経済産業委員会 第11号
- 発言数
- 77 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2001/06/05
会議録
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一日、鶴岡洋君、亀井郁夫君及び大沢辰美君が委員を辞任され、その補欠として風間昶君、魚住汎英君及び山下芳生君が選任されました。 また、本日、倉田寛之君が委員を辞任され、その補欠として亀井郁夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に資源エネルギー庁長官河野博文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、来る七日午後一時、本委員会に財団法人日本エネルギー経済研究所常務理事藤目和哉君、東京国際大学国際関係学部教授関岡正弘君及び株式会社野村総合研究所上級コンサルタント石黒正康君を参考人として出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 石油の安定的な供給の確保のための石油備蓄法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藁科滿治君 おはようございます。 私は、石油業法の廃止と石油備蓄法の一部改正に絞って幾つか質問をさせていただきます。 改めて言うまでもないことでありますが、エネルギーの安定供給政策については、国の経済あるいは国民の生活にとってまさにその源泉をなすものである、こういう認識を持っておりまして、したがって国家の最優先的な政策課題である、これは言うまでもないことであります。格別、我が国の場合には、少資源国というような制約の中での状況だけにその意義はより重いと、このように認識をしております。 さて、我が国は二度の石油ショックと湾岸戦争の体験をいたしました。率直に言って、官民の協力によってこの危機を乗り切ってきたという貴重な体験がございます。しかし、その後の経過も含めて石油産業の動向等を率直に見た場合に、我が国のエネルギー安定供給政策は少しく脱石油化という基調に集中し過ぎたんではないだろうかと、こういう認識を持っておりまして、それが今日の石油産業の脆弱性というものの背景的な要因になっているのではないだろうかと、このように考えております。 気づいてみれば、川上においても川下においても、我が国の石油産業の状況は、弱小の企業のみが特に国際的に見た場合に残っていると言っても決して過言ではないという状況だろうと思います。ようやく最近になって精製・元売会社の企業合併や事業提携などが進んでおりますけれども、依然として強大な国際的なメジャーズに対抗し得る総合力は持っていない。資金力においても技術力においても交渉力においてもですね。見劣りは甚だしいというふうに言わざるを得ないと考えております。 OPECやメジャーの動向など国際的な環境の変化もありまして、また我が国のそれぞれの産業に対する規制緩和の流れが大きく展開される中で、政府はようやくガソリンの輸入自由化については九六年三月に、SSのセルフサービス解禁については九八年の四月にそれぞれを実施し、そして今回、本題の石油業法の廃止ということに大きく一歩を踏み込んだわけであります。しかし、どう考えても、どう振り返っても、これらの一連の政策は遅きに失したという感は免れないと、このように判断をいたしております。 さきの本会議での代表質問におきましても、同僚の平田議員が、昭和三十七年の石油業法制定以降、我が国の石油政策は、石油産業に対する各種の規制が行われ、自由競争が制限され、この規制によって行政と業界のもたれ合いが生まれたんではないかということを指摘しながら質問をさせていただきました。これに対して平沼大臣も、競争をある程度抑制する面があったと、こういう率直な御答弁もございました。 油田開発政策の問題も同様でありますが、政府がもう少し前の段階から石油産業の基盤強化という問題を正面からとらえて、特に国際競争にたえていけるような競争化政策を展開していれば、現状は大きく違ったものになっていたのではないかと、このように考えております。 一体何がこの重要な改革をおくらせたのか、その要因と背景的事情について、まず最初に大臣から見解を承りたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科先生にお答えをさせていただきます。 確かに御指摘の点は私はあったとは思っています。我が国は、これまで石油業法に基づきまして精製業の許可等の需給調整規制を実施してきました。これによって我が国に精製能力のある石油会社を育成することができた反面、石油産業における競争がある程度、本会議でも答弁させていただいて、今御指摘ございましたけれども、抑制される面があったことは事実だと思っています。これは一つの成り立ちで、御指摘の資源小国でございましたし、また戦いに敗れて、そういう非常に国際的にも活発な動きができない抑制された期間もあった、こういうことも歴史的には一つの背景に私はあったんではないかと思います。 こうした点に着目をしながら、今日に至るまで段階的な規制緩和、自由化、これを進めてまいりました。特に、平成八年には特石法を廃止いたしまして、御指摘の石油製品の輸入を自由化したところでございまして、現在、構造改革に向けた石油企業の懸命な努力がなされているわけであります。 今般、本法案におきまして、ただいま申し上げたような規制緩和、自由化の総仕上げといたしまして石油業法の廃止を提案させていただいております。私どもといたしましては、これを契機といたしまして、一層の構造改革に向けた各社の創意工夫や迅速な意思決定が促されて、国際的な競争の中で石油の安定供給を担う強靱な石油産業が形成されていくことを期待しております。 御指摘のように、資源小国という制約のもとで、これまで安定供給というところにその政策の力点を置いてきたことは事実だと思います。しかし、最近の経済社会情勢の変化の中で、競争の促進による効率化、強靱な石油産業の形成が必要になってきた、こういうことで今回の石油業法の廃止、こういう形になりましたけれども、委員御指摘のとおり、やはりそういう面では、安定供給、それから戦後非常に国際的に動き回ることが制約をされていた、その中で精製能力を高める、そういう安定化、そんないろんな条件の中で、結果的に御指摘のようにそういう抑制によって改革が今日まで来てしまった、こういうことは言えると思います。 しかし、これを契機として、やはり強靱な石油産業を育成していく、こういうことが私どもとしては必要だと思っておりまして、今回お願いをしているところでございます。
○藁科滿治君 石油産業の脆弱性ということについて、少し踏み込んで構造的な立場から質問をさせていただきます。 周知のように、我が国の石油産業は上流部門と下流部門とが分断されている、こういう状況にあります。これは言うまでもなく、戦後、外資提携を通じて上流部門はメジャーズ系に依存する、この枠組みを前提にして、石油の安定供給のために石油業法によって下流部門の石油精製・元売業をコントロールする、こういった政策的な結果ではないかというふうに判断をいたしております。 きょう、お手元に資料を配付させていただきましたが、この表でも明らかなように、これは当局は十分御承知の内容でございますが、今日、この上流部門と下流部門のそれぞれの企業群の規模が国際的に見ていかに小さいかということを象徴的に示していると見ております。 九七年ということで、国際比較ができる数字を引用しておりますけれども、精製業においては、ごらんのように、日本の全企業二十九社の石油精製能力は一日あたり五百三十二万バレル、販売量は四百三十三万バレルでありまして、これは驚くことに、ロイヤル・ダッチ・シェルやエクソンなどナショナル・フラッグ・オイル・カンパニー一社分の規模にしか相当しない、それに及ばないというような状況でございます。さらに、上流部門では、九七年当時、我が国の二十八社の企業の総生産量は一日六十八万バレルで、これも欧米の中堅メジャーズの一社分にしか相当しないと。これはもういかにも明確な力不足というものを示していると思います。今日、企業合併や業務提携が進み四つのグループに再編されつつあるとはいえ、それでもメジャーズに対抗できる経営力、総合力というまでに行くには相当な時間がかかるのではないかと、このように判断をしております。 これまでの産業政策が上流、下流の分断を固定化して、そのことで産業の非効率性や低収益性の構造を転換させないままに今日に至っている。このことは後々問題になります石油公団の問題にもつながっていくことでありますが、多くの識者が指摘しているように、この旧通産省時代の政策判断の誤りとあえて率直に申し上げますが、その要因が大きいと言わざるを得ない。 この辺に関しても、歴史的な経過を振り返って恐縮でございますが、大臣の見解を承りたいというふうに思っております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科先生からメジャーズとの規模の比較、この表をいただきまして、まさに現状はそのとおり、非常に彼我の間には大きな差があるということは事実でございます。 欧米におきましては、いわゆるメジャーが高い国際競争力を持って上流から下流まで一貫して事業を展開することによって、結果的に各国の安定的かつ効率的なエネルギーの供給、この確保が行われているわけであります。 一方、我が国の石油産業、これについて申し上げますと、上流部門においては、御指摘のように、メジャーに比べ海外での石油開発の参入時期が遅かった、産油国との歴史的なつながりが薄かったこと等、先ほども申し上げた歴史的な背景がある中で、自主開発を進めるに際しまして、産油国からの要請でございますとか、あるいは資本力の小さい我が国石油産業におけるプロジェクトリスクを遮断する必要があったこと、こういうことから小規模な開発企業が多数存在することとなりまして、結果としてメジャーのような企業が育ってこなかった、そのことは事実だと私は思っております。下流部門におきましては、特石法の廃止等累次の規制緩和による国内競争の激化、メジャーの再編統合といった環境変化の中で、我が国石油産業については、合併、事業提携によるいわゆる四グループ化、この再編集約が進んでいるところでございます。 本法案では、これまでの累次にわたる規制緩和、自由化の総仕上げとして石油業法を廃止することとしておりまして、これを契機として、我が国石油産業の一層の構造改革が促されまして、強靱な石油産業の形成が図られることを私どもとしては期待をしているところであります。 経済産業省といたしまして、引き続きこうした企業の構造改革への取り組みの支援を行っていくとともに、石油公団によります既発見油田の資産買収への支援でございますとか、石油公団が保有する石油開発会社の株式売却等によりまして、上流と下流を通じた総合エネルギー企業グループとしての性格を持つ中核的企業グループの形成に努めていきたい、このように思っているわけでございます。 御指摘のとおり、大変欧米に比べまして、上流、下流、これを一貫とした強大なメジャーが育ってこなかった、それが我が国の石油産業の脆弱性につながっている、そのことは事実だと思っておりますけれども、今こうしたいわゆる改革を進めることによりまして、中核的な、上流、下流合わせて強靱な企業が育つようにこれからも努力をしていかなければならない、このように思っております。
