経済産業委員会 第6号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/04/10
会議録
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日、富樫練三君が委員を辞任され、その補欠として山下芳生君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文化庁次長銭谷眞美君、経済産業省貿易経済協力局長奥村裕一君及び経済産業省製造産業局長岡本巖君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村剛太郎君 おはようございます。 さきに提案をされております伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案、トップバッターで質問をさせていただくわけでございます。もとより、我々与党でございまして、ここに至るまでについては党内でかなり論議もしてきたところでございまして、今さら細かいことについての質問は必要なかろう、このように思っております。 それで、委員の方々、地元を持っておられまして、それぞれ地元にこのような伝統的な工芸品産業をお持ちだ、このように思っております。私、出身が福岡県でございまして、博多織とか博多人形とか久留米がすりとか、その他地元の陶器とかあるわけでございます。全国的に現在のところ百四十品目が指定になっておるわけでございますが、先般、役所の方からいただきました資料によりますと、この生産額がピーク時昭和五十八年、五千四百六億あったのが平成十年ではまさに半分、二千七百八十四億円。企業数におきましては、昭和五十四年がピーク時でございますが、三万四千社あったのが平成十年では一万八千社。従業員数がピーク時二十九万余あったのが十一万、これなどはまさに三分の一になっておるわけでございます。 確かに、伝統的工芸品、例えば私の地元の博多人形を例にとりますと、博多来るときゃ一人で来ても帰りゃ人形と二人連れとか、博多帯締め筑前絞り歩く姿が何とやらとか、そういう工芸品と地元の端うたとか替え歌とが一体になって一つの地域の風土それから伝統、まさに文化の一つの大きな原点になっているのがこの伝統的な工芸品、それが一つ大きな核になっておるんだろう、このように思うわけでございます。 それが先ほど申しましたように、総売上金額から企業数から従業員の方々の数から全国的に縮小されておるということは、これはまさに日本の文化が衰退をしておるというとらえ方も十分にできるのではないかなと。これは我々先祖から受け継いだまさに伝統文化でありますから、二十一世紀もこの趣旨にも書いてありますように末代までも保存していかなければならないことだ、このように思っております。 この法案につきましては、今私はトップバッターですからこんなことを言っているのはおかしいんですけれども、全政党さん決して反対ではなかろうと思います。細かい技術論はありましても、基本的にはそういう気持ちは同じだろう、このように思うわけでございます。 確かに、生活様式が随分変わりました。住居におきましても、マンションやアパート、博多人形を置くところがないんですね。床の間がないんです。床の間の横に違い棚というものをつくりまして、そこに博多人形を据えるというようなことができなくなった。テレビも薄型になりまして、壁にかけるようになりましたね。そういうことで、私は博多人形とか博多織とか久留米がすりとか、そういう範疇でしかわからない、まだ漆器とかいろいろほかのものもいっぱいあるんですが、そういう側面からだけしかこの伝統工芸品を見る経験が、余りほかは知らないものですからあれですけれども、そういう中でこれをどうやって維持し将来につなげていくかということ、これは大変重要なことだと思います。 確かに、金額的にはピーク時でも五千数百億、今はその半分ということになっておりますけれども、しかしそれが持つ意味というのは金額ではない大きなものがあろうかと、このように思う次第でございます。そういう中で、今回の改正法案、私は大変高く評価をしておりまして、いわゆる法人格を持たないところにまでウイングを広げていって国の施策に対応できる受け皿となり得るということでございまして、非常に使い勝手がよくなった、このように思っております。 そういうことで、当然我々は大賛成な法案であるわけでございますが、大臣におかれまして、この伝統的工芸品産業についての御認識、そしてまたこれからどうあるべきか等々、御所見、御意見をお聞かせいただければと、このように思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員御指摘のように、伝統的工芸品産業というのは、我が国の伝統的な技術や文化を今に伝える我が国の貴重な私は財産だと思っております。最大限やはりその振興を図っていかなければならない。 ただ、今委員御指摘のように、委員御指摘のそういう背景の中で生産額や企業数あるいは従業員数というのが半減をする、こういうことになっておりまして、大変私どもとしてもそのことは憂慮をいたしております。このため、今回、事業者にとってより利用しやすい、今御評価をいただきましたけれども、支援制度を整えるべく、伝産法の一部改正法案をそういう考え方から提出をさせていただきました。 そして、振興計画や共同振興計画の作成主体に任意団体を加えて、幅広いそういう形で伝統産業を興していこうと。また、需要開拓のための共同振興計画の、デパートでありますとか販売者側の作成主体に販売事業者を加える、そういうことで非常にパワーアップをすべきであると。また、現行の活用計画の発展的解消による活性化計画を創設し、また現行の活用計画、その一部でございますけれども、連携活性化計画、こういうものも創設をいたしました。 また、まだ十分でないと、こういう御指摘をいただくかもしれませんが、法改正とあわせまして来年度の予算についても大幅に拡充をいたしました。平成十二年度の数字はもう委員御承知だと思いますけれども、四億八千百万円を倍増するという形にさせていただきました。 そういったことで、こういった施策が産地自身の主体的な取り組みと相まって伝統的工芸品産業の発展につながるように私どもは全力を尽くしていかなければならない、このように思っているところでございます。
○吉村剛太郎君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。 そこで、今大臣がおっしゃいましたように、対象をウイングを広げて任意の団体の方々にもこの制度が活用できるようにということでございます。私も、地元のそれぞれの博多人形の工業会とか博多織工業組合とか久留米がすりの組合とかいろいろと問い合わせもし、それぞれ大変今度の法律の改正については喜んでおりまして、大いに活用させていただきたいと、こう言っております。 ただ一方で、確かに任意の方々、ある意味では少数、それから一匹オオカミ的な、また職人的な方々が多いんですね。だから、せっかくこの制度があっても、これはよほど一番密着する県なり市なりの自治体の、今どうなったか、商工部と言うんでしょうか、そういうところがPRもしそれから指導もしないと、こういう職人的な方々というのは事務手続とかそういうことをもうおっくうがる傾向がありまして、その辺をぜひ国の方からも各自治体に御指導をいただきたいと、このように思っておりまして、これは事務方で結構なんですが、その辺についての対応策並びに心構えといいますか、それから実際自治体が今までどんな形でそういうことを、これのみならずやっておるかというようなことがわかりましたら、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、今般御提案申し上げております法律改正の趣旨とか、それから十三年度予算で私ども予定しておりますいろんな補助金を初めとする支援の措置、そういったことを伝統的工芸品の産業に実際に携わる方々に正確に承知をしていただくということで、PRは大変大事だと思っております。 そういう考え方のもとに、私ども、法律の施行という段階に至りました場合には、各地に私どもの担当者みずから、それから各地方の経済産業局、都道府県、市町村の方々、さらには伝産協会、そういった方々と一緒になって小まめにこの法律改正の趣旨なりあるいはそれに関連をします支援措置の中身について御説明をしてまいりたいと考えております。 加えまして、今回の法律改正の施行の段階で、今先生がおっしゃいましたいろんな事務手続、申請の関係の様式とかそういったものを思い切って簡素化するというような形で、利用者の方々にとってなお一層使いやすい、そういう制度になるよう運用に心がけてまいりたいと考えているところでございます。
○吉村剛太郎君 大変心強い御答弁をいただいて感謝しておりまして、ぜひよろしくお願いをしたい、このように思います。 冒頭申しましたように、金額的にはほかの産業に比べると大変小さい産業でございますけれども、その含んでおります文化的な意義とかそういうものを考えますと、本当にこれは、これから地方の時代、分権の時代、まさに一つの地方分権社会の象徴的なものに育てていきたいなと、これは官民一体となって推進していかなければならないことだと思いますので、よろしくお願いしたい、このように思っております。 さて、伝産関係はこれぐらいにいたしまして、もう一つ、私の地元におきまして有明ノリが色落ちをいたしまして、この生産減といいますか、もう福岡県におきましては金額で七割減ぐらい。有明海に面する熊本、長崎、佐賀、福岡、これで日本のノリ生産の四割を超すものをカバーしておったんですが、それがもう大変な打撃を受けまして、これにどう対応するか、諫早の干拓の問題どうするか。これはしかし農水省の問題でございますから、きょうはここではそういう問題は質問いたしません。 生産者、いわゆるノリ漁民に対しましては、共済制度、それから農林漁業金融公庫の沿岸漁業経営安定化資金、それから漁業近代化資金等々におきまして対応をするようにもう決まっております。これは決して十分ではないんですが。しかし、ノリ産業にはそれに連なるいろいろの産業がございまして、これがまた大きな被害を受けております。まず、その漁民の方がとってきたノリを製造する製造業者がおりますし、それからそこにまた加工する加工機械の業者などがおるわけです。また、船をつくったり、それからそれを補修する、修繕するというような、すそ野にずっと産業を抱えておるわけで、これがまたその余波を受けて大変な事態に今なりつつあるわけでございます。 福岡県は、御存じのように、この有明海、九州のちょうど真ん中になるんですが、三井炭鉱、これが閉山になりました。これに対しても経済産業省、いろいろと長い間対応していただいて感謝しております。また、久留米地区におきますアサヒコーポレーションという靴の産業が倒産しまして、やっと新しい体制で従業員の方々に株を持っていただいて、それからそれぞれ使用者とかが協力して再出発をいたしました。しかし、それに至るまでに七百人ぐらいですか、従業員の方々をカットせざるを得ないというような状況もありまして、県南の経済が非常に疲弊をするんじゃないかと。それにまた追い打ちをかけてノリ産業。これで漁民の方々は生きているわけですから、これはもう大変大きな問題であるわけでございます。 そして、ノリ漁民の方々に対しては農水省の方でこのような施策を講じておりますが、それに関連する業界、今申しましたようなところはこれまた中小企業なんですね。これに対応をしなければならないということで、ぜひそういうところに対する対応をお願いしたい、このように思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えを申し上げます。 有明海のノリの不作によりまして悪影響を受けた関連中小商工業者の方々に対しましては、政府系金融機関、信用保証協会等に対しまして、二月五日付で特別の相談窓口を設置するように指示をいたしました。三月五日付で、返済猶予等既往債務の条件変更、担保徴求の弾力化について個別企業の実情に応じて十分対応をするように私から指示をいたしたところであります。 これまでに政府系金融機関及び信用保証協会に三十二件、商工会議所、商工会連合会に十二件、これは四月六日現在の数字でございます、この関連中小商工業者から今申した相談がございまして、政府系金融機関においては三件、信用保証協会においては二十二件の関連中小商工業者向けの貸し付け、保証が実際に行われたところでございます。 また、我が省の九州経済産業局が中心となりまして、有明海のノリ不作が関連中小商工業者に与えている影響につき実態調査をさせていただきました。福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県の四県において、今先生御指摘のノリ製造業、ノリ関連の水産加工機械製造業、さらにはノリ関係の舟艇製造、その修理業の三業種につきまして多数の中小商工業者が売り上げの減少で困っておられると、こういうことが判明をいたしまして、このため、中小企業信用保険法第二条第三項第三号に基づきまして本日付で経済産業大臣告示を行いまして、これら四県及び三業種の中で被害の認められる市町と業種を指定いたしまして、保険限度額の別枠化、保険料率の引き下げ等の経営安定関連保証の特例措置を実施することにもいたしました。なお、本措置は、各信用保証協会に特別相談窓口の設置された二月五日までさかのぼって適用をする、こういうことにいたしたところでございます。 なお、大変深刻な打撃を皆様方受けておられますので、今後とも関連情報の収集に努めまして、有明海のノリの不作により影響を受けておられる中小商工業者への対策に大臣として万全を尽くしていきたい、このように思っております。
○吉村剛太郎君 ありがとうございました。これは私の地元関連の質問でございまして、大変恐縮でございます。 ちょっと視点を変えまして、大きな問題について基本的なお考えを一、二、大臣にお聞きしたいと、このように思っております。 全国各地どこでもそうでございましょうが、また地元の話になって恐縮ですが、私の地元も幾つもの商店街がございます。ところが、最近、超大型店が進出をしております。私も先般、一、二、回りました。一つは店舗の長さが三百メーターぐらいあるんですね、だあっと三百メーターぐらいある。そして、一階が食料品から食堂とか喫茶店とか、それからまた日用雑貨品、二階が衣料品、スポーツ用品とか、三階が駐車場と。もう駐車場も恐らく何千台と駐車できるようなスペースでございます。ここで私は買ってきました、このネクタイ。大臣のはいいネクタイだろうと思いますが、これは千九百円なんです、千九百円のネクタイ。それがずっとあって、あらゆる品物の品ぞろえ、スポーツ用品ならスポーツ用品、もうすごい品ぞろえなんですよ。 そこからちょっと一、二キロ行ったところに、かつては本当ににぎやかな商店街があったんだけれども、開店当日は人っ子一人いないような状況です。それからずっと、もうがらがらなんですよね。あれは、あと何カ月か何年もしたらシャッターをおろすところが随分出てくるんじゃないかというほどお客をとられているということでございます。 私も、経済産業というか、昔の商工委員会ですか、経験もさせていただきまして、中小企業と商店街と大型店の関係についていろいろやってきまして、ある意味では施策という施策はみんな施してしまったんではないかなと。金融面から中心市街地活性化法とか、もういろいろやってきました。 しかし、なおかつそういう形で商店街が本当に疲弊をしてきておるという現状を見るときに、私もそういう方々とよく話すんですけれども、最近は、意欲を持った方もいますけれども、反面、非常に絶望感を持った方々も、それから後継者も、とても子供には継がせないという、もう何か絶望感みたいなのが漂い始めたんではないかなという気さえするんですが、しかしやっぱり各地の商店街というのは地域の経済の中核であり、また文化、お祭りとかなんとかもしていまして、どうしてもこれをこのまま衰微させていくわけにはいかないと。そういう面で、いろいろと視点を変え知恵を絞りみんなが考えてきたことですけれども、しかしやっていかなきゃならない大変大きな課題だろうと、このように思っております。 そういうところで、そういう現状を踏まえて商店街対策、市街地対策を含めて、大臣の御所見をぜひお聞かせいただきたい。お願いします。
○副大臣(松田岩夫君) 先生御指摘のように、日本の経済の大きな構造変化の中で、また近年とりわけ消費支出が低迷するという中で、特に商店街あるいは中小零細企業といったものが大変厳しい状況に置かれている、単にその業そのものだけではなくて地域として、あるいは町としてといったような問題にまで大きく及んでおることは、先生のお地元もそうでございますが、正直、私の地元も同じ悩みを抱えているわけでございます。 そうした中で、少なくとも、今申しましたような状況ですから、国を挙げて、政府を挙げての、特に皆さんの大変な御尽力をいただきながら、党を挙げて、政府を挙げての政策になっているわけでございますが、経済産業省としても非常に重要な問題意識を持たさせていただいておることは御案内のとおりであります。 そういった中で、特に積極的に対応していこうとする意欲ある商店街を積極的に支えていくということがまず基本であろうということで、従来から、これも御案内のことでございますけれども、アーケードや駐車場の整備などのいわゆる基盤施設整備への補助とか、あるいは現在空き店舗というものが年とともにむしろふえておりまして、経済省の調査によれば、最近の調査で、全国平均でございますが、八・五%という数字も出ております。したがいまして、商店街が空き店舗を借り上げまして、そしてまた低家賃で新規創業者に提供する、我々チャレンジショップ事業と申しておりますけれども、こういった空き店舗対策、これも新しく力強く今推進しようとしておりますし、また商店街間の買い物バスの運行や共同駐車場の活用などといった駐車対策の実施、これもモータリゼーションという大きな構造変化の中で特に中心商店街で悩んでいる問題でございますが、こういったいわゆるソフト事業に対する補助、支援というものなど、今先生がおっしゃったように考えられるあらゆる手だてを講じまして、たくさんのお客さんに来ていただこうという趣旨で魅力ある商店街づくり、そのための対策を講じておるところでございます。 加えて、平成十三年度予算におきましては、さらに昨年より増額をさせていただきまして総額二百三十三億円、これは経済省の商店街対策に限った予算でございますが、その中で新しいものといたしましては、中心市街地における商業活性化事業の推進のかなめとなりますいわゆるTMOが駐車場経営など経営基盤確立のための事業を行う場合、それに対する支援を行う制度を十三年度創設いたしました。また、先ほど申し上げましたような活性化のためのソフト事業に対する支援、これも予算の増額を図りました。 こういった施策の強化充実を図りまして、経済省としては、今後とも創意工夫と熱意にあふれる商店街づくり、そういったことに取り組まれる皆さん方に対して積極的に支援をしていきたいと思っておりますし、経済省に限らず、国土交通省を初め関係する省も多うございます。他省の政策も充実されているわけでございますが、関係を一層密にして商店街の一層の振興を図っていきたいと思っておるところでございます。
