法務委員会 第13号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2001/05/29
会議録
○保利委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中間法人法案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、財団法人公益法人協会理事長太田達男君、早稲田大学法学部教授山野目章夫君の両名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。 両参考人には、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、太田参考人、山野目参考人の順に、各十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。 それでは、まず太田参考人にお願いいたします。
○太田参考人 ただいま委員長より御紹介いただきました財団法人公益法人協会理事長の太田でございます。どうかひとつよろしくお願いいたします。 本日の中間法人法案御審議に当たりまして、参考人として私をお招きいただき、意見を述べる機会を与えていただきましたことに大変深く感謝する次第でございます。 まず最初に、恐らく皆様方、財団法人公益法人協会というのがどういう団体なのか御存じない方もいらっしゃるかと思いますので、この協会につきまして、一言御説明をさせていただきます。 当協会は、昭和四十七年、市井の一民間人が私財を出捐されまして設立いたしました財団法人でございます。そして、公益法人の健全なる育成発展に貢献し、もって公共の福祉に寄与することを目的といたしております。具体的には、非営利公益組織に関する調査研究、あるいは、相談、研修、出版、情報交流などの事業を行っております。これらに関する諸資料は、お手元にお配りいたしました封筒の中に入っておりますので、きょうの審議には直接関係ございませんので、後ほどお時間がございますればごらんいただければ幸いに存じます。 では、以下、お手元のレジュメに従いまして私の意見を述べさせていただきます。 まず、この法案に対する私の基本的な考え方でございますが、我が国法人法制のすき間を埋めるものといたしまして評価いたします。従来、非営利かつ非公益の団体は、法人格を取得する道がなく、いわゆる権利能力なき社団といたしまして、その運営やあるいは対外的な関係におきまして多大の不便を受けてまいりました。本法案によりまして法人化の道が開けること自体は、私は大いに歓迎しております。 ただし、私どもは、これを機会に、民法施行以来百三年間ほとんど変更されておりません、そしていささか制度疲労を起こしていると思われます公益法人制度につきましても、でき得る限り速やかに、かつ抜本的に、そのあり方を検討すべきである、このように考えております。 なお、これは行政府に申し上げることかもしれませんが、既に公益法人といたしまして法人格を持つ中間法人的な団体がございますが、そういう中間法人的公益法人の組織変更問題につきましては、今回の法案で組織変更規定を欠いておりますので、これらの公益法人を無理やり移行させようといたしますと、解決しなければならない法制上の問題やあるいは税制上の問題がいろいろございますため、ただいま申し上げました公益法人制度の抜本的な改正を待って、移行・変更措置をお考えいただくということにぜひお願いをしたいと考えております。 そこで、当協会の考え方でございますけれども、もう少し詳しくお話をしたいと思います。 当協会は、非営利法人法制につきまして、かねてから次のような主張をしてまいりました。すなわち、当協会が十周年を迎えました昭和五十七年の十月でございますが、当時、私ども協会の名誉会長でございました元内閣法制局長官の林修三氏が、当協会の広報誌、「公益法人」と呼んでおりますが、この「公益法人」誌におきまして、今後の公益活動を拡充発展させるためには、非営利法人を、純粋に公益を目的とするものと、公益を目的としないものとの二つのカテゴリーに分け、後者についても法人となる道を開く。このような改正をするに当たって、公益法人に関する法制を分離して、公益法人法といった特別法を別につくる方がよい、かように林名誉会長は提言をいたしました。 これを受けまして、当協会は、同年、五十七年でございますが、公益法人基本法検討準備委員会というものをつくりまして、約三年後の六十年の十月には、民法を抜本的に改正し、公益信託をも含めて公益組織に関する許可制度の見直しや、組織規程等の整備を行い、いわば公益基本法とでもいうべき特別法を制定すべきこと、並びに、非営利、非公益の法人法をあわせて創設すべきであることを発表いたしました。また、前者の公益基本法につきましては、要綱案も、林先生の御指導によりまして作成したところでございます。 当時の公益法人協会関係者のこのような基本的考え方につきましては、現在の理事長であります私も同感でございます。 このような経緯から見ますと、今回の中間法人法は、かねてよりの当協会の主張のうち、非営利、非公益の法人法制が実現するという意味では、一つは実現したということになるわけでございます。ところが、もう一つの重要な柱である公益法人法制の抜本的な見直しというものは、置いてきぼりになったという表現がいいのかどうかわかりませんが、別に欠落をしてしまったというふうに考えざるを得ません。 したがいまして、冒頭、この機会に公益法人制度につきましても、でき得る限り速やかに、より抜本的にそのあり方を検討すべきであると私が述べましたのは、このような背景、理由からでございます。 それでは次に、来るべき公益法人制度見直しの視点とそして重要なポイントにつきまして、私の考えておりますところを若干御説明させていただきたいと思います。 まず、当該法制を見直すときの基本的なスタンスといいましょうか、視点でございますけれども、私どもの社会は、政府、営利法人、そして第三のセクターといたしまして、非営利、非政府の公益組織の三つから成り立っている、かように考えます。この三つのセクターが互いに協力し、互いにそれぞれの組織の性格上なし得ない分野の活動を補完し合うということによりまして、社会の発展あるいは国民の生活向上が実現できるという考え方でございまして、米国では三十年も前から定着している思想でございます。 二十一世紀の社会におきまして、この第三セクターの役割は我が国におきましてもますます重要になるものと考えます。したがいまして、新しい公益法制は、このように公益組織の役割を重視し、その自由濶達な活動を支援し育成する、こういうスタンドポイントにぜひ立っていただきたいというふうに考えております。決して、監督するあるいは規制する、こういう観点が先に立ってはなりません。 次に、改正のポイントとなります幾つかの点につきまして私の考え方を申し上げます。 最初に、許可制度の見直しでございます。 現在は、公益法人やあるいは公益信託につきましては、その設立が許可主義でございます。したがって、主務官庁の完全な自由裁量処分の対象となっております。星野英一先生がよく言われます言葉に公益国家独占主義という言葉がございますが、それはそのようなことをお指しになったんだろうと考えております。国が公益を管理するということによる弊害は多くの識者が指摘するところでございます。 また、営利法人や今回の中間法人法案によります中間法人の設立は準則主義による設立が認められ、御承知のようなNPO法人につきましても、認証という、許可よりも準則主義に近い簡易な手続での設立が認められております。このような法人設立の原則の中で、公益法人だけが許可主義という厳格な設立手続をとる理由を見出すことは私は困難だと思います。許可主義による設立を見直すことが改正の第一点でございます。 第二点は、適用範囲の問題でございます。 新しい公益法制は、あらゆる非営利公益組織に共通する法制であることが望まれます。すなわち、公益法人はもとより、同種の活動を行っておりますNPO法人、あるいは公益信託にも適用されるものといたしまして、その三法人といいましょうか、三組織が整合性あるいは一体性のある制度を構築していただきたいというふうに考えます。 改正のポイントの三番目でございますが、受託者責任の明確化ということでございます。 およそ公益法人等の公益組織の運営に当たります役員は、社会、一般市民のためにその公益組織を運営するという責任があるわけでございます。したがって、役員には、あるいは受託者には、最高度の善管注意義務、忠実義務、説明義務などが要求されるべきであろうと思います。理事などの役員のこのような責任を受託者責任、英語で大変恐縮でございますが、フィデューシアリー・レスポンシビリティーというふうに申しておりますが、我が国でもこのことを法律的に明確化し、これを前提にした組織や役員の権限あるいは義務のあり方等が規定されるべきと考えます。 また、公益法人の透明性に関連いたしまして、公益法人会計も時価主義を取り入れるなど、第三者にわかりやすい会計基準とするべきと考えております。すなわち、受託者責任の理念を取り入れることによりまして、ガバナンス、ディスクロージャー、コンプライアンス、こういったものを法律の中で明確化し徹底を図るということが改正の第三点でございます。 第四番目に、株主代表訴訟類似の制度の創設を提言したいと思っております。 役員が公益目的に違反した場合などにおきます訴訟の問題でございますが、株式会社における株主代表訴訟に類似した制度や、あるいは行政庁に対する解散命令請求、こういった制度も一考する必要性があるものと考えます。この場合、訴訟や請求を提起できる適格者をできるだけ広くその範囲をとるという方向で御検討されるべきではないかということになります。 第五番目のポイントでございますが、税制は別のスクリーニングが必要であるということでございます。 仮に公益組織が現在の許可主義から準則主義に変わりますと、税制は一たん白紙に戻しまして原則課税という立場に戻り、改めて税制の立場から、真に公益目的に合致する公益事業を実際に実施しているかどうか、その組織や運営も先ほど申し上げましたような受託者責任の原則に徹して公明正大な立派な組織運営をしているかどうか、こういったことを判断いたしまして税制の軽減措置を付与する、こういうことになるのではないかと私は考えております。 もちろん、この税制適格基準は、裁量の余地がない、具体的な、明瞭な基準とすべきと考えております。また、その基準に合致しているかどうかを判定する第三者機関のようなものの設置が必要になるかもわかりません。現在実施されております税制上の特定公益増進法人制度というものがございますが、これは余りにも関係大臣あるいは関係官庁の裁量による部分が多く、明瞭な具体的基準が欠けており、問題の多い制度と考えざるを得ません。 最後に、この機会をおかりしまして申し上げたいことが一つございます。 昨今、公益法人を舞台にいたしましたさまざまな不祥事件が報道され、国会でも取り上げられ、監督強化の方向が打ち出されております。また、行政代行型公益法人や補助金の問題なども政府部内で論議され、その対策が鋭意検討されております。 これはこれで結構ではございますが、公益法人、約二万六千強ございますけれども、その大部分は、純粋に社会のために公益活動に専念する本来の公益法人でございます。したがいまして、単に監督を強化するという発想だけでは、これら大部分の立派な公益法人は大変迷惑をこうむるわけでございます。ほとんどの公益法人は、長引く不況による寄附金や会費等の減少、あるいは超低金利下における運用収益の極端な減少等の悪条件の中にありまして、血のにじみ出るようなリストラ等の努力を重ねる一方、少しでも本来の公益目的を達成するため、有意義な公益活動を模索し、展開している事実をぜひこの際御認識いただきたいと存じます。何となく公益法人のイメージがよくないというのは、私は大変残念に思っているわけでございます。 先般来、不祥事件を引き起こしましたほんの一部の公益法人とは全く無縁の、純粋の公益のみを追求する世界で、民間の資金とボランタリーな人々の活動によりまして、性格上、政府セクターにもできない、営利セクターにもできない分野で、日本の、そして世界の人類の福祉向上のために多くの公益法人が現に着実に活動している事実にぜひ目を向けていただきたいと存じます。 どうか、このような観点で、二十一世紀の新しい百年間を展望して、立派な非営利公益法制の確立に向けて、今後の御支援、御指導をお願い申し上げる次第でございます。 これで私の意見陳述は終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○保利委員長 ありがとうございました。 次に、山野目参考人にお願いいたします。
○山野目参考人 御紹介をいただきました早稲田大学の山野目でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は、このような意見陳述の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 本日は、ただいま委員長の方から御紹介がありましたとおり、内閣提出の法律案として貴委員会に付託されておりますところの中間法人法案の審議であるというふうに承っております。そこで、民法学を専攻する立場から、民事法制の一角をなすところの法人法制につきまして、所見として考えておりますところを開陳させていただきたいというふうに考えるものでございます。 既に委員の皆様方におかれましてはよく御存じのことでいらっしゃるかもしれませんけれども、我が国の法人法制の全体的な見取り図を確認させていただくことといたしますならば、申すまでもなく、一方におきましては、商法や有限会社法の規律に服する営利法人がございますけれども、反面、他方におきましては、今般問題となっております非営利法人がございます。 私からの所見の陳述は、本日の御審議の趣旨を踏まえまして、この非営利法人の領域におきまして従来の法制がはらんでまいりましたところの、いわば光と影とでも申しましょうか、既に立法として成果の達成が得られている部分、及び、いまだ十分に成果の達成が得られていないのではないかと考えられる部分のそれぞれについてお話を申し上げたいと考えるものでございます。 もとより、一口に非営利法人というふうに申しましても、これには幾つかのタイプがございます。いささか大ざっぱな分け方をすることをお許しいただけるといたしますならば、一方におきましては、団体の構成員となった人たちの相互の、互助的な利益の追求のためのもの、いわば社員共通利益追求型とでも申すべきものがあるのではないかと思いますけれども、反面、他方におきましては、ボランティア活動など市民が自由に行う社会貢献活動のようなものを進めているタイプの、言うなれば市民活動型というものがあるのではないかというふうに思うわけでございます。 いささか余談でございますけれども、社員共通利益追求型あるいは市民活動型というふうな、ニックネームと申しますか、キャッチフレーズというのは、これは非常につくるのが難しゅうございます。わかりやすく書こうとすると、やや法律的に不正確なものになってしまいますし、法律的に正確なものを書こうとしますと、今度はやや伝達力に欠けるというようなものになってしまうわけでございまして、私がきょうお示ししている何々型という二つのものも、必ずしも自信のあるニックネームではないかもしれませんけれども、ひとまず、本日の御審議で可能な限りわかりやすく委員の皆様方に所見をお伝え申し上げたいという観点から、仮につけたものでございますので、お許しを賜りたいというふうに思うわけでございます。 お挙げしましたこの二つのタイプのうち、後者の市民活動型につきましては、委員の皆様方御案内のとおり、一九九八年に制定されました特定非営利活動促進法が、ボランティア活動を初めとする市民が行う自由な社会貢献活動のために法人格取得の道を開いたわけでございます。 法人格は、認証を得ることにより取得することができ、この認証を与える権限は、都道府県知事または内閣府の所管として内閣総理大臣が担うこととされておりますけれども、しかしながら、この認証は、法律の定める一定の要件を満たす限りにおきましては、基本的に与えなければならないものというふうに考えなければなりませんから、この仕組みは、いわば霞が関的な裁量行政とは全く異なる発想によって、いわゆるNPOを支援する法律制度環境を大きく改善させるということに寄与したのではないかというふうに申せると思います。このあたりは、我が国の法人法制が一定の成果を上げている領域として評価することができる部分ではないかと考えるものでございます。 そして、もう一つのタイプであります社員共通利益追求型の方につきまして、今般の法律案が、有限責任中間法人及び無限責任中間法人の制度を設けることによって、法律による明確な規律に道を開こうとしていることは、今申し上げましたような大きな流れの中に位置づけてみます際に、あわせて注目しておくに値する事柄ではないかというふうに考える次第でございます。 従来におきましては、実質的に公益と営利のいずれをも目的としない団体が、民法三十四条に基づいて許可を与えられて公益法人として設立されてまいった実態があり、これに伴い、さまざまの不適正な事態を出来してまいったことは、既に各方面におきまして指摘されているところではないかと思います。 今般の法律案が、今後に設立される中間的な団体の、それにふさわしい法人格取得の道を開くに至ることは、既に政府による今般法律案の提案理由説明などにおきましても言及されているところでございますけれども、私からも改めてその意義を強調させていただきたいというふうに考えるものでございます。 しかしながら、我が国の法制がいまだ達成していない影の部分にも目を向けることといたしますならば、そこには幾つかの問題もまた指摘しなければなりません。 市民活動型の非営利法人について申しますならば、私としては、先ほど話題とさせていただきました特定非営利活動促進法の、まさに法律の題名に特定という言葉がかぶさっているというところをとりわけ問題視させていただきたいというふうに考えるものであります。申すまでもなく、特定という言葉がかぶさっているのは、この法律により法人格を取得することができるNPOが、法律の別表に掲げられております一定の種類のNPOに限られるからでございます。そのような意味におきまして、特定非営利活動促進法は、その法律の名称が象徴いたしますとおり、決して一般法ではございません。 もう一つのタイプであります社員共通利益追求型の方につきましては、本日御審議いただいております法律案により一般法が整えられることとなる、そのような運びになるのかもしれませんけれども、私といたしましては、本日このような機会をちょうだいいたしました折に、ぜひとも、立法府の皆様におかれましては、この市民活動型の方につきましても一般法をおつくりいただくというお仕事に関心をお持ちいただきたいということを特に強調させていただきたいと考えます。 なお、今お話しいたしました市民活動型に関する特定非営利活動法人につきましては、その一般法的な性格の薄さ、希薄さということに加えまして、幾つかの細目の論点もございます。例えば、これも御承知のことでいらっしゃるかもしれませんが、特定非営利活動法人に寄附をした個人や法人に対し課税の軽減が図られないといった問題がございます。今般、租税特別措置法六十六条の十一の二の規定などに基づき、認定特定非営利活動法人に対する寄附について特別の定めが設けられるに至ったところでございますけれども、その新しい制度の運用実態などの観察を踏まえまして、立法府におかれましては、このような施策の一層の推進のために努力を傾けていただきたいと考えるものでございます。 NPOに対する第三者評価機関の発展、発達や、さらに第三者評価を可能とするNPOの側からの情報公開など、申し上げた税制上の措置の推進と関連するさらなる若干の論点があるということもあわせて指摘をさせていただきたいと考えます。 また、社員共通利益追求型の方に目を転ずることといたしますならば、実質的に公益、営利のいずれをも目的としない団体が、従来におきまして、既に民法三十四条に基づき許可を与えられて公益法人として設立されてまいった実態に対する対処ということが問われなければなりません。今後、さらなる論議が進められ、これらの既存団体の組織変更に関する法制を整備し、これら既存の中間的な団体が、公的な監督のもと適切な手順に従って、ふさわしい法人格のもとでの規律に服する方向へ移行させるための方策を鋭意推進してまいることが、今日喫緊の課題であります行政改革の文脈におきましても強く望まれるところではないかというふうに考える次第でございます。 ここまで、幾つかのことを申し上げてまいりましたが、所見として強調申し上げたいことは、今般の法律案を一里塚としながら、さらに、申し上げてまいりましたところの市民活動型をも含めた非営利法人の一般法制の構築に向け、立法課題の追求に引き続き意を用いていただきたいということに尽きるものであります。 何ゆえにこのようなことを強調申し上げるかと申しますときに、今日、市民社会のあり方、その構築に向けての我が国の思想、文化のあり方が大いに問われている時代状況にあると考えるからでございます。権利能力のあるなしということにかかわって形式的な観察をする限りは、法人と自然人というものは同じである、等質であるということになるのかもしれませんけれども、しかしながら、かけがえのない個人の尊重という憲法の理念に立ち返って考えます際には、大切なのは法人それ自体ではなく、そこに結集する諸個人、言いかえれば市民であるはずではないかと考える次第でございます。 今日の政治思想に大きな影響を与えた世界史的文書でありますかのフランス人権宣言には、結社の自由を保障する条項がございませんでした。そして、そのフランスにおきましては、革命の後の慎重な検討の経過の後に、一九〇一年になって、非営利の社団が法人となる手順を定める一般法が制定を見てございます。 かの国の、フランスのこのような歴史的経過から読み取ることができることといたしまして、ここには、結社なり団体なり、それそのものが自己完結的にと申しますか、自己目的化してしまうという姿ではなくて、むしろ人々が集うことそのもの、あるいは集おうとしている人々の一人一人を大切にしていこうとする含意が隠されているのではないかというふうに考える次第でございます。そして、今日の時代状況は、このような、申し上げた思想的な原点に立ち返って、非営利法人法制を改めて根本から見直すべきときが来ているのではないかというふうに考えるものであり、このことを特に強調申し上げることといたしまして、私からの所見の陳述とさせていただきます。まことにありがとうございました。(拍手)
○保利委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○保利委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩崎恭久君。
○塩崎委員 太田先生並びに山野目先生、きょうは大変ありがとうございます。 今、それぞれお二方から、公益法人に関する問題、そしてまた非営利法人の問題等につきまして御意見を開陳されまして、大変勉強になりました。今回、中間法人法という、中間ということで、法律的には何となくぼわっとした感じでありますけれども、まさに太田先生がおっしゃったように、すき間を埋めるということで、この間も質疑の中で確認をさせていただきましたけれども、これでもう法人を取ろうとしたときに取れないところはなくなった、こういう民事局の判断でもございました。そういう意味で一歩前進ということであるわけでありますけれども、今のお二方のお話を聞く限りでは、まだまだこれは一里塚であって、これからやらなきゃいけないことはたくさん残っているぞ、こういう感じがいたしました。 時間が限られておりますので、端的に御質問させていただきたいと思うわけでございますけれども、先ほど太田先生からもお話がありましたように、民法第三十四条というのは百年余りの歴史があって、そのままずっとまいりました。そこに、祭祀、宗教、慈善、学術、技芸などという非常に古めかしい言葉が例示として並んでいて、「其他公益ニ関スル社団又ハ財団ニシテ営利ヲ目的トセサルモノハ主務官庁ノ許可ヲ得テ之ヲ法人ト為スコトヲ得」、こう書いてあるわけでございます。 今いろいろとお話しいただきましたけれども、太田先生の場合は、公益法人の法制をきちっとしようじゃないか、こういうお話でございました。山野目先生の方は、むしろ非営利法人法制というものをきちっとすべきじゃないか、こういうふうに重点の置き方が異なっていたような気がいたします。いずれにしても、恐らく共通して答えを出さなきゃいけないのは、公益というのは一体何なのか、だれが決めるべきなのかという問題があろうかと思うわけでございます。 太田先生にまずお尋ねをしたいと思うわけでございますが、公益はだれが定義すべきなのか。先生のお考えですと、準則主義で公益法人を認めるべきだろうというふうに聞こえましたが、税の問題はまた別だと。今までは、税は、言ってみれば法人格とセットで決まっているケースがあった。それがゆえに、山野目先生のおっしゃったように、本来公益法人じゃないのに税の恩典を法人格を取ることによって得てしまった、こういうことがあったということでございますが、実はこの間のNPOの議論のときにも、第三者評価機関が認定をすべきじゃないかという意見もあったわけでありますけれども、とりあえずそれは却下されて、国税庁が認定をするということになってしまったわけであります。今の太田先生のお話ですと、第三者機関を税の適用を決めるべき場所とすべきだというふうに伺いましたけれども、公益はだれが定義すべきなのかという点をまずお伺いしたいと思います。 それと、続けてもう一つ太田先生にお尋ねをしたいと思いますが、欧米などでは非営利法人と営利法人の二つに大きな法制として分けて、その中で今度公益性を認定する、税で認定をすればいいじゃないか、こういう考えが強いようでありますけれども、こういう考えがあって、恐らく山野目先生はそのお考えだったと思いますが、そこに何か問題点があると先生はお考えになっているかどうか。この二点、まずお伺いしたいと思います。
