環境委員会 第12号
- 発言数
- 221 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/05/31
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十九日、本岡昭次さんが委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、参考人から意見を聴取いたします。 本日は、本案の審査のため、参考人として株式会社環境総合研究所代表取締役所長青山貞一さん、神奈川大学名誉教授猿田勝美さん、弁護士西村隆雄さん及びNO2・酸性雨・SPM全国一斉測定実行委員会代表藤田敏夫さんの四名に御出席をいただいております。 この際、参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。 皆様には、大変御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、本当にありがとうございます。 参考人の皆様には、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 本日の会議の進め方について御説明いたします。 まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず青山貞一参考人にお願いいたします。青山参考人。
○参考人(青山貞一君) おはようございます。青山です。今回はお招きいただきまして、ありがとうございます。 自動車NOx法は、実は十年前に私どもの研究所で、環境庁の法案づくりを支援するということで、当時実務で頑張ったわけですけれども、十年たちまして、今回見直すということで、このような場を与えられまして非常に光栄だと思っています。 時間もございませんので、早速本題に入りたいと思います。 私は、四枚の「自動車NOx法改正にあたっての意見」というのをお持ちしております。これは非常に詳細にわたる意見でございますが、これを話していますと一時間あっても足りませんので、要点を御説明いたします。 まず第一点、これは一ページの上の方に図が二つございます。上が、当初、平成四年当時想定した、この法律をつくってどれだけ効果があるか、しない場合に比べてこれだけ効果があるという環境庁の想定であります。総合対策というところに、それぞれの車種規制、低公害車、車速改善、その他。その他というのは、人流、物流、公共輸送機関シフト、共同輸配送等が含まれます。約三〇%弱という効果が当時想定されました。これは、記者会見等がありまして、NHKでもこういうことが報道されました。 実は、平成十二年度推定、これは私どもが推定した実際の効果であります。車種規制が半分ぐらい。低公害車に至りましてはほとんど御承知のようにない。車速改善も余り見られない。その他に関しましてもほとんどない。総合対策で、当初三〇%弱と想定されましたものが、恐らく三%から四%程度の効果であったというふうに推定いたします。これは公表資料ではございませんが、要するに、この法律はつくるときにかなりそれぞれの効果を多目に見積もっていたと。私ども、その調査をやっている会社ですから、当時、当然言えなかったわけですけれども、こういうことは当初から想定されていました。 なぜそうなったか、かつ、どうしたらいいかというのは二番目でございます。目標管理、中間見直し、進捗管理。日本では法律をつくりますとつくりっ放しのことが多くて、省庁は定期的に議会に、どれだけの施策をこの期間やったか、どれだけお金を投入してどれだけ効果があったか、公共事業に対する効果、課題を逐次報告しておりません。アメリカの連邦議会では、例えば水質汚濁防止法でも大気汚染浄化法でも、そのような進捗管理、目標管理が非常に厳しくされています。ですから、目標管理等をちゃんとすることなしには、この種の法律は当初幾らつくっても、その後十年たって見直す、その間のちゃんとした効果の報告がないということは非常に大きな問題だと思います。ですから、ぜひ進捗管理、目標管理、中間見直し等を改正案の中に盛り込んでいただきたいというのが一点でございます。 車種規制、これが今回の、十年前もそうですけれども、法律の中心であります。車の車種規制です。直噴ディーゼル車は副室ディーゼル車、副室ディーゼル車はガソリン車、それがない場合には最新規制適合車への乗りかえでございます。しかし、これはダイオキシン等の規制でも同じなんですけれども、我が国の場合、猶予期間という、ある規制が決められても実際それを発動するまでの、執行されるまでの間の猶予期間が長過ぎるために規制効果が十分生まれないというのがありまして、これも政令で大体猶予期間というのが決められますけれども、役所の中で決められている、業界との間、他省庁との間での調整で決められている。それによって、本来想定される効果がうんと減っているという問題がございます。ですから、猶予期間はなるべく短くするということが一つです。 次に、対象地域を広く設定。実は、今回は名古屋市が入りますけれども、私はいろいろな自治体に頼まれて仕事をやっております。宮城県仙台市でもさんざん同じような調査を行いました。この一年間は福岡市によく行っております。それでいいますと、名古屋市だけじゃなくて、本来、福岡市とか仙台市とか、環境基準を行ったり来たり、特に自動車排ガス局で前後しているような地域も予防的には入れるべきです。 ある議員の方が、仙台市出身の、私の前にいらっしゃいますけれども、宮城県にこれを言ったところ、それほど大きな、深刻な状態じゃないという話が返ってきたという話がありました。私は、ここ仙台市にずっと仕事で行っておりますけれども、住民とか環境団体に聞きますと、やはり非常にディーゼル車もふえて、大型車もふえて、基準値を行ったり来たりで危惧しておると。 ですから、未然防止の観点に立ってこの法案を改正するならば、本来、名古屋に加え、福岡市とか仙台市の含まれる福岡県、宮城県を入れるべきじゃないかというふうに御提案いたします。 次に、重量の大きい車への車のシフトという問題があります。規制が強まりますと、同じディーゼル車でより厳しいとか直噴ディーゼル車を副室に持っていくよりは一つ上の大きな車に、例えば五トンであれば八トンとか、一つ上のランクに逃れることによって、車を買いかえることによって実質的に規制を逃れるということが最初から想定されました。実際、データでもそういうふうに出ております。二ページの頭の部分でございます。六都府県のディーゼル車化率の変化、ディーゼル化率は実は高まっちゃっております。これ、見ていただければわかりますように、乗用、バス、貨物車ともに。ですから、そういうシフトする先との、あと、重量との関係を考慮した規制、これはちょっと技術的な話ですけれども、それが大切かと思います。 それから、三の三であります。特定車種、車種規制の対象車の規制基準と単体規制、いわゆる平成元年度規制における二〇〇〇年度規制とか、そういう規制との関係であります。 車種規制の方が単体規制より緩くなっちゃうことがあります。これも政令で決めますから、お役所の専管事項です、国会というよりは。そうしますと、何と単体規制の方が車種規制より厳しくなっちゃう。つまり、この法律で言うところの車種規制が余り効果を出さないという逆転現象が起こります。ですから、せっかく政令にしているわけですから、法律から外に出しているわけですから、この車種規制は順次見直して、少なくとも単体規制の値よりは厳しくすべきだというのが三の三であります。 三の四は、これわかりやすい話ですけれども、車庫飛ばし。規制対象地域外で登録される車種に関しましては規制がかかりません。これに関しては、ここに書いてありますが、環境省等はその実態を把握していないということ、これは中村議員のところで私が局長等と話したときに把握しております。つまり、こういうことが想定されている、ざる法になるということが想定されているにもかかわらず、十分車庫飛ばしの実態が把握されていないということは問題だと思います。 四つ目、単体規制、車種規制以外の対策にも実行性、実効性と二つあります、実際に行えるかどうか、実際効果があるかどうか、それが担保されていないという問題があります。ですから、最初に申し上げましたように、当初の予想を大幅に下回る効果しか出なかったということになります。その一つは低公害車です。低公害車はプリウス等ごく一部導入されましたが、これは主に昔の通産省、経済産業省の目標値をそのまま環境省が持ってきたんですけれども、各県で、左側の方の高い棒グラフが目標値で、その下の、本当に下の方にありますのが実際の値です。どれを見ましても非常に少ない、ほとんど値が見えないぐらい低公害車の効果はそれしかございません。 次に三ページ目、交通量の発生抑制。環境省は今回の法律改正に先立ちまして、走行量が思った以上伸びたから効果が出ないと言っていました。これはうそですね。うそというのは、東京を見ていただくとわかりますように、交通量は七年間で二%しか伸びておりません。一番大気汚染の激しい、皆さんが昨日行かれた板橋区なんかもそうですけれども、これも二%しか伸びていない。つまり、交通量がやたら伸びたからうまくいかなかったんじゃなくて、初めからディーゼル規制のこの法案にいろいろな課題、問題があり、想定されていたことが起こっただけであります。もちろん、交通量がさらにふえれば問題は大きくなります。 六番目、走行モードの見直し。これは実はここの下の図の六の一に東京都区部、多摩部、全国平均、これは車速です、扇大臣がしょっちゅう言っているやつです。オリンピックの選手の高橋さんの走る方が車の平均速度より速いという話です。 実際、問題になるのは東京都区部のように、大都市のように全部二十キロを下回るようなところです。その排ガスがどういう値、一キロ走って何グラム出すか、排出係数といいます。それの見積もりが昔から甘くて、規制値モードといいまして、昔の運輸省、国土交通省の言うデータ、自動車会社との間で出てくるデータを信用している限り、計測の、つまり東京二十三区のように渋滞が激しいところでの値の把握ができません。ですから、これは環境省の担当者もこれをちゃんと把握するように一生懸命頑張っていますけれども、ほとんど予算がつかないという問題がございます。 それから、高濃度地域における重点的な削減目標量の設定。これは当然東京とか、横浜でも中区とか中心部の話です。ところが、全体の予測とか推定が県平均値、県の対象地域平均値で行いますから、そういう特に汚染が著しいところの問題が甘くなってしまうという問題があります。 八つ目、交通流の円滑化は大都市においては自動車公害から外すべき。建設省、今の国土交通省は、道路をつくれば渋滞は解消し大気汚染はよくなるということを二十年来言ってきました。私もさんざん聞かされました。しかし、現実はつくればつくるほど交通量はふえ、走行量はふえ、発生集中量はふえ、大気は悪くなっています。これは東京でも同じです。地方でも同じです。ですから、交通流の円滑化ということがこの問題の本質ではないということを思います。道路特定財源の見直しも今話題になっていますが、道路をつくれば環境がよくなる、CO2が減るというのは恐らく私は間違いだと思っています。 九番目、判断基準。これは環境大臣が基本方針をつくって各事業者、例えば運輸業であれば国土交通省の、従来の運輸省が管轄するというように、それ以外は各事業官庁、都道府県というのがございます。環境庁が基本方針を決めるのはいいんですけれども、そのもとで今申し上げました各省庁が実際の事業者との間での計画をつくるということがあくまでも自主的な話になっています。つまり、義務でも規制でもなく自主的です。そうしますと、運輸省系は運輸業に対して非常に甘いことを助言する可能性があります。この問題は前の計画でも同じふうにございました。 次に、これは四ページの九の二でございます。事業所管大臣が決めた判断基準が自治体の独自の取り組みを制約してはならない。実際、これは今申し上げましたけれども、運輸業に関しましては昔の運輸省、国土交通省が担当しますと、自分の配下もしくはそれに関連する議員の方も背後にいらっしゃるらしいんですけれども、そこに対してどうしてもいろいろな、ここで言っているその他の総量削減の排ガス規制が緩くなる可能性があります。ですから、もっと都道府県の、実務能力を持ち、過去何十年やってきた都道府県の役割を強化する。 それから、実は都道府県といっても、実際は政令指定都市が中心になるわけです。神奈川であれば横浜、川崎。そこが今回計画の中心にございません、都道府県になっています。ですから、この辺は事業者に任せるのではなく、もっと自治体それから環境省の指導・助言権限を強めるべきだというふうに私は思います。 十番、罰則の強化。これは、日本の法律全部に言えることでありますが、罰則が余りにも緩いです。ですから、あと行政命令とか勧告もなかなか出ません。出てもここに書いてありますように五十万円以下です。そうしますと、大規模事業者は、しょっちゅう違反というのが摘発されなければ、五十万円払った方が早い話いいことになってしまいます。これは大きな問題だと私は前々から思っております。これはほかの問題でも同じです。 十一番目、公開と市民参加。これは、都道府県が総量規制の削減計画をつくる過程に、本来、市町村とかNGO代表、環境庁は一応今回の法律の以前に住民代表、NGOを呼んで意見を聞きました。私の研究所の鷹取君もこれに出ました。やはり今後はそういう国の計画といっても、実際は都道府県がつくるわけです。ですから、そこの策定過程にそういうものに関心のある方々、NGO、住民団体も、環境弁護士の方なども含める必要があると思います。 最後に二つお話ししたいと思います。十二番と十三番です。 十二番は、昨日夜、参議院から送られてきました資料を見ていましたら、この中に覚書というのが一連のが入っていました。私、今回で五回目であります、衆議院、参議院、こういう環境委員会に呼ばれるのは、予算委員会とか。初めてです、覚書がこの資料に入っていたのは。 覚書を見ましたら、一つ、これは実態がちょっと正確じゃないので、後で見ていただきたいんですけれども、道路事業、本法案の改定に絡む道路事業に関しましては、国土交通省が都道府県が計画をつくるときにある資料が必要になる、例えばどこかに道路ができるというような話があった場合に、都道府県はその資料を交通省に、ここに書いてありますけれども、「個別・具体の道路事業に係るものは想定されないこと。」。つまり、それについては聞くな、情報提供を場合によってはしないということが書いてあります。特にアセスメントに関しては、具体的に「環境影響評価に関する資料など」と書いています。 つまり、恐らく国土交通省は、自動車排ガスを削減することと道路問題を切り離したいがために、もしそういうようなことがあっても私たちは照会に応じないよと、そういうことは聞いてくるなということを環境省の自動車環境課長と国土交通省の担当課長が覚書を結んでいます。これがこの中にありました。 ですから、これはこういう今のような時代にあってちょっと信じられないことです。そもそも覚書がここに、昔、局長レベルの覚書は私もらったことがありますけれども、国会議員を通じて。課長レベルのがあらかじめ入っていたということが何を意味するかというのは、恐らくこういうことを見てもらいたいから入れていたんじゃないかと思うんですけれども、これはちょっと時代錯誤ですし、そもそも自動車排ガスはさっき言いましたように道路をつくれば解消する問題じゃない。道路をつくることに関して、自治体が総量削減計画をつくる過程で建設省、国道工事事務所等に照会ができない、場合によってはできないことが書いてありますから、これは十二番はぜひ皆さんのお力で破棄していただきたいと思います。 十三番目、最後です。もう時間なんでやめますけれども、そもそも、今回の法律は交通量とかいろいろな社会経済が一極集中する問題を除いて、あくまでも自動車の排ガスだけを減らそうという法律であります。 しかし、事の問題、特に東京、大阪のような大都市の問題は余りにも一極集中している、社会経済活動が集まり過ぎている、土地利用が過密である、容積率が高過ぎる。ここに、後ろにいらっしゃいます私の友人の原科さんがデータを出しています。人口密度は実は二十三区は一・五倍、フロア面積でも密度でも二倍高いんです、今の東京は。ですから、こういう一極集中と土地利用の過密、密度の高いことを前提に自動車排ガスだけを抑え込もうということは、これは実を言うと無理です。ですから、もっと地方分権化とか、そういう国土整備のあり方を変えるべきだというふうに思います。 以上です。
○委員長(吉川春子君) 次に、猿田勝美参考人にお願いいたします。猿田参考人。
○参考人(猿田勝美君) 猿田でございます。 私、今、青山さんからお話しありましたけれども、現行の自動車NOx法が当時の参議院の環境特別委員会で審議されておりましたとき、平成四年の五月十三日でございましたけれども、そのときの参考人として意見を述べさせていただきました。それから九年が経過したわけでございますけれども、今回はその自動車NOx法の改正案につきまして意見を述べさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 現在の社会活動あるいは経済活動における自動車への依存度、これはすごいものでありまして、ますます高まってきておるわけでございまして、車を否定していろいろな活動はできないという状況にあることは事実でございます。 自動車の保有台数あるいは走行距離、燃料消費量は一貫して伸びてきておるわけでございまして、運輸全体に占める自動車の分担率というものも鉄道あるいは海運を除いて一位になっておると。昔は鉄道がかなりの輸送を担当しておりましたけれども、現在では自動車の分担率が大きいということでございます。 自動車には機動性を生かした輸送が可能であるという特徴があるわけでございまして、自動車による移動、輸送は、鉄道と比べますといわゆる地球温暖化ガスでありますCO2の排出量も多い、あるいは窒素酸化物や粒子状物質の大気汚染物質も多く排出するということで、環境負荷というものは大きいものがあるわけでございまして、私たちの生活の基盤となっております自動車に依存したこの車社会の中で、首都圏それから近畿圏などの大都市地域における自動車に由来しました大気汚染対策というもの、これは現在の環境行政の中では重要な課題となっておるわけでございます。 しかし、自動車に起因します公害問題が依然として改善されない状況の中でさらなる対応が求められるのは当然でありまして、環境への負荷の少ない車社会をどのように構築していくのかということが一つの大きな課題であろうと思います。 そういう状況の中で自動車NOx法がずっと運用されてきたわけでございますけれども、いろいろな要因によりまして目標を達成することが非常に困難であったという状況にあるわけでございます。 現在の環境基準の達成状況について少し述べてみますと、自動車NOx法に基づきます、現行の自動車NOx法でございますが、特定地域における二酸化窒素に関する環境基準の達成状況を見ますと、平成六年から平成十年までの達成率は、一般環境大気測定局、俗に一般局と言っておりますが、七四・一%から八八・八%、それから自動車排出ガス測定局、いわゆる自排局でございますが、三三・三から四一・二%で推移しておりまして、現行法の目標であります平成十二年度までにおおむね達成するということの目標は達成が困難であるという状況にあるわけでございます。特に、関東地域が関西地域に比べて達成率が低くなっておるということでございます。 最近いろいろ問題になっております浮遊粒子状物質の環境基準の達成率について見てみますと、特定地域における平成六年度から十年度までの環境基準の達成率は五・三から一六・七%で推移しておるわけでございまして、極めて厳しい状況にございます。特に、関東地域での達成率が芳しくないわけでございまして、都心部及びその周辺ではほとんどの測定局が環境基準をオーバーしているということになっておるわけでございまして、高い値を示した測定局はほとんどが関東地域にあるということでございます。最近では、愛知県の名古屋市を中心とした地域でも環境基準の達成率が低くなっておる状況にございます。 これを発生源別に汚染物質を見てみますと、窒素酸化物につきましては、自動車の寄与率は総排出量の五一%から五三%、関東地域で五一%、関西地域では五三%を占めておりまして、各種発生源、いわゆる固定発生源あるいは自然由来に比べて自動車からの排出量が非常に大きい、寄与率が高いという状況にあるわけでございます。今のは窒素酸化物でございますので、自動車からの、そのほかの固定発生源等に比べて大きいということでございます。 窒素酸化物だけではなく、今度は浮遊粒子状物質も問題になっておるわけでございまして、浮遊粒子状物質を見てみますと、平成六年に環境省が各種モデルを用いて関東及び関西地区の予測割合を推計しております、発生源別の寄与割合を推計しております。この浮遊粒子状物質につきましては、先ほど申し上げてしまいましたけれども、固定発生源あるいは自然由来、海岸地域ですと海塩粒子とかいろいろそういうものもあるわけでございますし、土壌の舞い上がり等もあるわけですが、そういう自然由来のものもありますけれども、自動車からの排出寄与割合が一般局では関東地域で二二%、関西では二七%でございますが、自排局を見ますとどちらも四十数%を占めておるということで、自排局では他の発生源に比べて自動車からの影響が非常に大きいということが言えるわけでございます。 自動車NOx法が施行されまして、「自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する基本方針」というのが平成五年の一月に閣議決定されまして、総量削減に関する目標として、特定地域において二酸化窒素、窒素酸化物だけでございますから、二酸化窒素に関する大気環境基準を平成十二年度までにおおむね達成することとされたわけでございますが、それが非常に難しくなってしまったということでございまして、その基本方針の中に「基本的事項」といたしまして、自動車単体対策の強化、あるいは車種規制、低公害車の普及促進、物流対策、人流対策、交通流対策、それから局地汚染対策の推進、普及啓発活動、こういう八項目が定められたわけでございます。 特定地域のあります御存じの関係六都府県におきましては、知事がこの基本方針に基づきまして総量削減計画を策定いたしました。しかし、この総量削減計画に対して実際の削減状況を見てみますと、平成九年度までの削減実績というのは目標量の二%から四二%ということで非常に目標に遠い状況であったわけでございまして、これは九年度の実績でございますが、残された十二年度までの三年間の間に残された量を削減できるかというと、これは非常に困難であったということになってくるわけでございます。中でも埼玉県では、九年度の排出実績は基準年度であります平成二年度をむしろ上回ってしまったという状況もございます。 こういうように、総量削減のための基本的事項の単体規制の強化あるいは車種規制等について行われてきたわけでございますが、その実施状況等について評価を加えてみたいと思います。 まず、自動車単体の強化でございますけれども、単体規制は年度別に着実に実施されてきたわけでございますが、走行量の伸び、東京都は余り伸びていないというお話が先ほどございましたけれども、特定地域全体で見ますと、走行量の伸び、あるいはディーゼル化の進展、あるいは大型化等によりまして単体規制の効果が減殺されてしまっておるということでございます。 それから、車種規制につきましては、特定地域に本拠を有する特定自動車につきましても、特定自動車排出基準適合車への代替を義務づける制度であるわけでございますが、この代替は着実に進みまして、十二年度末予測では九五・四%とほぼ目標に近い値で代替されたわけでございますけれども、計画では車種代替は同一重量区分内と想定していたわけですが、小型貨物車が減少してむしろ普通貨物車の増加に見られますように、貨物車の大型化が進行してしまいました。代替率はクリアするところまで進みましたけれども、ディーゼル化、大型化によって削減効果が減殺されてしまったということがございます。 また、低公害車につきましては、この普及目標にほど遠いんですけれども、これは走行距離、加速性能、あるいは基本的性能もかなり改善されてきておりますけれども、しかし、価格が高い、あるいは燃料補給施設の普及のおくれ等によりまして目標の達成は困難になってしまった。最近、ハイブリッド車、先ほどプリウスというお話がございましたけれども、これらの開発によりまして近年普及台数が伸びてきてはおりますが、目標にはほど遠い状況で経緯してしまったということでございます。 物流につきましては、物流に占める自動車の割合というものも、物流量の六都府県の中で見ますと八〇%を占めておる、それぞれの内部で動く自動車による物流の四分の三は自動車が占めておるということでございます。それから、車種規制のところで申し上げましたけれども、小型貨物車が減少して、そういう輸送に使われる車両は普通貨物車ということで、大型化が進行してきておるということでございます。 それから、事業活動に関する施策として事業所管大臣が事業活動に係る自動車使用の合理化を図るための指針を定めておりますけれども、策定後のフォローアップが十分に実施されなかったということで、現行の制度が十分に機能しているとは言いがたい状況であります。 人流対策につきましては、旅客輸送量の増加の多くは自家用車の利用増によるものが多いわけでございまして、むしろ公共輸送機関の利用は横ばい、あるいはバスなどでは漸減の傾向が見られるということにございます。それから、六都府県における乗用車の走行量を見ますと、全走行量の六割を占めておるわけでございまして、交通流への影響も非常に大きいと。そういうことから、今後、人流対策というものも重点的に対応していく必要があるだろうということでございます。 それから、交通流対策につきましては、交通流の円滑化あるいは分散を図り都市内平均速度を上昇させることによってNOx排出量の削減を図ったわけでございますけれども、これも依然として都市内における渋滞というのは改善されておらないということでございます。 局地汚染対策につきましても、先ごろ板橋の土壌汚染対策等ごらんになったようでございますけれども、大都市地域の中では局地的に汚染濃度の高いところが散見されておるわけでございまして、今後一層の局地汚染対策が必要だということでございます。 以上のように、基本方針に基づきます各種施策が総合的に推進されまして、大気環境の改善に向けた削減効果、一定の効果があったと私は判断しておりますけれども、それが、交通量の増加、車両の大型化、ディーゼル化などによりましてせっかくの規制効果が減殺されてしまいまして、目標の達成に至らなかったということでございます。今後の課題でもありますけれども、当時の最新の知見に基づいてそういう予測が行われたわけでありますけれども、将来予測には不確実性も存在するわけでございまして、絶えず予測手法の改善に努めていくということも非常に重要な課題であろうと思います。 次に、粒子状物質についてでございますけれども、粒子状物質に係る大気汚染は都市域を中心として依然として深刻な状況にあるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、大都市地域では環境基準達成率は極めて低いという状況にあるわけでございます。 尼崎公害訴訟におきましても、浮遊粒子状物質に関する健康被害との因果関係等が初めて認定されたという事情もあるわけでございまして、このようにディーゼル排気粒子による健康被害については社会関心も高まってきておるわけでございまして、さらなる対策の強化が求められておるわけでございます。 環境省では、昨年二月に、単体規制に関する排出ガス規制強化のスケジュールにつきまして、新長期規制を二年前倒しすること、そういうことの可能性の方針を明らかにしたわけでございますけれども、昨年、十二年十一月に、今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について中央環境審議会から答申が出されました。私も参画しておったわけでございますけれども、この答申におきましては、特にディーゼル自動車の新長期規制について十七年度に前倒しして達成を図ること、あるいは軽油中の硫黄分の許容限度設定目標値を、硫黄分でございますが、平成十六年末までに五〇ppm、今は五〇〇ppmでございますが、五〇ppmとすることなどディーゼル自動車に対する対応の強化の方向が示されたわけでございます。 最近、粒子状物質の中でも特に粒径の小さないわゆる微小粒子状物質、PM二・五とよく言われますけれども、それからディーゼル排気粒子、DEPなどに係る健康影響に対する懸念が高まってきております。 では、今後の自動車排出ガスの総合対策についてどうするかということになるわけでございますが、まず、対象物質としては、現行の窒素酸化物削減のための施策については今後とも重点的に取り組んでいく必要があるということは当然でございます。浮遊粒子状物質につきましても、いわゆるSPMにつきましても、大都市地域を中心に環境基準の達成状況が芳しくないという事実がございますので、特にディーゼル排気粒子、DEPは発がん性を有しているということが示唆されておるわけでございまして、DEPによる健康影響を考慮しますと、自動車から排出される粒子状物質を自動車NOx法の対象物質に加えていく、早急に削減のための対策を実施していく必要があるということでございます。それから、大都市地域におけるこういう未然防止を図る、そして生活環境を保全というのは当然でございまして、そういう意味で、自動車からの粒子状物質に対する施策を重点的に推進することは不可欠であろうと思います。 ディーゼル排気粒子によります影響を考慮しますと、現行の特定地域の周辺につきまして、自動車から排出される粒子状物質を低減する必要性も考慮して地域を設定しなければならないわけでございますけれども、窒素酸化物について、現在、関東四都県、それから関西では二府県で百九十六の市町村が特定地域として指定されておるわけでございますが、二酸化窒素に係る環境基準の面から見ますと、この特定地域は現状を維持していく必要があるだろうと。それに浮遊粒子状物質の態様を加味して地域を指定していくということが必要であろうということでございます。特に、名古屋市及びその周辺地域につきましては、粒子状物質を低減する必要性が高いということから、新たにまた特定地域として指定すべきであろうということでございます。 それと、車種規制等の対策効果を上げるためには、地域的に一体と考える地域を選定する必要があるわけでございまして、連檐する地域を特定地域に指定していくということが必要でございます。 それから、環境基準の達成につきましては、二酸化窒素につきましては健康保護のためにも維持されることが望ましい基準でありますから、新たな対策においても引き続いて環境基準のおおむね達成を目標としていくべきでございますし、浮遊粒子状物質につきましては、発がん性を有することが強く示唆されておるわけでございますから、可能な限り早期に目標を達成する必要があるわけでございますが、単体規制あるいは車種規制を初めとした各種対策の総合的な効果を勘案いたしますと、現実的な目標の設定ということで、十年程度の目標期間とせざるを得ないんではないかということでございます。 特に、粒子状物質はディーゼル排気粒子に主眼を置きまして、発がん性を有しているということ等も勘案いたしまして、予防原則の立場から健康リスクを低減するために定量的な削減目標を示して、その中で現実的な期間を設定していくべきであろうということでございます。 ただし、では長期的な目標でよろしいのかという御疑問もあろうかと思いますが、技術開発の促進と着実な成果の上がるいわゆる政策手法の充実強化によりまして、可及的速やかに達成を図る必要があるわけでございますけれども、中間時点で達成状況を点検することも必要でございまして、このための中間目標も別途設定すべきであろうというふうに考えられます。 進行管理の仕組みをいろいろと構築して、毎年それの点検を行う、あるいは計画期間の中間時点で施策の進捗状況の点検、評価を行いまして、その後の施策の推進に反映させていく必要があるわけでございます。ただ、総量削減計画の策定実施主体である都道府県知事が中心となりまして、国等と連携して計画の進行管理を行っていくわけでありますが、中間点検を含めまして、積極的に情報公開を行っていくということも非常に重要だろうと思います。 また、地方自治体の役割の強化についてでございますけれども、自動車排出ガス対策の基本である規制等に関しましては、これは当然国の義務でございまして、国の役割が重大でありますけれども、自動車排出ガスによる大気汚染は地域的な環境問題でもあるということで、地方自治体の役割というものをやはりそれなりに一層強化する必要があるだろう。 あと一分ほどちょっとちょうだいしたいと思いますが、地域の実情について最も適切に的確に把握しているのは、地域の環境保全について住民に責任を有している地方自治体でございまして、地域における具体的な施策の実施、進捗状況、効果の把握、評価などにおいて、これまで以上に地方自治体の役割は重大だろうと思います。 また、自動車を使用する事業者に対する指導、助言等の権限を知事に任せるなど、地方自治体の役割を明確に位置づけるとともに、地方自治体が各施策の実施主体に対して必要な情報の提供を求めまして、また適切な指導、助言等を行うことができるような仕組み、これを設けることも必要であると思います。 現行の自動車NOx法のもとでいろいろ環境問題を解決するためにさまざまな施策が実施されてきたわけでございますけれども、十分な成果が得られなかったということで、今後抜本的な取り組みの強化が求められておるわけでございます。 今回の改正案には、粒子状物質を対象物質として追加した、国は自動車から排出される粒子状物質の総量の削減に関する基本方針も策定すると、それから関係する都道府県知事はこれに基づきまして削減計画を策定することになっておりますので、いろいろ粒子状物質についても今までとは違った規制が行われていくだろうと、排出量に係る規制が行われようとしておるわけでございます。 ただ、自動車を使用する事業者に対する措置の強化でありますけれども、事業活動に伴いまして自動車から排出されますNOxあるいは粒子状物質の排出の抑制を図るため、一定の要件に該当する事業者につきましては、排出抑制のための措置の実施を義務づけるための措置を講ずるということも、中央環境審議会の答申、あるいは検討会の報告書の中でも述べておるところでございまして、それらも一応対応されておるということでございます。 今後、今回の改正法案が環境改善のために効果を上げるよう、速やかな法案の成立を期待しているところでございます。 以上でございます。
