法務委員会 第7号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2001/03/23
会議録
○保利委員長 これより会議を開きます。 大原一三君外五名提出、土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律案及び保岡興治君外六名提出、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局東京証券取引所監理官三國谷勝範君、金融庁総務企画局参事官浦西友義君、金融庁総務企画局参事官大藤俊之君、法務省民事局長山崎潮君、経済産業省経済産業政策局参事官持永哲志君及び国土交通省土地・水資源局長河崎広二君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長松田昇君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○保利委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平岡秀夫君。
○平岡委員 おはようございます。民主党の平岡秀夫でございます。 きょうの新聞にもちょっと出ておったのですけれども、日米首脳会談後の株価というのが日経平均で九百円以上上昇したということで、それ自体は非常に喜ばしいことではあるのですけれども、その背景にはPKOが外国経由で行われたというような報道もございました。 株価というものは、日本経済の全体を、ファンダメンタルズを反映している、反映していくべきものであるということで、基本的な日本経済のあり方をどうするかということはちゃんとやっていかなければいけないというふうに思うのですけれども、今回出されております土地の再評価に関する法律の一部改正は、そもそもの制定の経緯から考えてみますと、本来政府としてやらなければならないことがあるにもかかわらず、小手先の法律をつくることによって、あるいは小手先の一部改正をすることによって、何か日本経済の一部の部分を修復といいますか、ばんそうこうで張っていくような、そういったような法律になっているイメージが非常に強くあるわけであります。 実は、この法律も、平成十一年に改正するに当たって、この衆議院の大蔵委員会の方での審議では、こうした法律というのは長くやるべきではないのじゃないかというような議論があって、当時の提案者の方々、具体的には大原先生ですけれども、この法律については一年間の延長をお願いしているけれども、これ以上延長するということはおっしゃるとおりやるつもりはございませんというように明確に答弁をされておられるわけです。 いろいろ事情が違えばこうした答弁も変わってくるといいますか、事情が変わったことによって考え方も変わってくるということなのかもしれませんけれども、こうした答弁を明確にしておられるにもかかわらず、さらに今回延長を含めた改正を行うというのは一体どういうことなのかというふうにも思うわけであります。 それから、この法律自体は、目的規定を見ますと、一体何のためにやる法律なのか。最終的には「金融の円滑に資するとともに、企業経営の健全性の向上に寄与することを目的とする。」とは書いてありますけれども、一体どういうことによってこういうことが達成されるのかということが全くわからない。 一般の国民の人にとってみれば、何のための法律なのか。経済に詳しい人にとってみれば、大体こんなことをすればここにこういう影響が生じてきて、これが最終的には金融の円滑に資するあるいは企業経営の健全性の向上に寄与するということにつながるということはわかるのかもしれませんけれども、法律としては、何を目的とした法律なのかが非常にわかりにくい法律になっているというようなことだろうと思います。 そこで、質問になるわけですけれども、この法律については延長はしないという明確な答弁があるにもかかわらず、今回延長も含めた改正が行われる、この法律改正の目的というのは一体何なのでしょうか。そもそもの法律の目的も含めて、国民にわかりやすいように説明していただきたいと思います。
○佐藤(剛)議員 提案者の一人としまして、答弁をさせていただきます。佐藤剛男でございます。 今先生御指摘がありました、先生の先輩でもあり、そして、当時デフレスパイラルの悪化が強く懸念されたときに、大原先生が中心になりまして、公的資本注入の実現に向けました検討が進められておりました。そして、そういう一方で、この公的資本の注入を節約しながら、自己資本比率の回復を目指すための臨時的な緊急対策として、私の敬愛いたしております大原先生が、本当は大原先生にお答えいただけばいいのですが、時限的に導入しようということででき上がったのが、平成九年十一月。御存じのように拓銀、山一の、山拓不況の、破綻以前でございまして、そのときに、自己資本比率低下に起因する貸し渋りというのが起きたわけであります。 それで、その点が今先生御指摘の、国民に、目的を読んで何だかよくわからぬ。金融の円滑化と企業の健全化だ、そういう形になって非常に内容が深いわけでありますが、非常に専門的なものがありますので、委員長、御了解を得ましてちょっと資料を一つ皆様方に配付させていただきたいと思います。それをひとつまずごらんいただきたいと思います。 これは御存じのように、一九八八年、国際決済銀行、BISというのですが、バーゼル基準と称するものができ上がりまして、そして、国際的な取引をやる金融機関というのは自己資本比率が八%以上じゃなければだめだ、こういうようになったわけですね。 ばかなことをその当時入れたのじゃないかと私は思うのですが、そのときの分子をごらんになりますと、有価証券の含み益の四五%というのが入ってしまった。それともう一つが、そこに線を引いてありますところの、土地について、一定の評価を行えたものについてはこれを四五%分子に入れる。分子に入れるということは百分の八が大きくなるということでありまして、百分の九になったり百分の十になる。こういう対策を当時我々はやっていたわけでありまして、分母を小さくして分子を大きくする。この中の、大きくするための対策の一つが、大原先生が中心となりましてこの土地再評価法というのを出した。この意味では、国民はわかりにくいかもしれませんが、それが一点であります。 それから、当時の状況というのは、アメリカが資産インフレでどんどん株が上がっていった。日本は逆に関東大震災以上ですね、恐らく第二次大戦ぐらいの大変なるインパクトを受けた。貸借対照表、バランスシートに影響を与えたものだと思います。 これはどういうことかというと、土地という資産が、当時バブルのときは二千四百兆ぐらいあったんですね。これががたっと減って、一千五百兆ぐらい減った。株が金融資産で千二百兆あったと言われたのが六百兆ぐらい減ったんです、九〇年に比べまして。ですから、あれこれいろいろな評価をする人がいますが、二千兆円ぐらいの大爆撃が日本の経済に及ぼして、それが今、今日の基本にあるわけですね。ですから、第二次大戦の焦土と化したぐらいの、関東大震災以上のもの、神戸の大地震どころじゃない、そういうようなものが日本のバランスシートに来たのでこれをやるのが状況ですから、本当を言いますと、当時の大原先生たちがやられた以上の状況が今日来ている。 アメリカが下がっちゃった、日本も下がった。日米どうなのか。世界でGNP、GDPを合計しますと全部で約三十兆ドルありますが、その二七%というのはアメリカなんですね。これはEUの十五カ国と同じなんですね。日本は一三%です。日米合わせて四〇%を世界の中の両国が占めてやっているわけであります。 きょうは、先生、株価が日本は上昇しているが、アメリカは下がっているんですよ。それから、PKOで外国が行ったかどうかは知りません。知らないが、しかし、この場合については非常に重要なる株の問題が出てきている、BIS基準というものを通じて出ちゃった。だから、株が、含み益が当時入ったときには三万八千円だった。(平岡委員「短くやってください」と呼ぶ)いやいや、短くといったって、そこが重要でございますので、ひとつ御理解賜りたい。 以上でございます。
○平岡委員 私もいろいろ勉強してまいりましたけれども、この法律は何か目的がだんだん変わってきちゃっていて、最初は確かに、言われたように、BIS基準の問題で、自己資本比率を厚くして金融の貸し渋りというようなものを解消して円滑化していくというようなことにあった。十一年の改正になると、今度は、株の消却のための財源として使えるようにしていこうというようなことで行われた。今度また、今までの利用状況なんかを見ますと、どうも会社においては、負債が非常にふえたりして、資本が非常に少ない、小さいような状態になってきた、これをもうちょっと格好いいものにするために、この仕組みを使って貸借対照表の姿をよくしていこうといったような、いろいろ目的が変わってきているような印象を非常に強く受けているわけであります。 そういう意味で、私は、この法律というのは一体何なんだろうか、この法律の目的は一体何なんだろうかというところに非常に疑問を感じるわけでありますけれども、それはともかくとして、実際は、この法律の規定を適用している金融機関あるいは企業というものがあるんだろうと思います。そういう意味で、この法律に基づいて土地の再評価を行った企業というのは、預金取扱機関とそれ以外の株式会社とでそれぞれどのぐらいあったのかということ、それから、この再評価差額金を使って株式の消却を行った株式会社の利用実績というのはどのようになっているのか、この点についてお聞きしたいと思います。
○佐藤(剛)議員 先生は法人関係、特に税の方にはお詳しいわけでございますから、今さら私申し上げるわけはございませんが、目的は非常に応用可能な目的になっておるわけですよ。 これは、金融機関の貸し渋りを防止し円滑にしましょう。これはまさしく今これから起きようとしている大変な状況なんですね。我々は第一回、二回の心筋梗塞をやってきたわけですよ。第三回目の心筋梗塞を受けるかもしれない。こういうことを避けるために日米の部分でやろうとしていることでございまして、目的はむしろ当時におけるものよりも十分なものになっている。 それから、株式の消却の問題については、これは平成十一年のときに改正したわけです。先生御存じのように、株式消却の特例法というのが出たわけです。株式消却というのは、資本を減少し、定款で株式消却をできるように取締役会にやる、あるいは総会で株式消却を取締役会にやる。それから、この間の株式消却法、これは平成十四年三月まであるんです。それをやるのは、利益可能な、配当可能な部分から出す。これは先生、弁護士の御専門のところでございますが、そういうところの部分があって株式消却が入ったわけです。 それで、委員長、この株式消却について、わかりにくいと思いますので、私はちゃんとパネルをお持ちしましたが。
○保利委員長 許可します。
○佐藤(剛)議員 こういうふうなんですね。 今、資本が、土地の百というのがあった。それを今度、ここのところに再評価のところを入れます。土地の百が五百になって四百余りますね。四百を、平成十年のときの最初のこの法務委員会でやったときにはまだ税効果会計というのはなかった。ですが、今度は税効果会計ができた。こっちに四〇%置くということになっていますから、四百掛ける四〇%で百六十。そうすると、ここの再評価差額のところの部分の、この法律に書いているんですが、三分の二はこっちに使えるようになっているんです。使えるというのは、資産に入れて自己株を消却する。もちろん金を借りたりして消却するわけですが、これだけは残さなきゃいかぬ、三分の一は。こういうふうな形がありまして、わざわざ特例法をつくったわけであります。 ですから、株式消却の特例法というのは来年の三月までとなっているわけでありまして、資本準備金まで食いつぶしてやれよということになっていたわけです。そういう意味では、この法律を来年の三月三十一日までにするということはまさしく理屈にも合っている。そして、これからやろうとする会社はあると思います。ただ、実績はどうなのかと言われると、今のところ三社でございます。把握いたしておりますのはそんなところでありますが、今後、そういう事業用資産等々についてはふえるのではないかと思います。
○平岡委員 今、再評価差額金を使っての株式の消却を行った株式会社の数三社ということでありましたけれども、その前に、再評価を行った企業といいますか、預金取扱機関とそれ以外の株式会社がどれぐらいあるかということをまずお願いします。
○佐藤(剛)議員 お答えしなかったんですが、アバウトで申しわけないですけれども、約二百二十が使っておるんです。そのうち金融機関は百十。金融機関は、株式消却というんじゃなくて、自己資本の増大、金融の安定の目的の方に使った。 最近では、今年度を見ますと、事業会社が使うようになった。なぜ事業会社が使うようになったのか。例えば浜松町から羽田へ行くモノレールから見ていますと両側に倉庫会社があります。あの辺は明治時代には坪五十円ぐらいだったと思うんですね。今は恐らく五百万ぐらいしている。今や超一流の倉庫基地です。それは大体十万倍ぐらいの価値があるわけです。ですから、今、事業会社において、株式消却よりは、複式簿記でいいますと資産と負債と資本があるんですが、資本の増大に使っているものと理解しております。
○平岡委員 御答弁が懇切丁寧なので、なかなか次へ進めなくてあれなので、本当に端的にしていただければと思います。 それで、税効果会計分の四〇%ということで今言われたんですけれども、実はいろいろ金融機関の実績なんかを見ますと、必ずしも今四〇ということじゃなくて、四一・何%とか四二%とかあるいは四〇というところもあるんです。この税効果分についての割合をどのようにするかというのは必ずしも法定はされていないということなんですけれども、これについては、ある意味では企業によってまちまちになっているというのもまた実績になっているわけですけれども、一体、税効果分というのはどのように計算されるというふうに考えたらよろしいんでしょうか。
○佐藤(剛)議員 税効果というのは、先生お得意の分野ですが、当時、十年のときにはなかった。それで、これをやろうという附帯決議も出ているわけであります。 なぜなのかというと、企業会計を税会計から切り離す、分離独立するというのは長年の懸案事項でありました。ところが、税務会計というのは、税金を取ろうとする立場ですから、無税を回避しようとする。そうすると、こっちの方の立場と違っちゃうわけであります。そこで、先送りのケースが当然出るわけです。この不良債権と称するものについて、これを無税にするのか有税にするのか、どうするか。 そういうことでずっと今日来ていたわけですが、幸いにも、企業会計審議会におきまして、税効果会計というのが出たわけであります。税効果会計ができたことによって、金融機関側というのは、これは繰り延べ資産の勘定に入れることができます。この税金のかかる部分を先にやります。これは、セルフキャピタル、いわゆるコアキャピタル、だから自己資本がふえる。借りている方の企業の方についても繰り延べの勘定がきくというふうな形でいきますので、これについて、税というのは大体四〇ですから、かつては五〇ぐらいの計算でやっていましたけれども、そういうことで、この法律では、四〇を税効果会計の負債の部に立てる、そしてこっち側の方には六〇を再評価差額勘定に置く、こういう思想でございます。
○保利委員長 前へ出てください。できるだけマイクに近づいて話してください。
○佐藤(剛)議員 百から五百にしたら、四百しますね。ここのところについて、この四〇というのは法定しているのです、先生よく御存じだと思いますが。それで、ここのところの六割というのは、これを入れ込んだというのは、この委員会ではございませんが、十一年のときの部分の中に入れてあります。
○平岡委員 今答弁の方で、四〇%というのが法定されているというような言い方をされたのですけれども、法定されているのは、税効果分とそれ以外の資本の部に計上すべき差額金の計上をするということが書いてあるのであって、税効果分についてどのような数字を使うのかというのは、別に法定されているわけじゃなくて、もっと別のところで決まっているんだと思うのです。 ただ、これはまちまちになっているわけですね、ある意味では、数字としては。そうすると、いろいろな法律を適用して、例えば株式を消却するときの財源というのは一体幾らになるのかといったようなときには、その税効果分をどのようにとるかによって大分違ってくるわけですね。そういう意味では、まちまちになってしまうということは非常に法的な安定性に欠けるということであるので、その考え方はどうなっているのかを聞いているのであって、済みません、政府の方から答弁してください。提案者じゃなくて、政府の方から。
