経済産業委員会 第3号
- 発言数
- 127 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/03/22
会議録
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十三年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官小林勇造君、内閣府政策統括官岩田一政君、内閣府経済社会総合研究所次長牛嶋俊一郎君、金融庁監督局長高木祥吉君、経済産業省経済産業政策局長村田成二君、経済産業省産業技術環境局長日下一正君、経済産業省製造産業局次長小平信因君、経済産業省商務情報政策局長太田信一郎君、資源エネルギー庁長官河野博文君及び中小企業庁長官中村利雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成十三年度一般会計予算外二案の委嘱審査のため、本日の委員会に預金保険機構理事長松田昇君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) 去る三月十九日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 平沼経済産業大臣から説明を求めます。平沼経済産業大臣。
○国務大臣(平沼赳夫君) おはようございます。 平成十三年度の経済産業省関係予算等について御説明申し上げます。 我が国の経済は、米国経済の減速を受け輸出や生産が減少するなど、これまで緩やかに続いていた景気回復が踊り場に至っていると認識をしております。この状況を脱し、経済を一日も早く民需中心の自律的な回復軌道に乗せるため、昨年十月に決定した日本新生のための新発展政策を着実に実行に移し、今年度の補正予算の迅速かつ的確な執行を行うとともに、平成十三年度予算成立の暁には、そこに盛り込まれている諸施策の効果的な推進に努めてまいります。 また、昨年十二月に策定された新たな経済成長に向けての行動計画に盛り込まれた諸施策を強力に推進し、我が国の中長期的な発展基盤の構築に鋭意邁進してまいります。 このような認識のもと、経済産業省といたしましては、平成十三年度において、以下の五つの重点項目に沿って、全力を挙げて政策の遂行に取り組む所存であります。 平成十三年度の経済産業政策の第一の柱は、日本新生プランの推進であります。 二十一世紀における我が国の新たな発展基盤を構築していくために、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化社会への対応、都市基盤の整備の重点四分野を中心とする日本新生プランを強力に推進することが重要であります。 このうち、IT革命の推進については、国民すべてがITのメリットを享受できるIT社会の創造、ITの活用による産業の生産性の向上等の経済構造改革、我が国と経済相互依存関係の深いアジアにおけるIT革命の推進のための施策を講じてまいります。 環境問題への対応については、大量生産、大量消費、大量廃棄という経済社会のあり方を抜本的に見直し、効率的な循環型経済システムを構築するとともに、地球温暖化問題、ダイオキシンやいわゆる環境ホルモン等の化学物質問題に対する総合的な対策を講じてまいります。 高齢化社会の対応については、安心して暮らせる高齢化社会の実現のために、バイオ等の先端科学の医療技術への活用、医療・福祉サービスの情報化や高齢者特性データベースの整備を進めるとともに、意欲と能力のある高齢者の雇用や就労の促進等へ向けた取り組みを行ってまいります。 都市基盤の整備については、IT産業等の都市型の新産業の創出や商業活性化のための支援を行うことにより、都市の利便性や競争力を向上させ、都市経済の新生を図ってまいります。 第二の柱は、技術開発の推進であります。 科学技術の振興は、新産業の創出を図るとともに、我が国の知的基盤を豊かにするものであり、未来への先行投資と言えるものであります。このため、新たに設置された総合科学技術会議の議を経て決定される科学技術基本計画に基づき、将来の経済や産業の発展を支えるライフサイエンス、情報通信、環境、材料ナノテクノロジー等の技術分野に戦略的に資金、人材等の資源を投入するほか、我が国の研究開発システムをより開かれた効率的なものとすべく、競争的で柔軟な研究環境の整備に取り組んでまいります。 第三の柱は、中小企業政策であります。 新たな産業と雇用を創出する担い手である中小企業が、現下の厳しい経済環境を克服し、活力を持って発展を遂げるよう、IT革命への円滑な対応を初め多様なニーズにきめ細かにこたえるための経営支援体制の充実と経営基盤の強化、創業や経営革新の促進、中心市街地と中小商業の活性化に重点を置き、中小企業政策に全力で取り組んでまいります。 第四の柱は、エネルギー政策であります。 国民生活及び産業経済の基盤となるエネルギーの安定供給の確保や温室効果ガスの排出抑制等の地球環境問題への対応を図ることはもとより、こうした問題を新たな成長要因に転換できる経済社会システムを構築していくことが重要であります。そのため、資源の安定供給の確保、新エネルギーの一層の効率的かつ効果的な導入、安全に万全を期した原子力政策、省エネルギーの推進等、各分野にわたる対策を着実に実施いたします。 第五の柱は、戦略的な対外経済政策の推進であります。 近年の経済のグローバル化を踏まえ、我が国の経済発展を支える基盤を構築するため、国内政策と一体となった対外経済政策の展開に取り組んでまいります。特に我が国経済と相互依存関係にあるアジア諸国に対し、経済構造改革、IT革命の推進等の支援を実施してまいります。 以上申し上げました平成十三年度の経済産業政策を実施していくため、一般会計では総額九千三百五億円を計上しております。また、特別会計については、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計に総額七千七百四億円、電源開発促進対策特別会計に総額四千八百六十二億円を計上するなど、四つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。 さらに、財政投融資計画につきましても、日本新生プランの推進や経済構造改革の加速的推進のために、所要の措置を講じております。 平成十三年度経済産業省予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますので、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いを申し上げます。ありがとうございました。
○委員長(加藤紀文君) 次に、根來公正取引委員会委員長から説明を求めます。根來公正取引委員会委員長。
○政府特別補佐人(根來泰周君) 平成十三年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。 総務省所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は、六十億三千六百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で一億三千三百万円、二・三%の増額となっております。うち、人件費は七千六百万円の増となっておりますが、この中には違反事件の処理を担当する部門を中心とした十一名の増員のための経費等が含まれております。また、物件費は五千八百万円の増となっておりますが、この中には、対消費者電子商取引実態調査・規制関係経費及び不当廉売調査等のための経費が含まれております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、いわゆる独占禁止法の施行経費等として五十八億円を計上しております。 これは、違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策を講ずるための経費など、独占禁止法を厳正に運用し、法運用の透明性を確保するとともに、規制緩和の推進及び規制緩和後の市場の公正な競争秩序の確保を図ることにより、競争政策を積極的に展開するための経費であります。 第二に、下請代金支払遅延等防止法、いわゆる下請法の施行経費として五千六百万円を計上しております。 これは、下請法の厳正な運用と啓発普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法の施行経費として一億八千万円を計上しております。 これは、景品表示行政を積極的に推進し、公正な競争を維持促進することにより、消費者利益の保護を図るための経費であります。 以上、平成十三年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
○委員長(加藤紀文君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加納時男君 自民党の加納時男でございます。 先ほど平沼大臣から経済産業省関係予算等の説明があり、しっかりお聞きしました。 その中で、第四の柱としてエネルギー政策が取り上げられており、「国民生活及び産業経済の基盤となるエネルギーの安定供給の確保や温室効果ガスの排出抑制等の地球環境問題への対応を図ることはもとより、こうした問題を新たな成長要因に転換できる経済社会システムを構築していくことが重要」ということに伺ったわけであります。この趣旨、全く賛成でございます。全面的に賛成でございます。ぜひこの方向で政策調整をやっていただきたいと思います。 その観点から、まず大臣に伺いたいと思います。 きょうは三月二十二日でございます。ちょうど今から一年と一日前、平成十二年三月二十一日に電力、ガスの自由化のいわゆる第二弾というのが実施されたわけでございます。あれからちょうど一年たったところで、この自由化第二弾、第一弾も含めて結構でございますが、光と影があると思います。非常に大きな成果が上がったところ、あるいは成果が上がりつつあるところ、それと同時に、影といいますか、これから克服しなきゃならない課題もあるかと思いますが、そのあたりについて御所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきます。 加納委員御指摘のとおり、昨年三月に電気事業法、一昨年十一月にはガス事業法において大口部門の自由化の導入の促進を内容とする制度改正が行われました。 電力については、改正電気事業法施行後、既に既存の電力会社以外の事業者が参入をいたしまして価格競争が行われているところでございます。また、自由化されていない部門についても、昨年十月の料金改定においては、電力会社十社で平均五・四%の引き下げが実施されました。そういう効果は私はあったと思っております。 ガスについても、一昨年十一月に施行された改正ガス事業法により小売の部分自由化の範囲拡大が行われまして、既存のガス会社以外の事業者の参入によって価格競争が行われているところであります。また、自由化されていない部門についても、新制度実施後、大手ガス会社を中心に約三%から五%程度の料金引き下げが行われているところでございまして、これも一定の効果があったと思っています。 今後とも、改正電気事業法及び改正ガス事業法の趣旨を踏まえまして、事業者がさらなる経営努力を積み重ねることにより一層のコストダウンが図られていくことを期待いたしております。 行政としても、自由化部門の価格調査、既存の電力・ガス会社と新規事業者との間の紛争事例の迅速な把握、公表等に努めており、現行制度の適切な運用を通じて、我が国エネルギー市場での公正な競争促進に努めてまいりたいと思っておりまして、確かにそういう効果が上がった一方、部分自由化の先には世界の流れの中で完全自由化ということも視野にあるわけでありますけれども、しかし一つは影の部分と、こういうふうに言えるかもしれませんが、アメリカのカリフォルニアにおきまして大変電力事情が逼迫をして大規模な停電が行われる、こういうことがございました。 こういう中で、我々といたしましても、よく検証をしながら、そして利用者のニーズにこたえるために、こういった問題をしっかりと把握をしながら全力で務めてまいりたい、このように思っています。
○加納時男君 ありがとうございました。 今のお話、光の面としては、自由化部分の料金の引き下げだけでなく非自由化部分も料金が下がってきているということ、それからいわば送電線へのアクセスあるいはガスパイプラインへのアクセス、こういった部分についてのいろんなトラブルといいますか苦情あるいは要請というものに対する対応も図ることができた。何といっても新しい市場参加の機会といいますか、オポチュニティーができたということは成果であろうと、私も同感でございます。 今後の課題として、今大臣は、世界の流れの中で完全自由化もあるけれども、カリフォルニアの例もこれあり、よく勉強しながら進めていきたいということで、私はその御答弁、結構だと思います。ありがとうございました。 そこで、あえて伺いたいと思うんですけれども、これまで影というところで余り言われていなかったことで、今カリフォルニアという例を挙げられましたけれども、アメリカのエネルギー資本をバックとする政府要求もかなり日本に来ていることも存じ上げておりますし、この二、三週間で数人の米政府の高官、ブッシュに指名されたポリティカルアポインティーの高官も訪ねてまいりました。また、アメリカの駐日大使館からも幹部の方が、大使に極めて近い方が直接訪ねてこられたり、きのうも来られたり、いろんな方々が私の事務所にも来られて議論しているところでございますけれども、おっしゃることは必ず料金の引き下げなり自由化の促進、完全自由化の話ばかりなんですね。 そこで、影とはあえて言わないんですけれども、先ほどの大臣の御説明を伺っていますと、安定供給、地球環境保全を図ることはもとよりというので経済政策があると、こうおっしゃったんですが、この「もとより」といった部分について、つまりもっと言いかえると供給の信頼性、必需の際に停電がないこと、あるいは地球環境問題に対応できるようなエネルギー政策という面で、これまでの役所のやってこられた自由化政策というのは課題はなかったのかあったのか、そこはどうでしょうか。
○副大臣(松田岩夫君) 加納先生がただいまいわゆる自由化の問題とそれに伴う影の部分といいましょうか、環境保全の問題とか、そういったことの関連をどう考えているのかという御質問かと思いますけれども、御指摘のとおり、電気事業は言うまでもありませんがやっぱり割高だと、日本は。一層効率化を追求していただいて、国民経済社会にもっと安価な電気を供給していただく、この目標もなお一層追求していかなければなりませんけれども、同時にまた環境保全や、特に最近のカリフォルニアの経験に学びますところは、いかに安定供給というものを確保していくかという課題にもまさに同じ重みで対応していくことが必要でございます。 このため、昨年三月から開始されましたこの部分自由化の中でも、もう先生御案内のとおりでありますが、いわゆる原子力発電とか水力発電というエネルギーセキュリティーの確保とかあるいは環境保全の観点から見ますと必要な電源でございます。こういったものにつきましては、例えば非常に需要が小さいとき、正月やゴールデンウイークの明け方などといったときには優先的に給電指令をかける制度を設けることによりまして、その発電量が制約されないように配慮しているところでございます。 また、御案内のとおり、今申したような、大きく言えば三つの目標を同時に追求していくという課題、これから、こうして部分自由化が始まったわけでありますけれども、おおむね三年後を目途に自由化に係ります制度の検証が行われることとされております。その際の検証の視点としては、今先生御指摘の視点十分含めましてどう対応していくのか、さらに検討していくことといたしていることは御案内のとおりでございます。
○加納時男君 どうも御苦労さまでした。 今ちょっと気になることがあったのは、原子力とか水力に対して優先給電指令をやっているから環境保全を図っているんだというけれども、これはちょっと変だと思うんですね。これは、何もだれにも言われることなく、当然のことながらベースロードとして原子力を運転する、負荷が小さいときでもベースで先取りするというのは経営者としては当たり前のことなんで、経営原則で、市場原理でこれは行われていることであります。水力もランニングコストが安いわけですから、原子力とか水力のようにランニングコストの安いものをベースで行うということは、足立委員も専門家でいらっしゃいますけれども、こういうことはいわば常識の話なので、わざわざ御指示いただかなくてもできることなので、そのかわりにやはり環境問題を配慮した政策の方をぜひ考えてほしいということをあえて申し上げておきたいと思います。 それから、今、電気料金、ガス料金は国際的に割高だ、確かに私も名目で見ると高いのは認めます。しかし、この差は急速に円安化によって接近をしてきているということが一つ。それから二つ目には、この十年間で電気で言うと約二〇%、これはだれに命令されたんじゃなくて自主的な効率化努力で、労働組合の大変な協力があったわけですけれども、自主的な効率化努力で約二〇%も下げてきた。だから、皆さん高い高いと言うけれども、かなり下がってきている。それが何より証拠には、国民は規制緩和を第一に求めているのか、違いますよ。これは、総理府の世論調査を見ました。エネルギー政策に何を求めるのか。規制緩和、自由化。アメリカなり日本の一部の規制緩和に名をかりて、新しい商売をやろうとしている方が声高に叫んでいる高い高いという大合唱は国民の大合唱かというと違う、そういう声があるのは間違いありません。 一番に出てきたのは、エネルギー政策については、供給も需要もそうですけれども、環境適合性、環境に合うエネルギー政策、まさに国民が望んでいるエネルギー政策、環境が第一だということであります。第二にあるのが供給の安定性。じゃ三番目が規制緩和かというと、ないんですね。上の五つ見ても入っておりません。ずっと調べていくと、七番目にやっと規制緩和というのが出てきます。規制緩和、値下げというのは、実は国民にとっては余り関心事ではない、七番目だということも頭に置いていただいて、私は別に役所の行政が間違っているとかなんとかきょう言うつもりはありませんけれども、ぜひともそういった国民が環境を何よりも大事にしているということ、それから供給の信頼性を、これはカリフォルニアの事故の前の世論調査ですけれども、非常に心配しているということを頭に置いていただきながら、その上で市場原理になじむ分野での自由化をやることは私大賛成でございますので、ぜひ進めていただきたいということで、先ほどの大臣の答弁のとおりで結構だと思っております。 そこで、環境ということで次の質問に入りたいと思うんですけれども、自由化の第一弾で、電力ではIPPと言っておりますけれども、独立系電気事業者、発電市場に新規参入が認められるようになった。それから、去年からはPPSと言っておりますけれども発電及び供給事業者というものが登場したわけでございます。 きょうは、IPPに絞って伺おうかと思いますけれども、IPPについて、どういう燃料を使っているんでしょうかということを、わかる範囲で結構でございます。件数とか、そのうち石炭とか石油とか天然ガスとか、そういったものの件数が何件か。大ざっぱで結構です、よろしくお願いします。
○政府参考人(河野博文君) 今御指摘のように、平成七年の電気事業法改正によりまして卸電力の入札制度が導入されたわけでございますが、火力電源を募集対象といたしまして募集をしましたところ、一部の例外を除きましてすべて化石燃料を使用しているという状況にございます。 具体的に申し上げますと、平成八年度から十一年度までの入札実績でIPPの落札結果は、石油系の燃料を使用するもの十九件、二百三万キロワット余り、石炭を使用するもの十七件、三百六十七万キロワット強、LNG等を使用するもの五件、九十八万キロワット余、その他一件、五万キロワット強であります。したがって、ほとんど化石燃料による発電という状況でございます。
○加納時男君 河野長官、ありがとうございました。 わかりましたけれども、その他というのは非化石燃料でしょうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) その他と御説明しましたのは、私どもの分類では非化石燃料に属すると考えております。五・四五万キロワットでございます。これは製鋼プロセスに使いますコークスの余熱を利用した発電でございます。
○加納時男君 ありがとうございました。 今伺いますと約四十二件ですか、ある中で、ほとんど全部化石燃料ですよね。しかも、第一位が石炭だと。その次が石油だ、残渣油だと思いますけれども石油だということですね。天然ガスは環境に相対的にはクリーンなんですけれども、非常にウエートは小さいということなんですね。 このIPPについては前にもこの委員会で一回取り上げたことがありますけれども、入札して落札して契約して、まさにもう当てにしていた五十五万キロワットですか、このアメリカ系の外資系でありますけれども、そういったものがよく考えたら環境コストが高いからやめたといって土壇場でキャンセルするという大変に供給の信頼性なんかを無視した行動をとられたことは気になっているところ、それから今伺ったようにほとんど化石燃料ばかりであると、こういったようなことはちょっと気になるんです。 ひとつまた、きょうの原点に戻って、先ほどの大臣の最初の所信に戻るわけですけれども、環境だとか供給の安定性とかということを当然のこととするのはもとより、そして市場原理をやっていくんだというこのお話の、「もとより」のところがどうもこのIPPでは私、若干懸念されるんですけれども、これについてはいいでしょうか、心配ないんでしょうか。
○政府参考人(河野博文君) 現時点では、御紹介したようなIPPの参入も限られたものとなっております。今後、これはどのように推移するか、またいわゆる先生御指摘の平成七年が第一弾としますと、次の段階は第三弾ということになるかもしれませんが、昨年の三月から見て、三年後に検討されるべき次の段階の自由化といいますか、その検討プロセスの中でこういった問題も検討していく重要な課題だと認識をしております。
