外交防衛委員会 第16号
- 発言数
- 239 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/06/26
会議録
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、川橋幸子君及び長谷川清君が委員を辞任され、その補欠として佐藤道夫君及び齋藤勁君が選任されました。 また、去る十三日、木庭健太郎君が委員を辞任され、その補欠として高野博師君が選任されました。 また、昨日、月原茂皓君が委員を辞任され、その補欠として金石清禅君が選任されました。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に佐藤昭郎君、益田洋介君及び小泉親司君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に外務大臣官房長飯村豊君、外務省総合外交政策局長谷内正太郎君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省経済協力局長西田恒夫君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛施設庁長官伊藤康成君、警察庁警備局長漆間巌君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、経済産業大臣官房審議官仁坂吉伸君、海上保安庁長官縄野克彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 まず、外務大臣及び防衛庁長官から今般の訪米に係る報告を聴取いたします。田中外務大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、六月十六日から十九日まで米国を訪問し、パウエル国務長官との間で日米外相会談を行いました。そのほか、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官及びゼーリック米国通商代表と会談を行いました。また、ライス補佐官との会談の途中にブッシュ大統領とチェイニー副大統領ともお会いしました。 日米外相会談においては、日米同盟関係の重要性を再確認した上で、ミサイル防衛構想の検討につき我が国政府の理解を伝えたほか、沖縄問題、地球温暖化対策等の問題につき率直な意見交換を行い、非常に有意義な会談を行うことができたと考えております。 また、ライス大統領補佐官及びゼーリック通商代表とそれぞれ安全保障問題や経済問題を議論いたしました。ブッシュ大統領からは、小泉内閣総理大臣の訪米を楽しみにしている、その際、安保、経済、京都議定書等、幅広い問題につき話し合いをしたいとの発言がございました。 私は、これら一連の会談において、それぞれの方々と大変和やかな雰囲気でお話をする機会を得、個人的信頼関係を築くとともに、当初の目的であった小泉総理大臣訪米の地ならしを行うことができたと考えております。 今後とも、米国政府との間の率直かつ忌憚のない対話による緊密な政策協調を通じ、日米同盟関係強化に努めていく所存でございます。 以上です。
○委員長(服部三男雄君) 中谷防衛庁長官。
○国務大臣(中谷元君) 先週末行われました日米防衛首脳会談及びフレシェット国連副事務総長との会談について御報告申し上げます。 まず、日米防衛首脳会談においては、ラムズフェルド長官より国防見直しについて説明があり、私から有事法制、集団的自衛権の最近の状況を説明しました。また、戦略的観点からの対話の枠組みについて、私から、審議官級による意見交換の場の設置を提案したのに対し、ラムズフェルド長官より、好ましいことであるとの発言があり、事務レベルに詳細に検討させることで意見の一致を見ました。また、私から、米国のミサイル防衛計画に対する日本政府の立場を確認しつつ、仮に我が国が弾道ミサイル防衛システムを保有する場合、我が国の防衛のために我が国が主体的に運用するシステムを保有する考えである旨発言いたしました。 次に、普天間飛行場代替施設の使用期限につきましては、地元首長より政府に対し強い要請があり、これを重く受けとめており、この点を伝達しました。さらに、在沖縄海兵隊の一部訓練の移転について検討を要請したところ、米側より、地域社会の懸念に十分配慮する姿勢の表明がありました。 このほか、多国間協力について意見交換を行った後、朝鮮半島問題については韓国の立場に十分配慮することが必要であることで意見が一致しました。 次に、国連本部においては、フレシェット国連副事務総長との間で防衛庁長官として初めての本格的な政策的対話を行い、私から、PKF本体業務凍結解除、我が国の武器使用の現状等を説明いたしました。武器使用の現状については、先方から、これの見直しによりPKO参加が促進されればありがたいが、他方、過大に懸念する必要もない旨の発言がありました。また、東ティモールの新たなPKOに関する日本の関心につき先方から質問があり、私から、任務、規模等が明らかになった段階で国連のニーズ等を踏まえつつ検討してまいりたい旨伝えました。 さらに、今後の我が国によるPKOへの取り組みについては、私から、国連PKO局への自衛官の派遣、UNDOFの充実、停戦監視要員や人道的救援活動への前向きな取り組み、国連等への意見交換のためのミッションの派遣等に関し提案したところ、副事務総長から、これら幅広い検討に対する謝意の表明等がありました。 今回の訪米は、防衛首脳会談において二十一世紀においても日米同盟の重要性は不変であるとの認識で一致することができ、また、国連本部訪問については国際貢献への取り組み等に関する認識を深めることができたという点で、いずれも非常に意義深いものでありました。 以上、私の報告とさせていただきます。
○委員長(服部三男雄君) 以上で報告の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○金石清禅君 私は、去る十三日に、不思議な御縁で十三日の期間をいただきまして登院させていただいておる金石でございます。 きょうがちょうどその十日目でございますので、伝統あるこの委員会で質問させていただくことを先輩諸兄に心から感謝申し上げる次第でございます。 今、外務大臣から、お忙しい中、アメリカを訪問された報告をいただきましたが、この書面だけでは感じ取れない部分がちょっとありまして、お許しいただければ少し教えていただきたいと思うんです。 一つは、このたびの訪米の中で、外交、なかんずく安保問題等々についてどのような発言をなさってこられたか。特に、この書面には載っておりませんけれども、アーミテージさんとの会談の中で、外相はアーミテージ・レポートを評価するというお言葉を使っておられましたけれども、この評価というのは、アーミテージ・レポートの中には、国連の安全保障理事会に入るのなら集団的自衛権を認めることは当然であるということが書いてございます。このことについて、まず外相のお考えをお伺いしたいのでございます。
○国務大臣(田中眞紀子君) アーミテージさんと直接お話ししたのは、本当にパウエル長官がもう話をほぼ一〇〇%やっておられまして、わきに座っておられて、パウエル長官から促されて私がこの話をしましたときにちょっと発言なさった程度でございました。 私がこのレポートについていい点があると思いましたことは、例えば沖縄の負担。日米同盟はまず大事である、これは基軸であるということをもちろん述べておられることが一つですね。それで、途中で、アメリカのプレゼンスは必要であるけれども、さらに沖縄の負担というものを軽減するという方向でしっかりと考えなければいけないということを述べておられるということが二点目。それから三つ目は、やっぱり訓練の移転とか、訓練というものがすべて集中しないように、そういうことについても具体的に触れておられる箇所がございます。 ですから、私は具体的にこれこれということは申しませんでしたけれども、アーミテージ・レポートという表現も私はしないで、二〇〇〇年の十月でしたか何月でしたかに出た、アメリカの国防大学の何か施設で出された特別レポートという言い方をいたしましたらば、パウエル長官が、それはアーミテージ・レポートですねと言われて、アーミテージさんに何かコメントはあるかというふうに振られたので、アーミテージさんは、そこのところ、大変光栄だという言い方をなさったのでございますけれども、ただ、アーミテージさんが言われたのは、これについては日本に自分で決めていただく、日本のイニシアチブでもちろん決めることであって、自分は問題点を整理しただけであるとおっしゃっておられました。ですから、集団的自衛権について云々というふうな話は一切ございません。
○金石清禅君 ありがとうございます。 次に、ブッシュ大統領はいわゆる同盟国重視の姿勢を鮮明になさっておられますけれども、昨日の委員会でも外相は、弾道ミサイルが、かつては二カ国しか持っていなかったものが四十一カ国にもう拡散しているということをおっしゃいました。 日本にとりましては、この問題にどう対応するかということについては、ヨーロッパ諸国とも違いますし、中国ともまた違う。こういった中で日本独自の考え方を持たなければいけないと思いますし、アメリカ頼りの、本当に日本の立場というのが微妙な立場にあるんですが、理解するとか、こういった言葉だけではなかなか防衛に対する問題、なかんずく日本はテポドンとかああいった日本の領土の中にまで落とされた経緯もありますし、こういったものに対する、迎撃に対する考え方というのはもうちょっと積極的に出てもいいのではないかという考え方を持っておりまして、その辺について外相の所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) できる範囲でお答え申し上げますが、金石委員に申し上げますが、これは通告がない問題を先ほど来聞いていらっしゃいますので、ちょっとそこを御認識いただきたいというふうに思います。 今のお尋ねに対してでございますけれども、今おっしゃったとおり、四十一の弾道ミサイルを有する国が地球上にあるという事実を考えまして、アメリカのミサイル防衛構想の中で、大量破壊兵器ですとかあるいは弾道ミサイル、そうしたものの核の拡散といいますか、そういうことを防止するために考えていくというようなことの重要性について、私どもはその方向性というものに共感をしているということでございます。 そして、パウエル長官も、やはり関係国の理解が必要であるということは何度もおっしゃっておられましたけれども、無責任な国家の存在というものを意識していなければいけないし、それから、防衛と攻撃の両方から考えていく抑止というものの枠組みを検討していくことが重要であるということをお述べになりました。
○金石清禅君 ありがとうございます。 次に、防衛庁長官にお伺いしますが、昨日発生いたしました北海道の自衛隊機の事故でございます。何か撃っていないということをパイロットが言っているにもかかわらず誤射という事件になっておりますけれども、今わかっている範囲で結構でございますけれども、あってはならない事故が起きておりますけれども、こういったことについてどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(中谷元君) この事故につきましては、昨日の十時五十五分ごろでございますが、北海道千歳市の島松射撃場におきまして、航空自衛隊のF4型ファントム戦闘機がロケット弾による訓練を実施していたところ、搭載している二十ミリ機関砲から訓練弾百八十八発が不時発射をされまして、その一部が射撃場の外部に落下して、北広島市のリハビリセンターの施設や民間の車両に被害を与えたことでございます。 この件につきましては、私としてはこのような事故はあってはならないと考えておりまして、重ねて、地元の自治体、そして被害に遭われた施設の方々、そして御心配、御迷惑をかけました周辺住民の方々に深くおわびを申し上げる次第でございます。 防衛庁としては、昨日、直ちに調査チームを現地に派遣しまして原因の調査を開始いたしました。加えまして、航空自衛隊全機につきまして、弾薬、ミサイル等を搭載しての訓練をすべて中止する措置をとったところであります。 なお、夜になりまして平沢防衛政務官を現地に派遣しまして、直ちに部隊に対して改めて事故原因の究明について指示するとともに、予断、予見、私見を入れずに、人的物的を含めまして、この原因の徹底的解明や安全対策に全力を挙げる次第でございます。 平沢氏は、本日は、北海道の知事、北広島市長を初めとする自治体の長、また被害を受けた方々のもとに赴きまして謝罪を申し上げると同時に、事故現場におきまして原因の解明にも参加する予定でございます。 現状は以上でございます。
○金石清禅君 ありがとうございました。 自衛隊に絡みまして、私、かつて海部内閣当時に、湾岸の大きなトラブルの中で自衛隊の掃海艇を出しまして、さらに、いろいろかんかんがくがくの論議の中で、半年後横須賀へ私も出向きまして、軍艦マーチでお迎えしたという経験を持っております。 そういった意味で、これからの自衛隊に対してどのようなことを考えておられるか。あるいは、最近、相次ぐ天災とか国民に対する大きな危機が参っておりますけれども、こういった天災のときに自衛隊が果たした役割というのは極めて大きいものがございます。この辺について、本当の意味で今のような状況でどのように自衛隊を位置づけていくのがいいというふうにお考えなのでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 基本的には、昭和三十二年に国防の基本方針が定められましたけれども、日本国憲法のもとに我が国は、外交の努力及び内政の安定に努めて、安全保障の基盤の確立を図りつつ、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従いまして、日米安全保障体制を堅持しつつ、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を自主的に整備するという方針に変わりはございません。 ただ、冷戦が終わりまして、非常に世界が不安定、不透明になっておりまして、新たな脅威というものができつつあります。この新たな脅威というのは、災害であったりテロであったり、海賊等、事件事故等、国を超えた国家の脅威というものがあらわれるようになりましたので、我が国の自衛隊といたしましても、国を守る組織といたしまして、このような新たな脅威にも対処できるようにすべく態勢の整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
○金石清禅君 今の答えで私も納得がいくんですけれども、この春一番に、二十一世紀が始まって役所の統廃合が行われました。その中に防衛庁という形で、特殊な形で省への昇格ということがなされなかったんですけれども、大臣はこのことについてどのようにお考えか。 私は、これだけ国民の生命と財産を守っている自衛隊を抱え、そしてまた、本当の意味でこれから防衛省となってもいいのではないかということを強く考えている一人でございますけれども、その辺に対して、御出身の立場もございますから、ぜひ勇気ある御発言をしていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) ありがとうございます。 国の安全保障、国家の防衛というものは、国民の生命、財産をつかさどる国家にとって大変重要な部分でございまして、いかに国がそれを位置づけるかということは、ひとえに命がけで働いている自衛官の士気にも影響することでございます。私は、自衛官が自信と誇りを持って我が国の防衛に当たれるように一日も早く防衛省に昇格するように願っているところでございますが、この件につきましては、何といっても国民の皆様方の合意とそして御了解が必要でございます。国民を代表される国会の場でその点につきまして積極的に御議論をいただきまして、一日も早く国防省もしくは防衛省に昇格をさせていただくということは私の願いでございます。 事務的にどういう不都合があるかと申しますと、災害派遣とか緊急事態で、閣議にかけまして総理の御承認をいただかなければなりませんが、直接閣議に私が提案をすることはできません。内閣府の事務手続を経て閣議にかけられるということもございますし、また人事や予算につきましても同様な事務手続がございますが、そうなりますと、時間の経過並びに意思の伝達の処理もございますので、そういう物理的な面も含めまして、国防省もしくは防衛省に昇格を願いたいというふうに考えております。
○金石清禅君 もう一問だけ。 最近の北朝鮮の動向というのがいろいろ報道されてはおりますけれども、遅々としてなかなか進まない問題があります。防衛の立場から、あるいはこれからの専守防衛という立場から、北朝鮮の脅威というものはもうないんでしょうか。どのように受けとめられているか、北朝鮮情勢についてお伺いできればと思います。
○政府参考人(首藤新悟君) 北朝鮮につきましては、南北対話や米朝協議が進展しまして朝鮮半島の緊張が緩和することが期待されるわけでございます。しかしながら、朝鮮半島におきましては、韓国と北朝鮮を合わせて百五十万人程度の地上軍が非武装地帯を挟んで対峙しておりまして、この軍事的対峙の状況は現在も変化しておりません。なお、最近では、朝鮮半島の海の軍事境界線でございます北方限界線あるいは韓国の領海を北朝鮮の艦艇が侵犯する事例が頻発しております。 北朝鮮は、経済が困難な状況にありながら人口の約五%が現役の軍人と見られているなど、依然として軍事面にその資源を重点的に配分しまして、南北首脳会談後も近年にない大規模な演習を初めとする各種の訓練その他の所要の活動を行い、また、長射程砲の前方配備の増強、地上軍部隊や航空部隊の再編成など、即応態勢の維持強化に努力いたしております。 また、核兵器の開発疑惑を持たれているだけでなく、スカッドB、Cの生産、配備やノドンを配備している可能性も高いと判断されますほか、さらに弾道ミサイルの長射程化のための研究開発を行っていると考えられるなど、弾道ミサイルの開発、配備を行い、さらには約十万人に達して世界有数の規模であると考えられます大規模な特殊部隊を保持していると考えられます。北朝鮮のこのような動きは朝鮮半島の軍事的緊張を高めておりまして、日本を含む東アジア全域の安全保障にとって重大な不安定要因となっております。 アメリカは今月の六日、北朝鮮政策の見直しの完了を発表いたしました。このようなアメリカによる対北朝鮮政策の見直しが朝鮮半島の緊張緩和、ひいては東アジアの平和と安定の促進につながることを期待しております。 同時に、南北対話の進展や米朝協議の進展が朝鮮半島の軍事的対峙の緩和にどのように結びついていくのか、また北朝鮮の核兵器開発疑惑や弾道ミサイル開発、配備問題などの解決にどのように結びついていくのか注意深く見きわめていく必要があると考えている次第でございます。
○金石清禅君 ありがとうございました。 次に、外相にお伺い申し上げたいと存じます。 最近、アフガニスタンにおけるイスラム原理主義の勢力がバーミヤン遺跡を破壊したということが大きく報道されております。いわゆる世界文化遺産というのは最近いろいろ評価されておるんですけれども、この問題についてはその国の事情とかそういった形で随分いろいろなものが変わっております。 東南アジアにおいては、戦争というのは仏像の取りっことか、あるいは寺院、仏閣の破壊等々の争いから始まったとされるぐらい、遺跡とかそういったものがどんどんどんどん葬られていきます。ユネスコやNGOが救済に乗り出すといってもなかなかこの問題を解決することはできないんですが、文化的遺産というもの、民族の遺産というものをどのように持っていくのが一番よろしいか、外交ルートにこれは乗らないものかどうか、そういった意味で外相の文化豊かなお考えをお伺いできればと思いますが、いかがでございましょうか。
○副大臣(杉浦正健君) 大臣からあれば後に御発言いただくとして、アフガニスタンのタリバン、極端なイスラム原理主義をとっておる勢力ですが、彼らがあの貴重なバーミヤンの遺跡を破壊したということはまことに遺憾なことだと政府も考えておりますし、日本国民もみんなそう思っておると思います。 そもそもイスラム教というのは偶像崇拝はしないという立場をとっておるわけです。しかし、マレーシアにしてもインドネシアにしても、イスラムにもいろいろあって、そういう偶像の中でも資産の価値のあるものについては大体最近のイスラムの方々も異教の偶像を破壊しないという姿勢をとっておることでして、このタリバン一派の人たちがイスラムの原理原則に最も忠実に破壊活動を実行したということだろうと思うんですけれども、甚だ残念なことだと思います。 国際社会でもこのような破壊活動をやめさせようといろいろ努力しておりますけれども、我が政府としても、河野前大臣時代だったわけでありますが、イスラム諸国の外務大臣あてにタリバンに対する説得をするように書簡を出させていただきました。とりわけパキスタンがタリバンに近い立場におって同じ回教国でありますので、パキスタンの方にはお願いしましたし、今もやっておるところであります。与党代表団お三方をアフガニスタンに与党として派遣したことも御案内のとおりでございます。 我が国としても、これら貴重な国内、国際的な文化遺産については、それを保存するように今までも努力してまいりました。例えば、東南アジアでしたらアンコールワットもそうでございますし、あのユネスコに文化遺産保存のための信託基金も設立して巨額の支出もいたしております。松浦さんがユネスコ事務局長に就任いたしまして以来、特にこの活動には力を入れておるところでございます。 今後とも、これらの信託基金を通じるなど、文化遺産の保護、もう世界じゅうのいろいろなところにございますが、積極的に貢献してまいりたいというのが私どもの考えでございます。 何か大臣ございますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 付言させていただいてよろしいでしょうか。 私は、文化遺産というものは、レプリカをつくったり何かやったり、あるいは大変近代的な科学技術を導入しても絶対つくれないもの、復元不可能なものだと思います。 今、バーミヤンの話がありますけれども、ほかの、例えば中国の文革のときのものもありますでしょうし、彫刻だけではなくて、ほかの例えばアスワン・ハイダム、エジプト、これによって埋没してしまうラムセス像がありますとか、それから今カンボジアのクメール文化の遺跡のこともおっしゃいましたけれども、アンコールワット、アンコールトムもそうですけれども、そういうものというのは、この間もフン・センさんが来られてお話をしましたときに、ぜひアンコールワットを見に来てくださいとおっしゃいましたけれども、やっぱりその国の誇りであると同時に人類の本当にかけがえのないものであって復元不可能なものだと思うんですね。 そういうものを守るためにも、やはり戦争というものはしてはならないわけですし、それぞれの国の都合やら宗教やらいろいろ対立はあるでしょうけれども、要はやっぱり外交努力、それから外交努力以前に、人間同士が地球市民として理解をし合って平和に共存していくためのそういうポジティブなエネルギーと知恵を出していくということをすることによって守られていくというふうに思います。 ただ、その途中で、今、委員もおっしゃったユネスコの問題ですとか資金の問題はあるかと思いますけれども、根本にあるのは、やっぱりほかの文化も過去のものも将来に引き継いでいくという意思、そういう心がけを持った人間を地球上に一人でもふやす努力をすることではないかというふうに考えます。