○佐藤(剛)議員 僕が法定と言ったから、その点についてはちょっと修正しますけれども、これは企業会計の一つの形で出されているわけでございまして、法律的に言いますと、土地の再評価に関する法律第七条におきまして、「法人税その他利益」……(平岡委員「わかっています」と呼ぶ)いや、質問しているから答えているんだから、それをおとめになるというのはどういうことなんですか。(平岡委員「私が質問していることに答えてください」と呼ぶ)お答えしているわけです。(平岡委員「かみ合ってないんですよ」と呼ぶ)かみ合ってない。かみ合ってないというのはよくわかりませんが。
○平岡委員 済みません、私が質問したことに対して、金融庁、答えてください。
○三國谷政府参考人 お答えさせていただきます。 この税効果会計につきましては、法律上は抽象的な表現になっておりますが、これは実は企業会計基準及び公認会計士協会の実務指針レベルでいろいろな具体的なことが決まっております。 法人実効税率につきましては、法人税率それから住民税率あるいは事業税率、こういったものを基準にして計算されるわけでございます。この住民税率あるいは事業税率等につきましては、地方によって差異がございますので、その結果として若干の数字の違いが出てくるということでございますが、おおむね四〇%前後というところでございます。
○平岡委員 先ほど言いましたように、この法律の適用によって株式の消却をする場合の財源がどれだけあるのかということが決まってくるわけでありまして、そういう意味で、この税効果分をどのように計算するかというのが恣意的なものであってはならないという意味において、今の御答弁は、そうしたいろいろな基準によってきちんと決まっているものであるというふうに理解いたしたいと思います。 それから、今回の改正の中身として、再評価のできる法人を拡大しているわけですけれども、これは一体どのような基準で拡大しているのか、また、今回の法律改正の目的として、なぜこういうところに拡大しなければならなかったのかについてお答え願います。
○佐藤(剛)議員 改正の基準は何かと言われますところなんですが、実は、中小企業でないが中堅企業である、そしてマザーズとか大阪証券とか、そういうところに上場しているというのが最近出てきております。 それで、そういう会社が上場する場合には、これは監査の手続をとらなければいかぬわけであります。したがいまして、一つの基準としては、法律に入れておりますが、監査の手続をとっているものについて範囲をくくる。私どもの計算では、約四百、五百ぐらいは行くのじゃないのかなと思っておりまして、証券取引法に基づいて公認会計士の監査が義務づけられている会社。具体的に言いますと、上場会社が二十八社あります。それから、店頭登録会社が八十八社あります。それから、過去に上場していたり株式を公募した会社が二百七十社ある。それが潜在的に何割かが利用する、このように御理解いただきたいと思います。
○平岡委員 私の質問の前提条件は、今回の法律改正でそういうふうに対象会社を拡大した目的はまず何なのかということもあるのですけれども、その点についてもお答えください。
○佐藤(剛)議員 この点については、中小企業全部に広めたらいいんじゃないかとか、いろいろな議論がかつてこの委員会にあったということも承知いたしております。しかしながら、これはある程度、公認会計士の監査という過程の中で、これは再評価しますから、帳簿をきちんと管理しなければならない、七年間管理できる、そういうような二重管理をするわけでございますから、おのずから何でもいいというわけにはいきませんで、公認会計士の監査をするというものを含めた、拡大した、できるだけふやそうということの思想と御理解賜りたいと思います。
○平岡委員 ちょっときょうの質問と答弁が何かうまくかみ合わなくて、大変私も残念なんですけれども、また機会があったら、もっといろいろな中身について精査するような形で質問したいと思いますけれども、きょうは質疑の持ち時間が終了いたしたようでございますので、これだけにさせていただきます。ありがとうございました。
○保利委員長 次に、佐々木秀典君。
○佐々木(秀)委員 民主党の佐々木です。 当委員会には本日二つの衆法がかかっているわけでありまして、土地の再評価法については、今同僚の平岡委員から質疑がなされました。どうもちょっと時間が足りないことと、必ずしも質問と答弁がかみ合っていなかったのじゃないか、聞いていても消化不良の感じがいたしますが、この後また同僚委員から深めていただきたいと思います。 私は、時間の制約もありますので、もう一つの法律について質問をいたしますけれども、これもまた法案の名称が非常に長いものですから、これを言っていたら質問時間がなくなってしまうような感じで、便宜上、根抵当権つき被担保債権譲渡法と私は勝手に略称させていただきたいと思いますので、お許しをいただきたいと思います。 この法律は、言うまでもなく、例の平成十年の金融国会で、金融機関の不良債権の処理、これをどうやってうまく円滑に行うか、その一助として議員立法としてつくられたということになるわけですけれども、法律の第一条、第二条によりますと、これを使うことができる金融機関がいろいろあるわけですね。 第二条で金融機関の定義がございまして、預金保険法によるいわゆる預金保険機構だとか、あるいは整理回収機構だとか、そのほかに、農林中央金庫、商工組合中央金庫とかあるいは農業協同組合連合会、漁業協同組合連合会及び保険会社などなどがこの適用を受けるということになっているわけであります。 そこで、果たしてこれが役に立ったのかどうなのか。今まではなかったわけですからね。民法の原則を修正するというか、こちらの方を優先することによってどれだけの不良債権の回収などに役に立ったのかということがまさに問題になるわけでありますので、この法律がつくられて、どのような機関でどのように利用されて、果たしてどのように効果が上げられたのかということをお尋ねしたいと思います。 いろいろ金融機関がありますけれども、便宜上、きょうは預金保険機構の松田理事長にお見えいただいておりますので、理事長の方から、他の金融機関のことも交えて、おわかりになる範囲で、それからまた、預金保険機構としては御自分のところの問題ですから、その実績などについてお答えいただきたいと思います。
○松田参考人 お答えをいたします。 先生御指摘のとおりで、平成十年のいわゆる金融国会において、金融機関等の不良債権の処理が喫緊の課題となっているという現状にかんがみて、回収が困難になった債権のうちで、特に根抵当権によって担保されている債権を整理回収機構とかあるいはサービサーなどの特定の債権回収機関に対して迅速、円滑に譲渡するという目的で、平成十三年の三月末日までの臨時措置ということでこの法律が制定された経過にございます。 先ほど御質問ございました成立後の利用状況でございますけれども、この制度全体の利用状況はどうかということになりますと、他の金融機関あるいは他の債権回収機関がございまして、全体像を把握するわけにはいきません。それで、私ども預金保険機構が委託をして、破綻金融機関の方からこの制度を利用して不良債権を買い取っている現在の整理回収機構、これがどのぐらい利用しているか、これについてお答えをさせていただきたい、このように思います。 ここ一年余りでございますが、その利用状況について調査いたしましたところ、整理回収機構が譲り受けを受けた不良債権のうちで根抵当権が設定されている債務者の約三割、二八・五%ということになるのですが、約三割についてこの制度による債権の譲り受けを行っている、こういう状況にございます。 なお、この法律による効果と申しますかメリットと申しますか、それにつきましては、金融機関等が、不動産を担保とする不良債権のうちで根抵当権によって担保されている不良債権の譲渡を行う場合には、この法律で定めていただいた臨時措置の手続に従いまして、債務者に対しまして、特定債権回収機関にあなたの根抵当権つきの債権の全額を売却するという方法で譲渡いたしますということと、さらに新たな融資はする意思がございませんということを書面で通知をいたします。これは取引終了通知と私ども言っておりますが、こうした場合には、この法律によりまして根抵当権の元本が確定したというようにみなされるわけでございまして、本来でありますと相手が不同意の場合に元本確定の訴訟をしなければいけないのですが、それが回避されるというメリットがまず一つそこにございます。 次いで、元本確定につきましては登記が必要でございますので、その登記面を見ましても、債務者などの根抵当権の設定者、根抵当権を設定する人と債権者、根抵当権者と共同でやるというのが原則でございますけれども、この法律によりまして、根抵当権の確定の登記申請を金融機関つまり根抵当権者である者のみで申請することができる、こういう仕組みにさせていただいているわけでございます。 これは手続の問題と言えばそれだけのことかもしれませんけれども、まず、現下の金融機関が大量に抱えております根抵当権つきの債権、これは銀行取引でございますから非常に多うございますので、それの大量なあるいは迅速かつ円滑な譲渡を促進するということ。したがって、現下の急務でございます全金融機関が持っております不良債権の処理、これは売却でございますので直接償却になります、オフバランス化を促進することができる、こういうことにも制度として非常に貢献していただいている、このように思うわけでございます。その意味では、社会的、経済的なコストの全体の軽減、これに資しているものだ、これが一般的な効果であろうと思うのです。 次いで、ちょっと問題を限定いたしまして、譲渡する方が破綻金融機関の場合、これは私どもの問題でございますが、破綻金融機関である場合を考えてみますと、私どもは回収機関でもございますので、預保の委託によって当該根抵当権つきの債権を譲り受ける立場の整理回収機構といたしましては、これによって迅速な譲り受けができるということになります。したがって、それによって、譲り受ける資産の劣化が非常に防止できるということがあります。同時に、債権回収に素早く、早期に着手することができるということになりますので、国民の二次負担ということを考えますと、国民負担の軽減にもつながる問題であろうと思います。 さらに、預金保険機構としましては、これによりまして訴訟が回避されますから、譲渡コスト自体が軽減されますので、債務超過の穴埋めに入れております公的資金につきましても軽減につながる、こういうことがございます。 さらに、現実の問題といたしまして、既に公表されております破綻金融機関、現在三十以上私ども抱えております。これから、これらの機関からの資産の買い取りが十三年四月以降ずっと予想されるわけでございますので、ぜひともこの制度を活用させていただいて、迅速な資産の譲り受け、回収の早期着手、こういうことに役立たせていただきたい、このように期待をしているということでございます。
○杉浦議員 今松田さんから御報告があったのは、特定債権回収機関、二条二項の一、二でございますが、そのほか二つあります。三、これはサービサー法によるサービサー、それから四、これは民間債権買い取り機関なのです。 サービサーの方は、今改正の作業をしておりますが、その途中で聞きましたところ、現在十三兆円程度を四十何社で取り扱っておるわけですが、その中にも、預保、整理回収機構ほどではないけれども、これを利用させていただいている債権があるということを言っております。 四号の民間の方は、現状はほとんどワークしていないというふうに聞いております。
○佐々木(秀)委員 お話では、この法律が活用されているのだということですね。確かに、この法律がなければ、根抵当自体は、その設定された金額というのは確定されていないわけだから、どこかで確定をさせなければならないわけですね。そういうことがある。それと、不動産に絡む問題ですから登記もしなければならない。それらの手続が本法によって、民法原則を修正することによって、非常に簡便化されたり、あるいは回収側にとっては容易にできるというメリットがあるということであるようです。 ただ、これは時限立法としてつくられたわけですね。時限立法としてつくられたということは、恐らくこの時限の範囲内で相当の効果を上げて目的を達するのではないかということで時限とされたのだろうと思うのだけれども、さらにこれを延長しようというわけですね。 今の保険機構理事長のお話だと、今年度の四月以降でもなおこれを使う必要があるというお話なのだけれども、仮にこれが延長されないということになると原則に戻ってしまうわけですが、それだとこれからのそれぞれの金融機関、特に整理回収機構だとか、あるいは預金保険機構の業務というのは支障を生ずるということになるのかどうか、その点についてちょっと御説明いただけますか。
○松田参考人 お答えいたします。 先ほどちょっと触れたところでございますけれども、これは民法の特則でございますので、一般的には、根抵当権つきの債権を譲渡する際には、まず売り渡しをしようという融資先の金融機関から債務者に対して、今度こういうことで売却をします、それから、もうこれからの取引をしませんので債権元本を確定をいたします、こういう通知をすることになるんですが、普通それは、通知というのではなくて承諾を求めるという形で行います。その承諾書を出してくれる方が、先ほど言った反対の約七割の方が出していただけるわけですが、中には、いろいろな事情があるのでございましょうけれども、承諾をしてくれない方がおる。 そうすると、民法の原則に従いますと、やはり債権元本を確定するための先ほど申した訴訟を起こさなければいけないわけですね。訴訟は大体、我々の経験からいいますと六カ月から、状況に応じては一年ぐらいかかるわけでございます。その判決を得て登記をするということになりますので、その間にかかります訴訟費用を初めいろいろなコスト、それから期間のおくれ、これが非常に大きな影響を我々に与えてくるということでございます。 その期間のおくれが、先ほど申しましたように、資金援助をする預金保険機構の立場からいいますと、コストの増大になりまして、国民の公的資金を余分に使うことになる。それから、引き受けて回収する整理回収機構としては、債権の回収の着手が遅くなってしまって、しかもその間に資産の劣化が確実に進みますから、それでかえって二次負担の懸念が出てくる、こういうことでございますので、それを何とか乗り越えなければいけないということになりますと、平成十年のときの事態と今日の事態を考えてみますと、むしろ、金融機関が持っている不良債権をこの際直接償却で切り離すべきだという必要性は、かえって高まっているのではないかなと思います。 そういたしますと、そのことによって、これは直接償却ですからオフバランスが非常に進むという一般的な利益のほかに、引き受ける我々としても、先ほど申し上げたような回収の早期着手、あるいは公的資金の軽減、そういうものにつながりますので、この点につきましては延長をぜひお願いしたいな、このように思う次第でございます。
○佐々木(秀)委員 延長の必要があるということですが、念のために、理事長、もう一つこの点をお聞きしておきますが、要するに、本法によって民法原則が修正されて特則になっている。本来だったら、債権の売却つまり譲渡の場合には、通知を出して債務者の承諾を得なければならない。それから、登記についても共同登記なんですね。ところが、これが一方的にやれるようになっているわけですが、それによって、債務者の側で特に不利益だとかいうようなことで文句を言う、トラブったというようなことはなかったんでしょうか。そういう事例があったのかどうか、念のためにお聞かせください。
○松田参考人 御指摘の点でございますけれども、私ども、そういう報告は一切受けておりません。
