます。 それから、それぞれそうした痛みを思いながらも、以前、池田総理が、貧乏人は麦飯を食え、中小企業の一つや二つ倒産してもこれは仕方ないと、こんな表現が残っているわけでございますけれども、今その三匹目のウサギ、痛みという要素もよく考えてくださらないと、既に痛みは十分あるので、景気回復、経済再生と構造改革と痛みを和らげる、この三匹を私は調和的に処理していただきたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ウサギの数がどんどんふえていくとだんだんわかりにくくなるという気もするのでありますけれども、ただ、今議員は、大変私自身が前から疑問にというか問題意識を持っている重要な点を指摘してくださったと思います。 つまり、失業というのは、市場経済の中ではある種の確率でどこの国でもどこの社会でもあり得るものなんですね。日本のやはり最大の問題は、失業が、高い自殺とかそういう社会的な問題に直接に、諸外国では例が見られないほどに結びついていることなんだと思うんですね。 つまり、ちょっとオーバーに言いますよ、あえて誤解のないようにしていただきたいですが、失業で自殺することなんかないんですよ。失業というのは、職がたまたま今なくなって、次の職があした見つかるかもしれない、見つければいいんです、見つかればいいんです。そのために自分の命を絶つということが何かおかしいんです。 日本の社会の痛みというのはまさに、例えば池田さんが、貧乏人は麦飯を食えと言って、いや、きょうは飯がない、きょうは仕事がなくなっちゃったからきょうは麦飯な、しかし、あさって大金持ちになっているからまたいいレストランに行こうなというふうに、ちょっと済みません、オーバーに申し上げていますけれども、自然に思えるような社会をつくることが重要なんですよね。 だから、今の議論でも、例えばリストラによって、ないしは不良債権処理によってどれだけ職を失うかということに物すごい大きな関心が我々集まるわけだけれども、その裏でどんどん新しい職がつくり出されていくわけです。その職をつくり出すことがまさに構造改革であって、経済財政諮問会議の専門調査会でも、一体、いろんな構造改革をやっていろんな規制緩和をやったらどのくらい雇用をふやせる可能性があるのか、五百万もあるんだという数字を実は一つの参考指標として出している。 もちろん、だからこれは私たちの可能性を示しているわけで、本当にそんなふうにうまいこといくのかというふうなことは、それは疑問としてあります。でも、それをやるのが私は構造改革だと思うし、繰り返し言いますけれども、失業しても頑張って心配なく生きていける社会、私はそれが構造改革の重要なメッセージの一つだと思います。 そのためには、新たな就業機会をいかにつくるかということがこの構造改革の中に入らなければいけない。この七つの改革プログラムのうちの二番目に、チャレンジャーを支援するんだ、失業してもまた新たに頑張ろうという人を支援するんだと。そういうものを全体としてまさに一つのパッケージとして、この全体の姿をぜひ建設的に御議論していっていただきたいというふうに思います。
○川橋幸子君 失業者がどのぐらい出るかを心配しているわけでも、私は一般国民はそこのところはわかっていると思います。むしろ、セーフティーネットが十分でないと思うからこそ、一回踏み外したら命綱がなくなって、もう一回チャレンジができないというのが日本の社会。だからこそ、それが身にしみてわかっているからこそ、心配して将来のために一生懸命にこつこつとお金をためる、貯金をする、生活保護世帯でさえも貯金してしまうというような、こんな日本なんじゃないかと思います。 とりあえずは、それでは、セーフティーネットについては万全を期してくださるという、そういうお気持ちであるということを受けとめさせていただきまして、次の話に入らせていただきます。 まず一つは、きょうは総務大臣おいででございますので、非常に財政諮問会議の中で大きな議論を呼んでおります地方財政の構造改革、この問題について伺いたいと思います。 たまたま塩川財務相が地方交付税一兆円減、カットと。それだけ突出して出たその後の財政構造、地方財政の問題でございますので、片山大臣もこの会議では随分御主張なさっていると伺っておりますし、きょうはまた、新聞によりますと、七県知事が共同で、一方的な一兆円の地方交付税削減についての反対声明を出していらっしゃる。こういうことでございますが、大臣の御主張はこの財政諮問会議の中で十分理解されて実現されていくという、そういう方向にあるとお考えでしょうか。
○国務大臣(片山虎之助君) 経済財政諮問会議の方は、今、竹中大臣が御答弁しましたように、目次を決めるというか、今フレームワークが終わった段階で、中はこれから決まっていくんですね。だから、ここでもちろん、せんだって地方財政といいますか、国と地方の関係を全部私の方から説明いたしましたけれども、その中でいろんなことを申し上げました。それから、竹中大臣、平沼大臣、塩川大臣、皆さんからも御意見を承りました。 経済財政諮問会議の方では、私も、地方財政の構造改革をやらなきゃいかぬと。それは地方の自立性の強化だ、地方の自立性を強めると。そして、歳入面からいうと、まだ地方税が三分の一ですから、だからやっぱり地方税の三分の一を、三三%をもっと四〇%に、できれば五〇%ぐらいにふやしてもらいたいと。地方の歳入全部の中で地方がみずから取る税がまだ三三%ですから、その地方税をふやすことによって、国庫支出金を減らすとか地方交付税を減らすということはあります、それが歳入の方の一つです。国に対する依存度を少なくするというのが自立性の強化ですから。歳入の方ですね。 そして、歳出の方では、川橋委員御承知のように、地方の歳出の七割が国絡みなんです。国から補助金をもらうとか、国が基準を決めているとか、国が承認しなければだめだとか。それが公共事業と社会保障と教育で七割なんです、七割。だから、これは国の方を直さないと地方だけでは直りませんよと。だから、国の歳出を切り込むのは結構です。国の今の関与やいろんなコントロールを減らすのは結構です。それによって地方の歳出が減るということは、それはありますと。必要なことは伸ばさなきゃいけませんから、地方にとっても必要なことは。 そういうことで、地方の歳出のあり方も直していく、その結果、むだを廃止する、効率化をやる、重点化をやる。そういうことで、収入と支出とを比べてみて足りないものを地方交付税という形で国が責任を持つというのが今の地方財政計画ですから、だからその結果交付税が減るということはあるかもしれませんと。それが大きく足りなければ、大きく交付税をふやしてもらわなきゃいけませんと。それがそのときの地方全部の歳出と歳入の関係ですね。 そういうことを申し上げて、歳出の方でも自立性を高めてください、国が歳出のいろんなことを決めるようなことはできるだけ少なくしてください、こういうことを申し上げたんです、そこは。それが一つ、地方の自立性の強化、地方財政の構造改革というのが一つありまして、そこで当面、来年どうやるかというまた別の議論があるんです、来年度の議論が。 来年度、例えば国債を三十兆以下に抑えるとすれば、当然増その他がありますから、塩川大臣に言わせると三兆円以上切り込まないといかぬと、全体の歳出を。そこで、国の方は二兆円ぐらい切り込みたいと自分は考えているので、地方の方は、地方財政計画の規模が八十九兆円ですから、一%で八千億か九千億になるので、一%ぐらい、おつき合いでもないんですが、歳出の切り込みをやってもらえると三兆円がつじつまが合いますと。 そこはちょっと短絡なんですよ。そこのところは、塩川大臣に申しわけないが私は短絡だと思っているんだけれども、わかりやすく今言っています。塩川大臣も少し短絡している。それはそれでいいんですが、そういうことが誤って報道されて、地方交付税一兆円を頭からカットする、こういうことが報じられたんです。 これは七県の知事さんだけじゃありません、全国の首長さんや関係者や、みんなそんなばかなことがあるかと言っている。それは当たり前なんです。もともと歳入なんです、地方の。それを頭から、中を吟味しなくて一兆円削る、何割削るなんということはあり得ない、制度としては。そういうことを申し上げたんです。 だから、それは言い方が、塩川さんの言い方が言葉足らずであって、それがまた新聞によって拡大されたから問題なので、塩川さんの真意もそんなところにないと思います。だから、国、地方全体の歳出を聖域なく見直していって、できれば切り込んでいきたい、こういうことなんですね、塩川さんの思いも、私の思いも。 それから、交付税の関係は、竹中大臣とお話ししているのは、地方の自立性強化はもう全く認識一致していますから。 そこで、今の地方交付税制度で、やっぱりこれが百点かといえば百点でありません。今までのバブルからバブルの崩壊を通じて、地方財政計画に基づいて地方交付税制度ができてきたわけですけれども、積み重ねで。その中にはやっぱり問題もありますよと。 例えば、国の補助事業を受けたら裏負担を全部地方が起債で認めて、国が地方に対して起債でも認めて、起債の元利償還というのは当然借金ですからありますね。その起債の元利償還は全部地方交付税で補てんする、こういうやり方はやっぱり一種のモラルハザードを起こすんです。自分のところは金一銭も出さなくても全部できるんだから。補助金もらって、借金を認めてもらって、借金の返済は全部国が補てんしてくれるのなら、ただじゃありませんけれども全部できる、こういうことならどんどんもらった方がいいということになる。これはやっぱり問題なんで、地方の自立性からいったら。一遍にはそれは直せませんけれども、できるだけそこは是正していこうと。交付税制度を見直して、交付税制度の今の段階からいって問題点があれば見直していくと。その当時はそれが必要だったんです。 地方の単独事業をふやす、国の公共事業をふやして、そういうことで財政需要を拡大していくことが景気対策だと、それはそのときはそれで正しかったんです。今でもかなり正しいんです。ただ、そのためにそういう措置をとってきたんだけれども、特に補正予算では。補正はもう最初から計画より以上のことをやりますから、地方もお金がないんです。だから、裏負担を全部面倒見てくれなきゃ公共事業引き受けられません、地方単独事業はできませんと、こういう話だから、そういうことはやってきたんで、ただしかし、今のこの時期になったらそれは見直すべきではないかということでいろいろ議論しておりまして、来年度どうするかは、川橋委員、これからの話です。 それは地方に心配がないように、地方財政の運営が妙なことにならないように、私もよく竹中大臣や塩川大臣、その他皆さんと相談して、地方に不安がないようにしっかりした対応をとろう、こういうふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
○川橋幸子君 熱弁を振るっていただきまして。 所管事項そのものではないかもしれませんが、ついでに、歳出カットのことで言われておりますのが二つございます。一つは、かの道路特定財源の一般化、もう一つは公共事業費の削減、この二点について、あわせてお話を伺わせていただいてよろしゅうございましょうか。いずれも地方の仕事としては非常に大きな問題でございますが。道路特定財源と公共事業費の問題。
○国務大臣(片山虎之助君) 道路特定財源は、これは大変長い歴史があるんですよね。道路が公共事業の中の大宗で、一番地方の振興や活性化に役立ってきたんです。 そういう意味で、あれは議員立法だったと思いますけれども、道路の緊急特別措置法みたいなものができまして、そのためには一般財源だけ入れていると道路の整備の財源というか経費が確保できないから、特別に目的税という形で道路をよくするからということでお願いして税金を負担してもらおう、こういうことで税金ができてきたんです。例えばガソリン税だとか石油ガス税だとか自動車重量税だとか、地方税で言えば軽油引取税だとか自動車取得税だとか、そういうものを財源にして道路整備の五カ年計画はずっとつくられてきて、それに基づいて投資をしてきたんです。 ところが、かなり道路整備が進んできたんですよ。特に国道はもう相当進んでいます。地方道も主要なものはかなり進んでいる、まだ残ってはおりますけれども。そこで、ある程度道路の予算を抑えてくると道路財源の方がオーバーフローするんですよ。道路財源の方が多くなってきている、現実は。そこで、道路だけというものを少しいろんな工夫をしようじゃないかと。ストレートな道路じゃなくて、例えば団地の中の道路だとか、都市計画に基づく街路だとか、あるいは駅前広場だとか、そういうものまで道路特定財源を充てることができるようにしようというのがこの何年かの工夫です。 あるいは、余ったものは道路の特別の交付金にして、地方にこれをやって地方の道路をやらせようと、これは七千億くらいあるんですけれども。そういうことで今来まして、だからそれを私は流用することはあってもいいと思うんですが、そのためには手順、手続が要るのと、やっぱり国民的合意が要ります。国民的合意というのは国会が法律を直すということですね。 そこで、今見直すということについては相当政府・与党の中で合意ができつつあります。具体的にどうやるかはこれからの話。道路にどのくらいのお金を上げるのか、道路に絡む経費がどのくらい要るのか、それ以外はどのくらい要るのか、その中で今の目的税をどう変えていくのか。あれは目的税だけじゃなくて、使途制限のものもあるので、これはちょっとややこしいんですから、簡単に目的税と言いますけれども、法律を直さにゃいけませんね。その辺はこれから政府・与党の中で整理されていく、こういうふうに思いますが、基本的には、今の目的税を大方国民の合意が得られてしっかりした手順、手続で変えていくのなら、私はそれはそれで構わないと思いますし、それは結構だと思っておりますし、そういうことが今、竹中大臣を含めて経済財政諮問会議でも大勢に私はなっている、こう思います。 それから、公共事業はこのところ九兆四、五千億で、それに予備費をくっつけて十兆ぐらいでしょうか、いろんなあれを入れますと、正確に覚えておりませんが、そういうことでやってきました。 それで問題は、公共事業でいつも言われるのは、もう少し効率化、重点化をしろというのと、シェアが固定的ではないか、道路なら道路、港湾なら港湾、何とかなら何とかだ、こういうことがいつも言われているんです。私は、経済財政諮問会議の中では、公共事業の中に例えば私の方の関連のITをもっと入れてほしいとか、環境をもっと入れたらどうかとか、都市計画をもっと広げたらどうか、そういうことを言っておりまして、公共事業そのものの総額を減らすのじゃなくて、中を入れかえていって、考え方を少し直していって重点化と効率化をしたらどうであろうかと。まだまだ景気がこういう状況ですから、公共事業を大幅に切り込むということはなかなか私は難しいと思います。そこはこれからの議論です。 そこで、塩川大臣が言われているのは、できるだけ工夫をして国費の支出を抑えて公共事業の量の確保ができないだろうかと。PFIみたいなことをお考えになっていると思いますけれども、こういう工夫も場合によっては公共事業の中に入れていくということは、私は効果があるんではなかろうか、こういうふうに思っております。 かなり私個人の意見も入っておりますので、総務省の意見ではございませんので、ひとつよろしくお願いします。