○藁科滿治君 私は、国際的な視点からあえて私の考えを提起して、御見解を承りたいと思いますが、我が国におけるエネルギー産業におきましては、資源の確保、それから価格の安定、そしてさらに環境対策、こういうような面から、電力やガスを含めた他のエネルギー全般の関連業務をこなせる総合エネルギー企業といったようなものを育成していく必要があるんではないか、そして日本版メジャーというような企業を確立していく必要があるんではないかというふうに考えております。しかし、ただこの問題を市場原理に任せるだけでは、我が国の状況からして、到底そういったたぐいの企業の現出は望めないというふうに考えております。 世界のメジャーズはますます巨大化しておりますし、またかつ総合エネルギー企業としての再編を一方で進めておりますから、そういう面からも、我が国としても旧来の発想と枠組みを越えて、今申し上げたような新しい観点に立った企業の育成というような方向性を示して、それに向けての環境整備をやっていく必要があるのではないかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○副大臣(松田岩夫君) ただいま大臣からも、上流部門あるいは下流部門それぞれが小さい上に、かつ上流、下流間の連携が不十分ということで、上流部門におけるいわゆる水平統合とかあるいは上流と下流との垂直統合とかいったことをさらに進めて、中核的な石油産業における企業グループをつくっていくという面についての御答弁を申し上げたところでございますが、藁科委員から、さらにそれに加えて、エネルギーの総合的な安定供給とか、その他今日日本のエネルギー産業が担わなければならない諸命題を達成していくためには、さらにエネルギーの産業間を越えて異業種間の連携、提携といったものをもっと積極的に進めていくべきではないかという御質問ございました。 全く我々も同様に考えておりまして、とりわけヨーロッパあるいはアメリカ等の企業を見ますと、既にそういった方向への動きが見られるわけでございます。残念ながら、我が国ではまだ、石油産業の中での今申したような中核的な企業グループ形成ということで動きは出ておるわけでございますが、正直、エネルギーの他産業分野、ガス事業あるいは電力事業とか、こういった部門との総合的な提携というのはこれから大いにひとつ進めていかなきゃならぬ。 そういう意味で、今回のこの法改正におきましても、石油公団というものをしっかり見直して、これをここしばらく戦略的な手段としてということで改正をお願いしておるわけでございますが、こうした石油公団の活用を初めといたしまして、今先生おっしゃった業種、業態の垣根を越えて、とりわけ天然ガス産業といったようなあたりとの連携強化、そして総合エネルギー企業化を積極的に進めてまいりたい、このように考えております。
○藁科滿治君 次に、石油備蓄に関する予算の問題について質問をさせていただきます。 緊急事態の発生に有効に機能するという意味で、石油備蓄システムの重要性というのは頭の中でもわかっておりますし、また我々は生々しい体験もしておりますから、そういう判断を強く持っております。しかし、一方で気になりますのは、この備蓄にかかわる予算規模が非常に大きいということであります。格別、我が国の財政事情は大変状況が厳しいわけでありますから、やはり旧来の体験を踏まえながら、ここらで冷静に、客観的にもう一度分析をして見直すということが必要になっているのではないかと思います。 石特会計における備蓄関連予算は、御案内のように国家備蓄は平成十三年度で約二千八百億円、それから民間備蓄への支援が百億円余りと、おおよそ合計で三千億程度の予算規模になっているわけでございます。これはもう現在の財政事情からいえば非常に大きな金額と言わざるを得ないわけであります。政府も、これの改善に向けて相応の努力をされております。人員の削減であるとか借入金の金利引き下げ、放出訓練の見直しなど、一連の努力をされて一定の成果を上げておられますが、いかにも規模的にはわずかでございます。 そこで、いろんな考え方、方法論があるかと思いますけれども、私が冒頭申し上げたように、備蓄の規模をこの際大胆に見直してみる、観念的ではなくて現実の場を踏まえてやってみる必要があるんではないだろうかというふうに思っております。この備蓄の購入資金元本は実に一兆二千数百億円に及んでおるわけで、これにかかる利子補給金は毎年三百億円以上になっているわけであります。こういう点について、ひとつ大胆なメスを入れてみる時期に来ているのではないだろうかというふうに考えております。 当然、そこで適正な備蓄量の水準という問題が浮上してくるわけでありますが、湾岸戦争時の備蓄の水準が、御承知のように国家備蓄が五十四日分、民間備蓄が八十八日分で、合計百四十二日分ということでありまして、それはその状況状況で規模は変わってまいりますけれども、あのときの備蓄の取り崩しが民間四日分でこの危機を乗り切ってきたという実績、経過もあるわけですね。危機管理にできるだけ大きく備えるというのは、だれでもが安心第一でありますからぜひ必要でありますけれども、しかしこの財政難で、やはり踏み込んだ分析をすべき時期に来ているんではないかというふうに思うわけであります。 この間、国家備蓄をふやすというような方向でも来ておりますけれども、この際大胆に民間との関係を逆転させる、あるいはまたこういう国家財政の状況ですから民間にも御協力いただく、あるいはずっと申し上げておりますように、トータルの水準をある程度抑止するということなどなどを含めて、この備蓄量の抜本的な見直しということについて御見解を承りたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先生ただいま御指摘になりましたように、国家備蓄事業あるいは全体としての備蓄に多額の費用を要しているのは御指摘のとおりでございます。 また、御指摘いただきましたように、できる限り効率的に国家備蓄事業を進めていくべく、これまでも維持管理費用の削減等のコスト削減に努めてきたところでございます。ちなみに、平成十三年度予算におきましては、対前年比で五十九億円の減少となるようなことになっておりまして、近年、この予算は減少傾向にありますし、私ども、そういった努力を続けております。 一方で、御理解をぜひいただきたいと思いますのは、我が国の備蓄水準に関しましては、国際石油市場の発達とともに、近年、緊急時の初期段階に市場の安定化のために、IEA、国際エネルギー機関の加盟国が協調して備蓄を放出することの重要性が高まっているということでございます。我が国のこうしたいわゆる協調的緊急時対応措置、CERMと呼んでおりますけれども、これに対応するための備蓄量をIEAの加盟主要国と比較いたしますと、我が国の備蓄水準自身はその平均を約五日分程度、つまり五百万キロリットル程度下回っているというのが実情でございます。 一方、我が国が欧米諸国と比較して石油依存度あるいは中東依存度が高いということもありますから、石油供給構造としては脆弱であるというふうに申し上げざるを得ないわけですけれども、したがって、このIEA加盟国の協調行動によって享受するメリットも相対的に我が国の場合高いというふうに申し上げられると思います。 こうした背景を踏まえまして、平成十一年八月の石油審議会の報告で、御指摘のようにコスト面や厳しい財政状況も勘案する必要はあるけれども、五百万キロリットル程度積み増すことを当面の目標として、平成十三年度より国家備蓄の新規積み増しに着手をしたというのが実態でございます。したがいまして、備蓄量を削減したらどうかという御指摘でございますけれども、これはなかなか難しいというふうに現時点でお答えせざるを得ないような気がいたします。 それから、民間備蓄でございますが、実はこれはこれまで国家備蓄の整備に合わせまして、むしろ民間備蓄義務の軽減を図ってきたという実態がございます。これは規制緩和に伴います石油産業の国際競争への対応というようなことが必要になってきておりますので、余りに負担を民間に負わせることも難しいということでございまして、これ以上の民間備蓄の増大というのも環境上困難かなというふうに思います。 しかし、いずれにいたしましても、御指摘のように国家備蓄事業を一層効率化して経費削減を図っていく、これは必要だと思いますので、私どもも一層の効率化に向けて最大限の努力をさせていただきたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 参考までに、資源の環境条件違いますから画一的な比較をするつもりはありませんけれども、アジア周辺の各国の備蓄の状況等は何か手元にありますか。あればちょっと聞かせてください。
○政府参考人(河野博文君) 今、手元に具体的な数字は持ち合わせないのでございますけれども、備蓄について、韓国は一定の努力を開始いたしております。中国におきましても備蓄の検討が始められているというふうに聞いております。それ以外の国でも、検討には着手しておりますものの具体的な備蓄制度が確立しているというふうにはまだいかないというのが実態と思っております。 経済産業省もAPECなどの場を通じて、こうしたアジア諸国の備蓄に対する協力を申し出ておりますし、そういった働きかけは続けてまいりたいというふうに思っております。
○藁科滿治君 サービスステーションの関係について少し質問をいたします。 平成八年の特石法の廃止によって、石油製品の輸入が自由化されました。当然海外からの安いガソリンの輸入が行われて、経済的にも国民生活の面で価格の低位安定という面でプラスの影響を与えたというふうに考えております。 しかし、一方で、価格競争の激化によって精製部門同様に流通部門にも大変な合理化が進行いたしまして、もちろん長期不況の背景も重なって、多くのサービスステーションが統廃合に追い込まれると、こういう状況になってまいりました。こういう状況はしばらく続くかと思うんですが、このことから幾つかの問題を引き起こしていると。 一つは、言うまでもなく廃業によって経営者、労働者の失業を生んでいるということ。それからもう一つの問題が、窮地の経営転換策としてアルコール系燃料、ガイアックスへのスタンドの切りかえが促進されて、これが地域で新たなトラブルを生んでいると、こういう状況が出ております。 経済産業省は、省庁再編の中であえて石油流通課を残されているんですね。また、石特会計で石油製品販売業構造改善対策費というようなものを設置されて、昨年度は二百二十八億円、本年度は二百十一億円を計上されておられます。しかし、実際にはこの予算がサービスステーションの構造改善対策としてどのように活用されたのか、有効に作用しているのか、我々はなかなか見えてこない、率直にまずそういう印象を持っております。 この際、この構造改善対策の政策の方向性について、また予算の執行に関するその効果、作用についてひとつ実態を伺いたいというふうに思っております。
○政府参考人(河野博文君) 特石法の廃止以降のさまざまな環境の変化の中で、御指摘のようにサービスステーションが厳しい経営環境に置かれていると、それは全く御指摘のとおりだろうと思います。そこで、販売業界による構造改善のための取り組みを予算面で支援していくということが一つでございますし、また公正な条件のもとで競争ができる環境の確保に努めるということがもう一つ重要なことだというふうに認識をいたしております。 構造改善の方につきまして御説明させていただきますと、幾つかのことをさせていただいております。例えば、事業者が事業多角化などを円滑に行うためのマーケティングセミナーの開催あるいは消費者ニーズ調査に対する補助をさせていただいております。また、事業者が多角化を行うために必要な設備資金の借り入れを行う場合には、これに対する利子補給をさせていただいているところでございます。また、SSを廃業するというようなことになりますと、施設、特にタンクの撤去に必要な資金が出てまいりますので、こういった必要な費用の補助をこれまでも行ってきたところでございまして、平成十三年度予算におきましては、御指摘のとおり総額約二百十億円の支援策を講ずることにしているところでございます。 こうした販売業界の努力と支援策がかみ合ってSSの効率化あるいは新事業形態への転換あるいは多角化、不採算SSの閉鎖、こういった構造改善が現在進展をしているというふうに認識をしておりますが、まださらに構造改善の余地はあるものというふうに思っております。 それから、こうした構造改善の取り組みに対します支援に加えまして、公正な競争環境の整備ということが重要でございまして、いわゆる不当廉売案件の処理の迅速化ということで、臨時の措置といたしまして、公正取引委員会に対して私どもの職員を派遣したこともございます。あるいは、差別対価についての判断基準の作成、公表、こういったことを公正取引委員会にいろいろ働きかけをさせていただくといったような措置を講じてきたところでございます。 今後とも、こうした取り組みを着実に実施いたしまして、石油製品販売業界の支援に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藁科滿治君 次に、石油製品の輸入の自由化の付随現象として、不正業者による軽油引取税の直接的な脱税、不納入、それから混和軽油による脱税が横行しておる。各自治体が手をやいているという状況になっているわけでありますが、今回の法改正で、輸入業者が届け出制度から登録制度に変更されるということで、これは備蓄義務の徹底のみならず、地方税法の改正とあわせ脱税防止への効果が期待されているというふうに判断をしております。 