○吉村剛太郎君 もう時間も参りましたが、同じ商店街の中でもまたそれぞれのお店お店によって状況が違う、資金力も違う、一体となってというのがなかなか難しい。それから成功事例を私も幾つか一緒に見に行きましたけれども、やっぱり成功事例は事例でそこにマッチしたやつで、これが参考にならないわけではないけれども、こちらではなかなか当てはまらないという、悩んで本当に今日を過ごしておるというのが現状です。 国としていろいろな施策も今日まで出尽くした感じもするほどやっておりますが、なおかつあきらめずに、そしてやっぱりそれぞれのお店の経営者の方々、またその団体の商工会あたりがあきらめずに頑張っていかなきゃならないんだろう、それを行政がサポートしてやらなければならないんだろうと、このように思っておりますが、一緒にこの問題についてはこれからも考えていきたい、このように思います。よろしくお願いをして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○平田健二君 伝産法の質問に入る前に、セーフガードについてお伺いをしたいと思います。 昨日の報道によりますと、農業農産品が本日何か暫定措置を決定するというふうにお聞きをしております。あわせて、タオル工連からセーフガードの発動要請があって、タオルのTSGにつきましても今月十六日ですか、調査を開始する、こういうふうに報道されております。先日もセーフガードについての質疑がこの委員会でありました。 私、どうも最近の報道を見てみますと、セーフガードを発動すれば何かとんでもないことが起こるとセンセーショナルにマスコミ等が、新聞は特に書いておりますが、私は、セーフガードということ、日本語で言いますと輸入制限、こうなっておるんですが、実は相当誤解があるんじゃないかなというふうに思っております。 セーフガードを発動しても実は輸入が急激に減るわけじゃないんですね、むしろふえるんですね。セーフガードを発動しても、例えば繊維の場合ですと、セーフガードを発動した一年目は前年と同じ、さらに翌年度六%、六%とふえていくんですね、三年間。 どうもこのマスコミの報道だとかあるいは世間一般では、何かセーフガードを発動すると急に輸入がとまる、だから物価が上がる、こういうふうな誤解を受けておるようですが、このセーフガードについて大臣はどのようにお考えですか。急激に物が上がるとか急激に輸入品がとまるとかいうことじゃないんですね、むしろふえるんですね。 そういったことを含めて、このセーフガードの発動についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) セーフガードというのは、平田先生よく御承知のように、世界の自由貿易、WTOというルールがございますけれども、そのWTOのルールにのっとってその協定上認められている、そういう仕組みでございます。その中に、今御指摘の一般のセーフガードあるいは今タオル工業会のことを言われましたけれども、いわゆる繊維協定、こういうのがございます。 そういう中で、そのルールの中で輸入が急増して、そしてその国に対して壊滅的な打撃を与えるとか、あるいはまたその急増によって非常に価格が下がったり、あるいはまた失業者が出る、こういうような事態に対処して、そしてこれはルールにのっとって発動することであります。 したがいまして、一部センセーショナルに取り上げられている、こういう御指摘でございますけれども、私は、その御指摘は当たっていると思っておりまして、例えばセーフガードあるいは関税措置、そういうのをやりますと、ルールの中で急増に対してやはりガードする、こういう基本的な発想でございますから、私どもとしては、先生の御指摘はそのとおりだと思います。 ただ、世界はやはり自由貿易という一つの大きな枠の中にあるわけでございますし、またユーザーや消費者、こういう観点もございますから、よく調査をして総合的に勘案して、そしてルールにのっとってやっていく。こういうことで、関税措置にしましても過去の実績をとって、そしてその中で平均の数量を決めてそれを超えるものについて関税を課す、こういうことでございますから、私は、マスコミが報じるようなそういう形には相ならないと思いますし、またセーフガードを発動するという中で、それで両国間が敵対関係になる、こういうことでもありませんし、十分交渉の場も確保されるわけでありますから、そういう形で私どもはルールに従ってやっていく、そして国内産業をある意味では守っていく、こういうことで私は、必要なWTO協定のルール上認められた措置だと、このように認識しております。
○平田健二君 先日のこの委員会でも質問があったようですが、平成七年、平成八年の綿糸四十番手と綿製品のポプリン・ブロードの発動要請があったわけですけれども、その経過について先日も説明がございましたが、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 平成八年の綿製ポプリン・ブロード織物の輸入急増に対するセーフガードの発動要請について御質問がございましたけれども、本件は、平成七年の十一月以降の当該品目の輸入増加に関しまして、平成八年の七月に国内関連業界より繊維セーフガードの発動要請がございました。同年八月に調査を開始したところでございます。 この調査を開始いたしましたら、中国側からは、輸出自主管理措置を強化し、話し合いにより解決したい、そういう考え方が表明されました。これを踏まえまして、日中間で数次の話し合い等を行った結果、平成八年十一月に中国側から、同織物について対日直接輸出が安定化するよう自主管理措置を一層強化するとの説明を受けたわけであります。繊維セーフガードについてWTO繊維協定に規定されているとおり、具体的な管理は原則として輸出国側が行うこととされていることから、調査の続行を見合わせたところでございます。 なお、当該調査については、その後、平成九年、平成十年と二度調査期間の延長を行ったところでございます。平成十一年八月の調査期間の満了時に直近三年間の輸入量が全体としては安定をしておりましたということから調査を終了いたした、このような経緯がございます。
○平田健二君 平成七年の綿糸四十番手とポプリン・ブロードのTSG発動を見送ったというのはわかるんですが、今大臣から答弁があったんですが、ちょっと私違うと思うんですね。当時、通産省は本当に輸入の調査をされて発動を見送ったのかどうか、ちょっと疑問があるので、その部分をちょっと紹介しますね。後でお答えいただきたいんですが。 平成八年の場合、七月に発動要請がありました。八月に調査開始がされました。中国からの輸入が、前年同月比で見ますと、平成八年五月が対前年比三二〇%、七月が一三九%、八月が一四六%でございました。調査の続行見合わせを決めた十一月は対前年比九八%。高水準と思われますけれども、それなりに理屈は合っておるわけですね、九八%ですから。しかし、翌年の八月、調査の延長を決めたときが一一六%、さらにその翌年、延長を決めた八月は実は七四%、対前年比が。延長を決めた月がですよ。さらに、TSGを発動しないと決めた平成十一年八月は一二五%、対前年比。 というのは、これ今大臣がおっしゃいましたけれども、九七年八月調査期間の延長、九八年八月調査期間再延長、九九年八月発動しないことで調査を終了、こういうことになっていますが、これは実は経済産業省からいただいたデータなんですが、全く輸入量の伸びと連動していないんですね、今ちょっと申し上げましたが。結果的に輸入量の増減というのは調査をしていない。通商政策上回避したと言わざるを得ないわけですね、平成八年の場合は。 平成八年の調査結果をもう一度明確に知らせてほしいんです。──急に今言いましたので……。
○国務大臣(平沼赳夫君) 局長から。よろしゅうございますか。
○平田健二君 そうですか。お願いします。
○政府参考人(奥村裕一君) お答え申し上げます。 各年の八月の数字は先生がおっしゃるとおりでございます。 ただ、私ども、当時は傾向を見ておりまして、九七年は年全体でございますけれども九八%、対前年ですね、それから九八年は八〇・七%、それから九九年はちょっとふえましたけれども一一六%、それから二〇〇〇年はまたぐっと落ちまして八一・七ということでございました。
○平田健二君 九九年、平成十一年ですね、この年は一〇〇%以上ですね。このときに打ち切っておるわけです、調査を。一番ふえておるじゃないですか、これ。減っておるときに調査開始を再延長し、ふえたときには打ち切っておる。全く逆じゃないですか。お答えを。
○政府参考人(奥村裕一君) 九六年の十一月に先ほど大臣の方から申し上げました日中間で合意ができまして、通商産業大臣談話というのを発表してございますけれども、そこに、過去の四、五年間の数字を今後三年間ぐらいで見通して可能であるというふうな日中間の見通しがございまして、その大きな傾向の中で動いているというふうに当時は判断をいたしたというふうに承知をしております。
○平田健二君 そうではないんじゃないですか。 これは平成八年四月三十日の新聞ですが、平成八年四月三十日にはこういうことを言っておるんですね。「今年に入り、」平成八年ですね、「今年に入り、綿ポプリン、ブロードは前年実績を二、三割超える水準で推移しており、三割を超える水準が続けば五月」にTSGを発動せざるを得ない。「二割を超える水準ならば六月に(TSGの発動ベースとなる)前年一年間を上回る基準になる」と、こういうふうに中国に指摘しておるわけですよね。発動せざるを得ませんよと。実はこれ以上伸びておるんですよね、平成八年のデータを見ますと。そのときに通産省はそういう数字を持っておったんじゃないですか。
○政府参考人(奥村裕一君) ちょっと私その新聞は今承知しておりませんけれども、そういう当時の中国からのポプリン・ブロードの輸入の増加の傾向を受けまして、七月に業界の方から発動要請があり、八月に調査開始をしたわけでございます。その間に中国側から中国としての自主管理の強化をしたいという強い申し出がございまして、そこで日中協議に入ったというふうに承知をしております。
○平田健二君 平成八年四月二十六日、これは北京で中国と交渉しておるわけですが、そのときに、先ほど言いました新聞で書いておったように、五月、六月までに二割から三割ふえればTSGを発動せざるを得ないよと、こう言っておるんですね。これは通産省の文書ですよ、中国に対して。そのときには対前年比一〇〇%以上がずっと続いておったということは認識しておったんじゃないですか、どうですか。
○政府参考人(奥村裕一君) そのとおりでございます。
○平田健二君 結局これは、先日大臣がおっしゃったように、発動してもいい量の輸入があった、しかし中国との通商政策上、いろんな問題を含めて、ここで発動するわけにはいかない。ですから、中国に対して自主規制をしなさい、こういう話をしたと思うんですね。 きょうなぜこんなことを申し上げますかといいますと、実は農業産品は、数データとして大量のものが入った、農業者に被害があるということがわかったので発動すると決めましたね。当時の通産省の政策としては対中国貿易、いろんなことを考えて政策的に回避した、発動を。今回はそういったことを含めて実は発動した、農産品ですね。 これ、意味はわかります。というのは、またおもしろいことをどなたかがおっしゃっておるわけですが、四月七日の朝日新聞にどこかの大臣が言っておるわけですけれども、発動を迫られた大臣は、「正直言って参院選も近い。ここは政治の出番なんでしょうなあ」と、こう言っておるわけですね。そういう意味でこの農業産品のセーフガードは発動されたんですか、いかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 関係三大臣がございますけれども、その言い回しからいくと私ではないことは確かでございますけれども。そういうコメントが新聞に載ったということは私はちょっと承知をしておりませんし、またそれが本当の真意かどうかということも私はよくわかりません。 ただ、やはり農業者の方々が、この三品目に対しては大変輸入が急増し、そして価格が下がり、またそういう意味では実際に働いている方々もこの人員も少なくしなきゃいけない、そういう壊滅的な打撃があったわけでございまして、このことを重く受けとめて、私は、選挙に絡んでそういうことをしたのではない、たまたまそういうコメントは出たようでございますけれども、私どもとしてはやはりその現場の方々の大変厳しい状況、こういうことを酌み取り、そしてしっかりした調査をいたしまして、その調査結果に基づいてこれはやはりルールに基づいて発動しなければならない、こういうことで私はやったと、このように理解をいたしております。
○平田健二君 タオルのTSGの発動につきましても、今大臣がおっしゃいましたようにルールに従って厳正に調査をし、被害が明らかになれば政治的な判断は別としてこの際発動する、ぜひひとつ発動していただきたいなと思っております。そのことを言いたくてずっといろんなこと言いました。 タオルの業界も大変今苦しい状況にあります。確かに、TSGを発動したからといってすぐ輸入がとまるわけではありませんし、むしろ対前年よりもふえるわけですから業界にとっては大変苦しいと思いますが、そのことも含めてぜひひとつ厳正に調査をして、発動できる量が入っておればぜひ発動する。お願いしたいと思います。 さらに、今、化繊協会、化繊の五社からポリエステルの短繊維についてのアンチダンピングが、これも発動要請来ていますね。これは直接的には財務省の関係でしょうから余り申し上げませんが、このことについても厳正に調査をして、認められれば発動すると、ぜひひとつ大臣からも働きかけをしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 繰り返しになりますけれども、これは世界の自由貿易、これを促進をする、その組織でございますWTOの中で正式に認められておりますルールでございますから、そのルールにのっとって我々としては厳正に調査をして、そしてその結果そういう本当に著しい壊滅的な打撃を与えている、こういうことが判明をいたしましたら当然ルールにのっとってやることである、このように認識しております。
○平田健二君 それでは、伝統工芸品の取り巻く状況についてお尋ねをしたいと思います。 先ほども御質問があったようですが、四十九年に法律を制定されてから四半世紀たっております。法律が成立した段階と今日の状況、ほとんど変わらないというよりも、むしろ先ほどございましたように、企業数にしてもあるいはそれに従事しておる従業員にしても半減なり三分の一になっておる。平成四年には法律が一部改正されていますけれども、それでもなお歯どめがかからない。今日、さらに危機的な状況になって法律の改正をしよう、こういうことだと思います。特に、伝統的な技法だとか製法というのは、それをやっている方は後継者がなくなればもう自然に消滅してしまう、そういうものなんですね。 そういったことで、先ほどと同じ質問になると思いますけれども、こういう現状を大臣どういうふうにとらえられておるのか、あるいはその技術、技能なりそういったものの伝承が非常に難しくなっている現状についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 平田先生御指摘のように、バブル崩壊後の十年にも及ぶ経済的不況の中で、生活様式の変化等さまざまな要因があったと思いますけれども、残念なことに伝統的工芸品産業を取り巻く環境というのは非常に厳しいものになっているものであります。 今御指摘のこの二十年間の間に企業数や売り上げや、あるいは従業員数等も御指摘のとおり大幅に減少しており、そしてそういった技法を伝承するそのための後継者も、その確保が非常に深刻な問題になっております。こういう厳しい状況というものを私どもは踏まえまして、これらの人材が担ってきた伝統的な技術、技法についても本当に御指摘のように途絶えてしまう懸念がございますので、私どもとしてはその辺に力点を置いて施策を進めていかなければならないと思っております。 また、一方におきましては、こういう厳しい情勢の中で、伝統的工芸品にとっては追い風とも言うべき明るい兆しも見られているわけであります。 最近の傾向として国民のニーズというものが、従来はどちらかというと量的な充足と、こういうことに重きを置いておりましたけれども、生活の質を高めるというような形で質的充実へと変化をして、生活にゆとりと潤いを求める動きが出ている中で、生活用品についてもこれを満たす質の高い製品、こういうことが求められるようになってきております。また、グローバリゼーションや洋風化が進む中で、和風の生活様式に対するやはり日本人としてのそういう心の回帰といいますか、ある意味では関心も高まっているわけであります。 こうした動きというのは、直ちに伝統的工芸品の需要拡大には、すぐ直結するとは言いがたいかもしれませんけれども、少なくとも伝統的工芸品の価値に対する関心の高まり、あるいは伝統的工芸品産業の意義に対する再評価に結びつく、そういう可能性を持っていると私ども思っています。 伝統的工芸品の産地の側においても既に動きがございますけれども、個々の事業者やグループが産業の活性化のために意欲的な取り組みを実施する例でございますとか、産地間が連携をいたしまして新たなライフスタイルを消費者に提案する創造的な取り組みを実施する例などもいろいろ見えてきております。 そういう意欲的な取り組みを行う製造業者の出現、こういった新しい事実に対して、我々はそこの面にいわゆる力強く支援をしていく。こういう私どもは支援を通じながら、ともすると本当に千年も二千年も前から培ってきたそういう技法がやはりこの二十一世紀にも継承されていくようにできる限り努力をしていかなければならない。先生の御指摘のとおりでございますので、私どもとしてもそういう現状を踏まえ、また明るい兆しもそういう中で見えてきておりますので、そこに私どもは着眼をいたしまして、力強い施策を推進をしていきたい、このように思っています。