○加納時男君 わかりました。よくこれからも研究していただきたいという希望だけを申し上げておきたいと思います。 先ほど大臣は、お話の中でカリフォルニアの大規模な停電ということにも触れられました。これは実はきのうの英字新聞でございますけれども、見出しだけでもごらんになれるかと思いますけれども、大変な見出しがついております。これはサンフランシスコ発のロイターの記事でございますけれども、日本語で読みますと、停電がディムというんですから、カリフォルニアをたそがれというか暗くしたと。その次にもすごいことが書いてありまして、オフィシャルズ・スクランブル・ツー・セーブ・パワー・グリッド・フロム・メルトダウンという言葉を使っております。 メルトダウンからカリフォルニアを救うために、特に送電網の壊滅の危機を救うために政府が緊急出動、日本語で言うとそういう訳になるかと思うんですけれども、中身を見てみますと、カリフォルニアの電力需給は逼迫してきて、百万件の消費者、この中には一般の家庭も、それから病院の救急医療の人もすべて入るわけであります、中小企業も入ると書いてありましたけれども、そういうふうに輪番停電を実施している。新聞ですから、大変記事としてはドラスチックに書いてありますが、ビバリーヒルズからシリコンバレーに至る広範な地域でまた大規模な停電が起こった。これは去年から三回目、去年の夏、ことしの一月、それからことしの三月十九日でありますが、三回目である。これは恒常化してきているという記事でございます。 このカリフォルニアの電力危機、いろんな意見があるのは承知しておりますし、また行政においても民間においても調査団も派遣されているやに聞きますが、細かい資料等はこれから出てくるんだと思いますけれども、こういった新聞記事等ももとにした所感でございますね、どんなことを感じられるか。カリフォルニアの電力危機から何を学ぶか、こういったことを伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 先ほども申し上げましたように、電力の自由化というのはグローバリゼーションの中の一つの流れだと思っております。一方で、今、加納委員から御指摘がございました今回の三次に及ぶカリフォルニア州の電力の逼迫にかんがみまして、安定供給ということが非常に重要だと、こういうことが私は浮き彫りになったと思っています。自由化を検討していく今後の我が国のあり方の中で、カリフォルニア州のこの電力の逼迫というのはまさに他山の石として、教訓として我々は銘記していかなければならない問題だと思っています。 ですから、私も第一回の停電が起きたときに、役所で、これを他山の石としてしっかり検証しなきゃいけない、こういう指示を出させていただきました。その結果、このような問題意識も踏まえまして、委員御承知だと思いますが、欧米に調査団を派遣させていただきまして、詳細な検証を行っております。先週、調査団が帰国をいたしまして、第一段階の取り急ぎの報告を受けました。 報告のポイントは三つございまして、一つは、カリフォルニア州の危機打開を目指し、最近でも送電施設の州有化などの対策努力が続いているけれども、自由化していない諸州を含めた米国西部地域全体で供給力は不足しており、楽観は許されない、こういうことが浮き彫りになってまいりました。 私、ブッシュ新政権発足間もないころ、ことしの一月の後半でございましたけれども、ワシントンに参りまして、大統領の特別顧問であるリンゼー氏と会談をしましたときに、彼から、ちょうどこれがアップ・ツー・デートの話題でございまして、このカリフォルニア州の電力の状況の説明がありました。 先ほど加納委員のお話の中にもビバリーヒルズからシリコンバレーまでと、こういうお言葉がありましたけれども、リンゼー氏は、アメリカで予測をしなかった一つのことが起こった、それはIT関係において非常に電力の消費が予想以上に高かった、IT関係の電力消費が全体の七%であった、これが非常に電力需要逼迫の大きな要因だった、こういうことでございまして、米国西部地域全体で供給力が不足しているということはまさにこういうことかなと思わしていただいています。 二番目として、米国連邦政府の自由化方針に変更はないわけでございますけれども、この教訓を今後の自由化実施に十分反映させようとする州の動きや、連邦、州に電力規制が分割されている米国固有の事情を見直す動きが出ています。米国固有のそういう事情をやはりこういう危機を迎えたから見直そうと、こういう動きが出ている、これに対応していこうという動きが出ているということがやはり一つのポイントだと思っています。 それから、三番目として、米国の他の自由化事例では、カリフォルニア州とは対照的に新規投資も活発な事例も実はあるわけでございまして、投資を促進する制度の仕組みが今後において極めて重要である、こういう認識も持たしていただきました。 これらの調査については、電力会社による調査結果、これは電力会社も同時並行的に行っておられますので、この調査結果ともあわせて報告会を開催いたしまして、検討を深めることにいたしていきたいと思っています。 いずれにいたしましても、大変安定供給というものはこれは絶対に確保しなければならない基本的な問題でございますので、この辺に留意をして、これから一生懸命分析をし、これからの行政に反映をしていきたい、このように思っております。
○加納時男君 早速、まだ調査報告を精査していらっしゃる段階だと思いますけれども、大づかみな御報告ありがとうございました。非常に参考になるお話でございました。 私の今まで調べた範囲で今のお話と突き合わせながら伺っていたんですけれども、カリフォルニアの自由化が失敗をしたから電力の自由化というものは失敗だというのは私ちょっと行き過ぎだと思うんですね。カリフォルニアの事例は二つの教訓があって、一つは、カリフォルニア独自の要因、制度設計のまずさでありますとか、今ITが非常に電力需要をふやしているというけれども、中でもシリコンバレーを中心にIT関連の産業が非常に集積しているカリフォルニア州で需要が大きくふえたというのは大臣のおっしゃるとおりだと思います。 それからまた、カリフォルニアで環境規制が厳しくて、アメリカお得意の煙もくもく出す、CO2をうんと排出する、石炭火力のウエートが、カリフォルニアでは規制があってなかなかつくれないといったことも事実だというのもよくわかります。また、メキシコからの移民を初めとして、この十年で六百万人ぐらいですか、カリフォルニアに人口が急増しているというのも私は事実だと思います。そういうカリフォルニアの特殊例は十分まず勉強しなきゃいけない。その上で、まだ公益性の極めて強いサービス部門における自由化に普遍的な問題があるのではないかということをこの事件から教訓として学べるかどうかということがこれからの論点だろうと思っています。 特に、アメリカの対日要求書、これは日本の一部の方がおっしゃっているのと全く同じものが英語と日本語で書いてあるわけでありますが、それを見ていますとびっくりすることが書いてありまして、ともかく発送、配電は分割しろ、分断しろ、アンバンドリングという言葉が使ってありまして、ぶっ壊せということであります。 カリフォルニアはまさにぶっ壊したわけで、電力会社は、トリプルAの優良な、米国でも屈指の電力会社の発電部門を分離させて、それを片っ端から売らしちゃった。一たん発電を、手足をもぎ取っちゃっておいて、そうしておいて配電会社に落としちゃって、その配電会社が電気を買うときはPX市場からスポット価格で、まさに非常にリスクの多いものしか買えない。そのスポット市場がルイジアナの天然ガス価格の高騰等を背景に急激に上がってきた。そこで、電力が非常に高いものを買わなきゃいけない。一方で、あの場合はカリフォルニア独自の話ですけれども、キャップ制といって小売価格に縛りをかけていたところもある。そこで、逆ざやで会社がつぶれちゃったというのが実態でございます。 しかし、そのアンバンドリングというのが新しい設備意欲を衰えさせていることは間違いないわけでありまして、こういった発送、配電を日本では分断した日本発送電と配電会社の大失敗を教訓として、アメリカに先駆けて行ったアンバンドリングを日本は歴史的教訓としてとらえて、今の発送、配電の一貫した安定供給を前提とした、環境対策を前提とした一貫経営でやってきたということも事実であります。これはアメリカの連中に言いますと、全然知らない、初めて聞いたというので、こういう情報はアメリカに全く伝わっていないのは極めて残念だと思いますので、これからまたアメリカにも国会の休みのときに行って、行脚をしてあっちこっちで講演して歩こうと思っております。 それはおいておきまして、そういうことで、アンバンドリングの光と影というのがありますけれども、影の部分がどうもあるんじゃないか。売れるか売れないかわからないものを発電設備に投資したり送電線に投資したりしたくないというのは資本の論理としては当然であります。 きょうは十分な議論はできないかもしれませんけれども、例えばアメリカでも成功している事例があると必ずおっしゃいます。例えばPJMはうまくいっている。これはペンシルバニア、ニュージャージー、メリーランド、デラウエアというところで、今まさに大臣がおっしゃった、一つの、カリフォルニア州みたいな単独でやるんじゃなくて、幾つかの州が連携してやってきたというところは比較的うまくいっているというんですが、この前提があって、需要の伸びが相対的に低くて、十分な高い供給予備力を持っているというところであります。 きょうはこれについてのまた議論もしたいんですけれども、時間を私守りたいと思いますので、最後に一言だけお願いを申し上げて終わりたいと思います。 きょうの議論を通じて、極めて私心強く思ったのは、大臣がもう完全自由化しかない、自由化の目的は自由化だとすると、私は完全自由化だと思います。自由化の目的はあくまでも消費者の利益、そして国民的利益であるということを私は大臣のお言葉から感じ取りました。違っていたらまた次回でも訂正していただきたいんですが、そうだとしますと、私はやっぱり国民、消費者が望んでいることは、さっき申し上げた供給の安定性もありますけれども、環境調和が何といっても大事だ、COP3の公約をなかなか達成するのが厳しい中で、何としてもエネルギー政策は環境調和、そして供給の安定性、きょうは大臣何度もおっしゃって非常に心強く思います。 そういうことを前提にして、なお競争に親しむ分野に競争の範囲を広げていくということで、まさにPJMが成功したのは、一歩ずつ慎重にやりながら、十分な供給力を見ながら、そしてPX市場だけじゃなくて、相対と自前の電源を持たせていた、それで八五%を賄っているからこそこれまではうまくいってきた。しかし、そのPJMでさえ危機だという声も私のところには入ってきています。ほうっておくと設備投資、名目はつくると言っているけれども、設備投資が減ってきそうだというので、安易な完全自由化ではなくて、自由化はもちろん進めるけれども、慎重に慎重に、一歩ずつ供給のリライアビリティーと環境適合性を見ながら進めていただきたい、これをもって質問を終わります。 ありがとうございました。
○藁科滿治君 民主党・新緑風会の藁科でございます。 予算に関連して数点質問をさせていただきます。 先週末、政府が月例経済報告の中で緩やかなデフレというものを認定されました。これは戦後我が国の中で初めてのことでありましょうか、先進国の各状況を見てまいりましても、これは日本だけの状況でございます。私は極めて憂慮すべき状況にあると、このように判断しておりますが、経済閣僚として大変影響力を持っております平沼大臣に、この現状認識をどのように受けとめられているか、まず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 藁科委員御指摘のとおり、この前の月例経済報告でデフレ基調にある、こういうような報告でございました。今のお話にございましたとおり、戦後、先進国の中で二年連続して消費者物価が下がった、こういうことは日本以外には例を見ません。そういう意味で、私はデフレ基調に入ったと、こういうことは政府の認識はそのとおりだと思っておりまして、大変これは厳しい状況になったということが私の基本的な認識でございます。 経済産業省といたしましては、足元の景気に関しましては米国経済の減速などから輸出がそれにつれて減少してまいりました。そういう関係で生産も実は弱含みになっておりまして、はっきり申し上げまして、デフレ懸念を持ちつつ景気は足踏み状況、こういうことではないかと思っております。 また、我が国の経済の先行きにつきましては、電機産業を中心に来年度の業績予想や設備投資計画を下方修正する企業が出てまいりました。これも一つそういう背景がそこに起因をしているのではないかと思っています。また、設備投資の先行指標である機械受注、これを見ておりますと一—三月では、前期比、非常に大きな落ち込みですけれどもマイナス六・四、こういうことになっておりまして、こういう形でもこの辺は憂慮すべき数字だと、こういうふうに認識しております。 それから、今触れましたけれども、米国経済というのも、きのうも大幅に株が下落をいたしました。そして生産が鈍化をしておりまして、そして消費者マインドも米国は大変悪化をしてきておりまして、減速感が鮮明になってきております。したがって、こういったところにも私どもは注意をしていかなければならない。 そういう一つの背景の中で、私も月例経済報告会の中で、あえて日銀総裁にも経済担当大臣として、やはり年度末を控えていわゆる金融緩和で中小企業に対して配慮をした金融政策をやっていただきたい、こういうことを申し上げましたけれども、日銀は量的緩和を中心とする金融緩和政策を決定いたしまして、こういう非常に厳しい背景で、我々としては平成十二年度の補正予算、これをやっぱり着実に執行していくことと、今御審議をまさに参議院でいただいておりますけれども、平成十三年度の八十二兆になんなんとするこの本予算、これを一日も早く成立させていただきまして経済に連続性を持たせていかなければならないと思っています。 また、きのう閣僚の記者会見で私、発表させていただきましたけれども、やはりこういった踊り場に至った景気というものを安定軌道に乗せるためにはいろいろな施策が必要でございますけれども、不良債権の処理の問題というのは、これは避けて通れない。その際、中小企業、零細企業に対する連鎖というものをいかに防止するかという範囲の中で、企業が抱えている、金融機関、産業面が抱えている不良債権というものを処理していくために、いわゆる産業再生法というものを省令と告示の改正の範囲の中で拡大をしながら緩やかにそういうことをやっていく、こういうことも私きのう発表させていただきましたけれども、こういうことも着実に実行をしていくことが必要だと思っています。 株式市場活性化などの緊急経済対策も与党三党で取りまとめて、これも行うことになっておりますので、我が省といたしましても、経済構造改革、これをさらに一層推進するなど、積極的に我々としては責任を持って行動しながら、この踊り場に至ったデフレ感の強い景気に対処をしていく、こういう形で、経済という冠の、名のついた経済産業省としては一生懸命に努力をさせていただきたい。大変厳しい、こういう認識を持っております。
○藁科滿治君 そういう状況のもとで、今も景気低迷の一つの大きな要因として消費支出の低迷が横たわっているわけですが、こういうものにデフレの認定というのがさらに悪い影響を及ぼしていくんではないか。また、お話もありましたが、年が明けまして、設備投資、鉱工業生産、さらには輸出も含めて後退ぎみの状況になっているということですね。つまり、この認定はさらに景気を悪循環の方に誘導していくのではないかということを心配しております。 ここ数年、政府は国会審議を通じて一貫して景気対策優先ということを主張されてまいりましたけれども、一体この現実との大きなギャップはどこに要因があるんだろうか、またその責任は大変大きなものがあるというふうに考えておりますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 確かに私の認識としては厳しいと、こういう認識であります。景気はずっとバブル崩壊後マイナス基調で来たわけでありますけれども、しかし一連の景気対策というものがある程度効果が出てまいりまして、藁科議員御承知のとおり、日本の景気もプラスに転じてまいりまして、この平成十二年度は、最後の四半期の予測がまだ残っておりますけれども、これがたとえマイナス〇・八でもプラス一・二の成長は達成できる、こういうことに来ておりますし、また、さらにその次は一・七の成長ということも何とか達成できるという、そういう基調まで回復してまいりました。 ただ、今御指摘のように、こういう状況になったのは、先ほど申し上げたアメリカの景気の停滞ということは一つの要因でございましたし、またもう一つは、GDPの六〇%を占めているいわゆる個人消費というものが思った以上に、先行きの不透明感、そういうものがあったりして、ここが本格的に回復をしてくれば景気回復というのはもっと大きな伸びが期待できたわけですけれども、そこがやはりいろいろな面での先行き不透明、そういう形で財布の緒が非常に固く締まってしまった。我々としては個人消費も伸びてくるだろうと、こう思ったのが現実に伸びなかった、こういうことは我々としてはその見通しに関してやはり少し甘かったのかな、こういうふうに思っています。しかし、企業の全体の基調というものは、収益性ですとかあるいは設備投資も、それは前年度比ではまだプラスでございますし、基調的には回復基調にあると私ども思っています。 そういうことで、繰り返しになりますけれども、補正予算の着実な執行や、また十三年度予算の早期成立、それから今申し上げました構造改革をやり、不良債権の処理をしていく、こういうことで私は対処をすれば必ず景気を上向き、安定軌道に乗せることができると思っておりますし、さらに言わせていただきますと、今暗い話ばかりでありますけれども、私はやっぱり日本の経済のいわゆるポテンシャリティーというものはまだ強いものを持っていると思います。 例えば、一方においてはいわゆる国の借金というのは六百六十六兆になんなんとするものがありますけれども、しかし一方においては個人金融資産というものが一千三百九十兆もある、あるいは外貨の保有高も非常に世界一まだ持っている、そしてまた米国などと違いまして、極端に、少し乱暴な意見かもしれませんけれども、よその国からはびた一文日本は借金をしていない。そういうことを考えていきますと、まだまだ私はポテンシャリティーがある。 しかし、いろんな要因で、若干甘い見通し等で、個人の消費が回復しなかったというようなことで、大変そういう意味では甘い見通しかもしれませんでしたけれども、我々としては、そういうまだポテンシャリティーがあるので、それを活用しながらやるべきことをやっていけば必ず私は経済は安定軌道に乗せることができる、それが今我々に課せられた課題だというふうに思っておりまして、一生懸命経済産業省といたしましても今申し上げたようなことを着実に実行させていただきたい、このように思っております。
○藁科滿治君 東京女子大の小池滋教授がかねてから日本と英国の長期的な比較を分析されて、いろいろ注目をされております。ここに御紹介はいたしませんけれども、私もこれをいろいろ読ませていただきまして、なかなか説得力があるなというふうに思っております。 しかし、私は二つの点で大きな違いがあるというふうに思っておりまして、その一つは、英国の場合にはやはり病気を真っ正面からとらえて、そして痛みを恐れず大手術をした、これが第一の違いですね。これに対して我が国の場合には、率直に言いまして痛みどめの注射を打ち続けてきたということで、気がついたときには体がぼろぼろになっているという状況ではないかと思うんです。 それから第二の違いは、ある面でもっと大きなことなんですが、政治に対する信頼関係ですよ。これは政権に対する信頼関係と置きかえてもいいんだけれどもね。今、不況の原因はむしろ政治不況という表現に象徴されるようにこれが根底にある。したがって、さまざまな施策も対策も、市場も国民も反応してくれない。信頼してくれていないからだろうと思う。ここが大変大きな違いがあると思うんですね。 今、英国では総選挙直前で、つい最近の意識調査でも政権党が約五〇%の支持率を確保しているんですね。英国もあれもこれもいいわけじゃないわけで、御承知のようにいろんな問題があるわけですね。水害の問題だとか閣僚の辞任の問題等々あるわけで、その中で五〇%を維持しておるんです。基本的には政権を信頼する、政治に信頼感を持っていること。それに対して我が方はと、きょうはちょっともう申し上げる必要はないと思うんですが、この二つに決定的な違いがある。 きょう冒頭、現下の情勢についてはアメリカ経済の影響が非常に大きいというお話があって、それは事実でしょう。しかし、そればかりではないんですよね。我が国自体の基本的な、大きな構造的な問題である。この点については、どんなふうに御理解いただいていますか。
○国務大臣(平沼赳夫君) 議員御指摘の二つの点は、私はある意味ではそのとおりではないかと思っています。 一九七〇年代には英国というのが大変な状況になりました。そのとき、特にアイアンレディーと言われたサッチャーさんが登場してきて、そして非常に痛みを伴うそういう改革を断行し、それが今のブレアさんのところで非常に安定的な軌道に乗っている、これは御指摘のとおりであります。 サッチャリズムというものを私なりに検証してみますと、そのときに日本の政治の手法と違ったのは、やっぱりこういう改革をすると一時期こういう痛みが伴ってこういう停滞がある、しかしこれを乗り越えたらこういう世界が開かれると、こういうことを国民に明示をして、そして国民がそれに納得をして進んでいった、こういうことが私は非常に大きなことだ。それが今委員御指摘のとおり、いわゆる政治の、政権の信頼にも私は、いわゆる保守党から労働党に変わりましたけれども、政治の信頼につながっているんではないか、こういうふうに思っております。 そういう中で、我が国というのはやはり一生懸命にやってきたことは事実でございますけれども、しかし、そういう中でやはり痛みを伴うということを大なたをもってやってこなかったし、それを手をこまねいてきたということが一つ大きな要因に私はあると思っています。 したがって、遅きに失した感はありますけれども、やはり我が国としてもこういう状況の中でやるべきことはやろうと、そういう形で、今、森内閣におきましても産業新生の基本的な行動計画ができました。これは二百六十にわたる一つの経済構造改革、これをすべてリストアップをいたしました。今ドッグイヤーと呼ばれている非常に時代が早く進むこういう時代でございますから、そのうち百三十は委員御承知のとおり三年以内に達成をしよう、その百三十のうちの百はいろいろ痛みを伴うけれども年内にやってしまおう、こういうことで取り組んできておりますし、またIT戦略本部、IT戦略会議というものを立ち上げまして、七次にわたってかんかんがくがくの議論をしながら、いわゆる民間のソニーの出井さんに議長になってもらい、そして基本戦略ができました。こういう中で一つの新しい将来が見えるビジョンをつくらせていただきました。 ですから、二つの御指摘の点は、私は大筋において御指摘のとおりのことは日本にあったと思っておりますけれども、しかし、先ほども触れましたけれども、日本というのは、当時、七〇年代の英国と比べてまだポテンシャリティーがあります。そういう中で、今こうやって一つの大きな方策も打ち立てることができましたから、皆さん方の御協力をいただきながら私どもとしては一生懸命にやらせていただきたい。二つの御指摘は、私は与党に身を置く人間としてやはり本当に拳々服膺させていただいて、そしてこれから頑張らせていただきたい、このように思っております。
○藁科滿治君 次に、財政問題との絡みについて御質問をいたします。 宮澤財務大臣がさきの参議院の予算委員会で、日本の財政は破局に近い状況であると、ややという言葉はついておりますが、そういう言葉がございました。私も宮澤当時大蔵大臣が再登場されて大いに期待を寄せておりました一人でございますけれども、結果的に登場されてから長期で見ますと三倍ぐらい借金がふえているんですね。そういう意味では、このコメントは少し評論家的なニュアンスに聞こえてならないんですよ。きょうはそれは本題でありませんけれども、まことに残念でありまして、まさに今、日本の財政事情は危機的な状況であることは言うまでもないんですが、G7の中でも最高最悪の借金になっているんですね。大変な状況にあるわけなんでございます。そういう財政事情の基本にある中で、経済産業省が今回どういう考え方で予算編成に取り組んだのだろうか。私は率直に言って、予算の内容をずっと丁寧に読ませていただきましたが、どうもそういう危機意識、改革意欲というものが欠けておるんじゃないかと。多少丁寧に言えば乏しいのではないかという実感を強く持ちました。 そこで、具体的に御質問をさせていただきますけれども、どうも私の分析によると、旧来の前年プラスアルファという、こういう考え方が基調にあるんじゃないだろうかということを気にしております。結果的に一般会計もプラス六十二億円ですか、それから特別会計もアルコール関係等ごく一部を除くとすべてプラスになっているということでありまして、お聞きしたいのは、本当に財政的な国家的な危機意識というものをしっかり見据えて編成したのかどうか。それから、どこかに改革意欲というものが組み込まれているんだったら、具体的に例を挙げて説明をしていただきたいというふうに思っております。
