環境委員会 第17号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2001/06/21
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十日、世耕弘成さん及び岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として片山虎之助さん及び直嶋正行さんが選任されました。 また、本日、西田吉宏さんが委員を辞任され、その補欠として佐藤昭郎さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に農林水産省生産局畜産部長永村武美さん、農林水産省農村振興局次長佐藤準さん、国土交通省河川局長竹村公太郎さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん、環境省環境管理局水環境部長石原一郎さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。 きょうは、一般調査ということでいろんな点についてお伺いをしていきたいんですけれども、もう焦眉の課題として京都議定書の問題がマスコミ報道、国会の中での質疑等でも出てきています。二十三日から川口大臣が海外に出かけたいという申し出も今、国会の方にいただいているということで、きょうが二十一日ということで、本当に大臣がもし行かれるということならば、出張前の非常に重要な時期の委員会でございますので、ぜひこれまでとは違う踏み込んだ御発言をいただきたいというふうに思います。 まずは、おととい私が、日米外相会談から帰ってこられた田中外務大臣からパウエル国務長官との間の会談内容、この京都議定書について聞かれましたかというふうにお伺いをしたところ、大臣はまだだと、新聞報道しか聞いていないということを言われておられましたが、その後、田中外務大臣からこの京都議定書についての外相会談の結果について御報告がありましたでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 田中大臣からは本件について直接にお話を伺う機会はまだございません。それから、外務省からはこういうお話があったという情報はいただいております。
○福山哲郎君 その内容についてお知らせください。
○国務大臣(川口順子君) 地球温暖化対策につきましては、田中大臣から、地球温暖化対策についての米国の立場には共感できない旨を御発言なさったということでございます。それから、先方から、京都議定書を受け入れられないが検討のプロセスは継続する、COP6再開会合の問題は大変難しい問題であるが、同会合までに答えを準備することは難しいかもしれないという御発言があったということでございます。
○福山哲郎君 同会合までにのところを、済みません、もう一度。
○国務大臣(川口順子君) 同会合までに答えを準備することは難しいかもしれない旨発言があったということでございます。
○福山哲郎君 新聞によりますと、これは報道ですから真偽のほどはあれですが、田中外務大臣は、京都議定書についてのアメリカの立場について理解はするが共感できないとおっしゃられたというふうに新聞報道には出ていますが、大臣の今の報告、外務省の報告でいうと、その発言は田中大臣はなかったわけですか。
○国務大臣(川口順子君) 私も新聞でおっしゃったように読みましたけれども、外務省から聞いたお話ですと、米国の立場には共感できない旨発言をなさったということでございます。
○福山哲郎君 田中外務大臣本人から大臣はこのアメリカの対応について、大臣も現実にはワシントンへ近々立たれて、恐らく同じレベルのパウエルないしホイットマンとの交渉、ホイットマンと外務大臣はお会いされていないですが、同じレベルの交渉に入られると思うんですが、田中大臣みずからに川口大臣が御報告を承れる予定はないわけですね。
○国務大臣(川口順子君) 余り時間が、田中大臣も非常にお忙しい方でいらっしゃいまして、お互いに時間がすれ違っているわけですけれども、私としては行く前に時間がうまく合えば伺いたいとは思っておりますけれども、今のところは、先ほど申しましたように、まだ伺う機会はございません。
○福山哲郎君 今の、COP6ビスまでには答えを準備するのは難しいというパウエル国務長官の言葉があったということを外務省から聞かれて、川口大臣はどのようにお感じですか。
○国務大臣(川口順子君) 難しいかもしれないとおっしゃられたというふうに聞いております。
○福山哲郎君 聞いている話ではなくて、どうお感じですか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国といたしましては、それから私といたしましても、アメリカができるだけ早い機会に今検討中の案について世界に答えを出してほしい。特にアンブレラ諸国に対しては、これは実はアンブレラの国々全部がアメリカに対して言っていることですけれども、十分に検討する余地がある形で提示をしてほしいということを言っております。 ということで、私どもとしては、一日も早く出るということ、そのアメリカからの考え方が出るということを待っているわけでございまして、EU、アメリカのサミットにおいて一部考え方が提示をされたということは前進だと評価をいたしておりますけれども、引き続き可及的速やかにアメリカがその案を出してほしいというふうに思っております。
○福山哲郎君 それは、私どももスタンス自身は変わらないんですが、そのアメリカからは基本的にはだめだ、受け入れがたいと、京都議定書は、という具体的な名前まで出て受け入れがたいという答えが出ている以上、厳しいと考えるのが自然だと思いますが、それはどうとるかという話になって水かけ論になりますので、次に行きます。 きのう午前中、川口大臣は、我が党の広中委員の本会議の質問に対して、当初のとおりの全く変化のない答弁をされました。環境十全性の観点からアメリカの参加が重要だ、アメリカに対して粘り強く働きかけていく、それからCOP6再開会合まで京都議定書を締結できるよう、国内制度の構築に取り組みたいと、全く今までと変わらない状況でした。 総理大臣日記を見ますと、一時五十八分、川口大臣、古川官房副長官、浜中地球環境局長が総理官邸に行っている。きのうの三時から党首討論がありまして、党首討論でこの温暖化のことが恐らく事前の質疑通告の中にあって、そして、おととい川口大臣に私が聞いたときには、小泉大臣の決断待ちだというお話を大臣はされました。そして、きのう一時五十八分、官邸へ行かれた。そして、官邸から出てこられて、その後、小泉純一郎総理大臣はクエスチョンタイムで、「各国の本音と建前があります、その点もよく見きわめながら、まだ、六月三十日、首脳会談まで時間ありますから、じっくりと検討し、判断の材料、間違えないような判断をしなければいかぬと思います」「今まだどうするかという結論を出す段階にはない」という答弁をされて、基本的には変化はないんですが、何となく微妙に、小泉総理が少し、「本音と建前があります」という微妙な表現をされています。 この一時五十八分からの総理との会談、二十三日からの大臣の訪米や非公式閣僚会合への働きかけ等に対して恐らく相当綿密な議論がされたと思うんですが、その総理との会談の内容についてお知らせをいただけますでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず総理は、御案内のように御自身の言葉でお話しになられる総理でいらっしゃいますから、総理の御発言と総理に対していろいろな方が行われるであろうインプットとの関係がどうかということについて、もし御質問の趣旨が、例えば私が総理にお話をした、総理とお話をしたことがそれとの関係があるという前提でお話しになっていらっしゃるんでしたら、総理は御自身のお言葉でお話しになられる方だというふうに申し上げておきます。 昨日、総理のところに伺いましたのは、実は温暖化の問題、これは非常にいろいろな経緯があって、複雑な問題であり、かつ各国のポジションが日にちの単位で、あるいは週間の単位でと申し上げた方が的確かもしれませんが、相互に相手の国、他の国の立場を反映しながら変わっていっているというのが今世界で起こっていることでございますので、そういった過去の経緯、それから現在の状況について私は御報告をさせていただいたということでございます。
○福山哲郎君 総理から何らかの指示や御意見はありましたでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ございませんでした。 総理は実は、私が前にお話を一回申し上げたときも、これはこの問題ではなかったかもしれませんが、非常に黙ってよくお聞きいただいて、ほとんど私に対しては言葉は非常に少ない方でいらっしゃいます。
○福山哲郎君 今の、総理からの発言がなかったということは実は大変な問題でして、川口大臣は、総理の決断だと、三十日の首脳会談までにということをおととい私におっしゃった。そして、これからワシントンへ大臣は行かれるわけです。田中外務大臣が受け入れられないと言われたワシントンへ行って働きかけをされてくるわけです。そのときに、総理からの何の言葉もなくて、一体どういうポジションで大臣はアメリカへ行かれるんですか。これまでも全く変わらない、帰ってきてほしい、戻ってきてほしいと。 私は、政治的に、小泉総理から何の指示もないというのは、これは推測の域を出ませんが、余り考えられない。これだけせっぱ詰まって、大臣が今言われたようにひょっとすると一日単位で状況が変わっている状況で、きのう大変重要な党首討論の前に大臣が行かれた。ましてやワシントンへ行かれる直前だと。本当に小泉総理から何の指示もなかったんですね。
