環境委員会 第5号
- 発言数
- 297 件
- 登壇者
- 36 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2001/03/27
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十三日、松崎俊久さんが委員を辞任され、その補欠として藤井俊男さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に清水澄子さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に内閣府沖縄振興局長安達俊雄さん、防衛施設庁長官伊藤康成さん、外務省総合外交政策局国際社会協力部長高須幸雄さん、外務省経済協力局長西田恒夫さん、財務省主計局次長津田廣喜さん、文部科学大臣官房審議官上原哲さん、文部科学大臣官房文教施設部技術参事官小田島章さん、厚生労働省健康局長篠崎英夫さん、厚生労働省医薬局長宮島彰さん、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平さん、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏さん、農林水産省生産局畜産部長永村武美さん、農林水産省農村振興局次長佐藤準さん、農林水産省農村振興局計画部長百足芳徳さん、農林水産技術会議事務局研究総務官岩元睦夫さん、林野庁次長加藤鐵夫さん、水産庁次長川本省自さん、経済産業大臣官房審議官古田肇さん、経済産業省製造産業局次長小平信因さん、国土交通省河川局長竹村公太郎さん、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好さん、環境省総合環境政策局長中川雅治さん、環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん、環境省環境管理局長松本省藏さん、環境省環境管理局水環境部長石原一郎さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。 環境大臣に、あるいは関連の皆様方に、先日の環境行政に対する所信について何点かの御質問をさせていただきたいと存じます。 我が国が二十一世紀に環境省を発足させたということ、そしてこの世紀を環境の世紀にするんだという、環境問題に対して非常に積極的な姿勢をも示したわけでございまして、これはもう大変すばらしいことだというふうに思っております。初代環境大臣に就任された大臣からも大変積極的な所信を伺いまして、大変力強く思っているところでございます。 まず最初に、地球温暖化の問題について何点かお話を伺いたいと思っておりますけれども、人類史上画期的とも言えます京都議定書が採択された、そして三年たってCOP6が開かれたわけでございまして、この間、関係いたしました者にとりましては、この三年間、本当にCOP6に向けてみんなが努力をしたというふうに思っております。 しかし、残念ながらこのCOP6では合意が得られず、川口大臣が物すごく努力されたということは十分承知しておりますけれども、本当に残念な結果になったというふうに思っているところでございます。 しかし、それが終わりではなくて、中断ということで、七月に再開されるということでございますので、これはぜひ成功させて、そして私どもが求めております二〇〇二年までの京都議定書の発効、これを実行させなきゃいけないというふうに考えるところでございます。 ところで、このCOP6の後に開かれた国際的な会議といいますと、大臣が参加した会議といいますと、トリエステのG8の環境大臣会議だというふうに思っております。これは、七月のまたCOP6の再開会合に向けて非常に重要な会議であったかというふうに思っております。環境大臣が国会日程で参加できなかったこと、本当に残念でございましたけれども、沓掛副大臣が大変立派に大役を果たされたというふうに伺っているところでございます。参加されたメンバーを拝見いたしますと、去年、大津でお目にかかった方々でトリエステに来られた方は三人だけでございます。あとは皆さんかわっていらっしゃるかあるいはかわりにいらしているという感じでございます。 そこで、まず沓掛副大臣にお伺いしたいのですけれども、この会議を通しまして、地球温暖化問題に臨みます各国の大臣の熱意といいましょうか、そういう意気込み、どのように感じられたか。また、その中で、日本がこれから果たすべき役割、どんなふうに期待をされているか、どういうふうに感じられたか、そんなことからお伺いしたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 今月の初め、イタリアのトリエステで環境八大臣会合が行われました。 本来であれば川口大臣に出ていただいて、ぜひまたここで大きなリーダーシップを発揮していただきたかったところですが、今もおっしゃられたように、国会の関係で出席できず、私がかわって代理で務めさせていただきました。 この会議には、COP6の議長を務められましたオランダのプロンク環境大臣も出席され、各国から本当に活発な議論がなされました。最初のイタリアの議長の、いろいろな今までの経緯の中で、清水大臣が昨年大津で議長を務められた、そういうお話も、すばらしかったというお話等もございました。そういう中で、非常に活発にG8環境大臣会合の会議が進められたわけでございますが、本年七月のCOP6再開会合の成功に向けて各国からも力強い決意が示されました。私もまたそういうふうに話させていただきました。そして、そういう中で、G8諸国の政治的機運の高まりというものを強く感じました。 この会合の中で、今度新しくできたブッシュ政権がどういう対応をとるか、そういうことが非常な関心事でございましたので、アメリカのホイットマン環境保護庁長官の発言というのをみんな注目しておりましたが、ホイットマン大臣も、米国政府内において気候変動対策について現在検討作業中であるものの、COP6再開会合が重要であるという、そういう認識を強く示される発言がございました。各国ともそれを歓迎するという、そういう会議でございました。 これから我が国としてどういうふうに取り組んでいくかということでございますが、我が国としては、COP6再開会合の合意成立に向けましてプロンク議長のリーダーシップに期待するとともに、京都議定書の二〇〇二年までの発効が可能となるように、ことしの四月、ニューヨークで行われます国連持続可能な開発委員会や、あるいはまた五月に行われますOECD環境大臣会合など、ありとあらゆる機会を活用いたしまして交渉の推進に全力を挙げていきたいというふうに考えておりますので、また皆様方からもいろいろな面での御指導、御支援をお願い申し上げます。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。 日本がかなりこの分野で活躍してきたこと、また活躍が期待されているということであろうというふうに思っておりますけれども、G8の環境大臣会合のまとめでございますコミュニケを拝見いたしますと、今一年たった、大津でまとめたものに比べまして、もちろん後退はしていないけれども余り前進しているという感じでもないんですね。 大変この一年間、非常にいろんな面で進んだというふうに思っておりますのでちょっと残念かなという気もいたしますけれども、また国内でもCOP6が合意が得られなかったということから京都の議定書の六%削減はもはや絶望的ではないだろうかと、むしろ二〇一〇年なんていうよりも二一〇〇年くらいをといった長期的なスパンでこの地球温暖化対策を進めるべきじゃないかといったような声さえあるというふうに思います。 しかし、私はむしろこの地球温暖化対策というのは我が国の産業の国際競争力を高めることにも、そういういいチャンスでもございますし、また日本の経済再生にも大いに寄与するというふうにとらえるべきではないかと、前向きにとらえるべきではないかというふうに考えるわけでございます。 しかし、今お話もございましたように、アメリカの政権がかわってこれからの対応が非常に微妙なところになってきたと。そして、ブッシュ政権下での地球温暖化対策の見直し作業を始めたけれども、それが一体いつ終わるのかということもまだ余りはっきりしないというような中で作業だけは進んでいるというふうなことでございます。 そしてまたさらに、先日もここでも問題になりましたけれども、カリフォルニアの電力危機の発生もございまして、発電所からの排出規制対象にCO2を含めないというようなブッシュ大統領の方針といったようなこともあって、非常にこれEU内でも、日本からも非難を浴びるような状況になっている。 こういうことを考えますと、アメリカの態度、確かに最大のCO2排出国でもございますからアメリカが参加しなければ余り、京都議定書の発効に非常に問題あるということではございますけれども、しかし今の状況で一体日本がどういう形でアメリカとEUの間に、あるいは途上国と先進国の間でどういったような働きを、リーダーシップをとるのかといった問題がございますし、また仮にアメリカが非常に難しい状況であったとしても、日本としてはそれを押してでもまず京都議定書の発効に努力をすべきだというふうに私は考えるんですけれども、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 清水委員がおっしゃられましたように、アメリカは二五%弱という世界の中での排出量のシェアを持っております。非常に大きな排出国でございまして、そういう意味で、そのアメリカの参加が京都議定書の実施という観点からも、それからさらに広く温暖化問題への対応という意味からも非常に重要だというふうに考えております。 委員おっしゃられましたように、今ブッシュ政権が気候変動問題についてのレビューを、どういう政策をとったらいいかということについてのレビューをやっているということでございまして、これがいつ終わるかということについても私どももはっきりよくわからない状態ではございます。 アメリカの国務次官、この問題を対応する国務次官が指名はされたわけですけれども、その上院での承認というのは全くこれからでございますし、さらにその下の政治的に任命される人たちの任命もこれからという状況でございますので、その人たちがそろうということがアメリカ政府の政策のレビューを行うに当たっても重要なことではないかというふうに思っております。 それで、私どもといたしましては、ありとあらゆる機会をとらえてアメリカに働きかけていきたいというふうに思っております。清水前大臣を初めといたしまして、真鍋大臣、それから石井大臣、私の、大臣という意味では先輩の方々が環境委員会に大勢いらっしゃるわけで、その方々が気候温暖化問題に対応するために努力なさったその御足跡を極力大事にし、それをさらに極力前に進めるというのが私の役割だと思っておりますので、京都議定書を二〇〇二年までに発効させるということが可能なように国際交渉の面でもアメリカに働きかけるとともに、国内面でもその議定書を担保する国内制度の構築ということに向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
○清水嘉与子君 道のりは決して平たんではないと思いますけれども、ぜひ大臣のリーダーシップによりましてよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、ちょっと話題を変えるんですけれども、COP6のときに並行して子供の会議が開かれたということを聞いております。昨年、オランダのプロンク大臣にもお目にかかったときに、これはプロンク大臣が御発案だというふうに伺ったものですから伺いましたところ、二十一世紀を担う若者、その若者たちに環境問題により関心を持たせるために、若者自身にこういった問題を認識させる機会、こういう機会に参加させることは非常に意味があるんだというふうなことで、オランダではもうかなり前からこういった重要な会議には子供たちを連れていっているんだということで、今回もぜひ、COP6のときもぜひやりたいという御意思でございました。 日本では、日本の若者もこのたびは京都の高校生が二人参加したそうでございまして、大変活発に地球温暖化問題に対しまして議論が行われたということでございまして、私はとてもこれは有意義なことではないかというふうに考えるわけでございます。伺いますと、十二歳から十八歳までの若者六十五カ国百五十人集まったと、こう書いてあるわけでございますけれども、環境省はこの青少年の会議にどうかかわってこられたのでしょうか。また、この若者の会議の開催の成果、そしてまたその意義を大臣どんなふうにとらえていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 青少年のミーティングというのは私も非常にいいことだと思っております。これはこの温暖化の交渉の際に行われたわけでございますけれども、私の記憶ですと、その前にも同様な環境関係の国際会議でそういう試みが行われていて、問題の重要性の認識、あるいは将来の世代もこの問題の解決に向けて一緒に参加をしていく必要性ということを考えますと、非常に大事な、意味のある試みだというふうに私は思っております。 今回の、昨年のそのハーグにおきましては、これは京都議定書が京都でつくられたということでございまして、京都の高校生二名に行っていただきました。私は、京都の高校生二名が行く前にもお目にかかりまして、それからハーグでもこのお二人にお目にかかりまして、行く前は非常に、ちょっと不安という感じが見えたんですけれども、現地ハーグでお会いしましたらもう非常に生き生きとして、こういうことが私たちにもできるんだということを言っていまして、大変によかったと思った次第でございます。 それから、この高校生というか若い人たちのグループが現地で世界気候変動青少年ネットワークのホームページの作成をするというような話もしたようでございまして、日本に戻ってからこの日本の高校生は京都高校生温暖化防止ネットワークというものを立ち上げるという活動をしていて、この試みが違う地域にも広がっていって若い世代が温暖化問題を考えるという意味でよい機会として広がっていくことを私としては希望をしております。 いずれにいたしましても、私どもとしては、若い方々にもこの問題の性質を理解していきつつ、それはそれとして、私どももやるべき努力を続けていくということが必要だと思っております。
○清水嘉与子君 この地球温暖化の問題、これはもうここ十年二十年の話ではなくて、少なくとも百年先の影響まで考えて対処しなきゃならないと、これはもう大臣の所信でも申されたところでございます。二十一世紀を担う子供たちが直接かかわっていかなきゃならないということで、とてもこういうことも行われることがいいのではないかというふうに考えたわけでございます。 ところで、この国会なんですけれども、国会に今、年間に一万七千件、七十万から七十五万人の人たちが見学に参ります。この四分の三は衆議院に来ているんですね。四分の一が参議院ということでございます。そして、その衆議院に来るのも参議院に来るのも、八二%から八三%くらいは小学校、中学校、高校の子供たちでございます。 私はかねてから、やはりこの国会に見学に来る、一日平均すれば三千人くらいの人たちが来ているわけですので、この国会の場をやっぱり環境教育の場、環境学習の場にするということも非常にいいことではないかというふうに考えているんですけれども、私も在籍中にそのことを申しておりましたけれども、なかなか行政府から国会の場というのはなかなか難しかったのかもしれませんけれども、今度、グリーン購入法等のことを考えますれば、やっぱり国会もその対象になっていろいろ進めなきゃいけないということでもございますので、この際、ぜひ環境省におかれましても、この国会をそういった場にする。例えば、どうでしょうか、このじゅうたん、ペットボトルのじゅうたんということも、赤じゅうたんということもあり得るかもしれません。各県から木が来ていますよね、ああいったものも、例えば食堂で食べたものが肥料になってまいていますなんということもいいかもしれません。あるいは、押しボタンの電気はソーラーから来ていますなんというのもいいかもしれません。 いろんなことで考えられるんじゃないかというふうに思うんですけれども、これは環境省、そして私たち委員会の者も参加してこういったことを考えていったらいいのかなと思いますけれども、衆議院から出ておられる熊谷政務官に、こういったことについてどうお考えになりますか、お考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(熊谷市雄君) 清水委員おっしゃるとおり、次世代、二十一世紀を担う子供たちにしっかりした環境の教育とか学習をするということの重要性、まさにおっしゃるとおりであろうというふうに思います。 そういう視点からして、せっかく国会に参観に訪れる子供さん方、かなり今おっしゃるような数字で多いわけでございますから、こういう子供たちに環境学習というかそういう場という形で提供するということの必要性というもの、私は非常にこれは意義の深い一つの課題じゃないかなと、こんなふうに思っております。 国会が、国会自体がどのようにして今この環境問題に取り組んでいるかということ、お話の中にもございましたように、グリーン法という中で、例えば衛視さんの制服、これは全部今おっしゃるようにペットボトルでつくった繊維ですね。この制服、四月一日からちょうど衣がえをするわけでありますから、それを全部ペットボトルの再生品の制服という、これを利用していただくというふうな、そういうことも決まっております。 そのほかいろいろ、国会だけじゃなくて、各官庁、省庁ですね、これもグリーン法に基づいて、ことし一年どういう分野で、これは十四分野の百一品目あるわけでありますから、それぞれ自主的に計画を立てて、どれぐらいの目標で利用しますという、これをまずつくっていただくと。そして、一年間にどれだけそういう再生品というものを利用したかという実績というものを報告をしていただく。そして同時にこれを公表するという、そういう方針の中で取り組んでいるわけで、その一環として国会自体も今申し上げましたような制服の利用とかそういう面でも積極的に取り組んでいただいていると、こういう形になるわけであります。 問題は、その参観に訪れた子供たちに、どういった形で国会というものを、学習の場にふさわしいものをつくって教育に供するかという問題でありますが、これは具体的になってくるといろいろ難しい問題があるというふうに思います。 本来であれば、建物から周囲の環境から、まさにこの環の国日本にふさわしいそういう国会であれば申し分ないわけでありまして、これはやがてそのうちに国会の移転というかそういう場合、そういう建物から全部取り組めるとしても、今の建物を全部壊して木造にするとか、こういうこともなかなかこれは難しいことであって、でき得る限り今の条件の中でやれることというのは何だろうかと、こういうことになるわけでありますが、差し当たって待合所がありますから、あそこに国会周辺の環境ということでパネルのような写真を展示する。例えばこの間やった野鳥に対する巣箱かけとか、あんなような形を展示して供するとか、あるいは、できたらCO2の測定器ぐらいはこれは簡単にできるわけでありますから、見学に歩く途中にそれが見れるというようなそういう場所にそういう測定器を設置するとか、さらには、もう少し進んだ考え方からすれば、この敷地内に池をつくって、トンボの産卵とかあるいはメダカの生息とか、そういうものをつくるとか、国会の中にメダカがおったなんということは、これは子供たちからすればえらい強烈な印象というかインパクトになるんじゃないかと。 こんなことをやりながら、できるだけのことでこれから前向きに考えていく必要があるんじゃないかなと、こう思うんですが、いずれにしろこれは国会の、国会の方から要請があってできるということになるわけでありますから、私たちもそういう要請があればいろいろ資料なりそういったようなものについての情報なりという形で協力をするつもりでありますが、先生方からもそういう声を大きくしていただいて、国会の方にそういう考え方があればその要請にいつでもこたえられると、こういう形で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○清水嘉与子君 ぜひまたいいアイデアをどんどんお出しいただけたらというふうに思います。 ちょっと時間がなくなってしまって、私はきょうは本当は砂漠化の問題を少し伺いたかったんですけれども、時間がなくなりましたので、最後、ちょっと人の、職員の問題を伺いたいと思います。 昨年の十二月に砂漠化の会議がございまして、ちょうど並行して議員の円卓会議というのが開かれて、私も参加させていただきました。そのときに私、大変、それなりの成果を上げることができたと思っているんですけれども、やはりその成果を上げることができたのは、条約の事務局に日本人のスタッフがいて、いろいろサポートしていただいた、そのことが非常に大きかったと思うんですね。 資源のない日本で、やはり一番の資源は人材だと私は思います。特に環境省のように人数の少ない省庁で、やはり一人一人が、それだけ能力の高い人が集まってくるということがどうしても必要だというふうに思うんですけれども、特にこれから環境の分野で日本がリーダーシップをとっていくというようなときに、やはり立派な、有能な方々が環境省で働いている、そして国際的にも活躍していると、こういう環境を整えることが必要ではないかというふうに考えるわけです。 今、環境関係の国際機関、UNEPだとかESCAP、OECD、あるいは条約事務局が十あるわけですけれども、これ全部調べますと、十七の機関で働く日本人が三十二人、課長以上の幹部職員というのは九人にすぎない。環境省から出ているのは三十二人のうち六人というようなデータもちょうだいいたしました。正直なところ、ここの気候変動枠組み条約の事務局に少し幹部職員でもおられれば、このCOP6でもそんなに苦労も、もう少し和らいだんじゃないかなという気さえするわけでございます。また、公務員でなくても、プロパーで国際機関に働きたいという人もかなり今出てきているんだろうと思うんです。 そういう意味では、環境関係の国際機関に多くの日本人が活躍できるような状況をつくり出すために国がどういう支援策ができるだろうかという問題、それからあわせて、環境省になったわけでございますが、これまで環境庁では在外公館にも余り人が出ていなかったと思うんですね。環境問題が随分いろんなところで問題になっておりますけれども、まだまだ人が足りないというふうに思います。ドイツにもおりませんし、EUにもいないというような状況でございます。 そういった面をどうこれから強化していくのかという問題、それからあわせてもう一つお願いしたいんですけれども、環境に絡んでいろいろ活躍している、大臣もそうですし、それからいろんな国際機関で働いている方々の中に女性がたくさんおります。ところが、環境省の中、ほとんど幹部が女性がいません。採用も非常に少ないと思いますね。ですので、こういうことにつきましてもぜひ前向きに大臣のリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、この国際機関に働く人たちの問題、それから省内の女性の問題、この辺もあわせて御答弁いただけたらありがたいです。
○国務大臣(川口順子君) 環境が、特に地球環境問題ということで国際的に取り組まれるようになっている部分が非常に大きいわけでございまして、その中で国際機関の果たす役割は大変に大きいと思います。 私も委員と全く同じ意見でございまして、国際機関にもっと日本人が出ていって環境問題に対応していくということがいいことだと思っております。やはり国際機関で、これから環境問題についてさまざまなことをますます国際機関がやる部分がふえるということになりますと、そこの上の方に人がいない、日本人がいませんと、日本の政策と整合性を持った、あるいは日本の考え方が国際機関に反映されるような動きができないということでございますし、国際機関で上の方に行けるということは、若いときに国際機関での仕事の仕方を経験してやっていくということが非常に重要だと思っております。 環境省といたしましても、国際機関に、日本人全体ということでもそうでございますし、環境省の職員の派遣ということには非常に熱心には取り組んでおりまして、十年前には九名でございましたけれども現在は十七名にふえておりまして、もっとふやすことができたらと委員思っていらっしゃると思いますけれども、私どもとしてはその方向で一生懸命に努力を現在しているところでございます。 それから、在外公館へ環境省から出ているという数が、増加はいたしておりますけれどもやはり少ないということだと思います。十年前に比べると、現在七名でございますので四名増加をしたということですが、一番高いレベルにいる人が一等書記官ということでございますので、これですと相手の政府の上の方の人たちと会って議論をしていくということにはどうしても制約が生じてしまうということだと思います。 国家公務員の定員管理というのが全体として今非常に厳しゅうございまして、今後とも今までのペース以上に、できましたら在外公館への出向者数を拡大したいというふうに思っておりますけれども、こうやって外に出せる人がふえてきたということは、環境省のためにいろいろ御尽力をいただいた清水前大臣を初め、いろいろな方の御尽力のたまものであると思っておりますが、それを私としてもできるだけその方向で拡充をすることを努力をしていきたいというふうに思っております。 それから、女性でございますけれども、やはりある程度各省の中で局長ですとか課長ですとか女性がそういうポストについている中で、環境省は歴史がまだ浅いということがございまして、まだそういうことになっていないというのが私としても非常に残念なことだと思っております。 私は、環境省に来まして、これは清水前大臣もなさったのかもしれませんけれども、女性の人たちとお昼を食べながら話をするという場を持ちまして、そこでいろいろお話を伺ったり元気づけたりということもやらせていただいておりますけれども、もう少し、これはほかの省でも女性の上の方のポストについているということでもありますし、環境の分野は国際的にも女性が活躍をしているということが多い分野でございますから、私としてもできるだけ早く適材適所で女性に上に上がってもらいたいというふうに思っております。 ことしの人が四月一日から入ってまいります。新人が入ってまいりますけれども、ここにも女性は、ちょっと今数字をはっきり覚えておりませんが何人かはおりますので、少し時を重ねますと将来的には非常に頼もしい女性たちが環境省の政策に力を発揮しているということになるのではないかと思っております。 ぜひ御支援をお願い申し上げます。
○清水嘉与子君 終わります。
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。 二十一世紀は環境の世紀と言われ、我が国においても環境庁が三十年たって二十一世紀に環境省となりました。いろいろ振り返ってみますと、一九九二年にブラジルで開催されました地球サミット、これはやはり環境問題に対する考え方とか取り組み方について一時代を画したものであると考えられると思います。そして、日本におきましては、翌年、環境基本法が成立し、また環境基本計画も策定されたわけでございまして、さまざまな取り組みが行われてきたというふうに思っております。 さらに、OECDでは最も最後になってしまいましたけれども、環境影響評価法も成立をいたしました。そして、COP3の問題を挟んで、日本におきましても大変環境問題についての関心と理解が高まってきたということを感じております。 そのようなリオの地球会議から、来年二〇〇二年にはリオ・プラス10が南アフリカで開催されるということになりました。アフリカでの開催ということから、途上国における環境問題が一つの重要な焦点となるのではないかとも思います。 我が国といたしましては、この分野においてさまざまな支援活動もされてきているというふうに思っておりますが、日本としても、今までの我が国の公害問題を克服して環境問題を、環境政策を推進してきたというそういう経験を生かして、そしてリーダーシップを発揮していかなければならないというふうに思っております。 特に、かかわりの深いアジア太平洋地域においてこの問題についてリーダーシップを発揮していただきたい、その地域に対して貢献をしていくことも必要ではないかと思うわけでございまして、大臣にお伺いいたしますが、リオ・プラス10の成功に向けまして、所信にもありますように、アジア太平洋環境開発有識者会議を開催するということが示されているわけでございまして、具体的にどのようなことを考え、貢献されるお考えでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 有識者会議は、昨年私が九月に北九州でエコ・アジアを開きましたときにその席上で提案をさせていただいたわけでございます。 その背景といたしましては、リオ以降、かなり貧困あるいは環境問題への取り組みが行われているわけですけれども、それにもかかわらず貧困の問題はますます悪化をしているということになっているということでございます。特にアジアにつきましては、アジアのこの地域の、アジア太平洋地域の経済発展が世界の中でも非常に速いあるいは高い経済成長率を示しているということから、環境への影響というのもそれだけ大きくなるという可能性があるわけでございまして、その環境の保全を果たしつつアジアの経済成長を行って、アジアの国々、アジア太平洋地域の国々が豊かになるということを考えていく必要があるということが背景でございます。 前回のリオ以降の世界の動きを見てみますと、グローバリゼーションというのがますます広がりまして、それからIT化ということも広がっているわけでございまして、環境、経済社会に起こっていることを見ますとかなり状況が違ったようなことになっているという状況がございます。 そういった状況を踏まえまして、この会議においては、貧困と環境の問題、それから環境と開発の技術の問題、経済発展と環境の問題、それから地球大でのパートナーシップのあり方といったようなことについて有識者に御議論をいただいて、その成果を来るリオ・プラス10の場で、この地域からのアウトプットとしてそちらに御提案といいますか、その御報告をして全体としての議論の中に取り込んでいただきたい、そういうふうに考えております。