○金石清禅君 ありがとうございます。 力強いお話をいただいて私も感動しておりますけれども、もう一つ、中国との関連でちょっとお伺いしたいんですけれども、特にいろいろ文化遺産が数多いチベットですね。これは今、中国の自治区になっているので、なかなか外交ルートもしっかりした形ではつくれないんだと思いますが、チベットというものの今後の展望というのはどのようにお考えでございましょうか。
○副大臣(杉浦正健君) 先生御指摘のチベットの地をめぐる問題でございますが、我が国は従来より、これは中国の内政問題であるという立場で一貫をいたしております。 ちなみに、国際社会においても、アメリカを含めまして、チベットは中国領土の一部とする中国政府の主張が受け入れられておるところでございます。ダライ・ラマさんを中心とするチベット亡命政府というのがあるわけでございますが、それを承認している国家は今のところございません。 しかし、チベットについては、先生も御案内のとおり、いろいろな人権問題として報道されておるところでございます。いろんな方面からの指摘もございます。チベットの実情についてはつまびらかにされていない部分も非常に多いわけでございますが、いずれにいたしましても、私どもとしては、チベットにおいても人権は保障すべきであると考えておりまして、関心を持って状況を注視しております。中国の自治区となっておるわけですが、大分漢人といいますか中国人もチベットに入り込んでおるようなんですけれども、中国がこの問題への国際社会の関心に十分配慮して施政を行ってほしいということを希望しておる次第でございます。
○金石清禅君 ありがとうございました。 隣の国ですけれども、これは外交ルートがあるんですが、ネパールも今、国王が殺されたり、いろんな形で動いておりますが、その後の近況がもし外相に届いておりましたらお知らせいただければと思います。
○副大臣(杉浦正健君) 六月一日に起こりました王宮内の事件、衝撃的でございました。ビレンドラ国王、王妃両陛下、その他の多くの王族の方々が亡くなられたわけでありますけれども、私ども日本にとっても、国民にとっても大きな衝撃でございました。改めて哀悼の意を表したいと思う次第でございます。 事件が起こった直後は、ネパール国内はもう大混乱に陥ったことは御案内のとおりでございますが、その後、事件の事実関係につきまして、向こうの最高裁の長官とか国会議長を初めとする調査委員会が設置されまして調査が行われました。その結果は、御案内のとおり、当時のディペンドラ皇太子が王族王家一族の集まりの席で銃を発砲されて、その結果十名が死亡した、ディペンドラ皇太子も自殺されたというような要旨の報告がなされまして、現時点では、主要な政党はその報告内容を基本的に受け入れるということでございまして、国内的な混乱はおさまったような状態であるというふうに思っております。 日本と非常にいい関係にあったネパール、日本の皇族とも非常にいい関係にあった王族のおられる国家でございますので、事態が沈静化したままで推移することを期待しておりますし、引き続き動向を注視していきたい、こう思っておる次第であります。
○金石清禅君 ありがとうございます。 次に、中国との関係、台湾との関係でございますけれども、この問題につきましては非常に果てしないいろいろな論議が繰り返されております。しかし、一番近隣でございますが、この近くで何か非常時のときとか情勢が緊迫したときに、日本としてはどういう対応をなさろうと外務大臣はお考えなのか、この辺に対する御見識があればお伺いしたい。
○副大臣(杉浦正健君) 仮定の御質問でございますので、極めてお答えしにくいわけでございます。 私どもとしては、そういう問題が起こらないように、中国との関係、アメリカとの関係等で外交努力を払っていくというのが我々の基本姿勢でございます。
○金石清禅君 それでは、具体的なことでございますが、過日、李登輝前総統のいわゆるビザ問題でいろいろ話題になっておりましたけれども、アメリカなどは、いわゆる一般市民として、たとえ総統をした人でも五年間のビザを与えているんですね。そういう意味で、日本では、台湾は最大にして九十日のビザという形で出しておりますけれども、言ってみれば、こういった総統をした人でも、今後また病気とかあるいは観光とか、そういった意味で、政治家とかそういう活動をしない場合においては、こういったものは近隣の一般人として認めてもいいのではないかと私は思うんですが、そのことについて御見識があればお伺いしたい。
○副大臣(杉浦正健君) 李登輝氏の先般の訪日につきましては前内閣のもとで処理が行われたわけでありますが、我が国を取り巻く国際環境についての配慮はもとよりのことでありますけれども、人道的観点を主といたしまして、さまざまな意を勘案しながら検討されて判断をされたものというふうに承知をいたしております。これからもおいでになる可能性があるわけですけれども、今後とも、その時々の状況をすべて考慮しながら適切な判断を行ってまいる考えでございます。
○金石清禅君 ありがとうございます。 ちょっと場所が飛びますけれども、いわゆるイラクの情勢というのは、これはこの十二年ほどほとんど状況が、ドンパチドンパチやりながら状況が全然進まない。それで、フセインさんも相変わらず御健在で活躍という情報が流れるわけでございますけれども、湾岸の大きなトラブルが勃発したあの当時からどのような変わりで今後を見ておられるのか、あるいはフセインという存在が国際舞台にいつまでも通用するというのはなぜなのかということについて、外相の御見識があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) イラク情勢につきましては、政府としても大変大きな関心を抱いております。国際社会の中に与える脅威というものは非常に大きいというふうに認識をいたしております。 イラクは国連安保理の決議に基づく査察の受け入れを今現在も拒否しているという実情でございますので、制裁解除の見通しというものは立っていないということが現実でございます。他方、制裁がイラク国民に与える悪影響というものも懸念されておりますので、現在、国連の安保理におきまして、対イラク制裁の見直しというものが行われているというふうに承知いたしております。 ただ、フセイン大統領は依然として国内の治安はほぼ掌握しているという状態だそうでございますけれども、近隣の公館の館員の人たちが定期的に出張いたしまして現地の情報等を収集しているというのが現在の状態でございます。
○金石清禅君 日本の文明というのは、いわゆる月光文明という言葉で表現されることがございます。これはかつては中国、漢の時代、このあたりは本当に中国の文化、文明がすべて日本に来た。そして、最近はアメリカが大きな太陽というか、そういう意味で日本はこれから月光というか、今までの大きなエネルギーを受けて光っていく国でありたいというふうに私も位置づけておるんです。 こういった中で外相が考えるこれからのグランドデザインといいますか、外交の姿勢というものを、本当に難しい問題ではございますけれども、日本独自の中で抜けられない業を担ぎながら私は生きている国であるとも思いますので、この戦争に対する終結の判断も本当は大事なんですけれども、最後になりましたけれども、外相にこれからの外交はこんなふうにやっていきたいというグランドデザインの一端をお示しいただければありがたく存じます。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、大臣に就任いたしました四月二十六日のときの官邸での記者会見でも申し上げていることになりますけれども、同じことを繰り返すことになりますけれども、私は、日本の国益というものをまず、外交というものはどこの国もそうですけれども、自国の国益を考える、そして、それに基づきながら世界の平和と安定にどのように資することができるか、どういうふうな貢献ができるかという、世界じゅう、世界市民としての視点というものがあらゆる面で必要ではないかというふうに思っております。 それは、経済や金融の問題もそうですし、社会保障の中で助け合うこともそうですし、それから、こうした安全保障ももちろんそうです、環境問題もそうだと思いますが、あらゆる貿易等もすべてを包含した中でともに生きていくということ、自分も社会によって生かされているんだということをしっかり認識する。そして、一人でも多くの国民がそういうマインドを持つということが、今月光、月の光ということをおっしゃったと思うんですけれども、そういう日本の過去の歴史もあったと思いますけれども、やはり日本は国力も世界で二番目になってきておりますし、果たすべき役割、また担う責任も大きいというふうに思います。そして、国民の能力や意識も大変高くなっていると思いますし、安定をしていると思います。 ですから、いろいろな国内の問題はたくさん個々ございますけれども、世界の中でこれだけ恵まれた状態にいる日本人が、世界の困っている方、弱い立場の方のためにどういうふうな協力ができるかというような心組みでいるということが、日本が月の光を受けるのではなくて、日本がメッセージを発信して、自立して、結果としてはいいイニシアチブを、世界に喜ばれる、受け入れられるような主導権を持った国家になっていけるのではないかというふうに思っています。
○金石清禅君 少しだけ時間がございますので、今、小泉内閣におられる皆様、お歴々がおられますけれども、小泉内閣の人気というのは何か六十年ぶりの大きな人気の波にあるということを聞いております。 その一翼を担っているのは外相の力強い勇気だと私は敬意を表しております。いわゆる国会のルールとか、あるいはいろんなことで話題はほうふつしておりますけれども、一つ一つのことに余りとらわれず、せっかくこの時期にしかできない立場に立っておられるわけです。防衛庁長官も同じ珍しい形でここへ登場しておられるんですから、私は本当にお二人に今やらなければならない役割をどうしても果たしていただく、そしてまたこういった人気を背景にして、一番国民の理解を得られるときでございますから、惜しみないこれからの御活躍を心から念じまして、私の質問を終わらせていただきます。
○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁です。 質問を両大臣に通告しておりますが、さきの質問者の関係もございますので、質問順、項目を幾つか変更してお伺いをしたいと思います。 最初に昨日の北海道におきます恵庭市、北広島市にまたがる自衛隊島松演習場の上空で起きた空自戦闘機誤射事件についてお伺いいたします。 先ほどの質疑と、そしてこの間報道で見る限り、通常、操縦桿についている安全ピンを外した後トリガーを引いて発射するけれども、訓練で機関砲を撃つ際、パイロットは安全ピンを外して実射する。その後、ロケット弾などを撃つときに再度ピンを差し込み誤射を防止している。射撃担当のパイロットは、ピンを外していなかったのにいきなり射撃が始まったというふうに話しているわけですけれども、このことは、もう既にそうであったということは戦闘機を見て確認をされているんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 今、平沢政務官が現地へ行きまして原因の解明に努めておりますが、現時点におきましては、予見とか先入観を入れずに、人的物的両面からその原因が何であったのかという点で原因を調べている最中でございます。
○齋藤勁君 射撃担当のパイロットは、ピンを外していなかったのにいきなり射撃が始まったと話しているわけで、それは飛行機を見ればもう一目瞭然、現場にいる方はわかるんじゃないですか。
○政府参考人(北原巖男君) 今、大臣からも御報告申し上げましたとおり、私どもといたしましては、機材的な要因ですとかあるいは今御指摘のような人為的な要因ですとかいろいろ幅広く、これは本当に白紙的に慎重に事故原因を追及していくことが必要である、それが何よりも自衛隊に対する信頼、また地域の方々、被害を与えた方々にこたえていく一番大事なことであるということで、原点に戻って徹底究明に今努めているところでございます。
○齋藤勁君 既にきのうから時間がたちまして、いわゆる誤射に遭った北広島リハビリセンター、そしてまた周辺の方々、自治体から大変このことについての強い憤りと厳重抗議があるわけで、少なくとも事実がわかった時点というのは、それはそれで記者会見をして、ここまで明らかになりましたということを逐次発表していくというのが、再発防止も含めまして私は住民に対する国民に対するある意味では当然な親切な説明のあり方だと思うんです。 最低限このピンを外したか外さないか、本人は外していなかったということですから、ここはわかるんじゃないですか。これがなければあとは電気系統のいわゆるトラブルだと、こういうのが大体類推した報道ですけれども。 きょうの答弁は、ピンを外していなかった、これは電気系統等を中心に調査を今していますという報告があるのかなと、そういうふうに思いましたけれども、その前段の方がないとなると何か不安が先行していきますけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) その件につきましては、前回の小松基地から飛び立った飛行機が僚友機をミサイルで撃ち落としたという事案の教訓を生かしまして、当初はあれは不時発射であって人的なものではないという見解でしたけれども、後刻調べましたらレバーを引いていたというようなこともございまして、今回につきましては、単にパイロットの言うことをうのみにするのではなくて、さらにその事情を聞いて確認をした上でやりたいと現地の平沢政務官も申しておりますので、そういう身内の調査ではなくて厳しい見地での調査をしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 大臣の答弁ですと、現地に行って今調査している段階だけれども、場合によれば引いている場合もあり得るということも含めて今調査をしている、こういうことですね。 それで、私自身もあらゆる防衛、軍事の必ずしも専門家ではないわけですが、いわゆるトラブルが生じやすい環境にあると、電気機器類については。こういう角度から、誤作動が生じても演習場外に被害が出ないように戦闘機の進入経路や標的の位置を見直す必要があるという指摘をしている識者もいるんですが、これらは今後の対策として検討する課題になるんでしょうか。
○政府参考人(北原巖男君) 私どもといたしましては、まずは原因究明が大事だと思っております。そして、それとあわせて安全対策、こういったことが二度と起きないようにするにはどうするのか、そういったことを総合的に、また徹底的に対策を講じていくということが将来の問題として大事だと、そのように考えております。
○齋藤勁君 いわゆる誤射を受けて被害に遭った方々がたくさんいるわけですけれども、この被害に対する補償については万全の措置をとるということでよろしいんですか。
○政府参考人(北原巖男君) そのように考えております。
○齋藤勁君 過日、六月七日の本委員会で、私どもの会派の広中委員が、劣化ウラン弾の存在につきまして、自衛隊そのものは劣化ウランに関する武器弾薬は持っていないと。こういうやりとりの延長線上で、米軍の状況について、以前沖縄で使用していた、大臣の方は、今は使っていないんではないか、いや使っていなくても持っているんではないか、こういうやりとりの中で、後日調査をするという答弁で終わっていますが、この調査について現時点ではどうなっておりますか。
○政府参考人(伊藤康成君) 劣化ウラン弾につきましては、先般御答弁があったかと存じますけれども、かつて鳥島で誤射撃というのがございました。このときは、本来撃ってはならないものを誤って撃ったということでございましたが、現状については、申しわけございませんが、今私、保有状況を承知しておりません。
○齋藤勁君 何か私の次の質問のことを読まれているみたいな感じなんですけれども、その鳥島の方は後から聞くつもりだったんですけれども、言ってみれば米軍が劣化ウラン弾、これを今も沖縄に配備し、使用していなくても、存在について日本側の方から米側にただしてほしいということが一点目でございます。 あと、今答弁がございましたが、九七年に確かに沖縄の鳥島でこの劣化ウラン弾の誤射事件がございました。これについてはこの間の委員会でもやりとりがございましたが、きょうその点について、これは米側と話をして、この誤射事件というのはきのうきょうの自衛隊機の話ではないんで、どういう誤射であったのか、これはもう調査についてはされていると思うんですが、日本側として把握をされていますか。二つ、あわせてお伺いいたします。
○政府参考人(伊藤康成君) たしか、当時、米側から報告があったというふうに私は記憶しておりますが、大変申しわけございませんが、私の方に本日その御質問があるというふうに伺っていないものでございますから、資料を持ってきておりません。
○齋藤勁君 今、そのことを質問して答えてほしいというような通告をしていなくても、中谷大臣に、使っていなくても持っている可能性はあるんですよと、そういう可能性については否定できないとしたら調査をということについて、その点につきまして事実を確認させてもらいますというのが答弁なんですよ。それに関連いたしましてこの鳥島の劣化ウラン弾の誤射事件というのがあるわけですから、これは質問通告をしていないから答えられないといえばそれでおしまいかもわからないけれども、少なくともきのうきょうの委員会のやりとりではないというのが一つ。 それから、誤射問題でいえば、今度は自衛隊機の昨日のことがあったんですから、これは当然そういったことについては私はお答えいただいてもいいと思いますし、むしろ九七年のアメリカの誤射事件ですから、これはもうこういうことで米側としての事実関係については明らかになっていますということで、後の方はどうなんですか。明らかになっているんでしょうか。
○委員長(服部三男雄君) 齋藤委員、だれに対する質問ですか。大臣ですか。
○齋藤勁君 防衛庁長官で結構です。最初の質問は、国務大臣が事実を確認させていただきますということでの答弁で終わっていますから。
○国務大臣(中谷元君) 現時点におきましてまだ確認できておりませんので、もう一度米国に照会をいたしまして、調べてまいります。
○齋藤勁君 後のこの九七年の誤射事件というのは、今、例えば自衛隊機の問題で電気系統なのか等でいろいろ事実解明をしているんでしょうけれども、こういったことに関してどうなんですか、九七年のこの誤射事件というのはどういう原因だったのか、これもわかりませんか。
○政府参考人(伊藤康成君) 大変申しわけございません。 先ほど申しましたように、手元にその当時の報告書というのを持っておりませんので正確なことをちょっと申し上げられないかもしれませんが、私の記憶では、鳥島というのは本来空対地の射爆撃場でございます。そこで弾を撃った。だから、撃ったこと自体が、射爆撃場の外に出たとかそういう問題ではございません。弾を積むときに、本来積んではいけない劣化ウラン弾を積み込んで、装てんしてと申しますか撃ったものというふうに承知をしております。
○齋藤勁君 委員長、きょうまだこれから、私自身はもちろん、同僚議員にバトンタッチをしますし、午後から質疑もございます。今、手元に資料がないということで答弁が具体的にはできませんから、委員会開会中に、質疑は別にしまして、役所側の答弁の時間をぜひ配慮していただきまして、もうあと国会もわずかになりますので、そんなことも含めて答弁させるということで指示をお願いしたいと思います。
○委員長(服部三男雄君) 齋藤勁委員の要望どおり、防衛庁の方で、きょうはまだ三時近くまで質疑をやりますから、準備するように。よろしいですか。
○齋藤勁君 次に、田中外務大臣、訪米の会談内容についてお伺いいたします。 一つは、沖縄の普天間基地問題でございます。 大臣はどのようにこの十五年使用期限問題をパウエル国務長官に提起をされて、そしてパウエル国務長官はどういう回答をされたのか、返事をされたのか、お伺いいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 普天間の代替施設使用期限問題でございますけれども、これは、今回幾つかのイシューをお話し申し上げている中で沖縄問題、その沖縄問題の中でも大変大きな比重を占める問題という認識を持って私は発言をいたしました。それはなぜならば、これは地元の非常に強い希望、要望でありますので、この問題をどれだけわかりやすく、そして私どもが得心のいくような答えをパウエル長官から引き出すことができるかということは、これはやっぱり政治家として大変緊張もいたしましたし、極めてチャレンジングな状態であったというふうに私は申し上げたいと思います。 中身といたしましては、あちらのお答えは、こちらは必要なことはとにかくすべて申しましたので、早期に返還していただくことが一番最終的な目的であるわけですけれども、当然移設があって返還ということになりますけれども、その重要性についてはパウエル長官は非常によく認識をしておられました。そして、もうそれは十二分にわかっておられて、このことについては自分から、あらゆる状態について自分も理解しているし、考えなきゃいけない、そして直接ラムズフェルド国防長官にこの話を伝えるということをおっしゃってくださいました。 以上です。
○齋藤勁君 あと何点か、特にパウエル国務長官とのやりとりをお伺いいたしますが、国務長官と大臣との話し合いの総時間数というのはどのぐらいの時間数だったんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) パウエル長官とは、約四十五分、五十分近かったかというふうに思いますが。