○川橋幸子君 さて、そこで竹中大臣、地方の自立から地方財政を改革する、その点については何かお二人仲よしでいらっしゃるのかなという感じがいたしましたけれども、あとの問題になるといかがなのでしょうか。 フレームワークと言いながらも、やっぱり先ほど情熱のほどをお示しされたわけで、今、日本を立て直すためにはこれをやらなければということで項目をお出しになっていらっしゃるわけです。テンポにもよるんだとは思いますけれども、道路特定財源の問題にしろ、公共事業費の問題にしろ、非常に難関が大きいと思われますが、六月末までにはどのような御意見を総理にまとめてお出しになられるのか。まだこれからとおっしゃるのかもわかりませんけれども、せめて方向性だけでもお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) まだこれからなんでありますけれども、基本的には、特定財源の話も交付税、地方財政の仕組みの話も基本的には片山大臣とは六月末までは大変仲よくやれるのではないかというふうに思っております。 実は今の話にもありましたけれども、とにかく今の仕組みにはやはり構造的な幾つかの問題がある、その問題を見直すという方向性に関しては実は合意しているわけですね。それを財政の制約の中で財政制約を克服しなければいけない。一方で、目標として三十兆円以内に国債発行額を抑えるということは、これまた総理の御方針でありますから、その中で今の枠組みを見直すということについては、これはもう恐らく皆さん合意、恐らくじゃなくてこれは完全にみんな合意しているわけでありまして、経済財政諮問会議の骨太の方針というのは、具体的な制度設計をする、議論するということは骨太の方針では実はないわけです。どういう方向で改革をしていくということでありますから、その意味では今の議論を、ただし何が問題かとか、どういうそこに改革の方向性を与えなきゃいけないとか、そういうことはこれから議論を詰めていきますけれども、大枠については、そのベースにおいては、私は合意ができているというふうに感じています。 済みません、一点だけ。 今、片山大臣がおっしゃった話の中では、公共事業の総額は減らさないでという御指摘がありましたが、これはどの程度の期間で見るかという問題なんだと思います。中長期的には、例えば相対的にGDPに対するウエートというのを減らしていくということは、諸外国との比較では私はやはり考えなければいけないというふうに思いますが、当面のフレームワークそのものについては合意しているというふうに認識しています。
○川橋幸子君 六月末には、私ども民主党の方も案を持っておりますけれども、ぜひ聖域なき構造改革の姿をしっかりとお示しいただいて、それで選挙というこの時期に国民に選択を求めるような、そういうテンポで進めていただくことは大いに結構だということでございます。 野党としても、それでむしろ総論賛成各論反対の部分があるようでしたら、私どもの案をもっと国民にアピールしてまいりたいということだけを申し上げまして、不良債権処理問題に関連して、今度は産業構造改革・雇用対策本部がございますので、経済産業大臣の方にお尋ねをさせていただきたいと思います。 二十五日に、経済財政諮問会議よりも先立ちまして産業構造改革・雇用対策本部の会合がございまして、そこで平沼プランというものを出されたわけでございますが、私が個人的に拝見した限りにおきまして、平沼プランと経済財政諮問会議の方の雇用創出の分野との間に何か大分違いがあるような気がいたしました。 二問並べておきましたが、まとめてお尋ねさせていただきます。 経済構造改革の方は、どちらかといいますと新規産業といいましょうか、ベンチャーといいましょうか、ニュービジネスといいましょうか、そういう明るいところが強調されており、経済財政諮問会議の方から出されたサービス分野の五百万人雇用創出というのは、むしろそういうことではなくて、身近な生活ニーズの高いところの中から雇用機会をつくっていこう、教育ですとかケアですとかあるいは保育産業ですとか、そういう部分が強調されているやに思います。 この違いはどのように受けとめればよろしいのか、平沼大臣に伺わせていただきます。
○国務大臣(平沼赳夫君) 実は、昨年の七月に私は通商産業大臣に就任をいたしました。そして、森内閣のもとで産業新生会議、それからIT戦略本部、IT戦略会議というのが立ち上がりまして、その中でやはりかんかんがくがくの議論がございまして、川橋先生御存じのように、昨年の十二月末に一連の議論を踏まえた形で基本的な経済構造改革の行動計画というものが策定されました。 これは、当時はまだ通商産業省でございましたけれども、各省庁との連携の中で二百六十項目のそういう項目を取りまとめまして、現在ドッグイヤーと言われているこういう時代ですから、やはり早くやらなければならない。そういうことで二百六十のうちの百は年内にやってしまおう。既にその八割には手がついているわけでありますが、そういう二百六十項目の中にも、実は一貫した流れの中で議論を踏まえて、やっぱり雇用創出のためのインセンティブを与える、そういう政策は盛り込まれておりました。 そして、小泉内閣が発足をいたしまして、当然経済財政諮問会議も引き継がれ、そして今御指摘のように、この二十五日に新たに産業構造改革・雇用対策本部というのが立ち上がりました。そして、小泉内閣というのが文字どおり改革断行内閣。そして、やはり一つの柱として緊急経済対策、これを日本の景気のためにプライオリティーを与えてやっていこう。その中に、一つの大きな柱として金融サイドの不良債権と産業サイドの不良債務の処理をしていく、こういうことが入っているわけでありまして、これにやはり果敢に挑戦しなければならない。そのために、今申した産業構造改革・雇用対策本部も設置をされた。 したがいまして、私どもといたしましては、昨年の暮れにいろいろな観点を入れまして二百六十項目を出しましたけれども、もっとやることがあるのではないか、こういう形で、もうお読みいただいて大変光栄に存じておりますけれども、十五になる私の新市場・雇用創出に向けた重点プラン、こういうものを発表させていただいて、産業構造改革・雇用対策本部のたたき台にしていただきたい、こういう形でございまして、内容については、もうお読みいただいたわけですから詳しくは説明しません。 したがいまして、経済財政諮問会議も、この前開かれましたときに、このことを私の口から申し上げさせていただいて、やはり経済財政諮問会議でもひとつこれを討議の対象にしていただきたい。そして、力を合わせて、こういう非常に今、国の経済が厳しい状況になっておりまして、構造改革を進めるに当たってはやはり雇用という問題が非常に大きな問題でありますから、そういう中で特に新規のそういう産業が創出され雇用が吸収されるような、そういう対策を強力に進めていかなきゃいけないと、そういう一つの流れの中で出させていただいた、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○川橋幸子君 なお、同本部では、九月でございますか、結論をまとめられるというふうに伺っておりますので、内閣主導のもとで各省庁の力がうまく合わさっていい結論になりますようにお願いしまして、最後に竹中大臣に一問伺わせていただきたいと思います。ちょっと持ち時間の使い方が下手だったんですが、まだ数分ございますので、伺わせていただきます。 今回の経済財政諮問会議からの国民へのメッセージの中で、私は一番欠けていると思いますのは、国民へのメッセージを出したという割には、日本人がこれからどうやって生きようと努力すればそれが可能になるのかという、この国の形の、人間の生き方に対する多様な選択肢が示されていないと、こんな感じがいたします。 今までの終身雇用というのも一つは日本型モデルだったと思います。大分前にこれは崩れたわけでございますけれども、では崩れたからといってもう一つ多様な働き方が言われるんですが、雇用形態の多様化が言われるんですが、大部分は女性が非正規従業員の非常に賃金の低いところ、雇用の安定しないところに入っていく。これが日本型のシェアリングだとしたら、非常に私は不公平な正義のない日本のような気がいたします。そこで、終身雇用にかわるような多様な働き方、生き方、人間の生き方にひとつ選択肢をしっかりと提示していただきたい。 以前の経済企画庁ですと、国民生活白書を担当し、経済計画のほかにもう一つ、生活大国五カ年計画がよかったかどうかは別にいたしまして、個人の価値観、どのような日本人でありたいと思うかという価値観というものが、何がしかの提示があったと思いますが、今回の経済財政諮問会議は、その役割からいうと、どうも経済に偏重している、会議のメンバーの中には女性が一人もおらない。このような状態の中で、私は国民へのメッセージというのはうまく伝わらないんじゃないかということを申し上げて、最後のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政諮問会議のメンバーにつきましては、法律で十名と定められているわけですが、臨時の議員ということで先般も扇大臣に参加していただいていますし、その都度、女性がいないということでは必ずしもないんだというふうに私は思います。 ただ、今御質問の件は、やっぱり大変重要なポイントであるというふうに私は認識しています。 実は、そのプログラムの中に生活維新というメッセージがある、生活維新プログラムというのがあると思います。その中にまさに重要テーマとして、多様な働き方を可能にするシステムをつくろうというのがメッセージとして議論されています。さらには、仕事と家庭を両立できるように、これは総理の所信表明の中で言えば保育所の待機児童ゼロ作戦というのもその中の非常にわかりやすい例だと思います。その意味では、多様な生き方、家庭と仕事の両立を可能にするというような非常に強いメッセージは私は最終的には込められるのではないかと思っています。 そのさらに上位の、何か日本人かく生くべしみたいな、そういう哲学的なものが含まれるかどうかということに関しては、これは私たちの力不足で、そんなに格調高いものにならないという御批判をひょっとしたら受けるのかもしれませんが、これはあえて言えば、これも総理自身が使っておられますけれども、やはり自助自律の社会なんだと。私たちが目指すところの経済社会というのは、私たち自身が自由に自分たちが持っている潜在力を発揮できて、その潜在力自身を高めていけるということになるんだと思います。 そのさらに上の国家理念みたいなことになると、これは自民党の方で国家戦略本部ができていまして、そういうところで国家理念ということを議論するというふうに聞いておりますし、それとのハーモナイゼーションといいますか、合体で全体的な姿を議論していただけるという形になるのではないかというふうに思います。 いずれにしましても、今の御指摘は大変重要だと思いますので、こういった報告の中に反映できるように努力していきたいというふうに思います。
○川橋幸子君 終わります。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。 最初に竹中大臣に一、二お聞きしたいと思います。 差し上げてあるきょうの通告表によりますと、何か私が最初お願いしたのと逆になっていますので、物事の順序でこれを改めて、二番を最初にやらせていただこうということでございます。一兎論とデフレスパイラルについての御認識ということで、竹中大臣にまずお聞きしたいと思います。 五月の半ばごろに衆議院の予算委員会で、この一兎、一匹のウサギというのがたしか御答弁の中で出てきたと思いますが、大変私はこの言葉は深みがあるというか、大臣の基本的な考え方、この当面の景気と改革という問題に対する重責を担われて、いかにこれを成就させていくかという、そういう御決意があらわれている言葉ではないかと。堺屋さんのころに二匹のウサギという話がありましたけれども、二兎を追う者は一兎も得ずということで、確かにそのとおりになりまして、両方ともうまくいかなかったというのが今日までの状況であったと。 そういった中で竹中大臣は一兎論というのを出されたというのは、私は画期的な話だと。まさに景気と改革というのは一匹のウサギそのものなんだということです。大体言わんとされていることはわかるわけでありますけれども、まさに持続的な経済成長ということを考えるならば、改革なくしてそういった向こう岸はあり得ないんだという考えに立っていると。これはこれまでのバブル崩壊以来、十数年の中での貴重な我々国民の体験である、このように思うわけでございまして、そういう意味でまさに改革そのものがまた景気対策でもあるんだというような意味合いに私はとっているわけですけれども、その点についてどうかという点が一点。 デフレスパイラルについての現在の四カ月続いての内閣府のいわゆる景気停滞という認識、この中でデフレスパイラル的な懸念があるということが考えられるわけですけれども、だからこそ三月十九日に日銀としても思い切った量的な金融緩和に踏み切ったということだろうと思いますけれども、そういうような状況の中で大臣は、これは国際的な物価水準にする、または経済構造改革の一つの産物としてのそういった物価の低落ということで、つまりこういう言葉はあるかどうかわかりませんが、いいデフレだという認識なのか、あるいはケインズ理論的な、いわゆる相対的にも持続的にもとにかくどんどんデフレが続いているというような、需要がとにかく不足している、こういうような悪いデフレ、こういうような面を含めて、一兎論とデフレスパイラルについての御認識、これをお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の経済をどう見るかという非常に本質的な御質問だと思います。 基本的には、一匹のウサギという表現を使わせていただきましたけれども、景気回復というのはやはり経済が持続的に発展する姿をもって景気回復というんだと。それで、政府の需要追加で一時的に経済がよくなっても、それがはげ落ちてしまうとまたもとに戻るというようなものは景気回復でも何でもないと。そういう意味では、持続的に経済が発展していくような姿に持っていくためには、これはもう構造改革を頑張って行うしかないんだと。その点は私がぜひ申し上げたかったわけですし、今委員のお話の中にもその点はもう御紹介してくださっていたというふうに思います。 さて、そこで出てくるのが、しかし当面やはり需要の不足というのが結構難しいのではないかというその御懸念なんだと思います。これはもう間違いなくそういう難しさはある。だからこそ私は何回も、これは非常に狭い経済運営です、ナローパスを歩まなければいけないというふうに申し上げました。 そのナローパスを運営するに当たってのやはり重要な一つの武器、その武器の一つが金融政策ということになるんだと思います。財政には一定の縛りがある以上は、やはり金融政策に依存するところが大きい。もちろんこれは日本銀行が独立性を持って決めるマターではありますけれども、幸いにして日本銀行も三月以降、新しい金融の量的緩和に向けた体制を既にとっていると。その中で経済を微妙に運営していくというのが今の日本の段階だと思います。 物価等々の問題につきましては、物価が下がる要因というのは三つあるんだと思うんですね。 一つは、さまざまな規制緩和等々によって今まで国際水準に比べて高過ぎた価格が国際的な水準に収れんしていく、内外価格差が縮まっていくというようなものが一つ。二番目は、多分非常に高い技術進歩を反映して、これはパソコンなんかIT製品に見られるように、技術進歩が高いから価格が下がっていくんだというもの。この二つは基本的には歓迎されるべきものだと思います。しかし、もう一つ要因があるとすれば、それは御指摘のようにやはり需要が不足することによって下がっている。現実の物価の低下というのはこれの組み合わせになっているわけでありますけれども、需要が不足している、その第三番目の要因が今までは余り大きくなかったんだけれども、これ今少しふえ始めているというような状況なんだというふうに私は認識しています。 その意味では、繰り返し言いますけれども、大変狭いパスを歩む。しかし、これは具体的に言うと、例えば先ほど片山大臣もちょっとおっしゃったような政府の支出の組み替え、そして政府の歳入の、税の構造の組み替えによって経済を刺激しながら少しずつでも需要を刺激していく、同時に金融政策とのコンビネーションを考える、そういう形で何とか経済運営を乗り切って構造改革を成就していきたいと、そういうふうに私自身は考えております。