○石井道子君 アジア地域におきましては日中韓の問題が大変重要ではないかというふうに思っておりまして、四月に日中韓三カ国の環境大臣会合の第三回会合が開催されると聞いております。成果として期待するものはどんなことでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) この日中韓の環境大臣会合は、この三カ国が環境という意味からいうともう一体であるという、そちらにいらっしゃる真鍋元環境庁長官の御発想で始まったものでございまして、その後、韓国、中国とやりまして、今回は日本で始まるということになっております。 それで、それぞれ取り組みの分野が異なっておりますけれども、第一回の韓国では優先取り組み分野の設定、それから第二回の会合では、環境教育、研修、それから湖沼の水質保全、中国の北西部の生態系の保全について具体的なプロジェクトをやっていくことで決定をされたというふうに伺っております。 ことし、三回目は日本でやることになっていまして、四月の七日、八日の週末に東京で開催をいたします。ここでは、環境協力の具体的なプロジェクトの一層の推進について議論をしていくということと、それから気候変動問題ですとか酸性雨の問題などについて議論をするということが課題となっております。 昨年秋に日中韓の首脳の会合がございました際に、森総理から、具体的な環境プロジェクトを次回の首脳会合で話をするということで、そこに提案をしていくということを森総理からその場で提案をなさいました。それで、中国、韓国もこの森総理の御提案には賛同をしていただいていますので、三カ国の環境大臣で首脳会談にどのような内容のものを提出すべきかということを議論するということも重要な課題だというふうに考えております。
○石井道子君 日本にとりましては酸性雨の問題がかなり重要ではないかというふうにも思っておりまして、将来的には国際的な条約も必要になってくるのではないかと思っておりますが、どのようにお考えでございましょうか。 そして、中国における環境問題というのはさまざまこれから出てくるというふうに思いますし、かなり経済活動が活発になってきているということもありまして、これからの中国における大気汚染とかあるいは砂漠化の問題とか、そのような環境問題に対して日本も環境協力を進めていく必要があるというふうに思います。その点についてお伺いいたします。
○政府参考人(浜中裕徳君) 酸性雨と中国に対する協力の問題でございますが、まず酸性雨につきましては、御案内のとおり、既に東アジア酸性雨モニタリングネットワークということで、東アジアの十カ国が参加いたしまして、一九九八年から二年間、試行稼働をしてきたところでございまして、昨年十月に新潟で第二回の政府間会合を開き、そこで決定をいたしまして、本年一月からいよいよ本格的な稼働に入っているということでございます。 そこで、将来のあるべき姿ということのお尋ねでございますけれども、まず将来の活動といたしましては、第一に、参加国におけるモニタリングをする能力を向上させていく、そういう取り組みが挙げられております。 また、その昨年十月の第二回政府間会合で採択をされました共同声明がございまして、そこでは、このモニタリングネットワークの活動の基盤を将来強化する努力を継続する、つまり、現在のネットワークの基盤というのは政府間の合意によってなされておりますけれども、これを何らかの形で法的な文書にしていくというようなことのための努力でございます。 それからもう一つは、酸性雨の影響を防止あるいは減少するための国際協調に寄与するための将来のこのネットワークの活動について議論を行うということで、その中には、対策の実施のための国際的な枠組みづくりに向けた努力も意味合いとしては含まれているというふうに認識をしているわけでございます。 そういうことでございますので、我が国としては、この共同声明を踏まえて、国際的に協調のとれた酸性雨対策が推進されますように引き続き努力をしていきたいというふうに考えております。 さらに、中国に対する協力でございますけれども、中国は、現在、急速な経済発展に伴う公害の問題でございますとかあるいは生態系の悪化など多くの環境問題を抱えており、あるいは地球温暖化などの問題は、中国のみならず東アジアとかあるいは地球規模でも重要な問題であるわけでございますが、中国政府として、近年、環境対策に熱心に取り組んでいるわけではございますけれども、なおこの問題に対処する能力あるいは技術が不十分という状況にございます。そういう観点から、中国への環境協力は我が国にとっても非常に重要であるというふうに考えております。 現在、政府レベルでは、日中友好環境保全センターを通じた協力でございますとか、さらに具体的に三つの都市で環境開発モデル都市構想に基づく具体的な協力事業あるいは環境情報ネットワーク構想などのプロジェクトを実施しているところでございますし、さらに自治体あるいは各種の民間団体も公害防止あるいは植林緑化などについての独自の協力をしているところでございます。 環境省といたしましては、今後も、対中協力に関する各界のさまざまな御意見も踏まえながら、地方公共団体、民間団体に対する協力も含めて、中国への環境協力に一層積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○石井道子君 次に、温暖化の問題についてお伺いいたします。 COP6の問題については、いろいろと今までも質問が出まして状況を把握したところでございますが、これからCOP6の再開会合があるということでございまして、その成功に向けては特に大臣が先頭に立って取り組まなければならないと、その御活躍を期待するところでございます。 やはり外交交渉の難しさというのは、私もCOP3の準備に当たったときに非常に感じたところでございまして、それぞれ国の国益とかいろいろあったり事情が違いますので難しいんですが、しかし、これからは、環境問題というのはそう目先のことですぐに結論が出せるものではありませんし、かなり長期的に考えて、そして先見性のある政策をこれから打ち立てなければならない、それを実行しなければならないというのが非常に環境政策については重要な問題ではないかというふうに思います。 それで、特にアメリカにつきましては、前回もそうだったんですけれども、非常にこの問題についてはそう積極的ではないと、後ろ向きの考え方があるのでございますが、しかし、そうかといって、温暖化ガスの排出については最も多いという国でありますので、その点についてアメリカの積極的な取り組みがなくてはやはりCOP6も成功しないのではないかというふうに思います。特に、ここで政権がかわりまして、ブッシュ政権になったということでさらにその心配があるわけでございますが、よく、アメリカの場合には途上国の取り組みについて注文を出されることが多いのではないかと思います。 それで、途上国の取り組みを強化するという面もある程度考えていかなければならないと思いますし、京都議定書を実施しなければなりませんので、そういう点で、アメリカの対応をある程度促す意味でも、日本も途上国に対する働きかけを強めていく必要があるというふうにも感じるわけでございます。 途上国といっても一概に同じレベルではありませんので、かなりピンからキリまであるということでありますので、その点の扱い方も工夫が要るかとも思いますけれども、しかしブッシュ政権の発足に伴って、このようなアメリカの態度に対してどのように評価をされて、そして今後どのように対応されていくか、お考えを聞かせていただきたいと思います。 ちょうど、最近でも気候変動に関する政府間パネル、IPCCの調査、研究にもよりましても非常に温暖化が進んでいるということが言われているわけでありますので、その点について大臣にお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(川口順子君) アメリカの態度についての御質問でございましたけれども、現在アメリカは、この前のG8の場でホイットマン環境保護庁長官がおっしゃられたことでは、それからブッシュ大統領からヘーゲル上院議員への手紙にもありましたけれども、アメリカは気候温暖化問題への取り組みを真剣に考えているということでございまして、現在、政府部内でどのようなスタンスで取り組むかということを検討中だということで私ども理解をいたしておりますので、石井委員おっしゃられますように、いろいろな場でアメリカに働きかけていくということが大事だと思っております。 それから、おっしゃられた途上国への取り組みを支援していくということも、これは条約上の先進国の義務でございますし、前回のハーグの際もこの途上国問題が非常に重要だということで、日本がアンブレラグループの中で中心になり、EUにも働きかけて、ハーグの会議の前にワシントンで会議をやって、途上国のパッケージを提案したというようなこともいたしましたので、この分野での引き続きの日本のリーダーシップというのが重要だというふうに思っております。また、四月にCSDがございますけれども、その場では途上国も参加しての会議ということになりますので、そこでもじっくり議論をしてみたいというふうに思っております。 ということでございますので、アメリカにつきましては、共和党政権だから後ろ向きであるだろうという先入観を持つことなく、できるだけ働きかけながら、積極的に二〇〇二年までに発効することが可能であるように日本としても取り組んでいきたいと思っております。
○石井道子君 環境に関する会議というものは大変多うございまして、その点では環境省も大変御活躍をいただいているというふうに思います。 先ほども日中韓の会議で総理のメッセージもあったということを伺いましたけれども、日米の首脳会議とかあるいは国際会議において、できるだけ地球温暖化問題を含めた地球環境問題に対して大いに取り上げるべきではないかというふうに思っておりまして、前は、橋本総理のときには大変環境に御熱心でございまして、関心が高かったものですから、そういう場が多かったのではないかと思っております。 そういう点で、外務省としてはどのように最近の国際会議での取り組みをされていらっしゃるでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(高須幸雄君) 地球温暖化問題は、日本の経済、日本の社会にとってもとても大事な問題であると同時に、京都議定書、COP3をまとめられた日本の指導力を発揮するということで、二国間の外交の重要な問題ということで、さまざまな多国間及び二国間の交渉の場で取り上げてきている次第でございます。 特に、おっしゃっておられるように、二酸化炭素の排出量というのはアメリカが世界の約四分の一ということで非常に大きいわけです。ですから、アメリカが京都議定書に入っていただくということがこの成功のためには重要であるということで、まず私ども、一月末だったと思いますけれども、日米外相会談がありました。そこで河野大臣よりパウエル国務長官に対しまして、アメリカが締約国会議などでの交渉に積極的に参加するように働きかけを行ったところでございます。 その後も、アメリカに対しては関連するいろいろな会議、あるいは外交ルートを通じまして働きかけを行っておりますけれども、今大臣からお話のあったように、アメリカ政府は決してこれには後ろ向きではない、最終的な決定を下していないということが我々の承知しているところでございますので、今後一層いろいろな会談で、あるいは多国間の場で取り上げていきたいというふうに感じております。 つい最近終わりました日米首脳会談におきましては、その時点でのいろいろな懸案あるいは国際情勢もありましたものですから、この問題について直接首脳が話し合うということには至りませんでしたけれども、その会談の直後に出されました共同発表がございます。そこで森総理とブッシュ大統領としては、地球環境問題、地球規模の問題につきまして両国がこれまで生み出してきた重要な成果に留意してこの協力を継続する必要性を認識したと確認しております。 私どもといたしましては、地球環境問題に対して京都議定書が二〇〇二年までに発効できるということについての国際的熱意が失われないように、七月に再開されます締約国会議の再開会合が成功するということのためにあらゆる外交努力を続けていきたいというふうに考えております。 具体的には、当面は四月末に開催されます気候変動に関する非公式閣僚会合がございます。ここでの働きかけというのがありますけれども、それ以外にもさまざまな協議の場もございます。さらには、今後二国間のいろいろな会合の場でこういう問題を積極的に働きかけを行って、COP6の再開会合の成功に向けて全力を挙げたいと思っております。
○石井道子君 以前にODAの使い方についていろいろと検討がされました。そして、日本の財政も厳しい中でありますが、できるだけ予算を確保してということを考えてきたわけだと思います。その中で、環境に配慮した事業については優先的に配慮するというようなことを言われたときがありまして、その点についてはいかがでございましょうか。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えを申し上げます。 今、先生御質問のとおりでございまして、我が国のODAをめぐりましては、財政事情あるいは国内外の環境の変化等もございまして、大変に厳しい状況にございます。そのような中で、政府といたしましては、ODAについて国民のよりよい理解を得て、より効率的で、また目に見える形のODAは何かということで、ODA改善のための努力をこれまで鋭意やってきたところでございます。 今回につきましても、予算につきましては三%減ということになりましたけれども、この厳しい財政事情の中でそれだけの財源を確保できたということは先生方の御支援のおかげだろうというふうに思っておりますので、まず御礼を申し上げたいと思います。 しかし、そのような中で、やはりより重点的にどのような分野を優先的に取り上げるかというのは喫緊の課題になっておりまして、御指摘のように、従来のようなインフラはもちろん重要でございますけれども、特に最近の環境問題の厳しさということに配意いたしまして、環境問題というのは非常に我が国ODAの優先分野の一番に位置しているというのが現在の状況でございますし、このような傾向あるいは政策努力というものはますます将来的にも続けてまいりたいと思っております。 具体的に申し上げますれば、先生御案内のとおり、九二年に策定されておりますODA大綱の原則の中で環境と開発の両立というものを掲げておりますし、九九年八月に公表いたしましたODA中期政策におきましても環境保全を重点課題の一つに掲げております。九七年六月の国連環境開発特別総会における我が国の二十一世紀に向けた環境開発支援構想あるいはCOP3における京都イニシアチブというのもそのような努力の一つでありまして、その中におきましてもODAはそれなりの役割を演じてきたものというふうに考えております。 結果といたしましては、九九年度の環境ODAの実績は五千三百五十七億円となりまして、これは我が国ODA全体の三分の一以上、三三・五%を占めるに至っております。また、温暖化対策の関連分野では、九九年度におきましてJICAの技協を通じまして約千七百名の人材育成を実施しております。また、円借の分野におきましても最優遇条件で、いわゆる特別環境金利と申しますが、その適用によりまして温暖化対策関連案件も十二件、二千百三十億円に上るところでございます。 中国に対する協力はまことに重要でございまして、現在、二〇〇〇年度の対中円借の最終段階に至っておりますが、このような中におきましても、やはり内陸部への協力、それから環境というものを最重点分野ということで中国側と話をしているところでございます。
○石井道子君 京都議定書で決められました排出削減量につきましては、日本は六%ということでありますけれども、これは一九九〇年レベルでのことでございますので、に比べて六%ということでございまして、もう既に日本は一〇%程度ふえているというふうに聞いております。 そういう点では、この六%削減に向けて相当なことをやらないと目的が達成できないのではないかと心配をしているわけでございまして、特に産業部門とか民生部門とか、それぞれの分野でそのデータも出ているかとも思います。その点では、特に民生部門については国民一人一人の取り組みが大変重要でございますので、温暖化防止対策を推進し、排出量を削減するという点では炭素税のような経済的な措置の導入も有効ではないかというふうに思うのでございますけれども、検討状況についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(浜中裕徳君) 炭素税につきましての検討状況でございますけれども、先生お触れになられましたとおり、炭素税などの経済的手法につきましては、まず市場メカニズムを前提として経済的なインセンティブを与える、そういうことを介しまして、それぞれの経済主体の経済合理性に沿った行動を誘導するということによって政策目的を達成しようという手法でございまして、とりわけ地球温暖化問題、特にその原因となる温室効果ガスの排出が、今お触れになられました民生部門を含む多種多様な部門におきまして不特定多数のものの日常的な社会経済活動から生ずるというものであるわけでございますので、経済的手法の有効性を我々としては大いに期待をしているところでございます。 そういう観点から、中央環境審議会におきまして昨年から小委員会を設置して、税とかその他排出量取引といった方法もございまして、こうした経済的手法を含めた各種政策手法の組み合わせをする、いわゆる政策パッケージについて五つほどのモデルをつくっていただいた、そういうことでございます。 環境省になりましてから、現在新しく発足をした中央環境審議会におきまして再び小委員会を設置して、経済的手法の具体的な仕組みも含めた国内制度のあり方についてより詳細かつ具体的な審議をしていただいているところでございます。私どもとして、こうした取り組みを進めまして、ぜひ一刻も早くこうした具体的な政策形成に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石井道子君 次に、アセスメントの関係についてお伺いをいたします。 諫早問題が今大変話題になっているわけでございまして、この事業が昭和二十八年に計画をされて、その後事業の見直しをしたり、また環境庁が求められて意見を申し上げたことが三回あるというようなことが今までも議論をされてまいりました。 そのような中で、環境庁が指摘をした分野について農水省がどれだけきちんとやっていただいているかということも気になるところでありますが、この問題について、アセスにおきます有明海の全体の評価ということも重要ではないかというふうに思っておりまして、有明海全体の問題につきましては、諫早湾の事業のほかにも有明海の沿岸地域の筑後川大堰とかまた熊本新港とか、そのような事業も行われたようでありまして、総合的にノリの被害の問題について考える必要があろうというふうに思います。 いろいろと調査をされているというふうに思っておりますが、大臣に伺いたいのは、有明海のような閉鎖性の海域におきまして総合的な環境保全対策が必要と思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 有明海の問題につきましては、今、石井委員も幾つか有明海で過去に行われた工事についてお話がございましたけれども、現在のノリの不作の問題については、原因を総合的に予断を持たないで徹底的に調査をするということが大事でございまして、現在、農林水産省を中心といたしまして、環境省も連携をいたしましてそれをやっているところでございます。 それで、有明海をこれから豊かな海にしていくということは非常に重要だと思っております。今行っている調査あるいは今後、来年度行われる、総合的な調査を行いまして、それから第三者委員会が今開催を、きょう第三回目が開催されますけれども、それの検討状況を踏まえまして、有明海の環境の保全とそれから改善にどのような対策が必要か、そしてどのような対策が有効かということを議論をする必要があると思っております。必要に応じましては立法措置も視野に入れて検討いたしたいと思っております。
○石井道子君 アセス法につきましては、平成九年六月に私が大臣のときにやっと成立を見たところでございまして、環境庁二十年間の悲願と言われた法律でございまして、その全面施行については平成十一年からということでございます。二年間たっているわけでございまして、前はアセスについては環境庁長官は意見を求められれば申し上げるという程度でございましたけれども、今度は環境大臣がある程度リーダーシップをとって意見が言えるというような中身になっておりまして、そういうふうな点ではある程度、今までもアセスの問題については実効が上がってきているのではないかというふうに思っております。 その点で、特に大規模な事業につきましては最新の知見をもってアセスを行いましても、その影響の把握にはある程度限界があるということは避けられないというふうにも思っておりまして、特に大規模な事業についてはアセス後の事業の実施に伴ってモニタリングを実施して、状況に応じた対応を行っていくことが必要であると考えますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(中川雅治君) 石井先生の大臣御在任中に国会で成立をいたしました環境影響評価法におきましては、それまでの閣議アセスにはない早期段階の手続といたしまして、事業者が調査等の開始前に環境影響評価の項目や調査方法等を記載した方法書を作成いたしまして、それを公表して一般の人々や地方公共団体の意見を聞いて、調査等の項目や手法を決定する、いわゆるスコーピングの手続を導入いたしているわけでございまして、そういう意味で、事業は地域の特性に応じためり張りのきいたアセスが可能になって、従来の閣議アセスに比べまして格段の制度的な改善が図られたところでございます。 そして、今、石井先生おっしゃいましたように、この法律によりまして、ちょうど約施行後一年九カ月経過するわけでございますけれども、環境大臣の意見を述べたものが五十三件ございまして、閣議アセス時代の十二年間の二十三件と比べまして大幅に増加をしている、こういうことでございます。 特に、大規模な事業におきまして、やはり環境影響評価法におきまして、事後調査として必要があれば事業者が工事中や供用後の環境の状態等を調査して、その結果を踏まえた対策を講じることについて準備書等に記載することにしているわけでございますし、また環境大臣の意見の提出に当たりましては、予測結果等に伴う不確実性の内容や程度に応じて、今先生おっしゃいましたように必要な場合にはモニタリングを実施し、その結果に応じた適切な対応を講じるように、今まで述べた意見におきましてもそういった点を指摘いたしておりますが、今後ともこうした姿勢を堅持いたしてまいりたいというように考えているところでございます。
○石井道子君 次に、戦略的アセスの問題なんですけれども、この前のアセス法の法律の成立のときに附帯決議の中に、アセス法、戦略的アセスの有効性が指摘をされまして附帯決議に入りました。それを受けて、新環境基本計画ということで昨年十二月に閣議決定をされているようでございますが、その戦略アセスのあり方について検討をされていらっしゃると思っておりますが、ぜひとも長年の宿題でもございますのでこの問題を十分に検討されて実現をしていただきたいと思っております。時間の都合で答弁は結構でございます。 それから、最後になりましたけれども、環境と経済の問題についてお伺いをいたします。 ちょうど、先日、一月三十一日に内閣府の方から「平成十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」というものが示されました。そして、その中に、「時代を先取りした経済構造改革の推進」として「IT革命の飛躍的推進」と「少子高齢化対策」があって、それと並びまして「環境問題への対応」が示されているところでございます。 環境問題への取り組みにつきましては、とかく経済とは相反するものであると、経済発展を阻害するものであるというような考え方が長年ありましたけれども、最近はやはり環境に対する理解も深まってまいりましたり、あるいは全般的にニュービジネスなどの創出が求められている時代でございますので、これから環境ビジネスを経済の発展とそれから雇用の創出に役立てるために大いに積極的に取り組むべきではないかというふうに思っております。 このような関係で環境と経済が相互に支え合う関係であるということについては、九二年の地球サミットにおきまして確立した持続可能な開発ということが言われているわけでございまして、そのことに基づきましていろいろと環境省におきましてもさまざまな法律に取り組み、循環型社会づくりの問題とか地球環境、地球温暖化問題とか取り組んでおりますし、また産業をつかさどる省におきましてもそのような取り組みも行われているというふうに思っておりますが、そういう点で、環境省自体もやはり廃棄物行政に対してはかなりその面の着眼点を持った事業も行えるというふうにも思います。 私は大臣に最後にお伺いしたいのは、通産省出身であります大臣でございますので、そういう面で環境産業の振興について大臣のお考えをお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境産業、環境ビジネスは、委員おっしゃられますようにこれからの日本の経済の一つの担い手として大変に重要だというふうに思っております。それで、ビジネスが成功をするためにはやはりそれなりにそれが商売になっていかなければいけない。ということはそれなりの需要が必要でございまして、グリーン購入法というのは国の機関としてそれに対応するものでございますし、それからグリーン購入ネットワークというのが企業でつくられておりますけれども、その意味でグリーン購入をしていこうという企業の取り組みが出てきているということは非常に重要でございますし、また今後国民の一人一人が環境の保全に資する製品なりサービスを購入していこうという動きがどんどん広まるということになれば、ますますその環境ビジネスがビジネスとしてちゃんと地に足をつけて成り立っていくということのいい取り組み、第一歩だというふうに思っております。
○委員長(吉川春子君) 手短にお願いします。
○国務大臣(川口順子君) ということで、この問題の重要性については十分に認識をいたしております。
○石井道子君 終わります。
○岡崎トミ子君 御苦労さまでございます。 民主党の岡崎トミ子でございます。 昨年、循環型社会推進基本法が成立をいたしました。循環型社会を形成しようとうたう法律が成立することは大変重要なことだというふうに思っております。実際幾つか見るべき点もございますけれども、民主党はこの法案、唯一反対をいたしております。 そこで、まず昨年の基本法成立後の動きと、今後の道筋をどのように考えているかについてお伺いしたいと思いますが、この基本法が成立してから個別法の整備など、政府の取り組みが進行していると思います。基本法が成立したことによる成果が個別法の整備にどんな影響があるのかということを知りたいと思います。 また、基本法の精神が個別法に反映されるように努めているということですけれども、その基本法の精神とは何かについて、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 基本法と個別法の問題でございますけれども、環境省は廃棄物・リサイクル行政をおあずかりするという立場から、個別法の整備に当たりましては、まさにその制度をつくろうという創設の段階から主体的にかかわっているということでございます。このように、環境省が制度の創設時からかかわるということで、環境保全の観点を十分に踏まえた廃棄物・リサイクル対策が講じられるということになると考えておりまして、環境省のこの意味での役割は重要だというふうに考えております。 それで、循環型社会形成推進基本法におきましての考え方は、廃棄物・リサイクルにおける関係諸法の取り組みを総合的に、それから計画的に推進をしていくということをこの基本法では定めているわけでございまして、まず一つは、その施策の実施に当たりまして、自主的それから積極的な取り組み、あるいは適正な役割分担といった基本原則、それから発生抑制、循環的な利用、適正処分といった施策の優先順位を共通の考え方として提示をいたしておりますし、それからその政府の講ずべき施策の方向を明らかにしているわけでございます。 リサイクル関係諸法、昨年できた個別法とこの基本法の考え方はそういう意味で整合性がとれているというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 この基本法が大きな意味を持つかどうかというのは基本計画の内容によるだろうというふうに思いますが、その準備状況、それと、どのような基本計画を策定して重要視しているのか、その点について、重視の点について副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 今おっしゃられました循環型社会形成推進基本計画の策定については、同法の十五条において規定されておりまして、その概要は、まず第一に中央環境審議会が平成十四年四月一日までに環境大臣に計画策定のための指針について意見を述べること、そして、環境大臣は、この指針に即して、また中央環境審議会の意見を聞きつつ、計画の案を策定し、平成十五年十月一日までに閣議の決定を求めることとなっております。 そこで、具体的に申し上げますと、基本計画策定の第一段階である中央環境審議会による具体的な指針につきましては、間もなく循環型社会計画部会における検討が開始される予定でございます。環境省としては、その指針を踏まえて計画案の策定に取りかかることといたしております。 その際、環境省としては、この基本計画が今ほどもお話のありました廃棄物・リサイクル対策を総合的に進め、より実効性のある計画となるようにするため、具体的な数値目標を盛り込むことや、循環型社会の形成を推進するような施策の方向性を示すことなどを重視いたしております。 以上でございます。