○佐々木(秀)委員 では、この特則をつくったことによって特に債務者の方から問題を起こされたということはない、皆無かどうかわかりませんけれども、ないというようにお伺いをしたいと思います。 もう時間がありませんから、最後に提案者にもお伺いしますけれども、今のお話だと、これからますます本法、民法特則を使う必要があるんじゃないかということですね。そうすると、この延長ですけれども、二年という期間でいいのかどうか。これをまた二年たったらもう一回延長ということがあり得るのか。そうだとすると、二年なんて言わないで三年でもいいんじゃないかと思ったりするんだけれども、二年とした理由を簡単に答えてください。
○杉浦議員 確かに、二年では足りない可能性もなしとはいたしておりません。ただ、本法を制定した際には、ペイオフが本年の三月末までとなっておりました。我々の願いとしては、ペイオフが終わるまでに不良債権の処理が完了することという願いを込めて三月末としたわけなんですが、現実には、先生御案内のとおり、さきの通常国会におきまして、ペイオフが一年延期になりました、来年三月まで。預金保険法等の改正等金融システム安定化のための方途を講じたところでございます。 しからば、一年でいいかということになりますと、今松田理事長が申しましたように、相手が行方不明者もいることもありますし、何しろ大量処理でありますので、一年ではちょっと不安だと。また、金融機関もまだ倒産がとまっておりません。年が明けてからも二つばかり、信用組合ですが、倒産いたしておりますので、まだまだ出てくる可能性もあるということで、二年延長ということでお願いをしたいと思った次第であります。 二年たって状況がおさまっていることを期待しているわけですが、その時々の状況で延長をまたお願いしなければならないこともあり得ないわけではないと思っております。
○佐々木(秀)委員 その時点でもう一回検討しようということになるんでしょうね。いずれにしても、これが効率よく、そして債務者に不満を与えないような形で使われていくことを望みたいと思います。 以上、終わります。ありがとうございました。
○保利委員長 次に、中塚一宏君。
○中塚委員 おはようございます。自由党の中塚でございます。 本日は、土地再評価法について質問をさせていただきます。 この法案が十年に提出されたときに、一番大きな目的というのが、金融機関の貸し渋りの解消のためであったというふうに覚えておりますが、今回の改正、延長ということで、事業会社の本法利用の動きがあるというふうな御説明を聞かせていただいておりますが、そういった意味で、本法が成立した平成十年のころと、今の平成十三年の経済状況、そしてまた、それを取り巻く環境ということについて、提案者の先生にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤(剛)議員 お答えします。 先生御指摘の、最初が平成十年のときでございました。当時、先ほどちょっと申し上げましたような形の、自己資本を金融機関に導入しなきゃならぬ、並行してこの土地評価法を使って、そしていわば国の税金を節約をする。そういうふうな方向で一つやったのが、いわゆる貸し渋り対策。貸し渋りということは、民間から見れば金融機関が貸さない。金融機関の自己資本をふやすことによって貸しやすくするという形でやりました。 それで、それは、私は非常にそれなりの効果を得たと思います。というのは、先ほども申し上げましたが、金融機関がアバウトで百十弱。第一勧銀初め、さくら初め、大きな金融機関は皆やっております。それで、自己資本比率八%を達成しているものが対象になる。百分の八でやって、大体二兆円ですね。四〇%減らした二兆円ですから、実際に言いますと、それを〇・四で割っていきますと結構大きいものになります。百分の八ですから八分の百ということで、一二・五、一単位がふえますと、簡単に言いますと、一二・五掛ける二兆円掛ける四五%、これは、少なくとも、金融機関の貸し能力の増大ですね、これを貸し出したかどうか知りませんが、それにはなったという意味を持っております。
○中塚委員 そういう意味で、貸し出し余力がふえたということであろうとは思うんですけれども、ただ、経済の環境というか実態を見ますと、結局、何かほとんど十年一日というか、毎年似たようなことが新聞あるいはテレビのニュースで流れております。例えば、日米首脳会談があっても、日本の経済構造改革を迫られるとか、不良債権の処理を迫られるとか、もう本当に、この四年間ぐらいなんでしょうか、ずっと同じような話ばかり聞いておりまして、一体これがいつのことだったんだろうかというのがわからなくなる、そういうふうな事態になっておりまして、すごく残念だなというふうに思います。 そもそも時限立法ということでありましたので、そういった意味において、その採用を促すという意味もあったんじゃないかなというふうに私自身は思っておりますが、今御説明いただきましたこの再評価によって、確かに自己資本というのは数字の上では増加をしております。ただ、貸し渋り解消ということにつきまして、数字がよくなった、貸し出し余力がふえたということはわかるんですが、実際問題の銀行の経営実態というか経営態度というのは改善をされたというふうにお考えでしょうか。提案者の方にお願いします。
○佐藤(剛)議員 あのころはまさしくいろいろな対策を政府・与党は考えていたわけであります。それで、それに関連するいろいろな、健全化法を含めて、法律ができ上がったわけであります。それで、先生御指摘のように、これは暫定的だと言って当時説明していた。限定的、異例かつ暫定だと。 もともと商法三十四条というのは、土地の取得というのは取得価額、原価ですね。土地については、原価方式と低価方式というのがあるんですが、あるいは時価方式というのが国際的にもあるんですが、日本の商法は、国際的な流れの中で、大体外国もみんな取得価額でございます、取得価額イコール原価でやっているんですが、そういうことでやってきて、やり出した。 ところが、その後、御承知のように貸し渋りが現実化します。それで、先ほどお手元に配りましたBIS基準の分母を小さくするために、中小企業の無担保無保証の五千万とか、あれをやりますとゼロになるわけですね。五千万貸しても、ゼロだから分母がふえない。だから、分母がふえない対策と分子を大きくする対策をやった。そういう形で三十兆円を入れる。それから、七十兆円も用意した。それから、注入もした。ですから、あらゆるものをやって貸し渋り対策をやったというのが一つでありまして、その中のワン・オブ・ゼムですから、これがすぐに、ではどれだけかというと、すごく難しいことは御理解いただきたいと思います。しかし、そのような形の中で出ました。 それで、金融機関は、あのときの金融機関と今の金融機関、再編もありましたけれども、それは相当の違いが出てきて、あのころには、下手すると日本発の恐慌が起きるんじゃないかなんて言われて、非常に金融機関自身も自己資本が不足していた。しかし、その後いろいろ、再編の動きがあり、また、それが成功するかどうか、今動きつつあるという意味においては、現実にその効果を見ます。 これは統計的に見ますと、中小企業庁でやっております。どのぐらいの貸し渋り状況でございますかというような話を聞いているわけでございますが、それによりましても、金融機関の融資姿勢が、これは時期は平成十年、今じゃないあれですけれども、当時においては、おかげさまでよくなったというような形がありまして、いろいろな今申し上げました措置と相まって貸し渋りの緩和に一定の効果があったというような評価をいたしておるところであります。
○中塚委員 今、暫定、異例の措置というお話があったんですが、ただ、私はこの法律はすごくいい面もあるなというふうに思っていまして、それはBSなんかがより実態に近づいて明確化されるということなんだろうというふうに思うんです。そのことはもうちょっと後でまたお話をいたします。 再評価をして資本が膨らんじゃうということは、逆に言うと、資本に対する収益あるいは利益の率が落ちるということにもつながります。BSをきれいにするということだけではなくて、そういったいろいろな指標によって企業の価値というのがはかられるような時代になってきているわけです。そういう意味で、この法律自体は別に結構なことだとは思っておるんですけれども、それに加えて、収益率を向上させるような施策というのがやはり必要なんだろうと思うんです。そういう意味で、その辺のエキスパートでもあります佐藤先生に、御意見ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
○佐藤(剛)議員 先生の御指摘は非常に重要で、また、私も非常に悩んでおる部分であります。そして、難しいと思います。 それで、先生御指摘のように、含み益がありますとROE、利益率は減るんですね、原則として。ただ、それをどうするかというのは個別の企業者の経営能力の問題に帰着して、いろいろな自己改革をやるということになるんじゃないでしょうか。ぶっちゃけた話、そのように私は思います。
○中塚委員 まさにそういうことなんです。ただ、それを促していくための施策とか、恐らく与党でもいろいろお考えなんでしょうから、そういったことでも聞かせていただければなと思ったわけです。 時価会計ということで、有価証券であれ土地であれ、その評価益、益の場合ですが、益が計上されても、結局キャッシュフローが伴っているわけではないということです、さっきの質問と関連をするんですけれども。それで今回、事業会社がこれを採用するという動きがあるという話ですが、利益率、収益率というふうなものが落ちていきますと、例えば市街地に生産工場を大きく持っているような会社というのは、やはりこれはちょっと採算が成り立たなくなるんではないかというふうな面もあると思うんです。そういう意味では、海外移転なんかがどんどん進んで、ますます国内の産業の空洞化ということが進むんではないかというふうにも考えるんですが、提案者の佐藤先生、いかがでございましょうか。
○佐藤(剛)議員 お答えします。 先生御承知のように、土地というのは償却資産ではないという点で、毎年毎年償却していくものではない。したがって、郊外の土地が市内の土地と比較していわゆるコスト的にどうのこうのというものは、帳簿上の問題ですから、出てこない。先生おっしゃるように、海外にいろいろ出してくる。これは、労働賃金の問題とか、日本がコストが高いからと。そういうふうないろいろな努力をされていくが、土地についての再評価の問題とは直接関係ないんじゃないかなと思っております。
○中塚委員 確かにそういうことがあると思うんです。ただ、再評価をして分母が膨らんでしまうと収益率とか利益率がおっこって、そうせざるを得なくなってしまうんではないかという趣旨の質問でありました。 もう一つですが、任意制ということですよね、土地再評価というのが。ですから、採用するというところは、もちろん含み益があるところでなければ意味はないわけですし、そういう意味では、伝統的なというか、伝統的と言うとちょっと違うかもわかりませんけれども、いずれにしても含み益がある土地を多く持っている会社が多いことになるのはもう必然的なことだと思うんですね。 政府の方も、選択と集中というふうなことをおっしゃっていて、その辺の資本、資産というのは再構築をしていかなきゃいけないというふうに昨年来ずっと言われていたというふうに思いますけれども、そういった意味では構造改革には逆行する面というのもあるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○佐藤(剛)議員 逆行するんじゃないかと言うんですが、私は、むしろ先ほどのBIS基準等を通して市場を活性化するものだということを申し続けたいと思っております。 それで、任意制だというのは非常に重要な問題なんですね。私も、痛ましいところで、悩んでおるわけです。例えば、銀行から見た土地の不良資産。それから、こっち側が、日本経済というのは猛烈な債務超過なんですね。ですから、ある債務超過の企業に、特定の、ミクロの、それに債権放棄するというようなときになったら、その企業についてどうするか、普通の任意でいいのか。あるいは、一般的に、少しここはいいから不良債権処理の問題で強制的にするかというのはあると思うんですね。ただ、商法の原則は、三十四条はあくまでも任意なんですね。ですから、これからの立法政策、これからの政策の問題として残ると思うのですが、この三月三十一日に間に合わないといかぬわけでございまして、そんなことで今、拡大ということと、それから三十一日が適用されて来年の会計年度にも適用されるということで、ひとつ御支援を賜りたい、こういうことでございます。
○中塚委員 いずれにしても、この法律自体にそんなに文句があるわけではなくて、よりいいものにした方がいいのだろうなというふうに思いますし、そもそもは資産があるところだけに関係がある法律ですし、金融機関にいたしましても、最近は、ネットバンキングというのでしょうか、店舗もないままに金融機関を営むようなところまで出てきておりますので、そういったところにはほとんど影響ない法律であることは間違いないと思います。ただ、やった方がいいのか悪いのかということであれば、こういうツールがあった方がいいと思うし、それより何より、BSが明確化をしていくということについてすごくいいのじゃないかなというふうに思っているわけです。 資産を再評価しても、実際、企業の実態が変わるわけではないのですけれども、資産の価値が変わるわけではないのですが、ただ、再評価前と再評価後のBSがどちらが実態を反映しているかということになりますと、やはり私は再評価後の方が圧倒的に実態に近いのだろうというふうに思うのですね。含み益というのが暗黙の了解のもとにすごく歓迎をされているというふうな実態もあるのかもしれませんが、BSの透明化という観点から、任意の採用ではなくて一律に行うべきではないのかというふうに思うのですが、まず、提案者の佐藤先生、いかがでしょうか。
○佐藤(剛)議員 先生の御指摘はすごく重要なことだと思うのですね。これは一つの企業会計で、特に証券関係、証券市場で株対策がどうだと株の問題をやっておるわけですね。BIS基準には、含み益掛ける四五%が分子にある。一万ドルを割ったかとか、アメリカの株に一喜一憂しなきゃいかぬ。こんな形の状況が続いていって一体どうなるか。少なくともティア2に入っている土地について、これをきちんと全部出して、少なくとも上場会社あるいは証券市場でやっている会社はやるべきだという考え方は、私は一つの考え方としてあると思うのです。 それで、例えば明治時代に、浜松町から羽田へ行くところの土地というのは、繰り返して申しますが、恐らく坪五十円ぐらいだったと思います。しかし、あれは超一流の倉庫地帯ですよ。ですから、今五百万すると思います、十万倍していると思うのですね。ですから、その五十円を五百五十万という形で資産を評価する。そうすると、もし上場しているのを見れば、外国の人は皆、ああ、そうなんだなと。だから、外国から見て、日本の簿価というのは、貸借対照表というのはすごくわかりにくいと思うのです。 そこら辺の問題は、一つの全体の問題として、幸いにも平成十年に商法特例を直したときとは違って、税特会計もできましたし、年金会計も導入されて積立不足金も計上しなきゃいかぬ。連結の財務諸表というのもきちんとして、親と子供五〇%だ、あるいは関連会社二〇%も直そう、それから株式等についての有価証券の時価評価もやろうということで、企業会計のビッグバンというか、むしろ企業会計を通じて市場、マーケットのコンフィデンス、信頼感を内外の者に与えるということが非常に重要だと私は思いますし、また、その意味において、目的が二つあって、資金の円滑と企業の健全なるあれだということで、企業健全というところで読んでいく。 ただし、今御指摘になりました一律にやったらどうかという点については、ちょっと検討させていただきたいと思っておりまして、三月の中でちょっと時間も間に合わないので、御了解賜りたいと思います。
○中塚委員 本日は法務大臣と金融担当大臣にもお越しをいただいておりますが、同様の質問なんですけれども、資産再評価、土地再評価というのを一律で行うようにしたらどうかということにつきまして、法務大臣は、政治家としてでも結構ですが、何か御意見はございますでしょうか。
