外交防衛委員会 第4号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2001/03/22
会議録
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本日の外交、防衛等に関する調査及び平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての審査のため、本日の委員会に外務大臣官房長飯村豊君、外務省アジア大洋州局長槙田邦彦君、外務省北米局長藤崎一郎君、外務省条約局長海老原紳君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛庁運用局長北原巖男君、防衛庁人事教育局長柳澤協二君、防衛施設庁長官伊藤康成君、内閣官房内閣審議官岩橋修君、環境省環境管理局長松本省藏君、環境省自然環境局長西尾哲茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤昭郎君 おはようございます。時間も限られておりますので、直ちに質疑に入らせていただきたいと思います。 まず、外務大臣にお伺いしたいと思います。 外務大臣、本会議の外交演説、そして先般の所信あるいは行政運営の基本に係るあいさつの中でも、我が国の外交の第一の柱は近隣諸国との関係と。しかし、まず我が国外交の基軸である日米関係の強化に努めていくのが大事だと、こういう御発言がございました。そしてまた、一昨日未明の日米首脳会談でも、共同声明の中で森総理とブッシュ新大統領が両国の経済、安全保障面での連携強化を確認したと。それを受けていろいろな経済対策についての確認が行われ、昨日の我が国日本市場の株価の急騰、きょうはちょっとニューヨーク市場が少し落ちているようでございますが、そういう具体的な経済の動きにつながっていったと、こういう状況だと思います。 そういう中で、日米関係が外交の基軸であるということでブッシュ新政権も日米同盟関係の強化に非常に熱心だということ。そういう状況の中で、首脳会談の共同声明、ある意味では宿題が外交問題にも課せられたというような印象もあるんですけれども、この中で具体的に日米同盟、どう目指していくか、これについて外務大臣の所感を伺いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のとおり、日米関係は私自身、日本外交の基軸であると、こう考えております。我が国の国民の生命、財産を守る、さらには我が国の国際的な地位その他を考えましても日米両国が同盟関係を強めていく、あるいは協力関係を進めていくことは極めて重要だと思います。 そういう意味におきまして、アメリカに新政権が誕生したと。このブッシュ新政権との間で日米の首脳がともに十分な意思の疎通あるいは考え方の上で合意を確認するということは重要なことだと思います。 首脳会談が行われたわけですけれども、この首脳会談についてはさまざまな評価がメディアの中でなされておりますが、しかし、私はこの首脳会談は極めて意味のある、極めて重要な首脳会談であって、しかもその首脳会談は非常に正直うまくいったというふうに私は評価しているわけでございます。 御案内のとおり、時あたかも日米双方で経済問題に一縷の不安あるいは大変大きな不安感というものが国を覆う可能性があった。そういう中で、両国首脳がお互いに胸襟を開いて話し合って双方それぞれの経済について考え方を述べ合ったということは極めて重要なことだったと思います。 その際に、日本側から米側に対してこれから日本がやるべき経済政策について説明をしたということは、これはただ単にアメリカに対して説明をしただけではなくて、そのことが日本の国民に対して、あるいは日本経済を注視する多くの人に対して極めて効果的な説明となって、したがって昨日は株価も上昇に転じたということがあったと思うんです。 私は、これによって日本は宿題を負わされたという見方もありますけれども、これは何もアメリカに言われて宿題を負うたのではなくて、当然やらなければならないことをアメリカに対しても説明したということでありますから、森政権、政府・与党一体となってこの経済政策、経済改革について努力をしていくということが求められるのはこれは当然のことだと思います。 他方、同盟関係についても、アメリカのアジア観といいますか、アジアに対するアメリカの見方というものはやはりクリントン政権時代とは少し感じの違う見方があるという感じを持ったということも、これもまた大事なことだろうと思っています。 いろいろな見方、考え方はアメリカによって述べられましたけれども、結論的に言いますと、朝鮮半島の問題については日米二国間の協調あるいは日米韓三カ国の政策協調、こういったことが重要で、こういう日米あるいは日米韓の協調によって朝鮮半島政策を進めようというこの考え方は従来と変わっていないわけでございますから、この仕組みをやはり我々もしっかりと進めていくということによってアジアの安定というものを導き出すということを考えていくべきだと、そんなふうに考えております。
○佐藤昭郎君 ありがとうございました。 関連して防衛庁長官にもお尋ねしたいと思うんです。 この首脳会談の共同声明にも、日米の安保体制の信頼性の強化という点について、新ガイドライン、SACOプロセスなど九六年の日米安保共同宣言と関連取り決めのもとでの関与を引き続き実施する必要性を再確認ということがうたわれました。また森総理は、あと一方、日米安保協力の拡大、深化を進めたいという御発言もされております。これを受けられまして、先般の所信でも長官述べられておりますけれども、具体的に、簡潔で結構ですから日米安保体制の信頼性の一層の強化という点について考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) このたびのトップ会談、両首脳会談は大変意義があったというふうに理解をいたしております。日米同盟関係はアジア太平洋地域の平和と安定の基礎、基本、まさしく礎となるものだということを再確認して私どもはさらなる信頼性向上に努めなければならないというふうに思っております。 そんな中で、御指摘いただきましたSACOの問題も一つございました。これは、沖縄における負担の軽減という中でSACOの最終報告を着実に進展させていくということで合意があったということで、一つの評価としたいと思っておりますし、今後の問題として、さらに日米防衛協力のための指針の実効性の確保、また装備、技術協力の充実、加えて情報面での協力の推進など、こういった施策を引き続き積極的に行っていくことが信頼性を高める方途になるというふうに考えております。
○佐藤昭郎君 さてそこで、外務大臣、長官から、日米同盟強化、そして日米安保協力の拡大、深化を進めていくという姿勢が示されました。私もそのとおりだと思います。 そこで、具体的にこの問題を進めていくということになりますと、いろいろな課題があるんですけれども、時間の関係で一点だけ取り上げていきますと、私はどうしても集団的安全保障の問題あるいは自衛権を含めた発動の問題、この問題をしっかりと受けとめる時期に来たんではないかと、こんなふうに思っております。 きょうは法制局長官おいででございますね。ちょっと後から、一蹴されると思うかもしれませんので、私の考えを述べさせていただいて、御意見を伺いたいと思うんですけれども。 やはり私は、なぜ今この自衛権の問題、それから特に集団的自衛権の問題についてやらなきゃいかぬかと。三つほど挙げられると思うんです。 一つは、我が国、そして我が国の周辺をめぐる情勢というのがやはり大幅に変化してきている。これはもう外務大臣や防衛庁長官の所信でも書かれております。そしてその中で、我が国は経済大国、世界第二位、技術大国になっていったという、そういう我が国の自信。そして、周辺を取り巻く政治経済情勢が劇的に変化したということが一点だと思います。 それから、やはりグローバル化ですね。国民の間にも、我が国はこれだけ立派な国になったんだから国際貢献を図っていくべきだと、国連の安全保障理事会常任理事国入りも進めていく、そういった国際的な我が国の貢献についての期待が高まっている。 それから最後は、もう一点挙げますと、先ほどの日米安保体制の強化を進めていく中で、着々といろんな制約の中で政府はいろんなことを進めてきたと思います。日米安保共同宣言に始まって新ガイドライン、それから周辺事態法。ずっと進めてきましたが、いよいよこれを具体的な問題として現場におろしていく段階に来ている。 日米の例えば共同訓練、それから日米の共同作戦、これは周辺事態もそうでございますが、こういったものを現場におろしていく過程で、我が国が集団的自衛権の行使を禁じていることで日米双方の軍事計画が極めて複雑化しまして、有事の際、紛争の抑止に障害があるんではないかという懸念が私は出てきていると思います。そういった状況の中で、正面からやっぱり真剣に日米安保というものを考えたときに、この集団的自衛権の問題をいま一度再検討する時期に来ているんじゃないかと思うんです。 そこで、法制局長官にお尋ねしたいんですが、従来からも集団的自衛権あるいは個別的自衛権を含む解釈についていろんな私は経緯があったと思うんです。それについて変わっていないというのが法制局としての御見解だとは思うんですけれども、少し制憲当時の状況、日米安保条約を制定する状況、そして現在の状況と、解釈に変化がなかったのか、一貫していたかどうか伺いたいと思うんです。
○政府特別補佐人(津野修君) 集団的自衛権あるいは個別的自衛権についての政府解釈が一貫しておったかどうかというお尋ねでございますけれども、これは制憲議会当時あるいは日米安保改定当時、あるいは最近までを含めてでございますけれども、基本的に個別的自衛権については、憲法第九条第一項が国際紛争を解決する手段としての戦争、あるいは武力による威嚇、武力の行使を禁じているけれども、我が国が主権国として持つ固有の自衛権までも否定する趣旨のものではなくて、自衛のための必要最小限度の実力を行使することは認められているところであるというふうに、従来から一貫して政府としてこの見解をとってきているわけであります。 御指摘の点は、吉田元総理がかつて制憲議会当時あるいはその後におきまして、多少表現ぶりとしていろんなことをおっしゃっておられる文がございますけれども、ただこの場合も、これは昭和二十六年の十月十八日に吉田元総理が明言されておりますのは、いろいろ私が当時言ったということを記憶しているのは、しばしば自衛権の名前でもって戦争が行われたということは言ったけれども、自衛権を否定した、否認したというような非常識なことはないというふうに思いますということで、これは吉田元総理の場合も自衛権は否定していないということでございまして、そういうことから見まして個別的自衛権につきましては一貫して政府として憲法上否定されていない、認められているというふうに考えているところでございます。 それから、集団的自衛権につきましては、これはもともといろんな経緯があって国連憲章上あるわけですけれども、この集団的自衛権につきましては、国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止することが正当化されるという地位を有しているものとされておりまして、我が国が国際法上この集団的自衛権を有していることは主権国家である以上は当然であるという考え方は、これも従来からの見解でございます。 しかしながら、政府は従来から一貫して、憲法第九条のもとにおいて許容されている自衛権の行使は我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであって、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することをその内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものとして憲法上許されないという立場に立っているところでございまして、これは従来からの国会答弁、あるいは質問主意書に対する政府の答弁等において一貫して明らかにしてきているところでございます。
○佐藤昭郎君 まあ予想どおりといいますか、伺いました。 そこで、時間の関係もございますので、現場におりたとき、あるいは行政庁としての防衛庁の見解というか方針というのを副大臣にひとつお尋ねしたいんですけれども、私は、政府見解の変更というのは、ある意味では行政庁がやはり発議して、この仕上げは、今の政府提案であれば内閣法制局とある意味では共同作業ということになるんですけれども、まずこれについて、現場として日米安保というのを深化、強化していくとなれば、こういう点についてやはり変えていくべきじゃないかと。平時の今こそこの第一歩をさらに進めていく。そして、先ほど三つの条件を申し上げましたけれども、今そういった制憲時、あるいは朝鮮戦争が始まり、ある意味では日本が、政府が見解を少し変えていった、それに等しいような状況に来ているというふうに私は思うんです。 そこで、集団的自衛権の行使を含めて、個別的な自衛権も含めて、こういったことをきちっとしている、解釈が固定化していることで現場においてどのような問題が生じており、これはちょっと二つ一緒になってしまうんですけれども、問題提起について正面からやはり提起し、検討すべき時期に来ているんではないかと思うんです。 昔、集団的自衛権の見直しをマスコミでしゃべっただけで長官が発言を訂正迫られたなんという時代があったと思うんですよね。これは自民党が何か追及したという話もありますが。そういう状況とは違うと思うので、そこら辺、石破副大臣のひとつ見解をしっかり承っておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副長官(石破茂君) 先生御指摘のような御議論がある。私自身もそういう議論に参加をいたしております。 問題は、要は三つの段階があると思っておるわけですね。つまり、日本有事の場合には日本にとっては個別的自衛権の行使であり、アメリカにとっては集団的自衛権の行使である、この場合に共同でいろんなことをやることには何の問題もないわけです。 そうすると、じゃ周辺事態の場合はどうかというと、これは武力行使と一体化しない範囲内において後方支援を行う、こういうことになっています。じゃ、そうでもないとこれは何もできない、こういうお話になっておるわけですね。私どもとしては、今、憲法の規定に従いまして法律を誠実に執行するという立場にございますから、その範囲内でやらねばならぬ。そしてまた、日米間でいろんな御指摘のような訓練を行います場合にも、アメリカは、日本が憲法で禁じられている集団的自衛権の行使はできませんよと、そういう前提でいろんな訓練を行っておるわけで、具体的にこういう支障が起こったというようなことは現在のところ聞いておりません。 ただ、あくまで想像の世界のお話でございますが、この場合に、日本がこれをやってくれたならばもっと早くそういうような戦闘状態が終わるのにねとか、そういうことをやるということが前提であればもっと抑止力が高まるのにねと、そういうようなことは当然情景として、想定としてあろうかというふうに思っております。法律論は法律論として、私どもの立場は先ほど申し上げたとおりなのでありますし、そのラインでいくわけでありますが、何が抑止力の高まりに資するものであるかということは、その観点から議論せねばならぬことだと思っております。 それから、もう一言申し上げさせていただければ、集団的自衛権を使うべきかどうかという議論はございます。ただその前に、今の許された憲法の解釈の中でどこまでできるのかということ、ここまではできる、ここから先はできないということを本当にきちんきちんと検証しました上で、さてこれで抑止力として十分でしょうかというような御議論、それをまた政治の場において行っていただきたい。自由民主党におきましてもその議論が行われていることは承知をいたしております。私どもとしては、それを大いに参考とさせていただきながら、今後の御議論を聞かせていただき、それにまた参加もさせていただきたい。 加えて申し上げますが、現在の私どもの立場は、今の憲法の範囲内でどこまでできるかということ、そこをぎりぎりと考えておるところでございます。
○佐藤昭郎君 ありがとうございます。 やはりぎりぎりの御答弁ですね。にじませていただきました。そこからは政治の議論だということで、私なりの考え方をひとつ申し上げますと、先ほど想像の世界だということでございますけれども、やはり周辺事態の際に日本海で日本の自衛艦が攻撃されれば、そばにいる軍艦、アメリカは助けに来てくれるが、アメリカの軍艦が攻撃されても日本は助ける権利がないとか、北朝鮮、これ一昨年の八月に弾道ミサイルが発射されましたけれども、着々と進めている、これは想像の世界ですが、これは発射したミサイルが日本向けなら撃ち落としていいけれども、アメリカ向けなら撃ち落とすとこの集団的自衛権の行使になるといった、こういったひとつ国民にとってわかりやすい議論が入るんですね。 しかし、私は、これはやっぱり想像の世界だと思うんですけれども、だけれども、こういうものは日米安保体制を慎重に、また誠意をもって深化しようと思えば、米国民においてもこういう問題が起こり、そして世界第二の経済大国、技術大国となった日本が制憲当時と同じような片務的な場にいることが、日米双方の国民にとって非常に論議を呼ぶ可能性がある。そういった場合、やはりこれをきっちりと整理していく時期に来ているんじゃないかと。 そこで、先ほど法制局長官からもお答えいただいたんですけれども、やはり新たな法整備、国家安全保障法というようなものを例えばつくっていくにしても、現在の政府提案の状況を見ますと、法制局のやはり見解をしっかりいただかないとできないというジレンマがあるわけです。 そこで私は、政府見解というのをちょくちょく変えろと、そういう意味じゃありませんけれども、大事な時期においては必要最小限というこの確立された条件を変更する必要はない、しかし社会的な事実が変化したので、限定的に極東有事に際して米軍との共同行動やPKOにおける、これは国際貢献ですけれども、PKFへの参加、米軍有事の際の支援は、我が国の防衛とその不可欠な前提として、先ほど必要最小限というお話がございました。世界平和のために行う必要があるので行うけれども、それ以上のことはしないと、これが最小限だということを答弁していただくことで、こういった非常に難しい、そしてまた両大臣から御提案のありました同盟の強化というものをしっかりしていくことができると、こういうふうに考えているわけでございます。 御答弁は結構でございます。 以上でございます。終わらせていただきます。
○月原茂皓君 保守党の月原です。 外務大臣にお尋ねいたします。 総理もブッシュ大統領と会見して帰ってこられたと。新しい政権になって、今大臣も少し感じが違うというようなお話もされておりましたが、クリントン政権のときと、それからブッシュ新政権になってまだ発足間もないわけですけれども、この日本をめぐる外交のスタッフという人たちは、もう既に八年間満を持していろいろ勉強されてこのポストについているわけでありますけれども、そういう今までの彼らの考え方等を顧慮すると、クリントン政権の時代とこういう点が違ってくるんでなかろうかというふうなことを安保、外交、それから経済の面、そういうことについて大臣の考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) ブッシュ新政権がスタートいたしましたけれども、議員も御承知のとおり、まだスタッフが全部決まったわけではありません。国務省はその骨格は見えてきておりますけれども、こういう表現は適切かどうかわかりませんが、手足まですっかり決まっているというわけではございませんので、まだ余り我々としてもこうだろうということまで申し上げるのはどうかと思いますが、一月に私、パウエル長官にお目にかかりまして、今度また首脳会談の様子などを見ておりますと、やはりアジアに対する、とりわけ中国とか北朝鮮に対する見方というものはこれまでより少し違っているなという感じは正直いたします。 それは、クリントン政権が八年間にわたって中国とも話し合いをした、あるいはクリントン政権の最後の、政権の末期ですけれども、北朝鮮とは相当にいろいろやりとりをした、あるいはペリー・プロセスをつくって以来累次にわたって米朝会談なども行ってきた。そういう繰り返しての会談の話し合いなどを積み上げて、踏み締めながら考え方を述べてきたのに比べると、ブッシュ政権はそういう積み上げは全くまだないわけですね。全く新しい見方で北を見る、あるいは中国を見るという感じが私にはしておりまして、そこはクリントン政権が、この見方がアメリカにとって正しいか正しくないかは別として、累次にわたる米朝会談などを踏まえて、少しずつ少しずつ北というものに対する認識が変わってきた、あるいは深まってきたと言っていいかもわかりませんが、変わってきた。そうして、クリントン政権のもう一番最後のところではオルブライト長官までピョンヤンへ行くに及んで、少しクリントン政権は、米朝の関係については踏み込む可能性があるなという感じはだれしもが持ったと思うんです。 それに比べると、ブッシュ政権はそうした経緯がありませんから、これから恐らく米朝はそうした会談などが行われるのでありましょう。ただ、そうした会談などでブッシュ政権が今非常に強く言っておられるのは、何をやるにしても検証できるかどうかだと。検証のできない約束といいますか前進というものは余りとらないんだという、そういう感じが出ている。これはやはり我々は少し違うなと思うべきだと思うんです。 ただし、先ほど佐藤議員にもお答えをいたしましたが、北に対するアプローチの仕方につきましては、クリントン政権時代と同じように、日米韓三国の政策調整が有効である、あるいは日米で政策調整をやっていくことが重要である、あるいは米韓もそうだと思いますが、こうした考え方はクリントン政権時代と同じような考え方、仕組みはとっていこうというふうに考えておられる。そこは私は、組み立て方においてはその延長線上におられると見ていいと思います。 それから、中国に対しても少しそういう意味で違う部分があるのではないかと。ただ、これは、これから米中会談などが行われて、今、銭其シン副総理も行っておられるわけですから、米中会談などを我々は注目して見る必要があるのであって、これは、そうしたものが行われる前に我々が推測したり予測をして言うべきでないというふうには思っております。
○月原茂皓君 今、中国の関係については、おっしゃるように、まだ接触が少ない、米国と。銭其シンさんが行かれておるということで、それは今までのと違って競争者という立場に置くんだと。これは選挙中あるいは今までの発言はそういう態度ではあったわけです。 中国の問題はさておいて、今大臣が指摘された北朝鮮の問題でありますけれども、これは、新しい政権の方々は北朝鮮政策は見直すんだと非常に強く、これは選挙のキャンペーンもあったかもしれませんが、強く言っておる。そして、核の問題、あるいはその拡散の問題、さらにはクリントン政権では言われなかった通常兵力による脅威というようなことまでも含めて北に迫っていくんだというふうなことも言われておるわけですね。これは今までのとちょっと違ったところだと思うんです。 今お話しのように、三国の日本、韓国、そして米国、これがよく協議して対処していくんだと。中には、議会における証言においては、第一に韓国にやってもらうんだと、次が日本で、我々は三番手で出ていくんだというふうにパウエルさんなんかも議会で答えられておったと思うんですが、今までと違って、やはり韓国及び日本、そういうところが北朝鮮に対して第一線に立って出て、それを判断しながら米国が動いていくんじゃないかなというような感じがするわけであります。 そういうところからいって、二十六日に、報道によると、外務省も加わって三国の事務レベルのいろいろこれから対処することをお話しされるようでありますが、日朝関係のいろいろ交渉が今ちょっととまっておりますが、積み重ねておられる。それに対する影響というか、そのことについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米韓三国の政策調整が非常に重要だと思いますことは、例えば、もう非常に大ざっぱな言い方をいたしますけれども、これまでもアメリカは、つまり米朝はミサイルの問題等についてはこれはもう米朝での協議に負うところが大きいと。この問題は、なかなか日本が日朝会談でノドン、テポドンの問題について議論をするということは、もちろん我々は問題意識としては持っておりますけれども、問題解決のためにどれだけの力があるかということになると、米朝会談の方が可能性は非常に高い。 それから、融和政策といいますか、いわゆる韓国の太陽政策というものは、やはり南北の民族の統一といいますか、民族の融和ということを考えれば、これはやっぱり韓国がやる範囲だろうと。日本は日本で日朝の正常化をやることによって話し合いのパイプをさらにもう一本太くするということから、日朝はこれも重要だと。 ですから、三カ国はそれぞれ協力し合って、それぞれの、言ってみれば一番自分が直面している問題について、直面しているといいますか、自分たちがこれまで話し合ってきた問題についてこれからもやっていこうということは、私はこれからも進むだろうと思っているんです。 ただ、日朝の国交正常化問題は、議員御指摘のとおり、現在、しばらくの間開けずにおります。これは、両国の準備が整えばやるよといって、それが、前回の会談が終わって以来、双方の準備が整っていないわけです。 それはどこが整っていないかというと、やっぱりアメリカの新政権がどういう対応をとるかということは北は相当な関心事だと思いますし、我々もまた、二十六日に開かれますTCOGその他の会議でどういう対応をするかということについても、よくアメリカの対応、韓国の対応を聞く必要もあると思っております。そうしたことを全部よく聞いて準備を整える必要があるというふうに思っておりまして、我々が日朝の正常化交渉に前向きであるということについては、北側は私はわかっているだろうと思っているんです。 もちろん、いろいろ問題はあります。我々にとって人道上の問題その他、懸案の問題を横に置くわけにいかないという問題はありますけれども、日朝の不正常な関係をこれで正常にしていかなければならないという我々の考え方については北側も理解、それはきっと日本もそう思っているだろうということについては北側はしっかりと受けとめているに違いないと私は思っておりますから、先方の準備も整い、こちら側の準備ももちろん整えば、私は、国交正常化のための日朝会談は開かれる可能性はあるというふうに思っております。それはあくまでも準備が整えばということでございます。
○月原茂皓君 今、外務大臣のお話はわかりました。それで、要するに北の方も米国の新政権の考え方待ちだったと。日本の方もこれで二十六日に三国で、米国の意見も十分聞きながら、そういう体制ができ上がり、それによって日朝会談もできるだけ速やかに、向こうもその意欲を持っておるようだから、再開したいというお考えだということがよくわかりました。 時間がないので、最後に私が申し上げたいことは、大臣、先ほど経済問題についてもお尋ねしたんですが、既に佐藤議員のことでお答えになったんで十分であると思いますが、規制緩和と構造改革という問題は米国の方が強く主張しておることでありますが、私が心配しておるのは、恐らく、これから構造改革になると相当日本の中にもきつい状態、厳しい状況が雇用関係に出てくるかと思います。そうすると、これは外圧によったんだと、こういうふうなマスコミの書き方も、森総理がこちらの考え方を説明したのに対して外圧的な書き方をしておる。 今、大臣は当然やるべきことを説明してきたんだと。私はその態度が最も正しいことであって、外圧だということで変な意味のナショナリズムというか、そういうものがまた燃え上がってくるというような傾向を私は心配するわけでありますから、外務大臣としては、今お話しのように、日本が本来やるべきこと、そういうことで、新しい政権は、特にリンゼーさんなんかの言われておるのは、個々の問題で、そして外圧なんかをかけるんではない、経済の高度の原則というものをお互いが認識し合って進んでいく、そして日米が協力していくことが世界の安定、アジアの安定につながるんだと、こういうふうに言われておるだけに、ぜひ外務大臣としても、その点を国民に対して強く、外圧の問題ではないんだと、日本国が本来解決すべき問題をお互いに話し合ったんだということを国民に十分説明していただきたい。そのことを強く要望して、私の質問を終わります。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。久しぶりにこの委員会に戻らせていただきました。緊張と期待を持って質問をさせていただきたいと思います。 私は、一九八六年、今から十五年ぐらい前になってしまうんですが、政治の世界に入りまして、最初に所属したのが外務委員会でございました。当時、日本を取り巻く環境というのは、言ってみれば、ジャパン・バッシングに象徴されるように、非常に日本の経済力が強かった。バブルも起こり始めていたわけですけれども、そういう中でゴルバチョフ・ソ連邦書記長が登場し、東西冷戦の雪解けムードが始まった。そして、地球環境を人類共通の敵として戦っていこうという本当にすばらしい時期があって、そして冷戦の終えんに至るというわけでございますけれども、そのすばらしい、ベルリンの壁の崩壊等、本当に私たちがわくわくしたような時期というのはそれほど長くは続かずに、湾岸戦争に突入した、そして日本の貢献が問われたと。 日本は、百四十億ドルというすごいお金を貢献することによって責務を果たしたわけですけれども、財布外交かというふうに言われ、しかし、私は、実際には、もう非常にこれは当時の日本としてできる最高の、しかも特にアメリカなどに評価される貢献であったと思っているわけですけれども、日本国内には本当に日本の貢献の質についていろいろ議論が沸き上がったわけです。 そして、湾岸戦争に一応西側は勝利したわけですけれども、ブッシュ政権にかわってクリントンになると。そうなると、ジャパン・パッシング、バッシングからパッシングになる。ちょうど日本がバブルが壊れて、そして経済的にもまた政治的にも非常に困難な状況をくぐり抜ける中で、むしろクリントンの目は中国とかそのほかEUとか、そのようなところに向き始めるわけです。片やEUの方も、それまでの外交というのはヨーロッパのそれぞれの国と対応していたのが、EU全体としての対応に変わってくる。 中国の目覚ましい成長とか、それからEUの結束、その拡大という中で、日本がむしろアメリカに無視されているのではないかといういらいらの中で、嫌米感情をあおる、そういうこともあって、日米関係というのは新たな緊張を迎えたのじゃないかと思います。そういう中で、練習船えひめ丸と米原潜による衝突事故があったということだろうと思います。 そして、新しいブッシュ政権の誕生となるわけですけれども、このブッシュ政権の新しい外交政策ということでは、既に同僚議員からいろいろ御質問があったわけですけれども、三つの原則をうたっている。中ロ関係の安定、同盟国重視、そして対外介入の縮小、ここは非常に大切だろうと思います。このような原則を打ち出しているわけですけれども、我が国としては、アメリカの新しい政権のこうした外交の柱、原則に対して、日本としてはこれまでどのような原則でやってきたのか、そしてその原則は今後変わっていくのかと、そういうようなところからまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) これまでの世界の外交の流れについてお述べになりました。私も同感するところ多々ございます。 御答弁を申し上げる前に幾つか気がついたところを申し上げますと、確かにあの湾岸戦争というものは、日本の国際貢献のあり方について議論があったことは事実でございます。 しかし、一月に実はアメリカへ参りましてパウエル国務長官と会って会談をし、その後昼食を一緒にとったわけですが、その中で、パウエル長官は非常にはっきりと、あの湾岸戦争における日本の貢献というものは自分にとってはもう大変ありがたかったと。実際問題、あの湾岸戦争にパウエル長官は直接的にかかわっておられたわけで、その点は非常に強い印象をパウエル国務長官は持っておられて、今でもはっきりと覚えている、あのときの日本の貢献がなければ湾岸の我々の作業はできなかった、あれはもう本当に日本の果たしてくれた役割を自分は高く評価しているということをパウエルさんは繰り返し言われました。 それから、ジャパン・パッシングという議論がここ一、二年出まして、どうも日本の頭越しで中国へ行っちゃうんじゃないか、あるいはアジアの国へ行ってしまうんじゃないかというようなことで、日本側に若干のいらいらがあったということも、私は、そう思っていらっしゃる方がおられることは承知しています。 しかし、アメリカ側の気持ちからいえば、むしろもう日本は十分立派な一本立ちをしている国であって、その都度その都度肩をたたいて大丈夫だね大丈夫だねなんて言う必要はないんであって、むしろアメリカにとってやるべきことは、もっとほかの国に対してエンカレッジをする、あるいはサポートをするということが大事だというふうに、アメリカはむしろそんなふうに思っていたんではないかという感じもするんです。 しかし、知日派と言われるアメリカ人の中では、それは日本人の感情からいうと決していいやり方ではないよと、やはりアジアへ行くなら日本に立ち寄る必要があるねという注意などもあって、アメリカ側は、ジャパン・パッシングというのは決してやってはならないことだという感じを持たれただろうと思うんです。 その後、アメリカの日本に対する対応はむしろ非常に何といいますか丁寧な対応に現在はなっているというふうに思います。恐らく、十月ですかAPECが上海で行われる、それにアメリカの大統領は出席をされる。その前後には日本に立ち寄りたいというようなことがワシントンから漏れ伝わってくるというようなことを考えますと、アメリカは決してジャパン・パッシングなどという政策をとるということは私はないというふうに感じているわけです。 それから、アメリカ外交で三つの原則を広中議員がおっしゃいました。私の理解は、中ロ関係の安定というよりは、対中政策、対ロ政策を非常に重視していくんだというのが一つ。それから同盟国を重視する、これはもう間違いなくそういう感じでございます。それから対外的な介入、特にこれはイスラエル、パレスチナの問題などにも介入は一定の限度を示しているようなところがあって、これもまさにおっしゃるとおりだというふうに私は思います。 そういうアメリカの原則を見ながら、日本の外交の原則といいますか、外交政策というものは一体どういうことだというお尋ねでございますが、私、せんだってここでも申し上げましたように、日本の外交政策というものはこれから、もちろん日米というのは外交の基軸であることは論をまちませんけれども、それ以外にも我々は近隣諸国との関係をできるだけ大事にしていくということを考えなければならないだろうと。それから、文明間の対話というものもやらなければならないと思っていますというようなことを新たにつけ加えて、これまでの外交政策に私はこの二つをあえて重視しますということをつけ加えさせていただいたということでございます。 アメリカの対外介入の縮小というのはアメリカの考え方でありますけれども、私は、パウエル長官と会って話をしたときに、アメリカはむしろマルチの会談、マルチの政策にもう少し積極的にかかわったらどうだと。私は、アメリカが少しマルチの仕事をやらな過ぎる、例えばユネスコで席を持っていない、これはアメリカは世界の文化とか教育にもっと積極的に参加されたらどうですかということを申し上げたり、あるいはCOP6などにもアメリカはもう少し積極的に協力をされたらどうかと思っていますよと。さらにはCTBTについてもアメリカの態度というものは我々にはどうも理解できませんねということなどをパウエルさんにはいろいろぶつけてみました。 どういうふうにお感じになったかその場で返事はいただけませんでしたけれども、まあその後漏れてくるところを聞くとなかなか厳しい判断のように聞いておりますが、私は、アメリカに対しても率直に物を言うべきだというふうに考えた次第でございます。