○国務大臣(川口順子君) きのうの党首討論でも総理はおっしゃっていらっしゃいましたけれども、まだ結論を出す時期ではない、今考えているということをおっしゃっていらっしゃいまして、そういうふうな状態でおありになるんだろうと私は推測をいたしております。
○福山哲郎君 いつまでに結論を出さなければいけないかなというような、日にちの特定等はありましたか。
○国務大臣(川口順子君) 総理のお心を推しはかるわけにも私まいりませんので。ですから、答えはございませんでした。
○福山哲郎君 川口大臣の方から先ほど報告をされたという状況の中で、六月三十日の首脳会談、また二十七、二十八、川口大臣みずから出られる非公式閣僚会合に向かって一定の結論が必要だというような報告はされましたか。
○国務大臣(川口順子君) 私は、客観的に、EUの今の状況、それからアメリカの状況、それから国内の私が把握をしている状況、これについては恐らく総理の方が私よりもお詳しいかもしれませんけれども、私なりに把握をしている状況、そういうことについて御報告を申し上げております。
○福山哲郎君 ということは、大臣からは客観的な状況の報告があっただけだということですね。
○国務大臣(川口順子君) 御報告を申し上げて、さらに私としては、非公式の会合等でEUなりアメリカなりあるいは発展途上国が考えていることについて話をして、状況はきちんと認識をしていきたいというふうには申し上げております。それに対して総理からは、しっかりやりなさいというふうに言われたということです。
○福山哲郎君 その立場はずっと変わらないわけですけれども、これだけぎりぎりのところまで来て、報告をして、向こうの意見を聞いてきなさいと。日本の方からの主体的な主張というのは、今の段階では、大臣、では非公式閣僚会議に行かれた場合にどういうふうに言うおつもりですか。これは後でゆっくり聞きますが。
○国務大臣(川口順子君) きのう私が本会議で申し上げたとおりでございますが、非公式会合自体はこれは交渉の場ではございませんで、幾つかの国が集まってプロンク議長に対してアドバイスをする場ということでございますので、プロンク議長がどういう点について参加国のアドバイスを求めるかということ、これはまだわかっておりませんので、それを踏まえてきちんと対応したいと思います。 もし、それが日本の態度を今どう考えているかということを言いなさいということでございましたら、きのうの本会議で申し上げましたけれども、そういうことでお話をしたいと思っております。
○福山哲郎君 私は、今非常に危惧をしていることがあります。 大臣は本当にこの数年間というか就任されてから一生懸命この問題に取り組んでこられて、海外の評価も高いということは私も承っています。そして、本当に精力的にプロンク議長との会談、ヨーロッパやアメリカとの会談もこなしてこられたというふうに思います。 ところが、その大臣は、総理に対して報告をするだけ。じゃ総理が、この問題についてどの程度、本当に今大臣が言われたように具体的な中身、状況について、あれだけお忙しい総理がわかっているか。そして、総理からは現実問題としての指示がないと。一体この国の政治決断はだれがするのか、一体いつするのか。総理からきのうの時点で何にも指示がない、大臣がワシントンへ行かれるわずか二日前です。そして、大臣からは客観的な情勢を報告しただけですと。非公式閣僚会議でも基本的には交渉ではないからこの立場を繰り返すだけだと。一体我が国は、この京都議定書についてだれが政治決断をし、いつやるのか。全く見えてこない、この期に及んで。世界じゅうが注目している。 西野政務官、きょう自民党の地球環境部会があったそうです。日本も早期批准をするんだというような声が自民党の議員の皆さんからも出てきたというふうに私は報道等で承っていますが、そういう事実はございましたか。
○大臣政務官(西野あきら君) けさ八時半から自民党の地球環境委員会がございました。その中で、今日までの情勢、刻々変わる動き等々についてつぶさに報告がありました。その後、委員から非常に積極的な熱心な議論が交わされました。おっしゃったとおり、出席しておりましたほとんどの委員から、この議定書の問題、日本がいわゆるリーダーシップをとるべく果敢にやるべきだと、こういう意見がありましたことは事実でございます。 それを受けて、それぞれ若干流れの中で、例えば国会のこの委員会を含めた動きと、さらには大臣がみずから外国の記者団に対する講演をなさったこととか、直接電話等々で折衝といいますかお話をされている、そういったことは全く委員各位も御存じでありませんので、そういう点につきましては私からもわかる範囲で補足をさせていただく、その中で、最終的というのは、いずれ大臣が行かれ、かつまた首脳会談もある、そういう非常に大事な時期を迎えておるので、我が国としての方向づけを、アメリカを含めていい形になるように、機会、タイミングあるいは動き等について、後顧の憂いのないような活動をすべきだという大勢の意見があったことだというふうに認識しております。
○福山哲郎君 自民党の地球環境部会だか委員会だか、済みません、他党なのでよくわかりませんが、そこでも日本の立場を明確にしろという意見は多く出たと、今、西野政務官からも御披瀝がありました。 これは、ある意味でいうと当たり前の話なんです。なぜかといえば、自民党の議員の皆さんも国会決議に賛成をされているからです。議員の立場としては当たり前のように、決議に賛成をしたからには、六月三十日、また七月のCOP6ビスに向かってやはり日本の立場をはっきりして交渉に臨むべきだと。それは種々の事情があるかもしれないけれども、政治的判断が必要だというふうに言われる意見というのは、ある意味でいうと非常に良識的な御意見だと思います。 そして、この間、政務官からは三十日の前に何らかの形の決断が要るのかもしれないという御発言があった、また風間副大臣からも三十日が結節点だというお話がありました。ところが、今の話だと、きのうの首相との会談では報告等、総理からは何の指示も出ていない。そして、二十七、二十八日は交渉ではありませんと。きのうの川口大臣の本会議の立場を繰り返すだけだと。 一体この国のスタンスはだれが決めるんだ、だれが責任者なんだ。大臣、もう一度お答えいただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 福山議員がこの温暖化の問題につきましてかなり長い期間非常に熱心にかかわっていらっしゃって、この問題についても非常にお詳しく勉強をしていらっしゃるということ、これは非常に私は前からよく認識をさせていただいておりますし、そういう意味で御尊敬を申し上げております。 そういう意味で、今の一連の御発言が、今までのお立場あるいは蓄積から、これが非常に重要な問題であって、ここでまさに日本がこの点についてリーダーシップをとるべき立場にあるということを踏まえての、ちょっと大げさかもしれませんが、国を憂える発言であるというふうにも私は認識して伺わせていただいております。そういう意味で申し上げますと、実は私も全く同じ立場にいるというふうに思っております。 日本の国の立場がはっきりしていないとおっしゃられますけれども、これは実ははっきりしているわけでございまして、二〇〇二年までの発効を目指して全力を尽くすんだということは変わらないわけでございます。それで、そのために国際的な合意がまず必要でございますし、それから国際的な合意を担保するための国内制度の構築も必要でございまして、私ども環境省といたしましては、そういうことをやるべく着々と手を打っているつもりでございます。 今、西野政務官がおっしゃいましたけれども、私はきのう外国人記者クラブに行きまして講演をしまして、一時間半ほど記者の人と話をいたしてきました。それは、やはり日本の立場が外にわかる、それも一部の政府の関係者だけではなくて、政府以外の人たち、国民の皆さん一般にできるだけ伝わるということが非常に大事であるというふうに思ったから、実は非常に準備その他で環境省の事務方も大変ではあったわけですけれども、そういうことをやってまいりました。 それから、中央環境審議会で国内制度の構築のための委員会を二つ走らせていまして、そこでいろいろ御議論をいただいて、シナリオづくり、あるいはどういった政策が必要かということについても皆さんにかなり熱心にずっと議論をいただいております。それで、その結論も間もなく報告ができるというふうに思っております。 それから、国内制度の構築について環境省だけで考えていてもこれは仕方がないことでございますので、今度七月十日に地球環境保全に関する関係閣僚会議というのがございますし、それから地球温暖化対策推進本部というのもございますけれども、それを開催して、国内的にどういう制度をやっていくべきか、六%の削減を守るためにということの議論をしていただこうということで、ただいま準備中でもございます。 ということで、やるべき手は全部私どもはきちんきちんと打っているつもりでおります。 それから、小泉総理に現状の説明だけでは十分ではないではないかというふうにおっしゃられますけれども、小泉総理は今一生懸命に考えているんだというふうにおっしゃって、きのうのQTでもおっしゃいましたし、その前もそういうことでおっしゃっているわけでございます。 私としては、この問題が先ほど申しましたように本当に長い経緯と長い歴史、あるいはいろいろな国の方のいろいろな立場があって、そもそも国際会議というのはそれを全体としてまとめてどういう結論が出るかということが重要でして、日本一国の考え方、あるいは日本一国の思っていることの外への出し方についても、そういうことを踏まえてやることが必要であるわけでございます。 そういう意味で、私はむしろ、お考えになっていらっしゃる小泉総理にできるだけ過去の経緯あるいは現在起こっていることについてのきちんとした情報をお渡しして、それで小泉総理にきちんと考えていただくということが非常に大事だというふうに思っております。 そういう意味で、小泉総理はたくさん対応すべき問題がおありになって、まだこの問題に集中して時間を割いていただけるという機会は実は私が望むほどにはない状況でございますので、その少ない限られた時間を最高に最大限有効に活用するためには、私はそういった現在に至るまでの経過、それから各国のそれぞれの、あるいは各国を超えて市民グループも含めて、いろんな人たちの立場についての認識を十分に持っていただくということがまず何よりも大事であるというふうに私は思っております。 二日前に総理の判断がまだないというのは遅いではないかというふうにおっしゃられますけれども、ボンまではまだ一カ月弱ございます。その間に十分に、その間にも相当に物事は世の中、世界じゅうで動いていくわけでございまして、そういったさまざまな動きを柔軟に総理にお伝えをして、適時にお伝えをして、それで総理にうんと考えていただいて、そこでいい御判断をいただくというのが私は日本の国益だというふうに思っております。