○高村国務大臣 今、原則、取得原価主義でやっているというのは、私は相当の理由があると思うのですね。今、事業を実際に経営していて、事業用資産である土地がたまたま上がってしまったからといって経営の実態に影響があるわけではないわけでありますから、取得原価主義というのはそれなりの理由があってやっていることだ、こう思います。 今度の土地再評価法については、まさに貸し渋り等の対策のために、まさに金融を円滑に行うという目的で、時限的に一回限りのものとしてこれをやる、こういうことでありまして、最近、株を買うときに含み資産がどうだとか、そういう事業の解散価値に目をつけてどうだというようなことであれば時価主義というのは極めて意味があるのだと思いますが、事業がずっと生きて活動していく上においては、事業用資産というのは取得原価を主としてやるというのが本則であっていいのだろう、私はこういうふうに思います。
○中塚委員 同様の質問なんですが、村井副大臣は、一律制にするということについてお考えはいかがでございましょうか。
○村井副大臣 原則的には、商法の制度は取得原価主義、こういうことでありまして、これをこういうことで臨時的に再評価するということでありますから、率直に言いまして、できるところ、できないところがあるのだろうと思います。 それから、諸外国の例などを見ましても、必ずしも一律ではなくて、それぞれ選択的にできるというような制度が、これはアメリカの場合は認められていないのですが、ヨーロッパの場合は選択的にやれるという任意の制度が認められている。 任意であるからといって、私は特段、逆に問題はないと思いますのは、再評価しました場合に、バランスシートの上で再評価に伴う改定幅は当然計上されるわけでありますから、バランスシートを見れば、もとの再評価をしなかった場合の簿価というのははっきりわかるわけでございますので、そういう意味でも、透明性の確保というような本来私どもがねらうべき点からも特段の問題はないと思っておりまして、そういう意味では選択性でよろしいのではないかと思っております。
○中塚委員 確かに透明性を確保することが一番重要だと思います。透明性を確保することが重要なんですけれども、わかりやすい形でということと、もう一つ、私は含み益というのがバブルを生んだのじゃないかなというふうにも思っておりまして、そういった値上がり益とか含み益というのを余り私物化するようなことはよくないのではないかなと思いましたので、一律採用の方がより明確化が図れるのではないかというふうに思っているところです。 次に、今、再評価によって保有資産の価値が下落したら有価証券等取引報告書に注記をするということになっております。きのう公示地価の発表があって、またこれも十年連続で下落しているというような話もあるのですけれども、注記ではなくて、ちゃんとBSに記載をするようにした方がいいのではないかというふうに思うのですが、提案者の佐藤先生、いかがでございましょう。
○佐藤(剛)議員 先生のおっしゃっているのは、保有資産の価値が下落した場合に有価証券に脚注を置いて注記する、これを毎期やられる、そういうふうに受け取ったのですが、それでいいのでしょうか。 これは、御承知のように、この法律によって、一回限りやる。特例ですから。原則は取得価額、原価ですから、継続して再評価というのはだめ、こうなっているわけですね。それから、やはり再評価後というのは、商法、企業会計の原則に基づくというのが基本ではないか。したがって、修正された簿価による原価評価をやる。そこのところはちゃんと脚注するのですよ。しかし、毎期毎期はやらないということで御理解賜りたいと思います。
○中塚委員 同様の趣旨の質問なんですけれども、注記ではなくてちゃんと毎期BSに記載をするということについて、法務大臣と村井副大臣、御意見よろしくお願いします。
○高村国務大臣 提案者の意見と全く同じなんですが、時価再評価というのは一回限りのものでありまして、それをしたときにはそれが取得原価として扱われるわけでありますから、バランスシートとしてはそのことをしておけばいいので、ただ、企業情報をできるだけ提供しましょうという観点から、それがまた下落した場合には注記しましょうと、大変親切な法律だと思っています。
○村井副大臣 また同様のお答えになりますけれども、バランスシートの上で毎期の評価をそのまま書くという形になりますと、再評価を繰り返し毎期行うということになってしまいますので、これはいかがなものか、こういうことで右に同じということでございます。
○中塚委員 親切な法律だとは思うのですけれども、もうちょっと、より一段と親切にしていただけないかなというふうに思ったわけです。 最後の質問なんですけれども、非常に結構なことだとは思いますが、土地の評価の適正化という問題です。今、施行令で、土地の評価基準というのが五つの中から選択ということになっていますね。そういった意味で、BSをちゃんと明確化するということであれば、評価方法もやはり一本化した方がいいんじゃないかと思いますし、五つのうちどれが一番いいのかということはいろいろ議論もあるとは思うのですが、いずれにしても、土地の評価の方法というのは確立してないんじゃないか。それが確立しなきゃ、再評価したBSというのもなかなかクレジビリティーが得られないのではないかというふうに思うのですが、提案者の佐藤先生、いかがでございましょう。
○佐藤(剛)議員 先生のおっしゃられるのは当然のことだと思うのですね。時価とは何ぞや。定義がないわけですね。きょう、出ましたね、土地公示価格というのが、国土交通省から。これは三月に出る。それから、大蔵省も出す。それから、相続税のときはどうするか。それから、地価もありますね。それは定義がありません。 そうすると、この法律では、政令で、最後は不動産鑑定士がお互いに合理的調整をやって決めましょうと。あそこ、十メーターのところ百万円したが、ここのところはちょっと地下鉄が通っているから二百万かな。これが時価なんですね、取引価格の。それはそれと書くわけでございますね。そんなことじゃないかなと思いますが、時価というのは、同じ番地でも、袋小路の土地と、隣り合ってもこんなものだということで、あそこが百万で売れたから、八十万になるかもしれないし、百二十万になるかもしれないし、そこら辺は、実勢価格になるのじゃないかと思っておるのですが、私も悩んでいるところでございます。
○中塚委員 時間が参りましたので、大臣、副大臣にもお伺いしたかったのですが、ちょっと答えにくい質問でもあるようですので、これで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○保利委員長 次に、木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。 最初に、土地再評価法についてお伺いしたいと思います。 本法案は、三年前の九八年三月に、二年間の時限立法として制定されたわけです。さらに、二年前の九九年三月に、再評価差額金を自己株消却の資金として使用できるということに改正の上、期限を本年三月三十日までとしていた。これを、さらに本改正で来年三月三十一日までに延長するものであります。 最初、この法案が立法化されたときは、当法務委員会で審議をいたしました。私も提案者の大原委員と大分論議をしたわけであります。ところが、前回の改正法は大蔵委員会に付託される。今回また法務委員会に付託されてくる。私は、この法案の本質が、まことに場当たり的、御都合主義的な法案だ、法律だと思っているわけでありますが、この審議のやり方自体も御都合主義のきわみだ、まことに遺憾だと思うわけであります。 それは前提として、提出者にお聞きしたいと思うのです。この三年間で、この法律によって土地再評価をした企業がどのくらいあるのかという質問であります。先ほど、同僚委員の質問に対する答弁によって、再評価したのは約二百二十社、そのうち金融機関が百十社だと答弁がありました。自己株消却をしたのはわずか三社だという答弁がありました。 そこで、事前に通告をしておきましたから、利用企業の年度別、業種別の数字、それから再評価基準、今も論議ありましたが、五つのやり方があって、どれをとっても勝手だというやり方でありますが、その再評価基準としてどんな評価の仕方を各企業がとったのかということの内訳、それから、算出された再評価益の総額、それから、自己株消却に使用した金額、年度別、業種別、これをまず提案者から明らかにしてほしいと思うのです。
○佐藤(剛)議員 木島先生が第一回目のこの当委員会で大原先生に御質問せられて、私も拝見しました。ただ、第二回目は大蔵委員会でやったわけであります。 先生は、その手続についていろいろおっしゃっていましたので、私、弁解するようですけれども申し上げますと、二回目のときは、金融関係の議員立法を含めて、法務委員会が何かすごい過剰、オーバーワークになった。といって大蔵委員会が少なかったというわけじゃないのでしょうけれども、そんなことのあれで大蔵委員会になったと理解しております。そして、おっしゃるとおり、そのときに、株式消却とか、それから当時の計上の方法というのは、資本負債という形のもの、ちょっと今のとは違いますが、そんなものがあったわけであります。 それで、今先生御通告ありました利用企業数の年度別、業種別という問題でございますが、簡単に言いますと、二百二十ありまして、百十、半分が銀行、金融機関と御理解賜ります。それから、半分が事業と考えていただきます。そして、最初の年度は、これはほとんどもう金融機関であります。最初の年度の事業会社というのはほんのわずかであります。PRが不足したのかどうなのか、理屈は私もわかりませんが、そうなっています。それから、第二回目はむしろ事業ベースの方が多いわけでございます。 そして、今これは上り坂になってきているように思います。PRが通ったからじゃなくて、私の感じでは企業会計の導入じゃないかなと思っていまして、特に年金会計の導入。導入といっても、まあもともとあったわけでありますけれども、企業が、五・五なら五・五というので設計しました部分で積み立て不足というのが出ます。そうすると、その積み立て不足を計上しなければならないという企業原則が導入されまして、そのために、企業によっては莫大なる資金を必要とする、そうなると資本が必要だ。こういうことで、本件というのが、今年度の三月三十一日から来年度にかけて事業会社はふえる。 しからば、金融機関の方はふえるのかというと、百十のうち、地方銀行もかなり、静岡銀行を初め皆やっていますが、まだ、地方銀行それから信用組合、信用金庫、農協なんかするかどうか知りませんが、そういうもののあるものは十分やるだろうというふうに理解いたしているところでございます。 それを業種別というと、それは事務局にちょっと計算させていますので、あれします。 それから、再評価がどれだけかというのは、先ほども申し上げましたが、二兆円が大まかに金融機関、それから八千億が事業会社。二兆のものを金融機関が資産評価した、八千億を事業会社がした。そのうち株式消却したのは三社ありまして、これは、細かい統計、幾らかというのは調べさせましたので、これも一緒に答えさせていただきたいと思います。
○三國谷政府参考人 計数の問題でございますので事務局からお答えさせていただきたいと存じます。 再評価を行いました企業の利用実績でございますが、当方で集計し切れているところとし切れていないところがございますので、し切れている範囲でそこは御容赦いただきたいと思いますが、まず、証券取引法上の株式会社、これにつきましては今先生から御説明があったとおりでございます。 これを分解いたしまして、預金取扱金融機関ということにいたしますと、これは、先ほど御説明ありましたように、銀行は平成十二年三月時点で百六行でございます。再評価差額金は約二兆一千二百億円でございます。なお、証券取引法適用会社以外に、信用金庫、信用組合はある程度集計がとれておりますが、信用金庫であれば百二十八金庫で、再評価差額金は二千四百億円でございます。なお、信用組合は百六組合で、再評価差額金は三百八十億円でございます。 一方、預金取扱金融機関以外のいわゆる一般事業法人でございますが、これは平成十二年三月末時点で百十一社が再評価を行っておりまして、再評価差額金は六千九百九億円となっております。 なお、この時系列の話でございますが、これは、当初全額負債という形になりまして、翌年度から税効果会計が導入されまして六割が資本算入といった形で、変動がございますので、残高ベースで申し上げますと、平成十二年三月期現在で、今ほど申し上げました各数値の合計ということになろうかと思います。 なお、このほか私ども必ずしも集計し切れていないところがございますので、それにつきましては、それ以外にもあり得るということで御説明させていただきたいと思います。 なお、自社株の消却でございますけれども、これは三社でございます。三社でございまして、総額は約十一億円ということでございます。 以上でございます。
○木島委員 この法律で最大の問題は、時価をどう評価するかがばらばらだ。五つの基準が設けられて、何を採用するかはその企業の勝手。もともと再評価するかどうかもその企業の勝手ということであります。 肝心なところは、私聞いたんですが答弁がありません。これを利用して再評価をした企業、金融機関は、トータルで結構でありますから、どの基準で評価したのか。公示価格でやったのが何社、地価税でやったのは何社、固定資産評価額でやったのは何社、あるいは鑑定というしっかりしたものでやったものは何社、その数字だけでも、これは大事なところですから把握していると思うんですが、提案者あるいは金融庁、答弁願います。
○佐藤(剛)議員 すごく難しい資料要求でございます。 五つの、先ほど言いました、きょう出たような公示価格とか、地価であるとか、不動産のあれでやったとか、相続でやったとか。しかも、御承知のように、それをしっかり握っているところはないんですよね、法務省なりなんなり。ですから、いろいろ有価証券なり調べさせまして、後ほどどれだけの努力をしたか参考人から説明させますが、業種別……
○木島委員 業種別はいいです。数だけ。評価の仕方、公示価格を使ったのは何社、固定資産評価を使ったのは何社、鑑定させた評価額を使ったのは何社と、その数だけでいいです。
○佐藤(剛)議員 数だけ。では、今、私は調べられませんので、二百二十の内訳、それについては参考人に聞かせていただきます。
○三國谷政府参考人 五種類の再評価の方法でございますけれども、これにつきましては、個々の土地がどのような基準により再評価されたかということにつきまして、現段階ではまだ集計しておりませんことをちょっと御理解いただきたいと存じます。 なお、銀行で一部サンプルした例がございますが、どうもこの五種類の方法がそれぞれ使われているようでございます。なお、金融機関あるいは会社によりましては複数の方法を使っているところもあるというぐあいに承知をしております。
○木島委員 一番肝心なところなんですよ。これがいいかげんで、土地再評価して含み益を表に吐き出した、しかし、何を使ったかわからない、こんなことで日本の金融機関と企業の会計に対して国際社会から信頼ができるんでしょうか。 私は、大蔵委員会での議事録も読んできました。今の答弁は全く不誠実だと思います。実は、平成十一年三月二十三日の大蔵委員会でも当時の時点での質問をされまして、乾当時の金融監督庁監督部長がきっちりと答えているんですよ。 十七の主要銀行のうち十一行がその当時では土地再評価を実施しております。実施の仕方によりますと、有価証券報告書によって調べたところを申し上げますと、公示価格によったところが四行、路線価格によったところが五行、それから第三に、公示価格ないし固定資産税評価額という表示をしているところが一行、第四に、鑑定評価によるとしたところが一行ございまして、合計十一行と、はっきりと答弁しているんですよ。 これを延長させるわけでしょう、あと一年と一日。だから、その一番肝心なところを、国際社会から日本の企業会計はどうなっているんだ、日本の金融の会計はいかにもいいかげんじゃないかという批判がされるわけですから、そんなところをしっかりつかまないでおいて、今回の時限立法を延長するなどという提案をしてきたこと自体、まことに提案者の姿勢としてずさんではないかということを指摘しておきたいんですが、数字は出ないんですか。
○佐藤(剛)議員 提案者の名誉にもかかわるので弁解させていただきますが、ずさんだという話、そういうのは取り消していただきたい。決してずさんではない。ちゃんと本件について脚注を置いているのですから。外国が見ているのですから。(木島委員「答えてくれればいいですよ、調査結果を」と呼ぶ)調査結果のところに、一々脚注に、これは不動産鑑定士が見ました、あるいは公示価格を見ましたというのは、こんなのは書けなんというのは書いていないです、法律に。(木島委員「金融庁はちゃんと答弁しているじゃないか」と呼ぶ)いや、ですから、それは私に聞いているから、提案者に聞いているから、提案者としてお答えしているので、あとの点については説明者にさせます。