○太田参考人 ただいま塩崎先生から二つの御質問をちょうだいいたしました。最初の御質問は、来るべき法制におきましては、だれが公益というものを認めるのか、判定するのかということが一つ。それから、改正の方向、一つのテクニックといたしまして、非営利法人法制と営利法制とに我が国の法人法制を大きく二つに分けて、その中でまた公益については税制という観点から定義をしていくというやり方と、私が先ほど申し上げましたように、公益法制というものを一元化していくというやり方と二つあるわけなんだけれども、その辺のやり方をどう考えるか、その二つでございますね。 前者でございますけれども、公益は、今までは国が決めておったわけですね。許可主義でございますから。本来、やはり公益というのは国民が決めるべきものだろうと思うんです。ただし、準則主義ということで設立が自由になりますと、何が公益かということはある程度はその来るべき法制の中で規定をするということが必要になってまいります。そうでございませんと、営利法人あるいは中間法人との区別、境目がつきませんから。私は、どちらかというと、なるべく詳しく来るべき法制の中で定義をしていくということになるかと思います。 そして、税制につきましては、先ほど申し上げましたように、一遍ゼロクリアになりますから、改めて税制の優遇措置をつけるためには、やはり公益適格判定委員会的なものがございまして、そこにもちろん民間人も入る、場合によっては役所からもお入りになることもいいのかもわかりませんが、いずれにしましてもそういうニュートラルな機関で、その公益法人が現実に公益活動を継続してやっているかと。その継続というところが私は非常に必要だと思うんですね。睡眠法人というのが非常に多い。三年間何も活動しないで、事業計画書、報告書も主務官庁に提出していない。そういうものを見過ごしてもなかなか解散命令もできないというような問題があるわけでございますが、そういう来るべき税制の適格性につきましては、第三者的な、ニュートラルな委員会がそこの部分を決めていくということになるのかと思います。 それから、法人法制を今後構築していく場合に、非営利法人法制と営利法制というふうに大きく二つに分けるやり方と、三つに分けるやり方とがあると考えられます。営利法人法制と中間法人法制と、中間法人法制というのはすなわち非営利、非公益でございますね、それから非営利公益法人法制、この三つに分けて考えていくやり方とがあると思いますが、これは立法のいわばテクニックの部分に関するものでございまして、どちらがいいとも申し上げられませんが、私は、先ほどもちょっと申し上げましたように、公益法人、つまり公益組織の運営に当たります役員等の責任者は、極めて高度な善管注意義務あるいは忠実義務、いわゆる、私の言うところのフィデューシアリー・レスポンシビリティーが課せられております。それは同窓会とか県人会なんかも同じといえば同じかもわかりませんが、やはり中間法人の責任者とはその責任の重さにつきまして若干質が違うんじゃないか。したがいまして、私は、公益法人法制だけを取り出した方がよりすっきりするかと思いますが、全部それを一くくりにしてまた別のところで責任を加重するというやり方もございましょうから、これは私はどちらとも言えません。ただ、個人的にはそういうふうに考えます。 以上でございます。
○塩崎委員 ありがとうございました。 時間がもう大分迫ってまいりましたので、山野目先生に本当は同じことを聞こうと思ったのですが、時間が限られておりますので一点だけ。 先生のレジュメでも、本来公益法人になるべきではないところが三十四条に潜り込んでしまってきたケースがたくさんあった、こういうお話でありました。私ども自由民主党の中で、あるいは政府でもそうでありますけれども、公益法人の見直しというのをやろうということで、今の公益法人から行政あるいは独法、独立行政法人に行ってもらう、あるいは営利法人にもう一回戻ってもらう、あるいは今回の中間法人に行ってもらう、こういうことでありますけれども、移行規定がない、こういうことであるわけであります。したがって、この移行規定をどう設けるのかというのがこれから議論になるわけであります。 大事なことは、今まで潜り込んでしまっていわばタックスエクスペンディチャーとしてメリットを蓄積してきたものがあるわけですね。これの所在はまずどう考えるかというのも難しいと思いますけれども、では、移行規定がもしできたときに、この過去のたまりの部分というか、本来中間法人であるべきものが公益法人になっていたがゆえに、言ってみれば税でたまってきたメリット部分をどういうふうに扱ったらいいのかということが非常に大きな問題に多分なってくるんだろうと思います。 過去のことではありますけれども、これを移行させるときの扱いというのがそれぞれの団体にとっても死活問題になるのかもわかりませんが、しかし、本来税を払わなければいけないものが払われていないということで、その分は他の国民に回っていたということを考えてみると、これをどう扱ったらいいのかということを、まだ移行規定はもちろんありませんけれども、先生の基本的なお考えとしてお伺いできればと思います。
○山野目参考人 御質問ありがとうございました。 ただいま御指摘いただいたことが、まさに今後の法人法制の問題を考える上での非常に重要なキーポイントになってくるところではないかというふうに思います。 私として、現時点で細かなところまでどういうふうにしたらよいかという答案のようなものを持ち合わせているわけではございませんけれども、お尋ねに即し簡単なところだけ大づかみに申し上げさせていただくことといたします。 ポイントを二つに分けてお話しいたしますと、一番目のポイントといたしまして、まず、今般、本日御審議いただいておりますこの法律案に今御指摘の組織変更の規定が入っていない。合併に関する規定はございますが、組織変更、公益法人の中間法人への移行に関する規定が盛られていないことをどう評価すべきかということがございます。 これについては、私はこれでよかったのではないかというふうに思います。と申しますのは、今般御審議いただいております中間法人法は、民事の基本法制の一環をなしていく一般法でございます。一般法の中に現時の政治的課題である公益法人の見直しということにかかわることを入れようとすると、どうしても立法技術として要件が甘くなりがちでございます。この移行は、今先生御指摘のことがあるわけでございますので、厳しい公的監督のもとに要件を絞って進めなければならないわけでございますので、一般法の中にうまく立法技術として入れ込むことができるかということについて疑問があるわけでございます。そのような意味で、今般の法律案はこれでよろしかったのではないかというふうに考えるものでございます。 今後の方向でありますけれども、しかし、やはりこの問題は立法上何らかの特別の措置が講ぜられるべき重要な課題でありますので、恐らくは特例の、場合によっては時限的な立法として、今回受け皿ができた中間法人への既存の公益法人の中での一定のものの移行ということについての方策が盛り込まれるべきでありますし、その際には、申し上げておりますように、公的な監督がしかるべくなされるものであるべきだというふうに考えます。 関連して、具体的な論点として一つだけ強調させていただきますれば、ただいま御指摘もあったところですが、財産の分配のところをどうするかということがいいかげんに処理されることになると大変問題であると思います。一般法の次元では、これも御承知のことかもしれませんが、民法の規定では、公益法人が解散するときの残余財産の分配について七十二条が一定の厳しい縛りをかけているわけでございますけれども、今般のこの中間法人の場合には、法律案の八十六条と百十三条の規定で、定款の定めるところ、または社員総会の決議、総社員の同意で決めるというふうな縛りしかかかっていないわけでございます。ここのところが、特例的な立法がなされるときにはもっと厳しい措置が講じられてしかるべきではないか。その中身については私も引き続き勉強してまいりたいと思いますけれども、目下のところ、大づかみそのような考えでございます。 お答えになりましたかどうかわかりませんけれども、以上でございます。
○塩崎委員 ありがとうございました。 これからのことでございますが、大変重要な問題だと思うので、また先生方の御意見を拝聴しながら審議をしてまいりたい、こう思っております。 終わります。
○保利委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。 本日は、太田理事長そして山野目教授、大変お忙しい中をわざわざお越しいただきましてありがとうございました。大変貴重な御意見を伺えたと思っております。これからいろいろ参考にして、この委員会における審議をより深いものにしていきたいというふうに思っているところでございます。 そこで、まず、ちょっと私の基本的な考え方をお話しして、両先生からの御叱正をいただきたいというふうにも思うんですけれども、非営利法人について考えますと、私は基本的には、法人格の付与をどのように行うのかということと、その与えられた法人格を持っている法人がどれほど公益性を持った活動をしているのか、あるいは活動すべきなのかというようなことについてはちょっと別に考えてみるべきではないかというふうに思っているわけであります。もっと具体的に言うと、法人格を付与するのは非常に簡単にする、例えば、準則主義に基づいて与えるけれども、それが本当に公益性のある事業をしているのかどうかということについては、やはり事後的にチェックをするというような形で、その法人がいろいろな恩典を受けるならば、その恩典を受ける資格があるのかどうかといったようなことを判断していけばいいのではないかというふうにも思っているわけです。 なぜそう思うかというと、民法を当初制定した時代に比べますと、今、多分市民社会のあり方というのは大きく変わってきておって、さらに、それに対応して、行政といいますか政府の市民に対するかかわり方というものも大きく変わってきているのではないか。例えば、行政のあり方についてよく言われるんですけれども、今までは事前監督型行政ということで、最初に設立するところから政府が非常に大きく関与し、そして、その設立された法人が活動するにおいても、変なことをしないように事前にいろいろ予防していくというような形でやってきたということが、今や、事後チェック型行政ということが言われておりまして、ルールをちゃんと決めておいて、そのルールにちゃんと従って行動していなければそれに対しては何らかの規制を行っていく、そういうような行政の流れにもなってきているというふうに思うわけであります。 そういう意味で、ちょっと両先生にお伺いしたいのは、私が最初に申し上げましたような、非営利法人については、法人格の付与ということとその法人の行っている業務の公益性の認定というのは別々に考えてみるべきではないか。そうすると、まず法人格の付与については、公益法人になろうとするものであろうが、山野目先生が言われているところの、社員共通利益追求型とかあるいは市民活動型の非営利法人であろうが、設立することは準則主義のような形で認めてもいいのではないかというふうに思うんですけれども、その点についてどのようにお考えになりますでしょうか。
○太田参考人 平岡先生のおっしゃいますとおり、いわゆる法人格の付与そのものにつきましては、やはりこれは準則主義という形で付与をしていく、そして事後の活動とかあるいは組織、運営のあり方等について厳しくチェックをしていく、この基本的な考え方につきましては私も大賛成でございまして、先ほどの冒頭の意見陳述でも申し上げたとおりでございます。 よく私は申し上げるのですが、アメリカの大学型にしていただきたいなと。日本の大学というのは、一遍入ってしまいますと学生は安心しまして余り勉強しない。ところが向こうは、大学の入試そのものはそんなに難しくないのですが、入ってしまった後の試験とか卒業するのが大変なわけでございます。日本の法人法制につきましてもそのようにすべきであろうというふうに考えております。 ただ、先ほども塩崎先生の御質問にお答えしましたときに申し上げましたが、公益法人につきましては、やはり何が公益なのかということの具体的な中身をある程度は法律で書いていただかないと、自分は公益法人の方の法人格を取るとか、自分は中間法人の方の法人格を取るというようなことで、国民が迷っても困りますので、何が中間法人の対象になり、何が公益法人の対象になるのかといういわゆる法人の目的、ここのところはある程度ははっきりしていただきたいというふうに私は考えます。 以上でございます。
○山野目参考人 御質問ありがとうございます。 私も大学に勤務しておる立場の者でございますので、学生がなぜ勉強しないかというと、入るのが簡単で、入ってからは厳しくないからだというおしかりをしばしば受けます。 NPOに関しても、ただいま太田参考人から御指摘いただいたことに私、全く賛成でございます。また、平岡委員の御指摘のとおりでもあると思います。入り口、いわば設立のところは緩く、認証、準則、立法としてどういうふうにいくかということは議論の余地があると思いますが、入り口は緩く、そして設立後の活動のチェックは厳しく、そしてさらに、税制上の優遇を与えるべきかどうかという問題はまた切り離して別途に検討されるべきであるというふうに考えます。 公益などのチェックをどう考えるべきかということについては、これも先ほど太田参考人から御指摘いただいたところに私も全く賛成でありまして、法律にある程度の基準を書いておいた上で、しかし、その適用認定は必ずしも国が独占するのではなくて、いろいろな人がやるというふうな仕掛け方が一番よろしいのではないかと思います。 この観点で、私の方から一つ論点としてつけ加えさせていただきたいのは、しばしば国の認定と第三者機関という二つのものだけを挙げて議論がなされますが、もう一つ、地方の役割ということについても御関心を抱いていただきたい。 今般出されております租税特別措置法の改正に伴う認定特定非営利活動法人の場合には国税庁長官が認定することになっているわけですけれども、地方税の措置の仕方で、例えばどこかの知事さんが、国税庁長官はオーケーしなかったけれども、うちの県でこのNPOに関しては確かによくやっているよというふうな別の判断をする人がいるというところがあってもよろしいのではないか。しかし、現行の地方税法三十四条一項、さらには三百十四条の二の規定などを拝見いたしますと、現行法を前提とする限りは、地方で勝手にそういうことをするということが法律理論的に恐らくちょっと難しいのではないか。法律に公益の定義は書いてありますが、その適用を地方にある部分はゆだねるというふうなことについても御関心を払っていただきたいというふうに考えるものでございます。 以上でございます。
○平岡委員 今、私、法人格の付与の件について最初にお聞きをしたつもりだったんですけれども、公益性の認定というかチェックについても答えていただいた部分がございまして、それはそれとして、大変参考になりました。 公益性の認定というかチェックという部分について一つ質問してみたいと思うんですけれども、実は、先ほど太田理事長が説明された中に、公益法人会計が余り明確でない、そういうところを明確にしていくべきであるというような御趣旨のことも言われましたけれども、情報公開のあり方として、どういう情報公開をしていくべきか。例えば、非営利法人の中でも公益性の高いものとそうでないものとの間に情報公開についてのあり方については、私の考え方からいくと、公益性の高いものとして社会に認知されようと思えば、当然それに伴って情報公開もちゃんと、社員だけじゃなくて一般の方々も含めて厳しくその公開がされている、そういうものが基準として出てこなければいけないというふうに個人的には思うんです。その点、情報公開のあり方について、非営利法人全体、そして公益法人についてどのようにお考えになるかということをお聞きしたいと思います。 それから、山野目教授も一つNPOの側からの情報公開について先ほどコメントされておられたんですけれども、NPO法人にとどまらず非営利法人全体、つまりは、ここで言うところの社員共通利益追求型、今回の中間法人のようなもの、あるいは公益法人と言われるものについてもやはり情報公開が重要であろうと思うんです。その辺について、そういう類型が違うことによっての情報公開のあり方についてどのようにお考えになっているかということをちょっと教えていただければと思います。
○太田参考人 ただいまの御質問に対しまして、私の意見を述べます。情報公開についての考え方でございますね。 私は、先ほども若干触れたと思うのですが、公益法人の場合には、高度のいわゆる説明責任といいましょうか、アカウンタビリティーが要求されておると私は考えております。したがいまして、情報公開は、他の問題点、例えばプライバシーの侵害とか他の制約からくる部分を除いて、極力最大限に公開すべきであろうというふうに考えております。 それは、公益法人の場合と非営利非公益法人の場合とではおのずから程度が違ってくると私は思うのです。非営利非公益法人、すなわち中間法人の場合には、同窓会とか県人会とか趣味の会とかということで、特定構成員の利益を追求する団体でございますから、公開する先とかいったものは範囲が限られてくる。公益法人の場合は、広く社会一般が受益者でございますから、いわゆる情報公開の相手方についても範囲が極めて広いというふうに考えます。 現在、総務省の決められました指導監督基準の中で、情報公開につきまして十種類の帳簿等が決められておりますけれども、この十種類ではまだまだ足りません。例えば議事録なんかについての公開はそこには書いておりませんし、まだまだその中に追加していくべきことがございます。それから、そもそも公開のやり方とかいったことにつきましても、今回の国の文書の情報公開法、こういったことを参考にしながら考えていきたいというふうに私どもは考えております。 以上でよろしゅうございますでしょうか。
○山野目参考人 御質問ありがとうございました。 情報公開の推進の問題についてただいま太田参考人から御指摘いただいた点に私の方から特につけ加えることはございません。 論点として私から一点だけ申し上げたいのは、何をチェックするのかという問題を考えたときに、人のチェック、あるいは人の活動のチェックの問題と財産のチェックの問題と両方あって、公益法人、それから公益でない非営利法人、そして営利法人、その三つの段階それぞれに応じて適切な立法が組まれるべきではないかというふうに考える次第であります。 現行法制を見ますと、特定非営利活動法人は、入り口のところで十人が集まったらという要件で、その後のチェックも事業活動を報告するということになっておりますし、今般の中間法人は、入り口のところで三百万集まったら、その後の会計等、資産のことについてもチェックが働くようになっていますが、このあたりの組み合わせが、今後こういう法制のあり方でよいか、人のチェックと財産のチェックの両面から検討していくということもお願いしたいと考える次第でございます。 以上です。
○平岡委員 時間がなくなりましたのでやめたいと思いますけれども、一つ思うのは、やはり公益性の認定あるいは公益性のチェックというものをどのように行っていくかというのは、これからの新しい市民社会を考えたときには非常に大きな課題であろうと思います。 そういう意味では、まず情報公開があり、そして、公開された情報に基づいてだれがどのようにしてチェックしていくべきなのか。これまでの公益法人について言うと、この部分のチェックが、責任を持っている監督官庁の方で行われていたということについては疑問のある点も非常に多かったと思いますので、これからも、この公益性のチェック、認定についてどのような仕組みがいいのかということについては、我々もちょっと勉強していきたいというふうにも思っております。 以上で終わります。
○保利委員長 次に、上田勇君。
○上田(勇)委員 公明党の上田勇でございます。 きょうは、太田先生、山野目先生、大変貴重なお話を伺わせていただきまして、まことにありがとうございます。 今まで出ました質問との重複を避けまして、何点か御質問をさせていただきたいというふうに思うのです。 まず最初に太田先生にお伺いをしたいんですが、これはどちらかというと整理のためにお伺いをしたいというふうに思うのです。 いわゆる非営利のセクターというのは、これから活動が非常に重要になってくるというふうに私も思っております。ただ、非営利の団体というのは、やはり信頼される団体でなければいけないと同時に、できるだけ自由な活動が保障されるような制度にならなければいけないんだろうというふうに思います。 そこで、太田先生のお話の中で、これからの公益法人のあり方として、許可制度は廃止をするんだと。ということは、これは準則主義による届け出に近いような形での設立が認められることだというふうに思います。さらに、税制優遇についても、これは一たん白紙に戻して、その後認定をするんだということなんだというふうに思うのです。 そうすると、例えばそういう税制の優遇措置とかを受けるのであれば、監督官庁の監督というふうなこともあるんでしょうし、同時に、先ほどお話しになった、会計基準だとか、透明性の確保、ディスクロージャーの問題も出てくるんだというふうに思うのですが、仮に、税制上の優遇とか、そういう措置を受けない非営利団体もあるということでいいんだということになれば、余りにもそういうような外からガバナンスを強要すると、自由な活動を逆に阻害するようなことにはならないんでしょうか。 私は、むしろ、他の団体に比べての何らかの優遇措置があって初めて、そういうような規則を当てはめるというようなことがあっていいのではないかと思うのですけれども、その辺、先生はどういうお考えなのか、ちょっと確認をさせていただければというふうに思います。
○太田参考人 今の上田先生のお話でございますが、すなわち、要件を余り厳しくするとかえって自由濶達な非営利法人の活動が阻害される部分があるのではないか、こういうお話だと思うんですね。それは確かにそうだと思うのです。 したがいまして、税制上の適格要件と、いわゆる非営利法制でつくられるべき非営利法人、特に公益法人の要件、理事の責任とか、組織のあり方とか、公開の問題とか、その辺は若干やはり差があるということになるだろうと思うんですね。そして、そのやや緩やかな方で自分は自由にやりたいという方は税制上の適格要件は取得できない、少し厳しくてもいいんだという方は税制上の適格要件も得られる。 それからもう一つ、先生方にぜひ知っていただきたいのは、いわゆる情報公開、それから、いろいろな厳しい運営をするということは、税の問題だけではなくて、広く一般国民から見て、その団体は寄附をすべきような立派な団体なのかどうかということを情報として流すということの上でも必要なことなんですね。 アメリカでは、そういう組織がございまして、何千という団体を調査して、そしていろいろ点数をつけまして、皆さん、ここは寄附を差し上げるのは適当でないと思いますとか、そういうレーティングをしているわけですね。ですから、税の問題と、国民に、そういういかがわしい団体には寄附をしない、逆に言えばいい団体にはどんどん寄附をする、こういう立派なことをやっていると、そういう両面から情報公開をし、そして組織運営の適正化を図るということが必要だろうと私は思います。 以上でございます。
○上田(勇)委員 ありがとうございます。 太田先生、山野目先生、それぞれにお伺いをしたいというふうに思うのですが、両先生とも、第三者機関による評価のお話をしていただきました。若干、どこに登場するかというところで違いはあったというふうに思うんですけれども、いずれにしても、政府でもない、当事者でもない第三者の中立な機関が非営利団体の活動の内容を評価するという意味では同じだったというふうに思います。 昨年、いわゆる特定NPOの税制のいろいろな議論をしているときに、多くのNPOの方々からも、いわゆる適格になる、認定のNPOになるためには第三者機関の評価というような方法がいいんだというような御意見をたくさん伺いました。ただ、いろいろ検討をしている中で、その第三者機関というのが、では具体的にはどういう組織にすべきなのか。その判定をするためには、多分何らかの有識者から成るような委員会みたいなのが必要になるんでしょうけれども、それじゃ、どういうような人たちにそこに参加してもらうのかというようなことだとか、あるいは、NPOの法人だけでも相当な数がある、また、その他の非営利団体もそこで認定をするということになると相当な事務量にもなる、事務局の組織ということも考えなければいけないんだろうというようなところで、結局は、第三者機関というのがNPOのときだけに限っていってもちょっとすぐには難しいだろうなということで、課税当局が認定するというような方法に落ちついた経緯がございます。 そうすると、今、太田先生それから山野目先生、それぞれ第三者機関という御提唱がありましたので、もう少しその辺の具体的なイメージ、その第三者機関自体のガバナンスはどうされるのか、委員会みたいなものをつくられるのであれば、どういうような方に参加していただくのか、あるいは、事務局というか、当然それは地方部局まで必要になってくる場合もあるんだというふうに思うんですけれども、今の行政機関とはまた別に設置をするというようなお考えなのか。その辺、詳細なことは結構でございますので、もうちょっと具体的な何かイメージを御教示いただければというふうに思いますが、それぞれよろしくお願いをいたします。
○太田参考人 いわゆる第三者の評価機関の構成とかあるいは事務局、そういったことの具体的なイメージはどうなのかという御質問かと思います。 正直申し上げまして、私もこの第三者機関が中立性を持って公益性を判定するということは大変必要なことであるとは思っておりますが、具体的なイメージとして、これがどのような人によって構成され、そしてまたどのような判定基準でもってやっていくのか、あるいはそのためには事務局はどれくらい必要なのか、あるいは組織の法律的な根拠といいましょうか、公的機関なのかあるいはそうじゃないのかとか、いろいろあるかと思うのでございますが、その辺につきましては、まだ深く研究いたしておりません。 今後、早急に私どもそういったことを一つの課題として研究したいと思っておりますので、この場ではちょっとお答えできないのが残念でございます。
○山野目参考人 第三者評価機関のあり方についての御質問をいただきまして、ありがとうございました。 大きく二つに分けてニックネーム的に申し上げますと、自由な第三者評価機関と、そうではない、もう少しオフィシャルな、公的な第三者評価機関というのを分けて議論する必要があるかなと思います。 と申しますのは、税制の問題が関与しない事柄、先ほど太田参考人の方からお話があった、例えば個人一人一人がどこに寄附をすべきかといったようなことの参考資料を提供するということであれば、これは純粋な、私のニックネームでいえば自由な第三者評価機関というのが、最初から立ち上がるかどうかわかりませんけれども、そういうことが育成されていくということを期待してよろしいんだと思います。 例えば、ムーディーズのような格付機関があって、営利法人の格付をするわけなんですが、あれは別に公的な機関ではないわけであります。ただ、あそこが言ったのはかなり正確だよという評判がやがて確立してくると、ああいうものが育ってきた。そういうことが、いわばNPO版のムーディーズというのがあってもよろしいんではないかということを御指摘させていただきたいと思います。 ただ、反面オフィシャルな第三者評価機関も必要だろうというふうに申し上げたのは、これは税の問題が関係してまいりますと租税法律主義との関係がございますので、純粋な民間の機関があのNPOはいいと言ったから、では税を免除しましょうということになると、そういう税制の運用というのが現行法体系上許されるのかというと、かなり問題があるのではないかというふうに考えられます。 そうすると、何かオフィシャルなものを設けなければいけないことになりますが、一つは、もちろん国家行政組織に関する法令を改正して国に委員会のようなものをつくるというのがありましょうけれども、いかんせんやはり中央の視点という色彩が濃厚に出ると思います。 反面、市町村ごとに一個ずつ委員会をつくれというのは、これは御指摘のように経費の負担もございますし、それから市町村にまたがって活動しているNPOもございますし、余り現実的ではないということになりますので、私として、きょうの時点で自信のある回答ではございませんけれども、例えば都道府県に設けるというようなことは考えられてよいのかなと。その関係で、先ほど、地方との役割分担ということにも御関心を持っていただきたいということを申し上げた次第でございます。 以上でございます。
