予算委員会 第2号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2001/02/08
会議録
○野呂田委員長 これより会議を開きます。 平成十三年度一般会計予算、平成十三年度特別会計予算、平成十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長五十嵐忠行君、法務省刑事局長古田佑紀君、外務大臣官房長事務代理飯村豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野呂田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○野呂田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。亀井静香君。
○亀井(静)委員 総理、お疲れじゃないですか。一部の心ないマスコミや野党、また時々は与党の中の一部からも、はしの上げおろしまでああだこうだと言われる中で、総理は東奔西走、本当に私はお疲れのことだと思います。 しかし、国民は見ていますよ。先日といいますか、直近の共同通信の世論調査では、総理の支持率が五%以上ばっと上がりましたね。自民党の支持率も上がっております。民主党の支持率が下がっておりますが、まことに御同慶の至りであります。 いよいよ総理の力強い——ちょっと余りむだ話しないで、こっちを向いてください。総理の本当に力強いお力で二十一世紀の扉が開かれました。この二十一世紀が日本にとって、世界にとって輝かしい世紀になるのかどうか、私はこの三、四年が勝負だ、このように思います。そういう意味で、そういうめぐり合わせに総理の座につかれた総理の責任というのは極めて重大だ、このように思います。 翻ってみますと、十九世紀においては、欧米の植民地勢力がアジアに対し猛烈な侵略をしてまいりました。その中で日本は、圧倒的な軍事力に対して、まあいえば二本差しで対抗して独立を守ることができました。そして、約五十年でもう近代国家の仲間入りをするという、世界の歴史の中でも奇跡とも言ってもいい、我々は、先人はその業績をなし得たと私は思います。 ところが、すべてはうまくいかぬものでして、軍国主義的な傾向が非常に強くなって、軍部が政治を壟断し、ナチス・ドイツあるいはイタリアと結ぶというような全く間違った選択の中で、悲劇的な結果を迎えることになりました。しかし、その廃墟の中から、日本は不死鳥のごとく、勝ったアメリカを十年前には越す実質的な世界一の経済大国までなった。これもまた私は世界の歴史の中で奇跡的な業績だ、このように思います。 こうした我が日本民族は、二十一世紀においてもうどうにも見通しが立たない、そうした悲観的な気持ちになる必要は私は全然ないと思います。我々が力を合わせていけば、この二十一世紀をきっちりとしたものにしていける、そうした自信と確信を持つべきだと思います。今は、どっちかといいますと自虐的な悲観論が世の中を覆っておるわけでありますけれども、我々は、国家というのはやはり永遠に続いていくわけであります、そうした生命体の中で現在の日本を見るという視点が私はどうしても必要ではないか、このように思うわけであります。 今、総理御承知のように、アメリカの景気が予想以上に減退しております。これは私は、日本にとっても極めて深刻だと思います。ただ、今まで、アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪を引いてもしようがないんだという、そんなあきらめのようなムードもなかったわけではありません。しかし、私は、これは間違いだと思うんです。アメリカが世界を引っ張っていく、そういう状況になくなった場合は、それにかわって我が国がそれを果たしていく、そうした気概と責任を持たなければならないと私は思うわけでありますけれども、総理、そのあたりの御決意をまずお聞かせいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 御激励をいただきまして大変恐縮に存じておりますし、また、得がたき友人であります亀井さん、いろいろと私のことも御心配をいただいております。 率直に申し上げて、マスコミ等に出ます支持率とか不支持率というのは、これはやはり十二分に謙虚にこれを受けとめて参考にしなきゃなりませんけれども、政治はやはり結果だと思っておりますから、できる限りの努力をして、そして、今亀井さんからいろいろお話がございましたように、将来に対して、また短期的に言えばこの新しい一年にどういう政治的な責任が果たし得るかということを常に考えながら、今微力を尽くしているところでございます。 過去の我が国の歴史から今問いただされましたけれども、私もあなたも大変師事をして御指導いただいた福田元総理は、御生存のときによく言われた言葉が、この二十世紀というのは随分むだな戦いをたくさんやったな、人間というのは利口なようで愚かだ、また愚かなようだけれども利口だと。 しかし、この百年を振り返ってみると、大きな戦争を二度もやり、そしてまた絶え間なく地域紛争、民族闘争がある。こういう人間と人間が争い合うということは実に愚かなことだけれども、しかし一方では、人間の英知で科学技術が発達をして、そのことが、先ほど二本差しとおっしゃいましたけれども、大量殺りく兵器にまでいくわけです。 しかし、お互いに大量殺りく兵器をつくっても、これは使ってはいかぬということをまたみんなが理解をするようになる。その大きな犠牲を払ったのは日本だと思います。広島、長崎、この原子爆弾の投下によって広島や長崎の皆さんの大変大きな犠牲があった。そのことは生涯我々は忘れてはならないし、しかもまた、外国の要人、外国のお客様が日本に来ると必ず広島を訪れられる。それをまた世界全体も、こうした大量殺りく兵器というものを使用してはいけない、そういう世界じゅうの人々の心の戒めだろう、そう思います。そういう意味で、愚かであり、また利口であるということにもなるのかなと思います。 同時にまた、科学技術が発達をし、経済が豊かになって、そのことは、国民生活すべてで豊かに快適な、そういう環境を享受することができたわけですけれども、経済が発展をすればするほど、逆に言えばまた大量生産、大量消費、大量廃棄という問題になり、結果的にやはり自然を侵すことになった。 結局、この百年というのは、いいこともやったけれども、また人間の生命のみならず地球環境すべての生命にまで影響を与えるようなことをやった。その反省の中に、新しい二十一世紀はどうあるべきかということをみんなで考え合わせ、そして、日本のみならず世界全体が協力をして、二十一世紀は本当に戦いのない、そして平和な時代をつくり上げていく。そのためには、やはり今のこの経済、今の豊かな社会生活というものを、いずれにしてもこれは維持をしていかなければならぬわけでありますから、当然、健全なる経済の営みは行われていかなければならぬし、今指摘がありましたように、アメリカがその牽引車的役割を果たしていったということであれば、日本もまた経済的な責任を果たして、国際社会における貢献をしていくということも大事かな、こう思っております。 そういう意味で、まさに二十世紀の反省の上に立って、もっと言えば、十九世紀、二十世紀の反省の上に立って新しい二十一世紀を構築していくことが、我々政治家の努めであると思います。 長い何千年の歴史ですから、その中でお互いに、我々は長く生きても七十年、八十年、九十年の人生ですから、長い悠久の歴史の中でほんのわずか百年の間、我々が何をできるか、何を将来に残し得るか、常々そういうことを考えながら、政治家としての行動をしていかなければならぬし、特に政府は、二十一世紀のスタートに当たって、今おっしゃったように、最初が大事だ。私は演説の中でも、最初の十年が大事な二十一世紀の入り口ではないか、こう申し上げて、そういうことを一つの視野に入れながら、国民が求めておられる政策課題を着実に実現していく努力をすべきだ、このように考えております。
○亀井(静)委員 ありがとうございました。 二十一世紀初頭のこの予算委員会で、総理が静かな口調の中で大変な決意を述べられておる、このように思います。力強く思うわけであります。 そうした世界に対する責任を果たしていかれる上においては、やはり我が国の社会をどういう社会にしたらいいのかという、そうしたあるべき国家像、社会像のようなものを当然お持ちでございましょうから、お伺いをしたいと思いますけれども、総理、敗戦直後の状況、何にもなかった、大変な状況だったのですけれども、今はまだ景気がよくないといいましても、銀座のこじきにも糖尿病、そう言われるような、食べることには困らない、そういう状況の中で、豊かさの中で、本当に我々が幸せになっておるのだろうかという基本的な問題が私は問われておると思います。人間はパンのみに生きるにあらずということを言われますが、今こそ我々の意識の中にそういうことが強く生まれてきているんではないかなと私は思います。 総理や、私どもの幹事長もよく言われるわけでありますが、二十一世紀は心の世紀だということをおっしゃいます。まさにそうだと思います。この十三年度予算で、総理の強いリーダーシップのもとで文化振興予算が千五百億つけられました。これは、まさに画期的なことであります。 オーケストラの楽団員も本当に安い給料でしか働けない。共働きとかアルバイトをしてやっておられる。そういう状況に対して思い切ったてこ入れをしようということで、今度、群馬交響楽団だとか広島交響楽団等、年間一億円の助成金を出せることになりました。また、お神楽だとか太鼓、年間所得が二百万程度の農家の青年が太鼓の会を持続しようと思ってもなかなかできない。また、踊りや民謡、そういう趣味の会、そういうものがもっともっと活性化するために。また、これは石原都知事が提案されまして、文化庁にお願いをしておりますけれども、日本のすぐれた文学が外国に余り今紹介をされていかない。そういうことに対して、この総理のおつくりになった千五百億の予算の中から出していこうというような、私は、見事な対策を予算の中でもなされた、このように思います。 将来像として、私は総理とそういう意味でもよく気が合うわけでありますが、生活の利便性、それは新幹線も大事です、道路も大事です、あるいは我々の所得が高くなっていくことも大事です。しかし、やはりそれだけでは本当の意味の豊かな社会とは言えない。芸術や文化、スポーツ、これが産業と融合したような、もっともっとゆったりとしたたおやかな社会、そういうものを目指すべきではないかな、私はこのように思うわけでありますけれども、総理、簡潔で結構でございますから、お答えをいただきたいと思います。
○森内閣総理大臣 人々の生活は、高くを望めばこれは際限がないものだと思いますが、やはりゆとりができてくれば書物も読みますし、あるいはミュージカルを見、歌舞伎を見、あるいは音楽を聞く、これは極めて人間としての本質的なものだろう、私はそう思います。 ここにも田中さんや栗原さん、新潟県の方がいらっしゃいますが、東京で外国のすばらしいミュージカルやシンフォニーをやると、前売り券が新潟とか仙台で売れるのだそうです、物すごく。それはやはり新幹線なんです。それで東京へ行って見られる、それで真っすぐ帰れるのです。ですから、そういう意味からいうと、人々はどこの人たちも、そうした高度な芸術を皆やはり求めているのですね。 ですから、そういうことを考えていきますと、今亀井さん指摘があった、群馬交響楽団でありますとか、東京シンフォニーもそうでしょうしN響などもそうでしょうけれども、皆それぞれやはり、商売という、営みというよりも、自分の趣味を生涯これに貫いていこうという姿勢ですね。それに対してはでき得る限りの、個人個人にどうこうするということはできなくても、チームとして何かをしてあげるということができることがやはり豊かな文化政策だろうと思う。 それから、広島もそうでしょうし私どもの石川県もそうですし、地方にはまだ地方に根づいた文化がいろいろある。そういうものも、年々こうして豊かになっていけば、特にまた地方再発見ということから、私の郷里でも子供の歌舞伎というのが非常に盛んでして、これは勧進帳があったということもあるのでしょうけれども、市川団十郎さんなども時々来て子供たちを指導してくれるのです。日本じゅうにそういう子供歌舞伎がたくさんあって、そういう人たちが来て歌舞伎サミットみたいなことをやっている。これはまた地方の一つの大きなエネルギーだろうと思うのです。 やはりそういうことに対しても、個々にはできなくても、そういう催しに対して何ができるのか。それから、歌舞伎一つにしても、地方に持っているそういう道具や衣装がある。なかなかそう簡単に買えるものではない。そういうものを保存してあげることを、やはり何か、地方自治体や国がお手伝いをしてあげるというようなことを考えていけば、今お話しのとおり、本当に国が栄えていくということは文化を大事にしていくことだろう、こう思います。 まさに二十一世紀社会というのは、国際社会の中にあっても文化というものを非常に大事にしていく、お互いにそのことをいい意味で競争し合っていくという時代ではないかというふうに思いますので、そうした政策に十分、今お褒めをいただきましたが、まだまだ私は不足だろうと思います、そういう意味で、また一層、党の方でも御支援をいただければというふうに思っております。
○亀井(静)委員 総理のそうした国家社会づくりのために、今まさに、国家の仕組み、社会の仕組みを含めて改革に取り組んでおられるわけであります。省庁の歴史的な再編、これは橋本行革相がおやりになられたことでありますが、今は、みずからその任に当たってそれを完結されようとしておられるわけでもありますけれども。 あるいは地方分権、あるいは規制改革、教育改革、そういう万般の改革に精力的に取り組んでおられるわけでありますが、総理、ここは明治新政府のやったようなあの大改革、またGHQが敗戦直後にやった、占領軍による改革でありますけれども、その改革を超える革命的改革を万般にわたっておやりにならなければ、日本にとって二十一世紀はないと私は思います。ちまちましたものじゃだめですね。例えば道州制の導入を含めて、国家の骨組みそのものまで変えていくという大胆な取り組みが必要だ、私はこのように思います。 時間がございませんので、一言でいいですから、ちょっとお答えください。
○森内閣総理大臣 よく言われることですが、改革は本当に厳しいものですね、その当事者たちにとって。私は、あえてこの内閣に橋本先生を行革担当にお願いをしたのは、やはりこの中央省庁、これだけの大改革ができるというのは、口では簡単に言えますが、これは大変なエネルギーがなければでき得なかったことだと思うし、与野党を通じて国会の皆さんにも大変な御協力をいただいたことだと思います。私は、外国に参りましたときも、また先般もダボスへ参りましたが、二十二、三あったものが十二になるんですよと。その数字だけでもやはり皆さんは大変な驚異で見ていただけるわけであります。 しかし、問題は、そのつくったときの精神をまた一年も過ぎるとみんな忘れてしまう。そういう意味では、どういうねらいがあったのか、何をこれからさらにしていかなければならぬのかということを考えますと、行革に重きを置きたいということで私は橋本先生にお願いをして、あなたがリードしてつくられたものですから、これをいよいよ実行していくときには、もう一度あなたのエネルギーが必要だと私は思いますよ、こうお願いを申し上げたわけです。 まさにそういう意味で、今度は地方分権も含める、いずれにしても、道州制ということは、これも絶え間なく言われてきた今日までの一つのまた努力目標かもしれません。地方にとって、今度は町村合併をするということも、これもなかなか大変なことでありますが、次第次第にそういう空気は地方にも醸し出されてきていると私は思うし、みんなでいろいろな議論をしてみることが必要だろうと思いますから、若干時間的余裕を持っておりますけれども、そういう今亀井政調会長のおっしゃるような方向に私はだんだん近づいていくのではないか、そのためにまた政府も努力をしていかなければならぬのではないかというふうに思います。
○亀井(静)委員 今総理が決意を述べられました大改革をなし遂げるには、何といいましても、やはり経済的基盤がなければ達成できないと私は思います。そういう意味では、我が国経済が安定成長軌道に確実に乗っていくということがなければ、何を思い描いても結局は絵にかいたもちになってしまう。野党の中にも無責任に、経済がまだまだ低迷している、光が見えてきましたけれども、そういう状況でもあるにもかかわらず、もう景気対策はどうでもいい、六百六十兆の借銭を返せみたいな議論が横行しておりますけれども、私は、これは基本的に間違っておると思います。 我々は、二十一世紀に突入するに当たって、先人の大変な努力の結果、もう千四百兆を超えようとするような、世界の人たちの預金の六割を我が日本人が持っておるというようなこと、また、外貨準備高も三千五百億ドルをまさに超えようかというような、そんな高水準に推移をしている。国家としては、これは基本的な財産であります。世界の国から見れば、本当にうらやむような財産を持って我々は突入したということを忘れてはならないと思う。それをいかに活用して——現在の国民所得を現在の水準に置いたままで将来を見通すのはおかしい。 私はここで財務大臣がいらっしゃるからちょっと申し上げにくいわけでありますが、中期経済見通しを見ましても、経済が本来あるべき成長の姿を想定しないで、現状を固定した中で、我が国の財政がどう悪化する、こう悪化するという結論を出しておりますが、私はこれは間違いだと思います。これだけの基本財産を持って、三、四%の成長を安定的に将来遂げ得ないことはありません。もしできないとすれば、それは我々政治家が怠慢である結果そうなることだ、このように思うわけです。 その中で、六百六十兆の財政赤字は時間をかけて解消していけばいい話。これは、別にアメリカや中国から金を借りているわけじゃない。国民と政府との関係、もっと言えば金融機関と政府との関係であります。金融機関に対しては公的資金を一方では投入をしておるわけでありますから、そういう中での貸し借りの話になっておるんですね。 そうした状況の中で我々がやるべきことは、経済を確実に安定的に成長をさせて、それで財政再建をその中で図っていくということが現実的な方法であって、不景気な状況の中でやることは、神様がやったってこれはできないことだ、私はこのように思います。 この点は、総理も全く同じお考えのもとで平成十二年度の補正予算も十一兆規模をおやりになり、十三年度についても、そうした我が国の経済を自律回復軌道に乗せるためのきっちりとした手を打って、かつ二十一世紀につながっていく予算を組まれたということでありますから、私は、要は今から、財政的に言えば、この執行だと思いますね。 私は、役人の一つの弊害といいますか通弊としてあるのは、予算を確保するまでは夢中になるんです、一生懸命、省を挙げて。ところが、予算が決まったところ、執行については、もう知らぬ顔をしておるとまでは言いませんけれども、余りもう関心がなくなっちゃうんですね。私はこれは間違いだと思います。やはり執行残が残ることのないように適時適切に有効な予算の執行ということを、今後政府は心がけていただかなければならない。特に補正予算の執行を、今一—三月でありますが、これあたりについて私はきっちりとやっていただきたいと思います。 もう時間が余りございませんので続いて申し上げますが、今、これだけ財政出動を次から次やりながら、なぜ景気が六合目か七合目にしか来ていないかという大きな原因というのは、やはり残念ながら金融政策にあると私は思います。 残念ながら、金融庁、もう相沢大臣等必死の努力をしてくれているんですが、私は、金融庁の幹部——失礼しました。名前が似ているから間違えた。柳澤大臣。大臣、失礼しました。悪く思わぬでね。柳澤大臣も努力してくれたのはよくわかる。また、幹部を呼びまして一生懸命やっていると言うんだけれども、今、簡単に言うと、不良貸付をやるような度胸のいいバンクマンというのはおりませんよ。それを、とにかく検査官が入っていって、東京三菱銀行や住友銀行に対するのと同じ物差しで、外国で資金調達をするわけでもない、信用金庫、信用組合、地銀等に対して同じ物差しで。ただ、これは柳澤大臣なんかもおっしゃるんです。ちゃんとそれぞれの地域の事情とか個別事情を勘案をしてやっていますとおっしゃるんですけれども、しかし、やはり検査官から受ける金融機関としては、もう震え上がっちゃうんですね。 そういうことの中で、貸し渋りどころか資金回収に走っているというのが今の実態ですよ。これをどうするかということ。これを解決しない限りは、財政出動をいかにやってみたところで景気はよくなっていかないと私は思います。大変御苦労いただいていることはよくわかりますけれども、ぜひひとつ、この点について力を入れていただきたいと思います。 きょう日銀はおいでいただいておりませんが、日銀、ゼロ金利政策を、私もまだ早いと言ったわけでありますけれども、政府の中でもそういう声も強かったわけでありますが、あえて強行といいますか、おやりになりました。これは日銀の独自性ですから、それは結構でしょう。しかし、当時の日銀の経済の見通しが政府の見通しよりかうんと楽観的であったことは事実であります。 そうした状況の推移の中で、デフレと言ってもいいような状況が今ずっと推移していますね。そういう中で金融政策を、やはり独自性があるといったって、耳を長くして、目をかっと見開いて適時適切な対応をされなければならないと私は思います。買いオペ等の措置、いろいろ手段はあるわけでありますから、量的な緩和、また短期金利をさらに低くしていくというようなことも、これはやれないわけじゃないんですね。何も、宣言をしなくたってやれる、実質的に。そういうようなことを日銀がこの際やらなければ、政府が財政出動だけやって景気対策をやったところで片手落ちになってしまう危険性を私は強く感じております。 ただ、これは財務大臣からもなかなか日銀に対して申されにくいことだと私は思いますけれども、ぜひこのあたりのことも、政府としてもいろいろな形で日銀に対してそうした考え方があることを参考としてお伝えいただきたい、このように私は思うわけであります。 いろいろと経済政策について申し上げましたけれども、要は、財政政策と金融政策、両輪がうまくマッチしていく必要がある、それがちょっと今若干のそごが来ておるんじゃないかということを私は心配しておるわけであります。このことにつきまして、柳澤大臣、お願いします。
○柳澤国務大臣 亀井政調会長の方から金融行政とマクロの金融政策の両面にわたったお話がありましたけれども、私からは、金融行政の点からのお答えと申しますか、考え方を申し上げたいと思います。 金融検査マニュアルが制定されまして、現在はもちろんそれにのっとって金融機関の検査が行われているわけでございますけれども、これがともすれば画一に流れているんじゃないか、また、厳格性、厳正性という点においても、やや硬直的な厳正性ではないかというようなことも私の耳にも実は入っているわけでございます。 しかし、実際に検査マニュアルに書いてあることはどういうことかといいますと、これは耳にたこなんておっしゃるかもしれませんけれども、そういう画一的な適用はいけないんだ、よく周囲の状況を見てベストの検査をしなさいということが書いてある。そのきわみが、同じようなことがされていなくても、その債権についての手当てがその銀行独自の考え方に基づくものであっても、それが同じような機能を果たしているというものについてはこれを認めなさい、そこまで書いてあるわけでございます。 したがって、書いてあることからすれば、恐らくいつもかなりいいものができているということに考えられるわけですが、問題はその実行が行われているかどうかという点なんですね。 この点については、率直に言って、すべて皆さんベストを尽くしてもらっているんですけれども、何といっても金融検査のマンパワーというものがここへ来て急に膨れているということでありまして、本当に、これからは質を上げていかなきゃいけないということが望まれているということは認めざるを得ないと思うんですね。研修も懸命にやっております、それからまた指導も懸命にやっておりますので、徐々にそのあたりのことは徹底していくであろう、このように考えております。 それから、検査のほかに、リスクをとった貸し付けができないのではないかというようなお話もございましたけれども、これは、やはり金融機関である限り、ある程度のリスクをとって、その経営者を見込んで貸し付けていくというような態度も当然なければならないわけであります。ただ、そういう貸し付けをするに当たっては、かなりこっちにリスクをとれるだけの力がないといけない。今日本の金融機関には残念ながらそこまでの力がないということでありますので、私は、もっと力を蓄えるように、収益力を上げるように、こういうことを今盛んに呼びかけているわけであります。 ただ、もう一つだけ申させていただきますと、では貸し渋りが起こっているかということについては、回収に走っているようだというようなお話もありましたけれども、今中小企業者が金融機関の貸し出し態度を判断している評価はそう厳しいものではない、むしろ緩やかだというのが統計の教えているところだということもちょっと指摘をさせていただきたい、このように思います。
○亀井(静)委員 柳澤大臣、あなたは、もうあなたしかいないということで総理が白羽の矢を立てて登用されたわけでありますから、ぜひひとつ、らつ腕を振るっていただきたいと思います。 さらにちょっと検査に付言しますと、不良貸し付けがないかどうか、財務体質がどうかということももちろん検査の対象なんだけれども、貸すべきところに貸していないということも私は検査の対象だと思う。貸し出しをちゃんとやっているかということについても検査の対象として私はやっていただきたい、このように思います。 それと、経済に対して、残念ながらやはり証券市場が影響を与えることは否めない事実であります。もちろん、個々の株価の動きは個々の企業の収益、いろいろな将来性によって決まることでありますから、これについて政府とか政治がどうこう言うことではありません。しかし、経済の実態と乖離をした、市場全体がそうした動きをしていっておる場合、しかも相当の長期間そういうことをやっておる場合、個人投資家が市場からどんどん逃げ出しておるような状況がある場合には、やはりその市場の仕組みとか税制を含めて、これをきちっと、ノーマルな動きをするように直していくのが、攪乱要因を除去するのが、私は政治の責任だと思います。 自由市場だといいましても、野蛮人が勝手に物々交換をしておるのと違うのですね、市場というのは。これは法律によってつくられた市場でありますから、その仕組みそのものにもし問題があるとすれば、私は、それを直していくのが当たり前だと思う。 現在、連立三党で、証券市場活性化についての、連日大変な検討をしております。きょうじゅうぐらいには一応原案をつくって、明日総理のところへ中間報告して、総理から、ここはまだだめだ、こうやる余地があるんじゃないかという御指摘、御指導をひとついただきまして、それを持ち帰って、今週中ぐらいにできるだけ、夜を徹してでも三党としての最終案をまとめて、政府にお渡しをしたいと思いますので、総理、ぜひひとつ、そういう今後のプロセスの中で、政府としてきっちりとした対応をお願いいたしたいと思います。 時間があれでございますので先に進みますが、次に、安全保障の問題について、ちょっとお伺いをいたします。 国家にとって、経済も大事ですけれども、やはり安全保障にすぐる大事なことはありません。しかし、国を守るのに一番何が大事かというと、国と国との間の友好関係を増進すること、これにまさる安全保障はないと私は思います。しかしながら、不測の事態に備えるということは万全を期さなければならないと思います。 そのことについて申し上げますが、世界の、まあ国連加盟国を含めて二百近い国があるのですか、それで、国防を担っている役所がエージェンシーというような国はあるのでしょうか。防衛庁長官、お願いします。簡単で結構です。
○斉藤国務大臣 お答えいたします。 エージェンシー、防衛庁という、英語で御説明されましたが、世界の主要のほとんどの国は、デパートメント、省という名前を使っております。
○亀井(静)委員 これは省庁再編のときにも、我が党においてもそうすべきだという強い議論もございました。政府の中にもございましたが、このたびの発足に当たっては、残念ながらまだ庁のままであります。 なぜ省にしたら支障があるのか、私はさっぱりわからぬわけでございまして、それで軍事力が強化されるわけでもございませんし、我が国の専守防衛の方針が変わるわけでもありません。これについて、私は、政府として前向きといいますか、直ちに省昇格のための措置をとっていただきたい。防衛庁長官、もう一度。
○斉藤国務大臣 省への昇格というお話をいただきましたが、現在議論をしていただいているところでございまして、政治の場にもゆだねなければならないという感がいたしますが、私としては、ぜひとも一日も早く省への昇格をお願いしたいと思っております。
○亀井(静)委員 次に、有事法制整備をしたいという総理のお話がございました。私は、当然のことだと思います。 これは、どちらかといいますと、人権派の方から有事立法すべしだという声が上がるべき性格のものだと思います。 我が国が侵略を受けた場合、あるいは治安出動した場合、そうした自衛権の行使等の中で国民の権利がいたずらに緊急避難ということでじゅうりんされてはならない、守られるべき権利はきちっと守られていかなければならない、そのあたりを平時のうちからきっちりとしておこうということでありますから、私は、人権を有事において守るという観点からも、積極的なお取り組みをいただかなければならない、このように考えておりますが、簡単で結構です、防衛庁長官。
○斉藤国務大臣 さきの施政方針演説でも、森総理の中から、有事法制の整備については与党のプロジェクトチームの考えを受けとめてこれを検討していくというお話をいただきました。 私といたしましては、一歩を踏み込んでいただいたというふうに思っておりまして、国民の生命財産を守るという観点でぜひとも推進していきたいと思っております。
○亀井(静)委員 次に、集団的自衛権の行使の問題についてお尋ねをいたします。 今までの政府答弁では、集団的自衛権はあるけれども行使はできないという見解をとっておられますが、私は、集団的自衛権の行使の場合も、大きく分けて二つのケースが具体的に起きてくるのではないかと思います。 一つは、同盟国が、今はアメリカでありますが、侵略を受けた場合、武力攻撃を受けた場合、その場合と、そうでなくて、同盟国が、国連決議であれ自分の国の判断であれ、地域紛争等に自分の国が積極的に武力行使をしていく場合とあると思うわけでありますけれども、前者の場合、同盟国が攻撃を受ける、そうした場合においては、当然現在の憲法下においてもこれは集団的自衛権の行使がなされ得る、またすべきである、私はこのように考えます。安保条約下においても、我が国の選択としてそれはできることである、このように考えております。 一方、同盟国が地域紛争等に積極的に武力行使という形で介入をしていく場合について、我々が自衛隊をそれに派遣をして戦争類似行為等をさせるわけにはいかない、私はこのように考えます。 もし、そういう場合においても、国際貢献という観点から必要性があるとすれば、これは憲法改正に通ずる程度の国会における議論、決議を経た上でなければそういう形をとるべきではない、原則としてやるべきではない、私はこのように考えておりますが、私の見解に対して、防衛庁長官、どうですか。
○斉藤国務大臣 亀井委員御指摘のように、国際法上におきましては、我が国は個別的自衛権に加えて集団的自衛権というのを保有しておるという解釈がございますが、しかし、我が国の憲法上それを行使することはできないという立場に従来立ってまいりました。 おっしゃるように、日米安全保障の問題の中で、アメリカとの連携ということを考えたときに、先生が御指摘のような点が幾つか出てくるかと思います。その中で、例えば公海上でアメリカ軍が日本を援助をしに来るといった場合は、これはもう日本の防衛の問題ということで、そこには参画できるということになっておりますので。 しかしながら、単純に同盟国に支援に行くというのは、これは現在の憲法上許されないということでございますので、その点は憲法の改正というような範疇の中での御議論になるかと思っております。
○亀井(静)委員 今の答弁は私は不満でございますけれども、ぜひ、長官、あなたは国を守るという大変な責任を持っておる。 しかも、我が国だけでは日本が守れないという実態。北朝鮮においてはもうノドンは十基程度は日本を射程距離に入れての配置がなされておるような、そうした深刻な状況の中において、日本だけで守れないとすれば、アメリカとの同盟関係において守らざるを得ない。そうした場合において、日米安保が真に機能し得るのかどうかということを、私は、やはり我々は念頭に置きながらこうした問題に対応しなければならないと思いますので、今後御研究のほどをよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、農水大臣、有明湾等を中心とするノリの被害の問題でありますが、大臣はこの原因調査について、聖域を設けない、あらゆることについて徹底的にやるという御方針を出されております。もし水門を開くことが原因調査上必要であるというのであればそれもやる、私は極めて明快な方針を出されておると思います。そうした原因の究明の結果によってどういう対応をすべきかというのは次の段階でありますけれども、私は、農水大臣の今の御方針というのは大変立派だ、このように思っておりますから、答弁は要りません。 次に、もう美女が控えておりますから野獣は適当に引っ込みますけれども、最後に一つお伺いといいますか、強い御方針を伺いたいと思うわけでありますが、残念ながら今、KSD、外務省の機密費の問題等、国民は政治また行政に対して大変な不信感を持ってきております。 KSDというのは、中小企業の振興のためという崇高な目的のためにつくられたようでありますけれども、実際は、今の捜査等を新聞で見ますと、幹部が私利私欲のためにもうむちゃくちゃなことをやっておる、そういう実態が明らかになっておるわけであります。まことに言語道断なことだと私は思いますが、それに関して、残念ながら、与野党の議員がいろいろな形で関連しているということが報道もされておるわけです。私はぜひ、司法当局によって徹底的な、本当に徹底的な捜査をやっていただく、そしてその結果を国会に報告をいただいて、これはもう政府に言うことじゃありませんけれども、国会に報告をいただいて、公訴維持に支障がない範囲でこれをすべて国民に明らかにしていただきたい、このように思います。 それと、外務省の機密費の問題もそうであります。何で早く捕まえぬのですかね、警視庁は。私は、今の容疑だって当然強制捜査に移っていい時期だ。私が圧力を加えておるわけじゃありませんよ、やれと。だけれども、やはり早期に、迅速に捜査を遂げて、この事実関係を私は明確にすべきだと思います。 これもまた、細大漏らさず国民に対して明らかにしていくべきだ、このように考えますが、総理の御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。
○森内閣総理大臣 今御指摘ございましたKSD、あるいは外務省の公金横領事件、先般からの本会議でもたびたび申し上げておりますように、大変遺憾な事件であります。国民の皆様にも大変御心配、また御迷惑をおかけいたしておりますことにつきましては、内閣を預かっております者といたしまして、心からおわびを申し上げる次第でございます。 今お話がございましたように、それぞれ別件でありますが、捜査が続けられていることですから、できる限り早く捜査で解明をしていただいて、そして国民の前に明らかにするということは当然なことだろうと思っております。しかし、かなり広範囲に広がっている問題もあるでしょうし、詳細を余り私どもとしては立場上、すべてを掌握しているわけではございませんが、捜査当局の努力を私どもとしては促していきたい、このように考えております。
○亀井(静)委員 どうも私はしゃべるのが下手でございますので、取りとめもない質問になったかと思いますが、極めて誠意を持って丁寧にお答えをいただきまして、ありがとうございました。
○野呂田委員長 この際、野田聖子君から関連質疑の申し出があります。亀井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。野田聖子君。