○副大臣(松田岩夫君) 国家財政、地方財政ともに大変危機的な状況にある中で経済産業省の予算がふえている、まじめに予算編成したのかと、端的に言えばそういう御質問であったかと存じます。 先生御案内のように、経済省の予算はもともと金額が大変小そう、小さいと言ったら語弊があるかもしれませんが、仕事の内容というものに伴いまして非常にもともと、いわゆる他省の公共事業担当省庁などに比べますと小さい予算であることは御案内のとおりでありますが、こういう状況の中で、経済産業省といたしましても、平成十三年度予算というものの編成に当たりましては、当然のことでございますが、ただいま大臣からもお話し申しましたように、まず第一は、先ほどから出ておりますような個人消費とかあるいは民間設備投資とか、こういう民需中心の経済にいかに早く、官需から民需へとそういう円滑な移動を促進しながら日本の経済というものをいかに早く自律的な回復軌道に乗せていくかと、そういう観点、これ大きな今年度予算のまず目的の一つでございます。経済省の予算そのものもそういう観点に立っております。 同時に、経済産業省、御案内のとおり、まさに経済の基本でございます産業を所掌しております。そういった中で、産業構造が将来に向かってしっかりとしたものに転換していくといいますか新しい構造をつくり上げていくという意味で、我が国の新たな発展基盤をいかにつくり上げていくかという、そういう観点から予算を精査いたしております。 大きく言ってその二つが、正直、平成十三年度予算において我々最も心したところでございます。 具体的には、まさに森内閣の方針そのものでございますが、IT革命の推進、環境問題への対応あるいは高齢化社会への対応、都市基盤の整備、この四つの視点を具体的に各費目に照らしまして、こういった分野の予算はできるだけ集中的かつ効果的に、できれば大幅な予算増額を図りたい、そのためにそうでないものはできるだけ節約していただこうという考え方で私どもとしては一生懸命予算編成して御提案しているつもりでございます。 そういう中で、結果として経済産業省の予算、先生今おっしゃったとおり、一般会計予算で申しますと総額九千三百五億円と対前年比で六十二億円の増加となっております。それから、先生御指摘の幾つかの特別会計を経済産業省は所管させていただいておりますが、例えばこのエネルギー関係で申しますと石特会計あるいは電特会計、電源開発特別会計、この二つがエネルギー関係でございますが、石特会計で申しますれば、今まさに、先ほどの御議論にもありましたけれども、省エネルギー対策とか新エネルギー対策といったもののため、あるいはまた電特会計では原子力の安全対策あるいは防災対策といったものに重点的に投入しなきゃならぬというふうに考えております。 もう一つふえておりますのは、いわゆる特許等を管理いたしております特許特別会計でございますが、これまた御案内のとおり、皆さんの創意と工夫を反映して日本の経済の新生のためということで一生懸命こういった努力をいたしておりますが、その成果もあらわれてまいりまして、特許の出願あるいは審査件数というものは年々伸びてきておりまして、そういった体制をしっかりつくり上げたいということで、特許特別会計の方も増額をさせていただいておる、こういう現状でございます。 本当にこういう時代でございます、最も効率的な予算を編成するということは今我々に与えられた一つの大きな責務である、そういう先生おっしゃるとおりの考え方に立って我々としては編成したつもりでございます。どうぞひとつよろしく御審議をいただきまして、一刻も早い御通過を心から願うわけであります。
○藁科滿治君 IT革命が構造改革の基軸の一つになっているということについては、私どもも否定するつもりは全くありません。 しかし、最近、一部の雑誌で、IT革命の幻想というような、影の部分のフォローが十分じゃないというような特集もあるし、私がちょっと気にしておりますのは、各省庁の予算をずっと見てまいりますとIT革命関連の予算がだあっと並んでいるんですよね。これは時代の趨勢、目玉商品的で意味合いはわかりますけれども、これ一体、国全体として、政府全体としてしっかり調整がとれているんだろうか、重複はないのか、むだはないのかということが気になるわけですよね。各省庁合算したら相当な規模になりますよ、これは。その点について、経済産業省としてどういう見方をされているのか、また新機軸の取り組みもあると思いますが、そういった特に注目されるべき新機軸の事業等について、少し具体的に解説をしていただきたいと思います。
○副大臣(中山成彬君) お答えいたします。 IT革命と言われますけれども、日本がその分野でちょっとおくれをとっているんじゃないか、こういうふうな認識もあるわけでございますが、一方におきましては、日本は五年後には世界一のネットワーク社会を構築するんだと、こういうふうなこともうたわれているわけでございまして、先ほど来お話がありますように、経済産業省の予算におきましても、IT関係につきましては重点的に予算を配分したということでございます。 また、先生がおっしゃいますように、どこの省の予算を見ましても、IT、ITという文字が並んでいるわけでございまして、重複等はないのか、あるいは経済産業省としての目玉は何なんだ、こういうふうな御質問であったかと、このように思うわけでございます。 平成十三年度予算におきまして、経済産業省のIT関連予算、これは百九十九億円の日本新生特別枠を計上しておりますが、これを含めまして合計三百五十億円を一般会計に計上しているところでございます。また、各省のIT関連の予算につきましては、明確なそれぞれの省の役割分担に基づきまして重複を避けつつ、また一方で密接な連携が確保されていると、このように考えておるところでございます。 例えば、教育の情報化におけるミレニアムプロジェクトを見てみますと、経済産業省は学校向けのソフトウエア・コンテンツ開発支援、遠隔学習システムの構築のための技術的な基盤整備、文部科学省は主として校内のコンピューターネットワークの整備、教員のコンピューター活用能力の向上、総務省はインターネットの教育利用を推進する技術開発といった役割分担がなされております。 関係省庁の役割分担を明確化し、重複を防ぎつつ密接な連携を確保するということで、今後施策を遂行するに当たりまして十分そういうようなところは考慮して努力してまいりたい、このように考えております。 経済産業省といたしまして目新しいものは何かということでございましたが、この平成十三年度の予算におきまして、今後の制度改革に資する予算といたしまして、例えば医療・福祉分野におきまして電子カルテをインターネット上で安全に送付するための技術開発等、そういった予算も組んでいるわけでございまして、今後ともこのような観点を踏まえた事業を積極的に行いまして、日本のIT革命の推進というところに重点的に、また積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○藁科滿治君 我が国の経済産業を長期的に発展させるという意味では科学技術の開発ということは欠かせない、これは言うまでもないことでございます。特にIT、バイオ、ヒトゲノムあるいは宇宙開発など、さまざまな分野があると思いますが、こういった先端技術に関する戦略的な開発発展というものが非常に重要であろうというふうに思っております。 ただ、現状を見てまいりますと心配なのは、大学あるいはそれに付随する研究所、さらにまた独立行政法人として進めておられる研究所、こういった各分野の研究が個々ばらばらに並行的に進められている感は免れないと思うんですね。 たしか三月中旬、私の記憶では十日だったと思いますが、日経新聞のチームが科学技術開発についての提言をされているんです。なかなか説得力があるんですよね。結論として、現在の状況は第二の公共投資の性格を帯びておる。どうも建物、施設の方にウエートがあって、つまり箱物に軸足が置かれていて、人的投資であるとか養成であるとか、こういう面が相対的に弱い。私も全く同感なんですが、こういう点についてどのようにお考えになっておられるか。 また、前段申し上げたように、分散並行的に進めているこれからの日本の経済産業を支える決定的に重要な科学技術というものをどうやって連携プレーを強めていくべきか、ある面で一元化を図って効果を上げていくか、こういう点についてのお考えを聞いておきたいと思います。
○政府参考人(日下一正君) 先生御指摘のように、国際競争力のある産業の発展につながる技術フロンティアの開拓への取り組みが不可欠であると考えております。このような観点から、政府の研究開発予算が効率的、効果的なものになることは大変重要と認識しております。 四月一日には私どもの工業技術院の研究所も産業技術総合研究所になるところでありますし、今までございますNEDOなどとあわせて、省内の研究体制もより効率的にしていきたいと考えているところでございます。 いろいろ御指摘になられました国全体の技術開発の連携につきましては、具体的には各省が強固な連携体制を構築することが重要でございます。平成十二年度には、いわゆるミレニアムプロジェクトとして、情報化、高齢化、環境対応の三分野において産官学協同のプロジェクトが各省の連携という形で開始されております。また、平成十三年度予算におきましては、日本新生特別枠として、IT革命の推進、環境問題への対応、高齢化対応、都市基盤整備を中心に、総理が各省の役割分担を踏まえ予算を配分することで、関係省庁間はもとより、産官学の関係者相互での密接な連携を図ろうとしているところでございます。 御指摘のございましたバイオ関係につきましても、文部科学、厚生労働、農林水産、それに当省の四省の間で緊密な連携を図りながら、具体的な研究プロジェクトを推進しているところでございます。 今後につきましては、本年一月に新たに設置されました総合科学技術会議を通じまして、政府として科学技術基本計画が近く決定されることとなっております。当省といたしましては、この平成十三年度予算の具体的なプロジェクトの推進に当たりましては、この基本計画を踏まえまして、政府全体の科学技術の司令塔でございます総合科学技術会議と協力しながら取り組むこととしております。具体的には、研究開発体制の構築や研究開発システムの改革などの横割りの課題でございましたり、重点の分野に政府全体として御指摘のありましたように効果的、効率的に取り組み、資源配分に気を配っていきたいと考えております。
○藁科滿治君 さて、新エネルギー関係の問題なんですが、今までも機会あるごとに言ってまいりましたけれども、この問題については供給面の多様化という問題と地球環境保全、この問題を同時並行的に進めるということが重要であることは言うまでもありません。そういう意味で、今回経済産業省が大変な努力をされて、この面に関しては二〇%ですか、程度の予算を維持したということは、今後に期待を寄せるという意味で注目していいのではないかと今思っております。 ただ一つ、私が大変気になっておりますのは、今世界的な規模で自動車産業の再編というものが急速に進んでいるわけですね。そういう状況の中で、燃料電池の開発について先進国はほとんど国家的なプロジェクトの規模で取り組んでいるんですよね。けさの新聞等にも報道されておりますが、アメリカの下院で熾烈な論議が展開されているという状況ですよね。それほどやはりこの問題は、今後の新エネルギー開発に向けてのある面のコアを示す問題ではないかと思うんですね。 そういう面から、国際的な背景的情報を含めて考えますと、我が経済産業省の取り組みはもう余りにも消極的ではないかと。私は、率直に言わせていただけば、アメリカの例なども含めて、もう二けたぐらいの規模を、大きいものを組まなければ、とてもじゃないが世界の流れについていけないと思うんですよ。その点はいかがですか。
○政府参考人(日下一正君) 答弁漏れがございました。失礼いたしました。 先ほど御指摘の研究開発予算、箱物偏重になっているのではないかと、経済産業省の予算もそういう傾向があるのではないかという点でございますが、私どもの経済産業省の研究開発予算、五千七百億ほどございますが、いわゆる箱物と言われる施設整備絡み、これは筑波の移転後二十年を経過した産業技術総合研究所の老朽化した施設の更新でございましたり、地域におけるベンチャーの研究開発施設で八十九億円が施設整備、箱物絡みでございます。大半は、先生御指摘のように、柔軟な研究環境の整備や若手人材の育成、知的基盤整備ということで、そのような人材養成、産官学連携、知的基盤整備のところに重点配分しているところでございます。 失礼いたしました。
○政府参考人(河野博文君) 新エネルギーについてもお尋ねをいただきましたのでお答えをさせていただきます。 御指摘のように、太陽光発電ですとかあるいは風力発電、また特に御指摘のありました燃料電池、こういった新エネルギーやエネルギーの安定供給の確保、そして地球環境問題への対応、こうした観点から、加えましてまた新規産業創出の観点からも開発、導入を積極的に推進するというのが私どもの立場でございます。 ただ、現時点では既存のエネルギーに比べましてやはりコストが高いとか、あるいは太陽光、風力などについて申しますと、自然エネルギーでございますので気象条件に左右されると。したがって、出力が不安定であるといったような課題があるわけでございまして、これまでも政府といたしましては低コスト化ですとかあるいは高性能化のための技術開発、また新エネルギーの機器、設備の導入に対する補助ということで、その導入促進に取り組んできております。 御指摘のとおり、当省関連の新エネルギー関係予算は過去五年間で倍増以上に伸びているわけでございまして、加えて、今まさに御指摘がありました平成十三年度予算案におきましては、平成十二年度予算案の九百二十五億円に比べまして百八十億円、約二〇%増の千百五億円を計上させていただいていると。施策の強化を図る方向で検討いたしております。 その中で、燃料電池でございますけれども、近年、御指摘のように国際的な企業連携が進められ、燃料電池自動車あるいは民生用の燃料電池、コージェネレーションの商品化を目指した開発競争が企業ベースで加速をいたしております。 こうした技術開発を支援すると同時に、安全性ですとかその他の基準整備を推進するという政府の役割を果たすために、平成十三年度予算におきましては燃料電池関係予算といたしまして前年の八十一億円から、これも私どもとしては精いっぱいふやしまして百十九億円を計上しているという状況にございます。 この燃料電池自動車の開発については、国際的に見ても、有力な民間企業が中心となって技術開発に非常に熱心に取り組んでいるところでございまして、我が国の予算規模もそういう意味では欧米と遜色のないような状況になっているのではないかと思います。 また、あえて御報告させていただきますと、先般、産業界が中心となりまして燃料電池実用化推進協議会というものが発足をいたしました。八十数社、主要なメーカー、これも自動車、機械、素材あるいは電気関係のメーカー、そしてエネルギー関係者、こぞって参加をしております。加えまして、海外からの参加もあったというようなことでございまして、日本がこの燃料電池分野の開発、普及に関して、世界の中でセンターの一つになりつつあるという実感を持っております。
○藁科滿治君 燃料電池の開発の問題は、お話にもありましたけれども、今やもっと広い視野で水素エネルギーの開発という方向に拡大しつつあると思うんですよね。アメリカでもそれは大いなる具体的な論議対象になっております。 そこで、愛知県がこの問題について一つの都市構想を、人工の島に設置して、これは万博との関連もあると思うんですが、大変努力をされております。これについて経済産業省はどのような評価をされているのか。また、前段から申し上げているようなエネルギーの多様化、その開発という意味からいえばこれは一県の規模の問題ではないと思うんですね。これから国全体としてこの構想を前向きにどうやって受けとめて拡大していくか、何かお考えがあればぜひ伺っておきたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) ただいまお話がありました水素でございますけれども、これは中長期的に見ますと、炭化水素からの改質とかあるいは水の電気分解、さまざまな方法で確保することができますし、資源制約としては少ない方でございますし、また排出物が少ないクリーンなエネルギーということで、中長期的な関心を持っているところでございます。 他方、現時点で申しますと、水素のエネルギー利用といたしましては、製造、輸送、貯蔵技術、この辺がまだ難しいと。その取り扱いの経験もまだ蓄積されていないというようなことで、将来の普及に向けて技術開発、実証試験に取り組む必要性を痛感しております。 そうしたところで、今御紹介がありました愛知県におきましても、燃料電池自動車ですとかあるいは定置用の燃料電池、コージェネレーションの社会的な実証試験を核とするプロトンアイランズ基本構想という検討が進められているものと伺っております。私ども、こうした動きを高く評価したいというふうに考えております。 私どもの現在の検討状況でございますが、産学官から構成される燃料電池実用化戦略研究会という場で検討を続けてきておりまして、その実用化に向けた課題の抽出と解決の方向性についての検討を行いまして、この一月に報告を取りまとめていただいたところでございます。 この報告におきましても、今後取り組むべき対策の一部といたしまして、燃料電池の実証実験の推進あるいは水素を初めとする燃料供給体制の整備の重要性を述べられているところでございまして、私どもといたしましては、この報告を踏まえましてプロトンアイランズ基本構想のような地域の取り組みとも連携を深めて、引き続き水素のエネルギー利用を可能とするような燃料電池の実用化、普及に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○藁科滿治君 環境対策の面から若干質問をいたします。 今、総合資源エネルギー調査会で検討されておりますけれども、二〇一〇年の需給の見通しについて結論を出す直前になっているようでありますが、仄聞するところによりますと、どうも九〇年度の水準に戻すといういわゆる京都会議の国際水準にはとても行かない、五%から八%ぐらい上回る可能性が強いと、このように言われているわけですね。 そこで、これからの対応が非常に問われるわけでありまして、供給面、消費面含めまして日本はある面で悪者の代表にもされているわけでありますから、これから具体的にどういう対応策を持ってその水準に近づけようとされるのか、お考えを承りたいと思います。
○政府参考人(河野博文君) 私どものエネルギー政策におきましては、環境保全はもちろん重要な課題でございます。特に、御指摘のCOP3の合意を踏まえまして、エネルギー起源の二酸化炭素排出量を二〇一〇年度に九〇年度と同水準に抑制するという目標でやってきているわけでございます。 ただ、この間事情の変化もありましたので、各種エネルギー、需給両面における情勢変化を踏まえまして、昨年の四月から総合資源エネルギー調査会で、御指摘のように需給両面における現行施策の評価ですとかあるいは施策全般にわたる今後のあり方、さらには長期的なエネルギー需給見通しについても検討を行ってきております。 現在の検討状況といたしましては、御紹介のありました三月六日に行われました総合資源エネルギー調査会の総合部会と需給部会の合同部会で、現在の政策枠組みを維持した場合に二〇一〇年度においてエネルギー需給像がどうなるかという、基準ケースと呼んでおりますが、これを示させていただいたところでございます。この中では、二〇一〇年度のエネルギー起源の二酸化炭素排出量は、炭素換算で九〇年度の二億八千七百万トンを約七%超えまして三億七百万トンになるものというふうに見込まれているのでございます。 これはしかし、あくまで基準ケースでございますので、今後はこの基準ケースを踏まえまして、総合資源エネルギー調査会におきましてエネルギー起源の二酸化炭素排出抑制などを実際に実現していくために、御指摘のように需給両面にわたりまして、例えばさらなる省エネルギー対策はいかなるものか、また供給面でより二酸化炭素排出量の少ない供給体制はいかなるものかということを検討いたしまして、そのための対策についても幅広く検討を進めていただくことにしているのでございます。 そういった結果をあわせて、今後目指すべきエネルギー需給の姿を目標ケースという形で策定をしていただきたいというふうに考えておりまして、この検討を夏ごろまでに取りまとめていただいて、そうした取り組みを通じまして、予算面も含めた適切なエネルギー政策を構築してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藁科滿治君 本年五月ですか六月ですか、ボンで開催予定されております国連気候変動枠組み条約、いわゆるCOP6、この再開会合において、ぜひとも経済産業省が積極的な役割を果たしていただきたいという強い私は期待を持っております。 昨年秋のハーグの会議においては、日本が吸収源の問題をめぐってアメリカとカナダと肩を組んで対応したことは国際的に非常に悪評を買っているわけですよね、残念ながら。この対応については、どうも経済産業省の発言力が大変強いという評価も行われておりますので、ぜひ主導的に対応努力をしていただきたいという期待も込めて、少し考えを伺いたいと存じます。
○政府参考人(日下一正君) 地球温暖化防止に向けた国際交渉に関するお尋ねでございます。 経済産業省といたしましては、地球温暖化問題に対する国際的な熱意が失われないよう、また幅広い国々の参加により国際的に実効性のある取り組みがなされるよう、引き続き関係国との交渉に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 昨年十一月の先生御指摘のCOP6ハーグ会合では、交渉結果いかんによっては各国の雇用や国際競争力に大きな影響が生ずることもあり、先進国内及び先進国と途上国との間で利害が複雑に錯綜した結果、一たん中断となり、今年の再開会合での合意を目指すこととされたところでございます。 このハーグの会合におきましては、我が国は、既に世界最高水準のエネルギー効率を達成している中にあって、さらにそこから二〇一〇年に向けた温室効果ガスの多大な排出増勢傾向、先ほども御指摘ございました、近年までふえてきているわけですし、二〇一〇年に向けて、自然体でございますと大変ふえるこの増勢傾向を一九九〇年比安定化させ、これに加えて京都議定書に規定されていますように、一九九〇年比で六%削減するという目標まで排出削減を図っていくという極めて野心的な目標に向けて努力していることを諸外国に説明いたしまして、理解を求めてきたところでございます。 この結果、その会議の間、EUなどの諸外国からも一定の理解を得たものと理解しておりますが、最終的には、先ほど申し上げましたとおり、先進国内では米国とEUとの間の溝が埋まらず、また各種の支援措置を求める途上国と先進国との間の溝が埋まらず、一たん中断となったところでございます。 御指摘のCOP6の再開会合につきましては、プロンク議長から、本年七月の十六日から二十七日にかけてドイツ・ボンで開催するとの発表がなされているところでございます。今後は、それまでの間の交渉機会も最大限活用して、我が国を含む関係国による京都議定書締結を可能なものにするべく、京都メカニズムの効率的な機能の実現を目指すなど、諸課題の解決に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 このような積極的な取り組みの一環として、四月には外務省及び環境省とともに各国の交渉担当者を招きまして、京都メカニズムに関する国際シンポジウムを東京で開催することも予定しております。 また、各種報道でも米国ブッシュ政権が京都議定書に対して消極的な見解を示したことが伝えられておりますが、米国の参加は地球規模での対策の実効性を確保する上で不可欠であることから、引き続き関係省庁一体となって米国の参加を求めるなど、各種機会を通じて各国間の理解の増進を目指してまいります。
