環境委員会 第8号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/04/10
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日、朝日俊弘さんが委員を辞任され、その補欠として堀利和さんが選任されました。 また、去る六日、佐藤昭郎さんが委員を辞任され、その補欠として片山虎之助さんが選任されました。 また、昨日、西田吉宏さんが委員を辞任され、その補欠として水島裕さんが選任されました。 また、本日、水島裕さんが委員を辞任され、その補欠として岸宏一さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に成瀬守重さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に外務省総合外交政策局国際社会協力部長高須幸雄さん、農林水産省農村振興局次長佐藤準さん、水産庁次長川本省自さん、環境省総合環境政策局長中川雅治さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん、環境省環境管理局水環境部長石原一郎さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 環境及び公害問題に関する調査のうち、地球温暖化防止京都議定書に関する件並びに有明海水質等状況緊急補足調査及び第三者委員会の提言等に関する件を議題といたします。 まず、両件について川口環境大臣から説明を聴取いたします。川口環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) 本日は、米国の京都議定書への対応に関する我が国の取り組みについて、簡潔に御報告いたします。 ブッシュ政権は、京都議定書を支持しないとの立場を表明していますが、気候変動問題への対応について引き続き閣僚レベルでの検討作業を行っている段階であり、国際交渉への態度も決まっていない状況と聞いています。世界の二酸化炭素の約四分の一を排出する米国が参加しなければ、実効ある京都議定書の実施を確保するとともに地球温暖化の防止を図ることは困難になり、また、将来の途上国の参加も困難になると考えられます。したがって、米国が京都議定書を締結することは極めて重要であり、種々の機会をとらえて、米国が京都議定書の重要性を理解し、COP6再開会合の成功に向け前向きに対応するよう働きかけを行っているところです。 具体的には、先月三十日に森総理からブッシュ大統領に対して書簡を発出し、京都議定書を支持しないとの立場の表明が気候変動交渉に与える影響を強く懸念していること、京都議定書の発効に向けた日米両国間の協力を希望することを伝えていただきました。 また、私からは、ブッシュ大統領からヘーゲル議員らへの書簡が出された直後の三月十五日に、ホイットマン環境保護庁長官に対して、ブッシュ政権の中で、米国の交渉スタンスをより積極的なものとするためのイニシアチブをとることを希望するとの書簡を出すとともに、二十九日に環境大臣談話を発表し、米国がCOP6再開会合の成功に向けて前向きに対応するように求めたところです。河野外務大臣も、同日、我が国とともに積極的に合意を模索することを強く希望するとの談話を発表しています。 さらに、四月四日から、熊谷環境大臣政務官を与党・政府代表団の一員として米国に派遣しました。 与党・政府代表団は、ホイットマン環境保護庁長官、アーミテージ国務副長官らと会談し、米国の立場の表明が国際的な取り組みに与える影響を強く懸念していることを伝え、米国が京都議定書の発効に向けた交渉に参加して、我が国とともに積極的に合意を模索するよう強く希望する旨を申し入れました。また、米国の今後の対応ぶりについて、我が国とも十分協議するよう要請いたしました。 米国への働きかけについては、他の関係国との協力も重要です。四月七日から八日にかけて行われた第三回日中韓三カ国環境大臣会合においては、三大臣は、京都議定書を早期に発効させるためのCOP6再開会合の成功が必要であり、米国政府がすべての締約国とともに積極的に取り組むことを強く希望する旨を記述した共同声明を発表しました。 また、昨日、EU訪問団との会談においては、米国の京都議定書に対する不支持表明について懸念を共有すること、二〇〇二年までの京都議定書の発効を目指すことには変わりがないこと、米国の参加が重要であり、米国に対する働きかけを引き続き行うことなどについて意見の一致を見ました。 これまでのところ、我が国を初めとする各国からの強い働きかけにもかかわらず、ブッシュ政権の京都議定書への反対姿勢は変わっていませんが、我が国としては、今後も、あらゆる機会をとらえて、米国が京都議定書の発効に向けた交渉に前向きに参加するよう引き続き強力に働きかけを行いたいと考えています。 いずれにせよ、我が国としては、京都議定書の二〇〇二年までの発効を目指す方針には変わりなく、七月に予定されるCOP6再開会合において、各国が京都議定書を締結可能なものとするための合意を得るべく、引き続き積極的に交渉に参加することとしています。また、我が国自身が京都議定書を二〇〇二年までに締結できるよう、COP6再開会合での合意を踏まえ、関係省庁と連携しつつ締結に必要な国内制度の構築に全力で取り組んでまいります。 吉川委員長を初め委員各位におかれましても、地球温暖化対策の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。 引き続きまして、有明海水質等状況緊急補足調査結果及び第三者委員会の提言の件につきまして報告をいたします。 有明海におきましては、昨年末以来の深刻なノリの不作が大変大きな問題となっております。 このため、農林水産省においては、一月から二月にかけて関係四県と共同してノリ不作対策緊急調査を実施するとともに、学識経験者等による有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会、いわゆる第三者委員会を設置してノリ不作等対策に関する調査検討が行われているところです。 環境省といたしましても、従来から各県において水質モニタリング調査が実施されておりますが、このたびの農林水産省の調査検討と協力連携して、有明海全体の水質等の状況を緊急に把握するため、去る二月二十三及び二十四日に採水及び採泥等を行い、有明海水質等状況緊急補足調査を実施いたしました。 その結果につきまして、三月二十一日に学識経験者による有明海水質等緊急補足調査検討委員会を開催し、専門的な観点から検討をいただいた上で取りまとめを行いましたので、その概要について御説明申し上げます。 まず、水質等につきましては、無機態栄養塩がほとんどの調査地点で定量下限値以下という極めて低い値でした。これは、通常ノリが生育するために必要な海水中の栄養がほとんどないという状況であります。 また、溶存酸素量は、全体として高い調査地点が多く、特に海面近くの上層では飽和濃度を超えておりました。これは、植物プランクトンが大量に発生し、盛んに光合成を行って酸素をつくっていることが原因と考察されました。 さらに、植物プランクトンの指標となるクロロフィルaにつきましても、有明海湾奥部で非常に高い状況でした。 これらの結果は、珪藻等の植物プランクトンが大量に発生し、本来ノリの栄養となるべき海水中の窒素や燐を消費してしまったことにより、今回のノリの生育不良を招いたことを水質面から裏づけるものでした。 次に、底質につきましては、有明海湾奥部及び諫早湾で粒子が細かく、有機物が多く堆積しているという結果でありました。 最後に、底生生物につきましては、今回の調査結果では、個体数が少ない調査地点が見られ、また、その種類も比較的泥質を好むゴカイ等の環形動物の割合が高い調査地点が多いという結果でした。 以上が調査結果の概要ですが、これにつきまして検討委員会では、今後、環境の悪化が懸念される夏場を含めて、さらに継続的な調査が必要であるとのことでありましたので、環境省といたしましても、今年度から関係省庁が連携して実施する有明海の海域環境に関する総合的な調査等の中で引き続き対応していくこととしております。 また、この調査結果につきましては、三月二十七日に開催されました第三回の第三者委員会にも報告したところですが、本調査結果等も踏まえ、第三者委員会における過去三回にわたる審議検討の結果として、委員長まとめという形で提言が出されておりますので、それについても要点を御説明させていただきます。 まず、有明海のノリ不作の現状認識として、今回のノリ不作の原因は、異常気象等による珪藻の大発生であるが、その素因として有明海の環境は悪化していると見られること。 次に、当面の課題としての調査研究については、ノリ不作の原因究明には、現地調査を含めて、時空間的に広範囲にわたる情報の収集と総合的な解析が必要であり、この調査は少なくとも二年程度はかかると思われるが、できるだけ半年、一年など時々に集まった情報でその時点での提言をまとめ、その後の調査に生かしたいということ。 さらに、現地調査に関連して、諫早湾干拓地の排水門については、第一に、現地調査は、ノリ不作が生じた環境ができるだけ変化しない条件で行う必要があることから、まず閉めたままで十分な調査を行う必要があること。次に、現状把握を行うことに関連して、堤防外の環境に悪影響を与える可能性のある工事は凍結することが望ましいこと。さらに、将来、現状との比較のため、また、干拓地の機能を知るために排水門を開門する必要が生じると思われるが、排水門をあけることによって被害を生ずるようなことがあってはならないので、開門前に環境影響評価を行うとともに、影響対策を十分に施すことが必要であること等が提言されております。 環境省といたしましても、この提言を踏まえて適切に対応してまいる所存であります。 以上、有明海のノリ不作の件に関し、環境省が実施いたしました有明海水質等緊急補足調査の結果及び第三者委員会の提言につきまして、その概要を御報告申し上げました。
○委員長(吉川春子君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。 まず、最初の話題でございます地球温暖化問題につきまして、アメリカの姿勢、これを中心にお話を伺いたいと思います。 今、大臣の方からも御報告がございましたけれども、熊谷政務官におかれましては、先週、政府・与党代表団の一員としてアメリカへ行かれ、そしてアメリカの政府、議会、企業等の要人の方々とお会いになったというふうに伺っているわけでございます。具体的にどんな働きをされたのかということを伺いたいわけでございますけれども、どういう方とお会いして、どんな会談が行われたのか、手短にお話しいただきたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 大変今回の訪米は期間が短かったということで、お会いした方々も限られておったわけでありますが、政府高官としてはホイットマン環境保護長官、アーミテージ国務副長官と会談を行いました。そのほか、議員としては民主党のオルバー下院議員、共和党のノレンバーグ、センセンブレナー両下院議員と会談を行ったわけであります。 我が国からは、米国の京都議定書不支持表明が気候変動交渉に与える悪影響を懸念しているということ、それから、十年かけて議論された京都議定書を放棄することは地球温暖化に対する国際協力を大きく後退させるということ、それから、米国は引き続き京都議定書の発効に向けた国際交渉に参加をし、我が国とともに積極的に合意を模索すべきこと、これらを米国の関係者に対して強く申し入れをいたしました。 このことに対して米国側からは、我が国からの申し入れを強く理解したとして、ブッシュ大統領にその旨を伝えておきますということ、それから、ブッシュ大統領は地球温暖化の重要性は認識しているものの、京都議定書とは違った方法により取り組むべきと考えていること、それから、京都議定書に対する疑念として、一つとして途上国の参加がないこと、二つとして米国経済に被害を与えること、三つとして現下米国内のエネルギー危機に緊急に対処しなければならないということなどが挙げられたわけでございます。 なお、米国は、気候変動問題への対応については引き続き閣僚レベルの検討作業を行っておりまして、その検討作業の結果については友好国とも十分協議をするということをおっしゃっておられました。また、COP6の再開会合については、米国は必ず参加をするということも表明をされたわけであります。
○清水嘉与子君 今お話を伺っておりますと、政府代表、それから議会の民主党、共和党の方々にお会いしたと。しかし、こちら側の申し入れに対しては、ブッシュ大統領に伝えますということで、それぞれの立場の方々の御意見というのは余り聞かれなかったように思うんですけれども、ブッシュ大統領がこう言っているというようなことのように伺ったんですけれども、御本人、例えば党のそれぞれの立場で、自分たちの党ではこう考えるというような積極的な御意見というのはなかったんでしょうか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 一般的には抽象論的な説明ということで、今その検討委員会でレビュー中である、こういう答えが共通して出されたようであります。
○清水嘉与子君 それでは、外務省にちょっとお尋ねしたいんですけれども、ブッシュ大統領の京都議定書を支持しないという発言に対しまして、日本では政府、国会、そしてまたマスコミもそうですし、あるいはNGOの方々、あるいは一般の方々も非常にこの問題に対して憤慨し、そして非難を浴びせているというふうな感じでおりますけれども、アメリカの国民の方々というのは一体どういう、ブッシュさんの発言に対してどんな反応といいましょうか、国内の反応というのはどんなふうにとらえていらっしゃるのか。これは外務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高須幸雄君) お答え申し上げます。 今回のアメリカ大統領の京都議定書不支持ということの表明に対しまして、アメリカの国内でもさまざまな賛否両論の意見が表明されております。 まず、アメリカの議会の中での動きでございますけれども、共和党議員を中心に、今回の表明に関し支持を表明するという方もおられます。他方、民主党議員の方が中心でございますけれども、一つは、三月二十九日に、民主党のオルバー議員、アレン議員の連名で京都議定書に関するブッシュ政権の立場を見直すよう要請する書簡が出ております。さらには、四月二日に、民主党のパローン議員ほか五十六名の議員の連名でブッシュ大統領に対し、発電所の二酸化炭素排出を制限しないという決定をされたわけですけれども、再考を促すようにというような書簡が出ております。 さらに、アメリカの世論でございますけれども、アメリカの主要紙は、やはりこの問題についての両方の立場がありますけれども、例えば主としては各国の強い反応をそのまま報道すると。事実関係中心の報道が多いんですけれども、社説でのあれとしましてはウォールストリート・ジャーナル紙が大統領の立場を表明したということはありますが、ニューヨーク・タイムズ紙は何回か論説を書いておりまして、その中で大統領の京都議定書の不支持の立場についてはかなり批判的な論説を掲げていることでございます。さらには、雑誌等でもこれの特集ということでかなりの議論を呼んでいるということでございます。 今回の政府・与党のミッションに出されましたアメリカの姿勢は厳しかったことは確かですけれども、そういう意味では政策見直しについては楽観はできないということは確かでございますけれども、アメリカについての働きかけを引き続き十分やるということが重要ではないかと思います。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。 ところで、今回の政府・与党代表団の派遣にいたしましても、また森総理からブッシュ大統領にあてた書簡にいたしましても、また大臣からホイットマン長官にあてた書簡にいたしましても、何かブッシュ大統領が一言言ったことに対して、それに対する対応ですね、率直に申し上げてどうもアメリカに振り回されているような、アメリカの後手に回っているような感じがしてならないわけでございます。 ドイツのシュレーダー首相が三月末に米独の首脳会談をされたときに、地球温暖化問題を非常に重要な協議課題として取り上げて、ドイツのこの問題にかける意気込みをアピールされたわけでございます。結果的には余り満足すべきものは出てこなかったわけでございますけれども、そういった問題があったわけでございますが、森総理は、実はその前に日米首脳会談でブッシュ大統領にお会いするチャンスがあったわけでございますけれども、このときには地球温暖化問題については一言も触れられていないということでございまして、ちょっとこれは我が国の外交のあり方といたしましても少し問題なんじゃないのかなという感じがしてなりません。 そこで、もう一度外務省に伺いたいんですけれども、日米首脳会談で地球温暖化問題が、いろいろほかに課題もあったことも事実でございますけれども、しかし、ブッシュ大統領の方針、方針というか考え方はかなり前からわかっていたわけでございますので、ここでどうして取り上げられなかったのか、そういうことに対しての御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(高須幸雄君) 日米首脳会談、先般行われましたけれども、そこにおきます地球温暖化問題の取り扱いにつきましては、確かにお話のとおり、この問題についての直接の会談での取り上げ方はなかったということは確かでございます。 主として、先般の二国間会談におきましては、経済問題とかえひめ丸の問題とかいうことで非常に緊急の問題があったということで、これが取り上げられなかったという事実関係は確かでございますけれども、日米間の首脳及び閣僚のレベルではさまざまなレベルでこの問題を取り上げているということは御承知のとおりでございます。 まず、ことし一月の日米外相会談では、この問題につきまして、河野大臣の方からパウエル国務長官に対して、アメリカが締約国会議までに交渉に積極的に参加するようという働きかけをしたところでございます。さらに、日米首脳会談の際に共同声明を発表しておるわけでございます。その中では、森総理とブッシュ大統領が、地球的規模の問題に関する日米間の協力というものが非常に大きな重要な成果を出したと、そして今後この協力を継続する必要性を認識するということでその立場は明確にした次第でございます。 また、三月二十八日のアメリカの発表以後、総理からの書簡その他のいろいろなレベルでの働きかけが行われているわけでございまして、今後、必要に応じまして米国要人との会談において本件を取り上げていく、さらには多数国間の協議もいろいろ今後予定されておりますので、そういう場をできるだけ使ってアメリカに対し積極的に働きかけを行っていきたいと思っております。
○清水嘉与子君 ところで、川口大臣はまだホイットマン環境保護庁長官にお目にかかっていない、お目にかかるチャンスがないということですね。それは、チャンスはあったんですけれども、国会日程等の都合でお出になれなかったということでございまして、国会の問題でもあろうかというふうに思っているわけでございます。 ぜひ、環境外交の分野では我が国が先手先手を打って、交渉の成功に向けたリーダーシップを発揮していただきたいというふうに心から願うわけでございまして、できるだけ早い機会に直接やはり大臣が長官にお会いになって、そして日本の立場をもっとはっきりと言っていただくということを心から願っておりますし、またそういう機会がかなり早く来るんじゃないかと思っておりますので、ぜひ、私どももできるだけの御協力をしたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そこで、もう一つ政務官にお伺いしたいんですけれども、アメリカが京都議定書にかわる温暖化対策の代替案を検討するということを言っているわけでございますけれども、一体どのようなレベルで、そしてどのような内容を検討しているのか、もし向こうに行かれてそういうことがおわかりでございましたらぜひ教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) まず、温暖化に関する代替案についてでありますが、ブッシュ大統領は閣僚レベルのチームに対して米国の気候変動に関する政策レビューというものを指示しているというふうに聞いております。 この代替案の内容については、現時点では先ほど申し上げましたように明らかになっていないわけでありますが、ホイットマン環境保護長官は、一つとして地球温暖化に対するすべての国を含めた形で取り組むべきであるということ、それから途上国の参加もすべきであるということ、それから二つとしては市場メカニズムを活用して地球規模の気候変動の解決というものを図っていくことが重要である、こんなことの認識を示されておりました。
○清水嘉与子君 いかにアメリカを京都議定書の発効に向けた取り組みの中に引き戻すかというのが目下の最大課題になっているわけでございますけれども、今後、七月のボンで行われますCOP6の再開会合までに、もう来週というふうに伺っておりますけれどもニューヨークで主要国の非公式閣僚会議、あるいは五月にパリで開かれますOECDの環境大臣会合、こういった国際交渉が続くわけでございますけれども、これら一連の会合にアメリカが参加するかどうか。先ほどは、政務官のお話ではそれには参加するんだというお話でございましたけれども、それは一体いつの時点にこの見直しの作業を終えて新しいアイデアをお出しになるのか、その辺はいかがでございましょうか、お見通しがあったら教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 代替案については、先ほども申し上げましたように、ボンの七月の会議までには何とかまとめて提示をしたいと、こういうふうに考えておられました。その前にできるだけ早く出せないのかということで申し上げたわけでありますが、ホイットマン長官は五月ころまでには骨子らしいものを出したいというそんな話をしておられました。 いずれにしても、この代替案というものができ次第、日本初め友好国に対して必ず御相談、御協議を申し上げたいと、こんなふうにおっしゃっておられました。
○清水嘉与子君 我が国は、アンブレラグループの一員としてこれまでアメリカ等と共同歩調をとってきたわけでございます。その意味で、日本にはアンブレラグループの一員としてのアメリカを交渉に引き続き参加させるような働きかけが当然必要であります。と同時に、アンブレラグループだけでなくて、かなり積極的にこれを進めようとしてきましたEUともやっぱり協調して、世界全体でアメリカを説得していく必要があるというふうに思っております。 EUがアメリカともお話をしたようでございますけれども、アメリカがこれだけ強硬な態度であるならばアメリカ抜きで京都議定書発効を目指してやるべきでないかというようなことで、日本にも呼びかけがあるというようなことが報道されております。 昨日、EUのメンバーと川口大臣が会談されたようでございますけれども、そこではどのような議論がされた、少し御報告ございましたけれども、具体的にこういった、具体的にアメリカ抜きでやりましょうというような提案があったのかどうかというようなことも含めて少しお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) EUと昨日、一時間ほど会談をいたしました。 先方は、EUの議長国であるスウェーデンの環境大臣と、それからベルギーの、これは次の議長国になりますけれども、エネルギー持続可能開発大臣とおっしゃる方、EU委員会のワルストロム・コミッショナーは飛行機の関係で残念ながら来日が不可能でございました。一時間大変に建設的な、生産的な会談ができたというふうに思っております。そこの会談で幾つかのことを共有いたしたということを確認いたしました。 一つは、アメリカの京都議定書に対する不支持表明につきまして、日本もEUも双方懸念を有している、非常に問題だと考えているということが一つです。 それから、気候変動というのがIPCCの報告書でもありますように現在の喫緊の課題であって、今後ますます重要な、重大な問題になっていくだろうということについての認識と、したがって先進国が率先して行動をとっていく責任を有しているということでございます。 それから、京都議定書には費用効果的な観点からいって非常にいい対策が含まれていること、それからこれが経済的な機会を創出するという意味でもそういった仕組みが含まれているということでございます。 それで、EUも言いましたし、私どもも言いましたけれども、二〇〇二年までの発効を目指して全力で取り組んでいくという方針には全く変わりがないということも相互に確認をいたしました。 それから、アメリカの参加の件でございますけれども、日本もEUもともにアメリカの参加というのが非常に重要であって、アメリカに対する働きかけを日本もEUもそれから他の国々もやっていく必要性があるということについても認識を一にいたしました。 それから、今後とも日本、EUともに密接に連絡をとり合っていきましょうということもお互いに確認をいたしました。 EUは、アメリカの参加がない場合であったとしても京都議定書を締結する方針であるということを言いました。日本といたしましては、環境十全性、地球温暖化対策の実効性、意味のある地球温暖化対策ができるという意味でアメリカの参加が極めて重要であるということを申し上げましたし、そのために国内での制度の構築、目標を達成するに必要な国内制度の構築のための準備を行っているということも申し上げました。 それから、EUに対しまして、日本からアメリカに対してさまざまな働きかけを行っているということもお話をいたしました。繰り返しになりますけれども、森総理からの書簡ですとか、各閣僚レベルからの相手に対しての書簡や談話あるいは電話をおかけいただいた、外務大臣は電話をおかけいただいていましてというお話も言いました。それから、四月四日から六日まで熊谷大臣政務官が行かれたミッション、与党からも出していただきまして働きかけを行っていただきましたが、その話もいたしました。 それから、四月四日に私が働きかけてアンブレラの電話会談をいたしましたけれども、そのお話もいたしましたし、それからさらにこの週末、清水前環境庁長官にも御出席をいただいた日中韓の三カ国の環境大臣会合が東京でございましたので、その際にも気候温暖化問題について意見を交換し、米国政府の動きについて懸念を有していること、それからアメリカが積極的に取り組むということについての希望を盛り込んだコミュニケを発表したこともお話をいたしました。 日本としては、今後ともEU、アンブレラ、あるいはそのほかの国々と連携をしてアメリカに働きかけを行うということと、それから七月のCOP6再開会合におきまして、各国の京都議定書への締結が可能になるような合意を得るべく積極的に取り組んでいくということで考えております。 以上です。