○福山哲郎君 三十日の日米首脳会談には、では川口大臣は今のままのスタンスで臨むべきだと思われているわけですね、今あえてボンまで時間があるとおっしゃられたということは。
○国務大臣(川口順子君) 総理はいろいろ今お考えでいらっしゃると思います。私としては、総理の御判断に資するようにいろいろな情報、先ほど申し上げました経緯なり、あるいは各国、各グループのスタンスをきちんとお話しし、また今度の非公式会合の場でもそういった点についての情報をきちんと把握して総理にお話をするということが大事だと思っております。
○福山哲郎君 大臣が出張されると、帰る予定が二十九日の十四時二十分成田着というふうに今、環境省からの資料にあります。総理が何日に出て三十日の首脳会談に臨まれるかわからないんですが、大臣はこの出張中の御報告をどこで総理にされるんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 今、いろいろな総理の時間等についても官邸の方でお考えでいらっしゃる、御出発の時間について、というふうに聞いておりますけれども、私の希望としては、これは官邸にお伝えしてありますけれども、帰国後、総理と直接お目にかかってお話をさせていただきたいと思っております。それがもし可能でなければ、お電話を申し上げるということになると思います。
○福山哲郎君 少しそれじゃ中身に入りましょう。 今、国内措置を講ずる、全力で取り組んでいきたいというふうに大臣はおっしゃられました。いつも基本的にはそういう答弁が返ってくるんですが、この国内措置を講ずる前提は何ですかと聞くよりか、僕が言った方がいいかな、当然国内措置は、京都議定書の実施ルールがCOP6ビスで決まることを前提に国内措置の制度について御検討いただいているんですよね。
○国務大臣(川口順子君) 両方あると思います。 九八年でございましたか、地球温暖化対策推進大綱というのができまして、その段階で、ビジネス・アズ・ユージュアルで二一%近くふえるということを前提に、何によって削減をしてマイナス六%にするということが決まっております。これはもう非常に大枠でございます。 それで、恐らくそれの段階でそれを進めることによって、京都議定書の運用ルールについての具体的な合意が仮に成り立たなくても進められる部分というのは当然あるわけでございまして、それについてはもう既に各省進めておりますし、経団連も自主的な取り組みの枠を広げるようなこともお考えでいらっしゃるというふうに聞いております。したがいまして、国際的な合意のいかんを問わず、できることは既にやっているし、今後ももっとやっていくということだと思っています。 それからもう一つ、国際的な合意ができないとディテールが、細かいことが決まらないという部分もあるわけでございまして、これは例えば何かというと、一つの例を挙げれば、排出量取引のようなものは国際的なルールが決まらなければ日本としてはきちんとそのルールができないという部分がございます。吸収源ということについても全く同じだと思います。 ですから、その国際的な合意ができなくても既に始めることができる対策、これのほとんどはもう始まっているということでございますし、それから国際的な合意ができないと国内の枠組みが構築できないというものと両方あるというふうに私は思っています。
○福山哲郎君 さすがに大臣はうまくお答えになるなと思いながら伺っていましたが、温暖化防止対策大綱の六%は国際的な枠組みが決まらないとできないことと決まらなくてもできること両方あるというのはおっしゃるとおりだと思いますが、しかし現実問題としては、排出権取引にしてもそれから吸収源の問題にしても、日本はその六%をちゃんと国際的な枠組みの中の数字を入れて六パーということにしているわけです。 じゃ、国際的な枠組みが決まらなければ国内措置のできる範囲の中で六%を確保するというんだったら今の大臣のお話は承れますが、現実の六%の中のメニューには、このCOP6ビスで実施ルールを決めなければ日本は六%は行かないわけです、その中に入っているわけだから。そうしたら、二〇〇二年の発効もできないし、国内制度、国内法の構築もできないし、批准ももちろんできない。 二〇〇二年の発効に向けて国内制度を整備するというのは、六%の前提で、その中のまさに今大臣が言われた排出権や吸収源の中身が決まらなければもちろん発効も国内措置もできないじゃないですか。どうですか、大臣。
○国務大臣(川口順子君) 私は、基本的な立場としては、日本は国際的な情勢がどうであれ国内制度の枠組みはきちんとつくっていくべきだというふうに思っております。六%削減ということは日本が実際に合意をしたことでありますから。それは恐らく、今ある方法だけでは多分十分ではなくて、そのためにまだ導入をしなければいけない制度、あるいは何らかの政策というものも必要になってくるだろうと思います。 考え方といたしましては、ありとあらゆる政策を動員して、それからその政策だけではございませんで、国民の方お一人お一人にそれに協力をしていただくための行動をお願いして、といいますのは、自動車の走行量が非常にふえているとか、国民の一人一人、これは先生も含み私も含み、そういったそれぞれの人間がやっていかないと六%に達しないということもあるわけですから、すべてのそういったことを前提に、あるいはそれを可能にするための啓蒙活動なりということも、普及活動なりあるいは技術開発なりといった施策も含めてそれをやっていく、六%削減をやっていくということが国の基本的な考え方であるべきだと私は思っております。 それで、そういうことでありますけれども、六%という数をきちんと京都議定書の運用ルールも含めた形で批准をされませんと、それがきちんと六%になるかどうかということは非常に難しい部分というのは実際にあるだろうと思っています。ただ、考え方としては、それは全国民を動員して六%削減ということが一つ地球を後世につないでいくために重要なことですから、それはやっていかなければいけないというふうに私は思っております。 それから、こういうことを申し上げると、批准するつもりがないんじゃないかというふうに思われると私としては心外なので、そういう意味で申し上げているのではないという前提を念のために申し上げて申し上げさせていただきますと、日本の場合、批准をするときの制度といいますか、どういう状況になったら批准ができるかということでいいますと、私が承知をしていますことは、国際的な合意があること、そうしないとまず批准をする対象がないということです。それで、合意があったときに、同時にそれを担保する国内制度がちゃんと構築をされているということの二つが要件であるということだと私は理解しております。 これを申し上げて、おくらせるつもりで言っているんじゃないのかというふうにゆめゆめお思いにはならないと思いますけれども、そこは全くそういうことではありませんが、これは制度の問題でございますので、客観的にそういう意味でお話をさせていただきます。
○福山哲郎君 今の最後の前に戻ります。 大臣は、今、例えば京都議定書の運用ルールが決まらなくても日本自身として六%はやっぱり守るように努力しなければいけないというような旨のことを言われたわけですよね。でも、現実問題としては、この京都議定書の運用ルールを前提に六%を達成しようという話で、京都議定書がまとまらなくて、じゃそれ以外の部分で六%というのは現実問題として可能なのかどうなのかというと、それは逆に言うと、じゃ議定書が壊れた、実施ルールが決まらなくても日本は六%行きますよ、ほかの国内措置で行きますよということですか。
○国務大臣(川口順子君) 私が申し上げたのは、考え方としてはそういうことだということで申し上げまして、ですから先ほど申し上げましたように、実際にその京都議定書の枠組みが使えないような形で六%を達成するということは困難であろうというふうに思いますけれどもというのは、そういう意味で申し上げました。