しかし、混和軽油による脱税の問題は、輸入自由化以前からあった問題でありまして、これは特石法廃止時点においてその横行が十分に予測されたのではないかというふうに感じるわけですが、この点について、まず見解を承りたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 軽油引取税の脱税問題、これは基本的には税務当局に御対応いただかなければならない問題であるとは思いますけれども、私ども経済産業省といたしましても、脱税軽油の流通ということになりますと、石油流通市場における公正な取引を著しくゆがめるということがございますので大きな問題であるというふうに考えているわけでございます。 実際に行われております脱税の方法でございますけれども、幾つかのケースがございます。 例えば、輸入軽油につきまして、通関と納税時期とのずれを悪用いたしまして、通関後、納税義務者である輸入業者が行方をくらましてしまうようなケースでありますとか、あるいは軽油のみに軽油引取税が課税されておりまして、周辺油種でございます灯油とかあるいはA重油に軽油引取税が課税されないということに着目をいたしまして、軽油にA重油等をまぜる御指摘の混和のような水増しケース、さらには重油を脱色して軽油と偽って販売するケース、こういったケースがあるわけでございます。 こうした軽油引取税の脱税のうちに、近年特に課題となっておりました、対応もあるという御指摘ありましたが、輸入軽油に関します脱税に対処するために、この通常国会におきまして地方税法が改正をされたわけでございます。六月一日から既に施行されたと承知しておりますけれども、今回の地方税法の改正で、輸入軽油につきましては、原則といたしまして、通関時に課税がほぼ同時に行われるということになるわけでございまして、厳格に課税を行うことは可能になったのではないかというふうに思います。 また、それ以外の脱税につきましても、総務省あるいは各都道府県の税務当局が連携をいたしまして、脱税業者の摘発など軽油引取税の課税強化に努めているというふうに承知をいたしております。 私どもといたしましても、今後、こうした制度改正あるいは税務当局による課税の強化によりまして、軽油脱税問題に対して厳正な対応がなされることを期待しておりますし、また今回の輸入業の登録も、その輸入業の所在の確認等の面でお役に立てることがあればというふうに思っているところでございます。
○藁科滿治君 しかし、この問題は、原点に立ち戻れば、混和軽油による脱税の問題はもう石油税制そのものの問題から出ているというふうに判断をしておりまして、起こるべくして起きたというふうに考えております。 つまり、軽油とほとんど成分が変わらないA重油を非課税としているところに問題の根幹があるというふうに考えておりまして、A重油の非課税措置は、御承知のように農業、漁業、海運業を優遇する一種の産業優遇税制ではないかというふうに私どもは見ております。しかも、税制区分は軽油引取税を道路整備財源とする前に想定されたものでありますから、道路利用者の受益負担という考えは後からつけられた理屈であるというふうに私どもは見ております。 要は、取りやすいところから課税して、取りにくいところは非課税にするという、極めて政治的税制と言わざるを得ないというふうに判断をしておるわけでありまして、運送用の軽油は課税軽油、農林漁業、海運業のA重油は非課税軽油、こういう対象になっているのではないですか。 A重油でもディーゼルエンジンが回るということは、これはもう運輸業の人ならだれでも知っていることで、一般の常識にもなりかかってきておりますが、軽油にこれをまぜて軽油引取税分を浮かせるインセンティブは十分に働いていくというふうに見ることができるわけで、各都道府県が取り締まりをどれほど強化しても、不正業者と行政のイタチごっこといいますか、そういう状況が続いておりますね。 こういう状況について、私どもは税の持つ根本問題を解決することが先決であるという認識を持っているわけでありまして、今回登場いたしました小泉内閣が、痛みを伴う構造改革、既得権の見直しということを強調されておるわけで、まさにこういった矛盾について大胆に修正をしていくべきではないか。この業界を所管される経済産業省としてどういう考え方をお持ちか、この際改めて伺っておきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先生御指摘のように、この軽油引取税あるいはA重油に関する課税、さまざまな議論を経て、ある種の歴史を持って今日に至っているのは御指摘のとおりでございます。 そうした背景もありますので、現在のこの税体系を維持していくことの必然性というのはまた一方においてあるように思いますが、いずれにいたしましても、この脱税防止に関して税務当局から、当省の所管する石油流通業でもございますので、協力要請があればぜひ前向きに対処するということでこの問題については対応させていただきたいと思っております。
○藁科滿治君 次に、少しく生臭い話になりますが、できれば大臣に御見解を承りたいと思っておりますが、ガソリン税、軽油引取税の一般財源化の問題でございます。私の所属する民主党もいろんな角度で研究を続けておりまして、一定の考え方を中間的にまとめております。 また、総理みずからこの問題についてお考えを提起されているようでございますが、この対応についてはそれぞれの党がまだ十分その踏み込みができていない、消化ができていないという状況でありますから、なかなか判断は難しいと思いますが、私どものこれからの論議の展開にも活用したいという思いで率直な質問をさせていただきたいと思っております。 現在、道路財源の目的税として徴収されております揮発油税と軽油引取税を中心とした道路特定財源諸税について、今触れましたように、総理みずから一般財源化の方向というような流れを打ち出されております。 この特定財源は、御承知のように総額で六兆円弱であり、このほか自動車のユーザーは、自動車税や消費税などを合わせると全租税収入の一割に当たる約九兆円の税金を納入していると言われているわけであります。確かに、環境への負荷も含めて自動車を走らせることによる社会的費用は大きなものがあって、これを受益者が負担するという原則論はある面では当然でありますが、九兆円もの負担はやはり過大と言わざるを得ないと率直な印象を持っております。 現在、この税の一般財源化が行われようとしておりますけれども、論議が始まったというところでございますが、現在の税システムのままでこれを実施するとなると、ガソリン税と軽油引取税は率直に言って第二の消費税の性格を持つことになるんじゃないかと私は危惧いたしております。 特定財源を使った道路への公共事業そのものに問題があるので、これを削減するのであれば、当然、現在のガソリン税と軽油引取税を引き下げるのが筋じゃないかと。私どもの党内にもいろんな意見があります。しかし、やはり税制全般の改革を基本に置かなきゃいかぬ、前提に置かなきゃいかぬという流れの中で論議を展開しているわけでございまして、この点、大臣はどのようにお考えになっておられるか。 結論的に私の意見を申し上げますと、石油関連諸税全体のあり方の見直しの中で行われるべきである、こういうふうに考えております。徴収の方法はそのままで使い方を変えていくというのは、税システムの原則からいってちょっと大矛盾ではないかというふうに考えておりますので、御見解があればぜひ伺いたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) 道路の特定財源の見直しにつきましては、この五月三十一日に開かれた経済財政諮問会議におきまして、今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針、いわゆる骨太の方針と、こう言っておりますけれども、まだその目次をつくる段階でございますけれども、その目次案としまして、「分野別の配分などに硬直性をもたらしている特定財源等の仕組みの見直し」が盛り込まれるなど、現在さまざまな議論が行われているところでございまして、特定財源制度というのは、特定された公共サービスからの受益と負担との間に密接な対応関係が認められる場合には、受益に対応した負担を求めることに合理性を有する、こういう受益者負担の考え方のもとで成立しているものと、私どもはこのように考えております。したがいまして、経済社会、ニーズの変化によりまして、道路財源に限らず、やはりあらゆる制度を改革することは私は必要だと、こういうふうに思っています。 こうした受益者負担という制度の趣旨を私どもは十分に踏まえまして、納税者等の理解が得られる内容にすることが望ましい、こういう基本的な考え方を持っておりまして、納税者の理解が得られない、そういう整合性のない見直しというのはやはり慎重を期すべきだ、こういう考え方でございます。
○藁科滿治君 ありがとうございました。 次に、アルコール系燃料、ガイアックスの問題について幾つか質問をさせていただきます。 経済産業省としてもこれはもう実態は十分把握されていると思いますけれども、この問題について、まず一つは税制との関係の問題であります。 最近、税務当局がガイアックスを販売している事業者に軽油引取税の課税申告を行うよう指導していると。これはある面で当然のことかもしれませんが、実際、納付も行われ始めておりますが、問題は、CO2の排出量が少ない、環境に優しい燃料、こういう意味でこの税制についてそういう問題意識を組み込む必要があるのではないかというふうに考えているわけであります。特に、ガイアックスは製造単価が高いわけでありますから、そういう意味からも税を納めればさらに割高になる、こういう事情もありますので、ぜひグリーン税制というような観点から一定の配慮が下されるべきではないかというふうに思うんですが、経済産業省としてはどんなお考えを持っておられましょうか。
○政府参考人(河野博文君) 御指摘のございましたガイアックスでございますけれども、既存のガソリン車にそのまま使用できる、いわゆる石油起源のアルコール成分を主原料とした低公害アルコール系燃料ということで販売をされているというふうに承知をいたしております。 先生御承知かと存じますけれども、環境省の調査結果によりますと、規制対象物質を中心に自動車排出ガスへの影響を調査いたしまして、本年三月にこれは公表されているわけでございますけれども、これによりますと、既存のガソリンを使用した場合に比べまして、排出ガスのうち炭化水素あるいは一酸化炭素、これは減少する傾向だったということでございますが、二酸化炭素はほぼ同様であったと。また逆に、窒素酸化物ですとかアルデヒド類、これは増加する傾向を示したという調査結果をちょうだいいたしております。 こうした調査結果を踏まえまして、環境省では、いわゆる二酸化窒素の環境基準達成状況が悪い、また窒素酸化物低減対策が急務となっているという現状にかんがみれば、環境保全の観点から判断して、その効果は期待できないのではないかといったような結論であると承知をしておりますので、そういった状況にありますと、私どもとしても特にガイアックスだけを取り出しまして税制措置等の支援措置を講ずるのはいかがなものかなというふうに実は考えているところでございます。
○藁科滿治君 第二は、環境の問題であります。 三月一日に、環境省がこのガイアックスの排出ガス実態調査結果を発表されました。特にここで、ガソリンと比べて一酸化炭素、炭化水素の排出は改善される、しかし自動車の触媒の関係で窒素酸化物は悪化する、こういうような調査結果が出ております。これに対して、ガイアックスを製造しているガイアエナジーが環境省の調査分析には幾つか問題ありということで公開質問状を出されたわけですね。 どうもこのデータ、私ども素人、決して勉強が十分ではありませんが、硫黄酸化物の排出調査は除外するというような、何か恣意的な感じがないではないということを率直に感じているわけでありまして、ここらの事情について経済産業省としてどういうお考えを持っているのか。これからの石油産業のあり方にも影響してまいりますので、この際、改めてお考えを伺っておきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) この三月一日に発表されましたのは環境省の調査でございますので、私どもも結果について御連絡をいただいているという程度にとどまるわけでございます。 ただ、御指摘の硫黄酸化物について分析がないのではないかという御指摘があるのは、私どもも伺ったことがあります。たしか私の記憶が正しければ、環境省の方では、その硫黄酸化物については、現時点において固定源対策を中心として環境基準が達成されているというようなことで、むしろ先ほど申し上げた窒素酸化物などへの対応がこれからの排出源対策として必要なのではないかといった観点から分析をしたように承知をいたしております。