○岡崎トミ子君 衆議院の方の環境委員会でも川口大臣が、この循環型社会というのは大量リサイクル社会ではないというふうに、そのようにもおっしゃっていらっしゃって、私たちもそのように思うんですけれども、環境負荷を抑える循環型社会を形成するために有効な基本計画を策定するためには、まずマテリアルフローの把握が必要だというふうに思うんですね。マテリアルフローの把握に基づいて、基本計画に廃棄物等の生産量、発生量、そして再資源化能力、それから再資源化する量に関する定量的な目標を盛り込むということ、不可欠であるというふうに考えますけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。 その前提としては統計手法というのが開発されていなければいけない。集計、公表の迅速化が求められておりますけれども、この点についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 今、副大臣が申し上げましたように、基本法におきましては、基本計画の策定に当たって中環審の意見を述べる、指針に即するというふうにされているわけですので、現在のところその計画の具体的な内容についてはまだ定まっていないということになると思います。 しかし、環境省といたしましては、基本計画の中に定めることとされております循環型社会の形成に関する施策の基本方針というものがございますが、そこの中におきまして、循環資源の発生あるいは循環的な利用及び処分の目標量等については明らかにしたいというふうに考えております。 また、今御指摘のありました基本計画策定の前提として重要なマテリアルフローの把握、統計手法の開発、集計、公表の迅速化等につきましては、まさしくおっしゃるとおりだと思います。 新しい環境基本計画におきましても、「循環型社会の形成に向け社会経済の実態を踏まえた適切な政策展開を図っていくためには、廃棄物等に関するデータの迅速かつ的確な把握、分析及び公表が不可欠」であるということ、それから「このような認識に立ち、」「わが国の物質収支並びに循環資源の発生、循環的な利用及び処分の実態の迅速かつ的確な把握と分析などのため、」「大局的かつきめ細かな統計情報の整備を図ります。」というふうに書かれているところでもございますので、今後ともこうした認識に立って、統計調査の例えば調査票を電子化するなど、集計、公表の迅速化に努めてまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 そうしますと、統計手法というのは既に開発されていて、それにもう着手できるという感じになっているんでしょうか、具体的に確かめたいと思いますが。
○政府参考人(岡澤和好君) 昨年策定されました環境基本計画の中に指摘されていることでありまして、これからそれに取りかかろうということでございます。
○岡崎トミ子君 推計に推計を重ねるということではなくて、統計を見てきちんと迅速に行っていくことが大事ですので、電子データのベース化というので効率を実際に図りながら、お互いにみんなが、国民の皆さんたちにもわかるような形というのが非常に大事だろうなというふうに思っておりますので、その点よろしくお願いいたします。 そして、続きまして中央環境審議会、これは循環型社会計画部会が大変重要な案を出してくるということなんですけれども、第三者性を確立するということがとても大事だと思います。その第三者性を確立するための運営方法についてお伺いしたいし、それなりの人選の仕方があろうかと思いますけれども、この点について副大臣、いかがお考えでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 今おっしゃられましたように、今度循環型社会形成基本計画を策定するに当たりましては、循環型社会形成基本法におきまして、中央環境審議会から具体的な指針について御意見をいただくことになっておりまして、中央環境審議会の第三者性の確立のためにと申しますか、ことが非常に重要性を持ってくることだというふうに認識しております。 この中央環境審議会におきましては、特別の部会を設置しておりますが、その構成は、学界、産業界、市民団体等各界の有識者から委員が人選されており、それによりまして取りまとめられる御意見は、第三者性が確立され、多方面にわたる観点からのバランスのとれた御意見をいただけるものと考えております。 さらに、この具体的な指針を踏まえて策定する政府の素案についても、再度中央環境審議会からの御意見をお聞きすることになっておりますので、その際、計画案に対し多方面の関係者の意見が反映されるよう特に意を用いていきたいと考えております。 具体的には、その審議会におきましてヒアリングやあるいはパブリックコメント手続などを活用して、市民団体や一般国民等の御意見を一層幅広く反映することで中央環境審議会の第三者性がより適切に発揮するようにやっていきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 パブリックコメントという手法、大変大事で、いろんな方の意見をお聞きするということなんですが、パブリックコメントを出した方々がなかなかその意見が生かされていないという不満、批判というものがありますので、本当に第三者性というものが担保できる、確立するということの意味では、今までとこれが違うというふうに言われるところはございますか、第三者性確立のために。これまでの審議会のあり方とか、これが違うということは、ちょっとわかりやすく言っていただくと。
○副大臣(沓掛哲男君) このパブリックコメントについては、いわゆる閣議決定で、規制の設定または改廃に係る意見提出手続というのがありますが、これはいわゆる規制の設定または改廃に伴うということでございますので、この場合の、この基本計画策定のことについてはそのまま当てはまるものではないのですが、先における環境計画などの策定についてはできるだけそういう趣旨に沿うような形でいろいろなことをさせていただいておるわけでございますが、具体的にどういうものが新しく導入されるかについては、この委員会、審議会等でいろんな御検討もいただき、それを踏まえつつやっていってはというふうに思っておりますが、例えばインターネットなどでいろんな意見をいただき、そういうものをある程度まとめてこの審議会等に出すとか、何かもう少し多くの人の意見が取り入れやすいようなことについても、この委員会等で、審議会等で検討しながら進めていきたいというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 後々運営の仕方が批判されることのないように、しっかり私たちも注目をしていきたいというふうに思っております。 四月一日から家電リサイクル法が施行されるということで、今家電が二倍売れているというような状況なわけなんですけれども、しかしこの施行を前にして、どうも不法投棄の懸念が大きくなっている。というのは、負担感というのが解消できないので、どうもその前に買って出してしまおうということですから、裏返せば、不法投棄に走るかもしれないということが潜在的にただいまの現象の中にあらわれているのかなというふうに思います。 自治体は大変な取り組みを進めているわけなんですけれども、国としてはどのような対策を考えているのかお聞かせいただきたいと思います。経済産業省の方から。
○政府参考人(古田肇君) 先生御指摘の家電リサイクル法でございますが、小売業者に対しましては、廃家電を引き取り、製造業者等に適切に引き渡す義務を課しておるわけでございます。また、製造業者等に対しましては、廃家電を引き取り、適正にリサイクルする義務を課しておるわけでございます。これらの義務を履行しない場合には、命令、罰則ということでございまして、こういった仕組みによりまして家電リサイクルのルートは法的に整備をされておるわけでございます。 また、小売業者が個々の廃家電につきまして確実に製造業者等に引き渡すように、マニフェストといいますか、管理票制度を導入することになっておりまして、私ども、これらのルートの整備と個別の廃家電のフォローを通じまして、法の適切かつ厳格な運用を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 さらに、不法投棄防止につきましては、本制度について、やはり消費者、事業者の理解を十分得ていくことが不可欠でございます。そこで、環境省あるいは自治体等とも連携をとりながら、既に百万部を超えるポスター、パンフレット、ステッカー等をお配りしたり、あるいはビデオの作成、説明会の開催、シンポジウム等、さまざまな普及啓発活動を行ってきておるところでございます。法施行後につきましても、家電リサイクル法に沿った適切な排出処理が行われますように、積極的に普及啓発活動を続けてまいる所存でございます。 なお、不法投棄それ自体につきましては、従来から廃棄物処理法によって禁止されておるところでございますが、環境省、自治体等の関係機関とも連携をいたしまして、同法の適切な運用に努め、不法投棄を防止するようにしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(川口順子君) 今、経済産業省から非常に網羅的なお答えがございましたので、特につけ加えることはございません。
○岡崎トミ子君 そしてもう一つ、容器包装リサイクル法、これが平成十一年に改正されたということでこの法律が始まっているわけなんですけれども、例えばペットボトルについて見ますと、当時からでしたけれども、引き取りを拒否するとか、あるいは生産量の方もウナギ登りで発生抑制がきいていないのではないかというようなことが言われておりましたけれども、これが改正されて、分別収集の費用を特定事業者に一部負担させること、あるいは再商品化の義務量を回収量に基づいて算定しているのを改めて生産量に応じて算定すること、それから市町村の費用負担の実態を定量的に評価、公表すること、デポジット制を導入することなどについて考えていきたいと思っておりますけれども、これら一つ一つについてどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 容器包装リサイクル法は、従来こうした一般廃棄物については市町村の全面的な負担のもとで処理をするということでやってきたわけですけれども、そうした仕組みを改めまして、消費者が分別して排出する、それから市町村がそれを分別収集する、それから容器のメーカーや中身の商品メーカーはそれを再商品化するというふうに実施の役割分担をそれぞれ与えて、それでこの容器包装についてのリサイクルを推進するというふうにしたわけでございます。 法の対象となる容器包装がだんだん拡大されてきていますし、それから市町村の分別収集の進展等がございまして、このところメーカーの負担が非常にふえてきております。平成九年度にはメーカー側負担は約十七億円でございましたけれども、平成十三年度には約四百五十三億円になるというふうに見込まれておりまして、今後さらに大幅に増加する見込みでございます。 これは先ほど申し上げましたように、消費者、市町村、メーカーそれぞれが役割を負って、全体として一つのリサイクルの輪を構成するということでやっておりますので、企業側にも負担していただきますが、それと同時に市町村とか消費者にも一定の負担がかかるということは、法律のもともとのところからそういう割り切りをしているわけでございます。 特にこの仕組み、十二年度から全面施行されてまだ一年たった段階でございますので、直ちに今先生の御指摘ありましたような特定事業者に収集費用を負担させるとか、再商品化の義務量を回収量に基づいて算定するとか、そうした根幹にかかわる部分についてはもう少し様子を見て考えたいというふうに考えております。 それから、昨年の十二月に、実は有識者とか市町村、事業者等から成ります容器包装リサイクルシステム検討会というものを設けまして、容器包装リサイクルの実施状況と問題点の整理を行ったわけでございますが、その中でも、今先生が御指摘されたようなことも含めて課題としては整理されております。それについての改善方策の選択肢も幾つか出ております。 したがいまして、この法律の施行状況、それから費用の負担状況等についてもう少し様子を見ながら、経済産業省とも連携をとりながら、また十分な検討を進めて、適切な改善方策があればそれをとっていきたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 ぜひ検討会で前向きに検討されていくということをお願いしたいというふうに思っております。 この基本法の中では拡大生産者責任をうたっていることになっているわけなんですが、先行する二つの法律についてもこの考え方で費用負担のあり方を検討して改正していかなければいけないというふうな問題意識でいるわけなんですけれども、これについては環境大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 拡大生産者責任といいますのは、生産者が生産をし、それを使用するという過程を超えて、廃棄物になった後まで一定のその責任を負うという考え方でございまして、循環型社会を構築していくという点では非常に重要な考え方だと思っております。現在、OECDにおいて、環境対策のためのその手段として国際的にも検討が行われているところでございます。 それで、具体的にそれぞれの問題について、費用を負担する、どういう費用の負担のあり方がいいかということについて、拡大生産者責任を踏まえて制度を構築をするということをどう考えるか、どのような具体的な費用負担のあり方にするかということが問題であるわけですけれども、これはそれぞれのものの性状ですとか、それからその処理のされ方、あるいは社会的にどのようなリサイクルがその時点でなされているかといったようなことを踏まえて、関係者が適切に役割を分担してこの制度を、この考え方を生かしていくということだというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 先行する二つの法律のうちのその家電リサイクル法、先ほども少し触れましたけれども、やはり排出者責任としてその費用を負担するというところから不法投棄になるのではないかというようなことが一つ言われていて、これはやはりきちんと検討していかなきゃならない問題だと思いますし、また生産者の責任ということになりますと、生産の販売価格の方にプラスされていくということなんですけれども、何がよいかというと、やはりリサイクルしやすい製品設計ということで一生懸命努力をしていくのではないかと、そこで競争原理も生まれてくるということも含めて、こうしたメリットをぜひ生かしていっていただきたいなというふうに思うんです。 先ほど、大臣がOECDについての考え方についてちょっとお触れになりましたが、通商産業省の資料の、私がいただいたものでは、OECDにおけるEPRの考え方というのは、だれが運用するのかではなくて、その費用負担をだれがするのかということにあるんだというので結論づけておりますのは、これらの費用の負担者を納税者から最終生産者へと移して製品価格に内部化させることによってこれが貫徹されるということで、消費者から生産者に責任をというふうな、そこに費用負担だというふうにこのペーパーでは結論づけているということをつけ加えておきたいというふうに思います。 そして、続いてなんですけれども、この二つの先行する法律の次に、今度は、これから法制化されるという意味では自動車のリサイクル法制なんですけれども、これは経済産業省が始めているというふうに聞いておりますが、これまでの前提の論議は結構なんですが、これからの論点というか焦点はどんなところなのか、この点に関してお話を伺いたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) 自動車のリサイクルにつきましては、昨年の七月から産業構造審議会自動車リサイクルワーキンググループにおきまして法制化も視野に入れて検討が行われてきております。 ワーキンググループにおきましては、特に自動車メーカー、販売事業者、解体事業者など大変多岐にわたります関係事業者の間の役割分担、それからリサイクル費用の負担のあり方などにつきまして検討が行われてきております。その結果を中間報告案ということで取りまとめておりまして、今月二十二日まで一カ月間にわたりましてパブリックコメントに付しておりまして、広く意見が募集をされてきております。 経済産業省といたしましては、パブリックコメントに寄せられた御意見等を踏まえまして、自動車リサイクルシステムの一層の高度化に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 ただいまのお話を踏まえて、まあ踏まえなくてもこれはもうはっきりしちゃっているんですけれども、環境省にお伺いしたいんですが、リサイクルシステムの運営の費用をユーザーが負担するということが想定されているというふうに私たちは伺っておりますが、この点に関してはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) リサイクルの考え方、だれが費用を負担するかということは、だれが払うか、及びマーケットのメカニズムの中でだれが最終的に負担をすることになるかといった問題であるわけでございますけれども、環境省といたしましては、この費用の負担あるいはその徴収方法については拡大生産者責任というものを踏まえて検討をする必要があるだろうというふうに思っております。 具体的に環境省としてこれがどういう形であると考えるかということにつきましては、平成十三年度、来年度の比較的早い時期に中央環境審議会で御議論をいただこうというふうに思っておりますし、その議論の過程では経済産業省と連携をとりながらやっていきたいと思っております。
○岡崎トミ子君 私は最初の基本法の精神というところで大臣にお話を伺って、今これが進展しつつある自動車リサイクル法なんですけれども、最初からどのぐらい力強く加わっていらっしゃるのかなということをお聞きしたいというふうに思ったんですね。拡大生産者責任という考え方の方向性についてはおっしゃいましたけれども、これはもう本当に最初からがっぷり環境面を中に入れて考えることがこの基本法の精神の中にありますので、そのことと費用負担ということについて、ただいまの考え方があるのであればそれを大きな影響を与えていただきたいなというふうに思うわけなんです。 これはそれぞれに経済産業省、環境省というふうに検討をしていけば今までと何も変わりがない。今回は環境省になった、そしてこの法律ができた、そうすると最初からしっかりかんで一緒に進んでいくというふうな確認でよろしゅうございますか。大臣です、大臣。
○国務大臣(川口順子君) 現状で政府の各省が、一般論といたしまして、いろいろな政策をとるときに関係をしている省庁というのは数が多うございまして、常に連携をしながら対応をしているということだと思っております。 それで、自動車のリサイクル問題につきましても、経済産業省が環境のことを全く考えないでこれをやっているということではございませんし、環境省が環境以外のことを全く考えないでこれを考えているということでもございません。両方が連携をして国民にとっていい制度をつくることができればというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 ちょっとしつこいようになっちゃうんですけれども、環境省はしっかり経済産業省にも関与をしてEPRの重要性を訴えるというふうなお答えはいただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 関係省庁で連携をして、国にとっていい制度をつくっていきたいというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 先ほどはOECDのことなどについても触れられておりましたので、やはりいろんな欠陥が今までの法律の中にあるわけで、先に二つの法律がもう先行してできていて、そして次に自動車リサイクル法というものが新しくできる。これらについて循環型社会推進基本法というのがしっかりと影響を与えなきゃいけないというふうに思うんですね。先にあった法律についても検討をしていかなければ、加えなければいけない、新しいものについてはしっかりとその影響を与えるという意味で大変重要だと思います。 経済産業省としても、縦割りを前提としない協力をするべきだというふうに考えますけれども、そちらの方からもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(小平信因君) 昨年から行っております産業構造審議会での自動車リサイクルの検討に当たりましては、環境省を初めといたしまして関係省庁との連携が大変重要だというふうに考えておりまして、このワーキンググループでの審議に当たりましても、環境省を初めとする関係省庁の方々に常に御同席をいただいて検討をしてきているところでございますが、これからも新たな自動車リサイクルシステムの実現に向けまして、引き続き関係省庁と緊密に連携をとりながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 次に、廃タイヤの問題についてなんですが、廃タイヤなどと言わなければなりませんね、そのほかのものもありますので。この問題については昨年の七月に基準改正をしまして定義変更をしておりますけれども、その成果がどんなふうになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃タイヤなどの廃棄物が有価物と称して野積みされる事案が問題とされてきたわけでして、これらの事案に適切に対処するためには、廃棄物の定義を明確化するとともに、長期にわたる放置行為を処分とみなして厳正に行政処分を行うように、昨年の七月に都道府県あての通知を出したところでございます。 この通知を出したことによります具体的な成果として現在こういうことがありましたといった、特にお示しできるような実例を調査しているわけではございませんけれども、都道府県におきましては、この通知を受けまして、廃棄物の野積み案件に対しては積極的に行政処分、刑事告発などの対応を行いやすくなったというふうに考えておりますし、また現に私どもの方でも、幾つかの県におきましては、そうした行政処分、告発を検討しているというふうに聞いております。 したがいまして、こうした行政処分の前提となる基礎がこれによってつくられたということだと思いますし、今後ともこうした不適正処理事案に対しては厳正に対処するように都道府県と連携をとってまいりたいと思います。
○岡崎トミ子君 これらについてどんな状況になっているのかということについては、ある程度の期間を経て公表されますか。
○政府参考人(岡澤和好君) 廃タイヤの野積みといいますか、不適正処分のケースだけではございませんけれども、いろんな不適正処分の事例につきましてはある時期に調査しますので、そうした中で、廃タイヤ分についても従来の状況と比べて改善されているのかどうか、どういうところが改善されているのかというのはお示しできるのではないかと思っております。
○岡崎トミ子君 これまで二年以上とか一年十カ月とかありますけれども、できるだけ早い機会に知りたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。 私たちは、この法制度にも反対をしたということもございますけれども、今の法制度について環境省としてもこれが十分でないと問題意識を持っていると私自身は感じ取っております。個別法の整備についてもこの基本法の精神が本当に生かされているかどうかということではまだまだ不十分ではないかというふうに私自身は思いますし、環境省にもぜひそうした意識を持っていただきたいというふうに思っております。それが環境省が主管をしている以上、改めていく姿勢というのを持っていただきたいというふうに思っております。 私たちが用意いたしました法律は資源循環・廃棄物管理法ですけれども、廃棄物の定義の見直し、廃掃法とリサイクル法の統合、EPRの徹底、予防原則の導入、経済的な措置の活用を内容としたドイツの循環経済法の形に大変似ているというものを用意しておりますので、ぜひこれも国会の方に提出をしながら、ぜひともよりよい法律を目指していきたいというふうに思っております。 私は、この法律については、反対のときの反対討論をいたしましたけれども、その不十分だった点に関してなんですが、有害物質回避の理念が欠落していると。有害物質を規制して循環の輪から排除しておかないと、危険な物質が何度も循環したり、循環のために有害物質が発生することになりかねないということについて指摘をいたしましたけれども、生活環境を汚染する化学物質を管理する法制度の必要性についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、化学物質管理法ということの現状に対してどのような認識を持っていらっしゃるか、今後どのように取り組んでいらっしゃるか、大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 近年、いわゆる環境ホルモンの問題を初めとして化学物質の生態系への影響の重要性が認識されつつあると考えております。このため、昨年十二月に改正いたしました環境基本計画におきましても、化学物質対策の基本的方向として、人の健康の保護という従来からの観点に加え、今先生御指摘のありました生態系に対する影響の適切な評価と管理を推進する旨を定めているところでございます。 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律については、人の健康を損のうおそれのある化学物質による環境汚染の防止を目的としており、生態系の保全が明示的に法目的に入っていないことは先生の今おっしゃられたとおりでございます。 しかしながら、この化審法については、ことし一月の省庁再編によりまして、初めて環境省が主務官庁に加わったところであり、従来は、従来の省庁の名前でいえば通産省と厚生省が主務官庁であったわけでございまして、環境省としては新しくこの法律を取り扱うことになったわけで、その運用を実際に担当する中で本法のさまざまな側面について勉強していく必要があると考えております。 また、化学物質については、化審法のほかいろいろな対策法がございます。農薬取締法、あるいはPRTR法、あるいは水質汚濁防止法などさまざまな法制度がございますので、これらに基づく対策が進められておるわけでございますので、そうした中において生態系保全の見地から必要な取り組みの強化策についても検討していく必要があるというふうに考えております。 したがって、化審法に生態系の保全の観点を加えることの必要性と、その具体的な方策については、一つの重要な課題として今後十分検討してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 ぜひ化審法の目的に生態系の保全を追加していただきたいということをお願いをしたいと思いますが、今副大臣の方からさまざまな法律について触れられておりましたが、実は二十以上、化学物質ということに関する法律が現在ございますけれども、それだけの法律がありながら、残念ながら生活の場で使用されている化学物質の被害を食いとめることはできませんし、人間の健康被害ということでも全く食いとめることができなくて、現在、化学物質過敏症で悩んでいる人たち、前回はシックハウス、シックスクールのことについても触れられておりましたけれども、本当に法律が機能していないわけなんです。ですから、やはり新しい法制というものも考えていかなければならないというふうに思いますけれども、大臣、一言いかがですか。
○国務大臣(川口順子君) 化審法について、生態系への影響をどうやってとめるかということについては、今副大臣が御答弁を申し上げたとおりでございます。 それで、この前、前回のこの場であったかと思いますが、シックハウス、それからシックスクールの話も出ましたけれども……
○岡崎トミ子君 それはおいといて、これを新しく……
○国務大臣(川口順子君) それについてはそういうことでございまして、さまざまな化学物質が環境に排出され、環境、それからそれを経由して人体の健康に影響を与える、あるいは生態系に影響を与えるといったことは環境ホルモンの問題を初めといたしましてさまざまあるわけでございまして、それぞれに環境省としては全力で取り組んでいきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 被害者の救済ができていないということをぜひ大臣の頭の中に入れておいていただきたいというふうに思います。 農水省に伺いたいと思いますが、かつて農水省の指示で埋設されましたBHC、DDTに関してなんですが、三トン未満の埋設地については情報の把握がされずに大変に心配です。ビニール袋に入れたままほうっておいた、それがいつか土壌の中で出てくるのではないかというような心配もございますけれども、だれがどこに埋設したのかさかのぼって調査するというお気持ちがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(坂野雅敏君) 今、先生から御指摘のありましたBHC、DDTにつきましては、昭和四十六年に販売の禁止なり制限ということや、それを受けまして、毒物・劇物取締法の廃棄の基準に基づきまして国の補助事業などで地中埋設がされたということでございます。この農薬の埋設状況については、より的確な把握に努めていきたいというふうに思っております。
○岡崎トミ子君 環境省としてはいかがでしょうか。短くお願いします。
○政府参考人(石原一郎君) 埋設されましたBHC、DDT等につきましては、環境への汚染拡大の防止という観点から重要な問題であると認識しております。農林水産省ともよく連携をとって対応してまいりたいと考えております。
○岡崎トミ子君 来年五月に成立いたしますPOPs条約への対応方針なんですが、条約が発効する前にも条約の精神を先取りして国内対策を充実させる必要があろうかというふうに思っておりますけれども、簡単にその方向性についてお伺いしたいと思います。環境大臣。
○国務大臣(川口順子君) この条約の早期の署名それから批准と、履行していくのに国内制度に万全を期すということが重要だというふうに思っております。 それから、現在、国会にPCB法案のお願いを申し上げておりますけれども、この法律が成立するということも、このPOPs条約の批准するということについては重要な前提だというふうに考えております。
○岡崎トミ子君 ぜひとも批准されますように、早期批准ということをお願いしたいと思います。 最後に、本当に時間がなくなってしまいましたけれども、きょうは農水省の委員会であります有明海の問題での第三者委員会というのが開かれて、水門をあけるかどうかということについても方向性が出るのではないかと私は大変注目をいたしておりますが、大臣が新世紀早々に三番瀬の視察で東京湾の干潟においでになりました。そして今、諫早湾、そして有明海のノリの不作が政治問題になっていると。全国のノリ生産の四割が減産する。問題が有明海の漁民だけでなく私たち日本人全体の問題だというとらえ方がございますけれども、環境省がこの有明海の問題の調査に参加する際の立場、達成が期待される目的について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境省の立場といたしましては、有明海の海域におきまして、その水質あるいはその底生生物あるいはその底質といったことの環境の質がどうなっているかということを調べるということでございまして、その観点から、農林水産省が中心になってやっていらっしゃいます原因究明、予断を持たず総合的に原因を究明するということの作業に参加をさせていただいているわけでございます。 それから、年度が新しく変わりました後で総合的な調査を、有明海の海域の環境をいかに改善をするかという観点から総合的な調査が行われることになっておりますけれども、環境省といたしましても、この調査には全面的に他の省庁と連携をしながら参加をさせていただくこととしております。