○上田(勇)委員 どうもありがとうございます。 この第三者機関による評価というのは、私もできればそれが一番いい方法だというふうに思います。というのは、やはりいろいろな非営利団体が時としてはやはり政府とは異なったスタンスでいろいろな活動をしている。だからといって公益性がないというようなことは必ずしも言えないので、政府に批判、あるいは政府の行政を評価するみたいな立場でも、国民の立場からすると十分公益性があるというような団体があるので、そういう意味では、政府の立場とは違う第三者機関といったものがそういう評価をするという体制をつくれれば一番ベストなんだというふうに思いますので、これから、そういうあり方も含めて、先生方からもいろいろな御意見を伺いながら、私もちょっと検討していきたいというふうに思っているところでございます。 それで、もう時間もないので、最後に太田先生にもう一度お伺いをしたいんです。 ちょっとまた違う話で申しわけないんですけれども、太田先生は、特増法人のお話をされました。極めて手厚い優遇税制を受けている法人ですけれども、確かに非常に限定的にしか認められないし、何か非常に膨大な資料の提出が求められて、もうそれを考えるだけで嫌になってしまうということを耳にいたします。 そうすると、これから公益法人の再定義をされて、公益性のあり方だとか、もっと透明性の確保だとかというようなことをこれから御提案ということでありますので、そういうときに、そういう厳しい基準で認定された公益法人については、今の特増法人ぐらいの税制の優遇措置が認められてもいいというふうにお考えでしょうか。私はいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺、少し御説明をいただければというふうに思います。
○太田参考人 上田先生の、いわゆる特増法人についての現状、それから、今後来るべき税制改正において、公益性が認定されたものについては特増法人並みの優遇措置を与えていいと思うのかどうなのか、こういう御質問かと思います。 まず前段の特増法人制度につきましては、現在、確かに中身は、認定を受けられれば大変手厚いと私は思っております。ただし、その認定を受けるのが大変でございまして、六つの文書、一つの口頭の、文書によらざる指導によりまして、極めて不明朗な形で運営されております。 六つの文書といいますのは、法律、政令、省令、大臣告示、通達、それから財務省の中の内規、この六つがペーパーとしてはございますが、ほとんどはその六つのものに準拠しないで、いわゆる担当官の行政的な裁量といいましょうか判断で特増法人になったり特増法人にならなかったりしておりますから、本当に何が要件なのか具体的なことがどうもわからないという不明朗さですね。そこの部分が残っておりますから、来るべき公益法人税制につきましては、そういうことがないように、極めて明瞭に基準を示していただいて、そういうものに合致すればある一定の税制優遇を与える、こういうような形にぜひお願いをしたいというふうに思うわけであります。 そのときに、税制優遇の厚みの問題でございますけれども、私は、個人的には、現在の特増法人制度というのはかなりいい水準をいっているというふうに思いますので、それがパスしたところには適用されるということになれば非常にいいというふうに考えております。
○上田(勇)委員 以上で終わります。
○保利委員長 次に、西村眞悟君。
○西村委員 自由党の西村です。よろしくお願いします。 我々の今の議論は、民法三十四条、公益法人は一般的禁止である、個別的禁止解除による許可ということはおかしいんではないかという前提から始まっております。特に山野目先生は、これが、人間がいかに社会的活動を友、同志とやっていくかという個人の尊厳から発しているんだということを言われました。 さて、この議論は、必然的に法人を営利と非営利に分けて、非営利の分野で我々は今行っているわけですが、法人というもののあり方がかくのごとき認識であって、それから、その入り口、出発点ではなくて、活動実態に即して第三者が税制の優遇措置等の評価をしようやということになってきております。そうするならば、活動実態に即して法人の活動を評価するという視点からするならば、何も非営利と営利を分ける必要はないではないかということになるんですね。 歴史的に見れば、営利法人がよく公益を果たした。例えば、私、大阪ですが、大阪の八百八橋という言葉がありまして、食い倒れという言葉があります。あれは、食べて倒れるのではなくて、橋のくいで倒れるという意味なんですね。淀屋は淀屋橋をつくった。それで、大阪の商人が浄瑠璃、文楽、歌舞伎等のパトロンになった。そして、それは今に伝わる日本文化そのものであります。 先生方にお聞きするんですが、活動実態に即してその法人が公益を行っておるのか否かを審査するとするならば、営利法人がよく公益を行った場合はいかなる審査になるのか。私は、税制における第三者による審査が、営利法人でも活動実態が公益にあるならば、その部分について評価する、範囲を広げる考え方はいかが思われますかと両先生にお聞きしたいのですが、いかがでございましょうか。
○太田参考人 まことに虚をつかれた質問でございまして、何とお答えしていいのかよくわからないわけでございますが、先生おっしゃいますとおり、営利法人であってもいわゆる公益的な活動をするということは当然あり得るわけでございますね。 まず一つは、グラント、お金を寄附するという立場で公益活動をおやりになる。あるいは、アメリカなんかでよくございますが、マンパワーローニングというのがございます。社員を公益組織に人件費持ちで出向させて、ボランティアな活動に専念させる、あるいは休暇を与える。そういったことで、いわゆる営利法人であっても公益活動に深く関与してくるというような場合はもちろん大いにございますし、私ども公益法人協会といたしましても、そのようなことで御協力いただくことを大変歓迎しているわけでございます。 ただ、きょうの審議の対象になっております法制の問題ということになりますと、私も法律の専門家ではございませんが、営利法人は、いわゆる利益を上げ、それを社員に分配するというのが一つ究極の目的でございますし、公益法人の場合には、公益のためにそれを使う、社員あるいは構成員にそれを分配するということは一切あってはならないというところで、やはり一線を画した法制になるだろうと思います。 ただ、おっしゃるように、株式会社とかそういう営利法人が公益活動をなさった場合、税の観点からも優遇措置を与えるということは非常に結構なことでございますし、現在の特増法人制度あるいはその他の制度につきましても、受ける側の優遇とそれから出す側の優遇と両方あるわけでございますから、そういった観点で、いわゆる営利法人の公益活動についても大いにエンカレッジしているという現状ではなかろうかというふうに思います。 お答えになりましたかどうか、ちょっとよくわかりませんが。
○山野目参考人 営利法人と非営利法人を分けていることにどういうふうな意義があるのかというのは、今まで必ずしも意識されてこなかった、しかし大変重要な点について御指摘をいただいたのではないかと思います。 考えてみますと、株式会社のような営利法人であったとしても、公益活動はしていけないということはないはずでございますし、反対に、公益法人が収益事業をしてはいけないかというと、その限度という点で問題はあるかもしれませんが、一切してはならないということでもないわけでございますので、そこには、いわば相互乗り入れ的な部分というのがあるのではないかと思います。 そのことを考えると、先ほど委員御指摘のとおり、そんなにその二つをきっぱり分けるというふうに考えなくてもよろしいのではないかという御議論は出てくるかもしれません。ただ、そうは申しましても、一つの制度の仕組みといいますか、その分配のあり方といたしまして、税制だけではありませんが、その他の面でいろいろな恩典が用意されている公益性のものと、営利が第一義だというものとは分けておいた方がわかりやすいのではないかということがやはり言えるのではないでしょうか。 例えば、営利法人が政治献金をやったときに、それが適法であるかということが問われた事件がございまして、それについては学説上もいろいろな批判等の議論があるわけなんですが、最高裁の判例では、一定の要件のもとでそれは許されるという判断です。他方、これは強制入会のケースの団体でありましたけれども、そのようなことをすることは公益的な団体の場合に許されないとした近時の最高裁判所の判例などもございまして、やはり営利法人の場合には比較的やることがフリーだけれども、公益的なものは何をやってもよろしいというわけにはならないのではないかという区切りが、御指摘のとおり、すっぱりした明確な区切りかどうかわかりませんが、一応の区切りとしてあった方がよろしいのではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。 なお、関連することですが、今般の法律案の審議との関係で申し上げますと、提案されております中間法人が、中間的な共通利益追求の事業をするんですが、同時に公益活動やあるいは収益事業をすることができるのかどうかという点は、今の御指摘との関係で、御審議の過程で法律解釈として明らかになっておいた方がよろしい論点ではないかと思いますので、一言つけ加えさせていただきます。 以上でございます。
○西村委員 個人の尊厳ということを基礎に置いて言うならば、営利法人も非営利法人も、社員が同意すれば何をやってもいいんです。その何をやってもいい対象が、営利法人なら分け前を自分の懐に入れる。しかし、入れない、橋を立てよう、いろいろな公益活動をしようというふうに使うための営利法人も、自由な個人の尊厳を発揮する社会領域では出てきても不思議ではないというふうな思いで、私御質問させていただきました。 さて、次に、憲法上の結社の自由というのがございます。これは、明確には、やはり歴史的には政治目的の結社ということから生まれてきたんだろう。法人をいかにするか。これは自由な領域にあるんだという前提でするならば、政治目的の法人というものを、非営利でしょうが、いかに扱うのか。我々が今議論する中に含めて、それを明確に取り扱っていくという方向なのか、それとも、NPO法のときのように、政治目的は除外して議論を進めるということが本来いいのか、どちらが本来あるべき姿なんだろうかというふうに思うのですが、政治目的の法人については、先生方は、非営利の中に含めて法的に扱っていくべきというお考えかどうかを一点お聞きしたいんです。 それから、もう一つだけ。また、非営利の中に、現在の法制度は、特別法で、医療法人、社会福祉法人、宗教法人等々が出てきて、それが税制上の特典と不可分一体になってあるわけですね。それで、現実には、医療法人の売買が巨大な営利事業になっておるという状況です。宗教法人も、本当にメリットがあるんでしょう、売買をされておりますね。こういうふうな特別法をどうするのか。解消する方向でいくのか、それとも、今議論されているように、税制とそれから公益性等々の出発点を分離して第三者によって審査するということを、今当然のことのようにある、いろいろな特別法による法人にもあまねく及ばせていけばいいのか。この二点を両先生にお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
○太田参考人 まず一つには、結社の自由等の関連で、非営利法人に政治目的の団体を含めるのか含めないのか、その辺をどう思うかというのが第一点でございます。 全く私の私見でございますけれども、私個人といたしましては、政治目的あるいは特定イデオロギーにのみ中心を置く団体につきましては、少なくとも公益法人には該当しないということの方がおよろしいのではないかというふうに思います。きょう御審議になっていらっしゃるいわゆる中間法人というものの中には含められるのかもわかりませんけれども、公益法人の場合には、そういう特定目的、あるいは特定政党を支援するためあるいは宣伝するための団体は、公益法人には向かないのではないかというふうに私は思います。 ただ、もちろん、いわゆる一つの政策を実現するために、例えば老人介護問題とかあるいは年金問題とか、そういうことを研究し、そしてそういう政策を国に提言していく、いわゆるアドボケートしていく、これは一種の公益法人という形で認めていく余地はあるのではないかと私は思いますけれども、常に特定政党と運命をともにして、一緒に行動していくようなものは公益法人とは言えないというふうに私は思います。 それから、二番目の御質問でございますが、これは大変重要なポイントでございまして、私は一番難しい問題だと思うんです。 すなわち、民法三十四条から抜け出しまして、医療法人、社会福祉法人、学校法人等々が、人の話によりますと、私、正確に勘定したわけではございませんが、現在、二百七十ぐらい抜け出して、特別法によってそういう非営利公益法人的なものがつくられているそうでございます。このようなものを来るべき非営利法人法あるいは非営利公益法人法の制定の折にどのように扱うかというのは、私は非常に難しいと思うんですね。 少なくとも、私が申し上げられることは、来るべき理想的な公益法人法、あるいは公益基本法といいましょうか、それが先兵となりまして、ディスクロージャーの問題とか、コンプライアンスの問題とか、ガバナンスの問題とか、そういった、本来、宗教法人にでもあるいは社会福祉法人にでも要求されるべき事柄は、公益法人法が先兵となって、それがそちらに波及していく、こういう効果を私は期待したいと思います。 今さら、出ていった二百七十幾つをこちらに戻す、また一本化するということはなかなか難しいんじゃないかと私は思いますが、これは、法務省さんもおられまして、全くそちらのマターで、私としては何とも申し上げられませんが、そんな感想を持ちます。
○山野目参考人 御質問ありがとうございました。 御質問の前半の、政治目的の団体という御指摘でありますけれども、この政治目的という言葉の意味にもよると思うんですけれども、およそ国民の利益全体がかかわることはすべて政治だというふうに考えれば、それは公益法人として設立されてもよろしいわけですし、現に、特定非営利活動促進法が別表で掲げている活動の中にも、例えば町づくりを推進するNPOというのは可能なわけでありまして、このように都市計画法を改正して、例えば町づくりはこうすべきだという運動をするというのも、ある意味では一つの政治ではないか。 そういうものは、先ほどの太田参考人のお言葉でいいますと、政策を推進するためのものは現行法制下でもある程度設立することが可能ですし、落ちているものがあるとしたら法整備を図っていただきたいというお願いを持つものであります。特に、現行の特定非営利活動促進法の別表で落ちております、消費者保護を推進する運動の団体とかいうのが今後重要になっていくのではないかというふうに考えております。 しかし、反面、これも太田参考人がおっしゃったことなんですが、まさに特定の政治会派と運命をともにする団体とおっしゃったんですが、そういうものになってきますと、それを公益的な、最も高いレベルでの公益性を尊重される法人として設立を認めるということにはやはり問題があるのではないか。これは、非営利法人の一般的な法制をつくっていく中で、そういうのも結果として認められるであろうという取り扱いがよろしいのではないかと思いますもので、この点、太田参考人と意見の基調を同じくするものであります。 御指摘後半の、医療法人その他の問題につきましては、今般もし中間法人法を成立させていただいた暁には、そのようなものとの関係を整理しながら、さらに立法整備の作業が政府の関係部局等において進められるのではないかと思います。 何分にも法人法制が今整備されている途上でございますので、今まで粒々とできてきたものが、今度は大きなどんぶりが用意されたんですが、その従来の粒々とどんぶりの関係をどうするかというのは、今後改めて宿題として提起されるのではないかと考えます。 以上でございます。
○西村委員 ありがとうございました。終わります。
○保利委員長 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 両参考人、本当にありがとうございました。 最初に、太田参考人にお伺いをいたします。 本日配付された、本年三月二日、読売新聞の「論点」の参考人の記事によりますと、先ほど来公述でも、一部の公益法人による不祥事という問題を指摘されましたが、この問題で参考人は、「原因の一端は、これらの公益法人の運営にあたる理事者が、本来、受益者である社会、一般国民のためにその運営にあたらなければならないという基本的な認識を欠落させていたことにある。」こうお書きになっております。そこで、「長年にわたり事態が放置されたことについては、主務官庁の責任もある。」とお書きになり、さらに、「公益目的を逸脱した事業の実施や不明朗な資金支出を見破ることは決して難しいことではなかったはずだ。」とも書かれております。 そこで質問なんですが、私は、にもかかわらずなぜ見抜けなかったのかというところが問題だと思うんです。 やはりその背景には、公益法人と官庁との基本的な関係。これは、設立そのものが主務官庁の許可主義によっているということから始まって、一つは人の問題、天下りの問題、一つは財務の問題、公益法人というのは、公的資金の受け皿、補助金とか委託金の受け皿になっているという金の関係が非常に強いということ、それから業務そのものが、許認可にかかわる業務が非常に強いということ、こういうがんじがらめの主務官庁と公益法人との関係にメスが入らないと、理事者の認識の問題だけでは済まないのじゃないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
○太田参考人 私の三月二日付の読売新聞への寄稿の中身に関連して御指摘を受けまして、ありがとうございました。 私は、今、木島先生がおっしゃいましたように、そこの部分は非常に重要な部分だと思います。ここには特に書いておりませんが、これは公益法人問題の、もちろんすべてとは申し上げませんが、かなりの部分を占める根幹、原因というふうに思います。その意味では、木島先生のおっしゃるとおりだと思います。 ただ、それ以外にも、ウエートはもう少し軽いのかもわかりませんが、毎年、事業報告書、決算書等を出しているわけでございますから、これを丹念に見られる、あるいは丹念に見ることについてのスキル、技術、あるいは知識といいましょうか、そういうものを持っておられれば、相当未然に防げるという部分もあるのではなかろうかな。 これは、やはり人手が足りない。立入検査したくても、文部省のように三千、四千もありますと、三年に一遍といったって年間千件は行かなきゃいけない。それだけの人間はいませんというようなことで、そういったいろいろなことが重なってなかなか見破れないということも原因だろうと思うのです。ただ、根幹はおっしゃるような構造に原因があるとは思います。 以上でございます。
○木島委員 ありがとうございました。 平成十二年度の総理府が発行している公益法人に関する年次報告によりますと、平成十一年十月一日現在で、公益法人の数は二万六千三百五十四ある。それをこの報告書は四つに分類した。本来の公益法人、二つ目は、互助・共済団体等、三つ目は、営利法人等転換候補、四つ、その他、こう一応分類いたしまして、数を数え上げております。 本来の公益法人は八五%、二万二千四百四十五法人。本来、共益、いわゆる互助会的な、自分の身内だけの利益のためではないかと判定されているのが一四%、三千六百九十二法人。本来、営利法人に移行すべきだと認定しているのが〇・二%、わずかですが四十五法人。その他〇・七%、百七十二法人。白書はこういう分類をしているのです。 私、これは非常に数字のとり方が甘過ぎると思うのです。昨日、主務官庁に聞きましたら、これは各省庁が出してきた数字を足し算しただけだと言っているのですが、どうでしょうか。今回の法案でも、大きな問題は、公益法人にふさわしくない公益法人が公益法人の許可を受けて活動している、それは本来、中間法人なり営利法人に移行すべきだということが一つの大きな論点なんですが、この数字をどのように受けとめておるでしょうか。 そしてさらに、法制審議会の中間法人制度の創設に関する要綱中間試案には、公益法人から一般法人、中間法人への組織変更の問題が載っていたのですが、この法案からは脱落しております。そのことに対しての評価を太田参考人からお聞かせ願いたいと思うのです。
○太田参考人 ただいまの御質問は、平成十二年度の公益法人に関する年次報告書の中の計数から御質問になったと思います。 私どもも、二万六千数百という公益法人の中で、本来の純粋な公益目的を追求している団体が何%で、互助、共済が何%というのは、この数字をもってしかわかりませんし、これが正しいのかあるいは正しくないのかと言われますと、ちょっと私としてはお答えに窮するわけでございますが、実感的には、私は、やはり八割、九割というのは純粋に公益を追求している団体だろうと思います。国から補助金をちょうだいしたりあるいは天下りで役員をちょうだいしているという数はやはりごく少数派でございまして、そんな二万六千の多くがそういうようなことになってはおりませんので、実感としては、この数字はそんなに実態と乖離していない、こういうふうに私は思います。 それから、第二の御質問は、移行措置を今回規定していないということについてどう思うかということでございますが、私は、結果的にはこれは正しい措置ではなかったかというふうに思います。 先ほどの先生の御質問の中にも、公益法人として優遇税制の中で蓄積された財産の移行問題についてどう考えるかというような御質問もございましたけれども、やはりそこの部分が必ずしも一様に、一律に考えるということは非常に難しいと思うのです。中間法人的公益法人といいましても、中には業界団体もございます。互助会、共済会のたぐいもございます。それから、学校の同窓会もあります。趣味の会みたいなものもあります。 例えば互助会なんかが、これが中間法人的だ、したがって中間法人に行きなさいと言われたときに、今まで積み立てました、いわゆる年金、退職金を支給するための責任準備金、これについて一度にぼんと課税されるというようなことになりますと、それを原資に支給される年金等を当てにしていらっしゃる方の生活の問題もございますから、やはり私は一律にこの問題を考えるということはなかなか難しいと思うのです。その意味で、一律的な移行規定を今回設けなかったということは、結果的には正しかったんじゃないか、かように考えております。 以上でございます。
○木島委員 ありがとうございました。 それでは、山野目参考人にお尋ねをいたします。 参考人は先ほど、今回中間法人法が一般法としてつくられることは大変結構なことだとおっしゃった上で、現在のいわゆるNPO法、特定非営利活動促進法は一般法ではない、特定という二文字を削ってほしいという御趣旨だと思うのです。 私も大変結構なことだと思うのですが、そうしますと、営利と非営利という切り分けをした、その非営利の中を公益、非公益というふうに切り分けをいたしますと、非公益の一般法人法たる非営利活動促進法と非公益の一般法である本中間法人法とができるわけです。そうすると、それを切り分ける基準というのは、公益性の有無、公益性の強度だと思うのです。 そこで、二つの一般法ができたときに、参考人の切り分ける公益の概念というのはどういうものなんでしょうか、お教え願いたいと思います。
○山野目参考人 御指摘ありがとうございました。 特定非営利活動促進法の場合には、そこに言う促進されるべき活動が不特定かつ多数の人々の利益の増進に役立つことであることとされてございます。一方、今般御審議の中間法人法案は、法律案に書いてありますとおり、社員の共通の利益を増進することであるということでございます。 一つの例を挙げてお話しさせていただきますと、例えば、先ほど挙げました消費者保護を推進しようというようなNPOがあって、法人格を取得したいということを考えました場合に、消費者の保護が推進されるということは不特定かつ多数の人々の利益の増進にかかわることだと思いますので、大変結構なことだと思うのですが、しかし、今委員御指摘のとおり、現行NPO法に特定という言葉が入っておりまして、別表にこの消費者運動というのが入ってございませんので、特定非営利活動法人としては設立することができないということになります。 では、今回御審議の中間法人としてそういう団体を設立することができるのかというと、これは先ほどの私の発言で指摘させていただきましたように、今回の中間法人が公益活動もできるのかということ自体が解釈論上の一つの論点なんですけれども、仮にそれができるというふうに仮定しますと、十人の消費者運動に関心ある人々が集まって、十人の内部の利益を超えてさらに消費者運動をやりましょうということが中間法人としてできなくはないのですが、しかし、今度は三百万円を集めなければいけない。有限責任中間法人でありますれば三百万円を集め、無限責任中間法人でありますれば自分が法人の債務をかぶるということを覚悟して設立しなければならない。そうすると、同規模のNPO法の別表で認めてもらっているほかのNPOに比べてハンディを負わされるということになるのではないか。 こういうことを考えますと、御質問の公益というものを、差し当たり不特定かつ多数の人々の利益の増進に役立つことというふうに定義したときに、特定非営利活動促進法は、入り口ではそういう大きな間口をとっていますが、別表で、繰り返し申し上げますが、特定というふうに限定がされているために今のような若干のアンバランスが生じてしまうというのが我が国現行法制の状況になるのかなというふうに考える次第で、このあたりを、今回の法律案で一遍には解決できませんが、引き続き立法府におかれましては御関心をいただきたいというふうに考えるものでございます。 以上でございます。
○木島委員 ありがとうございました。 それでは、時間が迫っておりますので、もう一点だけ山野目参考人にお聞きしたいと思います。 先ほど言いました法制審の中間法人制度の創設に関する要綱中間試案によりますと、今回の法案に盛り込まれなかったもう一つの大きな論点として、大規模な法人に対する特例の問題があります。 大規模な法人について、例えば基金の総額が五億円以上または最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計が二百億円以上、そういうものについては、やはり営利法人と同じように会計監査人の監査を義務づけることとするということが今回脱落したんですね。これについての御意見をお聞かせ願いたいと思います。 私は、営利か非営利か、公益か非公益か、法律上の概念としては画然と区別はされるんですが、活動実態としては境界が非常にあいまいな部分が非常に多いと思うんですね。それだけに、非営利非公益法人でも巨大なものは、活動実態としては、営利事業もそれはたくさんやっておりますし、収益も上げておりますから、やはりこれだけ大きなものは商法特例法と同じような外部監査が必要じゃないかと考えているんですが、今回落ちてしまいました。これについての参考人の御意見をお聞きしたいと思うのです。