○福山哲郎君 きのうの御答弁も、京都議定書を二〇〇二年までに締結できるよう締結に必要な国内制度の構築に全力で取り組んでまいりますと。締結に必要な国内制度の構築に全力で取り組むというのは、今大臣がその前の答弁の後段で言われた話だと思うんですが、京都議定書を二〇〇二年までに締結できるということは基本的にはこの七月のCOP6ビスで運用ルールが決まらなきゃいけないわけです。 それで、発効させるためにはそれを前提に国内制度をつくらなきゃいけないわけです。その前提となる運用ルールがこの七月決めるかどうかという問題で、その運用ルールが決まらない状況だと、この二〇〇二年の締結と国内制度の構築というのは、前提が崩れるからこれは絵にかいたもちになるのではないかというふうに私は危惧するんですが、それは大臣いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 前の答弁の後段とおっしゃられると、私はちょっとたくさんあってどの部分をおっしゃっていらっしゃるのか混乱をしましてきちんとそれを理解しているかどうかわかりませんけれども。 申し上げたいことは、二〇〇二年の発効を目指して今度の国際的な場で、COP6再開会合で全力を尽くすということを申し上げているわけでございまして、それからそこの国際的な合意を踏まえて国内的にそれが担保できる制度ができるような国内制度の構築に全力を尽くすということを申し上げているわけでございまして、先ほど申しましたように国内制度の構築につきましては、できるものも既にやっているわけでございますし、それからどういったものがいいかということについては、環境省は既に昨年の段階から当然議論を始めているわけでございます。 これを実際に政策としてやっていくためには、まだその過程で政府全体としてどう考えるかという意思の決定が必要になりますけれども、そういった準備は環境省としてはきちんと今しているし、またほかの省もその立場は、あるいは考え方に違いはあるかもしれませんけれども、そういった準備をしていただいているだろうというふうに思っております。 ですから、それを目指して全力を尽くすというそこの立場に全く変わりはございません。
○福山哲郎君 もうこういう水かけ論をしていてもあれなんですが、今の話を聞くと、京都議定書の運用ルールの合意に達するために、そしてそれが前提となっているから二〇〇二年発効まで国内制度も含めて全力を尽くすというふうに大臣は言われているわけですよね。それでいいんですよね。その状況は、アメリカがいようがいまいが関係ないんじゃないですか。どうでしょうか。 それともう一つ、もう僕時間なくてほかにも聞きたいこといっぱいあるんですが、きょう珍しく大臣の答弁が長いので時間食っているんですけれども、COP6再開会合に政府が行かれたとします。アメリカがその時点で今のスタンスを変えないときに、アンブレラグループ、カナダやオーストラリアは、アメリカがそこで抜けている状況のときに、アンブレラとしての交渉スタンスはどうやって決めるんですか。それを今から日本が早期批准だと、アメリカがなくても日本は早期批准を目指すということを言わないで、どうやってアンブレラ同士で運用ルールを決めるための交渉スタンスを決めるんですか。 これまでの流れは、ずっとアンブレラで合意をとって、これならいいだろうと言ってEUや途上国とCOP4、5、6全部交渉してきた。今アンブレラの状況が、アメリカが抜けると言ってどうやってアンブレラの交渉スタンスを今の状況でCOP6で決めるのか、教えていただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 答弁が長いとおっしゃられて大変に申しわけないんですが、いつもですと質問の通告をしていただいていまして、事務方で答弁を用意してくれていますのでそのとおり答えていると非常に短くて済むんですけれども、本日は御質問の御通告がなかったようでございますので、私のペースでお答えをさせていただいておりますので、結果的には、私の思いを申し上げたいと思うものですから、長くなって大変に恐縮に存じております。ということで、これからのお答えは短くいたしますが。 まず、アメリカの態度でございますけれども、これはずっと申し上げているとおりでございまして、まさに地球環境の十全性を持つためにアメリカの参加が非常に必要であるということでございます。これはまた長くなりますので、先生御案内のように、ということでございます。 それから、アンブレラの交渉スタンスについては、これはまさにこれから話をしないといけない、日本だけで決める話でもありませんし、ということだと思っております。 ただ、大事なことは、このCOP6再開会合、一連のすべて国際、と言い始めるとまた長くなりますが、国際、国連関係の会議では全部ほかの国もグループで議論をしていくということでございます。何しろ数が多過ぎるものですからグループにまとめないと交渉にならないという制約がございまして、そういった制約と、それからもともとアンブレラは非常にルースな集まりでございまして、その中でとれるだけ共通のポジションをとってきた、とれないところもあったという今までの経緯をどういうふうにこれからやっていくかというのはこれから考えなきゃいけないというか、みんなで話し合わなければいけないことだと思っております。
○福山哲郎君 そのときに、日本がアンブレラとの交渉のときに、我が国は環境十全性の観点からアメリカの参加が重要であると考えておりましてと言っていたら、アメリカがその時点で帰ってこなかったらどのようにアンブレラで我が国の交渉スタンスなり意見を述べるんですか。これは日米首脳会談で我が国の批准を先に発効することを表明してCOP6に臨むべきかという大きい話ではなくて、現実に今のままCOP6ビスに流れ込んだときに具体的な交渉をアンブレラとしてどうするんだと。 プロンクからは吸収源について随分緩んだ条件が出てきている。でもそのときに、じゃ日本はそれでいいのか悪いのかというのを今までアンブレラで議論していた。当然プロンクからいろんなテキストが出てくる。それに対して日本はアメリカを環境十全性から待つと言っているときに、それに対してどのように意見を表明して、それに対してどういうスタンスを決めて現実問題としてアンブレラで交渉していくんですか。
○国務大臣(川口順子君) 総理が今いろいろお考えでいらっしゃるということでもございますので、今の時点で、それから政府といたしましても当然に今度のCOP6に臨む対処方針というのはまだこれからでございますので、その時点でそれを踏まえたいというふうに思っております。 ただ、申し上げたいことは、まさに地球環境の十全性ということが非常に大事なことなので、これは日本だけではなくてほかの国々、途上国もかなり大きな主張を持っておりますし、EUやそれからほかの、環境十全性グループという名前をつけたグループもありますし、東欧グループもありますし、そういったグループが全部柔軟性を持って、それからかなりクリエーティブに発想をして今度のCOP6再開会合で合意に達する努力をする、すべての国がこの努力をする、日本は当然でございますけれども、ということでやるべき会合だというふうに私は思っております。
○福山哲郎君 すべての国が努力をするというかけ声はそのとおりだと思います。 交渉の矢面に立たれる浜中局長、今の状況でどうやってアンブレラでスタンスを決めるんですか。プロンクからテキストが出てきて、排出源についてこうだ、吸収源についてこうだと言われたときに、日本はアメリカを待つ、環境十全性からアメリカを待つと言ったときに、アンブレラとしての意見は今まではアメリカも入ってまとめてきた、これではのめない、のめるという話をEUや途上国にぶつけてきた。まだ交渉のスタンスは決まってはおられないというふうに大臣言われましたが、浜中局長、今の状況についての御認識を簡単に御披瀝いただけますか。
○政府参考人(浜中裕徳君) 私が理解している限りで申し上げますが、プロンク議長がお示しになられました統合テキストについては、これまで四月に一回プロンク議長としてのペーパーをお出しになられましたが、あれは政治的解決を要する重要問題についてのプロンク議長としてのお考えの概要をおまとめになられたもので、今回はテキストそのものでございますから非常に分量が多いわけでございまして、これについて我が国としてどのように対処すべきかについて、政府の中の関係省庁の専門家レベルも含めまして、詳細に今検討中でございます。 あわせまして、私どもも、御指摘のとおり、アンブレラグループの中でいろいろと意見交換をする必要があると考えておりまして、来週ハーグにおきまして関係者が集まるわけでございますので、非公式閣僚会議ということでそれぞれそのレベルの方々がお集まりにはなりますけれども、それを補佐するために各国から専門家も参りますので、できるだけそういう機会を通じて意見交換をさせていただきたいというふうに思っております。 なお、ちなみに申し上げたいと思いますが、アメリカにつきましてもCOP6再開会合に建設的に参加をするということを言っているわけでございまして、私どもは、必ずしも米国が、そういった京都議定書の議論なども含めて、参加をしないんだということを決めているというふうには理解をしておらないわけでありますので、アメリカの代表、それから専門家もハーグにいらっしゃると思いますので、そういう機会を活用して、アンブレラグループの中でも十分に意思疎通を図り、意見交換をし、そして可能な範囲内でボン会合におきます国際的な検討に向けて共通のポジションを形成できるところはしていくというようなことで最善の努力をしてまいりたい。そのためにも、川口大臣にも、ハーグにおきまして十分な意見交換をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 はっきり申し上げます。交渉スタンスはこれから検討すると大臣はおっしゃった。それはそうなんです。交渉スタンスが決まるわけないんです、今の状況なら。そして、今も浜中局長は、本当に交渉の矢面に立って御苦労されていると思いますが、これから先検討していきたい、それから非公式閣僚会議でも意見交換をしていきたいと。そうなんですよ、意見交換と交渉方針をこれから検討するとしか今の状況だと言えないんですよ。だって、アメリカを説得しますというスタンスを持っているだけだから、我が国は。それに、三十日、首脳会談があって、七月にあると。 現実問題として、EUやプロンクからいろんなテキストが出てきたりいろんな交渉のカードが出てきたときに、今の状態でどうやって交渉するんですか。冒頭から言っているように、だれが我が国のスタンスを決めるんだと。小泉総理はまだ決めない、大臣は報告をしているだけ。そして、三十日に首脳会談があるのに、二十九日に帰ってきて、そこでまた総理に報告をされるだけですか、大臣。一体いつこの国は京都議定書の実施ルールを決めることに対してのスタンスを決めるのか。 批准とか、批准をするなんというのはその先の話ですよ。実施ルールを決めないことには批准もくそもない、国内措置もできない。その実施ルールを決める七月の会議が目の前に来ているのに、まだ検討中だ、方針もこれからだ、意見交換をしたいと。世界じゅうがこの国の立場とどういう交渉姿勢で臨むのかを注目しているんだと思いますよ、私は。それこそ環境十全性じゃないですか。 風間副大臣、西野政務官、一言ずつ、今の状況についての御認識と御意見をいただきたいと思います。