○齋藤勁君 これは事前に、行かれる前に通訳の問題もいろいろ新聞にも出たんですが、通訳を入れてのやりとりですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 通訳が入ってくださっていました。
○齋藤勁君 この四十五分、五十分というのが短いか長いかというのはいろいろなはかり方があるかもわかりませんが、事前には訪米が実現できないんではないかというような観測も流れまして、結果的に行かれましてそれぞれ率直な意見交換をしてきたということは、私は日米関係にとって大変いいことだと思います。 ただ、さっきからもおっしゃいまして、短いか長いかというと、日米関係の重要性から見れば短いなというのが率直な私自身の感想であり、また、トンボ返りしてくるということですからやむを得ないといえばやむを得ないかもわかりませんが、そんな思いでございます。 次に、海兵隊の撤退でございますけれども、この沖縄海兵隊の撤退についてはどういうふうに大臣の方から提起をされまして、パウエル国務長官はどういう回答をされましたでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 海兵隊の訓練の一部移転ということでございます。正確に申しますとそういうことです。 それは、沖縄の負担、一極集中、沖縄県民の方々の負担を軽減するにはどうすればよいかという中で、衆参両院でいろいろな意見が交わされておりました中で、具体的な問題として例えばグアムですとかサイパン、これはアメリカの自治領でございますからそういうところ、あるいはほかにフィリピン等、私は具体名を挙げませんでした。なぜならば、フィリピンはまた別の国家であります。したがって、グアム、サイパンという名前は出しましたけれども、そういうところに海兵隊の訓練の一部を移転することができないであろうか、このことについてもお考えいただけないだろうかということを申しました。 そうしましたら、パウエル長官は、沖縄における米軍のプレゼンスというものは必要なんだ、そして訓練というものは基本的には必要である、しかし沖縄にこれだけ集中していて、そして日本政府もそれだけ国民の、沖縄県民の皆様の痛みを受けとめるのであれば、それは自分もよく理解ができるので、そのこともラムズフェルド長官に伝えるということをおっしゃいました。
○齋藤勁君 今、大臣は、訓練の一部移転とかそういうやりとりだったというふうに、そういうアメリカ側との話し合いだったというふうにおっしゃっていましたが、そういうことですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 訓練の一部、ローテーションという言葉を使いましたけれども、一部移転でございます。 そして、海兵隊の削減ということを今おっしゃっておられるのかと思いますけれども、日本の負担を最小限にするための努力ということはその基本にございます。そして、そのアメリカのプレゼンスというものはアジア太平洋地域の平和と安定というものがまず前提にありますし、米軍の兵力構成については、国際情勢の変化に対応してアメリカとの間で今後も緊密に協議をしていくという前提でもちろんございます。
○齋藤勁君 これは参議院だけではないと思うんですが、訪米前に、私は三十一日のこの委員会で大臣と質疑をした際にこういうことを大臣は答えているんですね。 私は、五月三十一日午前中に衆議院の会議で、「アメリカに、海兵隊の撤退、ハワイあるいはグアム等に配備の転換ができないんだろうか、こういうことを外務大臣として政府に働きかけるということを答弁したということが報じられているというふうに思いましたけれども、これは事実でしょうか。」ということです。大臣の方は、「午前中申し上げたことですけれども、グアム、フィリピンへの移転、これにつきましては、」「沖縄にあらゆる施設が集中してしまっているということ、そして大変大きな負担を沖縄県の皆様に強いているということ、やはり沖縄県の痛みは私たち国民みんなが意識をしなければいけない問題であるというふうに私は思っておりますので、それを踏まえまして、海兵隊の移動、移転というふうな問題ですとか、それからSACOの問題、これはいつも答弁を申し上げているように、最終報告の着実な実施ということでありますけれども、やはり基本的には県民の皆様の負担を軽減するというスタンスでどこまで現実に機能するものか、具体的なケースを出してパウエル長官の御意見を伺ってみたい、かように考えております。」「できるだけ頑張って日本のスタンスは伝えてまいります。」と、こういう答弁でございました。 ですから、訓練ということももちろんあるでしょうけれども、移転、移動、このことを、いろいろ国の名前はということはあるにせよ、この移動、移転ということについて率直な意見交換をしていきたいと、こう大臣、私の三十一日の答弁でお答えいただいているわけなので、訓練ということに先ほどどうもこだわったような答弁だったんですね、最初の方の答弁が。訪米に行かれる前のやりとりでは、移動とか移転についてもパウエル長官と意見交換をしてくるんですよと、こういうふうに言っているんですけれども、もう少しちょっとその辺について明らかにしていただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そこはSACOの関係もございますし、トータルな話の中ではもちろんそういう今おっしゃったようなことも含めて言っております。 そして、先方のお答えは、アメリカのフットプリントをミニマイズするあるいはリデュースする、そういうようなことについても自分は最善を尽くしたいが、いずれにしてもこれについてはラムズフェルド長官に話を伝えるというおっしゃり方をしております。
○齋藤勁君 近々総理大臣が訪米されるわけですけれども、大臣としては先ほど、小泉総理訪米の地ならしを行うことができたと、こういう報告を最後に言われています。今私は、たまたま普天間基地十五年使用期限問題、海兵隊の移動、移転、あるいは訓練も含めてですけれども、これらは今度の総理訪米にどういうふうに私たちは期待を持って、すぐ何か従前と違ったアメリカの考え方が出せるというのは、この間の動きではなかなか期待できないとしつつも、少なくとも地ならしということでの訪米であるならば、何らかの前進が総理訪米の中でアメリカ側からのコメントがあり得るのかということも含めて、いかがでしょうか、見通しも含めて。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今おっしゃったような議題、そのほかもたくさんあるわけでございますけれども、現在日米間で事務的に調整中でございます。
○齋藤勁君 大臣、アジア情勢についてはパウエル国務長官と意見交換をされたんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 個別にここがどうであるというふうなお話はいたしませんけれども、日本を取り巻く地域全体のアジアの平和と安定のために日米の同盟も大切であるというふうな話し向きをいたしました。
○齋藤勁君 大臣、アメリカのミサイル防衛に理解を示したということや、あるいはアメリカの新たなミサイル防衛構想に反対しているロシアとか欧州とかと我が国は違う立場にある、こういうふうに言われたということは、このことについては事実なのかどうか。 そして、いわゆる戦域ミサイル防衛というのは、これはTMDですけれども、将来民生分野、平和に役立つこともあると、こういうこともコメントされたと。何を指して役立つのかなと、こういうことも含めて、さきのいわゆる日本は違う立場にあるんだということも含めてお尋ねいたします。
○国務大臣(田中眞紀子君) 欧州と違うという意味は、地政学上違っておりますので、それはそのそばにあるあらゆる不安定、不確実性、不透明性というファクターが今現在欧州が抱えているものと日本は違うという意味で発言をいたしました。それはミサイル防衛構想に関連して発言いたしました。 それからもう一つ、民生ということをおっしゃっておられますけれども、これは別に交換公文があることを御存じでおっしゃっていると思いますけれども、直接軍事のものが民生にすぐ行くということ、転用してはならないということは基本にございますけれども、これがすぐわかっていればノーベル賞ものだと思いますけれども、いろいろな研究開発をしているうちに、例えば時間と距離の関係ですとか、そういう誘導制御の問題とか、軍事ではないところで何かもう少し便利なことで役立つことがあるかもしれません。そういうことを言ったわけで、それは今、これができる、あれができるというふうなことではありません、もちろん。
○齋藤勁君 ロシア、欧州と違うとか、それはそれで我が国が違うというのはあるんでしょうけれども、四十五分から五十分の時間ですから、あらゆることを話し合うというのは私は大変だと思いますけれども、それで十五年問題、海兵隊の問題を何度も何度もやりとりするというのはこの時間帯では難しいと思うので、少なくとも私は前提に、先ほどアジア問題について意見交換はされましたかと、それは全般的な中でいろいろしましたと。アジアの平和の安定というのも、これは当然そういったことは言葉として出てくるんですが、少なくとも日米間でアジア問題というのはきちんと意見交換をした上で、ミサイル防衛問題を含め、ミサイル戦略も含めましていろいろ具体的に話をすべきではないかというふうに私は思います。これはお帰りになった後のやりとりでございますからいたし方ないにしましても、そういう感想を私自身は持っているということについて提起させていただきたいと思います。 それから次に、ODA予算の見直しについて、これはさきに私自身、先月末の参議院の予算委員会で集中審議の際に質疑させていただいて答弁をいただいている部分でございますが、そのときに幾つか大臣の方から答弁の中で、きょうの時点では少し具体的に進んでいるのではないかということも含めて再確認をしたいというふうに思います。 これはいわゆる外務大臣の私的諮問機関、第二次政府開発援助改革懇の問題でございます。このときのやりとりは、政府がODAの評価をします、評価をしますと言っても、評価をしたような機関や、評価をしてまた次年度予算に生かしていくシステムがなかなかできてこなかった。しかしながら、今回大臣のもとに第二次改革懇がスタートし、来月中間報告、そして年末には最終答申と、こういう実は運びで明らかになった。 その際、大臣から私の指摘に、せっかくここで大臣のもとに改革懇ができるならば、中間報告、そして最終答申がたしか十月か十一月というふうに聞いていますが、手前に持ってきて来年度の予算編成にこれを反映すべきだと、こういう質疑をしまして、大臣の方は答弁で、今度の改革懇としてはそういうことでよろしいと思います、生かすということでよろしいと思いますという答弁をされています。たくさんの質疑をやっているからなかなかあれでしょうけれども、今のことを質問するというのは通告してありますので、お調べいただいていますよね。そのことはいいですね。お尋ねします。
○副大臣(杉浦正健君) お尋ねの点でございますけれども、ODAを担当している副大臣として私の方からお答えいたします。 第二次ODA改革懇談会は既に三回の会合が開催されております。その最初の会合に私は外務大臣のかわりに出席をいたしまして、小泉内閣としては聖域なき改革を行うという立場でございますので、ODA改革懇談会としてもあらゆる角度からODAのあらゆる問題について検討を加えていただきたいということを申し上げました。 そして、予算編成がこれから始まるのであるけれども、それとあわせて平成十四年度のODA予算に皆様方の意見が反映できるように中間答申を出されるなり、あるいは出されないとしても皆さん方の御意見を賜りたい、それを反映させていただきたいということも申し上げております。 その後、懇談会とは別に、私とその委員の重立った方と懇談させていただく機会もございましたが、その席でも改めてその点は強調させていただいておる次第でございます。 したがいまして、委員の御質問にあったような方向で、おっしゃるような方向で懇談会の懇談の結果が生かされるものと思っております。
○齋藤勁君 改革懇の中身が来年度の予算編成に生かされる、そういうことで取り組んでいるということで受けとめさせてもらいます。 次に、関連いたしまして、いわゆる政府開発援助、先ほど申しましたこの評価の問題ですけれども、私のやりとりの中で大臣が、思い出していただくという意味でお話しさせていただきますけれども、「外務省改革の一環として、昨日も参議院の委員会でODAの具体的なプロジェクトについての御指摘がほかの委員の方からございましたので、それも踏まえまして、きのうの夕刻、役所へ戻りましてから、すぐにこれ全部トータルで外務省関係のODA等、ほかのもございますけれども、見直しをしっかりして、最も大事なものにプライオリティーをつけて、それからほかのものはこれは見直しが必要であるとか、ほかの省庁と緊密に連絡をとって早急に一覧表を出してくれるようにということを事務方に指示してございます。」と。この最後の、いわゆる省庁と緊密に連絡をとって早急に一覧表を提出してほしいということを事務方に指示をしている。 これは、なぜ私がこういうことを言うかと。これは、外務省予算のODAに必ず各省庁は政府開発援助をしているということで、福田官房長官にも、これは一元化をしてこのODA評価について、それから予算についても行うべきだということを指摘し、福田官房長官の方は、外務省が中心となって一元化につき取りまとめていきますと、こういう予算委員会での答弁でした。 具体的に、事務方の方から、プライオリティーをつけて、ほかのものはこれは見直しが必要であるとか、省庁と緊密に連絡をとって早急に一覧表を出してほしいと、これはもう出されているんでしょうか。
○副大臣(杉浦正健君) たしか委員の御質問は五月三十日だったと記憶しますが、その直後に大臣から経協局に指示がございまして、作業に入っております。つい一週間ほど前に私のところへ中間報告と申しますか、検討の状況を持ってまいりました。ODAの具体的案件につきまして、現在実施中のもののうち、見直すべきもの、このままでいいもの、問題がこういうものがあると分類をしていろいろと検討しておられました。 まだ各省庁とも十分打ち合わせた上で最終的なものができ上がっているわけではございません。引き続き作業を行っているところでございますが、近々、事務当局から私を経由して大臣の方へその結果が報告されるものと思っております。 これはあくまでも平成十四年度のODA予算、これから編成作業に入っていくわけですが、それに資するためにやっておるものでございまして、それまでには私どもとしてきちっとした方向が出せるようにしたい、こう思っております。
○齋藤勁君 早急にと言っても、早急になかなか出るものではないかもわかりませんが、いつごろまでに出せという具体的な指示をされたんですか。
○副大臣(杉浦正健君) 時期は指定しておりませんが、平成十四年度の予算編成、これから始まってまいりますが、それに間に合うようにきちっと出してほしいという指示はいたしております。
○齋藤勁君 前回、五月三十一日、私自身の質問のときですけれども、神奈川県の池子の住宅地区及び海軍補助施設横浜市域分、そして横浜市金沢区にございます富岡倉庫地区の返還について、これは調査をすると、こういうことで二度終わっているんですが、調査はされましたでしょうか。
○政府参考人(藤崎一郎君) お答え申し上げます。 今、御質問は、池子の住宅地区あるいは富岡倉庫地区等の返還について現状調査をするということについて御答弁を申し上げたのに対しまして、その後のフォローアップ状況いかんということでございます。 私どもといたしましては、御指摘の施設・区域の現状について引き続き関係省庁とも協力しつつ把握に努めているというところでございます。
○齋藤勁君 どれだけ待てばいいんですか、どれだけ待てば。ちょっとそこにいて、私は時間がなくなっちゃうから、ぱっぱっぱっぱっと答えてください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 本件につきましては、鋭意現状把握に努めているところでございますし、今後とも引き続き関係省庁とも協力してまいりまして、しっかりと現状につきまして御報告できるようにしたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 率直に言って困りますね、これ。何か顔をやわらかくして私、質疑も怒らなきゃいけないんですよ、怒っているんですけれども、気持ちは。 大臣、この前、指示していただいたんですよ、局長に。大臣いかがですか、そういう答弁を局長はされているけれども。
○国務大臣(田中眞紀子君) 鋭意という言葉は、どのぐらいの期間かという質問には答えていないと思いますので、もう少しクリアに答弁した方がわかりやすいのではないかと思いますが。
○齋藤勁君 そういうことで大臣が言っているんで、北米局長、答えてください。
○政府参考人(藤崎一郎君) 具体的な期間等について今この時点で申し上げることは困難でございますが、一生懸命現状把握及び関係省庁との連絡に努めてまいりたいというふうに思っております。
○齋藤勁君 外務省も一生懸命やっていると思うんですよ、いろんな仕事を。だから、私はいろいろわからないことはないなと何らか理解をしたいと思いますけれども、これじゃ、いろいろさまざまな外交関係をやったって国民から信用されないですよ、一体何やってんだということで。困ったものですね。
○委員長(服部三男雄君) 齋藤勁君、質疑時間が徒過しましたので、その程度でとめてください。
○齋藤勁君 大臣、督促してください。 終わります。
○佐藤道夫君 私からは、今まで当委員会で二回取り上げまして、これが三度目ということなので、もういいかげんにしてほしい、私もそろそろ締めくくりをすべきではないのか、こう思っておりますので、どうか大臣、率直に明快な答えをお願いしたい。その答えをもってこの問題はおしまいにしたい、終止符を打ちたい、こう考えておりますので、どうかよろしくお願いいたします。御答弁は大臣にとりあえずお願いいたします。 この問題というのは、もう皆さん方も私が何回も言っているので大体御承知と思いますけれども、初めての方もおられると思うので改めてもう一回だけ説明させていただきます。 外務省の一連の不祥事を前提といたしまして外務省に機能改革会議が設けられて、その第一回の会合が二月に開かれておりますけれども、その席で川島事務次官が、従来まで内閣官房から受け取っている旅費の差額に充てるべき官房報償費、これに関する決裁はもう厳しいくらい何重にもわたって決裁制度が設けられていた、それから、内閣官房に現金を受け取りに行くときも複数の職員が立ち会って受け取ってくる、不正がもう全く介入する余地のないような厳正な手続が行われていた。これは当たり前のことなんです。別に威張ることはない、どこの役所だって金を扱うところは皆そうしているわけですけれどもね。 ところが、川島次官の説明では、平成五年の八月ですか、松尾室長がその地位についた途端にこの決裁制度はおかしいことに廃止になってしまった。すべてを一から十まで皆松尾なる者がやるようになった。受け取ってくるのも彼が受け取ってくる、保管するのも彼が保管している、使うのも彼一人、そのうちに松尾なる者は銀行に自分名義の口座をつくって、受け取ってきた金はそこに入れて、自分名義のクレジットカードで引き出してきたと、そういうことを私ではなくて川島次官が言っておるんですよね。 だれだってこれを聞いた人は、じゃなぜ厳格な決裁制度を変えたんだと。一人がそういうことを扱えば、不正をやってくれと、出来心というのはだれにでもありますから私だって危ないですよ、何十億円という金を目の前にしたら。それをやらせたことがすべての不祥事の発生のもとだと、だれが考えてもこうなんです。 そこで、私、四月三日ですか、河野外務大臣に、一体どうしてこの決裁制度を変えたんですかと聞いたら、河野さん自身が初めて聞いたような顔をして、しかし重く厳しく質問を受けとめて、早急に調査をしてすぐこの委員会に報告しますと言っておきながら、いつしかいなくなって、姿が見えなくなってしまった。こんな無責任なことがあるんだろうかと、こう思いまして、前回五月二十九日でしょうか、田中大臣に、当然のこととして引き継ぎは受けておりますねと言ったら、何も知りませんと。 一体何だろうかと。外務省というのは役所の体をなしていないと言われても仕方がないでしょう。これだけ重大な問題で、国民の関心が大変外務省の今回の不祥事に集まっている。松尾一人がやったことじゃない、組織ぐるみだと見ておる人も極めて多い。 そこで、国会でこういう質問を私がして、少なくとも事実関係だけははっきりさせてくださいと、そのことをお尋ねした。五月二十九日ですから、きょうはもう六月何日かでありまして、二十日ぐらいたっておりますから、当然のこととして、厳重に厳しく調べをして、そしてその結果をきょう報告していただくという準備ができていると思いますので、どうかよろしくお願いしたい、こう思います。 大臣にお尋ねしているんです。ちょっと待ってください。基本的なことで、事務的なことはまた事務に聞きますから。基本的なことはあなたが答えてください。当たり前のことです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、るる佐藤委員がおっしゃったことは本当に信じられないことで、外務省の川島次官が、一人の人にすべてを任せて、一人がお金を引き出して云々ということについては、とにかく信じられないというか、もうそんなことがあってはならないことなわけですから、そういうことをまた前大臣から私に対して引き継ぎもなく、その五月二十何日でございましたか、二十九日とおっしゃいましたか、そういうときに至ったわけでございます。 現在、私が認識いたしておりますことは、とにかく、全体としてそれをまたぼやっとして、その組織のところに置いてあとは関係なかったという状態にしておいて、そのまま対応策も立てないでいるということがおかしいわけでして、現在具体的にやっておりますのは、この問題については、もう私なんかが着任する前に荒木前副大臣のもとで調査が行われたということは聞いております。 いずれにしましても、最終的なことは何をするかということを申し上げますと、組織がえをいたしまして、そして儀典長のもとに責任を一元化してロジを今後は行わせるようにするということで、要はその使途についても透明性を持っていかなければいけない。それから指揮命令系統、指揮系統というものもやっぱり明確化していかなければならないというふうに考えております。 ですから、とにかくこれは反省をして、これを具体的に将来のために生かしていく、二度とこんなことが起こらないようにするためにどうするかというようなことを具体的にやらないといけないと。 それで、今現在考えておりますことは、儀典長のもとにロジの業務を一元化するということなんですけれども、やっぱり信頼回復のために、もっともっと一人一人の省員の意識というものが上から下までが徹底していかないことには、単にまたシステムだけ変えても似たようなことが起こるのではないかというふうに思いまして、このことに非常に深くかかわっております事務方の官房長がおりますので、ちょっとお聞きいただければというふうに思いますが。