○清水嘉与子君 EUの方からは、仮にアメリカの参加がなくても京都議定書の締結に向けた方針であるということが出された、日本はやはりアメリカの参加を促していくんだという意思を示されたというお話でございます。 この京都議定書を二〇〇二年までに発効させようというのは、これはCOP5のときにシュレーダー首相が提唱されたわけで、私もちょうどそのときに環境庁長官として参加させていただきまして、日本としても二〇〇二年までにこの京都議定書を発効させようという意思を表明したわけでございます。こうして二〇〇二年までの流れができたわけでございまして、その後も事あるごとに我が国の政府は二〇〇二年までの発効を目指すという方針をずっと明確にしてきたところでございます。 特に、また日本はCOP3の議長国としての責任もございますし、条件が整えば当然アメリカに先立って議定書の発効、それに向けて批准をするということが可能だと私も思うんですけれども、しかし一方におきまして、大臣がおっしゃいましたように、CO2最大の排出国でありますアメリカが参加しなければこれは非常に意味のないものになってしまうということもあり、できるだけ今アメリカを孤立させずにそして協議の場に引き戻すということが重要な課題だというふうに私も思うわけでございます。 しかし、何か書簡を出したりしたくらいではなかなかちょっとこっちへ引き戻すというわけにはいかないような感じもいたしまして、いら立ちを感ずるわけでございますけれども、もう少し具体的に、アメリカに対しましてこれからどのような対応をしたらいいのか、いいと考えていらっしゃるのか、もう少しお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 清水委員もおっしゃられましたように、アメリカを孤立させないで京都議定書の枠組みに戻ってもらうように働きかけるということが非常に大事なことだと思っております。 アメリカは、現在レビュー中である、政策をレビュー中であるというふうに言っていまして、同時に国際的なプロセスを通じてこの問題の解決に取り組むということも言っておりますし、友好国と協力をしながらやっていくということも言っております。それから、七月のCOP6再開会合の前に関係の国に相談をするということも言っているわけでございます。 それで、私どもとしては、アメリカに対して最大限働きかけを行っていく必要があるというふうに思っております。清水委員がおっしゃってくださいましたように、書簡でできることには限りがございまして、そういう意味で大臣政務官が環境省から参りました与党それから政府の代表団による直接な働きかけというのが非常に意味があったと私は考えるわけでございますけれども、私自身も国会のお許しをいただければ、今月の十九日からアメリカに出張いたしまして、ニューヨークで開催されます温暖化の非公式閣僚会合の場で直接に働きかけを行ってまいりたいというふうに考えておりますので、ぜひよろしく御支援いただきますようお願い申し上げます。
○清水嘉与子君 先ほど、大臣からもお話をいただきましたけれども、週末に日中韓の環境大臣会合が東京で開かれたということでございます。 この日中韓環境大臣会合は真鍋元環境庁長官の提唱で始まったわけでございまして、昨年私は中国で開催されたときに出席させていただきました。そして、環境面で本当にかかわりの深い近隣の三カ国の環境大臣によりますこの会合が非常に意義深いものだというふうに感じたわけでございますが、今回は、先ほどの御報告にもありましたように、地球温暖化問題に関してアメリカに三カ国が積極的に働きかけることになったというふうに、いいタイミングだったというふうに思っております。 ところで、京都議定書に対しますアメリカの消極的な姿勢の背景には、途上国の参加問題があるわけでございます。私は、アメリカを交渉に引き戻す一つのかぎは途上国、中でも中国の温暖化に対する姿勢を積極的なものに変えていくということがあるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。もちろんこれは直ちに途上国が排出削減の義務を負うようなことは無理だといたしましても、将来的には排出削減に取り組む姿勢が少しでもやはりアメリカに伝わるということが大事なんじゃないかというふうに思うわけでございます。 そこで、直接中国の解振華環境保護総局長と意見を交わされたわけでございますけれども、中国の地球温暖化に対する対応、どんなぐあいだったか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日中韓の三カ国の環境大臣会合は、真鍋委員が環境庁長官でいらしたときに始めていただいた会合でございまして、私は初めて出席をさせていただきましたけれども、今まで私がこの仕事につかせていただいてから出席をした国際会議の中で最も有意義であったと言っても過言ではないと思いますが、大変に問題意識を共有し、それから対策についてもかなり似通っているところがありまして、興味深い有意義な会合でございました。 ここでさまざまな問題を議論いたしましたけれども、それとの関係、気候変動問題に関しましては、三カ国の三大臣は、気候変動に関して国内的努力と国際協力をさらに強化すべきであるという共通認識を再確認したということが一つ。それから、人類の気候変動対策の重要な一歩である京都議定書をできる限り早期に発効させるためにCOP6再開会合の成功が必須であるとの共通認識を共有したこと。それから三番目に、米国政府の京都議定書不支持の動きに強い懸念を持ち、米国に対して、COP6再開会合の成功に向けて、すべての締約国とともに積極的に取り組むことを強く希望するという点で一致をしたといった成果が得られまして、この趣旨は共同コミュニケにも盛り込まれました。中国の解振華大臣からは、アメリカの立場の表明につきましては、条約で定められています共通だが差異ある責任を強調なさる発言がございました。 それから、お尋ねの中国が現在行っていることにつきまして、現時点で排出削減義務は中国には課せられていないわけですけれども、自主的に石炭から天然ガスへの転換をしている。石炭の生産を四億トンほど、ちょっと比較の年次が今頭に入っておりませんけれども、生産を削減するというような努力をして天然ガスに振りかえていっていること。それからエネルギー効率の向上に努めていること。そのほか、風力等の新しいエネルギー、新・再生エネルギーにも取り組んでいることなどなど、高い経済成長を維持しながら温室効果ガスの排出抑制に努めているという御説明がありまして、大変興味深く伺わせていただきました。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。 外務省にお伺いしたいんですけれども、地球温暖化問題に関しまして在外公使の会議を開催するというふうなお話を伺っているんですけれども、これは何かあるとこういうふうな形で開催していらっしゃるのでしょうか。その効果、どういうことが期待できるのかということについてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高須幸雄君) お尋ねの外務省が現在東京で昨日から開催しております環境外交をどうやって積極的に進めるのかということについての会議でございます。これは、地球環境外交戦略会議ということでございまして、在外公館で特に環境問題に深い関連のある国の幹部及び環境担当官を集めまして今やっているところでございます。 この目的は、京都議定書に対するアメリカの不支持という表明を踏まえまして、日本としては地球環境問題に対して、気候変動問題ではございませんけれども、迅速かつ的確な対応を行う戦略が必要だということで、今そういうことでの我が国の方針なり戦略、進め方について各界の有識者とも議論を重ねて議論しているところでございます。 さらに、もう一つの大きな課題といたしまして、二〇〇二年の秋にはいわゆるリオ・プラス10と言われております持続可能な開発に関する世界首脳会議というものが南アフリカで開催される、それに向けまして、今後、準備会合だとか地域会合ということが開催されます。こういうところで我が国の方針についてもきちっと整理して戦略的に対応すべきだということの問題意識のもとに、今回の会議を開催させていただいたわけでございます。特に重要なのは、やはり世界的に極めてダイナミックな情報収集あるいは分析能力を高めて、日本の統一した、各省協力した取り組みを進める、そのための基本的な戦略なり方針というものをつくる必要があるんではないかということで開催させていただいた次第でございます。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。 今、いろいろお話を伺ってまいりまして、かなり国内あるいは国際的な取り組みが進んできているということを了解したわけでございますけれども、まず、二〇〇二年までの京都議定書の発効、これを日本で本当にできるのかどうかという問題があるわけでございまして、やはりまず我が国がリーダーシップを発揮してやらなきゃいけないんじゃないか、そして範を示さなきゃいけないというふうに思うわけでございますけれども、現実問題、なかなかこれは難しい問題が多々あるというふうに思います。 中央環境審議会等で今精力的に検討されているというふうには思いますけれども、京都議定書の目標達成に向けた国内対策の検討の現状、そして今後の予定について、最後にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 京都議定書を二〇〇二年までに発効させるということのためには、COP3の議長国である日本を初めといたしまして多くの国が締結をすることが可能となるということが不可欠の条件でございます。このためには、COP6再開会合で合意成立、京都議定書の運用ルールについての合意成立ということが非常に大事ですので、そのために最大限の努力をするとともに、国内においてそれが可能となるような仕組みづくりの検討が必要でございます。 それで、環境省では、中央環境審議会に二つの小委員会を設けまして、京都議定書の目標を日本が実際に守ることができるようにするための仕組みの構築の議論をしていただいております。それぞれの小委員会はことしの夏を目途に地球環境部会に中間報告を行うという予定になっております。その後で、COP6再開会合においての国際的な合意も踏まえまして、小委員会でさらに審議を深めまして、本年中に部会に対して最終の報告を行う予定といたしております。 これらの審議結果を踏まえまして、二〇〇二年に議定書が日本として締結できますように、京都議定書の削減目標を確実に達成することができる国内制度の構築に向けまして、全力で取り組んでいきたいと考えております。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。 それでは次に、有明海の関係について少しお話を伺いたいと思います。 まず、国井政務官にお伺いしたいんですけれども、環境省が行った緊急補足調査等々から見ましても、有明海の環境悪化は相当なものであるということがわかったわけでございますけれども、この有明海の環境の悪化とそれからノリの不作との関係、どのように認識していらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(国井正幸君) 委員御案内のとおり、農林水産省の中では現在、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会、いわゆる第三者委員会というものを学識経験者等を中心につくっております。これまで三回会合を開いてまいりまして、三月二十七日の段階で委員長の見解というのが出されております。 これを見ますと、今シーズンのノリ不作は、長い日照時間、一時的な異常な降水や高水温、高塩分の持続など、例年と異なる気象、海象の変化による珪藻赤潮の早期かつ持続的発生がノリの成長に必要な栄養分を奪ったことが直接的な原因であると。また、その背景には有明海自身の富栄養化現象の進行がありまして、漁業生産の落ち込み、あるいは二枚貝などの各種生物の衰退、消滅も顕著で、明らかに有明海の環境は今委員御指摘のように悪化をしていると、こういうのが委員長の見解でございます。 そして、ノリ不作との関係でございますが、これにつきましては、今後、第三者委員会の提言に沿いまして、有明海の海域環境やノリなどの不作の原因究明を目的として行う総合的な調査によってこれから本格的な解明をしていきたい、このように考えているところでございます。
○清水嘉与子君 結局は、環境は悪化しているけれどもノリの不作との関係ははっきりまだわからない、これから調査をするということだというふうに思うんですけれども、この原因究明調査、これで見ますと、この情報収集を含む調査は少なくとも二年程度はかかるというふうに書かれているわけですけれども、実際にノリの業者の方々、もうこの秋から作業に入らなきゃならないということがございまして、ノリの来漁期に向けてぜひ調査結果、少なくともこの秋くらいには出さなければいけないんじゃないかと思うのですけれども、この辺との関係はどうなりますでしょうか。
○大臣政務官(国井正幸君) 先生御指摘のように、とにかくこの秋にノリの網入れがあるわけでございますので、九月を目途に可能な限り早く原因究明の中間調査結果というんでしょうか、これを取りまとめて対策に生かしていきたいというふうに思っておるところでございます。また、漁場の管理体制の強化とかあるいは養殖技術の新たな技術的な対応、これなども水産庁を中心に指導していきたい、このように考えております。 しかし、やっぱりこの本格的な原因究明というものをきっちりやらなければいかぬというふうなことで、海象メカニズムというんでしょうか、潮の流れ等を含めてこれらを徹底的に調査していく、こういうことに農林水産省としても心がけて万全の対策をとっていきたい、このように考えております。
○清水嘉与子君 それで、今第三者委員会の委員長のまとめなんですけれども、将来、諫早湾の排水門の開門をする必要があるともされているわけですけれども、これを拝見いたしますと、水門を開くにいたしましてもまず現地調査が必要だと。そして、まずは排水門を閉めたままで十分な調査を行って現状把握を行う必要がある。さらに、将来は開門は必要かもしれないけれどもそれによって被害を生ずることがあってはならないので開門前に環境影響評価を行う、影響対策を十分行うというようなことが求められているわけですね。 さらに、排水門を開門した調査をしたとしても気象、これは資料の十一ページのところにありますけれども、気象、海象の変動等の影響が大きいために締め切りの影響が明確に抽出されることは期待できないというふうにも書いてありますし、また調査による悪影響を回避、低減し、安全性も含めた広義の環境をより質の高いものにする観点から、現在の潮受け堤防が果たしている防災機能等が低下することのないように調査による影響の緩和策を講ずる必要がある、こう書いてありまして、こうなりますと一体いつこの水門というのを開いてやるのかよくわからないのでございますけれども、この問題に関しまして農林水産省はどんなふうに対応されるんでしょうか。 これは政府参考人の方からぜひお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤準君) 今、委員おっしゃいましたとおり、水門をあけるという際には九項目にわたる排水門の開閉方法ですとか、それから検討すべき十項目の事項、こういうようなものが必要であるというような御指摘をいただいております。 これらに対する具体的な対応につきましては、技術面、それからそれにかかります費用の面、こういうような面から早急に検討をしているところでございます。まず、水門を閉めたままでしっかり調査をするということでございますので、その調査の間、検討を十分深めてまいりたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 ノリの不作の問題というのは、日本だけでなくて韓国でも問題があるんだというふうなことをテレビで報道されたりあるいはある方から伺ったりしたこともあるんですけれども、川口大臣、ちょうど金大臣ともお会いする機会があったわけでございますけれども、ノリの不作の問題について何かお聞きになって情報をお持ちでありましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日中韓の環境大臣会合の際に、私も金明子環境大臣に韓国におけるノリ不作の問題についてお伺いをいたしました。 それで、大臣からは、韓国において水質の汚濁の問題等でノリの不作の問題が生じたというケースはあるということで、環境部としては水質の保全の観点からこの問題には関心があるというお答えでございました。ただ、韓国ではこの問題は海洋水産庁の所管で環境部の所管ではないということでございまして、具体的な詳しいことについては残念ながら御存じございませんでした。 ただ、水質の管理、水質の問題というのは我々としても共通な課題でございますし、今後とも環境大臣の会合でそういった共通の課題については話を深めていったらいいのではないかということで意見が一致をいたしております。
○清水嘉与子君 今、ノリの不作というのが有明海だけの問題ではなくて韓国でもあるというようなお話でございました。 環境問題というのはさまざまな形で発生し、そして予想もできないようなケースも間々あるわけでございますけれども、このような問題の原因を早急に把握し、そして有効な対策を講じていくために、我が国の現象だけにとらわれるのではなくて、地球上のさまざまな現象について情報収集あるいは活用を強化していくということが重要だというふうに思うんですね。 そこで、例えばIPCCなんかでも随分いろんな地球温暖化の影響等々出されておりますけれども、温暖化など地球環境の変化に伴う、例えば水位の上昇でありますとか潮流の変化でありますとか、それらに伴います魚種、魚の変化、すむところが変わってしまうとか、いろんな地球環境の異変を、こういったものをモニタリングするような体制をやはり日本でも整備することが必要ではないかというふうに考えるわけでございますけれども、このことに関して環境大臣のお話を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 清水委員がおっしゃいましたように、環境問題については、どういう対応策が可能かということの前提に、モニタリング等で科学的知見を深めて、どういうことがどういう要因で起こっているかということを確認する必要があると思います。 それで、温暖化問題につきましては、日本においては国土交通省において、海面水位の変化を把握するために常時観測が実施されているというふうに聞いております。それから、国立環境研究所で、東アジア海域を対象といたしまして海洋環境モニタリングを実施いたしております。環境省といたしましても、平成十三年度から、NOWPAPと言われます北西太平洋地域海行動計画の一環といたしまして、衛星等を活用した海洋環境のモニタリング技術の開発に着手をいたしておりますし、それから地球環境研究総合推進費を活用いたしまして新たなモニタリングの手法の研究を推進しております。 今後とも、関係の省庁と密接に連携をとりつつ、地球環境に関するモニタリングの充実を図ってまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 終わります。
○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。 まずは、地球温暖化防止に関連して確認しておきたいことを一問、大臣にしたいと思います。 アメリカが途上国に削減義務が課されていないということを理由にして撤退しようとしているわけですが、この途上国の問題は新しい論点ではなくて、この問題も含めて交渉がなされた経緯があるわけです。ですから、アメリカのこの発言は積み上げられた交渉への裏切りであり、そして何よりも将来世代に対する責任をないがしろにするものだと私は思います。 市民の間では関心が高まっておりまして、それに呼応する形で高知県須崎市、東京都調布市、東大和市の各自治体の議会で、地球温暖化対策推進大綱の見直しや六%の削減を担保する措置と京都議定書の早期発効を求める意見書が相次いで採択されていることが紹介をされておりますが、この目標になっております六%の達成も本当に温暖化による危機を避けるためには十分でないということを踏まえていただきたいですし、まず日本が率先して条約を批准する覚悟、これを確認しておきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 京都議定書を二〇〇二年までに発効させるために、多くの国々が、日本を含むことは当然でございますが、国内対策の推進に積極的に取り組んで二〇〇二年までに京都議定書を締結するということは不可欠だというふうに認識をいたしております。 日本といたしましては、このために、COP6再開会合におきまして合意成立が成りますように国際交渉に最大限に努力をする所存でございます。 それから、国内制度の構築のためには、今中央環境審議会のもとで二つの小委員会を設けまして、京都議定書の削減目標を確実に達成するために必要な国内制度のあり方について御審議をいただいているところでございまして、COP6再開会合の成果も国際的な合意も踏まえまして、ことしじゅうに部会に対して最終報告をする予定といたしております。 この審議結果を踏まえ、日本といたしましては、二〇〇二年までに京都議定書を締結できるように議定書の削減目標を確実に達成するための国内制度の構築に全力で取り組んでいくとともに、国際交渉に全力で取り組んでいきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 早速アメリカに対して強い申し入れを行うという、その行動をされたということに関しては評価できることでありますし、何としてもアメリカを引き戻す努力というのを続けていただきたいと思いますので、日本としては国際的に合意に向けて真剣な姿を見せていくということ、このことが大事だろうと思います。どうぞ国際社会と協調して、協力してこの問題の解決に当たってくださいますようにお願いをしたいと思います。 この問題に関しての詳しいことについては、午後から福山哲郎議員が五十分間されるということですので、私は有明海の問題について伺いたいというふうに思います。 まず、委員会が、有明海異変と呼ぶにふさわしい、まさに異変への取り組みの第一歩だというふうに思うんです。焦点の一つは、言うまでもなく諫早湾干拓事業との関係でありまして、まずは水門の開放、工事の中止への道筋がつけられるかどうかが注目された点でありました。 農水省の第三者委員会が熱心な議論をされました。委員会が、ともかくも長期間水門を開放して、そして海水を入れての調査を提言し、工事の中止が望ましいということを指摘したことを私は歓迎いたしますし、環境省が第三者委員会の活動に資する緊急調査を実施されたことを評価いたします。 しかしながら、いつあけるのか、このことに関して明確でないということと長期戦になりかねない心配があるということ、水門の開放が、先にあるべき事業の中止、有明海再生のシナリオというのがまだ見えてきていないという現状だと思います。 提言を受けての環境省の姿勢についてお伺いしたいと思いますが、私の関心は、環境省がこの問題に対するみずからの責任をどう認識しているのか、その視点から提言と調査結果をどう受けとめているか、これから何をするおつもりなのかということなんですが、長期間水門を開放して海水を入れての調査の提言、それから工事の中止が望ましいというこの指摘、環境省はどのように受けとめたのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 第三者委員会につきまして、三回にわたる議論の後、報告が出たわけでございます、提言が出たわけでございますけれども、その際、ノリの不作の原因究明は二年程度かけて徹底的な調査研究を行う必要がある、まずは水門を閉めたまま十分な調査を行い現状を把握すべきであるというのが一点ございまして、その次に、堤防外の環境に悪影響を与える可能性のある工事は凍結することが望ましいということがございました。それから三点目といたしまして、将来干拓地の機能、干潟としての機能把握のために排水門の開放は必要となると思われるけれども、その前にその前提として環境影響評価とその影響対策が必要であるというふうに提言がなされたところでございます。 環境省といたしましては、環境保全の観点から、この第三者委員会の提言を尊重して対応してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 委員会の提言はあくまで提言でありまして、実際の決断というのは政府にゆだねられた形になっておりまして、環境省はこう言ってきた、農水省がこんなふうに言ってきたということで、そういうようなことがこれからも続かないようにということを私は実は思うわけで、環境省としてしっかりかかわってほしいんだということなんです。 それで、早期開門の必要性について、これは私は大変大事だというふうに思っているんですが、委員会は水門の長期開門を求めながらも時期について明言を避けていると。これは現状を把握することと開門に当たっての技術的な問題をクリアすることが必要なためで、委員会としては自然な態度だというふうに思うんですが、これが理由になって開放がおくれてはいけないというふうに思うんです。 この前面堤防工事の即時中止の必要性についてお伺いしたいんですが、この報告書には「干拓現場においても、堤防外の環境に悪影響を与える可能性のある工事は凍結することが望ましい。」というふうに記されております。 委員の一人であります長崎大学の東教授なんですが、ここではっきりとこんなふうに言っているんです。内部堤防の建設がどんどん進んでいるが、あれが全部できてしまうと、かつての二千九百ヘクタールの広大な泥干潟がなくなってしまう、そうすると水門をあけようと何しようと、少なくとも諫早湾の干潟はもとに戻らない、諫早湾というのは有明海の子宮だと言われているが、子宮だと同時にあれは腎臓だと思っている、腎臓が今もうとられてしまっているんだ、あるいは非常に大きい腎不全を起こしている、それを早く回復しなくてはいけない、そのためにまず工事を中止すべきだという発言をしているわけなんですが、少なくとも調査の結果が出るまで工事を進めてはならないというふうに考えるわけです。 現在、凍結されておりますこの前面堤防の工事を再開しないで中止したままにしておく必要性について、環境大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) 堤防外の環境に悪影響を与える可能性のある工事は凍結することが望ましいというのが第三者委員会の提言でございますので、これは農水省の方からお答えいただくのが適切かもしれませんが、環境省といたしましては、環境保全の観点から対応を適切に行っていきたいと思っているわけです。
○岡崎トミ子君 調査の結果は出ましたけれども、干潟は完全に死にました。これは私は絶対に許されないことだというふうに思うんです。 環境の観点から工事を再開しないことが必要だと。保全というふうにおっしゃいますけれども、そういう観点から大臣同士が話し合って、川口環境大臣の方から農水大臣の方に、ぜひとも工事は再開しないでほしいということについて申し入れをしてほしいというか、強過ぎるとすれば確認してほしいなというふうに思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 現在、調査を行っているわけでございまして、その原因の究明は予断を持たずに徹底的にということでございまして、それがまず必要だというふうに考えております。 それから、堤防外の環境にどういった工事が悪影響を与えるのかどうかといったことを判断するためにも、その調査の流れといいますか、調査がどういうことを言うかということが非常に密接に関係をしてくるということでございますので、そういったことを踏まえまして、環境保全の立場から適切に対応していきたいと考えるわけでございます。