○藁科滿治君 時間がだんだん迫っておりますが、私は最後にあえて、事前の質問項目には入れておりませんけれども、昨日来、喫緊の問題として登場しております不良債権処理の問題について、平沼大臣は内閣の中でももちろん経済関係中心に影響力を持っておられますので、あえて質問をさせていただきます。 一つは、日米首脳会談の問題でございます。 私どもはまだ具体的に総理からも報告を受けていないわけでありますが、あくまでもマスコミを通じての情勢という範囲のことでありますが、さすがブッシュ大統領は初対面の中で大変鋭い切り込みをしてきている。不良債権の処理をできるだけ早くと、我々東洋人に非常に身に迫ることわざも挙げて主張されているわけです。 ところが、それに対する総理の反応はどうもぴたっとかみ合っていないんじゃないかというふうに私ども率直に感じるし、けさのマスコミの報道等では、政府内の受けとめ方にも差が出ていると言われているわけですから、内閣の中に入って重責を担う平沼大臣、ここら、どういうふうに我々は受けとめたらいいのか。 これは、私の感想を率直に言わせていただけば、この国会はまだ半ばに来る寸前でありますけれども、ある面で金融国会と言ってもいいほど非常に重要な構造問題を抱えているわけです。そういう体験からいうと、不良債権処理というのはそんな安易な問題ではないと思うんですね、総理が口に出されているように簡単にできるものではないと思うんですよ。そういう意味からも、もっと慎重な対応が必要ですし、消極的にという意味ではなくて、効果を上げるためには条件整備をしっかり整備して進めてもらわにゃいかぬというふうに感じるわけです。 それから、日米の関係について、こういうギャップは、森総理がやめられるからいいということかもしれませんが、国民を預かる政府として、あるいは日本として、今後すれ違いが出てくる危険性もある非常に重要な問題だろうと思うんですね。この点についてちょっと大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 経済を新生して安定軌道に乗せる、こういうことで財政出動も行ってまいりましたし、税制の面からもいろいろな多面にわたるアプローチをしてまいりました。 それはそれなりに効果が上がったわけでありますけれども、しかし米国のブッシュ大統領が指摘をされ、また政府部内からもそういう声が起こってきておりまして、やはりこの金融機関あるいは産業部門が抱えている不良債権というものを処理しない限りなかなか安定軌道に乗せられない、これは森内閣の中でも柳澤金融担当大臣から、やはり直接償却の方途も含めて、そしていろいろこの不良債権処理問題、そこは、例えば経済産業省が一つ象徴的でありますけれども流通業界がある、あるいは国土交通省には、これは藁科委員御承知のようにゼネコンを初めとするそういう建設会社等がある。ですから、ひとつそういう中で、やはりあくまでも民が独自にやるということはこの社会の中では前提だけれども、しかしそういうシミュレーションをどういうふうにしていくか、こういう形でこの三省庁で検討をしたい、こういうことで実は一月から私どもは審議官レベルで四度にわたっていろいろ金融庁を中心として会議を重ねてまいりました。 そういう中で、我が省といたしましても、経済の産業部門を担当しておりますから、やはりこの不良債権処理というものをやはり進めていかなければならない。そのために経済産業省としてはどういった方策がとれるか。こういうことで、私も担当部局を督励いたしまして、そしてその中で一つの具体的な対策として既存の産業再生法、これを法改正を伴わないで、そしてこの不良債権処理、そういう形でDIPファイナンスというようなそういう手法もその中に盛り込んで、そして率先をしてやっていく。こういうことで、実は私も、こういった四度にわたる会議のそういう成果を踏まえて、経済産業省としてでき得るそういう措置を記者会見で発表をいたしました。これも一つの手法だと思っています。 そういう中で、また金融機関も膨大なそういう債権を抱えております。そういう中で、与党三党で、やはり土地の流動化等も含めて、あるいは株式のいわゆる価格安定向上、こういったものを総合的にやりながら経済の活力をもたせて不良債権の処理をしていく、こういう形で一つの方向が出てまいりました。 ブッシュ大統領と森総理が会見をして、ブッシュ大統領からそういう御提案があり、新聞報道では六カ月以内、こういう形で返事があったということですけれども、これは真意は必ずしもそういうことじゃなかったようでございます。しかし、これは、一月六日の中央省庁改革で経済財政諮問会議というのができました。そして、年金負担のあり方とかマクロ的のあり方についてこの問題を、検討を進めていくということで、この辺の年金も含めて総合的なそういう一つのデザインを描いてその中でどう処理をしていくか、そこの大きなマクロ的なそういうとらえ方というのを六カ月以内にやろうと、こういうことでございまして、そういう意味では、この問題も六カ月以内という形は外れてはいないと私は思っています。この問題は急いでいかなければなりませんので、私はそういう形で、アメリカからの要求があるという形だけではなくて、やはり日本の政府の中からもこの問題はやらなきゃいけない。 しかし、私は、経済産業省としては中小零細企業もございます。そういう中でここに連鎖的な悪影響が起こってはならない。そういう中でやはりそこに対するセーフティーネットをどうやって張っていくか。しかし、どうしても不採算部門があるということであれば、いい部門は伸ばす、そこにインセンティブを与えて伸ばすということはしますけれども、悪い部門に関しては多少痛みは伴うことになると思います。 ですから、そういう中でいろいろな手法を用いながら、そしてそういうセーフティーネットを張りながら、やはり避けて通れない、先ほど藁科委員も英国の例をお出しになりましたけれども、ある程度の痛みは伴うけれどもそれを越えたらこういう世界が開けるというようなことも、さっきマクロ的に、そういう一つの大きな大枠のデザインが描かれます。そういう中で検討をさせていただきながら、また委員の皆様方のいろいろな御意見も伺いながら、我が省としてはこの問題、そういう手法を使いながら一生懸命にやらせていただきたい、このように思っております。
○藁科滿治君 もう一つは経済産業省プロパーの問題なんですが、けさの新聞の一面にも大きく報道されております不良債権の直接償却の問題ですね。経済産業相のコメントによると、この取り組みを本格化していきたいということのようでございますが、私もそう理解をしておりますけれども、この問題は一たん道を誤ると改革そのものをおくらせてしまうという大変ジレンマの中での問題だろうと思うんですね。 きょうは私、きのうニュースでもちょっと聞きましたけれども、新聞の解説程度でありますので、この問題については、背景的な事情も含め、それからこれを推進するに当たってはこういう点を特に留意しながら遺漏のないようにやっていくというような決意を最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 企業の直接償却というのはやはり相当大きな影響が出ることであります。私は直接償却というものを含めて総合的に検討していかなければならないと思っています。 そういう中で、柳澤金融担当大臣も直接償却ということに触れてずっと国会でも答弁をされているところでありますけれども、その場合、私どもは、留意点としては、非常に大きな影響が出ない、そのために経済産業省としては経済産業を守っていく、こういう観点でございますから、その辺はやはりきめ細かく対処をしていかなければならない、こういうふうに思っておりまして、従来、間接償却というのは引き当てを積むという形で実際にお金が動かないという、そういう状況もありました。そういう中でいかにうまくそれをやっていくか、これはこれからの大きな課題でございますけれども、私どもは、経済産業、企業を預かると言ったら少し強い言い方でございますけれども、お世話する立場としてはそういうことに配慮をし、しかも中小企業に対しては中小企業庁というのを設けてやっておりますから、その辺は我々としては荒療治でやるということはしてはならない、そういう観点を持っておりまして、これから慎重に、しかしやはり日本の経済の再生のためには避けて通れない課題ですから、一生懸命にやらせていただきたい、このように思っております。
○藁科滿治君 以上で終わります。 ありがとうございました。
○委員長(加藤紀文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後一時二分開会
○委員長(加藤紀文君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。 先日、大臣の所信もお聞きいたしましたし、きょうは予算の説明も受けたわけでございますが、まず最初に、大臣の政治信念についてお聞きをしたいと思います。 大臣の所信の中には、今国会で大問題になっているKSDのこの疑獄の問題について一言も触れていらっしゃらないのは大変私は残念な思いがいたしました。初代の経済産業大臣として、日本の経済の主人公であります中小企業、八割を占めている、そういう方々の重要な問題についてやはりきちっと政治信念を述べていただきたかったというふうに思うわけです。 KSD疑獄といいますのは、総額二十一億円、KSDの政界への工作資金によって、政権与党の中枢でございます自民党が丸ごと汚染をされていたという前代未聞の疑獄事件でございますし、問題はその工作資金が中小業者の共済掛金であったと、この点が非常に私は重要ではないかと思うわけですね。 それで、いろんな声が寄せられております。万一けがをしたときにその補償にと思ってみんな入っているんだけれども、それがその目的とは全く違うところに、政党の資金に流用されていたと、本当に腹立たしいというようなお声もございます。また、ある経営者の方は、経営が苦しくて従業員のボーナスも出してやれない、退職者の退職金にも四苦八苦している、その中でまさかのために掛けてきたそのお金なんだということで、非常に怒りの声が厳しいわけでございます。 大臣にお伺いいたしますけれども、そういう中小企業を担当する大臣として、政治の信頼の回復、またKSDの事件に対するこういう業者の怒り、痛みをどのように受けとめていらっしゃるか。そういう声を真剣に受けとめてこそ血の通った行政ができるんじゃないでしょうか。お答えください。
○国務大臣(平沼赳夫君) 西山委員御指摘のように、KSD問題というのは、中小の零細の企業者が万が一のために掛金として、そして積み立てていたそのお金がある意味では不正に使用されていた、こういうことで、中小企業を預かる担当大臣として大変遺憾に思っているわけでございます。二度と再びこういうことがあってはならない、こういう思いでいっぱいでございます。 御承知のように、日本全体では数で言うと五百万社を超える企業が存在しておりまして、数の上では九九・七%が中小企業でございまして、言ってみれば、この経済大国の基盤を中小企業の皆さん方が担っていただいている。これは中小企業庁を持っております経済産業省といたしましても片時も忘れてはならないことだと、このように思っておりまして、本当にそういう意味では遺憾なそういう事件、それは本当に私は残念に思っておりますけれども、しかし現実に動いているわけでございますから、そういう意味でこれから中小企業対策というのをさらに充実させ、そして具体的に申し上げますと、やはり中小企業対策を一生懸命やっておりますので、平成十三年度の予算を一日も早く皆さん方のお力で成立をさせていただいて、そして中小企業対策にこれからも万全を期していきたい、このように考えております。
○西山登紀子君 国会としてはこれからもこのKSD疑獄の真相の究明を引き続き行うということは当然でございますし、何よりも政官財の癒着をきちっと断ち切っていく、そして中小業者の皆さんの本当の暮らしと営業を守るために行政が力を尽くすということが今求められているわけですね。 私は一方で、この不況下でございますので、中小業者の休業補償、災害補償のあり方、ありようについても、今度のKSDの問題は私たちに問題を提起しているんじゃないかというふうに思うわけです。 KSDの災害共済というのは月々二千円の掛け捨てだったわけですね。一年間二百五十億ぐらいのお金がたまったうち、補償のために使われたのはわずか八十三億円、三割しか使われていない。あとの残りの部分がそういう政界の工作に一部流れていたというようなことで、入っていらっしゃる人の中にも、本当はもっといろんなメニューでもっと補償してほしかったんだというお声もあるわけですね。交通事故とかけがの場合には少し補償が出るんですけれども、疾病のときには補償が全くありません。KSD自身もそういう問題も抱えておりますから、今KSDの脱会者三十二万人に上っております。もちろん、これはそういうメニューの不足という問題ではなくて、今回明らかになったいわゆるKSD疑獄、自民党に自分たちの会費が流れていっているということについての直接の怒りの表明が私は三十二万人という脱会者の数に出ているんだと思います。しかし、中身のメニューの問題も私は少し改善を、もっとこの問題を含めて改善をしていくことが必要だと思っているわけです。 ところが、問題は、すべてこのKSDなどのそういう民間に任せていてよかったのかという問題です。国のつくった小規模企業共済というのがございますけれども、この問題、もっと国のこの小規模企業共済を充実させていくという道がなかったのかということなんです。振り返ってみますと、八〇年代から、不況のとき、休業時の補償を求める声がやっぱり強く業者の方々から上がっていたわけですね。九五年、九九年、小規模企業共済法の改正のときに切実な声が出されておりました。しかし、いずれも見送られてきたわけですね。 そこで、大臣にお伺いいたしますけれども、今非常に困難な厳しい不況、デフレのときに、公的な共済制度を充実するということが求められております。とりわけ、その中身なんですけれども、不況や親会社の倒産、仕事の打ち切りに対応した休業補償、そして仕事やけがでお商売ができないとき、疾病補償も含めて魅力のある公的な小規模共済の確立が一層必要じゃないかということなんですが、お答えいただけますか。
○副大臣(松田岩夫君) お答えいたします。 いわゆる小規模共済制度、皆さんに御愛用いただいておるわけでありますが、それに休業補償というのを追加してはどうかと、先生からも今強い御要請があったわけでございますが、かねてからこの点については私ども意識しておるわけでございますが、先生御案内のように、平成十年でございましたけれども、小規模企業共済制度について休業を共済事由とする制度を設けてはどうかということで中小企業政策審議会共済制度小委員会にもお諮りをいたしまして、いろいろ御意見を承りました。 皆さんの御意見はそのときの中間報告にも、皆さん御案内のことと思いますけれども、休業時の資金需要に対応するため民間保険商品の利用が既にかなり進んでいること、休業の要件認定等において実務上多大な困難を伴う、廃業というのは公的な手続があるわけでございますが、休業というのは客観的になかなか確認することが難しいなといったようなことから、この審議会の当時の通産省に対する意見具申におきましても、この休業補償をこの小規模企業共済制度の支給対象とすることは困難なのではないかという御答申もいただいておりまして、現在のところは対象となっていないわけでありますが、しかしこれも先生御案内のとおりでございますが、休業等により資金を必要といたします場合には、いわゆる貸付制度で掛金総額の一定割合まで無担保無保証で資金の貸し付けを受けることができます。さらに、今お話ありましたように、負傷、疾病による入院または激甚災害等の場合には傷病災害時貸付という制度がございまして、低利で資金の貸し付けを受けることができる制度を設けております。 こういった制度によりまして、小規模企業共済の加入者の方の休業等の事態に対処させていただいておるというのが現状でございます。
○西山登紀子君 KSDは八八年に二十九万事業所、五十万人だったんですが、二〇〇〇年には六十二・五万事業所で百七万人が加入するという数の増加なんですね。やっぱりそれは公的なそういう補償制度が不十分だということで、民間のKSDがそういうふうに伸ばしてきたと。その点に目をつけてああいう疑獄事件が起こったとすれば、私は非常に問題ではないかというふうに思うわけです。この点もさらに御努力をお願いしておきたいというふうに思います。 次に、中小企業の金融対策についてお伺いしたいと思うんです。 中小企業予算、今年度の予算はふえているかと思えばふえておりませんね。千九百四十八億円、ほんの少々というふうなところで、私は大変これは少な過ぎる、もっと抜本的にふやすべきだというふうに考えております。 さらに、午前中も議論がありましたけれども、この不良債権の直接償却、こういうことが、合理化やられる、もっと強められる、しかも半年で結論だというような、またまた森総理の失言では済まされないようなこういう事態が起こっております。この点でますます中小企業が強引な融資の回収をされるというようなことが起こってくるんじゃないか、大変私は心配をしているところでございます。 そこで、金融庁に御質問させていただきますけれども、私も昨年、当委員会で再三京都の二信金の破綻問題を含めまして金融対策については質問をさせていただいてまいりました。 金融システム安定化のために破綻銀行のいろんな処理をやっているわけですが、RCC、いわゆる整理回収機構に送られた債権、それから債権譲渡、買い取った債権の件数とその金額は幾らになっているか。最近のもので結構ですし、教えていただきたいのと、京都の二信金の移譲が行われました。その実態がどうなったのか、公的資金の投入も含めて報告をしてください。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 まず、最近の破綻金融機関の処理の状況でございますが、預金保険機構を通じましてRCCに確認いたしましたところ、平成十年度以降に破綻処理を行いました破綻金融機関、これ六十九金融機関ございますが、その債権のうち整理回収機構が買い取りましたものは、債務者数で約七万先、それから買い取り金額は約三兆三千億円ということでございます。 それから、次にお尋ねのございました京都みやこ信金と南京都信金の破綻処理の状況でございますが、これにつきましては先生御承知のように、十二年の一月に破綻を公表したわけでございますが、ことしの一月四日に京都中央信金への事業譲渡により破綻処理が行われております。 その破綻処理に際しまして預金保険機構から行われました資金援助の内容でございますが、破綻した金融機関の債務超過の補てん等のためにいわゆる金銭贈与をされました金額が三千九百三十二億円でございます。それから、RCCによる破綻金融機関からの資産買い取り額、これが千五百八十四億円という状況になっております。 それから、融資先の切り分けの状況でございますが、京都みやこ信金と南京都信金の債務者のうち、受け皿でございます京都中央信金に引き継がれました債務者は七万七千六百四先ということで、全体の約九六%の状況になっております。したがいまして、RCCに引き継がれました債務者は三千三百四十先で、全体の約四%でございます。 金額を申し上げますと、京都中央信金に引き継がれました貸出金額は五千八百二十六億円で、全体の約五五%、RCCに引き継がれましたものは四千七百二十二億円で、全体の約四五%という状況になっております。
○西山登紀子君 昨年の質問で、私は、いわゆるRCC送りという言葉は訂正いたします、RCC移譲というふうに言いかえてほしいという御注文がございましたので、RCC移譲というふうに言いかえますが、RCC移譲の乱造が行われているという問題を提起いたしました。実際、京都で二信金の処理にかかわって、今御報告があったように三千三百四十件RCCに債権譲渡、移譲が行われたわけでございます。 問題は、京都の新聞にも出ていたんですが、私も地元のRCCの支局に行って確かめましたが、そのRCCに移譲された債権の中で正常債権が多いと、こういうことなんですよね。RCCの京都支局に行きますと、確かに多いというお話でございました。数は言えないけれども確かに多いですね、こういうお話でございました。これは、手間暇かかる小口の中小企業の債権を、言葉は悪いけれどもRCCの方に送って、京都中央信金は日本最大の信金になったわけですね、いい債権ばっかり持った。 結局、そうなりますと、バブルあるいは不況の原因をつくり出した銀行が、今度は金融システム安定化の名のもとに公的資金はもらうわ、そして厄介な、とりわけ厄介だと思われるようなものは正常債権であってもRCCに移譲してしまう、こういうゆゆしき事態が起こっているんじゃないかと思うんです。全国的にどうですか、把握していらっしゃいますか、金融庁。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 ちょっと手元に数字が信用金庫の計数しかございませんので、それに沿って申し上げますが、平成十一年度以降現在までに破綻処理が行われました信用金庫につきまして、合計で見ますと先数で二十万八千件強ございますが、そのうちRCCに買い取られましたのは一万三千件強でございまして、全体の六・五%がRCCの方に引き継がれているという状況でございます。
○西山登紀子君 その中で、正常債権が含まれている率なり額なり、そういうのは把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 そのお答えの前にちょっとお断りを申し上げますが、先生も御承知だと思いますが、まず営業譲渡の基本的な仕組みでございますが、まず破綻をいたしますと、預金保険機構が紹介した監査法人が債務者区分等をまず行います。その後、いろいろ破綻金融機関と受け皿金融機関の間で、ある程度時間もかかるんですが、協議をいたしまして、その中でまた特殊な事情がわかってきたり、あるいは監査法人の監査の後事情が変わったりというものも生じてきてまいりまして、そういうものが、それが正常先かどうかということは、その引き継ぎの時点では必ずしも正常先ではないと思うんですが、いずれにしても最初の監査法人の監査において正常先と判断されましたものが、RCCに送られたものもごくわずかでございますが、含まれております。
○西山登紀子君 これはやはり金融機関が正常債権までRCCに移譲しているという、非常に私は乱造だと言ったんですけれども、これはやっぱり銀行が全国的なモラルハザードを起こしているんじゃないかというふうに思います。これ、もっと正確に厳密にきちっと調査をしていただきたいんですが、どうですか。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 誤解を招くといけないということでお答えを今ちょっと控えたんですが、今申し上げました十一信金の合計について申し上げますと、いわゆる最初の監査法人の監査で正常先とされたもので、いろいろ協議の結果、例えばその後延滞が起こっているとかいろんな事情もあったと思うんですが、そういうことの結果、RCCの方に引き継がれた先数といたしましては二百七十二件ございます。ですから、繰り返しになりますが、債務者数で十一信金全部で二十万件余りありまして、そのうち二百七十二件のいわゆる当初正常先と判定されましたものがRCCに引き継がれているということでございます。
○西山登紀子君 私がつかんだ情報でも、京都の二信金だけでも七百から八百あるというんですよ、正常債権なのにRCCに移譲されたという部分がですね。ですから、ちょっと時間がないですが、これはやっぱりきちっと調べる必要があるというふうに思います。 それで、RCCにいわゆる移譲されたその業者の思いというのは一体どんなものかといいますと、確かに言葉は悪いから言いかえますが、RCC送りというふうな気持ちが本当は業者の中には気持ちとしてあるんですね。大変なところに送られたと。つまりRCC送りされたというだけで、運転資金が借りられない、即競売されるんじゃないかというふうなそういう思いをやっぱり皆さん持っていらっしゃる、日ごろ行きつけないところですから。そういう思いを確かに持っているということで、今、京都では南信金の関係の皆さんの中で、何にもRCCから連絡がない、どうしたらいいんだろうというふうなことで混乱と戸惑いがありますが、どのように対応されてきたのか、ちょっとお伺いをいたします。