○佐藤道夫君 各委員すべて今の答弁をお聞きと思いますけれども、私の質問に何も答えていないんです。再発防止のことだけでしょう。それはまた改めて別な機会にお伺いいたします。 これだけの不祥事があったので、どういうふうな再発防止策を考えているのかと。しかし、こんなことは聞くまでもないことなので、役所である以上はきちっきちっとした対応策を講じているわけであります。 私が聞きたいのは、なぜ、松尾室長以前はきちっとした決裁体制で本当に揺るぎないような、だれに聞かれても威張るような決裁制度をつくっておった、現金の受け入れまで複数の職員が行っていたと。これは外務省の川島次官が言っていることなんです、私が大げさな言い方をしていることじゃなしに。ところが、松尾が来た途端に彼一人が全部をやるようになったと。それは一体何なのか、どういう理由からそういうことにしたのか。 大変忙しい、もう松尾は極めて有能なやつだと、彼に一人でやらせた方がいいんだとだれかが考えて、おまえ一人でやれと言ったのか。いろんな理由があって、しかし、いずれにしろ、この経理、会計について決裁を省略するなんてことは実際考えられないことなんです。より厳しくしようということはどこの役所も考えますけれどもね。これを手抜きをしよう、より簡単にしよう、一人にやらせようなんという発想はどこからも出てくるわけはない。 仮にそういうことを偉い人が言ったとすれば、会計担当者たちが集まって偉い人のところに行って、おかしいですよ、一人にやらせるなんてことは考えられないことですよ、あなたは何を考えているんですかと。役所ではそれぐらいのことは平気で皆言いますからね。そのことを私聞いているんです。だれの指示でこういうことが変わったのか。 大臣は、この前五月二十九日にお尋ねして、忙しかったでしょうけれども、これを聞くのには三分もあれば聞けますからね。きょうの佐藤議員のあの質問をどう受けとめたか、すぐ調べなさい、何日までに持ってきなさいと。紙切れの三枚か四枚持ってきたやつをぱっと見て、おかしいかおかしくないか、それをさらに追及すればいいわけですから。その結果をきょう報告してくださいと、こう言っているんですよ。わかりましたか。どうぞ。
○国務大臣(田中眞紀子君) はい。 質問の趣旨はわかっておりますが、これは何度申しましても、今、川島さんが言ったと同じことを官房長たちも幹部も私に言っておりまして、彼が有能であって、彼に自動的にそちらに、松尾さんにすべてを、決裁から何から任せてしまっていたのだと。したがって、これから新しい方策を立てなければいけない。もう全員が異口同音にこればかりを申します。ですから、それは自分たちの体制がよくなかったのだし、自分たちが甘かったので今後こういうことを起こさないようにと。 じゃ、なぜそういうことになったのかと言っても、いや彼が仕事ができる人だったので自然にそうなってしまっていた。それが自分たちの体制の甘さであったということの繰り返しでございます。 ですから、そこのところの関係を、元検事でいらっしゃいますから、ぜひ事務方から聞いていただきたいと私も思います。
○佐藤道夫君 当時、平成五年の事務次官はたしか斉藤とかいう方でしたね。川島氏ではないわけでして、川島氏が、いや有能だから任せたなんて、そんなことを言うわけはないと思います。 いずれにしろ、どんなに有能な人でも一人で現金を扱わせる、絶対あり得ないことです。あなたも会社の経営その他の経験がおありなようですから知っているでしょう。中小企業だって、会計課長と営業課長というのはきちっと分けて、会計課長は現金を保管し支出する、営業課長は請求書を出してそれを引き出してもらって、使ったらまた報告をする。どこだってこういうことをやっているわけです。一人でやらせるなんということは空前絶後と言ってもいい。聞いたこともないんです。 当然、私のような質問を、今あなたに報告をした官房長なり次官なりに、その辺をもう少し詳しく調べなさいと言ったでしょう。だれが考えたって、常識的に一人にやらせるなんてことないはずだと。その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) もう組織防衛以外の何物でもないと思いますが、どの方も同じ。ですから、事務方から違う言葉を引き出していただきたいと思います。同じことを、私も佐藤委員がおっしゃっていると同じ言い方で同じように申しております。ところが、同じ返事しか返ってまいりません。 ですから、その経緯を一番よく知っている官房長が来ておりますので、嫌がらずにお聞きいただくことも別によろしいんじゃないでしょうか、短時間でしゃべれると思いますから。
○佐藤道夫君 官房長のお答えになるものは、今あなたから聞いて、そのとおりそれはしゃべるんでしょう、そこに座って。 私は、外務省内部の問題ですから、疑問があればとことん追及して、川島次官とか官房長にきちっと国会で佐藤議員の質問に答えられるような答えを用意しなさい、説明をすっきりできるようにしなさいと、こう言うべきじゃ、今、大臣に聞いているんですから。 大臣の姿勢のあり方、それを聞いているわけですから、どうぞ大臣、お答えください、基本的な姿勢の問題ですから、これは。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、もう何度おっしゃられても、同じことを私は繰り返し言っておりますのですけれども、それは同じ答えしか返ってきません。 会計課長とか人がいたはずじゃないですか。その方たちにも私は言っています。ですけれども、同じ答えで、本当に申しわけなかった、そこが甘くて、彼がケーパブルであったとか有能であったとか、そんなことは理屈にならないということは私は口を酸っぱくして言っていますし、副大臣たちからもそういうことを言っていただいていますので、どうぞほかの方の御意見もお聞きになってみてください。
○佐藤道夫君 率直に言って私はあきれていますよ。大臣というのは、やっぱり省内全体を把握して、疑問があればとことん追及して、その結果を国民の代表である我々に報告をする、それが大臣の資格、任務だと言っていいわけです。部下が変なことを言っているから部下に聞いてくださいと、そんな大臣の答弁を私、初めて聞きました。大変おかしいと思う。 それじゃ、その事務方の官房長に聞きます。 あなたは事務屋ですから、当然、私の言っているような問題点をわかりまして、当時の関係者、斉藤元次官を初め関係者を呼んで、一体どうして松尾に任せたんだ、だれが考えてもおかしいではないかと、私の質問と同じようなことを厳しく問いただしたでしょう。そういう観点から答えてください。
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。 先ほど、委員御発言のとおり、四月三日の外交防衛委員会において本件が取り上げられた際、河野前大臣から調査の実施をお約束いたしましたが、その後、この問題については荒木前副大臣のもとで調査が行われております。 その結果は概略以下のとおりでございまして、まず第一点でございますけれども、松尾元室長が要人外国訪問支援室長に就任する以前には、総理の外国訪問に係る宿泊費の差額補てんのための内閣官房報償費は、その訪問担当の外務省担当局の会計担当者が複数で官邸より受領しており、事実上のチェック体制が機能しておりました。事実上のというふうに申し上げましたのは、この報償費が内閣のものであるため、外務省の通常の会計処理の枠外にあったからでございます。 第二点目は、しかしながら、松尾元室長就任以降は、松尾が既にそれまでの職務において内閣との連絡などに当たることが頻繁であったということを背景にいたしまして、外務省としての正式な意思決定を経ることなく、内閣官房報償費の処理を自分一人で担当するようになり、その結果、このような事実上のチェック機能すら働かなくなった次第でございます。 第三点でございますけれども、このような事態が生じた背景といたしましては、これまで累次国会において御説明申し上げてまいりましたけれども、同室長は、組織上、官房総務課長の指揮監督下にありながら、事実上は総理の外国訪問を担当する部局課との連携のもとに作業に当たっていたということで、指揮系統が非常に不明確になっていたということが挙げられると思います。 これらの調査結果については、前副大臣より記者会見等において既に御報告申し上げている点でございます。
○佐藤道夫君 私は川島報告なるものをベースにして尋ねておるわけでありますけれども、これに書かれていることはあなたの今読み上げたものとはかなり違っておるようなんです。決裁はきちっきちっと各地域ごとに行われていた、松尾が来る前までは。そして、現金の受け取りも複数の職員が行っていた。それが松尾が来て急にがらりと変わったと。 こういうことは松尾なる者一人で変えられることではないんです。あなただって役所の人間なら知っているでしょう。決裁制度を変える、金にかかわることについての決裁を変えるということは、その省挙げての大問題と言ってもいいんですよ。わかっておるでしょう、そんなことは。それだけ役人というのは、国民からあれこれ言われないために、金の出し入れ、支出、使途、それについては本当に嫌になるほど判こ判こを積み重ねていって不正を防止している、当たり前のことなんです。 それを松尾がやってきて、今度はおれがやるわ、みんな余計なことを言うなよ、はあ、わかりました、上司まではあと、こう言ってしまったと。こんなこと、あなた信ずるんですか。あなた、本当に外務省の官僚なんですか。おかしいと思いますよ。あなた自身はこういういいかげんなやり方を部下にやらせておるんですか、おまえ一人でやれ、責任はおまえがとれよ、組織ぐるみなんか言われないようにしろよと。 しかも、松尾なる者は、余りもうこの問題で私言いたくないんですけれども、競馬馬を買ったり、マンションを買ったり、ゴルフ会員権を買ったり、金を乱脈に使っている。これは役所内では、競馬馬でも二、三頭買えばすぐうわさが飛ぶんですよ。守衛さんだって、それから公用車の運転手だって、皆小耳に挟んですぐうわさをしまして、それがあっという間に役所じゅうに広まる。あの人は、あの課長は今度競馬馬買ったそうだ、金を扱っているからその金を流用しているんじゃないか、そういううわさが役所じゅうに充満するんですよ。役所というのはそういうところでもあるんです。 金の不正でも絡まれば、これは本当におもしろい話ですからね。みんながわいわいがやがや昼飯を食いながらやるんですよ、松尾怪しいぞ、そういえば目つきも変わっているというような話も出てきまして、それが上司の耳に入ったら上司はすぐ調査を命ずる。松尾を呼んで、おまえ本当にインチキやっていないか、競馬馬というのはだれの金で買ったんだ、こういうことを聞くのも役所では当たり前のことなんです。そういうことを守れない人が外交をつかさどっている、私、不思議としか言いようがない。こんな基本的なことを守れない人は、国の外交だってやれないんじゃないですか。 そして、田中大臣に聞かれると、なに昔のことはよくわからぬ、これからないようにしますからという答弁しかないと。大臣が責任を持って委員会じゃ答弁できませんと言っているんですよ。あなたの責任だと言ってもいいですよ。なぜ大臣がきちっと説明できるような資料を差し上げて、そして説明しないんですか、こういう範囲で我々も頑張って調べました、ここまでは調べ上げた、これが限度ですと。大臣も納得して、じゃ、その線で答弁しましょうということにもなるわけです。本当にあなた公務員なんですか、変なことを聞くようですけれども。そう言われても仕方ないですよ。
○政府参考人(飯村豊君) 荒木前副大臣のもとで調査した結果は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、私ども外務省の報償費ではなくて内閣官房の報償費であるとはいえ、こういったチェック体制の不備の中で国民の血税をお預かりしてこのような事態になってしまったということは、本当に何とおわびを申し上げていいかわからないと考えております。
○佐藤道夫君 今聞いておられましたか、大臣。一体だれがこれを変えさせたのか、この一点だけなんですよ。個人名を出すようですけれども、当時いたのは斉藤次官なる人が一番偉かったわけですから、これだけのことは必ず役所というところは次官まで上げて、これから松尾一人にやらせますから、次官よろしいですねと。うん、それでいいよと。そして、普通ならば必ずそれに判こをもらうんですよね、決裁制度を変更するという書類をつくって。次官も判こを押しているはずですよ。そんなことありませんなんというのは、役所じゃないと言われても仕方がないんですよ。そこまでとことん調べ上げまして、そこで初めて国民も納得するんじゃないでしょうか。 そういうことで外務省の不祥事、これは組織ぐるみと言われても仕方がないのか、本当にこんないい加減なことで決裁制度を変えたのか、ほかの役所もこれからのこともあるだろうから、くれぐれも注意してほしいものだと。こういうことで一件落着と、こう言えるわけでありまして、今後のことを聞いているわけじゃないんですから、その原因が一体どこにあったのか、だれの命令でこんなことが変わってしまったのか、その一点だけでいいんですよ。どうぞ。
○副大臣(杉浦正健君) 佐藤先生にお言葉を返す基本的なことについてはありませんが、ただ、決裁制度を変えたのかどうかということは、要するにこれは内閣報償費、内閣の予算で領収書も何も要らないものとして支出されている報償費のことでございまして、内閣報償費について外務省としてこう扱うという規定があったわけではございません。事実上、松尾氏の以前は複数の人が受け取ってチェックしておったということでございまして、外務省に報償費を扱うのについてこういう規定があった、これを松尾さんになってから変えたんだ、こういうことではないということをまず御理解いただきたいと思います。 その上で、いろいろ私なりに聞いたと申しますか調べたところによりますと、要するに、松尾氏のときの事務次官は斉藤さんなんですが、結局、斉藤次官以降現在の川島次官に至るまで、こういう事件が起こって大変残念無念なんですけれども、この松尾氏に対する斉藤次官の信頼、歴代次官はもう絶大なる信頼を持っておられた、信頼していたがゆえに任せたということではないかと私は思っております。 その信頼をこの松尾氏に裏切られたと。だから、今は松尾という人はもう起訴もされましたし、こういう何とも表現しようがない犯罪行為を行った犯罪者でありますが、しかし、彼が外務省の室長をやっているころの外務官僚、歴代次官等はもう極めて厚い信頼を寄せた。それに足るだけの実に有能な、優秀な事務処理能力を持った省員だったというふうに言えるのではないかと私は見ております。
○佐藤道夫君 大事なことですから、あなた間違っていますよ。何か内閣報償費を預かってきた、これは外務省の仕事でないような言い方をしていますけれども、外務省の職員として預かってきた以上はこれは外務省の仕事なんですよ。それをきちっと保管しているかどうか、どうやって支出しているかどうか、それを監督するのもこれは外務省の仕事ですよ。個人として内閣総理大臣のポケットマネーを預かってきましたって、そんなものじゃないんですよ。当たり前のことですよ。ですから、使えば業務上横領と本来はそうなるんですけれども、なぜか詐欺罪の方で。 そのことはどうでもいいんですけれども、内閣の金だから多少ルーズになってもいいんだと言わんばかりの言い方ですけれども、それじゃ明らかに間違いですよ。外務省の職員としての仕事なんですから。上司の命を受けて内閣に金を受け取りに行って、だから金の受け取りには二人で行けと、複数の者が行けと上司が言えば、それでやらざるを得ない。ところが、今度は松尾一人で行けと言うから松尾が一人で行ったと。全部これは外務省の職員としての仕事をしている。外務省の仕事をしているんですよ、誤解のないようにしてください。簡単な法律ですから、それぐらいは理解していただきたいと思いますよ。 大臣、どうぞ。
○国務大臣(田中眞紀子君) ぜひ発言したいと思います。 今ちょっと紙が出てきましたので申し上げたいと思いますけれども、先ほど副大臣が言われたような信頼しているから云々とか、信頼していたのがあだになったとか、そういうふうな感情的なこととか情緒的なことではなくて、お金に関することは会計課があるわけですから、複数で判こをついて出し入れをはっきりする、公金ですから。こんなのはイロハのイなわけですから、それは情緒的である、感情的であって、信頼していた云々というふうな、信頼していたのに裏切られたというふうな言葉は、やっぱりこれはなじまないと思いますが、今私ここで見まして、前大臣がどのようにこのことにかかわってこられたのか、のらくら一緒にやっておられたのか、私ちょっと想像もつきませんけれども。 今、ペーパーが出てきましたのを見ますと、四月三日に佐藤委員に対して、二月二十一日の改革会議での、佐藤委員に対するお答えなんでしょうか。その中で、これは川島さんが言った発言として、「松尾元室長の代になってシステムが変わり、」という紙、これは私も初めて見せてもらいましたけれども、「システムが変わり、松尾元室長一人が見積り作成、現地における支払い、」云々というふうになっておりますけれども、システムが変わりということを川島さんが言っているのであれば、だれの責任で、私は検事じゃないんですけれども、立場をちょっとわきまえなきゃいけない。 また不規則発言と出たらいけませんけれども、システムが変わるというのなら、だれの責任で何のために変えたのか。こんなことは変えちゃいけないんですよ。しかも、もっとよく変えるようにチェック体制をきつくするならわかりますけれども、一人の人に信頼をしていて任せたということは、意図的に幹部である川島さんもすべて納得してやったということなんだと思いますが、これは、二月二十一日の第一回機能改革会議での川島裕事務次官の発言だそうでございますが、これは御記憶でいらっしゃるんですね。 それに対して、川島さんの発言が、松尾の代になってシステムが変わりと言っているそうですから、変えたわけですよね、結果的には。ですから、こんなことは私はちょっと信じられないことですし、今までの答弁は、官房長が言っていたのと同じことを、全員が上から下まで同じことを言っていました。ですから、私も、そんなことがあってはならないだの、信頼していただのはおかしいじゃないかと言っても、もう公務ができなくなるほどこの答えしか返ってこないんです。組織防衛なんですよ。 これは、また持ち帰って、川島さんに副大臣も一緒になさるお気持ち、おありになりますでしょう。一緒に確認をいたします。
○佐藤道夫君 ようやくにして問題点が整理されたようであります。まさに私、そのことを回を重ねて同じことを、口を重ねて同じことを言ってきたわけです。システムを変えた、決裁制度を変えたと。だれの命令で、いつ変えたのか、そのことを聞いている。今の話など私、委員会でこれを読み上げておりますから、ここの変えたことを調べてくださいよ、わかりました、という話だったんですよ。 じゃ、結構ですから、今までのことは今までとして、今の大臣の答弁では大変疑問があると、こういうことでございますから、外務省に戻りまして、川島次官なる者を呼んできちっと、これはだれが一体どういう理由で変えたんだと、そこを問いただしてください。 そして、また宿題を持ち越すのも私、嫌なんですけれども、次回にきちっと報告をしていただければありがたいと思います。その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 次回がいつになりますでしょうか。それまでもちろん鋭意努力をいたしますけれども、なかなか大変な組織防衛、私だってもう着任から佐藤委員と同じことを言っておりますけれども、だれに聞いても、どの角度から聞いても、どんなタイミングで聞いても、これはもうなかなか大変でございますので、どういう方法があるか、また知恵もかしていただきたいというふうに思います。
○佐藤道夫君 問題を変えまして、ODAのことを私も取り上げさせていただきたいと思います。 亀井政調会長がODAを見直そうと、一律一〇%か何かの削減という方向でどうだろうかということを言い出したという話を新聞等で聞きました。その後どうなったかはよくわかりません。 私は、中国に対するODAの問題を取り上げたいと思います。 中国に対しては年間大体二千億の資金援助がなされておる、これはもう明らかな事実であります。そして中国は、そのうちとは言いがたい、要するに別途かどうか知りませんけれども、発展途上国と言われるカンボジア、ベトナム、モンゴル、東チモールその他の国々に対して年間六百億、ですから、自分が受け取るODAの援助資金のほぼ三分の一をそういう国々に一種の援助資金として提供している。これはだれが考えてもおかしいと思いませんか。 本当に発展途上国で金に困っている、日本の方々、ありがとうございますと言って二千億を受け取って、その中からほいと、おまえ困っているのかと言ってよそに分けてやる。それならば、日本から受け取るときに、私は六百億を差し引いた千四百億で結構でございます、残りの六百億は私らよりも一層困っている東チモール、モンゴルその他の国々にやっていただければありがたい、それが中国の古来からの論語、孟子、孔子、儒教の教えだと、こう言ってもいいと思うんですよ、当たり前のことだと思います。 日本だってそんなことをやれば、人から恵みを受けておきながら、その金を隣の、おまえ、おれより困っているなと言ってぽっと分けてやれば、金を与えてくれた人に大変失礼だし、それから基本的な心がなっていないと言われても仕方がないでしょう。本当にぎりぎりの生活をして、足りない分を援助してもらっている。その中からと言ってもいいんですけれども、ほかにまた回している。これをもう過去何十年となく日本政府は見逃してきているわけでしょう。なぜ中国に対してきちっと申し入れをして、いいかげんにしてください、よそに回す六百億があれば、今後はODAから差し引きますからね、そしてその分は日本政府が直接東チモールその他に援助します、よろしいですねと言えば、向こうだってわかりましたと言うに違いない、それ以外の答弁は出てこないと思いますけれども。なぜこれを今までずっとほっておいたのか。 田中外務大臣は、小泉さんと同じように改革、改革という思想、大変お好きなようでありまするから、ODA改革の第一歩として、まずこの問題を取り上げられたらいかがでしょうか、どうですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、中国に対するODAだけを特別扱いしようなんという気持ちは毛頭ありませんで、トータルで見て、国民の皆様の税金、血税の使い道がむだに使われていないか、本当に生きた形で、内外からも喜ばれる形で、むだなく効率よく使われるということがODAの本来の目的だと思いますので、それにかなったような形で使われていないものにつきましては、どこでありましてもやっぱり切り込んでいくということはもう基本だろうというふうに思っております。 ただ、今までは、中国に関しては貧困ですとか環境とか、そういう問題に集中的にシフトして援助をしていたというふうには聞いておりますけれども、各委員会等で今、委員がおっしゃるような御指摘も多くございますので、客観的事実をもう少しよくほかのODAとともに見直していきたい、かように考えております。