○平田健二君 何もこれ伝統的な工芸品だけではなくて、物づくりそのものに携わる若者という言い方はいかがかと思いますけれども、携わる方がだんだんだんだん少なくなってきておる。製造業に携わる、いわゆる物をつくるということについて、なかなか最近は手っ取り早くお金を稼ぐと言うのはちょっと語弊がありますが、技術を習得しながら、何年もかけて技術を学び、そして一人前になっていくというような職人さんといいますか、そういったことに進む人が少なくなってきている。物づくりに対する何といいますか、ちょっとそういった意味で物づくりに携わる人が減ってきているということについて、これは質問通告していませんが、松田副大臣、いかがお考えですか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) ありがとうございます。せっかくの御指名でございますので、所見を述べさせていただきます。 私も、日本の経済の強さは何かと。私は日本人の持つこの繊細さ、器用さ、そして大変勉学熱心で絶えず上昇していきたいという、そういう日本人の特性が最も生かされているのが物づくりの分野だと。今でも正直、いわゆるこのグローバライゼーションの中でいろいろ製品が海外へ移っていく、製造基地が移っていくという現象、これはまた一方で目をみはるものがあります、正直言いまして。しかし、そういう中で依然としてやはり日本の中でしっかりつくられていっているものもまた一方でたくさんあるわけでございます。 私は、日本の経済の強さは、平田先生もそうだと思うんですけれども、この物づくりを失ったら、日本の将来はないというか、日本の持っている取り柄が生かされないというふうに私自身は思っている一人でございまして、そういう意味で関係ないようなことではないので、この伝統的産業なんというのはまさに物づくりそのものでございます。我が日本のこの産業が誇ってきたそれぞれの産地で本当に頑張っておられる方々、いろんな状況の中で御苦労があり、いろんな状況の中で構造変化が大きいわけですけれども、根っこはしかし物づくりそのものでございます。私は、日本人の特性に非常に合っている、ですからいろいろ手だてをすれば必ず残るし、それはまた日本そのもののアイデンティティーを非常に高めていくものである、そんなふうにも思っております。 先生おっしゃるように、物づくりという意味では経済産業省、まさに責任官庁の最たるものだと思うんですが、一層また御指導、御鞭撻をいただいて頑張っていけたらと思っております。
○平田健二君 突然の質問で大変失礼しました。 それでは、伝統的工芸品の指定要件についてお尋ねをいたします。 先ほどもございましたけれども、現在指定されている品目は百九十四というふうに伺っております。指定品目以外の工芸品産地に対する振興について、現在どのような施策をとっているのか、お尋ねをしたいと思います。 また、今回の改正点であります任意団体を指定申し出団体として加えた理由と任意団体の要件、こういったものについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 指定品目以外の工芸品の産地の振興の御質問、それから任意団体の御質問の二点だったと思います。 最初の指定品目以外の工芸品の産地の振興につきましては、御案内のように、財団法人の伝統的工芸品産業振興協会の事業といたしまして小規模な産地におきます功労者褒賞を行っておりますほか、全国伝統工芸祭りにおきましてこれらの工芸品について都道府県別ブースを設けさせていただきまして展示、紹介を行う、あるいはまた全国伝統的工芸品公募展の対象に含めるといったようなことを通じまして、いわゆる指定品目以外の工芸品の方々に対してもいろいろ手だてを講じておるところでございますが、またこうした事業に加えまして、御案内のとおり、一般の中小企業対策、いろいろメニューがございますが、そういったものも御活用いただけるわけでございます。 二つ目の御質問の任意団体を指定申し出の主体として加えた点でございますが、現行法では、御案内のとおり、伝統的工芸品としての指定の要件を実質的に満たしている工芸品でありましても、産地において協同組合法等に基づく設立認可を受けたいわゆる産地組合が設立されていない場合には産地の側から指定するよう申し出ることができないという仕組みになっておるわけでございます。 伝統的工芸品の指定の申し出をする主体につきましては、相当程度しっかりした組織を有し、責任を持って申し出をするものであることが必要であります。そういうことで、当該伝統的工芸品を製造する事業者の過半数を構成員としており、また政令で定めます一定の基準を満たす条件を有することを要件として、組合以外のものも指定の申し出をできる、任意団体もできるという新しい道を今度の改正でお願いしておるところでございます。
○平田健二君 次に、第二条についてお伺いをしたいと思います。 第二条の五項には、指定した技術、技法、原材料、製造される地域について、産業構造審議会の意見を聞いて指定の内容を変更できるというふうに定めておりますけれども、ここに至った背景について、まず御説明いただきたい。 また、あわせて指定要件についてお伺いいたしますが、産地形成の基準について、一定の地域において少なくないもの、具体的には十社三十人以上というふうになっておりますけれども、なぜ十社三十人なのか、八社二十九人でもいいじゃないかと思うんですが、その辺の根拠についてちょっとお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(竹本直一君) この法律では、経済産業大臣が伝統的工芸品の指定を行う際には、今先生御指摘のこの法律の第二条二項によりまして、個々の品目ごとに当該伝統的工芸品の製造に係る伝統的な技術または技法及び伝統的に使用されてきた原材料並びに当該伝統的工芸品の製造される地域を定めて指定することとなっております。つまり、技術と材料、地域を定めて指定すると、こういうことでございます。 こういった個々の品目ごとに定められる指定の内容に関しましては、指定された後、新たな資料が発見されたことなどによりまして、一たん指定されました技術、技法や原材料を変更する必要が生じたり、最近のことですから工場団地や公害防止対策のための移転を行わなきゃいけない、こういった場合に地域そのものを変更する必要が生ずることがあります。しかしながら、現行法ではこういった指定内容の変更の手続を定めた規定がないわけでございます。 そこで、今回でございますけれども、一たん指定がなされた後、このような事情の変更あるいはその他特別の事情があると認められる場合には、伝統的工芸品としての指定要件を満たす範囲内において伝統的工芸品の指定内容を変更することができるよう、その手続制度を法律上はっきりと定めたものでございます。 実際に見てみましても、各産地から指定内容を変更してほしいという要望が数多く寄せられております。例えば、ちょっと調べましたところ、秋田では川連漆器というのがあるんですけれども、塗り方の技法について従来は花塗り、ろいろ塗りといったものを使っておったようでございますが、それに最近では新しく、すり漆塗りという、これはどうも江戸時代に使われておった技法でございますけれども、それを新たに使いたいというそういう変更の申し出があります。 また、地域変更に関するものでは、私の地元、大阪ですけれども大阪浪華錫器というのがございまして、従来特定の市町村でやっておったところに新たに富田林市、南河内郡美原町といったところが新しい地域の追加を要望していると、こういうような事情もあるわけでございます。 そういうことで、こういった変更に柔軟に応ずることは、大きいメリットが今回の法改正で出てきたのではないかなというふうに思っております。 次に、先生御指摘のどうして十社または三十人以上といったことになっているのかということでございますけれども、この法律は、一定の地域に集積いたします伝統的工芸品の製造事業につきまして、こういった工芸品が将来も存在し続ける基盤があることを前提として、その産業の振興を図っているものであります。 こういった趣旨、目的に照らしまして、一つは産業と呼ぶにふさわしいある程度の集積規模があるということが大前提になっております。それはどの程度かといいましても、それは二十九人でも悪くはないわけでございますが、一定の固まりがあるという、その固まりは何かというと十以上の企業、三十人以上の企業ということを一応の基準にしておると、こういうことでございます。
○平田健二君 過去に産地の指定を受けたと、先ほどの話ではありませんが、だんだんだんだん企業数も減り、従業員数も減ってくる。今十社三十人以上という基準に満たしてないといいますか、もうそろそろ危なくなったなというような産地はあるんですか、ないんですか。まずそれをお聞きしたいということですね。 それから、次は二条の第六項ですが、指定解除について定めがあります。この第六項の適用についての可能性についてお伺いをしたい。 また、十社三十人という一定の基準を満たしていない産地がこの法に従って新たな計画を提出する場合、産地の基準には届いていないわけですけれども、そういった産地はどういう影響を受けるのか、この辺についてちょっとお尋ねしたいと思います。
○大臣政務官(竹本直一君) 伝統的工芸品としての指定を受けている品目は、現在、全国で百九十四品目があるわけでございますけれども、その認定を受けた後、十企業以上または三十人以上の従事者という産地性の基準を満たさなくなっているものは幾つあるかということでございますが、調べましたところ六品目ございました。 そこで、その場合どうするのかということでございますが、先生御指摘のとおり、経済産業大臣は、伝統的工芸品が指定の要件に該当しなくなったときは、審議会の意見を聞いて指定を解除することができるということに法律上はなっております。 しかしながら、我々の気持ちといたしましては、もともと産業と呼ぶにふさわしい程度の集積規模、私は先ほど固まりと申し上げましたけれども、そういったものがありまして、今後も産業としてさらに発展してもらいたい、こういう気持ちのある地域でございますので、確かに昨今の世界的なグローバリズムの中、また国内の大変な不況の中で、たまたまこの要件を満たさなくなっているだけでございますから、今後も伸びていっていただきたいというつもりで一層の支援をしていくことが必要だと考えておりまして、現時点においてこれらの産地について指定を解除する考えはございません。 したがいまして、これらの産地が新たな計画を提出する場合であっても、伝統的工芸品としての指定を受けている以上、他の産地と同様に計画の認定を受けることができるわけでございます。 さらに第三点の御質問でございますが、新規に指定の申し出があった場合にどのような運用をするのかということでございますけれども、新規の指定の申し出につきましては、やはり産業と呼ぶにふさわしいある程度の集積規模があるという要件を満たすものを指定すべきといった考え方から、具体的には原則として十企業以上または従事者三十人以上の産地を指定することとしております。 以上でございます。
○平田健二君 新たな産地の指定を受けようとする場合は、やっぱり十社三十人以上じゃないとだめだ、いや八社二十五人でいいんだと。どうですか、新たにその指定を受けようとする場合。
○大臣政務官(竹本直一君) 先ほどから申し上げておりますように、これは法律で決まっている規定でございますので、それを破るわけにいきませんが、それを一応の基本とするということでございまして、例えば仮に二十九人であっても、近々職人採用計画を立てておって、もう少しふえて三十人にふえる、そういうめどがはっきり立っておれば別にその数字にこだわる必要はないと。例えばの話でございますが、それぐらいの一応のめどというふうに考えておるわけでございます。
○政府参考人(岡本巖君) 補足してお答え申し上げます。 先ほど竹本政務官からお答え申し上げたとおりでございますが、今百九十四指定をしておりまして、十社三十人ということでその基準をクリアするいわゆる候補というか予備軍が百九十四以上ございまして、伝産法のそれぞれの産地での指定の申し出という意欲というのが前提でございますが、そういう方々を私どもはこれからも逐次対象として取り上げていくという、そういうことも視野に入れながら、先ほど大臣政務官からお答え申し上げましたような気持ちでこれからの運用に当たっていきたいと考えております。
○平田健二君 平成四年に法を一部改正したわけですね。結果として改正そのものがどうだったかということについて反省点なり評価なりをお聞きしたいと思うんです。
○副大臣(松田岩夫君) 平成四年の法改正で追加されましたのが共同振興計画とかあるいは活用計画及び支援計画でございますが、その利用は、先生御指摘のように、これまで極めて低調でございました。 これは、まずこれをつくりました当時に想定されておりました経済環境が、簡単に言えばその後大きく変化したことに主な理由があるかと存じます。制度と産地の実態が結局乖離したと。産地の事業者にとって必ずしも利用しやすい制度ではなくなってしまったということだと思います。 具体的に申し上げれば、バブル崩壊以降、産地問屋を初めとする既存の流通経路がその役割、機能を大幅に低下させまして、流通構造が大きく変わった。産地側で、当初、共同振興計画が想定しておりました販売協同組合などよりも、むしろ百貨店等の個別の販売事業者と計画を作成、実施するニーズが増加してきて、またその方向に実態が進んでいった。また、長引く経済不況の中で、当初、活用計画が想定しておりましたような新商品の開発のための新たな会社の設立とか、あるいは試験研究設備を新たに導入して大規模な、こういった業種にとってはある意味で大規模な投資となるようなことを想定しておったわけでございますが、そういったことは実際的ではなくなったといったようなことが、平成四年につくりました計画スキームの利用が低調であった理由かと存じます。 各計画の申請と認定の具体的な件数でございますが、共同振興計画が六件、活用計画が一件、支援計画が延べ四件、いずれも申請と認定の件数は同じでございます。このうち、支援計画のうちの一件は現在も実施中でございます。 以上です。
○平田健二君 次に、この今年度の予算ですが、先ほど大臣は昨年の倍増で大幅にその増額をしたとこういうふうにおっしゃられましたけれども、全体で約十億近い予算で、そのうちいわゆるその振興協会への補助金が八億、その八億のうち二億近くがセンターへの家賃だというふうに聞いております。産地への直接の補助金は一億八千万、前年度比一千万の伸びということで、全体から見ていかにも寂しいなという感がしておるわけですね。 確かにこれ、それぞれ地方の自治体と折半ですから、自治体の状況を見ますと、国がふやそうかといって、半々、折半ですから、そうはできないと思いますけれども、この改正後の指定の申し出、各計画への申し込みのおおよそこの程度だろうというふうに見込みがあると思うんですが、どの程度あるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 産地への補助金についてこれで十分か、あるいはまたそれがどの程度活用される見込みかという御質問でございますが、産地補助金につきましても、今先生まさにおっしゃったとおりでございまして、自治体と御一緒に支援していこうということなものでございますので、そういう中で今回も可能な限り努力をさせていただいた予算だと考えております。 今回の改正後のこの指定の申し出あるいは各計画への申請の見込み、どの程度かということでございますが、振興計画につきましては、今回の改正で新たに任意の団体を作成主体に追加することになります。平成十三年度において従来よりも相当程度件数が増加するというふうに期待しております。また、共同振興計画につきましては、これまた今回の改正で新たに商社、百貨店等の個別の販売事業者を販売者側の作成主体に追加することによりまして、現時点では平成十三年度におきまして相当程度の申請がある、具体的に何件と申し上げにくいわけでございますが、想定しております。 他方で、本制度改正については、産地側のみならず商社、百貨店等の販売事業者の側でも非常に関心が高いわけでございます。そういったことから、期待は大きいのではないかと期待をいたしております。 今回の改正で創設いたします活性化計画及び連携活性化計画につきましては、平成十三年度において、両計画を合わせまして、予算上の積算もございますが、予算上の積算ではおおむね二十件程度ということで積算をいたしておりますが、その程度のものは当然要請があるものと考えております。 今回の法改正の直接の対象ではございませんけれども、支援計画につきましては、運用上、産地プロデューサーに対する支援というのを行うことができるようになります。平成十三年度におきまして、これも予算上おおむね十五件程度ということで積算をさせていただいておりますが、それを超えるものがあるのではないかと期待をいたしております。 いずれにいたしましても、これらの新たな支援制度がより一層効果的に活用されて伝産産地の振興に役立つように、当然のことでございますが、自治体と一生懸命協力して頑張りたいと思っております。
○平田健二君 今お答えの中にもあったんですが、共同振興計画についてお尋ねをしたいと思いますが、範囲を個別の販売事業者にも拡大したという、大変使いやすくなったと思いますが、個別の販売事業者、計画を実施する場合、販売ですから、工芸品そのものの価値だとかいろんな手法だとか原材料だとかいろんなもの、知識を勉強して、そして販売するわけですよね。そうしなければ、単に陳列しておるだけではそう販売拡大はできないと思うんです。 そういった個別事業者に対するいわゆる各工芸品の教育といいますか、そういったものは計画されているのかどうか。また、販売業者の資格要件ですか、こういったものがあるかどうか、お尋ねします。
○副大臣(松田岩夫君) 今回の改正で産地の製造協同組合等が新たに百貨店等の個別の販売事業者とともに共同振興計画を作成することができるというふうに改められるわけでありますが、これをいかにうまく活用していくかということで、まずこの販売事業者側の工芸品に対する正しい理解と知識の重要性、先生まさに御指摘のとおりだと存じます。このために、今回、共同振興計画を改善し、デパートの店員等が産地で研修を受けることを同計画に盛り込むことができるようにしてございます。 なお、この共同振興計画を作成する際の販売事業者側のパートナーにつきましては、多様な取り組みを促進するという観点から、伝統的工芸品を販売する事業者であること以外に特に要件を設けるという考えは持っておりません。
○平田健二君 次に、産地プロデューサー事業についてですけれども、産地にとってはプロデューサーをどう選ぶか、プロデューサーはどういう資質を持っておるか、こういったことを判断するわけですね。産地プロデューサーの発掘、育成、登録、こういったものの要件、環境整備についてどのようにお考えになっておるか、お尋ねをしたいと思います。非常に産地の方は関心が高いと思いますので、ぜひひとつわかりやすい説明をお願いしたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 御指摘のとおり、産地プロデューサーの人材の発掘、育成は極めて重要だと認識しております。 同時に、答申では、産地側についてもみずからの発展の方向性とそれを実現するための方策についてのビジョンを持って産地プロデューサーの活用を図ることが重要だと、こういうふうにも述べておるわけでございます。 これらを踏まえまして、経済産業省といたしましては、本年度から新たにこの産地プロデューサー事業を始めることといたしたわけでございますが、その際、人材の確保が何より肝要だということで、伝統的工芸品産業振興協会におきまして産地プロデューサー登録・マッチング事業というものをあわせて実施することといたしております。すなわち、伝産協会におきまして産地プロデューサーになることを希望する者を募ってリストアップいたしまして、これを産地プロデューサーの派遣を希望する産地に紹介して、マッチングを実施いたします。まあお見合いと申しますか。また、産地プロデューサー同士の資質向上を図るために、交流型啓発会議と申しておりますが、そういった相互研さんも開催したいというふうに考えております。 こういったことによりまして、産地のニーズに適合した本当に役立つ産地プロデューサー、これをいかに確保していくか、極めて大事なポイントだと思っておりまして、またいろいろ御指導いただけたらと存じます。