○委員長(吉川春子君) 次に西村隆雄参考人にお願いいたします。西村参考人。
○参考人(西村隆雄君) ありがとうございます。 私は弁護士として活動してまいりましたけれども、川崎の大気汚染公害裁判、これの原告側の弁護団ということで裁判当初からかかわってきましたし、現在は自動車メーカーも被告にしております東京の大気汚染公害裁判、これの代理人もずっとやってきております。また、日本弁護士連合会の環境公害委員会、このメンバーとしても長年活動しておりまして、このNOx法を初め、時々にいろいろ意見書なんかをお出している関係で、それを踏まえてきょうはお話をしてみたいと思います。 早速本題ですけれども、今振り返ってみると、一九七八年に国はNO2の環境基準、これを大幅に緩和をしました。そのときにそれと引きかえに、一九八五年、昭和六十年にこの緩和された環境基準を達成するんだ、こういうことを公約に掲げたわけです。しかし、この公約に失敗をした。これ以来、今回の西暦二〇〇〇年に環境基準おおむね達成、これにも失敗をして、三たび公約に違反をしたというのが歴史の現実だと思います。当初の達成期限の一九八五年から見ましても既にもう十五年が経過をしている、にもかかわらず一向に達成のめどは立っていない。事態は非常に深刻だというふうに思います。 我々、現場で、きょうも来ていますけれども、患者さんと一緒にこういった裁判に取り組んできながら、一体何だろうか、環境基準というのは一体なんだろう、三度も約束してどうしてそれが果たせないんだろう、一体どうしてだろうということを本当に自問自答もしながら考えてきました。 今回の経緯も振り返ってみますと、それは私はぜひ言いたいんですけれども、この環境基準というものが何か自己目的化をしている、とにかく達成期限を設けて、この数値、したがってそれを何とかしなきゃいかぬのだ。そうじゃなくて、一体本来何のために環境基準をつくって、何のためにこれを達成しようとしているのかということが忘れられているんではないかということを強調したいと思います。 つまり、数字のマジックをやっているわけではなくて、現実に大気汚染による被害者がいて、その被害者が苦しんでいる、そういった被害者を被害者として認めて、これ以上そういった被害者を出さないために、そのために環境基準を達成していくんだということの根本が忘れられていないか、このことが最大の問題だと思います。 この関係では、国は一九八八年三月に、いわゆる公健法、公害健康被害補償法の指定地域を解除しました。それ以後、新しい新規の被害者に対する救済を国のレベルでは一切拒否をしています。 そこで、きょう資料でお出ししましたけれども、こういった一覧表がございます。 これは各地、補償法が解除された以降も自治体の条例レベルで患者さんの医療費の救済を公費でやっている、そういった自治体の統計資料です。ごらんになっていただくとわかりますけれども、一九八八年当時と比較をして数字を比べてみますと、例えば右側の川崎市の場合は、一九八八年の二千六百四十三人が、九九年度、つまり二〇〇〇年三月ですが、五千六百九十八人ということで二・二倍になっておる。それから、東京で見ますと、全都が八八年度対比をしてこれは二・七倍になります。それから、二十三区で見ますとこれは三・八倍に患者が激増している。それから、もっとすごいのは大阪でありまして、大阪市あたりは、一九八九年との対比ですが五・五倍、こういう数字になっています。これは各地、ほとんどが未成年を対象にした救済です。十八歳あるいは二十を過ぎると一切そういった救済は受けられない。したがって、成人についてはいよいよ事態は深刻だというのが現場の状況です。 若干ここで具体例を御紹介させていただきたいと思います。 昨年、実は今申しました東京の大気汚染公害裁判で第四次の提訴というのを行いました。これに加わっていただいた五十代の男性の方、大田区の京浜第一国道沿いに直面するマンションに住んでおられて、私たち聞き取りに行ったわけですけれども、大変ひどいぜんそくで、そのときもなかなか会話がままならない、大変苦しそう。それが夜、もっとひどくなるということで、一たん寝入っても、夜中の二時、三時になると発作が起きて寝ていられない。その状態のまま発作の苦しいのを我慢して明け方を迎える。そうすると、その人は仕事に行くというんですね、ほとんど寝ていない状態で。どういう仕事かというと、トラックの運転手なんです。一緒に奥さんと話を聞きましたけれども、ぜんそくの発作も心配だけれども、そんな状態で毎日夜を明かしていて、ハンドル握って事故を起こさないか、そのことが本当に心配だというふうに言っていました。 そういう患者さんが、実は聞いてみると余り満足に病院に通院していないんですね。生活が大変な中で病院にかかれば、当然自己負担分が振りかぶってくる。だから、なかなか病院にかかれない。あるいは、あなたのぜんそくひどいから入院しろというふうなことを言われたら、もうそれこそ日銭で稼いでいますから、生活が全部成り立たない。そういうことを心配して病院にも行けないというふうに言っていました。 この話を聞いて、実は私は思い出すことがありました。それは、私は実は四日市の出身でありまして、四日市公害裁判の判決が高校時代にありました。当時、マスコミが非常に取り上げておりましたけれども、野田之一さんという方がおったんですね、これは磯津の漁師さんです。ただし、四日市ぜんそくに苦しめられて塩浜病院に入院を繰り返している。その野田さんが病院から発作をこらえながら抜け出して磯津の海に漁に行っておったという話がよく報道されていました。その事態が三十年もたった今、また繰り返されているというのが現状だと思います。 またもう一人、大田区在住の方ですけれども、鉄筋工で五十代の男性です。一国沿いのマンションに、交差点のところに住んでいらっしゃいます。そこに引っ越してきて、ぜんそくの大発作を起こして、長年やってきた鉄筋工の仕事ができなくなって、もう生活保護を受けていらっしゃる、こういう方でした。八車線の物すごい、あそこはトラックです、大型車がばんばん通る、その交差点に直面するマンション、これはもういかにもひどいだろうと。もちろん、尼崎の判決でいけば、あるいは名古屋の判決でいけば差しとめを認められる原告です。 その方に私は思わず言いました。あなたは裁判勝てるかもしれない、こういう状況だと。だけれども、ここにいたのでは命がもたないから、少し引っ込んだらどうだ、同じ町内でもいいからどこかアパートないのという話をしました。だけれども、彼が言うには、引っ越すにもお金がない。生活保護でそのお金出ないのか、医者に言って、ここじゃあんまりだからという意見書でも書いてもらって、それで引っ越したらどうですかという話をしたんです。しかし、そんな簡単じゃないよ、先生と。私は電動の吸入器、これがぜひ必要だと医者に言われて生活保護に申請をしたと、しかし、それについても生活保護は認めてくれなかった、だから引っ越し費用なんか出るわけがありません、そういうふうに言っているんですね。実際本当かどうか、私はもっと頑張った方がいいと言って話をしたんですけれども、そういう現状です。 ですから、そういう患者さんがやっぱりあっちこっちに、もちろん東京だけではありません、いらっしゃる。そういう現状を繰り返さない、何とかしたい、そのために環境基準を達成するんだということをしっかり打ち出すべきだというふうに思います。 そういう状況にもかかわらず、国の方はどう言っているかというと、もう一九八六年、中公審の答申に基づいて解除をしたんだと、したがって事は決着済みで、いまだに大気汚染との因果関係が明らかでない、したがって救済は必要がないということを言っていらっしゃる。その一方で環境基準を幾ら唱えても、これは一体国民がついてくるのか、説得力はあるのかという問題だと思います。 その点で私は大変に評価をしているのが東京都であります。東京都は、今回、ディーゼルノー作戦ということで石原さんがペットボトルを振りながらああいう形で条例化までしたわけですけれども、いろんなことはありますけれども、私が一番評価すべきだというのは、東京の大気汚染というのはもう待ったなしなんだということをはっきり言って、そしてその大気汚染が肺がんやぜんそくやあるいは花粉症の原因になっているということを知事みずから都民にアピールして、それでいろいろ弊害はあるかもしらぬ、不便を強いるかもしらぬ、しかし協力してほしいということを言って、率先して政策を展開している。これはもう非常に国の状態と対照的な差ではないかというふうに思います。ですから、ここの点をまずしっかり据えた上で、具体的な政策をぜひ検討していただきたいというのが一番の強調点です。 振り返りますと、自動車排ガスの健康影響につきましては、九五年の七月に大阪の西淀川の二次—四次判決で明確な因果関係が認定されました。これに始まって、私たちがやりました九八年の川崎、そして昨年には尼崎、名古屋と今度は差しとめを認める判決が相次いだ。その意味では、司法、裁判所のレベルではこういった自動車からの大気汚染との因果関係というのはもう非常に明確になっているという状態だと思います。それに加えて差しとめまで認めたということは、これはもう裁判所が現在の大気汚染による被害というのはもはや一刻も猶予ができないんだ、こういうことを痛切に行政にあるいは国会に対して指摘をしたということだと思います。 先般、ハンセン病の熊本判決がありまして、国会の立法の不作為というのが鋭く指摘をされたところでありますけれども、この大気汚染の問題についても今本当に早期に、しかも実効性のある施策を立法化するということが国会の責務として本当に求められているのだろうというふうに思います。 ところで、今回の改正法につきましては、以上のような現状認識と、それから早期に環境基準を本当に今度こそ達成していくんだという決意が私は欠けているんだ、そこが最大の問題だろうというふうに思っています。 本法案に先立つ中環審の答申を見ますと、非常に象徴的なことが書いてあります。先ほど、猿田先生はいろいろもろもろあるんで十年はやむを得ないんではないかというふうにおっしゃいましたけれども、達成期限を再度十年先だというふうにしたくだりの中で、車種規制あるいは単体規制を初めとする各種対策の効果を勘案すると、五年での達成は困難が大きく、現実的な目標設定の観点から十年とせざるを得ない、こう書いてあるんですね。これはちょっと主客転倒ではないかというふうに思うんです。 既に実施すべきメニューというのは十分に挙がっています。中環審の議論の中でも出ていますし、それから猿田先生も加わっていらっしゃる昨年三月に出された自動車NOx総量削減方策の検討会報告、この中ではほとんどのメニューがもう挙がっています。それにもかかわらず、とりあえず支障のないメニューでやってみると十年かかるんだ、これでは国民に対して説明ができないんではないかというふうに思います。 余り時間がありませんので、具体的な話をしたいと思ったんですが、少しはしょりながらやります。 具体的なメニューとしては幾つかもう挙がっています。 一つは、自動車メーカーに対する販売義務づけ規制です。私の資料の中に意見書もつけておきましたので、後でごらんください。これはアメリカのカリフォルニア州で実施されているものです。各メーカーの販売自動車の平均排出量を規制をする、あるいはゼロエミッションビークル、公害を出さない車の販売を義務づける、こういった施策です。 現に、日本の自動車メーカーも商売をしているアメリカで既に規制を受けているその中身がどうして日本ではできないんだろうかということが大変不思議でしようがない。その意味では、この中身は、先ほども申しました昨年三月の検討会の報告の中でも販売する自動車のNOx総量に係る規制というふうにして、設定方法はメーカー別平均値、またはメーカー別総量というふうにきちんともう明記をされていました。 それが、中環審の中間報告の中では規制的な手段によるんではなくて、単なる平均値をメーカーに公表させる、こういうふうに相当にトーンダウンをしました。最終的な答申ないしは今回の法案を見ますと、メーカーに対するこういった規制、抑制策は一切脱落をして、何も内容が入っていません。これは一体どういうことでしょうか。本来やるべきメニューは十分に挙がって検討もされている、それが法案に挙がってこない、非常に問題だと思います。 それから、事業者に対する使用自動車の排出総量規制、長々とは申しませんけれども、固定発生源についてはSO2あるいはNOxの問題で具体的な数値を各発生源に示しながらそれをクリアするための義務づけをやってきた。そういう歴史的な教訓、経験も持っていながら、事業者に対する規制、抑制という面では今回も非常にトーンダウンをした。単に計画を義務づける、数値目標は示さない、そういうことに終始をしている、大変に残念だと思います。 それからもう一つ、これは検討会の報告の中でも挙がっていた事項ですけれども、軽油とガソリンの税額格差の是正の問題です。これは、もうこの間毎回公約違反を繰り返すたびに、環境庁の報告書が、失敗をした原因は予想を超えるガソリン車のディーゼル化だ、こういうことを言ってきています。その一番の元凶がこの税制にあることは、もう国民周知の事実です。にもかかわらず、この点に一切手がつかないということは、これはもう全くいかがなものかというふうに思う次第です。 もう一点、あとはDPFの装着義務づけの点です。これはまさに東京都の環境確保条例が大きな目玉にした点であります。DPFに関しては、技術的な問題等々ということが言われていますけれども、少なくとも先ほどもありました軽油中の硫黄分の低減が前倒しで二〇〇三年には実現する、その時点で考えれば十分にこのDPFの義務づけは可能だというふうに思います。したがって、この点も当然盛り込まれるべきだというふうに思います。 最後に、一言注文をつけ加えますと、本法案によって各自治体の独自規制の足を縛るようなことはゆめゆめあってはならないということです。東京都に関しては今言った条例が制定をされて実施段階に至っていますけれども、周辺各県、埼玉県を初めとした各県もこれに倣った動きということで報道されています。ぜひこれを縛ることのないような形で法制化をしていただきたいと思います。 もう一つは、先ほど来ありましたけれども、中間時点での見直しです。今回つくりました、また十年お待ちください、これでは患者の命はもう目も当てられません。したがって、中間段階で今度こそ本当に進行管理を厳格にやっていただいて、しかも施策の見直しを制度的に担保するということまできちんとうたった法改正にしていただきたい。 以上です。
○委員長(吉川春子君) 次に、藤田敏夫参考人にお願いいたします。藤田参考人。
○参考人(藤田敏夫君) 藤田でございます。 私は、レジュメをお配りしてありますが、東京を初め大都市での大気汚染の現状を概観した上で、この自動車NOx法に対する意見を申し上げたいと思います。 私の所属する実行委員会は、一九九二年六月にブラジルのリオで開催されました国連環境サミットを機会にして結成された環境NGOであります。私たちは、毎年六月の環境月間に、北海道の稚内市から沖縄県の与那国島まで、文字どおり全国津々浦々で大気汚染の簡易測定を続けてきました。 ことしも、今晩から明日にかけて、あるいは六月十五日にかけて測定が全国で行われます。特に、東京では一九七八年以来、ことしの六月で第四十八回目の測定を迎えました。この間、東京では延べ約五十二万カ所でNO2の測定が行われております。 ところで、全国で測定されましたNO2のこの数年間の推移を第一図に示してあります。 九三年度から二〇〇〇年度まで書いてありますけれども、九三年から九五年にかけて急激に全国平均の濃度が上昇いたしまして、その後は横ばい状態を続けております。この値は、先ほど申し上げましたように、全国で二万数千から三万数千の箇所で測定された濃度の平均値でありますので、極めて安定していて信頼度が高いものであります。 ところで、全国で昨年私たちが実施した中で、測定数が三十カ所以上の、百四十三都市ございましたけれども、その平均濃度のワーストテンを見ますと、これは同じ濃度の都市がたくさんありますのでテンといっても実際は二十一都市が含まれますけれども、そのうちで東京の十六区が第二位から第十位に入っています。二十一都市のうち十六は東京に集中しているわけですね、七六%であります。東京以外では、第一位が、先ほど青山先生もお話しになりました福岡市、これが〇・〇五七ppm、あるいは大阪市、広島市、北九州市及び高松市の五カ所だけでありました。したがって、いかに東京の大気汚染が全国の中で見ても悪いかということがわかると思います。 次に、自動車NOx法で定められました特定地域でのNO2とSPMの環境基準の達成率を見てみることにします。第二図をごらんください。 東京都と東京以外の特定地域、その中の自動車排ガス測定局と一般環境測定局での最近十年間のNO2の環境基準の達成率を示した図であります。これを見ていただきますと、東京都では達成率が極めて低いことがわかります。そして、自動車NOx法が施行されて以後、ほとんど改善されていないこともわかります。 次に、二ページ目の第三図をごらんください。 これは、先ほどと同じく最近五年間のSPM、浮遊粒子状物質の基準達成率の推移でありますけれども、このグラフを見ますと、左側が一般環境測定局、右側が自動車排ガス測定局でありますけれども、東京都はグレーの縦棒ですけれども、これが非常に低いわけでありまして、最大でも一七、八%、黒い棒は東京以外の特定地域ですけれども、これに比べても東京は非常に悪い。一般局の話です。右側の自排局を見ますと、東京が全然このグラフに出てきません。これはなぜかというと、過去五年間ゼロ%だからであります。ゼロでありますので、これはグラフに出てまいりません。 こういうふうに見てまいりますと、SPMはNO2以上に環境基準の達成率が悪いということがよくわかります。 次に、昨年の六月に、東京臨海副都心の台場地区にあります三十三階建ての公団マンションにお住まいの方がどうも空気が悪くて気になるということで測定してみたいということで、この公団マンション、あるいはそれと同時に中央区の佃にありますリバーシティとか晴海にありますガーデンプラザといった超高層マンションで、高いところまで測定した結果が第四図であります。 三十三階といいますと、地上約百二十メートルの高さです。私たちは、測定する前に、高いところへ行けばNO2の濃度は低くなるというふうに予想をしておりましたけれども、この測定結果を見ますと、多少のばらつきはありますけれども、測定誤差の範囲内でほぼ一様の濃度が測定されました。このことは、地上と同じNO2汚染が百二十メートルの高さまで達していることを意味しています。その上はわかりません。少なくとも百二十メートルまでは地上と同じように汚染されていたということであります。 気になりましたので、参考までに、東京都環境局が当日、東京タワーの二十五メートルと百二十五メートルで測定しておりますけれども、そのデータを取り寄せてみましたら、二十五メートルが〇・〇三一ppmで百二十五メートルが〇・〇二九ppm、これもほとんど同じ状態でありましたので、私たちの測定が正しかったということを確信した次第であります。 こういうふうに見てまいりますと、東京二十三区では、幹線道路沿道はもちろんのこと、一般住宅地も含めて広範囲にわたってNO2汚染が広がっておりまして、同時に、百メートルという高さまで汚染空気にすっぽり覆われているということがわかったわけであります。 こういう点を概観した上で、自動車NOx法の一部改正に対する要望をいたしたいと思います。 本法案の中で、対象汚染物質にSPMを加えたことは大賛成です。なぜ今までこういうことがなかったのかと思うぐらいでありまして、これはぜひ進めていただきたい。 二番目は、一定台数以上の自動車を使用する事業者に対しては従来は自主的規制を行ってきましたけれども、これはもう破綻していると思います。法律に基づく強制規制が必要です。これがなければ、実際にうまくいかないと思います。この規制は、強制規制をすることによって事業者の低公害車の導入を促進することになりますし、同時に、自動車メーカーに対しては低公害車の生産を促す特効薬になるでしょう。小泉首相が官庁の官用車を全部低公害車にするとおっしゃったようですけれども、こういう点からしても、自動車メーカーに対する低公害車の生産を促すという意味で、法律で義務化する必要があると思います。 それから、先ほど西村先生もおっしゃいましたけれども、自動車メーカーが製造する全車種のフリート平均、車種平均の排出ガスの総量規制、これはメーカーにとっても非常に魅力のあることなんですね、アメリカでやっていますけれども。ある車種はたくさん出すけれどもある車種はゼロエミッションにする、そうすると、平均するとあるところで抑えられる、そういうことがありますので、自動車メーカーの技術開発を促進することになります。こういう点からぜひ導入していただきたいと思います。 さらに、六番目にNO2の環境基準、先ほど未達成というふうに申し上げましたけれども、環境基準の達成期限について申し上げます。 今回の自動車NOx法の改正案では、NO2の環境基準の達成年度を十年先送りして二〇一〇年度としました。先ほど西村先生もるる申し上げましたけれども、七八年の基準改定時には七年後の八五年度までに上限値〇・〇六ppmを完全に全国至るところで達成するという公約が出されたわけです。それ以後、今回で四回目の先送りなんですね。八五年から見ると二十五年延ばされたことになります。これでは基準達成が究極的な目標になってしまいます。 そういう点では、この間、大気汚染による公害患者が多発しておりまして、先ほどの西村先生のように、八八年の公健法の地域指定の解除以来、東京都の医療助成を受ける公害認定患者は二・七倍になっていまして、五万人を超えているんですね。このような状況の中で、十年先送りということは許されないと思います。少なくとも、私は五年以内に完全達成するようにここで思い切った施策を施していただきたいと思います。 さらに、この環境基準の問題なんですけれども、これは日本の環境基準は、英語で言うとゴール、目標なんですね。アメリカではスタンダードといって、それをある年度までに達成しなきゃいけないと義務づけているわけですけれども、ゴールですから、先ほどのような究極的な目標になってしまっているわけです。 それで、さきの基準改定のときに、当時の専門委員会はNO2の長期暴露を重視しまして、NO2の年平均値で〇・〇二から〇・〇三ppmというのを健康への影響判定基準として提案しました。しかし、その当時の環境庁は、基準が日平均値で定められているということを理由に、日平均値の九八%値という一般国民には極めてわかりにくい統計値が決められたわけです。 当時は、この年平均値を二倍すると九八%値になるという統計的な関係から、この〇・〇二から〇・〇三という年平均値を単純に二倍しまして、〇・〇六から〇・〇四ppmのゾーン内またはそれ以下という基準が設けられたわけであります。しかし、この統計的関係は年々変化してしまいます。二倍になるというのは現在では成り立っていません。したがって、環境基準としては、専門委員会の判定基準を採用しまして、年平均値で〇・〇二ないし〇・〇三ppmの中の安全側をとって、年平均値で〇・〇二ppmと改めるのが妥当ですし、わかりやすいと思います。今後、この環境委員会で御検討くださるように切にお願いする次第であります。 最後に、申し上げますけれども、大気汚染物質の削減のための基本的考え方を明示する必要があると思います。 我が国では、これまで自動車排出ガスによる大気汚染を削減するための各種の方策が講じられてきましたことは、今まで猿田先生初め青山先生も申し上げましたけれども、一向に改善の兆しすら見えません。それは、これらの方策が技術的対策に偏っていまして、そのためと考えられます。これは環境省だけの所管事項ではないと思いますが、基本理念として、私は従来のように車に合わせて道路をつくるのではなく、道路に合わせて車を減らすという考え方を確立していかなければならないと思います。 昭和三十三年に制定された道路整備緊急措置法という法律がありますが、緊急措置法ですよ、これが四十三年たった今日でも生きているということは、私にはとても不思議でなりません。なぜ今、緊急措置法なんでしょうか。 最近、ようやく道路特定財源の配分について議論が始まりました。まさにこの緊急措置法を廃止して、新たな理念のもとに、国民の健康を優先した安全で便利な総合的な運輸体系、これを確立するときじゃないでしょうか。そのことも含めまして、ぜひ皆様方の御努力をお願いする次第であります。 以上であります。どうもありがとうございました。
○委員長(吉川春子君) ありがとうございました。 以上で参考人の皆様からの意見聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山虎之助さんが委員を辞任され、その補欠として森田次夫さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○橋本聖子君 橋本でございます。 きょうは、お忙しい中お越しいただき、貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。時間の関係もありますので、どんどん質問をさせていただきたいというふうに思います。 ここ数年、人々の環境に対する関心は高く、地球環境ということではすべての人に地球に優しいという言葉が浸透してきているように思います。私も、生まれてから、歩き、そして自転車に乗り、そして車に移り変わり、やっぱりどうしても人というのは楽をするともとに戻れないものですから、自転車から車ということで便利になった乗り物なんですけれども、やはりそういう意味では、地球をここまでにしてしまった人類の責任というのはとっていかなければいけないんではないかなというふうな感じをしているわけなんです。 まず最初に、猿田参考人にお伺いしたいと思います。 ほとんどの部分といいますか、猿田参考人の考えが、御指摘が改正案に盛り込まれているかとは思いますけれども、今回の改正案についてどのように評価されていますでしょうか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○参考人(猿田勝美君) 今回の改正案の問題でございますけれども、どう評価するかということでございますけれども、改正案の基礎となっておりますのは、昨年十二月、中央環境審議会から答申が出されたわけでございまして、その答申が中心になっておるんではないかと判断しております。 この審議会におきましては、関係省庁の御意見も伺う、あるいは各界からのヒアリング等も行ってまいりまして、中間でまとめまして、その報告をパブリックコメントにかけて国民の方々の御意見もちょうだいして、そしてまとめられた。かなり精力的に審議してきたつもりでおるわけでございます。 この答申のポイントでございますが、三つほどございます。自動車NOx法の対象に粒子状物質をまず加えたということです。今まではNOxしかなかったわけでございます。このSPM、粒子状物質による大気汚染というのは、窒素酸化物よりもむしろ環境基準の達成率も非常に低いわけでございまして、深刻な状況にあるのではないか。それで、発がん性についても強く示唆されておるところでございます。 ただ、その主要な発生源がそれでは何であるかということになると、どうもディーゼル自動車ということにならざるを得ない。そうなりますと、当然ディーゼル車に対する規制を強化して、対策を強化することによって対応していこうということが指摘されておるわけでございまして、これに合わせて対策地域の拡大、あるいは先ほども名古屋市周辺も対象地域に加えることが望ましいと申し上げましたけれども、そういうようなSPMにかかわる地域の新たな設定というもの、これはNOxの特定地域とも関連して見ていかなければならない問題ではありますけれども、そういう中で指定していこう。 それから第二には、これまでのNOxの車種規制、それなりに効果があったわけでございますけれども、それだけでは環境の改善が十分でなかったということでございまして、さらに規制基準を強化していこうと。ディーゼル乗用車が非常に普及してまいりまして、乗用車の一〇%以上が今ディーゼル化されておるわけでございまして、これも無視するわけにはいかぬということで、ディーゼル乗用車も車種規制の対象に加えていったということがございます。 それから第三点といたしまして、今まで現行法の中では事業者に対する措置が十分に機能していなかったと、先ほども申し上げましたけれども、これらを反省して使用管理計画を義務づけていく。一定台数以上、これを三十台にするか五十台にするかは政令事項でございますけれども、私ども検討した中では、せめて三十台以上ぐらいを対象にしたい。現行の特定地域で考えますと、大体五千百事業所ぐらい出てくるんですけれども、そういうような事業所に使用管理計画を義務づけて、それに対して都府県による指導、助言が行えるように法的に明確に位置づけていく、これが重要な問題だろうと思います。 改正法案の中では、こうした重要なポイントはすべて盛り込まれておるわけでございますけれども、今後、政令事項、あるいは省令にかかわる事項もございますので、より効果のある対策が講じられることを期待しておるわけでございまして、そういう意味では、先ほどいろいろ御意見もございましたけれども、改正案は我々としては評価できるものだろうと思っております。 私自身、現在の自動車NOx法制定時にもかかわった経緯がございまして、十年以上この自動車問題にかかわってきているわけでございますけれども、残念ながら大都市における大気汚染というのは十分に改善されていない、これは事実でございます。私どもが取りまとめました答申や、あるいは検討会は私が座長を務めましたので、検討会の中にも述べておりますように、この法律が速やかに成立することを期待しておるところでございます。 以上でございます。