○広中和歌子君 今のお話を聞いておりますと、アメリカがある分野において手を引くというような中で、日本はむしろ補完的な役割を果たせるというふうにお考えでいらっしゃいますか、例えば環境問題であるとかODAの問題であるとか。かなりそういう部分に特化して、日本が、まあ言ってみれば、軍事大国ではないけれども、非常に質の高い、どちらかというと理念先行のミドルパワーとして国際社会で地位を保っていく、そのような方向と考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) もちろん、それぞれの国にはそれぞれの果たすべきといいますか、得意の分野、あるいはそれぞれの国がやり得る分野というものがあって、日本には日本の果たすことのできる分野というものがあるだろうと思うんです。そういうところでは日本は積極的にやらなければならぬというふうに思いますが、まあアメリカの行動を見てその補完的なというところ、そういう言い方をしていいかどうかということには私は多少抵抗があります。 日本には日本独自の外交姿勢というものがあってしかるべきだと思いますし、もちろんそのことが客観的に見るとアメリカのやらないところを日本が出てきてやってくれたという評価をされる部分はあるかと思いますけれども、アメリカを補完するということに特化して申し上げるのは私には若干抵抗がございます。
○広中和歌子君 いや、私はそこで日本の独自性が出せるのではないかなと思ったものですから、そのような指摘をさせていただいたわけです。 いわゆるアーミテージ・リポートというのがございます。米国防大学国家戦略研究所特別報告書なのでございますけれども、多分アーミテージさんがチェアマンか何かをされていたのではないかと思います。 そこでいろいろなことが語られているわけですけれども、その中で、日米新ガイドラインは日本の役割を拡大するための終着点ではなく出発点であるとか、日本がより平等なパートナーになることを歓迎するというようなことを言っているわけですけれども、このより平等なパートナーということはどのようなものを含むのか、お話しいただければと思います。
○国務大臣(河野洋平君) アーミテージさんとかナイさんとかいう方は、アメリカでも有数の知日家といいますか、アジア太平洋の地域に深い知識を持っておられる方々でございます。そうした方々がお書きになったレポートですから、我々は関心を持ってこれは読まなければならぬというふうには思っております。 ただしかし、このレポートは、そうはいいますけれども、まだアーミテージさんが民間人としてお書きになったもの、研究者としてお書きになったものであって、アーミテージさんが国務省に入られて公人としてといいますか、アメリカ政府として何かを考える、あるいは何かを発言なさるときにこうした発言をなさるかどうかということについては、これはまだ、何といいますか、こちらが必ずそうであろうとも思えない部分もあるのでございます。 日米の同盟関係を拡大、深化させようというせんだっての日米首脳会談の文書などはいろいろな意味をその中に含めているのだろうというふうに私は思っておりますが、ガイドラインというものは、確かに、何といいますか書類の上で、紙の上で書いたものであって、それが実際に動くのは、動くかどうかというのはこれからの問題でございますから、その書類ができ上がった、法律ができ上がったということは、確かにこれで終わりではなくて、それは出発点なのだというふうに見るということは間違いではない、もしそういう理解であるとすれば間違いではないだろうと思います。
○広中和歌子君 その中に米軍と自衛隊の共同使用の拡大と訓練活動の統合であるとか米国の防衛技術の日本への移転、米国の防衛産業に対して日本企業との間で戦略的提携関係、先端技術の軍事民事両用技術に関する双方向の流れの拡大などということがうたわれているわけでございますけれども、これに対して日本の政府はどのような対応をなさるのか、積極的にこうした動きに対応していくのかどうか。むしろ防衛庁長官、お答えいただければと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 広中先生は長くアメリカにもお住まいで世界的なグローバルな視点でいろんなことをごらんになっていらっしゃって、大変参考にさせていただきながら今聞いておりました。 そのアーミテージ・レポートでございますが、副題に「米国と日本 成熟したパートナーシップへ」というタイトルが付されたものでございまして、ただ、その報告書は、河野外相からもお話がございましたように、参加研究者の個人的見解ということであるという前提がございます。しかしながら、大変日本に関係の深い、また知日家の多い中で、そういった方によって書かれたということで私どもは大変関心を持って読まさせていただいているところでございます。 御指摘のように、日米関係が一層重要となってきているとの認識のもとで安全保障面についても多くの示唆に富む提言がなされております。おっしゃるとおりでございます。防衛庁としても、日米同盟の一層の強化のための施策を検討する上で一つの参考になるのではないかというふうに考えております。 日米間、私、実際仕事をしておりまして、スクラムを組むようなそういう強固な信頼関係が今成り立っておりまして、さらにこれを深めていくということが大事だと思いますし、コモンバリュー、コモンセンス、コモンインタレスト、こういった基礎的なものを共有した両国間ではないかというふうに思っております。 いずれにしても、私ども防衛庁といたしましては、米新政権との間で政策協議や情報交換を緊密に行いまして、今般の日米首脳会談で示されたとおりの同盟関係の一層の強化に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 私といたしましては、その方向を注意深く野党の立場から見させていただきたいと思っているわけでございます。 沖縄の基地問題ですけれども、米軍基地の七〇%があちらにあるということ、そしてそれよりも何よりも、大きな基地が独立国日本に存在すること自体に関して、やはり私たちは考えなければならないときに来ているのかなと思うわけでございますけれども、日本の基地使用に関してそれを縮小していくような方向について、防衛庁はどのような見解を持たれ、努力をなさろうとしているのかお伺いします。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 御指摘のように、アジア太平洋地域において私どもは引き続き不安定要因が存在するという見方をいたしておりまして、安全保障条約とこれに基づく日米安保体制が我が国の安全及びこの地域の平和と安定のために重要な役割を果たしているという認識を持っております。在日米軍はこのような日米安保体制の中での中核をなすものでありまして、我が国に駐留する米軍に対し必要な施設・区域を提供するということは、日米安全保障条約の目的達成のために必要不可欠であるというふうに認識をいたしております。 しかしながら、御指摘いただきましたように、全在日米軍の七五%が沖縄に凝縮された格好である、大変大きな負担をかけておるという認識も持っておりまして、その負担を軽減させなければいけない。そのために、今、SACO最終報告というのが合意をなされまして、それを着実に行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○広中和歌子君 より平等な関係と言ったときに、日本の負担が基地の使用という形でさらに重くなることがないようにと心から願っている次第でございまして、また、場合によっては、アメリカも基地を別の場所に移すことも含めてぜひ考えていただきたいと思うのは私一人ではないと思うんでございますけれども、そういう方向での話し合いに、縮小だけではなくて移転をさすということについての防衛庁としてのお取り組みというものはあるのかどうかということを最後にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 兵力構成の見直し等の議論につきましては、国際情勢というものに照らしながら考えなければならないんだというふうに思っております。私としても、早い機会にアメリカへ参りまして、ラムズフェルド国防長官とも新たな政権の中での取り組みについて協議をしていきたいというふうに思っております。 広中先生からの御意見は御意見として承っておきたいと思います。
○広中和歌子君 では、ちょっと機密費のことについて触れさせていただきます。 この機密費に関しては、機能改革会議というのが数名のメンバーで結成されたというふうに伺っております。そして、服務規定などいろいろ御検討をされているということでございますけれども、少なくとも使途の一部に関しましてはもっと情報公開をしてもいいんではないかというふうに思うわけですが、御意見をお伺いしたいと思います。 情報公開法が四月一日に施行されますけれども、一応外務省に関しては機密ということで例外扱いにされるのではないかと思いますけれども、少なくとも今は、機密費問題という形で明らかになりましたような使われ方に関して、非常に不明朗なところがあり、国民も疑心暗鬼になっておりますので、ぜひ一部に関しては情報公開をしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省の報償費と申しますか機密費につきまして、大変いろいろ厳しい御指摘をいただいておりまして、私どもとしてもまことに残念のきわみでございます。もちろん、正すべきところはきちっと正していかなければなりません。したがいまして、外務省は省内に調査委員会をつくりまして、荒木副大臣を委員長として外務省内におきます問題については目下調査中でございます。 私は、この荒木委員会の調査の行方を非常に関心を持って見ているわけでございます。と申しますのは、メディアの報道によりまして、外務省の中の機密費が不正に使われているんではないか、目的外に使われているんではないかというような指摘がございまして、もしそういうことが非常に指摘どおりにあるということであれば、これは厳正な処分をしなければなりませんし、その方法についても考えなければならぬと思っています。 ただ、報道はなかなか具体的な指摘がなくて、少し雲をつかむような報道は、いざその報道をもとにしてそれではこういう事実があったかどうかを調べてみようと思うと、これはなかなか伝聞の伝聞が書かれているだけでなかなか事実はつかめないということもあって、調査をしてくださる荒木副大臣には大変御苦労をかけているわけでございますが、いずれにしても、でき得る限りその実態を把握したいというふうに考えております。 情報公開の問題でございますけれども、この情報公開法に基づきまして外務省にその開示請求がなされた場合には、当然のことでございますが、情報公開法の規定に従って個別に判断をするということしか今お答えをできないことを申しわけなく思っております。これは、一つ一つの請求を個別に判断をする以外にないという意味でございます。
○広中和歌子君 ということは、情報公開に向けて、もちろん個別に精査はなさるとはおっしゃいましたけれども、一応前向きに検討していくと、そういうふうに受けとめてよろしいんでしょうね。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省といたしましても、外交文書その他の情報公開は、情報公開法に基づいて当然対応しなければならぬと思っております。 問題は、機密費についてどういう対応ができるか、これについては目下十分検討をしなければならぬと、こう考えているところでございます。
○広中和歌子君 ともかく、国民に疑惑をこれだけ与えてしまったことでございまして、本当に外務省に対する信頼が地に落ちたというような部分もあるわけでございますので、ぜひここのところをきっちりやっていただきたいと思うわけです。 それから、これだけむだ遣いされたし、されたに違いないのだから、今までの予算ですよね、機密費予算、それを減らしてもいいんではないかということで、民主党としては予算の組み替え要求などもしているわけでございますけれども、それについて一顧だにしないというのは、少し国民感情を無視したものだと思うのでございますけれども、いかがでしょうか。今度のこういう種類の予算に関しては削減されているんでしょうか。ことしのは削減されていないわけですよね。来年あたりから削減される方向に行くのか、お伺いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) これは二つ申し上げなければならないと思います。今、不正に支出されている、目的どおりに支出されていないと言われて、今捜査当局に捜査をお願いして、捜査当局が捜査をしておられるものは、官邸におきます官房報償費でございます。外務省報償費は、もちろんその性格がある意味で似ておりますから、官房報償費についてこういう不正が行われていたということで今捜査をされておりますが、外務省報償費についてはその捜査の対象になっているわけではありません。 ただし、外務省報償費についても、先ほど申し上げたようにいろいろな御批判もありますし、厳しい御指摘もありますから、これについては外務省として厳しく受けとめて、自浄能力、自浄作用を発揮させなきゃいかぬというふうに思っているわけでございまして、この点について我々は、相当多額のむだ遣いがあったと言われると、これはちょっと、いやそんなことはありませんと申し上げる以外にないわけでございます。 いずれにしても、報償費について厳しい御指摘、御意見がありますのは、つまり報償費はその性格上、その使途その他を明確にできないという性格のものでございますから、それだけに支出に当たってはみずから厳正なチェックをして支出をするべきだと思いますし、また、その精算についてもきちっとした精算、あるいは事後の検査、そういったものがきちっとしていなければならないというふうに思っておりまして、今回のこの事態を踏まえて、より厳正な支出のあり方、より厳正な決裁の仕方をやろうということで省内では議論をしております。それから、先ほど議員がお話しになりましたように、外部の方々の御意見も今伺って、四月末までには御提言をいただけると期待しておりますので、御提言があればそれに従ってできるだけきちっとした改善策をつくり上げたいと思っております。
○広中和歌子君 立派なお言葉をいただきましたので、どうかそれを実行に移していただきたいと思う次第でございます。 次に、あいまいさのコストについて考えていることがありますのでちょっと御質問させていただきたいわけですけれども、戦争中にいろいろなことが日本軍によって行われたことに関しては、日米講和条約その他で法律的には解決済みであるということで、我が国は個人補償はしないんだということになっております。慰安婦の問題についてもしかり、その他の強制連行の問題についてもしかり、あるいは捕虜収容所におけるさまざまな問題についてもこれは解決済みということになっているわけでございます。 講和条約が結ばれましたときには多分第一次世界大戦の反省があったんではないかと思います。あのときに敗戦国ドイツに多額の賠償を科すことによってドイツの戦後の経済がめちゃめちゃになり、超インフレになり、そしてナチの台頭を招いたということがあるのではないかと思いますけれども、その反省に立って、今度は第二次大戦後の敗戦国に対してはかなり寛大に取り扱ったんではないかと思います。少なくとも賠償問題に関しては、ドイツも日本もイタリーも疲弊しておりましたから、そういう意味では非常に少額の賠償金を支払うことによって法的に解決されたんだと思います。 しかしながら、戦後非常に日本は豊かになってしまった。そして、迷惑をかけた近隣諸国の国々はまだ途上国にある。そういう中において、日本はODAという形で、ある意味では贖罪というんでしょうか、罪滅ぼしというんでしょうか、そういうことで御理解を願ったという部分も少なからずあったのではないかと思います。日本はODAをやっているんだからという気持ちはございますし、向こうももらっている立場ですから政府としてはいろいろ言えないわけですけれども、ドイツとの比較をどうしてもされてしまうのが日本でございまして、ドイツでは国と国との関係ではなくて、個人補償をいろいろな形で行っている。 そういう中で、中国の人たちや、それからアメリカにいる人でさえ戦争中にこうむったさまざまな被害に関して個人補償を求め、謝罪を求め、そして訴訟も起こしている。これは日本の外交にとって非常にマイナスであると思います。その額は非常に小さいにもかかわらず大きくマスコミにも取り上げられるし、大変に私としては残念なことだと思っている次第でございますけれども、こうした個人補償の要求に対して政府はどのように対応していかれるのか。 特に今度、サンフランシスコ平和条約五十周年に当たるわけでございまして、日米それぞれ独立してお祝いをしようと、将来に向かって日米関係のきずなをさらに深めていこうという、そういういい趣旨で企画されているところでございますけれども、もしかしたらそれに対して個人的にデモが出るのではないかとか、それから、いろいろ裁判ざたになったりしておりまして、こういうことが日本の外交にとっては非常にマイナスであるというふうに思っておりまして、これに関してどのような対応を考えられるのか、外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 議員が御指摘のように、ことしはサンフランシスコ平和条約締結五十年という一つの節目の年でございまして、サンフランシスコにおいて日米双方の関係者といいますかが集まって式典もやろうというような計画もあるやに伺っております。 そういう中で、今議員もお話しになりましたように、カリフォルニアでは日本企業を相手取った訴訟が行われるというようなこともございまして、先日、アメリカの方と話をしましたら、こういう問題があるよと、日本側はこうした問題にやはり注意深く対応するべきではないかというような御指摘もございました。 ただ、法律的なことだけを申し上げる以外にないわけですけれども、今お話しのように、さきの大戦にかかわります賠償とか財産請求権の問題につきましては、今申し上げたサンフランシスコ平和条約などによりまして、あるいは二国間の平和条約及びその他の関連条約などに従って、我が国としては、国としては誠実に対応してきたことも事実でございまして、したがって、政府として個人補償をやるかと言われると、これは個人補償を今から行うということは政府としては考えていないと言う以外にお答えのしようがないわけでございます。 もちろん、今議員がお話しのように、近隣諸国との関係を考えますと、我が国と経済的な繁栄の度合いが相当違ってきてしまっているということもあって、日本がもう少し何かを考えてくれてもということをおっしゃる方もありますし、それから、あの当時、サンフランシスコ平和条約当時にはそんなことがあるとは思わなかったということで、その当時想定をしなかったような問題が出てきているということがあることも事実だと思います。 しかし、いずれにせよ二国間関係あるいはサンフランシスコの平和条約で、賠償あるいは財産請求権の問題は決着済みということを法律的に決めているわけでございますから、これを越えて何かをするということは、国としてあるいは法治国家としてそこまでやれるというふうには私どもは思っていないわけでございます。 ただ、例えばこれまでの例でもそうした方々に対してある種のおわびの書簡を出すとか、何かそういうことでその気持ちを伝えるということはあったかと思いますけれども、それ以上のものが法律的にきちんとあったというふうには思っておりません。
○広中和歌子君 本当にお立場がつらいことはよくわかります。慰安婦の問題でも、むしろ民間のイニシアチブで、また政府がお金を少し出していただくことによって個人的にお見舞金を出すとか、それから女性のための何というんでしょうか、そういう集会所をつくるという……
○国務大臣(河野洋平君) アジア女性基金ですね。
○広中和歌子君 ええ。いろいろやっていただいたことはあるわけですけれども、いつも後手後手になるということもあり、今サハリンの問題もございますし、そういうことで本当に一日本人としてもそういう問題が出てくるのはとてもつらいことですので、やはり外務省としては積極的に、二十一世紀もう越えたんですから、むしろ過去は過去として前向きにという、私としてもそういうふうに言いたいわけですけれども、単にODAをし、そしてさまざまな地球規模の問題に対して日本がリーダーシップをとるということだけで許されない部分も個々にはあるのではないかなということで、本当にこれは外務省が背負っていかなければならない重荷だろうと思いますけれども、できるだけ前向きに検討していただくということを心からお願いする次第でございます。 それから、最後にこのODAについてなのでございますけれども、これは前から私もさまざまな機会にお願いをしていたわけですが、日本のODAの規模は世界でナンバーワンであり、そのことはすばらしいと思うわけでございますが、ただNGOを通じての小規模支援というんでしょうか、そういうものはまだまだ非常におくれていると思います。 例えば、カナダのCIDAという援助機関はその全体の予算の半分ぐらいをNGOを通じて出している。そしてまた、アメリカのUSAIDにいたしましても三〇%を目標にやっているということでございます。 額が少なくても非常に顔の見える支援になるというのがこのNGOを通じての、ボランティアを通じての支援でございまして、今、日本ではその現状はどのようになっているのかまずお答えいただきたいし、そしてそれが非常に低いということを私は知っておりますので、ぜひふやしていただきたい。もう今だんだんNGOも育っておりますし、それからまた海外のNGOの方々がこの前日本にいらして外務省もかかわられたと思いますけれども、ぜひ日本のNGOと協力しながら、例えばマイクロクレジットみたいな形で貧困撲滅に向けて、あるいは環境問題について頑張りたいというふうに言っていらっしゃいますので、ぜひそうした前向きのプロジェクトに対してODAの予算の配分を大幅に変えていただくことをお願いいたします。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御指摘のように、政府開発援助の方法はさまざまな方法がございます。 まず最初にお答えを申し上げておきますと、今御指摘のとおり、NGOを通じた援助の割合というものはまだまだ極めて低うございます。一九九八年の実績で二・四%、これはOECDのDACに対して報告した数字が二・四%でございます。まだ先ほど議員が御指摘になりましたカナダ、その他に比べると大変低うございます。 この政府開発援助はもう本当にさまざまなやり方がある、支援の仕方があると思うんです。開発援助と、こういう言い方になっていまして、開発のための援助というやり方もあれば貧困のための援助というやり方もある。 貧困のための援助ということになると、これも表現は悪うございますけれども、小規模でなるべく手元に届くものに力を入れる。それから開発援助ということになると、これは相当大規模で、インフラの整備というような大規模な援助をするということになっていくわけでございます。貧困のための援助ということになると、これは場合によっては毎年恒常的に出さなきゃならないということがある。それが、インフラの援助をするとそのインフラができ上がればそこで自立の可能性が出てくる。その自立を目指したインフラの援助ということもあり得るわけで、これはやや両極、典型的なことを申し上げたわけですけれども、そのどちらをとっていくべきか。もちろんどちらと決めるのではなく両方をやるわけですけれども、そうしたことを十分考えなければいけない。 それからもう一つは、やはり議員がおっしゃったNGOにつきましても、随分育ってきてくれましたけれども、もっともっとNGOが積極的に活躍できる状況、これは鳥と卵だと思います。支援があればNGOも活発になる、また一方でNGOが活発に動いてくれれば支援もできるという、若干鳥と卵みたいな関係もありますけれども、確かにNGOがもうきめ細かく非常に機敏に動いてくれるということを考えれば、NGOを通しての援助というものをやっぱり相当考えていかなきゃならぬだろうというふうに私考えております。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。終わります。
○益田洋介君 まず最初に、先日詐欺疑惑で警視庁に逮捕されました松尾元支援室長の逮捕容疑事実以外の数件の疑惑について、外務省の調査委員会、荒木委員会と言われているそうでございますが、調査の中間報告のようなものをしていただきたいと思います。 特に私が関心を持っておりますのは、一般的に皆さん疑惑が晴れないとして残されている事案につきましては、九州・沖縄サミットのときの物品の調達あるいは通訳の手配その他に関しまして、業者との癒着において百万円を超えるリベートを受け取ったのではないかという疑惑でございます。 二番目は、元室長の資金に他の外務省の幹部が群がるようにして、ゴルフ、マージャン、飲食、ゴルフの場合は送迎のリムジンまで用意されたというふうに報道されております。この件について。 三点目は、九〇年九月にニューヨークの国連本部で開かれました世界子どもサミット、これには海部元総理が参加しまして、二百人に及ぶ随行団、ここでも数々の疑惑が取りざたをされております。 最後に四番目として、九九年のケルン・サミット、これは政府の専用機を用いまして、ケルンから百五十本のフランケンという高級ワイン、それから羽毛の布団を個人向けに元室長が東京に運ばせた、この疑惑でございます。 調査委員長の荒木副大臣、よろしゅうございますか。
○副大臣(荒木清寛君) お答えをいたします。 まず第一点の九州・沖縄サミットをめぐる松尾元室長のリベート疑惑であります。 九州・沖縄サミットの際の通訳派遣業務に関しては、外務省におきまして入手可能な資料の調査、関係者からの事情聴取をいたしました。現在までのところ、この通訳関係の関係業者から、当時非常勤職員として九州・沖縄サミット準備事務局に勤務をし、通訳の手当てを行っておりました人物に対しまして資金の払い込みがあったことが判明をしておりまして、この情報は捜査当局に提供いたしました。予算委員会でも御報告をしたとおりでございます。 このサミットにおける物品等の調達につきましては、これも関連書類を調査しました。その結果、入札の場合と随意契約の場合、両方ございますが、いずれの場合にも会計法等に基づいた適正な手続によって行われていたことは確認をいたしました。 例えば、報道の中では、この松尾元室長が地元沖縄には所在しない弁当業者を採用した、この背景をめぐる報道もありましたが、外務省が契約した弁当の納入というのは六百六十四万八百円でありますが、いずれもこれは沖縄の業者との契約で納入をしております。 いずれにしましても、この件につきましても捜査当局に対する協力をするということが私たちのまず第一の基本方針でございますが、その上で外務省としましては、具体的な指摘があるものにつきましては今後とも必要な調査を行っていく所存でありまして、問題が発覚をすれば厳正な処置をとります。 二番目に、松尾容疑者によります供応接待という御指摘であります、疑惑の問題であります。 この点につきましても、先般、幹部職員等六百三十名に対しまして文書等によって照会を行いましたが、現在までのところ問題となる点は出てきておりません。 また、松尾元室長がメンバーとなっておりますゴルフクラブに照会をいたしました。回答を得られた限りにおきましては、松尾元室長が外務省員に対してゴルフの接待を行ったとの事実は判明をしておりません。しかし、今後とも具体的な指摘を踏まえまして引き続き必要な調査を行ってまいります。 また、この点に関しまして外務省職員有志によって構成されておりますゴルフ同好会、ダッファーズゴルフクラブというのが現在もございますが、これについて元室長による費用の肩がわり、ハイヤーの差し回しなどが報じられております。同クラブの関連資料を調査し、さらにはこのクラブの構成員からも事情を聞きました結果、プレー代、交通費その他の諸経費は各自が自己負担で運営をされており、そのメンバーが松尾元室長からダッファーズに関して特段の利益や便宜の供与を受けていたとの事実はこれはありませんでした。 三番目に、子どものための世界サミットの件でございます。 これは一九九〇年のことでありまして、十年以上前でありまして、この金額の総額等を含めまして当時の関係書類というのは残っておりません。そこで、関係者から事情聴取をすることによっての調査をしたわけでございます。 その結果、いわゆる報償費に関して官邸への証拠書類の提出がおくれたということは確認ができましたが、当時の国連局及び中近東局の担当者はこの総理外国出張に伴う同行者、出張者に対しまして宿泊費の差額分としてお金は確かに手渡した、そしてその際に各人から受取書類に署名をもらったということを述べております。また、複数の出張同行者、出張者もこの差額については受領したというふうに明言をしておりまして、この資金の使途について不正があったということは私たちが事情を聞いた範囲では考えにくい次第であります。 また、架空の領収書を作成したのではないかという報道につきましては、これは当時の国連代表部及び本省の担当者は明確にそうしたことは行っていないというふうに否定をしております。 なお、四点目のケルン・サミットのワイン等の件につきましては、あるいは羽根布団という話もあるわけでありますが、まだ現在調査中でありまして、もう少しお時間をちょうだいしたいと思っております。