○海野義孝君 今の御答弁の中に、まさに改革を進めながら、今のそういった大変厳しい状況下にありますけれども、これを何とか成功の方向に持っていくというようなお話であったと思います。 そこで、先月末に経済財政諮問会議としまして経済財政運営のプログラム、大きく言って三つのことについての七プログラム、十九項目にわたって、さっきも前の委員の方への御答弁でお話がありましたけれども、あれはいわば原案というかその目次案ということであって、具体的な内容を詰めていくのは今月いっぱいかかってやっていくんだと、こういうお話でございました。 私は、これは大臣と阪大の本間さんとで大分知恵を絞ってまとめられたというような話を聞いていますけれども、いずれにしてもこれは今後の我が国の、まさに二十一世紀初頭における、私はここ両三年ぐらいがまさに正念場だと思っておりますけれども、こうした中で、従来はいろいろな計画というのは出ましたけれども、なかなかうまくいかないで挫折したということがありましたけれども、何としてもこれはやはり成功させていかなくちゃならないと思います。 先般、私は平沼大臣にはいろいろと委員会でおつき合いいただいておりまして、もうきょうは平沼大臣に言うことはないんですが、あえて後でまた一つだけ少しお聞きしようと思っているんですが、竹中大臣としては、この七プログラム十九項目につきまして、その中でまさに大臣としての画期的な項目というかポイントはこれであって、しかもそれの実効性、つまり具体的に、実効というのは行うということではなくて効果が出るようなものは何だということについて、この中からまとめて、絞って御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 七つのプログラム等々についてまさに今議論しているところですので、余り私自身の私見を申し上げるのもなにかというふうに思うんですが、やはりその中では、経済を活性化するという意味では、特にメッセージ性が高いものというのは当然のことながらその中に幾つかあるんだと思います。ただ、この七つの中のどれが大事かということではなくて、七つそれぞれについて非常に国民にわかりやすいメッセージ性のあるものをぜひ出していきたいなというふうに考えます。 ただ、もう一度ぜひ申し上げておきたいんですけれども、これは骨太の方針ですから、具体的な制度をどうするか、制度設計をどうするかというような議論はあと一カ月ほどでこれはできる問題ではございません。ただ、民営化・規制改革にしても、それこそ活性化のためのチャレンジャーの支援にしても、セーフティーネットの問題にしても、それと地方の自立にしても、それぞれ一つ一つが非常に強いメッセージを持って七つでトータルのパッケージになっている、そういうものをぜひ目指したいというふうに思っています。
○海野義孝君 ただいま御答弁ありましたとおりだと思います。 そのためには、これから夏から秋にかけまして、言えば予算的な措置であるとか法的な整備を行っていくということがやはり重要であろうということであろうと思います。 そこで、次に、エネルギー問題につきまして少しお聞きしたいと思うんですが、先ほど加納委員からも専門的な立場での質問がありましたけれども、私はこのエネルギー問題について、ここ一カ月ちょっとの間で日米間におきましては大変象徴的なといいますか対照的なそういう動きがあった、このように思うわけでございます。 それは、七九年に例のスリーマイル島での事故があってから事実上アメリカにおきましては原子力発電所の新規建設については凍結をされていたということでありますけれども、これがブッシュ政権になりましてから、先日も現下のエネルギーの危機を受けまして新たなエネルギー対策として原発を再び建設するんだと、こういうことがあったわけです。 それに引きかえまして我が国におきましては、つい最近の新潟県刈羽におけるああいった問題につきまして、やはりプルサーマルの計画問題ということは大変厳しいということで、なかなか原子力政策、原子力発電政策が何となく白紙状態になってしまっているというような、国家のエネルギー政策としましても大変これは重要な問題であるし、再び日本の経済が息を吹き返すというか、さっきの竹中大臣のお話ではないですけれども、再び上向くような状況になっていったときに先行きのエネルギー問題については、これはアメリカではありませんけれども急場では間に合わないわけでありまして、そういった点でいきますと、ここ数年来の東海村における事故等も含めていろいろなそういう計画がかなりとんざしてしまったという状況で、これで済む問題ではないということでございます。 そういうような意味からも、今後のエネルギー政策について、また来週は経済産業委員会におきましても石油備蓄等を初めとしたいろいろなそういった改正の問題も私どもやりますけれども、そういうことを含めて大臣として、今後のエネルギー政策に対する努力というか、そういったことについてどのようにお考えか、お伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) ブッシュ大統領が五月十七日に発表いたしました国家エネルギー政策におきましては、御指摘のとおり原子力に対して積極的な位置づけを行っております。この背景には、カリフォルニアにおきます電力の危機でございますとか、それから石油価格の上昇、さらにはチェイニー副大統領をヘッドとするタスクフォースが総合的に判断をいたしまして原子力の必要性を強調しているところであります。 この原子力に対する新しいアメリカの見方というのは、原子力というのが一切温室効果ガスを排出しないで将来のエネルギー需要に対して大きな役割を果たすことができる、このことを評価しておりまして、そのために規制の合理化や廃棄物対策について具体的な提言を行っている、こういったことが注目されているところでございます。また、その中では、原子力発電というのがかつてないほど安全で効率的なことも強調されておりまして、私どもとしては大変このことは注目をしているところであります。 エネルギー政策というのは、基本的には各国のエネルギー事情や環境問題への対応の観点から独自に判断していくべきものだと思っておりますけれども、資源の乏しい我が国といたしましては、今委員御指摘のように原子力を基幹エネルギーとして積極的に位置づけ、対応をしているわけでございます。 その中で、先ほどの刈羽のいわゆる住民投票の結果、このことは私は担当大臣として非常に残念だと思っています。それは今委員御指摘のように、スリーマイルアイランドのあの事故に始まってチェルノブイルの事故、さらには直近ではプルサーマル計画に対してMOX燃料のデータの改ざん、こういう問題もありました。さらには東海村の臨界事故、こういうような一連のことがありまして、国民の皆様方に原子力に対する不安、そして原子力に対する危険性、こういうものに対する非常に大きな懸念が私は存在していたと思っています。 プルサーマル計画自体につきましては、我が国のエネルギー政策、やはり二十一世紀はどうしても石油に相当部分頼らざるを得ない、そのこともありますけれども、石油自身は化石燃料でございまして二酸化炭素を排出する、そしてこれはやはり有限の資源であります。そういう中で原子力は、繰り返しになりますけれども、発電時において二酸化炭素を排出しない、ある意味では安全性さえきちっと担保できれば非常にクリーンなエネルギーである。ですから、二十一世紀のエネルギー計画においても、そういういわゆる核燃料サイクルを樹立してやはりしっかりとした計画を構築していかなければならない。 そういう意味で、私どもとしては現在反省をいたしておりまして、刈羽村の住民の方々にその必要性や安全性、それについて相当程度努力はいたしましたけれども、まだ十分な努力がなし得ていなかった。ですから、そういう中で私どもは、電力事業者も含めてやはりその必要性や安定性について、そして安全性についてもっと新しい角度から力強い住民の皆様方に対するいわゆる説明もさせていただかなければならないということで、一経済産業省、資源エネルギー庁だけの問題じゃない、やはり政府全体で取り組もう、こういう形で政府部内に連絡協議会も設けさせていただきました。 そして、私自身も担当大臣でございますから、もしそういう形で、おまえぜひやってきて説明しろということであれば私も積極的に、非常に御協力をいただいている、例えば新潟県でありますとか、あるいは青森県でございますとか福井県でありますとか、そういった立地で協力をしていただいているところにも出向かせていただいて、そしてその必要性や安定供給のための非常に重要なポイントですとか、あるいは安全性について誠意を持って対応させていただかなければならないと思っております。また、いわゆる東京都、日本の首都でございますけれども、この東京都自体での発電は東京が必要としている総電力の六%しか満たしていない、以外は全部他県の皆様方の御協力でやっぱり首都の機能が機能しているわけでございますから、そういった恩恵を受けているそういう自治体の、そういう皆様方のやはりコンセンサスも私は必要だと思っています。 そういうことで、総合的に私どもは対処をさせていただきたい、このように思っておりますし、アメリカがそういう形で新たに原子力の必要性を認めたということは、私どもとしては、やはりそういう必要性というものもアメリカ自体が認めたと。さらに、日本としては、やはり皆様方が心配されていますから、ある意味ではアメリカ以上の取り組みをして一生懸命に皆様方に納得をしていただく、そういう行動をこれからも展開していきたい、このように思っています。
○海野義孝君 大変ありがとうございました。 もうちょっとこれに関連して御質問したいんですが、ちょっとあとの質問もありますので、後日にまたお願いしたいと思います。 次に、平沼大臣が先般、新しいマーケットを、雇用創出に向けた重点プラン、これについてもう既にいろいろお聞きしておりますけれども、きょうは松田副大臣いらしていますから、松田副大臣にちょっとお聞きしたいと思うんですが、一問だけ。 今回の中でというか、中小企業に絡む問題になろうかと思いますが、新規開業五年間で倍増と。確かに、今の我が国の状況からいうと、やっぱり開業率よりも廃業率が高いというような先細りの大変厳しい状況にありますから、新規開業五年で倍増というプランはすばらしいことだと思います。それから、大学発のベンチャー一千社ということ、こういう具体的な数字を出してプランについて発表されているということは、私はそれなりのやはり覚悟のほどがおありかなと思いますが、従来的なベンチャー育成の問題とか、あるいはまた中小企業のそういった育成をしていくという計画とどこがどう今回の場合違うかというような点について、簡潔にひとつお願いします。
○副大臣(松田岩夫君) 政府としては、これまでもベンチャー企業の創出、育成に向けて各般の政策を講じてまいっておるわけでございます。 具体的には、ベンチャー企業の資金調達をいかに円滑化していくかという観点からの政策、あるいは優秀な人材を円滑にこうしたベンチャー企業が確保できるようなそういう政策、あるいはまた技術そのものをこうした中小企業あるいはベンチャー企業が使いやすくできるような政策といった各面からの措置をこれまでも講じてきておるわけでございますが、御案内のように例えばアメリカなどと比べますと、まだまだベンチャーあるいは新規企業といったものの生まれ出てくる割合というものは低い。 日本の現状で申しますと、廃業の方が多くて開業がそれを下回っているという、アメリカなどは廃業よりもはるかに、廃業率も高いですが、はるかにそれより高い開業率で新しい企業がどんどん生まれ出ておるというようなことを思いますと、なお一層こうした努力が必要だということでございまして、財政、経済全体の問題もありますけれども、特に政府としては産業構造改革・雇用対策本部というものを立ち上げまして、その中で、私が答弁するよりも大臣から答弁していただいたらいいと思うのでございますが、平沼プランということで、さらに一層このベンチャー企業の振興を図っていこうではないかということで、今先生御案内のように、開業、創業を倍増していこうと。 とりわけその中で、大学発ベンチャー一千社と明確な目標を決めてそれを具体化していこうということで、さらに従来の施策に加えまして、今申しました資金面あるいは人材面、あるいはまた技術面、あらゆる面から対策の充実を図ろうということで各種の提案をいたしておるところでございます。 例えば、ストックオプション制度もつくりましたが、さらにそれを一層弾力化していこう、あるいはまた公開前規制の見直しもやろうではないか、あるいはまた地域における企業環境の整備というものを一層進めていこう、あるいはまた大学発ベンチャー一千社ということで、これまでもいろいろやりましたけれども、産学官の連携の中で大学から新企業がどんどん生まれてくるという体制づくりのために一層充実をしていこうといった各種の提案を平沼プランということで今出させていただいておりまして、こういった努力をさらに具体化して、今申しましたような開業をはるかに上回る新規起業家ということで頑張っていきたいと思っておるわけであります。
○海野義孝君 私は、ここ近年大変そういった面では開業のテンポを上げていくというような、またそういう企業のビヘービアを起こすような、例えばTLOの問題なんかもそうでありますけれども、まさに産学協同的なものが、従来の縦割り的な行政から、この一月の一府十二省庁になったということを機縁としまして、これからは横断的なそういった中でこういった産業の振興といったことをやっていくということが重要だと思います。このことが、とりもなおさずまさに構造改革と景気のウサギ一匹と私は相通じる部分じゃないか、このように思います。 最後になりましたけれども、遠藤副大臣お見えですので、あと省庁の方々にも大分いろいろ質問を差し上げてあるんですが、時間が余りありませんから、まずは遠藤副大臣にひとつお聞きしたいと思います。 公益法人に対する行政の関与という問題があるわけでございます。行政改革大綱の中で、昨年末ですか、まとめられた中で、特殊法人など、あるいはまた公益法人等についてのいろいろな改革ということがあるわけですけれども、そのためには、具体的に公益法人に対して、先般の例のKSDではありませんけれども、あの教訓は、やはり三年に一度の書面検査あるいは立入検査等が計画の半分もいっていなかった。三年に一回というのが半分しかいっていないということは六年に一回というようなことになるわけでして、そういったことで、大変言うなれば所管官庁による検査の甘さということを浮き彫りにした事件であった、このように思うわけですけれども、それを踏まえまして、公益法人に対する検査の強化について具体的にどのような措置が講じられているか、あるいはこれからどういったことを御計画になっているかということをちょっと。
