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151回国会参議院2001/04/02

金融問題及び経済活性化に関する特別委員会 第2号

発言数
167
登壇者
20
会派数
7
開催日
2001/04/02

会議録

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) ただいまから金融問題及び経済活性化に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る三月三十日、益田洋介君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として但馬久美君及び山下八洲夫君が選任されました。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官岩田一政君、金融庁総務企画局長乾文男君、金融庁監督局長高木祥吉君、金融庁証券取引等監視委員会事務局長五味廣文君、総務省郵政企画管理局長松井浩君、経済産業大臣官房審議官北村俊昭君、中小企業庁長官中村利雄君及び国土交通省総合政策局長風岡典之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件の調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁山口泰君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 金融問題及び経済活性化に関する調査のうち、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件を議題といたします。  まず、政府から説明を聴取いたします。柳澤金融担当大臣。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 去る三月九日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、平成十二年七月二十七日以降、中央省庁再編に伴い金融再生委員会が廃止された本年一月五日までの間における破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出申し上げました。本日、本報告に対する御審議をいただくに先立ちまして、簡単ではございますが、本報告の概要について御説明申し上げます。  まず初めに、特別公的管理が行われておりました長銀及び日債銀に係る措置につきまして、概要を申し上げます。  日本長期信用銀行につきましては、前回御報告申し上げましたように、昨年三月一日、預金保険機構が保有する長銀の既存普通株式約二十四億株を米国のリップルウッド社が中心となって組成した投資コンソーシアムであるニュー・LTCB・パートナーズ社に対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了しておりました。その際、昨年二月二十八日、予備的基準日貸借対照表に基づき三兆五千八百八十億円の金銭贈与、損失補てんが行われておりましたが、本年一月五日、基準日貸借対照表の確定に伴い、新生銀行より預金保険機構に対して金銭の贈与に係る特例資金援助及び損失補てん額の変更の申し込みがなされ、同日、金融再生委員会等により金銭の贈与、損失補てん額を三兆五千八百九十九億円に変更することが承認されました。  次に、日本債券信用銀行につきましては、昨年九月一日に、預金保険機構が保有する日債銀の既存普通株式約二十五億株をソフトバンク、オリックス及び東京海上火災保険を中心に構成される出資グループに対して譲渡することにより、同行に係る特別公的管理が終了したところであります。譲渡に当たっては、金融再生法の規定に従い、八月三十一日、預金保険機構より日債銀に対し約三兆二千四百二十八億円の金銭贈与、損失の補てんが行われたところであります。  また、長銀、日債銀に係る瑕疵担保条項に基づく解除権の行使状況についてでありますが、本年一月五日現在で、預金保険機構が引き取ることとなった案件は、新生銀行については前回御報告申し上げましたそごうグループのほか三社で債権額二千百四十一億円、支払い見込み額千百二十二億円であり、あおぞら銀行についてはそごうグループほか一社で債権額百六十三億円、支払い見込み額六十三億円となっております。  次に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分が行われた金融機関に関する措置につきまして御説明申し上げます。  管理を命ずる処分が行われていた国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行及び新潟中央銀行の五行の受け皿への営業譲渡については、各行の金融整理管財人により鋭意作業、検討が進められた結果、昨年八月十四日に国民銀行が八千代銀行に譲渡されたのを初め、本報告の対象期間以降の措置も含めますと、幸福銀行が本年二月二十六日に関西さわやか銀行に、なみはや銀行が本年二月十三日に大和銀行及び近畿大阪銀行にそれぞれ譲渡されております。残る東京相和銀行、新潟中央銀行に関しましても、東京相和銀行につきましては六月十一日に米国に本拠を持つローンスターにより今後設立される新銀行に譲渡される予定となっており、新潟中央銀行につきましては五月十四日に大光銀行、第四銀行を初めとする六行に譲渡される予定となっております。  また、協同組織金融機関に対しましては、昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、二十一信用組合に対し金融整理管財人による管理を命ずる処分及び金融整理管財人の選任が行われております。なお、その後において、二信用組合に対し、同様の措置がとられております。  続きまして、預金保険法に基づく金融機関の破綻処理について御説明申し上げます。  昨年七月二十七日以降本年一月五日までの間に、預金保険法の単独適用案件で金融再生委員会による預金保険法第六十一条第一項に基づく適格性の認定及び金融再生委員会及び大蔵大臣による預金保険法附則第十六条第二項に基づく必要性の認定が行われたものは、破綻金融機関数で見ると五信用金庫であります。  最後に、これらの破綻金融機関の処理に係る資金を経理する預金保険機構の各勘定の状況について御説明申し上げます。  まず、一般勘定については、ペイオフコストの範囲内の一般資金援助等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は一兆七千三百億円となっております。  次に、特例業務勘定については、ペイオフコストを超える特別資金援助や破綻金融機関の資産の買い取りに係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は三兆七千七百八億円となっております。  また、特例業務勘定において、ペイオフコストを超える特別資金援助の原資に充当するために設けられた特例業務基金に交付された国債の償還状況は累計で七兆八千二百七十五億円となっております。  さらに、金融再生勘定については、特別公的管理銀行に対する損失の補てん、金融機関等の資産の買い取りを行う整理回収機構への貸し付け等の業務を経理することとされておりますが、その一月五日現在の借入残高は五兆六百十九億円となっております。  このほか、金融機能早期健全化法に基づく資本増強に係る整理回収機構への貸し付け等の業務を経理する金融機能早期健全化勘定の借入残高は一月五日現在で八兆二千七百二十六億円となっております。  ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理に関しては、これまで金融再生委員会等において関係法令に従い所要の措置を迅速かつ的確に講じてまいったところでありますが、金融再生委員会の事務を引き継いだ金融庁といたしましても、今後とも我が国の金融システムの一層の安定に向けて万全を期してまいる所存でございます。  御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 星野でございます。  まず、金融庁にお伺いをいたしますけれども、この三月期の銀行の不良債権の処理残高は幾らか。銀行全体についてお聞きをいたしますとなかなかこれは金額の明示をいただけませんので、この場合の銀行というのを大手行に限って数字を示していただきたいんですが、三月期に大手行だけでどのくらいの不良債権の処理が行われるか、お答えを願いたいと思います。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) 十二年度末におきます銀行の不良債権の償却額でございますが、これにつきましては、申し上げるまでもなく、今の段階では推計でしか申し上げることができないわけでございます。主要十六行が発表しております決算予想というのがございますので、それをベースに申し上げさせていただきますと、十二年度末三兆五千億円程度を処理する、こんなような予想がされております。  ちなみに、この主要十六行におきましては、昨年の五月時点、それから昨年の十一月時点、それぞれ予測を出しておりますけれども、それに比べますと、五月時点に比べまして二倍、二・一倍ほど、それから十一月時点に比べましても一・四倍ほどということになっておりますけれども、これは一つには柳澤金融担当大臣が不良債権をオフバランス化するというような方針をお示しになったことに呼応して、非常に積極的に不良債権の処理を図るというような動きも、例えば一つの例を申しますとUFJグループなどでございますけれども、やっておる、そんなようなことも影響しているのではないかと思っております。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 私はもう少し多いと思っているんです。  というのは、この大手十六行はそもそも平成十二年度一年間の不良債権の償却額、最初に一兆五千億ぐらい、こういうふうに発表しておったんですね。それで、半期が過ぎた九月期で実際に処理したのは一兆三千五百億。このとき全銀行の処理額は二兆三千億ですから、業務益二兆五千億の範囲におさまっていたと、こういうような発表のされ方があったんですね。これが例えばいろんな書面でも随分流れました。    〔委員長退席、理事河本英典君着席〕  だけれども、いわゆるこの二兆三千億というのがいかにつくられた数字かというのが今のことでわかるんですよ。そして、去年の中間期になって大手行はどう言ったかというと、二兆五千億ぐらいだと。これは去年、平成十一年度と全く同じことをやっているんですね。平成十一年度は、当初は一兆五千億、それで期中で二兆八千億だと言って、三月までずっと二兆八千億だと言い続けてきて、最後は幾らかというと、四兆五千億だったんですね。銀行全体では六兆八千億ですよ。  こういうような期初のこの数字に対して結果が幾らかというのは、結果というのは、例えば柳澤大臣が直接償却と言ったからUFJが直ちに五千億以上積み増ししたとかそういうことはあるんですけれども、期初の数字というのはしかるべき根拠があって言ったことに違いないんです。それが結果的には三倍ぐらいに膨れ上がってしまうと。  私は、今、副大臣がおっしゃった三兆数千億のあれよりもっと多いと思っています。四兆を超えるんじゃないかと思っていますけれども、結果はもう少したってすぐからわかることです。    〔理事河本英典君退席、委員長着席〕  大体、それで言いますと、私の方で考えておるのは、UFJで一兆二千億ぐらいになるだろう、それから三菱グループで約七千億、それから三井住友系で八千億、それからみずほグループで六千億以上と、そのほかにまだあさひとかいろいろありますから、そういうことを含めていくとこれは四兆を超えるんじゃないかというふうに見ておりますけれども、そこら辺の見方について、副大臣、いかがお考えですか。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) ただいま、星野先生、大変よく御調査になられての御見解でございますが、今私どもの方で明確な形で年度末における不良債権の処理額、どれだけになるということはちょっと申しにくい。ただ、過去の例から申しますと、確かに期中の予想よりもふえている、それは現実でございます。  ただ、私どもといたしましては、やはりその不良債権が何と申しましても銀行の体力を損ないまして、そして積極的にいろいろ必要な資金供給をする足かせになっているのは事実でございますので、できるだけその不良債権の処理を急いでほしいという気持ちはもう申し上げるまでもなく持っているわけでございまして、そういう前向きの方向に進むことであればこれは評価に値することではないか、またそれを支えるようなフレームワークも私ども努力してつくってまいりたい、そんなふうに思っているところでございます。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 私が最初、結果はどうであれ、予定に対してどうかという見方を厳密にしなくちゃいけないと申し上げたのは、例えば健全化計画というのを注入行に対してはみんな出させましたわな。これに対して、その途中経過がどうなっておるか。これは半期または決算期ごとにその経緯についてはお示しいただいておると思うんですが、健全化計画に対してその値を全うしているというのは恐らく業務純益しかないと思いますね。そのほかの問題についてはみんな未達の状態であると思うんですよ。いかがですか、それ。  それは後でまた数字を示していただければよろしいんですけれども、これは私は臨時国会のときにもそのことを指摘しておいたんですけれども、例えば一番問題になっている一つに、大手行、日本の銀行の海外支店網のあり方というのがあるんですね。  そもそも健全化計画を出すときに、当時の金融再生委員会に私はこの点が大いに問題じゃないかと言ったら、確かに先生のおっしゃるとおりです、とても海外支店なんかやっていられる筋合いのない銀行までもしばらくの間続けざるを得ないと。  今度それが露呈したのはあさひ銀行です。あさひ銀行は約一千億の不良債権の償却を積み増ししてきて、海外支店約四十店舗、これ譲渡するのか閉めるか、あの銀行の母体からいったらとても海外の業務なんかできるような店じゃないんですね。こういうのが横並びでいってみんなやっている。ここら辺の整理が随分おくれていると思うんですが、副大臣、どうお考えですか。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) ただいまの問題はそれぞれの金融機関の経営判断の問題にもなりますので、個別の金融機関に関して申し上げるのはちょっと遠慮させていただきますが、一般論としてあくまで申し上げますと、私はそれぞれの金融機関が自分の体力に合わせた、また自分の得意わざというものを生かした行き方というものをこれからやはり考えていってもらわなきゃいけない、そういうことだと思っております。  統合が行われました幾つかの金融グループにつきましては、これはやはり将来、世界第二の経済大国でございます日本の金融機関としましては、当然グローバルなビジネスがきちんとできるような体力また体制も備えてもらいたいと思いますし、一方では、いわゆる地域金融機関のさらにもう一つ上というようなスーパーリージョナルバンクというようなこともございますけれども、そういう方向を目指すような大手行もあっていいのではないか。  ちなみに、あさひにつきましては海外の対応につきまして検討中だということは、それは報道等いろいろな形で承知はいたしておりますが、それにつきましても直接のコメントは避けさせていただきたいと存じます。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 お答えは大体それ以上のことは出てこないと思いますけれども、こういうことで、今度オフバランス化を図るということで直接償却その他はかなり進むと思いますけれども、ただ、地価の下落その他でもって今までの残高が容易に解消されるとは思わないわけです。(「委員会が成立していないですよ」と呼ぶ者あり)

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 十三名で、二十五の半分で過半数で成立しているそうです。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 ここのところ各紙が報じているように、金融庁は三年から五年をめどにというようなこと、これは明らかにされたのでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権のオフバランス化が必要だろう、こういう考え方のもとで、私、就任直後からそうした呼びかけをさせていただいておりまして、いわば我々の側といたしましても、その環境の整備というかそういうものが円滑に進められるように、何か足らざるところがあったらそこを補っていきたい、このように考えていろいろ検討をさせていただいておりますけれども、これがまた最近は与党三党の緊急経済対策の一環に取り込まれたこともございまして、今そうした意味合いもあって、そのことを念頭に置きながら検討しておるという段階でございまして、何か一部報道機関に先生が今おっしゃったようなことが流れたようですけれども、そういう事実はございません。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 それでは、金融というか銀行関係の問題というのはこれからも委員の皆さんからいろいろ御質問があるかと思いますので、時間の関係で私は、その結果としてゼロ金利の状態がしばらく続く、それによって影響を受ける生命保険の問題についてちょっとお聞きをしたいんですが、先日も東京生命が破綻をいたしまして、今年度に入ってから五つの生命保険会社が破綻したと。異常な事態が起こっているわけですね。  それで、東京生命については昨年の三月期で、ソルベンシーマージン率が四四六・七%、いわゆる二〇〇%を大分超えておる状態である。ただし、この破綻を予見させるような数字というのが既にあるわけです。それは、保有契約高がかなり減っていると。収入保険料に至っては二割以上減っているというような数字がもう三月期に出ているわけです。  ソルベンシーマージン率については、例えば債権の評価額の問題であるとか、いろいろ問題はあると思うんですが、一番怖いのは、いわゆる契約が相当解除されていく。そうすると、これは何という現象ですか、大臣はこの前おっしゃっていたけれども、下の方から順番にドミノみたいにアウトになっていく現象が起こっています。これは私も、協栄生命が破綻したときにその次の問題を、当面は大丈夫だけれども、こういう形で懸念されるということを申し上げておったんですが、それが現実のものとなってしまいました。  それで、新たな健全化率を模索していると思うんですが、この東京生命の破綻に関しまして、当局としては何か御見解がございますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生、ほかの委員会でございましたけれども、若干このあたりのことについての御議論がある中で、私も、ソルベンシーマージン比率というものは、それは他行と比較するというようなものではないんだと。ある水準を超えていればそれでもう十分なんですよと。まさかのリスクに対して対応ができるということを言っておるわけでありまして、多々ますます弁ずというか、そういう性格のものではないんですということを申し上げさせていただきました。  あえてさらに申し上げれば、そのソルベンシーマージンの推移をある一保険会社について時系列的に比較するということは若干のいろんな意味合いを持つかもしれませんけれども、それを他行と比較して低い方から、次はこれじゃないか、その次はこれだというような論議というのはまことにこれはあってはならない議論で、そういう議論が、誤った議論と私は言わせていただきたいんですが、そうしたものが世の中に広く行き渡るというようなことはもう絶対困りますということを申させていただいたわけでございます。  ただいま東京生命の件についてお話がございましたけれども、いろいろな、もちろん一つの理由でもってどうこうなるというものでは当然ないわけですけれども、大きな理由の一つにやっぱり契約残高というか解約が多く新規が少ないというようなことがあったということは私どもも認知をしているところでございます。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 例の生命保険の契約者保護機構というのがございますね。それで前回、日産生命が破綻した後、四千六百億という十年間で各社が積み立てる一つの枠組みができまして、ただしこれはまだ各行が二回しか支払っていないんですよね。それで、その後、東邦生命が破綻して一挙に三千八百億という負債が出て、ほとんどこれを食いつぶしてしまうということで新たに政府四千億それから保険会社が一千億と、五千億の枠組みがつくられたわけですけれども、幸いなことに千代田、協栄ともどもこの機構の世話にならない、自己資金で賄うということであったんですが、東京生命は今のところの見通しではどうでございますか。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) それでは私の方からお答えさせていただきますが、現在、私ども、東京生命の受け皿として幾つか複数の会社からスポンサーとなりたいという申し出を受けておりますけれども、いずれも保険保護機構からの資金拠出は必要がない、こういう前提で話を聞いている、そういう状況でございます。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 最初の四千六百億と後の一千億というのは生命保険会社四十数行が応分の拠出をして賄うものですけれども、私が知っている範囲内では、最大行の日本生命が年間百五十億、一番小さいところは百五十万円ですね。これで、要するに東邦生命を入れて、日産生命は別の問題ですから、六行つぶれたわけです。そうすると、最大の日本生命でこれはどのくらいアップになるんですか。四千六百億のとき百五十億だったんですね。それに一千億追加されて、さらに六行いなくなっちゃいましたから、そうするとどのぐらいふえますか、年に。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) とっさの御質問でちょっとお答えいたしかねることでございますけれども、ただ、いずれにいたしましても、私どもとしましては業界負担の五千六百億とそれから公的資金としての四千億と合わせて九千六百億というものは別にどこに境界線があるという性格のものではなく、九千六百億全体が生命保険の保護機構の利用可能な資金としてある。そういう意味で、保険契約者の皆様にその点は御安心をいただきたい、こういうふうに考えているところでございまして、各機関、各会社の負担額というのは、ちょっと申しわけございません、手持ちがございません。そういうことで御容赦をいただきたいと存じます。