○野田(聖)委員 おはようございます。自民党の野田聖子でございます。引き続き質問させていただきます。 ただいま亀井政調会長からKSDについてのお尋ねがございました。実は、予算委員会に先立ちまして、国会の方では本会議で代表質問があり、自民党の古賀幹事長が一連の不祥事に対して、やはり断固たる決意を持って取り組まなければならないという演説がございまして、その中に、マックス・ウェーバーの言葉を引用し、私たち政治家というのは大変栄光の座というのを預からせていただいているんだ、だからこそ禁欲ということをしっかりそれぞれがやっていかなければならないという話をしていただきました。 実は、昨年暮れですけれども、まだKSDの事件が発覚する前に、私は、他の議員の皆さんと同様、週末には地元に戻るわけでございまして、そのときも新幹線に乗りました。隣に岐阜市でアパレル関係の仕事をしている中小企業の社長が座られました。めったにないチャンスだからいろいろ話がしたいということで、帰り道、その社長からいろいろな話を承りました。 そこで非常に印象に残ったことは、僕たちは、一般の人間は政治のことがよくわからない、だから、例えば選挙制度改革とか政治改革とかいろいろやっているようだけれども、正直言って関心がない、でも、自分たちが政治を嫌いになる理由というのは非常に単純なんだと。 例えばということで、以前、友部という議員が捕まって、留置されているらしいじゃないか、しかしながらその議員は、国会議員の仕事をしていないのにもかかわらず、歳費、給料をもらっているじゃないか、これは一般人では考えられないことなんだ、そういうことがあるから、政治に対して、自分たちとは関係ない、好き勝手にやっている、そういう場所じゃないかという不信感が募ってきた、そういう話をされましたので、私自身気持ちは同感でありましたけれども、当時の説明の中で、やはり今ある国会のルールのもとで、その方は歳費を支払われる権利を有しているということを申し上げたら、すかさず、でも、そういう国会でのルールを決めているのはあなたじゃないんですか、おかしいと思ったことを変えるのがあなたじゃないですか、普通の国民がおかしいと思っていることは国会でもおかしいということをしなければ、いついつまでたっても政治の不信というのは変わっていかないんだ、そういうふうに厳しく言われまして、私は正直、言葉を失いました。 今回、KSDのことでも、皆様方が、真相を究明しろとか、またもっと悪い言い方をさせていただければ、ああ、自分じゃなくてよかったとか、ほかのところもやっているじゃないかとか、そういう割とお気楽な雰囲気が蔓延しているんじゃないか。私は大変心配しておりますし、もっともっと国会議員が危機感を持って、こういうことを二度と起こさないために、真相究明をするだけではなくて、やはり予防のための仕組みというのをつくらなければならない。 つまり、栄光の座、権力というものの裏返しに私たちは大きなペナルティーを常に背負っているという意識を、緊張感を持ってやらなければ、いつまでたっても信じてもらえないと私は思います。普通の社会では、疑わしきは罰しないことが多いかもしれません。しかし、栄光の座にいるからこそ、疑わしきは即アウトというくらいの歯どめをかけていく、そういう政治をしていかなければならないと思いますけれども、総理はどうお考えでしょうか。
○森内閣総理大臣 残念ながら、今回のKSDに関連した事件も含めまして、これまでも政治家と金をめぐる事件、これは絶無とはなっていないわけでありまして、政治不信を招くような不祥事が起こってきたということは、先ほども亀井さんの御質問に対しても申し上げましたが、大変遺憾なことでありまして、極めて深刻に受けとめております。 今、私の答弁で何か笑い声がしましたけれども、ここは大事なところでありますから、与野党とも大事な問題として議論を進めるべきだと私は思っております。 できるだけ政治家として自分の心で戒めをしていくということが、やはりこれは大事だろうと思います。しかし、そういう中でも、政治家の良心と責任感を持って政治活動を行うということは、初めて国民に信頼を得ることになるんだろう、そう思っています。 しかし、やはり選挙制度の問題、あるいは政治資金の問題、まだまだ国民の皆さんから見ると、今御指摘があったように、理解をされ得ない面もあるんだろうと思います。そういう中で議論をしながら、できるだけ、そうした法律や枠の中で行動することではなくて、自主的に政治家自身がその気持ちを持ってやるということが当然だろうと思います。 しかし、それはやはりその仕組みを何らかの形でつくっていこうということで、そして資金管理団体に対するいわゆる企業・団体献金の禁止も皆さんの総意で進めたことでもありますし、あるいはあっせん利得罪につきましても、随分議論をいたしましたがこれも創設もいたしましたし、一つ一つ、そういう政治家としての行動の枠組みというものはみんなの力で定められていったと思いますが、どういう仕組みがあっても、どういう法律があっても、やはり自分の心に問いかけて、そして正しい、正しくないかということの判断ができることは政治家としての当然の要諦だろう、そういうふうに私は思います。野田議員のおっしゃるとおりでありまして、国民の皆さんから不信を買うようなことであれば政治は信頼されないということは当然なことだろうと思います。 私は、今新聞を見てちょっといささか驚いたのは、給与が特定の支援者によって賄われていたということがまだ行われていたのかなと。これは数年前、この問題が政治資金規正法に触れるのか、いずれにしてもこれは寄附ということの対象になるということで、恐らく全議員はそのことについて戒め合ったと思います。そして、それぞれの政治家は、私設秘書も含めてどういう給与体系にするかということでみんなが努力しておったと思いましたが、まだこんなことが行われていたのかと思うと本当に残念だなというふうに思います。 まさに他山の石です。お互いに、また自分たちの周囲もよく見守って、振り返ってみて、そして本当にこの事件を契機として国民の信頼をしっかりと政治につなぎとめられるような努力を我々もしていかなきゃならぬ、そう思っております。
○野田(聖)委員 国会で議論することも大切ですし、自民党総裁として、やはり自民党そのものもよりよく活性化させ、そして責任政党であるがゆえにどの党よりも厳しいルールをみずからに課していくというような決意もあわせてお願いいたしたいと思います。お願いできますでしょうか。
○森内閣総理大臣 先ほども触れましたように、各種のいろいろな法律についても、さまざまな意見はありましたけれども、一つずつ前進をしてそういうことを実行してきたと思っていますし、そのことについてはこれからも努力していくべきだろう、こう考えております。
○野田(聖)委員 本題に入りたいと思います。 皆さんいろいろこの二十一世紀の、二〇〇一年をさまざまな呼び方でとらえられておりますが、私は、日本の自信回復元年として国の政策を進めることで、日本国民が勇気を持ってもらう、元気を出してもらうということに取り組んでいきたいと思います。 そんな中で、森内閣がその大きな柱として位置づけているのがITではなかろうかと思います。そのIT革命を進めていくに当たって、実は先月、自民党の野中前幹事長のお手配によりまして、与党三党のIT調査団というのを結成し、そしてワシントンDCに出かけさせていただきました。 メンバーは、私、不肖野田が団長をいたしまして、自民党の小渕優子議員、公明党の若松議員、そして保守党からは参議院の鶴保議員という、それぞれ各党の若手の議員を集めまして、わずかな滞在でございましたけれども、積極的に、インターネット大国、先進国と言われるアメリカの実情をつぶさに視察してまいりました。 そこで私個人が感じたことなんですけれども、二つございます。 まず一つは、例えばIT革命の主役であるインターネットの促進に当たって、いろいろなプレーヤーがいるわけですが、その中の一つであるネットワークのインフラ、つまり回線のことですけれども、常日ごろ、アメリカは大変インターネット人口が多くて、進んでいる進んでいると言われる中で、日本の欠点はそのインターネットのインフラがおくれている。これは確かにそうであるわけですが、私としては楽観的になった部分は、必ずしもアメリカは、インターネット人口はふえているけれども、決してその使われているネットワークは超高速でも大容量でもない、通常の電話回線を使っている人が多いということであります。 ですから、森内閣が進めている超高速、大容量のネットワークインフラを真剣に進めていけば、そういった意味でアメリカとの差というのはまずございませんし、むしろ日本が上をいくということは明らかではなかろうかと思った点でございます。 あわせて、学校インターネット接続、これについては後ほどまたお尋ねいたしますけれども、これについても随分アメリカに先取りをされていて、日本はスタートが遅かったじゃないかという御指摘がございます。確かにスタートは早かったと思いますし、アメリカの学校では、大変進んでいるところには生徒一人に一台のパソコンが支給され、またはみずから購入し、インターネットでの学習を進めている学校もあります。 しかし、皮肉なことに、新しくなったブッシュ政権の最大の課題というのが、実は教育改革と言われています。つまり、すごくいい学校もあれば、すごくレベルの低い学校が存在し、その格差が大変広がっている、子供たちの学力の差が大変広がってしまっているというのがアメリカの最大の問題だと言われており、ブッシュ政権はそれにいち早く取り組むのだということをおっしゃっているわけで、あわせて、学校そのものがそういう問題を抱えている中、必ずしも私たちが信じているようなアメリカでの学校インターネット接続の状況ではない、はかばかしくないというのが実態ということで、これも、決して私たちは悲観することなく、確実に学校インターネット接続を続けていけば、必ずやその成果はあらわれるだろうという安心感がございました。 ただ一つ、これは完全にアメリカに負けているなという点がございます。それはIT産業の数でございます。 実は、ワシントンDCというのは、一般的には政治の町と言われていて、大体普通の人はブッシュ大統領が住んでいるところというイメージが強いと思うんですが、実は最近、ワシントンDCというのはハイテク産業の地ということで名をはせているところなんです。 皆様方は、ハイテク産業というとすぐシリコンバレーというイメージがあるわけですけれども、もう既にITの企業数はシリコンバレーを上回っています。そして、特徴とすると、インターネットのソフトの関連の企業が多く、小さな会社、零細企業が過半数を占めているという点が特徴ではないかと思います。日本ではまだまだそういう状況が生まれていません。IT革命の中で、特に経済を発展させる重要な役割を担う産業が伸びていないというのが日本の一番苦しいところではないかと思います。 では、なぜワシントンがシリコンバレーを超えるような優良なハイテク産業の場所になったかということを確認しましたところ、一つは、政府調達がたくさんあるということです。つまり、政府が顧客、お客様であって、もちろんワシントンは、大統領もいれば、さまざまな政府機関がございまして、そこからの発注は大変多いということなんですね。 これが、ワシントンDCでIT産業やりませんかという誘致のPRのパンフレットです。そこにも堂々と、英語で書いてあるんですが、連邦政府がいますよ、連邦政府は世界で最大の顧客ですよ、ここの仕事がとれますよということをうたっており、実際に政府調達の仕事がアウトソーシングという形でそういう零細企業に振り分けられている。 つまり、私たちは、情報通信というのは民間主導だから、なるべく政府はタッチしないでみんなに頑張ってもらおうというのが我が国の方針であり、それもアメリカがやってきたじゃないかというふうにうのみをしていたところがありますけれども、いや、実は実態はそうではなくて、そういう企業を育てるシーズの部分、最初の部分というのは、政府がこうやって大きな仕事をどかっと出して、それをみんながやることによって収益を上げてどんどん大きくなっていく、やはりそういうステップがあるということを私たちは改めて実感して帰ってきた次第であります。 もう一つ、やはりこういうベンチャー企業が育つ土壌というのを考えなければなりません。先ほども亀井政調会長の方から株価の話が出ました。株式市場というのが、ナスダックというのがありますが、そういうものがほとんど起業の、企業が業を起こすための資金調達の場所になっている。果たして日本ではそういうことがきちっとできているのか、また取り組もうとしているのかという点について、政府の担当である各大臣からその状況を教えていただきたいわけです。 まず一点は、電子政府への取り組みに関して。なぜ日本では電子政府をつくろうとしているのか、そして、何のために、だれのために、どういう目的のためにこの電子政府を今つくろうとしているかについて、元締めである総務大臣から承りたいと思います。
○片山国務大臣 元郵政大臣でございます野田委員から、アメリカに行っていろいろ調査された御報告を聞きまして、大変得るところがございました。 野田委員御指摘のように、IT革命の推進は、二十一世紀の我が国の発展を開くかぎであり、我が森内閣の最大の政策テーマであることは御承知のとおりであります。去年の臨時国会でIT基本法が通りまして、それに基づいて、一月六日に新IT戦略本部が森総理を本部長に立ち上がったわけでありまして、二十二日に初会合をやりまして、ITの国家戦略を決めたわけです。e—Japan戦略というんです。 その中には、お話がありましたように、我が国における超高速ネットワークインフラの整備と競争政策を導入するということが一つと、それから二つ目は電子商取引の活発化と環境の整備、三つ目が電子政府の実現、四つ目が、これもお話がありましたが、人材育成ですね。このe—Japan戦略の具体化として、三月末までに重点計画をつくる、アクションプランをつくる、こういうことで今各省一生懸命やりまして、何を優先的にどうやるかのしっかりしたアクションプランができる、私はこう思います。 その中で、電子政府については、前から言われておりますのは、例えば国民や企業の皆さんが政府に対する届け出や申請をするのが大変いろいろ手間取る、これをインターネット等によるオンライン化する。何か一万四、五百あるそうですよ、統計をとりますと。一万件以上は十五年度ぐらいまでにはオンライン化する。それからもう一つは、やはり窓口の一元化というんですか、総合窓口システムをつくるとともに、輸出入やあるいは港湾関係のいろいろな手続は、これは大変ですから、これについてはワンストップサービス、ということは、そこに行けば全部終わるということですね。それから、今お話がありました政府調達について電子化する。何か十五年度までに非公共事業をやって、それ以降、十六年度に公共事業をやろうということで今いろいろ進んでいるようでありますが、そういうことを各省庁が全力を挙げてやることによって、経済的に大きな刺激を与えるし、国民の皆さんにも大変便利になる。それから、電子政府だけじゃいけませんね。やはり地方は電子自治体にしてもらう。 こういうことにこれから大いに取り組むべきだと思っておりますので、一生懸命やります。引き続いて御指導を賜りますようによろしくお願いします。
○野田(聖)委員 そのとおりだと思います。 しかし、電子政府というのはまだできていないというイメージがありますけれども、既に、総務大臣のお話がございましたように、各省いろいろな個別の取り組みがありまして、電子化、インターネット化によってペーパーレス化を実現したり効率を図るということで努力をされてきておられます。 その代表例というのが、もとの通産省、経済産業省がスタートさせているJETRASという、私は、常にこういうシステムについて横文字が多いんで一般の人たちにはなかなかなじめなくて気の毒だと思うんですけれども、まあ一応そういう名前が、ニックネームだと思って聞いていただきたいんですけれども、JETRASというシステムが実はできました。 これはどういうことかというと、私は専門家でないのでざっと申し上げると、ある会社が輸出入をするときに、これは入れていいものか、買っていいものかというのの判別がわからないわけですね。それを経済産業省の担当の人に、審査官の人に見てもらって、それでよければ輸出入の仕事が始められるという、その申請をしなければなりません。これまでは、何かすごく紙がたくさんあって、たくさん書き物をして、届けて、そしてそこで審査官が、てにをはが間違っているとすぐ返されて、また書き直してというような、非常にアナログ的なやりとりをして、数カ月その申請に手間取っていた。でも、それをやめるためにJETRASというインターネットを利用したやりとりによってそれが数週間にまで短縮できるようになったということで、大変すぐれものだと心から敬意を表しているわけですが、問題は、さっき申し上げた、総務大臣のお言葉なんですが、使う側にとって便利でなきゃいけない。 つまり、輸出入をやる人というのは、そのものがいいかどうかを調べるだけではなくて、通関をしたり貿易決済というのもあわせて、トータルでやっているわけですね、貿易会社というのは。そうしますと、どうなっているかというと、実は通関システムというのはもう既にできています。これは財務省、大蔵省の方でNACCSというシステムで通関処理ができ、電子化されている。そしてまた、貿易決済に関してはTEDI、いろいろな名前があって恐縮なんですけれども、TEDIというシステムが実際にあって、そこで電子化されてできるようになっている。 ところが、何が問題かというと、今申し上げたJETRAS君もNACCS君もTEDI君も、それぞれいい役割をしているんだけれども、つながっていない。つまり、使い手は、せっかく電子化されても同じことを三回繰り返さなきゃいけないということで、面倒くさい、使うのをやめようかというような気分になっている。 私は、電子政府というのは、やはりスムーズでなければなりませんし、使う側の立場に立って考えていかなければなりません。これはたまたま貿易の話でしたけれども、政府への申請というのは、各省にまたぐことはたくさんあると思います。これについて、まず現時点で、そうやってせっかくいいものがあっても、つながっていないことによって不便を来しているものに対してどう取り組まれるのか。そして、今後の電子政府についてはそういうことをだれが配慮していくのかについて、お知らせいただきたいと思います。
○平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。 今御指摘のように、三つのシステムの名前をお出しになられましたけれども、既に、こういうシステムを連携して、今御指摘のような不便をなくして、ペーパーレスの電子政府をつくっていこう、こういう動きは進んでおります。 JETRASというのは、今おっしゃいましたように、貿易管理システムで、これは昨年の四月に本格的に稼働し出しまして、現在約千百件、これで処理ができるようになりました。ただ、貿易管理の仕事は全体で三万件ございますから、まだ四%程度の消化でございますけれども、これはだんだん非常に大きくなっていくと思っております。 NACCSというのは、これは税関への電子申告システムでございまして、これは大蔵省、財務省が非常に頑張っていただきまして、昭和五十三年から展開しておりまして、今九〇%がこのシステムで処理されております。これとJETRASとの連携、これは平成十四年度を目途に今手続を一生懸命行っておりまして、ここのところはそれまでにきちっとした連携をしていきたい、こういうふうに思っています。 TEDIというのは、テディーベアみたいですけれども、このTEDIというのは、船荷証券でございますとかインボイス等、企業間のいわゆる貿易関連手続をする、こういう形で、これは今民間三十二社が連携をしまして今春スタートする、こういうことになっています。 これは電子的にこの三つを結びつけることができるわけでございますので、この三つをやはり連携して、そして電子政府の推進の一環として我々としては実用化に向けて頑張っていきたい。これは御指摘のように、電子政府の一つの円滑な機能の大切なファクターですから、一生懸命努力をしていきたい、こう思っています。
○宮澤国務大臣 調べてまいりましたので。 今平沼大臣の言われたことと同じでございますが、税関のNACCSというのは昭和五十三年からやっておりまして、一番古いので、大体九割ぐらい電子的に行われております。そこへJETRASが本格化しましたので、平成十四年度までにインターフェースを図りたいと思います。それから、TEDIにつきましても、平成十五年までにはその一環として検討したいと思います。
○野田(聖)委員 せっかく電子政府が完成する前にそういうシステムがございまして、恐らく専門家であれば、そういう三位一体でやらなければならないということは既にわかっていたはずであります。ところが、それぞれの立場で個別に発注されたことによって、残念ながら十二分な力が発揮できていないということを非常に残念に思いますし、早急に、やはりそれぞれの大臣のリーダーシップのもとで連携をしていただき、電子政府においても、きちっとした連携のもとで、利用者にとって便利な電子政府づくりというのに心がけていただきたいと思います。 時間がなくなりましたので、ちょっと質問を飛ばしまして、学校インターネット接続について質問したいと思います。 実は、これも人材育成ということで総理が大変力を入れている仕事の一つでございまして、平成十年の補正予算から始まり、着実に全国の小中高に学校インターネット接続がつながってきています。幸い私の地元岐阜県は、梶原知事も大変ITに関心があり、現在、接続率は一〇〇%ということで大変ありがたいと思っているところでございます。 先日、私は地元でミニ集会をやりました。そのときに、有志の小学校のお子さんを持つお母さんから、聖子さん、学校インターネット接続というのは何なのというふうに聞かれました。それは子供たちが学校現場で操作を覚えたりして将来に備えるためにセットしていることなんですよと申し上げたら、でも、うちの子供は一学期に一時間しかやらせてもらえなかった、ほかの時間は全部かぎがかかって入れないようになっていると。そんなばかなと思って、そうしたら私の妹も小学生の息子がいますから聞いたところ、あら、まだいい方よ、うちなんか一年で一時間よと。 せっかく国が人材育成のために学校インターネット接続をお金をかけてやっているにもかかわらず、こんなことでは全くその意味をなさない。こういうことが今まで明らかになってこなかったこと自体問題ですが、これについて、責任者である大臣、どう対応していただけますでしょうか。
○町村国務大臣 大変大切なポイントをお聞きいただいて、むしろ感謝をしておりますが、十三年度末までにすべての公立学校をインターネットに接続したいということで、十二年、ちょっと古くて恐縮ですが、約一年前で五七・四%。ですから、岐阜県はそういう意味では大変進んでいる地域かな。我が北海道は大変おくれております。 実際、今、期待としては月に四十時間は使えるようにということですが、実績を見ますと、これが二十三時間程度と、目標に対してまだ半分くらいにとどまっているという状況にございます。 それはなぜなのかな。いろいろな理由があるのだろうと思うのですが、一つは、先生自身がまだまだ使いこなせないという意味で、先生の研修を今一生懸命やっているところ。それから、ああいうパソコンの端末機器はまだまだ貴重品という感じがあるのでしょうか、したがいまして、貴重品はかぎのかかる部屋に置いておかなければいけないと。残念ながらこれがまだ実態なんだろうと思います。 ただ、最近、私は横浜のある小学校を見に行ったのですが、これは開放系のつくりになっていることもありまして、いつでもだれでもがさわれるようになっております。そんな形で、大分改善も図られているというようなこと。そのほかにもまだ、パソコン用のインターネット用のソフトウエアが不十分であるとか、いろいろまだやらなければならないことがあります。 そんなこともありまして、十三年度予算でも幾つかの改善を施しておりますが、この面では、野田委員の御期待されるほどのスピードかどうかわかりませんが、できるだけ早く、みんながいつでもさわれていつでも使えるような、そんな状態をつくるように努力をしていきたいと思っております。
○野田(聖)委員 町村大臣のリーダーシップを心から期待申し上げます。 確かに、パソコンは貴重品というイメージがあります。しかし、そうそう簡単に壊れるものでもありませんし、学校に置いてあるインターネットに接続をされたパソコンというのは、フィルタリングシステムによって子供たちに有害情報が届かないような工夫がしてありますから、常に開放してあっても構わない、モラル上も構わないと思うわけでありますね。 やはりそういうところをもっと、先生たちができないからといって追い詰めるのではなく、ドッジボールのボールのような気持ちで、パソコンが子供たちに扱えるような環境をぜひともつくってもらいたいと思います。 最後に、総理にお尋ねいたします。 総理は、常に政策の遂行には政権の安定、政治の安定が必要であると。そういうことで、私たちは公明党、保守党との連立政権を組んでやっているところです。しかしながら、一部マスコミでは、野合だの、いろいろ、考えなしでつながっているだけなんだ、数のためだけなんだというかなり辛らつな批判をされることがたびたびあります。 しかし、私たちはやはり、それぞれの政党が集まりまして政策の相談をし、こういうことを進めていこうということをそれぞれの立場で努力をしているわけです。 その中に女提協というのがございまして、扇大臣も入っておられるわけですけれども、与党三党の女性議員が集まって、せっかく連立を組んだのだから自分たちのできる政策をつくっていこうということで、今日まで実は、ひそかにですけれども、男女共同参画社会に資するためのさまざまな提案をしていこうということをやっておりました。 実は、その中の一つに選択的夫婦別姓の問題がございます。これはもう既に法制審の方でも答えが出ておりまして、あとはやるかやらないかといったような状況になっていたわけですが、なかなか政府の方で動きがとまっている状態でございますが、さきの公明党の神崎代表の質問の中に、きっちりと明言されているところに、やはり男女共同参画社会というのはやっていかなきゃならない、そのためにその一つである選択的夫婦別姓制度を実現すべきであります、こういうふうに力強く御提言がございました。これを受けまして、自民党に一番問題があることは私も十分承知の上でお尋ねしますが、そういうことに関しての御理解と、そして総理のお考えを承りたいと思います。
○森内閣総理大臣 選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、婚姻制度、家族のあり方とも関連する重要な問題でありまして、国民や関係各方面の意見が非常に分かれております。野田議員はその方向に進むべきだというお立場ですからそういう御発言ですが、私は、ニュートラルに考えてみましても、世論調査などを見ましても本当に意見が分かれていますね、全く半々に分かれているという、そんな感じでございます。 ぜひ、そういう状況の中にあって、国民各層の意見を幅広く聞きながら、また国民の中にそういう考え方がまとまっていく、醸成されていくということも、私は少し時間が必要だろうと思う。そういう意味では、大いに国会で議論したり、その他地方の小さなグループあるいは党の活動、いろいろなところでそうしたテーマを出して議論を高めていくということが大事ではないか、私はこう思っています。 政府としては、そういう意味では、各方面の議論の推移を踏まえながら適切に対処していく必要があるのではないか、こんなふうに考えております。
○野田(聖)委員 ありがとうございました。 世の中には多種多様な人間が暮らしており、多種多様な意見がございます。必ずしも一〇〇%集約することはできません。ここで政府が決断するかどうかでございます。 男女共同参画社会というのは決して女性問題ではありません。やはりこれからの新しい社会構造をどうつくっていくかという、ある意味経済的側面も、国力の問題でもございます。男女共同参画というと、男性の皆さんはこれ以上女性が強くなってどうするんだみたいな冗談を言われる方がありますけれども、そんなようなレベルの問題ではなくて、本当にこの国をどう動かしていくかという大きなテーマであると思いますので、総理にはよろしくお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○野呂田委員長 この際、細田博之君から関連質疑の申し出があります。亀井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。細田博之君。
○細田委員 自由民主党の細田博之でございます。 きょうは、さまざま御質問したいことがありますが、特に、外務省の元室長の問題、そしてケーエスデー中小企業経営者福祉事業団の問題等に絞ってまいりたいと思います。 まず最初に、総理にちょっと申し上げておきたいことがございますが、一月二十七日にダボスの会議で総理は大変立派な演説をされたわけでございます。ここにもスピーチの演説草稿がございますけれども、第一に、日本経済の再生、そして日本の経済社会構造の変化についてのコメント、そして二十一世紀のグローバルな問題に対する日本の貢献について非常に立派な演説をされ、会場では多くの感銘と評価を与えて、拍手が鳴りやまなかったということを聞いておるわけでございます。 このことに関連して、私が一つだけ大変心配することを申し上げますと、実は、ダボスの会議のことについて、ある民間放送のニュースの番組において、どういうわけか、我が同僚の国会議員にぜひビデオカメラで会議の様子を撮ってきてくれというような委託をしまして、大変立派な方で、ダボスにも招致された方でございますが、民間放送局が会議場内で取材がなかなか難しいということもあって、ぜひ撮ってきてくれといって、その様子をいろいろ報道する。 私が残念なのは、民間放送の方が国民の代表の立派な方にそういうことをお願いして報道するということ自体の姿勢を問うとともに、この立派な演説をされた総理の報道はそれに比してほとんどないわけでございます。私はそのことは非常におかしいなと思っておりますので、このことをまず御指摘申し上げたいと思います。 そこで、なぜダボスの演説は非常に感銘を与え、国会における施政方針演説がどうしても長くかつ平板になるかということを考えますと、あれは政府の公式見解だからあらゆることを盛り込まなきゃいけない。関係各省からも、このことを言ってくれ、このことについても触れなきゃいかぬ、このことについてもということで、すべてに触れる、いわば資料のかわりに読んでいただくような感覚になっているんですね。これは歴代、どの党の総理大臣もそうでございました。 私は、こういった国民の皆さんが注視しておるような演説などについては、大きく内容を切り、そして自分たちの、私が話そうとしている内容は別途資料としてこれは新聞にも公表する、しかし私の言いたいことはこの三点であると、ダボスでおっしゃったような演説をされる方が、国民の皆様方の政治に対する理解と関心が深まるという意味でいいんじゃないかとも思いますので、今後の御検討をお願いします。 総理、一言お願いします。
○森内閣総理大臣 でき得る限り内閣の姿勢について、またその年の予算も踏まえながら、どういう政策を進めるかということを国会では申し上げるということが習いになっております。かなり特色を出したつもりでも、この間からの本会議で時々、例えば農林漁業についてはたった数行じゃなかったか、こういう御指摘があるように、すべてを全部網羅すればどうしても冗漫になってしまうということになります。 そういう意味では、国会のそういう演説についてももう少し自由にあるべきであって、仮に触れられていなくても、委員会等でも議論していくということがあっていいのかなと思います。 ダボスの場合は、今御指摘ございましたように、これまでいつも、このダボスのメーンの会議の日程が、ちょうど我が国の通常国会の予算審議のところにいつもぶつかっていたと思います。私も何回か招かれたけれども、いつも出られなくなりました。 たまたまことしは三十一日の召集ということが決まりましたので、この機会に、私個人というよりも、多くの、世界の経済、官界あるいは政治家、学者、あらゆる指導者が集まっておられるわけですから、特に日本の経済運営等についても大変やはり興味を持っておられる、つまり関心を持っておられるときでもありましたので、私どもとしてとるべき、特にこれまでとってきた施策、これからとり得るべき施策、そうしたことを率直に申し上げたい、こう思って参りましたが、しかし、それもなかなか日程上うまく調整がつきませんで、往復三十時間かけて、向こうにいましたのは五、六時間でございました。 大変、やはりそれだけ世界の多くの方々がお集まりになるものですから、セキュリティーがとても厳しくて、私などもカードをきちっと持っていませんと入れてくれないという状況ですから、マスコミの皆さんも、取材をなさりたいけれども、なかなか思うように取材ができなかったんだろうと思います。 そういう意味からいえば、中に入るメンバーに写真を撮ってきてくれよと頼まれれば、頼むのが一番いい方法なのかもしれませんけれども、頼む方と頼まれる方が、これはやはり良識の範囲で考えられるべきで、政治家は取材のために行っているわけではないと私は思いますし、もしそういうことであるなら、私が演説だけをして帰ってきたということだけではなくて、その日、急遽、事務総長が、日本の総理大臣が来たということで私を呼ぶ昼食会を開いてくれまして、もう大変な人が多くお集まりになって、当初のメンバーから変わりまして、私のテーブルの周りだけでも大統領、首相が十数人参加をされたぐらいでありまして、そういうような、それは私がとやかくというのじゃなくて、やはりそれだけ日本に大変な関心を持っておられるということだろうと思いますから、むしろそういうことを取材して報道してもらいたい。 それは、私個人をどうこうするのではなくて、日本という国に対してそれだけ多くの皆さんがいろいろな意味で関心を持っておるということをやはり国民の皆さんに周知することも、日本のマスコミとして私はとるべき大事な方法ではないかなということを、感想としてそんなことを思いました。
○細田委員 ありがとうございました。 それでは、外務省の松尾元室長の問題に移りたいと思います。 この公金横領疑惑は、官邸の機密費という、正確には報償費というわけでございますが、国民の貴重な税金を横領して私的に費消するという極めて悪質な行為であります。全国民の怒りを買っているわけでございます。 私は、次の点をいろいろお伺いしたいと思いますが、余り事実の点をお答えいただくというようなことにしますと時間ばかりかかりますので、私が調べたところでは、外務省には報償費として五十五億六千六百万ほどの予算がある。それは、本省十九億ほどと、あと在外公館三十六億強あって、これらは会計検査も、もちろん内部の決裁もきちんと行われて処理をされているというふうに伺っておりますが、今回の問題は、内閣官房報償費の十六億円強の中から、特に総理大臣が海外に行かれるときの必要経費について、外務省の担当室長がこれだけ要るということを申請するとそのまま現金で渡すという慣例があり、それを私的口座に入れては私的にまた使ったり流用したり横領をしておった、こういう仕組みであるというふうに認識しております。 そして、きょうの大きな新聞、大手の新聞の一つに、機密費の上納が予算項目に記載されているというようなこと、外務省への査定に官邸分があるなどという報道がありますが、これはどうも、私が調べてみたところ、とんでもない事実誤認であるようでございますので、まず外務大臣から、その点も含めて、私の言ったことに何か間違いがあればおっしゃってください。
○河野国務大臣 前段の議員の御指摘はそのとおりでございます。 また、一部の新聞に書かれました今お話しのものにつきましては、全く事実誤認ということで、我々としても、そうした事実は全くないということをメディア、マスコミに対しても我々からきちんと返答をしているところでございます。
○細田委員 わかりました。きょうの新聞でございますので、大変心配をしておりましたが、御答弁のとおりだと思います。 また、内閣官房長官にお伺いしますが、この仕組みは先ほど私が申し上げたとおりでいいかということと、やはり現金を総理大臣の出張ごとに渡すということで、よほど信用が確立していないと今回のようなことになるおそれがあるわけですが、細川内閣のときから羽田内閣、村山内閣、橋本内閣、小渕内閣に至る間に四十数回の外国訪問がありまして、その都度松尾室長が関与しておった。恐らく最初はきちんとやっておったのではないかと思いますが、だんだん、これは流用可能に違いないという悪い心を起こして、ついに今日のような事態に至ったのではないかと思いますが、きょうのこの新聞記事を含めて、官房長官から、今まで私が申し上げたことについてコメントを願います。 では、財務大臣もお願いします。