○藁科滿治君 第三の課題はサービスステーションの関係でございます。 ユーザーの間で人気が出てきたこのガイアックスを導入して経営を立て直していこうと、また成功している例が出てきておりますが、一方で周辺の同業者とトラブルも出ていると、こういうふうに伺っているわけで、これは課税問題が完全に解決すれば、価格競争の問題もちょっと見られますけれども、今後の課題として経済産業省が、サービスステーションの体質改善や経営力の強化とそれを支援する政策という中にこのガイアックス問題を、ガイアックスへの転換問題を含めていくのかどうか、そこらの考えを伺っておきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど先生から御指摘をいただきましたように、石油流通業の構造改善についてはできる限りの支援をさせていただきたいというふうに思っているわけでございますが、こうした支援策といたしまして、現在私どもがさせていただいていることは、各地の石油商業組合が業界全体として取り組む消費者ニーズの調査ですとか、あるいはマーケティングセミナーに対する支援でございますとか、また事業の集約化に伴う、場合によってのSS閉鎖、これに対する補助というようなことで、販売業者の経営基盤の形成強化を目的としてやらせていただいているところでございます。 ガイアックスは特定商品ということになりますので、この特定商品の販売をどうするかということは、基本的にやはり事業者にゆだねるべき事項ではないかなというふうに考えているところでございます。
○藁科滿治君 冒頭から一連の御質問で申し上げてきたことでありますが、我が国の石油産業への対応は少しく後手後手に回ってきたということで、国際的に見ると大変な脆弱性ということが顕著なわけですが、今後この産業がどういうふうに発展していくのか、その点について、展望があればぜひ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科先生御指摘のとおり、確かに上流、下流、含めまして、欧米の巨大メジャーに比べますと、その脆弱性というものは御指摘のとおりだと私は思っています。 先ほども申し上げましたように、これはやはり戦争に負けた後、非常に日本のいわゆる産油国に対する立場あるいはその企業の規模等が脆弱であり、出おくれた。こういう中で、その必要性があって石油業法等によりましてある程度安定的な供給が図れる、そのために自由化等が抑制されて、それがさらに脆弱性につながってきた、こういうことは否めない事実だと私は思っています。 そういう中で、我々としても自由化に向かって、院の御同意も得ながらこの自由化ということを進めてまいり、今回業法を廃止する、またあわせて石油公団法におきまして石油公団の機能を強化して、そして競争力を高めていくと。一連の中で、例えばグループも石油業界は四つに収れんをされてまいりました。そういう状況の中で、さらに中核的な力強い企業を育成していく、こういうことが必要なわけであります。 石油に関しましては、確かに、四十年続きましたアラビア石油の、サウジアラビアの日量十万バレル出ていた、それのいわゆる権利が喪失する、こういうようなこともございました。そこで、我々としては新たな非常に有望なイランにおけるアザデガン油田、これは最少見積もりましても日量四十万バレル出るというような目測がございますけれども、最優先の交渉権を得て、これは今非常に順調に推移をしています。 そういったことも含めて、新たなそういう石油の獲得、こういうことも経済産業省としては努力をしていきながら、さらに石油業界において、今四つにまとまり、そしてこれからの非常に厳しい国際環境でありますけれども、だんだん条件が整ってきた日本の石油産業のさらに基盤強化、こういったことにも努力をしていかなきゃいけない。 そういう形で、我々としては、非常に脆弱性を持っているけれども、しかし夢がないわけではない。今申し上げたようなそういういろいろな背景がありますから、そういう中で力強い政策を展開してまいりたい、このように思っております。
○藁科滿治君 エネルギー庁長官に再度伺いますけれども、俗に言うアジア・プレミアムというものについて、どういうふうにとらえておられて、今度どういう方向にリードをしていくべきかというようなことで、お考えをちょっと聞かせてもらいたいのですが。
○政府参考人(河野博文君) 中東諸国がアジアに原油を輸出します際に、比較をいたしますと、欧米に対して販売されている価格よりもやや高目に売られているということがよく言われるわけでございまして、これがいわゆるアジア・プレミアムということでございます。 他方、トータルとして見ますと、アジアは中東諸国に地理的には近いわけでございまして、例えば米国が南米などから原油を調達する、また欧州諸国がアフリカあるいは中東諸国から調達するというのと比較をいたしまして、日本にとりましては、欧米が調達しております南米から油を調達するとかあるいはアフリカの西海岸から調達するというのは、なかなかこれは逆にフレートが高くて持ってこられないという問題がございます。 そういったことをマーケットが裁定する結果としてアジア向けの中東原油についてはやや割高感があるということかと思いますけれども、この辺は、買い手としてさまざまな情報交換をするなどを通じて解消する手だてはないものかなというのが現在私ども思案しているところでございます。
○藁科滿治君 この問題は、経済原則の一般論からいえば、ユーザーの立場に立ってという意味ではプレミアムではなくて割安というようなものも本当はあってしかるべきとも思いますので、今後継続的にいろんな角度からぜひ研究を続けてほしいというふうに考えております。 最後に、ちょっと時間が早いんですが、きょう、大臣がAPECの会議にお出かけになるやに伺っておりますので、秋のWTOとの関連で極めて重要な会議の性格を持っているというように伺っておりますけれども、この会議の性格と展望といいますか、そういうものを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の上海で開催されるAPECの貿易大臣会合というのは、委員御承知のように、米国、中国、ロシアを含むアジア太平洋の二十一のエコノミーから貿易担当大臣が集まります重要な会議でございます。また、本会合は、中国が議長国を務める今年のAPECプロセスにおいて、十月のAPEC閣僚・首脳会合までの折り返し地点として大変重要な節目だと、このように思っています。 今回の主要な議題であります今御指摘のWTOへの貢献につきましては、十一月のカタールのドーハで行われますWTO閣僚会議に向けまして、まず新ラウンドの立ち上げ、それから交渉項目についての議論を深める、このことがねらいに相なっております。我が国といたしましては、カタールにおいて成功裏に新ラウンドを立ち上げるべくAPECとしての力強いメッセージを打ち出せるように、私は参りまして積極的な役割を果たしていかなければならないと思っています。 また、APECの域内におきましても、自由化、円滑化、それから経済構造改革に向けた取り組みがなされておりますが、このうち経済構造改革につきましては、一昨年来、我が国が中心となって推進しております経済法制度整備あるいは中小企業・新規事業支援のためのイニシアチブにつきまして、加盟エコノミーからの一層の協力を得つつ、さらなる推進を図ってまいりたい、このように思っておりまして、きょうから行かせていただきますけれども、全力で頑張ってこようと、こういうふうに思っております。
○藁科滿治君 ありがとうございました。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 今回の石油備蓄法の改正案といいますのはその大前提として石油業法を廃止するということがございますので、まず最初に石油業法の廃止について、大臣にお伺いをしていきたいと思います。 石油業法を廃止するということは、石油産業の需給調整規制を撤廃するということであるわけですけれども、その廃止によります国民への影響、メリット、デメリット、それはどういうことなのか、初めにお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 近年、国際石油市場の発達、欧米メジャーズの再編に代表される石油産業のグローバル化が進展する中で、安定供給を担う我が国石油産業の一層の効率化を促して強靱な石油産業の形成を図るために、委員御承知のように、これまで累次にわたって規制緩和、自由化が進められてまいりました。 今回お願いしております本法案では、これまでの規制緩和、自由化のある意味では総仕上げといたしまして石油産業の需給調整機能を果たしてきた石油業法を廃止することにいたしております。これを契機として、一層の構造改革に向けた企業の創意工夫や迅速な意思決定が促されまして、国際的な競争の中で石油の安定供給を担う強靱な石油産業の形成が図られる、このことを期待しているところでございます。 また、本法案では、平時における規制緩和後においても緊急時への対応に遺漏なきを期すため、石油備蓄法の改正をあわせて行うことによりまして、緊急時においても石油の安定供給を担う事業者の把握や民間備蓄義務の確実な履行を確保する、そのための措置、また備蓄の放出時において石油が最終消費者まで確実に供給されることを確保するための措置を講じております。 したがいまして、石油業法の廃止を含む今回の法改正により強靱な石油産業の形成が図られるわけでございまして、消費者に対しましては、まず石油の安定供給体制が確立される、それが強化される、このことが私は一番大きな意味を持つ、こういうふうに思っております。さらに、濶達な競争が行われることによって、また将来的に消費者に対してコストの面でもメリットをもたらせる、こういうことも将来の方向として考えられるのではないか、このように思っております。
○西山登紀子君 そもそも産業というのは何を目的とするかということなんですけれども、やはり国民生活あるいは社会の豊かな発展に貢献をするということが大前提でありまして、企業の利益のためにだけあるということではございません。それが大前提でございますが、石油業法が提案されました一九六二年、かなり古いところまでさかのぼってまいりますが、国会で、実はそのときの石油業法についての提案理由及び要旨の説明がもちろん国会ですから行われております。そのときの議事録を私も勉強させていただきました。その当時、佐藤国務大臣がこの石油業法を提案する理由をこのように説明しております。 石油というのは、「国民経済上必要欠くべからざる基礎物資であり、今後ますますわが国のエネルギー源としての地位を高めていくものと考えられます。このように重要な意義を有する石油につきましては、総合エネルギー政策の見地に立って安定的にして低廉な供給をはかることが、国民経済上最も強く要請されるところであります。」というふうにるる述べていらっしゃるんですけれども、そこで私が注目いたしましたのはこういう部分でございます。「もちろん、自由な競争による低廉な石油の供給は歓迎すべきことではございますが、事態をこのままに放置しておきますと、かえって石油需給の混乱を招き、石油産業の健全な発展が阻害されるのみならず、国内のエネルギー産業を初めその他の関連産業に対し悪影響を及ぼすとともに、消費者の利益をも害するなど、国民経済上望ましくない結果を招来するおそれがあると考えられます。」と説明をされまして、「国によるある程度の法律上の調整はやむを得ないと考えるのであります。」ということで、この法律、石油業法の説明に移っていらっしゃるわけですね。 そして、国による石油産業の需給調整の中身としては、もちろん法律になっているわけですけれども、国が石油の供給数量や設備能力などを内容とする石油供給計画を作成して公表するようにする。石油精製業者は精製設備が供給計画に適合しているかどうかの許可を受ける。政府は、供給計画の実施に支障が生じる場合は勧告ができる、石油価格が乱高下する場合は標準価格を設定できるなど、そういう内容を主なものとしたもので、そういういわゆる需給調整のルール、規制を決めるんだ、それが必要なんだということを四十年前に法律案の提案理由の説明としておっしゃっていたわけですね。 今回、この石油業法を廃止してしまうんだということで百八十度変わっているわけですけれども、その変わった理由、それを御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 我が国の国民生活、経済活動にとって必要不可欠な石油の安定的な供給の確保を図るためには、石油供給の担い手となります国内の石油産業が強靱な経営基盤を有していることが不可欠な前提になる、こういうふうに思っています。 一九六二年当時、貿易の自由化や外貨割り当て制度の廃止といったそういう状況の中で、脆弱でございました石油産業に重大な悪影響が及びまして石油の安定的な供給に支障が生ずることがあの当時懸念されたことから、石油業法を制定し、以降、石油精製業の許可制等による需給調整規制を実施しまして国内石油産業の健全な発展を促してきましたけれども、これによって我が国に一定の能力を有し国民に安定的に石油を供給する石油産業があの当時育成されたと、このように思っております。 したがって、今御指摘のように、石油業法という形で規制をして、そしてこの安定を図ったわけでございますけれども、近年は、グローバライゼーションの中で、国際石油市場の発達とかメジャーズの再編に代表される石油産業のグローバル化が急進をする中におきまして、企業の創意工夫や迅速な意思決定による構造改革や効率化を促すことによって、安定供給を担う強靱な石油産業の形成を図っていくことが必要となってまいりました。 そういう歴史の流れの中で、これまで累次にわたりまして規制緩和、自由化が進められてきたところでございまして、本法案では、ある意味ではその総仕上げとして石油産業の需給調整機能を果たしてきた石油業法を廃止する、こういうことにいたしたわけでございます。
