環境委員会 第4号
- 発言数
- 284 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/03/22
会議録
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十一日、藤井俊男さんが委員を辞任され、その補欠として櫻井充さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に清水澄子さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査の委嘱がありましたので、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に文部科学省研究振興局長遠藤昭雄さん、文部科学省スポーツ・青少年局長遠藤純一郎さん、厚生労働省健康局長篠崎英夫さん、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平さん、農林水産大臣官房技術総括審議官大森昭彦さん、農林水産大臣官房審議官坂野雅敏さん、農林水産省農村振興局計画部長百足芳徳さん、食糧庁次長中川坦さん、林野庁次長加藤鐵夫さん、水産庁漁政部長白須敏朗さん、経済産業省製造産業局次長増田優さん、国土交通大臣官房審議官松野仁さん、国土交通省河川局長竹村公太郎さん、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長岡澤和好さん、環境省総合環境政策局長中川雅治さん、環境省総合環境政策局環境保健部長岩尾總一郎さん、環境省地球環境局長浜中裕徳さん、環境省環境管理局長松本省藏さん、環境省環境管理局水環境部長石原一郎さん及び環境省自然環境局長西尾哲茂さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定します。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 本件の説明につきましては既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○末広まきこ君 おはようございます。 環境庁から環境省へ大きく脱皮されまして、おめでとうございます。待ちに待った日がついに訪れた、こういう気持ちでございます。ここにいらっしゃる委員の皆様全員がそういった喜びを感じていらっしゃると思います。そしてまた、大きな期待も寄せているところです。一九七〇年、スタート当時の公害対策から地道に環境庁はこつこつとその守備範囲を広げていらっしゃって三十年、敬意を表するところでございます。 そこで、環境省発足のときだからこそお願いしたいというか、もう一歩ウイングを広げてほしいジャンルについて、きょうは川口大臣の率直な御感想を交えた御意見を伺ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 戦後復興から人々が仕事とお金を求めて都会へ、どっと都市へ集まってまいりまして、とにかく食べるもの、とにかく眠るところ、とにかく働く場所をと、どん欲に都市に求め続けてきました。都市は都市計画の行き届かぬうちに急速に膨張してきました。以来二分の一世紀、都市環境は悪化の一途をたどっております。 三十年前、人々は、こういうところは住むところじゃない、ここは働くところなんだ、お金を稼ぐ場所なんだ、住むのはちょっと郊外なんだということで、職住を切り離してスプロール化現象というのが出ていきました。その結果、都市環境をよいものにしようという風潮も途絶えたように思います。 ところが、都市環境を劣悪なまま放置すると犯罪の温床になるということに気づいて、ニューヨークを初め、先進国の都市は本格的に都市計画政策に乗り出し、住宅、公園、アメニティーの整備を始めました。実は、私も去年ニューヨークのハーレムを歩いてみました。その再開発を目の当たりにいたしました。ジュリアーニ市長という方がこれではいけないということでお取り組みを始めたその成果が着実に上がってきていて、まさに器が人間を育てているんだなという意味を実感した次第でございます。 そこで大臣にお聞きします。できたてで湯気が上がっているような環境省でございますが、これからは都市環境という受け皿をつくって、環境と文化という視点で国土交通省の都市局と一緒になって都市政策を論じ合っていく必要があると私は思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) まず初めに、環境庁が環境省になりましたことについてお祝いのお言葉をいただきまして、どうもありがとうございます。これも環境委員会の各委員の方々を初め、国民の皆様の環境保全についての厚い期待があってということでございますので、その期待を失望させることがないように一生懸命に職員一同取り組んでおりますので、ぜひ今後とも御指導をお願いいたしたいと思います。 それで、お話しの都市政策と環境保全ということでございますけれども、委員のおっしゃる視点は私も全く賛成でございまして、都市という切り口に環境保全ということがどうかかわってくるかということを、都市を中心に考えていくという考え方というのはこれからますます重要になる考え方だというふうに思います。 環境省も、従来から大気の対策、それから例えば廃棄物、水の質等といった都市の生活に非常に密接な関係を持つ点につきまして、国土交通省とも連携をいたしまして対策を進めているところでございます。 今後とも、連携は密にいたしまして、都市生活、都市生活者の環境をどういうふうにして保全し、改善をし、さらによくしていくかという観点から取り組んでいきたいというふうに考えております。
○末広まきこ君 今回、国土交通省は都市緑化法の改正を提案しています。屋上緑地などを位置づけて、ヒートアイランド現象、地球環境対策にも対応しようとしています。都市公園の整備も計画的に行われていますし、防災公園の整備制度というのもございます。このようなことに対してどういう構想が望ましいのか、環境省としての御意見というのはお持ちなんでしょうか、お伺いします。
○副大臣(沓掛哲男君) 今回の都市緑地保全法の改正というのは、荒廃、売却の進んできた都市内緑地をNPOの協力や税制改正などによって保全していこうとすることとともに、もう一つ、屋上緑化等を計画的に進めることによっていこうとするものでありまして、環境保全上も歓迎すべきことだというふうに考えております。 環境省といたしましても、ヒートアイランド現象や地球温暖化問題への対応のため、屋上緑化等の所要の施策を推進するとともに、緑地の保全に関する計画について十分な関心を持って、必要に応じ国土交通省とも意見を交換しながら、この緑地の保全、良好な都市環境の整備のために全力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○末広まきこ君 特に防災公園の整備で、土地を買い上げて整備を進めるということに私は注目しております。単に防災上の観点から遮断帯をつくる、地球温暖化対策からは緑地をつくるという個々ぶつ切りのハードな発想法で行われていくとこれは問題だなと、都市環境改善にはつながっていかないんじゃないか。これは構想の段階から環境省と国土交通省がきっちりとさしでテーブルに着いて、生態系の視点、景観の視点、ビオトープのあり方について十分御意見を交わされて、相談の上で構想をまとめていただきたい、こう思うわけでございますが、環境大臣、ぜひやっていただけますでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 御趣旨の線に沿ってはそういう形で進めていくのが一番望ましいというふうに思っておりますが、本年一月六日の環境省発足に伴いまして、緑地の保全については国土交通省と環境省が共同して行う事務となっております。 また、緑地の保全については、当省といたしましても、生物多様性保全など自然緑地の考え方のガイドラインも含めて、これから国土交通省と十分調整しながら、今先生おっしゃったような方向で都市の緑化等を総合的に進めていく、その点において環境の面から環境省としても力いっぱい取り組んでいきたいというふうに考えております。
○末広まきこ君 ということは、具体的な調整システムについては今後これから検討されていくということでございますね。
○副大臣(沓掛哲男君) そうでございます。これからガイドライン等について具体的に国土交通省と話し合っていくということでございます。
○末広まきこ君 環境省はよく自然保護で、富山県とか長野県とか北海道に行きますと、よく頑張っていただいているなというところは目の当たりにするんでございますけれども、案外と身近な都市ということになると、ここはちょっと手がつけられないからとか、いろいろ縄張りもあるからということなんでしょうが、そういうところは手つかずのまま放置されてきているのではないか。こういった都市の緑地問題、身近な自然のありように対して今のままではちょっとよくないんじゃないかと、もう少し発言していいのではないでしょうかと私は思います。 また、それに対応していくセクション、これが、はっきりここでやりますよと言えるところがあったら教えていただきたいのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 都市における自然といいますか、都市の緑地について環境省がもっと積極的に発言をすべきではないかという御意見は私も全く同感でございまして、必要であると思っておりますし、また同時に、今までも随分やってきているつもりでございます。 例えば昨年十二月に新環境基本計画が閣議決定をされましたけれども、そこにおきましては、都市地域における自然的環境の確保及び日常生活圏における自然との触れ合いなどを図るため、総合的な計画などに沿って緑地の保全、都市公園などの整備、緑化を計画的に進めるということとなっております。 それから、もう一つ例を挙げさせていただきますと、これも環境省でヒートアイランド現象抑制のための対策手法の報告書概要というものを昨年出させていただきましたけれども、その中でも都市の緑化、建物の緑化等について議論をさせていただいているわけでございます。 さらに、もう一つ例を挙げさせていただきますと、ことしの三月から生物多様性国家戦略の見直しの作業に着手をいたしましたけれども、その中で都市内の緑地を含め生物多様性がどうあるべきか、例えば都市内の緑地で、そこにおける小動物が生存できるような形での緑地の配置というのはどうあるべきかというようなことですけれども、そういった都市の生態系にも着目をして議論をしていきたいというふうに思っております。 それに対応するセクションはどこかという御質問でございましたけれども、環境庁の今の機構が、例えば大気の環境ですとか、水の環境ですとか、自然の環境ですとか、そういった環境の種類といいましょうか、質といいましょうか、そういうことに着目をした組織になっております。今、その行政の改革で非常になかなか難しい状況に、政府の行政機構を膨らましていくということが難しいという状況にありますけれども、そういった都市の政策を中心に、そこだけで中心になって見るというようなセクションを将来的につくらせていただくことが可能であれば、その節はぜひ末広委員の応援をちょうだいをいたしたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、環境省といたしましては、従来と同様、引き続き国土交通省との連携を行い、あるいはますますそれを深めて都市の環境問題に対応していきたい、取り組んでいきたいと思っております。問題意識は先生と共有をいたしているつもりでおります。
○末広まきこ君 ありがとうございます。 大臣のそういうところへも入っていきたいというお気持ちは伝わってきたと思いますが、大きな自然に対応する部局はあっても、都市の身近な自然に対応するのは今のところ見当たらない、残念ながらそういうことだということでございますね。 昔、我々の母や祖母の時代というのは、本当に路地裏のちょっとしたところにも花を育てているんですね、植えているという感覚じゃないと思います、育てている。そして、それがつぼみをつけたり、つぼみの先が赤くなったら花が開くよとか、花が開き終わると、こういう手入れをしてやると、また次が、次の子が開くんだよとかって、そういう何か命をはぐくんでいくというのを自然にそこで学んで育ったような記憶がありますので、遠くの自然も結構なんですが、身近な自然というのは、事ほどさように人間の成長過程に与える影響は大であると、やっぱりそのように思うわけです。それこそがまさしく環境であったり文化であったり、それから人間の育てる器の整備であるのかなと思うんです。 ニューヨークのハーレムに行きましても、ちょっとした空き地が出たところ、それをニューヨーク州で買い上げていらっしゃって、そこをその近所の人たちに開放したら畑をつくり始めたんですね、花もちらちらと植えて。そういうことをすると、そこに周りの人たちがいつの間にか集まってきて、そこをコミュニティーの広場として会話を始めて、大変何か近所の輪が広がっていった。今、そこへ建物をぼちぼち建てようかというんですが、なかなか今度は皆さんが、もったいないよ、毎朝おれは起きたらまずここに来て畑を見ているんだ、つくっている人は毎朝水やりに来るんだ、そういう何というか、培われてきたものがなくなってしまうというのはもったいないよというので、今ここは問題になっているところなんですよという話もあったりなんかするんですが。 環境省で、今大臣のおっしゃったように、全部スポット、スポット、これは大気環境、水環境、自然環境という何かスポット、スポットになっているんですね。私の考える都市環境というのは、それらを総合したフュージョン型といいますか、総合したもっとソフトなものと私は考えておりました。この際、そういう部局は私もどう探しても見当たりませんので、都市環境局というのを念頭に置いた取り組みを始めてみたらいかがでしょうかというのが私の提案ですが、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申し上げたことに尽きますけれども、基本的に今の機能ということで考えますと、都市の環境保全という観点から必要な廃棄物であれ水であれ大気であれ、そういったものの環境の質ということについては、都市も含めて、環境管理局であったり自然環境局であったり、あるいは廃棄物・リサイクル対策部であったりというところが、日本全体を見る一環として都市の部分の環境を十分に注意をして見ているということでございます。それから、基本的にそういう意味では、それぞれのところで都市も含めて十分に環境の質ということに注意はいたしているわけです。 ということで、いずれ将来、都市環境局をつくることが可能になりましたときには、先ほど申し上げましたように、ぜひ委員の御支援を賜りたいということではございますけれども、当面、行政改革の中で現在私どもができることは、担当部局が連携を密にして、極力、都市環境局を設けるのと同じような機能を連携しながら果たすということでございます。 それから、政府全体として、先ほど委員がおっしゃった文化も含め、あるいは都市の道路なり水道なりといったようなことも含めての都市全体の考え方ということでありますと、それは国土交通省あるいはほかの厚生労働省等の担当部局が相互に連携をしながら見ていっているということでございまして、政府全般の、都市の環境ということでいえば環境省でやっている施策の省内の連携と、それからほかの省でやっている環境の、例えば都市緑化も含めましてですけれども、政府の関係部署の連携を環境基本計画、新環境基本計画という枠組みの中で連携を確保しながら見ていっている、そういう形に現在はなっているかと思います。
○末広まきこ君 期待をしたいと思います。 都市というのはまさしく命の揺りかごでございまして、一体日本人の何%がそこではぐくまれているのかというと、これはもうすごい数字になるだろうと思います。都市環境局というソフトな分野がもうこの時代に来てつくづく必要なんだと私は感じております。 中心市街地が空洞化して、高齢者や障害者にとって暮らしにくい町になって、各地で町づくりには取り組んでいらっしゃいます。しかし、これは地方自治体までの話で、国として都市ビジョンがあっての話ではないんですね。また、国土交通省や、財政や経済学者も都市再生ということを言われていますが、内容というのはやっぱり都市再開発、渋滞等、都市の経済的ロスに対して公共投資を重点配分するというそういう内容なんですね。都市の機能回復重視であって、決して生活回復、人間回復ではない。これが国土交通省や財政・経済学者のスタンスだとすると、それはお立場お立場のスタンスというのがありますから、そうすると、都市局というのは環境省に持ってきて、環境省のスタンスをやはり強く打ち出していくのが国民の幸せ、都市の住民の幸せにつながっていくのではないのかなと思いますが、どうでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 大変傾聴に値する御意見でございますが、私も長い間、役人時代、都市行政にかかわってきた人間なので、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。 二十世紀型の都市機能というのは、生活あるいは働く場において都市便益を提供していくということだったと思いますが、二十一世紀型の都市は、私はそれにさらに加わるいわゆる交流という問題が非常に大きなウエートを持ってくると思います。先生、今外国でのいろいろお話をなさいましたけれども、成熟社会に達すると、今までの歴史が示しているんですが、どうしても交流ということを通じて次の飛躍の場がつくられていく、そしてそういう場所が都市であるというふうに思っております。 もう一つのいわゆる新しい二十一世紀型の都市への機能を付加するものとして、それは観光という面がございます。今まで日本ですと、温泉とかそういうところへ行って楽しく過ごしていくというのも非常に重要な観光のものでございましたが、これからやはり奥さんと二人で、家族で都市を訪ね、そしてその都市の史跡、遺跡、そういうようなものを楽しみながらまた歴史を学んでいく、あるいは人間形成をしていく、そういうふうな重要なこと、機能が都市にまた付加されていくというふうに思います。 そういうときにおいて、やはり美しい水、緑、大気、そういうものがあふれる都市でなければならないということを強く思います。しかし、何といっても、都市と申し上げたのは、第一義的には、最初申し上げました、二十一世紀恐らくこの四つの機能が非常に重要になり、またそれを支えていく、またそれがなければその四つの機能がうまく動かない、それがいわゆる今先生のおっしゃっておられるいろいろな都市環境だというふうに思います。 そこで、これらは対立するものではなくて、お互いに相力を合わせて、そしてよりよい都市、そして人間がそこでいろいろ活動できたり住める、そして今のような将来への展望を話し合っていく、そういう非常に大切なところであるし、現に都市には国民の七〇%以上がこれから住んでいくところになるわけなので、そういう面でその環境というウエートを増していくことも大切だと思いますが、では今の時点ですぐそういう新しい都市環境局を、また環境省へというについては、この間、一月六日、新しく省庁再編が行われたところでもございますし、時代の推移を見ながらいろいろ考えていくことだというふうに思いますが、今の時点ではやはり環境省が国土交通省の都市局といろいろ話し合いながら、ガイドラインその他をつくりながらそういういい環境をつくっていくことが大切だというふうに思っております。
○末広まきこ君 今すぐには対応は確かに無理かもわかりません。ただ、そういう方向性というのはしっかりと見失わないでいただきたいなと思います。 戦後復興、人と物を経済という皮袋に詰め込んで、ぎゅっとひねって上からコンクリをばしゃっとかぶせたような都市生活なんですよ。失われた人間性の回復に向けて、都市政策を環境の視点からどのような体制で推進していくのか、これはじっくりと検討する時期に来ていると思います。 大臣はどういう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 都市の環境の保全という観点から、各省の政策をどのように連携をしていくかということが一つの大事な点であろうかと思いますけれども、そのためには、新環境基本計画に基づいてどういうことがなされなければならないかということが、そこに先ほどちょっと申しましたように書いてあるわけでございまして、その関係行政機関の事務の総合調整を行うという立場から、近々、環境基本計画推進関係府省連絡会議ということを設置する予定でございまして、そういった場を活用しまして、国土交通省を初め関係の府省と連携をとって政策を推進していきたいというふうに考えております。 それからもう一つ、各省連携をすると同時に、それぞれの都市の政策に関与する政策を、都市に関係する政策をやっていただいている各省の中で、内在的に環境保全の視点がその政策に取り込まれるということが非常に重要でございまして、そういう意味では先般、森総理の主宰で、設置のところで、開催をさせていただきますことになりました、第一回を開催いたしました環の国日本づくり、百年を見通しての日本の国づくりという場でもさまざまな有識者の方から都市の環境保全についても御意見をいただいて、そういった意見を各省で、全閣僚が出ていらっしゃいますので御参照をしていただいて、それが各省の政策に反映されるということも大事だというふうに考えております。
○末広まきこ君 ちょっと時間的に余裕がありそうですので紹介しておきますが、自然デザイン研究所の高畠さんという方がイギリス、スコットランドを見てこられたリポートなんです。 英国はリフォームの国です。石文化であるからかもしれませんが、とにかく改修、改良に情熱を燃やしているようです。個人住宅でも、いまだにビクトリア時代の家を外観を残しながら大がかりに改修して、内部空間だけをハイテク化しています。 日本で郊外や田舎を訪れると、自然環境をずたずたにする公共工事を見ないことはありません。一方、都市部は住民とのコミュニケーションが円滑にいかず、都市機能は麻痺するばかり。人目に触れないところで公共事業を、都市は住民がうるさいから何もしないといった日本の行政施行者の態度が見え隠れします。 デザインとは形をつくることですが、よい形はよい精神がないとできません。美しい景観から美しい社会の精神が見えるもの。百年前に英国で起きたさまざまな社会的なムーブメントの成果が、今日のすぐれた合意形成の仕組みによる美しい景観を生み出したようです。百年以上前に成熟した国として、イギリスは日本のこれからの重要なモデルの一つだと思いましたという、これは個人的な視察の感想なんですが、中には随所ついている部分もなきにしもあらずという感じがして、私はちょっと目を引かれたのでございます。 いずれにしましても、どんな町をつくるのか、どんな国家をつくるのか、どんな人間をはぐくむのか、これはまさしく国のビジョンが問われている、それが二十一世紀であると私は思います。そして、そこに環境の視点が明確に示されていなければならないということは、これは事実です。 文化の集積としての都市政策に環境省としての受け皿を示し、都市環境への取り組みを本格的に行えるのは環境省以外にないんだというのが私の持論なんですが、環境大臣の御所見を伺って、最後の質問にしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 先ほどちょっと触れさせていただきました環の国日本づくりという考え方が、まさに今委員がおっしゃられたような、日本を今までのような、先ほど都市が分断をされたというようなこともおっしゃられましたけれども、大量生産、大量消費、大量廃棄という量あるいは進歩、まあ進歩というか、量の拡大がいいという発想から、二十一世紀、違った発想に日本社会が変わっていくというようなことをまさにテーマに環の国日本づくりの議論をしていただいているわけでございまして、その問題意識といたしまして、私どもは委員の問題意識と全く同じものを考えております。
○末広まきこ君 ありがとうございました。
○石井道子君 自由民主党の石井道子でございます。 きょうは、環境省の予算の委嘱審査ということで、久しぶりに質問に立たせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 二十一世紀の幕があけまして早々に、一月六日から中央省庁再編によりまして環境省が誕生いたしました。この省庁再編につきましては、ちょうど平成八年の暮れから平成九年にかけまして議論がなされたところでございまして、ちょうど私が平成八年から九年にかけて環境庁長官をしておりましたときのことでございますので、大変感慨深い思いがしております。 振り返ってみますと、二十世紀というものは大きな戦争があったり、そしてまたそれに対して復興しまた発展を遂げて、また改革を進めてきた大変激動の二十世紀であったと思いますし、特に我が国は経済産業優先の政策を進めてまいりました。そのために、非常に公害問題とかあるいはいろいろなひずみを残してきたのでございまして、世界二の経済大国とはなりましたけれども、これからの二十一世紀はまさに環境の世紀ということで環境問題を重視した政策を進めなければならない、そういう世紀であろうというふうに思いますので、初代の環境大臣の御活躍を御期待する次第でございます。 特に、最近の問題といたしましては、大量生産、大量消費、大量廃棄ということで廃棄物の問題が大変重要な課題になっておりまして、この問題の解決のために環境省の果たす役割というものは大変重要ではないかというふうに思います。環境省になるときに、環境庁が余りにも予算が少なくて人数も少なくて、いかにして省の形をとれるようになるかということで随分苦労したことを思い出しますけれども、廃棄物の問題については一貫した形で環境省が取り扱うことになったということでございますので、その点についてぜひ大きな成果を上げていただきたいと思います。 また、環境問題は地球環境レベルの問題がありまして、非常に重要な課題でありますし、この問題についても非常に多くの方々が関心を持ち、そしてその問題に対して国民の理解と期待も高まってきているのではないかと思っております。 ことしの環境省の所管の一般会計の総額というものにつきましては約二千七百億円でございます。環境庁の予算額の問題は今まで一千億以下でございまして、非常に少ない予算でございましたが、廃棄物行政が環境省に来たということで、そのための予算が非常にふえてきたということであろうというふうに思っております。 最近の、昨年も循環型社会の形成の問題ということで法律もつくられました。ちょうど私も与党のプロジェクトチームのメンバーとしてその準備に携わらせていただいたわけでございますけれども、この廃棄物処理行政が環境省において統合されたという意義を十分に認識する必要があると思いますし、これからは出された廃棄物を適正に処理するということで、従来の廃棄物処理行政から脱却をして、廃棄物の発生と抑制ということ、そしてリユース、リデュースとかリサイクル、三Rということを目的として、循環型社会の構築を環境行政の重要な柱として位置づけていただきたいというふうに思います。 せんだって、所信の大臣の表明の中に「「環の国」日本の創造」ということを提唱されておりまして、大変これはすばらしいキャッチフレーズだなと思っておりますが、この環の国の問題についてさまざまな取り組むべき課題はあると思います。その中で循環型社会との関連について大臣の御所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 今お話がございましたその環の国日本づくりというのは、聖徳太子の十七条の憲法の第一条のところで和をもってとうとしとなすというのが和という言葉が使われているわけですけれども、違う漢字を使ってはおりますけれども、環というのは環境の環でありますし、循環の環でございます。あと、人と人の協同の環、あるいは人と自然のその生態系の環、日本とほかの国々との地球レベルの環といったさまざまな意味を含ませて、そういった量に依存をした今までの二十世紀のパラダイムから二十一世紀の新しい考え方に基づいた国づくりをということで考えているわけでございます。 そういった中で、循環型社会というのはこの環の国日本づくりの実はその基本的な部分をなす考え方でございます。有識者十名の方それから全閣僚が集まっていただいて、さまざまな観点からさまざまな環について御意見をいただくということになっておりまして、そういった政策、そこでいただいた御意見が環境基本計画という枠組みを通じて、あるいはより広くその環の国日本づくりが透明性を持った形で、国民がよく見える場での議論でございますので、国民のあるいはそれぞれのその主体の実際の行動につながっていくような形で生かされればいいというふうに思っております。