○副大臣(遠藤和良君) 国所管の公益法人は現在七千、それから都道府県のものを合わせますと二万六千あります。このうち、まず国所管の七千について総点検をしようということにいたしまして、二月に関係閣僚の皆さんの御討議をいただきましてそれをやりました。それで、それを公表させていただいたところでございます。 このときに、できれば立入検査を三年に一遍は必ずやる、こういうことにいたしました。したがいまして、会計年度は三月三十一日でございますから、それまで各府省が自分の所管する公益法人についてはきちんと点検をして、三年たてば全公益法人について立入検査を完了している、また臨時に立入検査が必要なものについては随時行っていく、こういうことにいたしました。また、立入検査をするときに甘い基準になってはいけませんから、チェックリストを全部つくっていただきまして、これは各府省、全部つくり上げたところでございます。そして、そのリストに従って検査した後、それでもちょっと問題があるものについては、例えば公認会計士の皆さん等の意見を入れて外部監査をやる、こういうふうなことも申し合わせておるところでございます。 現在、各府省についてそういうふうな体制をとっていただいておりまして、人員配置あるいは予算上の工面等も各府省でやっていただいておりますが、国といたしましてこれに対して何か特別な予算を考える、そういうことは今行政改革の観点からいってできませんから、各府省で努力してもらう、これで十分できる、このように思っておる次第でございます。 そして、この結果をきちっと毎年毎年公表することによって、国民の皆さんに公益法人に係る問題についてちゃんと精査してもらう。また、役員の報酬が民間の人に比べて異常に高いとか、こういうところもきちっと報告をしてもらって批判をいただく、このようにしたいと考えているところでございます。 それからまた、総務省といたしましては、これは専門的な知識を要する仕事でございますので、各府省から御相談があれば職員の研修等につきまして格段の努力を払っていきたい、このように考えているところでございます。
○海野義孝君 それではもう一問だけ。 西村局長おいでになっていらっしゃいますので、たくさん御質問をお願いしましたけれども、申しわけありません、一問だけですが、今、遠藤副大臣からも御答弁の中でお触れになりましたけれども、橋本行革大臣当時におきまして大号令がかかって、たしかあれは一月の終わりごろだったと思いますけれども、わずか二カ月ぐらいの突貫的なそういった調査を行われたということで、つまり総点検は具体的には四つの観点からたしかおやりになったと思うんですけれども、その結果と行政委託型公益法人等改革の視点と課題というのが公表されたわけですけれども、総点検で明らかになった問題点と今後の改善方策について、簡潔に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(西村正紀君) まず総点検でございますけれども、今、副大臣からお話がございましたように、各省で二カ月ぐらいで緊急に点検を行っていただいたわけでございます。この結果、是正が必要なものにつきましては各省で適切な措置がとられていると承知しております。 私どもの事務局といたしましても、先ほど申されました公益法人等の改革の視点と課題というのを四月に示させていただきましたが、この中で、行政委託型公益法人にとどまらず、公益法人全般を通じた制度の抜本的改革の基本方向を示すという大きな課題について今取り組んでおるところでございまして、この総点検結果の分析作業もその検討に当たって一つの材料として活用をしていきたいと考えております。
○海野義孝君 もう時間になりますのでもう一問だけちょっと簡単に申し上げますと、従来国の関与が必要なものは例えば国とか独立行政法人で今後実施される、それを除きますと営利法人にも門戸を開放して、それで能力主義への転換というふうなことも打ち出されているわけですけれども、これについて具体的に何か着手されている面がありますか。
○政府参考人(西村正紀君) 行政委託型公益法人の改革につきましては、官民の役割分担、それから規制改革、財政負担の縮減合理化という観点から見直すことにしておりまして、国から公益法人に委託や推薦をして公益法人が行っている検査、認定、資格付与等のこういう事務につきましては、先ほど申しました四月に発表いたしました視点と課題の中では、これらの法人につきまして公益法人が行っております検査、認定等必要性のないものについては廃止をする、また必要性が認められるといたしましても、特定の公益法人に独占的に行わせているものについては営利法人やNPOでも能力のある法人であれば参入できるというような視点と課題を取りまとめまして、これから事務局では具体的な方針を策定し、年度内に政府として行政委託型公益法人改革の実施計画を取りまとめたいと考えております。
○海野義孝君 終わります。
○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。 中小業者にとって貸し渋りや高金利などの金融問題は引き続き深刻な問題になっております。 こうした中で、貸金業の登録をしないで出資法や利息制限法を無視してトイチ、これは金利が十日で一割、年三六〇%ということですけれども、あるいは最近はトゴ、十日で五割、年一八二五%、こういう金利ですね。そういう非合理な高金利で貸し付けるやみ金業者問題が大きな問題になっていると思います。 東京商工団体連合会に寄せられた高金利の被害などの相談件数、昨年の半年で二十人百二十件であったのが、ことしは三月、四月わずか二カ月で十人六十件と急増しております。 経済産業大臣もそういう報告を受けられていると思いますけれども、どのような御認識ですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今の数字というのは、やはりそういうお金に困った人の弱みにつけ込んでそういう形で高金利で、そして出資法違反をしてまでそういう業が行われている、そういうことは非常に遺憾なことだと、このように思います。
○緒方靖夫君 本当に遺憾なことだと思うんですね。 それで、やみ金融業者のやり方は今ますますエスカレートしているんですよ。東京と大阪だけでも二千社以上あると言われるやみ金融業者の取り立て行為、これは大変なものです。暴力、監禁、恐喝、ひどいものです。 私は体験者から直接お話を伺いましたけれども、玄関のかぎをぶっ壊して勝手に上がり込んで近所に聞こえるような大声で返済を迫る、顔を殴る、ける、給料振り込み口座の通帳とキャッシュカード、クレジットカードを強奪して勝手に買い物をする、債務者の工場や住宅を不法に占拠して機械、工具、家財道具を勝手に運び出す、こうしたことがもう無限にやられているわけですね。債務者の工場や住宅、ここにも上がり込む、そしてまたそこを不法占拠する、そういうこともあるわけです。 こうした金融業者の暴力行為や、出資法や利息制限法の規制金利をはるかに超えた高金利違反の実態、これはどう把握されていますか。
○副大臣(村田吉隆君) 私どもは、登録された貸金業者について、そうした貸金業規制法とかあるいは出資法の違反の事実、疑いがある場合には報告とかあるいは説明を求める、そういうことによって事実の把握に努めていると、こういうことでございます。
○緒方靖夫君 登録されたことについてはそうやられている。しかし、登録されていないのが非常に多いわけですよね。それについてはどうされていますか。 そうしたら、後でまとめて聞きましょう。要するに、実態はつかんでいないわけですね。この間のやみ金融のやり方、これは登録業者という顔をして看板や新聞広告を出す、そういう特徴があるわけです。 私、ここに持ってきましたが、これはスポーツ新聞の一面です、これは。(資料を示す)こういうふうに全部やみ金融業者が広告を出しているわけですね。数えたら二百社ありました、これは。これが毎日、各紙で行われている。大変な数になるわけですね。大変な実態だと思います。あるいはこういうダイレクトメール、これがどんどん送られてくる。これは未登録ですよ。これがいっぱいあるわけですね。私がちょっと聞いただけでもこういうのが集まってくる。 こういう、ここに広告が出されてそこで銀行の貸し渋り、これを受けて当面の運転資金の調達に困った中小業者、不渡りで倒産することはできないといって結局こういうところに手を出していくわけですね。高金利で金を借りて被害に遭う。 こういう処分を訴える相談などの対処、金融庁に来たこういう相談についてはどう対処されていますか。
○副大臣(村田吉隆君) やみ金融業者についてはまた警察庁の方からお答えいただきたいと思いますが、私どもの方で登録貸金業者について法令違反の事実がある場合には厳正に対処して、そして登録の取り消しとかあるいは業務の停止、そういう措置を厳正に行うと、こういう態度でございます。
○緒方靖夫君 要するに、未登録の業者については金融庁としては対処していないということですね。
○副大臣(村田吉隆君) 貸金業規制法上、私どもが所管しているのは登録貸金業者でございます。
○緒方靖夫君 やはり行政として、金融庁として、登録だけじゃなくて未登録についてもやっぱりきちっと対応する、これは私は非常に大事な点だと思います、実態に照らして。 地方の財務局に相談に行くと、決まってそれは県や都の労働経済局に行ってくれと言われる。そこに行くとなかなか十分に対応してもらえない、そういう実態がもういっぱいあるわけですね。契約書から返済の実態を見れば高金利の違法性がはっきりするわけだし、そして相談者はあすの生活がどうなるかという一刻を争う、そういう状況に置かれているわけです。 私は、所管がいろいろあるということがあるかもしれないけれども、相談内容についてはやはり関係省庁と連絡をとり合って機敏に対応する必要があると思うんですね。被害者は行政として責任を持った相談を、またその対応をお願いしたい、そういう気持ちが非常に強いわけです。 九九年十一月の衆議院消費者問題等の特別委員会で、当時の堺屋経済企画庁長官は、大蔵省、監督庁ともよく相談させていただいて対応したい、そういうふうに述べているわけです。 私は、所管を越えてそういう方向で何らかの対応策を早急に打ち出すべきだと思うんですけれども、大臣、こういう問題は放置できないと思うんですけれども、その点やはり緊急に何らかの対策が必要だと、そういうふうに実感されると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) やみ金融に関しましては、私ども経済産業省というのは直接には所管をしておりません。しかし、今御指摘の例えばスポーツ新聞の一面広告等を拝見しまして、そういう未登録の貸金業者というのが跳梁ばっこして大変な社会問題を惹起しているということは、やはりある面では看過できない問題だと思います。 そういう意味で、私どもとしては問題意識を持ちながら、直接所掌をしている役所じゃございませんけれども、いろいろ連携をしながら実態の調査等はしなければならない問題だと、そのように私は思います。
○緒方靖夫君 違法行為を取り締まるのは警察庁ですけれども、この問題について役所として管轄しているのはやはり金融庁だと思います。 きょうは副大臣にお越しいただいているわけですけれども、登録部分だけについてはやると。登録部分でも非常に大きな問題があると思いますけれども、未登録の問題、これはやはり非常に大きな問題なわけですね。今、平沼大臣がおっしゃられたとおりだと思います。そしてまた大臣も、所轄ではないけれども、しかしこの問題については閣内で一体で対応していく必要があるということを私は言われたと思うんです。 そこで、副大臣、お聞きしたいんですけれども、今言われたように無登録業者については今のところ対応はないわけですね。その対応を新たに考える、その対応をやっぱり何とかしていくというのが、今のひどい実態に照らして、私は幾らでも例がありますが、時間がないものですから、そういうところでその対応が必要だと思います。この対応がないから問題が起こると思うんですね。これではだめだと思うんですね。やはり相談者への行政の連携した機敏な対応が求められていると思いますので、金融庁なりあるいはまた副大臣のイニシアチブで相談をしていただいて、やはり何らかの形で、例えば通達とかあるいは連絡文書とか、そういうものをもってこうした問題について対処する、このことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。 大臣に、副大臣にお尋ねしています。後で聞きますよ、後で聞きますから。副大臣。
○副大臣(村田吉隆君) やみ金融のことについて警察庁長官からお答えをしていただこうと思いましたが、そういう委員からの御指摘でございますので、私から答弁をさせていただきたいというふうに思います。 私どもは、原則として登録貸金業者、これを所管しているわけです。そして、所管の対応でございますけれども、先生先ほど言われたような一つの県、しかも域内でやっている貸金業者については県の自治事務ということで県が担当していると、こういうことでございます。一の府県域をまたがるような場合には私どもの財務局が対応していると、こういう整理でございます。 その上で、私どもは原則として登録貸金業者というものを所管いたしておりますが、貸金業の実態ということについては、私どもも全般的にやみ金融を含めまして関心のあることはもとよりでございますので、そういう実態については私ども重大な関心を持っていることは申し述べたいというふうに思っております。
○緒方靖夫君 担当の所管なわけですから、登録だけではなくて未登録、無登録の部分についてもしっかりやっていただく、これは肝心だと思います。 大臣にお伺いしますけれども、なぜやみ金融による被害等相談件数が増加しているのか、この問題なんですけれども、銀行の貸し渋りとともに、ことし四月に安定化特別保証制度が廃止された影響があると思います。ことしの五月の金融専門紙のニッキンでも、ここにありますけれども、安定化特別保証は一定の枠内で再借入で借りかえによる返済原資の確保にも使われているから、この廃止は中小企業に与える影響はとても大きいと指摘しております。 それからまた、大臣は、先ほど同僚議員の質問に対しても、この制度がよかった、そして大きな効果があったと答弁されました。そのとおりだと思うんですね。 そうであれば、今、中小業者が背に腹かえられずについついこういうものを見て手を出してしまう、そして苦しむ、こういう実態に照らして、やはりこういう何らかの緊急対策、特別信用保証等々もこの四月に廃止されましたけれども、そういう種類の保証が今、中小業者の苦しみとか叫びから見てもどうしても求められていると思いますけれども、大臣の御所見と今後の措置についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えを申し上げます。 特別保証制度というのは、平成十年の異常なバブル崩壊後の貸し渋りに対応して、中小企業の皆様方にやはり国がある意味では責任を持って保証をつけさせていただく、こういうことで、よく先生御承知のように、一年延長して三十兆にして大変な実績を上げました。そういう中で、一応緊急貸し渋り対策と、こういう形でやらせていただいた制度でございますので、この三月三十一日で一応締め切りました。 それで、昨年臨時国会で手当てをいたしまして、やはりそれにかわる一般保証制度でございますけれども、新たな枠を設けまして、そして五千万円というものを八千万円に拡大して対処をする、こういう形で我々は対策を講じさせていただいています。 そういう意味で、特別保証制度をさらに新たにもう一回やるべきではないか、こういうような御指摘でございますけれども、私どもとしては、異例、特例の措置としてあの特別保証制度をやらせていただいて、そして多大の効果を上げることができたと思っておりますけれども、その一つの使命、それは私どもとしては一応区切りをつけさせていただいて、今申したように新たな制度の中で我々としてはきめ細かく中小企業対策、これを行っているところでございまして、今新たに特別保証制度をまた設ける、こういうことは考えていないところでございます。