○平田健二君 最後になりますが、やはり伝統的な工芸品、企業数も減り、従業者数も減り、だんだんだんだん先細りになってくる、大変憂慮しておるわけでして、ぜひここらで歯どめをかけて何とか盛り返していただかなきゃいかぬというふうに思っております。 そのためには、まずつくったものが売れなきゃいかぬというふうに考えますね。需要の拡大、確かに伝統的な工芸品ですから、先ほどもありましたように、床の間がないからそんなものは置けないとか、そういった事情はありましょうけれども、やはり需要を拡大しなければ、物が売れなければ、それはそこに働く人がふえるわけはないわけですから、この需要拡大についてどういうふうにお考えになっておるのか。 それからもう一つ、今展示するセンター、一カ所ですね、青山ですか。今度、池袋に移すと、こういうことですけれども、できましたら、これも全国で一カ所じゃなくて、大都市にはあるよというぐらいにして、日常、国民の皆さんの目に触れるという状況をつくっていかなきゃいかぬと思いますね。この需要の拡大についてどのようにお考えなのか。あるいは今言いましたように、センターを、一カ所ですけれども、例えばもう一カ所、二カ所つくるとか、そういう計画があればまたお聞かせいただきたいんですが、いや、そこまで必要ないということなのか。そういったことを最後にお聞きして、終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 売り上げの低迷が続いております伝統的工芸品産業においては、御指摘のように需要の拡大を図ることが大変重要だと私どもも認識しております。 今後はこれまで以上に積極的に国内における需要の拡大を図ることはもちろんでございますけれども、近年、欧米におきましても和のもの、こういったブームが起きていることも事実でございます。和風の生活様式に対する関心も高まっているところでございまして、情報革命やそしてインターネットなどを使った経済のグローバル化、海外との取引がより身近になる、こういう環境も整ってきたと思っております。ですから、一つは、やはりこの日本の伝統的工芸品のよさを海外にPRして、そして需要の拡大を図る、これを積極的にやっていくということも非常に私は必要なことだと思っています。 先生御承知かと思いますけれども、一つの例として、博多織「HAKATA JAPAN」という、そういうプロジェクトの事例がございまして、博多織の製造事業者六社が外部の服飾デザイン会社ジャンヌマリーと共同で博多織を使用したバッグや靴などを企画いたしまして、昨年八月にニューヨークで開催されたインターナショナル・ファッション・ブティック・ショーに出品をしましたところ、大変好評でございまして、この「HAKATA JAPAN」というブランドが確立できたと。こういう事例もございますので、海外に和のもののよさというものをPRしていけば、もっともっとこの「HAKATA JAPAN」以外にも私は可能性を秘めている、こういった面も応援をしていかなければならないと思っています。 また、伝統的工芸品を販売する方法につきましても、インターネットを活用した販売を行うなど、産地みずからが工夫を凝らしてより一層の需要の拡大につながる方法を積極的に取り組んでいくことが重要でございまして、いま一つe—Japan構想の中で、そういった中小企業というものを、二〇〇三年までにはその半数をインターネット化しよう、こういう試みもやっておりますから、それと並行しながらそういった啓蒙に努め、そしてインターネットに習熟する、そういうことも並行的に行って、インターネットを使ったそういう需要拡大、このことも私は将来非常に可能性があると思います。こうした認識のもとで、振興計画や共同振興計画、活性化計画等に基づいて各産地が主体的に行う需要開拓の取り組みについても私どもとしては積極的に支援をしていきたいと思っております。 また、今御指摘の伝統的工芸品の需要拡大に向けて、財団法人伝統的工芸品産業振興協会において、今青山でございまして、これが御指摘のように池袋の、今度は非常に大きな規模になりますけれども、東武美術館跡に移転をして規模も大幅に拡充する、そして伝統工芸品の展示販売の促進に取り組む、こういったことが行われることであります。 私どもとしてはこれを第一歩にして、御指摘のそういった一カ所だけじゃなくて、将来的にはそういった形で伝統的工芸品が国民の中に広く知られる、そういう施策も将来的には取り組んでいかなければならない、こういう形でございまして、今この東武美術館跡の規模を拡大した中にはITを活用したバーチャルモール、こういうようなものをつくりまして、よく今の時代にマッチしてわかるように、そういうことも配慮してやらせていただきたい、このように思っているわけです。 大変適切な御指摘、いろいろありがとうございます。
○平田健二君 終わります。 ありがとうございました。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。 今までお二人の委員の方から御質問があり、それに対して大変多角的な御答弁がありましたので、私が十数問あらかじめお届けした質問の過半については私も大体理解できたわけでございますので、大変困っておりますけれども、少し時間の範囲内で、お届けしていない質問も入るかと思いますけれども、その点は御容赦いただいてよろしくお願いしたいと思います。 まず冒頭ですので、平沼大臣にひとつ大所高所からの御所見を伺いたいと思います。 一昨年の臨時国会で中小企業基本法が抜本的に改正になりました。大変、二十一世紀の中小企業の方向といいますか、我が国の経済産業の中における中小企業のさらに高次の位置づけといいますか、そういったことがうたわれておりまして、日本経済のまさにダイナミズムの形成の根源であると、こういうようなことがたしか中小企業基本法ではあったやに記憶しております。 そういう意味で、中小企業の場合も、一つはやる気ということと、もう一つはやはり消費者のニーズにこたえる、そういったものの供給ということがあったかと思いますけれども、そういった中小企業基本法と今般の伝統的工芸品の改正、この辺の絡みというか位置づけ、この辺を中小企業基本法を踏まえてどのように改正されようとされているか、そしてそれを具体的にどう実効あらしめるものにしていくかという点について、ひとつ大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先生御指摘のように、まさに中小企業というのは、日本の経済立国そして工業立国、その基盤をなす重要な役割を担っていただいています。 中小企業というのは、言うまでもなく、数でいいますと、事業所を含めると全国に五百万社、そのうちの九九・七%が中小企業である、さらには雇用も七二%を超える、そういう比率で雇用も受け持っていただいている。ですから、ここが活力がないと日本の経済産業というものが発展を遂げることができない。そういう基本的な考え方に基づいて皆様方に御協力をしていただいて中小企業基本法というものを改正し、中小企業の事業経営もろもろに対してインセンティブを与える、こういう形で改正をいたしたところであります。ですから、そういう中で中小企業政策の万般にわたってそういう基本的なコンセプトが生かされるようなそういう形で改正をいたしました。 そして、この伝統的工芸品、これに対することも同じ趣旨の中で、ほとんどの伝統的工芸品産業を受け持ってくださっている方が中小企業の方々ばかりでございますから、そういう中でやっぱりこの基本精神に基づいて、伝統的工芸品産業が大変貴重なそういう伝統的な技法やその産業自体を生かす、そういう方向で私どもは今回改正をお願いして、そして中小企業の全体の中の一環の施策としてこういう法改正をさせていただいた、こういうことでございます。
○海野義孝君 そこで、伝統的工芸品産業、この担い手であるいわゆる伝統工芸士、これがこの産業とどういうふうに絡んでいるか。 具体的には、約四千名余の伝統工芸士が登録されているということでございますけれども、聞くところによりますと、これは年度別で見ましてもほとんど変わりがない、ほとんどふえも減りもしないという状況のようでございまして、年齢別の構成についても定かでないように思いますけれども、恐らく最近の後継者といいますか担い手がいなくなってきているということから考えますれば、まさにやや右肩下がりのそういう産業の象徴的なあらわれかと思いますが、伝統工芸士というのは誇りを持って、またそれなりのなりわいが保障されると言ったら、これは私的企業、事業者でしょうからそこまではどうかと思いますけれども、そういった意味で本当に伝統工芸士でないと担い手になれないのか、あるいはまた伝統工芸士というのは何か一定の基準があって、相当な年数を必要とするとかいろいろなことがあるようですけれども、その面も含めまして伝統的工芸品産業とその中の担い手である伝統工芸士の役割等について、それと、今後これについてどういうようなさらに振興を図っていかれるかといった点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 伝統工芸士の登録の数でございますが、累計では今先生おっしゃいましたように約四千五百名でございますが、平成五年には新規に六百名ぐらい新規の登録がございました。その後、微減しておりまして、年間二百から三百名程度の方が新たに伝統工芸士として認定され登録されているというところでございます。 認定に当たって一つの基準として、この分野への従事の経験ということで、十二年以上の長きにわたって経験してこられたというところを一つのメルクマールとして押さえているところでございます。 それから、お尋ねの老齢化の点でございますが、ことしの二月時点でとりますと、最年少の方は二十九歳でございますが、一方最高齢の方は九十五歳ということで、四千五百人の全登録者のうち六十歳代の方が全体の三四%を占めて最も多うございます。次に、五十歳代の方が二九%を占めている状況でございます。 伝統工芸士の方々は、これから伝統工芸品産業の振興を図っていく上で、先生御指摘のように大変大事な牽引車になる方々でございまして、私ども、若い人たちを含めてこの分野に魅力を感じてどんどん入ってきていただける、そういった方向に向けての取り組みというのを、それぞれの産地あるいは協会なんかとタイアップしてこれからも強化をしてまいりたいと考えているところでございます。
○海野義孝君 御質問をした中でちょっと御答弁がなかったように思いますけれども、伝統工芸士の資格がないと伝統工芸品産業に携われないと、こういうことでございますか。
○政府参考人(岡本巖君) 事業に従事するに当たって伝統工芸士の資格は必ずしも必要はございません。ただ、実際にそういう方々がつくられたものを消費者の方々、ユーザーの方々に市場を通じて訴求していくというようなそういう場面において、伝統工芸士の方々、資格を持った方がおつくりになったということであればそういった認知、評価というのもいただけますでしょうし、それから何よりも、この世界で仕事をされている方々について、一定の経験を積んで一定の技能を習得するに至ったという方々が工芸士の資格を持てるということが一つの励みにもなるというところはあろうかと思いますので、そういう意味において工芸士の認定、登録というものを伝産協会でやっているところでございます。
○海野義孝君 伝統的工芸品産業審議会「二十一世紀の伝統的工芸品産業施策のあり方について」という答申に関して三点ほど教えていただきたいと思います。 第一点は、伝統工芸士制度の一部見直しということがありますけれども、これは具体的に今回の法案にどう盛られているかはちょっと私、そこまでは不勉強でありますけれども、この点が一点。第二点は、伝統的工芸品の指定内容見直しに係る考えについてという点、これは若干先ほどの御質問の中にもあったかと思いますけれども、この点。第三点は、指定の申し出、計画の申請手続の簡素化の促進についての具体的な考え、この三点について簡潔に御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 昨年、伝統的工芸品産業審議会におきまして、先生御案内のように第一点は伝統工芸士制度の一部見直しということでございますが、御指摘がございました委員の先生より、伝統的工芸品に係る技術または技法のより一層の向上を図る観点から、伝統工芸士の中でも特に伝統的な技術または技法に熟練した者をそれ以外の伝統工芸士とは別によりすぐれた者として位置づけて認定をするよう現行の認定制度を改めてはどうかとの御意見が出されました。こうした御意見を踏まえまして、答申に伝統工芸士制度の一部見直しが必要である旨書き込まれたわけでございます。 経済産業省といたしましても、この御意見を踏まえまして、伝統的な技術または技法のより一層の向上を図るという観点から、今申しましたような観点を含めまして、伝統工芸士制度のあり方について現在検討させていただいているところでございます。 それから、伝統的工芸品の指定内容見直しに関係した部分でございますが、先ほども一部既に御議論が出たわけでございますが、この指定の内容を変更する必要が生ずること、指定内容の変更の手続を定める規定は現在ないわけでございますが、このため、昨年の審議会におきまして、必要に応じ指定の内容を変更できる旨の規定を整備することが必要であるとの御指摘がございまして、これを踏まえまして、答申に伝統的工芸品の指定内容見直しに係る考え方についての検討という答申が書き込まれたわけでございます。 これを踏まえまして、今回の法改正におきましては、一たん指定がなされた後、事情の変更は先ほども出ましたが、地域とか原材料とかいろいろございますが、そういった事情の変更その他特別の事由があると認める場合には伝統的工芸品の指定の内容を変更することができる旨の規定を設けることといたしたわけでございます。 それからもう一点、今指定の申し出、計画の申請手続の簡素化の促進ということであったかと存じますが、これまで申請書類の簡素化を図ると、鋭意取り組んできたところでございますが、今回の法律改正とあわせまして、各計画の申請様式や申請に当たって必要となる資料のさらなる見直しを行いまして、各計画の作成に当たっての産地の実務をできるだけ簡素化するよう取り組んでまいりたい、できるだけ簡素化を図ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○海野義孝君 これはでき得れば平沼大臣にお聞きしたいと思いますけれども、今回の法案の改正によりまして新たに産業に携わる中で任意団体が追加されることになるわけでございますけれども、具体的なこれに対する支援策の創設ということについては、具体的に新たに追加されることによることで何かお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今回の改正では、従来の活用計画を発展的に解消いたしまして、活性化計画及び連携活性化計画を創設することといたしております。 活性化計画につきましては、伝統的工芸品を製造する事業者やそのグループが、需要の開拓でございますとか新商品の開発等に関する斬新かつ先進的な事業について計画を作成し認定を受けると、国及び地方公共団体から補助を受けることができる、こういうふうにいたしたわけであります。 連携活性化計画につきましては、産地間の連携によってこれまでの一産地内の活動では実施することのできなかった需要の開拓、新商品の開発等に関する斬新かつ先進的な事業について計画を作成いたしまして認定を受けると、国及び地方公共団体から補助が受けられる、そういうふうになっているわけであります。 また、従来からある振興計画及び共同振興計画につきましても、一つは振興計画等の作成主体に任意団体を追加することによって、より多くの伝統的工芸品が振興計画等に基づく支援の対象になる。また、共同振興計画の販売者側の作成主体に販売業者を追加することによりまして、より一層効果的な需要の開拓が可能になる。こういうことなど、事業者にとって利用しやすい支援体制を整えることにいたしております。 これらの措置が産地自身の主体的取り組みと相まって十分に効果が上がる、このような形で、任意団体等もそういうことを我々としては一つのイメージをしてやらせていただいております。