○山野目参考人 御指摘のとおり、法制審議会で立案がなされている過程で挙がっていた論点の幾つかが、最終的な法律案には入ってございません。例えば、先般御指摘があった現行の公益法人からの移行措置の問題、それから、ただいま御指摘の大規模の法人の問題等ございます。それは、いずれについても、法律案に最終的に盛り込む、盛り込まない、両方のありようがあるのではないか。だから、今回提案されております法律案の姿が唯一の解答かということは、それは大いに御議論があるところであろうというふうに思いますけれども、私は、今挙げたような論点が最終的に入らなかったことは、一つの答えとしてあってよろしいのではないかというように考える次第でございます。 と申しますのは、移行措置の方について言いますと、これはやはり特例的な立法で対処すべきでありますし、今先生御指摘の大規模法人の問題は、立法というのはやはり実態に即応する形でなされていくべきものだというふうに考えますもので、中間法人としてこれから設立されていくものが一体どういう実態を持つものなのかというところを見きわめない段階で、複雑な法律制度を設けるということになりますと、国民から見て、その制度のイメージが、きちっと像が結べないというところもあるのではないかというふうに思います。 ただ、もちろん、それは委員御指摘のとおり、問題のある論点ともなり得ることでありますから、今後の運用実態を見て、御指摘のような物すごく巨大な中間法人ができてきて、考えなければいけないということになりますれば、その段階で改めて真剣に検討されるべき課題ではないかというふうに認識しております。 以上でございます。
○木島委員 ありがとうございました。終わります。
○保利委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀と申します。 きょうは、両先生、お忙しいところ大変お疲れさまでございます。 興味深くお話を伺わせていただいたわけですが、私、両先生にお伺いしたかった二つの点について、さきの木島先生がお聞きになってしまいました。例の中間試案にありました移行措置と監査にかかわる点、それらについての御見解を実は両先生にお伺いしたかったところなんですけれども、それはもう既に聞かれてしまいましたので、ちょっと幾つか素朴な疑問なり、また御質問なりを両先生にさせていただきたいと思います。 まず、太田先生の方に、今回の立法化にかかわって、特に公益法人の側から見たメリットと言うと語弊があるかもしれませんが、特に公益法人の指導監督に関する勧告も旧総務庁がこの間出されているわけですけれども、それにかかわりながらお話をお伺いしたいわけです。 といいますのは、我々も、特にKSDの問題等々、公益法人問題ということで、まさにそうした問題にメスを入れていかなければならないと考えておるわけですが、当然、二万六千を超える公益法人のほとんどが、今先生がおっしゃったように、民法三十四条にのっとってまじめに活動されておられる。そういう団体が恐らくほとんどだろうと思うわけです。 そういう中で、やはり今回、法のすき間が埋まるという点は一つ大きなことだろうと思いますが、例えば、平成四年の総務庁の行政監察結果に基づく勧告を見ますと、当然、先生方にはもうこれは釈迦に説法だろうと思うわけですが、いわゆる中間法人についてはその設立を認めていないということを前提にして、ただ、互助会等の非営利団体から法人格付与の要請が根強くあったから、主務官庁の多くは、この民法三十四条の「公益ニ関スル」の概念を広く解釈することにより、このような団体についても公益法人としての設立を許可してきた。結果として、公益活動の助長、育成を目的として行われている税制上の優遇措置等において不公平が生じていたということで、既に総務庁も昭和六十年段階で中間法人制度の創設というものを法務省に勧告してきている。 そういう経過の中で今回できたわけで、そういう意味では、移行措置がないというのはちょっと私は、先ほどのお話を伺いますと、結果的にはそういうことでよかったというお話でしたので、そのことについては伺いませんけれども、素朴に考えますと、一生懸命、ちゃんとその精神にのっとってやっている公益法人と、そうでないといいますか、そういうものと性格を異にする、ここで言う中間法人というものが今回すみ分けられることによって、いわば公益法人本来の姿に純化されていくのかなというふうにも思うわけですけれども、その辺、今回の法制定についての意義、また、公益法人の側から見た意義、メリット等についてお話をまずお伺いできればと思います。
○太田参考人 ただいまの植田先生の御指摘、御質問は、公益法人側から見た今回の中間法人法案の意義をどう考えるかというような御質問かと思います。 御承知のように、公益法人と一口で言いましても、非常にいろいろなものが実はその二万六千の中に混在しているわけです。私はいつも、公益法人はごった煮であるというような表現を使っておりますが、もちろん純粋な公益法人もございますれば、業界団体的なものもある、互助会的なものもある、いわゆる中間法人的なものも多うございますし、いわゆる行政委託型、行政代行型の法人もございますし、それから特に、例えば戦前はゴルフ場なんかも社団法人として認可されておりまして、それに代表されるような営利法人まがいの公益法人もございまして、非常にごった煮でございます。 それから、いわゆる社団法人と財団法人につきましても、財団の方は基本財産をもとにいろいろな事業を行うということでございますが、社団法人は、いわゆる人のボランティアな同志的結合によって公益活動を行うということでございますから、そこにいろいろな目的が入り込んでくるということだと思うんですね。 それから、先生御指摘のとおり、民法三十四条が、公益を目的とするというふうには書いていなくて、「公益ニ関スル」というふうに書いておりますので、今までそのすき間が埋められていなかったために、そういったものを「関スル」ということで拡大解釈いたしまして公益法人として認可してきたということの経緯がずっとあるんだろうと思いますね。平成四年の総務庁の勧告に見ましても、そのあたりのことを指摘し、それから平成八年の当時の与党三党のプロジェクトチームの勧告等がもとになりまして、ようやく今回の中間法人法ができたということは、先生のおっしゃるとおりだと思います。 それで、私ども公益法人協会から見まして、今回の中間法人法をどのように見ているかということでございますが、そういった経緯からいたしまして、私どもといたしましては、今回の成立は評価をしている。そして、公益法人が、本来の公益活動に純粋に集中できるような公益法人として、社会的にそういうイメージが回復してくること、これが一日も早く実現することを望んでいる、こういうふうに考えているわけでございます。 したがいまして、基本的にはこの中間法人法案については評価をしており、ただし、先ほど冒頭に申し上げましたように、公益法人法制というものをこの際抜本的に見直していただきたい、こういう基本的なスタンスでございます。
○植田委員 次に、山野目先生に、これから恐らく中間法人がどんどん、使い勝手のいい制度ですので出てくると思うわけですが、それについて若干心配していることについて、その辺の対処のありよう、対応方等含めて、基本的なお考えをお伺いしたいわけです。 例えば同窓会とかPTAなんかも中間法人になってくるかと思うわけですが、PTAとか同窓会とかいうことになっていきますと、いわゆるそこにある学校なりなんなりとの関係というのがどうも重なり合う部分がありますよね。例えば大学だったら、同窓会館みたいなものを建てているところもあるでしょうし、大学の一室を校友会の事務局として大学の職員を出向させてやっているとかいう場合もあるかと思いますし、PTAとかであれば、どこかの小学校や中学校の職員さんがそのところで事務的なPTAの会計処理等々をしている、そういうことになっているかと思うんです。 その場合、例えば幾つかの事例を見ますと、群馬県なんかでは、PTAのお金で、別に着服したわけじゃないんですけれども、学校の職員の方が学校の備品を買ってしまった、それで依頼退職をされたとか、そうしたいわば不祥事も起こっていますし、実際、そうしたお金の言ってみれば横領等々といったことも起こってくると思うんです。 そうなってきますと、例えば、単純に大学の事務室の一角を今まではただで借りていたけれども、これからは家賃を払って別の法人ということにしなければなりませんし、現に、これから中間法人になろうとするその種の団体が、必ずしも悪意でやったでないにせよ、そうした不祥事が、悪意の不祥事も幾つも散見されるんですけれども、そこは設立時における適切な指導なり、また監督ということはやはり必要になろうかと思うわけです。まず、そうした心配が一点。 もう一つ、これは言ってみればほかの法人でも言えることだといえばそうだと思うわけですが、二人以上でこしらえますし、三百万積めばできるわけですから、私なんか素朴に気になるのは、例えば、自分たちの財産隠しのために中間法人を悪用するような、そういうことにならないか。こういうのはなかなか見破ることは難しいかと思うんですが、せっかくつくった制度がそういう形で活用されてしまうということについて素朴に心配するわけですが、その辺についてのお考えはいかがでございますでしょうか。
○山野目参考人 この新しくでき上がろうとしている中間法人の制度が、しかし、でき上がった暁には、もしかしたら不適正あるいは乱用的な実態もさまざま起こるのではないかという御心配の御指摘をいただいたものだというふうに受けとめました。 それは確かに御指摘のとおりでございまして、今後、法律が仮にこちらでお認めをいただいて成立した暁に、今委員御指摘のように、その運用に余りにも不適正な事態があるということになりますれば、改めて法律そのものの改正その他の運用によって、さまざまな規制、公的な監督の強化を図らなければいけないということになるのであろうと思います。そのことは私から申し上げることもないのはもとより当然のことですが、改めて指摘させていただきたいと思います。 ただ、もう一点強調申し上げたいのは、考えてみますと、それは今回の法律案ができたことによる弊害なのかというと、委員よく御存じでいらっしゃると思いますが、そうではないのでありまして、今までどうだったかということを考えますと、これは御承知のとおり、権利能力なき社団という民法上のかなり不確かな概念によって、法律の規制の外のところに置かれていたわけでございます。 おっしゃるように、大学の同窓会が法人になれないのでどこかの大学の事務室の一角を使っていた、それがそうではなくなる、あるいは使うときにはきちっと家賃を払っていただくような形にするというところが今回の法案の一歩前進なわけであります。従来、権利能力なき社団であったものに、きちっと法人になってください、なった上で、今回の法律自体にも資産の管理の適正とか第三者の取引安全を配慮するための規定が盛り込まれているのであって、そういうものに服してくださいというお願いをきちっとオフィシャルに言えるようになったというところがまず前進なんだということを、これは申すまでもないかもしれませんが、強調させていただいた上で、仮に、法律成立後、御指摘のような不適切な事態がなお生ずるのでありますれば、それに対する改めての対処を政府の関係部局及び立法府におかれましてお考えいただくという手順になるのではないかというふうに見ております。 以上でございます。
○植田委員 最後に、お二人の先生方に確認の意味で、先ほどもう既に基本的な御見解はお話しされたところでございますが、例の大規模法人の会計監査と、いわゆる公益法人から中間法人への組織変更にかかわるお話を一言ずつお伺いして終わりたいと思うんです。 私は、中間法人自体、当然使い勝手のいい制度として運用されればいいと思いますから、自由な活動は最大限保障するかわりに、やはり情報開示や監査というものは充実すべきだろうと考えています。そういう意味では、要綱中間試案にせっかくあったものが今回の法案で落ちているということについては、何でそんなことになったのかというのは昼からの質疑でも聞きたいところなんですが、残念に思っています。また、実際、先ほど紹介しましたこの間のこの中間法人をこしらえる経緯の中でも、やはり移行措置というものはなければならなかったのかなというふうにも私思っておるわけです。 ただ、冒頭先生方も、この法律が一里塚だというふうにいみじくもおっしゃいましたですから、そういう意味で、この二点についても、やはりこの中間試案にあるような方向で引き続き検討していく課題として御認識されているのかについてだけ両先生からお伺いして、終わりたいと思います。
○太田参考人 最後に植田先生おっしゃいました、外部監査、それから移行措置、これが中間試案には盛られておって最終法案には載っていないということについて、今後それをウオッチしてどのようにそれを実現していくのか考えを聞かせろ、こういうことだと思うんです。 私は、大規模法人に対する外部監査、これについては、やはり営利法人であろうが公益法人であろうが、公益法人も今度いわゆる指導で大規模法人については外部監査制が平成十三年度から導入されますが、中間法人についてもまたしかりだろうと思います。したがいまして、山野目先生おっしゃるように、今後どのような法人が出てくるかということも見ながら、大規模法人に外部監査制度を適用するというのは当然だろうと思います。 それから、移行措置につきましては、私何遍も申し上げましたように、一口で、中間法人的な公益法人が全部移行すべきだとかあるいは移行すべきでないとかというふうには申し上げられません。やはりその中身を見ながら、本当に必要なものは、税制をきちっと整備した上でも、あるいは法制的な手当てをした上でも移行するということが必要でございましょうし、あるいは、今までのような中間法人的な色彩じゃなくて公益活動をこれからは色濃く出すというような法人さんがあればそれは公益法人として残るとか、そういうようないろいろなバラエティーに富んだ取り扱いが必要だろう、決して一律ではないだろう、こういうふうに考えております。 以上でございます。
○山野目参考人 移行措置の問題についてまず御指摘をいただきました。 これは、本日の当委員会での御審議で質疑に立たれた先生方から、再々、繰り返し、この移行措置が今般の法律案に入っていなかったことというお尋ねをいただいたわけでありますので、私からの最後の発言の機会でもございますので、特にこの点について繰り返し申し上げたいと思うんです。 今回の法律案にこれが入ることは、これは民事の一般基本法制の一角を占める事柄として必ずしも適切ではないと思われますので、入っていなかったことはこれでよろしいのではないかというふうに考える次第です。その上で、今後の課題として、特例的な立法を考えていただきたい。これは、大ざっぱな言い方をしますれば、今回の法律案の策定に当たった行政の任務なのではなくて、恐らく先生方が基本的にイニシアチブをとられるべき政治の課題なのではないかというふうに考えるものであります。 ちょっと細かなことを申し上げますけれども、例えば、下手に今回の法律案に移行の措置を入れるとこういうことが起きます。従来の公益法人の場合には、法律とその運用によって、残余財産を構成員に山分けしちゃうことはできないという運用がなされておりました。それが、中間法人に移行するときに、仮に、行政が新しい中間法人の定款をチェックして、それができないような規定が定款に入っているような場合であっても、その許可は一回与えられちゃえば終わりでありますので、中間法人になった後、いや、もう役所の監督がなくなったので大手を振って定款を改正しましょう、山分け万歳、公益法人で蓄積してきましたがおいしいものを分けましょうということになるのでは、これは何のための移行措置かわからないということになるわけで、逆の結果を引き起こすということになります。 そこで、今回の法律案が民事基本法制として一般的な受け皿になったその暁の上で、繰り返し申し上げますが、先生方に改めて特例的な行政改革課題の一環としての移行措置をお考えいただきたいと考えるものでございます。 残余の御質問、大規模法人の特例につきましては、先ほど木島委員の御質問にお答え申し上げたところと同じでございますので、援用させていただきます。 以上でございます。
○植田委員 ありがとうございました。
○保利委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、両参考人に一言御礼を申し上げます。 両参考人には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。 本会議散会後直ちに委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後三時二十二分開議
○保利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、中間法人法案を議題とし、質疑を続行いたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府国民生活局長池田実君、総務省大臣官房審議官衞藤英達君、総務省行政評価局長塚本壽雄君、法務省民事局長山崎潮君、法務省人権擁護局長吉戒修一君及び財務省大臣官房審議官木村幸俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○保利委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花郁夫君。
○山花委員 民主党の山花郁夫でございます。 中間法人法案の質疑に先立ちまして、少々森山法務大臣そして法務省の方にお尋ねをしたいことがございます。 二〇〇一年ですから、ことしの五月十一日の熊本地裁のハンセン病の判決に関する問題をまずお尋ね申し上げます。 例のハンセン病の国家賠償請求訴訟の判決に対しまして、五月二十三日に本委員会におきまして、森山大臣の方に政治決断の方をよろしくお願い申し上げますとお願いいたしました。そして、控訴せずという結論に至りましたことにつきまして、御尽力には感謝を申し上げたいと思います。 ただ、その後なんですけれども、少々気になることがございます。と申しますのも、その後に首相談話というものが出されまして、それとともに政府声明というものが出されました。それについては、私としては少々疑問と思われる部分がございます。 政府声明は、控訴は断念しますけれども、法的には二つの問題点があるという旨を指摘しております。その中の一ですけれども、立法不作為にかかわる部分で、「本判決は、故意がない国会議員の不作為に対して、法的責任を広く認めております。このような判断は、司法が法令の違憲審査権を超えて国会議員の活動を過度に制約することとなり、」というくだりがあるのであります。一応、議院内閣制とはいえ、権力分立の建前からいきますと、これは議会の話でありますので、政府がここまで言うべきことなのかどうかということはちょっと疑問があるんですけれども、これは官房長官が政府声明という形で出されたものですが、この点について、法務大臣としてはどのような所見をお持ちでしょうか。
○森山国務大臣 このたびの政府声明は、この件について控訴しないという結論を下すに当たっての、訴訟の一方当事者である国の法律上の考え方を明らかにしたものだというふうに考えます。 今回の熊本地裁の判決は、昭和六十年の最高裁判例よりも広く国会議員の法的義務を認めるなどの問題があることから、この点に関する国の考え方を明らかにしたものだというふうに考えております。
○山花委員 これについて、今議院運営委員会の方でやっていることだと思うんですけれども、どうも国会決議について与野党合意がなかなかしづらいという状況になっておりまして、あくまでも、政府声明というものは政府として法的な問題点について意見を言ったということで、国会としての対応についてこうしてほしいという話では全然ないということで理解をしたいと思います。 それでは、もう一つ、最近、法務にも少々かかわりがあると思われる気になる事件が報じられております。いわゆる代理母の問題であります。 長野県の下諏訪町の諏訪マタニティークリニックというところで、いわゆる代理出産というものが行われたことが判明したということが報じられております。どうもこれはいわゆる借り腹のケースのようでありますけれども、患者でありますお姉さんの方が一たん妊娠しながら早産して赤ちゃんが助からなかった上に、子宮の切除手術を受けて子供をあきらめていた。そうしたお姉さんを見かねてということで、妹さんがおなかを貸す形で子供を産んだということのようであります。 厚生労働の方で、今こういった生殖医療についてはいろいろ検討が進んでいるようでありますけれども、ただ、一度起きてしまっている以上、これに対して何らかの法的な取り扱いというものをしていかなければいけないのではないかなと思うんです。この点について法務省にお伺いしたいんですけれども、出生届はもう受理されているのでしょうか。
○山崎政府参考人 委員御指摘の点でございますけれども、私どもといたしまして、代理母が出産した子の出生届、これが受理されているかどうかは把握しておりません。 一般論で申し上げますと、出生届は通常、出産に立ち会いました医師あるいは助産婦が作成した出生証明書が添付されることになっておりますけれども、これには分娩した者が母として記載されておりますので、分娩した代理母を母とする出生届が提出されれば受理をされる、こういう構造になっております。
○山花委員 代理母と呼ばれるのも幾つか類型があるようですけれども、今回のケースですと、夫の精子と妻の卵子を体外受精して得た胚を、つまり夫と妻の精子と卵子を妻以外の第三者の子宮に戻して出産させるという方法ですので、そうしますと、今回のケースでいいますと遺伝上の母親というのと実際におなかが大きくなって分娩をした女性との間には同一性が当然ないわけであります。 今民事局長よりお話がありましたけれども、出生届というのは大体A3になるんですかね。大体片っ方側が、今お話があった、どこどこの医院で何月何日何時に生まれました、そのお医者さんの名前とかが半分ついていて、半分側には役所に提出するような書面がついているわけでありますから、恐らく、実際にそこで分娩した女性は、これを出してくださいということでお医者さんからそんなようなものを受け取って出す。役所の窓口は、実質的な審査はしませんでしょうから、そうすると、出されたものを、お医者さんがそういう証明書を書いている以上、形式的に受け取るということに恐らくなるんでしょう。 そういたしますと、戸籍のところで実質的な審査権がない以上、依然として、どんなケースであれ、わからない以上、分娩主義で母親がとりあえずは決まるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○山崎政府参考人 民法は、今委員御指摘のような借り腹の場合、こういうことは余り想定はしておりません。ですから、原則としては分娩した者が母親であるという理解で受理がされるというふうに理解をしております。
○山花委員 民法なんかの原則ですと、例えば民法の教科書なんかを見ますと、自然の血縁に基づいて法的関係を成立させるものが実子である、実の子である、養育の意思に基づいて成立するものが養子であるというふうに講学上言われておりまして、実親子関係、実の親子関係というものは自然の血縁に基づいて成立するというふうに書かれております。 ただ、その証明ということになると、母子関係の場合は分娩という事実によって客観的に証明することができるのだというふうに一般的には説かれているわけでありますけれども、要するに、民法はこういうケースを基本的には想定していないわけですが、今後もしこういうケースが出てきてしまうとなると、こういった定義もちょっと変わってくるのかなという印象も持っておりますし、また、分娩はやはりあくまでも証明の問題であって、一〇〇%の手がかりがあるものでもなくなってしまうのかなと思いました。 そこで、これは民事上の問題なんですけれども、生命倫理としてどうかという話はおいておいて、現にこうやって生まれてきている子なんですが、法律上の母は、一たんとりあえず代理母の方が母親になる。そうすると、依頼主である方の女性の方は、契約に基づいてというか、契約が有効かどうかはまた議論があろうかと思いますけれども、生まれてきた子を養子として引き取るしか方法がない。法的にはそういうことになるかと思うんですけれども、その点もそういうことでよろしいのでしょうか。
○山崎政府参考人 御指摘のように、現在の法制の中では、養子縁組をする、通常の養子縁組と特別養子縁組、両方ございますけれども、そういう方法しかないというふうに理解をしております。
○山花委員 これは母親の場合なんですけれども、報道によりますと、諏訪マタニティークリニックというところも全く無差別に代理母を容認しているというわけではなくて、その医院で独自の何か基準というものがあって、それに当てはまるということで今回こういうことをやったようであります。その基準の中の一つに、頼まれた方の女性にも子供がいることということが内部的には基準となっていたようであります。 具体的なケースとして、子供がいるからその時点で、夫がいるかどうかはわかりませんけれども、一般論として言うと夫がいる可能性があるわけであります。そうすると、これも民法上の話になってきますけれども、依頼主の側の、つまり精子を提供した側の夫は、自分の精子が使われているということがわかっていても法律的には認知という手続をしないと父子関係というものは成立しませんし、また、依頼された側の、つまり分娩をした人にもし夫がいるということになりますと、夫としては妻が妊娠しているという状態になりますから、生まれてきた子は代理母の夫の子と推定されるわけですよね。そうすると、ちょっと話がややこしくて申しわけないんですけれども、おなかを大きくして分娩した人の夫の側からすると嫡出否認をして、頼んだ方の夫が先ほど言いましたように認知をして、しかも夫婦共同で恐らく縁組という形でやっと思いが遂げられるということになるのだと思うんですけれども、そういった手続でよろしいでしょうか。確認をちょっとお願いいたします。
○山崎政府参考人 ただいま御指摘の点は、代理母は出産しますと母親と扱われます。それで、婚姻中でその推定期間に入っていれば、婚姻二百日後、それであればその夫の子と推定をされます。そのまま戸籍上受理がされるということになりますと、そこが親子関係になりまして、その状態で養子縁組を結ぶということもできるわけでございます。 それからもう一つの点は、推定されても自分の子供ではないという場合には、嫡出否認の訴えを起こすことができます。ここで認められますと、その推定が排除されるわけでございます。そうなりますと、依頼主の夫、そちらの方が認知をすることができるということで、そこに父子関係ができる、こういう法律関係になろうかというふうに理解しております。