○岡崎トミ子君 調査期間の短縮というのはすごく重要だと思っておりますので、さらに質問をしたいんですが、提言の「諫早湾干拓問題への対応」の項では、調整池内の汚水や浮泥の周辺環境及び赤潮発生等の影響解明と並んで、干潟の消失による浄化能力の低下の評価、これが必要だというふうにされているんです。これはもう本当に我が意を得た思いなんですが、生物学的な影響を評価するためにも、少なくとも数年間にわたって連続的に開門して調査する必要があると明快に指摘しているわけです。 ですから、直ちに開門すべきとはしていないけれども、その理由は、あくまでも開門の調査の実行に当たっては、比較と検証のために環境の状況把握、現状の把握、そして周辺の環境、漁業への影響予測、その緩和策の維持、検討というのが不可欠だということなんですが、開門の前提として、現状把握についてはできるだけ早急に行って、なるべく早く開門を実現すべきだというふうに思うんです。 それには、これまで行ってきた研究の活用、研究者のネットワークづくりの支援、そして効率的な研究システムの構築、現状把握についての時間短縮というのをこういう人たちの力をかりてすべきだというふうに思うんですが、この際、何のために調査をするのかという基本を忘れずに科学的な解明が自己目的化しないということが必要だというふうに思うものですから、質問をしたいと思います。 これは、衆議院の環境委員会でも問題にされてきたんですが、これまでのことをいろいろ利用してほしい、活用してほしいというのですが、農水省、これまで行われてきた結果の公表がされていない、したがって全く生かされてこなかった研究がございますね。これは、諫早湾漁場調査委員会というのなんですけれども、これを立ち上げましたけれども発足以来今日まで報告書が出ていない、それから平成九年に調整池の水質が悪化し始めたので慌ててまた諫早湾干拓調整池等水質委員会というのを立ち上げたけれども、これもまた報告書がいまだに一本も出ていないという、こういう状況なんです。 環境省の意見に応じて行われている環境アセスのレビューの資料とされておりますモニタリングのデータもありますので、こうした調査の進行状況、データを公開するということ、そして現状に役立てて関心を持つすべての研究者に利用可能とすべきだというふうに考えますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) 今、先生御指摘のように、我々といたしましても、例えば諫早湾干拓事業におきます調整池、それから湾内の水質ですとか底質、水生生物、こういうような環境モニタリング等による調査を実施しております。 この結果につきましては、第三者委員会にも提供しておりますし、また補足的に調査をいたしました環境モニタリング等の結果につきましても、資料を提供し第三者委員会の審議に資するように努めてまいりたいと思っております。 また、今お話ございました諫早湾漁場調査委員会、これにつきましては、諫早湾干拓事業の施行に伴いまして、タイラギ等の漁場への影響に関する調査方法とか調査結果について検討を行うために平成五年度に設置したものでございます。学識経験者の方、それから漁業者、これは諫早湾内の各漁協組合長さん、それから行政担当者によって構成されております。本委員会の議事録は作成はしておりませんけれども、委員会終了後に委員長が記者会見を行って、委員会での検討内容につきましては御報告をさせていただいているところでございます。 なお、この委員会で収集したデータ等につきまして、第三者委員会からのお求めがあった場合にはこれは前向きに対応していきたいと思いますけれども、各漁協固有のデータ等も含まれておりますことから、各委員の了解を得て対応する必要があるというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 どうしてこういう質問をしたかといいますと、先日シンポジウムが行われた際に潟の研究家の人たちが発言をして、今回の事態に直面して自分たちの研究者としての存在意義が問われているという危機感を持っているという、そういう話をされたんです。海洋学とか水産学には予算が投入されているわけですよね。そして蓄積されたデータもあると。しかし人材が十分に活用されていないという、こういうことを聞いたわけなんです。 ぜひとも、水質浄化作用を初めとした干潟の機能、そして底生生物がどんなふうになっているのかということについて、この際、海洋学とか水産学、そして全国の大学、研究機関でこうした人たちの研究者と専門分野でのデータベース、これを構築していってはどうかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 有明海の海域環境の調査検討につきましては、大変幅広い分野の方々の知見なり知識が必要でございます。また、今回の第三者委員会におきましては、ノリ不作等の原因の究明については時空間的にできるだけ広い範囲の情報の収集、総合的な解析が必要であるというふうに言われております。 従来から、環境省としましても、今回の緊急補足調査の実施なり調査結果の取りまとめに際しましては、水質あるいは底質、底生生物のおのおのの分野ごとの専門家から成る検討委員会を設置して検討を行ってきたところであります。また、十三年度から予定しております関係省庁が共同して有明海の海域環境の調査におきましても検討委員会、いろんな工学分野あるいは生態学を含めたいろんな分野の学識経験者から成る検討委員会を設けて調査する予定でおります。 いずれにしましても、有明海の海域環境の原因究明調査に当たりましては、幅広い分野の学識経験者からの知見あるいは過去のデータも含めた集積が必要であろうかと思っております。その時々に応じまして、広範な調査内容に対応する各方面の専門分野の研究者の意見を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 その時々にということで対処してきた歴史があるので、もうこの際このことを機会にデータベースあるいは研究者がどこにいるのかということを、例えば文部省と連携をするなり各自治体と連携をとるなりして、それをしていただきたいということで私は申し上げたので、ぜひそれを今後とも追求していきたいというふうに思っております。 諫早湾への影響があります可能性は否定できない状況があるということ、この環境アセスの妥当性あるいはやり直しの必要性ということについて伺いたいと思いますが、現在の諫早湾の干拓事業に関する農水省のアセスは、本事業が諫早湾及びその周辺海域に及ぼす影響は許容し得るものであると考えられると、こういうふうにしちゃったわけですね。特に、諫早湾の奥、それから潮受け堤防前面海域以外の有明海のノリ養殖業への影響についてはたったの二行です。「潮流速等の環境変化がほとんどみられないので、ノリの生育や生産などに影響を及ぼすことはないものと考えられる。」と、こういうふうに記述をしています。 このアセスが不適切なものだったのではないかということは当初から指摘されているんですけれども、いよいよ破綻したという声も高いわけです。研究者やNGO、そして有明海を知り尽くして諫早湾を有明海の子宮と呼んだ漁民の人たちは、諫早湾を締め切るということによって有明海全体の生態系が劣化した、ひいては生産性の低下を予測していたわけです。 最も欠けていたことの一つは干潟の浄化機能に対する評価なんですが、この点についても佐藤正典鹿児島大学助教授が締め切り直後に、諫早湾の干拓事業の環境アセスメントでは干潟の浄化能力の評価が一切行われていない、最も重要な価値の評価が行われないまま未曾有の大工事が進行していること自体が異常なことなんだ、このまま放置すると水質悪化の影響は有明海の広い範囲に及んで、長期的にはこの海域のすぐれた漁場は劣化するおそれがある、この点だけからも工事を一時中止して環境アセスメントをやり直すことが誠実な態度であろうと、具体的な問題提起をしておりました。にもかかわらず、アセスは干潟の浄化機能に触れていない。 当時の環境庁も、一九八八年に出した意見では、環境影響評価の予測結果に関してレビューを行い、必要に応じて対策を講じることを求めているのみで、特に有明海の生態系への影響に関する懸念を示しておりませんでした。当時より慎重な対応を農水省に求めることが環境庁に期待された態度であったと思うわけなんです。そこで、この農水省の環境アセスが不十分だという認識は持たなかったのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(中川雅治君) 諫早湾の干拓事業につきましては、昭和六十一年に長崎県環境影響評価事務実施要綱に基づきまして環境影響評価が実施されました。さらに、排水門の数及び位置並びに下水処理水の放流先の変更に伴いまして、平成三年に修正された計画に関する環境影響評価がこの要綱に基づき実施されたところでございます。それで、その時点以降現在までの間に環境影響評価、アセスメントのための項目や手法につきましては格段にといいますか順次拡充、高度化されておりまして、一般的にはより精緻な環境影響の予測が現時点では可能となってきたと考えられるところでございますが、長崎県の要綱に基づく当時の環境影響評価につきましては、その時点の評価技術や手続に照らして考えれば適切に実施されたものというふうに理解をいたしております。 それで、今先生が御指摘になられましたように、環境影響の予測にはある程度の不確実性が伴うので、環境省は諫早湾干拓事業の公有水面埋立法に基づく承認に際しまして、今回行われた環境影響評価の予測結果に関してレビューを行い必要に応じて対策を講じることと、こういう意見を示しまして、現在農林水産省において作業が進められているところでございます。 環境省といたしましては、このレビューの結果について十分検討した上で、農林水産省等と連携して必要な対策の検討、実施を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○岡崎トミ子君 一定の不確実性がアセスには伴うというので事後調査を行うというわけなんですけれども、あらかじめ望ましくない影響を予測して避けるために行うのがアセスだというふうに思うんですね。そうすると、取り返しのつかないものを失う、豊かなものを失う、そのことを防ぐためには間に合わない事後調査では、私はこれは用をなさないというふうに思うわけなんです。 佐賀県が行ったアセスは大変率直です。例えば今問題になっているノリ生産への影響については、やはりはっきりとノリ生産の変化を十分調査したデータを見出せなかったために、甚だ不本意ながらノリ生産の変化を総合的にとらえて予想することができなかったというふうに認めておりますし、報告書の最後のところでも、やはり土地造成など地形的な変化が与えられた場合には、自然界では環境の微細な変化が漁業や養殖に大変意外な影響を及ぼすことがあり得ることというふうに指摘をしているわけなんです。 素直なこういう率直な意見というのは、私は環境庁に当時求められたんじゃないかというふうに思いますし、定量的な予測をするに十分に足る知見がなかったとしても問題の指摘ぐらいはできたんじゃないかなというふうに思うんです。 この農水省のアセスが発表された一九八六年と九一年、環境省が意見を述べた一九八八年以降、干潟の価値についての認識が高まりました。そして、干潟の浄化機能に関する知見の蓄積というものも進んでおります。現在、干潟の重要性に関して環境省がどのように認識して、干潟についてどのような政策を進めているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃいますように、干潟には底生生物ですとか魚類ですとかさまざまな生物が生息をしておりますし、水をきれいにする機能あるいは渡り鳥が渡来をするところという意味で大変に重要な機能を持っているところだと私も認識をいたしております。 環境省として何をしているかということでございますが、渡り鳥の中継地として国際的、全国的な観点から重要な干潟につきましては、鳥獣保護法に基づきまして国設鳥獣保護区を設定いたしておりまして、その保全を進めております。それから、それに加えまして、干潟が重要であるということにかんがみまして、知見の集積、それから干潟の重要性の普及啓発にも努めてまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 今のお話ですと、やっぱり干潟の機能についてまだまだ不十分な見識ではないかなというふうに思うんですね。 もし今、諫早湾干拓事業のアセスが行われたとしたら、干潟の機能についてより充実した検討がされて当然だと考えますが、この点はいかがですか。
○政府参考人(中川雅治君) 今の時点におきましては、先ほど申しましたように、アセスメントの手続につきましても、最初に案件ごとに最もふさわしい項目や手法の選定を行うスコーピングの実施ということをいたしております。それで、それを公告縦覧し、地方公共団体や地元の方の御意見をお聞きする、こういうような手続もとっておりますし、また評価技術の格段なる進歩もございますので、いろいろな角度からの検討がなされるというふうに思います。特に最近では、生態系についての検討なり評価というものを項目に加えるというようなことが行われているわけでございます。 ただ、それぞれの案件ごとにどういった項目を選んで、どういう手法で検討して、そして評価をしていくかということが決まるわけでございますので、一般論としてはいろんな見地からの検討が行われるというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 他の干潟の調査を検討して、これに生かすというようなことはいかがですか。
○政府参考人(中川雅治君) もちろん、それぞれのアセスを行うに際しましては今までのいろいろな検討結果の集積、そういったものも参考にしながら進めるということになろうかと思います。
○岡崎トミ子君 と申しますのは、やはりこれまで一色干潟の調査というのはよく例として出されるわけなんです。それから、千葉県の三番瀬についてもこれまでよりも充実したアセスメントが行われたと、またそこで行われたことの結果を環境省はぜひ生かしていっていただきたいと、それも基礎になっていくのではないかという思いで質問をしたわけなんです。 先ほど大臣の方から、干潟の大切さの中で、干潟の価値に対することでシギ、チドリのことについて触れられましたけれども、私は、このことに対しても主要な湿地の保護というのがまだまだ不十分だというふうに思うんですね。シギ、チドリの渡来地として主要な湿地を抽出して目録を作成しておりますけれども、これによりますと七十八の湿地が主要な湿地に当たるということなんです。この中の幾つかが鳥獣保護区の設定などによって保護されているんですが、今回は調査が間に合わなかったのか、日本の重要な湿地の多くが既に開発計画によって脅かされていて、実は鳥獣保護区の設定がなされていないんです。ラムサール条約に基づいて登録すべき基準を満たしているにもかかわらず登録されていないということがよく指摘されておりますので、この干潟の価値ということに関して、主要な湿地の保護ということについても十分に考えていただきたいというふうに思います。 そしてまた、三十年間、この諫早湾の干拓にかかわって、日本湿地ネットワークの代表でありました山下弘文さん、亡くなられる十日前に書かれた文章で、菊池博士の指摘を紹介したいと思いますが、干潟の保全の理由としては、まず第一に環境浄化作用がある、そして第二に水産物の子供ですね、それの生育、それから生産、漁の場としての価値、それから生物群集希少種などの存在価値、水禽類、特に渡り鳥の中継地、越冬地としての重要性を挙げて、さらに情操・環境教育の場としての重要性というのを紹介されておりますが、この浄化能力については、一色干潟の調査の例では人口十万人分の下水処理施設に相当されると報告されておりますし、このまま諫早湾のケースに準用しますと、人口三十万人分の、建設費二千六百億円以上の下水処理施設に匹敵するという計算もされております。こういった機能が調査をしなければわからないわけで、干潟についての調査を行ったというふうにただいまの回答だけでは私は評価できないわけなんです。 そこで、質問なんですけれども、国営土地改良事業再評価実施要領に沿ってことし干拓事業の再評価が行われると伝えられておりますから、これはいいかげんな見直しでは済まされないというふうに思うんですね。当時の農水省構造改善局は、水利課長そして開発課長名で回答を寄せまして、現時点では再評価実施要領の変更を考えていない、再評価は実施要領に定める手続に沿って実施して、情報公開については情報公開法令等に基づいて適切に行うことになっているというふうに伝えられておりまして、この回答からは農水省が再評価にどういう姿勢で臨もうとしているのかうかがえないわけなんです。 これは環境省に伺うんですが、今ならばまだ干潟は完全に死に切ってはいないので、干潟が失われることによる損失を新たに再評価に反映させるべきだというふうに考えますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 干潟につきましては、水質の浄化機能あるいは渡り鳥の渡来地といったような環境保全上の重要かつ多様な機能を持っておりまして、適正に保全していくことが重要であると認識しているわけでございますが、この失われた干潟の損失あるいは失われる干潟の損失を経済的に算定するということはなかなか難しいというふうに考えられるわけでございます。 諫早湾における干潟の消失の環境影響につきましては、現在、農林水産省が実施しておりますレビューの中で検討しているところでございまして、環境省としては、このレビューの結果について十分検討した上で農林水産省等と連携して必要な対策の検討、実施を行ってまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 まだ本当に失われる干潟、失われてしまったことについても痛みが感じられないんですね、今のことでは。これは漁にかかわっている人たちがおっしゃっていたことについてなんですけれども、またもう少し水質浄化機能について申し上げたいんですけれども、非常に大きな干潟の場合、アサリ一個が一時間に一リットルの水を浄化すると言われていると。サンフランシスコ湾では、湾内のすべての水が一日に一回から二回二枚貝にろ過されているという計算もある。 潮受け堤防の締め切り後数カ月で一億個のハイガイの死骸が累々と重なる状況になりましたけれども、このハイガイだけで地域の水の一・五倍の水を浄化する力を持っているというふうに聞いていて、失われるこういう干潟に関しての損失を新たに再評価に反映させるべきだというふうに考えますけれども、大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 干潟の重要性ということをできるだけ大勢の方にわかっていただきたいと私も思っております。ただ、失われる干潟の重要性の計算をして、それでそういうどれぐらいの被害があるという言い方をしていくというのは、方法論的には非常に難しいということは先ほど局長が申し上げたとおりでございます。 ですから、そういう思いをどういう形であらわせるかということに課題はございますけれども、委員がおっしゃられたような方法では難しいのではないかというふうに思います。
○岡崎トミ子君 再評価の見直しに入れてほしいというふうに言っているんで、この姿勢が今私は環境省に求められているんだというふうに思うんですね。 いろんな参考だということで、私はもう時間が少ないので、海外の動向についても伺いたいんですけれども、農水省は海外の取り組みについてはどのように現状を把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(佐藤準君) 海外の事例につきましても、係員を、担当者を派遣したりいたしまして、ある程度の状況はつかんでいるところでございます。 具体的に……
○岡崎トミ子君 ちょっと、どことどことどこの国か。
○政府参考人(佐藤準君) オランダの例、それから韓国の例等につきまして一応状況を把握しているところでございます。
○岡崎トミ子君 環境省もこの海外の取り組みについてどの程度把握していらっしゃいますか。それから、日本の応用可能性については現段階ではどのように認識していらっしゃいますか。短くお願いします。
○政府参考人(石原一郎君) 環境省におきます海外における干潟の保全の関係でございます。 干潟等を含む沿岸域の管理のあり方につきましては、先ほどお話がありましたようなアメリカのサンフランシスコ湾あるいはチェサピーク湾の事例等について、文献レベルでございますけれども情報収集を行っているところであります。なお、ほかの国においても行われているというふうにも聞いております。今後、文献情報あるいは知見の収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 ここでもやはり積極性が見られないというのでとても残念なんですけれども、今農水省の方からオランダのデルタ計画ですかね、これを多分参考にされたというか、現地にも人を送って調べていらっしゃるということだと思いますけれども、このオランダのケースについて倣うべきは、安全性といった事業本来の目的とそれプラス環境の保全、それから環境の機能の活用、これを両立するということを真剣に行っているんですね。もう本当に幅広い利害関係者との対話を重視している。そして、ゼロオプション、つまり事業をやらない、変更しない、そのようなことを含めた選択肢をそろえて、充実した環境影響評価、費用と便益の比較を行っている。そして、タイムテーブルを設定して、慎重なモニタリングを行いながら着実に計画を前進させているということなんですね。 ここで活躍している人が世界大ダム委員会のメンバーであるサイス教授なんですけれども、かつてオランダのデルタ計画の責任者であったこの人は、水と対話をしながら事業を進める、こういう丁寧なことをやっているわけなんです。本当に時間を決めて、いつまでにやるということを言って、慎重なモニタリングをしながらこれを進めているということ。 オランダのどこを参考にされるのか、ちょっとおっしゃっていただきたいと思います、農水省から。
○政府参考人(佐藤準君) 干拓ということで我々、海外の事例を調査しております。 いわゆるオランダの例といたしましては、ライン河口の東部スヘルデというところの調査をしております。
○岡崎トミ子君 どこを参考にしているのかなというふうに思ったんですけれども、ここでは一たん淡水湖化されたせきとめ湖が、海水の流入によって、導入によって浄化されたケースなんですよね。三十四のゲートを持つ高潮堤防の常時開放、そして緊急時における閉鎖。これは、事前の天気予報を知るセンターを持っていて、水位が五メートル上がるとゲートをおろす操作をするという、そういう閉鎖機能が生かされているというケースがあるわけなんです。そして、やはり事業官庁に対して情報提供をする、そういう作業を一生懸命しているものなんですね。こういうのをぜひ生かしていただきたいというふうに心から願っております。 時間になりましたので、これで終わりたいと思いますし、また直接いろんなお話をこれからも進めて、ぜひとも海外の例やほかの干潟の例なども参考にしながら進めていただきたいというふうに心から願っております。 ありがとうございました。
○委員長(吉川春子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査のうち、地球温暖化防止京都議定書に関する件並びに有明海水質等状況緊急補足調査及び第三者委員会の提言等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願いを申し上げます。 済みません、走ってきたので、はあはあいっておりますが、お許しください。 まずは、外務省にお伺いします。 代表団の一員として荒木副大臣はアメリカに行っていただきまして、今回のアメリカの議定書の対応について訪問いただいたというふうに伺っておりますが、京都という日本の地名がついている議定書ですし、COP3のときに大変盛り上がったという状況でございますし、大変重要な世界的にも大事な議定書だというふうに思っています。 その議定書について、同じアンブレラグループの一員であるアメリカ、それからもっと強いことを申し上げますと、同盟国としてアメリカが京都議定書を不支持表明する場合に何ら事前の通告も我が国にはされなかったということに対して外務省は今どのような見解をお持ちなのか、お答えをいただけますでしょうか。
○副大臣(荒木清寛君) 我が国は、世界最大の二酸化炭素排出国でありますアメリカの京都議定書締結は温暖化対策の実効性を確保するために極めて重要であるというふうに考えておりまして、今回、アメリカ・ブッシュ大統領がこの京都議定書の不支持を表明しましたことは、今後の気候変動交渉に重大な影響を与えるものであるというふうに強く懸念をしております。したがいまして、引き続き米国が京都議定書の発効を目指した交渉に前向きに参加することを強く希望しております。 こうした考えは、三月三十日に森総理からブッシュ大統領あてに発出をしました書簡あるいは四月四日の河野大臣とパウエル国務長官との電話会談でも伝達をいたしましたし、先般、私が政府側の団長として参加をいたしました政府・与党代表団におきましても、米国政府高官また各議員に対しまして、そうした私たちの強い意向というのを伝達したところであります。 そこで、今、福山委員御指摘されましたように、従来から同じアンブレラグループの一員として米国とは協調してきたわけでありますから、そうした米国が一方的にこうした立場の変更を表明しましたことは極めて残念であります。したがいまして、今回の訪米におきましても、私どもの方から、今後のアメリカの対応ぶりにつきましては我が国と十分協議をしてもらいたいということを申し入れいたしまして、これに対しまして米国側からは、現在政権内で行われている気候変動政策の見直し作業完了後、具体案につき我が国を初めとする友好国と必ず協議をする考えであるというふうに回答を得ております。 いずれにしましても、この京都議定書に対します米国の姿勢というのは確かに厳しいというふうに私も認識をして帰ってまいりましたが、政府としましては、七月のCOP6再開会合におきまして米国が京都議定書の発効を目指した交渉に積極的に参加するように、今後とも関係国と連絡をしつつ全力を尽くして米国に働きかけをしてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 副大臣、ありがとうございました。 大変残念だというふうに、それはアメリカにはお伝えいただいたんですね。
○副大臣(荒木清寛君) これは特に与党代表団の方で、こうした事前に私たちに話がなく、そうした表明がなされたことは遺憾であるということを与党代表団の団長の方から強く申し入れをしてあります。
○福山哲郎君 済みません、もう一つだけ。 今せっかくお答えをいただいた中で、団長として行かれた荒木副大臣もアメリカの京都議定書に対するポジションは厳しいとの認識を持って帰ったというふうに今御答弁をいただきましたけれども、どういう発言に厳しいとお感じになられたのか。具体的にアメリカの厳しいと思われたことについて、副大臣の会談をされた中での具体的なアメリカの対応についてお答えをいただけますでしょうか。