星野朋市自由民主党・保守党

○星野朋市君 時間ですから終わります。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 自民党の山内俊夫であります。  今、先ほどの星野先生の話の前半の中にありました、なかなか不良債権が処理できない、なおふえているんじゃないかというような話もありました。このあたりの金融不安というのがいまだに根強くあると思うんです。その影響を受けて一番何が今困っているかというと、社会全体の困っている部分は中小企業なんです。資金繰りに大変今困っております。政府はいろいろ資金注入したと言いますけれども、なかなか一般の企業、中小企業に資金が回っていないのが実態じゃないかなと思うんです。これがやはりまだ社会不安を生んでいる原因になっている。私は今回、六、七点質問させていただきますけれども、非常に短い時間で最後まで行けるかどうかわかりません。全般的には中小企業を中心にということで物事を考えていきたいと思います。  まず、その中で金融関係、特に信用収縮というのは私は始まっているんじゃないかなと思うわけなんですね。例えば、日本の銀行全体は多額の株式を持っております。株式の保有高というのは大体自己資本の一・五倍を持っておるという、世界でもまれに見る日本の銀行体質なんです。特にBISの自己資本勘定にこれを組み入れて決算をやっておるということですから、株価がばっと下がれば当然中身もがらっと悪くなってくる、この悪循環を今しているんではないかなと私は思っております。特に株価の下落は信用収縮に非常に密接なつながりがあると思うんですが、このあたり、金融庁、どのように認識されておるか、お答えいただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先生のようなお立場の方が日ごろ接触をされる中小企業の経営者の皆さんからお金の回りが悪いぞと言われるようなそういうお話で、いろいろとその背景を探られる中で今おっしゃられたような立論をされるということは、その限りではわからないわけではありません。  しかし、我々の立場からはこれをいろいろなマクロ的な数字で子細にフォローしてウオッチさせていただいておるという立場でございますけれども、その立場からは深刻な信用収縮が起こっている、あるいは始まっているというような事実はございません。  それは、中小企業庁の施行されております借り手側の意識、これは貸し渋りというものが現在あるかという認識をどの程度持っているかということに関するデータでございますけれども、この貸し出しの貸し渋りを受けているかというようなことについて見ましても、例えば十三年二月で見まして、平成十年十月のあの金融危機などのときから比べれば、これは問題なく際立って低下を示しているということでございます。また、貸し出し条件が厳しくなったと答えた中小企業の割合も、当時に比べればもうほとんど半分に近いような比率になっておるということでございまして、なるほど貸し出しの残高というものは減少をしておるわけですけれども、その減少幅が若干縮小しているということはさておいても、むしろ私どもとしては、現下の経済情勢を反映して資金需要そのものがそう強くないというようなことではないか、このように思っております。  したがって、金融機関がみずからの事情によって貸し渋りをしたり貸し出し態度を厳しくしたりというようなことがあるということではないわけでございまして、ゆえに株価の変動がそういう態度につながっているんじゃないかという質問にお答えするまでもないわけですけれども、あえてそこまで踏み込んでのお尋ねでございましたので簡潔に申し上げますと、株価の変動によってなるほど今年度から、つまり直近の決算期でいえばこの九月期からそのことが問題になるわけですけれども、その場合には、シミュレーションとしていろいろ我々やった中でも、一万二千六百円程度であっても最大限見て〇・八%ぐらい自己資本比率に影響するかなということでございますということはかねて国会両院でお答えしておるとおりでございまして、もう非常に深刻な影響を自己資本比率にもたらすという事態ではないという認識を私どもは持っているところでございます。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 少し我々の心配することと違うような気がするんですが。  それでは、ちょっと日銀さんにもお聞きをしたいと思うんですが、私は物価の動向、特にデフレギャップの拡大というのから見て、もう既にデフレスパイラルに入っているんではないかなと思われるんですが、現状認識いかがでしょうか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) お答えをさせていただきます。  物価指数、いろいろございますけれども、ただいま御指摘のとおり、全般的にやや弱い動きが続いております。こういう物価の動きにつきましてはいろいろな力がそこに働いていると思っておりまして、最近でございますとやはり輸入消費財が大量に入ってきているというようなこと、あるいは流通構造がだんだん簡素になりつつあるというようなことが物価にも影響を与えていると存じます。  ただ、最近私どもが気がかりなのは、やはり需要の面で物価に対する下押しの圧力というのが少し強まってきているのではないか、あるいは今後強まっていくのではないかというふうに思われる点でございまして、具体的に申しますと、やはりアメリカを中心にしまして世界経済が急激にスローダウンしてきているものでございますから、我が国の輸出が減少に転ずるとかあるいは生産が弱含みになるというような変化が出てきております。設備投資につきましても、先行指標を見てみますと、機械受注などの下振れとおぼしき動きが見受けられるところでございます。こういうことですから、景気は全体として足踏みの状態になっておると考えておりまして、ここしばらくの間は停滞色の強い展開を続けるものと予想しております。  こういう状態を放置いたしますと、先生御指摘のとおり、先行きデフレスパイラルに陥る懸念といいますかあるいはリスクといいますか、そういうものが出てくるというふうに思われます。そこで、先般、私どもといたしましてもかなり思い切った金融緩和措置を講じまして、物価についての厳しい判断を背景といたしまして思い切った措置をとったところでございまして、当面はこういう金融緩和の追加措置がどういう効果を景気あるいは物価面に及ぼすであろうかということをよく見てまいりたいと思っているところでございます。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 それではもう一点ちょっとお聞きしたいんですが、今も金融緩和措置、三月たしか十九日に金融緩和措置をとったということで、当座預金残高一兆円積み増ししたというような話も聞いておりますが、私は、通貨の量的な緩和策というのはもっと一段と進める必要があるんじゃないかと思っておるんです。  といいますのは、一九九六年ぐらいから銀行貸し出しの伸び率ががくんと落ちてほぼゼロに近づいて、もうほとんどそれから毎年マイナスになっております。ですから、資金が注入されているんだけれども、じゃそのお金はどこへ行っているんだろうという我々は不審を感じるわけなんですが、このあたりもっと一段と量的な緩和を進めたいんだけれども、それは何か考えがありますでしょうか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) このところ金融機関の貸し出しが減少傾向をたどっておるということの背景につきましては先ほども柳澤大臣の方から御説明がございまして、私どもも、金融機関に対する借り入れ需要が非常に弱い、特に大企業を中心といたしましてむしろ借り入れを返済するような動きがずっと続いておるということも有力な背景だというふうに思っております。それに対して、もう少し量的な緩和を進めて貸し出しがふえるような環境にできないものかという御指摘かと存じます。  先般三月十九日に講じました措置は、金利面それから金融機関に対する流動性の供給の面、両面から私どもとしてでき得る限りの強力な措置をとったつもりでございますが、何分にも金融システムのある種の機能不全、なかなか思うようには信用創造機能が働いてくれないといった状況が続いておりますので、日本銀行の金融政策だけでもってこの状態を抜本的に改善するということはなかなか難しい面がございます。やはり金融システムの面について明確な前進が見られるということが、私どもの政策がもっと効果を発揮いたしますためにも一つの大きな前提条件になるんじゃないかというふうに考えております。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 それではまた金融庁にちょっとお聞きをしたいんですけれども、日本人の個人資産、これ膨大にあります、千三百八十兆あると言われておりますけれども、この大体五四%がほとんど預金等々のお金なんです。これが市場に回れば非常にいろんな意味で私は助かると思うんですがね。  例えば、ドイツは金融資本市場振興法を成立させまして、それから後に、四五・八%あったお金が、個人預金というのは三五・二%に落ちているんですよね。日本はまだまだ、いつまででも、これ日本民族の関係があると思うんです、ためるという非常に民族カラーがありますから。そのあたりが余りうまく市場にお金が回ってこないということなので、もう少し直接投資をできるように私はしたらいいと思うんですが、ドイツはこのあたり株価の最低額の引き上げをしたりとかファンド・オブ・ファンズの自由化ということもやっております。それと投資信託の商品性の改善、高齢者ファンドの育成、特にこの高齢者ファンドの育成というのは私は非常に注目をしているんですが、このあたり、金融庁は何かいい政策をお持ちでしょうかね。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) 全く私どもも同感でございまして、何とかいわゆる直接投資の方へ膨大な個人の金融資産が向いてくれるという状態をつくっていきたいということは常々考えているところでございまして、もともと私どもも平成十年ぐらいから金融システム改革の一環としていろいろなことはやってきておるわけでございます。  例えば、いわゆる取引所集中義務というのを撤廃しますとか、あるいはディスクロージャーを適切にやることによりまして投資家に十分な判断材料を提供する。それから、市場の公正性、透明性を確保するために公正取引に係る規制の強化をいたしまして、かりそめにも証券市場で余りおかしなことが起こらないようなそういう体制も整えてきたところでありますけれども、引き続きいろいろやってまいります視点でさらに私どもとしましてこれから努力しなければいけないと思っておりますのは、一つは税制の面でございまして、株式の譲渡益課税の問題でございますけれども、これにつきましても一般投資家が魅力を感じるようなそういう税制をつくっていく必要があるのではないだろうか。  それから、投資信託でございますけれども、これはよく言われますのは大変手数料が高いというような問題がございます。それから、商品につきましても、いわゆる株式指標、TOPIXですとかあるいは日経二二五というような、これとの連動が余りにも強いような商品ばかり出ているような実態がございます。そういう意味で、上場投資信託というのがございますけれども、これはアメリカで行われている例でございますけれども、取引所で売買可能な投資信託、こういうようなものが出てまいりますと手数料の面でもかなり安いことで流通も可能になる。これは一つの魅力のあるものではなかろうか。  それからさらには、証券の決済システムでございますけれども、これにつきましても改革を図りまして、社債あるいはCP、国債等につきまして振替制度で、要するにもう券面が動かないで取引がされる、こういうような方向へ持っていかなきゃいけない。こんなようなところを私どもとしましては検討を進めているところでございまして、そのほかに与党内では、例えば単位株を少し小規模な小さいものにしていきまして、取りつきやすいようなことにしていくとかいろいろなお考えが検討をされているところでございまして、私どもとしましても呼応しまして、体制の整備に努めてまいりたいと思っております。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 もう一点金融庁に質問したかったんですが、それは民間金融機関の不良債権の抜本的な処理のため、直接償却とかいうことも考えておったんですが、ちょっと時間がありません、せっかく中小企業庁もお越しいただいておりますので、ちょっと一問、質問をさせていただきます。  中小企業の経営難、かなり先ほどの話の中では金融的なものが非常に困っておられるというふうに深刻でございます。私は特に、民間金融機関も大事なんだけれども、政府系の金融機関がもっともっと支援を強化すべきであると考えているんですが、そのあたり、お答えいただけたらと思うんです。

中村利雄中小企業庁長官

○政府参考人(中村利雄君) 先ほど柳澤大臣からもお話ございましたように、現在の中小企業をめぐる金融環境につきましては、平成十年ごろに比べますとかなり改善をしていると思っています。ただ、いまだ厳しい状況から脱却したというふうに認識いたしておりません。また、三月中旬の調査によりますと、若干、将来貸し出し条件が厳しくなることを懸念する中小企業が増加をいたしているわけでございます。  こうした中小企業に対して円滑な金融を行うという観点から、昨年の秋の経済対策におきまして、例えば政府系金融機関の融資制度につきまして、担保徴求を一部免除するような充実強化を図りました。また、中小企業信用保険法の改正を行いまして、信用保証制度につきましても、関連企業の大型倒産等の環境変化に対応する中小企業の経営の安定を図るセーフティーネット保証の拡充、あるいは一般保証の拡充等を行ったところでございまして、これらを通じまして、中小企業に対する円滑な資金供給に引き続き努力してまいりたいと考えております。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 もうほとんど私の予定時間が終わってまいりました。  最後に、資産デフレ対策ということに対してお考えを聞こうと思って、財務関係の人に、きょうは副大臣にお越しいただいておりますのでお答えをいただきたい。また、副大臣はこの終わった後すぐ、少し急ぎの用があるということなので、退席の方はどうぞ構いませんから、よろしくお願いしたいと思うんです。  私は、証券税制とか土地税制というのは大胆なやはり改革をやる必要があると思っているんですよ。そのあたりをお聞かせいただけたらと思いますし、もうあと時間がないので、少しあと三十秒ぐらい私の意見を述べさせていただきます。  銀行のモラル低下というのは、私非常に最近甚だしいというのが浮き彫りになってきたと思うんですが、例えばある北陸の銀行さんなんかは、自分のところの不良債権を処理するために百五十人もいる企業をつぶしたと、これは詐欺的行為もやっているということも私聞いております。これはまた次の機会がありましたら、時間がありましたら私質問させていただきますけれども、この話は置いておいて、今、若林副大臣の方から証券税制、土地税制について少しお考えをいただけたらと思います。

若林正俊自由民主党・保守党財務副大臣

○副大臣(若林正俊君) 委員が、個人の金融資産を株式市場、マーケットの方に呼び込んだり、土地の流動化を促進することが可能になるようなそういう税制についての御質問でございました。  御承知だと思いますけれども、成立をさせていただきました十三年度税制改正におきまして、証券税制については、この四月から実施することとされていました申告分離課税の一本化を二年間延長をして、その間、源泉分離課税制度を引き続き平成十五年三月末まで適用することといたしました。また、土地税制につきましても、最近の土地、経済情勢や土地取引の状況を踏まえまして、これまで講じられてきた個人の長期土地譲渡益課税の税率軽減措置や法人の土地譲渡益追加課税制度の停止措置の適用期限を延長いたしました。先般示されました与党の緊急経済対策におきましても、証券税制や土地税制が盛り込まれておりますことは承知いたしておりまして、検討しておりますが、いずれにしましても、税制につきましては、やはり幅広い視点から専門的な検討が必要でございます。その意味で、政府及び与党の税制調査会においてしっかりとした論議をしていただく必要がある、こう考えております。  なお、十三年度の税制改正につきまして、与党の税制改正大綱におきましても、先ほど申し上げました申告分離課税一本化のあり方につきまして、直接金融を担う株式市場の役割、一般投資家の参加、公平な課税等の観点から、譲渡損失の取り扱い等を含め一本化にあわせて検討すると、そのようにされていることにも十分留意する必要があると考えております。