○佐藤道夫君 私、具体的な問題として取り上げているわけで、二千億を中国にODA援助をしている。その中国自体が年間六百億をほかの国々にさらに資金援助として出している。これはODA全体を見直すとかそういう問題でもないわけで、日本対中国の問題でありまして、あなたのところにこれだけのお金をやっている、そのうちからと言ってもいい、あなたはそれをよそに回している、だから次回からは差し引いて、もしほかの国々で必要があれば我々の方から直接回しますからねと、それだけのことでありましょう。なぜそんなことができないんですか。一般のODAを見直すとかなんとか、そんな問題を聞いているんじゃないんですよ。 それから、中国自身は今度、自動車と携帯電話ですか、ああいうことを持ち出してきまして、貿易戦争だと、マスコミはおもしろおかしく、ネギと車とどっちが大事かというふうな議論をしているようですけれども、援助をしている国とされている国で貿易戦争が起こるなんて、これは言葉としても絶対おかしいでしょう。戦争をするような状態なら、そもそも援助をしていること自身を反省すべきなのであって、お互い平等の立場でやればいいだけですから、援助をしている、援助してもらっている、その国の間で貿易戦争が起こる、これは一体何だろうか。 そもそも中国自身が発展途上国なんでしょうか。もう貿易収支は黒字で、その黒字は日本とほぼ同じぐらいとか、軍事予算に二兆円ぐらいも充てている。これも年間一〇%ずつ上昇している、増加しているというふうにも言われておりまして、もはや経済大国と言ってもいい。日本からODAをもらうような立場にはない。発展途上国と言ったら、中国の人は怒るんじゃないでしょうか。そう言いながら、なお援助を続けている。しかも、私が取り上げているのはこの六百億の問題ですから、中国に対する全体のことをあれこれ言っているんじゃないんですから、誤解のないように。聞かれたことだけちょっとお答え願えればありがたい、こう思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) とにかく、この内閣は聖域なき改革、構造改革ということを言っております。すなわち、むだの見直しということが各省庁求められておりますので、先ほどの一〇%削減云々というのは、塩川大臣と亀井先生の中で出てきたということは、私もアメリカから帰ってくる飛行機の中でもってテレビか何かで見ましたけれども、まだこの数字は全然外務省としては決めているものじゃございません。そのことをまずはっきり申し上げておきます。 それから、その六百億、御指摘の件につきましても、もちろん中国がどのように使っているのか、日本からのお金がどのように使われているかということをまずはっきりして、そしてどの辺から中国はその六百億というのが出ているのかということもしっかりと確認をしなきゃいけません。ただ、外交というものは一つのことだけを見ればいいのではなくて、いろいろなイシューが相手の国との中でありますから、そういう中でもってバランスよく、今おっしゃっている六百億の、中国が外国に出しているODAの問題も当然頭に入れながらトータルで見直しをしていきたい。そして中国との関係も、あらゆるイシューがございますからきちっと整理をしていきたい、かように考えております。
○佐藤道夫君 中国ODAについて非常にわかりやすい問題ですから、私、この六百億を取り上げているわけで、どう考えても常識に合わない話ですから、人からいただいてそれを人に回している、一体何だと、それだけの話なんですから。日本人は皆、我々も大変な今生活をしているんだと、ホームレスはふえている、自殺者もふえている、それを何かぽいと捨てるようにしていろんな国に金を投げ与えている、特にこの六百億なんて一体何だと、国民は皆そう思うでしょう。 どうか、改革改革とわめき立てるのも結構なんですけれども、地道な物事の解決ということを第一に考えていただくように田中大臣から小泉総理に申し上げてください。この六百億、こういう問題もありますよということですね。米百俵の問題じゃないんですけれども、こういう問題もやっぱり国民とすれば非常に大事に考えるんじゃないでしょうか。私、今の答弁には大変失望しております。どうか次回には前向きの答弁をお願いしたい、こういう感じがいたします。 それから、時間になりつつありますけれども、えひめ丸の問題をちょっと取り上げて、防衛庁長官、外務大臣の感触を聞きたいと思います。 四月二十六日ですか、米海軍太平洋艦隊査問委員会が艦長について、名前はちょっと忘れましたけれども、軍法会議にかけない、譴責処分と減給で艦長は名誉除隊と。その際、発表されたコメント、私、日本文の翻訳されたものしか読んでおりませんけれども、緊急浮上が事故の原因と、しかし故意または犯意は認められないということを査問委員会は言っているようです。 しかし、これは過失犯ですから、故意に緊急浮上してえひめ丸を沈めてやろうと思ってやったとはだれも考えていないわけで、監視が不十分なままに急上昇してえひめ丸と衝突して沈没させた。過失であるわけですから、故意とか犯意を持ち出すのはおかしいわけです。これは日本では業務上過失致死といいまして、事案によっては懲役五年まで処せられる罪だということになっておる。アメリカでも同じことで、交通事故を考えればわかることですから。 今回のその艦長に対して処罰せずという対応について、防衛庁長官は、元軍人と言えば怒られるかもしれませんけれども、ああいう立場の仕事をしていた人としてどう思われるのか。まあしようがない、任務でやっているんだから、一々軍法会議なんかにかけて恥をかかせるには及ばない、軍隊というのはそういうもんだと、多分そういうふうに考えておられるんでしょう。今まで抗議をしたということは聞いておりませんから、まあしようがないと、こう思っておられるのかどうなのか、その辺をちょっと御説明いただければと、こう思います。
○国務大臣(中谷元君) 法律の話ですから佐藤先生の方がお詳しいと思いますが、私の所感といたしましては、米国には軍法会議があって、我が国には軍法会議がなくて、司法行政の処罰等の裁判所は一カ所でありますので、その比較をするというのは、もともと軍法会議がない国でありますのでよくわかりませんが、ただ米国政府はあらゆる面でその責任を認めておりまして、今回の司令官による処罰によってワドル前艦長らの責任は明確にされたと。その文書の中で、ファーゴ司令官の決定においてワドル前艦長は有罪、ギルティーというふうにされておりますので、軍人がこのようなことで司令官にギルティーと言われるのは著しく名誉を失墜するものであるというふうな所見を持っております。 日本におきましては行政処分しかございませんので、その比較をどうかという点につきましては、国柄が違いますので、なかなかコメントするのは難しい、そういう気がします。
○委員長(服部三男雄君) 佐藤委員、質疑時間が経過しておりますので、その程度でとめてください。
○佐藤道夫君 ああ、そうですか。じゃ、やむを得ません、ここで終わりましてまた次回に持ち越したいと思います。
○委員長(服部三男雄君) 防衛施設庁、先ほどの点について準備できましたか。
○政府参考人(伊藤康成君) 先ほどは大変失礼をいたしました。 鳥島の件に関しまして、九七年二月十日に外務省から沖縄県の方に報告したところから事実関係のみ御説明申し上げます。 一九九五年十二月から九六年一月にかけまして、米海兵隊のハリアー機が鳥島射爆撃場におきまして三回訓練を実施した際に、計千五百二十発の劣化ウラン弾を使用していたということでございました。 米軍は、内部規律によりまして、我が国の訓練場において、これは日本のという意味です、訓練場において使用することはなく、訓練での使用は米本国での訓練場に限られているということでございますが、有事に備えまして、我が国内の一部の米軍施設・区域に保管されている劣化ウラン弾というものが当時あったわけでございます。九五年の一月から翌年一月の間に当該部隊におきまして弾薬カタログに記載ミスがあったために、ハリアー機が誤って劣化ウラン弾を装てんし、訓練で使用したということでございます。先ほどもちょっと申し上げましたが、訓練場の外に出たということではなくて誤った装てんということでございます。 それから、現在どうかということでございますが、米軍は平時から即応態勢を維持するために、緊急事態に備えまして種々の装備、物資を保有しておるところでございますが、劣化ウラン弾につきましても、我が国におきます一部の施設・区域に保管されているものと承知をしております。 具体的な場所につきましては、米軍は公表しないという基本方針を有しているということでございますが、いずれにいたしましても、厳重な管理基準のもとに安全な管理に万全を期しているものと承知をしております。 以上でございます。
○委員長(服部三男雄君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時十一分開会
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、須藤良太郎君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君が選任されました。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁刑事局長五十嵐忠行君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○益田洋介君 外務大臣にお伺いします。 本日、当委員会では、一時の衆議院本会議で通過を予定されていました閣条の第四号、第五号、第六号を付託され、そして趣旨説明まで進めて、二十八日に審議、そして採決まで予定しておりましたが、どうも衆議院の様子が判然としない、もしかしたら当委員会でこれ審議できないかもしれない。どうしてこういうことになったんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 現在、衆議院の外務委員会で審議中であるというふうに承知をいたしておりますが、どうしてということにお答えするとするならば、それは、何日でございましたか、先週木曜日の外務委員会での質疑応答がございまして、それに関しての私の言動について批判がございまして、陳謝いたしましたのですけれども、それが原因であるというふうに考えております。
○益田洋介君 原因であると考えるだけじゃなくて、今国会においては、閣法、閣条、実に九三%という成立率なんです。我が委員会も粛々と今これを進めてきまして、一カ月間のブランクがあったにもかかわらず最後のこの三条約を残すのみとなっている。審議ができないで未了になってしまうおそれがある。今までの当委員会の努力をどういうふうにお考えなのか、その辺をお聞きしたいんです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 各委員が真摯に一生懸命御努力をなさっていたことには敬服いたしておりますし、また、今現在、進行形の形でどうするかについて検討中でございますので、その結果を待ちたいというふうに思っております。
○益田洋介君 けさ十一時から衆議院では議運の理事会が行われている。席上、福田官房長官が出席して、外務大臣にかわって陳謝をした、内閣として。にもかかわらず、まだ進行していない、審議ができるかどうかということもわかっていない状態である。二時から理事懇が開かれる。野党は持ち帰っているそうですよ、今。進展していないじゃないですか。現状をよく把握してくださいよ、大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) 今、現状を事務方が把握した結果、一番直近の状態が進行形であるということを御報告申し上げております。
○益田洋介君 警察庁五十嵐刑事局長にお伺いします。 奈良県警で新たに現職の警部補ら四人が贈収賄事件で書類送検された。この経緯についてお話し願いたいことと、なぜ逮捕に踏み切れなかったか、その決断の背景を伺いたい。
○政府参考人(五十嵐忠行君) 御質問の件につきましては、本年の三月十五日、奈良県警察の警視二名を収賄罪により送致いたしまして、その後も捜査を重ねて真相解明に当たってきたところでありますが、その結果、昨日、関係被疑者を奈良地方検察庁に送致いたしております。 事案の概要でございますけれども、運転免許課の巡査部長が、平成十年九月、私企業の知人から依頼され、交通違反の行政処分をもみ消した事案に関し、偽計業務妨害及び公用文書毀棄罪で送致した。これが一件。 二件目。運転免許課の警部補が平成八年十二月ごろから同十一年七月ごろまでの間、私企業契約に係る携帯電話及び同通話料三十二万余円の供与を受けていたほか、同十一年七月ごろから同十二年三月ころまでの間、私企業の知人に対し、交通違反歴等の照会結果を漏えいしていた事案に関し、収賄罪及び地方公務員法違反で送致いたしました。これが二件目。 三件目。郡山署の巡査部長が平成十一年六月ころ、私企業の知人に対し、交通違反歴等の照会結果を漏えいしたほか、同年九月ころ、交通検問実施場所等を漏えいしていた事案に関し、地方公務員法の守秘義務違反で送致いたしました。これが三件目。 四件目。西和署の巡査部長が平成十二年一月ごろから同年三月ころまでの間、私企業の知人に対し、交通違反歴等を漏えいしていた事案に関し、地方公務員法、これも守秘義務違反でございますが、送致いたしたもの。 この四件の報告を受けております。 警察といたしましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき厳正に対処しなければならないことは当然でありまして、これらの件につきましても、関係者からの事情聴取、関係資料の分析等、必要な捜査を遂げたものでございます。 なお、二件目につきましては、贈収賄事件ということでございますが、この件につきましては、平成八年十二月から平成十一年七月にかけまして携帯電話を借りておりましたが、一方、犯歴の照会は平成十一年七月から平成十二年三月までの間でございました。つまり、携帯電話を返却してから照会に応じているもので、携帯電話の無償貸与という利益供与と犯歴照会という見返りの間に因果関係が認められない、その他、供述や証拠からもわいろ性が認定されなかったことから、地検と協議して書類送致いたしたというふうに報告を受けているところでございます。
○益田洋介君 昨年一年間は、記憶にまだ新しいところだと思いますが、警察の不祥事が相次いだ。国民の信頼感というのは地に落ちたような形になっている。今回もきちっとした処分を厳正にしていただいて、国民の納得いくような結論を出していただきたい。それだけお願いしておきます。局長、もう結構です。 次に、警備局長に伺います。 中古漁船を北朝鮮に不正輸出していた事件で、宮城県の松島海運の岸本洋二容疑者が逮捕された。この人は実際はブローカー的な役割を果たしていたんじゃないかと。一昨年の三月に二隻の北朝鮮の不審船が入ってきた、それから今まで恐らく何度も何度もこういうことがあったと思うんですが、捜査が二年もたってやっと本丸といいますか、岸本容疑者を逮捕するようになった。これは時間がかかり過ぎるという僕は印象を持っているんですよ。 この事件の概要について、経緯について御説明ください。
○政府参考人(漆間巌君) 議員御指摘の事件は、海運会社の社長らが中古イカ釣り漁船一隻をインドネシア所在の水産会社に輸出するように装いまして、平成十二年六月、水産庁及び当時の通商産業省に偽造の書類を提出し、インドネシア向けの輸出承認を得た後、実際にはその漁船を北朝鮮に輸出していたというものであります。 本件については、警視庁が外国為替及び外国貿易法違反等の容疑で海上保安庁と共同で捜査を進めまして、六月二十三日までに海運会社の社長ら四名を逮捕し、関係箇所十数カ所の捜索を行ったものでありまして、現在も鋭意捜査中であると承知しております。
○益田洋介君 海上保安庁長官、お願いいたします。この事件が明るみに出た端緒について特に説明をお願いします。
○政府参考人(縄野克彦君) お答え申し上げます。 今お話ございました平成十一年三月の能登半島沖で起きました不審船事案、不審船が日本漁船を偽装していたという疑いがありますので、輸出日本漁船と不審船の関連につきまして海上保安庁としては監視、調査を行ってまいりました。 このような中で、日本の中古漁船を北朝鮮に向けて不法輸出しているのではないかという情報もありまして、調査していましたところ、福島県の小名浜港からインドネシア向け海外売船される中古漁船の情報を入手いたしましたので、昨年六月、小名浜海上保安部において同漁船の立入検査を行ったところでございます。立入検査の結果、立会人である松島海運が輸出先を北朝鮮と申し述べましたので、私どもから関係機関に通報しその真偽を確認しましたが、その後、同漁船はインドネシア向けの手続をとって出航いたしました。ところが、実際にはその漁船は北朝鮮に輸出されていた。 先ほど申し上げました申請に係る書類については偽造の疑いがあるということから、警視庁公安部と私ども共同捜査の申し入れを行いまして、警視庁と東京税関とともに現在捜査を行っているところでございます。
○益田洋介君 この件も非常に関心の高い問題でございます。特に、不審船というのは日本人の拉致疑惑、疑惑じゃないというところまではっきりと明言しているそうでございますが、関連しています。ぜひとも、鋭意捜査を進めて何とか北朝鮮問題、一つでも二つでも外交問題を解決していくように努めていただきたいとお願いしておきます。 長官、結構です。 次に、靖国神社問題で外務大臣にお伺いします。 今月初めに保守党の野田毅氏が訪中した際、唐家セン外務大臣から、この問題はこの上なく敏感な問題である、総理が参拝するとすれば火に油を注ぐことになるだろう、こういう手痛いまでの発言をしている。一方、総理は、二十三日に沖縄で開かれた全戦没者追悼式に出席した後、記者会見で改めて靖国神社参拝を明言している。 この問題については、かなり議論がされてきたわけでございます。特に、九二年の二月と七月に言い渡された福岡高裁、大阪高裁、これについては住民側の国と元首相を相手取っての損害賠償請求でございました。請求には理由がないという判決でございましたが、しかし判決文の中には、ともに、元首相の公式参拝は違憲の疑いがあると福岡高裁も大阪高裁も言っている。 この問題について外務大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 各委員御案内のとおり、小泉総理は、靖国参拝を御自身がなさることは戦争を美化したりすることではないのだ、純粋にみたまに対して自分は拝礼をしたいというふうにおっしゃっておられますが、委員おっしゃるような近隣諸国からの強い反発があるということ、それは私も十二分に承知をいたしております。 そして、そのことは私も再三再四総理にお話を申し上げてもおります。そして、きょうの新聞でも御案内かと思いますが、国立の墓苑ですとか、墓地といいますか、そういうふうなものを靖国神社以外につくるというふうなことも、私はどうだろうかということを小泉総理に、個人的にですけれども、お話を申し上げたこともございます。 いずれにいたしましても、総理御自身の意思が大変かたくていらっしゃるので、私からはもうこれ以上、最後まで努力はいたしますけれども、日程もなかなかかみ合いませんでそうしょっちゅうお目にもかかれませんので、今後も努力を、お話し合いといいますか、そういうことは続けていきたいというふうに思っております。
○益田洋介君 外務大臣の御認識では、総理は公式参拝をいまだに願っておられるんでしょうか、それとも個人としての資格で参拝されるんでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) そのいずれであるかについては伺っておりません。
○益田洋介君 この辺は非常に大事なことで、いわゆる中曽根方式といって、社頭で一礼するのも違憲だという裁判官の意見もあります。ですから、私はどうしても行きたいというのならば、それは私人として参拝するのをとめるということはできないわけですから、個人の自由なわけですから、公と私の線引きはどの辺にあるというふうに外務大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 内閣総理大臣というのは日本じゅうでたった一人しかおりませんので、その職責の重さを考えますと、公と私というものの峻別というものはなかなか難しいのではないかというふうに愚考いたします。
○益田洋介君 御参考までにお聞かせしますと、一般論としては、公用車を使わない、それから内閣総理大臣と記帳しない、それからそのほかの諸費用は自分で負担する、この程度は最低守っていただきたいとお願いしておきます。外務大臣からもさらに重ねて公私の線引きは明確にするように伝えていただけますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) アメリカ、欧州に旅立たれる前の時間、お目にかかれる時間があればそのようにお伝え申し上げます。
○益田洋介君 それから、日本が中国産の農作物にセーフガードを暫定発動したのに対して、中国側は今度特別関税を日本製品に対して課すという、経済問題、外交の問題であることは間違いないんですが、非常に険悪な状況になってきている。さらに加えて言うならば、中韓両国については、日本の教科書、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーが執筆したと言われている教科書に対しては史実の歪曲がある、こういう批判をしている。 この二点についてどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) このたびの中国の輸入特別関税の措置につきましては、日本の産品、具体的には自動車でありますとか携帯電話、それからエアコン等ですけれども、日本の産品のみを対象とした、これは言ってみれば差別的な関税措置であるというふうに私は考えます。したがって、そのような措置は日中貿易協定等から見ても決して認められるものではないというふうに感じております。したがって、これは受け入れ可能な解決方法を探求して、早期に解決ができるように閣内挙げて努力をいたします。 それから、歴史教科書の問題は、もう既に委員御案内のとおり、文部科学省で今精査が行われておりまして、近々結論が出るやに聞いております。