○副大臣(荒木清寛君) 米国側も政府高官、アーミテージ国務副長官、またホイットマン環境保護庁長官とも会談をいたしました。 そういう中で、ブッシュ政権は地球温暖化の問題については極めて重要な関心といいますか、重要視をしているということを冒頭強調しておられました。しかし、その上で、地球温暖化防止という目標を達成するために京都議定書ではない別の方法を考えているという、そういう表明がありましたので、私はそうした率直な認識を持ったわけであります。また、大統領は京都議定書に反対をしていると。その理由は、中国やインドを含む途上国を免除しており、米国経済に深刻な影響を与え得るからであるという、そういう説明もあったわけでありまして、先ほど申し上げましたような率直な印象を持ちました。 しかし、先ほども申し上げましたように、米国はCO2の最大の排出国でありますし、またまだ現在、政策の見直し中であるという、そういうことでございましたから、私たちはあくまでも京都議定書の中で温暖化防止の目的を達成するように強く米国側に関係国とも連絡をしつつ働きかけてまいりたい、そのように思っております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 それでは、続きまして西川経済産業大臣政務官にお伺いします。 西川政務官も代表団の一員として行かれたということですが、経済産業省としては、このブッシュ大統領の議定書不支持の表明についてはどのように評価をしているのか、そして西川先生自身が行かれてアメリカの対応を、じかに接せられてどのように感じておられるのか、お答えをいただけますでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) ただいまお話がございましたように、気候変動問題は全世界が積極的に協力をして取り組むべき課題であるというふうに当省としては承知をいたしておりまして、その際、世界最大の二酸化炭素排出国であります米国がこの京都議定書の不支持を表明するということは、国際的に気候変動の問題をしっかりと実効性を確保するという上では極めて重要な問題ということで強い懸念を表明してまいりました。 このたび私どもが働きかけました中には、平沼赳夫大臣からリンゼー経済問題担当大統領補佐官、またエバンズ商務長官、エーブラハム環境長官に、四月四日付でございますが、書簡を発することといたしました。 また、ただいま荒木副大臣から御説明がございましたので重ならないように注意をいたしますが、特に私からはホイットマン環境保護長官に、ちょうど四日の日に福山先生が本会議で御質問に立たれましたその情報をオンタイムで手にいたしておりましたので、国会の有力な政党の代表がアメリカ抜きで日本もこの問題をヨーロッパと一緒になってやったらどうかという御趣旨の議論まで国会では出ているということを御紹介いたしまして、我が国の懸念を強く表明いたしたところでございます。 同時に、私ども経済産業省といたしましては、経団連を中心といたしまして、経済界、産業界が自主的行動計画を出していくことは先生も御案内のとおりでございますが、これによりまして、三十四のセクターで七六・五%の排出量を占めております分野でいろいろ努力をいたしました結果、〇・一%、一九九〇年から一九九九年の間に産業界のみではリダクションすることに成功したという事実と、またエコビジネスが一方で伸びているという事実を訴えまして、アメリカが懸念しております幾つかの理由の中にございます経済成長を犠牲にすることはかなわないという、そういう議論に対しまして強い反論をしてきたところでございます。 以上、十分なお答えになっていないかもしれませんが。 先ほど、エーブラハムさんの職を間違って申し上げたと思います。エネルギー長官でございます。失礼しました、間違えまして。訂正をさせていただきます。
○福山哲郎君 今、大変丁寧にアメリカに反論ないし懸念の意を表明されたことは承りましたが、それのアメリカの対応を聞いて、西川政務官はどのように評価しているのかをお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) 率直に言って、大変厳しいと思います。
○福山哲郎君 それは、先ほどの荒木副大臣にお伺いしたことと同様でございますか。 どういったところに厳しさを感じられたか、お答えください。
○大臣政務官(西川太一郎君) 私どもは、ただいま副大臣がおっしゃいました政府高官のほかに、議会のセンセンブレナーさん、またノレンバーグさんなどなど、共和党の古参有力下院議員ともお目にかかりました。 この方々は、もう冒頭から京都議定書は反対であると。そして、その根拠としては、上院の九十五対ゼロで否決をいたしました決議なども例にされましたし、また科学的根拠に乏しいというようなことも専らおっしゃいましたし、先ほど副大臣がおっしゃいましたように、主要な中国でありますとかインドでありますとかメキシコ、それからアルゼンチンの国名を挙げておりましたが、そうした国々が参加をしていないものは批准できない、こういう具体的な答弁に出会いましたので、ただいまのような印象を持った次第でございます。
○福山哲郎君 今、共和党の議員の方との会談の中身は御披瀝いただいたんですが、オルバー下院議員という民主党の議員の方ともお目にかかられているはずですが、民主党の議員の方はどういう反応だったのでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) 団長の荒木先生を差しおいて僣越でございますが、御指名でございますので。 オルバーさんは、先生御案内だと存じますけれども、京都議定書を支持する議員の方々のリーダー格でございまして、およそその数は私の記憶に間違いなければ四十人ほどというふうにおっしゃっていたような気がいたしますが、このグリーンハウス関係の支持者の方々は、京都議定書の線を守っていかなければいけないという趣旨の御発言があったというふうに記憶しております。
○福山哲郎君 そうすると、アメリカ自身の議会の中での意見は、共和党の先ほど言われた大変厳しい、冒頭から議定書に反対だということだけではないというふうには判断できるわけでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) 私もアメリカの議会の情勢をつまびらかにいたしているわけではございませんが、少なくとも、わずか三日の経験でございましたが、議員の方々に接した限りいただきました情報では、比率においては少し劣勢かと存じますが、京都議定書を守るべきだという方々もいらっしゃるように承知をして帰ってまいりました。
○福山哲郎君 経済産業省としては、これまでどおり二〇〇二年発効についてのポジションはお変わりないというふうに承っておりますが、現実問題として具体的な国内措置をつくるまで、二〇〇二年発効に向けて日本政府が努力をされる場合の経済産業省自身の今考えておられるスケジュールはどのようなものになっているのか、教えていただけますでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) 御案内のとおり、二〇〇八年から二〇一二年がいわゆる第一約束期間という、これは議定書にはそういうふうな表現はないわけでありますけれども、先生も既にそうした言葉をお使いになっていることを承知しておりますので今申し上げるわけでありますが、そうした平均排出量をいかに減らしていくかということで、シンクの問題でありますとか、いろいろ努力をいたすわけでありますが、今産業構造審議会と総合資源エネルギー調査会にこれを諮問いたしておりまして、この夏ごろを目途に中間報告を取りまとめていただきまして、京都メカニズムをより有効なものとして実行できるように、そうした方向を検討してまいりたいというふうに思っております。 先ほども少し申し上げましたが、これまで省エネルギーの推進でございますとか、または経団連を中心といたしました産業界の自主行動計画の着実な実施など努力してまいったわけでありますので、これからも我が国の削減目標の達成というものはなかなか厳しいものがございますが、鋭意努力をするように方針を立ててまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 ということは、経産省としては二〇〇二年発効まで、今夏ごろに一つ中間報告という御報告がありましたけれども、アメリカの議定書に対する問題はかかわらず、その二〇〇二年発効に向けての準備作業は粛々と進められるというふうに承ってよろしいでしょうか。
○大臣政務官(西川太一郎君) そういうことでございます。
○福山哲郎君 西川政務官と荒木副大臣は、お忙しければ結構でございます。 では、やはり代表団の一員として行かれた熊谷政務官にお尋ねをさせていただきます。 現実に行かれて、今のお二方の先生方にお伺いしたことと同じなんですが、訪米をした折、アメリカ政府の対応に対してどのように評価をされているのか、率直にお答えをいただけますでしょうか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) アメリカ政府の対応についてどういうふうに感じたかということでありますが、基本的には荒木副大臣と西川政務官とそう違いはないわけでございますが、私が政府高官などの対談というものを通して感じましたことは、一つは、米国は我が国の懸念している立場というか、そういうことについてはよくわかっていただいたものであろう、こういうふうに思っております。 また、今までのいろいろなお話がありましたように、米国も地球温暖化問題の重要性というものは十分に認識しているものの、京都議定書に対しては強い懸念を有しているということも改めて強く感じさせていただきました。 そういう一方で、我が国を含む友好国と申しますか同盟国、そういう立場というものを考えながら、今政策の検討作業中でありますが、そういうものの結果ができ次第必ず協議をするということも言っておりましたので、我が国との関係というものを重視しているなという感じも受けてまいりました。 いずれにしても、我が国としては、今後、関係諸国と連携をとりながら、あらゆる機会をとらえて米国に強い働きかけというものをやっていくなと、そういうことを強く感じてまいりました。
○福山哲郎君 熊谷政務官自身の評価としてはどのように感じられましたか、アメリカの対応について。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 先ほどもお話があったようでありますが、非常にガードはかたいなという感じは率直に持ちました。
○福山哲郎君 同じ質問ですが、それはどういった言葉の端々でガードはかたいなと感じられましたか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 先ほども西川政務官の方からお話があったような内容がほとんどでありますが、同時にアメリカという政治の仕組みというもの、これは大統領政府というものと議会というものの関係というもの、これをはっきり区分けして考えられているのかなと、こんな感じがいたしました。 と申しますのは、署名をしておきながらなぜ今反対なのかといういろいろな立場からの質問もこちらから浴びせたわけでありますが、しかし、一九八七年、上院としてもうこれは反対の決議をしているんだ、しかも九十五対ゼロというそういう圧倒的な、もう一〇〇%、強い形で反対というものをしているのにもかかわらず次の年に大統領が署名をしたんだ、議会の意思というものを無視して署名をしたと。したがって、大統領のそういう署名というものを我々は承服するわけにはいかないと、こんなことを申されておりましたので、かなりこれは強いガードだなというものを感じた次第であります。
○福山哲郎君 ありがとうございます。短期間のスケジュールでお疲れさまでございました。 大臣、今行ってこられた三人の方のお話を聞くと、私なりにも相当厳しいなというふうに感じさせていただいています。ところが、代表団の報告書を読みますと、基本的に評価のところでは、アメリカ国政府高官を通じてブッシュ大統領に伝えることができた、伝えることができたのは事実でございます。政府としては引き続きアメリカへの働きかけに全力を尽くす考えである、全力を尽くす考えであるというのは一種の政府としての意思表示でございまして、この報告には全く評価が書いてありません。 大臣は、この訪問団でアメリカのポジションをしっかりと把握してくるというか、真意を探ってくるというようなこともおっしゃっておられたと思うんですが、訪米団が行く前と行った後で、川口大臣自身、何かアメリカに対する対応で変わったことはございましたでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 特にございません。
○福山哲郎君 実は私、先ほど、大臣がきのうお目にかかられたラーションさんを初め欧州の訪問団とも会談をしてまいりました。そこでは、大変厳しい、今三人の代表団の方が言われたのと同じような表現が幾つも出てまいりました。 特に、欧州訪問団の方では、アメリカはもうほとんど京都議定書には戻ってこないかもしれないという前提の中で動かなければいけないこともあるかもしれないというような表現もありまして、きのう河野大臣と川口大臣と会談をしたけれども、日本側はアメリカのさらなる参加に対して呼びかけをして、働きかけをしていきたいと思うけれども、そこに対しての評価は少し異なるんだというような表現をされていました。私は、アメリカに対する働きかけをすることは大変重要だと思いますし、EUもアメリカに対する働きかけは断続的に行うということも言われていました。働きかけを行うことは大変重要だと思うんですが、また八日、チェイニー副大統領が京都議定書は既に死文化したというようなことをインタビューで述べておられます。 先ほど、代表団の三人の先生方が言われたのと同様、大変アメリカの京都議定書に対するポジションは厳しいという状況の中で、日本が説得をし続ける、参加を呼びかけるというのは重要ですが、アメリカが万が一このままのポジションを変えないようなときのことも想定して、政府としては今後のCOP6ビス等に対応しなければいけないというふうに考えますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 幾つか考え方について少し問題の整理をしてみたいと思うわけでございますけれども、この地球温暖化の問題を考えるに当たって一番大事なことは、これから世界の国々がとろうとしている政策が本当に地球の温暖化の防止につながるかどうかということが原点であろうかと思います。これを私はきのう、環境の十全性と日本語で訳されておりますけれども、という言葉で表現をさせていただきました。したがって、問題は何をすれば環境の十全性につながるのかということだというふうに私は考えております。 それで、きのうEUは、EUの立場についてお話をなさって、EUとしては京都議定書にアメリカが戻ってくる可能性ということは大変に厳しいと見ている、したがってEUとしては、アメリカが参加してもしなくてもこの話を進めていって批准をするという考え方であるというふうに言いました。 それで、私はそれに対しまして、アメリカの参加は非常に重要であるということを繰り返し繰り返し申し上げました。それはなぜかというと、アメリカは、委員には特にもう耳にたこができるぐらいお聞きになっていらっしゃる話だと思いますけれども、アネックスⅠの国で三七%ぐらいの排出を持っている国である、それからアメリカが参加をしなかった場合に将来途上国が削減をする行動をとるだろうかということについての懸念といったようなことがあるわけでして、アメリカの参加は重要だと私は申し上げたわけです。 整理をいたしますと、EUの考え方と、それからアメリカが大事だというふうに、要するにアメリカ抜きでも批准をしようじゃないかという考え方とアメリカが大事だという考え方の違いというのは、これは方法論の違いであるということです。どちらの道を今の時点で選ぶことが環境の十全性につながるかということです。 それで、アメリカは、今の時点ではこの地球温暖化問題については閣僚レベルで検討中であって考えている、それをアンブレラの国にも相談をし、それから国際プロセスを通じて議論をするということを言っているわけです。 したがって、EUが先にアメリカ抜きで批准をし、それでその先アメリカが入ってこない可能性、あるいは途上国が入ってこない可能性ということを考えたときに、それがいい道であるか、あるいは今アメリカが検討して温暖化問題は重要だと言っているのだから、その検討をできるだけ手伝い、かつ待ち、環境十全性ということからいってそういう成果を生むように働きかけることがいいということと、どちらが環境十全性ということからいっていい道なんだろうかと、そういう選択の問題であるわけです。 それで、私どもは、アメリカ抜きでやるかどうかということについては私は何も申しておりません、昨日の段階で。私が申し上げていることは、アメリカが今議論をしている、それで何か考えると言っている、したがってアメリカに働きかけて、戻ってくるように働きかけて、COP6でいい結果を生むような、そういう形で議論をしていこうではないかと、そういうことについてEUと合意をしたわけでございます。 それからもう一つ、先ほどちょっと委員がおっしゃられました死文化しているということをアメリカが言っているということでございますけれども、私もこれを報道で、紙で見まして実は確認をしたいと思っているのですけれども、今の時点では確認ができておりません。ただ、私が見た文章、これは英語の文章ですけれども、これを見る限りは、アメリカは国際的に合意をした京都の議定書が国際社会の中で死文であると言っているのではなくて、アメリカ国内で、先ほど来、熊谷政務官がお話をしているような議会との関係において、上院で決議が出ていることもあり、したがってアメリカの中においてはそういう位置づけなんじゃないかということを言っているように私にはとれたわけでございます。 いずれにしても、この点についてはまだ確認がされていないことでございますので、仮定の話で議論をするという段階ではないと思っておりますが、念ために申し上げておきます。
○福山哲郎君 そうだと思います。 今の死文化は別にして、その前の話は大臣のおっしゃられたとおりですが、それではアメリカが代替案を考えている、今検討をしているという状況の中で、新聞によれば、経済に悪影響がないようにする、途上国の参加も呼びかける、新技術、新しい技術を考えるというようなことが書いてあるんですが、その新聞報道のような具体的な代替案の中身というのは実際に言及をされたのでしょうか。政務官、お答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) その点は、私だけじゃなくて行かれた先生方からもかなり、どの程度のレビューについての進行がなされているのか、内容はどういうものかという形でかなりしつこく聞いたわけでありますが、具体的なものとしては一向に出てこなかったというのが現実であります。
○福山哲郎君 そうすると、このよく言われている三点というのは、アメリカが議定書を反対しているあくまでも理由であって代替案の中身ではないというふうに受けとめてよろしいわけですね。
○大臣政務官(熊谷市雄君) その辺は、代替案の中身が全然わからないわけですから、今のところ何ともコメントできないと思います。
○福山哲郎君 代替案は大体、先ほども清水委員の質問にお答えがあったと思いますが、いつぐらいまでに出される予定でアメリカは考えているのか、もう一度お答え願えますか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 七月のボンの会議までには提示をしたいということはおっしゃっておられました。さらに、もう少し変わったニュアンスとしては、ホイットマン長官がその前に、五月か六月ごろまでにできるだけ骨子を早目につくっていきたいと、そういうようなこともおっしゃっておられました。 同時に、そういうものが出る、結果が出たという段階では、日本を初め同盟国には必ず協議をいたしますということもおっしゃっておられました。
○福山哲郎君 一つは、アメリカが議定書を反対している理由であります途上国の参加という問題があるんですが、これは既に実はベルリン・マンデートで解決をしている問題だというふうに思っているんですが、そのことに対する反論等はあったんでしょうか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) これもこちら側としてはかなり強く指摘をさせていただきました。今さら途上国云々という問題じゃないんじゃないか、これはCOP1の段階から既にこの問題というものを取り込んで議論をしながら今日まで進行した過程があるのではないか、今さら途上国云々というのはちょっとおかしいじゃないか、そういうことを申し上げましたし、さらにはさかのぼれば、気候変動枠組み条約締結時の中では今のブッシュ大統領のお父さんの大統領の時代にこれを認めたということもあるんじゃないか、こういうことも出しながらかなり強く反論をさせていただきました。
○福山哲郎君 それに対してアメリカはどう答えるんですか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) はっきり明確な反論というものはなかったわけでありますが、その当時の状況というものと今日の状況というものは違うということとか、それから変動枠組み条約の締結時というものには具体的な規制というものがなかった、今回は規制というものが具体的に出てきた、こういうものだからというような内容の反論が向こうから出されました。
○福山哲郎君 それから、先ほど途上国の将来的な参加の担保ができないのでアメリカの参加は非常に重要だというふうに大臣はおっしゃられました。確かに大事だとは思うんですが、途上国が将来参加を見込めなくなるかもしれないという根拠は何でしょうか。 現状では、途上国には削減義務はありません、中国にしてもロシアにしても。先ほどEUの代表団は、議定書に批准の用意があるというようなことを言われているというふうにEUの代表団の方も言われていました。また、現実には、現状で言うと三十三カ国もう既に批准をしている国がありますし、五十五カ国の批准の、五五%の削減もパーセンテージは別にして、五十五カ国の批准国ということに関して言えばそんなに難しいハードルではないというふうに思っていますし、なぜ途上国の参加が将来厳しくなるというふうにお考えなのか。そこの根拠は少しお知らせいただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど、私は途上国参加について担保がないというふうには申し上げなかったつもりでして、アメリカが参加をしない場合に途上国が将来的に参加をしていく、この意味はちょっと後で申しますけれども、ということについて困難がかなり大きくなるという懸念がある、懸念があるというふうに申し上げたつもりです。 それはどういうことかといいますと、ここで言っている途上国の参加は、私が申し上げたのは多少言葉をはしょって申し上げて申しわけなかったと思いますけれども、削減の義務を将来的に負うということについてでございまして、それは先ほど申し上げた環境の十全性ということからいいますと、中国は一国で今、日本よりも大きな排出国であります。世界第二位の排出国であります。それから、二〇一〇年ごろには今の計算ですと、予測ですと、途上国を全部足し合わせたときの排出量が今の先進国の合計よりも多くなるであろうということを言われているわけです。したがいまして、まさに地球温暖化問題に対応するために何が必要かという環境十全性という問題でのゴールから考えたときに、途上国が参加を、削減をしなくなるかもしれない可能性というのはできるだけない方がいいということです。 それでは、何でそういうふうに私が思うかということですけれども、委員御案内のように、途上国がこの問題にどれぐらい責任を持つかということについてはずっと大変な対立がございます。この対立の中で、条約の中では、共通であるけれども、しかしながら差別化された責任という言葉になっておりまして、委員おっしゃったようにベルリン・マンデートがありまして、今の段階では削減をするということにはなっていない。 ただ、途上国がずっと言っていますのは、アメリカを初めとする先進国がこういうライフスタイルをやってきてこの問題を招いた、それは先進国がまず責任をとるべきであるというのが途上国の態度でございます。そのときに、一番責任をとるべき国であるアメリカが参加をしない議定書というか、枠組みに途上国が削減の義務を負って入るようなことがどれぐらい現実的な予測だろうかと、そういうことで申し上げたわけでございます。
○福山哲郎君 アメリカが参加する方が途上国は参加しやすくなるというのは僕も事実だと思いますが、この京都議定書が発効すれば、アメリカがいようがいまいが途上国が参加するかしないかという確率の問題で、相対的にアメリカがいた方が途上国が参加する方、削減に前向きになるということは僕も理解はしているつもりです。 実は、ここから次が問題なんですが、批准をするかしないかというのは実は政治的に非常に重要なことなんですが、それよりも、まずCOP6ビスで運用について合意しなければいけません。それが実は十一月のハーグの会議から延び延びになっていて、今度七月に行われるわけです。アメリカが参加をすると言っている。代替案を持って参加するとアメリカは言っているわけです。普通、京都議定書から離脱をするとか不支持ならば、これは参加しないという選択もアメリカにはあるはずなんですが、代替案を持って今の状況ですと参加をすることになる。 私は、批准、発効の前に運用について、それぞれ排出権、京都メカニズム、吸収源について合意をしなければいけないと思っている。代替案を持ってアメリカが参加をしてきたときに、現実にCOP6ビスで合意に至るプロセスというのはどういう形なのか。実は僕は余り見えなくて、そこについての見通しは大臣はどのようにお考えなのか、お答えをいただけますでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃるように、アメリカは七月までには考え方をまとめるということを言っておりまして、その前にアンブレラの諸国に相談をするということも言っているわけでございます。 具体的にはその案がどういう形の案なのか、何なのかということが今の時点ではわかりませんので、それを見て初めてその後の展開が多少読めるようになるのかなというふうに思っておりますけれども、この点についても福山委員ほか大勢の方に、どういう展開があり得るのかということについての御意見も伺いたいと思っております。