○山花委員 大変ややこしい話なわけであります。 今回こういうケースが出てきたわけですが、これはちょっと一般論としてお尋ねいたしますけれども、当然あらかじめ依頼者と依頼を受けた側との間で、精子と卵子を提供しますから、おなかの中で子供を、子供というかどうかわからないですが、着床させて分娩のときが来て出産をしたら引き取らせてください、ざくっと言えばそんなような契約というか約束をするということになるんですが、一般論として、こういったいわば代理母契約とでも申しましょうか、これは有効性についてはいかがお考えでしょうか。
○山崎政府参考人 我が国の民法は予想しておりませんし、まだ判例もないというところで、しかと申し上げることはできませんけれども、現在の民法の考え方を前提にいたしますと、公序良俗に反するのではないか、あるいは無効であるという考えも大いにあろうかと思います。 ちなみに申し上げますと、フランスでは、代理母契約、これを無効とされているようでございます。それから、昨年十二月に旧厚生省の方で委員会の報告がございましたけれども、代理母は禁止すべきであるという立場を採用しているようでございます。
○山花委員 フランスでは禁じられているというお話がございましたけれども、もうちょっと広げて、諸外国で、代理母契約という形ではなくて結構ですから、法制上どういうふうになっているかということについて御教示いただければと思います。報道などでは、アメリカでは州によって違うとか、認めている国もあったり認めていない国もあったりとかいうことがいろいろ報じられているんですけれども、そのあたりはどうなっているんでしょうか。
○山崎政府参考人 この点につきまして、私どもいろいろ検討はしているのですが、最近のことでございますので調査が完全とは言えないと思いますけれども、我々が今承知している範囲で申し上げますと、アメリカの一部の州それからイギリス、ここは認めているというふうに聞いておりますけれども、その他のところ、例えばドイツ、フランス、オーストラリアのビクトリア州、あるいはスウェーデン、こういうところでは無効とされているというふうに理解をしております。ちなみに、アメリカはフロリダ州、ネバダ州等が認めているようであるということでございます。
○山花委員 これは今週号のアエラですけれども、これの記事にもちょっと出ているのですが、ほかの報道などでも出ていましたので、複数の報道があるので恐らくそうなのかなという気がしているのですけれども、もしお手元の記事がそうでしたら四段目のあたりのところなのですけれども、どうしても子供が欲しいという夫婦が、代理出産を希望する日本人夫婦が米国に活路を求めてということで、その上の段のところにありますけれども、関係者の証言だと、米国ではそういう出産ビジネスというのがあって、最近まで年間千人程度が生まれていると。また、四段目のところにありますけれども、代理出産で生まれた日本人はもう百人を超えていると関係者は口をそろえているというような話もあるわけであります。これは報道でそうなっていますよというだけの話ですから、実態は、本当はどれぐらいいるのかというのはよくわからないわけでありますけれども、今回この報道を見まして、私、大変似たような事件が昔あったのではないかなと思いました。 菊田医師事件というのがありまして、あれは、子供が欲しいという親にとっては遺伝子を持つか持たないかという違いがありますけれども、当時、生まれたばかりの赤ちゃんを子供が欲しいという人にあっせんしてという事件があって大変問題になったわけです。ただ、あのケースでも、菊田医師も無差別にやっていたかというと必ずしもそうではなくて、例えば中絶をしようとしていたカップルを説得して、命をむだにするなということを言って産んでもらって、どうしても欲しいというところにあっせんしたりとか、そういうケースだったわけであります。そのときには倫理上大変問題があるということで、現在でもそれはよくはないのでしょうけれども、それがきっかけになって、先ほど、養子縁組というのも二通りありましてというお話にあった特別養子縁組という法制度ができていったということがあったわけであります。 今回のケースも、私、いいのか悪いのかということで個人的にはやはりちょっとひっかからないでもないのですけれども、ただ、切実に子供を欲しいという方のお気持ちも全くわからないでもありません。 ただ、どうもアメリカなんかで、先ほどアメリカのカリフォルニア州という具体的な名前は出てきたかどうかちょっと覚えていませんけれども、カリフォルニアなんかでは自由にこういうことが行われておりまして、向こうの方はもっと話がどんどん進んでいて、例えば男性同士のカップルの婚姻というのがあって、同姓同士の婚姻というのがあって、今回の代理母とはケースが違って、どちらかの精子を他人のおなかの中の卵子と着床させて、そこからの子供を自分の子として引き取るというようなケースだとか、あるいは女性同士のカップルがあって、他人の精子をもらってきて、その場合はカップルが実際に産んでいるわけですから外形上は母であることは間違いないのですが、そういうケースとかがあるようであります、これも報道をもとにしておりますけれども。 こんなようなことがあるのですけれども、一方でいろいろ問題もあるようでありまして、おなかが大きくなってくれば、半年ぐらいすると中で動いたりとか暴れたりとかしますから、やはり愛着を持ってしまって、実際に産んだ方が引き渡したくないと言い出したりであるとか、あるいは、産んだ子にちょっと障害があって、産んだ方もおまえのだと言い、頼んだ方も引き取りたくないと言うようなトラブルがあったりするようであります。 ですから、こういったことなども考えますと、生まれてきた子にとって本当に幸せかどうかということはちょっとまた怪しいわけでありまして、今後、これを認めるべきかどうかということはいろいろ議論をしていかなければいけないと思いますし、この委員会だけじゃなくて、厚生労働とかそのほか、本当に生命だとか倫理にかかわることですから広く議論をしていかなければいけないことだとは思います。思いますが、ただ、現にこういうことが起きておりますし、またマスコミに対する取材の中で、今回の諏訪マタニティークリニックの根津院長というのは、いや、これからもやるんだというようなことを、まあやるんだとははっきり言っていませんけれども、子供を欲しい人がいて、助けてあげるという人がいて、それを医者として断れるかというような発言をしていたりであるとか、もし国が禁止したら憲法訴訟を提起するぞなんというぐらいのこともマスコミに対して言っておりますので、今後も事実上やはり行われる可能性はあると思いますし、それがいいか悪いかということとは別に、現に行われてしまった後についてはある程度法制上対応しておかないといけないのかなというふうに思っております。 と申しますのも、これも悩ましいところで、そういう法的な手当てをしてしまうと何かお墨つきが与えられたみたいに思われても困るのですが、さりとて、今回のケースは、言葉が適切かどうかわかりませんけれども、うまくいった例のようですからトラブルになっていないみたいですけれども、もし何かのときには、例えば自分は嫡出否認の訴えを起こさないだとか、あるいは養子縁組とかいうふうな手続もちょっと嫌だとか、いろいろ始まったりしたときの手当てというものがいろいろなければいけないと思うのです。こうしたケースについての特別な親子関係のルールというものをつくる必要もあるのではないかと思うのですが、この点について、法務大臣、何か方向性とかございましたらお願い申し上げます。
○森山国務大臣 なかなか難しい問題でございまして、今先生がるるおっしゃいましたような幾つかの問題点もたくさんございます。 世の中、本当に思いもかけないようなことが次々起こるものだと思ってびっくりしているわけでございますけれども、おっしゃるように、これからも起こる可能性が全くないとは言えないということになりますと、何とかしなければいけないということもございまして非常に悩ましいところですが、ことしの二月に法制審議会に対しまして、生殖補助医療によって生まれた子供の民法上の親子関係について諮問したところでございます。生殖補助医療関連親子法制部会という部会で今検討していただいております。 このような問題は、当該医療行為の事前規制と密接に関連するところでもあると考えますので、厚生労働省その他、関係省庁とも十分に連絡をとりながら、慎重に検討を進めていきたいと思っております。
○山花委員 それでは、法案について幾つか質問をしていきたいと思います。 今回のいわゆる中間法人法についてでありますけれども、いろいろ議論のあった法案でありまして、当初は、公益法人改革ということと結びついているのかなという印象を持っておりました。 経緯からいきますと、例えば、一九九六年の七月でありますけれども、与党の行政改革プロジェクトチームのまとめた「公益法人の運営等に関する提言」というところにおいて、多くの業界団体などが公益法人になっていることの問題性ということについての指摘などがございました。 また、九六年の九月でありますけれども、「公益法人の設立許可及び指導監督基準」というものが閣議決定されましたが、その中でも、民法上やむを得ずに公益法人となっているものについては抜本的な法人制度の改革を待って対応するというような表現も出ているわけであります。 また、ことし、十三年四月に、内閣官房行政改革推進事務局から「行政委託型公益法人等改革の視点と課題」というものが出ておりますが、この中でも、最後のあたりでありますが、国所管の公益法人に対する総点検というものをやって、四月初めまでにその結果の報告を受けたところであるとあります。簡潔に言いますと、大綱に示された改革の方針というのが現在の公益法人に対する国民の批判のすべてにこたえるものとは必ずしも言い切れないということで、こういった状況にかんがみて、事務局としては、関係府省と連携しながら、立法化を含めたより抜本的な公益法人制度改革に向けた基本的方向を示すべく検討を進めることとしたいなどということも出てきております。 そこで、お尋ねしたいと思いますけれども、もともと与党の行政改革プロジェクトチームの提言なんかですと、中長期的には民法を見直すことを視野に入れているわけであります。けさの参考人の質疑などでもちょっと話が出ておりましたが、こういった非営利の法人については民法改正などによるのが本来の筋ではなかろうかと思うわけでありますが、ただ、今回の中間法人法を拝見させていただきますと、どうも公益法人改革ということとは余りつながりがないようにもお見受けするのです。 今までのこういった九六年の行政改革プロジェクトチームのまとめたものであるとか、あるいは、閣議決定されていた「公益法人の設立許可及び指導監督基準」などなどとこの中間法人法案というものとの関係については、どのようになっているんでしょうか。
○森山国務大臣 この法案は、平成八年七月の与党行政改革プロジェクトチームの「公益法人の運営等に関する提言」にこたえるものでございます。 その立法の形式としては、既に民法に許可主義によって設立される公益法人に関する規定があること、新たに法人制度を創設するに当たって必要となる条文の数が百条を超えるということなどを考えまして、民法の改正によらないで単行法として新たな法律を制定した方がよかろうというふうに考えたわけでございます。 先ほど先生もおっしゃいました、平成八年九月に閣議決定された「公益法人の設立許可及び指導監督基準」というのは、経過措置として、「既に設立されている法人で、法人格を取得する手段が民法第三十四条によることに限られたため、公益法人となっている業界団体等に関しては、真にやむを得ない事項については、法人に関する抜本的法改革を待って対応すること」というふうに書かれておりますが、今提案しております法案は、既存の公益法人が中間法人に移行するための手続などに関する規定が設けられておりませんので、公益法人に関する法改革は、この法案による中間法人の創設で、これでできた、終わりというわけではございません。 しかし、本法案によりまして、非公益かつ非営利目的の団体について法人格の取得を可能にする一般的な法制度を整えたというわけでございますので、公益法人から中間法人への移行の問題を検討する上でまずは必要な条件を整備する第一歩であるというふうに考えております。
○山花委員 今の御答弁にもありましたが、ただ、これは私の印象なんですけれども、公益と営利の間に、典型的な公益法人というのがあって、典型的な営利法人、株式会社でしょうけれども、その間にかなりさまざまな法人というものがありまして、しかも、非営利の団体がございまして、それについて大変多くの特別法が制定されております。一説によると、百八十あるとか二百七十あるとか、調べ方、数え方によっていろいろあるようです。 今回の法案を見てみますと、準則主義とはいえいろいろ条件があって、今回の法案によって法人格を取得できる団体というのはある程度限られるわけであります。そうだとすると、公益と営利との間に存在するような多くのさまざまな非営利団体のすべてを法人化できるということに必ずしもならないわけであります。 そうすると、御説明の中で、非公益の中の一般法のようなイメージでということなんでしょうけれども、どうも、今百八十とか二百七十とか言われている特別法にさらに何か一個特別法が加わるだけのような印象を持つのですけれども、その点はどのような御所見をお持ちでしょうか。
○山崎政府参考人 民法三十三条は、「法人ハ本法其他ノ法律ノ規定ニ依ルニ非サレハ成立スルコトヲ得ス」と規定しているわけでございます。本法案は、今の三十三条に言うその他の法律の一つであるというふうに理解をしておりますけれども、そういう形式上の並びでは、非営利団体について既に制定されている多くの法律と同様であるという見方もできないわけではございません。 ただ、我々といたしましては、非公益かつ非営利目的の団体につきまして、その事業や構成員の範囲に特別の限定を加えることはなく、制限をしておりませんので、そういう形で法人格を取得することができるという一般的な法制度はこれまでなかったわけでございます。 そういう意味で、本法案は、一般的な制度を創設するという意味で既存の法律とは異なるということで、今まで多々法律がございましたけれども、そちらが特別法ということで、本法案は非公益かつ非営利法人の一般法であるという位置づけで我々としては御提出をさせていただいたというところでございます。
○山花委員 おっしゃるとおり、もし非営利の法人の一般法であるとすると、ほかの公益法人と比べてこの点は検討されなかったのかなという疑問があるのが税制の面なのであります。税制の面は特にこの法案でも出てまいりませんし、もともとこの法案に書くべきことかどうかというのはまた別なのかもしれませんけれども、この税制の優遇措置等についてはないという認識でよろしいでしょうか。
○山崎政府参考人 税制については直接この法案には書かれておりませんけれども、有限責任中間法人は有限会社とほぼ同じという記述をしておりますし、無限責任中間法人に関しましては合名会社と同じということでございますので、それぞれの普通法人と同率の課税がされるということでございます。
○山花委員 あともう一つ確認をしたいことがあるんですが、先ほど森山大臣の方から、組織変更の規定、公益法人から中間法人へということについての規定がない旨お話がございましたが、これは中間試案の方には入っておりました。 この点についても午前中ちょっと参考人の方からいろいろ意見をいただいていたところでありますが、組織変更の規定がなくなったということについては、どういう価値判断に基づいてなくなったんでしょうか。
○山崎政府参考人 この点につきましては、当初、中間試案に設けておりました。この点で、意見照会等、いろいろさせていただきました。その中でさまざまな御意見がございました。また、それを踏まえまして、いろいろ討議をさせていただいたわけでございますけれども、結局、法人を移行させるべきかどうかという問題につきましては、現在公益法人として設立されているものについて、あるいは株式会社に移行しなければならないものもあるかもしれない、それから中間法人に移行するものもあるかもしれない、あるいはもっと重要なものは国の直営でやるという考えもあろうかと思います。独立行政法人でやる。さまざまなパターンのものがあるわけでございまして、まずそういうどの法人にどういう移行をさせるべきか、それにどういう手続を設けるべきか、これがはっきりした議論がまだ固まり切らないというのが現状でございます。 それからもう一つは、そのかけ橋というか、組織変更の規定でございますが、これを置く、置かないの問題の中の一つでございますけれども、それまで蓄えた財産あるいは事業があるわけでございますが、これをどうすべきかという議論も、各法人の態様によってはいろいろ異なってくるわけでございまして、その辺の議論も十分に煮詰まっていない状況であるというふうに我々は判断をいたしまして、現在一般的な規定を置くことは難しいと判断したわけでございます。 今後は、政府全体の議論あるいは政治の世界の議論、いろいろ踏まえまして、その辺の整理をして、いろいろな道の可能性がありますけれども、そこへ移行するために法律が必要であるということになれば、別途法律的な手当てを加えて移行をしたり、あるいは移行とは別の方式をとったりとか、そういうふうに第二弾の措置を考えるということで、このようになったわけでございます。
○山花委員 ちょっと違った観点から、また違った論点についてお聞きしますが、今国会、政府提出法案ということで、内閣委員会にかかるものだと思いますが、特殊法人改革基本法というものが提出されたと思いますけれども、この特殊法人改革基本法案と中間法人法案というのは、何かリンクしているところはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○山崎政府参考人 ただいま御指摘の法案でございますけれども、これは、私どもの理解といたしまして、中央省庁等改革の趣旨を踏まえまして、特殊法人及び認可法人の集中的かつ抜本的な改革を推進することを目的とするものであるというふうに承知しております。 非公益かつ非営利目的の団体について一般的な法制度を創設することを目的とする本法案とは直接関係がないというふうに私どもは理解をしております。
○山花委員 これは通告はしていないんですが、大臣、簡単なあれですので、お答え願えればと思います。 この中間法人法案ですけれども、もともと九六年の与党の行政改革プロジェクトチームの議論を受けて、その一環としてというお話もございました。また、公益法人の見直しについては、いわば最初の第一ステージができただけで、これで終わりという話ではないというお話もございました。 先ほど御紹介しましたけれども、この内閣官房事務局が出しているものですが、一番最後のところで「行政改革推進事務局としては、関係府省と連携しながら、立法化を含めたより抜本的な公益法人制度改革に向けた基本的方向を示すべく検討を進めることとしたい。」とございます。 当然、関係府省ということになりますと法務省も入ってくると思いますけれども、ぜひ連携して、連携してというか、歩調をそろえて、特に、法務省の側からすると、まず税制面のことを決めてからというような話になったり、今度財務省の方に行くと、いや、先に制度設計をやっていただいてからというような話になったりするようですので、ぜひ、本当にここのところは歩調をそろえてやっていただきたいと思いますけれども、一言お願い申し上げます。
○森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、この改正案で全部終わるわけではもちろんございませんで、おっしゃるようないろいろなことが残っております。 まずは、この受け皿といいましょうか、このような形態の中間法人をつくりまして、その上で、そこへ移行するにはどうしたらいいかということをいろいろな観点から考えるという順序ではないかということで、このような形になっているわけでございますが、おっしゃるような問題点を協議いたしまして、成果を得たいというふうに思っております。
○山花委員 それでは、ちょっと各論的なところに入っていきたいと思います。 この中間法人法案の六条ですけれども、成立要件として、登記が成立要件だということになっております。 私は、法人関係の法制に関しては、登記は対抗要件ではなくて成立要件とするということが適当だと思いますし、この法案はその点については賛成できるのでありますが、先ほど来、私としては、本当であれば民法の規定の改正、抜本的な改正のためには民法改正でいくのが筋ではなかろうかと思っているんですが、民法の方を見ますと、法人設立のところになりますが、登記が対抗要件になっているんですね。これはちょっと妥当じゃないんではないかと私は思うんですけれども、将来的に民法の改正ということになると、ここのところは一つ検討課題ではなかろうかと思うのですが、この点、いかがお考えでしょうか。
○山崎政府参考人 確かに、民法におきましては設立許可主義を採用しておりまして、許可を受けた時点で既に法人としての実質を備えている、そういうふうに客観的に認められるということを判断しておりますので、そういう関係から、設立の許可によって法人が成立するという形をとっております。その実質は問題ないというふうに私は理解しております。 問題はその登記でございますけれども、これは対抗要件としているわけでございますけれども、これにつきましては、その法人と取引関係に入ろうとする第三者の取引の安全を保護するという観点から置かれているものでございまして、このような許可主義をとっている中でその登記を対抗要件とするということについては、現行法上で、私は妥当な規定であるというふうに考えております。
○山花委員 取引安全保護ということでしたけれども、ただ、対抗要件ということになると、ケースによっては、相手方によってはその法人性が、法人格が否認されるケースも出てきたりするわけでありまして、対抗要件ということは恐らくそういうことでしょうからいかがかと思うんですが、それは、近い将来か遠い将来かわかりませんが、民法の改正が議題になるようなことがあったら議論をしたいと思います。 十条の関係についてお尋ねいたします。 有限責任の中間法人のケースなんですが、この十条の規定と八十一条の規定をあわせて読みますと、設立に際しての社員というのは二名以上ということで理解してよろしいのでしょうか。また、その二名以上というのは存続要件というふうにも理解できるわけでありますが、こうした理解でよろしいかどうか、確認をしたいと思います。
○山崎政府参考人 結論的に申し上げれば、二名以上ということが設立の要件でもあり、継続の要件でもあるということになろうかと思います。 これはなぜそういうことかということでございますけれども、目的に書かれておりますように、「社員に共通する利益」ということで目的を掲げておりまして、やはり複数いなければ共通する利益にはならないということを前提に考えているわけでございます。 今御指摘ございましたように、特定非営利活動促進法、NPO法でございますけれども、この法律におきましては十人以上の社員という規定をしております。若干差があるではないかという感じはいたしますけれども、やはり、NPO法人は、公益法人として、社会の不特定多数の利益のために活動するわけでございますので、それだけ広がりが大きいということでございまして、自分たちの仲間の者だけの利益のためにやるわけではございませんので、その目的等を考えますと、やはり十人以上が相当であるというふうに考えられたのだろうというふうに私どもは理解をしております。こちらは私どもの所管ではございませんけれども、そのような理解をしております。
○山花委員 御指摘がと言っていただいたんですが、NPO法のことは今聞こうかと思っていたんですけれども、先行してお答えいただきましてありがとうございました。 次に、ちょっと細かな話になりますけれども、四十八条の関係についてお尋ねをしたいと思います。 四十八条は、「理事がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該理事は、連帯して、これによって第三者に生じた損害を賠償する責めに任ずる。」という規定がございます。この規定なんですけれども、ちょっと細かい話ですけれども、責任の性質とか範囲はどういうものかについてお伺いしたいと思います。 「理事がその職務を行うについて」ということで、法人の理事の活動ですから、第三者に対して、債務不履行ということではなくて、恐らく不法行為責任ということになるんだと思うのですけれども、ただ、民事上、不法行為ということになると、故意または過失ということで軽過失も含まれるのですが、このケースですと、重大な過失に限っております。 こういったことから、その責任の性質とか範囲などについて、どういう趣旨のものであるかということについてお尋ねをいたします。
○山崎政府参考人 四十八条でございますけれども、これは理事の第三者に対する責任を規定するものでございまして、株式会社の場合でいいますと、商法二百六十六条ノ三の規定がございますけれども、これに相当するものでございます。そういう意味で、これは第三者保護の見地から不法行為責任を特に設けたということでございます。ですから、性質上は不法行為責任ということでございます。 この二百六十六条ノ三の解釈でもございますけれども、理事の任務懈怠の行為と第三者の損害との間に相当因果関係がある限り、第三者が直接被害をこうむった場合であると間接的な損害をこうむった場合であるとを問わず、当該理事が第三者に対して損害賠償の責めに任ずる、こう理解をしております。
○山花委員 商法二百六十六条ノ三が参考にされたんだと思いますけれども、ただ、あの規定なんですが、実務上も大変議論のある条文でして、また、注釈書なんかを見てもこの条項についての定説がないと言われるぐらい議論が錯綜されているものなものですから、そういったこともあって、ちょっと立法意思を確認したかったんですが、今の御答弁によりますと、不法行為の特則である、そして直接・間接損害も含むという話でした。ということは、これは条文を素直に読んで、職務を行うについて悪意とか重大な過失、今の御答弁によりますと、任務の懈怠についての悪意とか重大な過失ということになるんですね。損害の発生または損害の拡大についての故意過失ではなくて、あくまでも任務懈怠についてのということでよろしいでしょうか。
○山崎政府参考人 御指摘のとおり、任務の懈怠について悪意または重大な過失がある場合ということでございます。
○山花委員 わかりました。 それでは、その次、条文がちょっと飛びますが、九十六条の関係で、これも恐らくそういうことでいいんだと思うんですけれども、ちょっと確認をしたいところがございます。 九十六条の規定の書きぶりですと、「法人は、無限責任中間法人の社員となることができない。」とございますので、有限責任中間法人の社員となることはできるというふうに、反対解釈すると読めるわけですけれども、そういった理解でよろしいのでしょうか。また、それでいいとすると、その立法趣旨についてお願いいたします。