○宮澤国務大臣 けさの新聞報道には財務省のことも関係するように出ておりましたが、事実は全くございません。 したがいまして、配信をいたしました通信社に対して、既に抗議をいたしました。そのような事実は全くなく、読者の誤解を招きかねない報道内容であることから、厳重に抗議するとともに、内容の訂正、謝罪など、しかるべき対応を編集局長に求めました。
○福田国務大臣 ただいま財務大臣の答弁されたことは、私どもも確認をいたしております。そのような事実は全くないということを私からも申し上げます。 今回の事件につきましては、総理大臣が外国出張する、そして首脳外交を展開する、そういう機会を利用して外務省の一室長が起こした事件であります。しかしながら、このことにつきまして、税金が使われているということでございますので、私どもは監督するという立場においては大変大きな責任を感じているというように思っておりまして、政府全体として気を引き締めてやらなければいけない、このように思っているところでございます。
○細田委員 機密費の制度そのものはあらゆる国にございますし、一部最近の発展途上国の事件などを見ますと、制度が必ずしも完備していないということもあるのかもしれません。相当な額のものを別途の調達をして、それがスキャンダルになって、またクーデターのようなことが起こるという例も見られるわけですが、やはり近代国家の日本、どうしても首脳には、あるいは政府の幹部には必要な金というのはあるわけでございますから、私は、機密費というものはきちっと管理をしつつ、必要なものは計上するということが必要だと考えているわけでございます。 外務省が元室長を告発してもうかなりの日時が経過しております。国家公安委員長にお伺いいたしますが、まだ逮捕されていないということで、国民は非常に不審に思っておるところでございます。 そこで、KSDの問題にも関連して、せっかくでございますが、一遍にお答えいただきたいんですが、やはり同じように、検察あるいは警察ともに、国民の皆様方もいろいろな役割分担とか論理とかいうことを十分承知しておられない方もおられる関係上、誤解もあるかと思います。しかし、一日も早く国民の目にわかるような行動をとっていただきたいんですが、委員長からお願いします。
○伊吹国務大臣 外務省の公金横領疑惑については、既に外務省から、委員御指摘のとおり、警視庁に告発が出されております。私から指示をいたしておりますことは、これは事国民の納められた税金に関する問題でございますので、社会正義に反することは法律に準拠して、粛々とかつスピーディーにやってほしいということは言ってございます。 先ほど野田委員がお話しになりましたように、国民の意識が国会の意識というお話がございましたが、警察も国民の立場に立ってなさねばなりません。この国民の声というのは、決して一部のテレビや報道が騒ぐということではなくて、国家の正義がいかに守られるかということでございます。 それから、せっかくの機会でございますので、この種の質問が今後多いと思いますが、法律によって国家公安委員長は国務大臣をもって充てるとなっておりますので、私は今その職をお預かりいたしておりますが、私は自由民主党に所属をいたしております国会議員、つまり、政党人でございます。したがって、個別の捜査について個別の政党の立場にある者がどうこう言うということは、他党に対して大変な不信感を呼びますし、不公平なことになろうと思います。これは法務大臣と検察の関係も同じでございまして、少なくとも現在の与党はそのような節度を守って私はやっているつもりでございますので、今後、個別の事案については、政治主導とはいいながら、私がお答えするのではなく、事務当局から参考人として御意見を聞いていただきたいと思います。
○細田委員 よくわかりました。きょうは警察庁刑事局長も参考人としてお呼びしていますが、ちょっと五十分まであれですから、どうしてもあとKSD問題をやらなきゃいけませんので、ぜひしっかりと捜査をして、一日も早く国民の期待にこたえてください。それだけ申し上げます。(発言する者あり)あとまたそれをやります。ちょっと済みません、時間の延長が認められませんので。 それから、次に参りますが、この外務省の、六年も室長をやらせておったということは、全く私は常識外のことだと思います。あらゆる官庁、補助金や政府の予算に関連する人は、かつてさまざまな汚職が起こったということの、贈収賄事件があったことの反省からも、ほとんど、二年原則と言って、お金を扱う人は大体二年でローテーションでかえていく、なれて悪い心を起こす人が万一おっても、それができないようにという配慮でやっておる。それを六年も、よほど信用しておられたのかどうかわかりませんが、同じポストにつけるということが最大の原因であったかと思いますので、この点は外務大臣ぜひ、もちろん、室の廃止その他をやっておられますが、しっかりとこれからも管理していくんだということを御答弁願います。
○河野国務大臣 本来、支援室というものは金を預かるということを考えているわけではなかったと思います。スタートの時点におきましては、総理大臣の外国訪問についてのいわゆるロジスティックスを担当するということをその主たる仕事としていたわけでございまして、こういう事態になるということを想定していなかったであろうと私は推測をするわけでございますが、いずれにしても、今議員御指摘のように、六年という期間一人の人間がそのポストのトップにいたということは極めて問題があったというふうに言われても、それはもう当然だろうと思います。 私は、この事件の反省の第一は、そうした人事の停滞、あるいは、少なくとも、いやしくも金を預かるセクションには二重三重のチェック体制がきちっと機能していなければならないという点については、しっかりと改善をしていく所存でございます。
○細田委員 厳正にお願いしたいと思います。 KSDでございますが、この事業団は、歴史をひもとくと、川上為治先生とか安井謙先生が理事長を務めておられました。目的もしっかりしておりました。しかし、古関理事長になり、これまた長い期間を経て、これが横領、背任、贈賄、そういったことに発展するというとんでもないことになっておるわけでございます。 私は、この点につきまして、厚生労働省がしっかりと対応をとっていかれますように重ねて、本会議でもございましたが、お願い申し上げます。 厚生労働大臣から御答弁を願います。
○坂口国務大臣 いろいろと御心配をおかけいたしまして、申しわけなく思っております。 ただいま先生が御指摘になりましたように、旧労働省といたしましては、このKSDに対して監督を今までから行ってきたところでございますが、しかし、そこが十分に機能しなかったというのが現実でございます。 とりわけ、KSDから豊明会への補助金が出ておりますが、その補助金がどう使われているのかというようなことを明確にすべきである、あるいはまた豊明会の中のその補助金と他の経理との間の関係を明確にすべきである、あるいは、その他の問題等も含めまして年々これを指導監督してきたわけでございますが、やりますやりますという言葉はありましたけれども、現実問題としてなかなかそこが進まなかったということでございます。 現在から顧みますのに、現在のような状況になっているとまではやはり思っていなかったということもあるというふうに思いますが、しかし、いずれにいたしましても、監督する旧労働省内の体制も十分でなかったというふうに思っておりまして、したがって、この体制を、これではいけないというので、強化を今しているところでございます。そして、二度と再びこういうことが起こらないようにぜひしていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○細田委員 この中で、特にものつくり大学についてお尋ねしたいと思います。 平成二年当時から、どんどん円高が起こる、そして海外投資がふえる、日本の製造業が空洞化をする、中小企業が大きな被害を受ける、そういった危機感がございまして、そして、翻って、日本の経済、産業に本当に大事なのは物づくりだという認識が高まってまいりました。これはまさに経済産業大臣の平沼大臣がその点を今も御苦労のあるところだと思いますけれども、これは万人の認めるところでございますし、唐津先生とかその他の先生も、それが日本のわざなんだ、金融だ、証券だ、サービスだというのは、どうも日本人が世界において得意だとは余り言えないけれども、物づくりは得意で、これで立国してきたのだから、こういうことで構想され、十年の歳月を経て、ものつくり大学が間もなく開学というところに至るところで不祥事との関連でいろいろ言われておる。しかも、その担い手の一角にこういう贈賄事件や背任横領事件が起こったということは、極めて残念でございます。 そこで、昨今問題になっております、昨年の一月二十八日の通常国会における小渕総理の施政方針演説にものつくり大学の設立が盛り込まれているということについて、当時の額賀官房副長官の関与につき取りざたされているわけでございますが、私は、本人の名誉のためにも明確にしておきたいと思います。ものつくり大学の文言が盛り込まれるに至った経緯を官房長官から伺いたいと思います。
○福田国務大臣 通常国会の冒頭におきます内閣総理大臣の施政方針演説は、各省庁の重要施策を整理して、そして総理のもとで検討を重ねて作成するものでございます。 当時の状況をちょっと申し上げますと、鉄道トンネルのコンクリート落下事故とか、茨城県の東海村での核燃料物質加工施設における事故、こういう大事故が続いて起こったわけでございます。そういうことで、物づくりの重要性が再認識されているというようなことがございました。それで、一昨年の暮れに、小渕前総理のもとにものづくり懇談会が設置されたわけでございます。 それで、ちょうど施政方針演説の検討が行われているころに開催されましたものづくり懇談会において、これはもうインターネットでも公開されておりますけれども、トヨタ自動車会長の奥田委員から、ものつくり大学の設立が進められているが、物づくりを支える人材を育成する意味で重要な取り組みであるとか、一橋大学の関委員からも、物づくりの三点セット、すなわち、ものづくり基本法の制定、スーパー技能者の認定、ものつくり大学の開校についてでございますけれども、こういうようなことも発言がありました。そういうようなことを背景として施政方針演説の中に当該記述が盛り込まれた、こういうふうに私どもは理解をいたしております。 今、当時の額賀官房副長官のことも言及されましたけれども、私が個人的に調べました範囲では、当時の額賀副長官がこのものつくり大学について施政方針演説の検討会の中で言われたことはない、このように聞いております。
○細田委員 今官房長官から伺いますと、額賀官房副長官は直接この問題で関与していることはないということが確認されたわけでございますし、また、私が調べたところでは、一月二十四日ですから四日前ですね、ものづくり懇談会においても、有力な経済界、学者の代表の方が、物づくりをぜひ進めろ、大学を設置してほしいという強い要望があったということを承りまして、安心したような次第でございます。 それからもう一つは、KSDは、野党も含めて多数のパーティー券購入をしております。これは、政治資金規正法の解釈、いろいろあるとは思いますが、今の規正法でいいますと、一つのパーティーについて同一の者から百五十万円以内は受け取ることができる。二十万円を超える場合には収支報告書に氏名、金額を記載するというのが法律上の規定でございまして、現に、二十万円を超えるパーティー収入をきちっと、官報に掲載されておりますが、収支報告で出しておられる方も多数おられるわけでございますが、ここでは私はそれが違法であるということは申し上げませんが、私はやはりこれは注意しなきゃいけない。 要するに、この古関という人は、私もいろいろ見てきたわけでございますが、率直に言って大変疑念のある人物でもございますし、こういったことがまた総合的に発覚したこと、それがまた収賄事件、受託収賄そして議員辞職まで至ったということは極めて遺憾なことだと思います。 それから、参議院議員選挙の党員集めとの関係でいろいろまた言われておりますが、昨年は、この予算委員会が野党欠席のままスタートしたのですが、これは参議院選挙の大改正、比例制度というものを、友部事件もありますが、順番をあらかじめ候補者で、比例で順番をつけるという制度が極めておかしいから、一票一票いただいたものを積み上げていけということで、総務大臣、片山参議院議員が議員立法の代表者となって大きく参議院制度を変えたわけでございますが、有権者が残念ながら余りいろいろな事情を知らない、御存じない。したがって、最後に一言総務大臣からお願いします。(発言する者あり)ないですか、友党の関係で。そうですか、それでは、しっかりやってください。
○野呂田委員長 これにて亀井君、野田君、細田君の質疑は終了いたしました。 次に、北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。きょうは、私、お昼を挟みまして一時半まで質問をさせていただきます。 きょうは特に、経済、景気、特にきょうは御質問したいのは雇用の問題等々質問させていただきたいと思うわけでございますが、まずもって外務省の問題、さらにはKSDの問題についてお聞きをしないといけないのは非常に残念でございます。 やはり政治に対する、また行政に対する国民の信頼というのは、非常に大事なことでございます。なぜ大事かと申しますと、どんな政策を実行しようとも、政治また行政に対する信頼というものがなければ、その政策に期待された機能、役割というのが果たせない。昔、「信なくば立たず」という言葉がございますが、全く私はそのとおりであるというふうに思っておるわけでございます。 時間も限られておりますので、まず、外務省の公金横領の事件から私は質問をさせていただきたいと思っております。 今回の外務省の幹部の機密費、報償費の横領事件は、国民の貴重な税金を長年にわたって、競走馬の購入とか、またマンションの、不動産の購入ですか、ゴルフ会員権の購入等々、私的な目的に横領した、もう前代未聞の事件でございまして、この真相究明につきましては、もちろんこれから司直に、捜査当局にやっていただくわけでございますが、この国会の場でもできる限り明らかにしていかなければならないというふうに思っておるところでございます。 私も在外に行ったこと、大使館等に行ったことがたくさんあるわけでございますけれども、本当にこの事件は、在外で本当に苦労をして国益を守るために頑張っておられます大使館の職員の人たちからすると、本当につらい話でございまして、私は、そうした職員のためにも、頑張っている職員のためにも、一刻も早く真相を究明して再発防止に万全を期すべきであるというふうに思っております。 まず何といっても、この事件の事実関係の全容解明、再発防止もさることながら、まず事実関係がどうだったのかということを明らかにしていくことが、私は国会の務めであると思っております。 先般、一月の二十五日に外務省が発表した調査報告、私も読ませていただきました。しかし、残念ながら、余りにもあいまいといいますか、もっときちんとした調査報告を出していただきたいというのが私の率直な感想でございます。事実関係で理解できない点がございます。きょうは、そうした点についてまずお聞きをしたいと思っておるわけでございます。 まず、問題になっております松尾元室長がおりました要人外国訪問支援室の業務というのは、総理一行の外国訪問時の交通手段とか宿泊とか、そうしたものを支援していく、そういう業務であるそうでございますけれども、松尾元室長というのは、平成五年にこの室長になられた、二代目の室長というふうに聞いています。この支援室自体は平成二年に創設されて、二代目の室長がこの松尾という前室長。前任者の時代と二代目の松尾元室長のときと、宿泊等の支援、会計の決済のやり方が大きく変わっているのです。 ちょっとわかりやすいように、元室長がどういうことをしておったかというのを私が調べた限りでお話ししますと、まず、総理一行が海外に行かれる。それは恐らく百人ぐらいの一行を連れていかれるわけですね。先遣隊で行く、もしくは行っていなくても、どこどこのホテルに泊まる、その宿泊費、どこにだれが泊まるか、そういうものも決めていくわけですね。総理はこの部屋、この人はこの人と、そういうのを決めていく。 その宿泊等の費用について、見積もりをこの松尾室長がつくる、そしてその見積もりを官邸の方に一回一回請求する。そして、その請求したものを、また松尾室長が官邸に行きまして現金で受領する。現金で受領して費用に使うわけでございますが、この松尾元室長の場合は、自分の私的な個人名義口座に入金をして、そして、海外に総理一行が行かれるときに随行して、さまざまな費用、特にこの宿泊費について個人名義のクレジットカードで主に決済する。終わってから官邸に対して精算書を出す、こういう仕組みなんですね。 彼は何をしたかというと、この宿泊費の見積もりを水増ししまして、本当の額よりも大きな額を官邸に請求したというふうに思われております。ところが、こういうシステムは、松尾元室長が就任してからこういうシステムになっているのです。 その前はどうしていたかというと、例えば、総理がアメリカへ行かれる。北米、アメリカという原課でそういうことも処理をしていたわけです。こういう支援室でやったものじゃないのです。支援室でやったのは、金のことは一切していません。ところが、この松尾元室長の時代になってから、こういうお金の扱いをするようになる、システムの変更があるわけです。 このようなシステムの変更、大きな変更ですよ、これは。それも大金を扱いますから。これを、外務省の当時の上司である官房総務課長だとか官房長だとか、平成五年の当時の総務課長だとか官房長だとか、また官邸の、官房長官は知らなかったかもしれませんけれども、そのもとにいる幹部が知らなかったのか。私は、当然それは知らないとおかしい話だし、当然知っていたというふうに言わざるを得ないと思います。 このような決済システムの変更に外務省のだれが関与したのか、大臣、お答え願いたいと思います。
○河野国務大臣 いきさつ、これまでの経過については、おおむね今議員が御説明をしていただいたことに大きな間違いはないと思います。 若干お時間をいただいてお話をさせていただければ、今議員がお話しになりましたように、総理が外国へ出張される。アメリカへ行くこともある、あるいはヨーロッパへ行くこともある。それぞれ出かけていく、そのときには、それ以前は、今お話しのように原局が、アメリカへ行くときは北米局がそれを担当する、ヨーロッパへ行くときには欧亜局が担当をする。アメリカへ行くときは北米局北米一課がやります。ヨーロッパへ行くときは欧亜局の西欧一課がやるわけですが、お話のように、相当な仕事のボリュームにはなっているんです。 それは現在、今度廃止をいたしましたけれども、支援室は、スタッフ八人で本当にフル回転して作業に当たるというだけの仕事のボリュームはあったわけです。それを、アメリカへ行くときには北米一課がそれをやる。北米一課には、本来、総理がアメリカへ行かないときにはそんなスタッフを抱えている余裕はないわけですから、北米一課の仕事プラス総理の訪米ということで、それだけの仕事がふえる。ヨーロッパへ行かれるときには、西欧一課にそれだけの仕事の量がふえる。 それが最近では、首脳外交と言われるように、総理が出かけていって外交を展開するというケースがだんだんふえてきて、年間に十回近くの総理の外遊が出てくるということになると、その都度原局がそれを全部賄うというのは合理的ではないのではないかという観点に立って、ロジスティックスの問題ですから、かなり専門的な問題ですから、それなら専門的な知見を持った者で室をつくって、どこへ行くにしてもその室が全部それをやるということが合理的であろうと考えただろうと私は推測するんです。 それは、その点では間違いはないと私は思うんですが、問題は、今議員がお話しのように、そのときに金にまつわる問題が出てくるとすれば、その金を、見積もりをつくるときには、こういう見積もりですというときに、そこにだれか上司が署名を、サインをするとか、そういうことがなければおかしいと考えるのは私は常識だろうと思うんですが、その常識が、まことに申しわけないことでありますが、抜けていた。それは、なぜ抜けていたかということが、今我々が内部的な調査をする一番のポイントになっております。
○北側委員 外務大臣、ちょっと私の質問に、全然答えになっていないんですよ。私が聞いているのは、今おっしゃったのは、何か平成二年に支援室をつくった理由だとか、それから一回一回の見積もりを出すのに決済していないとか、そんなこと私聞いているんじゃないの。私が聞いているのは、平成二年にできた、平成五年に室長が松尾元室長にかわっているんですよ。そのときからお金の扱いを、それまでは、総理がアメリカに行くならば北米第一課がやるとかやっていたわけですよ、原局で。ところが、それが官房総務課のこの支援室でやるようになった。なって、なおかつ、本人が、先ほど私が申し上げたような具体的なことを、官邸に行って金をもらってくる、そして処理をするというふうに変わっているんです。大金ですよ。 なぜそういう変更があったのか、その変更を松尾個人がやって、ほかはだれも知らないなんというのは、とても信じられませんよ、そんなのは。大臣、いかがですか。
○河野国務大臣 総理外遊に当たって、外務省が現地でお世話をする、あるいは準備をするのは当然のことで、その準備をしている中で、その旅行にかかわる一定の費用、費用の一部、それを外務省が、支援室がお預かりをしてそれを使うということは、私はこれも合理的なことであろうと思うのですが、それをだれが認めたかということがお尋ねの趣旨だと思いますけれども、そこが先ほど御答弁申し上げましたように一番我々にとっても大事なところなのだけれども、そこがどうしても、当時の上司あるいは周辺の人間の話を聞きましても、記憶がないというよりは知らないという状況にございます。 そのことは我々にとっても極めて問題だと思っておりますが、支援室そのものは、その仕事自体は、言ってみれば自己完結型といいますか、そこですべてのことが取り仕切られるという状況になっておりまして、その中の作業について、外務省の当時の上司が、その受け取りあるいは官邸に対する見積もりの提出について、本来なら、官房総務課に室はついているわけですから、官房総務課長がそれをチェックすべき立場であったと思いますけれども、そういう状況にはなかったということを、まことに残念ながら申し上げざるを得ません。
○北側委員 先般の外務省の報告書を読ませていただきましたら、何かいかにも松尾元室長個人がやった犯罪で、外務省は、落ち度はあったけれども関与はしていませんよ、こういう内容になっているんですよ。ところが、今の一点の疑問を見ても、私は、やはり外務省のその当時幹部の関与がないなんというのはとても信じられない。当時の官房総務課長とか官房長、直接の上司は私は非常に責任が重いというふうに思っております。 そこで、ちょっともう少し具体的にお話をしたいと思うのですけれども、官房長官、この松尾元室長というのは、平成五年の十月十日から平成十一年の八月十六日まで、約六年弱の間このポストにあった。そして、この間に総理の外交というのは四十六回ございました。この四十六回すべてを、彼は先ほど申し上げたような決済の手続を彼一人でやっているらしいんですね。 この四十六回、官邸に一行の宿泊費等の経費請求に見積もりを出して、また現金をとりに行っているわけでございますが、この四十六回、外交日程はもうすべてはっきりしていますから、この四十六回について、いつ、幾ら、総額でまた幾ら松尾元室長が官邸に請求をして、そして幾らもらっているのか、その詳細を明らかにしてもらいたいと思います。
○福田国務大臣 お尋ねでございますけれども、四十六回分、松尾室長が関係していた総理の外国出張でございますけれども、この一件ごとに、委員のおっしゃるように、いつ幾ら出すということを明らかにするのは、現在捜査の認定対象ということになっておりますので、一件ごとの金額を示すことは、これは報償費のより具体的な使途を明らかにするという、こういう趣旨に反するものでございますので、まあひとつ御理解をいただきたいと思っております。
○北側委員 とてもその答弁では納得できません。 官房長官、これは確かに官房機密費ですよね。官房機密費から出ているのですが、使っている内容は宿泊費なんですよ。一行の宿泊費ですよ。極めて事務的な費用ですよ。こうした費用についても一切合財出せないなんというのは、こうした事件が起こった以上は通用しません。私は、やはり可能な範囲でできる限り公表をしないといけないというふうに思っております。 それから、この問題は、さっき何かやじが飛んでいましたけれども、こんなのは与党とか野党、関係ありません。そんな与党とか野党、関係ありません。大体、先ほど申し上げたように、これは平成五年の十月ですよ。だれの内閣ですか。私も与党でしたけれども。これは与野党関係ありません。関係なしに、私は、しっかり真相究明をやっていかなきゃいけないというふうに思うわけです。官房長官、もう一度先ほどの質問。
○福田国務大臣 それでは、総額でひとつ御勘弁いただきたいと思うんですけれども、今回の業務上の横領容疑の対象となりましたものは、委員のおっしゃるとおりの宿泊費の差額と思われるんでありますけれども、その総額は、松尾元室長が在任した平成五年八月から平成十一年十月までの六年間に行われた四十六回、これは先ほども申し上げました、合計いたしまして九億六千五百万円でございます。これらは内閣官房職員と外務省などから派遣していただいている随行者の宿泊差額として支出されたものでございまして、内閣官房職員分はこのうち約四億二千万円、こういうことになっております。
○北側委員 今総額でこの六年弱で九億六千五百万、そしてそのうち四億二千万は官邸分、官邸の職員の同行分、それ以外は、主に外務省でしょうけれども、他の省庁の職員の宿泊費の差額ですね。本体のところは各省庁から出ますから、差額分についての請求があって支払ったということでございます。 私は、これから事件の内容がどんどん解明されていくと思いますが、これは恐らく、内閣官房機密費を彼はだまして官邸からとった、松尾元室長にだまされて内閣官房機密費を着服されたということになると思います。私は、被害額について返還請求するなど、法的措置をきちんと早急にとるべきである、そのように思いますが、官房長官、いかがでしょうか。
○福田国務大臣 ただいま松尾室長に渡った費用というものは申し上げたところでございますけれども、このうちどれだけのものが実際の被害額なのかということについては、今捜査をしているところでございます。五千四百万円という数字は出ておりますけれども、恐らくこの中から出たものであり、それ以外にあるかどうか、こういうことだろうかと思っております。 もちろん、内閣官房として既に被害届は出しておるわけでございます。今後、捜査当局での真相解明に全面的に私どもとしても協力をしていかなければいけない、こういうふうに思っておりますけれども、そういう進展を見ながら、政府として原因の解明、再発防止に万全を期していきたい、こういうふうに思っております。 今後、捜査の結果、被害の事実が明確になる、そうすれば、当然、返還請求というものも視野に入れなければいけないだろう、このように思っております。
○北側委員 これは国民の税金でございますので、返還請求は当然しないといけない。とともに、法的措置というのは幾らでも事前にできるわけですよ、保全処分等々ございますから。だから、早急にその辺の法的措置をきちんととっていただきたいということを改めて要請をするものでございます。 次に、外務省にもう一度お聞きしますが、この間の報告書によれば、全部で九口座あるのですか、この松尾元室長というのは持っていて、A銀行と書いてございますけれども、このA銀行の部分だけについて調査なされたと。そうしたら、このA銀行口座に、これは書類は持っておられるわけですから、いつ幾ら入金され、いつ幾ら支出されているか、この入金と出金の状況もぜひ明らかにしてもらいたいと思います。
○河野国務大臣 松尾元室長が私どもに述べました話によりますと、彼は銀行口座をかなり今お話しのようなものを持っておりました。 その中で、第一勧業銀行、第一勧銀に二つの口座を持っていて、この第一勧銀の口座に、主として、彼の言葉をそのまま伝えれば、公金、公の金はすべてここに入れたと言っております。しかし、私どもが彼の話を聞いてまいりますと、公金も入れたけれども私的な金も中にはあった。つまり、ここで公金と私金がごちゃごちゃになっているという状況でございます。 その他にも幾つかの銀行に対して口座を持っているわけですが、私どもは、できるだけ早く彼の横領という疑惑をはっきりとさせて、告発をし、捜査権を持つ捜査当局によって全貌を解明していただくことが一番早い、全貌解明に一番の早道だということを考えて、彼がみずから提供した第一勧銀の口座を調べて、先般のようなことを報告したわけですが、それによりますと、彼が、彼の在任中、その口座に入れました彼の説明による公金の量は五億六千万でございます。
○北側委員 それは総額をおっしゃったのでしょうけれども、それももう少し詳細な御報告を私はぜひしていただきたいというふうに思っております。 そこで、もう時間がどんどん過ぎていってしまいますので、これはちょっと要望だけさせていただきますが、今度、外部の識者が入った検討委員会を外務大臣がつくるという御発言が先般ございました。私は、ここで再発防止策を検討するという御趣旨のようでございますが、この際、再発防止といっても、やはり事実関係がある程度明らかにならないと再発防止策は出てきません。そういう意味では、この内部調査についても、私は外部の識者が入った検討委員会にゆだねていくということも大事ではないかというふうに思います。 またもう一点、これは官邸の方に申し上げたいのですけれども、今回の問題は、外務省の管理体制の問題であるだけではなくて、これはやはり官房機密費、官房報償費なわけですから、金の所有権は官邸にあるわけですよ。そういう意味では、官邸の方の責任も私はないとは言えないと思います。そういう意味で、官邸の方の管理体制についてもぜひこの際見直しをしていただきたいということを申し上げたいと思います。 この問題で最後に一点だけ、今後、その機密費のあり方をどうするのかということについて少し御質問をしたいと思うんですけれども、今回の事件で多くの国民は、この機密費、報償費というものに対して非常に大きな不信感を抱いていらっしゃいます。機密費の使途についても厳しくなっている。 先般、ある新聞の世論調査によりますと、この機密費については、七割以上の人が機密費の必要性を認めているけれども透明性向上を望んでいる、こうございました。必要性を認めながらも透明性向上を望んでいるのが七割以上という世論調査の結果が出ておりました。 私、非常にこれは国民の意思があらわれているのではないかと思うわけですが、この際、機密費全体のあり方について、私は見直しを検討すべきではないのか。その管理体制はもちろん、どこまで使途の公開ができるのか、これもぜひ検討の項目に入れていただきたい。そうした機密費全体のあり方について見直しを私はぜひやられるべきだと思いますが、総理、いかがでしょう。
○福田国務大臣 おっしゃることもよくわかります。大変これは責任の重いことを我々はやっているわけでございますので、御趣旨はよく体していきたい、こう思っております。 この報償費そのものは、これは、国が国の事務または事業を円滑かつ効果的に遂行するために、当面の任務と状況に応じて、その都度の判断で最も適当と認められる方法により機動的に使用する経費である、こんなふうなことで今までもずっと答弁させていただいてきております。 そういうことにおきまして使途を公開できないということはもうよく御理解いただいておるところでございますけれども、また各国におきましても、この機密性については、この種のものは相当厳格に機密を守っているというような事情もございますので、その辺は御理解いただきたいと思っております。しかし、おっしゃることにつきましては重々考えてまいりたいと思っております。
○北側委員 ぜひ、今後そのあり方について、この際私は検討をしてもらいたい。先ほどの世論調査の結果にあるとおり、必要性は認めるけれども透明性を向上しなさいという視点で、ぜひ私は検討をされてしかるべきだというふうに思っております。 次に、KSDの事件について御質問をさせていただきますが、これはやはり政治と金の、ある意味では二十世紀型の本当に悪い政治の部分が出てしまった事件だというふうに言わざるを得ない。新世紀になって、私はやはり、これからは二十一世紀型の新しい政治にしていかないといけないと思うわけでございますが、ぜひこのKSD事件を通して、私は、しっかりその総括といいますか、対策といいますかはしていかないといけないと思うわけでございます。 三点ほど総理に申し上げたいんですけれども、この事件を通しましてまずすぐ出てくるのは、そもそも政策決定そのものが金でゆがめられたのではないかとの疑いを国民は持っています。 二番目に、これは他党のことで非常に恐縮でございますけれども、議員の選出、民主主義の根本である議員の選出という、本件では比例区における順位決定ですけれども、そこにおいて党費の肩がわりとか架空党員とか、そうした不正行為があったのではないかという疑いが持たれています。 三番目に、政治資金の問題です。 KSDというのは、これは公益法人です。公益の仕事をするから公益法人として認可されているわけでございますが、この公益法人から、きょうはもう詳しくやりませんが、その関連団体を経由して政治資金が流れてきている、そういう疑いがある。 特にその途中には、自民党豊明支部ですか、これは党組織ですよね、職域支部ですか、そういう自民党豊明支部というのが通って、この自民党豊明支部、私も実を言うと、この政治資金収支報告書を見ました。入りと出は全部同じです。収支報告書をちょっと私も調べてみたわけでございますけれども、入りの方はすべてKSD豊明会、これは任意団体ですね。出の方はすべて政治連盟ですね、豊明会中小企業政治連盟。入りも出も同一人格から入り、同一人格に出ているということで、ほかは一切ありません。全くのトンネル団体です。これが自民党豊明支部。 私は、三点申し上げましたが、政策決定がそもそも金でゆがめられたのではないか、議員の選出の中で不正があったのではないか、三番目に政治資金のあり方の問題です。公益法人から金が流れて、そして政治資金としておりてきている、こういう疑問があります。 私は、このKSDの問題、冒頭申し上げましたが、やはり政治のあり方を変えないといけないと思う、政治の質を変えないといけないと思うわけでございまして、総理が党内でこの問題はきちんと調査を行って、その結果と今後の対策を国民に明らかにしていかないといけないというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 本会議のときもたびたび申し上げましたが、予算委員会でもございますので。 今回の事件は国民の政治の信頼を損なうものでありまして、私としても大変遺憾であります。そしてまた、このことは、今幾つか御指摘いただきましたけれども、極めて深刻に受けとめております。 特に、党の所属議員から逮捕者を出したということについても、公党として心から国民におわびを申し上げなければなりませんし、また、連立与党としていろいろと御理解をいただいております公明党、保守党に対しましても、大変申しわけなく思っている次第でございます。 私といたしましては、今回のような事件が再び起こらないように、政治の信頼回復に全力を尽くす決意を新たにして、党のそれぞれの機関に指示をいたしております。 今後、司法当局が、先ほど官房長官も申し上げておりますように、捜査をいたしておりますので、その捜査が、徹底的に真相の究明が行われて、国民の前に真相が明らかにされていくものだというふうに我々は期待もいたしておりますが、党としても調査すべき点は調査をし、真相究明に全面的に協力してまいりたい、このように考えています。 また、真相究明を待つことなく、この事件を教訓として、今御指摘ございました自由民主党の仕組みにつきましても、見直すべきところは率先して見直してまいりたい、このように考えています。 例えば、既に比例代表の登載基準につきましても、いたずらに党員をあおるというようなことがあってはならない、そういう誤解も受けてはいけないということで、これも撤廃をいたすことになりました。また、入党手続も適正に行われていると承知をしておりますが、党員集め等についてもしっかりとしたチェックができるシステムを具体的に検討するように、今その作業に入っているところでもあります。 いずれにいたしましても、今回の事件はKSDという財団法人をめぐる事件であるというのも今北側議員からの御指摘どおりでありまして、公益法人の運営のあり方、これにつきましては、昨年十二月に閣議決定をいたしました。また、北側さんも含められて与党三党でおまとめをいただいたものを内閣にお持ちいただいたわけでありますから、この行政改革大綱に基づきまして公益法人改革を今行うことといたしておりますが、それを少しスピードを速めてその作業に取りかかりたい、このように考えております。 一段と厳正な指導監督をしていきますように、それぞれ担当大臣にも指示をいたしているところであります。