○海野義孝君 どうもありがとうございました。 先ほどの平田委員の御質問にもありましたけれども、現在の伝統的工芸品、百九十四指定品目がありますけれども、これの、先ほど全体的にはここ二十年来、この産業がやや右肩下がりになっているということでありますけれども、業種別の生産高ないし売上高の推移におきまして、業種というのは大ぐくりにした、例えば繊維とかそれから人形であるとか、ああいう大ぐくりの業種別の生産高の推移においての趨勢的な特徴についてお聞きしたいと思うんですけれども、衰退の激しい業種とその理由、それから比較的まあまあ堅調な業種とその理由について簡潔にお願いしたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 第一に、百九十四を大ぐくりをしまして、昭和五十年代の後半から平成七年ぐらいまでの間に売り上げのピークが、業種によって違いますけれども、例えば繊維でありますと昭和五十八年をピークにして、率にしますと平成十年度の減少率というのは六二・七%、他方で比較的ピークの到来が遅い和紙は平成七年でございまして減少率は一四・七というふうにばらつきはございますが、総じて言いますと、平成の中ごろ以降、減少が続いているというのが趨勢的な特徴かと存じます。 それから、第二のお尋ねの衰退の激しい業種それから比較的堅調な業種ということでございますが、先生御案内のように、いずれの業種も非常に厳しい状況にございますが、特に生産額の点で激しい減少ということで見ますと、ピークから約六三%減少している繊維、それから同じく四五%減少している漆器というのが挙げられるかと思います。 これらの業種において減少しております理由といたしましては、長引く経済不況による影響のほかに、国民の生活様式が洋風化する中で、特に和風の着物やおわんとかお盆とか重箱等の漆器が使用されなくなっているということによるものと考えられます。そのほか、金工品でありますとか木工品、竹細工、仏壇・仏具といった業種におきましても生産額がピーク時より三〇%以上減少しているというような状況でございます。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。 時間の関係で、そういった業種によりましてかなりの差異があるということでございまして、先ほど大臣がおっしゃったような博多織の関係ですか、ニューヨークでそういった物産展のようなものを開いて大変な反響があったというような、やはり産地、生産者と販売者との間の連携によるそういった新しい今回の制度にありますような推進が私は大変重要であるということを感じました。 そこで次に、この伝統的工芸品の百九十三品目の中で、一品目については現在振興計画を作成中というように伺いましたけれども、振興計画を実施しているのが百九十三品目中現在百三品目と、このように資料にはあったわけでございますけれども、具体的に実施していない品目について、これは振興計画は既に達成したということなのか、どういう理由があるのか、ちょっとその辺が理解できませんので教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 伝統工芸品として指定を受けました産地は、先生御案内のように、必ず一度は振興計画をつくっていただくということにいたしておりまして、これまで百九十四、一つだけ今準備中ということでございましたので百九十三の産地について振興計画がつくられた次第でございます。 他方で、振興計画の実施期間というのが五年から八年というぐらいの計画期間でございまして、相当前に計画をつくったところは実施をしていわば計画から卒業したという状態になっておりまして、したがってその差し引きで今現在振興計画を実施しているのが百三という次第でございます。
○海野義孝君 最後に、できれば大臣に御答弁いただきたいと思います。 先ほど平田委員からも御質問がありました産地プロデューサー制度の問題でございますけれども、私、大変これは画期的なことになるのではないかと期待をしております。今年度予算におきましてもこれがやはり盛り込まれているということでございまして、確かに産地プロデューサーという新しい人材を投入してリストラを進めるということかなと、こういうように思いますけれども、具体的にそのマーケティングのリサーチとか価格戦略、人材養成などを幅広にやっていただくことになるんじゃないかと、こう思うんです。 そうなりますと、従来というか、つくり手中心の計画から、やはり消費者のニーズというか顧客中心の計画へと変化が起こることも予想されるわけでございまして、むしろ有能な産地プロデューサーほど生産サイドに求めるレベルの水準も高くなるということで、いわゆる生産と販売の間のそういう面での産プロを通じての意見の対立というようなことも出てくるんじゃないかと思うんですけれども、政府がお考えになっている産地プロデューサー像というものはどういうものかということが一点です。 時間がありませんのでまとめて申し上げますが、もう一つは、伝統的工芸品産業振興対策予算というのが、従来、産地振興対策費補助、こういうふうな項目になっておりましたけれども、金額も近年倍増しておりますが、平成十一年度以降は産地振興対策費補助から産地補助と、こういうように変わったわけでございますけれども、これも格段の意味があってのことか、そのこともあわせてひとつ大臣、お願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 最初の方は私からお答えさせていただいて、後は松田副大臣にお願いをしたいと思います。 産地プロデューサーとは、みずから産地に入り込んで、産地の事業者とともに新商品の企画、需要の開拓、それから従事者の資質向上等のための取り組みを行いまして産地全体をプロデュースしよう、そういう者を言うわけでございます。 産地プロデューサーになり得る人材につきましては、昨年十一月の伝統的工芸品産業審議会答申におきましても言及をされておりまして、例えば、消費地において伝統的工芸品の流通に携わる中で産地と密接な関係を持つに至った人など、産地と消費地の双方に知見、経験を有する、そういうことが望ましいとされております。 産地がこのような資質を持った産地プロデューサーの指導、助言を受けることにより、さらなる活性化を図ることができるようになるものと私どもは期待をいたしております。 一つの例といたしましては、食環境のプロデューサーというC氏が石川県の伝統工芸品三十六品目の総合プロデュースを実施いたしました。C氏は、株式会社D社の代表取締役、このD社というのは主にホテルやレストラン、特に料飲施設に関するプロジェクトのコンセプトづくり及びプロデュースということをしている方でございまして、この人が中心になりまして商品企画で新商品の開発、今おっしゃいましたマーケティングリサーチによる一般消費者の家庭用、ホテル、レストラン等の業務用、儀式用の市場別商品の内容、価格を決定いたしました。 需要拡大といたしましては、同業種の交流をいたしたり、異業種交流による需要開拓等に関する意見交換会の実施と、これによる石川県全体の伝統工芸品産地の総合プロデュースに向けた体制づくりをいたしました。プリズムホールにおける石川県「伝統工芸フェア2000」を実施いたしまして、ホテル、レストラン関係者を対象として商談会を開催し、また百貨店、ホテル、レストラン等への販売またリース、関係雑誌の紹介、こういうことを総合的に行っているわけであります。 また、人材確保育成セミナーを実施いたしまして、四十五歳までの実際に伝統工芸に携わる二十数名の方、この方々が東京に一泊二日をいたしまして、そしてそれぞれの関係者、そういった方々と交流をいたしまして非常にそのプロデュースの実効を上げている、こういう例がございます。 まさに、こういう形で総合的な伝統工芸品産業に活を入れる、そういう意味で私はここを非常に重点的にやっていくことは意味があることだと、このように思っております。
○副大臣(松田岩夫君) 二問目の点でございますが、伝統的工芸品産業に対します補助金の名称の変更のことでございますが、政府内で平成十一年度予算案を作成する際に、中小企業対策費につきましては、財政構造改革法に掲げられた中小企業者等の活力及び地方公共団体の役割の尊重といった観点や、中央省庁等改革基本法に掲げられました中小企業の保護またはその団体の支援を行う政策の見直しといった観点から見直しが行われました。 この一連の制度見直しのプロセスの中で、中小企業対策費として計上されておりますこの伝統的工芸品産業振興対策予算につきましても御検討が行われまして、財政当局と調整をいたしまして、名称を伝統的工芸品産業産地補助金というふうにさせていただいたわけでございますが、実体的な意味、必要性その他ということでは何ら変更のないものと理解しております。
○海野義孝君 ありがとうございました。 以上です。
○委員長(加藤紀文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として弘友和夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 休憩前に引き続き、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 まず大臣に、伝統的工芸品産業振興についての基本姿勢を伺いたいと思います。 本法案は、一九七四年に、我が党も入りました五会派の共同提出ということで、議員立法で成立した法律でございますが、九二年に法改正が行われました。しかし、残念なことに、法改正が行われました直後から、むしろ生産額、企業数、従業員数ともに激減するという結果を招いているわけでございます。 政府は、この改正案を提出した必要性を、この産業は極めて重要な意義を持ち、将来にわたって維持されるべきものであり、また同産業に係る技術、技法がそれぞれ独自のものであって、各産地の中で人から人へ伝承されるものであるという性質上、一たん途絶えてしまった場合には容易に再生することができないものであると述べているわけでございます。 私もこの必要性についての趣旨、それから今回の法改正には賛成でございますけれども、しかしこれだけで本当に百九十四の指定産地を含みますすべての産地が未来に対して明るい希望を持って頑張っていけるのかといいますと、そうではないのではないかというこれは厳しい現実もあろうかと思います。 そこで、予算措置や抜本的にふやす問題やあるいは輸入の規制の問題、それから国内外の需要を拡大していく問題、さらには国民の懐を暖めて、本当に生活にゆとりと豊かさを取り戻すようなそういう景気の対策も含めて重要ではないかと思います。 まず、政治のなすべき責任は重いですので、大臣から御決意を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今次の法改正といいますのは、事業者にとって利用しやすい、柔軟でかつ従来より充実した支援制度を整えることによりまして、事業者の意欲的な取り組みを適切に支援をいたし、伝統的工芸品産業のさらなる活性化を図ろうと。 確かに、今、西山委員御指摘のように、法改正以降、非常に売上高あるいは企業数、さらには人員、そういうのが大幅に減っていることは事実でございます。それはちょうど日本が非常に未曾有の景気不況に襲われた、あるいはまた生活様式等が変わったとかいろいろな要因がありまして、そして改正したにもかかわらずそういう事態になったということは、私どもとしても非常に遺憾に思っております。 そういう意味で、今回、法改正を具体的に次のような形で行うようにいたしました。 一つは、振興計画等の作成主体に任意団体を追加する、そのことによってより多く伝統的工芸品が振興計画等に基づく支援の対象となるようにしました。二つ目としては、共同振興計画の販売者側の作成主体に販売業者を追加することによりまして、より一層効果が上がる、そういう需要の開拓、こういうものを図って、そしてそこに活力を与えていきたい。また、三つ目としては、活性化計画を新設することにより、従来の組合を中心とした産地の一体的な取り組みに加えまして、個々の事業者やその少数グループによる意欲的な取り組みが促進されまして産地の活性化をもたらす。また、四つ目は、連携活性化計画、これを新設いたしまして、産地間連携による創造的な取り組みが促進されて各産地の活性化をもたらす。 こういったことで、本当に今大変厳しい目に遭っている伝統的工芸産業、ここを力強く我々は支援をしていく、こういう形で法改正をさせていただきました。 そして、委員御指摘のように、やはりほとんどの方々が中小企業、零細企業の方々でございますので、そういった面で、総合的に中小企業の支援政策というものも我々としては包括的にやらなきゃいかぬと思っておりますし、また御指摘の、景気をよくして、そしてまた個人消費を上げるというようなことも力強く展開をしていかなければならない、そういうふうに思っておりまして、この法改正を行って、非常に沈滞化した現状を何とか打破していきたい、こういうことで今回改正をお願いいたしました。
○西山登紀子君 それでは、具体的にお伺いしていきたいと思いますが、今皆さんのお手元に、京都市からいただいてまいりました「京都の伝統産業」のリーフがございます。京友禅、こちらにございますが、これが京友禅でございます。具体的に活性化計画でどうなるのかということなんですが、京友禅、非常に重層的な工程によって製作されているというのは皆さん御存じのとおりだと思います。 そこで、今度の活性化計画で、産地組合の少数グループや個人の意欲的な取り組みを支援するということになっているわけですが、この京友禅を完成するまでのいろんな工程がございます。そのさまざまな各単位でも組合などいろいろなグループがございまして、今回の法案に大変期待をしているところもあるんですけれども、そういう人たちの取り組みも今度の活性化計画の対象になるのでしょうか。していただきたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(岡本巖君) 今回新設いたします活性化計画では、個々の事業者やその少数のグループの方々が、技術なり技法の改善あるいはその他品質の改善、新商品の開発等の事業であって、産地全体の活性化に資するものについては幅広く計画をつくっていただいて応援していくということにいたしておりまして、実際の認定がどうなるかというのは計画の中身を見させていただく必要があろうかと思いますが、御指摘のような工程ごとの事業者の取り組みにつきましても活性化計画の対象となり得るものと私ども考えております。
○西山登紀子君 大いに期待をしていきたいと思います。 次に、未指定産地の問題についてお伺いしたいと思いますが、任意団体でも指定が受けられるようにするというわけですが、どのくらいの数が増加すると見込んでいらっしゃるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(岡本巖君) 指定に当たっての任意団体の点でありますが、様式の簡素化とかそういうことをやりますが、伝統的な技法でありますとか原材料でありますとか、そういったことについて、申請に当たって十分歴史的な資料その他を整えていただくということもございまして、私ども今の見通しでは、今回の指定についての要件緩和等を踏まえまして、従来本当に一件とか二件ということでございましたが、そういったものが数件程度ふえるのではないだろうかというふうに見込んでいるところでございます。
○西山登紀子君 すべての未指定産地を一気に一律的に指定をするというふうなことは申し上げませんけれども、一定の基準緩和があれば指定を受けたいという産地がございます。 我が党の調査によりましても、埼玉県ですが、県内の産地は非常に小規模なものが多いので、基準が緩和されたら小川和紙だとかそれから岩槻ひな人形というのでしょうか、二産地がこの指定を受けたいということで指定緩和を私たちに要望されているわけでございます。未指定産地の中にはこういう事例もあるんじゃないかと思うわけです。 大臣にお伺いしたいんですけれども、審議会の答申でも、産地の持つ強みと弱みを把握した上で適正な処方せんを出す必要がある、そのための産地の実態調査なども必要だというふうにお触れになった部分がございますけれども、ぜひそういう実態調査も含めまして、指定要件の緩和、産地がうんと意欲を持てるようなそういう方向での御努力、これをどのようにお考えでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 伝統的工芸品産業の振興に関する法律は、一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、またはその製造に従事している者であること等、一定の要件を満たす工芸品について伝統的工芸品として指定をいたしまして、その産業を振興するものであります。 具体的には、例えば伝統的工芸品の指定に当たって、産業と呼ぶにふさわしいある程度の集積規模があることが要件とされておりまして、本法が議員立法により制定された折の国会審議でも答弁をされておりますとおり、原則として十企業以上または従事者三十人以上がその基準となっているところでございます。これらの要件は特に変える必要はないものと、こういうふうに思っております。 伝統的工芸品の指定につきましては、産業構造審議会の意見を聞きつつ、個別に判断していくことになりますけれども、原則として、これらの要件を満たさない産地についてはこの法律による伝統的工芸品産業施策の直接の対象にはならない、このことについては御理解をいただけないかと、このように思っております。
○西山登紀子君 やっぱりこれだけ減少してきているということについては、その点はリアルに見て、伝統工芸ということについては全体として支援をしていくという政府の姿勢がなければこれは食いとめられないし、より振興するということにはならないと思うんですね。 それで、ちょっと急ぎますが、お配りしましたリーフのさらに後ろの方にこういう部分がございます。これは京都市伝統工芸連絡懇話会というものを京都市が組織していらっしゃるわけですけれども、これは要するに、この法律の指定を受けることができない諸工芸品をつくっていらっしゃる京都の伝統工芸の一覧でございます。 その中で、きょう私が持ってまいりましたのは、これが調べというものなんですが、(資料を示す)実はこれはひもを見ていただきたいんです。このひもです。ひもと言っちゃいけない、これは調べと言うんです。要するに、調べというのは調律の調べということです。鼓、これは鼓でございますけれども、私はうまく鳴らせませんけれども、こういうふうにして、こういうふうに打つわけですね。そのときにどうやって高低を、音を調節するかというと、このひもを握るんですが、握り締めだけではございません、このひも自体に調律のわざが入っているんです。強く弱くなう、これは全部手作業でございます。 実は、この懇話会の会長をなさっていらっしゃる山下雄治さんという方が五代目でございまして、江戸安政年間創業だそうでございますが、全国で京都でただ一軒、たまたま私の近所の方でございまして、一軒の古いおうちの中ですべて三十工程を全部やって、この麻ですが、非常に光沢のあるやわらかいひもを手でつくっていらっしゃいます。 ところが、これは伝統工芸士にもなれなければ、伝統工芸産業の指定も全く受けることができません、国の法律の中では。だから京都市がこんなふうに懇話会というものをつくって、ことし二十周年、お祝いを最近なさったわけですけれども、これは、この法律が目指していらっしゃる、非常に弾力化していこう、任意の団体でもいいようにしようという精神の先取りだと私は思うわけですけれども、ぜひこういう一人でも伝統文化、わざを担って頑張っていらっしゃる人たち、あるいは自治体がこういうふうに組織をして懇話会のようなものをつくって、それを支援していこうというこの方向をやっぱり国としていろんな角度から支援する必要があるんじゃないか、この点を大臣にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、西山先生から、京都の伝統産業、このパンフレットを見させていただいて、さすがに千二百年都であった京都というのはこれだけたくさんの伝統産業があるんだなとつくづく感心させていただき、また大変すばらしいものがあるなと、こういうふうに思わせていただきました。 指定品目以外の工芸品の産地の振興については、国といたしましても、財団法人伝統的工芸品産業振興協会の事業といたしまして、小規模な産地における功労者褒賞、これを御承知のように行っております。平成十二年度におきましては、六十六名のうち指定外の小規模産地十一名の方が褒賞をお受けになられました。さらには、「全国伝統的工芸品まつり」において、これらの工芸品について都道府県別ブースを設けまして、展示、紹介を行うことによりましてPRや需要の開拓等の支援を行ってきています。 また、全国伝統的工芸品公募展の対象に含めまして、小規模産地にも応募の門戸を開くなどいたしているところでございまして、こうした事業に加えまして、先生御指摘のように、こういうすばらしい技法に基づいた伝統工芸産業というものを育成していく、このことは国としても文化的な面からも大変私は大切なことだと思いますので、一般の中小企業施策の活用もあわせて産地の実情等を踏まえて対応していきたい、このように思っているところでございます。
