環境委員会 第11号
- 発言数
- 214 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/05/29
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十四日、朝日俊弘さんが委員を辞任され、その補欠として堀利和さんが選任されました。 また、去る二十五日、本田良一さんが委員を辞任され、その補欠として岡崎トミ子さんが選任されました。 また、昨二十八日、岩佐恵美さん及び岡崎トミ子さんが委員を辞任され、その補欠として山下芳生さん及び本岡昭次さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎さん、経済産業大臣官房審議官長尾梅太郎さん、経済産業省製造産業局次長小平信因さん、国土交通省総合政策局長風岡典之さん、国土交通省道路局長大石久和さん、国土交通省道路局次長峰久幸義さん、国土交通省自動車交通局技術安全部長宮嵜拓郎さん、環境省総合環境政策局長中川雅治さん、環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎さん及び環境省環境管理局長松本省藏さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、来る三十一日午前九時三十分に株式会社環境総合研究所代表取締役所長青山貞一さん、神奈川大学名誉教授猿田勝美さん、弁護士西村隆雄さん及びNO2・酸性雨・SPM全国一斉測定実行委員会代表藤田敏夫さん、以上四名を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○末広まきこ君 おはようございます。末広まきこです。自民党・保守党を代表して質問させていただきます。 皆様方、ほとんどの方が御経験おありになると思うんですけれども、飛行機で羽田の上空あるいは名古屋空港、大阪空港などへ参りますと、都市上空に参りますと着陸待ちで旋回していることがよくあります。その旋回しているときに、何気なく窓の外を見ておりますとすごいことが見えてしまうんですね。都心部の上空に黄色い、鈍い黄色なんですけれども、鈍い黄色のドーム状のものが覆いかぶさっているというのがはっきりと見ることができます。私も何度か、うわ、都心の上空にはこんなふたのようなものがかかっちゃっているんだなという思いがいたします。あの中に自分は帰っていくんだなと思うと、ちょっとぞっとするんです。 その一方で、外国旅行から帰ってきたときに自分自身が自覚するんですけれども、空港から車に乗って都心部にずっと入っていって、窓をすっとあけて空気をわっと入れたときに排ガスのにおいをわっとかぐわけですね。そうすると、ああ、住みなれたところへ帰ってきたというある種の懐かしさを感じてしまうんです。これは全く変なんですが、この懐かしさと、それから、うわ、このにおい嫌だというあきらめとが入りまじって妙な感情を持ってしまいます。これこそが、自動車排ガスに侵されて日常化してしまった感性ではないのかなと大変心配を覚えるわけでございます。 そこで、きょうは古くて新しい問題、自動車NOx法について環境基準達成が困難であるという実情と、その実効性を上げる方策についてお尋ねしてまいりたいと思います。 まず、前半部分では、自動車NOx法制定当時にさかのぼって今日までの経過について伺い、事態を正確に認識していきたいと思います。 平成四年に現行の自動車NOx法が成立した際に、平成十二年までに東京や大阪など百九十六市町村にわたる特定地域でNOxを三割削減していこうというのが当初の目標となっておったと伺っております。この三割削減計画が達成困難になっているとのことでございますが、では具体的に当時の特定地域の排出量はどうだったのか、目標とした排出量はどうだったのか、そして実際の排出量はどうであったのかということ、推移について御説明していただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 現行の自動車NOx法におきましては、平成二年度を基準年度といたしまして、目標年度である平成十二年度までに自動車から排出される窒素酸化物の総量を特定地域全体では二七%、約三割でございますが、削減することを目指していたわけでございます。 それで、基準年でございます平成二年度におきまして、特定地域全体での自動車からの窒素酸化物の総排出量、これが十五万四千トンと推計されておりました。達成目標とされます平成十二年度でございますが、その目標排出量は十一万三千トン、したがいまして全体でこの間に四万一千トンを削減していくということが必要とされたわけであります。 それで、実際でございますけれども、これに対しまして平成九年度末におきます実績でございますが、十四万九千トンという状況でございまして、平成二年度に比べまして五千トンが削減されたということになります。この五千トンといいますのは、必要とされた削減量、削減すべき量、この約一二%にとどまるものでございまして、こういうようなことからも自動車NOx法を改正して早急に対策強化を行うことがどうしても必要だという状況でございます。
○末広まきこ君 よくわかりました。平成十二年度までに三割削減の予定が平成九年度で既に達成不可能な数値になってしまったと、こういうことでございますけれども、平成十年のNOxの環境基準達成率は、一般大気測定局で七四・一%の達成率、しかも自動車排ガス測定局では驚くべきことに三五・七%という大変低い達成率になっております。これは、経済の成長が原因でないということは明らかでございます。というのは、既にバブルははじけた後でございますから、その予測を上回っていった原因というのは経済成長ではない、これは明らかだと私は思います。 それでは、なぜたかだか五年で期待に反する結果を招いたのか、その原因について少し詳細にお述べになっていただきたいと思います。 まず、こういう観点から報告していただきたいと思います。自動車の保有台数、次にトラックの大型化、次にディーゼルの販売台数、一つ一つについて実情はどういうふうだったのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 全体的なことを申しますと、窒素酸化物の削減対策としてまず第一義的に重要なのは、いわゆる単体規制と申します自動車排出ガス規制の強化ということでございますが、これはかなり段階的に強化をしてきております。 それから、現行の自動車NOx法の中に根拠のございます特定地域の中での車種規制、これにつきましても相当の対策効果が上がったというふうに考えられるわけでございます。しかしながら、交通量の増大などによりましてその効果が減殺をされたということが一番大きな原因ではなかろうかと思います。それ以外に、低公害車の普及が進まなかったこと、あるいは物流・人流・交通流対策などについても十分な効果が見られなかったこと、こういうようなことなどから環境基準の達成率が低い状況で推移をしたものと考えております。 それで、さらに具体的にどういうような状況がこの間にあったかということでございますが、原因につきましては、昨年の十二月に中央環境審議会で種々御議論をいただいて御答申をいただいているわけでございますけれども、その中で特にこの達成が困難になった状況の背景として挙げられておりますのが、特定地域全体の普通貨物車の走行量という観点でまず見てみますと、平成二年には一日当たり七千万台キロメートル、こういうことだったわけですが、平成九年には七千八百万台キロメートルということで約一二%ふえているということ。それから、乗用車の方の走行量につきましても、同じく平成二年では二億二千二百万台キロメートルだったわけでございますが、これが二億五千六百万台キロメートルへと約一六%増加をしている。それから、低公害車でございますけれども、当初、特定地域全体で約三十万台の普及を見込んでいたわけでございますけれども、約一・七万台、一万七千台の普及にとどまっておるというようなこと。 それから、自動車の走行速度の観点で見てみますと、東京都区部の状況を見ますと、平成九年の時点で走行速度は平均時速十八・五キロメートルというぐらいの速度でございまして、これは全国平均の三十五・二キロメートルという平均速度の半分ぐらいということで、渋滞の発生状況について改善が見られないというようなこと、こういうようなことが対策効果が十分に上がらなかったということの要因ではなかろうかと考えております。 それから、今具体的にディーゼルの乗用車あるいは小型トラックの保有台数あるいは販売台数の観点の状況の推移、こういうことでございますが、手元にある資料で申しますと、まずディーゼルの乗用車について申しますと、これは特定地域の中だけのデータがちょっとございませんで全国ベースでございますが、ディーゼルの乗用車の保有車両数は平成二年の時点で二百九十九万四千台、こういうことでございます。そして、その後大変ふえていきまして、平成六年度のところで見てみますと四百六十三万二千台というところまで伸びております。その後もさらに七年、八年とこういうふうにふえまして、ただ直近の平成十一年度のデータで見ますと四百五十六万四千台ということで、比較的最近のところはやや下がってきつつあるという状況が見られます。いずれにしましても、平成二年度あたりから比べますと、六年、七年、八年に向かって大変たくさんディーゼルの乗用車がふえたということだろうと思います。 ディーゼル乗用車の販売登録車両数という観点で見ますと、平成二年度の時点で年間販売登録車両数は六十三万五千台。先ほど申しましたように、その後販売登録台数もふえておりますけれども、最近の数年はかなり販売登録台数は減ってきつつある状況にあるということでございます。ただ、全体的な長期スパンで見ますとかなりふえてきたというようなことが言えると思います。 それから、小型のディーゼルトラックの分は、平成二年度分のデータがちょっと手元にございませんですけれども、保有車両数、それから販売登録車両数につきましても、最近の状況はやや少なくなってきているという状況が見られるところでございます。
○末広まきこ君 今ちょっと松本局長は、まあまあ良化がわずかでも見られるところをお答えになったように思いますが、私も多分同じ資料を持っているんだと思いますが、全国の車種別自動車保有台数の推移というのを見ているんですけれども、トラックのうちのディーゼルは、平成十一年の資料ですが、いまだに九八・三%がディーゼル、そしてバスは九八・九%がディーゼルと、全然改善はされていないんです。間違いないですね。
○政府参考人(松本省藏君) 私が先ほど申しましたのは、恐縮でございました、小型のディーゼルトラックの分を申しましたので、昨今はちょっと減少の傾向にあるということでございまして、全体としては御指摘のとおりだろうと思います。
○末広まきこ君 というように、肝心かなめのトラックやバスという大型車両においてはディーゼルは相変わらず減っていないんですよ、ふえている傾向にございます。このことはきちんと理解していただきたいなと思うわけでございます。 それではもう一点の、自動車公害の救世主となっていただくべき低公害車の導入についてはどうだったのか。これも進んでいないというデータが出ておりますけれども、この理由についてどうお考えなのか、また今後の普及方法についてはどんな対策が講じられるのか、この点についてお伺いします。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほども申し上げましたけれども、現行の自動車NOx法におきます総量削減計画では、平成十二年度末までに六都府県におきまして低公害車四車種、これは御承知のとおり電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、そしてハイブリッドの自動車でございますが、最大で三十万台程度の普及というのを見込んでいたわけでございます。 ただ、このような低公害車は、御承知のとおり一般車と比べまして価格が高いということが一つございます。それから、例えば天然ガス車などの場合には特別な燃料供給施設が必要だと。電気自動車についても同様であろうかと思います。こういうようなことなどから、十一年度末現在で六都府県において約一万七千台の普及にとどまっているということでございます。なお、全国では平成十二年度末で約六万二千台というような普及状況にあるということでございます。 ただ一方、近年、従前のガソリン自動車の中でも大変な技術進歩がありまして、排出ガス性能が大きく改善をされつつございます。従来の低公害車と同等の排ガス性能を持つ自動車が乗用車のクラスを中心に実用化されてきている状況にございます。これらは、従来低公害車普及の障害とされておりましたいわゆる車両の値段の差あるいは燃料供給施設の整備などの問題は基本的にないわけでございますので、今後の大量普及が比較的容易であるというふうに考えているわけであります。今後は、従前の低公害車の積極的な普及促進にあわせて、こうした低排出ガス車を含めて一層の普及促進を図っていきたいと考えております。 このため、政府におきましては、これらの低公害車、そして先ほど申しました低排出ガス車を含めまして自動車税のグリーン化など税制上の優遇措置、これを平成十三年度、今年度からスタートいたしているところでございますし、また助成金の交付あるいは低利融資などの施策を組み込んでいるということでございます。 そしてまた、特にことし五月に小泉総理から、原則としてすべての一般公用車につきまして、平成十四年度以降三年をめどにこれらを低公害車に切りかえるということ、そしてまた今年度、平成十三年度におきましても、交換車両はすべて低公害車とする努力をするように総理からの御指示があったわけでございまして、現在この指示を踏まえて関係省庁で低公害車の調達の方針を検討しているところでございまして、環境省、それらをいずれ取りまとめていきたい。 政府がこういうことで積極的に導入を進めることで、関係の団体あるいは地方自治体それから民間の経済界、そちらの方にも今後積極的な普及促進を図っていきたいと考えているところでございます。
○末広まきこ君 今の御答弁を聞いておりまして、ちょっと通告にはないんですが、御確認をさせていただきたいんですけれども、低排出ガス車というのは乗用車で今一般化されつつあるということなんですが、それはトラック、バスも同様のことが言えるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほど申しました低排出ガス車でございますけれども、これは認定制度をつくりまして既存のガソリン車の排出ガスの基準、それを大幅にクリアをする、三ランクに分けまして認定をするということにしているわけでございますが、現在のところトラックとかバスはディーゼル車が中心でございますので、低排出ガス車の認定を受けることは率直に申しまして現在のところは難しいということでございます。 将来になりますと、そういう大型のトラックあるいはバス、こういうようなところは天然ガス車その他が入ってくるということにもなりますでしょうし、これからのメーカーの技術開発というものに私どもとしては期待をして、ぜひそういうような従前の形だけでなくて新しい形の低排出ガス車についてもまたそういう車種が開発されてくることを期待している、現時点ではそんな状況でございます。
○末広まきこ君 私の少ない経験で、上高地なんかに行きましたときに、天然ガス車のバスに乗りかえて乗用車をみんな置いて上がっていきますよね。やっぱりあれはすばらしいです。ああいうふうになるたけやっていかないと、なかなか普及するというものじゃないです。とにかくもう行動で示していくということをどんどんやっていただきたいなと思うんです。そうしませんと、環境意識というのは高まっていかないと思います。 それからもう一つ、先ほどの御答弁で聞いておきたいんですが、小泉総理がことしの五月ですか、所信でおっしゃいました公用車を三年をめどに全部低公害車に切りかえていくという、これは大変うれしかったお言葉でございますけれども、それじゃ総計それは何台ぐらいになるんですか。大体でも結構ですからお聞かせください。
○政府参考人(松本省藏君) 現在、中央省庁が保有をいたしております一般公用車、全体で七千六百台でございます。これを原則としてすべて三年間で切りかえる、こういうことでございます。
○末広まきこ君 実はもっとあるのかと思っていたんです。だから、三年かかって七千六百台を全部低公害車というのは大変小さな一歩ですね。 もっと抜本的に、つまりこういうのはさっきおっしゃいましたように、価格の壁ですとか、それからスタンドの普及ですとか、そういうのは全体で大きく取り組んでいかないと乗り越えられる壁じゃないんですね。だれかが少しだけやってその負担を全部引き受けるというわけには、これでは進んでいかないと思いますので、もっとそこは大きくその壁を崩していく方法というのをまたぜひ考えていただきたいなと思います。 それで、次の質問に移ります。 現行法の第四条第一項で、自動車を使用する事業者の大気汚染防止に関する責務が規定されました。さらに、第十三条では、事業を所管する大臣が事業者の自動車使用に関する排出抑制の指針を定め、事業者を指導することとなっております。 国土交通省と経済産業省にお聞きするんですが、現行法に基づく事業者指導の結果について、これは改善が余り見られていないということでございますので、当然幾ばくかの反省をお持ちかなと思いますので、そこをお伺いしたい。そして、改正法案ではどのように改善していかれようとしているのか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(宮嵜拓郎君) 道路運送事業者につきましてお答えいたします。 現行法に基づいて、窒素酸化物の排出量がより少ない車両への転換と適正運転の推進などを内容といたします運輸業に係る特定地域における自動車排出窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針、これを平成五年の運輸省告示として定めまして、これに基づいて指導を実施してきたところでございます。 また、この指針の実効を上げるために、平成八年から特定地域内のトラック事業者及びバス事業者に対しまして、各都府県と共同いたしまして事業者における自主的な環境対策を記載した自動車環境対策計画の提出を求めまして、毎年度のその計画に対する達成状況を積極的に公表、周知するなどによって指導を行ってきたところでございます。 しかしながら、都市部における大気汚染の状況は依然として深刻でございますので、こういったことを踏まえまして、今般の法改正においては、計画の提出を法律上義務づけるととともに、計画の達成状況を担保するための勧告や改善命令制度を創設いたしまして、取り組みの強化を図ろうとしているところでございます。 国土交通省といたしましては、今後この改正法に基づいて一層の指導強化に努めてまいりたいと思っております。
○政府参考人(長尾梅太郎君) 現行法のもとにおきましては、経済産業省は製造業等の事業者に対しましてNOxの排出抑制を図るための指針を作成いたしまして、これを周知して事業者の取り組みを指導するとともに、物流拠点の整備や物流分野の情報化、低公害車の導入等について事業者の取り組みを支援してきたところでございます。 しかしながら、特定地域におきます環境基準の達成状況につきましては、現在なお特定地域内の多くの観測地点で環境基準を超過する濃度のNOxが測定されている状況にございます。これは、当該地域の環境汚染の実情を踏まえました対策や事業者の取り組みがまだ十分でないことによるものと考えております。こうした事態を改善するためには、事業の特性を踏まえつつ、都道府県知事がバイパスの整備や違法駐車の効果的な排除などの地域の実情に応じた対策を講じるとともに、これとも連携して事業者に対する指導を行うことが必要と考えられます。 したがいまして、改正法案におきましては、事業者の取り組みに関しましては基本的な事項をNOx等の総量の削減に関する基本方針で定め、事業所管大臣が事業の特性を踏まえた事業者の取り組みの判断基準を定めるとともに、事業者からその具体的な取り組みについて計画と実績を都道府県知事に提出させ、これについて都道府県知事が的確に指導等を行うものとすることによりまして、地域の実情に即してNOxの排出抑制を図る仕組みをつくることとしたものでございます。 当省といたしましては、このような仕組みにのっとって的確に指導等を行ってまいりたいと考えております。
○末広まきこ君 全国のRV車の販売台数というのを調べてみたんですが、このNOx法ができたのが平成四年、それでRV車の販売が始まっておりますのが平成五年、NOx法ができた後にRV車の販売が始まっているのでございます。その中にディーゼルのRV車も堂々と入っている。これは一体どういうことなんでしょうか。
○政府参考人(小平信因君) 自動車製造事業者は、これまで排ガス規制を遵守いたしますとともに、低公害車の開発等を行ってきているところでございます。 また、昨年の三月にPM低減技術採用のディーゼル自動車の先行市場投入等を内容といたしました自主行動計画を策定するというように、これまで法律に定められた責務を履行してきているところでございます。 ただいま御指摘のございましたRV車につきましては、日本自動車販売協会連合会の統計によりますと、御指摘のとおり平成四年度約九十四万台の販売でございましたけれども、平成十二年度には二百七万台ということになっておりまして、増加していることは事実でございます。この中に占めますディーゼル車の割合は約一割程度でございまして、確かに先ほど御指摘ございましたようにRV車は規制がされました後も発売をされておりますけれども、全体としてRV車を見ますと、現在の規制を上回る排ガス、改善されたものが投入をされているという状況にございまして、いずれにいたしましても、消費者がお求めになるものでございますけれども、自動車製造事業者等は排ガス規制の遵守、より低排出ガスの自動車の市場投入に努めているというふうに承知をしているところでございます。
○末広まきこ君 それではお伺いしますが、消費者がお選びになるものですからと、そういうことになってくると、こういったNOx法の改正は何のために審議しているんですかということになっていくんですね。一生懸命みんなでより改正していこうといったって、いずれにしても消費者がというところへ話を落とし込めば、だからそれはちょっとおっしゃるべきではないなと。私たち国会議員の存在意義すらなくなってしまいますし、行政の存在意義もなくなりますから、それはおっしゃってもらっては困ります。 それで、もう一度経産省にお聞きしますけれども、例えばカリフォルニアなんかの規制法では、一定数の低公害車の販売を必ずセットで義務づけていると。そういうディーゼル込みのRVの新しいのが出るという、これは企業ですから、企業も営利の目的のためには何らかの新製品を出していくでしょう。だけれども、そのときにはこういう形でそこはフォローしますよというのが企業側の姿勢ですよね、消費者に対するアピールポイントだと思います。やっぱりそういうことを行政としては今後御指導なさっていくべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小平信因君) 自動車製造事業者は、環境問題が一段と重要になっている、そういう環境に配慮した自動車が最も社会において評価されるということにつきましては十分に認識をしているところでございます。 私ども経済産業省といたしましても、自動車製造事業者に対しまして、これまでも大気汚染の防止の重要性、着実に対応することの必要性ということにつきまして継続的に話をしているところでございますけれども、あわせまして低公害車の開発普及につきまして税制措置、予算措置等による支援を関係省庁とも協力をしながら講じてきたところでございまして、ただいまの先生の御指摘も踏まえまして、これからさらに環境対策に力を入れていきたいというふうに考えております。