○北側委員 このKSD事件については、もう一つ、やはり旧労働省の指導監督が余りにもずさんではなかったのかというふうに言わざるを得ないと思っております。 このKSDというのは、会費が一人月二千円。これ、私がいただいた資料によりますと、平成十一年度の決算では二百七十四億あるんですけれども、そのうち本来のKSDの仕事である災害補償、保険ですね、災害補償に幾ら使っているかというと八十三億で、約三〇%なんですよ。約三〇%しか使っていないんですね。本来の仕事に三〇%しか使っていない。これが公益法人としていいのか、補償率が余りにも低過ぎるのではないかということでございます。 さらに言いますと、このKSDとKSD豊明会。KSDからKSD豊明会に、これは任意団体でございますが、お金が流れています。この事務局体制を見ても、一体です。公益法人、財団法人のKSDの福利厚生部と任意団体のKSD豊明会事務局は、全く同一組織。役員も担当理事も同じメンバー。職員も、KSDの職員が豊明会の事務局職員になっている。場所も一緒。全く一体でございます。 平成六年から、旧労働省の担当幹部は、KSDの古関前理事長が財団を私物化しているという指摘を受けておりました。それにもかかわらず、平成五年に立入検査をして以来、昨年まで立入検査を全然していないんですね。そういう財団を私物化しているという指摘があったにもかかわらず、全然立入検査をこの平成五年から十二年までしていない。旧労働省のこれまでの指導監督が極めて甘かったと言わざるを得ませんし、一方では、その背景には、旧労働省役人がKSDやその関連団体に天下りをしていること、また、省幹部がKSDから大分接待を受けていたみたいですけれども、そうした事実があること、こういう背景があるからしかるべき監督ができないということなんじゃないでしょうか。 坂口大臣、いかがでしょう。
○坂口国務大臣 いろいろと御心配をおかけいたしまして申しわけなく思っております。 KSDの問題につきましては、とりわけ現在問題になっておりますものつくり大学、そして外国人研修生の滞在期間の延長の問題等が今問題になっているわけでございますが、とりわけ、ものつくり大学につきまして、KSDとの関係が注目をされております。 最初、ものつくり大学のことが俎上にのりましたのは一九九〇年代初頭でございました。これはSSFというフォーラムができまして、サイト・スペシャルズ・フォーラムというフォーラムができまして、これは民間のフォーラムでございますが、円高等もございまして海外に多くの企業が進出をしていくというようなこともあって、どうしても日本の中で技術者を養成しなければならないという話が起こって、その中からこの問題は起こってきたわけでございます。そして、一九九四年になりまして、このフォーラムからKSDの古関前理事長のところに、この問題に協力をしてほしいという話があった、それ以後今日を迎えているということでございます。 それで、私は、この問題につきまして、やはりものつくり大学の話、いわゆる物づくりが大事だという政策的な話と、そして現在大変な問題になっております政治献金その他の問題とはこれは少し切り離して考えなければ、整理をして考えなければならないのではないかというふうに思っております。 それで、先ほど御指摘になりましたように、五年から入っているわけでございますが、五年のときには、これは共済の内容につきまして不適当なところがあるというので入っておりまして、現在のような問題で入っているわけではありません。現在のような問題で指摘をされて注意をし始めましたのが平成八年からでございます。八年、九年、十年、この間、口頭でしておりますけれども、立入検査をしていなかった。そして十一年からきちっとやりますという約束をいたしましたが、その約束を果たさなかったものですから、十二年に立入検査をした、こういう経緯でございます。 しかし、そこが余りゆっくりし過ぎていたじゃないかという御指摘を受けるわけでございますが、私もそこはもう少し急ぐことができなかったのかなという気はいたします。しかし、その当時は、現在のようなことが起こっているということはわからないことでございますので、今から逆算をして考えますと、それは大変落ち度があったように思いますが、その当時として、六百二十一の公益法人を抱えておりまして、その中で指導監督をしていく、しかも、指導監督をしていく人間が本当に専任の人がいなかったということでございまして、その辺の指導体制にも大きな問題があったというふうに思っておりまして、私、就任させていただきましてから、指導体制を強化させていただいているところでございます。 そんなことで、これからこういうことを二度と起こさないようにしていくということに重点を置きながら今やっているわけでございますが、事の経緯というのは、そういうことでございます。
○北側委員 先ほど総理も申し上げましたが、やはり今回の事件を通じまして、今公益法人の改革作業をやっておりますが、その中の一つの問題点として、監督官庁から当該公益法人への天下りの問題です。ここは、今も三分の一規制というのがあるわけでございますけれども、この規制の強化をもう検討すべきではないのかというふうに思っております。 この問題につきまして、担当の総務省大臣また橋本行革大臣、何かございましたら簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
○片山国務大臣 今北側委員御指摘の三分の一規制は平成八年の九月二十日の閣議決定で決めたものでございまして、白書等では十一年の十月でございますから、三分の一規制に従っていないのが二十法人、こういうことでございますが、現時点では二法人だけであります。大変小さな公益法人でございますけれども、ぜひこの二法人も三分の一規制を守るように今厳しく総務省の方から申し入れているところでございます。 三分の一をさらに四分の一なりもっと規制すべきではないか、こういう御意見も確かにありますが、私は、この際、公務員制度の見直しや公益法人の見直しを橋本行革担当大臣を中心にやっておりますから、そういう総合的な検討の中で、公益法人のあり方、所管官庁から下るべき役員のあり方、こういうものの結論を出すべきではなかろうか、こういうふうに思っております。
○橋本国務大臣 今公務員制度の全面的な見直しに取りかかっております立場から申しますと、私どもは、まず、いわゆる自分の出身省庁の権限とか予算を背負ったそうした天下りと言われるものは全面的に禁止をしたいと思っておりますし、これには刑罰規定もつけたいと思っておりますが、そのかわり、能力を活用されて民間から官に来られる方、この交流はできるだけむしろ緩やかにしていきたいと考えております。 しかし、今議員が御指摘になりましたような視点があることは私も否定をいたしません。そして、そういう意味ではむしろ公務員制度全体を考えていく中で対応を考えたい、そのように思いますが、逆に、実は今まで、私の経験にもあることでありますけれども、民間の法人が何か問題を起こしましたときに、あそこは行政から人を送っていないからああいう問題を起こすのだというおしかりを受けまして、過去に行政から人を派遣したようなこともございました。そうしたところ、非常に難しい問題が過去にもあったということを振り返りながら、公務員制度全体の中できちんと形づくりたいと思います。
○北側委員 橋本大臣、公務員制度改革についても今非常に積極的に進められようとされております。ぜひその方向で御検討をお願いしたいと思います。 それでは、経済の問題につきまして質問をさせていただきますが、雇用の問題をまずさせていただきたいと思うのです。 どうやって雇用を創出するか。私は、やはり雇用の確保、雇用の創出、これは政治の極めて大きな仕事だと思っております。雇用創出のため、新産業分野、新たな分野を起こしていかないといけないわけでございますけれども、雇用の創出目標、これが余りきちんと出ていないんですね。私は、この雇用創出目標というのを中長期計画の中できちんと政府が明示をしていくことが非常に大事なことだと思っております。 国民の不安を解消する、希望を持ってもらう、そのためには、こういう分野についてはこれから非常に期待できる、これからこれぐらいの雇用創出が期待できるんだ、そのためにこそ、このような規制緩和だとかやらないといけないんだ、またこういう投資をしていくんだ、政策をしていくんだ、こういうことが非常に大事だと思うのです。GDPで何%上げるという話は、国民から見ると非常にわかりにくい。それよりも、雇用創出目標というのをきちんと明示することが非常に大事ではないのかというふうに思っているわけでございます。 まず一例、今私が申し上げたのは、ちょっとパネルをつくってみましたが、例えば、今二〇〇一年、十年間で、新産業雇用創出の十カ年戦略というのを政府がつくりまして、例えば一千万人の雇用創出をしていくんだ、こういう計画をつくる。当面この二年間では百万人ぐらい雇用創出しようじゃないか。そのためには、IT、介護、育児、医療、バイオ、環境等、そういう新産業分野への集中投資をしないといけませんね。そのためにはさらに徹底した規制緩和、また女性、高齢者の就業環境の整備、能力開発等雇用のミスマッチの解消、こうした施策が重要です。このような国民にわかりやすい経済政策をやはり打っていかないといけないと思うのです。そのポイントは、雇用創出、そこにちゃんと目標を明示するということが大事だと私は思っております。 一例をちょっと申し上げますと、余り時間がないんですが、例えば環境分野でございます。この環境分野というのは、これからはもう環境問題というのは最優先の課題になってくるのですが、一方で、雇用創出という側面から見てもこの環境分野というのは非常に期待できる分野でございます。二十一世紀の新産業であるエコビジネス、環境産業、静脈産業というふうにもいいますけれども、これが、経済成長を支える産業となって雇用を生み出す。 今、経済産業省とそれから環境省が一緒になってエコタウン事業というのを展開しておりまして、全国でモデル事業をやっているわけでございますが、これが成功していますのが北九州なんです。この北九州のエコタウン事業は、これは見事なまでに成功しています。資源循環型社会の構築を目指して、廃棄物対策、環境保全対策、産業振興政策等を統合して、産官学が協力体制をつくって今進んでおります。 この根本の思想は、ごみは資源である、これが根本思想なんです。ごみを資源にしていく。これまでのようにごみを単に捨ててしまうだけではなくて、ごみを資源に変えていく、リサイクルです。こういう発想の転換をとって、行政がリーダーシップを発揮して、今、PETボトルのリサイクルとか、使用済みの自動車のリサイクルだとか、それから家電製品のリサイクルだとか、民間企業なんかも入ってやっておるところでございます。 そういう意味では、私は何を申し上げたいかといいますのは、ごみの一番あるところはどこかいうたら東京ですよ、東京圏ですよ。循環型社会とか環境問題とかいっても、この東京圏のごみ問題を解決しないと日本の環境は変わらないですよ。今、この首都圏にあるごみは、一般廃棄物も産業廃棄物も、どこに廃棄をされているかといったら、もちろん首都圏の中で処理されているものもありますが、北は東北から南は九州まで、首都圏の廃棄物が全国各地に散らばっているんですよ。地方の人たちは、お米は東京に届けるけれども、我々はかわりにごみをもらっているんだ、こんな話をする人もいらっしゃいます。 私は、東京圏のエコビジネス、また東京圏のエコタウン事業、例えばこれも十カ年計画ぐらいで、これは東京都と相談しないといけません、また首都圏と相談しないといけませんが、やはり政府が主導して、この東京エコタウン構想十カ年戦略というようなものをつくっていくべきじゃないか。北九州なんか私は本当にいいモデルになると思います。そこではまた新たな雇用が創出されます。実際、数字なんかも出ております。予測でございますけれども、雇用創出の数字なんかも出ております。 総理、先般、私はこれは新聞で読んだのですが、総理が環境問題で私的懇談会を、二十一世紀環の国づくり会議というのを発足させたいというふうな報道を読ませていただきました。私、これは非常にいいというふうに思うのですが、ぜひこの東京エコタウン構想、東京圏をエコタウンにしなかったら日本の環境問題は解決しませんと私は思います。その意味で、ぜひこうした事業を中長期的に展開をしていくべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 今御指摘ありましたように、新たな産業を育成して良好な雇用機会を創出するということは、我が国経済の新たな成長と発展を実現する上でも極めて重要な政策だと思っています。 実は、私が就任いたしましてから早々に産業新生会議を設置いたしまして、昨年十二月に経済構造の変革と創造のための行動計画という、もう既にごらんをいただいていると思いますが、このまとめをさせていただきまして、そして法律的なものを、商法改正を初めとして、すべてこれは年限を定めまして、三年以内、一年以内にこれだけやりましょうということを決めております。 ただ、残念ながら、それによってどういう企業ができてどの程度の雇用ができるかということまでの目標数値はまだ設置をいたしておりませんが、これはまずそういう行為が起きてくることによって私は自然にわいてくるものだろうと思いますし、政府一丸となってこれらの強力な政策を推進することによって新規産業の振興と雇用機会の創出を、ぜひ力強い成長と活力にあふれるという意味でも取り組んでいきたい、こう思っています。 それから、今御指摘ありました環の国づくりの懇談会でありますが、実はもうスタートしているべきであったのでありますが、御承知かもしれませんが、ちょうど川口担当大臣が少し体調を崩されまして休まれましたので、恐らくここ数日のうちにこれはできるだろう、こう思っております。ぜひ御指導いただければと思います。 必要があれば環境大臣からお答えいただければと思います。
○川口国務大臣 地球に優しい環の国日本づくりといいますのは、二十一世紀を見通して、百年間を見通して日本をそのような国にしていくという構想でございまして、今総理のもとで人選等を御検討いただいているところでございますので、できるだけ早い機会に発表させていただきまして、意味のある、意義のある議論をさせていただきたいと思っております。
○北側委員 雇用創出の問題でいいましたら、環境問題を新たな成長のエンジンにしていくんだということでございまして、この環境分野で、例えばこれから十年間でこれだけの雇用を創出していきましょう、そのためにはこういう政策を発動していきましょう、こういうふうなことがこれからは私は非常に大事だと思っております。 昨年の暮れに、旧通産省でございますけれども、通産省と三和総研が一緒になりまして、経済構造改革の効果試算ということで、十年間で三百万人の雇用創出ということを書いていただきました。 この三百万人というのを、ここを私は例えば、これから期待されるのは環境だけではもちろんないわけでございまして、情報通信、エネルギー、物流、金融、医療、介護、育児、福祉等々、これはこれからの二十一世紀型の産業でございまして、こうしたそれぞれの分野にどれだけの雇用創出ができるのか、きちんと目標を提示してやっていくべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○平沼国務大臣 委員御指摘のように、そういう雇用の具体的な将来計画というのを提示して、国民の皆様方にわかりやすい、そういう行政を行うということは非常に大切なことだと思っています。 ただ、これに関しましては、今度の新行動計画の中でも具体的な数字がまだ提示できておりません。それはなかなか、分野をどういうふうにするかとか、あるいは統一したそういう試算の手法というのはいろいろございます。しかし、通商産業省といたしましては、今御指摘のようなそういう調査の結果、向こう十年間で大体百四十兆の新たなそういう経済規模の拡大が行われる、そこで御指摘のように三百万人ふえる、こういうことを出しておりますから、今後、御指摘は非常に重要なポイントでございますから、私どもとしては、国民の皆様方にわかりやすい、そういう形で試算等努力をさせていただきたい、こう思っています。
○北側委員 それでは、午前中の質疑は終わらせていただきます。
○野呂田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○野呂田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。午前中に引き続きまして、質問をさせていただきます。 まず、景気の現状について、きょうは日銀総裁がいらっしゃっておりますので、お聞きをさせていただきたいと思っております。 我が国の今の景気状況、経済状況というのは、設備投資また企業収益等の数字は非常に改善されておりまして、緩やかではあるが着実に回復しているというふうに言えると思いますけれども、ただ一方、家計部門の方は、個人消費は依然として低迷している。特に心配なのが、アメリカ経済が相当後退の局面に入ってきておるようでございまして、日本の輸出の伸びが鈍化してきている等々の理由から、まだまだ予断を許さない状況であると思っております。 特に、株価の方も、一瞬ではございますけれども、一万三千円を切ったようでございます。株価も非常に低迷を続けておりますし、また心配なのは物価の問題でございまして、我が国の物価が生鮮食品を除く総合指数で初めて前年比マイナス〇・四%の下落、比較可能な昭和四十六年以降初めての下落でございます。それも一部の品目の下落ではなくて、全体的に一般物価の水準が下がってきているというのは、深刻に受けとめないといけないのではないかというふうに思いますし、私は、日銀の金融政策において何らかの対応が必要になってきているのではないかというふうに思っております。もちろん、金融政策というのは日銀の御判断でございますけれども、個人的には、今の状況においては金融の緩和策が必要なのではないかというふうに思っておるところでございます。 日銀総裁、現在の我が国の経済の状況、特に物価、さらには株価の動向をどう認識し、また金融政策においてどのような対応を図ろうとされておられるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○速水参考人 日銀の速水でございます。 お答え申し上げます。 現在、物価は全般的に弱含みで推移しておることは御指摘のとおりでございます。日本銀行は、物価の動きやその影響につきまして、細心の注意を払って点検いたしております。 物価が弱含みで推移するということにつきまして、二つの背景があると思います。一つは、景気の回復が緩やかなものにとどまっているという需要サイドの要因でございます。もう一つは、技術革新とか流通合理化とか規制緩和とか、供給サイドの要因が寄与しているものと思っております。 問題は、こうした物価の情勢が、企業収益あるいは雇用者所得を圧迫して、再び景気と物価の悪循環、いわゆるデフレスパイラルといったようなものになるかどうかということかと思います。この点につきましては、企業の収益は改善を続けておりますし、雇用や賃金情勢も、厳しい状況ながら底がたく推移している、こういうことを踏まえますと、これまでのところでは、そうしたリスクが再び強まるには至っていないとみなしております。 ただ、景気回復のテンポが御指摘のように鈍化してきておりまして、これには、海外経済の減速の影響とかあるいは内外資本市場の動向など、景気の下振れ方向のリスクをより注意深く見ていく必要があると思っております。それだけに、今後の物価動向につきましては、需要、供給、両面から引き続き入念に点検してまいりたいと思っております。 次に、当面の金融政策でございますが、ただいま申し上げました景気、物価動向を踏まえまして、現在の金融緩和スタンスを維持して景気回復を金融面からしっかり支援してまいる方針でございます。 また、日本銀行は、あしたの金融政策決定会合におきまして、金融市場の円滑な機能と安定性の確保に万全を期すべく、流動性供給方法の改善について検討することになっております。これは、現在の政策が持っております金融緩和効果を最大限に発揮する上で大きな意味を持つものと考えております。 以上でございます。
○北側委員 いずれにいたしましても、我が国経済は今正念場に来ておるというふうに私は思っております。民需主導の自律的な回復軌道に乗せることができるかどうか、この平成十三年という年は非常に重要な年だ。その意味でも、この平成十二年度の補正予算、この早期執行と十三年度の予算の早期成立、これが欠かせないことだというふうに認識をしておるところでございます。 少し質問を変えたいと思いますが、全然質問の内容が変わるわけでございますが、私、一度総理にも機会があったらこちらに行っていただきたいなと思っておるのは、神戸にプロップ・ステーションというのがあるんです。これは社会福祉法人なんですけれども、チャレンジド、チャレンジドというのは障害者の方をチャレンジドというふうにアメリカでは言っていまして、チャレンジ、挑戦する、チャレンジド。どういう意味かというと、神から挑戦という使命を与えられた人という意味がこのチャレンジドという意味だそうでございます。 このプロップ・ステーションという社会福祉法人は、スローガンがありまして、チャレンジドを納税者にできる日本にと、まあ大変なスローガンでございますけれども、そういうスローガンを掲げて、コンピューター、情報通信を活用いたしまして、障害者や高齢者の自立と就労の支援をやっているんですね。一九九二年にこの法人はできたわけでございますが、これまで延べ五百人近くの障害者や高齢者が受講、卒業しておって、このうち五十人が既にパソコン関係の仕事に就労していらっしゃいます。 このプロップ・ステーションの理事長が竹中ナミさんという女性の方なんですね。愛称ナミねえ、ナミねえと言われておるんですけれども、この方は、娘さんも重度の障害者なんですけれども、こういうことをおっしゃっています。 これまで、障害を持つ人は、専ら福祉施策の対象とされ、働くチャンスと方法を与えられず、保護の必要な人たちと位置づけられてきた。しかし、コンピューター技術の習得を通して、障害者は与えられる存在から社会に何かしてあげられる存在へと変わってきている。従来の福祉の概念とは異なる新しい発想が必要だということで、チャレンジドが誇りを持って社会参加し働けるように社会的な条件整備を急ぐべきだ。 こういう話をされておられます。 ちょっと作品を紹介したいと思うんですけれども、これは、障害者の方が、ここのプロップ・ステーションのメンバーなんですけれども、そこの会員の方がつくられたコンピューターグラフィック。これは広島の文化祭で入賞した作品なんです。障害者の方でございます。それと、もう一枚。これは、ホームページなんかに利用してもらおうということで、これもやはりコンピューターグラフィックでつくった作品でございます。こういうのを企業なんかが買うわけですね。 というふうな、コンピューター、IT化というのはやはり大変すごいことでございまして、従来障害者の方々が、IT能力をつけることによって障害がなくなってくる。逆に、ITがあることによって、コンピューターがあることによって健常者の人が障害が出てくるなんというような、こういう大きな変化が生じております。 私は、日本の障害者基本法、もちろんこの法律の中にもこうした思想は入っているんですが、どちらかというと、これまでの政策というのは、そういう福祉施策の対象ということで、もちろんそういうのは重要であるわけでございますが、私は、この障害者基本法の思想の中に、障害者の差別を禁止する、そして社会参加の機会と平等を保障する、権利として保障していく、そういう思想性を盛り込んでいくべきではないか。 アメリカでは、ADA法、アメリカンズ・ウイズ・ディスアビリティーズ・アクトという、障害を持つアメリカ国民法という法律がありまして、その辺の思想が日本の障害者基本法と違うんですね。 もちろん日本でも、昨年、交通バリアフリー法案とか、それから建設省関係の方でいうと、国土交通省ですか今は、ハートフル法とか、そういう個々の施策はもちろんあるんですけれども、障害者の方々が社会参加しやすいような条件を整備していくという、そういう個々の法律はあるんですが、私は、やはりこの障害者政策の基本にそういう理念をしっかりと盛り込んでいかないといけないのではないか。そういう意味で、日本版のADA法というのをそろそろ検討していただいてもいいんじゃないか、研究していただいてもいいのじゃないかというふうに思っておるところでございます。 余り時間がございませんので、アメリカのADA法の内容については触れませんが、事前に質疑通告をしておりますので、まず坂口大臣、また総理から御見解を賜りたいと思っております。
○坂口国務大臣 ただいま、アメリカのADA法等についてお話がございました。 日本におきましても、御承知のように、平成五年の十二月でございましたか、アメリカのそうした法律ができましたことにも影響を受けまして、障害者基本法ができたところでございます。 しかし、現在ございます障害者基本法は、今御指摘のADA法とかなり違ったところもあるわけで、まだそこまで至っていない点もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、日本特有の文化というものもございますし、そこをどのように乗り越えて、そうした障害者の皆さん方に健常者と同じような生活を、そしてまた雇用を、あるいはまた他の文化を共有していただくような社会をつくっていくかということを考えていかなければならないというふうに思います。 私も思いは同じでございますが、しかし、その方向に行きますのには、各省庁もたくさん関連することでございますしいたしますので、幾つかの乗り越えなければならない点があるというふうに思いますので、御指摘を受けました点を十分に踏まえながら、これからいろいろと検討を重ねていきたいと思っております。
○森内閣総理大臣 障害者基本法につきましては、今、坂口大臣からお答えを申し上げたとおりでございます。 これは、障害のない方とともに地域で障害のある方々がともどもに生活できるというノーマライゼーションの理念のもとに、総合的にこれを進めているということになります。 今御指摘がありましたように、アメリカのように一般の企業や事業者に障害者の雇用やさまざまなサービス提供における差別禁止を義務づける仕組みを我が国に導入したらどうかということだろうと思いますが、今大臣申し上げたように、それぞれの国の文化性、歴史等もございます。しかし、障害者の権利を尊重して障害者の社会経済活動への参加機会を確保するためには、障害者に関するさまざまな制度の見直し、これは絶えず進めていく必要があるだろう、このように考えます。
○北側委員 アメリカでは十年以上の実績がございますので、もちろんそのまま日本に適用できるとは思いませんが、ぜひアメリカでの実証的な研究なんかもしていただいて、前向きに取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。 ちょっと午前中の質問に関連するんですけれども、雇用の問題についてもう少し質問をさせていただきたいと思います。 私、これからの二十一世紀の、特に雇用ということを考えたときに、キーワードが、一つは女性、一つは高齢者、これが非常に大きなキーワードだと思っております。 今、景気がもう一つよくないわけですから、なかなか新しい雇用が生まれてこないわけでございますけれども、もう少し中期的に見ますと、日本の労働力というのは、人口が二〇〇七年から減少しますから、少子化が進んでいるわけでございますので、労働力人口というのは、ほうっておきますとどんどん減っていくことになってしまいます。現在のままの労働力率で推移すれば、推計によりますと、単純な推計ですが、二〇二五年までに七百八十万人の労働力が減少していく。七百八十万人というのは一二%、大変な減少でございまして、その意味でも、二十一世紀の日本を考えたときに、一つは女性の社会進出というのをしっかり促進していかないといけない。また、そこに障害になっているものを取り除かないといけない。また、高齢者の雇用を促進しないといけない。これが非常に大事なことだというふうに思っております。 女性の面で申し上げますと、もう時間が余りございませんのでこちらの方でまとめてお話しさせてもらいますけれども、一つは、ちょっと出していただきたいんですが、パート労働、このパート労働の方々の数が物すごい勢いでふえています。日本の雇用形態が大きく変化をしてきているということの一つのあらわれでございますけれども、この縦の棒グラフがパート労働者の雇用数でございまして、ピンクの方が女性、青い方が男性でございます。年々パート労働者はふえております。 そして、パート労働者の占める割合でございますけれども、女性の場合は上の折れ線グラフでございまして、女性雇用者の中で三六・一%、女性の労働者の三分の一強がパートの方なんですね。また、全体の雇用者数で見ても、今や男女合わせても二〇%、五人に一人がパート労働、短時間雇用者というふうなことになっております。 パート労働法の問題でございますけれども、もちろん正規の社員とパート労働者には、転勤がないとかいろいろ違いが当然あるわけでございまして、一概に形式的には決められないんですが、ただ、そういうのも加味した上で同一労働同一賃金の原則というものをパート労働法の中にきちんと規定をしていく必要があるのではないか。そうした待遇改善を盛り込んだ改正をする必要があるんじゃないか。これが一点。 二点目に、保育の問題です。 働く女性の方々の保育サービスの充実の問題でございまして、もう今子供の数が少なくなっているんだけれども、保育サービスのニーズはますます上がっています。女性の社会進出を促進するためには、また少子化対策の大きな柱としても、この保育サービスの供給拡大というのは非常に不可欠でございまして、それも多様な保育サービスが必要でございます。 こういう多様な保育サービスを、いまだに都市部におきましては保育所の待機児童、待っているお子さん、世帯というのはたくさんまだあるわけでございまして、特に都市部における待機児童の解消のために保育支援というのをしっかりやっていく必要があるし、また、無認可保育所もあります。この無認可保育所についても一定の要件のもとでやはり支援体制を、私は、この無認可保育所も保育サービスの供給側として重要な役割を果たしているわけでございまして、一定の要件のもとでそういう民間事業者についての支援もしていく必要があるのではないかというふうに思っております。 さらには、三点目でございますが、看護休暇、看護特別休暇制度。 これはどういうことかといいますと、介護休業制度がございますけれども、実際問題、介護休業、育児休業はなかなかとりにくいわけでございます。特に中小企業になればなるほどとりにくい。そうなると、子供さんや親の看護のために、例えば月に一日制度として休暇とれますよ、こういう制度の創設も検討していってもいいのじゃないのかなというふうに思っているところでございます。 もう一点、高齢者の関係でいいますと、私は、特に年功序列型、終身雇用型の雇用形態が今本当に変化をしてきているわけでございまして、年齢差別というのはやはりこれから禁止に向けて動かないといけないのではないかと思うのです。雇用における年齢差別です。実際のところ、新聞なんかを見ても、就職欄のところを見たら全部年齢を書いています。二十歳以上とか、十八歳以上四十歳までとか。調べましたら、九〇%以上が就職の入り口の際に年齢要件というのを設けているわけですね。 ただ、これからの、先ほど申し上げているような少子高齢化、中期的には労働力が減っていく、そして高齢者の方々が社会の中で活躍をする社会をつくっていく必要があるということを考えますと、雇用における年齢差別禁止ということも私はしっかり検討していかないといけないというふうに思うわけでございますが、大臣、簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
○坂口国務大臣 たくさんの御質問をいただきましたが、簡単に答えるのはなかなか難しいわけでございますけれども、高齢者の問題、そして女性の問題、これから雇用として大事であるということは十分に理解をしているところでございます。 ただいまお話のございました中で高齢者の問題、なかなか義務づけるというところまでは一足飛びにまいりませんけれども、高齢者の雇用をひとつしっかりと考えて、そして、特に採用をしていただきますときに年齢というものによって差をつけないように、そういう法律を今回出させていただく予定をいたしておりますので、ぜひお願いを申し上げたいというふうに思いますが、さらにそれをもう一つ進められるかどうかということはこれからの課題でございまして、ひとつまた鋭意いろいろと御検討をいただければというふうに思いますし、私たちも検討を進めていきたいというふうに思っております。 女性の介護休業のお話も出ましたが、これも、今までよりもよりそういう介護休業をとっていただきやすいようにする法律を今国会に出させていただく予定にいたしておりますので、これまたお願いを申し上げたいというふうに思っております。 そうした中でひとつパート労働の問題につきましても考えていきたいというふうに思いますが、最近、非常に労働も多様化をしてまいりまして、パート労働の中身も、今までのパート労働と、それから最近は、非常にたくさんの技能を持った、技術を持った、そういう方でパート労働の部類に入っておみえになる皆さんもおみえになりまして、中身は多種多様になってまいりました。このような状況をどのように整理をしていくかということもこれからの課題であるというふうに思っておるところでございます。 多くのお話がございましたのであるいは抜かしたところがあるかもしれませんが、これぐらいにさせていただきます。
○北側委員 最後に一問させていただきたいと思いますが、先般、一月三十日でしたか、山形県の方で官製談合の事件がございました。入札の談合というのは、普通、被害者が発注者側でございます。発注者側の公務員、公務員というか担当職員でございますけれども、官製談合というのは、発注者側の公務員が談合に関与している、これを官製談合というわけでございます。この間の山形の事件は、農業土木工事の入札をめぐって、県の職員が事前に受注業者を決めるなど業者間の受注調整に深く関与していたのではないかということで、公取が独禁法違反の疑いで立ち入り検査をいたしました。ところが、公取にはこの官製談合を有効に排除するための法的権限が今ないのです。ありません。 この官製談合防止に関する法律というのを、私ども、昨年来、衆議院法制局の方と検討してまいりまして、与党三党間で検討するたたき台をつくらせていただきました。亀井政調会長の方にも申し上げまして、三党の政策責任者会議の土俵に乗せようということで合意をさせていただいております。 この官製談合に関する防止法案でございますが、きょう公取に来ていただいておりますので御答弁をお願いしたいと思うわけでございますが、その内容は、公取の方に事前に我々のつくった法案を提出させていただいておりますが、公取の方に権限を持たせて、発注官庁に対する措置請求権を規定しまして、請求を受けた官庁側は調査義務を課せられる、こういう内容のものが入っております。 こうした新規立法をやりたいというふうに思っておりますが、公取の委員長の御意見を賜りたいと思います。
○根來政府特別補佐人 さきの国会で旧建設省所管の公共工事の適正化法というのが提出されまして、これが可決されて成立したわけでございますけれども、そういうことで、入札あるいは契約ということについては透明性が確保されつつあると思いますけれども、おっしゃるように、公共事業に限らず、ほかの案件につきまして、発注者が深く関与している事例があるわけでございます。これに対して、私どもは、何らとるべき法的手段がございません。そういうことで、私どもとしては、隔靴掻痒といいますか、そういう気分を抱いていることもありますし、関係事業者が不公平感を持っていることもまた事実でございます。 そういうことで、おっしゃるような法律は、法律の細部については十分承知しておりませんけれども、方向としては大変ありがたいこと、歓迎すべきことと考えております。