○益田洋介君 ありがとうございました。 最終報告をなるべく早目にまとめていただきたいんですが、調査の結果なかったなかったと言うだけでは恐らく与党の方も野党の方も満足はなさらない、納得いかない。今報告を聞いていましても本当にそうなのかな、もう少しお調べになったら事実が明るみになるんじゃないかという印象を私も受けた次第でございますので、どうか引き続き調査を鋭意お続けくださいますようお願いいたします。 昨日のワシントン・ポスト紙に、今度は外務大臣でございますが、二十二日、本日、アメリカ大統領と首脳会談を持たれます銭其シン副首相がアメリカのメディアと会談を持ちまして、その中で、問題になっておりますアメリカが台湾に対してイージス艦四隻、それからキッド級の駆逐艦四隻、P3C対潜哨戒機などの売却をする件につきまして、これが恐らく本日の大統領と副首相の間の話し合いのメーンテーマの一つになるんではないかと思われますが、この問題に関して、もし売却が実行されたなれば、副首相はアメリカのメディアに対して、問題の核心を平和的な台湾の統一から軍事的な対応へと変えざるを得ない、このように大変ハードな、強硬論と申しますかを既に会談に先駆けて発表しております。 この件について、特にまたさらには対中政策がブッシュ政権になってから大きく変更されるであろうこの中国問題、台湾問題を外務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) ブッシュ政権になりまして、中国問題、あるいは台湾問題を含む中国問題と申し上げていいかと思いますが、この問題は大変難しい状況、つまりホワイトハウスにとりまして難しい状況になる可能性があると思います。 それは、ホワイトハウスの政策判断だけではなくて、上院が民主党、共和党が全く同数になっているということを見ましても、この民主、共和両党の考え方、もちろんアメリカの場合には党の考え方というよりは個人の考え方が非常に強く色濃く出るとは思いますけれども、そうしたことなども十分考えなければならないと思いますので、この台湾問題についてはホワイトハウスの判断は厳しい判断を迫られるだろう。つまり、ホワイトハウスは既に米台条約を持っているわけでございますから、その米台条約をきちんと守っていくという態度でなければならないというふうに考えるのは当然だと思いますが、そのことに非常にウエートがかかれば、米中の関係というものは非常に難しくなると。米中関係をどういうふうにマネージするかということについては、この台湾問題をどういうふうに考えていくかということは非常に重要だと思います。 そういう意味で、今議員がお話しになりましたように、銭其シン副首相との間の会談は非常に我々、注意深く見守らなければならないというふうに思っているわけでございます。
○益田洋介君 昨日外務省は、二十六日、ソウルにおいて日米韓三国の高官協議を再開すると。ブッシュ政権下において初めての会合でございます。我が国からは槙田アジア大洋州局長、アメリカ、韓国からそれぞれ局長級のメンバーが参加をする予定だということでございまして、期を同じくして、クリントン政権の北朝鮮政策チームのトロイカ体制の一人であったカートマン大使、朝鮮半島和平協議担当大使が更迭をされたと発表されました。これで、オルブライト国務長官、シャーマン北朝鮮政策調整官が既に更迭をされておりますので、前クリントン政権下の北朝鮮政策チームは一掃されたことになります。新たな体制を立て直して、ブッシュ大統領は北朝鮮問題に対応しようとしている。 この二十六日の高官協議について、外務大臣、我が国はどのような姿勢で臨まれるおつもりでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 御答弁申し上げる前に、大変申しわけありませんが、先ほどの答弁、不適切でございましたので訂正をさせていただきます。私、米台条約というふうに申しましたけれども、これは台湾関係法というふうに申し上げるのが正しいことでございまして、まことに申しわけありませんが訂正をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 日米韓三カ国によります朝鮮半島問題についての話し合いを二十六日に行うわけでございますが、これはまさにこの三カ国の担当者によります会議としてはかなりハイレベルの、会議としてはブッシュ政権になって初めてのことでございます。ここはまずそれぞれがそれぞれの考え方を述べ合う。とりわけ日本も韓国も、アメリカの考え方というものを十分聞きながら自分たちの認識、あるいは自分たちが行っている作業についてそれぞれ紹介をするということから始めるのであろうというふうに思います。 今、議員がお話しになりました、確かにオルブライトさんは民主党政権になりまして、これは国務長官もパウエルさんにかわりましたし、シャーマンさんもこれは特別な役割を担っておられたわけですから、オルブライトさんと一緒に引かれるということもありまして、カートマン朝鮮半島平和問題担当の大使につきましては、新聞でしたか、情報等で更迭ということを私も承知をしておりますけれども、まだ事実関係が、完全に交代をしたというふうには聞いておりませんが、いずれにせよ新政権下でどういうラインナップをつくって北朝鮮政策をやっていくかということも我々、注意深く見なければならぬと思います。 いずれにしましても、先ほどから申し上げておりますように、国防省の担当者が下までずっとはっきりしてきませんと、我々としても十分な話し合いがどこまで進むかということに、若干申し上げるのにちゅうちょせざるを得ないわけでございますが、しかしいずれにせよ、国務省のスタッフ、国務省のラインナップがしっかりと固まってくれば、朝鮮半島問題は極めて大きな問題であることは間違いないわけですから、この問題については三カ国の政策調整はしっかりとやっていかなければならないし、私はアメリカの対応が北朝鮮から後退をする、後ろへ下がるというふうに単純に見ないでいいんじゃないかというふうに思っております。 まだまだしかし、アメリカ側が北朝鮮に対してどういうことを求めるか、どういうことを検証しようとするか、そういったことをもう少し我々としてはよく見たいと思っております。
○益田洋介君 防衛庁長官にお伺いしたいんですが、十九日、ワシントンDCで日米首脳会談が催された際、森総理は、我が国において有事法制の整備の検討に着手したことを報告し、さらにはアメリカの国土ミサイル防衛、いわゆるNMD計画にも一定の理解を示したという報道がなされています。 その会談の後に発表された共同声明でも、思ったよりも経済問題より安全保障問題に多くの声明文の分量が割かれたということで、あけてみれば、会談を行ってみれば、もう安保にかなり集中した議論がなされたと。さらには、ミサイル防衛の対応とか日米二国間の防衛関係の強化をめぐって意見交換がされたと。 この具体的な内容について、差しさわりのない程度でお教え願えますか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 委員御指摘のように、森首相、ブッシュ大統領の間でのトップ会談が先ごろ行われたところでございます。 最初に両首脳は、日米同盟関係はアジア太平洋地域の平和と安定に最も大事なものだということで、これを一層強化することにともに取り組んでいこうということで合意をされております。そのために、日米安保協力の拡大、深化のためにも、今いろいろなことが行ってございますが、さらに一層これを積極的に行っていきたいということも合意をいたしたところでございます。 そこで、今お尋ねのNMDのお話、これはブッシュ政権が引き続き打ち出している政策でございますが、これにも理解を示したというふうに聞いておりますし、また有事法制、これは日本側の問題でございますが、さきの施政方針演説の中でも踏み込んで、従来より一歩踏み込んでこの法制化を視野に入れてやっていきたい、そしてこれは三与党合意をもとにということでございますが、新たな有事法制体制をつくっていきたいということも言明されて、それをブッシュ大統領に伝えたというふうに理解をいたしております。 いずれにしろ、日米同盟、非常に重要な問題でございますので、トップ会談が有意義に行われたことをうれしく思っておりますし、これを基本に私ども対応していきたいというふうに思っております。
○益田洋介君 次に、同じく長官にお伺いしたいんですが、昨年十月に発表されましたリチャード・アーミテージとジョセフ・ナイのいわゆるアーミテージ・ナイ・リポートの中でおもしろいことを言っている。おもしろいという言い方は失礼か、非常に興味をそそられる表現がございました。 それは、英米同盟とそれから日米同盟、この二つの同盟の相違点とまた類似点というようなものを取り上げて、結論としましては、英米同盟の中に含まれる同盟の本質と同盟のばねを日米同盟にも根づかせることが必要である。 それで、さらにこれは民族の違いだと思いますが、日米同盟を英米同盟に近づけるためには、日本はアジアにおいてのイギリスの役割を果たすべきであって、フランスの役割は果たしてもらっちゃ困るんだと、こういう言い方をしていまして、どういうことかといいますと、彼らの言うには、フランスのように見えっ張りで、ひとりよがりで、だだをこねたりすねたりするような国に、日本は日米同盟の中でそういう役割を果たしてもらっちゃ困ると。いわゆる片務契約では困るんだ、双務的な役割をもっと果たしてもらいたいというのが彼らの日米同盟の結論でございまして、この点いかがお考えでしょう。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 益田委員はロンドンにも長くおられたということも承知させていただいておりまして、幅広くグローバルな視点で御指摘をいただいたんだというふうに思います。 アーミテージ・レポートにおきましてもそのような指摘がございます。英米の特別な関係を日米同盟のモデルと考えている、そういったことを前提に、私どもも長い将来を見ながら、刻々刻々日米同盟のよき関係をつくっていきたいというふうに思っております。 確かに、具体的な問題として必要かつ実施すべき施策が多く提言されております。私ども防衛庁としても、日米同盟の一層の強化のためにそれらの施策を一つの参考ということにいたしまして、検討を加えていきたいというふうに思っております。米国新政権との間での政策協議及び情報交換をより緊密に行いまして、今般の日米首脳会談で示されたとおりの同盟関係の一層の強化に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○益田洋介君 最後の質問になります。 外務大臣、十九日の日米首脳会談の中で、ブッシュ大統領は沖縄の普天間飛行場の移設に関しまして、代替施設の使用期限、これは今十五年ということで理解をしておりますが、この使用期限については、国際情勢の動向に照らして考えるべきだということで、その前方展開の手足を縛るような期限の設定には応じられないという意味のことを言ってくぎを刺している。この点について沖縄県民の方も非常にこれを心配していることでございます。 我が国政府は、このアメリカのブッシュ大統領の新しい考え方についてどのように対応されるおつもりか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 十五年という期限を設定することによって前方展開が縛られるというのは困るというような発言がブッシュ大統領からあったということは、私ども承知をしておりません。 私どもは、しかし、現在のアメリカのアジアに対する見方の中で、北朝鮮に対して懸念を持つ、あるいは中国に対しても従来の政権とは少し違う感じを持っておられるというようなことを総合してみると、国際情勢というものを十分考えていくんだということと合わせると、こういうふうに言ったかもしれないという憶測でこういうことが外部で言われているのだと私は思っておりまして、こうしたことをブッシュ大統領が言ったということは、私ども会談同席者からの報告にも聞いておりません。
○益田洋介君 非常に大事なことなので、ぜひ御確認の上、当委員会に報告をしていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(服部三男雄君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(服部三男雄君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村秀昭君 外務大臣にお尋ねをいたします。 世界じゅうに日本の総理大臣は四月中にはやめるという報道が流れている最中に、なぜ日米会談などされる必要があるんですか。相手側にしてみれば大変迷惑な話だと思いますけれども、我が国もそういう人が、同盟国の人が来たら非常に困るんじゃないかと思うんですが、部内的には何でもしていいからということかもしれませんけれども、国益を考えた上で非常に無意味なことだと私は思うし、またさらにロシアにも行かれるという話なので、そういうのを総合して、外交の総元締めである外務大臣はなぜそれをおとめにならないのか、お伺いをさせていただきます。
○国務大臣(河野洋平君) 議員御承知のとおり、日米関係は極めて重要な二国間関係でございます。日米が協力して、少なくともアジア太平洋におきますもろもろの問題について対応をするということも多うございますし、また日米という二つの大きな経済力を持つ国がその経済政策を調整するということも重要だと思います。 森総理が御自身でおやめになるということを発言されたことはまだございません。しかし、メディアがいろいろ書いていることは事実でございます。しかしながら、例えばアメリカのクリントン大統領は、既に大統領の後任であるブッシュ大統領が決定をされているという状況であっても、例えば中東和平については任期の最後までかかわって努力をされるということもございます。 日米両国はそれぞれの首脳がお互いに協力し合って、お互いの経済政策その他について確認をし合い、それぞれの経済政策を進めていくということは極めて重要なこと、これは日米両国にとって重要なだけではなくてアジアの経済にとっても重要なことである、こう考えております。 また、安全保障政策におきましても、日米両国の安全保障についての考え方を確認しておく、つまりそれは、ブッシュ政権は新政権でございますだけに安全保障についての政策を確認するということは極めて重要なことだと私は考えまして、総理も日米の首脳会談あるいは日ロの首脳会談の開催実施について強く指示を出しておられまして、私どもとしても、できるだけ速やかに日米の首脳会談を行い、既に決まっております日ロの首脳会談に、それを前にして日米の首脳会談を行うということが重要だと考えた次第でございます。
○田村秀昭君 私は、どのような御説明をされても国益上よくないことだというふうに私は思います。緊急事態が起きたわけではありませんし、日米関係の重要性を強調されるならばそのほかにもいろんな方法があると思っております。外務大臣がぜひおやめなさいと言われたらやめたと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) いや、私は、むしろ今、日米の首脳会談はぜひ行われるべきだというふうに考えておりましたので、お取りやめを願うようなことを申し上げるつもりは全くございませんでした。 日本側でも、例えばえひめ丸の問題について両国首脳できちんと話しておいていただくこともございますし、また緊急事態はないとおっしゃいましたけれども、やはり昨今の経済状況、景気の動向というものを考えれば、今回の日米首脳会談で日米双方がそれぞれの経済政策についてきちんと述べ合ったということはやはりプラスであったというふうに考えておりまして、私は総理の御判断は正しい御判断であったというふうに考えております。
○田村秀昭君 見解の相違ということであります。 要人外国訪問支援室というのは外務大臣が廃止されましたけれども、この要人外国訪問支援室というのは、何をする、どういう任務を持った室なんですか。そしてだれがこの支援室の上司であるのか、だれが監督をしているのか。外務大臣、お答えいただければ、その担当の方でも結構ですけれども、何をする、もともとどういう任務を持った室か。
○国務大臣(河野洋平君) 要人外国訪問支援室は、総理大臣が外国出張の折に、総理大臣及びその一行の外国訪問をロジスティックの面でサポートをするというのがその支援室の任務でございます。この要人外国訪問支援室は官房総務課に属しておりまして、官房総務課長が直接の指揮をとるということに組織図からはなっております。
○田村秀昭君 そういたしますと、この要人外国訪問支援室というのは、内閣総理大臣が外国に行かれるときにロジスティックその他の支援をする。どうしてその室というんですか、支援室を廃止されたんですか。これ必要じゃないですか。今回も行かれて、だれがやったんですか、これ。
○国務大臣(河野洋平君) この要人外国訪問支援室という組織は、有効に機能すれば極めて合理的なものであるというふうに私は考えました。 もしこの室がなければ、今度廃止してしまったわけですが、この室をつくる以前は総理の外国出張のたびごとに、例えばアメリカに出張されるときには北米一課がそのロジスティックをやる、ヨーロッパへ出張されるときには西欧一課がそのロジスティックをやる。つまり、それぞれの課にそれぞれのロジスティックの専門家といいますか、ロジスティックの面でサポートをする人間を各課がやらなければならないわけで、むしろそういうものの専門家といいますか、そういうものの経験者を一つに集めて、どこへ行くにしてもその室がロジスティックの面でのサポートをする方が合理的だというふうに私も思ったわけです。 しかしながら、この支援室が今回大変な問題を引き起こしまして、これは室が引き起こしたわけではありません、室長が引き起こしたものでございますが、こうしたものについて、とにかく一度廃止をして、こういうことはもうない、やらないということに一度決めた方がいいという判断から私はあえて支援室を廃止いたしました。 したがいまして、今後総理が外国へ出張なさるときには、その出張に当たりましては、ロジスティックのサポートは官房総務課長が直接指揮をとる、室長がやるのではなくて、官房総務課長が直接指揮をとるということにいたしたわけでございます。
○田村秀昭君 そうすると、松尾室長というのが悪いことをしたから、本来必要な支援室だけれども廃止する、そういうお考えですか。
○国務大臣(河野洋平君) 少し御説明をさせていただければ、今も申し上げましたように、支援室という室をつくって室長を置いていたものですから、その室長の上で指揮をとる人間というものは官房総務課長ということになっておりました。 しかし、例えば総理がワシントンに出張される場合には、そのワシントン出張についての指揮は北米局がとる、北米一課がその指揮をとるということになるわけで、直接指揮をとるのは北米一課だと。しかし、組織図からいうと官房総務課に位置づけられているということから、正直どちらが直接の責任者か、どちらが指揮をとるかということがあいまいになっていた部分があるというふうに私には思えました。そこで、はっきりと責任者のもとに、直接的に責任者の下に直結させた方がいい、責任の所在を明確にする必要があるということを考えて支援室を廃止したということでございます。
○田村秀昭君 そうすると、今は官房総務課長がこの任務を遂行しておる、そういうことですね。
○国務大臣(河野洋平君) そのとおりです。
○田村秀昭君 それで、この要人外国訪問支援室長の松尾さんという人がとんでもないことをしたから、この上司である官房総務課長も罰せられたんですか。
○国務大臣(河野洋平君) そうです。上司、つまり松尾室長が支援室長をやめてもうしばらく年月がたっておりますが、当時の上司を処分しております。
○田村秀昭君 どういう処分をされたんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、処分につきましては、今申し上げましたように官房総務課のもとに室がございましたので、この問題が起こったおよそ六年間の間監督責任があると思われる歴代の官房総務課長四人に対しまして、まず処分をいたしました。 その処分は、懲戒、減給処分三カ月が三人、それから一人は既にやめて大使になっておりますので、この大使に対しましては厳重訓戒という処分にいたしましたが、本人が自発的に三カ月の給与を返納いたしております。さらに、その上司でございます官房長三名につきましても、それぞれ処分をいたしました。
○田村秀昭君 もう時間になりましたので。 この外務省の問題というのは松尾元室長という個人の問題というふうにとらえておられるのか、外務省の中に非常に怠慢な空気が、そういうものをチェックしようとしない怠惰な空気が漂っているのか、どういうふうに外務大臣としてはこの問題をとらえておられるのか。謝罪はされておりますけれども、基本的にどういうふうに外務省の体質を考えておられるのかお尋ねして、私の質問を終わります。
○国務大臣(河野洋平君) 私どもの調査では公金横領というふうに調査をしたわけですが、実際は、捜査当局によっては詐欺の容疑で松尾元室長は逮捕されております。逮捕をされたのは松尾元室長一人でございますけれども、やはり六年間にわたってこうした事柄を見抜けなかったというのは、やはり組織として失態であるというふうに私は考えております。したがいまして、今申し上げたような処分を、上司、関係者を処分いたしました。私、自分自身を含めて処分をしたわけでございます。 議員がおっしゃいますように、外務省の省内に怠惰な空気といいますか、甘えの空気といいますか、そういうものがあったのではないかという御指摘をいただけば、私は全くなかったとは言えないというふうにも思っておりますが、しかし大部分の省員は懸命に努力をしていたということも事実だということをあえて申し上げたいと思います。
○田英夫君 きょう、私から申し上げる問題は、実は司法の舞台で出てきた問題なんですけれども、去る三月六日の東京高等裁判所におけるオランダ人元捕虜、それから民間抑留者の賠償請求訴訟で、政府といいますか国が被控訴人ですが、国が国側の主張として、サンフランシスコ平和条約によって連合国国民の請求権は消滅しているので、請求は棄却されるべきだという見解を述べております。 ところが、この見解は、従来のサンフランシスコ平和条約十四条の(b)、これは連合国の国及び国民の請求権の棄却、消滅という規定、それから十九条の(a)、これは日本国及び日本国民の請求権の消滅という、そういう十四条(b)と十九条(a)にかかわる問題で見ますと、従来は、例えば原爆訴訟と言われております原爆被爆者が訴えた、これは日本政府がサンフランシスコ条約で国に対する賠償、補償請求を放棄させられてしまったから、アメリカに対する、つまり原爆を落としたアメリカに対して賠償を求めたい、こう思ったけれども、サンフランシスコ平和条約でその権利がなくなってしまっているから日本政府を訴える、こういう訴訟なわけですね。 そこで、日本政府側が主張していたのは、このサンフランシスコ条約で放棄した日本国民の権利というのは、いわゆる外交保護権、日本国の賠償請求権、つまり外交保護権のみを指すのであって、個々の個人の請求権まで放棄したものとは言えない、こういう主張をしていました。 また、シベリア抑留者の補償訴訟、これも原告の方は、日本政府が日ソ共同宣言で国民の請求権を放棄してしまったので日本政府に対して訴えることができないからソ連に対してやるという。ところが、これについても同じような態度をとっているんですね。 そうすると、今回のこの東京高裁におけるオランダ人元捕虜に対する見解というのは従来の政府と異なっていると思わざるを得ない。これは新見解というふうに考えていいんですか。
○政府参考人(海老原紳君) お答えいたします。 今、先生御指摘のように、今般、オランダ人元捕虜損害賠償請求訴訟におきまして政府は準備書面を提出いたしております。そこでどのような主張を行ったかということにつきまして、若干経緯も含めて御説明させていただきます。 一九五一年のサンフランシスコ平和会議の際のオランダ代表と日本代表との交渉におきまして、我が国はオランダ政府に対しまして、条約の結果、国民は請求権を日本政府または日本国民に対して追及してくることはできなくなるとの解釈を提示いたしました。これに対しましてオランダ代表の意見がありまして、それを踏まえまして、最終的には、日本国政府が自発的に処理することを希望するであろう連合国国民のあるタイプの私的請求権が残るにしても、平和条約上の効果といたしましては、かかる請求権につき満足を得ることはできないとの解釈で決着いたしました。 このような経緯からも明らかなように、我が国政府といたしましては、従来から平和条約の規定により連合国国民の請求権は救済されないという立場をとってきております。 今回の準備書面におきまして、我が国においては、平和条約十四条(b)によって「これらの請求権ないし債権に基づく請求に応ずべき法律上の義務が消滅したものとされたのであり、その結果、救済が拒否されることになる。」と述べておりますのは、改めてこの趣旨を明らかにしたわけでございます。 そこで、今、田先生から御指摘がありました、今回準備書面において明らかにした立場と、従来から国会等の場におきまして政府が、我が国が平和条約において放棄したものは国家自身の請求権を除けばいわゆる外交的保護権であって、平和条約により個人の請求権が消滅させられてはいないというふうに説明してまいっておるわけでございまして、これとの関係でございますが、これは全く矛盾をしないというふうに考えております。 そこで、その矛盾しないという理由でございますけれども、そもそも外交的保護権とは、自国民が外国による国際法違反行為によって損害をこうむった場合におきまして、その本国が、被害者である自国民について生じた損害に関しまして救済が与えられるように必要な措置をとるよう相手国に要求することができるという国家としての国際法上の権利でございます。 したがいまして、外国において自国民に対して司法上の救済が不法に否定されるようなことがあれば、その本国としては、国家としての国際法上の権利である外交的保護権を行使いたしまして、当該外国に対しまして自国民に対して適切な救済が与えられることを要求できるわけでございます。 しかしながら、平和条約におきまして、日本国として自国民の連合国及び連合国国民に対する請求権にかかわる外交的保護権を放棄したということになっておりまして、その意味するところは、連合国において、連合国及びその国民に対する日本国民の請求権が当該連合国によって否認されても、当該連合国の国際法上の責任を追及することは平和条約の締結によってもはやできなくなったということでございまして、このことは従来より申し上げております。 このように、従来からの日本国政府の国会等における説明は、平和条約の締結によりまして、さきの大戦にかかわる日本と連合国の請求権の問題は、それぞれの国民がとった行動から生じた個人の請求権にかかわる問題を含めまして、すべて解決済みであるということを一般国際法上の概念である外交的保護権の観点から述べたことであるというふうに考えております。
○田英夫君 今言われたように、実はサンフランシスコ平和条約締結当時、このことは、日本の吉田代表とそれから連合国側、特にオランダはまた特別の意見を言っているというあれがありますね。そういう中で一つ重要なテーマになっている。ダレス国務長官がこの問題について、そういう解釈だと救済なき権利だなという言葉を吐いたということを言われているぐらい重要な、解釈が非常に難しい問題として当時既に議題に、話題になっていた。 同時に、日本の国会における参議院外務委員会でのサンフランシスコ平和条約の審議の中で、多分曾祢益さんだと思いますが、野党側の質問に対して当時の西村熊雄条約局長が答弁をしていて、初めこの条約の原案には国だけ、連合国とか日本国というだけ入っていたのを、「及びその国民」とした、それは日本の要求で入れたんだという答弁をしております。そのくらいやはり注目された問題なんですね。 ところが、それにかかわる問題で、国内で、シベリア抑留者あるいは原爆被爆者の問題については国民の権利は消えていませんよと言って、アメリカやソ連に賠償を請求するのは違いますよという主張をしていて、今度はオランダ人の捕虜などに対しては全く消滅していますよと言うことは、やはり明らかに私はトーンが違うと思うんですが。 もう時間がありませんから、ずばり聞きますけれども、こういうふうな解釈を改めてはっきりさせたのは、アメリカで最近続発している戦争中の日本の企業によるアメリカ人の強制労働、こういう問題についての訴訟が特に多く出てきている。この問題に対する日米間の話し合いをした結果、アメリカ政府と日本の政府の見解を一致させるという必要が生じて、むしろこういう新解釈をこの東京高裁の場で初めて出してきたんじゃないかというふうに思われるんですけれども、この点はどうですか。
○政府参考人(海老原紳君) 先ほども申し上げましたように、今回、我が方が主張しました点に関しまして消滅したということを述べておりますのは、個人の請求権そのものが消滅したというふうな言い方はしておらないわけでございまして、十四条(b)項によりましてこれらの請求権、債権に基づく請求に応ずべき法律上の義務が消滅し、その結果救済が拒否されるということを述べておるわけでございます。 また、アメリカとの関係におきましては、確かにカリフォルニア州等でそういう訴訟は生じておりますけれども、このサンフランシスコ平和条約につきまして言えば、従来から日米の解釈は一致しているということでございまして、今回、特にそのような訴訟を背景に解釈を変えた、あるいは見方を合わしたということではございません。
○田英夫君 しかし、私の手元に、この三月になって北米局が出した元米国捕虜等に対する日本企業の提訴問題という文書がある、こんな厚いものですけれども、それはまさに今回の政府が東京高裁で出された見解というのと一致している。それから、元米国捕虜等による日本企業に対する訴訟に関する日本政府の見解というのも出ていまして、それを見てもまさしくすべて消滅している。国民の権利は消滅しているという点で一致しているということになると、アメリカのカリフォルニア州を中心とするその部隊での訴訟を防衛するためにアメリカ政府と意見を一致させている。 ところが、結果としては、従来日本のシベリア抑留者や原爆被爆者に対して、これは十四条と十九条の違いはありますけれども、いずれにしても国民の請求権の放棄という点の解釈が違っちゃっている、こう言わざるを得ないと思うんです。片っ方は個々人の権利は放棄していないと言っているんですから。 そこはどうですか。
○政府参考人(海老原紳君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、先ほども申し上げましたように我々の考え方は一貫しておりまして、国民の持っております請求権そのものが消滅したというようなことではございませんけれども、サンフランシスコ平和条約の結果、国民はこのような請求権につき満足を得ることはできなくなる、すなわち権利はあるけれども救済はないという考え方で一貫しております。
○田英夫君 もう時間がありませんが、私の手元にいわゆる戦時補償の問題、今、日本で訴訟の起きている問題のリストをつくってもらいましたら、膨大なものがまだ、花岡事件のように和解したものもありますけれども、あれでも結局和解という形でしか解決できなかった。 この請求権の問題、戦時請求権の問題というのは、しかも戦争が終わって五十数年たつのにかかわらず、今なお解決しない。こういう問題で、あたかも日本政府の見解がアメリカと合わせるために変わったかのような印象を、今答弁は違うんですけれども、与えるということは非常に好ましくないし、結んだときからサンフランシスコ平和条約の中で重要な一つのテーマになっていたという問題について、やはりきちんと一貫した態度をとらないと。 私がこのことを知ったのは、率直に言って、原爆被爆者などがおれたちに言っていたことと違うじゃないかという、そういう訴えを聞いて調べてみたらこういうことになっているということで、この点だけ意見を申し上げて、時間が来たので終わります。 ありがとうございました。