○副大臣(風間昶君) だれがいつということについては、まさしく小泉総理大臣が、日本の発信が極めて、アメリカだけでなくて、EUだけでなくて、発展途上国からも今注視をされているという状況にあるから、私は一昨日の委員会で、三十日の日米首脳会談が一つの結節点になろうかなというふうに答弁をさせていただいたわけでございます。 今、まさに先生が、批准の前の実施運用ルールをどういうふうにして、どういうスタンスで日本がいるのかということが決まっていないとこれは大変なことだということについては、私もそう思っております。しかし、この場で私自身個人で、今決めるということについての、基本方針を私と大臣とで十分詳細にすり合わせといいましょうか、打ち合わせができておりません。これはお互いにやって、大臣が訪米前にきちんと明確な基本方針を私にお伝えいただけた後はきっと総理とまたやられるんだろうというふうに、具体的に行われるだろうということが考えられます。といいますのも、先ほど先生がおっしゃいましたように、総理と川口大臣のコンタクトの場が極めて限られた状況であることからして当然ではないかと思うからであります。 したがいまして、この外交交渉と意見表明とはまた違うわけでありますけれども、意見表明も含めて交渉事になっていく話でございますから、今はこの時点で、申しわけありませんが、つまびらかにすることは私は差し控えるべきだと思っております。
○大臣政務官(西野あきら君) 現時点では、まず国内でこの六%削減に向けての政策課題を、政策を確実にするためにしっかりと国内的な準備、議論を進めていくべきだというふうに一方では思います。そして、これからの外交交渉でございますから、もちろん環境大臣、所管大臣を含めサミット、日米首脳会談もございますから、そういう日米首脳会談の中で米国側の考え、我が国の考え方もあわせて主張しながら、その結果が丸々ゴーであれば問題はないわけでありまして、その時点で何らかの変化が仮にあるとすれば、その時点で直ちにサミットに向かうまでの間に我が国としての基本線に乗って方向づけを内閣でやるべきだというふうに思っております。 ですから、今は国内の問題、政策課題を着実にこなしていくこと、そして外交交渉において単なる外務省とか首脳だけではなくていろんなチャンネルを使って多角的にも折衝し、情報収集し、いろんな角度からアメリカの世論を喚起するようなこともあわせてやっていく、こういう多方面の交渉というものが大事ではないかなというふうに思っています。
○福山哲郎君 ひょっとすると、もうCOP6ビスまでにこれは環境委員会としては最後かもしれない、参議院は。大臣は行かれる、七月に入れば国会も閉会し選挙に入る。本当に国民も世界も注目をしています。 そして、私は京都議定書は大切にしたいと思います。決して、この七月に京都議定書がまとまらない、ましてやアメリカが受け入れないから日本もそこに追随をして、本来だったらこれは去年の十一月に決まっている運用ルールがまた決まらなくて、結局二〇〇二年発効までにうやむやになるようなことは、未来の世代への責任としてやっちゃいけないと私は思っていますので、ぜひ、一生懸命頑張られていることは百も承知でございますが、日本のいち早い決断と交渉での決断をお願いしたいと思います。 あと三分だけ、どうしても聞かなきゃいけないことを農水省に聞いておきます。 諫早湾に対する第三者委員会が六月九日に開かれました。この第三者委員会において、諫早干拓事業の第三者委員会についてこの委員会で過日中村敦夫委員から質問があったときに、農水省農村振興局次長から、委員から御指摘があった点も踏まえて、できるものがあればより一層透明性の確保に努めてまいりたいという答弁をいただきました。それにもかかわらず、六月九日のこの第三者委員会でございますが、ある委員から、カメラのライトを浴びると自分は緊張して十分話ができないという意見があって、基本的には傍聴がだめ、議事録についてもまだまだ公開をされず、基本的には、マスコミ関係者に議事録のプレスリリースを流すが、一般は閲覧のみであるという状況の回答が来たと。そして、四回ある委員会のうち、第三回が八月の上旬、第四回が八月の中旬となっていて、第三回と第四回の間隔はわずかしかない。その中に議事録の発表も途中での傍聴もできない。さらには記者会見にも一般の市民の入室を認めない。全く情報公開の姿勢に反するような第三者委員会の運営がされていると。 このことについて農水省の見解と、委員会の議事録は速やかに公開をすること、もしくは委員会の傍聴を許可することの点について強く求めますが、御見解をいただけますか。
○政府参考人(佐藤準君) 本年の六月九日の第一回第三者委員会におきまして、その第三者委員会の傍聴の可否について検討がなされました。 その結果、傍聴については、公正中立な審議を確保する観点から、これについては不可とするということが委員会として決定をされたところでございます。しかし、その際、情報公開の観点から、いわゆる従来より実施をしておりました議事概要の公表だけというものに加えまして、発言者名を記載した議事録を公表するということもあわせて決定されたところでございます。それで、この議事概要につきましてはすぐに報道機関等に配付したところでございますが、いわゆる議事録につきまして現在調整をしております。 第一回目のものにつきましては、来週六月二十七日ぐらいには公表ができるのではないかというふうに思っております。また、公表に当たっては、報道機関への資料配付とあわせまして、一般の方々が速やかにアクセスできるように、ホームページがございますが、インターネットのホームページへの掲載も行うことを予定しております。議事録の公表につきましては、まとまり次第速やかにという形で対応したいというふうに思っております。
○福山哲郎君 六月九日にやったものが二十七日に公表されて概要がマスコミに流されると。八月の上旬に第三回があって、第四回、最終回が八月の中旬と。どうやって、じゃ、第三回の議事録を市民なり一般の報道が聞けるんですか。 その委員会の総意で決まったというのは、一体採決をとったんですか。だれが決めたんですか。はっきりお答えください。これ、はっきりお答えいただかないと、僕きょうはやめられませんので、はっきりお答えいただかないと、八月の上旬にやって中旬に四回目をやって、この第三者委員会が終わってしまったら、一体その会合の中身、どうやって市民が意見を言ったりほかの人間が報道したりできるのか。そんなばかげた話があるかと。 はっきりお答えをいただかないと、ちょっとこれは大問題なので、お願いします。
○政府参考人(佐藤準君) この第三者委員会でお諮りをし、第三者委員会で決定したというところでございます。 それから、もう一点……
○福山哲郎君 採決をしたんですか。だれがどうお諮りされたんですか。
○政府参考人(佐藤準君) 私の聞いている限りでは、特に皆さん御提案に対して、御提案といいますか、どういうふうにいたしましょうかということで……
○福山哲郎君 だれが提案したんですか。
○政府参考人(佐藤準君) 公開についての取り計らいにつきまして、委員の中で御議論をいただき、委員長から提案をしていただきまして、そしてその委員長の提案につきまして各委員が特に御異議がなかったということで、それで決定をされたというふうに聞いております。 また、議事録の可及的速やかな公表ということにつきましては、委員会終了後おおよそ十日間程度、これぐらいの期間はどうしてもかかるんですけれども、その後には、十日程度を目途に公表していきたいというふうに思っております。 いわゆる委員会の間隔が非常に短くて皆さんに周知できないというようなことがないように対応していきたいというふうには思っております。
○福山哲郎君 三回目の予定と四回目の予定の日は何日ですか。
○政府参考人(佐藤準君) まだ正式に日にちが決まっていないというふうに聞いておりますが、おおよそ日程的には、委員が御指摘の八月の初めとそれから中旬というふうに考えているということでございます。
○委員長(吉川春子君) 簡潔にお願いします。
○福山哲郎君 これ二十日以上たっていますよ、議事録の公開。十日間たつと、八月の上旬と中旬で本当に二十日間だったら、議事録公開されない前に四回目が終わっちゃうじゃないですか。これはとにかく問題にしなければいけませんので、とにかくこれは時間ですので終わります。