○末広まきこ君 ぜひそうやってやる気を見せていただきたい、具体的にと思います。お願いしておきたいと思います。 低公害車も、今御意見の中にずっと出てまいっておりますように、価格が高い、税の優遇が少ない、そしてスタンドの整備も普及しないから進まないという悪循環でございまして、なかなか夢の車の開発普及ははかどっていないというのが現状でございます。 私は、一九七〇年の大阪万博、これでお仕事をして世の中に出るきっかけをいただきましたが、あのときに電気自動車というのが初めて大阪の万博会場にデビューしたんです。私も数度乗せていただく機会がございまして、そのときには、わあ、電気自動車、これが未来の夢の車になるんだと、そう信じて疑わなかったんです。そして、もっと速いスピードで実現化すると思っておりましたが、三十年たちましたがなかなか現実化していないんです。あのときにもっと後で出てきたのが携帯電話の普及でございました。そのときは、そんなものできるんですかって伺ったことがあるんですが、こちらの方はさっと行ってしまいました。この差について、皆様よく御検討いただきたいなと思うんです。 しからば、ディーゼル・ノーというふうに、東京都のように悪いのはディーゼルだというふうに悪もの退治にすぱっと踏み切れるかというと、それも各省の絡みという、また国の大きさというのもあってなかなかままならないのでございますが、そんなところへ尼崎訴訟、川崎訴訟、そして私の地元名古屋南部訴訟でも、道路公害なかんずく自動車排気ガスの健康に対するダメージとその因果関係について認めて、さらに差しとめまで認められました。私も現地を見てまいりましたが、大変に息苦しい限りです。一歩そこに入ればもうだれでもがわかります、これはひどいということが。呼吸がまず苦しいですし、その苦しさによってストレスを感じます。このストレスを感じるということは、もうこれは循環機能に及ぼしてきますから大変なことだと思います。 特に名古屋南部訴訟では、粒子状物質の問題がクローズアップされました。粒子状物質、ここに、これは東京都の石原都知事がお命じになって採取されたものでございまして、ちょっと環境省の方にこういうものがないということなんで、御無理を言って借りてまいりましたので。これは、何か実験室のところにディーゼルトラックを入れておいて、そこからぶわっと吐き出るのを受けとめてためたものだそうでございまして、ここには一グラムございますので、どうぞ皆さんで回して、決してお土産に欲しいようなものではございませんが、見ていただきたいと思います。(資料を示す) 見ていただきますとわかりますように、すすのようにふわふわしたものでございまして、ふわふわしておりますから何にでもくっつくという特性がございます。私もこの国会周辺で外を、建物から建物に移動するときに道路を渡ります。そのときに、顔にぴたっとくっついているのがこれでございます。よくお顔にくっついておりますから、しょっちゅう鏡を見ないと大変なことになりますが。 しかも、くっつきやすくて滞留するという特性もございます。つまり、吸い込んで、吸い込んだときに気管支の中でも滞留してしまう、肺の中でも滞留しますから、健康被害がちょっとやそっとでおさまらない、こういう大変ないたずら物質の粒子状物質でございますが、その粒子状物質が引き起こす健康被害についてはどのように認識されていらっしゃいますか。
○政府参考人(松本省藏君) 先生の御指摘のディーゼルの排気粒子でございますけれども、大変に目に見えます黒い粒子、これはむしろ黒鉛と言われるようなもので、これは生活面でもいろいろと洗濯物が汚れるとかその他目に見えることもありまして、それなりの影響が大きいわけでございますし、それ自体粒子状物質ですから、環境基準、SPMの環境基準も設定されているということでございますけれども、むしろ私どもが心配をいたしますのは、本当に微粒の目に見えないぐらいに粒径の小さい粒子、これがディーゼル排気微粒子の特性でもあるわけであります。 大変に心配はしているわけでございますけれども、そういうことでディーゼル排気微粒子、いわゆるDEPの健康への悪影響の懸念が高まっておりますけれども、環境省では昨年の三月に学識経験者で構成いたしますディーゼル排気微粒子リスク評価検討会を設置いたしまして、九月に中間取りまとめをとりあえず行っていただいているわけでございます。 ただ、そこではいろいろな研究をまとめまして、このDEPが人に対して発がん性を有していることが強く示唆されているということ、それから自動車交通量の多い道路沿道住民の呼吸器症状の増加が多くの研究で報告をされている。ただ、ここについては暴露評価というのがなお現時点では十分でないというようなことをこの検討会が報告しているわけでございます。 現時点でまだ人に対する健康影響の定量的な評価が定まっていないという状況でございますので、私ども環境省といたしましては引き続きこの健康影響の解明に努めていく必要があると思っております。
○末広まきこ君 私もその中間取りまとめを読んだんですけれども、さまざまな健康被害が報告されています。単純に一般的に名古屋でも、二十三号線より少し北側に寄ったところに国道一号線がありまして、その上を名古屋高速が、ちょうどその道路をふたするような形で通っているところがある。たまたまその一号線の通っている地形がさっと低くなっているんです。低くなった鍋底状態のところへ名古屋高速がふたをしています。両サイドには高いビルが建っていますから、もう本当に鍋底の中で暮らしているみたい。そこを走ってごらんになるといいんです、下を。もちろん下ですよ。まずくしゃみが出ますから。とまらないですよ、くしゃみ。くしょん、くしょん、くしょん、くしょん。もう連発。もうそれだけで大層疲れますから。 子供さんたちに聞いてみますと、免疫力を阻害してきますからアトピー性皮膚炎にもなるというし、驚いたことには成人男子の精子生産能力低下、それも指摘されているんですね。もちろん発がん性、これについてはもうよくよく報道されているところでございます。 普通、環境省の場合は実測調査してデータ収集となると三年はかかるかなと、私なんかももう、ううんとあきらめに近い思いをするのでございますが、今後これはどういうスケジュールで定量評価のスピード、取り組みをなさっていくつもりでございますか。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほども申しましたように、ディーゼル排気微粒子リスク評価検討会で今後暴露評価の充実が必要であるという指摘を受けておりまして、現在私ども環境省でこれを受けまして健康リスクの定量的な評価を行うという観点で各地で実測調査を行うなど、データの収集に努めているところでございまして、今年度末、平成十三年度末を目途にこれらの実測調査などの成果を盛り込んだ報告を取りまとめていただくということを考えているところでございます。
○末広まきこ君 十三年度末ということでございますので、心強い御答弁として受けとめておきます。 大臣にここまでのところお伺いしたいのでございますが、健康被害大であり、今も苦しんでいらっしゃる方がいて、幼い子供たちも苦しんでおります。そういう現状を重く受けとめて、自動車排気ガス被害を撲滅するんだと、こういう気迫で立ち向かっていただきたいと思います。 そこで、大臣に本法律改正のポイントと粒子状物質を含めた削減計画の内容、そして決意をぜひお願いします。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど来委員御指摘のように、大都市地域を中心としまして二酸化窒素ですとかそれから浮遊粒子状物質による大気の汚染というのがひどい状況にあるということで、私どももそういうふうに認識をいたしております。 それで、自動車NOx法をこのために改正いたしまして、粒子状物質対策も加えた車種規制を強化する、それから対策地域を拡大する、名古屋地域ですが拡大をし、それから事業者による排出の抑制の対策を拡充する、強化するということを図りたいと考えております。 その中で総量削減計画というのがつくられるわけですけれども、これは国が定めます総量削減の基本方針に基づきまして、地方自治体が策定をするということになります。それで、それは窒素酸化物とそれから粒子状物質それぞれについて削減目標量を定めるということと、それからそれを達成するための手段といたしまして車種規制、それから単体規制の実施、事業者による排出の抑制、低公害車の普及促進、それから物流、人流、交通流といった対策を総合的に盛り込んでいくということでございます。 おっしゃったような問題の大きさにかんがみまして、関係省庁や都府県が協力をして総合的に対策を講じていくということが非常に重要でございまして、それによって窒素酸化物や粒子状物質の削減を行い、二酸化窒素、それから浮遊粒子状物質の大気環境基準を確保するということで、このために全力を尽くしていきたいと考えております。
○末広まきこ君 ぜひしっかりお取り組みいただきたいと思います。 しかし、私はこのままでは自動車公害のないきれいな青空、澄んだ空気が取り戻せるなんてとても思えないんです。法律を幾らつくっても目標は達成できないのではないかなとすら考えております、今回改正しても。本当に申しわけないという気持ちで今申し上げていますが、だからどうすれば少しでも実効性を高めることができるのか、後半部分では環境政策のあり方というのをちょっと皆さんで議論させていただきたいなと思います。 まず、名古屋南部が特定地域に指定される予定というふうに伺っております。私が心配いたしますのは、特定地域に指定されてすべてが解決するのですかと。 例えば現在、特定地域における自動車保有台数の中にディーゼルというのは、その特定地域では乗用車では六・二%、貨物では一二・九%、バスでは驚くべきことに〇・四%、つまり何らかの抜け穴があるんじゃないのということを示している資料なんですね、これは。特定地域では登録しないけれども、よそで登録しておいて、それで走るのは特定地域と、それは通過するわけですから問題ないでしょうと、こういうことが堂々とまかり通ってしまうんじゃないか。これは偽らざる私の心配なんです。いかがでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 自動車NOx法の中での車種規制という大変効果の高い有力な手法でございますけれども、これは先生の、委員の御指摘のとおり、まず特定地域の中に使用の本拠地があるという車について、全国一律の単体規制より厳しい規制をかけていくという仕組みでございます。これはその仕組み自体、実効性を担保するという観点から、現行の車検制度を活用しましてそこで押さえていこうという仕組みをとっているわけでございます。 それから、確かに車というのは道路があればどこでも走るわけですから、特定地域の外に本拠地のある、要するに車種規制の対象とならない車もその特定地域の中にいろいろな用があって入ってくるということは事実だろうと思います。ただ、私ども例えば現行の首都圏域の四都県の特定地域の中で、その四都県の外側から特定地域の中に入ってくる車の量、排ガスの負荷の量というようなものを様々なデータで推計いたしますと、大体一割ぐらいというふうに推計されているわけです。 要するに、特定地域の中ではかなり県をまたがって動いているというようなこともございまして、かなりそういう意味で現行の制度でも実効性が上がるのではないかということだと思いますし、もう一つは、そういう制度でございますから、車庫を特定地域の外に置いていくというのはこれはある意味では違法でございます。ですから、それは法律違反の事例として厳しく取り締まっていくということが必要であろうかと思っております。
○末広まきこ君 厳しく取り締まっていただきたいんですけれども、それには人もお金もかかるから体制はとれるんですかという疑問もわくんですが、まあそれはおいておきまして。 私は、もっと環境政策というのは衆人環視、つまり皆さんの協力によってやっていくことを考えたらどうなのと。少ない人数で取り押さえに行くというのはなかなかこれは難しいですよ。だから、それは国民の皆さんの御協力によって、例えばこれは私の個人的な考えですけれども、特定自動車排出基準に合格している車両にはステッカーをぺたんと一枚、若葉マークのようなものでいいんですよ、あれを一枚ぺたんと張っていただく。そうしますと、特定地域に実際ありながらほかの地域に使用本拠地を移している車とか、あるいは通過交通が多いところではステッカーの張っていない車がえらい多いねとかというのがよくわかる、一目瞭然効果と思うのでございますけれども。改正法では、一定の台数以上の使用者は実施計画を届け出て指導もできるということになっておりますので、都道府県にこのステッカーを張らせる方法がとれないんでしょうかね、啓蒙運動の一つとして。 意識向上作戦についてどうお考えですか。これは副大臣にお伺いします。
○副大臣(風間昶君) 先生御指摘のステッカー交付による国民の意識啓蒙の向上ということについては、大変重要なといいましょうか大変貴重な御提言だと思います。しかし、乗用車は特定地域内だけでも一千百万台あるわけでありますから、仮に一枚二百円ぐらいのステッカーでもかなりの額になりますから、こういった予算面。それから、ウオッチャーをたくさんつくるということについては、これもまた大変重要な御指摘でございますが、この人的予算。ここの部分も考え合わせて、そして関係省庁と連携をした形でやっていかなければならないという問題もございます。 したがいまして、今先生御指摘のありましたステッカー貼付、張っていただくことについての有効性について今後とも検討していきたいというふうに思っております。
○末広まきこ君 時間がなくなりましたので短く聞きますが、それと同時に、この地域は特定地域ですよという喚起を促す意味で標示板を設置していくというのも有効であるかと思うので問い合わせてみましたら、国土交通省の方で、名古屋南部でこういった情報提供の何か設置板を取りつけると聞いておりますが、これはどんなものになるんでしょうか。
○副大臣(風間昶君) 国土交通省に私は直接聞いていませんので、いずれにしてもその看板の設置につきましても予算面での問題もありますから、国土交通省と連携していきたいと思っています。
○末広まきこ君 今の質問は国土交通省の方に伺ったんです。済みません。
○大臣政務官(田中和徳君) 私も、実は川崎訴訟の中心をなす川崎の産業道路沿線に住んでいる者の一人でございまして、先生と同じような気持ちで努力をしてきたものでございますが、国土交通省はこのたび名古屋市の南部地区に五つの測定局の設置を考えておるわけでございます。港区に三カ所、南区に二カ所、既に名古屋の市の方でも平成十二年に一カ所つけておられまして、そういうものをつけて、ひとつ市民の皆様方にもわかりやすく標示をしていきたい、このように思っております。
○末広まきこ君 時間ですから、終わります。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。自動車NOx法の改正について御質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 先ほど末広委員からもいろいろお話が出ましたように、大変古くて新しい問題だというお話がありました。 そもそも一九七八年に二酸化窒素の環境基準について大幅に環境省が、当時の環境庁ですが、緩和をした。一九八五年までに環境基準を達成すると公約していたにもかかわらず、結局果たせなかった。その後、九二年にさらに達成をするという公約をほごにし、今回、二〇〇〇年、またもやほごにすることになった。実際には、九八年は目標の三五・七%、九九年は五九・一%、達成にはほど遠い状況であった。よくよく考えると、二十二、三年かかって結局実効性が上がらなかったと。その間に健康被害に遭っている患者の皆さん、地域住民の皆さんがたくさん出てきていたと。 本会議でも私お伺いをしたんですが、この実効性が上がらなかったことに対する責任については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 現行の自動車NOx法で特定地域で平成十二年度までに二酸化窒素の大気環境基準を達成するということを目標にしていろいろな施策を講じてきたということでございますけれども、結果としては目標の達成が非常に困難になった、困難な状況になったというふうに認識いたしています。 それはなぜかということですけれども、大きく二つ。一つは車種規制等の各種の規制、対策の効果はあったわけですけれども、他方で自動車走行量が伸びて、それによって減殺をされてしまったということが一つ。それから、自動車の使用合理化に関する事業所管大臣の指針、それから指導の仕組みが十分に機能していなかったということの二つがあるかと思います。 現行の自動車NOx法に基づく対策が総合的に見て十分に効果を上げ得なかったということについては、謙虚に反省をしないといけないと考えております。それで、今後、一層の対策の推進を図るということが必要でございまして、そのためにこの法律の改正をして、粒子状物質を対象に入れる、あるいは事業者指導の仕組みをよりきちんとする、強化をするということを主眼とした改正を行って、環境省がこういった責務に取り組んでいくということが大事なことだと考えております。
○福山哲郎君 原因は今二点だというふうにおっしゃられまして、責任としては、だからこのたび改正をするんだというお話はよくわかりますが、私は実はこれまで実効性が上がらなかった責任は、私は原因をお伺いしたつもりはなくて、この二十数年間、逆に言うと達成をしなくて、放置をしたと言うと語弊がありますから放置をしたとは申し上げませんが、今回の改正に対しては第一歩だと思いますけれども、そこの責任に対して、これから、だから改正をするということではないんですが、これまでの問題についての責任については、大臣、どういうふうにお考えですか、環境省として。
○国務大臣(川口順子君) 現行のNOx法による対策が十分に効果を上げ得なかったということは大気の環境基準の数字となってもあらわれているわけでございまして、こういった結果になったということは謙虚に反省をしなければいけないというふうに考えています。
○福山哲郎君 そういう観点で申し上げますと、やっぱり僕はこの改正NOx法が、建設的な話をしますと進捗管理とか中間見直しがやっぱり必要なんじゃないかと。これまで十年間やりますよと言って、結局その期間が近くなってきたら、ふたをあけたらできていませんでしたという話で、じゃ、ちょっともう一回改正しましょうかとか、やり方変えましょうかみたいな話で、現実にはその間に被害を受けている方もたくさんいらっしゃるわけです。 現実に申し上げますと、いわゆる審議会で出た答申に対しては中間見直しが必要とされるというふうになっています。ところが、今回この改正NOx法の附則第三条、「政府は、窒素酸化物総量削減基本方針において定める窒素酸化物対策地域における自動車排出窒素酸化物の総量の削減に関する目標及び粒子状物質総量削減基本方針において定める粒子状物質対策地域における自動車排出粒子状物質の総量の削減に関する目標の達成状況に応じ、この法律による改正後の規定に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」というふうには書いてあるんですが、はっきり中間見直しをやるとは書いてないんです。 「目標の達成状況に応じ、この法律による改正後の規定に検討を加え、」と書いてあるんですが、これも実はよくわからない。どこでどのように規定に検討を加えられるのかもわからないし、目標の達成状況に応じとおっしゃいますが、この目標の達成状況がいわゆるこういう計画をつくったときの一般的な十年だと、目標の達成状況の十年が終わってから規定を見直しますという話になれば、これは今までのスキームと同じになります。 私は、今大臣が反省をしなければいけないと真摯にお答えいただいたことを考えれば、この改正NOx法についても、これは本当に十年後でいいのか、附則の三条と現実に中間見直しや中間の進捗管理をどのようにするのかということの関係が実は余り定かではありません。 ここについてははっきり言っていただかないと、改正法はできたけれども、あとまた十年間ほったらかしみたいな話が、言葉は悪いですが、そういう話が出てきますので、ぜひ附則の三条と中間見直しについての明確な御答弁なり方向性を示していただければありがたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) NOx法の改正法案の施行に当たりまして、総量削減計画の途中の段階で国が目標の達成状況を点検するということによりまして、計画を着実に推進していくということは大変重要なことだと思います。そしてその際、個別の施策についても必要があれば見直しをして強化をする、その時点で強化をするということもぜひ必要なのではないかというふうに考えております。 そういう意味で、おおむね十年というのを例えば達成期間で今念頭に置いているわけでございますけれども、十年間見てその結果でということではなくて、まさしく中間段階できちっと、それから経年的にも見ていく必要がある。中間段階でございますから、そういう意味からすると十年とすれば真ん中、そういうようなところできっちりと達成状況についてフォローとチェックをするということが必要であろうと思いますし、その時点で必要があれば個別具体策の強化もそこの時点で行うということが必要であろうかと思います。 委員御指摘の改正法附則第三条はまさしくそういう趣旨も含んでいるわけでございまして、この条文自体、十年たった後ということではなくて、その途中段階でも達成状況に応じて、ここで書いてありますのは法律自体の改正まで場合によっては踏み込むことあり得べしという趣旨であろうと思いますし、法律改正をしなくても対策を強化するという場面もあり得るんではないかと思っております。 そういう意味で、今回の改正法についての進行管理、それから途中の時点での達成状況のチェック、そういうようなことについては本格的に取り組んでいきたいと考えております。
○福山哲郎君 今、局長に非常に前向きに御答弁をいただいて大変僕も心強く思っています。まずは基本的には中間見直しですから五年ぐらいをめどにということと、経年的にもやらなければいけないと。その段階での進捗状況に応じては、法律の改正まで実は視野に入れてこの法律は考えているんだというふうにいただいておりまして、実は今こんなに建設的に御答弁いただけると思っていなかったので、大変うれしく思っています。 逆に言うと、ぜひしっかりとその辺のことも、被害を受けている方も含めてきっちり環境省からお伝えをいただいて、環境省はこれまでの反省を踏まえて前向きに取り組んでいるんだということを、やっぱりいいことはいいことで国民にアピールをしていただかねばいけないので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。 では、そういう状況の中で現実には名古屋や尼崎で判決が出て国が負けているわけでございますけれども、本会議で私が、尼崎、名古屋等の判決は厳しく国の責任を求めているわけですが、「この一連の判決についての見解を求めます。」という質問に対しまして大臣がこうお答えになりました。「健康被害と大気汚染の因果関係の認定などについて問題があると考えておりまして、名古屋南部公害訴訟につきましては、関係省庁と協議をした結果、現在控訴中であります。」というふうに答弁をいただきました。 「健康被害と大気汚染の因果関係の認定などについて問題がある」の問題とは、具体的に何が問題とされて控訴をしているのか、国としては何を問題にしているのか、そこについて具体的にお答え願えますでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 浮遊粒子状物質につきまして、それによる沿道住民の健康影響、特にディーゼル排気粒子との関連が問題になっているわけでございますが、現時点ではその影響を判断するための科学的知見が必ずしも十分でないという状況にあるわけでございまして、名古屋南部訴訟の判決につきましても、極めて限られた資料に基づいて因果関係が認定されているというようなことで、医学的な根拠が必ずしも十分ではないという判断に立っているわけでございます。 もう少し詳しく申しますと、今回の判決でございますけれども、因果関係につきましては千葉大学の調査を根拠にしているわけでございますが、この千葉大学の調査につきましては自動車排ガスに含まれます粒子状物質と健康被害との因果関係、これを評価すること自体を直接の目的とした調査では実はないわけであります。それから、沿道部と非沿道部を直接比較するというような調査の仕組みにはなっていない、あるいは学童についての調査でありまして成人に当てはめるというのは適当ではないのではないか、医学的に申しますとそういうようなところが十分ではないのではないかという観点で問題があるというふうに考えているところでございます。
○福山哲郎君 大気汚染と健康被害について因果関係が、科学的知見がまだ足りないのと、調査等について問題があるという認識だということは今承ったんですが、現実にじゃ大気汚染との間には因果関係はないという意味なんでしょうか。それとも、もう少し科学的知見なり調査の方法を考えればある程度納得できるという意味なんでしょうか。そこはどうなんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) これは、やはり科学的な知見の蓄積、調査研究をさらに詰めていく、その結果で本当の意味での因果関係というのが明らかになってくるということであろうかと思います。今の時点で因果関係がないと断定しているわけではないわけでございます。 それはそれとして、現実に大変厳しい大気汚染状況にあるということでございますので、大気汚染のための対策というのは行政として本格的、積極的に取り組んでいかなければならない、こういうことでございまして、訴訟とは別の判断で行政的な努力をしたいということでございます。
○福山哲郎君 その中で、ディーゼル排気粒子のリスクの検討が先ほど言われたリスク評価検討会で行われているんですね。済みません、もう一度、いつそれは結果が出るんですか。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほどのディーゼル排気微粒子の評価検討会でございますが、十三年度末を目途に取りまとめをしたいということで先生方にお願いをしているということでございます。