○山崎政府参考人 結論的に申し上げれば、有限責任中間法人の社員となることはできるということになります。 その理由でございます。九十六条が、「法人は、無限責任中間法人の社員となることができない。」と規定したわけでございますけれども、社員となろうとする法人が無限責任中間法人の債務について無限責任を負担するということになりますと、本来の事業以外の要因によりましてその財産的基礎が危険にさらされることになるわけでございますけれども、こういうことを避けなければならないということが第一点の理由でございます。 また、法人は、自然人と違って、無限責任中間法人の事業を遂行するに必要な人的要素を備えているとは言いがたいというような点を考慮したものでございます。 有限責任中間法人の社員になることにつきましてはこのような問題がないということから、制限する規定を設けなかったということでございまして、この反対解釈として、できるということになろうかと思います。
○山花委員 それでは、またちょっと飛ぶんですけれども、第四章、百二十二条以下ですけれども、「合併」のところについてお尋ねいたします。 この百二十二条の条文を拝見いたしますと、有限タイプと有限タイプが合併するときには有限責任中間法人となって、有限タイプと無限タイプが合併するときは有限責任中間法人になる。有限プラス有限のときは有限だし、有限プラス無限のときも有限ということで、言ってみれば、合併のときには有限責任中間法人が原則ということになります。また、無限タイプと無限タイプが一緒になるときには無限責任中間法人ということになります。 後者の、無限プラス無限が無限だというのはわかるんですけれども、例えば債権者保護の観点からすれば、有限責任の場合よりも無限責任の方が、同語反復のようですけれども、責任は無限なわけですから、債権者保護などを考えると、有限プラス有限の場合、あるいは有限プラス無限の場合であっても、無限責任中間法人という道があってもよさそうに見えるのですが、今回の法案の中ではその道はとっていないわけでありますけれども、これについてはどういった議論があったのでしょうか。その趣旨について御説明いただけますでしょうか。
○山崎政府参考人 この種の規定は商法上も置かれておりまして、その規律と同じで考えておりますけれども、基本的な理由は、有限責任中間法人と無限責任中間法人が合併したという場合に、有限責任中間法人の側から見れば、それが無限責任中間法人になるということになりますと、個人で責任を負うという形になりまして、理屈としては責任が加重されるということになります。 そうなりますと、社員全員の同意が必要であるというようなことにもなります。この法案で考えております有限責任中間法人は、場合によってはかなり規模の大きなもの、社員が多くなるものもあろうかと思いますけれども、そういう方々全員の同意で合併をしていくと、なかなか手続的に難しいという問題が一つございますし、また別途規定を置かざるを得ないということになります。それが第一点でございます。 もう一つは、無限責任中間法人というのは、設立自体が非常に簡易な手続でできるわけでございますので、もし必要があれば、一たん解散をした上、無限責任中間法人として設立をしていただければそれほど手間がかかるわけではないということで、そちらを御利用いただきたいということから、置かなかったということでございます。
○山花委員 済みません、ちょっと質問通告の順番と前後するんですが、時間も来ましたので。 最後に、今回のこの中間法人法によって、いわば今まで権利能力なき社団と言われていたものについて法人格が取得できる道ができたというふうに考えられますが、社団だけじゃなくて、財団でも権利能力なき財団という議論もありまして、これについてはこの中間法人法によっても法人格は取得できないということになるんですけれども、財団のケースで、いわゆる権利能力なき財団について今回検討の対象としなかったことについては何か理由があるんでしょうか。そこら辺のところをお願いいたします。
○山崎政府参考人 確かに、中間法人の財団というのを認めておりません。この規定を置いていないわけでございますけれども、非公益目的の財団に法人格を認めるという具体的なニーズがなかったということが第一の動機でございますし、また、このような非公益かつ非営利の目的の財団が準則主義によって法人格を取得するということを認めることになると、場合によっては法人格の乱用とか、そういうことを招くおそれもあるというような点を考慮いたしまして置かなかったということでございます。
○山花委員 時間が来ましたので質問を終わります。どうもありがとうございました。
○保利委員長 次に、平岡秀夫君。
○平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。 この中間法人法につきましては、今までいろいろと議論もされ、あるいは参考人の方からも意見を伺ってきたところで、考えてみますと、私も、中間法人法が現在の状況の中で必要であろうと。そしてその中身も、特に今大きな問題としなければならないところがあるというふうには思ってはいないんですけれども、実は、根本的な法人法制度のあり方について、やはりきちっと議論をしておかなければいけないんじゃないかなというふうに思っておるわけであります。 昨日からの同僚委員の人たちの質問の趣旨、あるいはきょうの参考人の中で山野目教授が話されておられた趣旨を考えてみますと、法人について営利法人と非営利法人で分けた中で、非営利法人についても一般的な法律の中で統一的なあるいは整合性のとれた法人格の付与のあり方が必要ではないか、そして、その公益性の判断についても、これまでの政府が一方的に判断をするということではなくて、第三者機関の設置等を含めた、時代に合ったさまざまな工夫が必要ではないかというような御議論があったと思うんです。 きょうは、そういう意味で、その法人格の付与のあり方として統一的なものが必要ではないか、非営利法人についても一般法というものが必要ではないか、そしてその中で公益性の高いものについての公益性の認定ということについて、時代に合ったあり方というのは一体何なのかというようなところについて、少し議論をしてみたいというふうに思っているわけであります。 そこで、まず最初に、先ほど質問がありましたけれども、今回、なぜ民法を改正する方式をとらなかったのかという質問なんです。 先ほどちょっと答えがありまして、条文が長かったというようなことも一つの理由に挙げておられたようでありますけれども、やはり民法というのは、自然人、法人についていえば、そうした人の権利義務の基本を定める法律であって、この中間法人法というのは非営利で非公益の法人についての一般法であるというような御答弁もちょっと漏れ聞いたわけであります。 そういう意味から考えると、中間法人法的なもの、つまり非営利のもので公益ではないというようなものについても、やはりきちっと民法の中で規定すべきではなかったかというふうに思うのでございますけれども、法務大臣の見解を少しお聞かせください。
○森山国務大臣 平岡議員がおっしゃいますような意見も確かにあるわけでございまして、それも一つの方法だと思います。 しかし、先ほどもお答えいたしましたように、中間法人の類型として有限責任中間法人と無限責任中間法人の二つを設けまして、おおむね前者については有限会社に準じて、後者については合名会社に準じた詳細な規定を設けなければならなかったものですから設けたわけでございますが、そのために法案の条文数が本則のみでも百六十三カ条という大量なものになっております。 それだけでもなかなか大変でございまして、これを民法の中に入れるということになりますと、非常にわかりにくくなるのではないか。また、民法の公益法人の規定と重なるところはほとんどないという状況でございますので、この法案については、民法の一部改正ではなくて、単行法にした方がわかりやすくていいのではないかというので、とりあえずこのようにしたわけでございます。
○平岡委員 確かに、法律はわかりやすい方がいいということはおっしゃるとおりだろうと思います。 ただ、考えてみますと、民法の中には公益法人と営利法人の規定が置いてあるわけですね。それで、今までも、こうした中間法人法で今度カバーするような分野が抜けていたというような法学者の指摘とか、あるいは実務上の世界の中でも不便を来していたという事実があるわけであります。それにもかかわらず、民法は公益法人と営利法人しか規定していなかったというこれまでの事実があるんですけれども、なぜ民法はこうした公益法人と営利法人だけに限って法人の規定を置いていたんでしょうか。その辺の見解をちょっと示していただければと思います。
○森山国務大臣 法人に関する法制度を定めるのには、単にある団体について法人格を付与するかどうかについて規定するだけではなくて、その団体の性格に即した合理的な規律、例えば、その団体がいかなる内部組織を持ち、どのように管理運営されるべきかというような点についても具体的な定めを置くことが必要でございます。 このような観点からいたしますと、一つの法律の中にあらゆる法人類型に関する規定を包含してしまうというのは困難でございまして、また適切でもないということではないでしょうか。 そのような理由から、民法は、民法以外の個別法に基づいて法人が成立することを認めているわけでございまして、主として公益法人に関する規定のみを設けたのだと思います。
○平岡委員 きのうの塩崎委員の質問の中にも、今回の中間法人法の制定によって法人の必要な部分についてすべてカバーされるのかというような質問がありました。それに対してたしか、塗り絵は全部塗られておりますというような、答弁だったのか質問者の方が言われたのかは忘れましたけれども、そういう答弁があったわけでありまして、実は、民法制定時のときに必要と考えられていた法人というものと、それから百数年がたって、時代が変遷してきた中において必要とされる法人の制度というのは、やはり違ってきているということがあるんだろうと思うのです。 そうした時代に合った形で我が国の法人制度を考えるならば、これで塗り絵が全部塗られましたということを説明されるのであれば、やはり同じ法律の中で、私が言っている基本法となるべき民法の中で塗り絵が塗られているべきであって、絵本を見たら両わきが塗ってあったけれども、こっちの塗られていないところはどうしたのですかと言ったら、別の絵本で塗ってありますというのでは、やはり国民にとってみてわかりにくいというような気がするわけであります。 何回も答弁をしていただくのもあれなんでございますので、答弁は求めませんけれども、一つの法律の体系の中で、あるべき法人制度、特に現代的な意味においての法人制度を考えていくということを法務省においてもぜひ引き続き検討していただきたいというふうに思っております。 そういうふうに申し上げまして、では今回の中間法人はそれでいいのかというふうに言われると、やはりこのような法律体系をとったために何かいろいろわかりづらいところがあるような気がするので、ちょっと聞いてみたいのです。 今回の中間法人については、登記だけで設立が可能であるという、いわば準則主義をとっているということであります。逆に、公益法人については設立が許可に係らしめられている。それから、これは民法ではございませんけれども、NPO法では、NPO法人については設立に認証が必要であるというように、それぞれが、ばらばらなと言うと言葉が悪いかもしれませんけれども、必要性に応じてそうなっているのかもしれませんが、なぜこういう制度の違いをつくらなければいけないのかという、その必要性をちょっと説明していただきたいと思うのです。民事局長でも結構です。
○山崎政府参考人 公益法人に関しまして許可主義をとっているわけでございます。これは、法人は公益的な行動をするということになりますと、その設立の段階からやはりきちっとした判断をした方がいいだろうという思想に基づいているわけでございまして、法人となりますと、公益的な活動をさまざま行います、第三者との関係もできるわけでございまして、そういう人たちの保護という点もあろうかと思います。あるいは、税金の問題、補助金の問題、援助の問題、いろいろございまして、設立の当初の段階から行政庁が関与するというシステムをとったわけでございます。 それで、先ほど御指摘ございましたように、NPO法でございますが、これも公益法人の中の一つという位置づけをされておりまして、公益的な活動をするということでございまして、公益法人ほど重くはございませんが、認証という手続をとらせていただいているわけでございます。 それで、私どもの方の中間法人でございますけれども、公益に関しないわけでございまして、目的も極めて広いということで、普通の方々が団体で集まって行動をする、そういう団体として行動できる自由を与える、こういうことになるわけでございまして、そういうことから行政庁の認可ということも必要ございません。そういう必要性がない、かつ一般の方々が簡単な手続で設立をすることができる方法として準則主義というのが設けられておりますので、その準則主義を採用した、こういうことになるわけでございます。
○平岡委員 今の答弁は、準則主義だから登記であるというような、何かトートロジーのような説明になっておってよくわからぬのですけれども、せっかく内閣府の方からも来ていただいておると思いますので、NPO法人がその設立に認証が必要とされているという根拠について、理由について説明していただきたいと思います。
○池田政府参考人 お答え申し上げます。 特定非営利活動促進法は、委員御承知のとおり、平成十年三月に議員立法として成立したものですが、立法の経緯から公益法人の一般法である民法第三十四条の特別法として位置づけられ、所轄庁の認証という行為によっていわゆるNPO法人の公益性を設立時に確保する仕組みとなっています。 認証という言葉は、ある行為が法令に適合しているか否かを審査し、確認をしてその判断を表示する行為であり、許可よりも自由裁量の範囲が狭く、限りなく準則主義に近いことを表現するために採用されたということでございます。
○平岡委員 それぞれそういう説明を設立の経緯からしてされるんだろうと思うのですけれども、逆にちょっと聞いてみたいのは、例えば、この中間法人を設立する際は登記だけでいいということなんですけれども、登記をするに当たって、社団的なものがこれから中間法人として登記をしようとするものが中間法人設立の要件を満たしているのか、特に、中間法人の定義であるところの、社員に共通する利益を図ることを目的としている法人であるということについて確認をするのはだれがどのようにして行うことになるのでしょうか。これも局長さんで結構です。
○山崎政府参考人 準則主義でございますので、中間法人の設立の要件を満たしているかどうかの審査は、設立の登記の申請を受ける法務局の登記官でございます。そこによって行われるということでございます。 また、有限責任中間法人につきましては、定款が必要になりますけれども、その定款の認証につきましては、会社等と同じでございまして、公証人が認証するということでございまして、定款に関しては公証人が審査をする、それ以外のものについては登記官が審査をする、こういう構造になっております。
○平岡委員 きのうのやはり塩崎委員の質問の中に、特定の第三者の支援をするというような目的を持った人が登記を求めてきた場合どうかというような質問があったときに、これは社員共通の利益を図るようなものなんだから、それも入りますよというような答弁がたしかあったと思うのですけれども、私が聞いてみたいのは、逆に、公益を目的とする法人をつくろうとする人が、そういう目的を書いて、そして登記所に登記をしたいと来たときには、これは受けつけてもらえないのですか、それとも受けつけてもらえるのでしょうか。
○山崎政府参考人 なかなか難しい御質問でございますけれども、中間法人は社員に共通する利益を図ることを目的とするというふうに言うわけでございますが、ここで言う利益の問題でございます。 利益は必ずしも経済的な利益に限らない、そういう解釈でございまして、社員が共同して一定の活動を行うことによって精神的な満足を得るということ、この場合も含まれるわけでございます。 したがいまして、社員が共同して専ら公益的な活動を行う社団、これも中間法人として法人格を取得することができるというふうに考えております。
○平岡委員 今の答弁でもおわかりのように、法人格を取得すること自体は、必ずしも公益を目的とする法人であるから公益法人でなければ法人格を取得することができないということではなくて、公益を目的とする法人であっても中間法人法に基づいて法人格を取得することができるというのが、多分今のでき上がってしまった法制度ではないかというふうに思うのです。 そうであるとするならば、最初からきちっとした一般法の世界の中で、法人格の取得は法人格の取得として、それは不法な目的を持った法人まで法人格を認めろということではないにしても、基本的には非営利の法人についても一般的に法人格の取得は認め、さらに公益性を判断する、あるいは、公益性がある法人であるからどういう措置が講じられるか、どういう特典があるのかというようなことについては、また別途のところでやっていくという仕組みが、やはり本来あるべき仕組みではないかというふうに思うんです。 それで、きのう、これは西村委員の質問だったんですけれども、中間法人になった法人が公益法人になることは可能なのか、移ることは可能なのかというような質問をされたときに、私、聞き間違えたのかもしれませんけれども、大臣は、それは移れると思いますという答弁をされたんですけれども、それはそういう答弁でいいということをちょっと確認していただきたいんです。
○森山国務大臣 手続的にどのようなことをすればいいのか、いろいろあるんだと思いますが、移れないということはないと思います。
○平岡委員 局長さん、気にしないでください。余りそんな細かいことを聞くつもりはなくて、私が言いたいのは、きょうは目的は非常に限られておりますので。 今言われたように、中間法人としてとりあえず出発をして、こういう状態になったら多分主務官庁さんから許可がもらえるかもしらぬから、それまではしばらく中間法人として頑張っていようというようなところがあって、あるときに公益法人になろうと思って、申請をして公益法人になるということは、一般的に世の中の実態としては考えられると思うんですよね。 ただし、今の法制度でいったら、これは設立のときに許可がないとだめだということになっているから、やはり中間法人が一遍解散をして、そして新たに設立の許可申請をしないとできない仕組みに多分なっているんじゃないかと私は思うんですね。たしか、実態として移ることはできても法律的には移れない、それはわざわざ別の法律をつくらなければ移れないということになっているんじゃないかと思うんです。 そういう意味で、私が言いたかったのは、非営利法人について言うと、連続性があって、法人格の付与という問題と、その法人格を付与された法人がどれだけの公益性を持って活動しているのかということについては、やはりちょっと切り離して考えていくべきではないかというふうに思うことを、また重ねて主張したいと思うんです。 それで、もう一つ重ねて聞きますと、先ほど同僚議員の山花委員が質問した中に、平成八年九月二十日の閣議決定の中にちょっと書いてあるんですけれども、これは事前に通告していますからわかっていただけると思うんですけれども、この調査室が用意した資料でいくと四十九ページのところに「法人に関する抜本的法改革を待って対応することとする。」というふうに書いてあって、法人に関する抜本的法改革というのは、今回の中間法人法の制定が抜本的法改革かというふうに先ほど質問があったと思うんです。それに対して大臣は、その第一歩ではあるけれども、移行規定ができているわけではないので、必要な条件が全部できたわけではないというような答弁があったと思います。 ただ、私が思うには、必要な移行措置というのは、今回、中間法人法をつくって、それから問題になっている公益法人が中間法人に移るときにつくる移行措置というのは、これはある意味では経過措置でしかないんですよね、今回の制度でいえば。 なぜかといったら、今回、中間法人法ができるわけですから、一遍どっちかに、新しく制度ができたときにどっちかに位置づけられたものが途中で移行していくということは基本的には考えられなくて、今問題になっている公益法人が、本当は公益法人であるべきではないのに公益法人でいるから、これをとにかく中間法人に移しましょう、これが多分大臣が言われた移行措置なんだろうと思うんですね。それは、ここに言うところの「法人に関する抜本的法改革」という言葉ではないような、言葉の意味として抜本的法改革ということじゃないと思うんですね。 ということは、多分大臣は頭の中に、やはりこのままじゃいかぬな、移行措置が含まれている一般法、つまり、公益法人と中間法人というものが常に移行できるような、日常的に通常移行できるようなものがあって初めて法人に関する抜本的法改革ができたというふうに認識されておられるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○森山国務大臣 平岡先生がおっしゃるのはまことによくわかるわけでございまして、先ほど私が山花先生にお返事いたしましたのもそういう趣旨でございます。 しかし、受け皿ができていないのに移行措置をつくるというのは大変難しゅうございまして、やはり受け皿をつくって、その上で、次の段階としてはそういうことも必要でしょうから、そういうことも含めて全体として改正をしていくという手順になるんではないかというふうに私も思っております。
○平岡委員 移行措置の方は、私思うのは、単に今問題となっている公益法人を中間法人に移すためだけの経過措置ということではなくて、大臣のきのうの答弁にもありましたように、中間法人から公益法人にも移っていける、公益法人から中間法人にも移っていける、これはいけるというよりは、公益性がそういう状態になってしまったら当然に移っていく、そういうような意味での移行措置というものを含めた法人に関する抜本的法改革をぜひやっていただきたいというふうに思います。 ということで、とりあえず法人格の付与の問題については終わりまして、次に、私が先ほどから申し上げておりますように、法人格付与は法人格付与として、一般的な法律の中で、準則主義なら準則主義でできて、後、その公益性の判断によって、その法人が、例えばどのような恩典を受けられるのか、あるいはどのような規制を受けるのかというようなことを考えていくべきだ、そういう判断に立って御質問を申し上げたいと思うんです。 そういう点について言いますと、現在、設立時に公益性を判断する、公益法人にしてもNPO法人にしても、そういう仕組みになっているんですけれども、実態を見ますと、公益法人について、特にKSDのような問題もありまして、設立のときは確かに公益性があるといって判断されたけれども、その後やっていることを見たら、何か公益法人ならやってはいけないようなことをやっていたとか、それが全然チェックできていないというようなこともあるわけですね。 私は、公益性の判断というのは、最初にチェックしてはいけないということでもないのかもしれませんけれども、やはり、そのやってきた活動というのが本当に公益性があったのかどうかということを見た上で、その公益法人に対して与えられる恩典みたいなものとか、あるいは規制みたいなものも、考えていくべきではないかというふうに思っているんですけれども、その点、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○森山国務大臣 確かに、設立のときに、公益法人として設立するものは、公益性について非常に厳しく審査をして、それをクリアしたものだけが許可されるということになっております。ですから、最初そのような条件を整えてスタートしたはずの公益性のある公益法人が、途中でいろいろな関係で違う活動をするとか、やり方が変わってくるとかいうことはあり得るわけでございますので、それが目的の範囲を逸脱しないように、監督指導を厳しくしていかなければいけないというふうに思います。
○平岡委員 監督を厳しくするということを言われたので、ちょっとまたひっかかってしまうんですけれども。 これも午前中の参考人に対する質疑の中でも申し上げたんですけれども、市民社会のあり方というのが少し変わってきていて、それに対応して行政のあり方も変わってきているという中で、一つよく言われていることに、これまでは、事前に、悪いことをしないように予防的に監督をするということによって、その法人が、法律にのっとった、法律で定められたことを守りながらやっているかどうかというのを見ていくというのが行政のやり方であった。しかしながら、今は、どっちかというと事後チェック型の行政をやっていこうというような流れにあるわけですね。 私が言っているのは、そういうふうに社会がいろいろ変容してくる中において、確かに今の段階で全く主務官庁が監督をしないというような仕組みをつくるということは難しいとは思いますけれども、やはり、主務官庁が監督するということについては、KSDで見たように非常に限界があるというふうにも思うわけですね。そうすると、事後チェック型の公益性のチェックというものを通じて、その法人が公益性の高いものであるのかないのか、あるいは公益性の高いものであるならば与えられたであろう特典みたいなものを受ける資格があるのかないのかとか、そういうような形でこれからの公益性というのをチェックしていく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。 ちょっと繰り返しの質問みたいになってしまうんですけれども、しっかりと監督していきますという答弁をされちゃったものですから、今後の方向性についてどのようにお考えになっているかということをちょっとお聞かせいただきたいと思うんです。
○森山国務大臣 これからの世の中が事後チェック型になっていくだろうということは、いろいろなところで言われていることであり、私もそのように思います。 ですから、先生おっしゃいますように、途中で当初の目的と違った方向へ曲がってしまうというようなことがあれば、もちろんそれは第一にはその団体自身の責任でございますし、そういうものが認められたときには、最初に許可をした官庁が、ちょっと違うのではないかということでそれこそ事後チェックをして、そして姿勢を正していくように指導していくという趣旨で私は申し上げたわけでございます。
○平岡委員 それで、もう一つ公益性について言うと、これまでは公益性というと、政府が公益性があるかないかを判断し、あるいは、公益の部分というのは政府が独占的にやっている部分であって、例えば公益法人が何かをするときに、事業をできるというのは政府が許してやったからできるんだというような発想があるということで、きょうも午前中の参考人質疑の中で、星野教授が公益国家独占主義であるというようなことを言っておられたわけですけれども、これからの公益性というのは、政府が自分がこう思うというものが公益性ということで判断されるというのではなくて、やはり国民が、そうした公益性について、これが本当に公益性があるものなのかどうなのか、そして、例えば対象となっている法人がそうした公益性がある事業をちゃんとやっているのかどうかというようなことについて国民の目で見ていくということがやはり必要になってくるというふうに思うわけですね。 そうしますと、先ほどから言われている主務官庁なり監督官庁が監督をするということだけでなくて、公益性のチェックの部分について言うと、国民が何らか参加する仕組み、関与する仕組みというものがやはり必要になってくるんではないかというふうに私は思うんですけれども、その点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