○保利委員長 金融庁三國谷監理官。数字はできるだけはっきりお話しください。
○三國谷政府参考人 御説明いたします。 ここに、ある調査によります平成十年三月におきます、これは十一行ベースの、それぞれどういった評価を使っているかという数値はございます。これを拾いますと、公示価格は大体五カ所、基準地価は二カ所、固定資産税評価額は三カ所、路線価は五カ所、鑑定評価額が二カ所、こういったところでございます。それぞれ複数使っているところがございます。
○木島委員 全然大蔵委員会での質疑から前進していませんね。こういう日本の場当たり的な会計のやり方、やらせ方ですね、法律を使って。そしてまた、それをつまみ食い的に、都合のいいやり方で各金融機関などが使っている。こんなことでは、それで実態は変わらないわけですから、私は、日本の金融機関や企業に対する国際社会の信頼というのは回復できない、むしろ、ますます日本の企業会計は信用できないということにつながるのじゃないかということだけを指摘しておきたいと思います。 提案者は、提案理由の中で、本改正法の理由を、法人の財務内容の健全化、企業体質の強化につながるものと期待されると述べておりますが、逆ではないのでしょうか。資本充実は見かけだけではないのでしょうか。 九八年、この法案が立法化されたときの一月十五日の中日新聞には、こんな記事が出ております。見出しが「「資本充実」見かけだけ 自民の土地再評価法案 経営健全化とは別 国際信用上も問題」、こういう見出しをつけまして、いろいろ書いた上で、 しかし、メリットばかりではない。土地の含み益を表に出すことによって「見かけ」の自己資本がかさ上げされても、銀行経営の健全化には直接結び付かず、金融システム不安の根底にある不良債権問題の解消にはつながらない。さらに、株式と同様に地価動向によって自己資本が左右される懸念も生じる。 株価の低迷で株式の含み益が底を突いたからといって、保有土地の含み益に目を付けるというのは、いかにも場当たり的な政策であり、日本の金融機関や監督官庁に対する国際的な信頼を揺るがしかねない。 この法案が導入されたときに、こういう論評すら出されているのです。まさにこれが図星だったとこの間の経過は示していると思うのですね。 こういう指摘に対して、提案者はどういう見解をお持ちでしょうか。
○佐藤(剛)議員 遺憾でありますけれども、先生と意見を全く異にいたしております。(木島委員「その理由」と呼ぶ) 理由全部に一々お答えしたくないもので、一、二だけ申し上げますと、先生の関係する長野県の八十二銀行というのがあるのですが、それは再評価をしておりました。約百七十八億の再評価差額を計上いたしております。それから、八十二というのもそうですか、先生。これはまだしていないのですが、今後出てくるのじゃないかと思っております。 それから、中日新聞のお話は、見解が違いますので、私はそれに対してコメントはいたしたくないので、お許しいただきたい。
○木島委員 では、もう一つだけ指摘しておきましょう。 これは、この法が施行されて動き出した後の論評です。二〇〇〇年六月二十四日の週刊東洋経済です。「百三十社余りの企業が土地再評価により資本の積み増しを実施。が、帳簿上のカサ上げにすぎず、企業の正念場は続く。」見出しが「限界企業がすがる一度だけのモルヒネ」、こういう強烈な論評であります。先ほども答弁の中から出てきましたが、要するにこの制度を利用している企業で目立つのは、「債務超過を回避するために利用した企業群だ。」ということなんですね。そういう指摘もございます。 まともに答弁がございませんから、次の質問に移りますが、それじゃ、現に我が国の地価はどうなっているのか。委員長のお許しをいただきまして、国土庁が発表した地価公示価格の一覧表を配付させていただきましたが、我が国の地価は、九一年をピークに下がり続けております。そこで国土庁に、その後の今日までの地価の動向、変動について、ちょっとコメントをつけて御報告願います。
○河崎政府参考人 お答えをいたします。 全国の地価の動向というのを、地域ごとにさまざまな動きがございまして、なかなか端的に御説明することは難しいのでございますが、全国平均の年間変動率をもとに、九〇年を一〇〇とする指数で御説明をさせていただきたいと思います。たまたま本日、地価公示が公示をされましたので、平成十三年一月一日現在の地価公示までの動向について御説明をさせていただきます。 一九九〇年を一〇〇といたしますと、九一年に上昇した後に下落に転じておりまして、その後連続して下落をし、今日に至っているわけでございますが、平成十三年一月一日現在の指数で申し上げますと、全用途平均が六九・九、住宅地が七四・七、商業地が四六・八というふうになっております。これを下落幅で申し上げますと、それぞれ、全用途平均で約三〇%、住宅地で二五%、商業地で五三%の下落になっているという状況でございます。
○木島委員 ありがとうございました。大変な地価の下落であります。 この法律は、土地の再評価を認めるけれども、事業用地だけだというのですね。事業用の土地というのは、原則としては転売しない、その事業がきっちりと営業を続ける限り保有している土地ですね。その部分だけ再評価を認める。そして、事業用の土地ではないその他の土地、転売していつでも売りに出せるような土地、それは再評価は認めないわけですね。ところが、実際には、商業地が一番下落が激しいということで、問題がさらに深刻になるのじゃないかと思います。 そこで、法務省にお聞きしたいのですが、ごらんのように、二〇〇一年は九〇年や九一年に比べて商業地の地価は半分以下に下落しております。この法律は、再評価差額金の三分の二までは自己株消却に使えるとしております。そこで質問なんですが、これは仮定の質問ですが、自己株消却に使えるものを使い切ってしまったとして、残った再評価差額金よりさらに現実の地価が下がってしまったような場合、これは理論的には想定されるわけですが、そうした場合には会計処理というのはどうされるのでしょうか。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。 土地再評価法上は、土地の再評価をした後に土地の価格が下落した場合であっても、原則として評価後の価格を修正することはできないというふうに承知しております。ただ、商法の建前がございまして、商法三十四条の二号という規定がございますけれども、土地の価格が著しく下落して予測することができない減損が生じた場合、この場合には相当の減額をしなければならないとされております。この土地再評価法も、再評価後にこの規定の適用がされる場合があり得ることを予定しておりまして、この規定に基づいて減損処理がされ、相当の減額がされた場合には、積み立てた再評価差額金を取り崩すべきことを規定しております。これは八条の二項でございます。 先ほど委員の方から御指摘ございまして、消却を終わった後、それを上回る減損が生じたという場合どうかという御質問だと思いますけれども、それに関しましては、満たない不足の分、これは当期の損失として損益計算書に計上されることになる、こういうことでございます。
○木島委員 そうしますと、そういう事態が生じたときには当期の損失として損益計算書をいじる、要するに税金を返してもらうということだと思うのですね。まことにこれも御都合主義じゃないでしょうか。 含み益を表に出して、再評価差額金を表に打ち出した。自分のところの企業、銀行の経営体はいい、健全状態なんですよというのを見せたときは損益計算書はいじらないわけですよ。貸借対照表だけがいじられるのですね。それで税金がかからないのだそうですから、利益を表に出したときだけは税金を全然取られないで、そして、思いのほか土地が下落してしまって資本の欠損が生じたというような場合には、今度は損益計算書の方がいじられて、差額金を取り崩して、払った税金も返してもらう。まことにこの会計のやり方、税務のやり方は御都合主義じゃないでしょうか。どう思います。
○佐藤(剛)議員 委員と意見が違うのじゃないかと思うのですが、むしろ、御都合主義をなくすために商法三十四条というのは書いていて、予測しがたい事実、例えば神戸地震がぽんと起きた、評価したら駅前の土地がだあっとなっちゃった、それはかわいそうだ、そういうふうに委員は思われないですか。そういうふうな場合にはちゃんとこのあれをしてやりましょうという、まさしく正当なる理論で、これこそあれだと私は思います。委員のおっしゃるのは、何か委員の普通の御意見と違うような感じを持ちます。
○木島委員 そうじゃないのですよ。この土地評価法というのは、企業、銀行が取得した土地で、ずっと会計上載っている、しかし、その後土地が上がってきた、上がってきたのなら上がったところの再評価をして、貸借対照表に載せて、企業がいかに健全かということを表に見せましょう、しかし、そのときには損益計算書はいじらないで貸借対照表だけいじってやりましょう、だから税金は課税されません。 もっと専門的な皆さんが言うのは、未実現利益だから税金はかけないと言うのですよ。まだ実現されていない利益だから税金かけませんと言っておきながら、実際また地価が下がって、阪神大震災の話じゃないですよ、また地価が下がって、現に今下がっているのですよ、下がってきたときには商法がまた発動されて、今度は損益計算書がいじられて税金に連動する。税金に連動するという意味は、税金を払わないどころか、払った税金を返してもらうということですよ。だから、余りにも身勝手じゃないかということを私は言ったわけであります。もう答弁は結構です。 この法律において、再評価差額金は今言ったように未実現利益なんです。だから、これに対して法人税は課税されません。そこで、これは提出者、法務省に聞きましょう。未実現利益を原資にして、これを自己株消却に充てるなんということは、これはだれが考えたって資本充実の原則から見ておかしいのじゃないですか。
○山崎政府参考人 突然の御質問でございますけれども、この点に関しましては、消却に充てることということでございますが、それは考え方はいろいろございますが、消却に充てることによって、現にある株式、これが逆に上がっていくという評価もできるわけでございます。そのまま配当をしちゃって全部原資がなくなるという形ではないということでございまして、私ども、そこのところは資本充実の原則との関係で、いろいろな御意見はあろうかと思いますけれども、そういう関係では問題はないというふうに考えております。
○木島委員 まことにおかしな答弁だと思うのですね。 再評価差額金というのは未実現利益だと。それはあくまでも、事業用土地について、帳簿の上だけで低い取得価格から現在の高い価格に書きかえるというだけのことですよ。それで企業、銀行は一銭も金が入ってくるわけじゃないのです。しかし、帳簿上そういう形を認めてやって、差額金が出たのだからといってその三分の二を自己株消却に使う。自己株消却に使うということは、現に企業、銀行が持っているお金を使って自分の株を買い集めてそれを消し去るということでしょう。実際企業の金は出ていっているわけですよ。 ですから、先ほどの答弁によりますと、今のところわずか三社、十一億円ぐらいしか自己株消却のために使われていないということですから、そんなに影響は出ていないのでしょうけれども、もし、土地がこれからどんどん下がっていくというようなことがあったり、企業が非常に厳しくなって、あるいはいろいろな思惑から、どんどんと再評価差額金を自己株消却に使っちゃったときに、そんな事態があったらやはりゆゆしい問題であって、法務省と商法の一番大事な守るべき原則は自己資本の充実なんですよ、商法の企業会計原則の基本は自己資本の充実なんですよ。それをこういう身勝手なやり方で揺るがすような法律というのは、その面からいっても私はやはりおかしいのじゃないかというふうに思います。 最後に一点だけ。 重ねて言いますが、この法律の最も問題なところは、再評価が任意だ、やってもやらなくても勝手だということ、それから、評価基準が五つもありながらばらばらだということ、現にばらばらに利用されているということ、再評価後の地価の下落は貸借対照表に注記するだけでいい、注意書きすればいいだけで、数字の上できちんと損益とも絡んで出てくる話じゃないということなど、会計処理基準としても余りにもいいかげんだということを指摘しておきたいと思います。こんないいかげんな会計処理をやっている国は諸外国にはないと思います。 もう時間がありませんから、先ほど同僚委員から諸外国の土地再評価制度については質問もあり、一部答弁もありましたから、その点だけ指摘をいたしまして、この法案についての質問は終わらせていただきます。 次に、根抵当債権譲渡円滑化法についてお聞きをいたします。 九八年十月十六日にこの法律が制定された後、本法律の特例を利用して、根抵当権の元本が確定され、移転登記手続がされた件数、先ほども一部質問されておりましたが、改めて提出者と金融庁に、どれだけの数がこの法律によって利用されたのか、きちっとした報告を求めます。
○浦西政府参考人 お答え申し上げます。 主要十七行についての聞き取り調査の結果でございますが、根抵当権つき債権譲渡円滑化法の利用件数は、債務者数の集計で二百六十件でございます。そのうち、都市銀行が約二百三十件、長信銀、信託で約三十件となっております。
○木島委員 その根抵当権を受ける方、受け皿の方の機関であるRCC、これが受けた根抵当権つきの債権のうち、債務者の状況がどんな状況のものであるかということについての実態、それについてわかりましたら答弁願えますでしょうか。わかりますか。
○浦西政府参考人 お答え申し上げます。 RCCにつきまして、預金保険機構を通じて確認いたしましたところ、先ほども答弁ございましたが、債務者四千百六十五件のうち千百八十七先について利用されておりますが、その債務者の詳しい状況については報告を受けてございません。
○木島委員 そうですか。いや、実は私の方は報告を受けているのです。「RCC譲受債務者のうち本法を利用した債務者の状況について」というペーパーを預金保険機構から私いただいておりますので御披露しておきます。 債務者の規模別状況、大企業が一%、中小企業が五七%、個人が四二%だというのです。 二つ目に債務金額別の状況を言いますと、十億円以上の債務が四%、一億円以上が三一%、五千万円以上が一五%、一千万円以上が三七%、一千万円以下が一三%だというのです。 三番目、これが大問題のところですが、債務者の分類区分別の状況。要注意先の債務者が六%、破綻懸念先の債務者が二九%、実質破綻先の債務者が五二%、破綻先が一三%というのですね。 これは金融検査で大問題になって、国会でも大論争が行われたときでありますが、要するに、貸出先の債務者の状況を四つに区分しております。 一番完璧に破綻しているのが破綻先、これは破産申し立てがあったり、そういうところです。現実に裁判上の手続で破産処理に入っている。 実質破綻先、これは裁判上の手続にはいかないけれども、事実上破産状態。 それから第二分類と言われるグレーゾーン、破綻懸念先、これは事業をやっているのですよ、懸念はあるけれども破綻していないのですよ。そういう債務者に対する金融機関からの抵当権つき貸出金が何と二九%もRCCにこの法律を利用して送られているということをこの数字は示しておるのです。 もっと言いますと、要注意先、ほとんど金融行政上もそれなりの処理は必要ない、引当金は引き当てなくてもいいという要注意先にすぎない貸出先に対しても、六%に対してこの法律が使われて、要するに、あんたのところはもう貸し出ししませんよという通知が行って、そして同時に根抵当権が債権回収機構、サービサーなどに移転され、簡便な手続で移転登記までされてしまっている。 ですから、この数字は、いかにこの法律が乱用されているか、まじめに一生懸命頑張って、赤字で苦しいけれども、利益は上がらぬけれども、企業体として頑張っている中小零細企業に対して、こんな形で簡単にRCCなどに送られている、サービサーなどに送られているということをこれはうかがわせるものじゃないか。まさに私は、この法律がつくられたときに心配していたとおりに運用されているのではないかと懸念しておるのですが、提出者はどうでしょうか。