山内俊夫自由民主党・保守党

○山内俊夫君 ありがとうございました。  終わります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 民主党・新緑風会の浅尾です。  きょうは、不良債権の処理の問題、あるいは過去の金融政策、再生政策について、そしてペイオフ等の問題について質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に不良債権の問題につきまして、先般、UFJグループが引当金をほぼ倍増するという報道がなされました。そのことは株式マーケットにおいて非常に評価をされておるわけでありますが、しかし、よくよく考えてみますと、その中身は一般貸倒引当金と言われているものと個別貸倒引当金と言われているものを積み増ししたと。積み増ししたことがマーケットで評価されているということなんですが、期の途中で倍にふやさなければいけないということは、そもそもの自己査定がおかしかったんではないか、すなわち損失の先送り、あるいは損失、傷んでいるものを先送りしていた可能性があるんではないかなというふうに思うわけでありまして、同じように三井住友グループも大幅な赤字決算ということを発表しております。  そこでまず金融担当大臣にお伺いしたいと思いますけれども、その自己査定がおかしかったんではないか。とすればそもそも監督行政としてそのことについて何か言うべきではないか。あるいはUFJは途中で自分たちの自己査定がおかしかったから大幅な引当金の積み増しをしたわけでありますが、残りの三グループについてはどのように考えているのか。あるいはその他の一般の金融機関についてもまだまだ自己査定が甘いんではないかという思いが恐らくマーケットの中にあって、そのことが今の低い株価につながっているんではないかと思いますが、監督行政の立場からいってどのように評価されるか、伺いたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、浅尾委員が御指摘になられたように、最近の決算予想というような形で不良債権の処理額を増加させると、こういうことを表明いたしております。それはそれで私ども聞いておりますけれども、私どもといたしましては、いずれ決算が正式にくみ上げられて確定をした暁には、既定のものでございますけれども、フォローアップ作業の手続に入るわけでございまして、そのときによく事情をお聞きするということになろうかと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そのときにということでありますけれども、国際的に見ても、我が国のマーケットに対して多くの投資家がそういった疑義を持っていたと、持っていたところに最初にUFJグループが正直にというか自己査定を修正して、あるいは多くの引当金を積んだ結果、普通であれば損失がふえれば株価は落ちるというのが普通の見方なんですが、株価が落ちずにむしろ上がっているという経緯があります。それは、マーケットの評価としてはもう既にそんなことはわかっているよということなんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、本来は当然金融監督行政というものがあるわけでありますから、だとすればそれは一UFJグループだけじゃなくて、ほかのところにもそういうものがあるんではないかというふうに思うのが筋なんではないかなというふうに思います。  そこで、それじゃ今までの検査の中でそういった問題というのは見つからなかったという理解でよろしいんですか。UFJについてで結構です。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 検査の結果についてはその都度可能な範囲でその状況を明らかにしておるかと思いますけれども、自己査定と検査との間には、どこの銀行というわけではありませんし、またこのときだけというわけでもありませんけれども、見解の相違に基づく乖離があってそのことが指摘をされると、こういうことはあり得ることであるわけです。  今回のことについて、損失がふえて株価が上がるということで市場の評価が通常考えられるのと逆になったのではないかということでございますけれども、何と申しますか、先生が今おっしゃっておられることがどういうことか私も必ずしも完全につかめているとは思いませんけれども、いずれにせよ、不良債権の処理が進むということは、今の銀行が置かれている状況からいって、これは今までやや、何と申しますか、低目に見ていたものを正直に出したというようなことではなくて、不良債権の処理が進むことによって本当の意味の体質が改善されるという意味で私は評価することもあり得ようと、こう思います。  実際の市場の評価がどうであったかということは、私はここで言うべきことではなかろうと、こう思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 それでは、今まで低く見積もっていたんじゃないけれども、不良債権の処理が実際に進んだ結果損失が出たということは、逆に言えば、今まで不良債権の処理をしてこなかったと、してこなくても大丈夫な評価ができたということなんではないかなと思いますが、その点はいかがでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 要するに、今度のUFJ、余り個別の銀行にかかわって物を言うのはいかがかと思うんですけれども、あの場合には、一つは三行が統合したということに伴う評価がえというものも、査定がえというものもあったようでございます。それから、今の経済状況、これが影響しているということもあったと。それからまたさらに、先ほどどなたかの御質問でしたかにございましたように、直接償却に備えるというか、そういうことも気持ちの上にあったというようなことも仄聞しておるところでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今、三行が統合したことによる評価がえというものがあったというふうに御答弁をいただいたわけでありますが、例えばAという会社が三行の中でそれぞれ評価が違うという場合に、当然それを合わせて引当金をそのレベルに積み増すということなんだと思うんですが、そもそも金融庁の検査のときに、Aという会社、これは大手であれば、中小までということになるとなかなか大変かもしれませんが、Aという会社に対して、それが果たして破綻懸念先なのか要管理先なのか要注意先なのかということは統一して見ないと本来の検査ではないと思うわけですね。  例えば、名前を出しましたUFJグループではAという会社が破綻懸念先である、そして三井住友では要管理先であるというようなことも考えられるわけでありますし、場合によってはどこか違う銀行ではそこは普通の債権であるという可能性もあるわけであります。  そういうばらばらのものを統一して見るというのが検査の趣旨であり、そしてそれが統一して見られることによって本当の意味で不良債権に対する十分な引当金が積んでいかれる、あるいは積んでいない場合にはそれに対して是正措置をとっていくというのが金融庁の役割であると思いますが、現在、金融庁の検査の中でそのAという会社について銀行間の信用判定が違うということに対して指導はしていないんですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これはいろいろ議論のあるところでございまして、今国会においても既に何がしかの議論が実は行われているわけでございます。  私も、実は、この仕事に携わったときに直面した問題は資産の査定の問題でございまして、これがいかにあるべきかということについて実はかなり議論をいたしたわけでございまして、そのときには私は浅尾委員と同じ見解で議論をした記憶がございます。  ところが、いろいろよく検査の担当者の話などを聞きまして、結局、銀行ごとに同じAという貸出先の企業についても見方が異なる、それから情報が異なる、もっと言うと、ここまで言うのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、債務者、借入人企業の側がA銀行とB銀行とC銀行に対する例えば返済態度なども違うことすらあるんだと、こういうようなことでありまして、これは実際の生活ではこういうことにめったやたら私は直面したことはないんですが、そのわずかの私の友人たちから聞いた話でも、なかなか事業がうまくいかないときには、本当に命綱のようなところは大事にして、そう言っては何ですが、必ずしも最後のところで、何と申しますか、頼らなければならないところはやや粗略にすると。そういうことがあると言っているわけじゃありません、そういう話もちらっと聞いたようなことを考えると、にべにそのような実務者の見解ということを否定できなかったというエピソードもございまして、そういうようなことを考えますと、今、先生がおっしゃられることも私、立場としてかつてとった立場なものですからよくわかるんですが、どうもそのように必ずしも画一的にやることを強いることが本当にいいことかということについて疑問なしとしないというあたりを、今私は自分の立場としてとっているということでございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 それでは、具体的になぜそういうふうに横ぐしでやった方がいいかということを御説明させていただきたいと思います。  なお、そのAという会社の信用がこうだということが唯一日本国内でわかる機関は金融庁でしかないわけですから、それは金融庁にやっていただくしかないわけであります。  昨年、そごうが破綻をいたしました。このそごうは破綻をするということに対して十分な引き当てを積んでいた銀行もありますが、そごうが破綻するまでこれは大丈夫だと思っていて引き当てを全く積んでいなかった。特に中小金融機関は余り積んでいなかったわけであります。結果としてそごうの破綻によって急遽損失がふえてしまったと。  したがって、検査・監督ということをしっかりやらないと、不測の事態が起きたときに、それもそごうのように大きな会社が破綻をするといったような事態になった場合には、特に地銀以下中小金融機関を中心に引当金が足りない、あるいは急遽積み増さなければいけないといったようなことになって、そして来年から解禁されてまいりますペイオフということを考えた場合にも、日本の金融に対する信認というものを毀損してしまうんではないかと、こういうふうに思うわけでありますから、ぜひ横でそれぞれ企業の信用評価を見ていただきたいというふうに思います。  また、もう一つ、今の御説明だと、ややそこに裁量性というか恣意性を企業側に認めることになってしまって、自分の資本の状況であるとか損益の状況に照らして本来は十分な引き当てを積まなければいけない先であってもそれを積まないで先送りしていくということが行われてしまうと、そのことが翻って日本全体の金融システムに対する信用を毀損することにつながってしまうんではないかなというふうに思うわけでありますから、その点も踏まえてぜひ御答弁をいただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 横ぐし、同一という扱いがいいんではないか、それでまたそのメリットもいろいろお述べいただきました。  さらに、最近におけるそごうの破綻ということで、これも私も本当にいろいろ思い当たるというか、ある地方銀行の場合ですが、非常に繁盛しておる店が目の前にあるということで、そのことからすればどうしてもそれは信用されるということもこれは自然の成り行きだろうと思うようなところの話も私聞いておりまして、今の先生のお話も大変もっともな面があるということは認めます。  しかし、他面、それでは金融庁が横ぐしであるぞよということで一斉に各金融機関にその同じことを検査によって情報を知らしめていったら、完璧にその企業はとどめを刺されるということになる。これを一体どう考えるか。私は、やっぱりそれぞれが相対で、その企業とその銀行、金融機関という立場で評価していく。確かに、本当に破綻をした場合には、これはもうその覚悟をしていたところと情報のなかったところでは随分違う結果になることも、私はそこに大変な問題が包蔵しているということもわかりますが、同時に、金融検査で画一的なその企業に対する見方を横一線でやったときに、本当にそういうことがこの市場原理というか、マーケットメカニズムで動く経済として正しいことか、にわかになかなか判断できないところを感じます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私は、銀行に一切預金保険というものがなかったり、あるいは改正預金保険法のもとでのシステミックリスクのための公的資金というものが全くない、そういう資本主義マーケット社会であれば、それはそれぞれの銀行が自由に選ぶということで十分それは問題ないというふうにも考えられると思うんですが、そうではなくて、ある面、銀行、金融システムを公的なものだというふうに判断をし、それに対する公的セクターの関与、あるいは公的資金の投入ということがある現在の金融システムのもとでは、やはりある面、強制的な横ぐしというものが必要なのではないかなというふうに思っております。  その質問の観点でいいますと、今まで金融再生委員会あるいは金融庁の資産判定というものが、私はかなり、こういうふうに申し上げると御反論あるかもしれませんが、恣意的に行われていたのではないかなというふうに思います。  具体的な例で申し上げます。  破綻をいたしました新生銀行、あおぞら銀行に引き継ぐ、破綻したのは、済みません、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行でありますが、新生銀行、あおぞら銀行に引き継ぐ資産と、そしてそれは引き継ぐべきでない、適としない資産というものを資産判定ということで当時の金融再生委員会で分けたわけであります。  その中で、適としないということで、整理回収機構、かつて中坊さんが社長をやっておられた整理回収機構に行った会社の中にダイア建設という会社があります。ところが、ダイア建設という会社は整理回収機構に行ったんですが、二十年という超長期でありますが、整理回収機構に移行した債権全額を返済するということを先般発表いたしました。それに対して、引き継ぐべきというふうに適とする資産、同じような業界の中で適とする資産があった中で、例えば、これはもう公知、既知の事実でありますから企業名申し上げますが、熊谷組、あるいはハザマといったようなところは債権放棄をいたしております、新生銀行、そしてあおぞら銀行が債権放棄をしております。  それはなぜ債権放棄ができたか。それは引き継ぐに当たって個別貸倒引当金を、税金ですよ、これは、税金を大幅に積み増しして、そしてその原資をつくったから新生銀行もあおぞら銀行も債権放棄に応じたわけであります。新生銀行を買ったところ、あるいはあおぞら銀行を買ったところがもともとの原資がなければ当然債権放棄には応じないわけでありまして、まず第一に私が問題としたいのは、じゃなぜダイア建設というしっかりと全部返せるものが不適となって、そして返せない、税金でもって債権放棄してもらうところがいい資産だという判定を下したんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生、個別の企業名をお挙げになりました。これは両方ともまだ活動をしておる企業でございまして、それを今私の立場でちょっと議論の俎上にのせるというのはやっぱり御遠慮申し上げないといけないと、このように思います。  そういう前提で一般論を申し上げて恐縮なんですが、後からいろいろ見ますと、金融再生委員会の判定というものが裁量的、恣意的だったんじゃないかというように見える面を私も全部否定できるかといったら、結果としてはそういうこととして見られることもあり得る例もあったかなという気はします。ただし、私どもの再生委員会の判定というのは極めて事務的に進められていまして、事務的にということは、何と申しますか、事務方がやったということじゃなくて、再生委員会の委員会の席上にのせられて審議をされるわけでございますけれども、あらかじめ発表した基準に基づいて適、不適が判定されておりました。  そして、今、先生ちょっと適、不適の判定のときに引当金がたくさん積まれるから適になったというようなことをちょっとおっしゃられましたが、それはありません。それは、適と判定されて、その後どれだけが引当金を積む必要があるかということが論じられるのでありまして、引当金いかんによって、これを適にしちゃおう、不適にしちゃおう、それは全くございませんので、その点だけはちょっと訂正をさせていただきます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 大臣の方で御訂正いただきまして、私も意図はそういうところでありまして、きょう配らさせていただきました平成十一年七月九日のかつて大臣に御答弁いただきましたのもまさにそのことを議論しておったわけでありますから、ちょうど大臣の方から言っていただいて大変ありがたいなと思うわけであります。  確かに、最初に判定をされたときは引当金が少なかったわけであります。ところが、ここに資料がありますが、今おっしゃった最初に適とするということで判定をされたとき、個別貸倒引当金、これは旧長銀でありますけれども、旧長銀の中で個別貸倒引当金を積んでいた企業の先というのは千二百二十三億円であります。ところが、これが譲渡直前になりますと五千八百九十九億円と、四千六百七十六億円ふえております。私は、そういうことがあるんじゃないかなと思って、平成十一年譲渡の段階、平成十一年の三月の段階では今申し上げましたように千二百二十三億円でありました。ところが、平成十二年二月、一年後、約四千六百七十六億円ふえております。  そういうことがあるんじゃないかなと思って、平成十一年七月九日のときに、今おっしゃったように、「資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由をその段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて明らかにしていただきたいと思いますので、その確約の御答弁をお願いしたいと思います。」というふうに、まさに柳澤大臣に、その当時の柳澤大臣、今も人がかわるわけじゃありませんが、そのとき大臣であられた柳澤大臣に伺ったら、「当然のことと心得ております。」というふうにお答えいただいたわけであります。  それはどういうことかというと、先ほど申し上げましたように、資産判定は機械的にやられたかもしれない。しかしながら、その後の交渉の過程でやはりこれは引き取れないよということになってきて、そしてしようがないから大幅にふやしたということなんだと思います。  今申し上げた中に、四千六百七十六億円の中に、そごうグループに対して千十二億円もその後に引当金を積み増ししたわけであります。そして、引当金を積み増しした先、先ほど申し上げた例えば熊谷組にしてもハザマにしても引当金を積み増ししているわけでありますが、そこが債権放棄をしてもらっていると。その原資は税金でもって積み増しした引当金であるというわけであります。  ですから、改めまして大臣に伺いますが、この当時、確約をいただいたわけでありますから、ぜひ、なぜ引当金を積み増さなければいけなくなったのか、個別の企業ごとにお答えいただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 浅尾先生の周到な論議の運び方にはかねて敬意を表しておりますけれども、やや昔話で恐縮ですが、先生も御案内の平成十一年七月九日の私とのやりとりをもうちょっとフォーカスを引いて、全体の議論の流れでぜひ思い返していただきたいのでございます。  それは、浅尾先生が最初に提起された問題は、北海道新聞が、要するに特別公的管理に入った銀行を買っていただくために一兆円ぐらい公的資金を追加で使うというふうに書いておりますよということを御指摘になられたわけです。  これは私、引き取って、いわゆる持参金論ということをやっておるわけでございますが、私どもは引き当てについてもそのように恣意的な引き当てはいたしませんと。引き当ては引き当てとして、基準に基づいた引き当てしかするつもりはありませんということをそのとき答弁いたしておるわけでございます。  それで、私は、したがって、金額についてというような話に、金額にわたる議論をすることは差し控えるということを言いましたら、浅尾先生は、金額を聞いているわけじゃなくて、持参金をつけることはないでしょうねということの確認の答弁を求めているだけですと、こうおっしゃられたんです、先生は、議事録によりますと。  それで、私はそこで、じゃ、この金額について全然動かさないということを私がそのときにコミットしたというふうに思われてはこれは困りますので、私は、資産の状況というのが変化しますので、したがって、今わかっているこの債務超過の金額だけが引当金になるとかということではありませんよと。実際に譲渡するまでに資産の状況が変わっていきますから、その資産の状況に応じて今度は基準に基づいて引き当てをしかるべくいたしますと、こういうことを申して、断固根拠のない引当金を持参金のような意味で積むということはいたしませんということを申し上げたわけでございまして、それ以後の問答は、ここに先生がきょう、いみじくも大きな活字で配付をされたところにつながっていくわけですが、この点については本当に浅尾先生に私は、「資産査定のときからもし悪化して多くの引当金を仮に積まなければならなくなったとすれば、その理由を」御答弁をお願いするというふうに、私が年をとって少し耳が遠くなったかもしれませんが、先生が挿入された、「その段階では個別のそのときは適とされた企業がなぜ悪くなったのかということを含めて」というところをちょっと私が聞き漏らして、要するに話の本筋は持参金のような根拠のない引当金を積むか積まないかという議論だと思いまして、もし時間の経過に従って引当金がふえた場合には、それが持参金ではないということについてはちゃんとした御説明をしますよという意味で私は当然のことと考えますという、そういう答弁をさせていただいたわけでございますが、先生がいみじくも「含めて」というふうに周到にされました挿入句を見過ごしたことの答弁になっていることは、これはもうおわびを申し上げる次第です。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私は、持参金というのはそのときは例えで申し上げたわけでありまして、当然その持参金というのは会計用語でないわけで、持参金ということが北海道新聞で使われていたので申し上げたわけでありまして、引当金がなぜふえてしまったのか。しかも、個別引当金というのは、もう申すまでもありませんが、個別企業ごとに線を引っ張ったらその企業に行き着く引当金でありまして、先ほど申し上げているような会社に対してもともとなかった、個別引当金の対象ではなかった企業が譲渡までの間に個別引当金が積まれるということであったわけであります。  その当時のやりとりをあるいは思い出していただければわかると思いますが、私が申し上げたのは、資産判定というものをしっかりとやっていれば、当然引き継ぐべきでない企業に対する貸出金というものは残っていないわけでありますから、そんなに引当金が急遽譲渡直前にふえるということはないでしょうねということで申し上げたわけでありまして、それが現に四千億円も、これ税金ですから、四千億円もふえているということであれば、これは当然明らかにしていただかなければいけない。  もっと言えば、先ほど申し上げましたように、これはたまたまダイア建設さんは自助努力でもって大変な努力をされたわけでありますが、二十年間という超長期でありますけれども、本来であれば、これはよく言われていることでありますけれども、整理回収機構送りになったらこれは死刑宣告ということも、言葉は悪いですけれども、言われております。言われておりますが、その努力をされて、そして国民に一切の迷惑をかけずに全額返していると。  片や、先ほど申し上げたようなところは、全く公の場で議論もされないままに個別引当金が積み増しされて、そしてそごうの場合は破綻をいたしましたから、それは明らかになりました。しかし、破綻をしていないところは、あたかも税金でもって救済されていないかのごとく、それはあたかも新生銀行やあおぞら銀行が自主判断によって債権放棄に応じられたかのごとく振る舞っておりますが、実際は出どころは税金であるわけでありますから、そこについてはやはりこれは納税者の観点からいっても、どういう理由でそれを積み増ししたのか、またなぜそこを助けようと思ったのかということも含めて議論をしなければいけない。  そのためには、まず第一点として、ここに書いてありますように、なぜそこに多くの引当金を積み増したのかということをやはり答えていただかなければいけないと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 資産の判定については判定基準というものがあらかじめ公になっておりまして、金融再生委員会の仕事は、ある貸出先につきまして、債務者につきまして、この基準に照らしてこれは継続保有を適とするものかどうかというものを判断することに尽きるわけでございます。  それで、譲渡に至って、最終的に今度は資産査定が行われまして、それが必要な引当金がそこに計上されるということになっておるわけでございまして、この手続、枠組み自体は国会論議でつくられた法律と、それに基づいて金融再生委員会が方針として公表した基準に基づくわけでございまして、それを的確にやっているということに私の立場からは尽きるというように思います。  ただ、そのときに、譲渡に当たってあの当時いろいろな議論がありました。二次損失に対してどういうふうな条項が必要かという議論もあったし、その中で、あらかじめもう二次損失に対して何というかつかみ金的なものを積んでおいて、それで買ってもらったらどうかというような議論も現にあったわけで、それが報道機関等では盛んに取りざたされたというようなこともあったわけですが、この問答の私の趣旨はそういうことはしないんだということに尽きているということで御理解を賜りたいと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そこで議論しても平行線になるわけでありますけれども、まず、今、資産査定の基準があたかも客観的であるというような御答弁をいただきました。しかし、私はその資産査定をいろいろ見ましたが、先ほど来申し上げておりますダイア建設という会社がなぜ整理回収機構になったか、それはメーンが日債銀であったから整理回収機構送りになったわけでありまして、メーン行がこれは違う銀行であったらそうなっていなかった。それは確かに基準に書いてあります。メーン支援強固ということで、先ほど来申し上げているところは引き継ぐべきと、したがって税金も見えないところで使っているということになるんだと思います。  別の観点から質問をさせていただきたいと思いますが、私は、当時も、そして今も不良債権の処理をするということを考えた場合には、オープンに議論をしていくべきなのではないかなと思っております。ですから、その理由を明らかにしていただきたいというふうに思っておりますが、ここでもう少しマクロ的な観点から質問を変えさせていただきます。  きょう、もう一つグラフを配らせていただきました。一九八〇年から今の日本というものと、一九二〇年代から一九四〇年代までの米国を比較させていただいております。これを見れば明らかなように、日本はバブル崩壊後株価はすとんと落ちております。アメリカも二九年のブラックマンデー以降株価が落ちておりますが、日本とアメリカの一番の違いは何かというと、バブルが崩壊した後も日本のGDPは、やや伸びは緩まっておりますけれども、ずっと伸びている。しかも、マネーサプライもずっと伸びている。それに対して米国の方はマネーサプライもGNPも、米国は数字がGNPになっておりますが、落ちている。  これは何かというと、今お話が出ておりますいろいろな不良債権の処理ということは、ある面、神の見えざる手が働くようにしていくと。要するに、適正な競争がマーケットの中で行われるようにしていくということなのではないか、あるいはそう言うべきではないかなと思うわけでありますけれども、日本ではそれが損失先送り、あるいはそういった痛みの伴うことを先送りしてきたのではないかなというふうに思いまして、その証拠が今お配りした数字であります。  なぜ株価が落ちた後でもこれだけマネーサプライが伸びているか。それは単純に言えば、きょうは宮澤大臣にもお越しいただいておりますが、財政出動によって経済の下支えをしておったわけでありまして、そのことと、そして先ほど来申し上げております、本来はオープンに議論をしなければいけない金融再生委員会において、オープンな議論はあったのかもしれませんが、少なくとも国会の場においてどの企業、個別企業についてそういった議論がなされてこなかった、損失の先送りがその理由なのではないか、一つのあらわれではないかなというふうに思っております。  ここで、非常に大きな観点から質問させていただきますが、私は、もう日本の金融資産一千三百兆円に対して日本の国ができる借金というのも限られているわけでありますから、そろそろ抜本的な、仮に痛みを伴っても、そういう最終処理というものに勇気を持って踏み込んでいくべきではないかなというふうに思います。  そこで、宮澤財務大臣にお伺いいたしますが、そうはいっても、やっぱり補正予算とかで下支えしなければいけないとか、いろいろな議論は出てくると思いますが、仮に下支えをする場合でも経済の乗数効果の高い方向に予算の配分をシフトすべきだと思うわけでありますけれども、そうすることによって見えざる手を一方で働かせておきながら新たな産業を創出していくべきではないかなと思うわけでありますけれども、その点について御所見を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) それは、ある意味で国の財政支出も経済原理に従うべきであるという意味においておっしゃるとおりだと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 もう少し踏み込んで伺わせていただきますが、例えば今千三百兆円の金融資産に対して六百六十六兆円の借金、そして隠れた公的債務を含めれば恐らく八百兆円ぐらいあるのではないかなと思うわけでありますけれども、国内で借りている限りにおいては大丈夫ですよという説もあります。ありますが、その余白というか、借りられる余地というのはもう五百兆円もというか、しかないというふうに考える。しかも、その五百兆円のうちのかなりの部分は民間が投資で使っている、寝ているというか使われているお金だというふうに考えれば、予算のシーリングという議論もありますけれども、思い切った予算構造の変革をした上で残された、仮に国債を増発して、経済対策を今度補正で打つとしても、構造そのものを変えていかなければいけないのではないかなと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる財政改革というものがもう迫ってまいりますが、その中身はもちろん財政だけのおっしゃるように問題ではございませんので、従来、予算の中身を構成しておりますいろいろな部分、社会保障もそうですし、中央、地方の経済関係もそうでございますし、いろいろ一般歳出もそうですが、それらについて基本的にはやはりコストとベネフィットといいますか、負担と給付との関係というもので割り切っていかざるを得ない。今までそういうことはそのはずでありますけれども、比較的短い時間の間で何度も内容を変えたりしておりまして、その原則に忠実にいろいろなものが行われてきたとは言いがたい。  それは、予算に余裕のあるときはそういうことも公経済でございますからあり得るのでございましょうが、予算にそれだけの余裕がございませんので、やはり経済原則に立ち返っていかざるを得ないわけでございますから、今までやってきたこととかなり違ったことをせざるを得ない。そのことを、しかし国民がそれとして受け入れてもらわなければそういうことはできないという、そういう問題に進みつつあるだろうというふうに思っています。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 今、財政の方のお話は承ったところでありますが、一方で先ほど来お話が出ております金融政策についてでありますけれども、先ほど山口副総裁は、基本的には今の日本の物価の構造というのは、輸入の増大、あるいは流通の中抜きと言っていいんでしょうか、そういった構造の変革が理由であるけれども、しかしながらやや一面では、最近では需要面で米国の経済のスローダウン等が理由で少し物価も落ちている側面があるというふうに御答弁をいただいたわけであります。  では、例えば不良債権の処理をしていくということは、先ほど申し上げましたように、神の見えざる手が働く方向になるわけでありますけれども、そのことは一面デフレを促進する可能性もあるであろうというふうに思っているんですけれども、そこで、じゃ金融の量的緩和を進めれば、それがしかも金融機能が余り健全でない段階においてどの程度効果があるというふうに日銀としては考えておられますか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) いわゆる金融の量的な緩和という考え方の中には、実は幾つかの異なったレベルでの緩和の議論が含まれているというふうに思っております。一番日本銀行に近いところでの緩和といえば、銀行システムに対して日銀が直接流動性を注入する、供給するという部分でございます。  この点につきましては、三月十九日の先般の追加的な緩和措置をとる以前から、私どもは潤沢な資金の供給を継続しておりまして、それを三月十九日以後さらに徹底しているという状態でございまして、現在は、法律によりまして金融機関が日本銀行に預けなければいけないというふうに定められております無利子の預金の金額、これを所要準備と称しているわけですが、そういう法定所要準備をかなり上回る資金の供給を行っております。  それに対しまして、企業あるいは家計にとりましてもっと密接な意味を持つ量的な緩和という概念もございます。これは、今度は金融機関と企業なり家計なりとの取引関係における金融の緩和でございまして、ここがなかなか伸びていかないというのが数年来の悩みであったわけでございます。現に、日本銀行が直接金融機関に供給している流動性はかなりの伸びを示しておりますけれども、金融機関からその先に向かって貸し出しあるいは信用供与一般が勢いよくふえていくという状態にはなっていないわけでございます。銀行貸し出しは、現にこのところ前年を下回るというような推移を示しております。  したがいまして、企業、家計に十分信用供与が行き届きますような量的な緩和という意味であれば、それはやはり金融システムの状態がかなり改善されるということが大事な前提になるのではないかと、こういうふうに考えております。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 銀行貸し出しが伸びていない、まさにそうだと思います。  しかしながら、マネーサプライは、おっしゃるように、量的緩和をする前からずっと日本はマネーサプライは上昇をたどっておりますが、これはそうしますと公的セクター、政府の財政支出によってマネーサプライが伸びたという側面もあるというふうな理解でよろしいですか。

山口泰日本銀行副総裁

○参考人(山口泰君) 御指摘のような面がございます。  私どもは、マネーサプライ統計の中身を分析いたしまして、それがどういうような要因によって裏づけられているかというような数字の対応関係をつけております。  これは局面によって変動要因が当然異なるわけでございますが、一九九〇年代の前半をとってみますと、このときはどちらかといえばまだ民間の貸し出しがふえておった時期でございまして、民間の信用供与がマネーサプライ増加の主因でございましたが、九〇年代の後半に入ってまいりますと、民間の信用供与が伸び悩む、あるいは減少に転ずるというふうになってまいります。その中にありまして、財政要因といいますのは、これは具体的には国債の増発がなされ、その国債増発の一部を民間金融機関がマーケットにおいて取得するという、この結果としてマネーサプライがふえるというような傾向が割合はっきりと出てまいりました。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 マネーサプライを財政支出等によってふやしていただいているということでありますが、にもかかわらず、確かにGDPは少しずつ上がっているのかもしれませんが、なかなか景気が本質的な回復をしていないのは、私は、やはりあるセクターにおいて過当競争があるからではないか、あるいは参入している企業が多いからではないかなというふうに思っているわけでありまして、だとすると、本来は九九年ぐらい、一昨年の段階でもう少し、いろんな事情はあったかもしれませんが、あるいはそうはいっても客観的だというふうにお答えになるかもしれませんが、資産判定というものを、やはり先ほど申し上げているように、ややそれは客観的に見れば、整理回収機構に送られたところはちゃんと返して、そうでないところは債権放棄に応じてもらっているということは、資産判定そのものがおかしかったのではないかなというふうに思うわけであります。  このことの議論をきょうこれ以上やる時間はありませんが、今後、直接償却ということを言われるときには今申し上げたようなマクロ的な観点に立ってそういうことを進めていただきたいと思いますが、ぜひその御決意の御答弁をいただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 資産判定のときにもうちょっと企業の淘汰をすればよかったのではないかということだと、端的に言えばそういうふうに思うわけでございますけれども、私どもとしてはそういう機会にできないかということをちらとは考えました、正直言って。  考えましたし、若干の働きかけもしてみたのでございますけれども、しかし何しろそういう体制に必ずしも関係のところはそうでなかったし、それからまた今から考えてどうかと言われますが、フランチャイズバリューと当時言われましたけれども、優良な貸出先がだんだん引いているとか、あるいは優良な行員がだんだん退職しているというようなこととの競争みたいな気持ちにも率直に言って駆られまして、とにかくそういうことに時間を割いて作業をするといういとまは断念せざるを得なかったということでございますが、今後のことについてはまたいろいろ考えていきたいと、このように考えます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 先ほど来申し上げておりますけれども、余り日本に残されている時間はないと思いますし、使える資金も限られているというふうに思っておりますので、ぜひそこは真剣に御検討いただきたいというふうに思います。  その限られている資金、もう一つだけ、インフレターゲットとかいろいろ言われておりますがという観点から伺わせていただきますが、私はインフレターゲットといってもなかなかこれはターゲットどおりには進まないだろうなと思っております。  ただし、一つだけ可能性があるであろうと思っておりますのは、日本の物価が今構造的な価格破壊というのが進んでおるということでありますが、仮に、いろいろな国際的に見て競争力の弱いセクターの中で強いものをつくっていく、そのかわり弱いところについては雇用のセーフティーネットを別途張りながら淘汰を進めていくということを考えた場合には、日本の経済のいわゆる二重構造が購買力平価とそして実際の為替レートとの間で乖離を生じさせている一番の理由ではないかなというふうに思いますが、構造改革を進めれば購買力平価程度までの円安ということが進んでも私はおかしくはないのではないかなというふうに思うわけでありまして、その点、為替の政策を、あるいは外為特会というものを預かっている財務省としては、当然なかなかストレートには答えられないとは思いますが、少なくともアジア諸国との関係において、彼らの輸出機会を奪うということがないということであれば購買力平価までの円安を認めてもいいのではないかな、こういうふうに思います。  まず、その質問をする前に、内閣府の経済担当に現在の購買力平価はどのぐらいかというのをお答えいただきたいと思います。