○山下芳生君 続いて質問をいたします。 前回、九二年の法改正以降も伝統的工芸品産業は低迷を続けております。このままでは産業の存立自体が危ぶまれるようなかつてない苦境に立ち至っていると経済産業省自身が述べているように、本腰を入れて伝統的工芸品産業の振興に取り組まなければならないというのは当委員会全体の総意でもあると思います。 私は、伝統産業の振興にとって何よりも今大事なことは需要の開拓ではないかと思うわけです。需要があれば後継者もふえる。今回の法改正でその需要の喚起は図られるのか、具体的にはどういう施策が行われるのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(岡本巖君) 伝統工芸品産業の振興を考えるに当たって需要の開拓というのが大事な点は先生御指摘のとおりだと思います。私ども、今度の法律改正の中で、活性化計画あるいは産地間の連携の計画、そういったものの中にマーケティングの面での需要開拓あるいは新商品の開発ということでそういうものを応援していくということを考えております。 同時に、予算の関連で、産地のプロデューサーでありますとか、産地の診断、調査をやるとか、そういう中でもマーケットの状況を知悉しているインテリアあるいはテーブルコーディネーター、そういった方々のアドバイスをいただきながら伝統工芸品が新しい需要というものを開拓していく、国内のみならず海外に向けてもそういった前向きのチャレンジをしていく、そのためにITの技術を駆使したバーチャルモールのようなものもやっていこうということで、まさに需要の開拓に向けて産地の方々を中心とする、考えられるいろんな取り組みを強力に応援してまいりたいと考えているものでございます。
○山下芳生君 私は、今述べられたことを否定するつもりはありません。ただ、現状のかつてない苦境というものを打開しようと思ったらこれは容易ではないと思うんですね。私もいろんな産地の方からお話を伺いました。異口同音に、どう需要を、売り上げを伸ばすかが根本問題だとおっしゃられまして、その上で幾つか共通した要望を聞いてまいりました。 まず一つは、伝統工芸品に触れる機会をつくってほしいということで、伝統工芸品の江戸友禅の仕事についている青年に話を聞きました。高校の授業の中で工芸品と出会ったこの女性は、伝統工芸について、世界に誇れる日本の宝だと感じ、これを引き継いでいける一人になりたいと思った、日本の伝統産業なのに日本人が親しむ場所がない、日本がこんなにいい文化を持っているのに日本人自身が知らないというのは本当にもったいない、もっともっと知って親しんでほしい、そうすればもっと大事にすべきという声は大きくなっていくんじゃないかと、こう話してくれました。 これまで経済産業省としてはどういう形で伝産品を知る機会をつくってきたか、またそういう機会をもっとふやすことはできないか、いかがでしょうか。
○副大臣(中山成彬君) 需要を喚起するために、委員御指摘のように、いかに身近なものとして消費者の方々に使ってみたいなという、そういう気持ちにさせるということは非常に大事だと思いますし、またそのためのいろんな情報といいますか、そういった提供も極めて重要であると、このように考えておるところでございまして、これまでも振興計画あるいは共同振興計画に基づきまして各産地が実施します消費者への適正な情報の提供のための取り組みについて支援を行ったところでございますけれども、これからも引き続き行っていきたいと考えておるところでございます。また、今回の法改正で創設します活性化計画及び連携活性化計画につきましても、これに基づく消費者への適正な情報の提供のための取り組みへの支援を行うこととしております。 また、法律に基づく施策以外にも、伝統的工芸品の需要拡大に向けまして、伝統的工芸品産業振興協会におきまして、現在、南青山に持っております展示販売センターを現在よりも集客能力が高く、またより利便性の高い池袋の東武美術館跡に移転いたしまして、規模も大幅に拡充することによりまして伝統的工芸品の展示、販売を促進しようと、こうしているところでございますし、またITを活用いたしましたバーチャルモールを構築する等の取り組みを行ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山下芳生君 残念ながら、それぞれやっぱりまだまだ取り組みの規模が非常に小さいと思うんですね。 伝統的工芸品産業振興協会では、やっぱり宣伝には莫大な予算が必要になるために、新聞に情報を送って、いわば宣伝をして取材をお願いしようだとか、ニュースにしてもらおうと、お金をかけないPRを一生懸命考えておられます。それから、それぞれの産地も、やはりPRはお金がかかるので産地個々にはなかなかできない、国がもっと知らせるような手だてをしてほしいという要望を共通して出されています。 そもそもこの伝産品が大事だと言いながら、私調べますと、経済産業省から出る産地補助金というのがございますが、これは今年度の予算でもわずか一億八千七百万円しか組まれておりません。一産地当たり百万円に満たない額ですので、私は本格的に取り組んでいるとはなかなか言いがたいレベルではないかと。本当に産業の振興を実現するためにはもっと手厚い支援が必要ではないかというふうに感じております。 もう一つ要望が出ていますのは、教育の現場に取り入れてほしいという声です。 大阪府指定の伝統工芸品であります浪華本染め浴衣というものがあります。これは布の両面を染める注ぎ染めと呼ばれる独特の技法が大阪で開発されたことなどにより生まれた工芸品なんですが、この浪華本染め浴衣の職人の方にもお話を聞きました。その方が望んでおられたのは、そういう伝統工芸品があるということを知らせてほしい、そして触れ合う場をつくってほしい、やっぱりそういう声なんですね。 この方はこれまで小学校五年生の社会科の出張授業に熱心に取り組んでこられておりまして、実演も交えた講演をされていると。そうすると、子供たちは身じろぎもせずじっと聞き入って集中するそうなんですね。その姿を見てこの方は、教育の点からももっと伝統文化への理解を深めることが大切だと、またそれができるということを実感されたそうであります。 こういうことをやられているのはここだけではございません。そろばん産地だとか扇の産地もやはり同じことをやられ、要望が出されております。 よいものをつくるためにどれだけの手がかかっているか、苦労をされているのか、あるいはそうやって仕上がったものがどんなにすばらしいのかということを子供たちが直接触れて伝統工芸を見る目を養うということが、私は需要の開拓にもなるし、後継者をつくっていくということにもなると思うんですね。実際、この浪華本染め浴衣の職人さんの話を聞きますと、そうやって自分が実演授業をされた、そこにいた子供たちが成長して年ごろになって浴衣を買うようになったときに、お店の中に安い輸入品と一緒に本染め浴衣が並んでいたら、手にとって、やっぱり裏表きれいに染め上がっている、これが本当にあのとき見たあの職人さんの苦労してつくったものだ、やっぱりこれがいいということで、多少高くてもそれを選ぶというふうになるそうですね。 ぜひ私は、学校教育でもっとそういう意味では伝統的工芸品を取り入れるように政府として支援をすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 委員が言われました、手で触れたり、また学校の教育現場で授業を通じて周知を徹底する。 ちょっと話が横道にそれるかもしれませんが、私の地元の伝統工芸産業として備前焼があります。その備前焼の窯元を訪ねますと、外人の方が一生懸命学んでいるわけですね。そういう人たちと交流して、どうしてこれだけ備前焼に打ち込んでいるんだと言うと、やっぱり実際に手に触れてみて土のぬくもりみたいなものを感じて、これがすばらしいという形で、そしてもう弟子としてずっと住み込んで研修している。ですから、そのお話を伺って、まさに手で触れるということは非常に大切なことだなと、こういうふうに思わせていただきました。 今御紹介がありました本染め浴衣、その件でございますけれども、将来にわたる潜在的な需要の拡大あるいは将来の後継者、今まさに言われましたけれども、育成を図る観点から、学校教育の場において伝統的工芸品のよさを理解したり関心を深めたり、また実際手でさわったり、そういう機会をふやすことは私は非常に重要な意義のあることだと思わせていただいています。このため、十三年度の予算におきまして、伝統工芸士が小中高等学校で児童生徒に対して実演指導する児童生徒に対する伝統的工芸品教育事業を実施することにいたしておりまして、約一億五千万円の予算を計上させていただきました。 また、今次法改正におきましては、活性化計画、連携活性化計画のメニューの中に従事者の研修を加えさせていただきまして、産地独自の後継者育成をする、こういう形で支援をしていきたい。大変重要な御指摘だと思いますので、こういった事業も拡大をしていかなければならない、このように思っています。
○山下芳生君 教育分野の取り組みというのは非常に重要で、これは喜ばれると思います。ただ、小さな産地にとっては人手がかかるんですね、学校に実演指導に行ったら。仕事の手がとまるわけです、一方では。ですから、今年度からの新規事業ですけれども、過重な負担と逆にならないように十分伝統工芸士の方や産地組合の方々の意見を聞いて進めていただきたいなというように思います。 それからもう一つ、そういう体験授業に限らずに、例えば学校生活の場に地元の伝統工芸品を普及していくことも大事ではないかと思うんですね。 秋田県稲川町では、町内の小学校で給食の食器として地元の川連漆器を使用しております。漆は傷がついても塗り直しがきき長期的には経済的だとして、町が去年の四月から小中学校に段階的に導入をしております。使用した子供たちは、漆の食器で食べますと給食がおいしく高級に感じる、食器を大切に使うようになりましたと、こう感想を口々に語っています。これが、私は、地域の歴史や文化やあるいは風土の中ではぐくまれ、昔ながらの職人のわざで受け継がれてきた伝統工芸品だけが持つ力ではないかなと、子供たちにそういうふうに感じさせる力がやっぱりあるんだなというふうに感じたわけです。 別の視点からいいますと、環境ホルモンが溶出するポリカーボネート食器などは生徒の健康面でも心配はございますし、プラスチック製のものは三、四年でやはり取りかえなければならない、長い目で見ると経費の点から見ても高くつく、廃棄する場合も燃やせばダイオキシンなどが出てくる、土にも返らない。それに比べて、陶器だとか木製のものは自然に戻すことができる、安全で教育的でぬくもりがあると。 この秋田以外にも、佐賀の有田焼だとか長崎の波佐見焼、福井の漆器などが給食で使用されております。福井の漆器は、漆器のつくり方もあわせて授業で取り組まれて、廊下の壁には職人の皆さんの作品がずらっと並べられてあって、その地域の漆器の文化を子供たちに伝えながら給食の食器はその漆器で食べてもらっているということなんですが、漆器職人の方も、給食というのは教育だと、自分たちがつくったもので子供たちに本物のよさを知ってもらえるというのは大変うれしいと張り切っておられるそうであります。 そこで、学校給食の食器に伝統的工芸品を使用する自治体に経済産業省として何らかの支援制度が設けられないか、あるいは文部科学省とも連携して何か工夫はできないか。ぜひ取り組んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(中山成彬君) おっしゃるとおり、給食というのは教育の一環であると感じておるところでございます。また、子供たちが地元の産品を使って食事をする、こういうことは地元の産品とかあるいは伝統に対する愛着も生まれましょうし、また委員御指摘のように、健康というような面も非常に大事なことじゃないかと、こう思っておるわけでございます。 ただ、学校給食用の食器に関しましては、学校給食法に基づきまして原則として学校設置者の負担で行う、地元市町村が行うということになっておりまして、実際に各自治体の教育委員会が、いろんな安全性とかあるいはリサイクル等も含めた教育効果とか、あるいは先ほどお話にありましたけれども、高いんじゃないかというお話がありましたけれども、経費等いろんなことを勘案して決定しておるということを聞いておるわけでございます。 そのような中で、経済産業省といたしましては、学校教育の現場において伝統的工芸品を用いることは、先ほどからお話がありますけれども、需要拡大のみならず教育的効果も大きいと考えておりまして、各産地におきまして自治体の教育委員会等に働きかけていくことが非常に大事である、このように考えておるところでございます。 実際、地元の市町村等に対しまして各組合等が働きかけることによりまして、川連漆器、これは秋田県でございますけれども、あるいは輪島塗、木曽漆器、山中漆器、有田焼等が学校給食用食器として利用されているというところでもございますし、当省といたしましても、このような需要開拓に向けまして組合等の取り組みを支援してまいりたい、このように考えているところでございます。
○山下芳生君 口で言うだけではなくて、何らかのさらに突っ込んだ支援が必要ではないかということですから、また引き続き取り組んでいきたいと思います。 後継者問題について聞きます。 伝統的工芸品産業であります堺の打ち刃物というのがございます。その方にお話を伺いました。後継者はいるんですが四十歳代以上の方ばかりで、それ以下の方はいません。後継者の育成に堺市から組合に補助として四十八万円出ているんですが、なかなか大変だというふうに聞きました。 職人は、業種でさまざまですが、やはり一人前になるのに時間がかかります。先ほどの江戸友禅で大体七年、それから大阪浪華錫器というのがございますけれども、これは大分かかるんですが、あるベテランの職人さんに聞きますと、根性で短くマスターすることができるんだと。一生懸命頑張っても三年はかかる、こうおっしゃっていました。一般に一人前の職人になるためには十年にも及ぶ長い時間弟子として修行しなければならないと言われております。 そこで、職人の育英資金のようなものが何か必要ではないかと私は感じているんですが、九二年度から伝統的工芸品技術習得奨励事業というものがつくられました。後継者の技術習得に対する支援、一年限りではありますが一人三十万円、年間大体百二十人ぐらいに出ていたそうですが、九九年度から額が二十万円に減り、今年度からはなくなってしまったというふうに聞きました。この奨励金については、これまでも関係者の方々からは一年だけでは余りにも少ない、せめて三年にしてほしいだとか、額ももう少し実態に見合ったものに上げてほしいという声があったんですが、その声にこたえるどころか、それがなくなってしまったということで、私はこれは非常に残念に思っているんです。 伝統産業が疲弊しているときに後継者育成事業を後退させてはならないと思うんですが、経済産業省として、後継者を育てる何らかの支援制度をやはり設けるべきだと思うんですが、いかがでございましょうか。
○副大臣(中山成彬君) 今委員御指摘のように、伝統的工芸品産業はその技術が人から人に直接伝承されるものでございまして、その育成には時間のかかるものだと、このように考えておりまして、後継者の確保育成というのが極めて重要であると考えております。 他方、伝統的工芸品産業施策というのは、産業の自立的発展を図ることを本務としているわけでございまして、したがいまして後継者の確保とか育成ということにつきましては、国の施策といたしましては、今先生が御指摘になられましたような奨励金といったような直接的な助成を行うのではなくて、後継者の確保育成のための環境整備を行っていくことが重要である、このように考えておるところでございます。 このため、これまで振興計画や支援計画に基づきまして後継者の確保育成のための取り組みに対する支援を行ってきたところでございますけれども、今回の法改正におきましても、活性化計画、連携活性化計画のメニューの中に従事者の研修を加えまして、産地独自の後継者育成策に対する支援策を拡充することといたしております。 また、十三年度予算におきましては、十一年度の補正事業として実施されまして大変好評だったわけでございますけれども、未来の伝統工芸士発掘事業も当初予算に八千六百万盛り込んでおりまして、職人を志す若者の確保を支援することといたしておるわけでございます。 私どもといたしましても、こうした事業を通じまして後継者の確保育成に向けてその環境整備に最大限の努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山下芳生君 先ほどの奨励金は自転車振興会の補助金が原資だったそうなんですけれども、何でこれがなくなったのか聞いたら、自転車からの上がりが少なくなったからだと。そんな上がりに頼らなければならないような制度だけじゃなくて、やはりきちっと、本当にやる気があっても生活できるんだろうかということでなかなか後継者の道に進めない方がたくさんいらっしゃるはずですから、真剣な検討を求めたいと思います。 最後に、私は、伝統的工芸品の衰退に輸入品の影響を指摘しないわけにはいきません。そこで、きょうは仏壇について聞きたいんですが、お手元に資料を配っております。 これまで、仏壇が輸入統計品目の中では家具という分類でくくられておりましたので、家具一般の中に紛れて完成仏壇がどの国からどのぐらいの数輸入されているかが実態が全くわからない状況に置かれていました。私は、二年前から仏壇の原産地表示を求める会の方々と御一緒にこの問題にかかわってきたんですが、そういう方々の努力もあって、ことしの一月から輸入統計品目に仏壇の枝番が独自にできまして、ようやく内容がつかめるようになったわけであります。関係者の方々からも喜びの声をいただいております。 資料は、一番新しい、とり始めた数字ですが、一月分ですけれども、一カ月間だけでも二万本外国から入っております、完成仏壇です。単価を見ていただいたら、むちゃむちゃ安いです、やっぱりこれは。 大臣に伺いたいんですが、仏壇というのは日本の独特の文化、風習に根差す道具でございます。日本特有のものなんですが、その輸入量がこういう形で明らかになってきたわけですが、こういう実態についてどう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 山下先生御指摘のとおり、仏壇につきましては、昨年、当時の通商産業省から大蔵省関税局に輸入統計品目表に追加するように要望を行わせていただきまして、本年一月から統計に追加されたところでございます。 表もいただいておりますけれども、同統計の本年一月、二月の二カ月のデータを見ると、仏壇の輸入量は三万本でありまして、そして金額は約十五億円、こういうことになっております。仏壇の二カ月の輸入額のデータをもとに年間の輸入額を推計いたしますと、年間約九十億、こういう大変大きな数字に相なります。一方、工業統計によりますと、仏壇を含む宗教用具全体の生産額は年間九百億でありまして、大変大きな比重に相なっている、こういうことでございます。 事業所というのも、昭和六十三年では約二千五百だったものが平成十年にはそれが五百減って二千になる、従業員数も一万五千人が一万人になる、そういう形で相当大きな影響が出ていることは事実であります。 御指摘のように、日本固有のものでございまして、本当に伝統工芸産業の一つのある程度大きな部分を占める大切な分野だと、私はこのように思っておりまして、輸入がふえるということは、一つは、その多くは我が国産地における労働力の高齢化、こういった問題もあると思いますし、中国、タイ、ベトナム、インドネシア等海外における我が国企業の技術指導、こういったものによってつくられた、そういったものも大きく影響していると思っております。 また、大方の消費者はやっぱり純国産のそういう仏壇をお好みになるわけですけれども、消費者によっては、我が国の産地で生産されない、海外の職人が製造した仏壇であってもそれでいいじゃないかと、こういう人たちもあると思っているわけです。 仏壇が輸入されるということは、確かに、今具体的な数字をお示ししましたけれども、大変大きな国内の仏壇の産業に影響を与えているわけでございまして、そこはやはり我々としてもよく見守り、そしていろんな形で支援をしなければならないと思っておりますけれども、しかし一方において、輸入されることについては、一般的に言ってこれが極悪という形では私はないと思います。それなりの必然性があると。しかし、伝統的な工芸品産業を育成するためには、私どもは、そこのところはやっぱりいろんな形で支援をして、そして国内のこういう技が生きている産業というものは守っていかなきゃいけないと、そんな感じを持っているところでございます。