○参考人(松田昇君) お答えをいたします。 整理回収機構におきましては、十二月の十八日にその不良資産の買い取りをいたしました後、総勢四十人の体制で、そのために京都支店をつくりまして、そこで現在二信金から引き継いだ債務者のファイルを精力的に読み込んでいるという状況にございます。 それによって債務者の実態把握に努めているところでございますが、なお、昨年の十二月の一日付で整理回収機構に譲渡されることになられました約三千三百先の皆さんには、お取引についての御案内という文書で、何かございましたらお問い合わせくださいということで、整理回収機構の京都支店の所在地、電話番号等を御通知申し上げたところでございます。 そこで、これらの債務者の約四分の一の方々が既に京都支店に参りまして、いろいろ面談をして相談をいたしておりますし、電話による照会も頻繁に行われております。また、RCCの幹部におきましても、昨年十二月一日の第二回中小企業金融に関する京都連絡会議へ出席いたしまして、債務者の無用な混乱の解消に努めますとともに、整理回収機構の回収の実態等への正しい理解を求めていると、このように聞いております。 いずれにいたしましても、整理回収機構といたしましては、今後とも債務者の面談を集中的に行いまして、個別債務者の実態に即しながら有効で適切な回収を図るように努力していきたいと、このように申しておりますし、私どもそのように指導をしていきたいと思っております。
○西山登紀子君 私もRCCの京都支局へ行ってみました。非常に丁寧に対応してくださいました。私、国会議員だから対応されたというふうに思いたくありません。ほかの皆さんもそういうふうにしていただきたいというふうに思うわけですけれども、今通知を出したとおっしゃった。これなんですよね。たった一枚のこのお手紙が、それも十二月一日でみやこ信金、それから南信金とRCCの連名ですが、これがぱっと入っておりまして、要するにこれから振込先変わりますよというだけの通知でございます。京都中央信金の中のRCCに口座で振り込んでくれと、こういう一片の通知で、じゃそこに振り込もうかというふうにはなかなかこれはなりません。特に南信金の側からは、RCCから連絡があるから待っていなさいというふうに言ったということなんで、待っていらっしゃった方もいるんですね。 そういうスイッチがうまくいっていないという一つの問題と、それから今おっしゃった、やっぱり体制が非常に問題でありまして、一遍にたくさんのそういう、私が言った乱造的にRCCに送られたものですから、RCCの職員さんも新しくふやしたわけですれども、一人百件ケースを抱えていると、もう段ボールにこんな積み上がった書類を読み込むのも二、三カ月はかかる、体制の問題も言っていらっしゃったわけでございます。 そういたしますと、これは債務者の問題ではなくて、むしろ異常な移譲にかかわる体制の問題などがあって返済が滞っている場合もこれはあるわけでございます。ところが、延滞後六カ月になったらぱんと競売だというようなことになりますとこれは大変でございます。移譲のスイッチ上の問題で、あるいは体制上の問題で返済が滞っている場合、これは当然ちょっと保留をして面倒かけないようにするというふうなことは、競売にすぐ六カ月だからやるというようなことはしないということ、それはお約束していただけますか。
○参考人(松田昇君) 先生から御指摘のありました点は、まことにそれはそのとおりでございまして、私どもとしましても、一つは国民の負担を最小化するために回収を強力、早期にやらなきゃいけないという使命を負っておりますし、他方、債務者の方々の実態に即した回収をしなければいけないという使命と、二つのバランスの中で回収をいたしております。 したがいまして、基本的には契約に従った債務の履行を求めていくと、これは基本でございます。ただ、中には悪質な債務者もおりますので、そのときは告発をしたり、あるいは預金保険機構の財産調査権の行使をしたり、あるいは法的対応を直ちにかけたりと、こういうことも間々にございますけれども、大半の誠意ある債務者につきましては、個別面談をして個別的な事情もよくお聞きした上で実効性のある適正な回収計画を立てていく、これを社是といたしておりますので、引き続きその点については留意をしていきたいと思いますし、それから何かございましたら、RCCの社長直結の相談室を設けておりますので、そちらに御連絡いただければまた違った意味での個別対応もできる、このように配慮をしているところでございます。
○西山登紀子君 約定どおりと言うんですが、約定どおり返していたんですよ。ところが、その二つの信金が破綻しちゃったので急にRCCになっちゃったわけですよ。その移譲するときにトラブルがあって、なかなかスムーズに返せなかった。その期間は、やっぱりそれはこちら側の問題としてカウントしないんだという理解でないと、これはあんたが悪いんだというふうにはならないと思うんですね。 今、丁寧になさっていただくということなんですけれども、やっぱり約定どおりというふうなことではなくて、そういうふうな重大な変更があった、破綻という被害をこうむったということから、どうかその移った方で善良に、きちっと返して営業も継続してちゃんとやっていきたいんだと思う皆さんには、返済途中の返済条件の変更だとか、借入金利や返済金額や返済期間の延長という弾力的な運用をぜひ丁寧にやっていただきたいということ、それをもう一度お約束いただけますか。
○参考人(松田昇君) 若干繰り返しになって恐縮でございますけれども、基本的には回収を早期にやるというのが私どもの使命でございます。 ただ、先生御指摘のように、誠意のある債務者で、しかも回収の機関としての立場から見ても、条件を変えた方が実質的に国民の負担を継承する回収になる、それから債務者も誠意ある対応をしている、そういう条件が整った場合には、当然のことながらそういう条件変更についても考える余地は十分にある、このように思っております。
○西山登紀子君 ぜひよろしくお願いをいたします。 次に、RCCに行ったときに、早くRCCから脱却してほしいという言葉をお聞きいたしました。つまり、卒業してほしいと言われたわけです。しかし、私考えましたら、もともと入学すべきでない正常な債権も入っているんですから、押しなべてみんな卒業という、そういうことではないと思います。 ですから、この問題を解決する、つまりまじめな業者の方々がやっぱりそれは一日も早くRCCから卒業するという形はぜひやらなきゃいけない、望ましい状態に置くということは必要だと思うんです。 それには方法は三つあると思います。一つは、入学前の状態に戻すということ。つまり、京都中央信金またはほかの銀行がそれをきちっと引き受けるということが一つですね。それから二つ目は、政府系金融機関のやっぱり出番じゃないかと思います。それから三つ目は、RCCの側もできるだけ、いわゆる卒業と言われましたが、その卒業をバックアップするような何かの努力をしていただきたい。 この三点について、それぞれにお答えをいただきたいと思います。金融庁から。
○政府参考人(高木祥吉君) お答え申し上げます。 私の所管でございます、先生最初の点でございますね、ほかの金融機関等とございますが、ちょっとさっきと繰り返しになって大変恐縮でございますが、もともと正常先と評価されましたのは、当初の監査法人の評価でそういう区別がされたわけです。その後、引き継ぎまでの間に延滞等が生じたとか、あるいは受け皿金融機関の方でもう既に破綻している会社の関係者であったとか、いろんな事情がございましてRCCの方へ引き継がれたわけでございます。 そういうことで、大変恐縮ではございますけれども、今申し上げましたような個別の事情によって受け皿金融機関が引き受けられないとした先につきまして、ほかの金融機関に引き受けてもらうということはなかなか困難な面もございます。また、金融庁といたしまして、そういったことの指導を強制し得る立場にもないということで、大変恐縮でございますが、今後そういう努力はいたしたいと思いますが、御理解をよろしくお願い申し上げたいと思います。
○政府参考人(中村利雄君) お答えいたします。 破綻金融機関との取引先のございます中小企業につきましては、私どもセーフティーネットをいろいろ張っているわけでございます。具体的には政府系金融機関あるいは信用保証協会において融資、信用保証を行うということでございますが、整理回収機構に債権譲渡されたことのみをもって融資や保証を断るのではなくて、事業の継続性など個々の中小企業者の実情を十分精査して与信審査を行うように指導もいたしているところでございます。 信用保証協会等に設置されました特別相談窓口に寄せられました相談の中にはRCCに債権譲渡される中小企業者からの新規借り入れに関する申し込みも含まれておりまして、例えば京都二信金関係におきましては、RCCに債権譲渡された中小企業者の中で、昨年の十一月一日にいわゆる七号指定というのをいたしておりますけれども、三月十九日現在までに保証を承諾された件数は七十件、保証金額は二十六億八千七百万円ということでございます。 また、政府系金融は有償の財政投融資資金を原資とするものでございまして、融資先や保証先の償還確実性を期する必要があるために、事業継続が見込めない等の返済可能性に問題がある場合には融資や保証を行うことが困難になるということも考えられるわけでございます。 いずれにしましても、引き続き中小企業者をめぐる金融情勢が厳しい中で、こうした破綻金融機関の取引先中小企業に対するセーフティーネット対策について十分留意して運営してまいりたいと考えております。
○参考人(松田昇君) 現在、RCC、整理回収機構におきましては、確かに新規融資ができないものですから、その中で、卒業といいますか、脱出可能といいますか、そういう見込みのあるところにつきましては、一つは、先ほどお話が出ておりますように、国とか京都府等の制度融資について、それをぜひお使いくださいという紹介や奨励をいたしておりますし、最終的にはやはり他の金融機関に経営を健全化して移られるように何とか頑張っていただきたい、こういう慫慂をしているというのが実情でございます。
○西山登紀子君 では、このテーマの最後に大臣にお伺いしたいわけですけれども、七号規定の活用が非常に急務になっているわけですけれども、今ならネガティブリストというのがあるわけですが、四月からはこのネガティブリストというのが廃止されてしまいます。今でも、京都の場合ですけれども、七号認定を受けられているのにもかかわらず七割しか特別保証が受けられていないということなので、これは四月からネガティブリストが廃止されると一層厳しくなるんじゃないか。 これをやはりどのように対応していただけるか、その点だけお伺いしたいと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 京都の二信金を含みます破綻金融機関の融資先となっております中小企業者につきまして、今るる西山先生から御議論がございました。私どもも大変注意をしてまいったつもりでおりますけれども、御案内のように、セーフティーネット保証の対象として保証限度の別枠化等の措置を講じておりますし、さらに昨年十二月に改正されました中小企業信用保険法におきましてセーフティーネット保証の別枠を含む無担保保証の限度額、従来一億円でございましたが、一億六千万に引き上げさせていただいたところでございます。 今お話しのように、この特別保証制度は終了するわけでございますが、そういう意味でいわゆるネガティブリスト方式による審査ではなくなるわけでございますが、しかしまた、先ほども長官が申しましたが、欠損が生じておりましても早期に業況回復、利益計上が見込まれる場合には欠損が生じていることのみを理由に保証対象外とはしないといったようなことなど、個々の中小企業者の実情に即したきめ細かい審査を通じて総合的な保証判断を行うように指示しておるところでございます。 また、セーフティーネット保証について申しますれば、万一代位弁済となった場合の信用保証協会の負担に対しましても、通常は五割でございますが、八割を国が補助することといたしまして平成十二年度補正予算で手当てをいただいたわけでありますが、こういうことを通じて信用保証協会が通常の保証以上に積極的に保証を行いやすい環境を整えておるところでございます。 こういったことを通じて、委員御指摘のような破綻金融機関関連の中小企業者の方々に対する円滑な資金供給というものを引き続き図っていきたいと考えております。
○西山登紀子君 私はせめて、この七号のネガティブリストの延長と同時に、三十兆円の枠がありますね、それを三月末でもう終わりだというふうにしないで、あと三兆円ほど枠が残っておりますから、ぜひその分も中小企業の皆さんの融資のために使っていただくという英断を大臣に要望しておきまして、時間がありませんので次の質問に移ります。 家電リサイクルが四月一日から実施がされるわけですけれども、そのことについてお伺いをしたいと思います。 今マスコミでもいろいろな問題点が指摘をされておりますけれども、四月一日はもう目前でございます。製造事業者のリサイクル料金は、テレビが二千七百円、洗濯機二千四百円、エアコンが三千五百円、冷蔵庫四千六百円と決まっているんですけれども、メーカーの指定処理場に回収していく運搬費というのがどうも決まっておりません。どうなのでしょうか。
○政府参考人(太田信一郎君) お答えいたします。 家電リサイクルにつきましては、先生御指摘のように、これまで各地域におきまして自治体、小売業者、製造業者等の関係者による話し合いによりまして指定引き取り場所の設置、各地の収集・運搬システムの構築が行われてきたところであります。これを踏まえ、現在、各地で小売業者、自治体の収集・運搬料金の検討が行われているところであります。 平成十三年一月の社団法人全国都市清掃会議の調査では、回収を予定している自治体のうち、既に条例により収集・運搬料金を定めているものが四三・六%、条例を準備中の自治体が四一・四%であり、また御指摘の小売業につきましては、一部の家電小売業者において指定引き取り場所までの収集・運搬料金を決定し、公表しているところでございます。 ただ、まだまだ足りないというか、公表していないところが多うございます。ということで、家電リサイクル法では小売業者に収集・運搬料金をあらかじめ店頭において公表することが義務づけられております。家電リサイクル法の円滑な施行のためにも、小売業者に対して速やかに料金の設定と公表を行うよう引き続き促していきたいというふうに考えております。
○西山登紀子君 四月一日からなんですよね。ところが幾らになるかわからないんですね。そうすると、消費者に幾ら理解と協力を求めても、リサイクルの料金はわかっているのだけれども、いざどれだけ払わなきゃいけないかというのはわからないんですね。 いろんな報道によりますと、値段はいろいろ自治体によっても違うし、小売業者によってもいろいろ違うんだけれども、二千円、三千円、今の自治体の五百円とか千円とかというものよりもうんと取られちゃうんじゃないかと。そういたしますと、リサイクル料金プラスもう五千円、七千円というふうに相当払わなければならないということになってまいります。ということで、最近の新聞報道でも、多くの自治体関係者やあるいは識者の方から消費者が負担を嫌って電化製品の不法投棄がふえるんじゃないかという御指摘がございます。 私も京都なんですけれども、町の親切な電気屋さんというふうなことを合い言葉に御商売なさっているんですが、京都府の電機商業組合加盟店の方から緊急に懇談の要請を受けましてお話を聞いてまいりましたけれども、今そういうことなので、この小売店の店先に夜な夜なふえていくと、不法投棄が。こういう状態なんで、この先本当にどうなるんだろう、大混乱するんじゃないかというふうなことなんですが、この不法投棄の増大の懸念、どうなさいますか。
○副大臣(中山成彬君) 不法投棄につきましては、今お話がありましたように、小売店の店頭への廃棄を含めまして従来から廃棄物処理法により禁止されているところでありまして、環境省、自治体等の関係機関とも連携して、同法を適切に運用することによりまして不法投棄を防止するように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 なお、今回の家電リサイクル法におきましては、小売業者に対し廃家電を引き取り製造業者等に適切に引き渡す義務を課しておりまして、製造業者等に対し廃家電を引き取り適正にリサイクルする義務を課しております。不法投棄のないよう適正にリサイクルされる仕組みとしております。このような義務を履行しない事業者は、命令、罰則の対象となっておりまして、これにより廃家電が廃棄されず適正にリサイクルされる仕組みを確保しております。 また、小売業者が確実に廃家電を製造業者等に引き渡すようにマニフェスト制度が導入されておりまして、このような仕組みによりまして適正にまた厳正に運用されるよう担保をされているところでございます。 さらに、不法投棄防止のためには何といいましても本制度につきまして消費者、事業者の理解を得ることが必要不可欠であると、このように考えておるわけでございまして、環境省や自治体とも連携をとりながら、普及啓発用ポスター、パンフレットその他を作成いたしまして、あるいはまた説明会とか市民参加型のシンポジウム等の啓発活動を行っているところでございます。法施行後におきましても、家電リサイクル法にのっとった適正な排出、処理が確保されるよう積極的にまた普及啓発活動を行ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○西山登紀子君 私は、答弁は大臣にお願いをしていたわけですよ。ちょっと今の御答弁では私は今この懸念される不法投棄、混乱というのは解消されないし、大変なことになっていくんじゃないかと思っております。 廃家電の処理の八割というのは小売店を通じての回収になるわけですけれども、今、小売店の皆さんからお伺いいたしますと、本当に運送料が高くなる、そういたしますと、量販店と競争がなかなかできないんだ、勝てないんだということになって、その運搬相当分を値引きをせざるを得ないということになる、これはもう営業が成り立っていかないというようなお声もあったわけですね。 そこで、私は提案なんですけれども、いわゆるストックヤードというのを全国百九十カ所に設けているということなんですが、京都でもたった三カ所しかございません。非常に遠いです。それなのにそこまで小売店が持っていけ、その運送料は消費者に払えということになるわけですけれども、これはやっぱり酷だと思います。ですから、せめて今できること、東京都は不法投棄分をメーカーに負担をしなさいというふうに決めたというふうに聞いているんですけれども、私は、メーカーがせめて製品納入の車で廃家電を回収して自分のところのストックヤードまで自分が運ぶんだという、せめてこんなことはちゃんとやらせてしかるべきじゃないかと思うんですが、これは大臣、お伺いしたい。そうでないと、今の予想される混乱は私は解決しないと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(平沼赳夫君) お答えをさせていただきますけれども、メーカーにやらせればいいではないか、こういう御指摘でございますが、メーカーは不法投棄との関係を有していないわけでありまして、メーカーにその処理に係る負担を求めることは適当でない、こういうふうに思っています。従来どおり廃棄物処理法に基づいて自治体による処理や取り締まりが行わるべきと、こういうふうに考えております。 また、不法投棄された廃家電メーカー負担による処理については、いわゆる捨て得となりまして、排出者等のモラルハザードを招きかねないことにも配慮が必要だと考えております。 なお、不法投棄防止のためには、本制度について、今、中山副大臣からもお話がありましたけれども、消費者、事業者の理解を得ることが必要不可欠でありまして、今後とも環境省とも連携をとりつつ、普及啓発運動を積極的に行うとともに、先ほどお話がありましたマニフェスト、管理票制度の厳正な運用等により不法投棄の防止に全力を挙げていきたい、こういう考えでおります。
○西山登紀子君 法律の建前はそういう設計になっているんですけれども、その設計が非常にうまく動かないよというのが今実際実態として出ているわけなんですよ。だから私は、いろんなやり方があって、メーカーがその分をサービスで持っていきますよというふうなことだってやってもらったらいいと思うんですよね。そうしないと、本当に小売店はつぶれるし、それから不法投棄でそういう家電は本来の三R、これをちゃんとリサイクルしないということがもう目に見えているので、ぜひその点はお考えをいただきたいと思います。 それで、最後に、今、例えば名古屋市議会なんかでも、もともとこの問題はリサイクル費用の後払い方式を採用したことにそもそもの原因があるんだから、やっぱりこれは買うときに適正な価格を上乗せする、その方がいいんだというようなことを意見書で採択しております。 昨年六月のEUの廃電気・電子機器指令は、廃電気・電子機器を返却する消費者から費用を取ってはならないということまで決定しているわけでございます。見直し規定の五年をまつまでもなく、今そういう出直しについて検討を始めていただきたいと思います。 最後に大臣のお答えを聞いて、質問を終わります。
○国務大臣(平沼赳夫君) 今、名古屋市議会等からの後払い方式ではなくて前払い方式にするような意見書が出ていると、こういう御意見がございました。 平成十年の家電リサイクル法導入時においては、既に販売され家庭内で使用されている三億台の家電製品についてもリサイクル料金を徴収すべき等の観点から、産業構造審議会及び生活環境審議会の報告等も踏まえて、廃家電を引き取る際に排出者に対して料金を請求する、こういうことにしたところであります。 また、御承知のように、家電リサイクル法においては、小売業者に対して、廃家電を引き取り、製造業者等に適切に引き渡す義務を課して、製造業者等に対して、廃家電を引き取り、適正にリサイクルする義務を課しており、不法投棄のないよう適正にリサイクルされる仕組みとしています。このような義務を履行しない事業者は命令、罰則の対象となっておりまして、これにより廃家電が廃棄されず適正にリサイクルされる仕組みを確保しているところです。また、小売業者が確実に廃家電を製造業者に引き渡すような、今申し上げましたマニフェスト制度が導入されており、こうした仕組みにより法が厳正に運営されるように担保されております。 不法投棄防止のためには、本制度について消費者、事業者の理解を得ることが必要なので、繰り返しになりますけれども、環境省、自治体とも連携をとりつつ積極的に啓発運動を行っているところであります。 平成十年五月十五日の衆議院の商工委員会、五月二十八日の参議院経済・産業委員会の家電リサイクル法に係る附帯決議においても、「法施行後、新たな事態が発生した場合には、法律の見直しを含め制度についての所要の改善が迅速に行われるよう措置すること。」等とされており、法施行後の運用状況を見ながら、今言ったような御意見も踏まえて、必要に応じて措置を講じていきたい、このように思っています。
○西山登紀子君 どうもありがとうございました。