○岡崎トミ子君 ぜひ大臣に積極的にこれにかかわっていただきたいなというふうに思うわけなんですね。やはり環境庁自身は干潟の再生ということについては大変な知見を持つ、そして関心も持っているわけで、やはり病んだ有明海を救うのは、まず水門を開放するというふうな、そして海水を入れて干潟の再生というか生態系を蘇生させていくというところから始めるというふうに、環境庁にはそういう観点に立っていただきたいと私は強く願うわけなんですけれども、工事の中止、これ長期中断を求める立場に環境省がぜひ立つべきだというふうに私は主張したいんですけれども、いかがでしょうか。 水質のことについてこれまで調べても大した影響がなかったというような心もとない報告もかつて聞いたりなんかいたしましたものですから、もう少し本当に干潟の再生に向けて水門開放、あるいは操作に関する技術的な検討に着手する必要性なども考えておりますので、ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 工事中断につきましては、実はきょう第三回目の第三者委員会が開かれることになっておりますけれども、その第二回目の会合におきまして工事を一時中断をして調査をするということになったわけでございます。 環境省は、このノリの不作問題の原因がどういうことにあったかということを予断を持たないで総合的に徹底的に解明することが大事だというふうに考えておりまして、その後で、有明海の海域をどのように豊かな海にしていくかということにつきましては、何が必要か、どういう方策が有効かということを制度化も含めまして考えていきたいと考えております。
○岡崎トミ子君 一言だけ。 制度化というのは、有明新法、大臣と大臣の間でそういう話がちょっとあったかにも思ったんですけれども、それが非常に後退したのが残念だったんですが、ただいまの制度というのは有明新法のようなそういうものが想定されたものでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ということでございます。
○岡崎トミ子君 ありがとうございました。
○委員長(吉川春子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。 きょうは所信に対する質疑ということで、環境大臣に後でお話を、いろいろ質疑したいと思うんですが、その前に少し、厚生労働省さんに来ていただいておりますので、お伺いをしたいことがあります。 私の世代ですと周りがいっぱい実は子供ができ出しています。同級生や先輩や後輩が、本当に周りがみんな子供ができていまして、子供が生まれるたびにそのお祝いで大変なんですけれども、みんな集まると、もう本当にあちこちで子供がうようよ、うじゃうじゃ遊び回っているという感じで、大変元気でいいんですが。 その中で、三年ほど前に出た問題が話題になりました。いわゆるフタル酸エステル類を可塑剤に用いた、いわゆる環境ホルモン類を使っているおもちゃですね。おもちゃ類について、子供が口に入れます、乳幼児は特に口に入れてべちょべちょの状況にするんですけれども。そこについて、三年ほど前、業界の自主規制等々の話が出ているんですが、現実の問題として、三年前話題になってから今まで、厚生労働省、これは食品衛生法上の規制だというふうに伺っていますが、どのような対応をされたのか、お答えをいただけますでしょうか。
○政府参考人(尾嵜新平君) おもちゃの規制につきましては、今お話ございましたように食品衛生法上、厚生大臣が指定をいたしますおもちゃにつきまして、厚生省令で規格なりあるいは基準を定める、そういうことで対処をしてきておるわけでございます。現在、御指摘の合成樹脂につきまして、そういうものでつくられておりますおもちゃについては、規格なり基準という形での政令で定めたものを遵守していただくという形になっているわけでございます。 ただし、今御指摘ございました内容につきまして、十年当時、いわゆる内分泌攪乱物質という形で議論がございまして、その際、検討会を設けて御議論いただいた結果としては、中間報告という形でおまとめをいただいております。 その中では、一つは人体に対する影響というものについて今のところ心配はないという御指摘をいただいているわけでございますが、その際に、現在の今申し上げました食品衛生法上の施行規則で定めております基準というものが、直接的な、例えばフタル酸ジエチル関係の物質についての基準という形になっておりませんで、そういうものについて、今後おもちゃによります子供さんの暴露がどの程度あるのかということを研究していくようにというふうなことで御指摘をいただいたわけであります。 そういうことを踏まえまして、現在、私ども厚生科学研究の方でそういった暴露についての状況というものを十年以降やっておるという状況でございます。
○福山哲郎君 その食品衛生法上の規格、おもちゃに対する規格ができたのはいつですか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 法律上は食品衛生法ができましたのが昭和二十二年でございますが、二十三年におもちゃについて厚生大臣が指定するものを定めておるわけでございます。ただし、その際には、規格、基準と私が申し上げましたような整理がなされておりませんで、実際に今申し上げました合成樹脂を含めた規格、基準というものが整理されましたのは昭和四十七年の時点でございます。
○福山哲郎君 三年前に問題になったときから中間報告が出ていろんな今研究をしていると。現実問題として、おもちゃに対する規格ができたのは今おっしゃられたように一九七二年なわけですね、もう三十年前なわけです。化学物質や環境ホルモン等については、ここ近年非常に注目というか、人体に影響がある可能性がある。もちろんダイオキシン類等を含めて出てきているような状況で、三十年間全く見直しもなくて、今もまだ研究中だと。 三年前にいろんな問題になったときのことを、報告を受けてまだ検討中だというのは余りにも対応が遅いし、それこそ子供の影響に、人体の影響に関することですし、今、人体の影響は心配ないというふうなことを言われましたけれども、現実問題として、他国ではおもちゃ類に対するフタル酸エステルの使用は相当規制をしている国が多いというふうに聞いておりまして、そこについてはどう思われますか。対応がおくれているというふうには、御認識はないんでしょうか。
○政府参考人(尾嵜新平君) お話ございましたように、ヨーロッパあるいはアメリカ、ヨーロッパの方は暫定的な形での規制をやっておると聞いておりますが、アメリカの方はそういったことではなしに、業界に要請をしておるという形での対応というふうに伺っております。 私どもの方では、今御説明申し上げましたように、十年の中間報告書を前提といたしまして厚生科学研究で研究を続けておりますけれども、十三年度の早い時期にその結果をまとめた上で、基準の必要性について検討したいというふうな考え方を持っておるところでございます。
○福山哲郎君 EU、ヨーロッパでは暫定的に規制をしているとおっしゃられていますが、じゃ、EUで規制をしている根拠は何ですか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 私どもが聞いておりますのは、平成十一年十二月に動物実験等の結果によりまして、フタル酸エステル類を含有するおもちゃにつきましての流通をしないようにということで、期限つき、暫定的な措置を講じておるというふうに聞いております。
○福山哲郎君 ということは、動物実験においてはそれなりの悪影響が出たということですね。
○政府参考人(尾嵜新平君) これは、先ほど申し上げました十年の日本での中間報告につきましても、全く何にも動物実験を含めまして影響はないということではございませんで、同じような、そういう精巣毒性というふうな点については若干の御指摘がございました。 ただ、総体としての人体に対する影響というものについては先ほど来申し上げたとおりでございますが、そういったところを勘案した上で、EUの方ではその実験結果というものをもって先ほど御説明しましたような規制を行っておるということでございます。そこのところは若干私どもの検討会の考え方とは異なっているようでございまして、暴露量の評価といいますか、その辺のところのとり方というところが異なっているようには承知しております。
○福山哲郎君 私は、一九七二年の規格でこのまま来ている、化学ホルモンやいろんな化学物質に対して問題が起こっているにもかかわらず、七二年の基準がそのまま来ている。この基準、そのことについても問題だと思いますが、じゃ、先ほどまさに食品部長が言われたように、この基準ではフタル酸エステルは検出することはできないんですよね。
○政府参考人(尾嵜新平君) 御指摘のとおりでございます。 そのものずばりを基準として定めておるというものでは、現行のものはそうではございません。
○福山哲郎君 フタル酸エステルを用いたおもちゃが問題になっているときに、その規格がフタル酸エステルを抽出、溶出できないような状況で規格をいつまでも放置しておくことは非常にこれは問題だと思うんですが、部長、どうですか、そういう認識はないんですか。
○政府参考人(尾嵜新平君) 御説明申し上げておりますように、そういった暴露面での調査研究というのを進めておりまして、近々それを取りまとめるという形を踏まえまして、基準、規格についてどう対応するかというところを十三年度の早い時期に私ども整理をいたしたいというふうに考えておるわけでございまして、そういった意味で御指摘のような認識を持っておるということでございます。
○福山哲郎君 今の話でも、いろんな報告をまとめた後、平成十三年度中に規格をつくる必要性があるかどうかを検討しているということですね。要は、規格なり規制の必要性に対してはまだ検討中で、わからないということですね。
○政府参考人(尾嵜新平君) 調査研究の内容を取りまとめた段階でその必要性を検討すると、そのとおりでございますが、今のところまだどういった内容でやるべきか、あるいはやるか否かというところも含めてでございますけれども、こういった状況の中、何らかの考え方の整理をしたいという趣旨でございまして、全く何の対応もしないということにはならないんではないかというふうに私どもも思っているところであります。
○福山哲郎君 ということは、今の食品保健部長の御認識でいうと、一応検討はするけれどもこのまま放置をしておく状況にはならないだろう、何らかの形の規格なり基準なりを見直すような余地はあるというふうに今のところ認識をされているというふうに受けとめてよろしいわけですね。
○政府参考人(尾嵜新平君) 細かい数値的なもので規格なりを定めるというところまで行くかどうか、そこのところは明言は私できないと思っておりますが、こういったものの流通に関しても含めて、その対応をどうするかというところは整理をしたいというふうに考えているところであります。
○福山哲郎君 ぜひ早々に、この報告書に対しての対応とそれからはっきりとした厚生労働省の対応を決めていただきたいというふうに思います。今も子供は生まれて育っているわけでございますし、七二年、三十年前につくられたものがそのままいっているということは、正直言って非常に僕は問題だというふうに思っています。 前回のこの委員会でも、我が党の櫻井委員が化学物質、シックハウスの問題についていろんな言及がありました。そのときに環境省等の対応もいろいろお話をしたんですが、今回の大臣所信をお伺いしますと、「化学物質の管理の改善及び化学物質の環境リスクに対する国民の理解を促進するとともに、環境ホルモン等のリスク評価を鋭意進めてまいります。」というふうにあるわけです。 川口大臣、私はこれ事前通告してないんですが、この間のシックハウスの問題でも、環境省と建設省や厚生労働省との間の縦割りの問題、今の実はおもちゃの問題もやっぱり化学物質に関しているところです。確かに所轄が違うという話になっていますが、実際に化学物質を使用しているものがある状況の中で、環境省としてはこういう実態を今どのようにお考えなのか、済みません、大臣、事前通告はしていなかったんですが、お答えをいただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 化学物質の環境汚染、人体の健康への影響あるいは生態系への影響ということにつきましては、環境省としても関心を持っております。 さまざまな化学物質がございまして、例えばPCBでございますと今国会に法案を提出させていただいておりますし、それから環境ホルモンにつきましては、ミレニアムプロジェクトということで調査を三年間ということでさせていただいておりまして、四十物質だと思いますが、選びまして、今年度はそのうちの幾つかをやって知見を深めるということでございます。 種類に応じましていろいろございますけれども、それぞれそれなりに環境省としては対応をしていきたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 ぜひ環境大臣も積極的にお願いしたいというふうに思います。 厚生労働省さん、もう結構でございます。ありがとうございました。 それでは、大臣に御質問をさせていただきます。 本年の一月十七日から二十日まで、IPCCの第三次報告、第一作業部会から報告書が出ました。この報告書には今回の温暖化というのが人間の関与だということをはっきりと書いて、これまでと違いまして、第一次、第二次の報告書だと温暖化による影響が一度から三度というような状況だったにもかかわらず、今回の第三次のIPCCの報告でいうと一・四度から五・八度という大変な気温上昇の報告を出しています。 現実に、一万年前にマンモスが絶滅してから我々が今生活しているまで気温上昇の平均は約五度ということになると、この百年間で我々はそれぐらい、同じぐらいの気温上昇を経験するかもしれないと。それは人類が経験するとともに地球全体が経験をすることになっておりまして、それに及ぶ何といいますか生態系の変化や洪水それから伝染病その他についてもいろんな言及がされているわけです。 このIPCCの第三次報告の第一作業部会の報告、それから二月にありました第二作業部会のやはり報告、この辺がやはり温暖化について相当厳しい評価をしているという状況の実態について、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) IPCCの場で三つの作業部会がございますけれども、それぞれのところで報告書をつくっているわけでございまして、この報告書はピアレビューといいますか、研究者の方々の同僚の方々による審査を経て出てきているという意味で、きちんと審査をされた上で出てきている報告書だと思っております。 委員がおっしゃられましたように、それぞれのところで非常に前の報告書に比べて一段と環境への影響、温暖化の影響が大きい、あるいは温暖化の進行が速い、予測していたよりもさらに重大であるというような報告書が出てきておりまして、私といたしましては、この報告書の内容についての理解が日本国内はもとより世界全体として深まっていって、問題をみんなで共有をするということになればいいと思っております。
○福山哲郎君 まさにおっしゃるとおりなんですが、理解を共有するだけでは物事は解決をしないと私は思っています。 例えば、異常気象現象については、最高気温及び最低気温の上昇、大部分の地域による降水強度の増加、大部分の中緯度内陸部における夏季の渇水、一部の地域における熱帯低気圧の最大風力及び降水強度の増加等が起きる可能性がある、モンスーン等についても変動の激化をもたらす可能性があると。海面上昇についてもそういうような報告が出ておりますし、ましてや、二〇二五年というと実は二十四年後ですから、ここにいらっしゃる方はまだほとんど生きておられると思いますが、二〇二五年、水不足が五十億人、中央アジアで深刻だというような状況、それからマラリアやデング熱の感染地域が拡大するおそれがあるというような状況が今回の報告で出ています。 二〇二五年というと、本当にここにいらっしゃる方はもとより、我々の次の世代もまさにその被害をこうむる状況でございまして、大臣の言われた理解を深めることはもちろんなんですが、これは科学者が世界の英知でIPCCという枠組みで報告書を出した、今度はそれに対して実行していく、これを回避するためにどういう決断をしていくのかというのが私は政治の役割だというふうに思っておりますし、それが京都議定書も含めて大臣に御尽力をいただいている問題だというふうに思っています。 その政治の役割という点については、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃったことについては私も実は大賛成でございまして、IPCCのような科学的にきちんとした報告書について理解を深めるようにするというのがまず第一歩。で、その理解に基づいて、この理解がありませんと何が必要だという議論になかなかつながっていかないわけでございまして、その先必要な対応策をとっていくことが重要であるということを実際に政治の場で、国際政治の場で議論をし、そのための合意を見る、それから国内的にもそのために必要な制度を構築していくということが非常に大事だというふうに思っております。まさにそこに政治の役割があるというふうに私は思っております。
○福山哲郎君 その中で、副大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 実は、前回の委員会でもお伺いをした件をもう一度確認をさせてください。 G8の環境大臣会合でアメリカのホイットマンさんとさしでやられたと。そのときに、私はこの間確認をさせていただいたのは、このコミュニケで、二〇〇二年までに京都議定書の早期批准を可能にするために、ほとんどの国にとっては二〇〇二年までを意味すると、時宜を得た批准手続を伴うということがコミュニケに言われているわけですが、このほとんどの国にとってということは、アメリカはこの二〇〇二年までの早期批准に対しては了解をしなかったということをもう一度確認をさせていただきたいんですが、それでよろしいでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) ただいま御指摘のありました今回のG8環境大臣会合のコミュニケにおきましては、COP6再開会合の成功は京都議定書の早期発効を可能にするために必要であるという認識は皆さんございました。そこで、ほとんどの国にとってこれは遅くとも二〇〇二年までを意味し、時宜を得た批准手続を伴うとコミュニケで記述されております。 その中の、アメリカがどうなのかという御質問でございますが、私は、今回の会合の機会に、米国のホイットマン環境保護庁長官と個別に会談を持つ機会がございました。ブッシュ政権は気候変動問題を真剣に取り上げるということを会議場でもまた私との会合でもおっしゃっておられましたが、一方で、現在、今後の対応について引き続き検討作業を行っており、国際交渉への態度も決まっていないということでございました。このような事情のもと、米国としては現時点では二〇〇二年までの発効についてコミットはできないということでございました。そういうことからこのような記述になったものと考えております。
○福山哲郎君 二〇〇二年までの発効についてはコミットメントできないという、アメリカが、一番二酸化炭素を排出している国がコミットできないというのは京都議定書にとっては大変重要な問題だというふうに私は受けとめています。 その後、これもこの間のお話と続きになりますが、三月四日の、わずか十日もたたないうちに、ブッシュ大統領がヘーゲル上院議員に、自分は京都議定書に反対であるという書簡を出したと。実は、三月二十一日にチェイニー副大統領はアメリカのテレビ番組で、地球温暖化問題に真剣に取り組むなら欠陥が多い京都議定書より原発建設の方がよい解決策だと述べたという話があります。我々は議定書を支持しないと副大統領が述べたと。このブッシュ大統領の手紙については川口長官がホイットマンさんに書簡を出されたと。それに対して、この間、川口長官は私に、この手紙についても言及をしたお手紙を書かれたというふうにおっしゃっていただきました。 現実には、このホイットマン長官にあてた川口大臣のお手紙の中で、この手紙についてどのような中身で言及をされたのか。また、このチェイニー副大統領の発言については環境省としては確認ないし何らかの対応をされたのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ホイットマン環境保護庁長官への手紙でございますけれども、これは先ほど副大臣からお話を申し上げましたトリエステでのG8の会合で、アメリカは気候変動問題については検討中であるということを言ったということでございましたので、その検討の過程でぜひホイットマン保護庁長官にはイニシアチブをとっていただきたいというお願いをいたしまして、あわせてその中でブッシュ大統領からヘーゲル上院議員への手紙に言及をして、それは非常に残念である、残念に思う、その手紙の内容については残念に思うという趣旨のことを言っております。
○政府参考人(浜中裕徳君) チェイニー副大統領の御発言に関してでございますが、確かに先生お触れになられたような趣旨の発言をテレビで行ったということの、そういう旨の報道があることは私どもも承知しておりますけれども、この特にチェイニー副大統領の京都議定書に関する発言の趣旨というのは、途上国の参加がないそういう京都議定書は重大な欠陥があると、こういうことをおっしゃったというふうに理解しておりまして、そういう意味では、共和党が大統領選挙当時からの公約として掲げられてきた考え方、スタンスとは違いがないというふうに理解をしておりますので、環境省から、このチェイニー副大統領の御発言について特段、例えば米国政府などに対して確認をしたということはございません。
○福山哲郎君 それは、理解をしているのは、環境省さんが独自に理解をしているということですね。そのように理解を、そういう中身の発言であろうと環境省さんが理解をしているということですね。
○政府参考人(浜中裕徳君) 私どもも、インターネットなどを通じて欧米のプレスなどから記事として出されているものについては直接入手も可能でございますから、そういうところから報道されているものを入手し、先ほど申し上げたような理解をしているということでございます。
○福山哲郎君 私が余りにも悲観的に物を考え過ぎているのかもしれませんが、G8の環境大臣会合では二〇〇二年の発効に関してはコミットできないとはっきり言われた、その直後にブッシュ大統領は京都議定書に反対だと言われた、副大統領は、今の浜中局長のお話によっては、途上国の参加がない場合にはという留保つきだとはいいながら、京都議定書には反対だというような言明をされたと。 先ほどから、検討中であるし鋭意コミットをお願いしたいというようなことを期待しているというのが石井先生との質問のやりとりの中でもあったんですが、現実問題として、本当にアメリカのポジションが京都議定書に対してどういうポジションなのかと考えると、私は、大変この流れを見ても悲観せざるを得ない状況でございまして、川口大臣はアメリカのポジションを今どのように御判断されているんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) アメリカの政府は、今、政府部内で気候変動の問題についてどういうスタンスでこれからやっていくべきかということを議論し検討している最中だというふうに了解をいたしております。 それから、ブッシュ大統領からヘーゲル上院議員の手紙の中で、ブッシュ大統領は、この地球温暖化の問題についてはアメリカ政府としても前向きに真剣に取り組むということも言っておりますし、この問題の解決のために創造的なアプローチが必要であると。ちょっと私、今ここに手紙を持っていないものですから具体的にきちんとした文言、引用を申し上げることができないんですけれども、そういう趣旨のことを言っているということでございまして、その二つを考え合わせれば、アメリカ政府のこの気候変動問題についての態度が今の時点で全くネガティブなものであるというふうに判断をするには材料は十分ではない、前向きに議論をしていただいている最中だというふうに私は了解をいたしております。
○福山哲郎君 できればそうあっていただきたいとお願いしますし、そのような交渉をよろしくお願い申し上げます。 これも前の委員会でもお伺いをしたんですが、アメリカのスタンスがまだ読めないと。検討中で、何とか前向きになっていただきたいという今の大臣のお話はわかるんですが、読めない状況の中で、今回、所信に、二〇〇二年の発効に向けてという大変前向きな表現が大臣の所信に入っています。 ということは、アメリカのスタンスがこれから検討を重ねてどう動こうが、日本は二〇〇二年の発効に向けて準備をし批准をしていくというスタンスだというふうに受けとめてよろしいわけですね。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申しましたように、アメリカの政府は、今、政府の中で議論をし検討をしていただいている最中でございます。 私は、アメリカは、温室効果ガスの排出の量という意味でいいますと世界全体の排出量の四分の一近くの排出量を占めておりますし、その国が参加をするということは京都議定書の実効ある実施という意味でも非常に重要でありますし、なお、さらに世界全体の温暖化ガスの排出の削減ということを考えた上でも重要な意味を持つことだと思っております。 したがいまして、アメリカの検討がこの問題について前向きであるようにということについてはさまざまな働きかけをしながら、この二〇〇二年までの発効を目指して必要な国内措置の検討及び国際的な会議の場でのイニシアチブをとっていきたいと思っております。
○福山哲郎君 私は、働きかけはぜひお願いしたいと、アメリカの参加は私も必要だと思っていますから。そうではなくて、アメリカは、それは検討した結果出てくる答えですし、そのアメリカのスタンスとは関係なしに、所信に書かれているように、二〇〇二年までに日本は批准をする準備はされるんですねと。アメリカのスタンスは今検討中なわけですから、大臣の言われたとおりで、働きかけをして参加をしてもらえればいいけれども、我が国はそれにはかかわらず批准をする用意があるのですかとお伺いをしておりますので、それに対してお答えをいただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 日本といたしましては、国際的な合意というのが非常に重要であると思っておりますし、また、その合意をしたときに国内的にその担保が可能なような制度の構築というのが重要でございまして、先ほど申し上げましたことは、こういったその国際合意に向けての努力をし、なおかつさらに国内措置の構築に向けて努力をするということでございます。
○福山哲郎君 いや、だけれども、じゃ、ちょっと角度を変えます。 このG8の環境大臣の会合で、コミュニケに、ほとんどの国については遅くとも二〇〇二年までを意味し、時宜を得た批准手続を伴うという、ほとんどの国の中に日本は入っているんですね。
○国務大臣(川口順子君) 私どもは、昨年のハーグの場でも、日本は二〇〇二年までの発効を目指して努力をするということを、最大限の努力をするということを言ってきておりますし、それはいまだに変わっておりません。
○福山哲郎君 済みません、聞かれたことにお答えをいただければ結構でございます。 ほとんどの国にとっては遅くとも二〇〇二年までを意味し、時宜を得た批准手続を伴うというコミュニケに、日本はちゃんとコミットしたんですね。このコミュニケの内容のほとんどの国の中には日本は入っているんですね。
○国務大臣(川口順子君) お答えいたしましたように、日本はずっと二〇〇二年までの発効を目指して最大限の努力をし、取り組んでいくということはずっと言っております。
○福山哲郎君 どうしても批准という言葉は大臣お使いになられないわけですが、それは何でお使いになられないんですか。
○国務大臣(川口順子君) コミュニケにございますように、日本は、これはそういう意味でいいますと、清水大臣がなさった昨年の大津のG8の会合からそうでございますけれども、二〇〇二年までのその発効を目指して努力をするということでございます。ということで尽きていると思います。
○福山哲郎君 切りがありませんので、次に行きます。 ここは、けれども、非常に重要だと思いますので、ここをうやむやにされる理由はどこかで明らかにしていただきたいと思うんですが。 所信にあります、国内制度の構築が必要だとされておりますが、大臣の言われた二〇〇二年発効まで国内制度の構築に対して、批准するかどうかは別ですね、今お答えなかったわけですが、スケジュールはどういうふうになっているのか、今どういう御議論をしているのか、スケジュールをお知らせください。
○国務大臣(川口順子君) 現在、中央環境審議会の場で二つの小委員会を設けまして議論を進めていただいております。これは、その京都議定書の目標を達成するために必要な国内制度のあり方、あるいはその技術的な可能性といったことについて議論をしていただいているわけでございます。 それぞれの小委員会が、スケジュールで申しますと、ことしの夏を目途に地球環境部会、これは中環審の地球環境部会に対して中間報告を行う予定でおります。 それから、それはCOP6の会合、COP6再開会合が七月の下旬に開かれるということでございまして、そこで京都議定書の運用の細目のルールが決まりませんとさらにそれを詰めていくという作業に取りかかれないわけでございまして、そこの再開会合での必要な細目の合意を前提に、小委員会ではさらにその後その審議を進めまして、ことしじゅうに部会に対して最終報告を行うという予定でおります。 それから、これは中環審は環境省の話ですが、経済産業省におきましても、総合資源エネルギー調査会の場等でエネルギー需給の見通しの改定作業を行っていると、その中でエネルギー起源の二酸化炭素の排出の削減の検討もしていただいているところでございます。 環境省といたしましては、経済産業省あるいは他の関係省庁との連携を行いつつ、中環審等におけるその審議結果を踏まえまして、二〇〇二年に議定書を締結できるように、京都議定書を担保するための法案を提出するということを目指して全力で取り組みたいと考えております。