○益田洋介君 経済財政諮問会議では、ODAの予算の削減についての議論は行われておりますか。行われているとすれば、どういったことが現状でしょうか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 具体的に今各省庁からこれという記述はございませんけれども、ただ聖域なき改革ということを言っておりますので、当然、各役所が自分のところではどのようなことかということは考えておりますし、それからODAについては外務省マターでございますので、この問題は大変キーンな問題として私もとらえております。
○益田洋介君 大変さまざまな角度から中国との間では摩擦が生じてきている。ほとんどは外交問題だと思います、経済問題も含めて。どうか外務省、力を入れて、本腰を入れて中国との交渉に臨んでいただきたい、そのようにお願いしておきます。 それから、今度は韓国の問題ですが、七月中旬から北方四島周辺水域で韓国のサンマ漁船が操業に入る予定であると発表されている。我が国政府の今までの解釈というのは、北方四島というのは日本固有の領土であると。この考え方に変更がないとすれば、このサンマ漁の許可をするわけにいかないんじゃないか。ただし、韓国側は、領土紛争とは関係がない、ロシアが許可すればそれでいいんだ、こういうふうな姿勢であります。 これについて外務大臣はどういうふうに考えますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 北方四島が我が国固有の領土であるということは、もうかねてよりずっと我が国政府が主張をしてきておりまして、それには間違いがございません。 したがって、今回の韓国漁船の操業問題につきましては、過去ずっと、この問題が起こりましてから、最初は二月の二十日でございますけれども、それから九回、ソ連方とそして韓国方とも話し合いをいたして、こちらは抗議を申し込んでおりまして、一番直近では、昨二十五日に寺田駐韓日本大使より韓昇洙外交通商部長官に対して改めて強い抗議を申し入れております。
○益田洋介君 その際、寺田大使に対して三陸沖のサンマ漁の許可を日本が留保しているという問題が取り上げられて、この点について公式の抗議を寺田大使になし、さらにはその留保措置の即時の撤回を要求しているという。 全く違うじゃないですか、認識が、外務大臣。向こうは文句を言っていると言っているんです。
○副大臣(杉浦正健君) 我が国は、これは水産庁の方でやっておるわけですが、韓国は今問題になっているように四島周辺水域での操業を目指しておるということでございますので、三陸沖にという申し入れのございました韓国漁船のサンマ漁の操業許可を留保しておるわけでございますことは間違いございません。そのとおりでございます。 韓国が、韓国漁船の当該水域、北方四島水域での操業は日ロ間の領土紛争とは全く無関係な純粋に漁業に関する事項だ、そういう立場で国際法及び国際慣行にも符合するものだという立場を表明しておるわけですが、韓国の言っておるような国際法及び国際慣行はございませんし、北方四島が我が国の固有の領土だということは明らかな事実であり、これは日ロ間においてずっと継続して論議になっておるところでございますので、まことに韓国政府が遺憾であるとかいうふうに言われること自体、いわれのないことだと私どもは思っております。
○益田洋介君 思っているだけじゃなくて、それは反論しなきゃだめでしょう。思っていますなんて外交にならないでしょう。 もう一回答弁してください。
○副大臣(杉浦正健君) これは、きのう六月二十五日の話でございまして、とりあえず入っておりますが、当然寺田駐韓大使はそのような韓長官の発言に対して反論はしておると思いますし、詳細を伺いまして、反論していないとすれば厳しく反論いたすつもりでおります。
○益田洋介君 二十八日にもし委員会が再開できるとしたならば、この問題に対する政府の正式な見解を示していただきたい。よろしいですか、大臣。 それから、二十日の衆議院の外務委員会で、外務大臣はロシアのイワノフ外務大臣に対して適切な処置を求めるという書簡を、この北方四島周辺水域での七月から、七月はもうすぐですよ、韓国漁船の入漁について抗議をしたと。これに対する返事はあったんですか。二十日の委員会で、十九日にそういう書簡を送ったと言っている。
○国務大臣(田中眞紀子君) まだ返事はいただいておりません。
○益田洋介君 どうするつもりですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先方も御都合があると思いますので待ちますけれども、時期を見まして、余り時間が長引けば、もちろんもう一回督促をいたします。
○益田洋介君 時間が長引けばって、もうすぐ七月ですよ。七月から操業すると言っているんですよ。何とかしてこれは政府として手を打たなきゃいけないんじゃないんですか。
○副大臣(杉浦正健君) 北方四島沖での操業、漁期の開始は七月十五日でございますので、それまでにきちっとした結論が出るように全力を尽くしてまいる所存でございます。
○益田洋介君 これもやはり国民が注視している問題ですので、ぜひともきちっとした、弱腰にならないで言うべきことをきちっと言ってください、韓国とか中国とか。ちょっと日本の外交は、今弱腰過ぎるとそういう印象を持っています。 それから、二十日の同じ衆議院の外務委員会で、外務大臣は、排他的経済水域内での資源探査を中国がしているわけですけれども、してはいけないという国際法はないと中国の疑惑行為を容認するような発言をしている。この真意はどこにあるんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 中国による資源探査、天然資源の探査について容認はいたしておりませんので、もう一度誤解のないように繰り返させていただきたいと思います。 天然資源の探査につきましても、条約がございますけれども、それによって沿岸国が主権的権利を有するとされており、我が国の明示の同意なしには、我が国の同意なしには中国を含む他国が我が国の排他的経済水域及び大陸棚において天然資源の探査を行うことは認められてはおりません。
○益田洋介君 わかりました。わかりましたが、衆議院の外務委員会ではそういうような発言をされていなかったようです。今、訂正されたというふうに理解してよろしいんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 訂正よりも、正確に補足説明をしたというふうなつもりでおります。
○益田洋介君 先日、第七回国連北東アジア・シンポジウムが石川県の金沢市で開かれた。朝鮮半島情勢について活発な議論が集中した。参加国は日本、韓国、中国、アメリカ、ロシア、モンゴル、フィリピン、四十人が激論を交わした。この内容について御説明願います。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは民間の有識者がやっておられるシンポジウムだというふうに承知いたしております。これは金沢で第七回目の会合が開かれまして、財団法人日本国際連合協会の主催でございました。 本年六月六日から八日に、日本、中国、韓国、モンゴル、フィリピン、ロシア、アメリカから有識者を集めて開催されました。そして、このシンポジウムにおいて、北東アジア地域を中心に安全保障と軍縮、朝鮮半島、平和の文化及び平和教育、経済問題及び環境保全などの分野での協力について話し合われたというふうに承知いたしております。
○益田洋介君 民間のシンポジウムという考え方は、ちょっと外務大臣、正しくないんですよ、政府の高官、アメリカからはフォスター公使も出ていますし。ですから、官民のシンポジウム、そういう立場だと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) これを主催いたしましたのが民間だという意味でございます。
○益田洋介君 昨日、さきの日米外相会談の件について外務省のある幹部が、パウエル国務長官が外務大臣に対して沖縄の米軍基地問題などは頭痛の種だ、そういうことを言った。それで、ラムズフェルド国防長官に伝えると言っているわけですけれども、一方では、国務省のバウチャー報道官はそのようなことは会談の席上で言われなかったと否定している。どれが一体正しいんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) この頭痛とおっしゃった意味は、私は普天間の問題を申しましたときに、私は沖縄問題を考えるときには普天間の移設の問題、返還の問題がまず頭から去らないので、常時、普天間、普天間、普天間という、あらゆるときに思っているという話をしましたらば、ああ、それは困ったというような意味で、ヘディークだ、自分の方もヘディーク、ヘディーク、ヘディークとおっしゃって、何となく笑いを誘ったわけでございます。 しかし、これにつきましては結論的に、総合的にあらゆる選択肢も検討しながら、それもラムズフェルド長官に伝えていくということをおっしゃったわけですし、トータルでアメリカのフットプリントをもっとリデュースしていく、きょう午前の会でも申しましたけれども、そういう努力をするということをおっしゃってくださいました。
○益田洋介君 わかりました。それは外務大臣の言うことを信用したいと思います。 それから、防衛庁長官に伺いたいんですが、昨年十月にリチャード・アーミテージがアーミテージ・リポートというのを発表しています。これは、集団的自衛権の禁止という解釈を我が国政府が見直すべきであるといって、日米同盟が米英関係のレベルまで達するようになったら在日米軍の兵力構成についても大きな変化が、あるいは柔軟な対応をアメリカがとれるだろう、こういう発言をしている。それから、普天間の移設後の使用期限十五年ということについては、将来の東アジアの状況が今こんなに混沌としている状況のところで使用期限を設定するのはむしろ非現実的だという発言をしている。 この点については話し合われましたか。
○国務大臣(中谷元君) アーミテージ氏とは電話でお話をいたしましたけれども、せんだって外務大臣が外務首脳会談をした点で非常に有意義でよかったという点と、これから小泉総理の日米首脳会談がありますけれども、それのための準備をいたしているという点等でございまして、特に昨年十月のアーミテージ・レポートの話はいたしませんでした。
○益田洋介君 何でしなかったんですか。非常に重要な問題じゃないですか。アメリカの指導的な立場にある人が十五年と期限を設定するのは非現実的だという発言をしているんですよ。もう一回これは話し合っていただけませんか。
○国務大臣(中谷元君) 私の今回の訪米のメーンはラムズフェルド国防長官でございまして、沖縄の使用期限の問題につきましては、ちょうどその日が日本時間で沖縄の地上戦終結の日の慰霊の日に当たる点で、私から、沖縄で二十万人の方が犠牲になったという点に心から哀悼の意を表しているということを前置きいたしまして、使用期限の問題におきましては地元の県知事、名護市長の方から政府に対して強く要請があるということを重く受けとめている点を米国側にお伝えしました。
○益田洋介君 沖縄の方、非常に心配をなさっている、十五年というのがいつの間にかないがしろにされているんじゃないかと。ですから、きちっとした、長官、これは沖縄の県民の方に対するメッセージとして重要なことですから、ぜひ話し合いを進めていただきたいと私は要望しておきます。 それから次に、代替飛行場の設計案というのを政府は今月上旬に県と名護市に提示をされたと聞いております。全部で八案あって、沖合に埋め立てる案、それからポンツーンを浮かべるという案、あるいは桟橋を設置するという案があります。 これは、工法的なことは施設庁長官に伺うとして、まず防衛庁長官、これをごらんになってどの案が一番沖縄の方に受け入れ、非常に工期が長過ぎて全く非現実的な案もあるわけですけれども、どの案がよろしいというふうに長官はお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) この八案につきましては、地元からの特に要望がございまして、地元のさまざまな方々にこの案を提示して意見を聞いて、地元の自治体が中心となって意見を取りまとめて政府にお答えしたいということを言われておりまして、その点を我々も重視をいたしておりますので、特にどの案がどうだという意見は、それぞれどの案にも長所、欠点がございますので、私は現時点で持ち合わせておりません。
○益田洋介君 施設庁長官、案を見せていただきましたけれども、非常に費用が高いのとか、それからもう十二年とか工期がかかるとか、気の遠くなるような案ばかりなんですね。余り土木構造物として僕はよくないと思います。第一、台風が一番集中して来るような場所柄でもありますし、さらには、リーフだとかジュゴンというのが生息している地域です。 これ、予定地の変更というのは検討されたことはありますか。
○政府参考人(伊藤康成君) 先生御承知のとおり、この代替施設の問題につきましては、昨年の八月以来、政府並びに県、それから地元の名護市、東村、宜野座村というところの、それぞれ知事さん、市長さん、村長さんたちに御参加をいただいた代替施設協議会というところでいろいろ議論してまいったところでございます。そして、大まかに辺野古の沖の海域ということでお示しをいただき、三つの工法についてもお示しをいただきました。そして、その中でどういう可能性があるかということについて私どもで調査をしろということでございましたので、関係の団体に委託をいたしまして、今回御報告したような三工法、八案というものをお示ししたわけでございます。 そういうような経過でございますので、今私の方でその基本的な場所等について申し上げる立場にはございません。
○益田洋介君 防衛庁長官、先週、ラムズフェルド国防長官がアメリカの上院の軍事委員会でこういう発言をしている。 現在の戦略はもはや機能していないと言って、冷戦後の二正面戦略を見直しているということを発表した。八月から九月にかけて練り上げて、四年次国防見直し計画として発表すると。これは、湾岸とか中東とか北東アジアの二地域を念頭に置いていたので、大規模紛争に対処する能力を改めて見直さなきゃいけない、そういう発言をした。さらには、日本の役割や発言については非常に重要だということを強調し、かつ前方展開戦力は引き続き重視するつもりであると。だから、アジアの十万人体制は変わらないんじゃないか、そういうふうに見られています。 この点、いかがお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) この発言はちょうど私とラムズフェルド氏が会談をする前日の議会証言でございまして、私から、先生お尋ねの二正面作戦がどうなるのか、また前方展開兵力の能力を高めるというのはどういう意味なのか伺いました。 それに対してラムズフェルド氏からは、QDR、兵力の見直しは九月にしたい、前方展開についても検討しておりますと。アジアにおける米国の重要性について検討をしているが、そもそも平和と安定がなければ繁栄はない、それを裏づけるのは米国のプレゼンスであって、それがアジアの平和に貢献をしており、そういう気持ちは変わりません、また、地域の友好国と協力をして、同地域に攻撃があれば抑止をしなければならないし、目標達成の能力の投資を考えなければならないというような表現でございましたけれども、引き続きアジアに対して米国としては関心を持って取り組んでいくというふうな姿勢を感じた次第でございます。
○益田洋介君 先日、アメリカのウッドロー・ウィルソン・センターが発表した報告書の中に、「中日関係 古い敵意と新しい可能性」という巻頭論文をパモナ大学のデービッド・アラセ教授が書いている。この中で教授は、日本のこれまで総額三兆円に上るODA、特に対中国供与でございますが、感謝もされずにその効果が極めて疑わしいと、日本国民は一般的にそういうふうに考えているんだ、過剰にODAという手段だけに依存するというのは非現実的なことは明白になったと。ODA供与などはあめばかりでむちを与えていないんだ。それからさらには、日米ミサイル防衛とか対中ODAの削減、WTOへ中国が参加した場合の経済摩擦、一層日中の摩擦は激しくなる、そういう予測が高いんだということを言っている。 これについて外務大臣と長官の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 午前中の御議論の中でも中国に対するODAというものについて指摘がございましたけれども、全くそのとおりだという面もございます。 ただし、やはり日本が中国にODAを開始いたしました基本にあるものは、貧困ですとか環境問題とか、そういう面で使っていただきたいということが基本にございます。そして、中国が安定的に発展することによって、このアジア太平洋地域、ひいては世界の平和、繁栄にも貢献したいということが基本にございますが、そういう理念がありましても、今おっしゃったような指摘もございますので、そうした御意見も勘案しながら今後の新たなODA、特に中国に対するODAにつきましては、いろいろな意見を幅広く聞きながら見直しを図ると、まあ本質的な問題がどのようになっているかについて検討をいたします。
○国務大臣(中谷元君) ODAというのは政府開発援助ということでありますが、基本的に、自由経済のもとに安定的に発展をしていくために援助をしていくべきだというふうに思っております。 したがいまして、中国が軍事的にその予算を増強したり、また午前中の質疑でもございましたけれども、他国に対して巨額の援助をするというようなことにつきましては今後、ことしのODAの予算編成等もございますけれども、そういう点も勘案しながら、基本的には、我が国との信頼関係の中で自由主義経済が発展していき、助け合うという趣旨に合うものにすべきだというふうに思っております。
○委員長(服部三男雄君) 質疑時間、経過しておりますので、この辺でとめてください。
○益田洋介君 ありがとうございました。
○小泉親司君 まず、自衛隊の誤射事件について質問をいたします。 この事件は、先ほども同僚委員から取り上げられましたが、大変ゆゆしき事態で、百八十八発という誤射が行われて十数発が北広島市のリハビリセンターに着弾する、まだ依然としてどこにその弾丸が飛んでいったのかということすらもわからないというひどい事件だというふうに思います。 私たち、この問題については、当然真相の徹底的な究明がまず第一で、先ほど申し上げました誤射されたところが一体どのくらいの区域にわたるのか、そうしたことも含めてよく調査をして国会にも報告していただきたいことと、それから、やはり真相の究明があるまで当然のこととして訓練を中止すること、それから被害者の皆さん方へのきちんとした補償を行うこと、これがまず第一に大事なことだというふうに思います。 それと同時に、再発防止策として、私たちこれを考える上で大事だと思うのは、やはり今、地上の空対地射爆ないしは射撃場としては北海道のいわゆる島松演習場と米軍では天ケ森射爆場があるわけですが、私、この前も米軍の天ケ森射爆場に行ってまいりましたけれども、これは防衛庁長官も御存じだと思いますが、射撃訓練中に事故がありまして天ケ森射爆場沖約七百メートルに米軍の戦闘機が墜落したと。 これは、私、現場を見てきましたが、天ケ森の方々の御意見ですと、ほんの数秒で自分たちのところに突っ込んできたかどうかもわからないと。つまり、七百メートルないしは一キロしか市街地から離れていないわけですから、もう数秒間でひょっとすると民家に突入されたかもしれないという危険があって、天ケ森の皆さんはもう本当にここを立ち退きせざるを得ないような深刻な状況になっておりまして、実際に米軍がそこのけそこのけ戦闘機が通るというので、逆に日本国民の方が追い出されてしまうというような事態まで私は今進んでいると思うんですね。 これは天ケ森の米軍の話ですが、決してこの問題にとどまらないで、やはり今度の島松の問題、北海道の演習場のこの誤射事件というのは重大な問題で、その再発防止策については、当然そういった市街地における演習場の問題、これは防衛庁長官も何遍も行っておられるから御存じだと思う。私も数回行きましたが、恵庭市とか北広島市とか千歳市とか、いわゆる北海道の新興都市のちょうど中間にあるわけですから、そういう演習場の設置の見直しも含めて再発防止策はきちんととられるべきだと。 以上の点について防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 今回のような事故はあってはならない事故でございまして、事の重大性に対しては深く認識をしている次第でございますし、また被害に遭われた方々、また御近所の皆様方には大変な御心配、御迷惑をおかけしたものでございまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。 事故原因の解明につきましては、平沢政務官を現地に派遣いたしまして、その原因が人的な問題にあるのか、また物的な問題にあるのか、予見とか予断を挟まずに真摯に全力で事件の原因解明をいたしているところでございます。また、昨日は航空自衛隊全機について、弾薬、ミサイル等を搭載しての訓練をすべて中止するという措置をとったところでございます。 また、午前中は、政務官の方が北広島市役所、北広島リハビリセンター、サンパークゴルフ場並びに北海道庁にも伺いまして、自治体の皆様方から御意見もちょうだいしながらこの原因の解明と周辺対策に全力を挙げている次第でございます。 なお、訓練場等の面におきましては、先生の御指摘も大変大事な問題があるというふうに認識をいたしておりまして、今後、真摯に検討もしなければならないというふうに思っております。