○西山登紀子君 いわゆる石油産業が非常に強靱になってきたということなんですが、私は強靱になれば強靱になるほどやはり激烈な競争もまた強靱になるのでございまして、今規制緩和の大号令のもとに、いよいよ石油の量的な確保や価格も全部市場原理に任せるということなんですけれども、これはやっぱり石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図って、もって国民経済の発展と国民生活の向上に資するというこの石油業法の目的に、なくす方がその目的に合致するのかというと、これは私はそうではないように疑問に思うところでございます。 我が党は、石油業法の制定の際には、エネルギーの自主的供給基盤を確保するために、国内炭を積極的に活用するのではなくて、むしろ国内炭が壊滅状態に陥る中で相対的に安価な輸入石油に依存するというような、そしてそういうために日本の石油業界を保護していくという目的を持っているというふうに考えまして、当時はその制定に反対をいたしました。 以来いろんな闘争があったわけですけれども、今国内炭では、私も当委員会で質問いたしましたが、長崎の池島炭鉱、北海道の太平洋炭礦、この二つの炭鉱しかもうなくなってしまっている。そういうことで、ほとんど石油に依存するという、むしろその比重は増しているということからも、エネルギーセキュリティーの観点から、むしろ今石油業法が持っている、石油業界を規制いたしまして石油の需給調整を行うことができるという手段を改めて評価する方がいいんじゃないかというふうな立場になっているわけでございます。そういう点から質問をさせていただきたいと思います。 この石油業法が今まで果たしてきた役割はどうなのかということなんですが、戦後、原油価格の乱高下の変化はどのようなものがあったかということ、そしてその時々にこの石油業法がどのような役割を果たしてきたのか、具体的に説明をお願いいたします。
○政府参考人(河野博文君) これまで原油価格の乱高下が大きな問題となったケースが三つほどございます。何と申しましても一九七三年十月の第四次中東戦争、これを契機といたします第一次石油危機、これは原油価格が約四倍に上昇したわけでございます。続きまして一九七九年のイラン革命あるいは一九八〇年のイラン・イラク戦争を契機といたします第二次オイルショック、この際は原油価格は約二・三倍に上昇いたしました。一九九〇年の湾岸戦争を契機とする湾岸危機、この際には原油価格は約二・五倍に上昇いたしました。 最近でまた三倍というケースがございますけれども、これはこういったいわゆる危機と称せられるものとはちょっと違うように思いますので省略をさせていただきますが、これらの三つの緊急時に際しましては、第一次石油危機の際に、石油需給適正化法あるいは国民生活安定緊急措置法、これが制定され、また発動されたということで、法的な対応をしたわけでございます。 これ以外のケースにつきましては、いずれもこの両法の発動の準備段階ともいうべきヒアリングあるいは場合によっては行政指導ということをやってまいりましたけれども、法律を発動するということには至りませんでした。 お尋ねの、それではこの緊急時において石油業法がどういう役割を果たしたかということでございますけれども、石油業法は、主たる任務は平時に需給調整規制を実施することでございまして、強靱な石油産業を育成するということが目的でございますので、この緊急時に際しましては、その石油業の業態を常時把握するという意味においてそうした貢献があったというふうには思うのでございますけれども、石油業法に基づく緊急時対応措置が何か発動されたかということになりますと、法律自身の発動はなかったというのが実態でございます。
○西山登紀子君 石油業法第十五条で、標準額が設定できるというふうになっておりますけれども、過去にこういう標準額の設定が行われた事実がありますか。
○政府参考人(河野博文君) 十五条の標準額は、過去に二度ほど設定されたケースがございます。 第一回目は、昭和三十七年の十一月から四十一年の二月ということでございます。これは、石油業法の制定に際して、ある種駆け込み的な状況が発生いたしまして、販売競争が激化して市況が非常に落ち込んだというような状況のもとで市況を健全化する必要があるということで、過度な値下がり是正と申しますか、そういう観点からであったかと思います。 第二回目は、昭和五十年の十二月から五十一年の五月まででございまして、これも第一次石油危機時に法律の発動あるいは行政指導ということで石油製品価格を政府としても指導したりした経緯がございまして、その結果いわゆる逆ざやが発生をいたしまして、このままではなかなか石油産業が成り立たないというような環境になりましたところで、そういったゆがみを是正するということで、昭和五十年十二月から石油製品の販売価格の標準額を設定したという経緯がございます。
○西山登紀子君 石油業法の第十五条のこの価格の問題なんですけれども、確かに実際使われたのはこの二つの事実でございますが、この第十五条をよく私見てみますと、経済産業大臣は、「石油製品の価格が不当に高騰し又は下落するおそれがある場合において、石油の安定的かつ低廉な供給を確保するため特に必要があると認めるときは、石油製品の生産費又は輸入価格を基準とし、石油製品の国際価格その他の経済事情を参酌して、石油精製業者又は石油輸入業者の石油製品の販売価格の標準額を定めることができる。」というふうになっています。 異常に上がったとき、異常に下落するというふうな場合、石油業者をある程度保護するという、一方でやっぱり消費者を守るという、そういう二つの側面を持って第十五条はあると思うんです。私は、特に、御説明がありましたように、もう異常な事態じゃなくて、むしろ平時に抑止力として、この石油業法の第十五条、石油業法全体がそういうパニック的な状況を起こさないような抑止力として働いてきた、その役割というものをいま一度私は再評価すべきじゃないかなというふうに思っているわけです。 そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですが、日本は石油というのは全量輸入に頼っているということでございますよね。しかも、その輸入というのはほとんど八六%は中東に依存しているということでございます。しかも、石油の輸入量に占めます中東の依存度というのは、一九七三年の第一次石油危機のときは七八%だったのが、八六年には六八%に低くなっているんですけれども、現在また八六%に上昇している。非常に不安定な地域でもありますし、遠隔地でもございます。世界の原油生産の八〇%はOPEC関係諸国になっている状況のもとで、日本はいきなり市場メカニズムにすべてゆだねてしまうということは、日本のエネルギー確保の立場から見て非常に心配があるのではないかと思うんですが、その対策は何かお持ちでしょうか。
○副大臣(古屋圭司君) お答えをさせていただきたいと思います。 委員御指摘のように、二度にわたるオイルショックを通じまして、中東からの依存度というのは一時七〇%を下回る状態にまで達してきた、これは事実であります。しかし、その後、中東の依存度というのは上昇しているということであります。 その背景には幾つかの原因がございます。 まず、中国であるとかインドネシア、いわゆる非中東産油国からの輸入が、それぞれの国の需要がふえてしまったということで輸入が減ってきてしまった、これが一点。二点目は、やはり世界の石油の埋蔵量の三分の二が中東地域に存在をしているということが二点目。三点目は、アフリカであるとか中南米等から輸入をするという手もございますが、非常に遠隔地ということもございまして、フレートの点で経済面からコストが合わない、こういう実情があるということも事実でございます。 そのために我が国としては、石油依存度そのものを低くしていく、これが重要であるということで努力をしてまいりました。その結果、エネルギー供給全体に占める石油の割合は、第一次石油ショックのときには七七%でございましたけれども、最近は五二%まで低下をしてきておりまして、そういった観点から見れば、エネルギー供給全体として見れば、中東依存度からの低減に一定の成果を果たしているということは言えるんではないかと思います。 今後、石油に比べて供給のリスクが少ない天然ガスの開発を進めていく、これが一つでございます。また、やはり何といっても産油国との相互依存関係というのを強化していくために、相互の投資の促進であるとか、あるいは人的交流等、多様な協力によりまして、いわゆる産油国との協調関係、信頼関係をしっかり保っていく、このことも重要だと、このように認識をいたしております。
○西山登紀子君 石油というのは非常に戦略的な商品でありまして、国際商品で先物市場まで存在する、投機の対象になっているという点でも大変私は心配に思います。現にアメリカで、異常な品不足といいますか、原油の供給が少し余りぎみだと言われているときに、実は品不足と価格の上昇がうんと起きているという事態がございましたですね。 これは、原因は何だというふうに政府はお考えでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) この一両年の原油価格の高騰でございますけれども、やはり九九年、一昨年三月以降一年間、OPECが協調減産をかなり遵守してきたということ、そしてまた好調の米国経済、アジア経済の回復、こういったことで世界的な需要の増大があった、これが基本的な理由であるというふうには思うのでございます。 ただ、御指摘のように、米国におきます石油製品価格の上昇がこの原油価格の高騰をもたらしたという側面もあるように思います。その理由といたしましては、精製能力の不足あるいは在庫管理の徹底、また御指摘のありました石油先物市場におきまして、先安状態、いわゆるバックワーデーションということで、これがありますと在庫積み増しの意欲が民間企業としてはそがれるわけでございまして、こういったことで石油製品需要の季節的変動に合わせた在庫の積み増しが進まなかった、あるいはさらにそういった状況のもとで石油市場への投機的資金の流入があったといったようなことが指摘をされております。 また、加えまして、環境規制の強化によりまして、ガソリンの製造に高度な技術が必要になったということですとか、製品の多品種化で円滑な流通が妨げられたというようなことも、地域ごとの需給逼迫要因としては挙げられているのでございます。 このように、原油価格の高騰といたしましては、原油そのものの需給逼迫の問題もありますが、同時に、石油製品需給の地域的なインバランスといったようなものも寄与しているというふうに申し上げることが適当かと思います。