岩田一政内閣府政策統括官

○政府参考人(岩田一政君) ただいまお尋ねのありました購買力平価でありますが、一国の通貨と他国の通貨の購買力の交換比率であります。購買力の比率をとるときにどのような商品、サービスをそのバスケットとするかということで値はかなり異なったものになります。  旧経済企画庁の物価レポートでは、東京とニューヨークの比較をいたしまして、生計費に当たる部分をバスケットとして用いますと、一九九九年の時点で一ドル百三十七円ということになっております。  以上であります。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 そうすると、その程度ぐらいまでの円安ということがあってもおかしくはないのではないかな、むしろそれが日本、東京で使う百三十七円とアメリカで使う一ドルが同じであるというふうに考えるわけでありますが、その点について財務大臣の御見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) ちょっとその手の学問は少し難し過ぎまして、実際上の政策を担当しておりますものからいいますと何とも申し上げかねます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 私が申し上げておりますのは、日本は申すまでもありませんが貿易立国でありますから、百三十七円ぐらいになれば恐らく見えない部分で日本の経済にプラスになるのではないかなと。それにはもちろん日本としても構造改革に向けての覚悟を世界に表明しなければそれはなかなか受け入れられないでしょうけれども、そういったこともぜひ考慮をいただきたいという意味であります。  時間もありませんので、最後の質問に移らせていただきたいと思いますが、さてペイオフ解禁が間近に迫っております。まず現状について伺いたいと思いますが、地方の自治体は、ペイオフが解禁になった場合、まず銀行に預けた場合幾らまで保護されるか、そして郵便局に預けた場合に幾らまで保護されるかを伺いたいと思います。

遠藤和良公明党総務副大臣

○副大臣(遠藤和良君) 銀行に預けた場合はペイオフになれば一千万でございますが、郵便局の場合は全額保護でございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 全額ということは、例えば百億預けてあったら百億保護されるという理解でよろしゅうございますか。

遠藤和良公明党総務副大臣

○副大臣(遠藤和良君) 法律上はさようでございますが、実態的にはそれぞれの公共団体は指定金融機関制をとっておりますから、その中で民間の金融機関を指定金融機関としております。  郵便局は指定金融機関になっておりませんから、具体的には郵便貯金で預かっている全体の資金、貯金の額の中で、公共法人ですね、地方公共団体等の預入金額は全体の〇・四%でございますから、実態的にはほとんど預け入れがないという状況でございます。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 確かに実態的には預け入れが今のところないんだと思います。それは現段階では地方自治体の預金はまだ一〇〇%保護されていると。ところが、今度ペイオフ解禁になると一千万円までしか保護されないと。  私も地元のいろいろな自治体の方から話を伺いました。例えば、一番大きな横浜市でありますが、横浜市の場合は市バス事業もやっております。あるいは、小学校のいろんな給食なんかも全部これ名寄せされて、横浜市ということで一千万円までしか保護されないと。一日にその市バスに乗る人のお金とか全部数え上げると大変な金額になります。あるいは、発行しております地方債の返済のための基金というのも毎年毎年積んでいるわけでありますが、これが一千万円までしか保護されないということで、市長さん初め非常に悩んでおられます。  それは一方で、仮に、何市でもいいんですが、市の担当者が間違えた銀行に預けてしまって、その銀行が破綻をして、そして一千万円までしか保護されなかった場合には、自治体に対してその損害賠償請求を地域住民ができるというような制度も申すまでもありませんがあるわけでありまして、そうなってくるといろんなことが考えられるわけでありますけれども、一つの可能性としては、それなら全額保護してもらえる郵便局に預けかえをしちゃおうという可能性も当然あるわけであります。それから、そうでなければ現金で持っていようという可能性もあるわけでありますが、そもそも、しかしながら、現金で持つという行為自体がその指定金融機関が危ないということを地域の自治体が表明することになりますから、非常に苦労をされておるということで、総務省は当然自治体についても所管をされておられますから、自治体に対してはペイオフ解禁に向けて今どういう指導をされておるのかということを伺わせていただきたいと思います。

遠藤和良公明党総務副大臣

○副大臣(遠藤和良君) 現在、地方公共団体の金融機関に対する預金の預入額ですけれども、大体三種類ございまして、歳計現金、それから各種基金、それから制度融資に係る預託金というのがあるんですが、平成十二年度の調査によりますと、歳計現金の預入残高は、これは決済用資金ですから増減が年度内にあるわけですが、大体四兆円から七兆円の間です。それから、各種基金の預金残高は大体八兆円程度でございます。それから、制度融資に係る預託金の規模は五兆円程度でございますけれども、これをペイオフに備えてどのように自己防衛するかという話でございますが、昨年の十一月に学識経験者の皆さんで地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応方策研究会というものを設置いたしまして、先月末、三月三十日ですけれども、研究会の検討結果の報告書をいただきました。  これによりますと、概略ですけれども、地方公共団体の第一の対策としては、金融機関の経営状況を把握するために、人材の育成とか情報データベースの構築等の体制整備をまず掲げていらっしゃいます。それから第二に、個別の具体的な対応といたしましては、預金債権と借入金債務の相殺、それから指定金融機関からの担保の充実、あるいは金融機関の貸付金債権への質権の設定、あるいは制度融資における預託金方式から利子補給方式への変更等、あるいは公金預金の類型に応じた対応策の検討をするということですから、預金と例えば国債とか債権の組み合わせによって適宜対応する、こういった形での対策を講じる必要があるということだと思います。

浅尾慶一郎民主党・新緑風会

○浅尾慶一郎君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひ総務省において、あるいは金融担当大臣にも御見解があれば伺いますけれども、地方自治体、大変な預金を預けておるわけでありまして、今最後におっしゃった国債、公債に割り振っていくということも一つの考え方だと思いますけれども、対策を御検討いただきたいということと、それから銀行と郵便局との間で保護される額が地方自治体の預金に関しては違うということだけはちょっとやや、ややというかかなり平仄が違うし、いびつだと思いますので、そのことについてぜひ検討していただいて、イコールフッティングになるようにしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井です。  用意周到な浅尾議員の後にちょっと行き当たりばったりの質問になって大変申しわけないんですが、今、浅尾議員と柳澤大臣のやりとりを聞いておりまして、柳澤大臣に一つ確認させていただきたいことがあるんですけれども、要するに不良債権の処理ということは金融システムの安定化だけなのか、それとももう一つはゼネコンとか流通業界を含めた企業再編まで念頭に置かれているのか、その点についてまず教えていただけないでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 不良債権のオフバランス化をする場合には幾つかの方法があるわけですけれども、その中で私的整理と言われるものにつきましては、具体的な手法としては金融機関の債権放棄というものが伴うことが多いということは、これは否定できない事実でございます。  しかし、貸付債権の放棄というようなものが安易に行われるわけはないわけでありまして、むしろ放棄をすることによって回収金全体としては多くなるというくらいの客観的な条件が必要なのでございます。その客観的な条件の大きな部分を占めるのは、あのいわゆる企業の再建計画ということでありまして、ひとえに再建計画のいわば信頼度あるいは確実度というものが極めて大事な要素になってくることはもう言うをまたないわけでございます。  そういう場合に、それでは今ちょっとお話に出ました、必ずしも個別の、特定の業界を念頭に置かないでお話を申し上げるわけでございますけれども、非常に業者の数が多い、過当競争と言われるような競争が行われておるというような場合に、そういうものをそのままにして、ある一つの、その中の一つの企業の再建計画というものが本当に確実度の高い、信頼度の高いものがつくれるかというとなかなかつくれないというようなことから、再建計画の確実度というものを上げるためにはやはり業界というものをひとつ考えてみて、その業界の中の当該の企業ということを考えた方があの再建計画が立派なものになる、確実度の高いものになるという可能性が高い、こういう意味で、視野の中にそういったものが入ってくることが必然の傾向になる、こういうことでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、もう一度端的にお願いしたいんですけれども、つまりは、やはり構造改革が必要だという点ではこの認識は一致しているんだろうと思いますけれども、今回のその不良債権の処理によって構造改革を進めていくというふうに認識してよろしいんでしょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、金融機関自体の構造改革ということもそうでございますけれども、貸出先企業の構造改革も当然伴うものである、このようにはっきり申し上げることができます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 その上でですけれども、きょう本当はまずオフバランス化をいつまでにという質問をしようと思っておりましたら、きのう、おとといあたりでしょうか、それからきょうも新聞の方に大体三年を目途に不良債権の処理をしたいという記事が載っておりました。いつもマスコミの報道ということで言うとしかられますので、実際の金融庁の方針について教えていただきたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 率直に言って、この問題が私どもの手元だけにとどまっている段階におきましては、三月末までにこの大きなスキームというものについては取りまとめをするということでございましたけれども、舞台がだんだん大きなところに移っておりまして、金融庁だけの話ということでもなくなっております。その意味ではまだこの案を検討している中途段階であるということでございますので、そういった数字にわたるようなことを申し上げられる状況になっていないということでございます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 基本的には来年の四月からペイオフが始まるわけであって、本来であればその時点までに金融システムというのは安定しなければいけないものだろうと思うんです。そういう意味でいうと、不良債権の処理があと三年かかるということになってしまうと、決して金融システムが安定するような状況にはならないんだろうと思います。そして、不良債権の処理を進めれば、いつも宮澤大臣がおっしゃっているとおりレイオフも進んでいくでしょうし、ある程度の混乱が起こってきてしまう可能性は否定できないんだろうと思っています。  そういう意味でいいますと、来年ペイオフを控えて果たして三年程度というやり方でいいのかどうか、今の報道がですけれども、私はもっと早い段階で終わらせてしまわなきゃいけないんじゃないかと思いますが、大臣のお考えをお伺いさせていただきます。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) ペイオフとの関係で申しますと、これは金融機関の破綻ということでございますが、この金融機関の破綻というのはどうして起こるかというと、貸し倒れが起こって、そして引き当てを食う。引き当てを食うだけではなくて資本金まで食ってしまう。資本金を食い尽くして、ついに一般の債務者、預金者を初めとする債務者のところにまでこの毀損が及ばなければ片っ方の減少した資産に見合わなくなる、こういう状況なのでございますけれども、そういう事態を想定してでないと不良債権の処理が、我々の今処理と言っているのはあのオフバランス化ということですが、オフバランス化が進まないかというと、私は必ずしもそこはそう直に結びついた話ではない、このように考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 つまりは、金融庁が目標とされているところまでオフバランス化は進まなくても、もうペイオフは可能だと。つまりは、金融システムはその時点で、少なくともオフバランス化されていない部分ももちろんありますけれども、安定化するというふうにお考えですね。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) そのとおりでございまして、今金融が不安だというようなお話が与党の理事の方からも出るというので私もちょっと戸惑っているわけでございますけれども、私がたびたびここで申し上げておりますように、二月危機だの三月危機だのっていろんな方がいろんなことをおっしゃってくださるわけでございますけれども、私どもとしては一貫して間接的な処理というのは着実に行われておって御心配のようなことにはなりませんということを申しておるわけでありまして、我々が今度オフバランス化というものを進めようとしておるのは、金融機関の健全性について何か問題があるからということではなくて、むしろそれ以上のところを私どもとしては志向して、本当に日本の金融機関が力強いものになってもらう、そして本当に日本経済の役に立つ、みずからの防御が、この万全化というようなことじゃなくて、本当に日本経済の役に立つ金融というものに早く変貌させていきたい、こういうような思いであるということを御理解賜りたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 しかし、日本でそうお考えかもしれませんけれども、果たして世界から見たときに金融システムが安定したのかどうかということが非常に難しいんではないかというふうに思います。というのは、G7での各国の見解をお伺いしている限りにおいては、決して日本の金融システムが安定していると思っている国はないんじゃないだろうかというふうに思っていますけれども、その辺についてどうお考えでございましょうか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これは、正確に、今ちょっとコミュニケ等持っておりませんので記憶で申し上げますけれども、金融システムを強化すべきであるという言い方だったと思うんです。これは、先ほど言ったように金融システムが揺らいでいるからそれを安定を回復すべきであるというのとは私はちょっと違う言葉遣いではないかと思っておりまして、我々がそれを引き受ける、そういう言葉を使っていいよというふうな同意をしている背景には、今言ったようにもっと強化しなきゃいけないと、先ほど私が言ったような意味合いが込められているんだろうと、このように私としては受けとめております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 それと、いつもお伺いさせていただいているんですけれども、公的資金の注入は本当にしなくていいんでしょうねと何回もお伺いさせていただいています。一月の決算委員会で柳澤大臣、このようにお話しになっているんですけれども、大体十分な自己資本が確保されているのかということは株価の低下を受けてということの議論だと。そこの中で、これは自民党の中島委員の質問に対してお答えになっているんですけれども、当時問題になった、大体一万三千五百円ぐらいの日経平均を前提にしますとという話になってきているわけです。  ここで、実は三月決算期で一万三千円を割り込んでいます、わずかではありますけれども。それと、この時点で私の質問に対して柳澤大臣、とりあえずのところは、オフバランス化されているわけではないけれども、引当金は十分積んであるので不良債権の処理はとりあえずのところは終わっています、このままではよくないけれどもという御答弁もされているわけです。  そうしてみますと、一つは株価が一万三千五百円だというところをまずおっしゃっているわけですけれども、まず一万三千五百円を割り込んでいること。それで、あのときには積極的にオフバランス化をするということはおっしゃっていないわけなんですよ、実は一月二十四日の決算委員会のときには。ですから、その前提になっているのがこの株価だけなのか、それともあの時点でオフバランス化も念頭に置かれて公的資金の注入はもう必要ないというふうにおっしゃっているのか、その点について御説明願いたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) あのときの御質問というのは、まさに当時世の中で取りざたされていたことを受けての御質問と承りまして、私はその向きの御答弁をしたという記憶でございます。  あの当時は、一万三千五百円を仮置きしてということでございますが、残念ながらその後必ずしも株価は上向きになるということにならなくて、結局のところ一万三千円をちょっと割り込むようなところで年度末を終わってしまったわけですけれども、こんなことは本当に言いたくないのでございますが、その後の株価の状況を受けまして、櫻井先生以外の先生との御議論では、実は昨年の九月末の一万五千七百四十七円から二〇%下げ、それがちょうど一万二千六百円になるのでございますけれども、一万二千六百円になったとしても、非常に自己資本への影響が強く出る単体でしたか、そのベースでも〇・八ぐらいの自己資本への影響でございまして、そんなに深刻な問題とはとらえておらない、こういう答弁をさせていただいております。  そこで、不良債権の処理との絡みで、この自己資本比率はどうなのかということでございますけれども、私としては、かなりのところ引当金で既にある意味で間接的な処理が終わっている上での今度のオフバランス化でございますから、そこに追加される損失ということについて余り実は深刻にとらえておらないということが一つ申し上げられる点でございます。  それから、資本注入ということでございますけれども、私は、システムとして日本の金融機関が押しなべて過少資本に陥るというような事態になれば、これは金融危機対応の勘定が発動されるわけでございます。  それ以外のことというのはどういうことかというふうに考えますと、いろんなケースがありましょうけれども、実はある一行だけが成績が悪くて過少資本になりそうだという事態が考えられるわけでございます。このときに、一体公的資本を入れるべきだろうか。私は入れるべきじゃないと思っています、率直に言って。そんなことをして護送船団のようにすべての銀行が生き残っていくようなことは私はやるべきでないと思っております。  ですから、その場合には早期是正措置を講じて、彼らは死に物狂いになって努力して自分たちの株を引き受けてくれる人たちが見つかるような経営をすべきなんです。そうして自分でもって、自己調達でもって資本の増強をして、一定基準、BIS基準の自己資本を備えた銀行になるべきであって、そんなときに政府のお金でもって自己資本を調達するなどというようなこと、そういうことをしなければ生き残れない銀行でしたら、それは市場から退出してもらうしかないと私は考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ぜひその御決意でやっていただきたいと思います。  私が勘違いしていたんだろうと思いますけれども、新聞紙上等で見たものに関しては、すべてを助けるというのではなくて、すべて大丈夫です、公的資金を入れるほどどこの銀行も悪くなりませんというようなニュアンスで私がとらえておりまして、決してそうではなくて、退場すべきところは退場していただく、そういう強い御決意で臨まれるということをお伺いいたしまして、安心いたしました。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、私が言ったことを最初から言うと、今度もそうなんですね。そういうところがいかにもあるかのように私が言っているように、これはもうそうとられるのは本当に困りますから、これはちょっと私、そういう意味での発言だったということで、ぜひ御理解を賜りたいと思います。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 私は、そういうところがあると思っているわけではございません。ただ大臣、先日、生保の話のときも、私がちょっと危ないところがあるんじゃないかという話をさせていただいたときに、その発言はというお話がございました。しかし、やはりもう一度政府が考えていただきたいことは、政府がいかに信用を失っているかということなんじゃないだろうかという気がいたしております。つまりは、例えば景気がよくなっている景気がよくなっているというような報道に、政府側の発表になりますけれども、私が地域を歩いている中で、景気がよくなっていると思っている方々は十人歩いて一人いるかいないか、いや、いないですね、ほとんど。そういう状況であって、政府の報道が必ずしも正しくないからこそ、皆さんがいろんな情報を集めてきて、こうかもしれぬああかもしれぬという話もされているという現実もあるということだけ、ぜひ御承知おき願いたいと思います。  そういう意味で、こういう場合があればこういった処理をしていきますということと、政府がこういう話をすることが、これから危ない銀行が出てくるんだという、今危ない銀行があるんだということとは、私は全然違うんじゃないかと、そう、私はですけれども、そのように受けとめております。  それで、その中でまず一つお伺いしたいことがあるんですが、これまでオフバランス化を図ってきている中で、建設業界に対してどうしてきたのかということになるんですけれども、これまで大手上場企業十社、大体二兆二千億円の債権放棄がなされております。その二兆二千億円債権放棄を認められているこの大手のゼネコンが、平成八年度を一〇〇としますと公共工事の受注高が六七まで減ってきているという現実がございます。  まず国土交通省にお伺いさせていただきたいんですが、なぜこのような形で公共工事の受注高が減ってきているのか、まずこれについて御説明願いたいと思います。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) まず、債務免除を受けました大手ゼネコン十社、ここでの公共事業の受注高の状況について御説明いたしますと、私ども、平成九年度ということで見ますと、この十社の受注高は約一兆九百億円でございました。これが、十一年度には約九千億円ということになっておりますので、この間一八・四%の減少ということであります。  こういった債権放棄を受けたゼネコンがなぜ公共事業が減少するのか、受注が減少するのかという御質問でございますけれども、一般的に国の工事の場合には大型工事が中心で、一般競争入札、大手ゼネコンの場合には通常一般競争入札を行っておりますので、通常であればそういった工事についての実績要件があれば入札に参加できるということが国の場合には言えようかと思います。それに対しまして、公共団体の工事の場合には指名競争というものがかなり行われておりまして、そういった中で、指名ですので指名されないと参加できないということで、指名機会が減少してくるとか、あるいは公共団体自体の工事も総量的にもかなり減少していると、こういうことが一般的に言えようかと思います。  また、当然債権放棄を受けたゼネコンでございますけれども、その中にはなお経営が厳しいようなところがありますから、当然入札に参加する場合にもどういう低い札を入れられるかということが一つポイントになるわけでして、その意味での若干の制約があるということもあるのではないかというふうに思っております。  全体的には、そんなような状況の中で大手十社についての受注結果が出ていると、このように判断をしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 そこでもう一つ、これらのゼネコンが、株が必ずしも企業の力を反映しているわけではないかもしれませんけれども、これら十社、平均で結構でございますけれども、平均の株価と、それから業務純益について教えていただけますでしょうか。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 先生御指摘のように、株価をどの時点とどの時点で比較をしたらいいのかというのは非常に難しいわけでございまして、とりあえず債務免除を受けました大手ゼネコン十社の債務免除の要請の前日の株価と、それから例えば先週末、最近のですから先週末の株価ということで比べますと、単純に高くなっているか低くなっているかという比較でございますが、十社のうち高くなっているのは四社、低くなっているのは六社というのが株価の状況でございます。    〔委員長退席、理事河本英典君着席〕  また、業務純益についてでございますけれども、これは債務免除を受けましたゼネコン各社は、経営再建計画に基づきまして人員の削減だとか、あるいは経費の節減とか、あるいは不採算な部門の見直しとか、必死のリストラを行っているわけでございまして、債務免除を受けた十社のゼネコンの営業利益の額自体は小さくなっておりますけれども、営業利益の率というのは、平成八年度では十社平均二・八%でありましたが、十一年度には三・七%ということで、営業利益の率は向上しております。ただ、今後の投資環境というのが非常に厳しいということを考えますと、これは十社だけではなくてゼネコン全体の経営環境というのはもちろん大変厳しい状況にあると、このように認識をしております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 これって、まるでそごうのときと同じじゃないかと思っています。そごうもこういう形で減収になっているわけですけれども、リストラがどんどん進んでいって利益率は上がってきているというような状況で、まさしくこういう建設業界も同じじゃないかと思っています。  なぜこういうことを申すかといいますと、これは土曜日の私の地元紙なんですけれども、もしこれらのゼネコンが債権放棄を行っていくというか、それを受ければ、再編や不採算事業から撤退を促す仕組みとして、例えばゼネコンがこうした過剰債務削減に積極的に取り組んだ場合、公共事業の入札などで有利に取り扱うことなどが検討されると。  これはまだ検討の段階なんでしょうし、こういう事実があったのかどうかわかりませんが、こういうことをやっていくと、本来、企業再編が起こっていくものをまた先送りしてしまうんじゃないかということになるんじゃないかと思います。こういう議論がまず実際行われているのかどうか、その点について教えていただけますか。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 今後、金融機関が不良債権の処理を進めるに当たりまして、融資先であるゼネコンに経営面でいろんな影響が出てくるというふうに考えております。もちろんそれぞれの状況によって違うわけでございますが、各企業が不採算部門を切り捨てるというのは、単独でのリストラというのもありますし、中には営業譲渡等さまざまな企業連携ということが必要になるというケースもあります。私どもとしましては、やはりこういう不良債権問題もありますけれども、今後の建設市場全体の規模を考えますと、業者数が非常に多いというような現状がありますので、こういった中ではそれぞれの企業の経営改善だけではなくて、企業の連携ということが非常に重要だというふうに考えております。  御指摘のような、私も新聞を拝見いたしましたけれども、過剰債務の削減に取り組んだ場合に公共事業についての入札を有利に取り扱うことを検討しているということでありますが、私どもは、建設業の再編の促進という観点から、企業連携の促進ということも非常に重要でありますけれども、その場合に、現在、大手の経常JVが認められておりませんが、経常JV制度の活用だとか、あるいは営業譲渡も合併と同じように企業の評価の点数加算をするというようなことを検討しておりますが、これらは新聞に報道されておりますようにゼネコンの過剰債務の削減を前提としたものではなくて、そういったことにこだわらず広くそういった再編が進むような環境整備ということでいろんな対策を現在検討していると、こういうことであります。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 ぜひ、問題の先送りというような処置だけはしないでいただきたいと思います。  と申しますのは、公的資金を注入しながら二次破綻している金融機関がございます、例えば、なみはや銀行、京都共栄銀行とか埼玉商銀等ですけれども。    〔理事河本英典君退席、委員長着席〕  本来、公的資金、こういう場合になぜこれらに公的資金が注入されたのとかといいますと、結果的には、国民負担最小の原則というのがあって、こういう金融機関を少なくとも公的資金で救った方がいいと。この金融機関ではなくて、預金者保護もしくは健常な借り手保護だったのかもしれませんけれども、しかしまたここで二次破綻を起こして公的資金を注入しなければいけないようなことになるということは、国民負担最小の原則に私は反しているんじゃないだろうかというふうに思いますけれども、これについて金融庁、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) 委員御指摘のような二次破綻が起きましたことは、それは大変残念なことでございますけれども、その当時におきまして、適格性の認定でございますとかいった手続はその当時の法令に基づきまして最善を尽くして判断されたものでございまして、ただ、今の時点と違っておりますのは国の検査でございますけれども、これはいわゆる早期是正措置制度導入以前のものが今例に挙げられました例では多いわけでございますが、当時の検査は資産の評価分類のみについて行われておりまして、不良資産の償却、引き当てというのは金融機関みずからの責任でやっていたということで、その点が大きな違いがあると思っております。  それから、ただいま国民の負担という点について御付言がございましたけれども、私ども、やはり金融機関というのは、いわゆる解散、清算というようなことになりました場合、決済機能という、あるいは資金仲介機能という大変重要な機能を担っておりますだけに、地域あるいはその分野における資金の円滑な供給、それから利用者の利便、こういった点に非常に影響を及ぼしますし、またインターバンク市場からの借り入れなどが行われておりまして、預金以外の負債が保護されない、その結果、信用秩序の維持に重大な支障を生ずるおそれがある。そういう観点から私どもとしましては総合的な判断をしたと、このように考えているところでございまして、基本的にはやはり預金保険法で現在考えられておりますような、破綻金融機関が受け皿金融機関を見つけた場合に一定の条件を満たせば営業譲渡をサポートするというような仕組みでやっていくというのが現在の体制、これで今まで処理がされてきたということだと考えております。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 済みません、時間がないのでもう一問だけ。  低金利が続いているわけですけれども、それによって生保業界が大体年間どの程度の逆ざやが生じているのか。それと、このまま低金利が続くことによって予定利率の引き下げ等が必要になってくると判断されているかどうか、その点について教えていただきたいと思います。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) 確かに、御指摘のように低金利の結果、いわゆる多くの生保会社におきまして実際の運用利回りというのが契約者に保証した予定利率を下回る、こういう状態が続いているわけでございますが、運用環境が改善されない限りこういった状態は続くと見ざるを得ないわけでございます。  しかしながら、生命保険会社の収益というものは、いわゆる利差のほかに、費差それから死差というような損益が加味されて全体の収益というのは決まるわけでございますので、従来、生命保険会社が公表しております逆ざや額というのは、要するに保険会社の保険契約一つ一つにつきまして総合的に、利差が費差、死差をもってしても賄えない、要するに完全に逆ざやになっているその契約だけ全部積み上げて、その結果逆ざや額が幾らだと、こういう数字を出しているわけでございまして、生命保険業界トータルあるいは会社トータルとしましては、それは決して赤になっているわけではないというのが実態なのでございます。  そのあたりのところが、逆ざや額という形で、例えば十一年度一兆六千億というのが公表している二十六社の合計額でございますが、そういう数字で出ておりますものでございますから世間で間々誤解されますけれども、四十五社合計額全体で申しますと、総じて十一年度を見ましても黒字基調、二兆二千億の黒字を出している、こういう実態があることを御認識いただきたいと存じます。