○福山哲郎君 御丁寧にお答えいただいて、ありがとうございます。 そのような状況の中で、実は環境省から温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会報告書というのが出ました。これは新聞報道もあったんですが、この環境省の温室効果ガス削減技術シナリオ策定調査検討会の報告書によれば、二〇一〇年の温室効果ガス削減は極めて難しいという報告がこれ出ています。 それも、これは何を前提にかというと、いわゆる温暖化防止対策大綱という、それまでずっとこの三年間すべての国際会議のときに前提となっていた、我が国の交渉の前提となっていた温暖化防止対策大綱のままでやると削減が難しいという報告を環境省がついこの間、三月十五日に出されました。 これ、このままだとだめだというふうに言われているんですが、浜中局長、これ一体どうすればいいんでしょうか。
○政府参考人(浜中裕徳君) 三月十五日に確かにその環境省の検討会の報告がまとめられまして、そこにおきましては確かに大綱について言及されましたが、大綱の中で実施することが掲げられており、その現時点までに実際に決定された政策や対策のうちで確実性が高いといいますか、排出削減の確実性が高いものの実施をした場合にどのぐらい効果があるかということにつきまして、基準年、京都議定書の基準年と比較した二〇一〇年の温室効果ガス排出量というものを推計したということでございまして、その結果では、そうした政策のみではその基準年と比較して五ないし八%増加をすると、こういう推計結果になっているわけでございます。 ただ、同時に、この検討会報告書では、技術的な観点からはどのぐらいさらなる削減が可能かということについても算定をしております。 ただ、この場合には、もちろん特定の技術を実際にその対策に用います場合に制度面あるいは資金面でのいろんな制約もございますから、それも実際にはあわせて検討をしていく必要がございますが、この検討会では主に技術的な面からの可能性ということでございますので、こうした制度的、資金的な制約は捨象しまして技術的な観点からどれだけできるかということを算定したわけでございますが、この結果によりますと、基準年と比べて、温室効果ガスの排出量で申し上げて二ないし一三%の削減ができる可能性があるということが推計されているというわけでございますから、この検討会の報告書それ自体で六%削減の達成が難しいという結論づけをしたものではございません。 いずれにしましても、私ども環境省におきましては、先ほど大臣から申し上げましたとおり、中央環境審議会の地球環境部会におきまして、この検討会では捨象されていた個々の追加的な対策による削減可能性のコスト面などの条件を詳細に検討する、あるいはこれを実現するための具体的な国内制度のあり方について検討をしていくこととしておりまして、こうした審議結果も踏まえて、先ほど大臣から申し上げたとおり、二〇〇二年までの締結ができるように、国際交渉の進捗状況も踏まえながら、目標達成に必要な実効性ある国内制度の構築に全力で取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。
○福山哲郎君 今局長は、この報告書が出たからといって六%の達成が不可能だということは限らないというふうにおっしゃられました。しかし、みずからもおっしゃられましたように、大綱どおりにやってだめな報告書、もう実際環境省から出ていると。 この温暖化防止対策大綱についての見直しにはこれはつながる可能性はあるんでしょうか。どちらでも結構でございます。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど局長が申し上げましたように、どういうような対策が必要かということの議論を今いたしております。 それから、同時に国際場裏で議定書への合意が達成されて、そこでどのような京都議定書の細かい運用ルールが設定されるかということも、今後の対応を考えるときには必要でございます。 ということでございますので、現在は国内的にはどのような制度が、京都議定書の運用ルールが合意されたときにどのような国内制度を持っていることがそれを担保することになるかということの観点で、できることの検討を今最大限にするということで取り組んでいるわけでございます。
○福山哲郎君 どうも大臣は、僕の言っていることにはお答えをいただけないみたいなんですが。 局長、どうなんですか。これが温暖化対策大綱の見直しになる可能性はあるんでしょうか。
○政府参考人(浜中裕徳君) 先ほども申し上げましたとおり、検討会では技術的な観点からはいろいろな検討をしていただいている、こういうことでございまして、現在、それも踏まえまして中央環境審議会の地球環境部会において、資金的な、コスト面の制約条件であるとか制度面の検討でございますとか、そういう点も含めて具体的な国内制度のあり方についてさらに検討を深めていただいているというところでございますので、それを鋭意進めてまいりたい。 その結果に応じてさらなる、先ほど申し上げましたように、我が国として国際交渉の進捗状況も踏まえながら、目標達成に必要な実効性のある国内制度の構築に向けて真剣に全力で取り組んでまいりたい、このように考えている次第でございます。
○福山哲郎君 なかなかお答えをいただけないので、ちょっと困っているんですが。 基本的にこの温暖化防止対策大綱というのが非常に重要な意味を持つというふうに私は思っておりまして、大臣も局長もそう簡単に見直すなんというのは、他の省庁との関係もあるから言いにくいというのも私もわかっているつもりでございます。 しかし、現実に環境省の報告書の中でこれは不可能だという数字が出ている限りは、この温暖化対策大綱をやっぱり見直していかないことには正直言って発効に対する国内法制度の整備もできないというふうに思いますし、そこは逆に環境省の方からこのままじゃ無理だということをもっと声高に言っていただいてもいいぐらいではないかなと私は思っているところなんです。 ただ、実際問題は、これは大臣にちょっとお伺いしたいんですが、副本部長をやられている大臣にお伺いをします。 地球温暖化対策推進本部、この大綱を決定した機関ですが、この地球温暖化対策推進本部というのは、本部長は内閣総理大臣でいらっしゃいますから、地球温暖化の対策についての最高決定機関はこの温暖化対策推進本部だというふうに受けとめてよろしいわけですね。
○国務大臣(川口順子君) 政府として一貫してある対策をとろうということになりました場合に、それは閣議決定によるというふうに思っております。
○福山哲郎君 そうすると、この推進本部の位置づけというのは、どういう位置づけになるんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) これは、温暖化だけではなくて、さまざまなことについて本部というものがあり、それを受けて閣議決定をするということに、そこでの、本部での議論を受けて閣議決定をするというようなことで日本政府としては動いているわけでございまして、これも全くそれと同じようなことでございまして、この地球温暖化対策推進本部については、これは地球温暖化防止に係る具体的かつ実効ある対策を総合的に推進するためということで動いているわけでございます。 具体的に例えばどういうことをやっているかということで申しますと、毎年、地球温暖化対策の具体的な措置の推進状況を点検しているということで、九九年の七月に、それからさらに昨年二〇〇〇年の九月にこのフォローアップの仕事をいたしております。
○福山哲郎君 今、まさに大臣が言われているみたいに、地球温暖化対策推進本部、内閣総理大臣が本部長で副本部長は川口大臣ですが、去年の九月から開かれていない。その間にCOP6はありました。さらにはアメリカの大統領もかわりました。そして、先ほどから何回も言っているように、中環審や産構審でお伺いしたようにいろんな議論がされていて、COP6が行われて現実に決裂をしたにもかかわらずこの推進本部が開かれていないというのは、一体この推進本部は何のためにあるのかと私は大変疑問に思っておりまして、だれが招集するんですか、これは。
○政府参考人(浜中裕徳君) この地球温暖化対策推進本部は、本部長でございます内閣総理大臣の招集に応じて開催されているということでございます。
○福山哲郎君 内閣総理大臣はそれどころではないかもしれませんが、ただ、先ほど大臣が言われたように、本部を経て閣議決定をされるとおっしゃいました。現実問題として、COP6が終わってからこの本部自身が一回も開かれていない。一体だれがどこでこの温暖化に対する対策の最終責任を会合でするんだと。 環境省が中環審でやっている、経産省が産構審でやっている、それはわかります。でも、現実問題としてここの本部が去年の九月から全く開かれていないということ自身はこれは大変だと思っていて、その状況の中で環境省からは大綱がうまくそのとおりいかないという、大綱どおりやっても六%削減はできないという報告書が出ているわけでして、私は大変問題だと思います。 アメリカのスタンス、それから批准についてきょう言明をされなかった点についてももう少し、済みません、僕はいつもこうやってきつ目に言っていますが、環境省さん、頑張っていただかないとIPCCの報告にありましたように本当に危険になってまいりますので、ぜひ頑張っていただきたいと申し上げて、きょうの私の質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 答弁はいいんですね。
○福山哲郎君 要りません。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井俊男さんが委員を辞任され、その補欠として北澤俊美さんが選任されました。 ─────────────
○但馬久美君 公明党の但馬久美でございます。 私は、生活に根差した環境問題、特に女性の目線で化学物質過敏症や食の安全、そしてまた食品問題などについてこれまで問題を追ってまいりました。いろんな問題が浮き彫りになっております。先ほども福山議員からも取り上げられましたし、また前回の委員会でも櫻井議員が取り上げられております。 どうもその原因は、有害物質がどこからともなく生活環境に放出されている、また有害物質が製品に、いわゆる建材や食材に含まれているといったことによる健康への影響です。しかしながら行政機関、取り組んではいただいているものの、なかなか原因の究明が進んでおりません。そのうち、ある程度事態が進展した段階で既に取り返しがつかないような状況にあるのではないか、これからの世代を担う幼児や児童、またあるいは抵抗力の減退した高齢者にも生まれ出てくるのではないかと非常に懸念をしております。これは一刻の猶予もならない問題だと思っております。 そこで、環境大臣にお伺いいたしますけれども、地球環境問題や循環型社会の形成の問題とともに、身の回りで起こる問題、有害物質やまた化学物質の問題に取り組むに当たって、大きな問題であると思っております。先ほどもお答えがありましたけれども、再び大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 有害な化学物質が身の回りの製品、子供のおもちゃも含め、に含まれていて、生活者がなかなか安全だと感じられない、あるいは安全であると言われても安心できないというような状況にあるというふうに認識をいたしております。 今、大変に多くの種類の化学物質が使われているわけでございますけれども、それが一方で環境汚染等の問題を引き起こし、また他方でそれらがなくては我々の生活が成り立たないという、経済を支えるもの、あるいは有用なものという部分も両面があるというふうに思っております。 それで、持続的な社会をつくっていくという観点からいきますと、やはり化学物質の、環境を通ずる環境汚染の問題が、リスク評価がきちんとなされて、それで必要な対策が環境の汚染を事前に予防するという立場からとられるということが大事だと考えております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 これからちょっと少しずつ細かく伺ってまいりますけれども、今私たちの周りでは、建物の内部で長い時間過ごすために、住宅内でのアレルギー原因の物質、または揮発性有機化合物が影響したとされている状態と同じような問題、シックスクール問題、そして子供たちにそういうものがあらわれております。一方、学校給食における輸入小麦の安全性の問題、例えば遺伝子の組みかえ小麦ではないかとか、また環境ホルモンの疑いもあるなどと指摘されております。もちろん、従来から問題視されているいわゆる杉並病、化学物質過敏症の方々は今でも苦しんでいらっしゃいますし、こうなってきますと、みんな自分たちで自衛手段をとるしかありません。安全な水とか、安全な食品、安全な製品、また安全な生活の場所を求めて真剣に考えなくてはなりません。 これまで行政がさまざまな取り組みをしてきてはおりますけれども、実際に苦しんでいる人たち、個人個人のところまでは行き届いていないというのが実態であります。したがって、この被害を受けて苦しんでいる人はどこに訴えたらいいのか、そういう状況に置かれております。 そこでお尋ねいたしますけれども、先日も報道されておりましたけれども、このたび厚生労働省と東京都がそれぞれアレルギー性疾患に悩む患者さんの救済を目的にアレルギー担当保健婦を育成する方針のようですけれども、その内容を具体的にお伺いしたいと思います。これは厚生労働省。
○政府参考人(篠崎英夫君) 地域住民からの相談を受けるアレルギー担当保健婦などの育成につきましては、平成十三年度から、リューマチ、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎そして花粉症の四疾患につきまして、教育プログラムを作成して、都道府県の保健医療従事者を対象とした養成研修を実施することといたしております。 具体的な中身につきましては、この四月に設置を予定しておりますリウマチ・アレルギー対策検討会の中で専門家の意見を踏まえてさらに中身については具体的に検討していただこうと、このように思っております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 そこで、我が国では国民の三割の皆さんが何らかのアレルギーに苦しんでいると言われております。きょうはこの会場の中でも二、三人いらっしゃいますし、それでもアレルギーの患者さんが相談したくても、その相談窓口がどこにあるのか不明の場合が多くて、やり場のない思いをなさっていらっしゃるのが現状であります。保健婦さんがその窓口になっていただけないか、もしこれが実現できれば非常に患者さんたち喜ばれると思いますし、また医学の視点から見ますと、家庭とそしてまた学校、病院などがパイプ役を果たすようなことができれば一段とアレルギー対策に対する前進にもなると思います。 そのために、保健婦さんの研修費用、先ほど十三年度予算に組み込んでいらっしゃると伺っておりますけれども、その辺が手当てできるのかどうか、その点お聞かせください。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほど申し上げた研修会のことでございますが、私ども厚生労働省といたしましては約六百万円を計上いたしているところでございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。 次、厚生労働省と林野庁にお伺いいたします。 免疫不全で起きると言われているアレルギー症では、最も一般的なのが杉花粉だと言われております。日本気象協会によりますと、ことしのこの花粉の飛散量は、関西では二倍から三倍と聞いておりますし、また関東では一・一倍から一・五倍と予想されております。現在のところ、この杉花粉の対策はどれだけ進んでいるのか、この対策について。 そしてまた、効果のある薬も登場してきていると伺っておりますけれども、患者はふえるばかりで減っているということは一向に聞くことがありません。もとを断つ方策は何か考えておられるのか。 つまり杉対策、例えば花粉の出ない杉に植えかえていくとか、もちろん口で言うのは簡単ですけれども、大変難しい問題だと思います。そしてまた、今後半永久的にこの春先にこういう杉花粉で悩む人たちの憂うつなこういう気持ちは解消しないというもう絶望的な患者さんが非常にふえてきているということをよく伺います。発生源は杉だけではなくて、そしてまたとりあえず最も大きな原因になっているこの杉対策が喫緊の課題だと言えると思うんですね。 この花粉症対策の現状として、杉対策について厚生省はどういうふうに考えていらっしゃるか、また林野庁の方はこれに対してどういうふうに考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) それでは、私の方から花粉症に対する厚生労働省の取り組みということでお話を申し上げますと、私どもは平成四年度から、まず厚生科学研究費補助金によって研究班を設置をいたしまして、花粉症を含めた免疫・アレルギー疾患の病因、病態の解明及び治療法の開発等の研究を推進してきたところでございます。 また、アレルギー疾患に関する臨床研究機能の一層の充実を図りますために、昨年十月に国立相模原病院に臨床研究センターを設置をいたしました。 また、先ほど申し上げましたけれども、本年四月からリウマチ・アレルギー対策検討会というのを設置いたしまして、地域における相談体制の整備ですとか、あるいは普及啓発の方法などについて検討をしていきたいというふうに考えておりまして、今後とも関係省庁あるいは産業界、学界などと連携しつつ、研究から治療に至る総合的な対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
○但馬久美君 林野庁。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 林野庁次長の加藤でございます。 花粉症対策につきましては、原因の究明であるとか、あるいは予防及び治療であるとか、発生源に関する問題であるとかというようなことについて総合的に推進するということが必要になるわけでございまして、今、厚生労働省の方でもお答えになりましたけれども、環境省であるとか厚生労働省、林野庁が連絡会議を設けて総合的な対策を検討していこうということにいたしているところでございますが、林野庁といたしましては、杉花粉症につきましては、まず一つは花粉の少ない杉品種を開発をするということで取り組んでまいりました。現在までに五十七品種を開発いたしまして、現在、その供給体制の整備に努めているところでございます。 また、杉花粉の発生を抑制するということも考えながら間伐を行っていく、間引きを行っていくということで、平成十二年度から百五十万ヘクタールを緊急に間伐する五カ年計画というものを立てておりまして、それをできるだけそういう花粉対策にも資するように、例えば雄花のつきが激しいような木を切るというようなことも頭に置きながら進めたいというふうに思っております。 それから三点目といたしまして、花粉の生産量の予測手法等に関する調査を行っているところでございます。 こういった対策をとっていきたいというふうに考えているところでございます。
○但馬久美君 ぜひ省庁連携をとって進めていただきたいと思っております。 ところで、話は飛びますけれども、ダイオキシンの基準値を検討する場合、成年者を想定して基準値はつくられております。症状のあらわれやすいのは幼児や子供たち、そしてまた高齢者ではないか、そういうふうに思うわけです。 環境規制の基準については、過去のマイアミの環境大臣会合や、また先ほど話がたびたび出ております今回のイタリアのG8の環境大臣会合でも、子供、幼児のレベルでの設定をすべきであると話し合われているようですけれども、この環境汚染とともにそれとつながりを持つ特殊疾病についても同じような視点で取り組むべきだと思うのですけれども、この点、厚生労働省そしてまた環境管理局の方はどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 今、先生御指摘のいわゆる小児や老人など感受性の高い方々に視点を置いた安全性評価と、それに基づく規制基準の設定ということについては、まずダイオキシンにつきましては、耐容一日摂取量を設定する際に、毒性試験におきまして最も感受性の高い胎児期の暴露による影響を使用しております。さらに、小児や高齢者等の個体差も考慮しますために、いわゆる不確実係数を適用いたしまして、その点も取り込むということを行っているところでございます。 それから、化学物質過敏症が原因の一つとされるいわゆるシックハウス症候群などにつきましては、原因物質であるクロルピリホスの室内化学物質濃度につきましては、いわゆる小児を対象とした指針値を策定いたしまして、その他の原因物質につきましてもいわゆる小児や高齢者等の個体差も考慮する不確実係数を適用するという形で行っているところでございます。 今後とも、感受性の高い方々に視点を置いた調査研究の推進や科学的知見の収集を通じて、着実な取り組みにつなげていきたいというふうに思っております。
○政府参考人(松本省藏君) 環境省の方でございますが、大気あるいは水質につきましての環境基準に関してでございますが、成人だけでなくて、感受性が高くて抵抗力の比較的弱い子供、幼児などに対しても健康影響が生ずることのないように、疫学調査あるいは毒性試験などによる科学的知見に基づきまして、そして十分な安全を見込んでこれらの環境基準は設定されているわけでございます。 環境省といたしましては、今後とも、先生お話のございましたG8の環境大臣会合におきます子供の健康と環境に関する宣言、ここで述べられております原則を尊重しながら、子供の特徴を考慮に入れた健康影響の評価あるいは基準の設定に努めていきたいと考えておりますし、また化学物質過敏症も含めた健康影響に関する科学的知見の充実に今後とも努めてまいりたいと考えております。
○但馬久美君 ぜひよろしくお願いいたします。 今出ましたこの化学物質過敏症についてでございますけれども、るるここから伺っていきたいと思います。 日本でも約一割の化学物質過敏症の患者さんがいると考えられております。しかし、極めて超微量な化学物質による健康被害のために不詳のためほかの病名がつけられない。また、あるいは不定愁訴という方にして片づけられてしまう、つまりやる気がないとかそういうふうに見られてしまう。 御存じのように、これは米国では既に四十年前にこの化学物質過敏症についての論文が発表されており、また、その後アメリカの臨床環境医学アカデミーを設立されて、着実に医師の間にこの化学物質過敏症が浸透していっています。そういう実態がうかがえます。 日本でも二十数年前から一部ではこの問題について訴えられてきておりますけれども、一向にらちが明きません。現状において、なおかつこの化学物質過敏症がわかる医療機関が北里大学に限定されておりますけれども、そのために患者さんは、医療機関が足りないとか、また保養施設が少ない、そしてまた健康保険がきかない、そういうようなところの問題点が数々挙げられております。 化学物質過敏症に対する現在の取り組み、それはどういう状況になっているのかお伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生御指摘のありました微量の化学物質によって人体に何らかの過敏な反応が生じるのではないかとされておりますいわゆる化学物質過敏症についてでございますが、新築住宅などに関連して発生することが多いということから、厚生労働省といたしましてはシックハウス症候群対策ということで今取り組んでいるところでございます。 このため、昨年の四月にシックハウス対策関係省庁連絡会議を設置いたしまして、情報や意見の交換を行うようにしております。六つほど柱がございますが、一つが原因分析、二番目が健康基準値と測定方法の基準、三番目が防止対策、四番目が相談体制の整備、五番が医療研究対策、六番目が汚染住宅の改修、この六つの柱から成る総合的なシックハウス対策を関係省庁と連携をとりながら進めているところでございます。 このうち、厚生労働省といたしましては、まず一番目の病態の解明、診断法、治療法等の確立に向けた調査研究、それから普及啓発及び相談体制の充実、それから建材などから放散される化学物質の室内濃度指針値の策定などでございまして、今後ともシックハウス対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 人類がこれまで開発してきた化学物質は千六百万種類と。また、毎年二千種類の新たな化学物質が生み出されていると伺っております。これらすべて日常生活に活用されるとは限りませんけれども、もちろん一々安全が確かめられるわけでもありませんし、二十一世紀は化学物質の反省期とも言われておりますし、また、長期間にわたる化学物質の極微量蓄積によって反応が出てくる。間違いなく神経や免疫、内分泌のホルモンのすべてのシステムに影響が出てくると考えられております。 日本では化学物質過敏症を病気として認定しないということなんですが、米国では化学物質過敏症という病気は存在していると報告を聞いております。日米の対応が随分違うようですけれども、なぜこの化学物質過敏症を病気と認定しないのか、その理由。そしてまた、米国においては化学物質過敏症に対してどういう姿勢で臨んでいるのかについて御見解をお伺いしたいと思います。厚生労働省、済みません。
○政府参考人(篠崎英夫君) アメリカの米国臨床環境医学会、先生先ほどアカデミーとおっしゃいましたが、これに属する研究者グループにおきましては病名として化学物質過敏症の用語を使用しているというふうに承知をいたしております。 しかし、例えば米国の中でもアレルギー・免疫学会においては、一般的なまだ疾病概念となっていないというふうにも聞いております。 我が国との比較でございますが、我が国の医学界におきましてはまだ病名として十分な認知が得られていないという状況にあるというふうに認識をいたしております。 それから、米国での治療とか医療については私どもちょっとまだ詳しくはわかっておりませんが、我が国におきましては化学物質過敏症という病名で医療保険が請求できるという状況ではございませんが、それぞれの不定愁訴も含めまして、症状によっていろいろな病名がつくわけでございますが、それにつきましては医療保険の対象になっておるというところでございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。 いろんな種類が出てまいりますので、やはりこの研究はきちっと重ねていっていただきたいと思っております。 研究者の御意見を賜りますと、人の体は過酷な外部の環境に抵抗して、内部で一定に保とうとする努力をしております。その内部の環境を維持している三本柱が免疫とホルモンと自律神経と言われております。この三本柱は繊細なために、極微量の化学物質に影響されて変化します。現実に障害が出てきていると言われているんですけれども、この免疫の異常によるアレルギーがホルモンの異常からくるとされている子宮内膜の異常や、また精子の数の減少、そしてまた自律神経の異常症状がいわゆる化学物質過敏症であると言われております。この三本柱は互いに連動し合って、一方が乱れればほかも乱れていってしまうと、そういうような性質を持っております。 したがって、今後の健康についての大切な課題はこの三本柱をいかに化学物質から守るか、つまり共生の問題であると思います。この点について、厚生労働省はどのような御見解を持っていらっしゃるのかお聞かせください。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま先生の御指摘のような説があるのも事実でございますが、まだ医学的にはこの問題、十分に解明されているという状況にはないと考えられております。 例えば、建材などから放散される化学物質が関係しているとか、あるいは暖房の燃焼ガス、カビ、ダニ、あるいはそれぞれの化学物質に対する感受性の個人差など、そういうようなさまざまな要因が複雑に関係しているのではないかというふうに言われているところでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、化学物質の健康に与える影響などに関する研究を一層進めまして、この症状の原因分析あるいは発生機序の解明などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
○但馬久美君 大変、研究者はいろんな学者がいらっしゃいますし、私も今回これを質問するに当たっていろんな勉強をさせていただきながら、化学物質過敏症、非常に根の深いものでありますし、またどんどんふえてきておりますから、ぜひその辺をしっかりと研究していただきたいと思っております。 我が国においても早期に化学物質の過敏症の位置づけを明確にして、先ほどシックハウス対策で六項目、いろいろ挙げていただきましたけれども、保養施設の設置対策、先日もこの問題が出ました。旭川市に化学物質過敏症に対応するための隔離する施設があると伺っております。一つのこれも方法ではないかなと思っておるんですけれども、この隔離施設についてはどういうお考えを持っていらっしゃるか、お伺いいたします。これは環境大臣に、もしできましたらお伺いしたいと思っております。
○国務大臣(川口順子君) 委員が今おっしゃられましたように、化学物質に対して過敏な人たちというのは確かにいらっしゃるようでございまして、これの原因が、ただいま厚生省からお話がございましたように、さまざまな未解明な部分があるというふうに私も承知をしております。実際に、新しい建物に入って非常に健康に影響が出るというような人は私も知っております。こういう患者さんが原因物質から隔離をされる、あるいはそういう施設があるということは有効だというふうに私も聞いております。 環境省といたしましては、化学物質によるさまざまな健康影響につきまして、その原因あるいは実態を解明するための調査研究を推進して、その治療法や対策の一日も早い確立を目指していきたい、政府としてはそういうふうに考えております。
○但馬久美君 同じ質問を厚生労働省の方にもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(篠崎英夫君) ただいま大臣の方からも御答弁がございましたし、また私どもも先ほど申し上げましたが、この問題につきましてはまだ医学的に十分解明されているとは言えない状況でございます。というようなことでございますので、現時点におきまして、今先生御指摘の保養施設への一時滞在による治療効果については、まだ医学的根拠も十分に得られていないというような状況にあるのではないかと思っておりまして、私どもとしては研究の一層の充実ということを当面の課題としているところでございます。