○西山登紀子君 今、いろいろなことを御説明いただいたわけですけれども、実際、広いアメリカで非常に地域的な精製設備の合理化やリストラが起こっていて、そして供給不足を招いたというふうなことも言われているわけですね。 つまり、それは結局は市場メカニズムにすべて任せてしまった、そういうことが原因なのではないでしょうか。いろいろ現象面の御説明がありますけれども、結局、市場メカニズムにすべて任せていた、そういうことが根本の原因ではないでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど申し上げましたような石油精製能力の総体的な不足あるいは在庫管理の徹底、こういったものは、ある種、自由化といいますか、マーケットメカニズムのもとでの米国の企業のある種の合理的な行動の結果という面もあろうかと思います。 ただ、我が国と米国の間には、石油産業としての体質あるいは稼働率、そして民間備蓄等の制度的な差もあるということは御理解いただきたいと思います。
○西山登紀子君 アメリカで起きているような石油製品の品不足、価格の上昇というのは、私は日本でも起こり得ることではないかというふうに思っているわけです。 現在は石油産業の需給調整規制があるわけですけれども、冬場の灯油についても、石油精製メーカーに生産計画を立てて備えをちゃんとしてもらうとかというふうなことをやってまいりました。これが規制緩和で全部市場メカニズムに任せられた場合にはどうなるのかなということで心配があるわけです。北海道なんかでは秋から初冬にかけて一時的に需要が伸びるというときなど、価格の上昇あるいは品不足が予想されるのではないのかなと。 今なら石油業法があって、そして石油業法の全体の法律の趣旨からも、供給計画を立てるとかあるいは低廉で安定的な石油を確保するというふうな法律の枠組みがありますから、その中である程度守られているのではないかなというふうに思うわけですけれども、それが全部市場原理に任せられるということになりますと、アメリカで起きたようなことが日本で起きないというふうな保証があるのかどうか。そういう事態が起こらないようにするための対応策を政府はお持ちなのかどうか。 もっと具体的に言えば、これは細かい話かもしれませんけれども、今、灯油懇談会のようなものを綿密にやっていらっしゃいますよね。そういうのを、政府が出かけていって業者と消費者といろんな形で懇談をしながら、ことしはこれぐらいの需給見通しがありますねというような話をずっとやっているわけですけれども、そういうのが、この石油業法がなくなった場合には果たしてどうなるのかなという心配がありますが、その点も含めて御答弁いただけたらと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど米国の精製能力あるいは在庫管理の問題に言及をさせていただいた際に、我が国との違いについても若干触れさせていただいたわけでございますけれども、我が国の状況をもう少し御説明させていただきますと、石油精製能力は、欧米に比べまして稼働率において一〇%といいますか、それぐらい我が国は稼働率が低いような状況でございますから、そういう意味では能力的にはゆとりがあるというふうに申し上げられると思います。 また、我が国石油会社は石油備蓄法に基づきまして備蓄義務を負っておりまして、原油と石油製品の形で通常の商業在庫を上回る約八十日分の備蓄を現在保有しているわけであります。したがって、現状におきましては、石油製品の供給不足あるいは需要変動に対応し得るというふうに私どもは考えております。 仮に、我が国への石油の供給が不足するような事態が生じ、あるいは生ずるおそれがあるという場合には、的確な対応ができるような情報を国民の皆様に適切に提供させていただきますし、備蓄の放出あるいは石油の安定的な供給を確保するための所要の措置を適切に講じていくということでございまして、この法案におきましても、事業者などからの届け出を通じまして石油の生産、輸入、流通、または在庫の状況を的確に把握するという、そういう意味での業態の常時ウオッチングといいますか、石油業法が果たしてきたような役割は備蓄法の改正という形で把握をさせていただきますので、適切な供給を図るための体制は強化し得るというふうに考えるわけでございます。 また、御指摘の灯油懇談会でございますけれども、これはおっしゃいましたように、消費者団体それから学識経験者、石油業界、そして行政が一堂に会するという形で灯油の価格動向ですとか需給などについて幅広い情報の提供、意見交換を行ってまいりまして、そういう意味では灯油の流通の適正化を図る目的で昭和六十一年から開かれてきたわけでございます。 この懇談会は、消費者団体の皆様を初め、関係の皆さんからも引き続き有用だという評価をいただいているように思いますので、私どもといたしましては、石油業法廃止後も引き続き開催してまいりたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 小さなことかもしれませんけれども、そういう灯油懇談会のようなものは、石油業法がなくなった後にも精力的に続けておやりいただきたいというふうに思うわけです。 それで、今ウオッチングというふうにおっしゃったわけですけれども、やっぱり企業というのは利益を求めて必死でございますので、例えばアメリカで大寒波が訪れて、そのとき潤った石油企業の皆さんはこんな商戦は十年に一度あるかないかだということですごく喜ばれたようでございますが、結局、自由競争にゆだねるということは、採算販売というか、うまくもうかるように、例えば例年よりも低目に在庫を抑える、減産体制をとっていく、そしてうまく高い価格を維持するというようなことは、これはもう企業としては当然考えることだというふうに思うわけです。だから、それをただウオッチングしていればいいかというと、そうではない。そういうものではないというふうに思います。 衆議院の参考人質疑で四月十日の新井参考人がこういうことを言っていらっしゃるので、私は大変注目をいたしました。新井参考人は、石油業法の廃止というのは賛成せざるを得ない状況かなというふうに判断しているんだけれども、最近気になるということで、実例を挙げればということで、昨年のヨーロッパやアジアで起きた石油ショートによる価格の暴騰というのは日本のマスコミは多少は報道しておるけれども云々かんぬんということで、もしああいうふうな混乱が日本で起これば三倍か四倍ぐらいの形で大騒ぎになっただろうというふうなことも御紹介をされながら、今回の業法の廃止の中にそういう問題も含意されているというぐらいはぜひ意識していただきたいなというふうに思うということで警告をされている。賛成はするけれども、そういう事態が起こった場合はどうするかということで警告をされていると思います。 我が国も石油会社の統廃合だとか、そういうことが進んでおりまして、精製能力というものがいざというときにどうなっているのかというようなこともあるわけですが、こういう事態が現実として起こったような場合、いろんな今海外で起こっているようなそういう事態が起こった場合はどういうふうになさるおつもりでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 欧米で起きましたような、特にアメリカで起きましたような製品在庫が極めて低いレベルになる、あるいは精製能力が不足するというようなことが起こるのかどうか、まずそこの想定があろうかと思います。 先ほども申し上げましたけれども、我が国の場合は石油精製能力は欧米に比べてまだゆとりがあります。その上で、我が国の石油会社は石油備蓄法に基づく備蓄義務を負っているわけでございまして、原油あるいは石油製品の形で現在約八十日分の備蓄を保有しているわけでございます。したがって、現状では石油製品の供給不足というようなことで需要変動に対応できないというような事態は想定しがたいのではないかというふうに思っているところでございます。 ただ、我が国への石油の供給が不足するというような事態が仮に生じ、あるいはそのおそれがあるような場合におきましては、先ほど申し上げたことでございますけれども、国民の皆さんが的確に対応できるような情報を適切に提供させていただくことに加えまして、備蓄の放出といったような石油の安定的な供給を確保するための措置を適切に講じていくということが必要かと思います。 こうした観点から、この法律案で、先ほど申し上げました旧石油業法が一部担っておりましたような機能、つまり事業者からの届け出などを通じまして石油の生産、輸入、流通あるいは在庫の状況を的確に把握する、そして備蓄にかかわる石油の適切な供給を図るための体制の強化を図るというような手だてを講じているわけでございます。
○西山登紀子君 先ほど御説明がありました、国民生活安定緊急措置法、それから石油需給適正化法ということで説明がありました。 それで、その点についてさらに詳しくお伺いしたいんですけれども、この緊急時の二法の発動の条件、これは原油価格がどこまで上がったら発動するだとか、輸入量がどれだけ減少したら実施するだとか、そういう明確な基準がおありでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) まず、石油需給適正化法でございますが、これは第四条第一項に発動要件が明記されておりまして、「石油の供給が大幅に不足し、又は不足するおそれがあるため、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある場合」ということで、いわば緊急時ということでございますが、閣議決定を経まして、内閣総理大臣の告示によりまして需給の適正化を図るための措置が発動されるということでございます。その際、必要に応じまして、石油の使用制限のための措置あるいはあっせんのような指導、割り当て、配給、こういった措置が講じられるということでございます。 一方、国民生活安定緊急措置法でございますが、「物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合」というのがこの法律の第三条第一項の発動要件として明記されております。国民経済上重要な物資を特に価格の安定を図るべき物資としてその際政令で指定するということによりまして、標準価格の決定など、価格の安定のための措置や必要に応じた需給調整に係る措置を講ずるということになっております。 そこで、なお石油需給適正化法あるいは国民生活安定緊急措置法を発動するに至らないような事態、いわば準緊急時というようなことでございますけれども、今回の改正石油備蓄法に基づきまして、民間備蓄または国家備蓄の取り崩しあるいはその際の石油業者への取り崩しました備蓄が末端まで流れるようにというような趣旨での勧告などの措置を講ずるということができるようになっているわけでございまして、こういうことによって石油の安定的な供給の確保をいたしてまいりたいというふうに考えるところでございます。
○西山登紀子君 いずれにしても、その二つの法律というのは極めて非常事態ですよね。そして、何か切符制に近いような状態で、国民に使用制限というかそういうふうなことを少ない中でルール化するというか、そういうことですから、やっぱり国民はその場合は品不足で並んで買ったりとか高い物をずっと買わなくちゃいけないというようなそういう事態というのは、これはなくならない。そういう二つの発動は非常に異常な事態ですから。 ですから、その二つが発動されるその前というのは、石油業法というのが廃止されますと全く市場メカニズムに任されてしまうということではないかなというふうに思うわけですね。石油備蓄法の問題については後で質問をいたします。 それで、市場メカニズムに任せれば競争が起きる、そして低廉でむしろ消費者にはいいというふうなことがいろんな規制緩和のときには言われるわけですけれども、しかし、これは例えばカリフォルニアの電力危機を見るまでもなく、我が日本の場合でも、例えば大型店が一斉に全国に出回って、そして結局は一斉にそれこそ今撤退が始まっているんですけれども、都市部の中で生鮮食料品を全く買うことができなくなっちゃって、今リュックサックで買い出しに出かけるというふうな、こういうまさに戦後のような事態が起こっているんですね。 それは、結局、規制緩和でいいんだいいんだということでどんどん大きな、大手のそういう自由競争にゆだねてしまった、それを野方図に放任してしまった、そういう結果、実は国民、消費者というのはそういう不自由さを強いられることになっているわけでございます。 事は石油ということで、私は非常に重大ではないかと思うわけですね。今までの石油業法が果たしておりましたこの需給調整機能、システム、そういう力といったものが日常的にそういうパニックを起こさないように未然にそれを防止していく抑止の力を持っていたんだということを、もっと今やっぱり再認識する必要があるんじゃないかなというふうに思っております。 そこで、お伺いしますけれども、アメリカで起こっているような事態を起こさないためにもですが、今の日本の現状を直視した場合に、日本の精油所とか精製設備の廃止や統合、こういったものが大規模に進んでいるように思います。また、労働者の削減も行われておりますけれども、これは今どのような事態になっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 我が国の石油精製業でございますけれども、先ほど来御議論がございますように、平成八年三月末の特石法廃止に伴います輸入の自由化以来、規制緩和、国際化の進展に対応するということで設備の過剰分の整理等々が進められております。 こういった構造改善に向けた努力が進んでいるという状況にありますけれども、具体的には、精製設備について申し上げますと、平成十年度の日量五百三十七万バレル、これが精製能力としてはピークでございまして、本年六月末の状況は日量四百九十五万バレルということでございますので、約一割能力の削減が行われる予定になっております。これに伴って、設備稼働率自身は上昇が見込まれているという状況にございます。 それから、早期退職勧奨なども活用されまして、各社におきまして組織、体制の合理化が進んでいるところでございまして、石油精製・元売の従業員数は平成六年をピークに約三割ほど減少している、そういう状況にございます。 こうした合理化が進んでいるわけでございますが、企業全体といたしましても、合併あるいは業務提携ということで企業の枠組みを超えた四グループ化への再編集約化、こういった動きも見られているという状況でございます。