○杉浦議員 RCC、今は住管と合併して整理回収機構になっておりますが、そこが引き取る債権というのは、破綻金融機関の中から、破綻金融機関はたくさんあるわけですけれども、仕分けをいたしまして、一定部分を引き受ける金融機関が引き取る、その余の部分をRCCが引き取る、買い取るというふうにしておるわけでございます。詳細については松田さんの方から話していただきたいと思いますが、したがいまして、RCCがそのような、中身はいろいろあると思うのですが、不良債権的な債権を引き取るのは当然でございまして、具体的な実態については個々の実情でいろいろあると思いますけれども、だからこの法律がけしからぬとか、この債権処理システムがおかしいとかいうことは全く当たらないと思っております。
○木島委員 では、民法の基本原則について聞きます。また、不動産登記法の基本原則について聞きます。 本法は、根抵当権の元本確定について民法の特例を定めるものであります。民法とは何か。民法三百九十八条ノ二十第一項であります。その元本確定事由の中にどんなものがありますか。なぜそういう立法を民法は原則としてしているのでしょうか。簡潔に法務省に答弁願います。
○山崎政府参考人 民法の三百九十八条ノ二十第一項第一号が本件に関係あるかと思いますので、その点でお答えを申し上げます。 ここの一号は、「担保スベキ債権ノ範囲ノ変更、取引ノ終了其他ノ事由ニ因リ担保スベキ元本ノ生ゼザルコトト為リタルトキ」、この場合には元本が確定をするというふうに定めてございます。この中で、本法との関係で一番問題になりますのが「取引ノ終了」という概念だろうと思います。 この「取引ノ終了」は、特定の継続的取引あるいは一定の種類の取引が終了した場合というふうに一般的に言われるわけでございますが、では、どういう場合に終了するかということが、またいろいろ解釈の問題になりますけれども、これはなかなか詳しく論じたものはないわけでございますけれども、一般的には事実認定の問題であるというふうに理解をされております。 まず一番典型的なものは、取引の当事者の双方が取引の終了を主張しているとき、これは当然に終了するということになろうかと思いますが、これのみならず、当事者の一方のみが取引の終了を主張するとき、この場合にも根抵当権に関する限りにおいては「取引ノ終了」に該当すべきであるとする有力説がございまして、なかなか詳しく論じた判例も、それから解釈も余りございませんけれども……(木島委員「法務省はどうですか」と呼ぶ)法務省でございますか。これは立法趣旨としては、私もこの有力説が正しいのではないかというふうに思います。 なぜかと申し上げますと、ある当事者の一方が、もうこれ以上取引をしませんという意思が明確だという場合に、それでは、その実際上の関係から、その後本当に取引が行われるか。片一方は貸しません、片一方はもう借りたくない、こういう意思が明確な場合、そうなりますと、やはり実態として、それはもう取引が終了して、今後その取引が行われないという意思の客観的なあらわれになるだろう。そういう場合には、この不動産に関して根抵当権の担保の範囲内にはもう入れない、終わりにします、こういうことが明らかになってくるということでございますので、私どももその解釈をとりたいというふうに思っております。
○木島委員 企業にとって、銀行取引を停止させられるかどうかはまさに死活に直結する大問題なんです。民法三百九十八条ノ二十第一項第一号の解釈で、今法務省が有力説の立場に立たれたというのは、私は大問題だと思うのです。 銀行の方が一方的に取引の終了を主張したら、それで取引が終了するのだなどというふうに、確かに有力説があることは私知っていますよ、しかし、まさにそこが今日の日本の中小企業と金融との関係をめぐる大問題なのです。そして現行民法は、銀行はもうあんたとの取引を中止しますよと通知してきた、しかし、企業の方は、金融取引を切られたら破産するのですから、自分の従業員を全部首切らなければいかぬことになるわけですから、命がけでそれは銀行取引を要求するわけです。単純に、あんたとの銀行取引、やめていいですよなんていう債務者、中小企業があるはずがないのです。まさにそこが今、一番大問題になっているんですね。 法の理屈、解釈はいろいろあるでしょう。しかし、根抵当権の元本がどういう場合に確定するか、いろいろ解釈、争いがあるが、現実の世界というのはもっと深刻、複雑だと思うのです。元本確定をめぐって争われた裁判はたくさんあります。その中で二つだけ紹介しておきます。 昭和四十八年九月二十六日の福岡高裁の判決では、債務者が倒産状態にあっても元本確定事由には当たらないという判決があるのです。それから、昭和五十七年七月六日の東京地裁の判決では、会社更生の開始だけでは、銀行と債務者、企業との間の元本確定事由には当たらない、こういう判決すら、元本確定を認めるかどうかの争いの裁判の中であるのですね。もちろん、逆の判決もあります。そのぐらい、元本確定がどういうやり方で行われるかというのは、中小企業にとって死活問題だと思うのですね。 本法の三条は、その民法の大原則を変えてしまって、貸出先である金融機関の通知一本で金融取引を停止させてしまう恐るべき法律なんです。そして、根抵当権の元本を確定させてしまうのです。私は、民法の原則からいっても、こんなに債務者の利益を害することはないと思うのです。 もう時間が迫っていますから、実際に金融庁が金融機関に対してどんな指導をしているのか、通知一本で切ってもいいんだなんという指導はしていないと思うのですが、そんなことをされてはたまらぬということだけ私は述べておきたいと思います。 それでもう一つ、これは法務省に聞きます。 本法によって民事法の基本原則を変えてしまったもう一つの具体的中身ですが、根抵当権の確定の登記手続は、不動産登記法上は、根抵当権者銀行と、設定者中小企業、債務者との共同申請でなければ確定登記はできないというのが大原則です。不動産登記法は、どういう理由でそういう仕組みをとっているのでしょうか、法務省。
○杉浦議員 その前にちょっと簡単に。 木島委員のおっしゃっておることで、誤解されている面があると思うので、一言だけ申させていただきます。 先ほど挙げられた判例、私は今初めて聞いたのですけれども、恐らく金融機関が健全な場合の判例じゃないかと思うのですね。今我が国で起こっていることは、恐ろしいことは、金融機関がばたばたと破綻している。RCCもそうなんですが、その破綻した金融機関から不良債権を譲り受けて処理しておるわけで、大量に処理しなければいかぬわけであります。 根抵当権は、設定行為によって、法定事由もありますが、設定されるわけですけれども、金融機関の設定契約書の中に、債務者の破綻とかいうのは入っておっても、債権者が破綻した場合は入っていません。つまり、金融機関が破綻するということは前提としていなかったわけです。その金融機関がばたばた破綻し始めた。破綻し始めた金融機関の債権を回収しなければならぬ。その場合に、債権譲渡するのに確定しなければならぬ、登記しなければならない、譲渡できないということですから、緊急の臨時措置を定めたわけでございまして、そこのところは誤解されているように思います。
○山崎政府参考人 不動産登記の問題について御質問でございます。 不動産登記法におきましては、確かに委員御指摘のとおり、確定の登記は共同申請で行われるということでございます。不動産登記法は、もう委員御案内だと思いますけれども、そもそもその登記の真正を担保するということから、原則共同申請の手続を採用しているところでございます。例外はもちろんございます。裁判のように、公のところで公証された場合は単独申請でもできるシステムをとっているわけでございます。 この法律におきましてどういうことになるかということでございますけれども、これは、この三条によりますと、当事者の一方による通知をもって確定させるということにしております。確定したこと自体は、その添付資料によって客観的に明確になるわけでございます。いわば、配達証明つきの内容証明郵便等を使えば確実なものでございます。これをその添付資料とされることによりまして、私どもとしては、登記の真正が客観的に担保されているというふうに見ることができるわけでございます。 したがいまして、この場合におきましては、共同申請による必要もないということが出てまいりますし、また、債務者の利益を害するかどうかという問題も、この債権についてはもうこれ以上担保しないということでございまして、通常の手続では登記権利者と義務者というものが出てくるわけでございますけれども、この場合には、根抵当権の設定者の方が登記権利者、利益を受ける者だというふうに扱われておりまして、逆に抵当権者の方が義務者だというふうに扱われておりますので、そういうことから、単独申請をするということもあながち不合理なことではないというふうに理解をしております。
○木島委員 杉浦提案者からお話がありましたが、今日の日本の法体制は、健全な金融機関が貸出先に対する債権を債権回収機構やサービサーなどにどんどんと債権譲渡してもいいんだということになってしまっているのですよ。そして、まさにそこが問題なんですね。そこのところだけは指摘しておきたいと思います。 最後に、民事局長から、不動産登記手続の債権者、債務者の理屈がありました。法律上の理屈はそうです。しかし、現実には、銀行が債務者、中小企業に対する貸し出しを通知だけで打ち切ってしまう、それで元本を確定してしまう、そして債権譲渡をする、それが登記までされてしまう、そして債権回収機構に譲り渡されてしまう。そうすると、債権回収機構は抵当権競売をどんどんやれるのです。 そういう形で、現に生きている、破綻していない健全な中小企業までが、金融機関の一方的な、みずからの自己資本比率を高めるためでしょうか、そういう思惑でどんどんと中小企業を切り捨てることにこの法律は使われることになるということを指摘して、最後に、二十日ですか、森総理がブッシュ大統領と、不良債権早期処理を約束してきた。そして、それを受けて、いよいよ直接償却を強硬にやろうという動きが与党と政府によって強まっている。これがやられたら、私は、日本の経済を支えている中小企業は大変な事態になる、中小企業を守るという立場から、乱暴な直接償却は断じてやらせるわけにいかないということを指摘し、そのためにこの法律が悪用されてはならぬということを申し述べ、そのために、私どもはこの法案には反対だ、速やかに廃止されるべき法案だということを最後に主張いたしまして、質問を終わります。
○保利委員長 次に、植田至紀君。
○植田委員 社会民主党・市民連合の植田至紀です。 土地再評価法について、まずお伺いしたいわけです。 かなりたくさんの質問項目を事前に通告しておるのですけれども、私ども、三十分ぐらいの時間をもらいますと、おおむね一時間から一時間半分ぐらいの質問項目を用意しないことには、大体論点が共通するところがございますので、きょうも話を聞いておりますと、佐々木先生また中塚先生等々から、私が通告した中身についてかなり突っ込んで聞かれておりましたので、ややダブる部分はあるかと思います。できるだけその辺を避けながらやっていきたいと思いますので、お手数はおかけいたしましたけれども、そういうことでよろしくお願いいたします。 最初にこの法案が出された当時、私は社民党の政策審議会で政策担当をしておったのですが、たまさかその当時はこの担当はしておらなかったので、詳細は承知しておらなかったのですが、もう一度改めて調べますと、うちの社民党も、最初に出された九八年当時は提案者に加わっているということでございます。当然ながら、さまざまな情勢の変化等々もあろうかと思いますけれども、そうした提案者であったということについてはきちんと重く受けとめた上で、若干の疑問についてお教えいただければと思います。ですから、我々としては、野に下ったから、この法案について重箱の隅をほじくるように殊さらに因縁をつけるなどというようなことは避けることがやはり真摯な態度かとは思っておるところでございます。 さて、それで、銀行協会が出しております平成十二年度のいわゆる全国銀行中間財務諸表分析というのを昨晩もちょっと見ておりましたら、都市銀行では、大和を除いてほぼ全行が土地の再評価を既に実施しているということもございますし、また、地方銀行、第二地銀でも、ほとんどがもう既に実施している。そういうことであれば、当初の、そもそもの法律の目的であった金融の円滑化ということについては、この法律の枠組みの中ではその目的をほぼ達成しているんじゃないかというふうに思うわけです。 とすると、今回の延長される主たる理由というのは、延長というよりはむしろ本法の適用を受ける法人の拡大の方により主たる目的があるのかなと私は理解するんですけれども、まずその点についてはいかがでしょうか。
○佐藤(剛)議員 先生の、議員の私どもと同じ真摯な態度によろしく感謝を申しながらお礼を申し上げます。 私も要点を挙げて説明させていただきます。 今おっしゃられました目的の中の一つの、いわゆる金融の円滑化という当時の状況で、私説明申し上げましたように、第一回目のときは金融機関が大半でございました。第二回目もずっと続いて、今日、先ほど申し上げましたが、百十いっております。そこは地方銀行も相当いっております。 それで、私も、まだ実施されていない地方銀行についてどのぐらいあるのかなといって、六十四ぐらい残っているんですが、それをかなり調べさせました。それでやっておりますと、みちのくとか青森とか北海道とか山梨中央とか中国とか近畿大阪とか京都とか、二十一行は、機会があればやろうと。ですから、そういうことは十分予想されるんじゃないか。 それから、この対象の中で、先ほども申し上げましたが、信用金庫、信用組合の関係。信用金庫は約四百弱あるわけでありますし、また信用組合が三百弱あるわけであります。今後の状況でございますが、株が下がることによって、地方で国際的な取引をやられるという場合には自己資本の四%というのがかぶってくるわけでありますから、そういうようなものでどうしても自己資本比率を上げていくというようなものは、私は、信用金庫、信用組合についても出てくるんじゃないかと思っているわけでございます。 目的はそういう意味において続いていると同時に、最近の状況は、事業会社が、例えば町の中にある繊維会社なんというのは、日本は繊維の主流でございましたから、簡単に言うと、養蚕関係から蚕糸から製糸から、安い土地だったのを持っている会社が、これも結構使っているのですけれども、ございますし、あるいは自動車関係でもまだあります。こういうのに使えるのかということが、特に企業会計、企業ビッグバンとまで申しませんけれども、年金関係の実施によりまして、積立金不足というようなものをディスクローズしなきゃいけない、そういうような形が出てきますので、相当の資金需要というのは潜在的にあると私は確信いたしているところでございます。
○植田委員 潜在的にあるという後者の御答弁についてはそういうことでございましたけれども、対象法人の拡大の理由等々については、もう既に質疑がありましたので飛ばしますけれども、ただ、一般事業会社がやはり土地の再評価に対しては、冷淡なところも、必ずしも余りメリットがないということもお伺いはするわけです。 というのは、自己資本比率が重要になってくる金融機関はともかくとしても、特に多額の不良債権、欠損を抱える企業はともかくとしても、会計上の操作だけですから、実際のところ、一般事業会社にどういったメリットが見出せるのかというのは、私自身、素人目に見て、素朴な疑問としてあるわけです。実際、現行でも対象会社が六千社近くあるんですが、先ほどの質疑の中でも、現段階では全体でも二百二十社弱ぐらいということですので、この対象を拡大するということのメリットというか、使い勝手というか、その点についてもう少しお聞かせ願えませんでしょうか。