○緒方靖夫君 私は、本当に困っている方がおられるわけですから、中小業者で、何らかの緊急措置をということをお願い申し上げました。ぜひ検討をお願いしたいと思います。 最後に、警察庁長官にお伺いしますけれども、やはりこの問題、違法行為が行われているけれども、しかし警察が十分に取り締まってもらえない、そういう相談が同時にたくさんあるんですね。事例はたくさん挙がりますけれども、具体的に言えば、例えば地元の警察署などに言っても民事不介入を理由に取り合ってくれない、あるいは借りたものを返すのは当然と警察官が追い返す、こういう実態があるわけです。こうした事柄については、日弁連もこの三月に長官に要請しております。やはりこういう問題についてはきちっとした形でやる、これが肝心だと思います。 しかも、やはり私、警察の対応で言うと非常に遅い。警察署が動くまでに二、三カ月かかる。何でそんなにかかるのか、そういう声がたくさんあるんですね。やみ金融業者への徹底した取り締まり、これは当たり前だと思いますけれども、長官の指揮でやはりそういう実態を徹底して追及し、取り締まっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(田中節夫君) いわゆる無登録業者によるところのやみ金融違反も含めまして、高金利事犯等の金融事犯の検挙状況につきましては、平成十二年中は百七十七事件、四百九十四人を検挙しておりまして、平成十一年中と比べまして、検挙事件数で十五事件、人員で百四十八人と大幅に増加しておりまして、検挙事件数、人員とも過去五年間で最多となっております。 今、委員御指摘のように、警察といたしましては、金融事犯が国民生活に深くかかわっておるという実態もございますので、今後とも関係機関、団体と連携し、高金利事犯や取り立て行為違反等の悪質な事犯に重点を置きまして厳正に取り締まりを推進してまいる所存でございます。
○緒方靖夫君 時間ですので終わります。
○阿部幸代君 日本共産党の阿部幸代でございます。 森林法並びに採石法の運用について質問したいと思います。 まず、採石法上の都道府県の事務が地方分権法によって自治事務となった積極的な意義はどういうものなのか、これは原理原則の問題ですので、大臣にお聞きしたいのですが。
○国務大臣(平沼赳夫君) 平成十一年の採石法、これを改正いたしましたけれども、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律により、地方自治法等、諸法律の一括改正の一環として行われたものでございまして、これは地方分権を推進する観点から、岩石の採取計画の認可等について、国からの機関委任事務から都道府県知事固有の業務である自治事務と、そういうことにしたわけでございます。
○阿部幸代君 その積極的な意義ということで、もう少し詳しくお聞きしたいんですけれども。
○政府参考人(広田博士君) 採石法におきます採石計画の認可につきましては、採石法三十三条の四で都道府県知事に認可をする権限を与えておるわけでございます。都道府県においては、計画がその地域の実情に合っているのかどうかということが一番わかっている立場でございますので、先ほど大臣からお答えさせていただいたように、法律の改正によって自治事務といたしたわけでございます。
○阿部幸代君 つまり、住民の福祉増進を図ることを基本として地方公共団体の自主性及び自立性を高めたと、そういうことだと思いますが、そうですね。
○政府参考人(広田博士君) 採石法三十三条の四は、「岩石の採取が他人に危害を及ぼし、公共の用に供する施設を損傷し、又は農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ、公共の福祉に反すると認めるとき」は、都道府県知事は岩石採取計画の認可をしてはならないという旨の規定をしております。 自然環境に関連して申し上げれば、例えば汚濁水による水道あるいは農業等への影響を想定いたしますと、一般論として言えばこうした基準に該当するということがあり得ますけれども、個別具体的な面につきましては、都道府県においてこれら基準に該当するかどうかという、そういう判断をしていただくということでございます。
○阿部幸代君 ちょっと具体論に進み過ぎているのですが、地方公共団体の自主性及び自立性を高める、そういう趣旨で自治事務になったと思うんですね。それはあくまでやはり住民の福祉増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う、こういうことであると、これは法律上の定義です、思います。 それで、今お話しの具体的な話になりますが、自治事務といっても法律を運用しなければなりませんから、運用次第では肝心な住民の福祉が大きく左右されることになります。 具体的にお聞きしたいんですが、採石法第三十三条の四によると、都道府県知事は、採取業者から採取計画の認可の申請があった場合、その「計画に基づいて行なう岩石の採取が他人に危害を及ぼし、公共の用に供する施設を損傷し、又は農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ、公共の福祉に反すると認めるとき」は認可をしてはならないとあります、先ほどのお話のとおりですが。採石法は、もともと一九五〇年、日本経済の復興に不可欠な有用資源の有効な開発のためにつくられた法律であろうというふうに認識していますが、それゆえに今日では重要な環境条項などを必ずしも備えておらず、これでは不十分に過ぎるし、しかも抽象的に過ぎるという意見もあるんです。だからこそ運用が非常に重要になります。 採取計画の認可、不認可の判断は結局どのように行われることを期待しているのでしょうか。また、判断基準の中に環境問題なども含ませることも可能なのでしょうか。
○政府参考人(広田博士君) ただいまもお答えをいたしましたけれども、自然環境の関連ということで申し上げますと、先ほどもお話ししましたように、採石場の開発から発生するような例えば汚濁水というようなものがございますけれども、これが水道や農業等へ被害を及ぼす可能性があるということに関しまして、先ほどの採石法第三十三条の四の他人への危害あるいは公共の用に供する施設の損傷、この場合はこの公共の用に供する施設の効用の阻害というようなものも含むわけでございます。それから、農業等の他の産業への利害の損害と、こういうようなそれぞれの場合に該当する可能性があると思います。 したがいまして、個別具体的にはその都道府県におきましてこれらの基準に具体的に該当するのかどうか、こういうことを一つ一つ調査し判断をした上で決定をされるということでございます。
○阿部幸代君 それでは具体的にお聞きしますが、埼玉県の横瀬町というところで採石場建設問題をめぐって町も町議会も、それから町民の七割が反対署名を出すなどして反対をしているという事態が起こっています。町内はもとより、県内の広範の環境団体も同一の意思表示をしているところなんです。 その主張の内容を見てみますと、採石場建設予定地に隣接して水源涵養保安林があること、それから、この地域から続く横瀬川は町の水源地になっていて八割の家庭で水道水として使っているということ、同時に、昔から農業用水としても使われてきていましたが、採石場の建設は水量の確保とよい水質の確保に困難をもたらし、生活を脅かすということをまず挙げているんです。 これらは、今言ったことですね、公共の福祉に反するか否かの重要な判断材料になると思われるんですが、どうなのでしょうか。つまり、公益上の見地から、水源涵養保安林の隣接、それから水源地の問題が重視されるのは当然でないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(広田博士君) 採石法の規定の公共の福祉に反すると知事が認めるか否かの問題でございますけれども、これは採石業の企業活動と公益上の見地との比較考量ということになってくると思います。 今お話がございました水源涵養量の低下や川の汚染による飲料水やあるいは農業水への影響ということでございますけれども、これらについては、実際問題として、この地域で具体的にこうした基準に当たるのかどうかということを地元の自治体が調査検討した上で、その結果を踏まえて適切な判断が行われるというふうに考えております。
○阿部幸代君 つまり、公共の福祉に反するか否かの重要な判断材料になるということだと思います。 カタクリやザゼンソウ、カワセミやヤマセミなど自然の宝庫を破壊して、猿害を拡大すること、土砂を運ぶダンプカーによる公害がまき散らされること、交通量の増大と騒音、粉じんへの懸念も示されています。 これらも公共の福祉に反するか否かの重要な判断材料になるのではないかと思われます。つまり、公益上の見地からこれらの環境問題が重要視されるのが当然ではないかと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(広田博士君) それぞれのケースによりまして違うと思いますけれども、野生動植物への影響や、今お話ありましたお猿さんの害につきましてはなかなか事実関係の把握も難しいというふうには思いますけれども、一般論で言えば、岩石の採取計画とそれからその因果関係があるか否かという判断によるものと思いますし、またその結果、先ほど言った基準に該当するのかどうかということによってくるものと考えております。
○阿部幸代君 大臣にお聞きしたいんですけれども、地方分権地方分権ということで、地方の自主性や自立性が強調されています。一方で、法律の運用ということに直面したときに、法律によってそもそもこうせざるを得ないのだ、自動的にこうせざるを得ないのだと法律に責任を転嫁する、あるいは国に責任を転嫁する、こういうことも起こり得ないわけではないんです。そういうことを考えたときに、やはり法律の運用であくまで自治体の自主的な自立的な判断が求められているんだということが大事なのだと思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) これまで御説明してまいりましたとおり、採石法第三十三条の岩石採取計画の認可不認可の判断というのは、同法第三十三条の四の基準によりまして、または同法三十三条の六の関係市町村長の意見聴取を通じて都道府県知事が行うべき、このようなことが私は基本だと思っております。 当然のことながら、問題となっている事業が他人に危害を及ぼすか、あるいは農業、林業その他産業の利益を損ずるか、あるいは公共の福祉に反すると認めるかは、個々のケースに応じて知事が厳密な比較考査を行って決めるべきものであると私どもは思っておりまして、ある意味では地方分権というその機能を高める面でも、やはり知事がその地域の実情というのを一番知っているわけですから、市町村長の意見等を聴取した上でそういう総合判断をすることが私は一番いいと思っております。 また、単に住民が反対しているとの理由のみで許可しないとすべきでない、こういうこともある意味では私は当然だと、このように思っております。
○阿部幸代君 住民が反対するからには必ず判断を持っているわけですので、単純に機械的にそこはとらえてほしくないし、そうはなっていないと思います。 時間の関係で森林法の方はちょっと省略をさせていただきます。済みません。 次の質問ですが、環境事業団融資による中小企業対策についての質問です。 住宅地域などの公害防止のために集団で移転する建設譲渡事業について、この二十年間に譲渡契約した建設譲渡事業、事業数と企業数はどのくらいになるのか、まずお聞きしたいのですが。
○政府参考人(中川雅治君) 環境事業団が過去二十年間に行いました集団設置建物譲渡事業の事業数は百一件、企業数は七百五十社でございます。
○阿部幸代君 全国で百一の事業、企業数が七百五十一にも上っているということを伺いました。これらは、今日の不況のもとで共通の重大な問題を抱えています。 まず、大きな問題は極めて高い金利の問題です。大不況のもとで受注の大幅減少、単価の切り下げなどによって通常業務でも資金繰りも行き詰まり、このままでは元金はもとより利息の支払いまでも滞る企業が続出します。その上、高金利が覆いかぶさってきているわけです。各組合等事業団の約定金利は最低金利で四・五五%です。最高金利は六%になっています。 なぜこんな高金利なのかということですけれども、バブルの時期に集団移転契約が行われ、そのバブルのころの高金利が固定されてきているからです。移転企業は公害防止のための移転事業という、国や地方自治体の政策にこたえていわば協力をしたと思うんですね。にもかかわらず、バブル期のこの右肩上がりの仕組みがそのまま温存されていて、今の市中金利一・六%とか一・八%ですから、これと比べても余りにも異常な事態がまかり通っています。この大不況で解決策が示せないのであれば、もうつぶれろと宣告されているようなものになるんです。 現在、五%を超える分について、その支払いの一部または全部を軽減することができるものとするという、こういう閣議決定に基づく措置をとらざるを得なくなっていると思いますが、これでも高金利だと思います。少なくとも四%、三%に引き下げていくべきではないでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 環境事業団の行っております建設譲渡事業は財政投融資制度を活用した事業でございまして、財政投融資と申しますのは金融的手法による政策ツールの一つでございますが、これは環境事業団のみならず各種の政策金融を含めまして長期固定でお貸しをするというところに特色がございます。やはり民間でできない長期固定の貸付というものを政策的に実施しているのが各種の財投機関でございまして、これはその時点時点での市中金利と比べますと、最も低い金利でお貸しをし、そして長期固定ということで、経営の長期見通しのもとでいろいろな事業が遂行できる、こういうメリットがあるというふうに考えるわけでございます。 それで、今御指摘のように平成五年は六%台、平成六、七年ごろでも五%台という財投の金利でございましたが、これは当時の、市中金利といっても二十年という金利はなかなかございませんけれども、当時の市中金利に比べれば極めて低い水準でお貸しをしていたということ。それで、今先生御指摘のように現在一・六%ということでございますが、これも二十年間この金利でお貸しをする、こういうことになっております。 したがいまして、仮に金利が低くなっているからといって高金利の分を減免するということになりますと、これは既に五%を超える部分については減免しておりますが、これもいわば税金によって予算措置を講じているわけでございます。したがいまして、こういった問題につきまして部分的な方々の金利を軽減するために国民の税金をどう使っていくのかという全体の中小企業政策、あるいは政府全体のそういった政策の中で考えていかなければならない、そういう問題であろうと考えております。
○阿部幸代君 もっと積極的な対応をしていただきたいと思うんですね。 同じような事業をやっている中小企業総合事業団の場合は、金利は二・七%です。同じような事業でこんなアンバランスが起こっているわけです。見るに見かねて五%を超える部分については減免をするという措置をとらざるを得なくなっているわけでしょう。そういう実績があるんですから、こういう不況のときに、しかも政府の進める政策に協力をしたんですから何らかの対応をとるという立場に立たなかったらだめですよ。経済産業省と一緒に協力をして対応していただきたい。
○委員長(谷川秀善君) そろそろ時間です。
○阿部幸代君 実はこの事業はもう一つ連帯保証の問題があるんですね。今この事業で集団移転をした企業の中でも、経営が苦しくなって倒産をして、そこから抜けていく。ですから、工業団地などで歯抜けができてきているんです。その負担もしているんです、残った企業が。
○委員長(谷川秀善君) ちょっと阿部さん、時間です。