櫻井充民主党・新緑風会

○櫻井充君 最後に、先ほど柳澤大臣から強い御決意をお伺いいたしまして、本当にほっとという言葉を我々が使うとおかしいのかもしれませんけれども、期待しております。いろいろ多くの意見がこれから大臣のところに来るかと思いますけれども、そういう意見に負けずに、ぜひ世界から信頼できる金融システムの確立のために頑張っていただきたいと思います。  ありがとうございました。

海野義孝公明党

○海野義孝君 公明党の海野でございます。  時間が限られておりますので簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。  最初に、金融担当大臣にお聞きしたいと思いますけれども、先般、三月十九日に、日銀が思い切ったというか、金融緩和政策をとったわけでございますけれども、問題は、これまでも日銀の場合は昨年の八月にゼロ金利を解除するというような問題がありまして、今となって振り返ってみますと、あれから約半年強の間というのは、アメリカの経済の急速な減速等の問題もさることながら、いろいろ問題があったと思いますけれども、私は、大臣が年初来、不良債権の処理については大変なお気持ちで取り組んでいらっしゃると。特に、それも最近になりまして直接償却というような、これも大変な問題だと思いますけれども、そういったことを御決意されているということでございまして、当然これは風当たりも強い問題であろうと思いますけれども、私は、やはり不良債権というのがこれまで我が国がとってきた金融政策の機能を不全にしてきたというメカニズムということがあったんではないかと、こういうふうに思うんです。  それは二つありまして、例えば不良債権が、つまり銀行部門の自己資本を毀損してリスクテーク能力を低下させる、そして金融が緩和されても銀行貸し出しがなかなか拡大しないという点。それからもう一点は、金融機関が不良債権問題の顕在化や取引企業の破綻を回避するために、金融緩和が実施されても問題企業に資金供給を続けたと。そして、成長の期待できる産業へ資金が供給されずにマクロ経済の成長を抑制してきたんではないかというように、不良債権の問題、現行のそういった機能が十分に働かなかったという問題がひいては日本の景気低迷を続けていると。  これをやはり解決する問題として、金融担当大臣としては思い切った不良債権処理はもはや直接償却しかないと、こういうようにお考えになっているんじゃないかと思いますけれども、これに対する、この直接償却の目的というか、これは具体的にどういう効果をいつごろあらわしてくるかといった点につきまして、まず御見解をお聞きしたいと思います。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、私ども不良債権のオフバランス化というものを進めようということでいろいろその環境整備等について検討をいたしておるわけでございますが、その目的とするところは何であるかというお尋ねがございました。  これにつきましては、宮澤財務大臣もかねておっしゃられておりますし、また先ほど民主党の委員の先生からの御質問もあったわけですけれども、不良債権のオフバランス化というものがやはり金融機関がこうむった傷を治すのに最終的には必要なんですよということは何度も私どもも聞かされてきたわけでございますが、私どもとしては、それはアメリカのように債権の譲渡、売買をする市場が完備されている、あるいはその前にむしろ融資をするときからある程度それを他の融資とは切り分けて、それがそれ自体として余りうまくいかなかったときにはすぐにそれを処理してしまう、そういうような融資の形でないということも実は随分影響しておるわけでございまして、とりあえずそういったもろもろの背景のもとで私どもとしては引当金による処理をしてまいったわけでございます。  しかし、そういうことを続けておりましては一つは金融機関の収益力というものが、やはり一番端的にはこれはROAでございますけれども、十分上がってこない、つまり持っている資産が十分に稼働していないということになるわけでございまして、そこに非常に大きな問題もある。  それから第二番目に、これは口幅ったいかもしれませんけれども、ひょっとして日本経済の活性化ということにそういう変なものを抱えている金融機関が十分な活動ができないということが影響しているんではないか、マイナスの影響を与えているんじゃないか、こういうことも考えまして、私ども、やはりここへ来まして不良債権のオフバランス化というものをやるべきだということで、今その呼びかけをさせていただこうとしておると、こういう状況でございます。

海野義孝公明党

○海野義孝君 どうもありがとうございました。  そこで、直接償却という問題でございますけれども、これは例えば債権放棄をするというような形で、裏返せば貸出先の企業に対して、一方ではそういった企業の経営責任の問題、あるいはまた株主責任の問題、あるいはまた企業自体が、企業の再生というか健全な経営に立ち返るという問題等々があるわけですけれども、そういった場合に、債権を放棄するというような金融機関がその代償を払うということに対して、融資を受けている側にとってみると、例えば具体的に言うと、採算部門と不採算部門に分けまして、そして不採算部門はやはり切っていく、こういうようなことになっていくと思うんですけれども、言えば今いろいろと問題になっているような産業というのは、ここであえてどういう業種ということは言いませんけれども、大変不採算部門を抱えちゃって四苦八苦しているという状況でございまして、なかなか採算部門となるような部分が少ないというような感じがしますので、無理にそういった直接償却というか、債権放棄等を含めて、企業に対して痛みを伴うようなそういったことをやるということはまかり間違えば大変な問題になって、むしろ銀行の財務健全化を図るとか、それから日本の経済の低迷を脱するとか、そういう方向に向かってまずこの問題に手をつけるとしても、それによる一方では影響というのは相当大きいと、こう思うわけでございます。  その点を含めて、聞くところによりますれば金融庁、経済産業省、それから国土交通省、こういった三省の間で年初来審議官クラスでいろいろと御審議をもうこれまでかんかんがくがくと重ねてこられたということですが、なかなか何となく、こういう言葉を使ってはどうかと思いますが行き詰まっているというようなことを聞かないでもないんですけれども、そういった点につきましてひとつ三省のそれぞれの、現時点ではどういうような取り組みをなさっているか、そういった点についてそれぞれお聞きしたいと思うんですが。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) 若干事務的なことになりますので私からお答えさせていただきます。  ただいま海野先生御指摘のとおり、私ども、経済産業省、それから国土交通省にお願いを申し上げまして数度にわたって連絡会を開催いたしておりまして、金融界それから産業界の現状や今後の再生のあり方、取り組みの方向というものにつきまして意見交換をしつつ、どういうような取り組みが可能かということを検討してまいったところでございまして、さらにこの意見交換を踏まえまして、不良債権のオフバラに向けた環境整備策を私どもとしましてさらに詰めてまいりたいと考えております。

北村俊昭経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(北村俊昭君) お答え申し上げます。  経済産業省といたしましては、経済全体あるいは産業全体を担うという観点から、第一に経済の動脈であります金融システムの安定化、健全化を図るということと、第二に産業サイドの過剰債務問題の解決のための環境整備を行っていく、この二点が必要と認識をいたしております。こういった認識のもと、両大臣から御指示がございまして、私どもと先ほど村井副大臣がおっしゃった事務レベルの連絡会というのを数次にわたって開いてきております。  この連絡会におきまして、私どもから、産業再生の進捗状況といたしまして、いわゆる業界再編の状況、あるいは過剰設備、過剰雇用、過剰債務の進捗状況、さらには民事再生法の施行に関する考え方などについて説明をさせていただいております。また、金融庁からは、不良債権処理の進捗状況等々につきまして説明が行われております。こういった連絡会を通じまして、両省庁間で不良債権問題についてのさまざまな視点から意見交換を行ってきているところであります。  具体的な点で一点申し上げますと、私ども経済産業省といたしましては、こうした意見交換を踏まえまして、またさらに去る三月九日の与党三党の緊急経済対策の中で盛り込まれている点も踏まえまして、いわゆる産業再生法の活用策について検討を急いでまいったところでございます。  具体的に申し上げますと、従来、産業再生法は必ずしも債権放棄を想定した運用をいたしておりませんでした。ただ、今回、今申し上げたような事情を踏まえまして、企業の事業再構築に債権放棄が含まれる場合の認定基準、これを明確化することにいたしまして、金融機関と企業の間のいわゆる私的整理を側面から支援することといたしております。

風岡典之国土交通省総合政策局長

○政府参考人(風岡典之君) 国土交通省におきましても、建設産業再生を進めるという観点から、金融当局との意見交換、これが非常に有意義だというふうに考えております。連絡会におきましては、金融再生あるいは産業再生の取り組みの現状について双方から意見交換をすると。私どもの方としましては、建設業者の状況あるいは今後の見通し、また業者が抱えている有利子負債の状況、あるいは下請企業等との関連、さらには全体の業者数が非常に多いという中で全体での取り組みの再編についての考え方、こういったものを説明してきたところであります。  いずれにしましても、三月九日の政府・与党の緊急経済対策も踏まえながら、行政としてどういった対応をすべきかということにつきまして緊密な連携をとりながら対応を検討してまいりたい、このように考えております。

海野義孝公明党

○海野義孝君 この償却、不良債権処理に絡んで大変問題になっているような業界等についてどうするかというお取り組みについて今伺いました。私が期待していたほど踏み込んだところまでまだ行っていないというような部分もあるかと思いますけれども。  一方では、大臣、最近たしか新聞で拝見しますと、この償却の、直接償却、その期間というか、一応三年ないし五年というような目標をお決めになったというようなことで、これからそういう面で各省庁等の対応が急がれていくということになろうかと思いますが、そうした場合に、やはり産業界における例えば失業の問題、あるいはまたリストラ等によっての下請企業等の問題等々、大変その影響というのは大きく波及するんじゃないか。  一時的には、経済に対しても景気に対してもマイナス要因が働くんではないかというふうに私懸念するわけですけれども、しかしこれはこれまでもなかなか実現できなかった問題で、どこかでこれは思い切ってやらざるを得ないということになりますれば、やはり例えば補正予算を組む問題である。これは内容的には、例えば失業者の雇用保険の延長問題等を含め、いろいろ財務的な面でのそういった手厚い措置が必要になってくるんではないか。  こういったことも、やはり今からきちんとそういったことを打ち出して進めていかないとなかなか事が進まない、こういうふうに思うんですけれども、宮澤大臣、その辺についてはどういった御所見をお持ちでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる不良債権の処理の問題、ここで大変に皆さんの関心を集めておりまして、柳澤大臣かねてからの御主張のとおりこれを進んでいこうとしておられますし、またさっきもこれは逆に柳澤大臣が言われましたように、海外からはこういうことはもう二年も前から、三年近くも前から言われておったことではあるわけです。あるわけですから、これをしなければ仕上げができないということはだれが考えてもそうでございますけれども、しかし、今、海野委員のような御観点からこの問題を見てくださることというのがやっぱり私は非常に大事なんだろうと実は思います。  知らなかったからしなかったわけではありませんで、やはり大きな病気をしまして、とにかく少しでも少しでもよくなってきているでございましょうが、ここでこの手術をもう一遍きちんとするということに今の体力が耐え得るかというぐらいやっぱりこれは最終的な一つの処理になるんだろうと思います。しなければならないということは明らかだし、国民的な世論も支持しておると思いますが、具体的に債務者の立場に立つと実にいろいろな問題があるであろうと思われます。ある意味で、言葉はちょっと悪うございますが、病気があるのは知っていたが今まで何となくそこは触れずに渡ってきたようなところがありますので、これはもうこのままにはできないということはそうであるだけに、それに対して起こり得べき事態というのはいろいろに考えておかなきゃならぬというのが今のお尋ねの趣旨であります。  この三年間、本予算をつくり、補正予算をつくりしていろいろな意味での、殊に雇用につきましてはいろんな対策を当初から講じてまいりましたし、またミスマッチ等々の問題についてもやってまいりました。中小企業の体質についてもやってまいりました。やってまいりましたから、お答えとしてはそういう準備は十分いたしておりますというお答えができる筋合いのものでございます。ございますが、本当にこの手術を進めていった場合に日本の経済がそれにちゃんと耐えていけるだけのことは政府としては当然考えるべき問題でございますから、今何もというふうに私は考えておりませんけれども、しかし、この問題はそういう半面を持っているんだよという御指摘は十分耳を傾けて伺わなければならないと思っています。

海野義孝公明党

○海野義孝君 まだ宮澤大臣にはいろいろとお聞きしたいんですけれども、時間が限られていますから、また次の機会ということで。  次に、生命保険関係の問題について、これもいろいろ質問を用意しましたけれども、二つほど教えていただきたいと思います。  まず一つは、生命保険のディスクロージャーについてお聞きしたいと思います。  総務省では簡易保険の経営状況について三利源別、つまり利差益、死差益、費差益の収益を公表しているわけですけれども、この背景についてお聞きしたいことが一点と、生保業界としてはこれまでこの情報開示にはどっちかといったら余り積極的ではなかったということで、しかしながら破綻処理費用に公的資金、先ほども御質問の中でありましたけれども、破綻処理費用に公的資金使用の法的措置も既に昨年講じてあるわけでございまして、こういう状況下にありまして、みずからの経営状況の公表に否定的であるということは国民的理解を得られない、こういうふうに私は考えるわけでございまして、そういった点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか。特に、この三月終わりました三月期決算で具体的なそういった面での数字が公表されるかどうかということについて大臣にお聞きしたいと思います。  というのは、これについて私が重視するのは、これまでいわゆる逆ざや問題ということが表面的に大きく取り上げられてきていますけれども、実際には生保の各企業によってはそのほかのこういった利差益とか死差益であるとか費用差益、こういった面ではかなり予想と現実との間には相当利益が出るんじゃないかというようなことで、こういった面はやっぱり明らかにした方が、今のこういった、何というんですか、生保の次はどこだというような不安を払拭していく上でも私は考えるべき問題ではないかと思うので、あえてお聞きしたいわけですけれども、いかがでしょうか。