○小泉親司君 それじゃ、次にミサイル防衛の問題について幾つか質問をさせていただきたいと思います。 まず、初めにお聞きしたいのは、田中外務大臣はいわゆるミサイル防衛について訪米で理解を示された。いかなる理由でこれに理解を示されたのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 現在、世界には弾道ミサイルを保有している国家が四十一ございます。そして、そういうことの実態、事実を認識した上で軍縮努力を含む国際的な安全保障の環境向上ということは必要であろうというふうに考えます。そして、そうした考えに立脚いたしましてBMDに関する共同研究も実施をしていくと。これは研究でございますので、その段階ではアメリカのそうした考え方を理解できるという趣旨で発言をいたしております。 〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕
○小泉親司君 この問題というのは御承知のとおり、ヨーロッパ諸国ないしはその他の諸国でも大変懸念が表明された問題なわけですね。この点については、田中外務大臣の外相会談での発言などを見ますと、ほかの国とは立場が違うんだという説明をされておるだけやに私たちは受け取っているわけで、例えば、五月二十九日に開かれたNATOの理事会でもこの問題についてはきちんとまとまっていない、足並みに乱れがある。 シラク大統領などになりますと、この問題というのは、単にアメリカは新たな軍拡を招かないような、核拡散を防止するような、そういう理由でこれをやるんだと言っておられるけれども、実際はこの問題というのは、逆に核兵器の拡散、ミサイルの拡散、こういうものを招くおそれがあるんだと。例えば、シラク大統領はブレア・イギリス首相との共同会見で、大量破壊兵器の拡散を強く促すことになる、それから国際関係が激化することになる、技術的には不確実である、膨大な経費がかかるという三点の理由を示して反対をしておられる。これは、ロシアや中国やEU諸国でもこういった意見が多いわけですね。 ところが、日本の場合は、これはミサイル拡散を防止するんだ、核の拡散を防止するんだと、これは全然ヨーロッパとそういう意味では立場が違うわけで、という意味は、これはヨーロッパの諸国の主張、こういうのが間違いだと、こう外務大臣はお考えなんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) それぞれの国、それぞれの立場、考え方がございますから、それが間違いであるとかないとかというコメントはいたしません。 しかし、私が自分で発言をいたしました欧州と日本とは違うということの意味は、日本を取り巻く環境の中に不確実性ないし不透明性が存在するということを言っております。 それからもう一つ、この防衛構想そのものですけれども、これは大量破壊兵器、それから弾道ミサイルの拡散を防止するということの重要性を認識しているという意味で、先ほど申し上げましたように理解はするわけですが、さらに、この計画、研究を進めていくに当たってアメリカは、日本を含む同盟国及びロシア、中国とも緊密に連絡を取り合いながら、説明をしながら進めていくという方向性を出しておられますので、そのことに対しましても私は理解をしているということでございます。 したがって、ヨーロッパの国全部が一体化しているわけではなくて、今おっしゃったように、イギリスあるいはフランス、それぞれ立場も意見も違うというふうに思っておりますので、日本は日本の独自の意見を申し上げたということでございます。
○小泉親司君 私、今、外務大臣のお話をお聞きして疑問なのは、つまり、日本とアメリカは核拡散、ミサイル拡散を防止すると言っておられる、ヨーロッパは全然反対のことを言っているわけですから立場が違う、全然正反対のことを言っているわけですから。それを外務大臣は、日本とは立場が違うんだ、状況が違うんだ、日本の場合は不確実性があるんだと言っても、そもそも今度の問題で理解を示されたのは、日本の話に理解を示されたんじゃなくて、アメリカのミサイル防衛という体系そのものに理解を示されたんでしょう。そうしたら、これは全くヨーロッパと立場が違うわけだから、どちらかが正しくなければおかしいじゃないですか。その点を外務大臣はどうお考えなんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、今現在、研究をこれから進めていこうということでございますから、その中においていろいろなことが起こってくると思います。午前中の質問にもございましたけれども、例えば、直接ではございませんけれども、他の技術も民生分野でも役立つような、あるいは利用できるようなものも出るかもしれません。まだこれは端緒についたばかりでございますので、したがって、冒頭申し上げたような理由も兼ねておりまして、核不拡散というふうな観点でのアメリカのやり方、考え方に理解を示すということでございます。
○小泉親司君 やはりこの問題というのは、例えばフランスのシラク大統領などは、これは盾と矛の関係だと。それでいろいろ説明しておられるのは、もともとこの盾と矛というのは古代の歴史からあったもので、必ず剣をつくれば盾ができ、盾をつくればそれを乗り越える剣ができ、剣がまたそれを乗り越えればさらに盾が乗り越えていく、こういう歴史があったもので、実際にミサイル防衛という形でアメリカがミサイル防衛の盾をつくれば、それを乗り越えようとするのが必然であるんだと。 私、この問題は、戦後の核軍縮の歴史からしても、そのことはやはり歴史的な事実だというふうに思うんです。例えばABM条約、こういうものができ上がりました。これもほぼ迎撃ミサイルということで、相手から撃ってくるものを迎撃ミサイルで撃ち落としますよといういわゆるABMの条約ができたのは大臣も御承知のとおりであります。ところが、これも現実問題としては、これを乗り越えるための巡航ミサイルですとか潜水艦発射ミサイルですとかさまざまでき上がってきて、どんどん核軍拡が進んできたという状況があるわけです。だから、この点で悪魔のサイクルに終止符をきちんと打たないと非常に問題だというふうに思うんです。 その意味で、今度の外相会談ないしは防衛首脳会談もあって、軍事面を担当する防衛庁長官がミサイル防衛について理解を示すというのは、まあわからないわけじゃないけれども、そのわからないわけじゃないというのは賛成しているわけじゃないんですが、軍事面の方が軍事的対応をおっしゃるのは、それは私たちは非常に問題だと思うけれども、外務大臣はそれとは違った対応、つまり今のヨーロッパが抱いているようなミサイル防衛の懸念、さらにはこれが本当に核拡散を防止する、こういう方向のものなのかどうなのか、そういうものであるのか。 それから、現状からしますと、現実問題としてミサイル拡散、核拡散といっても、現実にはアメリカが圧倒的な超大国の力を持っているわけで、このアメリカに対してそういった核不拡散の問題、それから核兵器の廃絶の問題、大幅な削減の問題、こういう問題について今度の外相会談で一言何か言ったんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど来申し上げていること以外に申しておりませんが、現実問題として、弾道ミサイルを有する国が世界に四十一もあるという現実に対して、どのように対応ができるかという視点も決して忘れてはいけないというふうに思っていますし、また新たな脅威というものも今後あらわれてくる可能性もあるわけでございますから、したがって、このことを研究することについては理解を示したというわけでございます。
○小泉親司君 研究、研究と言われますが、そもそもこの問題というのは、五月一日にブッシュ大統領がミサイル防衛について国防大学で演説したことに起因するんです。この大統領の演説のポイントというのは大臣はどのように理解しておられますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 基本は核不拡散でありますし、それからここに中身は全部ございますから、もう御存じでいらっしゃると思いますので繰り返しては申しませんけれども、冷戦後の国際情勢をどのように認識しているか、それから新たな枠組みをどうするか、ABM条約をどうするか、それから核兵器の一層の削減のためにどうするかというふうなことを基本として、ミサイル防衛について意見を開陳なさったというふうに承知しております。
○小泉親司君 では、今ABM条約の問題が出ました。正確に申し上げますと、ブッシュ大統領はこの五月一日の演説の中で、ミサイル防衛について、三十年前のABM条約の制約を乗り越えて進むことが重要であると、こうしゃべっておられる。田中外務大臣は、このABM条約を乗り越えて進む、つまりABM条約を廃棄するというアメリカの立場にも理解を表明されたわけですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) これは、今後の米ロ間の協議というものを見守っていかなければならない問題だというふうに思っております。
○小泉親司君 では、例えばこのABM条約を廃棄するという立場を表明されたのは、これまでスターウオーズといういわゆるミサイル防衛について、レーガン大統領の発言から、一九八一年からこの問題というのはずっとアメリカの重大問題になってきたわけです。ところが、外務委員会で当時の山下新太郎さんという政府委員が答弁しておられるけれども、レーガン大統領のスターウオーズ計画というのはABM条約の枠内だったわけです。枠内だとレーガン大統領が言っておられたわけです。クリントンになりまして、ABM条約の枠内から少し超えるかもしれないと言ったけれども何もしなかった。ところが、今度のブッシュ大統領のこのミサイル防衛の提案というのは、今までのABM条約を廃棄する、これを超えるんだということを明確にしたという点が非常に新しいポイントなんです。 その点について、日本政府としてこれをあなたは理解した、このミサイル防衛については理解したと。これは研究の話じゃなくて、御承知のとおり、米ロ間でこのABM条約を廃棄するかどうかという議論になっているんです、もう既に。これはブッシュ・プーチン会談で既に行われているんです。だから、日本としてこれに対してどういうふうに、これも理解したうちに入るんですか入らないんですかと私は聞いているわけです。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほど来おっしゃっている五月一日のブッシュ大統領の国防大学での演説にもございますけれども、このABM条約は過去との決別を反映する新たな枠組みに変えるために米ロが協力しなければならない、米ロが今後協力していかなければならないという発言を国防大学でなさっています。 〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕 そして、一方ロシアは、米国のミサイル防衛配備の制約となる米ロ間のABM条約を維持することを主張していますが、本件につき米国と協議していく意向であるということを承知しておりますから、したがって、米ロ間の今後の協議を見守っていきたいということを先ほど来申し上げております。
○小泉親司君 私がお聞きしているのは、米ロ間の協議を見守っていくというのは、それはそのとおりかもしれないんだけれども、私が言っておるのをあなたは研究だとおっしゃって、いわゆるミサイル防衛の全体系を理解するとアメリカ政府に言ったわけですから。ということは、ブッシュ大統領のミサイル防衛構想というのはABMを超える、このことは明確なんですから、それはロシアとの協議だということは言っていますよ、しかしABM条約を超えるんだと言っておられるわけです。 だから、日本政府が今までABM条約についてどう評価してきたか。例えば、福田総理大臣は昭和四十七年の五月三十日の答弁で、ABM条約は「核軍縮というものに大きく突破口を開いた。」。四十七年の六月八日の答弁では、福田総理大臣は、ABM条約というのは「世界の核兵器の恐怖に対する大きな改善である、世界の平和に向かって大きな前進である。」。 じゃ、ABM条約が乗り越えられたら核兵器の前進だ、平和のためだと言って、今まで日本政府が表明していたことが逆になるじゃないですか、あなたは核軍縮のためにいわゆるミサイル防衛構想に理解を示されたんだから。これは絶対にだめなんだというぐらいのことを言うことはできないんですか。
○国務大臣(田中眞紀子君) ですから、このミサイル防衛構想は、トータル今委員がおっしゃったようなことで、このことはまだ端緒についたばかりですから、それを核不拡散ということ、しかも日本を含む同盟国及びロシアと協議しながら、説明しながら進めるということを私たちは理解しているということを申し上げたわけです。 そして、このABM条約というものは、もう御存じのとおりですが、これはアメリカとロシアの問題でして、一九七二年に米ソが締結した戦略弾道ミサイルを迎撃するシステムの配備を制限する条約でありますから、我が国は同条約の締結国ではありません、当事者ではありませんから、その評価をコメントすることはできませんけれども、同条約をどのように扱っていくかということにつきましては米ロ両国が話し合っていくべき問題ですし、そうするとおっしゃっているわけでございますから、その協議が進展することを見守りたいと先ほど来申し上げているわけでございます。
○小泉親司君 だから、ABM条約について、日本政府は核軍縮に大変大きな前進なんだと評価したわけですよ。それは別に米ロの条約云々かんぬんじゃなくて、日本政府がそういうアクションを起こしたわけですよ。そうであるならば、ABM条約を超えるということ自体は私は核軍縮と方向が違うじゃないかということを言いたい。 その点についてだけ言っていると、ちょっと理解されていないようですから、先に私は進めさせていただく。 もう一つ、今度の五月一日のブッシュ大統領の演説の中で、ブッシュ大統領は、先行的な配備として当面のオプションを特定した、その中にはミサイルの飛行の初期段階、とりわけ推進段階で迎撃すれば有利である。つまり、ミサイルの発射段階で攻撃すると。この点については多くの国で、こういうことをやったら現実問題として、盾どころかアメリカが逆にミサイルで攻撃することになっちゃうじゃないかという大変大きな懸念の声がある。こういう点についても、外務大臣、こういう構想をミサイル防衛構想の中で持っているということも理解を表明されたわけですか。いいですよ、防衛庁長官。
○委員長(服部三男雄君) 質問者は、どっちですか。
○小泉親司君 大臣に。お答えになるんでしたら、どうぞ大臣。
○国務大臣(田中眞紀子君) このミサイル構想自体は今端緒についたばかりだと先ほど来申し上げていますけれども、ABM条約自体はこれまで戦略核兵器の削減に一定の役割を果たしてきたというふうに思いますけれども、新たな環境の変化というものも踏まえまして、同条約をどのように扱うかについては、先ほど来申しておりますように、米ロ両国が話し合っていくべき問題であるというふうに思っております。
○小泉親司君 次に進んでいまして、それはよろしいんですが、私が質問したのは、つまりブースト段階でミサイルを発射するということについても理解をされたんですかと。
○国務大臣(中谷元君) この技術的な……
○小泉親司君 いや、これは技術的な問題じゃないんですよ。これはブッシュ大統領が五月一日の演説の中でしゃべっていることなんですよ。これは全然技術上の問題じゃないんです。
○国務大臣(田中眞紀子君) そこまでは話をいたしておりません。
○小泉親司君 私は、このミサイル防衛がどういう中身なのか余り外務大臣は全体像をつかんでおらないで理解をされているというふうに思うんですよ。だって、私が質問したことについて、そういうことがおわかりになっていないわけで、じゃもう一つお聞きします。 それじゃ、例えば今度のミサイル防衛構想では、中谷防衛庁長官は、ミサイル防衛は主体的に日本は運用するんだと今度の訪米報告の中でも話されておられますが、その前に、今、ミサイル防衛構想というのとTMDという、いわゆる日本が共同研究しているものと、アメリカのすべての報告書でも全部これは一体化したものだと。これは一体的なんだと、要するにそういうものなんだということを説明しているわけで、どうもそこの認識が全く違うわけです。 現実問題として、例えば五月一日にブッシュ大統領は何と言っているかといえば、ミサイル防衛では中層段階、再突入段階のミサイル迎撃のため、地上配備の能力、海上配備の能力を含む一体化したミサイル防衛構想が今大事なんだということを強調しているわけで、こういうことになったら主体的運用云々かんぬん以前の問題として、現実にミサイル防衛構想というのは、日本が現在共同研究しているものも全部一体としてアメリカは構想しているわけで、こういう認識を日本政府というのは全然持っておらないということですか。 私は、このアメリカの防衛構想については、すごい内容でインターネットに載っておりますから、それを全部を引き合いに出して読みましたけれども、実際には一体化していないなんということは一つも書いていないんですよ。 全部一体化しているということになれば、主体的に運用するしない以前の問題として、憲法上の平和原則上の問題が出てくるんじゃないですか。それを全部理解しちゃうというのは、私は外務大臣としても非常に重大な問題だと思いますし、防衛庁長官としてもここは非常に重大な問題だと。どちらでもどうぞお答えください。
○国務大臣(中谷元君) ですから、私は今回あえて主体的運用という発言をいたしました。というのは、今回参りまして、BMDOという弾道ミサイル局、国防省から今度のミサイルディフェンスの概要を聞いてきまして、小泉委員がおっしゃるように、アメリカはブッシュ政権からミサイル防衛構想についてはミサイルディフェンス、MDと全部呼ぶようにしたんですね。 そのミサイルディフェンスの中に、ブースターフェーズという発射直後、それからミッドコースという高層段階、そして落ちてくるターミナルフェーズという三つの段階にしておりまして、米国としてはターミナルフェーズの研究を今やっておりました。 ところが、なかなか実験がうまくいかないということで、できるだけ発射直後の方がミサイルを落とす可能性が高いということで、これからその研究をするんだというような説明もございましたが、これに関しては日本はできることとできないことがあるわけでありまして、今やっているのはいわゆるミッドコースという、中距離段階のミサイルに対して、我が国に落ちてくるノドン級の中距離のミサイルに対する迎撃ミサイルを共同研究しております。それをブースターフェーズまで広げますと非常に集団的自衛権の問題も出てこようというふうに思いますので、あくまで日本が研究をしているのは主体的に運用する我が国の防衛に関したものであるという点で、米国が一緒にしようとすることに対して、我が国は独自で、我が国の防衛で主体的に運用するものであるということで明確に立場を説明したわけでございます。
○小泉親司君 ということは、現在の研究というのは一体化した研究だと、こういうことはお認めになるんですね。
○国務大臣(中谷元君) 現在行っているのは、我が国のBMDの一環であります海上配備型の我が国の防衛に関する研究をしているということでございます。
○小泉親司君 そうじゃないんですよ。あなた方が研究しているというのは、ミサイル防衛をアメリカが研究しているんです。私はTMDのことを聞いているんじゃないんですよ、ミサイル防衛のことを聞いているんだから、ミサイル防衛の中にTMDというのはあるんだから。 それがファクトシートの中でも、ちゃんと日本がどういうことを協力しているかとアメリカは全部発表しているんですよ、具体的に。これはネービーの研究であると。あなた方がやっているネービー・シアター・ワイド・バリスティック・ミサイルディフェンスと、これも全部出して、日本とどういうことをやっているかと全部これ書いてありますよ。 つまり、アメリカの方は一体化してやっているんですと。あなたの言っているTMDというのは日本のことを言っているんであって、私が研究は一体化しているんですねと言っている意味は、あなたは運用は日本だけが主体的に言うんだということを言っているわけだから、運用前の問題としての現在の研究はアメリカのミサイル防衛構想と一体としてやっているんですねというふうにお聞きしているわけです。
○国務大臣(中谷元君) この研究を開始するころに、我が国としては研究段階で我が国の防衛に資するという範囲で研究をするということで御了解をいただいております。 なお、米国につきましては、あくまでも米国自身の防衛というか安全保障の構想に基づいて研究をしているわけでございますので、我が国がそれにかかわるかどうかということではなくて、アメリカ自身が自国のNMD、本土防衛ということで研究をしているというふうに認識しております。
○小泉親司君 やはりそこの認識は、私はこれを全部研究すれば、アメリカはミサイル防衛構想として日本のTMDの研究もヨーロッパのTMDの研究も、日本だけじゃないんですよ、TMD研究をやっているのは、ヨーロッパもやっているんです。だから、そういうものを一体化してアメリカはそれをいわゆるミサイル防衛構想と言っているわけで、それに理解を示すということになると、完全に一体化した研究について、日本はそれに一体化した研究としてやっていますよということを明確に表明していることになるじゃないですかと私はお聞きしているわけです。
○国務大臣(中谷元君) 大事な部分ですけれども、あくまでもやっているのは研究でございまして、今後、開発段階、配備段階というステップがありまして、それに移るときには必ずその時点で次に進むかどうか判断をするわけでございますので、今から米国の構想に一体化されるという指摘は当たらないと思います。あくまでも日本が我が国の防衛のために研究をしているということで、次に進むときにはまた新たな判断をしながら進めていくわけでございます。
○小泉親司君 私、理解を表明された割には余り研究がされていないなと、外務大臣も防衛庁長官もよくおわかりになっていないなというのを非常に感じます。 ですから、私たちは、この核軍縮というものは、やはりこういうミサイル防衛という形への理解じゃなくて、外務大臣だったら現実に、外相会談でそんなミサイル防衛に唯々諾々と理解を表明するんじゃなくて、まずはミサイル不拡散ないしは核不拡散であれば、アメリカが強大な核兵器と強大なミサイルを持っているわけですから、四十一カ国とあなた方は言われるけれども、アメリカのミサイルの量と一番最低のミサイルの量なんというのは比較にならないですよ、現実問題として。 だから、そういうものをまず外交努力でもってきちんと外務大臣が、この問題はアメリカに対して、核兵器の廃絶、大幅削減、ミサイルの削減、こういうものにきちんとイニシアをとるべきだというふうにあなた自身が言うべき性格のものなんですよ。 それをあなたは、どうもおやりになった会談の中身をとると、今、外務大臣が記者会見で決裁されていないからというので私ら全然ペーパーがもらえないという状況もあるんだけれども、いずれにしろ、そういうことをきちんと外務大臣が要求したのかどうなのか、そこをやはりしっかりとお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) もう冒頭に申し上げてありますように、核拡散がいいなんということは全然思っておりませんし、委員が先ほどからおっしゃっているMDですけれども、ミサイル防衛ということですよね、ミサイル・ディフェンスですけれども、これというのは、現在は概念上の整理がされているところです。だから、私は端緒についたばかりだということを何度も申し上げておりますし、個々のプログラムは個別に継続をしております。 そして、将来、開発とか配備になった場合には、一体化するかどうかは米国でも今現在、未決定な状態であるんです。日本も開発や配備については当然未決定ですし、自主的に判断をするわけです。ですから、日米の共同の技術研究には別に影響はないという認識でございます。