○福山哲郎君 そうすると、少し話が飛んでしまうんですが、事前通告の中には入っているんですが、順番からはちょっとずれるんですけれども、平成十三年度末にディーゼル排気粒子リスク評価検討会の結果が出る、もうあと一年、半年ぐらいで出てくるにもかかわらず、今回のSPMを含んだ法改正を行うと。早ければ早いほどいいというのはわかるんですが、我々としては範囲をもう少し狭めるべきではないかという主張もしておりまして、平成十三年度末にディーゼル排気粒子の中身が出た時点で、その報告書が出た時点で、現実にこの法案についての改正等は具体的に考える予定はあるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 福山委員おっしゃられましたように、早ければ早いほどいい、こういうことでございますが、ディーゼル排気粒子の健康リスクの定量的評価、こういうのはまだ定まっていないという段階でございますので、調査研究なりを鋭意進めているということでございますけれども、既に現時点で発がん性を有しているということが強く示唆をされているという状況、それから我が国の都市におきまして、他の欧米諸国と比較して単位面積当たりのディーゼル排気粒子の排出量が多いんではないか、こういうことも言われておりまして、大気中のディーゼル排気粒子濃度も欧米の代表的な地域に比べて濃度が高い可能性が示唆されている、こういうようなことでございますので、健康への悪影響を未然に予防するという観点から、少しでも早くディーゼル排気粒子対策を実施していくということが必要だろうと思いますし、ぜひ今国会で自動車NOx法の改正をお願いしたい、こういうことでございます。
○福山哲郎君 ですから、じゃ、ディーゼル排気粒子の検討会の結果が出た時点で、その結果いかんによってはこの法案をさらにより改正するような動きも出てくる可能性はあるということですね。
○政府参考人(松本省藏君) 今、その結果を踏まえて法律改正を念頭に置いているということはないわけでございます。理論的に言いますと、そういう調査結果の内容いかんによってはということであろうかと思いますけれども、今の時点でそういう、さらに例えば来年にNOx法を改正するというようなことはちょっと念頭にございません。
○福山哲郎君 環境庁の告示の大気の汚染に係る環境基準について、SPMの定義だと十ミクロン以下なんですが、現実にはディーゼル車から排出される粒子の大きさは一ミクロン以下であるわけですから、逆に言うと、このディーゼルの粒子に対する検討結果が出た後、そこはこだわらずに前向きに先ほどの御答弁のように考えていただきたいなというふうにとにかく希望はしておきます。 次に移ります。 では、今度は尼崎の公害訴訟で和解の骨子があります。この和解の骨子の主な内容のうちの一つに、「訴訟対象の各道路沿道で環境基準を上回る汚染実態にあることを前提に、環境基準の達成を目標とする。阪神高速神戸線と同湾岸線でロードプライシングを早期実施し、直接的な大型車の交通規制に向けた調査をする。汚染実態を正確に測定するため新たな測定局を設置し、住民らの健康影響調査を実施。」というようなことが和解条項の中に入っているんですけれども、現時点でこの和解条項の中で具体的に検討し始めているものはありますでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 尼崎訴訟の和解条項、たくさん内容が盛り込まれているわけでございますが、この地域になお環境基準を上回る汚染実態があるということは事実でございますので、その汚染の改善を図るという観点から、環境省、そして国土交通省でとり得る限りの施策の実施ないしは検討に努めるということにしているわけでございます。 それで、具体的に私ども環境省関連の検討事項について御紹介をさせていただきたいと思いますが、まず、ディーゼル自動車の新長期規制でございますが、これは平成十七年度までに実施できるように現在具体的な規制値について検討中ということで、これも今年度中には具体的な規制値を設定するというところまで進めたいと思っております。 それから、二点目でございますが、ディーゼル微粒子の除去装置、DPFでございますが、これにつきまして耐久性試験などを実施いたしました。そして、その効果などの技術的側面を評価した報告書を今月、五月でございますが、十八日に取りまとめて公表を既にいたしておりますし、またそういうようなことも踏まえて地方公共団体への補助金の交付の予算上の措置も既に組み、支援をしていこうというふうにしております。 それから三点目。低公害車あるいは低排出ガス車の普及の促進という観点で、平成十三年度、今年度から自動車税のグリーン化などの支援策を実施するということにいたしましたし、また、小泉総理大臣の御指示によりまして、原則としてすべての中央省庁の一般公用車を低公害車に切りかえる、十四年度から三年間で切りかえるということにいたしました。 それから、尼崎地域におきます大気環境の状況の的確な把握をするという観点から、国土交通省と連携しながら、浮遊粒子状物質や二酸化窒素だけでなくて、お話にありましたような、微小粒子状物質あるいはベンゼンなども測定できるような、そしてまたそのデータをリアルタイムでインターネットで提供できるような沿道測定局の設置を現在検討中であるということ。あるいは健康影響調査について、環境保健サーベイランス調査などを基本としながら、PM二・五を汚染指標とする調査あるいは解析手法の追加、拡充などの検討をしている。 これ以外にもあろうかと思いますけれども、例えばそういうようなことを環境省としてもこの和解条項の内容の実現に向けて努力をしているということでございます。
○福山哲郎君 その中で、先ほど申し上げました汚染実態を正確に測定するための新たな測定局を設置するという中で、少し報道で気になったことがあります。報道の中身が本当かどうかということをちょっと確認させていただきたいんですが、この報道によりますと、尼崎の公害病認定患者の六分の一が周辺地域に集中する尼崎東本町交差点に大気測定局を設置するように公害認定患者が申し入れたところ、環境省は同交差点に設置したいけれども国土交通省が同じ場所で独自に測定局を設置するとして拒否をしていると、両省間で調整を進めているんだという話があります。 現実に、公害の認定患者がここで測定をしてほしいと、今局長が言われたように、いろんな測定をしなければいけないのでということで申し入れたものが、省庁間で今調整中でなかなか滞っているというふうな報道があるんですが、これの真偽のほどをお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(峰久幸義君) 和解条項のうち、国土交通省におきましても、測定局の設置等、道路管理者の立場からいろんな環境対策を講じる上でもあるいは評価する上でも必要だということで道路管理者としても行うようにしておりますが、あわせて、当然のことながら環境省あるいは公共団体が自主的にやられることが多いわけでございますが、そこと調整するのは当然でございまして、ちょっと報道については定かなことはわからないんですけれども、当初の段階で若干の行き違いはあったのかもしれませんけれども、現在、それは当然のことながら調整をして行うべく、もう基本的には合意しておりまして、あとどういう形で、具体的に細かいことは詰めるということは残っているかもしれませんが、共同して設置するということは当然のことだと思っております。
○政府参考人(松本省藏君) 私どもも同様でございまして、具体的な設置場所について報道があったわけでございますが、現在、国土交通省と具体的な調整を進めているということでございまして、対立をして先が見えないということではありません。
○福山哲郎君 それでは、具体的に大気環境測定局を設置する場合に、環境省がやられる場合の測定目的と対象物質、国土交通省がやられる場合の測定目的と対象物質について、それぞれお示しをいただけますか。
○政府参考人(松本省藏君) 大気環境の測定、これはあまたの地域で定常的に把握をしていかなければいけないわけでございますが、基本的には地方公共団体の責務であるという形に大気汚染防止法ではなっているわけでございます。 ただ、そういうことですけれども、環境省がみずから測定局を設置するという場合も当然あるわけでございますが、その場合はやはり、例えば今問題になっておりますPM二・五などそういう微小粒子状物質でございますけれども、まだ現に環境基準が設定されていない物質、そういうような基礎的なデータが不十分なもの、そういうようなもののデータ収集に努める、そして今後の環境基準の設定に向けて、例えば検討の素材にするというような観点から環境省として直接の測定局を持っているということでございます。 その一カ所について、尼崎のところで、現在も国設測定局が尼崎に一つあるんですけれども、新たにもう一つつくりたいと考えているということでございます。
○政府参考人(峰久幸義君) 道路行政におきましても、大気環境の状況が非常に厳しいということで、沿道環境対策というのが喫緊の課題だというふうに認識をしておりまして、その中で、環境対策を講ずべき一般国道におきまして、平成十三年度から道路管理者による観測局の設置を行うようにしております。 その観点は、やはり道路環境対策を立案していくために、どういうふうな道路構造でありますとか、あるいはもう少しソフトな政策をしていったらいいかというような、そのための資料とするということ。それと同時に、そういうふうに行われました政策につきまして評価をしていくという、こういうことから道路管理者としても道路管理の一環として当然行うべきだろうということで行わせていただいております。これは、和解条項の中にも道路管理者においても行うようにという御指摘もあったところでございます。 それで、具体的な中身につきましては、窒素酸化物及び浮遊粒子状物質について、あと気象状況等についても行うこととしております。 尼崎地域につきましては、平成十三年度から六カ所程度設置することとしております。
○福山哲郎君 これは具体的に二つの省庁の間でどうやって調整をして、その当該の、例えば尼崎東本町交差点に設置する場合にどういう段取りで調整がされるんでしょうか。どちらがお答えいただいてもいいですが。
○政府参考人(峰久幸義君) それぞれの場所において、特に地方公共団体などが設置されていることが多いわけでございますが、だれが設置するかについては、共用できるところについては当然共用するということでございますが、道路管理の立場からは、道路構造などを勘案しまして、車線数とか断面の構成あるいは交通状況などでございますが、そういうものを勘案して、大気状況がおおむね同一と考えられる一定の区間を想定しまして、まずそういうところで、五キロから二十キロメートルぐらいでございますけれども、そういうところにおいて公共団体などと調整しながらやっていくということでございます。
○政府参考人(松本省藏君) 御指摘の新聞報道にありました測定局の問題でございますが、どんな測定局でもそうでございますが、測定局、余り大きなスペースは要らないんですけれども、いずれにしろ何平米かのスペースが必要なわけです。そのスペースが、例えば道路沿道で測定をぜひここでやりたいといった場合に、適当な測定場所についての土地の所有者がどなたか、現に、そこに国、環境省が設置できるかどうか、こういう問題がどこでもあるわけでございますが、たまたまこの四十三号線でございますか、その周辺のところでございますと、環境省の方からしますとどうもなかなかいい場所が見つからないなと。一方で、やはり道路管理者でございます国土交通省さんの方は大体沿道のところをかなり持っておられるというようなこともございまして、そこの辺について上手に使わせていただけるのであれば、それにこしたことはないなというようなことでいろいろと調整をさせていただいているということでございます。 なお、先ほどちょっとお答え漏れたかと思いますが、具体的な環境省の方の測定局では、先ほど申しましたPM二・五あるいはベンゼン、そういうような化学物質についての測定を行う。もちろん、二酸化窒素あるいは一般的なSPM、それから二酸化硫黄その他、そういう一般的な大気環境物質も測定するということ。 以上でございます。
○福山哲郎君 道路管理者としての大気環境の測定と環境省としての大気環境の測定というのは、今お話を聞いていると、非常に抽象的な話だったのでわかりにくいんですが、具体的に項目とか、具体的にやり方とか方法とか設置の仕方とか、その辺はやっぱり異なるんでしょうか、かなり。例えば、測定の方法とかも同じ物質でも異なったりすることがあるんでしょうか。細かい話で恐縮なんですけれども。
○政府参考人(峰久幸義君) 具体的なやり方につきましては、環境省の方のやり方、基準等を参考にしながらやらせていただく、むしろそれに従ってやるということでございまして、中身が違うわけではございません。
○政府参考人(松本省藏君) 一般的な大気汚染物質について、測定機材、これは大体共通でございますので、データが違ってくるというようなことはないと思います。 それから、環境省の方になりますと、先ほど申しましたように、かなり特殊な汚染物質に着目をして測定するということでございますので、それはそういうことだろうと思います。 いずれにいたしましても、先ほど来、環境省と国土交通省の測定の基本的なねらいが違うところがあるものですから、全部一緒にというわけにはいかないわけですが、私どもとしては、これからできる限りデータを共有して連携を図っていくというような方向で努力をしたいと考えております。
○福山哲郎君 私が、それぞれ別々にやっているのは余り意味がないんじゃないですかと言おうと思ったら、データを共有したいというふうに局長から早速お答えをいただきましたので、それはそれでありがたいと思うんです。 もう一つ、言葉じりをつかまえるようで大変恐縮なんですが、松本局長が今、それぞれねらいが違うとおっしゃられた。ねらいが違うというのはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 環境省の方は、先ほど私申しましたけれども、国が、環境省が直接国設測定局を設置して測定をいたしますのは、その地点での一般的な汚染物質の測定をするということよりも、むしろPM二・五だとかベンゼンだとかまだ新しい有害物質、例えば環境基準がまだ設定されていない、そのための基礎データを把握していくというような観点で測定物質も決め、測定をしていくということでございます。 国土交通省さんの場合には基本的に道路管理者というお立場で、国土交通省あるいは公団など道路管理者、そういう観点で、道路環境対策の実施とかあるいは評価という観点で測定をしておられるということの違いということであろうかと思います。
○福山哲郎君 できる限りお互い共有できるような状況で、特に当該地域は裁判の認定患者さんが周辺に多いということですので、そこで余りお互いが、僕の私のところの縄張りだみたいな話はなるべくやめていただいて、今おっしゃられたように調整をしていただいて、それぞれがそれぞれの役割で測定できるように前向きにやっていただきたいというふうに思います。 それから、本会議の私の質問に対して、いわゆるSPMについて大臣から御答弁をいただいておりまして、大型ディーゼル車の排出ガス規制が欧米に比べて甘いのではないかというお尋ねでありますが、日本と欧米では試験方法に違いがございますから単純に比較はできないと思いますと。現時点では、日本では欧米よりNOxの規制値が厳しく、欧米では日本より粒子状物質の規制値が厳しくなっておりますと御答弁をいただいたんですが、現行でのこれらの規制値の違い、特にSPMについて規制値が違うということをどのように御認識していただいているのか、具体的に示していただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) まず、日本と欧州の規制値が違うということでございますが、例えば乗用車で比較をいたしますと、日本ではPMについては現在〇・〇八グラム・パー・キロメートル、欧州の方では〇・〇五グラム・パー・キロメートル、こういうことでございまして、若干ヨーロッパの方が規制が厳しい、こういうことが言えると思います。 ただ、これはあくまでも規制の数値だけでございまして、まずここのところについて御説明をさせていただきたいのは、試験方法が違うので一概に比較できないということでありますけれども、自動車排ガス規制の規制値というのは、実際の走行パターンをモデル化いたしまして、実験室の中で走行モードというのをつくって、実験室の中で仮にローラーの上を走行モードに沿って走らせて排ガスの規制値の当てはめをやる、こういうことになっているわけですが、それは各国の走行実態を踏まえて走行モードというのはできる。そこの走行モードというのが、例えば走行距離だとか速度とか、国々によって違う設定になっているということでございます。 例えば、日本と欧州の乗用車の走行モードを比較いたしますと、平均車速でいいますと、日本の時速二十キロに対しまして欧州では時速三十キロ、こういうふうに違います。それから、走行距離に関していいますと、日本の場合には四キロ、欧州では十一キロのモードを使っているということで、それぞれ違うということなので、単純に冒頭申しましたような規制値の違いだけでその数値どおりの差があるということではないということでございます。 ただ、一般的にいいますと、日本の自動車排ガスの中でのPMの規制というのがヨーロッパに比べてやや甘かったのではないかと言われることはしばしばあるわけでございます。 それなりに努力をしてきたわけでございますけれども、一つ言えますことは、NOxの排ガスの除去の技術とPMの方の除去の技術というのはある意味でトレードオフの関係にありまして、総じて我が国の場合には、従来NOxの方の規制を大変重視してきたというような政策的なプライオリティーみたいなものがあったのではないかなという感じがいたしておりますが、これからはPMについての排ガス規制というのは大変重要でございますので、本格的に取り組んでさらに規制強化を進めていきたいと考えているところでございます。
○福山哲郎君 そのNOxの方にプライオリティーが高くてトレードオフの関係だというのは一面よくわかるんですが、なぜNOxの方にプライオリティーが高い政策の決定がされてきたのか。その経緯は何か明確な理由はあるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) やはり窒素酸化物につきましては、硫黄酸化物とあわせましていわゆる典型的な大気汚染物質というようなことで、環境基準もNO2の形で昭和四十八年から設定をされているわけでございまして、そういう具体的な政策目標というのが早くから設定されていた。 それに対してPMの方は、SPMは環境基準はあったんですけれども、もう一つ具体的な健康影響その他あるいは具体的な対策の取り組み方、なかなか難しいところもあったりはっきりしないところもあるというようなことで、ちょっと窒素酸化物に比べますと、過去において何もしなかったということではありませんけれども、やや窒素酸化物対策の方が進んだのかなというようなことではなかろうかと思います。
○福山哲郎君 それと、細かい話ですが、先ほどの試験方法の問題なんですが、それはお互いの国で違う。先ほど欧州と日本の違いを言われましたが、アメリカもやっぱり違うんですか。
○政府参考人(松本省藏君) アメリカも違います。
○福山哲郎君 それは、例えばそれぞれの国なり地域での大気汚染の度合い、それぞれの気象状況とかあると思うんですが、その試験方法についてのすり合わせなり調整なりはするというような状況は国際的な議論の中ではないんですか。
○政府参考人(松本省藏君) それぞれの国の事情に応じてということで、余り今までは連携もなかったわけです。今後の課題として、欧米諸国と日本との間でのそういう具体的な走行モードについての、全く同じパターンにするかどうかという話ではなくて、比較連携というのは必要になってくるかと思います。
○福山哲郎君 まだ幾つかあるんですけれども、もう時間になりましたので、大臣に最後に少し御決意をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) NOx法の改正というのは、これから大気汚染対策を進めていく上で非常に重要なことだというふうに私ども考えております。 環境省といたしましては、必要なことをやっていくために全力を尽くして取り組んでいく所存でございますけれども、ぜひこの法律の改正の成立をよろしくお願い申し上げたいと考えております。
○福山哲郎君 終わります。
○委員長(吉川春子君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時三十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。限られた時間でございますけれども、質問をさせていただきたいと思います。 これまで、自動車NOx法については、先ほど来質問をいたしておりました我が党の福山理事が奮闘をきわめておりますけれども、時間の範囲内で質問をさせていただきたいと存じます。 NOx法の改正の経緯を見ますと、当時、環境庁が昭和四十八年に大気汚染の状況にかんがみまして二酸化窒素環境基準を定めまして、五年以内に、遅くとも八年以内に達成をしようということでありましたけれども、これが不発に終わっております。また、昭和五十三年、基準値の〇・〇二ppmから〇・〇六ppmへの緩和でございますけれども、これについても昭和六十年まで引き延ばしということでありましたけれども、これまた達成できなかったということで、その後、平成四年に自動車NOx法が制定をされまして、二酸化窒素基準が、平成十二年度、二〇〇〇年度までということで、平成十三年三月まで達成目標ということでございます。 しかし、この自動車NOx法は事業者指導を各事業所管省庁丸投げのような状況も見受けられるわけでございます。ただ、大幅な緩和をというよりも、猶予期間を設けておりますので、十年先送りということで。しかし、効果が出ていない、現在も未達成の地域が多いということでございまして、今回の改正もその延長線のようでは私は困ると思っております。環境基準を達成する上でまだまだ不十分なものもある気がしてなりません。 そこで、私は、東京都の環境白書を、二〇〇〇年度を見させていただきましたら、東京の環境問題の中で、公害健康被害補償法及び医療費助成条例、この条例の中で、非常に大気汚染にかかわる健康被害が顕著にあらわれているということで、被害補償を受けている関係を見ますと、十八歳未満、青少年でございますけれども、慢性気管支炎あるいは気管支ぜんそくということで七万四千人にも及んでいるということでございまして、これらの関係を見ますと、しからば本当に東京都の状況を考えた中で、医療費助成条例、これをとらえた中で、お医者さんでもございます、特に私の先輩でもございます風間副大臣に医学的見地からちょっと御質問したいと思います。よろしくお願いします。
○副大臣(風間昶君) 今、先生御指摘の、まさに平成十二年度までの環境基準の達成が極めて困難であることの事実をまずもって認めざるを得ません。 その上で、午前中もその目標が達成されなかった原因、挙げられておりましたけれども、いずれにしましても、今御審議をいただいております改正法案で、成立をさせていただいて、一層の対策の推進を図っていかなきゃならないというふうに思っているところでございます。 今御指摘のぜんそくあるいは慢性気管支炎は、当然大気汚染だけではなくてさまざまな原因によって発症することはもう御案内のとおりでございます。そしてまた、近年におけるぜんそく等の有症状率は、大都市だけでなくて全国的に広がっていることも事実でございます。したがいまして、今御指摘の医学的見地から見れば、東京都などの特定地域の患者数の増加をもって直ちにその原因が大気汚染であるというふうに断定はできないというふうに考えております。 今、環境省としても、公健法によります第一種地域の指定解除後、環境保健サーベイランスを初め、これは平成十年におきましては全国三十六地域の八万二千人の三歳児を対象に行っておりましたけれども、いずれにしても、こういった大気汚染と健康影響についての各種調査研究を進めているところでありますが、これまでの調査研究結果からは、きちっとした形で大気汚染とぜんそく等の有症率に有意な相関は認められておりません。 しかし、なお、この大気汚染による健康影響の調査については引き続き調査研究をしていかなければなりませんし、その解明のために必要な調査研究を進めるとともに、健康相談あるいは健康診査など環境政策上の課題について推進をして、大気汚染による健康被害を未然に防止していく所存でございます。
○藤井俊男君 医学的見地から、もう一点、風間環境副大臣に御質問したいと思っております。 近年、大都市地域の、あすも視察をされるということでございますけれども、幹線道路沿道に居住する住民、大気汚染によって健康被害や補償が出されております。午前中もこれらの訴訟の関係も質問もございましたけれども、とりわけ国に対して厳しい判決が続いております。一月の尼崎訴訟神戸地裁判決、十一月の名古屋南部訴訟名古屋地裁判決において、浮遊粒子物質、SPMと健康被害との因果関係、初めて認定をされておる。道路管理者である国に対しまして、SPMの一定濃度以上の排出差しどめを認容する画期的な判決が出されたのかなと私は思っております。 この関係につきまして、とりわけ、尼崎と名古屋南部の二つの判決はありますけれども、やはり道路沿道の住民、健康被害が認定されたということで、これはもう医学的見地から風間副大臣はどうお考えになっているか、お聞かせを賜りたいと思います。