○阿部幸代君 大臣、経済産業省の大臣、ぜひ整合性のある中小企業対策でその存立意義を発揮して何らかの対応をとっていただきたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘の環境事業団に係る集団設置建物建設事業については、譲渡の対価の支払いに係る利率や譲渡時における保証人など、制度運営に関して環境省の専管となっておりまして、我が経済産業省が関与するものではないと思っております。しかしながら、必要があれば環境省からも実態を教えてもらいながら今後連携を図っていきたい、こういうふうに思っています。
○阿部幸代君 お願いします。
○渕上貞雄君 社民党の渕上です。 ITコントロールについてお伺いをいたします。 竹中経済財政担当大臣を初めとして、政府・与党はIT国民運動ばかり今主張されておりますけれども、これは経済対策としてITのミニバブルを想定して株価を上げて不良債権を処理するというもくろみだったと思います。 〔委員長退席、理事大島慶久君着席〕 しかし、このもくろみは完全に私は失敗したものではないかと思います。 ITの普及は、将来予想もできない情報公害、それから社会的な混乱を引き起こすおそれがあるのではないかと思っていますが、市民社会や環境に及ぼす影響を考えますと、その対策とルールについてはやはり真剣に考えていくべきだろうと思います。 ITの負の遺産の部分に目を向けて、例えばデジタルデバイドの解消など、いかにITを管理していくのか、政府の責任ではないかと思うのでありますが、その見解についてお伺いをいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) いわゆるIT革命は、世界規模で生じている高度な情報通信技術の活用による産業・社会構造の変革を指し、場合によっては農業革命、産業革命に続く第三の革命であるとも言われております。 こうしたIT革命は新生経済の起爆剤であるとともに、社会生活をも大きく、しかも短期間に変えるものと私どもは考えております。 議員御指摘のように、このようなIT革命のもたらす負の問題として、ITを活用した犯罪、あるいは高齢者等のITを活用できる環境を持つ人と持たざる人との格差、いわゆるデバイドが存在をしております。しかしながら、IT革命が国民生活の観点から多大な恩恵をもたらすものであるという点は、アメリカの例を見るまでもなく否定しがたい事実だと思っています。インターネットショッピングや遠隔教育、さらには遠隔医療などを可能とし、その結果、生活上の利便性を大幅に向上させるなど、社会生活全般にも変革をもたらすことが期待されております。 我々経済産業省といたしましては、国民全体がIT革命をデジタルオポチュニティーとして前向きにとらえられるように、これまでも不正アクセス行為禁止法等の法制度の整備、暗号技術等の第三者評価システムの確立といったセキュリティー対策も講じてまいりました。また、経営者に戦略的情報化投資に関する情報を提供する戦略的情報化投資活性化事業、それを開始もいたしました。また、高齢者、身障者にとって使いやすい情報通信機器等の開発、こういった施策にも取り組んでまいりました。今後も引き続き、犯罪に対するセキュリティー対策ですとか、ITの人材の育成でございますとか、高齢者、障害者等に対応した機器やソフトウエアの開発など、施策を積極的に推進していかなければならないと思っております。 また、デジタルデバイドの問題について、IT化の進展は、ITを使いこなせない人と使いこなせる人との格差をもたらすとしばしば指摘されております。しかしながら、ITをうまく活用し、これを契機として障害者の方や高齢者の方々がハンディキャップを乗り越えて社会経済に積極的に参画できる可能性も高まると考えております。このためには、IT革命をデジタルオポチュニティーとしてすべての国民の方々が前向きにとらえられるよう、いわゆるバリアフリー社会を築き上げること、このことが非常に重要であると認識をしており、e—Japan重点計画においても重要な柱と位置づけております。 経済産業省におきましては、障害者や高齢者の方々が使いやすいIT機器の開発をメーカーに促すために、情報処理機器アクセシビリティ指針を平成二年に策定し、昨年六月にその後の技術の進展に合わせ、それを改定しているところでございます。また、障害者や高齢者の方々が使いやすいIT機器の開発も支援しています。さらに、障害者や高齢者の方々のIT機器利用を支援するボランティア、教員、御家族の方々に対し、今年度からIT機器の利用方法の講習を行うことといたしております。 いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、そういうデジタルデバイドの問題というのは大変重要な問題でございますので、我々もその問題意識を持ってこれからきめ細かく対応させていただきたい、このように思っております。
○渕上貞雄君 その点については、ひとつよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。 次に、中小企業に優しい金融環境についてお伺いをいたします。 特別保証制度をめぐる詐欺事件については、このところ大変多く発生をしていますが、制度存続を望む中小企業者の声もありました。この制度は既に終了しているわけでございますけれども、政府はしっかりとこの制度の功罪について総括をしておくべきであろう、こういうふうに思います。 〔理事大島慶久君退席、委員長着席〕 公的な優先融資や債務保証の拡充も重要でありますけれども、やはりこれには限界があると思います。中小企業やベンチャー企業に対する公正で優先的な融資を金融機関に促し、自立を目指す地域が元気が出るように、そして人、物、金を地域全体に配置をしていくよう、その上で需要活性化を行うべきではないかと思うんですが、そのためにはやはり日本版地域再投資法の創設を検討すべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 当省といたしましては、御指摘のように地域経済をめぐる活性化というのは非常に重要だと認識をしております。地域経済をめぐる環境変化に迅速に対応しつつ、地域経済産業の多様かつ自立的な発展を総合的に支援することが重要でございまして、こうした支援を省を挙げて行うため、経済産業省では、本年一月の省庁再編に合わせて地域経済産業グループを新たに設置いたしました。地方経済産業局も含めて約三千人の体制で地域経済の振興に取り組んでいるところでございます。 また、先般私が産業構造改革・雇用対策本部で提言いたしました新市場・雇用創出に向けた重点プランにおきましても、我が国全体の経済構造改革を推進するためには地域経済の活力を引き出すことが重要であるとの観点から、地域再生産業集積、産業クラスター計画として、地域経済を支え、世界に通用する新事業が次々と展開される産業集積を形成すると提言をしておりまして、地域経済の重要性を強調しているところでございます。 さらに、当省といたしましては、このような新たな取り組みに加えまして、既に中心市街地活性化法を含め各般の地域振興のための法律を制定するとともに、経営支援等ソフト面での支援、技術の事業化支援、ビジネスインキュベータ、これは起業家の成長を支援するための集合型貸し研究室、貸し事務所等の整備による新事業創出の促進等の幅広い施策を用意していることから、新たな法律を制定することは今のところ必要ではない、このように考えております。 今後とも、国と地方の適切なパートナーシップのもとで産官学の広域的な人的ネットワークを構築しつつ、こうした施策を総合的に組み合わせて各地域に効果的に投入することで地域経済の活性化を一層強力に進めてまいりたい、このように思っております。
○渕上貞雄君 次に、プルサーマル再処理政策の撤退と自然エネルギーの促進についてお伺いをいたします。 もう既に御存じのとおり、刈羽村住民投票の結果を見るまでもなく、住民が持っている不安、危険性、安全性が保障されない、そのような危険なプルサーマルに対して国民はノーと表明をしているところです。ですから、まず実施計画の断念を改めて私は求めたいと考えます。また、プルトニウムを使用済み燃料から再処理をして取り出すという再処理政策から撤退すべきであると考えます。使用済み燃料は再処理することなく、直接処分、管理を行うべきだと考えております。 社民党は、日本のエネルギー政策を原子力偏重から自然エネルギー中心に転換をする脱原子力政策プログラムを発表いたしまして、その取り組みを行っているところでありますけれども、国といたしましても、エネルギー政策は自然エネルギーを中心としながらも、太陽光発電や風力発電など自然エネルギー促進をすべきではないかと考えますが、いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをいたします。 原子力は、燃料供給や価格の安定性に加え、発電過程においてCO2を発生しないという環境特性を有しております。このため、エネルギー資源の乏しい我が国が環境保全及び効率化の要請に対応しつつ、エネルギーの安定供給の確保を図る上で原子力は基幹電源として重要な位置づけを有していると思っております。わけても、長期的なエネルギーの安定確保及び放射性廃棄物の適切な処理、処分の観点から、我が国では、使用済み燃料を再処理して回収されるプルトニウム等を有用な資源として再利用する核燃料サイクルを原子力政策の基本といたしております。プルサーマルはこの核燃料サイクルの重要な要素でございまして、政府一体となって着実に推進していくという基本的方針に変わりはございません。 柏崎刈羽原子力発電所におけるプルサーマル計画については、先般五月二十七日でございましたけれども、住民投票の結果を受け、六月一日に行われました新潟県知事、柏崎市長、刈羽村長の三者協議の結果を踏まえて、東京電力株式会社が今回の定検時におけるMOX燃料装荷を見送ったところでございます。 しかしながら、プルサーマルの必要性については先ほど申し上げたとおりでございまして、これまでの政府及び事業者たる電力会社の取り組みが不十分であったとの反省に立ちつつ、今後のプルサーマル計画の着実な推進に向けて全力で取り組んでまいりたいと思っております。 具体的には、既に国民の理解を深めるための体制として、政府内にプルサーマル連絡協議会を設置することとしており、プルサーマルの重要性や地元理解に向けての取り組み強化を図ってまいる所存であります。 また、御指摘のございました新エネルギー、これの重要性に関しましては私どももそのように認識しておりまして、現在いわゆるエネルギーに占める割合は一%にすぎません。しかし、この比率を高めるということは非常に大切なことでございまして、二〇一〇年には三倍の三%にしよう、こう言っておりますけれども、私は担当大臣として、もっと果敢に新エネルギーの面でも挑戦をして、その一%を三%じゃなくてもっと比率を高めるように、御指摘のありました太陽光発電や燃料電池やあるいは風力発電、その他バイオマス、そういったものをやはり私どもとしては将来の備えとして積極的に取り組んでいかなければならない、そのように思っているところでございます。
○渕上貞雄君 大臣が最後の方に言われましたように、我が国は資源が大変少ない国でありますから、どうかひとつ積極的にこの自然エネルギーの活用について政府としても取り組んでいただきますよう御要望を申し上げておきたいと思います。 次に、構造改革とデフレ経済についてお伺いをいたします。 不良債権処理を進め、規制緩和による競争を活発にさせて小泉流の構造改革を行うと、私どもとして心配するのは、全国各地にやはり倒産する企業を多く生むのではないか。結果、失業者が町にあふれ出ると、こうなるのではないかと考えています。 求められているのは、やはりこういうときこそ社会に対するセーフティーネットというものをきちっと張るということが一番大事なことではないか。そのことを先に示すことを通して不況対策というものを明らかにしていくべきではないかと考えているのでありまして、やはりセーフティーネットを考えるという、国民に対する安心と期待をきちっと与えていくことも一つは大事ではないかというふうに思います。それは、とりもなおさず弱者がさらに弱い立場に立たされて、経済がさらに縮小してデフレ圧力が高まり、資産を持った金持ちと持たない者というふうに格差が非常に拡大をしていくのではないか。 繰り返しその中で言われていることは、自助と自律の精神と、こういうふうに言われているわけでございますけれども、そういうふうな社会というものは一体我々はどのように想像すればいいのか、格差が拡大するような社会であってはならないと思うんでありますが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(竹中平蔵君) セーフティーネットの重要性に対する認識については先ほども一通りお話をさせていただきましたけれども、これはもう失業者が町にあふれるというようなことはやっぱり政策当局として絶対つくってはいけない状況だというふうに強く認識しています。 今般の緊急経済対策でも、その点についてはセーフティーネットの構築強化が既に始まっていますけれども、経済財政諮問会議の骨太の方針の中ではさらにそれを強化したようなものをぜひともつくっていきたいというふうに思っています。 それと、自助自律というのは、ともすれば弱肉強食で格差の広がるというようなイメージでとらえられる向きがあるんですが、私はやっぱり全くそうではないということをぜひ申し上げたいと思うんです。 自助自律、これは総理の国会答弁の言葉にありましたけれども、みずからを助けることができる人が多ければ多いほど、本当の意味でみずからを助けられない人に対してやはり私たちは本当に必要な資源を回すことができるんだと、私はもうこれが大変重要なことだと思います。 真の弱者というのは社会の中に間違いなくこれはいらっしゃるわけですね。真の弱者に本当にもっと手厚いセーフティーネット、資源を割り当てるためにも、実はもっと頑張れる人に頑張ってもらおうというのがこの自助自律の意味だと思います。 繰り返し言いますけれども、真に助けを求めている人に対して手厚い政策をとること、それが自助自律型の構造改革の意味でありますし、その中で非常に重要な問題として指摘していただいたセーフティーネットの問題というのをぜひ整備していきたいというふうに思います。
○渕上貞雄君 終わります。