○橋本聖子君 ありがとうございます。 次に、西村参考人にお伺いしたいと思います。 政府の大気汚染対策について厳しい御意見をお持ちだということで前から伺っておりまして、きょうも大胆ないろんな発言を聞かせていただいたわけなんですけれども、法律の枠組みとは別にしまして地方においても独自の大気汚染対策が始まっておりまして、先ほど東京都の例もお話ししていただきましたけれども、埼玉県でも同じような条例の制定の動きがあるように聞いていますが、地方公共団体の動きをどのように評価されているかということ。これをまた全体的に進めていくためには、まだまだ実際にはいろんな問題点が山積されていると思いますけれども、西村参考人といたしまして、これを実施可能にするためのアイデアといいますか、またそういう考え方をもう一度お聞かせいただきたいというふうに思います。
○参考人(西村隆雄君) 先ほどのお話の中でも今の点も触れたわけですけれども、歴史的に振り返ってみても、こういった公害、環境問題というのは、やはり地域に密着して一番切実な責務を負っている地方自治体がまず率先して取り上げて、そして公害対策にしろ被害者の救済にしろやってきた。それを、後を追いながらというのは表現は悪いですけれども、国のレベルで法制化をしてきたというのが経過であろうとは思います。 今回も、そういう意味ではディーゼル問題、自動車排ガス問題ということでずっと言われて、国もNOx法をやりながら施策を展開してきた。しかし、一向に現状が打開できない。そういった中で、石原さんの個性もあるとは思いますけれども、従来の蓄積を踏まえてああいう形で東京都が一歩も二歩も前へ出てそれをリードしているというのが現状だろうと思います。 しかし、そういう意味では今回の東京都の条例も、実際の実効性、内容については非常に評価ができるんですけれども、取り締まりの点も含めた実効性ということではやっぱりいろいろ限界があるのではないかというふうに私は見ていますし、あるいは東京だけでは片がつかない、広域汚染でもありますし、車というのは双方から行ったり来たり面的に移動しているわけですから、そういう意味では少なくともやはり関東圏あるいは関西圏といったレベルで同じ規制措置をとってそれをやっていかないと、本当の意味での実効性は出てこないんだろうというふうに思っています。 そういう中で、東京を含めたいわゆる七都県市なんということで、関東周辺の各県市が連携をとって一定の政策展開をしているわけですけれども、ただ実際、どこまで条例化をして、あるいは規制的な手法でもってそれをやっていくかということになると、やはり各県での温度差というかレベルの違いというのがどうしても出てきてしまう。その結果として、なかなか全体としては進まないという事態がやはり危惧をされているだろうと思います。 そういう中で、やはり私は、国のレベル、国の法律のレベルでしっかりそれを取り上げて、それを自治体に相当の権限を持たせながらでもちろん結構なんですけれども、実現をしていくという国の、国会の責務が非常に大事じゃないかというふうに思っている次第です。 今回、私が最後に申し上げて非常に危惧をしたという中身は、ちょうど東京都がああいった条例化を実現して、それの後を追うように埼玉あるいは神奈川がという報道があった後でこのNOx法が出てきましたので、NOx法がそういう意味では、こういう形で成立をしました、その枠組みの中で各削減計画等々はつくってもらいますよということで、逆に足を縛っていくようなことがもしあるのであれば、これは大変な事態だというふうに思った次第なんです。 余りにもそれはうがった見方かもしれませんので、そういう危惧は必要ないのかもしれませんけれども、その点はぜひ慎重に審議していただきたい、あるいは附帯決議でぜひきちんとつけていただきたいというふうに思っています。
○橋本聖子君 ありがとうございました。 続きまして、青山参考人にお伺いしたいと思います。 たくさんのお話をしていただきまして、私自身、十番の罰則の強化のところについてお伺いしたいんですけれども、その前に、十二番の道路事業に関する覚書の問題点ということで指摘がありましたけれども、霞が関自転車利用システムということで、平成十一年二月一日から自転車を運用しようということでスタートを切って、電動アシスト車二台、自転車四台ということで、まだまだ台数は少ないんじゃないかなとは思うんですけれども、少しずつそういう動きが出てきたことはよかったなということ。もう一つは、ドイツ議会だったと思うんですが、国会議員も自転車に乗って登庁しようという動きが出てきていまして、日本でもそういうことを実際にしていくべきじゃないかなと思っているんですが、青山参考人におかれましては、サイクリングロードの道路まで指摘をしているとは思いませんけれども、それを期待しつつ、話が飛んでしまいましたけれども、今この罰則の強化が必要だ、五十万以下というのは軽過ぎるということだったんですが、今後これをどのぐらいまで強化すべきだということを考えていられるか、具体的にお話をしていただければありがたいなと思います。
○参考人(青山貞一君) 前半の、議員なり立法府が隗より始めよというんでしょうか、あと永田町も含めまして、永田町、霞が関がなるべく、例えば永田町と霞が関の往復には車を使わないとか歩かれるとか、スケートはちょっと無理だと思うんですけれども、僕は実はアイススケートがすごく好きで、橋本さんはその分野で尊敬しておりますけれども、そういう車依存の町づくりを立法府、行政府が率先遂行して行うということは、これは大賛成です。 もちろん、これだけ巨大な都市で、自動車がこれだけ多い中でそういうことをやることがどれだけ、僕は数字で計算するのが仕事なんですけれども、そこにあらわれるかどうかというのは別です。しかし、やはり隗より始めよ、率先遂行ということはぜひお願いしたいと思います。私は、自分の事務所もなるべく歩いて行けるところにということでこの十五年間、事務所は随分変わりましたけれども、全部歩ける距離に置いています。 二つ目のお話ですけれども、これは罰則幾ら、例えば二百万にするか三百万にするかという問題ございますが、その額が、やはりアメリカのように懲罰的な額が、ぼんぼんとけたが違う額が来るというのはちょっと日本では難しいわけでありますが、日本のこの種の罰則、罰金が、科料が、このぐらい払っちゃえばいいと思って違反する人は僕はいないと思いますけれども、結果的にその額が今言ったようなことからすれば払っちゃった方が早いと。これはあるアメリカの環境保護省、EPAのコンサルタントをやっているある女性の方から聞きました、日本のは何でこんな低いんだと。それは今に始まったことじゃないので、アメリカから見ると、例えばスーパーファンド法、土壌汚染防止法があるんですけれども、そこでも今回の自動車とは違いますけれども、ちょっと罰則にひっかかりますとそれこそ刑法的には直罰的に牢屋に入っちゃうわけです。実際、NHKがそれをやっていました。 ですから、今回のこの問題はそういうことはなじみません、実刑とかはなじみませんけれども、やはりもう少しこの額が大きければそれなりに、事業者にせよ実際車を運転している方々にせよ、この場合には車を運転しているというより事業者になると思いますけれども、それなりの罰則の抑止効果はあると思うんですけれども、日本の場合やはりこの程度のお金がどの法律でも多いということは私は今後考えるべきだ。そうでなければ違う方法を考えるべきで、もし罰則であればもうちょっと一けた多いぐらいの額でないと抑止効果はないんじゃないかなというふうに思います。
○橋本聖子君 ありがとうございました。 時間です。終わります。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。 参考人の皆さんにおかれましては、本当にお忙しい中ありがとうございました。時間もありませんのですぐに本題に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。 昨日、板橋の大和町交差点というのを環境委員会のメンバー数人で視察いたしました。日本で一番大気汚染が激しいというところに行って、そこで板橋区の区長、それから患者の皆さん、地域住民の皆さんの話も伺いました。きょう参考人の先生方のお話を伺いまして、本当にこの法案についていろんな問題があるなということと、実効性を伴わなければいけないなということを非常に現実感として今審議をしながら感じさせていただきまして、本当に感謝申し上げます。 まず第一なんですが、率直にイエスかノーかぐらいでお答えをいただくぐらい端的にお答えいただきたいんですが、四人の参考人の皆さん、今回四度目の正直になります。三度目ではなくて四度目の正直になりますが、環境基準を今回の法改正で、十年と見るのか五年と見るのかの議論はありますが、今、建前上は十年になっておりますので、十年で達成できるとお考えかどうか、本当に端的で結構ですので、青山参考人からお答えいただけますでしょうか。
○参考人(青山貞一君) 私は困難だと思います。
○参考人(猿田勝美君) おおむね達成は可能だと思います。
○参考人(西村隆雄君) 不可能だと思います。
○参考人(藤田敏夫君) 私も不可能だと思います。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 三対一というのは非常に厳しい状況でございまして、猿田参考人もおおむねとおっしゃられましたので、そういう話だと立法府としては非常に厳しく臨まなければいけないかなとまた受けとめているんですが、実は過去の経緯も見まして、例の進捗管理、中間見直し等が絶対に必要だと私どもも今考えています。 それで、おととい、この法案の審議の際に、環境省にこの法案の、改正案の附則の三条について、「目標の達成状況に応じ、この法律による改正後の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」というのが附則の三条についています。この附則の三条との関係で、中間見直しなり進捗管理をどのぐらいするんだと、必要な措置というのはどの程度を考えているんだというのを環境省におととい聞きました。 そしたら、環境省さんは、五年をめどにしたいと。でき得ればそのときの目標達成の状況に応じては法の改正まで踏み込んでやりたいんだという、福山甘いと言われるかもしれませんが、環境省にとっては多分相当踏み込んだ発言をいただきました。 青山参考人、西村参考人、藤田参考人はきょう五年ぐらいだというふうに言っていただいているので結構でございますが、青山参考人、西村参考人が想定をされている中間見直しなり進捗状況の管理なり、さらにこれにつけ加えて法改正も視野に入れるめどというのは大体どのぐらいでお考えなのか、御披瀝をいただけますでしょうか。
○参考人(青山貞一君) 法改正のめどというのは多分、五年後で、環境省が言うのが僕はいいと思うんですけれども、それとは別に、東京都はずっと毎年毎年、私も業務で私の研究所もやりましたけれども、このNOx法がどれだけ効果を持ち、課題があるかということを毎年毎年さまざまな、道路の交通量でありますとか、大気汚染でありますとか、いろいろな指標、インデックスから報告書にしております。 残念なのは、それが都民に全部公表されてこなかったことです。ですから、五年後に見直しするというのは、法的にまた改正するというのは私はいいと思うんです、それを毎年やるわけにはいきませんから。しかし、少なくとも調査した内容をすべからく公表する。情報公開法が動き出しましたけれども、それを国民なり、国民以前に皆さんの議会に絶えず報告するということが大切だと思います。 というのは、大気汚染の環境基準達成状況というのは、速報が毎年秋に出るんです。御存じだと思います。必ず環境庁長官がかわると皆さんが行った大和町へ行くんです。定例行事になっています。三月三十一日に出るデータが、速報が秋なんです。新聞記者発表は十一月です、たしか。そういう現実を改めない限り、幾ら霞が関にげたを預けてもこれはだめです。ですから、調査、予算が例えばあるのをとったら、必ず毎年単位でこのNOx法がどう進捗しているか、課題が何かというのをまず暫定的に報告させた上で、それをもとに五年後に今回のような改定をやれば、随分皆さんの認識も違うし、ということでいえば、法改正のスパンは十年後でなくて五年後だと思いますけれども、その間で、中間というよりは毎年報告を厚さは別にしてちゃんと出させるべきだと思います。
○参考人(西村隆雄君) 御質問にはかみ合わないんですけれども、進行管理をやってそれで法改正と、それが五年後ということは結構なんですけれども、今これから法律を制定しようというふうにしている段階で、そのもとになっている中公審の答申の中を読んでいただければ、今回はさすがに幅を持って予測をすると書いてあるんですね。単体規制の効果あるいは自動車の伸び率、不確定要素があるので、前回は一義的に予測をしたが、今回は高中低、三つのパターンで予測をしますと書いてあって、一番厳しい、失敗する可能性の厳しい高の予測では、それぞれの地点がおおむね達成不可能となっているんです。東京に至っては、高中低の中でもだめだというふうに書いてあるんです。 それがもう進行管理だと思うんですよ、現在、この時点が。そういった予測を踏まえながら今のメニューだけでスタートするというのは、これはもう進行管理、法改正とおっしゃるならば、今の時点で法改正してほしいと私は思うんですね。ですから、それをでは五年後でいいのかと聞かれても、私は答えようがないというのが率直な感想です。
○福山哲郎君 確かに道理でございます。 青山参考人の言われたことに関しては、経年でもやるというようなことは言われていました。でも、経年でやるといっても、それで西村参考人が言われたとおりになると、それなら今からやっておけよという話ですよね。それはもうある意味で言うと道理だと思います。 もう一つ青山参考人にお伺いしたいんですが、きょうは青山参考人からけしからぬ話が出てまいりまして、覚書の話でございます。 要は、三月二日に覚書を国土交通省や経済産業省や総務省等と交わしていると。特に国土交通省の覚書に関して言うと、「都道府県が述べる意見には、道路構造等個別・具体の道路事業に係るものは想定されない」というものが入っていまして、実は道路行政そのものが今回の問題では問われているにもかかわらず、そこについての都道府県の意見を述べさせないということを覚書に交わしていると。 これは、立法府にいる者として甚だ恥ずかしい質問なんですが、もともと省庁間では法案を提出する前にこういう覚書というのは慣例上交わすものなんでしょうか。
○参考人(青山貞一君) 今回のNOx法に関しましては、詳細は実はわからず、昨日出張先から帰ってきまして、参議院事務局からこの資料を送られてきてじっくり、こう赤がいっぱい入っていますけれども、見たところこれがありまして実は私はびっくりしました。 これは参議院事務局が頑張られたのか、小泉内閣になってこうなったのか知りませんけれども、覚書が少なくともこういう意見を述べる前に資料になったのは初めてであります、私が知る限り。 それで、実は環境影響評価法というアセス法が重要法案で出たときに、私は京都で開かれました地方公聴会に伺いましたけれども、そのときは当然こういうものは一切ございませんでした。私の友人でキャリアで、当時、建設省の大臣官房会計課補佐まで行った友人がいます。その友人が、青山さん、実は当時の建設省道路局と、ある数ですね、農水省と何本、全部で三百本、課長クラスと環境庁の間で覚書をやると聞きました。その後、たしか民主党のどなたかが局長レベルの覚書というのを国政調査権で入手していました。三百本覚書があるというのは、これはもう信じられない話であります。 ですから、皆さんがせっかく国会で、こういうところで、環境委員会でこういう重要な審議をしても、実はその裏で絶えずこういう信じられない、地方自治体の行うことを制約したり、道路に関しては早い話、自治体は何か言うなと、資料照会もするなというようなことが覚書で出され、しかも私たちがきょう出てくる前に送られてきたということは、ある意味で非常に透明性が高まったんですけれども、こういうことを私たちに送ってきたというのは私たちを試していることかと思いまして、私はじっくり見まして驚きました。 これはまだちょっと国土交通省に問い合わせ、僕らが問い合わせるというより皆さんが問い合わせることでしょうけれども、こういうことを堂々と環境委員会のところに、委員会というよりもこういう資料があることが問題ですし、ましてこれだけ地方自治体が今後頑張らなくちゃいけない、地方分権一括法もでき、将来大都市をもう少し小さくして、日本の均衡ある、バランスある町づくりをしようというときに、国土交通省、多分従来の建設省道路局だと思いますけれども、こういうことを環境省に言っていた。僕は、こういうのをいっぱいアセス法でも何でも、国土交通省側がやっているのは知っています。知っていますけれども、事もあろうか、これだけ排ガス、なかんずく自動車の排ガスを問題にしているときに、それに直接かかわる道路事業に関しては自治体は意見、照会するなとか、多分恐らく向こうも、道路に関連する情報を提供しないというような覚書があること自身信じられないことだと思います。
○福山哲郎君 そうですね。午後からしっかりやりますので。 藤田参考人、長年にわたって貴重な活動をされていただいて、本当にありがとうございます。 藤田参考人が、車に合わせて道路をつくるのではなく、道路に合わせて車を減らすという考え方を確立しなければならないというふうに述べられているわけですが、今の話の関連も含めてもし何か御意見があればいただけますでしょうか。
○参考人(藤田敏夫君) 今のお話ですけれども、実は昨年の八月に私たちの同僚がドイツのフライブルグへ環境調査に行ってまいりまして、そこで見たり聞いたりしたことを中心にこういうことが伝えられました。それは、フライブルグでは道路建設費は、一九七〇年、三十年前に固定してありまして、ある一定の地域には車は入れないというのがもう現在行われているわけです。ところが、それじゃ非常に不便なわけですね、市民にとっては。 それの代替として、非常に低床式の路面電車を安く導入したり公共バスを入れたりして、それからさっき橋本さんが言ったように、自転車を利用するために自転車道路を確立する。そういうことを見てまいりまして、これは本当に向こうの人が言った言葉かどうかわかりませんが、道路に合わせて車を減らすという象徴的な言葉で言ったわけですけれども、そういう基本的な考え方をまず確立しなければ、いかに小手先の技術的なことをやってもなかなか達成はできないだろうということで申し上げたわけであります。
○福山哲郎君 これで終わります。ありがとうございました。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。 きょうは、参考人からは非常に長年の研究成果も含めて貴重な御意見を聞かせていただいて、ありがとうございました。 最初に、こういう公害問題、また環境汚染の問題を扱うときに、西村参考人ですか、貴重な御意見をいただきました。基準値というものは何なのかということを考えていたということでございます。 これは、今まで例えば議員立法でダイオキシン対策法をつくろうというようなときも、青山参考人も非常に熱心に取り組まれておりましたけれども、基準値を法律の文面の中に入れる、入れないというのは非常に大きな違いがあるようでございまして、基準値というものを入れないで政令、省令という形で下げると、融通性はあとは行政官僚の機関でできるわけですけれども、その基準値が現実に厳しい形の値を出す、出さないというところのエポックにそこらがなるのかなということで、基準値を法律の文面の中にびしっと入れる、入れないという考え方に関して、青山参考人と西村参考人、お二人にまずお伺いしたいと思います。
○参考人(青山貞一君) 今、福本先生から、ダイオキシン類対策特別措置法における、TDIというんですけれども、ダイオキシンの一日体重一キログラム当たりの摂取量、これはたしか議員提案の初期の段階で公明党のグループが一ピコというのを提案されました。最終的に四ピコになりましたけれども、一つ残念なことは、本文に入れようという一ピコが最終的には法律の中に入らず政省令の方に移りました。 WHOが再来年から、二〇〇三年度から一ピコにするということからしますと、それはすごく画期的な、本文に入れれば画期的だったんですけれども、私はやはり立法府が、お役所にパブリックコメントとかその重要な部分を、骨だけをつくるのじゃなくて肉とか血とかもやっぱりかなり立法府が責任を持つべきだと思います。 今申し上げました、例えばそういう基準値というのはだんだん厳しくなるという意味で絶対ではありませんが、なるべく行政にゆだねないで自分たちで本文に入れるということを僕は立場としては考えておりますし、そのダイオキシンのときは残念ながら緩まりましたけれども、ぜひ骨の骨格部分をつくるだけではなく、立法府は肉とか骨も行政府にゆだねないでいただきたい。その一つのあらわれはそういう今の部分かなというふうな私自身の考えを持っています。
○参考人(西村隆雄君) 私も青山先生の意見と基本的には同意見です。 環境基準、大気汚染に関しても、大気物質というのはいろいろあるわけですけれども、そういった流れの中できちんと法律に盛り込むということは大事だと思いますし、あと、環境基準という意味で多分基準値とおっしゃったんだろうと思いますけれども、ちょっと関連してぜひ述べたいのは、車種規制が一番の眼目のこの法律ですからあれですけれども、その際の特定自動車の排出基準、これはもちろん政令で定めるということになっていくわけですけれども、実はきょうはもう全部はしょってしゃべりませんでしたけれども、中環審の答申でいろいろその中身について言及がされています。 ですから、ここで法律が仕上がってその後に政令作業ということになるわけですけれども、そこで果たして中環審の答申どおりこの基準値が決まっていくとこれまた大変なことになる。そこまで見越して私は達成不可能だというふうに先ほど申し上げたんで、そこを相当いじればもっともっと実効性は上がってくると思うんですけれども、例えば従来行われていた自動車NOx法の排出基準、これから見ても相当な何点かにわたっての後退が答申の中で触れられています。 例えば、簡単な話で言うと、ガソリン車とディーゼル車、これが共存していて代替が可能なクラス、これについては従来は、猿田先生もおっしゃったように、端的にガソリン車の基準値でいきますよというふうになっていたのが、今回の中環審の答申の中では、それはディーゼル車の発展を阻害しかねないなんということを言って、とりあえずは代替可能な数値にするけれども云々ということで、必ずしもガソリン車の規制値と一致しない、そういった基準値が定められかねないような中身になっているとか、それから具体的な規制値についても、最新の単体規制値を従来は適用するというふうになっていたのが、今回の最終的な中環審の答申では、その一段前、一段甘い値を持ってきて、それを基準値にするんだということが書いてあったりするんです。 ですから、先生方はもちろんもうお読みだとは思いますけれども、そういった中身が全部政令にゆだねられて、そこで国会の審議とは無関係にそれが決まっていくということになると、これはもう何のためにこのNOx法を先生方に一生懸命審議していただいて制定をしているのかわからないということになってしまうので、基準値まで含めて法律の中でというのは難しいかもしれませんが、今回は本当にそこまで含めて検討していただきたいなというのが率直な感想です。
○福本潤一君 ありがとうございます。 やはり基準値の問題、具体的には今回大変厳しい状態になっている排気ガスの問題でございますし、先ほど西村参考人は、四日市ぜんそくの地元の四日市でさまざまな裁判を直接に担当されて、現実の悲惨さ、問題点、深刻な状態をわかっておられると言っておられました。 そこで、私も四日市ぜんそくのときには、公健法のときにいろいろ審議させていただいたときに、補償される側の人間にトータル補償金というのはどれぐらいの額に今まで、現在までなっているか。二年前のときの審議でしたけれども、計算して出してもらったら一兆円になっているという具体的なデータを官庁からいただいておりました。その当時で九千九百何十億という額でございましたけれども、そういう大きな額を事前に対策に持っていっておければ、苦しむ人も少なく、また対策費も少なくて済むのじゃないかという現実の問題、私も実感として感じた状況がございます。 そこで、今回、基準値の問題から次に地域性の問題で、青山参考人からも、またほかの委員からも指摘がありましたけれども、三大都市圏だけが大変な状況なわけではなくて、もう地方に行っても、空気の汚れ、排気ガスというのはむしろ地方の渋滞箇所といいますともっともっと悲惨だと。東京よりも、車を持っている一人当たりの人口比といったら地方の方がはるかに大きくなっている現実がございまして、そういう中で地方も含めて広げる必要はあるなとは思うんですけれども、私もほかのテーマで総理にエコタウン構想、首都圏とかそれだけではなくて全国政令指定都市、またさらには地方中核都市まで広げるべきだという話をしたら、本当にそうです、大いにやりましょうというような予算委員会で討議をしましたから、可能性はかなりあると思うんです。 私もそういう形で広げる必要はあるなとは思うわけですけれども、政令事項でございますけれども、四人の方はどの程度広げたいと、与那国まで行かれた方もおられるようでございますので、四人の方にお伺いしたいと思います。
○参考人(青山貞一君) 簡潔に申し上げます。 私は、予防的な観点から申し上げますと、札幌市から福岡市まで、政令指定都市は本来拡大すべきだと思います。 もう一つ、首都圏のところで、たしか成田市は、たしかでなくて事実として前回成田市が外れています。私は環境庁の仕事の中で成田市を入れたんですけれども、ある理由で外されました。成田市は当然、飛行場があって大型のリムジンがいっぱい来ます。ですから、本来、成田市は首都圏の中に含めるべきだと思います。
○参考人(猿田勝美君) 対策地域、今、特定地域と言っているわけですが、特定地域につきましては、やはり実効性を考えなければいけないと思いますので、広域的にとらえるのが基本的な対応だろうと思います。 地域的にそういう汚染の問題があるのであれば、むしろその地域の自然的、社会的条件を勘案した中で局地汚染対策とか、その範囲内で対応していくということの方が効果的ではないかと思います。
○参考人(西村隆雄君) 私も、そういう意味では、幹線道路周辺の大気汚染あるいは被害ということからすれば三大都市圏にとどまらないというふうに思っていますので、具体的な都市名はちょっと挙げられませんけれども、やはりもっと広げるべきだと思っております。
○参考人(藤田敏夫君) 先ほども申し上げましたけれども、私たちの調査で、たまたま昨年六月に実施したときには西日本の方ですね、福岡とか大阪、広島、北九州、高松がワーストテンの中に入ってきたんですけれども、その前の年は先ほど青山先生もおっしゃった仙台がワーストツーに入ってきたんです。 そういう点ではまだまだ、それから京都なんかも非常にひどい状態が続いています。京都は大変たくさんの方々が測定されておりまして、信頼性の高い測定値が出てくるんですけれども、これも非常にひどい。 広島は、どうも環境省の方で今度の地域指定の中でも候補に挙がったように聞いていますけれども、大体国道二号線、それから山陽自動車道、それに今度新しくバイパスがつくられています福山とか、そういうところがつくられていまして、いつやってもやっぱり悪い状態が出てきます。 それから、四国は三本の本四架橋ができてから高松と松山あたりが大変悪くなってきています。そのためのモニターも、松山市の方々が、NGOがやっておりますけれども、そこまで入れるかどうかは別として、先ほど青山先生がおっしゃった札幌から福岡まで、政令指定都市はぜひ入れていただきたいというふうに私も思っております。
○福本潤一君 特に、藤田参考人は広域ということとともに、高い位置まで大変NOxに汚染されている状態が出ているということでございました。 地上百二十メートルというとかなり高層マンションで、高いほど高くなるのは、ある意味では空気がいいからかなと思っていましたけれども、百二十メートルぐらいまで汚染がほとんど同じ状態でいっている。こういうデータ結果を見まして、私も一つの驚きがあったわけです。 そういう中で今回、高層住宅の多い三大都市圏の中、また国の公用車を、小泉さんの所信ですけれども、とりあえずハイブリッドカーも含めて低公害車だという言い方をされていました。これで即座に大気がよくなるわけではございませんけれども、こういう一つの政府としての取り組みやキャンペーン、運動というような形で、一つのそういう方向性としてきっかけにはなっていってもらいたいなと思います。 現場で現実にやっておられる実感として、最初の総理の所信、また今後の運動体、キャンペーンみたいなもののイメージとしてどういうことを考えられるかということも含めて、小泉さんのこの所信をどう考えられるか、お伺いしたいと思います。