○但馬久美君 待っているのではなくて、ぜひもう前向きにどんどん進めていっていただきたいと思います。 もう一つは、ある研究者の報告によりますと、化学物質過敏症の患者さんの診断は客観的な証拠が少なくて、医師が診断を下すには本当にちゅうちょせざるを得ない場合が多分にあると思うんですね。しかし最近、検査法で患者さんの神経に異常があるということを突きとめたようであります。それは、例えば動く目標を的確に追えないとか、また、ひとみに光を与えますと一瞬はひとみがぐっとしぼんでしばらくしてもとに戻る、この交感神経と副交感神経の作用にも異常が検出されてきている。つまり、化学物質によって神経系が異常を示したという証明があるという研究者による話であります。 実態面にしても、新築の家屋における子供の粗暴性や、また落ちつきがない状態などが出るという報告も受けております。特に、私は思うんですけれども、最近、経済の一般紙に日本の子供は切れやすいという記事を見ました。ある学者の国際実態調査の報告という形で記載されておりましたけれども、これを見て、多分にこれは化学物質の影響があるのではないかという思いがいたします。 この点、環境大臣はどのように感じられますか、御感想をお聞かせください。
○国務大臣(川口順子君) 私も委員御指摘の新聞記事を読みました。そういうようなことが言われているということは承知をしております。ただ、子供の社会で起こっているさまざまなこと、これは教育に関連して言われていることもございますし、それから家庭のあり方、社会のあり方、さまざまな要因がありまして、そういった要因が複合して関連をしているのかなというふうに思っております。 いずれにしても、環境省といたしましては、化学物質の子供への影響ということについては十分に知見を蓄積するということが大事だと思っておりますので、その方向で努めてまいりたいと思います。
○但馬久美君 どうもありがとうございました。 シックハウス問題に関する検討会において昨年の十二月に中間報告がまとめられ、個別の揮発性有機化合物の室内濃度と、それとともに総揮発性有機化合物の空気質指針値が設定されました。これはガイドラインとしての印象を受けますけれども、一般国民が理解できるように、この中間報告はどういう性格のものなのか、手短に概略をお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(宮島彰君) 厚生労働省におきましては、昨年の四月からシックハウス問題に関する検討会を開催いたしまして、この検討会におきましては、居住者の健康を確保するため、国や地方公共団体が実施します室内空気汚染に対する各種施策の基礎となる室内空気中化学物質に関する指針の策定を行っているというところでございます。 これまで、御指摘の中間報告等の成果におきましては、ホルムアルデヒド、トルエンなど八物質の室内空気中濃度の指針値及び標準的な採取・測定方法を策定いたしました。さらに、室内空気中化学物質濃度の総量についての暫定目標値も策定いたしました。さらに、利用者のニーズに合わせた簡易測定法の目録の作成といったことも行いまして、既に各地方公共団体に対しまして通知いたしたところでございます。 これからも、既に指針値を定めました化学物質以外につきましても、順次、指針値や標準的な採取・測定方法を策定しますとともに、測定・相談対応のためのマニュアルや室内空気汚染のモニタリング体制のあり方等の検討などを進めていきたいというふうに考えております。
○但馬久美君 ありがとうございます。 そこで、国民の皆さんにとって関心があるのは、自分の家にはどういう化学物質が蔓延しているのか、どういう被害があり得るのかということなんですね。その検査方法をどこに申し込めば、またどれくらいの費用がかかるのか、この点明確にしてあげることも一番大事なんではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) 先ほどの中間報告の中では、一応二つの検査方法が示されております。一つは、標準的な採取・測定方法というやり方、それからもう一つは、利用者のニーズに合わせて簡易な測定方法を行うというものであります。 費用につきましては、まず、この標準的な採取・測定方法の関係でございますけれども、いわゆる専門の検査機関に依頼いたしまして、今申しました厚生労働省におきまして策定した標準的な採取・測定方法を行うという場合には、一件当たり約四十万円程度の経費が必要というふうに見込まれております。 もう一方の、スクリーニング等の目的で室内の汚染状況を知るため簡易な測定方法による場合、これはみずから簡易測定器を用いて実施する場合とか、あるいは採取試料の分析のみを専門機関に依頼するという場合ですと、一件当たり数千円程度というふうに見込まれておるところでございます。
○但馬久美君 それはどこに申し込めばいいんでしょうか。
○政府参考人(宮島彰君) これは一応県に通知しまして、県の保健所またはその検査の専門機関にお願いするということになります。
○但馬久美君 ありがとうございました。 先ほどのこのシックハウスの中間報告によりますと、室内の空気汚染対策として、関係する法律、建築基準法など三本程度はあると伺っております。また、この木材についても規格も複数あると伺っておりますけれども、関係する省庁は厚生労働省、国土交通省、そして経済産業省、農水省でしょうか。今後、シックハウス対策のこの法制化は視野に入れているのかどうか、その辺をお聞かせください。
○政府参考人(篠崎英夫君) 先ほど申し上げました関係五省庁で連携をとりながら各般の対策をとっておるわけでございます。現在はそういう状況でございまして、厚生労働省といたしましては、化学物質による健康への悪影響に関する研究の成果やあるいは国会での御議論などを踏まえて、今後適切に対応したいと考えております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 この問題で深刻なのは、やっぱりシックスクールの問題ではないかと思います。冒頭申し上げましたように、幼児やそしてまた児童の視点からも見るべきであると思いますし、また、学校建築においても十分な配慮が払われていないのではないかと思います。学童の症状は別の要因と片づけられてきているようですけれども、この点、文部科学省はどういうふうにお考えなのか、お聞かせください。
○政府参考人(小田島章君) 文部科学省といたしましては、平成八年度から、環境を考慮した学校施設をエコスクールと呼んでおりますけれども、整備を推進しております。この中で、人体に安全な建材の採用について各都道府県教育委員会に利用していただくよう周知をお願いしたところであります。 また、ことし、平成十三年一月二十九日には都道府県教育委員会等に対して依頼の公文を出しまして、学校施設の整備に際しては、児童生徒等の健康と快適性を確保する観点から、室内空気を汚染する物質の発生などがないような建材の採用及び換気設備の設置等について十分配慮するよう各都道府県教育委員会等に文書でお願いをしております。さらに、これらにつきましては、都道府県教育委員会の施設の担当者の会議などについても周知徹底をお願いしております。 小中学校、高等学校の建設は、原則的に設置者である市町村及び都道府県教育委員会が行っておるものでございますが、それらにおきまして、学校施設の新築、改築及び改修に当たっては、これらに基づきシックハウス対策を行っていただけるものと理解しております。
○但馬久美君 そうしますと、平成十三年度にはその予算がついているわけですか。
○政府参考人(小田島章君) シックハウスあるいはシックスクール対策という形ではございませんが、学校の新築、改築に関しましては補助制度がございまして、その補助制度の中で、そういう校舎の建設、改造を行う際に有害な汚染物質の発生がないような建材について採用する場合には国庫補助の制度がございます。
○但馬久美君 ありがとうございました。 化学物質過敏症の学童にとっては学校も家も区別なく発症します。家でしか発症しない、学校では反応はないということはないと思うんですね。過敏症の子供さんについては別途学習施設が必要になってきているのではないかと思うんですけれども、例えば、化学物質に汚染された新築の家から離れて郊外の古い木造の家に引っ越しして発症しなくなったという例と同じように、化学物質に汚染されない校舎をつくることも視野に入れるべきではないかと思うんですけれども、この辺、広域な見地でどのように考えておられるのか、文部科学省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小田島章君) 学校の校舎というのは先生御指摘のように児童生徒が一日の大半を生活する場所でありますので、子供たちにとって安全で快適な場所でなければならないことは当然でございます。 つきましては、文部科学省では、従来より、学校施設の計画、設計上の留意点を学校施設整備指針として取りまとめております。今年度、その改定が行われることになっておりますけれども、児童生徒の健康と快適性を確保するため、室内空気を汚染する有害な物質の発生のない、あるいは少ない建材を採用することとか、換気設備の設置について盛り込んでおります。 また、現在、文部科学省におきましては、旧厚生省が指針値を示しました揮発性有機化合物八物質につきまして、学校における室内濃度等について実態調査を行っております。その結果を踏まえまして、学校環境を衛生的に維持するためのガイドラインである学校環境衛生の基準の改定を行うこととしております。 それらの改定に基づき、適切な建材の採用などについて指導、助言してまいりたいと思っております。
○但馬久美君 ありがとうございました。 ぜひ、学校環境の部類は非常に大事な分野でありますので、よろしくお願いいたします。 さて、問題を変えまして、学校の問題にはもう一つは給食の安全性の問題があります。これから大人になろうとする子供たちの給食のパンから残留性の農薬が見つかっています。環境ホルモンの疑いのある物質も含まれていると言われております。 問題は、輸入小麦のポストハーベストの農薬が残留していると疑われているんですけれども、食品衛生の規約は成人を基準としていると。これをクリアしているからいいという問題ではないと思うんですけれども、この点、文部科学省はどのように対応されているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(上原哲君) お答え申し上げます。 一般的に食品の安全性につきましては、食品衛生法に定められました諸基準に適合しているということで、これは単に大人だけではなく子供も含めた形のものというふうに承知いたしております。したがいまして、学校給食につきましても、使用される食材につきましては市販のものを使用しているわけでございまして、今申し上げました食品衛生法の基準に適合しているものが使用されているところでございます。したがいまして、今お申し越しの輸入小麦の問題につきましても、残留農薬の基準の範囲内のものが使用されているものと考えております。 基準自体は、先ほど申し上げましたが、乳幼児から老人まで一生涯食べるという点、それから当然病人もお食べになるわけでございますので、そういうことも考慮された基準となっているふうに承知いたすとともに、特に、食糧庁の方で、輸入小麦につきましては長時間の貯蔵で薫蒸処理が必要だという観点から、国際農業機関、それから世界保健機構の合同の規格委員会で定めます最大許容基準以下にしているというふうに承知していまして、そういうもの以外は日本では購入していないというふうに承知しております。 しかしながら、先生御指摘のいろいろな化学物質が出るわけでございまして、今後また複合的にいろんな事象がありまして、それは研究中の課題もあろうと思いますので、そういう基準が改正された場合には速やかに学校給食関係者に通知いたしまして周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○但馬久美君 よろしくお願いいたします。 ところで、食品規格のカドミウム基準というのが五倍厳しくなるとの報道がありました。これは、米とか食品中のカドミウムの国際許容基準などを協議するWHO、世界保健機関、そしてまた国連食糧農業機関の合同食品規格委員会専門部会が提示したものでありますけれども、各国の意見を集約し、さらに検討を重ねるように言われておりますけれども、日本はこれを合理的に達成できる基準でないとして科学的な根拠を求めているところであります。 カドミウムの汚染は我が国の公害汚染の典型的な問題でありましたし、この基準化に対して我が国が消極的なのはなぜなのか、この点、農水省と厚生労働省にお伺いいたします。
○政府参考人(尾嵜新平君) 食品中のカドミウムの基準値につきましては、今御指摘がございましたようにコーデックス委員会の方で検討されているわけでございます。 この三月にコーデックス委員会が開かれたわけでございますが、今検討中でございますけれども、米のカドミウムの基準を〇・二ppmという案が提案をされているというところでございますが、今後、科学データが出された段階において基準値案を見直すというふうにされたところでございます。 厚生労働省といたしまして、昨年六月に開催されましたFAOとWHOの食品添加物専門家会議の勧告を受けまして、疫学調査の研究に現在着手をしているところでございます。その結果が得られ次第、このデータを提供するなど、引き続きコーデックス委員会における基準値作成に積極的に貢献をしていきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、このカドミウムの基準値につきましては科学的データに基づく議論が重要であるというふうに考えておりまして、今後、コーデックス委員会におきまして、具体的な基準値をどうするかということにつきましては、必要なデータが整った段階で再度議論される、そういうふうな理解をいたしているところでございます。
○政府参考人(坂野雅敏君) 農林省におきますカドミウムの土壌汚染対策等の対策、また今後の対策について御説明したいと思います。 カドミウムにつきましては、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律に基づきまして、玄米中のカドミウム含有量が一ppm以上である地域の水田について、汚染農用地を復元するための事業を実施しているところであります。現在までに約六千百ヘクタール指定されまして、五千二百ヘクタールが事業が完了しております。 今、厚生省の方からお話がありましたように、コーデックスのカドミウムの基準の検討につきましては、現在行われている疫学調査というものに基づく毒性評価を踏まえて、さらに見直しということが合意されたところであります。 今後、いろいろ対策を検討する上で技術的な裏づけが必要であると考えておりますことから、平成十二年度からカドミウムの吸収を抑制する技術に関する研究を開始するとともに、石灰質剤の散布や水管理技術等、農作物のカドミウム吸収を大幅に抑制する営農技術対策の実証事業を実施しているところであります。
○但馬久美君 ありがとうございました。 カドミウムといいますと、イタイイタイ病で非常にいろんな、実際にそういうものが起きてからいつも保護するんですけれども、ぜひ研究とそれからそういう実態に対しましては力をきちっと注いでいただきたいと思います。 次に、遺伝子の組みかえ問題についてお伺いいたします。 遺伝子の組みかえ問題は、我が国においては食品問題に集中しておりますけれども、根本的には生態系への影響を懸念する環境問題ではないかと思います。国際的にはそう扱われているという印象を受けておりますけれども、そこで、この多様性条約の遺伝子組みかえの議定書の内容と動き、そしてまた我が国がそれにどう対応しているのか、農水省の方に御説明願いたいと思います。
○政府参考人(岩元睦夫君) お答えをいたします。 生物多様性条約に基づきますバイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書についてでございますけれども、遺伝子組みかえ生物の輸出入の手続を定める初めての議定書といたしまして、遺伝子組みかえ生物の輸出入に際し、栽培用の種子だけでなく、食用、飼料・加工原料用の農作物につきましても各国が規制制度を定めて環境への安全性を確認することとなっているわけでございます。また、流通の実態にも配慮した仕組みとなっているものと評価しているところでございます。 現在、この議定書の署名、批准に向けまして、外務省を中心といたしました関係省庁と協力いたしまして、必要な国内措置のあり方について検討をしているところでございます。
○但馬久美君 最近の報道ですけれども、厚生労働省はコレステロールによる心臓病に予防効果があると言われている組みかえ大豆の販売を許可したと報道されております。未知の危険性を指摘されている遺伝子組みかえの食品を健康食品として普及されようとしていることに不安を感じるのは私だけではないと思うんですけれども、この背景に米国の種子会社と米国の食料戦略があるということは常識論化しているんですけれども、我が国の遺伝子の組みかえ作物とともに食品も含めて、環境の視点からこの問題に対して環境大臣はどうとらえていらっしゃるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 食品と、それから生物ということで違いがあるわけですけれども、遺伝子組みかえの食品につきましては、これは厚生労働省が事前に審査をいたしまして、安全性の審査をして輸入が行われる、あるいは生産が行われるということでございます。 環境省のかかわり合いというのは、遺伝子組みかえの生物が生態系にどういう影響を及ぼすか、例えば野生種と交雑をして新しいものができる、それが悪い影響を与えるといったようなことについては、環境省として非常な関心を持っておりまして、この分野での知見を引き続き高めるような方向で努力を今いたしているところでございます。
○但馬久美君 時間も参りましたので、以上、いろいろ取り上げてまいりましたけれども、やはり化学物質の汚染というのは、人の健康と、そしてまた生態系への影響の深刻さを取り上げております。化学物質とどうつき合っていくか、これは二十一世紀の、始まりましたけれども、大きな環境問題のテーマであると思います。方向と判断を誤りますと私たちの生存の基盤が損なわれていくわけでありますから、そこで、環境リスクを評価すると、予防原則を一般原則としている現行法から一歩抜け出て、個々の法律も適用できるような仕組みが必要だと思っております。 PRTR法から一歩進んで化学物質をコントロールできるような仕組み、予防原則を適用して疑わしいものがあってもそれを規制できるような仕組み、そういうものをつくるべきではないかと思うんですけれども、最後にこのことをお伺いして、終わりたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(川口順子君) おっしゃった予防原則ですけれども、これはリオ宣言でそういう考え方が出されているということでございまして、環境基本計画、昨年十二月に決まった環境基本計画においても、それからPRTR法においても予防原則の考え方というのが出されているわけでございます。 それで、やはり予防的な措置をとる、方策をとるということになりますとそのリスク評価が大事でございまして、環境省といたしましては、化学物質の環境影響のリスク評価につきまして科学的な知見の充実を深めまして、国民の皆様の安全と安心を確保するという観点から、この原則を踏まえて、積極的な姿勢で化学物質の対策に取り組んでいきたいと考えております。
○但馬久美君 ありがとうございました。
○岩佐恵美君 私は、沖縄の環境問題について質問いたします。 琉球列島は、昔から大陸とつながったり離れたりしてきたために、独自に進化した固有の動植物が多いことが知られています。環境庁のレッドリストに記載されている希少野生動植物の中で、二割以上が沖縄で生息、生育しています。この地でもし死に絶えればもはや地球上に存在することがなくなる、そうした固有種も生息しております。生物多様性を確保する上で、沖縄の自然環境の保全は極めて重要です。 国際自然保護連合、IUCNは、昨年十月、沖縄の自然環境保全に関する決議を採択しました。山原の亜熱帯林については、決議はどう評価し、日本政府に何を求めていますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 先生御指摘のIUCNの勧告におきましては、まず前文で、沖縄本島北部の山原地域には、ノグチゲラやヤンバルクイナを初めとする多数の固有種が生育し、生物多様性の保全上極めて重要な地域であるというふうに記されております。 それから、この勧告の中におきまして、日本国政府に対して、山原の生物多様性及び絶滅のおそれのある種の保全計画を可能な限り早期に準備し、これらの種及びその生息地に関する詳細な調査を行うことが要請されたところでございます。
○岩佐恵美君 昨年暮れとことしの初めの二回、私は現地調査を行いました。かなり森の破壊が進んでいるので驚きました。 山原の山地の中心部を南北に貫く大国林道がイタジイの森を切り裂いていて、北部山原地域には既に網の目のように林道が建設をされています。森が切り開かれた林道沿いは、台風の強い潮風と強烈な直射日光によってイタジイが枯れています。目の当たりにしてきました。間接的な影響というのは、林道から二百メーターくらいのところにまで及んでいるといいます。 亜熱帯の森は、まさにぎりぎりの微妙なバランスの上に成り立っています。ですから、ちょっとした環境変化に対して非常にもろいんです。ダムの周辺では皆伐をされ、表土がすっかり流出をしてしまった、そういうところもありました。そこら辺は非常に荒れていました。また、野生化した猫などが林道沿いに奥地に入って、国の天然記念物であるヤンバルクイナやケナガネズミなどに被害が出ています。山原本来の亜熱帯の自然林は、まとまった形ではもはや米軍の北部訓練場の中にしか残っていないのです。 先ほどIUCNの勧告決議が紹介されましたけれども、この貴重な山原の生物多様性の保全計画を可能な限り準備し、これらの種及び生息地に関する詳細な調査を行うこととしています。この点について大臣はどう受けとめられますか。
○国務大臣(川口順子君) 環境省におきましては、ヤンバルクイナですとかノグチゲラ等を種の保存法に基づきまして国内希少野生動植物種に指定をいたしております。それから、さらにノグチゲラにつきましては保護増殖事業計画を策定いたしております。 それで、山原地域につきましては、環境省といたしましては、国立公園の指定を念頭に置きまして現在調査を進めているところでございます。環境省といたしましては、これらの取り組みを通じまして、山原地域の生物の多様性の保全を図っていきたいというふうに考えております。
○岩佐恵美君 防衛施設庁は米軍北部訓練域のヘリパッド予定区域の環境調査を行っておりますけれども、その概要、希少種や沖縄固有種等の生息状況について述べていただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤康成君) 北部訓練場におきますヘリコプター着陸帯の移設ということがSACOの報告の中で決まっております。 それは北部訓練場の過半、約四千ヘクタールを返還し、もって沖縄県民の負担を軽減するという観点、とともに沖縄島北部山原地域の自然環境の保全ということについて最大限配慮するという観点が極めて重要であると私どもも認識しておるところでございます。 このような観点を踏まえまして、主として米軍の運用上の観点から選定されました五区域七カ所のヘリコプター着陸帯移設候補地等及びその周辺区域、合計約七百ヘクタールにおきまして、環境影響評価法等の適用外ではございますけれども、当庁の自主的判断によりまして、動物、植物、生態系等十一項目について現況調査等を行ったところでございます。その結果、多くの貴重な動植物が確認されたところでございます。 私どもといたしましては、この調査結果に基づきまして、ヘリコプター着陸帯の移設候補地を最終的な移設先として決定し得るか否かという問題について検討したわけでございますが、今回の調査区域におきましては特記すべき種が多数確認されたことから、より自然環境に与える影響が少ないと思われますヘリコプター着陸帯移設候補地があるか否かを調査するために、新たな区域について環境調査を行う必要があります。 それから、ヘリコプター着陸帯の運用が動植物に与える影響の把握に慎重を期しますために、さらに多くの既設のヘリコプター着陸帯周辺区域におきます動植物の現況調査を実施する必要があるということから、環境調査を継続する必要があると判断しているところでございます。 なお、ただいま御指摘のどのような種かということでございますが、今回の環境調査で確認された動植物は調査区域全体では千二百八種類でございます。このうち、国または沖縄県指定の天然記念物及びレッドデータブック等に記載されている特記すべき種は七十七種、うち山原の固有種はノグチゲラ等九種でございました。また、確認されました植物種は六百四十一種、このうち特記すべき種は六十八種、うち山原固有種はクニガミサンショウヅル等十一種でございました。
○岩佐恵美君 調査した七区域のすべてで国の天然記念物や種の保存法で指定されている国内希少野生動植物が何種類も見つかっております。 例えば、国の天然記念物のノグチゲラ、これはキツツキの仲間ですけれども、一属一種で、世界で山原の森だけに生息をしています。 防衛施設庁の調査では、七区域すべてでノグチゲラが発見をされております。ノグチゲラの営巣木である樹齢五十年以上、幹の直径三十センチ以上というイタジイの大木、これは林道やダム建設などで今非常に少なくなっております。調査地域の自然環境の保全、これは極めて重要だと思います。 一九八一年に初めて、それまでも生きていたんでしょうけれども、とにかく初めて発見されました天然記念物のヤンバルクイナ、これも全区域で見つかっております。 ヤンバルクイナは黒地の胸にたくさんの白いしま模様があって、くちばしと足が真紅の大変美しい鳥だと写真では見ております。私、沖縄に行ったときに残念ながら姿を見ることができなかったんですけれども、ただ、深い谷を隔てながらヤンバルクイナがお互いに鳴き交わすという甲高い声は聞きました。 飛べないクイナなんですね。これは、沖縄にはそれまで肉食獣がいなかった、そういうために羽が要らなくなってしまったのか、とにかく退化したのか、羽がないクイナです。深いイタジイの森で生き延びてきたわけですけれども、これも奇跡に近いような生き延び方だったと思いますが、自然林の破壊、あるいは猫の野生化、マングースの北上などで、今や絶滅の危機に瀕しています。 その他の希少種も、天然記念物であるホントウアカヒゲ、カラスバト、リュウキュウヤマガメ、これが全区域で見つかっています。ケナガネズミやヤンバルテナガコガネ、これもそれぞれ二区域で発見されています。 鳥についてのみでしたけれども、私は発見箇所をプロットしたそういう図面を見ました。調査ルート上にすき間がないほど発見の印がついていました。ほとんどの調査地点でノグチゲラやヤンバルクイナなどの希少野生動物が確認されていて、非常に豊かな自然が残っているんだなということが感じられるような、そういう調査結果でした。 環境省は、この結果をどう受けとめておられるでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ただいま防衛施設庁長官から御答弁ございましたけれども、今回の調査は、移設候補地とそれからその周辺約七百ヘクタールを調査の対象として行われたということで、ノグチゲラですとかヤンバルクイナなど、こういった絶滅のおそれのある動植物が多く発見をされた、確認をされたというふうに承知をしております。 この結果が示すものといいますのは、北部訓練場ヘリパッド移設候補地周辺には亜熱帯性の自然があって、固有種や希少種が生息をする自然性が高い地域が広がっているというふうに認識をしております。
○岩佐恵美君 防衛施設庁の調査結果について専門家の方の意見を伺いますと、調査方法が不十分である、そういう指摘をされておられます。 なぜかといいますと、肝心の繁殖期における調査の日数が少ない、あるいは個体数の確認調査をしていない。つまり、人手と時間をかけた丁寧な調査が行われていない、そう指摘をしています。 希少野生動植物を絶滅の危機から救うためには、専門家や自然保護団体などの意見をよく聞いて、より詳細な本格的な環境影響評価を行うべきだというふうに思います。 例えば、私はオオタカの問題に取り組んでまいりましたけれども、オオタカの場合、営巣木が見つかったり、営巣地の保護をしなければいけないと、そういうことが言われるんですけれども、何年か見ないと、少なくとも三年ぐらいは見ないとやはりわからないんですね、巣をかえたりとかいうこともありますし。 そういう意味でいうと、本当に丹念な調査を行うべきだというふうに思いますが、その点、防衛庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤康成君) ただいま御指摘のように、今回の調査は五区域七カ所のヘリコプター着陸帯移設候補地等及びその周辺区域、合計七百ヘクタールにおきまして実施したものでございますが、この調査に当たりましては、環境省が作成されております自然環境保全基礎調査要綱等の示すところに準拠した方法によっておるものでございます。 ちなみに、今先生オオタカの例について御指摘でございましたが、これは私どもの承知しておりますところでは、こういう猛禽類につきましては一年半以上というような調査期間が必要だというふうに定められておるようでございますが、この北部訓練場におきましてはこういう貴重な猛禽類の生息というものは確認されておりません。 したがいまして、今回行った調査につきましても四季を通じた一年間の現況調査ということをしておるものでございます。さらに、つけ加えさせていただきますと、既存のヘリコプター着陸帯周辺にも貴重な種がたくさんいた、あるいはあったということでございますので、引き続き継続調査をするということでございます。
○岩佐恵美君 猛禽類は例えばということで申し上げたわけで、今沖縄の山原の地域で問題になっておりますのは、それこそ絶滅の危機にある沖縄にしかすんでいない固有種、これが非常に問題になっているわけですから、その点しっかり踏まえてやっていくべきだというふうに思います。 今ちょっとお答えがありましたけれども、既設のヘリコプター着陸帯のあるところも二カ所環境影響調査を実施しているわけですけれども、その結果についてちょっと改めてどういう調査結果だったのかということをお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤康成君) 今回の環境影響調査におきまして、ヘリコプター着陸帯の運用が動植物に与えます影響を把握するためということで、既存ヘリコプターの着陸帯周辺区域二カ所につきまして動植物の現況調査を実施したところでございます。その結果、その既存ヘリコプター着陸帯周辺区域におきましても特記すべき種が多数確認されたということでございます。