○佐藤(剛)議員 議員のおっしゃる既存の大会社、資本金が五億円以上、それから債務が二百億円以上。計数で言うと潜在企業で八千ぐらいあるんでございますが、そのうち百十ぐらい使っておると。これを多いと見るか小さいと見るか。先ほど申し上げたが、再評価についてアバウト二兆円ある。そういうものの評価というものにプラスして、今、業界から、私も対象に潜在的に入れてくれないかと。 例えばマザーズというのがあります。これは平成十一年の末にでき上がったものでございまして、これはきょう現在三十社ちょっとぐらいでございます。いわゆる大会社以外といいますか、ソフトブレーンだとかテクノロジーとか、かなりいろいろな会社があります。そういう意味では、将来の潜在需要でありますし、大阪証券取引所というのがありますが、これは平成十年に開設しまして、資本金二億円以上の会社を入れているんであります。 御承知のように、中小企業の基本法で、中小企業性というのは、従来の製造業の一億というのが変更がありました。それから卸について、三千万円を一億まで上げました。それから小売について、一千万円を五千万円まで上げました。 そんなような形の状況を見ますと、大阪証券の資本金二億円以上、いわゆる中堅企業、これは数が少ないですが、そういうようなものも対象になりますし、また、去年できましたナスダック・ジャパンというのがありますが、これは時価総額が五億円以上の会社を対象にしています。上場会社が、今、五十社ぐらいのものがあります。これは、今の定義では対象にならないようなものがやっている会社でございまして、これは名前を言うのは適当じゃないでしょうが、お許しいただきたいと思いますけれども、数社、そうなりたいというような会社の例を見ますと、証券取引法に基づいて公認会計士の監査が義務づいている、それは、先ほども言いましたように二重管理しなきゃいかぬですから、七年間、当時の簿価と新しくやったときの評価のものが残っていなきゃいかぬですから、やはり公認会計士を通しているような形がどうしても必要なんじゃないか。 余り小さなところのものはちょっと無理だろうというようなことを入れますと、そういう上場、店頭登録、今の三つについては一つの例でございますが、そういうものを入れますと、約四百社ぐらいは潜在的に、今のものが八千の二百ですが、今度は四百が対象になるのじゃないかと思っているわけでございます。 そんな意味で、基準はあくまでも公認会計士を通るということと、それから、できるだけ将来の発展のある、単に中小企業の定義だけで外されちゃうような企業もこの中で救ってあげる、こういう意味でございます。御了承いただきたい。
○植田委員 もう先生に、法律の質疑をする前に、事前に懇切にレクを聞いておけばよかったなと。今、非常によくわかりました。ありがとうございました。 時間が足りませんので、ちょっと早口でやらせていただきますが、もう一つ、本法の目的の一つに「企業経営の健全性の向上に寄与する」というのがございました。これも素朴な話なんですけれども、単に帳簿上の操作で自己資本比率を上げるということであれば、逆に経営健全化の自助努力をおくらせたり先送りしないだろうか、こういう疑問はあるかと思うんですよ。その点については簡単で結構ですので、お願いできますでしょうか。
○佐藤(剛)議員 委員の御質問というのは、非常に難しい質問なんですが、結局、帳簿上の操作で自己資本比率を上げることを認めると、逆に経営の自助努力を停滞しちゃって先送りする、そういうことをおっしゃられていると私は理解しているわけでございます。 この自己資本というのは、結局、資本の中の、国家でいいますと皇居のようなところでございまして、その皇居の外に第一堀、第二堀がある。そこのところの中に資本準備金があり、その他の剰余金があるというような形でやってきていて、それで、株式消却というのは、先ほど御質問があったんですけれども、資本準備金も取り崩しながら資本をふやすというようなところもやっておるわけですね、資本充実の原則に反するんじゃないかということをお話ししていましたけれども。そういう商法の有限責任の理論と資本充実の原則もあるが、経済事情の中において、こういうものについて特例を来年の三月まで適用せられている。 こういうようなことをいろいろ考えていきますと、やはり各金融機関については、今後とも、経営の自主的努力の中でいろいろと充実を図っていただいて、こういう御時世で株がどうしても、今の分子のところが下がりますから、買っている株が含み損になるわけですから、これを補うためのあらゆる施策をこれから講じていかなきゃいけないんじゃないか、このように解しておるわけです。
○植田委員 ちょっと話は変わるんですけれども、この法律はいわば一回限りの、ある種、徳政令のようなものだと私は思いますけれども、当然その後の再評価は想定されていないわけですが、私自身としては、この会計原則というのは本来的には企業経営の健全化、透明性を確保するために存在するわけですから、特例ということではなしに、本来商法や税法の本則でやるべきではないかというふうに思っているところなんですが、まずその点だけお伺いします。
○佐藤(剛)議員 時価方式を原則にすべきかどうかですが、私は、企業会計というのは国際的な観点で見なければいけないと思っています。有価証券初め営業資産についての時価評価というのも、これは国際関係がある。年金関係もそうである、それから連結の財務諸表、親だの子供だのをどう見るかというのも国際的なもの。そういうふうにしませんと、やはり日本の資本市場、取引市場、株式市場というのは信認を得ないわけでありますので、一つの見なきゃいかぬものでありますが、例えば英国を見ても、ドイツを見ても、ヨーロッパを見ても、土地についてはやはり原価なんですね。そして、日本の商法の原則も取得価額という原価主義であります。戦後、土地については、昭和二十五年に資産再評価法というのができて、二十六年、それから二十七年が飛んで二十八年、二十九年と、戦後五回やっています。ハイパーインフレーションの防止のときにやっていますが、そういうことで、原則というのを国際的な観点で眺めていくと、やはりここを臨時的なものにするか、しかし、先生おっしゃるように、国際的な観点で出てくる、BISもそうしろというような動きが出れば、私は将来十分ある話だと思っておりますし、そのような形に日本も対応すべきだと考えるわけであります。
○植田委員 今も提案者の方からかつての資産再評価法の話もございましたけれども、この当時、いわゆる再評価の対象資産にかかわっては、事業用の土地だけではなくて資産一般についての再評価が行われたわけですよね。 ですから、私は若干これは疑問に思いますのは、本法みたいに、資産の一部を時価で、一部を原価でということになっちゃうと、企業の実態開示の面からやはり疑問の余地があるんじゃないかということと、もう一点、時価評価は任意でございますので、取得原価を守っている企業と時価を採択する企業の財務諸表が混在するということになると、やはりそれの客体的な比較可能性と申しますか、それが損なわれるんじゃないかと思うわけです。 今のお話でも伺いましたけれども、例えば今後、この法律の枠組みは一回限りのもの、臨時的なものだということは十分承知しながらも、企業実態の透明性であるとか財務諸表の比較可能性というものを高めるという観点から、やはりすべての資産を時価評価すべきときが来るんじゃないかと思うので、ちょっと答弁がダブるかもしれませんけれども、そのところだけ、この法案にかかわって伺いたいと思います。
○佐藤(剛)議員 委員のおっしゃるのは非常に重要なことです。 私は、個人的には、今度のいろいろな対策、日米の対策等をやったときに、私自身は、政治家としては、日本経済がいろいろ難病にかかっておる、財政とか金融とかいう抗生物質の効かない肺炎になっておると。抗生物質というのは財政金融政策、日銀のゼロ金利だ、そうすると次は産業政策をやらなきゃいけないと。特に日本の経済の資産デフレが残っている限り、金融機関からいえば克服しなければならない不良債権、買う方では債務超過、超債務超過であります。特に流通とか、それから建設、不動産、それをどうするかというと、産業政策に入るわけなんです。そのときに、そういう個別の、ミクロの場合には相当インテンシブケアユニットに入れなきゃいかぬと思うんですね、集中管理室に。 その意味では、日本の心臓は今、動脈瘤みたいなものが片っ方あって、肺炎があって、バイパスを通すか。これが日米の同時の株安という状況に来ているわけですから、カルテをきちんとつくって、そしてやらないといけないと私は思うし、今まで受けている抗生物質、肺炎だか結核だかわからないようなところをいろいろなことをやっておるわけですけれども、栄養剤をやったり、やっておるわけですが、そのときに、先生のおっしゃる、ミクロの場合にこれを一律にする。そして、することによって、日本の株式市場に上場している方々の帳簿というのは、コンフィデンス、信頼をかち得る。これを内外にかち得るということの場合なら、これは一律にやるべきだとか強制的にやるべきだとかいう話というのは、私は少なからず出てくると思っているわけですが、これは私見に属するわけでございまして、この点は今回の法律の改正の部分の中に十分検討するあれもできませんでした。しかしながら、この問題は非常に重要な先生の課題じゃないかなと思っているわけであります。
○植田委員 私見ということでございますけれども、今後の検討課題ということで御答弁いただきました。 この法案にかかわって、最後、もう一点だけ再評価時における課税についてやはりお伺いしたいんですけれども、先ほども、五回にわたって、かつて、もうかなり昔のことですけれども資産再評価が行われたということがありましたが、このときは全部再評価課税というのが課せられていたと伺っております。資産再評価法では六%、資本充実法では三%、中小企業再評価法では一・五%の税率だったというふうに聞いておるんですが、諸外国の、フランスなんかの例も見ますと、やはり、再評価差額金というのが貸借対照表の資本の部に計上される等々、再評価時の課税対象となっているということも、間違いがなければそういうことを聞いておるところです。 ですから、やはり、そうした事例であるとか、フランスにおける例えば再評価時における課税ということも踏まえて、その点についての御見解をお伺いして、次の根抵当の方に移りたいと思います。
○佐藤(剛)議員 委員は非常によくお調べになっておりまして、私もいろいろ調べてみたんですが、日本の商法の資産再評価法というのは、二十五年、二十六年、二十七年が飛んで二十八、二十九という五つのときをやって、三十二年に、一律に強制的にやるのですね、そして処理をする。ハイパーインフレーションの戦後処理の問題だろうと私は思います。その形の中でやっております。 今委員が御指摘のように、国によりましては、フランスの再評価益というのは課税されています。それから、イギリス等においては、再評価時は非課税であります、売却したときに課税となるというふうな形でございまして、そこら辺は個別の状況じゃないかと思います。 日本の場合には、日本流の資産譲渡におきます課税の特例とかというふうなものがそれぞれの法律の中に置かれているということだろうと思います。法人税法二十五条、三十三条、これは、再評価後も再評価前の帳簿価額が引き継がれまして、再評価時の課税が行われないことになっておる。したがいまして、帳簿に載っておるわけですが、いついつどきにやったと脚注がついているわけですが、将来、再評価を行った土地を売却して処分した場合に、その時点で、再評価前の帳簿価額、脚注がついているところを、注記しているところをもとにした譲渡所得にして課税するということになっておりまして、いわばそれぞれの地域、それぞれの国の、日本にもあったわけですから、それぞれの経済状況、それぞれの政策、それぞれの立法政策ではないかと思っておるわけでございます。
○植田委員 時間がございませんので次に移りますので、今のお話を承って、まだ今後の課題ということにさせていただきたいと思います。 次に、根抵当にかかわってでございますけれども、松田理事長お越しですので、まず初歩的な話でございますが、本法、三年がたったわけですけれども、その使い勝手はどうだったのか。 言ってみれば、本法の効果なり評価なりということと、今回それでもってまた引き続き延長されなければならない現状認識、及び、もしされなかった場合大変なことになるという御認識なのだろうと思いますので、引き続きこの法律の延長が要請される理由について、まず簡単にお伺いしたいと思います。
○松田参考人 実際の利用状況でございますが、全体像は把握できる立場にございませんので、破綻金融機関から譲り受けて整理回収機構で利用させていただいておる状況について、まずお話をさせていただきます。 譲り受けました債務者の中の約三割、二八・五%というものについて、取引終了通知を使った本制度を利用させていただいている、そういう現状にございます。 この法律ができまして私どもが得ているメリットと申しますか、効果としましては、当然のことながら、金融機関が抱えている不良債権の、これは根抵当で担保されている債権の全額の売却というスタイルでございますので、これは直接償却そのものでございますから、金融機関がお持ちになっている不良債権の処理について、金融機関に迅速で大量の処理を促す、そういう契機、それからオフバランス化を進める、促進するというメリット、それがございます。 ただ、私どもが直接担当いたしておりますのは、その銀行、金融機関が破綻した場合、それが私どもの守備範囲でございますので、その面から申し上げますと、まず、本制度によりまして、本来であれば、債務者が異議を申し立てた場合に、元本確定の訴訟を起こさなければいけません。それにかかる月日がありますし、それからコストがかかります。そのコストにつきましては、資金援助をする預金保険機構から、公的資金から出さなきゃいけない部分がございますので、その面のコストの軽減がまず一つございます。 それから、これを受けて回収するときには、迅速に債権及び担保の根抵当権が来ますので、迅速に、早期の回収に着手することができる、それで資産の劣化を防止することができる、そういうメリットがございます。 なお、私ども、公表しておりますだけの、三十三の金融機関の破綻処理を現在行っております。これにつきましては、相当数の同じようなケースが出ることが予想されますので、引き続き、何とぞ御延長いただきたい、このように思っております。
○植田委員 最後になりますけれども、この根抵当にかかわって、提案者の方にお伺いしたいのです。 金融機関等の定義にかかわってなのですが、この根抵当権に関する規定が導入されてからかなり経ておるわけでございます。また、いわゆるメーンバンク制度というものもその性格が変化してきているという中で、導入された当初からすると、金融取引をめぐる環境がかなり変貌を遂げてきている、そういう状況にあると思います。また、そういう意味からすれば、抵当権の処分であるとか譲渡等々、各種の変更についての規定をこれまで以上に充実させなければあかんと思うわけなんです。 その際に、現在、いわゆる外国証券会社であるとか外国銀行の在日支店というものは、現行法上は金融機関等の定義に含まれないわけなんですけれども、そうした状況を踏まえて、そうしたところまで定義を拡大していく必要というものがそろそろ出てきているのじゃないかというふうに思うわけなんです。その点について、御見解をお伺いしたいと思います。
○杉浦議員 お答えいたします。 現時点では、外国銀行の日本支店とかそういうものは入る余地はございません。ただ、外資系の会社であっても、日本に本店、本社があって、預金保険料を払っておられる、預保に入っておられる金融機関は対象になりますが、現時点ではないように聞いております。 もちろん、この法律、このシステムは、我が国の金融システムの安定という観点から、我が国の金融機関の有する不良債権の処理を迅速にやろうという趣旨で設けたわけでございますので、入れなかったわけでございますが、入れるべきではないかというお考えもあることは承知しております。もし入れるとすれば、外国銀行の支店が有する債権を対象とするのが適当かどうか慎重に検討する必要があるのじゃないか、あるいは預保の改正も必要になってくると思いますが、慎重に検討する必要があると私は思っております。
○植田委員 終わります。
○保利委員長 次に、吉野正芳君。
○吉野委員 自由民主党の吉野正芳でございます。 質問、最後であります。ですから、各先輩議員の方々がいろいろな形で質問いたしておりますので、重複する部分があるかもしれませんので、御了承願いたいと思います。 まず、土地再評価法が生まれた経緯、これは、佐藤先生、前の方の質問でお答えになったように、拓銀そして山一、あの辺がつぶれた中でのいわゆる銀行・金融パニックが起きた、そこで、貸し渋りを正そうという形で、この土地再評価法が生まれたというふうに私は理解をしております。 昔は金本位制でありましたけれども、まさに今の日本経済は土地本位制であると思います。その土地本位制の一番大切な土地が、デフレによってかなり価格が下落をし、そこに信用力をつけていた銀行が不良債権を抱えることになる。その裏は、企業にとってみれば債務超過。不良債権問題と債務超過というもの、これは全く表裏一体でありまして、そういうどうにもならないところに至った。その中での土地再評価法を行い、そしてBIS規制で自己資本の充実を図る、四五%のいわゆる含み益がカウントされるということでこれがつくられたと思うのですけれども、実感として、貸し渋り対策になったのかなというのが私の持つ正直な印象なんです。 先ほど来から、かなりの金融機関が実施をしたということでありますので、その辺、先生の再度の御答弁を願いたいと思います。