○参考人(青山貞一君) 先ほど橋本先生のときに申し上げましたけれども、率先遂行するというのはすごく重要なことであり、やはり思うこととやることが違うというのは日本人の国際アンケートで出てきていることですから、やっぱり言ったことなり思っていることを実行するという意味では、ぜひ小泉さんが言われたことをみんなで実行していきたいなというふうに思います。
○参考人(藤田敏夫君) 私たち、今までずっと全国測定が終わった後に、各業界とか官庁に対して低公害車キャンペーンと称して低公害車の導入を要請してきたわけです。たしか一昨年ぐらいだと思いますけれども、そのときは二〇〇〇年までに官庁では低公害車を一〇%導入するというお話でした。ところが、実態は、例えば当時の運輸省などは十数台しかないということであって、とても二〇〇〇年度目標を一〇%も達成できないという話だったんです。 ですから、今度の小泉総理の低公害車化というのもある程度時間がかかると思いますけれども、これはぜひ率先遂行という意味で、先ほどの一〇%というのを一〇〇%に伸ばしていくという点では非常に評価されると思いますけれども、これはぜひ、そのことによってまた自動車メーカーに対してもインパクトを与えるという結果になると思います。 それから、高層住宅ですけれども、私たちがこれをやったのは、先ほど言ったように、そこに住んでいる方の訴えがあったんですけれども、今、都心回帰といって都心部に超高層マンションがずっと林立するようになってきました。果たしてそういうところは環境はどうなんだろうかという疑問がありまして、そこを調査しよう。 だから、これから建てるところも含めて調査したわけでありますけれども、こういう点では今回わかったこと、ことしも今晩からあしたにかけて台場地域でも中央区でもまたやりますけれども、一回だけの測定じゃなくて、何回かやって、高いところまでの汚染というものをぜひ突きとめて、これに対する対策も立てていっていただきたいと思っています。
○福本潤一君 どうもありがとうございました。 政権与党公明党になっておりますけれども、その中でも最大限環境問題も皆様方の御意見を取り入れさせていただければと思います。 ありがとうございました。
○岩佐恵美君 日本共産党の岩佐恵美でございます。 きょうは、参考人の皆様には大変お忙しい中御出席をいただき、また大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。 先ほどから紹介されていますように、私ども昨日、板橋区に現地調査に行ってまいりました。そこで被害者の皆さんと懇談をいたしました。大変皆さん控え目ではありますけれども、夜が怖いとか発作が怖い。そして、ある働き盛りの男性の方は、仕事をしていたんだけれども、月に十五日休むようになったので会社に対して悪いということで退職を一昨年してしまった。ですから、暮らしが大変なわけですね。そして、障害者は雇用できるけれども、公害患者というのは企業として制度がないので雇用できないんですというような言い方をされた。本当につらいんですということを言っておられました。これはこれで私たちも考えていかなければいけないというふうに思っています。 そのときに、公害患者の皆さんのことを本当にもう一度考えていかなきゃいけないということを思ったのですけれども、一九八八年に公害は終わったということで、新しい公害患者は発生しないということで認定をやめてしまいました。それで、その後、未認定の患者の皆さんが新たに発生されて、そしてその方々は非常に苦しんでおられるんです。 その方たちも含めて、これは認定患者の方の手紙なんですけれども、これを読んで私はすごく衝撃を受けたんです。 この方は、「発作は苦しく、その治療費の支払いも大変なものでした。認定を受けるまでの五年余りは本当に地獄でした。患者の皆が体験するように、死の恐怖と、となり合せにいる私達は誰に救いを求めれば良いのでしょうか。責任を取るのは誰ですか。」、「私は問いただしたい。人が住めない東京にしたのは、そして私達の健康を害し、廃人同様にしたのは誰かと、そして、その責任を私達が生きている間に、取ってほしいと願っています。」と。これは、私は本当に衝撃を受けたんです、この文章を読ませていただいて。 それで、先ほど西村参考人が言われましたけれども、ハンセンの患者さんへの対応の仕方で国の責任が問われました。同時に、私たち国会の責任も問われているわけです。こういう公害被害者が発生するのに、そのことを放置してきてしまった。しかも、これからよくなるわけじゃないんです。環境破壊が進行しているわけです。公害患者にとってみれば、認定もしてもらえない、救ってももらえない、そして環境もちっともよくならないじゃないか、一体どうしてくれるんですかということを言っておられて、これは私たちにも突きつけられた課題だというふうに思っているんですけれども、どうしてこういう事態になってしまったのか。やはりその責任をどう考えるかということです。 そして、その反省の上に立って、今この法律を審議するに当たって、一体本当に根本的にどこをどうしていったらいいのかという問題について、大変重い問題なんですけれども、そして大変短い中で一言でお答えいただくというのは大変だと思うんですけれども、四人の参考人の皆様方に思いをちょっとお話しいただければというふうに思います。この公害患者の皆さんの問いかけに答えられるような形でのお答えをいただければというふうに思います。
○参考人(青山貞一君) 岩佐先生のお話は、私がそういうことを言ってしまうと本当はまずいんですけれども、私自身も非常に重度な呼吸器の疾患で過去四回、実は救急車で昭和医科大学へ運ばれている人間なんです。そういう意味からいいますと、この二年は実は非常に改善されて薬の量も何分の一かになってきたんですけれども、居場所を変えたりいろんなことをやりました。ですから、今のお話は非常に私もよくわかりますし、私自身がこういう大気汚染とかダイオキシンの分野で頑張っているのも、実は自分の問題でもあるという問題があります。 私は、きょうの私の資料の一番最後のところに、後ろに傍聴で来ています原科さんのデータを添えながら、一見関係なさそうな話として皆さんにお伝えしたのは、やっぱり大都市、今の日本の首都圏は、それこそ東京が一千二百万ぐらいいたり、それぞれ百万いる。そういうところで幾ら自動車の排ガス規制だけやっても、車の量、密度、その背景には、人口密度が高く、かつフロアといって商業業務、これが自動車を呼び込むわけです。それの密度がニューヨークの倍あるという現実が問題だと思います。 ですから、これは五年十年で解決する問題ではありません。恐らく地方分権をもっと進めて、税源、財源も改革して、道州制みたいなものにしてもっと分散しなくちゃいけませんけれども、そういう商業業務を集中させて、一極集中させている日本の現実がある限りこの問題はなかなか改善しない。それが一点です。 もう一つは、これは言いにくいというよりも現実だと思いますけれども、道路特定財源に象徴されるような、先ほどどなたかが緊急措置、もう何十年もたちながら道路をつくる。僕の言葉で言うと、道路が通れば道理が引っ込むような国づくりをしてきたことがこういうことになったんじゃないか。今後もそれを続けられている限り問題は解決しない、本質的には今のように思います。
○参考人(猿田勝美君) 呼吸器系疾患、いろいろな発生要因もあるわけで、その中の一つとして自動車の排出ガスという問題も当然出てくるわけでございますけれども、SO2などについては六十三年三月末指定解除ということで終わってしまったわけですが、現状から見ますと、今の車社会をどうするのかということが一つあるわけです。 排出ガスを規制する、削減する、これはもちろん基本的に大事なわけですけれども、今の車依存社会をどのようにしていくのか、そういうこともあわせて考えていきませんとこの問題は解決しないんじゃないんでしょうかということでございます。
○参考人(西村隆雄君) 先ほども強調させていただいたわけですけれども、私たちもう二十年弁護士をやってきましたけれども、公害の裁判をやってくる中でよく言われる言葉は、公害裁判というのは被害に始まり被害に終わるということを先輩の弁護士からいろいろ言われて、私たちもそうだなと思って日々やってきました。 立法府、行政府、いろいろ難しい問題があるかと思いますけれども、私は今回のハンセン病の判決というのは非常に衝撃的でした。私たち弁護士の目から見ても衝撃的でした。法律的に考えれば、除斥期間の問題ですとか立法不作為の問題ですとか非常に高いハードルがあった。それをああいう形で、非常に大胆な判決だと思います、言ってみれば。しかし、あの裁判所がああいう判決を書いたおかげでこれだけ全体の状況が進んでいく、その大きなきっかけになったわけです。 裁判所というのは、時たまああいう判断を下す。それは何でだろうというふうに思うと、やはり裁判所というのは意外と被害に身近なところにいるんです。私なんかはやっぱり新聞記事で見るしかないんですけれども、ハンセンのああいった長年いろんな経験をされてきた大変な御苦労、それを法廷の中で生で聞くという中で、やはりああいうすばらしい判決が出てくるのではないかなというふうに思います。 ですから、そのことを私たちも強調したかったわけで、そういう意味ではやっぱり被害を被害としてちゃんととらえる。それに対してきちんと手当てをする。その一方で、そういったことにお金をかけるのはいかがなものか、そうではなくて未然防止にお金をかけましょうよと、先ほども先生が言われましたけれども、そのことだろうと思います。ですから、そのことをやっぱり節々できちんと対応していただくということじゃないかなと思います。
○参考人(藤田敏夫君) 私は、先ほどこの法律改正案では十年後でも達成は不可能だろうと言いましたけれども、その根拠はやはり一つは、さっき言った道路に合わせて車を減らすという政策が、基本理念が出ない限り、車を減らさない限り技術的な対策ではもう限界に来ているんだということが前提にあります。 ですから、こういう点では被害者の問題も私たちも今東京の裁判をやっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、今までは尼崎だとか川崎のように一つの道路から排出されるガスによって患者が出た。あるいは川崎の場合は数本ありますけれども、そうじゃなくて東京の場合は面的に汚染されている。二十三区全体が、青山先生がシミュレーションで示されましたけれども、面的に汚染されている。しかも、それが先ほど申し上げましたように高いところまですっぽり覆われているという状態です。そういう状態を一日も早く改善しなければ、被害者は続出するだろうと思います。 先ほど、西村先生の統計の資料を見ても、三・七倍だとか二・七倍だとか、あるいは大阪のように五・五倍というふうな、この十数年でそのくらい患者がふえているということは本当に深刻に考えなきゃいけない問題だというふうに考えております。 したがって、ぜひ今回の法律改正案でもその点を十分留意していただき、またこの法律とは別に道路対策の問題、国土交通省の道路審議会の答申によりますと、これからは自転車道路を拡充していくんだということを述べていますし、東京都の昨年度の環境白書ではわざわざイギリスのM25という環状道路を引用しまして、道路がふえれば交通量はふえるということを実証しております。 私たちが前に著述いたしました「クルマ社会を考える」という本の中でも、実は首都高速道路の延長が一・五倍にふえた、そうしたら渋滞時間が一・八倍にふえた、こういう当時の建設省のデータを引用してそういうことを書きましたけれども、道路ができれば必ずふえてしまう。それはなぜかといえば、潜在交通量があるからです。イギリスでもそうです。 ですから、そういう点を十分考慮していただいて、この法律を有効に生かせるような方策をぜひ講じていただきたいと思います。
○岩佐恵美君 あと数分あるんですけれども、実は板橋区長が、メタノール車だとかいろいろ低公害車に努力して切りかえてきたけれども、とにかく大海に目薬だと、自動車の規制以外にないんだということを言っておられました。それから、担当の課長さんは、走る車をきれいにする、そして先ほど皆さんが言われているように走行車両の削減をする、これがもう決め手ですということを言われて、私は非常に率直な本質的な指摘だなというふうに思ったんです。 それで、あともう一、二分しか残っていませんので、もしこのことについて何か印象がありましたら、青山参考人、お願いいたします。
○参考人(青山貞一君) 実は、板橋区は、私がこの問題に入りました最初の原点といいますかきっかけです。皆さんが昨日行かれたところに、私も国立環境研究所の仲間とか東京都の環境科学研究所、当時の公害研究所、その仲間とみんなで行って、それでこういう問題に本格的に入る、環境庁の仕事もやるきっかけになりました。そういう意味で、そこの方々がそう言ったことは私も同じだと思います。 かつ、板橋区は、先生たちはごらんになったかどうか知りませんけれども、「かんきょうくん」といって、一時間単位で地域の道路も全部含めた地図上に大気汚染が示されるのがあります。それは、実は私どもがつくりました。それで、もう納めてあります。インターネットでどこからでも実は板橋区の大気汚染が見られます。それは、やっぱり区民にまず実態を知ってもらうというところから始めなくちゃいけない。そういう意味では、区長を初め担当者の言われたことは私も同感であります。
○岩佐恵美君 ありがとうございます。
○清水澄子君 社民党の清水澄子です。 大変、参考人の皆さん方、ありがとうございました。 むしろ、この法案を審議している委員の一人として、このままこれを通すことがすごくつらくなった、これが本音でございます。それで、すごい責任を感じています。 まず、青山参考人にお伺いしたいんですが、さっきの私は覚書というのに物すごいショックを受けました。これじゃもう全部先に、経済産業省とも全部こういう覚書があった。こういうものは、もちろん国会の私たちが法律の内容を決める、立法府ですから。ここでこの問題については、やっぱり真剣な議論が必要だなと思いますが、ここに今あるのは、これは別に小泉内閣になったというわけでなくて、調査室というのは議員へのいろんな資料を提供してくれるところなんですけれども、そこがこういうのを手にしたんだと思います。 これらが破棄できる、行政同士がそういう覚書を、国会が今この法案を議論している最中に、先にそういうことをやってしまえるということがずっと慣例なのか。元環境庁におられたとおっしゃられるので、その点どうお考えになっているかということ。 それからもう一つは、ここでも御指摘になっているんですが、私も何回も、今度のこの法案が、事業者への指導というのは判断基準というのが事業所轄大臣になっているんですね。おかしいんじゃないかと、なぜ環境大臣が中心にならないかというと、それぞれのところでやっていただけますのでという答弁で、もう幾ら質疑してもそれでおざなりになっているんですけれども、この点もやはり結局この覚書の裏返しじゃないかなと思うんですけれども、その点、どのようにお考えになるでしょうか。
○参考人(青山貞一君) まず、事実確認として、私は環境庁の役人をやったことはありませんので。あくまで、環境庁ができる前からずっと環境庁の大気汚染とか、猿田先生は逆に審議会等でかかわられたんでしょうけれども、私はコンサルタントとしてこういう法案をつくる前作業のいろんな調査を担当してきました。その中で、どこまで言っていいものか悪いものかというのがあって、私は情報公開大賛成ですし、政策形成過程も、すごくその過程を皆さんに言わなくちゃいけないという思いはありますけれども、後でまた電話がかかってきて、青山さん、余計なことを言うなと。必ず今までの経緯があるんです、過去四回。 ですから、どこまでとありますけれども、先生がおっしゃるように覚書というのは皆さんが審議する前、次官会議、省庁提案法案というのは御承知のようにずっと各省庁で係長ぐらいから調査し、隣にいらっしゃる猿田さんとか森嶌先生たちの審議会を経由し、その後例えば衆議院発、今回は参議院発ですけれども、それが出る前にもう既に省庁間でいろんな協議、覚書を取り交わすわけです。ですから、先生方が、さっき私が言った骨を議論されているときに相手はもう肉と皮をさんざんもう細目決めているというこの実態がございます。 さっきのアセス法のときには、僕の知り合いの建設省、今、法政大学の教授やっていますけれど、彼から聞いたら、青山さん三百本あったよと。それは、今回本当にこういうものが出てきたというのはすばらしいといいますか、事務局の方が頑張ったからかどうか知りませんけれども、こういう実態をやっぱり先生方も国民も知らないと、せっかくこういう重要な議論をしている最中に、落としどころといいますか、変な自治体のやることを制約することを事業官庁がやっている。もしくは、それを僕に言わせればじゅうりんだと思うんですけれども、環境省が何でこんなものを課長が承諾しているのかということもすごく問題だと思うんです。昔ですと、こういうものが一つ出て、仮に新聞に漏れるとトップになる話です、新聞記事の。 ですから、これはちょっと、今回のは十分まだ熟読玩味していませんし、省庁の話を聞いていませんから午後ぜひ議論していただきたいと思いますけれども、やはりその問題は先生おっしゃるとおり慣例になっていたと思います。 次の、事業所管庁にすごく環境省が気を使う。僕は、川口大臣といいますか、環境省がもっともっと環境政策では主導権、イニシアチブを発揮し、COP3でも何でもそうですけれども、もっと頑張ってほしいんですけれども、絶えず、今言いました法律に絡むものとか外交に絡むような場合には、他省庁と水面下でいろいろな協議、折衝を行って覚書を結ぶ。ですから、川口さんの口から何か出るときには、それが全部含み込まれたものとしてしか出ないというふうに思っていいと思います。 私、実は再来年からある大学で環境法、特に立法プロセス論をやってくれということで、過去五つぐらいかかわった法律の詳細を書こう、講義もそうですし研究論文も出そうと思っています。その実態がやはり国民に知らされない限り、幾ら国会で頑張って委員会で頑張っても、霞が関の方の慣例によって、議員提案法案は別です、省庁提案法案の場合には事務次官会議にかかるまでにほとんどのものは決まっちゃう。ですから、こういう場で幾ら私たちも出てきて頑張っても、採決というのも問題ありますけれども、ほとんど修正はかなわない。逆に言うと、附帯決議というところでお茶を濁すとは言いませんけれども、そういう実態を見ているのは非常に残念でなりません。
○清水澄子君 ありがとうございました。 そこで、西村参考人、今、ハンセン病の訴訟のところでもやはり政府と国会の立法不作為の、政府とともに責任を問う判決が出たわけです。これは、やはり自動車公害訴訟の場合も同じ内容を持つのではないかなと、判決はまだですけれども。 その場合、本当に長年の環境基準を達成していないという中で起きている健康被害、そういうものに対しての責任、そういう意味で非常に私はこれからの訴訟の結果で、今この法案をやっているんですけれども、国会というところがすごくこれから問われてくると思うんです。この間のハンセン病訴訟とあわせて、今後のこういうNOx問題の訴訟も非常にそういう状況になるんじゃないかと思っているんですが、弁護士のお立場でどのようにお考えになるか。 国会のもちろん一般的任務というのはありますね。しかし、こういう立法不作為というものが出ても、本当に議院の方でそれを重要視していけないんですね、今までもいっぱいいろんな問題が起きてはいるんですけれども。しかし、これはじかに命とか健康に障害を及ぼしているので、しかも三回もできなかったというのもはっきりしているわけですね、環境基準を達成できなかった。 そういう点で弁護士の立場から、この責任ですね、そういう点でちょっとお話しください。
○参考人(西村隆雄君) 私たちの大気汚染の裁判も、そういう意味では国を被告にして国家賠償という形で今まで争ってきているわけです。具体的には、今までの判決の中では道路管理者としての国が裁かれたという形にはなっていますけれども、それぞれの裁判の中で、特に東京の裁判なんかでは、道路管理者としての国だけではなくて環境行政、大気汚染行政をつかさどる国のそういう規制責任を十分に果たしてこなかったという意味で、もう一つ大きな項目を立てて争ってきています。 ただ、それは主要には行政府の責任、環境庁を初めとした環境行政、それがこういった不備な規制をやってきた、それに基づく国家賠償だという形でやっていますので、具体的な裁判の中で国会の立法不作為ということまでは言っておりません。言っておりませんというのは、私自身がそこまで本当に問題意識を持って、先生方にぜひやってほしいということを含めて法的な責任として考えてきたのかということで、先ほど自戒の念を持ってハンセンの判決は非常に衝撃的だったというふうに申し上げたんですけれども、その意味ではこれからそれをまた大きな柱にして裁判で訴えるかどうかというのは別にしまして、やはり本当に思ったんです。 ハンセンでこうなっているのに、私たちはそういうことを今まで言ってこなかったなと、こういう立法けしからぬよということは政策提起とか注文という意味では言ってきたけれども、それは国会としての責務じゃないかということでお願いをすれば、もうちょっと迫力を持った訴えができるんじゃかなというふうに反省した次第でありまして、そういう意味では十五年、あるいは今後十年だと二十五年放置をされて基準達成できない、その中で被害者が続出するということになれば、当然あの判決の論理でいけば国会の責任も問題になるというふうに私は思っています。
○清水澄子君 藤田参考人、いろんな調査をなさっている中で、東京都は特に十八歳未満の被害者を認定していますね。全国的にやっていらっしゃる中で、特に子供とか高齢の人とか、そういう健康上、肉体上弱い立場の人たちへの影響度というのは何か特別にありますか。
○参考人(藤田敏夫君) 私たち、測定と同時に健康調査のアンケートもやっておったんですが、これは東京に限られております。今まで五、六回やっております。だけれども、全国的にそういうことをやっている団体もありますけれども、最近の傾向として、やっぱり小さい子供さんにアトピーだとかぜんそくだとか、そういう患者さんがふえているという訴えが急増しています。 特に、先ほど青山先生も申されましたけれども、猿田先生も申されましたけれども、DEP、ディーゼル排気微粒子、PM二・五、それが急性影響を与えている。要するに、今までのは慢性的な病気ですけれども、DEPなりPM二・五がふえた日は病院に入院する子供さんとか老人がふえるという結果がアメリカとかヨーロッパで出されましたけれども、日本でも昨年の秋に開かれた大気汚染学会でそういう報告が国立環境研究所の研究員から報告されています、同様の結果が出たということは。まだ日本では本格的な調査は始まっておりませんけれども、そういう点では非常に心配な状況であります。
○清水澄子君 それでは、粒子状物質の排出規制値ですね、これが、日本の場合の規制値の今の基準と欧米各国と見て日本の方が甘いんじゃないかと思うんですが、その点はどのように青山先生以下皆さんたち、御意見のある方はぜひおっしゃってください。
○参考人(青山貞一君) 具体的な数値は別にしまして専門的に言いますと、今回の窒素酸化物と浮遊粒子状物質、両方が相まって恐らく呼吸器疾患の大きな要因になっていると思います。 そういう意味では、ディーゼル車が出す浮遊粒子状物質とかPM二・五とか、粒子状物質の方の規制が日本では明らかにおくれた、あと規制基準も緩いという現実はあると思いますので、NOxとともに、もう一つのSPM、PM二・五も今後本格的に規制を強化していただきたいというふうに思います。
○参考人(猿田勝美君) 今、青山さんもおっしゃいましたように、PM二・五に関しては余りにも科学的知見がまだ少ないということもございます。 ただ、今のSPM、いわゆる浮遊粒子状物質として環境基準が決められておりますけれども、これは十ミクロンメーター以下ということでPM一〇と言っていますけれども、アメリカもそれで決められた。その後、PM二・五というのが入ってきましたけれども、これは今改めて検討されて再検討という実態になっている。ということは、PM二・五は確かに肺胞の奥まで入っていろんな影響が出るだろうということを言われておりますけれども、そういう科学的知見あるいは疫学的な調査というものが少ないものですから明快な検討ができないということで、今後の一つの大きな課題だろうと思います。 これらに関する試料測定、いろいろなことをやっていかなきゃならない。特に医学的な、疫学的な調査とか動物実験とか、そういうものが必要だろうと思います。
○参考人(西村隆雄君) 微粒子の問題というのはとみに注目をされて、アメリカでは九七年にPM二・五の基準ができているわけですけれども、やっぱり先生がおっしゃったように、影響調査をやろうにもPM二・五をはかっていないとその関連性を調査できないわけです。 アメリカが基準をつくったのは九七年ですから、もうそれから数えても足かけ四年たつんですね。それにもかかわらず、ぼちぼち何カ所かでということでは始まっていますけれども、この間、一体いつになったらやるんですかという質問を我々もしてきたんですけれども、今測定法を開発中であるとかいろいろおっしゃって、いまだまだ本格的に各地の測定局にそれを設置しましょうというふうにはなっていない。聞くところによると、来年、再来年あたりにPM二・五の環境基準を設定することを検討のように伺ってはいますけれども、それにしてもちょっと対応が遅過ぎるんではないか。やっぱりまず測定をきちんとやって、その上で先生がおっしゃったような健康影響調査をきちんとやって、それで海外の知見もいいんですけれども、日本の我が国でどうなんだということをもっと積極的に、そういうところに予算を使ってどんどんやってほしいなというふうに思っています。
○参考人(藤田敏夫君) 私は、ことしの二月に名古屋で全国の報告会をやったんです。そのときに名古屋の人が測定局を案内してくれたんです。そこは名古屋南部ですけれども、その測定局ではPM二・五を測定し始めた。これはどうしてなったんですかと言ったら、名古屋南部の判決が昨年十一月に出ました、その後そういうことが行われるようになりましたという話でした。そういうきっかけがないとなかなかやってくれないということでありまして、今やっと端緒についた状況であります。 今、西村先生がおっしゃったように、私はもっともっとデータをたくさんとって健康への影響も、国立環境研究所もありますし、いろんなところがあるわけですから、そういうところで予算を重点的に出して調べるべきだ。 最近、厚生省が発表した肺がんによる死亡率が、皆さん御存じだと思いますけれども、この三十年間に三・五倍にふえた。特に腺がんといって肺の奥にできるがん、これは大気汚染が懸念されているということをお医者さんは言っています。たばこの場合は扁平上皮がんという上の方にできる大きながんですけれども、奥の方にできる腺がんというのが大気汚染によるんじゃないかということが懸念されておりまして、これがそういう肺がんによる死亡率を押し上げてきている等々、肺がんによる死亡率ががんの死亡率の第一位に出たわけです。 そういう点では、もう一刻の猶予もならない状況であります。皆さんもそうでしょうけれども、私も親戚だとか友人だとかのお宅で肺がんで亡くなったという方はたくさん聞きます。かつて私たちが若いころは肺結核がどの家庭でもあった。それ以上に肺がんが今蔓延し始めています。これはゆゆしき問題です。恐らく十年後にはもっともっとふえてしまうだろう。今のうちに手を打つべきだということが私の結論です。
○中村敦夫君 中村敦夫でございます。よろしくお願いします。 公共事業というものは大変今、国の政策の大問題となっているわけですけれども、そもそも公共事業というのは地域に産業を育てるための補助的なインフラとしてあったわけですが、そっちの産業政策はだめになって、産業がなくなって、公共事業そのものが産業になってしまった。しかし、実質的には産業じゃないわけですね、これは税金使っているわけで、利益を生まないということになっています。 それで、それが何をやっているかというと、今私どもは公共事業チェック議員の会というところでかなり激しく視察しているわけですけれども、ダムなんかが非常にやり玉に上がっていますが、これは整合性も目的もない企画が多いわけです。それで、それと負けず劣らず要らない道路というものも物すごく多いわけなんです。しかし、要らない道路を山林や農村にいっぱいつくっていくということは、これは生態系の破壊とか財政赤字の原因になっているわけですけれども、大気汚染ということに関しては全く害がない、車が通らないわけですから、タヌキか何かが歩いているということで。 しかし、都市納税者たちから予算の使い方に対しては非常に厳しい批判があるわけでして、やはり政府もこれを何とかしなきゃいけないということ。道路特定財源なんかの問題も、そのまま今までのようにただ地方に要らない道路をつくるということではもう弁解できないようになってきて、今度都市の整備に逆に向けようと、都市納税者に向かっていい顔をしようというような形で同じような予算の使い方をしようとしているというふうに見えるんですが、その口実として道路建設が渋滞を解消して大気汚染を緩和するというような主張になっているわけです。 しかし、私はこの辺のところがよくわからないんです。今までの御発言の中で大体これに関するコメントをいただきましたが、要するに渋滞していると何かどんどん排気ガスがふえてたまっていくようにも思えますけれども、新しい道路をつくったら今度はスピードが上がる、そうすると瞬発力としてはもっと大量の排気ガスを出すわけです。だけれども、速く行くと、速く行くから便利だからまたどんどんそういう車が走ってくるということで、どっちもよくないと思うんですが、道路建設が自動車走行量の伸びをもたらし、よって大気汚染を拡大させるというふうな指摘もあるわけです。 ですから、道路建設と大気汚染との関係について、一、二分で結構ですから、全参考人にコメントをいただきたいと思うんです。
○参考人(青山貞一君) 大都市では物すごく自動車の保有率というのは高いんです。当然群馬、栃木でも、地方でも高いんですけれども、余りにも渋滞が激しいのでふだん使わないで車庫に入れているという状態が多いんです。ところが、そこで道路が新しくできると、呼び込み効果というんですけれども、今まで使わなかった人たちが使い出す、土日も含めまして。 ですから、簡単に言いますと、建設省は道路ネットワークが全部ができていないからその途中では大気が悪くなるけれども、できればよくなるということを二、三十年言ってきました。しかし、二十年たっても交通量はさっき言いましたけれども余り減らない。東京都は頭打ちで、なかなかもうふえないぐらいぎっしりになっています。ですから、そういうところでは道路をつくればつくるほど実は交通量が、自動車交通がその中に入ってきまして、結果的に、それはシミュレーションをさんざんやりました。私のホームページにも載っています。東京とか東京湾岸とか、環境庁の仕事でもやりました。 それを見ますと、一極集中なり今のような大都市問題を解決せずに道路だけつくっても、結果的に大気汚染はよくならない。これはうんと専門的な話から見てもそう言えます。もし交通量が一定で道路をいっぱいつくれば、それは薄まります。しかし、一定じゃないんです。つくればそれだけ新しいものが呼び込まれる、運行率も保有率も高いところではまた交通量がふえちゃうという問題がありますから、今のような道路特定財源は知りませんけれども、道路をつくれば大気がよくなるという論理、CO2が減るという論理は私は間違いだと思っています。