○副大臣(風間昶君) 浮遊粒子状物質による沿道の住民の方々の健康影響につきましては、特にディーゼル排気粒子との関連が問題となっておりますけれども、現時点ではそのことに関して影響を判断するための科学的な十分な知見が得られていないというふうに認識をしております。 御指摘の訴訟の判決につきましては、極めて限られた資料に基づいた因果関係の認定でございまして、必ずしもこれが社会的に、社会的にといいましょうか、公衆衛生上あるいは健康管理上のさまざまな観点から見た医学的根拠が十分ではないというふうに考えておりまして、このため環境省では平成十二年の三月に学識経験者から成ります検討会を設置いたしまして、ディーゼルの排気粒子の健康影響について検討を開始したところでございます。 今後とも、健康影響に対する科学的知見の集積と、そしてデータをきちっと把握させていただいて、しかるべく早急に対処してまいりたいというふうに思っております。
○藤井俊男君 ありがとうございました。ひとつよろしくお願いしたいと思っております。 ただいまSPMの大気汚染につきまして質問をいたしましたけれども、これで注目すべき点は、やはり窒素酸化物汚染だけではなく、ただいま申し上げましたSPMの汚染物質が大きく取り上げられたということでございまして、健康被害との因果関係が認められたディーゼル排出ガスのSPMでございますので、このSPMについて私は注目をいたしまして、我が埼玉県においてはどうなっているんだろうということで、この環境基準の達成率はどうなのかなと見たんです。そうしましたら二・八%でございまして、達成率が、平成十年度。全国でもこれを見ますと最悪ですね。 これ、埼玉で、私のトイメンにおりますこれまた大先輩の石井先生が環境庁長官をなされているので、また大先輩の土屋義彦埼玉県知事は私の師でございますから、もう何も言うことございませんけれども、非常にこのSPMの関係ではどうも埼玉は達成率悪い、こういうことでございまして、この達成状況は関東地方全体でよくないわけですね。 ここでは、埼玉県の達成率が低い原因は何が原因なのか。これについて、これは管理局長さんで結構でございますので、お答えを賜りたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 浮遊粒子状物質、SPMの平成十年度におきます全国の環境基準達成状況を参考に申しますと、一般の環境局で六七・四%が達成をしております。それから、自動車排出ガスの方の測定局で三五・七%の達成状況、これはもう全国でございます。それに比べまして、埼玉県でございますが、一般環境局の方で三・六%、自動車排出ガス測定局の方は〇%ということで、委員御指摘のとおり、全国的に見ても極めて状況が悪いということでございまして、そういう状況にございます。 それで、この浮遊粒子状物質、SPMは、大変厄介なのは、そもそも粒子状の固形物として粒状の形で大気中にいろいろな発生源から発生するというケースと、さらにはもともとガス状の物質が大気中の中で二次的に変化をして粒子化する、あるいは自然的な発生源もあり得るということで、そこの辺の発生状況と汚染濃度とのかかわりというのはなかなかとらえるのは現時点で難しい状況であるわけでございます。 埼玉県についていいますと、関東平野の中でも、もちろん東京湾沿岸を中心としたいろいろな工業、産業、そういうような集積地、それに伴って自動車の交通なども大変に密度が高いわけですが、そういうような中で関東平野のやや内陸に位置をしているという地理的条件から、相対的に濃度が高くなるのではないかというふうに考えております。 それから、特に気象条件なんかも関係があろうかと思います。月別に見ますと、やはり夏に高濃度日が出現することと、冬に高濃度が出現をする。それぞれ気象条件その他で出現の事情は違うかと思います。
○藤井俊男君 御説明賜ったわけでございますけれども、埼玉県は首都圏に隣接をいたしまして、天の利、それから人の利、地の利、これはもう最高の位置になっておりまして、非常に他都県から流入してくる車がまき散らしておるのかな、こういうふうなことも考えるわけでございまして、管理局長は地理的条件ということでなされておりますので、それはそれとして後ほど私はその辺の関係もお聞きをしてまいりたいと思っております。 科学的な関係はちょっと私も理解に苦しむわけでございますけれども、ディーゼル排気粒子を含む二・五マイクロメートル以下の微小粒子、これが非常に懸念をされておりまして、先ほどもこの関係については質問もあったようでございますが、環境省ではこのPM二・五について、健康影響に関する調査研究を進めておりますけれども、現時点での評価はどうなっておるのかなと思います。 また、研究成果がまとまり、環境基準が設定されるのは、その後やるということでありますけれども、設定されるのは、しからば早くて何年ごろになるのか、これちょっと気にかかりますので、具体的にひとつ管理局長さん、お願いします。
○政府参考人(松本省藏君) 微小な粒子状物質、特にPM二・五、こういうふうに言われておりますけれども、これにつきましては健康影響が危惧されるという観点で、環境省といたしましても、平成十一年度から疫学調査あるいは動物実験を行います粒子状物質等の暴露影響調査研究というのを実施いたしておりまして、その知見の収集あるいは充実に努めているところでございます。 今後、この研究成果や諸外国の知見、あるいは諸外国の動向なども踏まえながら微小粒子状物質についての環境基準の設定について検討を急いでまいりたいということでございます。 なお、我が国における知見の充実を図るという観点から、ことしの秋から各地におきまして児童とその両親を対象とした大規模な長期疫学調査を実施することにいたしております。 今そういう段階でございまして、委員の御質問は、具体にいつ環境基準を設定するのか、こういう御質問でございますけれども、できるだけ早くその検討の結果を得て、必要があれば設定をしていくということであろうかと思いまして、現時点でいつというような具体的な年月を申し上げる時点まではまだ立ち至っていないということでございます。
○藤井俊男君 現時点ではどうもお答えできない、できるだけ早くということでございますけれども、これをできるだけ早くということの中で環境省の関係については冒頭私が経緯を触れさせていただきましたけれども、そういった中でのずっとおくれが来ておるのかな、こういうことで心配をきわめておりますので、この辺につきましては、やはりこれは何といっても環境の元締めでございます川口大臣にこの辺はお聞かせを賜ろうかなと思っております。よろしくお願いします。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど松本局長から申し上げましたように、PM二・五の環境基準をできるだけ早く設定したいということで、ただいま健康影響に関する調査研究をやっているということです。 アメリカでどうかということですが、一九九七年にPM二・五の環境基準を設定いたしております。それで、さらにその後の知見の拡充を踏まえまして、二〇〇二年までに妥当性について判断を行うということにアメリカではなっているとのことです。 今、局長から申し上げましたように、調査研究を正確にやっていくためには、多くの対象者を長い間にわたって調査をし続けることが必要でございまして、最終的には相当な年月がかかるというふうに見込まれていますけれども、諸外国の動向や知見を踏まえまして、私としては、できるだけ早く環境基準の設定ができるようにというふうに思っております。
○藤井俊男君 いずれにいたしましても、このPM二・五につきましては状況を把握することがまず私は大切だろうと思います。今大臣もおっしゃっておりますが、日米の関係、国民との関係、私どもの国との関係がどうも格差がありはしないかという点もあろうかと思いますので、この辺については非常に大臣も注目をされておると思いますけれども、早急な対応をひとつ求めたいと思っております。 常時監視測定局の整備が急がれておりますけれども、現状と整備計画はどうなっておるのか、こんな気もいたすわけでございます。また、非常に地方の時代になっております。昨年も地方分権一括推進法が、四百七十五本の法律も施行されたわけですが、そういった中で、二十一世紀、新世紀は環境の時代とも言われておりますので、そういった中での自動車、モータリゼーションに対する対応、これについては国民も非常に環境省の対応を注目されておりますので、そういった中で、自治体の測定局の整備あるいは国庫補助制度の財政的な措置、先ほども質問もあったようでありますけれども、この辺についてぜひ管理局長さん、どのように思っておるか、お答えを賜れればありがたいと思っております。
○政府参考人(松本省藏君) 一般的な大気環境の測定は、第一義的には自治体の方で測定をしていただくということになりますし、国の方としては測定局の設置あるいは測定をする場所あるいは測定の方法などについて統一的な考え方というのをお示しをして、適正な測定が行われるようにお願いをしていくということと、それから具体的にそういうようなことで新たに測定局を設置するような場合には、一定の機器整備について補助をやっていくということが必要なわけで、またその制度もあるわけでございます。 基本的にはそういうことで、これから一般的な測定局についても、大気汚染防止行政の基本はやはり実態をきちっと把握するということでございますので、やはり自治体の方にもそういうような方向で努力をしていただく、国の方もそういうことで前向きに協力をしていくということで取り組んでいきたいと思っております。 それから、特にPM二・五というようなものについての実態把握という観点になりますと、今の時点ですとなかなか自治体レベルでは難しいという事情もございますので、これにつきましては、環境省が直接、現在のところ全国に十二カ所のPM二・五の測定器を設置しているという状況でございまして、その中で、測定技術の評価、それからSPMデータとの比較あるいは粒径、これは粒の直径でございます、粒径分布の調査その他を行ってきておりまして、そういうような形でPM二・五についてのデータの蓄積を図っているところでございます。 こういうようなことで、今後のPM二・五の先ほど来ございました環境基準設定に向けての検討に最大限活用を図っていく、そういうような方向でいきたいと考えております。
○藤井俊男君 地方自治体にもっと目を向けていただきまして、測定局の整備、そしてまた国庫補助制度の充実方をよろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。 次に、改正案の問題点について若干お聞きしたいと思います。 自動車NOx法に基づく施策の状況を見ますと、中央環境審議会答申にあるように、特に私は埼玉のことを先ほど言いましたけれども、埼玉県については、平成九年度の自動車NOx排出量は基準年である平成二年度の排出量をむしろ上回っている状況にあります。これはどういうことなのかなと素朴な率直な私疑問を持ちますので、お答えいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(松本省藏君) 現行の自動車NOx法のもとで実施をされてきております車種規制などにつきましては相当の対策効果が上がっているというふうに考えられるわけでございますが、自動車走行量の増大などによってその効果が減殺をされて、結果としていずれの自治体においても目標の達成が極めて難しいという状況になっているわけでございますが、今委員のお話にありましたように、特に埼玉県におきましては、平成九年度の自動車の窒素酸化物排出量というのが基準年でございます平成二年度の排出量をむしろ上回っているという状況であります。これは本当に、現在NOx法の特定地域を抱えているのは六都府県でございますけれども、埼玉県が唯一と言えると思います。そういう意味で、大変に課題を抱えているということだろうと思います。その分、大変埼玉県の交通量が大幅にこのNOx法が制定された後もふえてきているということであろうと思います。 それで、先ほど、埼玉県の環境基準の達成状況がよくない理由は何かという御質問に対して、地理的な要素、気候条件、申しましたけれども、まさしく自動車の排出ガス、御指摘のとおりでありまして、埼玉県の環境状況がよくないのはここに大変大きな一因があるというふうに考えております。 したがいまして、今回、自動車NOx法を改正して、車種規制の強化あるいは事業者に対する措置の導入、そういうようなより踏み込んだ対策を実施することによって環境の改善に努力をするということしかないのかなと考えているところでございます。
○藤井俊男君 先ほども紹介を申し上げましたけれども、埼玉県においては、SPMはほぼ全県にわたって環境基準に達しておらないという状況下でございまして、まことに恥ずかしい話でありますけれども、同県では今九十二の市町村がございますけれども、せんだって新しく誕生しましたので、四十一市三十九町十村になっておりますが、そういう中で、同県では県全域の地域指定を求めておる状況であります。 基本的に私は、環境基準未達成地域はすべてもう網羅すべきだと思っております。したがって、この名古屋地域以外にでも、圏域でも名古屋は新たに指定をいたしましたけれども、それ以外もやっぱりこれは福岡とかあるいは北九州とか追加する必要があるのかなと思っておりますので、現行の対策地域についても周辺地域へのやっぱりこの拡大を図っていく必要があるのかなと思っておりますので、この辺についてお聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) NOx改正法の対策地域の件でございますけれども、対策効果が着実に上がるように対策地域の選定をするわけでございますが、現行法と基本的には同じ考え方で改正法案の中に規定されているわけでございますが、一つは、自動車交通が集中をしているということ、それからもう一つは、他の対策のみでは環境基準の確保が困難である、こういう地域を対策地域とするということが適当であろうと考えるわけでございますが、埼玉県に限らず、この要件に該当する地域を対策地域とするということが必要であろうと考えております。 ただ、車種規制などの施策の効果を上げていくというためには対策地域を広域的にとらえる必要があるということでございまして、局地的に大気環境が汚染されている地方都市などについては、NOx法の特定地域に限定的に適用していくというのはなかなかなじまないのではないかなというふうに思っております。 いずれにいたしましても、対策地域の選定につきましては、改正後の自動車NOx法に基づきまして、関係の都府県の意見を聞きまして適切に調整をして指定をしていくということになるわけでございますので、よく自治体と相談をし連携をとっていきたいと思っております。
○藤井俊男君 それでは、目標達成期間の短縮について、先ほどとちょっとダブるような気もしますけれども、私は、これも最初に触れたことでありますけれども、今回の改正に当たって目標達成期間は十年程度とされておりますね。しかし、現行の目標達成期間は七年ですね。これが達成できなかったから改正強化するのは当然のことながらも、達成期間が当初より長くなるのは理解がちょっとしにくいわけです。これは、七年で達成すると約束したものをあと十年待てということになりますと、これは開き直っているのかなという気もしますけれども、努力しているのかな、いろいろこう考えるわけであります。 これを見ますと、やっぱり大気汚染に苦しむ住民のことを考えると、これはもう先ほども風間副大臣の方からもありましたけれども、大分この因果関係の関係では重視をされておりますので、こんな長い期間を設定できるはずがないんですけれども、この辺について環境大臣、ちょっとどうお考えになっているか、お聞かせを賜りたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員ただいまおっしゃられましたように、国民の皆様の健康への影響ということから考えますと、目標年次はもうできるだけ早く、その目標を早く達成することが望ましいというふうに思っております。ただ、改正をした後のその自動車NOx法、NOx・PM法でございますけれども、それに基づく車種規制等の施策がどれぐらいの時点で効果が出るかということを考えますと、十年程度を目標とせざるを得ないかなというふうに考えております。 ただ、先ほど申しましたように、今後技術開発も促進されますでしょうし、成果が上がるような政策手法の拡充、強化ということも努力をいたしまして、目標への達成はできるだけ早く行いたいというふうに考えております。それから、計画について中間目標を設けまして、その達成状況を途中で点検するといったような進行管理にも努めてまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 前向きな答弁として私は受けとめたいとは存じますけれども、私どもは埼玉出身ということの中で、埼玉県はかつてダイオキシンについて、これは産業廃棄物業者が集中したものですから、これはもう皆さんも御存じのように大問題になったわけであります。中でも、先日も大きく報道されたわけでありますが、農家生産のホウレンソウが被害をこうむったということで、私どもも頭を悩ませましたけれども、今ではこのダイオキシンについては、もう歴代の環境庁長官の皆さんが、ここはもう石井先生からもうみんな並んでおりまして、大変な御尽力の中から積極的にダイオキシンの問題に取り組んでいただきまして、ありがとうございました。 取り組みの中で今沈静化いたしておりますが、やはり私は、昔田んぼで野焼きなんか、私も農家出身ですから、田んぼの野焼きもやったわけですけれども、最近できなくなってしまった。そしてまた、たき火も随分私どもやったけれども、現在たき火もできない、子供たちもできない、こういう状況でございまして、まことに残念な面があるわけでございますけれども、やはりそのときの私は誤りのないきちっとした対応がやはり大切かなと思っておるんです。そのときの法整備、これはやっぱりきちっとやらないと私はいけないのかなと、その辺が求められるんじゃないかなと思っておるところでございます。国はやはり逃げ腰じゃ私はいけないと思っております。 特に環境の関係につきましては、この一月六日から一府十二省で、環境庁が環境省に昇格をしたものですから、初めての大臣で、ぜひこの辺についてはリーダーシップを大きくとっていただいて、達成期間の短縮を私は強く求めたいと思っておるところでございます。これにつきましては、午前中も福山議員からも指摘されておりますので、前向きな答弁ということで受けとめて、私はぜひよろしくひとつお願いしたい、このように思う次第でございます。 続きまして、首都圏に広がるディーゼル車規制と国の整合性について質問したいと思っております。 先ほど私は、埼玉県は非常に地の利がいいということの中で流入車が多いということでお話しさせていただきましたけれども、この流入車の関係については、埼玉県では県外、東京へ通過する車両が物すごく多いわけですね。もうすぐ隣が東京ですから。そういう中で流入車対策がとりわけ重要な課題だと私は思っておるんです。 東京都の条例を見ますと、都内を走行するすべてのディーゼル車に対して規制をしているということでございまして、都外に本拠を置く車両であっても都のPM排出基準に満たない限り都内での走行は認めないと、こういうことにしたというんですね、これは問題だということになるわけでありますけれども。 同時に、流入車対策は一地域だけでは効果的な実施ができないことから、東京都は埼玉県にも連携をしてほしいということで働きかけているわけですね、呼びかけているわけですよ。この辺について同調するのはいかがかということも、いろいろあるわけでございますけれども、やはり流入車対策について全国一律に法規制が求められるのかなと、こういうことも考えたりするわけでございますが、この辺の関係についてはどういうふうにとらえておるのか、お聞かせを賜ればと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 昨年十二月に東京都が環境確保条例というのを制定いたしまして、その中でディーゼル車からの粒子状物質、PMでございますが、それを対象にいたしました新たな規制措置を定めるということになったわけでございます、施行の時期はまだ先でございますけれども。 私どもの、国の自動車NOx法の方は、既に御承知のとおり、基本的には特定地域の中に使用の本拠地のある車について車種規制をかける、一方、東京都の条例によりますと、都の区域の外からでもおよそ東京都に入ってくる車については全部規制対象にする、こういうことで手法がちょっと違うわけでございます。 それで、自動車NOx法につきまして言いますと、車検制度を使うということで、そこの網にかかりますとしっかりと担保ができる、それから窒素酸化物も規制対象にしておると。東京都の条例はPMだけでございます。NOx法は新たにPMも加えますということであります。 それから、今までトラックとバスだけだったわけですが、ディーゼル乗用車についても今度のNOx法では規制対象にするわけですが、東京都の条例はトラックとバスだけで、乗用車は対象にまだしないということでございます。 それから、具体的な規制開始時期について申しますと、NOx法の方につきましては来年の、平成十四年の五月ぐらいからということを念頭に置いているわけですが、東京都の環境確保条例は平成十五年の十月ということですから、国の制度から一年半ぐらい後からスタートをする、こういうことで時期も違う、こういうことであります。 基本的にそういうふうにそれぞれの違いがあるわけでございますけれども、私ども考えますのは、自動車NOx法といいますのは、首都圏域それから近畿圏域、そして今度は新たに愛知の中部圏域と申しますか、日本の主要大都市圏域におきます窒素酸化物あるいは粒子状物質による大気汚染を改善するための法律レベルの共通の政策フレームを用意するということでございまして、それを受けた形でさらに各自治体が独自の新しい手法というのを加えてやるということ自体はそれなりに意味のあることではないかということでございます。 環境省としては、東京都あるいは場合によっては埼玉県というお話も一部承っておりますけれども、関係自治体の取り組み、両々相まって効果的に地域の大気環境の改善が進められるように、対策の実施について関係自治体と連絡を密にしていきたいということでございまして、全国にわたって車種規制をするということについてはなかなか難しい事情にあるんじゃないかと思います。 全国レベルでは、むしろ今までもしっかりと私ども取り組んできているつもりでありますけれども、単体規制をさらに一層今後とも強化をしていくというようなことで進んでいきたいと考えているところでございます。
○藤井俊男君 基本的に、地方自治体、東京都を問わず、違う旨話されましたけれども、また時期の関係も違うということで話されましたけれども、そもそも工場みたいな場所だったら固定の公害発生ならいざ知らず、車ですから走っているわけですね、だあっと。都県境を移動する車の規制を、これを条例じゃ私はなじまないのかなという気もするわけであります。 そういった中で今お聞きをしたわけなんですけれども、流入車規制の必要性について私はやっぱりこれは考えなくちゃいけないのかなという気もするわけでございますので、その辺を質問して、時間でございますので終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほども申しましたけれども、自治体が当該地域の実情を踏まえまして独自の流入車の規制を行うということは、それなりに意味があることだろうと考えます。 ただ、その担保手段ということになりますと、現実的にはなかなか流入規制というのは難しい、実効性の担保という観点からいいますと難しいというようなことであろうかと思いますので、現時点では国の車種規制の仕組みと自治体のそれなりの対策の相互の組み合わせで、全体として政策を進めていくというのがよろしいのではないかと考えているところでございます。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 同僚の委員が質問された中にも重なってくる部分があるかもしれませんが、質問をしたいと思います。 平成四年法律のいわゆる削減目標は二七%で、二〇〇〇年を目標にしていたということでございますが、この平成四年法律における削減の対策メニュー、これも午前中に大臣からも御答弁があったように記憶しておりますが、そのメニューはいかなる内容を想定していたのか、その辺について、二七%とメニューに対応する数値についてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) お話にありましたように、現行のNOx法でまいりますと、特定地域の六都府県で平成二年度、これを基準年度といたしまして、目標年度、これが平成十二年度でございますけれども、これは都道府県の地域ごとに違うわけで、ある県では一一%の削減、あるところでは三七%ということで差が当然違うわけですけれども、全体として、六都府県全体で二七%削減をするということを目指していたわけでございます。 その具体的な、それを実現するための施策のメニューでございますけれども、まず第一には、自動車一台当たりの排出ガス規制の強化、いわゆる単体対策の強化。二点目では、窒素酸化物排出量のより少ない車種の使用の義務づけ、いわゆる車種規制の導入。三点目は、低公害車の普及促進。四点目は、輸送効率の向上あるいは鉄道、海運などの活用、施設の適正配置などのいわゆる物流対策の推進。それから五点目は、公共交通機関の整備及びその利用促進などの人流対策の推進。そして六点目は、交通流の円滑化、分散による交通流対策の推進。七番目が、交差点周辺部などの局地的な大気汚染メカニズムについての解析調査等の局地汚染対策の推進。八点目が、普及啓発活動の推進。 こういうような八つのメニューについて、総量削減計画にそれぞれの自治体が盛り込んで総合対策を進めていくというのが現行NOx法の基本的な施策メニューであろうと思います。