○石井道子君 循環型社会の形成基本法につきましては昨年成立をしたところでございますが、それに関連する法律が非常に多いわけでございます。そして、今までで廃棄物処理法とか資源有効利用促進法、また建設リサイクル法とか食品リサイクル法、そしてグリーン購入法とか容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、そのような多くの関連の法律があるわけでございまして、この法律がばらばらに運用されたのではその成果が上げられないのではないかというふうに思っておりまして、この関係省庁の取り組みを統合していくために環境省のリーダーシップが不可欠であると思います。 そのために、循環型社会形成推進基本計画について取り組んでいらっしゃると聞いておりますけれども、どのような事項を盛り込まれるのでしょうか。そして、その計画を決定するまでのスケジュールについてお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) 循環型社会形成推進法に基づく基本計画の内容についてのお尋ねでございますけれども、基本法の第十五条第二項におきまして、この計画では循環型社会の形成に関する施策の基本方針、それから循環型社会の形成に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策、それから第三点といたしまして、その他循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための必要事項を定めることとされております。 この法律では、環境大臣が、中央環境審議会が意見を述べる指針に即して、かつ同審議会の意見を聞いて、基本計画の案を策定し閣議決定を求めるというふうにされておりますので、計画の具体的内容につきましては中央環境審議会の御意見を待つ必要があるわけでございますが、現在、事務的に考えてこういうものが含まれるだろうということで申し上げますと、まず第一点の循環型社会の形成に関する施策の基本方針につきましては、例えば、我が国が目指す循環型社会のイメージ、関係個別法及び個別政策との総合的、有機的な連携の基本的な方向、あるいは循環資源の発生、循環的な利用及び処分の目標量などになるのではないかと思っております。 また第二点の循環型社会の形成に関し政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策ということに関しましては、例えば国、地方公共団体、事業者、国民のそれぞれの役割だとか、主要な循環資源ごとの個別の施策、施設整備の基本的な方針、あるいは国が率先して実行しようとする行動、そういうものが含まれるものと考えております。 また、その他循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための必要事項につきましては、計画のフォローアップのあり方とか関連施策との有機的な連携の確保のための事項などが含まれるのではないかと思っております。 中央環境審議会の意見は来年度中にこれを聞いて、その後、計画を策定いたしまして、閣議の了解を求めるというふうになっております。
○石井道子君 次に、廃棄物の問題の中で産業廃棄物の問題が非常に難しい課題を抱えていると思います。不法投棄などが非常に多くなってきたりということで、この問題はさまざまな角度から検討しなければなりませんし、取り組みも必要であると思っておりますが、排出事業者とそれから処理業者との責任をやはりきちんと持たせていくことが必要だろうと思いますし、またもう一方では処理施設が確保されにくいとか、あるいは整備されないという事情がありまして、そういう面で公的な関与をさらに強めていくべきではないかと感じております。 既に、昨年、廃棄物処理法の改正があったり、あるいは廃棄物処理センター制度をつくったということがありましたけれども、その取り組み状況について御説明をお願いいたします。
○政府参考人(岡澤和好君) 今、お話がありましたように、産業廃棄物の処理は排出事業者責任のもとで民間で適正処理が確保されるということが基本だというふうに考えております。 しかし、最終処分場等産業廃棄物処理施設の確保が極めて困難な状況になっておりまして、このことも一つの原因となって不法投棄などの不適正処理が多発しているという状況だというふうに認識しております。 このために、今お話がありましたように、昨年の廃棄物処理法の改正におきまして排出事業者責任の強化を行いましたが、それとあわせまして廃棄物処理センターを活用した都道府県等の公共関与による産業廃棄物処理施設整備の促進を図ることにしたわけでございます。 また、こうした都道府県等の取り組みを支援するために、今年度から廃棄物処理センターが行いますモデル的な産業廃棄物処理施設の整備に対しましては新たに国庫補助制度を創設いたしました。また、平成十三年度予算案におきましては、この補助制度につきまして都道府県域を越えた産業廃棄物処理を担うための関係重複団体の共同出資により設立する広域的な処理センターも補助対象に追加するなどの拡充を行うこととしております。 こうした制度を活用することによりまして、公共関与による安全で適切な産業廃棄物処理施設の整備について今後より一層の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○石井道子君 次に、PCBの問題についてお伺いいたします。 この問題は大変長い間、もう三十年近く放置されてきた問題でございまして、そのための処理方法が研究されたりということで、その処理の技術も開発されてきたと伺っております。三十年間も放置されたという理由とか事情はいろいろあるというふうに思っております。その点についてお伺いもしたいと思いますが、それからPCBの処理に関する特別措置法案が提出をされているわけでございまして、今度、どれくらいの期間でこのPCBが処理できるものであるかどうか、今後の見通しについてお伺いをいたします。
○政府参考人(岡澤和好君) PCB廃棄物と申しますと主なものとしては高圧トランス、コンデンサーなどがございまして、これは、現在、全国で三十九万台ほどが保管されております。この処理につきましては従来から民間主導で、排出事業者責任のもとで民間主導で処理施設を整備して処理を行うということで進めてまいりましたが、なかなかうまくいかないということもございましたので、国が関係自治体の協力を得ながら環境事業団を活用いたしまして、拠点的に処理施設を整備して、そこで処理を行うというふうな枠組みを考えております。そのための法案を現在国会に提出しているところでございます。 具体的な見通しでございますが、平成十三年度から北九州市において、中国、四国、九州を中心といたしました広域的な処理施設の整備が着手できるようにということで北九州市と相談をしておりまして、さらにこのほか近畿、中部、関東等のブロックで逐次立地できるように努力いたしまして、五年程度を一つの目標として、全国に五、六カ所程度のPCB廃棄物処理施設を整備していきたいというふうに考えております。 このほか、環境事業団のやる施設整備のほか、一部大手企業では自社処理というのが行われるというふうに考えておりまして、こうした環境事業団の処理体制の整備後で考えると、大体十年程度で全国のPCB廃棄物の処理を終えたいというふうに考えているところでございます。 したがいまして、今から考えれば今後十五年、今から十五年後をめどにいたしまして、PCB廃棄物の処理を完了するということで最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○石井道子君 今のPCBの処理につきまして環境事業団が行うというお話がありました。この環境事業団の問題につきましては、ちょうど私が環境庁長官をしているときに特殊法人改革の一環として取り扱われたものでありますが、この事業団の融資部門を政府開発銀行に統合いたしました。そしてそのときに、事業団としては廃棄物問題の解決などを行うことによる必要な分野で役割を果たすことが重要だというふうに認識されたところでございます。 そんな意味で、これからこの環境事業団が環境行政のニーズに即応いたしまして業務を見直していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございまして、環境行政において、環境省として、この事業団が果たすべき役割について大臣はどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環境事業団は、日本で公害問題が非常に大きな問題になりました昭和四十年に産業公害型の、産業公害の防止ということを目的としてつくられたものでございまして、それ以降、都市・生活型の公害ですとか、それから廃棄物問題、あるいは地球温暖化といった地球環境問題が広がりを見せるにつれて、その時々の環境行政のニーズに合わせて事業の見直し等を行ってきたということでございます。 例えば、地球環境基金というのが平成五年にできましたけれども、それはNGOの方々の活動を支援するということでつくられたわけでございまして、委員おっしゃいますように、環境事業団が今後とも環境行政のニーズに合わせた形で重要な活動をしていくということが、とてもそれが必要なことだと私も考えております。 それで、今回、環境庁が環境省になるに伴いまして廃棄物行政が環境省の主管となったということでございます。それで、廃棄物対策につきまして、環境事業団のこれを重要な業務の、重要な柱というふうに位置づけて、今後とも有効に活用をしていきたいというふうに思っております。 それで、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の早期処理が環境行政の非常に重要な、しかも早く解決をされなければいけない問題ということでございますので、この環境事業団を活用いたしましてPCB廃棄物の広域的な処理事業を新たに行えるように、環境事業団法の改正の審議を現在国会にお願い申し上げているところでございます。
○石井道子君 ごみの処理によって発生いたしましたダイオキシン問題に端を発しまして、内分泌攪乱物質あるいは有害化学物質などのいわゆる環境ホルモンの問題について非常に関心が高まっているわけでございまして、この環境ホルモンにつきましては動植物とか人類の生存にかかわる大変重要なものでございます。 この研究について、今後、子供や孫の世代に大きな影響を及ぼすと考えられているわけでございますので、この問題を科学的知見に基づいた究明、解明をしていかなければならないわけでございますが、その点について環境省として大いに先頭に立って取り組んでいただきたいと願っております。 そして、この環境ホルモンのリスク評価についての取り組み状況についてはいかがでございましょうか。 そして、環境ホルモンの研究に対しましては、国立環境研究所が一部やっているわけでございますけれども、今度環境ホルモン総合研究棟というものが完成したはずでございますが、そのようなことも契機といたしまして、なお一層この問題についての解明をしていただきたい、研究をしていただきたいと思うのでございますが、今、環境に関する研究者というものがなかなか獲得、確保しにくいということも聞いております。予算的には一昨年来から非常に大幅な予算増が期待をされておりまして、前向きに進められているわけでございますが、その国環研などの体制についてどのように取り組まれますか。お伺いいたします。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 私の方から、環境省における環境ホルモン対策の現状についてお話しさせていただきます。 内分泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモンは世代を超えた深刻な影響をもたらすおそれがあり、その解決は環境保全上重要な課題と認識しております。しかし、科学的には未解明な点が多く、OECD等により試験法の確立を初めとする国際的な共同作業が現在進められております。 環境省においては、一九九八年五月に策定した環境ホルモン戦略計画、SPEED98に基づきまして各種の調査研究を展開中であります。平成十二年十一月には、新しい知見等を加えてこの計画を改定したところでございます。 現在の具体的な取り組みとしては、政府を挙げてのミレニアムプロジェクトといたしまして、四十物質以上の化学物質について平成十二年度から三年計画でリスク評価を実施することとしております。既に十二物質について開始しております。また、国際的な連携を推進するために、平成十一年からはイギリスとの共同研究を推進するとともに、平成十年からは環境ホルモンに関しては世界最大規模の国際シンポジウムを我が国で開催しているところでございます。さらに、この三月には国立環境研究所に環境ホルモン総合研究棟が完成いたします。今後、同施設を利用して、我が国はもとより世界における研究拠点としたいと考えております。 こうした取り組みによって我が国が国際的に貢献することにより、科学的知見の蓄積に貢献し、環境ホルモン問題に対して早期かつ万全の対応を図ってまいりたいと考えております。 以上です。
○石井道子君 次に、化学物質によって土壌が汚染されている状況がしばしば報道されます。この問題につきましては、早急に浄化のための対策をとらなければならないというふうに思っておりまして、ある程度ほかの省庁との絡みもあるかもしれませんので、できれば制度化をする必要があるというふうに思っておりますが、この問題についての検討状況はいかがでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 最近、工場の跡地の再開発が進んでいるということですとか、それから事業者が自主的に土地の汚染状態を調査するという動きがございまして、そういったことの結果、市街地における土壌汚染の判明件数が大変ふえてきております。 このような状況でございますので、今委員おっしゃられましたように、土壌の汚染の状態を把握し、その環境保全対策を進めるということが非常に重要な課題だと環境省といたしても認識をいたしておりまして、そのためにどういう制度が必要かということの検討に昨年の十二月から着手をしております。これは学識経験者の皆様にお集まりいただきまして、例えば土壌環境の汚染、土壌の汚染のリスクをどういうふうに把握をするかということですとか、それからそれの対策のあり方はどうあるべきかといったような点についての議論をしていただいているわけでございます。 それで、議論は始まったばかりでもございますし、それから非常に難しい課題なものですから、しばらく検討には時間がかかるというふうに思っておりますけれども、環境省といたしましてはできるだけ早くこの検討を進めまして、委員のおっしゃる制度化も十分に視野に入れまして具体的な取り組みを進めていきたいと思っております。
○石井道子君 このたびの予算の中で、環境保全の経費について歳出予算約三兆四百八十四億円という数字が示されました。そして、この経費につきましては、さまざまな項目がありますし各省庁にわたっているものもあるわけでありますし、また税制の問題もかかわり合っているわけでございまして、これは環境行政だけではなかなか単純にいかない扱いでもあろうかとも思います。この多くの省庁に関係しているという環境行政ということを踏まえまして、環境省として積極的に私は進めていただきたいというふうに思っております。 前に環境庁のときに、規制とか省庁の調整機能という、まあ機能、そういう面が強かったわけでございまして、その点についてはちょっと事業を進めたり、またほかの省庁との事業の関連の中で環境行政を進めていく上において限界を感じていた面もありまして、そういう面をぜひ今回環境省として多くの省庁に対してリーダーシップを発揮して、環境行政を積極的に進めていっていただきたいと期待をしているところでございます。 環境大臣の決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境保全のための経費が政府全体として効率的に、また適正な形で使われるということは非常に重要なことでございまして、環境省といたしましては、そういった観点から最大限のリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
○石井道子君 終わります。
○櫻井充君 民主党・新緑風会の櫻井充です。 きょうは、環境の変化によって人体にいろんな影響が出てきております、その辺のところを含めて、環境省としてどう今後取り組んでいかれるのか、その辺についてお伺いしていきたいと思います。 その前にまず一つ、環境庁から環境省に変わって、今後その環境省の占めてくる役割というのは非常に大きくなっていくんだと思いますが、どのように変わっていくのか、その辺についてまず大臣から御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境庁が環境省になりまして、これの背景には、環境委員会の委員の方々を初めとして、国民の皆様の環境保全が二十一世紀の日本にとって重要な課題であるということへの認識と環境省への期待があるというふうに考えておりますので、その期待に沿うような形で一生懸命に全員で取り組んでいきたいというふうに思っております。 それで、具体的に環境庁が環境省になりましてどういうような所管関係で違いがあるかということですけれども、まず廃棄物対策につきまして、こういった専ら環境保全を目的とする事業を環境省が一元的に実施をすることになったということが一つございます。それから、他の府や省庁と共同で行うものとして、リサイクル対策ですとか化学物質対策等の環境保全を目的の一部として持つ事務についての共管ということがございます。それから三番目に、環境基本計画ですとか、それから政府全体の環境行政に関する基本的政策の推進等、関係省庁をリードしてやっていく部分が、これは従来もそうでございましたが、あるということでございます。 こういった機能を環境省といたしましては十分に発揮をいたしまして、みずから積極的に環境保全のための課題に取り組むとともに、政府全体の各府省の先頭に立って日本の環境行政の企画立案とその実施を行っていく行動官庁に変革をしていくということで、国民の皆様の御期待に沿っていきたいと思っております。
○櫻井充君 期待は大きいと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 ちょっとこれは通告していないんですが、大臣の感想で結構でございます。 私、国会議員になりましてもうすぐ三年ですけれども、各委員会に出ていて、なかなか政府側の方と討論がといいますか議論がかみ合わないことが多々ございます。今、財政金融委員会におりまして、大臣と話をしていても、予算委員会の中でもそうなんですけれども。大臣、どうでございましょう、国会に来て、国会の議論を見ていて、国会の議論というのは本当にきちんとかみ合っているなとか、もしくは委員会が何となく形骸化されているような雰囲気があるなとか、何でも結構なんですが、国会に来られてどのような今感想をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 個人としての感想を申し上げさせていただきます。 私は、今、日本の全体の流れが官から民へ、あるいは官から政へということで動いているわけですけれども、民での経験も持つ人間として、その流れというのは非常に重要であり、それから日本の活性化のために必要なことだというふうに思っております。それで、国会がそのために、またその国会での議論というのは国民の目に見える透明性を持った議論であるということで、非常に重要だと思っております。 アメリカの例などを見ましても、国会議員、議会の議員の方々が非常に多くのスタッフを持って、政策の立案をそこで行い、そういったことをベースに議論をしているということがあるわけでございまして、日本ももう少し、例えば秘書の方の数、政策担当の秘書の方の数をふやすというような努力も必要ではないかというふうに思っております。 私は、個人といたしましては、環境庁長官に昨年の七月にならせていただきまして以降、やはりわかりやすく、国民の皆様にもすぐにわかっていける形で国会での議論が行われることが必要だと思っておりますので、個人といたしましてはできるだけそういう方向の努力を重ねてきたつもりでおります。
○櫻井充君 どうもありがとうございます。 それではまず最初に、シックハウスについてお伺いさせていただきたいんですが、私、今この問題に取り組んでいてちょっとびっくりしたのは、環境省がこの中に入ってきていないと。シックハウス、日本語で言うと室内空気汚染と呼ばれるのかもしれませんけれども、そこの中に環境省が入ってきていないわけです。 先ほど大臣の方から、他の省庁と連携をとって、そしてリーダーシップをとってやっていきたいというお話もございました。その点から考えてくると、本来であればシックハウスなどの問題に対して環境省がリーダーシップをとってやっていかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、その点についてまずいかがでございましょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 今、シックハウスの症候群についてお話がございました。 今、いろいろ申し上げますが、その基本として環境省としては、やはり大気に関するものについては環境省でございますが、それぞれ各省庁がかかわっているその室内、これですと建物の中ということでございますが、建物の中のいろいろなことについては、その建物のかかわっているそれぞれの省庁が中心になり、また、環境省としてはいろいろなそういう蓄積されたノウハウ、いろいろなものがございますので、そういうものについての面からいろいろかかわり、アドバイスしていくということを基本といたしております。 それが一番最初のお答えで、今先生のおっしゃられたことをもう少し敷衍してお話しさせていただきたいと思います。 近年、今おっしゃられましたように、住宅の高気密化等が進むに従いまして、建材等から発生する化学物質による室内空気汚染と、それによる健康影響が指摘され、これがシックハウス症候群と呼ばれるものと承知いたしておりますが、政府といたしましても、これは非常に重要な課題として取り組んでいるところでございます。 シックハウス症候群の原因については、一般に、化学物質の中毒によるもの、化学物質過敏症と言われているものがあるとされております。環境省では、化学物質過敏症について平成九年から調査研究を推進し、昨年二月には最新の知見を取りまとめた報告書を作成、公表させていただいております。いわゆる化学物質過敏症については、世界的にも原因や病態が未解明な点が多いとされ、現在は発症原因として疑われている化学物質による健康影響等の実態を解明するため科学的知見の蓄積に努めております。 今、おっしゃっておられますシックハウス症候群については、本問題の早期解決を目指しまして、現在、厚生労働省、国土交通省、経済産業省、文部科学省等が連絡会議を開いて関連する化学物質の健康基準値の策定、防止対策、相談体制の整備、汚染住宅の改修などに取り組んでおるところでございまして、先生、ここに環境省が入っていないことを御指摘されたのではないかなというふうに思います。 環境省としては、これまで蓄積してきた調査研究の成果を提供するなどしてこのシックハウス症候群対策に取り組んでまいりたいというふうに思っておりますが、今、最初申し上げたようなそういう割り振りで、仕分けで環境省がこの連絡会議に入っていなかったというふうに思っておりますが、これからはいろいろな、相当のノウハウもあるわけでございますので、そういうものをこの連絡会議に提供するなど、積極的に環境省としてもこの問題に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 化学物質過敏症に関しては環境省で取り組みはされているわけですよね。
○副大臣(沓掛哲男君) そうです。
○櫻井充君 そして、その化学物質過敏症の化学物質、そういう病気を引き起こしてくる化学物質と、それからシックハウスの患者さんたち、そういうまた病気を起こしてくる化学物質というのは極めて似ているんじゃないか、似ている部分もあるんじゃないかというふうに思います。 ですから、本来であると、きのう聞いてびっくりしたんですが、部屋の中と部屋の外は違うんだというお話を環境省の方が来て言っておられましたが、やはりそういう概念自体がまず問題になるんじゃないか。 もう一つ、なぜそんなことを言うかといいますと、要するに、おのおののところでいろんな化学物質の濃度なり、それから抽出なりを行っていくということ自体が非常に非効率的になるわけであって、本来協力できるものは協力していった方が予算にしても少なくて済むんじゃないか、そういう思いでおります。 改めてお伺いさせていただきたいんですが、私は、むしろそこにああいう形で入っていくということではなくて、環境省が全体のことを考えて、人が生活していくという上でのことを考えてくると、環境省がまさしくそのリーダーシップをとってやっていくべきではないか、中心になっていくのは環境省ではないかというふうに思っているんですが、再度お伺いさせていただきます。いかがでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 人のかかわるところすべて環境省でと言われますと、これはもうほとんどすべての各省庁のやっている事業、その管理、そういうことにもすべてかかわらないところはないというふうに私は思います。例えば病院であれ、どこであれみんな。 ですから、やはりそれぞれにおいてそれぞれの今までの事業官庁が主でやってきたことのある程度の仕分けというのも尊重しなければならないのかなという気もいたしますが、今先生おっしゃったように、それは確かにアレルギー関係あるいは化学物質過敏症等については環境省として相当のノウハウもあり勉強もいたしておりますので、そういうものを少なくともその連絡会に説明をする、あるいは提供する、そういうような形で国全体としてロスのないよう効率的にこういうものが実施されていくように努めていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 患者さんたちはどのぐらい御苦労されているか、御存じでしょうか。 例えばです。病気になって病院に普通は行きます。病院に行けるとお思いですか。
○副大臣(沓掛哲男君) このシックハウス症候群については、実はPL法をつくるときの、製造物責任者法をつくるときの一つの一番問題点として取り上げられた課題でございまして、当時、私、その担当をしておりました。経済企画庁でPL法をつくりましたので、当時、私は商工委員会の筆頭理事でそれをやっておりました。そういうことで、このシック症候群というのが、いろいろ家をつくったときペンキ等とかあるいは樹脂とかそういうことで影響を受けるということはよくその当時勉強いたしましたが、かなり人によってもその反応が違うということもまたそのときいろいろ言われていたところでございます。 ですから、やはりある程度そういう基準的なものを設けて、そしてそれ以上であればこうするとか、あるいはまたそれに過敏な人もおられますから、過敏な人はそれなりのまた対応をしていくことも非常に重要だというふうに思い、やはりこれ、総合的にこういう問題を見ていくことが大切だなというふうに思っています。
○櫻井充君 重症な方は病院にも行けないんですよ。つまりは、いろんな化学物質があるところには全く行けない人たちが数多く今いらっしゃいます。今その診療ができるのは北里病院ただ一つです。こういうテーブルがありますが、もうこういうテーブルがあったことだけでだめです。合板があるとだめです。こういう蛍光灯の下もだめです。磁場もだめなんです。携帯電話など間違っても使うことができません。あるお母さんが、子供さんが実は後でシックハウス症候群だということがわかったんですが、道を歩いていて、あそこの家のテレビが今ついたということがわかるんだそうですよ。この子は超能力があるんじゃないかというふうに思っていたわけですが、実は病気だったわけです。 今、そういう方々が家を求めていろんなところに行かれるわけですけれども、今度は、例えば、本当はやっちゃいけませんが、野焼きをしているようなところがあるとか、農薬を散布しているようなところが近くにあるとか、そういうことがあっただけで実はそこに住めないという状況があります。 ですから、これはあくまで家は家なんです、確かに家が中心ではありますけれども、大気ということも実際は非常に重要になっています。今、この人たちを救うべく、療養所といいますか、その施設を旭川につくっていますが、旭川の牧場の中につくっています。その牧場は農薬を使わないでずっとやってきた牧場だったからそこにつくることができたわけです。そういう意味でいえば、これは室内の問題なんだということではなくて、大気も十分関係しているんだということをぜひ御認識いただきたいと思います。 その上でですが、大臣、こういう実情を知っていただいた上で、どうでしょうか、もう少し環境省として積極的にこの問題に取り組んでいかれたらいかがかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 確かに、家の中と外で環境省がかかわるかかかわらないか違うというふうに説明をされなければ、普通の国民の方には何で環境省がこのシック症候群の検討に加わっていないかということは多分非常にわかりにくい話であろうかと思います。 ただ、同時に、先ほど副大臣からお話を申し上げましたように、それなりの理由があって、あるいは経緯があってこういう形になっているわけでございますので、環境省としては、今の枠組みは枠組みでございますけれども、環境省の持っている知見は十分にその検討の中にそれを提供するということを行いまして、それから、ますますその議論にはリーダーシップをとっていくということでやっていきたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 それで、各省庁に若干お伺いさせていただきたいんですが、我々、僕が医学部にいた時代はこういう病気がありませんでしたから、もちろん学校で、大学で学ぶことはございませんでした。 まず、教育課程からこういう病気があるんだということを本来伝えていかなきゃいけないんじゃないか。今回のシックハウスの対策関連予算などをこう見てみますと、医学部の学生に対しての教育などをやっていくおつもりがおありなのかどうか、まずその点についてお伺いさせていただきたいと思います。
○委員長(吉川春子君) どなたですか。
○櫻井充君 厚生省、ごめんなさい、厚生労働省の方、来ていないでしょうか。
○政府参考人(篠崎英夫君) 今の先生の御質問は、ちょっと私ども厚生労働省といたしましては、先ほど環境省の方から御答弁がございました中で特に……
○櫻井充君 ごめんなさい、文部省ですね。