○海野義孝君 公明党の海野でございます。 最初に、平沼大臣にお伺いしたいと思いますけれども、このところ、去る十九日に日銀が思い切った金融緩和政策を打ち出しまして、それに相前後しまして総理が渡米されて日米首脳会談が行われたと。大臣所管の経済産業関係につきましても大変重要な内容のお話があったのではないかと思います。これは新聞等の報道しか私どもはただいま現在では知るすべもございませんけれども、そうした中でやはり経済構造の改革を推進するということ、同時に不良債権の処理を迅速に進めていくと、こういうような問題がお話にあったように聞いております。 私、二十一世紀に入りまして、特に今我が国の抱えている問題の中では大臣御所管の経済産業関係の問題というのが国民にとりましてもやっぱり一番今重要な問題であり、この行方が大変注目されているわけでございます。もちろん社会保障等の問題もありますけれども、今なぜ消費が上向かないのかという問題につきまして思い思いの議論がありますけれども、やはり私は、二十一世紀のグローバリゼーションが進展する中での我が国の経済産業というものが、確固たるそういった対応というものがまだできていない、むしろこれから急いでそれを整備していかなくちゃならないという状況下にあると、このように思うわけです。 そうした中で、御所管の経済産業省におかれましては、いわゆる不良債権の裏腹の問題というのは、やはり企業の過剰借り入れの問題といいますか過剰設備の問題といいますか、こういったことだと思うんですけれども、そういった問題がここへ来まして大変風雲急を告げるといいますか、不良債権の処理にかかわる直接償却の問題等の関係で、一体じゃ企業の方についてはどうするんだという問題が今大変大きな問題になっておりまして、それについては大臣は、新聞等によりますれば、一昨年の十一月に成立しました産業再生法、そうしたいわば金融機関の債権放棄、この対象となるような企業に対して産業再生法を適用してはどうかということについて検討され、それについてはいわゆる専門家等による第三者委員会等の設置を考えてみてはどうかというような問題、それからまた企業の債務に対して、債務の株式化というような形で金融機関に対してその債務に対する棒引きに対して、一方では株式を取得するというような踏み込んだお話なんかもあるようです。 こういうことを含めて、当面、大臣が取り組んでいかれようとする産業サイドに立った不良債権処理等に対する対応についてどういった方策をお持ちか、また具体的にそういったものをどのぐらいの期間をもって実効性のあるものにしていこうというようなお考えをお持ちか、そういったことについての率直な御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 大変、我が国の経済というのは、午前中の質疑の中でも申し上げさせていただきましたけれども、バブル崩壊後、一連の努力によって総体的には回復基調に入ったということが言えると思います。しかし、アメリカの経済の停滞ですとか、当初思っておりましたGDPの六〇%を占める個人消費が思った以上に伸びてこないというようなことで、デフレ懸念の中で今停滞をしていると、こういうことが現状だと思っています。そういう中で、与党三党でも緊急の経済対策をしなければならない、そういうような中でいろいろな対策が講じられてまいりました。 そして、経済産業省といたしましては、これまでも、中小企業庁を中心として、我が国の企業の大宗を占める中小企業対策としてきめ細かい対策を行ってきたことは事実でございます。そして、金融庁の担当大臣である柳澤大臣からも、金融サイドが抱えている不良債権、さらには産業サイドが持っているそういう不良債権、そういったものを処理するということが経済を安定軌道に乗せるためにはやっぱり避けて通れない道であろう、こういうことで御提案があり、委員も御承知のように、この一月からそれぞれの審議官クラスで金融庁と我が方と国土交通省、ここでかんかんがくがく議論を重ねてまいりました。その中で、不良債権問題に関しては、今御指摘のように、私は、閣議後の記者会見で、昨日、実は産業再生法というものを法改正を伴わないで省令と告示の改正によって対応し得る、そういう形で新たなスキームを考えさせていただいたところであります。 そういう中で、もう一つの御指摘の中では構造改革の問題にもお触れになりましたけれども、構造改革も不良債権処理と並んで非常に重要な問題でございまして、これは森内閣において、御承知のように、昨年の七月以降、日本の産業を新生する、こういう形で産業新生会議というものを開催し、行動計画が年末にまとまりました。 その中におきましては、やはり構造改革を積極的に進めていくためには二百六十項目、これを列挙いたしまして、そしてそのうちの半分は、今スピードの時代ですから、百三十は三年以内に達成する、その百三十の中で特に急ぐと思われるそういうものの百項目に対してはことしじゅうにとにかくちゃんと手当てをする、全体でも五年以内にやる。こういうことで、それぞれ各省庁連携のもとで今具体的な作業が行われ、法改正を伴うものは今国会でもお願いをする、こういうことで鋭意進めてきております。そういう中で、いわゆる構造改革の問題は、ITの推進も含めて力強く展開をしている、そういう現状でございます。 お尋ねの不良債権問題は、我が国の経済の自律的回復にとって、御指摘のように足かせになっている問題だと認識しております。 金融機関が不良債権を大量に抱えると引き当てを含む不良債権処理コストがかさんでしまいまして、新たな貸し出しに消極的になることによりまして優良な企業に資金が行き渡らないという、そういう問題があります。また、多額の不良債権を抱えていること自体が一つの不安要因、こういうふうにみなされまして、金融システムに対する信頼を損なっている面があることは否定ができないところでございます。 さらに、不良債権問題は、借り手である産業サイド、まさに経済産業省が所管をしている産業サイドからは債務が、過剰な債務を抱えた企業というのは新たな資金供給を受けられないで有望な投資機会があっても見過ごすしかない、こういうことでせっかくの機会を失っている、こういう現状もございまして経済の活性化につながっていかない、こういう問題もあるわけであります。 これらの問題を解決するためには、今お触れになりました直接償却を促進し、銀行のバランスシートから不良債権を外しまして企業の過剰債務問題を解決することが一つ重要だと思っています。直接償却には債権売却でございますとか債権放棄等もあるために、必ずしも直接償却イコール企業清算とは言えません。こうした処理を進めていくことは、御指摘のとおり、午前中の議論でも申し上げたところでございますけれども、大変短期的には痛みも伴うことでございます。 しかしながら、不良債権問題からの脱却は我が国経済を自律的な回復軌道に向かわせるためには避けて通れない道であるというふうにも思っておりまして、直接償却を促進し不良債権処理を迅速に進めることによって経済の動脈である金融システムの安定化、健全化が図られ、経済の構造改革も進展していくものと私どもは考えています。中長期的には我が国経済の新生にとって大変重要で有意義なものだ、こういう認識を持っております。 同時に、不良債権の処理に伴う影響を、中小企業というのが我が国は大宗を占めておりますから、最小にして、中小企業や雇用に対するセーフティーネット、これを構築して有効活用を図っていくことが私はポイントだと思っています。 特に、中小企業のセーフティーネットに関しましては、経済産業省といたしまして、倒産企業に売り掛け債権等を有する中小企業への連鎖倒産防止対策として、政府系金融機関や信用保証協会を通じて融資限度額の拡大等の特例措置を講じるとともに、中小企業倒産防止共済制度を実施しているところであります。加えて、事業活動の制限によりまして影響を受ける取引先中小企業や周辺地域の中小企業に対しても保証限度額の引き上げ等の措置も講じておりまして、今後ともこういったセーフティーネットをやりながら、今るる申し上げたそういういわゆる不良債権処理を進めて企業を安定軌道に乗せる、そのために産業再生法、これも活用しながら企業のいわゆる活力を取り戻していきたい、経済の活力を取り戻していきたい、このように思っております。
○海野義孝君 大変長時間にわたって、詳細にわたってのお考えをいただきましたのですが、やはり午前中からもお話のありましたように我が国の産業を支えている中小企業、これはもう現場を歩いてみますと大変な思いをされている。仕事がないということ、なかなか金融機関からの借り入れが依然として厳しい、こういうふうなこと等ありまして、御指摘の当面のいろいろなそういう不良債権の処理、産業の再生、痛みを伴うそういった問題には当然セーフティーネットを設置しなくては、大変な経済産業界にせっかくここまで回復途上にある我が国経済に再び混乱を招きかねないという心配があるわけで、経済再生のためには思い切った措置をとるということとのジレンマに遭っていると思います。 それはそれとして、手だてをやはり遅滞なくやっていくことが大事だと思うんですが、その点で中小企業について、一つはこの三月で特別保証制度、約三十兆円の保証をしまして、これもいろいろ問題はありましたけれども、これについての総括というか、この点について一言と、それからついでにもう一つ、貸し渋り対策としてのこの保証制度が終わるわけでありますけれども、今後、保証審査等における引き締めによって保証が受けにくくなるような事態を避けるために、保証審査についての弾力的な対応をする必要があるんじゃないかという問題。それからまた、中小企業の債権流動化について、いろいろと省としても御検討されている、御研究をされているようでありますけれども、そういった中小企業の売り掛け債権の流動化を促進する、そういった面でどういったことをこれからやっていかれるか、具体的な措置ですね、そういったことについて御検討されているんじゃないかというように聞くんですけれども、その辺含めて中小企業金融対策、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 特別保証制度というのは、異常な貸し渋り、こういう形で信用収縮が起こりまして、中小企業の皆様方は大変塗炭の苦しみを味わうようなそういう状況になりました。そこで、やっぱり出番は政府系金融機関である、こういう形で特別保証制度を創設させていただきました。 当初は、御承知のように二十兆円、この特別保証枠でスタートいたしましたけれども、やはりまだこれを継続することが必要である、こういうことで一年延長いたしまして、規模も三十兆円にいたしまして実施をしてまいりました。 これはあくまでもそういう事態に対応して異例、特例の措置、こういうことで対応してきたところでございますけれども、先週末までに集計をいたしてみますと、非常にたくさんの御利用をいただきまして、百六十四万件、この御利用がございまして、保証をしたその総額というのも二十七兆五千億、こういうことで大変多くの中小企業の皆様方に利用され、また利用していただいた方のお声を伺いますと、これは非常によかったと、こういう評価もいただいております。 もしこの制度がなかったら、健全な企業まで資金繰り難による経営の危機に瀕したと私どもは思っておりまして、この制度を中心とする一連の金融システム不安、信用収縮対策の効果として、平成十年度、十一年度合計で私どもとしては約一万社、負債総額約二兆円の倒産が回避されて約十万人の雇用が維持されたと、こういうふうに思っておりまして、ある意味では我が国経済がデフレスパイラルに陥らない、そういうことで非常に効果があったのではないか、こういうことでございまして、特別保証制度導入後、最近の中小企業をめぐる金融環境について、平成十年の当時と比べてみますと非常に改善してきていることも事実でございまして、緊急対策としてのこの制度は大きな成果を上げたと、こういうふうに思っております。 また、二番目のお尋ねの、特別保証制度では保証審査を緩和していたが今後どうするか、こういうことでございますけれども、特別保証制度では、未曾有の信用収縮に対する臨時特例の措置としまして、大幅な債務超過により事業継続が危ぶまれる場合等を除いて原則として保証を承諾する、いわゆるネガティブリスト方式によって実施してまいりました。この三月いっぱいまででございまして、ことしの四月からはさきの臨時国会でお願いをしました新たな保証制度、こういうことがスタートをするわけでございますけれども、この特別保証制度終了後はこうしたネガティブリスト方式による審査ではなくなることは事実であります。 しかし、昨年十二月下旬の中小企業信用保険法の改正に際しまして信用保証協会に対して私から指示を行いまして、例えば欠損が生じても早期に業況の回復が見込める、利益計上が見込める、こういう場合には、欠損が生じているということだけを大幅にクローズアップして、そして融資態度を決定するということはしないで、いわゆる個々の中小企業者の実情に即したきめ細かな審査を通じて総合的な判断をするようにと、こういう指示もさせていただきました。 また、特別保証制度の期限を控えて中小企業に対する円滑な資金供給を図る必要がある、こういう認識から、一つは、各経済産業局が各財務局、各都道府県との共催で地域融資動向に関する情報交換会、これを開催いたしまして、金融機関の融資動向について各地域ごとに、これは二十八府県で行わさせていただきましたけれども、きめ細かい把握に努めることにいたしました。 また、昨年十二月に講じた信用保証に係る制度、運用の改善の趣旨を再度周知徹底して、窓口における親身になった対応、また返済条件の変更を含む保証等の弾力的かつ迅速な実施による円滑な資金供給への配慮を求むるべく、信用保証協会等の関係機関に対して改めてこういった基本方針で臨むべきだと、このような指示もさせていただきました。 以上を通じて、いわゆる特別保証制度終了後も中小企業者に対する円滑な資金供給に万全を期していきたいと思っております。 また、売り掛け債権の流動化、こういう問題について、私どもとしては、中小企業が有する売り掛け債権の流動化を図る、こういうことは物的担保の制約や間接金融の枠組みにとらわれない新しい資金調達の道を中小企業に開くものであり、極めて重要だと思っております。 中小企業庁では、民間有識者や関係省庁に御参加をいただいて、中小企業の売り掛け債権の流動化のための課題について検討を行わさせていただいています。去る十五日に最終報告を公表したところでございまして、こういう抱えている債権の流動化というものも、債権が二重に譲渡されるおそれがあるなど法制上の問題がありますけれども、これについては法務省とも連携をしつつ、現行の債権譲渡登記制度の改善等に努めていきたい。 また、二番目として、債権譲渡禁止特約という商慣行の問題もあることは事実でありまして、この点については、債権流動化による金融についての認知度を向上させて商慣行に起因する制約を取り除くような取り組みを積極的に進める必要があると思っています。 中小企業のこういう債権の問題にさまざまなリスクが存在するために、民間ベースでは当面十分な流動化が進まないという問題がございます。これに対して、公的機関が過渡的な措置として保険や保証を行う、こういうことも有効ではないかと考えておりまして、今後、御指摘のこういった問題について、具体的な支援措置についてさらなる検討を進めてまいりたい、このように思っております。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。 当初申し上げた、また御答弁がありました産業再生、特に不良資産の償却、処理促進の上からも、中小企業に対するしわ寄せといいますか、そういった影響が懸念されますので、御指摘の点につきましては重々御配慮をしていただきたい、このように思います。 そこで次に、先ほども大臣おっしゃいましたけれども、日本新生枠の中にも入っておりますが、昨年の補正予算の中でも四つの柱の中の一つとしてのいわゆるIT化の問題ということ、これは五年間で世界でも先端を行く、そういった言うなれば整備をしたいと、こういう方向でございますけれども、大変我が国の新しい経済の発展のやはり中核を占めていく、そういう分野であろうということでございます。 そこで、これにつきましても、特に中小企業に関して絞ってお聞きしたいと思うんですけれども、やはり中小企業のIT化につきましてはきめ細かな目標の設定、指導の必要性ということが大事ではないか、こう思うんです。 それで、具体的に、政府としましては重要性を認識されて、三月の初めに発表になりましたe—Japan重点計画の中では、「二〇〇三年度中に、中小企業のおおむね半数程度がインターネットを活用した電子商取引等を実施できることを目標とし、」と、こういうように目標が明確にされているわけでありますけれども、ただ、具体的に中小企業のIT革命への対応を支援する場合に、この目標設定ではあいまいではないかと思うんです。 例えば、中小企業庁が作成した平成十一年度の中小企業の動向に関する年次報告によりますと、ホームページを作成している企業の割合は、中小企業の場合、製造業で約四七%、サービス業もほぼ同じ、ほぼ半数ということになっておりますけれども、一方では、小売業は一八%という低い数値であるということでありまして、中小企業といいましても規模とか業態によってはIT化はかなり異なっているわけでございます。 そういった点からも、おおむね半数程度といった目標ではなくて、やはり詳細なきめ細かい目標を設定して中小企業のIT化に努めていく必要があるんじゃないかと思うんですね。この点についてはどんなお考えでしょうか。
○政府参考人(中村利雄君) お答え申し上げます。 御指摘のように、e—Japan重点計画におきまして中小企業のIT化を推進ということで、二〇〇三年度末、これは電子政府の構築が終わる年でございますけれども、それまでに中小企業のおおむね半数程度がインターネットを活用した電子商取引等を実施できることを目標として、必要な支援策を総合的に講ずるということを決めたいというふうに考えておるわけでございます。 私どもは、これはもちろん具体的な目標を持ってやった方がいいということでこういう目標を掲げたわけでございますが、先生御指摘のとおり、中小企業の規模とか業種とかによってIT化の進展度合いがいろいろ違うわけでございまして、やはりきめ細かな支援策を実施することが必要であるというふうに考えております。 そのために、現在、具体的な取り組みを定めました中小企業IT化推進計画というのを中小企業庁で取りまとめ中でございます。昨日、パブリックコメントを締め切ったわけでございますが、近々策定することといたしているわけでございます。 この計画案におきましては、具体的には、第一に、商工会議所の研修におきましては、パソコン、メール等の使用のための入門的な研修から、インターネットを活用した電子商取引の導入のための実践的な研修まで、段階別のメニューを実施したいというふうに考えております。 また、地域レベル、都道府県レベルの中小企業支援センターが中小企業の相談窓口としましてITの取り組みの相談を受けます。さらに、課題を具体的に絞り込みまして、ITコーディネーター等の専門家を個々の企業に派遣することによりまして、中小企業の立場に立って各中小企業の状況に応じたアドバイスを行いたいというふうに考えております。さらに、中小企業のニーズにこたえまして、標準的なソフトウエアあるいはシステムの開発を支援していくことといたしております。さらに、具体的な機器の導入等についても貸し付け、リース等により支援をしていくということにいたしているわけでございます。 このように、中小企業の規模、業種、業態に応じたきめ細かな支援策の実施を通じて中小企業のIT化を推進していきたいと考えております。
○海野義孝君 IT関係でもう一つだけ、これまた大臣にお願いしたいと思いますけれども、今IT、ITと言われておりますけれども、一過性に終わらない政策の展開ということがやっぱり大事だと思うんです。 現在審議中の平成十三年度の予算におきましても、IT関連は、広くとらえますと全体では一兆九千二百億円ということで、経済産業省としましても一千億円を超えるような額が一応考えられているわけでございますけれども、二〇〇三年の行政の情報化、電子政府の実現については五百億円を超える予算措置が行われているわけです。現在これは審議中と思いますが、費用と効果のことを考えますと、こういったIT化ということで、そういうパソコンのメーカーが潤うといった一過性の効果にとどまらないで、やはり電子政府の実現による永続的な行政の効率化とか、例えば電子入札の実施によるコストの削減等の政策の実施を真剣に考慮していくという必要があるというふうに考えるわけですけれども、IT化の推進によってこれが我が国の経済あるいは国民の生活に大きく寄与していく、そういうやはり息の長い政策の展開とその発展に取り組んでいただきたい、このように思うわけでございますけれども、その点について。
○副大臣(中山成彬君) 議員御指摘のとおりだというふうに考えておりまして、例えば政府や自治体等がみずから使う情報システムにつきましては、インターネットを用いてだれでも手軽にかつ安全に申請、届け出が可能な汎用システムの開発などを行い、決して一過性ではない、永続的に行政の効率化の効果が出せるようなそういう方向に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 また、これらのシステムの開発者は厳正な入札手続あるいは公募審査等によって選定されるため、一部のパソコンメーカー等だけが潤う結果にはならないようにしておるところでございます。 なお、政府調達の電子化につきましては、平成十年に設置されました総理直轄のタスクフォースであるバーチャルエージェンシーにおきまして各省連携による検討が開始され、現在、平成十五年の実現に向けて準備が進められているところでございます。 経済産業省といたしましては、この状況を見つつ、できる限り早期に調達の電子化によるコスト削減等を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○海野義孝君 これは急にお昼に追加の御質問を申し上げたので大変申しわけない、失礼だと思いましたけれども、というのは、午前中に藁科先生の方で大分私が申し上げたいような問題について相当突っ込んだ御質問があり大臣からも御答弁があったので、その分についてはできるだけ重複を避けたものですので、お聞きしたい問題は、WTOの新ラウンド立ち上げに向けた現状についての問題と、さらに新ラウンドに向けた我が国の政策スタンスの問題、こういったことについて、でき得れば大臣からお考えをお述べいただきたいと思うんです。 具体的に申し上げますと、これは大臣も、先般お聞きしました十五日の所信におかれて、本年十一月に開催予定のWTO閣僚会合において十分に幅広い交渉項目を備えた新ラウンドを立ち上げられるように引き続き努力をしていくと、こういうことを表明されました。しかし、新ラウンド開始に向けた機運というのは、実際にはこれはもう本来であれば昨年あたりに立ち上げられるというように思っていたんですが、WTO自体の対応がおくれているようでございまして、なかなか事務レベルの折衝も難航が予想されているというようなことも聞くわけでございます。 そういうことで、新しいラウンド立ち上げに向けた現状はどうなっているかという点が一点。 それから、新ラウンドに向けて、例えばEUでは武器以外はゼロ関税とするというような政策を打ち出しているように聞いているわけでございますけれども、我が国としては新ラウンド開始に向けてどのような政策スタンスで臨むお考えか。 例えば、最近ではタオルの問題、中国からの輸入の急増、それから先般私も千葉の農村地帯での農村の決起大会に出ましたけれども、いわゆるセーフガードの発動について、野菜や水産物、こういったものの分野においてもそういう動きがあるわけですけれども、関税の引き下げ等市場開放の動きがある一方では、こういう輸入制限を求めるなどの動きもあるわけでございます。 そういった点で、経済産業省としてはどのような戦略をもって新ラウンドに対応していくお考えかというようなこと、これが二点。 それからもう一点は、いわばWTOを中心として経済産業省としましては従来はマルチラテラルなそういう交渉をとってこられているわけですけれども、昨今ではシンガポールとか韓国、メキシコなどのような自由貿易協定構想というような、バイラテラル的なそういう交渉とも言えるようなものが見受けられるわけでございまして、ある種の政策転換であると言えるのではないかというふうな気がしないでもないわけでありますけれども、そういうような政策転換を行う必要があるのか。 いろいろと御答弁差しさわりがある部分もあるかと思いますけれども、お答えできる範囲で、ひとつ今申し上げたことについて簡略にお願いいたします。