○加藤修一君 今、八つの対策メニューの紹介がございましたけれども、それぞれについて、全特定地域についてですけれども、全体で二七%、これについてそれぞれの対策メニューでは数量的には、いわゆる定量的にはどういう配分になるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 昨年の十二月に、今回の制度改正に向けた検討を審議会でしていただいているわけでございますが、その審議会の答申の中で、現行法の対策ごとの当初計画の削減量というようなものが一応示されているわけであります。 それによりますと、六都府県全体として四万五千二百六十トンを削減するということが目標になっていたと。もちろん各都府県によって目標となる削減総量は違ってくる、こういうことだろうと思います。
○加藤修一君 物流対策の推進とかあるいは人流対策の推進ということに関して、これは定量的に求めるというのは私は極めて難しいかなと思っているわけなんですけれども、ただその削減施策メニューに対応した形で二七%とある意味では言っているわけですけれども、本当にできなかった理由というのは一体何であるかというのはよくわからないんです。私なんかはいろいろと勉強させていただきましたけれども、わからない。 例えば、極めて基本的な推計をやっているケースもありまして、これは川崎市のケースであります。平成四年十月七日の神奈川新聞でありますが、川崎市が予測調査を行ったと。それは、「同法の最終案がまとまった際、二〇〇〇年の排出量削減効果のシミュレーションを実施した。」と。その中身を考えてまいりますと、これは「同法が実施されても効果はわずか五%程度の削減」になってしまう、そういった意味では「二〇〇〇年の環境基準達成は絶望的」であると。当時の新聞であります。絶望的であるというふうに川崎市がはじいておりまして、まさに今の状態を予見していたというふうな判断も可能かなと思うんですけれども、この辺についてどういうふうに御理解、見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 今お話のありました川崎市が行った独自の調査によりますと、自動車NOx法による対策効果は環境基準達成に十分なものではないというふうに予測されたという新聞報道、これがNOx法が制定されました平成四年になされているというのは私どもも承知しているわけでございます。 ただ、報道は報道といたしまして、実際上その報道の前提となりました川崎市の行った調査は事業者による取り組みのマニュアルを作成する一環で行われたものでありまして、自動車NOx法による対策の効果それ自体を予測するものではないというふうに聞いておりますし、またその試算の前提も現行NOx法とは違う形になっているというふうに聞いております。それで、NOx法制定後、具体的な総量削減計画の策定作業に入りまして、神奈川県において川崎市とも協議をいたしまして目標達成のために必要な施策を盛り込んだ総量削減計画を定めた、そして私ども国の方もそれを承認したということでございます。 ただ、いずれにいたしましても、平成十二年度におけるNOx法の目標達成が困難であるということは事実でありますので、今後NOx法を改めてより一層の施策の充実を図っていく必要があるということは当然であります。
○加藤修一君 今後、今回の法案が法律になったとして、本当に将来削減が目標どおりいくかどうかということについては私は非常に心配しているんです。ですから、その観点からお聞きしているわけであります。 今、局長の答弁について少しわかりづらいところがあったわけでありますけれども、それはどういうことかといいますと、確かに前提が違うとはいえ、このはじき方としては、効果予測としていわゆる対策法で規制されている車種について走行時速二十キロ時点の排ガス排出係数を出して、そして二〇〇〇年におきます一日当たりの予測走行量を掛けて出しているわけなんですね。極めてこれはわかりやすい方法で私は出していると思います。 自動車OD調査とかあるいはパーソントリップ調査なんかも使っているかどうかはよくわかりませんが、いずれにしても交通計画上さまざまな方式がございますので、そういったものを用いながら出している話で極めて私は精度の高い話ではないか。その範囲内で出している大宗をなすものについて、いわゆる排出ガスの関係を考えていった場合、効果がわずか五%程度というのは極めて私は重要な指摘ではないかなと、そのように思っているわけなんです。 ですから、将来のこれからの法案の関係につきましても、こういった面での定量的な把握をどうやってきちっとやっていくか、そういうことがないとなかなか法律の効果が、またあるいは中間的な見直しを含めてやっていくのは難しいんでないかと思っていますけれども、局長、その辺はどのようにお考えですか。
○政府参考人(松本省藏君) NOx法を今審議していただいているわけでございますけれども、成立をさせていただいた暁には、その法律に基づいて国が総量削減の基本方針というのを定める、そしてその基本方針を踏まえて各自治体でそれぞれ総量削減計画というのを定めていくわけでございます。 その過程の中で、窒素酸化物について申しますと、その時点での窒素酸化物の排出総量、その中における自動車排出ガスからの排出総量、それから達成期間後の環境基準のおおむね達成というのが考えられる窒素酸化物の排出総量、そして自動車から排出されるその際における目標量、これが削減目標量という形になるわけでございますが、それぞれきちっとしたデータを踏まえてシミュレーションして推計して、そして対策を進めていく。また、その個別の対策ごとにどれだけの削減効果があるのかというのもそのシミュレーションの中に反映をさせていくという手段をとっていくことになるわけでございます。 御指摘の趣旨はもう当然重要なことでございますので、最大限そういうことを踏まえながら、科学的にあるいは客観的に環境基準のおおむね達成に向けて進めるように、そして手順としても、最終的に十年後をただ見るだけでなくて、きちっと中間地点でのチェック、中間目標というようなものも設定しながらフォローしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 先ほど、対策メニューの八つ紹介がございました。一番、二番、三番目、低公害車の普及促進まではある程度これは定量的には出せるということだと思うんです。ただ、人流対策の推進とか交通対策の推進というのは極めてこれは多岐にわたっておりまして極めて難しい背景があるんではないかなと、そう思っております。これは後ほどまた質問したいと思います。 それで、川崎市のシミュレーション係数を含めて少しやりとりをさせていただいたわけでありますけれども、こういった面について風間副大臣の方から、所感といいましょうか、そういった面について多少でも御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(風間昶君) 今御指摘の川崎市の予測調査による見通しは、これはこの当時のことでありまして、いずれにしても、私は先ほど藤井委員にも答弁させていただきましたけれども、平成十二年度末における環境基準の達成が極めて困難であるという事実はもう認めざるを得ない。 したがって、いろいろさまざまなファクターがあったことはこれまでも述べられておりましたし、交通量がふえるとかということによる減殺で十分な効果を上げられなかったということについて謙虚に反省して、ではその上で今先生が挙げられた削減メニュー八項目、九項目の中で定量的な部分も含め、そうでない、単純に定量的でなくて、他省庁とも、都市交通体系の中で道路の方から見た部分あるいは使う側の人から見た部分で、環境省としては主にそちらの後者の方からきちっとやっぱり対策を進めていかなきゃならないというふうに思っておりまして、その意味でも、一〇〇%まではいかないかもしれませんけれども、そういう御指摘がありましたが、この今回のNOx法を一つのスタートとしてぜひ実現させていただいて、さらに一層対策を進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○加藤修一君 よろしくお願いしたいと思います。 また、過去の話にさかのぼるわけでありますけれども、この平成四年法律の関係で、九年間の経過中、中間的な見直しをやったかどうか、その辺の確認をちょっとさせていただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 現行自動車NOx法の総量削減計画の進捗状況についてでございますが、計画の中間年度に当たります平成八年度におきまして点検のための調査を行っております。そして、その調査結果は平成九年の三月に公表をいたしております。 その時点での調査の結果でございますけれども、環境基準の達成に向けて窒素酸化物排出量の一層の削減が必要であるということとか、車種規制、低公害車普及等の各種対策についてのいろいろな課題等が明らかになったということで、当時環境庁でございますが、環境庁におきましては、この調査結果を踏まえて関係各都府県と関係省庁に対策の推進を呼びかけて、さらに一生懸命やっていこうということでやったことがございます。
○加藤修一君 関係省庁に呼びかけということでありますけれども、これに関連して、いわゆる検討会とか省庁の連絡会とか、そういった仕組みということについてはあったんでしょうか。どうなんでしょうか、その辺は。
○政府参考人(松本省藏君) 先ほど、そういうことで平成九年三月に公表したと、こういうことでございますので、それを受けて直ちに、もともと関係省庁の中に自動車NOx総量削減対策の関係省庁の連絡会議というのを設けておりました。平成九年三月二十六日に第六回の関係省庁連絡会議を開きまして、関係省庁に対して、この自動車NOx法の平成十二年度の目標の達成に向けてさらに一層の努力が必要であるということで、積極的な協力を要請したということがございます。 また、翌日の三月二十七日に開催をされました、これもまた自治体の連絡会議でございますが、第八回の自動車NOx法関係自治体連絡会議におきまして、同様、関係自治体に対して、今後の課題及びその対策についての検討を要請したということでございます。
○加藤修一君 時間の関係もありますので質問をスキップさせていただきますけれども、いわゆる中間時点での見直し、今後の件になってまいりますけれども、午前中の答弁でも極めて積極的な答弁があったと思います。中間段階での見直しをする、チェックする、あるいは個別具体策の強化も必要であると考えた場合についてはその対策をより強化していかなければいけない、そういった意味で本格的に取り組んでいくという答弁があったわけでありますけれども、この対策メニュー、今までの過去の例では、連絡会議があったけれども、あるいは自治体の連絡会議もあったということでありますが、効果としてはなかなか難しい結果に落ちついてしまったということであります。 今後、中間的な見直しをしていく中身の件なんですけれども、対策メニュー、実はこれこれが実態としては思うようにはいっていない、だから具体的にはどういうふうにしていくとか、それを具体的にやっていく手順とか、そういったことについては、今の段階ではありますけれども、その辺についてどのようにお考えになっているか、お示ししていただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) 現行NOx法でも、先ほどお話し申しましたように平成八年度に一応中間点検はやったわけでございますけれども、正直申しまして、もう一つ中間点検で一層その対策に強力な拍車がかかったというようなことは正直言ってなかったわけでありまして、今回はそういうことのないようにやっぱりしっかりとフォローアップをしていく、そして中間見直しをしていくという必要があろうかと考えているわけでございます。大臣も申しましたように、具体的な中間目標も設定していく必要があろうかと考えております。 具体的には、まずその時点でNOx法に基づく環境対策の進捗状況をきちっと把握することが必要だろうと思います。 その中身でございますけれども、例えば車種規制による車両の代替状況、どんなところで代替が進んでいるか、どんな状況で代替が進んでいるか、あるいは物流効率の向上状況、あるいは道路交通ネットワークの整備状況、その他いろいろあると思いますけれども、中間地点で関係省庁とか地方公共団体とも連携してきちっと状況をまず把握してフォローアップをしていく。そして、このような取り組みによる自動車交通の変化の状況、それからこれに伴います窒素酸化物や粒子状物質の排出状況とか、あるいは大気中の濃度の推移もその時点で把握をする、対比をしていくというようなことも必要であろうと思います。 こういうような状況をできる限り具体的に、また定量的に把握するように努力をいたしまして、改正自動車NOx法に基づく各種施策を評価して、そして必要に応じて見直しを図っていく、こういうようなことを現時点では考えているということでございます。
○加藤修一君 実態把握をするとか評価をするとかというのは極めて私も大切だと思いますが、冒頭に答弁がありましたように拍車がかからなかった。なぜかからなかったかというそこの部分が非常に私は重要な問題を含んでいるように思いますので、ぜひそういった面について、もう少し深めた形で最終的に対策メニューが実効的になるようにやっていただきたい、そのように思います。 それでは次に、道路の環境アセスメントのフォローの関係でございますが、その前に国土交通省にお願いしたいんですけれども、こういった大気汚染の現状に対して極めて私は深刻な状態であると思っておりますが、国土交通省としてはこういった実態に対してどういう認識を持っておりますでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 国土交通省としての認識についてお尋ねでございます。 自動車NOx法の特定地域におきます幹線道路沿道での大気に係る環境の状況を見てみますると、平成十年度の環境基準の達成率で見てみましても、首都圏の特定地域では、浮遊粒子状物質、SPMでは三%、二酸化窒素、NO2では二七%、大阪、兵庫県の特定地域では、浮遊粒子状物質、SPMでは三四%、二酸化窒素、NO2では五二%となっておりまして、環境基準の達成率が悪く、厳しい状況にあると考えております。 国土交通省といたしましては、幹線道路沿道における大気に係る環境基準の達成に向け、発生源である自動車単体の対策、低公害車の普及、交通の分散、円滑化などの取り組みを関係機関が協力して進めていくことが必要で、これは緊急に対処する必要がある課題であると認識いたしております。
○加藤修一君 環境アセスメントの関係では、閣議アセスメントもございましたけれども、特定地域におきます道路建設にかかわって、いわゆる事前、事後の調査を具体的に行ったケースがあるかどうか、どうでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 確かに、先生御指摘のようなことがございます。 自動車NOx法の特定地域において、直轄国道、高速自動車国道の事業で環境アセスメントに基づきまして環境影響評価を行い、全線供用をして、その後の状況がチェックできるという道路は三本の路線がございます。西神自動車道、これは三木市から神戸市垂水区名谷に至る約十八・五キロの道路でございますが、この道路。それから、本州四国連絡道路、神戸市垂水区名谷から同区東舞子町に至る四・六キロメートル。それから、東京湾横断道路、川崎市から木更津に至る十五・一キロメートルの道路でございます。 これらの道路につきまして、供用後、アセスメントとそれから供用後の実態等につきまして比較調査を行っております。
○加藤修一君 その事後調査の結果についてはどういう評価をされていますか。
○政府参考人(大石久和君) 申し上げました三本の路線のうち、西神自動車道と本州四国連絡道路につきましては、これは一本の道路でございますので一体として環境影響評価をいたしております。 この中で、二酸化窒素につきましては、舞子地区で一日平均値の年間九八%値で〇・〇五一ppm、名谷地区で一日平均値の年間九八%値で〇・〇五五ppmと予測いたしたところでございますが、これの供用後の平成十年度に測定いたしました結果は、舞子地区で〇・〇五二ppm、名谷地区で〇・〇四四ppmとなってございまして、環境影響評価の予測値と同程度、または小さい値となってございます。これらにつきましては、環境基準をおおむね満たしているのではないかという評価をいたしております。 また、東京湾横断道路につきましては、川崎地区が工業地区ということもございまして同様の評価ではございませんが、環境影響評価では、川崎地区において、換気塔からの排出ガスの寄与率がNO2で〇・〇〇一ppm未満と予測いたしたところでございますが、供用後の現地調査の結果の経年変化を見ますると、供用前と大きな変化が見られないのではないか。例えば、平成九年の川崎取りつけ部のNO2の値、これは年平均値でございますが、〇・〇三六となってございます。十年、十一年、十二年と、それぞれ〇・〇三三、〇・〇二九、〇・〇三〇という値になってございまして、供用前と大きな変化が見られないと考えてございまして、東京湾横断道路による影響があるとは言えない状況だと考えております。
○加藤修一君 平成九年に成立しました環境影響評価法、この中には事業者が道路の建設に関しても事後調査を行う仕組みを設けたというふうになっておりまして、これは義務規定ではないと思います。 ただ、義務規定ではないわけでありますけれども、先ほどの答弁にございましたように深刻であるというような認識に立っていらっしゃるわけでありますから、ある意味では義務的な考え方で今後ともやっていくという姿勢で国土交通省はいる、そういう判断を私自身がしてよろしいでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 御指摘のとおりに我々が考えているとお考えいただいて結構だと思います。 平成九年六月に成立いたしました環境影響評価法に係る道路事業についての技術指針を定める建設省令、これは平成十一年六月に制定いたしたものでございますが、環境影響評価実施事業について事後調査の規定を設けております。国土交通省といたしましては、環境影響評価実施事業の事業中及び供用後のフォローアップは重要であると考えてございます。附帯決議の趣旨を踏まえながら、技術指針を定める建設省令に従いまして道路事業に係る環境影響評価についてはそのフォローアップに努めることといたしております。
○加藤修一君 では、よろしくお願いいたします。 先ほど対策メニューで八つ御指摘があったわけでありますけれども、例えば物流対策の推進とか人流対策の推進、これの中身を考えてまいりますと、環境省だけでフォローできるような、あるいは対策をとるような中身になってございません。先ほどの議論の中にも出ておりましたように、他省庁といかに連携協力体制をつくっていくかということが極めて重要であると思います。 今まで連絡会議等もあったわけでありますが、そういったことを考えてまいりますと、メニューを見る限りにおいては国土交通省の役割も極めて大きい、その責任も極めて大きいというふうに考えてまいりますと、やはり具体的な実効性のある協力体制を考えていくべきではないか、このように思いますけれども、どうでしょうか。
○大臣政務官(木村仁君) ただいま御指摘のとおりでございまして、国土交通省はこの自動車NOx法に定める対策メニューの実施について大きな責任を持っているというふうに考えております。 例えば、自動車検査制度というものを担当しておりますので、いわゆる車検において車種規制をしっかりと担保するということも必要でございますし、また道路運送事業者を総合的に指導する立場にありますので、物流の効果性を高めて総走行距離を短くするとか、あるいは新車種に切りかえ、そして大型化するというような指導も可能でございます。現在、総合的な協議機関があるわけではございませんけれども、国土交通省としては、環境省そして関係地方公共団体、あるいはその協議組織とともに密接に連絡調整を図りながらこの仕事を実施しているところでございまして、将来もこの面について万全を期していきたいと考えております。 また、低公害車の普及促進でありますとか物流の効率化、公共交通機関の利便性の向上、交通流対策等の諸対策につきましても各省庁とともに責任を持っておると認識いたしておりますので、これらについては個々には連絡協議の組織がございますが、そういうものも活用しながら、いずれにいたしましても環境省を中心として各省庁と十分な連絡をとってまいりたいと考えております。
○加藤修一君 過去にも似たような組織が連絡会議等を含めてあったわけでありますから、先ほど環境省からも拍車がかからなかったという話もございました。ですから、本当に実効性のある連絡会議、どういうふうにして成果をチェックできるかということも含めてぜひ一生懸命やっていただきたい、このように思います。 それでは、道路法の関係についてちょっとお尋ねしたいわけでありますけれども、その前に、河川法は従来、治水とか利水について扱ってきておりますが、新たに環境という側面を実は河川法の中に入れたということでございます。これと同じような考え方で、やはり環境に対してなかなか無視できないような状況でございますし、今の一連の話というのはやはり環境にかかわってくる問題で、道路周辺あるいは道路を考えてまいりますと、そこに移動発生源の車が走るわけでありますから、ある意味では帯状で環境汚染の地帯ができているというふうに考えてもいいわけでございますので、私は道路法をやはり改正すべきではないか、このように思います。 この道路法の法律の目的、第一条には、「この法律は、道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進することを目的とする。」と、このように書いてございますが、大気汚染、騒音、振動等を含めて、環境にかかわる問題についてはやはり道路周辺についても深刻になっているという現状認識は常識でないかなと私は思います。 ですから、そういった意味ではこういう文言を入れることも私は考えていくべきではないかと思っております。それは、道路の利用にかかわる環境の保全を図り云々と、そういう環境の保全を図り、もって交通の発達に寄与し云々と、こういう形にしていくことが極めて私は重要でないかと思っていますけれども、この辺についてどのように国土交通省はお考えか。あるいは私は、こういった面についての検討会を立ち上げてやっていくべきである、そのように思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 確かに、先生御指摘がございましたように、河川法につきましては、従来、洪水制御でありますとか、あるいは水資源の開発等を目的といたしまして、戦後の荒廃した国土を一日も早く取り戻すということから、それらに全力的にあるいは緊急に対処するという考え方で種々の整備を進めてまいりました。結果として三面張りの河川ができたりということで、余りにも都市住民や地域の方々にとって寂しい空間しか創造できなかったのではないかという反省がいろいろございました。自然造営物でもあるということ、あるいは都市や国民の貴重なオープンスペースであるということ、あるいはよく考えてみますると極めて多様な生物が生息する空間であるといったような側面を持つことから、河川法の河川改修、河川管理の目的そのものに環境を入れるという大改正を前回の河川法改正で行ったところでございます。 道路につきましては、これも先生、目的のところをお読みいただきましたが、確かに交通の発達に寄与するというのが目的になってございまして、この交通の発達の概念は私は幅広い概念を有しているというようには考えておりますが、しかしながら昨今の道路の沿道環境の裁判の状況等々を考えまして、現在道路法が持っております目的のこの書き方だけで十分なのかどうかにつきましては、我々も内部でいろんな議論をしておるところでございます。今後は、環境の改善あるいは環境の創造そのものを目的とするような条文のあり方が模索されるべきではないかということで省内で議論を始めているところでございまして、先生御指摘のような方向で近々法律改正についてもお願いすることがあるかもしれないと、こういう状況でございます。 最近でございますが、道路構造令も改正させていただきまして、道路の空間を、自動車が走る、自転車が走る、人が通るという空間としてのみとらえるのではなくて、緑を供給する空間としても考えようということで、道路構造令の中に緑の空間というものを必置するという考え方を入れさせていただきました。 というような考え方も、今私が申し上げたような考え方の一環でございまして、同様な趣旨と御理解いただければと思いますが、いずれにせよ道路法の目的の中にこういったものが入る、そのことを検討すべき時代に来ているというように認識いたしております。