村井仁自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(村井仁君) ディスクロージャーというのは確かに大変大切なことでございまして、私どももこの保険業法の大改正をやりました際に、保険業法百十一条に基づきまして銀行法における開示とほぼ同水準の開示を義務づけているところでございます。  今、海野委員御指摘の点でございますが、総務省で簡易保険の方でどのような開示を行ったかということは、私特にこの段階で、申しわけございません、触れることを避けさせていただきますが、保険会社につきましては、私どもといたしましては監督上の措置の見直しをいたしまして、銀行のフロー指標でございます業務純益の基本的な考え方でございます、これを踏まえまして生命保険会社におきましても保険引き受け関係のフローの基礎的収支を示す指標といたしまして基礎利益という概念をつくりまして、これを報告徴求し、そして業界からも自主的にこれを開示させる、こういうようなことで保険会社のディスクロージャーのさらなる充実を図りたい、こんなふうに考えているところでございます。  なお、付言させていただきますと、三利源、いわゆる死差、費差、利差でございますが、このそれぞれにつきましてどうなっているかというところまでの開示をさせるということになりますと、これは配当水準でございますとかあるいは保険料水準の検討というような、もうまさに保険会社にとりまして経営戦略の根幹にかかわる部分を全部出してしまうということになりまして、競争という観点からいささか問題なのではないかということでございます。さらには、臨時的な損益も含まれるわけでございまして、こういったところはやはり公表の対象とするのには適当ではない、こんなふうに考えておるところでございます。

海野義孝公明党

○海野義孝君 大体予想されたような村井副大臣の御返答でございまして、これ以上このことはしません。  もう一問だけ、これはできたら柳澤大臣にお答えいただきたいと思いますけれども、予定利率の問題についてですけれども、逆ざや解消のために配当準備金繰入率を引き下げる案があるわけですけれども、契約者配当の財源というのは基本的には予定利率が低い契約者から生じている、こういうふうに考えられるわけです。低予定利率の契約者は、現段階でも逆ざやが生じている契約を補てんしている、従来からのそういう契約ですね、それにもかかわらず、さらに配当準備金繰り入れを引き下げるということは、結果としては保険契約者間の不公平感を増大させるんではないか、こんなふうに思うんですけれども、この点を含めてもう一点、今後の生保の信頼回復に向けて金融庁としておとりになることは何か、そういったことについてお答えいただきたいと思います。大臣、お願いします。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 内部補助と申しますか、予定利回りの低い人が高い人の保険金に補助をしているような結果になっているんじゃないかと、こういうことでございますが、これはなかなか難しい問題だと私は今お聞きしていて思います。率直に言って、保険の母集団の中ではいろんなことが起こるわけでございまして、保険の母集団を小さくした場合に本当に保険として成り立っていくかどうかというような問題になってくるんじゃないかなと、お聞きしてそんなふうに思いました。  いずれにせよ、この問題、実は、予定利率の問題のみならず保険会社の信頼性の回復というような問題は大きな問題だというふうに我々も認識をいたしておりまして、ソルベンシーマージンの改革であるとか、あるいは最近、銀行の業務純益に見合うような、有価証券の損益だとかそんなことと関係ない本当の業務から生まれる利益の水準を見ていただくための基礎利益という観念を一つここへ打ち出しまして、そしてそういうものをディスクロージャーしていく。  こういうような努力を一方でやる傍ら、もう一つでは、金融審議会の保険の専門の部会の皆さんにお願いをしまして、保険会社の経営環境をめぐる問題を総合的に取り扱っていただく。例えば業務面でどうなのだと、あるいは財務面で今言ったことを含めてどうするんだというようなこと、あるいはガバナンスの問題、ディスクロージャーの問題等々を総合的に検討をしていただく。  そういう中では話の道行きとして、当然今先生がお触れになられたような問題も大きなテーマとして取り組まれるに違いないと私思っておりますけれども、現在、先月の初めごろからこの問題に取り組み始めていただいておりまして、できるだけ早期に結論を出したい、八月ごろというか半年過ぎごろのところで結論を得られるように諸先生にお願いしたい、こんなことで今進んでおりますので、しばらくの間、時間をおかしいただきたい、このように思います。

海野義孝公明党

○海野義孝君 時間になりましたから最後に一言だけですけれども、今の生保の問題も、やはり現下の大変、契約者からとってみても、また日本経済の中での一事象としても大変大きな心配な問題でして、この問題は現行の不良債権の処理の問題とも相まった問題となってくるということでございまして、そういう意味からも今後のお取り組みについてはよろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございました。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 日本共産党の池田幹幸です。  私も、不良債権、オフバランス化の問題について、そのめどについて伺おうと思っておったんですが、先ほど来の議論の中でもう答弁が出ておりますので、この点についてはカットしたいと思っております。  ただ、このことについては、柳澤金融担当大臣は九月末が一つの節目だとか、あるいは金融庁長官ができるだけ早くというふうな発言をしておったんですが、それは今伺うと、いろいろ検討途上ということではっきりしないという状況になっておるということのようです。  いずれにしましても、この問題、いわゆるがん細胞じゃないんですから、徹底的に早く切り捨てりゃいいというものじゃないし、そういう点では、死に体内閣のもとで乱暴なことをやられたんじゃ国民はたまったものじゃないということ、まずそのことだけは申し上げておきたいというふうに思います。  そこで、この問題について、中小企業への影響の一点に絞って質問をしたいと思うんです。  今、三十二兆円のリスク管理債権がある、そのうち破綻懸念先以下が約四分の三、二十四兆円占めているというふうに言われております。これだけ巨額の債権をオフバランス化というか最終処理というか直接償却といいますか、そういうことをやりますと、中小企業への影響は非常に大きいと。これは各大臣もこれまで発言しておられるとおりであります。  そこで、中小企業庁に伺いたいんですが、中小企業向けの債権で破綻懸念先債権以下、これがどれぐらいあるんだということなんですけれども、データはお持ちでしょうか。

中村利雄中小企業庁長官

○政府参考人(中村利雄君) 不良債権額の中で中小企業向け債権の占める部分につきましては、中小企業庁としては把握いたしておりません。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 非常に頼りない話ですね。中小企業を所管する中小企業庁がこれだけ大きな問題になっておることについて非常に頼りない。  それじゃ、金融庁はデータを持っていますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 金融庁も、そうした形で不良債権になったものの中で中小企業分が幾らかということの数字は直接は持っておりませんが、ただ、中小企業向け貸出金というものが貸出金全体のほぼ半分であるということを私ども認識いたしておりますので、大体そういうようなことでこの問題についても念頭に置いていろいろ考えておる、こういうことでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 その程度であればいいんですが、実際は非常に違うんじゃないかと思います。そのことについて伺っていきたいんです。  私、取り上げるのも、もう今さら言わぬでもいいと思いますけれども、中小企業、これはもう我が国経済の中の七割を占めておりますね、事業所ベースではもっと多くなりますが。労働者についても七割以上を占めておりますから、その点で非常に重要な地位を占めているわけです。  そこで、そういった中小企業向けの不良債権の処理というのは、言葉ではオフバランスか何か言いますけれども、これはもう生身の人間にとっては大変なことなんですね。中小企業倒産、失業の増大、その家族があります。だから、これは本当に真剣に考えていただかなければならぬことなんです。今伺ったら、全体の貸し付けの中の半分ほどを占めているからその影響も半分ぐらいだろうということなんですけれども、そうじゃないと思うんですね。  そこで、私、データを一つ示したいと思うんですが、その前にひとつ確認をしておきたいんです。公的資金注入を受けた銀行は、健全化計画の履行状況報告、これを出しています。その中で、中小企業向け貸し出しを公表しているわけですけれども、当時の金融再生委員会は、中小企業向け貸し出しのうち不良債権として処理された分は、実際は貸出残高に残っていないにもかかわらず、実勢ベースということでこれを残高に加えて発表してきました。言ってみればおまけしたような感じなんですけれども。この実勢ベースという数字を出すために、各資本注入行、ここはどれだけ不良債権を処理したのか、これを総額とそれから中小企業向けの額という形で公表しています。  ですから、この報告書で、資本注入行については中小企業の不良債権処理、これは少なくとも注入行に関してはわかるはずだと思うんですが、そうですね。事務方で結構です。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生のお話、確かにそういう考え方がございます。  それはどうしてかというと、最終残高で追っかけていきますと、今日のように、我々は特殊要因と言っておりますけれども、特殊要因でもって残高が動く部分がございますので、それらもいわば加味したところで一体どうなるんだと、こういう係数の把握の仕方をしなきゃいけない面があるということは認識しておりますので、そういうようなデータもあろうかと思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 お配りした資料なんですが、これは今言いましたように、健全化計画で公表された数字を私の方で集計してみました。これは、九八年度、九九年度、そして二〇〇〇年度上期ということですから、二年半にわたっての数字なんですが、それぞれの該当部分をまとめたのがこの資料一の表です。  資本注入行の不良債権処理等に係る残高増減となっておりますけれども、これが二年半の累計で総額十三兆八千五百二十五億円、そのうち中小企業向けが十三兆二千四百四億円になっているんです。そうしますと、これはもうほとんどが中小企業向けなんですね。これがこれまでの不良債権処理の実績だということになるわけです。  大臣、これどう見られますか。今、半分だから、大体半分ぐらいだろうとおっしゃったけれども、全く違う数字が公的資金注入行についてはあらわれているんです。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) これも先生独自に集計された数字ということでお持ちなので、先生のような読み方もあるいはできるかとも思うんですが、例えば一番上のみずほ三行、総額が二兆一千七百十六億で、中小企業向けが二兆七千八百九十九億ということになると、中小企業向けが総額の内枠の数字であるということにはならぬのじゃないでしょうか。私はそう思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 これは黒三角のところがありますね、九九年度中。これは要するに債権化してやったものがまた還流してくるというふうなことがあるのでこういう数字が出ているんだというのがみずほ銀行の説明だったんです。そういった状況にあらわれているんですが、トータルでこれを見ていきますと少なくともそういう形になるんじゃありませんか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) それはちょっと無理じゃないでしょうか。その次の数字を見ましても、一兆五千百十五億の中に一兆七千八百三十九億を内枠として埋めようといったって、それはそうはいかなくて、それを七百五十四億で調整しようといったってそれは無理だと思います。私は、数字の意味しているところは違うんじゃないかと。今、先生突然のお尋ねなので、確定的なことは申し上げられませんけれども、少なくともそういう考え方でないとこの表の読み方としては誤ってしまうのじゃないか、このように感じます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 私もこのことは疑問を感じまして聞いてみたところですけれども、それは不良債権を証券化してやってきて、それが還流することによってこういうマイナスというふうなことがあらわれているのだというふうな説明がありました。このことについては、私はそういう形で見るべきだろうし、少なくとも、盛んに力説されるけれども、十三兆八千五百二十五億と十三兆二千四百四億、ほぼ並ぶ数字になっているというところについては、これは重視する必要があるだろうというふうに思います。  そこで、実勢ベースという形で公表はしてきましたからね、これまで。そういうところで中小企業向け貸し出しがどんどんふえてきている、貸出残もふえているように見せかけてきたわけですけれども、しかしこれはやっぱり見せかけのものでありました。とはいうものの、中小企業向けに特別枠までつくって貸し出しをやったわけですから、実勢がふえていることも確かでしょう、実際にふえていることも確かでしょう。しかし、他方では回収を強めて不良債権処理を強化してきたということが、一つこの結果の中にあらわれていることは事実だと思うんです。  そうしますと、これはわずか資本注入行だけの集計なんですけれども、全体二十四兆円という中で、このとおりの比率ではいかないにしても、相当な比率で、その半分どころか、もっと多くが中小企業への不良債権という形になってその処理ということが進められていくおそれがある、こういうふうに考えるんです。  そこで、私としては、このやり方については慎重に考えていかなきゃいかぬ。アメリカを見ましても、八〇年代半ばから九〇年代初めにかけて巨額の不良債権処理に苦しんだわけですけれども、実際に不良債権の処理が進んだのは九二年以降、景気が回復した後なんですね。景気が回復して初めてやっぱり不良債権処理が進んだというアメリカの経験ということも見ておかなければいかぬ。  私は、ゼネコンなどの投機的な融資とか乱脈融資、こういったものによって生じた不良債権、これは当然処理していかなければいかぬというふうに思います。しかし、やっぱり景気が回復して初めて不良債権の処理も進むものなんですから、この不況下で不良債権をどんどん切り捨てるというふうなことをやれば、これは明らかに中小企業を切って捨てるということになっていきますので、失業も増大する。ひいては、逆に不良債権がふえ続けるということにならざるを得ないと思う。そういった点で、こういったやり方についてはやめるべきだろうということを指摘しておきたいと思います。  私は、きょうは次に証券市場の公正性、透明性保持の問題について大阪証券取引所、いわゆる大証ですね、その実態について取り上げたいと思うんです。  先月の三十日に、金融庁は大証に株式会社化の認可を行いました。必要な要件を満たしていると判断したのだろうと思います。私は、大証問題についてこれまで一年近くにわたってこの特別委員会あるいは財政金融委員会で取り上げてまいりました。これは証券市場が投資家の信頼を得るためには市場の公正性、透明性を確保する必要がある、そういった立場から取り上げてきたものなんです。  そこで、改めて金融担当大臣に伺いますが、その市場の公正性、透明性を確保する上で金融庁の責務、役割といったものはどういうものなのか、またその役割を果たす上で与えられている金融庁の権限というものはどういうものなのか、簡単に説明願います。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) ただいま先生御指摘になりましたように、市場にとって最も重要なことは公正性ということでございまして、そうした中に市場参加者が安心して参加をできるということであろうというふうに思っております。  そうしたことから、市場に参加する者につきましては、高い倫理と申しますか、そうしたものに基づいて、コンプライアンスはもちろんのこと、国民の信頼を得るように行動することが期待されているところでございまして、そうした観点から、市場というものが日本経済の中でいろいろな資金の交換が行われるという重要な経済のインフラであるという認識に立ちまして、私ども金融庁といたしましても、この市場の公正性、透明性の観点から、法令に基づいて適切な監督を行っているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 法令というのは証券取引法ですね。それ以外ありませんね。それに基づいてやっておるということのようです。  そこでもう一点伺っておきたいんですけれども、証券取引法違反、これに対して違反行為、これはだれが認定し、だれがどういう措置をとるのかということ、それから法令違反ではないけれども公益性を求められる取引所などで不適切な行為があった場合、この行為についてだれが認定し、だれがどういう措置をとれるのかということについて伺います。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) 証券取引法に書いてございますいろいろな行為のうち、公正な取引等に関する部分につきましては、証券監視委員会が担当していることもございますけれども、最終的にはこれは金融庁長官と申しますか、金融庁におきまして認定し、そこに不適切な行為があったならば法律に基づいて処分をするということになりますし、それから法令違反でない場合にも、不適切なことが認められる場合には相応の改善措置を求めていくということで運営をしてきているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 そういたしますと、例えば過去のこと、過去といってもそう遠い過去ではございませんが、過去のことではあっても違反行為あるいは不適切な行為が露見して、それを解明することが市場の公正性を確保する上で非常に大事だというふうに認められる場合は、再発防止を図る上から、金融庁は改めて調査し直して必要な措置をとるということもできるのではないかと思いますが、いかがですか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) これは一般論でございますけれども、金融庁といたしましては、証券会社あるいは証券取引所もそうでございますけれども、そうしたことに対しまして検査あるいは監督の場面におきまして不適切な行為等があった場合におきましては、先ほど申し上げましたような考え方に立って適切な措置を講ずることとしているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 では、その上に立って伺います。  私は、大証問題を取り上げてきましたけれども、これを重視してきたのは先ほど言ったような立場からなんですが、大証幹部の中に、大証の利益のためならば何をしてもよい、暴力的な行為も許される、市場をゆがめてもよいと、こういった考え方が根深くあるというふうに考えるからなんですね。それが大証の体質とでもいうべきものになっているというふうに考えるから取り上げてきたわけなんです。  改めて、二〇〇〇年六月に大証が大証関連会社に関する調査委員会の名で、大阪証券取引所関連会社に関する調査報告書、これを金融庁に提出しました。報告を受け取って、金融庁は大証に対してどういう指導をしたんでしょうか。大証問題はこれで一件落着したというふうにお考えなんでしょうか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) ただいま先生お述べになりましたように、いわゆる大証問題につきまして、大証の部内におきまして関係者からの事情聴取を行いながら詳細な調査を進めまして、その調査結果を昨年六月二十日に開催された理事会に報告いたしますとともに、その概要を対外公表したところでございます。  金融庁、当時はこの仕事はまだ大蔵省がやっておりましたけれども、当時の大蔵省といたしましては、その六月二十日の報告以前から、この問題をある程度前広に把握した段階から、これは公益性を本旨とする取引所において不適切な行為はあってはならない、もしもあった場合には適切な調査をした上で速やかな改善措置を講じるべきであるということを強く指導してまいりまして、そうしたことから、この報告自体もそうした当局の指導に基づいて行われたものでございますけれども、この報告の後、大証は当局の指導等に基づきましてさまざまな改善措置をとっているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 改善を求めた最も大きな点はどんな点ですか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) 大蔵省、金融庁ということで申し上げさせていただきますけれども、大証に対しまして昨年の六月に調査結果を公表した後、大証のとりました措置は、理事長、副理事長が退任いたしますとともに、問題となっておりました関連会社を整理する、廃止するということでございます。それから、この理事会の意思決定におけるコンプライアンスというものを強化する観点から、公益理事の増員を行いましたほか、諸規則の制定及び改正を行った、また考査室というものを新設いたしました。また、外部監査の導入等を行った等、再発防止のためにさまざまな改革措置を当局の指導のもとに実施してきているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 役員の首をすげかえたということと関連会社を整理したということが大体中心ですね。それでこれが一件落着したと考えたら私は大間違いだと思うんですよ。というのは、公共性、公益性から見て不適切だと判断したその具体的な事実については、これをきちっと分析して、そしてこういうことが再発しないように防止するという措置はとったんですか。ないでしょう。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) ただいまもお答えいたしましたように、いわゆるコンプライアンスの確保を図る観点から、公益理事の増員でございますとか諸規則の制定及び改正、また考査室の新設、外部監査の導入等を行うことによりまして、再発防止のためのさまざまな改革が実施されているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 それでは、具体的に伺いますが、前回にも指摘したロイトファクスの関係です。  これは、公表された関連会社一覧によりますと、事業内容は大証市場のマーケティング業務と、こうなっております。私が先月十五日の財政金融委員会で指摘したロイトファクスの仮装売買、個別株オプション取引を多く見せるための売買をしたと、こういう理由でロイトファクスを整理したんですか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) 大証の関連会社でありました有限会社ロイトファクスにつきましては、調査報告書の概要におきまして、ロイトファクス等の設立は大証の公益的運営の必要性から見て適当でないと言える、ロイトファクスの株式売買に伴う売買手数料などは最終的に大証と関連会社が負担している、公益的運用に努めなければならない大証の立場から見ると問題であると指摘されているわけでございまして、金融庁といたしましても、ロイトファクスの設立は大証の公共性、設立手続等の観点から見まして適切ではなかったと考えております。  そうしたことから、大証に対しまして改善措置を求めてきたところでございますが、大証におきましては、先ほど申しましたような観点からのさまざまな改革措置を講じましたほか、昨年五月十七日にこの有限会社ロイトファクスを解散しているところでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 ちょっと、大証の金が使われておるとか関連会社のお金が使われたといったようなのはよくないですよ。よくないんだけれども、非常に瑣末な罪を取り上げて解散しておる。最も大きな罪は野放しにしているじゃないですか。  お配りした資料、配付資料の二ですけれども、これは大証関連会社に関する調査委員会の関係者への聴取です。その聴取録の部分なんですけれども、これは金融庁も関係者から先ほどヒアリングしたとおっしゃった、この記録は入手しておられますね。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) このお配りいただきました聴取録自体は私ども持っておりません。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 だとしたら、その報告書を受け取って、いいよいいよと言ったのは大変うかつな判断を下したというふうに私は思います。  この聴取録、野口卓夫さんという人は大証の副理事長ですね。その副理事長に対する事情聴取なんですけれども、これ線を引いておきました。ここに私が申し上げました個別オプションの取引の問題等も出ております。ここで、そういった仮装売買なんですけれども、仮装売買という言葉は使っておりませんが、そういった売買がよいことか悪いことか知りませんが、ある意味のマーケットメイク的な取引がない、あるいは大証がメイン市場としての役割を持たせるという意味合いでそこに出ているロイトファクスを設立して取引をさせたと。五億円の問題はそのときの証拠金だとまで言っているんですね。取引所が五億円使って、証拠金を出してこういう取引をしたというんですけれども、大証が、取引所がメーン市場としての役割を持たせるという意味合いを持たせるためにこのロイトファクスに取引させたと。まさに仮装売買させて取引が多くなるように見せかけたということじゃありませんか。ここまで露骨に述べているわけです。  ところが、私驚いたんですけれども、こういうことがはっきりしているにもかかわらず、問題は、この調べられておる野口さん、それから調べている調査員の方、よいことか悪いことかわかりませんがというのは、野口さんは悪いことだと知っていて言っているわけですよ。調査員の方もそれは悪いことに決まっているじゃないかと指摘していないんです。  いずれにしても、要するに違法な行為であってもこれは大証の利益になるわけですよ。東京証券取引所に比べて大証の取引の方がずっと多いとなると、そちらに個別株オプションの取引が寄ってくるんです。それをねらってやったわけです。そうでしょう。だから、大証の利益になるんだからいいじゃないか、そういった姿勢がここに蔓延しておる、はっきりここにあらわれているじゃありませんか。ここに取引所の自主規制とか自浄作用とかはかけらも見られないと私は思います。  ロイトファクスは確かに整理したと今おっしゃった。しかし、整理しても次のロイトファクスが生まれないという保証はどこにもないじゃありませんか。これはひとつ柳澤大臣、突然の話かもわかりませんが、中身はおわかりいただいたと思うんです。どうお考えでしょう。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、先生に初めてこの資料を見せていただきまして目を通させていただいたわけですが、このようにしてきちっとこの調査が行われた、その結果、野口副理事長等もその職から解任されたということでございますので、その意味では自浄作用を果たしたということが私は言えるだろう、このように思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 確かにきちんと調査をやっているんです。  ところが、今指摘したように、調査する側もされる側もそこにとんでもない思想があるわけですよ。自主規制だとか自浄作用だとか、それが働く余地がここには見られないということを私は指摘しているんです。実際、ここまでわかっている人たちですよ、市場のことが。十分わかっている人たちですから、これを聞けば仮装売買、だれでもわかるんです。  しかも、よく調べているという点ではそのいろんな資金の流れの表もつくられております。  これは資料三を見ていただいたらわかりますけれども、資金の流れがずっと克明に出ておる。私がここで問題にしたいのは、この資料三の一番下の日本電子証券株式会社とロイトファクス、これどちらも関連会社です。大証がつくった会社です。そのロイトファクスが、日本電子証券、私が前回問題にしたのは光世証券という会社を通じてやったんですけれども、それだけじゃなしに、この日本電子証券という関連会社を通じてやっているんですよ、ここでも。  そうすると、取引所自身が自分で子会社をつくって売った買ったやって、売買が大きくあるように見せかけたわけです。すぐわかることです、これ専門家が見て。これは犯罪ですよ。これは摘発できなかったSEC、証券取引等監視委員会もなめられたものだと思いますけれども、少なくともやっている本人は取引所からとがめられるおそれは何にもないんです、日本電子証券株式会社、ロイトファクスは。当たり前です、取引所の親分から命じられてやっているんですから。こんなばかなことがやられておったんです。  ですから、よく調査していますなんて言えないということは、柳澤大臣、おわかりだと思うんですけれども、いかがですか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 今、この表自体はにわかにはよく理解できないんですけれども、今、先生がおっしゃられた取引所に自浄作用があるかないかということについて言えば、私は、取引所が第三者的な委員会を組成して、そしてこうやって関係した役員を喚問している。その結果、取引所としてもこの役員をとめ置くことはできないということで辞任をさせたということ、そういうことが私は組織の自浄作用だろうと思っておりますので、自浄作用が発揮されたというふうに思うわけでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 一番重大な犯罪をそのまま無罪放免しているというわけですから、私は到底そういうことは言えないと思います。  さらに、私はここで、要するに調査する側もされる側も全くその取引所の本当の責務ということを忘れちゃっているということを申し上げたいんですよ。こういうもう本当にとんでもない状況になっている。モラルハザードなんてもんじゃない。監視しないといけないやつが自分で会社をつくってやらせているわけですから、こんなばかなことないじゃありませんか。  さらに、そういう点では社会的常識もないようなこともやっている。これも私取り上げてきましたけれども、仲立証券つぶしの問題です。この件につきましては、私は乾総務企画局長、ちょっと苦言を呈したいんだけれども、私の十一月の質問に対して、報告書は関連会社に関するもので仲立に関する記載はないというふうに答弁しておられますね。本当にこれよく見たんでしょうかね。今でもそう断言できますか。わからないようですから、要するに、そう断言されたけれども、違うんですよ。  これは資料の四、報告書のこれまた一部ですけれども、これの二十ページを見ていただければわかるんですけれども、ここで水智弘氏への貸付金というのが出ておりますけれども、要するに清算予定の仲立証券の株式を買い取る目的で有限会社北浜水明会というのをつくったという記載がここにあります。そのために二千五百万円を大証が貸し付けたというふうな記載があるわけですけれども、ここにはっきりわかりますように、もう仲立を買い取る、清算会社として、つまり解体するということですよ、解散して買い取る。そのためにこういう持ち株会社的なものを用意したということがここに明記されていますね。  ですから、前回の乾局長の答弁がこれはとんでもないことだったということですね。その点、まず認めますか。  時間が余りありませんから、その点は反省してもらいたいというふうに思いますね。  それから、この水明会がつくられたときに、ここに明記してあるんですよ、清算予定のと書いてあるんだけれども、このときに、九八年時点のようですけれども、何もこんな解散の予定とか清算の予定なんかなかったんですよ、仲立証券は。会社自身がそんなことを想定していなかった。そういうときにわざわざこんなことを言っているんですね。そうすると、こういう報告書を見て、これはおかしいなという疑問がわかないのは私はおかしいと思うんです。廃業したのが九九年四月ですからね。  しかも、もっと私はおかしいと思いますのは、この報告書が提出されたのが六月です、昨年の。その二カ月前の四月に、私はこの仲立証券に関して大証が策謀をめぐらして仲立証券つぶしをやっておるぞということを指摘しました。それを聞いていたはずです。だから、この報告書を見たら時期的におかしいじゃないかと疑問を当然持ったはずですよ。疑問を持ったら、当然このことをヒアリングしたはずですよ。何もしていないでしょう。これもお答えになれませんか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) 先般の委員会で私が申し上げましたのは、この報告書は関連会社の問題の不適切なことを調査するために行われたということを申したわけでございまして、この報告書自体が仲立証券の問題を対象としたものではないという趣旨で申し上げたわけでございまして、誤解を招いたといたしましたらお許しをいただきたいと思います。  それから、今の御指摘の問題でございますけれども、前回からお答えしておりますように、この報告書自体は大証がまとめたものでございますけれども、いろいろな個別の取引所にかかわるものでございまして、大証自体が公表をしていないものでございますので、ここに書きました内容につきましてコメントすることは差し控えをさせていただきたいと思います。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 報告書を見て、そして私が指摘した点についても何の調査もされなかった。これはその内容についてコメントするかしないかの問題じゃないでしょう。とんでもない答弁だと思うんですよ、何もやっていないじゃないですか。  先ほど冒頭に、金融庁の責務、格好いいことを言われた。何もやっていないじゃないですか。しかも、この横山匡という人の陳述を見ればわかるんですけれども、これは三人のうちの一人、このまさに仲立証券の問題だけで陳述しているんですよ。先ほどの資料二の方ですけれども、その一ページ目めくっていただいたらわかるんです。これ、調査委員会として仲立問題について何だったのかということを聞くと言っているんですよ。「仲立問題というのは争議に関することを申し上げればよろしいですね。」と、こう言って、「そうです。」と言われた。まさに、あなたは関連会社の問題と言うけれども、仲立争議の問題というのは関連会社の問題なんです。なぜならば、仲立を解体するために三つの会社つくっているんですよ。先ほどの水さんという人の会社、それから大証オフィスサービス、北浜ビジネスサービス、これをつくってやったんだ。だからこれだけ詳しく調査しているんですよ。先ほどの答弁はとんでもないことだということを指摘しておきたいというふうに思うんですね。しかも、これは非常に計画的に、周到に用意されていたということを私は申し上げたい。  この証言の中で出てくるんですけれども、前回の答弁で乾さんは、要するに平成三年ごろから景気が悪くなってだんだん収益が上がらなくて、とうとう十一年につぶれましたという話をしたんだけれども、現象はそうかもしらぬけれども、そうじゃないんです。実際は、その手数料というのは仲立証券が生きていけるように取引所が決めるんですよ。取引量が下がったときには手数料の率を上げる、上がったときには下げるということをやっているんです。この手数料について、大阪証券取引所は、大証は三回にわたって、しかも八カ月ですよ、最初九七年九月、それから次は九八年二月、その次は五月、三回にわたって、わずか八カ月の間に手数料を引き下げた。どれだけ引き下げたか、十分の一に引き下げたんですよ、十分の一に。これじゃ、企業がやっていけるはずないじゃないですか。八カ月前と比べて十分の一。これはもう仲立解体の周到な準備としか言えないですね。  しかも、それをやる段階で、ここに出ておりますように、持株会社を先に準備してつくっておいた、こういうことをやっているんですよ。買い取りのための金は大証が出す、これもやった。ちゃんと書いてあるんですね。これを私も指摘したんです。  私が言っているのは、金融庁の責任というのは重大だと思うんです。何にもやらなかったんだから、これだけ一年にわたって、これは四回目です、四回指摘した。一度もやっていないでしょう。こんなことが許されますか。  大体、その市況の低迷等のためにつぶれたと。その市況の低迷等の等の中にこのような手数料の引き下げの問題、仲立解体の策動の問題、これが入っていたんだと言うんですか。その等の文字の中でこれを読み取れとあなた方はおっしゃるんですか。そうだとしたら、余りにも質問者の私だけでなしに国会に対する冒涜でもありますよ。どうですか。