○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。 本日、私は二十分の質問時間をいただきましたので、竹中大臣お見えでございますので、ぜひ私は御講義をいただくというような気持ちでちょっと質問をさせていただきたいと思っているんですが、経済学といいますか、その辺全くの素人でございますので、私並びに私と同じような一般国民にわかりやすい御答弁をいただきたい、このように思っております。 といいますのは、この景気といいますか経済成長といいますか、そういうもので、この先日本の国、二〇〇七年ですか、一応人口の頭打ちが来て、二〇五〇年には一億人を割るというような統計データも出ているわけで、この少子高齢化社会、これがさらに人口が減少していくというのが実態なわけですけれども、そういう社会で本当に同じように経済成長していくのかと。経済成長しないと景気というのが、景気感というのがわいてこないんだと思うんですけれども、そういう疑問を前から持っておりました。 ということは、一つには、三年前に当選して参りましたけれども、そのときはたしか累積赤字が約五百五十兆ぐらいだったわけですね。それで今、今年度末ですか、六百六十六兆と、国と地方合わせて、そんな数字が予想されているわけで、どんどん膨らんでいるわけですけれども、これは三年前から、いわゆるこういう借金をしても経済が成長すれば税収がふえるから解消されるんだ、したがってまず景気だというような考え方でずっと続けてこられた。最近それが小泉内閣になられて、それは三十兆の赤字国債以上出さないというような方針を出されましたので、ちょっとこれは方向が変わったかなという面で、そのことは評価をさせていただきたいと思っているんです。 さらにこれからは、竹中大臣あるいは平沼大臣初め、健全財政といいますか、国民の多くは恐らくそういうことを望んでいるんだと思うんですけれども、そういうものに向かっていただきたいと、そういうことです。 ちょっと横道にそれましたけれども、いわゆる景気といいますか国内総生産が上がって、それが経済成長ということになるんだろうと思うんですけれども、そういう認識で考えますと、要するにこの国内総生産の根底というのは、いろんな計算の仕方があるんでしょうけれども、一番の根底というのはやっぱり個人消費だと思うんですね。設備投資するにしても個人消費が膨らまなけりゃ余計やることがないでしょうし、一番の根底が個人消費にあると。その個人消費のもとになる個人の数がこの先膨らまないということになれば、個人として満足して、あるいは戦後のように物が窮乏していてお金が入ったらどんどん買っていきたいという社会ならいざ知らず、今の社会であればそれほど需要も膨らまないと思いますし、逆に減っていくんじゃないかというような気さえするわけでございます。 そういうときに、そういう時代になって本当に、先ほどの質問に戻りますけれども、本当に成長していくのかという心配がございまして、よく今までの成長してきた過程でも人口はそれほどふえなかったけれども、要するに何か情報社会を利用してといいますか、物を耐用まで使わずに、いわゆるファッションという要素を入れて需要の拡大を図ってきたというようなことも言われていると思うんですけれども、そういうことがあったかもしれませんが、そういうことはやがて、ある意味では環境破壊にもつながるでしょうし、やがて成長しなきゃいけないということからいくと限界が来るんだと思うんですね。そういう面から見て、ではどうすればいいかというのは別として、その辺の理解といいますか、その辺をどう考えたらいいのか。 前に私、これは堺屋大臣にも何回か質問いたしたんですけれども、あるいは経済企画庁も去年から少子社会においての経済の見通しというので、かなり厳しい状況であるというようなことを出して、経済企画庁が出されたものは、だからマイナスとは言わないけれども、成長はさせたいんだけれども、厳しいけれども成長させるように努力したい、成長するんだというよりも努力したいと。努力するについても、今まで人口がふえてきたときと比べたら相当厳しいと。本当にそうなるのかなというふうな感じを持つんですが、その辺、本当に優しく教えていただけたらと思います。 二十分もありますので、とりあえず。
○国務大臣(竹中平蔵君) 実は大変難しい問題だと思います。 戦争とか疫病がはやるとか、そういうことじゃない平時においてこれだけ大きな国が人口減少の段階に入るというのは、これまで歴史の中で経験したことがありません。その世界で最初の実験を我々しなきゃいけないんですが、一言で言って、人口減少社会で成長はどうなるかというお尋ねなわけですが、この短い質問の中に実は考えなければいけない要因がたくさんあるんだと思うんですね。 一つは、経済の成長、GDPではかるわけですけれども、GDPというのを需要の面から見るのか供給の面から見るのかと。需要と供給が一致するようなところで最終的にはGDPが決定されるわけですが、需要のサイドからの制約要因と供給のサイドからの制約要因をそれぞれ考えなければいけない。 例えば、需要については、今、岩本議員おっしゃったように、これは例えば個人、人間がふえないと個人消費がふえないじゃないかと。だから、個人消費という一番大きな需要がふえないんだから余りもうふえないんじゃないの、無理なんじゃないのということですね。 ただ、これはあえて言えば、いや、日本の人口はふえないけれども世界の人口がふえていると。世界の人口はまだ人口爆発でふえ続けるんだから、世界のマーケットを相手にすれば、つまりまさにグローバリゼーションで世界のマーケットを相手にすればこの需要の制約というのはそんなに大きくないかもしれないねということになりますね。 一方で、供給の側というのは、私たちは物をつくり出すためにはインプットをしなきゃいけない。インプットには幾つかありますけれども、やっぱり一つは労働というインプット、つまり人間なんですね。もう一つは、資本というインプットがある。さらには、技術というインプットがある。 この労働のインプットが明らかに減っていくわけですけれども、それに対して資本のインプットを効率よくして技術のインプットをふやせれば、まさに技術進歩していけば供給の要因というのは意外と大きくないかもしれないねということになるかもしれません。しかし、これはまさに私たちが将来に向けてどれだけグローバリゼーションを進めて、どれだけ技術力を高められるか、人間の能力を高められるかということとのかかわりで決まってきますねということになるわけです。 もう一つ、それで結論からいうと、経済企画庁は御指摘のとおり昨年の六月に試算を行っているわけですけれども、二〇四〇年から二〇五〇年ぐらいまでで、今申し上げたように人口が減少するかもしれないけれども、その技術進歩、つまり生産性の上昇で、ある程度のプラスを実現することは可能だというような一応の結論を出している。 その場合、もう一つは、GDPは今までほどふえないかもしれないけれども、少しずつ伸ばすことは可能だというこの結論を前提にした場合に、では私たちの生活に対するイメージというのは、実はちょっと別の観点があるわけです。それは、今は日本国全体のGDPで見たけれども、一人当たりのGDPで見れば、人口が減っていくんだから意外と一人当たりのGDPはふえるかもしれないねということですね。そうすると、一人当たりのGDP、私たち一人の所得がふえるんだから、それはそんなに暗い社会じゃないかもしれませんねというメッセージもある。 総じて言うならば、人口が今までのようにふえない、さらには減っていくというのは、需要面からも供給面からも制約要因であることはこれはもう間違いありませんが、それを私たちの必ずしも一人一人の生活が惨めにならないような形で運営することは私は可能だと思いますし、そういう運営をぜひしなければいけない。 そのために出てくるのは、やはり世界を相手にしなきゃいけませんねということ、人間一人一人の能力を高めて生産性を高めなきゃいけませんねということ、そういう運営を心がけなければならないということが一つのメッセージとしては出てくるのではないでしょうか。
○岩本荘太君 大変わかりやすいお話をいただきましたけれども、私の理解を超えている部分もございますので、これは議事録をよく読ませていただいてさらに勉強させていただきたいんですが。 今のお話でちょっと私なりに気になりますのは、需要と供給というのは、僕は何かの本で見たんですけれども、それによると、供給サイドというのは物の必要度に応じて金が、それに等価の金が動くと、需要サイドというのは本当に需要があるから金が勝手に動いていわゆるマネーゲームにつながるというふうなことを何かでちょっと読んだことがあるんですけれども、それは不正確かもしれません。 それともう一つ、世界の人口、世界に行けばいいじゃないかと、グローバリゼーションでいけばいいじゃないかと。確かにそうですけれども、一つには世界そのものがもう人口が満杯になりかけているわけですね。それと、世界に行くということは、かつて大航海時代ですか、あれは資源を求めに行ったのかもしれませんけれども、市場開拓にも行っているはずなんですね、先進国が。そういうことで、どちらかというと非常に発展途上国を搾取したというような雰囲気が僕は強かったんじゃないのかなという感じがいたすんです。 したがって、そういうことがこの先、人口が日本国内ばかりじゃない、世界でも安定したときに、本当に昔と、前と同じように考えていいのかどうかという疑問がございます。 それと、確かに大臣が言われた一人当たりのGDPは減らない、だからそういう満足度は持っているんじゃないかと、僕もそれはそうだと思います。したがって、端的に言えば国内総生産というのは国の景気をはかる、個人じゃなくて国の景気をはかる指標じゃないのかなと。これは今のと関係ありませんが、私はそういうふうなところから、国内総生産が膨らまないということで赤字国債というのを本当に返せるのかなという疑問を持った点でございまして、それはそれでいいんですけれども、そういう個人の満足があって、それでさらに景気観を持って生きていかなきゃいけないというのがこれからの世の中じゃないのかなと。 そういう面で、私は出てくるときに景気というものを広辞苑でちょっと調べてきたんですけれども、要するに第一義が様子とか気配、ありさま、二義が景観とか何かがありまして、五番目ぐらいですか、元気とか威勢がよいことと、こういうことを書いてあるわけですね。それで、六番目に初めて我々の認識している「売買・取引などの経済活動の状況。」と。我々はこれをもって景気と言っているんでしょうけれども。 今の世の中で一番わかりやすいのは、お金がふえて活発に経済活動をすると、これが一番元気づけによくわかりやすいものだと思うんですけれども、それだけじゃない気がするんですね、これからの社会は。そういうものを何か我々は見つけなきゃいけないと思います。 これも前に総理だったかに質問したことがあるんですけれども、やはりその辺で時間が短かったせいか明確な回答はございませんし、こういうのは各個人個人、閣僚の皆さんがいろいろと御認識していただいて、全体として日本人の認識を変えていかなきゃいけない問題だと思いますので、だれが言ったからどうということじゃないんですけれども、私はそういうふうな感じを持っておりますが、大臣の御所見をひとつお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) またすごくたくさんの問題を今御指摘いただいていると思うんですが、一番最初にお話のあった需要と供給の考え方というのは、まあそんな哲学的な答えを別にすれば、私は少なくとも政策に関係している人間が需要と供給を考えるときの考え方というのは割と簡単に考えればいいと思うんです。 それは、経済というのは短期的には需要で決まるということです。短期的には需要によって私たちの経済活動が決まるんです。だから、短期的に政府が少しお金を出したらその限りではよくなるわけですね、景気は。でも、短期的なんです。 長期的には何で決まるかというと、私たちの供給力で決まるんです。供給力というのは、どれだけ物をつくれるか、どれだけ稼げるか、どれだけ技術を持っているか、どれだけ生産性が高いか。長期的にはやっぱりそれで決まってくるんだと思います。だから、長期的にはやはり私たち一人一人が能力を高めて、技術を高めていく。 さっき、私は世界のマーケットに売ればいいんだというふうに言いましたけれども、世界のマーケットがどんどん広がって、それで安い賃金でいいものをつくれるようになってきているわけですから、私たちはそれをさらに上回るような力をつけていかないと生活水準を上げていけないというのが先進工業国のこれは宿命なんですね。そういうところにやっぱりチャレンジしようというのが、構造改革のメッセージの中にも入っているんだと思います。 その場合に、搾取なんじゃないかという御議論、そういうふうに思っておられるわけではないと思いますけれども、行って取ってきたら搾取ですけれども、いいものをつくって売ったら搾取とはやっぱり言わないわけですね。例えば、日本を代表する自動車は世界じゅうで売れているわけですけれども、みんな喜んで先を争って買って、それをもって搾取とはやはり言わない。価値のあるものを、その価値を支払ってもらって正当に取引しているわけですから、取引は搾取ではないと私は思います。 もう一つ、ただ委員が御心配になっている、国債を、GDPが余りふえないとすると、しかし国債はずっと人口に関係なく積んだものは残るわけですから、それを返せるかどうかというのは、これは一つの問題になりますね。ただ、これもあえて言えば、国債を返した国なんてほとんどないと思います。国債なんか返せないんです。国債を返そうと思ったら、巨額の黒字を何十年も出し続けなきゃ返せないですから、そんなことは普通の国ではできないわけですね。ただ、何をやるかというと、財政再建というのは、国債を返すことではなくて国債がせいぜいふえないようにする、それがまさにプライマリーバランスを回復させるということになるわけですけれども、そういう目標で考えなければいけないのだと思います。 最後の景気の話は大変難しい話だと思いますが、私も実は経済成長だけがすべてだとは全く思いません。もっと大切なものがあるし、自然、経済成長、私たちがGDPというときは、これはマーケットで評価されるものだけをいうわけですから、マーケットで評価されないものというのは間違いなくあるわけです。自然がそうだし、愛とか健康みたいなものもそうでしょう。そのやはりメッセージ。 しかし、そういうものを支えるものとして経済が重要であるということもまた事実で、だからこそ人々は、GDP、経済成長だけではないと言いながら、やっぱり人々は景気をよくしてください、景気をよくしてくれというふうに言っているんだと思うんですね。そこはやはり成熟した市民社会にふさわしい何か価値というものを求めていかなければいけないんだと思います。
○岩本荘太君 ありがとうございました。 一つだけ、異論じゃないんですけれども、気になるあれで、確かに外国が買うんだからそれは搾取じゃないというのは確かにそうなんでしょうけれども、いわゆる日本のODAなんかで、我々日本人というのは、我々も国民も含めて、何か施すと言っては言い過ぎですけれども、与えるというような認識を持ってやると思うんですけれども、相手側はそんなことを全然思っていないですよね、私の知っている狭い範囲ですけれども。要するに、あなた方のものをこれだけ買ってあげているんじゃないかと、だからその分当然援助するのは、我々が買っているからあなたの国は裕福になっているんでしょうという。それはいいかどうかはわかりませんよ。でも、そういう認識というのは発展途上国で私は随分感じたことがございますので、その辺、ちょっと気になりましたので。 それと、平沼大臣、全然通告していないんですけれども、今の景気というか、そういう金だけでない、これからの社会というのはもっとそういう元気づけのやり方をいろいろ考えていかなきゃいけない。これは価値観の多様化かもしれませんけれども、そういうものについてどういうお考えか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は、経済産業省というその役所の責任者として、日常動いている今の経済というものをやっぱり持続的な安定軌道に乗せる、そのために今一生懸命汗をかいているわけでございます。 しかし、一政治家また一個人として考えますと、確かに今の、ただ単に経済指標だけを追ってそれで事足れり、決してそういうものではないと思っています。やはり一定の水準がなけりゃいけませんけれども、しかし人間として経済的に充足される以外の満足感だとか充足感というのは必ずあるわけでありまして、それはやはり我々としては、何も経済的にいいものを身につけたり、それからいい家に住んだり、いい車に乗って、そういうことだけじゃなくて、やはりお互い人間としてともに現代に生きていると、そういうことを考えれば、そういった別の側面の充足感というか満足感とか、そういうことをやはり構築していくことも必要だと思います。もちろん一定限度の経済的なそういう基礎がなければならないと思いますけれども、何も経済至上主義だけではない、そんな感想を一政治家個人としては持っております。