○福山哲郎君 七月に代替案が出てきたとして、ボンの会議に本当にそこで議論が間に合うのか。もし、その七月に出てきた代替案が、これは仮定の話ですからお答えにくいと思いますが、代替案が京都議定書の枠から逸脱したものが出てきたと、例えばベルリン・マンデートからも逸脱してきたというようなものが出てきたときに、その代替案を持ってアメリカがボンに来るわけですよね。現実にアンブレラグループとしては、代替案を提示された後、その中での協議が本当にまとまった上でCOP6ビスに臨めるのか。いや、このアメリカの代替案ではこれは乗れない、京都議定書の枠を大きく逸脱をすると。そのときに、アメリカをほっておいて、日本は運用についての合意に至るそのプロセスに臨めるのか。 僕は、現実問題として、批准とか発効よりも前の問題が非常に実は難しいのではないかなというのは本音で思っていまして、もう一度、大臣、どのようなお見通しなのかをお知らせいただけますか。 代替案を見てもいいんですが、見るのはよくわかりますし、それでアメリカが参加するか参加しないかもわかるんですが、先ほどから言っているように大変アメリカのスタンスが厳しい状況で、京都議定書の枠内に入っている代替案が出てくるとは考えられない。その状況でのCOP6ビスというのはどういうふうな流れになるのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 少し話が戻りますが、ハーグで最後の時点でまとまりそうになった案を拒否したのは実はEUであったわけでして、それでなぜEUがしたかといいますと、市場のメカニズムをもう少し使いたいと思うようなアメリカの意見をEUは拒否をしたということでございました。もし、あのときにEUがもう少し柔軟であっていたらこういう事態にはなっていなかったであろうというふうに思われるわけでございます。 したがいまして、私はEUに対しても柔軟に対応をするということが非常に重要である。アメリカに対して働きかけを行うということについての重要性は、EUも私もきのう、そうだということを合意したわけでございますけれども、その働きかけの過程でEUが柔軟になっていくということを見せるということも非常に重要であるわけです。 そういうさまざまな動きが今後、ボンまでの間には起こるであろうということも十分予測されることでございますし、したがいまして今の時点で大事なことはアメリカに働きかけるということでして、それをその話の先に、今の時点で先取りをしてどうこうということは少し時期尚早ではないかと私は思っております。
○福山哲郎君 では大臣、アメリカはこれほどかたくなにもかかわらず、なぜCOP6ビスには参加するということだけは言明しているんでしょうか。どのようにお考えですか。
○国務大臣(川口順子君) アメリカは、気候変動枠組み条約に署名いたしましたし批准もいたしております。ですから、その参加国としてCOP6、COP6ビスに参加をするというのが当然の義務であるというふうに私は思います。
○福山哲郎君 ぜひ、アメリカの代替案の流れ、それから日本の国内措置についてはアメリカの動向と関係なしに、これは批准、発効とはきょうは申しませんが、アメリカの動向とは関係なしに、二〇〇二年発効に向けて日本の政府として、大臣、努力をされることは変わりないということですね。
○国務大臣(川口順子君) 当然そのつもりでおりますというふうに申し上げておきます。
○福山哲郎君 もう残り少なくなりましたが、済みません、けしからぬ話について申し上げます。 沓掛環境副大臣、あなたは六日、自分の選挙区で、突然アメリカへ行ってくれと言われたが、何が何でもと抵抗して熊谷政務官に行ってもらったと、会合は決戦のかなめの日だと、さらに、前回敗れたときは、会合の直前に自民党国際局長として朝鮮民主主義人民共和国へ行けと言われ、泣く泣く行った、こういう発言をされましたか。
○副大臣(沓掛哲男君) 今おっしゃられたことは私的なことですから、それは恐らく今、どういう人選でこれが決められたかという公的なお話をさせていただきたいと思います。 四月四日から、与党・政府の代表団が、ブッシュ政権の気候変動問題に関連して京都議定書を支持しないということで……
○福山哲郎君 聞かれたことに答えてください。言ったかどうかを答えてください。
○副大臣(沓掛哲男君) いや、それは私的なことですから。いえいえ、それは私的なことですから。ここは公的な場ですから。 そして……
○福山哲郎君 公的な場でしょうが。
○副大臣(沓掛哲男君) いやいや、そんなことないですよ。私的な問題ですから。 私は公的なことをしっかり御返事します、今、納得できるように。
○委員長(吉川春子君) 沓掛副大臣、質問に答えてください。
○副大臣(沓掛哲男君) はい。 ちゃんと、だから、それは言った言わないということは私的なことですから、そのことは私はここでは申し上げません。 公的な立場での、今おっしゃられたことはどうして人選されたかということですから、そのことを私は御返事します。 そして、そういうことがあったので、それへ対応するために与党及び政府の代表団が行くということになり、先週の月曜日でしたか、四月二日に私のところに事務当局からこういう話があり、副大臣か政務官が考えられているということでございました。 実は、私は三月三日にトリエステでG8環境大臣会合がありましたので、そこでホイットマンさんと三十分間、この問題についていろいろ討論、お話をさせていただきました。したがって、私がまた行くよりも、新しい政務官の立場でまたいろいろ議論していただくことがより効果的だというふうに思いましたので、政務官の御都合を聞いてくださいというお話をいたしました。政務官が、では行きますということでしたという返事をいただきました。 そこのことが、今回派遣されて環境省から熊谷政務官が行かれたことでございまして、その後の今言われたことは私的なことでございまして、公的、私的、いろいろあるわけですから、私的なことについては、この場ですから控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 私的じゃないでしょう。あなた今、副大臣なんですから、公的な人間じゃないですか。だから、その会合で、突然アメリカへ行ってくれと言われたが、何が何でもと抵抗して熊谷政務官に行ってもらったと言ったのかと聞いているんですよ。
○副大臣(沓掛哲男君) いろいろ、それは私の後援会の場でございますので、それは皆さん方も政治家としての立場、また環境省の立場、私的な立場がいろいろあると思いますから、私的の立場のことですから、この場については控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 ちょっと待ってくださいよ。あなたは公人なんですよ。これだけ問題になっている問題に対して、どうしてもと言って抵抗して政務官に行ってもらったと、それが私的な会合だからそこで言ったか言わないかは答えないで済むなんて、そんなもの通じるわけないでしょう。これだけ世界じゅうで話題になっているんですよ、あなた。問題になっているんですよ。選挙が大事だったらやめて行ってください、選挙の会合には。
○副大臣(沓掛哲男君) いやいや、これは今、だからどういう人選があったかということで申し上げている。一義的には、今私が申し上げたように、私は既に三月三日にホイットマン大臣とは三十分間対で話し、私なりのそういう思いは強く申し上げていたわけですから、では今度は熊谷政務官に行っていただいた方がよりまた効果的だということで熊谷政務官にお願いしたわけです。それがこの人選を決められた一義的な話なんですね。
○福山哲郎君 トリエステの会合では、アメリカは、ホイットマンはまだこんな発言はしていないんです。副大臣の思いを伝えたと言ったって、そんなもの、この流れは全然出てきていません。 とにかく、副大臣たる者が自分の選挙区の会合があるからと、三月初めにイタリアでアメリカの環境保護局長官と話をしたので今回はほかの人が行くのも手だと思ったと、こんなばかな話がありますか、これだけ問題になっているのに。そうしたら、やめて行ってくださいよ、選挙区の会合には。 大臣、どうですか、これ。環境省に対する国民の不信感を本当に増幅しますよ。一生懸命やられている、それは熊谷政務官にしたって浜中さんにしたって一生懸命やっている。大臣にしたって一生懸命やっている。けしからぬですよ、こんな発言するのは。
○副大臣(沓掛哲男君) もう私も必死で、トリエステのときも、その前にももう大体やっぱりホイットマンさんが来られてどういう発言をするかというのはみんなすごい関心を持っていたんですよ。ホイットマンさんは、総論的には非常に賛成されましたけれども、個々の問題というか具体的な話については間を置いておられました。ですから、私は対のときに、そのことを日本としてもぜひ協力して一緒にやっていこうと、特にアネックスⅠの国としては三七%もあることだしということを申し上げて強く、もうそのときからそういう環境はあったわけですから、私なりに一生懸命やってきました。
○委員長(吉川春子君) では、時間がありませんので、福山哲郎さん。
○福山哲郎君 大臣、一言だけこの問題についてお答えをいただくのと、もう一回だけ聞きます。こんなことをあなたは会合で言ったのかどうか、お答えください。
○委員長(吉川春子君) まず、川口環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) 政府代表団の派遣のときにどなたに行っていただくかということにつきましては、副大臣か、先ほど沓掛副大臣がおっしゃいましたけれども、副大臣か政務官かどちらかを出してほしいということであったわけです。したがいまして、環境省としては、ちょっと言い方があれなんですけれども、熊谷大臣政務官には今まで行ってきていただいてない、それで沓掛副大臣にはこの地球環境問題についての国際交渉というのをやっていただいて、それで政務官にもやはりそういう経験をしていただいた方が私たち三人が問題を共有するという意味では意味があると私は思いました。 それで、ただいずれにしても副大臣か政務官かどちらかを出してほしいという話でありまして、政務官にお願い、政務官が行ってくださるということで政務官に決まりましたという報告がありましたので、私は先ほど申し上げたような意味で、政務官と副大臣と私と三人同じような経験を共有することができるということはいいことだというふうに私としては思いました。 以上です。
○委員長(吉川春子君) 時間が来ていますが、沓掛環境副大臣、端的に質問に答えてください。
○副大臣(沓掛哲男君) この今おっしゃられた場というのは私の全くの個人的な後援会でございますので、私的の場での発言でございますので、ここでは控えさせていただきます。
○福山哲郎君 もういいです、終わります。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。 今までも京都議定書に関するブッシュ大統領の表明された御意見に対するさまざまな御意見、また現実に行かれた方々の状況説明もお伺いさせていただきました。そこで、そのとき団長として行かれた荒木副大臣ですね、外務省というのは地球環境外交戦略会議というのも開催されましたし、外交の柱に環境というものを据えていこうという表明もされておりますし、国際社会に貢献するという中で政府の基本方針、外交の中に環境を据えようということがあるということは承知しております。 ただ、今回そういう不支持の表明があった機会こそが、逆に我が国の国際社会に対する貢献を果たせる正念場でもあろうかと思いますので、団長として行かれた荒木副大臣、外交としてとるべき方策、何かお考えがあるか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(荒木清寛君) 今お話がございました環境問題につきましては、私たちもこの外交の場で極めて大事な課題であるという認識を持っております。また、現在開催中の地球環境外交戦略会議におきましては、この気候変動問題を中心としました地球環境問題への迅速かつ的確な対応を行うための外交戦略を今検討しております。 こうした会議の成果も生かしまして、政府としてはこの外交の場におきましても、地球環境の問題にグローバルな中で取り組むという面で全力を傾けてまいりたいと決意をしております。
○福本潤一君 先ほどの荒木副大臣、また熊谷政務官、西川政務官のお話を聞いても、今回行かれた結果として非常に米国の態度は厳しいという結論であったようでございます。厳しいという中の理由も既に言っていただきました。としますと、若干先ほども質問にあったようでございますが、対案というものを検討しているというのが現実に新聞にも出ておりますし、この対案の軸、また今回訪米されたときにその対案に関する軸、さらにさまざまな周辺情報を得られたかということを最初にお伺いしたいと思います。
○副大臣(荒木清寛君) 今回訪米をしました政府・与党代表団の米国政府関係者との会談の中で、先ほども申し上げましたが、先方からは、この京都議定書とは違う方法によって地球温暖化に取り組むべきとの考え方が示されました。この点につきまして、アーミテージ国務副長官からは、この米国が新しい方針をつくる際には、一つには全世界を包括をすること、二つ目には新たな技術を利用すること、三つ目に米国内でも幅広い支持を得ることが重要であるというふうに発言、重要である旨の発言がございました。ただし、米国政府は現在気象変動問題を、気候変動政策を見直し中であり、現時点では進行方針が対案という形では具体化をしていないというふうに承知をしております。 これは何回も私申し上げましたが、地球温暖化はまさにグローバルな問題でありますから、各国が一致をして取り組まなければいけない問題だと思います。したがいまして、私たちは米国がこのCOP6再開会合で引き続きこの京都議定書の発効を目指した交渉に加わっていくよう強く働きかけをしてまいりたいと考えております。
○福本潤一君 この問題、京都議定書締結のときからも、なかなかアメリカは最後まで行くかなというのが現実の問題としては私どもは感じておりましたけれども、現実にそういう表明があったと。これは大統領選のときのブッシュ政権の公約だったという話も私聞いていますが、そこの時点、公約だったのかどうかという話は聞いておられませんか。
○副大臣(荒木清寛君) 先方も、今回のことは急に言い出したんではなくて、大統領選挙のときからの公約であったということは言われておりましたけれども、しかし私たちは、今回の京都議定書不支持の表明というのは、気候変動枠組み条約の締結に始まった十年間の交渉を振り出しに戻して、極めて温暖化への取り組みを後退させるものではないかという強い懸念を繰り返し表明してきたところであります。
○福本潤一君 そういう意味では、公約で表明していたのが現実に実体化したということになりますと、今後の進行上、外務省としても外交関係で対応しなければいけない問題が出てくるだろうと思います。 中でもCOP6ビスの運用、また七月にある意味では代替案を持ってこられたときにどういう対応をするか。また、これは環境省も含めてですが、もしその代替案に対して、EU側の対応でいくのか、米側の対応でいくのかというのが一つ問われてくると思いますので、そこの対応、対策に関しても今後伺っていきたいというふうに思います。 さらに、ブッシュ大統領の議定書不参加、さまざまな理由を言っておるようでございます。途上国が参加するように、また米国経済、また米国民の全体の支持、さらに新技術の開発ということになりますと、もう一度若干振り戻ってきて、地球温暖化に対して科学的な知見が不十分だという大前提の上に立ってこれまた対応も言われているんではないかと思いますので、これ環境省に、科学的知見が不十分だという認識を持った上での不支持表明ということでございますので、長期的にこれから地球温暖化に関する問題に対応していくときに、科学的知見が本当に不十分なのかどうかということを環境省はどういうふうに考えておられるか、この点について日本の環境省の姿勢をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浜中裕徳君) 地球温暖化に関する科学的知見に関する環境省の考え方のお尋ねでございますが、この点につきましては、私ども環境省といたしましては、先般IPCCの第三次評価報告書が取りまとめられたところでございまして、ここにおきましては、まず第一に、過去五十年間の気温上昇の大部分が人間活動に起因しているという新たなかつより確実な証拠が得られたというふうにしておりますし、第二に、近年の気温の変化が世界の多くの地域における生態系などに対して既に影響を及ぼしていることに高い確信がある、こういうことを指摘しているわけでございまして、こうした知見は世界の第一線の科学者のコンセンサスでございまして、科学的知見が不十分という見解は当たらないというふうに考えております。 私どもといたしましては、IPCCが指摘しておりますとおり、地球温暖化は現に生じている問題でありまして、二十一世紀末までに平均気温が一・四度ないし五・八度C上昇するといった予測がございます。また、気候変化によりまして、浸水被害の拡大であるとか、途上国の農業生産等への悪影響、あるいは生態系の崩壊、伝染病の拡大等の広範な影響が生じることを予測しているわけでございますので、したがって地球温暖化対策は一刻も早く取り組む必要がある課題というふうに認識しているわけでございます。
○福本潤一君 第一線の学者の認識としてのそういう百年後の温度上昇、関係あると思いますけれども、と同時に私、いろいろなところでさまざまな方のお話を聞いていますと、あるときはもうヒートアイランド現象とCO2、またフロン含めて、温暖化に影響を与えるものの影響が錯綜して議論されているような、結構出くわしますので改めてお伺いします。 例えば、五十年単位、百年単位の話と、今度は氷河期みたいにはるかに地球の温度が逆に寒くなって、地球上に生存している動物、そういったものが絶滅したようなときもございますよね。そういう大きなスパンの氷河期、また氷河期の間の小氷期というのもまたありますね。そういったものも含めて、逆に小さい話としてはヒートアイランドと地球温暖化を混同、混乱しているような状態の話というのを時々お伺いするので、氷河期また小氷期レベルの話まで含んだ上でこの地球温暖化に対する懸念をされているかどうか、そこを若干聞かせておいていただければと思います。
○政府参考人(浜中裕徳君) ただいま委員御指摘のように、確かに新聞紙上などで報道されますさまざまな報道案件、事案を見てまいりますと、御指摘のように都市のヒートアイランドのことを言っているのか、あるいは地球全体の気温の上昇なり気候変化を言っているのか、そこが不明確な点も、報道も確かにないわけではないとは思いますけれども、IPCCにおきましては極めて科学的に、そういった局地的な気温の変動といったようなファクターは入れないように、除去するようにいたしまして、地球全体の、そして毎年毎年また気候、気温というのは変動がございますから、そういうことではなくて、やはり趨勢的にどういうふうになっていくのか、こういうような分析をした上で先ほど申し上げたようなことを言っているわけでございます。 また、近年気候モデルが大変進歩してきているということをIPCCのこの第三次評価報告書では言っておりまして、そして自然のいろんな要因がございます。太陽活動でございますとか、地軸の変化であるとか、いろんな要因があります。そういったことによっても確かに気候は変わるわけでございますし、それから人間の活動の影響ということもあるわけでございまして、そういう二つの大きく分けて人為的なもの、自然的な要因、こういうものが気温の変化にどう影響を及ぼすであろうかということを電子計算機を用いた計算でも一応やっているわけでございます。 そして、とりわけ近年の数十年間の気温の急速な上昇、とりわけ八〇年代以降の二十年間でございますけれども、これはやはり自然的な要因によっては説明ができない、やはり人為的な要因を加えて初めて計算結果と実際の観測結果が極めてよく一致をするというようなことを言っているわけでございますので、私どもは、このIPCCの第三次評価報告書で世界の科学者がまとめておりますことは、大変重いメッセージであるというふうに受けとめているところでございます。
○福本潤一君 そういう意味では、基本認識はブッシュ大統領とは逆に違って、例えばクリントンさん、ゴアさん、そういうかつての民主党政権での科学的知見、十分であったと。またIPCCに関しての知見も正しいという認識に立たれて、これから外交、また環境省も対応されていくということだろうと思います。 としますならば、今後七月、対案を持ってこられたその段階、京都議定書というのは大木大臣のとき、また先ほどおられた真鍋大臣のときから鋭意進めていった日本の環境行政の中でも大きな柱でございましたので、今回こういうブッシュ大統領が反対という立場を表明したことによって、これからこの議定書自体の発効、有効性というのは危ぶむ声が出てくるだろうと思います。あきらめてアメリカとは別個に、EUのように自国はこの議定書を具体的に進めるという立場とそうでない立場、いろいろ出てくると思いますが、日本としてはそういう今後の方針、対案を持ってきたときの方針、大臣、どういうふうにしていかれるか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) ブッシュ大統領も一連の手紙あるいは発言の中、報道官を通ずる発言の中では、温暖化問題については、これは重要な問題なので真剣に取り組むというふうには言っていますので、きちんと考えているというふうに私は思っております。 それで、温暖化ガスの排出という意味では、世界全体で四分の一、先進国の中では三分の一以上の排出ガスを持つ国でございますので、その国が参加をしていくということは非常に大事でございまして、そういう意味で今までもさまざまな働きかけを行ってまいりましたし、今後とも働きかけは引き続きしていこうというふうに思っております。 私どもは二〇〇二年に向けての発効、それを目指して全力で国際会議で取り組み、それから国内的にもそれを可能にする制度の構築に全力を尽くすという基本方針、全く変わっておりませんので、その方向で必要な場で全力を尽くして取り組みたいと思っております。
○福本潤一君 ブッシュさんの方も、逆に科学的知見は、IPCCの科学者の知見は前提にした上で、今回また京都議定書は受け入れない、また代替案を持ってこられる流れというお話をお伺いさせていただきましたけれども、そうしますと、今後日本としてそういう状況、ヨーロッパ的な対応またアメリカ的な対応あるわけですけれども、日本で、国内で議定書を率先して締結していくという形の予想がつくわけですけれども、ここの確認を今させていただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 一部先ほど申し上げたこととダブってしまいますけれども、日本の取り組みの方針には全く変わりがないということで、日本といたしましては、交渉に全力を尽くすと同時に、アンブレラの会合の場、あるいはEUとともに、あるいはアジアのほかの国々とともに連携をしてアメリカに働きかけていきたいということに変わりはなく、それが大変に重要だというふうに思っております。 また、そのための一つのステップといたしまして、明後日から東京で排出量取引についての国際的なセミナーも開くことにいたしておりまして、そういう場で望ましい排出量取引の姿についても知見が蓄積をされるだろうというふうに思っております。 それで、働きかけが重要であるということにかんがみまして、私も、国会の許しがいただけるのであれば四月十九日からのニューヨークにおける会合にぜひ参加をさせていただいて、そこでアメリカに働きかけたいというふうに思っております。
○福本潤一君 そういう形で働きかけていかれるということでございます。ヨーロッパスタイルとアメリカスタイル、USAのスタイル、若干いろいろな問題で環境問題でも違ってきているなというふうに思いますし、環境ホルモンとかダイオキシンやなんかとかも、一方はヨーロッパ的に言うと予防原則という、原則まで、プリンシプルにしてやるというところと、アメリカのように予防はする、原則にはしないというそういうような状況というのが生まれております。 と同時に、新しい代替案の中に新技術の開発というのが入っておるようでございますので、CO2の地球上の循環だけにとらわれずにもっと炭素の方に目を向けてとかいろんな話が出てくるんだろうと僕の方は予想しておりますので、またそのアンブレラの会議に行ったときも、そこの新技術の話も含めてちょっと詰めていただければというふうに思います。 そうしますと、米国に、今後そういった意味で日本ではこういう姿勢だと、むしろこういう問題に関しては、地球温暖化の問題に関してはリーダーシップをとっていきたいということをお伝えして、米国にむしろ迫っていくという形とはまた違うというふうに考えておけばいいですか。むしろ、米国をリードして進めていくという感じなのか、そこのところをお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 京都議定書は、国際社会がずっと時間をかけてさまざまな困難を乗り越えて築き上げた枠組みでございまして、非常に重要な枠組みでございます。今、さまざまな反対が一応京都議定書という形でそれなりにまとまって存在をしているわけでございますから、これが交渉のベースであるということについては私は全くそのとおりであると思っておりますし、これはほかの国々もそういうふうに言っているというふうに私は理解をいたしております。
○福本潤一君 そういう意味では、これから環境問題を扱うときに、環境か開発かというかつての議論とか、さらには先進国か途上国かというような問題、南北問題にまで環境問題が意見がまた分かれる。さらには日本の省庁でいうと環境省と経済産業省の関係のような問題というのがかなりいろいろなところで出てくるんだろうと思います。それをアウフヘーベンするようなものが必要になっていくということで、持続可能な開発という一つの九二年のリオ環境サミットであったわけでございますので、そういった思想も含めて対応も含めて取り組んでいただければと思います。 それと同様に、また一つの対決案件、有明海のノリの問題、この問題、私も各地へ行きますと、いやことしはノリが大変忙しくてという瀬戸内海の島々で発注が絶えないというような話まで聞いたりするわけですけれども、当事者である有明海のノリの業者というのはもう死活問題に逆になっている。そこの中で、今回調査されて、底質の状況、これが悪化しているという状況でございますけれども、どういうふうに底質の状況を評価されているか、これを最初にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(石原一郎君) 環境省におきまして本年の二月二十三日、二十四日にかけまして緊急補足調査ということで水質、それから底質、底生生物ということで調査をいたしました。 そのうちの底質についてでございます。一つは粒子の大きさ、それと底質の中に含まれる有機物の量、それから酸化物を指標として調査分析を行ったところであります。この結果、有明海の湾奥部及び諫早湾で底質の粒子が細かい、かつ有機物が多く堆積していることが示され、結果として得られたところであります。また、腐敗の程度を示します硫化物の量でございますけれども、硫化物につきましては必ずしも高いものではなかったということでございます。したがいまして、底質については粒子が細かい、かつ有機物が含まれている、しかし腐敗したような状態、いわばヘドロ化したような状態には至っていないというふうに考えております。 ただ、この調査は二月二十三、二十四という冬季の調査でございます。この調査の取りまとめに当たりましては、緊急補足調査の検討委員会におきましても、これから夏場に向けまして貧酸素水塊の発生等が懸念されるということで、夏場の調査も必要であるというふうにされております。十三年度におきましては、関係省庁が共同して有明海の海域環境に関する総合的な調査を実施することとしております。その中で底質についてもさらに調査検討してまいりたいというふうに考えております。
○福本潤一君 底質も含めて、具体的にはゴカイがすんでいるような割合の高い調査地点、それが多く選ばれているという話まで私も聞かせていただいておりますけれども、底生生物の状況を環境省にお伺いして、農水省がおられたら、事前のアセスメントをどの程度していたのか聞きたいところでございますが、環境省からは底生生物の状況をお伺いします。