○山下芳生君 時間が参りました。 消費者の願いでもあるというお言葉でしたけれども、やはり今消費者が輸入品なのか国産品なのかを見分ける表示がなかなかないんですね。原産国表示というのは私ども要求しておりますが、WTO上なかなか難しいという政府の御答弁です。 ですから、今仏壇の国内の産地の業者の皆さん、業界の皆さんは、せめて国産品の表示を自主的にやろうじゃないかということを、それが消費者にちゃんとした情報を提供する、消費者利益にも合致したものだということで自主的な努力をされております。これはぜひ経済産業省としても奨励していただきたいということを述べて終わりたいと思います。
○梶原敬義君 経済産業大臣のこの法律案の提案理由によりますと、これは質問が重なると思いますが、伝統的工芸品産業が「近年、国民の生活様式の変化等を背景として、伝統的工芸品産業の売り上げが減少の一途をたどっており、それに伴って経営難や後継者不足などの問題も深刻化し、このままでは産業の存立自体が危ぶまれるような、かつてない苦境に立ち至っているのであります。」と。その原因、もう少し、もう一度整理をしてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 伝統工芸品産業の売り上げが低迷している背景として、大きく二つあろうかと思います。 一つが外的な要因ということで、その外的要因の第一に、都市化に伴う集合住宅の増加によって居住面積や庭が減少したこと、また衣食住の各方面において洋風化が進んだことによりまして、伝統的工芸品の代替品が登場して、生活の中で伝統的工芸品が用いられる機会が非常に少なくなってきているということがあろうかと思います。加えまして、大量消費社会の中で、生活用品に対する国民の意識が安価な商品を使い捨てるという方向に傾いてきているという面もあろうかと思います。こうした性格を有しない伝統的工芸品に対する関心が薄れてきているということも指摘できようかと思います。さらには、伝統的工芸品以外の良質な生活用品が大量生産方式によって大量、安価に供給される。そうなってきますと、手間暇がかかって価格的にはどうしても高価な伝統的工芸品というのが敬遠されるというような傾向もあろうかと思います。最後に、アジア諸国からの輸入ということもあろうかと思います。 以上が外的な要因でございますが、もう一つ大きな内的な要因という方で三点ほど指摘をさせていただきますと、伝統的工芸品のつくり手による生活者の新たなニーズに適合した商品開発という面で不十分な面がこれまであるんではないだろうか。あるいは二番目に、産地問屋を初めとする既存の流通経路がその役割なり機能を低下させつつある中で新たな流通経路の開拓がおくれているんではないだろうか。それから三番目に、伝統的工芸品の持つよさや味わい深さ等についての情報がほとんど提供されていないなど、知名度不足とか情報提供不足というところも否めないんではなかろうか。 以上のように私ども現下の低迷の背景というのを認識している次第でございます。
○梶原敬義君 わかりました。わかりましたが、一つ大事なことが落ちているんじゃないか。それはやっぱり景気ですね、景気、経済。これは、私も地元の別府の竹製品協同組合の人たちの話も聞くと、やっぱり最初に挙げるのは、不要不急な商品あるいは芸術品みたいなものは、これは景気に左右されると、こう言うんですね。やっぱりその点はぜひ加えていただきたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 先生御指摘のとおりかと考えます。
○梶原敬義君 それで、平成四年の改正の際に、私もタッチして審議をしたときに、どうもこれをやって、果たして改正をしてよくなるのかどうなのかというのは本当にぴんとこなかったですね。その点はどのような評価をされておるのか、改正点について、平成四年の。
○政府参考人(岡本巖君) 平成四年の改正につきまして、活用計画それから共同振興計画、支援計画ということでしたが、先生御指摘のように利用という面ではこれまで低調でございます。これは、当時想定されていた経済環境がその後大きく変化したことによって、制度と産地の実態が乖離して、産地の事業者の方々にとって必ずしも利用しやすい制度ではなくなってしまったということによるものと考えております。 すなわち、バブルが崩壊して以降、産地問屋を初めとする既存の流通経路がその役割、機能を低下させて、流通構造が大きく変化する中で、産地側で、共同振興計画が想定していました販売協同組合とのタイアップによる販路開拓というよりも、むしろ今回御提案申し上げていますように、百貨店とかスーパーとか商社とか、個別の販売事業者とタイアップしていくという、そういうニーズの方がむしろ高まってきている。あるいは、長引く不況の中で、当初活用計画ということで想定しておりました相当大規模な投資を伴う新商品の開発のために会社をつくって、あるいは大型の試験研究設備を入れてという、そういったものがなかなか実際問題取り組むのが難しくなってきた。 以上のような背景のもとに、平成四年におつくりいただいた制度が実際の利用という面では低調なものにとどまっていると認識をいたしております。
○梶原敬義君 ちょっと大分県別府市の竹製品の状況といいますものを少し申し上げますと、売上高が年間約十億四千万、今日ですね。それから、従業者数はパートとか臨時的な人を入れまして約八百三十人。そういう一つの産業でありますが、売り上げも、例えば平成七年度に比べますと、平成七年度十五億二千七百万あったものが十三億九千二百万ですから大分落ち込んでおります。 それで、今度の改正案についてどういうことを希望しているかという話をいたしましたら、今度ニューヨークに拠点をつくって、これがどういう拠点かというのは今計画中ですが、そこで竹製品の宣伝をやると。アート的なものは非常に高い商品が多いものですから、コンピューター、インターネットの時代でもありますし、それに対してぜひ支援をしてもらいたいと。 ただ、時間的にもう来年、一年たったら単年度会計ですから切られるのが非常に困るので、それは来年度の計画にしようかと、こう言っていたから、よく調べてみましたら、この法律の中身では約三年間ですね、計画は三年間継続できるような形になっておりますから可能性が出てきたんではないかと思いますが、この点についてきのうもお願いしておりましたが、わかったことがあれば答弁していただきたい。
○国務大臣(平沼赳夫君) 御指摘の点に関しましては計画の認定時に具体的に審査することとなると思いますけれども、今お話がございました別府竹細工の計画につきましては、産地の意欲ある事業者の方々が海外での販路開拓を図るという前向きな取り組みでありまして、活性化計画の対象となり得るものと私どもは考えております。 また、補助対象となる経費の範囲につきましては、原則として事業に必要と認められます謝金、旅費、会場の借料、展示会開催費、新商品開発費等の経費が補助対象となるわけでございまして、十分対象になり得るものと、このように考えております。
○梶原敬義君 今度の法律の非常にいい面といいますか非常に実務的な面というのは、活性化計画というのか補助金、この補助金は聞くところによりますと一件二百万、国が二百万、そしてそれに対応する県が二百万、そういう中身のようでありますが、それは間違いないですか。
○政府参考人(岡本巖君) 二百万というのは原則でございまして、それを上回って多いケースもよければ、もう少し小ぶりの事業をおやりになるというケースも幅広く対象にするという、そういう弾力的に私ども予算の執行に当たっていきたいと考えております。
○梶原敬義君 それではぜひ、ニューヨークに拠点を出すという前向きな生産者の組合の皆さんの意向もあるようでありますから、経済産業省としても対応していただきたいと思います。 ただ、大臣にお願いしたいんですが、こういうのがぽっと出たら、県も急いで対応しようとしているんですが、どうも聞くところによりますと、県も補助金の半分を出すものですからなかなか対応し切れない面があるのではないか。国が急いでやろうとしているのなら、県もそれに合うように指導できないものかどうなのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 当然、この趣旨は国とそして地方が共同で補助事業を行うと、こういうことでございますので、国といたしましても、今具体的なこういう別府の竹細工の例がございますと、当然県と国と意思の疎通を円滑にして、そして共同でこれの支援をする、こういうことは当然のことだと、こういうふうに思っております。
○梶原敬義君 終わります。
○水野誠一君 水野でございます。 各委員からいろいろ御質問がありまして、また御発言もありましたが、我が国の伝統工芸品産業が極めて厳しい状況にあると。これはみんなの共通認識でありますし、また一たん途絶えてしまうともうこれを容易に再生できない、こういう大変貴重な、まさに絶滅種に近い、そういう産業であることも間違いないということから、非常にてこ入れをしなければもういけないと。今こそ、もう非常に残されている時間は短い、そういう危機感もまた私は持っております。 今回の法改正は、基本的にこれまでに行われてきた支援施策を一部見直して、より使いやすくするとともに、より産業活性化にも資するものとするねらいだと理解をしております。しかし、今までもお話、議論がありましたように、伝統工芸産品の支援は大変難しい、デリケートな問題が含まれているということでありますので、こうした一連の施策が実質的な効果に結びつくということを大いに期待したいと思っております。 さて、まずその基本的な点について伺いたいと思うんですが、この法律は昭和四十九年の議員立法により策定されて以来、現在の百九十四品目にまで指定伝統工芸品の数は年々ふえ続けてきたわけでありますが、この指定基準について伺いたいと思います。 法律では、伝統工芸品の定義を、日常生活に使われる工芸品であること、それから製造過程の主要部門が手工業的であること、三番目に、伝統的な技術または技法により製造されるものであること、次が、材料についても伝統的に使用されてきたものが主であること、そしてもう一つ、地域において一定以上の事業者数あるいは従業者数があることなどの条件を定義しているわけでありますが、この基準を満たすことがその品目に大臣指定を受ける条件とされているわけでございます。これが実際どの程度この規定どおり、定義どおりに運用されているかどうかはわかりませんが、これらの今申し上げた五つばかりの条件があるわけですが、この文言についてはいろいろ御意見あるいは議論があるのではないかと考えます。 実際に、私の手元に八九年の新聞記事がございまして、当時通産省が行ったアンケートによると、品目自体が指定を受けても、個々の製品に対して伝統工芸品としてのお墨つきを得るには、指定基準に従って原料や製法などの細かい要件を守らなければならない、それがかえってコストダウンへの足かせになり、生産や販売不振の一因となっているという産地側の不満が述べられています。 こうなりますと、振興するために指定をするんだけど、その条件が非常に厳しいのでかえってコストダウンができなくなって商品が売れないという、これなんか痛しかゆしという状況にもなりかねないという、こういう指摘があるわけであります。 そこで、確認をしたいのでありますが、品目自体が法律上の伝統的工芸品と指定されても個々の製品については認定される場合とされない場合があるとしますと、個々の製品が法律の趣旨に沿った伝統工芸品と判断され、製品に伝統マーク証紙、こういう証紙がございますね、これを張ることが認められるに至る手続というのは一体どうなっているのか、この点についてまず伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 伝統的工芸品の指定を受けた品目の中でも、個々の製品に着目しました場合に、それが伝統的工芸品に当たるというふうに判断されないケースはございます。例えて申しますと、九谷焼は伝統的工芸品でございますけれども、その中で製造過程の主要部分が手作業ではなくて機械によってつくられているというような場合に伝統的工芸品ということには当たらないかと考えます。 この点の実際の確認作業は、今先生のお話にありました伝統工芸品に当たるものについては伝統マークを使った証紙が貼付されることになるわけでございますが、この証紙の発行は伝産協会の事業ですが、実際には個々の産地組合が経済産業大臣が定めました検査の基準に従って伝統工芸品に当たるか否かということについての確認の作業をして、それで合格したものに対してあらかじめ伝産協会から使用許諾を得ております伝統証紙を張るというふうにいたしている次第でございます。
○水野誠一君 今の八九年の新聞記事では、さらにこの産地側からのそうした声を受けて通産省がその認定要件の緩和に乗り出す、こういう書き方をしておりました。 例えば、伊万里焼や有田焼、今お話がありましたが、九谷の例がありましたけれども、手回しろくろだけではなく機械ろくろの使用を認めるとか、あるいは西陣織などについて機織り機にコンピューターを導入してもよいとか、原材料も一部の品目で人工合成品や輸入品を使えるようにするなどについて通産省が検討中というふうに書かれております。 それ以前には、機械ろくろを使っただけでその製品が認定を受けられないなどという状況だったわけでありますから、非常に硬直的で融通のきかない認定要件だったわけでありますが、こうした製品に対する認定要件の見直しあるいは緩和ということ、これは実際この八九年時点でも行われたのだろうと思うんですが、それ以降も順次行われていると考えてよろしいでしょうか。
○副大臣(中山成彬君) お答えいたします。 産地組合が定める検査基準のベースとなります告示内容につきましては、これまでも運用によりまして順次見直しを行ってきております。 例えば、八九年には東京銀器について、新たにすずつけによる部品の接合を認めることといたしましたし、九〇年には大阪唐木指物について、木地仕上げの際にトクサ、ムクの葉以外に、新たにそれらと同等の性質を有するものによって磨くことを認めたほか、岩谷堂たんすにつきまして、木材の乾燥方法として自然乾燥以外に新たに強制乾燥を認めるなどの運用上の見直しを行っております。 また、今回の法改正では、産地側の要望を踏まえまして、このような指定内容の変更を法律上明記することといたしておりますが、これにより、指定の内容が比較的柔軟に変更できるようになるために、産地の製造事業者等が円滑に事業を実施する上で大きなメリットになるものと考えております。
○水野誠一君 ありがとうございました。画一的でない施策をお願いしていきたいと思います。 次に、保護、継承すべき伝統工芸技術がありながら、生活様式の変化や原材料調達の難しさ、あるいは職人の高齢化や後継者問題といった問題は何も日本だけに限ったことじゃなくて、長い歴史と文化を持つ例えばヨーロッパの国々なんかでも多かれ少なかれ共通して存在するテーマではないかと思うわけであります。 いただきました法案の資料の中には、ものつくり大学の議論でもさんざん紹介されていましたドイツのマイスター制度の紹介がありますが、これは職人教育を軸にした制度であって、本法案の議論に当たり比較されるべき制度とはちょっと違う、趣の異なるものだと私は理解をしております。 そこで伺いたいのでありますが、ヨーロッパ諸国あるいは中国あるいはアジア諸国など比較的長い伝統産品の歴史のあるところですね、そういう国や自治体が産地に対して直接間接の支援を行っている国がほかに事例があるかどうか、その点について研究されているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 特別の研究をやったというほどではないんですけれども、私どもこれまで承知しております限りにおいて、我が国が講じておりますこういった施策を用意している国はほかにはございません。