○政府参考人(篠崎英夫君) そうですか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 私、文部科学省のスポーツ・青少年局長でございます。 直接の所管ではございませんけれども、大学の医学教育六年、さらにはその後に研修医の制度もございますし、そのほか、先生一番御存じだと思いますけれども、そういったような中でこういったような病気についてどの程度深く学生に教えるかというのは別としても、やはり教育はなされているんだろうと、こう思っております。
○櫻井充君 文部省、済みません、ここは違う方に来ていただかなきゃいけなかったのかもしれませんが。 では、文部省にお伺いしたいんですが、今シックスクールというのもございまして、このために学校に行けない子供たちもいるわけです。今回非常に驚いたのは、各省庁がきちんと予算をつけているわけです、このシックハウス対策に対して。文部省だけが予算ついてないんです、シックスクールに対して。文部省は本気でシックスクールの対策をとられるおつもりなのかどうか、まずその点について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) シックハウス症候群についての対策でございますけれども、これにつきましては、昨年厚生省からその原因物質であるホルムアルデヒド等八物質についての室内濃度指針値及び標準的な測定方法等が示されたところでございます。 文部科学省では、これを受けまして、各都道府県教育委員会に対しまして厚生省が示しました室内濃度指針値等の周知を図るとともに、学校施設の整備に際しましては建材の採用や換気設備の配置等において配慮するようにということ、あるいは過敏症の児童生徒につきましては、その原因となる物質や量、当該児童生徒の症状などが多種多様でございますから、各学校でそれぞれの児童生徒の状況に配慮して教育を行ってほしいと。さらには、その学校にいれないということもあるわけでございますので、いわゆる就学指定の変更、転校を認める、こういったような配慮を行うこと等々につきまして、本年の一月二十九日に通知をもって指導したというところでございます。 また、今、予算というお話がございましたけれども、平成十二年度の既定経費の中で調査経費として実は二千七百万円を捻出いたしまして、先ほどの八物質につきまして学校における室内濃度等についての実態調査を現在行っているというところでございます。その結果を踏まえまして、学校環境を衛生的に維持するためのガイドラインでございます学校環境衛生基準というものがございますが、本年中にもこの改定を行いたい、こう考えておる次第でございます。
○櫻井充君 今、換気ということをおっしゃいましたが、学校の教室というのは換気扇がないんですよ。換気扇つけるだけで室内の化学物質の濃度というのはかなり減るわけであって、本来であればそういうところに予算をつけていただかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。 それから、学んでいる子供たちが、例えばこういう印刷物があると、この手の印刷物もこれは化学物質が入っていますから、こういうものを見ただけでもぐあい悪くなるんです。それからマジックとか何でもいいんですが、そういう化学、まあ接着剤でもいいです、そういうものを使っただけでぐあい悪くなる人たちがいて、それで学校に行けないという人たちもいるわけです。ですから、恐らく不登校だと言われている中にこういう子たちもまず間違いなくいるわけです。これは、この間、昭和大学の飯倉教授とお話ししたときもそのようなことをおっしゃっていました。 実際どの程度不登校の子供さんが今いらっしゃって、そしてその中にシックハウスの子供さんと思われる方がいらっしゃるのか、それを検討されているのか、もしくは今後、ことし検討される予定があるのか、それについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 平成十一年度で公立の小中学校で長期にわたって欠席をしている児童生徒の数は約二十二万人ございます。そのうち、これ不登校という言葉の定義なんですけれども、いわゆる不登校と私ども使っていますのは何らかの事情で学校嫌いになって学校に登校しなくなった人と、こういうことでいわゆる不登校問題ということに対処をしているわけでございますが、そういう人たちが約十三万人、二十二万人の中でですね。そのほか、病気で学校を長期欠席しているという人が約七万人ぐらいいると、こう統計で理解しておるわけでございます。 ただ、この中の病気の中に恐らくシックハウス症候群によって休んでいる方も当然いると思われるわけでございますけれども、それが何人かということまではまだ把握をしてないという状況でございます。
○櫻井充君 いつごろまでにそういう調査される予定でございましょうか。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 約七万人でございますので、統計的にかなりあれではございますけれども、できるだけ実態の把握に努めていきたい、こういうふうに思っております。
○櫻井充君 実態調査、早くしていただかないと本当に子供たちが苦しんでいるので、積極的にそれをやっていただきたいと思います。 それから、国土交通省の方にお伺いさせていただきたいんですが、今いろんな住宅を国土交通省としてといいますか、住宅整備公団でしょうか、今名前が変わっちゃったんでしょうか、そこが住宅を提供していますが、むしろシックハウスで苦しんでいる方々のための住宅を今後社会的な施策として、そういう方々が入れるような、居住できるような住宅を提供すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 今お尋ねのありましたシックハウスの患者の方々向けの入居ということでございますが、そういった特定の方々の入居という意味では、公営住宅とか、あるいは特定優良賃貸住宅制度というのがございまして、この中でそういった方々を特別に優先入居させるという方法があるのではないかと考えております。
○櫻井充君 済みません、そういうところに入れないんですよ。そういうところに入れないからそういう人たちが入れるような特別な住居をつくってくださいませんかと、そういうお願いをしているんです。無理でしょうか。
○政府参考人(松野仁君) これから実は国土交通省といたしましても、技術的な、安心して住める住宅の技術開発の設計あるいは施工方法等の検討を進めるべく、平成十三年度から三カ年にわたりまして、初年度は二億四千二百万円ですけれども、こういったシックハウス対策に資する技術を開発するということで必要な研究費を確保しております。 こういったことで、本当に安心して住める住宅を今後技術開発をしていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 建築家の方に言わせると、大体そのホルムアルデヒドの発生量の少ない建材を使うと、住宅費が大体二割増しぐらいになるんだという話になっています。 これはちょっと通告していないんで申しわけないんですが、今回住宅金融公庫法の一部を改正する法律案、今衆議院を通過いたしましたが、その中の附帯決議の中に、シックハウス等の方々に対して積極的に融資をするような、住宅金融公庫から、しかも低利で、その附帯決議が盛り込まれております。ぜひ、その所管官庁である国土交通省として、前向きに考えていただきたいんですが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(松野仁君) 実は、この点に関しましては、既に昨年の十月からでございますが、住宅金融公庫におきまして、先ほども先生がおっしゃいましたように換気というのは非常に大事だということがございますので、換気設備の設置に対する割り増し融資の五十万円の制度、割り増し制度を創設したところでございます。
○櫻井充君 いや、換気じゃなくて建材自体がもともと高いわけですから、そういう場合に少しぐらい低利で融資してさしあげてもいいんじゃないかと、その辺までは面倒見てくださらないんでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) もちろん建材につきましても、できる限りホルマリンとかいったものを含有していない建材が使われているかどうかという等級を表示する制度を既に昨年から、十月からスタートさせて、住宅性能表示制度というのをスタートさせております。また、今後、もう少し、さらにそういった建材の等級を表示するだけではなくて、場合によっては建築基準法による規制が可能なのかどうかというようなことも含めて今後審議会で検討していくことになっております。
○櫻井充君 よろしくお願いします。 それと、今表示という話が出たんですけれども、非常にわかりにくいのは、これJASとJISと二つありまして、JASの場合にはホルムアルデヒドの含有量というかその放散量をFC0ということで示しています。これがJASです。JISはE0と、同じ濃度なんですが、E0という形で示されています。 これは、基本的にやっぱり一本化した方がいいんじゃないかと思うんですよ。国民の皆さんはE0もFC0もよくわからないわけであって、むしろホルマリンを含まないのは、放散量が少ないのは何とかですよと、こういうのはJASもJISも私、統一した方がいいんじゃないかと思っています。 要するに、こういうこと、こういう縦割りでやっているからJASだJISだということになるのであって、そこの中心にやはり環境省がいて、一本化するなりなんなり、そういうことが私は必要なんじゃないかと思いますが、各省庁のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。
○委員長(吉川春子君) まず、どこから聞きましょう。
○櫻井充君 農水でしょうか。
○委員長(吉川春子君) 農水ですか。
○櫻井充君 そうです。
○委員長(吉川春子君) 林野庁。
○櫻井充君 JASですから、林野庁。
○政府参考人(加藤鐵夫君) 今、お話がありましたとおり、農林省といたしましても、合板等に使っている建材につきまして、合板等の木質建材につきましてそのホルムアルデヒドの量について品質表示をさせているところでございます。JASにおきましては、お話が出ましたとおり、FC0、FC1、FC2というような表示をいたしておりまして、このことがJISと違うんではないかというお話だと思いますけれども、十二年の七月にこういう形で表示をすることにいたしたというところでございまして、今これの定着を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 経済産業省。
○政府参考人(増田優君) 先生御指摘の点でございますけれども、経済産業省は、日本工業規格、それから建材、こういうことを所管しているという立場でこの問題に取り組んできております。 まず、工業規格の件でございますけれども、ホルムアルデヒドの関係というのは一九六〇年代にホルマリン自体が問題になったことがございます、いろんな観点からでございますが。その時点からこの問題に取り組んでまいりまして、具体的にパーティクルボード等に対するホルマリン、ホルムアルデヒドの放出……
○櫻井充君 いや、そういうことじゃないんです。表示の話ですから。
○政府参考人(増田優君) 放出量等についてですね。
○櫻井充君 いや、要するに表示は一本化できないんですかと聞いているんです、こっちは。
○政府参考人(増田優君) 御質問の点でございますけれども、今申し上げましたように六〇年代からこの基準あるいは測定方法等をJISで決めてまいりまして、それで一定の社会での定着というのをしているんではないかというふうに思っております。そういうことで、我々としては、これをさらに広めていく、そういう形でこの建材におけるホルマリンの問題というものをさらに前進させていきたいというふうに考えている次第でございます。
○櫻井充君 もう全然答えになっていないんですが、環境大臣にちょっともう一度これ、先ほど大臣は国民の皆さんにわかりやすくというお話をされていました。経済産業省の方のJIS規格だとE0、E1、E2という表示になります。これは、ホルマリンの放出量は〇・五ミリ、一・五ミリ、五ミリと全く農水省のJASの規格と同じなんですよ。そのかわり、JASの場合にはどうなるかというと、FC0とかFC1とかFC2という表示になるんです。二種類の表示、私、必要ないと思うんですよ。同じホルマリン濃度なんですから、放出量なんですから。ですから、こういうのは国民の皆さんにわかりやすくするためには一本化した方が私はいいんじゃないか。ただ、単純なことなんです。どう思われますか、大臣。
○国務大臣(川口順子君) この問題の細かい点というのは私は全く存じませんので、今伺った話だけでの感想でございますけれども、非常にわかりにくいというふうに思います。もしも同じことを全く言っているのであれば二つの違う表現形態をするということはわかりやすいということでは全くないと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。私もそう思います。ぜひ、いろいろ歴史があるのかもしれないけれども、そこはわかりやすい表示をしていただきたいと思います。 それからもう一つですが、今度はアレルギーについてお伺いさせていただきたいと思います。 四十年ぐらい前にIgEというたんぱく質を発見された石坂先生という方がいらっしゃいまして、この方は四十年前に研究するために日本に患者さんがいないのでアメリカに渡られました。しかし、今、日本人の大体三人に一人ぐらいがアレルギー疾患を持っている、有していると言われています。かく言う私もその一人でして、私はモルモットを使って実験してから、モルモットのたたりかわかりませんが、モルモットとかびとダニとごみと花粉でアレルギーです。おまけに化学物質過敏症も最近発症し始めまして、トンネルを通ると胸が苦しくなる、いろんな症状が出てきていますが。 そのアレルギーの患者さんがふえていることとそれから大気汚染などの環境因子というのは私は随分密接に関係していると思うんですけれども、環境省としてどのような御認識なのか、まずその点について教えていただきたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 近年、アレルギー性疾患の増加が指摘されておりますが、大気汚染との関係についても幾つかの報告がございます。これらの報告等をもとに、環境省では平成十二年三月からディーゼル排気粒子のリスク評価の一環としてアレルギー性疾患との関連性についても調査いたしております。これまでの調査では、アレルギー性疾患の中でも代表的なものである気管支ぜんそくについては、動物実験に関する限り、ディーゼル排気粒子の関係を指摘する報告がございますが、疫学調査では明確な関係は示されておりません。 環境省といたしましては、本調査の結論を急ぎ、その結果を踏まえ、大気汚染による健康影響を防止するために必要な措置を検討してまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 それだけではないと思うんですね。今、花粉、杉花粉の時期になってきまして随分苦労されている方がいらっしゃいますけれども、その花粉症がふえてきている原因の中にアジュバント効果を指摘される方もいらっしゃいます。 アジュバント効果というのは、粉じんと一緒に花粉が体の中に入ってくる。本来、花粉というのは軽いものですから体の外にすぐ排出できるわけですけれども、粉じんと一緒に入ってくると重くてなかなか外に出すことができなくて感作される時間が長くなってくる。そのためにこういう患者さんがふえているんじゃないか。 もう一つは、栃木か群馬かちょっと忘れましたけれども、小学生で、舗装されている道路のところの近くに住んでいる小学生とそうでないところの小学生では発症率が違っているという、そういうデータもございます。 そういう意味で、アジュバント効果というものを考慮した上で、環境省として花粉症対策、どのようなことをやられているのか、それについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘のDEP、ディーゼル排気微粒子が杉に対して抗体の産生を増加させるというアジュバント作用、近年多く認められております。このような認識のもとに、私ども、ディーゼル排気粒子の健康影響について、平成十二年、昨年の三月から、専門家から成るディーゼル排気粒子リスク検討会を設置いたしまして検討しているところでございます。 今後、私どものみならず、花粉症対策としては関係省庁と協力して研究を推進し、ディーゼル排気微粒子等大気汚染と花粉症の関係の究明については取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 それは結論はいつごろ出るんでしょうか。もしくは中間報告なり、その辺のちょっとスケジュールだけ教えていただけないですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 来年の三月をめどに結論を出したいと思っております。
○櫻井充君 よろしくお願いします。 そして、もう一つ、杉の花粉症で大体医療費というのが年間三千九百億かかると言われているわけです。そして、もう一つ経済的な損失があるんじゃないかと言われています。例えば、西武の松坂君というのは花粉症でして、花粉症がひどいときは投げられないというようなこともございますし、そして日常生活はどうするかというと、花粉の飛んでいる時期には買い物に行かなかったり、それから集中力が落ちたりとか、そういうことがあってかなりの経済的な損失があるんじゃないかと言われておりますが、その辺のことについて調べていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(遠藤昭雄君) お答えいたします。 旧科学技術庁の所管でございますが、科学技術振興調整費というのがございまして、ここで杉花粉症克服に向けた総合研究という研究を平成九年から十四年度にかけて総合的な研究をしております。 その中で調査をしておりまして、それによります結果によりますと、経済的負担についてどのぐらいかと試算をしております、推計をしておりますが、一年間で約二千八百六十億円であると推計をされております。これは医療費とかマスクを買うといった医療関連費も含めてでございますが、そういったデータは出ております。ただ、この調査結果は大変大まかに推定したものでございまして、あくまでも一つの指標と御理解をいただきたいと思います。
○櫻井充君 私がある方から聞いたときには、約一兆円近いんじゃないかという話もありました。先ほども言いましたけれども、外出もしなくなって買い物も行かなくなったりとか、いろんなことがあって、それから、仕事をしても、先ほども申しましたけれども、集中力を失ったりとか、そういうことであります。 つまり、何を言いたいのかといいますと、やはりそれだけ社会に対しての損失があるということは、本来であればこれは国のプロジェクトとしてきちんと取り組んでいかなきゃいけないことなんだろうと思います。これの担当は本来だと厚生労働省になるんでしょうか。私はむしろ環境の問題の方が大きいと思っているので、これはやはり環境省が積極的に取り組んでいかなければいけないことなんじゃないだろうかというふうに思っておりますが、大臣の御認識だけ一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境省におきましても花粉症関連は予算をとってやってきておりますし、私は細かくは存じませんけれども、厚生労働省でもあるいは林野庁でも気象庁でもそれぞれ取り組んでいるというふうに思いますので、ここはやっぱり各省の連携の強化をますますしていくことが必要ではないかと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 それと、先ほどディーゼルという話が随分出ましたが、我々、粉じんもかなり影響があるんじゃないかというふうに思っています。 一時期スパイクタイヤが問題になりました。特に私が住んでいる仙台市が多分全国で一番ひどいんだろうと思います。我々、東北大の第一内科で粉じんが肺の中にどれだけ蓄積されるのかというデータもとったことがございますけれども、現在、確かにスパイクタイヤが禁止されましてスタッドレスになったとはいいながらも、どの程度粉じんが人体に影響を及ぼしているのか、もしくは粉じんの発生量がどの程度落ちたのかでも結構でございますが、その辺のデータがありましたら教えていただきたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 先生の出身地である仙台市というのは私も二回勤務したことがございまして、道路管理者としてやっておりましたので、本当に全国で一番このスパイクタイヤによる影響が大きかったと思います。ちょうど今、二月、三月ごろになると、東北というのは仙台を中心にして全部交通網ができておりますので、そういう人たちが集まってくる。仙台市は雪はないけれども、その途中で雪があるためにスパイクタイヤを使う、そういうようなことがあって、非常に、一番その影響が大きかったところかなというふうに思い、またそれをなくするために一生懸命清掃をしたりなんかすることもやってきたんですが、今スパイクタイヤは一応禁止されて、それにかわるものができていろいろな対策が成果を上げてきたなというふうに思っていたところ、先生からこういう質問が出たものですから、また昔の影響があるのかなというふうな思いで答えさせていただきたいと思います。 ガラス繊維をゴムに混入させているタイヤから発生する粉じんについては、現状では定量的なデータはございません。今後、走行条件等による粉じんの発生量及び質について知見の収集に努めてまいりたいと考えております。また、その結果をもとに、必要に応じて対策の検討を進めてまいりたいというふうに思っております。 いずれにしろ、この影響というのはいろいろな面でも私ら自身も体験いたしておりますので、そういう面についてこれからしっかりとしたデータを集め、それらへの対策も含めて検討してまいりたいというふうに思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 ただ、ちょっと今不思議だったのは、スパイクタイヤが禁止された時点で粉じんの問題というのは解決されたことになっていたんでしょうか。つまりは、スタッドレスになってしまったら、もうそういう問題がなくなったか、今まで何か調査されていなかったような感じがするんですけれども、その辺について、スパイクタイヤがなくなってスタッドレスにかわってどの程度粉じんの排出量が減ったのか、産生と言った方がいいのか、排出量でいいでしょうか、粉じんの量が減ったとか、そういうデータというのは環境省としてとってはいらっしゃらないんですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 降下ばいじん量の経年変化ということでは、たまたま今手元を見ているだけですが、北海道における降下ばいじん量の経年変化というのがございます。これを見ますと、スパイクタイヤの法律ができたのが平成二年、使用禁止が平成三年、それから罰則規定が平成四年となっておりますが、北海道だけでございますけれども、この時期から現在まで、装着禁止になってからのばいじん、降下ばいじん量の経年変化は、グラフで見る限りそれほど変わってはおりません。
○櫻井充君 変わっていないということは、まだ相当出ているということなんでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) その平成四年まで、平成四年以前とその平成四年を比べますと、かなり下がってきております。ですから、スパイクタイヤを装着することによっての降下ばいじん量は減ったという事実がございますが、その減ったという事実から、このデータは平成九年まででございますけれども、その間は定常的に推移しているということです。
○櫻井充君 ちなみにどのぐらい減ったか教えていただけないですか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) グラフでございますので、数値については後ほどお届けしたいと思っております。
○櫻井充君 ただ、仙台の道路を見てみると、まだやっぱり随分削れているんですよ。あの当時の、スパイクタイヤがあった当時は車線まで消えていましたから、そこまでひどくはありませんけれども、かなりえぐれているというのは、まあ掘れていると言った方がいいのかもしれませんが。 そしてもう一つ、先ほどガラス繊維が入っているというお話がございましたけれども、本来ですとガラス繊維が入っているタイヤを認めること自体が私はおかしいんじゃないかと思っているんですよ。というのは、アスベストと本質的にグラスファイバーは違うものかもしれませんが、ガラス繊維自体は体の中に入ったときに全く溶けません。つまりは吸収されていかないわけですから、体の中に入れない方がいいに決まっています。入れないためには何かというと、拡散を防ぐということが一番だろうと思うんですね。 この間、このことをたしか経済産業省の方とお話ししたときに、粒子が大きいし、鼻毛にひっかかるから大丈夫なんだという話をされておりました。しかし、口でも呼吸するわけであって、口から空気が入ってきますよという話をしたら、そうですかと言われたんですが、そういう意味で、道路が削れる削れないの以前に、タイヤにガラスファイバーみたいなものを入れること自体が果たしていいのかどうか、どうお考えでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) これはいろいろな面から、道路のスタッドレスなりスパイクタイヤ等を使うときの問題というのは、やはり環境の問題、そして健康の問題、そして交通の安全の問題、そういう観点から私たちも四省庁集まっていろいろ仙台で議論したんですが、安全を一番重視する警察側の見解、それから道路管理者、また今のそういう疫学上の方々の考えというのはやっぱり対立いたしておりました。 そういう中で、今先生、お医者さんという立場からいろいろの御意見をいただいておりますが、何といってもやっぱり健康被害を与えるものは、それはやめなければならないというふうに思いますが、じゃ、具体的にこの社会で使われているいろいろなもの、度を超せばみんな健康被害を与える、私もいろんなことをやってきたんですけれども、与えるものですから、やはりその辺が実際ガラスをゴムにまぜたことによるその安全性の向上、そしてそれがまた環境、もし健康に被害を及ぼすというならばこれは私も絶対やめていくべきだと思いますが、その辺のデータと申しますか、因果関係というのがなかなかはっきりしていない。そういうことが今もこうしてこれが残っていることだと思いますので、そういう点について、環境省としてはそういう点からもよく研究、検討しながらこの大気粉じん問題について的確に対応していくことが必要だというふうに思っております。
○櫻井充君 それでは、ちょっと違う問題に移りたいんですが、ダイオキシンの問題の中で、やはりどうやって今まずごみを減らしていくかということになるんだろうと思いますし、それからできれば生ごみを分別した方がいいんだろうと思います。つまりは高熱で処理していく中で、生ごみが入ると低温になってしまうからです。それで、今、生ごみの処理というのは主に仙台なんかでは堆肥化をしているわけですが、堆肥化したとしても農家の方が引き取ってくださらないということがあって、なかなかその堆肥化が進んでいきません。 そういう中で、最近ですが、生ごみからメタン発酵して、メタン発酵してしまうという方法があります。メタン発酵させてやると、そのメタンからさらに進めば、これ触媒何か使えば、北大かどこかでやっていたと思いますが、燃料電池が取り出せます。燃料電池とそれからベンゼン環ができた、私の記憶が正しければですけれども、そういう格好になっています。 そのことから考えてくると、こういうリサイクルのやり方があるので処理の仕方があるのではないかと思うんですが、環境省としてどの辺までその実情を把握されているんでしょうか。
○副大臣(沓掛哲男君) 食品廃棄物を排出する事業者に対して、肥料、飼料等へのリサイクルを求める食品リサイクル法が本年四月から施行される予定でございます。今、先生この問題は飛ばされて、この問題を実施していく上においてはいろいろまた、えさとして安全を確保するなどいろいろなやり方がございまして、またそちらの方はそれなりに重要な課題だと思いますが、先生はそれを今飛ばされて、食品廃棄物からメタンを発酵させ、そこからそれをエネルギー源として使うことについて環境省としてどの程度把握し云々されているかということでございますが、環境省としては温暖化対策の一環として、平成十一年度より神戸市において、生ごみから発生するメタンガスを原料とした燃料電池による発電システム等の検証事業を実施しているところでございます。このシステムというのは、メタンから水素を取り出し、それに酸素を加えて水が出る、その際にいろいろ電気が発生する、それを利用するシステムでございますが、このシステムについては今後農林水産省とも連携し、事業者が設置するモデル的な施設や市町村が整備するメタン回収施設に対する助成等も通じて、その普及推進に努めていきたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 ぜひそのモデル地区を指定していただきたいんですが、一つ要望させていただきたいのは、中央卸売市場がございますけれども、中央卸売市場の生ごみの大半が大型量販店から戻されたものです。箱一つの中にちょっとキュウリが曲がっているのが一本あっただけで全部返されてくる、これが現状です。そういうむだなものがあって、仙台市の場合には今一トン当たりたしか七千円だったかの焼却料がかかるんだったと思いますが、今後これが一万二千円だったか一万三千円まで引き上げられることになっていて、これが結果的には消費者の方の負担になっていくというふうに言われています。ですから、そういう生ごみがかなり大量に出てくるようなところでぜひ実験的にやっていただきたい。そこで、エネルギーとして、例えば電気なら電気を使っていくようなときにそういうものを使っていけばかなり効果的になるんだと思います。その辺のことも含めて、ぜひ御検討願いたいと思います。 それから、NOxのことについてお伺いさせていただきたいと思いますが、NOxの人体に及ぼす影響というのを、それから動物実験も随分あるかと思いますが、その辺のことについて教えていただきたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 今、二酸化窒素の人体への影響でございますけれども、二酸化窒素の環境基準は疫学調査、動物実験等の結果を総合的に考慮して設定いたしました。昭和五十三年に一応定めております。この基準設定後においても、健康影響に関する最新の科学的知見を得るための調査を継続的に行っているところでございますが、現時点では基準設定の根拠となった知見に大きな変化はない、昭和五十三年のその時点と大きな変化はないというふうに考えております。 二酸化窒素の環境基準は大都市を中心に未達成の地域も存在し、その大きな原因が自動車であると考えられております。このため、今国会に自動車NOx法の改正案を提出いたしておりまして、これの速やかな御審議とそしてその成立をお願いしたいというふうに考えております。