○政府参考人(石原一郎君) 緊急補足調査におきましての底生生物についての調査結果でございます。 底生生物につきましては、一つはどういう種類のものであるかという種類数、それから個体数、それからトータルとしての重量等を指標として調査を行っております。その結果、底生生物の個体総数そのものが少ない地点が見受けられたと。それとまた、種類もどちらかといえばいろんな底生生物があるわけですが、エビとかカニとか甲殻類、それからゴカイ等の環形動物とあるわけですが、泥質を好みますゴカイ等の環形動物の割合が高い地点が多く見受けられたということでございます。 底生生物の個体数につきましては、この緊急補足調査の検討委員会での評価の際、三十年ほど前に有明海で行われた過去の調査結果と比べますと、全体的に個体数が減少しているという指摘があったところでございます。そういう意味では、個体数が全体的に減少し、かつポイントによってはゴカイ等の環形動物の割合が高い調査地点が多く見られたということであろうかと考えております。
○福本潤一君 底質の状況と底生生物の状況を含めて第三者委員会を行われて、これ一つの議論の結果、委員長が現状認識としてさまざまな決断をする状況が生まれたということですが、そういう第三者委員会の現状認識に対して環境省としてはどういうふうに考えておられるか。 どうしてもテレビや何かでも、特に韓国、朝鮮半島の中でこういう干拓、またさらにはもう一つのあの河口堰、たくさんあちらの国はやっておられますから先例はいっぱいあった段階での日本の事業ではなかったかなというふうに思いますので、大臣に、環境省はどういうふうにこの第三者委員会からの結果を受けとめられているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境省で有明について緊急補足調査を農水省と連携をしてやらせていただきまして、その結果を三月二十七日の第三回の第三者委員会に御報告を申し上げました。 それで、第三者委員会の提言では、この結果も踏まえていただいて提言があったわけですけれども、その中で、現状についてはノリの不作の直接の要因としては、珪藻プランクトンが大発生をして、その素因としては有明海の富栄養化があり、それから、本来二枚貝等の底生生物が珪藻の増殖には防止効果、抑制効果があるにもかかわらずそれが働かなかったという可能性、そのことが関係している可能性があるというお話と、それから有明海の環境は悪化していると、非常にはしょって申し上げればそういうことがあったわけでございます。 環境省としてはこの認識を踏まえまして、今大事なのはその原因の究明をすることでございますから、それを初めとして適切に対応をいたしていきたいと思っております。
○福本潤一君 そういう環境省の具体的な環境問題に対する影響力、今後どういうふうになっていくか、またリーダーシップをとれるかというのを見守っていきたいと思いますけれども、こういう先ほどの地球温暖化に関して、環境省から例えば通産省に対する対応、さらにこういうノリの不作の問題に関して、例えば環境省から農水省に対しての働きかけ、こういったものは、環境アセスメントという言葉もありますが、事前にある程度やって具体的な対応をしていくような方向で今後持っていけるものなのかどうか。 環境庁が環境省になって二十一世紀がスタート、新しい環の国の会議もやっておられますし、環境省としての使命というのは大変大きくなっていると。省庁を越えての対応もまたリーダーシップも出てくることを期待しながら、どういうふうに具体的にそういう対他省庁にまたがるような問題、働きかけをしていかれるかということも含めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) いろいろ申し上げたいことはあるんですけれども、環境省に環境庁からしていただいたということに関しては、やはり環境行政が大事だということについての国民の皆様の期待があるというふうに私ども全員思っておりまして、その責任は強く感じております。温暖化の問題にしてもそれから干潟の問題にいたしましても有明の問題にいたしましても、今こういった問題について関係の省庁とは十分に連携の上、それでその連携をして作業をしていく過程では環境省としては意見も申し上げてやっているつもりでございます。なおさらにやるべきことはたくさんあるというふうに思っております。 幸い、環境省になりましたときに権限という意味でも強化をしていただきましたので、そういった機会を活用しつつ、環境委員会の諸委員の方々にも御協力、御指導をいただきまして、必要なことをやっていきたいというふうに思っております。 有明海の環境の保全という意味で有明海を豊かな海にしていくということは今後非常に大事なことでございますので、そういったことのために何が必要であり何が有効であるかということを環境省としても考えまして、関係の省庁に働きかけて環境の保全ということでは考えていきたいと思っております。
○福本潤一君 そういう意味では、四月二十六日ぐらいには新しい内閣ができ上がりつつあるんだろうと思いますけれども、そういう一つの新しい省庁の意気込みもまた次の環境大臣にも受け継いでいただくぐらいの意気込みで、あとわずかな日々ではございますが、取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○岩佐恵美君 最初に地球温暖化の問題について伺いたいと思います。 午前中からこの問題についての質疑がずっと続いておりますので、ダブる点もあると思います。その点は御容赦をいただきたいと思います。 先進国の温室効果ガス削減目標を取り決めた京都議定書からの離脱を表明したアメリカのブッシュ政権の態度、これはみずから署名した取り決めを支持しないという国際的な信義に背くものです。 政府・与党訪米団の荒木外務副大臣は、議定書に署名したのに政権がかわったからといって不支持を表明するのは国際法の精神に反すると抗議したと報道されております。熊谷政務官はそのとき同席をされておられたと思いますけれども、アメリカのその問いに対する反応、そしてその回答はどうだったのでしょうか。
○大臣政務官(熊谷市雄君) お尋ねの点でありますが、荒木副大臣が国際法の精神に反するものだということで指摘をされたわけでありますが、その内容については省かせていただいて、それに対してアメリカがどのような反応を示したかというお尋ねでありますので、この点に絞ってお答えをさせていただきます。 米側からは地球温暖化に関して、米国経済というものを傷つけていくんだということ、あるいは途上国に義務を課さないいかなる国際約束も支持しないんだというそういう意味のこと、それから、上院で決議された、先ほども別の質問の方に申し上げたわけでありますが、その議会の決議というのは非常に重いものであって、大統領府が署名したからといって議会の承認を得られるものではないというそういう趣旨の発言がございました。
○岩佐恵美君 先ほどからの議論にもありましたけれども、アメリカのホイットマン環境保護庁長官は、京都議定書を実行することに関心はない、京都議定書は死んだと発言していると報道されているわけですけれども、そうするとアメリカはその京都議定書を流すつもりじゃないか、こう言われているし、本当にこういう発言があるということであるならば、アメリカのそういう意思というのは強固だなというふうに思うんですけれども、その点改めて政務官の御感想を伺いたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) アメリカにおいてもこの気象変動という問題、これは極めて重要だというそういう認識を持っている一方、京都議定書に対しては支持しないというそういう姿勢をとっているわけでありますが、他方、アメリカは現在のこの気象変動政策について現在閣僚レベルで検討中である、作業中であるということをおっしゃっておられます。そして、この検討の結果については、我が国を含めて、友好国とも必ず協議をいたしますということも表明をしております。 いずれにしろ、我が国としては、世界の二酸化炭素の四分の一を排出する最大の排出国アメリカでありますから、アメリカが京都議定書の重要性というものをできるだけ認識をされてCOP6の再開会合の成功に向けて前向きに今後取り組んでいく、現段階としては日本はそういう方向、方針の中で積極的にリーダーシップを発揮していくべきじゃないか、こんなふうに考えているところでございます。
○岩佐恵美君 アメリカが、途上国の参加がなく不平等、不公平とか、アメリカの経済に悪影響を与えるなどということを離脱の理由としているわけですけれども、改めて大臣に、この主張についてどう考えておられるか伺いたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 今回の訪米の問題とは直接関係がございますので、私からお答えをさせていただきたいと思いますが、途上国が参加しないということを理由に挙げるということに対する反論をどうしたかということを申し上げたいと思いますが、これはアメリカ経済というものに影響を与えていくというのは、これはアメリカだけじゃなくて、いずれの国も同じようなコストの負担というものを伴っていくものであって、日本は日本なりに今懸命の努力をしながら取り組んでおりますということも申し上げました。これは地球全体の観点から、この分野で世界をリードしていくというのがアメリカでありますから、こういう考え方にぜひ立っていただきたいということ。 それから、途上国の参加については、先ほど来からも何回もお答えをしておりますが、既にCOP1ということで合意をされて、これをスタートにして今日まで積み上げをしてまいったわけでありますから、とりあえずまず二酸化炭素というものを多く排出している先進国がこの実行に踏み切って垂範を示して、第二のステージから途上国に参加をしていただくというのが、実効性というものを追求していくという京都議定書の精神というものからしてこれは当然な考え方であるので、そういう区分けをすべきじゃないかということも申し上げました。 それから、中国なりインドといった国が京都議定書において排出削減の対象になっていないのを不公平だと、不公平ということを向こうからおっしゃっておられましたから、この不公平論からすると、それでは途上国も先進国も一緒に入り口に入りましょうというふうになってくると、今まで二酸化炭素を排出しておった先進国、これと一緒に我々が入り口に入るということそのこと自体が不公平じゃないかという反論が途上国からも来ることになるわけでありますから、このように区分けをしていくべきであるということと、既にアメリカは前のブッシュ元大統領ですかね、のときに気候変動枠組み条約というものを締結なさったわけでありますから、当然このことに、お父さんの意思を継いでブッシュ政権もこれに従ってくるというのが当然じゃないかと、こういうことまで申し上げながら反論をしてまいりました。
○岩佐恵美君 問題は、そのアメリカが新たな提案をしてきた場合、日本政府としてどう対応するかということです。 先ほど、ラーション・スウェーデン環境大臣を初めとするEUの代表と野党の代表との懇談が持たれましたけれども、ラーション環境大臣は、代替案そのものが本当にできるのかと、議定書そのものを非常に苦労してつくったものなんだということを言っておられました。私も本当にそうだと思うんです。 ですから、どういう代替案が出てくるかわかりませんけれども、もう既に議論済みというようなそういうものが新たにまた持ち込まれるということになった場合に、日本がそれにもう振り回される、政治的な駆け引きに振り回されて結局苦労してしまうというようなことになることを非常に恐れるんです。 ですから、そうではなくて、京都議定書の枠組み変更には応じない、そのことを私は明白にしておく必要があるというふうに思うのですけれども、大臣、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 四月四日にアンブレラの諸国で電話会談をいたしました。そこにはアメリカから国務省の高官も出ていたわけでございます。それで、その席上でアンブレラのアメリカ以外の国の環境大臣は、全員で京都議定書が交渉のベースであるということで一致したわけでございます。 ということでございますので、私どもは、京都議定書が今後の交渉のベースだというふうに思っております。日本として、二〇〇二年までの発効を可能にするように、今後の交渉に全力で取り組んでいくという方針に全く変わりはないということでございます。
○岩佐恵美君 先ほどからアメリカを説得されるということを言っておられるわけですけれども、いつまで説得を続けるのかという問題があるかと思います。アメリカがあくまで京都議定書に反対する、そういう場合に、日本としてある段階でもう日本は京都議定書の批准をしますよということを言わなければならない、そういう事態になるかもしれないと思います。 先ほど、そのラーション環境大臣が言っておられたのは、一握りの国によって二百の国々の動きが握られるということは許されないんだ、もう一日も早く京都議定書は、非常に苦労に苦労を重ねてとにかくつくり上げたものだし、そしてそれが発効するということが地球の環境、今地球温暖化でさまざまな影響が言われている、そのことを防いでいく大変大切な取り組みなんだと、これを本当に大事にしていかなければいけないということを言われていましたけれども、私も、みんなもそういう思いでいると思うんです。 だから、その際に、やっぱり日本がある段階で日本としてアメリカがどうあろうとやらなければいけないという、そういう決断をしていかなきゃいけないと思うんですが、そういうことを想定した場合、一体どういう段階になるのかということについて伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 批准をしていくことのためには二つの条件が必要でございます。一つは、その合意が国際的に京都議定書の運用ルールについてできているということでございます。それからもう一つは、国内でその合意に基づいて実行していく制度が構築されているということでございます。その二つを目指して、現在一生懸命に取り組んでいるところでございまして、この取り組みの努力は今後とも続けていく、当然のことながら一生懸命に努力をしていくということでございます。
○岩佐恵美君 アメリカと日本が批准しなければ、京都議定書の発効というのは事実上不可能になるわけですね。京都会議の議長国である日本としてアメリカに議定書を守らせるよう強く働きかける、これはもう当たり前のことなんですけれども、たとえアメリカが嫌だと言っても、京都議定書の発効を批准するんですよというしっかりした姿勢を示していくということがとても私は今大切なんじゃないか。それは何もアメリカを突き放せということを言っているのではなくて、日本はもちろん最後までいろいろ説得をしていくということは大事だと思いますけれども、先ほどから話にあるように、アメリカの態度というのは非常にかたいわけですね。そういう中ですから、日本が振り回されない、アメリカのそういう駆け引きに振り回されないできちっとしていくということが必要だというふうに思います。 ですから、既に附属書Ⅰに入っているルーマニアを初め、世界で三十三カ国が京都議定書を批准しているというふうに言われます。率先して批准するというそういう方針を明らかにしながら、議定書の交渉のリーダーシップ、これをぜひ発揮していっていただきたいというふうに期待をしたいと思います。そう期待をして、次の諫早の有明の問題に移りたいと思います。 前回、三月二十二日の委員会で、有明海の速い潮流が海底や水の環境保全に大きな役割を果たしている、このことを指摘しました。また、流速の変化による環境への影響の重要性も指摘をいたしました。その後、二十七日に、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会、いわゆる第三者委員会の第三回会合が開かれ、委員長のまとめや有明海異変の原因解明と有明海再生に向けた調査研究の提言などが出されました。 委員長のまとめでは、有明海全体についての現状認識として、「明らかに有明海の環境は悪化している」、「潮汐等海洋の流動にも変化が見られる」と述べています。調査研究の提言は潮流の変化についてどう述べているでしょうか。農水省。
○政府参考人(川本省自君) 第三者委員会の提言では、潮流の変化につきましては、 関係漁業者の実感や今回行われた水産庁や関係県による緊急調査結果でも、局地的な流向の変化や全体的な流速の低下が示唆され、これが海水の流動の低下と底質の悪化につながったとの懸念がある。潮流が変化する背景には、広域的な海流の変化に対応した潮位の変化、海底地形や海岸地形の変化があると考えられている。しかしながら、熊本大学の滝川教授らのグループが行った二次元のシミュレーションでは、諫早湾干拓や熊本新港建設の前後で、海域全体の流れには殆ど変化が見られない結果となっている。今後、三次元での流れの実態把握やシミュレーションを進めるとともに、生物の観点からは、局所的な流れの変化が種の再生産や分布にどのように影響するかを把握する必要がある。 というふうに記載されているところでございます。
○岩佐恵美君 提言は、潮流の変化の背景として、海底地形や海岸地形の変化があると考えられる、こう述べています。 海底地形の変化については、炭坑跡の陥没、諫早干拓の潮受け堤防建設のための海底土砂のしゅんせつがあります。このしゅんせつについてですが、筋状に行われて、深さ十メーター前後の海底に東西方向に延びる深さ四メーターくらいの溝が平行して無数にできているということです。 農水省は潮流の方向に合わせて溝を掘ったので潮流を阻害しないと考えているようですけれども、専門家は、潮流の方向に沿って掘ったとしても、水深十メーター程度の場所で四メーターも掘ると潮流が遅くなることが考えられるし、海底と表層の海水がまざりにくくなるだろう、そう指摘をしています。海流と溝の方向がいつもぴったり一致しているとは考えにくいのです。溝状に掘っても潮流に何の影響もないということを言い切れるのでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) この潮受け堤防の採砂地として諫早湾の湾口部に近いところでの砂の採取を行ったのは先生の御指摘のとおりでございます。また、その工法につきましても、いわゆる潮の流れにできるだけ逆らわないようにというようなことを考えまして、潮の流れと平行に溝状に掘っていったということも事実でございます。その水深につきましても、余り深く掘らないようにということで、四、五メーターに抑えたということも我々も努力をしたところでございます。 それが潮流の変化を起こすかどうかというようなことでございますけれども、諫早湾の湾内、それから湾口部、その後ずっとモニタリングという形で調査も行っておりますけれども、その結果では今のところ余り明確な変化は見られないというような結果を出しております。 いずれにいたしましても、諫早湾、それから有明海全体の潮流の変化についても、必要に応じてその第三者委員会の場で御議論されると思います。それに必要な資料は提供していきたいというふうに思っております。
○岩佐恵美君 私は、洗濯板の深いものですよね、そういうものが海底にできている場合と真っ平らな場合とでは、おのずから潮流が変わってくるだろうというふうに思うんですね。その点については、しっかりとやって、検証をしていくべきだというふうに思います。 さらに、第三者委員会の提言は潮位の変化にも言及しています。有明海の速い潮流は、潮の干満による潮位の差が五メーターと非常に大きいためだと言われます。有明海の潮位差が大きい理由は、有明海の広さや形で決まる固有振動が大きく関係しているという研究報告があります。それによりますと、有明海の海水の固有振動の周期は約十二時間で、月の動きで決まる潮汐振動、この半日周期とほぼ一致しているということだそうです。そのために、二つの振動が共鳴して、そして有明海の奥に行くほど潮位差が著しく増大するということになっていると言われます。 これに関して、日本海洋学会海洋環境問題委員会は、海面の面積を狭める開発が進むほど有明海の固有振動は短くなる、そして潮汐振動とのいわゆる共振状態、ともに共鳴していく、そういう共振状態から外れて、干満による潮位の差が減少すると指摘をしています。 有明海は、既に一九八〇年以降、熊本港の開発、それによる沿岸埋め立て、筑後川の河口堰の建設、雲仙普賢岳噴火による土石流の流入などで狭められています。潮位差が減少傾向にあると言われます。海洋学会は、これまでの開発に有明海の面積の二・一%に当たる三十五・五平方キロメートルの諫早湾締め切りが加わることによって、干満差が徐々に減少する段階から急激に減少する段階に入った可能性が考えられると、重大なそういう指摘をしています。 海洋学会のもし指摘どおりだとすると、今後、海の面積を減らすというような開発をやめていかないと、さらに潮位差が減って流速の低下を招いて、有明海の環境を悪化させるということになると思います。有明海の環境を回復させるためには、今後、新たな開発について、これはもうやめなきゃいけないし、また今まで失われた海面、この復活も必要になるというふうに思います。 こうした指摘について私は十分調査研究し、解明をすべきだというふうに思いますけれども、環境省、いかがでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 有明海の海域環境につきましては、まだまだこれから今後の解明、調査にまつところが大変多いものがございます。 先ほどお話がございました潮位等につきましても、第三者委員会におきまして、まだ十分な知見が得られてないけれども、潮汐等海洋流動にも変化が見られるというふうにされております。第三者委員会におきましては、有明海のこの海域環境につきまして、時間的、空間的に広範囲にわたる情報を収集し、総合的な解析が必要であるというふうに提言しております。 それと、今後の調査研究の進め方という形での提言の中におきまして、まず現況把握について、外海水の流入等の自然的インパクト、それからいろんな公共施設の建設、それから各種産業活動等の人為的インパクトも含めた形での分析調査が必要であるというふうに提言しております。この提言を受けまして、十三年度から関係省庁共同で有明海の海域環境調査を実施することにしておりますけれども、その中におきまして潮汐、潮位あるいは人為的インパクトを含めた調査検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 第三者委員会の調査研究についての提言では、底質の悪化についてダムの影響も指摘をしています。どういう内容でしょうか。簡単に御説明ください。
○政府参考人(川本省自君) 第三者委員会が取りまとめました有明海の変異の原因解明と有明海再生に向けました調査研究についての提言におきましては、有明海変異に至る原因仮説のうち、底質悪化の原因としましては、都市化の進展等に伴う陸域からの栄養物質の負荷の増大、ダム等による河川からの砂等の比較的大型の粒子の流入の減少、潮流の変化などが想定されるということが挙げられておるところでございまして、このうち陸域からの負荷の増加につきましては、沿岸部の都市化の進行によるものだけじゃなく、最近のクリークの整備によりまして、大雨による出水時にはクリーク中の有機的な堆積物がより流入しやすくなっているという指摘もあるということや……
○岩佐恵美君 聞いていることだけで結構です。ダムのことだけ聞いているんですから。時間ないんですから。
○政府参考人(川本省自君) はい、わかりました。 それから、ダムの構築によりまして、砂やれきなどの比較的大きな粒子がそこでトラップされてしまい、微細な粒子のみが供給されたことが底質の泥化につながったとの見方もあるというふうに示されておるところでございます。
○岩佐恵美君 最後のところだけで結構でした。あれこれ言われるとわけがわからなくなってしまうんですね。 そうだとすると、今八代海の漁協が川辺川ダム建設による八代海への影響調査を求めて、それまで工事の着工を行わないよう国土交通省に求めているわけですが、その心配は私は危惧ではないというふうに思うんですね。 有明海の環境調査に当たって、ダム建設による影響、これもきちんと調査をすべきだというふうに思いますが、環境省、いかがですか。
○政府参考人(石原一郎君) 有明海の環境の変化につきましての要因につきましてはさまざまのことが言われております。第三者委員会の先ほどの水産庁からの御説明にもありましたように、いろんな要因あるいは底質の悪化の要因として言われているところでございます。 十三年度におきまして関係省庁が共同して有明海の海域環境調査を実施することとしております。その中におきまして、先ほど申し上げましたように、人為的インパクトだけでなく、いろんな公共施設の建設、各種産業活動も含めた人為的インパクトも含めた形での分析調査が必要であるというふうに言われております。このため、十三年度からの関係各省が共同する有明海の海域環境調査の中で適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 流速低下が海底の状況に大きな影響があるということは前回も指摘しましたけれども、諫早湾の潮受け堤防外側の底質の状況、これはどう変化をしているでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) 諫早湾湾内の底質の調査につきましては、この潮受け堤防の締め切り以降も湾内とそれから湾口部の九カ所で継続して調査を行っております。 その結果によりますと、湾内については、湾の奥の方ですね、諫早湾の奥の方で全窒素それからCODのように若干増加傾向が見られる項目もございます。また、強熱減量それから硫化物、そういう項目については明確な増加または減少傾向がうかがわれるものではないということで、おおむね横ばい傾向というふうに、そういう結果になっております。また、いわゆる有明海側の湾口部につきましては、おおむね横ばいか若干低くなるような傾向の調査結果となっております。
○岩佐恵美君 第三回の第三者委員会に提出された農水省の資料を丹念に見ますと、諫早湾の潮受け堤防外の底質、これは五カ所の調査地点ですが、その平均で、硫化物、COD、トータル窒素、トータル燐のいずれも締め切り前よりも増加傾向にあるんですね。締め切り後、明らかに変化をしているんです。 日本自然保護協会がことし三月九日から十一日に諫早湾の底の状態を音響測定しています。それによりますと、調整池の中は、北部排水門付近は泥の堆積は少ないが、中央部から南部水門にかけては二十から六十センチの堆積となっている。潮受け堤防の外は調整池よりも軟泥、やわらかい泥の堆積が大きい。幅二百メートルの排水門があって、調整池からの排水の流速が早い北部の排水門付近、ここでは泥の堆積は少ない。流速が落ちてくる潮受け堤防沖合で五十センチから一メートルと厚く堆積をしている。一方、幅が五十メーターと狭い南部の排水門の近くですが、そこでは、潮受け堤防の近くで堆積が厚くて、湾口に向かうにつれて少なくなっている。 明らかに潮受け堤防と調整池からの排水、これが諫早湾の底質に影響を与えているということになるのではないでしょうか。その点、環境省はどうお考えでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 農林水産省が実施しております環境モニタリングの中におきまして、諫早湾内では流速の低下が認められる、また底質についても一部地点で粒径が小さくなるという傾向が認められるというふうに報告されているところでございます。 ただ、有明海の海域環境そのものにつきまして緊急補足調査の結果との関係について見ますと、潮流と諫早湾の環境との関係について必ずしも知見が得られているわけではありませんけれども、環境省の緊急補足調査の結果でも、諫早湾の底質の粒子が細かく有機物が多い、あるいは底生生物の少ない地点も見られたというような状況でございます。