○岩佐恵美君 その既存の着陸帯なんですけれども、直径十メーターから十五メーターくらいで草木を切り払った整地しただけの裸地になっているわけですね。それでも希少種が生息しているということですけれども、他の調査地点に比べるとやはり生物の種類とか密度は少なくなっているわけですね。 ところが、問題なのは新たにつくられようとしているヘリパッド、これは直径七十五メーター、大変大きいんですね。しかも、全体をコンクリートで舗装する。それに、ヘリパッドへの道なんですが、それも舗装したアクセス道路がつくられるということですから、既存のヘリパッドとは比較にならないほど規模が大きな開発になるということが予想されます。 ですから、希少野生動植物の生息に重大な危害を及ぼす、こういうことになることは疑いないのではないかと私は思うのですけれども、その点、防衛庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤康成君) これから移設を計画しております七カ所のヘリコプター着陸帯でございますが、これにつきまして今御指摘のような舗装というような考えは持っておりません。また、道路につきましても、もちろん必要最小限のものが要るわけでございますけれども、それにつきましても舗装ということは考えていないところでございます。 なお、既存のヘリコプター着陸帯等につきまして調査をしたわけでございますけれども、今回の調査区域は二カ所であったこと、またその調査期間も一シーズン、三カ月ということで短かったというようなことから、ヘリコプターの運用が着陸帯周辺区域の動植物にどのような影響を与えるかについての判断については、これは慎重を期するために、さらに多くの既設ヘリコプター着陸帯周辺区域におきまして四季を通じて一年間の動植物の現況調査を継続して実施する必要があると私ども判断しておるところでございまして、冒頭に申し上げました継続調査と申しますのは、まさにそのようなことを考えておる次第でございます。
○岩佐恵美君 コンクリートで覆わないとしたとしても現状より七倍大きいという、そういうものですから、かなり今とは違うようなそういう規模の大きな開発になることは間違いないというふうに思います。 それで環境省に伺いたいんですが、昨年三月十五日付のアメリカ国防総省の海外環境基本指針文書というのがありますが、ここでは絶滅危惧種などの保護についてどう記述をしているでしょうか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、先生御指摘の米国の国防総省がつくりました海外環境基準指導書でございます。その中では、絶滅危惧種等の生息地を保護するための合理的な措置をとるという旨の記述が盛り込まれているところでございます。
○岩佐恵美君 絶滅危惧種、受け入れ国の保護種とその生息地を保護、増強するために合理的な措置をとると明記をしているわけですね。絶滅危惧種やその生息地を保護して強める、これが米軍の海外施設における環境政策の基準だということです。これに基づく在日米軍の日本環境管理基準、これも、米軍施設の管理者は合衆国及び日本の野生生物法で保護されている種のリストを守ることに責任を持っている、そう規定をしています。 米軍でもこういう基準を持っているわけですから、当然、絶滅危惧種が生息しているところに大きなヘリパッドをつくるということでありますから、環境省としては毅然として対処をしていく、このことが私は強く求められると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど防衛施設庁からお話ございましたように、一月三十日の調査結果の公表の際に、あわせて継続調査を実施するという旨の御発表がございました。 それで、環境省としては、候補地の周辺の希少な野生動植物の保護について十分に検討を行うためにはさらに広い範囲を対象にして調査を行うということが適切だというふうに考えておりまして、防衛施設庁のさらなる調査というのはそのような観点から決定をしていただいたものだというふうに理解をいたしております。 環境省といたしましては、引き続き、希少野生動植物の保護の観点から、防衛施設庁に対して適切な助言をしていくことといたしたいと考えております。
○岩佐恵美君 山原の米軍演習場の北半分が返還される、そういう予定だということですが、豊かな自然が辛うじて残っている北半分の自然環境保全をすることが私は重要であると思います。 実は、玉辻山に私は登ったのですけれども、そこから見たヘリパッド予定地、あるいは大国林道の長尾橋から見た北部の森、これはイタジイに覆われていて、実は白神山地にも私は何回か行きましたけれども、まさに、世界遺産に指定されている白神山地はブナ林なんですが、この山原の森はイタジイの森です。そういう森が非常によく似ているんですね。なだらかな山を構成している重なり合った感じとかというのは非常によく似ていました。私は、ぜひ山原の森を白神のように世界自然遺産に指定をすべきだというふうに思いました。 IUCNの決議でもそのことを求めているわけですが、この点、ぜひ検討をしていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 世界遺産への登録には、国内法上その保全のための措置をとるということが必要でございます。環境省では、山原地域の国立公園の指定を念頭に置いて自然環境の調査を進めている段階でございまして、世界遺産の候補になる資格を得るという意味でもこのような取り組みを積極的に推進していきたいと考えております。
○岩佐恵美君 IUCNの勧告では、日本国政府に対し次のことを要請するという中に、山原の世界自然遺産への指名を検討することということが入っているわけで、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。 次に、泡瀬干潟の問題について伺いたいと思います。 沖縄の干潟の状況について、まず環境省からお答えいただきたいんですが、沖縄県の干潟の面積は復帰後の開発で次々とつぶされてきました。沖縄本島でどのくらい干潟が残っているでしょうか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 環境省におきましては、自然環境保全法に基づきまして、全国的な見地から、我が国の自然環境の現況を把握する自然環境保全基礎調査を実施しております。 干潟につきましての調査もこの自然環境保全基礎調査の中でやっておるわけでございますけれども、今まで計数がまとまっておりますものとして、昭和五十三年とそれから平成元年の二回にわたり、干潟の分布や消滅状況の調査を実施したわけでございまして、この調査の中で、沖縄本島の干潟の状況につきまして申し上げますと、平成元年の調査によりまして、一千二百十六ヘクタールの干潟を確認しております。これは、昭和五十三年の調査と比較いたしまして、この十年間に消滅した干潟というものにつきましては二百二十四ヘクタールであるというふうに把握しているところでございます。
○岩佐恵美君 委員長の了解をいただきまして、ちょっと地図をお見せしたいと思います。(図表掲示)ちょっと遠くて見えないかもしれないんですが、これ地元の市民団体の皆さんがおつくりになった地図でした。 それで、私はこれを見て非常にショックを受けたのですけれども、沖縄の北部を除いて、この南部になるんでしょうか、そこの干潟というのは、赤いのが全部もう埋め立てられてしまったところです。そして、このブルーの丸いところが今埋め立てられようとしている、そういう計画があるところです。本当にひどいんですね。そして、三角印は汚れているところということで、大変沖縄の本島の干潟は危機的な状況にあるというふうに思っております。 沖縄本島南部の西海岸では、沖縄最大の干潟であった糸満干潟を初め与根干潟、宇地泊干潟、北谷干潟、これが消滅をしました。東海岸でも与那原、川田干潟が埋められました。全部で千百二十七ヘクタールの干潟がなくなっています。さらに、港川、大嶺干潟、それから泡瀬干潟、佐敷干潟、ここで開発計画があります。まさに風前のともしびという状況です。 沖縄本島北部の干潟は赤土の流入で環境が著しく悪化をしていますし、このまま開発が進めば中南部の干潟もほとんどなくなってしまいます。ラムサール条約の登録湿地である漫湖も急激に環境が悪化をして、野鳥の飛来も減少していると指摘をされています。沖縄は、国際的な渡り鳥の中継地点として非常に重要な場所だと言われています。 私は、沖縄の環境、干潟消滅、これをそのまま放置していいのかどうかということが今問われているというふうに思いますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 干潟は、委員おっしゃるように非常に重要でございまして、水質の浄化機能も持っておりますし、さまざまな生物がいる重要な生態系の一部でありますし、それから今おっしゃられましたように、渡り鳥が飛来するというところでもございます。また、この地図に出ていますように、今まで開発というか経済活動が特に盛んな地域では埋め立て等の対象になっていたということも事実だと思います。沖縄に限らず、干潟という沿岸域の自然につきましては、その保全とそれから賢明な利用を図ることが大事だと考えております。それで、沿岸域の開発が検討される場合には、事業者における環境への影響についての十分な配慮が必要だというふうに考えます。 環境省といたしましても、干潟の重要性についての認識を深めることに努力をしてまいりたいと考えております。
○岩佐恵美君 なかなか沖縄というと距離があって、環境省としても何か今までちょっと少し遠かったのかなというような印象を漏らされた方もおられますけれども、本当に今ここまで深刻化している沖縄の干潟の状況というのは何とかしていかないと大変だということを私は現地に行って実感しました。 先ほど申し上げたように、ちょっと具体的な例を挙げて伺っていきたいと思います。 沖縄本島中部の沖縄市の東海岸にある泡瀬干潟の問題です。 この干潟は、中城湾の北の端、勝連半島のつけ根にあって、広さが二百九十ヘクタールです。現在では琉球列島で最大級の干潟だというふうに言われています。この泡瀬干潟は、砂干潟、それからサンゴれき干潟、これを中心にして、一部泥干潟という多様な環境で、本土では見られないそういう特別に興味深い環境にあるというふうに思います。生息している生物も多いのです。 泡瀬干潟の環境的評価を環境省としてどう評価しておられるか、伺いたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 御指摘の泡瀬干潟でございますが、先生御指摘のように、沖縄本島の中では比較的まとまった規模の干潟ということでございまして、そこには絶滅のおそれのある種でありますクビレミドロという海藻でございますとか、それからトカゲハゼといったようなものの生息が確認をされているとともに、鳥類につきましては、ムナグロでございますとかあるいはメダイチドリなどのシギ・チドリ類が定期的に訪れる渡り鳥の渡来地でございます。シギ、チドリのモニタリングの調査におきましても、例えば過去三年を見ましても、年によって違いますが、二百羽から七百羽の渡来を確認している、そういった定期的な渡り鳥の渡来地になっている干潟であるというふうに承知しております。
○岩佐恵美君 ところが、この豊かな干潟を百八十七ヘクタール埋め立てて海洋リゾート拠点をつくる、そういう計画が進んでいます。その計画はどんな計画でしょうか。それから、埋め立て後の土地利用計画はどうなっているのでしょうか。
○政府参考人(安達俊雄君) お答え申し上げます。 中城湾港泡瀬地区に係る埋め立てにつきましては、沖縄市が沖縄県とともに、海に開かれた国際交流拠点を目指して開発計画を推進しているものでございます。 埋め立て後の土地利用につきましては、宿泊施設用地、業務研究施設用地、緑地、住宅用地、多目的広場用地等でございます。
○岩佐恵美君 貴重な干潟をつぶして人工ビーチをつくるというようなもので大変な計画なんですね。ホテルを四つも計画して、九百五十室が三百六十五日全部埋まるとしても一室二万七千円以上の宿泊料でないと成り立たない、そういうホテル計画もある。全国で大型リゾート計画が破綻をしているそういう状況のもとで、およそ採算の見込みもない非現実的な計画だと思います。地元ではカジノでもつくらなければ採算がとれない、そういう声さえあります。 リスクが大き過ぎて進展しなくて、ついに九八年に沖縄総合事務局が事業参画するということになってこの計画は一気に動き出したということだそうですけれども、なぜこの大変貴重な干潟を埋め立てるというようなそういう計画に沖縄総合事務局が参画をするようになったのでしょうか。
○政府参考人(安達俊雄君) 政策的な意義というところにつきましては、先ほど申し上げました海に開かれた交流拠点をぜひつくりたいという地元からの強い要望の中で、それを真摯に受けとめる中で進めたわけでございますが、総合事務局、つまり国が埋立事業を行う主体となるという点につきましては、特別自由貿易地域として開発を進めております中城湾港新港地区の港湾施設を供用するために、国が関連の港湾工事を行うこととしております。 泡瀬地区の埋立事業につきましては、この新港地区の港湾工事に伴い発生する土砂を有効に活用して行うこととされているわけでございまして、このため、事業の一体性の見地から、泡瀬地区の埋立事業につきましても主たる事業主体を国としているところでございます。なお、一部につきましては、県が事業主体となるということでございます。
○岩佐恵美君 どれだけの土砂を埋めるんですか。
○政府参考人(安達俊雄君) 約一千万立米と聞きます。
○岩佐恵美君 新港自体が、新しい港自体が川田干潟を三百九十ヘクタールも埋め立ててつくったものです。そこに特別自由貿易地域を整備するというんですが、現状を聞いてみますと、コンテナ船は那覇港に入っていて、ここには砂利や穀物、製鉄所の資材、これらが百四十万トン程度入っているだけだということだそうです。新港計画自体、これが本当に必要だったのかどうか、そういう疑問がある上に、泡瀬干潟をしゅんせつ土砂の捨て場にするなどとんでもない、もう現地では大きな疑問の声あるいは批判の声が上がっておりますが、私は当然のことだと思います。 泡瀬の埋立地百八十五ヘクタールの中には、海草の藻場が七十九ヘクタールあります。そのうち二十から二十五ヘクタール、これは特に密生している濃生域だという、それが全部だめになってしまうということです。今、国は海草がまばらなところ、つまり疎生域に海草を移植して、海草がまばらなところに移植をして、二十五ヘクタール程度の濃生域を新たにつくり出すということで海草の移植実験をしておりますけれども、その実験の概要あるいは結果について報告していただきたいと思います。
○政府参考人(安達俊雄君) お答え申し上げます。 海草の移植につきましては、専門家の指導、助言を得ながら平成十年度より移植実験を行っているところでございます。具体的には、最も優先して生育しておりますボウバアマモ、リュウキュウアマモの二種につきまして実験を行っておりまして、泡瀬地区において藻場の造成が予定されている箇所において、生育の異なる三地点を選定して、一定の区画に移植実験を行っているものでございます。 これまでの試験結果では、移植した株は順調に生育していると聞いておりまして、移植は可能であると考えておりますが、なお試験は今後も継続していくこととしております。 なお、全体としておおむねうまく生育しているというところでございますけれども、私ども移植がうまくいくかどうかというのはいろんな環境要件が関係してくると思うわけでございますが、一つはやはり土壌というものが重要ではないかと。そういった場合に、違う土壌においてどうなのかといった比較の検討データも得る必要があるわけでございまして、そういうことで念のために、もともと予想されるものでございましたけれども、生育条件のよくないれき質の地盤のところでも一カ所試験実験を行っております。 その区画につきましては、生育状況はよくないということになっているわけでございまして、今後の具体的な移植に関しましては、こういった土壌の違いというようなデータを今後大いに参考にし、生かしながら進めていきたいというふうに思っております。
○岩佐恵美君 移植先ですけれども、わずか二メートル四方の区画なんですね。そして、三カ所なんですが、この三カ所でも今お話がありましたように、一カ所は生育がうまくいっていないということですね。それで、ほかの二カ所については、確かに写真を見てみると周りもふさふさしているんですよね。そういう、言ってみれば疎生域とは言えないようなところで比較的うまくいっているというようにも見える。なかなか疎生域で移植してさっとうまくいったというふうには思えないような感じがいたしますし、専門家もそういうことを指摘しています。ですから、かえって海草が生えている、そういうところに別の種類を植えたりいろいろしたんじゃ藻場の拡大にはならないし、かえって移植先の環境を壊すというふうに専門家の方は危惧をされておられます。 ですから、もともと自然状態で海草が余り生えていないところは生育に適さない。つまり、一カ所うまくいっていないというのは、そういうもともとうまくいかないような、生えていないようなところでうまくいっていないわけですから、もともと生えないようなところはなかなか移植したってうまくいくわけはないんじゃないかというのを、逆に言えばこの調査結果は示しているんじゃないかというふうにも思うんです。 ですから、そういう点で、わずか言ってみれば二十四平米での短期間、二十四平米というのは非常に少ない面積で、しかも短期間の調査ですから、大規模にそういうところにどんと海草を持っていって移植が未来永劫成功するという保証は私はないように思うんです。 海草の移植というのは世界的にもそんなに例がないようですし、成功したという例も聞いていないという話もあるんですが、環境省としてこの海草の移植についてどう考えておられるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今までお話に出ていましたように、泡瀬干潟における藻場の移植につきましては、移植先での生育を確認するように知事の意見が出ているというふうに承知をしておりまして、また藻場の造成については、今まで実施をしてうまくいっている例もあるというふうに認識をしております。 環境省といたしましては、今後も藻場の造成に関しての知見の蓄積に努めまして、必要に応じまして県に助言する等をいたしていきたいと思っております。
○岩佐恵美君 この藻場の育成というか、海草の移植については国際的にもうまくいかないんじゃないかということで、そういう報告もされていて、市民団体の中でもそんな見解というか、これがかなり強く出されているわけですね。そういう中で、環境省が今の藻場の移植はうまくいってますよというようなことでちょっととらえられると、この実験自身も何か私は非常に危惧を覚えるんですけれども、その点、ちょっと不安に感じるんですが、もっときちんと対応していっていただきたい、やっぱり国際的にも恥ずかしくないそういう対応をしていっていただきたいというふうに思うんですが、再度いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環境省といたしましては、今後、引き続き知見の蓄積に努めまして、必要に応じ県等への助言をしてまいりたいと存じます。
○岩佐恵美君 次に、鳥についてです。 泡瀬干潟は、沖縄本島最大のシギ・チドリ類の飛来地であります。ラムサール条約の漫湖をもしのぐ、そういう数の鳥が飛んできています。これまで確認された鳥類は百二十五種に及び、特にロシアの極東地域から飛来をするムナグロ、これは宮古島の与那覇湾に次ぐ国内最大の越冬地であります。 ちょうど私が一月に行ったときにムナグロの集団が飛来をして、ずっと海辺にいたりしていました。ムナグロというので胸が黒いのかと思ったら、冬場は胸が黒くないんですね。ただ、とても目がぱっちりしていてかわいい鳥でした。 こうした鳥が飛んでくる大変豊かな干潟なんですけれども、海岸から幅二百五十メーターは水路状に残す、そういう出島方式だから影響は低減される、あるいは陸地内部の比屋根干潟を残すから大丈夫ということでこの計画を進めようとしているんですけれども、同じ出島方式で埋め立てられた隣の塩屋干潟では、工事後ほとんど水鳥が見られなくなってしまったといいます。 御存じのように、博多湾では陸地から一キロ離してもやはり渡来数は減ってきています。比屋根干潟に移るからいいんだということで言われるものですから私見に行きましたけれども、泡瀬干潟よりははるかに狭いし、半分以上がヒルギに覆われていて、とても泡瀬干潟の代替にならないというふうに思いました。 既に埋立免許がおろされているからということでいろいろ言われているんですけれども、私は、国際的な渡り鳥の中継地を保全する責任がある国、環境省として、埋め立てによる影響を判断して、シギ・チドリ類の渡り鳥に障害をもたらすことがないようにきちんと適切な意見を表明していくべきだというふうに思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環境省では、全国的なモニタリング調査をやっておりまして、その中で、泡瀬干潟に、おっしゃったムナグロを含む多くのシギ・チドリ類が定期的に渡来をしているということは承知をいたしております。 この事業の一部が含まれました港湾計画が審議をされましたのが平成七年ということですが、その平成七年の港湾審議会において、自然環境の保全に十分に配慮するようにという意見を述べております。ただ、本事業の法的な手続は都道府県でやることになっておりまして、昨年の十二月に沖縄県の知事によって承認をされたということでございます。 これらの手続の中で、事業の実施に当たっては、鳥類のモニタリング調査の実施を初め、鳥類の生息環境の保全に配慮をするということとされているわけでございまして、環境省としても、泡瀬干潟の自然環境への影響をできるだけ小さくするという観点から、事業者による対応を注視していきたいと考えております。
○岩佐恵美君 大規模な埋立事業については、知事の埋立許可を国土交通大臣が承認する際に環境省の意見を求めるということになっているわけですね。ところが、地方分権一括法によって、国が行う埋立事業の認可については、国土交通省に承認を求める手続が廃止になりました。そのために、承認の際に環境省が意見を述べるという場がなくなってしまった。泡瀬干潟の埋め立てはその第一号なんです。国以外の埋立事業には環境省が意見を言えるのに、肝心の国の事業には言えないというのは私は余りにも不合理だと思いますし、こういう制度そのものをきちんと見直していかなきゃいけないというふうに思います。 少なくとも、渡り鳥というのは国際的な問題なんです。ですから、そういう問題について、今大臣も言われましたけれども、きちんと物を言っていくということでしっかり対応していただきたいということを強く要望しておきたいというふうに思います。 何かあれば答弁いただいて、もしなければこれで終わりたいと思います。
○清水澄子君 社民党の清水です。 一九六八年にカネミ油症事件が起きてから約三十三年が経過をしております。今、国会には保管されたままになっているPCB廃棄物を処理する法案が出されておりますが、しかしその前に、製造禁止のきっかけとなったカネミ油症問題が実は解決していないという問題について私はきょうお伺いをしたいと思うわけです。 認定患者千九百人とか言われますけれども、被害者は今なお効果的な治療法が見つからないで苦しんでいる。しかも、二重三重の形でこの被害者が放置されているという問題です。現在でも体にうみが出る、そういうクロルアクネとともに内臓疾患とかがんに体がむしばまれていながら、国からもどこからも何ら救済の手が差し伸べられていないという事実ですね。 それからまた、結局カネミ油症事件というのは、PCBの汚染ではなくて、PCBとあわせてダイオキシン類との複合汚染であったということがその後判明したわけですけれども、その対策が何らとられていないということ。ですから、いわゆる環境ホルモンのようなそういう有害物質の、それが特に体内に残留しているわけですから、その症状というのは、胎児が、黒い赤ちゃんが生まれるというのは今でも続いているとか、内分泌系とか免疫とか生殖機能に深刻な影響を及ぼしている。そういうような状況、症状が起きているにもかかわらず、それらはほとんど被害者自身の責任において、それが放置されているという問題です。 そしてまた三つ目には、そのように体をむしばまれて非常に不安定な生活と、それから世間をはばかってこの人たちは生きているわけですけれども、その被害者に対して、これは裁判との問題があるんですけれども、農水省は仮払金の支払いを命じて、その督促をして、この人たちを非常に窮状に追い込んでいる、こういう問題があります。 そこで、まず農水省の方に伺いたいんですけれども、一九八七年最高裁の和解調停の時点でこのカネミ油症の被害者の原因物質が世界最強の毒物であったそういうダイオキシン類であるということをわかっておられたかどうか、簡単に答えてください。私、時間が短いので。
○政府参考人(永村武美君) お答えいたします。 一九八三年に厚生省の油症研究班がカネミ油症の原因はダイオキシン類である、こういう発表をされた旨の報道がなされておりまして、農林水産省といたしましても、当時、当該研究班の発表を承知していたものと考えております。
○清水澄子君 承知していたわけですね。 それでは、厚生省にお伺いいたします。 三月五日の毎日新聞によりますと、厚生省の油症研究班の現在の班長である小栗さんが、一九八三年にカネミ油症はダイオキシンだと、そういうことを発表したわけですが、それでその油症研究班は、ダイオキシン被害と位置づけたわけですから、今までのPCB汚染だけの研究ではだめだということで、この両方の研究を結びつけることを主張していたのですけれども、厚生省はダイオキシンと結びつけるなと指示をされたということが出ております。 これは大変重大な問題だと思いますけれども、厚生省はそのことを知っていながらなぜ公表と対策を抑えたのか、そのことについて、そのポイントだけ答えてください。
○政府参考人(尾嵜新平君) 御指摘の三月五日の新聞記事にそういう記載がございました。取材されました現研究班の班長にもどういう御趣旨の発言かということをお伺いいたしました。そういう書かれておるような趣旨でお述べになったことではないようでございます。 研究班としては、今、農水の方からもお答えがございましたように、当然一九八三年の時点でのPCBが中心であるけれども、それプラスダイオキシン類によります汚染によって被害が生じたという研究を報告しているわけでございまして、そういう認識を持っておりまして、それ以降も、そういった複合汚染であるということで、治療法の研究あるいはその検診なり、研究班として基礎的な研究も含めてやってきていただいているということでございますので、そういったものを考えずにダイオキシン類の影響というものを研究班で取り上げない、そういうことは厚生省も指示しておりませんし、班長もそういう認識ではなかったというふうに考えております。 ただ一点、ダイオキシンだけを取り出しての研究というものにつきましては別途ございますので、そういう趣旨ではなしに、どちらかといいますと臨床的な研究、複合汚染である結果としての臨床的な観点からの治療法の研究等、そういった観点の研究を中心にしていただきたいということは事務方としてはお願いをしておったようでございます。
○清水澄子君 それらについてはさらに私は今後調べてみたいと思います。 その後の経過の中で、これは農水と環境、両省にお伺いしたいんですけれども、カネミ油症事件がこのダイオキシン問題の先取りだったという認識はお持ちでしたでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) カネミ油症の発症にはコプラナPCB等が関与していると言われておりまして、コプラナPCBはダイオキシン類対策特別措置法に定めるダイオキシン類に含まれております。したがいまして、現時点においては、広い意味においてカネミ油症はダイオキシン類の食品汚染によって生じた事例であると、かように承知をしております。
○政府参考人(岩尾總一郎君) カネミ油症は昭和四十三年十月に西日本を中心に広域にわたって集団発生した食中毒事件でありまして、米ぬか油に混入したPCBが原因物質であるということが判明したと。その後、カネミ油症の原因物質としては、PCBの一部であるコプラナーPCB及びPCBが熱により変性したポリ塩化ジベンゾフランとの関係が指摘されたということは承知しておりますが、この点については厚生労働省で調査研究しているというように聞いております。
○清水澄子君 それでは、農水省は、この最高裁の和解調停が終わって十年を過ぎたとき、一九八四年と八五年の判決で国から仮払金を二十七億円受け取っていた八百二十九名に対して返還を求めましたね。それは、原告の患者本人だけでなく、患者の子供とか相続人を含めて督促状を送りつけていた。患者たちはそれによって精神的なパニックに陥って、中には健康もすぐれず働くこともできない、そういう患者たちは将来の返済の見通しもない中で自殺者まで出ているということは御存じだと思います。 私は、この和解調停の内容については相互に認識のそごがあったと思うわけですが、それは今ここで説明も要りません、私も今そこを伺いません。ただ、農水省は、裁判が和解ということで取り下げになったからといって、この事件については一切何ら責任はないという認識でいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(永村武美君) カネミ油症の損害賠償請求事件につきましては、当時の農林省の公務員が食品の安全性を所管する当時の厚生省への通報の義務を尽くしていれば被害の拡大は防止できたと、こういうことで争われたものでございますけれども、今委員御指摘のように、その後原告から訴えが取り下げられまして、国がこれに同意をしたということから、裁判については昭和六十二年に既に終結をしておるところでございます。こうした裁判の結果にかんがみまして、カネミ油症問題については農林水産省の法的な責任はない、かように考えております。