○櫻井充君 生殖器に対しての影響、これはラットかモルモットかマウスか何か忘れましたが、その辺でたしか実験してデータが出ているような気がいたしますが、その辺のことに関して、どなたか知っている方いらっしゃいますか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生御指摘の点でございますが、NOxの影響ということで、主に呼吸器を中心に現在まで大気汚染の影響の継続観察調査ですとか、それから窒素酸化物等の健康影響の継続観察調査というのを、最初のものは昭和六十一年から平成二年、その後のものは平成四年から七年にやっておりますが、主として大気汚染の影響ということで呼吸器系の影響を見ております。その他のものについては、ちょっと現在資料がございませんので、後ほど体全体の影響についてのものがあるか調べさせて御報告させていただきたいと思います。
○櫻井充君 ぜひ調べていただきたいと思います。 というのは、たしか精子が壊れて、しかもその精子の数が減っているというようなデータが動物実験では少なくともあったかと思います。 それから、ちょっとこれも記憶が定かでないのでぜひ調べていただきたいんですが、東京の二十代の男性と九州、熊本だったんじゃないかと思いますが、二十代の男性の精子の数を比べてみると、東京の二十代の男性の方が圧倒的に少ないと、そういうデータもあったかと思います。このことがやはり今後非常に重要な問題になってくると思いますし、今不妊症の方々がふえてきていまして、こういう環境の悪化が不妊症につながっているんじゃないかというふうに思いますので、そのデータもありましたら、もしありましたらちょっと調べて教えていただきたい。正確なものがありましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 現在、環境省におきましては、環境ホルモンの影響、特に生殖器官への影響ということで、現在文献調査を初めいろいろと調べているところでございます。 そのような観点でやっておりますので、そのNOxとの、二酸化窒素の問題ということは環境ホルモンとは異なるということで含まれていないかと思いますが、御指摘の点も含めてちょっと調査させていただきたいと思います。
○櫻井充君 では、よろしくお願いします。 あと最後に、フロンの問題についてお伺いさせていただきたいと思いますが、今、フロンは減ってきているんでしょうか。フロンにオゾン層が破壊され続けておりまして、たしかオゾンホールが北海道ぐらいまで来るか来ないかぐらいだったかと思いますけれども、これは私の認識が違っているかもしれません。少なくともまだ日本に大きな影響が出てきていないのは確かなんだろうと思いますが、一方でオーストラリアなんかは一体どうなっているかというと、ひどい地域はたしか十人に一人ぐらい皮膚がんになっているんじゃないかと思います。 ですから、日本でこうやってフロンを出して、日本人には何も影響がないけれども、オーストラリアとかそういう国の方々に非常に迷惑をかけていて、ある意味で言うと殺人しているようなものなんじゃないかというふうに思いますが、環境省として、この問題、やはり早期に解決しなきゃいけないと思いますが、その目標はどのように設定されているのか、それから世界の国々の状況がわかりましたらちょっと教えていただきたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) 国連環境計画の報告によりますと、成層圏のオゾンの一%の減少で皮膚がんの発生が約二%増加すると推定されております。また、オゾン層破壊のピークは二〇二〇年までに訪れるとされております。これらのことから、今後二十年、オゾン層は非常に脆弱な状態にあり、皮膚がんの増加も懸念されているところでございます。 我が国としては、国際合意に基づき、主要なオゾン層破壊物質の全廃等の対策を進めてきたところでありますが、環境省としては、オゾン層破壊物質の使用合理化、排出抑制や代替の促進などオゾン層保護対策を一層推進するとともに、現在各党において検討されておりますフロン回収・破壊法の一刻も早い成立に向け、精いっぱい協力させていただきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 よろしくお願いします。 そしてもう一つ、代替フロンを使うとCO2に比べて温熱効果が千倍近いと言われているわけであって、この問題について今後どうされていくのか、その点について教えていただきたいと思います。
○副大臣(沓掛哲男君) こちらを立てるとこちらの方が悪くなっていくという、そういうのは一般にこういう化学物質等に出てくるんですが、そういう代替の方が、CO2などが多くなっていくという、そういういろいろなこともあると思います。 今申し上げましたように、フロン回収・破壊法について今いろいろ検討をいただいているところでございますが、その中で、今のこの代替フロン、そういうようなこともあわせて今検討を進め、これらの、今国会に、できれば一日も早い法律の成立によって、このフロンの破壊、そしてまたそれにかわるべきものをどのようにしていくかを法定的にさせていただければというふうに願っております。
○櫻井充君 環境の悪化によって人体に本当に大きな影響が出てきています。呼吸器だけの問題ではなくて、最後に、先ほど申しましたとおり、生殖器にも影響が出てきている。これは人間だけではございませんで、仙台湾のところの貝が、イボニシという貝ですが、イボニシという貝は雌が雄化してきていまして、こんな数ミリのペニスがもうできてきていると、八〇%の雌の貝にですね。そういう生殖器の異常も起こってきていると。これは本当に早期に環境を整備していかなければ、大げさじゃなくて、人類破滅のときが来るんではないかというふうに思っています。 そういう意味で、環境省の役割というのは非常に重要になってくると思いますので、ぜひ大臣を中心として頑張っていただきたい、そのことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(吉川春子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、櫻井充さんが委員を辞任され、その補欠として松崎俊久さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(吉川春子君) 休憩前に引き続き、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。 昨年の十二月六日、当時の国土・環境委員会でCOP6の閉会中審査をお願いいたしまして、あのときも、当時は長官でいらっしゃって今は大臣でいらっしゃいますが、川口大臣といろいろお話をさせていただきました。あれから三カ月余り、環境庁は環境省になりまして、先ほどから委員の先生からいろんなお祝いの言葉がありますが、逆に責任も重くなったというふうに私は受けとめております。 二十一世紀になりまして、どこの新聞を見てもどこのマスコミを見てもどこの雑誌を見ても、二十一世紀は環境の世紀もしくは人権の世紀という話になっておりまして、現実に環境の世紀と声高にスローガンのように言うのはたやすいんですが、現実には中身を伴っていかなければいけないというふうに私は思っておりまして、先ほど我が党の櫻井委員から出てきているシックハウス症候群の問題も含めて本当に、先ほど副大臣も言われましたように、環境と言い出すと全部の私たちの社会生活にかかわってくるわけで、それなりに私は環境省の役割は大きくなっているというふうに思います。 さらには、アメリカではブッシュ政権ができ、三カ月の間にCOP6のパートツーが五月の予定だったのが七月に延期をされ、そしてその中身の中で環境大臣会合等があったわけですが、なかなか国会議員をしていて不便だなと思うのは、そういう情報が逐一とれないということもありまして、それは私が積極的にとりに行けばいいんですが、なかなかとれないこともありまして、まず昨年の十二月六日以降、COP6が決裂をした後のこれまでのまずアンブレラグループ、それから条約事務局、それからアメリカ、それからそれ以外のG8も含めていろんな国際会議の中で温暖化についていろんな流れがあったというふうに思いますが、その件の経過を今後の審議の参考にさせていただきたいと思いますので、ぜひお教えをいただきたいと思います。
○政府参考人(浜中裕徳君) COP6のオランダのハーグの会合以降の経緯でございますが、その後も中断をやむなくされたわけでございますが、年内にもできる限り合意を達成したいということで、まず事務レベルでございましたが、カナダのオタワで会合を、十二月の上旬でございますがオタワで会合をさせていただきました。その後、そこでは事務レベルでございますので必ずしも合意を実現するというところまでまいりませんで、ある程度の議論の整理をさせていただいたのでございますが、その後、ぜひやはり閣僚レベルで合意を実現したいということで、川口大臣にも参加をいただきまして、アンブレラグループとそれからEUの主要閣僚間で電話会議を何度かしていただきました。しかしながら、電話会議をいたしましたけれども、会議を開いて実りある結果を得るという見通しが十分に得られませんでしたので、残念ながら昨年は会議を、非公式の形であれ閣僚会議を開くということはできなかったわけでございます。 年が明け、アメリカも政権が交代をいたしました。ブッシュ新政権が誕生したわけでございます。そこで、先生お触れになられましたけれども、新たに国務長官に任命をされたパウエルさんが条約事務局に対して、自分たちとしてはできるだけ建設的に交渉に対応したい、そのためには十分な準備期間が要る、こういうことで、その観点からは当初想定されていた五月末からという日程では十分な準備ができないということで、その会合を七月あたりに延ばすことができないだろうかという要望を出されたという経緯がございました。 その後、COP6議長プロンク、オランダの環境大臣でございますが、条約締約国会議のいわゆるビューローと申しますか、役員会でございますが、そこで協議をされた後、どこで会場が確保できるかと、こういった観点なども含めて検討され、その後、たしか二月の後半だったと思いますけれども、ボンにおいて七月十六日から二十七日まで開催するという形で決定されたわけでございます。 他方、いろいろな別途の国際会議がございまして、例えば二月の上旬には国連環境計画、UNEPの管理理事会と、これに合わせて第二回のグローバル環境閣僚級フォーラムが開催をされました。その機会にプロンク大臣もナイロビに行かれまして、関係各国の代表者と個別にいろいろ協議もされたわけでございます。そこでのお話は、内容にわたる問題といいますよりは、むしろそのCOP6再開会合の時期をいつごろにするかというようなことが主だったように聞いております。そういったことも踏まえて、ただいま申し上げましたような形で七月の開催が決まっていったということでございます。 さらに、その後三月に入りまして、イタリアのトリエステというところでG8環境大臣会合が開催をされておりまして、ここでは気候変動問題が非常に大きなテーマとして議論をされたわけでございます。我が国からは沓掛環境副大臣に御出席をいただきました。そこでの議論の結果として、やはりこの問題、大変重要な問題であるので、やはりCOP6再開会合の成功を目指して政治的なリーダーシップを発揮していこうじゃないかと、こういうような方向でまとめられたわけでございますし、また我が国や欧州各国はその二〇〇二年までの発効を目指していこうと、こういうことで早期発効というのはやはり多くの国にとっては二〇〇二年までを意味するというようなことが最終的にうたわれることになったということで現在に至っているということでございます。 現在、議長国でありますオランダといたしましては、プロンク議長がハーグの最終段階で議長の名のもとにお出しになられたまとめの方向といいますか、まとめのための一つのたたき台となるようなものを出されたわけでございますが、それを改定する作業をやっておられます。個別に各国と協議を事務レベルで重ねながら、各国の意向を把握しまして、次の再開会合に向けての協議のために、協議の進展のためにそのペーパーを改定する作業をやっておられまして、私どもが伺っておりますところでは、四月の初めにもその改定ペーパーというものが出されるというふうに伺っております。そして、四月二十一日に国連持続可能な開発委員会の機会を利用して非公式の閣僚レベル会合を開いて協議を進展させたいと、こんなようなお考えだというふうに伺っているところでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。 幾つかの点で少し抜けていた点があるかなと思うので、補足をいただければと思いますが、まず、日本の国が条約事務局に対してプロンク・ノートに対する意見を求められておりましたよね。その意見を求められたのを一月十九日に恐らく我が国の政府は出していると思いますが、そこの政府が出している、条約事務局に提出したプロンク・ノートに対する意見の取りまとめの作業をどのレベルでいつやられて、どのような内容で出されたのかはお教えいただけませんでしょうか。
○政府参考人(浜中裕徳君) プロンク・ペーパーへのコメントは各国が提出を求められていたものでございまして、我が国政府の中では、まず関係省庁、環境省、外務省を初め関係省庁の間で事務レベルで検討をさせていただいた上で、私ども環境省の中におきましては川口大臣に御相談の上、我が国のコメントということで提出をさせていただき、かつその要点は発表させていただいているものでございます。まず、そういう形で意見を出させていただいたということでございます。
○福山哲郎君 概略で結構ですから、中身をお伝えいただけますか。
○政府参考人(浜中裕徳君) 中身については、プロンクさんのペーパーというのが大きく四つに分かれておりますので、その順序で申し上げたいと思います。 まず、ボックスAという最初の部分については、四つのうちの最初の部分につきましては、途上国問題、いわゆる途上国の支援問題でございます。 これにつきましては、我が国といたしましては、ハーグ会議のときにアンブレラグループのまとめ役を買って出まして、川口大臣からアンブレラグループの途上国支援案ということで出させていただいた、基本的にはそれにのっとったものでございまして、まず、途上国が地球温暖化の影響に対する適応を進める、その取り組みを支援する適応基金というものをまず設ける。それからもう一つは、地球温暖化防止のための取り組みを支援する、そういうための条約基金を設けるということでございます。その両方の途上国支援の資金の規模でございますが、京都議定書の第一約束期間中五年間にわたりまして約十億ドル、米ドルでございます。 それから、その際には、後発途上国と申しますか、発展のおくれた、特に発展のおくれた途上国、あるいは小島嶼国、こういったところについては特別な配慮を加えるというものでございます。 それから、二番目につきましては、いわゆる京都メカニズムについてでございます。 この点につきましては、例えば排出量取引に量的な制限を設けるかどうかという点については、既にプロンクさんのもともとのペーパーでそういう制限は設けないという方向で、あとは定性的な表現にするということでございましたので、我が国としては特にプロンクさんの御提案について異論はないということで、特段の意見は申し上げておりません。 それから、クリーン開発メカニズムについては、事業活動のうちで特定のプロジェクトを制限するかどうかということが問題になっておりましたが、とりわけ原子力施設を利用するかどうか、その点についてプロンクさんのノートでは、クリーン開発メカニズムにおいて原子力施設を利用することを控える旨宣言するというような案が出ておりましたが、我が国としては、そういった原子力に関する記述を削るべきではないか、これは基本的に事業を実施する途上国の判断によるべきものであるという考え方からそのようなことを申し上げたわけでございます。 それから、排出量取引を実施する場合に、先進国は自国に割り当てられた割り当て量の一定割合をいつも留保していくべきではないだろうか、こういうような考え方がございまして、プロンクさんのノートでは七〇%を保持する、留保するというようなことが出ておりまして、これを我が国としては支持しております。 それから、三番目が吸収源でございます。 これについては、我が国としては今回は特段のコメントを提出しないということでございまして、その理由は、ハーグ会合、先ほど申し上げましたオタワでの会合等におきまして先進国間で議論が続けられ、合意には至ってはおりませんけれども、そういった先進国間の議論の進展の状況にかんがみますと、プロンクさんが最初におつくりになったこのペーパーでは、今後の交渉のベースとしてはもはや先進国間の協議の方が先に進んでいるというふうに考えられるものでございますので、特段のコメントは提出せず、今後、先進国間などの協議の進展に応じて追加してコメントすることがあり得るというようなことを申し上げたわけでございます。 それから、吸収源に関するクリーン開発メカニズムにつきましては、新規植林、再植林、それから土壌の管理、あるいは土地劣化、森林破壊の防止といったものを対象にすべきであるというようなことを申し上げております。 最後に、遵守の問題でございますが、これについては、まず遵守できなかった場合にどういうような対応をとるかということで、超過した排出量に対して第一約束期間の次の次期約束期間から差し引くという場合に、同じ量ではなくてある割合を掛けた量を割り増しで差し引くというような考え方が示されておりますが、これについて我が国としては、罰則的な意味合いが生ずるような高いレートではなくて、遵守に対するインセンティブを与えるようなレートとすべきであると。具体的には、日本としては一・一倍ということを言っております。 それから、最後に遵守制度の採択方法でございますが、これについては我が国としては、法的拘束力がある措置を導入しようとしますと議定書の改正につながるという問題が生じますので、条約締約国会議の決定により採択するという方法をとって、そのことによって議定書の改正に至らずとも遵守制度が合意でき実施されるようになる、こういうことにすべきだというような意見を提出したところでございます。
○福山哲郎君 これについて一つ一つ議論していくともう全然時間が足りませんので、きょうはいろんな状況をお伺いしたいと思っていますので、次に行きます。 アメリカとの関係については、ブッシュ政権ができたというお話と、それからCOP6を延期してくださいという話が国務長官からあったということは今お話があったんですが、アメリカとはこの温暖化の問題について、京都議定書のことについて、日米でこれまでの三カ月間交渉をした経緯はありますか。
○政府参考人(浜中裕徳君) 先ほど申し上げましたとおり、オタワでの会議、その後、その協議の状況も考慮いただいて、閣僚間で電話会議というのをやっていただいたことを申し上げましたが、先ほどちょっと申しおくれましたが、アンブレラグループとEUの閣僚間でやっていただく前に、まずアンブレラの中で、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの閣僚と川口大臣との間でやっていただきました。何度か電話会議をやっていただきました。 そういう意味でのアメリカとの話し合いというものもやっていただきましたし、さらに、必要に応じてでございますけれども、当時のアメリカの交渉に首席交渉者として出てこられましたフランク・ロイさんという国務次官とは川口大臣と個別にやっていただいたこともございました。 その後、政権も交代いたしましたので、新しい政権の方針がまだ明確でない、検討中である、こういうことでございましたので、その後は全く、事務レベルでいろいろな連絡をとり合うことはございましたが、特に政策といいますか交渉方針にわたるような問題についてのやりとりというのは特段行っておりません。
○福山哲郎君 そうすると、先ほどのG8の環境会議でも副大臣が出られたというふうに伺いましたが、副大臣はアメリカとこの問題についてだけ特段にお話をするようなことはなかったわけですね。
○副大臣(沓掛哲男君) トリエステでの会合がございまして、その後、アメリカからブッシュ政権の最初の環境、向こうは長官と言っておりましたが、環境大臣が、ホイットマンさんが来られまして、日本とぜひ話したい、バイで話したいということでございましたので、約三十分ほどこの問題について対談いたしました。内容としては、いずれも、これから両国で力を合わせてこの気候温暖化問題について前向きに対応していこうというようなことを中心とした対話でございました。
○福山哲郎君 今のは局長の報告と違うじゃないですか。僕は日米で何らかの形の交渉がありましたかとお伺いをしたら、最初の政権が入る前はいろんな事務レベルでやってきた、政権がかわってからは事務レベルではやってきたけれども高級レベルではなかったというふうに浜中さんは言われて、今、サミットの場でバイでやりたいと言うからといってバイでやったと副大臣は言っているじゃないですか。全然報告が違うじゃないですか、今の。
○副大臣(沓掛哲男君) 浜中さん、ちょっとあれしたんだと思います。浜中局長と私と向こうの方と対でやりましたので、浜中局長もよく御存じだったんですが、余り、この席上、先生からいろいろな話もあり、長い歴史もあったものですから、ちょっと失念されたのかと思いますが、今私の申し上げたとおりでございます。
○福山哲郎君 ちょっと待ってください。ちょっとあれ、ちょっとあれとか言って、失念されたと思いますで済むんですか。今、国会の審議をしているんですよ。 僕はちゃんと事前通告で、アメリカとどういう状況だったのか、それぞれ時系列的に挙げてくださいと言って、今別に僕は突っかかる気は全然ないです、こんなつまんないことで。こんなつまんないことで突っかかる気は全然ないですけれども、はっきり言って局長は、僕が、じゃアメリカとは直接にやられたことはないのですかと言ったら、事務レベルでしかないとおっしゃった。環境大臣のサミットでやったんですかと言ったら、副大臣はバイで向こうから申し出があったのでやったと。 だって、G8で副大臣がバイでやったことを報告しろと言って、それ抜けているんですよ。これは委員長、どう考えても二人の答弁、ずれているじゃないですか。
○国務大臣(川口順子君) 実は、今副大臣が浜中局長について言ったとおりでして、実は説明が終わった後、浜中局長はあっということで、今すぐ言い出そうとなさったところに、実は先生の質問で副大臣がお答えになったので、先生がそういうふうに思われたようなことの事態になってしまいまして、浜中局長の頭の中には十分ございますし、長いお答えをするということでございましたので、瞬間的にちょっとそこを失念してしまったというだけでございますので、何ら他意は全くないということでございます。
○福山哲郎君 大臣が局長をかばわれる気持ちは僕はよくわかります。何回も申し上げているように、こんなレベルで僕はこの委員会は今やるつもりではないので、きょうは淡々とやろうかなと思っていたんですが、でもこのスタンスがそもそも不信感を招くんですよ。 今、長い答弁だとおっしゃいましたけれども、僕は一回区切ってからもう一度アメリカとの直接のはなかったんですかと浜中局長に聞いたはずです。長い答弁ではありません。一回区切ってわざわざアメリカとはなかったのかと言ったら、副大臣と全く違う答弁をされたわけです。 かばわれる気持ちはわかりますが、こういうスタンスだから、逆に言うと、この交渉に対してはいろんな疑念や不信感が出るのではないかと思うんですが、大臣、もう一度御答弁いただけますか。
○国務大臣(川口順子君) 浜中局長の頭の中に入っている温暖化交渉の過程というのは実に非常に長いものでございまして、かつ非常に幅の広い分野、これはたくさんの要素がまざっていることでございますので、局長も私の見たところ、コンピューター的に頭の中の整理が非常によくできている方だとは思っておりますけれども、やっぱり人間でございますので瞬間的にそういうことがあったということで、これは本当に何ら他意もなければ不信感を呼び起こすためのことでもなければ、偶然に人間であるがゆえにそういうことになってしまったということでございます。
○福山哲郎君 わかりました。きょうはこれが目的ではないので、私はきょうは黙って次に行きます。 副大臣、そうしたらそのときのアメリカとバイでやられたときの中身を詳しく教えていただけますか。先ほどちょっと伺ったんですが、非常に抽象的な表現だったので、お願いできますか。
○副大臣(沓掛哲男君) ホイットマンさんもブッシュ政権での新しい環境庁長官、大臣になられたわけでございますので、今までのこの経過、特に日本の気候変動問題に対応する姿勢、考え方、そういうものについての向こう側からの質問が最初ございました。また、それに対して、今ここで浜中局長や皆さんがおっしゃっているようなことを一応申し上げました。 私の方からも、また気候変動問題について、温室効果ガスの発生量というのはアメリカが三六%、ロシアが一七%、日本が八・五%という量でございますので、何といってもアメリカが本腰を入れてこの問題に取り組んでもらわないと、これはなかなか成功しないし効果が出てこないので、アメリカとしての取り組み姿勢というものをまたお尋ねもいたしました。 アメリカのホイットマンさんは初めてということでもございましたので、きちっと結論的なことを答えられるというよりも、やはりこれからこの問題へ非常に前向きに真摯に取り組んでいくという、そういう姿勢のお話が中心でございました。
○福山哲郎君 そうすると、副大臣のおっしゃっていただいていることが本当にまさにコミュニケに反映されていると思いますが、コミュニケの中には京都議定書の早期発効をうたっておられまして、それは二〇〇二年を意味するんだと、時宜を得た批准をするんだというふうにコミュニケにはうたわれていますが、これはアメリカもある一定の合意をしたということですね、コミュニケに盛られているということは。副大臣、いかがですか。
○副大臣(沓掛哲男君) この最後のまとめについては浜中局長が中心になっていろいろやってくださったので、今申し上げたこと、バイの話についても浜中局長はずっと一緒にいろいろやってくださったし、その後のまとめも浜中局長はやっておられるので、私よりもそのことについては浜中局長からの答弁の方が適切かと思うんですが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(浜中裕徳君) この点につきましては、やはりちょっと考え方が関係国の間で分かれておりまして、アメリカにつきましてはやはりその批准という問題と議定書全体の発効の問題はちょっとまた別であるというようなお立場でございました。我が国やEU諸国は、やはり二〇〇二年までの発効、そのためにはその発効要件を満たすだけの国々がこれを批准していくべきだということで、できるだけ前向きの表現をとるように努力をしたわけでございますけれども、ここのアメリカとしての批准をどういうふうにやるかということについては、まだ全くその政権としての方向が決まっていないというので、これについての具体的な表現はできるだけ避けたいというようなお考えでございました。 その結果として、いろいろ議論をした末に現在最終的にまとめられたコミュニケのような形になったということでございまして、COP6再開会合での成功は京都議定書の早期発効を可能にするために必要であると、ほとんどの国にとってこれは遅くとも二〇〇二年までを意味するということで、これにはその時宜を得た批准手続が伴うんだと、こういうような言い方になっているわけでございますが、それはそういったようないろいろな話し合い、議論をした結果、このような形に落ちついたということでございます。
○福山哲郎君 ということは、アメリカ側ははっきりと、スタンスとしては批准と発効は別で今はまだ整理の段階だというような発言がアメリカからはあったわけですね。
○政府参考人(浜中裕徳君) 要は先ほど申し上げたとおりでございまして、まだ政権としての具体的な交渉方針等は検討中であって決まっていないということでありますので、したがってG8環境大臣会合に参加したアメリカとしての責任ある立場として、どこまで現段階でその共同コミュニケに合意できるのかという意味で、批准という言葉がコミュニケに入ればそれは参加したアメリカ政府としてもその批准を、アメリカの批准ということも意味するわけでございますので、そこはやはりどういう表現をとるかについては相当慎重な言いぶりであったということでございます。 その結果として、そのほとんどの国にとってというようなところの中で批准という言葉が使われるということになったということでございます。