○吉岡吉典君 二十一世紀を迎えまして、私は、国民の多くは外交の面でも明るい展望が持てる状況でこの世紀を迎えたかったと思います。しかし、日本外交を見ましても、千島問題、政府は北方問題と言っていますけれども、領土問題を見ても、また北朝鮮との国交正常化交渉を見てもうまくいっていない。こういう状況に加えて、最近は教科書問題をめぐってアジアの批判が強まっているという状況で我々は新しい世紀を迎えざるを得なかった。加えて、先ほど来論議になっています外交機密費問題というのもあります。 私は、二十一世紀の展望を切り開く上で、これらの問題全体についていろいろ外務省の意見もお伺いしたいんですが、きょうは所信でも述べられました近隣諸国との外交、アジア外交を重視していくということが強調されておりますので、その点に絞った形で幾つかお伺いしたいと思います。 私は、アジア外交を重視する、近隣諸国との関係をよくしていこうということには賛成でございます。それを進める上でどうしても必要なことは、やはり戦争と植民地支配への清算の問題、過去のきちっとした清算ということが避けて通れない課題に今なおなっている。私は、こういう問題を二十世紀中に片づけて二十一世紀を迎えたいということも言い続けてきましたけれども、それは果たせなかった。日本は反省のない国だ、こういう言葉も今なおしばしば聞きます。 これは、ことしになっての話じゃありませんけれども、金大中韓国大統領が日本の国会で行い、非常に大きな感動を与えたあの演説の中でも、「わが韓国を含むアジア各国には、今も日本に対する疑懼と憂慮を捨てきれない人々が大勢います。その理由は、日本自ら過去を正しく認識し、謙虚に反省する決断が足りないと考えているからであります。」と、こういうふうに金大中氏も述べました。西ドイツのシュミット首相は、本でも、また雑誌「世界」のインタビュー等々で、日本はアジアにもヨーロッパにも真の友人を持たない国だ、こういうことを何回も述べております。 私は、こういう点は大変不名誉な問題であって、やはり二十一世紀の早い時期に過去をきちっと清算した国だと言われるようにしたいと思いますが、外務大臣、まずこの点での意見をお伺いします。
○国務大臣(河野洋平君) 私は、外交政策の重要課題として、近隣諸国との関係をよりよく維持したいということを日ごろから考えておりまして、そのことは本委員会でも申し上げたところでございます。 しかし、この近隣諸国との関係をよりよくしよう、もっと率直に言えば、アジア諸国との関係について言及をしたのは私が何も初めてではございません。例えば、一九七七年にはいわゆる福田ドクトリンが発表をされまして東南アジア重視を掲げられたわけで、それ以後も思い出しますと、もう歴代の内閣がこのアジア政策というものを掲げてまいりまして、アジアとの関係をよりよく維持しようということを提案し、またそれはただ単に提案だけではなくて実際に行動をしているということがございます。 一番昨今では、経済政策におきまして、アジアの経済が極めて難しい状況に陥りましたときにも我が国の経済状況も大変厳しかったわけですが、それでもなおかつ宮澤構想というものを提案して、アジアとともに繁栄をするということを考えてきたことを見てもおわかりいただけると思います。 このアジア諸国との関係、よき関係を維持することは、私は重ねて申し上げますが、極めて重要だと考えて、その努力はこれから先も続けてまいりたいと思っております。
○吉岡吉典君 今おっしゃった点、日本はアジア外交重視だと言ってきましたが、にもかかわらずアジアの首脳の中には、日本は地理的にはアジアにあるが、アジア・グループに属さないでアメリカ・グループに属する国だというような言をしている首脳があるということ、これは河野外務大臣も御存じであろうと思います。名前は私はあえてここで挙げません。しかし、そのことのよしあしを私は論議しようというわけではありません。この批判は日本の外交姿勢全般に向けられたものでありますが、私は特にさっきお伺いしたかったのは、そのアジアと関係をよくする上で過去の清算がどうしても避けられない重要課題だということについて外務大臣の御意見がお伺いしたかったわけです。
○国務大臣(河野洋平君) 今も申し上げましたように、我が国政府は歴代アジアとの関係を重要視してまいりまして、そのためにも、今、議員がおっしゃいますように、歴史の認識についても我々は正しい認識を持たなければならぬということは御発言のとおりだと思っております。 我が国政府の過去の歴史に対します基本認識につきましては、御承知のとおり平成七年の内閣総理大臣談話にあるとおり、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対し多大の損害と苦痛を与えたということを指摘しておりまして、この認識に基づいて痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明するというこの談話が我が国の現在におきます政府の歴史認識でございます。
○吉岡吉典君 私は、今お読みになりました村山談話を初め歴代の総理、外務大臣、官房長官等々の日本の過去についての発言があることを最近もほぼ全部改めて集めて読んできたつもりでおります。これはぜひ後退させないでいただきたいわけですが、にもかかわらずやはりアジアに、日本は過去の反省が足らない国だという声があることも、これは私は外務大臣も否定はなさらないと思います。 なぜそうなるかということを考えてみると、言葉は立派にずっと並んでいるけれども、本当に日本の歴史を深刻に調べ尽くした上でのそれが結論なのかどうかというところにやはりまだ不十分さをアジア諸国の人々が感じているんじゃないかと、こう思っております。 それで、私は外務省の人と会うたびにいつも同じことを繰り返して言っていることですが、やはり外務省、膨大な外務省自身が持っている資料に限定しても構いませんけれども、事実についての研究ということがやっぱりまだ足らないじゃないかという気がしております。私が言い続けてきたことは、担当官でも機構でもいいからそういうものは全部読み尽くして、そして具体的な事実の上から一連の政府の反省の言葉に述べられているような結論に到達し、それに厚みを持たせていく必要があるということを言い続けてきました。 それで、例えば過去の外交文書を全部、全部とは言わなくても研究しておれば、こんな答弁とかこんな発言というのはなかっただろうと言い切れる発言が戦後あって、それがアジアとの関係あるいは日韓関係を悪くする一因にもなったと思います。 例えば、僕は外交文書を読むことが道楽でして、明治の第一巻から外交文書を暇があれば読んでおりますけれども、これを読んでみますと、韓国との併合なんというのを合理化し、正当化する根拠というのはどこからも出てこないわけですよね。それを長年、一九六五年の日韓国会から九五年まで、日韓併合条約は自由な意思、対等の立場で結ばれた条約だと言い続けてきましたね。これは、私は、それを正してもらうことを本当に願って、それはいろいろな経過を経て、韓国の国会での非難決議等もあった上でやっとこれは正されたんですね。しかし、それはもう外交文書、日本政府自身の記録を読んでいただけでもそんな答弁は出てこなかったと思います。 例えば、私はここに持っていますが、外交史別巻と扱いを受けている「小村外交史」、これは長い長いものを読まなくても、小村外交史の中に韓国併合当時の状況がどんな状況だったかということを極めて端的に述べておりますね。それは本当に「当時を回顧すれば、併合反対の鮮人は悲憤極度に達し、慷慨」して、その状況が全朝鮮に広がったと。「祖国を葬って帝国の新政下に遊ばんことを悦ぶ者は」ないということを、これは外務省の文書に書いてあるわけです。そういう文書を外務省は一方ではまとめておきながら、一方では自由な意思、対等の立場で結んだ条約だというような答弁を三十年にわたって国会でも続けてきたわけですからね。 そういう問題がないようにするためにも、私は過去の文書の本当に読み直しをやっていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(槙田邦彦君) 委員御指摘の、外務省の外交の衝に当たる者が過去の歴史の問題について古い外交文書その他もよく勉強し、研究をしなきゃならぬのじゃないかという御指摘については、これは私ども現在において諸外国といろいろな接触をし、あるいは交渉をするに当たりまして、当然のことながら、その国との昔の、現在に至るまでの関係についてよく知識を養い、勉強をし、その基礎の上にその国の政府あるいは国民と接触をしていかなければならないというふうに感じております。 したがいまして、委員御指摘の、そういうことで外務省の我々がさらに努力をすべきであるという御指摘は大変ありがたい御助言として承りたいと思っております。 この際に一つ申し上げたいのでございますが、このアジアの歴史資料を何とか整備しなきゃならぬのじゃないかということが、これは九五年だったと思いますけれども、そういうことを政府でやるべきであるということでいろいろ検討が行われました結果、平成十一年、九九年の十一月に閣議決定が行われておりまして、政府が一体となってアジア歴史資料の整備事業を有機的かつ一体的に推進することが重要だということで、その一環として来年度中にアジア歴史資料センターが国立公文書館に開設されることとなっておる、このことも御報告をしたいと思います。
○吉岡吉典君 外務大臣、外務省の人がみんな一生懸命過去を勉強していただくのはいいんですが、大変忙しい中でこれも限度があるわけで、やっぱりそういうのは担当とか機構をつくってやらないと本格的にはできないと思います。私の提起はそういうことです。 私、このことを言いますのは、過去の問題じゃないんですね。例えば今、日朝交渉がまだ終わっていないわけですね、日朝正常化交渉。日本の過去の文献というのは、私は日本の外務省よりも北朝鮮、韓国がもっと本格的に研究していると思います。 私、ここに一冊本を持ってきましたが、これは「一九一〇年韓国強占資料集」という韓国の学者が日本の国立公文書館にある併合当時の資料をコピーして復刻したものです。これはこんな膨大な本ですが、私が言いたいことは、これが去年の三月十八日にKBSテレビで一時間番組で放送された。題名は、この本が北朝鮮に渡ったという題名なんです。つまり、今の日朝交渉で、六五年の日韓条約では果たせなかった過去の清算を北朝鮮にやってもらいたいというのが韓国の学者または国民世論の中にもある。それを反映して、一時間番組で、どういう経路で資料を手にし、そしてどういう経路でこれを本にし、どういう経路で北朝鮮に渡ったかという放送をやっているんですよね。こういうことになっているんですよ。 それから外務大臣、これはまだ恐らく御存じでないと思いますが、この三月一日から五日間、ピョンヤンで北朝鮮の歴史学会と韓国の歴史学会、学会というふうに略称します、固有名詞は省きますけれども、共催で日本のこういう資料の展示会をやっているんです、両方の学会で。千四百点の日本の資料の展示をやっているんですね。そういう形で今、日本の過去の資料が問題になっているんです。 韓国では、朝鮮総督府が残して帰った資料が今復刻されて、四十冊に及ぶ本になっています。これ、生のままの資料ですよ、全部出ております。これは国会図書館にありまして、私、大体全部目を通しましたけれども。それを見ますと、いや、いろんなことがありますね。例えば、条約交渉のときに相手を、だれそれを買収したいと、金を幾らやりたいがどうかと、こういう申請書が出て、それはやれという返事なんかも国会図書館にあるその日本の朝鮮総督府が残した資料の中にある。こういう状況になっているんですね。 相手はそういうものを一生懸命研究しているけれども、日本は交渉の場で初めて出されて、へえというふうなことでは、これは反省をしているどころにはならないわけでね。だから私は、日朝交渉を成功させるためにもこういうことが必要だと思って言ったわけです。 大臣、こういう本が出てKBSで放送されたこと、今の展示会なんか御存じだったんですか、御存じありませんでしたか。
○国務大臣(河野洋平君) 初めて伺いました。
○吉岡吉典君 そういうわけで、私は、過去の問題点というのを、決して古い昔の話を今ここでやろうというものとしてではなく、きちっと責任を持って解決していかなくちゃならないし、そういうことなしに、村山談話がこうなっている、だれそれの談話がこうなっているというだけでは、それが本当にどれだけ裏づけを持ったものかということになると思います。 そこで私、もう時間も来ましたが、外務大臣に一つ改めてもらいたいのは、過去に国会答弁でこういうのがあるんです。これは私の質問に対する答弁もありますが、一つ一つの事実についていろいろ検討することは有益ではないと、こういう答弁があるんです。これは、私が今言ったようなことを言ったのについて。かつて佐藤首相の時代にも、過去を余りせんさくすると将来に必ずしもあっさりした気持ちになりにくい、こういう答弁をした時期があるんですね。これは私、速記録を読んで調べたし、このころ僕は赤旗記者として取材して何たる答弁かなと思って聞いたので、今も覚えております。 やはり一つ一つ明らかにすること、具体的に明らかにすることが将来の関係の障害になるという認識は捨てて、やっぱり我々、やったことはしようがないんです。変えるわけにはいかない。ここにあなたらは残しているんだから、記録に。韓国では四十巻も本が出ているんだからね。それをやっぱり謙虚に認めて、そして反省する中から新しい関係を築いていくということでなければ本当の関係にはならないと私は思います。 そこで、まあ昔のことでも、やっぱり政府の答弁でもまずいことは改めていくことが大事だと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 今日では日韓間でいろいろな話し合いが行われる、あるいは日中間でさまざまな話し合いが行われますときには、歴史をかがみとしてという言葉はだれしもが使う言葉になっておりまして、そういう考え方が今や普遍的な考え方になっているというふうに私は感じております。
○委員長(服部三男雄君) 吉岡吉典君、時間が来ておりますので。
○吉岡吉典君 はい、最後ですが、私、きょうここでは具体的には取り上げませんけれども、この間、予算委員会でも共産党の議員も取り上げました教科書問題は、これは今まで言ってきた政府の態度、表明し国際的に公約していることからいっても、また共同声明という形での日韓の合意に照らしても、やっぱりこれに反することは事実なんですよ。こういう教科書が出ることは、それは日韓の関係、日朝の関係にももう重大な障害になることは、これはもう外務省のあらゆる幹部、大臣も内心は百も承知だと思うんです。それは今の日本の政治情勢の中で言いにくいことかもしれません。しかし、やっぱり言わなきゃいかぬときはあると思うんです、少々周りの状況がどうあろうと。 これは、小杉さんが文部大臣やっているときに、国会で従軍慰安婦問題を教科書から取り除けという論戦があったときに、小杉さんは頑張って、それは国の方針と違うというので、頑張り抜いた。そのときに小杉さんは、私、直接聞きましたけれども、右翼に自宅を包囲されて毎日わんわんわんわんやられて、私や私の家族はこれは覚悟の上だけれども、近所に対してもうどうにもしようがなかったと。しかし、これは私の答弁で国の立場が世界から疑われるようなことを言うわけにいかないから私は頑張り通しましたといって、僕は後日聞きました。今、そういうことが大事だと思うんですよ。 だから、教科書問題でも、検定で不合格になった本、これは過去をもっともっと清算しなくちゃいかぬというのが不合格になった例があって、今度はそこをまるで反対のことを書いた教科書が政府の検定を経て出版されるということになったら、これは日本て何たる国かということになるんです。国際関係を一番よく知っているのは外務大臣のはずですから、僕は小杉さんがそう言ったと同じように、言うべきときには勇気を、決断を持ってやらなきゃいかぬと、そういうときが政治家にはあるということを私は河野さんにお願いして、質問を終わります。ちょっと一言だけ。
○国務大臣(河野洋平君) 歴史認識は極めて重要な問題だと思います。国にとって歴史認識というものが一つの方向性といいますか一つの考え方を出している。この国の出している歴史認識というものは決して今でも変わっていないと思います。そのことと教科書問題というのは、教科書の検定手順、検定手続という、手順、手続がございますだけに、外務大臣としては、その手順、手続を越えて発言をするということはなかなか難しいことであることは御理解をいただきたいと思います。 ただし、私は外務大臣として、政府の歴史認識、さらには近隣諸国条項というものは極めて重要なものだということはしっかりと発言していかなければならぬというふうに思っております。
○吉岡吉典君 どうもありがとうございました。
○佐藤道夫君 私は、外務大臣の所信につきまして外務大臣にお尋ねしたいと、こういうわけであります。 えひめ丸の問題を取り上げたいと思いますけれども、これに触れておられるのは所信の四ページの末行から五ページにかけてでありまして、ちょっと念のため読み上げてみまするけれども、「えひめ丸の事故につきましては、主張すべきは主張して、原因究明、再発防止、船体の引き揚げ、補償等しっかりと対応する必要があります」と。もっともらしい言葉が並んでおりますけれども、これを読んでおりましてちょっと気になったのは、艦長以下乗組員の処分の問題と、それからアメリカ国、当事国アメリカと関係乗組員の謝罪、これが抜けているのはどうしてかと。 これは、事故の原因なんというのはある意味じゃ極めて明々白々、調べるまでもないわけでありまして、洋上をのんびりと航行している船に下から鯨のようにいきなり突き上げてきて船を沈めてしまったと、論ずるまでもない、過失は明白、その過失は艦長に最大の責任ありと、こういうわけでありますが、こういう場合に一番問題になるのは、やっぱり関係者の処分、それから損害賠償の関係、そして謝罪、この三つなんですね。しかし、大事な三つのうちの二つが抜けているのは何かわけがあってのことなのかと。 触れることはやっぱり問題だと、それは触れるべきではないと考えてわざわざ触れなかったのか。つまらない問題だから取り上げて原因の究明とか再発防止とかと並べて書くまでもない、「補償等」、この中に含まれるんだと。よく役人はこういう書き方をしてくだらぬことを等でくくっちゃうんですよね。これどちらでしょうか。まずもってお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 謝罪の問題につきましては、既にアメリカ大統領から日本の総理大臣に対する謝罪がございました。さらには、大統領の特使が日本へ参りまして謝罪をされたということがございます。それを初めとして、各レベル、例えば国務長官から私に謝罪がございましたし、国防長官から防衛庁長官への謝罪もございました。 いや、そういうものではなくて当事者の問題だと、あるいは議員はおっしゃるかもわかりませんが、当事者間でも謝罪は行われておりますし、と同時に、昨日で終わりましたけれども審問委員会が開かれておったということもございまして、この審問委員会を経てこれが軍法会議にかけられるかどうかという判断がそこで出るわけでございまして、私は謝罪の問題についてはここに書くということを実は余り考えませんでした。 それから、補償はここに書いてございますが、処分の問題でございますが、処分の問題は、今申し上げましたように、審問委員会の結論を得てこれからアメリカ海軍がこの処分について判断をされるという、これはルールどおりやられるということでございますから、ルールがあるにもかかわらずこちらから処分をしろということを言うということは政府としてはやるべきでないというふうに考えた次第でございます。
○佐藤道夫君 そのルールを守ってルールの範囲内でできるだけ迅速にかつ厳重に処分してほしいと、それぐらいのことは言えないんでしょうか。おかしいと思いますよ。いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 原因究明については、できるだけ迅速に、そしてその結果については速やかに報告をすることを求めてございます。
○佐藤道夫君 後段の方が、私これまたいささか問題と思うのは、「同時に、日米関係が我が国外交の基軸であり、日米関係の維持・強化という大局を踏まえて適切に対処して」いきたいと。これは何か友好国だから特別な扱いをしているんだという意味でございましょうか。 今回の事故というのは、もう友好国であろうがなかろうが、ああいうもう突拍子もない事故で弁明の余地は一顧だにないと、そう考えてもいいわけです。相手国が非友好国であればこういう問題のときは厳重にやる、しかし何しろアメリカだから少し及び腰でまあよろしくお願いしますよというぐらいの気持ちが実はここに出ているんじゃないかと、こう勘ぐりたくもなるわけでありましてね。この友好問題と事故の原因究明とか関係者の処罰とか謝罪とか補償とか、関係ない話です、全く。 例えば、例としていいかどうかわかりませんけれども、沖縄で交通信号が青になったので住民が渡り始めたところに、米軍の大型トラックが物すごいスピードで赤信号を無視して突っ込んできて、あっという間に十人、二十人の死傷者が出るという大惨事が起きたと。これはもう友好国も何もないわけですよ。やっぱりきちっとアメリカに、米軍に対して厳重処罰やら補償やらを申し入れる。その際に、日米関係を考えましてと、そういうことを言ったら、日本政府は大変な非難を受けると思いますよ。 これ、たまたま遠く離れたハワイだった、それから事故から若干日時もたっていると、そういう何か一つの気休めみたいな気持ちがあって、こういう及び腰みたいな文言になったんでしょうか。これ要らないことですよ。厳重処分と原因の究明、再発の防止、これをしっかりと申し入れるんだということを、今までも申し入れたしこれからも申し入れるんだということを言えばそれで十分なんで、何で日米関係、日米の友好関係をここで考えねばならないんですか。余り騒がないでほしい、一番大切な日米関係が阻害されては困るんだと、そんな気持ちがあったんでしょうか。おかしいですよ、絶対に。いかがですか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員もおっしゃいますように、事故の問題につきましては、その補償でございますとか船体の引き揚げ等について言うべきことはきちっと言うということは当然のことでございまして、そのことは所信の前段、この部分の前段に書いたわけでございます。その上で、しかし一方で日米関係というものはやはり我が国の外交の基軸ということを考えれば、日米関係も考える大局的な判断というものも必要だというふうに私は思いました。 このことは、前段の、本当に悲劇的な事故、大変腹立たしい驚くべき事故はございましたけれども、その事故に便乗してといいますか、事故の間に必要以上の嫌米といいますか反米といいますか、そういう感情が書き込まれる、意図的に書き込まれるということがあることは決して好ましいことではないと。 私は、言うべきことは言う、悪いものは悪いと。しかし、それは悪いものは悪い、言うべきことは言うと同時に、やはり日米関係というものは日米関係としてきちっとこれを維持していくということは日本の外交にとってやはり重要なことだというふうに私は思っております。
○佐藤道夫君 大臣のお言葉ですけれども、私、マスコミの論調その他を見ておって、反米的な感情でこの問題を処理している、書いているような、そういうものはちょっと見た記憶がございません。やはりアメリカの軍隊の管理に問題があるとか、それは別に反米感情でも何でもありません。当たり前のことを言っているだけなんであって、これはいずれにしろ事故を適切にどうやれば事後処置がきれいにできるかと。原因を解明することも大事、それから謝罪を求める、補償を求める、関係者の処分を求める、それで必要かつ十分なんでありまして、何でそのときに日米関係を考えねばいかぬのか。 やはり余計なことを余り言いなさんなと、アメリカの機嫌を損じたらえらいことですよという及び腰がこの言葉に出ているとしか思えない。これ最初から何か日本政府は二の足を踏んでいる、及び腰だと、いろんなことを言われておりましたが、まさしくこういうことがあるんじゃないかと。全然事故とは関係ない話ですから、これは。 相手がどこの国であろうときちっと要求することは要求すると。向こうだってわかるわけです。あんな悪口を、我々のことを言って、日本なんてもう切って捨てろなんということを考えるアメリカ人は一人もおりませんよ。彼らはもっと論理的で合理的でありまするから、どうかこういう考えは抜きにして、要求することはきちっと、友好国であろうがなかろうが要求してほしいと、それを求めておきます。 それから、ちょっと気になったことですけれども、三月十九日の報道によりますれば、アメリカ海軍は民間の体験搭乗ツアー、あれをもう再開する、した、そういう報道がなされておりました。 これはいささかしかし無神経過ぎるんじゃないかと私は思ったわけですよ。まだ民間人が、十六人もの大量の民間人があの操縦室に、操舵室にいて、もう乗組員たちもろくな仕事もできなかったと。中にはもう操舵、操縦桿を握っていた民間人もいたと。これが事故とつながっているのかつながっていないのか、その辺の解明が不十分のままに民間人のツアーを再開する。 さすがのアメリカもこれは無神経過ぎると、そういうふうに考えて、少しこれは抗議しようと、あるいは忠告しようと、日本人の感覚を逆なでするものだと、そういうことを考えられた外務官僚は一人でもいないんでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 今回の事故の原因の一つと思われていたのは、民間人が乗船をして、しかも操縦の機器に触れていたということが原因ではないかということは言われていたわけでございますから、私どももこうしたことが行われるということは決して我々の感情からいって許されるものではないというふうに思っておりまして、アメリカにもそれは申し入れをいたしました。アメリカも我々の申し入れを即座に聞き入れて、我々が言ったからかどうかはわかりませんが、とにかく民間人が機器に触れるということをさせないということをアメリカは言ったわけです。 今回の新聞の記事で、民間人の搭乗を再開したという記事を読んで、一体これはどういうことだろうかというふうに私自身も思いましたが、アメリカ側の判断、それからこの問題に携わっていた人間の判断は、これは記事が間違っていると。再開したんじゃないと、つまりやめていなかったんだと、民間人の搭乗は。民間人は乗るんだけれども、操縦機器に触れてはいけないという決定をして、それはやらさないということにしていたのであって、民間人を乗せてはいけないと言ったわけではないと。だから、民間人を乗せるのをやめたことはないんだと。したがって、民間人を乗せたからといってそれは再開したというのは正しい表現ではないと、こういう説明を私は聞きました。 何か若干納得がいかないような気がいたしましたけれども、これについてはきちっと確認をいたしましたけれども、二月の二十三日、ラムズフェルド国防長官はこう言っております。あらゆる軍事機器の操作を民間人に許可することを停止するということを言っておりまして、これは民間人の体験搭乗をやめるということではないということであったということでございますから、その後民間人が搭乗したからといってそれを再開したという表現は正しい表現ではないと。
○佐藤道夫君 アメリカにも三百代言というのがいるんですな。やめたわけではないから再開したことにはならないと。日本の三百代言と言われる人たちがよく使うへ理屈ですけれども、こんなものは常識じゃ通らないことは明らかでしょう。あなたも笑いながら言っているところを見ると、腹の中じゃ信じておられないんでしょう。 いずれにしろ、もう少し日本人の心というものも考えてほしいということは折に触れて米軍側にもアメリカ側にも申し入れてほしい、こう思います。まだまだ日本人というのはこの問題については納得していないと、こう思います。 最後に一つだけ……
○委員長(服部三男雄君) 時間が過ぎておりますから。
○佐藤道夫君 時間過ぎていますか。じゃ、またにしましょう。 以上で終わります。
○委員長(服部三男雄君) 所信に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(服部三男雄君) 去る三月十九日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題とし、順次予算の説明を聴取いたします。 まず、外務省所管予算について説明を聴取いたします。河野外務大臣。
○国務大臣(河野洋平君) 平成十三年度外務省所管一般会計予算の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は、七千六百三十三億九千万円であり、これを平成十二年度予算と比較いたしますと、百七億五千五百万円の減額であり、一・四%の減となっておりますが、九州・沖縄サミット関係経費などの特殊要因を除くと実質的には増でございます。 新世紀を迎えた今日、国際社会は依然として社会的公正の確保、紛争、環境、貧困、社会的弱者への対応といった諸問題を解決するに至っておらず、引き続き国際社会が一致協力して対応することが必要であります。こうした課題を前に、二十一世紀において、我が国が国際社会において名誉ある地位を占めるとともに、また、国際社会の期待にこたえるためにも、その国際的地位、影響力にふさわしい積極的で創造性豊かな役割を果たしていく責任があります。このような観点から、我が国外交に課せられた使命は極めて重大であります。その使命を果たすために、平成十三年度においては、厳しい財政事情のもとではありますが、外交施策の充実強化と外交実施体制の強化の二点を重点事項として、予算の効率的配分を図っております。 まず、外交施策の充実強化に関する予算について申し上げます。 外交施策の充実強化の四つの柱は、国際社会全体の二十一世紀の課題、アジア太平洋外交のさらなる推進、ODAにおける一層の改革推進、そして国際文化交流の推進であります。 国際社会全体の二十一世紀の課題につきましては、IT革命への対応、人間個人に着目した人間の安全保障の推進、紛争予防や軍縮・不拡散への取り組みを通じた世界の安定に向けての貢献など、総額七百八十六億円を計上しております。 次に、アジア太平洋外交のさらなる推進でありますが、大きな動きを見せている朝鮮半島情勢を受けまして、KEDOへの拠出金、日韓文化交流や朝鮮半島信頼醸成対話のための経費及び対ロシア政策の推進として、北方四島住民との交流、北方領土復帰対策を推進し、平和条約締結に向けた日ロ両国民の相互理解を促進するための経費などに総額四十三億円を計上いたしました。 また、ODAにおける一層の改革推進でありますが、平成十三年度政府開発援助につきましては、一般会計予算において、政府全体で対前年度比三・〇%減の一兆百五十二億円を計上いたしております。外務省のODA予算について見ますと、対前年度比〇・七%減の五千五百六十五億円となっております。 このうち無償資金協力予算は、対前年度比一・五%減の二千三百七十億円を計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が二千五十四億円、食糧増産等援助費が三百十六億円であります。また、我が国技術協力の中核たる国際協力事業団につきましては、対前年度比〇・一%減の千七百九十億円を計上しております。 このようなODA予算のもとに、十三年度においては、NGOなどとの連携強化を通じた国民参加型ODAの推進、評価、人材育成などを通じた実施体制の強化に努めてまいる所存であります。 さらに、国際文化交流の推進でありますが、留学生の受け入れに関する諸施策の充実、海外における日本語教育に対する支援の継続、拡大などの留学生・日本語教育の支援強化に七十三億円を計上しております。 次に、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。 まず、定員の増強につきましては、危機管理・安全体制の強化を中心として、本省及び在外公館合計で七十三名の増員を図り、平成十三年度末の外務省予算定員を合計五千三百二十九名といたしております。 また、機構面では、アフリカ審議官の振りかえ設置、在スロバキア大使館の新設などを予定しております。 さらに、在外公館の機能強化につきましては、在外公館の危機管理体制の強化、海外邦人の安全と福利の向上のために八十四億円を計上しております。 最後に、外交政策策定の基盤となる情勢判断に不可欠な情報通信及び連絡網の整備に要する経費として百二十七億円を計上しております。 以上が外務省所管一般会計予算の概要であります。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(服部三男雄君) 次に、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁の予算について説明を聴取いたします。斉藤防衛庁長官。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 平成十三年度防衛庁予算について御説明いたします。 平成十三年度防衛関係費については、平成十二年十二月に安全保障会議及び閣議で決定された新中期防衛力整備計画の初年度として、防衛力の合理化、効率化、コンパクト化を推進するとともに、必要な機能の充実と防衛力の質的向上を図るとの考えのもと編成しているところであります。 まず、防衛本庁について申し上げます。 平成十三年度の防衛本庁の歳出予算額は四兆三千六百五十四億八千三百万円で、前年度の当初予算額に比べますと二百九十一億三千四百万円の増加となっております。 新規継続費は、平成十三年度甲型警備艦建造費等で一千百十三億二千七百万円となっており、また、新規国庫債務負担行為は、武器購入、航空機購入、艦船建造、装備品等整備等で一兆五千四百二十二億六千万円となっております。 この予算の内容について申し上げます。 平成十三年度防衛本庁の予算において特に重点を置いた事項について申し上げると、次のとおりであります。 第一に、情報通信技術革命に対応するため、高度なネットワーク環境の整備と情報・指揮通信機能の強化、情報セキュリティーの確保を行うこととしております。 第二に、さまざまな災害に対して、より迅速かつ適切に対処し得るよう、災害派遣能力の向上及び即応態勢の充実強化を図ることとしております。 第三に、重要事態への対処能力の向上として、ゲリラや特殊部隊による攻撃対処関連事業、NBC、核・生物・化学兵器対処関連事業の充実を図ることとしております。 第四に、より安定した安全保障環境の構築への貢献のため、ハイレベルの政策的交流、部隊間交流や多国間対話の拡充を行うこととしております。 第五に、教育訓練については、装備品の高度化や情報通信技術を初めとする技術革新に対応するとともに、精強な部隊の錬成を図ることとしております。 第六に、隊員の士気高揚のため、生活関連、勤務環境改善施設の整備を実施するとともに、処遇改善等の隊員施策を推進することとしております。また、厳正な規律を保持し得るよう、各種施策を活性化することとしております。 第七に、装備の充実と将来への対応として、正面装備については、老朽装備の更新、近代化を基本としつつ、機動力、防空能力の向上等にも配意することとしております。 また、研究開発については、情報通信技術などの科学技術の進展に対応した各種研究開発を推進することとしております。 なお、空中における航空機に対する給油機能及び国際協力活動にも利用できる輸送機能を有する航空機の整備に必要な事項の調査として、諸資料の収集、米国への要員等派遣のための経費八百万円を計上しております。 次に、防衛施設庁について申し上げます。 平成十三年度の防衛施設庁の歳出予算額は、後述のSACO関係経費を除き五千七百三十億四千七百万円で、前年度の当初予算額に比べますと百二十億七千八百万円の減となっております。 また、新規国庫債務負担行為は一千七十六億九百万円となっております。 この予算の内容について申し上げます。 平成十三年度予算において特に重点を置いた事項は、次のとおりであります。 第一に、基地周辺対策経費につきましては、基地の安定的使用を図るため、基地周辺地域における生活環境の整備等を推進することとしております。 第二に、在日米軍駐留経費負担につきましては、在日米軍の円滑かつ効果的な運用に資するため、提供施設の整備を行うとともに、労務費、光熱水料等及び訓練移転費を負担することとしております。 また、このほかにSACO関係経費として、SACO最終報告に盛り込まれた措置を着実に実施するため、歳出予算に百六十四億六千六百万円を、新規国庫債務負担行為に百三十三億九百万円をそれぞれ計上しております。 以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に安全保障会議予算三億四百万円を加えた平成十三年度防衛関係費の総額は、SACO関係経費を除き四兆九千三百八十八億三千三百万円となり、前年度の当初予算額に比べ百七十億六千二百万円の増となっております。 なお、これにSACO関係経費を加えますと四兆九千五百五十三億円となり、前年度の当初予算額に比べ百九十四億九千九百万円の増となっております。 また、平成十三年度における自衛官の定数及び即応予備自衛官の員数の変更、予備自衛官補制度の導入、予備自衛官に対する災害招集制度の導入、任期付隊員制度の導入については、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を提出し、別途御審議をお願い申し上げております。 以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。