○北側委員 時間が参りましたので終わりますが、総理、先ほど申し上げましたように、今経済は本当に正念場でございまして、間違いない経済政策をとっていかなければならない、また予算の早期成立が必要だと思っております。しっかりと経済運営に誤りがないようお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○野呂田委員長 これにて北側君の質疑は終了いたしました。 次に、井上喜一君。
○井上(喜)委員 保守党の井上喜一でございます。 私は、総理を中心に、施政方針演説において述べられました事項に関連をいたしまして、質問をさせていただきたいと思います。 KSD、それから外務省の機密費の問題でありますけれども、極めて遺憾な不祥事だと思います。これは、政治やあるいは行政に直接関係する不祥事でありまして、極めて遺憾で、しかも極めて重要な意味を持っていると私自身思います。大体、事件といいますのは、多かれ少なかれ、そういうことが起こります原因とか土壌があるわけでありますけれども、外務省の機密費の問題というのは、全く私ども想像できない事件だと思うのであります。 そういうことで、KSDの問題あるいは外務省の機密費の問題、いろいろな報道がありますけれども、まだ全体像がよくわかっておりませんので、ぜひとも、解明をしていただきまして責任の所在について明らかにしていただく、そして事後対策なり、あるいはとるべき措置についてはっきりとしていただきたい、こんなふうに考えております。 総理を初め関係各大臣から、こうした問題につきましてきちっと取り組んで適切な結論を出したい、このような御答弁と承知をいたしておりますので、私は、この問題につきましてはこれ以上申し上げることはございません。よろしく適切なる措置をお願いいたしたいと思います。 私は、歴代総理大臣の施政方針演説を興味深く聞かせていただいております。それぞれの政権の特徴が施政方針演説の中で述べられております。 ことしの森総理大臣の演説は、どこかのマスコミも書いておりましたけれども、私は議場で聞いておりまして、大変具体的な課題、テーマにつきまして期限を設定して結論を出していく、そういうところが多く見られたと思うんですね。 例えば、IT革命を進めるアクションプランを三月末をめどにつくっていく、あるいは公務員制度の改革の大枠を三月末までに示す、しかも、基本設計を六月中に成案を得るということであります。さらには、特殊法人、公益法人改革の整理合理化計画を二〇〇一年度中に策定する、あるいは規制改革推進三カ年計画を三月末までにつくることになっておりまして、これはITとか、医療・福祉、あるいは雇用・労働、教育、環境、どちらかといいますと規制改革がおくれていた分野だと思うのでありますけれども、こういう分野でも競争政策の積極的な展開を図ることにして、そういう推進三カ年計画をつくられるということであります。 私は、本当に実のあるこういう計画をつくりますのは、相当強いリーダーシップでもって総理が臨まれるということがもう絶対に必要だと思うのであります。当然のことでありますけれども、改めて、こういった課題に取り組む総理の御決意をまず伺いたいと思います。
○森内閣総理大臣 施政方針演説の中で申し上げましたとおり、日本新生に向けました改革は、我が国の経済社会システム全体の抜本的な改革でございまして、IT革命の推進を初めとする経済構造改革、教育改革、社会保障改革、行政改革など、いずれをとりましても政策課題が非常に複雑で、しかも難度の高いものばかりでございます。 これらを計画的かつ円滑に実現に導いていくためには、私は、可能な限り個々の課題ごとに明確な目標、そして期限を設定するということが重要だろうと思います。適切にその進行を管理していくことが私の大事な、重要な役割だと思っております。 同時にまた、こうして設定をいたしました期限どおりに諸改革を進めていくためには、やはり政治の安定が第一でございまして、そういう意味で、政治の安定とリーダーシップというのは不可欠だろう、こう考えておりまして、各閣僚にもそれぞれリーダーシップをしっかり発揮していただきたい、このように期待をいたしております。そして、連立与党がしっかりと結束を固めて、一丸となって取り組んでいく必要があろう、こう思います。私自身もみずから陣頭指揮して諸改革の断行に全力を尽くしてまいりたい、このように改めて井上議員の御質問をおかりしながら申し上げておきたいと思います。
○井上(喜)委員 次は、防衛問題について御質問をいたします。 有事法制につきましても、施政方針演説の中でかなり具体的に述べておられます。私は、この有事法制といいますのは、福田内閣の当時に、いわば法制化をしないという前提で防衛庁内部で有事法制について検討を始める、こういうことになったと理解をするわけでありますが、総理の演説では、三党の合意をもとにこれを内閣の問題として法制化を視野に入れて成案をつくっていく、こういうことだと思います。 そういうことで、確認をいたしたいのでありますけれども、与党三党の合意のもとに法制化を検討し、成案を得て国会に提出していく、このように理解してよろしいのか、お伺いいたします。
○森内閣総理大臣 経緯につきましては、今井上議員からの御指摘どおりでございます。 本会議の際も申し上げましたが、国民の生命財産を守ることは政治の崇高な使命でありまして、政府としては、我が国の危機管理体制を一層強固なものにいたしまして遺漏なきを期すため、これまで種々の対応をいたしてきております。かかる観点から、有事法制は、自衛隊が文民統制のもとで国家国民の安全を確保するために必要であり、平時においてこそこのことをしっかりと備えておくべきであろう、このように考えております。このため、政府といたしましては、昨年、与党の考え方をちょうだいいたしましたので、これを受けとめまして検討を開始していくことといたした次第でございます。 今後、国家国民の安全を確保していくためどのような法制が必要なのか、また、どのような枠組みで取り組むべきであろうか、これらにつきましても所要の検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○井上(喜)委員 内閣全体の問題として、法制化を視野に入れて検討をしていく、そして、その結果、成案を得ていく、このように理解をいたしました。 次に、PKO問題、これも連立政権ができまして以来ずっと検討をされてまいっておりますが、これにつきましてもPKFの本体業務の凍結解除を行う、その際、いわゆるPKO参加五原則は堅持しながら新しい事態に対処をする必要な法整備を図る、こういうことになっております。これが与党の合意でございまして、この点については余り具体的に施政方針演説の中では触れられていないのでありますけれども、PKOにつきましてどのようなお考えで進められるのか、お伺いをいたします。
○森内閣総理大臣 我が国が世界から信頼される国家となるためには、国際社会で求められている責任、役割を着実に果たしていくということが必要であると考えております。このためには、我が国みずからの安全保障基盤を強固なものにしながら、国際的な安全保障の確立に貢献することも重要な課題であると考えられます。 かかる認識のもとに、PKF本体業務の凍結解除については、与党三党におきます御議論はもとより、国会での御議論を踏まえながら対処してまいりたい、このように考えております。
○井上(喜)委員 どうもこういう問題につきましては、まだもう少し検討して、こういうようなニュアンスの理解をいたしたのでありますが、与党三党は合意をいたしておりますので、ぜひこういう合意をもとに法案の準備をお願いしておきたいと思います。 次に、秘密の漏えい事件につきまして御質問をいたします。 昨年、残念ながら、防衛武官がソ連の武官と接触をして秘密を漏らした、こういう事件が起きまして、防衛庁におきまして幾つかの対策がとられてまいりました。情報の管理でありますとか、あるいは駐在武官との接触のあり方とか、あるいは隊員の服務の指導とか、あるいは情報の保全組織等の整備、これらはずっと進んできていると思いますけれども、言ってみれば一番中心にありますといいますか大事なところの、秘密漏えいに係ります罰則につきまして、まだ防衛庁の方針がはっきりしていないと私は思うのでありまして、これについての検討状況を防衛庁長官にお伺いをいたします。
○斉藤国務大臣 お答え申し上げます。 御指摘のように、昨年の九月に現職の幹部自衛官の秘密漏えい事件が発生をいたしました。大変申しわけなく思っております。 防衛庁といたしましては、再発防止の一環として、秘密漏えいに関する罰則の強化を現在検討しておるところでございまして、新たな罰則を新設する方向で作業を進めております。 なお、法的問題点が多々ございまして、例えば保護法益としての秘密の範囲をどうするかとか、また、自衛隊法における罰則の体系や他の秘密漏えい罪とのバランス等々、鋭意関係省庁と密接な連絡をとりながら所要の検討を行っているところでございます。
○井上(喜)委員 次に、福祉関係のことに質問を移してまいります。 総理は施政方針演説の中で、政府・与党社会保障改革協議会で社会保障の改革を三月の末までに決める、定めるんだ、こうなっているんですね。この中で取り上げられますのは、年金でありますとか高齢者医療とかあるいは介護で、いわゆる高齢者対策なんです。もう目の前に迫りました問題につきましてどうするかということを大綱としてまとめていこう、こういうことなんですね。 しかし、もっと根本的には、今少子化が非常に進行いたしておりまして、これが将来にわたりまして日本の国、日本の社会に対してどういうような影響を与えていくのか、非常に深刻な問題だと私は思うのです。日本の社会をむしばむといいますか、日本の社会の基盤をずっと変えていくような、そういう現象が徐々に進行しているんじゃないかと私は思うのでありまして、そういう意味では、高齢者対策はもちろん大切でありますが、同時に少子化対策というものは、ある意味では高齢者対策以上に大切な問題じゃないかというふうに思うのです。 私自身承知しておりますのは、一・五七ショックというこの数字、これは平成元年の合計特殊出生率でありまして、これがひのえうまの年に一・五八だったというんですね。それよりも出生率が下回ったということで、これは大変だぞというので、平成二年ぐらいから少子化対策の検討が本格的に始まったというふうに思うのです。エンゼルプランを策定したり、あるいは法律をつくったり、あるいは予算措置をしたり、いろいろなことをやってまいりましたけれども、現実の出生率というのはずっと減ってきているわけですね。ついに昨年は一・三四というようなところにまでなってきたわけです。 厚生省はいろいろな推計をするんでありますけれども、高位の推計あるいは中位の推計、低位の推計というようなことをやっておるんですが、低位の推計ですら、現実の、昨年の一・三四を上回るような出生率を想定して将来の人口推計をしているんですね。あるいは人口構成の推計をしておりまして、現実には、恐らくもっともっと減っていく。したがいまして、高齢社会の到達が非常に早いということですね。逆に言えば、少子化の問題がますます深刻になってきている、こういう状況だと思うのです。 そういったことで、まず最初に総理にお伺いしたいのは、二十五年とか五十年ぐらい先、どういうような日本の国、日本の社会を想定しておられるのか。 ちょうど、厚生省は平成十年に厚生白書をつくりまして、そこでこんなことを言っておるんですね。要するに、高齢社会になっていく、人口が減る、それから若年労働力が当然減っていきますね。それから、経済成長が停滞をしてくるとか、現役世代の負担がふえる、これも当然だと思います。さらには、いわゆる家族という概念ですね。今は親があり兄弟があり親戚があるというような状況でありますが、家族がなくなってくるんじゃないかというようなことですね。あるいは夫婦だけの世帯がふえてくる、単身世帯がふえてくるというようなことで、どうも家族の考え方が違ってくるんじゃないかとか、あるいは本当に農山漁村の維持ができるのかというようなこととか、あるいは住民のサービスがその地域の人たちでできるのか、こんなような問題があるということを言っているんですが、総理は一体どういうような社会を、あるいはそのときに生ずる問題としてはどんな問題があるんだろうかということをお考えですか。
○森内閣総理大臣 五十年先の我が国の経済社会の姿を今明確に申し上げるというのはなかなか困難なことでございますが、今御指摘ございました急速な少子化の進行が我が国の経済社会に幅広く影響を与えるということは、これは御指摘のとおりであろうと思っております。したがって、二十一世紀の我が国が活力ある国家として発展をしていくためには、少子化の問題について取り組んでいくことが極めて重要な課題であることは間違いございません。 少子化、すなわち出生率の低下の主な原因は、晩婚化の進行等による未婚率の上昇ということが挙げられるわけでありますが、その背景としては、育児と仕事の両立の負担感、それから、子育てに伴う経済的な精神的な負担感のみならず、結婚に関する意識の変化、固定的な性別的な役割分業を前提とした職場優先の企業の風土、こういった問題を含めてさまざまな要因が絡んでいると考えられておるわけでありまして、少子化対策は社会全体で幅広く取り組むべき課題である、こう考えております。 その際、結婚とかあるいは出産というのはあくまでも個人の選択にゆだねなければならぬ問題でございますが、政府が取り組む少子化対策は、若い男女が子供を産み育てながら仕事との両立が可能となるような環境を整備する、これにはどうしたらいいのかということの観点に立った対策が必要であろう、私はこう思っております。男女共同参画会議の中でも、この月曜日にもいろいろな体験をされました方々にお集まりをいただきまして、早急にどういう方策が国としてできるか、あるいはまた、民間ではどういうことができるか、そうしたことを幅広く検討するように今指示をいたしておるところでございます。
○井上(喜)委員 私は、将来の社会、少子化がずっと進行していった場合に、どういう大きな変化が日本の国や一般の社会に起こるのか、こういうことを質問いたしたのでありますけれども、その対応の方に多少重点を置かれてお答えになったと思うのでありますが、恐らく、私が今申し上げましたような見通しとそう大きく違わない御認識だろうと思うのです。それだけに、この少子化対策が大切だということだと思うんですね。 確かに、人が減ってくれば後は外国から人を入れればいいじゃないか、こう言う人もおりますが、これに伴います社会的な摩擦でありますとか社会的なコストというのは、これはもうはかり知れないものがありまして、私は、やはり方針としては少子化対策にもっともっと力を入れて取り組まなくてはいけない、こんなふうに思うのです。 そこで、私は、今までどういうことをやってきたかといいますと、大別して二つあると思うのです。一つが、今ちょっとお話しになりましたけれども、仕事と子育てを両立させる、こういう政策ですね。働く女性が多くなってきましたから、当然これは大事な柱であります。こういうのと、それからもう一つの柱は、経済的に支援をしていく、そういう柱が私はあったと思うんですね。 仕事と子育ての両立といいますのは、例えば保育園の待機児童を解消していくとか、あるいは育児休業をとりやすくするとか、育児期間中に賃金の保障をある程度やっていくとか、あるいは育児休業後の職場復帰を容易にするとか、こういうことをずっとやってきておられまして、今回も多少そういうことについて、例えば勤務時間を弾力的にするとか、あるいは職場復帰を円滑化するような、そういう法律を出されるということをちょっと厚生労働大臣もお答えになっておりましたが、これはこういう程度のことじゃなしに、もっと抜本的にやらないといけないんですね。 ここにありますのは、女性労働協会という、これは財団法人なんですが、仕事と育児を両立するために必要と思う対策というのを全体を一〇〇にして世論調査しているんですね。その中で、一番何を求めているかといいますと、子供のための看護休暇なんですね。だから、これは三歳児ぐらいまでの子供ですね。今、育児休暇というのは一歳までですから、三歳ぐらいまでの子供の看護の休暇を考えてほしいということです。これについては既にもう大企業の方から徐々に実施をしてきておりますが、まだまだ全体としてはわずかでございます。そのほかありますのは、減税措置等がございます。 ですから、こういう看護休暇、これなんかについて、やはり取り上げていくべき時期にもう来ていると私は思うんですね。ですから、従来やっておった体系の政策、それを充実していくのはもちろんでありますが、新しくそういう看護休暇なんかを入れていくような、それについてぜひ取り組んでいただきたいと思うんですが、総理のお考えはいかがでございますか。
○森内閣総理大臣 今、井上議員から例を挙げて御指摘ございましたが、従来にない大胆な提言だというふうに受けとめさせていただきました。まさに発想を変えなければならぬということだろうと思います。しかしまた、おしかりをいただくかもしれませんが、いわゆる少子化の原因をやはり踏まえていく必要がある。これは先ほど申し上げたとおりでございます。 そこで、先ほどちょっと触れましたけれども、実はこの月曜日に、学者でありますとかあるいは役所の方ということではなくて、本当に子供を育てて働いてこられた女性の方々を中心にして、実は男女共同参画会議において会議をスタートしたばかりでございます。そういう中で、具体的に育てられてどういうことが足りなかったのか、どういうことがあったらいいのか、あるいは、外国などでお子様を育てながら働いてこられた方なども、外国だとどういう仕組みがあるんだろうか、そうしたことを率直に出していただいて、そしてそれを行政がどれだけバックアップ体制ができるものなのか、法律的にどういうものが必要なんだろうか、そういうことをできるだけ早く意見をまとめてもらうために、実はこの月曜日からその会議をスタートいたしたばかりでございまして、恐らく、そういう中に今井上議員からも御指摘がありましたようなそういう考え方が出てくるのではないかなというふうに私は期待もいたしておるところです。 大変大事なテーマでございますので、幅広い角度から検討していきたい、こう考えております。
○井上(喜)委員 ぜひとも私が申し上げました点を含めて御検討をお願いいたしたいと思います。 それからもう一つ、経済的な支援につきましては、例えば昨年度、今年度と引き続いて児童手当の拡充なんかがありましたけれども、これだとか、あるいは、保育園なんかにつきましても、今は第一子に対して第二子は保育料が半分になるんですね。第三子は十分の一になるんです。こういうような援助をやっているわけですね。こういう支援をこれからも拡充していくということが必要だと思うのであります。 小学校から大学まで入学金なんかがあります。あるいは航空機とか鉄道に乗ります場合に運賃を払わないといけないとか、あるいは美術館や遊園地に行くのにも入園料がありますわね。こういうものについて、例えば第一子を基準にして第二子はその二分の一だとか、保育料並みに二分の一とか、第三子は十分の一にするとか、こういうこともやはりぜひ検討すべきだと思うんですね。外国でもこういうことを既にやっているようなところもありまして、こういうことについて御検討される御意思はございませんか。
○町村国務大臣 ただいま委員御指摘の教育に伴う親の負担、特に経済的な負担を軽くするという話でございます。 幼稚園就園奨励費というのがございまして、これは確かに、第一子よりは第二子、第三子の方がかなり軽減をしているという措置はとっております。これは、やはり特に若い保護者の場合、必ずしも収入が十分でないといったようなこともあってそうしたことをしているわけでございますが、その他の入学金、授業料、あるいは美術館等々の入場料、これを二番目、三番目を一律に軽くするというのは、この子が二番目の子供か三番目の子供か、入学の場合はわかるかもしれませんが、美術館に行って、この子は二番目の子供ですと、これは一々何か証明書を示すのもなかなか難しい面もあろうかと思いますし、その辺は難しい面もあるのではないかと思います。 いずれにしても、教育に伴う親の経済的な負担、これがもし少子化というものの原因の一つであるというのであればまずいことでありますので、私学助成でありますとか、あるいは育英奨学事業、こうしたものをさらに充実するというような形で今委員御指摘の問題提起にこたえていくことが必要であろう、かように考えております。
○井上(喜)委員 直ちに検討しましょう、やりましょうということにはならないかもわかりませんけれども、総理が御答弁になりました関係者による懇談会のようなものも発足されるようでありますから、ぜひ私が今申し上げましたようなことにつきましても御検討いただきたいと思います。 私は、今までこの少子化問題というのは、どっちかというと政府の問題じゃないかとか、あるいは自治体の問題じゃないかというようなとらえ方が多かったと思うのでありますけれども、やはり政府とか自治体だけではなしに、これは全体が、民間を含めて全部がこういう問題に取り組んでいく、あるいは費用負担をお互いにしていくような、そういう体制が必要じゃないかと思うのでありまして、ぜひともそういうような角度から御検討をお願いいたしたいと思います。 最後に、必ずしもこれは少子化に原因があるとは思いませんが、最近、子供の家庭の中での虐待でありますとか、あるいはいじめでありますとか、あるいは少年非行なんかがずっと多くなってきているんですね。かつてこういったことは社会の一部のところにあった現象なんでありますけれども、最近これが非常に広範に起こるように、見られるようになってきているということなんですね。言ってみれば、こういうことの普遍化が進行しつつあると思うのでありまして、私は、そういうものとしてとらえてこれは対策を考えていかないといけないのではないか、こんなふうに思うんですね。 子供のしつけの問題もありましょうし、教育の問題もありましょうし、いろいろな問題も絡むと思うのでありますけれども、ぜひこういう問題、今までの少子化対策とちょっと違うのでありますが、子供の健全育成というんですか、そういったことをもっともっと強く取り上げるべき時期に来ていると思うんですが、総理のお考えはいかがでございますか。
○森内閣総理大臣 多少いろいろ見解が異なるかもしれませんが、要は、子供が学校を通じて、あるいは社会を通じ、家庭の中において、将来大人として社会に参加をしていく、そのための全人教育をしていくということが教育の基本的な考え方でなければならぬと私は思っています。ですから、学問、知識を身につけることもとても大事だと思います。しかし、学業を通じながらいろいろ社会体験をしたり、あるいは家庭で教えられたり、そうしたことをしっかり身につけて社会に出ていくということもこれは怠ってはならないことだというふうに思っております。 要は、学校の担当者あるいは社会、そして我々大人すべてが子供に対して、やはり社会に巣立っていくための、立派な人間になるようにみんなで御支援をしていく、そういう心構えが私は今の日本に最も大事なときが来ているんではないかなというふうに考えております。
○野呂田委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。 次に、菅直人君。
○菅(直)委員 新しい国会になりまして、初めての通常国会が開かれました。きょうは、私が野党の第一バッターということで、森総理初め森政権の皆さんに御質問をいたしますが、森総理、ダボスに行かれましたよね。私は、民主党の鳩山代表も出かけられて、あるいは石原都知事も出かけられて、顔が見えない日本という言われ方をしている中でいえば、そういう皆さんが行かれたことは大変いいことだ、このように思っております。 行かれたことそのものはそういう評価をしているのですが、ただ、ちょっと驚きました、率直に言いまして。それは、森総理がダボスの会議で話されたことが、私などの認識とは相当食い違っている。かなり違っているのですね。これは、経済的な問題あるいは日本の構造の問題、まさにこれからの日本を、行政をあるいは政治をどう進めていくかということ全般に関することであります。 そこで、まず冒頭に、ぜひ森総理と、森総理が考えられている今の日本あるいはそれに対する改革の仕方と、私自身がどのようにこの日本を見ているか、そしてそれに対してどのような改革が必要と考えているか、これを国民の皆さんの前で討論をして、どちらが国民の皆さんから見て信頼を得ることができるか、ぜひそういう議論をまずやらせていただきたいと思います。 そこで、森総理が、日本経済は間もなく本格的な再生を終え、再び世界経済の最先端に立って貢献できる状況になる、あるいは、日本経済は間もなくバランスシート調整を終え、資産を回復するという私の確信に変わりはありません、こういう発言をされていますよね、ダボスで。 きょうの株価は、前場で一万三千五十五円。森総理が誕生したときの株価が二万四百六十二円。株価総額でいうと、四百四十兆から大体三百四十兆。この七カ月で七千円、株価総額で百兆円のキャピタルロスが出たわけであります。 また、きょうの発表では、昨年の七—九のGDP、プラス〇・二という速報値が出されておりましたが、実際にはマイナスの〇・六であった。 こういう数字を見ると、森総理の言っていることと実態は全く逆方向じゃないか。森総理は見たくない現実を見ないで、ちょうど大きなダチョウが、怖いものが来たら砂の中に頭を突っ込んで見たくないものは見ないで、自分の夢の中でこうあってほしいなと思うことをダボスで発言されたんじゃないですか。 現実との違いについて、どのように総理は説明されますか。
○森内閣総理大臣 たびたび申し上げておりますように、日本経済は緩やかな改善をいたしているわけでありますが、すべてが順調に進んでいるというわけではないわけでありまして、たびたび申し上げておりますように、あと一歩、いま一歩というところだ、我々はそういう認識をいたしております。 経済も、途中のプロセスについては今のようないろいろな御批判があろうかと思いますけれども、しかし、さきの臨時国会で御審議をいただきました補正予算を着実に執行していくこと、それから今御審議をいただいております十三年度の予算案、これもぜひ年度末に成立をさせていただいて、適時適策に執行していくこと、そのことによって自律的な回復に向けていく、私たちはそういうプロセスを踏んでいきたい、こう考えております。 その過程の中で、今菅議員がおっしゃったような形の御批判等もいろいろあろうかと思いますけれども、私どもとしては、着実な回復軌道に乗せるための懸命な努力を今しておるということであって、そういう意味で、御批判は御批判として我々も受けとめてまいりますが、ぜひ日本経済をしっかりと、公需から民需へ切りかえて、本格的な回復軌道に乗っていきますようにぜひ御協力いただきたい、まずそのことをお願い申し上げておく次第でございます。 株価につきましては、いろいろな要因があるわけであります。ただいま挙げられました数字につきましても、当時見通しとしては、私どもとしてはある程度それを織り込みながら経済成長の目標数値も定めているところでもございます。 ダボスにつきましては、いろいろなお考えがあろうかと思いますが、今菅議員がおっしゃいましたように、日本の、政治家の皆さんはそれぞれ個々に御参加をいただいておることはあったわけでありますけれども、こうして政府の関係者がなかなか出にくい物理的な日程でありましたから、今回初めて出席することができて、大変よかったなと思っております。 そして同時に、日本の経済、日本の財政はどういうふうになっているのかというのがやはり世界の関心事でもあるわけでありますから、私から率直なお話を申し上げたわけでありまして、そうした形の中で、ダチョウのように首を突っ込んで云々とおっしゃいましたけれども、やはりお話し申し上げる以上は、日本がそういう自信を持ってこれから進んでいくんだということを内外に明らかにしていくことが大事なんじゃないでしょうか。 私はそういう意味で、我々ももちろんこれまでやってまいりましたいわゆる努力を続けてきたことと、そして今構造改革を進めようとしているその目標のことと、そうしたことを申し上げて、ぜひ日本に対して理解を求めたい、そういう思いでスピーチをしてきたということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○菅(直)委員 今のことで国民の皆さんが理解されると思いますか。 私が言っているのじゃないんですよ。つまりこの議論は、総理がわざわざダボスまで行かれて、全世界の人たちに対して、今の日本がこういう状況にあるということを説明されているんですよ。何か過程だとか過程の中での問題だとか言われますが、ここでわざわざ、第一に、第二に、第三にと言われて、第一に日本は今こういう状況にあるんだ、こういうことを総理の口から言われたんですよ。過程、プロセスの問題とかじゃなくて、今の状態を言われたんじゃないですか。 では、今の状態が、今私が読み上げたところのほかにもまだたくさんあります。例えば、日本はバブルの負の遺産を解消し完全に復活する体制を整えつつあることをお伝えします。普通、バブルの負の遺産といえば、不良債権の残高がどんどん減ってきているのか。全然減っていない。場合によっては、地価が下がってもっとふえるかもしれない。株価はどんどん下落して、バブルの負の遺産が解消されていないどころか、最低価格を、安値を更新しかけているじゃないですか。 そして、日本は経済社会構造のさまざまな面で今急速に変化し、新しい成長軌道に向けた歩みを進めつつあります。プラスの〇・二がマイナス〇・六になって、景気が危ういと言われているじゃないですか。 全部反対のことを言っていて、それが、プロセスの問題だ、過程の問題だから批判はほどほどにしてくれ。私が批判をしているのじゃなくて、総理が言われたことが現実と違うじゃないですか、説明してください。説明できないんだったら、ここで言ったことは間違っていた、そういうことなら、そういうふうに言ってください。
○森内閣総理大臣 そういう部分部分を取り上げておっしゃれば、今のような御批判はあるだろうと思います。しかし、これまでやってきました経済改革のプロセスを報告申し上げたり、なお一層努力をしていきたいということを申し上げたり、申し上げたことを全部言ってもいいんですが、また時間をとるとおしかりをいただきますから。 ですから、私はプロセスだというふうに申し上げたわけで、最終的には、日本経済が本格的な回復軌道に乗せるために今大変な努力をしているんだということを世界の皆さんに申し上げてくることは当然であって、悲観的な材料だけ申し上げて、そして日本の将来はないんだというようなことは、そんなことは申し上げるわけにいかないんじゃないでしょうか。 私はやはり、将来に対して希望を持って今大変な努力をして、そしていわゆる負の遺産、そうしたものをみんなで処理をしながら努力しておるんだという、その懸命な努力を、世界の皆さんに、関心を持つ皆さんに申し上げているということだというふうに理解をしていただきたいと思うのです。
○菅(直)委員 現実をきちんと把握しないでおいて、それに対する対応策が出るとはとても思えません。 きょうは、宮澤そして橋本元総理も閣僚席におられます。 これは、一九八六年から二〇〇〇あるいは二〇〇一年度の年度末のいわゆる国と地方の長期債務の推移、金額とGDP比であらわしております。こういう数字はもちろんたくさん御存じですよね、宮澤財務大臣も。 宮澤財務大臣が大蔵大臣になられた八六年の七月、八六年期の末期では、日本の債務は金額で二百二十五兆円、そしてGDP比で六五・二%でありました。その後、金額では、一貫して長期債務はかなりのペースで増大をしている。九一年ごろはバブルの絶頂期で、GDP比は若干下がりましたが、再度大蔵大臣あるいは財務大臣になられた宮澤さんの在任している今日、金額で十五年前の約三倍の六百六十六兆になることが予定されており、GDP比でいうと一二八・五%、これも率でいえば倍ですね。これはG7の中で最も財政が悪いとされたイタリアを越して、今や最も悪い比率になっているのです。 そして、この間、見てください、この下を。この八六年から今日まで、宮澤大蔵大臣が在任され、その後橋本大蔵大臣が在任され、そしてまた宮澤さんが総理になり、若干の間があきました。これは細川政権と村山政権と羽田政権のときでしたが、そこはあきましたが、その後、また橋本政権、さらには宮澤大蔵大臣、財務大臣となりました。何と、この十五年の間に、お二人のいずれかが大蔵大臣または総理大臣をやっておられた期間は十一年と五カ月になるのですよね。少なくとも七五%の時間は大蔵大臣か総理大臣をされて、そして財政は、このような、ある意味では末期的とも言える状況を迎えております。これで財政のバランスがとれたと言えるのでしょうか。 財務省が出した中期見通しにおいては、これはもうちょっと右側をつければよかったですけれども、発散をすると言っているじゃないですか。発散というのは、数学的用語で言えば無限大になるということですよ、端的に言えば。つまりは、今のような財政運営をやっていれば財政赤字は発散をします、多少景気はよくなっても、金利が上がれば国債費が多くなるから、それによっては必ずしもよくなりませんというのが中期見通しじゃないですか。 まず、宮澤さんにお聞きします。この十五年間を振り返ってみて、宮澤さんがやってこられた経済政策は失敗ではなかったですか。いかがですか。
○宮澤国務大臣 長くならないようにお答えを申し上げますが、今お話しになりました現在の債務、将来におけるその負担というものは、これはもうおっしゃるとおりのことでありますし、恐らく国民の皆さんも御存じで心配をしていらっしゃるということは、もうそれはおっしゃるとおりでございます。しかし、そのことと、先ほど冒頭に言われました、今や日本経済はもうだめになるんじゃないかとまでおっしゃいましたこととは、二つ、違ったことであると思っております。 すなわち、政府は、現在一・二%の成長になる、プラスの成長になるわけでございますが、ということについて、先ほど、例えば七—九は〇・二からマイナス〇・六になったろうと。そのとおりでございます。そのとおりだが、それならば、この年度の一・二%の成長はできないようになったかといえば、そんなことはありません。また、そうはおっしゃっていらっしゃいません。その上に、来年の成長は一・七%になるということを政府は言っておる。 ですから、非常に長いこと苦労があって、大変な債務をしょいました。そのことは事実で、決して否定をいたしませんが、その結果として日本経済が比類のない大不況からこうやって浮き上がろうとしているという、そのことは私はお認めいただきませんと、聞いていらっしゃる国民が二つのことを混同されるのではないかと思います。 確かに、今日の株価もよくありません。いろいろなことはなかなか簡単ではありませんが、問題は、政府がマイナス成長から一・二%の成長に経済を持ってこれるかどうか、そこのところを見ていただきたいし、その上に、来年度は一・七%ができないのならそれは別でございます。政府はやるということを申し上げるわけですから。 結局、今何としても議論していただきたいのは、幸いにして設備投資の方は昨年じゅうにかなり満足と言えるぐらい戻ってきている。もう一つ、国民の消費というものが、普通ならここで戻ってくるはずですが、いつ戻ってくるか。それが戻ってきさえすれば、日本の成長というのは二%も三%も実はわけないわけです。そこまで来ているわけですから。どうやって雇用がよくなって国民消費が回復するか。 アメリカはこれをレイオフでやってしまったわけです。日本にはそんなことはできませんから。やはりこの新しいITの時代における雇用というものは、日本は新しい道を歩んでいるんだろう。さっきもパートが非常に多くなったというお話があって、そういうアメリカが苦労する、レイオフでしたことを我々は苦労しながら一つ一つやっておるわけですから、それに時間がかかっているということは私は御理解をいただけるだろうし、また政府もその対応をしている。それが戻ってくれば、日本の成長というのは、一%や二%というものは実はあっても何にも不思議はない。設備投資と消費と両方いけばそうなるわけですから。そうなるかどうかが今の問題である。 こういうふうに御理解を願いたいので、何もかにも万歳だと申しておりませんし、債務が小さいと申しておりませんが、しかし我々は不況を脱出しようとしている、そういう現状にあるということをお認めいただきたいと思います。
○菅(直)委員 宮澤さん、実は私が聞いていることを一つも答えておられないんですよね。宮澤さんは今の状態が来年に向かってどうなるかということをいろいろ言われました。 私は、宮澤大臣が最初の大蔵大臣のころから何度かこの場で議論をいたしました。それはバブルの発生のときでした。土地に関して、地価が暴騰するから、それを抑えるためには土地税制をそれに使うべきだということを何度か申し上げました。しかし、一貫して宮澤さんは、税制は土地政策においては補完的なものであるから、そういうものを使うべきではないと言って、いわば税制の面からは放置をされました。その間に地価総額は、経企庁のデータで、日本で千兆円から二千四百兆円まで一九八五年から九〇年の間に暴騰いたしました。 そのころから言っているんですよ、私は。この一年、二年のことを言うんであったら森さんに聞きますよ。宮澤大臣にわざわざここまでデータを出したのは、十五年前からやってこられたことが積もり積もって六百六十六兆円になっているんじゃないですか。その中で、全体を見られたときに失政と言えるんじゃないですかとお聞きしているんですよ。いかがですか。