○加藤修一君 よろしくお願いしたいんですけれども、緑を植える云々のそれも大切だと思いますけれども、移動発生源である車と道路とをどういうふうに一体的に扱っていわゆる法改正を行うかというところは私は極めて重要だと思っておりますので、環境税の話もいろいろ出ているようでございますが、ぜひ積極的な検討をお願いしたいと思います。 それでは、最後に国土交通省に対しての質問でありますけれども、自動車交通量の関係で、どっちかというと私は道路等を含めていわゆる供給サイドに偏っている可能性があるんではないか。そういった意味では需要量をどういうふうにコントロールするか、極めて難しい側面が私はあると思いますけれども、いわゆる交通需要の総合的な管理という意味でトラフィック・ディマンド・マネジメント、こういった面について強化する、こういったことがやはり極めて重要でないかと思っていますけれども、この辺について、具体的な例を挙げながら、これからの取り組む姿勢についてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(風岡典之君) 沿道環境、地球環境の改善、保全という目的を達成するためには、まず都市構造を再編する環状道路の整備、そういったハードな取り組みというものがもちろん必要になるわけでございますが、それとあわせまして都市交通需要を調整、抑制する施策、いわゆるソフト施策、そういったものも適切に組み合わせていくということが重要ではないかというふうに思っております。 私ども国土交通省におきましては、NOx法の特定地域等の都市部におきまして、自動車の交通需要の調整・抑制策、こういった観点から道路利用者の経路の変更とかあるいは手段の変更等により車の利用者の交通行動の変更を促していく、そういう形での交通需要マネジメント、この取り組みが非常に大切である、このように考えております。 具体的には、新交通システムとかあるいは路面電車等の公共交通機関の整備、あるいは利便性の向上を図っていく、こういったことのほか、駅前広場等の整備についての交通結節点の機能の強化とか、あるいはマイカーから鉄道等の利用への転換を図るパーク・アンド・ライドの駐車場の整備とか、さらにはバス専用レーンとか優先レーンの設置ということによるバスの利用の促進、こんなことも進めてきているところであります。 さらに、これに加えまして、地域における自動車交通の調整、あるいは事業者による鉄道、バス、トラック等のサービスの改善、あるいは環境自動車とか低硫黄軽油の導入等を実施するTDM実証実験、これについての補助制度を今年度から新しく設けたところであります。現在、この実証実験の実施計画を公募により募集しているところでありまして、今後こういった取り組みというものもNOx法の特定地域の交通需要等を踏まえながら積極的に推進をしてまいりたい、このように考えております。
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。 それでは、最後に環境大臣にお伺いしたいわけですけれども、決意をお示しいただきたいと思っています。 本法律によって、やはり運用面でどういうふうにやるかというのは極めて重要であると思っております。それで、最大限の実効性が上がるように最大限の努力をしていただきたいと思っておりますけれども、ぜひよろしくお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃるように、その中間的なレビューも含めまして、NOx法の改正により加わった新しい粒子状物質対策ですとか、それから車種規制の強化ですとか事業者の排出抑制対策等の拡充強化を含めまして、全力で取り組んでいきたいと考えております。
○加藤修一君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。環境委員会では初めての質問ですので、どうぞよろしくお願いいたします。 言うまでもなく、大気汚染、温暖化への対策というのは国際的な課題になっております。自動車の排ガスについても各国でさまざまな取り組みが進められております。 そこで、まず大気汚染についてこれまで環境省としてどのような対策を行ってこられたか、またその結果、現在大気汚染、とりわけNOx、SPMがどういう状況になっているのか、少し長いスパンで御報告をいただけますでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) いわゆる典型的といいますか、大気汚染物質は何種類かあるわけでございます。 日本の大気汚染公害のそもそものスタートは、硫黄酸化物対策ではなかったかと思います。やはりコンビナートから出ます大量の硫黄酸化物によって健康影響の問題が発生するというようなことで、とりわけ昭和四十五年の秋に公害国会が開かれまして国レベルでも本格的な対策に取り組む、そして翌年度に環境庁ができた、四十六年の七月に環境庁が設立をした、創設されたということでございまして、当時、硫黄酸化物、それから窒素酸化物、それから浮遊粒子状物質、一酸化炭素、それから当時、光化学オキシダントの問題が大分大きかったんです。そういう主要大気汚染物質五つについて、立て続けに環境基準が設定されて対策に取り組むというようなことがスタートだったかと思います。 それで、硫黄酸化物につきましてはかなり規制を強化いたしまして、工場、事業場あるいは自動車の排出ガスについてもそうですが、対策が進みまして、これはもう現時点では、ほぼ全国全体で環境基準を完全にクリアするというようなところまでまいりました。それから、一酸化炭素についても同様でございます。 それで、さて問題はということでNOx、窒素酸化物になってくると思いますが、工場、事業場といいますような固定発生源からの窒素酸化物につきましては、昭和四十八年から排出規制をスタートいたしているわけでございます。順次、工場の煙突からの窒素酸化物の規制を強化してきております。そしてまた、昭和五十六年からはいわゆる総量規制というものを窒素酸化物について導入してきております。 そして、自動車排出ガス対策としては、窒素酸化物については昭和四十九年から規制を強化し、いわゆる単体規制でございますけれども、順次規制強化をしてきている、そしてまた、これからも規制強化をしていくというような状況になっているわけでございます。そして、特に自動車からの窒素酸化物については平成四年に自動車NOx法をつくりまして、大都市圏域における自動車排出ガスによる窒素酸化物の対策に取り組むというところに来たということでございます。 また、粒子状物質でございますけれども、これについても、固定発生源についてはばいじんという形で煙突の規制をやってきておりましたけれども、特に自動車排出ガス対策としては、従来黒煙という形で規制もやっておりましたけれども、粒子状物質、PMという観点からは平成六年から単体規制というのをするようになりまして、順次規制強化をこちらもしておりまして、今後も大幅な強化を予定しているというところでございます。このPMにつきましては、今回のNOx法の改正で新しい規制の仕組みの中で取り組んでいきたいということでございます。 そういうことで、現在のところは大都市圏域における窒素酸化物と粒子状物質の大気汚染の状況が大変に芳しくないというようなところまで来ている。したがって、それに向けての対策を進めていかなかればいけないわけで、今回NOx法を改正してさらに取り組みを強化したい、こういうことであろうかと思います。
○山下芳生君 対策をずっと経過を追って説明いただいたんですが、その効果がどうだったのかということは少し報告の中から抜けていたような気がします。 一九七八年、政府はNOxの環境基準をそれまでの二倍ないし三倍に緩和いたしました。そのときには五年後の達成を約束されたわけです。しかし、それは達成できなかった。そして、一九八八年、公害は終わったという言葉とともに新たなNOx対策を立てましたが、これも達成ができなかった。そして、一九九二年、地域を限定した現在の自動車NOx法がつくられて、新たな基準と規制を設けまして二〇〇〇年に目標達成を目指したけれども、これも達成されておりません。 ですから、今ずっと説明はあったんですが、対策は立てたんだけれども、NOxについていいますと目標をずっと達成できずに来たということが事実だと思います。とりわけ、大都市地域においては厳しい状況にあるということであります。 そこで、まず大臣に、先ほど午前中の答弁にもあったんですが、まずこのような経過と現状についてどう認識をされるのか、そして環境省としての責任をどうお感じなのか、改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 自動車の排出ガスというのはどういう要素で決まるかということを考えてみますと、自動車単体の排出ガスの性能というのがあります。排ガス性能、どれぐらいのガスを削減できて排出するかということですけれども。それから走行台数、自動車の走行の速度といったような要因で自動車の排出ガスの総量が決まってくるということでございます。 現行のNOx法で目標達成ができなかったというのはなぜかということで理由を考えますと、一つは、車種規制等の各種の規制はそれなりの効果があったと思いますけれども、自動車の走行量の伸びがございまして減殺をされてしまったということがございます。それから、自動車の使用合理化についての各事業所管大臣の指針、それから指導の仕組みが十分ではなかったといったことがあると思います。結果として、目標が達成できなかったということについては非常に残念であるということでございます。 そういう意味では、非常にこれは遺憾なことでございますけれども、そういう意味で自動車NOx法を今後改正していって窒素酸化物の対策を強化するということで、今後といたしましては、改正自動車NOx法を成立させていただきました暁には、ここに含まれる諸対策を強力に推進していきたいというふうに考えております。
○山下芳生君 残念、遺憾だということなんですけれども、環境基本法には、環境基準とは、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準とあります。憲法には、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利がすべての国民にあると明記されております。ある意味では、そういうことが達成されていないということですから、私はこれは本当に深刻に受けとめて、何回も何回も基準を緩和し、それから目標期限を先送りしてきたにもかかわらず、いまだにこういう状況になっているということを本当に重く受けとめる必要があると思います。 同時に、単に目標が達成されていないというふうに見るだけでいいんだろうかということを私は少し提起させていただきたいんです。 大阪の実態を御紹介したいと思うんですが、お手元の資料にカラーコピーを配付させていただきました。これはNO2の簡易測定を大阪府の市民の皆さんが取り組まれておる、その二〇〇〇年に取り組んだ結論が右側の図なんですが、大阪府下全域でNO2の簡易測定をやっています。 市民によるこのNO2簡易測定運動ですけれども、先ほど紹介した一九七八年、政府がNOxの環境基準を当時〇・〇二ppmだったのを〇・〇四ないし〇・〇六に、二倍ないし三倍に引き上げた年にスタートしたものであります。その後、大体五年ないし六年ごとにこういう簡易測定を行って集約してきております。ですから、今回は、二〇〇〇年は五回目の調査報告であります。 測定方法も、かなり精度を信頼に足るようにするために、大阪市内、これは中心部、丸の中が拡大されている図ですけれども、大阪市内につきましては五百メートル四方のメッシュ、それからそれ以外の大阪府全域は一キロメートル四方のメッシュに区切って、合計一千十九区画に区分けしまして、それぞれ数個、天谷式のカプセルでNO2を測定するという方法をとっております。メッシュ以外にも、幹線道路沿いでありますとかそういうところについては自主測定をされておりますけれども、分布に偏りがないように配慮されてこういうものとしてまとまったものです。全体でカプセルは一万五千六個配られまして、回収されたカプセルが一万二千六百十二個であります。七千人の市民がこういう測定運動に参加をされました。 まず、ちなみに環境省にお伺いしますけれども、大阪府下の常設の測定地点というのは何カ所あるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 平成十二年の三月末現在でございますけれども、大阪府内の一般の大気環境測定局、これが八十五局、自動車排出ガスの測定局が三十七局、合計百二十二局設置されております。
○山下芳生君 ですから、行政が測定している約百二十カ所の大体百倍の地点でこの測定がされたということになります。 まず大臣に、この具体的な結果をどう見るかは後でまた伺いたいんですが、こういう七千人もの市民が参加をして、自分たち自身そして次の世代のために住みよい環境を残したいという多くの人々の願いが込められた運動であり結果だと思うわけですが、こういう運動に取り組んでいる。そういう市民の皆さんがこういう環境問題をみずからの問題として取り組んでいるということについての大臣の感想をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境というのは国民の一人一人にかかわり合いがあることでございまして、国民の一人一人が自分の周りの環境がどういうふうになっているかということをデータで把握しているということは非常に意味のあることだと思います。 そういう意味で環境省も、例えば子供葉っぱ博士でしたでしょうか、ちょっと名前が違っているかもしれませんが、子供たちにそうやって実際に把握をするためのことをやってもらうということを推奨していまして、それによって将来的にも環境にずっと関心を持つ大人に育つという意味があると思っています。 ただ一つ、そういうことでありますけれども、そこで把握をしたデータの正確度といいますか、その意味合いということについては十分にチェックをしながら実情がどうなっているかということを考えていく、把握していくということだと思います。
○山下芳生君 大変意味のあることだという御答弁ですが、私もこの一つ一つの簡易測定の結果を常設の毎日、年三百六十五日はかっている基準値と単純に比較することは無理があるだろうというふうに思っております。やはりこれをどう使うのかというのは当然制約があるものだと理解しておりますが、ただ、私はこの二つの七八年の結果とそれから二〇〇〇年の結果を比べていただいたらこれは一目瞭然だと思うんですが、真っ赤な地域が広がっております。 特徴は、七八年、第一回の測定結果のときにはまだ緑色だった、あるいは白地だった地域に赤い部分が広がってきた。つまり、高濃度の汚染地域が大阪府下全域に拡大しているという傾向は一つこれは読み取れるんじゃないかと思います。 それから、もう一つは、大阪市内、真ん中の部分ですが、従来から高濃度であったわけですが、さらに濃い赤色、これは〇・〇四ppm以上です。それから、あるいはもう黒色に見えるところは〇・〇六ppm以上、これは基準値をオーバーしておりますけれども、そういう濃い地域が大阪市内でさらに集中してあらわれているということがわかるのではないかと思うんです。 これだけでどの程度の精度かということを単純に比較、これだけでどうこうということにならないかもしれませんが、しかしこれだけの多くの地域で、かなり専門家の方々も入っていただいて、毎回、五回連続して同じような取り組みをやられてくる、それを比較したらこういう結果が出た。天候や条件等も特にそろえてやるようにしておりますので、大まかな傾向はこれでしっかり出ているんじゃないかと思うんです。 そういうこの結果を見ていただいたら、環境基準が達成されていないということで残念、遺憾とおっしゃいましたけれども、単に達成されていないだけじゃなくて、具体的に見ますと、むしろ高濃度汚染が広がるなどの悪化が見られる、私はそういうふうにしっかりと認識をして取り組む必要があると思うんですが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) いただいた資料で拝見いたしますと、七八年のある一日、二十四時間の比較と、それから二〇〇〇年五月十八日の六時から翌日の六時までということで一日の比較をしていらっしゃるということでございます。これは先ほど私が申し上げたこととも関係をいたしますが、大勢の方がかかわってデータの収集をしていらっしゃるということについては、環境についての国民の参加ということでは意味があるかと思いますけれども、経年で比較をするということを考えましたときには、やはり一日と一日の比較ですと、そのときの気候の状況ですとか、さまざまなまさに気候の要件等によって影響を受けますので、経年で比較をする場合にはできるだけ長い期間、例えば年で平均をとって調べるとか、それだけの調査が必要ではないかというふうに思います。 ちなみに、私どもで持っております資料ですと、大阪府内の昭和五十三年度からの継続測定局における二酸化窒素の濃度でございますけれども、これは昭和五十三年〇・〇二五、それから平成十一年におきますと〇・〇二四ということでございまして、基本的に悪化をしているというデータにはなっていないということでございます。
○山下芳生君 これは天候等も大臣は心配されておりますけれども、専門家の方々の協力もいただいて、確かに四回目は風が強く雨が降った日に当たりまして非常に値が低く出ております。しかし、一回目と五回目の天候条件等を比べてみますと比較的近い状況でありますし、一般測定局等の行政の測定のデータと比べてみてもこの値というものが比較的近い値になっているという検証もしております。 ですから、私は単に〇・〇六という基準を挙げて、その基準値を達成している箇所が残念ながらまだ残っている、大都市部では六割残っているということだけを見るんじゃなくて、大阪府下全域をこういう形で見ると高濃度汚染の地域が広がっているということも、これはしっかりと見る必要があるというふうに思うわけです。単に達成されていないというだけじゃなくて、もう少し具体的にその中身を見る必要があるんじゃないかという問題提起をさせていただいているわけです。 同時に、私はこういうもとで大阪の大気汚染の状況が最も弱い人々、もっと言いますと、子供たちの健康に大きな影響を与えているという問題を次に提起したいと思うんです。 お手元に資料の①というものを配付させていただいておりますが、まず文部科学省に伺いますけれども、子供たちの間でぜんそく児童が私はふえているというふうに聞いておりますが、どうなっているでしょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 文部科学省におきましては、児童生徒の健康状態を把握するため、毎年、体重、身長を初めとする健康診断の結果を調査しておりまして、児童生徒のぜんそくの罹患率につきましても、昭和四十二年から統計をとっております。 この統計調査によりますと、ぜんそくの罹患率は昭和四十二年から現在まで傾向としては一貫して増加の傾向にございます。直近の十年間でございます平成二年から平成十二年の間で見ましても、小学校の罹患率では、平成二年に一・〇五%であったものが平成十二年には二・四五%、約二・三倍となるというようなことで、中学校、高等学校につきましても同じような状況になっております。
○山下芳生君 各県別の状況、大阪の状況についてどうなっているか、御報告いただけますか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) この調査は全国の児童生徒の健康の状態を把握する、こういうことでやっておりまして、抽出でやっておるわけでございますけれども、そのサンプルの数が都道府県の児童生徒数の数を反映したものになっていない、少ないということもございまして、各都道府県別の数値につきましては児童生徒の罹患状況を正しく反映しない可能性もございますことから公表はしていないのでございますが、今、大阪というお話がございました。 大阪につきましては、大阪府が独自に全校の調査を平成八年度までやっておりまして、その結果によりますと、例えば平成八年につきましては、府でございますが、小学校男子でぜんそくの罹患率は全国平均の一・一九%に比べまして二・九五%、約一・五倍になっている。中学校、高等学校も同様、大阪府の数字は全国平均に比べまして上回っているというふうに承知しております。
○山下芳生君 今、大阪府全体の報告をいただきました。 お手元の資料①は、大阪市の市内の小学校の男子、女子のぜんそくの疾病率の表とグラフであります。左側の表を見ていただいたら、調査している経年でずっとぜんそくの児童の疾病率が高くなっております、これは男女ともでありますが。 問題は、報告にもあったように全国もふえているんですが、全国の児童のぜんそくのふえ方と比べまして、大阪府、特に大阪市の児童のぜんそく患者のふえ方が極めて急増という形になっております。約四倍になるわけです。 私は、これはまず環境大臣にお伺いしたいんですけれども、こういう大気汚染が大都市部で極めて厳しい状況にある、これはお認めになっているところだと思うんですが、そういうところで児童のぜんそく患者のふえ方が全国よりも異常な形で急増しているという現状については、御認識ございますでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 全国で、これは子供に限らず大人につきましてもというのが私の理解ですけれども、ぜんそくを患っている人の数がふえているということについては認識をいたしております。
○山下芳生君 私、ぜんそくの子供たちを持つお母さん方にいろいろ声を聞いたんですけれども、本当にぜんそくの子供さんたちは大変です。昼間は元気でも夜から朝にかけて突然発作が起こる、そして発作が起こったら呼吸困難になって非常に苦しまれて、救急車で救急病院に駆け込むということになる場合も多いと。それから、そういう状況ですから、薬があると安心する、病院にいると安心するけれども、なかなか学校で落ちついて勉強に取り組んだり運動に取り組んだりすることが難しい。あるいはある方は、僕は運動会が怖いんだと、小学生ですけれども、なぜならみんなで運動場を走ったらほこりが舞い上がって、そのほこりを吸うと苦しいんじゃないかと思って運動会が怖いと。お母さんたちは、学校で一番楽しいはずの運動会を怖いと感じる子供たちを見て本当に胸を痛めておられます。 私は、これは午前中の議論からあるんですが、大都市部の大気汚染の基準値が達成されていない、あるいは私が示したように経年で見ても全体として高濃度汚染が広がっている、そういうところに児童のぜんそく患者が急増している。全国平均よりもふえ方が多いと。これは私は、大気汚染というものが子供のぜんそくの一つの大きな要因になっていると十分判断をしてそれなりに対応しなければ、これからもずっとこういう子供たちがふえていくんじゃないか。そういう立場から環境省としても行政としても対応をすべきだと思うんですが、改めて見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 全国でふえているということについては、先ほど私の認識を申し上げさせていただきましたけれども、環境省の私の理解いたしているところでは、調査によりますと、その因果関係が何かということですけれども、大気汚染とぜんそくなどの有症率に有意な相関が見られないということが調査の結果から言えることだというふうに理解をしております。
○山下芳生君 それは私も聞きましたけれども、環境省の今現在での一つの調査の結論だというふうに伺っております。 しかし、実際に大阪府、大阪市で子供たちのぜんそく患者が急増している。これは全国と比べてふえ方が非常に大きいわけです。率も高い、四倍ですから。そのことと大阪の大気汚染の目標達成率の低さあるいは私は市民の運動として、傾向として全体的に汚染地域は拡大されているということを示しました。 ですから、環境省が今持っている知見で言うとそういうことになるのかもしれませんが、私が今一つ示したのもこれは事実でございます。あるいはまた、この間の大気汚染の裁判でも知見として採用されておりますし、またそれ以外でも例えば国立環境研究所の研究でも、大気汚染、とりわけディーゼルの排ガスが花粉症やぜんそくを悪化させる、それが環境基準以下、環境基準を超えてなくても、近い値であっても、そういうものを悪化させるということも推察されるという研究も最近では出ております。 したがいまして、現時点でそういうことがないんだと言い切って対策を打たないということになりますと、これは私はこれ以上子供たちを、本当に楽しいはずの学校が楽しくない、逆に苦しいというような状況について、私は行政としてもっとそこは事実として重く受けとめて対応する必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) ぜんそくは、アレルギーあるいは受動喫煙あるいはペットを飼っているとかさまざまな原因によって起こる非特異的な疾患でございます。近年におけるぜんそく等の患者の増加というのは、大気汚染が著しい都市部にだけ見られるものではなくて、全国的な傾向でございます。 私ども、三歳児を中心とした環境保健サーベイランスを初め、大気汚染と健康影響についての各種の調査研究をしておりますが、先ほど大臣も申しましたように、このサーベイランスの調査では大気汚染とぜんそくなど有症率との間に有意な相関が見られないという現状でございます。 ですから、自治体独自のさまざまなデータで直ちにぜんそくの要因が大気汚染であるということは言えないと思いますが、先生御指摘のように、この大気汚染と健康影響との関係についてはさらに継続的な調査を要する課題でございますので、そのための原因究明に必要な調査研究は進めてまいる所存でございます。