○佐藤(剛)議員 吉野先生は、私と同じくふるさとは福島でございますし、本当に御活躍に敬意を表するところでございます。こういう機会に、議員立法の提案者であります私が実務家である吉野先生に御答弁するというのは、これも縁かなと思いながらお聞きいたしておりました。 十分な答弁ができるかどうかわかりませんが、この資産再評価法のできたときというのは、ちょうど公的資金を導入しなければならないような、人間の体でいいますと第一次心筋梗塞を起こしたときであります。第一次心筋梗塞を起こして、それから第二回目の心筋梗塞を起こしたわけでありまして、今、第三次の心筋梗塞を起こさないようにしないといかぬのじゃないかと私は思っているわけであります。 その意味はどういうことかといいますと、第二次大戦になったときに、日本の資産というのは大変なくなったわけですね。満鉄を初め、対外的な資産も皆放棄する、国外に放棄する。言うならば、金融機関じゃなくて、国が非常に大きな債務を負った。それは、国民との関係で預金封鎖までやるわけですね。それで、一定の時期に切りかえるというふうなことをやって抜け切ったということをよく勉強すべきである。最近立派な本を出された渡辺喜美先生がおられますから、ぜひその名著を読んでいただきたいと私は思いますが、反資産デフレの大綱というものであります。 私は渡辺喜美先生と認識は同じでありまして、ここにおられます塩崎先生も同じような認識を持っているわけでありますが、日本の今日の状況というのは、神戸の大震災でなくなったような話ではない、それから関東大震災の状況のような衝撃でもない、もっとひどい。さらに言うなら、資産的に言いますと、簡単に言いますと、GDPをアバウト五百兆としまして、その五百兆の三倍の千五百兆で、土地本位でできていたアバウト二千四、五百兆のバランスシートから千兆が消えちゃったわけであります。千兆といいますと、大体一九八五年の、十五年前の土地の価格でございますよ。そのぐらいになってしまった。ほかに、今度は株が千二百兆ぐらいありましたかね、九〇年に。それがぼんと今半分ぐらいになって、六百兆ぐらいになっておるんじゃないかと思います。 いろいろな計算があるんですが、相当粗っぽいものが、帳簿上のバランスシートに受けた衝撃は、原爆で広島だ、長崎だぐらいの話じゃないというのが私の認識なんですよ。 しかしながら、名医と自称するケインジアン、マネタリアンは、官僚、日銀も含めて、抗生物質が効かない肺炎にいろいろ栄養剤を入れたり輸血したりしている。時々よくなったりしていますけれども、実際にやらなきゃならない仕事は、債務超過対策というもので、これは調べてみますと、非製造業なんというのは倍ですよ。ですから、これを治さなければ、幾らやっても日本というのはストックデフレ経済から出られないと思います。 それと逆の話が金融機関の不良債権の問題です。このたびの日米の首脳が、この問題について一番重点的に取り上げた。恐らく、日本に、とばっちりを飛ばすなよと言ったのがブッシュ大統領じゃないのかなと思いますけれども、私はいませんでしたから知りませんが、辛いうちに何とかというのが新聞には出ていましたね。薬は辛いうちに飲んだ方がいいんだとかなんとか出ていましたけれども、そういうふうなことじゃないかと思います。 心臓に動脈瘤があるのですよ。肺炎の上に、心臓に動脈瘤があるのだから、そこのところの動脈瘤手術を、バイパスを通すのか、インテンシブケアユニットで集中管理して放射線をやって手術をするのか。債務超過になっている企業のこの部分をきちんとやらないと、これは動かない。そのためにやらなきゃいけない金融政策は、デフレが消えるまではゼロ金利をやらなきゃいかぬということを、私は他日、財務金融委員会でも日銀総裁に申し上げた。それから、資本の増加もやらなきゃいかぬ。 このBIS基準という、先ほど御説明してお手元にお配りしました、八%以上をやらないと国際的に銀行が取引できないということの基準が入っちゃって、その中の分子に株の含み益が入っているからふうふう言っているわけですよ。何で株の含み益を入れたのかといったら、これは日本が頼んで入れてもらったと言うんだから。あのときは三万八千円ぐらいのダウだったわけです。五万円になるんじゃないかと思った。今アメリカがちょうど下がっていますから、そういう意味で、きちんと日米で、むしろBIS基準を直そうじゃないかぐらいやってもいいんじゃないかと私は思っております、提案者の中の一人としまして。 それほどの問題意識を持って本件に取り組んでいるわけでありまして、これは余り使われなかったんじゃないですかと言われると情けない話であります。これだけでやっているんじゃない。公的資金もやった。それから先ほどの、分母のところのリスクアセットを増大しないように、福島県の信用保証協会に保証させて、無担保五千万の保証をさせて、三十兆円、二十六兆円ぐらい使っていますが、そういうふうな制度もやる。いろいろなことをやっていて、今、株価対策でこの分子の部分もやっている、こういうようなことに御理解を賜りたいと思います。
○吉野委員 それで、いわゆる貸し渋りという目的は、ほとんどの銀行がやったということで目的達成、私は、第二の目的が今度は生ずるのではないのかなと思っているのです。 というのは、日米首脳会談でも、両国のいわゆる資本市場の整備というものをうたっているし、今度与党三党から出した緊急経済対策の中でも証券市場の活性化というところが出されております。特に緊急対策の中では、投資家が株を買いたい、そういう投資意欲を持たせるような証券税制の改正とか、そしてまた株価をある程度維持するための郵貯の活用とか、民間資本による株式の買い取りとか、そういう部分は対策の中に盛り込まれているのですけれども、資本市場というものの整備の中で一番大切なことは、やはり企業それぞれの持っている情報をいかに透明に投資家に知らしめるか、そこにあるんじゃないのかと私は思っているのです。いわゆるディスクロージャーであります。 そういう意味で、先ほど先生もお答えになりましたけれども、企業会計基準というのはかなり国際化しています。そういう中で、ことしの二月の末に、仮称でありますけれども、財団法人財務会計基準機構というのを、公認会計士協会そして経団連、民間十団体を中心に、七月をめどに設立をしていく、そしてその機構のもとに企業会計基準委員会という全く独立性を保った委員会をつくって、そして、いわゆる国際会計基準委員会、これは世界の統一基準をつくっているところですけれども、そこともコミュニケーションをしながら、日本の企業会計基準も民間で、官主導でなくて民間でつくっていこうという動きが芽生えております。 私は、日本の企業会計基準も、まさに国際化の時代でありますので、今までは企業会計審議会、いわゆる官主導のところから企業会計基準というのをつくっていたのですけれども、やはり国際的に民間主導の機構のもとで議論される企業会計基準という部分を育てていくべきなのではないのかなと思っているのですけれども、その動きについての考え方、そしてどういう形でバックアップしていきたいのか、そんなところをお聞かせ願いたいと思います。
○保利委員長 佐藤議員に申し上げます。 時間が限られておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○佐藤(剛)議員 吉野先生とあれしているので、少々長くなってしまって申しわけございません。 しかし、今先生の御指摘の企業会計問題は、すごく重要な問題なんですね。 株価対策をやっていて、何のために株をやっているのかというと、内外の投資家ですね、個人でいえば、個人の金融資産千三百兆とか千四百兆とか、毎年上がっている三百三十兆円をどうするかというような問題、できるだけ証券市場に引き入れようということとともに、海外の人たちが日本の——そんなことを言うと、証券会社というのはかなり植民地的な感じであって、外国のあれが多いわけですね。それをするためにはどういう格好でやるかというと、きちんとした帳簿のディスクロージャー、トランスペアレンシーといいますか、企業の透明性、それなしには、信認ですから、出てこないだろうと思っているわけでございます。その面において、余り気がつかないことを先生は気がつかれて、非常に重要なことをおっしゃられますので、私申し上げますと、非常に重要だと思っております。 いわゆる企業ビッグバンと称して、橋本総理のころに金融ビッグバンというのが開始されて、同時に企業ビッグバンというのがなされてきた。そして、企業会計審議会というのがこうやってきまして、それで私は一つの大きなものを四つ手がけたと思っています。 それは、一つは、連結財務諸表作成のための基準の改正というのをやった、これは大きいですね。実質支配の本当の親と子で五〇%がどうかというのをやった。 それからもう一つは、有価証券等について時価でやる、これも大きいと思いますね。 それから第三が、これから企業で非常に重要な問題が出てくるのが年金会計であります。 年金会計というのは、御承知のように、積立金不足というのが相当生ずる企業がありまして、そういう意味で、特に自動車会社等、私が耳にしている限りで、積み立て不足というものをどうするか、そういう問題に今ぶつかっているわけですね。巨額な問題なんですね。この問題をきちんとやらないと、資本不足ということで債務超過になってしまう可能性がある。 これはどういうことかというと、従来の考え方というのは、やめたときに引当金で払う。それから、やめた後の企業年金というのは、そのときごとにやっていた。ところが、企業会計というのができ上がって、これは時価で、時価というか、企業会計原則ということで、働いているときの間にやったものを、労働協約の後払いだ、積み立てなさいという話になったわけでございます。 そういう意味において、例えば十五年間で積みなさい、案分でやりなさいということの問題が出てきておりまして、そういう形についてこの法律でしっかりとやるということが重要な課題である、このように考えておりますし、税効果会計というのもありますので、先生のおっしゃられている意味においての、企業会計をきちんとやって、それぞれのトランスペアレンシー、透明性を出して、そして日本の企業の財務というものをきちんと見せて、そして証券市場においてコンフィデンスを得る、信認を得るということについては全く重要なことでありまして、少々長くなりましたが、先生のお話でございますので、述べさせていただきました。
○吉野委員 懇切丁寧なる御答弁、ありがとうございます。 時間が参りました。質問通告をしていたわけでありますけれども、本当に申しわけありません、これで私の質問を終わります。
○保利委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○保利委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。木島日出夫君。
○木島委員 私は、日本共産党を代表して、土地再評価法改正案並びに根抵当権つき債権譲渡円滑化臨時措置法改正案に対する反対討論を行います。 我が党が二法案に反対する理由は、バブル期に金融機関等が生み出した不良債権の処理を、民法や商法などの諸原則を崩して、安易に、かつ効果もほとんどないのに、まじめな債務者や株主の利益を損なう方法で行うという法律を、きちんとした検証もなしに、さらに適用を拡大し、延長しようとしているからであります。 第一に、土地再評価法についてであります。 この法律は、法人所有の事業用土地の評価を、固定資産については取得価額を会計帳簿に記載するという商法の資産評価の原則に反して、時価で計上できるものとして、その再評価差益を資本に組み入れることができるようにし、さらに、前回改正でこれを自社株の消却に使えるようにしたものであります。 この法律による土地再評価措置は、十三兆円もの公的資金の投入や資本準備金を取り崩しての自社株取得、消却措置とセットで実施されたものであり、銀行等が名目上の自己資本増強を図り、自社株消却で株価対策も進めるという極めて御都合主義的なものであります。しかも、含み益の計上を認めながら、非課税にするなど、露骨な大企業優遇策と言わなければなりません。 立法の動機そのものが不純であり、銀行等を支援するための、しかも全くの一時しのぎの便宜的でこそくなものであります。 しかも、このような問題立法を、法制審議会の議も経ず、極めて短時間かつ形だけの審議で強引に成立を図ったものであり、手続的にも重大な問題があり、到底容認できません。 このような法律を、さらに対象企業を拡大し、期間を延長することは、何ら有意義な点は認められず、反対であります。 第二に、根抵当権つき債権譲渡円滑化臨時措置法改正案についてであります。 本法も、三年前の金融再生トータルプラン関連の法案の一つとして立法されましたが、民法の原則にかかわる重大な変更を加える立法であるにもかかわらず、これまた法制審議会の議を経ることもなく議員立法で成立されたものであり、問題立法と言わなければなりません。 現行民法の規定では、根抵当権の確定期日到来前もしくは当該取引終了前の元本の確定または債権の譲渡をするときは、債務者の承諾を必要としていますが、本法は、金融機関等が根抵当権の被担保債権を特定債権回収機関、すなわちRCC、整理回収機構、サービサー等に売却する場合、債務者に対し、その旨及び当該根抵当権の担保すべき元本を新たに発生させない旨を書面により通知、すなわち取引終了通知をしたときは、債務者の承諾がなくとも元本の確定があったとみなすことができるとしており、また、その元本が確定した場合の登記は、根抵当権者のみの申請ですることができるというものであります。 本法に対し、百四十三国会で我が党は、不良債権を抱えた金融機関等が責任を放棄してサービサー等に債権回収をやらせる上で、その手続を迅速に進めることを目的にしたものであり、債務者に対する一方的通知のみで元本確定、登記できるとすることは、まじめな借り手を窮地に追い込むことになりかねないとして反対しました。本改正案は、その法律の適用期間を二年間延長するものであり、我が党が賛成できないのは当然であります。 以上述べてきたように、二法案は、まじめな中小業者や国民の利益を損ない、銀行や大企業のみに奉仕する法律の延長であり、その必要性も極めて希薄な改正案であり、強く反対します。 事実上の退陣表明をしている森総理は、二十日の日米首脳会談において、銀行の不良債権を早期に処理することを約束しましたが、極めて重大であります。長引く不況のもとで、まじめに仕事をしても利益が上がらず赤字経営に陥っている中小企業を十把一からげにして不良債権として処理しろ、つまり融資を打ち切れと言っているわけでありますから、到底許すことができませんし、本法は、まさにそうした不良債権の処理を容易ならしめるものであり、到底賛成することはできないことを申し上げて、反対討論といたします。(拍手)
○保利委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○保利委員長 これより採決に入ります。 まず、大原一三君外五名提出、土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○保利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、保岡興治君外六名提出、金融機関等が有する根抵当権により担保される債権の譲渡の円滑化のための臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○保利委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○保利委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会