○岩佐恵美君 先ほどから議論がありますように、ブッシュ大統領は欧州連合首脳との会談で改めて京都議定書に反対する態度を表明しました。また、田中外務大臣の訪米でも、パウエル国務長官は京都議定書は受け入れられないと述べたということです。 アメリカの京都議定書への参加、これは絶望的ということが大方の見方でありますけれども、日本政府はアメリカの参加を求めていくと繰り返し表明をしています。その場合、あくまで京都議定書の枠組みを堅持してそれへの参加を求めるのか、それともアメリカの参加を得るためには議定書の枠組みの変更もあり得るという立場なのか、その点を改めて確認させていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 米国が、京都議定書には致命的な欠陥があるという言葉を使って、しかもそれを繰り返し使って京都議定書を批判しているということについては、私はもう非常に残念だと思っています。それで、また同時に、アメリカはEUとのサミットにおいても、それでは代替の案としてはどういうものを出すかということについては言及をしていないわけでございます。ただ、ブッシュ政権は、引き続き気候温暖化問題というのは非常に真剣な、重大な問題であるので、これの取り組みは他の国々と連携してやっていく、それからそのための共通なアプローチを模索するということを言っておりますし、それから、閣僚レベルでの検討作業を続けるというふうに言っているわけでございます。 日本が二〇〇二年までの発効を目指して進んでいるという方針には変わりございませんで、このために七月のCOP6の再開会合の成功に向けて全力で取り組んでいきたいと思いますし、それからアメリカが京都議定書の発効に向けた交渉に建設的に参加をするように引き続き働きかけていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 大臣は、アメリカが参加しないと地球温暖化防止の効果が生まれない、そう発言をされておられます。しかし、地球温暖化問題というのは、IPCC、政府間パネルの第三次報告が指摘をしているように、全地球的な食料供給の遅延が起こるとか、あるいは生態系の深刻な崩壊が予想される、あるいは高潮によって浸水を受ける人口が七千五百万から二億人増大する、そうした猶予できない事態が起こるという問題です。 温室効果ガスの削減、これはアメリカの参加の有無の態度にかかわらず、急いで取り組まなきゃいけない課題だと思います。その点についての御認識を簡潔にお願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 私が申し上げているのは、アメリカの参加がないと京都議定書の実効性が問題となるというふうに今申し上げているわけでございまして、おっしゃられましたように、この地球温暖化対策に緊急に取り組んでいくというのは大変に重要なことだと思っております。 IPCCの第三次評価報告書によりますと、地球温暖化が起こっているということが、今その利用可能な、わかっているサイエンスといいますか科学によって明確になってきている、しかもそれが人間の活動の結果起こってきているということもIPCCの報告書は言っているわけでございまして、対策の推進が非常に重要な課題だというのは全く私も委員と同じ意見を持っております。 それで、このために我が国といたしましては、京都議定書の二〇〇二年までの発効を目指して、来るCOP6再開会合で合意に向けて全力で取り組むという方針でございますし、それから、そのための二〇〇二年までの発効ということで国内制度の構築が重要でございますので、国内制度の構築にも全力で取り組んでいくということでございます。それから、その実効性を確保するということの観点からアメリカの参加が重要であるというふうに考えていまして、アメリカが今やっている検討の結果を早急に取りまとめて、京都議定書の発効に向けた交渉に建設的に参加をするように働きかけてまいりましたし、働きかけていきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、国会の決議の趣旨を十分に尊重してこれからやっていきたいと考えております。
○岩佐恵美君 地球温暖化による影響というのは深刻だ、これを何とかしなきゃいけないと今世界が考えているときに、アメリカが京都議定書に参加をするかどうかということにかかわらず、世界は今何とかしなきゃいけないという方向に向かわなければいけない、それで京都議定書を何とか発効させましょうということで今努力をしているわけですね。 京都議定書は先進国のCO2排出量の五五%以上を占める国が批准すれば発効して法的拘束力が生まれる、EU、ロシア、日本が参加をすれば五五%を超える、そしてロシアは議定書に参加をする見通しだと言われています。京都議定書を発効させることができるかどうか、これは日本の態度にかかっているのではありませんか。そういう意味で、二〇〇二年までに発効させるということは、他国の態度いかんにかかわらず、とにかく日本政府は京都議定書を批准しますよ、そういうことをはっきりと言っていく、これが私は当然の前提条件になる、そう思うんです。 その点、簡潔に、いろいろ言われるんですけれども言いわけみたいな感じに聞こえるので、簡潔にそう思われるのか思われないのかということをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日本政府といたしまして、今までのいろいろな国際的な場で、過去のこのCOP6関係の交渉の場も含めて、二〇〇二年までの発効を目指して合意に達するべく全力を尽くすということは申し上げておりますし、それは変わっておりません。 ということで申し上げておりますけれども、COP6の再開会合では、したがいまして、日本を含む関係国全員が合意をするということが大事でございます。そのためには、そのすべての国が建設的に、それから前向きに合意をするんだというふうに思って参加をするということが大事でございまして、これは昨年十一月のハーグでの会議をごらんいただいてもおわかりになりますように、合意をしなければいけない点というのはもうたくさんあるわけでございます。それで、本当にアメリカの参加の有無ということは全く無関係に、ハーグではそういった点についての議論をみんなが一生懸命にして合意ができなかったという事実があるわけでございまして、この高いハードルが依然として存在をしているということに変わりはないわけでございます。 したがいまして、各国が、これは日本は当然のことでございますけれども、合意を目指して、今度のボンの会合で柔軟に合意を目指してやっていく、そのために日本としても努力をするということには全く変わりはございません。
○岩佐恵美君 中央環境審議会の懇談会では、アメリカの対応を待つのではなくて、日本政府は批准すべきとの意見が大勢を占めたということです。日本政府はCOP3の議長国として、非常に京都議定書をまとめるに当たって大きな役割を果たしてきているわけですし、これを必ず発効させようという国内での世論も強いわけですね。さっき言われたように、国会の決議もあります。参議院では、「政府は率先して批准し、地球温暖化防止の国内制度を構築するとともに、京都議定書の二〇〇二年発効を目指して、国際的なリーダーシップを発揮すべきである。」、こういう決議があるわけですから、そうした環境審の皆さんの意見あるいは国会決議、これを踏まえて、アメリカその他の国々に対して、とにかく日本は何としても率先して批准して、そしていろんな問題について一緒に考えていくんですよというような、そういう基本的なスタンスをやっぱり内外に明らかにして臨むべきだというふうに思います。 何度この点を繰り返し言っても、先ほど同僚議員が一時間ぐらい話をしてもなかなかそういう答弁が得られないわけですけれども、ぜひそういうスタンスに一日も早く立ってこの問題を進めるように強く主張をして、ちょっと時間も間に合いませんので、次の問題に行きたいと思います。 川辺川ダムの問題についてです。 昨年三月、予算委員会と国土・環境委員会で、絶滅危惧種の保護に責任を持つ環境庁として、川辺川のクマタカに関する調査データを建設省及び自然保護団体からも提供を求めて、生息、繁殖について検討し、専門的な立場から必要な対応をするよう求めました。当時の自然保護局長は、環境庁としても建設省に対して資料の提供を求めていくと答弁して、建設省の河川局長も情報提供を約束しました。 環境省として、建設省の資料をどう評価して、どう対応しておられるのでしょうか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、先生御指摘の川辺川ダム建設予定地周辺に生息するクマタカの生息状況の資料の件でございます。 昨年六月に国土交通省から調査報告書の提供を受けました。私ども、それを拝見させていただきまして、国土交通省で実施された調査につきましては、専門家の指導を受けながら実施してきたものということで聞いておりまして、調査の手法等につきましては、私どもの平成八年八月に環境省が策定いたしました指針、「猛禽類保護の進め方」に沿った対応がなされているものというふうに判断しております。
○岩佐恵美君 国土交通省は、川辺川流域のクマタカについて自然保護協会を中心とする熊本県クマタカ調査グループとも協議会を持ったようですけれども、いつ、どんな内容の協議をしたのでしょうか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 私ども、平成五年から川辺川ダムの環境調査をやり、また十一年からは猛禽類の調査に絞ってやっておりますが、その調査結果を、今委員御質問の熊本県クマタカ調査グループの方々から情報提供、情報交換したいという申し入れがございまして、平成十二年の八月より三回にわたってこのグループの方々と情報交換をしてございます。 このグループの方々は、日本野鳥の会の方々、自然保護協会の方々、クマタカを守る会の方々、熊本県在住の方々を中心とした自然保護グループでございまして、私ども、この方々とお互いに情報を交換し合い、データを出し合って検討しておりますが、特にダムに関しまして、原石山、ダムをつくる岩、石をとるところでございますが、その予定地についてのクマタカに関する調査の結果等を出し合って意見交換をしている、現在継続中でございます。