乾文男金融庁総務企画局長

○政府参考人(乾文男君) 仲立証券が、これは昨年お答えいたしましたけれども、市況の低迷等による仲介手数料の減少等から赤字を続けて、その後廃業に至ったということを申し上げたわけでございますけれども、これは場の中で仲立ちをしておるわけでございますから、その全体の取引所の問題もございましょうし、それからこれは取引所自体がだんだんとシステム化の進行というもの、これは取引所自体としていろいろなリストラ対応をしていかなきゃならないわけでございまして、そうした中による要因もあったかと思いますけれども、ただ、この点に関しましては、これは取引所のいわば経営とかかわる問題でありまして、これは私どもが直接どうこうという点ではないという点を御理解いただきたいと思うわけでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 時間がもうありませんので、最後に要望を申し上げておきたいと思うんですが、この仲立問題は、今、取引所の方は地方労働委員会から団体交渉に応じなさいという命令を受けていますけれども、その命令を拒否して団交にも応じていないんですが、その理由が、仲立証券と大証の間には労使関係はありませんというのが理由なんです。  ところが、この報告書を見ればわかりますように、三名の労働者、非組合員に対してはちゃんと退職金の一部を支払っているんですよ、大証が、子会社を通じて。そういうことをやっているんです。だから、彼らの主張とは全く違って、彼ら自身が仲立証券の労働者に対する労働債務を負っているんだということを認めているじゃありませんか。それをやりながら、片一方では団交拒否というようなこともやっているということなんですね。  要するに、先ほどの仮装売買の問題にしましても、労働争議の問題にしましても、仲立解体の問題にしましても、要するに大証の利益のためなら何やってもいいという、こういった思想が蔓延しているんです。このまま放置しておったんでは、先ほどから格好よく公正な市場とか透明性だとか、あるいは自浄作用だとか、取引所の自主規制だとか言われますけれども、こんなものは絵にかいたもちでしょう。改めて調査し直す、そして改めるべきは改める、うみを絞り出すということをやるべきだと思います。  これは、柳澤大臣、改めて答弁を求めます。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 幾つかの問題をかねてより池田委員の方から御指摘いただいておるわけでございますけれども、私どもは取引所そのものの問題ということについては、先ほど来申し上げておりますとおり、第三者機関のようなものを置いて、今、先生がこれ、私も目に触れておりませんでした初めての資料でございますが、きちっとした喚問をして、その結果を踏まえて処分をしたと、こういうことになっておるようで、それはそういうものとしてやっぱり認めるべきだと私は考えます。  それから、仲立証券のことにつきましては、先生御自身もおっしゃられておるとおり、争議中ということでございますので、今ここで私どもが横からそのことについて何かを申し上げるというようなのはふさわしくないと、このように考える次第でございます。  もう一つ、きょうはございませんでしたけれども、個別の取引の問題は、今鋭意市場監視委員会の方で調査が進行中ということでございますので、これについてもコメントする立場にはないということでございます。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 調査中ですか、監視委員会は。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 失礼しました。  前言をちょっと取り消すようになりますが、調査をしているかどうかを含めて、個別問題についてはここで何か申すべき立場にないということでございます。  大変、恐縮でございました。

池田幹幸日本共産党

○池田幹幸君 聞き直さなけりゃよかったと思いますが、終わります。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 後ほど宮澤財務大臣にはいろいろとお伺いしたいと思います。  初めは金融担当大臣にちょっとお伺いしておきたいんですけれども、金融担当大臣、元大蔵省があって、そこに銀行局があって、そしてさまざまな業務がずっとあって、それを金融担当大臣のところに引き継いでおられるということだと私は思うんです。  たしか昭和四十七年だったと思うんですけれども、私が、当時、日銀の政策委員をしておられた東畑四郎さんという、前に農林省の次官をしておられたんですけれども、その人に教えを請うていろいろお酒を飲みながら話したことがありますが、日本の将来ということを話すときに、彼がこういうことを言っておられたのが非常に印象的だった。アメリカやヨーロッパいろいろあるけれども、日本は日銀があるから、そして日本の銀行は大丈夫だから今から必ずよくなるんだと、こうやってえらい飲め飲めと言って気概を上げられた記憶があるんです。  昭和四十年代というのは、正直言って日本の国はいろんなことで大変な時代だったと思うんですけれども、一九六〇年が昭和三十五年ですから、大騒動のあった間もない時代ですね。しかし、そういうときに大変な自信を当時の我が国を指導する立場の人たちは持っておられた。国会もかなり自信があっただろうと思うんです、大騒動しながらね。乱闘国会とかなんとかいいながらそれはそれなりに持っておったと。その根本の中に、やっぱり我が国の金融はと、こういう金融機関というものに対するものがあったし、それから国民の間にも、銀行や郵便局と言ってもいいんですが、そういうものに対する信頼感が非常にあったと思うんですね。  ところが、それがだんだんおかしくなりまして、私もとんでもないところでついつき合わされたんですけれども、自社さで与党になって、大蔵大臣の引受手がないと、この前、扇千景さんが貧乏くじを引いたと言われたけれども、久保君が貧乏くじを引いたかどうか知りませんけれども、大蔵大臣になった。私は、それで彼の助けなどさせられて一緒に勉強したんですよ。そうしたら、そのときに住専の問題が出てきて、大蔵省とも農林省ともいろんな話をしたんです、一生懸命、役人の当時の責任者たちと。そうしたら、とにかくここで六千八百五十だったですかね、そのぐらいの金をほうり込めば何とか持ち直しますからというので、信用して私はそれに取り組んで、そして一生懸命に当時の野党に頭を下げて回って、理解を求めるためにいろいろやった。あちらこちらで演説もしたんです。しかし、その住専からおかしくなったと私は思うんですね、金融に対するものが。  私は、ときどき思うんですけれども、この住専以来、一体今までに国がどれだけの金を使ったんだろうかと、金融機関の安定のために。その辺をやっぱり一遍はっきりしておいた方がいいんじゃないかと思うんで、この前ちょっと金融庁の皆さんにも聞いたんですけれども、どうも数字がなかなかはっきりせぬのですが、もう大ざっぱでいいんですわ、大ざっぱでいいからこの程度というやつをちょっと、住専以来、国が金融システム安定のためにどれぐらい面倒を見たかというのをちょっと教えてほしいんですが。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 東畑精一先生が日銀と……

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 四郎さん。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 四郎さんの方ですか、失礼しました。四郎さん、弟さんの方がおっしゃられたということでございますが、それはもう本当に昭和四十七年とかということになれば、高度成長の最末期ぐらいに当たるんでしょうか、非常にすべて日本のシステムはうまく回転していた時期かと思います。  先ほど浅尾議員でしたか、要するに、企業部門まで貯蓄超過になってしまっている、ISバランスで言うと貯蓄超過になってしまっているというようなことではなくて、本当に家計の貯蓄を完全に企業が吸収して経済を前進させるために使っておったということですし、基本的に、昭和四十年でございましたか、財政新時代ということで、国債を抱く財政ということにはなりましたけれども、その当時はまだまだ国債も小規模であったというようなことでございまして、国民の家計において蓄積される貯蓄というものが国を前進させるために非常にうまく使われていたという時代かなというふうに考えます。それが今の住専問題のときからおかしくなったということでございますが、私も若干これに党にあって関係したものでございますので、先生にいろいろお世話になったことであったというふうに思い出すわけでございます。  そこで、それ以来ということでございますが、このお金が正直言っていろいろ性格が違うものですから、合計するということができないのが、先生、非常に難しいところなのでございます。  まず、住専の六千八百五十億というのはみんなもうわかっていますからこれはちょっと置くとしまして、あとはどういう状況かといいますと、結局、今、税金を使ってしまったなということでもう行ったっ放しになって取り戻すことは全く予定にないというものが八兆四千百六十六億円という、これは難しい言葉で言いますと交付国債償還累計額ということだそうでございまして、八兆四千億ぐらいということでございます。  その他のお金は、いろいろあるわけでございますが、全部、将来もうほとんど確実に取り戻せるか、あるいは株や何か持っているものを処分したときに利益が出て取り戻せるかというようなものでございますけれども、とりあえず金銭贈与になっておりますものが十五兆四千億円ぐらいになりましょうか、そういうものがございます。それが一つのカテゴリーでございます。  それから、資産の買い取りをしたと。これは、資産といっても大体においては貸出金債権ということですが、これはもう非常に安い値段で買っておりまして、かえって処分すれば益が出るかもしれぬというようなもの、そういうもので買っているわけでございますが、これが八兆三千億円ぐらいでございましょうか、そういうものがございます。これは資産の買い取り分ということで。  それとあとは、資本増強分ということで資本注入している部分でございます。  大体そういうことで、今もう確実に穴埋めに使いましたと、つまりそういうものは八兆四千億ぐらいということでございます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 国民が大変心配しておるのは、どういうふうになっているんだろうかということがわからないということからくる不安感もあると私は思うんですよ。  ですから、今の大臣が御説明になったようなことが国民にわかりやすく、これは確実に使ってしまいました、しかしこれはこういうことでまだ返る可能性があるかもしれません、これはこういうことで資本増強に使っていますという格好で説明をしてもらっておけば、もう少し金融問題に対する国民の間の、それは専門家はわかると思うんですよ、やっている銀行の当事者は。しかし、そうじゃない一般国民の中から、何となくどうなるのという非常に不安があると。そこのところの説明が足りないんじゃないかと私は思っています、そこの説明を前提にして議論していけばいいんですけれども。  だから、きょうの金融委員会、例えば浅尾先生と大臣とやりとりされた、あんなことは非常にみんなが勉強になるし、よくわかるんですよね。そういうことが国民の間ではわからぬから余計何となく不安感がある。そうすると、個人で株を持っている人も、待てよ、やめちまえと、こうなってしまうんですね。その辺のことをもう少し、これは金融庁の方が忙しくて大変だと思うけれども、何か事を考えていただきたいと思いますが、いかがでございますか。  実は、その前に例の不動産担保のことを聞こうと思ったけれども、もうそれはいいですから、今の件だけでいいです。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 先ほど私、冒頭に破綻金融機関の処理のためにとった措置の御報告を申し上げましたが、そこでは、今、先生がお聞きになられたところが実は借入金残高という形で報告されているんです。  私、これわからないから変えたらどうですかということもちょっと部内で問題提起してみたんですが、従来これでやっているから、この連続性でやった方が変化がわかっていいんですというようなことで、借入金残高ということで御報告させていただいたんですが、なかなか正直言って、わかりやすいかといえばわかりにくいということでございます。  そんなことで、今、先生、そういうこととは違って、もっとわかりやすく説明しろと申されたものですから、私、それにできるだけ沿う形で、全く何というか余り用意が十分でないような形で資料を読ませていただきましたので、これもし誤りがあれば後でちょっとまた修正もさせていただきたいと思いますが、できるだけわかりやすい形で御報告させていただいたり、国民の皆さんにお知らせするというのは、大切な公的資金を使わせていただいている立場から私は当然だと思いますので、そのように努めてまいることを申し上げておきます。