○宮澤国務大臣 そこは前にも申し上げたので、くどくなるかと思って省略をいたしましたが、プラザ合意がなされましたときの円は二百四十二円でございます。その年の暮れに二百円になりました。翌年の七月に私が大蔵大臣になりましたとき百五十円でございますから、日本経済は耐えられません。したがいまして、いろいろな緊急対策をいたしました。また、毎日ドルも買った。毎日と言っては言い過ぎですが、二十億ドルぐらいは一日で買っておりますから、二千億円ぐらいの金が出ていくわけです。それで補正予算はやる。ですから、そういう過剰流動性が生じて、菅委員のおっしゃるような最後の結果になる。 その間に政府は何もできなかったのかということをおっしゃっているんで、それは確かに、いろいろ今になって考える余地はあります。実際には、国会の御指摘もありますから、今調べてみますと、総合経済対策、土地取引を慎め、緊急土地対策、物価高騰地における国有地の云々、総合土地対策、これは六十一年から六十三年まで何度も何度も実はやっておるわけで、何もやっていなかったわけではない。だから、やっていたことが、これは国会の御指摘もありますから、黙っていたわけではなく、一生懸命やっていてその効果がなかったということ。 ですから、今思えば、その間に抵抗があろうと混乱があろうと、政府が不動産投資を全部抑えてしまって、金を引き揚げて、多少デフレになっても進行しているインフレをとめればよかったじゃないかとおっしゃることは、私は、前にも申し上げましたが、それには反論はいたしません。実際あのときにそういうことができたかどうかなと今でも思うけれども、しかし、おっしゃることに私はその点反論をいたすつもりはございません。 それから、そのバブルが今度過ぎました後のことにつきましては、これはもう最近のことになりますから、平成十年の小渕内閣の誕生以来やってまいりましたことは、大体、政府による購買力、公共事業等々あるいは減税、金融対策、それから雇用対策、そういうものをきょうまでやってきて、これに金がかかってきております。大変な金がかかったことはおっしゃるとおりですが、それらの対策がむだ弾であったかどうかということまでは、さすがに御指摘はなさらないだろう。 私どもも、随分金はかかったから早くここで民需に渡したいと思っているという、それを比較的短い時間で申し上げましたので、この期間における自分のいたしましたこと、私は完全だと思っていませんし、また別の方法があったかもしれないという反省はこれはいたしておりまして、何にも自分に責任がないなんということは考えておりません。
○菅(直)委員 私は、宮澤大臣の話を聞いているといつもこう感じるんですよ。反論はいたしませんとか、ほかの方法はなかったかと言われるとあったかもしれませんと言われるんです。しかし、その裏にどういう言葉が入っているか。私ほどの人間ができなかったことをほかの人にできるわけがないじゃないかという、それが裏に隠れているんですよ。 先ほど私はわざわざ一つの例を挙げたんですよ。私はわざわざ宮澤さんに、この場で何回も議論したことの例を挙げたんですよ。ダボスで森総理は、株と土地の価格下落だけで国民は一千兆円の資産を失いましたと言われたじゃないですか。ですから、私は、その一千兆円の資産を失うことになった一つのもともとの原因は一九八五年からの土地バブルと株バブルですから、その最大の土地バブルを抑える議論をやって、時の大蔵大臣宮澤さんに何度も言ったけれども、少なくとも税制に関して土地政策に使うことに対してはあなたは否定的だったから、そのことも指摘をあえて具体的にしたのです。 今その十五年前の議論をここで繰り返しても余りにも複雑過ぎますからこの程度にしますが、少なくとも宮澤大臣の答弁は政治家の答弁ではない。十五年間、事実上の経済の影響力を最も長い間行使した政治家が、ほかのやり方もあったかもしれませんけれども、そう言われましてもねでは、国民は浮かばれませんよ。あと十五年後に残るのは、もっと若い人たちがこの六百六十六兆を抱えるのですよ。十五年前から始まっているのですよ、この状況は。 そこで、橋本大臣にもお聞きをしたいと思います。 少し形を変えた聞き方をしたいのですが、ダボスで森総理は、構造改革について、日本は経済社会構造のさまざまな面で急速に変化をしておりとか、構造改革がいよいよ始まったというような言われ方を若干しております。 しかし、私は、例えば橋本大臣が中心になってやられた今回の省庁再編も、多分橋本大臣自身が当初思われたものに比べると、実は大変じくじたる中身ではないのか。 例えば一つ例を挙げます。森総理は口を開けばITと言われます。インターネットと言われます。情報と通信が従来から通産省と郵政省に分かれている、せめてそれを一緒にしようじゃないかというのは多分橋本大臣も持論だったと思いますが、結果的にできた省庁再編で、郵政省のその部門は、郵政省として自治省と一緒になり、総務庁と一緒になって、現在の総務省になりました。 全く理念がないじゃないですか。あるとすれば、一府十二省ですか、数を合わせるために、郵政省を、通産と一緒になるのは郵政が抵抗するから、郵政族が反対するからどこへ持っていこうか、自治省と総務庁と郵政省がそう関係が、私はほかの関係であるというふうには、少なくともそれまで議論がなかったですから、結局そういうやり方をとってしまった。 どうでしょう、橋本大臣、構造改革というものが順調に進んでいるという森総理の認識と実態は若干違うんじゃないか、そう思いますが、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 まず第一に、ダボス会議における総理の御発言そのものを私は全部を知り尽くしているわけではありませんから、それに対する意見ということで求められますならば、今日、正確に申し上げる内容を持っておりません。 その上で、構造改革、これは私自身、むしろいろいろなものに手を出し過ぎたという御批判を受けるぐらい一生懸命に、いろいろな問題の構造を変えようと努力をし、結局うまくいかなかった部分もたくさん持っております。構造改革というものは不断に努力をしていくべきものであるということは、私自身も感じておることでありまして、それぞれの分野で努力をしていくべきことでありましょう。 たまたま今、中央省庁一府十二省体制の中で例を引いて、内心じくじたるという言葉を使われましたので、この部分については一つお聞きをいただきたいことがございます。 確かに、行政改革会議の席上、私は、通信と放送というものは将来ともこのままの姿でいくものだろうかという問題を提起いたしましたが、その際、各委員から必ずしも賛成の御意見はちょうだいができませんでした。そして、その後の状況の変化の中で、むしろ私の感じていた方向に動いているなという思いは持ちましたが、総理が特命相という形でIT関係に対する横ぐしを通されたことで、あるいはこの方が効率的な機能を発揮するのではないか、そのような期待もかけております。
○菅(直)委員 国民の皆さんは、私と総理あるいは宮澤、橋本両大臣のお話を聞いて、森総理が言われるほど今の日本が、さあ過去の負の遺産を解消してやっている状況でないということは、常識的にも御存じでしょうし、それは森さんの夢の中の期待の幻だということはおわかりいただけたと思います。 そこで、それではどうするかということになります。これは、私たちの考え方も提示しながら、議論を進めていきたいと思います。 まず、私も多少、この十年間、与党に籍を置いたり野党に籍を置いたりしながら、財政の問題にいろいろな形でかかわってまいりました。私なりの一つの現在の結論は、景気対策、あるいはかつてでいえば日米貿易黒字の解消といったような経済課題に、余りにも財政に過大に依存し過ぎたのではないか。 きょうは日銀の総裁にもおいでいただいておりますが、本来、景気とか経済というのは、金利とか金融とかあるいは規制緩和とか、そういうものによってある程度コントロールするのが一般的で、特に特別な、何か危機的なときには、それは財政出動が必要な場合もあるかもしれません。しかし、景気が悪いから財政出動、貿易黒字が大き過ぎて内需が拡大しないから財政出動、その繰り返しをやった結果、必ずしも今なお景気がなかなか順調なところまで戻らない。 先日、私はイタリアに行ってまいりました。イタリアは御存じのように、かつては日本と同じ以上の財政赤字の国でした。今から四年前ですか、プロディ政権ができたときに、欧州共通通貨ユーロに入るためには、年間GDP当たり三%以下に財政赤字を抑えなければ入れてくれない。ユーロに入らないと、言ってみれば、サッカーでいえばセリエAからBに落ちてしまう。何とかしようということで、実は、ユーロ税を取り、大幅な公務員の削減をやり、さらには国のいろいろな事業を民間に移して、そしてその後、税の取り方を、あそこは割とルーズでしたから、きちんと取るようになったら、税収もユーロ税以外でふえてきたから、ユーロ税の分はお返しをします。経済もかなり活性化をしておりました。 通常でいえば、ユーロ税を取り、いろいろな政策をやれば、経済がいわば落ちていく。景気が、財政再建の方向だと落ちるというふうに日本では言われているのですが、少なくともイタリアの関係者から説明を聞く限りはそうではなくて、構造改革の効果の方がより大きく出て、現在、失業率はまだかなり高いですけれども、活性化をいたしております。 イギリスについては、皆さんも御承知のように、サッチャーさんの長い政権の中で、ある意味では徹底した自由主義改革をやった。やや市場原理主義にも近くて、やり過ぎもあったかもしれませんが、その後をブレア政権で、今、経済における自由主義的な改革と生活における社会民主主義的な改革、これを第三の道と名づけてやっていて、かなり活性化をいたしております。 そう考えますと、我が国も、景気が悪いから、公共事業でも何でもむだでも構わないから内需の不足分をそれで賄おうというやり方は、限界であるだけでなく、今や明らかにマイナスの方が大きくなっている、こういうふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 先ほど財務大臣からもお話がございましたが、経済を再生させて、そしてより本格的な民需の回復軌道に乗せていくには、それぞれいろいろな考え方はあると思います。菅議員のような御指摘もあろうかと思います。 しかし、私どもとしては、やはりあのバブル崩壊というのは、経済面で見ても社会生活から見ても大変大きな出来事です。GDPの二年分ぐらいが、約一千兆、株と土地で失ったわけです。そういう事態をどういう形で解決していくのか。それは、日本の経済は、いわゆるバブルの崩壊だけではなくて、アジア経済ということもございました、世界経済全体の問題もございました。そういう中からどうしてもう一度回復をさせていくかということについていろいろな努力をしてきたと思うのです。 私はダボスでこういうことも申し上げました。GDPの約二倍という規模の資産を失った。しかし、今日の日本の一人当たりのGDPは、バブルのピークのときよりも実は一三%も高くなっているわけです。つまり、国民の生活水準を下げることなく、国民の給与体系も下げることなく、それでもとにかく日本の経済を大きく割り込まないように、国民の皆さんに対しても御不満や御不便をかけないようにという努力をしてこられたのは、やはり宮澤大蔵大臣や橋本大蔵大臣だったと私は思っております。 そういう中で、ただ、バブルというものが大変経済に大きく影響をしてくる、あるいは資産デフレというのは日本の経済について大変大きな影響を与えるものであるということについては、これは私個人でありますけれども、党のそういう立場におりましたので、多少過小的な評価をしておったということは反省しなければならぬことかと思っています。 しかし、今財政出動をするということは、端的に言えば、やはり景気の即効性ということだと思うのです。今でも、雇用の問題をこの本会議でも随分御指摘がございました。そうなれば、日本の経済、産業は、そのものも今変わるわけでありますから、午前中の議論にも出ておりましたように、環境でありますとか、ITでありますとか、高齢化対応であるとか、そういう形の方向に少しずつシフトしていかなきゃならぬ、そういう中で新しい雇用、新しい産業を創出していかなきゃならぬ、そういう政策を今とっているわけですから、その過程、プロセス、プロセスと言うとまた菅さん怒られますけれども、その過程の中で財政出動をして、やはり経済の即効性のある、そういう面もやはり積極的にとっていくということも私は大事ではないか。 そういう意味で、今菅議員おっしゃいますように、何事にも財政出動、財政出動というその方法は誤っているのではないか、そういう考え方を私どもとしてはとり得ないということを申し上げておきたいと私は思うのです。
○菅(直)委員 非常にはっきりしていてよかったですよね。つまりは、相変わらず即効性、カンフル注射ということですよね。 私は、もうちょっと話を進めたいと思います。 先ほど保守党の方が金利のことを言われました、金利という言い方はされませんでしたが。本来は、もっと高い金利水準にあれば、金利を下げるとかいろいろなやり方で景気刺激が可能でしょう。しかし、今日本は、先日少し上げたといってもほとんどゼロに張りついている状況ですから、金利政策がきかないのですよね。なぜ金利政策がきかないほどに金融がおかしくなっているか。言うまでもありません、不良債権問題の処理が終わっていないからです。柳澤金融大臣は一回目のときからよく御存じのことです。 この森さんのダボスの話にも一九九八年のことがいろいろ書いてあります。九八年に何があったか。我が党が出した金融再生法が丸のみをされたのです。そして、手術室は用意したのです。大変ながんを抱えている患者がいる、銀行がある。普通で手術をしたら死んでしまう、心臓がとまってしまう。しかし、立派なしっかりした手術室であれば、一時的に心臓がとまっても人工心臓で、人工肺で維持できる。思い切ってその不良債権部分、悪性の腫瘍を取り去って、そしてそこからじわじわと栄養をつけて戻していこう。そのために用意したのです。 しかし、執刀したお医者さんは小渕総理と宮澤大蔵大臣であり、あるいは六人もかわった金融庁長官でありました。そんなに一遍に切ってしまったら、ゼネコンがその中に入っているからつぶれてしまう、いろいろなスーパーがつぶれてしまうから、半分ほどは切ってもいいけれども、半分は残しておこう。あとは瑕疵担保で、また必要になったら血液補充をすればいいじゃないか。こんなことをやるから三年前と同じことが今でも起きていて、相変わらず金融が不安定、金融政策が使えない、そこで財政政策を使うしかない。まさに総理の言われることはよくわかりますよ。即効性なんですよ。目の前のことしか考えてない。十五年前の話から十年先のことまで考えてない。どうですか、総理。
○森内閣総理大臣 経済全般にわたるこうした厳しい中で、やはり日本には多くの企業者がおられるわけです。また、特に最近、どちらかといいますと廃業率が非常に高くなっている、あるいは創業をする意欲がなくなってきている。そういう面から見れば、先ほど申し上げたように、産業が大きく変わるといいましても急に変われるわけではないわけでありまして、多少助走期間も必要になってくるでしょう、当然トレーニングもしなきゃならぬでしょう、筋力体操もしなきゃならぬでしょう。その間の中をやはり維持していくためには、日本の多くの、日本じゅうにある企業をある程度元気をつけて、そして頑張って努力をしてもらう。 さっき申し上げたように、GDPは伸びているわけですから、一人一人の国民所得も伸びている、預貯金も伸びているんです。その金が自由に動かないのがいわゆる消費動向の問題なんです。ですから、どうしてもやはりそこに、そうした形の中で、やはり即効的な効果ある形で、とりあえずそうした中小企業を初めとして多くの企業を営んでおられる皆さんをやはり元気づけていくということも政策の一つの選択肢としてとり得なければならない、私はそういう道だったと思って考えております。
○菅(直)委員 そこで、少し話を進めます。 森総理も大変親しいようですが、きょう朝も出られた亀井政調会長が、ペイオフについて、再度の延期について触れられました。このペイオフ問題は、いろいろな意味で極めて重要です。 もともとは、ペイオフを一年前にやることを前提にしてあの金融再生法の期限なども全部決まっていたわけです。それを一年延ばした。つまりは手術室から出せない状態にある。また一年延ばすかどうか、どうですか。
○柳澤国務大臣 お答え申し上げます。 ペイオフの禁止あるいは停止というものはなぜ行われたか。ペイオフの禁止というのは、言うまでもなく預金の全額保護でございます。さらに言えば、金融機関が債務超過に陥ったとき、当然資本は泣いているわけですが、その上にさらに損失が生じているときには税金でもってこれを穴埋めする、ここまでが全部そろわないとペイオフの停止ということはできない、預金の全額保護ということは実現しないわけであります。 では、このように通常の民間の金融機関において資産が非常に劣化したときに、債務者の方は何も泣かせないで、資本、株主以外はだれも泣かせないでそれを税金で穴埋めするというような、そういうことがどういう場合に許されるんだろうか。これが再生法を考えられたときの状況であったわけで、当然のことながら、一つの金融機関がふぐあいになっている、あるいは不況になっているということを超えて、金融システムが全体として危機に陥っている、だから税金でもって、債務者が犠牲を負うかわりに穴埋めをする、こういうペイオフの禁止ということが行われたわけであります。 一年は延期されました。これは、菅議員御存じのとおり、協同の金融機関、協同組織をとる金融機関が国の管理に移りました。その検査の結果が明らかでありませんから、そのままでこれを強行することはいかがなものか、こういう御配慮があったように、私は当時はもう既に職を離れておりましたけれども、そのように考えて、それはそれなりに理解できないことはない、こういう考え方をいたしたわけでございます。 それでは、この上さらにペイオフを延期する必要があるのかというと、今そういう金融システムの不安がもう全金融機関をいわば巻き込んだような形であるのか、あるいは、これから何か起こったとしても、それはそれぞれの金融機関の問題ということで処理できるのか、これが判断の分かれる点だろうと思います。私は、金融機関の、金融のシステムとしての不安が今日現実のものになるとは到底思っておりませんので、したがってペイオフは、これはもう予定どおり、延期する必要はない、このように考えているところでございます。
○菅(直)委員 担当大臣としては言われることはわかりますが、歯切れは悪いですよね。判断が分かれるところだと。柳澤さんとしては、その判断の分かれた方の片方の、延期する必要はないと。 しかし、株が一万三千円を切りかけている。わずか七カ月で百兆円の株資産がロスしている。森総理が政権についてからですよ。よく聞いておいてくださいね。人のときの話ではないのですから。そういう中で、亀井さんがいち早くペイオフの再延期の可能性を示唆する。結局は、即効性とか先送りの、またその先の先送りをやろうとしている。判断が分かれるというのはそういう判断もあり得るという意味ですから。ですから、それを今つくわけではありません。だから、それは結構なのです。今の柳澤大臣が、それは考えていないと言われるなら、それで結構です。しかし、与党の政調会長が言っていることも事実なのですから、そういう意味では、また先送りをやるのかな、こういうふうに少なくとも私や私の同僚たちは危惧をいたしております。 そこで、日銀にせっかくおいでをいただいていますので、ちょっと一般的なことをお聞きしておきたいと思いますが、この間、日銀もいろいろ苦労されていますが、金利政策というものと財政政策というもの、景気に関してはどういう役割分胆なのでしょうか。ちょっと一般的な御質問で恐縮ですが、御意見があればお聞かせいただきたいと思います。
○速水参考人 日本銀行は、物価の安定を通じて経済の安定的な成長を図るということが、新日銀法の第二条に書かれた理念でございます。そういう意味で、物価の安定を図りながら経済の安定的な成長を図るために、そのときそのときの状況を見て、金融政策を決めていくつもりでおります。これまでもそうしてきたと思います。 ただ、財政との関係ということになりますと、財政からの影響を含めた経済全体の動向を勘案しているというふうにお答えしなければならないと思っております。 過去一年余り、日本経済の動向を振り返ってみましても、財政支出の寄与度が低下していく中で、民間需要の寄与度は少しずつふえてきております。全体としては、民間需要は徐々に高まってきつつあるというふうに思います。おっしゃるように、こういうことが構造改革を実現していくことになるんだと思います。そういう環境づくりを金融サイドから支援していきたいというふうに思っております。 日本銀行としては、そういった経済全体の動向を判断した上で金融政策を運営してまいったつもりですし、今後もそうしていきたい。財政運営面からの影響を勘案しながら、物価安定のもとで民間需要主導の自律的回復の道のりを定着させていくということが一番大事だと思っております。 大事なことは、やはり生産性を伸ばしていくということだと思います。生産性を伸ばしていくためには、今必要なことはやはり民間主導の構造改革が進んでいくことではないか。金融面からもそれを支援していきたいというふうに考えております。 今暗いのは、やはり先行きが不安定、先行きが不透明であるということが企業や市場のマインドを暗くしているのではないかと思います。その辺のところを十分気をつけながら、政策を決めてまいりたいというふうに考えております。
○菅(直)委員 ありがとうございました。 日銀総裁としては、先行きが不透明な理由までは触れられませんでしたが、私が感じるところでは、森内閣ではとても先行きが不透明だから、国民が心配で消費ができない、株価も七千円も下がっている、そういうふうに私は認識をいたしております。 そこで、少し話を進めたいと思います。 それでは、財政のあり方についての問題です。 私は、自由民主党という政党を我が党との比較でよく聞かれるものですから、自由民主党というのはどういう政党なんだろうか。普通でしたら自由主義とか民主主義という言葉がついているのですが、本当に自由主義なんだろうか。最近離党届を出された人は非自由非民主政党だと言われていましたけれども、自由主義という言葉にふさわしい経済政策を自民党がとっているだろうか。まさに、財政に依存して、公共事業でお金をばらまいて景気をよくする。あるいは金融についても、相変わらず護送船団的なもののしっぽを握り締めている。結局は、官僚中心の、いわば官僚管理型経済というところから相変わらず変わっていないのじゃないか。 私は、戦後のある時期まではそれがうまくいったのだと思いますよ。つまりは、復興期にはよかった。ある意味では、開発独裁じゃありませんが、いろいろな発展途上的な段階ではその方が計画的でよかった。しかし、今やまさに、グローバリズムではありませんが、現場現場、一つの企業企業がリスクを負って物事を決めなきゃいけないときに、一々銀行が大蔵省銀行局に聞かなきゃだめだ、何か規制があって動かない。つまり、自由主義的経済改革というものを一番怠ってきたのが自由民主党ではないか。 私が社会主義経済だと言ったら、かつて社会主義を大事に思っていた人から、菅さん、そんなひどいことを言わないでくださいと言われましたけれども、私は、経済的に言えば、つまりそういう官僚主導、国主導という意味で社会主義経済を今なお、我が民主党よりも最も色濃くやっているのが自民党だと思いますが、総理、いかがですか、自己認識は。
○森内閣総理大臣 私ども政権を預かる者といたしましては、今菅議員がおっしゃいましたように、官僚支配、そういうものをどうやって乗り越えていくか。官僚官僚って、まるで菅さんから見れば悪のようにおっしゃいますけれども、やはり長い歴史と伝統の中で、我が国のそれぞれの官庁の政策をしっかり責任を持ってやってこられている、それを時の政権政党が主導していく、そういうのが私は日本の議院内閣制だろう、そう思っております。 そういう中で我が党の、我々今日までも、今与党三党で連立を組ませていただいておりますが、日々これ官僚の皆さんとも議論もし、闘いもし、また官僚がいわゆる嫌がるようなことも、やはり私どもとしては勇気を持ってそれを改革し、そして今日まで政策課題を一つ一つ解決している。そういう面もぜひ私は、当然菅さんも見ておられると思いますけれども、ぜひそういう点も理解をしていただきたいというふうに考えます。
○菅(直)委員 今私が言ったことと総理の答えられたことは、全く別の話をされていますよね。 私が言ったのは、別に官僚が悪いとか官僚がいいと言っているのじゃなくて、そういう官僚計画型の経済がかつてはうまくいっていたけれども、今はそういうものがうまくいかなくなって、しかし、それを残そうとしているのが自由民主党で、それに対して、もっと経済の面においては自由主義的改革を進めようとしているのが民主党だと、私はそういうふうに説明をしているわけですが、それに対して森総理が答えられたのは、いい官僚もいるからとか、政治家がコントロールできているのだと言われました。 そこで、一つだけ先に進みたいと思います。 坂口厚生労働大臣にちょっと議論をしてみたいのですが、私たちは自由主義的改革は必要だと思いますが、しかし、生活という面では市場原理主義であってはならない、このように思っております。 そういう意味で、これも若干外の話ではありますが、今イギリスの労働党の政策は、かつての、すべてを揺りかごから墓場までという福祉国家から、いろいろな、ある意味での、競争という言い方はちょっと微妙ですが、柔軟な要素を入れた福祉社会を目指しているように思いました。 私の言葉で言うと、セーフティーネットからトランポリンということなんですね。セーフティーネットというのは、もちろん、サーカスでブランコからおっこちたら下にセーフティーネット、安全ネットがある。何かのことで落ちた人を救うということであります。 トランポリンというのは、例えば若い人が失業した、半年間失業給付を受けるときに、三つのことのいずれかをやってくれ。一つは、ボランタリーな活動を何らかの形でやるか、一つは、新しい職種に合うような研修を受けるか、それとも、一つは、企業に若干の補助を出した試験的雇用に応じるか。このいずれにも応じないで半年以上の失業給付を受ける場合はそれはカットする。こういうやり方で、一たん落ちてきた人がトランポリンのようにもう一遍はね上がっていくことができるような、そういう考え方をとっておりました。 我が党も、きょうも公明党の方からも出ておりましたが、従来より年齢差別禁止、私もその世代になりましたが、特に五十代前後から半ばになりますと、いろいろな企業からリストラで外された後、なかなか自分に合う仕事がない、四十歳以下なんというのがほとんどですから。そういう意味での年齢差別の禁止とか、あるいは子育てとの両立支援。我が党の水島議員が妊娠をされたということをみずから表明されましたが、かつて参議院もありましたが、衆議院も、議員活動とそういう出産、育児とが両立できるようにということを、いろいろこれは超党派でお考えをいただいているわけですけれども、まさにこれを日本じゅう全部で考えていかなければいけない。 特にこの二点については、我が党としても大変重要な政策課題だと思っておりますが、坂口大臣、いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 突然の御指名でございまして、どういう御質問をいただいたのかということが十分に理解できておりませんけれども、例えば今までの福祉というものが、ただ障害者の皆さんでありましたならば障害者の皆さん方に、その日その日の生活ができるように国あるいは都道府県が面倒を見るというような行き方ではなくて、その障害者の皆さん方にやはり働く場を与えて、そして自立をしていただく、そして健常者と同じようなところで働いていただけるような、そういう社会にしていくことの方が大事だ、例えばそういうことをおっしゃっているのでありますならば、それは私もそのとおりだというふうに思っているわけでございます。 したがいまして、我々が考えております安全ネットというのが、ただ単に落ちこぼれてきた人たちを全部そこで救い上げて、そしてその人たちをただ抱きかかえているだけというのではなくて、その人たちにもう一度やはり立ち直るチャンスを与える、機会を与える、そういう社会をつくり上げていかなければならないというのが我々の安全ネットでございますので、そんなにおっしゃっていることに違いはあるわけではないなというふうに思いながら、聞かせていただいたわけでございます。
○菅(直)委員 坂口大臣のおっしゃることは私も同感でありまして、そう違っていないのだと思います。 そこで、そろそろこの議論を一たん区切りをつけたいと思いますが、我が党では財政再建ということを議論いたしております。現状の深刻さを見ますと、両大臣おられませんが、残念ながら、財政再建をまじめに考えれば考えるほど、非常に厳しい状況にあります。 しかし、私たちは、五年をめどにプライマリーバランスを回復しよう、つまりは五年間の間に税収とその年に使うお金をバランスさせよう、こういう考え方を出しております。後ろの方から、与党の方から、できるはずないよというやじも飛んでおりますが、確かに大変厳しい数字であります。しかし、そういう厳しい数字になったのも、先ほど申し上げたように、今の与党だけとは申し上げませんが、今の与党を中心にした、あるいは宮澤さんや橋本大臣などがやられた十五年間の結果が、我々の一部には手をかしたところもあるかもしれません、その結果がそういうものを生み出しているわけですから、そういう厳しいことを承知の上でそれに取り組んでいきたい、このように考えているわけであります。 そういったことで、森総理と一連の経済政策について議論をさせていただきましたが、それを国民の皆さんがどう見られるかは国民の皆さんの判断にまちたいと思います。 そこで、少し話題を進めたいと思います。 実は、この財政再建とも絡む問題でもあるんですが、諫早湾の干拓に関連して、関連しているしていないも議論があるところですが、有明海のノリの被害が伝えられております。 私も一月の二十六日に、同僚原口議員初め何人かの九州選出議員を含めて行ってまいりました。佐賀の知事がお待ちをいただいておりまして、こういう、もうごらんになったと思いますが、二つのノリを見せていただきました。総理、見られました。(森内閣総理大臣「見ました」と呼ぶ)こちらは比較的良好な黒いノリ、これが現在色落ちしたノリ。これもまだ色落ちしてもここまで製品化しておりますが、もっとひどいのは製品化そのものがもうできない。それで網を揚げてしまっているわけであります。 先日も谷津農水大臣にお目にかかって、やはり調査をするに当たっては諫早の水門をあけて海の水を干潟に戻して、かつての水門あるいは潮受け堤防がないときの状態にできるだけ近い形に戻す形で調査をされることが必要ではないか、このように申し上げたら、大臣は前向きの御返答をいただきましたが、ぜひこの場でも、その私の要請に対して御返答をいただきたいと思います。
○谷津国務大臣 この間、菅先生がおいでなさいまして、お話し合いをしました。 今回の有明海のノリの不作の原因については、現時点では原因がまだわかっていない、明らかになっていないんですね。ですから、まず予断を持たないで徹底的に調査することが私は重要であるというふうに考えておるわけであります。その調査において、これは学識経験者も入っていただく、あるいはノリをやられている漁業の皆さん方にも入っていただく、あるいは県あるいは環境省その他役所の方にも入っていただく。そして、その調査の結果、水門をあけて調査する必要があるということであるならば、私は水門をあけて調査してもらうのがいいというふうに考えておるところであります。
○菅(直)委員 残念ながら、心配していたことがやはり起きました。先日、農水省に伺ったときには、谷津大臣は、そういう検討会の皆さんが水門をあけた調査もやれということであればやろうというふうに言われたんですが、その後、総理の答弁を聞いておりますと、調査の後の判断、しかもそれは九月ごろというようなことが出ておりまして、ああ、また官僚主導ではないと言いながら、官僚主導の答弁を総理が読まされているなと私は感じました。 そこで、現地にも近い副大臣松岡利勝代議士にもおいでをいただいておりますが、私とはこの問題ではいい論争相手でありまして、いろいろな時期に大議論を行いました。最近は松岡さんも少し私に近づいていただけたのかなと思いますが、副大臣としての御見解をお伺いしたいと思います。
○松岡副大臣 今お尋ねでありますが、これは直接のお答えをします前にちょっと、大事な問題でありますから、四年前からこれは議論いたしておりますが、「サンデープロジェクト」でも一緒でした。そのときの議論の根本的な、基本的なことをちょっと確認して、整理をしておきたいと思います。 まず、この諫早の地域でありますけれども、大変な災害常襲地帯であります。ここは、例えば昨年までの十年間におきましても、台風が六十二回この十年間で来ておりますが、そのうち三十回は実にこの諫早を中心とした、また周辺の地域に来ておるわけでありまして、まあ台風銀座。またあわせて、局所的な地形が非常に大雨や集中豪雨の降りやすい、そういう地形であります。 そしてまた、有明海という海は干満の差が五メーターもある、こういう海でありまして、したがって、台風が来たりすれば、前からは大波が、高潮が、後ろからは集中的な豪雨がということで水浸しになりまして、そして有史以来、もう多くの人が亡くなっておられる。 じゃ、どうやってこの災害の問題からこの地域を救うかということで、長い間検討の結果、結論として得たのが防災干拓の方法しかない、こういうことでこの事業は始まったわけであります。 そして、平成九年に……(発言する者あり)いやいや、まあちょっと黙って聞いてください。平成九年に潮受け堤防が完成をする。そこで排水門の閉め切りということになったわけであります。 そこでいろいろな論議がありまして、今、後ろでいろいろ言っておられます仙谷先生も菅議員と一緒に私ども議論もいたしましたが、そのとき民主党からおっしゃったのは、とにかく、閉めてしまえば堤防内の干潟がつぶれ、そこにいるムツゴロウが死んでしまう、したがってけしからぬ、こういうことでございました。(発言する者あり)いや、そういうことだった。 そこで、我々は……(発言する者あり)いやいや、テレビ討論を見てください、そういう議論ですから。(発言する者あり)
○野呂田委員長 静粛に願います。——静粛に聞いてください。
○松岡副大臣 そこで我々が申し上げましたのは、まさに十二万の地域の人たちを守るためには、これはムツゴロウよりも、ムツゴロウが死滅することも残念ではあるが、これはやむを得ない、こういうことだったわけでありまして、その際、そういう議論でございまして、漁業被害がどうかとかいった、またノリがどうかといったことは、そのときは全く議論になっておりません。 そこで、今、今日の問題でありますけれども、先ほどからお話しになっていますように、大変な未曾有の大被害が起きた。したがって、谷津大臣が申し上げましたように、我々は、これはあらゆる予断を持たずにまさに原因究明を徹底してやっていく、その結果万全の対策をとろう、こういうことでありまして、政府・与党一体の中で、与党の御指導もいただきながら、森総理の指揮のもと、我が省挙げて、谷津大臣を先頭にこれに取り組んでおる、こういうことでございます。 したがって、排水門の問題も、谷津大臣が申し上げましたように、これは三月、調査委員会をつくった中で、その専門家の方々が必要だとおっしゃれば、それも、我々はすべて、あらゆる可能な限り最大限の対応をして調査をやっていこう、こういうことでございます。 以上であります。