○参考人(猿田勝美君) 道路建設と環境ということだろうと思いますけれども、今の都心部における渋滞のひどさ、結局スピードが出ないために排出ガス量が多くなる、濃度が高くなる、そういう問題があるわけですが、これは地域的な問題でもあるわけです。それでは、その都心部などの、中心部の交通量を減らすためにどうするのか。都心部だけ走っている車であれば、それはほかに持っていくわけにいきませんけれども、通過交通というのもあるわけで、都市を通過するものに対してはそういう都心部を通らずに環状道路で行かせる、あるいはバイパスを使う。ですから、地域によってそれぞれの対応が違うと思います。地域によっては、バイパスをつくることによって都心部の通過交通を減らしてできるだけ渋滞を減らしていこうと。これは現実に、湾岸道路ができまして、横浜などでコンテナ街道と言われたところが湾岸に移って環境濃度が改善されたという例もあるわけです。 ですから、一概に道路をつくるということがすべて悪だということにはならない。そういう社会環境、都市構造等々と合わせてどのように整備するかということが一つの課題だろうと思いますので、その際に環境アセスメントの中でどこまでチェックしていくのか、そういうことも必要だろうと思います。
○参考人(西村隆雄君) 御質問の点に関しては、先ほども出ましたけれども、やはり東京都の二〇〇〇年の環境白書の中で相当ページ数を割いて研究されておりまして、この中でイギリスのロンドンのM25という道路、環状道路ですけれども、これをつくったことによって潜在交通が誘発化されて、そして逆に交通量がふえてしまったということが実証的にレポートになって報告をされています。それは非常に信頼性が高いと思いますけれども、とにかくその白書の中でも言っておりますけれども、車の需要に合わせて道路をつくる時代というのは二十世紀、最後のところに来て見直しを迫られているということを都の白書自身が書いているぐらい、そういう時代にやっぱり来ているんだろうというふうに思います。 今、猿田先生が言われた環状道路の役割ということもあるわけですけれども、ある意味で非常に日本の環状道路というのは海外と違うというふうに思うのは、それをまたつくってその周辺にまたいろんな開発が予定をされておって、したがって潜在化していた交通需要が顕在化するというだけではない。道路をつくることによって、また開発によって新たな車需要が発生すると、そういう二重三重の意味で問題がある。 もう百歩譲って、いや環状道路をつくるんだよという話になれば、現在は大気汚染のない地域に、しかも開発は一切ストップして車の総量はふえないという歯どめをかけて、かつもちろん自然破壊の問題があるんですがということで検討されるべきだというふうに思っていますし、そういう時代にぜひなっていただきたいというふうに思っております。
○参考人(藤田敏夫君) 私は、二つか三つの点で申し上げます。 一つは、現在、東京都の発表によりますと、東京都の自動車の保有台数は約四百六十万か七十万台です。東京都の自動車が通れる幅が三・五メートル以上の道路の延長は二千二百キロぐらいです。例えば、その四百六十万台の車のすべてを二千二百キロの道路に並べたらどうなるか。そしたら、車間距離は五メートルになります。もう五メートルに一台になってしまう。ですから、そういうことはあり得ないわけです。したがって、今おっしゃったように潜在交通量というのはたくさんになってくるわけです。道路ができればその人たちが、ああ新しい道路ができたから今度ドライブに行こうとか、そういうことになって出てきてしまう、これが繰り返されてきたわけです。そういう例が一つあります。 それからもう一つは、東京湾の副都心、東京臨海副都心に渡っていく例の象徴的なレインボーブリッジというのがあります。あそこは平成四年ぐらいに開通したんですけれども、実はアセスメントが行われまして、そのときの一般道路の交通量は約一日一万六千台というふうに予測されました。ところが、その後、事後アセスというのが行われまして、首都高速道路公団が行ったところによりますと、一日交通量が二万七千台になりました。昨年、一昨年ですか、私たちが自主的に一日の交通量を測定しましたら五万五千台です。一万六千台の交通量の予測が五万五千台になっている。したがって、どうなったかといったら、そのレインボーブリッジに入っていく芝浦のところでは大変な大気汚染です。そこに十一階建てのマンションがありますけれども、そこのところはもう〇・一八とか〇・一四とか驚くべき数字が出てまいります。何回やっても同じに出てきます。そこでも大変な被害をこうむっています。また、台場側でも、騒音あるいは大気汚染が、さっき言ったとおり台場のマンションの上までひどくなっているというふうな状況がございます。 それからもう一つは、環状道路ですけれども、環状道路も、例えば湾岸道路ができた、東京湾岸道路ができました。それをなぜつくったかといったら、京葉道路がもう満杯だから、それを迂回させるために湾岸道路をつくった。ところが、今、湾岸道路が一日十六万台、台場あたりで通っています。だから、今度第二湾岸道路をつくろうというのが出ていて、三番瀬の問題があったわけです。 ですから、そういうことをやっていけば切りがないんですね。やっぱり新しい道路ができて、高速道路と国道ができて、そこがまた満杯になるから次をつくっていく。では、その次はどうするんだということになっていく。 そういう点では、もうほかのところでも、環七でも環八でも同じです。今は環七よりも環八の方がふえています。私も去年の十一月に用があって、夕方、日曜日だったんですけれども、環八をタクシーで行ったんですけれども、全然渋滞です。なぜだと運転手に聞いたら、日曜日は行楽に行った人が帰ってくる時刻帯だと。日曜日はすくんだろうと思っていたら、夕方は大変なもう渋滞、大渋滞で、大田区から杉並まで行くのに一時間半かかったということを経験いたしました。 そういう点では、環状道路もつくれば必ず満杯になってしまうということは明らかであります。 以上です。
○中村敦夫君 ありがとうございました。 時間がなくなりましたので、青山先生、たくさんの今回の法案に対する問題点を指摘していただいておりますけれども、何かつけ加える、もう一つぐらいは言っておきたいということがあったら、最後にどうぞ。
○参考人(青山貞一君) ありがとうございます。 きょうは、非常に皆さんと議論、私だけでなくて恐らくほかの参考人もできたことが有意義だったと思います。と申しますのは、猿田さんとも西村さんとも藤田さんとも常日ごろ、立場はそれぞれ違うんですけれども、こういうことで調査したり裁判なりでそれぞれ頑張っている方々と交流があったからです。皆様、議員の方々とも非常にいい質疑ができたと私も思っています。 一つだけ申し上げたいことがあります。これは環境委員会の話だけじゃなく、今の立法府の参考人意見聴取ということに関連してであります。それはうんと簡単なことです。小泉さんにそれこそ聞いてもらいたいことです。 なぜもっと早く私たちを呼んでくれないのか。採決する前日なり採決の日に呼ばれて、これだけみんなが一生懸命調べたり自分の思いのたけとか科学的な話を言って、それの後にもう、午後あるらしいんですけれども、ほとんど採決、これはおかしいと思います。 僕はアメリカに詳しいんですけれども、もっともっと立法府の皆さんに私たちのような者が早いうちに、実は私はそれも見越しまして、皆様からいろいろと要望がありましたので議員会館に本当に足を運び、例えば衆議院ですと河野太郎さんが私の事務所に来られて、三時間こういう議論をしました。 ですから、そういう意味では私たち仕事でもなくボランティアでそういうことをやりましたけれども、できればこういう公の議事録に残る話をもっと審議の真ん中とか早目にやっていただけないものか。そうすれば、私たちももっとここで話すことが最終的なものに反映するというふうに思えるんです。 ですから、環境委員会だけでということより、ぜひこういう参考人を呼ばれるという、理事懇談会というところで決まると思うんですけれども、ぜひもうちょっと早目に、何か厚かましいお願いですけれども、こういう場を開くようにしていただけるといいんじゃないかなということを最後に申し上げたいと思います。
○中村敦夫君 ありがとうございました。
○委員長(吉川春子君) 以上で参考人に対する質疑は終わりました。 参考人の皆様に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用のところを長時間にわたりまして極めて貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、心より厚くお礼申し上げます。 ありがとうございました。 午後一時まで休憩いたします。 午後零時十五分休憩 ─────・───── 午後一時七分開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、真鍋賢二さん及び岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として久野恒一さん及び千葉景子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官小林勇造さん、警察庁交通局長坂東自朗さん、経済産業大臣官房審議官長尾梅太郎さん、経済産業省製造産業局次長増田優さん、国土交通省道路局長大石久和さん、国土交通省自動車交通局長高橋朋敬さん及び環境省環境管理局長松本省藏さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 休憩前に引き続き、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。 一昨日の審議に続きましての審議でございます。どうかよろしくお願いします。 もう委員の方、それから大臣もお聞き及びかと思いますが、昨日、環境委員会では、日本一、これは日本一と言っていいのかどうかよくわかりませんが、日本一大気汚染のひどい大和町交差点という板橋の交差点に行ってまいりまして、そこで板橋区の区長にお話を伺い、それから被害者というか、ぜんそく等で悩まれている地域住民の方のお話も伺ってまいりました。その後、その現地に行ってまいりまして、その現地の浄化施設等も視察をして帰ってまいりました。 その後、きょう午前中、参考人の質疑をさせていただきまして、川崎の方で被害者の弁護に立っている弁護士の方、それからこの問題についての専門家である専門家の皆さんにお話を伺いまして、実は大変充実をした質疑になっているというふうに大変喜んでいます。これは与党側の理事の先生方がやっぱりちゃんと審議をしようということで、参考人も、それから現地視察という、こういう国会の日程が立て込んでいる中でもお認めをいただきまして行かせていただいた。これはもう与野党で本当におかげさまでこういう充実した審議ができているというふうに思っていまして、大変喜んでいるところでございます。 実は、大和町の交差点の大気浄化実験施設できのうもらってきた国土交通省がつくっているパンフレットがここにあるんですが、これがその大和町の交差点だという絵なんですけれども、こんなきれいな交差点では到底ありません。(資料を示す)はっきり申し上げると、ここには車が一台、二台、三台、四台、五台しか通っていないんですが、ちょっと待てという話でございまして、五台どころか一日二十二万台通るというふうに板橋区では言っていまして、実はここ、ずっと渋滞が普通の絵でございまして、こんな青空があってすかすかの状態で何か見るからに気持ちいいなという、きれいな何か近未来の交差点みたいに見えるんですが、現場はとんでもありませんで、もっと本当に密閉された空間の中で三層の道路が走っていまして、そこを車がわんわんトラックも含めて走って、周りのお店とかを見ますと周りのお店の看板とかがほとんど真っ黒な状態でございまして、地域の住民の皆さんがぜんそくで苦しんでいるというのもよくわかるような状態でございました。 中には、発作の繰り返しで、夜、明け方が来るのが怖いとか、入退院を繰り返して、お子さんのいる私と変わらないぐらいの方が十五日間も会社に行けなくなって、結局、今失業をしているというようなお話をいただいたり、もう本当に悲惨な状況でありました。 そんな感じの中で、私たちもやっぱり国会の審議に当たってリアリティーを感じる審議をするということが非常に重要だと思っていたんですが、現地を見て非常に今そう思いながら審議に入らせていただいていることを少しお含みいただきまして、質問に移りたいと思います。 道路建設の際に、計画の段階から恐らく周辺住民の健康への影響は、もうこういう状態ですから考えなきゃいけないと私は思っています。国土交通省は、道路建設をされる際、周辺住民の健康に及ぼす影響等を含めてこの道路建設について検討しているのかどうか、お答えをいただけますでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 都市の沿道の環境状況を改善するためにも、自動車交通の分散や円滑な走行を確保するという観点から通過交通を都市内に入れない環状道路等の整備が急務であると考えてございますが、こういった環状道路等の一定規模以上の道路につきましては、道路の計画、整備に当たりまして当該道路の整備が周辺環境に及ぼす影響について調査、予測、評価を行いまして、あわせて周辺環境への影響を軽減するための環境保全措置を検討する環境影響評価を行うことといたしております。 環境対策の充実による環境に配慮した道づくりに邁進しておるところでございまして、今先生の御質問の趣旨に沿って申し上げますならば、周辺環境への影響ということを環境影響評価という観点で行っております。
○福山哲郎君 その周辺環境への影響というのは、住民の健康に対してどのように影響を及ぼすかまでも含んでいるんでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 直接的に地域住民、周辺住民への健康そのものを評価する、あるいは調査するのではなくて、私たちの、例えば大気の排出量でありますとか、あるいは騒音レベルでありますとか、そういったものがどの程度になるかを予測することによって地域にお示しする、そういう観点で行っております。
○福山哲郎君 その騒音とか環境影響がどの程度になるかということが、現実問題としてこういうふうにあちこちで被害が出ている。もしくは尼崎や名古屋で言えば、裁判にも負けて差しとめの請求まで出ているというような状況の中で、もともと国土交通省がやられた環境評価と住民の皆さんの健康への因果関係みたいなものに対して、何か検討されているような余地はあるんでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 事前の環境影響評価とその事後の、道路がこれは部分供用なんかの場合ですとなかなか適切な評価ができませんが、完全に供用したような場合には事後評価を行っております。 ただ、今私が行っておりますと申し上げたのは、例えば大気の排出量でありますとかあるいは騒音のレベルといったような意味で行っているわけでございまして、直接的に健康そのものを調査するということは国土交通省としては行っておりません。
○福山哲郎君 川口大臣にお伺いします。 大臣は、私が本会議で質問をしたことに対してこうお答えになりました。「環状道路等の整備は大気汚染の改善に資する面がある」と答弁をされたんです。つまり、環状道路等の整備は大気汚染に対しては改善に寄与することがあるというふうに答弁されていますが、今もそのようにお考えになられているのか、また考えられているとすれば根拠はいかがでしょう。
○国務大臣(川口順子君) 現在、自動車の交通量が非常にふえている、あるいは都市に集中をしているということを考えますと、そこからの大気汚染というのは非常に問題になっているわけでございまして、自動車交通を分散させる、あるいはスムーズに走れるようにするといったことは大事でございまして、環状道路あるいはバイパスなどの幹線道路のネットワークは、その観点から大気汚染の改善に資するのではないかというふうに考えております。 それで、その根拠は何かというお尋ねでございますけれども、データによりますと、走行速度が向上しますと一般的には走行距離当たりの排出ガスの量が減るというデータがございます。自動車の交通が分散をし、あるいはスムーズに走れるようになると走行速度が上がるということでございまして、それが根拠だということでございます。
○福山哲郎君 まさに環状道路、バイパスでこれは三層になっているんですよ、きのうの交差点は。三層になって、日本一の大気汚染の場所になっているわけです。今大臣の発言ですと、バイパスなり環状道路なりの整備というのは大気汚染に対しては改善に資すると言われているんですが、まさにきのう我々が見てきたところは改善に資するどころかさらに悪化の道を突き進んでいる。 先ほどの参考人の話の中に、環境省がこれまでずっと言われてきた自動車走行量の伸びが目標以上だったのでこの環境基準をこれまでずっと達成できなかったという、それが減殺されたというふうな話がありますけれども、青山参考人の話で言うと、現実には二%ほどしか走行量はふえてないんだというような参考人質疑の中に御意見がありました。松本局長は後ろで参考人の質疑を聞かれていたというふうに思いますが、あの意見について何か反論ございますでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 青山参考人のお話でございますけれども、特定地域は六都府県関係がございますが、六都府県全体の環境基準おおむね達成というのは困難であるという状況の原因として自動車走行量等の伸びというのを全体的に考えているということでありまして、東京都という、特定の東京都の地域だけを見ますと、御指摘のとおりもうほとんど走行量は伸びていない、横ばい、飽和状態というようなことになっているというのは十分承知をしているわけでございます。逆に言いますと、ほかの地域はもっと伸びているということであります。 それで、東京都の場合には、しかしながら、走行量が伸びない中で一台当たりの自動車排出ガス量というのがむしろふえている。それはどういうことかといいますと、トラックの大型化、小型トラックから大型トラックの方にシフトをするとか、そういうようなところ、あるいはバス、そういうようなものの排ガス量、そういうようなものがふえているというのが一つの要因ではないか。あるいはそれ以外にも低公害車の普及というのを期待していたわけですけれども、そういうのが十分いかなかった。さらには物流、人流、交通流対策、そういうようなものが必ずしもトータルとして効果が出なかったというようなこと、そういう全体の要因で東京都においても御指摘のように環境基準の達成が大変難しいという状況にあるというふうに考えております。
○福山哲郎君 大臣、それでもなおかつ、この大和町の交差点の話を伺っても、それから東京都では走行量は余り伸びていないという今の松本局長の話を伺っても、やっぱり環状道路等の整備は大気汚染の改善に資する面があるとお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 板橋区の大和町の交差点は私も数カ月前に行きまして現場を見せていただきましたし、地元の方ともちょっとの間でしたけれども話をさせていただきました。 おっしゃるように道路の上に道路が重なっているという状況で、道路の天井でふたをしたような感じのつくりになっていまして、首都高とそれから中山道と環状八号とが重なっていて、大気汚染という観点からいうと非常に問題のあるところだということは私も認識をいたしております。 それで、先ほど申しましたのは、道路の例えばつくり方ですとか、あの場合には恐らく道路をつくりましたのがかなり前のことであって、その後の交通量の伸び等を十分に予測し切れていなかった面もあるのかなというふうな感想をそのとき持ちましたけれども、そういった注意を払わなければいけないところには十分に注意を払うべきであるということは事実だと思います。あの場合には、例えば二階に上がるために坂道をつくって、そこでエンジンを吹かすということがあって排出量が非常に出るとか、いろいろそういった技術的な点で問題を解決しなきゃいけないところがあるというのは事実だと思います。 一般論として申し上げれば、やはり環状道路の役割というのは、中に入ってこないで外に分散をするという機能を持つわけでございますから、そういう意味で、本会議で申し上げた点については引き続き、そういった幾つかの条件つきではありますけれどもそう思っております。
○福山哲郎君 道路をつくられる場合に、大臣が今注意を払うべきであるとおっしゃいました。注意を払うべきである、技術的な面も含めて、条件つきでとおっしゃった部分に対して、道路をつくられる場合に環境省から何らかの形で国土交通省に言えるような仕組みはあるんでしょうか。これは国土交通省でも結構ですし、環境省でも結構です。
○政府参考人(松本省藏君) 道路建設あるいは都市計画、そういうような場面におきます環境保全を進める上で環境省としてどうかかわりを持っていくかということでありますけれども、環境省としては、当然のことですけれども、そういう各種の事業とか計画が決定されあるいは実施される際には、環境配慮がより十全なものとしていかなければならない。それと同時に、また環境の改善、修復を目的とする事業あるいは計画が具体化されていくということが必要だというふうに考えているわけでございます。 道路建設を初めとする各種の公共事業について環境省は、各種の整備計画案の協議、それから環境影響評価法などに基づく審査、こういうものを通じまして環境保全上の配慮が適切になされるように関係省庁に対して要請をするというようなことができるし、環境影響評価法というのはまだ新しいわけでございますので、これからはこういう制度を活用して最大限、環境省としてもそういう事業、計画に対して環境保全の観点から配慮するように積極的にかかわっていきたいと考えております。
○福山哲郎君 松本局長にお伺いします。 そのときの都道府県なり市町村の役割はどうなりますか。環境アセスメント法とか各種の整備で協議をするときに、地元の意見というのはどういうふうに受け入れるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 環境影響評価法、これは平成九年六月にできた法律でございますけれども、例えば国土交通省あるいは道路公団、こういう事業者が例えば個別具体の道路事業、これを計画し実施する場合には、規模にもよりますけれども、大規模のものは環境影響評価を実施するということになっておりますが、その場合に、まず環境影響評価の方法、これを議論する場面が先に来るわけでございます。それからその後に、その影響評価の方法に基づいて具体的に実施された調査、予測あるいは評価の結果を議論する場面、これも第二段で出てくるわけでございますが、この二つの場面におきまして地元都道府県知事が必ず意見を言うという仕組みになっているわけでございます。 逆に言いますと、事業者の方は都道府県知事に対してそういう影響評価書、それをきちっと、かなり膨大な資料を提供して、こういうような事業を計画し予定をするということをお示しする、それで知事は必ず意見を言うという関与ができるし、しなければならないということになっておるわけでございます。
○福山哲郎君 例えばですが、大和町の交差点に大気浄化実験施設を国土交通省が設置されていますが、国土交通省さんにお伺いしますが、あれを設置するに当たって事前に環境省とあの問題でのいろんな協議というのは具体的にはあったんでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 大和町交差点に設置することといたしております今回の大気浄化の実験でございますが、これにつきましては、平成五年から道路管理者と地方公共団体の環境部局とが、大和町交差点における環境対策について大和町交差点環境対策委員会を設けて検討してきた結果でございます。 端的に申しますと、環境本省とは直接的な調整を行っておりませんが、関東地方整備局、首都高速道路公団、東京都及び板橋区の環境部局と種々の打ち合わせ、調整を行って決定したところでございまして、そういう意味から申しますと、実験主体でございます関東地方建設局、首都高速道路公団、東京都の建設部局と環境部局とは十分な審議、調整が行われていると考えております。
○福山哲郎君 済みません、素朴な疑問なんですが、大変大気汚染が進んでいる、日本一だという交差点があって、歴代環境大臣がそこに行かれているようなことが何度もあって、その状況で実際に大気を浄化する仕組みをつくるのに環境省本省とはほとんど調整をしていないというお話が今あったわけですが、この実態について環境省はどう考えられますか。
○政府参考人(松本省藏君) 今、国土交通省の方から話がございましたように、この大和町の土壌脱硝の装置、これは道路管理者であります国土交通省と東京都と道路公団が共同でつくるというものでございまして、確かに私ども直接的に協議とかそういうようなものを受けたわけではありません。そのとおりであります。 ただ、土壌脱硝技術、これにつきましては、従前まだ環境省ではなくて庁の時代から技術開発、実用化に向けて最大限促進に努力をしてきたものでありまして、環境庁としても既に、例えば大阪の吹田市役所とか川崎の池上新田とか、そういうところに独自に補助金を流して設置を先行してやっているようなケースということであります。 それで、この大和町の分についてということでありますけれども、そういうことで全国津々浦々いろいろな環境施策に関する個別の事業とかあるわけでございますけれども、それは関係者も大変たくさんでございまして、それをすべて環境省本省に事前協議など受けなければならないということになりますとこれは大変なことでありますので、それはそれぞれの主体なりあるいは関係のレベルで御協議なり相談なりをされるということであろうと思いますが、ただこの大和町のような大変大きな重要な施策については、環境省としてもやはり事前にその概要を把握しておいた方が望ましかったのかなというふうに率直に考えるところでありまして、今後、やはり国土交通省あるいは自治体、関係のそういうもろもろの事業を実施するところとさらに一層連携を密にしていくという必要があろうかと思っております。
○福山哲郎君 要は、一番環境汚染が悪いところでさえこの大気浄化実験施設で国土交通省と環境省が事前の調整もしていない。今、局長が国土交通省や自治体とも事前の調整をするように努力していきたいというふうに言われましたが、現実にそう言われている局長の足元でそれをとめるような覚書が交わされている。 先ほどの参考人質疑でもありましたし、私も事前の通告もしておったんですが、平成十三年の三月二日、ことしの三月二日ですから法案が出される直前でございます。国土交通省を相手に環境省の自動車環境対策課長が、一というので、長々となりますから一部だけ言いますと、「環境省は、国土交通省が行う道路管理に支障を及ぼすことがないよう、本改正法の運用に当たるものとすること。」、それから資料の提供に関しては、先ほど丁寧に局長の答えられた、「「必要な資料」及び「説明」には、環境影響評価に関する資料など個別・具体の道路事業に係るものは想定されないこと。」、それから都道府県が意見を述べる話が先ほど局長からありましたが、「都道府県が述べる意見には、道路構造等個別・具体の道路事業に係るものは想定されないこと。」というようなこの法案に関する覚書が事前に国土交通省と環境省で交わされている。 今、局長が言われたこととは全く逆のふたを閉めるような話が三月二日、法案が出される前だと思いますが、覚書で交わされている。これで実際に、今局長の言われた話、それから国土交通省が言われている話がどのように施策として進行していくのか。患者がいて、二十何年間、結局環境基準が達成されなくて何千人の患者が苦しんでいる状況の中で、いまだまたこういう覚書が交わされている。この実態について、大臣、局長、副大臣、どなたでも結構でございますし、全員でも結構でございますし、お答えください。
○政府参考人(松本省藏君) 御指摘のございました今回の自動車NOx法、政府部内でいろいろな協議、調整というのは当然行われます。閣議決定を踏まえて法案として成立するわけでございますから、その前段階でそれぞれの行政を所掌している省庁とかなり密度の濃い調整を現実的にやって、政府全体の施策の整合性をとっていくということでございまして、その中で御指摘のありましたような国土交通省と環境省の課長レベルの覚書と申しますか確認書と申しますか、事実でございます。 ただ、これは先ほどの御質問の中で一部答えさせていただいたと思うんですけれども、この確認書の中で特に法第二十四条というのがございますけれども、それで都道府県知事が必要な資料を求めたり、協力を求めたり、あるいは意見を述べるということができることになっているわけですが、それに関して、「環境影響評価に関する資料など個別・具体の道路事業に係るものは想定されないこと。」という確認を両省間でやったということは事実でございます。 これは、その二十四条関係、先ほど申しましたように平成九年に環境影響評価法ができまして、環境影響評価法の仕組みの中でその対象となる個別具体の道路事業について環境影響評価の方法を議論する場面、それからその方法に基づいて実施された調査、予測、評価の結果を議論する場面、この二つの場面で具体的に事業者の方から環境影響評価書というのが提供されて、それに対して都道府県知事が具体的に必ず意見を言うということになっておりますので、その事業についてはまず、むしろ環境影響評価法というのは大変厳しい、きっちりとしたチェックシステムがあるわけですから、そちらの方で当然やるということになるんでしょうねということを整理して、想定されないことですねということで整理をしたということでございまして、そう考えますと、環境影響評価の対象といいますのは規模の問題があります。 したがって、例えば首都高速道路などでいきますと四車線以上ということですから、かなり大規模のものであります。それ以外の個別の具体的な事業でもその規模に該当しないものについては、ここのいわゆる覚書といいますか確認書の方で何ら制約を受けているとかあるいは推定も何もしていないわけですから、当然資料が必要であれば求めることもできるでしょうし、また意見も述べることもできる。 両省間でこういうことですねということで確認をしたのは、環境影響評価法の対象の個別具体事業でありますと、そちらの方の法律の仕組みできちっと資料もとれるし、それに対して意見も述べられるということですから、このNOx法の方のこの規定で資料要求とか意見を述べるということは想定されないんでしょうねということでございまして、それ以外のケースについては全くこのNOx法の規定がそのまま生きるということだろうと思います。