○国務大臣(平沼赳夫君) 新ラウンドの立ち上げに関しましては、私は昨年の七月に通商産業大臣に就任をして以来早期立ち上げで精力的に取り組んできたところであります。 具体的には、EUのラミー委員でございますとか、東南アジアでございますとマレーシアのラフィーダ貿易担当大臣とも積極的に話をしながら努力をしてまいりましたけれども、委員御承知のように、アメリカの大統領選挙、こういうものがございましてなかなかアメリカが動かないという、こういうふうな状況で新ラウンド立ち上げというものがまだ滞っている、これが現状でございます。 新ラウンドの立ち上げに向けた現状についてどうだというお尋ねでございますけれども、我が国は、本年十一月にカタールで開催予定のWTO閣僚会合において十分に幅広い交渉項目を備えた新ラウンドを立ち上げられるよう今努力をしているところであります。 まず、WTOの所在地ジュネーブにおいては、新ラウンド立ち上げに向けて非公式の協議が活発化しつつあり、気運は徐々に盛り上がりつつあると私は承知しております。新ラウンドを立ち上げるためには主要国のコンセンサスが重要でありまして、この観点から、日、米、カナダ、EUのいわゆる四極において事務レベルでの会合を目下重ねております。新ラウンドに向けて前向きな議論が積み重ねられてきておるのが現状でございます。米国に関しましては、ゼーリック通商代表はWTOを重視する姿勢でありまして、これも新ラウンド立ち上げに好影響を与えると、このように期待しております。 新ラウンドの立ち上げは途上国の支持が不可欠でございまして、我が国はさまざまな場で途上国との対話を継続しておりまして、例えば投資ルールやアンチダンピングといった重要な交渉対象の候補について相互理解を促進するための対話セッションを開催するなど、きめ細かく努力をしてきているところでございます。 また、APECの場におきましては、新ラウンド立ち上げの環境整備の観点から、途上国のWTO協定履行能力を向上させるための支援を我が国がイニシアチブをとる形で進めてきておりまして、こうした取り組みの結果、途上国の新ラウンドに対する理解も徐々に深まっておりまして、立ち上げの機運の醸成が進んでいると、このように私は思っています。 いずれにいたしましても、我が国の発展の重要な基盤である多角的貿易体制を維持強化しまして、また先行きが不透明な世界経済に対して前向きな政策運営を試みていく上でも新ラウンドは重要な機会であると認識しておりますので、引き続き、今まで積み上げてまいりましたけれども、関係各国と緊密に協議をして、円滑な早期立ち上げに向けて努力をしていきたいと思っております。 それから二番目は、例えば新ラウンドに向けてEUなどは今御指摘のように武器以外はゼロ関税とする、こういうことで、新ラウンドはどういうスタンスで臨むのか、こういう御質問でございますけれども、新ラウンドに対する政策のスタンスと戦略に関することにお答えをいたしますけれども、我が国といたしましては、WTO加盟国の多様な関心がバランスよく反映される交渉とすることが新ラウンドの成功に必須の条件である、こういうふうに思っておりまして、新ラウンドを十分に幅広い交渉とすることを基本としております。 その中で、ウルグアイ・ラウンド合意に基づいて既に交渉が開始されている農業、サービスのいわゆる合意済み課題に加え、鉱工業品関税や世界的に乱用が問題となっているアンチダンピング協定の規律強化、グローバル化に対応した投資ルールの策定など、今申し上げたように幅広い分野を取り扱うべきだと考えています。 また、お尋ねのセーフガード、輸入制限につきましては、現在のWTOルールにのっとりましてその運用について的確に判断してまいる考えでありまして、今御指摘のように、日本タオル工業組合連合会あるいは野菜、こういった形でセーフガードの発動要請が現実のものとなっておりまして、私どもとしては的確に判断をしてまいりたい。 また、新ラウンドは現在のルールをより前向きに改定しようとするものでありまして、既存協定の運用とは別個のものと考えております。 いずれにいたしましても、WTOを中核とする多角的貿易体制が今後とも維持強化されるべく、新ラウンドの立ち上げに向けて、産業界はもとより、関係各国との協議を密にしてまいりたいと思っております。 それから、今二国間のそういう経済連携協定、WTO、そういうものが一つの流れになっているのではないか、これに対してはどうか、こういうことでございまして、我が国といたしましては、世界的な貿易投資の自由化を促進するための基本はWTOを中心とする多角的貿易体制の維持強化であると思っておりまして、この基本は私どもは変えておりません。 しかし、一方においては、グローバライゼーションの中で非常に世界は急激に変化をしております。こういう変化の速い時代に対応するためには、WTOを先取りする形でさらなる自由化、規律の強化及び新たな分野への取り組み等を内容とする自由貿易協定を実施して、その成果をWTOに反映させることも必要だと、このような考えを持っております。 また、自由貿易協定による経済連携の過程で、国内の諸制度が相手国制度との比較、調和等を通じて改革への刺激を受ける効果もこれによって大きいものがある、このように思っておりまして、私どもとしては、繰り返しになりますけれども、WTOを補完する、そういう意味で、WTO新ラウンドの立ち上げに向けた取り組みとともに、具体的には、もう御承知のように、シンガポールとは年内に経済連携協定を結ぶと、こういうことで進んでおりますので、二国間または地域的な自由貿易協定もあわせて進める、こういう基本的な認識で多層的な対外経済政策を実施してまいりたい、このように思っております。 どうぞよろしくお願いします。
○海野義孝君 どうも大変ありがとうございました。大臣初め経済産業省のスタッフの皆さんのますますの御活躍をお願いしたいと思います。 時間になりましたので、これで終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(加藤紀文君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、西山登紀子君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。 ─────────────
○梶原敬義君 大臣、御苦労さまです。 私はここのところ地元をよく歩く機会がありまして、そして中小企業の皆さんともよく話をするんですが、一体景気はどうですかと聞きましたら、大体平均して各業種ともここ三年来ずっと悪くなっているというのが大方のお話ですね。三年間ぐらいはやっぱりここずっと少しずつ悪くなってきていると。私は、政府の景気、経済に対する見方よりも、やっぱりもっと厳しい状況が実態は続いているのではないかと、このように考えておるんです。 そこで、政府にお尋ねしますが、一体景気の現状というのは、わかりやすく言うと、いろんな表現があると思うんだけれども、これだと、今はこういう状況だと、そして将来こうなる、こうするんだと、何かそういう、胸に落ちる、理解がだれもできるような説明ができないものかなと、質問に当たりまして、そのように感じましたものですから、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 梶原先生が地元をお回りになられて実際にそれぞれの業種の方々にお会いになられて、景気はこの三年来非常に悪くなっていると、そういう声をお聞きになられて今の御質問があったと思います。 今の景気というのは、せんだっての月例報告の中でも、バブルが崩壊して景気が非常に破綻をするような状況になり、その後いろいろな対策を打って、ずっとマイナス基調であったものが総体的に言えばようやくプラス基調になって、そして一・二のプラス、そして次は一・七になるというところまでは来ましたけれども、実際そういう先々においては厳しい、こういうことは私は一面あると思っています。しかし、総体的に言えば、例えば企業の収益力あるいは一連の設備投資、こういった問題を考えると、私は景気というのは回復基調に入ったということは言えると思っています。 ただ、午前中の質疑の中でも御答弁をいたしましたけれども、やはりGDPの六〇%を占める個人消費が、御指摘の先行きが見えない、そういう不透明感の中で一向に火がつかない。そこにもってきてアメリカのいわゆるIT関連を中心として、景気のある意味ではリセッション、後退が行われている。それが日本の例えば輸出にもろに影響が出てきて、さきの月例経済報告でもデフレ懸念の踊り場に入ったと、こういうことは私は事実だと思っています。 そういう中で、非常に私は現下の景気、経済情勢というのは厳しいという認識を持っておりますけれども、しかし私は、やはり一連の対策の中で、ベースはまだ変わっていないと。しかも、日本の全体の経済を見ると、悲観的なことをあげつらうと六百六十六兆の国の抱えている膨大な借金、こういったことで非常に気分が暗くなりますけれども、しかし同時に、日本の経済というのは、非常にまだ大きな力強さも宿していることは事実だと思っています。 そういう中で、もう梶原先生よく御承知だと思いますから余り細かいことは言いませんけれども、個人の金融資産ですとか外貨準備高でありますとか、あるいはこれから二十一世紀に向かっていわゆる科学技術創造立国の中で日本が持っている技術ポテンシャル、こういうことを考えていけば、やはりしっかりとした対策を打っていけば、私はこの国の経済を持続的な安定軌道に乗せることは可能だと。そのために、今、経済産業省も経済という名前がつき、産業に対して責任を持っておりますから、やはり率先して諸問題に果敢に挑戦をしていかなければならない。そういう中で、国民の皆様方にやはり具体的に目標をよく示して、そしてその現状というものを認識していただきながら、明確なそういう目標に国民の皆様方の心が一つになるような、私はそういうことを責任としてやっていかなければならないと思っています。 そういう中で取り組むべき問題としては、やはり経済構造改革を進めていくと、こういうことで、産業新生会議におきまして二百六十項目の項目を取りまとめて、これを迅速に処理をしていく、こういうことで具体的なプランもできました。また、ITというのは非常に潜在的なそういう将来性がありますから、これに対しても基本戦略というものを、七度会議をし、そしてその中で経済界や有識者の意見を入れ、かんかんがくがく議論をした中で一つの基本戦略を取りまとめ、これが実施の段階にある。そういうことも具体的に国民の皆様方に明示していくことが大切でございますし、午前中来議論が出ておりました不良債権の処理の問題、こういった問題も明らかにしていく。 そういう形で、今確かに踊り場に来ましたけれども、やはり日本のポテンシャルの総合力を発揮して、そして日本というのは、私は、もうこれは釈迦に説法で恐縮ですけれども、これだけ一億二千六百万という均質な、しかも非常にレベルの高い国民というものがきちっといるという国は世界じゅう探してもほかにはないわけですから、そういう意味で、あの戦後の、非常にもう国土が焦土になったあのときから立ち上がってきてここまで来たということは、やっぱり国民が心を一にしたという、そういう結果が今の経済的繁栄の一つの大きな引き金であったと思います。 そういう形で、経済産業省といたしましては、今の景気認識は非常に厳しい中にあるけれども、しかし目標を設定して、そしてやるべきことをきちっとやっていけば、私は必ず経済を持続的な安定軌道に乗せる、そして世界にも貢献することができる、こういうことで、私どもとしては一生懸命努力をさせていただきたい、このような認識でございます。
○梶原敬義君 大臣の丁寧な答弁をいただきまして、私も潜在能力とか我が国の競争力とか、今言われましたように、この狭い土地ですが、一億二千五百万の国民が住んでおられまして消費力もあると、そのことについては全く賛成であります。 ただ、私は、目標の設定の仕方というのは、よっぽど考えないといけないんじゃないかと思うんですね。私は少しちょっと物差しが違うんですが、やっぱり同じ経済をよくするにしても、究極的な目的というのは個人生活ですね。個人の家庭あるいはその人の生きがい、そういうものが本当に向上するような、認められるようなそういう形のものを中心にしたやっぱり個人消費の拡大か何かに結びつけていかないと、どうも何でもいいから火をつけろというのとはちょっと考え方が少し違う面がある。 かつて、私は国会に来まして、フランスに行きまして、日本の企業がフランスやドイツに進出している企業のところを同僚議員の皆さんとずっと一緒に回ってきた。私は、ちょっとそこで質問したんですが、フランスの労働者は一体何を目的で働くのかと。日本は、子供の教育、結婚資金あるいは病気になったときの医療費、年をとったときの年金、年金というか蓄え、やっぱりこういうもののためにもうせっせせっせと日本は働いていると。向こうはけろっとしてお互いの眼というか、これ何を言っているのかというような顔をして見るんですね。フランスの労働者というのは、やっぱり労働の目的というのは、年一回家族ぐるみで所得に応じてバカンスに行くと、しかもそれも長い日にちかけて。やっぱりそこがまさに労働の目的というのは違うんですね。 ですから、発想というんですかね、政府の発想。私は、やっぱり特に住宅あたりでもっと刺激したり、良質な住宅あたりもこの不況のときにはやればいいじゃないのと、もっと思い切って減税措置もして。あるいは住宅に関する消費税なんというのは取らぬでもいいじゃないか、都会の子供たちの一つの部屋ができるじゃないかというようなことも言ってきたんですが。やっぱり個人消費を拡大するにしても、もう三種の神器もありますし、パソコンぐらいかな、あと今伸びようとしているのは。そういうものはもう一段落していますからね。もっと何か個人の生きがいに結びつくようなそういうものを求めた経済政策をどんどん打っていくべきだと、非常に抽象的ですが、このように思うんです。 本当に若い人たちが今一番不安に思っているのは、二度にわたり年金を強制可決して、去年二度やりましたね。ああいうのを見ておりますと、今の三十代、四十代の人たちは、年をとったら年金大丈夫かなと、少子化だと、非常に不安ですね。だから、私、個人消費に火をつけるといったって、そこが不安でお先が見えないときに、しかも雇用不安だと、そういう状況の中では個人消費がなかなか伸びにくい。だから、どこに問題があるかというのを、やっぱり本当に基本的な急所をきちっと押さえて手を打っていかないと、これはなかなか簡単に言っても結果はついてこない、このように思うんですが、感想があれば。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私も、基本的には梶原先生とそう認識は異なっていないと思っています。やはり新しい消費が起こるようなインセンティブを与えなければ私はだめだと思っております。 今、住宅のことを先生お触れになられましたけれども、やはりもう今、日本の家庭というのはどの家庭でもテレビは複数台あるし、それから私の方の地元では、特に農村地帯は大体軽四を入れれば車を二台ぐらい持っている。ですから、もうこれ以上買う物がないというようなそういう状況です。 そこで今、住宅のことをおっしゃいましたけれども、やはり大きくいわゆる消費を拡大するということは、私は住宅政策に一つあるんじゃないかと。そして、今フランス人の例をお出しになられましたけれども、フランス人というのはバカンスを楽しむということで、それを目的に一生懸命働くと。それも一つの価値観だと思いますけれども、例えば、一つ自民党の中でも構想が出ておりますけれども、やはりいろいろな形で建てやすい状況をつくって、セカンドハウスというものを国民が等しく持てるようなそういう体制づくりをしていく。そうすれば、これから週休二日制であれば、もう今交通網が発達して、アクセスが発達していますから、そういう中で週末はそういう形で自然の中で住む。都会は再構築をして、非常にコンパクトな形で効率のいいそういうものを構築していけば、新しい家をみんなが持つということになれば、そこにも置かなければならないいろいろ家電製品や何かありますから、そうするとそういうことで、私は、千三百九十兆にもなんなんとしているそういう個人に属するいわゆる資産というのも動き出してくると思うんです。 ですから、これは一つの例ですけれども、先生がおっしゃるように、今の現状の中でいろんなこそくなそういう工夫をしてもなかなか出てこない、やっぱりそういう一つの大きな方向というのを設定して、その中で国民の皆さん方の合意をいただきながら、税制も考え、そういういろんなことを考えて、総合的にやっていって個人消費を伸ばしていくということは、私は先生が御指摘のとおりだと思っておりまして、やっぱりそういうことも総合的に大きく考えていくべきではないか。感想を述べよということでございましたので述べさせていただきました。
○梶原敬義君 来年度の予算との関係もあるんですが、新エネとか省エネの予算は、いつも私は言うんですけれども、やっぱりこういうのもこういう不況の折に、これはやがて石油が恐らくなくなっていく、これは議論があるところですが、私はそんな予感がしてならないんです。 ですから、太陽光にしても風力にしても、その他の新エネについても、通産省の予算というのは大したことないんです。伸びている伸びているといっても、もとが小さいから。それで、宣伝はうまいんです、通産省は。やったやったという宣伝はなかなかうまい。うちの県知事もうまいですけれども、それは冗談ですが。 だから、こういう予算はもう倍々で行くぐらい思い切ってつけて、これはきっと将来役に立つことですから、変なところに財政支出をするよりも私はいいんじゃないかなと思っております。答弁は要りませんけれども、そういう点では不満の残る予算であります。 次に、デフレ懸念ですね。デフレスパイラルとかよく言われておりますが、その状況について、専門的にもう少し確信を持って我々が判断できるような今のデフレ状況についてどう判断するのか、説明求めたいと思います。
○政府参考人(岩田一政君) ただいま御質問ございましたデフレにつきまして、三月の月例経済報告におきまして、我が国経済が緩やかなデフレにあるという判断をいたしました。 これまでデフレということにつきましては、人によりましていろいろな定義を使っておりまして、内閣府がこれまで使っていた定義は、物価の下落を伴った景気の低迷という、つまり景気の不振とそれから物価の下落が両方同時に存在するというような場合にデフレであるという定義をいたしました。しかし、ほかのいろいろ教科書を見ましたり、あるいは国際機関の定義とかいろいろなものを見ますと、単に物価の持続的な下落というのを意味する場合もございますし、あるいは景気後退という言葉のかわりにデフレというふうに呼んだりしたことがございます。 今回の月例経済報告で緩やかなデフレにあるということに改めましたのは、現在のような状況をちょっと見てみますと、先ほど大臣の方から御説明ありましたけれども、景気の改善に足踏みの状況が出ておりまして、ここでまだ物価が下がり続けるということは大きな問題があるであろうと。 それから、国際的な基準、これは特にIMFという国際通貨基金でもって採用しております定義がございまして、二年以上続けて物価が下がっているような状況というのはデフレであると、これはG7等でも同様の指摘がされております。 こういう二つのことを考慮いたしますと、緩やかなデフレにあるというふうに考えたらよろしいのではないかということで緩やかなデフレという判断をいたしました。 以上でございます。
○梶原敬義君 先進諸国で要するに最近こういうデフレというような表現で発表というか、規定づけられているところはあるんですか。
○政府参考人(岩田一政君) 判断いたしますときにいろいろ調べまして、戦前からの日本の状況あるいは先進国すべて調べまして、戦後を振り返ってみますと、二年以上続けて消費者物価が下落しているのは現在の日本だけということでございます。
○梶原敬義君 かつてスタグフレーションということを言ったことがあるんですね。政府が言ったのかだれが言ったのかはよくわからぬ。不況とインフレの同時進行。私はその話を聞いて、スタグフレーションなんて変なことを言うなと、こう思ったんですよ。日本の場合というのはまだ社会資本が非常に不十分な状況で、そしてスタグフレーションなんてあり得ぬのじゃないか。日本はまだ社会資本がどんどんこれから充実しなきゃならない国で、疑問を持ったんですよ。 だから私は、このデフレという、今度の政府の緩やかなデフレの傾向にあるというのは、国際的に見てどのくらいの評価というのか、不動のものなのか、定義が。これはちょっと余り簡単に言い過ぎている嫌いはないか。ちょっとそういう心配をするんですが、どうなんでしょうか。
○政府参考人(岩田一政君) 先ほど申し上げましたように、国際機関でありますとかあるいは国際会議等で使われているデフレの定義というものをよく調べました上で、今回のやはり日本の物価の下落、まだ下げ幅は小さいわけですね、一%未満でありますけれども、マイナス〇・三、マイナス〇・七と二年続けて下落を続けて、最新月では一%程度のマイナスということになっておりますので、国際的な基準に照らして現在緩やかなデフレというのは妥当な判断ではないかというふうに考えております。
○梶原敬義君 これまたあと何年かすればどういうことだったのかというのがわかると思うんですが、問題は、日銀の量的緩和というのが非常に効いていると思うんですが、今度の株価の問題にしても。これはやっぱり緩やかなデフレだということを前提に日銀も国債等の買いオペを通じた金融の量的緩和をやってきたんだと思うんですよ。この点はどのように考えればいいんですか。
○政府参考人(小林勇造君) 先日の日銀の金融政策の変更でございますが、これにつきましては、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長のための基盤を整備する観点から実質的にゼロ金利政策の効果を実現する政策が実施されたところであるというふうに考えておりまして、政府としても時宜に合った政策変更だというふうに評価しているところでございます。
○梶原敬義君 これは調整インフレみたいな、要するに量的緩和をすることによって調整インフレ的な傾向というのは出てくるのかこないのか、どういう見方ですか。
○政府参考人(小林勇造君) この日銀の政策変更の中身としまして、先生も御指摘のありますように、消費者物価指数の前年比の上昇率が安定的にゼロ以上となるまでこれを継続するということでございますが、実はこの金融政策が物価に対してどのような影響を与えていくかというのはなかなかすぐに効果が出るというようなことではないのではないかと私ども考えておりますが、マーケットに対して非常に金融変更の措置が安心感を与えている。したがって、企業行動なりさまざまな経路を通じて景気の回復に向けての大きな要素となってくるのではないかというふうに考えております。
○梶原敬義君 かつて大臣、プラザ合意、一九八五年に合意しまして、ずっと二百円超していた円がもう百五十円ぐらいまで下がっていって、そして輸出関連の企業がどんどんつぶれていったんですね。私も当時商工委員会におりまして、どうにかならぬのかという議論を大分したことがあるんです。 一方、アメリカは双子の赤字で、中曽根さんはロン・ヤスの仲で内需拡大、民活をやるしかないということで民活民活とこうやったんですね。結果としては民活は厳しい状況になっておりますが、要するに民間の活力でとにかく経済を刺激するということでどんどん刺激をしていって、あげくの果てはバブルがどんどん膨らんでいったんですね。そしてバブルが大きくなった段階で、これはどうにもならぬというので、ぶすっと突き刺してその膨らみを一気につぶしていったんですね。そして、その傷跡が銀行、金融機関がばばを引いたというか最終的にはそこに来て、今日までバブルの崩壊の傷跡が残ったまま今の不況の状況ですね。 そこで、内需拡大あるいは量的規制の緩和、こういうものをどんどんやっていくと今度は調整インフレみたいな形になって、これまたおかしな形の経済になってくる可能性が非常にあるわけですね。ここらは日銀の皆さんがおれば一緒に議論をしたかったんですが、そういう心配は一切ないのかどうなのか、感想を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 私は経済財政諮問会議のメンバーもさせていただいておりますし、また月例経済報告等にも出させていただいているわけでありまして、今、岩田統括官からお話がございましたように、やっぱり緩やかなデフレになっている、その証左は、先ほどのお話の中でも二年連続で消費者物価が下がったというその例は、戦後先進国にはない、日本だけの状況だと。ですから、私はその指摘は当たっていると思っています。 そういう中で、ある意味ではその日銀の資金というものが、供給量は多いと言っておりましたけれども、そこの銀行から下の私が所管している中小企業、零細企業にそれが回っていないということが大きな問題だと思っておりましたから、私はそういう場でも実は量的緩和、資金の供給量をふやしてほしいというようなことも発言をさせていただきました。 そこで、梶原先生がそういう形で調整インフレ的な措置をするとそれがどんどんインフレとして進むのではないか、こういう御指摘でありますけれども、今御説明がございましたように、そのマイナスからゼロに変じたところでそこはちゃんとスイッチをする、こういう安全弁がついておりますから、そういう中で皆が注意深く見守るという安全弁がありますから、私は、インフレが高進してハイパーインフレになるとか、そういうことは絶対にないと。 ですから、今やはり日本にとってはその血液たるそういう資金というものが隅々まで行き渡るということが大事でございますから、私は、今回やっていただいた措置というものは中小企業を所管する、そして産業を所管する大臣としては歓迎である、こういう気持ちでおります。