○山下芳生君 必要な調査研究は進めるということですが、私はそんなことでいいんだろうかといいますか、そういう悠長なことではいかぬのではないか、こう思っているわけです。 全国的にそうだという環境省の調査は私も見ております。しかし、実際に大阪では四倍、全国よりも出ている。そして、大気汚染の状況も全国から比べればかなり悪いということですので、私はそれを因果関係がないんだとしてしまうと、そういう受けとめにしているからある意味では私は環境基準が達成できないままずるずる先送りされても余り胸の痛痒を感じない状況の一つの要因になっているんだと思うんです。やっぱり子供たちの健康を守る、環境を守る、そのために少しでも疑わしいものがあれば積極果敢に対策を打つという立場に立ってこそ、目標の達成に向けて具体的な対策が打てるんだというふうに思います。 しかし、これはこれ以上議論してもこの場では決着がつかないと思いますので、具体的な環境をよくするという点では、今回の法改正についてはその目的については我々も同じ方向ですので、少し具体的に次の問題に移りたいと思うんですが、自動車の排ガスを規制する、大気汚染を抑えるという点で、NOx及びSPMの抑制のためには私は自動車を使う産業界の排出抑制対策がとりわけ重要だと考えております。 NOx法では各産業ごとに排出抑制指針を定めてきております。そこで、その実施状況について、どのように徹底し、どのような成果を上げてきたのか、全産業というわけにいきませんので、経済産業省それから国土交通省に報告を求めたいと思います。
○政府参考人(長尾梅太郎君) 現行の自動車NOx法に基づきまして、自動車を使用する事業者は、厳しい排ガス規制に適合する自動車の使用を義務づけられますとともに、事業を所管する大臣が定める御指摘の指針を踏まえた取り組みに努めることを求められております。 経済産業省におきましては、所管業種の製造業、電気・ガス・熱供給事業、卸・小売業につきまして、輸送の効率化や窒素酸化物の排出量の少ない車種への転換などを内容とする指針を平成五年に定めまして、これらの業種に属します事業者に対しまして当該指針を周知し、またその取り組みを促してきたところでございます。 さらに、こういう事業者の取り組みを促すための施策といたしまして、物流分野の情報化、物流拠点整備などの輸送の共同化、低公害車の導入などの支援を行ってきたところでございます。
○政府参考人(宮嵜拓郎君) 道路運送事業者に対する指導についてお尋ねがございました。 道路運送事業者につきましては、現行法に基づいて、窒素酸化物の排出量がより少ない車両への転換及び適正運転の推進などを内容とする運輸業に係る特定地域における自動車排出窒素酸化物の排出の抑制を図るための指針を定めまして、これに基づいて着実に指導を実施してきたところでございます。 また、この指針の実効を上げるために、平成八年から、特定地域内のトラック事業者及びバス事業者に対しまして、各都府県と共同して、事業者における自主的な環境対策を記載する自動車環境対策計画の提出を求めまして、毎年度の計画の達成状況を積極的に周知、公表するなどによって指導を行ってきたところでございます。
○山下芳生君 各省によっても取り組み方に私は聞きますと差があるように感じたわけですが、結局は削減目標を達成できなかったわけで、それはなぜなのかということをしっかり踏まえることが大事だと思います。 一つは、私は、事業者がこの指針を守ることが義務づけられていない、罰則や監視のシステムもないということだったと思うんですが、この点は今度の法改正でどう改善されるんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 現行の自動車NOx法の中にも、今お話がありましたように、事業所管大臣がそれぞれの所管する事業について事業者の自動車使用合理化に関する指針を定めて指導あるいは助言をすることができるという仕組みになっているわけでございますが、それぞれ答弁がありましたように、それぞれの事業所管業によって色合いが違うというのが事実でございます。 ただ、全体的に申しますと、今回の法改正の前提として議論をしていただいた中央環境審議会の答申などにもありますように、全体としては十分に現行の制度は機能していない、言いがたいという評価であります。 こういうことでありますので、やはり事業者対策をより一層効果的に推進するということがどうしても必要であろうというふうに考えられるわけでありまして、今回の改正自動車NOx法におきましては、まず一定規模以上の事業者に対して、対策推進のための計画を事業者みずからつくっていただく、この作成の義務づけをする、そしてそれぞれの都道府県知事の方にその計画の届け出をしていただく。そして、その計画について、今度は事業所管大臣がということではなくて、地域の大気環境について一番責任と関心を持っておる自治体が事業者指導をやるというような仕組み、こういうような形でよりきめ細かい指導もできていくというふうに組みかえたい。 そしてさらに、実効性担保の問題でありますが、現行法の事業者指導の仕組みの中では、いわゆる罰則などの規定は何もなかったわけでございますけれども、今回は事業者にみずからつくっていただきますけれども、その計画の作成、そして都道府県知事への報告の義務づけ、この義務づけに違反しますと罰則をかけます。 そして、個別のいろいろな知事さんからの指導、助言があるわけでございますが、その内容が必ずしも十分でないという場合には、まず第一段階として、都道府県知事さんが事業者に対して勧告をすることができるというようなこと。勧告をした上で、それなりに理由があればもちろんそれはやむを得ないわけでしょうけれども、理由なくなかなか十分な対応をしていただけない場合には改善命令を出す。さらに、その命令にも従わないという場合には罰則がかかるというような担保の規定も今回は組み込ませていただいている。 それから、必要に応じて事業所の中に立入検査をすることもできると、こういうような形でより実効ある事業者に対する指導の仕組みというものを組み込ませていただきたい、こういうことでございます。
○山下芳生君 具体的な私が感じる問題を一つだけ紹介したいんですけれども、これまでの排出抑制指針でも、例えば運輸業に対する指針を見ますと、「行き過ぎた多頻度少量輸送、ジャスト・イン・タイムサービス等の見直し、改善」ということが言われております。これは本当に大事なことだと思うんですが、現実の物流の実態を見ますと、これと逆に、多頻度小口配送、土日配送などがふえております。 例えば、全国下請企業振興協会が九九年三月にまとめた「発注方式等取引条件改善調査報告書」というのがあるんですが、これを見ますと、「近年、発注側である親企業からの依頼は多品種少ロット化しているが、同時に親企業で余分な在庫を保有しないジャストインタイムの要求も高まっている。」と、こうあります。 中小企業にとって、こういう親企業の一番必要なときにだけ持ってこい、うちは在庫は持たへんでと、あるいはもっと小口でそれぞれの支店に運べという下請に対する圧力といいますか要求が環境面から見たら大変悪い影響を及ぼしていると、それが増大の傾向にあるということだと思うんですが、このあたりを具体的にどう指導されるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(長尾梅太郎君) 今の御指摘のジャスト・イン・タイムの問題でございますけれども、むだな在庫を捨てたり、あるいはむだな在庫を回収したりというような非効率な面を是正するという意味では効果があるという面もなくはないわけでございますけれども、逆にNOxの排出抑制に逆効果になり得るのではないかと、こういう御指摘だったかと思います。 当省といたしましては、今後の事業者の取り組みの判断基準を定める際には、事業者がそうした観点をしっかり持って具体的な取り組みを進めるように事業者に求めることなどにより、改善が図られるよう検討してまいりたいというふうに考えております。こういう事業者といたしましては、御指摘のありましたような親企業の立場にある企業も含めて検討してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 やはり親企業に対する指導というのは本当に大事だと思いますので、ここは環境という面からも経済産業省もしっかりと指導いただきたいと思います。 それから、最後に、私たちは事業所ごとの総量規制というものも必要ではないかという考えを持っておるんですが、少なくともそういう今言った指針をしっかり守らせるということが大事だと思うと同時に、局地汚染についても対応が必要だというふうに、この間、政府の文書を見ましてもいろいろ述べられております。 私は、最後に具体的な、もう非常に具体的な問題なんですけれども、国道四十三号線の港区のある地域なんですけれども、四十三号線が下を走っております。その真上を阪神高速が屋根のように通っておりまして、ですからもう空が覆われている、雨が降ってもかからない状況でして、下の四十三号線というのは民家と隣接をしているという環境になっているわけです。高速道路の高架橋が真ん中にあるために四十三号線は二車線しかございません。渋滞で通過車両は何度も何度も信号にひっかかって、発進、停車、アイドリングを繰り返すために、取りかえたばかりの道路の白いフェンスもすぐ真っ黒になるというところがございます。私も現場に行ってまいりました。 この地域の住民の皆さんが、お店をやられているような方も、店頭の棚にばいじんが積もるということに気がついて、数人の皆さんと何とか改善できないものかということで声を上げておられます。あるお店の中は、薬局なんですけれども、入り口はエアカーテンで外と仕切りをしているはずなんですが、それでもエアコンのフィルターには、先ほど末広委員が回覧をしてくださいましたあの黒いすすがフィルターの中にあっという間にたまってしまうというぐらい、エアカーテンも通り越して、浮遊粒子状物質だと思うんですけれども、それが店舗の中にも入ってくるという状況です。そういうものを吸っていると思うとぞっとする。ここに来てぜいぜいいうようになったという形で、のどがいがいがする、鼻詰まり、鼻水が多いなどという自覚症状がある方がこの地域で六割あるいは五割を超えて、ほかの地域と比べてみても大変高い自覚症状があるということも出ております。 そこで、この地域の住民の方々の具体的な解決の要望策として出ておりますのは、四十三号線の上部を通る阪神高速西大阪線の大正西料金所、それから安治川料金所、その間なんですね、ここの地域は。わずか一・九キロメートルの特定料金区間でして、普通車二百円、大型車四百円なんですが、その料金所があるために、そこを、阪神高速をすっと通ればすいていて二分ぐらいで行けるんですけれども、特に大型車は四百円が惜しいということで手前の料金所のないところからおりて渋滞が起こっている。特に二百円から四百円に上げられて以降、もう目に見えてディーゼル車、大型車が下に来るようになり渋滞がひどくなった、排ガスも大変感じるようになったというふうに言っているわけです。 私は、これは国土交通省に伺いたいんですが、高速道路料金というのはプール制でやっている、その一区間だけで判断できないという建前は知っております。しかし、そのことによって、上を通ればすいすいと行けるところの大型車がどんどん下におりてきて住民の健康に直接影響を及ぼしているわけですから、この場合、そういうことも踏まえて例えば料金所を廃止する等も含めた対応をやる必要があるんじゃないか。何のために、四百円が惜しいからといって渋滞に参画をして、結局は地域住民に悪い空気を吸ってもらうために渋滞しているようなもんやというふうに沿線の方はもう本当におっしゃっています。 何とか対応できないものか。検討すべきじゃないでしょうか。
○政府参考人(大石久和君) 今先生から御指摘がございました阪神高速西大阪線につきましては、大阪堺線との接続の形態から支線的性格が強いということ、並びに延長が約三・八キロメートルと短いことから、均一料金区間全体をネットワークとして利用される方と当該区間のみを利用される方との利用と負担との公平の観点から、昭和四十五年に供用いたしましたときには普通車百円、大型車二百円の特定料金。平成六年に料金改定を行いまして、今先生御指摘のように二百円、四百円という料金水準になっているものでございますが、西大阪線は国道四十三号も含めました当該区間の断面交通で見てみますると、全体六万五千台のうち約三万五千台、五四%を分担いたしておりまして、当該区間の交通緩和に役立っていると考えているところでございます。 この西大阪線の建設につきましても、阪神高速の建設全体と同様に有利子資金によって整備されております。当該路線をもし無料ということになりますと、他の路線の利用者にその負担を押しつけるということになるわけでございます。ネットワーク全体を利用者全体で御負担いただいて償還していくという考え方になじまないというように考えてございます。 しかしながら、四十三号等、あるいは大阪西宮線、西宮神戸線全体につきましてもできるだけ湾岸方向に誘導する等の施策を現在、環境ロードプライシングというような考え方でも研究中でございますし、またETCの導入がなされますと種々の料金設定が可能となるわけでございます。そういった観点から、今先生の御指摘のことも踏まえまして研究検討してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 終わります。
○清水澄子君 社民党の清水です。 私は、本会議でもこの自動車NOx法改正案に対する質問をさせていただきました。しかし、きょうのこれまでの答弁、また本会議での答弁、いずれを聞いていましても、ますますこのような法案でいいのかなという気持ちが非常に強くなっております。 本会議質問の繰り返しにもなるわけですけれども、自動車の排出ガスによるぜんそく等の健康被害に苦しむ大都市の道路の沿道住民の問題に対して、今回の自動車NOx法改正案というのがほとんどこれに対して救済とかそういう方向が出されていない。既に指摘されているとおり、これまでの政府の環境基準も、これは都合三回にわたって達成できなかった、いわゆる公約違反であったわけです。一方、尼崎及び名古屋南部の第一審訴訟では、損害賠償とともに環境基準の一・五倍の範囲での差しとめ判決が出されているわけです。次はまた東京訴訟が行われる。政府はこういう差しとめまで認めた判決の流れに対して、私はやはり真剣にこれを受けとめるべきだと考えております。ですけれども、これまでの御答弁でもほとんどそれらは事務的な答弁に終始していて非常に残念でございますけれども、私はここで大臣に伺いたいんです。 一連の道路公害訴訟は、やはり公害健康被害補償法の第一種指定地域の解除が強行されてから始まっていると思います。ですから、被害者たちは結局司法による救済を求めざるを得ない。そして最近では、尼崎では和解にはなりましたけれども、名古屋南部の判決では、自動車排出ガスによる健康被害との因果関係を認めるとともに差しとめまで認めたわけです。いわば行政で因果関係があいまいだとして打ち切られた補償が、いま一度司法で認められたことになっております。にもかかわらず、環境大臣はこの名古屋地裁判決を不服として控訴されているわけですけれども、大臣、これまでの環境行政が環境基準すら達成できなかったこと、そして先ほどからの御答弁にもありますように、交通量が非常にふえた、ディーゼル車とか大型トラックがふえたから達成できなかったんだという現状、その背景にあるものははっきり答弁していらっしゃるわけです。そのことは結局、健康に被害が起きたということになると思うわけです。 ここで私は、これらの患者とか被害者の立場からなぜ考察できないのか。その点において、環境行政というのは人々の環境とか生命を守る行政だと思いますけれども、その意味で環境大臣、これらについて、どうしたい、どのようにやっていきたい、そういうことについての本当に率直な御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 非常におっしゃられたことの関係する意味合いが、大きい意味合いのことをおっしゃられているので、ちょっとお答えも抽象的にならざるを得ないかもしれませんけれども、やはり国民一人一人の健康というのは大事なことですし、それから大気汚染の問題というのもまたそれはそれで非常に大きな問題であるというふうに思っています。 ただ、先ほどちょっとお触れになられた訴訟の関係について言いますと、尼崎の訴訟については昨年の十二月に和解が成立をいたしておりますので、名古屋の南部訴訟に関して言いますと、先ほどもちょっと申しましたけれども、大気汚染物質と健康への影響、それとの因果関係を判決が認めたということについて、私どもはその点については問題があると思っておりますので、関係省庁と御相談をして、そこについては上告をさせていただいたということでございます。 ただ、その法律的な因果関係についてそういう考え方でおりますけれども、大気汚染の問題というのが非常に大きな問題であるということは、先ほども申し上げたように全くそういうことでございますから、自動車排出ガスの対策というのはきちんと取り組んでいかなければいけないというふうに考えておりまして、NOx法の改正をお願いいたしておりまして、それに含まれるさまざまな対策を強力に取り進めていきたいというふうに考えております。一人一人の健康も非常に重要でありますし、排出ガスへの取り組みも重要でございます。 ただ、それと、それから法律上、国として問題があるというその判決について上告をするということとは、国としてはそれはそれでやっていかなければいけないことであるというふうに認識しています。
○清水澄子君 ところで、旧指定地域の大気汚染状況の推移というのはどうなっていますか。
○政府参考人(松本省藏君) 公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる公健法でございますが、これに基づきます旧第一種の指定地域における大気汚染状況でございますが、東京、大阪などの大都市地域が中心となっていることもありまして、特に二酸化窒素あるいは浮遊粒子状物質について、大気環境基準を超える地点が多いというような問題があろうかと思います。 具体的に申しますと、平成十一年までのここ数年の旧指定地域内と全国の状況とを比較いたしますと、窒素酸化物、浮遊粒子状物質、二物質いずれにつきましても環境濃度の年平均値は旧指定地域内の方が高いという状況ではあります。環境基準の達成率についても、そういう意味からしまして、全国との比較でいきますと旧指定地域の方が達成率は悪いという状況にあります。 なお、昭和四十年代に汚染が深刻でございました二酸化硫黄につきましては、旧指定地域につきましてもすべて環境基準は達成しているということで汚染状況は鎮静化をしている、こんな状況であろうかと思います。
○清水澄子君 結局、旧指定地域のやはり大気汚染状況というのは悪くなっているということだと思います。 そこで、そういう地域における健康被害者、患者の実態はどうなんでしょうか。国が補償する公健法は、これは打ち切られたわけですから減っているんだと思いますけれども、逆に自治体の方が条例で患者を認定せざるを得ないということで、東京、川崎、東海市、それから大阪府内、そこら辺の患者の推移、それらについてどういう実態になっているか、お答えください。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 公害健康被害補償法による大気系の認定患者数は、昭和六十三年三月、指定地域を解除した当時約十一万人であったものが、平成十二年度末現在では約六万人になっております。 お尋ねの各自治体における条例の認定対象者数でございますが、平成六年度末と平成十一年度末で比較いたしますと、東京都は四万六百五十人から五万一千三十八人に、川崎市では四千百六十一人から六千二百三十四人に、東海市では三百四十人から五百十三人に、大阪市では一万四千五百六十二人から二万五百十六人に推移していると承知しております。
○清水澄子君 特に東京都の場合は対象者を十八歳未満に限定しているんですけれども、それでもやはり非常にふえていますね。そういう中で今回の判決が出ているわけです。 先ほども申し上げましたけれども、結局、公健法の第一種指定地域を全面解除した。このことで大気汚染地帯と言われていたところをもう国は、公害健康被害補償法というのはなくなっているわけですから、ですからどんどん国が補償すべき対象数は減るのが当たり前ですね。しかし、現実に患者の数はふえている実態、そして新たにこのディーゼル排気微粒子問題が深刻になっていることを考えますと、これは特に世界的に見ても非常に公健法というのは先進的な制度であったと思いますけれども、これが骨抜きになってしまった。 そういう意味でも、やはり第一種指定地域を復活する必要があるんじゃないか。そして、まず患者の救済にやはりもっと積極的な対応が必要だと思いますけれども、これについては大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) お答えする前に一言訂正をさせていただきたいのですが、私は先ほど控訴と言うべきところを上告と言ったようでございますので訂正をさせていただきます。 それから、今の御質問についてのお答えですけれども、ぜんそくという疾病の原因につきましては、大気汚染だけではなくてさまざまな原因があるというふうに考えております。それから、現在ぜんそくの患者数が非常にふえているということは全国的な傾向でございます。 環境省は、公健法で一種地域の指定を解除いたしました後、環境保健サーベイランスを初めとしまして、大気汚染と健康の関係についてさまざまな調査研究を行っております。これで得られた結果から見ます範囲では、大気汚染とぜんそく等の有症率に有意な相関が見られないということでございます。したがって、旧公健法指定地域で患者がふえているからといって、その主な原因が大気汚染であると言うことはできないというふうに考えております。 ただ、大気汚染による健康影響の問題というのは引き続き調査研究を必要とする課題でございますから、その解明のために調査研究は進めたいと考えております。 それから、旧第一種地域の住民の方々に対する健康相談、健康診査など環境保健上の対策を推進していきまして、大気汚染による健康被害の未然の防止に努めていきたいというふうに思っております。
○清水澄子君 これはここで何回繰り返しても、環境省の姿勢というんですか、基本認識、環境行政とは何をすべきかという基本認識が異なっていますから、これは私たちの指摘していることの方が正しいんだと思うんですけれども、今も調査研究をしていますと。患者とそこに苦しんでいる人たちがいるんです。そして、その地域がどういう地域かというのもはっきりしているわけです。過疎地域で起きているわけじゃないんです。だから、今度こういう法律をあえてつくらざるを得なかったんだと思いますけれども、にもかかわらず調査研究をしてと。どうしてそれほど、そこに苦しんでいる患者とか被害者の立場からこの法律を考えないのかということを私は本当に繰り返し申し上げたいわけです。 そして、公健法にあった第一種地域というのは、結局その因果関係というのが一人一人に必ずしも、汚染物質とこの疾病との間に特異な関係というのは必ずしも、一人一人体が違うんですよ、その病気も症状も。ですから、それについて必ず原因物質が特定されなければいけないということではなくて、非常に共通したようなことが多発しているという地域であって、それは現実的には大気汚染地域ということに、この対象になっていたと思います。その指定された当時の疾病だって、慢性気管支炎とか気管支ぜんそくとか肺気腫とか、そういう症状があったわけですから、その第一種指定地域を全面なくしちゃったわけですから、そして因果関係はわからないというのは、これは本当に私はこの環境行政の基本をもう一度問い直していく必要があると思います。そのことを本当にいずれ一度真剣に環境省の中で検討をしてください。そうしないと、これはもう何回言っても、私たちは言いっ放し、そして環境省の方は因果関係がないとか、そういう形だけで話されると思います。 これで、私はちょっと副大臣いらっしゃるので、副大臣、政治家としてどのようにこの問題をお考えになりますか。これをひとつ真剣に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(風間昶君) おっしゃるとおり、環境行政はそこに生活している人たちにとってどうあるべきかという観点が極めて大事じゃないかというふうに思います。 したがいまして、一つの事例が起こったときに、そのスポット的な調査ではなくて、経年的に、しかもかなりのマスとして、個々の状況が違うことがあるにしても調査研究をしなければならないということは、もうこれは科学的手法のあり方として当然のことでなかろうかというふうに思っておりますから、現時点で大気汚染を、確定犯人ではないけれども大気汚染とぜんそく等慢性気管支炎との因果関係については有症率に差が認められていない以上は、ではそこからどうするかということがありますから、これも大臣がこれまでお話しされておりましたように、環境サーベイランスを含めてやっていかなきゃならない。 基本は、先生と同じくその地域に住んでいる人たちにとっての環境行政であるべきだというふうに思っているところでございます。