○福山哲郎君 僕は余り賢くないので言われていることがよくわからぬのですが、何を言っているんだかさっぱりわからぬのですが、はっきり言って、一項目のところには、「環境省は、国土交通省が行う道路管理に支障を及ぼすことがないよう、本改正法の運用に当たるものとする」という一項目に大きく枠がはまっているじゃないですか。これは環境影響、要は環境アセス法の中のことと、中じゃない小さいことだと今言われましたけれども、一項目には「国土交通省が行う道路管理に支障を及ぼすことがないよう、」ともう宣言しているじゃないですか、環境省は。 法二十四条の関係では今局長が言われたよくわからぬことなのかもしれませんが、そこに関してはいかがですか。
○政府参考人(松本省藏君) 道路管理というのは、もう道路管理者からしてみて当然やるべきことでございまして、例えば現実の管理責任のある道路の維持管理、あるいはもうちょっと具体的に言いますと、渋滞を起こすことなく道路を合理的に使用するための整備だとか、レーンの複数化とか右折レーンの設置とか立体交差化とか、そういうようなことをいろいろと管理者は考えている。それから、道路の渋滞情報を提供するとか、道路管理者としてやっていかなきゃいけない仕事がいろいろあります。そういうような本来の業務というのは、それはそれでやはり大変公益的に意味のあることでありますので、それは十分配慮、運用の中でやっていくというのは当然ではないか。もちろん、大気汚染の改善を図っていくというこの法律の目的からして、そういう観点からやっていかなければいけないわけでございます。 それで、例えば二項の方に、十六条関係でも、より具体的に、都道府県知事が十六条に規定しております指導、助言をやるときに、道路管理に関して影響を与えるということはないでしょうねということではありますけれども、現実に指導、助言が道路管理にどうしても支障を及ぼすおそれがある場合、これは道路管理者と相談をするというのが望ましいということも書いてありまして、実際上、そこの道路管理とそれからNOx法に基づいていろいろな指導、助言をやる場合の接点のところがあろうかと思うんです。そこの辺を道路管理というのは道路管理という観点からそれなりの運用上の配慮をするし、しかしそこで支障が出てくる場合にはよく相談をしてやっていきましょう、こういう趣旨と考えております。
○福山哲郎君 私は、申しわけないですけれども、そういう趣旨には全然読み取れないですよね。 この法二十四条というのは旧十四条ですか、局長。
○政府参考人(松本省藏君) 現行法の十四条。
○福山哲郎君 十四条を読みますね。第二項。 「都道府県は、この法律の目的を達成するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係道路管理者に対し、必要な資料の送付その他の協力を求め、又は自動車排出窒素酸化物による大気の汚染の防止に関し意見を述べることができる。」というのが十四条の二項です。 局長が言われた環境アセス法の枠の中とか外なんて一言も書いてないです。その二十四条の二項に対して、「「必要な資料」及び「その他の協力」には、環境影響評価に関する資料などの個別・具体の道路事業に係るものは想定されない」。それから、「都道府県が述べる意見には、道路構造等個別・具体の道路事業に係るものは想定されない」と書いてあるわけです。 今、局長が説明されたことは全然説明になっていないじゃないですか。どこに環境アセスだと書いてあるんですか、旧十四条の二項に。
○政府参考人(松本省藏君) 自動車NOx法の方の規定には何も書いてございません。したがって、それは全部オーバーラップする形になると思います。ただ、その現実の場面で行政を執行するときに、二つの法律、二つの制度があったときに、どちらの仕組みを先行してやっていくのかなというのは当然場面として出てくるんだろうと思います。 環境影響評価法の仕組みというのはそれなりにしっかりした仕組みでございますので、そちらの方の個別具体の事業に対しての資料要求あるいは意見の陳述というのは、そちらの方というのが実際上先行するのではないかなというふうに理解しておるということでございます。
○福山哲郎君 今の説明もよくわからないんですが、この覚書の三の二項には、「「必要な資料」及び「その他の協力」には、環境影響評価に関する資料などの個別・具体の道路事業に係るものは想定されない」と書いてあるわけですよ。 今、局長、何とおっしゃいましたか。 先ほど私がこのことについて質問したときに、やはり環境影響評価の中がどうのこうのとか、規模の問題があるからどうのこうなんて、そんな文章は全然法案の中にないじゃないですか、旧十四条の中にも。そういう答弁で何が説明できるんですか。 委員長、これ全然答弁になっていないと思うんですけれども。委員長、注意してください。
○委員長(吉川春子君) 松本管理局長、質問に的確に答えてください。
○政府参考人(松本省藏君) 自動車NOx法の現行の規定、それから改正後の二十四条でございますけれども、御指摘のとおり、環境影響評価法とかそういうような法律との調整規定が書かれているわけではございません。お話しのとおりでございます。 ただ、このメモというのは、法律そのものということよりは政府部内での考え方の整理ということではないかと思います。
○福山哲郎君 いいですか、最初僕が聞いたときに、大臣は注意を払うべきである、技術的な面でも注意を払うべきであると言われた。環境省としてどのようなかかわりを持つのかと言ったら、各種の整備、協議をしなければいけない、それから要請をしなければいけない、都道府県知事は意見を言うというようなことを言われた。 現実には、覚書で、今言われたように、それは道路管理行政に関しては全く想定外だと言われている。要は、この法案の実効性を上げるための重要なポイントが全部事前の覚書では削除されている、覚書の中で。省庁間調整はやらなくていいことになっている。これでこの法案の実効性が上がるんですか。 委員長、これじゃ僕、審議進められません。審議とめてくださいよ。これじゃ、審議進められないですよ、これじゃ。
○委員長(吉川春子君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(吉川春子君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(松本省藏君) 私の説明が十分でないのかもしれませんけれども、環境影響評価法というのが平成九年にできましたのは御承知のとおりだと思いますが、そこで個別具体の事業について種々の手続がきちっと定められているわけでございます。 そこと全く重複するような部分、もちろんその法律上は明示的には調整はしてございませんけれども、重複するような手続部分というのは現に生じてしまうわけでございますので、そこのところについては環境影響評価法の手続に基づいた資料要求あるいは意見陳述というのをやっていく……(発言する者あり)
○福山哲郎君 今のでも全く納得できないので、私、審議続けたくないんですから、一言で答えてください。 じゃ、覚書か今まで言われた答弁か、どっちが優先するんですか。どっちが強いんですか。これまでずっとこの委員会で審議をしてきたこととこの覚書とどちらが優先されるのか、答えてください。──協議をしてから答えてください。 じゃ、委員会をとめましょう。それじゃ、協議してください。それは環境省、協議してから答えてください。
○委員長(吉川春子君) じゃ、環境省も協議していただくことにして。時間が迫っていますので。(発言する者あり)
○政府参考人(松本省藏君) 自動車NOx法の法律の条文、そしてその国会の審議、これが優先するということは当然だと思います。
○福山哲郎君 国土交通省、それでいいんですね。
○政府参考人(大石久和君) 国会審議及び法が優先する、それは当然のことだと思います。
○福山哲郎君 じゃ、この覚書は破棄していただけますか、環境省。
○国務大臣(川口順子君) 覚書ということのそもそもの性格でございますけれども……
○福山哲郎君 いや、そもそもは大臣、結構です。
○国務大臣(川口順子君) ちょっと言わせていただけませんかしら。(発言する者あり)政府の……(発言する者あり)
○委員長(吉川春子君) ちょっと御静粛に願います。
○国務大臣(川口順子君) よろしゅうございますか。政府……(発言する者あり)
○委員長(吉川春子君) 不規則発言はやめてください。(発言する者あり)ちょっと不規則発言はやめてください。(発言する者あり)不規則発言はやめてください。(発言する者あり) 暫時休憩いたします。 午後一時五十分休憩 ─────・───── 午後二時八分開会
○委員長(吉川春子君) 再開いたします。 休憩前に引き続き、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。川口環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) NOx法の関係で、政府部内で結んだ条文及び国会審議に反する覚書につきましては、破棄をいたします。
○福山哲郎君 これで私の質問を終わります。
○岩佐恵美君 大都市地域の、特に幹線道路沿いでは自動車排ガスによる被害は御承知のように依然として深刻です。 政府は、一九七八年に二酸化窒素の環境基準を大幅に緩和した上で、八五年に環境基準を達成すると約束しましたが、できませんでした。そして八八年に新たなNOx対策を決め、九二年に自動車NOx法を制定しましたが、自動車排ガス局のNO2環境基準達成率は、特定地域全体では約三分の一、東京ではわずか二割だけという惨たんたる状況です。その結果、道路公害の被害はますます激化しています。それにもかかわらず、国はもう公害はなくなったと言って、一九八八年に公害指定地域を廃止し、新たな公害患者の認定を打ち切りました。 しかし、名古屋南部道路公害の判決が、命、体への危害という極めて重大な権利侵害と認定したように、道路公害の被害は極めて深刻です。東京や大阪などでは条例による指定患者が二・七倍から七倍以上に急増していて、被害者を初め周辺住民は道路公害の根絶と救済を切実に求めています。 私の手元にお二人の患者から寄せられた手紙がありますので、ちょっと御紹介したいと思います。 この方は七十歳の未認定患者です。気管支ぜんそくです。「入退院を十数回繰り返し、老後のためにとたくわえた血のにじむような退職金の中から五百万円を越える高額な医療費を支払い悔しくてなりません。」、「東京の大気はよくなっておりません。どうか公害指定地域の再指定を一刻も早くお願いいたします。」、そして、「暮から正月にかけ富士山がクッキリ見えたではありませんか。車の規制をすれば必らず東京の空はきれいになります。」。 もう一人の方ですが、先ほど参考人質疑の中でも紹介しましたけれども、「発作は苦しく、その治療費の支払いも大変なものでした。」。この方は認定を受けることができたのですが、「受けるまでの五年余りは本当に地獄でした。患者の皆が体験するように、死の恐怖と、となり合せにいる私達は誰に救いを求めれば良いのでしょうか。責任を取るのは誰ですか。」、こういう切実な訴えです。 私は、このような被害者の切実な叫びにどうこたえるかということが今問われていると思います。特に未認定の患者の皆さんは、環境が少しも改善されないのに公害はなくなったとして全く被害救済の対象にされていないわけです。これ以上の苦しみはないと思います。環境基準の達成をおくらせてしまった、被害者を死との隣り合わせに置くという残酷な状況、これを見過ごしてきていた、私はその政府の責任というのは重大だというふうに思います。 まず最初に、大臣にその点どうお考えか、伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) NOx法に基づきまして対策をとったわけでございますけれども、総合的に見てNOx法に基づく対策が十分な効果を上げ得なかったということにつきましては、謙虚に反省をいたしております。 したがいまして、今回、粒子状物質を本法の対象物質といたしますとともに、事業者の指導の仕組みを強化するといった改正を行って、対策の一層の推進を図ることが環境省に課せられた責務であるというふうに考えております。
○岩佐恵美君 先ほど、午前中の参考人質疑で四人の参考人の方々のうち三人までが今度のNOx法の改正で現状はよくならないという、あるいは目標値が達成されるとは思われないという答弁が、回答があったわけですけれども、その問題について、私たちも一体この法律のどこがどういう問題なのかということについて少し細かく考えていきたいというふうに思います。 前回の自動車NOx法制定の際に、窒素酸化物は単体規制や車種規制によって減らせるとして、環境庁の窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討会の中間取りまとめが提起をしていた工場、事業場の総量規制、あるいはステッカー方式による走行規制、これを実施しませんでした。NOxの削減目標に対する達成状況、これはどうなっているでしょうか、環境省。
○政府参考人(松本省藏君) 現行自動車NOx法制定時の削減目標量、そして達成状況でございますけれども、現行の総量削減計画策定時におきます自動車NOxの排出量は、平成二年度ベースで算定されているわけでございますが、特定地域全体で年間で十五万四千トンということでございました。そして、自動車NOxの排出量の削減目標量でございますが、目標の平成十二年度におきまして特定地域全体で年間十一万三千トン、ここまで抑え込むということでございました。したがいまして、その差であります削減すべき排出量は年間四万一千トンということであったわけでございます。 そういうことであったわけでございますが、直近のデータ、推計ができます平成九年度におきます自動車NOxの排出量は、特定地域全体で年間で十四万九千トンということでございまして、平成二年度からの実質削減量は五千トンにとどまっておるというのが実情でございます。したがいまして、このような状況で推移いたしますと、十二年度におきまして当初の削減目標を達成することは極めて困難と、こういうことでございます。
○岩佐恵美君 結局、削減目標のわずか一二%しか達成できていないんですね。中環審の最終報告では、単体規制や車種規制はきちんと実施されたが走行量が伸びたために削減効果が相殺された、そう言いわけをしています。そうであるならば、走行量の削減対策が必要なはずです。 そこで、大臣に伺いたいんですが、午前の参考人質疑で藤田参考人は、ドイツのフライブルク市の例を挙げて、道路に合わせて車を減らす、そういう考え方が必要なんだ、大事なんだということを言っていましたけれども、大臣、そういうお考えについていかがですか。
○国務大臣(川口順子君) フライブルク市の例というのは、歩行者専用区域を町の真ん中につくってそこを車の乗り入れ禁止にしたということであると、乗り入れを規制しているということだというふうに理解をいたしております。 TDMといいますか、交通需要を的確に管理をしまして交通に起因する環境汚染をできるだけ減らしていくという手法、それはかなり広いさまざまな手法があると思いますけれども、重要な手法だと思っております。 それで、フライブルク市の例が、フライブルクは人口が二十万ぐらいの小さな町だというふうに聞いておりますので、必ずしも直に東京あるいは大都市で使えるかどうかということは検討をしてみないといけませんけれども、いずれにしても、参考にできるものは極力参考にさせていただきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 午前中、猿田参考人もこういう状態になってどうなんですかということに対して、やっぱり今の車社会を考え直していかなければいけないというような御意見を言っておられましたけれども、その点非常に大事な点だというふうに思います。 先ほどからお話がありますように、委員会で板橋区の大和町交差点の調査を行いました。首都高速と国道と都道が三層構造になって、一日二十二万台の車が通る、もう本当にすごい車の数でした。 それで、私たちが行ったときも大型車の混入率が非常に高いんですね。あたりはもうすすで真っ黒で、先ほど紹介がありました大気浄化実験施設、この上に草が植えられているんですけれども、その葉っぱを見ましたらすすで真っ黒けなんですね。みんなもう参加した委員は異口同音にひどいひどいと言って、こういうところには本当に住むのは大変だということを言っていました。 板橋の区長さんは、これまで低公害車を普及したり大気浄化装置をつけるなどやってきたけれども、大海に目薬のようなものだと言っておられました。そして、自動車の規制を強く求めておられました。 区の担当課長は、大気汚染対策は、走る車をきれいにすることと、そしてもう一つは走行車両を減らすことだというふうに言っておられて、私もなるほど、やっぱりそれしかないというふうに思ったんですけれども、中環審の最終報告では交通需要マネジメント、TDM、これを項目としては掲げているんですけれども、大気汚染対策の視点のみでは推進が困難といって、実際に走行量を減らす目標、あるいは具体的な対策は掲げていないんですね。私は、これでは走行量を減らすことができないというふうに思うのですけれども、大臣、この点について積極的にどうするかということをもっと真剣に考えていく必要があると思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 中環審の最終報告でTDM、交通需要マネジメントにつきましては、交通量を抑制していく手法であって、大変に重要な施策だというふうに位置づけているわけでございます。 ただ、TDMに関する施策の中身というのは非常に多様でして、また、それをどこの地域で適用できるかという対象地域も特性がさまざまございますので、なかなか複雑な組み合わせで考えていかないといけないわけでございます。 今後、改正法に基づいて総量削減基本方針がつくられるわけですけれども、この中で国としてTDM、交通需要マネジメントをどういうふうに考えるかということをきちんと示したいと考えております。それで、各都府県が総量削減計画を定める中で、具体的にその地域の実情に応じてきめ細かな対策を考えていっていただくことが適当であるというふうに考えております。
○岩佐恵美君 政府案では、事業活動に伴う自動車のNOx排出を抑制する措置として、事業者が事業所管大臣が定める判断基準に基づいて自動車使用管理計画を定めるというふうになっています。ところが、事業者のNOx排出量の具体的な削減目標を定めなければ削減必要量の達成は保障されないと思います。 私どもは修正案で、知事が事業所の総量規制基準を定める、それに基づいて事業者が削減計画を定めるというふうにしました。このことについては、何も私たちが新たに言ったわけではなくて、既に現行NOx法の検討段階で環境庁の検討会中間取りまとめでも明記をされているわけですね。前回それを取り入れなかったから目標が達成できなかったのではないか、そう思います。 ですから、こうした規制というのはきちんとやっていくべきだというふうに思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(風間昶君) おっしゃるように、事業者に対する自動車の排出総量規制については一理ございますが、しかし、事業者によって車の所有量が違う、また走行形態も違うということがございますので、それを一律に規制するということの困難な問題点もあろうかと思います。 しかし、そうはいっても、今の御視点は大事な御指摘でございますからあれですが、今回の法案では、いずれにしても、一定規模以上の事業者に対しまして使用管理計画をきちっとつくってくださいよと、そして、府県の知事が事業者に対してきちっと必要な指導を行うという仕組みをこの法案ではつくっておりますから、それによって都府県の地方公共団体が事業者の実態をきちっと勘案してきめ細かにやっていくということが期待されるわけでございます。 重ねて申し上げますが、事業者の持っている形態、所有形態それから走行形態、これを考えるならば、やはり一律規制は現時点では難しいというふうに考えるところであります。
○岩佐恵美君 結局、事業者にいろいろと気を使うということでずばっと対策がとれない、そこが一番の問題だというふうに思うんです。だから効果が上がらなかったし、これからも本当に効果が上がるのかという点では、皆さん上がらないんじゃないかというふうに心配をしておられるんだと思うんです。 窒素酸化物を削減できなかったのは走行量の増加だというふうに言っています。中環審の中間報告では、車種代替は同一重量区分内と想定していたが、ディーゼル化及び大型化が進行しており、車種規制の効果が減殺されている、ディーゼル車の増加と規制が緩い大型車への移行がNOxを削減できなかった要因だと認めています。午前中の質疑でもこれは言われました。 東京の貨物車の六割はディーゼル車です。四割がガソリン車です。しかし、二十年前までは反対に貨物車の七割がガソリン車だった。東京では今、自動車排出NOxの七割を自動車走行量の二三%を占めるディーゼル車、これが言ってみれば排出ガスを出しているということになるわけです。 それで、NOx削減のために、私はディーゼル車の増加傾向、これを転換させる具体的な対策が必要だと思いますが、その点、いかがでしょうか、副大臣。
○副大臣(風間昶君) おっしゃるように、窒素酸化物あるいは粒子状物質の一層の排出抑制を図るために、ディーゼル車からの転換をすることについては大変重要なことでございます。必要であることはもう間違いないわけであります。 だからこそ、今回のNOx法に基づいて車種規制の排出基準を強化して車種の転換を促進するということを決めさせていただいているわけでございまして、なおかつ、排出不適合車からよりよい適合車にかえていこうとする方々に対しては自動車取得税の軽減措置を行っていく予定でございます。
○岩佐恵美君 従来の車種規制や単体規制だけでは、結局、より規制の甘い大型化あるいはディーゼル化、これを防止できなかったということがこの間の結果なんですね。ですから、そこのところを考えてこれからどうするかということを本当に真剣に見ていかなきゃいけないと思うんです。 私どもは、自動車メーカーや輸入業者に対して、販売する自動車の排出総量を抑制する計画をつくらせる、こういうことをやろうではないかということで修正案で提案しているわけです。さきに述べた事業所ごとの総量規制とともに、メーカーの生産段階でも排出量の総量抑制を行う、これはできないことではないんですね。本当に真剣にそこのところをやっていかないと全体の排出規制ができないと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
○副大臣(風間昶君) 今日まで強化されてまいりました大気汚染防止法に基づくいわば単体規制、自動車排出ガス規制は、メーカーによる技術開発の努力があったんだというふうに思います。ですから、これもすなわちメーカーによる生産段階での規制というふうにとらえることができると思いますから、今後はさらにその規制値をきちっと大幅に強化していくということが私どもは必要であると思っておりますし、その予定でございます。
○岩佐恵美君 今まで担当のメーカーを規制する省庁がいろいろと相談しながら規制基準を決めたり、計画を立てたりということでやってきて効果が上がっていないわけですね。メーカーは努力はするかもしれないけれども、別にそれをやらなかったからといって、規制ではないわけですから何の痛みも感じないということで放置されてきたからこういう事態になっているわけで、私はそこのところは全く今までの反省をしていないというふうに思いますが、そこで幾ら議論をしてもどうも前に進みませんので、そこは今後の結果を見ながらきちっと考えていかなきゃいけない問題だということを指摘しておきたいと思いますし、強調しておきたいと思います。 今回の修正案でSPMを対象に加えましたけれども、東京ではSPMの環境基準を達成している自排局は一つもない。自動車から排出されるSPMはもうほとんどすべてディーゼル車からです。日本にある六百三十三万台のディーゼル貨物車のうち、粒子状物質の排出規制がかかっているのはわずか三〇%、七〇%のディーゼル車は無規制です。 ディーゼル排気微粒子の発がん性、これは疫学的に認められているし、ドイツ環境省が行った調査結果では、ディーゼル車の方がガソリン車より発がん危険率が十倍高い、こう言っています。呼吸器疾患についてはディーゼルの寄与度のデータが不足しているというふうに言いますけれども、交通量が多い道路に近いほど有症率が高い、そういうことも確認をされています。ディーゼル車のSPM排出規制の強化が急務だと思います。 日本のディーゼル車のPM規制値と欧米の規制値、これはそれぞれどうなっていますか。簡単にお答えください。
○政府参考人(松本省藏君) 日本と欧米のPMについての規制値の比較でございますが、乗用車で比較いたしますと、日本では〇・〇八グラム・パー・キロメートル、ヨーロッパ、欧州では〇・〇五グラム・パー・キロメーター、アメリカでは〇・〇五グラム・パー・キロメーター、こういうことでございます。 なお、日米欧の試験方法が異なっておりますので、今申し上げました規制値を単純にその数値どおり比べて規制の厳しさを比較するというのはできないということだけはつけ加えさせていただきます。
○岩佐恵美君 日本の規制値というのは、ヨーロッパの二・五倍緩いのじゃないですか。アメリカの二倍弱となっているのじゃありませんか。 アメリカの一九九二年度の大気浄化法では、使用する燃料の種類にかかわらず、同一の規制値を適用する、こういうふうになっているんですね。ですから、日本のメーカーも米国へはそれに適合する自動車を輸出するはずなんです。私は、そういう輸出車についてそうであるならば、国内向けでも当然できるはずだし、日本もそういう規制にすべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(風間昶君) 自動車排出ガスの規制値につきましては、前の委員会でも議論になりましたけれども、要は実験室の中で実際走行パターンをモデル化して、その走行モードに従って排出ガスを測定する方法が採用されているわけでございまして、国によって一つは違うということがございます。 すなわち、例えば走行モードの平均車速、日本は時速二十キロでありますけれども、ヨーロッパは三十キロ、アメリカは三十五キロ、また走行距離も、日本はわずか四キロでありますけれども、アメリカは十一キロという形で、要するに走行モードが異なれば当然適切な規制値も異なってくるということは当たり前のことでございまして、規制値だけを見て比較するということはなかなか難しいことでございますけれども、そういう意味では、要するに交通実態に応じた形できちっと測定方法に基づいた規制をやっぱりやっていかなきゃならないというふうに思っているところでございます。
○岩佐恵美君 日本は、こういうふうに自動車の排気ガスによる環境基準が達成できないで四苦八苦しているわけですね。 それで、欧米と比べて日本の方が緩ければ、これは欧米で輸出車ができているわけですから、それに合わせて何の不思議もないではないですかということを私は言っているわけです。何かそのモードについても、いろいろはかり方が、企業の都合に合わせていろいろはかっているんだということで問題があるようですので、その辺はまた細かい議論になりますのできょうはちょっとできませんけれども、そういうこともつけ加えておきたいと思います。ですから、外国の実態の方が厳しければ日本はそれに合わせて当たり前だというふうに思います。 日本でディーゼル車の粒子状物質の規制が始まったのは一九九三年度なんですね。SPMの環境基準制定後二十一年もたってからです。現状では、ディーゼル貨物車の七割はSPMの規制がかかっていないと言われます。使用過程車の対策、これが非常に問題だし、この対策はもう不可欠です。車種規制だけでは猶予期間が長い、だから効果がなかなかあらわれないということなんです。 東京都は、ディーゼル貨物車について、二〇〇三年以降は、九六年以前の車はSPM除去装置をつけない限り都内の走行を禁止するということを決めた。これは本会議質問でも、私、紹介しました。二〇〇五年以降は、新車の二〇〇三年規制を満たさなければ同様に都内の走行が禁止をされます。新車登録から七年間は猶予されますけれども、このくらいのことをやらないと東京のSPMは減らせないということなんですね。 そういうことをすぐやるべきだ。私たちは、修正案の中でそれはやれるじゃないですかということを盛り込んでいるわけですけれども、すぐに都がやれることをなぜ国が率先してやらなかったのか、やれないのかというのが非常に大きな疑問だし問題だというふうに思うのですけれども、その点いかがですか。
○副大臣(風間昶君) 都の条例三十七条では、決して義務づけではなくて、知事が指定する排出物質である粒子状物質を減少させる装置を、フィルターを装着した特定自動車については粒子状物質排出基準に適合する自動車とみなすというふうになってございます。今見ておりますが、三十七条第三項。しかし、義務づけているものではないとしてもきちっと条例上に位置づけているということはもう間違いのないことでございます。 今月の十八日でございますけれども、国土交通省、環境省そして経済産業省、三省合同のディーゼル車対策技術評価検討会の取りまとめにおきましても、すべてのディーゼル車に装着可能な状態であるかどうかということが議論されて、現時点ではすべてにはそういう可能な状態ではないということであることから、一律に国がきちっと義務づけを直ちにするということは困難であるというふうに言えると思います。 しかし、そうはいっても大事な問題でございますから、フィルター装置をつけるということを推奨していく必要もありますから、否定しているものではございませんから、ボランタリーで装着する場合はきちっと支援をしていくということも必要だと思っていますので、現実に補助金交付などでDPF装着の促進をする施策にも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○岩佐恵美君 今のお答えを伺っていると、とにかく東京は、板橋に象徴的にあらわれているんですけれども、公害がひどいんですよ。環境破壊がひどいんです。待ったなしだから、そういう対策を次々とやっていかなければいけない状態に追い込まれているわけですね。 何か国の方は、そういう実態からちょっとかけ離れて、少しのんびりした考え方のように思えるんです。やっぱりもっと現場の、何というか悲痛な叫びというか、とにかく今を何とかしてちょうだいということに的確にこたえられるような、そういう切迫した思いにこたえられるような対策をぜひとっていくべきだというふうに思います。そうじゃないと、このままでは、なかなか今の法律改正したとしても環境基準の改善というのは進まないのではないかというふうにますます思わざるを得ません。 次の課題に行きますけれども、先日、横浜市中区の本牧ポートハイツに調査に行ってきました。 三本の幹線道路と高速湾岸線に囲まれた地域で、住民にぜんそく患者が急増していました。しかも、四月二日に南本牧埠頭が部分供用されたために、これまで以上に大型車が集中してさらにひどくなっていました。この団地は、道路に囲まれているだけじゃなくて、北側に道路を挟んで港のコンテナヤードがあります。団地の五階の廊下に上がってみたのですが、すぐ目の前でコンテナを運ぶ大型の特殊自動車が走り回っていて、その排ガスが海風でもろに吹きつけてきていました。 特定の区域内で走行するといっても、排ガスは周辺に広がるんです。ですから、こういう特殊自動車について一般車両並みに規制する必要があると思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(風間昶君) これもまた先生、大事な御視点でございますから、余り走行距離の大きくない建設機械あるいは産業車両、例えばブルとかコンバインとかフォークリフトとか、そういう部分については、平成十五年からディーゼルの大型特殊自動車については、きちっとNOx、CO、それから炭化水素、そして粒子状物質、それから黒煙につきまして大気汚染防止法に基づく規制を参入していく予定でございます。 それから、先ほどの先生おっしゃいました件でありますけれども、この法案が通る前に、今年度予算で公営バスにつきましては二億積みまして、適合車に対して支援をしていくということにさせていただいております。