○委員長(服部三男雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。 この際、お諮りいたします。 外務省及び防衛庁関係予算の大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤昭郎君 ただいま外務大臣そして防衛庁長官から御説明がありました外務省そして防衛庁の予算につきましては、我が党の政務調査会における継続してきた検討、そして衆議院、参議院の予算委員会における質疑、その経過を踏まえましてほぼ妥当なものでないかと考えております。ただ、ここで数点確認したい点もありますので御質問させていただきたいと思います。 まず、防衛庁の方にお尋ねしたいんですが、総額、平成十三年度予算四兆三千六百五十四億、この予算につきましてはいろいろ予算委員会でも議論がございました。規模について多過ぎるんではないかというような議論がありました。ただ、私はさまざまな指標をとりまして、これはやはり妥当な額ではないのかな、いやこれでやれるのかなという感じも実はするのでございますけれども。 例えば、防衛費について、国防費のGDPに対する比率、これは日本が大体〇・九五%に対しまして、米国、英国、ドイツ、フランス、いずれも二・二%、三%といった、こういうオーダーで、これについては約倍ぐらいしている。一人当たりの防衛費につきまして、我が国が、ドル換算で二百三十七ドルに対して、米国では九百五十二、英国では五百六十九、フランスでは四百六十九というような二倍ないし三倍、こういう状況の中でございますので、ひとつこの予算でもってしっかりやっていただきたいというのが基本的に考えているところでございます。 しかし、そうでございますけれども、先般この委員会で御説明ありました中期防のこれは初年度ですね、先ほど長官からお話しございました。そしてそれによって立つ、中期防によって立つ防衛大綱、これはもう閣議決定されておりまして、ある意味では指針でございまして、ここら辺の整合性の中で、あるいは中期防の中でこの予算がどういう位置づけを持っているのか御説明していただきたいと思います。
○政府参考人(首藤新悟君) 申すまでもございませんけれども、今回の新中期防は現在の新しい防衛大綱の達成を図るという観点から決定されたものでございまして、大綱にも記されておりますが、世界情勢及び我が国周辺の軍事情勢を初めとする国際情勢、こういったものを勘案しつつ、かつまた諸外国の軍事技術動向の水準、さらには少子化が進む我が国の状況、そしてまた非常に、格段に厳しさを増しつつある経済財政事情、こういったことを総合的に勘案しつつ、大綱に定めます防衛力の効率化、合理化、コンパクト化を進めるという観点から、節度ある防衛力の整備を進めるということで総額も決定されたというものでございます。
○佐藤昭郎君 この限られた中でいろんな整備を図っていかなきゃいけない。いろんな諸点があるんですけれども、時間の関係で私一点だけ、少ししっかりやっていただきたいという点で申し上げたいのは人的基盤の維持拡充。自衛官は二十六万六千人程度おられるわけです。本当にこれは国のために頑張っていただいている。ここの方々のやはり士気、モラールが高まらないと防衛もできないということでございます。 そこで、いろいろと私なりに調べさせていただいたんですけれども、なかなかこれが、他の国家公務員と比べましても、やっぱりまあ劣悪と言ったら言い過ぎですけれども、かなり厳しい状況にある。 例えば、官舎なんかを見ますと、老朽隊舎のbタイプというのは二十五から五十五平米。こういう隊舎が、官舎がまだ相当程度残って、建てかえるのに十年以上かかるというような状況。それから隊員の転勤、幹部職員についてもそうなんですけれども、大体二年に一回は転勤すると。婦人の自衛官というのが大体一万人程度、ようやく数になってきたというふうにお伺いするんですけれども、昨年九百三十人採用したところが、八百六十人退職されたというんですね。やっぱりいろんな子供を育てる環境についても、欧米等では軍の中に託児所等もしっかり設けてフォローしていくというような状況からすると、なかなかそこまで行っていない。 こういう点で、この人的基盤の維持拡充というのは、やっぱり本当に厳しい予算の中でも最優先でこれをやって、取り組んでいかなきゃいけない問題だと思うんですけれども、この点、この十三年度予算でどういうふうに取り組んでいかれるのか、お考えをお願いします。
○国務大臣(斉藤斗志二君) ただいま御指摘いただきましたように、自衛隊組織の基盤は人であるということを私ども強く認識をいたしておりまして、隊員一人一人が誇りを持って仕事に励んでもらえる、そういう環境をつくっていきたい。処遇改善施策を推進しているところでございます。 ただいま委員から御指摘ございましたように、隊員に対する隊舎等々につきましても、まだまだ不十分だという観点の中で、平成十三年度予算につきましても充実強化をさせていただいたところでございます。 特に営内居住環境を改善したいということを最優先の一つとして挙げてございまして、新しい隊舎基準、私どもは三点セットと申し上げておるんですが、個人のプライバシーを重視した準個室化、それから一人当たりの専有面積の拡大、さらに冷暖房ということ、この三点を特に整備したいということで、これに基づき隊舎の増設、老朽隊舎の建てかえ、及び既設隊舎の改修を推進しているところでございます。 平成十三年度予算におきましては約七万平米の増設、老朽隊舎の建てかえ、改修を計上してございます。その結果、この隊舎の整備率が平成十三年度予算が成立した場合には約九〇%になるという見込みでございます。引き続き処遇改善のための施策に力を入れていきたいと思います。 委員から御質問いただきました女性隊員、婦人隊員の件でございます。これは平成十一年度末現在でございますが、婦人自衛官は約九千九百人、約一万人おられます。うち八百六十人の退職ということで御指摘いただきましたけれども、七百三十九人が、平成十一年度末だったと思いますが、退職をされておられます。 私どもは、婦人自衛官の一層の活用を図る、その就業環境を整備する必要があると考えておりまして、一般職の公務員と同様、育児休業制度を導入する等の措置を講じてきているところでございます。また、保育支援施策につきまして検討を行ってきておるところでございます。 今後も、男女共同参画法の趣旨等を踏まえまして、隊員が家庭と職務を両立できるよう良好な就業環境の整備に努めてまいりたいと思います。
○佐藤昭郎君 ひとつぜひよろしくお願いしたいと思います。 あと、男子隊員の獲得ですね。毎年一万人以上この少子高齢化の中で採用していかなきゃいけない。こういう点から考えますと、いろいろな就労援護とか、そういう点も大事だというふうに考えております。ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、外務大臣の方に外務省予算について少しお尋ねしたいんです。 先ほどの御説明で、この外務省予算の中に一番大きなシェアを占めるODA、これも御案内のように、厳しいいろんな情勢の中で政府全体では三%減、外務省全体でも減っていっている、対前年〇・七%減というふうになっておるんですけれども。これはこれで私はこの中でやっていかなきゃいけないだろうと、こんなふうに思っております。 そこで、我が党の経済協力委員会の方でも非常に注目して議論してまいりました対中国のODAについての基本的な考え方等について少し議論させていただきたいんですけれども、これは対中ODAというのを我が党の方の調査で整理したものですけれども、九九年までで無償資金円借款、技術協力等のいわゆるODA、これでは二兆六千八百八十三億、それから輸銀の融資等の開発金融が三兆四千二百八十二億ということで、六兆一千百六十五億という本当に大きな金額が中国に対する協力あるいは援助に使われているわけなんです。 その中で、我が国の財政が非常に厳しくなる中で、あるいは顔の見える援助ということで、国益を代表した援助ということで、いろんな国について見直しをしてきているわけなんですが、中国についてどうかという点で整理させていただいたんです。まず二、三点挙げたいんですけれども、二十年以上経過したんですけれども、中国の国内で我が国のODAがどういう評価を受けているか。 これは平成十一年に読売新聞とギャラップが建国五十周年を記念して中国、日本で世論調査をしたんですね。中国の方の七五%、四分の三は、日本のODAがいいとか悪いとか言うんじゃない、あること自体御存じないと。六兆一千億ほどに及ぶ、こういう協力について。 それから我が国の安全保障。先般も中国の国防予算についての発表がなされておりましたけれども、十二年連続で毎年二けた台、軍事予算を伸ばしていっている。それから中国は、核兵器保有国の中でも、冷戦終結後の現在においてもなお短距離、中距離ミサイルの増強、これを行っている。日本を含むアジア地域を射程におさめる中距離弾道弾ミサイルを七十基も持っていると、こういう状況。 それから、いろいろ議論がありました南シナ海における我が国のEEZ内での中国調査船の我が国のたび重なる警告を無視しての活動等々、挙げれば挙げるほど、いわゆる我が国のODAの原則を示したODA大綱、援助の基本原則、四原則ありますけれども、相当程度これにやはり触れていっている。外務省としては今、援助の経済評価ということで見直していこうという中で、やはりこの問題は避けて通れないだろうと。 我が自由民主党としては、先般のこの委員会で検討しておりますけれども、大体の方向としては、やっぱり目的、規模について中国のODAというのは見直していく、それから要請主義から提案型へ、環境分野へ重点化していったらどうか、さらには日本企業が中国において円滑に企業活動を展開し得るような環境整備のための政府間協議を進めていくのがまず前提ではないかと、いろんなことを提言しているわけなんですが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 基本的に、我が国外交の二十一世紀における問題を考えてみますと、中国の存在というものは我が国外交あるいは我が国の安全保障、どの面をとってみても中国の存在というものは極めて大きい、これはよくも悪くも大きいと言わざるを得ないと思います。 例えば、貿易、経済の面でも、日中間の貿易量というものはこれはもう目をみはるばかりの伸びを示しております。あるいはまた環境の分野でも、中国の環境の悪化は即日本の環境の悪化につながる可能性がございます。それからまた、アジア太平洋の平和と安定ということを考えますと、日中関係が友好的であるかどうかということによってアジア太平洋の安定というものに影響が出ることもまたこれ否定のできないところだと思います。つまり我々は、二十一世紀においても中国とはよりよき関係を維持しながら共存していくということが重要だというふうにまず考えたいと私は思っております。 ただし、何も日本は中国の言うがままに、あるいはなすがままに中国の後をついて歩けばいいということでは決してありません。我々は中国に対して指導すべきところがあれば指導する。例えば環境問題などは我々が持っている知見、経験というものは中国にとって極めて重要であり効果的であるはずでありますから、中国の各都市が抱えております、あるいは直面をしております環境問題について、日本の経験とか知見とかいうものをきちっと技術指導を行う、あるいはその他指導をしていくということは重要なことだというふうに思っております。 その反面、今、議員がお話しになりましたように、ODAは我が国国民の貴重な税金を使って経済的援助を行うわけでありますから、そうしたことを考えれば、中国国民がこの日本からの経済援助について正しく認識してもらう必要があるということも当然のことだと思います。確かに、読売新聞とギャラップでしたか、の共同の調査によりますと、この日本の経済援助を知っているパーセンテージは極めて少ないのでございまして、これでは幾ら経済的援助を行ってもその効果は上がらないではないかという指摘はまさにそのとおりだと思います。 この点については、我々も中国に対してたびたび、日本からの援助によってこういうことができている、こういう問題が解決しているということを中国国民に十分周知徹底させてほしいということは繰り返し言っておりまして、中国側もそれについてだんだん理解を示してきております。そのだんだんというところがどうも我々にとってはなかなか、もっと速やかにやってほしいと思いますけれども、しかし、昨年日本を訪問されました中国の朱鎔基首相の発言の中にも、中国は日本からのこうした援助というものを国民がみんな知る必要がある、そのために中国政府は努力をするという趣旨の御発言がございまして、中国政府は今、日本からのこうした援助について周知徹底させるための努力が行われているというふうに認識をしております。 それからもう一点は軍事費の問題がございます。中国の軍事費は確かに御指摘のとおり二けたの伸びをここずっと示しているわけでございまして、この点についても我々は繰り返し中国側に説明を求めております。仮に二けたの伸びがあったとしても透明度を高めて、これが何に使われているか、例えば中国の兵士の日常生活の質の向上に使われているものなのか、新鋭の攻撃用の機器に使われているものなのか、あるいは一体何のためにそうした軍事費の伸びが必要なのかということを明確に説明してもらいたい、透明度を上げてもらいたいということを繰り返し言ってきているわけでございます。 この点についてはASEANの仲間たちが集まりますARFの会議におきましても、各国がそれぞれ軍事費の透明度を上げるということをやろうではないかという話が毎年出ておりまして、それに対してそれぞれの国は説明を行う、すべての国がまだ行っているわけではありませんが、説明をそのときに行うということにはなってきているわけでございまして、私は、やがて中国も透明度がさらに高まるであろう、また高めてもらわなければならぬというふうには考えているところでございます。 いずれにせよ、一回り話が戻りますけれども、日本にとりまして、またアジア太平洋地域におきまして、中国の存在というものを一体いかなる存在として二十一世紀は考えるか。この中国が二十一世紀にアジア太平洋の地域の中でよりよいパートナーとして存在するか、あるいは孤立の道を進んで近隣諸国とも必ずしもいい関係をとらないという国になってしまうかということを考えれば、我々は、中国が開放的でよりよいパートナーになっていってもらうことを選びたいと思っているわけです。そのために、我々がどれだけのODAを考えればいいかという、その投資対効果と言いますか、効率の問題についても考えなければならないと思います。 それからまた、今、議員がお話しになりました、どういう目的でどういうプロジェクトについて使われるかということは極めて重要だと思っております。 上海に行き北京に行けば目をみはるような都市がそこに存在をしているわけでありますけれども、一たび内陸部に入っていけば、これはやはりまだまだ貧困と言えるような状況もそこにはあるわけでございまして、そうした地域に対するODAが使われるということでなければならないということを私どもも考えておりまして、内陸部へのODAあるいは環境問題へのODA、こういうことを考えて、これから先、対中ODAについて、議員がお話しになりましたように、見直しと申しますか洗い直しといいますか、そういったことを考えていきたいと思っております。
○佐藤昭郎君 それで一つお願いします。きょうのこの予算の説明の中には外務報償費についての記述がなかったわけですが、これは予算委員会での大臣の御答弁、それから先ほど益田委員に対する荒木委員会の状況、それから衛藤委員会ですね、いろんなことを今なさっておる。この中で、官房報償費についてはああいう状況等が生じたんですけれども、外務報償費についてもやはり必ずや万全の体制、細心の注意を持って執行していただくということがこの中に入っているということですので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 時間がもう余りないわけですが、一点だけ。 えひめ丸の件では、私はきょうの委員会の質疑等も通じて現状は大体わかってきたのでこれはこちらに置いておきまして、これは言いっ放しになると思います、時間がありませんから。危機管理という点から見て、二月十日の総理の行動を支える内閣官房あるいは各省、防衛庁、外務省の危機管理体制、システムが万全だったかどうかという点については、やはり疑問なしとしないんですね。 きょうは危機管理監も来ていただいてお答えいただく予定でございましたけれども、時間がないので要望だけ申しますと、やはり総理が二月十日に、このえひめ丸のときに、一報、二報、三報と現場で受けておられるんですね、すべて秘書官から。これは事件が発生したのは八時四十七分ですから、いろいろな状況の中ですけれども、十時五十分のときの第二報ぐらいには、私は危機管理を担当する内閣官房、せっかく情報収集して、情報集約センターというのをお持ちになって、そしてそれを分析する、ここが問題なんですけれども、こういったスタッフをそろえているわけですから、危機管理監なり審議官から、総理、これは一つの国家の非常事態です、異常事態ですということを、これは官邸対策室を設置したわけですから、十二時に、結果的にそうなったんですね。だけれども、初動のときにそうなるかどうかが非常に難しい、そのときにやはりスタッフが、危機を担当する、管理をする担当官が直接総理に、ぜひ至急戻ってきていただきたいというようなことをやれなかったかどうか。 いろんな難しい点があるかと思うんですけれども、やはりこれは大きな課題です。阪神大震災やテポドンの問題、それらを経てこれはいいシステムになりつつあるんですけれども、またこれはえひめ丸のこの事件を一つの契機にいいシステムをつくり上げていかなきゃいけない。システムはできたけれども、人がやはり整っていなきゃいけないということ。 それから、防衛庁長官に申し上げたいんですけれども、防衛庁、これは情報本部という千七百名に及ぶスタッフをお持ちなんですね。防衛庁独自の情報システムで取り上げた情報は内閣官房につなぐ、相互に融通すると同時に、防衛庁長官から直接のルートで大事なときには御連絡していけるようなものはやはりこの際持っていただいておくべきじゃないか、こんなふうに思っております。 時間が参りましたので、お返事は結構でございます。よろしくお願いしたいと思います。
○月原茂皓君 外務省予算及び防衛庁予算については妥当なものとして考えております。 注文をつけておきますと、今既に佐藤議員からも話がありましたが、外務省が今報償費も含めて総点検をし、国民の信頼をより強く得るための努力をされていることでありますから、十三年度予算の執行及び十四年度予算編成に向けて立派に目的を達成していただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。 〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕 次に、防衛庁ですが、中期防の初年度として着実な予算がついたことを、私はこの予算は妥当なものと考えております。 そこで、防衛庁の予算について、一、二質問したいと思います。 中期防の計画の中に、「情報通信技術の急速な進歩・普及等、今後の我が国の経済・産業構造の変動や防衛大綱の策定以降更に一段と厳しさを増している財政事情等を踏まえ、防衛生産・技術基盤を適切に維持していくための諸施策を検討し、実施する。」、こういう項目があるわけで、これはもう御承知のとおりであります。 ちなみに、「平成八年度以降に係る防衛計画の大綱について」も、これは平成七年に安保会議の決定、閣議決定を見たものでありますが、それにも、「その際、適切な国産化等を通じた防衛生産・技術基盤の維持に配意する。」、こういうふうな規定があるわけであります。 これはかつての防衛大綱とか中期防にもずっと書かれながら現実になかなか、これはうたい文句、論理的にはそういうのも書かざるを得ないから書いておるのかというぐらいの意味しかなかったわけでありますが、これは本当に限られた予算の中で効率よく防衛を整備するためには大切な基盤だと私は思うだけに、私が今申し上げたことについて、防衛庁長官はどういうふうに取り組まれようとしておるのか、そのことを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) ただいま委員から御質問いただきました、特に新しい時代へ向けての対応ということだと思います。 御案内のように、今、私どもを取り巻く環境の中で新しい言葉としてRMAとか、またC4ISRとか、いろんな新しい言葉とか新しい考え方が導入されてきて、それらの情報関係が中心になってくるわけでありますが、中期防にかかったのは初めてではございますが、私どももこれは非常に重要に考えておりまして、今回も情報通信技術のさらなる推進、または充実強化ということを一つの柱にさせていただいているところでございます。 これからもそういう時代になっていくだろうと思っていますし、それにふさわしいような対応をしていきたいというふうに思っています。
○月原茂皓君 この際、そういう将来の問題もさることながら、私は経験からいって大切だと思うのは、ここにおいて要するに急速に調達できるということもこれは大切な基盤なんですね。そのことについてコストダウンということも大切なんですが、これはこの間、艦船修理について随意契約という問題が一般競争入札との関係で会計検査院から指摘されて、検査院と防衛庁が努力して必要なものについては随意契約をやる、もちろんコストダウンの努力はする、そういうふうな結論を得たことは私は正しいことだと思っておりますが、限られた予算で物を調達する場合、しかもその深さをもって急速に調達できる体制を維持するということについては、私はほかの分野の政府の調達物とは違うと思うんですね。 そういう意味で、私は、よく検査院等とも議論しながら、国民の信頼を得ながら、随意契約というものについて必要なものはちゃんと筋を通していくという防衛庁の姿勢が大切だと思うわけであります。 それからさらに、とかく研究開発というものについては、危険でできなかったらそれでいいわけなんですが、ややもすると危険を少なくしてできるだけ達成しやすいものを開発しようとする。そして、それはどこに原因があるかというと、開発で終わっただけでもペイするというか一応コストの清算は終わっておるというそういう体制を、本来はそうならなければならないのですが、なかなかそういう体制が今までの惰性で難しいところがあると思いますが、私は、研究開発予算は開発だけでちゃんとけりがつく、そして危険なものにもチャレンジしていく、それがまた民間の技術にも波及していくんだと、こういうふうな基盤をつくっていただきたい、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 今、委員から御指摘いただきましたけれども、防衛の生産・技術基盤に関する問題としてキーワードは幾つかあるかと思いますが、特に計画的また安定的、こういったことが重要になってくるのではないかなというふうに思っています。安定的で適切な防衛力整備を図る、こういった観点から、健全で効率的な防衛の生産・技術基盤の維持を非常に重要に考えておりまして、新中期防に従い、必要な諸施策を検討し実施していきたいというふうには思っております。 今、委員から御指摘いただきましたけれども、そういった大事な基盤を維持するために、計画的な装備品の調達、開発も必要でございます。新中期防におきましては、各種装備品の整備や固定翼哨戒機、これはP3Cでございますが、また輸送機、C1、さらに現有戦車の後継等の研究開発等の事業が盛り込まれておりまして、かかる事業を実施することによって防衛の生産・技術基盤の維持向上に資するものと考えております。 防衛庁としては、御指摘の観点を含めて、これからも事業を計画的に着実に実施していきたいとふうに思っております。
○月原茂皓君 非常に重要な文言が、そういう考え方が中期防にも盛り込まれておるわけですから、単に正面装備のそういうところに追われることなく、今、大臣の決意をお伺いいたしましたが、そういう目に見えないところでちゃんとした基盤を限られた予算の中ですがお願いしたい、こういうふうに思うわけであります。 次に、これは今、佐藤議員が河野大臣とお話しになっておった中国の防衛費なんかの話でありますが、防衛費というのはこれはただ単に国内の予算ということではなくて、諸外国から見ても防衛費は幾らかということは非常に大きな関心の的であります。また、国内においても防衛費のシェアというものが常に議論になるわけであります。これは、他の予算とは非常に異なるところであると私は思うんです。その点からいって、私は防衛庁の予算の中で最近こういう問題に遭遇したわけです。 それは何かというと、防衛医科大学校を含めた診療費というのがあるわけですね。要するに、一般の人を診ておるわけです。防衛医科大学校、今度卒業式があるわけですが、所沢周辺、埼玉県の方々の診療なんかを診ておるんですが、防衛医科大学校の予算は二百十五億円なんですよ、総額が、そのうち診療費としてこれは百十億余りが国庫に入っているわけですね。 国の十三年度の官業益金及官業収入というのが予算書にありますが、これに、全体で二百八億の歳入なんです、国において。そのうち、防衛庁病院収入が百五十五億入っているわけです。これは言ってみたら空なんですね。防衛費には積んで、そしてこれが百五十五億が国庫に入っておると。これは、病院なんかは病院特会と御承知のように特別会計がありまして、診療費は自分の方で取って、そしてぐるぐる回しているわけです。 防衛だけ、いろいろな事情があるでしょう。しかし、防衛費という性格からいって、この問題は私は真剣に取り上げてもらいたいと思うわけです。国民から見たら、その百億を超える金が防衛費と思い込んでおるわけですね。国民から見て防衛費と思われるようなものなら別だけれども、それは国民の健康のために大切なことでしょうけれども、周辺の病院がやっておる、そして歳入がある、それがまさにそういうふうな中で防衛費として積まれておる。こういうところが私は国民から見て不思議でない防衛費にしなければならない、そういう点についていかがお考えでしょうか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 先生から今、日本の防衛費の比率等々、他国に比べて、特に先進国に比べて大変低いという御指摘をいただきました。 病院に関して御質問があったわけでございますが、病院は、ちなみに申し上げますと、自衛隊中央病院及び各自衛隊地区病院並びに防衛医科大学校に附置されている防衛医科大学校の病院、この三つに大きく分けてございます。 このうち、自衛隊病院は、一義的には隊員及びその被扶養者の診療を行うとともに、診療に従事する隊員の専門技術に関する訓練または看護に従事する隊員の養成及び医療その他衛生に関する調査研究を行うことを目的といたしております。防衛医科大学校病院は、医学に関する高度の理論並びに応用についての知識及びこれらに関する研究能力を修得させるための臨床教育の場として、医師である幹部自衛官を養成することを任務とする防衛医科大学校に附置されているものでございます。したがって、防衛庁の病院は、防衛庁みずからが防衛上の必要性に基づき置いているものでございまして、病院に係る必要な経費については、一般会計として予算計上することが適当であるとの考えに基づき現在に至ってきているところでございます。 御指摘の防衛庁病院収入の特別会計化につきましては、従来から庁内においてもいろいろ勉強してきたところでもございます。そして、先生にはたびたび御指摘いただいているところでもございますが、会計制度にかかわる話でもございますので、今後とも種々幅広く問題点を整理しながら検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○月原茂皓君 今、検討されるということですが、私が申し上げたように、これは事務的には相当難しい問題でしょう、技術的には。しかし、防衛費という性格、そういうものを考えたときに全く百五十五億の金が見せかけの金であると。防衛費として積まれて、そして本来ならこの百五十五億を削った額を防衛費として私は計上すべきだと、このくらいに思っているわけでありますから、国民から見て防衛費と思われるものが防衛費でなければならない、そういうことはもう既に大臣もおわかりのことと思いますが、今後検討をお願いして、終わります。