○清水澄子君 それはぜひ急いでいただきたいと思います。 そして、そういう観点から、今、名古屋の判決がディーゼル微粒子問題が中心となっているわけですね。さらにこれからこの問題は深刻になっていくと思います。 NOx法の改正は、新たにPMを対象にしたとはいえ、やはり従来の仕組みをそのまま踏襲しているものになっていて、これでは本当に実効性が上がるのかというやっぱり不安があります。 東京都の場合は、とても政府のこういう対応では、現実に多くの実態を抱えているわけですから、ですからここではディーゼル車NO作戦を始めて、そして非常に強い対応で都民の健康と安全を確保する環境条例をつくったり、そして粒子状物質に対しては東京都独自の基準を設けて、そして二〇〇三年十月からはこの基準に達しない車は都内に入れない、走らせないと。そして、トラックやバスに対するディーゼル粉じん除去装置、DPFの装具の費用についての半分を負担しましょうとか、非常に積極的な活動というんですか対応をやっておりますけれども、これに対してトラック業界とかバス業界からの非常に反発があるわけですが、国の方としては、これは自治体がおやりになることですということになるのか。やはり国もこういう積極的な政策に対して、本当に本気でNOxからの健康被害をなくす、環境汚染をなくす、大気汚染をなくすという姿勢であるならば、具体的に何をされようとしているか。 この法律だけでは非常に足りないと私は思いますが、もっとどういう積極的な対応を考えていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(松本省藏君) まず一番目に申し上げたいのは、自動車NOx法を改正強化していわゆる車種規制、既存の車種規制の仕組みですけれども、これの規制の内容を大幅に強化する。そして、規制の対象の車種も従来のバス、トラックに加えまして乗用車についても規制対象にしていくというようなこと。それから、先ほど来議論がありましたけれども、個々の特定地域の中の事業者でたくさんの自動車を使用しているような方、事業者に対してはより積極的に計画をつくって大気汚染改善の観点から協力もしてもらう、都道府県知事が指導し助言をしていくというような仕組みを組み込むことによって、NOxの環境改善に取り組んでいくということであろうかと思います。 そして、東京都が独自に例えば流入車規制というような手法を予定しているわけでございますけれども、それは国のNOx法の施策と両々相まって効果が上がっていくということではなかろうかと思っております。NOx法の各種の施策と東京都条例が予定をしている施策は二者択一ではないわけでありまして、東京都についてもこのNOx法の基本的な仕組みというのは全部かかってくるわけでありまして、それに加える形で東京都の条例による対策というのが乗っかってくるということで、どちらがいい、どちらが悪いということではないと思っております。 そういうような意味で、東京都が一生懸命頑張られる、そのベースとしてもやはりこの自動車NOx法の改正というのがどうしても必要なことではなかろうかと考えております。
○清水澄子君 今、私は従来の単体規制、いわゆる車種規制、そんなものでは目標は達成されませんということを申し上げているんですが、それで環境省はやれるとおっしゃっているんですから、また何年かたってできませんでしたというのはもうやめていただきたい。そのときはどういう責任をおとりになりますか。
○政府参考人(松本省藏君) 改正自動車NOx法に沿いまして最大限の努力をさせていただくということであろうかと思います。
○清水澄子君 それでは、この法律の事業所管庁である経済産業省そして国土交通省は、この法律で必要な削減量は達成できると判断されておりますか。 そして、この法案提出は今度は環境省だから責任は自分たちの方にないというふうに環境省の方に責任を転嫁しないでいただきたいと思いますけれども、これらが達成できなかったときの責任ははっきりとるということをここでお約束されますか。
○政府参考人(長尾梅太郎君) 私ども経済産業省は、環境省あるいは国土交通省と連携しまして、また都府県等と緊密な連携を持ちまして最大限努力してまいりたいと考えております。 今回の法改正の仕組みの中で、事業者の指導の点につきましては、るる御説明がありましたように、判断基準に関しましては基本的な事項を環境大臣が案を作成する自動車排出窒素酸化物等の総量の削減に関する基本方針において定め、また判断基準自体もこの基本方針に基づきまして事業所管大臣が環境大臣と協議しつつ定める、こういうような仕組みをとっております。 判断基準に盛り込む内容といたしましては、共同輸配送の推進などの輸送の効率化や、あるいは窒素酸化物の排出の少ない車種への転換などの輸送手段の改善など、こういうことを盛り込んでいきたいというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても、最初に申し上げましたように最大限努力させていただきたいというふうに考えております。
○政府参考人(宮嵜拓郎君) 国土交通省といたしましても、道路運送事業者を所管する立場から最大限の努力を重ねていきたいと思っております。 これまでも、事業者において自主的な環境対策を自動車環境対策計画として提出させるとか、そういった先進的な取り組みもさせてまいったわけでございますが、今後、改正法案の成立後におきましては、閣議決定される総量削減基本方針に基づきまして、環境省との協議を通じて実効性ある判断基準の策定などによって取り組んでまいりたいと思っております。
○清水澄子君 それでは、絶対に実行していただきたいんですけれども、事業者に対する判断基準を事業所轄大臣が作成するということは、結局実質的な基準がなし崩しになると私は考えます。だから、私はこの事業所轄大臣にかかわる規定というのは、やはり本来これは削除して環境大臣に一元化すべきだという主張でございますけれども、環境大臣はこれは相談をしてやりますとおっしゃるに違いないんですが、ここで本当に環境省がこの問題に最も強力なリーダーシップを持たなければだめだと思います。 大臣はどのような御決意ですか。
○国務大臣(川口順子君) 清水委員御指摘になられましたように、環境省がここでリーダーシップをとっていかなければいけないというのは全くそのとおりでございまして、私どもとしてはこの点につきまして主導的な役割を果たして効果が上がるように努力をいたしたいと思います。 それから、もう一点つけ加えさせていただきますと、この事業者の判断基準というのは今回の改正の中で非常に重要なポイントの一つでございます。 それで、環境大臣がやるべきか、あるいは結果的にそう決まりましたように事業所管大臣も含めた形でやるべきかということについては、さまざまな考え方はあり得るとは思いますけれども、実際に効果を上げるためには、その事業の実態なりその業種の実態なり特性ということをよく把握している事業所管大臣が、そこの枠組みの中で実際に企業を、業者を、事業者を所管、指導し進めていくということが非常に大事だというふうに私どもは思っております。 ということで、清水委員がおっしゃっていただきましたように、環境省とそれからほかの事業所管官庁とは密接に連携をとりながら事を進めていきたいというふうに考えております。
○清水澄子君 毎日、新聞では経済財政諮問会議の内容が非常にいろいろ変わって出てくるんですが、この会議が、けさの新聞でしたか、揮発油税の暫定税率分を撤廃して環境税にという報道がなされていました。 自動車諸税を特定財源としてきた自動車優遇税制から排出者責任税制への、これはもしやるなら百八十度の転換となるわけで大変私はこれは推進すべきだと思いますが、大臣はこれの実現に全力を挙げていかれるべきだと思いますが、実態はどうなっているのか。そして、これが本当にやられるならばぜひ全力を挙げていただきたい、こういうふうに考えますが、その状況と決意とをお答えください。
○国務大臣(川口順子君) 経済財政諮問会議でさまざまな議論が今なされていて、六月ごろを目途に骨太な方針を出すということは聞いておりますけれども、ここで特に環境税の議論がなされているというふうに私どもは聞いておりません。 それから、一般論として、環境税につきまして、これは経済的な措置ということで価格メカニズムを使った一つの手法であるわけですけれども、これはさきのOECDの閣僚理事会のコミュニケでも示されましたように、私どもはその活用は積極的に検討すべきであるというふうに考えております。 地球温暖化対策のための環境税、あるいは廃棄物の対策としての環境税といった環境税の導入については、幅広く国民の方々に議論をいただいて検討を進めていきたいと考えております。
○清水澄子君 終わります。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山下芳生さんが委員を辞任され、その補欠として岩佐恵美さんが選任されました。 ─────────────
○中村敦夫君 環境基準が達成できなかった理由について幾つかの質問をいたします。 まず、国土交通省道路局のホームページを見ますと、首都圏特定地域における自動車NOx法の環境基準達成率はわずか二七%であるというふうに出ているんです。 四月四日の参議院本会議で川口環境大臣は、現行の自動車NOx法の実効性が上がらなかった理由として次のように答弁しています。「法律に基づく車種規制等各種の対策は一定の効果はあったものの、その効果が自動車走行量の伸び等によりまして減殺をされ、結果として目標の達成が極めて困難な状況になったものと理解をいたしております。」と。また、環境省が各議員に配付した説明用の資料におきましても、自動車NOx法が目的とした窒素酸化物の環境基準の達成が困難となった主原因として自動車走行量の伸びを挙げているわけです。 つまり、その自動車走行量の伸びを抑えなければ幾ら強力な規制を実施しても効果が減殺されてしまうということが明白になっているわけです。しかし、この法案を見る限り、自動車走行量の伸びを抑えるための新たな対策というものが全く盛り込まれていないように思われるわけです。 ここで、環境大臣と国土交通省の方に両方同じ質問をしますけれども、自動車走行量の伸びを抑えるために、政府は新たにどのような具体的対策を講じる予定なのかということをお聞きします。
○国務大臣(川口順子君) 自動車排出ガス対策を推進するためには、自動車の単体対策ですとか低公害車の普及のための政策といったさまざまな施策を総合的にやっていくことが必要だというふうに思います。 それで、自動車NOx法が改正されました後は、各自治体ごとに策定される総量削減計画におきましてこういった施策が総合的に盛り込まれることになっていくわけでございます。 お尋ねの自動車走行量に関連する施策としましては、改正法案では、事業者が自動車の使用の合理化、自動車の使用の管理計画の作成を義務づけられているということでございまして、そういった関連の施策があるわけでして、この計画に基づいて自動車の使用が合理的に行われ、それによって自動車の排出ガスの削減が適切に行われるということを考えております。それから、総量削減計画の中で、物流・人流・交通流対策といった自動車走行量の抑制につながる施策が盛り込まれることとなるというふうに考えております。 そういった施策を検討する中で、例えばTDMを位置づけるといったことも積極的に検討をしていきたいというふうに考えます。
○大臣政務官(木村仁君) 自動車走行量の伸びは、各交通機関の競争あるいは個々の人々の利用の選好等によって決まってまいりますので非常に複雑な様相を呈していると思いますが、できるだけ人、物の移動、輸送が効率よく行われますように、道路交通手段あるいは鉄道等をうまく組み合わせて自動車の走行量を抑えるように努力をすることが重要だと考えて施策を講じております。 このような認識のもとに、国土交通省といたしましては、ともかく都市構造を再編する環状道路等の整備を推進して走行量を短くするということもございますし、また自動車交通量を調整、抑制するいろんな方法を講じなければならないという認識を持っておりまして、幾つかの具体的な施策を講じてまいりました。 一つは、都市部における鉄道あるいは新交通システムあるいは路面電車、そういった公共交通機関を整備し、できるだけマイカーからそちらへ乗りかえていただくということ。また、それが十分できないところにおきましても、パーク・アンド・ライドあるいは駅前広場等の整備による交通結節点の強化等、ともかく公共交通機関の利用を促進するためのいろいろな施策を講じて、いわゆるTDMと申しますか交通需要マネジメントを充実していくということ。それから、第三番目に物流の効率化でございますが、トラック走行量を抑制するためにモーダルシフト、つまり、できれば自動車運輸から大きなものは海上輸送に切りかえていくとか、あるいはトラック車両を大型化して積載量をふやし、トレーラー等をつなぐことによって走行距離を少なくする、あるいはトラック全体の積載率を向上させるための工夫、そういう施策を講じて業界を指導する等のことを行ってまいりました。 今後とも、そういう線に沿って積極的な対策を講じたいと考えております。
○中村敦夫君 国土交通省に続いてお聞きしますけれども、一定程度の自動車走行量の伸びについては、削減基本方針を策定するときに見込まれていたはずですね。 〔委員長退席、岩佐恵美君着席〕 しかしながら、結果としては各種規制の効果がほとんど上がらずに環境基準の達成が困難になるほど自動車走行量が伸びてしまったということなんですが、その原因は何なんでしょうか。
○大臣政務官(木村仁君) 当初の予測と申しますか、削減計画が実現していないことはまことに残念でございますが、平成四年度、つまり自動車NOx法が制定された年でございますが、それから平成十二年度までの間に、乗用車の保有台数が約三千七百三十万台から五千百二十二万台へと三七%も急増をいたしております。それから、免許保有者につきましても、これは平成二年から平成十一年まででございますが、この間に約六千百万人から七千四百万人と約二一%も急増をいたしておりまして、こういうことはなかなか行政の施策で抑制していくということが困難であったという事情があるかと思います。 一方、貨物輸送でございますが、車両の大型化あるいはトレーラー化を先ほど申しましたように推進したこともありまして、平成四年度から平成十一年度の自動車による貨物輸送量はトンキロベースで約九%伸びておりますので、効率は上がっているわけでありますが伸びておりますので、それが自動車走行量の伸びにつながっているわけでありますが、貨物自動車登録台数は約一二%減少をいたしております。ですから、大型化等の努力にもかかわらず、やはり貨物の輸送需要が非常に大きくなってきたということではないかと思います。 こういう状況を踏まえながら、今後とも環境改善、保全にさらなる努力が必要であると考えております。
○中村敦夫君 環境管理局長にお伺いしますけれども、自動車走行量が伸びたということが全体の環境基準が達成されなかった理由の大きなものとして挙げられているんですが、逆に東京都では、一九九〇年と一九九七年の自動車走行量の変化を比べると一・〇二倍にしかふえていないという事実があるわけですね。それから、窒素酸化物量と密接に関係のある貨物、これもむしろ減少ぎみなんです。 そうすると、東京都においては各種規制の効果を減殺した主要因とされている自動車走行量の伸びが見られない、それにもかかわらず環境基準が達成できなかったということなんですが、この理由は何でしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) ただいま御指摘がありましたように、東京都におきます全車両の自動車走行量の推移、これを見てみますと、確かに平成二年度から平成九年度までの間の変化というのはほとんどないということで、これは他の五つのNOx法の特定地域を抱える府県とはかなり違う様相を呈しておる、ある意味では飽和状態というような言い方もされるわけですが、そういうことは事実であります。 ただ、東京都について見ましても、その内訳を見ますと、自動車一台当たりの排出ガス量が大きいバスとか普通貨物車についての伸びがやはり顕著に見えるということであります。バスについて言いますと、平成二年度から九年度にかけて三〇%、それから普通貨物車について見ますと四%の走行量の伸びがあるというようなこともあろうかと思います。 ただ、それだけでなくて、やはり低公害車の普及が十分に進まなかった、あるいはなかなか定量的に難しいんですが、物流・人流・交通流対策などについても十分な効果が見られなかったというようなことなどから、二酸化窒素の環境基準達成率が低い状況で推移をしてきたというようなことではなかろうかと考えております。
○中村敦夫君 引き続き環境省にお聞きしますけれども、各種の対策ごとの効果についてどれだけ効果があったのか、効果の実績と達成率を対策ごとに説明していただけないかと。なお、単体規制と車種規制も明確に区別してお答えいただきたいんです。
○政府参考人(松本省藏君) 自動車排ガスの総量というのはいろいろな要因によって影響を受けるわけでありまして、現行の自動車NOx法のもとでの個別対策の効果を評価するというのは大変に難しいわけであります。 ただ、昨年十二月の中央環境審議会の答申においては可能な範囲内での分析評価が行われているわけでありまして、この中環審の答申によりますと、全国一律で実施された単体規制の対策効果はなかなか評価できないということでされていないんですけれども、NOx法の車種規制については特定地域全体で約六千六百トンの削減効果があったと、こういうふうに試算をされているわけであります。また、低公害車の普及に伴う効果、これは見込みよりも十分普及しなかったわけでありますが、低公害車の普及に伴う効果は数十トン程度と、こういうふうに推定されているわけでございます。 〔委員長代理岩佐恵美君退席、委員長着席〕 その他の物流、人流、交通流に関する対策については、データの不足などもありまして現時点で施策効果を適正に評価するというのは難しいというふうに答申でも言っているという状況でございます。
○中村敦夫君 これも環境省にお聞きしますけれども、輸送効率の向上、鉄道、海運の活用などを柱とする物流対策では一万一千五百トン、公共交通機関の整備等利用促進を柱とする人流対策では三千二百トン、都市内での平均走行速度上昇を柱とする交通流対策では四千百トンと、それぞれ窒素酸化物の削減を見込んでいたわけです。 中央環境審議会の答申、「今後の自動車排出ガス総合対策のあり方について」というのを見ると、これらの見込みがどれだけ達成されたのか記されていないわけです。なぜ、中央環境審議会の答申では何トン削減されたかということを明確に示されていないんでしょうか。
○政府参考人(松本省藏君) 御指摘の中央環境審議会の答申で御指摘のようなことが書かれているわけでありますが、ちょっと引用させていただきますと、「物流・人流・交通流に関する対策については、各都府県がそれぞれ独自の手法で削減効果を見積もり、その前提とされた想定について定量的に把握するデータが十分に得られないこともあって、現時点で施策効果を適正に評価することは困難と言わざるを得ない。」と、こういう判断で定量的な削減効果を出せないというふうに判断しているわけでございます。 その上で、この中環審の答申におきましては、「今後はより一層施策効果の定量的な把握、評価を可能とするよう、手法の整備、データの収集に努める必要がある。」、こういう指摘もあわせて答申でしているわけでございまして、環境省といたしましても、この指摘を踏まえまして、改正後の自動車NOx法を運用していく中で必要な情報の整備とか評価手法の開発等に努めていきたいと考えております。
○中村敦夫君 要するに、目標を決めて結果は測定できないという話は非常にとんちんかんなもので、どんぶり勘定で夢のような話をしていたというふうに受け取られても仕方がないんじゃないかなというふうに思うんです。ですから、つまり測定をこれからやると言っていてもできにくいというような話であれば見込みも立てられないわけですから。しかも、その削減目標というのは非常に大きいわけです。そうしますと、これはどうもそうやって環境審議会かなんかで架空の討論みたいなことをやっていてもしようがないんじゃないか。 もう少し、減らすということをとりあえず目的にした輸送法の転換のような法的措置が必要になるんじゃないかと思うんですが、そういう場合は国土交通省というところがしっかりと決めなきゃならないんじゃないかなと思いますが、これはそういう質問をするつもりはなくて予告していないんですけれども、いかがですか。そういう方向というのは、国土交通省としては考えられますか。
○大臣政務官(木村仁君) 国土交通省としては、やっぱり全体のNOxの排出量を抑制するためにあらゆる手段を講じていかなければいけないと考えておりますので、先ほど申し上げましたように具体的な走行量抑制の措置を講ずることが私どもの主たる政策手段でございますけれども、御提案のあったようなことも積極的に考えながら全体の運営をしてまいりたいと考えております。
○中村敦夫君 環境大臣にお伺いしますけれども、いろんな言いわけはあると思うんです、この十年間の。ほとんど放置に近いような、そう言われても仕方のないような結果が出ていたということで。 ですから、このそもそも法律や削減基本方針を策定するときの見込みそのものが非常に甘かったのではないかと思うんですが、どういう感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 経済社会の変化というのは非常に大きい、早いものがあると思います。 ということで、今から十年前になりますでしょうか、その時点での、十年ではないですね、ちょっと具体的に何年前と申し上げられませんけれども、その前の時点でそのときに考えていたことと、その後のさまざまな動きというのが必ずしも、当初考えていたようなことと離れたことが実際に起こった。走行量がふえたとかということでございまして、したがってありとあらゆる対策を強力に進めていくということに尽きるお話かなというふうに思います。 やはりこれだけ変化の激しい社会でございますので、全くずっとその先を見通して万全な対策をその時点でつくるということは難しい点もございまして、そういう意味で今度の改正についてはレビューを中間的にしていくということも考えているわけでございます。
○中村敦夫君 現実には全く目標が達成されていないと言うに等しいような状況があるわけです。これは非常に悲劇的な状況であります。それを、すぐにではどうするかという手もアイデアも即出るというような状況ではありません。 そして、時代の変化は激しいから、なかなか昔は今のことはわからなかったと言えば、今だってこれからのことはわからないわけです。こうなると、政治や行政というのはやっぱりある程度未来の予測を洞察する力というものが要求され、一〇〇%できないにしても、七割、八割達成したということぐらいでなければ、我々がここで国民から選ばれて集まっている理由もないし、公僕として役人の人々が働いている意味もないということになってしまうと思うんです。 ですから、この新しい改正案を見る限り、やはり漠然とし過ぎているんじゃないかなというふうに考えるんです。むしろ、現実と未来に我々が立ち往生しているというような、名づければお手上げ法案みたいな形でこのまま行ってしまうんじゃないかというふうに思うんですけれども、この改正案だったらば環境基準を達成できるという保証ということについて、環境大臣はどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(川口順子君) 改正いたしました後の自動車NOx法におきましてさまざまな措置を盛り込んでいるわけでございまして、例えば車種規制の強化、これは基準値の強化であったりディーゼル乗用車を対象に追加をするといったようなことでございます。 それから、一定規模以上の事業者に対して自動車の使用の管理計画をつくる、これを義務化して都道府県知事の指導権限を明確化するなどの事業者に対する措置を導入するといったようなことで対策の強化を図ることにしております。 それから、その際に各地域において、地域の実情を踏まえて地域における関係主体、これは都府県であったり公安委員会であったり関係の市町村であったり、あるいは関係の地方の行政機関であったり道路関係者であったり、あるいは関係の事業者であったりということでございますが、その協力体制を明らかにして各種の施策を総合的にやっていくということでして、先ほども申しましたように総合的に施策を推進していくということにまさに尽きるということだと思います。 また、総量削減計画の途中段階で削減目標量の達成の状況の評価を行うといったことで、総量削減計画の適当な実施をフォローして目標が達成するようにリーダーシップを発揮していきたいというふうに考えております。 委員おっしゃられるように、仕上がったところ三割だということでは全くお話にならないわけでございまして、総合的に対策を強力に進めていきたいというふうに思っております。
○中村敦夫君 これは環境省と国土交通省だけでもうできる話じゃなくて、やはり大きな経済政策、日本の進路というところまで含めたような問題にかかわるものだと思いますので、この法案を現状よりもまだ一歩前進した形にできるかどうか、努力していただきたいとお願いして、質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に岩佐恵美さんを指名いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会