○福山哲郎君 もう御案内だと思いますのであれですが、要はアメリカの今回京都議定書に対するコミットメントというのがやっぱり大変重要でございまして、一番の二酸化炭素の排出国でありますし、アメリカのスタンスがブッシュ政権になってどのような状況になるかというのは、これはEU、途上国も含めて世界じゅうの注目になるわけです。 その状況の中でこのコミュニケが盛られた中で、どんな発言がアメリカからあったのかというのは非常に重要ですし、逆に言うとバイで日本の政府、副大臣とアメリカの代表者がしゃべったということも大変重要なことでございまして、そこの中身について少し私としてはこだわりたいなと思ってこだわらさせていただきましたが、それが三月の二日、四日だったと思うんですが、その後、三月の十三日にブッシュ大統領がアメリカの上院議員に対して、自分は京都議定書に反対であるというようなことを書簡として出したということがありますが、このことに対して今環境省はどのようにとらえておられるのか、またどのように対応したのか、教えていただけますか。
○国務大臣(川口順子君) お話しのブッシュ大統領からの手紙というのはブッシュ大統領がヘーゲルという議員にあてたものですけれども、その中では、おっしゃったように京都議定書には反対であるというふうに述べていますが、このことは共和党が大統領選挙の過程で出した綱領にも実ははっきり書かれていることでございまして、その意味では何ら新しい情報ではございません。 それで、その手紙の中に、同時にブッシュ政権は地球規模の気候変動問題には真剣に取り組むということも書いてございますし、友好国や同盟国と協力してそれに対処する創造的な手法を開発するということも書いてございます。 それで、先ほど浜中局長が申し上げましたように、ブッシュ政権としては、今、気候変動の問題については政府内でどのようなスタンスでいくかということを検討中であるということで、そのことについても変わりはないわけでございます。 私は、その手紙が出ました後で、実はホイットマン長官とはG8でお会いする機会がなかったわけでまだ面識はないわけですけれども、ホイットマン長官のG8での御活動、貢献あるいは御発言が、EUあるいは日本も含めまして非常に温暖化問題についてのアメリカあるいはホイットマン長官の考え方を、具体的な方針という形ではないですけれども、姿勢を表現したものとしてみんな好感をして受け取りましたので、G8での貢献については非常に多とすることと、それから、現在行われているアメリカ政府の中における環境それから気候変動問題についてのアメリカ政府がスタンスを決める議論の中でぜひホイットマン長官の貢献に期待をしたいという趣旨の手紙を書きまして、すぐ翌日にお出しをいたしました。 今後とも、私といたしましては、委員がおっしゃられたように、最大の排出国であるアメリカが加わるということは地球温暖化問題への対処ということからして非常に重要でございますので、機会あるごとにホイットマン長官にはあるいはアメリカ政府には働きかけていきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 すぐ翌日に、ブッシュ大統領の手紙の話の翌日に送られたということに対しては大変評価をするし、非常に敏速な対応だったと思いますが、そのホイットマンに対する書簡の中にはブッシュさんの手紙についての言及はされなかったわけですね。
○国務大臣(川口順子君) いたしました。いたしまして、ということだけれども、ホイットマン長官がトリエステでおっしゃったようにアメリカ政府としては今検討中であるということだと理解をしているので、そこにおいてホイットマン長官の貢献を期待したい、リーダーシップに期待したいということを書いたわけでございます。
○福山哲郎君 先ほど来こだわっていますが、アメリカの対応というのはこれから本当に七月のパートツーに向けても非常に重要だというふうに思っていますし、アメリカの批准、発効が世界の各国の批准に対しても非常に影響を与えるということで、私自身は、ブッシュ政権が京都議定書に、政権がというかブッシュ大統領が現時点で、先ほどから大臣や局長が言われているように、アメリカが今スタンスを探っているという状況の中で、三月の十三日、特にG8の環境大臣会合があった直後に京都議定書に反対であるというコメントをブッシュさんが幾ら共和党の議員に対してとはいえされたということに対して非常に危惧の念を持っています。 並行して、この三月までの間に、御案内のようにIPCCの第一作業部会の方から非常に温暖化についてさらに悪化をするという報告書が出ていますし、二月にも第二作業部会の中で経済的やそれから人体に対する影響等についても非常に出てくるのではないかという報告書が出ているということもあって、これ、実は国益同士のぶつかり合いの中で、やれ六%がどうだ、吸収源がどうだという次元を超えて、本当に次の世代とかその次の世代、確かに技術的な発展は見込めると思いますけれども、間に合うのかという思いが私自身はあります。 では、そういうことなので、ぜひそこは環境省としては、次の質問のときにもう少し細かいことをお話を伺っていきたいと思いますが、よろしくお願いして、私の質問を終わります。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 まず最初に、私は、川口大臣に環境ホルモンの問題についての認識と対策についてお聞きしたいわけであります。 私は、一九九七年の三月に初めてエンドクリン問題という形で本会議で取り上げてまいりました。生殖系、免疫系あるいは神経系あるいはホルモン系、そういった面に対しての影響が懸念されるわけでありまして、やはり生命、生活、生存、それを守るという立場あるいは人間の安全保障、まずこういった観点から考えていきますと極めて重要な問題であると思います。あるいは、その教育、少子化への影響も決して否定することはできないように思います。 最近、国際科学技術財団の理事長であります近藤次郎さんが、前中央環境審議会会長でございますが、講演をいたしました。この中で、環境ホルモンを取り上げまして、児童や生徒との関係について触れ、いわゆる今日世の中を騒がせている学級崩壊問題で教室でじっとしていられない生徒がいると言われているが、その一因も環境ホルモンにある可能性があると、こういう指摘を講演の中でしているわけでありますけれども、こういった件を含めて、いわゆる全体的な認識あるいは今後の対策についてどのようにお考えか、お願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) いわゆる環境ホルモンの問題というのは科学的にまだまだ未解明な点がたくさんございますが、世代を超えた、今まさに加藤委員もおっしゃられましたけれども、世代を超えて深刻な影響が子供たちにもある。さらに、その先の世代にもあるというおそれがありますし、国民の一人一人がその解決というのが、安全と安心を確保するという観点からも非常に重要だというふうに思っている問題だと認識をいたしております。 環境省では、環境保全という立場から、全国の大気ですとか水ですとか、それから土壌の実態調査をやっておりますし、それから野生生物への影響も調査をしております。それから、ミレニアムプロジェクトの中で有害性の評価を進めているところでございます。 それから、これは国際的な取り組みが非常に必要な問題でございまして、平成十年、十一年、十二年と会議を開かせていただいておりまして、これには加藤委員も御参加いただいて御講演をいただいた、この間は横浜でいただいたところでございますし、「奪われし未来」を書いたシーア・コルボーンさんにも御出席をいただきました。それから、イギリスと韓国の間でも国際共同研究をいたしております。 四月から独立行政法人になります国立環境研究所で今月、環境ホルモン総合研究棟が竣工するということになっておりますが、それを活用いたしまして、日本がこの問題のリーダーシップをとっていきたい、それで科学的な知見の蓄積に貢献をしたいと思っております。 関係の省庁と連携をしながら、環境ホルモンの問題についてはできるだけ早くかつ万全に対応していきたいと考えております。
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。 環境ホルモン問題に関係していると思われる関係で、いわゆる霞ケ浦の生物異変の問題についてちょっとお尋ねしたいわけでありますけれども、その前に、霞ケ浦の関係では、アサザですか、それが五年間で実に九〇%も消滅いたしまして絶滅の危機にございます。あるいは、漁獲量が最大漁獲量の三分の一に激減している。あるいは、カラスガイとかドブガイ、そういった二枚貝が絶滅しておりますし、タナゴも姿を隠してしまった、消してしまっている状態なんですけれども、そういった中で、恐らく環境ホルモンの影響でないかと言われているものが、例えばヒメタニシの関係でございます。精巣の萎縮や性比の異常が起きていると。いわゆる精細管の萎縮とか精細管の変性、精子の消失、そういった問題が指摘されているわけでありますし、それから性比の関係では、普通は一対一に存在するわけでありますけれども、生息するわけでありますけれども、これが雄と雌の比率が雄が一に対して雌が二という形で、極めてこういった非常に考えられない状況が生じているということが言われているわけでございます。 あるいは、霞ケ浦の周辺のところでは、端的に申し上げますけれども、いわゆるダイオキシン汚染の大事故があったイタリアのセベソ並みの性比の関係のあれが指摘されている、極めて男性の比率が低いと、そういったことも言われているわけでありますけれども、こういった点を含めてこれに対しては環境省はどのように見解をお持ちでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 霞ケ浦の生物異変の話でございます。 ヒメタニシの生物異変が報告されている霞ケ浦のような閉鎖性水系における内分泌攪乱作用について私ども重大な関心を持っております。 国立環境研究所において、霞ケ浦の水中の化学物質の濃度分析、魚の雌化に関する研究を行っているほか、内分泌攪乱化学物質実態解明推進事業として、地域を限局した野生生物への影響実態調査を平成十三年度の予算案に計上しているところでございます。 なお、霞ケ浦周辺地域の男児出生比率の低下の件につきましては、さまざまな要因を含めて統計学的にさらに検討する必要があると考えておりますが、御指摘の環境ホルモンとの関連も要因として検討されるべきものであろうというふうに考えております。 以上です。
○加藤修一君 それで益永論文についてお尋ねしたいと思うんですけれども、これは第七回の環境化学討論会で出されたレジュメを手元に持っておりますが、東京湾と霞ケ浦流域におけるダイオキシン類の収支の関係でございまして、グロスでダイオキシンが霞ケ浦に約七十六キロ存在し得ると。あるいは、これもグロスでありますけれども、東京湾で七百四十九キログラム存在し得ると。これは毒性等価量で考えていった場合は霞ケ浦では二百十五グラムということなんですけれども、いわゆるストックの、底質にストックされているこういったダイオキシンあるいは農業に関係するダイオキシンの関係であると思われますけれども、こういった湖沼における実態の把握、あるいは具体的な無害化に向けた処理方法などについての検討ということについてはどのように環境省は今取り組んでいますでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 底質におきますダイオキシン類の調査の件でございます。 ダイオキシン類につきましては、ダイオキシン類対策特別措置法に基づきまして、全国の公共水域におきましてダイオキシン類に係る水質及び底質の常時監視を実施しております。 お尋ねの霞ケ浦につきましては、本年度から三カ所の環境基準点で水質及び底質のダイオキシン類の常時監視を実施しているところでございます。 この底質に含まれるダイオキシン類についてでございます。 まず、一つは影響につきまして適切に評価することが必要であろうというふうに考えます。これにつきましては、まず底質から水中への溶出ですとか、底生生物を通じた魚介類への移行、あるいは蓄積の機構を解明する必要があろうと考えております。このため、学識経験者から成るダイオキシン類基礎調査検討会を設置し、その解析、検討を進めているところであります。 また、ダイオキシン類を含みます底質の取り扱いにつきましては、どのような方法が有効であるか、あるいは工事に伴います二次汚染の防止ということを考える必要があります。このため、環境部門あるいは土木部門を含めました学識経験者で組織するダイオキシン類の底質対策検討会を設置し、対策技術の情報収集、あるいは調査検討を行っているところであります。 いずれにしましても、ダイオキシン類の底質の汚染実態の把握なり、これらの検討会での検討を通じまして鋭意進めて適切に対応していきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 このストックに関しての無害化の処理方法とか、そういった面についての検討の方向性はどういうふうになっていますでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 検討会を設置しまして現在検討中ということでございますので、どのような形でやるのがいいのかということで結論が出ておるわけではございません。そういう意味では、十二年度はコンクリート対策技術の実証試験等をやったところでございます。十三年度におきましても引き続き検討したいというふうに考えております。
○加藤修一君 底質についてですけれども、霞ケ浦はしゅんせつをやっているわけですよね。これによって非常に底質が富栄養化しているということで、栄養分が豊富であるということで農業に使われているというケースも伺っておりますが、これは何らか問題はないですか。これは後日でもいいです、答弁は。
○政府参考人(石原一郎君) 霞ケ浦の水質につきましては、常時監視等を通じましての水質の監視を行っているところでございます。お話のありました件につきましては、また調べまして御説明したいと思います。
○加藤修一君 それから、霞ケ浦でちょっと問題になっているのは難分解性の溶存有機物、DOMという物質についてでありますけれども、必ずしも私は環境ホルモンとは関係がないとは言えないと思って取り上げるんですけれども、これについての認識と対策、実態、今後の対策、この辺についてどうでしょうか。
○政府参考人(石原一郎君) 難分解性有機物の件でございます。霞ケ浦等の湖沼におきまして有機物濃度の漸増あるいは横ばいの傾向が指摘されております。その中の原因としては、一つは難分解性有機物の存在ということが言われておるわけでございます。このため、環境省におきましては、国立環境研究所におきまして、平成九年から十一年度にかけまして、霞ケ浦におきまして難分解性有機物の分画手法を確立しますとともに、定性的、定量的調査を実施しております。また、引き続きまして十三年度から十五年度にかけまして、霞ケ浦における難分解性有機物の物質収支の測定解析を行うこととしているところであります。 さらに、本年度からですが、滋賀県におきまして難分解性有機物の土壌の吸着能力、あるいは微生物による分解能力を利用した実証調査を行っているところでございます。この調査につきましては、十三年度も引き続き実施する予定でございます。 このような調査を通じまして、引き続き難分解性有機物の知見の集積に努めまして、地元の自治体とも連携をしつつ適切に対応していきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 この部分についてはまた他日行いたいと思います。 それでは、先ほど大臣の方から話がありました環境ホルモンの国際シンポジウムの関係でございますが、私は霞ケ浦というのは非常にある意味ではケーススタディーをするに適切であるという言い方もちょっと語弊がございますけれども、そういったことを考えてまいりますと、環境ホルモン国際シンポジウムを土浦あるいはつくば、そういった周辺地域で開催するのも極めて適切ではないかなと思います。 そういった場合に、霞ケ浦をケーススタディーとして取り上げて議論をしていく、そういったシンポジウムを開催する、そういったこともいいと思いますので、この辺についてどのようにお考えしておりますでしょうか。
○政府参考人(岩尾總一郎君) 先生にも御講演いただきました国際シンポジウムでございますが、次回の国際シンポジウムの場所としては、先ほども話がありましたように、国立環境研究所に環境ホルモン総合研究棟が新設されることもありまして、霞ケ浦にも近いつくばも開催候補地の一つとして考えるのが妥当であろうというふうに思っております。 また、国際シンポジウムのテーマにつきましては、議員御指摘のように、霞ケ浦などの閉鎖的な環境における生態系の挙動の解明などは私ども重要な課題と認識しております。国内外の科学的知見の蓄積状況を踏まえて、国際シンポジウムのテーマについては専門家の意見を聞いて検討してまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○加藤修一君 関係省庁と連携しながら、例えば国土交通省とも関係するわけでありますから、霞ケ浦の水質改善総合計画、これを立てて、やはり大湖沼の改善プロジェクト、こういったものを進めるべきだと思いますので、一応ここで主張しておきたいと思います。 それから、先ほど環境ホルモンの総合研究棟の関係が出てまいりましたけれども、やはりこれから研究機器あるいは研究資金ですか、そういったものを拡充していくことが極めて私は基礎的研究を含めて重要だと思いますけれども、この辺についてもどのようにお考えか、お示ししていただきたいと思います。
○政府参考人(中川雅治君) 今御指摘の国立環境研究所の環境ホルモン総合研究棟につきましては、今月末に竣工する予定でございます。 国立環境研究所は四月一日に独立行政法人となるわけでございまして、環境大臣が同研究所が達成すべき業務運営に関する中期目標を定めることになっております。この中期目標の現時点での案におきましては、重点研究分野として化学物質等の環境リスクの評価と管理を掲げるとともに、特に重要な研究課題として内分泌攪乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理を位置づけているわけでございます。具体的には、内分泌攪乱化学物質につきまして、野生生物の繁殖への影響、人や実験動物の脳神経機能や生殖系に及ぼす影響の解明などを実施することになっております。 これらの研究に必要な予算につきましては、平成十三年度予算案で九十二億五千万円が計上されております運営費交付金の枠内で措置するとともに、競争的資金、受託研究費等の確保をこれから図っていくということになります。 国立環境研究所における環境ホルモン研究が今後も充実していくように環境省としても努力をしてまいりたいと考えております。
○加藤修一君 よろしくお願いいたします。 それでは、環境ホルモンの疑惑がかかっているPCB、これについてちょっと質問したいわけでありますけれども、PCB回収処理法についても今議論している段階で、こういった法律がいち早く可決されることを望んでいるわけでありますけれども、PCBの不法投棄、トランスが相当数不法に投げられているとか、保管という状態でなく土の中に埋められているとか、そういったものが発見された場合、あるいはダイオキシンを含んでいる農薬等、そういったものが不法に廃棄処分されている、そういったものが実際にあった場合はどういう取り扱いになりますか。どういうふうにそれは処理されるわけでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 御案内のように廃棄物処理法では、産業廃棄物が不適正に処分され、生活環境保全上の支障が生ずるおそれがある場合には、都道府県知事が原因者に対しまして原状回復を命令することができるという措置命令制度がございます。 また、昨年、廃棄物処理法を改正いたしましたけれども、その中で、排出事業者責任の強化をいたしまして、排出事業者に対して適正処理が確保されるように注意する義務があるということを明文化いたしました。その注意義務違反があった場合には、排出事業者自身にも原状回復を命ずることができるように措置したわけでございます。 PCB廃棄物は、もとより産業廃棄物すべての放てきに対しましては、こうした措置命令制度を活用して厳格な対処をしていく方針でありまして、都道府県知事によりそうした適切な対応がなされますよう指導、助言をしてまいります。
○加藤修一君 具体的な例をちょっと挙げたいんですけれども、私、最近、一月でありますけれども、佐渡に行ってまいりました。 佐渡は豊かな観光資源があって、観光客が相当数参りますし、あるいはトキの保護地でございますし、そういった意味では生物の多様性の関係から考えて、そういった面での保護をやっていくということは極めて重要でありますし、そういったことを考えていきますと、生活環境の保全あるいは自然環境の保全ということを当然やっていかなければいけないわけであります。さらに強化していかなければいけないわけでありますけれども、こういったところに、佐渡で使われているトランス等を含めて、あるいは農薬等の関係でありますけれども、相当数不法投棄が、いわゆる谷合いに投げ捨てられているかのように、建屋があるわけでも何でもなくてそういった状況があるというふうに私は地元の方々と懇談したときに聞いてきたわけであります。ある程度地方の議員についてもこれは確認したわけでありますけれども、こういった問題については環境省はどういう対応ができるんでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 産業廃棄物の不法投棄といいますか、産業廃棄物の処理に対する立入検査だとか報告徴収、あるいは不法投棄に対する実態把握というものにつきましては、これは都道府県知事が行うことになっております。 今御指摘のような事実があるのかどうか私どもとして今承知しておりませんけれども、早急に新潟県にその旨を伝えまして事実の確認をまずさせていただきたいと思います。それから、当然そういう事実の確認ができれば、その原状回復なり次のステップに入るわけでございますので、そうした適切な措置がとられるように指導してまいります。
○加藤修一君 ぜひスピーディーに事実確認をした後に原状の回復ができるような形で対処していただきたいと思います。 それでは次に、時間がなくなってまいりましたが、自然エネルギーの関係でございますが、やはり先ほどからも質問がありましたように、地球温暖化の問題というのは極めて深刻な状態であると思います。そういった意味では、人類が総力戦を出してやっていかなければいけない、こういう問題でございますので、例えばそのうちの一つとして、自然エネルギー、再生可能エネルギー、なるべくCO2が出ないような、環境に優しい、負荷のかからない、そういったエネルギーを角度をつけて導入していかなければいけないと思っているわけでありますけれども、バイオマスあるいは雪氷資源、そういったものを活用した形で、雪氷資源の場合については省エネルギー効果が極めて大きいというふうに言われているわけでありますから、このバイオマスあるいは雪氷資源の活用について、環境省そしてまた農水省、この両省についてはどのようにこの辺についてお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 雪氷エネルギーにつきましては、環境省といたしましては、モデル事業ということで、岐阜県で貯雪を利用した冷房システムの整備事業というところに補助をしておりますし、それから平成十一年度には、雪氷の冷熱も含めて自然エネルギーの有効利用調査というのを実施いたしております。 全体として自然エネルギーにつきましては、環境基本計画それから地球温暖化対策に関する基本方針ということで、政府全体としてその普及を推進するというふうに重要なエネルギーと位置づけております。
○政府参考人(坂野雅敏君) バイオマスエネルギー、これも極めて重要ですけれども、特に先生の今お尋ねの雪氷エネルギーというものについて、氷雪エネルギーです、について御説明したいと思います。 雪氷エネルギーを利用して野菜だとかいろんな農産物を貯蔵するということは、省エネルギーの観点から有効な手法の一つというふうに考えております。 ただ、この貯蔵手法といいますのは面積がかなり大きくなるとか、それから当初の建設費が高いという問題はございますけれども、北海道だとか新潟県では氷雪をこれからは利活用するというそういう視点からの調査が既に行われているし、また、既に従来農産物を雪の中で貯蔵する、いわゆる雪室と言うんですか、そういうのを発展させました実用規模での雪中貯蔵施設ですか、こういうものを既に稼働しておるところでございます。 今後、氷雪エネルギーの利用が可能な地区につきまして、農協などがこれらの施設を整備する場合があれば、農業生産の事業がございますのでそれを活用することは可能でございますので、地域の要望に応じて支援してまいりたいというふうに考えております。
○加藤修一君 今の雪氷エネルギーを含めて、やはりまだまだ制度化されていない部分がございますので、制度化を含めて拡充の方向でぜひ積極的な検討をしていただきたい、このように思います。よろしくお願いします。 以上です。
○福本潤一君 公明党の福本潤一でございます。 今日の環境問題といいますものは、二十世紀を特徴づける大量生産、大量消費、大量廃棄という社会のあり方に根差しているというふうに思っておりますけれども、二十一世紀を環境の世紀また環境の新世紀にしていくという今後の方向性、またその認識に立って、大臣、先日の所信で言われたのかと思いますけれども、環の国日本というお話をされておられました。 一九九二年にサステーナブルディベロプメント、持続可能な開発、これは世界じゅうに次の時代の指標のような形で提示されたものでございますが、これと同じような形で、日本の環境、環の国日本という言葉とともに環境が持続可能な社会という形で発展していくように私も望んでおりますけれども、昨年、循環型社会形成推進基本法が通りました。この法律、形成推進の計画を二〇〇三年までにつくるということもありますし、推進計画の委員会もつくるようになっておりますけれども、具体的にこの法律の位置づけ、また具体的な政策、施策、どういうふうなものを考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環の国ということを申し上げ、それから循環型社会の形成も重要だということをお話し申し上げているわけでございますけれども、循環型の社会の形成というのは環の国づくりの中の重要な柱の一つだというふうに考えております。環の国づくり会議の中では、恐らく二十一世紀におけるそういった国づくりの必要性についての哲学が語られることもあるだろうと思いますし、それから自然、生態系をどう位置づけるかということの議論もあると思いますが、循環型社会の形成ということが重要な柱でございます。 それで、循環型社会の形成につきまして、これは循環型社会形成推進基本計画ということを現在作業しておりまして、そこで具体的な施策の方向をお示しするということになるわけでございますけれども、関係する個別法が廃棄物処理法ですとかそれから容器包装リサイクル法ですとか家電リサイクル法ですとか幾つかございますが、それによる対策をまた進めるということも重要でございまして、そういったことで廃棄物・リサイクル対策を総合的、計画的に今後進めていきたいと思っております。
○福本潤一君 関連七法とともに世の中の仕組みを大きく変える法律としてまた具体的な社会づくりを目指していただければと思います。 と同時に、持続可能な開発というような言葉からもわかりますように、開発また環境、さらには開発と産業被害、第一次産業、いろいろなところで問題点がぶつかり合うということが各地でいろんな点で出てきておるように思います。その中で、一つは諫早湾のノリの問題、産業被害が起こっている。一つの新しい開発をするときは、必ずマイナス面、また周辺に対する悪影響を及ぼしていくということは避けられないわけでございますけれども、その中で農水省、農林業とまた建設省の治水、さらには同じ第一次産業の中のノリ、水産業のマイナス影響という中で解決することは不可能な状態もあるのではないかと思いまして、これはある意味でキーワード、環境ということで、この問題に対して対立構造、次の突破点を開いていかないといけないかなというふうに思います。 いろいろな問題、そういう形で有害化学物質の問題も単純では産業構造の中でのぶつかり合いというのはあるわけでございますが、環境というテーマから、このノリ問題またはそこの開発の問題に対応できることは考えておられないかどうか、環境大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 諫早湾といいますか、有明海のノリの不作の問題につきましては、私どもは農水省と緊密に、密接に連絡をとりながら対応をさせていただいておりますけれども、まずその原因について徹底的に何ら予断を持つことなく総合的に調査をし検討することが重要だというふうに思っております。 その観点から、環境省といたしましては、現在水産庁が行っている緊急調査に協力をいたしまして緊急補足調査を行っているところでございまして、底生生物ですとか底質についての調査を行っております。それから、来年度、十三年度から有明海の海域、海峡の改善のための総合的な調査を関係省庁で行うことになっておりますが、環境省もほかの省庁と連携してこの調査を実施するということにいたしております。 こういった調査を踏まえまして、有明海を豊かな海にしていくという観点から何ができるかということを考え、適切に対処をしていきたいと思っております。