○西山登紀子君 日本のこの精製能力の削減という問題ですけれども、まだまだ手ぬるいじゃないかというふうなことでどんどん削減の方向に加速がつく、こういう実態でございまして、これは大変私は問題ではないかなと思っているわけでございます。 大臣にお伺いいたしますけれども、何でもかんでも規制緩和しちゃって、市場原理にゆだねてしまうということが本当に国民生活にとっていいことなのかということなんですが、これは国際的にも、今申し上げました日本的にもいろいろな体験をして、私たちはいろんな高い授業料を払いながらその問題について体験も重ねてきていると思います。 「ウエッジ」という雑誌の中にこういうのが載っておりまして、私はなるほどなというふうに思ったんですが、これは昨年末から一気に深刻化したカリフォルニアの電力危機の問題について述べているわけですね。 「サンフランシスコ、シリコンバレーなど広い地域で実際に一般家庭向けの料金が40%程度上昇した。供給不足という状況ゆえの現象とも説明できるが、電力の需給逼迫を引き起こしたのは、自由化政策でもある。自由化で価格競争が起き、発電事業の収益が低下すると読んだ電力事業者が設備投資を一斉に手控えたからだ。」というふうに説明がありまして、「あらゆる分野で、自由化が料金の低下やサービスの向上をもたらす可能性を持つのは間違いない。だが、自由化が成果を生むには市場のゲームを監視する審判や観客の厳しい目が不可欠であり、自由化が効果を持つ範囲も見極めなければならない。自由化は魔法の杖ではなく、使い方を誤ってはならない資本主義の劇薬なのだ。」、こういうふうなことまで言っているんですね。これ、大変私はなるほどなというふうに思ったんです。 私たちの立場は、何もかも全部国家統制に置くと、そんな立場は毛頭とっておりません。しかし、石油というのは日本経済、国民生活に欠くことのできない物質でありますし、当面、私企業に任せる場合もある程度公益的な事業としての規制というものは私はやっぱり必要じゃないかと、そういう点からもこの石油業法の今日的な意義というものを私は改めて再認識しているようなところなんですけれども、大臣に、この必要な一定の規制、余りにもすべてを自由競争に任せてしまっていいのかということについての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、西山委員がカリフォルニアの電力クライシスについて御言及になられました。我が国も、例えば電力の一部自由化を進めまして、確かに消費者にとって電力料金は下がったわけであります。しかし、私どもも、カリフォルニアの電力危機、調査団を派遣していろいろ検証させていただきました。それはいろいろな要因が複雑に絡み合っていたことは事実ですけれども、しかし、ある意味では野方図な自由化がああいう結果をもたらしたということは事実として把握をしてきたところであります。 したがって、電力でありますとか石油というような国の、国民のいわゆる日常生活にとって不可欠なそういうものに関しましてはやはり安定供給を図るということは私は大切なことだと、そういうふうに思っているわけでございまして、御指摘のように、石油製品のそういう特性にかんがみまして、一方においては、グローバライゼーションの中で自由化を進め、規制を取り払って、そして適正な競争力の中で、価格の下落という形で消費者にそういう恩恵を与えることも必要だ、そして構造改革を進めてその体力をつくる、こういうことも必要だと思うんですけれども、やはり安定供給維持のためには一定の公的規制、こういうものも私は石油だとか電力というのはある意味では必要だと、こういうふうに思っております。
○西山登紀子君 ある意味では必要だということで大臣はお認めになったわけですけれども、しかし、石油業法は廃止してしまうということでございます。 それで、石油備蓄法の問題に次に移っていきたいと思うんですけれども、石油業法を廃止してしまって、第三条の経済産業大臣による石油供給計画の根拠もなくなるというふうに思うんですけれども、その場合、IEAに対する石油備蓄の報告、計画、これはどうなるんでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 石油業法におきましては、石油供給計画につきましては、石油精製業・設備新増設の許可の基準等、需給調整規制のための基本的な指針として策定されてきたのが経緯でございます。したがって、今回の自由化に伴いまして石油供給計画自身は廃止されることになるのでございます。 一方、石油備蓄目標でございますけれども、これは改正備蓄法におきまして引き続き需要見通しなどをもとに策定することにいたしております。 また、IEAとの関係につきましては、備蓄の実績を報告するということでございますので、定期的にこうした報告は続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○西山登紀子君 時間が迫ってまいりますのでちょっと質問を飛ばしていきますが、いわゆる国家備蓄についてお伺いをしたいと思うんです。 日本の場合は民間の備蓄と国家備蓄と両方持っているということで安全だというふうにおっしゃっておられるんですけれども、その石油備蓄の取り崩しの条件、その基準はどうなっているのかなと。いわゆる平時の場合に、どんな事情で、あるいはどんな基準で取り崩しが行われるのか、あるいは放出の勧告を出されるのか。
○政府参考人(河野博文君) 備蓄の放出の考え方についてのお尋ねでございますけれども、これは我が国への石油の供給が不足する事態が生じ、または生ずるおそれがある場合ということで、そういった場合に経済産業大臣が石油の安定的な供給を確保するため特に必要があると認めるときということでございまして、民間備蓄につきましては改正備蓄法第七条第三項、国家備蓄につきましては同じく同法の第三十一条に基づいて決定をするということになるわけでございます。 緊急時におきまして、実際に国家備蓄、民間備蓄のいずれを活用するかということにつきまして申し上げますと、発生した事象の規模とかあるいは期間、またIEAのような国際機関との協調、こういった可能性など、具体的な状況に即して何が最も効果的な手段かということで選択をしていくことが必要かというふうに思っております。
○西山登紀子君 最後に、大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、石油業法というものがなくなって市場メカニズムにすべてをゆだねるということの危険性については私もいろいろと実例も踏まえて懸念を申し上げてきたわけですけれども、この石油備蓄法というものを使って、石油の安定的でかつ低廉な供給の確保のために、平時も、この出動というものを、備蓄法によって放出していくということについて、低廉な価格、消費者に安定的に提供するという方向でもこれを使うべきだというふうに思うんです。 例えば、アメリカの場合でも、いろんなああいう事件があったときに、国家備蓄を放出したことによって価格が下落効果があったというふうな意見も、レポートもございますが、そういうふうに、日本の場合、私が懸念しているような異常な高騰とかあるいは消費生活を逼迫するような事態が起こらないように、常にこういう石油備蓄法に基づくコントロールをぜひするべきじゃないかと思いますけれども、その点についてお伺いをして、終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 近年、国際石油市場の発達に伴いまして、緊急時の初期段階において、石油市場の安定化のため、国際協調のもとで備蓄を活用することの重要性の認識が高まっております。こうした観点から、平成十一年の石油審議会石油備蓄・緊急時対策小委員会報告を受けまして、我が国においては、国家備蓄をこれまでのような最後の手段としてのみならず、緊急時の初期段階においても機動的に活用することにしたところでございます。 このような考え方のもとで、石油の供給に支障が生じ、またはそのおそれがある場合には、石油備蓄を機動的に活用することによりまして石油市場の安定化とこれを通じた石油の安定供給の確保に万全を期してまいる所存であります。 なお、石油の価格につきましては、基本的には安定した市場の中で合理的に形成されていくべきものだと、このように思っております。ですから、アメリカの例を引かれましたけれども、それが出すことによって基本的には安定した市場の中で価格が決定される、こういう形でありますから、我々としては最後の手段ではなくてそういった形で機動的に考えていきたい、こう思っています。
○水野誠一君 当初、午後に質問をと思っておりましたけれども、大臣も御出発ということなので、午前中に質問を繰り上げさせていただきました。 今、各委員から問題の本質をつくいろいろな御質問があったわけでありますが、私は、今回の石油関連法改正というのは大きく分けて、流通にかかわる規制緩和と、それから石油開発にかかわる石油公団の業務拡充に分類されるととらえております。前者は、今もいろいろ御質問がありましたけれども、規制緩和という大きな流れに沿ったものである。ただ、エネルギーというものを、これを確保していくということは日本にとっても最重要な経済あるいは生活の安全保障の問題であるということから、特に生活面から考えて規制緩和ということだけがなじむか、あるいはそれなりの規制というものも必要なのか、こういう議論はさらに今後必要だと思っています。 私は、今回の質問では特に後者の石油公団の業務拡充についてまず御質問したいと思うんですが、これはこれまで各方面から大変厳しい指摘がなされている、与党内でもこの問題についてはかなりいろいろな問題指摘がされていたというふうにも聞いております。まず、そういう視点から大臣に、今後とも石油の自主開発を続けていく必要性があるのか、あるいは石油公団の存在意義、これは本当に今後もあるのか、こういう問題について御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをする前に、ちょっときょうはAPECに参りますので、大変そういう意味では繰り上げていただいてありがとうございました。 我が国は、御承知のように一次エネルギー供給の約五二%を石油が占めるといった供給構造に相なっております。こうした中で、長期安定的に一定量の石油を確保できる自主開発の推進はエネルギーの安定的供給上極めて重要だと、このように認識しております。 このような観点から、これまでも政府及び石油公団が民間企業を支援する形で自主開発原油の確保に努めてきたところでございまして、この結果、現在、自主開発原油の輸入量は原油総輸入量の一五%を占める、こういう状況に相なっております。 石油については、市場商品性が進展する中においても、一年間で油価が三倍に高騰するなど、依然として他の商品とは相当異なる性質を有しておりまして、今後とも引き続き、自主開発を強力に進めまして、石油の安定供給確保を図っていくことが重要であると思っております。 このために、昨年八月の石油審議会開発部会の中間報告を踏まえまして、本法案の中で提案させていただいている既発見油田の資産買収に対する支援等を行いつつ、より効率的、効果的な自主開発の実施に努めてまいりたいと思っておりまして、そういう意味からも、石油公団を活用しながら、自主開発、やはり原油の安定的な確保、こういう形で私どもは必要性を感じている、こういうことでございます。