○小泉親司君 このミサイル防衛構想というのは初期段階とあなたはおっしゃるけれども、そうじゃないんですよ。実際に構想の具体的なものはもう現実問題としてどんどん進んでいるわけで、首を振られるけれども、例えば日本との研究でいけば、あなた方はネービーの研究をやっていると言うけれども、実際にはこういう研究がどんどん進んでいるわけで、これは一九九九年の十二月に署名した計画として進んでいるでしょう。だから、そういうものとして具体的に進んでいるわけですから、そんな初期段階、初期段階と。 それは、ブッシュ新政権が新しく言った特徴は、先ほど言いましたように、ABMを超えてミサイル防衛構想をこれから現実問題として配備に進んでいこうということを明確にしたわけで、このミサイル防衛構想が決して核軍縮じゃなくて、逆に核拡散の体制につながるものだという点を非常に懸念して私は質問をしているわけです。 私、まだ時間がありますのでもう一問だけ質問させていただくと、PKO問題。 PKFの凍結解除というのは、防衛庁長官がさっき訪米報告の中で言われました。この問題というのはもともと法律事項ですから、防衛庁長官が先んじて何でこれを言う必要があるのかというのが非常に問題だというふうにも考えておりますし、この問題というのは、御承知のとおり、もともと閣議で、閣法で修正して凍結解除になったんじゃなくて、各党のいろんな国会での協議でもって経過して凍結解除になったわけですね。こういう問題があるのに、先んじてアメリカでPKF凍結解除を表明すると。 それともう一つ私がお聞きしたいのは、PKO活動への日本の参加の五原則。 こういう問題も、新聞によりますと、防衛庁長官は二つの点、一つは日本が参加する場合での紛争当事国の同意の問題、それから武器使用の緩和の問題、こういう五原則も見直そうということを表明されたというふうに報道ではありますが、今度の訪米報告の中ではそれが明記されていないんですが、その点はどうお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) 当然、我が国の国際貢献ですから我が国が独自に考えるべき問題でありますが、私、今回国連へ行きまして、世界各国の人たちが、何とか紛争を防止して飢餓や難民の苦しんでいる人々を助けるために、自国の利益を超えて中立的立場で本当にこのPKO活動等に真摯に取り組んでいる姿を見まして感動しました。 また、責任者から、PKO活動というのは戦争ではないんだと。戦争を防止するために、紛争を抑止するために、また紛争で困っている人を助けるためにやっている活動であって、決して自国の利害のためにやっている活動ではないということを新たにした次第でございます。 現実に今まで四回ぐらいPKO活動をやってまいりましたけれども、現場において自衛隊として、防衛庁長官として感じていることは、国際活動をしている中で、自分の国の要員だけ守れて、横で同じ活動をしている外国の要員が危機にさらされたときに守れないのでは一つの集合組織としてチームプレーが本当にできるのであろうかと。また、国連でも言われましたけれども、日本がやっているのはPKOの中でもごく一部分にしかすぎないけれども、やはりPKO全体として一つの成果を出すものであって、今後日本がやる部分が拡大することが望ましいけれども、それによっても武器の使用等も制限を加えているのではないかという発言を聞きまして、やはり貢献をするなら、それにふさわしい態勢にする必要があるのではないかということを感じました。 そういうことで、現実に東ティモールはどうお考えでしょうかということがありまして、東ティモールの状況を見ますと、もう紛争が終わった状態で、両方の当事者がもういないような状態の中で韓国や中国は東ティモールでPKOに入って貢献をしておりますし、今度新しい東ティモールのPKOができますけれども、そこの責任者は韓国の方がなられるという中で、日本はたくさんの資金を出しているのにティモールの人たちに本当に目に見えた活動をして喜んでいただけるかどうかということを考えますと、この五原則に縛られて東ティモールに行けないということは、非常に国にとって国際貢献のあり方について検討を要するのではないかということを感じましたので、そういう発言をしたわけでございます。
○委員長(服部三男雄君) 小泉君、質疑時間が終わりましたので。
○小泉親司君 三十二分までですから。まだ三十一分です。 やはりこの問題というのは非常に重要な問題で、PKO法ができたときにあなた方は、危険なところへは行かないんだと言って、いろんな紛争があったら逃げるんだ、だから参加五原則でやるんだと、こういうことを言ってきたわけですよ。そうでしょう。それについて、どんどんPKOがいろいろと、きょうはそこまで議論が行きませんでしたが、国連でも変質してきて、事実上武力行使を伴うような国連憲章第七章の強制活動を伴うようなことに変質してきたと。そういうものに合わせようと、今度は自衛隊がいわゆる武力行使の方向に行けるような方向に進もうという形で、PKFの凍結解除やPKO法の参加五原則の見直しの方向に進もうと。 これは国民にこれまで説明してきたことと非常に大きな違いがありますし、この問題では、やはりこれまでのPKO法の中で五原則があるから大丈夫なんだと説明してきたこととは全く違う。やはり私たちは、国際貢献というのは、憲法の平和原則に立って飢餓や貧困などの援助だとかそういうやるべきことがたくさんあるわけで、そういうことに行くべきであって、自衛隊をどんどん武力行使の方向に進ませるようなPKFの凍結解除や五原則の見直しというのは決して認められないということを申し上げて、私、質問を終わります。ありがとうございました。
○田英夫君 会期末が迫ってきましたけれども、外交防衛については、けさから同僚委員が取り上げておられるように大変重要な問題がたくさんあります、大小さまざま。しかも最近、例えばロシアと韓国のあの漁業の問題とか、あるいは中国のセーフガードの問題とかいったことを含めまして、何か国際的に問題が多発しているんじゃないかという気がいたします。そんな中で、取り上げたい問題はたくさんあります。議論したい問題はたくさんあります。今のミサイルの問題あるいは日朝国交正常化の問題は、本当に大きな懸案であるにもかかわらず進まない。ロシアとの平和条約の問題もそうです。 一方で、国内のいわゆる小泉内閣の改革の中で、特殊法人の統合などの問題の中でJICAのことが出てきていますね、国際協力事業団。私は、ODAの問題は非常に重要だと思っていますから無関心ではいられない。 一つだけ外務大臣にお願いしておくのはその問題で、青年海外協力隊、これはJICAの仕事の一つですが、これは絶対に縮小すべきではない、むしろ強化すべきだと思っています。毎回、年に二度ずつですか、出発する隊員の壮行会がありますが、できる限り私は出席をしております。広尾の訓練所でやっておりますが、感動しますよ。若い人たちがそれぞれの任務を持って、単身発展途上国へ出かけていく状況を、ぜひ機会があったら外務大臣も見ていただきたいと思います。 きょう、私は、そういう意味でこの国会が終わった後、ことしの夏に一つ重大な外交問題に発展するおそれがある靖国神社の問題を取り上げたいと思います。 小泉総理は、私から言わせれば頑強に八月十五日に参拝をするという姿勢を変えておられない。戦没者墓苑の問題をきのうあたりから発言しておられるようですけれども、それはそれとして、総理大臣が靖国神社に参拝されれば、これは重大な外交問題に発展することは間違いない。にもかかわらず、国のために亡くなった方の霊を慰めるために参拝するのをとやかく言われるのがわからないと、これは小泉さんのずっと言っておられることですが、と言われることが私はわからない、総理大臣ともあろう者が。それは、小泉総理は靖国神社というものの成り立ち、現状をよく勉強しておられないんじゃないかと思わざるを得ないんです。 そこで、お二人の大臣は、外務大臣、防衛庁長官は、この八月十五日にそれぞれ靖国神社に参拝するおつもりかどうか、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、初めからそのような計画はございませんし、前回、大臣のときもいたしておりません。
○国務大臣(中谷元君) 私といたしましては、国のために戦って犠牲になられた戦没者の方々に敬意を表しつつ毎年靖国神社への参拝を行っておりまして、ことしの八月十五日にも靖国神社に参拝するつもりでございます。
○田英夫君 もう靖国神社の歴史を改めて私は申し上げる必要もないと思いますけれども、私の子供のころは招魂社と言ったのを覚えています。もちろんそのときはもう靖国神社という名前になっていましたけれども、やはり昔の方は、明治二年に戊辰戦争の官軍側の戦死者を祭った、それが今のあの場所にできた招魂社であったということで、私の子供のころのお年寄りは招魂社、招魂社と言っておられたのを覚えています。 そして、明治十二年に、これが靖国神社という名前に明治天皇によって命名をされたというふうに承知しています。そして、明治二十年に、これが陸軍省、海軍省の所管になった。戦前、神社は内務省の所管であったようですが、靖国神社だけは陸軍省、海軍省の所管で、例えば神主さんを任命するのも軍がやっていた。つまり、軍管理の神社だった。 そして、宗教といいますか、宗旨は国家神道と。国家神道というものは、明治維新以後つくられたもので、天皇を中心にした、天皇、そして靖国神社、軍、こういう中でいわば、当時、これを国家神道は日本の国の宗教である、国教である、こう言った学者もおられた。私の学生時代といいますか、中学、高校時代はまさにその全盛時代ですから、皇道哲学というような、哲学の授業にその先生が書いた本、「皇道」、それはまさに靖国神社に結びつくそういう考え方の哲学ですよ、そういうことを教わりましたよ。靖国神社に祭られるということは大変な名誉なことである、金鵄勲章をもらうことと靖国神社に祭られることが大変な国民としての名誉であるということを教育された。事実、学校の先生がそういうことを私どもに言いましたよ。 そういう中で受けてきた靖国神社というイメージが、今そっくりそのままタイムカプセルのようにして一部の方の頭の中にあるんじゃないかと思えて仕方がありません。小泉総理の国のために亡くなった方の魂を慰めるために行くという言い方、それは大変結構な言い方ですけれども、その根底にもしそういう戦前の考え方の残りがあるようならば、これは非常に問題だと思わざるを得ない。 今、新憲法と、今の人たちに新憲法と言ってもあれですが、新しい憲法ができたときに私どもは本当に感動しましたが、その憲法二十条のもとでは、靖国神社は神道の一つの神社であるわけですから、逆に言えば、今度は政府が靖国神社に対して干渉することはできないという関係になりました。御存じのとおり一九七八年に東条英機以下十四人のA級戦犯を合祀した。これは政府も知らなかったと言っておられる。厚生省も知らなかった、当時の厚生省。靖国神社の主体で合祀された。遺族の中には反対をされた方もあるようですが、結果は合祀をされました。 実はここにあるのは靖国神社そのものが出しているホームページです。靖国神社も近代化していますから、ホームページ、かなり分厚いものがある。これはそれこそ若い人にもわかるように「Q&A」と書いてある。「やすくにじんじゃ何でもQ&A」という、こういうものを出しています。しかし、それを読んで、驚くべきことがありますよ。 一番最後の方にあるんですけれども、どういう人が祭ってあるかということのQに対してAで答えていて、ずっと、例えば沖縄で亡くなった女子学生、そういう人も祭ってあります、軍人だけじゃありませんと、そういうことを説明した後で、一番最後のところで、大東亜戦争という言葉を今も使っているわけですけれども、「大東亜戦争が終わった時、戦争の責任を一身に背負って自ら命をたった方々もいます。さらに戦後、日本と戦った連合軍(アメリカ、イギリス、オランダ、中国など)の、形ばかりの裁判によって一方的に戦争犯罪人という、ぬれぎぬを着せられ、無惨にも生命をたたれた」「方々…靖国神社ではこれらの方々を「昭和殉難者」とお呼びしていますが、すべて神さまとしてお祀りされています。」、こういうことが書いてあるんです。 つまり、A級戦犯を合祀したのは昭和殉難者、形ばかりの裁判でぬれぎぬと、こういう言い方はつまり東京裁判を認めない、こういう態度だと思いますが、外務大臣、東京裁判はどういうふうに思われますか。
○国務大臣(田中眞紀子君) 私は、自分で戦後、学校で教育を受けてきた範囲内のことしかわかりませんが、この東京裁判というものは大変、日本の私たち国民一人一人が自分のこととしてしっかり現実を知りたいと思いまして、特に国会議員になりまして、たまたま中谷先生が今防衛庁長官でおられますけれども、中谷先生と、もう一人若くして亡くなった議員さんと三人で、防衛庁、市ケ谷の一号館が移設される前に私が言い出しまして、ぜひそこへ行ってみたい。そして、どういうことが行われたのか、それから地下ごうもそうですし、そして二階席の遺族の方たちが傍聴していたところ、つぶさにその場に行って説明も聞きました。 それから、今度移設した後もまた改めて参りまして、こういうことについて日本人一人一人が本当に、学校で社会科見学といいますか、よく参りますよね、そういうときに、自分の原点、戦争は何であったのか、そういうことを一人一人が考える場として、やはり教育というのは、今、教科書問題等もありますけれども、自分が逆の立場からも見る、こちらからも見る、いろんな立場から戦争というものはとらえていくべきだし、じゃその結論として、いろんな本なりいろんな体験を聞き、自分が一人の日本人としてどのようにとらえるか、その中の一つに東京裁判というものが私はあるというふうに思っております。
○田英夫君 実は私は、東京裁判を駆け出しの新聞記者として取材をしておりました。したがって、判決の日に東条英機、裁判長が「ヒデキ・トウジョウ・デス・バイ・ハンギング」と言うのを聞いておりました。それは、この前申し上げたように、特攻隊で生き残って帰ってきて、そしてまだ数年というときにこれを聞いたのは全く衝撃的であります。まだ心の整理がついていなかったという時代ですから強烈な印象を持っています。 同時に、小学校から同級生だった二人の友達の父親がA級戦犯で裁判にかけられていた。その片っ方は死刑になるんじゃないか、片っ方は大丈夫だろうと、こう言われていた二人なんですが、結果は二人とも無期でした。そういうのも本当に心が痛むというか、よく知っている人ですから、同級生の父親ですから。 そういうことの中で強い印象を持っていますが、同時にしかし、靖国神社がさっき申し上げたようにその裁判をぬれぎぬと言っていいのか、そしてそういう人をそういう言い方で昭和殉難者として合祀したのがA級戦犯合祀であるということを冷静に今私どもは知って、その上で行動すべきだということを小泉さんに申し上げたいんですね。 ぜひ両大臣から総理大臣に、靖国神社参拝ということをお考えになるときにはそういうことを、少し極端な言い方をする人が私とこういう議論をしていたら、今ドイツの総理大臣がヒットラーの墓に参拝したらドイツ人はどう思うだろうか、それと似たようなことじゃないですか、A級戦犯東条英機が祭られている神社に日本の総理大臣が公式に参拝したということを外国の人が見れば、ドイツの総理大臣がヒットラーの墓に参拝しているというのと同じように思うんじゃないでしょうかと言った人がいます。そういうことも頭の中に入れる必要があるんじゃないか。 そこで、これは私の提案ですけれども、土井党首も先日党首討論で同じようなことを小泉総理に言いましたけれども、私は土井さんとはちょっともう少し違う考えを持っています。今申し上げたような戦後の靖国神社は一つの宗教法人の神社なんですから、確かに祭ってある方は戦争で亡くなった方はある。しかし、ひめゆりの塔の女子学生たちは祭ってあるとしても、広島、長崎で亡くなった方が祭ってあるわけではない。一般市民の方が太平洋戦争で死んだ戦没者の数からいうと多いんです。そういうことも含めて考えると、すべての日本の戦争で亡くなった戦没者の霊を祭る墓苑を新たにつくるべきじゃないかと思っています。 そういう提案をする以上は、私は先日、改めて千鳥ケ淵墓苑に行ってみました。本当に、いやこれではエリザベス女王を御案内するわけにいかなかったなと。江沢民さんのときも一部で計画されたけれども、もちろん靖国神社はだめ、千鳥ケ淵ではということで。 千鳥ケ淵の墓苑は、これも御承知のとおり、戦後、厚生省が中心になって海外で亡くなった方の遺骨を収集した。遺骨収集団というのは至るところへ行きました。その結果として収集した遺骨を今おさめてある、そういうことですから、これはまたすべての戦没者が祭られているわけではない。 それで、行ってみて驚いたんですが、ちょうど先週の雨の中でした。六角堂というお堂がある。広さからいうと、この部屋より狭いでしょう。それで、その裏側に草むらのようなところに立て札があって、この奥にもお骨がおさめてありますから立ち入らないでくださいと書いてある。もし書いていなかったら、あそこへみんな入って、かつて、石を敷き詰めてその下が穴でお骨を埋めてあるようですが、その上でお花見をしていた人がいるという話を聞いたことがある。そういうことも起こりかねない。そのくらい粗末というか、そういうものです。 私の提案は、実はとっぴかもしれませんけれども、皇居のあの半蔵門のところを、すっと真っすぐ新宿から行くと御門に向かって道路ができている、あの奥に天皇陛下のお許しを得て、あの一画に墓苑をつくったらいいではないかと思っているんです。そして、それがしっかりできれば、国としてもちろんつくっていただくわけですが、憲法が守られている限り日本はもう戦争をしないわけですから、新しくそこに入る方はない。今までの方は全部そこへ入っていただく、こういうものをつくるべきではないかと思っていますが、両大臣から御感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(田中眞紀子君) 先ほどの午前中の質疑でも私は申し上げたんですが、私は議員になる前からずっとこの戦後の問題、戦争の問題というのは極めて大きいというふうに自分で個人で、家庭教育もありますけれども、ずっと思っておりまして、そして毎年毎年こういう問題が繰り返される八月十五日。そして、天皇、皇后両陛下もあの武道館にいらっしゃる。靖国の問題もある。 それから、千鳥ケ淵の墓苑も行ってみました。入ってすぐ左に国歌にあるさざれ石がある。さざれ石が何か、実物を私は現場で見たいという気持ちが非常に強いもので参りました。あそこは手狭です。 そして、私は今回、小泉内閣の閣僚にしていただいたからには、総理にどんなことがあっても国立の墓苑というのをどうしてもつくっていただきたい。そうしないと、いつまでもいつまでも解決しない。もう外国の方も皆さんこれだけ怒っておられて、国内でもこれだけ議論がある。この現実の中で対応するには第三の場所をつくっていただきたいと思って、隣に農林省の庭園がつながっています、あれは大蔵省の所有地です。あそこを農林省にほかの代替地を差し上げて、そこをやる方法もあるかなということも考えましたけれども、あそこはやはりいかにも駐車場等も手狭でございますので、私が考えておりまして直接総理に申し上げたのは、例えば昭和天皇の御葬儀のあった新宿御苑、あそこも一つの案ではないだろうかと。 そして、小泉内閣としてどうしてもこれはやるべき問題ですということははっきり申し上げてございます。田先生から、今委員から皇居内ということを初めて伺いましたけれども、少なくとも私は今の状態で決していいとは思ってもおりません。 それから、あと一点、ちょっと前の問題と関連して一言で申しますが、ぜひやっぱり小学生なんかに一号館を見せたいと思いますが、防衛庁の中には今資料館というのがございまして、あの当時、私は議員になってすぐに地下ごうも見せていただきました。新しくなってから地下ごうは壊したかどうかは存じませんけれども、あの資料館はなかなか一般の目に触れない戦争中の、本当に現実の写真があります。それを日本国民たるもの必ず見て、やっぱり不戦の誓いというか、あれを見れば相当意識が変わるのではないかという思いがいたしておりますことも付言いたします。
○国務大臣(中谷元君) 靖国神社につきましては、明治維新の幕末の志士から日清、日露戦争、そして太平洋戦争等、国のために犠牲になった人すべてが祭られておりまして、私も参拝する基本心理としては大変かわいそうな人たちだ、このようなことが二度とあってはいけないので、我々自身がしっかりしなければならないという気持ちを持って参拝しているわけでございますが、私自身が戦後の昭和三十年代の高度成長期に生まれておりますので、実際に戦争で肉親を亡くした経験がございません。 そういう意味で地元で、戦争で子供を亡くしたり夫を亡くしたりする人と会いますと、本当に涙を流しながらぜひ靖国に参拝してほしいとお願いされるわけであります。また、戦友を失った人からも言われますが、なぜだろうかと考えますと、靖国神社で会おう、靖国に祭られたいと言いながら死んでいった子供の気持ちや人の気持ちが精神的にそこに宿っているからではないかなということを思いながら、そういう人たちの思いを何とか今の世代で実現することが弔うことになるのではないかというふうな気持ちでございます。 しかし、先生がおっしゃった、そういうのを乗り越えて国立としてきちんとしたところをつくるべきではないかというのは非常に立派な提案だと思っておりますので、今後とも遺族の方々の思いとそれから国民感情と、また私たち国会議員が真剣になってこの問題の解決のために全力を挙げて取り組まなければならないというふうに思っております。
○田英夫君 終わります。
○委員長(服部三男雄君) 本日の質疑はこの程度にとどめることとし、これにて散会いたします。 午後二時五十七分散会