○海野徹君 委嘱審査で、予算関連でお伺いさせていただきたいと思いますが、まず外交機密費、外交報償費についてお伺いしたいと思います。 外務大臣、大変国民は憤りを感じているわけです。その憤りが那辺にあるかというのは外務大臣も十分御承知だと思うんですが、不用額、あるいはその前に予算額、決算額、決算額で不用額を生ずるわけなんですが、数年ずっと同じ予算額が計上されて同じように決算されて、大変少額でしかない不用額が常に決算の数字として出てくる、これが毎年毎年続いていると。確かに、お役人の世界というのは先例主義ですからこういう事態になるのかなと思いながら、同じような予算を要求しているのかなと。 しかしながら、機動的に使うとなったら戦略的にも当然増減があるはずですし、必ず数字はだから違ってくるはずなんです。ことしは戦略的に、先ほどの説明にありましたように、こういうものに重点的に政策をやっていく、こういう方面に政策を重点化していくというのはあるはずなんですよね。しかしながら、毎年同じような数字の予算額が出てきて、それに準じた決算で、ほとんど数千円、一万円も超えない不用額だと。これはどう考えてもおかしいと思う。いや、精いっぱい情報収集したんだからという答弁を外務大臣はされておりましたが、どう考えてもそれは苦しい答弁でしか私は聞こえないんですよね。だから、こういうものを構造的に許してしまったということが今回大変な疑惑を呼んでおりますし、国民の憤りはそこにあると思うんです。 私は、こんなことを言ったら大変語弊がある表現かもしれませんが、役人の方というのは大変優秀だなと思っていたんですよ。思っていました。ところが、弁解をすることについては大変優秀なんですよね。そういうふうに最近は考え方を変えざるを得ない。だから、隠すとか先送りするとか、そういうふうなことでしか、あるいは弁解することにしか優秀さが発揮できない世界にいる方々かなと思うと、大変私は残念に思うんですね。 だから、もう一度最初に戻りますが、不用額をこのように生みながら、これも要するに構造的な問題を何ら指摘できなかった、そしてより国民の憤りを生んだ、あるいはそれが構造的腐敗体質があるんじゃないかとか組織ぐるみじゃないかと言われている、このことについて大臣はどのようなお考えをされていますか。
○国務大臣(河野洋平君) どういうふうに御説明を申し上げれば御理解がいただけるか、私も口下手なものですから、なかなかうまい説明が、御理解をいただけるような説明ができないのですが、こういうことと考えていただきたいと思うんです。 この報償費の予算は積算をして、これは何に使います、これは何に使います、これはこういうものを買います、幾らで買いますといって積算をして積み上げた予算じゃないんですね。そのこと自体に問題があるといえば、これはまた別の問題なんですが。 そこで、外務省の報償費でいえば、およそ五十五億円という報償費をここ十数年毎年積んでいただいているわけです。この五十五億円は今申し上げたように積算をして出した数字ではありませんから、この五十五億円という金をもってでき得る限り情報を収集し、国際関係をよりよく推進し、国際会議でも有利に我が国の主張を導くようにやれと、こういう指示を私は省員にするわけでございます。ただし、その使い方については四半期ごとにこのくらいずつ使っているなということはチェックをしておりますけれども、大体積み上げた予算ではございません。 そして一方で、もう少しあればもう少し情報がもらえる、もう少しあればもう少しそれぞれの国の情報を多く持っている人間と接触をして情報がもらえると、情報を聞き出すことができるといって、そういう要望はたくさんあるわけで、それの優先順位を判断しながら使っているわけでございますから、したがって、積算をして予算化したものが、やってみたら単価が下がったとか、あるいは不用のものが出てきたとかということとは少し性格がそこは違うということだけはぜひ御理解をいただきたいと思うのです。
○海野徹君 確かに積算はできない問題だと思うんですよね、数字、これは積算できない。目いっぱいその枠内で要するに情報を集めて、この非常に複雑きわまる世界的な国際関係の中でより適切な外交政策をとっていくためにこれは必要なことだと、それは私も理解するんです。しかしながら、そうじゃないような結果というか事件がたびたび起こっているんですよね。 それでは、外務大臣、機密費という言葉がなくなって報償費に変わっていますよね。これは歴史的に変わっていますよね。それはどうして機密費から報償費に変わったのか。機密費を使っちゃいけないと言ったのは一体じゃどういう経緯があって、だれがそれをそういうふうにせしめたのですか。
○政府参考人(飯村豊君) 突然のお尋ねでございますので、私、全く歴史的な経緯、きちっとした形で存じませんでまことに申しわけございませんが、うろ覚えに覚えている限りは、戦前はよく機密費と言われていたと思いますけれども、戦後、民主国家として再出発して以来こういった種類の予算を報償費と呼ぶようになったと理解をしております。 ちなみに、今、手元に資料が参りましたけれども、戦前の場合、機密費は旧憲法下において存在していたものであって、行政担当者がほかからの制約なく自由に支出し得る経費で、会計検査の対象外であったと。法的な統制は存在しなかったということで、昭和二十年度予算まで計上していたようでございます。 他方、報償費は会計検査の対象でございまして、そういった意味で機密費とは根本的に性格が異なるというふうに理解をしております。
○海野徹君 今の官房長の答弁で、大体この機密費から報償費に変わったという歴史的な経緯はあるし、どういうような勢力がそれを変えていったかという歴史的なことを感じさせるところがあるわけなんですが、私の方では調べてありますが、言いませんけれども。 これは外務大臣にお伺いしたいんですが、非常に森総理が首脳会談をやったのはこれは成功だったと、有意義だったというお話があるんですよ。まさに機密費を使って、例えばアメリカのブッシュ大統領が今どういうことを考えて何をやろうとしているか、その周辺を含めてすべて情報を集めて、それで接するべきなんでしょうね。アメリカのデモクラシーというのは何なんだ。これは、原潜の事故の対応、あるいはファーゴ司令官、あるいはブレア司令官の言葉で我々は漏れ伝え聞くところによりますと、アメリカのデモクラシーというのもこういうところにあるんだと。我々の理解するところと違うということもわかってくるわけなんです、一つの事件あるいは事故によって。 ブッシュ大統領、これは極めて近い方から話を私は一昨日聞いたんですが、大変人間関係をつくるのがうまい方だ、非常にすばらしい方だと。その人の才能を引き出して問題を解決するのに大変すばらしい方だという話なんです。一度近づいて非常に親しくなると、その人のために精いっぱいまた解決策を見出そうとしていろんな方策を用いて努力する方だということなんですよね。 しかしながら、今度、もう既に退陣を実質的に表明されている森総理と会ったということは、そういうブッシュ大統領の思考というんですか、あるいは人柄、考え方からして、会っても、じゃこの人のために私は何がやれるんだということになると、大統領側にとっては何も残らなかったと。だから、むしろ意義ある会談ではなかったというような評価をそのブッシュ大統領とずっとともにしてきた方から我々は聞く機会がつい一昨日あったんですけれども。 私たちは、そういった意味で余り評価できないと思っているんですが、そういうような極めて近い方から、アメリカ人の方からそういうようなコメントがもたらされたにもかかわらず、やはり有意義だったと外務大臣はいろんな方々に今委員会で答弁されていますが、まだやっぱりそういう御答弁になりますか。
○国務大臣(河野洋平君) ブッシュ大統領のお人柄がどういうお人柄であるか、またどういう御性格であるかということも我々は十分承知をしている必要があると思います。 しかしながら、まだ情報を収集するのには余りに数が少な過ぎる、ごく親しい方からのお話というものは我々も聞いております。あるいはまた、組織の上で接触をされる方々から、ブッシュさんというのはこういう人だということは話は聞いておりますが、我々が考えておりますブッシュさんのお人柄の一側面は、初めて会った人にも、その人が体質的に非常に好ましいと思えば、初めてのときでも非常に親しく率直に胸襟を開いて話し合われる、そういう方だ。したがって、今回のように森総理が初めて会っていろいろな話をしても、十分に胸襟を開いて話を聞かれるし、お考えは言われる方だというふうに私どもは理解をしているわけです。 そういう意味で、今度の首脳会談というものは、二人の首脳の間に何か壁があって、お互いに壁の向こうから話をするということではなくて、ごくごく近いところでそれぞれの考え方を述べられたというふうに私は考えております。 これは、首脳会談が終わった後のしかるべき人たちの判断を聞いても非常にフランクないい話し合いだったというふうに、これはただ単なる外交辞令ではなくて、そういうことを言っておられますし、何よりも私は、そこで語られた経済問題あるいは日米の同盟関係についての話し合いというものは、やはり意味があったというふうに考えるものですから、私は、この日米首脳会談は有意義なものだったということを先ほどから申し上げておりまして、この気持ちは依然として変わりはありません。
○海野徹君 本来、外交機密費というのはそういう、例えばブッシュ大統領のありとあらゆる面を、あるいはその人脈あるいは政策あるいはアメリカそのもの、すべてをありとあらゆる形で分析して検討してそして会談に臨むと、そのために機密費というのはあるんじゃないかなと思いますよね。アメリカ側はじゃどういう対応をするのかということも、ある意味ではQアンドAというかシミュレーションを全部やってから行くべきだと私は思っているんですよ。そういうことで機密費が使われるんだったら全く問題ない。 では、アメリカにおける邦人の生命、財産をどうやって守るか。裁判になったとき、それに対して政府としてはどういうような手助けができるかと。これもアメリカの裁判の状況、あるいは企業の動向、あるいは弁護士がどういうような理論展開をするかということをすべて分析する必要があるんではないかなと。そういった意味で、要するに在外公館、アメリカだったらアメリカに大使館があるし、領事館があるんではないかな、そのために機密費が使われていると。 しかしながら、この数年来、日本の企業はアメリカへ行って、そのアメリカでもうかったものをすべて吐き出さざるを得ない和解金を払ってまで裁判にかけられていると、そういう状況がありますよね。任天堂にしてもソニーにしてもそうだ、あるいはホンダにしてもあるいは三菱自動車にしてもそうだ、東芝にしてもそうだ、今トヨタがそうだと。このことについて、機密費をこれだけ使いながら、アメリカの大使館あるいは領事館というか政府は、そういう企業に対してどういうようなサポートをしてきたんでしょうか。されていないという企業の声が強いんですが、その点はどうなんでしょうか。
○政府参考人(飯村豊君) お答え申し上げます。 報償費の性格上、たびたびこのお話を申し上げてまことに心苦しいのでございますけれども、その具体的な使途について申し上げることはなかなか難しいのでございますが、その問題は別にして、一般論として申し上げますれば、私ども、特にアメリカにおいて日本企業に対して巨額の訴訟があったり、さまざまの問題が起きていることはもちろん非常に大きな問題だと認識しておりまして、こういった問題につきまして在外公館がいかなる支援をするかということも非常に重要な問題だというふうに考えております。 個々のさまざまなケースがございますので、一般論として申し上げるのは難しいのでございますが、さはさりながら、一般的に申し上げれば、私ども、在外公館は現地の駐在日本企業との意見・情報交換、あるいはこれらの企業からの御要望の聴取、必要な場合には現地当局への申し入れなどを通じて、私どもなりに日本人の方々の生命、財産の保護あるいは日本企業の活動を支援申し上げるために全力を尽くしているつもりでございます。
○海野徹君 今、官房長のお話がありました。ぜひそれはここだけの答弁にしないでいただきたいなと。これからいろんなまだまだ事件が起こってくると思うんですよね。インドネシアのこの間の味の素事件もそうなんですね。なぜ今なんだという問題があるわけなんですよ。何回も何回も同じことを繰り返している。つまり、インドネシアにいる在外公館、大使館員の方々はじゃ何をしていたんだということになるわけですよね。答弁ありましたから、とにかく二度とそういうことがないんだろうなということを期待しております。 〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕 それで、外務大臣、機密費についてもう一度お伺いしたいんですが、在外公館の機能を強化すると先ほどお話、予算の中でもありました。イラクとかアフガンあるいはブータン、こういうところがなくなる、もしくは廃止の方向だと。仮に大使館がなくたって情報収集できるからいいよという話があるんですが、一方危険なところへは大使館員は行かせないという話もあるんですよね。特にブータンなんというのは、中国、先ほどちょっと大臣も言っていましたけれども、非常にある意味じゃ軍事力を増強していて膨張主義と評される部分があるわけなので、非常にそういった意味では情報を収集するのに適したところなんですが、それがもうなくなってしまうと、これは一体どういうことなんですか。
○政府参考人(飯村豊君) ブータンについては、もともと私どものいわゆる実館といいますか大使館はございませんで、インドにおける我が方の大使館が兼轄をしていたものというふうに承知しております。 それから、イラクにつきましては、例の湾岸戦争がございまして、それ以来、ヨルダンの日本大使館が兼轄をしております。 それからアフガンにつきましては、まことに申しわけございません、今手元に資料がないのでございますが、アフガンの内戦が始まりましてカブールの大使館は既に閉鎖をされております。
○海野徹君 せっかく先ほど大臣が説明の文書の中で在外公館機能を強化するんだということを言われているわけですから、私も質問通告してありますし、もう少し調べて答弁していただきたいなと思います。 大臣、機密費のことで最後に御質問しますが、本当に組織ぐるみじゃないかと言われている。構造的な腐敗体質があると言われている。松尾個人の問題じゃないと言われている。共犯者的な人がいるんじゃないか、そんなことを言われて、国民の憤りがその辺にある、全容解明されていないから。この国民の憤りに対して率直に、機密費というのは皆さん方が既に御理解いただいて、七割以上の方々が理解していたにもかかわらずこういうような大変な事態を生んでしまった。それに対して申しわけないというんじゃなくて、具体的にこれから期待にこたえるように機密費を使いますと、その機密費のあるべき姿ということを、大臣の方から決意をちょっと述べていただきたいなと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 予算委員会を初め各委員会で私繰り返し申し上げてまいりましたけれども、委員の皆さんから報償費につきまして大変厳しい御批判をいただいております。私は、大変厳しい御批判をいただいておりますが、報償費はその性格からいって、何に使いました、あるいは何に使いますということを個々具体に申し上げることは、やはり相手との関係あるいは今後の情報収集を考えればできないということはどうしても御理解をいただかなければなりません。 しかし、その一方で、しかるがゆえにと申し上げた方がいいかもわかりませんが、それだけに我々は報償費がその目的のとおりしっかり使われるということについては厳重に考えていかなければならないと思っております。現在でも外務省におきます外務省の報償費は、起案者から最終的な決裁に至りますまでに何人かの人間の手によって決裁をされているわけでございますけれども、私はさらにこれをもっと厳しくする必要があるというふうに考えまして、先般幾つか原則を申し上げました。 私は、この報償費の使途について最終的責任者は当然のことながら外務大臣にある。それから、例えば新しい年度に、ことしはどういう問題が国際社会の中で重要な問題になるであろう、あるいは一般的に言えばこういう問題が重要だというようなことを、外務大臣はその方針というものを示す、省員に示す必要がある。そして、省員はそうした外務大臣の考え方を十分理解した上で報償費の使い方について慎重に考える。そして、従来の決裁の手順を踏んだ上で、最終的には総政局長の決裁も必要とするというところまでしっかりやろうということを考えているところでございます。 さらに大事なことは、この報償費が正しく使われたかどうかを最終的にチェックするのは会計検査院でもありますし、そうしたことを考えて外部の検査というものに、現在でもそうでございますけれども、外部の検査に十分たえ得るものでなければならぬというふうに考えております。これは今日私が考えているところでございますが、一方で外部の有識者に集まっていただいて、機能強化委員会というものをつくっていただいて意見をちょうだいしております。この外部の方々の、機能強化委員会の御提言というものをきちっと踏まえて改善策を最終的にはつくり上げたいというふうに思っているところでございます。
○海野徹君 とにかく可能な限り抜本的な改革を目指して検討していただきたいなと思います。 先ほどちょっとした例を挙げたんですが、国際的な事件、ある意味では外国での事件、日本にかかわる事件は必ず私は裏があるんじゃないかなと思います。そのぐらい疑ってかかることが我々にとって義務じゃないかなという思いを外交上感ずるんですよね。かつてチャーチルが英国以外はすべて敵だと言ったんですが、敵だといえども仲よくしなくちゃいけないですから、仲よくするにはどうした仕方があるのか。やっぱり敵を知りおのれを知るということが必要でしょうから、機密費というのは当然必要になってくるわけなんですが、その点はぜひ抜本的な改革をしていただいて、国民の憤りがそのまま雲散霧消することがないような形でこたえていただきたいなと、そんなふうに思います。 アジア政策、次にお話しさせていただきたいと思いますが、私は、要するに近隣諸国、特にアジアと日本の関係は大変重要だなと。日米を基軸としつつも、近隣のアジアの方々とのつき合いというのは大変私は重要だと思う。何よりも重要だと思っています。 過日、私、三月に入ってから、マハティール首相の「アジアから日本への伝言」という本を読みました。大変日本に対して期待を寄せてくれております。これほど我々に期待をかけられていいのかなというぐらい日本のことを大変評価していただいております。あるいは処方せんもいろいろ述べていただいている。 これを見ますと、なるほどな、我々はもう少ししっかりしなくちゃいけないんじゃないかなと、そして東南アジアの方々ともっとやっぱり胸襟を開いてつき合っていく必要があるんではないかなと。あるいはマハティール首相のEAEC構想というのは、むしろ我々が喜んで参加していくべきじゃないかなという思いがあるんです。 この中にも、例えば、アジアの人々は日本と日本人を尊敬している、しかしながら、これまでのところ、日本人は友人やリーダーであってほしいとのアジアの期待にこたえていないというようなくだりがあったり、日本からの恩恵でより重要なことは、精巧な工業製品は自分たちは手にすることができないというアジアの人々の考えは突き崩した、日本人は立ち上がり、自分たちのシステムと価値観を再び主張してほしい、こういうような表現をしているんです。大変ありがたいなと思います。 そこで、外務大臣、マハティール首相が主張されたEAEC構想についてどういうような御見解をお持ちなのか。以前所信を述べられたとき、別なところで、それは私も耳にしていますが、改めてここでお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野洋平君) EAEC構想はマハティールさんの主張で、多くの国が、多くのアジアの国が賛同をした経緯がございます。しかし、大変不幸なことに、当時アメリカが非常に強くこれに懸念を表明されました。といいますのは、どうもアメリカに対して特別な意識があって、アメリカだけを、アメリカだけというか、アメリカを外してアジアだけで集まろうというふうにアメリカにとられた。決してそういうことではなかったと私は思いますけれども、そういうふうにとられたこともあったんでしょう。アメリカはこの構想に懸念を表明されたというふうに私は聞いております。 したがって、マハティール構想というものは、提唱はされたけれども、それは実行に長らく移されずにいてしまった。しかし、一昨年からASEANプラス3という首脳会議がスタートをいたしまして、このASEANプラス3の首脳会議は非常に高い評価を受けたというふうに思います。中でも、プラス3、つまり日中韓の首脳がそこで集まった、この日中韓の首脳が集まって自由に意見を述べる場ができたということは我々にとっても非常によかったというふうに思っております。もちろん、ASEANプラス3というものの評価も私は高い評価をいたしておりますが、と同時に、日中韓の首脳がおおむね年一回集まってかなり自由な意見を述べ合うということができるようになったということは大変よかったと思っています。 一昨年、昨年と三回既に行われているようでありますが、こうしたことが積み重なっていきますと、アジア太平洋地域が独自にといいますか、自分たちの考え方というものを持つようになれるということもテーマによってあるというふうにも考えまして、私はこの考え方がこれから先もしっかりと定着をしていってほしいというふうに考えております。
○海野徹君 NAFTAとかEUあるいはWTOの中でもFTAが非常に今世界の中で締結されている。日本もそのFTAを、外務省もいろいろ検討されていると思うんですけれども、そういう中でEAECというのはやはり検討する余地があるんではないかなと私は個人的に考えますから、この問題はまた後に議論させていただきたいと思います。 教科書問題なんですが、かつて竹下元総理が、これは後世の歴史家の判断に任せようということを言ったことがあります。この問題というのは我々はどうしたら乗り越えていけるんでしょうか。いつもこの問題が、今回もまたいろんなところで取り上げられているんですが、マハティールも、要するにもう五十年も前のことだと、もっと未来志向で行けよというようなことも先ほどの「アジアから日本への伝言」というので書いてあるんですけれども、我々日本人としてどうしたらこの問題を乗り越えていけるとお思いになるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(河野洋平君) この問題についてやはり強い発言権を持つのは、被害者と思われる人たちの発言というものはやはり大事にされるべきだと思います。 確かに議員がおっしゃるように、もう半世紀もたっているではないかというふうにおっしゃることも、私はそういう意見もあると思いますけれども、まだまだ当時の被害者の方々の中には生存しておられる方もある、あるいは御家族の中に、近親者の中に厳しい被害に遭われた方も現存しておられる、あるいはそういうことを目にしたり耳にしたりしている人たちがいる。そういう状況の中で加害者の立場、加害者、被害者という言葉があるいは適当であるかどうかという問題もあるのかもしれませんけれども、どちらがこの問題についてイニシアチブをとるかということについては、十分慎重に考えなけりゃいけないんじゃないかというふうに私は思います。 もちろん、未来志向というのは重要です。これは金大中大統領もそうですし、アジアの国々のリーダーの中でもう未来志向で行こうということを言われたリーダーはたくさんいらっしゃいます。しかし、その一方で、歴史をかがみにしてということも言われるわけでありまして、我々は基本的な歴史認識というものはやはりきちんと認識をして、その上に立って未来志向ということでなければならないのではないかというふうに思います。
○海野徹君 政治家というのは歴史認識を持つ必要はあると思うんですが、政治家が歴史を判断してはいけないと思うんです。歴史を判断するのは要するに歴史家だと、それに任せればいいと私は思っています。この議論もまた後ほどさせていただきたい。 もう時間がありませんものですから、外務大臣にお聞かせいただきたかった、答弁をお聞きしたかったODAの問題、ジュビリー二〇〇〇の問題、あるいは在勤手当の問題はまた別の機会にさせていただきたいと思います。 防衛庁長官にお伺いさせていただきます。 我が国の防衛力、戦闘能力と言っていいんですか、非常に私は一級だと思っている。相当な資金をつぎ込んで、相当レベルが高まっている。世界の中でも遜色がない、要するに一級の戦闘能力を持っているんではないかなと私は思っておりますが、防衛庁長官はその点をどういうふうに評価されていらっしゃいますか。 そして、現職の自衛官の方々は、今の戦闘能力をどの程度自分たちは評価していらっしゃるんでしょうか。その辺、防衛庁長官が把握しておられる範囲内で答弁のほどをお願いしたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 今、防衛力のレベルのお話を質問していただいたんですが、防衛計画の大綱においては、我が国の防衛力について、基盤的な防衛力を保有するという考え方に立っておりまして、必要な機能の充実、防衛力の質的向上を図るとともに、技術進歩の趨勢に対応し、また技術研究開発の態勢の充実に努めることとされているわけです。 さらに新中期防においても、防衛計画の大綱のもとで研究開発を含む防衛力整備に当たって各種装備の近代化、更新等を進めるとともに、情報通信技術を初めとする科学技術の著しい進展を積極的に取り込むこととされているわけです。 装備品を国産で開発し生産する場合には、精密機械技術やコンピューター関連技術等の我が国の民間企業のすぐれた技術力を活用できるというメリットがございまして、新中期防においても、さまざまなレベル、さまざまな部門、さまざまな装備品等で先端技術を導入したいというふうに考えています。 防衛庁としては、軍事技術の趨勢に対応するとともに、また諸外国と比べて、量的には限定的であるというふうに考えておりますが、質的にはすぐれた防衛力を整備していきたいというふうに考えています。 このようにすぐれた防衛力を整備していくためには、国内にすぐれた装備品等を開発、生産し得る基盤を維持していくことが重要であると考えておりまして、防衛計画の大綱にあるとおり、装備品の適切な国産化等を通じ、防衛の生産・技術基盤の維持に配意してきているところでもございます。 そういう技術水準だというふうに私は理解しておりますが、現職の現場の隊員さんがどの程度の技術を持っているかという認識については、今、訓練とか練度とか、そういった使い勝手の問題、また使いこなしの問題等々を見て総合的に判断しなきゃならないというふうに思っています。
○海野徹君 いずれにしても、他国と比べて、例えば中国に比べて今の日本の自衛隊あるいは航空自衛隊含めて、その戦闘能力はやはり十年とか二十年とか三十年先へ行っているんではないかという専門家の意見をよく聞くんですよね。 先ほど、ほかの委員からもGDP対比〇・九五というような話もありましたが、それにしても五百兆円のGDPですから、相当な装備がされていると。これは、二十世紀型の装備は大変な能力を持っているんではないかなと私は思っております。 ただ、二十一世紀はまた違った防衛力構想をやらなくちゃいけない、これはミサイル防衛だろうなという考えを持っているんですが、その点、防衛庁長官、どうでしょうか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 時代とともに、また技術進歩とともに、またそれぞれの諸条件とともに、いろんなことが変化をしていくというふうに思っています。私どもも中期防を作成するに当たりまして、そういった技術の問題、経済状況、また諸外国の国際情勢等々、あらゆる観点からの検討を加えて中期防を策定させていただいたわけでございます。もちろん、他国の状況等々も研究、検討もさせていただいたというふうに思います。 そんな中で、我が国の位置づけということを考えなきゃならないのでありますが、基本的に防衛力というのは計画的に、継続的に、安定的に整備していくということが大事だというふうに思っておりまして、そういう観点から着実に推進をさせていただいているというふうに思っています。 個々の能力についての優劣は、私はちょっと一概に論ずることは難しいというふうに考えておりますので、お答えすることはいかがかなというふうに思っているところでありますが、ただ個別に、例えば海野委員は静岡県御出身でございますから、富士学校等々でいろんなことを拝見されるかと思いますが、例えば九〇式戦車の例を申し上げますと、西側の戦車では初めて自動装てん装置を装備していまして、これらは他国に比べたらやっぱり進んでいるんではないかと、こういうことは言えるのではないかと思っています。
○海野徹君 時間がありませんから最後に、お答えいただければ大変ありがたいということで質問させていただきますが、先ほどミサイル防衛の時代が二十一世紀だというお話を私させていただきました。というのは、これは在日米軍の削減の問題と絡むわけなんですが、私は削減の方向に行くんだろうなと予想しております。 それはなぜかというと、コソボ紛争で二万発の空爆をして、外れたのはわずか二十発だと言われている。九九・九%のミサイル命中率があったと、アメリカ軍は。そうすると、前方展開基地の必要性というのはどんどん減少していくんじゃないかなと、要するに在日米軍ですね。それで、海兵隊が主ですから余計そうなっていくんだろうなと思いますから、二十一世紀型の防衛力というのはやはりミサイル防衛であるし、あるいは在日米軍は削減の方向へ行くのではないか。その中で、じゃ我々日本はどういうふうなものを求められるかということがこれからの議論の中心になるのではないかなと。 その中で、新中期防というのはどうあるべきなのかという議論がこれから語られるべきじゃないかと思いますが、その点について長官のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 今、海野委員からコソボにおける米軍の精密誘導爆弾等のことについてお触れいただきました。確かに従来に比べてその精度等々は上がってきておりますし、またその有効性も高く評価されてきているところだというふうに思っております。 また、我が国におきましても、近年、弾道ミサイル等の移転、拡散が進展する状況ということを認めておりまして、弾道ミサイル防衛が弾道ミサイルによる攻撃に対し我が国国民の生命、財産を守る純粋に防御的な、かつ他に代替手段のない唯一の手段であるということを踏まえまして、BMDは我が国防衛政策上の重要な課題であるというふうに認識をいたしておりまして、防衛庁としては、米国の海上配備型上層システムを対象として日米共同技術研究を推進していることは御案内のとおりでございます。 BMDの開発段階への移行、さらに配備段階への移行については、BMDの技術的実現可能性及び我が国の防衛のあり方等を十分検討した上で別途判断することといたしておりますが、海野委員がお触れいただきました陸上の問題等々について、私は、やはり専守防衛に徹していかなきゃならない我が国として適切な防御体制を築くということでは、陸海空の三自衛隊による均衡のとれた防衛の体制を整備することが重要であるというふうに考えておりまして、一概に陸上が役割が減ってくるというふうには言えないのではないかというふうに思っています。
○海野徹君 ありがとうございました。
○高野博師君 最初に日米首脳会談について大臣にお伺いいたします。 〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕 けさほどもお話がありましたので繰り返しはいたしませんが、この首脳会談の評価、総括、それとあわせてクリントン前政権との違いですが、これも答弁がありましたのでお伺いいたしません。それでは、クリントンからブッシュ大統領にかわってこれは日本にとって好ましいのかあるいはやりやすいのか、それともかえって難しくなるのか、その辺の評価はどうでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 日米関係を考えれば、好ましいとかやりにくいとかという問題ではなくて、この政権と協力をしてやっていくということでなければならないというふうに思います。もちろん、当然のことでございますが、日本として、日本の考え方、日本の主張ははっきり明確に述べつつ協調を図っていくということが重要であろうと思います。