○水野誠一君 今大臣からそういうお答えがあったんですが、私は、この石油公団問題、これは、私自身も大変関心を高めた一つのきっかけというのは、堀内光雄元通産大臣が「通産省の恥部」として「石油公団を告発する」という大変ある意味においてはショッキングな文章を文芸春秋に発表された。これは平成十年の十一月だったと思いますが、これを私も拝見して、与党の、しかも通産大臣経験者が通産省の抱える大きな問題として石油公団を告発したということが、私は、大変これは勇気のあることであり、また意味のあることである。ある意味においては、今、小泉首相が聖域なき改革ということをおっしゃっているけれども、それ以上に大変意味のあることだなと思いました。 これは、石油公団の問題にとどまらず、特殊法人に共通する問題でもある。そして、民間企業経営の経験者として、その辺のなれ合い構造というもの、こういうものは許せない問題なんだと。あるいは、国民の税金が非常に節度なくその中につぎ込まれるということに対して大きな警鐘を鳴らされたことだと思って拝読しました。 その中で、主に、皆さんも当然お読みになっている問題なので、簡単に申し上げれば、石油公団というのは支援対象案件の採択審査が非常にずさんじゃないか、それから情報公開が不十分ではないか、あるいは経理処理が不適切だといった、こういう三点ぐらいにそれは整理されるのかと思います。 それ以降、私も今いろいろ資料を拝見していたんですが、経済産業省ではこういう問題点に対して、例えば石油公団再建検討委員会をおつくりになったり、あるいは石油公団開発事業委員会、こういうものができたり、あるいは会計検査院がいろいろ調査をされたり、そのことから、業務改善の状況ということで、資料の中にも、プロジェクトの採択、管理についてこういう対応をしていますとか、あるいは内部管理体制を充実しましたとか、情報公開についてはこうしましたとか、いろいろ書かれているんです。 ですから、この事実は、私、これ以上皆さんから御説明を繰り返していただかなくてもいいんですが、一方で、平成十二年五月に堀内光雄氏が改めて再度文春に書かれている。つまり、「石油公団は解散しろ」と。非常に過激な表現でもあるんですが、こういう文章を書かれていて、その中では、平成八年に一兆三千億だった不良資産、これが平成十年決算ではさらに四百七十四億円ふえている、こういう前置きをお書きになりながら、実際は内容的にどうも改善されていないんじゃないだろうかということをおっしゃっているように私はこれを読み取りました。 確かに、先ほど申し上げた資料の中でも、いろいろな仕組みはおつくりになっているということはよくわかりますが、実際問題こういった仕組みは本当に機能しているのかということと同時に、石油公団が、それでは平成十年以降、不良資産ということから考えたときに改善方向に向かっているのかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 先ほど、個々の説明は余り求めないという御指摘ではございましたけれども、それぞれの採択審査などについても若干の説明をさせていただきたいと思います。 まず、石油公団の支援対象案件の採択審査でございますけれども、これは公団の事業の核でございますので、具体的にプロジェクト審査に当たりまして、欧米メジャーズも活用しているような定量的な評価の導入、それから審査体制につきましては、採択部門とそれから経済性審査部門、これを分離いたしまして内部牽制効果を発揮するようにする、こういった措置を講じております。 それから、事業とか財務内容の情報公開でございますけれども、これは平成十年八月に発表いたしました平成九年度決算から各出融資先会社ごとに出資額、融資額、債務保証額、各社の財務諸表、そして事業内容の概要、詳細な情報開示を行ってきております。加えまして、石油公団の出融資先会社は現在のところすべて非上場ということでございますけれども、平成十一年三月期決算以降上場会社に作成が義務づけられております有価証券報告書並みの情報公開を行うということで、これまでにすべての出融資先会社について有価証券報告書に準じた事業報告書の公開を行ってきているわけでございます。 石油公団の会計処理でございますが、平成十年度決算から石油公団で個々のプロジェクトごとに将来の損益見通しを行いまして、回収見込み額、不能額を精査する、また一定の油価、為替の前提のもとに回収不能と見込まれる額を引当金に計上するというような精緻な財務内容の公開を図っておりますが、その結果、平成十一年度の決算では約三千五百億円の欠損金を計上したということでございます。 その後、石油公団の平成十一年度末におきます支援対象会社の出融資残高が一兆二百八十六億円になっているのは事実でございます。これは、事業の性格からいきまして長期間にわたって資金が回収されるということでございますので、この残高の全額がいわゆる不良債権ということではなかろうということでございますけれども、この石油公団の損失がいかなものかという点につきましては、先ほどもちょっと御紹介をいたしましたように、平成十一年度末現在で約三千五百億円の欠損金を計上したということでございまして、今後、石油公団が保有する株式の売却などを進めながら、一層効率的、効果的な事業運営に努めることによりまして欠損金を縮小させていきたいというふうに考えております。 なお、石油公団の平成十一年度決算にあわせて発表させていただきました長期損益見込みでございますが、これは、損益はおおむね為替のレートと油価に依存するものでございますから、過去十年間のそれぞれの実績値の十二カ月ごとの異動平均を使いまして、上限、下限を設定して計算いたしましたところ、原油価格について十一・七五ドル、為替について九十三・二六円という円高原油安の場合に四千九百六十億円の損失。逆に、原油価格については二十・七八ドル、為替について百四十一・三円とした場合には五千六百五十億円の利益ということが長期的な損益見込みとして見込まれているところでございます。
○水野誠一君 今、情報公開についても上場会社並みの情報公開をするというようなお話もございました。ただ、私はこの財務諸表、これを公開しても恐らく一般の方というのはほとんどそれから読み取る、からくりといいますかその仕組みを読み取ることというのはほとんどできないと思うんですね。 堀内さんのレポートの中にも、例えば一つの例としてアブダビ石油とムバラス石油という二つの会社の不透明な関係というのが書かれておりまして、このアブダビ石油というのはアブダビで石油を生産するために民間会社がマジョリティー、つまり大半の株を持って設立した会社であって、平成十年度の剰余金は三百六十六億円という石油公団自慢の優良会社であるともされているわけであります。ところが、アブダビ石油の子会社としてムバラス石油という、これはまさに従業員三名という子会社、ペーパーカンパニー、これがあると。こちらは石油公団が四四%の株を持つという、まさに株式構造が入れかわっているわけなんですが、ムバラス石油というのは、まさにアブダビ石油が本来持つべき経費をほとんど肩がわりしている。石油の採取コストのほかに一般管理費や利権料まで、こういうものを全部かぶってこちらの企業が大変な大きな赤字を生み出している。累積赤字も大変な巨額になってきているわけであります。 恐らく、これは二〇一二年には利権が切れるわけでありまして、これはムバラス鉱区の期限が来るということで、恐らくそれ以降の継続が難しいということになれば、そこで会社の清算に入るということになると、ここでまたムバラス石油に対して石油公団の出資分の棒引きであるとかそういうことも含めて巨額な減免措置がそこでとられることになるであろう、こういうふうに書かれているわけです。 これなんかもある意味において、話を聞けば非常にわかりやすいペーパーカンパニー活用のテクニックなんですね。やはり、言ってみれば情報公開というのはこういうところまでされていく中で、それでも日本の石油行政のために、政策のためにこれはしようがないと国民が判断するか、あるいはやはりこれはちょっとおかしいじゃないか、もっと透明な公明正大な資金の投入の仕方というのがあるんじゃないか、あるいは指導の仕方というのがあるんじゃないかと。こういうことを堀内さんがこういうところで発表なさらないでも国民が判断、診断できるような仕組みというのがつくれて初めて石油公団の業務改善、構造改革というものができていくんじゃないかなと私は思うんですね。 そういう視点から、私はこの問題の本質の中に、堀内レポートの中でもおっしゃっていますが、いわゆる天下り構造、つまり石油公団自体にも通産省OBの天下りがあるわけですが、さらに石油公団の出融資先企業ですね、ここにも多くの通産省OBが天下っておられると。 こういう中で、通産省、石油公団、そしてさらにその先の民間企業というところでの相互チェックがきかない仕組みになっているんだと、この問題があると思います。これは石油公団だけではない、本当に特殊法人に共通する問題点でもあると思うんですが、最後に私は、天下りの実態、そしてそれがこういった指摘以降改善されてきているのか、あるいは今後どういうふうにしようとお考えになっているのか、経済産業省の認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 石油開発事業というものは、もう御案内のとおりでございますけれども、産油国政府などとの関係をどうやって構築していくか、あるいは利権交渉のようなさまざまな課題に取り組むことが必要だという面がございます。組織運営、業務管理に関するある意味での広い経験、そしてエネルギー分野の識見、こういったものも必要ではないかなと思うわけでございます。 平成十二年度末時点において石油公団の出融資先開発会社、これは現在百四社ございます。当省出身の有給で常勤の役員は六社九名というのが実態でございます。これは、各企業の事業の性格に照らして、それぞれの個人の経験等に基づきまして必要とされる人材が配置されるということになっていると認識をしております。 石油公団のプロジェクトにつきまして、審査基準の定量化、客観化などのお話を先ほどさせていただきましたけれども、今後さらに、外部の有識者で構成されます経営諮問会議、これに毎年の採択方針をあらかじめお諮りする、そして事前に経済産業大臣の承認を得るというようなことをルール化するということで、外部的な目もしっかり行き届くように、そして経済産業省としての責任もしっかりわかるようにという措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。 なお、石油開発会社への再就職問題、これは行政の中立性を損なうことのないように国家公務員法上の厳格な規制のもとに行われておりまして、今後ともこうしたルールはしっかり守ってまいります。そういう覚悟でございます。
○水野誠一君 もう私、質問を終わりたいと思うんですが、最後に、大臣、一言、今の問題も含めて、今後の取り組みについて覚悟のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに、通商産業大臣を経験されて、また企業経営者でもいらした堀内先生が二度にわたって文芸春秋に石油公団のことを書かれました。私もそれを読ませていただきました。そういう御指摘というのは非常に鋭い御指摘でありまして、今、資源エネルギー庁長官からその対策についていろいろ御説明をさせていただいたところでございますけれども、やはり国民に対してさらなる情報開示、そして疑惑を招かないようなそういう体制をしっかりとしいていくことが私は肝要だと思っておりますので、そういうことに私は重点を置きながらこれから経済産業大臣として努力をさせていただきたい、このように思っております。
○水野誠一君 終わります。
○委員長(加藤紀文君) 本日の審査はこの程度にとどめます。 次回は来る七日午後一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会