○岩佐恵美君 自然保護協会の分析によりますと、潮受け堤防の外の底泥、底の泥に含まれている珪藻の遺骸は淡水性のものではなくて、海水性のものがほとんどだといいます。このことについて自然保護協会は、湾内の流速が低下したために湾外から運ばれたものが湾内に堆積している可能性があると指摘をしています。しかも、潮受け堤防外側の底の泥は、深さ一、二センチ掘ると、もう黒くて異臭がして、酸素がなくなって硫化物が相当含まれていると推測をされています。 長良川河口堰でも、堰の外側にヘドロの堆積が指摘をされていますけれども、仕切りをつくったことが底質の悪化を促進している、このことは明らかなのではないでしょうか。環境省、いかがですか。
○政府参考人(石原一郎君) 潮受け堤防と底質等の堆積の関係になるわけですが、事業のモニタリングの中での調査ということになるわけですけれども、潮流なり底の堆積等の関係についての明確な知見は得られていないというふうに考えております。 今後、その因果関係も含めての海域環境全体の調査の中での潮流なり底質の変化、それから底泥の状況、底生動物という観点での調査を今後進めてまいりたいというふうには考えております。
○岩佐恵美君 自然保護協会は、調査の結果から、潮受け堤防の内外で底泥の堆積あるいは有機汚泥の現状は大きな違いはない、水門開放で海底の底質がさらに悪化することはないと指摘をしています。さらに、水門の開放で底泥、底の泥の舞い上がりによって一時的に水質が悪化する可能性もあるけれども、底泥の舞い上げは海底への酸素の供給をふやすと。有機物の分解を促進するので、長期的には諫早湾内の環境を改善するというふうに指摘しています。水門開放は、調査のためだけではなくて、長期的な諫早湾内の環境回復も視野に入れた議論を行うべきであるという提言をしていますけれども、私はこれは傾聴に値する御意見だというふうに思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 諫早干拓地の排水門の取り扱いについてはいろいろな御意見が出ております。その一つとして、今先生おっしゃられました日本自然保護協会も、ことしの三月二十六日に意見書を出して、農林水産大臣や環境大臣、また先ほど来出てきております第三者委員会にも出しておられます。 こういう問題というのは、科学技術的調査というのはなかなか難しいもので、実は私もこういう関係のことはいろいろやってきた技術屋なものですから特にそういう意識が強いんですが、こちらから見る意見とまた別の意見とかいろいろございます。したがって、そういういろいろな意見をやはり取りまとめているところとして、今一番しっかりしていると言うと語弊がございますけれども、取りまとめとして第三者委員会というところがございまして、日本自然保護協会も第三者委員会に意見を述べておりますので、そしてそこでそういうものが集約されてまとめて出ております。そのことを中心に御説明して、今先生のおっしゃられた諫早湾干拓地の排水門の取り扱いについての答えとさせていただきたいと思います。 ここでは、諫早湾干拓地の排水門の取り扱いについては、科学的立場から、排水門を開門することによって何がわかり、開門しなければ何がわからないかという観点から対応することが必要であるという基本的な考えを述べておられます。そして、この排水門の問題については、第三者委員会では、現地調査は、ノリ不作が生じた環境ができるだけ変化しない条件で行う必要があることから、まず閉めたままで十分な調査を行う必要があること、二番目として、現状把握を行うことに関連して、堤防外の環境に悪影響を与える可能性のある工事は凍結することが望ましいこと、三として、将来、現状との比較のため、また干拓地の機能を知るために排水門を開門する必要が生ずると思われるが、排水門をあけることによって被害を生ずるようなことがあってはならないので、開門前に環境影響評価を行うとともに、環境対策を十分に施すことが必要であることとされております。 環境省といたしましては、この提言を踏まえて適切に対応をすることが必要であるというふうに考えております。
○岩佐恵美君 諫早干拓より規模の大きい始華干拓、テレビでも紹介されましたが、堤防内の水質悪化が進み、水門を開放したら四年で水質が改善して、周辺の干潟も復活して生物が戻ってきた、漁も生き返ったということです。 日本でも、実は岩手県の陸前高田市の川原川の河口近くにある古川沼、一九六三年、随分古い時代ですが、そのときに河口に防潮水門をつくって、海水の遡上をとめてしまった。そうしたら水質が非常に悪化をして、悪臭がひどく大問題になったそうです。そこで水門を改築して、九八年十月から常時開放することにしたそうです。 私は、昨年の夏に現地に行きました。すると、水はきれいになっていました。開放前はCODが十ないし三十ミリグラムとひどかったけれども、海水が入るようになってから五ミリグラム以下に改善して、そして試験放流したシジミも生き残り、ウナギとりも始まったということだそうです。この古川沼はすぐ海岸につながって、つながるというか砂丘を経て海岸につながるわけですけれども、その砂丘というのは本当にすばらしいところで、白砂青松と言いますけれども、松が一本もと言っていいぐらい松枯れがない。そしてずっと、一キロ以上だと思いますけれども、ちょっとそれは忘れましたが、とにかく延々と松林が続く本当にすばらしいところでした。そこも締め切ってそういう事態になって、大急ぎでみんなで相談をしながら回復をしていったということなんです。 ですから、私は、豊かな有明海を回復させるために、こうした経験もあるわけですから、古川沼は大変小さいのですけれども、それにしてもその潮受け堤防の内外の諫早湾全体に海水を循環させる、そして干潟をできるだけ早く回復させる、そういう方向でぜひ御努力をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 平成十三年度から海域環境の改善方策の方向性も含めまして総合的な調査検討を行うということになっております。 有明海につきましては、豊かな海に戻していくということが必要だと私どもも思っておりまして、こういった調査あるいは第三者委員会の検討の結果も含めまして、あるいはそういう状況も含めまして、有明海の環境の保全にどういうことが必要なのか、何をすれば有効なのかといった点についての検討はしてまいりたいと思っております。
○岩佐恵美君 前回の質問で、諫早湾干拓事業についての農水省の環境アセスメントが、諫早干拓による干潟の浄化力喪失の影響を評価していない、このことを指摘しましたが、環境省は、当時の手続や知見に照らせば適切に実施されたものと理解しているというふうに答えられました。 ですけれども、一九九三年には農水省自身が、水産庁の東海水産研究所、現在の中央研究所ですが、そこが中心になって、愛知県三河湾北西部の一色干潟で干潟の浄化機能に関する研究を始めているんですね。一九九二年の変更計画アセスの段階ではまだ研究結果が出てはいなかったとしても、干潟の浄化能力に着目しての研究だったと思いますから、干潟をつぶせば浄化力に影響がある、このことは十分予想されてしかるべきだったと思います。 潮受け堤防が締め切られてから諫早湾に私は行きましたけれども、干拓化されたところには見渡す限りハイガイの死骸が累々とありました。マガキの死骸もたくさんあって、案内してくれた山下さんは、こんなに私も貝がたくさんすんでいるとは思いもかけなかった、特にカキがすごく多いので驚いたということを言っておられたのが私の印象に残っております。 これは先ほど岡崎委員が指摘されたように、一平米当たり三十個、三千三百ヘクタールで一億個。海水のろ過は有明海全体の海水の一・五%に当たるという研究者の報告がありますし、マガキについても一平米当たり数千個もいたということです。本当にすごい浄化力、それが失われてしまったということなんです。 干潟による海水の浄化力については、先ほどから議論になっている一色干潟の研究はあるんですけれども、一色干潟は砂干潟なんですね。ガタ干潟での浄化力の定量的な研究はまだ進んでいません。私は、早急にこのガタ干潟の調査をして研究をする、そして今後の埋立事業のアセスメントに生かすべきだというふうに思いますけれども、その点、農水省、環境省、簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(川本省自君) 今回の第三者委員会から提言されました有明海の変異の原因解明と有明海再生に向けました調査研究の重点事項に干潟の浄化能力が挙げられていることから、今後この調査の一環といたしまして、有明海のガタ干潟の浄化能力についても調査する方向で考えていく所存でございます。
○政府参考人(石原一郎君) 干潟につきましては、先生御指摘のとおり、水質浄化など、それから水鳥の生息の場といった関係で環境保全上重要な機能を果たしていると認識しております。 この干潟の機能につきましては、今回の有明のノリ不作問題に関連して、本年度から関係省庁が共同して実施いたします有明海の海域環境の調査の中におきまして、先ほど水産庁の方から説明がございましたように、干潟の機能の評価それから保全についても検討することとしておるところでございます。その調査の中で適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 今年度は、農水省の国営土地改良事業等再評価実施要領によって諫早湾干拓事業の再評価、いわゆる時のアセスが行われます。そもそも、政府の時のアセスは、ギロチンと言われた潮受け堤防の締め切りを契機に、むだな公共事業に対する国民の批判が一気に高まった、そのために政府が九八年度から導入したものです。いわば諫早干拓が再評価制度創設の発端であって、その真価が問われていると思います。 再評価は、現在の時点で、事業の必要性、妥当性を検証して、事業をこれまでどおり進めるべきかどうかということを判断するものでなければならないと思います。当然、事業目的が現在でも本当に必要なものであるかどうかを改めて問い直すことが必要です。 例えば、営農計画ではバレイショなどの野菜生産を想定していますが、十アール当たり七十四万円の土地代負担で入植する農家がどれだけあるか疑問視されています。入植者の負担軽減なども検討されているということですけれども、入植者の負担は一体どのくらいになるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) 入植者のいわゆる農地の配分価格、これにつきましては、事業が完了いたしまして、いわゆる事業費の確定がなされた段階で正確なものがわかるという形になろうかと思います。 ただ、先ほど先生おっしゃいましたように、一応七十数万ぐらいというような形の目安で現在説明をしているところでございます。
○岩佐恵美君 じゃ、入植者に対してどれだけの負担軽減があるか、そんなこともわからないということになると、営農計画の見通しが立たないわけですね。それで本当にしっかりした評価ができるんだろうか。 諫早干潟緊急救済本部あるいは世界自然保護基金日本委員会などは、市民による諫早干拓時のアセスを発表しました。営農計画、防災計画、環境問題、費用対効果など、農水省の事業計画を全面的に分析をして、再評価のやり方、これを改善するよう求めています。 重要な問題点の一つは、費用対効果の評価が極めて恣意的であるということなんです。事業の効果は極めて過大に算定している。例えば、防災効果については、諫早干拓をやらないと、四十九キロメートルある既設の海岸堤防の七割、約三千戸の住宅のすべてが全壊するという想定だと。それを新しくつくり直す費用を全額諫早干拓の効果に算入する。一方、費用については直接的な事業費だけで、干潟喪失で失われる水質浄化機能については全く算定をしていない。これはもう先ほどから議論があるところです。 農水省が一色干潟で行った調査結果で計算すれば、諫早湾に、諫早の事業に当てはめれば二千六百億円に相当するということで、それだけで諫早干拓の総事業費を超えてしまいます。市民版時のアセスでは、これらを適正に是正して評価し直せば、費用対効果比率はわずか〇・三だと算定をしています。全くお話にならない事業だということになります。しかも、今も問題になっているタイラギとかノリとかの漁業被害というのは対象外になっているんですね。ですから、今行おうとしている環境調査の費用も計算に入っていない。一体、費用対効果をどういうふうに見ていくのか、これはもう非常に重要なことになってくるわけです。 さっきから指摘されている、諫早湾が消失したことによって国際的な渡り鳥への影響など、もうお金で換算できない問題もあります。ですから、こうした問題すべてをちゃんと考えた上で農水省の再評価が行われていかなければならないのではないかというふうに思います。 現状のままの再評価のあり方、そういうもので本当にいいと思われるかどうか、大臣に最後にお伺いしたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 諫早湾の干拓事業についての事業評価については、これは五年ごとにやる形のもので、現在農林省の方でやっているんですが、環境という側面については、今先生おっしゃられた諫早湾干拓事業の公有水面埋立法に基づく承認に際して、長崎知事が承認する際意見を求めてきましたので、環境省から、今回行われた環境影響評価の予測結果に関してレビューを行い必要に応じて対策を講じることとの意見を示し、現在農林水産省においてこの作業が進められているところであり、環境省としてはこのレビューの結果について十分検討した上で、農林水産省等と連携して必要な対策の検討実施を行っていく所存でございます。 先生、今実施されているレビューの対象項目等についての干潟などの入れ方というようなことがあるのだと思いますが、ある程度そういう干潟等についての機能的なものについては、水質あるいは陸生生物、水生生物など、水質あるいは今お話の出た渡り鳥等への影響についてもレビューが実施されることになっておりますので、これらの成果を踏まえて農林水産省と必要な対策を検討していきたいというふうに思っております。
○清水澄子君 午前中から、アメリカの京都議定書への不支持についてのさまざまな質問または答弁を伺っていて、大体、大方の認識が明らかになったと思いますけれども、やはり日本政府は現時点ではアメリカに対して議定書への参加を働きかける、これはもう外交上、私は当然だと思います。 しかし、それを本当に、アメリカは議定書を批准しないというこの態度はかたいというのは、代表団の皆さんもおっしゃっているように、それからEUの代表の方もおっしゃっているように、大方の見方ですよね。そういうときに、最終的に日本はどうするのかという、やっぱりそういうかたい、主体的な日本自身の決意といいますか、今回のこの問題については日本の役割というのは本当に大きな意味を持つと思いますので、その点は本当に私はきちんと伺っておきたいと思うんです。これはもう何回も皆さんが伺っているんですが、そのことをぜひ私は明確にしていただきたい。 そういう中で、アメリカのブッシュ大統領のねらいというのは、やはり一つの交渉戦術でもあると思うんですが、現在EUとやり合っておりますけれども、それはアメリカの陣営に引きずり込みやすい日本をどう抱き込んでいくかというようにも思われるわけです。アメリカの対日交渉で一貫しているのは、いつも我が国の行政が縦割りであって、各個撃破することが非常にやりやすい国であるということをよく知っております。 ですから、この間もアメリカ大使館に行きましたときにも、臨時大使は日本の中もいろいろ意見は一致していないでしょうということを言いましたけれども、相手は日本を見抜いていると思うんです。記者会見でも、京都議定書を実行できる国はないということを言っておりますし、そして代替案を出すと言い切っているわけですね。そしてまた、EUはもとより、京都議定書で六%削減義務を負った日本が果たしてそれを実行できるのかどうかという点についても、アメリカは日本に対して疑問視をしています。実際、ハーグの会議でも、日米は自国内での削減目標は困難であると言ってきましたし、国際取引などを広く活用したいと主張して、そしてEUは東欧を巻き込んで大EU圏での削減余地はあるとして厳しい削減を主張した経緯があると思うわけです。 そこで、私は、ここで主張したいし意見を伺いたいのは、そういう背景があり、現実があるわけですが、まず我が国自身がこの議定書の批准に向けて国内対策をどのように具体化していくのか、早急に六%削減が可能であるということをやっぱり示していくことが必要だと思います。 先般、環境省は、現在の削減対策では六%達成は困難との報告を出しています。原子力発電所の設置計画というのも、当時の温暖化大綱の計画どおりはいかないというのは、もうこれは明らかになっております。一方、フロンガスの回収が適切に行われていけば相当の削減効果があるというNGOの報告がありますし、また、廃棄物の焼却に偏っている現状からリターナブル中心のリサイクル活用に重点を置いても、このごみですね、廃棄物焼却によるCO2排出削減に相当効果があるという考え方もあるわけです。 ですから、現状を固定化しないで、そして国際取引と森林吸収源に頼ることをアメリカ以外の国からも理解がそれは得られないと思いますので、私はやはり政府全体として早急に国内対策を具体化する、点検すべきだと思いますが、その点、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃいますように、国内的な温暖化防止に対して取り組んでいくための制度を構築するということは非常に大事なことだと思っております。 それで、環境省といたしましては、中央環境審議会に二つの小委員会を設けまして、京都議定書の目標達成を可能にするような国内措置というのは何かということの議論を今いただいているところでございます。それぞれの小委員会が夏を目途に報告を地球環境部会に行う予定でございまして、その後、国際交渉での京都議定書での運用ルールについての合意を踏まえまして、さらに議論を進めて最終報告をことしじゅうに地球環境部会に行うという予定にいたしております。 それで、先ほど削減目標は困難であるということをハーグで言ったというお話がございましたけれども、それは何かの事実がありましたでしょうか。私が記憶している範囲では私はそういうことを申したつもりはございませんし、むしろ日本が過去において積み重ねてきた努力、それから今後それをやっていこうという意図、可能性については関係の国の御理解をいただいたというのが私の認識でございます。 それからもう一点、吸収源それから排出量取引について、アメリカ以外の国の理解が得られないというふうにおっしゃられましたけれども、それも全く事実とは異なっておりまして、吸収源及び排出量取引を含むいわゆる京都メカニズムと言われるものは京都議定書の非常に重要な構成要素でございまして、これについては京都議定書に賛同しこれを交渉のベースとしている国々、すなわちほとんどの国でございますけれども、の賛成を得てこれが京都議定書の中に位置づけられているということでございます。
○清水澄子君 自国内のそういう削減目標は困難であると発言していないということが事実であれば、私はそのことを実行していただきたいと思います。これはマスメディアで見たことなんですけれども、ぜひそれは、そういうことは言っていないということであれば私の方は安心ができます。 〔委員長退席、理事岩佐恵美君着席〕 そこで、アメリカは、今回の場合も非常にアメリカ経済へのダメージになるということを主張しているわけですね。それで、産業への影響が出る削減はできないと言っているわけですが、きょうのEUの代表の皆さんたちと意見交換をしました際も、むしろ新しい技術を発展させていけるんだという意味でも、やはりそういう経済への影響というものを調和させながらいくのであって、一方的にアメリカが言うように経済がマイナスになるというようなことではないということを言って提起されておりました。 最近、OECDが四月五日に、今後、例えば新しい技術とかそれから新しいエネルギーをつくり出していく、そういう中で石炭や石油などへの炭素税といいますか、それから化学物質への課税を実施したり、または土壌汚染とかそういうものを防止していくために、化学肥料でそういうものを使っていくというそういう農業などに補助金を少なくしていくとか、そういうふうな政策でもって排出量を大幅に削減できる、そういう意味では国内総生産への影響というのはほとんどないという報告書を出しています。ですから、経済への影響は全くないというのは難しいと思いますけれども、しかしその影響をどういろんな政策で少なくしていくかという意味で私はこのアメリカの主張は根拠が薄いと思われます。 私は、ぜひ環境省、日本においてもこのOECDの報告書は真剣に検討をすべきではないかと思いますが、その点、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) OECDの環境アウトルックの記述については私も承知はいたしております。これによりますと、炭素税の導入などの政策パッケージを導入することによって二〇二〇年におけるOECD諸国のCO2の排出量を一五%削減することができる、その一方で経済への影響はGDPの損失一%弱にとどまるという予測であるそうです。 これ以上のちょっと詳細は承知をいたしておりませんけれども、いずれにしても、炭素税等の経済的な手法は市場メカニズムを前提としているということでございまして、経済合理性に従って各主体が行動して、それによって政策目的を達成するという考え方でございまして、有効性というのは期待をされているというふうに私は認識をいたしております。 中央環境審議会においては、国内政策、国内対策の構築が非常に重要だということで、ただいま二つの小委員会で御議論をいただいているということでございますので、この審議結果も踏まえまして、国内で京都議定書の目標を達成することが可能になるような国内制度の構築を考えていきたいと思っております。
○清水澄子君 この議定書のアメリカとの問題については、やはり非常に、日本がどういう態度をとるかということが本当に世界の温暖化を防止することに決定的な役割を持つわけですから、そういう中で私は余りにもアメリカ寄りではだめだと思います。 そして特に、先ほど申し上げたように、アメリカは我が国の足並みの乱れを私は見透かしていると思うんですけれども、かつてのCOP3の議長をしておられた大木議員が、これは新聞なんですけれども、そこでは明確に、アメリカ抜きでも最終的にはこの議定書の発効を進めていく姿勢が必要だということを述べておられますし、そして一方、EUは日本とロシアが組めばアメリカ抜きでの条約発効は可能だという試算も提示をしています。もちろん私はそれを先に出して全面的に対決していったらいいということを最初から申し上げているわけではありませんけれども、やはり非常に私は、アメリカが姿勢を変えないとき、そして日本が決断を迫られたとき、そのときの態度と姿勢というのはやはりこれは明確にしておく必要があるわけで、大木議員のこの姿勢は非常に基本的に正しい姿勢だと思います。 政府としてもこれを基本に据えて、今後、EUやその他のやはり積極的に温暖化を防止していくという推進的なそういう国々との連携に臨んでいただきたい、このように考えますが、いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) まず、大木議員の御発言については、私は事実関係を承知いたしておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。 それから、米国が政策を変えるべきであるというお話がございましたけれども、この京都議定書、あるいは気候温暖化をどうやって防止していくかということを考えますときに、京都議定書、これは国際社会が十年にわたって積み重ねてきたものであるわけでして、それへの不支持ということ、支持しないということを言ったということは返す返すも残念でして、非常に問題があると私は思っていますが、そういう意味では、京都議定書に戻って議論をするように働きかけるということが必要なわけで、これは日本だけではなくほかの国々も共同してやるべき話だというふうに思っております。 ただ、ここでもう一つだけ申し上げておきたいのは、どういうことでこの事態が生じたのかということでいいますと、ハーグの段階ではほとんど合意に近かったという事実があるわけでございまして、最後の段階でこの合意しかかった案を拒否したのは実はEUであるわけでございまして、このEUがこのときこういう行動をとらなかったらこういう問題は恐らく生じていなかったであろうということでございますから、政策を変えるべきなのはアメリカだけではありませんで、すべての国がもっと柔軟にこの問題に対応していくためのことを考えるべきである。 特に、EUはこういった京都議定書に含まれているメカニズムについての規制をしていこうという発想を変えて、もっと柔軟に、京都議定書が当初予想されていた形で動くことが可能であるようにすべきであるというふうにも考えております。 考えるべきことというのは、その環境十全性といいますか、地球温暖化防止のために本当に何が必要なのか、国際社会としてどういう政策が必要なのか、どういう枠組みが必要なのかということでございまして、こういうことから考えますと、世界全体で温暖化ガスの排出量が二五%になろうとしている国がこの枠組みの外で、排出の抑制の枠組みに加わらないということは大変に問題であるわけでございまして、またその波及を考えると大変に問題なわけでございます。 したがいまして、日本として今考えるべきは、ほかの国と連携をしてアメリカにこの枠組みに戻ってもらうように働きかけるということがまず大事であるというふうに思っております。
○清水澄子君 時間がないのでいろいろ聞けないんですけれども、ハーグでは、国際取引に制限を課すかどうか、それから森林の吸収能力をどこまで認めるかで日米グループとEUが対立したんだと思います。それが決裂に至った。そのことはEU側に問題があるんだということを先ほどから何回もお話をしておられるわけです。 それでは、今度十九日からニューヨークに行きたいと、私は行ってこられた方がいいと思いますけれども、そこでは何を環境大臣は提案なさるおつもりでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 会議の議題、進め方についてはまだ決まっておりません。したがいまして、そういった進め方について状況が見えてきた段階で、日本政府としてどういう対処方針で臨むかということを関係省庁と相談して考えたいと思っております。