○菅(直)委員 松岡副大臣も……(発言する者あり)筆頭理事がやじを飛ばすんじゃないでしょう。松岡副大臣もなかなか弁舌さわやかで、相変わらず元気で本当によかったですね。 二、三だけ反論しておきたいと思います。 この諫早干拓はもともと食糧難のときに米増産から計画が始まったということは、これはだれもが否定しないはずでありまして、その後、防災の要項が入ってきた。 普通でしたら、防災の場合は、例えば上流にダムをつくるとかあるいは堤防を高めるとか、これは建設省の事業でありますが、しかし今回、あそこの工事は農水省のいわゆる土地改良事業として行われているわけでありまして、農水省が防災をやってはいけないとは言いませんけれども、新たにいわば付加的についた要素であるということが第一点であります。 それから、水害が多い地域だということは私も何度か行って知っておりますが、多くの水害は本明川の中流付近で起きておりまして、海の先の方にある潮受け堤防は、外からの大潮に対しての防波堤としての機能はあると思いますが、内側から流れる大雨に対する対応は、水面を若干低くしてやればそれで受けられるとか、いろいろなところはありますが、少なくとも、決定的なそうした効果はこの間の大雨のときにも出ておりません。 そういった意味を含めて、予断を持たないというのは、全くそれで結構なんです。予断を持たないというのは、どういう意味で予断を持たないのか。 これは松岡さんも直接何人も会われたでしょう。私も漁師の人にたくさん会いました。その皆さんの多くは、それは経験則かもしれません、しかし、毎日海に出ている漁師の皆さんの多くは、あのギロチンの閉め切りがあった後に、赤潮が大変ふえてきて、そしていろいろな、タイラギとかといった貝も少なくなって、そして今日、色落ちがこういう形で出てきた、そこが大きな原因の可能性が高い、そういう認識を持っておられます。千五百隻の船が出て、六千人を超える漁民の皆さんが海上デモをされたのも、そういう考えを、見方を当事者としてはされているからであります。 ですから、予断を持たないということは、まさに予断を持たないでください。まずはもとの形に戻して調べるのが調査であって、もとの形に戻すことが予断を持たないことであって、それを閉めておいてやるというのは、既に予断を持っていることであります。 そこで、環境庁長官にちょっとお聞きをしたいと思います。 環境庁長官は三番瀬の問題などでもなかなか積極的な干潟の保護に力を入れていただいていることは、我々は大変心強く思っております。 干潟というものは、我が同僚の言葉をかりれば、あるいは専門家の言葉をかりれば、人間で例えれば、ある意味で腎臓と子宮の機能を果たしている。腎臓というのは、いわば上から流れてくるいろいろな、多少汚物の入ったようなものを、それを干潟で浄化をする、そういう機能がある。子宮というのは、そこにいろいろな生物が卵を産んで、ムツゴロウも、食べても食べてもまた生まれてくるわけですから、ムツゴロウを殺しちゃいけないなんということを言ったことは一度もないのであって、ムツゴロウが生き続けられるような状況を維持してくれと言ったのであって、それを揚げ足をとる形で松岡さんが、ムツゴロウと人間がどっちが重要なのかと。 そんな話をしていると時間がなくなりますので、川口環境大臣に、干潟の重要性を含めて、この問題をどのように見られているか、見解をお伺いいたしたいと思います。
○川口国務大臣 腎臓に例えるのがいいのか子宮に例えるのがいいのか、何に例えるのがいいかよくわかりませんけれども、干潟というのは、環境保全上非常に重要な機能を持っておりまして、浄水機能ですとか、あるいは渡り鳥がとまるという機能ですとか、大変に重要な機能を持っていると思います。 それで、この有明海、諫早の問題につきましては、先ほど谷津大臣がおっしゃられましたように、今回のノリの不作についての原因は予断を持たないで徹底的に原因を調査究明するということが必要だというふうに私も思っております。 環境省といたしましては、このために、農林水産大臣とよく連携協力をいたしまして、有明の環境の保全の観点から、政府一体となって問題の解決に取り組むことが重要であるというふうに考えております。 以上です。
○菅(直)委員 今申し上げたように、予断を持たないという意味は、原状、少なくとも四年前の状況に戻した形で見るべきではないかと思っています。 そこで、ちょっと総理に別の観点から申し上げてみたいと思いますが、新作の狂言で「ムツゴロウ」という狂言があるのを御存じですか。
○森内閣総理大臣 残念ながら、承知しておりません。
○菅(直)委員 これは梅原猛先生がわざわざつくられた狂言でありまして、京都でも上演され、またもう一度東京でも近く上演をされます。これはムツゴロウが、あの上がゴルフ場になった想定のようでありますが、そこでゴルフをしている人間に霊が取りついて、いわば復讐をするというテーマの狂言であります。 つまり、これは梅原先生に限りませんが、いわば象徴的な存在をあの諫早湾の干潟に見ている、あるいはムツゴロウに見ておられる人は大変多いのです。よく、口を開けば森総理は文化とかいろいろ言われますけれども、やはり日本のそうした、いろいろ物を考えておられる皆さんから見て、これはかなり問題があるのだという指摘をされているということも、ぜひ御理解をいただいておきたいと思います。 それから、もう一つ申し上げますが、何か水門をあけることが非常に難しいように誤解をされている方もあるかもしれませんが、専門家は御存じですよね、ほとんど毎日のようにあけているわけですよ。実際にどういうことかといえば、上から流れてきた川の水の中には相当家庭雑排水が入って、決してきれいな水ではありません。しかも、それを長い時間ためておくわけです。そうすると、だんだん水位が上がってきますから、マイナス一メートルの水位管理をしているわけですから、それを超えてくれば、外が干潮のときに水門をあけて出しているわけです。汚い水を順次出しているんです。(発言する者あり)汚いじゃないですか。汚い水を順次出しているんです。 私たちが言っているのは、その操作を逆にして、外が満潮で水位が高いときに水門をあければ、逆に海の水が内側に入って、現在はまだ内堤防はちゃんとはできておりませんから、外の水を内に入れるだけで、あるところまで水位が上がれば、干潟が海の水にきちんとつかるわけでありまして、そういう状態に何度か戻せば、今、川口大臣も言われたような干潟の浄化作用が生き返ってくることが十分あり得るわけでありまして、そういう状態での調査をしなければ、それなしの調査をしても、それは予断を持った調査になる、このように思っております。総理に最後にこの問題の見解を伺いたいと思います。
○森内閣総理大臣 菅さんとは長いおつき合いですけれども、あなたの手法といいましょうか口調というのは、まず自分の意見をぼんとおっしゃって、これが正しいんだということから始まる。それも予断と言うと私は思うのです。 ですから、この問題はとてもとても大事な問題です。今ここに久間さんもおられますけれども、やはり地元の皆さんは何をおっしゃっているのかということもとても大事なことなのであって、ですから、何もいつまでもあけないとかあけるとかいうのは、現実に今あけていることも御指摘があったとおりですから、まず三月までに原因を調査してみよう、その後さらに必要があれば、今度は、次のノリの栽培を始めます準備は九月からですから、遅くとも九月までに、その前にできるだけ早くもう一度よく調査をして、その結果をみんなで公表して検討しましょう、こうおっしゃっているわけですから、私はそんなに予断を持って決めつけているということじゃないと思いますよ。 今、地元の皆さんが全部、そこを早くあけて、いわゆる流してしまえと言っているわけじゃないわけでしょう。皆さんの方がむしろあけるなという意見が大変来ているわけですから、そこのこともよく考えなきゃいけない。 私はたまたま狂言には余り興味ないからわからなかったんだけれども、何か文化がわからぬようなことをおっしゃいましたけれども、しかし、干潟を大事に守っていくことも文化だけれども、長い間続いた山間の急傾斜地にある漁村といいましょうか、そうした集落もしっかり守ることも文化じゃないですか。 私は、そういう意味で、余り決めつけた議論ではなくて、これは本当に地域住民の皆さんが一番何を求めておるかということをよく頭に置きながら、これから研究といいましょうか、調査をよくしていくということが大事だと思いますし、そういう意味で、谷津農林水産大臣にもそのように私は指示をしているのです。
○菅(直)委員 この問題は、私は間違いなくもっともっと大きな動きが出てくると思っております。 今九月とかいろいろ言われましたが、逆に言えば、たしか十月ごろからノリの新しい芽つけをするわけですから、ぎりぎりの段階で水門をあけるということはより難しくなるでしょうし、秋は台風シーズンですから、それもまた、どちらかといえばふさわしくない時期になりますから、本当はもっと早い段階でやるべきですけれども、そういうことをわかって言われているのか、わからないで総理が答弁されているかわかりませんが、農水大臣も副大臣も、予断を持たないで、四年前の議論は忘れて、白紙の状態できちんと議論をいただきたいと思います。 そこで、話を次に進めたいと思います。 きょう朝から、あるいは本会議でも、外交機密費の問題がいろいろと問題となっております。 まず、ちょっとお聞きしたいのですが、河野外務大臣、官房長官を務められたことがありますね。官房長官時代に、官房機密費、正式には官房報償費がこういう目的に、つまり総理の外遊の随行者のホテルの差額代等に使われていたということは御存じでしたか。
○河野国務大臣 半年間ほど官房長官を務めさせていただきました。 報償費について、官房長官は知り得る立場にございます。しかし、知り得る立場にはございますけれども、その使用目的あるいはどういう使い方をしたかということは、報償費の報償費たるゆえんで、これは申し上げないということになっておりますので、もう八年、九年ほど前になることで、それほど正確な記憶もございませんし、こういうことは申し上げないということにいたしております。
○菅(直)委員 ちょっとおかしいのじゃないですか。 先ほど、金額についてはちゃんと現官房長官、言われましたよね、公明党の議員の人に。つまり、これだけ払っているということを言われたわけですね。なぜ言えないのですか。
○河野国務大臣 御承知でおっしゃっておられると思いますけれども、お尋ねの件は全く別件でございます。
○菅(直)委員 では、少し別の方からいきましょう。 この室長はだれから現金を受け取ったのですか。
○福田国務大臣 官邸におります職員であります。 もう少し正確に言えば、総理秘書官付の官邸職員でございます。
○菅(直)委員 その総理官邸付の、私が聞いたところによれば、外務省から来た総理の秘書官付の事務官だと聞いておりますが、その事務官に、このお金を松尾室長に渡してくれ、あるいは渡しなさいと言ったのはだれですか。
○福田国務大臣 それは、内閣の首席参事官、当時ですね、今は総務官と言っておりますけれども、その方から渡しております。
○菅(直)委員 その首席参事官は、だれの許可を得て報償費を持ち出して渡すように指示をしたのですか。
○福田国務大臣 官房長官でございます、その時々の。
○菅(直)委員 ということは、官房長官の決裁でこの松尾室長に内閣官房報償費が渡されていた、そういう理解でいいのですか。
○福田国務大臣 そのとおりでございます。
○菅(直)委員 私も、何人か官房長官経験者に聞いてみました。河野さんは答えられませんが、私の聞いた方は、そういうお金を扱った覚えはないなと言われていました。 河野さん、そろそろ思い出したでしょうか。
○河野国務大臣 そういうお金というのは一体どういうお金なのか、もう少しはっきり言っていただきたいと思います。
○菅(直)委員 ちょっと河野さん、あなた責任者でしょう、外務省の。一般の人が聞いていてわかりませんか、今私が言っていることがどういうお金か。 松尾室長に渡る、あるいは当時松尾室長がいなかったわけですから、きょう朝の議論からいえば、例えばアメリカに行くのに、北米一課かどこかわかりませんが、原局から、総理が外遊するときの今回言われているような費用に官房機密費が官房長官の了解のもとで渡されていたと今福田さんが言われたわけですが、当時は仕組みは若干違うかもしれませんが、あなたが官房長官のときにそういうものを渡していたということを思い出しましたか、それともないですかと聞いたのですよ。よく聞いておいてください。
○河野国務大臣 菅議員は御自分だけわかっておられるからそういうふうにおっしゃっておられると思いますけれども、報償費というものには、官房、官邸の報償費だけではございませんので、私はどういうお金かということをお尋ねしたわけで、今菅議員がおっしゃっているのは、官邸の報償費を渡したか、こういうお尋ねでございますから、それは先ほど官房長官もお話しになりましたように、総理が外国を訪問されるときには、その総理の外国訪問のためのお金というものはその中から渡されるということは十分あったであろうというふうに思います。
○菅(直)委員 第三者経由じゃなくて、官房長官を経験されたときにそういうことがあったという記憶があるのか。そんな、あったであろうとかというんじゃないんですよ。官房長官としてそういう決裁をしたと、例えばそのお金は、これは一千万ほど、たしか宮澤さんが総理のときの官房長官ですから、宮澤総理大臣がどこかに行かれるときに、外務省の担当者が来て、こういうお金が要る、じゃ、これから出しましょう、そういうことをやった覚えがありますかと聞いているんです。
○河野国務大臣 ポストにはいろいろな立場がございまして、報償費、機密費と申しますか、報償費の使い道については、国政が円滑に進むようにこれは機動的に使うという種類のお金でございまして、それがまた、円滑に仕事が進むためにそれは使っているわけで、その中のことは一切公表をしないということを我々は引き継ぎもいたしておりますし、そうしたルールを私は承知しておりますので、このお金を何に使ったかということをここで申し上げるのを御勘弁いただきたいと思います。
○菅(直)委員 ちょっとひどいですね。現官房長官は出していると認めていて、もとの官房長官はそれは言えない。 じゃ、もうちょっと視点を変えて、まず進めてみましょう。 今回の問題で、非常に私は、よく話を聞いていて、本人が責任というのは、それは説明を受ければわかります。では、そのお金が、例えば見積書が出ていたというのですが、その見積書が本来のものより多かったとかということをチェックする立場にあった人はだれなんですか。簡単に言えば、それは外務省の担当者の責任なんですか、それとも内閣官房のだれかの責任なんですか。どうですか。
○河野国務大臣 総理外国訪問の折には、外務省が訪問先のホテルでありますとか、あるいは飛行場からのアクセスでございますとか、そういったことを全部現地と打ち合わせをいたしまして見積書を作成するということになっております。したがいまして、その見積書がだれの責任かというお尋ねでございますから、それは外務省の責任だということを申し上げなければならないと思います。
○菅(直)委員 被害届が出ているのは内閣官房ですよね。そうすると、きょうの午前中の話でしたか、この九億六千五百万の中から少なくとも五千四百万円が横領されたという趣旨の被害届ですか。
○福田国務大臣 正確に私が今ここで申し上げることはできませんけれども、恐らくそうだろう、こういう推測は申し上げることはできます。
○菅(直)委員 推測というのはどういう意味ですか。被害届を出されたんでしょう、五千四百万という。外務省は告発をしたんでしょう。被害届を出された以上は、どういうお金が流れたら、そのうちからこれだけ横領されたということになるんじゃないですか、どうですか。
○河野国務大臣 一月二十五日に外務省は松尾元室長を告発いたしました。そのときの告発の理由は五千四百万円の横領の疑いでございます。
○福田国務大臣 ただいま外務大臣からもお話がございましたけれども、外務省が告発をしたということ、そしてそれが官房の報償費だ、そういうことに基づいてこちらの方は被害届を出した、こういうことであります。
○菅(直)委員 よくわからないですね、言っていることが。つまり、お金を出したのは官房機密費だとすれば、官房長官の責任でしょう。それから不正にとられたとすれば、少なくとも不正に盗まれた責任が官房長官にあるんじゃないですか。違うんですか。何かさっきの話だと、外務省にあるんですか。盗まれたということは、公金を盗まれたんですよ、税金を。官房長官、どうですか。
○福田国務大臣 この事件はちょっと特殊な事情がございまして、内閣官房でそういう犯罪の事実が確認できないのです。先ほど外務大臣からもお話ございましたように、外務省の中で起こった事件なんです。これをどうやってその事件であるかということを証明するかという方法、手段がないのです。したがいまして、今申し上げたようなことになっているのです。
○菅(直)委員 ちょっと、どういうことですか、それは。だって被害届を出したんじゃないのですか。被害届を出したのにその被害があったかどうかわからないというのでは、被害届を出したことにならないじゃないですか。 ちょっと待ってください。きょう朝のたしか北側議員の質問に対しては、六年間で九億六千五百万円出した、そのうち四億二千万は官邸職員分だった、あと残りの中の一部かどうかわかりませんが、五千四百万の被害届だと。そういうことじゃないんですか。
○福田国務大臣 外務省でもってそういう事件が起こったということが判明したわけですね。外務省の中でそういう事件が起こったということですね。その事件について、これはもとが内閣官房から出ている金だ、報償費だということである、そういう可能性が極めて強いということによって外務省は告発をしたわけですね。その告発の金額とかそういうことについては、我々としては確認しようがないのですよ。外務省に聞くしかないのです。そして、これから警視庁、警察も調べるしかないのですね。その結果でもって判明するわけでありますので、今のところは、この被害届は、あくまでもこれまでのその事実だけについての被害届である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○菅(直)委員 高村さん、ちょっと場違いで恐縮ですが、もっともあなたもついこの間まで外務大臣でしたが、外務大臣はこういうことを承知しているのですか。つまりは、そういうお金は官房機密費から出してもらうのだということは承知していたのですか。
○高村国務大臣 大変申しわけないことでありますが、私は承知しておりませんでした。
○菅(直)委員 河野外務大臣はどうですか。
○河野国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、外務省から見積書を出しまして、その見積もりに従って官邸が対処をされるというふうに思っております。
○菅(直)委員 河野さんは九四年にも外務大臣を村山内閣のときにされているのですよね。今回も、発覚する前からやっておられるだけで、後で調べたということではなくて、もともとそういうやり方をしているということは、外務大臣として、高村さんは知っていなかったと言われたけれども、河野さんは知っていたのですか、知っていなかったのですか。
○河野国務大臣 もともとこの要人外国訪問支援室ができたのは、細川内閣のときにできた組織でございます。私は、だから羽田大臣が御存じだとは申しませんけれども、細川内閣、羽田外務大臣のときにこの支援室はつくられたものでございまして、菅議員が羽田元外務大臣に聞かれても、恐らく御存じないとおっしゃるのではないかと思います。
○菅(直)委員 河野さんは知っていたのですかと聞いているのですよ、村山内閣のときにおられたのだから。本人のことを言ってください。人のことは言わないで結構ですから。自分のことを言ってくださいよ。
○河野国務大臣 私だけが知らないと言うと、おまえはばかだと思われてもいけないので、ほかの人も恐らく御存じないだろうということを申し上げたくて言っているだけで、大変申しわけありませんが、先ほど来御答弁申し上げているとおりでございます。
○菅(直)委員 余り水かけ論をやっても、よくわけがわからないのですが、少なくとも、国民の皆さんから見て今の討論というのは、問うている私でもわからないのですから、それを聞いている人はもっとわからないと思うのです。 普通被害届を出すというのは、ここに例えば百万円あったら五十万円なくなっていた、だれかがそれを外から来て盗んだか、あるいは何かだまして持っていったか。普通だったら、百万円ここにあったから、そのうち五十万がなくなったとか、そういう話になるのですが、そのこと自体がよくわからないと。外務省がそういうふうに言うからそういう数字の被害届を出したと。こんなことが国民の前で説明して理解されるとはとても思えませんね。 これも坂口さんには気の毒ですが、ちょっとお聞きしたいのですが、今公明党では、こういうどうせ盗まれるようなというか、横領されるような金額なら少し減らしてもいいのではないかという議論があるそうですが、私どもでも、今回こういう問題が起きているので、内閣官房機密費そのものが必要ではないとは私たちも思っておりませんが、そのあり方や総額を見直す必要がある、場合によっては組み替えの中に入れることも考えているわけですが、坂口さんとして、今の話を聞いていてどう思われます、この問題。 〔委員長退席、自見委員長代理着席〕
○坂口国務大臣 今私は厚生労働大臣をさせていただいておりまして、党務にかかわっておりませんので、党の中でどういう話になっているかということは私にはわかりませんけれども、先ほどからのお話し合いを聞かせていただいておりまして、やはり国民の皆さん方にわかりやすくする形にしなければいけないということだけは、私はそのとおりだというふうに思っております。
○菅(直)委員 これまで内部調査を官房長が中心でやっていたのを、官房長が病気で倒れられて、副大臣の荒木副大臣に指名されたというのが報道で出ておりましたが、それは事実ですか。 〔自見委員長代理退席、委員長着席〕
○河野国務大臣 内部の調査を継続することにしておりまして、政治主導と申しますか、外務省の中におります政治家にそれぞれの担当をやっていただこうということで、内部の調査の委員長を荒木副大臣にお願いをいたした次第でございます。
○菅(直)委員 荒木副大臣、来られていますか。——では、荒木副大臣にお尋ねをします。 さきの外務省の調査は、私どもから見ると全くいいかげんな調査で、調査の名に値しない。与党の皆さんもそういう趣旨のことを言われていますが、新たにそういう立場になった荒木副大臣として、今ここで非常に不可解なやりとりが行われていますが、一体だれの責任でもって松尾室長がお金を受け取り、そしてそれのチェックができなかったのか、官房の問題も含めて、きちっと国民にわかるように調査を抜本的にし直されるべきだと思いますが、その決意と、いつごろまでにその調査報告を出していただけるのか、それをお答えいただきたいと思います。
○荒木副大臣 今回の横領事件につきましては、国民各位あるいは納税者の皆様の激しい憤りを私も痛切に感じております。国民の皆様の信頼を裏切りましたことについて、副大臣として、まず心からおわびを申し上げたいと思っております。 昨日、大臣のもとで政務会議を行いました。そして、政治のイニシアチブのもとで内部調査の徹底あるいは見直し、そして改善策の検討を進めていくということになりまして、私がこの内部調査の新たな委員長に任命を受けたわけでございます。 今委員から御指摘がありました点も含めまして、果たしてこうした税金の横領ということについてだれも知らなかったのかといった点も含めて、徹底的に、国民の負託を受けた立場として頑張ってまいりたいと思っております。(菅(直)委員「いつまでに」と呼ぶ)期限につきましては特に切っておりませんが、しかし、これは可及的速やかに精力的に御報告できるようにしたいと思っております。
○菅(直)委員 告発状の写しと被害届の写しを、それぞれ外務省と官房長官からいただきたいのですが、いただけますか。
○福田国務大臣 委員長の許可をいただきまして、お出ししたいと思います。
○野呂田委員長 後刻、理事会に諮りたいと思います。
○福田国務大臣 ただいま委員長の許可と申し上げましたけれども、実際は、これは今捜査当局に対して提出したものでございまして、これを公開するというのは捜査の支障になる、こういう注意がございましたので、これは難しいということは申し上げます。(発言する者あり)
○野呂田委員長 それでは、ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。 質問を続行してください。菅さん、どうぞ質問を続行してください。
○菅(直)委員 外務省の告発状はどうですか。
○河野国務大臣 告発状は、司法、捜査当局に出しているものでございます。これは、捜査当局がこの告発状をもって捜査をなさるわけでございまして、私どもは、捜査当局の捜査の支障になってはならぬというふうに思いますし、この問題は、どちらかといえば司法の問題であろうかと思いますので、告発状……(発言する者あり)上とか下とかという問題ではないと私は思っております。一つのルールでございますから、これは私どもとしてはお出しをするつもりはございません。(発言する者あり)
○野呂田委員長 先ほど申し上げたとおり、後刻理事会に諮って善処したいと思います。 どうぞ菅直人君、質問を続行してください。
○菅(直)委員 ちょっと委員長、はっきりしてくださいよ。先ほどは、官房長官は出してもいいと言っていたのを、後ろから副長官がちょろちょろして、一応預かりになった。ただ、外務大臣は拒否しているんですよ。拒否しているんですよ、外務大臣は。どうするんですか。それをはっきりしてください。
○野呂田委員長 それぞれの立場がございますので、後刻理事会で、間もなく理事会が開かれますから、そこで十分協議をしまして対処したいと思います。 それでは質問を始めてください。 両大臣の発言に差がありましたが、河野大臣の発言も含めて、理事会で正しいかどうかを協議する、こういうことです。なお、後ろの方から役人の方が余計なことはやらないでください。 どうぞ、菅直人君。
○菅(直)委員 こういう姿を見て、余りにも不透明。それは我々も官房機密費が一切要らないとは言いません。しかし、少なくとも、我々に説明をされているお金は、総理が外遊するに当たって随行する人のホテル代などの差額だとかというふうに言われているのであれば、何もそんなに高度の機密に属するものではないし、当然それをきちんと表に出すべきです。 総理は、しきりに政治家主導だとか言われますけれども、結局のところは、松尾室長個人の犯罪という形に閉じ込めたいというその組織的な力が、外務大臣のあの言葉からは私はその背景に感じられてならないわけです。 そこまで外務大臣が言われるのなら、ちょっと私もいろいろ外務大臣にも聞きたいことがありますが、よろしいですか。 外務大臣は、社台ファームの先代の亡くなられた故吉田さんという方、葬儀委員長をされているようですが、御存じですか。
○河野国務大臣 ちょっと、御答弁を申し上げる前に、一言私も発言をさせていただきたいと思います。 先ほど来の菅議員の発言は、我々外務省内の内部の調査チームが懸命に努力をして、五千数百万という不正な、横領されたと思われる事実をつかんで告発をして、そのことが一日も早い全貌解明に役立つと考えて努力をしているということに御理解をいただけないというのは、極めて残念なことでございます。 私は、全貌解明には……(発言する者あり)
○野呂田委員長 ちょっと御静粛に。
○河野国務大臣 捜査当局の厳正な捜査、捜査権を持った捜査当局の厳正な捜査が全貌解明に最も効果があるのであって、それに渡すために不眠不休で努力をした人たちの努力というものを余り軽々しく言っていただきたくないというふうに私は思います。(発言する者あり)
○野呂田委員長 静粛に願います。
○河野国務大臣 それから、先ほど私は告発状について申し上げましたけれども、私どもは警視庁に告発をいたしまして、捜査当局は捜査権をもって捜査をするわけです。確かに国会には国政調査権というものがあることも私は承知をいたしておりますが、国政調査権と告発によって調べる捜査権というものとの関係もよくお考えをいただきたいということを補足として申し上げておきます。 社台ファームの吉田善哉氏は、私はじっこんにいたしておりました。
○菅(直)委員 外務大臣がいろいろ言われました。 私も厚生大臣を務めたときの事件が、その後強制捜査がありました。私が厚生大臣をやめた後に東京地検が厚生省に入りまして資料を押収しました。当時の調査で見つからなかったテープも出てきました。しかし、検察に任せればいいということであれば、大臣はやめてください。少なくとも大臣というのは、その自分の役所に対して国民にかわって指揮監督をするために大臣になっているんじゃないですか。それを、みずから告発したからそれで済むというのであったら大臣の職責をやめてください。
○河野国務大臣 私は捜査当局ではございません。外交の責任者として外交政策の遂行に当たっているのでございまして、捜査の指揮まで私がやるということは不適当でございます。
○菅(直)委員 これを国民が聞かれて、外務大臣が、外務省の職員が外務省の仕事に関連して起こした事件について、私の責任じゃないというのですか、告発をしたらそれで終わりだというのですか。そんな話は通らないですよ。それならやめてくださいよ、すぐに。総理、やめさせてください。
○河野国務大臣 ちょっと正確に聞いていただきたいと思うんです。 私は、責任がないなどと申し上げておりません。本会議場でしばしば私の責任については申し上げてきたつもりでございます。納税者の方々にも甚だ申しわけなかった、そして外交に対する信頼を著しく失墜したことについて、外交を預かる人間としてまことに申しわけないということは繰り返し申し上げてきたつもりでございます。 そして、外務省の中で起きたこの不祥事を、一日も早く全貌を解明する方法は何か、そのためには捜査当局に告発をし、そして外務省としては全面的にこの捜査に協力をする、さらに、引き続き副大臣をして内部調査に当たらせている、こう申し上げているのであって、私はどうも菅議員のおっしゃることについて、素直にその主張をお受けするわけにはまいりません。
○菅(直)委員 とにかく、自分の役所の中で起きたことについて、私も一〇〇%調べ切れなかったという思いは当時ありました。しかし、少なくとも、訴えればそれで済むという話でない。わざわざ副大臣を指名してやられているんですから。それなのに、何か居直ったことを言われるから、それならやめられた方がいいんじゃないかと申し上げたんです。 もう一つだけ、先ほどせっかく言いかけましたから申し上げますが、吉田さんという人をよく御存じだそうですが、これは偶然なのか偶然でないのかだけお聞きいただければいいんですが、調査報告書の中にサンデーサイレンスの種つけ料というのが二千五百万、松尾氏が払っています。このサンデーサイレンスという馬は、この社台ファームの持ち馬だと聞いております。その元の社長と大変河野大臣は懇意だということを今おっしゃったわけですが、松尾さんとはこういう馬のことについてお話をされたようなことというのはあるんですか。
○河野国務大臣 私は、松尾元室長とそうした話は一切したことがございません。
○菅(直)委員 この問題は、先ほどの告発状の問題を含めて、また同僚議員がさらに追及をすることになると思います。 そこで、次の課題に移りたいと思います。 KSDをめぐりましては大変多くの問題が指摘をされております。一つは言うまでもなく架空党員、党費の問題、さらにはものつくり大学をめぐる問題、さらにはそれに関連する補助金の問題等々であります。 そういう中で、一番構造的な問題をまず見ていきますと、自由民主党の豊明支部というものがあるわけであります。そして、その豊明支部の会計収支報告書を私も持っております、これはもう大体皆さんよく見られた数字だと思いますが、その豊明支部を通して党に納入されたと見られるお金が、例えば一九九五年には六万五千人分、二億四千万円という数字が出ております。こうした金額を合わせてみますと、九一年から九九年で党費として払われたものが十七億四千三百万円に上るのであろう、この収支報告を解釈いたしますとこういうふうに読み取ることができるわけであります。 そこで、総理にお聞きしたいと思います。 総理は、本会議の答弁で、入党手続において何ら問題がなかったという趣旨の話をされております。 しかし、私が聞いているところでは、あるいはきょうのある新聞においても、実際には本人が入党届はしていない。ここに自由民主党の入党届、入党案内があります。これには自筆で書くようにということが書いてありますし、五枚にわたるつづりにそれぞれ捺印をするようにと書いてあります。それに対して、この豊明支部ではKSDあるいは豊明会の職員が印鑑をたくさん買ってきて書き入れたということがきょうの報道でもされていますし、その報道が間違っているという抗議をされたという話も聞いておりません。 そうすると、つまり架空党員、本人ではない人間が届け出た入党届というのは私文書偽造、印鑑が押してあれば有印私文書偽造、同行使ということになると思いますが、法務省にまず見解を伺います。
○古田政府参考人 ただいま委員お尋ねの件につきましては、これはある一定の状況を想定して犯罪の成否を問われる、こういう御質問でございますが、具体的な場面での犯罪の成否と申しますのは証拠によって認定された事実、それに基づいて判断されるべきことでございますので、この段階でいろいろなことを私の方から、犯罪が成立するとかしないとか、そういうことを申し上げることは適当ではないと考えております。
○菅(直)委員 一般的なこと以上は言えないというのは当然でしょう。そこで、一般的でない人にお聞きをいたします。 九五年の当時、たしか幹事長が森総理でしたね。ですから、そこにちょっと絞ってみたいと思いますが、入党手続に問題があったのじゃないでしょうか。どうですか、総理。
○森内閣総理大臣 党員の申込書及び党費というのは、これは党則に従いまして、支部で申し込みを受けた後、その後、所定の手続を経て都道府県支部連合会にこれが届けられるシステム、そうなっております。そしてその後、こうした手続を終えてから党本部にそのまた入党された手続の詳細な報告が入ってくる、こういう手続を行うわけでありますので、こうした入党の手続においては、私どもとしては問題なかった手続だ、このような報告を受けております。
○菅(直)委員 ちょっとよく聞いてきてくださいよ。その入党届がにせだった、私文書が偽造されていた、そういうことが言われているんですよ。ですから、偽造があったということがここにも報道されていますし、この間、関係者がたくさんしゃべっています。偽造であれば、当然正規の届け出じゃないじゃないですか。
○森内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、菅議員は、そう決め込んでから、それでそういう畳み方をなさるわけでありますが、党本部としては、正式な手続を経た書類を私どもとしては取り扱っているわけでありまして、それがにせものであるかどうかというようなことも、その当時の時点では把握できるわけはありません。きちっとした手続をきちっとしてやっております、そういう党の報告でありますから、当時としてはその報告を受けて党員登録の手続を終えた、正式に行われていた、こういうふうに私どもは了解をしているわけです。
○菅(直)委員 一歩前に進んだじゃないですか。当時としてはそうされたんでしょう、当時としては架空党員だということがわからなかったから。しかし、今、架空党員だったということを関係者が次々に証言している。違うというんですか、調べてみたらそうじゃなかったと。ちゃんと調べる立場にあるんですよ、自民党総裁なんだから。民主党のことを調べてくれと言っているんじゃないんですよ。自民党のことを総裁に調べてくれと言っているんですよ。 ですから、幾らその当時にそういう問題がわからなくても、今日これだけ架空党員だということが言われて、それをわざわざ、二万人という基準があったから二万人の基準がもしかしたらそういうことを生み出すかもしれないということで、やめられたんでしょう。ということは、そういうおそれがあるということも認識してやめられたんじゃないんですか。ですから、現在、きょう、今日この時点で言えば、入党手続に問題があった、そういう認識をされないんですか、総理は。
○森内閣総理大臣 今はKSDに限ってのお話としてお聞きをいただきたいと思いますが、KSD豊明会には日ごろから党員集めの協力をいただいていたということは、私も承知をいたしております。自民党東京都豊明支部に入党申込書を届け出る前に、KSD豊明会がどのような形で党員を取りまとめていたかということについては、これは支部は把握し得る立場にはないわけです。また、当然、党本部もそれを把握できるわけではございません。 ですから、党員というのはやはり、党のことを考えていろいろと御心配をいただいて党員の獲得のために努力してくださっているわけで、それが手続を終えて党本部に上申をされてくるということを、私どもとしてはそれを受けとめていくということでありまして、今そういうお考え方を発言されたり、あるいは幽霊党員ではないかというようなことを言われますから、私どもとしてはこれをチェックしていこう、こういうふうに申し上げているわけでありまして、今まさに党はその調査もいたしておるところであります。