○岩佐恵美君 特殊自動車の件ですが、その団地に住んでいる住民と私懇談しました。 家庭の主婦はもちろん、学齢前の子供がぜんそくやアトピーで苦しんでいて大変だと訴えられました。一歳半の子供が肺炎になって二週間入院して、帰ってくるとまた肺炎ということを五回も六回も繰り返している。四歳の子供で、風邪を引くと発作が出て、本当に子供が発作を起こすと気の毒で見ていられない、自分がかわってやりたいという思いでいたけれども、とにかく六回も入院した。三歳の子供で、風邪を引くと気管支炎にすぐになる。一歳過ぎから湿疹が出て年々ひどくなって、だんだん薬が効かなくなってより強い薬を使うようになって心配と。きのうも薬を使って大変だという訴えもありました。 とにかく、子供の湿疹というのは、子供がかきむしるものですから、副大臣は御存じだと思いますけれども、畳から布団からもう血だらけになっちゃうんです。本当に子供の手を縛ってやりたいぐらい、かわいそうだけれども縛ってやりたいぐらいに思うと言うんです。だけれどもそれもできないで、とにかく子供を抱えて母親が泣き込んじゃうんです。 そんなことを訴えられたわけですけれども、私はここの実態を調査してほしい。とにかくひどいんです。道路だけじゃないんです、その前の港のそういう状態もあるものですから、調査をしてほしいし、直ちに対策を講じてほしいというふうに思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 横浜市の実態調査を踏まえまして、横浜市と相談をいたしまして必要に応じて対策をとっていきたいと考えております。
○岩佐恵美君 大型作業自動車についてですけれども、圧縮天然ガスや液化天然ガス化への開発も進められていて、そういう方向に早急に転換しているというふうに聞いています。また、転換していくべきだと思います。 港の近くでは船舶からの排ガスも問題になります。その対策はどうなっているでしょうか。
○副大臣(風間昶君) これは、船舶は環境省だけじゃなくて、国際海事機関というところにおいて、つまり日本国籍の船、そうでないところの船がございますものですから、各国間の調整がやっぱり続けられておりまして、そういう国際動向、例えば日本はきちっとそこも、船舶についても──よろしいんでしょうか、お聞きになっていただいているんでしょうか。
○岩佐恵美君 ちょっと短目にお願いできますか。
○副大臣(風間昶君) はい、わかりました。 国際的動向を踏まえて、きちっとやっていきたいと思っております。
○大臣政務官(木村隆秀君) 国土交通省からもお答えをさせていただきたいと存じます。 今、先生から二つの質問があったんだろうと思います。港湾での荷役作業車の問題、そして船舶の問題。 港湾での荷役作業車につきましては、今先生、御指摘ありましたように開発を進めておりますけれども、馬力の問題でまだまだ作業に適した状況になっておりません。ですから、現段階では、今やれますことはより低公害のディーゼル車へとりあえずかえていく、そんなことを進めていくことが大切ではないかな、こう思っております。 そのために、中央環境審議会の答申を踏まえまして、平成十五年の十月に新たに排ガス規制を実施していくために今準備を進めておりまして、昨年の十二月にWTOへの通報を行うなど、環境省と今連絡をとりながら順次手続を進めておるところでございます。先生の御指摘のとおり、積極的に代替、導入に努めていくように指導をしていきたいと思っております。 船舶につきましては、もう先生御案内のとおり、NOx、SOxの排出ガスにつきましては、平成九年に海洋汚染防止条約、九七年議定書が採択をされております。ただ、これがまだ発効をいたしておらないわけでございまして、来年の一月に主要国の交通大臣会合がございまして、この場で海洋汚染の防止に向けて、そして批准に向けて各国に呼びかけていきたいと思っております。 また、二〇〇〇年の一月一日から我が国で建造をいたします船につきましては、これも適合するエンジンをつけるように今なってございますし、小渕内閣のミレニアムプロジェクトの中にございましたように、スーパーエコシップの今研究が進んでおりまして、十七年の実用化に向けて努力をしていくところでございます。 これからもよろしくお願いを申し上げます。
○岩佐恵美君 今、問題になっている、ちょっと最後に覚書の問題を質問したいと思います。別の覚書です。 一昨年、PRTR法の審議の際に、環境庁、通産省、運輸省の課長レベルの覚書で、「鉄道、自動車、船舶、航空機等の移動体からの排出量については、移動体という一つの区分に包括して行うものとする。」と取り決め、種類ごとの排出量を区分して公表しないということが問題になりました。その際、通産省は、今後、省令制定までに推計精度の検討を行い、十分な精度が確保されることになれば区分して公表することも可能になるので努力したいと答弁しました。 排出ガス対策を行う上でも、どこからどのぐらい出ているのかというそういう情報の開示というのはもう不可欠です。その点についてどうなったか、お答えいただきたいと思います。 済みません、時間がないので簡単に。
○政府参考人(増田優君) PRTR法がこの四月一日に施行になったわけでございます。PRTRの部分でございますが。 今現在どういう状況かというふうに申し上げますと、今先生御指摘のございました非点源についての排出量の推計の区分ということにつきましては、現在技術的な検討というのを環境省中心に行っているところでございまして、これを踏まえまして、さらに国土交通省とも相談をし、環境庁、経済産業省で十分な検討をしていく。さらに、パブリックコメントという手続を経まして、広く国民の知恵もいただきながら最終的に決めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○岩佐恵美君 終わります。
○清水澄子君 まず、環境省にお伺いしたいんですけれども、今、覚書を破棄したことで、この審議中の法案の中での縛りか何かがなかったかどうか。破棄したことでこの法案の中身で何にも影響とか関係はありませんか。
○政府参考人(松本省藏君) ありません。
○清水澄子君 それならば、毎回私が質問をしているんですが、事業者への指導指針、判断基準、これが事業所管大臣になっている。そのことで、なぜ判断基準が国土交通大臣であったり産業経済大臣であるのか、なぜこの環境基準をきちんと実効性を上げていくのに当たって、環境大臣がもっとこれを一元化できないのかということをずっと主張してきましたけれども、これが私は覚書との関係があるのじゃないかなと思ったんですが、それは全くありませんか。
○政府参考人(松本省藏君) 全くございません。
○清水澄子君 それならば、環境大臣は、やはりもっとみずからが判断基準を出すべきだと思います。そして、それは特に自治体とのむしろ協力のもとでやるべきだと思いますが、それはどうですか。
○政府参考人(松本省藏君) 事業者に対する指導の関係の措置、今回新しく仕組みとして組み込ませていただきたいと思っているところですが、その事業者が使用管理計画をつくる際のメルクマール、そしてそれを受けて都道府県知事が具体的な指導、助言をしていく際のメルクマール、それを国が判断基準として示すわけです。その判断基準の基本的な事項は、環境大臣が案をつくって政府全体で閣議決定をする。そして、それを踏まえて個々の事業所管大臣がそれぞれの業の特殊性に応じて判断基準をつくる。こういう仕組みで、環境大臣が主導的な役割を果たしながら各事業所管大臣ともまた連携をとってやっていくということでございます。 そして、今回大変重要なことは、それぞれの特定地域の中の一定規模以上の事業者に対して、自治体の長である都道府県知事が具体的な指導、助言をするという仕組みをつくることでございまして、その計画の作成状況、進捗状況については、都道府県知事から環境大臣の方にまず報告をしていただくという仕組みを組み込んでおりますので、そういう自治体が各事業者を指導していくこの仕組みについて、私ども、環境大臣が主導的にきちっとフォローもできるというような仕組みになっていると思っております。
○清水澄子君 それでは、国土交通省に伺います。 最近の道路公害訴訟判決の流れが変わってきたと思うんです。それは尼崎、名古屋南部の差しとめ判決が出されたことですね。今までは、大体こういう判決というのは損害賠償のみであったと思います。今回、その差しとめについては、その方法として非常に具体的に指示するのは難しいと言われてきたんですが、一定の数値を指示しての差しとめ判決が出されているわけですね。このことは、航空機騒音で環境基準とは別に暫定値を設けてきた、この航空機騒音防止法等で行政が施策を展開していったということと非常に状況が似てきているんじゃないかと思います。 そこで、国土交通省は、今度のような差しとめ判決、つまり義務的な改善数値が司法によって示されたこと、このことについてどのように認識されておられますか。
○政府参考人(大石久和君) 今、先生から御指摘ございましたように、尼崎さらには名古屋南部訴訟等の差しとめの判決等が続いたわけでございます。名古屋南部におきましては、十二年十一月二十七日、SPM、浮遊粒子状物質と健康被害との因果関係、浮遊粒子状物質の差しとめを認める旨の判決が出されました。 このような判決が出ましたことにつきまして、道路環境対策の一層の重要性を改めて認識いたしておるところでございますが、差しとめ請求の認容等、我々としては受け入れがたい点があるということで、法務省等の関係機関と相談の上、控訴したところでございます。特に、健康被害との因果関係につきまして、用いられた物証等その他につきまして関係省庁とも御相談させていただいたんですが、認容しがたいというようなことで控訴させていただいておるところでございます。 しかしながら、この裁判の経緯、対応等にかかわらず、先ほど申し上げましたように、沿道環境の厳しい地域においてその改善に向けて努力していく必要があるということは認識いたしておるところでございまして、名古屋南部におきましても、現地レベルで関係機関がそれぞれ具体的な施策につきまして協議を調え、その方向を示したところでございます。
○清水澄子君 次に、環境省にロードプライシングについて伺いたいと思うんです。 有料道路については道路料金の格差というのは設けたらいいと思うんですが、なかなか一般道路はそうはいかないという面があると思います。しかし、東京都がやはりそういう交通規制をしたいということで、ロードプライシングもこの徴収方法を工夫していると聞いているわけですが、環境省としてもこういう場合、どういう方法が採用できると御検討でしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 大都市地域におきます大気環境改善のための対策というのは、ロードプライシングも含めましていろいろな対策というのが考えられるわけですし、その効果についても検証していかなければいけないというようなこともあろうかと思います。 いずれにいたしましても、国が定めます総量削減基本方針、この中にそういう基本的な対策のメニューその他はきちっと組み込むというようなことを考えて、そしてそれを受けた形で個別の施策については各都道府県知事が総量削減計画を定める中で具体化をしていくと、こういう仕組みをとるということにしているわけでございます。
○清水澄子君 環境省はもう自治体任せということですね。 そこで、国土交通省に伺いたいんですけれども、こういう場合、やはり一般道路の無料原則というのはある意味では当たり前なんですよね。それがやっぱりネックになってくると思うんです。 道路工事費はこれまで排気ガス、騒音の外部費用をすべて内在化してきたわけではないわけで、特に今回、道路法を改正して環境に配慮をしたというふうにこの間も御説明なさっておりましたけれども、その道路法の改正ですれば、当然道路建設の単価アップにつながるのではないかと思います。これらをすべて税金という形にされるのか。 一方、道路を本当に適正に使用していくという考え方に立てば、やたら排ガスや騒音をまき散らしている利用者と、やはりその辺は区別することが必要になってきたんじゃないかと思うんです。 特に、沿線住民への被害との関係を考えますと、この外部費用を税金で賄うということだけでいいのかどうかというところが非常に疑問があるんですが、国土交通省は、この一般道路の無料原則も、ある必要な場合にはここを料金の徴収とか、何か違う方法で規制が考えられないかどうか、どういうそれは検討されておられるか、お答えください。
○政府参考人(大石久和君) まず、道路構造令の御指摘がございました。道路法の政令でございます道路構造令を今回改定させていただきました。 現在の道路構造令が基本的には昭和四十五年につくらせていただいたものの手直しで推移してきたというところを抜本的に改定させていただいたものでございますが、四十五年と申しますと、モータリゼーションまだ爆発の時代でございます。車道の空間をどうやって確保するのかがまず第一だといったような時代でございましたので、緑の空間や、自転車や歩行者の空間が、ややもするとしわ寄せを食うといったようなことであったわけでございますが、先日御説明させていただきましたように、良好な環境と安全を確保するという観点で、必要な幅員をとるという考え方に立ち返りまして、緑の空間や、あるいは自転車を歩行者と分離するというような考え方を入れさせていただいたわけでございます。当然、そうなりますと幅員が広がるわけでございます。 これは、今後、私たちの国が豊かな資産を次世代に残すために必要なコストではないかと考えているわけでございますが、限られた予算の中で事業執行ということになりますと、当然税収入のみでは不足するということがございまして、今後とも、有料道路手法等を活用していく必要があると思っています。 その際、料金の設定のあり方について、我々は今、環境ロードプライシングという考え方で、湾岸道路とそれ以外の道路が整備されたような場合、湾岸道路が代替道路、バイパスとして使えるような場合には、できるだけ大型車を住宅地等が少ない湾岸側に導入するということで、湾岸側の道路の料金を下げることによってそちら側に誘導するということをこの平成十三年に実験してみたいと考えてございます。大阪地区と東京地区で、横浜地区でございますが、それぞれやることといたしております。 しかしながら、これは有料道路における料金割引の政策でございまして、今先生からお話がございました一般道路、無料公開原則になっております一般道路についてロードプライシングのようなものが考えられないかということにつきましては、我々も、今先生からお話がございました東京都のロードプライシングの検討委員会の中に参画させていただいておりまして、その中でいろんな議論に参加いたしております。 今は、一般的に申しまして、一般道路を対象としたロードプライシングということになりますと、施策の合理性、これは代替する施策が本当にないのかどうか、あるいは利用者の受容性、料金を負担していただく論拠が確かにあるのかどうか。具体的には、あるラインから中に入る方々に対して料金をいただくわけですが、その徴収技術の問題、ETCはまだ普及段階でございますので、どのような方法で料金を徴収すればいいのか、それがコストを安くできるのかどうか、あるいは周辺道路に逃げてしまわないか、その他の道路に環境上の悪影響を及ぼさないかどうか等々の検討すべき課題があるというように考えております。
○清水澄子君 それでは、次に警察の方に伺いますが、道路交通による健康被害が著しいおそれのある場合は、政令の定める基準で大気汚染防止法に基づく交通規制を公安委員会に要請できるとあるんですが、これが適用になった事例、あればそれがどのような結果になっているか御報告ください。
○政府参考人(坂東自朗君) お答えいたします。 御指摘の点につきまして調査し確認できました範囲では、昭和四十八年と四十九年に、一酸化炭素の大気中の含有量が限度を超えたと認められるために、東京都知事から東京都公安委員会に対しまして、大気汚染防止法第二十一条第一項に基づく要請がなされております。 これを受けまして、東京都公安委員会におきましては、必要に応じて特定の車両に対する通行の禁止とか、あるいは貨物車の通行区分規制とか、さらには駐車禁止規制、速度規制、あるいは信号調整等の所要の措置がなされたものと、そのように承知しております。
○清水澄子君 では、その後はないわけですね。 それでまず、日本では大都市部への乗り入れ規制という規制がないわけです。シンガポールとかアテネなどではそういう大都市部への乗り入れ規制などがあるわけですけれども、こういうことが前から日本でも検討されていたとは聞いているんですけれども、警察としては、こういう大都市部への乗り入れ規制についてはどのように現状を認識しておられて、そしてこれに対してはどういう代替案といいますか、そういう考え方、手法があるとお考えでしょうか。
○政府参考人(坂東自朗君) 御指摘の外国で導入されておりますようなロードプライシング、こういった手法を含めた大都市における車両乗り入れ規制につきましては、その導入にはやはり国民のコンセンサスづくりといったものが非常に重要ではないか、さらにはそれを実施するための方法というのはどういうものがあるのか、さらには周辺道路へどういった影響を与えるのか、そして乗り入れ規制をした場合におきまして、他にかわる交通手段というものがどういうものがあるかといったようなさまざまな課題が存在するものというように私ども警察庁におきましても承知しているところでございます。 そこで、現在、私ども交通管理をつかさどる警察といたしましては、これまでも大気汚染物質の排出を低減させるように、信号機の集中制御化とかあるいは運用の最適化、さらには各種駐車対策等を実施して交通の円滑化に努め、もって大気汚染等の低減にも努めてきたところでございます。
○清水澄子君 それぞれにお伺いしても、それぞれお話しなさるんですけれども、現状に即して総合的な検討というのはなかなかできないんですよね。それは一体どこをどうすればいいというふうに、副大臣、お考えになりますか。
○副大臣(風間昶君) これは本当に今までの日本の縦割り構造の中でありますから、一挙に変えるということは難しいですが、しかし、人の命にかかわる、生命にかかわる問題に関しては、もっと横断的にきちっと現実の部分を踏まえて調査を含めた検討をして、即効的な対策を講じなければならないということはもう理念上わかっていることでありますから、いつやるか、どこから手をつけるか、このことに尽きると思いまして、環境省としてもぜひ頑張っていきたいと思っております。 なかなか厚いです、壁が。厚そうです。
○清水澄子君 今おっしゃったように、ずっと質疑をやっていましても、そこで逆にはっきりしてくるのはやはり縦割り行政の弊害ですよね。 例えば、排ガス対策で実効性が上がるのは単体規制、そしてNOx法の車種規制しかないというようなことになるわけですが、自動車製造メーカーは経済産業省ですね、それから荷主は経済産業省と農水省、そして道路整備、トラック業者というのは国土交通省、そういう縦割りになっているから、さっきのような覚書で何かいろんな規制がかかってくるんだろうと思います。 それらの省が、走行量削減に対して本当に効果的な対策を打ち出していけるのかどうか。このままで環境基準を達成していけるかということを、今ここに三つの省いらっしゃると思うんですが、きょう午前中の参考人にお伺いしました。この法律で十年間で環境基準が達成できるとお考えですかと伺いましたけれども、一人も達成できるとはおっしゃいませんでした。一人だけがおおむねそこに近づくのではないかと思いますと。あとは達成できないと思いますと。こういうずっとこの問題を研究し、実際に問題を指摘していらっしゃる方々が達成できないという法律を私たちが通さなきゃならないというのは、やはりそれが本当に実効性があるようにもう少し各省庁が、ただここの場だけを過ごせばいいんじゃないと思います。ここの場だったら連携をとってやりますとずっとおっしゃるんだけれども、それがいつもなかなか実行できない。 そういう中で、今度は、私はこれは、またできなかったというわけにいかないと思うんですけれども、そこで国土交通省、この環境基準を達成していくために絶対にこれをやり切るというお答えをいただきたいんです。どういうふうにしてどうやっていくか。
○政府参考人(高橋朋敬君) お答えいたします。 各省いろいろと縦割りがございます中でいろいろと取り組んでおりますが、国土交通省としてもよく連絡をとりながら取り組んでいきたいと思っておりますが、まず申し上げておきたいんですけれども、自動車検査制度の活用ということによりまして自動車NOx法に定める車種規制の確実な実施を私ども担当いたしておりますので、そういう意味で非常に連携をとってやっておるということでございます。 それから、事業者に対する指導ということにつきましても、従来から関係自治体と協力いたしまして、自主的な自動車管理対策計画の提出を求めるなどして、道路運送事業者に対して指導を実施してきております。 今回の改正によりまして勧告、命令等の規定が新たに設けられることになりましたので、環境省あるいは地方自治体とより緊密な連絡調整を図りながら、環境基準の達成に向けてNOx、PMの総量削減に取り組んでいく考えです。 さらに、国土交通省といたしましては、低公害車の普及促進、それから物流の効率化、公共交通機関の利便性向上、それから交通流対策などの諸対策にも取り組んでおりますけれども、今後とも環境省を初めとします関係省庁と連携いたしまして、これらの諸対策に積極的に取り組みまして、環境維持の達成に向けて努めてまいりたいと考えております。
○清水澄子君 経済産業省の方いらっしゃいますか。もうお帰りになりましたか。 それでは、環境大臣、今自治体がこのままではもう住民の健康を守れないということで、東京などでは特に条例を厳しくして、このロードプライシングなどの走行量規制に実効が上がるようにいろんな対策を導入しようとしていますね。 しかし、それはもう自治体任せというんじゃなくて、やっぱりもう少し環境大臣が本当に、何というんですか、周りの産業界とかそういうところの、または他の強い省ですね、そういう省の顔色とか意見ばかりに気をとられないで、気を使わないで、もっと本当の意味で構造改革、それこそ小泉さんが言っていらっしゃる構造改革を本当に断行するのであれば、私は、今度のNOx法の問題が本当に多くの住民の健康被害をなくせるという、なくすという、その結果をこの法律によってできるとするのであれば、この物流構造から経済構造の変革というところに切り込んでいかないとこれはできないと思うんですね。ですから、参考人でもこれは達成できないでしょうということになるわけです。 ですから、環境大臣の非常に私はこれは大きな決意、本当にいろんなことを言われてもこれをやり抜くという決意が非常にここは必要だと思いますけれども、そういう意味で、私はただ決意をとればいいなんて思っていないんですけれども、これは相当の決意が要ると思います。ですから、どうぞその点はひとつ大臣、ここで明確にやっていきますと、きょう、覚書を破棄したわけですから、その点の決意をここで述べていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられますように、大都市の大気の汚染の問題というのは非常に深刻でして、さまざまな対策を総合的にとっていかなければいけないということだと私どもも思っております。 この改正NOx法におきましても、国が総量削減基本方針、これは案は環境省がつくるわけでございまして、閣議で決定をするという性格のものですけれども、そこでも物流、人流あるいは交通流といった対策についてきちんと含めまして、そういう政策を総合的に進めていくということは非常に大事だというふうに思います。 規制、規制といいますかそういう対策をとるということにつきましては、さまざまな方々の御協力といいますか御支援といいますか、御理解を得ながらやるということが非常に大事でございまして、地方自治体もそれぞれの交通のあり方が地域によって非常に異なりますし、そういう問題の実態の把握は地方公共団体が一番よくしていらっしゃるわけですし、地域の特性というものも踏まえなければいけませんので、自治体と連携をするということは当然必要で、それから関係の政府の府省と連携をしていくことも大事だと思っています。 そういったさまざまな連携をとりながら、環境省といたしましては、やはりイニシアチブをとって物事を進めていくということが大事だと思いますので、全力で取り組む所存でおります。
○清水澄子君 ぜひそうしてください。 そこにもう一つ欠けているのが市民参加だと思います。ですから、ぜひ市民の意見、住民の意見、被害者の意見、そういう意見を十分取り入れながら、その方がもっと具体的な政策が出せると思いますから、ぜひ市民参加への道というものを開いていただきたい。このことを申し上げて、終わりたいと思います。
○中村敦夫君 主に道路建設と大気汚染の関連についての質問をいたします。 最初に、環境大臣と国土交通大臣政務官に質問いたします。 政府は、道路建設が渋滞というものを解消して大気汚染を緩和するという認識をしばしば示してきたわけですね。しかし、これとは反対に、本日の参考人質疑で、大都市部においては道路建設が自動車走行量の伸びをもたらし、よって大気汚染を拡大させるという意見が圧倒的だったわけです。その意見の明快な理由も述べられましたし、また道路をふやしたために大気汚染が進んだ具体例を幾つも説明してもらったわけです。 常識的に考えても、東京を例にとって考えても、四百六十万台の車を都民が保有しているわけですね。それが全部使われているわけではないんです。道路の整備が進んで渋滞が解消されると、電車通勤をしていたサラリーマンなども、便利ですから通勤にマイカーを使うということは十分考えられるわけです。すると、結果的に自動車走行量は増大することになるわけです。これはもう算数のように当たり前のことだと思います。 また、先日の環境委員会の質疑でも、都市内での平均走行速度上昇を柱とする交通流対策では四千百トンの削減を見込んでいた、それにもかかわらず結局は定量的な評価ができないのでわからないというような答弁だったわけです。 そこで質問なんですけれども、大都市部では道路建設が大気汚染を拡大させるという参考人たちの指摘について反対の立場をとっている政府としては、客観的で科学的なデータでもってそれを説明していただきたいですね。環境大臣と国土交通大臣政務官。
○大臣政務官(田中和徳君) 大都市部における道路建設と大気汚染の関係についてお答えをしてみたいと思います。 幹線道路沿道における大気環境の状況は、SPM、NO2ともに大都市圏を中心に環境基準の達成率が非常に悪い、大気に係る沿道環境の改善は喫緊の課題である、これは私どもの省も認識をしております。 一般に走行速度を時速二十キロメートルから時速三十キロメートルに向上させることによって、PM、NOx、CO2を同時に約二割も削減することがわかっておりまして、道路整備こそ大切な道路環境対策と言えると私は思います。国土交通省としては、幹線道路沿道における大気に係る環境を改善するためには、発生源である自動車単体の対策、低公害車の普及、交通流対策など、取り組みを関係機関が協力して総合的に進めていかなければならない、このように認識をしております。 特に、そのうち交通流対策は、自動車交通の分散や円滑な走行の確保によりまして走行速度を向上させてPM、NOxの排出量の削減を図ることが最も基本的かつ根幹的な施策として認識しておりまして、通過交通を都市内に入れないための環状道路、バイパス等の幹線道路ネットワークの整備、交差点の立体化などのボトルネック対策、そしてあかずの踏切の解消を重点的に実施してまいりたいと思っております。 私の体験した一つの例でありますけれども、私の地元は交通渋滞が引き起こす公害訴訟で話題になりました川崎市の臨海部、しかも産業道路の沿線に長年住んでおります。首都高速の湾岸線の整備によりまして交通渋滞が飛躍的に解消をいたしまして、環境も改善をしたことを申し上げておきたいと存じます。 以上でございます。
○政府参考人(松本省藏君) 同様の趣旨になろうかと思いますけれども、大変大都市におきます大気汚染は厳しい状況にあるわけでございますので、そういう状況の改善という観点で自動車交通の分散とか、あるいは円滑な走行を確保するという観点で環状道路とかバイパスなど幹線道路のネットワークの整備をするとか、あるいは交差点の立体化などのボトルネック対策などというのは、道路交通の円滑化と同時に、大気汚染改善という面にも資するというふうに私ども考えております。 走行速度が向上すれば、一般的には走行距離当たりの排ガス量が低減することが示されておりますし、具体的な事例としては今、国土交通省の方からお答えがあったと思います。
○中村敦夫君 きょうの参考人たちは実態を調査している専門家たちで、それが具体例を挙げて、現実にそれがほとんど政策のように言っていることは実現されているのではなくて逆になっているという例証をずっと述べられてきたわけです。 そもそも、これまで随分と道路建設が進んだわけですけれども、道路建設に比例して自動車走行量もふえている。これは参考人の意見の正しさを裏づけていると思うんですね。それでも政府は、道路建設が大気汚染の改善に役立つと一本やりで言い張っているという、真っ向から意見が対立しているわけです。 環境省環境管理局長に聞きますけれども、なぜこれまで道路建設が進むにつれて大気汚染が増大するという、政府の理屈と正反対の現実が起こってきているのか。
○政府参考人(松本省藏君) 単体規制とかあるいは車種規制などいろんな対策を講じながら、自動車排気ガスに起因する大気汚染が改善されないということなのでございますけれども、その要因としては、基本的には自動車走行量の増加など、もちろんそれ以外の事情もありますけれども考えられるわけでございまして、いろいろな問題があるというふうに考えておりまして、必ずしも道路建設に起因するものと言うことができるわけではないんではないかというふうに考えているわけでございます。