○森山国務大臣 国民の世論、国民の目というものが重要であるということはもうおっしゃるまでもございませんで、公益法人のあり方についても、政府から申しただけではなくて、国民の多くの方が大変御関心を持たれて、そして、例えばKSDの例など申しますと、会員あるいはそれを取り巻く周辺の方々からの声が先日のようなことになったんだというふうに私は思っています。ですから、仕組みはともかく、国民の多くの人が関心を持って常にチェックしていくということは何につけても重要なことではないでしょうか。
○平岡委員 きょうは、冒頭申し上げましたように、非営利法人についての法人格付与のあり方としてどのようなあり方がこれからの社会で必要になってくるのか、あるいは公益性を認定する場合に、どのような形で公益性の認定は行われていくべきなのかというようなことについて率直な議論をさせてもらったわけであります。きょうの議論によって、すぐに中間法人法をこのように変えてくれとか、あるいは二年後にそういった法案を出してくれと言うつもりはないんですけれども、実は、きょう私がした議論というのは、私だけが言っているんじゃなくて、きのうの委員の方々の議論、それからきょう来られた参考人の方々の議論、そしてちまたにおられる学者の方とかいろいろ勉強されておられる方、多くの人たちの意見でもあるわけですね。 法務省として、これまでのように、民法が片仮名で書いてあって、あれが入ると何かちょっと長くなるから嫌だとかというんじゃなくて、やはり国民の側に立った、そういう意見がちまたにたくさんあるんだということを踏まえて、ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。できれば附帯決議にもそういった趣旨のことを私としては入れてもらいたいということでお願いしておりますので、ぜひ前向きに考えていただければというふうに思います。 以上で質問を終わります。
○保利委員長 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 非営利でかつ非公益の人の結社、団体に準則主義というやり方で法人格を認めることは当然だと思うんです。社会生活のさまざまな分野で重要な役割を果たしている市民の結びつきに法的な基礎を与えるというのは、大変大事な意味を持つんだと思います。遅過ぎたんじゃないかと私は思います。 最初に、まず、本法案に私ども賛成でありますが、法案の題名が気に食わないと私は思っておるんです。中間法人という名前になりました。たしか本年の二月に法制審議会が総会で最終答申を出したときには、中間法人じゃなくて共同法人という名前だったんですね。 中間法人というと何かと何かの中間という概念ですが、なぜ中間法人という名前をつけたんですか。何と何の中間なんですか。これは、大臣が提出したんではなくて前大臣ですから、民事局長に聞きましょう。
○山崎政府参考人 御指摘のように、法制審議会の答申の段階では共同法人ということでございましたが、この審議を始めた中間試案のときは中間法人でございました。共同法人という名称も、仮称ということで、最終的なものではないということで出していたわけでございます。 なぜかということでございます。 これは、短くて実態をきちっとあらわした名称がなかなか難しいということがございました。例えば、共益法人という案もございました。共益といいますと非常に公益と近いイメージでございまして、公共の利益、これを略したものが共益というふうにおっしゃる方もおられまして、やはり公益法人と紛らわしいだろうということで、余り適当ではない。 それから、共同法人。これも、一時そういう名称をつけていたわけでございますが、共同して何か法人をつくるというのは、中間法人だけではなくて、団体でやる以上共同の法人であるということで、非常に意味が広過ぎるんじゃないか、こういう御指摘がございました。 紆余曲折を経まして、これは、片や公益法人がございます、片や営利法人、会社がございます、その中間であるということで、前々から講学上言われていたものを使ったということでございます。
○木島委員 そうらしいんですよね。高村前法務大臣がマスコミでそう語っているのが資料に載っています。 私は、公益、そして営利と、全く違う二つの概念を持ってきてその真ん中という言葉を採用したということにおかしさがあるんじゃないかというふうに思うんです。 人の結社を切り分ける大きなメルクマールは、私は、日本の民法に二つある、二つ設定していると思うんです。一つは営利性。営利性があるかないか、営利法人か非営利法人か。もう一つの切り結ぶ概念が公益性だと思って、公益法人か非公益法人か。違う概念を持ってきて真ん中なんという概念はないんじゃないか。 端的に聞きます。 営利性、非営利性を区分けする基本的な要素は何ですか。
○山崎政府参考人 この法案の目的にも書かれてございますけれども、例えば、利益が上がったときにその利益を社員に分配するかどうかというところでございまして、それがあるかないかで決めたということでございます。
○木島委員 それでは、もう一つの概念、公益性を持った団体か非公益団体か、これを切り分ける基本的な概念は何ですか。
○山崎政府参考人 公益は、一般に解釈されているところによれば、不特定多数の者の利益というふうに言われているわけでございます。したがいまして、非公益というものは、不特定多数の利益ではないというふうに位置づけられるというふうに思っております。
○木島委員 先ほどの答弁に、公益か非公益かを切り分ける概念として不特定多数の者の利益とありましたが、その利益というのは必ずしも財産上の利益だけを指すんでない、そういう答弁でしたね。一方、営利か非営利かを切り分ける概念として、その利益を構成員にのみ分配するか、そうではないかというのが切り分けだ、そちらの方の利益というのは財産上の利益だけだ、こう聞いていいんでしょうか。
○山崎政府参考人 営利か非営利かという点は、これは経済的利益というふうに考えております。
○木島委員 それで、私、事前のレクのときに法務省のお役人から聞きましたら、つい最近できましたいわゆるNPO法人、これは法務省の考えでは非営利公益法人なんだとおっしゃいました。今回の中間法人法案は非営利、非公益の一般法なんだとおっしゃいました。そうすると、NPOと今回成立する法律によってつくられる法人の違いは、公益か非公益かだけだ。非営利では一致している。 そうしますと、NPOと中間法人とを切り分ける物差しというのは何ですか。あるいは、すみ分けをどう法務省は考えているんでしょうか。
○山崎政府参考人 この中間法人法案の中にも書かれておりますが、社員に共通する利益を図ることを目的とするということが中間法人の目的でございます。公益法人は不特定多数の者の利益のために活動をするということでございまして、不特定多数か自分たちの仲間の利益かということが、大きなすみ分けのメルクマールでございます。
○木島委員 まあ、概念的には理解できるわけでありますが、公益か非公益かというのは非常に難しい概念じゃないか。 例えば、介護なんかを目的とする人の集団が生まれたとします。当然、NPO法人ですと、認証を受ければNPO法人になれます。しかし、そういう認証はもらわない、自分たちの仲間内だけで結社をつくり、それは地域のお年寄りのために介護活動をやろうと。それでも、この中間法人法に規定する一定の要件を備えれば、もちろんこういう団体も中間法人として登記はできると聞いていいですね。
○山崎政府参考人 そのとおりでございます。
○木島委員 時間がありませんから、一点だけ民事局長に教えていただきたい。 明治二十九年の民法あるいは明治三十一年の民法が、なぜ、営利法人としては会社だけを準則主義で設立することを認め、また一方では、非営利法人については公益法人のみを主務官庁の許可主義に係らしめて認めたのか。この二つの類型しか明治民法が認めなかった、その政策目的は何だったんでしょうか。質問通告はしておりませんでしたが。
○山崎政府参考人 突然の御質問で、詳しく調べているわけではございませんけれども、私、今考えるに、やはり時代背景が違ったのではないかなというふうに理解をしております。当時は、公益と営利というものの法人、この二つを基本的に認めておけば足りると考えたのではないかと思います。その後、時代がいろいろ変わりまして、いろいろな必要性が生じてきたということだというふうに理解しております。
○木島委員 私は、明治政府には強烈な政府目的があったと思います。資本主義発展のために、営利を目的とする結社に対しては、国家は口を挟まないで、準則主義でどんどんと法人化を認めた。しかし、一方、営利を目的としない結社については、人の集団に対して、これは許さないと、基本的には国、官の許可主義に係らしめ、そしてがんじがらめに民間の自由な活動を抑えつけようとした。そういう強烈な国家目的が明治民法には働いていたんじゃないかと思えてなりません。 ですから、百年以上もこの非公益、非営利の人の集団、結社に法人格を与えなかったというのは、遅過ぎたんじゃないか。NPO法人の論議のときに、私は、せめて新しい憲法ができたときには同時に民法が改正されて、非営利、非公益の人の集団に法人格が与えられてしかるべきだったんじゃないかと主張を展開したわけでありますが、それはさておいて、次の質問に移ります。 非営利、非公益団体に法人格を付与する今回の法案をつくる前提として検討が続いてきたのは、何よりも公益法人に関する論議から始まったんですね。一九八五年、昭和六十年に、総務庁は公益法人の指導監督等に関する行政監察結果に基づく勧告を出しました。そこで、いろいろ公益法人には問題がある、そして、その問題を解消するためにも、本来公益性がないのに、今回のような中間法人法制がないので無理やり公益法人になっておる、そういうものは公益法人としては認めてはならぬのだという立場から、法務省に対して、速やかに、公益に関しない非営利団体についても、中間法人としての法人格を付与する道を開けと既に一九八五年に勧告がされているわけです。それを法務省はサボタージュしてきたんじゃないかと私は思うんです。 また、九九年、平成十一年九月の、これは法務省内に置かれた法人制度研究会報告書にもその旨が記載されております。 そして、本年の法制審の答申、共同法人制度の創設に関する要綱に至るわけでありますが、中間答申の段階では、公益法人としての実態のなくなった公益法人については、中間法人法制をつくってそちらに移行できる規定も盛り込めということが書き込まれていたはずなんですね。しかし、今回この法案はそれが完全に脱落しました。なぜ脱落させたのか、どういう経過だったのか、御答弁願いたい。
○山崎政府参考人 先ほどもちょっとお答えしたかもしれませんけれども、現在ある公益法人、この中には、場合によっては株式会社になるものもあるかもしれません、それから中間法人になるものもあるかもしれません、また、あるいは国の組織、あるいは独立行政法人とか、さまざまな類型に分かれるだろうというふうに思われます。 まず、どういうものとして移行していくかというところの議論について、まだ十分な議論ができていなかったという点が第一点でございます。 それから、仮に移行をするという形をとりましても、公益法人の財産等、これをどのように処理するか、この辺もきっちり決めなければ、なかなかスムーズな移行はできない。 そういう点もございまして、やはり受け皿は受け皿として置く必要があるけれども、今後、公益法人がどういうような仕分けでどういうふうに移っていくかということは、全体の議論をさらに続けて、その結論を得て、必要なところに必要な法的な手当てを加えていく、こういう考え方を採用したわけでございます。
○木島委員 総務省をお呼びしておりますので、お聞きをいたします。 公益性に乏しい、しかし、現在の法制度のもとで、主務官庁の許可をもらって公益法人としての活動をしている団体がたくさんあります。そこで、本来そういう団体は、公益法人という名前をかぶせて税法上の優遇を受けるのはふさわしくないんだろうというふうに思うんです。 そこで、現在の我が国の公益法人の実態について教えていただきたい。総数がどのくらいあるのか、公益法人としてふさわしくない、いろいろな種類、類型の、いわゆる括弧つき公益法人がどのくらいあるのか。よろしくお願いしたいと思います。
○衞藤政府参考人 御説明いたします。 当方では、毎年十月一日現在で公益法人の概況調査というものを行っておりまして、まず、全体の総数でございますが、全国の公益法人総数は二万六千三百五十四法人、その内訳は、国の所管の公益法人が六千八百七十九、都道府県所管が一万九千五百七十ということでございます。 それから、先生御指摘の、公益性の乏しいというものでございますが、御要望に合うようなぴったりした統計はございませんが、一応当方で、概況調査で、各府省の回答に基づく公益法人の性格別の分類というのをやってございます。 それによりますと、主たる目的が公益というよりはむしろ構成員相互の利益に関するものと考えられる性格を持つ、いわゆる互助それから共済団体等に該当するものは、この全体総数のうちの三千六百九十二法人、全法人の約一四%が互助・共済団体等に該当する。また、その法人の公益事業が営利法人の事業と競合または競合し得る状況となっている営利法人等転換候補、転換候補と言っているんですが、これに該当するものは全体で今四十五法人、全法人の〇・二%でございます。 以上でございます。
○木島委員 営利法人に転換すべきと考えているいわゆる転換法人、わずか四十五だけだ、〇・二%だというのは余りにもちょっと少な過ぎるんじゃないかと思うんですね。いわゆる互助を目的とする法人一四%、三千六百九十二。これは本来、この中間法人法ができれば中間法人にふさわしい法人だと思うんですが、これも一四%というのは少な過ぎると思うんですね。 これは、総務省が日本にある二万六千余の公益法人一つ一つの性格をつぶさに点検してこういう統計になったんですか、それとも各省庁から上がってきた数字をただ足し算しただけなんですか。
○衞藤政府参考人 当方では、公益法人行政の全体的な調整という立場で概況調査、全体把握を行っておりまして、そういう観点で、先ほどの性格別分類でございますが、個々の法人の所管官庁が我々がやっております指導監督基準に照らして性格を判断した上で当方に上げてきた、そういう数字でございます。
○木島委員 要するに、所管官庁に任せて、それを足し算したということですね。 一つだけ、最近世論を騒がせたKSD、これは皆さんのその分類によるとどこに当てはまるんでしょうか。
○衞藤政府参考人 お答えいたします。 厚生労働省に確認した結果では、それに入っておらないという、あちらの判断で入れておらぬということでした。 その他に入ります。こちらの類型、今、平成十二年度から一応四類型に分けてやっておりまして、その中のその他ということでございます。
○木島委員 では、その他の類型の数、言ってください。
○衞藤政府参考人 失礼いたしました。先ほどのKSDのケースでございますが、今確認したら、こちらでやってございます四類型の中の本来の公益法人に当たるということでございます。 現在、その四類型、本来の公益法人総数が二万二千四百四十五、互助・共済団体等が三千六百九十二、営利転換候補が四十五、その他が百七十二とございます。先ほどの数字を訂正いたします。失礼しました。
○木島委員 たしかKSDというのは会員の互助組織、共済組織のはずですよ。会員たる中小企業の経営者が事実上災害に遭ったときに、事前に会員から集めておいた共済掛金を一定の金額でお支払いする。互助組織でしょう、本質は。 では、法務省民事局長に聞きます。 そういうのは互助組織で、この中間法人じゃないですか。公益性はあるんですか。
○山崎政府参考人 ちょっと私、実態を十分承知しておりませんので、答弁は御勘弁をいただきたいと思います。
○木島委員 公益か非公益か、営利か非営利か、法律上の概念は画然と区分けできます。しかし実態は非常に難しいというのが率直なところだと思うんですね。それは、営利法人であろうと非営利法人であろうと、公益法人であろうと非公益法人であろうと、その活動としては、営利事業はやれるんです。自分の団体の財政を支えるために営利活動はできるんですよね。ですから、非常にその区分けは難しいということだけは、指摘だけはしておきたいと思うんです。 総務省に聞きますが、長らく国は、そういう公益性を失った公益法人に対しては、もう営利法人に転換してもらうべきだ、あるいはこのような中間法人法制を早く法務省につくらせてそちらに移行すべきだ、そういう方向で日本の政府は動いてきたと思うんですが、なかなかそれが進まない。その実情を端的に、数字もありましたら報告していただきたい。もう一つ、なぜ進まないのかという点をお答え願いたい。
○衞藤政府参考人 先生御質問の、公益法人、営利転換候補の営利転換の進捗状況ということでございますが、営利転換につきましては、まず平成八年の、たびたび出てございます指導監督基準、これにおきまして、営利企業の事業と競合する、先ほどの法人でございますが、こういったものについては、事業内容の改善または営利法人への転換を行うということになってございます。 ただ、法制度上の問題がございましたので、平成十年十二月でございますが、法務省の法人制度研究会における検討を踏まえまして、各所管官庁がその所管する公益法人を指導監督するに当たっての具体的、統一的な指針といたしまして、「公益法人の営利法人等への転換に関する指針」を各省庁で申し合わせてございます。 さて、これらの実数値でございますが、各省庁におきまして、これらの指導監督基準、それから転換指針に基づいた適切な指導監督に努めておるわけでございますが、先ほどの法務省の制度研究の後、平成十一年十月一日時点におきまして、転換候補と考えるものは四十五法人。その後でございますが、先生御指摘のように、残念ながら実際に転換した例はございません。 その理由として、当方考えておりますけれども、やはりこれだけの組織の変更といいますか、基本的な法人体制の変更でございますので、何といいましても財産の承継に係る問題があるんじゃないかというふうに考えてございます。 これらの点につきましては、現在、与党の方におきましても、これをどうするかというような検討が進められているというように聞いておりますし、またこの検討をお聞きしながら、今後適切に対応してまいりたい、そういうふうに考えてございます。 以上でございます。
○木島委員 ありがとうございました。日本の政治上も大変大事な課題だと思うので、公益法人の整理というのは非常に進めなきゃいかぬと私も思っています。 財務省をお呼びしておりますので、法人税制の現状について答弁願いたいと思います。 委員長の許しをいただきまして、私が財務省からいただいたいろいろな資料をもとに、法人税制の現状に関する資料を配付させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたい。
○保利委員長 はい、結構です。
○木島委員 項目に、普通法人、公共法人、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等、NPO法人、中間法人とあります。課税対象と税率と寄附金の特例、三つだけ指摘してみたんですが、公共法人のように非課税の法人、それから公益法人等と人格のない社団とNPO法人は、収益事業により生じた所得に限り課税されている。これは税法上有名な三十三業種に限られております。そして一方、普通法人と今回成立するであろう中間法人、そして協同組合等はすべての所得に対して課税されている。このような違いが三段階あります。 税率については三段階です。公共法人は非課税です。公益法人等と協同組合等は税率二二%です。その余の普通法人、人格ない社団、NPO法人、中間法人は三〇%であります。 寄附金の特例は、下欄の注に書いてありますが、法人が支出する寄附金については、通常、損金算入限度額の範囲内で損金算入が認められますが、特例は、公共法人、公益法人等の中で認定を受けたもの、いわゆる特増と言われていますが特定公益増進法人、そして認定を受けたNPO法人、この二つの類型だけは、別枠で、法人については損金算入限度額が一部撤廃されている。 これをつらつら見ますと、やはり公益性が高いものと低いもの、公益性で区分をしているんじゃないかとうかがわれるんですが、基本原則でいいです、我が国の税制と法人税制はなぜこういう三ランクなりいろいろなランクづけをしているのか、公益性で区別しているのかどうか、基本原則について日本の税務当局はどういう考えをとっているのか、お答え願いたい。
○木村政府参考人 今先生の方から法人税制の現状に関しますわかりやすい資料を出していただきました。基本的考えを一言で話せと、なかなか難しいんですが、例えば課税対象を見ていただきますと、例えば公益法人等それからNPO法人等につきまして三十三業種に限って課税しているというのは、基本的には、営利法人と競合関係にある収益事業から生ずる所得に限定する、そのバランスを考えたというものでございます。 税率等を見ますと、例えば中小法人につきまして二二%という軽減税率を適用しておりますけれども、これはやはり、中小法人の経営基盤、そういったものの強化に資するという観点があろうかと思っております。それから、公益法人それから協同組合等も二二%になっておりますけれども、やはりそれは、まさにそういった法人の性質を考えまして軽減税率を適用している。ただ、この点につきましては、税制調査会の答申でも前からも指摘されているわけでございますが、基本的にはこういった税率格差は縮小する方向で検討すべきだということでございます。 寄附金についてでございますが、これにつきましては、先ほど先生お話のありましたように、特定公益増進法人でございますと、公共法人及び公益法人の中でその事業が著しく公益の増進に寄与するものと認定を受けた法人というふうになっております。そういったことから、その法人の活動を支援する観点で特別の優遇措置を講じているというところでございます。
○木島委員 長い説明がありましたが、やはり公益性を見ていると思うんですよ。 それで、非常にこの表を一覧して私感じるのは、NPO法人、特定非営利活動法人は非営利公益法人なんだ、それが今回の中間法人と違うところだという法務省の考えです。公益なんだというんですね。そうすると、課税対象については公益法人並みにやられておりますが、税率だけは三〇%というので公益性を認めない、これは矛盾じゃないか。だから、私は、NPOに対してもこれを二二にすべきではないかという意見だけ申し上げて、もう時間が迫っておりますから、もう一点だけ最後に質問します。 今回の法案でさきの中間試案から脱落してしまった部分が、大規模な中間法人に対して外部監査すべきじゃないかという点があったと思うんです。それが落ちてしまっているんですね。何で落としたんですか。もう簡潔に。
○山崎政府参考人 確かに中間試案には設けてございました。これは、パブリックコメントをいろいろいただいたわけですが、これは余り必要はないというのが第一点でございます。 それから、仮に設けるとして、商法特例法では資本金五億、それから負債総額二百億円となっておりますが、これは、長い間会社実務を見ていまして、このくらいのところが適当であるという実務の実態に合わせてつくったものでございますが、では、この中間法人、本当にどのぐらいのものが出てくるか、いわゆる基金とかそういうもので規定をしてもいいのか、あるいは社員の数とか、いろいろ実際にできてみないとわからないところがかなりあるということで、将来の実態をよく見て、必要なものがあれば規定を加えていくということから、今回は落としたということでございます。
○木島委員 時間だから終わりますが、必要ないという答弁を聞いて大変驚きました。私は、大規模法人は、それだけに、仮に非営利、非公益であっても社会に与える影響は大きいと思うんですよ。五億円以上のいろいろな資本、出資で、五百万以上の債務を持ったような規模の中間法人が生まれるとすれば、それはやはり外部監査は必要じゃないかと思うんですね。 最後に一点、法務大臣に。 最近、岩波新書で北沢栄さんという方が、「公益法人 隠された官の聖域」という本を出版しております。一番最後の提言のところだけ。なかなかおもしろい提言をしているんです。五つの提言ですね。主務官庁制を廃止する、そして内閣府にチャリティー委員会を設けて、ここで公益法人の設立に関する審査をする。二つ目は、公益性の定義、基準を新たな法律で明記する。三つ目は、公益性の判断、認定はNPOも含めチャリティー委員会で一括して行う。四つ目は、公益事業として適当でないと認定された既存の公益法人は、営利法人にさせるか、独立行政法人にさせるか、中間法人にさせるか、解散の四通り、いずれか対応せよ。五つ目は、財務など情報公開をきっちりやれ。 なかなかおもしろい提言だと、事前に、ぜひ法務大臣にはこの部分だけはちょっと読んでおいてほしい、そして感想を聞かせてほしいとお願いしておきました。やはり法人制度の根本的な見直しが今求められているんじゃないか。とりわけその中心たる公益法人法制の見直しが求められているんじゃないか。公益法人の基本法は民法ですから、これは法務大臣としての所管ですから、こういう提言に対してどんな印象をお持ちか御感想を求めて、質問を終わります。
○森山国務大臣 今先生が御紹介くださいました本ですか、よく勉強させていただいて、私ももっと勉強しなければならないと思っております。ありがとうございました。
○木島委員 終わります。
○保利委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。 中間法人法案の質疑ですけれども、ちょっとその前に、先週の二十五日に出ました人権擁護推進審議会答申にかかわって幾つかお伺いしたいと思います。 この中身につきましては、昨年の中間取りまとめと比較して見させていただいて、かなり私どもも評価できる部分もあるわけでございますが、そこの部分はきょうは余り触れないで、若干疑問を持っている点についてお尋ねしたいと思います。 まず、この審議会の審議にかかわって、非常に我々も不便だったんですけれども、例えば議事録で発言者が明記されていないとか、要旨だけとか、非常に不親切な議事録の公開度になっているわけです。他の審議会とかだったら、即日インターネットでだっと公開されてすぐに手に入るわけなんですね。そういう意味で、人権擁護推進審議会、しかも今回、人権の救済のあり方について議論しているわけですから、それは特定の人が対象になっているんじゃなくて、あまねく私たち国民一人一人にとって関心事だろうと思うのはごく自然だろうと思うんですが、何でこんな、言ってみれば密室性を持った、審議の隠ぺいとまでは言いませんけれども、こうしたいろいろなところで他と比べて密室性が目立つのかということについて、まずお伺いしたいと思います。