○高野博師君 それでは、今回の首脳会談で、ブッシュ大統領と日本の経済問題、特に構造改革とか不良債権の処理等についてかなり突っ込んだやりとりがあったわけですが、その背景には何があるとお考えでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) これは、例えばアメリカの株価一つをとってみても、ここへ来てその株価が相当下がってきたと。これは、グリーンスパン氏はかねてから一万ドルは少し高過ぎるので九千ドルぐらいが本当はいいところだとたしかかつて言っておられたということを考えますれば、むしろ今、そう悪い状態ではないと考えてもいいのかもわかりませんけれども、しかし、やはりここへ来て一万ドルを切るということになると、アメリカ経済にも一種の陰りといいますか、そういうものがあるのではないかという懸念をする人も多くいるわけでございまして、そうした状況のもとで、その原因の一つが、日本の対米輸出を初めとする日本経済の今日の状況がその理由の一つにあるというふうに考えれば、アメリカとして日本に経済政策について聞いてみたいという気持ちを持たれるということはあって不思議ではないと思います。 ただし、今回の日米首脳会談におきましては、日本側は、経済問題がこの日米首脳会談で重要なテーマになるということをあらかじめ承知して麻生大臣が同行をしたわけでございまして、麻生大臣をして日本の経済政策についてアメリカ側に説明をするということがあったわけでございます。 共同声明の中に盛り込まれました日本の経済政策は、アメリカからいわゆる外圧的に言われて書き込んだものでは決してなくて、日本側のむしろ当然やらなければならない日本の経済政策について述べて、それがここに日本側はこう述べたというふうに書かれているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○高野博師君 この問題、日本の国内問題というか経済問題を主に取り上げた理由の背景には、私は、米国内に保護主義の台頭がある、そういう懸念もあると。あるいは米国内の圧力、そういう保護主義者的なところからそのまま日本にぶつけたのではないかという気もいたしますし、日本の経済・金融問題が、この景気低迷がアジアに波及した場合に、アジアの経済問題、金融問題、これは政治問題化しやすいという体質みたいに思っている。したがって、これは政情の不安定につながるおそれもあるんではないか、フィリピンとかインドネシアとか。 〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕 したがって、アジア太平洋の平和と安定に影響を及ぼすおそれがあるという観点からこの問題を主に取り上げてきたのか、あるいは日本とアメリカの、合わせて世界のGDPの四〇%を占めるという、これは世界に対する責任という点でこの問題を取り上げたのではないかという私は分析をしております。 この対日要求あるいは対日圧力というか、これが強まったという見方を私は若干しているんです。例えば、苦い薬は早く飲めば早く効くというような言葉を言われて、私は大変不満なんですが、反論はしなかったんでしょうか。こういう言葉というのは非常にきくんですね。あるいは外務大臣だったら何か反論したでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 我が国の経済政策は我が国が主体的に考えるべきものでありますから、それについてアメリカがどういう言い方をしたとしても、日本は日本の考え方というものをしっかりと持っているということが重要だと思っています。 ただし、日米関係を考えれば、日本の経済そしてアメリカの経済というものは全く無関係ではない状況でありますから、アメリカが日本の経済について大変心配をしているんだなというふうに理解をする必要はあると思っています。
○高野博師君 苦い薬なんというこの考えはアメリカには余りないんじゃないかと思うんですね。どうも東洋的な考えで、しかし早く飲めば早く効くという即効性というのはアメリカ的なものですから、どうもだれかインプットしているのがいるんではないかと。考え過ぎかもしれませんが、日本人とは言いませんが、あるいはそれに関係した人間が、ブッシュ政権の中に相当、外圧を利用しようというところまでは行かないと思いますが、そういう意見もかなり入っているような私は気がいたします。 そこで、私は、ブッシュ政権は対日要求というか、役割分担については相当強く求めてくるんではないかと。特に安全保障については、けさほども集団的自衛権云々という議論がありましたが、相当強まってくるんではないかと私は見るんですが、その辺はどうとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(河野洋平君) 役割分担とおっしゃいますけれども、役割はそれはいろいろな役割があるかと思います。しかし、これまで日米間で間断なく協議をしてまいりましたわけで、全くそうしたことと関係なく急に新しい問題について何かが提案されるということについては、私はまだもちろん承知をしておりませんし、今すぐにそれが出てくるというふうには思っておりません。 システムの上からいえば、当然、例えば2プラス2という場でアメリカ側から、つまり一番それがハイレベルですから、その一番高いレベルで何か話があるとかいう状況、あるいは局長レベルあるいは審議官レベルでいろいろな現状認識、その他について議論があるということが行われることがまず前提であって、そういうものなしにいきなりアメリカが日本に対してこうした役割を担ってくれということを言ってくるというふうには思いません。
○高野博師君 これは、ことしの一月に河野大臣が訪米されたときの話かどうかわかりませんが、パウエル国務長官が、日本の景気低迷は安全保障にかかわるというような発言をしたという報道があるんですが、経済あるいは金融の問題と地域の安全保障というのをアメリカは一体的にとらえているところがあるんではないか。経済問題も結局は安全保障という観点から、日本の経済・金融問題、あるいはアジアの問題をとらえている、これがアメリカの対外戦略の本質的なところではないか、そういうことも言われているんですが、その辺はどういう認識をされていますか。
○国務大臣(河野洋平君) 一月に私はワシントンへ参りまして初めてパウエル長官と会いました。私は、直接会ったのはそのとき一回で、あとは電話のやりとりがありますけれども、直接会ったのは一月でございます。そのときにパウエル長官とは、経済問題については、経済ではいろんな課題がある、しかしそれについて日米で政策対話を一層強化しようと、少なくとも経済問題について、いわゆる外圧型でない、すなわち摩擦が起きてから対応するというのではなくて、新しい時代にふさわしい日米経済関係を築いていく、そういう対話から始めようという話をして、パウエル長官も、全く同感だ、何かあれば相談をしようと、こういうやりとりがございました。それ以外には、私は経済問題で新長官とは話をしたことがございません。 しかし、先ほど議員がお話しになりましたように、アジアの平和と安定を確保していくためにはこの地域の経済的安定が不可欠だと。このため、安全保障のみならず、経済面での取り組みが必要だということは間違いのないことだと思います。 この点について、アメリカの新政権も基本的にそういう認識を持っておられまして、パウエル国務長官はアメリカの議会におきまして、もはや経済と外交政策は切り離し得ない、外交政策・経済チームとして一体となって、貿易及び経済の促進も進めていくというスピーチをしておられるということは我々も承知をしております。
○高野博師君 きょう、米中首脳級会談というか、銭其シン副首相との会談が行われているんですが、それに先立つ日米首脳会談の中で、対中国政策について余り話し合いがされなかったんではないかと理解しているんですが、きょうの報道なんか見れば、台湾へのアメリカのイージス艦の売却云々、これは相当デリケートな話になると思うんです。アメリカの二十一世紀の最大の外交テーマは中国だと、こう言われているわけですが、その中国との関係で言うと、同盟国としての日本とこの首脳会談の中で余り突っ込んだ話し合いがされなかったというのは、これはなかなか理解できないんですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) クリントン政権時代には、中国に対しては戦略的パートナー、こういう位置づけであったわけですが、今回の日米首脳会談におきますブッシュ新大統領の中国に対します見方といいますか言い方は、戦略的競争相手という言い方、あるいはそう言いながら一方で建設的パートナーとして位置づけなきゃならぬということも言っておられるわけでございます。 今回の首脳会談でも、かなり中国との問題については二人で話をしておられまして、ただその話の中には、例えば中国のWTO加盟を歓迎しよう、中国をWTOのメンバーとすることによって新しい展開が出てくるだろうというような話でございますとか、アメリカ側は人権の問題とか軍事的動向について対応する必要があるというようなことは言っておられるわけでございます。 総理からは、日中関係は基本的に現在は良好に推移している、その中で中国側では対日重視の方針は現在は維持されている、中国にいかに対処していくかということが二十一世紀のアジア太平洋にとって極めて大きな問題だという認識を述べられまして、中国が国際社会への関与をますますふやしていくということを通じて、中国が建設的な役割を果たしていくことを慫慂しよう、こういうような話があったというふうに承知をしています。
○高野博師君 私は、日米同盟の強化と日中友好、これは矛盾しないという考えを持っておりますが、これについてはまた別の機会にお話をさせてもらいたいと思います。 それでは、日ロ首脳会談、ロシアとの関係ですが、これについて二十五日、首脳会談が行われるわけですが、イルクーツク声明が準備されているというようなことも報道されておりますが、北方領土問題について何らかの進展が期待されるんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 私も報道で何か文書を出すということは承知をしておりますけれども、この問題はまさに二十五日のイルクーツクの首脳会談を控えているきょうでございますから、イルクーツクにおきまして首脳同士がまだまだこれから議論をされる、そういう以前にこの問題についてあれこれ言うことは、少し差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、一般論として申し上げますと、イルクーツクの首脳会談というものは、やはり私はこれまたかなり重要な会談だというふうに思っています。 例のクラスノヤルスク合意で二〇〇〇年までに合意を達成しようという目標を決めて、両国は相当努力をして最後までやったわけですけれども、まことに申しわけないことに合意は達成されませんでした。そして、二〇〇一年という二十一世紀に足を踏み入れてしまったわけで、少なくとも私は、二十一世紀の初頭に、両国国民に向かって両国首脳は、この問題解決のためにかくかくしかじかの努力をした、こういう議論もあり、こういう問題もあったというこれまでの経過についてきちんとまず説明をする必要がある。 その上で、二十一世紀、これからこの問題は、こういう方向で合意を目指して進めていかなきゃならぬというような合意を両国首脳は発表する必要があるのではないかというふうに私は考えているわけです。 しかし、先方には先方の考え方があるわけで、これはなかなか我が方の考えどおりにいくかどうかはわかりません。いずれにせよ、我が方は、四島の帰属をしっかりと定めて平和条約の締結に向けて進むという一貫した方針のもとで進めたいと思っております。
○高野博師君 会談前ですので余り話せないと思いますが、五六年の日ソ共同宣言を法的基礎と明文化するというような報道があるんですが、これについては、これまた報道の一部には、ロシア側は新しい戦略をとり出したんではないかと。すなわち、五六年の日ソ共同宣言に戻して二島だけで返還の決着をつけようという、そういうことをねらい出した可能性があるんではないかと。 これはもしそうだとすれば警戒しなくちゃいかぬと思うんですが、お答えできる範囲で結構ですが、日本の基本的な立場については、四島一括、四島返還ということには変わりないという理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 御承知のとおり、五六年宣言というものは、当時のソビエトでございますが、日ソ両国間で首脳が署名をして、両国がそれぞれ承認をしている文書でございます。 この文書は、もう既に案でもなければ何でもない、もうその物ができ上がっているわけでございまして、このことをあれこれ言うことも私は屋上屋のような気がしないでもございませんが、しかし、事柄を整理するという上では、これをどこかに掲げるということはあってもいいかと思います。 しかしいずれにせよ、二島で終わるというならば五六年に終わっていたはずなんです。すべての問題が処理されて、平和条約締結後には二島も返すよという合意ができていたわけですから、二島でいいならそこでもう平和条約はできていたはずなんですが、それを平和条約を結ばずに共同宣言にして、五六年に平和条約を結ばずに終わったのはなぜかといえば、これは二島では問題はすべて解決しなかったのだということの証左だというふうに私は思っております。これは私だけが思っているのではなくて、恐らくだれしもそう思われるのは当然じゃないかというふうに私は見ております。 さてそこで、今議員がおっしゃるように、それを書くことのよしあしとか、書くことは何か別のことがあるのではないかとかということになりますと、これは話は全然別のことで、戦略的なもの、戦術的なものといういろいろな思いがあるかもしれません。そこらについては今控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○高野博師君 時間が来ましたので終わりますが、プーチンさんもなかなか手ごわい交渉相手だと思いますので、相手に一方的にリードされないように十分注意しながらやっていただきたいなと思います。 終わります。
○小泉親司君 まず、日米首脳会談での沖縄米軍基地に関する使用期限の問題について御質問をいたします。 先ほど外務大臣は、同僚議員の質問に答えまして、十五年ぎりという期限を設定することによって前方展開が縛られるのは困るというような発言がブッシュ大統領からあったというのは私ども承知しておりませんと。 それじゃ、ところで、使用期限についてブッシュ大統領が困難だということは御確認されておられるわけですね。
○国務大臣(河野洋平君) 大統領の御発言の中に、困難な問題だという御発言がございます。 〔委員長退席、理事鈴木正孝君着席〕
○小泉親司君 防衛庁長官はもっと率直で、きのうの記者会見の発言では、米国トップの大統領が困難と言ったのはちょっと重いかなと述べたと。ということは、解決は難しい、こういう認識なんですね、防衛庁長官。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 日米首脳会談におけるブッシュ大統領の発言というのは、河野外相からお話があったとおりだと思います。 使用期限問題は困難な問題であり、国際情勢に照らして考えていかなければならない、普天間飛行場の移設については引き続き日米間で協議していきたいというものであったというふうに私も承知いたしております。 一番偉い人は大統領だという、そういう意味で私は昨日は申し上げました。一番トップだという意味で。
○小泉親司君 私、その点では防衛庁長官の言っていることは、ちょっとではないんですが、非常に重いと。つまり私、これまで使用期限の問題についていろいろ御発言を、アメリカ政府と日本政府の答弁をまとめてみました。大統領が、重いから非常に困難だと言ったのは、私は初めてだというふうに思いますが、防衛庁長官も同じ認識なんですね。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 御案内のように、ブッシュさんは新しい政権の大統領でございます。ブッシュさんとして初めてこの問題について言及されたというふうに理解をいたしております。 私から見ますと、私のカウンターパートはラムズフェルドさんですから、ラムズフェルドさんとの話ならああこういう感じかなといろんなことも想定はされますが、アメリカの大統領、まさしく組織のトップの方がおっしゃられたということで、私は単にああ重いかなというふうにその感想を漏らしたということでございます。
○小泉親司君 私は、やはりこの問題というのは、十五年使用期限問題というのは、ちょっと新しい大統領にかわったから困難と言ったのは、今までの方針と違うけれども、これは大統領がよくわからないから言ったんだというようなニュアンスの話じゃ私ないと思うんですよ。 大統領が、これは防衛庁長官も言っておられるように、米国トップの大統領が使用期限については困難だと、これは明確に言っているわけですから、外務省の資料でも、外務大臣も述べられましたように、ブッシュ大統領は使用期限の問題は困難な問題であるということを言ったということが明確になっておるわけですから、こういう問題についてはやはり今沖縄県の方々、特に稲嶺沖縄県知事初め、この問題というのは非常に焦眉の問題でありますから、こういう問題というのは、大統領が困難だと言ったという点については沖縄県当局にはお伝えになるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 当然、沖縄にこの考え方は伝わると思います。
○小泉親司君 伝えるんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 恐らく沖縄から直ちに問い合わせがあると思いますので、そのときにきちんと御説明を申し上げようと思います。
○小泉親司君 私は、やっぱりその十五年期限問題というのは、これは私どもが約束したことじゃなくて、自民党自身が沖縄県民に県知事選挙で公約した問題なんですね。 これを、その実現は大統領が困難だと言った以上、やはりこの普天間基地の移設そのものも見直さなければならない、そういう性格を持った問題だというふうに思うんですよ。それを、何かさまざまな詭弁を弄して、どうも普天間基地を強行するという形はやはり県民へ対して、私、背信行為だと。だから、この問題については、大統領自身が困難だと言った以上、それを率直に沖縄県にきちんと伝えて、どうするかという問題については、それは政府自体が検討すべき課題なんじゃないですか。
○国務大臣(河野洋平君) 詭弁を弄してというのは取り消していただきたい。 〔理事鈴木正孝君退席、委員長着席〕 我々はそんな詭弁を弄して説明をしたつもりはございませんので、その点はひとつそういう御発言はやめていただきたいと思うんですが、ただし、今議員がおっしゃったように、この問題に沖縄の人たちが大変大きな関心を持っておられるということは私も承知しておりますし、そのとおりだと思うんです。 ただ私は、沖縄の方々に説明をすることになると思いますけれども、当然なると思いますけれども、一方で、大統領が一言言えばそれでもう決まったというほど簡単な問題ではないと。これは引き続き日米間で協議をしていこうと、こういうことがその最後のせりふになっているわけですから、引き続き日米間で協議をするということでございます。
○小泉親司君 私、それを詭弁だと言っているので、その点については見解の相違でありますから。 もう一つお聞きしたいのは、今度の普天間移設による新基地の問題とジュゴンの保護の問題についてお聞きします。 代替施設協では、防衛庁によるジュゴンの生息状況に係る予備的調査という結果が発表されました。この調査によると、三カ月という大変限定された期間でありますけれども、この調査では少なくとも五頭のジュゴンが発見された。そして、現在、普天間基地の移設地に上っているいわゆるシュワブ沿岸域ないしは名護市周辺の海域に多数、多数というのは五頭発見されている。 これは、ジュゴンの保護については国際自然保護連盟やアメリカの海洋哺乳類委員会から勧告が出て、ジュゴンをしっかりと保護すべきだということの要望が出されている。このアメリカの海洋哺乳類委員会では、航空基地をと、これは普天間のことでありますけれども、航空基地をこの影響の受けやすい地域に置くことによって既に土壌浸食や他の活動の結果起きている生息域の劣化を促進することが予想されると、こういうふうに指摘しているわけですね。 私は、この予備的調査の結果の前に、虎島前防衛庁長官に、ジュゴンを保護する気が防衛庁あるのかと、こう質問をしました。虎島さんはそのときには、そういう流れになると思うと、そういうという言葉を使って発言された。しかし、今度は予備的調査が行われて、ジュゴンの生息が少なくとも五頭という絶滅危惧種であって、この前は外務大臣は非常にこの点については見識が深くて、北限である、このジュゴンは非常に貴重な種なんだということを指摘されているんです。 その絶滅危惧種であるジュゴンを保護するということが、まずこの生息状況の調査の結果やはり第一義的に考えなければならないというふうに思いますが、この予備的調査が終わった結果を踏まえて、斉藤防衛庁長官は、このジュゴンの保護が重要であるという認識をお持ちなんでしょうか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 今、委員から御指摘のように、この調査は当庁において実施したジュゴンの生息状況に係る予備的調査でございますが、昨年十月の第二回代替施設協議会において、名護市長さんからの要請を受けて、工事着工前に行うこととしている環境影響評価とは別に、同協議会の協議に資するために実施したものでございまして、この調査は環境省からの技術的助言も得て行ったものでございます。 先般、これ三月六日でございますが、開催された第六回代替施設協議会において、防衛庁から、この予備的調査の結果について、沖縄本島東側で五頭、西側で一頭のジュゴン、計六頭が確認されたことを報告したところでございます。これは委員のおっしゃるとおりでございます。その調査結果について、環境大臣より、海草藻場については、ジュゴンのえさ場としての機能も踏まえ、藻場の保全に十分留意することが必要である旨の御指摘をいただいたところでございます。 今後、代替施設協議会において、代替施設の規模、また工法、さらに具体的建設場所等について総合的、具体的な検討を実施するに当たりましてこの点も踏まえた検討がなされることになったものと考えております。 また、今後策定されることとなる基本計画も踏まえ、一昨年末の閣議決定に従いまして環境影響評価を実施することとしておりますが、普天間飛行場代替施設の整備に当たっては、この環境影響評価の結果に基づき、ジュゴンを含む自然環境に著しい影響を及ぼさないよう最大限の努力を行うことは当然のことと考えております。
○小泉親司君 いや、私がお聞きしているのは、防衛庁長官としてジュゴンを保護するという立場に立たれるんですかと、こうお聞きしているんです。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 繰り返しになりますが、政府としては、平成十一年末の閣議決定において、普天間飛行場代替施設の整備に当たっては、環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとどめるための適切な対策を講ずるなど、自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行うこととしており、当庁としても本閣議決定に従い、適切に対処してまいりたいと考えております。
○小泉親司君 私は簡単なことを聞いているんです。ジュゴンを保護するという立場に立たれるんですか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 繰り返し申し上げますが、最大限の努力を行うこととしていきたいということは当然のことでございます。
○小泉親司君 ちょっともう一回。 ジュゴンの保護という立場に立たれるんですかと私そのことをお聞きしているんです。そのことだけをお答えしていただいて、同じ質問に対して違う答弁を求めているわけですから、同じものを読まれないで、私、防衛庁長官の率直な御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 自然環境ということを大前提に置いてございまして、自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力をいたしますということを申し上げているわけでございます。
○小泉親司君 在日米軍が九七年の一月に日本管理基準というのを作成いたしました。これは、在日米軍とアメリカ大使館、それから日本の防衛施設庁や環境庁が加わって作成されたものだというふうに聞いております。 この環境問題については、防衛庁長官は当時おられたかどうかちょっとわからないんですが、例の2プラス2で、河野外務大臣は着実に参加されているんですが、環境問題に関する原則というのが日米間で合意されているんです。そのときには、つまり厳しい基準、どちらかの厳しい基準をとりましょうということで日本管理基準というのが設定されているわけです。 ところが、これは九七年の一月に作成したものなんですが、今、国防総省は二〇〇〇年の今度環境基準を厳しくしようということで、二〇〇〇年の新しい環境施設基準を決めているんです。つまり、海外施設においてどういう環境基本指針についてやるかと。これは二〇〇〇年三月十五日に決定されました。そのことは、防衛施設庁長官、確認できますね。 ちょっと時間がないので、済みません、急いでください。
○政府参考人(伊藤康成君) ただいま委員御指摘の件はいわゆるJEGSと言われるものでございまして、であろうと思います。日本環境管理基準、JEGSということでございます。 これにつきましては、現在、米側はその見直し作業を進めているというふうに承知しておりまして、失礼いたしました、平成十二年の、二〇〇〇年の三月十五日に国防省の方は新たな基準を示しております。それを受けまして、現在、このJEGSにつきまして米側が見直し作業を行っているということでございます。
○小泉親司君 その二〇〇〇年版の環境基本指針にジュゴンが含まれたということは確認できるわけですね。
○政府参考人(伊藤康成君) 国防省が定めました二〇〇〇年の環境基準の、正確に申しますと海外環境基準指導書でございますが、その表の中に、絶滅に瀕した及び絶滅が危惧される動物の一つといたしましてジュゴンということが明記されているということでございます。
○小泉親司君 アメリカ軍の、国防総省の今おっしゃった環境基本指針の十三条では絶滅危惧種の問題が取り上げられていまして、絶滅危惧種、基地の受け入れ国が保護している種とその生息地を保護、増進するための合理的処置をとる、国防総省はそういうふうに規定したんです。 その中にジュゴン、これはジュゴンは、先ほど申し上げましたが、オーストラリアから南の日本、つまり北限であると、外務大臣がこの前お述べになったことと同じことが国防総省の指針の中に明記された。私、この点では、防衛庁長官の答弁よりもアメリカ軍の答弁の方が厳しい基準が環境基準では行われているんです。 これは一体、防衛庁長官、どうされるんですか。それでもまだジュゴンを保護するということを明確に言えないということなんでしょうか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) JEGS、日本環境管理基準は、在日米軍の使用している施設及び区域における作業に関しての基準であり、日本政府が実施する代替施設の整備自体には適用されるものではなく、将来、普天間飛行場代替施設において在日米軍が何らかの活動を行う際に適用されるものと承知いたしております。 政府としては、平成十一年末の閣議決定において、普天間飛行場代替施設の整備に当たっては、環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限にとどめるための適切な対策を講ずるなど、自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行うこととしておりまして、当庁としてもその閣議決定に従って適切に対処してまいりたいというふうに思っております。
○小泉親司君 ということは、この普天間基地は日本政府が建設するんで、海兵隊が建設するんじゃないから、これはアメリカの基地の基準は適用しないと、こうおっしゃるのですか。
○政府参考人(伊藤康成君) ただいま防衛庁長官から御答弁申し上げたとおりでございまして、この日本環境管理基準、JEGSと申しますものは、在日米軍の使用しております施設及び区域における作業ということでございますので、当該施設の建設ということは、これは日本政府が、先ほど防衛庁長官から御答弁申し上げましたとおり、環境影響評価を行い、それに従って自然環境に著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を払う、これは日本政府のやることでございます。
○小泉親司君 いや、そういう見解は非常に私おかしいと思うんですよ。 大体、MMC、アメリカの海洋哺乳類委員会の勧告もどういうことを言っているかというと、これを私たちは国防総省に言いました。そうしたら、言ったら、海兵隊は、これは日本政府がやっていることだから、使うまでは日本政府の話なんだから、日本政府ではジュゴンを保護する気がないんだから、実際にどんどん進めて、その後使うのはいいじゃないかと。 これは、海兵隊と同じことを防衛施設庁長官は言っておられるんですよ。そのことは認識されておられるんですか。
○政府参考人(伊藤康成君) 私どもはジュゴンを保護しないということを申しているわけではございませんで、先ほど来申し上げておりますように、今後基本計画が定まりましたならば、その後、相当の時間をかけまして環境影響評価調査を行う。その環境影響評価調査の中には当然そのジュゴンの問題も入ってくる。それのみならず、当該区域の自然環境全般にできるだけ影響を少なくする方法で建設したいということを申し上げているわけでございます。
○小泉親司君 いや、そのことは代替施設協の閣議決定の中に言っていることを言っているんで、私が言っているのは、アメリカの国防総省で、実際にはジュゴン保護ということの規定が新たに二〇〇〇年版の海外施設における環境基準の問題として、環境指導指針の問題として明記された。これは防衛施設庁長官も防衛庁長官もお認めになっていることなんですよ。だから、当然のこととして、それを具体化して、今度の普天間の問題でも、ジュゴンが絶滅するからこれに保護、増進しなくちゃいけない、保護だけじゃないんですよ、増進しなくちゃいけないと書いてあるんですよ。それを、いや、環境影響評価をやるからいいんだと、そういう理屈にはならないんですよ。 この国防総省指針というのは、明確に保護、増進のための合理的処置をとらなくちゃならないと言っているわけで、今この点について見直しを進めていると言っておられまするけれども、この2プラス2の合意書の中でも何て書いてあるかと。これは多分、河野外務大臣も参加されている、平成十二年ですから、二〇〇〇年の九月十一日の外務省、防衛庁の発表でも、今後は日本環境管理基準の定期的見直し、情報交換、環境汚染への対応にかかわる協議をしますと、日米で。これは日米の何か環境分科委員会で行われているそうですが、環境庁はそういうことをこの日米環境分科委員会でアメリカ軍に対して、ちゃんとこの二〇〇〇年の指針に基づいてジュゴンを保護、増進する処置をとるべきだと、こういうことは要求されるんですね。
○政府参考人(西尾哲茂君) まず、今までここで話が出ておりますけれども、代替施設の整備につきましてのジュゴンを含む自然環境の保全対策につきましては、平成十一年末の閣議決定を踏まえて適切にやっていきたいと思っております。 それと、JEGSの見直しということに当たりましては、必要な段階で、ジュゴンの保護の観点から、日米合同委員会の下に設置されている環境分科委員会というような枠組みがございますので、そういうものを通じまして適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○小泉親司君 私、防衛庁としても、この在日米軍に対してこういうふうな、これは国防総省で二〇〇〇年三月十五日に決定されたもの、つまり約一年前に決定されたものでありますから、防衛庁長官としても、こういうジュゴンの保護、増進ということをきちんとやはりアメリカ軍としても考えるべきだと、米軍としてですね。当然それを日本政府として在日米軍に対して、こういうものを管理基準に入れて、それでもって対処すべきだと。おめおめ、このジュゴンの保護ということを口にしながら、やはり私はこの普天間移設を着々と進めるというのは非常に重大な問題だというふうに思います。 その点、ちょっと最後に防衛庁長官に、日本政府からきちんと在日米軍に言うかどうかという問題も含めて御質問をして、私の質問を終わります。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 御指摘ございましたが、政府としてはこれまでの日米合同委員会の枠組み、特に同委員会のもとに設けられました環境分科委員会等を通じて、米軍基地における環境の保全を含め、米軍の活動に当たり、我が国の公共の安全や国民生活に妥当な考慮が払われるよう対処しているところでもございます。 JEGSについては、現在、米側がその見直し作業を進めているものと承知しておりまして、その見直しに当たっては、関係省庁と十分調整しつつ、環境分科委員会の枠組みを通じて適切に対処してまいりたいと思います。