○清水澄子君 そうでしょうか。法的責任がないというそのことだけで、そういうすべての責任というのは全部それは解消されると思われますか。 この事件というのは、結局、御存じのように、一九六八年に非常に鶏が二百万羽発症して四十万羽死んだわけです。ダーク油事件というのが起きたわけですが、こういう同じような事件がもう既にアメリカなどでもあって、これらの問題については農水省は知っていたはずなんです。ここで農水省がきちんとした行動を起こして、そして厚生省に食品衛生法上の問題として通知をしていればこういう被害は起きなかった。これが一審の判決の指摘であったと思うわけです。 ところが、農水省は、厚生省の予防衛生研究所の申し出があったんですね、ダーク油の提供を、検査したいから欲しいと、それを拒否したわけでしょう。ですから、そういう形においても、やはり被害を予見する可能性があったにもかかわらず農水省はそれをやらなかったという行政責任というのは、明らかにそれはもう絶対に私は消すことができない。 そのことについて何ら、原告が裁判を和解という形で取り下げたので何にも法的なものはありませんということで、今度は督促状で自殺に追い込むほどそういう仮払金を取り立てるというのが農水省の変わらぬ姿勢なんですか。そこには何ら人間としての良心的な政策を、何かそこで解決したいという考えはありませんか。
○政府参考人(永村武美君) 委員の御指摘の予見性の問題につきましては、これは判決の中にもありましたとおり、繰り返しになるかもしれませんけれども、当省の担当官の職務権限は家畜の飼料の品質を確保するためにダーク油について調査する、こういうことでございまして、食用油の危険性について調査するということは職務外であった、これが第一点でございます。それから第二点として、ブロイラーの変死等の異常はダーク油によって発生しており、食用油に異常があるとの情報は当時全くなかった、こういうことで食用油の危険性を予見するということは困難であった、こういうことでございます。これは勝訴した六十一年の判決の中にも示されておるとおりでございます。 また、委員の御指摘の仮払金に関する返還の問題でございますけれども、仮払金の返還につきましては、和解が成立いたしましてからいわゆる債権管理法に基づきまして原告から返還を求める必要性、これは当然法律に基づいてあるわけでございまして、法律にのっとった行為を実施しておる、こういう理解でございます。
○清水澄子君 仕事の上ではその課が職務外であったということで責任は逃れられるし、そしてこの返済においては一つの法を盾にしておられるわけですね。 農水省は、現在、国営土地改良事業など未回収債権というのが一兆三千五百三十五億円もあるわけです。そういう問題はそのまま放置されていますよね。これは一兆幾らもいつ返してもらうのか知りませんけれども、そういうふうに本当に農水省のやはり一つのミスです。行政責任があります、これは明らかに。 ですから、国の債権管理法の、これを何とかいろんな運用とか特例とかそういうことを駆使して、そしてこの中にある、債権者が無資力またはこれに近い状態にあるときは債権内容の変更や免除ができるという規定などを、そういう生きている、被害を受けている人たちに対して何らかやっぱり特例を設けるとか、何か真剣にその対応を考えるという意思はいささかもありませんか。
○政府参考人(永村武美君) 原則は先ほどお答えを申し上げたとおりでございますけれども、調停以降、生活諸条件の変化等でやむを得ない理由によりまして調停の合意内容どおり返還が履行できない、そういった特別な方々に対しましては再調停を早目に行うなど適切に対処してまいりたいと思っておりますし、また債権管理法上、弁済が困難とするということで履行延期の合意がなされている方のうち、履行延期後十年を経過した後におきましても無資力かつ弁済することができる見込みがない、こういうことが認められる場合には債権を免除できる旨の規定がございまして、その時点において個々人の状況に応じて関係省庁と協議の上適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○清水澄子君 今後、新たな対策を検討するというお考えはありませんか。
○政府参考人(永村武美君) 今お答えしたとおりでございます。
○清水澄子君 これは厚生省にお伺いしたいんですけれども、皆さんはこれはダイオキシン類の被害であるということを知っておられたわけですね。私たちは最近しか知らなかったんです。 そうなると、厚生省も農水省も、さっきからのお話を聞くと、知っていた。知っていて、それらについて何らこちらがたださないとそのことは公表もしない、そして新たな対応の措置もとっていない。そうなりますと、この裁判というのは、裁判の問題を私は今ここで争いませんけれども、裁判が行われているときはダイオキシン類なんというのを知っていて裁判が行われたとは思いませんよ、あの中身は。 ですから、ここで私は厚生労働省に伺いたいんですけれども、厚生省はこの原因がダイオキシンだということを農水省にきちんと伝えたわけですか。そして、それについてどうあるべきだということをお伝えになりましたか。
○政府参考人(尾嵜新平君) カネミ油症の原因が当初PCBであるというふうに思われていたのはそのとおりでございまして、その後の研究によりまして、先ほど来御議論がございますような、ダイオキシン類が含まれておったというふうな研究の結果わかった事柄でございます。それが一九八三年の報告書の中でもそういう報告がなされてきたということでございます。 それが一点でございますが、その時点で農林水産省の方にこういった事実を当時の厚生省が伝えたかどうかというのは、それは私、正直わかりません。そういう形を伝えたかどうかもわからないというのが事実でございます。 ただ、この研究班の報告書そのものは公表されておるものでございますので、それをごらんになっている可能性はあるというふうには思っておりますが、伝えたかどうかについてはつまびらかではございません。
○清水澄子君 これが伝えないとすれば、やはりここにも私は行政責任があると思うんですね。 それからまた、厚生省は、これだけ広範なダイオキシン類の被害といったら、物すごいこれは猛毒なものが、環境の中から空気で吸っても問題なのに、体内に残留しているわけですから、こういう広範な健康被害についてはやっぱり緊急に調査をするとか、場合によっては医療及び生活面での救済の責任というのをどうするかという、そういうことは全然お考えにならないんでしょうか。水俣病の場合でもこれは排出者責任だけでは済ませていないと思いますけれども、いかがお考えですか。
○政府参考人(尾嵜新平君) カネミ油症につきましては、先ほど来農林水産省とのお話にありますように、裁判になったわけでございますが、結果的には私どもの、当時の厚生省が被告になった時期がございますが、裁判上の責任はなかったということでございます。その後の取り下げもあったわけでございますが。その後、今回の患者の方々に対します措置につきましては、カネミ倉庫との間におきまして治療費あるいは入院費等の負担をする、そういうふうな形になっておるわけでございます。 厚生省、当時もそうでございますが、今も厚生労働省としましては、過去から現在に至るまでずっと油症の研究班というものをお願いいたしまして、一つは、お困りになっておりますそういった症状、どういう治療法があるのかということを中心に一つは研究をしていただいてきておるということでございます。それと二つ目は、実際に具体的な症状でお困りでございますし、そういった臨床面での研究という観点からも、治療法を研究するという観点からも毎年患者の方々に検診を受けていただく、あるいは健康相談をする、そういったことについて厚生省としては、私どもの方としましては、従来から厚生科学研究費で対応してきているというところでございます。
○清水澄子君 私は、環境大臣にもお伺いしたいんです。 この所信表明の中でも、これは自動車排出ガスとかそういう問題のところにしか書いてありませんけれども、やはりダイオキシン類、環境ホルモンなどの化学物質による人の健康や生態系への影響が懸念されていることが国民に大きな不安を与えているという、やはり今日、朝からいろいろ御質問がありますけれども、有害化学物質について人に対する健康という面で非常にみんな関心がありますし、それに不安を持っています。ましてや、こういう日本の中で初めてそれを食べた油の中に入っていたという人体実験があったという、こういうことをもっとやっぱり重視すべきじゃないでしょうか。 そうすれば、こういう中で今回PCB法案が、このPPPの特例として中小企業救済のための国の責任で法整備するという法案が出されているわけですが、やはり中小企業救済の、環境に放出させないためにもそれは当然なんですけれども、しかしその前に、人体の中に、体の中に滞留してしまった、その患者についてどうすればいいのかということは、幾ら今お話を伺っていても、それぞれの役所の自分の法的解釈とかその分野のところで全然患者に対しては何ら手が出ないというんでしょうか、そういうことについて、やはりはっきりこのカネミ油症の患者に対する、もっと環境省としてもこれはどうあったらいいかというふうに、大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(川口順子君) この問題についての先生のちっとも物事が動いていないではないかというお気持ちは理解はいたしますけれども、制度的に申しますと、これは口から食物として食べてその影響がある、あったというのがカネミ油症事件でございまして、環境省の所管ではないわけでございます。環境省が担当する部分というのは、環境を通じてその結果生態系に影響があるとか健康に被害があるということでして、食べ物として直接食べたものは環境省の担当ではないというのが行政の枠組みになっているわけでございます。 ということでございますので、このカネミ油症事件そのものについて環境省が何かをするということは、所管外ということで何もそこはできないということではございますけれども、ただ、汚染の経路が食品という形で体に入ったということ、という汚染の経路はともかくといたしまして、有害な化学物質によって人の健康被害がもたらされたということ自体は重く受けとめるべきものだというふうに思っております。 それで、環境省としては、このカネミ油症の事件がもたらしたような化学物質の問題の重要性ということを十分に認識しまして、大気あるいは水といったものが汚染をされる、それでその結果として健康被害が起こるというようなことがないように、化学物質対策には全力で取り組んでいきたいと思っております。
○清水澄子君 いつも、外に出たところから環境省と言われても、もうきょうはちょっと時間がありませんから、そういう説明は、非常に環境行政としても関係していることなんです。 今、世界のダイオキシン類に関する第一線で活躍している研究者たちは、ダイオキシン類による人体被害の全体像を解明したい、そして治療対象に役立てたいということで、日本と台湾の油症被害者に関する子細な実態把握を求めてきているというのは御存じでしょうか。 それは、治療法がまだわからないわけですから、そういう日本では人体実験まであったということを、やはり今後のそういう治療法を見つけるということのためにも、検診、調査の方法、疫学的調査とか臨床的な調査をもっと日本は率先してこれをやっていく、それから胎児についても追跡調査をすると。やはりダイオキシン被害というのはどのような影響を及ぼすものかというのを、日本は早速これは調査研究をしたらいいことじゃないでしょうか。 カネミ油症とダイオキシン研究の連携というものをきちんとやって、もっと研究費も出して、もっと合同研究をしていく、そういうことは厚生省はもっと、そういうお考えありますか。 環境大臣、もう一つこれをお答えください。
○政府参考人(尾嵜新平君) カネミ油症関係につきましてはいろんな御要請も私ども聞いているわけでございます。そういった中で、例えば先ほど来御説明しております油症研究班でやっております検診の受診者が少ないとか、あるいはその内容等につきましての御要請もございます。そういった中で、私ども従来から、基礎的な研究よりは、より患者さんの状況に対応した臨床的な研究に今重点を置いていただくようにというふうに、十三年度の研究については研究班の方に要請をいたしておりますし、その中で、例えば患者さんに油症の病像をより正確に理解していただけるような手引の作成、あるいは健康に不安を感じているような患者さんが相談を受けられるように、研究班の先生が属しております各地の大学や病院で相談窓口を開いていただけないかと、そういったことも今御相談をしているところでございます。 また、御指摘のございました児童なり出生児の調査、過去にも研究班としてもやっておりますが、それについて改めて今回、またそういう御要望があるということは研究班にお伝えした上で御相談をしたいというふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(川口順子君) 環境省は、ダイオキシン類の健康被害ということにつきましては暴露調査を各省と連携をしながらやっているところでございます。 それから、カネミ油症事件ということでございますと厚生省の油症研究班が対応いたしておりますので、その成果を見守りたいということでございます。
○清水澄子君 そういうことではなくて、私の方が問題提起をしているのは、余りに縦割りではなくて、それから当時の科学的知見ではいろいろわからなかった点もあるわけですね。しかも、法の不備や解釈の谷間に放置されている被害者、人間がいるというそのことについて、やはりこの問題を何とか解決したい、してほしい、すべきだということを主張しています。 大臣、このカネミ油症をスタートからダイオキシン汚染という問題でやっぱり見直していく必要があるのではないか。そういう意味で、事情変更の原則という考えもあるはずです。当時知られなかった重要な事実がわかってきたわけですから、これは一企業による混入事故という枠を越えて、環境問題であるという新たな視点が必要だと思います。 その点と、それから、こういうふうにダイオキシン被害というのはこれからも発生するおそれが多分にあるわけですね。ですから、こういう知見をもっときちんと研究していって、世界にそれをやはり報告するぐらいの姿勢を持ったらどうか。そして、国は、各省ばらばらでなくて、被害者の立場に立って横断的に調整会議のような組織を改めて設置すべきではないかと、私はそのように要求したいんですが、環境大臣、最後にお答えください。
○国務大臣(川口順子君) 一般論といたしまして、各省が連携をして事に当たっていくということは、現在さまざま問題が複雑になってきておりますので非常に重要だというふうに思いますし、完全ではないと思いますけれども、各省、基本的にそういう立場で連携をしながら行政をしていっているというふうに私は思っております。 それで、ただ、先ほども申しましたように、カネミ油症事件につきましては、これは食品による汚染といいますか健康被害ということでございますので、環境省が中心になって各省横断的なチームをつくってやっていくということは所管上できないということでございます。
○中村敦夫君 中村敦夫です。 まず最初に、諫早干拓事業の洪水対策機能について質問したいと思いますが、農水省にお願いします。 農水省の説明によりますと、諫早干拓事業には二つの目的があるというふうになっていますね。一つは農地造成です。これは当たり前ですね。二つ目、防災という項目があります。この防災には三つ対策が挙げられているわけですね。洪水対策、高潮対策、常時排水対策と、この三つ挙がっているわけですね。 現在、この諫早湾では水門の常時開放が大きな論争の焦点になっているわけでございます。これに対して農水省は、洪水対策のために梅雨の前には水門を閉めねばならないから、常時開放は難しいというふうに言っているわけですね。 そして、この洪水という問題についてはパンフレットでも言っております。これは農水省諫早湾干拓事務所、ここが作成した「諫早湾干拓事業計画の概要」というパンフレットなんです。この中にこういう文章があります。「昭和三十二年の諫早大水害に代表される高潮、洪水、排水不良による被害がたびたび発生しています。」と、こういう項目がありますね。あるいは、「このため、諫早湾干拓事業は」「高潮、洪水などから地域を守ることを目的としています。」と、ここでも洪水対策を主張しているわけですね。 また、その干拓事業の洪水対策の効果についても述べているところがあります。「昭和三十二年の諫早大水害相当の降雨があっても、高潮の影響を受けず貯水できる洪水調整容量約七千二百万立方メートルを確保します。」と、非常に具体的に記述されているわけですね。 確かに、あの昭和三十二年の諫早大水害では、本明川の洪水によって諫早市の市街地に大きな被害を出したわけです。 そこで質問したいんですけれども、この本明川の諫早市街地に対する洪水対策機能について、今行おうとしているこの干拓事業はどのような役割を果たしているのかということを聞きたいんですよ。この答えは、高潮対策や常時排水対策とごちゃまぜにしないで、明確に洪水対策に限ってお答えいただきたいということです。
○政府参考人(佐藤準君) お答えいたします。 諫早湾地域の背後地、これは非常に低平地でございます。高潮ですとか洪水時に農地や住宅地が浸水するという災害は過去にもたびたび起こっております。 この要因といたしまして、いわゆる潮受け堤防のできる前ということになりますと、例えば潮汐、いわゆる潮の満ち干は毎日ございます。満潮時には、諫早市の本明川公園堰というところがございますが、この付近まではいわゆる海の潮位の影響を受けております。そういうときに大雨が降りますと、いわゆる円滑な河川からの排水に支障を生じるということになろうかと思います。 また河口付近に、この地域、いわゆる浮泥と申しまして、非常に粒子の細かい泥が水と一緒に溶けております。それが潮汐、潮の満ち干によりましていわゆる河口部分に堆積いたします。これを潟土の堆積と申しておりますけれども、これが河口部の通水を阻害するということがあったというふうに聞いております。 これを解消するためにこの干拓事業では潮受け堤防を設けまして、調整池の水位を海抜、標高マイナス一メーターに常時管理をするという管理を行っております。この結果、いわゆる潮の満ち干、潮汐の直接的な影響を受けることがなくなりました。そういうことで、本明川の通水が確保されて、いわゆる背後地からの円滑な排水が可能となっております。 また、潮受け堤防の設置によりまして、先ほど申しましたいわゆる河口をふさいでいく潟土の堆積、こういうようなものも解消をされたということで通水断面が確保されているというようなことになっております。 こういうようなことから、周辺の低平地からのいわゆる速やかな排水が確保されるということで、洪水時にもその防止に寄与しているということかと思っております。 近ごろの例で申しますと、例えば平成十一年の九月、これが台風十八号でございますけれども、この通過の時点ですとか、それから同じく平成十一年の七月の記録的な大雨と言われております最大時間雨量百一ミリ、それから日雨量で三百四十二ミリという降雨がございましたけれども、この際にもこの事業の効果ということで、調整池周辺の低平地で浸水被害が非常に少なかったというようなことから、非常に住民からも感謝をされているというふうに思っております。
○中村敦夫君 高潮と排水の問題はごちゃまぜにしないでお答えいただきたいと言ったんですよね。あなたが答えているのは全部河口の話なんですね。洪水というのは河口の話じゃないんですよ。市街地、川のはんらんということが洪水の本当の意味だと思うんですけれども。 今度は国土交通省にお伺いしたいんですが、本明川の洪水について責任を持っているのは国土交通省なんですか、農水省なんですか、簡単にお答えください。
○政府参考人(竹村公太郎君) 河川法に基づきまして河川管理者である国土交通大臣が、本明川は一級河川でございますので、責任を持っております。
○中村敦夫君 一九九七年七月二十二日の質問主意書への答弁で、当時の橋本首相が本明川の洪水対策についてこういう答えをしています。「洪水、高潮等による災害の発生防止という目的を達成できるよう策定しており、潮受堤防の存在を前提としているものではない。」ということなんですね。 つまり、干拓事業と洪水対策は別だというふうにはっきり言っているわけですよ。 また、国土交通省には二〇〇〇年十二月に改定した本明川水系河川整備基本方針というのがありますね。これを取りまとめるに当たって、農水省が言っているような諫早干拓事業の洪水対策機能をこれは前提として考えたんですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) ただいま中村委員のお尋ねの質問主意書は平成九年だったと思います。そのときには本明川に関しましては工事実施基本計画というのが定められておりました。それは平成三年三月に定められたものでございます。平成三年三月に定められたときにはもちろん農水省の現在の事業はまだ進んでおりませんので、潮受け堤防そのものはございませんし、私どもの平成三年三月に策定した工事実施基本計画は潮受け堤防の存在を前提としてはおりませんでしたので、そのように答えたわけでございます。 その後、今二〇〇〇年の十二月と申されましたが、そのとおりでございまして、新しく平成十二年十二月に本明川水系の河川整備基本方針を私ども策定してございます。そこの中では、もう既にそのときには諫早干拓に関します潮受け堤防が前の年の平成十一年に完成しておりましたので、その潮受け堤防による高潮の防除を前提とした内容の河川整備基本方針となってございます。 数字だけ言わせていただきますと、平成三年三月に策定した工事実施基本計画では、高潮を考慮した計画の高潮位、東京湾中等潮位、東京湾の潮位からカウントして四・三七メーターのところで計画高潮位というのを定めておりましたが、潮受け堤防がございますので、それを私ども高潮というのはもう考慮しないということで、洪水、山の上の方から流れてくる川の水の洪水を前提として、河川整備基本方針では計画高水位三・八四メートルとしているところでございます。
○中村敦夫君 それは高潮というもののケースですよね。普通の洪水の場合は、洪水というのは大体河口の問題ではないわけですよ。市街地が主に対象になると川のはんらんということですが、二〇〇〇年の本明川水系河川整備基本方針の中にも、この潮受け堤防とは関係なくあらゆる洪水に対してダムや堤防でもって防げるというグラフや数値というものが出ておりますよね。そのとおりでいいんですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 私ども河川の洪水の被害を検討する際、特に河口部、河口部には非常に大きな都市がいつも常時密集しておりますので、河口部の洪水対策が大変重要なわけでございますが、そのとき二つの手法でやっております。 一つは、大きな高潮が来てその地域の方々が被災に遭われるケース、それは私ども十分過去もありますので、そういうところの検討をします。その次に、上流の方から洪水が流れてきたときの、今度は普通の洪水の検討をいたします。そちらの両方の検討で水位が高くなる方を私どもは河口部における堤防の高さとしているわけでございます。 今回のこの本明川につきましては、先ほども申しましたが、潮受け堤防が沖の方にありますので第一の高潮による検討はしないで、洪水による検討だけで私どもこの本明川の洪水対策は検討しているという状況になっておりますので、そのような考え方から基本方針を策定しているわけでございます。
○中村敦夫君 国土交通省の説明では、洪水対策は国土交通省の仕事であり農水省の仕事ではないということがはっきりしましたね。それから、本明川や諫早市街地のための洪水対策というものは、農水省の干拓事業を前提にしていないということもはっきりしました。 つまり、水門を常時開放して潮の高さが堤防の内外で同じ高さになった場合でも、本明川や諫早市街地の洪水対策には問題がないということだと思うんですけれども、しかし現在、この水門開閉の論争の中で閉めなきゃいけないという論拠の一つにこれが使われているわけですよ。 つまり、地元の市長なんかは干拓事業をストップすると洪水水害が起きる、だからやるんだということを主張しているんですけれども、これは農水省が恣意的な指導をしているからではないのか、あたかも干拓事業そのものが本明川や諫早市街地の洪水対策になっているようなそういう表現を強調しているので、こんなふうになっているんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(佐藤準君) 先ほどはいわゆる高潮でなくて洪水だけというようなお話でお答えいたしましたけれども、一つはまさに高潮、これの対策としては防潮堤、これは非常に大きな効果を出しております。特にあの地域、非常に干満差が大きいところでございまして、いわゆる大潮の満潮時、非常に水位が高くなります。そういうときに……
○中村敦夫君 洪水のことを聞いている。
○政府参考人(佐藤準君) 洪水のときには、今回マイナス一メーターに常時調整池水位の管理をしているということで、そういうものを与件として河川の改修計画といいますか工事実施基本計画も立てられているというふうに聞いております。 そういう意味で、本明川全体のいわゆる洪水への対応というようなものにも寄与しているというふうに思っております。
○中村敦夫君 本明川全体の洪水の対策なんかに全く寄与なんかしませんよ、潮受け堤防が。そんなうそついてもらっちゃ困るんですね。 要するに、そういう間違ったことを公にするというのは公共機関としては許されないんじゃないかと思うんですね。少なくとも洪水対策は国土交通省がきちんとやっているわけですよ。そういうことははっきりしているんだし、それで十分だという資料があるわけですから、洪水対策というのを干拓事業をつくる目的に入れていくこと自体が虚偽だと思うんですね。この洪水対策という項目を外す気はないんですか。
○政府参考人(佐藤準君) この事業の目的といたしまして、いわゆる防災対策というような形で効果も見込ませていただいております。 この防災対策ということに関しましては、高潮災害、それからいわゆる常時の、日々の潮の干満の影響を除去して水位を管理することによります常時の排水対策、こういうようなものもあわせて効果として見込んでおると。また、防潮水門と、それから調整池の水位をマイナス一メーターに管理をするというようなことで、諫早湾の周辺地域の洪水排除、こういうようなものに対します効果もあるというふうに我々は考えております。
○中村敦夫君 何度も言いますように、それは洪水じゃないんですね、河口付近だけの問題なんですよ。ですから、明らかに、防災の三つの対策というふうにして堂々と書いていて、それを強調する、特に洪水のことを今強調しているというのはおかしいんです。 だから、高潮、常時排水、この二つの対策についてはわかりますけれども、洪水対策というものを入れておいて、それを強調して、人々が議論の主な論拠に使っている。そして、住民の不安をかき立てているというのはこれは汚いやり方だと。ぜひ、この洪水対策というのは削っていただきたいということを要請します。結構です、両省庁。 次に、有明海保護の特別立法について環境大臣にお尋ねします。 川口環境大臣は、三月二日の閣議後の記者会見で、有明海の水産資源と生態系の保護を目指す特別立法の制定へ向けた検討を開始したと明らかにされましたね。この問題が緊急を要することは農水大臣が明言したとおりでもあります。環境省の立法検討作業が進められていると思うんですけれども、おおよそいつごろ国会に提出される見込みがありますか、お答えいただきたい。
○国務大臣(川口順子君) 現在、有明海のノリの不作の問題につきましては、農水省それから環境省において緊急調査を今やっているところでございます。環境省は緊急補足調査で底生生物ですとか底質ですとかについて調査をいたしておりまして、きょうの第三者委員会にもそれが報告をされているということでございます。 それから、有明海を今後豊かな海にしていくという観点は重要だというふうに考えておりまして、それは今までの調査あるいは来年度行われる総合的な調査、そういったものを踏まえまして、それから第三者委員会の検討の状況も踏まえまして、どういうような対策が必要か、それからどういうような対策が有効かということの議論、検討をするように今事務当局には話をしてございます。 その際、立法措置も視野に置いてということでございますが、そのためにはノリの不作の原因がどのあたりにあるのかということをまず知ることが重要でございまして、したがってさまざまな調査を現在行っていると、そういうことでございます。
○中村敦夫君 今のお話を聞くと、どうも特別立法が国会に出てくるのは来年以降のような感じがするんですけれども、そういう受け取り方をしていいんですか。
○国務大臣(川口順子君) どこに原因があるのかということがわかりませんと、どのような対策をとれば有明海がまた豊かな海になっていくかということについての道筋がつくれないわけでございまして、そういう意味で現在検討して、それを第三者委員会で御検討いただいておりますので、そのあたりの動向も踏まえる必要があると思っております。
○中村敦夫君 これは急いでやらなきゃいけないわけですよね、基本的に。ですから、いろんなことがわかるまでという答えというのは、大変周辺の住民たちも不安になってくるということなので、ぜひこれ急いでやっていただきたいということが根本にあるわけですけれども。 こういうニュースが私の耳に入ってきているんですよね。川口大臣の特別立法への積極的な発言の後、松岡農水副大臣から猛烈な圧力がかかったと。これは与党のある議員がジャーナリストに打ち明けているんですね。それ以後、どうも大臣の特別立法への積極的な発言というのがトーンダウンしてしまったということが今一般に広がりつつあるんですよ。これは事実でしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 私はこの問題について松岡副大臣とお話をいたしたことはございません。
○中村敦夫君 最後に、有明海の特別立法の一日も早い成立に向けて大臣の決意をぜひ表明していただきたいんですが。
○国務大臣(川口順子君) 有明の海域を豊かな海にする、それからその前提として、どういうところに原因があったかということを調査するということは、各省連携をして考えていかなければいけない問題でもございますし、それから地元の方の中にもさまざまな御意見がおありになるというふうに間接的に伺っております。 ということでございますので、そういった状況を踏まえて、環境省として何ができるか、何が必要か、何が有効かということの検討に全力で取り組みたいと思っております。
○中村敦夫君 余り断固たる決意表明というふうには受け取れませんが、時間が来ましたので質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十九分散会