○水野誠一君 そういう意味からも非常にこれはユニークな施策だということになるのかなとも思うのでありますが、私もちょっといろいろ文献を調べていく中で興味深い記事がございまして、それによりますと、イタリアでは政府が指定した産地振興地域というのが約二百あるんだそうです。そのうち約八割を繊維、家具、機械、皮革製品などの伝統産業分野が占めているということであります。これはこれで本法案がねらいとしているような伝統工芸品の振興というよりはもうちょっと一般的な中小企業、零細企業支援に近いものなのかもしれませんが、イタリアの中小企業、とりわけ製造業における活力の高さ、そのレベルの高さというのは、私もこの委員会で何度か紹介させていただいたのでありますが、大変定評があるところであります。 産地に形成された企業間ネットワーク、これができておりまして、そこが独自にマーケティング機能を持って、高度に専門化された各工程を受け持つ独立零細企業が存在するという、そういう一種の組織ができている、ネットワークができているということには、私は大変学ぶべき点が多いのではないかと思っています。特に、今申し上げたネットワークの中でも大事なことは、マーケティング機能を有する企業がオーガナイザーとしてほかの零細企業をコーディネートするという仕組みになっている。これは日本で言う下請の仕組みとはちょっと異なる仕組みだと思っています。 このオーガナイザーというのは国内市場のみならず国際見本市などを通じて国際市場にも参入して、またその商品企画も行っていく、こうした付加価値の高い製品を多品種少量で迅速に市場に供給することが可能になっているという点が、私はマーケティング上の視点からも非常にイタリアの零細企業を活性化させていく、あるいは伝統産品を活性化させていくということに大いに貢献していると信じております。 先ほどもどなたからか御指摘あったんですが、伝統工芸品といえども売れる商品づくり、これをしない限り、幾ら保護をしていってもこれはもう存続していけないわけでありまして、今回の法改正の中では共同振興計画の作成主体に流通や小売事業者を追加するという点が加えられております。これは私は大変評価するところでありますけれども、しかしこれだけではイタリアに見るような大胆なマーケティングの視点の導入あるいは新しい需要の開拓には必ずしもつながらないんじゃないか、どうもインパクトが多少不足しているのではないかなと思うわけでありますが、まさに売れる商品づくりの視点に立った何かほかの施策というものを今回お考えになっておられるのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、水野先生はイタリアの例を引かれました。北イタリアで絹の産地であるコモ湖周辺、こういったところが非常に有機的に結合されておりまして、それがヨーロッパを代表するブランド商品に結びついて非常に発展を見ている、そういったことは確かにイタリアで数多くある例だと思っております。 伝統的工芸品産業における消費者ニーズの把握の重要性につきましては、昨年十一月の伝統的工芸品産業審議会答申においても明記をされているところでございまして、このため、御指摘のとおり、今回の法改正におきまして共同振興計画の作成主体に商社あるいは百貨店等の販売事業者を追加するとともに、予算措置として新たに産地プロデューサー、こういった事業を追加させていただきました。そういう形で、有機的な連携を図る、そして需要開拓をする、こういう観点からプロデューサー、こういう制度を導入させていただきました。 何より重要なのは産地の製造事業者自身の主体的な取り組みだと、このような認識に基づきまして、今回の法改正では活性化計画や連携活性化計画を新設いたしまして、産地内の少数グループや産地間の連携による主体的な新商品の開発、製造を支援することにいたしました。また、財団法人伝統的工芸品産業振興協会で昨年度から販売促進支援事業といたしまして、消費者による商品モニタリングを通じた消費者ニーズの把握と産地への周知徹底、こういうことを行っております。 当省といたしましては、イタリアの例を見るまでもなく、大変これは需要喚起に大きな意味があることでございますので、産地における売れる商品づくりがさらに推進されるように努力を傾けていきたい、このように思っております。
○水野誠一君 最後にちょっと自治体との関係をお尋ねしたいんですが、産地別の指定工芸品リストを拝見しますと、なぜか北海道、千葉県、熊本県が指定品目ゼロなんですね。こういったところに継承されるべき伝統工芸品がないとは思いにくいのでありますが、何か考えられる原因がほかにあるのでございましょうか。 そういう視点からも、本法律の運用に当たって自治体との連携というのは一体どうなっているのか、そこについてちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(岡本巖君) 御指摘の三県につきましては、これまで私どもの方に指定の申し出がございませんでした。この中で、北海道についてはやや伝統性の要件を満たす工芸品が少ないという事情があろうかと思いますし、それから、実際ほかの地域につきましても、指定の申し出をなさるに当たって産地の中で意見が集約されてまとまるというところが一つのポイントになってくるわけですが、そういった面で難しさを抱えているという地元もあるやに伺っておりまして、基本的には地元からの申し出がないものですから、御指摘の三県については今指定していない次第でございます。 それから、各都道府県との関係は、本委員会でのこれまでの御審議の中で大臣を初め繰り返し御説明申し上げておりますように、私ども各都道府県と密に連絡を取り合って一緒になってそれぞれの指定産地の振興を図るということで、文字どおりそういう姿勢でこれからも臨んでいきたいと考えております。
○水野誠一君 ありがとうございました。 伝統を守るということは決して変化を拒むということではないはずでございまして、生活様式の変化、これはとめられない流れだと思いますし、これからも市場ニーズに合わせて供給者側のニーズに柔軟に対応していかねばならないと。つまり、伝統を守りつつ新しい世界を切り開いていくという、二律背反するように思われるんですが、実はこれ非常に重要な同時達成しなければいけないテーマだと思います。私は、そういう視点からも、画一的ではないやっぱりフレキシブルな施策というものをぜひ今後とも進めていっていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○渡辺秀央君 大分もう議論が出尽くして、同じことを質問して、見方、考え方の角度を変えて話をしてみてもしょせんは始まらないと思っておりますが、冒頭に先ほど来の議論、午前中もいわゆる伝統工芸品の生産あるいはまた伝承者、技術、そういう文化をどう守るか、また地域の特産、産業としてどう発展させるか、こういうことなんですよね。 もう一つ、私の記憶では、昭和三十七年から昭和五十三年まで、二年に一回程度だったと思うんですけれども、十回ぐらい海外の港に日本のさくら丸という船を使ってジェトロが日本の商品をやったという記憶があります。国内もそうだが国際的にももう少し、今のずっと一連の質問から私は先にちょっと同じ脈絡で申し上げてみたいと思ったんですが、もうちょっとほかに質問もあるんですけれども、時間も時間ですから。 これはもうまさに政府として船をつくることも、かつて私は造船技術が、日本が一時船をつくるのが少なくなって、もう見る影もなくなる、造船技術の伝承すら難しいという時代があったんですよ。そのときにちょうど私は官邸におりましたので、ある政党の責任者から陳情を受けまして、政府として少し真剣に考えろということでお手伝いした記憶があります。 例えば、そういうような船をつくること、しかもその船の中の造作、これも伝統工芸に満ちたぐらいのそういうことまで考えて、そして中に置く商品は日本の代表する、これは単なるアイデアと言われてしまえばそれで終わりだが、しかしこれから先の日本の紹介、日本の文化を継承しようとしている人たちに対する、特に若い人たちにそういう意欲を持たせるのにも一つのことではないか。 どうも国内だけを見、そして海外に大量に売り込む、そういうことだけじゃなくて、そういうことのベースを少し経済産業大臣、思い切って考えてみられたらいかがですか。お感じをどうですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変先生懐かしいさくら丸のお話をしていただいて、私も記憶がございまして、さくら丸の仕事に従事するたまたま知人がおりまして、そしてその出港を見送ったことがあります。その出港に際して、船内に入りましたら、当時の日本の産業産品、それから伝統工芸の産品もずっと陳列して、それが御承知のように世界の港々を回って、そして当時は、ジェトロというのはいわゆる輸出立国のその使命を担っておりましたから、まさにそういう形で、輸出を奨励するという形で世界をずっと周航していたわけです。しかし最近は、どちらかというとジェトロの機能も輸入促進という形に変わってきたことは渡辺先生御承知のとおりです。 しかし、御指摘のように、やはりこういう伝統的な工芸産品というものを世界に知らしめる、また若い人たちも、先ほどの議論を通じていろいろ御意見がありましたけれども、若い人たちも日本の誇るべきこういった伝統工芸産品に関心を持つ、こういうことは絶対に必要なことだと思っております。 ですから、そういう意味で、やはり海外に対しては今のやり方で、例えば博多織でニューヨークでそういう展覧会を開いて、そしてブランドとして確立した、こういうような事例もございますし、また今はグローバライゼーションの中でインターネットですべてそういうことで結ばれておりますから、そういう中で若い人も参画していただいて、そういう日本の伝統工芸産品というふうなものも世界にPRをしていく、そういう形で、こういう今の現代に生かしたさくら丸構想というものをまた進めていく、そのことは私は非常に必要なことだと、このように認識しております。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。 私、もう一つは、そういうことを通じて日本の技術というもの、あるいはまたその文化、どういうルーツで来ているかというところまで行くんですね。そういう意味では非常に底深いものになっていくんじゃないか、文化というなら。そういったこともひとつ今の大臣の御所見を聞いて大変期待をいたしていきたいと思います。 私の出身地でも、先ほども仏壇の話がありましたが、仏壇を初め桐だんすから織物からあるいは刃物から、もうとにかく限りなく実は新潟県というのは多いんです。さっきのこれを指定する場合の手順の、これも同僚議員の質問の中で取り上げたことで申しわけないですが、要するにいつごろから始まっている技術かとか、しかしそういうものは文献が残っていないのもあるわけで、私、具体的には越後の与板の刃物というのは与板打ち刃物というんですが、これを伝統工芸に指定してもらうのに往生したんです。町じゅう焼けて、昔のやつがないんですよね。言い伝えなんだ、何百年という。だからそういうこともありますし、なかなか難しいだろうと思う。 しかし、私は、伝統工芸というのはまさに伝統工芸であって、そしてまた文化の継承であって、そしてだれしもが継承し得る技術、技能ではないということを考えていきますと、これは大臣、今すぐの回答は必要ありませんが、我が国日本の文化をどう守るかという大きな中で考えたときには、ちょっと今のような施策、私はこの法案には賛成しますよ、賛成はいたします、そのことはちゃんと意思表明をした上で申し上げるんですが、こういう世の中になっていけばなっていくほど非常に大事に考えていかなければならない分野ではないかなということを基本的な認識として、そこでそれを守っていくのに、いろんな御質問が今までありましたが、例えば文化財保護法との関連、これは伝統工芸技術保存の文化財保護法というのが、伝産法とあるわけですけれども、産業振興政策としてある伝産法、そして伝統工芸技術保存の文化財保護法、この両輪の関係で、これがうまくかみ合っていきませんとなかなかこの文化の継承は難しかろうと。 そういう意味で、きょうは文化庁からも来ていただいているわけでありますが、通産省の地域産業あるいは伝統技術というものと同時に、この重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝、こういうこととの兼ね合いも考えていく必要がある。 そのために、一つは税制措置、融資のことはきょうはもう時間もあれですからよします。税制問題というのは、相当思い切ってやったらどうか。 それから、文化庁の人、要するに二百万程度の国宝の手当なんというのは、これはもう十年も二十年も前の話だね。やっぱりそういうことは、これは私は全部資料を持っていますが、どれぐらいの人たちが指定を受けているかというのも、およそ知れた話だ、年間五百万やっても一千万やっても。むしろ、そのことから生み出してくる産業効果あるいははね返ってくる税収を考えたら、それは僕はかえって大きな効果が国家としてある。そういうことをもう少しダイナミックに考えて政策を少し切りかえたらどうかねと、この二十一世紀に入って。 もう今までもそうだけれども、私は自民党の中にどっぷり二十年もつかってきた人間だから悪口を言うわけじゃないが、どうもちまちまとした積み上げ方式で来ている、政策が。だから、思い切った改革といっても何も基本を全部否定した上での改革というんじゃないが、思い切った、これから将来を展望して、この種のものがどう生き残り、かつ国の発展、民族の発展と民族の共存共栄をしていくものに資するかという角度で物事を考える、特に文化の関係はそうじゃないかという感じがします。 文化庁、本当は長官にきょうは来てもらって、佐々木さんとも議論をしたかったんだけれども、そういうことについてぜひ一言意見も聞いて、かつ前向きにそういうことは検討されたらいいということを申し上げ、経済産業大臣から、文化庁との兼ね合いも無形文化、人間国宝、そしてこの伝統工芸との兼ね合い、ここらも連携をおとりになって、強力な日本の文化の伝承をやっていくことを御期待申し上げたいと思いますが、御所見を承りたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今先生の方からお話がございましたように、文化財保護法に基づきまして、我が国の伝統的な芸能や工芸技術のうち、歴史上または芸術上非常に価値の高いものを重要無形文化財ということで指定をしているわけでございます。これはそのわざを持っておられる保持者の方、いわゆる人間国宝という指定の仕方と、そのわざを持っておられる方々の団体を保持団体ということで認定をして、保存、継承、公開に努めているところでございます。 いわゆる人間国宝に対する後継者養成、技能の錬磨を行うための助成金は年間二百万円ということで、ここずっと据え置きになっているわけでございますが、文化庁としては、この保持者をふやすということで人間国宝の数の拡充ということを進めてきております。平成十三年度もその人数の拡充を図る予定にしております。 また、いわゆる重要無形文化財保持団体につきましても、伝承者の養成事業に対してもその経費を補助いたしまして、わざの錬磨、向上あるいは後継者の養成を図っているところでございます。 また、こういう重要無形文化財の重要性を理解する機会として、「日本のわざと美」という展覧会を毎年開催して広く国民一般への公開、普及も図っているところでございます。 ただいま先生の方からこういった重要無形文化財の保存、伝承のための施策の一層の充実というお話があったわけでございますが、私ども、文化財保護審議会という審議会を持っておりまして、この中で新しい時代に即した文化財保護のあり方について今検討を進めているところでございまして、こういった中でも今後の文化財保護行政の充実について十分研究してまいりたいと考えております。
○国務大臣(平沼赳夫君) 渡辺先生御指摘の文化の伝承というのは本当に大切なことだと思っております。 私の地元の例を出させていただきますと、伝統工芸産業、備前焼というのがございまして、そこには人間国宝がおられます。それがおられることによって非常に全体の備前焼という産業の質を高めている。その中にまた地方自治体で県の重要無形文化財、こういう形でそういう千年から成る備前焼の伝統というものが守られ、そしてどんどん新規にこの道に入ってくる人たちも多くて、全体的には日本の場合には衰退しておりますけれども、そういう中で備前焼というのは非常に健闘している、そういうふうに私は思っております。それはやはりそういう長い伝統がございましたから、人間国宝というようなものがあり、さらに県の方も、地方自治体として力を入れて県の無形文化財、そういうシステムができているわけです。ですから、そういう一つのディグニティーを与える。 そして、今この伝統の工芸品産業に関しましては、先生御承知のように、工芸のいわゆる技能を持っている方々を特定に認めて、そしてそういう方々が中核になって文化伝承、これをやっていただくと、こういうことになっておりますので、そういう伝統工芸士、この制度ももう少し拡充をしながら、その文化の種を消さないように我々は努力をしていかなきゃならない、文化庁ともタイアップをしながらやらせていただきたい、こういうふうに思っています。
○渡辺秀央君 ありがとうございました。ぜひそう期待をいたしております。 文化庁には特に申し上げておきますが、審議会、その審議会が問題なんです、古い。それから、派閥、系統、そういうものでね。だから、そういうことをオープンにしなさいと。それによって思い切った助成措置ということを考えて、人間国宝の人たちあるいはその団体等がもう少し羽ばたいてやれるようにしたらどうかと。それがまさに産業の発展にもつながるし、文化をまた若い人たちが継承していこうとする意欲にもつながるということだと思うので、あえて申し上げているわけです。ぜひお伝えしておいてください。 それから、大臣が今おっしゃったこと、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 そこで、時間がもうなくなりました。ちょっと私の感じを申し上げて御検討をしておいていただきたいと思うのは、今言った税制問題、これをぜひ思い切って考えるべきだと思います。 あるいはまた、もう一つは、いわゆる貸付制度ですね。これも、商工中金、国民公庫あるいは中小公庫、政府三機関というのはあるんですね。まさに人間国宝だとかあるいは技術を持っている人とかというのはその人に価値があるわけで、担保はその人だね、そうでしょう。だから、そういうことを考えるならば、相当なことを考えてもいいはずなんですよね。ところが、そういう一つの技術あるいは文化に傾倒している、没頭してきた人たちというのは、財形は極めて不得意な方でしょう。だから、私は申し上げるんです。 そういうこともぜひおもんぱかってやっていきませんと、このせっかくの法律あるいはまた我々が政治の場でこういう議論をして日本の大事な伝統的な文化、技術を継承していく下地をつくろうとしても、そういう意欲がなくなっては何にもならぬので、我々としてはそういうことにもおもんぱかっていろんな現象をとらえていかなきゃいかぬのではないかということを感じまして、私は一言、同僚議員の皆さんの今までの質問に全面的に賛意を表しながら、若干の私の感じを、ちょっとダブらないところを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(加藤紀文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤紀文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十四分散会