○岩本荘太君 両大臣から大変勉強になるお話を伺いました。 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○平野貞夫君 遅くまで御苦労さんでございます。 私は竹中大臣に激励の質問をしたいと思いますので、あと二十分ひとつ我慢していただきたいと思います。 実は、土曜日でしたか、テレビで、本当にお忙しいと思いますが、私は政治家ではないということを竹中大臣がおっしゃって、私は非常に気にしておるんですが、政治家なんですよ、大臣というのは。ですから、ひとつ小泉総理にも自民党にも遠慮なく国務大臣としてのはっきりした先生の御意見を述べていただきたいと思います。 それから、平沼経済産業大臣には、私はいらっしゃると思わないものですから質問の用意していませんでした。質問はしませんですが、自自連立のときには二人で随分いろいろ夜な夜なやりまして、自由党のつくりました日本再興のシナリオを全部自民党はのんでもいい、了解してもいいと言われたもう開明的な方でございまして、今でも私は心のつながりはあると思っております。それから、遠藤副大臣には、これは新進党のときの同志でございまして、お世話になっている方でございます。非常にお二人いると質問しにくいんですが。 最初は、決算委員会ですから決算委員会らしい質問を一つだけしておきたいと思うんですが、平成十一年の二月二十六日に経済戦略会議が答申を出しました。これは当時、大臣じゃないですけれども竹中先生が非常に苦心された答申だったと思いますが、これが一体平成十一年、十二年と政府の政策にどういうふうに生かされたかという、ちょっとそこの評価といいますか、感想をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(竹中平蔵君) 経済戦略会議というのは、御承知のように故小渕総理がおつくりになったもので、経済の非常時に非常に集約的に総理に直接政策のインプットをしなさいという仕組みでありました。二つ報告書を出しています。一つは十年の秋に緊急の対策を出して、十一年の二月二十六日に御承知のように中長期的なものを出しました。 例えば、短期的なものについては、例の信用保証特別枠の話等々も、当時はまだ社会的に必ずしも認知されていなかった公的資金の注入の話も実はそこでなされていますので、短期的には、戦略会議だけがそういうことを言ったわけではありませんが、他の皆さん方の努力と一緒になって一つの政策を実現していったんだと思います。 中長期のいわゆる構造的な改革については、やはりそれぞれの立場からかなり強い抵抗があったということは、これはもう間違いないと思います。ただ、気がついてみると、例えば一つの例でありますけれども、結局、この不良債権処理の問題というのは都市の問題であり、その根底に土地の問題があるということで、都市再生委員会をつくってくれという提案をしました。当時、担当の部局は全く見向きもしてくれなかったんでありますが、実は今度の緊急経済対策に都市再生本部、実はイメージしたものが非常に似たものとして入ってきている。 当時、我々は、財政の中長期的な運営のために、例えば五年ぐらいの中期の財政目標をやっぱりつくるべきだというふうに言いました。それに対しては、そんなことができるものかというふうに財政当局からもうけんもほろろに相手にされなかったというか、かなり激しい討論をしましたけれども、認めてもらえなかった。 ところが、実は少し前から、前の財務大臣の宮澤さん御自身が、マクロモデルをつくってそういうことをやったらどうだというふうに投げかけて、今、経済財政諮問会議でやっている。経済財政諮問会議では、まさにそういった枠組みの議論をし始めている。 だから、直接それを、わかりました、政策にしますということにはならなかったのかもしれませんが、やはりこういう大きな国を変えるのは時間がかかるんだと思います。しかし、そういうところで議論されたことが少しずつやはり形になってあらわれていって、私はそういう議論が、ちょっとオーバーでありますけれども、小泉総理が掲げる改革、それを皆さん、国民が幅広く支えるというところにつながっていったのであろうかなというふうに、自分を説得させる、納得させる意味でも考えております。
○平野貞夫君 この時代は私たちも協力し、また私たちの考え方を大いに取り入れていただいたころだったと思います。 一つだけ確認したいんですが、平成十一年二月二十六日の答申の中に、基礎年金部分の税方式への移行、それから介護と高齢者医療についても将来的には税によって賄うべきだという中身があるんですが、このことについては現時点で竹中大臣、どのような御意見でございますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 実は、あれは参議院の本会議でしたか、そういう質問をやはり受けたことがあるんですが、経済戦略会議での議論、これはまだ制度設計するところではなくて基本的な考え方の整理をしているところですから、年金等々の考え方の中にあるいわゆる福祉原理の部分と保険原理の部分をちゃんと識別しましょうということをやっているわけですね。 福祉原理というのは、要するに一定程度のやはりナショナルミニマムを、シビルミニマムを満たすために所得の移転を行う。これは、年金については若年世代から老年世代に対するいわゆる賦課方式による所得の移転を意味するわけですけれども。そういうところと、しかし基本的にはそれ以外の、最低限のところ以外は自分の判断に基づいて積み立てるべきであると。こういうのを保険原理。つまり、積み立ての部分とちゃんと認識して、それで持続可能な部分をつくりましょうということなんです。その考えはもう全く変わりません。これは、考え方の違いというよりは極めてオーソドックスに経済を勉強した人間の常識的な私は判断だと思います。 賦課方式といいますか、福祉原理の部分に関しては、形の上では税の方がわかりやすいわけです。そういう趣旨から戦略会議のものは書かれています。ただ、実際に世界を見回すと、税でなければいけないということでは必ずしもないんです。税の方がはっきりするけれども、しかし保険でうまくやっているところもあります。だから、そこはそれぞれの制度の成熟度とか、それまでの社会のシステムに基づいて考えればいいわけで、ただ、いずれにしても今でも私は変わらないのは、やはり保険の原理の部分と福祉の原理の部分はちゃんと分けて、それでもって信頼できる持続可能なものは、これはやっぱりつくらなければいけない。 介護についても、基本的には同じ理論が当てはまるということだと思います。
○平野貞夫君 実は自由党はこれにこだわりまして、十一年の自自公連立政権になるわけですが、そこで、安心した、セーフティーネットのもとでやる社会保障体制をつくろうということで、自自公でそういう方向で、消費税を活用しようという方向で政策合意ができた、それがやはり制度にまで伸びなかった、これが自自公連立が崩壊した一つの原因でございます。非常に残念なことだと思いますが。 私は、このときの答申が結果的にはうまくいかなかったというのは、ちょうど当時の政権、自民党を中心とする政権と構造改革というのはモグラたたきのような関係でございまして、一つ改革しようとすればぽんと打たれる、そうするとこっちでぽんと出せばぽんと打つ、こういう合戦を何年かずっとやっておるわけなんです。 そこで、このときに私は鈴木淑夫先生と協力して、この答申をやはり実行すべきだと、その実行する方法としてはプログラム法をつくるべきだと。要するに、タイムワークを入れて段階的に一括して日本経済再生法というので、全部法律に入れたら百本、二百本、相当になったと思いますが、そういう作業を実はやろうということで各省に投げましたところ、返事をくれたのは厚生省だけ、当時の。厚生省もそんなことはできませんという返事。要するに、官僚の抵抗が非常にあったわけですが、今回の基本方針も恐らく相当官僚の抵抗があると思います。 やり方としては、モグラたたき方式というのは、これでは私は構造改革ができないと思いますが、いかがですか、そういう基本法等、いわゆるプログラム基本法みたいなものをやるおつもりはございますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私自身、経済戦略会議での実験、その後もさまざまなIT戦略会議等々の実験がありました。今度、経済財政諮問会議という新しい器の、たまたまその取りまとめの責任者みたいなことをやらされてしまったわけでありますけれども、これはやっぱり両面あるんだと思うんですね。 経済戦略会議のときは、実は事務局長も民間人であったし、その意味で各省庁のそれぞれの権益にとらわれない、非常にある意味で大胆なものが出せました。しかし、大胆であっただけに、なかなか関係者から見向きもされないというか、相手にされなかったわけです。 しかし、今度の新しいやはり経済財政諮問会議の仕組みというのは、これは総理に直結している内閣府の中核に位置づけられている、かつ総理自身が議長を務めているわけなわけです。ここでの議論というのは、やはりその意味では今までの経済戦略会議とは実は全く違った性格づけを持っているわけですね。それをオーソライズしていくためにはどういうやり方がいいんだろうかということは、まさにこの取りまとめが終わった段階で実は真剣にいろいろ議論をしていきたいというふうに思います。 いろんなやり方が多分あるでしょう。これそのものを例えば閣議決定するというのも一つでしょう。かつて経済戦略会議のときは閣議決定はできなかったわけですね。閣議決定しようと思ったら、非常にモダレートなものしか書けなかったから、閣議決定しなくて大胆なものを書く方がいいという人もあった。しかし、総理自身が議長をしているもので、閣議決定するのがいいかどうかというような問題もあるのかもしれません。 こういうことを戦略的に議論するためにも、実は経済財政諮問会議の事務局をしっかりとつくって戦略を立てたいということを私は考えております。その事務局をつくる方向で今検討を進めさせていただいておりますので、その中でぜひやはり実効性を伴ったものにする戦略を考えていきたいと思っています。
○平野貞夫君 そのときに我々は、恐らく閣法じゃ出ない、閣議決定もしないだろうから議員立法でやろうという動きを実はしていたわけなんです。 さてそこで、大体その時期ごろまでは私は日本の構造改革について、竹中先生からもいろいろ御指導を受けていて同じ発想で考えていたんですが、最近少し私は違うんです。それは、ことしになりまして、「地球文明の寿命」という本、これは地球物理学者と環境考古学者の対談なんですが、これを読んで目の前のうろこが取れたんですが、日本人の生活レベルを六十億を超えた世界の全人類がするとすれば地球が五つ要るというんですね。 先ほどから岩本先生も御指摘になったように、一体人間の幸せといいますか、真の豊かさというのは一体何であろうという、これを考えた場合に、生活水準が上がることが、再び上げるようにすることが構造改革でもないと思いますし、それから日本のような資本主義の国では、余り健全でない国なんですけれども、経済を動かすのは資本とか資金とか労働力とかというんじゃなくて人間の心理状況だというような面も非常にありまして、極めてこれからの構造改革というのは経済の部分、あるいは財政の部分だけじゃないと思います。 むしろ、文化論的、文明論的なものを入れなければ、経済も財政も構造改革できないというような、私はそういうベーシックなものにちょっとスタンスを変えておりまして、そのためにも、一体戦後続けてきた我々の政治文化というのは何であろうかというそういう反省。 私どもは、小泉さんが自民党の総裁に当選してからは、失われた十年はおまえたちがつくったんだという、野中さんが言っていた発言はもう世間もしなくなったんです。そういう意味では小泉さんに感謝せにゃいかぬですが、おまえらが政治改革政治改革、構造改革構造改革と言って十年間騒ぐもんだから日本が、政治が安定しなくて失われたんだということを私はテレビで直接野中さんに言われたことがあるんですが、もうそういう世間の見方はなくなったんです。 しかし一方で、先生もこの「みんなの経済学」で人生を楽しむということを書いていますね、前書きで。それから、やはり豊かさを求めるために経済再生あるいは財政の再建をするという発想だけでは足りぬと思っていますが、その辺についての御所見を。
○国務大臣(竹中平蔵君) そんなに十分な答えができる状況では私自身ないということを反省いたします。地球の壁のようなものを私自身も非常に強く感じています。 ただ、あえて若干違う面も言えば、今まで実はこういう壁を越えてきたのが人類だったということも言えるんだと思うんですね。マルサスが、食糧は算術的にしかふえないけれども人口は幾何級数的にふえる、だからもう成長できないというふうに考えた。これも一種の文明論だったんだと思いますが、農業技術の進歩がそれを克服した。石炭についてもイギリスのジェボンズという人が、石炭というのはもう枯渇する、だから産業革命もやはり終わるというふうに言った。しかし、それを超えた新しいエネルギー、流体革命のような形でしのいできた。さらに、石油についても、石油は枯渇するというふうに私たちは三十年近く前は本気で考えた。しかし、石油の埋蔵量は数字で毎年毎年変わっていない。 もちろん、だからといって今までのままでいいとは全く思いません。今度こそオオカミはやってくるというか、その壁が本当に私たちの前に来ているという点も私たちは認識しなければいけないんだと思います。 その意味で私は若干楽観しているのは、実はこういう話を若い世代とするともう私たち以上にはるかに敏感にこのことを感じていて、私たちの世代はやっぱり鈍いんです、そういう面で。先生も最近お気づきになったということだと思いますけれども、私たちも多分そうなんだと思う。 そこは、私たちが実践の中で、やはり小さな一歩かもしれませんけれども、私たちの車は低公害車にしようと、低公害車を入れる中でそういう社会の需要が全体で広がっていったら、実は社会全体で一つの連鎖を起こすことも可能かもしれない。そういう小さな実験を、余り大上段に振りかぶった文明論を私自身とてもできませんし、小さなやはり工夫を積み重ねていくことによって豊かさと新しい社会のあり方を模索していく。その意味で私たちがそういうことをやるんだという意思を次の世代に伝えていくことがやっぱり大変重要なのではないかと思います。
○平野貞夫君 情報社会というのは、私は完全に情報社会化したら資本主義というのは壊れると思います。というのは、インターネットを中心とする情報社会というのは、人間の皮膚の中にある神経を外に出すようなものだと思います。ですから、新しい倫理観、新しい道徳、新しい人間の生き方、規範みたいなものを、私は十年かかっても構造改革が日本でできないのは、強烈な文明の転換期に今日本があるのではないか。 それと、非常におこがましい話なんですが、その強烈な文明の転換をとめているのは、自由民主党に所属している国会議員の方々は非常に皆さん立派でいい方ばかりですけれども、やはり戦後つくった保守文化といいますか、その政官業癒着あるいはもたれ合い、そういったものが新しい情報文化社会への足かせになっている、そしてそれとの闘争になっているというふうに見た場合に、小泉総理の立場というのは非常にこれはインタレストなんですね、どういうものか。それは、本物の改革になっていくのか、にせものの改革となって我が国が崩壊していくかという、僕は岐路に立っているところだと思います。 そういう意味で、これはもう質問じゃありませんが、竹中先生も思う存分ひとつ御主張をして、万が一の場合には我々が骨を拾いますから、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 終わります。
○委員長(谷川秀善君) 他に御発言もないようですから、通商産業省、総務庁、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十五分散会