○岩佐恵美君 自然保護グループの方々との懇談というのは三回しか行われていない、国土交通省の資料提供もなされていないということです。 調査グループの皆さんは、国土交通省の調査の仕方について、主要な調査ポイントの一つがクマタカの行動を変え得る可能性の高い地点にあること、コアエリアの特定が尾根線に沿って機械的になされているため、利用頻度を重視した調査グループのコアエリアと原石山周辺で食い違うこと、繁殖年のディスプレー行動のデータが少ないこと、幼鳥確認、繁殖確認のデータがあいまいなことなどを指摘して、双方の認識の根拠となっているデータについて専門的な意見交換を行うことを求めています。 国土交通省として、こうした自然保護団体の皆さんの要望に対して真摯にこたえるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 委員御指摘の調査グループの方々と今委員が御指摘された項目につきまして種々議論しているという状況は事実でございます。現在、三回行われたと申しますが、延べ十七人の方々とお話ししておりまして、第四回につきましても、今現在私どもが第四回の日程について相手方に投げかけている段階でございまして、日程調整している段階でございます。 また、データの提供でございますが、私ども平成八年八月の環境庁が策定しました指針、いわゆる「猛禽類保護の進め方」の指針の中に書いてあるクマタカの生息地、コアエリア等の発表に関しましては、密猟されたりカメラマンが多数押しかけたりすることが危惧されるので、その営巣の中心等が特定されないように、公表するときには表現にも十分注意するようにというようなこともございまして、グループの方々が出してきた、独自に調査されたレベルの調査の内容につきましては、私ども全く同じレベルで情報交換をさせていただいております。そのように、お互いに調査の進展に合ったレベルのデータ交換をしているというのが現状でございます。
○岩佐恵美君 自然保護団体の皆さんは、国土交通省の対応が資料については非常に不十分であるということを言っているわけですので、ぜひそういう声が出ないようにきちっと対応していただきたい、そのことを要望しておきたいと思います。 昨年六月に建設省が発表した「川辺川ダム事業におけるクマタカの生息環境とその保全の考え方」では、藤田谷ペアを含む五つのつがいについては、ダムの湛水やつけかえ道路などによる地形の改変がコアエリアや繁殖テリトリーの外縁部に及ぶことになるが、その範囲はわずかであるため、つがいに与える影響は小さいと考えられるとしています。一方、調査グループの報告では、ダム建設の原石を採取する予定の山、いわゆる原石山が藤田谷ペアの繁殖テリトリーの一部となっており、植林地や伐採地が多い藤田谷の中で、原石山とその東の尾根一帯は成長した二次林が広範囲にまとまって存在している唯一の部分で、ここがなくなれば藤田谷ペアの生息、繁殖の継続に大きな影響があると指摘をしています。 私、昨年の予算委員会でも指摘をしましたが、クマタカの繁殖率は急速に低下しています。調査グループの報告書では、クマタカはえさが十分あれば毎年繁殖する。ところが、藤田谷ペアは現状でも数年に一回しか繁殖していない。これ以上小動物が生息できる樹林帯を減らせば繁殖率がさらに低下する危険があると警告をしています。 環境省として、先ほどデータを見られたと言っておられましたけれども、原石山を削っても繁殖に影響がない、そう評価をしているんですか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 川辺川ダム周辺に生息する一つがいのクマタカの行動圏内に原石採取予定地が存在している、その原石採取によるクマタカへの繁殖の影響ということが論点になっているということは承知しております。クマタカの繁殖活動に影響を及ぼさないためには、営巣木周辺の区域の保全が最も重要でございますけれども、そのほかのよく利用されるえさ場とその外側に当たる区域においても保全のための配慮が必要と考えております。 この原石採取によるクマタカの繁殖への影響という問題につきましては、現在、先ほどから御答弁にもありましたように、国土交通省と民間の調査グループが詳細に議論をしておられるところでもございます。また、国土交通省は今後とも調査を継続し、専門家の意見も聞いて適切な保全措置を講ずるという考えであると理解しておるところでございますので、私どもとしてはその動向について注視をしていきたいと考えております。
○岩佐恵美君 建設省の報告書では、残りの二つがいについて、コアエリアや繁殖テリトリーを横断する形でダムの湛水やつけかえ道路などによる地形の改変が行われるが、既存の知見では改変による影響を予測しがたいため、今後も生息状況について調査を継続していくというふうになっています。 影響がないことが確かめられない限り工事は行わないということなのでしょうか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 本川辺川ダムの関係する地域は人吉盆地でございまして、この盆地は台風の入り口にございまして、そして三百六十度、山から一気に雨が押し寄せてくるということで、この人吉盆地は毎年のように大変多大な災害を受けている盆地でございます。このような流域住民十二万の方々の生命、財産を守るためにこのダムは必要だと認識しておりまして、現在五百四十九の世帯の方々がほとんどもう移転完了し、私ども本体工事を残すという段階に至ってございます。 ということで、私どもはこの工事は重要なものとして粛々と継続させていただきますが、今御指摘のクマタカの調査につきましては、継続して丁寧に調査を実施し、今後適切な措置を講ずるということにお答えしております。と申しますのは、工事中確かに一時的に騒音が出、または排気ガスが出、クマタカ、猛禽類に影響を与えるのは事実でございます。しかし、私ども、ほかのダムでも、工事の跡地は植生の回復をしたり、または最小限の工事の面積にしたり、または営巣時期を避けた工事をしたり、さまざまな対策を今後やっていく予定になってございますので、このダム湖ができた後も、ダム湖を中心とするコアエリアのあるつがいがいたとしても、その猛禽類の生息には大きな影響はないというような判断をしているところでございます。 具体的に申しますと、私ども、全国の管理中のダム、既にできたダムの調査をしたところ、水辺の国勢調査ということでもう発表してございますが、四十八ダムで、既に完成したダムでクマタカを確認してございまして、いわゆるダム湖面ができた後にもクマタカの生息環境は保持されると認識してございます。
○岩佐恵美君 竹村局長、聞いたことにだけ答えていただけますか。本当にさっきの農水省の話じゃないですけれども、事業を促進する、そういう省庁というのは相手のことを聞かないんですね。それで、一方的に自分のやりたいことをどんどんやるし、主張するんですね。私、国会の論議でも同じような態度が出ていると思うんです。本当に私たちそういう姿勢というのは許せない、そういうふうに思います。本当に厳重に抗議します。ちゃんと聞いたことに答えてください。 環境省の猛禽類保護マニュアルではこういうふうに言っているんです。何年かにわたって大きな騒音を発するようなダム等の大規模開発事業など、広範囲かつ長期にわたって影響が及び得る、そういう環境改変は周年行うべきではない、こういうことをきちっと言っているわけですね。環境省も問題なんですけれども、こういうマニュアルを持ちながら、現場ではきちっと対応していないんです。 だから、私は三月の予算委員会でさんざんやりましたけれども、クマタカについてはかなり各地域で絶滅の危機に瀕しているんです。卵を産めない、子供を育てられない、そういう状況が生まれているんです。そういうところを直視すべきなんです。計画のときはいいことを言っているんだけれども、結果的には全体的に絶滅の危機に瀕するそういう種がふえているわけですから、それは謙虚に受け取ってもらいたい、そう思います。 川辺川に戻りますけれども、問題はクマタカだけではないんですね。建設省が昨年六月に発表した環境調査報告書「川辺川ダム事業における環境保全への取り組み」については、多くの市民団体や専門家がさまざまな面から問題点を指摘して、昨年十月に百六十三団体の連名で環境影響評価のやり直しを求めています。 重要な問題点の一つは、調査区域が五木村、相良村という狭い範囲に限定されて、球磨川の下流域や八代海への影響については全く調査をしていないことです。川辺川ダム事業では、付随して二百三十もの砂防ダム建設を予定しています。さらに、川辺川ダム自体も二千七百万立米の堆砂容量を確保しています。八代海への土砂の供給の現状、そして川辺川ダム建設による影響予測はどうなっているでしょうか。具体的事実だけ答えてください。
○政府参考人(竹村公太郎君) 八代海に対する土砂供給または栄養分の供給に関しまして国会で何度かお答えしておりますが、私ども川辺川ダムは大きな影響を与えないと何回か答えております。 その内容についてお答えさせていただきますと、まず土砂供給でございますが、土砂と申しますのは大体洪水時流れ出します。二つの種類がございまして、水に溶けて流れ出す土砂、これはいわゆる濁土でございます。これは、水と一緒になって海まで流れていきます。もう一点が、川底をはって水に流されていく土砂がございます。これは、障害物があるとそこでストップしてしまいます。 このような二つの土砂流がございますが、栄養分または細かい砂は洪水と一緒になって海へ流れるということは、これはほとんどの川で実証されておりますので、これはダムがあっても影響ないんではないかと認識しておりますが、川底をはっていく砂でございますが、川辺川ダムをつくりますと、確かにそのような川底をはっていく大きな砂または石は捕捉されてしまいます。この川辺川ダムの捕捉する流域は、この流域、球磨川全体の約四分の一でございます。 ただし、この球磨川の河口近くに荒瀬ダムまたは瀬戸石ダムという二つのダムが既にございまして、これは九〇%以上の流域の占めるシェアのダムでございますが、そこのダムが現在堆砂が約ダムの一〇%または七%の堆砂、砂がとまってございます。昭和二十九年または三十年につくられたこのダムが河口近くにございますので、球磨川の土砂はここで大体捕捉されてしまうというのが現状だと考えてございます。 だから、川辺川ダムで砂をためていいということではなくて、このようなことを認識の上に立って、川辺川ダムの治水上の公益上の観点というようなことから、川辺川ダムは必要であり、その川辺川ダムのたまった砂をどうやって下流に排砂していくかということも含めて、これから私どもきちんと河川管理上の考え方を検討している最中でございまして、これからも検討していく所存でございます。