○小泉親司君 終わります。
○田英夫君 私は、中期防の問題を議論したいと思うんですけれども、この問題は短い時間では中身まで含めて到底議論できるとは思いませんので、まず基本的な問題に触れたいと思うんですが、二十一世紀最初の五年間の日本の安全保障政策を決めるということですから、当然二十一世紀の安全保障政策の展望というものが見えてこなくちゃいけない。ところが、私の知る限り、与党三党間でどういう御議論をなさったかということがさっぱりわからない。それから安全保障会議を何回開かれたかも、五、六回という説ですけれども、中身は全くわからない。 実はこの前の、五年前の中期防をつくったときは自社さ政権のときでありました。私どもは与党でありましたから、そのときを含めて、その後のいわゆる日米ガイドラインの問題などでは与党間で激烈な議論をいたしました、連日のように。結局、日米ガイドラインの問題については、遂に三与党間で意見の一致を見ずという最終文書をつくって、これが社民党の与党離脱の遠因になったということがありますから、連立政権というものは、やはり与党の中で本当に真剣な議論をして国民の皆さんに見えるようにしていただきたい。ところが、さっぱりわからないと。二十一世紀、日本はどうなっちゃうのか、どういう方向で進むのかということの始まりだと思いますよ。 そういう関連で、当然外交問題というのも重要ですし世界情勢というのは重要ですから、最初に外務大臣にむしろ伺いたいのは、二十六日の月曜日にソウルで日米韓三国の担当者が北朝鮮問題について議論するということを聞いたんですけれども、これは事実でしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 事実であります。ソウルで開催することになっております。
○田英夫君 これは実は重要なことだと思いますね。さっきから出ている日米首脳会談あるいは米韓首脳会談、そこで明らかに北朝鮮に対する姿勢がブッシュ政権は前政権と違う、そして強硬であると、こういうことを言わざるを得ない。明らかに金大中大統領も当惑をしているということだと思います。 そういう状況の中で、日本もまた率直なところ当惑しておられるんじゃないかと。そこを調整しなくちゃいかぬという事態になって、まず担当者の間で話をしようということになったと思いますが、そう考えてよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) このTCOGと言われる三国の対北朝鮮問題についての協議でございますけれども、今、田議員がおっしゃったように、アメリカの対北朝鮮に対する認識がクリントン政権時代と少し違うと。まだまだ北朝鮮との間で接触もほとんどないわけですから、非常に北の体質について懸念を持っている、あるいは疑念を持っているという状況だと思います。 ただし、今回の会議は、まだアメリカは正式にアジア政策の担当者といいますか、恐らくこの問題を担当するであろう人が正式に決まっていない状況ではないかと思いますから、ということになると、クリントン政権時代に担当していた人間で残っている人間、先ほどどなたかの御質問にありましたように、シャーマンとか何人かの人はもう既に席を離れておりますけれども、残っている人間が出てくるということであれば比較的共通の認識は持ちやすいというふうに思います。
○田英夫君 これは、やはりクリントン政権時代にアメリカはかなり積極的に北朝鮮と接触をし、一つの結果を出していたと思います。もう姿勢がはっきりしていたし。そういうものをまとめたのがペリー報告でもありますし、また米朝枠組みと言われる体制だと思います。そういうものをどうもブッシュ政権は認めないのではないかという危惧がある。 そういうことになると、もう北朝鮮は当然のことながら既にそういう姿勢をとり始めているようですけれども、よく言えば名誉を重んずる民族ですから、やられるとやり返すという、そういう性格が非常に強いですから、当然非常に厳しい状況になってくる。金大中さんのいわゆる太陽政策というものは実らなくなってしまうと。これは日本にとっても決して望ましいことではないし、日朝国交正常化交渉をこれから進めていくただでさえ厳しい状況の中で、アメリカがちょっと違った方向へ進むということは好ましくない。これは当然日本の安全保障政策にもかかわってくる問題だと思うので。 やはり、中期防というものは何か自衛隊の装備を、確かに名前は中期防衛力整備計画ですけれども、装備を整えるというだけであってはいけないので、当然、どういうものを整えるかという内容になってくると、それは基本的に世界情勢と直結をする。 私の方から一方的に意見を言ってしまいますけれども、やはり今世界の情勢というのは、二国間軍事同盟を日米安保条約のように非常にアクティブに動かしている国というのは非常に少なくなりました。今調べてみたんですが、日米安保条約と米韓相互防衛条約というのはアクティブと言っていいでしょうが、アメリカは四十九の国と二国間軍事同盟と言える名前の条約を結んでいますけれども、アクティブに動いているものはほとんどない。 世界ではやはりそうではなくて、さっきも外務大臣が言われたように、ASEANプラス3とか、あるいはARFだとかOSCEだとかいうような多国間の総合安全保障という形の、さっき安全保障の問題について経済が安全保障に響くというパウエル長官の話がありましたが、あれは経済ですけれども、経済はもちろん、環境だとかあるいは人口問題とか食糧問題とか、そういう問題まで含めた総合的な安全保障をみんなで話し合って進めていこうじゃないかと。軍事だけじゃないという、これが今の世界の趨勢だと思いますよ。そういう中で中期防はどうあるべきかと、こういうことにならなければいけないんじゃないでしょうか。 ひとつ防衛庁としては、そういう姿勢で説明をしていただきたい。防衛庁長官のそういう意味の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 委員から御指摘いただきましたが、防衛力の整備に当たりましては、将来における国際情勢、さらに技術進歩の趨勢、また自衛隊の役割に対する国民の期待の高まり等を踏まえまして、我が国の防衛力のあり方やその整備目標について防衛計画の大綱をまず定めてございまして、その下で具体的、中期的な見通しに立って継続的かつ計画的に行うことが必要との観点から、中期的な防衛力整備計画を策定したところでございます。 経緯を申し上げますと、平成十三年度から平成十七年度までの五カ年間を対象とする新中期防の策定に当たりましては、昨年七月以降、十二月十五日の決定まで七回にわたって安全保障会議を開催いたしました。国際情勢、軍事科学技術の動向、防衛の生産・技術基盤、長期経済見通し、さらに計画の案文や主要事業等、必要な事項について審議を行ったところでございます。 国際情勢及び国際軍事情勢に関しては、防衛計画の大綱の基本的な枠組みを見直さなければならない基本的な変化はないという、そういった基本的な議論がなされまして、新中期防においては引き続き防衛大綱に従い防衛力を整備することとしています。また、これと並行して、例えば安全保障会議の審議状況や国際情勢の認識、基本的考え方の方向性等については、適宜国会や与党の関係部会の場で御説明をしてきたところでもございます。 なお、新中期防におきましては、調達や開発が見込まれている装備品につきましては、新中期防期間中のみならず、将来その装備品の運用が見込まれる期間における軍事科学技術の動向を考慮していることは言うまでもありませんし、また将来防衛力のあり方に関しては、今後さらに情報通信技術等の科学技術の進歩などが見込まれることから、こうした変化を踏まえて、将来にわたって的確に防衛力整備を進めていくための新中期防においては、将来の防衛力のあり方や防衛力整備の進め方について検討を行うということといたしておるところでございます。 もう既に二十一世紀にも入りましたけれども、引き続き二十一世紀の中での、見据えながらの対応だということを御理解いただきたいと思います。
○田英夫君 今の防衛庁長官の御答弁ですけれども、私どもから見ますと、具体的な内容はちょっと触れる時間がありませんけれども、例えばの話でいえば空中給油機を入れると。これはもう長い、私が議員になる前から、私は三十年たちますけれども、それ以前から議論が続いている問題であって、与党の中にも反対意見があって昨年までは採用されなかった。これを今度ついに入れましたね。ところが説明によると、この給油機は輸送にも使えるというようなことを言い出されているんですね、今度。それは戦車を特車といったような、そういう印象になってしまう。もうそういうことはやめた方がいいですよ。 それから、装甲車についても、これは災害時に使えると。たった四人しか乗れないものが、悪路を行けることは事実でしょうけれども、災害救助用に使えるからいいじゃないかというような、そういう形でやっていく、その間に何とヘリ空母が入ってくるというような声まで出てくるでしょう。 そうすると、今、表には出ていないようですけれども、何かいろんな、戦車を特車というような言い方で、いつの間にかこれは世界有数の軍事力ということになってしまう。これは今の国際情勢の中で、私どもから見ると全く無用のものです。空中給油機に至っては、輸送に使えると言ったって、だったらどうしてさっき防衛庁長官が言われたC1の後継機をつくるんですか、巨額なお金を投じて。P3Cが百機ありますよ。どうしてP3Cが百機もいるんですか。そのまた後継機を、ジェットエンジンのものを開発しようという。本当にむだなお金は使わない方がいい。二十五兆円ですよ。もう想像を絶する巨額なお金がこの中期防のために使われるということに強く私どもは反対をして、質問は終わります。
○田村秀昭君 防衛庁長官にお伺いいたします。 国防省への昇格は鋭意お進めになっておられますか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 防衛庁の省への移行につきましては、まず行革の関係を御説明した方がいいのかなというふうに思います。行革会議最終報告において「別途、新たな国際情勢の下におけるわが国の防衛基本問題については、政治の場で議論すべき課題」と、こういうふうにはされているわけでございますが、御案内のように、阪神・淡路大震災のような大規模災害や不審船事案の発生等が相次ぐ中で、国民の生命、財産の保護のために自衛隊の活動が必要とされてきております。また、カンボジアでのPKOの実施など、冷戦後の不透明、不確実な要素をはらむ国際情勢の中で我が国は世界平和への貢献も求められているところでございます。 私が就任させていただきまして、その組織の大きさ、その仕事の重要さ、また予算規模においても大きい。いろんなことの中で、また特にその重要性において一日も早くこの防衛庁が防衛省へ昇格されることを私自身も望んでおります。 実際仕事をさせていただいておりまして、国民の安全確保や国の危機管理のために自衛隊を運用すること、法律の制定、人事、防衛力整備計画などについて防衛庁長官名で閣議を求めることはできませんし、また予算の要求や執行を財務大臣に求めることもできないという現実がございまして、このような状況を改善されることが望ましいと考えておりまして、一日も早く省へ昇格をお願いしたいというふうに思っているところでございます。
○田村秀昭君 私も一日も早い省への昇格を希望しております。 この五十年、防衛庁長官、一番私が危惧していることは、平和を享受している我が国の社会において、異常事態が発生したときに国民の生命、財産を守るのが防衛庁・自衛隊ですが、一般の公務員と同様な行動倫理が押しつけられている傾向が非常にここ数年ある。ということは、平時に役立つ人は必ずしも有事に役立つとは限らないわけです。そういう異常事態の発生時に国民の生命、財産を守る人たちに求められる倫理とか行動基準というのは違うものでなくてはならないんですね。ところが、それが非常に一般公務員並みに要求される。一般公務員並み、一般公務員並みというような風潮の中で、一番頑張らなきゃいけないのは内局の官僚であるにもかかわらず、余り頑張っているようには思えない。 その一つの例として、長官、御存じかもしれないけれども、この数年前から即応予備自衛官制度というものができたんです。これは、説明を求めようと思ったんだけれども時間がないから、多分長官知っておられると思うんですが、結局、一般企業にいる人を自衛官として入れて、年に三十日間も訓練をして自衛官として扱おうとしているわけですね。一般社会にいる人は一般社会の倫理で生きているわけですよ。にもかかわらず、ある時期はその人たちを念頭に入れた編成、装備を考えているわけです。それは、人員を削減しろ削減しろと言われて、結局そうなっているわけですよ。そういうことが平然とここ二、三年行われている。 私は、自衛官は自衛官として教育しないといけない、訓練しないといけない。よその会社にいて、二足のわらじを履いて、向こうにも忠誠を誓わなきゃいけない、こっちにも忠誠を誓わなきゃいけない、行った人が大変だと。それは、企業主も非常に理解がないとできない。非常に理解がないとできないそういうことを、編成上きちっとそれを定員として認めて、年間三十日も訓練するって、三十日なんか出て来れないと私は思うんですよね。そういうことを頭の中で考えて、そういうことをやっていること自身が私は非常におかしいんじゃないかなというふうに思っているんですが、副大臣でも結構です、どういうふうに思われますか。
○副長官(石破茂君) 自衛官のOBとして、また自衛官であられた田村先生の御指摘ですからまことにそういう面もあろうかと思っておりますが、ただ我が国が諸外国と比べて違いますのは、予備役の比率が非常に低いということなんだろうと思っております。つまり、実際の現役と予備役の比率というのを考えますと、先生一番御案内のとおりですが、我が国の場合には諸外国に比べて著しく低い、似ているのはカナダあたりだと思いますが、それはもうよもの情勢が違うということなんだろうと思います。 そうしますと、むしろ予備役にどれぐらいの比率を置くべきか、それはどのような思想に基づくべきか、そういうような検証が今まで余り行われてこなかったのではないだろうか。即応予備自衛官を導入いたしますときも、そういう議論が本当に詰めて行われたかなという気持ちを私自身率直に持っておるところでございます。 もちろん、先生おっしゃいますように、一般の社会とそして有事に役に立つ人々、それは違う倫理観を持つ、違う行動基準を持つんだろうと思っております。しかしながら、そのことはどの国でも一緒のことなんだろうと思っておるわけですね。諸外国においても、これはもうスイスなんて典型だと思っております、スウェーデンなんかもそうだと思います。予備役にいざとなれば頼るんだという発想、そのことが我が国においては異様に低いのではないか。あわせて、そういう問題意識も持っておりますので、また御教導を賜りたいと思っておるところでございます。
○田村秀昭君 今、先生がおっしゃったのは一つの考え方もあると思うんですが、予備自衛官制度というのもあるんですね。 だけれども、自衛官であると同時に一般社会の社員であるということそのものが違うことを目指さなきゃいけない。どっちを優先するんですか、その個人は。自衛隊に来たときは命をかける、会社にいるときは命はかけないで一般の社会と同じようなことをする。だから、そういう矛盾したことをやらせるようなことを国策としてやるということはいかがなものかというのが私の意見なんです。 この中で、そういう制度ができたばかりだからこれから改善もいろいろしていけると思うんですが、個人で農業をやっている人、その人は自分の考えでいつでも参加できますね、昔も屯田兵みたいに農業をやって兵士をやったのもいるんだから。その人には給付金というのをやらない。どうしてそれをやらないのか。これは副大臣じゃなくて担当の局長さんでいいから答えてほしいんです。何か理屈つけるんですけれども、非常におかしい。どうぞ。
○政府参考人(柳澤協二君) もう先生御承知のところかとも存じますけれども、まさにほかに企業等で働いております予備自衛官が年間三十日の訓練招集に応じて出頭しなければならないということで、もちろん御本人の意思、努力も非常に大事なのでありますけれども、やはりその雇用している企業の御協力というのがどうしても必要でございます。 大体私ども、三十日の訓練のうち土日も使いますので大体ウイークデーは二十日間ぐらいだと思っておりますが、その分雇用企業が不利益を負担されるわけでございますので、その御協力に資するという意味で年間五十一万程度の給付金を支給しているわけでございます。 そういうものでありますので、したがって、御自分の意思で訓練に出頭できるいわゆる自営業者の方等につきましては、これはこの給付金の対象とはしないということで、制度発足当初からこれまで運用してきております。おかげさまで今、九六から九九ぐらいの出頭の実績をいただいているところでございます。
○田村秀昭君 そういう考え方がおかしいと私は思うんです。 それで、これは一番苦労しているのはだれか。これは地連なんですよね。地方連絡部というのは大変なことなんですよ。募集もしなきゃいけない、援護もしなきゃいけない、その上これをそろえなきゃいけない。それで、一番来やすい人は自分で農業をやっている自家営業の人なんですね。その人たちには給付金をやらないで、向こうだけ協力してくれたから上げるって、そんな感じなんですよね。そこのところがおかしい。来てくれた人に給付金を上げるというのが普通なのに、出してくれた人に協力してくれたからお礼を上げると、そういう考え方なんですね。 だから、その人たちはみんな来なくなっちゃうわけですよ、個人の人は、と僕は思いますよ、私そこは調べたわけじゃありませんけれども。だから、ここのところは、個人で、いつでも自分の意思で来れる人には給付金なりを支給するというふうにしないと、この人だったら農業の間を縫ってやれるとかいろいろあると思うので、いずれにしても二足のわらじというのはよくないと、基本的に。どっちを優先したか、会社だっていろんな事業もあるし、地域の行事もあるし、そういうのに出られなくなるわけですよね。そして、会社を優先するのか、自衛官は、命をかけて国を守る方を優先するのか、本人だって非常に困ってしまう。 ですから、そういう点も考慮されてこの制度を発足されたわけですから、もっと有効に、何か防衛庁はコンパクト化とかなんとか、いろいろ何のことだかよくわからないようなことを言っているけれども、もっと効率的におやりになるべきではないだろうかというふうに思いますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(斉藤斗志二君) 田村委員、大変お詳しいのでございますが、このたびの即応予備自衛官の導入についてはぜひとも促進をしたいというふうに思っております。 御指摘の中で、矛盾であるとか価値観が違うとか二律背反でないかとか、イエスかノーかでないかというようなニュアンスで私は聞いたのでありますが、この制度は両立をするんじゃないかという考え方を持っておりまして、特に多様な事態に対して適切な弾力性を確保しなきゃならないという時代的背景もございますので、これを導入させていただきたいと思っております。ただ御指摘の、個人事業者が採用の対象にならないし、また支給の対象にならない等々のお話につきましては、制度としてまだ未熟だというふうに感じたところがございますので、より整備に努めていきたいというふうに思います。
○田村秀昭君 終わります。
○佐藤道夫君 私は、外務大臣に機密費の問題についてお尋ねいたします。 きょう午前中、同僚議員の質疑で、情報公開法ができ上がったらば機密費に関する情報も公開するのか、こういう御質問に対して、一概には言えない、ケース・バイ・ケースだと、個別的案件にもよるんだと、こういう御回答でしたが、それでよろしいわけでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) これはもう繰り返し申し上げておりますが、報償費の性格からいいまして、外務省報償費は情報収集及び諸外国との外交交渉、あるいは外交関係を有利に展開するために使用しておりますことから、具体的な使途を公表することが行政の円滑な遂行に重大な支障を生じると考えられるために、本来公表すべき性格のものではないというのが基本的な考え方でございます。
○佐藤道夫君 午前中は、しかし、個別的案件によると、ケース・バイ・ケースだということをはっきりおっしゃったでしょう。私、聞いておりましたよ。何か違うんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 情報公開法第二条第二項の行政文書に該当するものにつきましては、同法が適用されると承知をしております。同法に基づき外務省に対して開示請求がなされた場合には、同法の規定に従って個別に判断をすることとなります。 他方、先ほど申し上げましたが、これまで御説明を申し上げましたとおり、外務省報償費は情報収集及び諸外国との関係等がございまして重大な支障があると考えられるために、本来公表すべき性格のものではないというふうに私どもは一般的に考えております。
○佐藤道夫君 どうもよくわかりませんが、しかし今までの国会の議論などで、例えばということで旅費の差額、総理大臣とか外務大臣に随行する職員の旅費の差額をこれで賄っている、これはやむを得ないことだと、こういうこともありましたし、土産代、これまた総理大臣や外務大臣が外遊する際に向こうの首脳陣に対してお土産を持っていく、これも機密費で賄っておりますると。こういうことがもう既定の事実のように議論されておりまして、それはそれかと、こういうことだったんですけれども、この関係の情報も開示しないんですか。
○国務大臣(河野洋平君) 予算委員会で官房長官から、差額等につきまして具体的な金額についても御説明がございましたが、この金額についての官房長官の御説明は、今回の事件にかんがみての御説明だというふうに承知をしておりまして、一般的に、例えば同じようなものではないかという御指摘があったとしても、そこまで開示ができるかどうかはまさに個別的に考える必要があると思っています。
○佐藤道夫君 これまたますますはっきりしなくなるんですが、しかしいずれにいたしましても、その差額、これなんかは本来旅費法を改正してきちっと支給すべきものなんですね。何も隠し立ててこそこそとこれを持っていけよという性質のものじゃないので、機密費から出していること自身がむしろ問題ではないか。 それから、あなたが外遊の際に持っていかれる土産代だって、国民の前にきちっと向こうの外務大臣にこういうものを持っていくんだということを説明すれば、国民だって、そうだ、それぐらいは必要だ、河野さん頑張ってほしいよと、こう言うでしょう。そんなものを機密費でこそこそ出そうとすること自身がおかしいんですけれども、出した以上は仕方がないんだけれども、それはきちっと開示すべきでしょう、公開すべきでしょう、要求があったら。何で隠すんですか、そんなものを。
○国務大臣(河野洋平君) 議員が御指摘になりました前段、こういったものは本来旅費できちんと賄うべきものではないかという御指摘は全くそのとおりでございまして、昨年からすべて旅費法が改正されまして、全部新しい旅費法でそれらは賄われておりますので、この問題は現在はございません。 それから、土産代という具体的なことを例に挙げられましたけれども、これは一般論、例として申し上げることでございますが、もし土産代の金額を公表するということになると、あの人に持っていった土産は幾らだった、この人に持っていった土産は幾らじゃないか、この人には幾らの土産をやったかというようなことまで探られる、言われることもあるわけでございまして、それでは土産の値打ちがなくなってしまうと。 これはまさに一般論を申し上げているのであって、土産代に報償費を使ったということを申し上げているのではございませんが、そんなことから具体的に申し上げることをお許しいただきたいというのが説明でございます。
○佐藤道夫君 現にそうやっているから今、例としてお挙げになったんでしょう。それしか考えようがありませんが、しかし、必要があってこういうふうに差をつけたんだと説明すればわかる話でしょう。あるいは、もし問題だと思えば均一にしてしまってもいいわけです、アメリカとどこかその辺の国と同じにしたっていいわけですからね。 何もそんなに隠してこそこそやるから、みんながおかしいおかしいと、機密費を勝手に使っているんじゃないか、土産代なんというのはもう単なる名目で、本当は大使の私物を買っているんだろうとか、いろんなことを言うわけです、国民は。ですから、可能な限り国民の前に明らかにすると。今の土産代だって当然そういうことなんですよ。そういう性質で、何もおかしいことはないと思うんです、あなたは笑っておられるけれどもね。どうしてそういうふうに隠れてこそこそ動こうとするのか。これが長い間の外務省のむしろ伝統みたいになっているんじゃないですか。 今や二十一世紀ですから、それじゃ少なくとも機密費の項目、これとこれとこれと項目ぐらいは抽象的に言っていただければ、国民もああそういうことに使っているのかと。具体的にこれに使った、あれに使った、いつ何どきアメリカに行ったときにこう使ったと、そこまでは必要ないんですけれども、大使、在外公館が情報収集費としてこういうことで使っているとか、そういうことは、それぐらいは民主主義国家で明らかにすべきでしょう。当然のことだと思いますよ。いかがでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 報償費については、まず本省分と在外公館分は分けて御説明ができます。 それから、私、予算委員会で繰り返し申し上げてまいりました中で御説明を申し上げてきたものに、例えば情報収集のために必要なものというものがあると思います。それから、国際関係をスムーズに円滑に進めるためのものというのがあると思います。それから、国際的な議論あるいは国際会議における問題を有利に進めるためにということもあり得ると思います。これらは私が今ここで考え得ることを申し上げただけで、どうも佐藤議員に言うと、おまえ、言ったのはそうだろうとすぐ言われるので、もう全く一般論、先ほどのものも一般論でございますし、今のも一般論として申し上げたわけですが、そういうことは御説明をすることがあるいは可能かもしれません。
○佐藤道夫君 一度外務省として、国民が重大な関心を持ってこの問題を見守っているわけですから、機密費とはこういうものだと、その項目としてはこういうもの、こういうもの、こういうものがあるんだと。例えるとすればこういうことに、かつて大臣が行った際、総理大臣がアメリカに行った際に百万円相当の土産を当時の大統領にやったとか、そういうことを具体的にわかりやすく解説をしたらどうでしょうか。国民の信頼にこたえるにはもうそれしかないと思うんです。こういう抽象論を幾らやり合ってみましても国民は納得しないと思うんです。そういう時期だと思うんですけれどもね。しかも、何度も言いますけれども、二十一世紀ですから、もう暗やみでごそごそ動くのはやめてほしいと思いますよ。 それから今、警察が詐欺罪で捜査をしております、松尾元室長につきまして。それから、外務省は横領罪で告発をして、この件についても警察がやはり必要な捜査をしておる、こう思います。 これから何カ月かかるのかわかりませんけれども、警察の捜査がまとまりまして裁判にも付されることになると思いますが、その段階まで至りましたら、彼が横領したあるいは詐欺した金額というのはほぼ明らかになるわけでありまするから、それはぜひとも来年度の機密費の予算から削除すべきではないのかと。それがなくたって日本の国は別につぶれなかったわけですから。彼はしきりにそれでもって競走馬を買っていたようですけれども。 本来なら情報収集に充てられるべき費用だったんでしょうけれども、それで情報を収集しなくたって、今も言いました、日本は安全だったんですからね。当然のこととして予算から削減をして、やっぱり必要ならば改めて予算を請求してきちっと対応すればいいわけですから。何かだまされたな、おれは被害者だと、被害者を装うのもいいんですけれども、それぐらいのことはしかし国民の前できちっとけじめをつけるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) 議員はもう十分御承知の上での御質問でございます、御指摘でございますから、重ねて申し上げるのもどうかと思いますが、現在、詐取された公金は官房の報償費でございまして、外務省の報償費ではないのでございます。したがって、これは情報収集のために、外務省として情報収集のためにいただいた予算ではございません。しかし、官房の報償費であるということはほぼ間違いのないことになってきております。 それと、もう一つ申し上げておかなければなりませんことは、これは昨年度の問題ではございません。もうかなり年月はたっております。つまり、元室長のこうした事件は六年間にわたってなされたものでございます。ちっとも自慢になることじゃございませんから余り申し上げたくありませんけれども、御説明でございますから申し上げれば、六年にわたり、そしてまた松尾元室長が室長をやめてから既に何年かの時間がたっておりまして、つまり、本来使われていないものだからことし減らせというものとは少し違うというふうに御理解をいただきたいと思うんです。
○佐藤道夫君 極めて単純なことなんですけれども、数年前に本来減らすべきやつを減らさなかったと。それで、その次も次もいろいろ予算をとっていたわけですからそれぐらいはまとめて減らしなさいよと、こういうことをわかりやすく言っているつもりなんですけれども、おわかりになりませんかね、おかしいなと思うんですが。 ぜひともこの問題を閣議に持ち出して、反省の色を示すためにも、外務省のあれであるかこっちの方であるか、そんなことはどうでもいいんです。この機密費なるものから予算はしばらく削減しよう、それで国民の前に反省をする姿勢を示そうと、そういうぐらいはひとつ閣議で申し合わせをしてやってみてください、お願いいたします。むしろお願いでございます、これは。 それから、松尾室長なる者が一人で長期にわたってあれだけの金を動かしていた、大変不思議なんです、会計法則上。金を保管する者と支出する者、使用する者が同一人物だ、こんなばかなことは会計法則ありませんよ。たとえ機密費であっても、どこの役所だってきちっと、保管する者とそれを使用する者とは別人格であって、それを監視する者がおって、きちっと書面をつくって、機密費が必要だという人は会計に請求をする。会計がそれを文書をきちっと調べ上げて、そしてこれなら支出しようということで出す。使った場合は使った場合で、きちっとまた会計にこういうことで使いましたと領収書を添える。領収書がないときは使途明細を明らかにして報告をする。そして一年に何回となく上司がそれを決裁する。その都度決裁もするんですけれども、監査も入ると。 そういうことで、たとえ外部には出せない機密費であっても、機密費であるからこそそういう使途については厳格な厳重な会計検査が入っている、会計法則が適用されているわけですけれども、それ一切ないんでしょう、外務省は。ですから何年にもわたってあの不正を発見できなかったと。こんなばかげたことはないんですよ。きちっとした会計法則に従っておればそもそも起きないケースだったんですから。一人にあんなことをやらせておいたなんということはもう信用できない、信じられないことなんですよ。 外務大臣は二回、その当時、今も含めて外務大臣を務めておられて何か反省するところがあるんだろうと思いますので、どうか存分のありったけで結構ですから、余りないと思いますけれども、お話しいただければと思います。
○国務大臣(河野洋平君) 外務省としては、こうした職員がこうした事件を引き起こしましたことを大変申しわけなく思っております。 私は、外務省職員を信じておりまして、これは明らかに一人の人間の起こした事件、つまり一人の人間が見積もりを書き上げ、官房から金を預かり、一人で支払い、そして一人で精算書を出すということが何年かにわたってなされたと。しかも、それを周りで見ていた者あるいは監督すべき立場にあった者が監督し切れなかったということでございますから、外務省としてもその責任は極めて重いというふうに考えております。 このことによって、納税者の方々には多大の、税金を私的なものに費消させたということにおわびを申し上げなければなりませんし、さらには、外交に対する信頼を著しく失墜したということについて心からおわびを申し上げたいと思います。
○佐藤道夫君 では、終わります。
○委員長(服部三男雄君) 以上をもちまして、平成十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち防衛本庁及び防衛施設庁並びに外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(服部三男雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会