○梶原敬義君 あと一分ありますから、ちょっと。きょうの朝日新聞で麻生経済財政担当大臣が発言しているんですよね。そこでいいなと思ったのをちょっと読み上げてみますと、「不良債権処理を進めた場合に影響を受ける企業への対策は。」という質問に対して、「基本的には、企業を救済するのではなく、失業者を救済すべきだ。」と。失業者をですね。「非自発的な失業の場合は失業手当を受け取れる期間を延長するとか、いろいろな手だてを講じるつもりだ」、こう言っているんですね。要するに首切られた、人員整理に遭った人たちの場合は失業保険をもっと長くすると、そういうことを言っているんです。 ぜひ大臣も、やっぱりヒューマンな気持ちで弱い立場の人に対して手を差し伸べるような、そういう政策をとりながら経済を拡大していっていただきたいと思うんです。
○国務大臣(平沼赳夫君) 麻生大臣のその発言は私も読ませていただきました。私はもちろんそういう措置は必要だと思っておりまして、いかにセーフティーネットを張るかということだと思います。 ただ、中小零細企業も、やはり企業を運営しておりますとその中でいい部門と悪い部門があります。ですから、一生懸命経営されている方々のそういういい部門は伸ばすようなことをしまして、これはDIPファイナンスというようなことで対応するという、そういう方策もあるわけですけれども、やはりいいところは伸ばして、そして雇用を維持する。しかし、どうしても不採算部門でこれはどうしようもないというところは、ここはやっぱりそういう形で断念せざるを得ませんけれども、そういうところのセーフティーネットとして失業者を手厚くちゃんと保護していくということは、私も基本的には同じ考えに立っております。
○梶原敬義君 終わります。
○水野誠一君 きょうはセーフガードについて少し伺いたいと思います。 昨年十一月の日経ビジネスに「気が付けば中国は世界の工場」という、こういう記事が載っておりました。テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、オートバイ、いずれの製品でも既に中国がその生産の世界トップシェアをとっている。その勢いは目覚ましくて、かつての生産大国日本の座はもはや風前のともしびである、こういう内容の記事でございました。 そこで、ことしに入ってから話題となっております緊急輸入制限措置、いわゆるセーフガードの問題についてお尋ねをしたいと思います。 特定製品の輸入が急増し、国内産業に重大な損害を与え、また与えるおそれのあるような場合に国内生産を保護するために輸入を制限する措置、これがセーフガードということでありますが、先ほど海野委員からもWTOとの関連でちょっと触れられたわけでございますが、二月に日本タオル工業組合連合会が中国とベトナム製のタオルに対するセーフガード発動を申請したことから、ここのところ急激に報道もふえてまいりました。 伺うところによりますと、二カ月以内に調査するかどうかを判断し、六カ月以内の調査を経て発動の是非を決めるということでありますが、経済産業省では、自由貿易推進の旗振り役としてのお立場と、それから国内産業保護のお立場という二つのお立場の板挟みと言うべき状況ではないかなと、かようにも思いますし、このセーフガード発動については恐らく省内でもなかなか難しい問題だと、こうお考えではないかと察するところであります。 特に、平沼大臣は過去十一年間にわたって繊維産業にお勤めの経験をお持ちということでありますし、繊維業界の実情あるいはそのセーフガードの問題についても大変しっかりとした御見識をお持ちだと聞いております。昨年の予算委員会などでは、先ほどの答弁でもそうなんですが、セーフガードについては業界から発動要請があればWTOルールに沿って厳正に対処していく、こういう御答弁をされているということも承知しております。 そこで、まず大臣に、セーフガードを発動することのメリット、デメリットについて今、今時点でこれはなかなかお答えにくい部分かとも思いますが、どういう御認識をお持ちなのか。それからまた、今回のタオル工連からの発動要請を受けて省内では今時点でどんな検討状況にあるのか、この点について御説明いただければと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) いわゆるセーフガードというのはWTOのルール上認められている措置でございまして、繊維のセーフガードはWTOの繊維協定の中で認められている措置でございます。 そして、今、水野委員御指摘のように、これは輸入が急増して産業に対して著しいダメージが与えられた、こういうときには発動ができる。もう一つは、消費者やユーザーの動向も勘案しつつこういうことをやることになっております。ですから、今お話しになりました、特に中国が世界の工場的になって、洪水のように農産品も、繊維製品に限らず、そういう問題が起こってきています。 そういう中で、我が省としてはルールにのっとって厳正に対処するわけでございますけれども、いい面と悪い面はどういうことか、こういうことですけれども、これはやはり著しくダメージを受けている企業や産地、これに対してセーフガードを発動することによってその企業、産地が息を吹き返す、そして救われるというのは私はいい面だと思っています。 それから、これは一般論としていえば、悪い面というのは、やはり消費者が安価なそういう製品を手にとって、いわゆる安さ、そういう価値というものを享受していることも事実です。ですから、そういう意味では、消費者だとかユーザーの利益、それを損なうおそれがあるということも一般論としては事実です。 しかし、余りにもひどいダメージが与えられていて、そして調査をした結果これはやっぱりそれに該当するということであれば、私はルールにのっとってきちっとやるべきことだと思っておりまして、そういう意味では、今御指摘のように、二カ月かかってその調査を開始するかどうかというのを決めるわけですけれども、私は、日本タオル工業組合連合会からそういう要請がありましたときに、事務方には、これはスピードが大事なんだから迅速にやりなさい、こういうことで指示をさせていただいています。 それから、タオルについての発動ということなんですけれども、これはまだちょっと具体的に詳しい内容を申し上げる段階ではないんですけれども、急いでやれということで対処をしておりまして、中国などから輸入の急増によって多くの繊維産地というのが大変厳しい状況に陥っておりまして、対策の着手には一刻の猶予も今申し上げたように許されない、こういう状況でございますので、私どもは、この二月二十六日に日本タオル工業組合連合会が繊維セーフガードの発動要請を当省に対して行った、これを重く受けとめまして、その調査を開始するかどうか、そのことを今一生懸命に検討させていただいています。 そういうことで、繰り返しになりますけれども、私どもとしては迅速に対処する、こういうことで今事務方を督励しているところであります。
○水野誠一君 前田勝之助さんという方がいらっしゃる。これは御存じのように東レの会長でいらっしゃいますし、日本繊維産業連盟の会長でもいらっしゃる。私もよく存じ上げて、大変尊敬をしている方の一人なんですが、前田さんはお立場上このセーフガードの発動については前向きなお考えをお持ちなんですが、それでも非常に興味深いコメントをされております。 これは過日、先月だと思いましたが、日経新聞の記事の中で、輸入にはよい輸入と悪い輸入があるということをおっしゃっているんです。悪い輸入とは需給バランスを崩す輸入であると。必要以上に中国で買い込むが、日本国内にきちんとした流通ルートを持たず、たたき売りの値段で売るから関係している業者がすべて損を出していると述べる一方で、ユニクロブランド、これは今実はユニクロは非常に矢面に立たされているわけでありますが、ユニクロブランドのカジュアル衣料を展開するファーストリテイリング社のような営業力、企画力を生かしたきちんとした製造小売がよい輸入で、ビジネスにかかわる企業がすべてもうけていて、製品が全部売り切れていると述べられているわけです。 つまり、これは九〇年代の中ごろ、雨後のタケノコのようにロードサイドディスカウンターが出てまいりまして、彼らは生産とか販売のしっかりとしたシステムを持たないままにかの安売りを乱発したということで、そういった業種は今かなり淘汰されてしまっているということでありまして、私もやはり流通業にいた経験からいうと、こういうしっかりとしたシステムを持たないところは価格破壊、それに対してユニクロのようなしっかりとした生産から販売までのシステムを持って利益をしっかり出して、なおかつ価格を下げることができる、消費者の利便に供することができるということは価格革命、つまり価格破壊と価格革命というのは違うんじゃないか、こういう持論を持って今まで考えてきたわけでありますが、繊維業界の中でもこういう前田さんのような見方があることもぜひ御紹介をしておきたいと思うわけであります。 セーフガードをめぐってはいろいろな考え方はあるわけでありますが、どうも質的な面を無視して、単に価格的、量的な側面からだけ考えては問題は解決しないということだと思うわけであります。 良質な商品が適正な価格で手に入ることを望んできたのは、まさに消費者であるわけでありますし、だからこそ近年日本の繊維関連産業も国際化を進めて、海外への技術移転や流通改革を経てその消費者ニーズにこたえようとしている、こういう努力をしてきた企業も片方では存在しているということ、これもしっかりと理解をしなければいけないと思うわけであります。 そういう背景から、繊維業界の中にも今回のセーフガードに対する措置をどうするかということに対しては、慎重論は根強くあると私は承知しております。例えば、日本被服工業組合はセーフガード発動申請を見送ったということもありますし、タオル業界の中にさえ反対意見がある、反対の意見書をまとめたところもある、こんなことも御承知のとおりでございます。 セーフガードは三年間の限定措置であるということ、それから輸入数量の削減を求めるものではないことなどから、その効果に疑問を示す、こういう向きもあるわけですし、また発動ということになれば輸入数量の割り当てなどの面で日本の企業が不利益をこうむる可能性があるということから、結局は消費者がそのコストを負担することになるんじゃないか、こういう見方もあるわけでございます。 こういったセーフガードに対する慎重な見方というのが一方であるということに対して、大臣あるいは省としてはどういうふうにお考えなのか、お答えをいただければと思います。
○副大臣(松田岩夫君) 水野委員御指摘の点でございますが、もう御案内のことばかりかと存ずるのでございますけれども、国内の産業に急激な輸入の増加によりまして被害があるというときに、それを過渡的に救済するという措置でございます。 そのことの是非そのものということも問題があるわけでございますが、一方、例えば被害を受けまして、急激に産業の状況がおかしくなるというのもやっぱり国民経済全体として救うべき事象であろうと存じます。そういう調整措置としてWTOという国際的な場で決められ、今お話しの場合には繊維でございます、一般セーフガードとこのタオル等の繊維セーフガードとございますが、基本の考えは同じでございます。 したがいまして、発動いたしますときにも、正直、非常にこの協定あるいは国内規則によりまして九項目、厳正な審査をいたすわけでございます。 しかも、もし調査を行い、そして発動がされるといたしましても、御案内のとおり、初年度でも前年以上、前年より下回ってはいけない、二年目は六%以上と、輸入の数量がですね、三年目も六%以上、しかも最長三年ということになっている制度でございます。 そういう意味で、一つの救済措置ということででき上がっている制度でございますから、本当にそういう事態に対応するということであれば、それに対応して粛々と行わさせていただく。もちろん、その間、重要な項目として、当該国内産業の将来性といったことも審査項目の中に入っているわけでございます。したがいまして、業界としても、それなりのといいますか、必要な将来に向かっての構造改善対策といったものも伴ってまいるわけでございます。 こういったことを総合的に判断して実行するということで、タオルのケースでございますと、今慎重に省内で本当に実務的に基準に合うのかどうかというような立場で検討が始まったところでございまして、私どもとしては、取り決めに基づいて、相手国もあることでございます、先生おっしゃるように、国内のいろいろな事情もあることでございます、いろんな利害関係者があることでございます、そういったものの知恵の中から生まれた一つの国際的な制度でございますので、厳正に、しかも大臣おっしゃったとおり事態が事態でございますから一刻も早くと、二カ月とかいろいろその期間は許されておるわけでございますが、それはそれとして一刻も早く対応するということでやらさせていただいておるところでございます。
○水野誠一君 今、副大臣から御答弁がありました、あるいは先ほど大臣からも御答弁があったところで多少わかってくるわけですが、息を吹き返す、つまり過渡的な救済措置によって息を吹き返すということ、これがメリットなんだということなのでありますが、私がやはり一番心配しているところは、あくまでもこれは対症療法であって、副大臣がお答えになったような根本的な構造改革というものへのきっかけになっていくのかと、こういうところが私は非常に重要なポイントなんじゃないかなと思うんです。 この点はまた少し後で触れさせていただくとして、仮に今回このセーフガードが発動ということになりますと、繊維製品では初めてということだと理解をしておりますが、過去に綿製品について通産省がセーフガードを視野に入れて調査を行ったことがあると存じております。たしか九五年、九六年だったと思いますが、いずれも今回と同じように業界の申請を受けまして実態調査を行ったものの、実際にはセーフガードの発動には至らなかったわけであります。 これはなぜなのかということなんですが、輸入数量に減少傾向が見られたからだとか、あるいは中国側が輸出自主規制策を約束したからだという当時の報道も拝見はしているんですが、このときの経緯を、簡潔で結構でございますが、御説明いただければと思います。
○政府参考人(小平信因君) 繊維のセーフガードでございますが、今お話しございましたように、平成七年二月に、綿製のポプリン・ブロード織物、それから綿糸の四十番手クラスについてセーフガードの発動要請というものがございました。 これにつきまして、中国から、自分の方で輸出を抑えたいということで話し合いで解決をしたいという話がございまして、何度か両国政府間で話し合いが行われたわけでございます。この過程におきまして、中国からの輸入が減少傾向に転じたということで、調査を終了したわけでございます。 しかしながら、その後、ポプリン・ブロードにつきましてはまた輸入がふえ始めまして、平成八年七月に再び業界の方から発動要請があったわけでございまして、これに対しましても、再び中国の方からさらに中国側での自主管理措置を強化したいという申し入れがございまして、何回か話し合いが行われまして、それに基づきまして中国側が輸出を抑えるということで調査の続行が見合わされたということでございまして、その後、輸入量は全体的には安定的に推移しておりますので、調査は終了したという経緯でございます。
○水野誠一君 今御説明があったので多少わかってまいりましたが、結局その間にも繊維産業の構造改革に向けた取り組みはされてきたというふうに理解していいと思うんでありますが、そういう中でも、また今日のような事態が今度はタオルという業界の中で出てくると。これが先ほどから申し上げているような本当の根本的な構造改革というものがその間にどれだけ進んできたのかということを、大変私はそこのところを危惧しているところなんですね。 今回伺いますと、平成十三年度予算において事業費ベースで約六億円を繊維中小企業特別対策枠として初めて確保したというお話がございます。これは、衆議院の予算委員会の中でも論議をされているわけでありますが、どういう施策を予定した予算なのか、お答えをいただければと思います。
○副大臣(松田岩夫君) お答えさせていただきます。 平成十三年度予算案におきまして、地場産業等活性化補助金という補助金の中の約六億円、事業費ベースでございますが、繊維中小企業特別対策枠として確保させていただきたいということで、現在予算案に計上しておるわけでございます。これは、地場産業のあくまでも活性化のために組合や中小企業グループが行う新商品開発、人材育成、販路開拓等の事業に対して、国と自治体が事業費の二分の一ずつを出し合って、原則として全額を補助させていただこうというものであります。 この補助金について、繊維産地のための特別枠を確保いたしましたのは、今委員御指摘のとおり初めてのことでございます。平成十三年度予算案がぜひ無事に成立させていただきまして、各産地においてこの特別枠を活用していただけたらと考えております。 このほか、従来から繊維産地の競争力を強化していただくという意味では、国と県の共同負担で設けております繊維産地活性化基金というものがございますが、その活用を初めとした従前からの繊維産地活性化対策あるいはその他不透明な商慣行の是正、アジアなど海外消費市場への展開の支援、物づくりと消費者のニーズの双方に目配りできる人材の育成といったことなどを目的といたしまして、繊維産地競争力強化政策ということを行ってきておるわけでございます。 今後とも、一層そういった努力をしていきたいと思っておるわけでありますが、いずれにいたしましても、あくまでも先生御指摘のとおり前向きに積極的に構造改善をやろうという方々への対応でございます。
○水野誠一君 やらないよりはやった方がいいという感じはするんですが、失礼ながら今お話を伺っていても非常にまだ抽象的な感じが否めないんですね。どうもおざなりな予算消化がされて、結局何の効果も上がらないということにならないように。六億というのは決して十分な額ではないと思いますし、またそれをいろいろ各産地にまくことによって非常に効果が薄くなってしまうということもあり得ると。 先ほどユニクロという非常に具体的な事例を挙げたわけでありますが、やはりそういう意識を持っている企業あるいは意識を持っている産地、これはもう既にいろいろなことを自分たちで相当知恵を使い、行動に移していると思うんですね。でありますから、やはりそういった意味で、この六億という決して十分ではない予算ではありますが、これが本当に効果を生む使われ方をするということ。枠をつくるのは大変結構なんですが、実際それの活用のされ方ということにおいてもぜひ省内でしっかりとした議論をもっとしていただきたいなと思うわけでございます。 現在、国内繊維産業の例できょうはお尋ねをしてきたわけでありますが、この繊維産業の中に見られる現象というのは、実はほかの業界においてももうまさに中国との関係において今後ますます深刻化していくことだと予測をしております。 実際、これは十九日の日経新聞の朝刊ですが、テレビ生産、これは東芝が国内を撤退するという記事がございました。デジタルテレビを含めて中国に完全にシフトするということがありました。これは、東芝というのはテレビでは国内シェア三位でございますから、これによって上位のソニーとか松下も海外シフトを強める見通しだと、こういうふうに書かれております。 これは、具体的には深谷工場を閉めて大連東芝にその生産を移していくということでありますが、これは日本が人件費ということで比べていけば、やはり中国というのは十分の一あるいは二十分の一の人件費という事実がある以上は、これはどうしても競争には勝てない、単に単純なコストの計算ということでいけば勝てないということになっていくと。 そういう中で、我々が本当にどういう解決を探していったらいいのかということを考えていくと、決して対症療法的な保護措置ということではなく、それを一歩超えたところでの例えば国際分業化の考え方あるいは経済の国際的な枠組みの中で考えていく視野、こういうものをやはりもう一度しっかりととらえ直していくと。これは先ほどちょっと申し上げましたけれども、ある産地においてはやっぱり国内で競争してもこれはだめだということで、本当に自分たちの優秀な生産技術を持ってもう既に中国に工場を建てて見事にそれで成功をおさめているような、これも決して大企業ではない、中小企業でもそういう事例もあるわけでございまして、そういう視点からもやはり構造改革をしっかりと進めていくということがまず大前提ではないかなと。 それからもう一つ、市場としての中国というものもどうとらえていくか。これはやはり単に生産基地としてだけではなくて、もうその次には明確に市場としての中国というものも我々の視野に入れなければいけないものであると思いますので、そういう視点から、非常にダイナミックなグローバルな視点から、大臣に今後の政策についての御見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(平沼赳夫君) 経営者として御活躍になられたまさに水野議員の見識ある御見解だと、このように思っております。ですから、今御指摘のように非常に構造改革を進めて、幅広い視点に立って経済産業政策も進めていかなきゃいけない、私はそのとおりだと思っています。 私は、繊維産業に十一年間身を置いておりました。そういう中で、六〇年代、これは日本からアメリカに対して洪水のように繊維産品が行きまして、そしてこれは日米の繊維戦争と、こういうことに発展しました。しかし、最近、アメリカのそういう繊維関係業者の方が私の大臣室に来られますと、非常に元気がいいわけですね。それはどうしてそういう形で元気がいいかというと、やはり今御指摘の構造改革をやり、国際分業化をちゃんと進めて、そしてアメリカの持っているデザインですとか独自性だとかそういうものを付加して、消費者に受け入れられる製品をつくっていると、こういうことで、水野議員も御承知のとおり、アメリカのそういうアパレルを含めて繊維産業というのは非常に活力が出てきている。 ですから、私は日本もそういうことができないわけはない、そういうふうに思っておりまして、そういう観点で、伝統的な日本のそういう産業技術というものはこれはやっぱり守っていかなきゃいけない、そういうことも視野に入れながら、それをどういうふうにこのグローバル化した中で生かしていくかと、こういう視点、これは私は大事なことだと思いますし、今中国やあるいは東南アジアの国々は全部日本からの輸出超過、彼らから言えば輸入超過なんですね。 それは調べてみると、やはり彼らが工業化をするためのいわゆる部品というものは全部日本から買わざるを得ない。ですから、彼らは非常にインバランスだと言っても、そういうことは承知で日本に言っている、そういうケースが非常に多いわけです。 ですから、今はそういう形で彼らの工業化のためのそういう高度な部品が日本からどんどん出ていますけれども、やはり十二億も人口がいる国でありますから、そういう中で逆にその市場に着目して、日本の伝統的な培ってきた技術、産業製品というものが受け入れられる、そういうことはやっぱり付加価値を高める、そういうことは私は日本のポテンシャリティーからいってできないことではないと思いますから、そういう視点も含めて私は取り組んでいきたい、こういうふうに思っています。
○水野誠一君 ありがとうございました。
○委員長(加藤紀文君) 以上をもちまして、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公正取引委員会、経済産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業総合事業団信用保険部門についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤紀文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十七分散会