山本正和社会民主党・護憲連合

○山本正和君 それとあわせて、大臣、これはもう要望だけでお返事は要りませんが、大臣もそういうお気持ちだろうと思いますけれども、やっぱり責任の所在の追及ということはきちんとされると、この金融問題については。そこのところは政府はきちっとやりますよという意思表示も同時にやっていただきたいということを前提にして対応していただきたいと思います。  そこで、宮澤財務大臣、本当にお疲れのところ恐縮でございますが、どうしても大臣のお話を聞きたいという気持ちがありまして。  一九九〇年代といいましょうか、一九八七年ごろだったでしょうか、最初に大蔵大臣になられてからずっと来る中で、収入予算を組まれて、その収入予算が決算の段階ではとんとふえてしまって、三兆とか五兆とか六兆とかふえた時代がございましたですね。そういう収入見込みよりも大変な予算の収入増があったというときに、大臣が言われたのかと思うんですが、何%やら見込みが違ったらもう大臣首ですよとかいって、冗談みたいに言っていたようなことがあったんですが、それをはるかに上回って収入増がありました。しかし、それからしばらくして今度は収入減になっていって、ひどいときは今度は八兆から予算を組み直したと、当初予算を、減額予算を組まれた。こういうずっと経緯があるわけです。  そういう経緯の中で、私もずっと予算委員会におったものですから、このごろちょっと勉強しておるんですけれども、そうすると、そのときそのときに一生懸命政策を出していって、何とか景気の浮揚をしようと、あるいはこれだけたくさんの収入があるから社会資本の充実をさせようとか、それぞれのいろんな主張を持って毎年やっておられたと思うんですよね。  ところが、景気浮揚とか社会資本充実、いろんな言葉を使っていたんですけれども、終始一貫して変わっていないのが公共事業。一般公共事業は予算の総枠の中でほとんど変わらずにずっと来ておって、そして補正になると必ずそこのところが、全体のめり張りの中での一定配分の範囲内でずっと来ておるんですね。ですから、実際からいくと、日本経済の状況からいえば変わるはずなんですね。いろいろと変わってもいいと思うんですけれども、これは変わらないで来たということ。  それからもう一つは、さらにまた銀行に戻りますけれども、銀行がどこもここも、この激しく経済が動く中で、どの銀行も皆金利は一緒、役員の大体報酬も一緒、ボーナスも一緒というふうな、都市銀行の大手ですけれども、全部一緒と。何か銀行がずっと一緒で来たと同じように、公共事業もほとんど変わらないような中で、国の公共事業の範囲内で、だんだん今いろんな経営ができたというふうなことが重なってはしないだろうかというふうにちょっと思ったりするんです、これは実際はきちっと分析していないのでわかりませんけれども。  私が思いますのは、我が国が、この激しく世界経済が動いていく最近この二十年間、この間にどうしても、何といいますか、本当は変えなきゃいけないということはみんな知っておられた、当事者はみんな知っておったと思うんですね、いろんなことを。恐らく、天下の大蔵省にしても若い通産省にしても随分やったと思う。ところが、それが実際問題、政策としてぶちまけるとこれがなかなか改革できなかった最大の原因は、どうも今の金融制度と公共事業がずっとそのまま来てしまったことに原因があるのではないかと。  公共事業でも大きく転換する余地がたくさん私はあったように思うんですよ。例えば電力でも、電力会社はとにかく原子力とそれから石油ということを前提にずっと来てしまった。ところが、ドイツでは大きく転換してしまった。もうアメリカはその政策を大きく転換してしまって、クリントンさんが教書まで出して変えていくと。どんどん転換しているのに、我が国はそういう一番根っこの部分のエネルギーとそれから公共事業とそれから金融が二十年間変わっていない。こんなことでよかったんだろうかという気がこのごろしてならないものですから、これはもう我が国の経済では一番御苦労もいただいて、そしていろんな形で、正直、私ども予算委員会で大臣と議論すると勉強になった点、楽しかったんですよ、そういうことも思い起こしまして、大臣、率直に、今の我が国でこれから、本来、財政問題を議論するときに、あるいは日本経済を議論するときに、今までのような流れの中だけで果たしてよかったのかどうなのか、その辺のことを大臣の今のお立場を離れて率直な御見解を承りたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党財務大臣

○国務大臣(宮澤喜一君) 非常にいろいろ含蓄の多いお話をいただきました。  まず、税収についていろいろ御参考になるかと思うようなことを申し上げますけれども、今まで一番税収が大きゅうございましたのは、国税を申し上げおります、平成二年度でございますが、六十兆一千億ございました。  六十兆という大台は前にも後にもこのとき一遍でございますが、平成二年。その後、減税などもいたしておりますけれども、このときにはおっしゃいますように、いわゆるブームが来ておりまして、弾性値が多い年はたしか三ぐらいまであったと思います。普通、税収の弾性値は一・一でございますが、ある年に三に近い年があったと記憶いたしますが、そういうことでこの年に六十兆一千億ございました。したがいまして、間もなく赤字国債をやめることが可能になった時代がほんの短いことございます。  ちなみに、いろいろ減税がございましたからでありますが、今、平成十三年度の予算額は五十兆七千億でございますが、昭和六十三年度に五十兆八千億でございますので、ちょうど今と六十三年度とがほぼ同水準の税収、国税ということになっております。それは減税をしておりますから簡単に比べられませんけれども、そういうことも御参考に申し上げておきます。  それから、平成四年度ぐらいからは非常に税収、非常に国庫の状況が悪くなっておりまして、当初に見込みました予算額を補正で直させていただきました年が平成三、四、五、六、七、九、十、十一で、山本委員のおっしゃいました八兆三千億補正いたしましたのは平成十年でございますが、その上になお決算は七千三百億円引いた上でなお減収になった年がございます。これは一番悪い年でございました。そこからは減税等々いろいろございますものの、しかし今、平成十二年度に初めて、当初予算に補正は増額補正をさせていただいております。  したがいまして、平成十二年度になりましてようやく当初の見通しの税金が取れた上に、補正でふやし、あるいは年度末にもうちょっとふえるかもしれない。これでようやく、経済はこういう状況ではありますが、国庫として税収見積もり、国税の見積もりがある程度自信を持ってできるようになったということが申し上げられるのではないか。それができますと、すぐにそれで国債を次々減らしていくということにはまいりませんかもしれませんが、少なくとも、長期財政計画を立てますときに国税の見通しというものはまあまあ余り間違いなくできる。わずかなことではございますが、そのぐらいな進歩ということでございます。  減税がございますものの、今の状況が六十三年度と一緒ということは、どうも、いかにも情けない状況でございます。  それから、先ほどおっしゃいましたことですが、公共事業は、これは景気目的がございましてこの三年間据え置いております。九兆四千億ほどでございます。その中で、国会からも終始、公共事業を新しいニーズに沿えないものかということを、私どもも深くそのことをずっと感じてまいりました。今年度の編成でも随分一生懸命いたしたつもりでございますけれども、結局動かせましたトータルは一千億円余りでございます。九兆の中で一千億でございますので、まことにわずかなものしか動かせておりません。  それでも随分努力をいたしまして、やっぱり一つの大きな原因は、毎年毎年続いて公共事業が継続して施行されておりますものですから、根っこの部分が非常に大きいということが影響しておりますようですが、いかにもしかし、数字の上ではもうちょっと国会の御意向に沿えないものか、なお努力をいたしたいと思いますが。  同時にもう一つ、逆に申し上げますことは、今回はいわゆる新しい時代のニーズ、環境でありますとか高齢化社会でありますとかITでありますとか都市政策、これを四つのアイテムで別枠でいたしました、その系列の公共事業費の合計がほぼ四兆近く、三兆何千億円ございますので、これは九兆のパーセンテージでいいますとかなり高いものになっておる。これを掘り下げていきますともう少しやれるかもしれないと思っております。  それから、例の、こういう景気のいい悪いで国は、公共事業というものは余り結局変化はないではないかということは、どうお考えになりますか。  私なんかは、いろいろ御批判を知りながら、やっぱり地方の自治体は、財政はこうでございますけれども、しかし陳情というものはやはり公共事業に関するものでございます。それも、道路であるとか治山治水であるとか、なかなか下水道までいかないような状況であるのを見ますと、インフラストラクチャーというものは我が国の場合なかなか十分にいっていないのではないかという感じも、これはこれだけではお返事になりませんのですけれども、いたしております。  ちょっと御答弁が長くなりましたので、お許しいただきたい。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 宮澤大臣のお話をもっと聞きたいんですけれども、どうも時間ばかり気にするのが国会のならわしみたいでありまして、大変御苦労さまでございます。  今まで柳澤大臣にもそれぞれ同僚議員から質疑があったようでもありますが、ダブらないように角度も変えながらというか、少し実情も交えて、多少私見も述べながら御意見を承りたいと思います。  とにかく大変な時代ですね。それで、金融機関はどんどん統合しなきゃいかぬと。地方でも信用金庫、信用組合、この二つの機関が中小企業あるいは地場産、そういうものを支えている、小規模事業者はもちろんですが。私は、貸し渋りという形があるなとは思っていないんですよ、思っていません。これは、マル経から始まって、特別融資もやった。  しかし、僕はきょうは、柳澤さんは非常に金融問題の今や第一人者になられて、本当に期待している。そういう中で、丁寧な金融行政をやってほしい。言うならば、今までの役所にこう言ったらこういうふうに大体通じるだろう、現場へいくだろうと、これが実際なかなかいかぬのですね。  特に、総じて見て、さっきの中小企業への不良債権がどれぐらいあるかとか、貸し出しがどれぐらいの規模になっているとかというようなトータルの話だけであって、本当に金が欲しい中小企業、要するに、今まで十年間耐えて一生懸命やってきた、どうやらつないだ、しかしもうちょっとで何とかなるかもわからぬと。あるいはまた、もう少し頑張れば、中小企業というのは製造業ももちろんですが、あるいは同じ業種をずっとやってきても新商品の開発とかいろいろあるわけで、もうちょっと考えれば何とかなるなというところで、残念なるかな、政府金融機関も、これはそのうちに僕は商工で、経済産業でやりますけれども、そこらでももうちょっとちゅうちょするんですね。  ベンチャーにあれだけの思い切った措置をするように法律までつくって、実際にやるとなると、やっぱり貸す方は、いや国民の税金ですからとか、あるいはそんなにめちゃくちゃなことはできませんよとかいうことになる。もちろん貸す方の責任の問題もあるからでしょう。  それもあえて承知しながらも、さあ一体そういうやり方でこれからもいいのかと。かなり経済政策を私は、皆さん経済閣僚として大変、自民党連立政権を余り信用していないが、しかし、一生懸命閣僚の諸君たちがやっていることは信用しますよ、これは、いや本当に。大もとがいいかどうかは別にして一生懸命やっている。だけれども、もうちょっと丁寧な行政指導というか、あるいはまた貸付業務指導というか。  隣の町はそう金は困っていない、潤沢だと。隣の町に行くと、例えば具体的に言うなら、繊維産業で中国、東南アジアから安いのがどんどん入ってきて、昔は青竹、私もやったものだけれども、しかしそんなものでない今日の状況、ネギだのタマネギの問題ではないですね。だから、そういうところを見ながら金融行政もバランスをとってやったらどうかと。こっちの支店の成績が上がればこっちも同じように上げなきゃならぬということではないんじゃないかという感じがするんですね。どうもそういうところは今までと、さっきの山本先生の話もあったが、変わらない点が最後のところに行くと出るんですよ。これは今までの自民党政権の連続性ですよ、はっきり言うと。  だから、あなたに期待するのは、思い切ってハードな措置で金融問題も解決しないと、梶山流とは言わぬけれども、しかしそれぐらいのことでないと、私はこの問題は年じゅうイタチごっこだと思いますよ。景気が悪い、悪いから貸し付けができない、不良債権がふえてくる、倒産が多いですからね、その繰り返しじゃないですか。だからこれだけ不良債権も金融にたまっちゃったんじゃないでしょうか、もう既に終わってなきゃいかぬのが。だから、もう少しあなたらしい本当に思い切った措置を、あるいは見通しを出したらどうですか。例えば、三年後はこうすると、三年後に、あるいはことし、来年、二年はここまで我慢しなさいと、そういうものがないと、もうみんな不安ですよ、小規模事業者は。  そこら辺、貸し渋りということではなくて、そういう問題点についてどういうふうに現状を把握しながら考えておられますか。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 尊敬する先輩の渡辺委員から、今こういう立場に分かれまして御質問をいただくというようなことになって恐縮しております。  私どもがまず金融機関と中小企業の関係をどう見ているかということでいいますと、私どもは地方の銀行あるいは協同組織型の金融機関というようなものが今後とも力強く存在し続けるだろうと思っています。それは要するに、結局お客さんとの結びつきの濃さ、これが商売の一番の基盤ですから、それが揺るがない限り、それは都市銀行もこのごろはいい中小企業が欲しいといって、私の地元なんかではもう戦争が起こっているんです、正直言って。起こっているんですけれども、今度は迎え撃つ中小金融機関の方も、何、負けるものぞというようなことで、お客さんとのパイプを深く、しげくしまして、それを守ろうとしておりますし、それはそれで私は非常に一つのこれからともに残っていく間接金融の分野だと、こういうように思っておりますので、まず基本的に、地方の中小金融機関というのはがっちり顧客基盤を今後とも守ることによって十分に大きな機能、役割を果たしていっていただける機関だと、このように思っております。  そこで、そういう基本的な考え方を持ちつつも、今我々が直接にやっているのは、検査を通じてそうした金融機関の活動をどうやって評価をしていくかという実はそういう問題でもあるわけです。検査マニュアルというものを出しまして、それで検査マニュアルどおりにやると、これはもう破綻懸念先だとかいうようなことで、引当金をたくさん積めとかと言ってすっと戻ってくるというようなことをしばしば御批判もいただいているわけですが、私どもはそういうことはもうやりなさんなと、これは中小企業に対する貸し付けの場合には、その中小企業というものの実態というのをよく見なさいと。確かに法人成りの風潮の中で、法人とその経営者の家族、家計というものは一応法律上は分かれているけれども、実態的に言うと同じようなもの、そこまで金融担当大臣が言っちゃいけないかもしれませんが、一体に近いものだというようなこともありますので、実は本当の債権の、資産の査定などをするときも、単に法人成りしたお店の状況だけではなくて、後ろに控えている、奥に控えているところのその代表者たる人の家計だとか資産だとか、そういうものをゆっくり見てこれを査定していくと。金融機関がやる自己査定について、それを認めるとか見直すとかというような判断をするときには、そういうようなところまでよく見て、それで機械的なことをやってはだめですよというようなことで、今我々は、そういう検査マニュアルにも書いてありますが、そういうことを現実にもやるようにということで指導をしておるということでございます。

渡辺秀央自由党

○渡辺秀央君 まあそういうことだと思うんです。思うんですが、具体的に言うと、信用金庫、信用組合は、例えば事業規模によって貸し付けがいろいろありますな。事業規模によっては、例えば資本比率が全体、トータルでなくて、事業規模の小さい方は少しは貸し増しみたいな、超過みたいなふうになっていても、金融庁としてはそこはそういう基準で見ていくと。だから、全部同じ基準で、都市銀行も信用金庫も信用組合も、資本比率四%なんというようなことで国際基準に照らしてなんていうとこれはとてももたないと思う。しかし、モラルハザードはいけませんよ。それはもちろん注意せにゃいかぬ、経営者の。  だから、また実際に聞きますと、相当信用組合、信用金庫も整理されてきている、いい意味で。悪い意味もあっても、いい意味でも。だから、この機会に僕は、あなたはよく知っている人だから、知っている人でないとできないと思うんだ、それは本当に、相当思い切って。  そういう意味で、ぜひ期待を申し上げているわけで、なお今の話はまあ一応トータル勘定としての話として承るが、もう少し今言ったような、それぞれ信用金庫でも、例えば資本金が五千万以下のところはどうなっているか、五千万以上はどうかとか、中小企業でもそういうところも見て、こっちにどれだけの貸し出しが行っている、こっちにどれだけの貸し出しが行っているというぐらいのきめ細かさというのは、私もさっきそう言えばよかったんだけれども、それぐらいの指導というか、あるいは意見を言わないと、現地の、私の新潟のことを言うんじゃないですよ、現地の信用金庫や信用組合は、やっぱり怖くて、今や金融庁が、そういうことではないかという、だから貸し渋りになっちゃう、という面も出ないとも限らぬ。  あるいはまた、国策というか、私もそれは責任の一端もある、実際に今まで十八年、自民党政治の中でやってきたんだから。それは責任は、年じゅうそう言って僕は言いわけしながらやっているんですよ、批判もしているんだ、そのかわり、手厳しく。だけれども、しかし、実際に今やっている中国からの輸入問題、あるいはアジアからのそれらの問題等も見て、もう少し整理をしておくべきだったなという感じはしますよ、本当に。ここまで来てみて、果たしてやれるのかと、あれがどういうふうなリアクションが起こってくるか。これは、お互いに人ごとではなくて、政権の問題だということではなくて、国民生活あるいは経済活動として見ていかなきゃならないという感じであえて申し上げているわけであります。  私、もう一つは不良債権処理、これも、あなたは直接処理やると、いいと思うんです。だけれども、これも考えなきゃいかぬと思うんですよね。今、仕事やっているのに、いや、もうリストラされてしまいましたというようなことにならぬように、そんなことになるとは思わぬが、しかし、そういうマニュアルをやっぱりきちんとして言うときには言わないと、とにかく不安感なんだから。だってそうでしょう、先行きが見えないんだからみんな不安ですよ。そこへもってきてやりますよということになるとなおさら不安になる。そうすると、経済が萎縮するでしょう、活動が、経営者が。  そういう意味で、私は、この不良債権の処理に関してぜひきめ細かくこれもおやりになっていただきたいということを、これはもう時間がなくなったから希望を申し上げておきたいと思います。  幾つかの問題点を全部飛ばしますが、私は、金融機関というのは金を、預金を預け入れて、貸し出しするというだけの業務かねということをもう一回考えてみる必要がある、日本の経済がここまで来ますとね。  こういう事例もあるんです。担保がない、しかし非常にその経営者、あなたは今ちょっとやっぱり、あなたはまだ後ろに経営者の資本があるいは財産がどれだけあるかというようなことを背景として勘案しなさいと言うけれども、そうじゃないんでしょう。その人間の評価をしなきゃいかぬわけで、能力、あるいは商品の将来性。そういうことから考えて実際にやってくれているところありますよ。かなり出てきたんですよ、それは悪い面ばかりじゃない、いい面で。  私は、そういう意味では、金融機関が特に中小企業に関して、この間、私は経済産業委員会で、生意気に特許特別会計やった一人として、あそこは非常に黒字になってきている、特許料をその特別会計の中で中小企業に無料で貸しなさいと、その分は特別会計の中から負担しなさい、それぐらい思い切って技術革新をやっていって意欲持たせなきゃだめだよということをアイデアとして言った。平沼大臣は、考えてみますと前向きの返事をもらって非常に了としているんですが、例えばこの金融の問題にしても、もう少し金融機関が、都市銀行は無理ですよ、小規模事業者に貸し付けているようなところ、小規模事業者担当者というのはもう少し事業の開発、商品開発とか、そういうものも事業者と一緒になってやっていくようなことまでやらないと、日本の中小企業者が意欲を失って全く事業活動意欲の喪失が相当出てきている。  私が敬愛するかつての経団連会長の斎藤英四郎という方は、私は本当に尊敬しており、今なお元気、九十歳で元気ですが、明るさを求めて暗さを見ずという言葉をいつも言っておられるんですよ。僕はそういう意味では、やっぱり明るさを見詰めて、見詰めさせるのが政治だなと。  そこら辺を、ぜひ金融の持っている考え方、基本的な、そこらを経営者とあなたがよく話し合って、金を幾ら貸した、幾ら預金を預かったから、いや郵便貯金に幾ら行ったからおれらのところへ来ないみたいなけちな話じゃなくて、いわゆる金融業として、経済の血液だというわけでしょう。それならそのように血液をきれいにしていかなきゃ。きれいにしていくというのは、意欲的な、あるいは将来性のある血液を出していくことでしょう、送り出していくことでしょう。  そういう意味で、ぜひあなたの、柳澤大臣の、本当に外務政務次官のときにもよくおやりになった、だから新しいものをどんどんやってくれませんか、今は危機的な状態だと思います、御意見を承って質問を終わります。

柳澤伯夫自由民主党金融担当大臣

○国務大臣(柳澤伯夫君) 渡辺先生から本当に久しぶりに御高見を承りまして、まことにありがとうございました。  先ほどちょっと私が申した、まだおまえさんは経営者の資産なぞというようなことに着目して云々していると申されたんですが、これは破綻、破綻というか、本来の事業が余りうまくいっていないときにはどうしても資産なぞに着目せざるを得ないわけですが、そのときのことを申したということで御理解を賜りたいと思います。  それから、今、先生から大変御示唆に富むお話を伺って私もどういうふうに考えるべきかなと思ったんですが、それは要するに、釈迦に説法で恐縮ですが、投資銀行の業務というのは、いろいろな相談に乗りながらも、極端に言うと何にもわからぬ、おれはこういう困った問題があるんだというようなことに相談に乗って、それを形をつけて融資をさせて、それで一定の手数料を取るという仕事をしているんですね。今の先生のお話を聞くと、仕事だとか商品についても相談に乗ってやって金融をつけてやって、それで手数料を取れというようなお話でございますが、これをさあ民間の金融機関にやらせるということができるのか、これはもしできるとしたら何というふうな名前がつくのかなと思いながら聞いておったんです。  いずれにしても、いろんなことをこれから考えて、きめの細かいサービス、一番形式的な答弁をするとすると、審査能力をちゃんと高めて無担保でも貸すようにしますと言えばいいんですが、恐らくそんなことをお尋ねになっているわけではない。したがって、ちょっと踏み込んだお話をさせていただいているんですが、これから、浅学非才でございますが、いろいろお話を承りながら勉強させていただきます。  どうもありがとうございました。

真鍋賢二自由民主党・保守党

○委員長(真鍋賢二君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十六分散会

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