○菅(直)委員 どういうことですか。前から調査をしているんじゃないんですか、こんなことはもう指摘されて長くなるわけで。党本部がわからないといったって、支部に聞けばいいじゃないですか。この豊明支部に、東京都連を通してでも直接でも。親しいんでしょう、森さんは。何で聞かないんですか。 いろいろな状況から見て明らかに架空党員であって、それでたくさんの党員を集めたということを関係者が言っているわけですよ。そういう架空党員だということがそうした証言で明らかになったときに、この党費というのは、党費という扱いになるんですか。 まず法律上聞きます。法律上は、党なり政治団体の構成員が払った場合には党費という扱いですが、構成員でない人が払った場合はどうなるんですか。
○片山国務大臣 今のお尋ねでございますが、構成員でなければ払ってはいけないということにはなっておりません。
○菅(直)委員 大臣とも思えないですね。ちゃんと条文を見てください。構成員が払っていない場合に党費という扱いになりますか。
○片山国務大臣 これはもう既に何度も国会で議論になっておりまして、党員というのは党費を払うべき債務を持つわけでありますが、その債務をかわって払うということは認めているわけでありまして。でしょう。幽霊党員とかなんとかという問題じゃありませんよ。 だから、どういう条項を今菅委員が言われているかわかりませんが、もし政治資金規正法の五条二項なら、それはそれぞれの、例えば法人その他の団体が政党その他の政治団体の構成員になった場合に納めるものを、その寄附を党費と扱う、こういう規定でございますので、そこのところは誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○菅(直)委員 条文をいろいろ言い出すと周りの方にわかりにくいと思って言わなかったんですが、この条文によれば、この法律の規定を適用する場合には、「法人その他の団体が負担する党費又は会費は、寄附とみなす。」と書いてあるじゃないですか。元自治省でしょう。余りうそのことを言わないでください。寄附とみなすと書いてあるじゃないですか、寄附と。
○片山国務大臣 そのことは、先ほども言いましたように、何度も国会で議論になっているんですよ。委員御指摘の政治資金規正法第五条二項は、法人その他の団体自体が、ある政党、政治団体の党員または会員となり、そういう資格を取って、そういう立場で党費または会費を支払った場合に寄附とみなす、こういう規定でございますので、もう国会で何度も議論していますよ。少しそこは調べてください。
○菅(直)委員 ですから、団体が払った場合は寄附とみなされるわけですよ。 それはそれとして、もう一度話を戻しますが、いいですか、入党届が本人の了解もなく勝手に印鑑を押されて他人が書いて出された場合は、これは私文書偽造になりますよ。うちの弁護士さん、たくさんいますよ。その偽造された入党届に基づいてお金が払われた場合には、それは正規の党員でないなんというのは当たり前じゃないですか。その正規の党費でないものを合わせて十数億ももらっているとしたら、その扱いをどうするんですか、そう聞いているんです、総裁に。総裁、自民党総裁。
○森内閣総理大臣 ですから、党費は、党員の獲得はそれぞれその支部あるいは団体が推薦あるいは支持を決定して、そして党員の獲得を善意でやっておられるわけでありますね。ですから、そういう中で仮に立てかえというケースがあるのかもしれませんし、あるいは御本人に了解を得なかったというケースも間々あるのかもしれません。 しかし、いずれにいたしましても、そういう形で推薦を決めた団体がそれを取りまとめて所要の手続をとって党費を納入してくる、あるいは党員登録をしてくるということでありまして、今菅議員が、それはにせだとか偽造だとおっしゃるんであれば、それは私どもとしては、今そのことは調査していかなきゃならぬ、こう申し上げておりますし、現に調査も今進めております、こう申し上げております。
○菅(直)委員 調査をしてにせだとわかったらどうされるんですか。
○森内閣総理大臣 それは私どもの党の中のことでございますから、党内で協議をいたしたいと思います。
○菅(直)委員 そのお金はKSDの補助金で使われているんじゃないですか。中小企業の人たちが払った会費の一部が流れているんじゃないですか。その会費を、何億円も党が違法に受けていることがわかったときにも、それはどうするかは党の中だけで構わないということですか。猫ばばしてもいいということですか。
○森内閣総理大臣 先ほどからたびたび申し上げますが、あなたは非常にエキセントリックなことをおっしゃって……(発言する者あり)いやいや、菅さんの方も失礼なことを言っていますよ、公党に対して。猫ばばというのはやはりいい表現じゃないです、テレビに映りはいいかもしれませんが。それは私としても黙って聞き逃すというわけにいかないです。 KSD関係団体は、過去の参議院選挙におきまして自民党の二名の候補者を組織として推薦をしていただいた、このように我々は承知をしております。そして、推薦する候補者を支援協力したということだ、こういうふうに私は思います。一般的に政治に対する協力の方法は、寄附による財政的な支援、選挙活動を手伝うことによる人的支援等がありますが、KSD関連団体が行った党員の獲得もまたその一環であった、このように私は承知をいたしております。 党としては、支部で入党申込書と党費を受け付けた後、所定の手続を経て党員登録がなされ、党員としての地位を付与している以上、原則として手続を経なければ党員資格を剥奪するということはできない、このようになっております。 しかしながら、今回の問題に関連しては、本人の意思の確認がないままに入党申込書が提出されていた、その方々も含まれておるのではないかという、今菅さんもお話がありました、そういう指摘もありますので、自民党としても、道義的な観点から何らかのこれは対処が必要だろう、こういう認識で調査をしたい、また調査を始めた、こう申し上げているわけです。
○菅(直)委員 今の答弁の中で、道義的責任があるので調査を始めたという話でした。調査を始められたことは結構なことです。ただ、道義的ということにはとどまりません。 先ほど言いましたように、これを他人が書いて印鑑を押していれば、有印私文書偽造に当たるわけですから、それは決して単なる道義的な問題ではありません。そういう形で、党費といわば称されて納入されたお金は正規な党費ではないはずですから、私は、当然それがはっきりしたときには返却をすべきだと思いますが、総理はどうお考えですか。
○森内閣総理大臣 先ほどから申し上げているように、そういうふうにあなたの方で決めつけた議論をしていただくと、非常に私どもとしては遺憾でありまして、そういうことも含めて党内で今調査をしたい。これは党内の問題でございますから、党内で協議をし、対応をしっかりととって、改めて国民の皆さんにも報告する機会を持ちたい、そう思っております。
○菅(直)委員 まだまだいろいろありますので、自由民主党の党費そのものが、あるいは党員そのものが架空であったということが指摘されているわけですから、これは党ぐるみの問題ですから、そういう意味ではきちんとした対応をされないと、自民党という党そのものが架空党員によって構成され、そして架空党費によってそれの運営がなされるとしたら、私はとても、国民政党なんてここに書いてありますけれども、幽霊政党じゃないですか、これじゃ。 そこで、少し話を進めたいと思います。 額賀元官房副長官、前経済財政大臣についてですが、合わせて千五百万円の、預かり金という形でしょうか、それを受け取ったということで大臣を辞任されたわけですが、この森内閣の暮れの改造のときに、閣僚に就任される前に、このKSDとの関係をいろいろな方が聞かれたと思うんですが、まず、橋本派としての橋本さんは何か聞かれましたか、額賀さんからこの件について。
○橋本国務大臣 その時点において私は承知をいたしておりませんでした。
○菅(直)委員 福田官房長官はいかがですか。
○福田国務大臣 私も全く承知しておりませんでした。
○菅(直)委員 総理はいかがですか。
○森内閣総理大臣 私も、当時は、もちろん組閣するに当たりましてある一定の調査等を、短期間でございますが、日にちもございませんからある限定の中でいたしますが、当時はそういう問題は出ておりませんでしたし、そういうお話も伺っておりません。
○菅(直)委員 調査はしたけれども聞いていなかったということですね。
○森内閣総理大臣 私が調査するわけでございませんけれども、それぞれ入閣のお願いをしなければならないということでございますから、そうした問題がないかということは、しかるべく一定の範囲の中で調査をするということはあり得ると思います。 私が直接やるわけではございませんし、私がそのことを承知していたわけでもございません。
○菅(直)委員 問題となっております小渕元総理の施政方針演説が決まる過程で、何度か勉強会が開かれて、いろいろな段階があったようであります。 最初の勉強会において、各省庁から上がってきたものの取りまとめを第一段階でやったというふうに聞いておりますが、これはたしか一月の十八日だと思いますが、今の厚生労働省、当時の労働省としては、施政方針の中にこのものつくり大学のことを入れてほしいとその段階で要請されておりましたか。
○坂口国務大臣 ものつくり大学につきましては、その当時、いろいろの話が出ていたことは確かでございますが、平成十一年の十二月であったというふうに思いますけれども、そのときの当時労働省から出しました書類の中には、ものつくり大学という言葉は入っておりません。その前年に既に予算化されているということもありまして、この年は入っておりません。
○菅(直)委員 ちょっと、もう一度念のためにお聞きしますが、ということは、平成十二年のこの施政方針の草案づくりに対しては、労働省としてはそうしたものつくり大学について入れてほしいという要請はされていないという理解でよろしいですね。はいだけ言ってください。
○坂口国務大臣 先ほども申しましたとおり、もう既にこのものつくり大学に対する予算化は前の年から起こっていたことでありまして、この年につきましては、私の方は提出をいたしておりません。
○菅(直)委員 そこで、きょう、福田官房長官が個人的に聞いてみたというか調べてみたというような趣旨のことを言われていました。個人的という言い方はちょっと難しいので、官房長官としてお答えいただきたいのですが、つまり、調査したというなら調査したでいいのですよ。当時のことを調査されたと思いますが、この草案づくりには額賀副長官は当然携わられていたのですよね。それはどうなんですか。
○福田国務大臣 調査をした、こういうように申し上げたかもしれませんけれども、私は当時の関係者に二、三当たってみた、こういうようにお考えいただきたいと思います。もちろん尋問だとかいったような形の調査ではないのでございまして、そういう話の中で額賀副長官が何回か施政方針演説検討会に出席をされていたということは伺っております。
○菅(直)委員 そして、最終的にそれが入るわけですが、入った経緯はだれが御存じなんでしょうか、長官。
○福田国務大臣 私はそこの場にいたわけじゃありませんから、明言するわけにはいきません。いきませんけれども、その原稿に入っていたというのであれば、だれがその会議でもって言ったかということはちょっとわからないんじゃないでしょうか。 また、もう一つ申し上げれば、私が聞いた限りでは、その会議でそういうものを入れるという主張は、特に特定の人からはなかったというふうに伺っています。
○菅(直)委員 これは、だれでもその検討会に入れるわけではないですよね。検討会に額賀さんは入っていた、あるいは事務の官房副長官も入っておられたかもしれません。政治家で、ここにおられる閣僚の中で、そのときの経緯がわかる方はおられますか。だれかおられたらお答えいただきたいんですが。
○野呂田委員長 どなたもおられないようですね。
○菅(直)委員 委員長、こういう場合どうしたらいいんでしょうか。
○野呂田委員長 いや、質問を続けてください。
○菅(直)委員 いや、質問は続けますが、我々が聞きたいことに答えをできる人がいない。やはりこの委員会に呼んでもらうしかないんじゃないですか。委員長、そのことをだれもかわって答えられない以上は、御本人に来てもらうしかないんじゃないでしょうか、委員長。
○野呂田委員長 総理大臣、いかがですか。総理大臣、いかがでしょうか。
○森内閣総理大臣 少し時間をいただいて恐縮ですが、あらかじめ申し上げておきますが、このものづくり懇談会は、平成十一年の十二月に、当時の小渕総理がみずからの御発意により総理主宰の有識者懇談会として開催することとされたというふうに我々は承知をしております。 小渕前総理は、平成十一年の秋に、当時、宇宙開発とかあるいは原子力安全、あるいは鉄道保安等の分野で事故の災害が多発した背景に、これまで我が国が最も得意分野としておりました物づくりの能力に大変深刻な問題があるのではないか、そういう意味で、国民の安心、安全の確保のみならず、産業競争力の観点からも放置できない事態である、そういう厳しい認識を当時持っておられて、そして、我が国の物づくりの能力の強化に向けて、政府として講ずべき方策について有識者を集めて多角的な視点から検討を行うことが必要であると判断されてこの懇談会が開催された、こういう記録が残っております。残っているというか、そういうふうに私は聞いております。 したがって、本懇談会は、平成十一年十二月に第一回会合をいたしましてから五回、そして私が就任しまして、平成十二年の五月に報告書を私はいただいております。 したがって、今御指摘があったものつくり大学についても、物づくりを担う人材の育成、確保の課題が重要であるとの議論の中でこういうことが盛り込まれたんだと思いますし、そのことが、そういう意図でもって、方針演説の中にそのために盛り込まれたというのと私は時間的な大きな差異があるというふうに思っています。 もともとこういう考え方で小渕総理が物づくりというものに対して関心を示されたと思いますが、我々党としては、もうそれ以前から、やはり宮大工でありますとか左官でありますとか、そういう日本の大事な技術、個人的な技術、そうした手法というようなものをもっと大事にしていく必要があるのではないか、そういうことをやはり専門的にやっていく大学が必要でないかというようなことは、いわゆる教育の政策課題としてもうかなり前から取り上げられていたというふうに私は承知をいたしております。
○菅(直)委員 総理はいろいろなことを言われますが、別にそんなことを聞いていないんですよね。私は、施政方針の中にこの問題が入ってよかった悪かったをまだ言っているんじゃないんですよ。入ってきた経緯を聞いているんですよ。 それは我々も、当然ながら、野党であってもこういう予算をふやしてくれとかいろいろ言いますよ、もちろん。問題は、その前後に、その前に五百万、後に一千万秘書が受け取って、後で返したということを御本人が言われているわけですから、お金のやりとりがあった中でそうした要請があったとすれば、これはかなり、今回の小山元参議院議員のことともかなり近い関係になってくるので。ですから、中身がよかった悪かったということは言っていません、全く。 ですから、総理が額賀さんにかわって答えられるんなら答えてください、経緯を説明できるんなら。そうでなくて、中身の話を聞いていませんので、経緯を聞いているんです。
○森内閣総理大臣 ですから、そういう背景を申し上げたわけであって、施政方針演説にものつくり大学が盛り込まれるに至った際に、額賀官房副長官は直接そのことについて関与していなかったというふうに私は申し上げているわけです。
○菅(直)委員 とにかく、検討会の中に額賀さんがいたということは、先ほど福田官房長官も認められているし、いろいろな記録に残っております。ですから、額賀さんがどういうかかわりを持っていたかを、総理が当時そばにくっついてでもいたんならまだわかりますけれども、そうでないのに、こうであったろうなんということを言っても、それで納得できる話ではありません。 恐縮ですが、坂口大臣、担当の労働省として、自分のところからは特に入れてほしいと言われていないと言われていますが、これはどなたにお聞きすればいいんでしょうか。
○坂口国務大臣 その当時入れなかったということにつきましては、それはそのときの書類で残っておりますので、これは明確でございます。その書類に基づいて私は発言をしているわけでございます。
○菅(直)委員 ですから、大臣としてあるいは政治家として、どなたに聞けばその経緯がわかるかということです。 労働省としては入れていなかったと言われるのはわかったんですが、そうすると、あとはだれに聞けばわかるんですか。
○坂口国務大臣 それは労働省の範囲を超えた話でございますので、これは労働省ではわかりません。
○菅(直)委員 ごく当たり前のことですよ。御本人に聞けばわかるわけですから。そんなことは、もうだれが考えたって当たり前なんです。 ですから、説明がきちんとできない以上は、御本人に出てきてもらう。何か参議院の方では村上さんを呼ぶということを事実上もう与野党で決められたようですが、衆議院で予算委員会の中で、これは委員長の責任もありますけれども、野党はそろって五人の証人喚問を要求しています。その中で、この額賀さんについて、なぜ委員長としてもそのことを強く主張されないのか。委員長は、必要だと思われませんか。
○野呂田委員長 これは別に逆らって申し上げるわけじゃありませんが、一番よく真相を知っているのが小渕総理だったと思います。ただ、亡くなって、それが不可能ですから、当時の事情を知る者の一人として額賀さんがいることも事実だと思います。 そこで、今、理事会では、そういう問題を含めて協議しているところでございます。いましばらく結論をお待ちいただきたいと思います。
○菅(直)委員 大変委員長の前向きな答弁をいただきまして、それは、最終的に手を入れられたのは故小渕前総理だと思いますが、まさに小渕総理にお聞きするわけにいかないわけですから、一番そばにいた額賀さんに聞くのが当然のことだと委員長がそこまで言われたわけですから、まさか与党の皆さんが臭い物にふたのような形で邪魔をされることはないと思いますが、そのことを踏まえて、少し次に移りたいと思います。 あと一、二、ちょっと残った時間でお伺いをしたいと思います。 昨年の国会で、非拘束の比例制というものが与党の強引なやり方で導入されました。最近、開票が翌日にまたがるというふうに言われております。これまで、できるだけ即日開票で結果を早く出そうという努力がされてきたわけですが、横流し方式というのは、開票作業が多分大変だろう、そういうことは推測されるわけですが、開票が即日に行われるのか、それが無理なのか、お聞きしたいと思います。
○片山国務大臣 参議院の選挙制度が変わりまして、七月の末には選挙があるということで、今、各都道府県の選挙管理委員会と総務省の選挙部の方でいろいろ調整をいたしておりますが、幾つかの市区町村ではなかなか大変だ、こういう話は聞いておりますが、途中経過でございまして、おとついも話し合いは始めまして、できるだけ工夫と努力で、国民の皆さんが即日開票を期待しておりますから努力してほしい、そういうことで調整をやっておりますが、特別の事情等があってどうしてもというところがあればやむを得ないかなという感じを持っておりますけれども、私を初め関係者、十分な調整、説得の上に、できるだけ即日開票を進めてまいりたい、こう思っております。 今、横流しと言われましたが、これも昨年の臨時国会では大変な議論をいたしましたが、これは比例代表制なんですよ、そもそも。比例代表制には拘束式と非拘束式があるので、これは比例代表、党をまず選ぶわけですから、党を選んだ中で順番を、有権者の皆さんに票を入れていただいて、個人名を書いていただいて決めるということでございますから、横流しというのは適当でありません。我々は、これは合算だ、こう言っておりますから、ぜひ御注意いただきたい。
○菅(直)委員 私たちは、参議院において、党名を書くことを条件にすべきだ、同じ非拘束であっても党名を書くことを必須要件にするという改正案を今用意いたしております。 今、総務庁長官は、失礼、なかなか名前がすっと出てきませんね。片山大臣は横流しという言葉にいろいろと抵抗されておりますが、党を選ぶといっても、個人名だけでその人が所属する党を選んだことになるとすると、場合によったら、個人名の印象が強くて、党が、この人は自民党だったか民主党だったか、どの党だったかわからないという場合だってあり得るわけで、ですから、党を選ぶということにはなっていない。合算というのはそのとおりです。党に書いた人と党所属の個人に書いた人を合算する。だから、合算ということは、そのまま横流しということとイコールの意味ですよね。だって、そうですよ。個人の名前を書いても、それが党の票としてカウントされるわけですから。 ですから、私は、国民の皆さんにぜひ御理解をいただきたいと思うのですが、決して非拘束が、我々は賛成ではありませんでした。非拘束は反対をいたしましたが、同じ非拘束であっても、まずは党名を書くことを必須要件として、そして党名だけの場合は、その党のいわゆる当選者数を決める基準にする。党名に加えて個人名があれば、その個人名は党の中の順位づけとして、その順位の基準とする。このことの方が、国民的にもわかりやすいし、党に対する投票だということも明確になる。 そして、あえて言えば、提案者の片山大臣などが言われていた、順位づけが難しいとか、応援団が最後までしっかりやってくれないとか、そういう問題は、それ自体がいい悪いは別として、今私が申し上げたような形であっても、順位づけは必要がありませんし、それぞれの応援団は、個人の名前の、つまりは記載部分を頑張らなければ党内順位が上がりませんので、最後までそれぞれ努力をされるだろう。 そういう意味では、私は、非拘束そのものが制度として決していいとは思いませんが、その中でも、今のような、横流しであろうが合算であろうが同じことですから、そうではなくて、まず党名をきちんと書いた上で、個人名を書いてもいいし、書かなくてもいい。書けば、党内順位づけにそれが基準になる、このような位置づけの方がより望ましいと思いますが、大臣としての見解を伺っておきたいと思います。
○片山国務大臣 もう釈迦に説法でしょうが、選挙制度には多数代表制と比例代表制がありまして、多数代表制は個人を選ぶ、比例代表制は政党を選ぶ、こういうわけですね。 そして、比例代表制の中に拘束式の名簿と非拘束式の名簿と二通りありまして、拘束式というのは順番を党が決める、非拘束というのは候補者だけ決めて順番は決めない、こういうわけでありますから、今までは拘束でやってきましたが、いろいろな議論がありまして、非拘束に改める、国民の皆さんに当選者の順位を決めてもらう。 この場合の非拘束比例代表制は、まず比例代表で党を選ぶわけです、各党が名簿を出すわけですから。出した各党の名簿を選んでいただいて、その次に、その中で、自分のぜひ当選させたい人があれば名前を書いてもらう、なければ書かなくて結構だ、こういうことでございますから、今菅委員の言われた、党を書き、さらに個人を書くというのは、これは二重手間になりますし、混乱しますし、私は大変わかりにくいのではなかろうか、こう思っておりますから、御意見は御意見として承りますが、我々はそれをとるに至らない、こういうことでございます。
○菅(直)委員 私は、多分今のやり方で一番損をするのは自由民主党だと思っているんですよ、実は。多分、皆さん方の友党の皆さんが、選挙区では応援をするから、比例ではこの固有名詞の我が党の人に入れてほしいと言われて、自由民主党の比例票は私は減るんじゃないかな、こういうふうに推測をいたしております。そういう意味で、決して、党利党略で必ずしも言っているつもりはありません。 それから、今の片山さんの意見で、いつも言われるんですね、名簿を選ぶと。名簿を選ぶというのは何か作業があるんですか。この名簿ということを言う、名簿を選ぶという作業があるんですか。例えば自由民主党で、片山さんは比例ではありませんが、片山虎之助という比例で出られたとしたら、名簿というのを選ぶ作業は現実には何もないじゃないですか。だから、それは単に名簿の中に並んでいるのを見るか見ないかであって……(発言する者あり)いや、自書式でしょう、何を言っているんですか。自書式でしょう。 ですから、御本人に聞きますが、名簿を選ぶといっても、党名を書かなければ、その党の名簿を選ぶという作業はないじゃないですか、個人だけ書いた場合は。どうですか。
○片山国務大臣 幾つかの名簿が出まして、その名簿の人を選ぶときにその党も選んでいるんですよ。だから、ワン動作で党も選び、人も選ぶ。こういうことでございまして、ただ、人を選ばないケースもありますから、党名だけでもいい、こう言っているわけであります。
○菅(直)委員 ですから、これは聞いておられればわかるように、詭弁なんですよ。名簿を選ぶ、名簿を選ぶと言われるけれども、実は名簿は選んでなくて、候補者名を書いているだけじゃないですか、選ぶというよりは。候補者を書くんじゃないですか。ですから、候補者名を書くだけであって、名簿を選ぶことにはなっておりません。そういった意味で、私は、投票する立場に立って考えたときに、非常に戸惑うのではないかな、このように思っております。 そこで次に、もう一つ二つお尋ねをします。 昨日でしたか、きょうの新聞ですか、中尾元建設大臣の裁判において新しい証言が出ております。若築建設ですか、その関係者が、中尾大臣だけではなくて、自由民主党亀井代議士と故竹下代議士にお金を渡した、こういう証言が出ているわけですが、これはせっかくですから扇大臣にお聞きしましょうか。 建設省、現在の国土交通省の担当として、建設関係の大臣の裁判でこういうものが出ましたが、こういう皆さんのことについては、大臣としてはどう思われますか。
○扇国務大臣 今、菅さんからその話が出まして、私もけさ新聞を拝見しましたけれども、まだこれは司直の手で真相が全部明快になったわけではございません。今まだ途中の段階でございますから、しかもその名前の出た方々は自由民主党の方でございまして、私は保守党として、他党の人に対してどうこう言うことではございませんし、最後まで、司直の手でどの程度明快になり、またそれが直接犯罪として立証されるのかどうかを見守っていきたいと思っております。
○菅(直)委員 昨日の参議院でしたでしょうか、他党の私のこともいろいろと触れていただきまして、もちろん、何かあればどこでも私も出て発言なりするつもりですが、他党であっても亀井さんに、あなたももしあれであれば私とともにちゃんとそういうところに出てやったらどうか、そういうふうに言われるつもりはないのですか。他党の場合も、与党だと言わないで野党だと言われるわけですか。(発言する者あり)
○野呂田委員長 静粛にしないと委員長の声が聞こえませんから、協力してください。
○扇国務大臣 今おっしゃいましたように、まだ途中でございまして、直接御本人が、きょうの最初の質問にお立ちになりましたように、ああいう御性格でございますから、私は、真実であれば御本人からコメントが出るものだと思って信じています。
○菅(直)委員 信じられるのはもちろんそれぞれの自由ですから御自由ですが、少なくとも元建設省、現在の国土交通省の責任者として、やはり元大臣の問題で起きた問題ですから、そこはそれなりの関連があるのでお聞きをいたしました。 そこで、あと残された時間、もう一、二点、お尋ねをしてみたいと思います。 文部科学大臣にお尋ねをしたいのですが、町村大臣と私は世代も近いですし、昔から存じている関係でもあります。ただ、最近の町村大臣の発言を聞きますと、やや哲学が違うのかなと。若いころから割と秩序を維持するような行動をされていた方ですから、それはそれとして理解できないわけでもありませんが、例えば子供が学校に行かなくなる、不登校という形になったときに、何か子供を甘やかしているからそういうことが起きるんだという趣旨のことを言われたようですが、もし真意が違ったら違うということを説明いただきたいと思います。
○町村国務大臣 今、菅委員からお問い合わせのこと、先週のたしか金曜日でしたでしょうか、記者懇談の席のいろいろな話をしたごく一部だけが実は不登校の問題で報道されております。しばしばごく一部だけが報道されて迷惑をするというのは菅委員も御経験のあるところだろう、こう思っておりますが、私の発言のごく一部だけが一部の報道にあったと。 不登校の原因、いろいろあるということを私は冒頭に言っております。学校でいじめられたケース、あるいは授業がどうもわからなくて嫌になるケース、あるいは友人関係あるいは先生との関係、心の葛藤、いろいろな面で心の面からどうも行けなくなってしまうケース、そういう中に、自分で自分をコントロールするといいましょうか、自己統制力といいましょうか、そういうのが身についていないから不登校になる。いろいろなケースがあって、それぞれに対応した対策が必要ですねということを申し上げたら、その最後のある部分だけを取り上げて、履き違えた自由が不登校を生むというレッテルをつけてもらいました。 非常に断片的な報道で、私も正確にわかってもらいたいと思ったものですから、私の全発言を私のホームページ、文部省のホームページに載せまして、私は全体こういうことを申し上げました、こういうことをきちんと皆さん方に知っていただく、そんな努力もしたところでございます。
○菅(直)委員 せっかくの機会ですから大いに説明していただいてよかったわけですが、私は、教育の問題、大変難しいわけですが、文部省の、今回名前が変わりましたが旧名称で言わせていただくと、文部省の従来のやり方を見ておりますと、あるいは森総理の発言なども聞いておりますと、何か一つの価値というものをみんなに共通に持つことが必要だとかいいんだ、そういうふうに何となく私には受けとめられます。 もちろん、共通なものもあるかもしれません。しかし、私は、教育というのは、それぞれが違っているんだ、それぞれが違った考え方、違った物の見方をする、そのそれぞれがいかにコミュニケーションをして、そして社会生活をきちんと送れるか。同じだから送れるんではなくて、違った人間同士であっても、きちんとコミュニケーションができて送れる、そういうコミュニケーション能力をつけることが教育の一つの眼目ではないか、私はこんなふうに思っておりますが、町村大臣の見解を伺いたいと思います。
○町村国務大臣 ただいま菅委員から大変貴重な御指摘をいただいたと私も受けとめております。 戦後は、戦前のいろいろな揺れ戻しもあったんでしょうか、平等ということを大変に強く言ってまいりました。それはそれで私は、戦後の日本の社会が民主的になり、平等な社会になり、よかった面も多々あったと思っております。 ただ、それが今行き過ぎて、ややもすると、機会の平等ではなくて、結果の平等をどんどん追い求める、そういう面が大変に強くなり、そのことが社会全体のみならず、教育界にも非常に多いわけですね。違いを認めない。ですから、よく漫画的に言われますけれども、徒競走に、昔は私も足が速かったから、一番になって鉛筆の一本ぐらいはもらったんですが、最近は、ゴール前三メートルのところでみんな手をつないで一緒にゴールインをする。どうしてか。差をつけてはいけない。こういう人と違いがあることがいけないことだという風潮が、実は非常に教育現場に蔓延をしておりまして、まさに菅委員が憂えるような状態が今あるわけです。 私は、もっともっと違いがあるということで、それを前提にして、その子供に合ったいろいろな教育をしていく。だから、例えば、ちょっと長くなって済みませんが、ついこの間までは、習熟度別クラス編制というのは、これは差別だから絶対いけないと、学校の現場の先生たちが、今でもそう言ってそういう習熟度別のクラス編制に反対をする向きもありますが、私はそれは違うと思う。その子供によって理解度の違いがある、それは当たり前なんです。それに応じた、できるだけ個に近い授業なりクラス運営ができるようにしていった方がその生徒の幸せになる、私はこう思っておりまして、まさに菅委員が今言われたような、違いをしっかりお互いに認め合う、それでもきちんと理解し合い、コミュニケーションし合う。 戦後の、今広がっている結果の平等というものをどうやって教育界から追放していくのか、その点を、私は今、教育改革の一つの大きな考え方の柱として打ち立てて教育改革を進めたい、それに着手をし始めたところでございます。
○菅(直)委員 個人個人の個性が生かされるということは、私も基本的には賛成です。ただ、先ほど申し上げたように、これは必ずしも町村大臣でないかもしれませんが、何か一つの価値にそろえるという感じがしないでもないところがありますので、そこをちょっと申し上げたわけです。 最後に、残された時間でもう一度、今度は外交の問題を改めてお聞きしたいと思います。 クラスノヤルスク合意というものが、橋本総理の当時の御努力でありまして、二〇〇〇年の間に平和条約の締結に努力するということで進んできていたわけだと報告をしていただいておりましたが、既に二〇〇〇年を越えてしまいました。最近の報道では、日ロの首脳会談の日程も何か延期、延期で定まっていない。その間には、鈴木宗男自民党総務局長がロシアに行って、あるいは森総理の意向をいろいろ伝えるといったようなこともあると。多少日本側の司令塔も不明確ではないかという感じも持っておりますが、この日ロ交渉の現状なり見通しについてどう思われるのか。結局はクラスノヤルスク合意をほごにされてしまったんじゃないのか、こう思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 昨年は、クラスノヤルスク合意で、まさに議員おっしゃるように二〇〇〇年という年でございましたから、何としてもここで交渉を妥結したいという非常に強い決意を持って臨みました。非常に残念なことでございますが、二〇〇〇年の年明けと申しますか、一九九九年の大みそかに、エリツィン大統領が辞任をなさるという報道がございまして、それは先方の外務大臣から私に電話もあって確認をしたわけですが、クラスノヤルスク合意、つまり、先方はエリツィンさんがそれを約束してくれていたわけでございますが、先方のエリツィンさんが二〇〇〇年を待たずに辞任をされるということがございまして、私どもとしては、新しいプーチン大統領が正式に大統領におなりになるのを待っておりましたところが、小渕総理が亡くなられるということになりまして、森総理とプーチン大統領が、二〇〇〇年、最後の一年間、もっと言えば半年間を懸命の努力をされたわけでございます。 恐らく、日ロの首脳が半年間の間にあれだけの回数を会ったということはこれまでもないと思います。もちろん回数だけの問題ではございませんけれども、何としてもこの四島の帰属を解決して平和条約を結ぼう、これは先方にもそれなりのお気持ちがあったというふうに私は見ておりますが、しかし、やはり領土問題というものの難しさというものが最後の段階でございまして、とうとう合意をするに至らなかったことは、極めて残念であると同時に申しわけなく思っております。 新しい年を迎えまして、できるだけ早く両国の首脳に会談をしていただいて、いわば仕切り直しと申しますか、新しい考え方で進んでいただきたいというふうに思っておりまして、政府・与党一体となって新しい交渉を始めようということで、私どもも、自民党の鈴木代議士を初めとして有力な方々、さまざまなチャネルで先方と話し合っているわけでございますが、現時点は、今菅議員がおっしゃいましたように、いまだに首脳会談の日程が決まらないという状況であることは、まことに残念に思っております。
○菅(直)委員 戦後の残された一番懸案の日朝とこの日ロの、大変重要で難しい問題だということは承知をしております。私も、若干、ヨーロッパなどに行って、ヨーロッパの関係者の話を聞きますと、プーチン大統領というのは軍に対して比較的強いリーダーシップを持っているから、ある意味では大きな決断をすることができる大統領ではないか、そういう見方をする人もあります。 これはなかなか、実際の交渉事ですので簡単でないことはわかっておりますが、ややもすれば、戦略性がきちんとあるのかなという感じもしないではありません。つまりは、ロシアにとって今我が国に対して何が最も手助けしてほしいことであるのかということがあって、その上で大きな決断ができるかどうか、そういう戦略性が当然必要だと思います。 そういう点では、やや自民党の中で功名争いなのか、いろいろな人があちこちに回数ばかり行っているという感じもしないでもないので、そこは杞憂であれば杞憂だということでとどめていただいて結構です。 きょうは長い時間をおつき合いいただきましたが、あとの問題はまた明日、同僚議員の方から質疑をさせていただきたいと思います。 それでは、これで終わります。
○野呂田委員長 次回は、明九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会