○清水澄子君 もうこれだけの問題になっているわけですから、日本はどういう姿勢で臨むというところは、それは段階ごとに決めなければならないんですけれども、やっぱり国民にはオープンにする、議会ではオープンにしていただきたいと思います。私たちは、積極的な面にはもうほとんど、幾ら野党といえども一体になってこれは進めていかなきゃならないと思っておりますから。いつもここでお聞きしても、何かわからない、先送りで、結論がわからないこの委員会というのは、私は非常に不思議な日本の委員会だと思っているんです。きょうは大臣だけではお答えになれないのかもしれないですけれども、その点、明確にお願いしたいと思います。 次に、有明海の問題に入りたいんですけれども、ここで第三者委員会が、委員長のまとめを読みますと、大変に有明海の環境は変化しているということがるる書かれてありますね。しかも、大変な環境の変化だと言い切っているわけです。重大なこれは指摘ですけれども、農水省はこの指摘をどう受けとめているのか。 そして、この諫早湾の干拓事業のアセスの際には、潮受け堤防外の潮流も水質も底質も海生生物も、すべての調査の結果からは問題がないと言い切っておられたわけですね。これは農水省九州農政局のアセスですけれども、このように個別事業のアセスでは有明海には影響がないとの報告が繰り返されてきた。そして、今回は有明海全体について環境は明らかに悪化しているというのは大変矛盾の多い報告書ですし、それから非常に無責任な報告書だと思います。 今回の委員会は、この変化を複合的な要因とは言いながらも、諫早湾干拓事業がその一つになっている可能性を指摘しているわけです。それですから、あれだけの干拓事業面積と長大な潮受け堤防を建設して何らの影響がないと言い切れた農水省の感覚です。ですから、私はここでアセス書の評価に対する責任というのはだれがとるのでしょうかということを農水省と環境大臣にお答えいただきたい。 〔理事岩佐恵美君退席、委員長着席〕
○政府参考人(佐藤準君) この諫早湾干拓事業の環境影響評価におきましては、ノリも含めまして、いわゆる養殖業への影響について潮位ですとか潮流、それから水質等の変化の予測を通じてその予測評価を行ったところでございます。 その予測の結果といたしましては、排水門のいわゆる前面海域、それから潮受け堤防前面海域、こういうところでは潮流速の変化による多少の影響が考えられるということ。それから一方、湾の外の他の有明海、ノリ漁場も含めました有明海については、潮流速等の変化がほとんど見られないであろうということから、ノリの生育や生産などに影響を及ぼすことはないという予測をしたところでございます。 今回の有明海のノリの不作の原因につきましては、第三者委員会の提言に沿った総合的な有明海海域環境調査をこれから実施するということでございますので、その結果を待ちたいというふうに思っております。
○国務大臣(川口順子君) 有明海のことにつきましては、環境省といたしましては、諫早湾干拓事業について実施されました環境影響評価の後、公有水面埋立法に基づく承認に当たって環境省が意見を出させていただいたわけでして、この当初の予測結果を点検しまして、必要に応じて対策を講ずるために現在農林水産省において環境監視が行われているということでございますし、当時の予測結果についてのレビューが行われているところでございます。 この有明海の問題、それから諫早湾の干拓事業の問題につきましては、第三者委員会の御指摘で「時空間的にできるだけ広い範囲について、得られる情報はすべて収集し、総合的な解析を行う必要がある。」というふうにされておりますので、環境省としても必要な情報の収集、提供に努力をしていきたいというふうに思っております。 それから、農林水産省におけるレビューにつきましては、この結果が出ましたところで十分に検討をいたしまして、必要な対策の検討実施は行っていきたいと環境省としては考えております。
○清水澄子君 質問は、このアセス書の評価に対する責任はだれがとるのですかと伺ったのであって、現在の進行状況を伺ったわけではないんです。 だから、そのことをもう一度、バックグラウンドの評価とか、それから生態系全般の評価項目がなかったとか、スコーピング手続も導入されていなかったなど、やはりアセス手続上の問題はあります。しかし、手続的に例えば合法であっても、結果についての責任があると思うわけです。影響はないという報告だったわけですから、影響があったとしたらアセス書の責任はだれがとるんでしょうかということをもう一度私は伺いたいんです。これ副大臣、答えてください、環境省の副大臣。
○副大臣(沓掛哲男君) 確かに、このアセスメント、今で言うアセスメント的なものは、これは農政局がつくり、それに対して長崎県知事が承認する、そしてその際において環境省大臣がいろいろ意見を言うということで、環境省大臣は、今お話のあったように、その後においてもレビューをすることを指示しておりますし、そのことが適正に農政局にも伝えられているわけです。 しかし、こういう水域の中で、ああいう潮受け堤をつくり、それがどういうふうになっていくかということの調査研究というのは、それはいろいろな要因が重なって、例えば温度の問題も出てくるでしょうし、あるいは雨が降るのがどうであるとか、その他いろんな要因がたくさん出てきているので、当時としてはできる限りの知見、そういうものをもとに私は調査したんだというふうに思いますが、その後における非常に多くの要因によって、結果的に現在においてもこれがどこがどうなのかということがなかなか今これだけの調査、今までのデータを踏まえながらやっていても、なかなかすっきりした形では出にくい。そういう状況を考えると、今から十数年前にやったアセスではなかなかそこまでできなかったのではないかなというふうに思います。 したがって、どこに責任があるというよりも、その知見、予見がなかった。もう少しこれからのアセスというのは、そういううまくいかなかったことを踏まえて、そして今後はそういうことができるだけ、できるだけじゃなくて、ないようにしていく、そういうことが私たちにとって大変大事なことだというふうに思っております。
○清水澄子君 反省はいいんですけれども、やはりいつも日本の行政というのは責任をとらない行政なんですよね。つい言い逃れして、すぐ次行っちゃうんですけれども。 これは私やっぱりアセスの法律自体にも問題があると思いますね。アセスの実施主体と評価主体が同じだという構造的欠陥があると思います。実施主体はいつも事業者ということになっていて、評価は別のやっぱり機関がやらないと、こういうふうに同じところが評価、実施主体と評価を同じところでやっているというところに私はこのアセス法自体にも問題点があると思っています。私、このことを指摘しておきたいと思います。 そこで、もう時間がなくなってきているんですが、一つは、この農水省に設置されたいわゆる第三者委員会の役割というのは一体何なのか。これがずっと水門をあけることということも発言をしているんですけれども、水門をあけるかどうかは、これはこういう委員会が判断することでしょうか。これは行政判断の問題であって、むしろこれこそ農水大臣みずからが判断しなければならない。それをこの委員会にゆだねているということは、委員会をまるでそれの隠れみのにしているように思われてならないわけです。 ですから、こういうことまでも委員会の任務にするというのは問題ではないか。むしろこの第三者委員会は、「有明海異変の原因解明と有明海再生に向けた調査・研究について」となっているわけですから、やはりその視点で、環境変化の視点から調査をすべきである。とするならば、なぜ農水省なのか、国土交通省なのかという、一緒にやるというのはいいんですが、じゃ、そこのリーダーシップはどこがというとやっぱり環境省が中心になるべきだと思いますが、その点の考え方と、この調査の予算というんですか、どこが出したどういう予算になっているか、御説明をいただきたいと思います。これは環境大臣とそれから農水になりますか、お願いします。
○政府参考人(川本省自君) 本委員会の、有明海におきますノリ不作などの状況の把握、それから原因究明に係ります調査及び研究計画の樹立、それからその適切な実施に関する助言指導、それから調査研究成果の評価、ノリ不作などに係ります提言、その他必要な事項の検討ということを行うこととされておるところでございまして、なお、この委員会の中で、原因究明の調査及び研究計画に関連する事項といたしまして、調査のために諫早湾干拓潮受け堤防の排水門を開閉することもあわせて検討をしていただくというところでございます。 農林省としましては、この委員会の結果を可能な限り最大限尊重いたしまして、今後の政策に十分反映させていく所存でございます。 それから、調査の目的、内容、予算の概要でございますが、この調査につきましては、本年の三月二十七日に開催されました第三者委員会の提言に即しまして、本年度から、有明海における海洋環境の変化が生物生産に及ぼす影響の解明を目的といたしまして、有明海の生産力、それから環境変動過程の把握と変動要因の解明、漁業生産変動過程の解明と対策技術の開発に関します調査を水産庁、大学、関係県により総合的に実施することとしております。 また、有明海の海域環境の改善方策の方向性を検討することを目的といたしまして、さきに述べました調査とデータの相互の提供を図りながら、有明海の海域環境の現状把握、それから海象メカニズムの分析、解析に関する調査を農林水産省、国土交通省、環境省、経済産業省との協力のもとに、国土総合開発事業調整費の活用によりまして実施をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(川口順子君) 有明海で何が起こっているのかということを現在徹底的に予断を持たずに調べるということが大事でございまして、そういった大きな原因究明は関係の省庁が連携して当たるということが非常に重要でございます。その中で、環境省といたしましては、環境の保全という立場から、底生生物ですとか水質ですとか生物の現状、底質といったような問題の現状の的確な把握ということがその分担となっていることでございまして、それをさらに解析をし評価をするということで、原因究明の政府全体挙げての徹底的な調査の一部として関係省庁と連携をしていくということでございます。 その上で、有明海を豊かな海にしていくということのために、その調査を踏まえて、あるいは第三者委員会での検討の状況を踏まえて、何が今必要で何が有効かということについては、環境省として、ほかの省庁と連携して考えていきたいと思っております。
○清水澄子君 終わります。
○中村敦夫君 諫早湾の水門開放に関しまして、農林水産省にまず二つ質問します。 一つ目は、三月二十二日、農林水産省は諫早干拓事業の水門をあけて調整池からの排水拡散状況調査を実施し、約四十万トンが調整池から排水されたと。このときの様子を三月二十三日の朝日新聞は写真つきで次のように報じています。 「午後二時に北部排水門が開くと、水門の外側が泡立ち、調整池と同じ茶色の水が青い海にジワジワと広がった。約十分で沖合約五百メートルにあるオレンジ色の防止フェンスに達し、その外側まで茶色く染まった。」と。 この汚水が外に出される映像や写真は非常にショッキングなもので、だから、水門をあけるなという長崎県の主張というのは一瞬もっともなことのように思われるわけですね。しかしまた、同じ新聞の記事の中にこういうふうにも書いてあるわけですよ。「調整池は一カ月に約二十回の割合で水門を開けて、海へ排水している。」と。つまり、同じ光景が潮受け堤防の完成以後、日常的にあるわけなんですね。 今ちょっと、マスコミの報道の仕方にもよるんですけれども、一般の人々が多分誤解しているところがあると思うんですね。ずっと水門は閉められたままで、それをあける、あるいはあけるなという論争があるかのごとく誤解があるわけですが、実際はこれだけ頻繁にあいて水は出ているわけですね。そうなりますと、問題は量なんですよね、どんどんあいているわけですから。 潮受け堤防が運用を開始して以来、排水総量というのはどのぐらいだったんでしょうか、それから一日の排水量平均というのは大体どのぐらいなんでしょうか、そしてどうやって排水しているのか、状況を簡単に説明してください。
○政府参考人(佐藤準君) 潮受け堤防の排水門からの排水は、いわゆる調整池内の水が流域から集まってくる、それに応じて必要に応じ排水をいたしております。 これはまさに委員おっしゃるとおりでございまして、ただ外水が小潮のときなどには逆に海の方が高いというようなことで数日間出せないようなときもございます。そういうときを除きまして、ほぼ毎日この調整池の外に排水を行っております。具体的には、調整池の水位をいわゆる標高マイナス一メーターというような水位に保つということでございますので、その周辺の河川からの流入によって調整池水位がマイナス一メーターより高くなった分を干潮時、いわゆる潮が引いているときに排水門をあけて排水をしているというような状況でございます。 今、その排水量はどれぐらいかという御質問でございますけれども、閉め切り以降という総量はちょっと押さえておりませんけれども、例えば平成十二年の一年間の操作で足し上げますと、約一年間で三億立方メーターぐらいの排水量という形になっております。それからまた、一日当たりの排水量ということにつきましては、そのときの降雨の状況等にもよりますけれども、平均して二十万から五十万立方メーター程度の排水を行っているというような状況にございます。
○中村敦夫君 次に、現在では調整池の水質に関する所管というのは農水省になっているわけですね。ですから、環境省が定める水質環境基準の適用対象にはなっていないということになっています。しかし、報道写真を見ても調整池の水質が悪化しているということは十分にわかるわけです。 そこで、環境省が定める水質環境基準の中で最も緩い基準適用ケースというのは工業地帯近辺、ここをはかるときですね。潮受け堤防開門調査直前の調整池の水質にこの一番緩い基準というのを当てはめたとしても大きく基準を上回ってしまうんではないかと推察されますが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤準君) 調整池の水質につきましては、閉め切り以降、ずっと継続して調査を行っております。 季節ですとか降雨、こういうような影響で多少変動はございますけれども、例えばCOD、化学的酸素要求量、これにつきましては一リットル当たり六ミリグラム前後、それから全窒素につきましては一リットル当たり一・五ミリグラム前後、それから全燐につきましては一リットル当たり〇・二ミリグラム前後で推移しているところでございます。これのいわゆる負荷源というような形になりますけれども、これは本明川等の流域からの河川の流入水質と非常に似通っておりますというか反映しておりまして、基本的には流入河川の水質を反映した結果というふうに考えております。 また、今委員御指摘のいわゆる水質の類型区分との関係でございますが、いわゆる生活環境の保全に関します湖沼の環境基準、これから見ますと、CODにつきましては、その一番緩いC類型というのがございますけれども、C類型の基準を一応満足しているレベルでございます。それから全窒素及び全燐、これにつきましては、Ⅴ類型というのが一番緩い基準になっておりますけれども、これよりも上回っているというような状況でございます。
○中村敦夫君 今度は、諫早湾の漁業被害について水産庁の方にお伺いします。 三月二十六日付の日本経済新聞の夕刊に長崎県が、「もっと知ってもらいたい諫早湾干拓事業。」という全面広告を出したわけですね。この広告の中で、水門をあけるとどのような問題があるかを説明しているわけです。多くは防災について述べられているわけですが、漁業被害についての言及もあります。「諫早湾は干満の差が大きいことから、潮の出入りにより速い流れが発生して諫早湾漁場に悪影響を及ぼします。」というふうになっているんですね。 諫早湾漁場というのは、小長井漁協、瑞穂漁協、神代漁協、土黒漁協の四漁協があると聞いておりますけれども、諫早湾漁場のこれらの漁協について、漁獲高、種類などの概要を簡単に説明してほしいんです。
○政府参考人(川本省自君) 長崎県から聞き取りいたしました最近五カ年間の諫早湾周辺の先ほどおっしゃいました関係四漁協の合計漁獲高でございますが、平成七年の千四百十トンから減少を続けまして、平成十一年には七百三十七トンというふうになっておるところでございます。漁業種類は主には採貝と刺し網でございまして、対象の魚種はアサリ、グチ、スズキ等が対象でございます。 なお、最近の漁獲量の減少はアサリの漁獲量の減少が大きく影響しているというふうに聞いております。
○中村敦夫君 アサリなんかの育て方とかとり方についてはかなり問題がありますので、後ほどこの件に関しては詳細について資料を提出していただきたいと思います。 続いて、長崎県は、水門をあけた場合諫早湾漁場に悪影響が出ると、こう断言しているんですけれども、水産庁はどのような影響が出ると想定しているんでしょうか。
○政府参考人(川本省自君) 諫早湾の潮受け堤防の排水門をあけることにつきましては第三者委員会で議論をされておるところでございまして、三月二十七日の第三者委員会の取りまとめでは、「排水門を開ける際に考慮すべきこと」といたしまして、「排水門付近には速い流速が生じることになるが、それにより底泥の巻き上げ・浮遊や洗掘が起こるとともに、海水中のSSが増加して生態系や漁業に悪影響を及ぼすことが懸念されるので、その対策を施す必要がある。特に、底面を覆う軟泥層は低流速でも容易に巻き上げられるので、あらかじめ除去しておく必要がある。」というふうにされておりまして、水産庁といたしましても、専門家の意見を集約した結果として第三者委員会からこの提言をいただいたものでございまして、この内容を尊重すべきものというふうに考えておるところでございます。
○中村敦夫君 これも実際は毎日のようにあけているわけですからね、よくこの議論がわからないところですけれども。 次の質問は、諫早湾漁場で漁をする漁協に対する水産庁や長崎県などから出る補助金についての概要を説明してほしいんです。
○政府参考人(川本省自君) 諫早湾の漁場に対します種苗放流やそれから漁場整備の事業につきましては、近年、水産庁からの補助事業は行われておりませんが、現在、長崎県におきましては、諫早湾水産振興対策といたしまして、県及び関係漁協、関係町で構成いたします諫早湾水産振興対策会議という、この協議に基づきまして各種の事業を実施しているというふうに聞いておるところでございます。
○中村敦夫君 この詳細についても具体的な質問がありますので、後ほど提出していただくようお願いします。 次に、農水省にお聞きします。 この諫早湾漁場の漁民たちは今でも漁業への夢を絶ったわけではないわけなんです。それで、多くの漁民は堤防の外側にこのままでも新しい干潟ができるというような、そういう想像を持っている人たちがいるんですけれども、そういうことは可能なんですか。
○政府参考人(佐藤準君) 干潟を人工的にといいますか、つくっていくというような行為でございます。これにつきましてはなかなか難しい面がございまして、必ずしも技術的に確立したものはございません。ないと思っております。 ただ、この諫早湾干拓事業の一環として、いわゆる周辺の小さいものでございますけれども、そういうような試みをしようということで干潟を試験的に造成するように取り組んでいるというところは周辺でございます。
○中村敦夫君 じゃ、潮受け堤防の外に自然発生的に干潟ができるというような可能性はゼロですね。
○政府参考人(佐藤準君) その可能性がゼロかどうか、有明海全体がだんだんと干潟化していくということでございますので、自然にそういうことが、全く可能性がないかということについてはちょっと私もゼロというふうには断定できないと思いますけれども、ただ、例えば水深が深いようなところが干潟になるというようなためには相当な時間がかかるだろうというふうに、年月がかかるだろうというふうに思っております。
○中村敦夫君 同じく農水省に質問をしますけれども、これは諫早湾干拓事業の再評価について、特に費用対効果の問題なんですが。 土地改良法の定めによりますと、事業の費用対効果は一以上じゃなきゃいけないというふうになっていますね。諫早湾干拓事業がスタートした一九八六年、このときは総事業費が千三百五十億円ということで、費用対効果は一・〇三ということになっていますね。ですから、これは一以上という目的で発表されているわけです。 ところが、一九九九年になりますと、さらに工期の延長六年というものと、総事業費二千四百九十億円まで増額するということになっているんですよね。これはもう倍に近いような費用に膨れ上がっていると。しかし、驚いたことに、このときの発表では費用対効果が一・〇一となっているんです。これはもうほとんどお笑いのような話なわけです。倍近く費用がかかっているのに費用対効果が余り変わらない。一・〇三から一・〇一ということはちょっと信じられない話です。しかも、同じものをつくるわけですから、金がいっぱいかかれば効果はそんなにあるわけはないんです。そうなると、やはりこういう発表の仕方というのは、効果を水増ししている、そういうトリックの計算上でしか成立しないということがあるわけです。 ここで、皆さんにお渡ししました「諫早干拓「時のアセス」」という資料がございますけれども、それからこれに関連した雑誌記事のコピーをお渡ししたわけですけれども、この資料は専門家とNGOが改めて計算した結果を報告しているわけです。そうしますと、費用対効果は〇・三になってしまうということをかなり信頼できるデータを並べて述べているわけです。そうすると、農水省が言っている話とは全然これ違うわけです。状況から見たって、どうしたってこっちの方が正しいというふうに考えるのが当たり前なんですが。 この民間の報告書について農水省はどういうふうに考えているのか、お答えいただきたい。
○政府参考人(佐藤準君) 今の、委員御提示いただきました「時のアセス」についてでございますけれども、これは私まだつぶさに承知はしておりません。この雑誌といいますかはちょっと読まさせていただいて、その内容を把握したところでございまして、これにつきましては、今後よく読まさせていただいて、また参考にできるものがあればさせていただきたいというふうに思っております。 ただ、今委員お話しになりましたいわゆる計画変更の費用対効果でございますけれども、これにつきましても、平成十一年度に計画変更を行ったときに、経済的妥当性、それから技術的可能性等、もう一度検証を行っております。 例えば、作物生産効果などもございますけれども、これにつきましては長崎県の諫早湾干拓営農構想検討委員会というようなところでの検討内容を踏まえた営農計画に基づいておりますし、また災害防止効果、これにつきましては、背後低平地における資産の賦存量、それから評価額の変動、こういうようなものを見直した結果となっております。 そういう意味で、この変更計画につきましても事業の経済的妥当性は確保されているというふうに考えております。
○中村敦夫君 それを信じる人はもう一〇〇%いないと思います。これは明らかに、要するに仕方がないからつくり上げたペーパー上の操作であって、こんなことを続けていくと、農水省というのはそういう詐欺まがいのことばっかりやっているのかというふうな非難がもう高まっていくと思うんです。 川辺川の利水訴訟についても、同意者の署名を集めたのはいいけれども、死んだ人の署名までどんどん集まっていたというようなことが事実として裁判でも出てきているわけでしょう。そんなことばっかりやるんじゃ、一体この農水省というのはどういう集団なんだということになる。公式発言を幾らやったってだれも信じなくなるということがあります。 ですから、この費用対効果の発表というのはおかしいですよ。ですから、これはもう一度この資料を参考にして、どういうふうにそれを整合させるのかということを検討して発表してもらいたいんです。そのことをお願いします。 次の質問は、再評価委員会の情報公開に関しての質問ですが、今年度は諫早干拓事業について農水省による再評価が行われるわけです。この再評価委員会というのは、これまでは一切公開されてこなかったということがあります。一方、このたび行われている有明海調査検討第三者委員会というのは、議事録を出すだけじゃなくて、一般傍聴も認める。非常に公開性が高い、評価も高いやり方で続いています。 やはり、諫早湾干拓事業の再評価に際しても、再評価委員会においてこれと同レベルかそれ以上の公開をすべきであると私は考えているんですけれども、やる気はありませんか。
○政府参考人(佐藤準君) 再評価に当たりましては、それぞれの農政局にその検討結果を審議するといいますか、意見を述べる第三者委員会というのを設けております。 この審議はこれまで非公開と、委員の自由な意見を忌憚なく述べていただくというような意味から非公開で行われてきております。ただ、その委員会終了後に資料として議事内容などを公開いたしまして、そして透明性を確保するように努めてきたところでございます。 今、委員が御指摘があった点も踏まえまして、第三者委員会の各委員の承認をこれから得た上で、できるものがあれば透明性の確保というようなものに努めてまいりたいというふうに思っております。
○中村敦夫君 つまり、隠そう隠そうとする姿勢というのが見えるとやはりこういう再評価委員会の価値というものも評価されないようになりますから、ぜひ情報公開型のやり方に変えていただきたい。 もう一つ、規定によりますと、農水省の事業再評価では関係団体の意向を聞かなければならないということになっています。しかし、ここで言う関係団体というのは地元の自治体のことなんです。 諫早干拓事業の再評価の場合でも、福岡、佐賀、熊本の漁連は含まれていないというふうに政府の答弁にもあるわけですけれども、しかし有明海ノリ不作問題が起きたこの大変な現状では、やはり漁業者の意向も諫早湾干拓事業の再評価に反映させるべきだというふうに考えております。この福岡、佐賀、熊本の三漁連も関係団体として意見聴取すべきだというふうに思いますが、どう考えているでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) 国営土地改良事業の再評価でございますけれども、いわゆる事業そのものが相当長くかかるということで、その効率的な執行なり透明性を確保するというようなことから必要に応じてその再評価を行う、必要によってというのは五年に一度再評価を行うというような規定になっております。 この再評価の際の意見を聴取すべき関係団体の範囲ということでございますけれども、これにつきましては、いわゆる土地改良法において国営土地改良事業の事業計画の決定ないしは変更、この際に農林水産大臣が直接または間接的に協議をしなければならない相手方というようなものを勘案して、その意見を聞く者というふうに運用をしているところでございます。 具体的に、この諫早湾干拓事業の再評価における関係団体というものにつきましては、事業計画の決定及び変更の際に協議を行っております長崎県とそれから諫早市、森山町、それから高来町、吾妻町、愛野町ということでございまして、これにつきましてはこの事業計画を決定しているときに協議を行った者というような形に限っているところでございます。 したがいまして、有明海沿岸各県やそれから漁業協同組合、こういうようなものについてはその意見聴取の対象とはしていないというふうに運用させていただいております。
○中村敦夫君 ですから、対象になっていないんですけれども、事業そのものが広範囲な非常に悲惨な影響を与えていると思われているような状況では、できるだけ多くの関係団体に枠を広げて正確なデータを収集してやるというのがこれは筋だと思うんです。 ですから、決まっているからもうだめだというのでは物事はもう全く進展しないということがあり、これを機会にやはり福岡、佐賀、熊本の三漁連も入れて意見を聞くということをぜひ検討していただきたいと強い要請をして、質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十五分散会