○福本潤一君 数年前に宇和海で真珠の大被害があり、また一昨年、広島湾でカキの大被害、今回、有明海のノリ、開発した要因というものが近くにあるときの理由探し、また真珠のときも特定理由、なかなか難しいわけでございますけれども、こういうときに瀬戸内海のような閉鎖的な水域、先ほどのお話にもありましたけれども、閉鎖的な水域の中では赤潮もあり、環境ホルモンまたPCB、有害化学物質、今後さまざまな問題が出てくるだろうと思われるんですけれども、こういう有明海のようなところでも、環境のテーマから瀬戸内海の瀬戸内海立法ができてかなりたちますけれども、環境配慮型の立法を有明海等々でもするとか、さらには計画アセスメントとか事前のアセスメント関連の整備をするとかいうような形でもしないと、今後いろいろなところで開発とまたその影響の被害というのは出てくるんじゃないかと思われますが、瀬戸内海型のそういった法案を一歩越えたような法案、特別立法でも考えられるんではないかというふうに思うんですが、その点はどうでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 有明海の海域の問題については、まず原因を徹底的に予断を持たないで総合的に調査をすることが大事でございまして、その調査の数字を第三者委員会で検討していただいているという仕組みになっておりますけれども、有明海を豊かな海にしていくということが重要でございますので、これらの環境省がやっている先ほど申し上げました調査あるいはその第三者委員会の検討の状況を踏まえまして、有明海の環境を保全し改善していくためにどういう対策が必要か、どういう対策が有効かという観点から制度化、立法措置というのも視野に入れまして検討をしていきたいというふうに考えております。
○福本潤一君 一つの対立点の解決策としての立法という考え方もあるんではないかということを御提案させていただいておいて、一昨年ダイオキシン法が、昨年は循環型社会形成推進基本法、関連七法、さらにはことしはPCB規制法、過去にない重要な法案が推進の方向で進んでいるという環境行政はわかるわけでございますが、と同時にダイオキシン規制法の法案を審議しているときにさまざまな法案で、同時並行で出てきた法案で、また対立する法案でございましたけれども、鳥獣狩猟保護法、こういう法案がございました。あのとき、全国から鳥獣保護側の強力な反対御意見、また推進側の強力な御意見、ファクスが両方とも山のように自分の部屋へ来たというときがございましたけれども、その鳥獣保護法の関係にかかわる現実の実態についてちょっと話を変えて聞かせていただこうと思います。 全国で有害鳥獣と言われる形で定められておるものの農作物被害というのは各地で起こっています。あのとき、たしか鳥獣狩猟保護法改正は三年後に再見直しということで、もう二年たったわけですから近々されると思いますけれども、来年でございますので、もう二年たったとき、現時点で、全国の被害とか、現実に四国被害、また高知県の被害、いろいろなことで声が上がってきておりますので、現実実態認識、どういうふうにされているか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 先生御指摘のとおり、各地の有害鳥獣、特に近年は大型の獣類でございますイノシシ、シカ、猿などによります被害というのは各地で非常に大きくなっております。 全体の被害例について、ちょっと今いいケースを手元に持っておりませんが、例えば高知県におきましても、イノシシ、シカ、猿などによる大型鳥獣の被害は大変多くなっておりまして、具体的に平成十一年度の捕獲許可申請から積み上げてみますと、約九億三千万円の被害があったという状態であると聞いております。
○福本潤一君 高知九億三千万、全国の認識ももう早急に調査して対応される必要があると思いますけれども、この対応策は具体的にどういうふうに国また地元県、考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 有害鳥獣による農林作物被害ということにつきましては、基本的にはまずそういう被害の防除をしていく、そういうことで防護ネットを張るとか、そういうようなことでできるだけ被害の防除をしていただくということは基本でございますけれども、それでもなお被害がございますればこれは有害鳥獣の駆除を行っていく、これは科学的、計画的にその生息状況と被害の状況を勘案して行っていくということでございます。 さらに言えば、一昨年の改正によりまして、そういうものをより一層科学的、計画的に進めるための特定鳥獣保護管理計画制度というものを導入することがお認めいただいたわけでございますので、これを各地で各県できちんと策定していくということが大切であるというふうに考えております。
○福本潤一君 防護と、今の話ですと駆除ということでございますけれども、私もあのときは現実実態、見に行っていただきたいということで日光まで、栃木県まであえて現場調査まで行かせていただきましたけれども、防除と駆除というだけでは、これ単純に対策し切れていくのかなということも私あのとき現場を見させていただいて感じたところでございますけれども、もし日本の山林、林業が第一次産業の中でも農業、漁業以上に大変な状況、現状が起こっておりますので、そういう意味では森林も含めて間伐、伐採だけではなくて一つの、例えば森林と森林との間を渡り廊下みたいにと言っちゃいけぬですけれども、一つのところでふえたら次のところでも生息できるとか、鳥獣側に立った発想もあった上で防除していくというような発想、いろいろな形で考えられるんじゃなかろうかと、もう少し生命も含めてですね。人間、食料としての動物、そういう形での栄養物にはなっていっているわけでございますけれども、ただ単にそれだけではない、また自然保護も含めた上での回廊とかいろいろな森林の回廊づくりというような、そういうような方向性というのは考えられないものかどうか、そこの点、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、御指摘ありましたように、今までの有害鳥獣の駆除制度、これは生息数とそれから被害というものを勘案して決めていく、こういうことでございましたけれども、十一年六月の鳥獣法の改正によりまして、人と野生鳥獣のあつれきの軽減、解消ということから科学的、計画的な保護管理をする特定鳥獣の保護管理計画制度というのを創設していただいたわけでございます。したがいまして、その計画の中にどのようなものを盛り込んでいくか、それは恐らくはそれぞれの鳥獣の種類や当該地域の植生でありますとか被害の状況等に応じてよりきめ細かく、むしろその内容が洗練されたものになっていく必要があると思います。 そのために、私どもとしてもできる限りの知恵をといいますか、蓄積していくということで、野生鳥獣のそういう地域におきまして、保護管理を担っているような人たちに向けまして研修会を実施するワークショップみたいなことをやりまして、そういう知識を吸収していただくとか、あるいは県でそういうより科学的、計画的なよい計画がつくれるように、計画づくりに対して助成をするなどというような面におきましてできる限りの支援をさせていただいているところでございます。
○福本潤一君 そういう意味では、森林、大変な水資源の涵養もございますし、さまざまな役割を果たしておるわけでございますけれども、そこにおける林産業から見た被害というようなことだけじゃなくて、共生するとかすみ分けができるとか、そういうようなところまで考えていかないと、今後の二十一世紀、環境省になった、新しい行政ができないんじゃないか。そういう意味では、林野庁また環境省、連携とっていただきたいと思いますけれども、そういうすみ分けに向けて、環境省、新しい方向で何か考えられていることはないのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、先生大変お高い立場からの御指摘をいただきました。 それで、私どもとしては、まず鳥獣保護法の体系におきましては、先ほどから申し上げておりますような一昨年六月の改正によります計画制度、それからもう一つは、本年一月に鳥獣保護事業計画の基準というのを改定いたしました。その中でも、有害鳥獣駆除の体制の強化を盛り込んでおりますというようなことで、そちらの体系ではいわゆるワイルドライフマネジメントということを鳥獣保護法に基づいてやっていくという体系を着実に実施していくということが一つでございます。 ただし、それだけでは野生生物との共生を図っていくという見地からはどうも食い足りない点があるんではないかという御指摘でございます。そういった点につきましては、より大きな目で、ちょうど本年度、十三年度でございますが、生物多様性の国家戦略というものの見直しをしなきゃいかぬ時期が来ております。そういう中でも、人間と野生生物の共生という大きな視点からできる限りのことを盛り込むようなことで、生物多様性国家戦略の見直しの中でできる限りの検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○福本潤一君 急な話で、多様性の国家戦略という話に行かれましたけれども、十三年に見直されると。環の国という会議の中でもそれをされるということですが、それで見直していくという、その中身はどんなものでございましょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環の国づくりといいますのは、生物と人間との環ということも含めまして議論をいただくということでございます。それで、その中で生物多様性国家戦略の見直しというのもその実現、環の国を実現していくための重要な施策であるというふうには考えております。 生物多様性国家戦略の見直しの方向性、内容ということ、具体的な中身につきましては、その環の国の議論も今まさに始まったばかりでございますので、その議論を踏まえまして引き続き考えていきたいというふうに思っております。
○福本潤一君 その中身の中に、私もメンバー見せていただきましたけれども、いろいろな分野の人が入っておられるようでございます。物質の循環の中でいろいろ循環型社会形成推進基本法、エネルギーまで余り深くは踏み込んでいませんけれども、物質循環、エネルギー循環の中でつくられたようなところがございます。 そのときに、今、動物と人間の共生ということも考えておられるということでございますので、とするならば、私も各地いろいろ動いていますと、いろいろな形で人間が環境を極端に悪化させているような場所というのはかなり現地見ているんです。瀬戸内海でも、豊島、一つの解決策は提示して動きができたと。さらには能勢町、技術会議を開いて推進している。また、高速道路ができるとごみも高速道路を伝わっていくということで、所沢の方や何かも大変な状況になっている。 さらには、まだ表に出ていないですけれども、ごみの大量投棄みたいなのが、今度は自然豊かな山の中の谷間が結構、中国また四国、谷間が大量に物を捨てられる場所になっているというのが、例えば豊島のときでも五十万トンの金属のごみでございましたけれども、実態としてはもう百五十万トンぐらい一つの谷で埋まっているような谷まで出てきていますのでね。そういう意味では、動物の生存する場所までそういうマイナス影響を与えている。そういうところがまたおかに出て農作物被害を与えるということもございますので、ひとつ新しい視点でほかの生物と人間との循環にうまく共存できるような、そういうような世の中というものをつくる必要があるんじゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 それと、先ほど加藤委員の方からも今度は具体的な化学物質、環境ホルモン、またダイオキシン等々も質疑の中にございましたので、その関係で特にダイオキシン対策、考えて具体的に推進される方向になっておるわけですけれども、焼却炉から出てきたダイオキシン中心になってやっておると。その中で土壌を、大気、水質、土壌で考えると土壌の対策というのがなかなか一番難しいなというのが、現実に私自身の経験の中でも、またさらに今回推進している中でも起こっております。 ですので、例えば新しい動きとして法律、立法府の中でやれる形で考えるのは、土壌汚染防止法とかそういったような法律、推進するようなことを考えておられないのかどうか、そこらの点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員おっしゃられましたように、土壌の汚染をどういうふうに、土壌の汚染に対してどのような対策をとっていくかというのは非常に難しい問題でございます。 近年、御案内のように土壌の汚染が判明するケースが大分ふえて、さまざまな理由によりふえてきているわけでございます。環境省は、土壌環境保全対策のためにどのような制度が必要かということにつきまして昨年検討に着手をしたところでございまして、学識経験者の方々に集まっていただいております。そこで、土壌汚染による環境リスクのとらえ方、それからどのような対策のあり方がいいかといった点について御議論を今いただいているところでございます。 これの検討を終了するまでにはある程度の時間が必要かと思っておりますけれども、環境省といたしましてはできるだけ早くこの検討を進めまして、その結果をもとに制度化も視野に入れて具体的な取り組みを進めていきたいと思います。対応をとることは非常に大事なことだと思っております。
○福本潤一君 川口環境大臣はもともと通産省の御出身でございますし、有害化学物質の問題になってくるとある意味ではこれも一つの今までの過去のケースでは激突点になるのが、よく環境庁から出した法案は通産省にかなりの逆風または大変な推進にとって障害になったりするようなことも起こったりするわけでございますけれども、PRTR法という法案ができましたので化学物質の移動というのはよくわかっていくわけでございますが、例えば土壌でも農薬、化学肥料、かなり過去の歴史の中で大変な汚染になっておる。ダイオキシンもその中から、残存しているものの中にはかなり多いという現実がございます。 そうしますと、未然防止とか予防対策というような形でしていかないとさまざまなことに対応していかれないわけでございますが、土壌にこだわってそういう土壌汚染の対策の法律と言いましたけれども、化学物質自体を今度は全体に総合管理するコントロール法みたいな形の動きというのは、通産省の御出身の川口環境大臣にちょっと期待したいなと思いまして、そういうような検討を御指示されるような指向性は持っておられるかどうか、お伺いさせていただければと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境省になりましたことに伴いまして、いわゆる化審法ですけれども、それによる化学物質の事前審査や製造、使用の規制を環境省も担当することになりました。 それから、PRTR法で多数の、三百五十種類ぐらいの化学物質につきまして、ことしの四月から事業者による環境排出量の把握が始まります。平成十四年度には全国各地からの情報が得られることになっております。 したがいまして、環境省といたしましては、まず環境省がPRTR法などによって得た情報をもとに、どのような化学物質が環境へ排出されているかという情報ですが、それをもとに化学物質の環境リスク評価を行う、その結果に基づいて現在の諸制度による規制等を活用してリスクの管理の推進を図っていきたいということでございます。 それからさらに、化学物質の環境リスク評価などが進む中で、現行の関係諸対策で新たな問題が生じた場合には、その関係省と連携をしながら必要に応じて法的な措置も含めて検討して適切な環境リスク管理のための措置を講じてまいりたいと思っております。
○福本潤一君 そういう方向性、化学物質を化学物質でコントロールしていると、ある意味ではモグラたたきがモグラをたたいてまた出てくるというようなことが現実に起こっていますので、私は何か生物、微生物とか、ダイオキシンを食べる菌、微生物まではあるわけですから、PCBを食べる、分解するという菌まではあるわけでございますから、生物学的な方法による手法等も取り上げるという方向性で今後進められることを私の意見としてお話しさせておいていただいて、私の質疑を終わりたいと思います。
○岩佐恵美君 私は、最初に諫早湾の問題について、あるいは有明海の問題について伺いたいと思います。 全国一を誇る有明海のノリ養殖の生産が前年度より六割も減少する大被害が出ました。これまでも近年タイラギ漁の激減、アサリや養殖ワカメの被害、赤潮による天然魚の大量死などが起きています。諫早湾干拓が原因ではないかという指摘に対して、農水省は一貫して干拓事業の環境アセスメントの予測と大きな違いはない、そう主張し続けてきました。 ところが、その環境影響評価のやり方や結論、あるいはその後の調査について今大きな疑問が投げかけられています。当時環境庁として諫早湾干拓事業についてどういう意見を述べたのでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) まず、諫早湾の干拓事業に関しまして、昭和六十三年の三月に公有水面埋立法に基づく承認がなされているわけでございますが、その際に当時の環境庁が意見を申し上げました。 それは、まず一つは、本事業の実施に伴い造成される調整池については、類似の閉鎖系水域における富栄養化の進行等、水質汚濁の事例にかんがみ、事業の実施に当たっては次の措置を講じることにより水質保全に万全を期する必要があるということで、いろいろ言っておりますが、ポイントは調整池に関して、流域内の汚濁負荷の削減、調整池内の水質監視等、総合的な水質汚濁防止計画を策定することというような、その他幾つか申し上げております。 それから二番目に、本事業は我が国有数の渡り鳥の渡来地で実施されるものであり、事業による鳥類等への影響にかんがみ、今後事業により改変され、または影響を受ける地域においては次の措置を講ずることにより、鳥類等の生息環境の再生とその保護に万全を期する必要があるということで、ここで申し上げたことは、調整池の水際線及び後背地の湧水源においてヨシ湿原等の自然植生の維持を図ること。それからもう一つ、潮受け堤防前面部において干潟の再生状況に関する調査を行い、干潟の再生促進のための適切な対策を講じることということを申し上げております。 それから三番目に、この事業は非常に長い工期を要するものであるということで、監視計画の策定、実施、結果の公表及びこれを踏まえた対策の検討の各段階において、それぞれ関係地方公共団体等と十分な協調、調整を行うことといったようなことを申し上げたわけでございます。 それからその次に、平成四年の時点がございます。これは排水門の規模と位置及び下水道終末処理場の放流先の変更をした際に、下水処理場等処理施設の維持管理の徹底、それから調整池流域内の排水対策の充実などの要請をいたしました。 また、平成九年でございますが、これは潮受け堤防の締め切りの時点でございますが、この時点におきましても、下水道の整備促進等のほか、調整池の水質保全対策の見直し強化に関する意見を述べたところでございます。
○岩佐恵美君 環境庁としては、潮受け堤防の外の諫早湾あるいは有明海の環境については何も指摘をしていないんですね。 諫早湾は非常に細かい泥が厚く堆積した典型的な軟泥質干潟です。一般的にこういうところはヘドロ化しやすいんですが、有明海では潮位差が大きくて潮流が速いために上下層がよく攪乱される。そこでたくさんの底生生物が生息して、酸素を含んだ海水を泥の中に住んでいる生物たちが深くまで引き入れているために底質の健全な状態が保たれる、そういう状況にあります。 したがって、潮流の状況というのは諫早湾の環境の重大な要素だと思います。アセスではその変化をどう予測し、潮流の変化による影響をどう評価をしていたのですか。農水省、答えてください。
○政府参考人(百足芳徳君) お答え申し上げます。 環境影響評価におきまして、潮流につきましては、まず流向でございますが、潮受け堤防付近では変化が見られるものの、諫早湾湾口部に向かって徐々に小さくなり、諫早湾外ではほとんど変化が生じない。 次に、最強流速時の締め切り前後の差は、諫早湾湾口部で毎秒約十センチメートル、潮受け堤防前面の海域で毎秒約三十センチから四十センチの流速の減少が見られますが、諫早湾を除くその他の海域では流速変化は小さく、諫早湾湾口部から島原沖にかけて毎秒三センチメートル程度の減少にとどまると予測をしております。したがって、潮流の変化は諫早湾内に限られ、諫早湾湾口部及びその周辺海域の潮流に著しい影響を及ぼすことはないものと考えられるという評価をいたしておるところでございます。 なお、これに関しまして、潮受け堤防の締め切り後に行った潮流調査結果と締め切り前に行った潮流調査結果を比較いたしますと、環境影響評価の予測結果に沿ったものになっていると考えておるところでございます。
○岩佐恵美君 諫早湾内の流速は今の説明にあるように約三分の一に低下をしたわけです。アセスは、潮流の変化は諫早湾内に限られる、諫早湾の湾口部及び周辺海域には影響がないということを言っているんですけれども、問題は流速低下、これが底生生物などにどのような影響を及ぼすかということについて全く評価をしていないし、検討もしていないんですね。 さらに問題なのは、流速の低下だけではなくて、諫早湾の底には潮受け堤防建設のためのしゅんせつ、これで直径一キロ程度の大きな穴ができているんです。そして低酸素水の出現、貧酸素とも言われていますけれども、そういうところが観測をされているんです。 実は、東京湾でもしゅんせつでできたくぼ地が無酸素状態になって、それが大変大きな問題になっています。しゅんせつ跡地というのは風による底層水の動きにも反応しにくい。暖水期には恒常的に無酸素状態になる。そうなれば底生動物に重大な影響を及ぼすことは当然なんです。生物は生きられないんです。低酸素水、貧酸素水、この発生について環境アセスではどう予測をし、評価をしていたのでしょうか。
○政府参考人(百足芳徳君) お答えいたします。 お話の点は採砂地における状況だと思いますけれども、採砂地におきましては掘削方法の工夫によりまして潮の流れをなるべく阻害しないようにしていることもございまして、アセス上におきまして貧酸素水塊の発生について予測はしておりません。 ただ、この点に関しまして、平成十二年、昨年でございますが、八月に採砂地及びその周辺で実施した水質調査を行っておりますが、それによりますと、採砂地、採砂区域内の調査地点におきましても、また採砂区域外の調査地点におきましても、酸素飽和度という一つの指標がございますが、その酸素飽和度は貧酸素水域の発生を示すような値とはなっていないというふうに承知しております。 以上でございます。
○岩佐恵美君 低酸素水発生の可能性については当初全く予測をしていないんです。あるいは評価をしていない。潮流の変化や低酸素水が底生生物に重大な影響を及ぼすことはこれはもうはっきりしているわけですから、これらの問題について私は環境アセスを行うというのは常識だと思います。 もし、こういう今の事態ですね、考えたならば、一体こういう低酸素水、貧酸素水の問題について予測をしない、あるいは評価をしないということがあり得るのかどうか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(中川雅治君) 現在の時点におきましてアセスの調査のやり方につきましては、例えばその期間とか方法、項目、結果について、この事業が始められた当時に比べますと、きめ細かくなっていることは事実だと思います。 したがいまして、現時点でアセスをやった場合にどういう調査項目をどういった方法でやるかということは、またそれぞれその状況を見て判断していくことになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、アセスと申しますのは事業を始めるに当たって行うものでございまして、実際に事業が始まった場合には、過去のアセスにつきまして環境監視、モニタリングをしつつ、その結果を踏まえてレビューして、その場合必要な対策をとることにつきまして関係機関と協議をしながら講じていく、そういったことで対応することになっているということでございます。
○岩佐恵美君 局長、そんな奥歯に物の挟まったような言い方をしないでいただきたいんです。要するに貧酸素、低酸素、そういう発生が予測をされる、砂を掘って穴をつくれば、そういうことがわかっているわけですから。東京湾で大きな問題になっているわけですから、そういうことについて、大体環境アセス、環境予測をする場合にはやるんでしょうと、今ではそういうことはちゃんとやるんでしょうということを聞いているんです。そのことに答えてくれればいいんです。一般論を聞いているわけじゃないんです。
○政府参考人(中川雅治君) 具体的な事例に即してこの場合はこうだということは、ちょっと今この時点でなかなかお答え申し上げにくいと思います。ただ、一般論としましては、でき得る限りの調査をするということで対応しているということでございます。
○岩佐恵美君 私は一般論として聞いているんです。何も諫早の問題でやったとかやらないとかということは、やらなかったことははっきりしているんです。問題は今の時点で、さっき局長が言われるように、その後いろんな発展があって、こういう場合はこうなる、だからこれは予測しなきゃいけないということになってきたわけですから、穴を掘れば変化が起こるわけですよね。そのことは、もう指摘をされたのは随分昔ですけれども、問題になり始めたのは最近なわけですから、そのことは問題になっているから当然やるべきなんでしょうということを伺っているんです。
○政府参考人(中川雅治君) このアセスの場合におきましては、まさにこれはそれぞれ、個々個別の事案ごとにその調査項目や方法を判断するということになっておりますので、どういう場所でどのくらい掘ればどういう影響が出るのかというそれぞれのケースによって違うというふうに思いますので、一概にどのような場合でもそういった調査をするということは申し上げられませんけれども、影響があるというふうに判断すれば適切な調査をしていくということでございます。
○岩佐恵美君 干潟は泥や砂からできているため、表面だけではなくて、底質内に潜り込む生物、例えば諫早湾で言えばカニや貝類、ムツゴロウ、こういう生物が穴を掘ってすんでいるわけです。底生生物によって海底は三次元的に利用されている。底生生物が海水浄化に重要な役割を果たしているということは、これはもう周知の事実です。 アセスは、諫早湾やその周辺海域の底生生物にはほとんど影響を及ぼすことはない、こう述べているわけですが、実際には昨年十一月に長崎大学の東幹夫教授が行った諫早湾全体の底生生物の調査では、一平米当たり二千六十三個体で、潮受け堤防締め切り直後より八六%も減少しているといいます。東教授は、干潟が消滅した上に潮受け堤防の外でもこれだけ底生生物が減少すれば水質浄化能力が落ちるのは当然、そう述べています。海域の水質予測は、汚濁の流入負荷量の拡散計算をしているだけです。広大な干潟が失われることや海域の底生動物が減少することによる水質への影響について全く検討していません。そして、環境省も当時何も指摘をしてこなかったんです。 こういう点については予測評価をする必要がないというのが環境省の立場なんでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) これも先ほどの御指摘と同種の問題だと思います。 現時点で調査の方法あるいは項目などにつきまして相当きめ細かくなっておりますので、当時のアセスとしてこれがどうだったかということにつきましては、当時の手続や知見に照らせば適切に実施されたものというふうに理解をいたしておりますけれども、その後の状況の調査につきましては、これは環境省の方も、当時環境庁、昭和六十三年の公有水面埋立法に基づく承認に際しましても、今回行われた環境影響評価の環境予測に関してレビューを行い必要に応じて対策を講じることという意見をお示ししたところでございまして、そういったさまざまな状況の変化につきましては、環境モニタリングをしつつ、その結果を踏まえてレビューをし、必要な対策を講じていくということになろうかと考えております。
○岩佐恵美君 私は、今度の諫早湾の問題、あるいは有明海の問題を考える中で痛感したことがあるんですね。それは、環境、今では省ですね、環境省が言うべき問題についてきちっと言っていかないと周りに大きな影響を与える。例えば、農水省は事業者ですから、事業をやりたいということでいろいろやるわけですね、その影響調査もやって、これでいいと思うかもしれない。だけれども、環境省から見て、環境のプロとして、これはこうおかしいと思うということをきちっと言っていかないと、後で大きな問題になったときに、いやもうちょっといろいろ言ってくれればよかったのにとか、あるいはこの点についてはこういうふうに言ったのにそうならなかったとかということになっては仕方がないと思うんですね。もうそういう影響が出てからそうなっても、本当に苦しむのは海を汚染された漁民たちであるし、漁獲量が減って路頭に迷うそういう漁民たちだし、それから環境保護団体の人たちは指摘をしていたのにそうなってしまったと、本当にもうつらい立場に今みんないるわけですね。 ですから、私は、当時はそうだったというのはあるかもしれません。しかし、とにかくきちっと言うべきことは環境省として言っていってほしい、それが今の私は環境省に求めたいことなんです。 先ほども言われましたけれども、モニタリング調査をやる、あるいは四月から本格的ないろんな調査をやっていくということになるようですけれども、私はその場合に、今の時点に立って総合アセスをやるというような、本当にそういう気持ちに立って、環境省として言うべきことはきちっと言っていっていただくというのが今の求められている役割なのではないかというふうに思います。 例えば今水質についても、上げ潮で湾内の中に海水が入ってきたときと、それから干潮で調整池の水が排水されたときでは、いわゆる諫早湾の水質調査の結果が違ってくると思うんですね。そういう、じゃ、これは満潮のときにやったの、あるいは干潮のときにやったのというのが、時間なんかもきちっとわかって、みんなに納得がいくようなそんな調査がやられていかなければいけないというふうに思います。 ですから、そういう意味で、私は過去のことをあれこれほじる気持ちはありません。だけれども、過去のいろんな例えば潮流の問題についても、あるいは貧酸素の問題についても、底生生物の問題についても、もっとやるべきことがあったなと、今になってみれば、これやらなかったのはおかしかったなということなどをよくよく検討していただいて、それで今度の調査に当たってはそういうことをきちっと踏まえた上で総合的に環境省として責任持ってやっていく、そういうことを望みたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 環境省に対しての御期待を今委員からおっしゃっていただいたわけでございますけれども、私は、まずアセスというのは、基本的に事業者が環境保全を十分にその事業の中に取り組んでやっていく、そのための発想なり視点なりを持って、まずそれが事業者がアセスをやるということが大前提であると思っておりますし、それがまたアセス法の考え方でもございます。 その前提に立って、委員おっしゃいますように、環境省としてアセスという観点から必要なことを言っていくという姿勢というのは重要だというふうに考えております。