○岩佐恵美君 影響予測というのはちゃんとされていないわけですね。一般的な八代海の環境調査だけではなくて、川辺川ダム建設がどういう影響を及ぼすかということを私はきちんと調査して評価をすることが肝心だと思っています。 川辺川・球磨川を守る漁民有志の会は、球磨川の発電ダムがつくられてから球磨川河口の藻場が消失した、砂干潟も消えたと指摘をしています。川辺川ダムはそれよりははるかに大規模なものです。川辺川、球磨川からの土砂の供給が減って、干潟がさらに減少すれば、八代海の水質浄化能力が一層損なわれることになる。これはもう十分予測できることです。有明海であれだけ大きな問題になっているときに、ダムによる海への影響を調査しないままダム建設を推進する、こういうことは私は許されないことだと思います。環境省として影響ないと判断しているんですか。
○政府参考人(石原一郎君) 八代海の海域環境につきましては、沿岸三十七漁協を含めまして海域赤潮等の被害の発生ということを契機に、海域環境の悪化を懸念する向きがございました。そういう沿岸漁協三十七漁協の要望等も含めまして、八代海につきましては、国土交通省さんが関係省庁及び都道府県と連携いたしまして、八代海域調査委員会を設置して、川辺川を含めます河川の影響も含めまして、八代海の水質あるいは底質、それから底生生物等の海域環境の総合的な調査を行うこととしておるところでございます。 環境省といたしましても、水域そのものの水質につきましては、従来から水質汚濁防止法に基づきます環境モニタリング調査を実施して水質の把握に努めているところでございますが、それに加えまして、今回、国土交通省さんの実施する調査におきましても、八代海の海域調査に関する関係省庁連絡会議に参画をいたしまして、必要な調査についての協力等を行っていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 全国一と言われる川辺川のアユについては、建設省の環境調査報告書は、「主要な産卵場はダムの堤体よりも下流側が想定され、ダム下流で生活史を完結できるものと考えられる。」、そう述べているだけです。とても環境影響評価とは言えません。川辺川のアユの問題は、ただ生息できるかどうかという問題だけではなくて、末端価格で年間十億円以上、全国一と言われる大型、さらに良質、そういうアユが育つ環境が保全されるかどうかが問題です。 昨年九月の日本自然保護協会の報告によりますと、川辺川のアユは、体長、体高、体重のいずれも市房ダムがある球磨川のアユより大きいと言います。アユの漁師は、市房ダムがある球磨川本流のアユはダム放水の濁りではらわたに砂が入ったりして川辺川のアユに比べて味や香りが落ちる、そう言っています。 建設省の報告書では、ダム建設で水温が三度くらい下がる、濁りもふえるけれども、選択取水や清水バイパスできれいな水を流すから大丈夫だとしています。しかし、それでも春から秋にかけては現況よりやや低下傾向になっていて、特にことしの春のようにアユの成長期に水が少ない、そういう状況で本当に清水バイパスが機能するのか、極めて疑問であります。 濁りの点でも、年間の大部分は濁度五以下を確保できると言いますけれども、濁度五というのは、それ以上になるとアユの漁獲量に影響が出始めるという水準なんです。建設省の地元の事務所が出しているパンフレットを見せていただきましたけれども、濁度五というのは、かなりの濁りなんですね。そういう濁りのところで育ったアユというのはおなかの中にはらわたに砂が入るという状況はもう容易に推測できると言われているわけですけれども、そういう水準なんです。全国一のアユの質を確保できるとは到底思えないような水準です。産卵場がダムより下流にあるから大丈夫という通り一遍の調査で済ますのは私は本当に無責任だと思っています。これはもう現地の皆さんも交渉で何回もその点を指摘しておられます。 全国一のアユを育てている川辺川の環境条件は何なのか、それが本当に確保されるのかどうか、一体その事業による影響はどうなのかというような具体的な調査をちゃんとやるべきだと、そして具体的な影響評価が必要だというふうに思いますけれども、環境省、いかがですか。
○副大臣(風間昶君) 何回も先生が川辺川に視察をされ、現場のお声もお聞きになっていることも伺っております。まさに財団法人自然保護協会が川辺川の流域、それと球磨川、本来の本川の球磨川流域でのアユの比較において川辺川のアユが体長、体高、体重ともに大きいという発表も承知しております。詳細に私、自然保護協会の発表書を見ては、検討してはおらないわけでありますけれども、その違いについて原因の一つに、球磨川の上流部にダムがあるからそれが要するに体長あるいは体重、体高の違いになっているというふうに論評されているところでありますが、川辺川流域と球磨川本流域の人口や、あるいはその産業構造の形態も違っておりますから、そこの部分についての考察がどういうふうにどこまで調査されているのかということも含めて、こちらの比較検討する材料にしていかなきゃならないかなというふうに思っております。 一方、今先生おっしゃいましたように、国土交通省さんが継続的にずっと調査をしておると。特に、ダムの下流で生活史をされておるということについても魚体の調査を引き続きやっているということでありますので、私どもとしては同時に、今アユがきちっと生育していく環境条件として、温度の問題、外気だけじゃなくて水温の問題、こういう部分についても国土交通省はいろいろなやり方の中で選択的に取水をして、そこの施設の中できちっと実地調査をされているようでございますから、その調査結果に基づいた対策が出てくるであろうことは当然予測されますから、その調査結果も私どもは今注視をしておりまして、その調査結果の内容においても私どもは注目しているし、むしろ意見を言っていく、こういう立場で今おりますことを御理解いただきたいと思います。
○岩佐恵美君 球磨川と川辺川の水の目で見た濁度の違いというのは、もう本当に現地へ行かれるとよくわかります。現地の漁民の方々は、昔は球磨川流域でも非常に立派なアユがとれたんだということも言っておられるんですね。ですから、そういう意味ではよくそういうことも聞かれて、確かにそれは人口のいろいろ違いもあるかもしれない、何かあるかもしれませんけれども、昔はこんなじゃなかったというのが現地の漁民の実際の声ですから、そういうことも踏まえながら私はきちっと調査をしていくべきだというふうに思うんです。 先ほど私、国土交通省に言いましたけれども、とにかく建設ありきなんですね。もう事業を立てたらそれを何が何でもつくる。だから、データもこれでどこが不足なんだと、ああだこうだといろいろ、こうすればいいんだとか、選択的取水だとか清水バイパスだとかいろいろ言うんですね。だけれども、本当にそんなものが機能するのかどうかということをきちっと解明していかないと、後でいややっぱりだめだった、水が少ないときはだめだねという話になったんじゃもう手おくれになるわけですね。私はそこのところを言っているんです。 この川辺川のダムの計画については、先ほど河川局長が言ったのは、治水にとって重要だとか、あるいは利水にとって重要だと言われました。でも、現地では治水にとって重要だと言っていないんですね。もう何が何でもダムができなきゃ困るということではない、そういう声が上がっているわけです。利水については、もう農民の半分以上が、冗談じゃない、要らないと裁判まで起こして闘っているんですね。そういう現状にあるということをきちっと踏まえていただきたいと思います。 建設省の環境調査報告書に対して、鳥や魚だけじゃなくて、そのほか数多くの欠陥というのが各方面から指摘をされています。とても私は十分な環境調査だとは言えないと思います。 今地元では、自然保護団体だけではありません、人吉の市議会、不知火の沿岸三十七漁協、熊本県議会、相次いで環境影響評価をきちっとやるべきだ、そういう決意が広がっているわけです。計画決定の時期を理由にして、前に計画決定があったからということできちんとした環境影響評価を行わないままこんな事業が大規模に行われる、そして、はかり知れない環境破壊とか、あるいは水産業、農業にも影響を与える、私はそういうことは許されないと思うんです。今そういう時代じゃないと思うんです。 そういう点で、大臣に改めて、法に定められた手続を踏んだ環境影響評価、これを当然行うべきだと、そのことを伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 川辺川の事業につきましては、地元の方々や関係団体の方々からさまざまな御意見がある、環境保全上の問題で非常な懸念を持っていらっしゃる方が地元にいらっしゃるということは私もよく承知をいたしています。 それから、これは岩佐委員には本当に釈迦に説法でございますので繰り返しませんが、環境影響評価法に基づく環境影響評価の手続ということは、今のその法的な枠組みからいってできないということでございます。ただ、この事業については、事業者である国土交通省が環境影響評価法の調査の標準項目を踏まえまして調査を実施なさっていて、今後もそれを継続なさるというふうに聞いております。 環境省といたしましても、動植物等の環境保全に十分に注意が払われますように今後の状況を注目していきたいというふうに考えておりますし、必要に応じて国土交通省に助言もいたしていきたいと考えております。
○委員長(吉川春子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に清水澄子さんを指名いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会