○吉戒政府参考人 先週二十五日に人権擁護推進審議会の答申をお出しいたしまして、先生の方から評価いただきまして、大変ありがたく思っております。 そこで、審議会の議事録の点でございますが、審議会の運営方法は審議会御自身がお決めになっておりまして、実はこういうふうないきさつでございます。 平成九年の六月に開催されました第二回の会議におきまして、審議会の中で審議会委員の自由濶達な議論を担保するために発言者の氏名は匿名で公開するという決定が審議会自身でなされたということが、このような取り扱いになっております。 それから、即日公開できないのはどういうことかというお尋ねでございますけれども、これは、実は審議会は大体午後半日ぐらいかけておりますけれども、録音いたしまして、録音いたしましたものを反訳業者に反訳してもらいまして、その反訳の作業に相当時間を要する。それから、反訳ができ上がりましたものをさらに委員の方にお示しして、こういう取りまとめでよろしいかどうかということの確認を後日いたしておるということで、即日公開がちょっと難しい。 ちなみに申し上げますと、現在公開いたしておりますのが、ことしの四月六日開催の第六十回会議分まではホームページで公開いたしております。その次の四月十六日開催の第六十一回会議分も近く公開いたす予定でございます。 それから、今審議の概要とおっしゃいましたけれども、議事録とは別に、もう少しこれを簡易化したものを、審議会の事務局、私どもの事務局の責任で、概要という形で、これは相当早くお出ししております。 そういうことで、この審議会は、答申はいただきましたけれども、人権擁護委員制度につきまして今後まだ調査審議していただく予定にしておりますので、もちろん今御指摘のとおりでございますので、なるべく早く公開できるように努力したいと思っております。
○植田委員 法務省さんの説明からしますと、どんな形の公開をするか、どの程度の透明性を確保するかというのは審議会がお決めになることです、こういうふうにお決めになりましたということです。 ちょっとここは法務省さんの御見解を伺いたいんですが、私は今の御説明を聞いていて非常にけったいな話やなと思うことが一つあります。自由濶達な議論を担保するためにやはり匿名でないといかぬということですね。では、名前を出したら、それぞれ二十名の審議会の委員は明らかになっていますね、この方々が、自分のしゃべったことを公開されたら自由濶達な議論が担保されないというふうに御判断されたからこういう結論になったわけですね、逆に言うと。その理由は一体那辺にあるとお考えなんでしょうか。そのお考えというか、どういうふうにそれを御理解なさったのかということは法務省さんもお答えできると思いますが。
○吉戒政府参考人 先ほど申し上げました四月六日分の議事録は私の手元にございまして、恐らく委員もお持ちだと思いますが、こういうふうな公開になっておりまして、日時と場所と出席者、出席者は委員と法務省の事務方、これはすべて名前を挙げております。その上で、次のページに議事の概要、これは逐語的にすべて公開いたしておりまして、ただ、発言者のところは丸印で匿名という形になっております。 この理由は、先ほども私申し上げましたように、那辺にあるかということはあくまで推測でございますけれども、審議会の委員の中で、審議会の自由濶達な議論を担保するためにこういうふうな扱いを皆さんの総意でお決めになったものだというふうに承知しております。
○植田委員 説明としては余り納得いかない以前の話なんですが、要は、私が聞いているのは、名前を出してしゃべったら自由濶達な議論ができへんと。要するに、そもそもその審議会が、透明性を確保したら審議会の委員さんが自由にしゃべれないようなこの人権擁護推進審議会なんですかということなんです。どうも言いにくそうですから、時間もありませんから余り突っ込みませんが、「独立性が不可欠」ということまで踏み込んだことでそこの部分はお目こぼししますけれども、でも、おかしな話やと思いますね。 もう一つおかしな話があるんですわ。これは事実であるか事実でないかということをお聞かせいただいた上で、もしそういうことが事実であるとするならばどういう御見解をお持ちになられるか。 といいますのは、これは私も、聞いた話だけですから、事実であるかどうかわかりません。例えば最終的にこういう答申が出ました。この答申が出る過程で、当然取扱注意のペーパーというのはそれぞれ審議の過程で配られて審議されますね。そういう場合、今回そういうことがあったのであればあった、なかったのであればなかった、わからないならわからない、もしあった場合どうかということなんですが、例えば一ページ目に「である。」で終わる文章があるとします。A委員には一ページ目が「である。」で終わる文章。B委員には「であ」までが一ページ目にあって二ページ目に「る。」とくる。そして今度、C委員には「で」まできて「ある。」が二ページ目にくる。若干そういうふうな工夫を凝らして、それぞれの構成が、中身は全然変わらないんだけれども、そういうことで文字をずらしてみたりとかして、A委員に配ったもの、B委員に配ったものというのがわかるような仕組みになっているというようなことですね。これは事実でなければそれでいいんですよ。でも、そういうことがあったというようなことを私は伺いました。 普通でしたら、赤い判こで取扱注意というのをぽんと押しておいて、取扱注意ですよといって委員の皆さんの良識に任せるわけですけれども、そういう事実はあったんですか、なかったんですか。そういうことはわからないでしょうか。なければないにこしたことはないんですが。
○吉戒政府参考人 審議会の名誉にかけて、そういう事実は一切ございません。
○植田委員 なければいいんです。 それで、人権擁護機関について、中間取りまとめでは「一定の独立性」という表現であって、その点については私も非常に不満であったわけですが、今回の答申の中では「政府からの独立性が不可欠」そういう表現をされていることについては私も評価したいと思っておるわけです。 ただ、ではそこから先、その中身、具体的にこの答申の中でその独立性というものをどんなふうに担保していくのかということについて、やはりここの部分は、水準は中間取りまとめとさして変わらないわけです。「法務局・地方法務局の人権擁護部門を改組する」とか、現状の人権擁護部門を改組するというそこからは抜け切れていないわけです。 そういう中で、私は非常にそこが気になっているんですが、現行の人権擁護行政の手直しということではやはりいかぬやろうなと。これはせんだっても委員会の質疑で申し上げたかと思うんですけれども、やはり実効ある、それが政府からちゃんと独立した国内人権機関として機能し得るために、法務省のそうした機関のさまざまな機能というものが生かされることについては当然否定されませんけれども、今後、この答申を受けてどれぐらいその独立性を担保させようとお考えなのか。具体的なことはまた別の機会にやりたいので、概略だけで結構ですからお教えいただけますか。
○吉戒政府参考人 私の手元に今答申がございますので、これを見ながらちょっと御説明をさせていただきます。 今回の答申で、政府から独立性のある「中立公正さが制度的に担保された組織とする必要がある。」ということで、その組織は、合議制の機関として委員会組織とすべきであるというような提言がなされたわけでございまして、私、審議会に出席しておりまして委員の議論を聞いておりましたけれども、この委員会組織としては、国家行政組織法に言う三条委員会というものを想定しての議論があったというふうに承知しております。 したがいまして、こういうふうな提言がございますので、今後、私どもで検討し、立案する過程においては、この審議会の答申を十分に尊重いたしまして作業を進めてまいりたいと思っております。 これでお答えになるかどうかわかりませんけれども、具体的に「人権委員会の人的構成に関する留意点」というところが答申の二十九ページの下の方に書いてございまして、そこらあたりで、人権委員会が独立性を担保するためにはどういうふうな人選をすべきか、あるいは人権委員会を支える事務局の職員としてどういうものがあるべきかということもお書きになっておりますので、そこらあたりをよくよく考えていってまいりたいと思います。
○植田委員 時間があればこれは全部逐条的にチェックしていきたいんですけれども、そこまで許されないでしょうからそれは別の機会に譲りたいんですけれども、これは答弁を求めませんが、一点だけ不満なのは、確かに人権委員会(仮称)をこしらえるけれども、いわゆる都道府県単位で、例えば地方単位での人権委員会というものがなぜ構想されていないのかということについては、今後、少なくともこのままでは逆に、地方の法務局なりなんなりの一部門が人権擁護委員会の事務局の言ってみれば地方の組織ということになるでしょう。なった場合、では、その流れの中で、実際、中央の人権委員会に対してさまざまな申し立てをしたいということがその中でせきとめられてしまわないかということを私は非常に危惧しているということだけ言っておきます。 そういう意味で、地方、各都道府県単位にも人権委員会というものをきちっとこしらえるべきだというふうに考えているということだけ、一応意見として申し上げておきます。 次に、せんだって森山法務大臣に、所信の質疑のときにこれにかかわってお伺いしたことでございますが、ことしの三月二十日に出てきました国連の人種差別撤廃委員会の最終所見の中で、もう一回読み上げますと、この十項目めで、委員会は、この条約に関連する締約国の立法の唯一の条文は憲法十四条のみであることに懸念を表明する。この条約が自動執行性を有さないという事実を考慮し、委員会は、特に条約第四条及び第五条の規定に従い、人種差別を禁止するための特別な立法を制定することが必要であると信ずる。 ちなみに、ここで言っている人種差別というのは非常に広い概念だということは先に触れておきますけれども、こうしたことについて森山法務大臣も、貴重な参考意見である、やはり十分参考にすべきであろうという趣旨の御答弁をなさっておられたと思うのです。 こうした最終所見にかかわって、今はこの一点を申し上げますけれども、ここは擁護局長で結構ですが、この答申の中でこうした意見というものが実際にどういう形で生かされているのかいないのか。その点について局長の方にお伺いいたします。 〔委員長退席、田村委員長代理着席〕
○吉戒政府参考人 先生の御指摘の点でございますけれども、答申の中で人種差別の撤廃に関する委員会の最終見解は引用されております。その趣旨を踏まえた上で、人権課題における必要な救済措置の議論がされたというふうに承知しております。
○植田委員 ですから、そこでの議論というのは、当然、今回、国内人権機関をこしらえようという話でございますから、パリ原則にのっとってそういうものをこしらえようと思ったら、そういう機関をこしらえている国ではほとんど何らかの差別禁止法みたいなものをつくっているわけですよね。そういう脈絡の中での議論が基本的にはなされておった。では、それが答申の中で具体的にどういう形で彩られているのかについてはどうなんでしょうか。
○吉戒政府参考人 答申の該当部分が手元にありますけれども、第4の1というところでございまして、十四ページでございます。 そこの第4の1「差別」(2)「必要な救済措置等」、そこに書いてございますが、ちょっと要約いたしますと、先ほどの最終見解なども踏まえた上で、積極的救済の対象とすべき差別的取り扱いの範囲につきまして、人種、皮膚の色、民族的または種族的出身等を理由とする社会生活における差別的取り扱いを基本とすべきであるとの整理がされたというふうに受けとめております。
○植田委員 必要な救済措置にかかわって私はそこにこだわるのは、これはもう時間がありませんので答弁は求めませんけれども、そもそもこの答申の中で、これは中間取りまとめのときのままなんですけれども、人権侵害の類型として、差別、虐待、公権力による人権侵害、メディアによる人権侵害、四類型に分類している。結局、この分類をしちゃうと、差別、虐待というのは、言ってみれば差別のありようですよね。一方で、公権力によるとかメディアによるというのは、言ってみれば差別の主体、人権侵害の主体がメディアにあるとか公権力にあるとかですよね。全然重なり合わないその二つを一緒に類型化しているというところで、やはり救済の範疇なりが狭まってしまうでしょうということを私、ずっと申し上げてきたわけですよ。 ですから、結局、この部分が答申で生きている以上、やはり広い問題についてきちんと抱える差別禁止法というのは必要なんだよということは改めて申し上げておきたいのです。これは、つくりなさいというより、むしろ私たちが議員立法でつくればいいわけですから、いずれつくりますので、そのときはよろしくお願いいたします。 もう一点お伺いいたしますが、この答申でいきますと二十五ページに、「人権問題についての自由な意見交換のできる環境づくり」ということが触れられております。 ここで、「人権侵害の当事者同士による話合いは、任意的な解決を担保するための条件を備える限りにおいて、柔軟で有効な紛争解決の手法である。」と書いてありますね。要は、言ってみれば、人権侵害の侵害した者とされた者の当事者間の話し合いは、この文章でいくと、述部が「柔軟で有効な紛争解決の手法」だと。そういう意味では、任意的な解決を担保するための条件を備えておったら、それは非常にいい解決方法だよという日本語だと思います。 ここで言う「人権侵害の当事者同士による話合い、」というものの範疇の中に、いわゆる差別糾弾というものについても一応入っている話なわけですね。それだけちょっとお伺いできますでしょうか。
○吉戒政府参考人 今御指摘の点は答申の二十五ページのところでございますが、最初のパラグラフで、「人権侵害の当事者同士による話合いは、」ということで、今委員御指摘のような叙述がございます。これは、幅広い意味での加害者と被害者の話し合いというカテゴリーでございます。 次に、その下のパラグラフで、「差別行為を行ったとされる者に対する集団による行き過ぎた追及行為」云々とございますので、今、確認・糾弾会というのはどういうふうに定義するか問題がございますけれども、ここで申し上げているのは、人権侵害の当事者同士による話し合いのうち、なお集団による追及行為というものがあれば、これはまずかろうということを指摘しているというように受けとめております。
○植田委員 ここでは「集団による行き過ぎた追及行為」。行き過ぎてしまうとそれは差別をただす行為ではないわけですから、それは差別糾弾行為には本来は当たらないはずですよね。 言ってみれば、千円札がある、私もここに千円札がありますが、一万円札は手持ちにないので、千円札、これは日本銀行券です。にせ札があります。にせ札の千円をあわせて千円札とは定義しませんよね。間違った行為については、言ってみれば、えせ同和という言葉があるように、それはえせ糾弾行為ですよね。 少なくとも、糾弾行為、いわゆる差別糾弾というものは、任意的な解決を担保するための条件を備えたものであって、そして当事者同士による話し合いであるというふうに、ここで言う一行目の「人権侵害の当事者同士による話合い」の中に、今おっしゃった確認・糾弾会を含めたものがこの中に定義づけられる、その範疇の中に入るというふうに理解できるでしょうということを申し上げているんですが、そういう理解でよろしいですね。 〔田村委員長代理退席、委員長着席〕
○吉戒政府参考人 実際に行われる確認・糾弾というものが、先生のイメージされるものと従来法務省が不相当な追及行為であるとしてきたものとの間にずれがあるのではないかなと思います。 今この答申で書いておりますのは、従来から法務省が相当ではないとしてきた確認・糾弾会のことを第二パラグラフで書いてあるというふうに御理解いただければと思います。
○植田委員 もちろん、人権侵害を受けた方々も、当初、どういう形でそれについての異議申し立てをやっていけばいいのかということを試行錯誤しながらやってこられたわけです。 そういう中で、恐らく、世間一般から見て行き過ぎだろう、これはちょっと、そこまでやるのは逆に相手の人権を侵害するような行為もあるかな、そういうことの試行錯誤の中で、例えば差別糾弾会というのも、かつては、いきなりけしからぬじゃないかといってやってきたわけですが、まずどういった事実があったのかという事実の確認をやった上で、その事実に対して、ではどういうふうに我々はお互い高めていこうかということで、そういう二段階を踏むようになってきたわけですね。もうここ二十年、そういう形になってきています。 そういう意味で、そうした中で変遷を遂げてきた今あり得る差別糾弾というものは、少なくともここによる当事者の話し合いの中に入りますし、任意的な解決を担保するための条件を備えているということがやはり条件としてあるわけですから、ずれがあるんじゃなくて、間違った行為は犯罪になりますし、それはえせの差別糾弾なんです。いわゆるえせ同和という言い方もしてきましたよね。 ですから、そういう意味で、そこはちゃんと、いわゆる差別糾弾というものが一見そうした怖い部分も持っているんだよというふうな印象づけをもうこの機会に払拭するためにも、私はそこを確認させていただきたかったわけです。ですから、全然局長のおっしゃっていることはずれているわけじゃなくて、こういうことで定義すればいいでしょうということを申し上げているんですが、どうですか。
○吉戒政府参考人 定義とか概念の議論のようでございまして、あくまで、この答申で書いておりますように、「人権侵害の当事者同士による話合いは、任意的な解決を担保するための条件を備える限りにおいて、」こういうふうな抽象的な要件を備えておれば、それはそれとして認めておるわけでございます。 従来からの問題となるような確認・糾弾行為がこれに当てはまるかどうかというのは、非常に問題があるところではないかなというふうに思うわけであります。
○植田委員 従来からあった行為の、問題として指摘されているものについてはということですね。そうですね。 もう時間、法案の方も聞かなければなりませんので、これ以上しつこく伺いませんが、五分間ありますので、お伺いいたします。 といいましても、私が用意させていただいた質問が大体もうやられちゃいまして、大体論点というのは限られてくるわけですが、ちょっと落ち穂拾い的にお伺いしたいことがございますので、まず総務省の方にお伺いいたします。 この間、午前中の参考人の質疑でもお伺いしたわけですけれども、平成四年にも勧告を出されている。そこでは、中間法人と見られる団体を公益法人として許可しているものが、昭和六十年以降四百七十四法人見られ、それが平成二年の段階でも公益法人全体に占める割合は三割となっているとありますよね。これについては質問のレクのときもやりとりしましたので、そこはこういうことでデータが出ていますので、これだけあると。 そういう中で、恐らくは今回総務省さんとしても、この中間法人法の中で、この間やってきた勧告が指摘しているような、ここで言うたら四百七十四法人になっているわけですが、こうした団体を、言い方は悪いですけれども、いわば整理するような、そういう措置を期待していたのではなかったのかなと思うんですけれども、その点についての御所見はいかがでしょうか。
○塚本政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の平成四年の勧告でございますが、これは経緯的に申しますと、昭和六十年の勧告について、これを推進するという流れでございます。その中で、今委員御指摘のような事実も摘示したわけでございまして、一つのポイントとしては、既に法人格を認められているものとそれ以外のものというものの不均衡があるということをまず前置きした上で、本来の公益法人とその他の法人の混在化ということもまた顕著になってきているという事実に触れたところでございます。 したがいまして、私ども、この勧告そのものにおきましては、公益に関しない非営利団体についても中間法人としての法人格を付与するような法的整備について、具体的検討を行っていただくということを申したところでございまして、勧告そのものといたしましては、公益法人制度全体の中で、既に公益法人となっているものの団体の取り扱いの問題があるということは視野には入れておりましたが、長い経緯から申しますと、より直接的には、まず法人格を取得していない非営利団体について法人格を取得する道を開いていただく、こういうことを求めたものであるという御理解を賜れればと思います。
○植田委員 もう一点だけお伺いしたいんですけれども、今回の中間法人というものは、まずは法のすき間を埋めるものでありますから、そういう意味では私は賛成なんですけれども、その背景としては、やはり公益法人の改革というものの議論の高まりというものが背景にあったんじゃないかというふうに理解するのは自然だろうと思います。 そういう中で、今回、中間法人の法整備というのが、やはり全体的な公益法人の改革の中で位置づけてほしいなと私なんぞも思っているわけですけれども、今回、先ほどの議論もありましたように移行の措置はないわけですから、何でそういうのが落ちたのかというのは説明を伺っていますから結構ですけれども、少なくとも今回、そうした公益に値しない公益法人の受け皿にならないとするならば、もう移行できないとするならば、やはり公益法人の廃止を含めた見直しに際して支障も生じかねないわけですから、引き続きその点についての枠組みの議論、検討というものがなされなければならないんじゃないかと思っているわけですが、その辺は総務省さんも同じお考えだろうと思うんですけれども、一応御見解をお伺いいたします。
○塚本政府参考人 私ども、今、行政評価・監視という名前になりましたけれども、調査に基づいて、そういう問題について検討してまいるということでございます。 この制度ができました暁に、今御指摘のありましたような、既存のものとそれ以外のものの、公益法人全体の中でどういう問題があるか、これについては、引き続き私どもとしても注意深く見守ってまいりたい、こう考えております。
○植田委員 もう時間がありませんので、最後に、参考人で山崎民事局長をお呼びしておきながら、ちょっと御質問する機会、もう時間がございませんのでできませんで、御足労いただいたのにまことに申しわけございませんでした。その点だけ申し上げまして、終わります。
○保利委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○保利委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、中間法人法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○保利委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○保利委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、田村憲久君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、日本共産党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。田村憲久君。
○田村委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 中間法人法案に対する附帯決議(案) 政府は、この法律の施行に伴い、次の点につき格段の努力をすべきである。 政府は、非営利団体に関する法人制度について、国民生活における非営利団体の活動の重要性と将来性を踏まえ、社会の変容に十分対応できる制度とする観点から、公益性の認定の在り方等民法第三十四条の公益法人に関する法制の見直しを含め、その基本的な法制の在り方を速やかに検討すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○保利委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 田村憲久君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○保利委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。森山法務大臣。
○森山国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 —————————————
○保利委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○保利委員長 次に、山本幸三君外三名提出、債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。山本幸三君。 ————————————— 債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山本(幸)議員 ただいま議題となりました債権管理回収業に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、債権回収会社の取扱債権の範囲を大幅に拡大し、あわせて債権回収会社の業務に関する規制の一部を緩和するためのものであり、債権回収会社の機能を強化することにより、不良債権処理及び資産流動化を一層促進するとともに倒産処理の迅速化を図ることを目的とするものであります。 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 まず第一に、貸金業の規制等に関する法律に規定する貸金業者が有する貸付債権については、現行法においては、金融機関と特殊の関係にある貸金業者が有する不動産担保つきかつ事業者向けの貸付債権のみが取扱債権とされておりますが、こうした制約を撤廃し、貸金業法に規定する登録貸金業者が有する貸付債権については、すべて債権回収会社が取り扱えることとするとともに、資産の流動化に関する法律に基づいて設立された特定目的会社等を用いた流動化の対象となっている金銭債権や法的倒産手続中の者が有する金銭債権などを新たに取扱債権に加えるなど、その範囲を大幅に拡大しております。 第二に、債権回収会社の業務に関する規制を一部緩和しております。すなわち、現行法においては、債権回収会社は、特定金銭債権に係る債務であって利息制限法に定める制限額を超える利息の支払いを伴い、またはその不履行による賠償額の予定が同法に定める制限額を超えるものについて、債務者等に対し、元本等も含めその履行を一切要求してはならないこととされておりますが、これを改め、債権回収会社がこうした債権について適法利息に引き直した上で利息及び元本を請求することを可能としております。 以上が、本法律案の趣旨であります。 よろしく御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○保利委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三分散会