○岩佐恵美君 次に、鳥の問題について伺いたいんですが、諫早干潟は日本最大のシギ・チドリ類の越冬地でした。環境影響評価では、生息域が干潟部に限定されるシギ・チドリ類への影響は大きい、そう認めているんですが、結論的には鳥類には著しい影響を及ぼすことはないと述べています。 特に影響がないという理由の一つは、調整池の中のかなりの面積が平常時は湿地状となって新たな生息域ができるということです。しかし、これ考えてみると、野鳥のえさとなる豊富な底生生物がいる広大な干潟をつぶしてしまうわけですから、調整池に新たな生息域ができるなどということは、私は全く考えられないというふうに思います。 また、もう一つの理由に、諫早干潟は有明海の全干潟の七%にすぎないから、諫早干潟の鳥は有明海の他の干潟に移動することが期待される、そう述べています。しかし、鹿児島大学の環境科学科の佐藤正典助教授は、干潟は大潮のときで測定すべきだ、少なく見ても一四%以上の減少と指摘をしているなど、この七%の問題についてもそんな減る量を低目に見積もっているよというようなことで議論があるんですが、いずれにしても干潟の消失と渡り鳥の関係というのが私は大きな問題だと思います。 そこで、潮受け堤防の締め切りの前後で鳥の状況はどう変化をしているのでしょうか。環境省。
○政府参考人(西尾哲茂君) 諫早湾干拓事業の実施に伴います野鳥への影響につきましては、事業者である農林水産省におきまして広域的なモニタリング調査が実施されております。それからまた、環境省としても全国の干潟や湿地におきましてシギ・チドリ類の渡来状況のモニタリング調査というものを実施しているわけです。 これらの調査によりますと、潮受け堤防締め切り後、諫早湾ではシギ・チドリ類などの鳥の出現個体数が激減をしております。その一方で、有明海の一部の干潟ではシギ・チドリ類の出現個体数が増加している、そういうような状況にあると理解しております。
○岩佐恵美君 私がつくりました農水省の野鳥の資料をお配りいただいていますよね。ちょっと見ていただきたいと思うのですけれども。 全体として「合計」というところがありますが、これはもう一九九九年、潮受け堤防を閉鎖した直後から比べると、九九年には飛来数が減ってきているというのがわかります。今話があったように、他のところに移っていっているんじゃないかということですが、例えば、緑川とか荒尾とか筑後川、ここがその堤防締め切り後にふえているように見えます。ただ、鳥の場合には長期で見るということが必要だと言われているわけですけれども、そういう意味でいうと、九九年は有明海全体で野鳥の渡来数は減少していますと農水省自身も認めているわけです。 鳥の専門家によりますと、例えば大型飛行場がある日突然なくなるという場合、飛行機に鳥をなぞらえますと、大型飛行場がなくなると、その後、直後は散らばっている小さな飛行場に行くわけですけれども、それでも大型飛行場の能力はないわけですから、結局飛行機自体の数を減らさざるを得ないということになる。それは鳥の世界でも同じだと言うのです。つまり、飛んでくる個体数を減らさなければならなくなる。 だから、こういう数字は、一たん締め切ってその干潟がなくなってしまう、その直後は鳥は来てとにかく利用はするんだけれども、散らばってはみるんだけれども、それだけのえさがなければこれはもうそこには飛んでこれなくなる、そして、その個体たちは行き先を失ってしまって、結局個体数を調節せざるを得なくなるということが言われているわけです。ですから、鳥の個体数の激減につながる。それは地球規模での鳥の減少にもつながっていってしまうということを言われています。私は、その点非常に重要な指摘だし、大変なことだなというふうに思います。 諫早湾でいうと、シギ・チドリ類のえさとなる動物が多いのは泥質干潟なんですね。有明海の干潟のかなりの部分は砂干潟なんです。諫早干潟は最大の泥質干潟で、山下弘文さんの調査によると、スコップ一掘りで大型ゴカイが数十匹も出てくるということで、非常にえさが豊富な干潟なんですね。ですから、そういう干潟を失うというのは鳥の世界にとっては非常に重要なことなんです。 私は、いずれにしろ、鳥の生息域、えさ場のきちんとした調査、これをやらないで、鳥は他の干潟に移るから大丈夫などという、そういう無責任なアセスで広い諫早干潟をつぶしてしまうなどということは、これはもう渡り鳥の中継地を守るための国際的世論が高まっている中で通用しない話だと思います。その点、環境省としてどう考えますか。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今、先生の御指摘のように、諫早湾におきます鳥類の飛来数の減でありますとか有明海の状況につきましては、私どもも非常に関心を持って見守らなきゃいけないことだと思っておりますし、ただ、しかしながら、年でありますとか季節でありますとかの変動も非常にございますので、やはり今後とも十分なモニタリングによりまして監視をしていく、注意を持って監視をしていくということは必要であるというふうに考えております。
○岩佐恵美君 次に、三番瀬の問題に移りたいと思います。 東京湾では三番瀬の埋め立て問題が焦点になっています。川口大臣は、一月十二日に現地を視察されました。埋め立ての中止を含む全面的な計画見直しをすべき、そういう考え方を表明されたと報道されています。 その点について、国会の場で改めて大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 三番瀬を見せていただきまして、見に行きまして私が思いましたのは、三番瀬というのは都会の近くに残された非常に貴重な干潟でございまして、よく今まで残ってきたと思いましたと同時に、これを先々子孫に引き継いでいくということが非常に重要であるというふうに感じました。
○岩佐恵美君 ここにおられます真鍋委員も大臣のときにやっぱり現地に行かれて、本当にすばらしい広大な干潟と、そしてすばらしい景色だということで何としても残していかなければいけないというふうに思われたということで、伝統的にこのところずっと環境省が頑張っておられるわけで、そういう点では私どもは非常に喜ばしいというか、期待をしているところです。 三番瀬については、千葉県の環境会議で詳細な補足調査を行って、百一ヘクタールへの縮小案についても環境調整検討委員会で十数回にわたって環境への影響が検討されて、一月二十五日の千葉県環境会議に検討結果が報告をされました。報告は、東京湾全体を視野に入れた自然環境保護の総合的な計画を検討すべきとしています。 東京湾全体の中で三番瀬が持つ環境上の価値について、どう大臣は認識をしておられるんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 干潟といいますのは水質を浄化する機能ですとか、それから渡り鳥の渡来地であるといった点で、先ほど有明海について話が出ていますように、非常に重要な機能を持った地域であると思っております。三番瀬は、東京湾の中に残された貴重な干潟であるというふうに考えております。 ということでございますので、三番瀬について埋め立て計画がございますけれども、第二東京湾岸道路の地下化も含めまして、幾つかの重要な事項につきましては既に千葉県にはお伝えをいたしております。
○岩佐恵美君 一応、千葉県にお伝えをしてある中身について簡単にお知らせをいただけますでしょうか。
○政府参考人(中川雅治君) まず、千葉県にお伝えしてある内容と申しますのは、一つは、今大臣申しましたように、第二東京湾岸道路については地下化が望ましいということ、それから、三番瀬はこれは後世に引き継ぐ必要があるということで、今のままの計画で埋め立てするというのはどうか、果たして必要最小限のものであるかどうかと、その最低限の、最低限、計画の縮小をするなど全面的な見直しが必要ではないか。つまり、埋め立ての必要性というものについて本当に納得が得られるのかどうかということを申し上げているところでございます。
○岩佐恵美君 その必要性について納得が得られるものかどうかという部分について、何か新聞報道ではもうちょっと詳しく具体的に指摘があるように思うのですけれども、その点はどうなんですか。
○政府参考人(中川雅治君) まず、千葉県側が考えております埋め立てした後の用途につきまして、下水道の終末処理場用地というようなことを一つ考えているわけでございますけれども、本当にこういう処理施設が陸域では不可能なのかどうか、本当に埋立地に置かなければならないのかどうかというようなことをもう一度再検討していただく必要があるんではないかということが一つでございます。 それからもう一つ、町づくり支援用地というようなことを考えているわけでございますけれども、これにつきましては、利用可能な内陸部の活用を原則とすべきであって、市川市内や近隣市に限らず広域的な用地確保について検討する必要があるのではないかというようなことを申し上げまして、いずれにしましても、埋立地が、本当にいろいろ考えられている用途が仮に必要であるとしても、埋立地でなければならないのかどうか、そこを十分に検討する必要があるのではないかということを申し上げております。
○岩佐恵美君 干潟が水質浄化に果たす役割、この問題について私は先ほどからるる強調させていただきましたし、また大臣もその点について同じようなお考えであるというふうに私は理解をいたしました。 また、重要な漁業資源であるイシガレイ、これが稚魚の段階を浅海域で過ごしているという東北水産研究所の研究についても以前私、国土・環境委員会で指摘をしました。実は、東京湾でも同様で、神奈川の水産研究所の主任研究員の話によりますと、神奈川県でとれるイシガレイ、これはかなり高級ガレイとして高く売れる魚だそうですが、その多くは三番瀬などの干潟で成長するということだそうです。 ちょっと委員長の御了解を得て地図をお見せしたいと思うんですが、遠くて見えないかもしれませんね。(図表掲示) これは東京湾全体の地図なんですけれども、明治時代中期の東京湾の海岸線と現在の埋立地の状況ということで、この赤い部分が当時の海岸線で、そして埋め立てられたのがこの斜線の部分なんですが、見ていただきますと、もうほとんど東京湾は埋め立てられてしまっているという状況です。 その中でもこの三枚州干潟とか三番瀬干潟とか盤州干潟、そして富津干潟、これが唯一干潟として残されているという、こういう地図を神奈川の水産研究所の近山所長がおつくりになったものですから、私、現地に行かせていただいて、とてもすごいわかりやすい地図だと、ちょっと大臣の方に、済みません、思ってきょうは紹介をさせていただきました。 その三番瀬というのは盤州干潟に次いで大きいんです。浅海部まで含めますと東京湾で最大級です。三番瀬はもちろん、東京湾にわずかに残された干潟あるいは浅海域の全面的な保全のために環境省としても御努力をいただきたい、そう思うんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 三番瀬をいい形で後世の世代に引き継げるように努力をいたします。
○岩佐恵美君 三番瀬は、数万羽のスズガモを初め、カモ類やシギ・チドリなどの全国有数の飛来地です。コアジサシやユリカモメなども数千羽集まります。 一月末に再度行いましたが、一面を埋め尽くすようなスズガモのほか、多数のハマシギの群れ、オナガガモなどさまざまなカモ類がいました。私、一月に見に行ったんです。珍しいミヤコドリやハジロカイツブリ、ちょっとおでこの出っ張ったそういうカイツブリもいまして、本当にすばらしいと思いました。 三番瀬はラムサール条約のクライテリアをクリアしていることは明らかだと思います。近くの谷津干潟、これはラムサール条約に登録されております。もう皆さん行かれていると思いますが、とても鳥が多いところです。鳥は、砂干潟の三番瀬と泥干潟の谷津干潟、最近は泥ばかりではなくて少し砂もまじってきていますよという現地の話でしたが、泥干潟といわれる谷津干潟、ここを行き来しているんですね。状況に応じて選択して利用しているということだそうです。それと、三番瀬で浄化をされた水が入っていくから谷津干潟の水も守られるということだといいます。ですから、三番瀬がなくなると谷津干潟が保全できるかどうかわからないというふうに現地の方々は言っておられます。 私は、三番瀬をラムサール条約に登録してそして保全すべきだと思いますが、その点大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) ラムサール条約の登録に関しましては、国設鳥獣保護区、特別保護区の指定をするなどいたしまして、将来にわたって保全がきちんと行われるということが明らかになる必要があるということでございます。 現在、三番瀬につきましては、千葉県が埋め立て計画の見直しを進めているところでございますので、その推移も見守りながら国設鳥獣保護区の設定などにつきまして、その可能性につきまして今後検討していきたいと思っております。
○岩佐恵美君 最後になりますが、九九年五月にコスタリカで開かれましたラムサール条約第七回締約国会議では、二〇〇五年の第九回会議までに登録湿地を現在の二倍ということで大体二千カ所とする、そういう目標値を決めました。さらに、潮間帯湿地に関する決議で、特に干潟を国際的に重要な湿地として特定し登録することを締約国に求めています。干潟などの消失面積と保全状況を来年開かれる第八回会議に報告するよう求めているわけです。 私は、諫早の干拓事業で広大な干潟が失われてしまいました。またその上に三番瀬が大変なことになるということでは、世界の中で日本は干潟をどんどん壊す国だというふうに思われても仕方がないことになってしまうと思います。ですから、そうならないように、やっぱり諫早湾の問題について、有明海の問題については、本当に鳥たちがまた喜んで来れるようなそういう地域に再生をする、そして三番瀬については守っていく、そして第八回、来年のそういうラムサール条約の締約国会議に出られるというようにしていきたいものだと、日本がですね、そうしていってほしいものだというふうに思いますけれども、私たちもそう努力をしなきゃいけないわけですけれども、その点について大臣、お考えがあれば伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 委員がおっしゃられましたように、二〇〇五年までにラムサール条約の登録湿地を少なくとも二千カ所に拡充をするという短期目標が九九年に決議されたというのは、おっしゃるとおりでございます。 それで、決議の趣旨を踏まえまして、日本におきましても、ラムサール条約の基準に該当するということがまず大事でございますが、それから国内の要件の整ったところにつきまして、この趣旨を踏まえて、できるだけ登録湿地の数がふえるようにということで努力をしていきたいと思っております。
○岩佐恵美君 終わります。
○清水澄子君 社民党の清水澄子です。 ちょっとこれは通告しておりませんでしたけれども、きょうの審議は予算の委嘱審査であるわけですが、そこで率直な御意見を私は大臣に伺いたいんです。 ようやく環境庁が環境省になった。それで、私は多分予算もふえたのかなと思って見ましたが、環境省所轄の一般会計は二千七百六十九億六千七百万円と本当に少ないので、ちょっとびっくりしました。というのは、私が初めて議員に当選してきたときも、私、こんな少ない、各自治体の環境政策の予算よりも少ないというのを見たときも驚いて質問した体験があるんですが、今度は環境省になったのにと思いながら、やはり少ないなと思っていました。そして、各省庁の環境保全経費の合計は三兆四百八十四億円。これを見てもやっぱり事業所轄庁という、省というのは非常に大きい予算を持っているわけで、これではやっぱり何か従来と変わらないようなシステムではないか。 それは、環境省だけでは何もできないんだというふうな御説明がきっとあるんでしょうけれども、それはわかりますけれども、余りにも、もう少しこれは縦割り的な行政から、この環境行政についてはこれまでは主に調整役的な役割が多くて、そして予算もない、人も少ない、そういう中で非常に御苦労しておられる中で、私たちはぜひ環境省にというので随分運動してきたわけですけれども、これからはやはり日本の経済、財政、そしてそういう面でも環境行政というのは非常に私は重要な位置にあると思うわけです。 そういう意味で、これからももっと将来的な方針についても政策的なリーダーシップをやっぱり環境省、大臣は発揮していただきたいという私たちの強い希望があるわけですけれども、これらについて、この予算が証明しているこの現状ですね、これについて率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。今後、もう少しこうあったらいいという点がおありであれば、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 国会の場で使う言葉としては適切でないかもしれませんが、日本には、色男、金と何とかはなかりけりということわざがございますけれども、環境省は、金はなくても力はある環境省ということで当面はいるということだと思っておりますが、二十一世紀が環境の時代というふうに言われておりますので、これは環境省の予算といたしましても、それから政府全体としての環境予算といたしましても、これからもう少しふえてそれなりの環境保全のための仕事ができるように頑張りたいと思っております。
○清水澄子君 次に、六月下旬に再開予定されていますCOP6の問題について伺いたいと思います。 先ごろ、イタリアのトリエステでG8環境大臣会合が開かれて、そしてCOP6合意に向けた話し合いがなされたはずですね。そこで各国は京都議定書の早期発効を可能にするためにも二〇〇二年までに批准の手続をするというコミュニケが発表をされているわけです。日本はCOP6の、議長国であるわけですから、批准を含めて国内制度の整備をもっとやはり急がなければならないんじゃないかと思います。 そこで、お尋ねしたいわけですけれども、今ある地球温暖化防止対策大綱では、問題になっている原子力発電所計画の見直しとか森林吸収源の割合の見直しとか、また排出量取引の具体的な内容とか、その財政的な措置などがほとんど見えないわけなんですけれども、二〇〇二年といえばもう半年少ししかないわけです。ですから、環境省は、大臣はどういう見通しを持ってこの国内制度の確立に臨まれるのか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 二〇〇二年までの京都議定書の発効ということで、それが可能であるためには、国内制度、日本としても国内制度の構築というのが非常に不可欠、非常に重要であるということはおっしゃるとおりでございます。 具体的には、京都議定書を担保する国内の措置というのが必要であるわけでございまして、温室効果ガスの具体的な削減目標、それから国内における排出削減のための各種の政策手法、それから京都メカニズム等の活用につきまして規定をするということが必要だと思っております。 これらにつきましては、現在、中央環境審議会のもとに二つの小委員会を設けまして御審議をいただいているところでございます。この審議結果を踏まえまして、二〇〇二年に議定書を締結することができるように京都議定書を担保するための法案を提出するという方向で全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○清水澄子君 審議中ということですけれども、もう少し、非常に時間が少ないですから、やはりどういうことが具体的に議論されているか、これは国民的な参加がないといけない問題でもありますから、ぜひもっとオープンにしていただきたいと思います。 それから、今その議定書批准の担保を確保するということ、それが先だと思いますけれども、この二〇〇二年に議定書の批准をするということについては、それはもう確定しておられますか。
○国務大臣(川口順子君) ことしの七月の下旬にボンでCOP6の再開会合ということが開かれることになっております。まず、そこで国際的な合意に達する、京都議定書の運用ルールにつきまして合意に達するということが必要であると思っております。 国内制度につきまして、それまでの間にできる限り詰めるということが必要でございますけれども、なお、さらにその議定書の運用ルールが確定しないと詰め切れないところが残るわけでございまして、そういう意味で今度のボンにおける再開会合で国際的な合意に達するということが非常に重要であると考えておりますし、我が国といたしましても、そのために全力で取り組んでいく所存でおります。
○清水澄子君 特に、排出量取引の国内制度についてですけれども、既に外国から購入するという企業もあらわれております。それはまるで商品先物取引と見まがうような、そういう状況があるわけです。 そこで、二つのことを確認したいと思います。一つは、排出量取引は政府だけでするのか、民間も認めるのかという点。それからもう一点は、政府が取引する場合の財源として、炭素税をどう位置づけていくのか。この二点についてお聞かせください。
○政府参考人(浜中裕徳君) 先生御案内のとおり、京都議定書で先進国の目標達成を行うための手法の一つとして、お触れになられました国際的な排出量取引というものが位置づけられているわけでございまして、これに民間の参加を認めるか否かということにつきまして、現在、国際交渉で議論をされているところでございまして、いまだ結論が出ていない状況ではございますが、我が国を含む先進国は民間の参加も認めるべきであるという主張をしているところでございます。同時にまた、お触れになられましたように、欧米の企業で既にそういうものについて実質的に始められているということも私どもも聞いているところでございます。 我が国におきましても、こうした排出量取引の活用に関して国内的にどういうふうに制度をつくっていくかということにつきましては、お触れになられました政府が取引を行う場合の財源をどうするかといった点も含めまして、現在、中央環境審議会、具体的には地球環境部会におきまして御審議をいただいているところでございます。 いずれにいたしましても、京都議定書の目標を達成するための国内制度の構築に当たりまして、国内での排出削減の手法とあわせて京都メカニズムも位置づける必要があるというふうに考えているところでございまして、国際交渉の進捗状況も踏まえて、国内制度の構築に全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。
○清水澄子君 何かいつでも政府の答弁というのは、私たちには何か周辺をお話しいただくだけで、何もわからないんですよね。具体的にどういう議論に、せめてこういう議論になっていますとか、こういうことがまだクリアできませんとか何かなければ、うまくやっていきますというお話で、何か、私たちはきょうの時間をクリアすればいいわけじゃないので。直接お伺いしてもいいんですけれどもね。だけれども、これはやっぱり委員会ですね。委員会で何聞いても周辺だけのお話じゃ、どうしてそういう答弁なんでしょうかね。これ、ずっと変わらないですよね。 端的に伺っているわけですから、もう少し、財源でもこういう方法が、いろいろ議論はされていますという、何が課題になっているかということぐらいはやはり説明いただかないと、非常に私たちに用心深く、知らせない。議論でも、こちらも何かもう議論、別に攻撃しているわけでも何でもありませんから、やはりきちんとまじめに質問しているわけですから、ちゃんと中身をお答えいただきたいと思います。できないこともいっぱいあるんでしょうから、こういう点が非常に困難なんだとか、やっぱりみんなが一緒に考えるような説明が要るんじゃないかと思います。その点、頼みます。 それで、次に、遺伝子操作に関するカルタヘナ議定書の問題について伺いたいと思います。 生物多様性条約に基づくカルタヘナ議定書が採択をされました。その中に、これは非常に遺伝子組みかえ生物の環境面からの輸入を規制していくという議定書ですが、予防原則というものが明記をされております。日本ではまだ遺伝子組みかえ、そういう食品といいますか、そういう問題については、作物や食品の問題として扱われているわけなんですね。それはそれで大事なんですが、やはり世界の流れは生態系への影響とか生物の安全性という環境問題、環境の視点からのやはり問題提起なり政策なりが議論をされていると思います。 そこで、お尋ねしたいんですけれども、まずこの議定書に規定された予防原則のポイントは何なのか、これちょっと環境省からお答えください。
○政府参考人(西尾哲茂君) 今御指摘のバイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書でございますけれども、議定書の目的に、その予防原則に関しまして、目的の規定のところに、リオ宣言の原則十五に含まれる予防的アプローチに従うということが掲げられておるわけでございます。 〔委員長退席、理事岩佐恵美君着席〕 したがいまして、リオ宣言にございましたように、深刻であるとかあるいは不可逆的な損害のおそれがあるといったような場合には、完全な科学的確実性が欠如しているというようなことによって対策を遅らせてはいけない、こういうような予防的な考え方に立ってやっていかなきゃいけないと、こういうことでございまして、したがいまして、遺伝子組みかえ生物、これは議定書の中では遺伝子組みかえ生物の輸入などについての規制を行うわけでございますが、そういう場合におきましてこういう予防的な考え方に立って取り組んでいくということは、我が国の生物多様性の保全上重要であるというふうに考えております。
○清水澄子君 そうであれば、環境省としては、予防原則を含めた遺伝子組みかえ食品、そういう問題に対してどの程度関与されていく計画がおありか。また、このカルタヘナ議定書に日本は加入する準備があるのかどうか。この点を、大臣、いかがですか。
○政府参考人(西尾哲茂君) まず、カルタヘナ議定書に対します対応ということが、現在の目下の課題だというふうに思っております。このカルタヘナ議定書は、先生御指摘のとおり、生物多様性の保全あるいはその持続可能な利用への悪影響を防止するという生物多様性、生物の観点からつくられた議定書でございますので、環境省といたしましても、これは関係省庁多数ございますね。外務省を初めといたしまして関係省庁が多数ございますが、私どもは、そういう生物の面からその関係省庁連絡会議にも参画いたしまして、この議定書に対する国内措置の検討を行っていく、そういうことでこの議定書の対応をしていくということでございます。 その傍ら、遺伝子組みかえ生物につきましての生物多様性への影響ということにつきましても、できる限り並行して勉強していくということで、この議定書に対する対応ということを中心にこの問題について対処していきたいというふうに思っております。
○清水澄子君 環境という面もあるんですが、やはりそれはまた食品、遺伝子操作の食品という面でも市民は非常に関心を持っております。食品の場合は、これは厚生労働省であるというふうに縦割りし過ぎて、私たちはそういうふうに物を食べられないんです。この物の中のどこが農水省で、どこが建設省で、そんなことないんです。食べる物そのものについて心配が起きてくるわけですね、これいつも議論になるところなんですけれども。 既にこの遺伝子操作食品というのは、非常に国内にたくさん入ってきておりますね。最近ではスターリンクの問題とか、遺伝子組みかえの大豆等については、厚生労働省はこれは健康に害はないということで認可をしたということ、大変問題になっているわけなんですけれども、やはり非常にこの問題はこういう簡単な処理では、私は一般の市民、消費者、特に幼児とかそういう子供を持つ母親たちの心配はなくならないと思います。 特にそれをとりわけ騒いでいるという意味じゃなくて、本当にやはり市民が納得できる情報もないし、それから特に日本の場合は、こういう問題につくと、まずこれは農業問題になってしまう。そして第二は、食の安全でいいわけなんですが、厚生労働省という形になって、総合的にこれらの問題についてきちんと、いわゆる予防的なそういう問題が国際条約の中で出されていても、総合的な対応を立てるところが日本では非常に少ないと思うんですね。 やっぱり食の安全というのは、生物の安全性、生態系への影響と、いろんな関連をしていると思うわけですけれども、そういう中で、今、農水省等では、表示問題とかそういう問題は取り組みがあるわけですけれども、これらについて、もう少し市民が情報を得るとか市民が参加をしていく、そういういろんな議論をしていける場所がないからより不安がふえているんだと思います。 この遺伝子組みかえ問題、これらについて、環境省としては、これを単なる農業問題という視点だけじゃなくて、また、ばらばらで縦割りの対応ではなくて、環境省として大臣は一体これをどういうふうに扱っていったらいいかというふうにお考えになっておられるでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 委員から、縦割りであって、非常にどこが何をやっているかわかりにくいという御指摘がございまして、普通の人が法律の細かいことを読むということも余りございませんし、わかりにくいというのはおっしゃるとおりだと思います。 ただ、各省には法律に基づいてやるべきこととされていること、それからよその省がやるべきとされていることと区別がついておりまして、それはおのずからそれぞれの省がその問題については知見と経験を深く持っているということでもありますし、その問題については責任を持っているということでもございますので、やはりそこの法律が決めている各省のやるべき仕事を尊重して仕事をしていくということが、最終的に責任を持った行政ができるという意味では私は大事なことだというふうに思います。 それで、遺伝子組みかえの話でございますけれども、環境省の遺伝子組みかえ生物との関係でございますけれども、例えば野生種と遺伝子組みかえの作物なり植物なりが交雑をするということで新しいものが生まれて、それが生態系へ影響を及ぼすというようなことが問題となりますので、そのような影響が生じないということが重要だと環境省としては考えております。ただ、現在の時点で生態系への影響が遺伝子組みかえの生物によって実際に生じたかといいますと、そういう問題が生じた事例というのは報告はされておりません。 〔理事岩佐恵美君退席、委員長着席〕 環境省としましては、この問題について引き続き知見を深めていくということが重要だというふうに思っております。