○中村敦夫君 これから環状道路などで都心部を車が迂回するというふうに主張しているわけですけれども、しかし結局、便利になったために走る車がどんどんふえるということはこれは当たり前ですね、今までの実態がそうなんですから。結局、汚染総量というものを削減することにならない。要するに、単に増大する汚染を周辺地域に拡散するということだけじゃないんですか。
○政府参考人(松本省藏君) まず、例えば都心部など現に大気汚染が、都心部でなくてもいいんですが、大気汚染が大変著しいところに道路があって、そこが大変に渋滞をしておるというようなケースがあったといたしますと、その自動車交通を分散化していく、そして円滑な走行を確保していくということをいたしますと、そこの部分について走行速度が向上しますし、一般的には走行距離当たりの排出ガス量を低減させることができるわけでございます。 ただ、御指摘ありましたように、今度はバイパスといたしますと、その周辺地域に新たに道路をつくる、こういうことになるわけでございますが、そちらの方は、今まで仮に道路が何もないといたしますれば道路をつくり、そこの上を自動車が通ることによって汚染負荷がゼロから、例えば今ゼロだといたしますと何がしかふえていくというのは事実だろうと思いますが、そこは新しい道路の建設に当たってきちっとしっかりと環境アセスメントを実施して大気汚染の発生の未然防止というのを担保していく。大気汚染に限らず、いろいろな生態系影響などについても含めてアセスメントをきっちりとしていく、こういうことではないかと思います。
○中村敦夫君 道路建設で大気汚染をとにかく解消するというのは、もうほとんど漫画のような答えであるというふうに私は考えているんです。 結局のところ、自動車の走行量をトータルに抑制しないことには対策にならないわけです。しかし、今年度の自動車排出ガス対策関連予算、これには自動車排出窒素酸化物総量削減対策費としてわずか一億二千万円が計上されているだけなんですね。しかもその内容を見ると、調査、実験、啓発ばかりなんですね。直接に窒素酸化物を削減したり自動車走行量を抑制するというための対策費が盛り込まれていないわけです。 そこでお聞きしますけれども、自動車走行量を直接的に抑制するための財源というのは今年度の予算のどこに確保されているんですか。
○政府参考人(松本省藏君) 今までの環境省の役割、経緯からいたしまして、いわゆる事業官庁というような役割、位置づけでなかったこともあろうかと思います。 そういうことで、委員御指摘の、その自動車走行量を直接的に抑制するための予算というのは計上されておりません。ただ、お話にありました自動車排出窒素酸化物総量削減対策費という項目以外の項目で低公害車普及推進関係経費というのがございまして、その中にもいろいろな予算が組み込まれているのでございますが、その中で、改正自動車NOx法に基づきます事業者の自動車使用管理計画、いろいろ議論もございましたけれども、その計画策定をお願いするわけでございますが、その際の判断基準の策定あるいは事業者の計画作成のためのマニュアル、こういうようなものを作成するということを環境省として考えておりまして、そのための予算を確保いたしております。 そういうマニュアルをつくってそれを活用してもらって、事業者が適切な自動車の管理計画をつくっていただいて、そして知事さんがそれを具体的に助言、指導していくということで、全体として排出総量というのを抑えていくというようなことになっていこうかと思っております。
○中村敦夫君 基本的には、予算全体の中で自動車公害対策に振り向けられている予算自体が少ないと私は思うんです。大気汚染は国民の健康と直結している大変重要な問題ですから、より多くの予算が確保されてしかるべきだというふうに思います。 しかし、平成十三年度の自動車排出ガス対策関連予算の中で、その主たる財源については、いわゆる汚染者であるはずの自動車のユーザーから徴収しているというものがないように見受けられるんですが、なぜでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 環境省が所管をしております自動車排出ガス対策関係予算、これは御指摘にもありますけれども、私どもの予算というのは基本的な財源の方は一般財源ということでございまして、自動車排出ガス対策関連予算の財源についても一般財源と、こういう形になっているわけでございます。 それで、なぜ自動車のユーザーから財源を徴収しないのかと、こういう御指摘かと思いますが、これはそもそも論みたいな話が多分あると思います。例えば、特定財源とかあるいは目的税とかいろいろな議論があると思いますが、特定の公的なサービスからの受益と特定の物品消費などにかかわる税負担、その間が相互に密接な関係が認められるというようなことになりますと、いわゆる特定財源の議論があったり、あるいは税の負担、サービス以外にもいろんな別の要素があるでしょうけれども、収入と支出とがかなり密接な関係があるというようなことになりますと、それなりの財源論というのが出てくるんであろうと思いますが、現在の環境省の持っております自動車排ガス対策関連予算はそこまでいかない形で一般財源を財源にしているということでございます。
○中村敦夫君 財務省の方、いらっしゃっていますか。 塩川正十郎財務大臣は、十五日の閣議後の記者会見で、自動車から出る排ガスの環境問題は非常に大きい、環境対策費として支出している国費も限界に来ている、原因者負担の立場に立って活用すべきだと思っている。道路特定財源のことを指しているんだと思いますが、つまり道路特定財源の使い方を見直して、自動車による大気汚染対策に使いたいという表明であると受け取られるんですけれども、この点について、財務省にもうちょっと詳しく説明していただきたい。
○大臣政務官(林田彪君) 平成十三年五月十五日の閣議後に、六分間ではございますけれども、塩川大臣は今委員がおっしゃいましたとおりの記者会見と申しますか、おっしゃっておられます。 そういう中で、財務省といたしましても、御案内のとおり新政権になりまして、一番問題になっております十四年度予算、これにつきましても国債発行を三十兆円以下にどうしても抑えるという目標を立てておりますし、これにつきましては聖域ない見直しを行うことにしているというのも御案内のとおりでございます。このため、というわけでもありますが、道路特定財源の見直しにつきましても、予断を挟まず、どういう方向に使うべきか慎重な検討を進めているところでございます。また、その具体的内容は、しかしながらいろんな経緯がございまして、今後の検討課題であると考えてはおりますが、大臣は確かに記者会見も含めまして、これまで国会等の場面においても、都市再生の視点やあるいは都市地域における生活道路充実の視点、またさらには環境問題そのものでございますけれども低公害車の普及促進の視点等から、いわゆるこの道路特定財源を活用してはどうかということをたびたび申しておられます。 これらは、しかしながらいずれも例示として挙げたものというふうに承知しておりまして、いずれにしましても、本件につきましてはさまざまな議論があるところということであり、予断を挟まず真剣な検討を進めていきたい、そういうふうに思っております。
○中村敦夫君 これは経済財政担当大臣にあてて質問を出したわけですけれども、どなたか来ていますか。 新聞報道によりますと、道路特定財源の見直しについて、経済財政諮問会議が六月にまとめる骨太の方針に明記するということですね。ところが、経済財政諮問会議の議員にトヨタ自動車会長の奥田碩さんが含まれているわけですね。奥田さんは自動車政策について明確な利害関係者ですね。その奥田さんが自動車利用を抑制する政策に合意するというのは会社の利益に反することであって、場合によっては株主代表訴訟で訴えられるような立場にあると思うんです。実際に、既に道路特定財源の見直しに異議を唱えられているとも聞いています。 こういう道路特定財源を見直すに当たり、奥田さんを経済財政諮問会議の議員にしておくというのは大変不適切ではないか。トヨタ自動車という一企業の利益のために国の政策そのものがゆがめられるという危険があるのではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(小林勇造君) 御指摘の経済財政諮問会議の有識者議員につきましては、会議の機能を最大限に発揮し、その目的を達成するためには経済財政に関して高い見識を有する方に御参加いただくことが重要であり、実際に経済活動に従事されている方とそれから経済理論、実証研究に従事されている方を選ぶという観点から、御指摘の奥田会長を初め経済界と学者の方からそれぞれ二名ずつお願いしております。 これまでの諮問会議の議論につきましては、詳細な議事要旨を大体三日後、速やかに公表しておりまして、そこから明らかなように、これらの四人の有識者議員の方々におかれましては、高い見識に基づき大所高所からの議論を積極的に行っていただいているところでございます。今後も、その経営感覚や経済理論に基づく深い洞察力や構想力を遺憾なく発揮していただきたいと考えておりまして、諮問会議の行う実質的、包括的な検討に役立てていただきたいと考えております。 また、経済財政諮問会議においては、議長である総理のリーダーシップのもとで議事を決することができることから、御質問のような懸念は当たらないというふうに考えているところでございます。
○中村敦夫君 国土交通大臣政務官にお聞きします。 道路特定財源を見直すのであれば、実際に道路整備計画を規定している道路整備緊急措置法も同時に見直す必要があるのではないかと思います。なぜなら、単年度の道路予算を減額しても、長期計画を変えなければ事業量というものは変わらないわけですね。計画達成年度がおくれるだけだとという結果になるんではないか。これでは全く構造改革という名に値しないわけです。 そもそも、道路整備緊急措置法というのは一九五八年にできた法律なんですね。つまり、五十年近くもこの緊急措置をしているということ自体、これはおかしい。バブルの夢どころか高度成長の夢すらも脱していないというような法律ではないか。この道路整備緊急措置法というのはもう私は役割を終えたと思いますので、これを廃止すべきではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○大臣政務官(田中和徳君) 小泉総理の聖域なき改革を進めるというこの大きなテーマは、この内閣の柱であろうと思っておりますし、当然、聖域なきというものはすべてを対象にするという意味でございまして、我々も今お話のあった道路整備緊急措置法の諸施策についても、私はそれは例外ではないだろうと思っております。 ただ、私は、中村委員も御承知のとおりだと思いますけれども、戦後のモータリゼーションの急激な進展、あるいは自動車利用を前提とした社会システムへの転換などによって自動車の保有台数と免許の保有者数は一貫して増加傾向にありまして、自動車保有台数は、先ほど東京都の数字は委員お示しになられましたけれども、全国では七千万台、免許保有者数は約七千四百万人に達しておるわけであります。 確かに、御指摘があったように昭和三十三年にこの法律は制定され、翌年に施行されておりまして、道路整備五カ年計画を作成して法整備をしてきたということであります。しかし、今日いまだなお先進国に比べて整備がおくれているという現実は否めないところでございます。 こういうことで、例えば中村委員の地元のこの東京を初めとする都市部において、環状道路等のネットワークが完成していないために交通渋滞あるいは交通事故の増加などの問題が顕在化しておりますし、特に交通渋滞は、時間やエネルギーのロスにより経済活動へ多大な損失を与え、その損失は日本全国で年間五十三億時間、約十二兆円にも及んでいる現実にございます。 当然、事業の精査や評価などは極めて重要な課題だと私も考えますが、一方で、引き続き道路整備緊急措置法に基づいて、都市における環状道路の整備や地方における生活道路の確保あるいは道路整備を進める基本的な考え方というものは、これからも非常に二十一世紀の施策として重要である。環境問題あるいは自然生態系の保全という問題は、当然のことあわせて考えていくわけでありますけれども、私はこのような考えを持っております。
○中村敦夫君 経済に対する基本認識が全然逆ですから、これ以上論争しても時間が足りませんので。 最後に、環境大臣にお伺いしたいんですけれども、先ほども話題になりましたその覚書ですが、私は省庁間で覚書が交わされること自体は問題ではないと思うんです。しかし、この場合、環境省の事務方が国土交通省と取り交わしている内容そのものが問題であって、明らかに法律を無視した内容を業務としてやろうじゃないかという、そこが問題になったと思うんです。 こういうことが実際に行われているという実態に対して、大臣はどういうふうな感想をお持ちですか。
○国務大臣(川口順子君) まず国会において法案について御審議をいただいているわけでございまして、その御審議の内容が何よりも優先をするということは全くそのとおりだというふうに思っております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、NOx法の関係では、政府部内で結んだ条文及び国会の審議に反する覚書につきましては破棄をするというのは申し上げたとおりでございます。 それから、私も、委員がおっしゃられましたように、政府の覚書自体ということは、内容は先ほど申し上げたような国会の審議が何よりも優先するということですけれども、法案の解釈をめぐって後々混乱をするというようなことがないように事前に打ち合わせをしておくという性格のものでございますから、委員もおっしゃられましたように、それ自体は、内容に問題がなければということですけれども、それ自体は別に問題ではないだろうということだと思っております。 内容に、政府の、繰り返しになりますけれども、国会の審議と違うようなことがあれば国会の審議が優先するということは、繰り返し申しますが、全くそういうことだと思っております。
○中村敦夫君 終わります。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、加藤修一さんが委員を辞任され、その補欠として森本晃司さんが選任されました。 暫時休憩いたします。 午後三時四十一分休憩 ─────・───── 午後三時五十二分開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について福山哲郎さん及び岩佐恵美さんから発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。福山哲郎さん。
○福山哲郎君 私は、ただいま議題となっております自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 昨年一月の尼崎公害訴訟判決に続き、十一月の名古屋南部公害訴訟判決においても、道路管理者である国等に対して、浮遊粒子状物質について一定濃度以上の排出差しとめ判決が出されるに至り、国のこれまでの無策が厳しく糾弾されることとなりました。 原告はもとより、気管支ぜんそく、花粉症、心疾患等に苦しむすべての健康被害者に対し、今回の改正案はそれに十分こたえる内容のものでなければならないと考えております。しかしながら、従来の窒素酸化物に加え粒子状物質を対象としたことは評価できるとはいえ、改正法の内容はほぼ従来どおりで、これでこれまで三度公約違反をした環境基準を達成できるわけがないと言わざるを得ません。 それは、昨年三月の自動車NOx総量削減方策検討会報告書で指摘された自動車交通量の抑制、経済的措置の活用等の対策がこの改正案では抜け落ちているからであります。 そこで、総量削減広域交通対策計画の策定等を推進し、環境基準を達成し得る修正案を提出する次第です。 修正案の内容は、第一に、環境大臣は、窒素酸化物対策地域または粒子状物質対策地域の指定要件に該当すると認められる一定の地域があるときは、速やかに当該地域を指定する政令を立案しなければならないこととしております。 第二に、国は、総量削減交通対策推進地域にあっては、総量削減基本方針に基づき総量削減広域交通対策計画を、都道府県は総量削減交通対策計画を策定しなければならないこととしております。 第三は、事業活動に伴う自動車排出窒素酸化物等の排出の抑制のために必要な計画的に取り組むべき措置その他の措置に関し、その事業者の判断の基準となるべき事項を定める者は、事業所管大臣ではなく環境大臣とすることとしております。 また、自動車運送事業者等について、特例として監督者を国土交通大臣とする改正規定を削除し、原則どおり都道府県知事が必要な監督を行うものとしております。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(吉川春子君) 岩佐恵美さん。
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、議題となっております自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。 自動車排出ガスによる大気汚染は極めて深刻な状況で、二酸化窒素及び浮遊粒子状物質の環境基準達成率は、自動車排出ガス測定局のわずか三分の一にとどまっています。当初の目標達成期限から十五年も経過しているにもかかわらず、いまだに達成のめどさえ立っていません。こうした事態を招いたのは、政府が自動車排ガスによる被害者発生の現実を直視せず、公害発生企業、特に自動車メーカーの責任をあいまいにしてきたことに最大の原因があります。 今回の改正案で浮遊粒子状物質を法の対象に加えましたが、問題は依然として従来の車種規制にとどまっていることです。また改正案は、環境基準の達成目標を十年先に先送りし、環境省の自動車NOx総量削減方策検討会が提起していた事業所ごとの総量規制、製造・販売業者への規制、特定地域への流入規制などの実効ある措置を今回も見送ってしまいました。これでは、またしても十年後の基準達成はおぼつかないと言わざるを得ません。 そこで、実効性を高めるために、具体的な規制措置を盛り込んだ修正案を提出いたします。 第一は、特定地域内の一定規模以上の事業者に、使用自動車から排出される窒素酸化物等の総量削減を義務づけることです。具体的には、知事が事業所の総量規制基準を定め、事業者に削減計画を義務づけることとしています。計画が基準に適合しない場合や基準を超える窒素酸化物等が排出されるおそれがある場合には、知事が是正勧告や是正命令を行うことができます。 第二は、一定のディーゼル自動車の走行規制を行うことです。知事は、基準を超える浮遊粒子状物質を排出する自動車について、運行規制地域内の走行を禁止することができることとします。ただし、一定の基準に該当するディーゼル微粒子除去装置を装着したもの等は適用除外とします。 第三は、自動車メーカー等が販売する自動車の排出総量の規制です。一定数以上の自動車を販売する自動車製造・輸入事業者は、特定地域において販売する自動車の窒素酸化物等の総量を減らすための計画を環境大臣に提出しなければなりません。計画が環境大臣が定める基準に照らして不十分な場合には、環境大臣が改善の勧告、公表、命令等を行えます。 第四に、道路沿いの大気環境の測定データ、健康影響データなど、関係情報の公開に関する規定、ディーゼル排気微粒子等が人の健康に与える影響に関する調査研究の促進に関する規定を設けました。 第五に、自動車排出窒素酸化物等に関し、地方公共団体が条例で独自の規制等を定めることができる旨を明記しました。 以上で、修正案の趣旨説明を終わります。 ぜひ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(吉川春子君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○清水澄子君 私は、社会民主党・護憲連合を代表し、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する討論を行います。 この法案は、率直に言えば、まだ極めて不十分な内容だと言わざるを得ません。質疑を通じて、私は、この法案は単なる自動車の買いかえ促進法案であり必要な削減量の達成はできないのではないかと、いささかきつい質問をいたしました。行政全体に果たして使命感はあるのかという思いは、今でも強く残っております。 この法案の気がかりな点、懸念が払拭できない点を再度申し述べさせていただきます。 まず第一点目は、主管が環境省と都道府県に一元化されず、事業所管庁が関与できる仕組みとなっていることです。社民党は修正案こそ提出しておりませんが、事業所管大臣の関与は削除すべきだと考えています。事業所管大臣の関与によって対応や基準がばらばらになり、削減の効果がなくなることが危惧されるからです。 この法案は、従来のNOx規制にPMを対象につけ加えただけであり、制度の仕組みは全く変わっておりません。これまでのNOx規制が何ら効果も上げ得なかったことは、環境省が作成している資料、事実によって明らかになっています。私には、政府が同じ愚を繰り返そうとしているのではないかとしか思えません。大変残念です。 第二点目は、車種規制だけでは基準の達成は不可能ではないかということです。私は、基準が達成できないと判断されるときには、環境大臣や都道府県知事が走行量の総量規制を発動できる仕組みができれば一番よいと思っています。民主党も、総量削減総合交通対策計画で総量規制を行おうという修正案を提出されています。このように、基準が達成できない場合には総量削減措置をとるという決意が法案に示されていなければ、大都市部における住民の健康被害はいつまでたってもなくならないのではないかと思います。 第三点目は、この法案を適用する対象地域を拡大しなくてもいいのかということです。法案で対策を行おうとしている首都圏、近畿圏、名古屋圏以外でも基準が達成できていない地域はあります。対策地域の周辺に位置する地域でもそうした地域がある。なぜ基準を達成できていない地域にこの法案が適用されないのか、疑問が残ります。 以上、法案に対する私の懸念を申し上げて、民主党の修正案に賛成し、私の討論を終わります。
○委員長(吉川春子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、岩佐さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川春子君) 少数と認めます。よって、岩佐さん提出の修正案は否決されました。 次に、福山さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川春子君) 少数と認めます。よって、福山さん提出の修正案は否決されました。 次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川春子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 福山哲郎さんから発言を求められておりますので、これを許します。福山哲郎さん。
○福山哲郎君 私は、ただいま可決されました自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及びさきがけ環境会議の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、大都市地域における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質等による大気汚染については、その改善が遅れ、依然として深刻な状況にあることを反省し、できるだけ早期に環境基準が達成できるよう最善を尽くすこと。 また、環境基準が確実に達成できるよう、本法に基づく施策の進行管理を行い、必要に応じて法改正を含めた対策の見直しを行うこと。 二、大都市地域において環境基準が達成できない原因は自動車走行量の増加等にあることから、自動車交通量を抑制するとともに、道路に係る環境保全対策の抜本的見直しに取り組むこと。 三、地方公共団体が当該地域の実情に応じて実施している自動車公害対策については十分尊重すること。 四、対策地域の設定に当たっては、関係都道府県の意見を十分に踏まえ、車種規制等の対策効果が十分に発揮できるよう、できるだけ広域的に指定を行うこと。 五、対策地域内へ流入するディーゼル自動車対策についての検討を行い、必要に応じて規制措置を講ずること。 六、総量削減基本方針の策定に当たっては、広く国民の意見を聴くとともに、総量削減計画の策定に当たっては、総量削減計画策定協議会に住民代表や関係事業者が参加できるように配慮すること。 七、車種規制の排出基準については、単体規制の状況を勘案して必要に応じ見直すこと。また、使用過程車に対する猶予期間については、できるだけ短縮するよう努めること。 八、ディーゼル自動車の新長期規制については、平成十七年度までとした前倒し実施を早期に実現するとともに、粒子状物質の規制値の更なる低減を図ること。 九、低公害車の普及促進に資するため、すべての一般公用車の低公害車への切り替えを早期に実現するともに、政府関係機関、地方公共団体等においても同様の措置がとられるよう、積極的に働きかけること。 十、環境負荷の小さい自動車への代替の促進を図るため、幅広く自動車関係諸税についてのグリーン化に前向きに取り組むこと。 十一、主要幹線道路沿道等の大気汚染による健康影響については、その調査研究に努めるとともに、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 十二、浮遊粒子状物質の中でも特に健康影響が懸念されているPM二・五については、調査研究を急ぐとともに、諸外国の知見、動向を踏まえ、できるだけ早期に環境基準を設定すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(吉川春子君) ただいま福山さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(吉川春子君) 全会一致と認めます。よって、福山さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、川口環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川口環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま御決議のございました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
○委員長(吉川春子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案及び環境事業団法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。川口環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) ただいま議題となりましたポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、ポリ塩化ビフェニル廃棄物が長期にわたり処分されていない状況にあることにかんがみ、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理のために必要な体制を速やかに整備することにより、その確実かつ適正な処理を推進することが喫緊の課題となっております。こうした課題を踏まえ、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、環境大臣は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画を定めることとしております。 第二に、事業者は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管及び処分の状況を都道府県知事に届け出るとともに、処理体制の整備の状況を勘案して定める期間内にこれを処分しなければならないものとしております。 第三に、環境大臣は、ポリ塩化ビフェニルを製造した者等に対し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理を円滑に推進するための資金の出捐その他の協力を求めることとしております。 このほか、環境大臣及び都道府県知事による報告徴収、立入検査、処分の命令等の規定を設けるとともに、罰則の規定を整備することとしております。 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一カ月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、環境事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、ポリ塩化ビフェニル廃棄物が長期にわたり処分されていない状況にあることにかんがみ、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に必要な体制を速やかに整備し、その確実かつ適正な処理を推進することが喫緊の課題となっております。こうした課題を踏まえ、環境事業団を活用することとし、その業務にポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理等を行う業務を追加する等所要の改正を行うものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、業務の追加及び見直しであります。ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理等を行う業務及び環境大臣が指定する者に対しその処理に要する費用につき助成を行う業務を追加いたします。また、これらの業務を追加するに当たり、既存業務の一部を廃止することとしております。 第二に、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理に要する費用の軽減を図るために、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基金を設け、政府及び都道府県から交付を受けた補助金と政府及び都道府県以外の者からの出捐金をもってこれに充てることとしております。 第三に、環境事業団が発行する債券に係る債務の担保に供するため、その金銭債権の一部を信託会社等に信託することができることとする等、資金調達手段の多様化を図るために必要な規定を設けることとしております。 このほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、今回追加する業務については、平成二十八年三月三十一日までの間に廃止を含めて見直しを行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(吉川春子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十分散会