○清水澄子君 こういう問題で有害という事態が起きてしまってからでは予防ということにならないんじゃないでしょうか。先ほどから、このカルタヘナ議定書の予防原則というのは、そういうふうな、もう少しこういう問題についていろんな影響が出てくるだろうという想定があってこういう原則が加わった思います。 日本は輸入食品等においては一番輸入国ですから、これからは日本もそういう輸出をするような状況になっていくらしいですけれども、この遺伝子操作食品等については、やはりEUなんかは環境の理事会というんですか、環境関係のところでこの流通問題についての論議をしている。 これらについて、EUとそれから生産国のアメリカやカナダとは対立をしているわけですけれども、日本は非常にたくさんの食品を輸入して、特にアメリカからの大豆とか多いわけですから、やはり日本の市民の健康といいますか、そういう意味と、それから、これらが日本の生態系の中にも今後どういう問題を起こすかということは、もっと事前から研究したり、そういう調査をしていくということが大事ではないかと思うんです。 そういう意味では、私は、やっぱり環境省が環境という視点からこの問題についてもっと積極的な、何か問題が起きてからとか情報が来てからとかではなくて取り組んでほしいと思います。 特に、先般のG8環境大臣会合のコミュニケでは、一九九七年に提起されました、子供とか、他の特に脆弱といいますか、弱い人ですね、そういう人たちの集団の環境保護についての注意が喚起をされております。 日本の場合は、幼児等の弱者等も環境規制の中でちゃんと保護されているんだというふうに言われてきているんですけれども、私は、こういう新しい事態に対してやはり新しい対応が要ると思いますし、それから、日本の場合、これは厚生省等ともいろいろやってきたんですけれども、例えばダイオキシンの汚染の場合でも、乳幼児に与える影響とか、乳製品とか、ダイオキシン類の食品規格というのが子供とか赤ちゃんとか、それから妊婦とか、そういう人たちを対象にした基準にはなっていないという点で随分改革を要求してきましたけれども、それらもほとんどこれは考えられていないわけです。 ですから、これは一つは、私は環境大臣に、やはりそれは食品という形で切ってしまえる問題じゃない部分が多いと思うんです。ですから、食品は厚生省という形ではなくて、やはり環境という視点で、遺伝子操作食品の流通をめぐってのいろんな問題についてぜひこれを検討していただきたい、このことについてまず環境大臣から考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 環境省が対応していかなければいけない環境問題というのは実はたくさんございまして、その中に委員がおっしゃられたような遺伝子組みかえ作物、生物の話もございますし、その他国民の安全と安心にかかわる問題も非常に多くあるわけでございます。 環境省といたしましては、全力でそういった問題に取り組んでおりますけれども、冒頭、清水委員がいみじくもおっしゃっていただきましたように、二千七百億円という予算でございますし、非常に大ざっぱに言いまして千人という人数で対応しているわけでございまして、ぜひ今後とも、二十一世紀に向かって環境省がそういったさまざまな環境省が対応するのに必要なことに対応していけますように委員の御指導、御支援をぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そうはいいましても、現在の予算なりあるいは現在の陣容でやるべきことはやっていかなければいけないというふうに私ども思っておりますので、各省それぞれ設置法でやるべきことというのが決まっておりますので、関係の省庁と連携をとりながら全力を尽くして取り組んでいきたいと思っております。
○清水澄子君 厚生省、きょう来ていただいておりますね。じゃ、厚生省の方に質問いたします。 今、私が環境大臣にお尋ねしていたことの流れなんですけれども、遺伝子組みかえトウモロコシの花粉でチョウチョウの幼虫が死んだという、この情報などでは非常に皆衝撃を受けたわけです。そういう安全性をめぐって、そういう意味での遺伝子組みかえの生物とか植物とか、そういう問題に非常に不安が広がっているわけなんですけれども、そういう中で、今そういう遺伝子組みかえトウモロコシのスターリンクが食品に混入しているというようなものが日本にたくさん入っているというので、今、母親たち、女性たちの間では非常にこれらの問題に関心が高まっています。 そういう中で、食品安全行政というのはそういう今日的な状況のもとでどう対応していくのかという中では、食品衛生法の見直しもほとんどなされないわけなんですけれども、ぜひ私は、厚生労働省は今、先ほど申し上げた予防原則、カルタヘナ議定書の予防原則の精神というものを組み込んだ、そういう食品衛生法の改正等をやはり検討すべきだと、このように思いますので、その点について一つ。 もう一つ、一緒に質問してしまいます。 コーデックス委員会の遺伝子操作食品規格の指針の草案がことし一月に発表をされておりますが、二〇〇三年に施行を目指すとしているわけですが、日本とEUとアメリカとの対立の構造の中でまとまるのかどうか、その辺において厚生省はどのような見通しをお持ちなのか、この点を質問させていただきます。
○政府参考人(尾嵜新平君) 遺伝子組みかえ食品の安全性も含めた形での食品衛生法の改正についてのお尋ねでございますが、先生もよく御承知のとおり、生活協同組合連合会の方からも食品衛生法の改正なり運用についての御要請なりもございます。 私どもの方としては、現行の食品衛生法そのものが法律上規定しなければいけない事柄、あるいは今申し上げました運用で対応する事柄、そういったことがあるのではないかというふうに思っておるわけでございます。例えば、遺伝子組みかえ食品に関しましては、この四月から先生御存じのとおり食品衛生法上の義務として、一つは安全性の審査を義務化する、あるいはその表示を義務化する、そういった法律上の対応という形の整理をしているわけでございます。 それ以外にもいろいろな御指摘がございますけれども、食品についていろんな情勢が変わりつつございますけれども、私どもは今の枠内で対応できる事柄、そうでない事柄が出てくれば十分検討しなければいけないというふうに考えておりますが、今のところ御指摘のような問題については現行法の中で対応できるのではないかなというのが私どもの考え方でございます。 二つ目のコーデックス委員会の関係でございますが、この二十五日から幕張で第二回目の会議が開催される予定になってございます。事前に、ワーキンググループというものがございまして、そこで、一つは一般原則というもの、もう一つはガイドラインというもので、遺伝子組みかえ食品についての基準と申しますか国際的な規格についての特別部会での御検討をいただくということになっておりまして、ワーキンググループの方からそのドラフトにつきまして各国なり団体の方にお示しをして意見をいただいております。御指摘のとおり、アメリカとあるいはヨーロッパの国との間で意見の異なる点もございます。 私ども、今回この特別部会については日本が議長国になってございまして、基本的には科学的な観点からの十分な議論をしていただきたいというふうに考えておりまして、その中で意見の集約なりあるいは合意の点に持っていくというふうな努力を議長国としてはいたしたいというふうに考えておりまして、いずれにしましても、こういった一般原則あるいはガイドラインにつきまして積極的に国際基準の策定に努力してまいりたいというふうに考えております。
○清水澄子君 終わります。
○中村敦夫君 まず最初に、原則的なことを大臣に確認したいんですけれども、環境省のパンフレットなどを参考にしますと、環境影響評価法の大きなポイントについて、アセスメントの方法を決めるに当たって住民や地方公共団体の意見を聞く手続を設ける、つまり単なる環境調査にとどまらず、住民や関係機関との合意形成プロセスを導入したことにあるという趣旨が説明されていますが、そのとおりだと受け取ってよろしいのでしょうか。イエス、ノーで結構でございます。
○国務大臣(川口順子君) イエスでございます。
○中村敦夫君 はい、イエスですね。 じゃ、今度は国土交通省に質問したいんです。 これは、八代海の環境調査についての質問ですけれども、熊本県の八代海沿岸の漁協、漁民がこぞって川辺川ダム建設の影響について不安を訴えているわけですね。そして、環境アセスの実施を求めているということは御承知のとおりです。 これに対して、扇国土交通大臣は三月七日の参議院予算委員会で、現段階ではダム建設が下流の漁業へ与える影響はないと考えているというふうに答えていますが、同時に、八代海の環境調査に早急に取り組むというふうに調査実施を明らかにもしているわけです。 しかし、現段階ではダム建設が下流の漁業へ与える影響はないと考えているという、影響はないと考えているというこの大臣の答弁、これは何を根拠に言っているわけでしょうか。
○政府参考人(竹村公太郎君) お尋ねの球磨川流域におきます川辺川ダムは、二市七町六村の十二万人の生命、財産を救うための洪水調節のダム、主目的はそうでございます。 このダムが今お尋ねの八代海への影響は基本的にないというお答えの内容について御説明します。 ダムから、この流域から、球磨川から八代海へ流れる流量は、年間三十七億トンでございます。このダムは一億トンのダムでございますので、三%弱、二%ちょっとの影響があるかと、数字的にはそうなりますが、ダムというのは水をいわゆる食べてしまうものではなくて、ダムが大きい洪水のときそれをためて、少ない水のときそれを流していくということでございまして、年間トータルしますとダムそのもので一滴も水を消費するわけではございません。 さらに、流量的にはそういうことでございますので、ダムができたとしても年間の流出量、流出量は一定でございますが、問題は温度または水質等がダムをつくると変化があるのではないかということにつきましては、私どもは最新設備としての選択取水設備、これはダムの貯水池の中で一番適切な温度または一番清浄な層の部分を抜き取って下流に放流する装置、最新設備がございます。 またさらに、これに加えて清水バイパス、ダムの上流からきれいな水が入ってきた場合、その水をそのままダムの下流へ流すということによりまして、その水温または濁度につきましては十分対応できる、現在とほぼ同じ程度の水質にキープできるということ。 三番目におきましては、海域へ流れ込む栄養塩類、栄養素でございます。特に生態系に重要な栄養素でございますが、多くの栄養塩類がありますが、アンモニウム体窒素、亜硝酸体窒素、硝酸体窒素等、カリウム、カルシウム等の栄養塩類はほとんどは水に溶けてございます。重金属ではございません。水に溶けて下流に流れていきますので、この栄養塩類は従来どおり同じ河川から海域へ供給できる。 以上の点から、私どもこの川辺川ダムの建設によって八代海への影響についてはないと判断したという内容になってございます。
○中村敦夫君 その程度の説明でダムの問題を影響がないと考えているという答弁の根拠になるというのは、びっくりするような話ですね。そんな単純な話でダム問題が今あるんじゃなくて、もっともっとたくさんの専門的なデータが出ているわけですから、そんな理由でこういう発言をされたということは、これはちょっと大問題だと私は思うわけです。 影響がないと言いながら調査をするということなんですね。そうすると、前提にそういう結論が先にあるわけですから、そういう調査というのは当然形式的でお手盛り調査になる危険があるんじゃないですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 私ども、影響がないという科学的な判断と、これから熊本県並びに八代海の漁業関係者の方々が調査をしていただけないかという要望を受け取って私どもがそれにこたえて調査するということは、何ら矛盾していないと考えてございます。 調査の内容でございますが、環境調査をきちんとやろうということで、これから私ども、熊本県当局や地元の漁業の関係者とも連携をとりながら調査の内容について決めて、そして実施する予定でございますが、八代湾の水質や例えばDO、COD、そして栄養塩等々でございます、あと底質、強熱減量等、全硫化物等のさまざまな項目がございますので、これらをきちんと長期的にはかっていくと。 スムーズにダムが完成しましても、完成するまではあと六年、七年ございますので、その以前はそのまま自然の状態でございますので、現在からスタートしてきちんと現状の水質を把握し、そしてダムが完成し運用された以降も長期的にきちんとそれを測定していけば、私どもこの川辺川ダムに関する八代湾のデータは蓄積され、そして関係者にさまざまなデータをオープンにしまして、御議論の対象となっていただけるような調査をきちんとやっていこうという姿勢でございます。
○中村敦夫君 調査委員会というものはつくるんですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) はい。これからどのような形になるかはわかりませんが、現在のところ、国土交通省は私ども河川局、そして海上保安庁、気象庁、港湾局と、海域に関する関係局が国土交通省と一体となりましたので、国土交通省は当たり前でございますが、農林水産省の水産庁、そして環境省、そして熊本県の各機関と連携をとりながら、そしてさらに海域に実際生活をしていらっしゃいます漁業関係者の方々と連携をとって、この調査に当たりデータはすべて公表していきたいと考えてございます。
○中村敦夫君 その連携をとるというのは、調査委員会に全員入るということですか。その際に漁民や環境保護団体というのも参加するんですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 私ども川辺川ダムでさまざまな環境調査を実施してまいりました。昭和五十一年からは動植物を初めクマタカ、猛禽類等の調査をしてまいりましたが、それらの調査の中にはすべてNPOの方々、自然保護団体の方々という、学者、学校の先生以外にもそういう民間のボランティアの方々も入っていただき調査をしてございます。そして、データはすべて熊本県当局にもお示しし、インターネットでもすべてオープンにしてございます。 今回の海域調査は、これからスタートしますので、現時点ではだれとだれとということはまだ決まっておりませんが、私ども九州地方整備局は、地域の方々、漁業組合の方々も含めて関係者も調査チームに入っていただくようこれからお願いしていくことになるかと存じます。
○中村敦夫君 そういうことで、調査委員会というのは全国各地のダムだとか堰だとかそういうところで出てくるんですけれども、大抵の場合はもう本当に省庁お抱えの御用学者さんたちがずらっと並んでいく、そしてダム推進派の住民代表が参加していくというのがこれパターンなんですね。それで結局、建設推進という結論を出すための議論をする、理論をつくり上げるというのがこれはパターンになってきています。 吉野川可動堰なんかの場合は、そういうデータに対して民間から学者さんたちあるいは専門家たちが集まってそれを別な形で調査していくと、全く元建設省の出してきているものとは違う。それで突き合わせていくと、科学的にも完全に論破されてしまって、全く整合性のないものだということがわかってくるということがあるわけなんです。 ですから、今回もそういう調査会をつくるのであれば、これはやはり反対をしている側の人も平等に入れていかなきゃいけないと思うんですが、どう思いますか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 私ども国土交通省は現地でさまざまなプロジェクトを実施しておりますが、いわゆる環境を心配されている方々も一緒に入ってもらうという方向の公開的な、公開をする形での調査を実施しているのが実情でございます。もしそういうことができないときでも、データはすべてオープンにし、調査手法等も全部オープンにして、皆さん方がそのデータにアクセスできるようなことを考えてございます。 本件の場合も、私どもまだ漁業関係者にお話ししてございませんので、どういう形になるかわからないのでここではこれ以上のことはお話しできませんが、なるべく幅広の関係者が多岐にわたるような形でこの調査を進めたらと考えてございます。
○中村敦夫君 賛成派、反対派というのはどちらかというと局部的な人々なんですね、いつも。ですから、やはり全般に市民たちが求めているのは、法に基づいた環境アセスをぜひやってもらえないかという声が一番強いわけですよ。これをやる気はありますか。
○政府参考人(竹村公太郎君) この環境アセスメントにつきましては、この環境委員会でも何度もお話しさせていただいたような気がしますが、環境影響評価法は平成九年六月に成立しまして、それ以前にスタートしていた事業については、川辺川ダムだけではございません、すべての事業につきましてそれは対象としないという法律になってございます。 かといって、私ども、環境アセスメントを法律に書いてあるからしなくていいということではなくて、この事業は五十一年から動植物の調査を行いまして、延々とやっておりましたが、そのすべて、平成十二年六月には「川辺川ダム事業における環境保全への取り組み」という形で報告書を出し、熊本県知事に提出し、インターネットでそれをお見せし、ホームページの中でさまざまな御意見を伺いながら、またお答えしているというようなことを繰り返してございまして、環境アセスメント、いわゆる法律に基づいた手続ではないということははっきりしておりますが、それと同等または準ずるような内容のある環境調査及び評価をしていると私ども自負しております。
○中村敦夫君 そのお答えどおりだったらば問題はないんですけれども、それが信じられないという声がたくさんあるわけですね。それで、諫早湾のああいうおざなりな調査というもので、みんな漁民もだまされたわけですよ。ですから、思い切ってここではこれをやる。別に法律的にはやらなくてもいいということになっていますが、いいことだったらやるべきなんですね。そのことを強く要求したいんです。 次の質問は、要するにこれから調査をやると。ちゃんとしたものをやってほしいんですね。そして、その間はやはり川辺川ダムの本体着工というものは凍結すべきだというふうに思っておるんですが、またこれは当然のことじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(竹村公太郎君) 熊本県にあります人吉盆地は、上から地形を見ますとまるですり鉢のようになっておりまして、三百六十度の山から一気に雨が押し寄せまして人吉盆地に突入してくる。人吉盆地は過去三十年間に九回大きな災害がありまして、多くの方が亡くなっております。この人吉盆地の洪水を防止するという切なる願い、十二万の切なる願いから、早急にやっていただきたいという声が球磨川筋の沿川市町村から沸き上がっております。なお、一方で、海域への心配、さまざまな環境への心配をされている方もあるというのも事実でございます。 私ども国土交通省としましては、国民の生命と財産を守るということをベースにしまして、一刻も早くこの事業を進めていきたいと思っておりますが、流域の方々の御理解を得ながらも、丁寧に事業を進めていこうとしている段階にございます。
○中村敦夫君 球磨川の洪水というのは昔からあるわけですね。それを利用して、土地が豊かになったり、人々はそれが来ることを察知できていろんな用意をしていた、そして、むしろ楽しんでいたというような話さえ伝わっているようなものです。大洪水があって大被害が人吉盆地に起きたのは、球磨川の上流にダムをつくったからなんですね。それが大洪水の原因だったということがもう一般に言われているわけですから、建設省がそんなことを言ったって土地の人は信じないんですよ。ですから、やはりとにかくやってしまってからしまったということはまずいんです。やらないことは非常に簡単なわけですから、ぜひ凍結してもらいたい。 環境省の方に質問しますけれども、今回の国土交通省が表明した自主調査というものに対して、客観性確保の観点から、環境省としてはどのように関与するのか、簡単にお答えいただきたいんです。
○国務大臣(川口順子君) 国土交通省から環境省に対しまして協力依頼があったということを事務当局から聞いております。環境省といたしましては、必要な協力をさせていただく所存でございます。
○中村敦夫君 その必要な協力も国土交通省に頼まれたような協力じゃないことを祈りたいというふうに思います。 次に、水産庁に質問したいと思います。 これは、熊本県漁政課の球磨川漁協に対する指導のあり方についてです。漁業補償を否決しました球磨川漁協は、そもそも理事会の多数をダムの反対派が占めていたわけですね。ところが、昨年の九月に、役員任期を残して、ダム推進派が大半を占める新理事会に取ってかわられるという異常な事態が起きたわけです。 なぜこんなことになったかというと、経過としては、昨年七月四日、球磨川漁協の監事四名が熊本県漁政課の高木課長と西本参事を訪ね指導を受けたということから始まるわけですね。ここにそのときの指導記録があります、これ。公文書できちっと残っているわけですけれども。これによりますと、熊本県漁政課は、ダム推進派と反対派の争いを解決するための手段として、理事の勢力を均等化することと総代会の議案を双方が納得できるものにするということを提案しているわけです。ところが、同じこの指導記録には、漁協の理事の業務執行は適正であるというふうに記されているんですね。適正である場合にはこうした提案とか強要をするのはおかしいわけなんですけれども、この提案の中で、理事の勢力を均等化するということは多数派だったダム反対派の切り崩しという意味にほかならないわけですよ。 それで、その結果、反対派理事の切り崩しが実際に行われたわけです。それ以後、補償交渉委員会の設置だとか新理事会発足、交渉の開始ということが急速に進んできたわけですね。要するに、熊本県の漁政課の提案したとおりのシナリオで事態が動いていったわけですよ。 熊本県漁政課の指導というのは水産業協同組合法に基づく指導としてはやっぱり全く不適切な行為と思わざるを得ないんですけれども、水産庁の考え方はどうですか。
○政府参考人(白須敏朗君) お答え申し上げます。 ただいまの中村委員の御指摘でございますが、御案内のとおり、球磨川漁協の監督行政庁、これは県に満たない範囲でございますので、これは熊本県でございます。県が直接に漁協に対して指導監督を行っているわけでございます。 そこで、ただいまの中村委員からの御指摘もございまして、私どもといたしましても、県の方にそういった指導の内容につきまして確認をさせていただいたわけでございますが、ただいまの委員からの御指摘のようなそういった意味での理事の勢力の均等化でございますとか、つまりそういった、何といいましょうか、ただいま御指摘ございました切り崩しとかそういったような指導があったというふうなことにつきまして県に確認をいたしましたけれども、そのような指導は行っておらないというふうに県からは回答があったわけでございます。
○中村敦夫君 だって証拠書類があるんですよ、ここに。数もわかっているわけですよね、七人のうち、それが二人が切り崩されたわけですから。そんな話はうそ八百であるというのは明らかじゃないですか。 もう一つ不可解なことがあります。球磨川漁協の新理事会ですよ。今度は賛成派が多くなってしまった理事会。これは組合員が請求した総会や役員改選総代会を開いてくれというのを開かないまま通常総代会の議案に補償契約締結を盛り込んでしまったわけですね。 こういう運営の仕方というのは、これは水産業協同組合法に完全に違反しているわけですけれども、これについて、三月十九日の熊本県議会において問題だらけの漁協運営の質疑が行われております。ここでは、熊本県漁政課が総会と役員改選を議題とする総代会を開催するように十二月二十五日に漁協執行部に勧告しているわけですね。ところが、二カ月もたって、二月二十八日の補償締結議案の総代会に至る、なぜかより強力な命令を下さなかったわけですよね、知っていながら。これが非常におかしいわけですけれども、この県議会の質疑で、この件に関しては水産庁から指導はなかったのかというふうに質問されています。そうすると、熊本県の漁政課は、水産庁といろいろ連絡をとりながら対処しているというふうに答弁しているわけですね。 総会開催請求や役員改選の総代会開催請求に応じることなく、二月二十八日、通常総代会で補償契約締結などを議決しようとしたことは、これは水産庁としても見逃せない事態だと思うんですけれども、水産庁としては熊本県漁政課に対して何らかの助言や指導はしなかったんでしょうか。そして、熊本県漁政課は水産庁といろいろ連絡をとりながら対処していると言っているんですから、助言、指導しなかったとすれば、違法状態を知りながら水産庁は放置していたということになりませんか。
○政府参考人(白須敏朗君) 委員の御指摘のとおりで、私どもといたしましても、県から水協法の解釈でございますとかあるいは技術的助言といったようなことを要請がございますれば、それぞれ適切に必要な助言を行ってきておるわけでございます。 そこで、お話しのようなことにつきましても、熊本県からも状況の説明なりあるいは水協法上の取り扱いといったようなことにつきまして随時連絡、照会もございまして、私どもとしましても、総会開催が適当である、あるいはまた組合が従わなかった場合には最終的には水協法百二十四条第一項の規定ございまして、これはまさにお話しの改善措置命令ということでございまして、そういうのがあるというふうなことまでも私どもとしましても説明なり助言をしてきたところでございます。 ただ、これは、御案内のとおりなのでございますが、県域を超えませんいわゆる球磨川漁協に対します指導監督につきましては、これは一応県の自治事務ということでございまして、そういった意味では国が県に対して強引に、強引にといいますか、県に対しましてこうしろああしろというふうな実は立場にはないわけでございます。ただ、私どもとしましても、今委員の御指摘のとおり、組合のやはり適正な運営が行われる、あるいはまた早期に違法状態を脱するということは、これは当然のことでございますので、県に対して必要な措置をとるように強く要請もしてまいったわけでございますが、県に私どもとしても確認をいたしましたところ、改善措置命令をかけるということがかえって現場の混乱を大きくするというふうなことで、その判断から県としては命令をかけなかったというふうに聞いているわけでございます。
○中村敦夫君 しかし、これ、完全に違法行為でありますし、大変なテーマを決めるというような問題で、ただお話し合いをしているというだけではこれは済まない問題だと思うんですね。水産庁に根本的な責任が私はあると思うんです。 ですから、最終的にはこの法の適用というところまで、こういう場合に、ふだんは余計なことを言わなくていいんですから、こういう場合にこそそうしたものを強く助言、指導するというのが仕事じゃないんですか。
○政府参考人(白須敏朗君) ただいま申し上げたとおりなのでございますが、私どもとしても一刻も早くそういう違法状態を脱するようにということで県に対しまして強く要請をしてまいったわけでございますが、そこのところの水協法百二十四条第一項の発動、この命令の発動につきましては、やはりこれは最終的には県の裁量の範囲内であるというふうなことでございまして、そこのところは私どもとしても強く申し上げたわけでございますが、最終的には県の裁量、県の判断の範囲であるというふうなことでございます。
○中村敦夫君 川辺川ダムの問題については、上流から中流から下流に至るまでさまざまな問題を引き起こし、それをクリアに解決しないまま、まずダムをつくるんだということで、非常に不健全なやり方の弾圧、圧力、切り崩し、そして省庁と賛成派の漁民たちの談合とか、そういうことの黒い塊のような形で進んでいるわけですよ。そして、これがまた全国のダム建設の現場で同じようなパターンで起こっている。 しかし、川辺川問題というのは一番シンボリックな形でいろんな問題が出ておりますから、ここのところは、ただただつくるのを先決にして、それを後でいろいろな委員会だとか調査だとかという形式的なことだけで済ますとこれは大変なことになる、日本じゅうの大きな問題となって広がっていく。そういう意味からしても、要するに国民の利益と健康のためにそれをまず考えて対処するというふうに、特に環境省は強い意思を持ってそういう指導をし、関係の各、水産庁でも農水省でも、あるいは国土交通省でも、もう時代が変わったということを認識して取り組み方を変えていただきたいと、これを要請して質問を終わります。
○委員長(吉川春子君) 以上をもちまして、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉川春子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十四分散会